湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5


NAXOS(品番順)



オペラ作品 歴史的録音 日本の作曲家 ボックス・セット Naxos Japan
(日本企画)
品番順・全カタログ(上記商品以外)



※品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
NAXOS-8.570001
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第6番ヘ短調Op.80
弦楽四重奏曲第1番変ホ長調Op.12
弦楽四重奏曲第4番ホ短調Op.442
ニュージーランドSQ[エレーヌ・ポール(第1Vn、ダグラス・ベイルマン(第2Vn)、ジリアン・アンセル(Va)、ロルフ・ジェルステン(Vc)]
明るさばかりが強調されがちなメンデルスゾーン(1809-1847)の作品ですが、この弦楽四重奏曲集には、悲劇的な感情に富んだ起伏の激しい作品が多く含まれます。特に冒頭に置かれた第6番は亡くなる年(1847年)に書かれたもので、彼の良き理解者であった姉ファニーの死にショックを受けた際の悲痛な叫びが聞こえてくるかのようです。そよ風のように爽やかな第1番、感傷的な第4番との対比が楽しめるカップリングも見事な1枚です。
NAXOS-8.570002
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集第2集
カプリッチョホ短調Op.81-3
弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.13
フーガ変ホ長調Op.81-4
弦楽四重奏曲第5番変ホ長調Op.44-3
ニュージーランドSQ
エレーヌ・ポール(第1Vn)/ダグラス・ベイルマン(第2Vn)/ジリアン・アンセル(Va)/ロルフ・ジェルステン(Vc)
1830年、メンデルスゾーン(1809-1847)は高名な作曲家マルシュナーの前で、第2番となるOp.13の弦楽四重奏曲を演奏しました(作曲年代は第1番のOp.12より以前)。この曲は楽章構成やテーマの扱い方など、明らかにベートーヴェンの影響を受けていて、例えば終楽章に現れるレシタティーヴォ風の楽想は、ピアノ・ソナタ「テンペスト」や弦楽四重奏曲Op.132に酷似しているものです。第5番もこれまたベートーヴェンの作品との共通点が数多く指摘されている堅固な構成を持った大作。これらを聴くと「メンデルスゾーンの作品は何だか軽くて」などとは言えなくなってしまいます。「カプリッチョ」と「フーガ」は「4つの小品」として死後にまとめて出版されたものです。カプリッチョは1843年、フーガは1823年の作で、これは習作の弦楽四重奏曲変ホ長調の終楽章として書かれたものと言われています。
NAXOS-8.570003
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集第3集
弦楽四重奏曲第3番ニ長調Op.44-1
主題と変奏Op.81-1/スケルツォOp.81-2
弦楽四重奏曲変ホ長調
ニュージーランドSQ[レン・ポール(第1ヴァイオリン)/ダグラス・ベイルマン(第2ヴァイオリン)/ギリアン・アンセル(Va)/ロルフ・ジェルステン(Vc)]
ニュージーランドSQによるメンデルスゾーン(1809-1847)の弦楽四重奏曲、完結編です。第1集(NAXOS-8.570001)、第2集(NAXOS-8.570002)ともに高く評価されているこの曲集、今回はメインに第3番という円熟の作品を持ってくることで、またファンを増やすことでしょう。第3番のアンダンテ楽章の美しさは誰もが認めるところですが、ここでの彼らの演奏はまさに美音が滴り落ちるかの如く、耳に直接訴えかけてくるかのような説得力を有しています。14歳の時に書かれた番号なしの弦楽四重奏曲にも注目。終楽章の堂々たるフーガは、当時バッハたち先人の作品を研究し尽くした若き天才の面目躍如。まさに双葉より芳しの言葉が当てはまるのではないでしょうか。
NAXOS-8.570006(2CD)
ハルフテル:ピアノ作品集
たそがれ/陽気なマーチ/ピアノソナタ/スペイン風/あいさつ/ドゥルシネア姫のセレナーデ/キューバ風の2つの小品/前奏曲と舞曲/リカルド・ヴィニェスを悼んで/ソナタ"D・スカルラッティへのオマージュ"/秋のノクターン"ショパンの思い出"/トゥリーナへのオマージュ/モンポウへのオマージュ/R・ハルフテルへのオマージュ/乙女の組曲/ヴァレンシア〜パソドーブレ/パナデロス/ボレロとカチュチャ/子どものための3つの小品
ギレルモ・ゴンザレス(P)
マドリード出身の作曲家、エルネスト・アルフテルはドイツ系の音楽一家の家系に生まれマニュエル・デ・ファリャに師事しました。同じく作曲家のロドルフォ・アルフテルは兄、クリストバル・アルフテルは甥にあたります。このアルバムは彼の様々なピアノ曲を集めたもので、彼が敬愛したスカルラッティの影響を受けた「ピアノ・ソナタ」や、情熱的なリズムが魅力的な「ハヴァネラ」、「陽気なマーチ」、憂鬱だけどたまらなく美しい「ショパンの思い出」など、一度聴いたら忘れられない魅力的な曲ばかりです。
NAXOS-8.570008
ヴィラ=ロボス:ピアノ作品集 第5集
実用の手引き I-IX]
ソニア・ルビンスキ(P)
ブラジル民謡を素材とするピアノ曲集であり、すべてが3分に満たない小品(短いものでは約30秒の曲も!)を集めて、9つの組曲風に仕立て上げた作品集。シンプルなメロディとリズムによる素朴な音楽が、次々に現れては消えていく一枚です。
NAXOS-8.570020
シベリウス:歌曲集第2集
交響詩「フィンランディア」〜フィンランディア讃歌
フィンランド・イェガタイ大隊行進曲
朝霧にぬれて/アテネ人の歌
歌いつぶした声/祖国に〜一つの力
カレリアの運命(愛国行進曲)(世界初録音)
橋の警備兵/ウースマーの人びとの歌
まぬけな蜘蛛の歌
クレルヴォの嘆き
3人の盲目の姉妹
おいで、おいで、恋人よ(世界初録音)
組曲「恋人」〜恋人よ、どこにいるの
おばあさんの誕生日の歌(世界初録音)
偵察団の行進曲/通学路
風よ、やさしく吹け(ペソネン編曲)
わが心の歌/カリオの教会の鐘
神の祝福(世界初録音)
名誉の讃歌、こだませよ
ハンヌ・ユルム(T)、ヨウニ・ソメロ(P)
第1集(8.570019)に続く第2弾は、世界初録音の4曲を含む作品集。作品番号別に録音・収録するのではなく、リサイタル風に曲を選ぶスタイルによって個々の歌の存在に再注目。2人のフィンランド人音楽家が、シベリウスに共感を込めて描き出します。
NAXOS-8.570010
D・スカルラッティ:ピアノソナタ全集第8集
ソナタK.181/L.194/P.253/ソナタK.496/L.372/P.332/ソナタK.420/L.Supplement 2/P.352/ソナタK.466/L.118/P.501/ソナタK.441/L.Supplement 39/P.375/ソナタK.87/L.33/P.43/ソナタK.96/L.465/P.210/ソナタK.426/L.128/P.128/ソナタK.127/L.186/P.198/ソナタK.462/L.438/P.474/ソナタK.382/L.Supplement33/P.508/ソナタK.485/L.153/P.490/ソナタK.101/L.494/P.156
リ・ソヨン(P)
汲めども尽きぬ泉のようなソナタ・シリーズですが、今回はアメリカ在住で、2004年コンサート・アーティスト・ギルド国際コンクール優勝を果たした若手ピアニストによる演奏によって、13曲を収録しています。
NAXOS-8.570019
シベリウス:歌曲集第1集
夕べに/春はいそぎ過ぎゆく/初めての口づけOp.37-1/黒いばら/逢引きからもどった娘/そよげ葦Op.36-4/それは夢か/3月の雪の上のダイヤモンド/川面に漂う流木/泳げ、青い鴨/山彦/帆走/おとめが野原で歌っている/あこがれ/静かな都会/セレナード/歌/初めての口づけJS57*/熱狂*/そよげ葦JS42*/日の出*/友情の花*/6つの歌/水仙/タイスへの讃歌
ハンヌ・ユルム(T)、ヨウニ・ソメロ(P)
シリーズ第1弾は世界初録音の5曲を含む、ファン必聴の選曲。フィンランドの中堅歌手がドラマを引き出すように歌い上げ、精神的に強いシベリウス像を描き出しています。*印=世界初録音。
NAXOS-8.570025
ファーナビー:ハープシコードのためのファンタジア(全集)
フィッツウィリアム・ヴァージナル曲集 〜 ファンタジア(6/320)/同(8/323)/同(5/82)/同(4/489)/同(12/343)/同(13/347)/同(10/313)/同(9/270)/同/別れのつらさ/4声のカンツォネッタ集〜私の気持ちをわかってくれ(G. ウィルソン編曲)/同〜ああ、あわれな我が心(11/330、ファーナビー編曲)/同〜天も照覧あれ(G.ウィルソン編曲)/作者不詳(ファーナビー編曲): 特定されていないパート・ソング(7/333)/同(3/340)
グレン・ウィルソン(harpsi)
バードやギボンズの陰に隠れてはいますが、実は同等の評価を受けていたファーナビーの作品集。エリザベス朝イングランドの代表的な作曲家であり、ヴァージナル(小型のハープシコード)の作曲家として古楽ファンには、ぜひ聴いていただきたい一枚です。演奏者自身が、曲の紹介や演奏にあたっての調律・装飾音の情報などを執筆しています。
NAXOS-8.570026
トゥリーナ:ピアノ作品集 第4集
小組曲第1集、第2集、
ミニアテュール、子どもの庭
ホルディ・マソ(P)
ファリア、アルベニス、グラナドス、モンポウらと共に、スペインのピアノレパートリーに多大なる貢献を果たしたトゥリーナのピアノ作品全集第4集です。 この曲集に収録されているのは「子どものための曲集」で、トゥリーナ自身の幼い頃の思い出が反映された小組曲など優しさとユーモアに溢れた親しみやすいものばかりです。シリーズを一貫して担当しているマソの切れ味鋭い演奏も魅力です。
NAXOS-8.570027
モーツァルト:管楽合奏による「魔笛」と「ティート」
魔笛…J.ハイデンライヒ(1753-1821)による管楽合奏版
(序曲/私たちは逃げましょう/私は鳥刺し/フム・フム・フム/可愛い子よ、お入りなさい/恋を知る男たちは/何と美しい絵姿/この道はあなたを目的へと導いていく/何と言う不思議な笛の音/ああ、何と美しい音色/徳と正義が/おお、イシスとオシリスの神よ/どうしたの?どうしたの?どうしたの?/誰でも恋の喜びを知っている/再びようこそ/愛しい人よ、もうあなたにお会いできないのですか?/娘か女か、パパゲーノはどちらがほしい/パ、パ、パ、パパゲーナ)

皇帝ティートの慈悲(抜粋)…J.トリーベンゼーによる管楽合奏版
(序曲/私を喜ばせるなら/ああ、やさしく抱き合おう/行進曲/この至高な帝位のただ一つの/ああ、これまでの愛に免じて/ああ、もし皇帝の座のまわりに/どうか保たせたまえ、神々よ)
ザキソニアン・管楽アカデミー
1782年、時の皇帝ヨーゼフ2世によって設立されたウィーン王立吹奏楽団。その高度な合奏能力に触発されて、当時流行のオペラの名アリアなどが数多く編曲され、貴族たちの耳を楽しませたのです。その代表作がこれらの編曲集。美しく巧妙につくられたアンサンブルスコアは、聴く喜びだけでなく、奏でる楽しみをも促すのでしょう。どの曲も溌剌とした雰囲気がたまりません。
NAXOS-8.570028
ハンドシキン(1747-1804):ヴァイオリン・ソナタ 第1番〜第3番、
6つの古いロシアの歌*
アナスタシア・ヒトルーク(Vn)、
ドミトリ・ヤクボフスキー(va)*、
キリル・エフトゥシェンコ(vc)*
ロシアの女帝エカテリーナ2世時代に、サンクト・ペテルブルク宮廷オーケストラの楽員となり、ロシアで最初のヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾと呼ばれたハンドシキン。収録された無伴奏ソナタ3曲でもその実力は証明され、ロシア音楽にまたひとつ、新しい光が灯ったと言えるでしょう。
NAXOS-8.570031
ヴィヴァルディ:四季(ピアノ編曲版)
ヴァイオリン協奏曲Op.8「四季」(J.ビーゲルによるピアノ独奏編曲版)、
マンドリン協奏曲ハ長調RV425(A.ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
リュート協奏曲ニ長調RV93(A.ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
ジェフリー・ビーゲル(P)
最強の名曲、ヴィヴァルディ(1678-1741)の四季をピアノ独奏で全曲演奏してしまったというCDです。元々Ricordi社(イタリアの大手出版社)よりピアノ版のスコアは出版されていたのですが、この録音にあたってピアニストのビーゲルは本来のスコアを研究し、より一層的確な装飾を付けくわえたというのですから、その思い入れは並大抵なものではありません。出来上がった音を聴いてみてください。鳥の囀り、雷鳴、人々の喜び、しんしん降り積もる雪などが、驚くほどに色鮮やかに描き出されていることに気がつくでしょう。映画でおなじみのマンドリン協奏曲も、ピアノで聴くと一味違います。
NAXOS-8.570033
オルフ:カルミナ・ブラーナ マリン・オールソップ(指)
ボーンマスSO&cho、
ハイクリフ少年cho、
ボーンマス交響青年cho、
クレア・ラター(S)、トム・ランドル(T)、
マルクス・アイヒェ(Br)
米英の比較的マニアックな作品から、徐々に名曲へとシフトしてきたオールソップの録音。名実共にナクソスが期待する指揮者の一人であり、この作品でも壮大さと叙情美を兼ね備えた演奏を聴かせてくれます。2人のイギリス人歌手と1人のドイツ人歌手も、語り口が見事。同時発売の吹奏楽版(NAXOS-8.570242)と比較するのもおもしろいでしょう。
NAXOS-8.570067
シューベルト・ドイツ語歌曲全集第27集(シューベルト:ロマン派の詩人による歌曲集第4集)
アムフィアラオスD166、
合戦のさなかの祈りD171、巡礼D778a、
夕映えOp.173No.6D627、
老年の歌Op.60No.1D778、
彼女の墓D736、墓掘人の郷愁D842、
森でD708、船乗りD694、
あふれる愛D854、
生き物たちの調べOp.111No.2D395、
マリアの像D623、3人の歌手D329、
母のための挽歌D616
フロリアン・ベーシュ(Br)、
ブルクハルト・ケーリンク(P)
今回のシューベルト(1797-1828)歌曲集は、4人の作風の違う詩人たち(ケルナー、リュッケルト、シュレーゲル兄弟)の詩に付けた曲を中心に選曲しています。政治的な側面を強調するケルナー、東洋的なものへと興味を移していったリュッケルト、哲学的、審美的で理論派の詩を書くシュレーゲル兄弟・・・。これらはシューベルトが新しいリートを創造するための大きな刺激となりました。
NAXOS-8.570068
シベリウス:歴史的情景
組曲「歴史的情景」第1番、
組曲「歴史的情景」第2番
ピエターリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO
1899年、当時の帝政ロシアによる新聞への弾圧に対して企画された「新聞祭典の催し」。この時に書かれた愛国記念劇のための音楽は後に、この「歴史的情景第1番」と「フィンランディア」へと形を変えました。どちらもフィンランド人の愛国心をかきたてるものとして知られます。しかし「第2番」はその12年後に書かれたもので内容的にも音楽的にも大きなつながりは認められません。「クリスティアン2世」はシベリウス(1865-1957)の後期の書法を予感させる雄大な曲。とりわけ夜想曲の濃厚な美しさがたまりません。
NAXOS-8.570069
ラウタヴァーラ:アポテオシス〜交響曲第6番「ヴィンセンティアーナ」第4楽章の改編
マンハッタン三部作(白昼夢/悪夢/夜明け)
交響曲第8番「旅」
ピエタリ・インキネン(指)ニュージーランドSO
1980年生まれ、ヴァイオリンの腕も超一流、もちろん指揮者としても大活躍。期待の新鋭指揮者インキネンが、ナクソスでシベリウスに続いて取り組んだのがエイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-)です。中でも、本作の中心をなす交響曲第8番は、人生を交響的音楽になぞらえたというラウタヴァーラの真情がほとばしる雄大さがあります。この第8番は、2009年にインキネンの指揮で日本初演。
NAXOS-8.570073
タバコフ(1947- ):二つのフルートための協奏曲
ピアノ協奏曲
パトリック・ガロワ(Fl)、
フィリップ・ベルノール(Fl)、
ジャン=フィリップ・コラール(P)、
エミル・タバコフ(指)ビルケントSO
ブルガリア生まれのエミール・タバコフは指揮者と作曲家という二役をうまくこなしている音楽家です。2000年にフランス人フルート奏者パトリック・ガロワからの委嘱で作曲された「フルート協奏曲」は、ガロワに捧げられ、トルコ、ロシア、メキシコとブルガリアで演奏されて大成功を収めました。マラカスやタンバリン、タンブロ・ブルガロまで加えられたエキゾチックな編成の作品です。「ピアノ協奏曲」はトルコのアダナ・ロータリー・クラブの要請により、紀元前209年に創設されたトルコ軍を記念するために作曲されました。古典的な協奏曲の三楽章構成を踏襲している力作「ピアノ協奏曲」は、大編成のオーケストラのために書かれており、すでに何人かの名ピアニストを虜にしています。
NAXOS-8.570075
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲) ローラン・プティジラール(指)
ボルドー・アキテーヌ国立O、ボルドー歌劇cho、
サミュエル・コールズ(Fl)
幻想的で古代ギリシャの美を思わせるこのバレエ音楽を、克明に音を描き出した新鮮なアプローチで演奏。ワインの生産地として有名な地方のオーケストラは、まだまだ知名度が低いもののなかなかの実力派。ロマンティック・オペラ的な表現も特徴です。
NAXOS-8.57088
マリピエロ:交響曲集第3集
交響曲第6番「弦楽のための」
交響曲第5番「エコーによるコンチェルタンテ」
交響曲第8番「小交響曲」
交響曲第11番「バグパイプ
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO
第1集(8.570878)、第2集(8.570879)ともに好評なマリピエロ(1882-1973)の交響曲集、この第3集は彼の作品の中でも最も演奏頻度の高い第6番「弦楽のための」が含まれています。フランス印象派の影響を受けていると言われる彼の作品ですが、実際に聴いてみると古典的なフォルムの中に実に多彩な表現が詰め込まれていることがわかるでしょう。彼は生涯を通じて旋律の魅力を追求したため、最後の交響曲である1969年に書かれた第11番「バグパイプ」にさえも、魅力あふれるメロディが横溢しています。」MARCO POLO8.223696より移行盤。
NAXOS-8.57093
ロッシーニ:序曲全集 第3集
歌劇「マオメット2 世」序曲(1822 年 ヴェニス版)
歌劇「アルジェのイタリア女」序曲
歌劇「チェネレントラ」序

コントラバスのオブリガード付き「大序曲」
歌劇「マティルデ・ディ・シャブラン,または美女と鉄の心」序曲
歌劇「婚約手形」序曲
歌劇「タンクレディ」序曲
プラハSO
クリスティアン・ベンダ(指)

録音:2011年9月5-6日
2012年5月30-31日
有名な「チェネレントラ」を始めとした7 曲の序曲を収録。もちろん珍しい作品も含まれており、ロッシーニ好きならば感涙にむせぶこと間違いありません。冒頭の「マオメット2 世(メフメト2 世)」は1820 年の初演時には序曲はついておらず、1822 年の再演時に付け加えられたものです。他の序曲もお馴染みの作品ですが、トラック4 の「大序曲」だけは歌劇のためではなく、彼が学生時代にコントラバスのために書いた「独立した作品」です。劇的な風情と快活な表情を併せ持つ見事な転換が心地よい、いかにもロッシーニらしい音楽と言えそうです。
NAXOS-8.570094
バックス:ヴァイオリン・ソナタ 第2集
ヴァイオリン・ソナタ 第2番、
ヴァイオリンとピアノのためのバラード、

ヴァイオリン・ソナタ ト短調、
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調
ローレンス・ジャクソン(Vn)、
アシュレイ・ウェイス(P)
既発売のアルバム8.557540 で極めて印象深い演奏を聴かせたジャクソンによるバックス(1883-1953)のヴァイオリン・ソナタ第2 集です。メインとなる第2 番のソナタは第一次世界大戦に対する作曲家の懸念が表現されたもので、不安げな表情とある種の艶かしさが全曲を支配します。特に第2楽章で奇妙なワルツは、まさに「死の舞踏」とも言えましょう。「伝説」「バラード」はバックスの最盛期の作品。異国風かつ洗練されたドラマティックな作品です。1983年まで演奏されることのなかったヘ長調のソナタも聴き物です。

NAXOS-8.570109
ヴァイス:リュートのためのソナタ集第8集
ソナタ第36番/ソナタ第19番/ソナタ第34番 
ロバート・バート(バロックLute)
ジルヴィウス・レオポルト・ヴァイスが1750年(バッハの没年と同年)に亡くなったときには、ヴァイスはヨーロッパ最高のリュート奏者であり、ドイツ最高の音楽家の一人という名声につつまれていました。ヴァイスのリュート作品全集の最新巻では、舞曲の形式による三つの名作ソナタが収録されています。ソナタ第36番の第一楽章アルマンドの豪華さ、ソナタ第19番第一楽章アルマンドの途切れないメロディ、最も有名なソナタ第34番の終楽章の燃え盛るようなジーグと、表現内容は多岐に渡ります。全曲を通して、ヴァイスはリュートの響きを完全に引き出し、名人技巧を発揮させています。※ソナタのナンバリングは、「Das Erbe Deutscher Musik」の援助のもとに出版された全集楽譜によります。
NAXOS-8.570110
(2CD)
コルンゴルト:映画音楽「シー・ホーク」(ジョン・モーガンによる復元スコア)
映画音楽「愛憎の曲」(ジョン・モーガンによる復元スコア)
ウィリアム・T・ストロンバーグ(指)
モスクワSO&cho、
イリーナ・ロミシェフスカヤ(S)、
アレクサンドル・ザゴリンスキー(Vc)
没後50年を迎えたコルンゴルトですが、さらに高く評価されていいハリウッド時代の音楽。中でもエロール・フリンが主演した「シー・ホーク」の音楽は、これまで組曲などで知られてきた名作であり、その全貌がようやくおよそ120分の全曲版として蘇りました。いずれも世界初全曲録音。
NAXOS-8.570113
(2CD)
ヘンデル:オラトリオ「トビト」 ヨアヒム・カルロス・マルティニ(指)
フランクフルト・バロックO(オリジナル楽器使用)、
ユンゲ・カントライ、マイヤ・ボーグ(S)、
リンダ・ペリッロ(S)、
バーバラ・ハニガン(S)、
アリソン・ブローナー(Ms)、
クヌート・ショッホ(T)、
シュテファン・マクロード(Bs)
「ギデオン」(NAXOS-8.557312-13)、「ナバル」(NAXOS-8.555276-77)などと同様、ヘンデルの死後にジョン・クリストファー・スミスが編作したものであり、旧約聖書続編の中にある「トビト記」をベースにした作品。とはいえ素材自体はほぼヘンデルの音楽であるため、聴いていて違和感があるわけではありません。ユンゲ・カントライがこだわりをもって録音・制作した貴重な音源だと言えるでしょう。
NAXOS-8.570118
シューベルト:断章を含むピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ 第1番ホ長調
ピアノ・ソナタ 第8番嬰へ短調
ピアノ・ソナタ 嬰ハ短調 断章 D655
ピアノ・ソナタ ホ短調断章 D769a(D994)、
ピアノ・ソナタ ハ長調 D840「レリーク」
ゴットリープ・ヴァリッシュ(P)
人懐こい表情と、徹底的に暗い深淵が奇妙な具合に同居しているのがシューベルトのピアノ・ソナタです。ここに収録されているのは、彼の1 番最初のソナタと、生涯半ばの3つの極めて実験的な断片、そして遺作として出版された最後の断片です。緊張感に満ちた曲が唐突に終焉を迎える時、聴き手は見知らぬ世界に放り出されたかのような不思議な身悶えにさいなまれることでしょう。
NAXOS-8.570119
タンスマン:クラリネット室内楽曲集
クラリネットと弦楽四重奏のための音楽
クラリネット,弦楽四重奏とピアノのための6つの音楽/
クラリネット、ハープと弦楽四重奏のための3つの小品/
弦楽四重奏のための三枚折り絵
ジャン=マルク・フェッサール(Cl&バスCl)、
エリアーヌ・レイェス(P)、
フランシス・ピエール(Hp)、
エリーゼSQ
ピアノ曲やギター曲が演奏され、日本でも知名度が上がっているタンスマン。1930年に作曲された「三枚折り絵」は弦楽合奏でも演奏される名作であり、1970年代と80年代に作曲された他の3作と共に、この作曲家独特のパリ的な感性が生きています。
NAXOS-8.570123
パーシケッティ:ディヴェルティメント Op.42、
詩篇 Op.53、
コラール前奏曲「おお目に見えぬ神よ」 Op.160、
ページェント Op.59、
仮面舞踏会 Op.102、
おお涼しい谷間 Op.118、
寓話 (ポエム) Op.121
デーヴィッド・エイモス(指)
LSO響の管楽器奏者たち
Harmonia Mundiから既発売の音源(1993年録音)を移行発売。吹奏楽ファン、管楽アンサンブル・ファンにはおなじみの作曲家による、魅力たっぷりの作品集。吹奏楽シーンでは有名なエイモスの指揮、響きが美しいロンドン響の管楽セクションという、理想的な演奏者による名演です。
NAXOS-8.570135
グエッラの写本第1集
序奏/聞いて、聞く
イダルゴ(1614-1685):愛しているのは誰?
痛みが増して/高く飛びあがれ
マリン(1619-1699):影への執着/厳しさから目をそむける/疲弊した創造力/気をつけて、不注意だから
イダルゴ(1612-1685):魚、獣、鳥/礼拝の栄光/イダルゴ:これは誰ですか?
イダルゴ:愛の壊れる先/信用は私への礼儀
マリン:私を殺せば私は死ぬ
イザベル・モナール(S)
マニュエル・ヴィラス(スペイン・バロック・ハープ)
最近発見されたばかりの、17世紀の後半にマドリッドで編纂されたグエッラの写本です。ミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)は1677年から王宮の礼拝堂の書記を務めた人で、この写本は当時流行していた歌を丹念に集めたもの。2人の音楽学者トレントとアルバレスによって発見され1998年に公表されました。スペイン王室、貴族、上流階級の作曲をたしなむ文化人たちによる100余りの小品集で、当時のスペインの音楽を肌で感じることができる興味深いものです。ほとんどは作曲家不詳ですが、中にはサルスエラの大家フアン・イダルゴや、ホセ・マリンなど作曲家名を特定できるものも含まれています。イザベル・モナールの表情豊かな歌に圧倒されます。
NAXOS-8.570136
ロースソーン(1905-1971):2つのヴァイオリンのための主題と変奏
弦楽四重奏曲第1番(主題と変奏)
弦楽四重奏曲第2番/弦楽四重奏曲第3番
マッジーニQ
1930年代から60年代にかけて作曲されたこの4作品はロースソーンの進化の足跡でもあり、これまでリリースされた多くの作品と比較してもテクニックが集約された要になるような存在。ブリテン、ベルク、シマノフスキなどさまざまな作曲家を引き合いに出したくなる音楽です。
NAXOS-8.570137
リスト:ピアノ曲全集 第27集
ドニゼッティのオペラによる編曲作品集、ルチアとパリジーナの2 つのモティーフによる演奏会用ワルツ S214/3/R155、「ルクレツィア・ボルジア」の回想(第2 稿) S400/R154、「ランメルモールのルチア」の回想 アンダンテ・フィナーレ S397/R151、「ランメルモールのルチア」より 葬送行進曲とカヴァティーナ S398/R152、「ファヴォリータ」より「優しき魂よ」のカヴァティーナ S400a、「ポルトガル王セバスティアン」より葬送行進曲
ウィリアム・ウォルフラム(P)
この曲集こそリスト(1811-1886)の真骨頂を味わうためのもの。 彼がオペラの名旋律をどのように料理したかが手にとるようにわかるはずです。原曲の良さを生かしつつも、 過剰なまでに装飾を重ねた結果あまりにも長すぎたため、出版社から「2つに分けるように」と言われてしまった 「ルチアの回想」や、演奏会用ワルツなど、これでもかと言わんばかりの妙技が炸裂です。超絶技巧を凝らしたパッセージを事もなげに弾き切るウォルフラムにも脱帽。
NAXOS-8.570138
プティジラール(1950- ):12人の寺院の守護者(ラジオ・フランス委嘱作品)
大管弦楽と弦楽のための詩(ラ・フィラテューラ[ミュールズ]委嘱作品)
ユーフォニア*
ローラン・プティジラール(指)
ボルドー・アキテーヌ国立O、リュブリャナRSO* 
パリを拠点に作曲家・指揮者として活躍。ナクソスにも「エレファント・マン」(8.557608-09)の録音があるプティジラールのオーケストラ作品は、メシアンや武満などと同様のデリケートさを持っています。現代フランスを代表する一人であり、特にベルリオーズが創作した未来小説「ユーフォニア」による作品が注目されます。
NAXOS-8.570139
(3CD)
バード:私のネヴェル夫人の曲集(ヴァージナルのための42曲) エリザベス・ファー(ハープシコード)
この曲集は、バードが当時イギリスで人気のあった作曲家の作品を集めて編纂したいわばコンピレーション・アルバムです。ダンス、変奏曲、戦いの音楽、ガリアードなど多彩な曲を含み、16世紀イギリスの鍵盤作品の様式を俯瞰できるものとして貴重な曲集です。リブレットにはハープシコードを演奏するファー本人による詳細な解説(英語)が記されています。
NAXOS-8.570143
ブラームス:4手のためのピアノ作品集 第18集
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 Op.83(2台ピアノ版)
ヨアヒム(1831-1907):「シェークス
 ピアの『ヘンリー4 世』」のための序曲 Op.7(2 台ピアノ編)
ジルケ=トーマス・マティアス(P)
クリステァイン・ケーン(P)

録音: 2012 年10 月10-13 日 ドイツ ザントハウゼン,クララ・ヴィーク・アウディトリウム
ブラームス(1833-1897)はその大規模な管弦楽作品を書く時に、しばしば同じ作品を2 台ピアノ、または連弾のためにも書いていました。それはしばしば友人たちによって試演され曲の評判を諮るためのツールとしても使われていたのです。この第2番の協奏曲は1878 年に作曲が開始され、その3 年後の1881 年にウィーン近郊のプレスバウムで完成されました。完成直後にブラームス自身と友人のイグナーツ・ブリュルで演奏し、11 月の初公演(プラームスの独奏、A.エルケルの指揮)のために曲を練り直したのです。もちろん初演は大成功。オーケストラ伴奏版は彼の最初の師であるエドゥアルト・マルクスゼンに献呈されるとともに、この2 台ピアノ版も公開され、多くの聴衆やピアニストたちが練習にも利用できるようにと便宜が諮られたのでした。同時収録のヨアヒムの作品もブラームスによる編曲版で、原曲を聴く機会が失われている現在、この録音は貴重なものとして評価されることでしょう。
NAXOS-8.570145
オルウィン:合奏協奏曲第2番&第3番他
劇的序曲-ヴェニスのムーア人(編曲:P.レーン)…世界初録音
合奏協奏曲第2番
セレナード…世界初録音
7つのアイルランドの旋律<小さな赤いヒバリ/田舎の旋律/乙女の光線/リール-雌羊と曲がった角/上品な乙女/ため息/ジグ>…世界初録音
合奏協奏曲第3番
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
合奏協奏曲第1番を始めとした作品集(NAXOS-8.570704)での表情豊かな音楽を聴くだけで、「まだまだイギリスにはすごい作曲家がいるんだな」と驚かせてくれたオルウィン(1905-1985)ですが、ここでも、その劇的な音楽がたっぷり楽しめます。ヴェニスのムーア人とは、あのシェークスピアが描いたオセロのこと。もともとはブラスバンドのために書かれたものをP.レーンがが管弦楽へと編曲。オセロとデズデモーナを中心とした人間模様が激しい音楽で表出されています。他には、見事に練られた合奏協奏曲2曲と、極めて田園的な2つの作品を収録。合奏協奏曲第3番は、偉大なる指揮者ヘンリー・ウッドの没後20年を記念してBBCから依嘱された作品です。
NAXOS-8.570146
ロワイエ(1768-1852):協奏二重奏曲Op.31-1〜3
協奏二重奏曲Op.34-2
マッテオ・メーラ(G)、ロレンソ・ミケリ(G)
ジュリアーニやソルと並ぶ19世紀ギター作曲家の一人であり、親しみやすいメロディにもっと注目されていい存在。ギター音楽ファン以外にもおすすめしたいこの二重協奏曲集は、実に魅力的な音楽です。録音:24bit。
NAXOS-8.570148
W.H.ハリス(1883-1973):アンセム集
オッフェルトリウム「主よ、わたしの言葉に耳を傾け」/主の慈しみは世々とこしえに
美しき天界/愛の中の愛/栄光の王よ
わたしの魂よ、主をたたえよ
夕べの讃歌「夜が来りて」(世界初録音)/羊飼いたちは(世界初録音)
夕べの讃歌「おお、素晴らしき灯り」
心からの願い
わたしは門番に言った(世界初録音)
おお、主なる神よ、われらを連れ去りたまえ
ティモシー・バイラム=ウィッグフィールド(指)
ウィンザー城、聖ジョージ教会cho、
ロジャー・ジャッド(Org)
ウィンザー宮殿内の聖ジョージ教会でのオルガニスト在職中に、ウィリアム・ヘンリー・ハリスは三大聖歌合唱祭のための大規模作品やプロムスで初演された二曲に加えて、多数の聖歌隊とソロ・オルガンのための作品を作曲しました。初録音作品とともに、ハリスによる二大有名作品である、「美しき天界」と「主なる神よ、我らを連れ去りたまえ」が含まれています。両曲ともに、20世紀の英国教会音楽の頂点に位置するものであり、ハリスが三十年近く係わってきた同教会において、少年および男声聖歌隊によって録音されています。
NAXOS-8.570149
パーセル:劇場音楽集第1集
アムフィトリュオン,または2人のソシアZ.572、バーナビー・ウィッグ卿Z.589、ほどかれたゴルディウスの結び目Z.597、キルケーZ.575
ケヴィン・マロン(指)
アラディア・アンサンブル
たった36年の短い生涯に膨大な曲を残したイギリスの天才、パーセル(1659-1695)。まさにモーツァルトに匹敵する才能の持ち主でした。彼の劇場音楽のほとんどは晩年(!)の5年間に書かれたもので、陽気で騒がしい曲から荘厳な曲と、あらゆる要素を含んだ楽しい曲ばかりです。ロンド、メヌエット、シャコンヌなど舞曲の宝庫でもあります。
NAXOS-8.570150
シュターミッツ:フルート協奏曲集
フルート協奏曲ニ長調/フルート協奏曲ハ長調
フルート協奏曲ニ長調/フルート協奏曲ト長調
ロバート・エイトケン(Fl)
ドナタス・カトクス(指)セント・クリストファーCO
マンハイム楽派の創立者であり、交響曲の形式の開拓者であったヨハン・シュターミッツ(1717-1757はオルガニストの父親から最初に音楽を教えられ、後にプラハのカレル大学で学びました。1741年にマンハイムに行き、1743年に同地の宮廷楽団の首席ヴァイオリン奏者に、1745年には楽長に昇格し、この小さな一地方楽団をヨーロッパで最も尊敬されるオーケストラの一つに育て上げたのです。50曲以上もの交響曲、室内楽曲、声楽曲が残されていますが、多くの協奏曲も作曲し、その中には14曲のフルート協奏曲も含まれています。当時のマンハイムの奏者たちの高い技巧を才能を物語る高度な技術を駆使したこれらの協奏曲は、とてもチャーミングで、同時代のクヴァンツの作品よりも若干自由度が高く、バロックと古典派の橋渡しとしての機能を持ち合わせています。また彼自身の血筋であるボヘミアの素朴で抒情的な面も感じられる特徴的な作風が魅力的です。彼の息子カール・シュターミッツも才能ある音楽家です。
NAXOS-8.570151
シューマン:3つの弦楽四重奏曲(第1番〜第3番) ファイン・アーツQ
「室内楽の年」と呼ばれる1842年に作曲され、メンデルスゾーンに献呈された3曲の弦楽四重奏曲は、シューマンの隠れた名品。第1番の冒頭から、この作曲家らしい詩情と哀愁に満ちあふれています。シカゴで誕生したベテラン四重奏団の演奏も見事です。
NAXOS-8.570178
M・ハイドン&シュターミッツ:ディヴェルティメント&オーボエ四重奏曲
M・ハイドン:ディヴェルティメントハ長調P.115
シュターミッツ:オーボエ四重奏曲ニ長調Op.8-1
オーボエ四重奏曲へ長調Op.8-3
オーボエ四重奏曲変ホ長調
アレッサンドロ・バッキーニ(コーラングレ,Ob)、
ヌォーボSQ、
ルカ・ステヴァナート(Cb)
NAXOS-8.570179
カーゲル(1931-):シナリオ
デュオドラメン/典礼
マウリツィオ・カーゲル(指)
ザールブリュッケンRSO、
マーガレット・チョーカー(S)、
ローラント・ヘルマン(Br)、
マーティン・ヒル(T)、
ロマン・ビショフ(Br)、
ワウト・オーステルカンプ(Bs)
リスボン・グルベンキアン合唱団 弦楽の演奏にブニュエル(映画監督)とダリの会話を重ねたユニークな「シナリオ」。マーラーから影響を受けた「デュオドラメン」(ソプラノ+バリトン)。やや規模の大きい編成による「典礼」。1980年代以降に書かれたこの3作品は、ユニークな実験的作風を端的に表しており、作曲者自身による指揮が、より信頼度を高めています。
NAXOS-8.570183
スタイナー:映画音楽集
「凡てこの世も青春も」「盗まれた青春」(ジョン・モーガンによる復元スコア)
ウィリアム・T・ストロンバーグ(指)モスクワSO&cho
MARCO POLO より移行盤。ジョン・モーガンのスコア再編による名画サントラ・シリーズ、ここではベティ・デイヴィス主演による2つの映画を取りあげています。スタイナーの音楽は本当に壮大でロマンティック(ワーグナーの楽劇を思わせる部分も)!そして作曲者のオリジナル・スケッチまでをあたって編纂作業をしたモーガンの仕事ぶりに脱帽です。「盗まれた青春」はゴージャス・オーケストレーション路線の典型的作品と言えましょう。
NAXOS-8.570186
ハーマン:キリマンジャロの雪他
キリマンジャロの雪(1952年)
5本の指(1952年)…世界初録音
ウィリアム・ストロンバーグ(指)モスクワSO
グレゴリー・ペック主演の名画と、ジェームズ・メイソン主演のスパイ映画の音楽を、サントラのスコアとフィルムから再現。直後にヒッチコック作品で有名になるハーマン(1911-1975)ですが、すでに独特のロマンティシズムが開花しています。「キリマンジャロの雪」はヘミングウェイの短編小説が原作で、映画としては若干冗長な面もありますが、付けられた音楽はとことんダイナミック。全編何かを予感させるわくわく感に満ちたものです。原盤MARCOPOLO。
NAXOS-8.570187
ニューマン:映画音楽集
「ノートルダムのせむし男」(ジョン・モーガン復元スコア)、「ボー・ジェスト」(ウィリアム・T・ストロンバーグ復元スコア)、組曲「イヴの総て」
ウィリアム・T・ストロンバーグ(指)モスクワSO&cho
MARCO POLOより移行盤。1939年に制作されたヴィクトル・ユゴー原作の映画「ノートルダムのせむし男」の音楽を担当したアルフレッド・ニューマン(1901-1970)は45回ものアカデミー賞ノミネート回数を誇る(9 回受賞!)映画音楽の天才です。かの有名な“20世紀FOX社の映画のオープニング”の勇壮なファンファーレも彼の代表的な仕事の一つです。
NAXOS-8.570188
ソルター(1896−1994)&デッサウ(1894-1979):映画音楽「フランケンシュタインの家」完全版(ジョン・モーガンによる復元スコア) ウィリアム・T・スタインバーグ(指)モスクワSO
MARCO POLO より移行盤。1996 年にこのアルバムが発売された際、音楽誌ではこぞって大絶賛。この音楽、ひたすら恐怖を煽るのだけど、その中にかすかに感じられる上質なユーモアと色彩豊かな効果音は、現代の耳にも存分に訴えかけるものがあります。冒頭のテーマ音楽から、もうすっかりはまること間違いなし。これは楽しい1枚です
NAXOS-8.570190
ロージャ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ハンガリー民謡の主題による変奏曲Op.4*、ヴァイオリンとピアノのための二重奏Op.7*、北部ハンガリー民謡と踊りOp.5、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタOp.40
フィリッペ・クィント(Vn)、ウィリアム・ウォルフラム(P)*
ロージャ(1907-1995)と言えば映画音楽が良く知られていますが、ここに収録されたのはハンガリーの民族色が濃く出た初期の 作品と、恐ろしい程に渋い後期の「無伴奏ヴァイオリンソナタ」です。のどかで耳に優しい変奏曲などの哀愁に満ちたメロデ ィの宝庫は聴き手の胸を熱くすることでしょう。そして無伴奏ヴァイオリンソナタの革新的な音色!ロージャに対する見方が 変わること間違いありません。
NAXOS-8.570191
期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ − ミカリス・コンタサキス
[ポンセ:ギター・ソナタ第3番、
クレルキ:春への前奏曲 - タルレガを讃えて(世界初録音)、
マルタン:4つの小品、
クジェネーク:組曲 Op.164、
タルレガ:「椿姫」の主題による幻想曲、マリエータ(マズルカ)/マリア(ガヴォット)、
ハチャトゥリアン:ギターのための前奏曲
ミカリス・コンタサキス(G)
※2005年タルレガ国際ギター・コンクール優勝
2005年国際フランシスコ・タルレガ・ギター・コンクールに優勝した、ギリシャの若手によるリサイタル盤。手堅い演奏で音楽を切々と語り、さまざまなタイプの曲をじっくりと語り尽くすような一枚です。クレルキはデュッセルドルフでのコンタサキスの師であり、エリオット・フィスク門下のギタリストでもあります。
NAXOS-8.570192
サラサーテ:ヴァイオリンとピアノのための作品集 第2集
ロッシーニへのオマージュ Op.2/ドモンの思い出 Op.8/「マルタ」による演奏会用幻想曲 Op.19/ミニョンのガボットOp.16/ルーマニアのメロディ Op.47/「ザンパ」のモザイク Op.15/モスコヴィエンヌ Op.12/「運命の力」による演奏会用幻想曲 Op.1
ティアンワ・ヤン(Vn)、マルクス・ハドゥッラ(P)
自らも大ヴァイオリニストであったサラサーテ(1844-1908)は、超絶技巧を駆使した作品を多く作曲し、ヨーロッパから南北アメリカ、中近東、南アフリカなど広く世界を演奏旅行し聴衆を唸らせました。本収録作品はどれもがオペラのテーマを用いており、原曲の魅力を損なうことなくヴァイオリンが縦横無尽に歌いまくるというサラサーテならではの華やかさです。
NAXOS-8.570195
ボリス・チャイコフスキー(1925-1996):交響曲第1番
組曲「ざわめく森」*
組曲「ダンス・パーティの後」#
エドゥアルト・セロフ(指)ヴォルゴグラードPO、
キリル・エルショフ(指)サラトフ音楽院SO*,#、
ロリータ・アンゲルト(P)#
ショスタコーヴィチの影響を受けて1947年に作曲された交響曲をはじめ、すべて作曲者20代のときに書かれた作品。旧ソヴィエト時代にもレコードで存在を知ることはできましたが、ようやく再評価の兆しが見えてきています。このCDでは2つのオーケストラが演奏をしていますが、その意味でもロシア音楽ファンは必聴でしょう。
NAXOS-8.570198
ディッタースドルフ:<シンフォニア集その2>
シンフォニア ニ長調(Grave D6)
シンフォニア 変ホ長調(Grave Eb9)
シンフォニア イ長調(Grave A6)
アルバロ・カッスート(指)
リスボン・メトロポリタンO
ハイドン、モーツァルトと同時代を生きただけではなく、互いに影響し合った音楽家仲間として、さらなる再評価が望まれるディッタースドルフ。晩年に作曲されたニ長調の作品を聴くだけでも、それが過大評価ではないことがわかるでしょう。ポルトガルの音楽家たちが、爽快な演奏を聴かせます。
NAXOS-8.570199
ライマン:声楽作品集
バリトンと管弦楽のための「ツィクルス」 (パウル・ツェランの詩集「息の転回」による)、バリトンと管弦楽のための「クミ・オリ」 (パウル・ツェランの3つの詩と詩篇74、79、122の短詩による)、バリトンとピアノのための「棒はわれらの中に」*
ヤーロン・ヴィントミュラー(Br)、アクセル・バウニ(P)*、ギュンター・ヘルヴィッヒ(指)ザールブリュッケンRSO
人気急上昇、ロバート・クラフトによる精緻なシェーンベルク(1874-1951)の声楽作品集。「6つの歌Op.8」はかろうじて調性 感を保っているものの、それ以降の作品はまさに夢幻の響き。ストラヴィンスキーの弟子として知られシェーンベルクとも親 交のあったクラフトは、すでに多くのシェーンベルク作品の録音がありますが、この新録はまさに目の覚めるような素晴らし さ。極彩色からモノトーンまで響きの多彩さが味わえることでしょう。

NAXOS-8.570200
W・ペリー(1930-):「地中海遊覧記」〜マーク・トウェイン映画音楽集1980-1985年
ハックルベリー・フィンの冒険
まぬけのウィルソン/ミシシッピの生活
地中海遊覧記
失敗したキャンペーンの個人的な歴史
不思議な少年
ウィリアム・ペリー(指)
スロバキアPO、ローマPO、
ウィーンSO、ウィーン少年cho、
リチャード・ヘイマン(ハーモニカ)
地中海遊覧記」はアメリカで大人気の作家、マーク・トウェインの書いた初の旅行記です。19世紀、豪華蒸気船に乗ってカリフォルニア、パリ、ジェノバ、ベニス、ピサ、ローマ、ナポリ、ポンペイ、アテネ、クリミア半島とカイロを就航した優雅な話や、あの巨大テーマパークを彷彿させるミシシッピ川を運航する船の話などまさに良き時代の生活が目に浮かぶ音楽集です。ハーモニカ・ソロが泣かせてくれます。
NAXOS-8.570201
英国歌曲シリーズ第17集
アルウィン:6つの夜想曲、
バリトンとピアノのための歌曲集「蜃気楼」、
バリトンとピアノのための「6つの夜想曲」、
スラム・ソング、
ソプラノとピアノとアルト・リコーダーのための歌曲集「海の風景」、歌曲集「祈り」
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムス(Br)、
エリン・マナハン・トーマス(S)、
ジョン・ターナー(アルト・リコーダー)、
イアン・バーンサイド(P)
多才、多作で知られるアルウィン(1905-1985)ですが、歌曲の主要作品のほとんどは後半生に書かれたものです。ここに収録された歌曲は、どれもが彼自身が詩を選びぬいて丁寧に作曲されたものでまるでフォーレの歌曲を思わせるデリケートで儚い美しさを湛えています。「海の風景」と「祈り」を歌っているマナハン・トーマスは、その透明な美声で最近急激に注目を浴びている若手ソプラノ。NAXOSではラターのレクイエムのソロで知られています。
NAXOS-8.570202
ヴァイオリンによるオペラ幻想曲集
フバイ:カルメンによる華麗なる幻想曲、ラフローエングリンのテーマによる二重奏、ストラヴィンスキー:マヴラよりパラシャのアリア(ドゥシュキン編)、ゴリホフ(1960-):アイナダマール(ゴリホフ&プルツマン編)*、ワイル:マック・ザ・ナイフ、プルツマン(1960-):R・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」より、パガニーニ:ロッシーニの歌劇「タンクレディ」より序奏と変奏曲、ビゼー:歌劇「真珠採り」〜聖なる寺院の奥深く(ロブ編)*、ラロ:歌劇「イスの王」〜オーバード(シゲティ編)
リヴィア・ソーン(Vn)、ベンジャミン・ロブ(P)、ジェフ・ヌッタール(Vn、Va*)
オペラの名アリアを独奏曲にする試みは古くから行われています。特にパガニーニとリストの偉業は後世の作曲家たちに大き な影響を与えました。原曲を一層華やかで技巧的なものにし一つの新しい作品とすることは作曲家にとっても、聞き手にとっ ても、意欲的で大きな喜びと言えるのです。このアルバムは近代の作曲家の編曲を中心としたもので、音楽が変貌するさまを ありありと感じることができることでしょう。ソーンの繊細な表現が曲に命を吹き込みます。
NAXOS-8.570210
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ集
ヴィオラ・ダ・ガンバソナタト長調BWV1027、
トリオニ短調BWV583.トリオト短調BWV584、
ヴィオラ・ダ・ガンバソナタニ長調BWV1028、
ハープシコードのためのソナタイ短調BWV967、
ハープシコードのためのソナタニ長調BWV963
ヴィオラ・ダ・ガンバソナタト短調BWV1029
アーポ・ハッキネン(ハープシコード)・、
ミッコ・ペルコラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ここに収録された作品は、バッハがライプツィヒで活躍していた頃に書かれたもので、豊かな楽想と緻密なアンサンブル、強烈な表現力が横溢した名曲揃いです。ちなみにここに収録された「トリオ」というのは、三重奏のことではなく「声部が3つ」という意味。本来はオルガンのために書かれた作品です。指揮者としても活躍中のハッキネンとペルコラの息のあったアンサンブルが見事です。
NAXOS-8.570211
グラズノフ:管弦楽作品集第18集
付随音楽「仮面舞踏会」/2つの小品Op.14
パ・ド・カラクテールOp.68
ロマンティックな間奏曲Op.69
グネーシン・アカデミーcho
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
最近は仮面舞踏会というと、ハチャトゥリアンの曲ばかりが有名になってますが、このグラズノフ(1865-1936)の作品も同じミハイル・レールモントフの作品を題材にしています。グラズノフはこの曲を1912〜13年に作曲し1917年に初演しました。しかし当時はこの題材が「風紀を乱す」とされ30年もの間上演禁止となってしまいました。ハチャトゥリアンが同じ題材に作曲したのは1941年。その頃にはグラズノフの作品は古くなってしまったのかも知れません。とは言うものの、ハチャトゥリアンのように直截的な悲劇性を感じさせることはありませんが、人の心に潜む狂気は存分に描き出されている秀逸な曲集です。
NAXOS-8.570215
マルティヌー:ピアノ作品全集第4集
7つのチェコ舞曲“ボロヴァー”、
リトルネッロ集、
スクラップ・ブックより第1番、即興的に、
ドゥムカ第2番“エレジー”、
アダージョ“イン・メモリアム”、
踊りの時、スクラップ・ブックより第2番、
ドゥムカ第1番“熟考”、
バガテル“やさしい小品”、ルヤーナ、
舟歌、ドゥムカ第3番、4つのムーヴメント、
前奏曲第1番“マルセイエーズの主題で”、
前奏曲第2番、不安解消のデュオ、
夜まで続く猫の行列、
小さなエヴァのための小品、
マズルカ“パデレフスキーへのオマージュ”、
T.S.F.のための、スケルツォ、無題前奏曲
ジョルジョ・コウクル(P)
大好評、マルティヌーのピアノ作品集の第4集です。独特の哀愁と作風の変遷が人気を呼んでいる彼のピアノ曲、今作のメインはパリで活躍した頃に書かれた「ボロヴァー」です。新古典派からジャズなど当時流行したイディオムを巧みに取り入れ、なおかつ民族的な味わいも感じさせる才気煥発の小さな組曲。これぞ若きマルティヌーの面目躍如と言った作品です。晩年に書かれた「アダージョ」は輝かしくロマンティックな曲。澄み切った心境が窺えます。
NAXOS-8.570216
セイシャス:チェンバロ・ソナタ集第2集
チェンバロ・ソナタ第3番ハ長調
チェンバロ・ソナタ第35番ホ短調
チェンバロ・ソナタ第16番ハ短調
チェンバロ・ソナタ第45番ト長調
チェンバロ・ソナタ第60番イ長調
チェンバロ・ソナタ第65番イ短調
チェンバロ・ソナタ第40番へ長調
チェンバロ・ソナタ第28番ニ短調
チェンバロ・ソナタ第33番変ホ長調
チェンバロ・ソナタ第53番ト短調
チェンバロ・ソナタ第39番ヘ長調
チェンバロ・ソナタ第78番変ロ長調
チェンバロ・ソナタ第47番ト長調
チェンバロ・ソナタ第58番イ長調
チェンバロ・ソナタ第20番ニ長調
.チェンバロ・ソナタ第38番ヘ長調
デボラ・ハラス(Cemb)
第1集(NAXOS-8.557459)が高い評価を受けたスカルラッティと同時代の作曲家、セイシャス(1704-1742)のチェンバロ・ソナタの第2集です。ご存知の通り、セイシャスが残した作品の多くは、1755年のリスボン大地震で失われてしまいました。現存しているのは、およそ100曲のソナタと若干の典礼作品のみです。しかし、この残された作品だけでも、聴き手に限りない喜びを与えてくれています。一聴してわかる通り、スカルラッティの作品よりも難しそうなパッセージに満ちており、ものすごく華やかで、聴き映えのする曲です。地響きがするような迫力のある演奏は、第1集と同じデボラ・ハラスによるものです。
NAXOS-8.570217
(2CD)
ショスタコーヴィチ:バレエ音楽「黄金時代」(全曲) ホセ・セレブリエール(指)
ロイヤル・スコティッシュO
ショスタコーヴィチ生誕100年におくるナクソスのトリは、魅力的な小品が多数あるバレエ音楽の全曲版。1930年に初演された際の記録をベースに、第3幕の冒頭には「二人でお茶を(タヒチ・トロット)」を挿入。アイヴズや20世紀ロシア(ソヴィエト)音楽を得意とする指揮者が、鮮烈に描き出す演奏です。
NAXOS-8.570221
チン(1957- ):管弦楽作品集
ヴァイオリン,チェロと管弦楽のための二重協奏曲
ヴァイオリンと弦楽のためのフォルモサの四季
チョー=リャン・リン(Vn)、
フェリックス・ファン(Vc)、
マイケル・スターン(指)カンザス・シティSO
全曲世界初録音 。台湾に生まれアメリカに学んだ作曲家による名刺代わり的なディスクは、献呈した2人が演奏する「二重協奏曲」と、台湾版の「四季」と言えるヴァイオリン協奏曲風の作品。民族色は薄く、内省的なロマンをたたえた作風です。
NAXOS-8.570222
タルティーニ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲D.50*/同D.96/同D.80/同D.125/同D.28*
アリアドーネ・ダスカラキス(Vn)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルンCO
*印=世界初録音。「悪魔のトリル」や「コレルリ変奏曲」などヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリンの代名詞とも言えるタルティーニ作品。ヴァイオリン協奏曲もまた同様のテクニックを要し、舞曲風のリズムなども駆使した意欲的な作品集です。「さよならを言いましょう」という副題が付いた愛らしいD.125の第2楽章も聴きものです。
NAXOS-8.570230
リスト:ハンガリー狂詩曲集
ハンガリー狂詩曲 第1番(ピアノ版 第14番)、ハンガリー狂詩曲 第2番(ピアノ版 第2番)、ハンガリー狂詩曲 第3番(ピアノ版 第6番)、ハンガリー狂詩曲 第4番(ピアノ版 第12番)、ハンガリー狂詩曲 第5番(ピアノ版 第5番)、ハンガリー狂詩曲 第6番(ピアノ版 第9番)
アルトゥール・ファーゲン(指)ワイマール・シュターツカペレ
ハンガリー人として生まれながらも実はハンガリー語が話せなかったと言うリスト(1811-1886)が「ハンガリーの国民的英雄」と称賛されたのは晩年になってからでした。このハンガリー狂詩曲はハンガリーの民俗旋律を用いた作品で、まずはピアノのために書かれ幅広い人気を得たもの。後に名フルーティストで作曲家であるドップラーの協力を得て6 曲がオーケストレーションを施されました。ピアノの細かいパッセージのほとんどはフルートが受け持っているのもそのためでしょうか。
NAXOS-8.570231
モーツァルト:オラトリオ「悔悛するダヴィデ」K.469、
アンティフォナ「天の女王」K.108
トリーネ・ウィルスベリ・ルンド(S)、
クリスティナ・ヴァーリン(S)、
ローター・オディニウス(T)、
イモータル・バッハ・アンサンブル、
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
ライプツィヒCO
1785年に「ウィーン音楽家協会」から慈善コンサートのための曲を依頼されたモーツァルト(1756-1791)ですが、当時の彼は時間的余裕がなく、未完で終わった「ハ短調ミサ」の素材をほとんどそのまま転用、2曲のアリアを加えて完成させたのが、この「悔悛するダヴィデ」です。いわばリサイクル作品ですが、当時ではよくあることで、この曲に対するモーツァルトの愛着の深さが伺いしれるというものです。
NAXOS-8.570233
ブラームス:交響曲第4番、 ハンガリー舞曲 第2/4/5/6/7/8/9 番 マリン・オールソップ(指)LPO
大好評、オールソップのブラームス(1833-1897)交響曲全集、ここに完結。音楽の細部までを徹底的に磨きあげた、まるで純米酒のような清冽な味わいのブラームスは聴き手に新しい驚きと感動をもたらすことでしょう。併録のハンガリー舞曲も聴きもの。「奇をてらうことなく正直」な演奏のすがすがしさ。まるで澄み渡った秋の空のような美しさです。
NAXOS-8.570234
ヴァンハル(1739-1813):フルート四重奏曲Op.7-2(Weinmann Vb:Bb1)
フルート四重奏曲Op.7-3(Weinmann Vb:G1)
フルート四重奏曲Op.7-6(Weinmann Vb:C1) ※全曲世界初録音
ウーヴェ・グロット(Fl)、
ジャナキ・ストリング・トリオ
1771年頃に作曲されたとされるフルート四重奏曲集は、当時まだ発展期だったこの楽器に大きな可能性を与えたもの。指揮者としてナクソスにもヴァンハル作品の録音があるグロットが、若手の弦楽トリオと組んでの一枚です。古典派音楽愛好家は必聴でしょう。
NAXOS-8.570236
グリーグ:管弦楽作品集 第4集
ペール・ギュント組曲第1番
ペール・ギュント組曲第2番 Op. 55
ビョルンソンの「漁夫の娘」による4 つの詩 Op. 21〜初めての出会い、
山の精とらわれし者 Op. 32 5、
6 つの歌 EG 177
インガー・ダム・イエンセン(S)、
パレ・クヌーセン(Br)、
ビャルテ・エンゲセト(指)マルメSO
イプセンの戯曲「ペール・ギュント」へのグリーグ(1843-1907)の付随音楽は、ノルウェーの伝説的人物を題材とした5 幕の劇 に付けられた26 曲からなる大作です。初演時から大成功を収め、とりわけ、この中から選んだ各4 曲からなる組曲は ノルウェーのみならず全世界の人々に愛されています。物語の方は実に荒唐無稽、略奪愛、冒険、魔物との戦い・・・そして 無償の愛。
NAXOS-8.570237
バガテルの3世紀
クープラン:クラヴサン組曲第2集〜バガテル
ベートーヴェン:エリーゼのためにwoO59
 バガテルOp.33No.3,4
 バガテルOp.119No.9,10,5
サン=サーンス:バガテルOp.3No.1-6
リャードフ:バガテルOp.30
 バガテルOp.53No.1-3
チェレプニン(1899-1977):バガテルOp.5No.1-10
デニソフ:バガテルOp.19No.1-7
リスト:調性のないバガテルS216a
バルトーク:バガテルOp.6No.14ワルツ(踊る恋人)
ユリア・ジルベルクァイト(P)
フランス語で「ささいな」という意味を持つピアノのための小品がバガテルです。とりわけ有名なのはベートーヴェンのあの「エリーゼ」でしょう。他にもこの表題のもとに多くの作曲家が愛らしく、また独創的な作品を書いています。ここに収録されたのは全36曲。サンーサーンスやデニソフ等の珍しい曲も含まれています。クープランからバルトークまで聴き通せば音楽の大きな流れが見えてくるはずです。 
NAXOS-8.570239
ペルト:無伴奏合唱のための音楽
トリオディオン (1998)/カイザルへの納めもの (マタイ伝 22章15-22節) (1997)/ヌンク・ディミッティス(ルカ伝 2章29-32節) (2001)/オードVII (メメント) 「カノン・ポカヤネン」より (1994)/わたしはまことの葡萄の木(ヨハネ伝15章1-14節) (1996)/石膏のつぼを持つ女(マタイ伝26章6-13節) (1997)/勝利の後で(1996/1998/神の母にして処女 (1990)
ノエル・エジソン(指)
エローラ・フェスティヴァル・シンガーズ
NAXOS-8.570240
ツェムリンスキー:シンフォニエッタ他
シンフォニエッタOp.23、交響的幻想曲「人魚姫」
ジェームズ・ジャッド(指)ニュージーランドSO
最近ようやく再評価されつつあるツェムリンスキー(1871-1942)の2つの作品です。交響的幻想曲「人魚姫」はアンデルセンの童話に想を得たもの。1905年にシェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」と並んでウィーンで初演されましたが、聴衆の人気はシェーンベルクに集中。落胆した彼は、もう1楽章付け加えて「死の交響曲」とする事も考えましたが、結局それは果たせずに終わりました。そのほぼ30年後に書かれた「シンフォニエッタ」は、アメリカ亡命後のかなりモダンな作品で、ストラヴィンスキーやヒンデミットを思わせるシニカルさを持ちあわせています。
NAXOS-8.570241
アンティル:組曲「コロボリー」、
「アウトバック」序曲、
組曲「コロボリー」(歓迎式典/夕星のための踊り/雨の踊り/風の精霊/日が昇る/朝の星/トーテムの行列と閉会式)
ジェイムス・ジャッド(指)ニュージーランドSO
オーストラリアの作曲家、ジョン・アンティル(1904-1986)の最も知られた作品が、このバレエ音楽「コロボリー」です。この曲は、アボリジニの原住民たちの儀式であるコロボリーの音楽が元になっています。オーストラリアの音楽の起源ともみなされ、大いなる自然崇拝でもあるこれらの極彩色の音楽は、あのストラヴィンスキーの「春の祭典」をも思わせるほど豊かな描写に満ちています。
NAXOS-8.570242
オルフ/バード/リード:コンサート・バンド編曲集
オルフ(ジョン・クランス編):カルミナ・ブラーナ、
A.バード
(1856-1923)(ガンサー・シュラー編):管楽器のためのセレナーデ、
H.O.リード(b.1910):メキシコの祭り(コンサート・バンドのためのメキシコ民謡交響曲)
ハーラン・D・パーカー(指)
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル
近年は吹奏楽編曲版が定番化しつつある「カルミナ・ブラーナ」ですが、13トラック・約27分となるこの録音は、アメリカの名門音楽学校に所属するアンサンブルが演奏。同時発売の原曲(NAXOS-8.570033)と共にご購入を。古典的な「セレナーデ」、華々しい「メキシコの祭り」も吹奏楽ファンにはおすすめです。
NAXOS-8.570243
吹奏楽のための名曲集
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」〜凱旋行進曲、
ストラヴィンスキー
:管楽器のためのシンフォニー集 − ドビュッシーの思い出のため(オリジナル1920年版)、
パーシケッティ
:交響曲第6番(バンドのための交響曲)、
ヴァインベルガー
:歌劇「バグパイプ吹きシュヴァンダ」〜ポルカとフーガ(バイナム編)、
コープランド
:交響詩「エンブレム」、
グレインジャー:子供のマーチ「丘を越えて彼方へ」、
ウォルトン
:戴冠式行進曲「王冠」(デュソイト編)
マイケル・J・コルバーン中佐(指)
大統領直属アメリカ海兵隊軍楽隊
日本でも人気のある、ウィンド・バンド(吹奏楽)のためのオリジナル作品と編曲を集めた一枚。アメリカのホワイトハウスを拠点に演奏を行う名門バンドで(1798年創設)、吹奏楽コンクールの自由曲やコンサートの選曲にも役立ちます。
NAXOS-8.570244
吹奏楽曲集
ドヴォルザーク:セレナード(ミケルソン編曲)*、
ギリンガム
(b.1947):ノー・シャドウ・オブ・ターニング*、
コルグラス
(b.1932):ナグワルの風(カルロス・カスタネーダの著作に基づく音楽のおとぎ話)、
リムスキー=コルサコフ
:熊蜂の飛行(ドナルド・ハンスバーガー編曲)
ラッセル・C・ミケルソン(指)
オハイオ州立大学ウィンドSO
*印=世界初録音。スウェアリンジェンなど吹奏楽シーンのスター作曲家を生み出した名門が、クラシック作品の珍しい編曲版や、大学創設者の追憶に捧げたギリンガム作品ほかオリジナル作品を演奏。吹奏楽ファンにはぜひともおすすめしたい一枚です。
NAXOS-8.570245
ルーセル:交響曲第3番
バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」(全曲)
ステファヌ・ドゥネーヴ(指)
ロイヤル・スコティッシュO
フランス印象派と新古典主義をミックスさせたようなルーセルの作品ですが、代表作とも言えるこの2曲はルーセル入門の一枚としても最適。日本ではル・サージュらとのプーランク録音が知られるドゥネーヴ(CDや来日公演ではステファン・ドヌーヴという表記)が、音楽監督を務めるオーケストラと運動性に満ちた音楽を生み出しています。
NAXOS-8.570249
ブゾーニ:ピアノ作品集第3集
バッハ(ブゾーニ編曲):トッカータ,アダージョとフーガBWV.546
3つの小品/バレエの情景第1番
バレエの情景第2番/2つの舞曲
バレエの情景第4番「演奏会用ワルツの形式で」
踊りのワルツ(ミカエル・フォン・ツァドラによるピアノ曲編曲)
インディアン日誌第1巻
ヴォルフ・ハーデン(P)
ブゾーニの音楽のエッセンスは、イタリアとドイツの血筋の高度な統合にあります。つまり、感情と知性、想像と原理の融合であり、過去の音楽を再創造する試みもしばしば結び付けられています。ブゾーニ編曲のバッハ「トッカータ、アダージョとフーガ、BWV565」は、神技のような編曲であり、ブラームスやリストの編曲を踏襲しつつ、断然他を圧する名作です。「踊りのワルツ」はヨハン・シュトラウスの思い出に捧げられたもので、ウィンナ・ワルツの黄金時代へのオマージュです。ネイティブ・アメリカンのリズムとメロディを取り入れている「インディアン日誌」は、ブゾーニが1910年にアメリカを訪問した時に目撃した、苦境にあえぐ彼らの生活を描いたものです。

NAXOS-8.570250
ラウロ:ギター作品集第2集
パサーヘ・アラグエーニョ/アナ・フロレンシア/ペトロニーラ/アナ・クリスティーナ/ボルヘス:山の花々(ラウロ編)/パヴァーナ/ヴィルジリオ/ソナタ/カンシオン/モモティ/夜想曲/4 つの練習曲/たそがれ/ロマンツァ/メレンゲ/チリ風クエカ/オリエンテ/組曲(デュアルテへのオマージュ)
ビクトル・ビジャダンゴス(G)
1917年。この生まれた年を見て「難しそう」ともし思ってしまったとしたら、それは間違いです。 ベネズエラ生まれのラウロ(1917-1986)の作品はとても情熱的で親しみやすいものばかり。 彼の作品は、かのアンドレア・セゴビアも好んで取り上げたのですが、1950 年代当時は「アルゼンチンの作曲家」として紹介 されていたそうですが、以降知名度もあがり演奏会などで取り上げられることも多くなり、現在ではギターのレパートリーの 重要な一角を占めています。日曜日の昼さがりにまったりと聴きたい音楽です。
NAXOS-8.570251
ブローウェル:ギター作品集 第4集
コロムナス市(名前のない小品によるヴァリエーション)/種子への旅/新・単純な練習曲第1〜10 番/サウメル:8つのコントルダンス(ブローウェル編)/水のしずく/組曲第1番「古風に」、クレルチ(1965-):イェマヤ
グレアム・アンソニー・ディヴァイン(G)
1939年、キューバ生まれのブローウェルは、ギター曲に実験的な手法を取り入れ常に先鋭的な作品を発表することで知られて います。NAXOS ではすでに3 枚のアルバムをリリースしていますが、この第4 集では彼の16歳の時の作品「組曲第1 番」 から2004 年の作品までを収録しています。抽象的な曲名の通り、想像の中で広がる音楽の旅をお楽しみいただけることでし ょう。ブローウェルの親友、クレルチの作品も聞き物です。
NAXOS-8.570253
サンマルティーニ(1700/01-1775):宗教的カンタータ「イェルサレム」J-C122
心を尽くして(詩篇110:現・詩篇111)J-C B-5
交響曲変ホ長調J-C 25
交響曲ト短調J-C 56
ダニエレ・フェラーリ(指)
シンフォニカ・アンサンブル、
ステファノ・ロ・レ(Vn)、
フィリッポ・ラヴィッツァ(ハープシコード)、
シルヴィア・マペッリ(S)、
ミロスラヴァ・ヨルダノヴァ(Ms)、
ジョルジョ・ティボニ(T)
※全曲世界初録音。18世紀イタリア古典派の典型的な作曲家であり、バロック・カンタータの名残も残しているという麗しい2つの宗教曲。そして初期のハイドンを思わせる明快な響きが特徴の交響曲を収録しました。
NAXOS-8.570255
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集第3集
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.1-3
交響曲第2番(ピアノ三重奏編)
アレグレット変ホ長調Hess48
ジリオン・トリオ
[ニナ・ティックマン(P)、イダ・ビーラー(Vn)、マリア・クリーゲル(Vc)]
ベートーヴェン(1770-1827)の初期の名作であるこのピアノ三重奏曲第3番は、1795年に公表され、カール・リヒノフスキー侯爵に捧げられました。リヒノフスキーはモーツァルトと同じ年に生まれ、友人、弟子として、そして高い音楽的素養を持った愛好家です。そしてモーツァルトの死後、ベートーヴェンがウィーンに来た際には自らパトロンを買って出て、田舎者丸出しのベートーヴェンを持ち家に住まわせハイドンの指導を受けるように取り計らったのでした。そんな時期に書かれているものですから、ハイドンの影響は至るところに感じられますが、それ以上に、反骨心とプライドの高さも感じられる愛すべき作品と言えるでしょう。交響曲第2番は1802年に書かれ、こちらもリヒノフスキーに献呈されています。耳の疾患に悩まされ始めた時期の曲とは思えない楽天的な明るさが漂っています。
NAXOS-8.570256
グラズノフ:5つのノヴェレッテ/弦楽五重奏曲 ファイン・アーツQ 、
ナサニエル・ローセン(Vc)
叙情的なロシア風のロマンに満ちたグラズノフ作品は、チャイコフスキーやラフマニノフがお好きな方なら間違いなく気に入るはず。ロシアのシューベルトと呼びたいくらい素晴らしいメロディが散りばめられ、アマチュアのアンサンブルにもおすすめしたい作品集です。
NAXOS-8.570258
ティントナー(1917-1999):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ*
ショパンの主題による変奏曲
前奏曲 − あこがれ
友の死に寄せて/ピアノ・ソナタ
2つのフーガ/悲劇的な音楽  
レン・ファン(P)、
チョー=リャン・リン(Vn)*

※全曲世界初録音
“作曲家”ゲオルク・ティントナーは、師であるヨゼフ・マルクスや、やはり作曲家としても活動したワインガルトナーらの影響を受け、20世紀ロマン派と呼ばれる作風でいくつかの作品を残しました。ここに収録された室内楽・器楽曲はスクリャービンやブラームスなどからヒントを得たもの。その誠実さに、彼の音楽作りの秘密を見たような印象を受けます。
NAXOS-8.570259
ブロッホ:4つのエピソード、
2つの詩曲、コンチェルティーノ、
モーダル組曲
ノアム・ブフマン(Fl)、
ユーリ・ガンデルスマン(Va)、
ダリア・アトラス(指)
イスラエルPOのソリストたち、
スロヴァキアRSO、
アトラス・カメラータO
ジュネーヴで生まれて1916年にアメリカに渡ったブロッホはニューヨーク、クリーヴランド、サン・フランシスコで音楽活動を続けながらも、生涯ユダヤ的な題材を扱った音楽を書き続けました。 しかし作風はその都度変化し、初期のロマンティックな作品から晩年の「モーダル組曲」のような新古典主義的な作品まで多種多様な表情を見せています。イスラエル生まれの女性指揮者、アトラスの味わい深い演奏で。
NAXOS-8.570260
スペイン音楽の「ドン・キホーテ」
ロドリーゴ:ドゥルシネアの不在 
ロマン(1945-):ドン・キホーテの復活、
バルビエリ
(1823-1894):ドン・キホーテ*、ゲラ(1952- ):ドン・キホーテの3つの時*、
ゴンバウ
(1906-1971):武装しつづけるドン・キホーテ*
ホセ・ラモン・エンシナール(指)
マドリッド・コミュニティO&cho、
ホセ・アントニオ・ロペス(Br)、
リリアン・モリアーニ(S)、
ビクトリア・マルチャンテ(S)、
セリア・アルセド(S)、
マリア・ホセ・スアレス(Ms)、
ビクトール・アリョーラ(Vn)、
フェルナンド・コボ(T)
スペインのシンボル的な存在であるドン・キホーテは、多くの音楽家にインスピレーションを与えていますが、そのテーマによるスペイン音楽を集めた一枚。ロドリーゴを除いて日本ではあまり知られていない作曲家であるものの、それぞれが叙情的な作風でアピール。ゲラの作品はサイレント映画のための音楽です。
NAXOS-8.570277
(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲) イリヤ・カーラー(Vn)
ヴァイオリニストなら一度は挑みたい「絶対無比の究極の難曲」。それがバッハ(1685-1750)の無伴奏ソナタとパルティータです。ここで冴えた技巧を披露しているのは名手カーラー。パガニーニ、シベリウス、チャイコフスキーの3つの国際コンクールを制覇した彼は、冷静沈着な解釈と深い音色を持つヴァイオリニストとして知られますが、ここでも文句なしの音楽を聞かせてくれるのが流石です。
NAXOS-8.570279
チマローザ:序曲集第2集
歌劇「夢見るアルミダ」序曲、
歌劇「オレステ」序曲、
歌劇「ロンドンのイタリア女」序曲、
歌劇「アルタセルセ」序曲、
歌劇「インドのアレッサンドロ」序曲、
歌劇「女はいつも最悪の選択をする」序曲、
歌劇「キルケー」序曲、
歌劇「古代ローマの狂信者」序曲、
「ジャンニーナとバルナルドーネ」序曲
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
第1集8.570508も好評、チマローザのオペラ序曲集です。今回の作品も全曲としてはほとんど聴く機会のないものばかりで、ファンならずとも触手が動くこと間違いありません。チマローザのオペラは当時としては劇的で、斬新なメロディを駆使し安定した管弦楽法が高く評価されていました。そして序曲は全曲の特徴を端的に示すものであり、後に続くドラマへの期待を嫌がおうにも高めてくれるのです。
NAXOS-8.570280
ヴァンハル:交響曲集第4集
交響曲ホ短調(Bryane3)、
交響曲ハ長調(BryanC1)、
交響曲ハ長調(BryanC17)、交響曲変ホ長調(BryanEb1)
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
近年評価が高まりつつある、知られざる古典派の大家ヴァンハル(1739-1813)の交響曲集です。彼が残した交響曲は90以上ありますが、ここに収録されているのはハイドンが称賛したというホ短調と初期の作品3曲、併せて4曲です。大胆で力強く時には叙情的、なんとも想像力に富んだこれらの作品は聴けば聴くほどに面白く、ひとたび足を踏み入れたなら熱烈な愛好家への道を突き進むしかありません。
NAXOS-8.570283
R・シュトラウス:4つの最後の歌他
4つの最後の歌、
ブレンターノ歌曲集Op.68、
歌劇「ナクソス島のアリアドネ」序曲
ダンス・シーン
リカルダ・メルベート(S)、
ミヒャエル・ハラース(指)
ワイマール・シュターツカペレ
R・シュトラウス(1864-1949)の最高傑作の一つが、この「四つの最後の歌」であることに異論のある人はいないでしょう。彼の死の前年に描いたこの落日の音楽は人生の重みと儚さ、そして郷愁まであらゆるものを含んだ美し過ぎるもの。「夕暮れに」の最後で聴かれる鳥の囀りに涙せずにはいられません。時代に相反するかのようなコロラトゥーラの技術が光る「ブレンターノ歌曲」もシュトラウスらしさ満開です。
NAXOS-8.570284
ダウランド:リュート音楽集第4集
エリザベス女王のガイヤルド/女王のガイヤルドP.97/ダウランドの最初のガイヤルド/ジョン・ダウランドのガイヤルドP.21/嘆きP.60/蛙のガイヤルド/アロエ/ウォルシンガムのガイヤルド/ウォルシンガム/クラント/ガイヤルドP.27/もう一度帰っておいでやさしい恋人よ(ナイジェル・ノースによる新ヴァージョン)P.60/ジョン・スーチ卿のガイヤルド/14.わが窓辺から去れ/目覚めよやさしい恋人よP.24/16.目覚めよ、やさしい恋人よ(ナイジェル・ノースによる新ヴァージョン)/17.もしもある日/18.ガイヤルドP.35/19.ウィロビー卿の歓迎/20.ガイヤルド:彼女は許してくれるだろうか/21.こまどり/22.運命はわが敵/23.別れの辛さ/24.ガイヤルドP.20/25.デンマーク王のガイヤルド
ナイジェル・ノース(Lute)
シェイクスピアと同時代を生きた天才ダウランド(1563-1626)のリュート作品集です。彼は自分の音楽を何度も改訂したため、いくつもの曲集に同じ作品が散見されます。それはリュート自体が「発展途上」の楽器であったせいもあるのでしょう。このアルバムでは演奏者のノース自身が編曲した作品も含まれていて、あの有名な「もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ」もまた新たな喜びを持って聴くことができます。目を閉じればそこに400年前の雅な世界が広がります。
NAXOS-8.570285
スタンフォード:交響曲集第1集
交響曲第4番/交響曲第7番
デーヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ボーンマスSO
名教師として20世紀英国の作曲家を多数輩出したスタンフォード。作曲家としてはアイルランドの血を音楽の中に生かし、英国版のブラームスやシューマンを思わせる作品を多数残しました。交響曲シリーズの第1弾では、ドイツ・ロマン派のエッセンスを集約したような2曲を収録しました。
NAXOS-8.570286
ロドリーゴ:ギター作品集第1集
スペイン風の3つの小品[ファンダンゴ/パッサカリア/サパテアード]、ソナタ・ジョコーサ、スペインの野辺を通って、トナディーリャ(ペペ・ロメロ編、2台ギター版)
ジェレミー・ジューヴ(G)、
ジュディカエル・ペロワ(G)
20世紀の最も偉大なスペインの作曲家の一人であるロドリーゴ(1901-1999)ですが、彼の作品と言えば「ギター協奏曲」ばかりが有名で、他の作品はまだまだ知名度が低いのが現状ですね。確かにギター・ソロのための作品はあまり数が多くないのですが、その作品のどれもが表現力豊かでスペイン情緒もたっぷり。ひらめきとチャレンジ精神に満ち溢れた曲がもりだくさんです。ファンの多い「スペインの野辺を通って」。名曲です。
NAXOS-8.570289
スタンフォード:交響曲集 第2集
交響曲 第2番 ニ短調「挽歌」、交響曲 第5番 ニ長調 Op.56
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)ボーンマスSO
エルガー以前の英国の偉大なる2 人の作曲家、パリーとスタンフォード(1852-1924)はまさに「英国近代音楽の父」。メンデルスゾーンやブラームスの影響を受けつつも英国の民謡や文学の香りを取り入れた独自の音楽を発展させたのです。スタンフォードの交響曲は全部で7 曲ありますが、残念なことに第3 番を除いては最近までほとんど忘れ去られていた存在と言っても過言ではありません。ここに収録された2 曲の作品はどちらもテニスンとミルトンの詩の引用をともなうものでブックレットには原詩も掲載されています。
NAXOS-8.570290
ブラームス:2つの狂詩曲
ワルツ集/3つの間奏曲
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ
イェネ・ヤンドー(P)
「ヤンドーのブラームス」というだけで、ナクソス・ファンならその真摯な演奏が聞こえてくるはず。特に深みのある音色と語るようなアーティキュレーションは、この奏者ならではの味わいです。有名な作品ですので、彼の個性を感じ取れるでしょう。
NAXOS-8.570291
バッハ:鍵盤音楽集
半音階的幻想曲とフーガBWV.903
イタリア風のアリアと変奏BWV.989
幻想曲とフーガBWV.904
前奏曲とフーガBWV.894
フランス風序曲(パルティータ)ロ短調BWV.831
イェネ・ヤンドー(P)
ナクソスで多くの名録音を生み出したマエストロが、「ゴルトベルク変奏曲」(NAXOS-8.557268)に続いてJ.S.バッハ作品をリリース。端正なピアニズムから生まれる音楽はリズムやポリフォニーを実直に表現し、“ピアノで聴くバッハ”の喜びを味わえる一枚になりました。
NAXOS-8.570292
ソレル:ハープシコード・ソナタ全集第13集
ソナタ60ハ短調ソナタ、
ト長調ソナタ、ト長調(ロンド)、
ソナタ66ハ長調、
ソナタ68ホ長調、
ソナタ75ヘ長調、ソナタ76ヘ長調
ギルバート・ローランド(ハープシコード)
故サミュエル・ルビオ神父の40年に渡る献身的な働きにより、その作品が出版されたソレルですが、そのおかげで、現在では18世紀後半のスペインの作曲家の中でも最も重要な鍵盤曲作曲家として位置づけられているのはご存じの通りです。 このソナタ集を始めとしたスペインの民俗音楽や踊りの要素を取り入れた多くの作品は聴き手の心をつかんで離しません。ギルバート・ローランドの当シリーズは、この第13巻で完結となります。
NAXOS-8.570293
ワーグナー:ストコフスキー編曲集
楽劇「ラインの黄金」〜ヴァルハラ城への神々の入場 /楽劇「トリスタンとイゾルデ」の交響的合成、舞台神聖祝典劇「パルジファル」 第3幕の音楽/楽劇「ワルキューレ」〜ヴォータンの別れと魔の炎の音楽、ワルキューレの騎行
ホセ・セレブリエール (指)ボーンマスSO
どんな曲でも彼ならではのサウンドに作り変えてしまう事が可能だった20 世紀最大の指揮者ストコフスキー。彼の経歴のスタートを飾ったのはワーグナー(1813-1883)の音楽でした。彼はワーグナーの壮大な音楽を一層華麗にするためにその複雑なスコアに更に音を加え、想像を絶するほどの音の洪水を生み出したのです。当時の録音技術の向上とともに広まった「ストコ節」、この交響的変容は今でも多くの人に愛され続けています。
NAXOS-8.570294
アーノルド:管楽器室内楽曲集
管楽五重奏曲
2つのクラリネットのための二重奏曲I〜VI
夢の街(ハリスによる管楽五重奏用編曲:世界初録音)
ホブソンの選択〜序曲(ラドクによる管楽八重奏用編曲:世界初録音)
大幻想曲(世界初録音)
序曲(ラドクによる管楽八重奏用編曲:世界初録音)
フルート,クラリネットとピアノのための「ブルジョワ組曲」
映画音楽「船乗りというものは」〜スケルツェット(クラリネットとピアノ用編曲)
クラリネットのための幻想曲
フルートとクラリネットのための幻想曲(世界初録音)
フルート,オーボエとクラリネットのためのディヴェルティメント
管楽五重奏のための3つのシャンティー
イースト・ウィンズ
機知に富んだアーノルドの作風を生かした管楽器のための作品集。20世紀のモーツァルト、またはイギリスのプーランクと称したくなるほど魅力的な音楽であり、ほとんどがイギリスの名手たちのために書かれていますので、管楽器プレイヤーには喜ばれるはずです。
NAXOS-8.570295
カルウォヴィチ:交響詩集第2集
寄せては返す波Op.9/
悲しい物語(永遠への前奏曲)Op.13
永遠の歌Op.10
アントニ・ヴィト(指)
ニュージーランドSO
雪崩に巻き込まれ亡くなった悲劇の作曲家、カルウォヴィチの作品集第1集(8.570452)に続く第2集です。ヴァグナー、R・シュトラウスなどの濃厚な音が好きだったら必ずはまります。
NAXOS-8.570296
ウェーバー:序曲集
「オイリアンテ」序曲
「ペーター・シュモルとその隣人たち」序曲
「オベロン」序曲
「幽霊の支配者」序曲
付随音楽「トゥーランドット」のための序曲と行進曲より序曲と第2幕の行進曲
「プレチオーザ」序曲
「シルヴァーナ」序曲/「歓呼」序曲
「アブ・ハッサン」序曲
「魔弾の射手」序曲
アントニ・ヴィト(指)ニュージーランドSO
ロマン派初期の偉大なる作曲家ウェーバー。彼は生涯に数多くのオペラを作曲しましたが、現在では「魔弾の射手」「オイリアンテ」「オベロン」などの数曲ほどしか耳にする機会がありません。ここで聴ける序曲はどれも新鮮で興味深いもの。とりわけトラック5の「トゥーランドット」の付随音楽の楽しさと言ったら!元気一杯、名指揮者ヴィトの指揮でどうぞ。
NAXOS-8.570297
R・シュトラウス:愛と死の歌曲集
ひそやかな誘い Op.27No.3/おおあなたが私のものなら Op.26No.2/待ちわびて Op.10No.5/献呈 Op.10No.1/希望と失望 TrV98/赤いばら TrV119/物言わぬ花 Op.10No.6/二人の秘密をなぜ隠すのか Op.19No.4/ゲオルギーネ Op.10No.4/サフラン Op.10No.7/何も知らず Op.10No.2/私はお前を愛す Op.37No.2/夜の逍遥 Op.29No.3/ああ恋人よ、私は別れねばならない Op.21No.3/解き放たれ Op.39No.4/悲しみの歌より Op.15No.4/悲しみへの讃歌 Op.15No.3/わが心は沈黙す Op.19No.6/霧 TrV 65/万霊節 Op.10No.8/憩え、我が魂 Op.27No.1/
ヘドウィッグ・ファスベンダー(Ms)、ヒルコ・ドゥムノ(P)
豪奢な「ばらの騎士」?それとも激しすぎる「サロメ」?R・シュトラウスというと極彩色の音楽を思い浮かべる人も多いことでしょう。しかし彼の歌曲はもっと秘めやかで限りなく深い表現力を湛えたものばかりです。まるで魔法のスパイスのように振りかけられた官能性は、まるで媚薬のように聴き手の耳に忍び寄り熱い息を吹きかけるかのようです。
NAXOS-8.570298
メトネル:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第1集
ヴァイオリン・ソナタ第3番Op.57“エピカ”、3つの夜想曲Op.16、おとぎ話Op.20 No.1 (ハイフェッツ編)
ローレンス・カヤレイ(Vn)、ポール・スチュワート(P)
最近、ピアノ作品が注目されているロシアの大作曲家メトネルの45分を超えるヴァイオリン・ソナタ第3番です。これはメトネルの作品の中でもとりわけ異彩を放つ大作で、次から次へと溢れだす美しいメロディは民謡風でもあり少しだけ陰鬱な表情を持ちつつも、そこはかとない郷愁を誘うことでしょう。カヤレイの演奏は曲の移り変わりを丹念に追いつつ、根底に流れる熱き情念もきっちり描き出したものです。
NAXOS-8.570299
メトネル:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第2集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ロ短調Op.21
2つのカンツォーナとダンス
ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調Op.44
ローレンス・カヤレイ(Vn)、
ポール・スチュワート(P)
大好評の第1集(8.570298)に続く、カヤレイ、スチュワートのコンビによるメトネル(1880-1951)のヴァイオリンとピアノの作品集です。最も有名な作品の一つであるヴァイオリン・ソナタ第1番は酒の神バッカスの神話の影響を受けたと言われる「春のソナタ」として知られる作品。第2番は終楽章に美しい変奏曲を持つ抒情的な作品です。力強さとロマンティックな気分が交錯する「メトネルらしさ」を存分に味わえることでしょう。

NAXOS-8.570300
(3CD)
ハイドン:オラトリオ「トビアの帰還」(1784年版) ロベルタ・インヴェルニッツィ(S)、ゾフィー・カートホイザー(S)、アン・ハレンベリ(A)、アンドレス・J・ダーリン(T)、ニコライ・ボルチェフ(Bs)、ケルン声楽アンサンブル、アンドレアス・シュペリング(指)カペラ・アウグスティナ
ハイドン(1732-1809)の中期の作品であるこの「トビアの帰還」は傑作「天地創造」や「四季」に比べ、ほとんど演奏される機会はありません。音楽史的にもずっと忘れられた存在として扱われて来ましたがこのように精彩漲る演奏で聴いてみると「なぜもっと聴かれないのだろう?」と不思議に思うばかりです。この録音は合唱曲を2 曲追加した1784 年版を使用したもので、名ソプラノ、インヴェルニッツィ等の情感豊かな歌の素晴らしさも特筆ものです。
NAXOS-8.570308
ブライアン(1876-1972):交響曲第4番「勝利の歌(勝利の賛歌)」
交響曲第12番
エイドリアン・リーパー(指)
スロヴァキアRSO、
スロヴァキア・フィルハーモニーcho、
スロヴァキア国立歌劇場cho、
青年「エコー」cho、混声「カントゥス」cho、
チェコ・ブルノ・フィルハーモニーcho、
ヤナ・ヴァラーシュコヴァ(S)
生涯を通してドイツの音楽文化、文学、思想を崇拝していたブライアンは、第四交響曲「勝利の歌」を、ドイツの文化遺産が国家主義によって歪められつつあった時代に書き上げました。二組の合唱団、ソプラノと巨大編成管弦楽団を要するスコアのために書かれたこの作品は、二つの荒々しく力強い楽章が、瞑想的な緩徐楽章の前後に配された構成です。強大さと力強さを賛美する無慈悲な歌詞と、野性的な豪快さと暴力的で強烈な表現による音楽を用いたこの交響曲からは、ドイツが向かおうとしていた道に対するブライアンの黙示録的な幻視を聴き取ることが出来ます。単一楽章の交響曲第12番では、ブライアンは大管弦楽団を用いているものの、音楽語法は必要不可欠なものだけに切り詰められています。
NAXOS-8.570309
フィルハーモニカーの至芸
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ(エリーザベト・ヴァインツィール&エトムント・ヴェヒターによる2つのフルートとピアノ用編曲)、
クーラウ:2つのフルートとピアノのための大三重奏曲、
フランセ
:オウムの対話(フルートとアルト・フルートのための)、
サン・サーンス:タランテッラOp.6(フルート,クラリネットとピアノのための)、
プーランク:フルート・ソナタ
ヴォルフガング・シュルツ(Fl,アルトFl)、
マティーアス・シュルツ(Fl)、
ペーター・シュミードル(Cl)、乾まどか(P)
ウィーン・フィルの名手を紹介するシリーズの最新盤は、カール・ベームが指揮をしていた頃からのスター奏者であるシュルツと、彼の息子であるマティーアスのデュオが登場。モーツァルト作品の編曲など選曲もユニーク。仲間であるシュミードル、乾まどかのサポートも万全です。サン=サーンスとプーランクはヴォルフガングの演奏です。
NAXOS-8.570310
ヴィドール:オルガン名作集
交響曲第1番 Op.13 1〜第5楽章、
交響曲第2番 Op.13 2〜第4楽章、
交響曲第4番 Op.13 4〜第3楽章、
交響曲第3番 Op.13 3〜第5楽章、
3つの小品集より第2番「神秘的に」
バッハの思い出より第4曲/第5曲、
交響曲第6番Op.42 2〜第1楽章、
ゴシック交響曲〜第2楽章、
交響曲第5番〜第1楽章/第2楽章/第3楽章
ロベルト・デルカンプ(Org)
有名な「トッカータ」を含む18世紀の最大のオルガン作曲家ヴィドールの作品集です。オルガンの機能を最大限に生かした華やかで流麗な曲ばかり。“バッハの思い出”ではおなじみのメロディも使われています。そして、トッカータを含む交響曲第5番は全曲収録されています。このトッカータのテンポ設定については諸説ありますが、ヴィドール自身は適度な早さを望んでいたといわれます。この演奏はまさにそんなテンポで、落ち着いた風情が得も言われぬ美しさを醸し出しています。
NAXOS-8.570311
ブクステフーデ:オルガン作品集第6集
前奏曲 ト短調 BuxWV 150 /カンツォーナ ハ長調 BuxWV 160/今ぞわが魂よ主をたたえよ BuxWV 215、BuxWV 213/第1 旋法のマニフィカート BuxWV 204/前奏曲 ヘ長調 BuxWV 145/われ汝に感謝す、愛する主よ BuxWV 194/カンツォネッタ BuxWV 225/神もしわれらとともになかりせば BuxWV 222/前奏曲 ハ長調 BuxWV 136/わが愛する神に BuxWV 179/トッカータ ト長調 BuxWV 165/前奏曲 ト長調 BuxWV 162
ジュリア・ブラウン(Org) ※ネブラスカ州、オマハ、聖セシリア大聖堂、マーティン・パシ製オルガン使用
2007年、ブクステフーデ(1637-1707)没後300年の最後を飾るのはこの1 枚。北ドイツのオルガン音楽の隆盛を築き、ヘンデルやJ・S・バッハに多大なる影響を与えたブクステフーデの作品は即興性溢れる自由な作風で人気が急上昇しています。前作でもその磨き抜かれた技術が高く評価されたブラジルのオルガニスト、ジュリア・ブラウンによる演奏です。
NAXOS-8.570312
ブクステフーデ:オルガン作品集 第7集
前奏曲とフーガ イ短調 BuxWV158/前奏曲 ハ長調 BuxWV138/イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ BuxWV188/カンツォネッタ ト短調 BuxWV173/今ぞわが魂よ主をたたえよ BuxWV214/カンツォネッタ ハ長調 BuxWV167/アリアと3 つの変奏 イ短調 BuxWV249/汝のみこによりてのみ我汝に感謝す BuxWV195/クーラント・シンプルと8 つの変奏曲 BuxWV245/前奏曲とフーガ ヘ長調 BuxWV144/前奏曲 変ロ長調 BuxWV154(断片)/カンツォーナ ト長調 BuxWV170/前奏曲とフーガ ト短調 BuxWV163/
ジュリア・ブラウン(Org)
毎回好評を博しているブクステフーデ(1637?-1707)のオルガン作品集も今作で第7 集となります。今作はコラール前奏曲、コラール幻想曲、そして舞曲による変奏曲などの多彩な作品が並び、この作曲家の多くの面を垣間見ることができます。時々耳に残る奇妙な音色も彼ならではの特色。もともと鍵盤楽器のために書かれたBuxWV249 の変奏の華麗さもたまりません。演奏はおなじみジュリア・ブラウン。安定した技巧が魅力です。
NAXOS-8.570313
ラインベルガー:オルガン作品集第6集
ソナタ第14番ハ長調Op.165、
ソナタ第15番二長調Op.168、
ソナタ第16番嬰と短調Op.175
ヴォルフガンク・リュプサム(Org)
フルダ大聖堂リーガー=ザウアー製オルガン☆リヒテンシュタインで生まれミュンヘンで学び、ピアニスト、オルガニストとして活躍したラインベルガー(1839-1901)は生涯に渡って多くの作品を残しましたが、やはりその中心を占めるのはオルガン作品です。ソナタだけでも20曲あり、作風は穏健ですがロマン派の作曲家らしく凝った和声も見られ、どれもが壮麗で渋い美しさを湛えています。今回もリュプサムの名演でお聴きください。フルダ大聖堂の由緒あるオルガンの響きは感動ものです。
NAXOS-8.570314
ラインベルガー:オルガン作品集第7集
ソナタ第17番変ロ長調Op.181「幻想ソナタ」
前奏曲とフーガニ短調JWV10
モノローグOp.162(第1番コン・モートハ長調
第2番ポコ・アジタートイ短調
第3番アンダンテ・トランクィロホ長調
第4番アンダンティーノ変ホ短調
第5番アンダンテ・アマービレト長調
第6番ラルゴ・エスプレッシーヴォ変ロ短調)
ソナタ第18番イ長調Op.188
ヴォルフガンク・リュプサム(Org)
19世紀のオルガン音楽の大作曲家、ラインベルガー(1839-1901)のオルガン曲シリーズの第7集。今回は後期の傑作、第17番「幻想」と第18番を中心に収録しています。第17番の冒頭は何やら結婚行進曲を思わせる音の動きで始まりますが、曲が進むにつれその独創性に圧倒されることでしょう。深い情緒をたたえた第18番の導入部も美しさの極みです。そしてオススメはOp.162のモノローグ。暗闇にともる温かい炎のような音楽とでも言いましょうか。じんわり浸み入る小さな曲集です。
NAXOS-8.570315
ラインベルガー:オルガン作品集第8集
オルガン・ソナタ第19番ト短調Op.193、
前奏曲とフーガハ短調JWV16、
オルガン・ソナタ第20番ヘ長調Op.196「平和の祭典」
ヴォルフガンク・リュプサム(Org)
ロマン派のオルガン作曲家ラインベルガー(1839-1901)の代表作である、20曲のオルガン・ソナタの全曲録音がついに完成いたしました。演奏は今回もリュプサムでオルガンも同じフルダ教会のものです。彼の作品は、バッハのような明確な対位法に彩られたものではありませんが、メインとなる旋律を取り巻く旋律の複雑に絡み合う様が何とも魅力的な音楽です。今アルバムは19番と20番を収録。「平和の祭典」と題された第20番は、特定の式典のために書かれたのではなく、いくつかの賛美歌を用いられて作曲されたもの。厳かで平穏な美しい作品です。
NAXOS-8.570316
ショスタコーヴィチ:女ひとりOp.26(マーク・フィッツ=ジェラルドによる復元スコア) イリーナ・マタエワ(S)、
アンナ・キクナーゼ(Ms)、
ドミトリー・ヴォロパエフ(T)、
マルク・ファン・トンヘレン(歌)、
バルバラ・ブッフホルツ(テルミン)、
マーク・フィッツ=ジェラルド(指)フランクフルトRS
その生涯に数多くの映画音楽を作曲したショスタコーヴィチ(1906-1975)。この「女ひとり」は第2作目にあたる1930年の作品です。メロディは「これでもか」と言うくらいに分かり易くシンプルでアイロニーに満ちています。とは言え、巨大ナオーケストラと多くの歌手、合唱、当時登場したばかりのテルミンまで使用するという大がかりな編成は当時の聴衆の度肝を抜いたことは間違いありません。今回の演奏にあたって、イリーナ夫人の公式承認を受けたフィッツ=ジェラルドの復元スコアを用い、その際には失われた序曲も加えています。
NAXOS-8.570318
S.S.ウェズリー(1810-1876):アンセム集
主のおかげで/恵み深い主に感謝せよ
永遠の平和を彼にもたらせたまえ
わたしの咎を洗い去り
おお、恵みと慈悲にあふれる神よ
天にいます神に向かって
主の父なる神をほめたたえよ
御前からわたしを退けず/荒れ野よ、荒地よ
クリストファー・ロビンソン(指)
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊、
ジョージ・ハンフリーズ(Br)、
ジェームズ・マクヴィニー(Org)
19世紀のイギリス、豊かなヴィクトリア時代を象徴するように平和で厳かな賛美歌を多数作曲したウェズリー。現在も英国国教会のスタンダードな教会音楽として歌い継がれていますが、由緒あるケンブリッジ大学所属の聖歌隊が、その本質を伝えてくれます。
NAXOS-8.570320
プレイエル:協奏曲集
協奏交響曲変ロ長調(Benton112)、
協奏交響曲イ長調(Benton114)、
ヴァイオリン協奏曲ニ長調(Benton103/103A)
デイヴィッド・ペリー(Vn)、
ヴィクトリア・チャン(Va)、
イザベラ・リッピ(Vn)、
マーカンド・ザーカー(指)ボルティモア室内O
高名なピアノ製作者として知られるプレイエル(1757-1831)は、ハイドンに作曲を師事、ヴァンハルにピアノを学びピアニストとして各地で活躍しました。このアルバムに収録された作品は、今までにほとんど知られていないものばかり。例えば、変ロ長調協奏交響曲は、彼がF.X.リヒターの代理人としてストラスブールで最初に働いた時に書かれた1760年代のもので、本来単一楽章とされていますが、第1楽章があったことは文献からも明らかで、ここでは、ヴィオラと鍵盤楽器のために書かれたスコアを元に復元した楽章を第1楽章として演奏しています。他にも珍しいヴァイオリン協奏曲など、緻密な研究に基づいた興味深い作品が並びます。
NAXOS-8.570321
ブラーNAXOS-協奏曲集
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、
シューマン:ヴァイオリン協奏曲
イリヤ・カーラー(Vn)、
ピエタリ・インキネン(指)ボーンマスSO
この2曲の協奏曲、曲も演奏も派手さは全くありません。とにかく滋養に満ちた味わい豊かな音楽が詰まっています。心に直接語りかけてくるようなカーラーのヴァイオリンの音色をしっかりと暖かく受け止めるインキネンの指揮。とりわけシューマンでの渋い美しさは絶品です。もちろんブラームスも初めて聴くかの如く新鮮な印象です。
NAXOS-8.570322
スヴェンセン:ノルウェー狂詩曲第1-4番
ロメオとジュリエットOp.18
ノルウェー狂詩曲第1番Op.17
ノルウェー狂詩曲第2番Op.19
ノルウェー狂詩曲第3番Op.21
ノルウェー狂詩曲第4番Op.22
ゾラハイダOp.11
ビャルテ・エンゲセト(指)南ユランSO
ノルウェーで生まれ指揮者、ヴァイオリニストとして活躍したスヴェンセン(1840-1911)は、グリーグの親友であり、ノルウェーの音楽発展に努めた人でした。彼の作風はロマン派の域を脱するものではなく、どれもがチャイコフスキー風の優しい肌ざわりを持っています。このノルウェー狂詩曲はタイトル通り、リストの「ハンガリア狂詩曲」に触発されたもので、要所要所に民謡的なメロディが使われた情感豊かな作品です。同時期に書かれた2つの作品も色彩豊かなもの。「ゾラハイダ」はワシントン・アーヴィングの書いた「アルハンブラ物語」に触発された作品。彼の出世作でもあります。
NAXOS-8.570323
ルーセル:交響曲第1番「森の詩」Op.7
交響的前奏曲「復活」Op.4
劇音楽「眠りの精」Op.13
ステファン・ドヌーヴ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ステファン・ドヌーヴの前2作のルーセル(1869-1937)は、そのどちらもが世界中から高い評価を受けています。今回の交響曲集もそれを上回る称賛を与えられることは間違いありません。フランスの作曲家にしては、かなり重厚な音使いをすることで知られるルーセル。劇音楽は割合良く聴かれるのですが、交響曲はほとんど人気のない分野です。以前もデュトワやミュンシュらが録音してはいるのですが、このような素晴らしい演奏がもっと多く出てくれば聴く人も増えてくるのではないでしょうか。第1番の交響曲は1904年から1906年に書かれ、1908年に初演されました。「森の詩」という副題があるにも関わらず、表題音楽ではありません。確かに気分は4つの季節に基づいているのですが、描かれている風景を想像上で描写するのは聴き手の力量にまかされているのです。交響的前奏曲「復活」はトルストイの同名の小説を示唆したもの。木管楽器の表情豊かなメロディによって孤高の傑作は確かに音にされています。バレエ音楽を得意としたルーセルの面目躍如と言った「眠りの精」はG・ジャン=オーブリの劇のための表情豊かな作品です。
NAXOS-8.570338
カントルーブ:オーヴェルニュの歌 第2集
羊飼いのおとめと馬に乗った男/紡ぎ女/子どものために/しっ、しっ静かに/牧歌/向こうの谷間に 羊飼いよ、あなたが愛してくれるなら/野良犬め、あっちへ行け/さあ、まぐさをおやり 三部作(夏への捧げもの/月のような/夜明けへの讃歌) フランスの歌(抜粋) ブロンド娘のそばで/あるいは私は哀れと思うために行くでしょうか?/ばらの牧草地に/心地良い山頂/目覚めよ/あなた の前に少女が来たら
ヴェロニク・ジャンス(S)、セルジュ・ボド(指)リール国立O
第1集(8.557491)が大好評を博したヴェロニク・ジャンスによるオーヴェルニュの歌、その続編の登場です。このアルバム で「オーヴェルニュの歌」は完結です。類い稀なる美声と情感豊かな歌唱で故郷の歌を聴かせるジャンス。今回もその歌声は 至上の美しさを誇ります。ラヴェルとショーソンに絶賛されたと言うカントルーブ(1879-1957)の知られざる作品、「三部作」 と「フランスの歌」も収録。こちらもとても魅惑的です。
NAXOS-8.570339
ホルスト:ブルック・グリーン組曲
ヴァイオリンと管弦楽のための夜の歌
セント・ポール組曲
ヴィオラと室内管弦楽のための叙情的楽章
フルート,オーボエと弦楽のためのフーガ風協奏曲
2つのヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲
ハワード・グリフィス(指)
イングリッシュ・シンフォニア、
ジャニス・グレアム(Vn)、
サラ・ユーインズ(Vn)、
アンドリ・ヴィイトヴィッチ(Va)、
アナ・パイン(Fl)、
フィリップ・ハーマー(Ob)
民謡やバロック音楽などを素材として、小編成のオーケストラのために書かれている作品を集約。「惑星」とはまったく違った作曲者の顔があり、ホルストのイメージが大きく変わるかもしれません。アマチュア・オーケストラの選曲にも役立つ一枚です。
NAXOS-8.570340
アルウィン(1905-1985):ピアノ五重奏のためのラプソディ、
ヴァイオリンとヴィオラのための即興的ソナタ、
ヴィオラとピアノのためのバラード、
2つの歌、ブラックモアによる3つの歌、
ヴァイオリンとピアノのためのソナティネ、
弦楽四重奏のための「3つの冬の詩」、
リコーダーとピアノのための「トムへのシャコンヌ」
ギルバート・ローランド(ハープシコード)
映画音楽で知られるイギリスの作曲家、ウィリアム・アルウィンは管弦楽曲から、歌曲、器楽曲と多くのジャンルにたくさんの作品を残しています。彼は「音楽を頭で理解されるよりも心で受けとめること」を好んだロマンティストで、その作品も耳に心地よいものばかりです。 ここに収録された作品は1931年の「2つの歌」から1982年に書かれた「トムへのシャコンヌ」までで、50年に渡るアルウィンの作曲技法の成熟度を目の当たりにすることが可能です。
NAXOS-8.570341
チリのギター音楽集
コントレラス(1983-):トナーダ・アクエカーダ、
サリナス
(1951-):欠けた時間の組曲より「クリスタリーノ」、
レストゥッチ(1956-):替わるもの/樫の木/天人花、
サンチェス
(1965-):チロエティカ、
コントレラス
(1983-):帰還の歌/感覚と理由/私の母親の歌、
パッラ
(1961-):5つの古い歌、
サンチェス(1965-):ギター・ソナタ「ビオレタ・パッラへのオマージュ」
別れの歌
ホセ・アントニオ・エスコバル(G)
よほどの音楽好き、またはギター好きでも、ここに収録された作品を耳にすることはなかなか難しいのではないでしょうか。チリの現代作曲家たちによる様々な作品のなんと多彩で楽しいこと!情熱的で複雑なリズム、既存のスタイルを打破した独創的な音、これらが収束した「新しい音」の噴出です。若き名手エスコバルの妙技には全く聴き惚れるしかありません。
NAXOS-8.570346
ビンガム(1952- ):合唱曲集
血の中の塩/
闇もあなたに比べれば − 永遠の平和を彼にもたらせたまえ(S.ウェズリーによる)
最初の灯り/雪は降り積む/秘密の花園
スティーヴン・ジャクソン(指)
BBC交響cho、トーマス・トロッター(Org)
ファイン・アーツ・ブラス 現代イギリスの女性作曲家による声楽作品集ですが、ブリテンやティペットなどの流れを汲む作風であり、イギリスでは高い評価を得ています。自身がBBCシンガーズなどで歌っていたという経験から合唱曲のクオリティが高く、ノルウェーの怪談をベースに民謡の味わいを加えた「血の中の塩」など、代表作を集めました。
NAXOS-8.570347
ムーン:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ(2006)、
沈められた(1999)、通過(1999)、
ゲルニカ(2003)、
インテル=メッ=ツォ(2006)、
トッカータ(2000)、抒情詩(1998)、
ピアノ・ファンタジー(1998)、
育児室(1996)、秘密(2005)、前奏曲
ベアタ・ムーン(P)
韓国系アメリカ人の女性作曲家ベアタ・ムーン(1969-)の自作自演集です。どれも過去の慣習にとらわれることのない自由な作風による音楽で、瞑想的な部分はとことん静かに、躍動的な部分は驚くほどに暴力的にと、さまざまな情感を湛えた小品の集合体はまるで大都市の風景のようにめまぐるしくその姿を変えて行きます。
NAXOS-8.570350
ロージャ:ヴァイオリン協奏曲 Op.24/ヴァイオリンとチェロのための協奏交響曲 Op.29* アナスタシア・ヒトルーク(Vn)、アンドレイ・チェクマゾフ(Vc)*、ドミトリ・ヤブロンスキ(指)ロシアSO
ハンガリーの作曲家、ロージャ(1907-1995)は映画音楽の大家として知られていますが、並行してコンサートホールのためにも積極的に曲を書きました。ハンガリーの民謡を巧みに取り入れた数々の作品はどれもが親しみやすくどこか懐かしい風情を保っています。ヴァイオリン独奏はアナスタシア・ヒトルーク。現在の若手有望株の中でも最もパッション溢れる演奏家の一人です。
NAXOS-8.570351
サリヴァン:パイナップル・ポール組曲(マッケラス編)/アイルランド交響曲 デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
喜歌劇「ミカド」でおなじみのイギリスの作曲家サリヴァン(1842-1900)の隠れた名曲です。とは言えこれはオリジナル作品ではなく、指揮者マッケラスがサリヴァンのオペレッタの中からバレエ曲だけを集めてまとめた楽しい曲集なのです。吹奏楽好きにもファンの多いこの曲をイギリスの名門オケの演奏で。ブックレットにはマッケラス自身の解説も収録しています。
NAXOS-8.570333
ワインベルク:チェロ・ソナタ集
チェロ・ソナタ第1番Op.21
チェロ・ソナタ第2番Op.63
無伴奏チェロ・ソナタ第1番Op.72
無伴奏チェロ・ソナタ第3番Op.106
ドミトリ・ヤブロンスキー(Vc)
リュウ・シン=ニ(P)
ワルシャワのユダヤ人家庭に生まれたワインベルク(1919-1996)は、最初ワルシャワ音楽院で学びますが、1939年、ナチス・ドイツのポーランド侵攻のためにソヴィエト連邦へ亡命することとなります。ミンスクからタシュケント、そして最後はモスクワに定住し、亡くなる直前にロシア正教会に改宗しました。彼のチェロ・ソナタ(第2番はロストロポーヴィチのために作曲された)は、チェロの表現能力の限界までを使用しており、憂鬱さと抒情性、そして激しさを兼ね備えたもので、しばしばショスタコーヴィチの作品と比較されます。また無伴奏ソナタの第1番と第3番もやはりロストロポーヴィチに捧げられています。第1番は比較的コンパクトな作品ですが、第3番は規模、楽想ともに大きく、これは確かにJ.S.バッハの作品に比肩するものと言えるでしょう。
NAXOS-8.570353
ランジバラン:覚醒・エレジー他
覚醒/常動曲
チェロと弦楽合奏のためのエレジー
弦楽のためのエレジー
ヴァイオリン・デュオのための6つのカプリース
弦楽四重奏曲
セジョンのソリストたち
チェン・シ(Vn)、フランク・ホアン(Vn)、
ウェイン・リン(Vn)、ベス・グターマン(Va)
オーレ・アカホシ(Vc)
イラン生まれでアメリカにベースを置く作曲家、ランジバラン(1955-)の作品集です。「とても高貴で光り輝く思いつき」とアメリカの音楽ガイドでも大絶賛された彼の音楽は、好奇心に溢れた聴衆の心をうまく刺激するようです。戦争に関する平和の勝利を祝す「覚醒」、活発なエネルギーの放出が気持ちよい「常動曲」、命の循環を音で描いた「チェロと弦楽合奏のためのエレジー」そして、そこから派生したチェロのためのエレジー。どれもが何かに突き動かされるような煽情的な音楽です。ヴァイオリンの技法と音色を徹底的に追及した、「6つのカプリース」、生命と夢、その他儀式めいたもの全てを包括する弦楽四重奏曲も、屈強なる意志の力を感じさせる逸品です。
NAXOS-8.570354
シューベルト:4手のためのピアノ作品集第5集
ソナタハ長調D812Op.posth140「グラン・デュオ」、
4つのレントラーD814、
創作主題による変奏曲D813Op.35、6つの大行進曲とトリオD819Op.40〜第2番ト短調/第3番変ロ短調
アラン・シラー(p)
ジョン・ハンフリーズ(p)
シューベルト(1797-1828)のピアノ連弾曲の多くは、夏の間に書かれました。そのほとんどは彼が弟子(恐らく良家の娘)と連弾するためのものですが、中にはここに収録された「グラン・デュオ」のような大作も含まれます。この曲は連弾用としてよりも、交響曲の下案として書かれたのではないか?とも言われているほど規模が大きく確固たる構造を持つ作品で、全曲を弾きこなすのは至難の業です。
NAXOS-8.570355
スタンフォード:交響曲集第3集
交響曲第6番変ホ長調、
交響曲第3番へ短調「アイルランド風に」
デヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ボーンマスSO
7曲もあるにもかかわらず「20世紀になった今では時代遅れの音楽だ」とされ忘れ去られてしまったスタンフォード(1852-1924)の交響曲。しかし第3番だけはその素朴で物悲しいメロディと雰囲気が愛されたのかずっと演奏され続け、彼の代表作の一つとしても認知されています。しかし第6番は作曲されてからの80年の間にたった2回ほど公式に演奏されたのみ。何ともったいないことでしょう!!!美しいメロディとハーモニーに彩られた作品、これはブーム到来の予感です。
NAXOS-8.570356
スタンフォード:交響曲集第4集
交響曲第1番変ロ長調
クラリネット協奏曲Op.80
デヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ボーンマスSO、
ロバート・プレーン(Cl)
NAXOS-8.570352
ハウエルズ(1892-1983):サー・パトリック・スペンス(世界初録音)
楽園への讃歌 
デーヴィッド・ヒル(指)ボーンマスSO、
バッハcho、クレア・ラター(S)、
ジェームズ・ギルクリスト(T)、
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
ヴォーン・ウィリアムズやフィンジらと同じ作風を持つハウエルズは、CD時代になって特にクローズアップされた存在。「楽園への讃歌」は大規模な声楽曲の代表作であり、初録音となる「サー・パトリック・スペンス」は、ヴォーン・ウィリアムズの作風に似ている作品です。
NAXOS-8.570359
アルウィン:ピアノ作品集第1集
ソナタ・アッラ・トッカータ/緑の丘
クリケッティ・ミル
インドの音階による前奏曲とフーガ
真昼の霞/ハーヴェスト・ホーム
ファンシー・フリー/4月の朝/幻想的ワルツ
アシュリー・ウェイス(P)
オルウィンの創作活動において、ピアノ曲というのはかなり大きなウエィトを占めています。ここに収録された作品を聴いてもわかるように、オルウィン自身も並々ならぬ名ピアニストでした。なかでも11の小品からなる「幻想的ワルツ」はオルウィンの最も素晴らしい創造です。ショパン、ラヴェル、J・シュトラウス、そして作曲直前に訪れ影響を受けたグリーグ。彼らの面影を残しつつもオルウィン独自の方法でワルツの可能性を極限まで探索するものです。
NAXOS-8.570360
ベリオ:ヴァイオリン協奏曲第2.3.5番
ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.32、
ヴァイオリン協奏曲第3番ホ短調Op.44、
ヴァイオリン協奏曲第5番ニ長調Op.55
フィリッペ・クィント(Vn)、
カーク・トレヴァースロヴァキアRSO
若きヴァイオリニストの卵たちが、一度は演奏してみたいと願うのが、このベリオ(1802-1870)の協奏曲でしょう。技術的にも表現的にも心地良い困難さを必要とする演奏効果絶大なる作品です。パガニーニの影響が大きい2番と3番、そしてユーモラスな曲調が魅力的な第5番。若き俊英クィントの堂々たる模範的演奏で。
NAXOS-8.570361
J・C・バッハ:6つの鍵盤ソナタ集Op.17
ソナタト長調Op.17No.1、
ソナタハ短調Op.17No.2、
ソナタ変ホ長調Op.17No.3、
ソナタト長調Op.17No.4、
ソナタイ長調Op.17No.5、
ソナタ変ロ長調Op.17No.6
アルベルト・ノセ(P)
若きモーツァルトに多大な影響を与えたと言われるJ・C・バッハ(1735-1782)は、鍵盤奏者としても革新的で、従来のチェンバロよりも新しいフォルテ・ピアノに興味を抱いた最初の人として知られています。作風もどことなくロマン派を先取りしていてちょっとひねった曲を聴きたい方にはぴったりの1枚と言えるでしょう。2005年、スペインのサンタンデール国際コンクールのピアノ部門で金賞を受賞した期待の若手ピアニスト、ノセによる演奏です。
NAXOS-8.570366
(2CD)
マイール:オラトリオ「エンゲディの洞穴のダヴィデ」 メリット・オスターマン(Ms)、
コルネリア・ホラク(S)、市原愛(S)、
ジビラ・ドッフェ(S)、
クラウディア・シュナイダー(S)、
フランツ・ハウク(指&ハープシコード)、
シモン・マイールcho&アンサンブル
このところ再評価の高まる、バイエルン生まれのイタリアで活躍した作曲家マイール(1763-1845)ですが、今回はオラトリオをお届けいたします。1795年ベニスの慈善団体のために書かれた4連作の最後の曲で、聖書のエピソードの一つダヴィデとサウルの対立を扱ったものです。ソロも合唱も全て女声というのも興味深いところでしょう。この演奏には日本の才能溢れる期待の若手ソプラノ市原愛も参加、熱唱を聴かせます。
NAXOS-8.570368
D.スカルラッティ:ピアノ・ソナタ全集第9集
ソナタニ短調K.52/L.267/P.41、
ソナタニ短調K.77/L.158/P.10、
ソナタト長調K.79/L.80/P.204、
ソナタト短調K.111/L.130/P.99、
ソナタハ短調K.139/L.6/P.126、
ソナタハ長調K.170/L.303/P.164、
ソナタニ短調K.176/L.163/P.163、
ソナタニ長調K.277/L.183/P.275、
ソナタイ長調K.344/L.295/P.221、
ソナタハ長調K.340/L.105/P.420、
ソナタニ長調K.388/L.414/P.370、
ソナタハ長調K.398/L.218/P.493、
ソナタイ長調K.456/L.491/P.377
フランチェスコ・ニコローシ(P)
ナポリ楽派の歌劇作曲家、卓越したチェンバロ奏者、そしてオルガニストであったドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)。555曲あるチェンバロソナタは、彼が音楽指導を行っていたポルトガル王女マリア=バルバラ(後のスペイン王妃)の練習用として書かれたもので、ほとんどが単一楽章で構成された短いものですが、そこに盛り込まれた技巧は多種多様で当時としてはとても実験的なものでした。現在のピアニストにとっても重要なアンコールピースであることは間違いありません。
NAXOS-8.570369
パヴロワ(1952- ):交響曲第5番
ピアノと弦楽オーケストラのための悲歌*
ウラディーミル・ジヴァ(指)
モスクワ放送チャイコフスキーSO、
ミハイル・シェスタコフ(Vn)、
アンドレイ・コロベイニコフ(P)*
既発売の交響曲集(NAXOS-8.557157、NAXOS-8.557566)で、その叙情性を広くアピールしたロシア出身の女性作曲家ですが、2006年に完成した交響曲第5番はスピリチュアルなテーマを扱った作品。また2007「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭でも好評だったコロベイニコフも加わっている「悲歌」は、題名の通り心に響く音楽です。
NAXOS-8.570370
トゥリーナ:ピアノ作品集第5集
スペインの物語第1集Op.20(1918)
スペインの物語第2集Op.47(1928)
古いスペインの記憶Op.48(1929)
シルエットOp.70(1931)
ホルディ・マソ(P)
マドリードで生まれ、パリでダンディに師事し、アルベニスやファリャと交流を深めスペイン国民楽派の創造に取り組んだトゥリーナ(1882-1949)。1914年に帰国してからはロマン派と印象主義の良いところを取り入れた独自のスペイン音楽を発表し、高い評価を得ています。ここに収録された「スペインの物語」はトゥリーナ自身が「特定の場所から喚起される特定の物語を思い起こさせる」ように書いたと語る作品集。その思いは他のどの曲にも見られるもので、どれを聴いてもスペインの乾いた風を感じさせます。シリーズを一貫して演奏しているマソは、ここでも自信漲る解釈を聴かせてくれます。
NAXOS-8.570371
シェリゴフスキ:喜劇的序曲、4つのポーランド舞曲、ピアノ協奏曲、管弦楽のための夜想曲、管弦楽のための協奏曲 ボグダン・チャピエフスキ(P)、アンナ・ジウコウスカ(Vn)、マリウス・スモリジ(指)ポズナ二PO
戦後のポーランド音楽の発展に大きく関与したシェリゴフスキ(1896-1963)の作品集です。第2次世界大戦の後ポズナニに留ま り、この地のオーケストラの指揮者として活躍。並行して作曲活動も活発に行いポーランド民謡を巧みに織り込んだ親しみや すい曲を多く生み出した彼こそ、近代ポーランド音楽の父と呼ぶにふさわしい人でしょう。ここに収録された作品はどれもが 新古典主義の影響を受けた確固たるもので、どっしりと満足感を与える重厚なサウンドも聴きどころです。
NAXOS-8.570377
ストラヴィンスキー:ピアノ作品集
ピアノ・ラグ・ミュージック、
サーカス・ポルカ、ピアノ・ソナタ、
セレナーデイ調、タンゴ、
4つの練習曲Op.7、スケルツォ、
ピアノ・ソナタ嬰へ短調
ヴィクトル・サンジョルジョ(P)

原盤Collins Classics
ストラヴィンスキー(1882-1971)のピアノ曲と言えば「ペトルーシュカ」あたりしか知られていないと言っても過言ではないでしょう。しかし彼は40年間に渡って常に異なった作風でピアノ曲を書き続けていました。どの曲も興味深いのですが、とりわけ最初期のスケルツォやソナタでのロマンティックな風景が、5年程経過しただけで「4つの練習曲」のような複雑なリズム・パターンに変容するのには驚くばかりです。
NAXOS-8.570378
フランツ&カール・ドップラー:フルートと管弦楽のための作品集
F&K・ドップラー:リゴレット幻想曲*、F・ドップラー:ハンガリー田園幻想曲 Op.26、F・ドップラー:アンダンテとロンド Op.25*、F・ドップラー:アメリカの主題による二重奏曲 Op.37*、F&K・ドップラー:華麗なるワルツ Op.33*、F・ドップラー:2つのフルートのための協奏曲 ニ短調*
パトリック・ガロア(指、FL)、瀬尾和紀(Fl)*、シンフォニア・フィンランディア
フルートを吹く人なら誰もが憧れる「ハンガリー田園幻想曲」で知られるフランツ・ドップラー(1821-1883)は、その弟カール(1825-1900)もまたフルートの名手であり、しばしば兄弟で共作をしたりと19世紀のフルート作品の発展に寄与したのです。彼らの作品のほとんどはリサイタルを念頭にし、ピアノの伴奏で書かれていますが、ここでは名手ガロアのたっての希望によりオーケストラ伴奏に編曲されたものを演奏しています。共演は日本期待の若手、瀬尾和紀。輝かしい音色が彩なす音の喜びが横溢しています。
NAXOS-8.570380
クロイツェル:ヴァイオリン協奏曲第17番-第19番
ヴァイオリン協奏曲第17番ト長調
ヴァイオリン協奏曲第18番ホ短調
ヴァイオリン協奏曲第19番ニ短調
アクセル・シュトラウス(Vn)
アンドリュー・モグレリア(指)
サン・フランシスコ音楽院O
クロイツェル(1766-1831フランス読みではクレゼール)は、フランス・ヴァイオリン楽派の基礎を作った人で、当時として先進的なヴァイオリンのヴィルトゥオーゾであったため、ベートーヴェンから第9番のソナタを献呈されたことで知られています。ただし、クロイツェル自身は演奏しなかったと言われていますが・・・。このアルバムで聴ける協奏曲はクロイツェルの作曲家としての最も脂の乗った時期に書かれたもので、彼の19曲ある協奏曲の最後の3曲となります(NAXOSでは彼の協奏曲を全曲リリースする予定です)。溢れるような旋律美はロマン派を先取りしていて、自由自在に歌うヴァイオリンの調べにはため息をつく他ありません。脈々と息づくヴァイオリン音楽の伝統を遡る喜びを味わってみてください。NAXOSイチオシの若手、アクセル・シュトラウスの素晴らしい演奏です。

NAXOS-8.570381
シューベルト:ミサ曲第6番変ホ長調D.950、
スターバト・マーテルト短調D.175
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
ライプツィヒCO、
イモータル・バッハ・アンサンブル
シューベルト(1797-1828)が亡くなる年に書かれたミサ曲第6番はその荘厳な響きで知られていますが、このイェンセン&イモータル・バッハ・アンサンブルの演奏は曲の魅力を最大限に引き出し、天上的とも言える美しさで聴き手の心を揺さぶります。清澄な合唱に涙が溢れてくるかもしれません。意外なことですが、NAXOSにシューベルトの合唱曲がレパートリーとして登場するのはこのアルバムが初となります。
NAXOS-8.570382
D.スカルラッティ:宗教声楽作品集
テ・デウム、
ミサ・ブレヴィア「ラ・ステラ」(抜粋)、
チビタヴィット・ノス・ドミヌス、
ミサ・ブレヴィア「ラ・ステラ」(続き)“アニュス・デイ”、
マニフィカト、スターバト・マーテル
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
インモータル・バッハ・アンサンブル
スカルラッティは、現在では多数のハープシコード・ソナタの作曲家として知られています。しかし若い頃は、偉大なる父を見習うべく宗教合唱曲と世俗合唱曲の作品を多く書いていたのです。とりわけ有名な作品は「スターバト・マーテル」でしょう。10人の独唱と2つの五部合唱、オルガン、通奏低音のために書かれた古式ゆかしきスタイルと斬新なスタイルの融合を図った注目すべき曲、もちろん全ての声部は独立した動きを持ち、華やかで重厚な雰囲気を醸し出しています。
NAXOS-8.570396
バラキレフ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番嬰へ短調Op.1、
ピアノ協奏曲第2番変ホ長調(S.リャプノフ完成版)、
ロシア民謡による大幻想曲
アナスタシア・セイフェトディノーヴァ(P)、
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)ロシアSO
華麗で技巧的な小品「イスラメイ」で知られるバラキレフ(1837-1910)のピアノ協奏曲は、驚くほどに切なく哀愁を帯びたものでした。2曲とも若い時期の作品で、第1番は18歳、第2番は24歳くらいに書かれたものです。第2番は未完のまま放置され、1909年に作曲を再開するも結局完成されることなく終わった作品です(弟子のリャプノフが完成)。多少のぎこちなさが却って甘酸っぱい青春を感じさせる第1番、アダージョ楽章の切なさと華麗さが際立つ第2番(とりわけクライマックスのそそり立つような和音連打はラフマニノフ、チャイコを超えるかも)、どちらも聴きものです。ロシア民謡による大幻想曲はロシア音楽の普及に多大なる貢献を果たしているはずです。
NAXOS-8.570397
ボッテジーニ:大協奏曲嬰ヘ短調他
協奏的大ニ重奏曲*
弦楽のためのアンダンテ・ソステヌート
クラリネットとコントラバスのための二重奏曲
大協奏曲嬰へ短調
トーマス・マーティン(Cb)、
ホセ=ルイス・ガルシア(Vn)、
エマ・ジョンソン(Cl)、アンドリュー・リットン(指)ECO

*のみASV原盤による移行盤、他はオリジナル版初録音
オーケストラにとって、なくてはならない存在だけど決して主役になることはないコントラバス。この楽器に煌く光を当てたのが史上最高のコントラバス演奏家であったボッテジーニ(1821-1889)です。彼は楽器の可能性を追求し、極限まで音色の美しさを引き出すことに成功しました。ここに収録された大協奏曲嬰へ短調はその中でもとりわけ見事なもので、イタリア的な明るいメロディながらも、調性も冒険的で複雑な構成を持った意欲作です。
NAXOS-8.570398
ボッテシーニ:コントラバス協奏曲他
歌劇「エロとレアンドロ」前奏曲、
コントラバス協奏曲ハ短調(オリジナル版…弦楽合奏とコントラバス)、
歌劇「夜の悪魔」シンフォニア、
2台のコントラバスとオーケストラのためのパッショーニ・アモローソ、
ニ調のエレジー、
歌劇「アリババ」序曲、
チェロ,コントラバスと管弦楽のための「ベルリーニの清教徒からのテーマによる二重協奏曲
トーマス・マーティン(Cb)、
モリー・ウェルシュ(Vc)、
フランコ・ペトラッキ(Cb)、
マシュー・ギブソン(指)LSO
ASVCDDCA907より移行盤。コントラバスのパガニーニ、ボッテシーニ(1821-1889)の魅力を再発掘するシリーズです。このアルバムは、オペラにも堪能だった彼の歌心が満載された美しい曲ばかりが収録されています。3つの歌劇(ぜひとも全曲が聴いてみたい)の序曲をはじめ、ベルリーニのテーマによる協奏曲など、「こんなに美しい曲があったなんて」と驚かされてしまいます。
NAXOS-8.570399
ボッテシーニ:ルチアによる幻想曲
「ランメルモールのルチア」による幻想曲
エレジー第2番ホ短調「ロマンツァ・ドラマティカ」
序奏とボレロ/ロマンス「愛しの唇」
カプリッチョ・ブラヴーラ
二調のエレジー
「ベアトリーチェ・テンダ」による幻想曲
グランド・アレグロ「メンデルスゾーン風協奏曲」
トーマス・マーティン(Cb)、
アンソニー・ホルステッド(P)
NAXOS-8.570400
ボッテジーニ:「夢遊病の女」による幻想曲
ベッリーニの歌劇「夢遊病の女」による幻想曲、
ホ調のメロディ(感傷的なロマンス)、
アレグロ・カプリチォーゾ嬰へ短調「ショパン風に」、
メロディ「ジョヴィネット・インナモラート」、
世界の果てのすべて(原曲:ショパン「エチュード第19番嬰ハ短調Op.25No.7」)、
序奏とガヴォット、瞑想曲(バッハのエアによる)、
パイジェッロの「うつろな心」による変奏曲、
海を隔てて、「ロマンス」〜かって去ったところへ、
「老いたロビン・グレイ」による変奏曲(ボッテジーニ編)、
レヴェリ、「ヴェニスの謝肉祭」による序奏と変奏曲
トーマス・マーティン(Cb)、
アンソニー・ホールステッド(P)、
ジャクリン・フゲーレ(S)
かねてより名盤として名高いマーティンのボッテジーニ(1821-1889)作品集の第4集です。このシリーズはASVレーベルよりの移行盤であるため、いくつかの作品はNAXOS録音の8.557042(キャリントン演奏)と聴き比べが可能です。コントラバスの限界に挑むかのようなパッセージを存分にお聴きください。「夢遊病の女」による幻想曲では、さながら丸木橋を渡るかのような極限の高音での勝負が続きます。歌を伴う幾つかの曲での夢幻的な二重唱もため息ものです。※ASVCDDCA1053より移行盤
NAXOS-8.570401
20世紀のピアノ・ソナタ集
ベルク:ピアノ・ソナタOp.1、
ヒンデミット:ピアノ・ソナタ第2番、
シェーンベルク:3つのピアノ曲、
ハルトマン:ピアノ・ソナタ「1945年4月27日」
アリソン・ブリュースター・フランチェッティ(P)
20世紀初頭における音楽の変化の激しさは誰もが知る通りです。極限まで肥大した和声と響き、それを一度壊して新たに構築された音形。流行が繰り返すかの如く、音の流れも変わっていきました。ここに収録された作品群はそんな流れの真っただ中にあるものばかり。十二音に行きつく前のシェーンベルクの作品や多くの示唆に富むハルトマンの作品など興味は尽きません。
NAXOS-8.570402
トゥリーナ:ヴァイオリンとピアノのための音楽集
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.51ヴァイオリン・ソナタ第2番「スペイン風」Op.82
アンダルシアのムーサたちOp.93〜第2番「エウテルペ」
サンルケーニャの娘の詩Op.28
古風な変奏曲Op.72
エヴァ・レオン(Vn)/ホルディ・マソ(P)
トゥリーナ(1882-1949)の作品には、なぜかこう聴き手を幸せにする成分が含まれているように感じます。それは、ほんの微かなスペインの香りであったり、洒落たメロディであったり、またエキゾチックな和声であったり。と感じる人によって捉え方は様々でしょう。NAXOSレーベルの中でも重要な位置を占めるピアノ作品集に加え、このヴァイオリン作品集もそんな魅力に満ち溢れた素敵なアルバムです。往年の名女性ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエに捧げられた「ヴァイオリン・ソナタ第1番」は彼が47歳の時の作品。第1楽章と第2楽章の気だるい美しさは初夏の午後の日差しを思わせる眩しい美しさに溢れています。他の曲からも熟れた空気と熱い吐息が流れてくるかのようです。
NAXOS-8.570403
コラージュ:ピーボディ協会創立150周年記念
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(ハインズリー編)、
シェーンベルク:主題と変奏、
バード(1856-1923):10の管楽器のための組曲、
ウールフェンデン
(1937- ):ガリモーフリー、
ホルシンガー
(1945- ):危険空域の制圧のため、
スーザ
:雷神
ハーラン・D・パーカー(指)
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル
オーケストラ作品の編曲を中心に、シンフォニック・バンドのためのオリジナル作品を集めた一枚。ヒラリー・ハーンらを輩出したアメリカの名門音楽院バンドが力強い演奏を聴かせますが、後半のオリジナル作品は吹奏楽愛好家にとって聴きものでしょう。
NAXOS-8.570406
ガードナー:管弦楽作品集
ピアノ協奏曲第1番/交響曲第1番/序曲「ミッドサマー・エール」
ピーター・ドノホー(P)、デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
イギリス音楽好きにまたまたオススメの1枚です。ジョン・ガードナーは1917年生まれのイギリスの作曲家。名前は同じでもジェームズ・ボンドの作者ではありません。しかし彼の書く音楽はとてもスリリングでドラマティック。緊迫感漂うピアノ協奏曲の冒頭のテーマなどは映画音楽に使ったとしても全く違和感ないでしょう。イギリス情緒あふれる「ミッドサマー・エール」も美しい音楽です。
NAXOS-8.570408
バヨラス:弦楽のための作品集
交響曲第2番「鐘乳石」(タトラ山/城/私たちのガイド/マツォッハ/リディチェ/ヴィシェフラド/ユダヤ墓地/プラハ/デパーチャー)、動詞のための組曲、前奏曲とトッカータ、標識
ドナタス・カトクス(指)セント・クリストファーCO
リトアニアの作曲家バヨラスはカウナスで音楽の勉強を始め、最初はヴァイオリニストとして活躍しました。音楽大学を卒業した後、現在のリトアニア国立交響楽団に入団しましたが、当時からオーケストラのためにポピュラーソングを作曲し評判となったのです。それから作曲の専門の勉強をはじめたのですが、「堅い音楽」を書く間にも時折ポピュラーソングを書き続け、彼自身も演奏していたようです。バヨラスの作品はいくぶん自叙伝的な要素を持ち、根源はリトアニアの民俗音楽にあり、メロディは人間の情感に直接訴えかけるものです。
NAXOS-8.570409
チャイコフスキー:声楽作品全集第4集
愚かな者と言われつづけてOp.25No.6/共に歩く時間もなく/昨日の夜Op.60No.1/私はお前に何も話すまいOp.60No.2/許してOp.60No.8/木陰の窓の向こうにちらりとOp.60No.10/夜Op.60No.9/ナイチンゲール夜Op.60No.4/飾らない言葉Op.60No.5/ただ一つの言葉のために/カナリアOp.25No.4/春のように青いその瞳/なぜそんなにOp.16No.5/おお、おまえが知っていたらOp.60No.3/おお、その歌を歌ってくれOp.26No.4/和解Op.25No.1/祝福あれ、森よOp.47No.5/夕べOp.27No.4/それは早春のことだったOp.38No.2/騒がしい舞踏会の中でOp.38No.3/偉業Op.60No.11/ミニョンの歌Op.25No.3
リューバ・カザルノフスカヤ(S)、
リューバ・オルフェノヴァ(P)
100曲以上も書かれているのに、交響曲や管弦楽曲などに比べあまり知られることのないチャイコフスキー(1840-1893)の歌曲たち。しかし、どの曲も情感に満ちた語句を用い、細やかな感情を織り込みながら丹念に書かれています。まさに「オペラ作曲家」としての技量を全て注ぎ込んだ完成度の高い小宇宙のような曲を、カザルノフスカヤが深い共感を持って歌います。
NAXOS-8.570410
S.S.ウェズリー(1810-1876):オルガン作品集
序奏とフーガ(改訂版)
ラルゲット(室内オルガンのための3つの小品第2集より)
アンダンテ(室内オルガンのための3つの小品第2集より)
ヴォランタリー(グラーヴェとアンダンテ)
アンダンテ・カンタービレ
アンダンテ(室内オルガンのための3つの小品第1集より)
合唱曲(室内オルガンのための3つの小品第1集より)
ミュージカル・スタンダードよりアンダンテ
アンダンテ ホ短調
ホルズワーシー教会の鐘(変奏付きエア)
ジェームズ・マクヴィニー(Org …イギリス、
テンブリー、セント・マイケルズ教会、ヘンリー・ウィリス神父製オルガン使用)
イギリスのオルガニスト一家に育ったサミュエル・セバスティアン・ウェズリーは、メンデルスゾーンと彼が発掘したJ.S.バッハなどに影響を受け、19世紀イギリスを代表するオルガン曲を生み出しました。教会音楽の枠に囚われず、純粋な器楽曲としてオルガン作品を生み出したことも評価されています。
NAXOS-8.570412
スクリャービン:ピアノ作品集
ワルツ変ニ長調Op.posth.
ワルツへ短調Op.1
ポロネーズ変ロ短調Op.21
幻想曲ロ短調Op.28/2つの詩曲Op.32
悲劇的詩曲Op.34/悪魔的詩曲Op.36
ワルツ変イ長調Op.38
詩曲変ニ長調Op.41/3つの小品Op.52
アルバムの綴りOp.58
詩曲「炎に向かって」Op.72/2つの舞曲Op.73
シャイン・ワン(P)
スクリャービン(1872-1915)の珍しい初期作品から悪魔的様相を見せる晩年の作品まで全てを楽々と弾きこなすのは中国生まれのシャイン・ワン。確かなテクニックは勿論のこと色彩的な音楽を壮大に表現できる現代でも稀有の才能です。スクリャービン14歳の作品である2つのワルツからして油断して聴いている訳にはいきません。まっすぐな道を歩いていたのに、いつの間にか別の世界へ行ってしまうような不安感が漂う作品です。作品番号順に収録されているので聴き進むうちに聴き手の心は一層混迷の度合いを増していくことでしょう。
NAXOS-8.570413
バックス:ピアノ曲集 第4集(2台ピアノのための作品集)
祝典序曲(2台ピアノ版)/毒を入れられた噴水/"幸せな平野〜アイルランドの交響詩"/2台ピアノのためのソナタ/聖アンソニーを誘った悪魔/赤い秋/ハルダンゲル
マーティン・ロスコー(P)、
アシュリー・ウェイス(P)
アイルランドの近代作曲家バックスは伝説と自然、そしてロマンスをこよなく愛し、幻想的で神秘的な作品を多く残しました。彼の書いた音楽は例えようもなくロマンティックな雰囲気に満ちたものばかりで、彼が愛したアイルランドの風景と若いころに訪問したロシアの雰囲気が反映された魅力的な作品が揃っています。ここに収録された2台ピアノのための作品集ははとりわけ音の絡み合いが官能的で、曲の至るところに名ピアニスト、ハリエット・コーエンの面影が彷彿されることでしょう。
NAXOS-8.570414
フィンジ(1901-1956):英国歌曲シリーズ第16集
ある若者の訓戒/地球が朽ちるまで
おお眼にも美しい
ジョン・マーク・エインズリー(T)、
イアン・バーンサイド(P)
詩人トマス・ハーディの世界観を音楽に仕立て上げたフィンジの歌曲集は、まさにイギリスらしい抒情と、ときにシニカルな香りに包まれた名品。シューベルトの歌曲にも匹敵する名作を、エインズリーの新しい録音で。
NAXOS-8.570415
バークリー:弦楽四重奏曲第1〜3番
弦楽四重奏曲第1番Op.6、
弦楽四重奏曲第2番Op.15、
弦楽四重奏曲第3番Op.76
マッジーニSQ
バークリーの存在がイギリス音楽の系譜からは微妙に外れているように思うのは、彼が若いころパリで学び、新古典主義の影響を受けたからかもしれません。1935年に書かれた弦楽四重奏曲第1番は、ストラヴィンスキーとバルトークの存在が見え隠れします。1970年に書かれた第3番はそれまで彼が培ってきた作曲技法の全てが注ぎ込まれた力作で、力強い第1楽章に始まり、快活なスケルツォ、続く不気味なレント楽章を経て終楽章に至ります。
NAXOS-8.570416
スタンフォード:室内楽曲作品集
クラリネット・ソナタ、
クラリネットと弦楽四重奏のための“幻想曲第1番&第2番”、
クラリネットとピアノのための“3つの間奏曲”、
ピアノ三重奏曲“困難を克服して栄光を獲得する”・・・世界初録音
ロバート・プレーン(Cl)、
グールド三重奏団、
ミア・クーパー(Vn)、
デヴィッド・アダムス(Va)
近現代英国音楽史の幕開けを告げた、アイルランドの作曲家スタンフォードの室内楽作品集です。ブラームスの影響を受けつつも、アイルランドに伝わる民謡をさりげなく曲に取り入れたバランスの良い作風が魅力の彼の作品は交響曲から合唱曲まで多くの人に愛されています。このアルバムには彼の代表的な室内楽作品(世界初録音となるピアノ三重奏曲を含む)が収録されていて、特に晩年に書かれた“2つの幻想曲”の激しいコントラストには耳を奪われること必至です。
NAXOS-8.570417
フィンジ:カンタータ「ディエス・ナタリス」他
カンタータ「ディエス・ナタリス」
弦楽オーケストラのためのプレリュード
秋(エレジー)
テノールとオーケストラのための2つのソネット(私が考えるとき/時はすぐに)
ノクターン(新年の音楽)
器よさらば
ジェームス・ギルクリスト、
デヴィッド・ヒル(指)ボーンマスSO
あまり耳にする機会はないけれど、一度でも聴いたら心が囚われてしまう…そんな作品を「隠れた名作」を聴きたければ、このフィンジ(1901-1956)の一連の音楽をどうぞ。白く輝く光を帯びたように美しい「ディエス・ナタリス」。これはラテン語で「誕生の日」を意味し、イエス・キリストの誕生を祝したもので「クリスマス」とも訳されます。17世紀の詩人トラハーンの詩を用いた、汚れ無きみどり児を讃える歌は静かに心に染み入ります。ミルトンの詩による「2つのソネット」、そして「武器よさらば」も深い祈りの音楽と言えるでしょう。
NAXOS-8.570418
チャイコフスキー:バレエ組曲「眠りの森の美女」、
「白鳥の湖」、
「くるみ割り人形」(以上4手のためのピアノ編曲版)
ユリア・セーヴルス(p)、
アリーナ・ルシェツチズカヤ(p)
まるで白鳥が美しい娘に変身するように。原曲の持ち味を生かした上で更にデリケートな味わいを見せる各々の曲の何と魅力的なことでしょう!
NAXOS-8.570419
モーツァルト:ホルン協奏曲集
ホルン協奏曲第1番/第2番/第3番/第4番
ヤチェク・ムズィク(Hrn)、アニエスカ・ドゥチマル(指)ポーランド放送アマデウスCO
ポーランド生まれのホルン奏者、ムズィクは7 歳でピアノをはじめ、10代後半には熟練したジャズピアニストとして活動を始めましたが、18歳の時にフレンチホルンの魅力に取りつかれ、以降ポーランドからジュリアード音楽院に留学、更に研鑽を重ねました。帰国後ポーランド国内で多くのオーケストラで演奏しましたが、とりわけ有名なキャリアはツィメルマンの率いるポーランド祝祭管弦楽団で首席ホルン奏者に選ばれたことでしょう。現在はアメリカに移住、ますますその技巧に磨きをかけています。
NAXOS-8.570420
パロモ:声楽付きの作品集
ソプラノとクラリネット,管弦楽のための「心の歌」
ソプラノとギター,管弦楽のための「シンフォニア・グラナダ」
マリア・バーヨ(S)、
ホセ・ルイス・エステレス(Cl)、
ビセンテ・コベス(G)、
ルイス・ガルシア・モンテーロ(朗読)、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)グラナダ市立O
心に沁み入るギター曲と歌曲集が話題となった第1集(8.557135)に続くスペインの作曲家パロモ(1938-)の作品集です。今作は管弦楽を伴う歌曲集で、名歌手バーヨのしみじみとした歌声が一抹の哀愁と清々しさを運びます。アラビア、ヘブライ音楽のメリスマを起源とする独特の歌唱とフラメンコの要素を含む真のアンダルシアの音楽がここにあります。
NAXOS-8.570421
ガスマン:オペラ序曲集
歌劇「重大な夜」序曲/歌劇「鳥を捕える人」序曲
歌劇「哲学と愛」序曲/歌劇「田舎の家」序曲
歌劇「伯爵令嬢」序曲
歌劇「ばかばかしい旅行者」序曲
歌劇「哲学者の愛」序曲/歌劇「職人の恋人」序曲
歌劇「狂人が作り出す多くのもの」序曲
歌劇「漁師の娘」序曲
シルヴィア・アリメナ(指)エクリプスCO
ボヘミアの作曲家、ガスマン(1729-1774)は当時グルックと比肩するほどのオペラ作曲家でした。あのモーツァルトも彼の事を高く評価したと言います。そんなガスマンは、創作の絶頂であったであろう1774年に馬車から落下するという不慮の事故に見舞われ、そのまま45歳の生涯を閉じてしまいます。彼がもしもっと長生きをしたならば、その名声は一層光り輝くものになっていたに違いありません。ここに収録したの序曲はどれも18世紀のオペラの序曲(シンフォニア)の特徴である急-緩-急のパターンに従ったもので、どれも明るく陽気で、美しく、ちょっぴり感傷的。ぜひ全曲を聴いてみたいと思わせる魅力的な作品ばかりです。
NAXOS-8.570425
バラダ:マリア・サビナ他
マリア・サビナ/ディオニシオ
スシ・サンチェス(ナレーター)、
アンヘル・セイツ(ナレーター)、
フェルナンド・テヘドール(ナレーター)、ルロス・ヒッポリト(ナレーター)、
ホセ・ラモン・エンシナール(指)
マドリッド・コミュニティO&cho
20世紀スペインのバルセロナに生まれた作曲家バラダ(1933-)の作品はこれまでもNAXOSからいくつかリリースされ、その強烈な個性は常に聴き手を魅了し続けています。今作は、「聖なるきのこ」を用いて幻視を行い世界の全てを見てしまう呪術師の悲劇をテーマにした「マリア・サビナ」と、1930年代に活躍した詩人ディオニシオ・リドルエホに捧げるカンタータの2編を収録。呪文までをもテキストに用いたアバンギャルドでエスニックな音楽です
NAXOS-8.570428
シマク:弦楽四重奏曲第2&3番他
弦楽四重奏曲第3番「天上の声」
ヴァイオリン・ソロのための「2対のひそやかな声」
ヴァイオリン・ソロのための「独り言I」
チェロ・ソロのための「独り言U」
ヴィオラ・ソロのための「独り言V」
弦楽四重奏曲第2番「ラディウス」
クロイツァーSQ
20代にアルバニアのティラナに赴き、研究生活と音楽活動を行った作曲家シマク(1958-)。彼自身、「その時に触れたその土地の民謡と古謡の数々はその後の創作活動に多大なる影響を与えた」と語るほどです。とは言え、そのメロディを作品中に引用することはなく、特質のみを音楽のイディオムに組み込んだそう。
NAXOS-8.570429
クラーク:管弦楽作品集
ヴァイオリン独奏のための「ペルナンブコ」、ヴァイオリンと弦楽合奏のための「奇跡のヴァイオリン」、ヴァイオリン独奏のための「楼蘭」、管楽アンサンブルのための「サムライ」、トランペット独奏のための「予感」、ヴァイオリンと管楽アンサンブルのための「黒い炎」
クリス・ディヴィス(指)イギリス海兵隊バンド、ピーター・シッパード・スケーヴェド(Vn)、イヴァン・ハッチンソン軍楽軍曹(Tp)
吹奏楽ファンならお馴染み、並外れた音楽性が高く評価されているイギリスの作曲家ナイジェル・クラーク(1960-)の作品集です。彼の音楽は絶えず多くの語法を駆使し、アンサンブルとソリストとの共同作業を要求、刺激的で挑戦的でありつつも、常に奏者と聴衆を満足させるのです。代表作「サムライ」は日本の美意識を根底においた生き生きとした作品。
NAXOS-8.570431
(3CD)
ヘンデル:オラトリオ「セメレ」 エリーザベト・ショル(S)、
ユリア・シュミット(S)、
ルフ・ポプケン(C.T)、
ブリッタ・シュヴァルツ(A)、
アネッテ・マルケルト(A)、
クヌト・ショッホ(T)、カドモス,
クラウス・メルテンス(Bs)、
ジョアキム・カルロス・マルティーニ(指)
ユンゲ・カントライ、
フランクフルト・バロック・オーケストラ
人間の姿に身をやつしたジュピター、彼を愛し子を身ごもるセメレ、そして嫉妬するジュピターの妻ジュノー。ジュノーにそそのかされたセメレがジュピターに真の姿を問うた時、彼女はジュピターの雷光に当たって焼け死んでしまうのです。このよくある話(?)にヘンデル(1685-1759)は本当に神々しい音楽を付けました。見事なコロラトゥーラ・アリアと強力な合唱。まさに壮麗です。
NAXOS-8.570434
カラーチェ:マンドリン協奏曲第1番Op.113、
マンドリン協奏曲第2番Op.144、
ナポリ風狂詩曲Op.66、
ポロネーズOp.36、
小妖精の踊りOp.43
アリソン・スティーブンス(マンドリン)、
スティーヴン・デヴァイン(P)
マンドリンを演奏する人なら知らぬ者なしと言われる、ラファエル・カラーチェの作品集です。祖父ニコラが始めたギターの制作を父アントニオが引き継ぎ、リュートとマンドリンの制作で名を馳せたのは19世紀中頃でした。その息子であるラファエルは楽器制作だけでなく演奏家、作曲家としても成功し、世界中にマンドリンを普及させることに成功したのです。ここで聴かれる彼の作品は、まさに"マンドリンのシューベルト"とでも呼ぶような美しいメロディラインを持ったもので、マンドリン特有のトレモロ奏法を存分に生かした胸震わせる音楽です。カラーチェ工房は現在でも最高級のマンドリンメーカーとしての名前を誇っています。マンドリン奏者のアリソン・スティーブンスは、あの一世を風靡した名画「コレリ大尉のマンドリン」で実際の演奏を担当していた名手です。
NAXOS-8.570435
シュヴァルツ=シーリンク:管弦楽作品集
弦楽オーケストラのための序奏とフーガ、
交響曲ハ長調、シンフォニア・ディアトニカ*
ホセ・セレブリエール(指)
シュターツカペレ・ワイマール
同時代の作曲家たちが、競って12音音楽の可能性を探っていた時でも、ドイツの作曲家シュヴァルツ・シーリンク(1904-1985)は調性から目を背けることはありませんでした。例えば1948年に作曲された「序奏とフーガ」での極めて古典的な表情は、聞き手に大いなる安心感をもたらすことでしょう。1963年の作である「交響曲」もまた然り。大編成のオーケストラによる自由な響きは心地良い興奮をもたらしてくれるものです。*は世界初録音
NAXOS-8.570437
タネーエフ:弦楽四重奏曲全集 第1集
弦楽四重奏曲 第1番 変ロ短調 Op.4
弦楽四重奏曲 第3番 ニ短調 Op.7
カルペ・ディエムSQ
チャイコフスキーに学び、ラフマニノフとスクリャビンを育てたタネーエフ(1856-1915)。現在では交響曲が良く知られていますが、彼の本領は室内楽、それも作品番号を持つ6 曲の弦楽四重奏と言っても過言ではありません。いずれも作曲家円熟期の作品で、いかにもロシアらしい物憂げな情感に満ちた音楽です。夜更けにしっぽりとお聴きください。
NAXOS-8.570438
チャイコフスキー:歌曲全集第5集
いいえ、一度も呼ばないOp.28No.1/フランス語の歌詞による6つの歌Op.65/おおお前がそうできたらOp.38No.4/返事も言葉も挨拶もなくOp.28No.5/新しいギリシャの歌Op.16No.6/私の甘ったれやさんOp.27No.6/死者の歌Op.38No.5/あなたは私の夢だった/いいえ私の美しさを愛さないで/ハムレットOp.67a(抜粋)/おおその歌をうたっておくれOp.16No.3/私は彼女と一度も話をしなかったOp.25No.5/眠る前に夢見てOp.27No.1/見よ、あそこに雲がOp.27No.2/母は私を産んだのかOp.27No.5/みそさざいOp.28No.2/ドン・ファンのセレナードOp.38No.1
リューバ・カザルノフスカヤ(S)、
リューバ・オルフェノヴァ(P)
チャイコフスキー(1840-1893)の歌曲を全て網羅するというこのシリーズ。なんと聴き手にとって大きな喜びをもたらしてくれるのでしょう。興味深い曲が目白押しですが、とびきり面白いのがトラック10の「新しいギリシャの歌」。この歌では誰もが知っている怒りの日のメロディが効果的に使われています。カザルノフスカヤの歌はますます光り輝いています。
NAXOS-8.570439
ヴォーン・ウィリアムス:クリスマス・キャロル集
クリスマス・キャロルによる幻想曲、クリスマス・カンタータ「この日」
ジャニス・ワトソン(S)、ピーター・ホーレ(T)、スティーヴン・ガッド((Br)、グィルドフォード・コーラル・ソサエティ、聖キャサリン校cho、ヒラリー・デイヴァン=ウェットン(指)RPO
イギリス音楽を知りたければ、まずヴォーン・ウィリアムスを聴け!と言われるほどに彼の作品には英国らしさが詰まっています。特に声楽曲の素晴らしさは筆舌に尽くしがたいもので、賛美歌をふんだんに用い、独自のオーケストレーションで味付けした華やかな音楽は合唱を聴く喜びをたっぷり味わうことができるでしょう。カンタータ「この日」の冒頭での晴れやかな声の交錯にまず耳を傾けてみてください。
NAXOS-8.570440
リース:ピアノ協奏曲集第3集
ピアノ協奏曲イ短調Op.132「イングランドでのお別れコンサート」
「ルール・ブリタニア」による大変奏曲
序奏と華麗なる変奏曲Op.170
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
ウーヴェ・グロット(指)ロイヤル・リヴァプールPO
現在ではすっかり忘れ去られてしまった感のあるリース(1784-1838)の作品ですが、彼が存命だった時代では「作曲家&ピアニスト」として驚くほどの人気があったのです。彼の師であったベートーヴェンとは違い、リースはその生涯の終り近くまでヨーロッパ全土で名手としての知名度を欲しいままにしていました。このアルバムに収録された「ピアノ協奏曲」は1823年に作曲された彼の第7番目の協奏曲です。1813年からロンドンに住んでいた彼が故郷へ帰るにあたってのステージからの引退表明であり、その前に書かれた「『ルール・ブリタニア』による大変奏曲」と、Op.170の変奏曲もイングランドへのオマージュとなっています。ヒンターフーバーの輝くような美音にも注目してください。
NAXOS-8.570442
J・タヴナー:ピアノ作品集
ゾディアックス/イパコエ/パリン
マンドゥードルス/プラティルパ
2匹の猫へのメモリー
ラルフ・ファン・ラート(P)
長い間、神秘主義と正教会の影響(最近改宗したらしい?)を受けた作品を書き続けているタヴナー(1944-)ですが、彼のピアノ曲はあまり知られていません。2003年の「プラティルパ」が一番規模も大きくタヴナーらしい音に満ちていますが、注目は彼の飼っていた猫マーンドゥからインスピレーションを受けて書かれた「マンドゥードルス」。愛らしい曲ではありませんが、曲の終わりに一瞬だけあのメロディが・・・。
NAXOS-8.570443
ビラ=ロホ:協奏曲集
コンシエルト・プラテレスコ*、
セレナータ#、コンシエルト2(ヴァージョンB)
ハンスイェルク・シェレンベルガー(Ob)*、
アシエール・ポロ(Vc)#、
ニコラス・チュマチェンコ(指)
ソフィア・オルケスタ・デ・カメラ・レイナ
1940年生まれのビラ=ロホ(1940-)は、現代スペインの作曲家のなかでも最もダイナミックな作風の持ち主です。スペイン音楽の伝統をきちんと踏襲しつつ、新しい感覚を溶かしこんだ音は聴き手を不可思議な世界へと誘うのです。ここに収録された3曲の作品はどれもが個性的。コンシエルト・プラテレスコでは名手シェレンベルガーがオーボエを吹いています。
NAXOS-8.570444
フランスのフルート五重奏曲集
トゥルニエ(1879-1951):組曲Op.34
フローラン・シュミット:ロココ様式の組曲Op.84
ピエルネ:自由な変奏と終曲Op.51
フランセ:五重奏曲
ルーセル:セレナーデOp.30
ミラージュ五重奏団[ロバート・エイトケン(Fl)/エリカ・グッドマン(ハープ)/ジャック・イスラエリヴィチ(Vn)/タン・リ(Va)/ウィノナ・ゼレンカ(Vc)]
19世紀の世紀末ほど芸術が爛熟した時代はないと言われますが、芸術の都フランスでもその傾向は顕著でした。作曲家たちは文学と視覚芸術にインスピレーションを得て、独自の半音階主義的な音楽を創り上げていったのです。ここに収録されている作品は、確かにドビュッシーやラヴェルの深淵なる影響を感じさせますが、各々の曲の味わいは微妙に違うものがあり、これらを聴きとることは、まるで波間に散った色紙を拾い集めるような楽しさを味わわせてくれることでしょう。ハープ好きにはたまらないトゥルニエの作品が聴けるのも大きな喜びです。
NAXOS-8.570445
ヴィヴァルディ:宗教音楽全集第3集
マニフィカトRV610/611
サルヴェ・レジナRV617
協奏曲ニ短調「マドリガル風」RV129
ニシ・ドミヌスRV608/キリエRV587
モテト「正しい怒りの激しさに」RV626
カルラ・フータネン(S)
リン・マクマートリー(Ms)、
イヴ・レイチェル・マクロード(S)、
ジェニファー・エンス・モドロ(Ms)、
ケヴィン・マロンアラディア・アンサンブル
ヴィヴァルディ(1678-1741)の宗教音楽全集第3集は、マニフィカトを中心にした選曲です。まるでオペラのアリアを聴くかのような刺激的で力強いソロが散りばめられた表情豊かな作品は、聴き手を圧倒的感動へと導いてくれます。メゾ・ソプラノのマクマートリーの芯の太い美声にも惚れ惚れとしてしまいます。マロン率いるアラディア・アンサンブルの溌剌とした演奏にも感涙に耐えません。
NAXOS-8.570446
期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ〜ニルセ・ゴンザレス
ホセ:ソナタ、
ポンセ:主題と変奏曲と終曲、
バッハ
:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番BWV1003、
クレルチ:ヴォロで、和音の練習、
 タイの練習、
タレガ
:アデリタ、ソルへのマズルカ
ニルセ・ゴンザレス(G)
2006年のタレガ国際ギターコンクールで第1位を受賞した期待の若手ニルス・ゴンザレス。彼はマドリッドの王立音楽院でホセ・ルイス・ロドリーゴに学び、デュッセルドルフのシューマン音楽院ではホアキン・クレルチから教えを受けています。このリサイタルでは、バッハのソナタを中心に様々な作曲家の作品を演奏したもので、ゴンザレスはギターの持つ可能性を最大限に引き出した、色彩感あふれる音楽を聴かせてくれます。
NAXOS-8.570447
期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ〜アルチョム・デルウォード
ビクタシェフ(1963-):「オルフェウス」〜詩曲*
オレクホフ
(1935-1998):トロイカ変奏曲
ルドネフ(1955-):古いライムの木
コシュキン
(1956-):「王子様のおもちゃ」組曲
アルチョム・デルウォード(G)
新人ギタリストの登竜門、ミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクールの2006年度優勝者、アルチョム・デルウォードのデビュー盤です。彼はロシア、ロストフ・ナ・ドヌーに生まれ6歳からギターを始め、数々の世界コンクールにも入賞、すでに高く評価されている期待の新星です。演奏するのはもちろんロシアのギター作品集。トロイカ変奏曲にはとにかく泣けます。*=世界初録音。
NAXOS-8.570449
ダウランド:リュート作品集第3集
男と女/憂鬱なガイヤルド/サー・ジョン・スミスのアルマンド/ラッセル夫人のパヴァーヌ/リッチ夫人のガイヤルド/レイトン夫人のアルマンド/ブリジッド・フリートウッド夫人のパヴァーヌ/ナイト氏のガイヤルドクリフトン夫人のアルマンド/ケイス博士のパヴァーヌ/リール子爵のガイヤルド/ヘンリー・ギルフォード氏のアルマンド/デュランのパヴァーヌ/ダービー伯フェルディナンドのガイヤルド/アルマンド/私のバルバラ/ラウンド・バトル・ガイヤルド/アルマンドト長調/パヴァーヌハ短調/ダニエル・バチェラーのガイヤルド/アルマンドハ短調
ナイジェル・ノース(Lute)
シェークスピアと同時代を生きたダウランドのリュート作品集の第3集です。今回はアルマンド、ガイヤルド、パヴァーヌの3つの舞曲を中心に収録しています。80曲あまりのリュート独奏曲は生前にはほとんど出版されることはありませんでしたが、歌曲との関連性も高く、聴けば聴くほどに味わいが深まる曲ばかりです。「癒しの音楽」としてもおすすめできます。名手ナイジェル・ノースの滋味あふれる演奏で。
NAXOS-8.570450
ペンデレツキ:交響曲第8番「はかなさの歌」、
怒りの日、ダヴィデの詩篇より
ミカエラ・カウネ(S)、
アグニエスカ・レーリス(Ms)、
ヴォイテック・ドラボヴィチ(Br)、
アンナ・ルバンスカ(Ms)、
リシャルド・ミンキエヴィチ(T)、
ヤロスラフ・ブレク(Ms-Nr)、
アントニー・ヴィト(指)ワルシャワPO
、ワルシャワ国立フィルハーモニーcho
この盤が世界初録音となるペンデレツキ(1933-)の交響曲第8番です。19世紀から20世紀のドイツの詩人のテキストに基づいた声楽付きの作品(テクストはドイツ語)で、まるでマーラーの時代に先祖返りしたようなこの曲を、ペンデレツキはどのような思いで書いたのでしょうか?初期の作品「ダヴィデ詩篇より」と名作「怒りの日」との比較も興味深いでしょう。2007年3月に事故死したバリトン、ドラボヴィチを偲んで…。
NAXOS-8.570451
パーソンズ:第一の大礼拝・死者への応答
マニフィカト、
第一の大礼拝より「ヴェニテ」、
第一の大礼拝より「テ・デウム」、
死者への応答より「日々罪を犯す私を」、
第一の大礼拝より「ベネディクトゥス」、
死者への応答より「リベラ・メ・ドミノ」、
第一の大礼拝より「クリード」、
死者への応答より「わが贖い主は生きたまう」、
第一の大礼拝より「マニフィカト」、
第一の大礼拝より「ヌンク・ディミティス」、
アヴェ・マリア
バーナビー・スミス(指)
ヴォーチェ・カンタービレス
16世紀のイギリスの音楽家、R・パーソンズの生涯はほとんど知られることがありません。わずかな手掛かりはバードの前任者としてリンカーン主教座聖堂オルガニストの地位にあったこと、40半ばでこの世を去ったこと、そしてこのような美しい合唱作品を残したことでしょうか。彼の作品で唯一知られるのは、このアルバムの最後に収録された「アヴェ・マリア」ですが、このCDのリリースによりパーソンズの評価は見直され、ルネサンスの偉大なる作曲家へと列記されるでしょう。
NAXOS-8.570452
カルウォヴィチ:交響詩集第1集
スタヌスラフとアンナ・オシュヴィエチモヴィエOp.12、
リトアニア狂詩曲Op.11、
仮面舞踏会のエピソードOp.14
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワP
思いがけない事故に巻き込まれ、32歳の若さでこの世を去ってしまったポーランドの作曲家カルウォヴィチ(1876-1909)。近年評価が高まりつつあり、この傑出した才能の片鱗に触れれば触れるほど、その無念さが伝わるようで胸が痛くなります。このアルバムには彼の早すぎる晩年を彩る6つの交響詩の中から3曲を収録。多彩で想像力豊かな、音によるファンタジーをお聴きください。
NAXOS-8.570453
バッハ:ソプラノ独唱のための宗教カンタータ集
「いつわりの世よ、われ汝に頼らず」BWV52
「我はわが幸いに心満ちたり」BWV84
「わが心は血にまみれ」BWV199
「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」BWV51
シーリ・カロリーン・ソーンヒル(S)
ケルン・バッハ・ヴォーカル・アンサンブル
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルンCO
バッハの200ほどの教会カンタータの中でもとりわけ有名な「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」を含む4曲のソプラノ独唱のためのカンタータです。これらの作品は歌い手の美声を味わうとともに、実はソロ・トランペットの妙技を心行くまで堪能する曲でもあり、また、ヴァイオリン、ヴィオラ、オーボエの美しいオブリガードを聴く曲でもあります。シーリ・カロリーン・ソーンヒルはイギリス生まれのノルウェイのソプラノ歌手。すでにクイケンを始めとした多くの指揮者とのバッハのカンタータや、ブラームスのドイツ・レクイエムなどの録音で高い評価を受けています。透き通った湧水のような清冽な歌声です。
NAXOS-8.570454
レーガー:オルガン作品集第9集
「国王万歳」による変奏曲とフーガ
12の小品Op.65〜第1番-第6番
コラール前奏曲
コラール幻想曲集Op.40〜第2番「主よ汝の怒りにてわれを罰するなかれ」
ジョセフ・スティル(Org)
※トリーア教会ジョハネス・クライス・オルガン
驚くほどにカッコ良く始まる「国王万歳」は1900年頃に書かれた曲。恐らく、ヴィクトリア女王の長女であるヴィクトリア(ドイツ皇帝フリードリヒ3世妃)の60歳の誕生日記念として出版社から作曲を依頼されたようで、スコアには英語とドイツ語の両方のタイトルが付されています。1902年頃に書かれた12の小品は、オルガンの機能を目一杯に使って書かれており、精緻な響きに感嘆するばかりです。作品番号のないコラール幻想曲での瞑想的な美しさ、Op.40での弱音の保持など、オルガン好きにはたまらない曲ばかりです。
NAXOS-8.570455
レーガー:オルガン作品集第8集
コラール幻想曲「われらが神はかたき砦」Op.27
12の小品Op.80〜第7番スケルツォ嬰へ短調
30の小コラール前奏曲Op.135a〜第11-16番
12の小品Op.80〜第8番ロマンスイ短調
30の小コラール前奏曲Op.135a〜第17-23番
ロマンスイ短調
30の小コラール前奏曲Op.135a〜第24-30番
前奏曲とフーガ嬰へ短調
序奏とパッサカリアニ短調
マルティン・ヴェルツェル(Org)
曲だけ聴いていると敬虔な人物を彷彿させるレーガー(1873-1916)ですが、実はかなり荒っぽい性格で、大食い、大酒飲み、喧嘩好きだったとされています。カトリックの教会でプロテスタントのコラールを演奏したりと、なかなかやんちゃな事ばかりしていて顰蹙を買うのも好きだったという彼、作品も至極複雑怪奇。しかし一度はまれば抜けだせない音楽です。
NAXOS-8.570456
シューマン:ロマンスとバラード 第1集Op.67、ロマンスとバラード 第2集Op.75、ロマンス第1集 Op.69、ロマンスとバラード第3集 Op.145、ロマンスとバラード第4集 Op.146、ロマンス第2集 Op.91 マーク・ミヒャエル・デ・スメト(指)アクアリウス
自らも合唱団を指揮し多くの合唱のための作品を書いたシューマン(1810-1856)ですが、現在でも良く知られているのは初期に書かれた「流浪の民」1 曲ではないでしょうか?ここに収録されているのは中期から晩年の作品で、重厚なロマンティシズムと深い静けさと説得力を持った通好みの曲が並んでいます。よく噛みしめて聴くとその魅力がじわじわ浸みて来るはずです。
NAXOS-8.570457
カタルーニャ地方のピアノ曲集
モンポウ(マソ編):歌と踊り 第13番、ヴィニェス:ヴェルレーヌ〜ひそやかに、ルエラ:祝祭ファンファーレ、モンサルヴァーチェ:ディヴェルティメント第2番、グラナドス:マズルカ、ニン=クルメル:3つのトナーダ 第2番、4 番、6番、マッシア:黒い池、ブランカフォルト:綱渡りのポルカ、アルベニス:舟歌、マラツ:スペイン風セレナーデ、グリニョン:魚たちの修道院、ヴィニェス:亡霊のようなメヌエット、マッシア:スケルツォ、セッラ:子守歌 モレーラ:踊り 第1番、ゲルハルド:2つのスケッチ、グラウ:舟歌、ゴルス:遠くで花開くアーモンドの木、サマコイス:サルダーナ、モンポウ:前奏曲 第12番
ホルディ・マソ(P)
カタルーニャと聞くと何を思い浮かべるでしょう? バルセロナ、ガウディ、音楽好きの人なら、カザルス、そして鳥の歌・・・・ しかしこの地方には、まだまだ素敵な音楽がたくさんあります。モンポウ、グラナドスをはじめとした作曲家による多彩なピ アノ曲はどれもが楽しく情熱的な思いを秘めています。自らも大ピアニストであったヴィニェスの珍しい作品にも注目です。
NAXOS-8.570458
デュロン:歌曲集
こちらにおいで、デヤーニラ/悪賢いキューピッド/愛に酔う少女/私、私がいる/これは何?裏切り?/愛してるジレタ/オルガン作りのソロ/あなたが望むなら愛して/4 月に花が咲くと/話していないと迷ってしまう/心よあなたはため息をつかない/優しい影に/火よ火よ、水よ水よ!/休ませて、休ませて/彼らのための威厳の歌/私が羊飼いの女ですから/優しいガラス/天よ、私は悲痛です/ああこの愛は私のもの
アラケル・アンドゥエサ(S)、マニュエル・ヴィラス(ダブル・ハープ)
中部スペインで生まれたデュロン(1660-1760)。若き頃の経歴は良くわかっておりませんが、才能ある若者であったことは想像に難くありません。オルガニストとして20 歳になる前にいくつかの重要なポストを与えられ、作曲家としても功績を残しました。このアルバムには16 の世俗歌曲、イタリア風の世俗カンタータからの1 曲、聖餐式のための2曲が収録されています。アンドゥエサの澄み切った歌声に心洗われます。
NAXOS-8.570459
グラウプナー:ハープシコードのためのパルティータ集
パルティータイ長調、
パルティータハ短調、
チャコーナイ長調、パルティータへ短調「冬」
芥川直子(ハープシコード)
バッハと同時代の作曲家、グラウプナー(1683-1760)はハープシコードの名手でした。彼は1723年に(バッハをさしおいて)トーマス教会のカントル職に選任されたのですが、彼の主君が手放さなかったため、その職はバッハのものになったと言われています。作曲家としては11の歌劇や100曲を超えるシンフォニアなど多数の作品を書きましたが、その多くは忘れ去られてしまいました。とはいえ、ここで聴ける壮大なる作品、とりわけ派手なチャコーナは多くの鍵盤作品の中でも最も素晴らしいものの一つです。
NAXOS-8.570460
スヴェインビョルンソン:牧歌、舞曲、
ピアノ三重奏曲イ短調*、
叙情小品集*、ピアノ三重奏曲ホ短調、
ヴァイオリン・ソナタヘ長調、舟歌ヘ長調
アウドゥール・ハフスタインスドーティル(Vn)、
シクルトゥール・ビャルキ・グンナルソン(Vc)*、
ニナ・マルケルト・グリムスドッティル(P)
スヴェインビョルンソン。あまり名前になじみはありませんが実はアイスランドの国歌を作曲した人物で、アイスランド作曲家の第一人者として讃えられています。ここに収録されたピアノ曲と室内楽曲は、彼の個性が良く表れたもので、同時代の音楽を敏感に反映し、繊細なタッチでデリケートな心象風景を描いています。2007年作曲家生誕160周年記念の録音です。
NAXOS-8.570461
アイアランド:ピアノ作品集第3集
ピアノ・ソナタ/独白
前奏曲第1番「低い音」
前奏曲第2番「妄想」
前奏曲第3番「聖なる少年」
前奏曲第4番「春の炎」
アーモンドの木/誕生日の朝に
緑の道(桜の木/いとひば/5月の椰子)
記憶のために/アンバレーの荒ぶる小川
昼と夜が同じ長さの日
春が待てない/ロンドン・ナイトのバラード
ジョン・レネハン(P)
20世紀のイギリス・ピアノ作品の中でも、とりわけ愛好家が多いのがこのアイアランド(1879-1962)の音楽です。文学への傾倒、異なる宗教への憧憬(中でもケルト神秘主義への関心の高さは目をひきます)。そして愛の道行きへの甘く苦しい思い。これらが入り混じった不思議な感情をオブラートで包んだ品の良い音楽です。ナイジェル・ケネディとの共演やジャズ演奏でも評価されるレネハンの説得力ある演奏で。
NAXOS-8.570462
リャプノフ:ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op.61
交響曲第1番ロ短調Op.12
マキシム・フェドトフ(Vn)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
ピアノ協奏曲では、リストの面影を引きずっていたリャプノフ(1859-1924)ですが、1915年に作曲され1921年に改訂されたヴァイオリン協奏曲では一転、ロシアの郷愁を前面に出した壮大で抒情的な作品を書いています。フェドトフが鳴らす豪華なソロ・パート。甘美な第2主題、4分にも渡るそして強烈なカデンツァ。これを聴いて魅了されずに済む人がいるのでしょうか?もう一つの交響曲第1番は1887年に完成された曲で、まだバラキレフの影響が見られるものの、刺激的で堂々たる楽想を持つ雄大な作品です。
NAXOS-8.570463
ハチャトゥリアン:チェロ協奏曲ホ短調
チェロと管弦楽のための「コンチェルト・ラプソディ」
ドミートリー・ヤブロンスキー(Vc)
マキシム・フェドトフ(指)モスクワ市SO
ハチャトゥリアン(1903-1978)はこのチェロ協奏曲の他にも、ピアノとヴァイオリンのためにも協奏曲を1曲づつ書いています。この2曲は全体的に旋律美に溢れ躍動的な作品であるためか人気が高いのですが、1846年に作曲されたチェロ協奏曲は、ハチャトゥリアンが心血を注いだ作品であるのにもかかわらず、現在ではあまり演奏されることがありません。どうしても戦時の不安定な空気を反映しているせいか、全体的に重苦しく、オーケストラの華やかさも少々控えめになっているようで、確かに「剣の舞」のような絢爛豪華な音色を求める人にはちょっと物足りなく思えるのかもしれませんが、休みなく動き回るチェロの活躍ぶりと、丁寧に書かれたオーケストラ部分を味わってみると、やはりこの曲が20世紀を代表するチェロ協奏曲であることに異論を唱えることは不可能でしょう。1963年に作曲された「コンチェルト・ラプソディ」は名手ロストロポーヴィチに献呈されたもので、こちらは突き抜けたかのようなチェロの妙技をたっぷり堪能できる曲になっています。現代の名手ヤブロンスキーの燃えるような熱い演奏で。
NAXOS-8.570464
アルウィン:ピアノ作品集第2集
12の前奏曲/狩人の月
2つのアイルランド風の小品
コンテス・バルバレス(ポール・ゴーギャンへのオマージュ)
シンデレラ/睡蓮/夜の考え/動き
アシュリー・ウェイス(P)
ピアノ曲に対するアルウィン(1905-1985)のアプローチは基本的にロマン派のそれ。ドビュッシー、ラヴェルにおける印象主義と、リストやラフマニノフにおけるピアノ音楽の伝統を受けつつ、その上に彼らしい新たな表現を盛り込んだものです。若きピアニストの不慮の死を悼んで書かれた曲(トラック5)はまるでブラームスのように静謐な美しさを湛え、「狩人の月」はあのグレインジャーのように親しみ易さたっぷり。他にも彩り豊かな作品が並びます。
NAXOS-8.570465
リフレクションズ
スリーパー(1956-):トランペット協奏曲、
マスランカ(1943-):交響曲第3番〜交響的管楽アンサンブルのための
ギャリー・D・グリーン(指)
マイアミ市フロスト管楽アンサンブル、
クレイグ・モリス(Tp)
この2人の作曲家の名前は吹奏楽ファンには既におなじみでしょう。指揮者、作曲家として活躍するスリーパーの音楽は、「しばしば不可解」「豊かで抒情的」と評されます。このトランペット協奏曲は快活で技巧的。縦横無尽に動き回るトランペットには息を飲むばかりです。マスランカ作曲の「管楽アンサンブルのための交響曲第3番」はロッキー山脈やインドの風景が反映されているという色彩豊かな曲です。
NAXOS-8.570466
リスト:ピアノ曲全集第28集
ベートーヴェン:交響曲第9番リスト編曲による(2台ピアノ版)
:レオン・マッコーリー(第1P)、
アシュリー・ウェイス(第2P)
オーケストラの演奏を今のように気軽に聴くことのできなかった当時は、さまざまな作品がピアノ独奏や4手ピアノのために編曲されたものです。とは言え、このベートーヴェンの大作は合唱が入ることもあり、そうそう編曲の俎上に載せられるものではありませんでした。リスト(1811-1886)はピアノ独奏版とこの2台ピアノ版でこの曲を再構築しましたが、まあとにかく音が多い!終楽章などまさに音の激流です。そのせいでもないでしょうが、ある1か所で1小節省いてあるのはリストの遊び心なのでしょうか?
NAXOS-8.570467
英国歌曲集シリーズ第18集〜アイアランド:歌曲集
素晴らしきもの
トーマス・ハーディの詩による3つの歌
海熱/サン・マリーの鈴/放浪者
サンタ・キアーラ/あいびき(噴水のある庭で)
音楽の間に/マリーゴールド
私は12匹の雄牛を持っている
私たちは森に
トーマス・ハーディの5つの詩/代価
私の命が終わる時親しい人よ
サリー・ガーデン/すべてそして緩く
もしも売ることのできる夢があれば
ロデリック・ウィリアムス(Br)、
イアン・バーンサイド(P)
イギリスの品の良さを一身に集めたかのような美しい作品を残したアイアランド(1879-1962)。とりわけ管弦楽作品が良く知られていますが、彼の残した91曲の歌曲も、ほどよく抑制された表現の中に苦しく甘い切なさを感じさせる美しいものに満ちています。アンコールピースとして知られる「海熱」や素朴な「彼女の歌」など味わい深い歌ばかり。ウィリアムスの端正な歌声もはまっています。
NAXOS-8.570468
スカルラッティ:鍵盤音楽全集第11集 ゴットリープ・ヴァリッシュ(P)
NAXOS-8.570469
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第7番イ短調Op.9、ヴァイオリン協奏曲第10番変ロ短調Op.19
ヴァイオリン協奏曲第13番嬰へ短調/イ長調遺作
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)、
ニコラ・パスケ(指)
南西ドイツ放送カイザースラウテルンO
ボルドーで調香師の息子として生まれたローデ(1774-1830)は、幼い頃から卓越した音楽の才能を示し、13歳の時にパリへと上京し名ヴァイオリニスト、ヴィオッティの弟子となります。今は、彼の名前はヴァイオリンの練習曲を作曲した人としてのみ知られていますが、実はこんなに美しい協奏曲も書いていました。ローデ自身は演奏の際ポルタメントを多用し、まことに美しい音を奏でていたと言います。ちなみに若き名手、五島龍氏が現在使用しているヴァイオリンは、このローデが愛奏していたストラディヴァリウス「エクス・ピエール・ローデ」(1715年作)です。
NAXOS-8.570470
(2CD)
バッハ:リュート=ハープシコードのための音楽集
組曲ト短調BWV995(BWV1011からの編曲)、
組曲ホ短調BWV996、
組曲ハ短調BWV997、
前奏曲,フーガとアレグロ変ホ長調BWV998、
前奏曲ハ短調BWV999、
フーガト短調BWV1000(BWV1001/iiからの編曲)、
組曲ホ長調BWV1006a(BWV1006からの編曲)、
ソナタニ短調BWV964(BWV1003からの編曲)、
変奏を伴うサラバンド
エリザベス・ファー(リュート=ハープシコード)
このリュート=ハープシコード(ラウテンクラヴィーア)は、ハープシコードにリュートの弦(ガット弦)を張った楽器と言われています。バッハ(1685-1750)が愛奏し、2台所有していたと文献には残っていますが、楽器が現存しない以上詳しいことはわかっておりません。この録音はその文献に基づいてキース・ヒルが復元した楽器を用いています。ふくよかな響きに耳を奪われます
NAXOS-8.570472
(2CD)
ダングルベール(1629-1691):ハープシコードのための組曲
組曲第1番ト長調/組曲第2番ト短調
組曲第3番ニ短調/組曲第4番ニ長調
エリザベス・ファー(ハープシコード、リュート=ハープシコード)
ダングルベールは17世紀に活躍したオルガニスト。ルイ14世にも仕えた人で、フランスにおけるクラヴサン奏法の確立者としても知られています。このアルバムは彼の代表作を収めたものです。前作のバッハが発売されるや否や、大評判となったリュート=ハープシコードの音色再び。今回は曲によってはハープシコードでも演奏されているので、一層その音色の特質が際立ちます。
NAXOS-8.570474
J・C・バッハ&J・C・F・バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲集
J・C・F・バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲イ長調YC91*、
J・C・バッハ
:鍵盤楽器のための協奏曲ニ長調Op.13-2C63、
J・C・バッハ
:鍵盤楽器のための協奏曲変ロ長調Op.13-4C65、
J・C・F・バッハ
:鍵盤楽器のための協奏曲変ホ長調YC90*
ザ・ミュージック・コレクション[スーザン・アレクサンダー=マックス(フォルテピアノ&指)、サイモン・スタンデイジ(Vn)、ニコレッテ・ムーネン(Vn)、トレヴァー・ジョーンズ(Va)、ジェニファー・ウォード・クラーク(Vc)]
大バッハの才能ある2人の息子たち、五男ヨハン・クリストフ・フリードリヒ(1732-1795)と末子ヨハン・クリスティアン(1735-1782)の作品集です。何と優美で上品、そして躍動的な作品群でしょう!このアルバムを聴けば誰もがそう感じるに違いありません。どちらかと言うと、クリスティアンの方が高く評価される傾向があるようですが、この4曲を聴く限り、作品に甲乙を付けることは不可能でしょう。(*は以前はJ・C・バッハの作とされていました。)
NAXOS-8.570475
クレメンティ:初期ピアノ・ソナタ集第3集
ピアノ・ソナタハ長調Op.20
ピアノ・ソナタヘ長調WoO3
ピアノ・ソナタ変ホ長調Op.6-2
ピアノ・ソナタ変ロ長調Op.9-1
ピアノ・ソナタヘ長調Op.13-5
スーザン・アレクサンダー=マックス(フォルテピアノ)
フランスの宮廷音楽家として活躍したクレメンティ(1752-1832)は、モーツァルトのライバルとして知られ、また彼の初期のソナタは若いベートーヴェンに強い影響を与えました。当時のピアノ音楽の発展に寄与し、後のロマン派へと繋ぐ重要な作品を多く書き、それらの曲に見られる程良く駆使された技巧は、ピアノを学ぶ若き人たちの指の訓練としても重要な役割を担っています。この第3集には5曲のソナタを収録。演奏しているのはニューヨーク生まれの鍵盤奏者、アレクサンダー=マックス。彼女はフォルテピアノとクラヴィコードの演奏家として国際的な名声を得ており、世界中の教育機関で若い才能を指導していることでも知られる名手です。彼女による絶妙なプログラミングは、全ての曲を関連付け、実に興味深く聴かせてくれています。
NAXOS-8.570476
J.C.バッハ:鍵盤の為のソナタ集Op.5
ソナタ変ロ長調 Op.5-1 W.A1
ソナタニ長調 Op.5-2 W.A2
ソナタト長調 Op.5-3 W.A3
ソナタ変ホ長調 Op.5-4 W.A4
ソナタホ長調 Op.5-5 W.A5
ソナタハ短調 Op.5-6 W.A6
スーザン・アレクサンダー=マックス(クラヴィコード…1785年頃ヨハン・ヤコブ・ボーデヒテル製をベースに2006年ペーター・バヴィントンが製作)
J.S.バッハの第11子であるヨハン・クリスチャン(1735-1782)。彼が活躍したのは、もう前古典派と呼ばれる時代であり、ポリフォニー全開の父の頃とはかなり違う音楽が流行していたのでした。ギャラント様式、すなわち、複雑な対位法よりも明晰な音楽が好まれた時代であり、流麗な旋律とシンプルな和声を用いて書かれたこのJ.C.バッハの作品もそのまま若きモーツァルトに影響を与えたことは間違いありません。当時の楽器をモデルにしたフォルテピアノの想像以上に力強い音色が心に残ります。趣味の良い音楽とは、まさにこういうものでしょう。
NAXOS-8.570480
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第22集〜感傷主義の詩人たち第5集
泉のほとりの若者D.300、秋の夕べD.405、遠く去った人D.350、静かな国へD.403(第1稿)、
静かな国へD.403(第4稿)、漁夫の歌D.351(第1作)、耕す人の歌D.392、漁夫の歌D.562(第2作)、
秋の歌D.502、調和に寄せるD.394、隠遁所(第1作)D.393、秋の夜D.404、ハープとの別れD.406
、隠遁所(第2作)D.563、少年時代の喜びD.455、君の姿D.155、秘められた恋D.922、
春の神D.448、眠りに寄すD.447、よき羊飼いD.449、夜D.358、クローエに寄すD.363、愛の神々D.446
ヤン・コボウ(T)、
ウルリッシ・アイゼンロール(フォルテピアノ)
「感傷主義の詩人たち」のシリーズを締めくくる第6巻です。シューベルト(1797-1828)の時代には、多くの名詩人の詩作が本などの印刷物によって流布していたため、シューベルトも歌の材料に事欠くことがありませんでしたが、このシリーズ約130曲の歌の中には同じ詩を用いて2曲、3曲と書いたものもいくつか見られます。多くは単純な有節歌曲ですが、そこはさすがシューベルト。一見単純に見える曲の中にも微妙な変化を持たせ、まことに美しい作品を作り上げています。今回若々しい歌唱を聴かせるのは名テノール、ヤン・コボウ。素朴なフォルテピアノの音色に溶けあう柔らかい歌声と柔軟な表現力が素晴らしいです。
NAXOS-8.570481
ハイドン:2台のリラ・オルガニザータのための協奏曲集〜2つのリコーダー,2つのフルート,フルートとオーボエに編曲
協奏曲ハ長調Hob.VIIh:1(2つのリコーダー、弦楽合奏と2台のホルン)
奏曲ト長調Hob.VIIh:2(フルート、オーボエ、弦楽合奏と2台のホルン)
協奏曲ト長調Hob.VIIh:3(2つのフルート、弦楽合奏と2台のホルン)
協奏曲ヘ長調Hob.VIIh:4(フルート、オーボエ、弦楽合奏と2台のホルン)
協奏曲ヘ長調Hob.VIIh:5(2つのリコーダー、弦楽合奏と2台のホルン)
ダニエル・ロテルト&フィリップ・シュペートリンク(リコーダー)
ブノワ・フロマンジェ&インゴ・ネルケン(Fl)
クリスティアン・ホンメル(Ob)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルン室内O
ハーディ・ガーディに似た小型のオルガンである(手で円盤を回してこすり、鍵盤で音程を変える)リラ・オルガニザータのた めに書かれた5つの協奏曲は、この楽器が忘れ去られてしまったため、現在ではソロ・パートを他の楽器に置き換えて演奏す ることがほとんどです。このアルバムではフルートやリコーダー、そしてオーボエによって演奏されていますが、原曲の味わ いを損なうことは全くなく、むしろ新たな魅力を与えていると言っても過言ではないでしょう。
NAXOS-8.570482
ハイドン:協奏曲集
ホルン協奏曲第1番ニ長調Hob.XVIId:3、
ハープシコード協奏曲ニ長調Hob.XVIII:2、
ヴァイオリンとフォルテピアノのためのニ重協奏曲ヘ長調Hob.XVIII:6、
トランペット協奏曲変ホ長調Hob.XVIIe:1
ドミトリ・ババノフ(Hrn)、
ハラルド・ヘーレン(ハープシコード、フォルテピアノ)、
アリアドネ・ダスカラキス(Vn)、
ユルゲン・シュースター(Tp)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)、ケルンCO
ハイドン(1732-1809)の協奏曲の中でもとりわけ有名なトランペット協奏曲、高度な技巧を要求するホルン協奏曲、オルガンでも演奏されるハープシコード協奏曲、そしてハイドンの唯一現存する二重協奏曲と、このアルバムもハイドン好きにはたまらない内容となっています。もちろん演奏は抜群の出来。各々の奏者たちを重鎮ミュラー=ブリュールがきりっと締めています。
NAXOS-8.570483
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲ハ長調Hob.VUa:1
ヴァイオリン協奏曲イ長調Hob.VUa:3
ヴァイオリン協奏曲ト長調Hob.VUa:4
アウグスティン・ハーデリッヒ(Vn)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)
ケルンCO
ハイドン(1732-1809)の作品の中でも、トランペットやピアノ、チェロに比べてあまり人気のないのがこのヴァイオリン協奏曲でしょう。エステルハージ宮廷楽団の奏者トマジーニのために書かれた作品で、なかなか凝った節回しがあちらこちらにあり、爽快さと心地良さが駆け巡る楽しい曲ばかりです。この演奏は、重鎮ミュラー=ブリュールと1984年生まれの若手ヴァイオリニスト、ハーデリッヒの競演で弾むヴァイオリンをしっかり包み込む管弦楽の響きは極上です。
NAXOS-8.570485
ハイドン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第3番ヘ長調Hob.XVIII:3
ピアノ協奏曲第11番ニ長調Hob.XVIII:11
ピアノ協奏曲第4番ト長調Hob.XVIII:4
ピアノ協奏曲第9番ト長調Hob.XVIII:9
セバスティアン・クナウアー(P)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)
コロンCO
1971年ハンブルク生まれのピアニスト、セバスチャン・クナウアーは4歳でピアノを始め、アントルモン、シフ、エッシェンバッハ、ワイセンベルクなど錚々たるピアニストに教えを受け、13歳でオーケストラと初共演、以降世界各地でコンサートを行なっている俊英です。すでに多数のCD録音もありますが、NAXOSレーベルではこのハイドン(1732-1809)が初となります。重鎮ミュラー=ブリュールのサポートを受け、伸び伸びとした輝かしい音色で4曲の協奏曲を弾ききっています。
NAXOS-8.570486
ハイドン:鍵盤楽器のための協奏曲集
オルガン協奏曲ハ長調Hob.XVIII:1/ハープシコード協奏曲ハ長調Hob.XVIII:5/オルガン協奏曲ハ長調Hob.XVIII:8/ハープシコード協奏曲ヘ長調Hob.XVIII:7/オルガン協奏曲ハ長調Hob.XVIII:10
ハラルド・ヘーレン(Org)、ケティル・ハウサンド(Cemb)、ヘルムート・ミューラー=ブリュール(指)ケルンCO
ハイドン(1732-1809)の協奏曲の中でもとびっきりの多彩さを有しているのが、これらの鍵盤楽器のための作品でしょう。同時代のJ.C.F.バッハのロココ風趣味を併せ持つもの、モーツァルトのピアノ協奏曲に比肩する規模の大きいものなど汲めど尽きぬ魅力のある曲ばかりです。ここではハープシコード協奏曲とオルガン協奏曲を収録しました。第5番を除いては、どちらの楽器で演奏しても良いと指定されているこれらの曲ですが、オルガンをここまで軽やかに演奏するのは難易度が高いだろうな。と想像してしまいます。
NAXOS-8.570487
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第5番他
無窮動ハ長調Op.11
ヴァイオリン協奏曲第5番イ短調(管弦楽パート…F.モンペリオ編)
ロッシーニの「タンクレディ」のアリア「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲Op.13
イワン・ポチョーキン(Vn)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO

録音:2011年8月28-31日、2007年10月13-17日 モスクワ,ロシア国営TV&ラジオ・カンパニー「Kultura」,第5スタジオ
19世紀前半、彗星の如く現れたスター・ヴァイオリニスト、パガニーニ(1782-1840)。悪魔に魂を売り渡したと噂される伝説的な超絶技巧の持ち主であり、優れた作曲家でもありました。その華麗な作品は同時代のみならず、後世にも強い影響を与えています。生涯に6曲のヴァイオリン協奏曲を作曲しましたが、1830年頃に書かれたとされる第5番の協奏曲には独奏部分のみが現存しオーケストラ・パートはありませんでした(完成前にパガニーニが死亡したのでは?と言われています)。イタリアの音楽学者フェデリコ・モンペリオ(1908-1989)によるオーケストラ伴奏は、ヴァイオリンの輝く音色を存分に引き出しています。ヴァイオリンを演奏するポチョーキンは、1987年モスクワ生まれの超新星。7歳でオーケストラと共演、2005年にはモスクワ・パガニーニ国際コンクールで優勝するなどの輝かしい実績をあげている期待の人。たっぷりとした濃厚な歌い口は昨今のスタイリッシュな演奏とは一線を画したものと言えるでしょう。
NAXOS-8.570488
メンデルスゾーン:弦楽五重奏曲第1番&第2番
弦楽五重奏曲第2番変ロ長調Op.87
弦楽五重奏曲第1番イ長調Op.18
メヌエット(弦楽五重奏曲第1番の初稿版第3楽章)
ファイン・アーツSQ
早熟の天才、メンデルスゾーン(1809-1847)はわずか17歳で、あの有名な「真夏の夜の夢」の序曲や、この弦楽五重奏の第1番を書き上げました。そしてその19年後(これは彼の死の2年前です)には第2番が作曲されました。どちらの曲も驚くほど豊富なメロディに満ちています。当初1番にはアンダンテがなかったのですが、彼の師であるリーツの死を悼み急遽第2楽章を作曲、本来の第2楽章を第3楽章にずらし、本来の第3楽章メヌエットが削除されました。当盤にはそのメヌエットもしっかり収録されています。
NAXOS-8.570489
フローラン・シュミット:ピアノ五重奏曲Op.51
トゥールダンシュにOp.97
ベルリン・ソロイスツ・アンサンブル
[ビルギッタ・ヴォーレンウェバー(p)、マティアス・ウォロング(第1vn)、ペトラ・シュヴィーガー(第2vn)、ウルリヒ・クネルツァー(va)、アンドレアスグリュンコルン(vc)、マティアス・ベッカー(ob)、リヒャルド・オベルマイヤー(cl)、フランク・ホルスト(fg)]
1901年から1908年に書かれた「ピアノ五重奏曲」は初期の作品だけあって、まだ先人の影響がかなり大きく感じられます。とはいえ、冒頭の厚いピアノの響きとともに立ち上がる不安な旋律は彼ならではのもの。湿り気を帯びた弦の響きに耳を傾けていると、1分50秒あたりから現れるピアノの独奏メロディが泣かせます。更に美しいのが第2楽章。作曲家自身も気に入っていたこの楽章、月の光の中で咲く青い花を思わせる耽美な曲。まさに印象派の音楽です。その40年後に書かれた「トゥールダンシュに」は、彼の特徴である神秘的な作風は影をひそめていますが、程良いユーモアと、抒情的な気分、そして情熱が混在するプーランクを思わせる名曲です。
NAXOS-8.570491
ル(1869-1960):弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第1番「マオリ」
弦楽四重奏曲第2番「マオリ伝説の4つの場面」
弦楽四重奏曲第3番「謝肉祭」
ドミニオンQ
オーストラリアに生まれたヒルは、生涯を欧米以外で過ごしたせいかマイナーな存在ですが、その音楽はドヴォルザークを思わせる美しい抒情に満ちあふれ、どうしてこんな曲が埋もれているのかと驚くほど。ぜひこの一枚で、ブームを巻き起こしてください。
NAXOS-8.570492
(2CD)
ローマン:12のフルート・ソナタ集
ソナタ第1番ト長調
ソナタ第2番ニ長調
ソナタ第3番ハ短調
ソナタ第4番ト長調
ソナタ第5番ホ短調
ソナタ第6番変ロ短調
ソナタ第7番ト長調
ソナタ第8番イ長調
ソナタ第9番ハ長調
ソナタ第10番ホ短調
ソナタ第11番ト短調
ソナタ第12番ト長調
ヴェレーナ・フィッシャー(フラウト・トラヴェルソ)
クラウス=ディーター・ブラント(バロックVc)
レオン・バーデン(Cemb)
ヘンデルと同時代のスウェーデンのヴァイオリニスト、作曲家ローマン(1694-1758)(ルーマンとも表記される)のフルート・ソナタ集です。彼は若い頃と壮年期にイギリスとオーストリア、ドイツに旅行し、ヘンデルのオーケストラでヴァイオリンを弾くなど当時のヨーロッパの音楽を学んだ人です。帰国後は宮廷楽団を指揮、ヘンデルの影響を受けた音楽を数多く作曲、演奏しました。この12曲のフルートソナタは極めて優美で洗練された様式美を持った美しい作品です。
NAXOS-8.570494
ブクステフーデ:声楽作品集第2集
カンタータ「新たに生まれし御子」BuxWV.13、
カンタータ「主は我と共にありせば」BuxWV.15、
カンタータ「まことに彼はわれらの悩みを担いたもう」BuxWV.31、
カンタータ「汝らが言葉と行いで示すすべてを」BuxWV.4、
マニフィカトBuxWV.追加1
ヨハン・ロイター(Bs)、
エッベ・ムンク(指)
コペンハーゲン・ロイヤル・チャペルcho、
デュファイ・コレクティヴ
オルガン作品で知られるブクステフーデですが、声楽作品も120曲以上残しています。それらのほとんどがプロテスタントの宗教曲であり、作曲技法も曲によってかなり異なるものです。声楽コンチェルト、アリア、コラールの3種に分類されるのですが、どれも歌詞の意味を大切に保ち楽器と声の調和を完全なものとして構成されているのが見事です。
NAXOS-8.570496
ティペット:弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第1番イ長調
弦楽四重奏曲第2番嬰ヘ長調
弦楽四重奏曲第4番
ティペットSQ
NAXOS-8.570497
ティペット:弦楽四重奏曲集第2集
弦楽四重奏曲第3番(1945-46)
弦楽四重奏曲第5番(1990-91)
ティペットSQ[ジョン・ミルズ(第1Vn)/ジェレミー・アイザック(第2Vn)/マキシン・ムーア(Va)/ボツィダール・ヴコティク(Vc)]
同じ団体による第1集(8.570496)をお聴きになった方ならおわかりの通り、この第2集もすばらしい出来栄えです。ティペット(1905-1998)にほれ込み、団体の名前に据えてしまうほどの若きイギリスの演奏家たちによるこの第3番と第5番の弦楽四重奏曲は、どちらもティペットが敬愛していたベートーヴェンの影響が見てとれます。後年のティペットに見られるような劇的な作風ではなく、ソナタ形式に基づき、要所要所で対位法を用いた、ある意味古典的なフォルムを用い、そこに現代的な味付けを施したこれらの曲は20世紀の室内楽作品の中でも極めて重要な作品として数えられることでしょう。
NAXOS-8.570499
L.モーツァルト:おもちゃの交響曲
シンフォニアト長調(EisenG8)
ベルヒテス・ガーデンの音楽「おもちゃの交響曲」
シンフォニアニ長調(EisenD15)
シンフォニアイ長調(EisenA1)
シンフォニアト長調「新ランバッハ交響曲」
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
昔はハイドンの作品として親しまれていた「おもちゃの交響曲」ですが本当はモーツァルトの父であるレオポルドが作曲した「カッサシオント長調」の中の第3・4・7楽章がこの曲の正体です(1951年にバイエルン州立図書館で全曲が発見されました)。この演奏は小編成のオーケストラにオカリナやバード・ホイッスル、ハーディ=ガーディを加えた手作り感たっぷりのもの。何だか聴いているだけで口元が緩んでくるような気がします。

NAXOS-8.570501
バロック・トランペット協奏曲集
トレッリ:トランペットのためのシンフォニア 二長調
アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調(トランペット用編)、ヘンデル:組曲 ニ長調、ファッシュ:協奏曲 ニ長調、ヘンデル:オーボエ協奏曲第3番 ト短調(トランペット用編)、ガブリエリ:トランペット・ソナタ第4番 ニ長調、テレマン:オーボエ協奏曲 ヘ短調 (トランペット用編)、ソナタ ニ長調
トーマス・ライナー(Tp)、セバスチャン・テウィンケル(指)南西ドイツ・プフォルツハイムCO
12歳の時にモーリス・アンドレの演奏を聴きトランペット奏者を志したという1969 年生まれのトーマス・ライナーは現在ソリスト、指揮者として全ヨーロッパで活躍しています。彼の演奏はとても表情豊かで遊び心もたっぷり、そして何より輝くような高音域は誰にも真似できません。このアルバムで彼は元来トランペットのために書かれた協奏曲と、オーボエのために書かれた曲を取り交ぜて演奏しています。
NAXOS-8.570502
ソル:ギター音楽集
12の練習曲Op.6、
幻想曲第2番Op.7、
6つのディヴェルティメントOp.8、
モーツァルトの「魔笛」の主題による序奏と変奏曲Op.9
ゴラン・クリヴォカピチ(G)
スペイン生まれのギタリスト&作曲家フェルナンド・ソル(1778-1839)は、ギターの歴史を彩る偉大な人物の一人です。彼の作品はギター演奏技術の向上を図るために書かれたものが多く、耳を傾けると、どの曲もさまざまな技巧をこらし巧妙に作られていることが良くわかるでしょう。有名な「魔笛の主題による変奏曲」はその最たるものです。
NAXOS-8.570503
ヴィラ=ロボス(1887-1959):ピアノ作品集第7集
アマゾナス(ピアノ版)
ギターのための5つの前奏曲(ピアノ版・・・J.V.ブランダーオ編)
ブラジル風バッハ第2番〜藪の思い出(踊り)
ワルツ・スケルツォ/地獄の踊り
あぶなくないフェジョアータ(豆と肉の料理)
おとぎ話/真心の歌/婚礼の随行
ワルツ・レント(断章)
ソニア・ルビンスキ(P)
一貫してブラジル出身の女流ルビンスキのピアノでリリースし続けてきた「ヴィラ=ロボス:ピアノ作品集」も第7集に突入。「5つの前奏曲」の第1曲目のこの色彩の魔力!どんな大家のピアニストであろうとも、この音色はそう簡単には出せないでしょう。夕日色に光りながら暗く立ち昇るこの色合い、そしてドライでありながら感傷的なニュアンスは、祖国への思いを投影しているのはもちろんのこと、ルビンスキ自身の音色にないする鋭敏なセンスの賜物です。その証拠に続く第2曲目の冒頭のキラキラ光るタッチの美しさ!これこそ音のパレットの豊富さの実証に他なりません。ヴィラ・ロボスらしいエキゾシズムとは一線を画す作品「真心の歌」も聴きもの。こんな単純明快、土俗性丸出しの曲があったとは驚きですが、ルビンスキはその持ち味を生かしつつも軽薄な印象を全く与えないのは流石。【湧々堂】
NAXOS-8.570504
ヴィラ=ロボス:ピアノ曲集第8集
実用の手引きX/実用の手引きXI
イベリカラーベ
子どもの組曲第1集(1912)
子どもの組曲第2集(1913)
サントス侯爵夫人の嘆き(ピアノ編曲版)…世界初録音
実用の手引きIより抜粋
ソニア・ルビンスキ(P)
ヴィラ=ロボス(1887-1959)のピアノ作品全集もいよいよ大詰め。あと2巻を残すのみとなりました。中心となる収録曲は「実用の手引き」です。すでに第5集(8.570008)でその一部が紹介され大好評を得た、彼のいわば「心の故郷」の曲集とでも言いましょうか。子どもたちが歌うような単純な楽想の中に計り知れないほどの深さを秘めた、独創性と愛に満ちた小品が「これでもか」とばかりに詰まっています。まさにヴィラ=ロボスの最高傑作です。
NAXOS-8.570505
偉大なる映画音楽集
ジョン・ウィリアムス:レイダース/失われたアーク《聖櫃》メイン・テーマ、
ジョン・バリー:愛と哀しみの果て
ダニー・エルフマン(ジョン・ワッソン編):スパイダーマン
ジョン・ウィリアムス:シンドラーのリスト
ハンス・ジマー(ジョン・ワッソン編):グラディエーター
カール・ディヴィス:チャンピオンズ 〜「チャンピオンのテーマ」「グランド・ナショナル」
ハワード・ショア:ロード・オブ・ザ・リング〜組曲「2つの塔」
ヴァンゲリス(アンディ・ヴィンター編):炎のランナー
モンティ・ノーマン(ニック・ライン編):ジェームス・ボンドのテーマ
ジェームズ・ホーナー:タイタニック メイン・テーマ
アラン・シルヴェストリ(カルヴァン・クースター編):フォレスト・ガンプ
ジョン・バリー(ニック・ライン編):ダンス・ウィズ・ウルブス
ジョン・ウィリアムス:ハリー・ポッターと賢者の石より組曲
カール・デイヴィス(指)ロイヤル・リヴァプールPO
絵空事とはわかっていても、ついつい涙し興奮してしまう名映画の名場面。そしてそれを彩る美しいメロディの数々。
NAXOS-8.570506
ブライアン(1876-1972):交響曲第2番、祝祭ファンファーレ トニー・ロウ(指)モスクワSO
32曲もの交響曲を作曲したことで知られるイギリスの近代作曲家ブライアンですが、彼の生前には、それらはほとんど演奏されることがありませんでした。 この第2番の交響曲はゲーテの「鉄の手のゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」に触発され書き始められましたが、後に早世した彼の最愛の娘のために捧げられました。16本のホルン、3組のティンパニ、2台のピアノ、オルガンを必要とする大規模な編成で奏される悲痛な行進曲は、まるでワーグナーのジークフリートの葬送曲を思い起こさせます。
※ MARCO POLOレーベルから既発売の音源です。
NAXOS-8.570507
アイアランド:ピアノ三重奏曲集
幻想的三重奏曲イ短調
ピアノ三重奏曲第2番ホ調
ピアノ三重奏曲第3番ホ調
ヴァイオリンとピアノのための子守歌
ヴァイオリンとピアノのためのカヴァティーナ
ヴァイオリンとピアノのためのバガテル
「聖なる少年」(ヴァイオリンとピアノ編)
グールド・ピアノ三重奏団[ルーシー・グールド(Vn)、アリス・ニアリー(Vc)、ベンジャミン・フリス(P)]
イギリスの裕福な実業家、W.コベットは「若きイギリスの作曲家の才能を発掘する」目的で室内楽コンクールを主催することを考えました。第1回の1905年のコンクールには67の作品が集まり、見事第1位を射止めたのはW.ハールストーン。第2位はアイアランド(1879-1962)と同じ年のF.ブリッジの作品が選ばれました。で、1907年の同コンクールで第1位の座に輝いたのが、このアイアランドの幻想的三重奏曲でした。彼はそれからも創作の翼を広げ続け、独自の作品を多く生み出すこととなったのです。1938年に初演された第3番の三重奏曲はウォルトンに捧げられたものですが、雄大かつ幽玄な作風がきわめて魅力的と言えるでしょう。そうそう、アイアランドと言えば、必ず付いてくる「聖なる少年」も収録されています。今回はヴァイオリンとピアノ版です。
NAXOS-8.570508
チマローザ:序曲集第1集
歌劇「ヴォルドミーロ」序曲/歌劇「ストランバ男爵夫人」序曲/歌劇「伯爵の奇行」序曲/歌劇「秘密の結婚」(ウィーン版初録音)序曲 /歌劇「不誠実な誠実」序曲/歌劇「ドン・カレンドリーノの帰還序曲/歌劇「大工」序曲/歌劇「クレオパトラ」序曲/歌劇「饗宴」序曲/歌劇「太陽のおとめ(イダリーデ)」序曲/歌劇「信じやすい人」序曲/歌劇「みじめな劇場支配人」序曲
アレッサンドロ・アモレッティ(指)
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
MARCO POLOより移行盤。チマローザと言えば「秘密の結婚」が良く知られていますが、実はその生涯に約70作ものオペラを作曲しています。機知にあふれた生き生きとした陽気な音楽、美しいメロディは文豪ゲーテも大絶賛したと言われ、当時の全ヨーロッパの聴衆を魅了しました。残念なことに、現在ではチマローザのオペラの全貌を知ることは困難になってしまいましたが、ここに収められた序曲を聴くだけでも当時の熱狂ぶりが伝わることでしょう。
NAXOS-8.570509
ペンデレツキ:チェロと管弦楽のための作品集
3つのチェロと管弦楽のための合奏協奏曲第1番(2000)/チェロと管弦楽のためのラルゴ(2003)/チェロと管弦楽のためのソナタ(1964)
イワン・モニゲッティ(Vc)、アルト・ノラス(Vc)、ラファウ・クヴィアトコウスキ(Vc)、アントニ・ヴィト(指)ワルシャワ国立PO
ペンデレツキは、その時代ごとに作風を変えてきた人で、ここで聴ける3つの作品も、その時の気分が敏感に反映されています(現代に近い方がロマンティックだったりします)。モニゲッティとノラス、2人の名手と、ヴィトの競演が聴きどころです。
NAXOS-8.570510
期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ〜トーマ・ヴィロトー
リョベート:ソルの主題による変奏曲 Op.15、
タンスマン:カヴァティーナ、
ブローウェル
: オリシャたちの儀式、ヒナステラ
:ギター・ソナタ Op.47、
ディアンス
:トリアエラ
トーマ・ヴィロトー(G)
2006年のアメリカギター基金主催のコンクールで優勝したトーマ・ヴィロトーのデビュー・アルバムです。彼は1985年パリに生まれ、12歳から音楽を学び始めました。1998年にバルセロナのファン・ペドロ・カレーロ音楽院に入学、名ギタリストアルヴァーロ・ピエッリに師事しました。多数のマスタークラスに参加し研鑽を積み、その2年後にバルセロナ高等音楽院、そして2001年からはパリで、エコール・ノルマルにてポンセの下で学ぶ俊英です。
NAXOS-8.570511
D・スカルラッティ:鍵盤ソナタ全集第10集
ソナタニ長調K.29、ソナタニ短調K.18、
ソナタニ長調K.23、ソナタニ短調K.41、
ソナタニ長調K.29、
ソナタニ長調K.45、ソナタイ長調K.74、
ソナタホ短調K.81、ソナタニ短調K.90、
ソナタハ長調K.95、
ソナタホ長調K.134、ソナタホ長調K.136、
ソナタロ短調K.408、ソナタヘ短調K.555
コリーン・リー(P)
このアルバムで魅力的な演奏を聴かせてくれるのは、2005年のショパン国際コンクール入賞者のコリーン・リーです。非常に歯切れよく若々しい表現は、まるで清流を泳ぎ回る若鮎のようです。4楽章形式のニ短調ソナタ(トラック9)での陰鬱でためらいがちな風情もたまりません。
NAXOS-8.570516
リスト:ピアノ作品全集 第26集
巡礼の年 2年「イタリア」〜ダンテを読んで(ブレスキアーニ編)、ダンテ交響曲 (作曲家による2台ピアノと合唱版)
フランツ・リスト・ピアノ・デュオ(P)、ガブリエラ・テシュ(指)ハンガリー放送児童cho
今作はあの大作「ダンテ交響曲」をリスト自身が、2 台のピアノと合唱のために編曲したものを中心に収録。リストの編曲の妙をじっくりと味わうのに最適です。神曲をもとにしたダイナミックな音楽は、2台ピアノで奏することにより迫力はそのままで精緻さ倍増。面白さも倍増です。児童合唱の清冽な歌声が彩りを添えます。
NAXOS-8.570517
リスト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番、
ピアノ協奏曲第2番、死の舞踏
エルダー・ネボルシン(P)、
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
エルダー・ネボルシンは1974年ウズベキスタン生まれ。サンタンデール国際ピアノコンクールなどの国際コンクールを制覇し、華々しい活動を行いいくつかのCDもリリースしている実力派なのです。NAXOSレーベルには既にラフマニノフの前奏曲集(8.570327)がありますが、このリスト(1811-1886)も文句なく素晴らしい演奏です。豪放な1番、真摯な2番、そして「死の舞踏」。ペトレンコの熱い指揮も嬉しい「燃える」リストをどうぞ。
NAXOS-8.570518
モーツァルト:ピアノ三重奏曲集第1集
ディヴェルティメント変ロ長調K.254、ピアノ三重奏曲第1番ト長調K.496、
ピアノ三重奏曲第3番変ロ長調K.502
クングスバッカ・ピアノ三重奏団[シモン・クラウフォード=フィリップス(P)、マリン・ブロマン(Vn)、イェスパー・スヴェドベリ(Vc)]
モーツァルト(1756-1791)の作品の中では、比較的地味な分野に入ってしまうピアノ三重奏曲集。しかし形式も曲の完成度の高さも極めて優れた作品群なのです。ピアノとヴァイオリンとチェロが対等に会話をするというのは、それまでの室内楽作品にはなかったことでもあり、その萌芽が見られる冒頭のチャーミングなディヴェルティメントから魅力がたっぷり。まさに宝石の山。ドイツ物に定評のあるクングスバッカ・ピアノ三重奏団の滋味あふれる演奏で。
NAXOS-8.570519
モーツァルト:ピアノ三重奏曲集第2集
ピアノ三重奏曲第4番ホ長調K.542、ピアノ三重奏曲第5番ハ長調K.548、
ピアノ三重奏曲第6番ト長調K.564、
ピアノ三重奏曲K.442(未完の楽章をM.シュタードラーが補筆)
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
ここに収録された3曲のピアノ三重奏曲は1788年に作曲されました。この年には最後の3曲の交響曲も書かれており、まさに円熟期の傑作と呼ぶに相応しい情熱溢れる名作と言えるでしょう。K.442の三重奏曲は未完に終わったものを、彼の没後友人であるシュタッドラーが補筆したものです。もともと1つの作品として書かれたものではなさそうですが、作曲時期はほぼ同じ頃とされています。この第1楽章における中間部の転調の妙はまさに天才の技に他なりません。演奏は第1集と同じ、クングスバッカ・ピアノ三重奏団。第3回メルボルン国際室内楽コンクールの覇者たちです。
NAXOS-8.570523
ピアシラ:天使のミロンガ/ブエノスアイレスの夏/バチンの少年/リベルタンゴ/オブリヴィオン/ロコへのバラード/組曲「ブエノスアイレスのマリア」 ヴァーサス・アンサンブル、エンリケ・モラタッラ(Vo)、マリア・レイ=ジョリー(S)、オラシオ・フェレール(朗読)
日本でも一大ブームを巻き起こし、すっかり定着した感のあるピアソラ(1921-1992)のタンゴ集です。ヒナステラに音楽理論を学びつつもタンゴの仕事を続けた彼ですが、一度はタンゴを捨てクラシックの作曲家の道を目指そうとしたといいます。しかしそれを阻止したのがN・ブーランジェ。以来、自身の中に沸き起こる「タンゴへの道」を追求し続けた孤高の人の傑作集です。
NAXOS-8.570524
ゲーゼ:ヴァイオリン・ソナタ第1番-第3番
ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op.6
ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調Op.21
ヴァイオリン・ソナタ第3番変ロ長調Op.69
ハッセ・ボロプ(Vn)、ヘザー・コナー(P)
ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼ(1817-1890)(ガーデと表記することもあります)は、デンマークの作曲家・指揮者・音楽教師です。コペンハーゲンの王室オーケストラでヴァイオリン奏者として活動を開始、自作の交響曲を演奏しようと楽譜を提出したのですが、そこでの演奏を拒否されてしまいました。失意を味わったゲーゼは、その楽譜を何とメンデルスゾーンに送ったところ、大好評を持って迎えられライプツィヒで初演してもらうことができたといいます。そんな彼の作品は恩人の影響を受けつつも、北欧の民謡を随所に取り入れた印象深いものばかり。とりわけこれらのヴァイオリン・ソナタに見られる旋律美は他の誰にも真似し得ないほどの光を放っています。
NAXOS-8.570525
ハイドンとアビンドン卿〜歌曲と室内楽作品集
教会と市街地
ハイドン
:フルート三重奏曲第4番ト長調
ハイドン
:この世で何も得ようとは思わない
ハイドン
:彼女は決して恋について語らない
アビンドン卿
:カントリー・ダンス
アビンドン卿:鳥とみつばち
ハイドン
:イギリス・トリオ第2番ト長調
「アビンドン卿による主題と変奏」
アビンドン卿:恋わずらいの心
アビンドン卿
:カントリー・ダンスとメヌエット
ハイドン
:イギリス・トリオ第1番ハ長調
ハイドン:精神の歌/
ハイドン
:氷柱が壁にかかるとき
デレク・マカロック、
カフェ・モーツァルト(ウィンザー)
名競走馬ポテイトーズの馬主としても知られる第4代アビンドン伯爵、ウィロービー・バーティはハイドンの友人として、またアマチュア作曲家としていくつかの作品を残しています。ここで聴けるそれらの作品はダウランドの面影も感じさせる素朴で愛らしいもの。マカロック率いるアンサンブル「カフェ・モーツァルト」のいかにも楽しげな演奏でお楽しみください。
NAXOS-8.570526
アレンスキー:ピアノ協奏曲へ短調他
ピアノ協奏曲へ短調Op.2、ロシア民謡による幻想曲Op.48、スヴォロフの思い出に、交響的スケルツォ
コンスタンティン・シチェルバコフ(P)、ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
R=コルサコフに師事し、その才能を早くから認められるも、その後独自の様式を確立することがなかったため恩師からも「あいつはその内忘れられてしまうさ」と揶揄されてしまったというアレンスキー(1861-1906)。確かに、民謡を多様した作品も、このピアノ協奏曲も、ちょっとショパンやチャイコフスキー風であったりと、ゴツゴツしたロシア風の音楽を好む人からは敬遠されがちな作曲家です。しかし、もう一度立ち止まってこの抒情味溢れる音楽を聴いてみてください。ああ、なんて清々しくて荘厳なのでしょう。と、言うわけで、決して「亜流」ではありません。
NAXOS-8.570527
タネーエフ:カンタータ「聖イオアン・ダマスキン(ダマスカスの聖ヨハネ)Op.1
協奏的組曲Op.29
イリヤ・カーレル(Vn)
グネーシン・アカデミーcho
トーマス・ザンデルリンク(指)ロシアPO
1883年、アントン・ルビンシテインの死を悼んで作曲されたカンタータ「聖イオアン・ダマスキン」。ロシア正教会では重要な聖人である聖イオアンは、聖像破壊運動に反対しイコンを擁護、教会の伝統を守った人として讃えられています。タネーエフ(1856-1915)は尊敬するルビンシテインをその聖人になぞらえ、極めて崇高なカンタータを作曲、故人への捧げものとしたのでしょう。協奏的組曲は、彼の友人であるヴァイオリニスト、シボールの依頼で書かれたもので、冒頭からヴァイオリンが艶めかしくも強靭なメロディを奏でる劇的で色彩的な曲。バッハやモーツァルトの時代に書かれたような単純な形式に見えてしまいますが、曲に含まれる「主題と変奏」だけを取り出してみても、その素晴らしい筆致に驚かざるを得ません。NAXOSが誇る名ヴァイオリニスト、カーレルの深みのある音色はこの曲の真価を存分に伝えてくれています。
NAXOS-8.570528
シュポア:ヴァイオリン協奏曲第6・8・11番
ヴァイオリン協奏曲第6番ト短調Op.28ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調Op.47「劇唱の形式で」
ヴァイオリン協奏曲第11番ト長調Op.70
シモーネ・ラムスマ(Vn)、
パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
モーツァルト、ヴィオッティからベートーヴェンへと続く古典派の様式を一段と発展させ、ロマン派へと繋ぐ音楽を書いたシ ュポアの代表作ともいえるヴァイオリン協奏曲を3曲収録。ヴァイオリンを演奏するのは、2006年のインディアナポリス国際 ヴァイオリン・コンクールで第2位を得た若きオランダのヴァイオリニスト、シモーネ・ラムスマです。彼女の奏でるヴァイ オリンの音色はとても美しくしなやかで、シュポアの曲の持つ明るさにぴったり合った気持ちのよいものです。
NAXOS-8.570529
ルーセル:交響曲第2番他
交響曲第2番
交響詩「春の祭りに寄せて」/組曲へ調
ステファン・ドヌーヴ(指)
ロイヤル・スコティッシュO
作曲家でもあり、海軍軍人でもあったルーセル(1869-1937)は、その多感な時期にインドシナ半島へ航海したりするというように、なかなかに興味深い生涯を送った人物です。作風は古典主義と印象主義を良い具合にミックスさせ、独自の音楽を作り出しています。ここに収録された交響曲第2番は重厚で瞑想的。時折、管や打楽器の咆哮がありますが、全体的には湿った海風と波を思わせる渋さがたまりません。「春の祭りに寄せて」は、本来交響曲第2番へ使われるはずだった音楽です。
NAXOS-8.570530
W.F.バッハ:鍵盤作品集第2集
シンフォニアハ短調Fk15
フーガ第1番ハ長調Fk31/1
フーガ第2番ハ短調Fk31/2
ファンタジアホ短調Fk21
フーガ第3番ニ長調Fk31/3
フーガ第4番ニ短調Fk31/4
ファンタジアニ短調Fk19
フーガ第5番変ホ長調Fk31/5
フーガ第6番ホ短調Fk31/6
ファンタジアハ短調Fknv2
フーガ第7番変ロ長調Fk31/7
フーガ第8番ニ短調Fk31/8
ファンタジアイ短調Fk23
ファンタジアニ短調Fk18
ユリア・ブラウン(ハープシコード)
W.F.バッハ(1710-1784)の鍵盤曲集第2集です。すぐれたオルガン奏者でもあった彼は、従来の形式に新しさを組み込んだ独自の音楽を作り上げました。ここに収録されたファンタジアはどれも宝石のような美しさを湛え、フーガは驚くべき自由さに満ちています。100年ほど時代を先取りしたかのような当時としては「新しすぎた音楽」と言えるでしょう。
NAXOS-8.570531
アーノルド:序曲「ベッカス・ザ・ダンディプラット」、ジョン・フィールドの主題による幻想曲 Op. 116、2台3手のピアノのための協奏曲 Op. 104、2台のピアノのための協奏曲 Op. 32 フィリップ・デイソン(P)、ケヴィン・サージェント(P)、エサ・ヘイッキラ(指)アルスターO
マルコム・アーノルドと言えば、豪快なオーケストラ・サウンドやユーモアのある音楽センスが有名な音楽家です。このアルバムはそのどちらの側面も楽しめる嬉しい1 枚でございます。豪快さでいえば「ベッカス〜」序曲。楽しさで言えばピアノ協奏曲。こちらは夫婦デュオのために書かれた愛情あるプレゼントです。ほのかに見え隠れするジャジーな味わいがたまりません。
NAXOS-8.570532
カプースチン:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第15番Op.127「幻想風ソナタ」、
ジャズ・スタイルによる24の前奏曲Op.53〜抜粋、
8つの演奏会用練習曲Op.40〜抜粋、
10のバガテルOp.59〜抜粋、
ピアノ・ソナタ第2番Op.54〜第2楽章
ジョン・サルモン(P)
7〜8年ほど前から急激に人気を博したロシアの作曲家カプースチン(1937-)。インプロヴィゼーションを全て楽譜に書き留めたジャズ風のクラシックとも言える独特な音楽が人気です。そのカプースチン作品がついにNAXOSに登場しました。名手サルモンは冒頭のソナタから飛ばしまくりです。今まで体験していなかった人はぜひこの機会に。とにかくイケます。はまります。
NAXOS-8.570533
星の歌〜近代カタルーニャの作品集
カザルス:マリアの薔薇の花冠
カザルス:きっととりなし給え聖母マリアよ
グラナドス:サルヴェ・レジーナ
カザルス:われは黒けれど
モレーラ:ナイチンゲール#
グラナドス:ロマンス
モレーラ:アヴェ・マリア#
グラナドス:宗教的情景#
ブランカフォート:愛の歌#
オルトラ(1922-):愛の歌より「エコ」#
オルトラ:愛の歌より「前奏曲」#
グラナドス:星々の歌#
ヴォイシズ・オブ・アセンション
デニス・キーン(指)
ダグラス・リーヴァ(P)、
マルク・クルチェク(Org)、
エリカ・キーセウェッター(Vn)

#=世界初録音
北東スペインの文化的都市、カタルーニャは古くから多くの芸術作品を育んだ肥沃の地です。この地に生を受けた音楽家は数多く、グラナドスやブランカフォート、そして名チェリスト、カザルスなど枚挙にいとまがありません。このアルバムは彼らの手による美しい小品を集めたものです。合唱好きが泣いて喜ぶカザルスの「マリアの〜」、そしてグラナドスの「星々の歌」はピアノと合唱とオルガンによる信じられないほど素晴らしい協奏曲です。世界初録音を多数含む涙ものの1枚です。
NAXOS-8.570534
バルトーク:バレエ音楽「木製の王子」 マリン・オールソップ(指)ボーンマスSO
「青ひげ」に続くオールソップのバルトーク(1881-1945)は、バレエ音楽「木製の王子」です。おとぎ話をそのままバレエにしたこの作品、ストラヴィンスキーやワーグナーの影響を受けたと言われる激しいリズムと重厚な響きを持ち、バルトークの最高傑作の一つとされています。オールソップの緻密な音作りが曲の魅力を引き立てています。
NAXOS-8.570535
ブリュメル:声楽作品集
三位一体の哲学をたたえよ、
祝福された聖母のミサ、
父の御母にして娘、栄光のおとめをたたえよ
スペキュラム・アンサンブル、
ロベルト・ディ・チェコ(C.T)、
クリスティアーノ・ヴァヴァーリャ(T)、
ニコラ・ボナッツィ(T)、
ステファーノ・シチアーレ(Bs)
オケゲムに学び、フランス、イタリアで活躍したフランドル楽派中期の作曲家ブリュメル(1460?-1515?)は、同時期の最も優秀な作曲家として人気を集めていました。彼はパリのノートルダム聖歌隊の指導者として、またフェラーラ宮廷の聖歌隊長として活躍し、高名な作曲家オブレヒトの跡を継ぎました。しかしフェラーラの礼拝堂が解散された1510年以降の足取りはつかめず、ローマで過ごした痕跡がわずかに認められる程度です。恐らくこの頃に書かれたのが、この「祝福された聖母のミサ」だと言われていますが真相はわかりません。
NAXOS-8.570538
ユーフォニウムと管弦楽のための作品集
ケヴィン・カスカ(1972-):マジェスティック・ジャーニー、
ジョン・ゴランド
(1946-1993):小品(A・フレイによるユーフォニウムと管弦楽版)、
ウラディーミル・コスマ
(1940-):ユーフォニウム協奏曲、
ケヴィン・カスカ
(1972-):バラード、
ピーター・グレアム
(1958-):ブリランテ、
フィリップ・スパーク(1951-):パントマイム(A・フレイによるユーフォニウムと管弦楽版)
アダム・フレイ(ユーフォニウム)、
ブルース・ハンゲン(指)ニュージーランドSO
音色がホルンやトロンボーンに似ているせいか、オーケストラの中ではあまり使われることのないこの楽器ですが、丸みのある中音域には何とも言えない味わいがあるのです。このアルバムでは名手アダム・フレイが自らの編曲も交えて吹きまくります。「ディーヴァ」のサウンドトラックで知られるウラジミール・コスマの協奏曲など珍しい曲もてんこ盛り!ファン必聴の1 枚です。
NAXOS-8.570539
イギリスのクラリネット
ゲルマン(1862-1936):ロマンス、
バックス):ソナタ、
ロクスバーグ
(1937-):4つのワーズワースのミニチュア、
フィンジ
(1901-1956):5つのバガテル、
ハールストン
(1876-1906):4つの性格的小品、
ペターソン
(1947-):独白Op.79、
W・ロイド・ウェッバー
(1914-1982):フレンシャムポンドにて、アリアと変奏、
ブリス:田園曲
ジョン・ブラッドベリ(Cl)、
ジェイムス・クライアー(P)
クラリネットの音色には、輝き、情熱、哀愁、それらが全て含まれています。それ故、全ての管楽器の中でも愛好され多くの作品が書かれています。とりわけイギリスではその傾向が顕著で、たくさんの作曲家たちがこの楽器のために名作を書いているのです。このアルバムはフィンジやバックスはもちろんのこと、知られざる作曲家たちの佳品がたっぷり詰まった極上の1枚です。
NAXOS-8.570540
ツェムリンスキー:チェロ・ソナタ他
チェロとピアノのための3つの小品[フモレスケ/歌/タランテラ]、
チェロとピアノのためのソナタイ短調、
クラリネット,チェロとピアノのための三重奏曲ニ短調
オトマール・ミュラー(Vc)、
クリストファー・ヒンターフーバー(P)、
エルンスト・オッテンザマー(Cl)
最近じわじわと人気が高まるツェムリンスキー(1871-1942)の音楽は、その粘りつくような半音階手法と狂おしいほどの官能性が印象的です。しかしここに収録された3つの作品は彼の若日に書かれたもので多少ブラームスの影響も感じられる、躍動的でさわやかな曲想に魅了されます。特にクラリネット三重奏曲はブラームスが出版社ジムロックに推薦したという作品で、彼の作品の中でも最も愛されるものの一つです。
NAXOS-8.570541
エルガー:パートソング集
甘い調べOp.53-1/私の心の奥深くOp.53-2/冬来たりなば春遠からじOp.53-3/碑銘Op.53-4/オラフ王の伝説よりの情景Op.30/眠る王子/驟雨Op.71-1/泉Op.71-2/私の愛は北の地にOp.18-3/丘の上の死Op.72/愛の嵐Op.73-1/セレナードOp.73-2/夕方の情景/行け私の歌よOp.57/バイエルンの高地から
クリストファー・ロビンソン(指)
ケンブリッジ大学室内cho、
イアン・ファーリントン(P)
エルガー(1857-1934)の合唱曲と言えば、大規模なオラトリオやカンタータは比較的良く演奏されますが、ここに収録されたパート・ソング(無伴奏合唱曲)は残念なことにあまり知られていないのが現状です。どの曲も繊細なハーモニーとさりげなくとも胸を打つメロディを用いて書かれていて、その上品さと味わい深さには舌を巻くほかありません。合唱マニア必聴。
NAXOS-8.570542
リンドベルイ:ピアノ作品全集
2台のピアノのための音楽(1976)
ピアノのための小品(1977)
ピアノのための3つの小品(1978)
PlayT(1979)/ひも(1988)
ジュビリー(2000)
エチュードNo.1(2001)
エチュードNo.2(2002)
マールテン・ファン・フェーン(第2ピアノ)、
ラルフ・ファン・ラート(P)
フィンランドの現代作曲家の1人、リンドベルイ(1958-)のピアノ作品集です。1970年代、および80年代の初めに書かれた曲と、21世紀になってから書かれた作品を収録。とりわけ1988年の「ひも」と2000年の「ジュビリー」の間に横たわる12年の年月は、彼の作曲語法が熟成するための充分な時間だったといえるでしょう。美しく妖しく煌く音色は、まるでメシアンの作品のような肌触りを感じさせます。
NAXOS-8.570543
ブゾーニ:ピアノ作品集第4集
前奏曲とフーガニ長調BWV532(原曲:バッハ)、
悲歌集K.249(危機のあとに、
イタリア風、
わが魂は汝に望みを託す、
トゥーランドットの居間、夜のワルツ、
夜曲)、子守歌-悲歌第7番K.252、
J・S・バッハによる幻想曲K.253、
トッカータK.287
ヴォルフ・ハーデン(P)
バッハ作品のトランスプリクションが知られるブゾーニ(1866-1924)ですが、彼の本質はここに収録された「悲歌集」にあると言っても過言ではありません。過去の作品をリライトすることで培った土壌に、敬愛するリストのエッセンスを加え、さらにオリジナリティを加算した作品群は、シェーンベルクに連なる先鋭さを有しています。
NAXOS-8.570544
バス・トロンボーンと吹奏楽のための作品集
ジェローム・ノーレ(1951-):深淵に光る星(マルク・リュース編)
マルク・リュース
(1963-):めまい
エリック・エワゼン(1954-):バス・トロンボーン協奏曲(ヴァージニア・アレン編)
マーク・ステッカー
(1935-):2歩下がって
イヴ・バウアー(バスTb)、
クロード・ケメッケル(指)
フランス空軍軍楽隊
これぞバス・トロンボーンの名技炸裂!のアルバムです。その深すぎる響きのため、あまりソロとして用いられることのない楽器ですが、4人の作曲家によるこれらの曲を聴いてみると、とにかく凄すぎて眩暈さえ覚えるほどです。ジャズっぽいノーレの曲、遊び心たっぷりのステッカーの曲(タイトルは彼の名前のコラージュになっているとか)など多彩。この楽器についてはまだまだ可能性は無限にありそうです。
NAXOS-8.570545
フォーレ:チェロとピアノのための音楽集
シシリエンヌOp.78/チェロ・ソナタ第2番Op.117
夢のあとにOp.7-1(P.カザルス編)/エレジーOp.24
ロマンスOp.69/子守歌Op.16(チェロとピアノ編)
蝶々Op.77/セレナーデOp.98
チェロ・ソナタ第1番/パヴァーヌOp.50(H.ビュッセル編)
イナ=エスター・ユースト・ベン=サッソン(Vc)
アラン・スターンフィールド(P)
エルサレムSOの首席チェロ奏者、および世界的ソリストとして活躍するイナ=エスター・ユースト・ベン=サッソンの弾く味わい深いフォーレ(1845-1924)のチェロ作品集です。彼女はフルニエに学び、ベルグラード国際チェロ・コンクールで優勝し、チェリビダッケを始めとした大指揮者とも数多く共演しています。フォーレの2曲のチェロ・ソナタはどちらも晩年に書かれた独特の渋い魅力を放つ作品として知られます。時は20世紀に入り、もともと緩やかだったフォーレの調性感はいよいよ希薄となり、その響きは水面を反射する光のように移ろっていきます。彼女はそんな繊細な流れを的確に捉え、流麗さを損なうことなく淡々と音にしていくのです。良く知られた「夢のあとに」などの初期の作品の編曲集はまた違った味わいがあり、こちらもフ
NAXOS-8.570548
ジェズアルド:マドリガル集第1巻
甘く優しい口づけよ/甘き愛をもって
マドンナ私はそうなってほしい
どのように生きることができようか
冷たいマドンナの乳房
マドンナは横たわっている
ああ、あまりにも賢明な誤り
そのように高貴な手の時は
愛は平和を求めない
何と喜ばしい。私の悲しみをつくることは
おお、甘き私の苦しみ
ティルシは死を望む
ティルシは自らの欲望を感じた
わが星をあなたは見ていますか
見ないで、見ないで
美しく芳香に満たされた花よ
幸せな春よ/正直なニンフたちが踊る
自然があなたに与えたばら
美しく小さな天使
マルコ・ロンギーニ(指)デリティエ・ムジケ
ジェズアルド(1566-1613)=殺人者ということは広く知られています。不貞を働いた妻とその愛人を残忍な方法で殺害したものの、貴族であったため(ヴェノーサ公国君主、コンザ伯爵)罪には問われなかったジェズアルド。しかし彼の本当の心は永遠に理解されることはないのでしょう。当時は良くあることだったと言え、もしかしたら一生を罪の意識の中で過ごしていたのかもしれません。そんな彼の音楽は演奏不能なほどに難解だとも言われています。あまりにも大胆な半音階進行、予測不能な旋律、当時としては濃密過ぎるエロティックな表現。これらは彼の複雑な心情を反映しているのかもしれませんが、もしかしたら本当は独自の偉大なる才能だったのではないでしょうか?ここでは、彼の行いは全て忘れて、ただただ不思議な音楽に身を委ねてみることにしましょう。このシリーズは、ジェズアルドのマドリガル初の全曲録音となります。
NAXOS-8.570549
ジェズアルド:マドリガル集第2巻
親愛なる愛しいほくろ様
そして彼女は持っている
あなたが壊して緩めた/傷は浅い
私の胸は感傷的になる
最も優雅なベールで/悲しみが甘い時
私はすぐに死んでしまう
痛みが激しい時、私は無口になる
おお、これほどまでに大きな罰
おお甘き情熱/私が感じるがままに
この手ではない
たいまつか矢のどちらかで
雪のような白い手
あなたの残り香が/そして幸せの竪琴を
私は変わらない/輝く瞳に出会ったとき
私の光を消さないで/フランスの歌
ガリアルダ
マルコ・ロンギーニ(指)デリティエ・ムジケ
数奇な運命を辿った作曲家、ジェズアルド(1566-1613)のマドリガル第2集です。これらは彼の2回目の結婚準備期間に発表されたもので、いつものように簡潔な書法の中に驚くほどの内容が込められています。テキストの原作者はよくわかりませんが、少なくとも3人の名前タッソー、グァリーニ、ダヴァロス(最初の妻の父)は確定することができるようです。どれも素晴らしい詩が用いられていますが、中でもトラック12の「私が感じるがままに」は当時とても有名で、当時の作曲家たちが競って、パロディ・ミサの中で用いています。演奏するのは、第1集(NAXOS-8.570548)と同じく、デリティエ・ムジケで、歌を担当するのは男性のみ。倒錯の音色がここにあります。
NAXOS-8.570550
アイアランド:クラリネットを含む室内楽作品集
クラリネット,チェロ,ピアノのための三重奏曲(S.フォックス編&改作)、
クラリネットとピアノのための幻想ソナタ、クラリネットとピアノのための「聖なる少年」、
クラリネットとフレンチ・ホルンと弦楽四重奏のための六重奏曲
ロバート・プレーン(Cl)、
ソフィア・ラーマン(P)、
アリス・ニアリー(Vc)、
デーヴィッド・パイアット(Hrn)、マッジーニSQ
その作風は終始ロマン派の域を出なかったと言われてしまうイギリスの作曲家アイアランド(1879-1962)。一時期はストラヴィンスキーにも傾倒したほどの進歩的な作風を示した彼ですが、ほどなくイギリス音楽の伝統に立ちかえり、教会音楽の旋法による素朴な作風を確立したのでした。クラリネットを使った作品には彼の良い面が上手く作用しているように思えます。穏やかで懐かしく、時には洒脱なこれらの作品を聴くことはイギリス音楽の愛好家だけでなく、全ての聴き手にとって心温まるひとときとなるでしょう。おなじみ「聖なる少年」のクラリネット版も収録。
NAXOS-8.570551
ヴァイス:リュート・ソナタ集第9集
ソナタ第52番ハ短調
ソナタ第32番ヘ長調/ソナタ第94番ト短調
ロバート・バート(Lute) 
※2004年アンドリュー・ラタフォード制作のリュー
ヴァイス(1687-1750)が亡くなった年(バッハと同年)、彼はヨーロッパの最も偉大なリュート奏者、最も才能ある音楽家の一人として賞賛されました。ヴァイスの時代のリュートはルネサンス時代のものよりも大型化し、奏法も複雑になり、もちろん書かれた曲も精緻極まるものでした。このアルバムに収録された第52番はその中でも規模が大きくさまざまな手法を用いて書かれており、実に聴き応えのある曲です。若干規模の小さい第94番、第32番とともにじっくりお楽しみください。
NAXOS-8.570553
アルベニス:ピアノ曲集 第2集
旅の思い出(海にて/伝説/朝の歌/アルハンブラ宮殿にて/ティエルラの門/入り江のざわめき/海辺にて)、
スペイン〜思い出、アスレーホス、
平原、ナバーラ(セヴラック補追完成版)
ギレルモ・ゴンザレス(P)
高い評価を受けている第1集(8.554311-12)に続く、アルベニスのピアノ作品集第2集です。今作はアルベニス初期の名曲で有名な「入り江のざわめき」を含む“旅の思い出”を中心とした選曲で、スペインの民間伝承曲からヒントを受けたものからショパン風の作品まで多彩な表情を見せてくれます。一転、晩年の作品である“アスレーホス”や“ナバーラ”は極めて独創的なメロディを持ち、その響きの斬新さと華やかさで多くの人々の心を捉えています。1974年からマドリード王立音楽院で教鞭を取るベテラン、ゴンザレスの揺るぎのない技巧はこれらの曲の持ち味を存分に生かした素晴らしいものです。
NAXOS-8.570554
ゴダール:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.131
ヴァイオリンとオーケストラのためのロマンティック協奏曲Op.35、
オーケストラのための「詩的な情景」Op.46
クロエ・ハンスリップ(Vn)、
カーク・トレヴァ(指)
チェコスロヴァキア国立コシツェPO
バンジャマン・ゴダール(1849-1895)の名前は訊いたことがなくとも、あの愛らしい「ジョスランの子守歌」を聴いたことがある人はいませんか?今ではこの曲ばかりが有名ですが、他にも多くの美しいメロディを駆使したピアノやヴァイオリンの曲を書いた人です。このアルバムでは大作であるヴァイオリン協奏曲を2曲収録。
NAXOS-8.570555
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽組曲集第1集
歌劇「イェヌーファ」より組曲(P.ブレイナー編)、
歌劇「ブロウチェク氏の旅」より組曲(P.ブレイナー編)
ペーター・ブレイナー(指)
ニュージーランドSO、
ヴェーサ=マッティ・レッパネン(Vn)
かの小澤征爾もテレビ番組の中で「ヤナーチェク(1854-1928):の音楽ほど面白いものはないです」と語っていたくらい色彩的で豊かな音楽。それをまたNAXOSの名編曲者&名指揮者ブレイナーがうまい具合にまとめたのがこのアルバムです。第1集は「イェヌーファ」と「ブロウチェク氏の旅」からの音楽集。実はこれらの作品、イェヌーファの方は比較的あらすじもわかりやすいのですが、ブロウチェク氏の方は、あまりにも凝った作りのためか却って筋立てが難解になってしまっています。しかしここで聴ける音楽は極めて明快。多用される弦のユニゾンが思いきり雰囲気を高めてくれます。
NAXOS-8.570556
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽編曲集第2集
歌劇「カーチャ・カバノヴァー」より(ペーター・ブレイナー編)<序曲/ティホン、その時あたりに…/また自慢する…/間奏曲と歌/嵐が近い>、
歌劇「マクロプロス事件」より(ペーター・ブレイナー編)<死は私に触れていた/グレゴール、プルスの死因/それは何だか変ですよね?/私は頭が空っぽです。/本当にあなたが大好き/そう?>
ペーター・ブレイナー(指)ニュージーランドSO
第1集(8.570555)に続く、ブレイナーによる華麗なる編曲で聴くヤナーチェク(1854-1928)のオペラ名旋律集です。今回取り上げられたのは、人妻の官能的な恋愛を描いた「カーチャ・カバノヴァー」と、ふとしたことで不老不死になってしまったオペラ歌手の物語「マクロプロス事件」の2演目。ここでもブレイナーの施した編曲の素晴らしさは言葉に尽くせません。例えば「カーチャ」でのクライマックス、カーチャが愛人の名を告げて嵐の中に飛びだして行く場面での、段階的な音の増やし方などは聴いているだけでぞくぞくしてしまいます。不気味さと、妙な明るさが入り混じる「マクロプロス」も聴きもの。不条理なのだけど許してしまいます。
NAXOS-8.570559
アイヴズ:アメリカ変奏曲/序曲と行進曲“1776”/彼らはここに!/古き家庭の日(バンドのための組曲)/インターカレッジ行進曲/フーガハ調/オメガ・ラムダ・カイ/イェルサレムは金/ギャンボリーの息子/ポストリュード ヘ調/カントリー・バンド行進曲/戦没将兵記念日/チャーリー・ラトレイジ/サーカス・バンド/メイン・ストリートの暴れ馬/行進曲第6番/オールコット家の人々 アメリカ海兵隊バンド
これを聴けばあなたもヴィクトリー!アイブズの様々な作品を集め、ストーリー性を持たせ一気に聴かせるという凝った企画盤。冒頭の「アメリカ変奏曲」から言葉に詰まるほど面白さ炸裂。原曲は歌曲だったりピアノ曲だったりと様々ですが、古き良きアメリカのざわめきを彷彿とさせるキッチュな音が詰まっています。
NAXOS-8.570560
アルウィン:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番ニ短調、
弦楽四重奏曲第2番「春の水」、
弦楽四重奏曲第3番、
ノヴェレッテ
マッジーニQ[ロレーヌ・マカスラン(第1Vn)、デヴィッド・エンジェル(第2Vn)、マーティン・ウートラム(Va)、ミハウ・カズノフスキ(Vc)]
NAXOSレーベルから精力的にリリースされるアルウィン(1905-1985)の作品集。今回は弦楽四重奏曲集の登場です。1953年に作曲された第1番はとてもこの時期に書かれたとは思えないほど叙情的な風情を持っています。ツルゲーネフの小説にインスパイアされた第2番は1975年に作曲されたもの。第1番から22年の月日を経た貫禄が感じられることでしょう。彼の実質上最後の作品である第3番の強烈な冒頭と、それに反発するかのような穏やかなアダージョ、そして奇怪な舞曲らしきものも強烈な印象を残します。
NAXOS-8.570561
チャールズ・ウッド(1866-1926):マルコ受難曲、
ベアストウ(1874-1946):「舌もて語らしめよ」によるヴォランタリートッカータ-前奏曲
サイモン・ウォール(T)、
ジェームス・バーチャル(Br)、
エドワード・グリント(Bs)、
ルス・ジェンキンス(S)、
ジョナサン・ヴォーン(Org)、
ダニエル・ハイド(指)
ケンブリッジ・イエス・カレッジcho
近代英国音楽界の草分け的存在である、チャールズ・ウッド(1866-1926)はとりわけ教会音楽の分野で素晴らしい作品を残しました。マニフィカト、30を超える讃歌、テ・デウムなど多くの名作がありますが,この「マルコ受難曲」は1920年完成の作品で、ルター派のコラールなどの有名な讃美歌が散りばめられた荘大な曲です。英語で書かれた受難曲の代表作としても知られています。
NAXOS-8.570562
リスト:ピアノ作品全集第33集〜ワーグナー&ウェーバー・トランスクリプション集
《ワーグナー原曲》
歌劇「タンホイザー」序曲
歌劇「タンホイザー」から「夕星の歌」
歌劇「タンホイザー」と楽劇「ローエングリン」から2つの小品第1番「客たちのワルトブルクへの入場」
楽劇「マイスタージンガー」から「冬の静かな炉ばたで」
楽劇「ニーベルングの指環」から「ヴァルハラへの入場」
《ウェーバー原曲》
歌劇「魔弾の射手」序曲
スティーヴン・メイヤー(P)
娘コジマと、悪名高きワーグナーが結ばれると知った時、父であるリスト(1811-1886)の心情はいかがなものだったことでしょう?自らも奔放な恋愛を繰り返した彼だけに、色々と思うことは多かったに違いありません。そんな義父リストは、「息子」の作品を数多くピアノ独奏へと編曲しました。男女間の軋轢を重厚な音色であますことなく描いたワーグナーの楽劇は、内容的にも音楽的にもリストが興味を持ったことは間違いありません。ここで聞かれるピアノ版「愛の劇場」はコンパクトな響きとはいえ、ワーグナーの描きたかった世界をきちんと昇華しています。もちろんこれらの曲を弾きこなすには並大抵の技巧の持ち主では歯がたつわけもありません。そんな息苦しいまでの対決の後に聴くウェーバーは「楽しい」の一言に尽きるでしょう。
NAXOS-8.570563
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲TWV40:14-25
幻想曲第1番変ロ長調
幻想曲第2番ト短調/幻想曲第3番へ短調
幻想曲第4番ニ長調/幻想曲第5番イ長調
幻想曲第6番ホ短調
幻想曲第7番変ホ長調/幻想曲第8番ホ長調
幻想曲第9番ロ短調/幻想曲第10番ニ長調
幻想曲第11番ヘ長調/幻想曲第12番イ短調
アウグスティン・ヘイドリッヒ(Vn)
テレマン(1681-1767)のこの無伴奏作品は、恐らくアマチュアか学生のために書かれたものらしく、J.S.バッハの作品に比べると技巧的には比較的容易で、恐ろしい程の重音や低音などは要求されていません。にも関わらず、聴き手には存分な満足感を与える素晴らしい作品です。自由な楽想の展開、そして飛翔するメロディは何度聴いても飽きることがありません。演奏するのは、期待の若手ヘイドリッヒ。以前リリースのハイドンの協奏曲(NAXOS-8.570483)でも目の覚めるような秀演を聴かせた逸材です。
NAXOS-8.570567
パスクッリ:オーボエとピアノのためのオペラ幻想曲集
ドニゼッティ「清教徒」に基づく幻想曲
ドニゼッティ「ファヴォリータ」の主題による協奏曲
ヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り」のテーマによる大協奏曲
マイヤーベーア「ユグノー教徒」に基づく幻想曲
「ナポリの思い出」よりスケルツォ・ブリランテ
イワン・パイソフ(Ob)、
ナタリア・シチェルバコワ(P)
パスクッリ(1842-1924)は彼の世代の中で最も有名なオーボエ奏者の一人です。何しろ彼は、1860年18歳の若さでパレルモ・コンセルヴァトワールのオーボエとコールアングレの教授に就任するほどでした。その際立つ名人芸は彼の書いた幾つかのオペラ編曲物をお聴きいただければ容易に想像がつくことでしょう。演奏者パイソフはボリショイ出身の名手。どんなパッセージも易々と吹きこなしてしまいます。
NAXOS-8.570568
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲他
マンフレッド交響曲
交響的バラード「ヴォエヴォーダ」
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音 2007年6月20-21日イギリス リヴァプール,フィルハーモニック・ホール
ヴァシリー・ペトレンコは1976年生まれ。サンクトペテルブルク音楽院であのイリヤ・ムーシンやテミルカーノフに指示した、今後の活躍が期待される逸材です。演奏はなかなかに豪壮!ソ連時代の指揮者のような野太いサウンドよりも洗練されたスタイリッシュなフォルムの音楽作りを行なっていますが、決して平均的にグローバル化した音作りではなく、表情の押しの強さ、響きの濃厚さなど、ロシア音楽の醍醐味を満喫させてくれる点は無視できません。オケの統率力、牽引力も抜群!第2楽章冒頭の木管の細かな音型もポコポコと軽く浮遊せず、一音一音を強固に刻印。音を有機化させる意思がこんなところにまで浸透しているのです。ペトレンコの実力を最高に発揮されているのが終楽章。いくらでも下品に鳴らすことも可能なこの楽章を、美しいフォルムを維持したまま、芯が強くぶれないダイナミズム惜しげもなく披露。中間部の沈静に見るハーモニーの均衡とデリカシーも必聴。オルガン登場以降の呼吸の深さはもはや巨匠級!最近台頭している若手指揮者の中には、変に自己顕示が目立つ人もいますが、ペトレンコにはそんな嫌らしさがないのです。したがって音楽の凄みをそのものを堪能することが可能となったのです、抜群に巧いオケの機能美、音質も優秀さも特筆もの。【湧々堂】

NAXOS-8.570568
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲、
交響的バラード「ヴォエヴォーダ」
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音:2007年6月20-21日イギリスリヴァプール,フィルハーモニック・ホール
“郷土色とグローバリズムとの完全な調和!”
ヴァシリー・ペトレンコは1976年生まれ。サンクトペテルブルク音楽院であのイリヤ・ムーシンやテミルカーノフに指示した、今後の活躍が期待される逸材です。演奏はなかなかに豪壮!ソ連時代の指揮者のような野太いサウンドよりも洗練されたスタイリッシュなフォルムの音楽作りを行なっていますが、決して平均的にグローバル化した音作りではなく、表情の押しの強さ、SOきの濃厚さなど、ロシア音楽の醍醐味を満喫させてくれる点は無視できません。オケの統率力、牽引力も抜群!第2楽章冒頭の木管の細かな音型もポコポコと軽く浮遊せず、一音一音を強固に刻印。音を有機化させる意思がこんなところにまで浸透しているのです。ペトレンコの実力を最高に発揮されているのが終楽章。いくらでも下品に鳴らすことも可能なこの楽章を、美しいフォルムを維持したまま、芯が強くぶれないダイナミズム惜しげもなく披露。中間部の沈静に見るハーモニーの均衡とデリカシーも必聴。オルガン登場以降の呼吸の深さはもはや巨匠級!最近台頭している若手指揮者の中には、変に自己顕示が目立つ人もいますが、ペトレンコにはそんな嫌らしさがないのです。したがって音楽の凄みをそのものを堪能することが可能となったのです、抜群に巧いオケの機能美、音質も優秀さも特筆もの。【湧々堂】
NAXOS-8.570569
ヒナステラ:チェロとピアノのための音楽全集
パンペアーナ第2番Op.21/5つのアルゼンチン民謡による歌曲集Op.10/プネーニャ第2番Op.45「パウル・ザッハーへのオマージュ」/チェロ・ソナタOp.49
マーク・コソワー(Vc)、ジェー・ウォン・オー(P)
20世紀のブエノスアイレスにおけるもっとも重要な作曲家で、ピアソラの師匠でもあるヒナステラ(1916-1983)。彼の作品はどれもが前衛的ですが、そこはかとなく郷愁を誘う曲も多くあります。このチェロとピアノのための作品集はまさに民族的な香りの高いもので、どことなくコダーイの曲も彷彿とさせるパンペアーナをはじめ、4つの楽章全てに歌が満ちている晩年の作品チェロ・ソナタほか、モダンさと懐古趣味の入り混じった不可思議な感触がたまりません。
NAXOS-8.570570
ハンガリーのチェロとピアノのための作品集
バルトーク:第1のラプソディ、
リスト:ノンネンヴェルトの僧房、
ポッパー
(1843-1913):マズルカOp.11No.3、
コダーイ
:アダージョ、
ドホナーニ
(1877-1960):ハンガリー牧歌Op.32d、
ポッパー
(1843-1913):セレナーデOp.54No.2、
ドホナーニ(1877-1960):チェロ・ソナタ変ロ短調Op.8、
ローザ
(1907-1995):無伴奏チェロのためのトッカータ・カプリチオーザOp.36
マーク・コソワー(Vc)、ジェー=ウォン・オー(P)
ヒナステラ(8.570569)でも素晴らしい演奏を聴かせてくれたコソワーとオーによるハンガリーのチェロ名曲集です。民謡をアレンジしたバルトークのラプソディや、大規模なドホナーニのソナタ、リストの「ノンネンヴェルトの僧房」、そしてサロン風のポッパーの作品など興味深い作品が並びます。中でも、ロージャの無伴奏作品は名人芸を駆使した驚異的な音楽です。
NAXOS-8.570571
W.F.バッハ:オルガン作品集
フーガト短調Fk.37/
コラール前奏曲Fk.38/1No.3「イエス、我が喜び」
フーガヘ長調Fk.33
コラール前奏Fk.38/1No.1「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」
フーガハ短調Fk.32/フーガハ短調
コラール前奏曲Fk.38/1No.「アダムの堕落によりて」
フーガヘ長調Fk.36「三重フーガ」
コラール前奏曲Fk.38/1No.6「わが神の欲したもうこと、つねに起こらん」
フーガハ短調
コラール前奏曲Fk.38/1No.7「我らキリストのともがら今喜びて」
フーガ変ロ長調
コラール前奏曲Fk.38/1No.5「われ汝に感謝す、主イエス・キリスト」
フーガニ長調
コラール前奏曲Fk.38/1No.2「日にして光なるキリスト」
フーガ変ロ長調/17.フーガイ短調
ジュリア・ブラウン(Org)
ゴットフリート&マリー・フックス・オルガン(パウル・フリッツ制作)
J.S.バッハの長男として生まれ、その音楽的才能を嘱望されながらも結局大輪の花を咲かすことなく生涯を閉じてしまったヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1780)。ヴァイマールに生まれ、ライプツィヒで教育を受け、1746年にハレの教会でオルガニストとして活躍しますが、就任の際の父のコネがあまりに強かったためか、父バッハの死後は、いろいろとうまく行かなくなってしまい、1746年に退任してからは、亡くなるまで放浪の日々を続けベルリンで死去しました。しかし、その自由を求める性格は音楽に反映されていて、ここで聴けるオルガン作品も、到底古典派の作品とは思えぬほどロマンティックで、柔軟な作風と形式を有しています。
NAXOS-8.570572
ドホナーニ:ピアノ五重奏曲第1番&第2番
ピアノ五重奏曲第1番ハ短調Op.1
ピアノ五重奏曲第2番変ホ短調Op.26
ゴットリープ・ウォルフィッシュ(P)
エンソSQ<モーリーン・ネルソン(第1Vn)/ジョン・マルクス(第2Vn)/メリッサ・リードン(Va)/リチャード・ベルチャー(Vc)>

録音:2007年5月28.29日カナダオンタリオ,トロントCBC,グレン・グールド・スタジオ
名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父に当たるドホナーニ・エルノ(1877-1960)の2つのピアノ五重奏曲です。1897年、オイゲン・ダルベールとともに学んでいたドホナーニは、ベルリンでピアニストとしてデビューするための準備を始め、ドイツとオーストリアでコンサートを行い、ハンス・リヒターの招きでロンドンに出かけ、ここでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏して、素晴らしい成功を収めます。その後、彼はリストを親しくなることを目論み、ロシアとアメリカを含むコンサート・ツアーを行い、その後は紆余曲折を経ながらもハンガリーの音楽の発展に力を尽くします。この1895年に書かれた第1番のピアノ五重奏曲は、ブラームスに絶賛されたという魅力的な作品です。確かにブラームスからの影響を強く受けたと思われる雰囲気が横溢し(特に第3楽章)、これは若き作曲家の意欲を示すとともに、その行く末を暗示させるかのようなドラマティックな側面も見せています。それに比べ、1914年に書かれた第2番の五重奏曲は、冒頭から重苦しく激しいもので、ドホナーニの作風の変化を目の当たりにすることができるでしょう。第3楽章のメロディも民謡調であり、第2主題はただただ厳粛です。名手ウォルフィッシュとエンソ弦楽四重奏団による迫力ある演奏は、聴くものの心を捉えてやみません。
NAXOS-8.570577(2CD)
バッハ:フーガの技法BWV1080
4声のコントラプンクトゥス1-5
4声のコントラプンクトゥス「フランス風のスタイル」6
拡大と縮小による4声のコントラプンクトゥス7
3声のコントラプンクトゥス8
12度4声のコントラプンクトゥス9
10度4声のコントラプンクトゥス10
4声のコントラプンクトゥス11
4声鏡像のコントラプンクトゥス12
3声鏡像のコントラプンクトゥス13
3つの主題による4声のフーガ19
8度のカノン15/8.10度のカノン16
12度のカノン17/反行の拡大カノン14
2台の鍵盤楽器のためのフーガ*
セルジオ・ヴァルトーロ(ハープシコード)
マッダレーナ・ヴァルトーロ(ハープシコード)*
バッハ(1685-1750)の未完の大作である「フーガの技法」は西洋の作曲技法の基礎を全て詰め込んだものとして知られます。様々な様式・技法による14曲のフーガと4曲のカノンは演奏的にも困難を極め、これまでにも多くの演奏家によって形作られてきていますが、このセルジオ・ヴァルトーロによる新録音は、最近公表された1751/1752年出版譜のファクシミリ版を用いたもので、その詳細な研究結果も含め、「フーガの技法の歴史」に一石を投じるものになるかもしれません。ヴァルトーロによる詳細な解説(英語)はwww.naxos.comからダウンロードできます。ちなみに、未完のフーガは曲の途中に置かれているので(バトラーの復元版と同じ順序)聴いていても取り残された気分になることはありません。
NAXOS-8.570579
ブクステフーデ:ハープシコード作品集第1集
トッカータト長調BuxWV165/暁の星はいと麗しかなBuxWV223/組曲ニ短調BuxWV233/フーガ変ロ長調BuxWV176/組曲ハ長調BuxWV226/アリアイ短調BuxWV249/カンツォーナハ長調BuxWV166/「我が愛する神に」からパルティータBuxWV179/カンツォネッタイ短調BuxWV225
ラルス・ウルリク・モーテンセン(ハープシコード)
以前DACAPOレーベルよりリリースされ好評を博したブクステフーデ(1637?-1707)の作品集がNAXOSスタンダードにて再発売されます。オルガン作品で有名なブクステフーデですが、ハープシコードのための作品もすばらしく精緻なものばかり。ここに収録された様々なスタイルの曲はどれも聴いて飽きることがありません。デンマークの名手モーテンセンの絶妙なテクニックをお楽しみください。原盤MARCOPOLO(DACAPO)8.224116。
NAXOS-8.570580
ブクステフーデ:ハープシコード音楽集第2集
アリア「宮廷風に」と12の変奏曲BuxWV247
組曲ト短調BuxWV242
フーガハ長調BuxWV174
クーラント・シンプルと8つの変奏曲BuxWV245
カンツォネッタト長調BuxWV171
組曲ホ短調BuxWV235
カンツォネッタト長調BuxWV170
わが魂よ今ぞ主をたたえよBuxWV215
ラルス・ウルリク・モーテンセン(Cemb)
ブクステフーデ(1637?-1707)と言えばオルガン作品ばかりが有名ですが、ハープシコードの作品もすばらしいものがたくさんあります。オルガンよりも各声部が聴きとり易いため、その複雑な対位法がよく理解できるのも嬉しいです。変奏曲でのモティーフ処理、そして組曲での各々の楽曲の統一性、これらを聴けば聴くほどにその完成度の高さに唸らざるを得ないでしょう。原盤DACAPO:8.224117からの移行盤。
NAXOS-8.570581
ブクステフーデ:ハープシコード作品集第3集
組曲イ長調BuxWV243
カンツォネッタニ短調BuxWV168
組曲ヘ長調BuxWV238
前奏曲ト長調BuxWV162
アリア「カプリッチョーサ」による32の変奏曲ト長調BuxWV250
ラルス・ウルリク・モーテンセン(ハープシコード)
DACAPO8.224118より移行盤。この第3集、一番の聴きどころは何と言っても「カプリッチョーサ」の変奏曲です。これぞまさにブクステフーデ(1637-1707)の「ゴルトベルク変奏曲」と申しても過言ではありません。鍵盤楽器におけるありとあらゆる技巧を駆使した30分近くにもなる華麗なる音絵巻。もし、あのピアニストが演奏していたならば、もっと有名になったと思われるスゴイ曲です。
NAXOS-8.570582
エネスコ:チェロ・ソナタ集
チェロとピアノのためのソナタ第1番へ短調Op.26No.1
チェロとピアノのためのソナタ第2番ハ長調Op.26
ラウラ・ブルイアーナ(Vc)、
マルティン・チバ(P)
20世紀前半の偉大なるヴァイオリニスト、作曲家エネスコ(1881-1955)はその活動の初期の時代にたくさんの室内楽曲を書きました。このチェロ・ソナタ第1番も1898年頃に書かれたにもかかわらず、なぜか1935年まで公表されることはありませんでした。独自の作風が確立された第2番に比べると、ブラームスなどの影響を感じないわけでもありませんが、若々しい情熱に溢れた美しい作品です。チェロのブルイアーナの共感溢れた美音に心が震えます。
NAXOS-8.570583
フロロフ:ピアノとヴァイオリンのための作品集
ジョージ・W・マイヤー:いくらなんでも/フロロフ:エチュード第1番/アルメイダ(フロロフ編):愛の歌/フロロフ:スペインの幻想/カーン(フロロフによる2台のヴァイオリン編):煙が目にしみる/フロロフ:スケルツォ・スーヴェニール/ブルースのスタイルによる小品/ディヴェルティメント/古いスタイルによる二重奏/ジョプリン(フロロフよる2台のヴァイオリン編):イージーウィナーズ/アルメイダ(フロロフ編):メロディ/ガイス(フロロフ編):スウェーデンの別れのワルツ/フロロフ:ロマンス/フロロフ:ガーシュインのポーギーとベスのテーマによる演奏会用幻想曲
ニコラス・ケッケルト(Vn)、
ルドルフ・ヨアヒム・ケッケルト(Vn)、
クリスティーナ・ミラー(P)
ヴァイオリン教師と伴奏者を父母として生まれ、豊かな音楽環境の下で育ったフロロフ(1937-)。彼は作曲家、指揮者、ヴァイオリニスト、そして教師として素晴らしい活動をしています。彼の作品にはしばしばジャズの要素が見られ……などと説明は抜きにして、とにかくこの1枚を聴いてください。まずは、あの有名な「煙が目にしみる」から!
NAXOS-8.570584
タネーエフ:管弦楽作品集
歌劇「オレステイア」序曲Op.6
歌劇「オレステイア」第3幕間奏曲「デルフォイのアポロ神殿」
アダージョ ハ長調
ロシアの主題による序曲
モスクワのプーシキン記念館の除幕の為のカンタータ
カンツォーナ*、序曲ニ短調
トーマス・ザンデルリンク(指)
ノヴォシビルスク・アカデミックSO
スタニスラフ・ヤンコフスキー(Cl)*
ノヴォシビルスク国立フィルハーモニック室内cho
ロシアの作曲家、ピアニスト、教師および対位法の研究者セルゲイ・タネーエフ(1856-1915)の作品集です。このアルバムには彼の唯一のオペラである「オレステイア」からの長大な序曲を中心に、抒情性と対位法に彩られたいくつかの作品を収録しています。ロシア的なものを聴きたければ、トラック4や5がオススメです。どっしりとしたものを聴きたければトラック7などはいかがでしょう。チャイコフスキーのようなわかりやすい抒情性に、若干の男らしさを付け加えた思いきりの良い音楽が魅力です。

「オレステイア」序曲はオペラの序曲としては異例の20分を要する大作。構成的にも色彩的にも相当のこだわりが盛り込まれており冗長さを感じさせません。前半は一定のテーマが壮麗に発展し続け、マンフレッド交響曲のような劇的な盛り上がりを見せますが、後半は緩やかなテンポで清々しく陽の光をたっぷり浴びた明るい色彩を振り撒いて感動的。「アダージョ ハ長調」ではエルガーのような気高さも見せます。 【湧々堂】
NAXOS-8.570585
クラウス:歌劇「カルタゴのイーニアス」〜管弦楽作品集
1.プロローグ・序曲/2.プロローグ・ゼフィルスのバレ/3.プロローグ・ナイアードとトリトンの踊り/4.第1幕・序曲/5.カルタゴの行進曲/6.ガヴォット/7.第2幕・狩猟の呼び声/8.追いかけ合い/9.争いのエア/10.アーチェリーのコンテスト/11.嵐/12.第3幕・カルタゴの行進曲/13.ヌミディアの行進曲/14.カルタゴの娘たちの踊り/15.司祭の踊り/16.第4幕・ローマの兵士たちの行進曲/間奏曲/17.第5幕・序奏/18.バレ/19.メヌエット第1&第2/20.シャコンヌ
パトリック・ガロワ(指)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ
最近、急速に知名度が上がってきている「北欧のモーツァルト」ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)がとりわけ得意としていたのがオペラや劇音楽でした。この分野で彼がどれほどの偉業を成し遂げたのかは、このアルバムをお聴きいただければ即座にわかっていただけることと思います。この「カルタゴのイーニアス」は1781年に建立されたストックホルムの新しいオペラ・ハウスの?落としのためにと作曲を始めたものですが、負債を背負ったプリマドンナが、オーケストラのコンサートマスターである夫と共にスウェーデンから逃げてしまったという突然のアクシデントをきっかけに、クラウス自身が作品を見直し手を入れ続けたため、結局10年後の1791年になるまで初演されなかったという渾身の作品です。今や名指揮者として君臨するガロワの的確な演奏は、この曲の評価を揺るぎないものにしています。
NAXOS-8.570587
F.カルッリ&G.カルッリ:ギターとピアノのための作品全集第1集
ベートーヴェン(F.カルッリ編):モーツァルトの「魔笛」の「娘か女か」の主題による変奏曲Op.169
F&G.カルッリ:ロッシーニの主題による二重奏曲Op.233
 協奏的大二重奏曲イ長調Op.65
F.カルッリ:夜想曲ト長調Op.12
F&G.カルッリ:二重奏曲ニ長調Op.134
F.カルッリ:ロッシーニの歌劇「泥棒かささぎ」序曲
 ロッシーニの歌劇「アルミーダ」序曲
 ロッシーニの歌劇「セビリヤの理髪師」序曲
フランツ・ハラス(G)
デボラ・ハラス(P)
ナポリ生まれのフェルディナント・カルッリ(1770-1841)は最初チェロを学びましたが、20歳の時にギターと出会い、それ以降の人生をギターの研究と進歩のために捧げた人です。彼が生み出したギター奏法は現在でも受け継がれ、多くの学習者がその恩恵に与っているのです。彼は400を超えるギター曲を書きましたが、現在ではほとんどが散逸してしまい現存するのは僅かです。彼の息子グスタボ(1801-1876)も才能あるギタリストで、教師としても大成しました。第1集では、ロッシーニやベートーヴェンの編曲を中心に収録、まさに驚くべき曲の宝庫です。
NAXOS-8.570588
F.カルッリ(1770-1841)&G.カルッリ(1801-1876):ギターとピアノのための作品全集第2集

F.カルッリ:1-3.二重奏曲ハ長調Op.11
 二重奏曲ハ長調Op.150
 二重奏曲ト長調Op.151
 3つのワルツOp.32
F.&G.カルッリ:ロッシーニの主題によるメランジェと二重奏曲Op.236
F.カルッリ編曲:12.リーズの大行進曲ニ長調Op.168
 歌劇「チェネレントラ」序曲(ロッシーニ)
 歌劇「アルジェのイタリア女」序曲(ロッシーニ)
F.カルッリ:大二重奏曲ホ短調Op.86
フランツ・ハラス(G)/デボラ・ハラス(P)
第1集(8.570587)で全国のギターファンの度肝を抜いたカルッリ親子の第2集の作品集です。今作は父カルッリの作品を中心に収録、ロッシーニやリーズの作品の編曲とオリジナル作品をたっぷりとお聞きいただけます。ずっと教育者としてしか認知されなかったカルッリですが、20世紀になってJ.ブリームやJ.ウィリアムスによって蘇演されてから、ようやく作曲家としての重大さが知られはじめてきたと言うことで、その間の空白期間は何とももったいないことです。二重奏での流麗なメロディを聴くと、その思いは一層強くなることでしょう。それほどまでに魅力的な作品たちです。
NAXOS-8.570589
フランツ・シュミット:交響曲第2番他
交響曲第2番変ホ長調
オルガンと16の管楽器と打楽器のための「フーガ・ソレムニス」
アンダース・ジョンソン(Org)
ヴァシリー・シナイスキ(指)マルメSO
1874年、プレスブルク(当時はハンガリーのポズソニー)で生まれたフランツ・シュミット(1874-1939)は、幼いころから天才ピアニストとしてハンガリーで活躍していましたが、14歳の時、父親が営む運送業が不正行為に加担していたとされ、一家はウィーンへ移住。そこで彼は当時ウィーンで活躍していた音楽家たちと親しくすることができました。彼はシェーンベルクと同じ年であったにも関わらず、生涯を通じて前衛的な音楽に手を染めることはなく、一生を通じて後期ロマン派の作風を崩すことはありませんでした。この交響曲第2番は1911年から12年に書かれ翌年にウィーンで初演されました。フランツ・シャルクに献呈されていて、弦楽器の書法などから、当時「最も演奏困難な交響曲」の一つに数えられたほどです。大編成の管弦楽の響きが好きな人にはたまらない作品で、第2ヴァイオリンとクラリネットで開始される第1楽章の冒頭から劇的な色合いを帯びていて、時折聞こえる湧き上がるような金管の咆哮は、あの「7つの封印の書」の一節をも思い起こさせてくれます。何といってもこの曲の特徴的なところは第2楽章の長大な変奏曲でしょう。珍品「フーガ・ソレムニス」もすごくカッコイイ作品です。
NAXOS-8.570590(2CD)
老いのいたずら
ロッシーニ:老いのいたずら第7巻、
老いのいたずら第9集
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
37歳で最後(!)のオペラ「ウィリアム・テル」を発表後、44歳で引退表明、後は悠々自適の人生を送った幸せな作曲家ロッシーニ(1792-1868)。そんな彼が引退後に折にふれ書き綴ったピアノ曲や歌曲、室内楽の数々がこの「老いのいたずら」です。ほどよく肩の力の抜けたオシャレで楽しい小品ばかり。特に第7巻の録音はほとんどありません。貴重です。
NAXOS-8.570596
ロシアのオーボエ
ルフト(1813-1877):ロシア民謡の主題による幻想曲
リムスキー=コルサコフ:オーボエのための変奏曲ト短調(オーボエとピアノ版)
グリエール:小品集Op.35〜.第3番「歌」/第4番「アンダンテ」
アサフイェフ(1884-1949):オーボエとピアノのためのソナタ
チェレプニン(1873-1945):管楽器のためのスケッチOp.45〜第3番/第4番
ドラニシニコワ(1929-1994):詩曲、
ゴルロフ
(1926-):組曲
リムスキー=コルサコフ:歌劇「皇帝サルタンの物語」より「熊蜂の飛行」
イワン・パイソフ((Ob)、
ナタリア・シチェルバコワ(P)
150年以上に渡るロシアのオーボエ音楽の流れを楽しむ1枚です。19世紀のロシア・オーボエ界の重鎮だったルフトは、現在ではオーボエの練習曲のみが知られますが、ここで聴ける「ロシア民謡の主題による幻想曲」は、あの「赤いサラファン」を元にしたまばゆいばかりの作品です。他にはR・コルサコフから現代の作品まで抒情性と妙技を併せ持つものばかり。「熊蜂の飛行」の目も眩むような音の動きは感動ものです。
NAXOS-8.570597
F.X.リヒター:6つの大交響曲集
交響曲第4番ハ長調
響曲第59番変ロ長調
交響曲第69番イ長調
交響曲第82番ホ短調
交響曲第27番ト短調
響曲第5番ハ長調
アーポ・ハッキネン(指)
ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
マンハイムの作曲家F.X.リヒター(1709-1789)の最も脂の乗った時期の大交響曲を6曲収録しました(第1集NAXOS-8.557818も好評発売中)。1744年に発表されたこれらの作品は、極めて整ったゆったりした楽章と、見事な対位法の粋を極めた早い楽章から出来ています。少しだけ遅く生まれたワーゲンザイル(1715-77)が当時の先端を行くスタイルを模索したのに比べ、リヒターはバロックの伝統を熟成させることに力を注ぎ、確固たる作品を作り上げて行きました。ハッキネンとヘルシンキ・バロックは作品の美質をこの上ないほど素晴らしく再現することに成功したのです。
NAXOS-8.570599
柳済準:シンフォニア・ダ・レクイエム他
シンフォニア・ダ・レクイエムOp.11
ヴァイオリン協奏曲第1番Op.10*
イ=ネ・キム(S)
ポーランド放送cho
カメラータ・シレシア
ウカシュ・ボロヴィチ(指)ポーランド放送SO
ソ・オック・キム(vn)
ピョートル・ボルコフスキー(指)ポドラシェPO*
1970年生まれの若き作曲家柳済準はソウルで生まれ幅広い音楽教育を受けました。作曲を姜碩煕とペンデレツキに学び、数多くの賞を受賞、韓国で最も才能ある作曲家の一人と目されています。08年に初演された「シンフォニア・ダ・レクイエム」はペンデレツキにも傑作と評価され、初演時には10分ものスタンディング・オベーションで迎えられました。荒れ狂うかの様な感情表現は若き才能をストレートに伝えるものでしょう。ロマン派の香り漂うヴァイオリン協奏曲の美しさにも耳が奪われます。

NAXOS-8.570600
馬思聡(マー・スツォン):ヴァイオリンとピアノのための音楽集第1集
跳龍燈「龍燈の踊り」(1953)、
山歌(1953)、牧歌(1944)、
内蒙組曲「モンゴルの内なる組曲」(1937)、
揺籃曲「子守歌」(1935)、
跳元宵「燈祭の踊り」(1952)、
阿美組曲(1981)、
第一廻旋曲「ロンド第1番」(1937)、
西藏音詩「チベットの音詩」(1941)
・シャオ=メイ・クー(Vn)、
ニン・ルー(P)
マ・シコン(1912-1987)(マー・スツォンとも表記される)は11歳のときにヴァイオリンを学ぶためフランスに留学し、1931年にはパリ音楽院に入学しています。中央音楽学院の院長も努めましたが、1966年の文化大革命で迫害を受け、アメリカに亡命。一生を終えるまでアメリカで過ごしました。彼の功績はここで聴けるように五音階を駆使した「いかにも中国のメロディ」をモティーフとし、個性的な音楽を作りあげたこと。フォーレを思わせるトラック7の美しい「子守歌」も、どことなくエキゾチックな味わいに満ちてます。
NAXOS-8.570601
シェン:春の夢他
ヴァイオリンとオーケストラ,中国の楽器のための「春の夢」
3つの幻想曲<第1番夢の歌/第2番チベットの大気/第3番カザフスタンの愛の歌>/チベット人の踊り<1.前奏曲/2.歌/3.チベット人の踊り>
チョーリャン・リン(Vn)、
葉聡(指)
シンガポール・チャイニーズ・オーケストラ、
アンドレ=ミシェル・シューブ(P)、
エリン・スヴォボーダ(Cl)、
ブライト・シェン(P)
中国系アメリカ人作曲家、シェンの作品集です。中国やチベット、あるいはカザフスタンの音楽を素材として用いた、まるで 金の糸で織られたような光り輝く音楽は、どこか儚げで夢の中のような響きを持っています。例えば「真夜中のベル」での、 絶妙に組み合わされた懐かしい音色の合間をよぎる不安気な音の塊は、聴き手の背中をぞくぞくさせる何かにほかなりません。 ともあれ、この特徴的な音は、さまざまな文化が行き交うアメリカにおいて絶大なる人気を誇っています。
NAXOS-8.570602
中国のピアノ曲集
瀏陽河/百鳥朝鳳/銀の雲は月を追う/日暮れの笛と鼓/穏やかな湖面に映る秋の月/赤い山椿が咲き誇る/月の光に照らされる2 つ目の泉/新しい命の祝福/児童組曲/荒波の音/さようなら/南海の兵士
ジー・チェン(P)
2008年のオリンピック開催で世界的に注目の集まる中国のピアノ音楽集です。独自の文明を誇る中国らしく、西の文化の象徴である「ピアノ」の音楽は20 世紀の前半まで書かれることはありませんでした。このアルバムに収録された作品も191 年から1949 に書かれたものです。多くの作品は有名な民謡や、中国の古くからのメロディを用いたもので華麗で親しみやすく、聴き手のイメージ通りの世界が広がります。
NAXOS-8.570603
ゲ・ガンリュ:バグダード陥落
弦楽四重奏曲第1番「賦」
弦楽四重奏曲第4番「天使の組曲」
弦楽四重奏曲第5番「バグダード陥落」
モダーン・ワークス[吉岡愛理(第1Vn)、福原真由紀(第2Vn)、ヴェロニカ・サラス(Va)、メデリーネ・シャピロ(Vc)
マニアの間で大反響を巻き起こしている中国作曲家シリーズにまた新たなレパートリーが加わりました。このアルバムは1954年、上海生まれのゲ・ガンリュ(葛甘孺)(1954-)の弦楽四重奏曲です。中国において最初のアバンギャルドの作曲家であり、アメリカのコロンビア大学から博士号を得たことでも知られる彼は、作品の中で東洋と西洋の音楽の特性を統合しようと試みを繰り返しています。1983年に書かれた第1番の四重奏曲からその独特の書法は際立っていますが、「天使の組曲」で現れる、ポルタメントとグリッサンドを多用し生み出された微分音は、不気味さを通り越してまるでシルクロードを越えて東方の世界を夢見るほどに神秘的です。その特徴的な音色は「バグダード陥落」でも顕著です。
NAXOS-8.570604
チョウ・ロン/チェン・イ:野草
チョウ・ロン:遡及(フルートと琴編)、
 ピアノゴング(ピアノとゴングによる)、
 タイピン・ドラム(ヴァイオリンとピアノによる)
チェン・イ:モノローグ(阿Q正伝による印象)、
 笙と琴のロマンス(ヴァイオリンとピアノ編)、
 中国古代舞曲
チョウ・ロン:野草(語りとチェロによる)、
鼓韻(クラリネット、ヴァイオリン、チェロとパーカッションによる)
北京ニュー・ミュージック・アンサンブル
[ニコラ・アタナソフ(Fl)/ナ・ウ(琴)/ミシェル・イップ(P)/カン・ガオ(ゴング&ヴァイオリン)/ケイト・リプソン(Cl)/周龍(ナレーター)/ユ・ヤン・チャオ(Vc)/エリー・マーシャル(指)]
1953年生まれの2人の中国人作曲家、チョウ・ロン(周龍)(1953-)とチェン・イ(陳怡)(1953-)の作品集です。音の一つ一つに強烈な存在感を持たせた感のある「遡及」、トッカータを聴いているかのような爽快感と躍動感に溢れる「ピアノゴング」、中国的な響きと言えばこの曲「タイピン・ドラム」など色彩豊かな周龍の作品に比べ、陳怡の作品は全体的に抒情性に満ちた優しげな表情が特徴的です。クラリネットとピアノの掛け合いで曲が進む「中国古代舞曲」の自由闊達な音楽は、聴き手に喜びをもたらすこと間違いありません。
NAXOS-8.570605
馬思聡(マー・スツォン):ヴァイオリンとピアノのための音楽集第2集
春の踊り(1953)/ロンド第2番(1950)
メロディ(1952)/秋の収穫祭の踊り(1944)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1984)
高山組曲(1973)/ロンド第3番(1983)
バラード(1952)/ロンド第4番(1983)
顧小梅[シャオ=メイ・クー](Vn)
魯寧[ニン・ルー](P)
第1集(NAXOS-8.570600)でその才能をまざまざと見せつけた中国の作曲家、馬思聡(1912-1987)の作品集第2集です。このアルバムにも興味深い作品ばかりが収録されています。1912年に広東省海豊県で生まれ、最初はフランスへ留学、パリ音楽院で学びます。その後、文化大革命で迫害を受けアメリカに亡命しました。1983年に「ロンド第4番」を作曲した直後、彼は日記の中で「私はいつ、この追放から解放されるのか誰もしりません」と胸が張り裂けんばかりのコメントを残しています。ここで聴ける彼の作品も、フランス風な流麗で移ろう和声と、中国音楽独特の五音階が入り混じっているものばかりで、その独特な味わいは聴くほどに深みを増すものばかりです。
NAXOS-8.570607
ピアノ協奏曲「黄河」・「梁山伯と祝英台」
ピアノ協奏曲「黄河」(星海(1905-1945):「黄河」大合唱による)〈作曲:殷承宗-Yin Chengzong(1941-)/盛礼洪-Sheng Lihong(1926-)/儲望華-ChuWanghua/劉庄-Liu Zhuang(1932-)/石叔誠-Shi Shucheng(1946-)/許斐星-Xu Feisheng〉<前奏曲:黄河の船頭の歌/黄河への頌歌/怒りの黄河/黄河を守れ>
陳剛-Gang Chen(1935-)/何占豪-Zhanhao He(1933-):ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台(バタフライ・ラヴァーズ)」(ピアノ協奏曲編…陳剛)
チェン・ジー(P)/
キャロリン・クァン(指)ニュージーランドSO

録音:2011年9月14-16日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
1939年に作曲家である?星海が、管弦楽と合唱のために書いたカンタータ「黄河」。こちらは7曲からなる壮大な合唱曲ですが、1969年の文化大革命の時期に、この中から4曲だけを抜粋し、当時の作曲家集団によってピアノ協奏曲へと編曲されました。毛沢東の妻、江青が大絶賛したというこの作品、1976年の「四人組」の失脚後は演奏がタブーとされ、一時期は「幻の曲」として珍重されていたものです。もう1曲の「梁山伯と祝英台」は本来、ヴァイオリン協奏曲として作られましたが、ここでは作曲家の一人、陳剛によって全く新しいピアノ協奏曲へと変貌させられています。豊かな文化に支えられた広大な国である中国。どのような状況に於いても、美しいものを愛する心は不変であることを願うばかりです。
NAXOS-8.570608
タン・ドゥン(譚盾):3つの音符のための交響詩(2012)
オーケストラル・シアターT"Xun"
管弦楽のための協奏曲-マルコ・ポーロより
タン・ドゥン(指)香港PO

録音:2012年2月27-29日ホンコン・カルチャー・センター・コンサート・ホール
現代中国を代表する作曲家、タン・ドゥン(-1957)。彼の活躍は国際的であり、指揮者としても広く活動しています。舞台作品から映画音楽まで幅広く手掛け、その作品の多くには中国の伝統楽器が用いられるなど、西洋音楽と東洋音楽の融合を図ることでも知られています。またそれに留まらず、珍しい楽器や奏法にも貪欲な興味を示し、水の音や紙から生まれる音色すらも、自らの音楽にとりいれています。このアルバムには2012年に書かれた、とびきりの新作も含む3つの作品が収録されています。彼の親しい友人である歌手プラシド・ドミンゴのために書かれた「3つの音符のための〜」、彼の作曲技法のエキスが存分に詰まった「管弦楽のための協奏曲」、そして彼の名を決定的にした「オーケストラル・シアター」。まるで映画を見ているような鮮明なイメージが浮かぶはずです。作曲家自身の指揮は、これらの曲に有無を言わせぬ説得力を齎していること間違いなし。
NAXOS-8.570610
ブライト・シェン:炎立つ蜃気楼、他
1.歌と涙の踊り(2003/2013改編)
2.深紅の色(2004)
3.炎立つ蜃気楼(2012)
フイ・リー(琵琶…1)
トン・ウー(笙…1)
トレイ・リー(チェロ…1)
サ・チェン(ピアノ…1)
パイアス・チェン(マリンバ…2)
香港フィルハーモニック
ブライト・シェン(指)

録音2013年5月7.8日、2013年5月9日、2013年5月9.10日
上海出身のピアニスト、作曲家&指揮者ブライト・シェン(盛宗亮1955-)。彼は現代アメリカで活躍する作曲家の中でも最も人気があり、その作品はどれも注目を浴びています。ここに収録された3つの作品も、それぞれ溢れるばかりの物語と強烈なサウンドに満たされた印象的なものであり、彼の音楽を聴く楽しみがたっぷり詰まっていると言えるでしょう。2000年の夏、民族音楽収集のため、2か月間をシルクロードで過ごしたシェン。この体験から生まれたのが「歌と涙の踊り」です。ここでは出会った情景や音を直接的に用いるのではなく、あくまでも自らのフィルターを通した音楽で表現したとのことでした。「深紅の色」はマリンバが奏でる愛の詩。チベット高原の空気が感じられます。「炎立つ蜃気楼」は敦煌に眠る膨大な宝物からインスパイアされて書かれたもの。中国と中央アジアの文化の象徴たる音楽です。
NAXOS-8.570611
周龍/陳怡:交響曲「虎門1839」他
周龍:太鼓の韻(2003)
周龍/陳怡:交響曲「虎門1839」(2009)
周龍:エンライテンド(2005)
ニュージーランドSO
ダレル・アン(指)

録音:2013年6月4-6日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォーラー・センター
※世界初録音
ピューリッツァー賞を受賞したことでも知られる、中国で最も名声ある作曲家の一人、周龍(1953-)の作品集です。ブリガムヤング大学とシンガポールSOとの共同委託作品である「太鼓の韻」は日本の伝統的な太鼓(Taiguとは中国で太鼓を意味する)の歴史を紐解くものであり、もともと和太鼓の起源は仏教の教義、そして中国の宮廷儀式から生まれた「Taigu」の伝統に遡ることができるということで、ここから雅楽や能楽へ、またコミュニケーションの手段として、様々な形に発展していったのです。しかしながら、中国ではTaiguはほとんど生き残っておらず、唯一、唐王朝の宮廷音楽にその一部の断片が残っているだけだと言われます。この「太鼓の韻」ではそんな古代の芸術様式と、現在のオーケストラアンサンブルに多彩なパーカッション(初演時には日本の太鼓で演奏された)を加えることで、その伝統を振り返ります。広州SOの委託作品である「虎門1839」は陳怡(1953-)との共同作品で、これは1839年に広東省で行われた「アヘン1000トンの公開処分(焼却されたと言われている)」を記念した曲で、4楽章からなる刺激的な音楽です。3曲目のタイトル「エンライテンド」は「悟りを開く」という意味であり、原題世界の闘争と、平和、光と愛を描いた壮大な曲です。
NAXOS-8.570617
許舒亞:管弦楽作品集〜インソレーション/クリスタル・サンセット他
インソレーション(1997-2014)
クリスタル・サンセット(1992)
.祖国へのこだま(1993)
ニルヴァーナ(2000)/ユン(2007)
リー・シューイン(S)
チェン・キリアン(Ms)
ウィーンRSO
ゴットフリート・ラブル(指)

録音:2014年8月24.25.27日オーストリアウィーン,オーストリア放送文化会館
※世界初録音
1961年に中国の北東部で生まれた作曲家、許舒亞(1961-)の作品集です。中国の「ニューウェイブ」作曲家であり、彼の作品は世界中で賞を獲得し、広く演奏されています。日本でも以前、サントリー音楽財団が開催したサマーフェスティヴァルで(1999年)彼の作品「虚/実〜12奏者のための」を演奏し、こちらも高い評価を受けています。このアルバムには1990年台から2007年までに書かれた5つの作品が収録されています。「インソレーション-日射量」は中国の古代神話にインスパイアされた作品で、猛暑の日に水を求める英雄の姿が描かれています。自然を征服する困難さと勇気が讃えられています。次の曲も「太陽賛歌」であり、日没時の独特の太陽光線が3つに分かれたオーケストラによって克明に描かれていきます。祖国への郷愁が描かれた「祖国へのこだま」、超越状態を表す「ニルヴァーナ」、民俗的なフレーズが効果的に配された、歌を伴う「ユン」と、多彩で独創的な世界観を味わってみてください。

NAXOS-8.570703
パガニーニ:作品集(フリッツ・クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編曲版)
ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.7より第3楽章ロンド「ラ・カンパネッラ(鐘)」
ロッシーニの「シンデレラ」のアリア「悲しみよ去りゆけ」による序奏と変奏曲Op.12
常動曲ハ長調Op.11
24のカプリースOp.1より第13番変ロ長調
24のカプリースOp.1より第20番ニ長調
魔女たちの踊りOp.8
24のカプリースOp.1より第24番イ短調
ロッシーニの「タンクレディ」のアリア「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲Op.13
フィリップ・クイント(Vn)、ドミトリー・コーガン(P)
パガニーニ(1782-1840)とクライスラー(1875-1962)。悪魔的で謎めいたパガニーニと、陽気で気さくなクライスラーと性格上は全く違うようでしたが、2人ともヴァイオリンの天才であったことは間違いありません。彼らはどちらも世界中を旅し、その妙技で聴衆を熱狂させました。この2人の才能が融合したこれらの作品、聴いていて楽しいことこの上ありません。冒頭の「ラ・カンパネッラ」も、原曲が一層パワーアップ。驚くこと間違いなしです。ロッシーニの作品による変奏曲も眩いばかりの演奏効果をもたらします。名手クイントの超絶技巧と柔軟な感性にも目を見張ることでしょう。
NAXOS-8.570704
アルウィン:管弦楽作品集
マスクのための序曲、
合奏協奏曲第1番変ロ長調、
田園幻想曲(世界初録音)、
5つの前奏曲、悲劇的インターリュード、
秋の伝説、
「スコットランド舞曲」組曲(インディアンの女王/イタリアの罠/ソーントン大佐のストラスペイ/パースシャーの狩り/湖の収益/カールトン・ハウス/アン・カーネギー嬢のホーンパイプ)
フィリップス・デュークス(Va)、
レイチェル・パンクハースト(コールアングレ)、
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
我が国で多く読まれている「イギリス音楽の手引き書」からも、三省堂の音楽辞書からもなぜか名前が抜け落ちているアルウィン。(1905-1985)しかし最近は彼の作品もどんどん認知されてきたように思えます。ここに収録された作品は比較的小規模ですがムードはたっぷり。コールアングレの響きが妙に切ない「秋の伝説」、一瞬喜ばしげな表情を見せる「マスク」序曲など淡い色彩感が心地よい曲ばかりです。
NAXOS-8.570705
オルウィン:ヴァイオリン協奏曲
組曲「令嬢ジュリー」(P.レーンによる管弦楽版)
喜ばしい出来事のためのファンファーレ
ロレイン・マカスラン(Vn)
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
オルウィン(1905-1985)の名は、クラシックの作曲家としてよりも、映画音楽の作曲家としての方が知られているかもしれません。彼は70以上の映画に200もの曲を書き、そのどれもが当時としては実験的な手法を取り、またそのスペキュタクラーな表現は観客を興奮させたのです(しかし彼の書いたスコアのほとんどは映画スタジオが破棄してしまい、現存するのはわずかであることは本当に残念)。そんなオルウィンのヴァイオリン協奏曲を聴いてみてください。こちらも熱狂的でロマンティックの極みです。ここでヴァイオリンを演奏するマカスランは「イギリスの若き世代の最も優秀なヴァイオリニストの一人」と称賛された女性演奏家です。とりわけ第2楽章での美しい音色が心に残ります。こんなに充実した曲なのに、オルウィンが生きている間に完全な形で演奏されることはなく(ピアノとヴァイオリン版のみ)、その後も1993年に一度レコーディングされただけで、まだコンサートで演奏されたことがないという不遇の作品だというから驚きです。「令嬢ジュリー」の組曲は、彼の最後の完成されたオペラからエピソードを取ったもの。ファンファーレは打楽器奏者J.ブレーズに敬意を表して書かれた作品です。
NAXOS-8.570706
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽編曲集第3集
歌劇「利口な牝狐の物語」(P.ブレイナー編)
歌劇「死者の家から」(P.ブレイナー編)
ピーター・ブレイナー(指)ニュージーランドSO
昨今のブームですっかり市民権を得たヤナーチェク(1854-1928)ですが、まだまだオペラとなると、言葉の問題もあってか「なかなかハードルが高いな」と思うのが心情ではないでしょうか?そんな方にオススメしたいのが、このNAXOSのシリーズです。第1集、第2集ともに大好評ですが、今回は何と言っても名作「利口な牝狐〜」が収録されているのが嬉しいところです。ヤナーチェクの作品の中でもとりわけ親しみ易いこのオペラ、どうぞたっぷりご堪能ください。もう1曲はシリアス極まりない「死者の家から」。ドストエフスキーの大作を元にした作品で、原曲の持つ極限まで張り詰めた緊張感が上手く表現されたすばらしい編曲となっております。ヤナーチェクの幻惑的な音楽のとりこになりそうです。
NAXOS-8.570707
トゥリーナ:歌曲集
ロペ・デ・ヴェガ礼讃Op.90
カンサシオン形式の歌Op.19
2つのカンシオンOp.38
3つの詩Op.81/3つのソネットOp.54
3つの歌Op.26<ロマンス/漁夫/韻文>
ヴォカリーズOp.74
アヴェ・マリアOp.95/三部作Op.45
カロリーナ・ウルリヒ(S)
デボラ・ハラス(P)
トゥリーナ(1882-1949)はマドリード音楽院で学んだ後、パリでV.ダンディに師事し、フランス風の様式を身につけながらも、アルベニス、ファリャとともにスペイン国民音楽の創造に取り掛かります。そんな彼は生涯に多くの歌曲を書いたにも拘わらず、その多くは現在忘れ去られてしまっています。しかし、ここで聴くこれらの歌曲は何と魅力的なことでしょう。どの曲も、美しく感情豊かな歌の線に、見事なピアノ伴奏が彩りを加えていくというもので、元気一杯でユーモラスな曲もあれば、陰鬱であったり、驚くほど情熱的であったりとひと時も耳を離すことができません。ここで切れ味の良い美声を聴かせるのは、チリ出身の若きソプラノ、ウルリヒです。彼女は2008-2009年の「Young Concert Artists International Auditions」で1位など多くの賞を受賞した期待の新鋭です。
NAXOS-8.570708
シェイクスピア劇場のための音楽
1.きけきけ、ひばり/2.水仙の花が顔をのぞかせだすと/3.まだらのひなぎく/4.富/5.もはや灼熱の太陽も怖れるな/6.吹きだまりの雪と同じぐらい白い芝生/7.ケンプのジグ/8.カリノ/9.それは恋する若者とその彼女/10.私が出会った時/11.私がどうすればよいのかあなたの恋人は知ってるの?/12.かわいいコマドリ/13.明日はバレンタイン・デー/14.そして彼はもう来ないの?/15.若い頃に恋愛をした/16.タールトンの復活/17.おーい、陽気なコマドリよ/18.貧しいひとは、溜息をついて(柳の歌)/19.私の愛しき人/20.来たれ死よ/21.“グリーンスリーブス”によるディヴィジョン/22.さらば親愛なる人よ/23.パキントンのポンド/24.言わずにいておくれ/25.おお、甘きオリヴァーよ/26.ちょっとだけ恋/27.シルヴィアは誰?/28.調子が悪い/29.お嬢さん、溜息をつかないで/30.私と一緒に暮らしにおいで/31.不平を言う時の悲しみ/32.おお死よ、私を眠りに/33.心の安らぎ/34.まだらの蛇よ/35.雄鶏とひなたち/36.水底深く父は眠る/37.ハンスドン夫人のパフ/38.蜂が密を吸うところ
レベッカ・ヒッキー(S)、
ジェラルド・プレイス(T)、
ドロシー・リネル(Lute)
ルネサンス時代の劇場にとって、音楽はとても重要な役割を演じました。何しろ現代のように大がかりなセットも、豪華な照明もありません。人々が劇を見て笑うのも、悲しむのも、またごちそうを食べる時にも常に雰囲気を高めるためには音楽が必要だったのです。ここに収録されたのはシェイクスピア劇のために書かれた様々な音楽です。ダウランド、バードや名も知れぬ作曲家たちの書いた作品は咲き誇るバラのように色とりどりです。
NAXOS-8.570709
クーラウ:ピアノソナタとソナチネ集
ソナタイ長調Op.59No.1
ソナタヘ長調Op.59No.2
ソナタハ長調Op.59No.3
ソナチネハ長調Op.20No.1
ソナチネト長調Op.20No.2
ソナチネヘ長調Op.20No.3
イェネ・ヤンドー(P)
ピアノを学ぶ人にはおなじみ、フリードリヒ・クーラウ(1786-1832)はドイツに生まれ、小さい頃井戸に落ちて失明するというハンディを負いつつもコペンハーゲンで作曲家、ピアニスト、教師として活躍しました。初期のベートーヴェンを思わせる素晴らしいピアノ協奏曲も書きましたが、何といっても愛らしいソナチネが知られています。
NAXOS-8.570710
クーラウ:ピアノのためのソナチネ集Op.55&88
ソナチネハ長調Op.55No.1
ソナチネト長調Op.55No.2
ソナチネハ長調Op.55No.3
ソナチネヘ長調Op.55No.4
ソナチネニ長調Op.55No.5
ソナチネハ長調Op.55No.6
ソナチネハ長調Op.88No.1
ソナチネト長調Op.88No.2
ソナチネイ短調Op.88No.3
イェネ・ヤンドー(P)
NAXOS-8.570713
ブレトン:室内楽曲集
ピアノ三重奏曲ホ長調、
4つのスペイン風小品
LOM・ピアノ・トリオ[ホアン・オルペッラ(Vn)、ホセ・モール(Vc)、ダニエル・リゴリオ(P)]
サラマンカ生まれのブレトン(1850-1923)は、現在では主にサルスエラの作曲家として知られています。なので、彼が室内楽を書いたということを知っている人はほとんどいないでしょう。このアルバムにはそんなレアな作品が2つ収録されています。一瞬、モーツァルトやベートーヴェンを思わせる典雅なピアノ・トリオ。対照的なスペイン情緒たっぷりの組曲。新たな発見をお約束する興味深い1枚です。
NAXOS-8.570714
オールソップ/「新世界」
ドヴォルザーク:交響的変奏曲、
交響曲第9番「新世界より」
マリン・オールソップ(指)
ボルティモアSO
ボルティモア交響楽団とオールソップによる3枚のドヴォルザーク・シリーズ。最初のアルバム「新世界」の登場です。ホールに漲る熱気をさらりとかわすオールソップの粛々とした指揮ぶりをご堪能ください。むやみに感傷に流され過ぎることのない第2楽章はとりわけ新鮮に感じられることでしょう。美しいメロディが次々と変容していく「交響的変奏曲」も美しさが満ち溢れています。
NAXOS-8.570715
ウルクッル:ギター作品集
友情、ロッシーニ「ウィリアムテル」の主題による序奏と変奏とコーダ、
主題と変奏Op.10、
ドニゼッティ「ベリサリオ」より「カヴァティーナ」、嘆き、
ベッリーニ「異国の女」,ニゼッティ「ローマの追放者」のアリアによるカプリッチョ、
ベッリーニ「海賊」より序奏と変奏曲
エウヘニオ・トバーリナ(G)
このウルクッル(不明、1830-1843年頃活躍)という偉大なる作曲家については、スペインで活躍した事と、素晴らしいギターのための作品を書いた事以外、何もわかりません。恐らくソルと同じ時代に活躍したのでしょうが、なぜ彼がここまで不当に忘れ去られてしまったのかさえもわからないのです。しかし、どうぞこのアルバムに収録された作品に耳を傾けてください。確かなる存在感を持って迫る音楽だけがあります。
NAXOS-8.570716
ムソルグスキー:展覧会の絵(スラットキン他、多数の編曲者による版)他
リスト:ピアノ協奏曲第1番*
ムソルグスキー:展覧会の絵
 プロムナード(D.W.オコーア編)
 小人(S.ゴルチャコフ編)
 プロムナード(W.ゲール編)
 古城(E.ナウモフ編)
 プロムナード(G.V.コイレン編)
 テュイリー(G.V.コイレン編)
 ブイドロ(V.アシュケナージ編)
 プロムナード(C.シンプソン編)
 卵の殻をつけた雛の踊り(L.カイリエ編)
 2人のユダヤ人(H.ウッド編)
 プロムナード(L.レオナルド編)
 リモージュの市場(L.フンテック編)
 カタコンブ(J.ボイド編)
 死者とともに死者の言葉で(M.ラヴェル編)
 ババヤガ(L.ストコフスキー編)
キエフの大門(D.ガンリー編)
アメリカ国家:星条旗(R.マテス編)
ペン・ペン(P)*、
レナード・スラットキン(指)
ナッシュビルSO&cho
展覧会の絵の管弦楽版というと、どうしてもラヴェルのものが頭に浮かびます。確かに、ストコフスキーを始めとした大勢のチャレンジャーが編曲を試みてはいるものの、なかなかラヴェルを超えるものは出てこないのが実情。ならばこれはどうでしょう?「豪華特上幕の内弁当」のような特選素材の盛り合わせは、全ての人を満足させるに違いありません。そうそう、リストでソリストを務めるペンペンはこの当時14歳の逸材です。
NAXOS-8.570717
フレスコバルディ:草稿からの鍵盤作品集
トッカータヘ長調/カッコウによるカプリッチョ/トッカータイ短調/半音階的リチェルカーレ/トッカータヘ長調/カンツォーナニ短調/クラントイ長調/トッカータハ長調/カプリッツォト短調/トッカータホ短調/カンツォーナニ短調/クラントト短調/ローマのマニスタのアリアによるパルティータ/カプリッツォト長調/トッカータト短調/クラントト長調/ファンタジアホ長調/トッカータ(&カンツォーナ)ト長調/クラントヘ長調/トッカータヘ長調
マルタ・フォルツ(ハープシコード)
1600年代のイタリアで最も有名だったオルガン、鍵盤音楽作曲家フレスコバルディ(1583-1643)の出版されずに終わった草稿集です。「彼の目指した音楽(テンポや装飾も含む)を探るための様々な研究と実験を行うためこの草稿はとても役立った」と演奏者であるフォルツは語ります。右手と左手の対話、自由なテンポ緩急などなど革新的なフレスコバルディが再現されました。
NAXOS-8.570718
チマローザ:ピアノ・ソナタ集第1集
ピアノ・ソナタR.1-R.18(1-3.変ロ長調R.1
イ長調R.2/ニ長調R.3/ハ長調R.4
ニ長調R.5/ト長調R.6/ヘ長調R.7
イ長調R.8/ト短調R.9/ト短調R.10
変ロ長調「ペルフィディア」R.11/ハ短調R.12/イ長調R.13/ト長調R.14
イ長調R.15/ヘ長調R.16/変ホ長調R.17/イ長調R.18)

ヴィクトル・サンジョルジョ(P)

ヴィクトル・サンジョルジョ(P)☆18世紀後半のオペラ作曲家として知られるチマローザ(1749-1801)の知られざる鍵盤作品集です。およそ30年の間に65を超えるオペラを作曲するかたわら、これらのソナタに手を染めていたようですが、彼が何のために器楽曲を作曲したのかは不明です。1曲のソナタはどれも3〜5分程度の短いもので、スカルラッティの形式によく似ていますが、やはり時代のせいもあってか驚くほど表現豊かな楽想に満ちています。とりわけ速い楽章での流麗なメロディは目を見張るばかりの美しさです。
NAXOS-8.570719
マクミラン:十字架上の最後の七つの言葉
十字架上の最後の七つの言葉、キリストは勝利し給う、誰もあなたを罰した人はいなかった、ここに身を隠し(合唱版)
グレアム・ロス(指)ドミトリー・アンサンブル
2009年に50歳の誕生日を迎えるイギリスの作曲家、マクミランの1993年から2005年までの合唱作品を集めた記念すべき1枚です。アルバムの中核を成すのが、名作「十字架上の七つの言葉」です。BBCテレビの依嘱によって書かれたこの作品は4つの福音書の言葉からインスピレーションを受け、以降、様々な形として彼の他の作品にも影響を及ぼしています。美しく穏やかで抑制された合唱の響きを断ち切る荒々しい管弦楽、印象的なヴァイオリン・ソロなど、聴き手は一瞬足りとも緊張の糸を切るわけにはいきません。「私の音楽を、若き優れたドミトリー・アンサンブルの演奏で聴くのはとてもぞくぞくします。とりわけ指揮者グレアム・ロスは刺激的です。」と作曲家に言わしめた名演でどうぞ。
NAXOS-8.570720
ラ−エフ(1918-1982):交響曲第3番他
交響曲第3番(1964)
交響詩「レイリとメジヌン」(1947)
交響的エッチング「ドン・キホーテ」
ドミトリ・ヤブロンスキ(指)ロシアPO
NAXOS-8.570721
シマノフスキ:交響曲第2番変ロ長調Op.19、
交響曲第3番Op.27「夜の歌」
エヴァ・マルチク(Vn)、
リシャルド・ミンキェヴィチ(T)、
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
1910年に作曲された交響曲第2番はR.シュトラウスやレーガーの影響は見られるものの、冒頭の深い森を思わせる神秘的なメロディに絡む妖艶なヴァイオリンの調べはまさしくシマノフスキ(1882-1937)そのもの。そして合唱とテノールを伴う交響曲第3番はシマノフスキでなければ書けない独特の音楽。キリスト教、イスラム教、ペルシアの影響が感じられるエキゾチックで官能的な音の奔流です。こういう曲はヴィトにおまかせ。
NAXOS-8.570722
シマノフスキ:交響曲集
演奏会用序曲Op.12、交響曲第1番へ短調Op.15、
交響曲第4番「協奏交響曲」Op.60
練習曲変ロ短調Op.4-3(G.フィテルベルク編)
ヤン・クシシュトフ・ブローヤ(P)、
エヴァ・マルチク(Vn)、
マレク・マルチク(Va)、ワルシャワPO、
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
最初の交響曲に、自ら「対位法、ハーモニーの怪物的管弦楽作品」とあだ名をつけたシマノフスキ。彼自身はワーグナーやR.シュトラウスの影響を否定したと言いますが、やはり初期の作品である「演奏会用序曲」には先人風の響きが感じられるのは仕方ないことでしょう。しかしその2年後に書かれた交響曲第1番には、彼独特の「肉感的なうねり感」がたっぷり。驚くほどに魅力的です。第4番の交響曲ではピアノが縦横無尽の活躍するストラヴィンスキー風の新古典主義音楽が楽しめます。特に終楽章での燃え上がるマズルカ風の音楽は一聴に値します。
NAXOS-8.570723
シマノフスキ:ハルナシェ他
ハルナシェ(3幕のバレエ・パントマイム)Op.55(1923-31)、
マンドラゴラ(パントマイム)Op.43(1920)、ポテムキン王子Op.51(1925)
ヴィエスワフ・オフマン(T)、アレクサンダー・ピンデラク(T)、エヴァ・マルシニク(Ms)、エヴァ・マルチク(Vn)、カジミエルツ・コシュラツ(Vc)、アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO&cho
シマノフスキ(1882-1937)のバレエ音楽「ハルナシェ」は1923年の構想から1931年の完成まで8年の歳月をかけ、1935年に初演された彼の代表作です。タトラ山脈で闊歩するハルナシュと彼が率いる盗賊団が結婚式から花嫁を略奪する物語。この作曲のためにシマノフスキは実際にタトラ山の保養地ザコパネを訪れて、現地の豊富な民謡と踊りを採取したのでした。彼はこの地に強く惹きつけられ1936年まで家を借り住んでいたといいます。3つの情景からなる「マンドラゴラ」は、ポーランド劇場でR.シュトラウスのナクソス島のアリアドネを上演する際のプレテキストとして書かれたものです。
NAXOS-8.570724
シマノフスキ:スターバト・マーテル他
スターバト・マーテルOp.53
来たれ創造主よOp.57
処女マリアへの連祷Op.59
喜びOp.37b/ペンテジレーアOp.18
イヴォナ・ホッサ(S)、
エヴァ・マルツィニエツィ(Ms)、
ヤロスワヴ・ブレンク(Br)、
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO&cho
数多ひしめくスターバト・マーテル(悲しみの聖母)の中でも、とりわけ人気があるシマノフスキ(1882-1937)の作品。神秘的な瞑想の中に一瞬漲る狂気の気配は、この時代ならではの爛れた美しさです。NAXOSレーベルには、すでにこの曲の録音(8.553687)がありますが、ここでヴィトの演奏を投入するということは、この録音がいかに自信に満ちたものかがご理解いただけることでしょう。
NAXOS-8.570725
ユーフォニアムとオーケストラのための作品集
ロッゲン(1948-):ユーフォニアムと弦楽と通奏低音のための協奏曲変ロ長調、
モーツァルト
:バスーン協奏曲変ロ長調k191(カデンツァ:D・ロッゲンとR・フレッシャー)、
ウェーバー
:バスーン協奏曲ヘ長調Op.75、
チャイコフスキー
:アンダンテ・カンタービレ(R・フレッシャー編)、
バリッサト
(1936-2007):室内オーケストラとユーフォニアムのための狂詩曲
ローランド・フレッシャー(ユーフォニアム)、
ドミニク・ロッゲン(指)カペラ・イストロポリターナ
1843年にワイマールで発明されたと言われる楽器、ユーフォニアム。ドイツやロシアの陸軍音楽隊では、しばしばバスーンのための作品をこの楽器で演奏するために編曲を行います。この録音はそのような編曲物から2つのオリジナル作品、そしてチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」や、モーツァルト、ウェーバーのバスーン協奏曲からの編曲などさまざまな変容をお楽しみいただけます。
NAXOS-8.570726
シンフォニック・ブラス
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 〜凱旋行進曲(アラン・ファーニー編)、ブラームス:大学祝典序曲(デニス・ライト編)、ビゼー:歌劇「真珠採り」〜聖なる神殿の奥深く(ジェフ・リチャード編)、ビゼー:歌劇「カルメン」組曲(アラン・ファーニー編)、ホルスト:惑星〜「ジュピター」(ステイーヴン・ロバート編)、ビゼー:アルルの女〜ファランドール(ハワード・ロリマン編)、エルガー:エニグマ変奏曲〜ニムロッド(エリック・バル編)、ウォルトン:スピットファイアより「フーガ」(アラン・ファーニー編)、ガーシュウイン:歌劇「ポーギーとベス」より(アラン・ファーニー編)、ジョン・ウィリアムス:プライヴェート・ライアンより「戦没者たちへの賛歌」(クラス・ヴァン・デル・ウーデ編)、チャイコフスキー:序曲「1812年」(ロバート・キルズ編)
ニコラス・チャイルズ(指)ブラック・ダイク・バンド
1816年に設立されたイギリスの名門、ブラック・ダイク・バンドがNAXOS に初登場。ノリのよさと抜群のアンサンブルで聴き手を魅了します。彼らの巧さは世界中の誰もが知るところ!小技の効いたアレンジも素晴らしく、原曲とは全く違う味わいが楽しくてたまりません。ブラスの限界に挑戦するかのような力演。最後のチャイコフスキーではじけまくります。
NAXOS-8.570727
カルメン・シンフォニー
ビゼー(セレブリエール編):カルメン・シンフォニー
レブエルタス(セレブリエール編):メキシカン・ダンス(世界初録音)
ヒナステラ:「スタンシア」組曲Op.8a
セレブリエール:夜の叫び(世界初録音)
ヴィラ・ロボス:管楽五重奏と管楽オーケストラのための合奏協奏曲
スーザ:星条旗よ永遠なれ
ホセ・セレブリエール(指)
アメリカ海兵隊バンド
大好評、NAXOSのWINDBANDCLASSICSシリーズ最新作は、何と名指揮者セレブリエール自ら編曲、指揮したカルメン・シンフォニーです。おなじみのメロディが次から次へと現れ、その都度奏者たちが名技を披露します。もちろん、それに続く南米音楽集も息を飲むような素晴らしさ。そして、アンコールでの「星条旗〜」の盛り上がり。これぞライヴのお手本です。
NAXOS-8.570735
オーボエ・ダモーレ協奏曲集
テレマン:協奏曲ト長調TWVG3
バッハ:協奏曲イ長調BWV1055
バッハ:協奏曲ニ長調BWV1053
テレマン:協奏曲イ長調TWVA2
トーマス・ステイシー(オーボエ・ダモーレ)、
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
ニューヨーク・フィルハーモニーのイングリッシュ・ホルン奏者として名高いトーマス・ステイシーは、その卓越した表現力が高く評価され、数々の録音でも名演を聴かせています。このアルバムでは楽器をオーボエ・ダモーレに持ち替え、芳醇で独特な音色を心行くまで楽しませてくれます。テレマンやバッハでの目も眩むばかりのパッセージや空に溶け込むように伸びて行く音。このユニークで郷愁を誘う楽器の魅力をご堪能ください。
NAXOS-8.570736
リスト:ピアノ曲全集第29集(リスト自身の編曲による2台ピアノのための交響詩編曲集)
交響詩「前奏曲」、
交響詩「オルフェウス」、
交響詩「マゼッパ」、交響詩「理想」
金沢多美(P)、ユヴァル・アドモニー(P)
リスト(1811-1886)が創始した、音で物語を描くという「交響詩」は同時代の評論家や聴衆に論争を巻き起こしたものの、彼以降の作曲家たちには多大なる影響を与えたことはご存知の通りです。その彼の13曲ある交響詩はその12曲が彼自身の手により2台ピアノ版へと編曲されています。管弦楽とはまた違った響きを楽しめるのが、このシリーズの素晴らしいところです。
NAXOS-8.570737
ニールセン:交響曲集第1集
交響曲第1番FS16Op.7、
交響曲第6番FS116「素朴な交響曲」
ミハエル・シェンヴァント(指)
デンマーク国立RSO
20世紀初頭のデンマークにおける最高の作曲家の一人、ニールセン(1865-1931)はほとんど全てのジャンルに作品を残しました。作風も当時の最先端を積極的に取り入れたため、後期ロマン派から印象主義、多調、半音階進行などありとあらゆる技法が使われています。このアルバムは、明るい陽射しと影が交錯する美しい交響曲第1番とまるで達観したかのような平穏さが感じられる第6番の組み合わせです。原盤MARCOPOLO(DACAPO)8.224169。
NAXOS-8.570738
ニールセン:交響曲集第2集
交響曲第3番「大らかな交響曲」
交響曲第2番「四つの気質」
インガー・ダム・イェンセン(S)、
ポール・エルミング(Br)、
ミハエル・シェンバント(指)
デンマーク国立RSO
いかにも北欧らしい響き満載のニールセン(1865-1931)の交響曲。なかでも第3番「大らか」は第3楽章に加わる男女のヴォカリーズや、ブラームス風の味わいを持つ終楽章が人気の的です。「胆汁質」「粘液質」「憂鬱質」「多血質」と名付けられた4つの楽章を持つ交響曲。標題音楽ではないと言われるものの、ちょっぴり自分の性格と比較してみるのも面白いかもしれません。DACAPO:8.224126からの移行盤。
NAXOS-8.570739
ニールセン:交響曲第4番「不滅」&第5番 ミハエル・シェンヴァント(指)
デンマーク国立放送SO
ニールセン(1865-1931)の最高傑作、交響曲第4番と第5番の組合せです。細部にまできっちりと目配りの効いた申し分のない演奏で、ニールセンの深い世界をじっくりと味わわせてくれるものです。単一楽章で書かれた雄大な第4番(不滅という副題を持つ)、途中で理不尽なほどに高らかに鳴り響く「スネアドラム」が耳に残ってはなれない第5番。どちらも劇的で不可思議な魅力に溢れています。耳に優しいメロディはあまりないのですが、一度はまったら抜け出すのは難しいのがニールセンの音楽でしょう。この音楽を攻略するのは困難ですが、聴き終えると何とも言えない爽快感を味わうことができるはず。
NAXOS-8.570744
モンサルヴァーチェ:ピアノ作品集第1集
3つの即興曲(1933)/シチリアーナ(1940)
3つのディヴェルティメント(1941)
リトモス(1942)
ラヴェルへのエレジー(1945)
さまよい(1950)
イヴェットのためのソナチネ(1961)
スケッチ(1966)
ピアノと弦楽合奏のための「妙なる調和」(1955)
ホルディ・マソ(P
フランシスコ・ギジェン(指)グラノジェルスCO
スペイン、ジローナ出身のハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)は20世紀のカタロニアにおける最も重要な作曲家の一人です。十二音技法と、アンティル諸島の音楽、メシアンなどのフランス音楽、ダンス音楽から、ラテン系、そしてラヴェルの血を受け継ぐジャズ音楽。これらが混然一体となった魅惑的な音楽は、一度聴いたら忘れることができないほどの強烈な印象を残します。ドビュッシー風の「3つの即興曲」から個性全開の音楽が続きます(トラック9の「ラヴェルへのエレジー」はこの第2曲から派生しています)。とても活発な「妙なる調和」は、まるでフランス6人組の音楽のような諧謔性も感じられます。現代的な響きの中に、何とも言えない親しみやすさを秘めた名曲の数々をお楽しみください。
NAXOS-8.570740
C.P.E.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタハ長調Wq.136,H.558
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタニ長調Wq.137,H.559
トリオ・ソナタト短調Wq.88,H.510
ドミトリー・コウゾフ(Vc)、
ピーター・ロウル(ハープシコード,P)
バッハの息子たちのなかでもとりわけ高く評価されているのがこのカール・フィリップ・エマヌエル(1714-1788)でしょう。生前は父よりも名声が高かったにもかかわらず、決して奢ることのない人柄が愛されていました。この3曲のソナタはどれもがテレマンの様式を受け継ぎながらもメロディがすばらしい霊感に溢れています。このアルバムでは、曲によってハープシコードとピアノを使い分け、表現に多彩な変化をつけています。
NAXOS-8.570741
レスピーギ:カンタータ「春」他
カンタータ「春」/アルメニアの詩人の語る4つの詩(アドリアーノによる室内楽伴奏版)〈いいえ、お前の息子は死んでいない
お母さんは焼きたてのパンのように
私は母、永遠の友/朝の輝き、公平な太陽〉
バレエ音楽「魔法の鍋」
リヒャルト・ハーン(Br)、
ミロスラフ・ドヴォルスキー(T)、
ヤナ・ヴァラスコヴァ(S)、
ウラディミール・クボウツィク(Bs)、
デニサ・スレプコウスカ(Ms)、
スロヴァキア・フィルハーモニーcho、
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO、
スヴァキアRSOメンバー
ここに収録された3つの作品はそれぞれ独自の特色を持った興味深い作品です。古代アルメニアの旋律を効果的に用いた、カンタータ「春」、こちらもアルメニアの詩を用いつつも古い教会旋法のおかげで不思議な雰囲気を有している連作歌曲、そしてロシアの作曲家たちに敬意を払った「魔法の鍋」。どれもが大胆な管弦楽法と色彩豊かな音色で聴き手を魅了します。「ローマ三部作」だけがレスピーギ(1879-1936)ではありません。MarcoPolo8.223595(1-11)、8.223346(12-21)より移行盤。
NAXOS-8.570743
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ集第2集
ソナタハ長調Op.1-1/ソナタイ短調Op.1-2ソナチネ変ロ長調Op.5-1
ソナチネヘ長調Op.5-2
スーザン・カガン(P)
ご存知、ベートーヴェンの弟子、友人であったフェルディナント・リースの作品集第2集です。彼がソナタを作曲した当時は、 このジャンル自体が大きな転換期を迎えていた頃で、彼はハイドンやベートーヴェンの作品をお手本にしつつも独自の形式を 開発し、その独創性は後のシューベルト、シューマン、そしてショパンさえも予感させるものでした。第2集もスーザン・カ ガンの丁寧な演奏によって、知られざる作品が蘇ります。
NAXOS-8.570745
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第12集
ソナタ変ホ長調K.193/L.142/P.254
ソナタイ長調K.368/L.S.30/P.506
ソナタ二長調K.335/L.S.10/P.339
ソナタヘ短調K.387/L.175/P.415
ソナタヘ長調K.151/L.330/P.238
ソナタト長調K.547/L.S.28/P.551
ソナタイ長調K.323/L.95/P.411
ソナタハ長調K.309/L.454/P.333
ソナタヘ短調K.185/L.173/P.121
ソナタヘ短調K.186/L.72/P.46
ソナタホ長調K.163/L.63/P.206
ソナタト長調K.425/L.333/P.426
ソナタト短調K.426/L.128/P.128
ソナタト短調K.93/L.336/P.38
ソナタハ長調K.330/L.55/P.222
ソナタへ長調K.257/L.169/P.138
ソナタホ長調K.381/L.225/P.327
ソナタハ長調K.241/L.1802/P.431
ソナタヘ長調K.469/L.431/P.514
ゲルダ・シュトゥルーハル(P)
生涯に555曲の鍵盤用ソナタを書いたドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)。このアルバムはNAXOSにおける第12集の録音となります。このシリーズは今まで全て別の演奏家を起用しているのが特長で、ここではウィーン生まれの若手ピアニスト、ゲルダ・シュトルーハルが切れ味鋭い演奏を聴かせます。彼女はユトレヒトで初期の音楽教育を受け、パフォーミング・アーツ・ウィーン(UMPAV)で更に研鑽を積んだ人。古典派から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つという才媛です。
NAXOS-8.570746
サイグン:ピアノ作品集
アナトリアから
アクサク・リズムによる12の前奏曲
インジの本
アクサク・リズムによる10のスケッチ
ソナチネOp.15
ゼイネプ・ユチェバシャラン(P)
20世紀のトルコで最も有名なサイグン(1907-1991)は、自国の民俗音楽の収集、及び西洋音楽との融合。これらに力を尽くした作曲家として知られています。ここに収録されたピアノ曲は、どれもが特有の「足をひきずるようなリズム」を持ち、トルコの舞曲形式が使われています。「インジの本」での単純さ、そして散りばめられた魅力的な部分に心惹かれる人も多いでしょう。
NAXOS-8.570747
クララ・シューマン:歌曲全集
リュッケルトの詩による3つの歌曲
良き夜/6つの歌曲集Op.13
ユクンデによる6つの歌Op.23/宵の星
海辺にて/彼女の絵姿/民衆の歌
彼らは愛し合っていた(第1稿)
ローレライ/別れのつらさよ/我が星
別れのとき/すみれ/さすらい人
製材所のさすらい人/29.ワルツ
ドロテア・クラクストン(S)
ヒダィエット・ジェディカー(P) 
※クララ・シューマンのフォルテ・ピアノを使用
大なるピアニストで作曲家であり、またロベルト・シューマンの妻であり子どもたちの母であった クララ・シューマン(1819-1896)。彼女の書いた多くの作品は結婚前のものでした。なぜなら彼女は「夫 の書いたものにはかなわない」と自らの才能に対して懐疑的だったからです。もちろんロベルトは彼 女に作曲を勧め、書きあげた作品を交換しあったというから何ともステキな愛のやりとりと言うほか ありません。このアルバムは彼女が愛奏したピアノを用いて録音しました。控え目でつつましい音色 が魅力的です。
NAXOS-8.570748
ベリオ:2台のヴァイオリンのための作品集
二重協奏曲第1番ト短調Op.57-1
二重協奏曲第2番ホ短調Op.57-2
二重協奏曲第3番ニ長調Op.57-3
バレエ「スペインの王子」のモティーフによる6つの性格的小品
クリスティーネ・ゾーン&ジョン・マルクス(Vn)
その作品を聴かれることよりも、どちらかと言うと演奏される機会の多いC-A.デ・ベリオ(1802-1870)ですが、こうして色々な曲を聴いてみると、改めてその多彩な作曲技法と音楽性に拝復する他ありません。このアルバムに収録された「」は2台のヴァイオリンが追いかけ合い、絡み合う魅力的な作品。ピアノなどの他の楽器の助けを借りず、ひたすらヴァイオリンのみで華やかな世界を見せてくれます。「6つの性格的小品」はスペインの様々なリズムを用いた興味深い曲。セレナード調であったり激しい踊りであったりと一時も耳を飽きさせることがありません。
NAXOS-8.570752(2CD)
マイール:オラトリオ「トビアの結婚」 ラグエル…ユディス・スピーサー(S)
アンナ(ラグエルの妻)…マルグリート・ブフバーガー(S)
サラ(ラグエル夫妻の娘)…コルネリア・ホラク(S)
トビア・・・ステファニー・イラーニ(Ms)
大天使ラファエル…スザンヌ・ベルンハルト(S)
ジーモン・マイール・アンサンブル&cho
フランツ・ハウク(指)
すでにNAXOSからいくつもの作品がリリースされているジーモン・マイール(1763-1845)はバイエルンで生まれ、イタリアで活躍。そのため名前の表記もマイヤーであったり、マイールであったりと様々です。このオラトリオは旧約聖書の「トビト記」から題材を得たもので、ナフタリ族アシエルの家系、正義と真理の人で知られる盲目のトビトの息子、トビアと、神が決めた許嫁サラの物語。新婚の夫を7人も亡くしてしまい、悪魔に魅入られたと嘆くサラの両親、決して神への祈りを忘れることのないサラ、「彼女を救うためにはチグリス川で魚を捕えるように」とトビアに教える大天使ラファエル。と、聖書の通りに話は進んでいくのです。このオラトリオも、イタリアの有名な少女のための慈善院「メンディカンティ」の聖歌隊のために書かれているので、配役は全て女声によって歌われます。これもまた魅力的です。
NAXOS-8.570754
シューベルト:フルートとピアノのための音楽
アルペジョーネ・ソナタD.821(フルート編曲:U.グロット)/6つの歌曲(フルート編曲:T.ベーム)<おやすみD.911/菩提樹D.911-5/漁夫の娘D.957-10/セレナーデD.957-4/海辺でD.957-12/鳩の使いD.957-14>
「しぼめる花」による序曲と変奏曲
ウーヴェ・グロット(Fl)
マッテオ・ナポリ(P)
シューベルトの名曲、アルペジョーネ・ソナタは今までにも色々な楽器のためにと姿を変えてきました。もちろんフルートで 奏されることもしばしばです。「しぼめる花」による変奏曲はもともとフルートのために書かれた技巧的な作品で、指揮者でも あり、フルーティストでもあるグロットは申し分ない音楽性でこの作品を聴かせます。楽しいのはT.ベームの編曲による「6 つの歌曲」です。ここでのフルートは、本来のメロディから自由に飛翔した「新たな歌」を高らかに奏でます。感動的です。
NAXOS-8.570756
モンサルバーチェ:ピアノ作品集第2集
ホアキン・トゥリーナの思い出によるアレゴリア(1982)
左手のための3つの小品/ノアの方舟
シューベルティアーナ/秋の牧歌
ミロンガ/ヘネラリフェでの即興曲
5つの自由な鳥の歌
子守歌/オーリンクスの朝の歌
即興の要約/アルバイシン協奏曲
ホルディ・マソ(P)
フランシスコ・ギジェン(指)グラノジェルスCO
20世紀の最も重要な作曲家の一人、モンサルバーチェ(1912-2002)のピアノ作品集第2集です。第1集(NAXOS-8.570744)が彼の初期の作品を収録していたのに対し、こちらは後期の25年間の作品を集めたもの。極めて興味深い曲が並んでいます。左手のための作品や技術的には比較的容易なのに、実は凄く表現が難しい「ノアの方舟」、などこの作曲家の自由な感性を存分に楽しむことが可能です。「5つの自由な鳥の歌」は最初「かごに入れられた5羽の鳥」というタイトルが付けられていたとのことですが、作曲家自身が変更したのだとか。フランスの先人メシアンの影響も強く感じられる作品です。
NAXOS-8.570757
カサブランカス:ピアノ作品集
3つのディヴェルティメント(ピアノ・デュオ)
2つのピアノピース/アルバムの一葉
幼い頃の3枚続きの絵
3つのピアノピース/スケルツォ
3つの警句/トンボー
7つのエピグラム/前奏曲とフーガハ調
3つのバガテル
ホルディ・マソ(P)、ミケル・ビリャルバ(P)
カサブランカス(1956-)は現代スペインの作曲家の中でも独自の地位を築いています。歌曲や室内楽も作曲しますが、彼が一番好きなのはピアノです。彼のピアノへ注ぐ愛のある眼差しはショパンやスクリャビン、あるいはアルベニスやモンポウと同じです。ピアノという楽器の持つ可能性を極限まで引き出すこと、彼はそれを実現すべく曲を書くのです。
NAXOS-8.570758
バヨラス:交響的音楽集
シンフォニー・ディプティック(1984/1993)
ヴァイオリン協奏曲〜ライムンダス・カティリウスに捧ぐ(1998/2001)エクソダスT〜母の思い出に(1991/1994)
ルネス・マタイティテ(Vn)、
ギンタラス・リンケヴィチウス(指
)リトアニア国立SO
常に民族音楽と現代音楽の融合を図るリトアニアの作曲家、バヨラス(1934-)の作品集です。このアルバムに収録されている3つの作品は、どれも個性的で独特の妖しげな雰囲気を持っています。自作のオペラ「神の子羊」からテーマを転用した「シンフォニー・ディプティック」は管楽器を多用した力強い作品。ワーグナーの楽劇からの引用も聞こえてきます。ロマンティックなヴァイオリン協奏曲ではリトアニアの歌が引用されます。そして、バヨラスの母を偲んで書かれた「エクソダスT」は打楽器の多彩な響きが印象的な作品。1994年に一度上演されるも、2004年に曲の形を変更し再演。斬新な響きで聴衆を魅了したことで知られます。
NAXOS-8.570759
ドビュッシー:管弦楽作品集第1集
牧神の午後への前奏曲/海
バレエ音楽「遊戯」
子どもの領分(A.カプレ編)
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
2007年の来日公演でも大成功を収めた準・メルクルとリヨン管弦楽団によるドビュッシー(1862-1918)の管弦楽全集の第1集です。昨年の発売時とはカップリングを変更しての再登場となります。
NAXOS-8.570761
ハイドン:交響曲集第33集
交響曲第25番ハ長調
交響曲第42番ニ長調
交響曲第65番イ長調
パトリック・ガロワ(指)
シンフォニア・フィンランディア
着々と進行するNAXOSのハイドン(1732-1809)交響曲全集第33集です。今回は3曲を収録。あまり知られていない第25番は緩徐楽章を持たない3楽章形式の曲。第42番は劇的で鋭い感覚に支配された中期の傑作。そして機知と独創性に富んだ第65番は渋い輝きを放つ作品です。今回も最近活躍著しいガロワの指揮による、的確かつ爽やかな演奏でお届けいたします。
NAXOS-8.570763
シベリウス:交響詩集
交響詩「夜の騎行と日の出」Op.55
舞踏間奏曲第3番「パンとエコー」Op.53a
「ベルシャザール王の饗宴」より組曲Op.51〈東洋風の行列/孤独/夜曲/カドラの踊り〉
2つの管弦楽作品集〈森の精/舞踏間奏曲〉
付随音楽「死」Op.44&62〈悲しきワルツOp.44-1
鶴のいる風景Op.44-2
カンツォネッタOp.62a
ロマンティックなワルツOp.62b〉
ピエタリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO
日本でも人気急上昇。インキネン得意のシベリウス(1865-1957)作品集です。日本での演奏会に於いてアンコールで奏され大好評だった「悲しきワルツ」のスタイリッシュな表現を聴くだけでもこの指揮者の並々ならぬ才能が伺い知れるというものでしょう。どことなくエキゾチックな「ベルシャザール王の饗宴」、神話の世界、北欧の夜明けなど表現力豊かなシベリウスの音楽が生き生きと目の前に立ち現れます。
NAXOS-8.570764
シューベルト:ミサ曲第4番ハ長調D452Op.48
ミサ曲第2番ト長調D167/ドイツ・ミサD872
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
インモータル・バッハ・アンサンブル
ライプツィヒCO
8歳から7年間、聖歌隊で活躍したシューベルト(1797-1828)はミサを知り尽くしていたため、自身でもいくつかの素晴らしい宗教作品を書きました。彼が完成させたミサ曲は6曲あり、第2番は1815年3月初めの作品でオーケストレーションの一部には彼の兄が手を加えているとも言われます。しかしその溢れ出る才能は到底汲みつくせるものではなく、簡素な中にも荘厳さを備え、また彼独自の豊かな歌心が随所に感じられます。本来の典礼文を少しだけ省略しているため、正式なミサ曲として用いることは困難ですが、そのせいで芸術的価値が損なわれるものではありません。1816年の6〜7月に書かれた第4番は1825年にようやくウィーンで初演されましたが、ベネディクトゥスは後の1823年に改作され、なぜか小さな編成に変えられてしまいました(こちらはD961の独立した番号が与えられています)ドイツ・ミサは1826年から27年に書かれたもの。一見、驚くほど極めて単純な曲に見えますが、晩年のシューベルトらしい奥深く美しいメロディに彩られた名作です。
NAXOS-8.570767
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第3番ト短調 Op.5
ヴァイオリン協奏曲第4番イ長調 Op.6
ヴァイオリン協奏曲第6番変ロ長調 Op.8
※カデンツァ…フリードマン・アイヒホルン
フリードマン・アイヒホルン(Vn)
ニコラ・パスケ(指)イェナPO
ヴィオッティの愛弟子であり、またナポレオンの宮廷音楽家として幅広い活動を行ったヴァイオリニスト、ピエール・ローデ(1774-1830)。以前NAXOSからリリースされた第7番と第10番の協奏曲(NAXOS-8.570469)で、その偉大な才能に開眼した人も多いことでしょう。今回もヴァイオリニスト、アイヒホルンによる3曲の協奏曲を聴いてみてください。優美さ、抒情性、冴え渡る技巧、そしhて流暢な音楽の流れ。まさにベートーヴェンやパガニーニに匹敵する素晴らしい作品がここにあります。第3番は壮大で悲痛な面持ち、第4番は端正、そしてスペイン訪問の際に書かれた第6番の素晴らしさと言ったら・・・全く言葉に尽くせません。ヴァイオリンの汲めども尽きぬ魅力がここにあります。各々の曲に付されたカデンツァはアイヒホルンによるもの。
NAXOS-8.570768
リスト:ピアノ作品全集第32集
旅人のアルバム他

旅人のアルバム第1巻「印象と詩」S156/R8<リヨン/ワレンシュタットの湖/泉のほとりで/ジュネーヴの鐘/ウィリアム・テルの礼拝堂/ジュネーヴの教会の詩編歌>
幻影S155/R11<センツァ・レンテッツァ・クアジ・アレグレット/ヴィヴァメンテ/シューベルトのワルツによる幻想曲>
アシュリー・ウェイス(P)
この「旅人のアルバム」は、1834年から1838年に作曲され1842年に完成。当時恋愛関係にあったマリー・ダグーと共に、パリからスイスへと旅行した時の感動を音楽にしています。スイスの美しい風景に感動したリスト(1811-1886)は、その強い印象をまるで絵画を描くようにピアノにぶつけました。力強く野心的な曲が並びますが、その後リストはなぜか、この曲集を「巡礼の年」に改定、いくつかの曲をそのまま残した上で大きく改変。こちらの「旅人のアルバム」は無きものとしてしまったのです。巡礼の年第1年(NAXOS-8.550548)と聴き比べてみるのも楽しいでしょう。「幻影」も1834年頃の若きリストによる作品ですが、驚くほど瞑想的で、リストらしい「派手さ」は見られません。曲だけ聴いていると晩年の作品のような佇まいを持つ不可思議な曲です。そのせいかあまり演奏される機会もなく、忘れられた曲集となってしまっています。
NAXOS-8.570765
フレイタス・ブランコ:管弦楽作品集第1集
交響曲第1番、
幻想的なスケルツォ(世界初録音)、
アレンテージョ風の組曲第1番
アルヴァロ・カッスート(指)
アイルランド国立SO
20世紀前半のポルトガルにおいて、最も重要な作曲家がこのブランコ(1890-1955)です。NAXOSは彼の管弦楽作品を4巻のシリーズでリリースする予定で、こちらが第1弾となります。交響曲第1番はフランク、ブラームス、その他フランスの作曲家たちの影響を受けつつも、独自の作風をしっかり打ち出した荘大な作品です。「アレンテージョ風の組曲」はブランコが夏に過ごしたリスボンの南の地域の豊富な民族音楽に由来した楽しい曲集です。
NAXOS-8.570766
ロッシーニ:ピアノ作品全集第2集〜老いのいたずら第6巻「すばしこい子どもたちのためのアルバム」(抜粋)
私の朝の健康のための前奏曲/バロック風前奏曲/人よ汝が塵なることを思い出せ/充分な記念品:踊りましょう/ペーザロ人/苦悶のワルツ/わが妻への甘え/舟歌/楽しい汽車の小旅行のおかしな描写/ポルカ=マズルカのできそこない/謝肉祭の埋葬
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
第1集が好評だったロッシーニの秘曲集「老いのいたずら」の第2集です。オペラの筆を折ったのち、日々書きためたロッシーニのいわば「音による随筆集」はどこもかしこも上品で洒落た味わいに満ちています。まるでサティの作品のようなひねったタイトルにも注目。トラック6の「苦悶のワルツ」などは聴いているとなんだか落ち着かない気分になること間違いなし。この曲は何を言いたいのだろう?と考えているだけで楽しい1枚です。
NAXOS-8.570773
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第1集
パルティータ(1931)
失われた楽園(1933-34)(第1部/第2部)
マルタイン・ファン・デン・フーク(P)、
ルーシー・シェルトン(S)、
サラ・ウォーカー(Ms)、
ジョン・ガリソン(T)、
オランダ・コンサートcho
クリストファー・リンドン=ギー(指)
アーネムPO
マルケヴィチ(1912-1983)のこの作品集は、以前MARCOPOLOで7集までリリースされていたものの再編集盤です。パルティータは実質上ピアノ協奏曲の形式を取る彼の20歳の時の作品です。オラトリオ「失われた楽園」はストラヴィンスキーのオイディプス王やペルセフォネとの関連も指摘される大作。作品が完成した3年後に作曲者自身の指揮でBBC交響楽団に於いて初演したという逸品です。
NAXOS-8.570774
バックス:交響的変奏曲、
左手のためのピアノコンチェルタンテ
アシュリー・ウェイス(P)、
ジェームス・ジャッド(指)ボーンマスSO
NAXOSではすっかりおなじみとなった、イギリスの作曲家バックス(1916-1953)。今作もピアノのための作品です。彼のピアノと管弦楽のための作品は5曲あり、そのどれもに例のごとく、愛する人ハリエット・コーエンの面影がだぶります。演奏に50分近くを要する「交響的変奏曲」は、それぞれの変奏部分にタイトルが付けられた音による叙事詩とも言える大作。聴き応えたっぷりです。かたや、小規模の「左手のための小協奏曲」はアイルランドの海辺の景観を思わせるロマンティックな曲。繊細で移ろいやすい和声、ハーモニーが魅力的です。
NAXOS-8.570775
ドビュッシー:海/夜想曲 〜「雲」「祭」
 牧神の午後への前奏曲、
細川俊夫
(1955-):循環する海
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO

録音 2007年8月
2005年9月に音楽監督に就任したフランスのリヨン国立管弦楽団とのドビュッシーを中心に収録したものです。細川俊夫氏による解説(英文) 付きです。
NAXOS-8.570776
メイエル:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第5番Op.42(1977)
弦楽四重奏曲第6番Op.51(1981)
弦楽四重奏曲第8番Op.67(1985)
ヴィエニャフスキSQ[ヤロスラフ・ゾルニエルチュキ(Vn)/ミロスラフ・ボチェク(Vn)、レフ・バラバン(Va)、マチェイ・マズレク(Vc)]
1943年ポーランドのクラコフで生まれたメイエル(1943-)は、5歳からピアノ、11歳から作曲と音楽理論を学び、その後ペンデレツキとブーランジェの下で更なる研鑽を積みました。現在、ポーランド音楽協会の代表という要職にあり、国の内外に新作を委嘱するなど現代音楽の普及のための活発な活動をしています。この弦楽四重奏曲は、前衛的な作風から新古典的な様相へ移り変わった時期の作品で、1985年の第8番などは調性すら感じさせる懐古的な作品となっています。彼自身の言葉によると、幼い頃に自宅で催された室内楽コンサートの懐かしい思い出と、バルトークなどの新しい刺激が組み合わされて、これらの作品が出来上がったのだそうです。この録音がNAXOSデビューとなるヴィエニャフスキ弦楽四重奏団のスパイシーな演奏でどうぞ。
NAXOS-8.570777
ライネッケ:ゆりかごから墓場まで
管楽八重奏曲変ロ長調Op.216/
ゆりかごから墓場までOp.202(フルートとピアノ版…E・ケーラー編)
管楽六重奏曲変ロ長調Op.271
ボストン交響楽団の奏者たち[フェンウィック・スミス(Fl)、若尾圭介(Ob)、トーマス・マーティン(Cl)、クレイグ・ノードストローム(Cl)、ジョナサン・メンキス(Hrn)、リチャード・ランチ(Fg)、ローランド・スモール(Fg)、ヒュー・ヒントン(P)]
その生涯に、実に1000曲以上もの作品を書いたライネッケ(1824-1910)ですが、あまりにも堅実な作風のせいか(ブラームスの亜流とも揶揄される)、死後急速に忘れ去られてしまいました。しかし近年再評価が進み、その良質な室内楽作品は時々演奏会でも取り上げられるようになってきたのです。「ゆりかごから墓場まで」は本来ピアノ曲だったものをケーラーがフルートとピアノのために編曲したもの。シューマンを思わせる美しい作品です。Etceteraからの移行盤。
NAXOS-8.570778
カステルヌオーヴォ=テデスコ:2台ギターのための音楽全集第1集
ソナティナ・カノニカOp.196、
平均律ギター曲集(2台のギターのための24の前奏曲とフーガ)Op.199
ブラジル・ギター・デュオ[ジョアン・ルイス&ダグラス・ローラ]
その生涯に200以上もの作品を書いたカステルヌオーヴォ・テデスコ(1895-1968)ですが、そのどれもが親しみやすいメロディと明確な形式を用いているため、今でも多くの演奏家と聴き手を魅了して止みません。とりわけギター曲にはすばらしい物が多く聴き応えのある作品が並びます。ここに収録したのは、快活な「ソナティナ・カノニカ」、そしてJ.S.バッハへの深遠なる賞賛である「平均律ギター曲集」。これは対位法を極限まで駆使した大作です。
NAXOS-8.570779
カステルヌオーヴォ=テデスコ:2台ギターのための作品全集第2集
エレジー風フーガ/
平均律ギター曲集(2台のギターのための24の前奏曲とフーガ)Op.199〜レリュードとフーガ第13番ト長調-第24番ハ短調
ブラジル・ギター・デュオ(ジョアン・ルイス&ダグラス・ローラ)
これで、前作で半分だけ紹介した「平均律ギター曲集」の全貌が明らかになりました。この後半の12曲は1962年の5月14日から6月3日までの間に書きあげられたのですが、各々の曲のほとんどに完成した日が書き添えられていて、さながら「音による日記」の様相を呈しているのが興味深いところです。とりわけ、6月1日から3日にかけて書かれた第24番は、まるで彼の音楽人生全てを総括するような素晴らしい出来栄え。この曲集がギター・デュオのレパートリーの最高傑作として未来永劫大切にされることは間違いありません。
NAXOS-8.570780
ヒナステラ:弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲第1番Op.20
弦楽四重奏曲第2番Op.26
弦楽四重奏曲第3番Op.40
エンソQ
ルーシー・シェルトン(S)
ヒナステラ(1916-1983)はあまり多くの作品を書いたわけではないので、3つの弦楽四重奏は作品番号こそ近いのですが、実は第1番は1948年、第2番は1958年、そして第3番は1973年の作と、実に25年ほどの年代の開きがあるのです。当然作風の変化も顕著です。民俗音楽を程良く取り入れた第1番は、バルトークやストラヴィンスキーを想起させる荒々しい音楽です。追い立てられるかのように始まる第2番は十二音技法を取り入れた自由な作品です。第3番はソプラノのソロを伴う曲で、あのシェーンベルクの作品にも似た「夜の雰囲気」を湛えた神秘的な作品です。ヒメネス、ロルカ、アルベルティのテキストが用いられています。どれもが悲劇的で、死を彷彿させる思い想念をやるせなさに満ちていますが、底知れぬ透明感も持ち合わせているところが素晴らしいのです。
NAXOS-8.570781
リゲティ:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」(1953-54)
弦楽四重奏曲第2番(1968)
アンダンテとアレグレット(1950)
パーカーSQ[ダニエル・チョン(第1Vn)/カレン・キム(第2Vn)/ジェシカ・ボドナー(Va)/キム・キー=ヒュン(Vc)]
よく「猟奇的」と評されるリゲティ(1923-2006)の音楽。しかし彼の多彩な音楽を表現するにはこんな言葉で足りるはずがありません。例えば「2001年宇宙の旅」で使われたいくつかの彼の音楽は、作曲家の名前を知らずとも、映画を見た人には強烈なインパクトを与えているはずです。ここに収録された弦楽四重奏曲はリゲティの作品の中では、あまり知名度の高いものではありませんが、作曲家の特性を存分に伝えてくれることでしょう。初期に書かれた「アンダンテとアレグレット」はシェーンベルクを思わせる驚くほどメロディアスな作品です。
NAXOS-8.570782
ピアッティ:パチーニの歌劇「ニオベ」の主題によるカプリッチョOp.22
12のカプリースOp.25
ペ・スー(Vc)
イタリア、ベルガモでヴァイオリニスト、指揮者アントニオの息子として生まれたアルフレード・ピアッティ(1822-1901)の無伴奏作品集です。彼は父から最初にヴァイオリンのレッスンを受け、その後はドイツの作曲家&ヴァイオリニスト、モリークから作曲の指導を受けました。この「12のカプリース」は間違いなくパガニーニを意識して書かれたものだと思われますが、万遍なく配置されたチェロの超絶技巧はもちろんのこと、溢れるようなメロディが特徴的な素晴らしい曲集として評価されるに違いありません。演奏しているのはカナダ出身のペ・スーです。1696年製のストラディヴァリウス「ボンジュール」を貸与されている彼女はこの楽器を存分に鳴らし、ほとんど忘れ去られてしまった作曲家ピアッティの存在を現代へ蘇らせています。チェロ好き必聴!
NAXOS-8.570783
リャプノフ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番変ホ短調Op.4
ピアノ協奏曲第2番ホ長調Op.38
ウクライナの主題による狂詩曲Op.28
ショレーナ・ツィンツァバーゼ(P)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)
ロシアPO
タネーエフに作曲を、フランツ・リストの門弟カール・クリントヴォルトにピアノを学んだ若き青年作曲家リャプノフ(1859-1924)は、モスクワ音楽院を卒業後、バラキレフに出会います。その影響を強く受けたリャプノフは、1885年にバラキレフの家へ身を寄せることになります。2人の芸術家はお互いに影響しあい、バラキレフの絶筆となったピアノ協奏曲第2番(未完)はリャプノフが補筆したことでも知られます。そんなリャプノフ自身のピアノ協奏曲第1番は、もちろんバラキレフに捧げられていて、重く垂れこめるようなメロディと、華々しい技巧がいかにもロシア風です。1909年に書かれたピアノ協奏曲第2番は、ピアノと管弦楽が優美に絡みあい、どことなくリストの作品の雰囲気を湛えていますが、いつしか彼が敬愛したバラキレフの協奏曲のメロディが現れます。1907年に作曲された「ウクライナの主題による狂詩曲」はブゾーニに献呈された技巧的で華やかな作品です。
NAXOS-8.570785
レーガー:弦楽三重奏&ピアノ四重奏全集第1集
弦楽三重奏曲イ短調Op.77b、
ピアノ四重奏曲ニ短調Op.113
アペルト・ピアノ四重奏団[ゲルノット・ジュスムート(Vn)、シュテファン・フェーラント(Vn)、ハンス=ヤーコプ・エッシェンブルク(Vc)、フランク=インモ・ツィヒナー(P)、フェリックス・シュヴァルツ(Va)]
レーガー(1837-1916)は、そのあまり長いとは言えない生涯に多くの室内楽作品を書きました。このアルバムには、1904年に作曲された弦楽三重奏曲と、1910年作のピアノ四重奏曲を収録しました。簡潔で明瞭な味わいを持つ三重奏曲と、ブラームスの影響を受けた重厚で深い表現が魅力的な四重奏曲。
NAXOS-8.570786
レーガー:弦楽三重奏&ピアノ四重奏曲全集第2集
ピアノ四重奏曲イ短調Op.133
弦楽三重奏曲ニ短調Op.141b
アペルト・ピアノSQ
NAXOS-8.570787
チャイコフスキー:ピアノ作品集
四季Op.37b
ピアノ・ソナタ嬰ハ短調Op.80
イリヤ・ラシュコフスキ(P)
“四季”の録音はすでに8.550223でリリースされていますが、ほぼ20年近く経て新しい“四季”の登場となりました。1曲ごとに込められた感情の揺れが、あまりにも見事で、ついつい聴き惚れることまちがいありません。
NAXOS-8.570788
ブルックナー:弦楽五重奏曲、他
弦楽五重奏曲ヘ長調(1878-79)
間奏曲ニ短調(1879)
弦楽四重奏曲ハ短調(1862)
ロンドハ短調(1862)
ファイン・アーツQ
ウィーンの著名なヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヘルメスベルガーの提案により書かれた弦楽五重奏曲は、あの第5番と第6番の交響曲と同じ時期に書かれました。編成こそ小さいものの、これは紛れもなく「交響曲」の様相を呈しています。何しろ第1主題を全部聴くまでもなく「ああ、これはブルックナーだな」と心から感じる事ができるはずですから。ちなみに第2楽章のスケルツォはトラック5の間奏曲に置き換えて演奏してもいいのだそうです。もう少し初期に書かれた弦楽四重奏曲はシューベルト風。
NAXOS-8.570789
ドラガタキス:ピアノ独奏曲全集
ノスタルジア*/蝶々*/小さなバラード*/ピアノ・ソナタ第1番/ピアノ・ソナタ第2番*/骨董品/回顧U/練習曲T*/練習曲U*/イネリア*/モノローグ第4番*  *=世界初録音
ロレンダ・ラモウ(
ギリシャの作曲家ドラガタキス(1914-2001)はイピロス出身、アテネのギリシャ国立音楽院でヴァイオリンを学びました。多くの賞を受賞しヴィオラ奏者としても活躍、和声の教授としても知られています。彼の作品はギリシャの伝統音楽を元にしたうえで新しい技術も反映させた革新的なもので、ここに収録されたピアノ独奏曲を聴けば彼が求めたものの一端を理解できるに違いありません。
NAXOS-8.570790
テュイレ:六重奏曲、ピアノ五重奏曲
六重奏曲変ロ長調Op.6
ピアノ五重奏曲変ホ長調Op.20
シャンティリー五重奏団[ピルミン・グレール(Fl)/フロリアン・グルーベ(Ob)/ヨハネス・ツール(Cl)/ドミトリィ・ババノフ(Hrn)/ベンチェ・ボガーニ(Fg)]
ジーリ四重奏団[マルコ・ロリアーノ(Vn)/ユディス・ハムツァ(Vn)/ルカ・サンツォ(Va)/ザビーネ・クラムス(Vc)]
ジャンルカ・ルイジ(P)
オーストリア出身の音楽教育家、作曲家テュイレ(本来はフランス系の家系なのでテュイユが正しい)はR.シュトラウスの親友として知られています。ミュンヘン楽派の一人として数えられることもありますが、作風はかなり保守的で、日本ではルドルフ・ルーイとの共著である音楽理論書『和声学』の方が知られているかもしれません。ここに収録された2曲の室内楽作品は比較的知られているもので、確かに六重奏曲はラインベルガーやリスト、ワーグナーの影響を受けていることは間違いありませんが、その後に書かれたピアノ五重奏曲はなかなか雄大で劇的な展開を有しています。
NAXOS-8.570791
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲他
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
劇的序曲Op.4
「から騒ぎ」演奏会組曲Op.11
フィリッペ・クイント(Vn)
カルロス・ミゲル・プリエト(指)ミネリアSO
1945年に作曲されたにも関わらず、このヴァイオリン協奏曲の全編に漂うのは馥郁たる後期ロマン派の妖艶なる香りです。天才少年として将来を嘱望されつつも、アメリカに亡命し、ハリウッドの映画音楽作曲家として活躍していたコルンゴルト(1897-1957)ですが、彼はいつでも「ドイツのクラシック作曲家」として認められることを望んでいました。この作品がハイフェッツの手で1947年に初演された時も「時代錯誤」という酷評を受けたのですが、彼自身としては大満足であったことでしょう。一時期すっかり忘れられていたのですが、最近になって多くの演奏家がこの曲を取り上げ、すっかり人気曲となったのは間違いありません。全曲を通じて、自身の映画音楽からの引用が見られますので、このまま、再度何かの映画音楽に使ってみるのも良いかもしれません。それほどまでに劇的で心惹かれる作品です。
NAXOS-8.570792
ブリッジ:ピアノ三重奏曲集
幻想的三重奏曲ハ短調(ピアノ三重奏曲第1番)、
ピアノ三重奏曲第2番、
ピアノ三重奏のための9曲の小品第1集、
ピアノ三重奏のための9曲の小品第2集、
ピアノ三重奏のための9曲の小品第3集
ジャック・リーベック(Vn)、
アレクサンダー・チャウシャン(Vc)、
アシュリー・ウェイス(P)
ギリス音楽の開拓者、フランク・ブリッジ(1879-1941)のピアノ三重奏のための作品集です。何と言っても、ここに収録されている3つの作品の作風の違いに驚かされることでしょう。1907年に書かれた第1番のピアノ三重奏曲はあくまでも自由で幻想的。その翌年の「9曲の小品」のまるで古典派の作品を思わせる端正な作風(ブリッジがヴァイオリンを教えていたハンブリー嬢のために書かれた作品)。1928-29年に書かれた第2番のピアノ三重奏曲の印象派的なゆらめきの音楽。
NAXOS-8.570794
メンデルスゾーン:劇音楽「夏の夜の夢」Op.61(英語歌唱)
1.序曲/2.スケルツォ/3.メロドラマ(第2幕情景1)/4.妖精の行進/5.まだら模様のへびさん/6.メロドラマ(第2幕情景2)/7.間奏曲/8.メロドラマ(第3幕情景1)/9.メロドラマ(第3幕情景2)/10.夜想曲/11.メロドラマ(第4幕情景1)/12.結婚行進曲/13.メロドラマ(第5幕情景1)/14.葬送行進曲/15.道化役者たちの踊り/16.メロドラマ(第5幕情景1)/17.終曲
ジェニー・ウォラーマン(S)
ペペ・ベッカー(S)
トム・ミソン(ナレーター)
エイドリアン・グローヴ(ナレーター)
エミリー・レイモンド(ナレーター)
アン・マリー・ピアッツァ(ナレーター)他
ジェイムス・ジャッド(指)ニュージーランドSO
ヴァーシティ・ヴォイセズ
ノータ・ベネcho
この「夏の夜の夢」は、まず序曲が1826年に作曲されました。まず、17歳のメンデルスゾーン(1809-1947)が姉と楽しむためのピアノ連弾曲として書かれ、すぐに管弦楽版として編曲されています。その16年後、序曲に感銘を受けたプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の勅命によって「夏の夜の夢の付随音楽」が書かれました。現在では序曲も再利用され、一緒に演奏されることが慣例となっています。しかしながら、彼が付けたメロドラマの部分は省略されることが多く、これでは曲の全貌を理解するにあたって片手落ちとなってしまうではありませんか。そこで当盤では(英語ではありますが)全部きちんと演奏しています。
NAXOS-8.570796
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ集第1集
ソナタへ短調Op.11-2、
ソナタ変ホ長調Op.11-1、
ソナチネイ短調Op.45
スーザン・カガン(P)
ベートーヴェンの弟子であり親友としてもおなじみ、フェルディナント・リース(1784-1838)ですが、彼の書いたこれらのピアノ曲は、シューベルトやその先のショパンを予見させる独創性に満ちた才気渙発な作品です。なかでも1811年から12年、彼がロシアへの演奏旅行中に書いた美しいソナチネは、内容がぎっしり詰まった名作と言えましょう。
NAXOS-8.570797
シベリウス:チェロとピアノのための作品集
フィンランディア(マッティ・マッコネン編)
10の小品よりOp.24No.8夜想曲(ライト・カルム編)
10の小品よりOp.24No.9ロマンス(ライト・カルム編)
マリンコニアOp.20、5つの小品よりOp.81No.2ロンド
5つの小品よりOp.75No.5樅の木(ライト・カルム編)
6つの歌曲よりOp.36No.1黒いばら
5つの歌曲よりOp.37No.5逢引きから戻った娘
5つの歌曲よりOp.37No.4それは夢か
5つの歌曲よりOp.37No.1初めての口づけ
ワルツ・トリステ(フリードリヒ・ヘルマン編)、
4つの小品よりOp.78No.2ロマンス、8つの小品よりOp.99No.3思い出
ユッシ・マッコネン(Vc)、
ライト・カルム(P)
あの勇壮果敢な名曲「フィンランディア」は聴いているだけで胸が躍ります。誰もが自分で演奏してみたくなるのも頷ける話です。実際ピアノ版も存在します。しかし、これをチェロとピアノで演奏しているなんて前代未聞ではありませんか。このアルバムを聴くときには、まず歌曲の編曲などからどうぞ。泣けます。そして最後に「フィンランディア」をどうぞ・・・。熱演です。熱いです。演奏することに意義がある。そんな一枚です。
NAXOS-8.570798
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲全集第5集
ファゴット協奏曲イ短調RV497
ファゴット協奏曲ハ長調RV473
ファゴット協奏曲ヘ長調RV491
ファゴット協奏曲ハ長調RV466
ファゴット協奏曲ハ長調RV469
ファゴット協奏曲ト短調RV496
タマーシュ・ベンコーチ(Fg)、
ベーラ・ドラホシュ(指)
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
イタリアにおける協奏曲の発展の中で、500もの作品を書いたヴィヴァルディ(1678-1741)。その中のおよそ39がファゴット向けに書かれています。聴き手には心地よいスリルをもたらすこれらの曲は、ソリストには優雅さと想像力と恐ろしいまでの超絶技巧を要求するのです。オーケストラの中のファゴットの音色は、まるで熱い鍋に香る柚子こしょうのような鋭いアクセントとなっています。
NAXOS-8.570799
ベック:交響曲集Op.3
交響曲ヘ長調Op.3-1(Callen13)
交響曲変ロ長調Op.3-2(Callen14)
交響曲ト短調Op.3-3(Callen15)
交響曲変ホ長調Op.3-4(Callen16)
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
マンハイム楽派の一人、フランツ・イグナツ・ベック(1734-1809)の交響曲集です。彼は父親から音楽の手ほどきを受け、様々な楽器を習得し、シュターミッツの弟子としてマンハイムの宮廷楽団の奏者となります。彼の才能があまりにも素晴らしかったのでしょう。同業者からいわれのない嫉妬と中傷を受け(例えば、決闘の相手が死んでしまったなど)、結局のところ、彼はマンハイムを離れヴェネツィアに移住することになります。そこから先も波乱の人生を送った彼の作品は、その生涯に似て、とても劇的で大胆さを備えています。大胆な和声進行、柔軟なリズム、これらが溶け合い絶妙な効果を持つこれらの作品。もっと聴きたい方は「6つの交響曲Op.1」(NAXOS-8.554071)もどうぞ。

NAXOS-8.570800
バッジーニ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
キャラブレーゼOp.34-6
3つの叙情小品集Op.41(夜想曲/スケルツォ/子守歌)
アラスの鐘Op.36
2つのサロン風小品集Op.12(出発/帰還)
2つの大練習曲集Op.49
3つのソナタ形式の小品集Op.44
悪魔のロンドOp.25
クロエ・ハンスリップ(Vn)、
カスパール・フランツ(P)
1818年にブレーシアに生まれたバッジーニ(1818-1897)は、ヴァイオリンの名手として名を馳せましたが、どうしても偉大なるパガニーニの影に隠れてしまい、とうとう後世に名が残ることがありませんでした。長年演奏旅行に飛び回っていましたが、結局イタリア戻って、ミラノ音楽院の最初の教授となりマスカーニとプッチーニを指導しました。彼の作品のほとんどはサロン風の小品ですが、これら曲たちの何と味わい深いことでしょう。最近めきめきと頭角を現してきたクロエ・ハンスリップの演奏でお楽しみください。
NAXOS-8.570822
カバレフスキー:ピアノ・ソナタ全集
ソナタ第1番ヘ長調Op.6、
ソナタ第2番変ホ長調Op.45、
ソナタ第3番ヘ長調Op.46、
ソナチネハ長調Op.13-1、
ソナチネト短調Op.13-2
アレクサンダー・ドッシン(P)
組曲「道化師」の軽快な音楽でおなじみカバレフスキー(1904-1987)は、とりわけ子どもや若い人向けの作品を多く作曲し、芸術の大衆化を図ったことでも知られます。彼のピアノ・ソナタとソナチネは、概ね経歴の初めの頃に書かれたもので、それほど革新的な形式や個性的な和声を有している訳でもないのですが、名ピアニスト、ホロヴィッツやモイセイヴィチらに愛奏されたこともあり隠れた人気を誇っています。とりわけソナタの第3番は現在でも広く愛されています。要求される技巧はそれほどでもないのですが、極めて演奏効果の高い曲でもあります。
NAXOS-8.570824
クレスウェル:声の内部で
声の内部で/アラス!ハウ・スイフト
カサンドラの歌/カエア
マドレーヌ・ピラード(Ms)
ヴェサ=マッティ・レッパネン(Vn)
マイケル・カーガン(Tp)
デヴィッド・ブレムナー(トロンボーン)
ジェイムス・ジャッド(指)ニュージーランドSO
ニュージーランド、エディンバラ生まれのクレスウェル(1944-)は管弦楽曲から教会音楽まで、幅広い作品を書くことで広く注目されています。この「声の内部で」はソプラノとヴァイオリンそして管弦楽との刻一刻を移り変わる関係を音で描いた作品。注意深く聴くことで、その繊細な世界が見て取れる曲です。「私の声、あなたの声」のリフレインが強く心に残ります。カサンドラの歌は、スコットランドの詩人ロン・バトリンの詩を用いた歌曲集です。「カエア」はマオリ族の木製トランペットの名前。戦いの時に敵を恐れさせ、かつ戦士たちの士気を上げるために用いられる楽器です。曲名の通り心が浮き立つ音楽です。
NAXOS-8.570825
メンデルスゾーン=ヘンゼル:ピアノ作品集
アレグロ・モルトハ短調/小夜想曲ト短調
ピアノ・ソナタハ短調/歌 変ホ長調
ピアノ・ソナタト短調/アダージョ変ホ長調
アンダンテ・コン・モートホ長調
ソナタあるいはカプリッチョ
アレグロ・モルト・アジタートニ短調/これで終わり
ヒーザー・シュミット(P)
長い間、音楽史では弟の栄光のみが語られ、その脚注にひっそりと記されるばかりであった姉、ファニー・メンデルスゾーン(1805-1847)のピアノ作品集です。先にリリースされた歌曲集(8.570981)で、その才能の片鱗に触れた方も多いことでしょう。彼女は42年の生涯の内におよそ500もの作品を残し、弟フェリックスにも多大な影響を与えたにも関わらず、ただ女性というだけで、その作品はずっと軽んじられてきてしまいました。まずは先入観を一切捨てて、この雄弁な音楽に耳を傾けてください。本人は自分の作品を「主婦の片手間として扱ってほしい」と望んでいたといいますが、その言葉の奥底には溢れるほどの才能を持てあます天才の姿が見てとれるはずです。とりわけ短調の曲には、悲痛さと激情が溢れていて、まるでベートーヴェンの
NAXOS-8.570826
ドルネル:6つの組曲
組曲ホ短調、組曲イ長調、
組曲ニ長調、組曲イ短調、
組曲ト長調、組曲ホ短調
ムジカ・バロッカ、
リセテ・ダ・シルバ(ヴォイスフルート)、
マリア・マルティネス(ヴォイスフルート)、
マウリチオ・ブラリア(テオルボ)、
ニコラス・ストリングフェロー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ファン・エステベス(ハープシコード)
フランスの作曲家ドルネル(1680-1765)は、パリのいくつかの教会のオルガニストを務め、またクラヴサン奏者としても活躍したのですが、その生涯についてはあまり詳しく知られていません。しかしここに収録されたロココ様式の組曲は、どれもがしっとり潤いに満ちた音色と麗しいメロディに満たされたもの。作曲者の技量が透けてみえるような曲ばかりです。
NAXOS-8.570827
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.78(C.エルデーイによるヴィオラ編)
ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調Op.120-1
ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調Op.120-2
ロベルト・ディアス(Va)、ジェレミー・デンク(P)
もともと渋い作品を書いていたブラームス(1833-1897)ですが、晩年になってその傾向は一層強まりました。ここに収録されたヴィオラ・ソナタは1894年に作曲されたもので、彼による最後のソナタ形式の作品でもあります。その少し前から創作意欲が衰えてしまっていたブラームス、一度は作曲活動を断念するのですが、1891年に名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトと知り合い、彼の演奏に感銘を受けたことで、また「作曲するぞ」という気持ちが芽生えます。これによって生まれたのがクラリネット三重奏曲op.114とクラリネット五重奏曲op.115、そしてクラリネット・ソナタop.120でした。1895年1月7日にウィーンでミュールフェルトのクラリネットとブラームス自身のピアノによって行われ、その直後に、このアルバムに収録されたヴィオラ版として作曲家自身の手で編曲が行われました。まるで秋の高く澄みきった空を思わせる深い曲調が今でも広く愛されている名曲です。ヴァイオリン・ソナタ第1番の編曲版は、ハンガリーの奏者エルデーイの編曲によるものです。移調されているせいか、原曲の持つ落ち着いた美しさが一層強調されています。
NAXOS-8.570828
フランツ・シュミット:交響曲第1番&ノートルダムより
交響曲第1番ホ長調
歌劇「ノートルダム」第1幕の管弦楽曲
ヴァシリー・シナイスキー(指)マルメSO
ウィーン音楽院でブルックナーに学んだフランツ・シュミット(1874-1939)(シェーンベルクと同じ年生まれ)は、晩年にこそ思索的な音楽を書いたとはいえ、終生ロマン派への憧憬を隠すことはありませんでした。ここで聴ける第1番の交響曲の何と美しいこと!「洗練されたブルックナー、喜び溢れるブラームス」と言った感じでしょうか。歌劇「ノートルダム」はユーゴーの小説に基づいた作品で、ノートルダム広場のせむし男の悲劇を描いています。
NAXOS-8.570829
ブロッホ:ヴィオラと管弦楽のための組曲他
バール・シャム(シャオ・ホンメイによるヴィオラと管弦楽編)(1923/2005)
ヴィオラと管弦楽のための組曲(1919)
ヘブライ組曲(1951
シャオ・ホンメイ(Va)
マリウシュ・スモリー(指)
MAVブダペストSO

録音:ブダペストハンガリー放送2010年9月17-18日、2011年11月22-23日
ブロッホ(1880-1959)の「バール・シェム」は、彼の「ユダヤの魂」を象徴するような作品であり、18世紀に開始された「敬虔主義運動・・・ハシディズム」の創始者バアル・シェム・トーブに着想を得た曲です。本来は1923年、ヴァイオリンとピアノのために書かれ、その16年後にヴァイオリンと管弦楽のために編曲されました。このアルバムでは、それを更にヴィオラのためにとヴィオラ奏者ホンメイ自身が移し替え、類稀れなる美音で聴かせます。調性は変更されていないので、演奏自体はかなりの困難を極めるものと想像されますが、ひたすた落ち着いた音色が美しく、また時には夢心地にと、この作品の新しい魅力をみせてくれています。また「ヘブライ組曲」、「ヴィオラと管弦楽のための組曲」のどちらも、やはりユダヤ的な題材を扱ったものであり、まさにブロッホの心の歌と言えるものです。
NAXOS-8.570831(2CD)
ビゼー:独奏ピアノのための作品全集
夜想曲ヘ長調/演奏会用大ワルツ変ホ長調/3つの音楽スケッチ<トルコ風ロンド/セレナード/奇想曲>
夜想曲ニ長調/演奏会用半音階的変奏曲
ワルツハ長調/4つの前奏曲
風変りなカプリス第1番嬰ハ短調
風変りなカプリス第2番ハ長調/華麗な主題
アルルの女第1組曲(ピアノ版)<前奏曲/メヌエット/アダジェット/カリヨン>
ラインの歌<暁/出発/夢想/ジプシー女/ないしょ話/帰還>
家族の店<瞑想曲/無言歌/カジルダ>
ヴェニス/無言歌ハ長調/海
幻想的な狩り
アルルの女第2組曲(ピアノ版)<パストラール/間奏曲/メヌエット/ファランドール>
ジュリア・セブルス(P)
ビゼー(1838-1875)の独奏ピアノのための作品を全て集めたアルバムです。これらは「ラインの歌」以外はほとんど耳にする機会がなく、なかでも「アルルの女」組曲の作曲家自身によるピアノ版の存在は、今までほとんど知られていませんでした。優れたピアニストであったビゼーの手になる作品はとても抒情的かつ技巧的なもので、美しい「夜想曲」から劇的な「演奏会用半音階的変奏曲」まで、さまざまなキャラクター・ピースを楽しむことができるでしょう。ここでピアノを演奏するセブルスは、オーロラ・デュオのメンバーで、チャイコフスキー(NAXOS-8.570418)とバラキレフ&グラズノフ(NAXOS-8.557717)のアルバムで見事な演奏を聞かせてくれている人です。
NAXOS-8.570833
ドホナーニ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ短調Op.2
ヴァイオリン協奏曲第2番ハ短調Op.43
ミヒャエル・ルートヴィヒ(Vn)、
ジョアン・ファレッタ(指)ロイヤル・スコティッシュO
クストフ・フォン・ドホナーニの父であるエルノ・フォン・ドホナーニは2つの交響曲、2つのピアノ協奏曲、2つのヴァイオリン協奏曲などを作曲、しかしその曲のほとんどは不当に忘れられてしまいました。あまり聴く機会のないヴァイオリン協奏曲第1番は紛れもなく後期ロマン派の音楽で、その情緒たっぷりの旋律美はコルンゴルトの名曲にも匹敵するかも知れません。第2番の協奏曲は管弦楽にはヴァイオリン・パートがありません。
NAXOS-8.570838
シューベルト:ドイツ語歌曲集第29集
彼女が顔を赤らめるのを見たときD.153
ミノーナD.152/うずらのさえずりD.742
指物師の歌D.274
アーデルヴォルトとエンマD.211
朝の歌D.381/夕べの歌D.382
なぐさめD.523/父親殺しD.10
フェルディナント・フォン・ボスマー(T)、
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シューベルト(1797-1828)歌曲集、今回のアルバムはあまり耳にすることのない作品が目白押しです。中でも注目したいのは、「アーデルヴォルトとエンマ」でしょう。この608小節からなる長大なバラードに関しては、「あまりにも説明的で長すぎる」という意見も出てきそうですが、至るところに散りばめられた劇的な表現と美しい対話は、やはり一聴に値するものでしょう。端正な歌い口が魅力的なテノール、ボスマーの品の良い歌唱が魅力的です。
NAXOS-8.570840
シュポア:コンチェルタンテ他
コンチェルタンテ第1番イ長調Op.48
コンチェルタンテ第2番ロ短調Op.88
ヴァイオリン二重奏曲ト長調Op.3-3
ヘニング・クラッゲルード(Vn)
オイヴィンド・ビョーラ(Vn)
オスロ・カメラータ
ステファン・バラット=ドゥーエ(指)バラット=ドゥーエCO
複数のソリストが活躍する「コンチェルタンテ」は、バロック時代にはよく作曲されたものの、ロマン派の時代になるとほとんど書かれることはありませんでした。ソリストはたった一人で大オーケストラに立ち向かい、眩いばかりの技巧を誇示するのが当たり前となったからです。そんな中でシュポア(1784-1859)は積極的に優れたコンチェルタンテを作曲し、ソリストたちの親密な対話を促したのです。当時の音楽界では、彼のメロディは上品過ぎて発展性がない。と揶揄されたということですが、例えばこのコンチェルタンテの第1番の冒頭での長調と短調が目まぐるしく交錯し、すばらしいハーモニーを作り上げていく場面などを目の当たりにするとベルリオーズやチャイコフスキーの音楽と比べても何の遜色もないと言ってしまっても良いほどではないでしょうか。演奏するのは、シベリウスやシンディングで優れた解釈を聴かせる名手クラッゲルードと、同じく北欧の名手で現ノルウェー国立オペラ管弦楽団コンサートマスター、オイヴィンド・ビョーラです。目を見張るばかりの美音が炸裂します。
NAXOS-8.570871
(2CD)
グリーグ:ペール・ギュント(全曲版)、他
ペール・ギュント
南の修道院にてOp.20
ベルグリョートOp.42
ハンス・ヤコブ・サンド、
アン・マリト・ヤコブセ、
イサ・カタリナ・ゲリッケ他、
ビヤルテ・エンゲセト(指)マルメSO
あの有名な「朝」で始まるのは、ペール・ギュント組曲でして、この全曲盤は「朝」に行き着くまでに様々な物語を経なくてはいけません。山あり谷あり、とにかく楽しい物語を始めから楽しんでください。
NAXOS-8.570873
ピラティ:管弦楽ための協奏曲他
オーケストラのための協奏曲ハ長調、管弦楽のための3つの小品、
弦楽とピアノのための組曲、
ゆりかごにて
トマス・ネメック(P)、
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO
MARCOPOLO8.225156より移行盤。1903年にナポリで生まれたピラティ(1903-1938)は、シェルシやダッラピッコラ、ペトラッシ、リエーティらと同世代に属する作曲家です。レスピーギやカセッラ、トスカニーニとも親交があり、35年の短い生涯を終えるまでに多数の作品を残しました。死後しばらく忘れられていましたが、最近再評価が進んでいます。作風はあくまでも穏やかで古典的。まるで映画音楽のように華やかな部分も持ち合わせています。
NAXOS-8.570874
ピッツェッティ:ピアノ協奏曲「真夏の歌」
「フェドーラ」前奏曲
ピアノ協奏曲「真夏の歌」
映画「炎の交響曲」〜カリビーア
スザンナ・ステファーニ・カエターニ(P)
ボリス・スタツェンコ(Br)
ケムニッツ州立歌劇場cho
オレグ・カエターニ(指)ロベルト・シューマンPO
MARCOPOLO8.225058より移行盤。このむせかえるようなロマンティックな音楽を多くの人に聴いていただけるのは、なんという大きな喜びなのでしょう!ピッツェッティが幸せの絶頂期にあった時に書かれたピアノ協奏曲「真夏の歌」は(残念ながらこの演奏には含まれていませんが)、イタリアの名ピアニスト、ベネデッティ・ミケランジェリのために作曲家自身がカデンツァを書いたことでも知られています。そしてダヌンツィオの悲劇「フェドーラ」による歌劇の情熱的な前奏曲と無声映画「炎の交響曲」のために書かれたカリビーアも聴きごたえのある名曲です。
NAXOS-8.570877
ガローファロ:ヴァイオリン協奏曲
ロマンティック交響曲
セルゲイ・スタドラー(Vn)
ジョエル・スピーゲルマン(指)新モスクワSO

※MARCO POLO8.225183移行盤
マリピエーロやカセッラ、ピッツェッティと同じ時期に生まれたイタリアの作曲家ガローファロ(1886-1962)の作品です。若き頃は神童ともてはやされ、多くのオルガン作品や宗教曲を作曲した人ですが、あまり表だった活動をしなかったため、すっかり忘れ去られてしまったという良くあるパターン。そんな作曲家を忘却の彼方から掬いあげたのがアメリカの作曲家=指揮者、スピーゲルマンだったのです。彼は1994年のモスクワ公演でこの作曲家の「ロマンティック交響曲」を演奏。聴衆から大絶賛されたのでした。ずっとMARCOPOLOレーベルで安定した人気を誇っていた魅力的なアルバムですが、この度NAXOSに再登場。確かに一度聴いたら忘れられなくなるほどの佳作です。
NAXOS-8.570875
ピッツェッティ:ピアノ三重奏曲&ヴァイオリン・ソナタ他
ピアノ三重奏曲イ長調/
4-6.ヴァイオリン・ソナタイ長調/
7-9.ヴァイオリンとピアノのための「3つの歌」
レイラ・ラショーニ(Vn)
ラースロー・フェニェー(Vc)
アルパスラン・エルチュンゲアルプ(P)
1921年にロンドンで刊行された「ミュージカル・タイムズ」誌上で「今日の最も偉大なるイタリアの作曲家」として紹介されたのは当時41歳のピッツェッティ(1880-1968)でした。とは言うものの、この時にはまだプッチーニは存命であり、音楽界で超大な影響力を誇っていたため、ピッツェッティの存在に目を留める人などほとんどおらず、彼がメジャーな作曲家となるにはまだまだ年月を要することでしょう。このアルバムに収められたヴァイオリン・ソナタはそんな絶賛を浴びる少し前に書かれたもので、戦争時の暗い不安を感じさせながらも、セザール・フランクのヴァイオリン・ソナタとの共通性を感じさせる力強く輝かしい作品です。1925年に書かれたピアノ三重奏も同じ傾向を持つ曲で、なかなか親しみ易い楽想に満ちた美しい作品です。「3つの歌」は彼の娘、マリア・テレサに捧げられた比較的簡素な小品。ほっとするような静けさに満ちています。
NAXOS-8.570876
ピツェッティ:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲 第1番 イ長調(1906)
弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調(1932-33)
ライタSQ
<メンバー:レイラ・ラーソニー(第1ヴァイオリン)/ジェルジ・アルベルト(第2ヴァイオリン)/ラーシュロー・コロフヴァリ(Va)/ラーシュロー・フェンイェー(Vc)>
まるでドヴォルザーク?と聴きながらジャケットを見直してしまいそうな、第1番の弦楽四重奏曲。これを書いたのは、マリピエーロ、カセッラ、レスピーギと同世代のイタリアの作曲家ピツェッティ(1880-1968)です。彼はどちらかというと先進的な和声には嫌悪感を抱いていたようで、初期バロックやルネサンス音楽への回帰を目指していましたが、とはいうものの、抒情的な旋律を用い、和声も半音階的だったりと、かなり時代の風潮には忠実だったようです。さわやか香りを持つ前述の第1番に比べ、その約26年後に書かれた第2番は、明らかに後期ロマン派風の成熟した濃厚な音楽であり、ゆったりとした第1楽章では、おなじみのBACHの名前も音として引用されています。神秘的な音の流れは、そのまま第2楽章へと続き、見事な構造を持つスケルツォを経て、激しい終楽章へとなだれ込むのです。まさに「音のドラマ」です。
NAXOS-8.570878
マリピエーロ:交響曲集第1集
シンフォニア「海」、
交響曲第3番「鐘による」、
交響曲第4番「イン・メモリアル」
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO
MARCO POLOレーベルにて好評を博していたマリピエーロ(1883-1973)の交響曲集がついにNAXOSレーベルに移行しました。このアルバムは曲への興味もさることながら、アルメイダとモスクワ交響楽団の端正な演奏にもファンの多い1枚です。レスピーギに比べると「もっと人気があってもいいかな」と思えるマリピエーロ。この機会にぜひコレクションに加えてみませんか?
NAXOS-8.570879
マリピエロ:交響曲集第2集
静寂と死の交響曲
交響曲第1番「四季の如く4つのテンポで」
交響曲第2番「悲歌」
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO
同時代に活躍したレスピーギに比べると、どうしても知名度の点で劣ってしまうのですが、独自の作品を書いたという面では、このマリピエロ(1883-1973)の存在価値はとても高いものだと思われます。ここに収録された3つの作品のうち第1曲目は初期のもの。30歳のころに新古典派に目覚めた彼はそれまでに書いた作品を全て自己否定してしまった中の一つです。実はとても素晴らしいのですが・・・。それから20年を経て、番号付きの作品を書き始めた彼の作風の変化もお楽しみいただけます。
※MARCO POLO8.223603〜移行盤
NAXOS-8.570881
マリピエロ:交響曲集第4集
交響曲第7番「カンツォーネ風」
1つのテンポによる交響曲
シンフォニア・ペル・アンティジェニーダ
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO

※8.223604MARCOPOLOより移行盤
イタリアの近代作曲家、マリピエロ(1883-1973)は番号なしの作品も含めると、全部で17曲もの交響曲を書いています。ここに収録された第7番を書いたあと、彼は少しの間番号なしの「シンフォニア」を書くことで自身の思いを整理したと言われていますが、この第7番も随分変わった佇まいの印象的な作品で、とりわけ重厚な第2楽章はレスピーギ好きにも一度は聴いていただきたいところです。シンフォニア・ペル・アンティジェニーダとは古代のテーベのpiffero吹き(木製のピッコロ)のシンフォニアの意味。複雑な構成の曲ですが、タイトル通りに笛が自由自在に歌うところが聴きものです。
NAXOS-8.570882
マリピエロ:交響曲集第5集
黄道十二宮の交響曲(1951)
交響曲第9番「悲嘆について」
交響曲第10番「アトロポス」
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO

※MALCO POLO、NAXOS-8.223697より移行盤
MARCO POLOの人気シリーズであった、マリピエロ(1883-1973)の交響曲シリーズの掉尾を飾るアルバムとしてリリースされた1枚です。1993年の録音ですが、演奏、録音ともに申し分ありません。イタリアの新古典派の作曲家マリピエロは、生涯に番号の付いた交響曲を11曲書きましたが、その他に初期に3曲と、中期に3曲の「番号なし」の交響曲も書いています。この「黄道十二宮の交響曲」は1951年に書かれたもので、12の部分からなる曲は、四季の移り替わる気分を描き出すことに成功しています。この当時の彼は「交響曲」という言葉自体に嫌悪感を抱いていたようで、その気持ちは1964年に第8番が書かれるまで払拭されなかったようです。その次に書かれた第9番溌剌とした気分がトランペットに中断される部分はまるでオネゲル。そして第10番はヘルマン・シェルヘンに絶賛された作品で、ギリシア神話に登場する女神にちなんで命名されたものです。
NAXOS-8.570883
マリピエロ:「ゴルドーニの3つの喜劇」からの交響的断章
1幕のバレエ「ストラディヴァリオ」
管弦楽のための「チマロジアーナ」
管弦楽のための「ガブリエリアーナ」
:トーマス・メイジャー(Vn)…4/スイス・イタリア語放送管弦楽団/クリスティアン・ベンダ(指)

※MARCO POLO8.225118より移行盤
マリピエロ(1883-1973)は既に知られている通り、音楽学者としての顔と、作曲家としての顔。その2つをうまく使い分けていたようです。このアルバムに収録されているのはオリジナル作品が2つと、編曲作品が2つで、彼の個性の両面を味わえます。ヴェネツィア共和国の劇作家ゴルドーニの喜劇のために書いた3つの断章と、バレエ「ストラディヴァリオ」ではモダンな響きが楽しめ、「チマロージアーナ」と「ガブリエーリアーナ」では清々しい原曲に絡みつく色彩豊かな管弦楽の響きを堪能できます。彼は作曲家として、ほとんど独学でスタイルを確立できたのは、モンテヴェルディとヴィヴァルディの音楽を徹底的に研究したという成果があるのでしょう。
NAXOS-8.570888
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタハ長調Op.1-2
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.1-3
ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.1-1
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.1-4
エイドリアン・バターフィールド(バロックVn)
アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
ヴァイオリンの奏法はその大部分がイタリアで発展しましたが、バロックの時代、フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の始祖とされるのがこのルクレールです。なかなか激しい気性の持ち主であったそうで、何者かに惨殺されるという悲惨な最期を遂げた人ですが、その作品も優雅で上品な音作りの反面、複雑なポリフォニーを駆使した超絶技巧が混じっていたりと中々侮れません。この曲集は彼の初期の作品で、多くの技術的挑戦とユーモアに満ちた華麗な曲集です。ハノーヴァー・バンドやエイジ・オブ・エンライントメントなどで活躍した名手たちによる納得のアンサンブルでお聴きください。
NAXOS-8.570889
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタOp.1
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.1-5
ヴァイオリン・ソナタホ短調Op.1-6
ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.1-7
ヴァイオリン・ソナタト長調Op.1-8
エイドリアン・バターフィールド(バロックVn)/アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/ローレンス・カミングス(ハープシコード)
コレルリの開拓したヴァイオリン・ソナタの形式をフランスで更に発展させたルクレール(1697-1764)の作品は、当時の例に漏れることなく通奏低音のパートなどはかなり自由に書かれていて、どのように演奏するかは奏者の判断と技術に委ねられています。既に発売済みの第1集(NAXOS-8.570888)でその才能の片鱗を見せつけてくれたヴァイオリニストのバターフィールドとマクギリ、ヴレイカミングスの3人はこのすこぶる単純なスコアから無限の可能性を引き出し、素晴らしい音の饗宴として披露してくれます。即興演奏が当たり前だった時代の音楽は何と伸び伸びと楽しいものなのでしょう。次作も期待しています。
NAXOS-8.570890
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.1-11
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.1-10
ヴァイオリン・ソナタロ短調Op.1-12
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.1-9
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)
アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
第1番から第8番まで聴いてきて、これらの作品の虜になってしまった人も多いのではないでしょうか?形式に縛られた古典派の作品や、感情移入たっぷりになりがちなロマン派の作品、はたまた聴き手の感性までをも必要とする現代の作品に比べると、ルクレール(1697-1764)の時代の作品を演奏する時には、いかに奏者たちが楽しんでいるかがよくわかるのです。装飾音も伴奏も本筋を逸脱しなければOK。しかし、それは却って演奏家たちのセンスが試されているとも言えますね。この9番から12番のソナタも変幻自在の楽想を持ち、遅い楽章と早い楽章は目を見張るほどの対比が与えられており、その効果はまさに目を見張るものがあります。第1集(8.570888)と第2集(8.570889)を未聴の方はお早目に。
NAXOS-8.570891
ブゾーニ:ピアノ作品集第5集
バッハ(ブゾーニ編):前奏曲とフーガ変ホ長調BWV.552「聖アンナのフーガ」、
ブゾーニ
:6つの練習曲Op.16、6つの小品Op.33b、
 ショパンのハ短調前奏曲による10の変奏曲Op.22(1922年改編版)
ヴォルフ・ハーデン(P)
イタリア生まれとはいえ、母方がドイツ系であったり、生涯ほとんどドイツで過ごしたせいもあったりでブゾーニ(1866-1924)の音楽に横溢するのは紛れもなくドイツの精神です。とりわけバッハの音楽への傾倒が知られ、オルガン曲の編曲のような直截的なものから、明らかに影響を受けたと思われる対位法を駆使した作品まで数多くのバッハの残り香が感じられる曲を残しています。このアルバムでは、ブゾーニらしいバッハの編曲物と、ショパンの前奏曲による変奏曲、そしてオリジナルの曲を楽しむことができます。ブゾーニらしい多彩な表現をお楽しみいただけます。
NAXOS-8.570892
ロビン:オルガン作品集
空に目を向けよ(初稿)(2001)
環の反射(2007-2008)<環の踊り/環の風/ハイフン1/環の反射/ハイフン2/環の調べ/遠くの環>
3つの夢の元素(2004)<第1番「口絵」/第2番「脹らむもの」/第3番「ミステリー」>
空に目を向けよ(第2稿)
ジャン=バティスト・ロビン(Org)
※サン・ルイ・アン・リル教会のオルガン/サン・テティエンヌ・デュ・モン教会のオルガン>
1976年生まれの若きオルガニスト、ロビン(1976-)の作品集です。演奏家としての彼の腕前はクープランの「教区のためのミサ曲」(8.557741-42)で伺い知ることができますが、作曲家としての才能に触れる事はまた違った驚きに満ちています。彼の作品は強さと詩的な情感を兼ね備えていて、オルガンの性能を知り尽くした者にしか書き得ない新しい音の構造を伴っています。2台のオルガンの音色比べも楽しい「空に目を向けよ」での力強い音のアラベスクや、カンザス大学の委嘱作である「環の反射(リフレティング・サークル)」での飽くなき音色への追求に耳をすますと、彼がどんなものをオルガンの音色で描きたいのかが理解できるでしょう。また終始ミステリアスな雰囲気の漂う「3つの夢の元素」は従来のオルガンのイメージを覆すほどの斬新な作品です。
NAXOS-8.570893
サラサーテ:ヴァイオリンとピアノのための作品集第3集
ボレロOp.30
ソルチコ・ドゥルパラギーレOp.39
アンダルーサのセレナーデOp.10
さようなら、わが山々よ-スペイン舞曲Op.37
眠りOp.11/6.夢Op.4
序奏とファンダンゴOp.40
幻想曲-カプリース
子守歌と祈りOp.17/信頼Op.7
グノーの「ミレイユ」によるカプリースOp.6
スコットランドの歌Op.34
チリの鳥たち/14.別れOp.9
楊天堝(Vn)
マルクス・ハドゥッラ(P)
ヴァイオリンの名手で、超絶的な技巧を駆使した華やかな作品を数多く書いたサラサーテ。しかし、彼の作品をまとめて聴いてみようとすると、実はあまり録音が多くないことに気が付きます。そんなサラサーテの作品に光を当てたのがこのシリーズです。この第3集には、最近出版されたばかりの「チリの鳥たち」(トラック13)も収録。この曲はサラサーテが1871年に南米ツアーを行った時に作曲したもので、高い声で鳴き交わす極彩色の南国の鳥たちが見事に描かれています。思わず窓を開けて、空を見上げたくなるような楽しい曲です。ヴァイオリンを演奏するのはおなじみの楊天堝。現代最高の「サラサーテ弾き」の彼女の美音を心行くまでお楽しみください。全てのヴァイオリン好きに贈る極上の1枚です。
NAXOS-8.570894
スウェーリンク:ハープシコード作品集
前奏曲(幻想曲)SwWV265/「戦いの神マルス」による変奏曲SwWV321/ドリア旋法による半音階的幻想曲SwWV258/フィリッピのパヴァーヌSwWV329(フィリップス作、スウェーリンク編)/「わが青春の日は既に過ぎたり」による変奏曲SwWV324/ドリア旋法によるトッカータSwWV286/「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」による変奏曲SwWV299/イオニア旋法によるエコー・ファンタジーSwWV253/「もしも運命の女神に愛されるなら」による変奏曲/パッサメッツォ・モデルノSwWV326/涙のパヴァーヌSwWV328(ダウランド作、スウェーリンク編)/いざ来れ異教徒の救い主よ(ルター作コラール、オジアンダーによる和声付け)/第1旋法による4声のファンタジア(作者不詳)
グレン・ウィルソン(ハープシコード)
ネーデルランドのオルガニストであったスウェーリンク(1562-1621)は、様々な素晴らしいオルガンとハープシコードの作品を残しました。変奏曲の形式の発展に力を尽くしたことで知られ、対位法の扱いはもちろんのこと、フーガの発展性などには、バッハを先取りする斬新な作風が見てとれます。3曲目に置かれた「半音階的幻想曲」の冒頭などを聴いていると、とても16〜17世紀に書かれた音楽とは思えないくらいです。多くの変奏曲も収録されていますが、そのどれもが美しい唐草模様に彩られたメロディの宝庫と言えましょう。最後に置かれた2曲の作品は、スウェーリンクの作ではありませんが、当時編纂された曲集に彼の作品とともに収録されているもので、恐らくスウェーリンクの創造心にも影響を与えているものと思われます。
NAXOS-8.570895
R.シュトラウス:家庭交響曲、他
家庭交響曲、メタモルフォーゼン
アントニ・ヴィト(指)
ワイマール・シュターツカペレ
自分のプライヴェートまでを音楽にするのか!と眉をひそめる人も多いかも知れません。この交響曲、確かに書き過ぎちゃっています。のんびり屋で夢見がちな夫(R.シュトラウス(1864-1949)自身と思われる)、快活でおしゃべりな妻(パウリーネでしょう)、かわいい子ども、彼らは全て音で表現され、諍いも睦みあいも全て克明に描かれています。特に第3楽章での濃厚な夫婦の愛の場面では頬が赤らんでしまうことでしょう。あまりにも情報量の多いスコアをきちんと再現するのは本当に困難なのか、あまり実演で取り上げられることもない難曲として知られています。対照的に置かれた悲痛なメタモルフォーゼンは戦争で破壊されたドイツを目の当たりにした晩年の彼の心情を映した作品です。ベートーヴェンの「英雄交響曲」の葬送行進曲をモティーフにした鎮魂歌で、バーバーのアダージョに匹敵する美しさです。
NAXOS-8.570896
R.シュトラウス:ピアノ三重奏曲第1番&第2番他
ピアノ三重奏曲第1番イ長調 AV37(1877)
ピアノ三重奏曲第2番ニ長調 AV53(1878)
セレナーデ ト長調 AV168(1882)
祝典行進曲 ニ長調 AV178(1886)
ピアノ四重奏のための2つの小品(1893)<アラビア風の踊り/小さい愛の歌>
コンチェルタンテ AV157(1875頃)
アメリア・ピアノ三重奏団
<相沢吏江子(P)/アンジー・クレストン(Vn)/イアソン・ダックレス(Vc)>
マックス・マンデル(Va)
破壊的な音響と、華美かつ複雑過ぎるオーケストレーション。そんな大げさな音楽で好き嫌いが分かれてしまうのがR・シュトラウス(1864-1949)です。しかしここに収録された10代から20代終わりにかけてかかれた優美な室内楽作品は、彼のイメージを一新するのに役立つことでしょう。これらの一連の音楽は、彼の父が敬愛していたモーツァルトやベートーヴェンをモデルとして書かれていて、とりわけ13歳の時に書かれた第1番のピアノ三重奏曲は、煌めく創造力と抒情性に満ちています。しかしそのまま大人しく年を重ねなかったのが彼のスゴイところ。1893年に書かれた“アラビア風の踊り”は、全くあの“7つのヴェールの踊り”を彷彿させるものですし、“小さい愛の歌”は込み入った三角関係を予感させてくれるのですから。
NAXOS-8.570897
モーツァルト:フリーメイソンのための音楽全集
カンタータ「汝、宇宙の魂に」K.429/アダージョヘ長調K.410/クラリネットとバセットホルンのためのアダージョ変ロ長調K.411/結社員の旅K.468/今日こそ共に、愛する兄弟よK.483/汝ら、われらの新しき指導者よK.484/フリーメイソンの喜びK.471/フリーメイソンのための葬送音楽K.477/カンタータ「無限なる宇宙の創り主を崇敬する汝らが」K.619/アダージョとフーガハ短調K.546/.ヨハネ分団の儀式のための讃歌K.148/フリーメイソンのための小カンタータ「われらが喜びを高らかに告げよ」
ユン=フーン・ヘオ(T)、
ロベルト・パーテルノストロ(指)
カッセル・シュポア室内O
フリーメイソンのためにモーツァルトが書いた作品を網羅したアルバムです。「秘密結社のための音楽な んて」と、なんとなくぞくぞくした雰囲気が漂いますが、音楽は極めて美しく、怪しさを求める人は肩透 かしを食らうこと間違いありません。自由、平等、博愛をモットーにした団体にふさわしい折り目正しい 曲ばかりです。ちなみに歌劇「魔笛」もフリーメイソンに関係があると言われていますが、なにしろ「秘 密」なので詳しいところはわかりません。

NAXOS-8.570925
ロージャ:ヴィオラ協奏曲他
ヴィオラ協奏曲Op.37
ハンガリー風セレナーデOp.25
ギラド・カルニ(Va)、
マリウス・スモリジ(指)ブダペストSO
55年にも渡るハリウッド映画との関係にあってもロージャ(1907-1995)の「ハンガリー精神」は全く消耗することはありませんでした。それはこの2作を聴けば全ての人が思うでしょう。ヴィオラ協奏曲は1979年に若きズッカーマンのために書かれた作品で、しなやかで収斂性のある楽想に満ちています。「ハンガリー風セレナーデ」は特徴的なメロディを持ち、伸びやかで生き生きとした音楽です。
NAXOS-8.570926
モーツァルト:荘厳ミサ曲ハ長調KC1.20
マイール:テ・デウムニ長調
モーツァルト:荘厳ミサ曲ハ長調KC1.20(偽作)
マイール:テ・デウムニ長調
プリスカ・エセル=シュトライト(S)
メリット・オスターマン(A)
アンドレアス・ヒルトライター(T)
イェルク・シュナイダー(T)
ロベルト・メルヴァルト(Bs)他
ジモン・マイールcho
フランツ・ハウク(Org)
フランツ・ハウク(指)
インゴルシュタット・グルジアCO
「荘厳ミサ曲ハ長調」…ジーモン・マイール(1763-1845)は1802年にこの曲を書き写した時に「モーツァルト作」と表紙に記しました。この作品が本当にヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)、あるいは彼の父親レオポルドの作品であるのかは永遠の謎になってしまいましたが、いずれにしても、この曲がマイールによって上演された時には聴衆から大絶賛を浴びたのです。一方、マイール自身による祝祭的なテ・デウムは、1805年のミラノ大聖堂で行われたナポレオンの戴冠式のために書かれたもので、マイールの伝記作家ジローラモ・カルビは、この曲を傑作と宣言したほどの魅力的な作品です。
NAXOS-8.570927
マイール:ベルガマスク協奏曲他
フルート,クラリネット,バセット・ホルン,ピッコロと管弦楽のための協奏曲ニ長調「ベルガマスク協奏曲」
ハープシコード協奏曲ハ長調
3つのヴァイオリンと管弦楽のためのトリオ・コンチェルタンテイ短調
ナタリー・シュウェイブ(フルート&ピッコロ)…1.4/アンドレア・スタインバーグ(クラリネット&バセット・ホルン)…2-4/アントニオ・スピラー(Vn)…8/イー・リー(Vn)…8/ダフィト・ファン・ダイク(Vn)…8/バイエルン・クラシカル・プレイヤーズ/フランツ・ハウク(チェンバロ…5-7&指揮)
ドイツ生まれながらも、イタリアで活躍。結局は「イタリア・オペラの父」とまで言われた作曲家シモーネ・マイール(1763-1845ドイツ語読みではジモン・マイヤー)。前述の通り、70曲ほどのオペラが知られてますが、他にも多くの管弦楽曲と器楽曲を書いています。このアルバムでは3つの協奏曲を聴くことができますが、中でも注目は4つの楽器のための協奏曲ニ長調でしょう。1820年頃に作曲されたこの曲は1978年にようやく出版され、その際に補筆を施したハインリッヒ・バウアーによって「ベルガマスク協奏曲」のタイトルをつけられたようです。ベートーヴェン、もしくはハイドンの影響が感じられますが、各々の楽器ののびやかな響きはとても気持ちのよいものであり、最終楽章での変奏曲のソロの扱いも見事です。エレガントなハープシコード協奏曲、輝かしい曲想を持つトリオ・コンチェルタンテも、オペラ作曲家ならではの歌い回しに陶然となることでしょう。
NAXOS-8.570928
アルファーノ:ヴァイオリン、チェロとピアノのためのコンチェルト他
ヴァイオリン,チェロとピアノのためのコンチェルト(1932)
チェロ・ソナタ(1925)
エルミラ・ダルヴァロヴァ(Vn)
サミュエル・マギル(Vc)、
スコット・ダン(P)
最近では、プッチーニの未完のオペラ「トゥーランドット」の補筆者としてのみ知られるアルファーノ(1875-1954)ですが、彼自身才能に溢れた作曲家でもありました。その作品のほとんどはオペラでしたが、ここで聴けるような大規模な室内楽も素晴らしい出来栄えを誇っています。「コンチェルト」と題されたピアノ三重奏曲には、バスク地方の民族音楽と、漂うような抒情性が相俟って、独自の美しい響きが醸し出されています。冒頭から恐ろしいほどの緊張感を漲らせたチェロ・ソナタはドビュッシーやラヴェルの影響も感じさせる流麗さも兼ね備えています。これらの曲の狂おしいほどの美しさには息が止まる思いがすることでしょう。
NAXOS-8.570929
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第1集
交響曲第1番ニ短調Op.75
ジーガOp.61-3(管弦楽編)
カンツォネッタOp.65-2(管弦楽編)
アンダンテOp.69-2(チェロと管弦楽編)
ノットゥルノOp.70-1(管弦楽編)
アンドレア・ノフェリーニ(Vc)、
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
名ピアニストで(指)者、そして19世紀後半の最も主要なイタリアの作曲家であるマルトゥッチ(1856-1909)は、当時の「オペラ万能主義」から脱却を試みた最初の一人です。(指)者としての彼は、「トリスタンとイゾルデ」のイタリア初演を(指)しているのですが、作曲家としての彼はあえてオペラを作曲することはせず、純粋器楽音楽の復興を目指し、交響曲や協奏曲、室内楽曲を数多く作曲しました。この交響曲第1番は、ちょっと聴くとまるでブラームスのような、分厚い響きと熱いうねりを帯びた大作です。まるで歌曲のような4曲の小品がまた絶品です。
NAXOS-8.570930
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第2集
交響曲第2番ヘ長調Op.81、
題と変奏Op.58(ピアノと管弦楽編曲版)、
ガヴォットOp.55-2(管弦楽編曲版)、
タランテッラOp.44-6(管弦楽編曲版)
リア・デ・バルベリース(P)、
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
ベルカントから純音楽へ・・・「オペラではないイタリア音楽の再生」を図ったマルトゥッチ(1856-1909)。彼の最高傑作の一つ、交響曲第2番です。この曲は1904年に完成されたブラームスとシューマンへの思い入れを感じさせる堂々たる大曲です。当時「演奏反対運動」が巻き起こったにも拘らずマルトゥッチは各地で初演を断行、以降はこの曲を愛したトスカニーニによって演奏が引き継がれたという曲、交響曲としての完成された形と、メロディ、語法全てがバランス良く集積された聴き応えのあるものになっています。
NAXOS-8.570931
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第3集
ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.40
追憶の歌(管弦楽伴奏版)
ジュズアルド・コッジ(P)
シルヴィア・パジーニ(Ms)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
その生涯に1曲もオペラを書くことがなく、初期に書いたミサ曲なども長らく上演されなかったマルトゥッチ(1856-1909)の唯一愛されている声楽曲が、この「追憶の歌」です。当時のイタリアでは管弦楽伴奏の連作歌曲というものの存在が知られておらず(彼は恐らくベルリオーズの「夏の夜」は知っていたと思われますが)その面でもきわめて珍しい作品として評価されることでしょう。曲の雰囲気は「四つの最後の歌」にも似た甘やかでデリケートなもの。幽かに胸が締め付けられるような黄昏の美しさを存分に湛えています。ピアノ協奏曲は23歳の若き時期の作品です。
NAXOS-8.570932
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第4集
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.66
楽興の時とメヌエット(弦楽オーケストラ編)
ノヴェレッタOp.82-2(管弦楽編)
セレナータOp.57-2(管弦楽編)
東洋の色彩Op.44-3(管弦楽編)
ジェズアルド・コッギ(P)
フランチェスコ・ダ・ヴェッキア(指)
ローマSO
ピアノ協奏曲は、あのマーラーが生前最後にカーネギー・ホールで行った演奏会のプログラムに含まれていたことで知られています。当時、すでに体調が悪化していたであろう彼にとっては、この大曲を指揮するのはかなり大変だったのではないでしょうか?第1楽章は演奏時間こそ20分と長いものの、次々と現われては消えていく雄大で美しいメロディを追うだけでも楽しいですし、それに続く夢のように美しい第2楽章ラルゲットと、華やかで息詰まるようなオケとピアノの対決が楽しめる第3楽章も聴きどころ満載です。後期ロマン派の最後の輝きを存分にお楽しみください。余白に収められた小品も、これまた味わい深くて何だか得した気分です。
NAXOS-8.570933
ロッシーニ:序曲全集第1集
歌劇「泥棒かささぎ」序曲
歌劇「セミラーミデ」序曲
歌劇「イギリスの女王エリザベス」序曲(歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲)
歌劇「オテッロ」序曲
歌劇「コリントの包囲」序曲
シンフォニアニ長調「コンヴェンテッロ」
歌劇「エルミオーネ」序曲*
プラハ・フィルハーモニックCho*
クリスティアン・ベンダ(指)
プラハ・シンフォニアO

録音:2011年9月5-6日チェコプラハ
NAXOSの膨大なレパートリーの中にありそうでなかったのが、ロッシーニ歌劇の序曲全集です。もちろん有名曲を一通りつまんだアルバム(NAXOS-8.550236)など、一部の曲は楽しめたのですが、折角ならば全曲を聴いてみたいと熱望するファンの声に応えて、この度4枚からなる全集を企画、その第1集となるのがこちらというわけです。さて、冒頭から聴いてみてください。抜けの良い録音と闊達なるベンダの指揮は、耳をわくわくさせること間違いなし。第3曲目はタイトルこそ「イギリスの女王エリザベス」ですが、使い回しの多いロッシーニのこと、今では「セビリアの理髪師」の序曲として知られているものです。
NAXOS-8.570934
ロッシーニ:序曲全集第2集
歌劇「ウィリアム・テル」序曲
歌劇「エドゥアルドとクリスティーナ」序曲
歌劇「幸運な間違い」序曲
歌劇「絹のはしご」序曲
歌劇「デメートリオとポリビオ」序曲
歌劇「ブルスキーノ氏」序曲
シンフォニアニ長調「ボローニャ」
歌劇「シジスモンド」序曲
クリスティアン・ベンダ(指)プラハSO

録音:2011年9月5-6日、2012年5月30.31日
ロッシーニ(1792-1868)の素晴らしいウイットと創造性が、この序曲シリーズにくまなく発揮されています。これらの序曲の役割は、喜劇的な面と悲劇的な面の両方の要素を、色鮮やかなオーケストレーションで描き出し、これから始まる壮大な物語への道しるべと成すことにありますが、このベンダの演奏はそれらの要望を見事なまでにかなえていると言えるでしょう。ここでは5台のチェロ独奏部分を含む4つの楽章からなる、大規模な序曲である「ウィリアム・テル」、彼の作品の中でも最も人気を誇る「絹のはしご」序曲などの有名作から、オペラ自体もほとんど演奏されることのない「デメートリオ」や「シジスモンド」などの珍しい作品まで、ファンならずとも聞き逃せないものばかりを収録しています。

NAXOS-8.570938
フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番&第2番 ファイン・アーツQ
クリスティーナ・オルティス(P)
独自の和声感と調性を追求したためか、晩年の作品はある意味「捉えどころのない美しさ」に満ちているフォーレ(1845-1924)の音楽。この2曲のピアノ五重奏曲もまさにそんな音楽です。第1番は中期から後期への過渡期に書かれていて、境目はぼやけていても、メロディラインはしっかりしています(もちろんそれを取り巻く音の流れはとめどなく流動的ですが)。晩年近くに書かれた第2番になると、更に音楽は晦渋の度合いを深めていくのです。さざめくピアノのアルペジョと、本来の拍子とずらした拍を用いることで感じる浮遊感(ヘミオラといいます)、そしてぼやけた調性。耳がなじむまでに少々時間を必要とするかも知れませんが、一度この世界に慣れてしまうと、まるで暖かい水の中で体を丸めているかのような安らぎを覚えることでしょう。
廉価盤にしておくのは勿体ないほどの名演!「第1番」冒頭のピアノのアルペジョからその幻想的なニュアンスの引き込まれます。オルティーズの極美のピアノに乗せ、強固な集中力で曲の核心に食い入ろうとするファイン・アーツQの響きが絶妙に溶け合い至福の空間が生まれます。第1楽章の第2主題に入るとますます感傷的なニュアンスに深みが加わり、ソロ部分ととハーモニーの交差の妙も聴きもの。終楽章はベートーヴェンの「第9交響曲」の喚起の歌にヒントを得たとされる楽想の構築力と相まってアンサンブルの凝縮度が最高次元にまで高められ手応え十分。アンサンブルの素晴らしさとフォーレの作風との完全なる融合を一層強く感じさせるのが至高の名作「第2番」。聴覚に障害を持ったフォーレがこの作品の込めた熱い思いが内面から昏々と湧き立ち、第1楽章ではそのフォーレ自身の心情を映すかのようにさまよい続けるフレーズが淀みなく迫ります。決して気負わずにしなやかな推進力を見せる第2楽章、弦のユニゾンで色彩のゆらぎを感じさせる第3楽章など、作品の高みに相応しい妙技の連続です。  【湧々堂】
NAXOS-8.570939
ガーシュウイン:クラリネットと弦楽のための作品集
ポーギーとベス組曲
ピアノ協奏曲ヘ長調より第2楽章
パリのアメリカ人(抜粋)
3つの前奏曲
※全てF.ヴィラールによるクラリネットと弦楽合奏編
ミシェル・ルチエック(Cl)
パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
ガーシュウイン(1898-1937)のゴキゲンな音楽をクラリネットで演奏することにより、作曲家のジャズへの愛、またポピュラー音楽とクラシック音楽の融合がこれほどまでに顕著となるとは誰しも思っても見なかったことでしょう。例えば、「ポーギーとベス組曲」の中のサマータイムでの泣きたくなるほどの切なさの表現力を聴いてみてください。本来クラリネットのために書かれたと言われたら信じない人はいないほどの出来栄えです。このクラリネットの能力を持ってすれば、ピアノ協奏曲にもピアノは不要。まさに恐るべき世界が広がっています。「3つの前奏曲」もスゴイの一言です。編曲者のヴィラールのセンスの良さと、クラリネットのルチエックの抜群のリズム感、そして指揮のガロワの包容力。これらが全て溶け合った奇跡の1枚の誕生です。
NAXOS-8.570941
ルビンシュテイン:ピアノ作品集
主題と変奏Op.88(1871)
折句第2番Op.114(1890)
ヨゼフ・バノヴェツ(P)

※全て世界初録音
アントン・ルビンシュテイン(1829-1894)はロシア人ピアニストとしてはじめて世界的名声を博し、またサンクトペテルブルク音楽院を開設し、1859年にはロシア音楽協会を開設するなど、以降のロシアのピアノ界に多大なる影響を与えた人です。また歌劇、交響曲からピアノ曲までとあらゆるジャンルにたくさんの作品を残したのですが残念なことに、「ヘ調のメロディ」や「天使の夢」の小さなピアノ曲以外はほとんど忘れ去られてしまいました。ここでは、シューマンの「交響練習曲」に触発されて書かれた「主題と変奏」と、サロン風な「折句」第2番でその才能をじっくり味わってみてください。「折句」とは聞き慣れない言葉ですが、今でいう「縦読み」のようなもので、並んだ文章の頭だけを読んでいくと他の文が浮かびあがる仕掛けのようなものです。こちらもシューマンが好んだ手法ですが、このルビンシュテインの作品には曲を献呈した相手の名である「S-O-F-I-A」の音が織り込まれているということです。
NAXOS-8.570942
ルビンシテイン:ピアノ作品集第2集(1852-1894)
ロシア風セレナーデロ短調(1879頃)
2つのメロディOp.3(1852)<ヘ長調/ロ長調>
ドレスデンの思い出Op.118(1894)<シンプリシタス/情熱的に/ノヴェレッテ/カプリース/夜想曲/ポロネーズ>
ロマンスと即興曲Op.26(1854/58)
折句第1番Op.37(1856頃)
ジョセフ・バノヴェツ(P)
ピアノ作品集第1集(NAXOS-8.570941)が好評のロシアのピアニスト&作曲家、アントン・ルビンシテイン(1829-1894)の作品集です。この第2集は23歳の時に書かれた、有名な「へ調のメロディ」から、亡くなる年に書かれた「ドレスデンの思い出」まで、作曲家の長い経歴を慮る作品を網羅しています。演奏するのは、GRAMMY賞も受賞した名手、バノヴェツ。彼の明晰なピアニズムによって、どの曲にもくまなく光が当てられています。トラック1の「ロシア風セレナーデ」の重苦しくも切ないメロディは、いかなる時もロシア風ですが、どことなく日本の演歌に通じるものがあるような気がしませんか?また、相変わらず色々な物が織り込まれている「折句」での甘い囁き風のメロディにも心惹かれます。
NAXOS-8.570943
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集第4集
ピアノとクラリネット,チェロのための三重奏曲Op.38(七重奏曲Op.20の作曲者による編曲)
ピアノ三重奏曲第4番「街の歌」(クラリネット版)
イブ・ハウスマン(Cl)
マリア・クリーゲル(Vc)
ニーナ・ティクマン(P)
ベートーヴェン(1770-1827)のピアノ三重奏曲第4集は、クラリネットを含む2つの作品です。七重奏曲から編曲された三重奏曲は、1799年に初演され、1800年には慈善コンサートで演奏されました、この時はモーツァルトやハイドンの作品と共にこの曲を演奏、すぐさま大きな反響を呼んだそうです。あまりの人気で色んなアレンジが施されたため、ベートーヴェン自身が「著作権侵害」(当時はまだこんな言葉はない)を心配して、出版者に早く出版するように持ちかけたそうです。とはいえ、彼自身もこのように編曲していたのですが・・・)。もう一つの曲は「街の歌」として知られる有名な作品です。簡潔な形式の中に充実の音楽が詰まった名作で、クラリネットの艶やかな音色で演奏されると、また違った味わいが感じられます。
NAXOS-8.570944
F.クープラン:ヴィオラ・ダ・ガンバのための組曲
ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のための第1組曲ホ短調<前奏曲/アルマンド・レジェール/クーラント/サラバンド・グラーヴェ/ガヴォット/ジーグ/パッサカリアとシャコンヌ>
ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のための第2組曲イ長調<前奏曲/フガート/葬儀/白いシャツ>
クラヴサンのための第27組曲<上品な女/けしの実/中国風/頓智>
ミッコ・ペルコラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
アーポ・ハッキネン(ハープシコード)

録音:2011年5月16-18日フィンランドカルヤー,聖カテリーネ教会
フランソワ・クープラン(1668-1733)は、多くの音楽家を排出したクープラン家でもとりわけ有名な存在であり、オルガニストとしてルイ14世の御前演奏を行うほか、数多くのクラヴサン(フランス語でチェンバロを表わす)のための作品を残しています。基本的に鍵盤音楽の作曲家として知られていますが、コンセールと呼ばれる多くの室内楽作品も残しています。このヴィオール組曲は1728年に出版されたクープラン晩年の作品で、フランス組曲の形式に、イタリア風の形式をわずかに盛り込んだ意欲作で、この年に亡くなったマラン・マレを偲んで書いたと言われています。クラブサンのための第27組曲は、ヨーロッパにおける中国への関心が現れた作品。当時の人々におけるアジアのイメージがそこはかとなく感じられる興味深い音楽です。静かな午後、お茶でもしながら聴きたい1枚です。
NAXOS-8.570946
アーバン・レクイエム
S・リンドロース(1968-):スピン・サイクル
サン=サーンス
:序奏とロンド・カプリチオーソ(フルート、クラリネットと管楽オーケストラ版…L・ブロック編)
E・ウィテカー(1970-)」10月
M・コルグラス(1932-):4本のサクソフォンと管楽オーケストラのための「アーバン・レクイエム」
ショスタコーヴィチ:
ロシアとキルギスの主題による序曲(G・ドゥカー編)
スーザ
:聖なる殿堂の貴族たち
キャスリン・トーマス・アンブル(Fl)、
ロバート・フィッツァー(Cl)、
ジェームス・アンブル(Sax)、
アレン・コーディングレイ(Sax)、
ケント・エンジェルハート(Sax)、
ジョセフ・キャレイ(Sax)、
スティーヴン・L・ゲージ(指)
ヤングスタウン州立大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル
ヤングスタウン州立大学では、毎年275人以上の学生が、室内楽からジャズまで各々好きなジャンルのバンドに参加、多くの作曲家に作品を委嘱したり演奏したりと精力的に活動を行うユニークな活動を行っています。メイン収録曲の「アーバン・レクイエム」を作曲したのはピューリツァー賞を受賞したコルグラス。サクソフォン・カルテットに限界までの技術を要求した鮮烈な作品です。
NAXOS-8.570948
オアナ:十弦ギターの為の作品集
ティエント/日が昇れば/月時計
グラハム・アンソニー・デヴァイン(G)
モロッコ生まれの作曲家、オアナ(1913-1992)は本来はユダヤ系の血筋を持ちながらも、父親がジブラルタル(イベリア半島のイギリス領土)出身だったため、イギリス国籍を取得しました。パリで学び、ドビュッシーとファリャから強く影響を受け、一時期はローマでカセッラにも学び、少しずつ独自の作風を模索、円熟期には、フラメンコとアフリカの民族音楽、そして中世音楽にも魅了されるなど、様々な風土の影響を受けた情熱的な作品を多く書いています。ギターの作品も多く書いていて、どれもスペインの音楽に現代的な味付けを施した熱い曲ばかり。ここでは名主デヴァインの弾く十弦ギターの深い響きを心行くまで堪能することができるでしょう。
NAXOS-8.570949
オーストラリアのギター音楽集
エドワーズ(1943-):ブラックワトル・カプリース
ホートン(1954-):石碑
スカルソープ(1929-):フロム・カカドゥ
エドサーズ:ギター・ダンス(A.ウォルターによるギター編)
クーネ(1956-):素晴らしい感情および壮大なデザインの閉じた世界
ディーン(1961-):ゴヤからの3つのカプリチョ
スカルソープ:夢の中へ(ギター編)
スカルソープ:ジリル(S.ウィングフィールドによるギター編)
アレクサンドル・チボルスキー(G)
ようやく最近になって、オーストラリアのクラシック・ギター界が世界的に重要な存在になってきました。これには、名ギタリスト、ジョン・ウィリアムズ(1941年生まれ)が自国の作曲家に「ギターの曲を書いてほしい」と委嘱したことが大きな要因でしょうか。また、同国の著名な弦楽器奏者、スモールマンがギター制作に乗り出したことも特筆すべき事項でしょう。現在では、彼の制作した楽器は世界中のギタリストの羨望の的となっています。そんなオーストラリアのギター作品を演奏するのは、2006年の東京国際ギター・コンクールで優勝、高い評価を受けたチボルスキー。彼の美しく透明で、リュートにも似たギターの音はこれらの作品の本質と聴きどころを聴き手に確実に届けています。
NAXOS-8.570950
A.スカルラッティ:冥界からのエウリディーチェ他
カンタータ「冥界からのエウリディーチェ」
チェロ・ソナタ第2番ハ短調
ハープシコードのためのトッカータイ長調
永遠なる聖処女の嘆き1-6
アルス・リリカ・ヒューストン
アンサンブル「アルス・リリカ」のNAXOSデビュー盤です。2曲の世界初録音を含むこのスカルラッティ(1660-1725)の作品集はファンにとってまたとない贈り物となることでしょう。「冥界からのエウリディーチェ」は最も素晴らしいソロ・カンタータの一つで、通奏低音の伴奏に乗ってソプラノが自由な装飾を伴う美しいアリアを歌います。絶望から希望まで幅広い感情を表現した見事な歌唱に惚れぼれすること間違いありません。もう一つの「永遠なる聖処女の嘆き」は彼の2つだけ残存するラテン語のオラトリオの一つ。完結でわかりやすいメロディが魅力です。2曲の器楽曲がこれまた絶品です。
NAXOS-8.570951
ムーザス:空想映画のための音楽他
空想映画のための音楽、
最初の主題、モノローグ〜コールアングレのための協奏曲、
弦楽オーケストラのための「思考の形式」、
弦楽オーケストラのための「明晰な夢」
クリスティアーナ・パンテリドゥ(コールアングレ)、
ミルトス・ロジアディス(指)ソフィアPO
ギリシャの作曲家ムーザス(1962-)。彼はイメージに関連する音楽については天才的な手腕を発揮、多くの振り付け師とコラボレーションを図ったり、短編映画、テレビやコマーシャル、ドキュメンタリーの音楽など多数を書いています。どの曲も聴いているだけで、どんどん妄想が膨らんでいくのを感じられることでしょう。なかでも、コールアングレの響きが異様な雰囲気を醸し出す「モノローグ」は秀逸です。
NAXOS-8.570956
モンポウ:ピアノ作品集第5集
ドン・ペリンプリン(モンサルヴァーチェとの共作)(1955)
バレエ(1946)
「月の光」によるグロッサ(1946)
ロマンス(1944)
モデラート・エスプレッシーヴォ(1946)
「月の光」による幻想曲(1946)
ヴァイオリンとピアノによる「標高」
チェロとピアノによる「橋」
4手による「3つの子守歌」
ホルディ・マソ(P)
マルク・オリウ(Vn)
ホアン=アントニ・ピッチ(Vc)
マリザ・ルイス・マガルディ(P)

※全て世界初録音
このアルバムは、パリに20年近く滞在したモンポウ(1893-1987)が、バルセロナへ帰国した後の1944年から1955年の間に書かれたピアノ曲を収録しています。これらは出版されなかった作品で、このマソの演奏が世界初録音となります。バレエ音楽「ドン・ペリンプリン」のピアノ版は2007年に公表されたもので、12曲からなる短い小品からなっています。ロルカの戯曲「庭のドンとベリーサの恋」を下敷きにしたこのバレエは、舞台美術家シャヴィエル・コルの発案で、マーキス・デ・クエヴァスのバレエ団によって依頼されたものです。このバレエは1956年5月8日にリセウ劇場で初演されました。しかし、実のところモンポウは、初演までにオーケストレーションを間に合わせることが出来ず、友人であるモンサルバーチェに助けを求める他ありませんでした。モンサルヴァーチェはオーケストレーションを施した上で、2曲のダンスを追加し、初演に間に合わせることができたのです。時としてプーランクやワーグナーを思わせるロマンティックな個所もありますが、やはりモンポウらしい音楽で、スペイン風でエキゾチックな味わいです。
NAXOS-8.570958
ローデ:練習曲の形式による24のカプリース
.ハ長調/イ短調/ト長調/イ短調/ニ長調
変ロ短調/イ長調/嬰ヘ短調/ホ長調
嬰ハ短調/ロ長調/嬰ト短調/変ト長調
変ホ短調/変ニ長調/変ロ短調/変イ長調
ヘ短調/変ホ長調/ハ短調/変ロ長調/ト短調
ヘ長調/ニ短調
アクセル・シュトラウス(Vn)
1774年、ボルドーで生まれたローデ(1774-1830)は13歳の時にパリへ行き、すぐにヴィオッティの愛弟子となりました。恐らく1790年にデビューを飾り、オーケストラにも参加するようになります。以降様々な音楽家と知り合いになった彼はヨーロッパ全土で演奏会を行い、またヴァイオリンのための作品を数多く作曲、後進の演奏家たちにも多大なる影響を与えました。この24のカプリースは、彼の代表作として知られ、今でもヴァイオリンを学ぶ人たちがパガニーニを演奏する前段階の練習曲として愛用しています。技術だけでなく旋律美に溢れた良質の作品です。
NAXOS-8.570959
ジャクソン:合唱作品集
偉大なる聖職者を見よ
聖なる日のためのミサ
タントゥム・エルゴ/レクイエム
ザ・ロード/マニフィカト
ヌンク・ディミティス/私は感謝を捧げる
サルヴェ・レジナ
リディア旋法によるマニフィカト
リディア旋法によるヌンク・ディミティス
テ・デウム/ユビラーテ
ローラ・オルドフィールド(S)、
エミリー・ビーハン(S)、
ピーター・ダヴォーレン(T)、
フランシス・ウィリアムス(T)、
ヘンリー・ジョーンズア、
デヴィッド・デ・ウィンター(T)、
ユリアン・デブロイル(Br)、
デヴィッド・グード(Br)、
ジェレミー・フィルセル(Org)、
ロドルファスcho、レイフ・オールウッド(指)
オルガン音楽集(8.554773)での深い精神性が高く評価されているイギリスの作曲家(1934-)ジャクソン。この合唱曲集も彼の好きなフランス音楽の影響が感じられる感動的な作品が盛り沢山です。フォーレ、デュリュフレの形式を引き継いだ清冽なレクイエムをはじめ、輝かしい「偉大なる聖職者を見よ」などとろけるような和声感が美しい小さな合唱曲、近現代の合唱曲が好きな方にはたまらない1枚と言えるでしょう。
NAXOS-8.570960
レーガー:オルガン作品集第10集
前奏曲とフーガホ短調Op.85-4
52のやさしいコラール前奏曲より<第39番天にいますわれらの父よ/第40番高き天より、われは来たり/第41番目覚めよと、呼ぶ声あり/第42番われは神より離れず/第43番何ゆえにわれは悩むや/第44番神のみわざはよきかな>
前奏曲とフーガ嬰ト短調
52のやさしいコラール前奏曲より<第45番ただ愛する神の摂理にまかす者/第46番ただ愛する神の摂理にまかす者/第47番目覚めよ、わが心/第48番わが終わりの近きをだれぞ知らん/第49番暁の星のいと美しきかな/第50番幸いなるかな、おお魂の友よ/第51番イエスは来たれり/第52番おお、いかに喜びに満ちたるか、汝ら信仰深き者>
コラール幻想曲「おおわが魂よ、大いに喜べ」
マルティン・ヴェルツェル(Org)
※トリーア教会ヨハネス・クライスオルガン
レーガー(1873-1916)の「52のやさしいコラール前奏曲」は彼のオルガン作品の中でも重要な位置を占めているものです。1902年に作曲され、プロテスタントの良く知られた讃美歌が元になっており、中にはバッハのコラールなどでおなじみのメロディもあり、なかなか聴きごたえがあります。タイトルに「やさしい」とありますが、なかなかどうして。どれも凝った作風で一筋縄ではいかないところがさすがレーガーです。さすがに半音階的な和声は姿を潜めていますが、いつものような「網の目のような対位法」が散りばめられていて、複雑怪奇な物が好きな人にはたまらない作品群と言えるのです。第1-10番までは8.553927、第11-30番までは8.570455で聴くことができます。独立した3つの作品もこれまた素晴らしく、こちらは完全に近代の音楽で、和声的にも音楽的にもすこぶる充実しています。
NAXOS-8.570961
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第32集(パート・ソング第1集)
人生の喜び「交際上手」D.609
埋葬の歌「今や肉体を埋めた」D.168
復活祭の歌「死に勝ちたまいし救い主イエス・キリスト」D.168a
世界の創造主たる神Op.112-2/D.986
嵐の中の神Op.112-1/D.985
無限なるものに寄せる讃歌Op.112-3/D.232
夕映えD.236
何千もの星がきらめくD.642
太陽に寄せてD.439
婚礼の焼肉Op.104D.930
祝日の奉献式Op.146/D.763
祈りOp.139/D.815、踊りD.826
シビラ・ルーベンス(S)
ジルケ・シュヴァルツ(S)
レジーナ・ヤコビ(A)
インゲボルク・ダンツ(A)
マルクス・シェーファー(T)
マークス・ウルマン(T)
トーマス・E・バウアー(Bs)
マルクス・フライグ(Bs)
マークス・シュミードル(Bs)、
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シューベルトの歌曲を語る上で避けて通れないのが、このパートソング集です。親しい友人たちとの集まりで披露されたであろうこれらの歌は、独唱のための曲に比べると気楽で身近な題材から取られたものが多く、彼の社会生活をあれこれ想像する材料としても興味深いことでしょう。曲によっては、ピアノ伴奏を備えた壮大なカンタータであったり、単純なメロディを用いたカノンであったりとその趣は本当に様々です。トラック10の「婚礼の焼肉」などはタイトルだけ訊くとユーモラスですが、実は・・・小さな「魔弾の射手」そのもの。3人の登場人物の掛け合いはまるでオペラのようで、なかなか聴き応えがあります。あと2枚のアルバムが予定されるこのシリーズ。
NAXOS-8.570962
シューベルト:パートソング集第2集
自然の中の神D.757/詩篇第23番Op.132D.706
人生D.269b/羊飼いの娘D.513/自然の喜びD.422
サリエリ氏の50歳の誕生日を祝してD.407
光と愛D.352/アンティゴーネとエディプスOp.6-2D.542
そよ風が吹くD.725/
フォーグルの誕生日のためのカンタータ「春の朝」D.666
アリ・ベイ哀悼歌D.140/ゴンドラを漕ぐ人Op.28D.809
挽歌Op.52-4D.836/舟人の歌D.835
セレナードOp.135D.920
シビラ・ルーベンス(S)…1-3.13.17/ジルケ・シュヴァルツ(S)…1.2.9.10.12.15.17/レジーナ・ヤコビ(A)…1-3.11.13.15.17/インゲボルク・ダンツ(A)…1-3.13.15.17/ヒルデガルド・ヴィーデマン(A)…17/マルクス・シェーファー(T)…4-6.8.9.11.12.14.16/マークス・ウルマン(T)…4-8.14.16/トーマス・E・バウアー(Bs)…4-6.8.12.14.16/マークス・フレイグ(Bs)…10/マルクス・シュミードル(Bs)…4.5.14.16/ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シューベルトの珍しい合唱アンサンブルのための作品集第2集です。この中の男声のための曲集は知れ渡っていますが、女声のための作品はほとんど知られていません。しかしシューベルトはそんな女声のためのアンサンブルに極めて野心的な作品を多く書いたのです。讃美歌による曲から、彼が教えていた女生徒の誕生日を祝う曲まで、さまざまな歌がひしめいています。添えられたピアノの伴奏もどれも巧妙に書かれていて、シューベルトを聴く楽しみ満載の1枚となっています。厳選された歌手たちの楽しげな表情にもご注目ください。
NAXOS-8.570963
シュポア:複弦楽四重奏曲第1集
複弦楽四重奏曲第1番ニ短調Op.65(1823)
複弦楽四重奏曲第2番変ホ長調Op.77(1827)
フォード・アンサンブル《第1四重奏団》[ジャニス・グラハム(Vn)/ヘレナ・ウッド(Vn)/アンドリー・ヴィルトヴィチ(Va)/キャロライン・デール(Vc)]
《第2四重奏団》[ニコル・ウィルソン(Vn)/アリソン・ドッズ(Vn)/アレクサンダー・ゼムトフ(Va)/ジュリア・グラハム(Vc)]
ヴァイオリニスト、指揮者としてヨーロッパ全土を席巻したルイス・シュポア(1784-1859)は、その生涯に48曲の弦楽アンサンブルのための作品を書きました。その中でも特異なものが、ここに収録された「複弦楽四重奏曲」です。楽器の編成はメンデルスゾーンの八重奏曲と同じなのですが、シュポア自身の言葉によると「メンデルスゾーンの作品は2つの四重奏の協調ではなく、8つの楽器の全てが同等に書かれているので、意味合いが全く違う」のだそうです。彼がヴァイオリニスト、アンドレアス・ロンベルク(高名なチェリスト、ベルンハルト・ロンベルクの従兄)と弦楽四重奏曲を演奏した時に、「2つの弦楽四重奏団が共に響きあったらどんなに素晴らしい音楽ができるのだろう」と思いついたのだとか。そんな工夫が凝らされた厚みのある響きをどうぞお楽しみください。2つの弦楽四重奏団の各々の奏者が紡ぎ出す音。ある時にはぶつかり合い、ある時には溶け合いつつ耳を通り過ぎていく。という稀有な体験があなたを待っています。
NAXOS-8.570964
サン=サーンス:管楽器のための音楽集
デンマークとロシアの歌による奇想曲Op.79
クラリネット・ソナタ変ホ長調Op.167
オーボエ・ソナタニ長調Op.166
ファゴット・ソナタト長調Op.168
ロマンス変ホ長調Op.67(ホルンとピアノ編)
フルート,クラリネットとピアノのための「タランテッラ」Op.6
カナダ・ナショナル・アーツ・センター管楽五重奏団
[ヨハンナ・グフレエール(Fl)/チャールズ・ハマン(Ob)/キムボール・サイクス(Cl)/ローレンス・ヴァイン(Hrn)/クリストファー・ミラー(Fg)]
ステファヌ・ルムラン(P)
生涯に驚くほど多くの作品を書いたのに、穏健な作風が災いしてか、どう考えてもその一部しか知られていないサン=サーンス(1835-1921)。しかし、このアルバムに収録された味わい深い室内楽曲を聴いてみると、「もっと聴いてみたい」という気持ちになる人が多いのではないでしょうか。3つのソナタはどれも彼の最期の年に書かれた曲で、澄み切った美しさと深い諦観に満ちています。とは言え、クラリネット・ソナタの終楽章での目まぐるしい楽想の変化などには、天才の閃きを感じずにはいられません。カナダの名五重奏団と、カサドシュ国際コンクールの受賞ピアニストによる魅力的な演奏で、この滋味溢れる佳曲の花束をお聴きください。
NAXOS-8.570965
シュルホフ:弦楽四重奏のための音楽集
弦楽四重奏曲第1番(1924)
5つの小品(1923)
弦楽四重奏曲第2番(1925)
アヴィヴQ[セルゲイ・オストロフスキ(第1Vn)/エフゲニア・エプシュタイン(第2Vn)/シュリ・ウォーターマン(Va)/レイチェル・マーサー(Vc)]
チェコの作曲家、エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)。ユダヤ系の血を引いていた彼の作品は、ナチス・ドイツによって「退廃音楽」の烙印が押されてしまい、演奏されることも出版されることもなく、彼の死後はずっと忘れ去られてしまいました。しかし、最近の「退廃音楽復興」の流れに乗り、彼の作品もようやく注目されるようになってきたと言えそうです。彼の弦楽四重奏曲は1920年代の最も脂の乗った時期に書かれています。未だ活動の制約を受ける前の彼のとても前衛的な作品で、ジャズのリズムを取り入れたり、特殊奏法を取り入れたり、バルトーク風な風情を見せたりと興味深いものばかりです。どことなく民族音楽的で、決して調性感がなくなるところがないのも、彼の音楽の聴き易さを助長している原因でしょう。5つの異なるスタイルで書かれた「5つの小品」での生真面目さを装ったアイロニカルな表情もたまりません。
NAXOS-8.570966
(2CD)
ヘンデル:オラトリオ「エジプトのイスラエル人」(オリジナル楽器使用) ローラ・アルビノ(S)、
ニルス・ブラウン(T)、
ジェニファー・エンス・モドロ(Ms)、
ペーター・マホン(C.T)、
イヴ・レイチェル・マックリード(S)、
ジェイソン・ネデッキー(Br)、
バド・ローチ(T)、ジェニー・サッチ(S)、
シーン・ワトソン(Br)、
ケヴィン・マロン(指)アラディア・アンサンブル
「メサイア」の3年前に書かれたこの「エジプトのイスラエル人」、初演は大失敗だったと伝えられています。理由は、華々しいアリアがなくお目当ての歌手が出なかったせいだ、とか聖書のテキストをそのまま使ったからだとか、様々あるようですが、逆に言えばこれほどまでに合唱に重点の置かれた作品もなく、管弦楽の真に迫る描写も見事過ぎると言えましょう。通常カットされる第1部(キャロライン王妃の葬送アンセムHWV264より流用)も演奏されている貴重な2枚組です。
NAXOS-8.570968
アメリカン・タペストリー
スミス:星条旗(J.ウィリアムズによる吹奏楽編)
ジェンキンス
:アメリカ序曲
ハンソン
:「メリー・マウント」組曲(J.ボイドによる吹奏楽編)
ガーシュウィン
:ラプソディー・イン・ブルー(D.ハンスバーガーによるピアノと吹奏楽編)
タッカー:セレモニアル・ファンファーレ(リメンブランスの主題による)
ブライアント:レイディアント・ジョイ
ベネット:古いアメリカ舞曲による組曲
スーザ
:ワシントン・ポスト
リチャード・シュスタ(P)、
ユージン・ミリアーロ・コーポロン(指)
ローンスター・ウィンド・オーケストラ
このアルバムは吹奏楽好きの方のみならず、全ての音楽好きにおすすめしたい最強の1枚です。100年に渡るアメリカのウィンド・バンドのレパートリーの中でもとりわけ注目を浴びそうなのが冒頭のジョン・ウィリアムズ編曲「アメリカ国歌」でしょう。そしておなじみベネット、ハンソンの作品が勢揃い。聴きほれること請け合いです。そしてトリを飾るのはもちろんスーザの名曲「ワシントン・ポスト」!
NAXOS-8.570974
ヴュータン:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
ファンタジア・アパッショナータOp.35
バラードとポロネーズOp.38
ファンタジー・カプリースOp.11
アメリカへの挨拶Op.56全てヴァイオリンと管弦楽編
ミッシャ・ケイリン(Vn)
アンドリュー・モグレリア(指)スロヴァキアRSO
音楽を愛する職人の家系に生まれたヴュータン(1820-1881)は、地元の音楽家からヴァイオリンの手ほどきを受け、6歳で公開デビューを果たし、ブリュッセルではシャルル・ド・ベリオに師事するようになり、一層その腕に磨きをかけました。ローデ、ベリオからヴィエニアフスキー、クライスラーへと、その名人芸の橋渡しをした偉大なるヴィルトゥオーゾであり、その技巧の冴えから「小さなパガニーニ」と異名を取るまでの人気者になりました。華麗な技が炸裂する彼の作品は今でも広く愛されています。ここではその中から4曲をお聴きいただきましょう。ロシア滞在中に書かれた「ファンタジア・アパッショナータ」、緊張感溢れる「ポロネーズ」や「カプリース」、そしておなじみのメロディが印象的な「アメリカへの挨拶」と、多様な音色を聴くことができます。
NAXOS-8.570976
カバレフスキー:前奏曲全集
4つの前奏曲Op.5
24の前奏曲Op.38
6つの前奏曲とフーガOp.61
アレクサンダー・ドッシン(P)
24の前奏曲と言えば、ショパンの名作を思い浮かべる人も多いことでしょうが、あの独特の形式は後世の作曲家たちに様々な影響を与えていることは間違いありません。このカバレフスキー(1904-1987)の同名曲は、ロシア民謡のメロディを元にした様々な性格を持つ作品群で、ショパンと同じく全ての調性で書かれています。どの曲もとても個性的で、はっとするほどに美しいメロディが散りばめられています。演奏は、ソナタ(8.570822)でもその能力を存分に見せつけたドッシン。ここでも曲の素晴らしさをしっかりと伝えてくれています。
NAXOS-8.570977
イザイ:弦楽三重奏曲「シメイ」他
2つのヴァイオリンの為のソナタイ短調遺作
弦楽三重奏曲「シメイ」遺作
無伴奏チェロの為のソナタOp.28
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
バルド・メンセン(Vn)
ラース・アネルス・トムテル(Va)
オーレ=エイリク・リー(Vc)
イザイ(1858-1931)と言えば、6つの無伴奏ソナタがとりわけ有名ですが、このベルギーの作曲家はヴァイオリンの更なる可能性について常に探究を怠ることはありませんでした。ここで聴ける「2つのヴァイオリンの為のソナタ」でのぞくぞくするような音楽的緊張感を味わってしまうと、もうイザイの魔力から逃れることは不可能でしょう。このソナタは1915年にベルギーのエリザベート王妃のために書かれていて(彼女はイザイにヴァイオリンを教わっていた)、実際に演奏されたかはわかりませんが、何ともロマンティックな響きを持っています。1927年に書かれた弦楽三重奏は、イザイの死後に初演されました。あまり演奏されることのない秘曲ですが、どことなくドビュッシー風の音も感じられる魅力的な作品です。最近めきめきと頭角を表しているクラッゲルードと彼を取り巻く仲間たちの、とろけるような名演でどうぞ。
NAXOS-8.570978
シュニトケ:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1963)
ヴァイオリン・ソナタ第2番「ソナタ風」(1968)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1994)
ヴァイオリン・ソナタ(1955)
キャロリン・ヒューブル(Vn)
マーク・ウェイツ(P)
第1番のソナタは1963年に作曲されたもので、ショスタコーヴィチの影響を受けつつも、十二音で書かれ、また敬愛するバッハの名前も引用されていたりと実験的かつ破壊的。「2010年の日本音楽コンクールのヴァイオリン部門第2次予選に、この曲が入っていた」これだけで話題になるほど、演奏も解釈も難しい作品です。第2番のソナタは単一楽章で書かれ「ソナタ風」と題されながらも、より散文的で緊張感を湛えています。第3番のソナタは1994年に作曲されたもの。彼の良き理解者であるルボツキーによって、シュニトケ(1934-1998)の60歳の誕生記念に初演されました。番号のないソナタ(2つの楽章)は、学生時代に作曲されたもので、シュニトケの死後に発見されました。シンプルな外見に中身がぎゅっと濃縮されています。
NAXOS-8.570979
オネゲル:映画音楽集
リゲイン(二番芽)第1組曲
「罪と罰」組曲
ヒマラヤの悪魔(2つの交響的楽章)
観念
ジャック・チャムケーテン(オンドマルトノ)、
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO&cho

MARCO POLO
*8.223466,8.223467より移行盤
NAXOS-8.570981
メンデルスゾーン=ヘンゼル:歌曲集第1集
6つの歌曲集Op.1/7つの歌曲集Op.7
アイヒェンドルフ歌曲集/面影
ドロテア・クラクストン(S)、バベッテ・ドルン(P)
歌曲やピアノ曲など500以上も作品を残したにもかかわらず、弟フェリックスの光り輝く天才の影に隠れてしまったファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847)の愛すべき歌曲の登場です。彼女が愛した詩人たち、主にゲーテ、ハイネ、アイヒェンドルフなどの詩に感性豊かな曲をつけた彼女の才能を改めて賛美いたしましょう。繊細で内省的で叙情的。とロマン派音楽の特徴を全て兼ね備えた珠玉の作品を歌うのはクラクストン。クララ=シューマンの歌曲集(NAXOS-8.570747)でも胸ふるえる歌唱を聴かせてくれた名ソプラノです。
NAXOS-8.570985
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
プルチネルラより「イタリア組曲」(1932)(ドゥシュキン編)
妖精の口づけ〜「ディヴェルティメント」(1934)(ドゥシュキン編)
協奏的二重奏曲(1932)
キャロリン・ヒューブル(Vn)
マーク・ウェイツ(P)
「新古典派」の作曲家ストラヴィンスキーの面目躍如と言った感のある、このプルチネルラの「イタリア組曲」は、バレエ・リュスの主宰者ディアギレフの発案によって1919年に書かれました。最初はペルゴレージの楽曲を素材に。と考えられていたようですが、結局は数多くの作曲家たちの曲を元に、ストラヴィンスキーが近代的な和声を取り入れて、きわめて小粋な合奏協奏曲風の組曲として仕上げたのです。その後、ストラヴィンスキーが最初のヴァイオリン曲である「ヴァイオリン協奏曲」を作曲する際、協力してくれたドゥシュキンのために、この「イタリア組曲」をはじめとしたいくつかの作品をヴァイオリンとピアノで演奏できるように編曲、またオリジナルの「協奏的二重奏曲」も作曲しています。シュニトケのソナタ(NAXOS-8.570978)で鮮烈な演奏を聴かせたヒューブルが、ここでも見事な切れ味で、この一癖も二癖もある痛快な音楽を演奏しています。
NAXOS-8.570984
リスト:ピアノ作品全集第30集
「イタリアの夜会」〜メルカダンテのモティーフによる6つの慰み
パガニーニ大練習曲よりS141
ロッシーニとスポンティーニの主題による華麗な即興曲S150/R29
ロッシーニの主題による7つの華麗な変奏曲S149/R28
ジャンルカ・ルイジ(P)
リスト(1811-1886)は自身の超絶技巧を誇示するために、同時代の多くの作曲家の作品を自らの手で華麗なピアノ曲へと変貌させました。このメルカダンテのモティーフによる「イタリアの夜会」は1838年に作曲されたもので、リストがこの曲を演奏することで、当時初演されたメルカダンテの歌劇「誓い」の評判をより一層高めることに成功したと言われます。1840年代にヴェルディの作品が台頭してくるまでは確かにメルカダンテが一番のオペラ作曲家でした。パガニーニ大練習曲は、曲集の中に有名な「ラ・カンパネラ」を含むもので、きらめくような超絶技巧が散りばめられています。(CDにはS140と表記がありますが実際はS141の改訂版による演奏です。ご了承ください)他にはロッシーニとスポンティーニの主題による作品も収録。いずれも13歳の時に書かれた才気あふれる華麗な作品です。
NAXOS-8.570985
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
プルチネルラより「イタリア組曲」(1932)(ドゥシュキン編)
妖精の口づけ〜「ディヴェルティメント」(1934)(ドゥシュキン編)
協奏的二重奏曲(1932)
キャロリン・ヒューブル(Vn)
マーク・ウェイツ(P)
「新古典派」の作曲家ストラヴィンスキーの面目躍如と言った感のある、このプルチネルラの「イタリア組曲」は、バレエ・リュスの主宰者ディアギレフの発案によって1919年に書かれました。最初はペルゴレージの楽曲を素材に。と考えられていたようですが、結局は数多くの作曲家たちの曲を元に、ストラヴィンスキーが近代的な和声を取り入れて、きわめて小粋な合奏協奏曲風の組曲として仕上げたのです。その後、ストラヴィンスキーが最初のヴァイオリン曲である「ヴァイオリン協奏曲」を作曲する際、協力してくれたドゥシュキンのために、この「イタリア組曲」をはじめとしたいくつかの作品をヴァイオリンとピアノで演奏できるように編曲、またオリジナルの「協奏的二重奏曲」も作曲しています。シュニトケのソナタ(NAXOS-NAXOS-8.570978)で鮮烈な演奏を聴かせたヒューブルが、ここでも見事な切れ味で、この一癖も二癖もある痛快な音楽を演奏しています。
NAXOS-8.570986
ドルネル(1680?-1757?):リコーダー、フルート、通奏低音のための室内楽曲集
四重奏のためのソナタ
ソナタ第4番ニ長調Op.2「ラ・フォルクレ」
クラヴサン組曲より第5組曲ハ長調
ソナタ第2番ニ長調Op.3「成功」
第3組曲ホ短調Op.2
ソナタ第7番ニ短調「3を越えて」Op.3
ソナタ第3番ロ短調Op.3
パッサカリア
NAXOS-8.570987
ルトスワフスキ他:ヴァイオリン作品集
ルトスワフスキ:レシタティーヴォとアリオーソ、すぐに、
シマノフスキ
:三部作Op.30、
ルトスワフスキ:パルティータ、
ヤナーチェク
:ヴァイオリン・ソナタJWVII/7
アリアドネ・ダスカラキス(Vn)、
ミリ・ヤンポルスキ(P)
東ヨーロッパの激動期を生きた3人の作曲家のヴァイオリン作品を集めた1枚です。第2次大戦後のポーランド作曲界の主要人物トスワフスキ、彼に影響を与えた近代ポーランド音楽の祖の一人、シマノフスキ、そしてモラヴィア国民楽派ヤナーチェク。彼らの作品を丹念に紐解いていけば、西洋音楽のメロディ、和声、リズムがおよそ150年の間にどのように変遷を遂げたのかをつぶさに知ることができるでしょう。
NAXOS-8.570988
ハチャトゥリアン:ヴァイオリンと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ変ロ短調
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
ニコラス・ケッケルト(Vn)、
ホセ・セレブリエール(指)RPO
近年には珍しいほどこの作品の土俗的な雰囲気をふんだんに盛り込んだ演奏で、セレブリエールの精緻な伴奏とともに熱い共感を示した名演となっています。些細なアゴーギクにも濃密にロマンのうねりが注入され、決して音の線は太くはありませんが、聴き手の琴線に響く力を持ち合わせています。その共感が本物であることは、ピアノ協奏曲同様に独特のメランコリーを湛えた、ヴァイオリン協奏曲の第2楽章で一層明らか。気分に流されない折り目正しいフレージングと美音が心に染みます。終楽章の切れ味も見事。  【湧々堂】
NAXOS-8.570990
モーツァルト:ディヴェルティメント第11番ニ長調K251
ディヴェルティメントK334
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)
ケルン室内O

録音:2011年9月13-16日ドイツケルン,ドイツ放送カンマームジークザール
2012年1月に逝去したミュラー=ブリュールの最後の録音です。ヘルマン・アーベントロートの弟子として1964年以来、アーベントロートが創設したケルン室内Oの指揮者として活躍、NAXOSのドイツ古典派のレパートリーの拡充に努め、常に質実剛健、いぶし銀の美しさを思わせる演奏を聴かせたブリュールですが、2007年のバッハのカンタータと、ハイドンのいくつかの協奏曲の録音以来は、ほとんど指揮活動から遠ざかったいた彼を、指揮台に呼び戻したのが、このモーツァルトの2つのディヴェルティメントだったのです。そして、まるで天上の響きのような優美な2曲を残し、彼は光溢れる世界へと旅立っていきました。今頃はバッハやモーツァルトと音楽を語りあっているのでしょうか。
NAXOS-8.570991
ヨアヒム:ヴァイオリン協奏曲集
1楽章のヴァイオリン協奏曲ト短調Op.3
ヴァイオリン協奏曲「ハンガリー風」Op.11
キム・スーヤン(Vn)
ミヒャエル・ハラース(指)ワイマール・シュターツカペレ
メンデルスゾーンにヴァイオリンを学び、ワイマールでコンサートマスターを務め、まずリストとワーグナーと親しくなり、その後シューマンやブラームスを知ってからは一転、リストやワーグナーを批難するという、まさに「我が道を行った」音楽家ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)。現在での彼の名前は、どちらかというと演奏家としてのみ知られていますが、ここで聴けるような極めて音楽性の高い作品も書いていたのです。1851年に書かれリストに献呈されたヴァイオリン協奏曲はメンデルスゾーンの影響を強く受けていて、要所にみられる泣かせるメロディがたまりません。1857年に書かれたOp.11の協奏曲は、長大な第1楽章と、極めて技巧的で民族的な味わいを持つフィナーレが特徴的。この演奏困難な作品を2006年ハノーヴァー国際コンクール優勝者のキムが余裕で弾ききっています。これはため息ものの1枚です。
NAXOS-8.570993
ドビュッシー:管弦楽作品集第2集
「ペレアスとメリザンド」交響曲(M.コンスタン編)、
ベルガマスク組曲〜月の光(A.カプレ編)、
夜想曲、英雄の子守歌、
練習曲集(M.ジャレル編)〜第9番「反復する音符のための」/第10番「対比的な響きのための」/第12番「和音のための」
準・メルクル(指)
フランス国立リヨンO、
ライプツィヒMDR放送cho
準・メルクルによるドビュッシーの第2集です。こちらは「夜想曲」以外は全て他の人による編曲版が収録されています。オペラやピアノ曲での特徴ある響きをどのように管弦楽へと置き換えているのか、興味の尽きないところです。以前リリースされていた「夜想曲」にはシレーヌが収録されていなかったので、ここでようやく全貌が明らかになりました。合唱を伴う幽玄で茫洋とした響きのなかから沸き起こる明確な旋律線に思わずはっとさせられます。
NAXOS-8.570994
ブルッフ:交響曲第1番&第2番
交響曲第1番変ホ長調Op.28
交響曲第2番ヘ短調Op.36
ミヒャエル・ハラース(指)ワイマール・シュターツカペレ
第1番の交響曲は1868年に完成され、ブラームスに捧げられています。明らかにシューマンやメンデルスゾーンの影響が認められるものの、変ホ長調特有の壮大な響きに乗って、美しいメロディが楽器を変えて次々に展開されていきます。活発な第2楽章、チェロ、オーボエ、クラリネット、ヴィオラによって旋律が受け継がれていく悠々とした第3楽章、そしてリズミカルで精緻に書かれた終楽章、と、聴きごたえは充分です。この交響曲が大成功したのを受けて1870年に書かれた第2交響曲(こちらはヨアヒムに捧げられた)、一層重量感のある作品です。第1楽章の第1主題は、少々悲しげですが、曲が盛り上がるにつれて情熱的な雰囲気へと変化していきます。静かな第2楽章、そして、まさに「歓喜の歌」である輝かしい終楽章。ブラームスの交響曲第1番が「ベートーヴェンの第10交響曲」ならば、こちらはもしかしたら「第9.5番」と呼んでもよいかもしれません。
NAXOS-8.570995
ドヴォルザーク:交響曲第6番他
交響曲第6番ニ長調Op.60
夜想曲ロ長調Op.40
スケルツォ・カプリチオーソOp.66
マリン・オールソップ(指)ボルティモアSO
交響曲第9番(NAXOS-8.570714)、第7.8番(NAXOS-8.572112)に続くマリン・オールソップのドヴォルザーク・シリーズ第3弾です。今回もライブ録音による、彼女の入念で精緻な解釈を楽しむことができるでしょう。この第6番はドヴォルザーク(1841-1904)が1880年に作曲したもので、彼の交響曲の中では最初に出版されたため、当初は「第1番」とされていました。7番〜9番に比べると知名度は低いものの、ボヘミアの豊富な民謡をふんだんに使った爽やかな音楽は、しばしばブラームスの交響曲第2番と比較されるほどに充実した書法を持っています。夜想曲は、彼の弦楽四重奏曲第4番の緩徐楽章を編曲したもので、穏やかな美しさに満ちています。スケルツォ・カプリチオーソは、名指揮者ニキシュが愛奏したことで知られる祝典的な雰囲気に満ちた華やかな作品です。
NAXOS-8.570996
ロスラヴェツ:チェロとピアノの為の作品集
チェロ・ソナタ第1番(1921)
瞑想曲(1921)
チェロ・ソナタ第2番(1922)
白き娘たちの踊り
ヴィオラ・ソナタ第1番(チェロとピアノ編)(1926)
ラチェザール・コストフ(Vc)
ヴィクトル・ヴァルコフ(P)
モスクワ音楽院で作曲を学ぶも、同時代の印象派の影響を強く受けたため、ロシアの音楽家の中でも特異で革新的な曲を残したロスラヴェツ(1880-1944)。このアルバムに収録された作品は、とりわけアヴァンギャルドで神秘的な音に満たされています。彼はアーノルト・シェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》について最初のロシア語論文を執筆したことでも知られており、音列にも非常なこだわりを見せた人です。あまりにも前衛的だったためか、1930年代に起こった「ソ連社会主義の芸術路線」の波にのまれ、一時は忘れ去られてしまいました。そんな彼の作品が見直されたのは、彼の姪であるエフロシーニャの尽力によってであり、最近では彼自身の名誉も回復され、作品の演奏機会も多くなっています。
NAXOS-8.570998
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲集WoO36
ピアノ四重奏曲ハ長調WoO36-3
ピアノ四重奏曲変ホ長調WoO36-1
ピアノ四重奏曲ニ長調WoO36-2
ニュージーランド・ピアノQ[リチャード・マップ(P)/ユーリ・ゲゼンツヴェイ(Vn)/ドナルド・モーリス(Va)/ダヴィッド・チッケリング(Vc)]
童というと、どうしてもモーツァルトを思い浮かべてしまいますが、15歳にしてこんなに見事なピアノ四重奏曲を書いたベートーヴェン(1770-1827)だって、紛れもない神童に違いありません。例えばハ長調の曲の第1楽章。冒頭こそハイドンや、モーツァルトの面影を感じさせますが、展開部で劇的に短調に転ずるところなどは、まさしくベートーヴェンそのもの。(ちなみにあの名ピアニスト、アルゲリッチも愛奏している作品です)。またアダージョで始まる変ホ長調の第1楽章は瞬間的にですが、ピアノ協奏曲第3番の第2楽章を思わせてもくれるほどの悩ましい音楽です。第3楽章で各々の楽器が自由に歌い交わすところなども、抱きしめたくなるほど魅力的です。
NAXOS-8.570999
ヒナステラ:ポポル・ヴー(マヤ世界の創造)
バレエ音楽「エスタンシア」Op.8より
クレオール舞踊組曲Op.15(S.コーエン管弦楽編)
バレエ音楽「パナンビ」Op.1より
交響的三部作「オジャンタイ」Op.17
ポポル・ヴー(マヤ世界の創造)Op.44
ジセル・ベン=ドール(指)LSO
エルサレムSO、
BBCウェールズ・ナショナルO

※一部世界初録音
アルゼンチン生まれの大作曲家ヒナステラ(1916-1983)の5つの作品です。彼の作品の中でもとりわけ知られる「エスタンシア」と「パナンビ」、インカ文明から霊感を得た「オジャンタイ」、ピアノ曲として書かれた「クレオール舞踊組曲」、そして8年間の作曲期間を経ても、なおも未完成で終わってしまったマヤ神話をもとにする大作「ポポル・ヴー」。とどれもが野性味と強烈な色彩を放つ魅力的な曲です。思わず体が動きだしてしまいそうな刺激的な音楽は、同じアルゼンチンの名産であるタンゴとはまた違う直截的なエネルギーに満ちています。このジセル・ベン=ドールの演奏は、録音当時世界初録音だった2つの作品を含む、ヒナステラのパイオニア的存在。世界を元気にするために、もう一度ブームを巻き起こしたい熱き名演の登場です。

NAXOS-8.571203
コープランド:「アパラチアの春」組曲
 交響的頌歌
クレストン:交響曲第3番Op.48「3つの秘義」
ディヴィッド・リット(Tb)
レイモンド・ディヴィス(Vc)
スーザン・グルキス・アッサディ(Va)
セス・クリムスキー(Fg)
チャールズ・バトラー(Tp)
ジェラール・シュウォーツ(指)シアトルSO
2人の作曲家による傾向の違う作品を並べることにより、近代アメリカの全貌が見えてくるようなアルバムです。コープランドの「アパラチアの春」組曲は、現在では「知らぬ者はない」と言ってもよいほどの名曲であり、1945年にピューリッツァー賞を受賞したことで更に名声を高めたことでも知られています。「交響的頌歌」はボストンSO50周年の記念としてクーセヴィツキーから委嘱されたもので、音楽の精神そのものに捧げられる音楽です。かたやクレストン(1906-1985)は、本名をジュゼッペ・グットヴェッジョというイタリア系のアメリカ人。教師としては高く評価されましたが、その作品は1960年代頃から忘れられてしまいました(かろうじて一部の作品が残っています)。しかし、この交響曲第3番はグレゴリオ聖歌にインスパイアされたという感動的なキリストの物語を描いたもの。保守的な作風とはいえ、やはり感動を呼ぶ曲を書くというのは素晴らしいことなのではないでしょうか。
NAXOS-8.571204
ドラッテル:悲しみは憂鬱ではない
炎の踊り-クラリネット協奏曲/リリス
炎の中に/Syzygy-連接
デヴィッド・シフリン(Cl)
スコット・ゴフ(Fl)
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
ニューヨーク、ブルックリンで生まれたユダヤの血をひくドラッテル(1956-)は19歳という比較的遅い時期に作曲を始めたといいます。それまではヴァイオリニストとしての勉強を続けていた彼女ですが、この仕事に夢中になり、「書き始めたら止まらなかった」と語るほど熱い情熱を曲つくりに向けるようになります。最初は器楽曲を書いていましたが、2000年以降は劇音楽やオペラを作曲し、2003年の「ニコラウスとアレクサンドラ」ではドミンゴが主役を演じ話題となりました。彼女の音楽は、その鮮やかな色彩感が、ネオ・ロマンティックの様式の中で生かされるというものであり、独自の官能性と心躍るリズムを内包しています。ひたすら悲しみと諦めに満ちたトラック1、クラリネットの扱いが素晴らしいトラック2、など聴きどころの多い曲が並びます。名手シフリンのクラリネットも最高です。
NAXOS-8.571208
ヘンデル:合奏協奏曲集Op.6 他
ヘンデル:合奏協奏曲 Op.6〜ト長調 Op.6-1 HWV319
 ト短調 Op.6-6 HWV324
 ヘ長調 Op.6-9 HWV327
ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ニ長調「ごしきひわ」Op.10-3 RV428
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲 ニ短調 H425
スコット・ゴフ(Fl)
サイモン・ジェームス(第1Vn)
マイケル・ミロポスルキー(第2Vn)
テレサ・ベンシューフ(Vc)
キンベリー・ルス(ハープシコード)
ジェラール・シュワルツ(指)シアトルSO
シアトルSOの主要な奏者たちをソリストとして演奏されたバロックの名曲の数々です。ヘンデルの合奏協奏曲は、バランスの取れた響きと、渋めの音色が魅力的。最近はどちらかというと軽快で刺激的な録音の多いヘンデル作品ですが、この演奏はある種の懐かしさを感じさせてくれます。エレガントなヴィヴァルディの「ごしきひわ」とC.P.E.バッハで煌めくように美しいフルートを吹いているゴフは2011年までシアトルSOの首席を務めていた人で、彼は42 シーズンに渡ってこのオーケストラで活躍していました。味わい深い音色がたまりません。
NAXOS-8.571251
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第1集〜ベートーヴェン:ソナタ集第1集
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1
ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2
ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1
ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2
イディル・ビレット(P)
トルコの女性ピアニスト、イディル・ビレットのベートーヴェンのピアノ・ソナタ第1集です。ここでは作品番号Op.2の2つのソナタと、ソナチネ・アルバムでおなじみの「小さいソナタ」Op.49の2曲です。Op.1はベートーヴェンが23〜25歳頃に作曲、またOp.49も、出版こそ1805年になってからですが、作曲されたのは25〜27歳頃と、初期の作品群です。まだハイドンなどの影響も感じられますが、ヘ短調のスケールの大きさは、さすがベートーヴェンです。このアルバムでは、ビレットはフォルティシモを極力使わず、抑制された表現でこれらのソナタを奏します。この穏やかで感覚的な響きは本当に魅力的です。彼女の師が、あのヴィルヘルム・ケンプであったことを誰もが納得することでしょう。
NAXOS-8.571252
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第2集〜ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集第1集
交響曲第1番ハ長調 S464/R128
交響曲第2番ニ長調 S464/R128
イディル・ビレット(P)

録音:1985−1986年
原盤:EMIエレクトローラ
ベートーヴェンが30歳に完成させた交響曲第1番と、32歳に完成させた第2番は、まだハイドンやモーツァルトの影響が強く感じられるものの、第2番に後の「第九」のメロディに似た楽想が使われていたりと、なかなか侮れない作品となっています。とはいえ、まだ管弦楽法に熟知するまでに至っていなかったこともあり、もともとのスコア自体がそんなに複雑なわけでもないので、例えリスト(1811-1886)がピアノ独奏用に編曲したとは言え、それほど「難しそう」に感じられないのはご愛敬といったところでしょうか。ビレットはいつもの如く独特のテンポ設定で曲を作っていきます。スコアの隅々まで見通せそうなクリアな演奏です。
NAXOS-8.571253
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第3集〜ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集第1集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
イディル・ビレット(P)
アントニ・ヴィト(指)ビルケントSO
鬼才ビレットのベートーヴェン・シリーズ。こちらは2008年に録音されたピアノ協奏曲集です。ベートーヴェン25歳の時に完成された、壮大な楽想を持つ第1番の協奏曲ハ長調。23歳前に書かれていたものの、出版の順番が遅くなったせいで第2番とされる初々しい変ロ長調。これらは第3番以降の独自性こそないものの、はっとするような転調や、指定されたカデンツァ、ティンパニの連打など「やはりベートーヴェン」と思わせる部分が随所に用意された聴き応えのある作品です。ビレットは故郷アンカラのビルケントSOと息のあった演奏を聴かせます。名手アントニ・ヴィトの絶妙のサポートも見事です。
NAXOS-8.571254
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第4集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第2集
ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 Op.2-3
ピアノ・ソナタ 第5番 ハ短調 Op.10-1
ピアノ・ソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3
イディル・ビレット(P)
ビレットのベートーヴェン、この第2集では初期の2つのソナタと、中期のソナタのカップリングです。第3番は、冒頭の右手の重音が思いの他ピアニスト泣かせ。ここを軽やかに弾くのは結構大変!他にも難所続出の「甘く見てはいけない曲」です。もちろんビレットは何のためらいもなく、さくさく弾き切って、ベートーヴェンが伝えたかったことを存分に見せてくれています。第5番は「悲愴」と同じハ短調のソナタ。第2楽章の美しさも含めて「悲愴」との関連性も見受けられる、もっと聴かれてもいい作品です。終楽章の軽快なパッセージが心地よいです。第18番は、しばしば「狩り」と呼ばれ、第1楽章に現れる「運命の動機」が特徴的な作品です。終楽章のタランテラは、まるで指が縺れるのでは。と危惧してしまいますが、そこもビレット。こちらも難なく弾きこなしています。
NAXOS-8.571255
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第5集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第3集
ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 Op.10-3
ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53
ピアノ・ソナタ 第25番 ト長調 Op.79
イディル・ビレット(P)
ビレットのベートーヴェン・ソナタ第3集。明るい長調の3曲が収録されています。初期の作品の中では大規模な構造を持つ第7番は、ベートーヴェンの拘り(粘着性とも)を現わす、第1楽章での執拗なまでの下降音形や、終楽章の問いかけとも思える音形が癖になる力作です。第3楽章の優美なメヌエットが耳に優しく感じられます。ハ長調の「ワルトシュタイン」は言わずと知れた名作。ここではビレット節が炸裂します。メリハリのある強弱、くせのある歌わせ方、などなど普通の人がやったら確実に叱られそうな音楽を紡いでいきます。第25番は、この時期の作品としては小規模なもので、ピアノを習っていた人にはおなじみの曲ですが、これがやはり、きちんと演奏しようとすると結構難しいものです。右手と左手の連携や、アクセントの付け方に一癖も二癖もある作品です。ビレットの演奏はもちろん文句ありません。さらりと終わる終楽章が愛らしいです。
NAXOS-8.571256
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第6集〜ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集 第2集
交響曲 第4番 変ロ長調 S464/R128
交響曲 第5番 ハ短調 S464/R128
イディル・ビレット(P)

録音:1985年
原盤:EMIエレクトローラ
ピアノ1台でベートーヴェンの交響曲を演奏してみたい。かのリスト(1811-1886)が考えた壮大なる計画。今までにも数多くのピアニストがその試みを音にしてきました。もちろん、どこかでもたついていたら、かっこよさは半減してしまいます。ただただ技術的に難しいだけでなく、オーケストラの音色を感じさせてくれないといけないのですが、ビレットはこの命題を見事にクリアしています。交響曲第4番の冒頭は、引き延ばした音で本当に思わせぶりに始まるので、ピアノで再現するのは困難。しかしビレットは「何かを予感させるかのように」気持ちをぐいぐい引っ張ってくれます。もちろん軽快な第1主題では、オーケストラもたじたじとなるほどの華やかな音楽が炸裂します。第4楽章の早いパッセージはピアノ向きですが、音の厚みが半端ではないので演奏はかなり困難です。そして第5番はおなじみ「運命」。この迫力は、まさにため息ものです。
NAXOS-8.571257
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第7集〜ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集 第2集
ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58
イディル・ビレット(P)
アントニ・ヴィト(指)ビルケントSO

録音:2008年
ビレットとヴィトのコンビによる、なんとも重量級のベートーヴェンが生まれました。第3番の1楽章の長い提示部は、まさに交響曲を聴いているかのような味わい。ワクワク感が最高潮に達したところで登場するピアノ。決して焦ることなく、着々と音楽を進めて行く様は、本当に聴いていて気持ちの良いものです。第2主題も過度に歌わせることなく、あくまでも無骨さを崩さないところがビレット流。この人は、流麗さが求められるところを、敢えてゴツゴツ表現するのですね。そんなビレットが演奏する第4番がまた面白いのです。「こんなに力強くこの曲を演奏するか?」と思わせるところが彼女らしさなのかもしれません。ヴィトの指揮も、ベートーヴェンの「漢」ぶりを引き立てています。
NAXOS-8.571258
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第8集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第4集
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」Op.57
ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
イディル・ビレット(P)
イディル・ビレットのスゴイところは、それがどんなに難曲であろうとも、顔色ひとつ変えることすらなく弾きこなしてしまうところでしょう。また独特のテンポ感があり、それも興味深いところと言えそうです。このアルバムに収録された3曲は、どれもベートーヴェンのソナタの中でも最高峰に位置する作品で、技巧、表現ともども、一筋縄ではいきません。それを彼女は独自の世界観を持って構築していきます。妙に醒めた感のある「熱情」、これ以上ないほどにねっとりと演奏される「第28番」の第3楽章、第31番の透明感溢れる第1楽章は、あえて素っ気なさで対応するなど、ビレット節炸裂。そして28番、第31番ともども大空に向かって高く伸びて行くような終楽章のフーガ。
NAXOS-8.571259
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第9集〜ベートーヴェン=リスト編曲ピアノ独奏による交響曲集第3集
交響曲第7番イ長調S464/R128
交響曲第8番ヘ長調S464/R128
イディル・ビレット(P)

録音:1986年
原盤:EMIエレクトローラ
最近、リスト(1811-1886)が編曲したベートーヴェンの交響曲を手掛けるピアニストが増えてきましたが、やはりこういう曲は「けれんみのない」人が演奏してもつまらなくなってしまうものです。その点ビレットならば問題なし。ベートーヴェンとリスト双方の美味しい部分をじっくり味わうことができるというものです。このアルバムに収録されているのは、人気急上昇中の第7番と、比較的簡素な形式を持つ第8番の2曲です。第7番は華やかな主題が出て来るまでに、かなりの長い時間を要するのですが、この部分をピアノで演奏すると、どうしても単調になりがちなところを、ビレットは上手い具合に飽きさせず聴かせてくれています。最も荒々しい曲調を持つ終楽章は意外にも静かですが、これは彼女のいつものやり方です。第8番は細部にまで手が入った編曲であり、ビレットはその音を漏らさず聴かせてくれています。優美なはずの第3楽章メヌエットも、予想外の表情を見せています。これは面白いです。
NAXOS-8.571260
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第10集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第5集
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1
ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2
ピアノ・ソナタ第13番変長調 Op.27-1
ピアノ・ソナタ第14番「月光」Op.27-2
イディル・ビレット(P)
ビレットのベートーヴェンを聴く時は、少しだけ固定観念を振り払う必要がありそうです。何しろ彼女は美しいメロディを美しく歌わせることにはあまり興味がないようですし、早いパッセージを流麗に演奏することにもあまり気合いを入れていないようなのですから。さて、このソナタ集に収録されている4曲ではどんな演奏を聞かせてくれるのでしょうか?まず「ソナタ・アルバム」でおなじみの若干平易に書かれているOp.14の2つのソナタを聴いてみてください。万が一、ピアノ学習者がこの真似をしたとしたら即叱られてしまうことでしょう。独創的過ぎて少々ついていけない人もいるのでは。そして、ともに「幻想曲風」という副題がついたOp.27の2つのソナタでは、ビレットの自由自在な解釈を味わうことができます。切れ目なく奏される第1番での目まぐるしく変化する曲想、そして誰もが知っている「月光」ソナタでの揺らぎなき幻想。一歩一歩踏みしめるかのような堅実な終楽章も味わい深いものがあります。
NAXOS-8.571261
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第11集〜ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集第3集
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
合唱幻想曲 ハ短調 Op.80
イディル・ビレット(P)
エツゲチャン・ジェンチェル(S)
ギュルベン・エジシュク・チャヤン(S)
セマ・バイサル(A)
チャン・セルハト・サイギ(T)
エティム・デミール(T)
アリ・シナン・ギュルセン(Bs)
トルコ国立ポリフォニックcho
アントニ・ヴィト(指) ビルケントSO
ポーランドの名指揮者ヴィトの堅固なサポートを聴くもよし。ソロでは独自の世界観を表出するビレットが、協奏曲ではどんな我がままで指揮者を振り回すのかを聴きとるのもよし。トルコのオーケストラの爆演を楽しむもよし・・・。思いの他端正な第1楽章も良いですが、濃厚なるビレット節を聴きたければ第2楽章がオススメです。もちろん第3楽章では大団円に向かって突っ走ります。そうそう、あまり演奏されることのない「合唱幻想曲」が想像以上に良い曲だと再認識することもできるでしょう。
NAXOS-8.571262
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第12集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第6集
ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7
ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13「悲愴」
ピアノ・ソナタ第27番ホ長調Op.90
イディル・ビレット(P)
第4番変ホ長調の軽快なテーマで始まる、このビレットによるソナタ第6集には、大人気の第8番「悲愴ソナタ」が含まれています。ビレットがあの第2楽章をどんなに美しく演奏するだろうか?と想像するだけで楽しいものですが、実際の演奏は、テンポをほどよく揺らす、不思議なアコーギクを与えた味わい深いものとなっています。その傾向は第27番の第2楽章にも見られ、通常は優しく優しく扱う主題を、ビレットは敢えてぎこちなく(?)演奏することで、やはり曲に不思議な奥行を与えています。
NAXOS-8.571263
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第13集〜ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集第4集
交響曲第3番変ホ長調「英雄」
イディル・ビレット(P)

録音:1986年
原盤:EMIエレクトローラ
「フランス革命の際、ナポレオンに共感して曲を書きあげたものの、彼が即位したという知らせを受けて、激怒したベートーヴェン(1811-1886)が表紙を破り取った」という逸話がまことしやかに伝えられているこの第3番の交響曲。逸話を差し引いて考えても全編を通じて勇壮かつ創意工夫の見られる見事な作品です。リストはこの壮大な作品を見事にピアノ独奏作品へと移し替えました。どこもかしこも素晴らしい出来ですが、中でも変奏曲形式で書かれた終楽章が聴きものです。この主題はそのままベートーヴェン自身がピアノのための変奏曲としても作曲しているので、これと聴き比べるのも「通の楽しみ」と言えるでしょう。ビレットの演奏はどこを聴いても文句なし。
NAXOS-8.571264(2CD)
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第14集&第15集
ベートーヴェン(リスト編):交響曲第6番 「田園」
交響曲第9番「合唱付き」
イディル・ビレット(P)
ここで聴けるのは、第6番「田園」と第9番「合唱」で、どこから聴いても驚くことばかり。オーケストラの響きを余すことなくピアノで表現するなんて、まさに魔術師ですね。さて、このビレットの演奏。第9のおなじみのテーマが驚くほど遅いテンポで演奏されたりと、特異な世界を形成しています(例えばシチェルバコフの演奏と聴き比べていただければ面白いかもしれません)。指揮者で言えばクレンペラー?とにかく個性的です。
NAXOS-8.571266
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第16集〜ソナタ集 第7集
ピアノ・ソナタ 第6番 ヘ長調 Op.10-2
ピアノ・ソナタ 第12番 変イ長調 Op.26
ピアノ・ソナタ 第15番「田園」ニ長調 Op.28
イディル・ビレット(P)
ヴィルヘルム・ケンプとアルフレッド・コルトー。この全く方向性の違う個性を持つ2人のピアニストを師とする、トルコの女性ピアニスト、ビレットのベートーヴェン。ここでも彼女は独創的な解釈を聴かせます。若干地味目な第6番での巧妙な音運び。第12番の第3楽章「葬送行進曲」での不気味な響き、続く終楽章での朴訥とした音楽の流れ(決して下手なわけではないはず)。第15番、第1楽章での激しすぎるクライマックス。伝統、慣習に囚われない自由なベートーヴェンがここにあります。
NAXOS-8.571267
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第17集〜ソナタ集 第8集
ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調 Op.22
ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 Op.31-1
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 Op.31-2
イディル・ビレット(P)
この第8集には、ピアノを学ぶ人なら避けては通れない3つのソナタが収録されています。最初の重音が食わせ者、第11番の第1楽章や、出だしのタイミングが難しい第16番の第1楽章の冒頭、そして流麗な終楽章が魅力の「テンペスト」。これらを演奏する際に、このビレットの演奏はとても参考になるのではないでしょうか?彼女の演奏はスタイリッシュではなく、どちらかと言うと音を一つ一つ確かめながら鳴らしていくようなものですが、これが何とも言えない味わいがあるのです。本当に力強いベートーヴェンです。
NAXOS-8.571268
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第18集〜ベートーヴェン:ソナタ集第9集
ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調Op.81a「告別」
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
イディル・ビレット(P)
トルコの名ピアニスト、ビレットのベートーヴェン(1770-1827)・ソナタ集。こちらは「告別」ソナタと晩年のソナタ、第30番、第32番のカップリングです。朴訥とした語り口と、不思議な味わいの音色、そして深みのある歌心。これはまさに彼女の資質そのものです。どんなに早く流麗なパッセージにおいても、その姿勢を崩すことがないのは見事としか言いようがありません。「告別」の終楽章でのノンレガート奏法はある意味グールドを超えるかもしれません。
NAXOS-8.571269
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第19集〜ソナタ集 第10集
ピアノ・ソナタ 第22番ヘ長調 Op.54
ピアノ・ソナタ 第24番嬰へ長調 Op.78
ピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」
イディル・ビレット(P)
ビレットのベートーヴェン・ソナタ集、第10集の目玉は何と言っても、大作「ハンマークラヴィーア」ですが、その前に変則的な構成を持つ2つのソナタをお聴きください。あまり日のあたる機会の多くない第22番の見事な構造に驚かされ「こんなすごい曲だったのか」とため息をつき、ベートーヴェンの美メロの極致とも言える「嬰ヘ長調」ソナタ(令嬢テレーゼに献呈)の柔らかい響きに胸打たれましょう。そしてお待ちかね第29番。第1楽章のたっぷりとした響き、諧謔的な第2楽章、そして第3楽章のこだわり抜かれた音楽ですっかりお腹一杯になったあと(この楽章は、本当にヘビー級)デザートで出されるのがまた濃厚な味のフーガ。ベートーヴェンの凄さをとことん味わうことができる1枚です。
NAXOS-8.571270
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第1集
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
イディル・ビレット(P)
アントニ・ヴィト(指)ビルケントSO

録音:
協奏曲のレパートリーだけでも100曲以上。驚異のレパートリーを誇るトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。ここでは、極めてオーソドックスな2つの協奏曲を華麗に弾きこなします。2曲とも、滝のようになだれ落ちる冒頭のパッセージが魅力的ですが、陰鬱さの中に激しい情熱を秘めたシューマン、凛とした表情と熱い心を併せ持つグリーグと、その表現はかなり違いを際立たせないといけません。ビレットの演奏は全く文句なし。そして、オーケストラをまとめるのはNAXOSきっての名手、アントニ・ヴィト。どちらの曲も終楽章の盛り上がりが半端ではありません。
NAXOS-8.571271
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第2集
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
 ピアノ協奏曲第3番変ホ長調*
イディル・ビレット(P)
エミール・タバコフ(指)
ビルケントSO

録音:2004年、2007年*
トルコの名女性ピアニスト、ビレットによるチャイコフスキーの2つの協奏曲です。さて、このアルバム、あまり聴く機会のない第3番が聴けるのも注目です。最初、チャイコフスキーは交響曲として構想したこの作品。どうにも手に負えなくなってピアノ協奏曲へと書き変えたというもので、現存するのは第1楽章「アレグロ・ブリランテ」のみですが、この曲が何ともスゴイものです。まるで重戦車のような迫力を持つ作品を、ビレットは重々しいタッチでぐいぐい鳴らします。バックをしっかり守るのが、こちらも迷(?)指揮者タバコフ。細かいことなんてどうでもよくなるような、ボリュームたっぷりの音。ずっしり来ます。ロシアのオケとはまた違った不思議な味わいをどうぞ。
NAXOS-8.571272
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第3集
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調*
 左手の為のピアノ協奏曲#
イディル・ビレット(P)
ジャン・フルネ(指)ビルケントSO

録音:1999年、1998年*、1996年#
チャイコフスキーでは、重厚で脂ぎったロシアの大地を思わせてくれるような演奏を聴かせるビレットですが、このフランス物でも、なかなか個性的な演奏を繰り広げていて、まことに興味深いものとなっています。サン=サーンスの5番の協奏曲は、別名「エジプト風」とも呼ばれる異国情緒たっぷりの曲。とりわけ第2楽章での不思議な響きは中近東の妖しい空気を思い起こさせるものです。ビレットはテンポを遅めに取り、濃厚な音楽を聴かせます(終楽章では一転、爽やかで晴れやかな表情を見せ、この作曲家がフランス生まれだったことに想い至らせるのですが)。ラヴェルの2曲の協奏曲も、何とも独特な解釈で、一度は聴いておきたい演奏です。名指揮者フルネが独自の音楽を聴かせるところも素晴らしいです。

NAXOS-8.571273
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第4集
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
ピアノ協奏曲第2番イ長調
死の舞踏ニ短調*
イディル・ビレット(P)
エミール・タバコフ(指)ビルケントSO

録音:2004年6月、2007年5月*
“豊麗な音彩!遂にリストらしいリストが出現!”
ビレットは、初期のナクソスのピアノ録音で頻繁に登場したピアニストですが、その類稀な個性を誇るピアニズムを真剣に語った例を見たことがありません。よく目にする名前ゆえ、「そつなく弾きこなすピアニスト」というイメージが付いてしまったせいでしょうか?
このたび新たにリリースされたエディションは、過去の録音の焼き直しではなく新登場のものばかり。驚くべきことにその中に凡庸な演奏など一つもなく、まさに衝撃の連続!まさにビレットの魅力を再認識するチャンス到来と言えましょう。特に、作品の様式と香りを最大限に引き出す才能は尋常ではなく、このリストでも、メカニックに疾走する最近の潮流とは逆行して、どっしりと腰を据え、当時のピアノ音楽の頂点に君臨するリストの誇らしげな威容を湛えたスケール感満点の演奏を展開。久々にブルーノ・ワルターのモーツァルトを聴いてほっとするのと同じような心持ちにさせるのです。
「協奏曲第1番」は終始テンポを遅めにとり、弾き飛ばしは一切無く、深い打鍵に豊穣なロマンを徹底注入した豪奢な演奏。思わず「これだ!」と声を上げたくいなるリストらしいリストが眼前に聳え立ちます。アダージョの部分では潤いに満ちたタッチが詩情を広げ、弱音でも決して音が痩せずに音楽の輪郭を克明に表出。トライアングルの囁きで開始する第3楽章冒頭はリズムのなんと粋なこと!そして、綺麗ぶらずにありったけの色彩ニュアンスを臆せず引き出す潔さ!第4楽章はこれ以上は不可能と思えるほどの音楽内容の豊富さで、まさに「本当のヴィルトゥオーゾとはこういうことよ!」と言わんばかりの意地をぶつけます。無理やり上から叩きつけるのではなく芯から共鳴するタッチはオケに埋没する素振りもみせず、コーダにおいては感覚的な輝きと作品へ共感の熱さが極限に達し、かつなない熱い感動に襲われること必至です!
そうなると当然「協奏曲第2番」にも期待が掛かりますが、これがその期待を更に上回る名演奏!些細なフレーズでも末端までたっぷりと響かせ、1:47からの濃密で豪奢な打ち込みは前代未聞。第3部や行進曲調の第4部、第5部の強烈な打鍵も一切妥協がなく、それでいていきり立つのではなくまさに女王の貫禄で平伏させる力を誇ります。しかしなんといっても聴きものは第6部のグリッサンド!!こんなに全ての音が泡立ちなが寄せては返すグリッサンドらしいグリッサンドがかつてあったでしょうか?コーダではテンポを落とし、渾身の思いを荘重なニュアンスに込めて締めくくり、その余韻はいつまでも消えません。
続く「死の舞踏」がこれまた壮絶!全編凶気スレスレで、冒頭はまさに雷鳴ごとき大轟音で開始。この作品のこれでもかというグロテスクさを敬遠する方でも、ここまでやられたら降参するしかないでしょう。ただ、それだけなら他に並ぶ演奏は存在するかもしれません。ビレットの訴求力の高さは、単なるテクニックのはけ口として利用したり、聴き手をあっと言わせようという魂胆によるものではなく、音楽の持ち味をありのままに表出しなければ気が済まないという一途さががベースになっているように思われ、それゆえに心に迫る演奏として再現されるのではないでしょうか?
豪華絢爛で味わい深いリストらしいリストを久しく聴いていないとお嘆きの方、これは必聴です!【湧々堂】
NAXOS-8.571274
イディル・ビレット/アーカイブ・エディション第1集
ラヴェル:グロテスクなセレナード
 夜のガスパール
ストラヴィンスキー:5本の指で
 子どもたちのワルツ
 ペトルーシュカからの3楽章
イディル・ビレット(P)
何でも演奏可能なビレットによる、胸のすくようなラヴェルとストラヴィンスキー作品集です。冒頭の「グロテスクなセレナード」から飛ばしてます。若干テンポを落とし、メロディをくっきり浮かび上がらせた「夜のガスパール」のオンディーヌ、郷愁さえ感じさせる絞首台、不気味さ炸裂のスカルボ・・・。ついつい聞き惚れてしまいます。ストラヴィンスキーも格別の味わいであり、最近演奏される機会の多い、ペトルーシュカからの3楽章も、独特な内声の浮かび上がらせ方によって、全く新しい作品のように聴かせる技はさすがです。
NAXOS-8.571275
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第4集
ショパン:マズルカ 第1番 イ短調 Op.17-4
 マズルカ 第3番 ロ長調 Op.56-
スクリャービン:ピアノ・ソナタ.第10番 ハ長調 Op.70
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ.第2番 ニ短調 Op.14
 ピアノ・ソナタ.第7番変ロ長調 Op.83
イディル・ビレット(P)
幅広いレパートリーで知られるトルコの名ピアニスト、イディル・ビレット。このアルバムは彼女が名プロデューサー、イルハン・ミナログルとともにFinnadar レーベルへ多くの録音を重ねていた時期のものです。主に電子音楽や現代音楽を中心としたLP レコードをリリースしていたレーベルですが、ビレットはウェーベルンやブーレーズ、ブークーレシュリエフなどの意欲的な作品を録音する傍ら、ショパンやプロコフィエフなどの「標準的な」レパートリーも録音し、これらも高い評価を受けたのでした。また、このディスクは、当時「最も音の良い」録音方式であった「direct-to-disc」を採用したものとしても知られるものです。
NAXOS-8.571276
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第3集〜ニュー・ライン・ピアノ
ブークーレシュリエフ(1925-1997):アルキペルW Op.10
カスティリオーニ(1932-1996):カンジアンティ
ブローウェル(1939-):ピアノとフォルテのソナタ
ミマールオール(1926-):セッション
イディル・ビレット(P)
ビレットによる現代作品集です。一言で現代と言っても、その音楽はとても幅広いのですが、ここでビレットはなかなか興味深い作品をぶつけてきました。ビレットは1972年にFinnadarレーベルへ録音を開始したのですが、ここは、ワーナー傘下で現代音楽(とりわけ電子音楽)有数のアトランティック・レコードと提携関係にあったため、当時活躍していた現代作曲家たちがこぞってLPをリリースしていたのです。そんな関係で、彼女も最先端の音楽を奏することになり、この1976年録音の希少盤が出来上がることになったのです。トッカータの進化系のようなブークーレシュリエフやブローウェルの作品は、いかにも彼女らしいと頷けますが、ミマールオールの「セッション」もなかなかの大作です。この曲はルイジ・ノーノばりのテープを用いた扇動的な作品で、時としてピアノの音色が頭から飛んでしまうかのような、多元的な音楽で(この作品はビレットのために書かれています)、機械的に処理されたオーケストラの響きなどを巻き込みながら、コラールにも似たピアノの音色で終焉を迎えます。
NAXOS-8.571277
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第4集
ベルク:ピアノ・ソナタOp.1
ウェーベル:ピアノのための変奏曲Op.27
ブーレーズ:ピアノ・ソナタ第2番
イディル・ビレット(P)
あのポリーニが、ブーレーズのピアノ・ソナタ第2番で注目を浴びたのは1978年の来日公演の時でした。超難解と言われる「ゲンダイオンガク」を事もなく弾きこなす若者(当時)に息を飲んだ人も多かったのでは。とはいえ、ブーレーズがこの曲を書いたのは1948年のことであり、1950年には初演されているのだから、当然様々なピアニストが手掛けていたことは間違いないのです。その中にビレットがいたとは・・・。この録音は1972年、ポリーニよりも1歳年上の彼女が31歳の時。確かに現代曲をバリバリ弾いていた人だから、全く不思議はないのだけれど、やはりこうして実際の演奏を聴いてみると、「すごい人がいるものだ」と感嘆せずにはおれません。他にはベルク、ウェーベルンとおなじみの作品を2曲。
NAXOS-8.571278
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第5集マーラー&フランク:室内楽作品集
マーラー:ピアノ四重奏曲イ短調
フランク:ピアノ五重奏曲ヘ短調
イディル・ビレット(P)
ロンドンSQ

録音:1980年
ビレットの幅広いレパートリーを示す、珍しい室内楽作品の演奏です。マーラーの作品は、彼がウィーン音楽院に在学していた16歳の頃に書かれた単一楽章の曲で、作曲科の試験に提出するために書かれたとされています。本来は4楽章形式で構想されたと言われますが、第3楽章スケルツォの断片が残っているのみで、他は紛失したようです。この楽章のみ、未亡人アルマの遺品から発見されました。後年の作風のような重厚さは見られないものの、終わり近くに現れるヴァイオリンの悲劇的なカデンツァが未来を予見させます。もう1曲のフランクは、渋さの権化のような作品ですが、ビレットの演奏は、フランク特有の旋律美を面白いほどに感じさせてくれる説得力あるものです。またロンドン弦楽四重奏団も素晴らしい。現れては消える緊張感漲るメロディを追っていくうちに、この曲が好きになること間違いなし。
NAXOS-8.571279
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第6集
シューマン:幻想小曲集Op.12
ブラームス:3つの間奏曲Op.117
イディル・ビレット(P)
ビレット17歳の瑞々しい感性が光るブラームスとシューマンの作品集です。彼女の驚異的な才能は、トルコの議会をさえも動かして、当時不可能であった海外渡航を認めさせたのであり、7歳でパリ音学院に留学してからも、その才能の発露は留まることを知りませんでした。アルゲリッチと同じ年、そしてポリーニよりも一つ年上の彼女がもしショパン国際コンクールに参加していたなら・・・現在の日本での彼女の人気はもっと大きなものだったのかもしれません。しかしそんな「if」は不要です。この録音は、3日間のセッションで行われましたが、編集時に「その部分だけ」を演奏しなおして繋いだため、彼女にしてみれば出来上がりに不満があったようで、その数年後のプロコフィエフの録音では「全曲を弾き直して」統合性のとれた音楽を記録することに成功したと言います。
NAXOS-8.571280
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第5集
チャイコフスキー:協奏的幻想曲ト長調 Op.56
ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44(原典版)*
イディル・ビレット(P)
ホセ・セレブリエール(指)
エミール・タバコフ(指)*
ビルケントSO
最近のビレットはますますその技巧に磨きをかけているようで、このアルバムから聞こえてくる音楽も芳醇の極みと言えるでしょう。まず、チャイコフスキー(1840-1893)の秘曲、協奏的幻想曲は1884年に書かれた2楽章形式からなるピアノ協奏曲です。どうしても彼のピアノ協奏曲は第1番以外はあまり耳にする機会がないのだけれども、実はどれもなかなかの力作であり、なぜ人気が出ないのか不思議に思う人も多いのではないでしょうか。この演奏、とにかくセレブリエールが指揮するオーケストラが絶品。ひたすら力強く曲を盛り上げます。第2番は1879年から1880年にかけて作曲され、N.ルビンシテインに献呈されたもので、こちらもとても美しく技巧的なのですが、第2楽章のチェロとヴァイオリンの二重奏があまりにも長すぎて、ジロティがカットしてしまったりと、少々不幸な生い立ちを持つ曲です。ただ、少々残念なのは、どちらの曲も、美しいメロディが多すぎること。あまりの美メロの連続に、どこを「お気に入り」にすればよいのかわかりません。そんな毎日フレンチのフルコースを食べているかのような贅沢な悩みに浸るのもよいものです。
NAXOS-8.571281
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第7集
ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調 Op.13
 ピアノ・ソナタ第3番ハ短調 Op.19
リスト:暗い雲
 悲しみのゴンドラ第1稿
スクリャービン:5つの前奏曲Op.74
ラフマニノフ:幻想小曲集Op.3-2 前奏曲ハ短調「鐘」
イディル・ビレット(P)
トルコ、イスタンブール出身のプロデューサー、イルハン・ミマログルに見出されたイディル・ビレットは、Finnadarレーベルのために様々な曲を録音しました。それはベルリオーズ=リストの「幻想交響曲」からテープとピアノのための作品集(NAXOS-8.571276で聴けます)まで多岐に渡っています。さて、このアルバムに収録されているのは1978年から1979年にかけて録音されたミャスコフスキーを中心とした6つの作品です。ミャスコフスキーのソナタは、どちらも彼の初期の頃の作品で、第2番では有名な「怒りの日」のモティーフが印象的に使われています。単一楽章で書かれていて、スクリャービンの影響も感じさせる技巧的な曲です。リストの2つの曲は無調を感じさせる晩年のもので、静かな音の中に凝縮した世界が描かれています。スクリャービンは短いながらも印象的な作品であり、ラフマニノフは最近注目の華やかな曲。どれもが聴きどころたっぷりです。
NAXOS-8.571282
ディル・ビレット/ソロ・エディション第1集
リスト:ピアノ・ソナタロ短調S178/R21
パガニーニによる大練習曲S141/R3b
イディル・ビレット(P)
トルコが誇る女性名ピアニスト、イディル・ビレットの名前はNAXOSファンにとってすでにおなじみです。世界中のオーケストラ、指揮者と共演し、また膨大なレパートリーを持つ事でも知られてます。このシリーズにはそんな彼女の姿を知るのに格好のアイテムが揃っています。とりわけリストは彼女が最も得意としている作曲家であり、ここでも冴えた技巧を遺憾なく発揮しています。パガニーニ練習曲は1987年の録音ですが、ソナタは2010年の最新録音です。
NAXOS-8.571283
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第8集
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
 ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
ディル・ビレット(P)
時には「やり過ぎ?」とも思える濃厚な味付けがたまりません。「悲愴」での第1楽章の冒頭部分の歌い込み、一つ一つ音を愛おしむかのように甘く美しい第2楽章、軽やかさの中とどっしりした風情を併せ持つ終楽章。また「ハンマークラヴィーア」では恐ろしいまでの輝かしい音色と壮大なる迫力で聴き手を魅了します。ベートーヴェンの激情を見事なまでに引き出した名演です。
NAXOS-8.571284
(2CD)
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第9集&第10集〜ベルリオーズ
ベルリオーズ(リスト編):幻想交響曲
ベルリオーズ(リスト編):イタリアのハロルド*
イディル・ビレット(P)
ルーセン・グーンズ(Va)*

録音:1978年、2011年*
ビレットが演奏するベルリオーズ=リスト(1811-1886)の幻想交響曲は、NAXOSにも録音があり(NAXOS-8.550725)、こちらもとても評判が高いのですが、こちらの録音はそれよりも14年前の演奏です。彼女はこのリスト版を演奏するにあたって、ベルリオーズの原曲をよく研究し、リストが編曲した際の原曲との微妙な相違点を修正していることで知られていますが、この録音でもそれは顕著に現れています。後年の演奏よりも若干軽やかさとぎこちなさが同居していますが、よくぞここまで!という妙技は変わりありません。もう1曲の「イタリアのハロルド」は2011年の最新録音です。ヴィオラをともなうこの交響詩を全曲演奏してしまうというだけでも偉業なのですが、これがまた随分と良くできていて、ついつい聴き入ってしまいます。どうしても統一感が不足がちな原曲よりもまとまりがあり、一気に聴きとおすことが可能です。
NAXOS-8.571286
リスト:12の練習曲 S136/R1(1826)
3つの演奏会用練習曲 S144/R5
2つの演奏会用練習曲 S145/R6
リゴレット・パラフレーズ S434/R267
歌劇「タンホイザー」序曲 (ワーグナー原曲)
イディル・ビレット(P)
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビューし、以降半世紀に渡ってその技巧と音楽性を発展させ続けています。そんな彼女の最新録音はリストの練習曲とパラフレーズという「いかにも」というものです。「12の練習曲」はリスト(1811-1886)15歳の時の作品。後に「超絶技巧練習曲」として煌めく技巧を駆使した作品として改訂されますが、ここではもう少し素朴、かつ平易な音使いとなっています。しかし、至るところに流麗なパッセージが使われていて、単なる少年の習作として切って捨てることは不可能な素晴らしい作品です。演奏会用練習曲は、それぞれ単独でも奏される魅力的な作品で、確固たる技巧と表現力の持ち主でないと、これらの曲の真の姿を描き出すことはできないでしょう。そして2つのパラフレーズ作品は、これぞリスト!と言える華やかさ。音符の多さに圧倒されること間違いありません。
NAXOS-8.571287
イディル・ビレット/ソロ・エディション第3集
リスト
:12の大練習曲集S137/R2a(1837)
イディル・ビレット(P)
リストの数ある作品の中でも「超絶技巧練習曲」はとりわけ人気を誇っています。しかし、一般に知られるこの作品が成立するまでに、2段階の成長過程があったことをご存知でしょうか?まず最初は、15歳の時に出版した「12の練習曲」で、こちらは天才の萌芽はあるものの、まだまだ小手調べと言ったところです。そして次が26歳の時に改定したこの「12の大練習曲」で、その後、幾度かの改定を経て、41歳に出版された第3稿が、通常聴かれる「超絶技巧練習曲」です。このアルバムの第2稿はとりわけ演奏困難な作品であり、リスト自身でなければ完璧に演奏することは無理だとされ、これまでに録音もほとんど存在しない(リスト全集などを除けば)「幻の」作品です。曲ごとに様々な違いがあり、興味は尽きませんが、後に「マゼッパ」と命名される第4曲は特に聴きもの。リストが自らの技巧の限界を追求しながら書いたであろう、難しすぎるヴァージョンを、易々と弾きこなすビレットは、もしかしたらリストを超える存在なのかもしれません。
NAXOS-8.571288
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第11集
サイグン(1907-1991):ピアノ協奏曲第1番*…世界初録音
サイグン:アクサク・リズムによる12の前奏曲集*
ジャン・フランセ(1912-1997):ピアノ・ソナタ(ビレットに捧ぐ)
アルカン(1813-1888):鉄道Op.27
バラキレフ(1837-1910):イスラメイ
イディル・ビレット(P)
アフメト・アドナン・サイグン(指)
オーケストラ・コロンヌ

※*のみモノラル録音
今でこそ、トルコの作曲家アフメト・アドナン・サイグンの作品は、耳にする機会が比較的多いのですが、この演奏が行われた1958年当時は、まだまだ広くは認められていませんでした。そんな彼のピアノ協奏曲を堂々たる身のこなしで演奏したのが、17歳の若きピアニスト、イディル・ビレットだったのです。サイグン自身の指揮と彼女の演奏により、この曲の持つ雄弁な表現法と、独創的で知的なイディオムが広く知れることとなり、聴衆たちは、作曲家と演奏者ともどもに熱い拍手を送ったのです。また、フランス屈指の技術を持つオーケストラ・コロンヌの役割も大きなもので、このような新しい音楽を演奏すること自体、冒険であったはずですが、彼らは期待以上の働きをしています。サイグンの信頼を得たビレットは、ソロ作品でも素晴らしい演奏をしていて、それは「12の前奏曲」で目の当りにすることができるでしょう。フランセの作品もビレットのために書かれたもので、こちらはウィットに富んだ軽やかな、いかにも「フランス風」の曲。アルカンとバラキレフの2曲は超絶技巧のオンパレード。ビレットでなくしては成立しない1枚といえるでしょう。
NAXOS-8.571289
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第12集
ラフマニノフ:楽興の時Op.16
コレッリの主題による変奏曲Op.42
13の前奏曲Op.32〜第1番ハ長調/第5番ト長調/第12番嬰ト短調
イディル・ビレット(P)
『私の師であるナディア・ブーランジェは、私がラフマニノフの第3番の協奏曲を演奏するように依頼を受けた時、「大惨事が起きるから」と反対しました。しかし、私はラフマニノフの音楽の中に偉大なる貴族性を認めたのです。その後、私が「コレッリの主題による変奏曲」を演奏した時、ようやく彼女は完全に意見を変え始めたのです。…イディル・ビレット回顧録(2006)より』 彼女のラフマニノフに意見するのだとしたら、それはブーランジェ自身がラフマニノフに反感を持っていたのでは?と勘ぐってしまいたくなるような、説得力のある演奏です。重厚なタッチと技巧、漲る情緒。ラフマニノフの雄大な楽想を表現するのに、ビレットほどふさわしい人はいないのではないでしょうか?その後の彼女による協奏曲を始めとした一連の演奏を聴けば、それは一目瞭然です。
NAXOS-8.571291
イディル・ビレット/ソロ・エディション 第4集〜シューマン:作品集
アベッグ変奏曲 Op.1
ピアノ・ソナタ.第2番 ト短調 Op.22
幻想曲ハ長調 Op.17/トッカータ.ハ長調Op.7
イディル・ビレット(P)
ますます意欲的に活動を続けるイディル・ビレットの最新録音です。ここでは、“内省的”とされるシューマンのピアノ曲を、極めて鮮烈に演奏し、エキサイティングな「ビレット・ワールド」を見せつけてくれます。快速テンポが印象的な「アベッグ変奏曲」、彼女があまりにも易々と演奏するために、演奏上においても、表現上においても、この曲の持つ困難さが全く感じられないという稀有なる名演「ピアノ・ソナタ第2 番」、いつものように意表を突く表現が魅力的な「幻想曲」、流麗さの中に潜む砂利の感覚を楽しむ「トッカータ」と、ビレットならではの解釈が溢れています。
NAXOS-8.571292
イディル・ビレット/ソロ・エディション第5集
シューマン:クライスレリアーナOp.16
花の曲Op.19
ウィーンの謝肉祭の道化
イディル・ビレット(P)

録音:2012年1月トルコアンカラ,ビルケント・シンフォニー・ホール
NAXOSを代表する名ピアニスト、ビレットの最新録音はシューマンの3つの名曲です。昨年はリストの超絶技巧練習曲をバリバリ演奏し、その闊達ぶりをとことん見せつけた彼女ですが、今作では趣向を変え、何とも艶めかしいシューマンを聴かせています。「クライスレリアーナ」はご存知の通り、E.T.A.ホフマンの書いた音楽評論集からインスピレーションを受けた作品で、「花の曲」はジャン・パウルの文学に触発された小さな作品。そして「ウィーンの謝肉祭の道化」は、シューマンが実際に楽しんだ謝肉祭の賑やかな様子を幻想的に描いた曲で、自身の「蝶々」からの引用もある興味深い作品です。どれも文学と音楽の融合という、まさにシューマンの命題そのものの曲であり、演奏者の個性がにじみ出やすいことでも知られています。ビレットは曲の特徴をしっかり捉え、各々の性格を見事に弾き分けることに成功しています。
NAXOS-8.571291
イディル・ビレット/ソロ・エディション 第4集〜シューマン:作品集
アベッグ変奏曲 Op.1
ピアノ・ソナタ.第2番 ト短調 Op.22
幻想曲ハ長調 Op.17/トッカータ.ハ長調Op.7
イディル・ビレット(P)
ますます意欲的に活動を続けるイディル・ビレットの最新録音です。ここでは、“内省的”とされるシューマンのピアノ曲を、極めて鮮烈に演奏し、エキサイティングな「ビレット・ワールド」を見せつけてくれます。快速テンポが印象的な「アベッグ変奏曲」、彼女があまりにも易々と演奏するために、演奏上においても、表現上においても、この曲の持つ困難さが全く感じられないという稀有なる名演「ピアノ・ソナタ第2 番」、いつものように意表を突く表現が魅力的な「幻想曲」、流麗さの中に潜む砂利の感覚を楽しむ「トッカータ」と、ビレットならではの解釈が溢れています。
NAXOS-8.571295
イディル・ビレット/アーカイヴ・エデイション第13集/ブラームス
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガOp.24
パガニーニの主題による変奏曲第1集
パガニーニの主題による変奏曲第2集
イディル・ビレット(P)

録音:1961年11月MONOパリアベ・ワグラム
トルコの期待を一身に集め、世界へと羽ばたき始めたイディル・ビレット20歳の時の録音です。力強いタッチと見事なテクニックはレコード会社のプロデューサーを含む多くの人々を魅了し、すぐさま多くの録音がこの世に生まれて来たのでした。このブラームス(1834-1897)もそんな1枚です。変奏曲というジャンルは、確かにピアニストの資質を諮るためには最適であることを再認識させてくれる、まさにテクニックと表現の「万華鏡」のような1枚です。ブラームスらしい内声が充実したパッセージを易々と弾きこなすビレット、やはりただ者ではありません。
NAXOS-8.571296
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第14集
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番Op.83
バルトーク:ルーマニア民謡舞曲第1番-第6番Sz56
 組曲Op.14Sz62
 ミクロコスモス第6巻第148番-第153番「6つのブルガリアのリズムによる舞曲」
 アレグロ・バルバロSz49
イディル・ビレット(P)

録音:1961年11月(MONO)パリワグラム
1961年、当時新進気鋭のピアニストであったイディル・ビレットの全てが凝縮した、すばらしいプロコフィエフとバルトークの一連の作品です。録音当時20歳であった彼女ですが、この演奏には彼女の資質の全て…巧みなテクニックと柔軟なタッチ、そして優れた音楽性…が表出されたものであり、嵐のようなプロコフィエフと諧謔性に富んだバルトークは、確かにこの世代のピアニストの中でも群を抜く演奏であると言えるでしょう。
NAXOS-8.571298
イディル・ビレット/ソロ・エディション第6集〜シューマン:作品集
色とりどりの小品Op.99
幻想小曲集Op.12
イディル・ビレット(P)

録音:1983年、2000年
トルコのアンカラに生まれ、3歳からピアノを始め瞬く間に頭角を現したというイディル・ビレット。NAXOSファンならずとも、知らぬ者のない名手です。このビレット・エディションはそんな彼女の偉大なる足跡を辿るものであり、デビュー間もなくの「天才少女」の頃の演奏から、つい最近の円熟の演奏までを幅広くカバー。彼女の多彩なレパートリーと類い稀なる技巧を存分に味わうことができるシリーズです。このシューマンは彼女の壮年期の演奏であり、感情の起伏の大きな素晴らしい演奏です。「色とりどりの小品」での曲ごとに変わる風景、幻想小曲集での内省的な表現。これらの造形美は聴き手の期待を裏切ることがありません。とりわけ、シューマンの特徴とも言える「内声部が美しく立ち上がる部分」の巧みな処理は他の追随を許しません。
NAXOS-8.571300
イディル・ビレット:アーカイヴ・エディション 第15集
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K475
ピアノ・ソナタ.第14番 ハ短調 K457
ピアノ・ソナタ.第11番 イ長調 K331*
イディル・ビレット(P)

録音:
2000年9月23日 フランス フェネトランジュ音楽祭 ライブ、1993年10月21日 フランス リール音楽祭 ライブ*
トルコの名手ビレットによる、ちょっと風変りなモーツァルト。彼女のベートーヴェンヤモーツァルトの解釈はとても斬新であり、それは例えばテンポであったり、アコーギクであったりと、どれもなかなか興味深いものです。ここで演奏されているのはモーツァルトの作品の中でもとりわけ激しい表情を見せるハ短調のソナタと幻想曲。そして最終楽章に「トルコ行進曲」を持つ優雅なイ長調のソナタ。楽想がめまぐるしく変化するハ短調の幻想曲と、第24番のピアノ協奏曲を彷彿させるソナタでの、きわめて即興的なフレーズの処理や、イ長調ソナタの第1楽章(変奏曲形式)での、同じく遊び心たっぷりの表現など、彼女が単なる名手ではないことを物語っています。
NAXOS-8.571301
イディル・ビレット/ソロ・エディション第7集〜シューマン:作品集
蝶々Op.2/謝肉祭Op.9
アラベスクOp.18/森の情景Op.82
イディル・ビレット(P)

録音2013年5月
ますます精力的な活動を続けるトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。このシューマン(1810-1856)は彼女の最新録音となります。機知に富んだ「蝶々」の冒頭部を聴いただけで彼女の円熟度が理解できるのではないでしょうか?そしてピアニストの持つ表現力が試される「謝肉祭」。彼女の演奏はこの曲集から極めて夢幻的なイメージを引き出しています。シューマンの思い描いた「フロレスタンとオイゼビウス」の二面性も余すことなく描かれているようです。音が絡みつく「アラベスク」の美しさ、そして一見易しい音楽に見えるも実は更に深い内容を持つ「森の情景」での神秘的な表現もたまりません。

NAXOS-8.571303(2CD)
イディル・ビレット:アーカイヴ・コレクション第16/17集
ブラームス:交響曲第3番(I.ビレット編)
ハンガリー舞曲第1番/第2番/第3番/第4番/第6番/第7番
交響曲第4番(I.ビレット編)
パガニーニ変奏曲Op.35<第1巻/第2巻>
カプリッチョOp.76-1/カプリッチョOp.76-5
イディル・ビレット(P)

録音:1972〜1997年
「幼いころから、私はラジオやレコードを聴いては、交響曲をピアノ用に編曲していました。その頃、まだ楽譜は読めませんでしたが、全て暗記しており、特にベートーヴェンの交響曲は子供の頃から全てを知っていました」と語るイディル・ビレット。この2枚組には「ベートーヴェンではない」ブラームス(1834-1897)の2曲の交響曲の彼女自身によるピアノ編曲版が収録されています。指揮者を目指す学生は、学習のために「スコアをそのままピアノで演奏する」ことも求められますと言いますが、やはりピアニストであるビレットの編曲は、どこもかしこも破綻のないものであり、その素晴らしい仕上がりには驚くほかありません。他には、こちらも演奏困難なことで知られる「パガニーニ変奏曲」とライブ収録のハンガリー舞曲、そしてアンコールで演奏された深みのあるカプリッチョ2曲。思わず「すごい!」と声が出てしまうこと間違いありません。
NAXOS-8.571305
イディル・ビレット:室内楽エディション第1集
ピアノ五重奏曲変ホ長調Op.44
交響的練習曲Op.13
イディル・ビレット(P)
ボルサンSQ4
<エセン・キヴラク(第1ヴァイオリン)/オルグ・キジレイ(第2ヴァイオリン)/エフダル・アルトゥン(Va)/チャ・エルチャ(Vc)>

録音:2014年5月ドイツザンドハウゼン-ハイデルベルククララ・ヴィーク・アウディトリウム
トルコの名ピアニスト、イディル・ビレットの最新録音はシューマン(1810-1856)のピアノ五重奏曲と交響的練習曲という組み合わせ。このピアノ五重奏曲が素晴らしい出来栄え。思いの他落ち着いたテンポ設定と、たっぷりとした美しい音色は、シューマンのこの悩ましい世界を完璧に表現しています。共演しているボルサン弦楽四重奏団は2005年に設立されたトルコのアンサンブルですが、アルバン・ベルク四重奏団やジュリアード四重奏団のマスタークラスに参加し、その技術と表現力に磨きをかけた人たち。このシューマンではビレットの錚々たるピアノと真っ向から立ち向かい、納得の演奏を繰り広げています。後半の「交響的練習曲」はビレットの個性的な持ち味が炸裂。ねっとりと聞かせるビレット節をたっぷりとお楽しみください。なお遺作の5曲は曲中に挟みこまれる形で演奏されています。
NAXOS-8.571351
モーリス・ジェイコブソン:主題と変奏
モザイク(1949)
セルシー・ローン(チェロとピアノ版)(1946)
組曲「音楽室」(1935)<素朴なバレエ/サラバンド/バガテル/茶色の研究/川の音楽>
主はわが羊飼い(1936)
ロマンティックな主題と変奏(主題…1910/変奏…1944)
雅歌(1946)
哀歌(チェロとピアノ版)(1941)
回転木馬(1946)
ユモレスク(チェロとピアノ版)(1948)
主題と変奏(ピアノ・デュオ版)(1943-1947)
ジュリアン・ジェイコブソン(P)
ジェニファー・ジョンストン(Ms)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
マリコ・ブラウン(P)

録音:2013年1月11日、2013年2月3日UKストーク・ダベルノン,メニューイン・ホール
イギリスの音楽家モーリス・ジェイコブソン(1896-1976)は多くの面で非常に優れており、「突出した才能を持つ音楽家」と評されました。演奏家としては、幼い頃からバッハの平均律とベートーヴェンの32のピアノソナタを自在に弾きこなし、王立音楽大学では第一次世界大戦で中断されながらも、ホルストとスタンフォードの協力者であり、また偉大なるテノール、ジョン・コーツの伴奏者として注目され、キャスリーン・フェリアの才能にも着目したということです。第二次世界大戦後には、更に活動の幅を広げ、それはナショナル・ユース・オーケストラの創立や、様々な出版物の編集、ディレクターを行い、音楽祭での審査員を務め、英国だけでく、カナダ、香港にも強い影響力を及ぼしていました。そんな多忙な彼ですが、生涯に450曲もの作品を残したのは、まさに驚異的なことだったに違いありません。このアルバムには1935年から1949年までに書かれた作品を収録。戦時中の困難な生活を乗り越えて書かれた、ちょっと風変わりな作品を彼の息子であるピアニスト&作曲家ジュリアンが中心となって演奏。この知られざる作曲家の魅力を丹念に描き出しています。
NAXOS-8.571352
イギリスのチェロ作品集
ウィリアム・ブッシュ(1901-1945):チェロとピアノのための組曲
ケネス・レイトン(1929-1988):パルティータOp.35
ウィリアム・ワーズワース(1908-1988):チェロ・ソナタ第2番ト短調Op.66
アーノルド・クック(1906-2005):チェロ・ソナタ第2番
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ラファエル・テッローニ(P)

録音:2010年2月18日、2009年4月3日、2008年10月9日、2005年10月
※BMSより移行盤
イギリスの近代音楽は、最近人気が出てきたとは言え、まだまだその全貌が知られているわけではありません。たとえばこのアルバムに収録されている4人の作曲家については、その名前すらご存知ない方も多いのではないでしょうか。これらの作品はイギリス国内でもほとんど演奏される機会を持たず、1960年代の始めに「前衛音楽」が省みられたときにも、古風すぎる作風ゆえ、その網から漏れ出してしまったという経歴を持ちます。その上、いくつかの作品は、作曲家自身によって「習作である」とみなされ公開もされなかったというもので、ここで録音され、多くの人に聴いてもらえる機会を持つことは、格別大きな意義を持つものではないでしょうか。曲ごとのコントラストが美しいブッシュの組曲、教会音楽の作曲家として知られるレイトンの陰鬱なパルティータ、平和主義者であったと言われるワーズワースのブラームス風のソナタ(ぎりぎり調性を保っている)、6つの交響曲で知られるクックの新古典派を思わせる快活なソナタ。どれもが独特な味わいを有しています。
NAXOS-8.571353
スティル:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番
弦楽四重奏曲第2番
弦楽四重奏曲第3番
弦楽四重奏曲第4番
ヴィリアーズSQ
<メンバー:ジェームズ・ディキンソン(第1ヴァイオリン)/ヒガシタマキ(第2ヴァイオリン)/カルメン・フローレス(Va)/ニコラス・ストリングフェロー(Vc)>

録音:2013年7月18.19日、2014年1月20.21日 UKロンドン、聖シラス殉教者教会
ロンドンの音楽的な家庭に生まれたロバート・スティル(1910-1971)。父と祖父はロンドンで名高い弁護士であり、16歳亡くなった弟と、オーストラリアに移住した姉がいました。イートン・カレッジ、オックスフォード大学・トリニティ・カレッジで教育を受け、芸術学学士・芸術学修士・音楽学学士の称号を得ます。また作曲家としてだけでなく、テニスにも優れた腕前を見せ、アマチュア・プレイヤーとして活躍していました。その後も作曲を続け、交響曲第3番はユージン・グーセンスに高く評価され、オックスフォード大学から博士号を受けています。円熟期には刺激的な不協和音や無調も使われていますが、全体的に穏やかであり、同世代のイギリスの作曲家たちの美点をうまく取り入れたきらりと光る美しさを持っているものです。
NAXOS-8.571354
マルコム・スミスの思い出
ロビン・ホロウェイ(1943-):6手のための大英雄行進曲(1982/1997)
 1997年5月23日、マルコム・スミス氏がブージー&ホークス社を離れたときを記して
レスリー・ハワード(1948-):ピアノのための演奏会用幻想曲「ラディゴア」Op.40
ロバート・マシュー=ウォーカー(1939-):幻想的ソナタ「ハムレット」(ピアノ・ソナタ第3番)(1980)
ヘンデル:オラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人」HWV55から「Come, but keep thy wonted state」(L.ハワード編曲)(2010)
ハンフリー・サール(1915-1982):ピアノ・ソナタOp.21*
ジョン・リル(第1ピアノ)
レスリー・ハワード(P)
マーク・ベッビントン(P)
ジュリアン・ジェイコブソン(P)

録音:2013年9月12日、,2004年1月8日 5UKストーク・ド・アベルノン,メニューイン・ホール
※*以外=世界初録音
そもそもマルコム・スミス(1932-2011)って誰?というところから始まるこの1枚。彼はイギリスのクラシック音楽界を牽引した人で、多くのプロモーション活動を行い、またストラヴィンスキー、ヴォーン・ウィリアムス、ブリテン、バーンスタインなど偉大な作曲家たちの個人的な友人であり保護者でした。英国音楽教会の副会長を務め、またロイヤル・フィルハーモニー協会の終身会員であり、いくつもの合唱団をサポートしていました。彼はよく「私はあなたを助けてもよいですか?」と電話をかけたといい、それに応えた人々は彼への感謝の気持ちを忘れることはありませでんした。何より彼は1969年から、世界に名だたる楽譜出版社ブージー&ホークスのライブラリ・マネージャーとして、20世紀音楽の発展に寄与した功績が大きく、数多くの作曲家たちは彼に敬意を払っていたのです。このアルバムの1曲目のホロウェイの行進曲には、マルコムのお気に入りの作品のいくつか…エルガーの「エニグマ」、ディーリアスの「アパラチア」、リヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」などいくつかの曲が引用されたおり、これは彼の退職を祝したパーティで演奏されたものです。他の作曲家たちもスミスと関係深い人ですが、なかでもレスリー・ハワードは、世界初の「フランツ・リスト全作品」の演奏者としても知られる日本でもなじみの深い人で、この全集にもスミスの協力があったのかと思うと、まことに感慨深いものがあります。
NAXOS-8.571358
ケネス・レイトン:パルティータ/エレジー他、チェロのための室内楽曲全集
パルティータOp.35(1959)
エレジーOp.5(1949)
無伴奏チェロ・ソナタOp.52(1967)
アレルヤ、われらが過越の子羊(1981)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ラファエル・テッローニ(P)

録音:2009年4月8日、010年2月18日UKストーク・ダバノン,メニューイン・ホール
イギリス近現代音楽作品のリリースについて、他の追随を許さないのもNAXOSの特徴といえましょうか。このケネス・レイトン(1928-1988)の作品集もそんな1枚。作曲家の名前の知名度はさておき、もう一つのイギリスのレーベルCHANDOSとNAXOSが挙って彼の作品を録音しているのです。レイトンはオックスフォードのクィーンズ・カレッジの学生だった20歳のときに、最初の独奏チェロのための作品を書きました。その3楽章からなるヘ短調の作品は、残念ながら現在完全な形では残っていませんが、その雰囲気はOp.5の「エレジー」への受け継がれています。この曲の中には、彼の先達であるレイフ・ヴォーン・ウィリアムズやフィンジ、ハウエルズらの影響が強く反映されています。そのおよそ10年後に書かれた「パルティータ」は躍動的な部分と内省的な部分が交錯する個性的な作品です。1959年の無伴奏チェロ・ソナタは、明らかにJ.S.バッハへのオマージュですが、曲自体からはバッハらしさは微塵も感じられず、荒涼たる世界のみが広がります。彼の2番目の妻のために書かれた「アレルヤ」の神秘的な佇まいも印象的です。
NAXOS-8.571360
ホディノット:情景:歌曲集と民謡集
アングルシー島の5つの風景Op.87(1975)
グラモーガンからの2つの歌(1990)
銀色の猟犬Op.121(1985)
人は常に愛を抱いていないといけないOp.152-3(1994)
トウィの風景Op.190(2006)
6つのウェールズ民謡(1982)<
クレア・ブース(S)
ニッキー・スペンス(T)
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムズ(Br)
アンドリュー・マシューズ=オーウェン(P)
アンドリュー・マシューズ=オーウェン(ピアノ・プリモ)&マイケル・ポロック(ピアノ・セカンド)

録音2009年10月14日
2009年10月29日
2010年2月18日
ウェールズにおいて、最初に国際的な知名度を得たクラシック音楽作曲家が、このアラン・ホディノット(1929-2008)だとされています。彼はウェールズのバーゴッドで生まれ、カーディフ大学で学び、アーサー・ベンジャミンに個人的に支持しました。1954年にチェルトナム音楽祭で初演された「クラリネット協奏曲」(ジェルヴァース・ドゥ・ペイエの独奏、ジョン・バルビローリ指揮ハレ管)が大好評で迎えられ、彼の名が知られるようになり、様々な音楽家や団体から作品委嘱を受けるようになり、この栄誉は彼が亡くなるまで続いたのです。彼はオペラから管弦楽作品、室内楽曲、歌曲などさまざまな作品を書き、どれもが高く評価されましたが、ここで聞ける「ウェールズ民謡」をもとにした作品群は、彼の円熟期から晩年に書かれたもので、一層の深みを有しています。中でも「トウィの風景」は彼の最後の作品で、彼の生涯を締めくくるエピローグのようなもの。男女の声が絶え間なく語りかけてくる神秘的で幻想的な音楽です。
NAXOS-8.571363(3CD)
ソラブジ:ピアノ作品集
《CD1.初期作品集》
1-2.2つの小品<温室で/トッカータ>
3.スペイン幻想曲
4.ワルツ・ファンタジー「J・シュトラウスを讃えて」
5-7.3つのパスティーシュ
8.ア・ラ・ミレ・ド・ソラブジ「月の光に」
《CD2.夜想曲集》
1.香り高い庭/2.ジャミ(夜想曲)
3.グリスタン(ばらの庭)
《CD3.独断的な作品集》
1.オプス・クラヴィチェンバリスティクム-T.序奏-II.前奏曲・コラール
2-4.前奏曲、間奏曲とフーガ
5.ハロルド・ラトランドのための断片
6.小さな幻想
7.より隠された、この問題の残りの部分を探し求める
8.聖ベルトラン・ド・コマンジュ-彼は塔で笑っていた
マイケル・ハーバーマン(P)

録音:1979年6月…CD1:1.2.3.6,CD3:1.5,1980年6月…CD1:5.7,CD2:1,1980年3月5日…CD3:6,1982年…CD2:2ニューヨークペントハウス/1984年…CD1:4,CD3:2.3.4.8オハイオロッキー・リヴァーライヴ収録/1993年10月8日…CD1:8,CD2:3ワシントンD.C.アメリカ・カトリック大学,アメリカ・リスト教会フェスティヴァルライヴ収録/1995年1月22日…CD3:7バルティモアウォルフィールド・ピアノ
※British Music Societyよりの移行盤
独学で作曲とピアノを学んだというソラブジ(1892-1988)の作品は、あまりの個性の強さのためか、聴き手は「ものすごく好きになる」か、もしくは「見てみなかったふりをする」のどちらかのスタンスを取るようです。その理由の一つは作品の長さです。「オプス・クラヴィチェンバリスティクム」(読むだけでも難しい)は全曲演奏するだけで4〜5時間かかりますし、「交響変奏曲」は9時間近くに及びます。そして楽譜の複雑さにおいても有名で「その譜面を見ているだけでも楽しい」という人が少なからずいます。そんな作品ですから、当然演奏できるピアニストも限られていますが、このハーバーマンは、ソラブジが自作の演奏を認めた数少ない「公認ピアニスト」であり、特にパスティーシュ第3番「子犬のワルツ」は、これまでも、また今後も彼以上に上手く弾ける人はいないだろう。と言われるほどの名演です。あの名曲がこんな姿に…。CD1の初期の作品は、まだまだ形が読み取れますが、CD2.3になると、あまりにも独自性が強く、足を踏み入れることすら躊躇ってしまいますが、これらを笑って聴けるようになると「クラシックおたく上級者」として認定されることは間違いありません。そして、笑って弾けるようになったとしたら…。それはもう新たな扉を開くことになるのでしょう。
NAXOS-8.571370
マッケイブ:作曲家、ピアニスト、指揮者
交響曲第1番「エレジー」(1965
リストの主題による幻想曲(1967)
カプリッチョ(習作第1番)(1969)
ソステヌート(習作第2番)(1969)
チューニング(1985)
ジョン・スナズホール(指)LPO
ジョン・マッケイブ(P、指)スコットランド・ナショナル・ユース・オーケストラ

録音1967年5月3-4日イングランドエセックス,バーキング・アセンブリー・ホール…1-3,1977年、1986年1月4日スコットランドグラスゴー・シティ・ホール
※世界初録音
ジョン・マッケイブ(1939-)はリヴァプール生まれの作曲家、ピアニスト、そして指揮者です。日本では比較的ピアニストとしての知名度が高く、1970年代に録音されたハイドンのピアノ・ソナタ全集(DECCA)は、類い稀なる完璧さを誇るコレクションとして人気を獲得したのでした。しかし、彼は7曲の交響曲をはじめ、15曲の協奏曲、その他たくさんのピアノ曲や、舞台音楽など多岐に渡る作品を書いた作曲家でもあります。ピアニストとしては2010年に「最後の公開ピアノ・リサイタル」を行い、事実上の引退宣言をした彼ですが、ファンはまだまだその活躍を期待しています。このアルバムでは、彼の60年代の作品を中心に収録、なかでも「チューニング」は彼の唯一の「指揮者」としての演奏です。その音楽は素晴らしく有機的で、常に感情豊かであり、時として爆発的なエネルギーを放射するもの。かなり入り組んだ音楽ですが、魅力的な響きを有しています。

NAXOS-8.572006
(2CD)
バッハ:チェンバロ独奏のための協奏曲集
協奏曲ニ長調BWV972/協奏曲ト長調BWV973
協奏曲ト短調BWV975/協奏曲ハ長調BWV976
協奏曲ヘ長調BWV978/協奏曲ト長調BWV980
協奏曲ハ長調BWV977/協奏曲ト短調BWV983
協奏曲ト長調BWV986/協奏曲ロ短調BWV979
協奏曲ニ短調BWV974/協奏曲ハ短調BWV981
協奏曲変ロ長調BWV982/協奏曲ハ長調BWV984
協奏曲ニ短調BWV987/協奏曲ト短調BWV985
前奏曲とフーガイ短調BWV894
エリザベス・ファー(ハープシコード)
バッハのワイマール時代に作曲された一つのジャンルがこの「独奏鍵盤楽器のための協奏曲集」。ヴィヴァルディやマルチェッロなどのイタリアの作曲家のヴァイオリン協奏曲などをチェンバロやオルガンで一人で演奏できるように編曲したもので、バッハがイタリアで体験した新しい音楽を自らの作曲技法に取り込むにも大きな役割を背負った作品群です。そのうちチェンバロ用の曲が16曲、オルガン用の曲が6曲現存していて、ここではチェンバロ用の16曲を名手エリザベス・ファーが説得力ある解釈とゆるぎない技巧で演奏しています。最後に収録されているBWV894のプレリュードとフーガは、逆に後年、フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲BWV1044の第1楽章と第3楽章へと転写された作品です。
NAXOS-8.572009
フランク:弦楽四重奏曲&弦楽五重奏曲
弦楽四重奏曲ニ長調FWV9
ピアノ五重奏曲へ短調FWV7
ファイン・アーツSQ
クリスティーナ・オルツィス(P)
ただただ何も考えずに音楽だけを聴いていたい。そんな時にオススメしたいのがフランクの室内楽作品です。余計な表題や形式などにとらわれることなく、ひたすらゆったりとした時間に身を任せるという贅沢な気分になれること間違いありません。弦楽四重奏曲は1889年から1890年の間に書かれた作品で、ベートーヴェンやメンデルスゾーンの影響も受けてはいますが、随所に現れる独特な節回しは、少しでもフランク(1822-1890)を知る人にとっては極めて懐かしいものとして耳に残ることでしょう。もちろん循環形式を用いて書かれています。1878年から79年にかけて書かれたピアノ五重奏曲はサン=サーンスに献呈されていますが彼は初演時のピアノ・パートを受け持ったものの、終演の際、献呈されたスコアを残したままステージから去ってしまったと言われています。恐らくサン=サーンスには晦渋過ぎたのかもしれませんが、一見冷たそうに見えるこの曲も聴きこめば聴きこむほどに味が増してきます。フォーレの五重奏曲と同じくオルツィスのピアノとファイン・アーツ四重奏団の演奏で。
NAXOS-8.572010
期待の新進演奏家シリーズ/ジェニファー・スタム〜ロッラ:ヴィオラ・ソナタ集
ヴィオラ・ソナタ第1番変ホ長調 Op.3-1
ヴァイオリンとヴィオラの為の二重奏曲イ長調 Op.18-1
ヴィオラ・ソナタ第2番ニ短調 Op.3-2
カプリッチョ第1番 ヘ長調
カプリッチョ第2番変ホ長調
カプリッチョとアル
ペジョト長調/ヴィオラ・ソナタハ長調
ジェニファー・スタム(Va)
コニー・シー(P)
リザ・フェルシュトマン(Vn)
若きヴィオラ奏者、ジェニファー・スタムははカレン・タトル、今井信子らに師事し、2005年度のジュネーヴ国際音楽コンクール、ヴィオラ部門で2位を獲得、世界的にその名を知られるようになりました。最近ではカーネギー・ホールやウィグモア・ホールを始め世界各国で演奏会を開き、ロンドンの王立音学院で教鞭を執るなど多彩な活躍をしています。ここで彼女が演奏している作品を書いたロッラ(1757-1841)はイタリアの名手で、パガニーニの師としても知られています。いかにもイタリア風の快活で光輝くような音楽は、スタムの「オパールのような輝きを帯びた音色」にぴったりとマッチ。
NAXOS-8.572013
ピッツェッティ:夏の協奏曲、他
夏の協奏曲(1928)<朝の祈り/夜想曲/ガリアルドと終曲>、ソフォクレスの「オイディプス王」への3つの交響的前奏曲(1904)、悲劇「クリテムネストラ」の2つの前奏曲より(1962-64)…世界初録音、管弦楽のための三部作「パンアテネの祭り」(1936)<前奏曲/パラスアテナの人々がダンスを踊る/行列の行進曲>…世界初録音
マイロン・ミカイリディス(指)
テッサローニキ州立SO
968年4月(ピッツェッティの死から2か月後)、音楽学者ウォーターハウスは「カセッラおよびマリピエーロと並ぶイタリア現代作曲家であるピッツェッティ(1880-1968)」に対する讃美の文章を発表しました。彼は1940年代にはファシズム政権と親しかったり、「皇紀2600年奉祝曲」(交響曲イ調)を作曲したりとユニークな経歴の持ち主でもあります。このアルバムには、彼の40年に及ぶ創作活動から生まれた珠玉の作品の中から世界初録音を含む4曲を収録しています。バロックの形式を踏襲した「夏の協奏曲」、初期の作品の中でもきわめて独創的な「交響的前奏曲」、他晩年の作品まで、現在決して人気が高いとは言えないピッツェッティの作品の偉大なる片鱗が明らかになることでしょう。
NAXOS-8.572014
ブライアン:交響曲第11番&第15番他
演奏会序曲「勇気のために」(1902-06)
喜劇序曲「メリーハート博士」(1911-12)
交響曲第11番(1954)
交響曲第15番(1960)
トニー・ロウ(指)、
エイドリアン・リーパー(指)、
アイルランド国立SO

※MARCO POLO8.223588移行盤
ハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)(本名はウィリアム)は、独学で音楽を学び、小さな教会のオルガニストを務めていました。20歳になる前にエルガーの合唱曲に接し、当時の新作音楽を熱心に支持するようになります。作曲を始めた当初は、その作品を多くの聴衆に支持され順風満帆な作曲家人生を送るかと思われましたが、様々な事情でドロップ・アウト。生涯に32曲の交響曲を書きながらも、その作品はほとんど忘れ去られてしまい、現在でもごく一部の熱狂的なファンによって、偉大なる彼の業績が伝えられているに過ぎません。このアルバムには2つの交響曲と、彼のお気に入りであった「メリーハート博士」(変奏曲の形式で書かれている)、そして豪壮な「勇気のために」が収録されています。これを聴くことで一層ファンが増えること間違いありません。
NAXOS-8.572019
サン・リュバン:ヴァイオリン超絶技巧作品集第1集
協奏的大ニ重奏曲Op.49
「ランメルモールのルチア」の主題による幻想曲Op.46
創作主題とタールベルクの練習曲Op.45a
アダージョ・レリジオーゾOp.44
オベールの歌劇「許婚」の主題によるポプリOp.35
2つのサロン風小品Op.47-1
2つのサロン風小品Op.47-2
アナスタシア・ヒトルーク(Vn)
エリザベータ・コペルマン(P)
このヴァイオリンにおける独自の才能を示した作曲家サン・リュバン(1805-1850)は、フランス革命の後に、語学教師としてイタリアに移住した士官の息子として1805年にトリノで生まれました。幼い頃の彼については何もわかっていません(もちろん音楽辞書にも載っていませんし、彼を研究している音楽学者もいません)が、成長してからは、ベートーヴェンとも会ったことがあり、ヴァイオリン協奏曲の小さなカデンツァを献呈したという記録が残っています。1827年頃パガニーニの完璧な技巧に魅了された彼はウィーンで生活することを決意しました。リスト、シュポア、メンデルスゾーンらとも交流のあったという、そんな彼の忘れられた作品集が、若きアメリカの名手ヒトルークの手によって21世紀に甦りました。
NAXOS-8.572020
ブライアン:交響曲集
交響詩「イン・メモリアム」(1910)
祝典舞曲/交響曲第17番(1960-1961)
交響曲第32番(1968)
エイドリアン・リーパー(指)
アイルランド国立SO

※MARCO POLO、NAXOS-8.223481より移行盤
1950年代までは、「謎の作曲家」とされていたハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)。彼はその生涯に32曲の交響曲を始め、管弦楽作品、オペラなど多くの作品を書いています。彼は才能に恵まれながらも、あまり勤勉でなかったためか、作品が上演されることがあまりなく、そのために一部の熱狂的なファンを除いては、その存在すらも忘れ去られかけていました。しかし、彼の最大の作品「交響曲第1番」が1961年にアマチュアを中心としたオーケストラで上演されるやいなや、そのあまりにも破天荒な曲が評判を呼び、再び脚光を浴びた人として知られています。このアルバムには2つの管弦楽作品と2つの交響曲が収録されています。さすがに第1番ほどの大掛かりな仕掛けはないにしても、交響詩「イン・メモリアム」の冒頭のファンファーレを聴くだけでも、確かに心躍る音楽です。この機会に再度見直してみたい作曲家です。
NAXOS-8.572022
ワイズマン:いろいろな声〜子供のための管弦楽入門 ヘイリー・ウェステンラ(独唱)、
スティーヴン・フライ(語り手)、
デビー・ワイズマン(指)RPO
新しい“青少年のための管弦楽入門”を書いてみたらどうだろう…ロイヤルPOのジェネラル・マネージャー、イアン・マクレイの一言で、すべては始まりました。ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」に代わる作品が生まれても良い時期ではないだろうかというこの提案に、イギリスのテレビ・映画界で積極的な活動を続ける女流作曲家デビー・ワイズマンが応えて生まれたのが、この「いろいろな声」です。作詞家のドン・ブラックが基本ストーリーを構想し、作家のアンドルー・ブレンナーがそれを脚色、さらにロビン・ショーがイメージ豊かなイラスト(初演時に舞台のスクリーンに投影されました)を描いて作品が完成しました。作曲者自身の指揮によって行われた初演では、イギリスを代表する俳優スティーヴン・フライがナレーションを担当し、ニュージーランドが生んだ世界的歌姫ヘイリーが純粋無垢な声で主題歌を歌いました。その演奏をライブ収録したのが、このCDです。
NAXOS-8.572023
ルイエ:リコーダー・ソナタ集
リコーダー・ソナタ ニ短調 Op.2-3
リコーダー・ソナタ ト長調 Op.1-3
リコーダー・ソナタ ハ短調 Op.3-5
リコーダー・ソナタ ハ長調 Op.1-6
リコーダー・ソナタ.ヘ短調 Op.4-2
リコーダー・ソナタ 変ホ長調 Op.3-7
リコーダー・ソナタ イ短調 Op.1-1
リコーダー・ソナタ ホ短調 Op.3-12
ダニエル・ロテルト(リコーダー)
ヴァネッサ・ヤング(Vc)
シェティル・ハウグサン(Cemb)
同時代に「ルイエ」と言う名前の音楽家が3人いたため、このジャン・バティスト・ルイエ(1688-1720)は、同名の従兄と区別するため、生まれ故郷の名をとって「ヘントのルイエまたはガンのルイエ」と呼ばれます。生涯のほとんどをフランスで過ごし、リヨンの大司教に仕えた事が知られる以外、彼の人生はほとんどわかっていません。しかし、数多くのフルートのための作品と、リコーダー作品は、今なお、高い人気を誇っています。コレッリのヴァイオリン・ソナタに影響を受け、そこに名人芸を加味したこれらの曲は、当時流行のイタリア様式とフランス様式を融合した、洗練された音楽です。ロテルトの素朴で暖かい音色は、聴いていてそこはかとない幸福感をもたらします。
NAXOS-8.572024
マルティヌー:ピアノ作品全集第6集
12のエスキース第1集H.203
戯シリーズ1H.205、
遊戯シリーズ2H.206
3つの抒情的小品H.98
ブラック・ボトムH.165
海辺の夕暮れH.128
無言歌ニ短調H.46
夜想曲H.95、悲しい歌ニ短調H.36
ジョルジョ・コウクル(P)
コウクルの弾くマルティヌーの第6集です。ピアニスト、コウクルは第4集をリリースしたあと、マルティヌーの失われた作品や、未発表の作品などを精力的に研究し、3枚分のCDに収録できるだけの作品を発掘したというのですから、まさにこれは歴史的偉業と讃えてもよいでしょう。ここに収録されているのは、マルティヌーのパリ時代の作品が中心ですが、例えば2セットずつまとめて作曲された「12のエスキース」や「遊戯」は出版される際にばらばらにされたため、「遊戯」の前半と「エスキース」の後半は忘れられてしまったとか。まだまだ、その全貌が知られているとは言い難いマルティヌーの魅力をすみからすみまで掘り起こしてくれるコウクルに感謝です。
NAXOS-8.572025
マルティヌー:ピアノ作品全集第7集
金髪姫のおとぎ話H.28
アンデルセンのおとぎ話からH.42
バラード-ショパンの最後の和音H.56
メリー・クリスマス1941H.286bis
小さな子守歌H.122bis
舞曲H.177/憑いている列車H.258
前奏曲H.178
牛の角から生まれたフォックストロット
春H.127ter/子供のための4つの小品H.221
一本の指を使ってH.185*
ジョルジオ・コウクル(P)/キアラ・ソラリ=コウクル(P)*
NAXOSが力を入れているコウクルによるマルティヌーのピアノ作品集もついに第7集となりました。10曲の世界初録音を含むこの曲集には若きマルティヌーがおとぎ話を元にして書いた2つの組曲で始まります。1910年に書かれた「金髪姫のおとぎ話」良く知られる「三匹のくま」が原型のように見えますが、実は若きマルティヌーが恋した少女にあてて書いたものだろうと推測されています。最初の曲はR.シュトラウスのエレクトラからの引用が現れたりとかなり攻撃的な曲調になっています。もっと広く聴かれて欲しい作曲家です。
NAXOS-8.572027
コルンゴルト:歌曲集第1集
3つの歌曲Op.22
不滅であることOp.27
道化師の歌Op.29
4つのシェイクスピアの歌Op.31
12の歌「神と父によって」
6つの歌Op.9〜第4番-第6番
追憶/ヴェスペレ/旅の歌/天才
ブリッタ・シュタルマイスター(S)
ウーヴェ・シェンカー=プリムス(Br)
クラウス・シモン(P)
幼い頃から音楽の才能を示し、15歳の頃にはすでにプロの作曲家として活動していたコルンゴルト(1897-1957)。しかし彼は時代の波に揉まれ、その才能を存分に発揮することは結局かなわず、彼としては意に添わなかったであろう「映画音楽」の分野での活動が、ハリウッド音楽の源流とまでになったのは本当に皮肉なことでした。ここに収録された歌曲は彼が生涯を通じて愛していた分野です。とりわけ珍しいのは、彼が13〜14歳の頃に書いた「若き歌」です。1911年に父親へのクリスマス・プレゼントとして書かれた12の歌(本当はOp.5とされていた)は、彼の父親の意に添わず「歌の中に美徳なし」とされてしまい、結局Op.5は別の曲に付され、この歌曲集は出版の機会を失ってしまったのです。良い曲なのですが…。
NAXOS-8.572029
F.X.リヒター:室内ソナタ集第1集(1764)
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第1番ニ長調
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第2番ト長調
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第3番イ長調
パウリーナ・フレッド(Fl)
ヘイディ・ペルトニエミ(Vc)
アーポ・ハッキネン(Cemb)
シンフォニア集(NAXOS-8.557818)でその典雅な世界へ聴き手を誘った、マンハイム楽派の作曲家フランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789)の室内ソナタ集です。時代的には複雑なバロック様式から、装飾の少ないギャラント様式へと移り変わる頃に活躍した人ですが、この1764年にニュルンベルクで公表された一連のソナタ集は、まだバロックのトリオ・ソナタの伝統に基づくものです。この12のソナタはヴァイオリン(もしくはフルート)、チェロの序奏付きのチェンバロ・ソナタとして書かれたものですが、実際に演奏してみるとヴァイオリンでは若干演奏不能な個所があり、これらの曲はフルートで演奏するべきではないかと思われます。北欧の名手たちによる春の陽だまりのようなどこもかしこも柔らかく美しい音楽です。
NAXOS-8.572030
F.X.リヒター:フルート、チェロとチェンバロのためのソナタ第2集〜室内ソナタ第4番-第6番(1764)
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第4番ハ長調
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第5番ヘ長調
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第6番ト短調
前奏曲ハ長調/アンダンテヘ長調
パウリーナ・フレッド(Fl)
ヘイディ・ペルトニエミ(Vc)
アーポ・ハッキネン(Cemb)
フランツ・クサーヴァー・リヒター(1709-1789)は、18世紀の作曲家でマンハイム楽派の最も重要な代表者の一人です。彼の作品はこの時代としては、かなり独創的であり、声部の処理や表情豊かなハーモニーには驚かされるばかりです。このソナタ集は第1集(NAXOS-8.572029)に続くもので、ここでもバロックのトリオ・ソナタの伝統に根差しつつも、それだけに留まることのない新しい時代の息吹を感じさせるソナタを聴くことができます。またこのアルバムには、彼の2つの鍵盤作品も収録。これらの作品は、どの楽器のために書かれたのかは不明ですが、当時の南ドイツやオーストリアのオルガンは足鍵盤を持たない簡便なものが多かったため、こういったオルガンの練習用に書かれたものではないか?と考える人もいます。ただし、このアルバムではハープシコードで演奏されています。まだまだ研究余地の多い作曲家だけに、これから先が楽しみです。
NAXOS-8.572031
ペンデレツキ:ウトレーニャ
ウトレーニャ(朝課)<第1部キリストの埋葬/第2部キリストの復活>
イヴォナ・ホッサ(S)、
アグニエツカ・レーリス(Ms)、
ピョートル・クシェヴィチ(T)、
ピョートル・ノヴァツキ(Bs)、
ゲンナジー・ベズベンコフ(Bs)、
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワ少年cho、ワルシャワPO
1962年に発表された「スターバト・マーテル」、そして1963年の「ルカ受難曲」に連なるペンデレツキ(1933-)の宗教的合唱作品である「ウトレーニャ」の登場です。始めてこの曲を聴いた人は、地の底から響くような合唱に身震いすることでしょう。しかし用いられた詩は、ロシア正教の早朝礼拝の典礼文だというから驚きです。(この曲を朝から聴くのは少々勇気がいることでしょう)第1部(名指揮者オーマンディに捧げられた)でキリストの埋葬を描き、第2部ではその復活を描いています。衝撃的な大音量に圧倒される部分も多いのですが根底を貫いているのは静かな神への祈り。聴き終わった時の脱力感がたまりません。
NAXOS-8.572032
ペンデレツキ:クレド
クレド(1998)<1.われは唯一の神を信ず/2.あなたは我ら人類のため/3.そしてあなたは/4.そして苦しみを受け/5.あなたの十字架を私たちは崇めます/6.そして聖書に書かれていたとおり/7.我は信ずる、主なる聖霊を/8.罪の赦しのためとしての/9.よみがえりと来世の命を待ち望む>
母校ヤゲロニカ大学をたたえるカンタータ(1964)
イヴォナ・ホッサ(ソプラノ1)
アガ・ミコライ(ソプラノ2)
エヴァ・ヴォラク(A)
ラファウ・バルトミンスキー(T)
レミギウシュ・ルコムスキ(Bs)
アントニ・ヴィト(指)
ワルシャワ・フィルハーモニーO&cho
ワルシャワ少年cho
1960年代のペンデレツキ(1933-)を知る人が、この「クレド」を聴いたら、あまりのロマンティックさに目を丸くするかもしれません。何しろ、冒頭から切なく激しくとも美しい響きに満ち、調性から逸脱することもないのですから。この音楽性の変容を拒否する人もいるかもしれませんが、祈りの心を伝えるには、このような調和に満ちた音楽も必要なのでしょう。「ペンデレツキらしさ」を求める人は、その30年ほど前に書かれたカンタータをどうぞ。こちらにはおなじみの破壊的な音が横溢しています。
NAXOS-8.572033
期待の演奏家シリーズ/ペトリット・チェクギター・リサイタル
バッハ:ソナタ第2番BWV.1003(W.デスパリー編)
レゴンディ(1822-1872):練習曲第6番ニ短調
レゴンディ
:練習曲第4番ホ長調
アセンツィオ
(1908-1979):バレンシア風組曲)
ロドリーゴ(1901-1999):ギターのための牧歌
ペトリット・チェク(G)
またもや、ぴっちぴちの若手ギタリストのご紹介です。2007年、ミケーレ・ピッタルーガ・ギター・コンクールの優勝者チェク。彼は1985年ブリズレン生まれの23歳。2002年にザグレブに移り音楽の勉強を続けました。この頃より各地のコンクールを次々と制覇国際的にも注目を浴び始めました。最近ではバルエコやブローウェルらの指導も受け、ますます期待を一身に集めている人です。ここではバッハ、ロドリーゴなど多面的な作品を熱演。天から与えられた才能を見せ付けます。
NAXOS-8.572034
(2CD)
バルバトル:ハープシコードのための音楽集
クラヴサンのための小品集第1集第1番-第8番
クラヴサンとオルガンのための小曲集より<ソナタ第5番ト長調/ガヴォット・ロンドト短調/ソナタト長調>
エスクリナック
ラモー:歌劇「ピグマリオン」より(バルバトル編)<序曲/パントマイム/ジグ/コントルダンス>
クラヴサンのための小品集第1集第9番-第17番
クラヴサンとオルガンのための小曲集より<ソナタ第2番ヘ長調/メヌエット第1番&第2番/ソナタヘ長調「カッコウ」/バディヌイ長調/ソナタ第6番ヘ長調>
前奏曲/マルセイエーズによる行進曲と「サ・イラ」
エリザベス・ファー(ハープシコード)
「自由・平等・同胞愛」を基本的理念に掲げたフランス革命は、それまでの市民の生活を一変させました。貴族たちの支配する社会から民主主義へ。毎夜ロココ調の音楽を奏でていた宮廷音楽家たちも、貴族たちと運命を共にするか、またはいつしか革命家を演奏するようになっていきます。そんな激動の時代を生きたバルバトルの作品は、まさに「音で聴くフランスの変遷」と言えるでしょう。オルガニストの父を持つ18人兄弟の16番目の息子であった彼は、父の友人であったクロード・ラモー(ジャン・フィリップの弟)の弟子となり、その才能を伸ばしていきます。その後、ヴェルサイユでの華々しい活躍中に革命に巻き込まれ、奇跡的に処刑をまぬがれたものの、亡くなるまでの10年間は貧困生活を送ったのでした。アルバムの最後に収録されている「行進曲」は1792年に書かれたもの。
NAXOS-8.572036
シューベルト:ドイツ語歌曲集第31集/疾風怒濤期の詩人たち
シューベルト:古いスコットランドのバラード「エドワード」D.923(第2版)、真夜中にD.464、義務と愛D.465、クローエに寄すD.462、婚礼の歌D.463、万霊節の日のための連祷D.343、真珠D.466、オルフェウスの歌D.474、ハガールの嘆きD.5、私のクラヴィアに寄せてD.342、ある兵士に寄せる挽歌D.454、朝焼けに寄せるリラD.273、ロルマ(第1作)D.327、歌「そんなにも快く」D.284、死に寄せてD.518、ますD.550(第4版)
ツムシュテーク(1760-1802):ハガールの嘆き
カロリーネ・メルツァー(S)、
コンスタンティン・ヴォルフ(バス=バリトン)、
ウルリヒ・アイゼンロール(P)
1767年からおよそ20年続いた「疾風怒濤」の時代は文学史上重要な時期とされ、理性に対する感情の優越を主張し、それまでの古典的な形式からロマン派へと続く、強い感情を持ち合わせた作品が多く生まれたことでも知られています。文学ではシラーやゲーテ、音楽では中期のハイドンがこの時期に活躍、それぞれ個性的な作品を書いています。ここに収められたのは、その時期に書かれた詩にシューベルト(1797-1828)が作曲した歌曲です。中でも興味深いのはバラード「エドワード(エドヴァルト)」。第3稿の決定稿と違い、第2稿では最後まで母と息子が一緒に歌うことはありません。母を歌うメルツァーの恨み節も聴きもの。心が芯まで冷える思いを味わうことができるでしょう。
NAXOS-8.572037
サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲集
ァイオリン協奏曲第3番ロ短調Op.61
ヴァイオリン協奏曲第1番イ長調Op.20
ヴァイオリン協奏曲第2番ハ長調Op.58
ファニー・クラマジラン(Vn)
パトリック・ガロワ(指)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ
当時としては独創的な作品を作ったにも拘わらず、その穏健な作風のせいか、イマイチ評価されにくい、フランスの作曲家、サン=サーンス(1835-1921)です。彼の書いた曲はどれも精巧で、才能に溢れていて、すごく心に残るメロディも多くあるのですが、あまりにも良い曲過ぎるのでしょうか。気持ち良さとともに、耳をすり抜けてしまうことがしばしばです。有名なヴァイオリン協奏曲第3番の第2楽章も、切なく歌うヴァイオリンが心に深くしみ入ります。演奏者は、2005年のフリッツ・クライスラー・コンクールで優勝したフランス生まれのクラマジラン。繊細な音色と強靭な表現で、曲の真実の姿をあますことなく伝えます。
NAXOS-8.572038
リース:フルートとピアノのための作品集
感傷的なソナタOp.169
序奏とポロネーズOp.119
フルートとピアノのためのソナタト長調Op.87
ポトガルの讃歌による変奏曲Op.152-1
ウーヴェ・グロット(Fl)
マッテオ・ナポリ(P)
ベートーヴェンの弟子であり、また古典派とロマン派を繋ぐ作曲家として人気の高いリース(1784-1838)。彼は交響曲作家、あるいはピアノ曲の作曲家として良く知られていますが、室内楽もなかなか素晴らしいものを残しています。その中で、フルートの小品は、主に教養あるアマチュア演奏家のために書かれたもので、魅惑的なメロディと煌めくようなピアノ伴奏が魅力です。これらの4つの作品は彼がイギリスへ旅行した頃(1813-1823年)の作品とされ、極めて充実した内容を持っています。当時はこのような作品が数多く書かれたのでしょうが、やはりベートーヴェンの弟子たるプライドもあったのでしょうか。単なる技巧的な作品だけでは終わらないところがさすがです。
NAXOS-8.572039
レンディーネ:交響曲集
交響曲第1番、
交響曲第2番「アンドラ」(世界初録音)
マウリツィオ・コンティ(指)
オルケストラ・ナショナル・クラシカ・ダンドラ(ONCA)
声楽作品集「受難と復活」(8.557733)が、その斬新な作風で一部のファンの間に衝撃を与えたイタリアの作曲家レンディーネ(1954-)。今作では管弦楽作品でその真価を問います。交響曲第1番は、まるで映画音楽のように色彩的で迫力ある音楽が展開する作品。もちろんメロディも調性もしっかり有しています。第2番は、フランスとスペインに挟まれた小国アンドラ政府からの委嘱作。この国の自然、文化、伝統を音で表現した意欲作です。
NAXOS-8.572040
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 第1集
ピアノ三重奏曲 第26番 嬰ヘ短調 Hob.XV:2
ピアノ三重奏曲 第24番 ニ長調 Hob.XV:24
ピアノ三重奏曲 第25番 ト長調 Hob.XV:25
10-11.ピアノ三重奏曲 第31番 変ホ長調 Hob.XV:31
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
マリン・ブローマン(Vn)/イェスパー・スヴェドベルグ(Vc)/サイモン・クローフォード・フィリップス(P)>
ハイドンはその生涯にピアノ三重奏曲を41曲以上書いたとされています。ここに収録された4曲は、ハイドンの創作の絶頂期である1794年から1795年にかけて作曲されたもので、2回目のロンドン訪問を行った時期です。小規模ながらも、熟達の書法を見せるこれらの作品はロンドン在住の未亡人レベッカ・シュレーターのために書かれ、彼女に捧げられています。彼女の存在は、60歳を越えたハイドンの創作意欲を高め、作品の上にも大いなる実りをもたらした事は間違いありません。事情が許せば、結婚も考えていたというハイドンですが、残念ながら彼には「本妻」がいたため、それは叶うことのない夢に終わりました。全曲に漂う夢のような甘い雰囲気は、そんな気持ちを現わしているのかもしれません。
NAXOS-8.572041
R・シュトラウス:ヨゼフ伝説、他
「ばらの騎士」組曲Op.59,TrV227d
「影のない女」による交響的幻想曲TrV234a
ヨセフ伝説からの交響的断章TrV231a
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の「ばらの騎士」を聴いたことがあっても、「影のない女」までは中々手が届かない人が多いのではないでしょうか。ましてや、中期の隠れた迷作「ヨーゼフ伝説」に至っては、そんな作品あったの?くらいにしか認識されておりません。モーツァルトの「魔笛」を意識して書かれた「影のない女」は、魔界と人間界を行き来して織りなされるファンタジー色溢れる作品で、当然オーケストラの書法も凝ったものとなっていて、壮麗さと透明さを併せ持つ素晴らしい響きに満ちています。かたや「ヨーゼフ伝説」は、あのディアギレフの依頼によって書かれた1時間ほどのバレエ音楽。シュトラウスはその中から3分の1ほどの曲を新たに汲み上げ、この魅力的な作品へと昇華させました。これらを演奏するのはNAXOS期待の女性指揮者ジョアン・ファレッタです。「ばらの騎士」組曲では金管楽器の咆哮に若干の不満が感じられるものの、「影のない女」の厚みのある響き、それに相対するかのような「ヨーゼフ伝説」での室内楽的な透明感あふれる音色は言葉に尽くせないほどの満足感が得られます。
NAXOS-8.572048
ツェムリンスキー:抒情交響曲Op.18、
ベルク:抒情組曲〜3つの小品(弦楽合奏版)
ローマン・トレーケル(Br)、
トワイラ・ロビンソン(S)、
ハンス・グラーフ(指)ヒューストンSO
しい人を奪われたマーラーに対して、終生尊敬と恨みの思いを抱き続けたであろうツェムリンスキー(1871-1942)の代表作であるこの曲は、テキストこそインドの詩を用いてはいるものの、明らかに「大地の歌」の影の中にあるのは周知の事実です。2人の独唱者によって歌われる狂おしい愛の世界を彩る管弦楽の響きは、爛れた果物の甘さと香りそのもの。爛熟した時代を克明に映し出した「大人のための童話」です。そして、この曲から生まれたベルク(1885-1935)の抒情組曲の頃、世界は暗黒の時代を迎えていくことになります。
NAXOS-8.572050
ストコフスキー:交響的編曲集第2集
バッハ:トッカータとフーガニ短調BWV565
アリオーソBWV1056/目覚めよと呼ぶ声ありBWV645
主イエスキリストわれ汝を呼ぶBWV639
トッカータ、アダージョとフーガハ長調BWV564より「アダージョ」
我がイエスいかばかりの魂の痛みBWV487/神はわが堅き砦BWV80
主よ人の望みの喜びよ
平均律クラヴィア曲集第1集第24番前奏曲ロ短調BWV869
シチリアーノBWV1017
パレストリーナ:キリストよわれらは御身をあがめ
バード:パヴァーヌとジグ
ラーク:トランペット・ヴォランタリー
ボッケリーニ:弦楽五重奏曲より「メヌエット」
マッテゾン:ハープシコード組曲第5番ハ短調より「エア」
ハイドン:弦楽四重奏曲ヘ長調〜「アンダンテ・カンタービレ」
バッハ:平均律クラヴィア曲集第1集より第2番フーガハ短調BWV847
ホセ・セレブリエール(指)ボーンマスSO
ストコフスキーは、バッハの作品をおよそ40曲、現代の華麗な管弦楽作品へと変身させました。第1 集(8.557883)での多彩な響きで驚いた耳を更に驚愕させるこの第2集には、バッハ以外の作曲家の作 品も収録、オーケストラの芳醇な音色がどっしりと詰まっています。セレブリエールの繰り出す魔術 のような棒さばきはまさに、あの有名な幻想的映画を彷彿させますね。 愛の喜びが一杯に詰まった幸せの歌、これ以上美しいものがあるだろうか?
NAXOS-8.572051
シューベルト:管弦楽版「死と乙女」
弦楽四重奏曲第14番ニ短調D.810「死と乙女」(アンディー・シュタイン編曲管弦楽版)
交響曲第8番ロ短調「未完成」(ブライアン・ニューボールドによる4楽章版)
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO
「死と乙女」の編曲版と言えばマーラーのものがよく知られていますが、あちらは弦楽合奏版。こちらは、4本のホルン、2本のトランペット、およびティンパニーまでを用いた大規模な編成で再構築されています。従来の形で慣れている人にはかなり違和感を与えるでしょう。しかしシュタインは「この素晴らしい室内楽から新しい交響曲を形成しようと試みた」と語ります。確かに聴き込むうちにこれが本来の姿に違いないと思えてくるではありませんか。未完成交響曲にはシューベルト(1797-1828)の手帳に書かれていた断片をもとにしたスケルツォと、ロザムンデのための音楽の断片を用いた終楽章が付け加えられています。これが真の形だ!と信じるのは聴き手の自由に任されています。
NAXOS-8.572059
フレイタス・ブランコ:管弦楽作品集第2集
交響曲第2番(1926-1955)
ゲーラ・ジュンケイロの読書の後に
人工楽園
アルヴァロ・カッスート(指)
アイルランド国立SO
2008年にリリースした第1集(8.570765)が大好評。ポルトガルの知られざる巨匠、フレイタス・ブランコの管弦楽作品集第2 集は、交響曲第2番を中心に収録した1枚です。この曲はグレゴリオ聖歌、ブルックナーのスケルツォ、セザール・フランク、 ドビュッシーなど様々な音楽から影響を受けているようで、異なった要素を絶妙に組み合わせた噛みごたえのある作品と言え るでしょう。R.シュトラウスの交響詩を思わせる「ゲーラ〜」、阿片愛好家の告白から喚起された「人工楽園」、どれもがブラ ンコの最高傑作と言えるでしょう。
NAXOS-8.572060
期待の新人演奏家シリーズ〜マーティン・ダイラ/ギター・リサイタル
ロドリーゴ:スペインの野辺を通って、タンスマン:スクリャービンの主題による変奏曲、
ニコラス・モウ:ミュージック・オブ・メモリー、ポンセ:ソナタ・ロマンティカ「シューベルトへのオマージュ」
マルツィン・ディラ(G)
ポーランド生まれの若きギタリスト、マルツィン・ディラの注目すべきアルバムです。彼は1996年から2007年までに国際的なギター・コンクールで19回も1等賞を受賞するという快挙を成し遂げ、現在ではクラクフとカトヴィチェ、コブレンツの音楽学校の教授をしています。スペイン、メキシコ、ポーランド、そしてイギリスの4つの国のギター作品を演奏、曲にあったすばらしい演奏を聞かせます。
NAXOS-8.572061
ニエミネン:フルート協奏曲「パロマー」他
「パロマー」(フルート協奏曲)(2001)<日没/夜、古代の人々と鳥たち>、
「影を通して、古えの声を聞く」(クラリネット協奏曲)(2002)、
薄暮の小道(1995)
パトリック・ガロワ(Fl)、
ミッコ・ラーサッカ(Cl)、
パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
フィンランドの現代作曲家、ニエミネン(1953-)の作品集です。彼の音楽はどんな「主義」とも一致することはありません。見たまま、経験したままを音として表わす、いわば「音楽による絵画」です。このフルート協奏曲はパトリック・ガロワのために書かれた作品で、古代のメロディが現代的なフォルムを纏って立ち現れます。庭でさえずる鳥の声、星のささやきなどを歌うフルートの音色を柔らかく包み込む多彩な楽器群。この親密で透明な空気感がたまりません。
NAXOS-8.572062
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第2集
ピアノ三重奏曲第30番変ホ長調Hob.XV:30
ピアノ三重奏曲第27番ハ長調Hob.XV:27
ピアノ三重奏曲第28番ホ長調Hob.XV:28
ピアノ三重奏曲第29番変ホ長調Hob.XV:29
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
【マリン・ブロマン(Vn)
ジェスパー・スヴェドベリ(Vc)
シモン・クロウフォード=フィリップス(P)】
ハイドンの室内楽作品は、その巧み過ぎる作曲語法が却って音楽ファンを遠ざけている傾向があり、これらのピアノ三重奏曲も「好きな人にはたまらない」曲集であっても、大抵の人は「ちょっとねぇ」と敬遠してしまうのではないでしょうか。しかし、実際に聞いてみると、その独創性と多様性にはまることは間違いありません。このクングスバッカ・ピアノ三重奏団の演奏は第1集(NAXOS-8.572040)でも見事なハイドン像を構築していましたが、この第2集でも、4つの作品の関連性を紐解きながら、素晴らしい解釈でこれらを演奏しています。第27番から29番までは、第1集と同じく、ロンドンで出版されたもの。ロンドンで名ピアニストとして評判をとっていたテレーズ・ジャンセン(当時25歳?)に献呈されています。第30番はイギリスからウィーンに戻ってきた1976年に書かれたもので、熟練の香りが漂う名品です。この曲は誰にも献呈されていません。
NAXOS-8.572063
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第3集
ピアノ三重奏曲第21番ハ長調Hob.XV:21
ピアノ三重奏曲第22番変ホ長調Hob.XV:22
ピアノ三重奏曲第23番ニ短調Hob.XV:23
ピアノ三重奏曲第14番変イ長調Hob.XV:14
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
【メンバー:マリン・ブローマン(Vn)
イェスパー・スヴェドベルグ(Vc)
サイモン・クローフォード=フィリップス(P)】
第1集(NAXOS-8.572040)、第2集(NAXOS-8.572062)に続くクングスバッカ・ピアノ三重奏団によるハイドンのピアノ三重奏曲、第3集です。第21番から第23番までは1793年から94年にかけて作曲されたとされていて、出版は訪問先のロンドンで行われました。一度はエステルハージ家から離れるも、結局は楽長に再就任したハイドンですが、この2つの曲も、当時のエステルハージ公ニクラウス2世の妻マリーに捧げられています。円熟した曲想とピアニスティックな書法が見られる整った作品群です。第14番はその少し前に書かれたもので、ピアノ・パートに比重が置かれた作品です。第2楽章のアダージョの美しさは絶品です。
NAXOS-8.572064
期待の新人演奏家シリーズ〜ラファエル・アギーレ・ミニャーロ/ギター・リサイタル
ソル:幻想曲Op.16、
イベール
:アリエッテ、フランセーズ、プーランク:サラバンド、
オアナ(1913-1992):ティエント、
ラウタヴァーラ
:パルティータ、
ヴィラ=ロボス
:練習曲第7番、練習曲第12番、
クレルチ
(1965-):センティミエント、
 イェマヤ、スケールの練習曲、
タルレガ
:ベニスの謝肉祭による変奏曲
ラファエル・アギーレ・ミニャーロ(G)
2007年国際タルレガ・ギター・コンクールの優勝者アギーレ=ミニャーロは、1984年マラガに生まれ7歳からギターを始めました。マスタークラスでは、ブローウェルやバルエコ、D・ラッセルなどに指導を受け、各地のコンクールで次々と勝利を重ね、その才能に磨きをかけています。このアルバムではソルの「うつろな心」変奏曲や、ラウタヴァーラのモダンな作品などを思いのままに演奏、変幻万化の表情を見せてくれます。
NAXOS-8.572065
パイジェルロ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調
ピアノ協奏曲第3番イ長調
ピアノ協奏曲第5番ニ長調
フランチェスコ・ニコロージ(P)
ルイジ・ピオヴァーノ(指)カンパニアCO
1740年イタリアのタラントに生まれたパイジェルロ(1740-1816)は、もともと神学校で歌手として認められ、後に幕間劇を書き作曲家として名声をあげてからオペラの作曲に勤しみました。ナポリで一連の成功作を発表し、1776年にエカチェリーナ2世に招かれサンクトペテルブルクの宮廷に赴き8年間を過ごします。この間にあの「セヴィリアの理髪師」を作曲し一世を風靡したのですが、パイジェルロが没した年に、同じ題材でロッシーニが書いたオペラの方が人気が出てしまい、以降彼の作品のほとんどは忘れ去られてしまったのです。このピアノ協奏曲はモーツァルトを意識して書かれたとされますが、どちらかというと自らの技巧の誇示のためでなく、後援者である貴族たちのために書かれたもののようですが、随所に現れる卓越したピアノの書法と類い稀なる美しいメロディはこれらの作品の存在価値を否が応でも高めてくれています。
NAXOS-8.572066
ヘルマン:「3つの狂詩曲」「組曲ニ短調」他
《ヘルマン》
3つのヴァイオリンのためのブルレスケト長調Op.9
3つのヴァイオリンのための狂詩曲第1番ニ短調Op.2
3つのヴァイオリンのための狂詩曲第2番ト長調Op.5
3つのヴァイオリンのための狂詩曲第3番イ長調Op.13
ヴァイオリンとチェロのための華麗なる大二重奏曲ト短調Op.12
3つのヴァイオリンのための組曲ニ短調Op.17
《アイヒホルン》
パガニーニの「ヴェニスの謝肉祭」の主題による変奏曲:世界初録音
ロッシーニの「モーゼ」の主題による華麗なる変奏曲:世界初録音
レート・クッペル(Vn)
アレクシア・アイヒホルン(Vn,Va)
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
フリードリヒ・ヘルマン(1828-1907)の作品は、現代ではヴァイオリンとヴィオラを学ぶ人たちの必須アイテムです。彼はメンデルスゾーンが設立したライプツィヒのコンセルヴァトワールで学び、1848年にはここの教授に任命されました。多くの作品を書いていますが、曲よりもヴァイオリン奏法について書いた著作の方が知られているのは何とももったいない話です。冒頭の民謡「かわいいアウグスティン」のメロディを使った3台のヴァイオリンによるブルレスケでの魔法のような音は、一度聴いたら忘れられない感動です。一方、ヨハン・ポール・アイヒホルン(1787-1861)の作品は、全て世界初録音。ここで素晴らしいヴァイオリンを演奏しているアレクシアとフリーデマンの係累にあたるとか・・・。
NAXOS-8.572067
タネーエフ:交響曲第2番&第4番
交響曲第2番変ロ長調(V.ブロクによる補筆完成版)
交響曲第4番ハ短調Op.12
トーマス・ザンデルリンク(指)
ノヴォシビルスク・アカデミックSO
「ロシアのバッハ」として、ラフマニノフやチャイコフスキーも一目置いていたタネーエフ(1856-1915)の交響曲を2曲お聴きください。未完に終わった第2番の交響曲は、モスクワ音楽院の学生だった時に書き始められた若書きの作品です。教師であったチャイコフスキーは1875年に書きあげられた第1楽章で彼の天分を認め、全曲書きあげるように説得したのですが、結局2年経っても完成せず、1877年に終楽章のスケッチが出来ただけでした。第1楽章はアントン・ルービンシュタインによってモスクワで演奏されたのですが、ルービンシュタインのお気に召さなかったようで、チャイコフスキーは「あまり気にしないように」と助言したそうです。その20年後に書かれた第4番の交響曲は、タネーエフの最も素晴らしい管弦楽作品の一つです。
NAXOS-8.572068
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第1集
オスナ・エンカルナチオン修道院写本のソナタ*
サンタ・クララ修道院写本のソナタ*
モンセラート修道院写本のソナタ
ペドロ・カザルス(P)

※*=世界初録音
1750年セビリヤ生まれの作曲家ブラスコ・デ・ネブラは、父親がオルガン奏者、おじがサルスエラ作曲家という音楽一家に育ちました。父から音楽の手ほどきを受けた彼は、16歳の時に当時経済的聴きにあったセビリヤを離れ、マドリッドで活動を始めます。しかし経済的な援助をしてくれていたおじが2年後に亡くなると、またセビリヤに戻り、大聖堂のオルガン奏者として父親の後を引き継ぎ、数多くの鍵盤楽器用ソナタを書きました。NAXOSでは彼の170ほどある現存する作品を3集にわけて全てリリースする予定です。
NAXOS-8.572069
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第2集
モンセラート修道院写本のソナタ
<第6番ホ短調/3-4.第7番ヘ長調…世界初録音/第8番ハ長調…世界初録音/第9番イ短調…世界初録音/第10番ハ長調…世界初録音/第11番イ長調…世界初録音/第12番ヘ長調…世界初録音>
ワシントンD・C国会図書館写本のソナタ<第1番ハ短調/第2番変ロ長調>
ペドロ・カザルス(P)
第1集(8.572068)に続く、1750年セビリヤ生まれの作曲家ブラスコ・デ・ネブラのソナタ集です。今回はモンセラート修道院とワシントンDCの国会図書館で保存されていた譜面に基づいた演奏です。研究者でもあるペドロ・カザルスによると、彼の作風は主題や構造の複雑さで3つの期間に分けることができるそうで、最後の作品はワシントンDCに保存されている6つのソナタ(作曲家存命中の1780年に出版)のようですが、まだ彼の全貌が見えてくるまでには時間がかかりそうです。
NAXOS-8.572073
ガルシア・アブリル:アストゥーリアスの母〜アストゥーリアス語歌曲コレクション
ヴァケイラス、私の戸口の前で立ち止まらないで、昨日泉の前であなたを見た.私は港に上陸する、私は水兵ではない、彼女は私に向かって叫んだ、ナランホ・デ・ブルネス山、叫ぶな娘よ叫んではいけない、失われた星、坊や眠りなさい、雷鳥の歌、オレンジの蕾が花開く、水の精よさようなら、アストゥーリアスの母
ホアキン・ピクサーン(T)、
ローサ・トレス=パルド(P)
1933年、生ハム「ハモンセラーノ」で知られるスペインの小都市テルエルで生まれたガルシア・アブリルはマドリッドで学び、協奏曲、管弦楽曲など多くの作品を作曲、現代スペインを代表する大作曲家となっています。この歌曲集では同じくスペインの一都市アストゥーリアスの民族音楽を元に、その特徴的な地形(複雑な海岸線、聳え立つ険しい山地)を音楽によって描くことに成功しています。しかしながらアストゥーリアス語と訊くと、何だか難しそうなイメージを抱いてしまうかもしれませんが、ここで聴ける歌はどれも人懐こくて親しみ易いものばかり。聴いたら誰もが好きになってしまうに違いありません。
NAXOS-8.572074
トーニ:室内楽作品集
「墓場なき死者」による3つの習作Op.31(1950)、フルート・ソナタOp.35(1953)、
ヴァイオリン・ソナタOp.37(1955)*、
ギターとチェロのための小品(1959)*、
フルートとギターのための5つの小品(1975/76)、弦楽三重奏曲(1978/80)、
ピッコロのための2つの前奏曲(1980/81)
ローナ・ウィンザー(S)、
エクス・ヌォーヴォ・アンサンブル、
アルド・オルヴィエート(P)、
ダニエレ・ルッジエリ(フルート&ピッコロ)、
カルロ・ラッツァーリ(Vn)、
マリオ・パラディン(Va)、
カルロ・テオドーロ(Vc)、
ピエロ・ボナグーリ(G)
*=世界初録音。カミッロ・トーニ(1922-1993)は20世紀イタリアの作曲家です。若き頃にはカセッラたちと学び、様々な技法を習得しました。(ピアノはアンフォッシとミケランジェロに学んでいます)しかし彼の作風は後期ロマン派の様式を有し、そこには明らかにシェーンベルクの影響が見て取れます。このアルバムには彼の30年間の仕事が収められていて、彼の愛した詩人や作曲技法を伺い知ることができます。サルトルの詩を用いた「3つの習作」は、歌のメロディはフランス風で全音階的ではなく半音階的。4つの音符の音列を用いて曲を発展させることに力を注いでいるようです。
NAXOS-8.572075
ルエダ:ピアノ作品集
メフィスト(1999)
ピアノ・ソナタ第1番「水の戯れ」(1991)
インヴェンション(抜粋)(2003)
ピアノ・ソナタ第2番「ケチャック」(2005)
24のインターリュード(2003)
アナンダ・スカルラン(P)
現代スペインで最も精力的にピアノ曲を作っているのは、このヘスース・ルエダ(1961-)ではないでしょうか?とはいえ、彼のピアノ曲はまだまだ録音されることがほとんどありません。そうです!ここに収録された作品を聴いてみてください。例えばあのラヴェルと同名の「水の戯れ」はいかがでしょう。ラヴェルでは七色の色彩を放っていた水が、このルエダの作品では、まるで体中に浴びせかけられるようなな直截的な音楽が楽しめます。インヴェンションでの落ち着かない動きは、まるで小動物を見ているかのよう。全てに広範囲な技巧と絶妙なペダリングを求められる演奏困難な作品ばかりですが、その効果は存分にあらわれています。これはスゴイ。
NAXOS-8.572076
ブレトン:アンダルシアの情景、他
アンダルシアの情景
「グスマン・エル・ブエノ」より前奏曲
「ドロレス」より前奏曲/
「ガリン」〜前奏曲とサルダナ
「テルエルの恋人たち」〜前奏曲
アルハンブラにて
ミゲル・ロア(指)マドリッド・コミュニティO
現在ではほとんど忘れ去られてしまったサルスエラの巨匠、ブレトン(1850-1923)の音楽。あまりにも親しみやすい音楽だったから、却って嫌われてしまったのでしょうか?1875年から1896年(彼が最も名声を得ていた時期)に書かれた4つの序曲もさることながら「アンダルシアの情景」の、いかにも。といったスペイン臭さにまみれる楽しさと言ったら!これはもう「スペインのアンダーソン」とでも呼ぶ他ありません。トラック2がオススメです。
NAXOS-8.572077
ブゾーニ:ピアノ作品集第6集
リスト=ブゾーニ:「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ
ピアノ・ソナタへ短調Op.20K204
前奏曲とアルペジョの練習曲K297
ヴォルフ・ハーデン(P)
ブゾーニ(1866-1924)のピアノ作品集第6集は、彼の初期の作品から2つの大きな作品を中心に収録しています。リストの「幻想曲とフーガ」はもともとリストがマイアベーアの「予言者」のメロディを基に作曲したオルガン曲で、リスト自身「2台ピアノ」での演奏は想定していたようですが、まさかピアノソロに編曲されるとは思いもよらぬものだったのではないでしょうか。ブゾーニの編曲はリストの原曲にほとんど忠実なもので、もちろん技術的にも困難なものを要求していることは間違いありません。彼の編曲の腕前を存分に堪能できるはずです。ピアノ・ソナタはブゾーニが10代半ばに書きあげた大作ですが、1980年代まですっかり忘れ去られていました。ロマン派後期の音楽の特徴溢れる意欲的な曲で、ブラームスと、アントン・ルービンシュタイン双方の影響を感じさせる劇的で壮大なロマンティシズムに溢れています。前奏曲とアルペジョの練習曲は、不安気な音が交錯する晩年の作品。飛び交う音の粒を支える不気味な低音部が一種異様な雰囲気を醸し出しています。
NAXOS-8.572078
フバイ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調「コンチェルト・ドラマティーク」Op.21
チャールダーシュの情景第3番「マロシュ川」Op.18
チャールダーシュの情景第4番「おいでよカティ」Op.32
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調Op.90
クロエ・ハンスリップ(Vn)
アンドリュー・モグレリア(指)ボーンマスSO
ハンガリー生まれと言っても、実はユダヤ系ドイツ人であるフバイ(1858-1937)(本名はオイゲン・フーバー)。フランス語圏で生活していた二十歳の頃から、好んで「マジャル風」の姓名を名乗るようになったそうで、すっかりハンガリーの作曲家として定着しています。ヨアヒムに教えを受けた名ヴァイオリニストとして活躍し、ヴュータンと親交を結ぶ他に、演奏活動ではチェリスト、ダヴィッド・ポッパーと室内楽演奏のパートナーを組んでいました。第1番の協奏曲は1884年に作曲され、ヨアヒムに捧げられています。名手カール・フレッシュも絶賛した情熱的な作品です。第2番は1900年前後の作品で、輝かしい行進曲調の主題で始まります。ヴァイオリンのメロディは一層情熱的になり、美しいラルゲットを経て、喜ばしい終楽章を迎えます。
NAXOS-8.572082
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」 ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
ショスタコーヴィチの交響曲第11番は、1905年の「血の日曜日事件」を題材とした切れ目なく演奏される4つの楽章からなる作品です。映画音楽を得意とするショスタコーヴィチ(1906-1975)の面目躍如と言った曲で、4本のホルン、多くの打楽器、チェレスタ、ハープなど大編成のオーケストラを用いて阿鼻叫喚の地獄絵図を描いています。革命歌や自作の合唱曲からの引用も多く極めて政治色の強い作品であるために、ソ連崩壊後までは正しく評価されていなかったと言われています。ペトレンコの演奏は悲惨さを直接描くというよりも、この曲に冷徹な眼差しを注ぎ、極めて客観的に演奏することで却って悲劇的な雰囲気を醸し出すことに成功したと言えるのではないでしょうか。
NAXOS-8.572083
ブレイク:ピアノと弦楽器のための作品集
ヴァイオリン・ソナタOp.586、
ヴァイオリンとピアノのためのペニリオンOp.571、
ピアノ四重奏曲Op.179、
ヴァイオリンとピアノのためのジャズダンスOp.520a
マデリーヌ・ミッチェル(Vn)、
ハワード・ブレイク(P)、
ジャック・ロトスタイン(Vn)、
ケニス・エセックス(Va)、
ペーター・ウィルソン(Vc)
ハワード・ブレイク(1938-)の名前を知らなくても、あの映画「スノーマン」の物悲しいメロディだったら知っている人も多いのではないでしょうか?映画音楽の作曲家として高名な人で多数の曲を書いていますが、ここで聴けるのはどちらかと言うとクラシック寄りの作品です。天性のメロディストらしく、どれもが美しく伸びやかな旋律に満たされています。ピアノ四重奏曲はまるでフォーレの作品を聴いているかのような錯覚にとらわれるかも知れません。静かな癒しをもたらしてくれそうな1枚です。
NAXOS-8.572088
リース:ピアノ協奏曲集第4集
ピアノ協奏曲第5番ニ長調「田園風」Op.120
ピアノ協奏曲第4番ハ短調Op.115
序奏と華麗なるロンドWoO54
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
ウーヴェ・グロット(指)ボーンマスSO
AXOSのリース(1784-1838)のピアノ協奏曲もこれで第4集目となります。第5番のタイトル「田園風」は、彼自身が名付けたもので、彼の3曲あるタイトル付きの協奏曲の中の1曲ですが、他の2曲とは違い、最初に出版されたスコアに付されていたものです。このタイトルを聴いて誰もが思い出すのは、ベートーヴェンの「田園交響曲」でしょう。もちろんリースもこの曲を良く知ってはいましたが、別に影響されたわけではないようで、当時のボヘミアとオーストリアには、「牧歌的」なイディオムがそこら中にあったと考える方が正しいようです。タイトル通り、平和で美しい音楽です。もろん、時として爆発する瞬間もありますが。それに比べ、ハ短調の協奏曲は調性の特性もあってか、かなり劇的に始まりますが、終楽章が予想外にのどかなのも面白いところです。1835年に書かれたロンドは、当時流行の「自らの技巧を誇示するために最適」な作品。こんな良いものが出版されなかったのが不思議です。
NAXOS-8.572089
ヴィット:交響曲ハ長調「イェーナ」他
交響曲ハ長調「イェーナ」
交響曲イ長調/フルート協奏曲ト長調Op.8
パトリック・ガロワ(Fl&指)
シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ
ベートーヴェンと同じ年に生まれたドイツの作曲家、チェリスト、ヴィット(1770-1836)の交響曲をどうぞ。これを聴いたらあまりの素晴らしさに打ちのめされること間違いありません。彼はカントールの息子として生まれ、ロゼッティに学び、チェロ奏者として活躍、1793年と1794年にはクラリネット奏者のヨゼフ・ピールとともに演奏旅行をし、1796年にはウィーンで大喝采を浴びました。ヴュツルブルク劇場の音楽監督も務め、劇場用に多くのオペラを書きましたが、残念なことにそのほとんどは失われてしまったのです。知名度こそありませんが、これらの楽曲の楽しい事。音が艶々し、どこもかしこもぴかぴか磨きあげられているかのようです。
NAXOS-8.572093
ヴァイオリン・ソナタ集
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタト長調
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタロ短調P.110
グラナドス:ヴァイオリン・ソナタ
フレデリーケ・サイス(Vn)
モーリス・ランメルツ・ファン・ビューレン(P)
20世紀の偉大なる作曲家3人のあまり知られていないヴァイオリン・ソナタを3曲集めたアルバムです。ラヴェルのソナタは厳粛な美と悦楽のブルースの幸せな出会いの歌。彼の最後の室内楽曲として知られます。レスピーギの作品はこんなにも素晴らしいのに、必要以上に軽視されてしまっています。グラナドスの単一楽章のソナタはスペインの民俗音楽とロマン派音楽の美しき融合です。演奏しているサイスはオランダ出身の若手女性奏者。2005年ロン・ティボー国際コンクールの覇者です。しなやかな音楽性が魅力的です。
NAXOS-8.572095
トヴェイト:管楽合奏のための音楽集
シンフォニア・ディ・ソフィアトーリ
クリスティアン・フレデリック王子の名誉行進曲
ブルックの古いミル
自由への賛歌
シンフォニエッタ・ディ・ソフィアトーリOp.203
ハルダンゲルの100の旋律Op.151より(ノードハゲン編)〈第2組曲「15の山の歌」より
第4組曲「結婚組曲」より
第5組曲「トロール」より〉
ビャルテ・エンゲセト(指)
ノルウェー王国海軍軍楽隊
2008年はノルウェーの作曲家トヴェイト(1908-1981)の生誕100年でもありました。あまり知られていないですが、かなり気の毒なエピソードの多い人で積雪によって書斎が倒壊し、その10年後、今度は自宅火事で焼失、書きためた多くの作品が燃え尽きてしまったという悲運の作曲家です。NAXOSでは彼の作品を積極的に復興、録音していますが、このアルバムはそれらを吹奏楽で演奏するというちょっと変わり種。夢のように儚くて美しい曲が、新たな装いで甦る瞬間にぜひお立ち会いください。
NAXOS-8.572096
ガルビス:チストゥとピアノのための作品集
古き時代のサン・ゼバスティアンの6つの歌(チストゥとピアノ編)
バスク組曲第1番/バスク組曲第2番
4つのゾルツィコ/山の影
4つの伝統的なギプコアの踊り(チストゥとピアノ編)お集まりの皆様に挨拶を!
ホセ・イグナシオ・アンソレーナ(チストゥ&タンブリル)
アルバロ・センドージャ(P)
「チストゥって何?」と思われた方も多いのではないでしょうか?これはバスクに伝わる舞曲用の小型のフルートです。3つの穴を持ち片手で演奏できるため、空いたもう片方の手で打楽器などが演奏可能という優れものです(ちなみにビゼーの「アルルの女」の“ファランドール”で使われるガルベも同種の楽器です)。バスクの作曲家ガルビス(1901-1989)は、鄙びた音色を持つこの楽器とピアノ、そして、こちらもバスクの特有の楽器であるタンブリル(双頭のドラム)の音色を合わせ、実に楽しい音楽を作り上げました。ここで演奏しているのは、バスク地方で最も名高いチストゥ奏者(タンブリル奏者でもあります)ホセ.I.アンソレーナ。聴いているだけで元気になれそうな楽しい1枚です。
NAXOS-8.572097
ヒル(1869-1960):弦楽四重奏曲集第2集
弦楽四重奏曲第4番ハ短調
弦楽四重奏曲第6番ト長調「子どもたち」
弦楽四重奏曲第8番イ長調
ドミニオンSQ

NAXOS-8.572102
地に平和を〜クリスマス・アンソロジー
ホルスト:クリスマスの朝
ジュベール(1927-):かくも麗しいバラはない
マティアス:サー・クリスマス
ハウエルズ:ここに小さな扉がある/穢れなきバラ
フィンジ:地に平和を
ウォーロック:3つのキャロル[ティルリー・ティルロー/バルラロウ/プラタナスの木の下で]
レイトン(1929-1988):キリスト降誕祭の賛歌
ラター:なんて甘い音楽
ガードナー:明日は踊りましょう
マティアス:ひとりのみどり子が生まれた
ヴォーン・ウィリアムズ:四季の民謡〜「冬」<子どもたちのクリスマスの歌/クリスマスの宴の歌/ベツレヘムにて/神の祝福>
ジュリア・ドイル(S)
ロデウィック・ウィリアムス(Br)
マーク・ウィリアムス(Org、チェレスタ、P)
ロンドン市cho
デイヴァン・ウェットン(指)ボーンマスSO
1年で最も大切な祝祭日であるクリスマスのために古来から様々な合唱作品が書かれてきたのはご存知の通りです。荘厳な祈りから小さな子どもたちの素朴な歌まで、この神聖な日のために数えきれないほど多くの歌が歌われてきました。イギリスのキャロルは、最初は13世紀頃にフランスから伝えられた小さな舞曲が発祥。14世紀から15世紀に100曲あまりが作曲され主に女子修道院で歌われたようです。そんな素朴な歌が、時代を経るに従って複雑な声部を纏い、壮麗な形へと発展していくのですが、その根底に流れるのは全て「喜び、感謝」の気持ちです。街の喧噪を離れ、一人静かに良き日に思いを馳せるための極上の1枚です。
NAXOS-8.572103
ホワイトボーン:ルミノシティーと合唱作品集
コレギウム・レガーレ<マニフィカト/ヌンク・ディミティス>
アレルヤ・ユビラーテ/4.デズモンド・ツツの祈る人
彼は別れの精神で私に施す
生命の水の純粋な川/永遠の休息
公正さと明るさはただ一つ
ここには音も言葉もない
ルミノシティ<ルクス・イン・テネブリス/変わりゆく情景/沈黙/生物/ダイヤモンドの城/美についての問い/全てのものは全て善く>
クリストファー・ジレット(T)
アンドラーデ・レヴァイン(va)
ヘンリー・パークス(org)
デズモンド・ツツ(ナレーター)
ステファン・ジョーンズ(ターンブーラ)
アンドリュー・カー(perc)
マシュー・ベリー(指)コモーショ
サクソフォンと合唱音楽の作曲家として主にBBCで活躍するイギリスの現代作曲家、ホワイトボーン(1963-)の感動的な合唱作品集です。このアルバムではケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団のために書かれた最新の作品を始め、古代の詩から、インドの古典詩、そして南アフリカの平和主義家で1984年のノーベル平和賞受賞者であるデズモンド・ムピロ・ツツをフィーチャーした祈りの歌まで、様々な表情の作品を聴くことができます。彼の音楽は本当に単純明快で、複雑なハーモニーを重んじるのではなく、その気になれば一緒に祈りを捧げるのも可能なほどに判りやすいメロディです。聴き手の心にまっすぐに飛び込んでくる美しいメロディを演奏するのは、オクスフォード室内合唱団の中でも現代的レパートリーを得意とするグループ、コモーショです。
NAXOS-8.572104
パリー:別れの歌
詩篇第122番「私は歓喜した」Op.51
グレート・サーヴィス〜「マニフィカト」
グレート・サーヴィス〜「ヌンク・ディミティス」
別れの歌/人々よ私の言葉を聞きたまえ
ユディト〜長き間エジプトの豊穣な土地で
エルサレム
マーク・ローリンソン(Br)
マンチェスター大聖堂cho
ジェフリー・マキンソン(org)
クリストファー・ストークス(指)
イギリス音楽の伝統をしっかりと受け継ぐこれらの合唱音楽を作ったのはヒューバート・パリー卿(1848-1918)。彼の名前は現代でこそ忘れ去られてしまいましたが、イギリス国内では不動の人気を誇っています。まるで教会の中に光が降り注ぐような荘厳な数々の合唱曲は、人間の心の根源に眠る何かを呼び起こすかのような高揚感を味わわせてくれるでしょう。ウィリアム・ブレイクの詩のために創られた「エルサレム」は吹奏楽のレパートリーとしてもおなじみです。
NAXOS-8.572105
期待の新進演奏家シリーズ〜ニコラス・アルトシュテット
ピエルネ:チェロ・ソナタヘ短調Op.46
ブーランジェ(1887-1979):3つの小品
ダンディ:歌Op.19(チェロとピアノ編)
チェロ・ソナタOp.84
ピエルネ:エクスパンシオンOp.21/カプリースOp.16
ニコラス・アルトシュテット(Vc)、ジョゼ・ガラルド(P)
1982年生まれのアルトシュテットは、すでにいくつかのCDもリリースしている期待の若手チェリストです。ベルガメンシチコフとゲリンガスに師事し、2005年ドイツ音楽コンクール、及びシュトゥットガルト国際チェロ・コンクール、そして2006年アダム国際コンクールなどいくつものコンクールでも優勝。その実力は誰もが認めるところです。このNAXOSでのデビュー盤はピエルネとダンディ、ブーランジェの作品を演奏しています。ロマン派と印象派の境目にあるかのようなピエルネのチェロ・ソナタ、古いフランスの舞曲形式を踏襲したダンディの作品、薄氷の上に築かれるかのような繊細な面持ちのブーランジェの作品と、同じ「フランス音楽」とひとくくりにはできないような多彩な表情を持った曲たちを、柔軟な歌い口と艶やかな音色で歌いあげてます。
NAXOS-8.572106
ランペル:室内楽作品集
弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタ
弦楽六重奏曲、ヴァイオリン・ソナタ、
前奏曲とシャコンヌ「バッハへのオマージュ」
パリジー四重奏団
セバスティアン・リスレル(P)、
ウプサラ・チェンバー・ソロイスツ、
レジス・パスキエ(Vn)、
エマニュエル・シュトロッセ(P)、
アンリ・ドマルケット(Vc)
ウェーデンの現代作曲家、ランペルの作品集です。「音楽は聴く前から始まっていて、最後の音が消えてもずっと続いている」という考えを持つ彼の説を具現化したとも言える作品群は、それぞれ「既にある作品への敬意を示すこと」としての体裁を持っています。例えばそれは、タイトル通りのバッハの賛辞であったり、弦楽六重奏はあからさまにシェーンベルクの影をなぞっていたりと、古典派の形式の再現であったり、なかなか興味深いものを備えています。聴きながら「何かを探す」ことに熱中しそうな48分をお届けいたします。
NAXOS-8.572107
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第13集
ソナタ.イ長調K.65/L.195/P.142
同ニ長調K.160/L.15/P.131
同ト長調K.125/L.487/P.152
同ホ短調K.232/L.62/P.317
同ニ長調K.416/L.149/P.454
同ト長調K.71/L.81/P.17
同ニ長調K.164/L.59/P.274
同ト短調K.35/L.386/P.20
同ニ長調K.534/L.11/P.538
同ハ短調K.22/L.360/P.78
同ヘ長調K.205/L.S.23/P.171
同変ロ長調K.529/L.327/P.533
同ニ長調K.491/L.164/P.124
同ロ短調K.197/L.147/P.124
同ホ長調K.28/L.373/P.84
同ハ短調K.363/L.160/P.104
ワン・チューファン(P)
大大好評、ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)の同第13集です。NAXOSでは各々のアルバム毎に違うピアニストを起用し、それぞれの個性も打ち出しています。今回演奏しているのは、中国の若き才能、ホワン・チューファン。彼女は2005年のクリーヴランド国際ピアノ・コンクールで1位を獲得し、ヴァン・クライバーン国際コンクールではファイナリストとなった注目の人です。すでに世界的な演奏活動を行っており、日本でも室内楽のコンサートを開いています。全体的にしっとりとした風情があり、重みのある打鍵、美しい音色が印象的。大人の風格を感じさせてくれます。
NAXOS-8.572108
隠された空き地他
G.ジェイコブ(1895-1984):組曲変ロ長調(シンフォニック・ウィンド・バンド版)(1979)
J.スタンプ(1954-):隠された空き地に〜イン・ザ・ヒド・クリアリング(2001)
コープランド:リンカーンの肖像(管楽アンサンブル版・・・ビーラー編)(1942)
グレインジャー
:楽しい鐘の音(バッハ:カンタータ「わが楽しみは、元気な狩のみ」BWV208による編曲)
グレインジャー
:カントリー・ガーデンズ(スーザ編)
ガーシュウイン
:キャットフィッシュ・ロウ(D.ハンスバーガー編)
アルヴィン・チアー(ナレーター)、
ジョー・エッラ・トッド(S)、
デリック・フォックス(Br)、
トーマス・オニール(指)
ミズーリ大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル
最近のNAXOSが力を入れている「吹奏楽」のジャンルにまた新たな名盤が登場いたしました。今作もマニアにはたまらない選曲となっています。ジェイコブの「組曲」は最初ブラスのために書かれましたが、後にもう少し大きな編成へと書き直されたもので、何とも親しみやすい作品です。「隠された空き地に」は、このバンドの指揮者オニールのために書かれた作品。作曲家と指揮者の友情を描いたということです。他の編曲集はまさに妙技の一言。グレインジャー、スーザ、バッハ、ガーシュウインらの才能が混然一体となったスゴイ音が楽しめます。
NAXOS-8.572109
パッセージ〜吹奏楽のための音楽
シュワントナー(1943-):反動(2004)、
グレイ(1949-):パッセージ(2005)、
バセット(1923-):キルスティンのための子守歌(1985)、
トゥリン(1947-):ノアのための子守歌(2007)、
ジヴコヴィッチ(1962-):地球の中心からのおとぎ話(2007)
ヨゼフ・アレッシ(Tb)、
ベンジャミン・トス(Perc)、
グレン・アドシット(指)ハート・スクール・ウィンド・アンサンブル
ハート・スクール・ウィンド・アンサンブルはその卓越した技術と革新的なプログラミングで、現在最も注目を浴びている団体の一つです。今までに11の作品の世界初演を行い、その作曲者はシュワントナー、コルグラス、タワー、ブライト・シェン、他錚々たる顔ぶれです。共演したソリストもトロンボーンのJ.アレッシ、ユーフォニアムのJ.ジャクソンをはじめとした現代最高の奏者たちばかり。今回のアルバムでも、アレッシが驚くほどの名技を披露しています。トスのパーカッションも涙が出るほどスゴイ。
NAXOS-8.572110
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第33集(パート・ソング第3集)
酒宴の歌「友よ、輪になれ」D75
愛の精(第2作)Op.11-3/D747
夜うぐいすOp.11-2D724
酒宴の歌「さあ、みんな陽気にやれ」D267
坑夫の歌D268/小さい村D641
ポンスの歌D277/今過ぎ去る現在D710
酒宴の歌「兄弟たちわれらが人生の行路」Op131-2D148
弁護士D37/春の歌(第2作)Op.16-1D740
美しき夜にOp.81-3D903/墓(第3作)D377
月の光D875/矛盾Op.105-1D865a
夜の明かりOp.134D89
マルクス・シェーファー(T)
マーカス・ウルマン(T)
トーマス・E・バウアー(Bs)
マーカス・フライク(Bs)
マルクス・シュミードル(Bs)
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
第1集(8.570961)、第2集(8.570962)が大好評、シューベルト(1797-1828)のパート・ソングの第3集です。ここに収録されているのは、全て男声のための作品です。当時のドイツの風潮からしても、女声を含んだ曲に比べると男声のための作品の方がレヴェルが高いことは否めません。男たちは事あるごとに酒場に集い、歌っては友好を深め、また愛国心を深めていたに違いありません。「歌う社会」はほとんどの町の中で形成され、彼らのアンサンブルのための曲は幾つあっても足りなかったことでしょう。もちろんシューベルト自身がその「歌う社会」の中の住人だったことも忘れてはいけません。そんな理由で(女性としては悔しいですが・・・)このような素晴らしい作品が数多く生まれてきたのです。
NAXOS-8.572111
偉大なる映画音楽集2
D.エルフマン:「バットマン」メインテーマ
H.マンシーニ
:「ピンク.パンサー」メインテーマ
L.シフリン
:ミッション・インポシッブル組曲
F.レイ:「ある愛の詩」よりテーマ
J.ウィリアムス:「ジュラシック・パーク」よりテーマ
N.ロータ:「ロメオとジュリエット」メインテーマ
J.ウィリアムス
:「スーパーマン」よりマーチ
G.ヤレド:イングリッシュ・ペイシェント
N.ロータ:ゴッド・ファーザー
J.ウィリアムス
:「スーパーマン」より愛のテーマ
K.バデルト:「カリブの海賊」メインテーマ
S.マイヤーズ:「ディアハンター」よりイントロダクションとカバティーナ
C.デイヴィス
:「フランス軍中尉の女」メインタイトルテーマ
S.ワーベック
:「シェイクスピアの愛」メインテーマ
カール・デイヴィス(指)ロイヤル・リヴァプールPO
これは文句なしに楽しめる1枚です。どの曲もほんの2秒聴いただけで映画の名場面が目の前に浮かびます。どきどきするような「バットマン」や「スーパーマン」のテーマ、弦のすすり泣きで、ついつい涙ぐんでしまいそうな「ある愛の詩」や「ゴッドファーザー」。どこから聴いても驚きと感動が押し寄せてきます。「ジュラシック・パーク」もあの有名なメロディが出てくると背中がぞくぞくすること請け合いです。カール・デイヴィスの編曲は原曲の持ち味を一切壊すことなく、その上にゴージャス感を付けくわえています。第1集(NAXOS-8.570505)も好評発売中。
NAXOS-8.572112
ドヴォルザーク:交響曲第7番&第8番
交響曲第7番ニ短調Op.70
交響曲第8番ト短調Op.88
マリン・オールソップ(指)ボルティモアSO
マリン・オールソップによるドヴォルザーク(1841-1904)交響曲シリーズの第2弾です。今回は第7番と第8番の2曲です。1985年に作曲された第7番は、ブラームスの第3番の交響曲が随所に認められるも、極めてスラヴ的で甘酸っぱい感情を有した名作です。第2楽章の天上的な美しさに聴きほれる人も多いはずです。かたや第8番は同じくブラームスの第4番との関係性が指摘されることもありますが、旋律のひなびた美しさはドヴォルザークならではのもの。かつては「イギリス」と呼ばれることもありましたが、現在ではその名はほとんど使われません。牧歌的な第1楽章、溌剌とした第2楽章、つい一緒になって歌ってしまいたくなる第3楽章のテーマ、そして自由な間奏曲の形式で書かれた終楽章と聴きどころ満載です(フルート好きにはたまらない場所があるのもブラームスの4番と共通していますね)。オールソップの演奏は、一音たりともおろそかにしない、恐ろしく緊密なもの。全ての音がクリアに聞こえてくる様子には驚く他ありません。
NAXOS-8.572113
20世紀の児童合唱集
H.スケンプトン:ブタが飛べた
ブリテン:コーパス・クリスティ・キャロル
タヴナー:われらの父よ
ヴォーン=ウィリアムズ
:フィデルのための挽歌
P.M.ディヴィス:はしけの番人
ブリテン:5月/コルプ:花の歌
ブリス:ハタオリドリは悲嘆を満足させる
ラター:大地の美のために
ベネット:昆虫の世界
モウ:
キャリコのパイ他
ロナルド・コルプ(指)
ニュー・ロンドン児童cho、
アレクサンダー・ウェリス(P)
児童合唱。その穢れのない澄んだ声は何世紀にも渡って教会音楽の中で好んで使われてきました。しかしここに収録された作品は、子どもたちの可能性を更に伸ばしつつ、新しいジャンルへ挑戦する喜びを感じさせてくれるものばかりです。14人の作曲家たちによる楽しくて魅力的な作品を歌うのはニュー・ロンドン児童合唱団。驚くほど見事なハーモニーと子どもらしいユニークな表現に驚くほかありません。
NAXOS-8.572114
シューベルト:ミサ曲第5番変イ長調D678
マニフィカト.ハ長調D486
トリーネ・ウィルスベリ・ルンド(S)
ベッティナ・ランチ(A)/リ・ミンウ(T)
ドミニジュ・ケーニガー(Bs)
イモータル・バッハ・アンサンブル
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
ライプツィヒCO
シューベルト(1797-1828)のミサ曲の中でも「最も美しく創造的」と言われる第5番です。未完成交響曲と同じ時期に書かれた作品で、管楽器、とりわけ木管楽器の扱いには目を見張るものがあります。流動的なハーモニーが魅力的で、何より全編に曇りなき明るさが満ちているのが特徴です。大気を漂うようなキリエ。躍動感溢れるグローリア、例外的な悲しみを帯びたサンクトゥス、ソリストたちの清冽な歌唱が印象的なアニュス・デイと聴きどころ満載です。ブルックナーのミサ曲にも通じる重厚な風格も帯びています。マニフィカトはスコアに1816年9月の記載がありますが、その前年に書かれた可能性が示唆されています。ルカ伝のマリアが神に感謝する祈り言葉がテキストに使われた祝祭的な曲で一部にオリジナルの聖歌が使われています。モルテン・シュルト=イェンセンの真摯かつ手慣れた指揮棒が、全曲を鮮やかに描きだします。
NAXOS-8.572118
フランツ・シュミット:交響曲第4番ハ長調
「軽騎兵の歌」による変奏曲
ヴァシリー・シナイスキー(指)マルメSO
NAXOSのフランツ・シュミット・シリーズもこれで第4集。今作は、1932〜33年に書かれた交響曲第4番がメインです。この頃のシュミット(1874-1939)は、私生活でも悲しい事件続きで、もともと不安定だった健康状態まで悪化してしまいました。中でも最初の結婚でもうけた一人娘エマ(1899年生まれ)が、初めての出産で命を落としてしまったことが、かなりの打撃だったようです。そのため、この交響曲第4番は、娘エマへのレクイエムであり、曲全体にも胸が張り裂けるような悲しみが漂っています。1楽章形式ですが、全体は4つの部分に分けることができ、第1部の終わりで聴こえてくる波打つようなハープは、天使の羽ばたきとも思える美しさです。第2部では葬送行進曲風の楽想、第3部では壮大なフーガ、そして第4部で最初の主題が帰ってきて、この充実した全曲をしめくくります。かたや、1930年にクレメンス・クラウスの指揮によりウィーン・フィルで初演された「軽騎兵の歌」による変奏曲は軽快な主題と重厚なハーモニーが楽しめる、後期ロマン派特有のまったり感と聞きごたえに満ちた作品です。
NAXOS-8.572119
フランツ・シュミット:交響曲第3番他
交響曲第3番イ長調/シャコンヌニ短調
ワシリー・シナイスキー(指)マルメSO
オーストリアで活躍した作曲家、フランツ・シュミット(1874-1939)の第3番の交響曲です(第1番と第2番はNAXOS-8.570828、NAXOS-8.570589で発売中)。この作品は1927〜28年にシューベルト生誕100年の記念祭のために作曲され、ウィーンPOに捧げられています。古典的な形式で書かれていますが、曲想はとても感傷的で、とりわけ第1楽章は半音階進行を多用した流動的なテーマに彩られ、不安定でとりとめのないメロディは、どことなく聴き手を落ち着かなくさせるでしょう。落ち着いた第2楽章、活動的なスケルツォを経て、終楽章はコラールのような重々しいテーマで幕を開けます。Allegrovivaceに転じてからもせわしなく動く低音部は強迫観念のように耳から離れることがありません。併録のシャコンヌは1933年にクレメンズ・クラウス指揮のウィーンPOによって初演された作品。古風な旋律が豊かな音で彩られていく様からは、まるで奇跡のような美しさを感じさせます。
NAXOS-8.572120
エネスコ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.24-1
組曲第3番「即興的小品」Op.18〜<コラール/鐘の夜想曲>
組曲第2番ニ長調Op.10
マテイ・ヴァルガ(P)
20世紀最高のヴァイオリニストの一人、ジョルジェ・エネスコ(1881-1955)。彼はパリで学び、自作にルーマニア民俗音楽を取り入れたことでも良く知られています。彼のピアノ曲はあまり知られていませんが、魅力的な作品が多く、このアルバムが再評価のきっかけになることを祈るばかりです。1924年に作曲されたピアノ・ソナタは彼が休暇で訪れたカルパチア山で完成させたもので、第2楽章の特徴的なリズムが印象的な作品です。調性感は弱いものの、得も言われぬ抒情性を帯びたメロディは聴き手を引きつけて離しません。組曲は、もう少し前に書かれた作品ですが、こちらもかなり個性的。例えば「鐘の夜想曲」での倍音を模した響きはありそうでなかった音色です。後のメシアンを予感させる多元的な音色とでも言えましょうか。
NAXOS-8.572121
ハイドン:ミサ曲第1集スターバト・マーテルHob.XXbis アン・ホイット(S)
ルーシエン・ブラケット(A)
スティーヴン・サンズ(T)
リチャード・リポルド(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
レーベル・バロックO
1761年、西部ハンガリー有数の大貴族、エステルハージ家の副楽長という仕事を得たハイドン(1732-1809)ですが、当時老齢だった楽長のグレゴール・ヴェルナーが1766年に死去した後、ようやく楽長へと昇進することができました。その最初の大きな仕事として作曲されたのが、有名な第3番のチェレンシス・ミサと、この「スターバト・マーテル」でした。これは、ハイドンの前任者であるヴェルナーが確立した、聖金曜日にGrabmusik(「重大な音楽」)を演奏するという伝統を継承したためで、ハイドンは入念な準備をして素晴らしい作品を作り上げました。当時はペルゴレージやスカルラッティの同名作品が書かれており、この作品もそれらに肩を並べる壮麗で美しい曲となっています。
NAXOS-8.572122
ハイドン:ミサ曲集第2集
ミサ曲第3番ハ長調「聖チェチリアのミサ」Hob.XXII:5
キリエ/グローリア
クレド/サンクトゥス
ベネディクトゥス/アニュス・デイ
ニューヨーク・トリニティ教会cho
J.オーウェン・バーディック(指)レーベル・バロックO
このミサ曲はハイドン(1732-1809)がエステルハージ公のために書いた最初のミサ曲です。スターバト・マーテル(NAXOS-8.572121)と同様に、当時のウィーンの様式で1766年頃に書き始められました。最初は恐らくキリエとグローリアのみが演奏されたようですが、後の1770年代中ごろになって、クレド以降が付け加えられたらしいと研究が進んでいます。明快で荘厳な合唱で始まるキリエはすぐに快活な表情を持ち、ソロで歌われる「クリステ・エレイゾン」をはさみ、精巧なフーガへと進んでいきます。次の長いグローリアは8つの部分に分けられ、華麗な祈りの音楽が展開されます。「クレド」、「サンクトゥス」「ベネディクトゥス」と続き、最後は「アニュスデイ」の「ドナ・ノビス・パーチェム」の大フーガで曲を締めくくります。まさに感動的な音楽がここにあります。
NAXOS-8.572123
ハイドン:ミサ曲第3集
ミサ曲第6番ト長調「聖ニコライ・ミサ」Hob.XXII:6
ミサ曲第11番ニ短調「ネルソン・ミサ」Hob.XXII:11
アン・ホイット(S)
ルーシエン・ブラケット(A)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
スティーヴン・サンズ(T)
ダニエル・ムトル(T)
リチャード・リポルド(Bs)
アンドリュー・ノーレン(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
レーベル・バロックO
エステルハージ候ニコラウスの聖名日のために作曲された、初期の傑作「聖ニコライミサ」は1772年の作品です。この年は、あの有名な「告別交響曲」が書かれた年。ニコラウス侯の夏の休暇が例年よりも延びてしまったことに対して、その作品で不満を訴えたハイドン(1732-1809)。その意向を汲んで楽員たちを解放したニコラウス侯。そのお礼も込めてこのミサ曲が書かれたとも言われています。もう1曲は、ハイドン自身が「深き悲しみのミサ」と呼んだ劇的な作品です。ネルソン率いる艦隊がナポレオンの艦隊を打ち破ったという報を訊いたハイドンが、その感激のあまり、ベネディクトにトランペットのファンファーレを付け加えたことから「ネルソン・ミサ」と呼ばれます。この演奏は、オリジナル楽器によるもので、既発のドラホシュ盤(NAXOS-8.554416)との聴き比べも興味深いところです。
NAXOS-8.572124
ハイドン:ミサ曲第4集
ミサ曲第8番ハ長調「ミサ・チェレンシス」(マリアツェル・ミサ)Hob.XXII:8
ミサ曲第10番ハ長調「戦時のミサ」Hob.XXII:9
アン・ホイット(S)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
ダニエル・ニール(T)
リチャード・リポルド(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)ルベル・バロックO
マリアツェル修道院のために書かれたミサ曲「ミサ・チェレンシス」は1782年に作曲されましたが、この当時ハイドン(1732-1809)はほとんどミサ曲を書くことがありませんでした。この曲より以前に書かれたのは1775年頃の小オルガン・ミサですし、この曲の次に書かれたのは1796年の「戦時のミサ」です。そのどちらも宮廷のために書かれたのではないところも面白いところです。曲は輝かしく大規模で、楽器の使い方などにも独自性があり、ハイドンの校訂者として名高いランドンはこの曲をとても高く評価しています。もう1曲の「戦時のミサ」はオーストリアがナポレオンの脅威にさらされていた1796年に作曲されたもので、ティンパニの使い方が特徴的な名曲です。
NAXOS-8.572125
ハイドン:ミサ曲第5集
ミサ曲第2番変ホ長調「祝福された聖処女マリアへの讃美のミサ(大オルガンミサ)」Hob.XXII:4
ミサ曲第8番変ロ長調「オッフィーダの聖ベルナルドの賛美のミサ」Hob.XXII:10
アン・ホイット(S)
ルーシエン・ブラケット(A)
ヘイティン・チン(A)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
スティーヴン・サンズ(T)
ダニエル・ムトル(T)
リチャード・リポルド(Bs)
アンドリュー・ノーレン(Bs)
ドンショク・シン((Org)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
ルベル・バロックO
1768〜69年頃、ハイドン(1732-1809)がエステルハーツィ候ニコラウスに仕え始めた頃に書かれた「ミサ曲第2番」はアイゼンシュタットのベルク教会のために作曲されたとされています(聖母マリアの祝日のために演奏された後は、聖ヨゼフの日にも使いまわされたようです)。全編に渡ってオルガンが活躍するため「大オルガンミサ」と呼ばれます。ハイドン自身がオルガンを演奏し、喝采を浴びたのではないでしょうか?曲調も全体的に明るく、快活で喜びに満ちた美しいものです。そのほぼ30年後に書かれた「オッフィーダの聖ベルナルドの賛美のミサ」は、サンクトゥスの部分に古い聖歌が使われていることで「ハイリゲ・ミサ」としても知られています。一度はロンドンに永住しようと考えたハイドンですが、結局ウィーンに戻り、この曲が書かれた1796年にはエステルハーツィ家の楽長に再就任、2代目当主のために書かれたミサ曲です。合唱パートがとりわけ充実していて、60歳を超えたハイドンの旺盛な創作意欲が感じられる傑作です。
NAXOS-8.572126
ハイドン:ミサ曲集第6集
ミサ曲第1番ヘ長調「ミサ・ブレヴィス」Hob.XXII:1
ミサ曲第12番変ロ長調「ハルモニー・ミサ」Hob.XXII:14*
アン・ホイット(S)
ジュリー・リストン(S)
リチャード・リポルド(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
ルベル・バロックO

ナコル・パルマー(S)*
ニーナ・ファイア(S)*
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)*
ダニエル・ムトル(T)*
マシュー・ヘンスラッド(T)*
アンドリュー・ノーレン(Bs)*
ニューヨーク・トリニティ教会cho*
ジェーン・グローヴァー(指)ルベル・バロックO*
「ミサ・ブレヴィス」とは「小さなミサ」という意味。1749年、変声期を迎えた17歳のハイドン(1732-1809)はそれまで活躍していた聖歌隊を去らなくてはいけませんでした。この時、彼が今までの音楽的成果を表すために作曲したのがこの曲だと言われています。知識不足を補うため、彼は当時有名な作曲家であったポルポラに会い、イタリアの音楽様式について学んだのもこの時期です。小さいながらも充実した書式で書かれた溌剌とした音楽です。一方、第12番「ハルモニー・ミサ」は1802年、70歳の時の作品。ハイドン最後のミサ曲で、すでに「天地創造」や「四季」などの傑作をものにしていた彼ならではの堂々とした作品です。1802年9月8日。エステルハージ公爵夫人の命名日を祝う日のための演奏会で初演されました。ここでいう「ハルモニー」とは木管合奏の意味。充実した管楽器の響きが随所に現れる感動的な大作です。ニューヨーク・トリニティ教会合唱団の艶やかな歌声が胸に迫ります。ミサ曲の番号表記は、ブライトコプフ社の旧全集での通し番号に拠ります。
NAXOS-8.572127
ハイドン:ミサ曲集第7集
ミサ・ブレヴィス.ヘ長調Hob.XXII:1(1805年復元版)
ミサ曲第11番変ロ長調「天地創造ミサ」Hob.XXII:13*
アン・ホイット(S)/ジュリー・リストン(S)
リチャード・リポルド(Bs)
ナコル・パルマー(S)/ニーナ・ファイア(S)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
ダニエル・ムトル(T)
マシュー・ヘンスラッド(T)
アンドリュー・ノーレン(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
ジェーン・グローヴァー(指)*
ルベル・バロックO
1805年、73歳を迎えたハイドン(1732-1809)は、若かりし頃に書いた「ミサ・ブレヴィス」にフルート、クラリネット、ファゴット、トランペット、そしてティンパニを加え、豊かな響きに改作しました。これは当時彼の作品を出版していたブライトコップ&ヘルテル社の依頼に応じて、若書きの作品に手を加えたのですが、結局のところ出版されることはなかったようです。もう1曲の「天地創造ミサ」は、オラトリオ「天地創造」の引用があるため、この名前で呼ばれます。女帝マリア・テレジアの聖名日である1801年9月13日に初演された晩年の作品で、流麗なメロディと力強さに溢れた秀作です。
NAXOS-8.572128
ハイドン:ミサ曲集第8集
ミサ曲第5番変ロ長調「神なる聖ヨハネのミサ・ブレヴィス」(小オルガン・ミサ) Hob.XXII:7*
ミサ曲第10番変ロ長調「テレジア・ミサ」Hob.XXII:12
アン・ホイット(S)*
ドンショク・シン(Org)*
ニューヨーク・トリニティ教会cho*
オーウェン・バーディック(指)ルベル・バロックO*

ナコル・パルマー(S)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
ダニエル・ムトル(T)
アンドリュー・ノーレン(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
ジェーン・グローヴァー(指)
レーベル・バロックO
ハイドン(1732-1809)のミサ曲全集の第8集です。こちらでシリーズは完結となります。「小オルガンミサ」は1775年頃の作曲で、エステルハージ家の本拠地であるアイゼンシュタットの「慈悲の友修道会」のために書かれています。この教会の修道士たちは、医者としても高い能力を有していて、音楽の治癒力にも絶大なる信頼を置いていました(現在でもリハビリ施設のある病院として知られています)。ハイドンも胃の万能薬を始め、ハーブティー、歯磨き粉などを与えられたそうです。この教会はとても小さかったため、ミサも必然的に小さいものとなったようです。もう1曲の「テレージア・ミサ」はフランツ1世の妃マリア・テレージアのために書かれたと言われていますが、現在ではこれは否定されています。彼女は献呈を受けたのではなく、溺愛するハイドンのミサ曲を自ら蒐集し、コレクションの中に加えていたのでした。1799年、ハイドンの円熟期の充実したミサ曲です。なおミサ曲の番号表記は旧全集に拠っています
NAXOS-8.572129
ワイルド・ナイツ!〜吹奏楽のための作品集
ティケリ(1958-):ワイルド・ナイツ!(2007)、
ズベイ
(1964-):シャドウ・ダンス(2006)、
ブリアント(1972-):ダスク(2004)、
エテザディ
(1973-):アナヒタ(2005)<夜間飛行/ナイトメア/眠りと静寂〜光の到来>、
マッケイ(1973-):ソプラノ・サクソフォンと吹奏楽のための協奏曲<前奏曲/フェルト/金属/木材/フィナーレ>
ヴィンセント・グノジェク(ソプラノSax)、
スコット・ワイズ(指)
カンザス大学ウィンド・アンサンブル
カンザス大学吹奏楽部の素晴らしい演奏で、21世紀に書かれたバリバリ新作をぶいぶい聴いてしまう凄アルバムです。多くの受賞歴のあるティケリの「ワイルド・ナイツ」はエミリー・ディキンソンの詩に触発された愉快な曲。マッケイのソプラノ・サックス協奏曲は、彼の師であるコリリアーノのクラリネット協奏曲へ敬意を払ったという作品。他にも夜の女神「アナヒタ」を描いたエテザディ、ブリアント、ズベイと吹奏楽マニアにはおなじみの作曲家の渾身の作が並びます。
NAXOS-8.572130
ハイドン:交響曲集第34集
交響曲第62番ニ長調Hob.I:62
交響曲変ロ長調Hob.I:107(シンフォニアA)
交響曲変ロ長調Hob.I:108(シンフォニアB)
序曲「変わらぬまこと」Hob.Ia:15
序曲「薬剤師」
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
ハイドン交響曲集ここに完結。
NAXOS-8.572135
ルーセル:交響曲第4番イ長調Op.53
交響詩「フランドル狂詩曲」Op.56
小組曲Op.39
小管弦楽のためのコンセールOp.34
シンフォニエッタOp.52
ステファン・ドヌーヴ(指
)ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
フランスの作曲家ルーセル(1869-1937)は海軍での活躍も有名です。1889年と1890年にフリゲート艦イフジェニー号でインドシナ近海を航海したことは、後の作曲家人生に大きな発展をもたらしたことは間違いありません。この第4番の交響曲は1934年に作曲され、1935年にアルベール・ヴォルフ指揮コンセール・パドルーによりパリにて初演されました。リズミカルで明瞭な形式を持っていた第3番の作風を継承し、さらにより多くの楽想を加えた厳粛な美が感じられる音楽です。第1楽章の冒頭の柔らかな弦のメロディと活発なテーマの対比、そして第2楽章の多彩な木管楽器の使い方はルーセルの音楽の特徴とも言えるものでしょう。「フランドル狂詩曲」は1936年に作曲され、その年の12月12日にエーリッヒ・クライバーに初演されています。ルーセルのフランドルの祖先への敬意が表された作品で16世紀から17世紀に採取された5つのベルギー民謡をもとにした快活な音楽です。
NAXOS-8.572136
ジェズアルド:マドリガル集第3集
あなたは私が死ねばいいと思っている(パート1)
死んだ方がいいの?(パート2)
悲しいかな、絶望的な生活
私は元気がない。そして死ぬ
あなたの曇りのない目の美しさで
悲しいかな、残酷で情け容赦のないもの
愛の甘き精神
私の心はため息をついている(パート1)
おお、悪しき生まれの悪しきメッセージ(パート2)
見てください、私の太陽が輝くのを
私はあなたを愛してない、そんな言葉を投げかけないで
愛の奇蹟(パート1)
そして私は焼け焦げそう(パート2)
残酷な悲しみ
彼女は泣いている、悲しくて
耐え難い苦痛が私を殺す
もし私があなたの慈悲深さを知ったなら
ああ、それはすでに残酷だった
最高に甘きため息(6声)
わが人よ、もし私を殺すなら
どのように私の心は生きることができるか(5声部のカンツォネッタ)
月桂樹の陰で(5声部のカンツォネッタ)
マルコ・ロンギーニ(指)
デリティエ・ムジケ
1595年に出版されたジェズアルド(1566-1613)のマドリガル第3集は、彼のスタイルの変化が顕著に現れているものとして知られています。彼は当時の主要な詩人の作を用いることはせず、無名の作家、及び、匿名の作家の詩を用いることを好みました。これは詩の人気に頼ることなく、音楽の力で、詩にドラマ性と、すばらしい表現力を抱かせることができるジェズアルドならではのチョイスに他なりません。どの曲もタイトルから驚くものばかりですが、内容も音楽も摩訶不思議。とろとろと粘り気のある響きが耳にいつまでも残ります。第1集(NAXOS-8.570548)、第2集(NAXOS-8.570549)も大好評。必要以上に見捨てられてしまった音楽家の全貌がいよいよ明らかになりつつあります。
NAXOS-8.572137
ジェズアルド:マドリガル集第4巻(1596)
清らかな澄んだ光よ
時には正直な欲望に
私は沈黙の中で静かでならなければならない(第1部)
無駄に、残酷に(第2部)
あなたは私に何をしているの?
この残酷で信心深き女性
私が思ったのと同じように(第1 部)
おお、ここまで残酷な愛(第2 部)
わが心よ、ああ、泣くことはない(第1 部)
だから私を傷つけないで(第2 部)
ルッツァッスキ(1545-1607):4 声のトッカータ(オルガン・ソロ)
我が主の顔は死に覆われている
最後に溜息をつき、私は死ぬ(第1 部)
人生は死を歓迎する(第2 部)
彼女は結局のところ/私の心を伝えよう
見よ従って私は死ぬだろう(第1 部)
ああすでに私は血の気が引く(第2 部)
私の心は燃えている
あなたの心に小さな愛があれば
太陽は明るく(6声-第1 部)
わが光よ、戻っておいで(6声-第2部)
マルコ・ロンギーニ(指)デリティエ・ムジケ
「高貴なる殺人者」として歴史に名を残す大作曲家、ジェズアルド(1566-1613)のマドリガル集の第4 集です。この曲集には、妻とその恋人を殺害するという大事件を起こした後に書かれた、ジェズアルドの苦悩が伺われる曲が含まれており、他にも死の影に覆われた作品など、全体的に暗く重々しい色調となっています。もちろん彼特有の予期せぬ不協和音や、激しい感情表現、半音階的語法が顕著であり、時代の流れからはみだしてしまった悲しい天才を物語るかのような、ドラマティックな音楽が奏でられます。今作もデリティエ・ムジケによる迫真の演奏です。
NAXOS-8.572138
ショスタコーヴィチ:女友だち、他
映画音楽「女友だち」完全版Op.41(フィッツ=ジェラルドによる復元版)
劇音楽「ブリタニアを支配せよ!」Op.28
劇音楽「スペインに敬礼」Op.44
交響的断章(交響曲第9番の第1楽章)(1945年未完)
:セリア・シーン(テルミン)
カミル・バルチェウスキ(Bs)
カメラータ・シレシア
マーク・フィッツ=ジェラルド(指)ポーランド国立放送カトヴィツェSO
映画音楽「女友だち」。この映画は3人の少女が成長し、南北戦争で看護婦として活躍する物語。社会主義の体制の中での女性の社会進出を描いた興味深い内容でもあります。いつものようにF=ジェラルドによる復元版を使用したこの演奏は、いつものように絢爛豪華なオーケストレーションで聴き手を魅了します。この盤は他にも世界初録音となる3つの作品が含まれています。交響的断章は、交響曲第9番のスケッチと考えられ、こちらもまことに興味深い内容です。
NAXOS-8.572139
パロモ:わが寂しき庭園
わが寂しき庭園(ギターと声楽編)
マドリガルと5つのセファルディの歌(声楽とギター編)
シエンフエゴスの協奏曲
演奏:マリア・バーヨ(S)
ペペ・ロメロ(G)
ロメロ・ギター四重奏団
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指)
セビーリャ王立SO
心沸き立つギターの音色、夢引き裂くかのような歌声、どことなくエキゾチックなメロディ、これらを聴いて背中がぞくぞくしない人はいないでしょう。名歌手マリア・バーヨとペペ・ロメロによってこの世に生を受けた歌曲たちは、夜の寂しさと妖艶さの中に微かに香る狂気までをも、恐ろしいまでに表現し尽くしています。また、ペペ・ロメロ率いるギター・カルテットと熱血指揮者、デ・ブルゴスの共演による「シエンフエゴスの協奏曲」も聴きもの。前半を聴いて瞑想的になり過ぎてしまったと思ったらぜひ最後まで聴きとおしてください。
NAXOS-8.572141
トゥリーナ:ピアノ作品集第6集
リトモス(舞踏幻想曲)Op.43(1928)
5つの音の幻想曲Op.83(1934)
イタリア風幻想曲Op.75(1932)
映画の幻想曲Op.103(1945)
時計の幻想曲Op.94(1943)
幻想詩曲Op.98(1944)
ホルディ・マソ(P)
「幻想」は心が持つ不思議な能力です。最近の出来事から、過去の思い出までありとあらゆることを一瞬に思い起こし、また現実の世界から、遠く離れた世界へと瞬時に旅をすることが可能な能力なのです。このトゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品集第6集はそんな幻想的な作品を集めたもの。幼年期のとめどもない空想、大人になってからの極めて現実的な空想、などなど、その描かれた世界はさまざまです。伝統的なアンダルシアの音楽とフランス印象主義の作風が微妙に入り組んだ独自の音による風景が目の前に広がります。名手ホルディ・マソが紡ぐ「音による不思議な物語」をお楽しみください。
NAXOS-8.572142
モンポウ:ピアノ作品集第6集
物乞いの哀歌/浜辺の工場
浜辺の思い出/浜辺の地域
砂地の道/5つの印象
ラ・ガリガの隠遁地
霧の中の田園地帯
荒野の田園地帯/登山ルート
田舎に帰ってきた少女
庭の小道/モンセニー
エコー/山の印象
思想/2つの小前奏曲
前奏曲/2つのアラベスク
銀紙を張ったプール
らくだから降りた3人の王の踊り
キリスト降誕の歌と踊り/時間
低地の踊り
ホルディ・マソ(P)

※全て世界初録音
カタルーニャ出身、20世紀を代表するスペインの作曲家の一人、モンポウ(1893-1987)のピアノ作品集です。このアルバムに収録されているのは全て世界初録音。ピアニスト、ホルディ・マソがモンポウの家などから最近発見したという作品を演奏したものです。これらは全て1910年から1918年の間に書かれたもので、まだ未発達とはいえ、すでに独自の音楽性が出来つつあったモンポウの並はずれた才能を示すものと言えるでしょう。マソはすでにスペインのピアノ音楽のオーソリティとして知られていますが、このモンポウの録音によって、より高く評価されることは間違いありません。
NAXOS-8.572154
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第4集
レブス<前奏曲/ダンス/ジグ/ヴァリアション/フーガ/パレード>/7-11.讃歌/死への讃歌<前奏曲/第1の讃歌-労働への讃歌/第2の讃歌-春への讃歌/第3の讃歌/死への讃歌>
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO

※MARCOPOLO8.223724より移行盤
大好評のマルケヴィチ(1912-1983)管弦楽曲集シリーズの第4作です。ここでは彼の作品の中で最も不可解で興味をそそられる2つの曲が中心です。興行師レオニード・マシーンに依頼されて作曲したにも関わらず、どうしたわけか上演されることのなかったバレエ「レブス」。そして「讃歌」と名付けられているのに、内容は極めて世俗的な作品(これはマルケヴィチの実験的な作品と言われています)です。どうしても、ストラヴィンスキーやプロコフィエフの筋肉質の音楽を想起させられますが、やはり曲に現れる独特のポリリズムと多調性はマルケヴィチならではのもの。同時多発的な音の爆発には心地良さすら感じます。
NAXOS-8.572150
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第3集
ワシントンDC国会図書館写本のソナタ
第3番イ長調/第4番ト短調
第5番嬰へ短調/第6番ホ短調
ペドロ・カザルス(P)
知られざる作曲家、ブラスコ・デ・ネブラ(1750-1784)のソナタ全集の完結編です。第1集(8.572068)、第2集(8.572069)に続くこの第3集は、ワシントンDCの国会図書館で保存されていたソナタを収録しています。このソナタは全て2楽章形式で、各々対称的な楽想を持っています。温和な緩徐楽章に続く、高い技術が要求される早い楽章。形式は定型に沿っていますが、メロディは高度に洗練されていて、決して冗長になることはありません。
NAXOS-8.572151
イギリス声楽作品集第19集〜ガーニー:歌曲集
下り坂で/ハナッカーの水車屋
ハンサムなマーリ伯/桜の木
.ここは聖なる都市/5つのエリザベス歌曲
7つのサフォーの歌より「リンゴの果樹園」
月の下の全ての夜/ラトミアン・シェパード
私は父と雪かきをするだろう
最後の時間/キャスリーン・ニー・フーリハン
ゆりかごの歌/ドーニーのフィドル/雪
歌い手/時/いスタイルの墓碑銘/船
筆記体/快く私は注記を変更する/碑銘
私が死にゆく時施行すること
汝は我が目を喜ばせた
ボートのきしみ/光の外
スーザン・ビックリー(Ms)/イアイン・バーンサイド(P)
スタンフォードに学び、ハーバート・ハウエルズと親交の深かった作曲家アイヴォー・ガーニーは、第1次世界大戦の従軍体験を元にして書いた2つの詩集を始めとした多くの詩作で「偉大なる詩人」としても知られています。彼はずっと双極性障害に苦しみ、また戦争で体調を崩し、最期は結核で亡くなるのですが、その一生を覆った暗い影は彼の音楽にも反映されているようで、300を超える歌曲のどれもが仄暗い色合いを帯びています。しかし、その落ち着いた色合いは聴き手の心を何か透明なもので満たしてくれることでしょう。
NAXOS-8.572152
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第2集
新時代/シンフォニエッタへ調/シネマ序曲
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO
大指揮者として知られるマルケヴィチ(1912-1983)。しかし、第二次世界大戦前は「恐るべき才能を持った作曲家」として認知されていました。その作品は全て20代に書かれ(彼はなぜか29歳で作曲をやめてしまう)そのどれもが目を見張るほどの完成度を備えています。彼の資質が最も良く表出されているのは「シンフォニエッタ」でしょう。炸裂するエネルギー、時折見せる神秘的な表情、など枚挙にいとまがありません。「シネマ序曲」は1931年の作品。レオニード・マシーンが構想した映画(結局作られなかった)のためのバレエ作品です。複雑なリズムとサイレンなどの特殊楽器を駆使したこの曲、とても19歳の若者の手になるものとは思えません。MARCO POLO8.223653より移行盤。
NAXOS-8.572153
マルケヴィチ:管弦楽作品集第3集
愛の歌/イカロスの飛翔/合奏協奏曲
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO
MARCOPOLOで大好評!早熟過ぎた天才指揮者、マルケヴィチ(1912-1983)の管弦楽作品全集第3集のNAXOS移行盤が登場です。各々の作品に見られる切れ味鋭い才能の表出を心行くまでご堪能ください。大作であるバレエ音楽「イカルスの飛行」、1933年にこの曲が初演された時、あまりの大胆さに会場は騒然となりました。そこに居合わせたミヨーは「音楽が発展した日」と宣言したというからスゴイものです。スクリャビンのカオスをより濃厚にした感のある「愛の歌」での言葉にならない「むず痒さ」もたまりません。「合奏協奏曲」はこの録音が世界初。発売当時大変な話題となったものです。
NAXOS-8.572155
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第5集
偉大なるロレンツォ(1940)/詩篇
ルーシー・シェルトン(S)
カペラ・カロリーナ
クリストファー・リンドン=ジー(指)
アルンヘムPO

※MARCO POLO*8.572155からの移行盤
名指揮者マルケヴィチ(1912-1983)の作曲家としての才能は、管弦楽作品だけに留まることはありません。ここに収録された2つの作品も壮大かつ難解なものとして、永遠に歴史に残ることでしょう。「偉大なるロレンツォ」はイタリアのルネサンス期におけるメディチ家最盛時の当主、ロレンツォ・デ・メディチを題材にした作品です。学問や芸術に造詣が深く、彼の庇護の元でルネサンス文化が花開いたと言っても間違いではありません。7つの詩篇を使って書かれた「詩篇」はマルケヴィチ21歳の時の作品です。彼は音楽のたゆまぬ進行のためには、聖書の言葉を書きかえることも厭わず、極めて独創的かつ前衛的な作品を書きあげています。まさに「恐るべき子ども」ここにありです。
NAXOS-8.572156
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第6集
ある男の彫刻<1.前奏曲
装飾されたコラール
ソナタT:レント
ソナタU:アンダンティーノ
ソナタV:スケルツォ/ソナタW:ロンド>
ルーシー・シェルトン(S)
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO

※MARCO POLO8.225054より移行盤
マルケヴィチ(1912-1983)の管弦楽作品第6集は、当時、創作力の頂点にあった彼の渾身の作である「ある男の彫刻」を収録。スイスの詩人、小説家であるチャールズ・フェルディナント・ラミュ(ストラヴィンスキーの「兵士の物語」も彼の台本による)のテキストを用いて1939年に書かれたものの、1982年、マルケヴィチの死の直前までタイトルすら付けられていませんでした。マルケヴィチはストラヴィンスキーの作品をこよなく愛し、彼の指揮した「兵士の物語」は今でも永遠の名盤として語り継がれていますが、自作の方は第2部も書かれることなく忘れ去られてしまったのです。緊張感溢れるドラマ仕立ての音楽。身の毛のよだつほどの迫力です。
NAXOS-8.572157
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第7集
ピアノ協奏曲(1929)/カンタータ
イカロス(1932/1943)
マルテイン・ファン・デン・フーク(P)・
ニーンケ・オーステンレイク(S)
オランダ・コンサート男声cho

クリストファー・リンドン=ジー(指)
アルンヘムPO

※NAXOS-8.225076、MARCO POLOより移行盤
マルケヴィチ(1912-1983)の作品は聴けば聴く程にその凄さに震撼せざるを得ません。この第7集でも驚異的な才能に驚かされるばかりです。1曲目は彼が16歳の時に書いた協奏曲。ちょっと人を食ったような表情を見せるピアノの動きはプロコフィエフでもなくバルトークでもない暴力的で、かつ魅力的なものです。メロディの美しさを求める人には向かない音楽ですが、この恐ろしいまでの機動力を有した作品が16歳の少年の手から生まれたというのは、確かに恐ろしいことです。カンタータはバレエ・ルセの委嘱に拠って書かれた作品。コクトーのテキストに基づいています。「イカロス」は第3集(NAXOS-8.572153)に収録された「イカロスの飛行」を再構築したものです。やはりバレエ・ルセのプロジェクトのために1932年に作曲、翌1933年に初演された作品でしたが、出来上がりが気に入らなかったのか破棄してしまったものを、その約10年後に改作したものです。
NAXOS-8.572158
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第8集
バッハ:音楽の捧げもの…マルケヴィチによる3つの管弦楽群と四重奏による編曲版(1949-1950)
3声のリチェルカーレ
主題と変奏/ソナタ/6声のフーガ(リチェルカーレ)
レミ・ボーデ(Vn)
ダーク・ライメス(Cemb)
イェローン・リューリンク(Vc)
ハンス・ファン・ルーネン(Fl)
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO

※MARCOPOLONAXOS-8.225120より移行盤
バッハの「音楽の捧げもの」管弦楽編曲と言えば、あの有名なウェーベルンの「6声のリチェルカーレ」の冒頭の響きを思いだす人が多いことでしょう。しかし、このマルケヴィチ(1912-1983)の編曲はもっと大掛かりで、色彩豊かな曲へと変貌しています。彼はこの作品を、一つの「交響曲」として解釈し、完全に自らの語法に変換した上で、バッハの作品を再構築したのでした。曲全体は3群の管弦楽と4人のソリストを交えた大規模な編成で奏され、複雑な対位法も見事に処理されています。全てが緊密に絡み合い、一つたりとも無駄な音符はありません。あまりにも素晴らしい世界です。
NAXOS-8.572159
ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲集
ピアノ四重奏曲ニ長調Op.23
ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.87
ヘレナ・シュチャロヴァ=ウェイセル(P)
ドヴォルザーク(1841-1904)の室内楽作品の中でも、これらのピアノ四重奏曲はほとんど知られていません。しかしこの2曲の完成度の高さには目を見張るものがあります。1875年、34歳の時に作曲した第1番は、同じ年に書かれたピアノ三重奏曲と合わせ、彼が音楽家として輝かしい経歴を歩み始めた頃の意欲溢れる作品です。冒頭からめまぐるしく長調と短調のメロディが入れ替わり、落ち着かない気分の中にひっそりと忍びこむ懐かしい郷愁がたまりません。第2番は1889年の作品。こちらはチャイコフスキーと親交を結んだ時期で、曲も一層の叙情性を帯びています。洗練された土臭さとも言える独特の風情がたまりません。
NAXOS-8.572160
ベートーヴェン:ピアノ変奏曲集
創作主題による15の変奏曲とフーガ「エロイカ変奏曲」Op.35
ハイベルのバレエ「妨げられた結婚」の「ヴィガノのメヌエット」の主題による12の変奏曲WoO68
ウラニツキーのバレエ「森の娘」からロシア舞曲による12の変奏曲WoO71
サリエリの歌劇「ファルスタッフ」の二重唱「まさにその通り」の主題による10の変奏曲WoO73
ジュースマイアーの歌劇「スレイマン2世、または3人のサルタン妃」による8つの変奏曲WoO76
創作主題による6つの変奏曲ニ長調Op.76
ユ・ヨンユク(P)
一つの主題を「これでもか」とばかりに変化、発展させ素晴らしい音楽を構築するのが「変奏曲」です。この分野が得意な作曲家って何となく凝り性で粘着系のイメージがありませんか?その最たる人が言わずと知れたベートーヴェン(1770-1827)(バッハやブラームスもそうですね)。彼の変奏曲はあまりにも見事で非のつけどころすらありません。このアルバムの中で最も有名な曲は第1曲目のものでしょう。このテーマは交響曲第3番「英雄」の終楽章として知られていますが、もともとはバレエ音楽「プロメテウスの創造物」からのメロディです。あの勇壮なテーマが15の変奏曲となり耳を喜ばせてくれます。おまけに深遠なフーガまで付いてくるという豪華さ。全6曲を楽しめば、満漢全席、もしくはフレンチフルコースの食べ放題くらいのお腹一杯感を味わえます。2007年、ボンのベートーヴェン・コンクールで1位を獲得した韓国のピアニストによる極上の演奏です。
NAXOS-8.572161
メンデルスゾーン&バッハ:モテット集
メンデルスゾーン:マニフィカトニ長調
 弦楽の為のシンフォニア第12番ト短調〜第1楽章
バッハ:マニフィカトニ長調/
メンデルスゾーン:アヴェ・マリアOp.23-2
バーガー・ラッド(T)、イェール・ヴォクステット、
サイモン・キャリントン(指)
イェール・コレギウム・プレイヤーズ
極めて才能ある10代の若き音楽家、メンデルスゾーンが宗教曲を書く際、自らのお手本にしたのは、当時ほとんど忘れ去られてしまっていたJ.S.バッハ、および彼の息子C.P.E.バッハの作品でした。聖母マリアの賛美の歌である輝かしい「マニフィカトニ長調」は何とメンデルスゾーン13歳の作品。ホルンなどの使い方はバロックの様式をそのまま継承し、J.S.バッハの作品から幾獏かのモティーフを拝借、ちゃっかり自作の中に忍び込ませているところなど、なかなかのやり手です。トラック7に置かれた「弦楽の為のシンフォニア」のフーガは、同じ時期に書かれた彼の全くのオリジナル。半音階を多用したメロディが不可思議な気分を喚起します。1830年に書かれたアヴェ・マリアはすっかりメンデルスゾーンらしさを身につけたもの。後の「エリア」に続く壮麗な作品です。
NAXOS-8.572162
C.P.シュターミッツ&ホフマイスター:ヴィオラ協奏曲集
C.P.シュターミッツ(1745-1801):ヴィオラ協奏曲第1番ニ長調
ホフマイスター(1754-1812):ヴィオラ協奏曲ニ長調
 ヴィオラ協奏曲変ロ長調
ヴィクトリア・チャン(Va)
マーカンド・ザーカー(指)
ボルティモア室内O
マンハイム楽派の傑出した音楽家であるシュターミッツと、出版事業でも知られるホフマイスター。彼らの作品は、どうしても同時代の天才、モーツァルトの影に隠れがちですが、こうして改めて聴いてみると、その独自性溢れる音楽には感嘆せずにはおれません。父ヨハンから音楽教育を受け、パリでヴァイオリニストとして活躍したシュターミッツの作品は、超絶技巧をふんだんに使った華麗なもの。オーケストラ・パートの充実した書法も魅力的です。かたやホフマイスターの作品は、どちらかというと簡潔な書法で書かれ、優雅さが際立つものです。「すばらしく深く、対話に満ちた音」とボルティモアの新聞評で絶賛された女性ヴィオリスト、チャンの演奏で。
NAXOS-8.572163
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第2番ヘ短調Op.10(1918)
弦楽四重奏曲第3番ハ長調Op.16(1920)
アマールSQ
【アンナ・ブルンナー(第1Vn)
イゴール・ケーラー(第2Vn)
ハンネス・ベールツヒ(Va)
ペテル・ソモダリ(Vc)】
卓越したヴィオラの腕前を持ち、また、ヴァイオリニストとしても存分な才能を発揮した作曲家ヒンデミット(1895-1963)。彼は生涯7つの弦楽四重奏曲を書き、実質上、「シュポアの後継者」足りうるドイツの弦楽四重奏作曲家として讃えられるはずです。しかしながら、その作品を聴く機会は本当に少なく、同じ「新古典派主義」のバルトークに比べると録音の数も驚くほど些少なのは一体なぜなのでしょうか?さて、そんなヒンデミットの弦楽四重奏曲全集の最初を飾るのは第2番と第3番の組み合わせです。1918年に書かれた第2番は、彼の戦争経験が暗く影を落とした作品です。もちろん先人の影響は受けているものの、音楽はもっと簡潔であり、また、多くのことを語っています。驚くほど抒情的な第2楽章の変奏曲は、何かのパロディなのでしょうか。その2年後に書かれた第3番は、わずか2日間で書いたとされ、ドナウエッシンゲン音楽祭で華々しい成功を収めた作品です。こちらは若々しいエネルギーに満ちた情熱的な音楽で、彼の室内楽の中でも最高傑作のひとつです。
NAXOS-8.572166
ウィルビー:息もつけないハレルヤ、他
息もつけないハレルヤ(2008)、パガニーニ変奏曲(1991)、
邪悪なソネット第4番「もし神が私たちを生き残らせるなら彼の王国は来るでしょうか?」、シラノ、
ブロンテ・ミサ「メモリー」(断章)(2007)、アメイジング・グレイス:交響的変奏(2006)、
ユーフォニアム協奏曲(1995)
フィリップ・ゴールト(Br)、
フィリップ・ウィルビー(Org)、
ヨーゼフ・クック(Tub)、
デイヴィッド・ソーントン(ユーフォニアム)、
ニコラス・チャイルズ(指)ブラック・ダイク・バンド
2008年リリースのシンフォニック・ブラスが大好評!(これは演奏も選曲もどちらも秀逸でした)。で、今回のブラック・ダイク・バンドはウィルビー(1949-)の作品集で勝負です。近年のブラスバンドの発展に大きく寄与しているウィルビーですが、実はあまり作品がCD化されていません。こうしてまとめて聴けるだけでも素晴らしいのに、演奏はブラック・ダイク。「パガニーニ変奏曲が聴けるだけでも嬉しいです!」(あるウィルビー好きの声)。
NAXOS-8.572164
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第2集
弦楽四重奏曲第5番Op.32(1923)
弦楽四重奏曲第6番変ホ長調(1943)
弦楽四重奏曲第7番変ホ長調(1945)
演奏:アマールSQ
<アンナ・ブルンナー(第1ヴァイオリン)/イゴール・ケーラー(第2ヴァイオリン)/ハンネス・ベールツヒ(Va)/ペテル・ソモダリ(Vc)>

録音:スイスチューリヒ,スイス放送DRS,大ホール2010年4月、2009年2月
もともとヴァイオリンとヴィオラの卓越した演奏技術を持ち、1920年には自ら「アマール弦楽四重奏団」を結成して8年間の活動中に、自身の第2番の初演を行うなど、ヒンデミット(1895-1963)における弦楽四重奏というジャンルは、かなり強力な立ち位置を占めていたことは間違いありません(しかし1945年の第7番を最後に、彼が弦楽四重奏を書かなかったのは少々不思議な気がします)。1923年の第5番は、不協和音と厳格な対位法が同居する洗練された作品です。終楽章のパッサカリアで、主題が発展していく様をぜひお聴きください。1943年の第6番はまさに彼の創作の頂点をなす作品で、以前の作品からの引用と、緊密な展開が楽しめる音楽です。若干わかりやすい和声に終始している面も注目です。第7番はエール大学で「実用音楽」論を唱えていた時、アマチュアのチェリストであった彼の妻や、学生が弾くことも考慮して書かれた作品で、こちらは更に聴きやすさを増した音楽が特徴です。
NAXOS-8.572165
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第3集
弦楽四重奏曲第1番ハ長調Op.2(1814-1915
弦楽四重奏曲第4番Op.22(1921)
アマルSQ
<アンナ・ブルンナー(第1ヴァイオリン…第4番,第2ヴァイオリン…第1番)/イゴール・ケラー(第1ヴァイオリン…第1番,第2ヴァイオリン…第4番)/ハンネス・ベルトゼヒ(Va)/ペテル・ソモダーリ(Vc)>

録音:2009年12月6-8日スイスチューリヒ,DRSスイス放送大ホール
優れたヴィオラ奏者でもあったヒンデミット(1895-1963)は、1920年から8年に渡って自らが結成した「アマル弦楽四重奏団」でヴィオラを演奏していました。そのためか、全部で7曲ある弦楽四重奏曲でも、ヴィオラが大活躍し、曲想に深い陰影を与えています。このアルバムで聴ける2曲の四重奏曲は、彼が新古典主義や即物主義の作風を確立する以前の作品で、まだまだ美しいメロディを聞き取ることが可能です。とりわけ第1番は後期ロマン派の雰囲気を継承した調性感たっぷりの耳に優しい音楽です。第4番はかなり先進的で、激しさも抱いています。シリーズを通して素晴らしいヒンデミットを演奏している「アマル弦楽四重奏団」は、ヒンデミット生誕100年を記念して、1995年に創立されたアンサンブル。ヒンデミット作品の優れた解釈に拠って、歴史的な名前を授与されました。
NAXOS-8.572166
ウィルビー:息もつけないハレルヤ、他
息もつけないハレルヤ(2008)、パガニーニ変奏曲(1991)、
邪悪なソネット第4番「もし神が私たちを生き残らせるなら彼の王国は来るでしょうか?」、シラノ、
ブロンテ・ミサ「メモリー」(断章)(2007)、アメイジング・グレイス:交響的変奏(2006)、
ユーフォニアム協奏曲(1995)
フィリップ・ゴールト(Br)、
フィリップ・ウィルビー(Org)、
ヨーゼフ・クック(Tub)、
デイヴィッド・ソーントン(ユーフォニアム)、
ニコラス・チャイルズ(指)ブラック・ダイク・バンド
2008年リリースのシンフォニック・ブラスが大好評!(これは演奏も選曲もどちらも秀逸でした)。で、今回のブラック・ダイク・バンドはウィルビー(1949-)の作品集で勝負です。近年のブラスバンドの発展に大きく寄与しているウィルビーですが、実はあまり作品がCD化されていません。こうしてまとめて聴けるだけでも素晴らしいのに、演奏はブラック・ダイク。「パガニーニ変奏曲が聴けるだけでも嬉しいです!」(あるウィルビー好きの声)。
NAXOS-8.572167
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番&第9番
交響曲第5番ニ短調「革命」Op.47
交響曲第9番変ホ長調Op.70
ヴァシリー・ペトレンコ(指)ロイヤル・リヴァプールPO
最近注目の若手指揮者の中でも、とりわけ有望株の一人であるヴァシリー・ペトレンコ。その活躍は目覚ましく、彼が指揮したチャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」(8.570568)は2009年のグラモフォン・アウォードも受賞、ますます目が離せない存在となっています。このショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲集の第2集は有名な第5番と第9番のカップリングです。重苦しい雰囲気を持つ第5番、諧謔的な第9番と、そのキャラクターは対照的ですが、スタイリッシュで現代的な感覚が盛り込まれているところは変わりありません。
NAXOS-8.572168
J.タヴナー:聖母マリアより
聖母マリアより(2005)…世界初録音、
誕生日の眠り(1999)、
おお動ずることなく(1990)、
出生(1985)、マリアへの賛歌(2005)…世界初録音、
おお汝の温和な光(2000)、
天使(1985/96)
ジェームス・マックヴィニー(Org)、
スティーヴン・バーキエタ(Br)、
サイモン・トーマス・ジェイコブス(Org)、
ティモシー・ブラウン(指)
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊
ずっと昔から、聖母マリアの美しさと気高さは多くの芸術家たちによって表現されて来ました。現代イギリスの作曲家タヴナー(1944-)も彼独自の神秘的な音楽語法によって様々な角度から聖母マリアを賞賛します。世界初録音の「聖母マリアより」は10の部分からなる合唱曲集。聖歌とはまた違う不安気な音の動きが特徴的な「言葉は肉となり」(トラック1)が終わると、突然輝かしい音のシャワーが降り注ぐかのような「ノエル」へと移って行きます。全編不安と喜びが交錯するかのような、不思議な感覚を味わえることでしょう。
NAXOS-8.572169
ディキンスン:オルガン作品全集
ケンブリッジ・ポストリュード、前奏曲「神の御子は今宵しも」によるポストリュード、オルランド・ギボンズの賛美歌46番による前奏曲、オルランド・ギボンズの賛美歌20番による前奏曲、オルランド・ギボンズの賛美歌34番による前奏曲、トッカータ、「大聖堂の殺人」の瞑想曲、ピアニッシモの練習曲、哀歌、3つの言明、鐘、パラフレーズ1、青いバラの変奏曲(J.ベイトに捧ぐ)、.ミレニアム・ファンファーレ
ジェニファー・ベイト(Org)
1934年生まれのイギリスの作曲家ディキンスン(1934-)。同姓同名のミステリー作家とは別人ですが、この人も多くの著作があり、またピアニストとしても活躍しています。彼の父親フランクはコンタクトレンズの専門家で、アメリカ及び南アフリカでのコンタクトレンズの普及と研究に生涯を捧げた人です。と、同時に才能あるオルガニストであったため、息子ピーターも自然に音楽に親しみ、素晴らしい作品を作り上げたのでしょう。彼の50年近くの歩みがこの1枚に凝縮されています。
NAXOS-8.572170
アミーロフ:管弦楽作品集
交響的ムガーム「シュール」(1948)
アゼルバイジャン・ムガーム(1948)
グリスタンのバヤティ・シラーズ(1971)
アゼルバイジャン・カプリッチョ(1961)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
アゼルバイジャンの作曲家、アミーロフ(1922-1984)の作品集です。父親は有名な「ハナンデ」(ムガーム歌手)で、タールの作曲家・演奏家であり、彼も幼少の時から民謡を聴いて育ち、成長してからは民俗音楽の研究家としても名を成しました。多くの作品を残し、中でもここに収録されている「シュール」は彼の特質をよく表した作品として知られています。即興的で豊富なメロディは、まるで目の前でカラフルな踊りと歌が展開されているかのように、生き生きとしていて、聴く者に底知れぬ力を与えてくれます。とりわけ1973年にモスクワで行われた演奏会では、彼の第3交響曲と、「グリスタン」が演奏され、聴衆から大喝采を浴びたといいます。アゼルバイジャン特有の言語と、クラシック音楽の語法が巧みに融合された音楽は、満場の聴衆を興奮させたことでしょう。
NAXOS-8.572173
レーガー:クラリネット・ソナタ全集
クラリネット・ソナタ第1番変イ長調Op.49-1
クラリネット・ソナタ第2番嬰ヘ短調Op.49-2
クラリネット・ソナタ第3番変ロ長調Op.107
ジャネット・ヒルトン(Cl)
ヤコプ・フィッケルト(P)
レーガー(1873-1916)の3曲あるクラリネット・ソナタの全集です。第1番と第2番のソナタは、ブラームスのクラリネット・ソナタに触発されて書いたとされますが、曲の雰囲気はかなり違い、妙に懐かしいメロディと複雑な転調が組み合わせられた曲で、なかなか美しさを理解するには時間がかかりそうな作品です。彼の個人的な教師であったリントナーが紹介したクラリネット奏者、キュルマイヤーのために書かれており、キュルマイヤーも演奏に際して、この曲を丹念に研究したということです。第3番のソナタは形式こそ古典的ですが、曲想はもっと自由で、禁欲的なクラリネットと、演奏困難とも言えるピアノ・パートが見事な対話を繰り広げています。
NAXOS-8.572174
メシアン:ミの為の詩、他
歌曲集「ミの為の詩」(ソプラノと管弦楽版)第1集/第2集
忘れられた捧げ物/ほほえみ
アンネ・シュヴァネヴィルムス(S)
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
愛と信頼、死および永遠、そして鳥の歌。これらはメシアン(1908-1992)にとって、永遠のテーマです。「忘れられた捧げもの」は彼にとって最初に公表された管弦楽作品で、「捧げもの」とはキリストの無償の愛。それを忘れてしまい罪を重ねる人間の姿、忘れない為の聖体秘跡、これらが音によって描かれます。「ミの為の詩」はメシアンによる極めてシンボリックな愛の歌。最初の妻クレア・デルボスに捧げられた9つの神秘的なテキストによります。もちろん「ほほえみ」では随所に鳥の声が聞こえてきます。メシアン入門としても最適なこの1枚。準・メルクルの紡ぐ柔らかいオーケストラの音色と、硬質な響きを持つシュヴァネヴィルムスのソプラノは聴き手を陶酔の世界へと連れていきます。
NAXOS-8.572175
マルティヌー:ピアノ作品全集第5集
ポルカ集1916年H.101、5つのワルツ集H.5
ジョルジョ・コウクル(P)
全て世界初録音。世界中の音楽誌で大絶賛されているコウクルのマルティヌー・ピアノ音楽全集の第5集です。この曲集はマリティヌー(1890-1959)の活躍の初期に書かれた未出版の作品や、新発見の作品を集めた貴重なもので、マルティヌーの音楽の源泉を辿るにふさわしい大変意義のあるディスクとなっています。26歳の時のポルカは平易な技術で書かれた親しみやすいもの。こちらも初期に書かれた(らしい)ワルツは、もう少し複雑な表情を有しています(この頃の彼は作曲と並行してヴァイオリン奏者として活躍を始め、しばしばヨーロッパへ行き、印象派の音楽の影響を受けたりと公私ともに忙しかったようです)。コウクルの演奏はいつものように圧倒的な迫力と情感豊かな響きを備えたものです。
NAXOS-8.572176
バラダ:カプリチョス第2番-第4番
カプリチョス第2番(2004)
カプリチョス第4番「ジャズ風に」(2007)
カプリチョス第3番「国際義勇軍への賛辞」(2005)
アンドレス・カルデネス(Vn,指)
ジェフリー・ターナー(Cb)
ローレンス・ロー(指)
ピッツバーグ・シンフォニエッタ
スペイン生まれの異色作曲家、レオナルド・バラダ(1933-)の作品はどれも一癖も二癖もある独特なもので、それは交響曲であっても、オペラであっても、いつなんどきも強い主張をしているものですから、聴き手としては黙って通り過ぎるわけにはいきません。今作はカプリチョス(狂詩曲)と題された1連の組曲です。自由なラテンアメリカのダンス音楽集である第2番、ボランティアの軍隊へ敬意をあらわすための5つの小曲からなる第3番、そしてジャズのイディオムを持つ第4番。暴力的なパワーを持ちながらも、どこか足取りがふらつくような、ユーモラスさと悪魔的な嘲笑を持ち合わせた作品群です。
NAXOS-8.572177
ボッシ:オルガン作品集
主題と変奏Op.115
5つの小品より「神聖なる家」Op.132-4
英雄的小品Op.128
5つの小品〜「喜びの時」Op.132-5
聖フランチェスコの3つの契機〜「炎熱」Op.140-1
小協奏曲ハ短調Op.130a
聖フランチェスコの3つの契機〜「つばめたちとの対話」Op.140-2
ピエール・ダミアーノ・ペレッティ(Org)
イタリアのオルガニスト、エンリコ・ボッシ(1861-1925)の作品集です。当時のイタリアはオペラ全盛でありましたが、彼は終生オルガニストとして活躍、「イタリア器楽曲復興」に貢献した人です。また、ボッシはプッチーニの親友であり、多くの示唆を彼から受けたことでも知られています。このアルバムは、彼の素晴らしいオルガン作品を収録したもので、フランクから受け継がれた重厚な音に、ドビュッシーの印象派的な響きを加えたこの時代特有の音色を心から堪能できることでしょう。これらの曲をあますことなく弾ききったオルガニスト、ペレッティは1974年生まれの新進気鋭。ウィーンを中心に世界中を飛び回る名手です。
NAXOS-8.572178
ジョンソン:王子のアルメイン
王子のアルメイン,マスク-コラント
パヴァン第1番ハ短調
ガリアルド「私のマイルドメイズ嬢の喜び」
パヴァン第2番ヘ短調
2つのアルメイン/高貴な男
魔女の踊り/パヴァン第3番ハ短調
3つのアルメイン/妖精の踊り
幻想曲/ガリアルド
ストレンジ嬢のアルメイン
パヴァン第4番(N.ノースによる改編)
王子の仮面、第1、第2、第3の踊り
3つのアルメイン
サテュロスの踊り(N.ノースによる改編)
ナイジェル・ノース(Lute)
ジェイムズ1世王朝の宮廷リュート奏者として知られるジョンソンの作品集です。彼の父ジョン・ジョンソン(1583?-1633)も音楽家として有名でした。ダウランドとほとんど同時期に活躍し、パヴァン、アルメイン、ガリアルドなど古い形式を踏襲しながらも、9コースリュート(ルネサンスの調弦法に基づく分類)の可能性を極限まで生かした精緻で感傷的な肌触りのよい音楽を残しています。演奏するのは、おなじみナイジェル・ノース。オリジナル曲の中に、彼が改編した曲も組み込み、すばらしい演奏効果をあげています。なおジャケットに描かれた絵は、彼が仕えたジェイムズ1世の息子、ヘンリーで、第1曲の「王子のアルメイン」などは彼のために書かれた作品です。
NAXOS-8.572185
ニュージーランドのギター音楽集
リルバーン:17のギターのための小品(全集として初録音)、
 ギターのための出版されなかった小品集(初録音)、
 4つのカンツォーナ(初録音)、
フォーカー:組曲、夢見るプロスペロウ
グンター・ヘルビッヒ(G)
ニュージーランドで最初にクラシック・ギターへの関心が高まったのは1950年代の終わり頃。画家でもありギタリストでもあったR.バーン(1928-2007)が英国から移住しウェリントンでギターを教え始めた頃から人々はギターに対する大いなる憧憬を抱いたのです。バーンの影響はものすごかったのでリルバーン(1915-2001)やフォーカー(1928-2007)をはじめとする数人のニュージーランドの作曲家は彼に自作を捧げました。1960年代にE.ビボービ(国際的名手、教師)もオークランドに定住。さらにこの国のギター界に活気がもたらされました。以降J.ブリームやこのアルバムの奏者G.ヘルビッヒもニュージーランドをとりわけ大切にしています。
NAXOS-8.572186
ステンハンマル:セレナードヘ長調Op.31
セレナードヘ長調Op.31(改訂版)
フローレスとブランセフロールOp.3
イタカOp.21
カンタータ「歌」Op.44〜「インターリュード」
前奏曲とブーレ…世界初録音
カール=マグヌス・フレドリクソン(Br)
ハンヌ・コイヴラ(指)イェヴレSO
スウェーデンの作曲家、ステンハンマル(1871-1927)の作品集です。彼はドイツで学びワーグナーの影響を受けながらも、スウェーデン民謡をモティーフとした「北欧風」の音楽を追求。後期ロマン派の重厚さを残したまま、独自の作風を確立することに成功した人です。この盤に収録された「セレナード」はちょうど自らの方向性が固まってきた頃の作品で、一度1913年に完成させたものの1919年に手直しを加え(曲の調性などを変えたり)、より透明度の高い、簡潔さと力強さを併せもつ交響的な曲となっています。他には2つの声楽を伴う作品も聴きもの。架空の島「イターキ」について歌う「イタカ」での流れるような音楽の美しさが耳に残ります。
NAXOS-8.572187
ホフマイスター:コントラバス四重奏曲第2番ニ長調
 コントラバス四重奏曲第3番ニ長調
 コントラバス四重奏曲第4番ニ長調
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ(N.デューカによるコントラバス編)
ノルベルト・デューカ(Cb)
エルネ・セベスチャン(Vn)
ヘルムート・ニコライ(Va)
マーティン・オステルターグ(Vc)
フィリップ・モル(P)
1754年、ローテンブルクで生まれたッフマイスターは14歳の時に法律を学ぶためウィーンに移り、その後音楽を学ぶためにハンガリーへと移住しました。作曲の勉強をしながら、楽譜出版の事業も起こし、ハイドンやモーツァルトの作品の出版を行ったのです(現在のC.F.Peters社も彼が創業)。作曲家としても交響曲、協奏曲、器楽曲など多くの作品を残しました。このコントラバス四重奏曲は、第1ヴァイオリンで奏する部分をコントラバスが担うという変わり種。本来こまわりの効かない楽器が、こんなにも悠然とメロディを奏でるところを想像するだけで、あまりの愛らしさに抱きしめたくなってしまうほどです。ここで演奏しているデューカ本人による編曲の「アルペジョーネ・ソナタ」は全く違和感のない美しさ。音色に絶妙の深みも加わり、良い味出してます。
NAXOS-8.572188
セルヴェ/ギス/レオナール/ヴュータン:ヴァイオリンとチェロによるグラン・デュオ集
ギス(1801-1848)&セルヴェ(1807-1866):「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」の旋律による華麗にして協奏的な変奏曲Op.38
レオナール(1819-1890)&セルヴェ:マイアベーアの歌劇「アフリカの女」による演奏会用大二重奏曲第4番
レオナール&セルヴェ:演奏会用大二重奏曲第3番
ヴュータン&セルヴェ:マイアベーアの歌劇「ユグノー教徒」の主題による大二重奏曲
 ベートーヴェンの主題による演奏会用大二重奏曲第2番
 演奏会用大二重奏曲第1番
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
「チェロのパガニーニ」との異名を取るベルギー生まれの作曲家セルヴェ。彼はチェロとヴァイオリンとのデュエットを作曲するために、当時、隆盛を誇っていた3人のヴァイオリニストたちに協力を仰ぎました。その結果生まれた6曲のデュエットを収録した興味深い1枚です。名手たちの力を出し合ったこれらの作品は、当時流行していたメロディを用いた上、チェロとヴァイオリンのお互いの音色と技巧をとことん生かしたもので、この仕上がりには作曲家たちも聴衆も大満足だったに違いありません。もちろん演奏するためにはチェロ、ヴァイオリンそれぞれに再難関の技巧を要求されますが、ここで演奏する2人は息のぴったりあった極上の演奏を聴かせます。
NAXOS-8.572189
メシアン:歌曲集「ハラウィ」他
3つのメロディ/ハラウィ-愛と死の歌
エトナ・レジツェ・ブルーン(S)
クリストファー・ニーホルム・ヒルディグ(P)
メシアン(1908-1992)の2つの連作歌曲集を。実はどちらの曲も、彼が大切にしていた家族の損失が作曲のモティベーションとなっているのです。「3つのメロディ」は3年前に亡くなった彼の母親への思いが結晶したもの。そして「ハラウィ」は最初の妻クレア・デルボスが詩に至る病を得た頃に書かれたもの。しかし、どちらの作品にも失意の念はなく、あるのは限りない希望と法悦の感覚だけ。メシアンにおける「死」と「愛」の感覚が端的に感じられる名作と言えるでしょう。煌びやかなピアノ・パートと色彩感豊かな声の饗宴、そして感覚が麻痺するほどに強烈な言葉遊びをどうぞお楽しみください。
NAXOS-8.572190
パウル・クレツキ:作品集
ピアノ協奏曲ニ短調Op.22(1930)(J.ノリス,Jrによるオーケストラ補筆版)
3つの前奏曲Op.4(1923)
3つの出版されなかったピアノ小品
幻想曲ハ短調Op.9(1924)
ジョセフ・バノウェツ(P)
トーマス・ザンデルリンク(指)ロシアPO
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フルトヴェングラーには「息子のように」扱われて、作曲家と指揮者としてはトスカニーニに称賛された才能ある音楽家、パウル・クレツキ(1900-1973)の作曲家としての真価を問う1枚です。ここに収録された作品は、全てピアニストに技術的限界を突き付けるような困難さを有しています。冒険的で即興的、時として調性をも逸脱せんばかりの創造性は、20世紀の最も素晴らしいピアノ協奏曲の一つとして数えられることでしょう。本来は正式なスコアとしててBreitkopf社から出版されるはずでしたが、出版されることなく破棄されてしまいました。この録音は、もともと2台ピアノ版として出版されたものに新たなオーケストレーションを施し、華やかな協奏曲として再構築したものが演奏されています。他にも個性的なピアノ・ソロ作品が聴ける興味深いアルバムです。