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チャイコフスキー:交響曲第5番
ヴィトルド・ロヴィツキ(指)ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
第2楽章ホルン・ソロ:
DANTE
LYS-562
(6CD)
録音年:1967年(?)  【ステレオ録音】
演奏時間 第1楽章 14:25 / 第2楽章 12:20 / 第3楽章 6:15 / 第4楽章 12:31
原盤LP:muza- SX1369
“うか?”
DANTEの他のCD同様、これも「板起し」復刻。しかももとになったLPは最良のものとは思えず、弱音の部分でのノイズ感は著しく興を殺ぎます。したがって、手持ちのLPも併せて聴いた上で、この録音の価値を判断せざるを得ませんでした。まずこのチャイ5は、DGの録音ではそれほど感じなかったオケの基本性能と使用楽器の質の低さが表面化してしまっているのが残念。ニュアンスと言っても、素朴としか言いようがない部分が多いのです。しかしながら、社会主義体制下でのこの録音には、その閉鎖性ゆえに発酵されたと思われる独特の切迫感と、他に類を見ないフレージングとダイナミズムが息づき、決して軽くあしらうわけにもいきません。第2楽章の横溢する歌の数々はどれも不器用ですが、一切嘘がなく、第3楽章も優雅なワルツとは程遠く、まるで晩年のケーゲルのような不思議な屈折感が漂っています。終楽章の第1主題の弦の露骨なテヌート処理や、最後の全休止の前後の空前絶後のダイナミズムは、ロヴィツキのアクの強い個性と劇的な音楽作りを如実に示しています。特に最後の全休止以降の全体が一丸となっての灼熱の進行は、全チャイ5録音の中でも最も心を打つものといえます。ロヴィツキの録音はポーランド時代だけなく、西側に初登場した1980年代以降のものも正規盤として復刻されることを熱望して止みません。
第1楽章のツボ
ツボ1 テンポは標準的。クラリネットは響きそのものは素朴だが徹底的に暗い。弦の響きはノイズが混じる。
ツボ2 弦の刻みは最初はテヌート気味。ここでも木管は朴訥ながら、哀愁が漂う。
ツボ3 特に特徴なし。
ツボ4 スラーの2音は、アタックがやや鋭角的。終楽章資源の響きはざらつき気味。
ツボ5 最初のクレッシェンドが、スフォルツァンド効果も効いて美しいラインを描く。
ツボ6 強弱の振幅がほとんどなく、呼吸も深くはないが、なぜか切実に響く。
ツボ7 巧みはなく、響きは散漫。
ツボ8 アインザッツが微妙にずれたりするが、一音ごとに込められたニュアンスが心から語り掛けてくる。テンポはほとんど落としていない。
ツボ9 テンポはほとんど変えない。16分音符はほとんど聞えない。最後にティンパニがいきなりバランスを破って連打するのには、ロヴィツキの独特のダイナミズムを感じる。
第2楽章のツボ
ツボ10 こういう弱音部ではノイズの多さと音飛び寸前のような音の途切れが目立ってしまい、深々とした雰囲気を壊してしまう。ホルンも埃まみれの音が何とも残念。技術的に安定しており、そのそのノイズを差し引くと、豊かな歌を感じることができる。クラリネットの音色が異様に太い。
ツボ11 呼吸が大きく羽ばたかず、どこか屈折している。
ツボ12 テンポがかなり速くなる。ャイ5録音史上最速クラスだが、続く運命動機の斉奏のテンポと完全に連動しているのが見事。
ツボ13 間髪を置かず、前の速いテンポのままピチカートが飛び込んでくる。直後にリタルダンド。
ツボ14 最初から速めのテンポで直進。フォルテ4つの頂点で大きくルバートして、すぐに高速に戻るのがユニーク。
ツボ15 弱音を強調せず素朴に歌う。
第3楽章のツボ
ツボ16 ややテンポを落とす。フルートが入る際は、より大きくテンポを落とす。
ツボ17 オケ性能の悪さばかりが目立つ。
ツボ18 なかなか優雅な下降ライン。コーダは最後にフォルティッシモが登場するまでピアニッシモが続くが、260小節と261小節の頭にあえて表記されているピアニッシモを意味深く生かしている例として稀少!
第4楽章のツボ
ツボ19 一音ごとの切込みが鋭角的。テンポは標準的。続くトランペットの響きが意味深い!
ツボ20 ホルンは裏方。
ツボ21 最初のクレッシェンドをかなり長く引き伸ばし、渾身の力が込められている。弦の第1主題の4分音符の全てをテヌートで粘るのは古今を通じてロヴィツキだけ!再現部でも同様。感覚的にかなり奇怪に響き、その真意も不明だが、一種の方言的な味わいとして面白い。テンポはごく標準的なもの。
ツボ22 無視。
ツボ23 強力に押し出てはこない。ここでもクラリネットの素朴さが印象的。
ツボ24 テンポを一段速める。
ツボ25 これまた素朴な一打。
ツボ26 直前で急ブレーキを掛け、主部冒頭のテンポに戻す。
ツボ27 テンポは落ち着いたテンポで、威厳を醸し出す。音のアタックが鋭角的。
ツボ28 8分音符の音価は長め。しかも、最後の和音を壮絶にクレッシェンドするのは鳥肌もの!
ツボ29 そのクレッシェンドの高まりから間髪入れずに、弦が刻み出し、そのエネルギーを保持したままかなりの高速で直進。全体の響きも決死の輝きを誇り、全チャイ5録音の中でも特に感動的。
ツボ30 弦もトランペットも音を切る。特にトランペットの決然とした切り上げ方は痛快。
ツボ31 改変なし。
ツボ32 素朴に響いている。
ツボ33 546小節から超快速のインテンポで最後まで突進。この精神力の漲りも圧巻!


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