湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



ロンドン交響楽団・来日記念セール



9月に行こなわれるラトル&ロンドン交響楽団の日本ツアーを記念して、LSO Liveレーベルの旧譜を特価にてご提供!


特価受付期間〜2018年8月中旬まで!!




※表示価格は、全て税込み。
品番 内容 演奏者
LSO-0593(2SACD)
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ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」 クリスティーン・ブルーワー(S)、
ジョン・マック・マスター(T)、
クリスティン・ジグムントソン(Bs)、
サリー・マチューズ(S)、
ユハ・ウーシタロ(Bs)、
アンドルー・ケネディ(T)、
ダニエル・ボロウスキ(Bs)ほか、
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO&cho

録音:2005年5月23-25日、バービカンセンター ライヴ
御大サー・コリン・デイヴィス、円熟のベートーヴェンの「フィデリオ」!!デイヴィス自身「今まででもっとも多い回数演奏してきたオペラ」と語るこの「フィデリオ」、演奏の度に絶賛を受けながら、ますますの彫りを深くしていくのですから頭が下がります。CDとしては、1995年のバイエルン放送交響楽団との録音以来、ちょうど10年ぶり、こちらはライヴですので、デイヴィス本来の熱気がと、77歳の円熟がたっぷり。歌手は、日本ではまだ知られていない人が多いものの、実はかなりの高水準。クリスティーン・ブルーワーは、米国イリノイ州出身のドラマティック・ソプラノ。北米とことに英国での人気が高く、既にBBC交響楽団イゾルデを歌ったCDもあります。ジョン・マック・マスターは、今大きな注目を浴びているテノール。カナダ東端のニューブランズウィック出身。近年は徐々にドラマティックな役に挑戦、この秋にはトリスタンも初めて歌っています。カナダ出身のドラマティック・テノール、ジョン・ヴィッカーズやベン・ヘップナーに続く存在として、期待の星です。また、フィンランドのバスバリトン、ユハ・ウーシタロに、アイスランドのバス、クリスティン・ジグムンドソンと、男声低音も極めて充実。ワグネリアンには、歌手の実力を測るにも絶好のCDです。なお、「レオノーレ」序曲第3番は挿入せず、そのまま「フィデリオ」全曲を演奏しています。 (Ki)
LSO-0598(6SACD)
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ベートーヴェン:交響曲全集、
三重協奏曲
ラルス・フォークト(P)、ニコリッチ(Vc)、
ティム・ヒュー(Vc)、
ベルナルト・ハイティンク(指)LSO

録音:2005-6年
SACDによるベートーヴェン交響曲全集も発売点数が充実して来ましたが、疑似マルチチャンネルではない最新の全曲録音がついに完成。小細工のない表現が今やかえって新鮮です。 (Ki)
LSO-0601(1SACD)
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シベリウス:交響曲第1番ホ短調Op.39、
 交響曲第4番イ短調Op.63*
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2006年9月23日−24日、2008年6月29日−7月2日*ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
数多くのファンが関心を寄せるLSOLive最大の呼び物、デイヴィスによるシベリウス・シリーズ。完結篇は2008年6、7月の最新ライヴによる第4番と、前作の第2番(LSO.0105、SACDはLSO.0605)と同じく、作曲者没後50年を翌年に控えた2006年9月ライヴの第1番というカップリング。陰鬱で内省的、その斬新で難解な内容により、7つの交響曲の中でも一般的に最もなじみが薄いとされる第4番は、そのじつ、シベリウスを心から愛する人たちが‘もっともシベリウスらしい’と口を揃えて語る傑作です。作曲に至る過程でのどの腫瘍の手術を終え、再発の不安と向き合いながら新しく人生を踏み出そうとする力強い決意。作品を理解する手掛かりは第4交響曲作曲中のシベリウスの日記にある次のくだりにも見られます。「交響曲というものは、結局、ありふれた意味での“創作”ではない。むしろ人の生涯のさまざまな局面での信条を明らかにするようなものなのだ。」痛ましくもむき出しの魂の告白、真摯な自分探しに近いもの。シベリウスにとって交響曲は、なかでも第4番はその性格が顕著な内容といえるでしょう。死を意識してひたむきに生と対峙する作曲者の姿に自らを重ね合わせるかのように、デイヴィスはつぎのように述べています。「シベリウスを指揮することは、ちょうど鏡で自分を見るようなものです。私は鏡をのぞいて、人生の無慈悲さを悟ります。それでも、私は先へと進み続けるための強さを見出すのです。シベリウスは人前では幸せでしたが、独りのときは落ち込みました。わたしと同じなのです。」こうした熱い意気込みを胸に二晩に渡り演奏された第4番ですが、すでにガーディアン紙やオブザーバー紙でも伝えられるとおり、出来栄えはまさしく迫真そのもの。この日、念願であったシリーズの完結を万感の思いで臨んだ巨匠を前にして、信頼厚いLSOも燃えないはずがありません。冷え冷えとした感触と潤いを湛えた弦の美しさに、いつもながらの強力無比のブラスがこれに応えます。なお、フィナーレにおけるチューブラーベルズの楽器指定については、ここでボストン響盤と同じく、グロッケンシュピールと両方をユニゾンで使用しています。この第4番とは対照的ともいえる明快な内容を持つ第1番は、両日共に後半、キーシンとのシューマンに続いて取り上げられ、デイヴィスがLSO首席指揮者として迎えた最後のシーズンのオープニングということでも注目を集めたもの。musicOMH.comのレヴューは、第2楽章のチェロ首席モレイ・ウェルシュを筆頭に、弦楽セクション、ティンパニ、ブラスといったLSOの反応を称える一方、やはりデイヴィスのシベリウスに対する本能的センスがお手本というほかないと絶賛していました。前回から12年ぶり、手兵LSOとは2度目となる、ライヴによる巨匠デイヴィスのシベリウス全集。2002年9月収録の第6番以来、完成までに6年の歳月を要しましたが、じゅうぶんに待った甲斐はあったというべきでしょう。心底愛してやまないシベリウスに対するエキスパートの思いの丈が込められており、いずれ劣らず期待を裏切らない内容となっています。(Ki)
LSO-0605(1SACD)
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シベリウス:交響曲第2番、
交響幻想曲「ポヒョラの娘」
コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2006年10月、2005年10月ロンドン・バービカンセンター(ライヴ)
2007年シベリウス没後50年に合わせてのリリースとなるこのたびのライヴは、過去2度にわたる全集録音の豊かな経験を踏まえ、巨匠デイヴィスの熱い思いのすべてが注ぎ込まれた渾身の内容です。前回(94年)から10年以上の歳月を重ねて臨んだ第2番のライヴ。そもそもデイヴィス+ロンドン響+シベリウスの組み合わせとくれば期待度の高さは計り知れませんが、とっておきの作品を演奏することへの心からの喜びでしょうか。これまでのどれよりもドラマティックで、若々しくみずみずしい感性にあふれているのが驚異的。いつ聴いても、あのどこか懐かしい気分に心弾む第1楽章、大自然の雄叫びのように荒々しく怒れるティンパニの炸裂と金管の咆哮とがこだまする中間2楽章を経て、とてつもなく雄大に結ばれるフィナーレ。いつしかこのうえなく温かく感動的な演奏に言葉もありません。カップリングは2005-6年シーズンのオープニング・コンサートでクレルヴォ(LSO.0074、LSO.0574)の前プロに取り上げられた「ポホヨラの娘」。そのクレルヴォと同じく民族叙事詩「カレワラ」を題材とするこの作品でもまた、繊細な弦の表情とブラス・セクションの轟きが圧倒的な感銘を残します。一貫して完成度の高い録音もオーディオ・ファイル注目の的で、本拠地バービカンセンターのクリアな音場を最高のスタッフが忠実に再現しています。   (070125Ki)
LSO-0607
(2SACD+DVD)
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ヘンデル:オラトリオ「メサイア」 スーザン・グリットン(S)、
サラ・ミンガルド(Ms)、
マーク・パドモア(T)、
アラステア・マイルズ(Bs)、テネブレcho、
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2006年12月10-12日ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
※カラー16:9サラウンドステレオ/NTSC/Region0/音声:英語/字幕なし
2007年9月25日で80歳の誕生日を迎えるわれらがデイヴィス。2006年12月12日を最後に、彼は11年間にわたりその任にあったLSOの首席指揮者を勇退。LSO Live最新アルバムはヘンデルの最高傑作「メサイア」ライヴ、デイヴィスが首席指揮者としての最後の晴れ舞台に選んだ、とっておきのプログラムです。1742年のダブリン初演以来、もっとも広く演奏され愛されている国民的なオラトリオ「メサイア」。ヘンデルの天才はただ巨大な合唱を扱った宗教的な荘厳さにあるばかりでなく、聖書からまとめられたテキストを通じて、キリストの生誕と死、そして復活をときに親しみやすく、ときにドラマティックに迫真を込めて描いているところにあります。こうしたストレートでわかりやすくセレモニアルな内容から、「メサイア」はいまや英国のクリスマス・シーズンには欠かせない風物詩となっています。これまでにも折に触れて声楽を擁する大掛かりな作品を取り上げて、そのすぐれた腕前には定評がある巨匠デイヴィス。LSOとのメサイアではすでに前回のスタジオ盤(1966年)がモダン楽器によるスタンダードとの位置づけを獲得していますが、このたびのライヴの特色としては、ピリオド・アプローチを意識した試みが随所に挙げられます。まず、ソリストにミンガルドやパドモアらいずれも古楽の確かな実績を積んだ顔触れを揃えていること。デイヴィスとの共演機会も豊富なグリットンはマクリーシュのプロダクションでおなじみのソプラノ。なかでもきわめつけはバスのマイルズ。第2部「いかなれば、もろもろの国民は」と第3部「トランペットは鳴りて、死人は朽ちぬ者に蘇り」では、そのゆるぎない音程、流れるようなレガート、力強い発声をはっきりと確かめられるはず。さらに、これらソリストたちをもしのぐ活躍をみせたのがコーラス。あえて前回の録音に参加したロンドン交響合唱団に替えて迎えられたのは、最強の秘密兵器テネブレ合唱団。同じくバロック調の響きが求められた「キリストの幼時」(LSO.0606)に続いての起用はまさしくこの場にふさわしいものといえるでしょう。じっさい、ここでも透明度の高い歌唱はたとえようもなく、ハーモニーの陰影と色彩は音楽に劇的なコントラストを生んでいます。たとえば、第1部終曲の合唱「主のくびきはやすく、主の荷は軽し」。カノンで歌われる入りはきびきびしたアーティキュレーションが際立ち、レビューでも“これ以上に的確で情熱的なものはあるはずがない”(フィオナ・マドックス−英イヴニング・スタンダード)と絶賛されています。そして、いままさに絶頂にあるLSO。編成を絞ったオケではヴァイオリンに対向配置が採用され、旋律の掛け合いがとても効果的。また、オリジナル楽器のレプリカを使用したトランペットなど、デイヴィスの意欲的な取り組みは例外なくオケにも向けられています。思えばLSO Liveがスタートした2000年、その第1弾としてドヴォルザークの「新世界より」(LSO.0001)で登場したのがほかでもないデイヴィスでした。いまでは一般的となったオケによる自主制作盤リリースに先鞭をつけた彼こそは、いわばLSOの救世主。ロンドン初演で感極まったジョージ2世にならい、客席の聴衆も一斉に立ち上がるのが慣習となっているハレルヤ・コーラス。エネルギッシュなタクトのもと高らかに響き渡るとき、あらためてLSOのプレジデントとして復活することをみずからここに予言しているかのようにも感じられます。なお、当セットには期間限定でシリーズ初の特典としてDVDビデオが付属します。11トラックにおよぶライヴ演奏のハイライトとデイヴィスのインタビューは、無上の感動に包まれた一夜を巨匠とともに分かち合えるなによりのプレゼントとなることでしょう。
LSO-0609(1SACD)
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エルガー:エニグマ変奏曲Op.36、
序奏とアレグロOp.47
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2007年1月6&7日、2005年12月ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
エニグマ変奏曲は、この顔合わせでは前回のスタジオ盤(65年)以来、じつに40年以上の時を経てのライヴによる再録音となります。管弦楽法に長けたエルガーが世に送り出し、当時のイギリス管弦楽作品史上最高傑作として英国内にその名を知らしめたエニグマ変奏曲。のちにLSOの初代首席指揮者に就任するハンス・リヒターによって1899年に初演されています。その内容はオリジナルの主題とそれに続く14の性格的な変奏、愛妻アリスに始まり作曲者ゆかりのさまざまな特徴的な人物を描写したのち、フィナーレの最終変奏でエルガー自らに到達するというもの。流麗でやわらかく、ときにエモーショナルで騒々しくと次々と変転する曲想に対して、いっそう良好の結びつきをみせる当コンビの演奏はさすがに見事なかぎり。哀切な主題に、第5さらにチェロの人懐こい旋律に締めつけられる第12変奏で顕著な弦の濃密な味わい。第4や第7、第11など激しい性格の変奏におけるブラスの迫力も満点。それぞれが印象深い場面に事欠きませんが、全曲の白眉はこれまでに実演のアンコールでもしばしば単独で取り上げられることもあった第9変奏ニムロッド。静かに霧が立ち込めるようにしっとりと開始され、優しさと愁いを帯びた美しさが痛切に迫り絶品です。そして、どこかあの行進曲「威風堂々」の雰囲気にも似て、あたかも大英帝国の栄光を体現したかのように華麗この上ない作曲家自画像のフィナーレ。大げさな構えとか誇張はなく、つとめて真摯なのはこの指揮者らしく好ましいところ。なお、ここでは任意指定のオルガンは使われていませんが、それでもエルガーに不可欠な重厚な響きは十分に保たれています。ボールト、モントゥー、ヨッフム、プレヴィン…折に触れて行った過去の名だたる指揮者との録音実績を辿れば、当作品を演奏することが楽団の歩みとそのまま重なるといっても過言ではないLSO。その意味では、エルガーのアニヴァーサリーに、自らの録音史に新たな一コマを刻むLSOにしても、ほかでもないこの曲でプレジデントの初舞台を踏んだデイヴィスにしても、この“記念づくし”のライヴは偶然とは思えぬなんという運命の巡り合わせでしょうか。カップリングは同じくエルガー1905年作の序奏とアレグロ。書法はさらに洗練されて、バロック時代の様式であるコンチェルト・グロッソをロマン派のイディオムで再現しています。弦楽四重奏と弦楽オケが織り成す複雑な音楽は、スケールも大きく劇性に富み、自由で独創的。デイヴィスにはバイエルン放送響(93年)との録音もありますが、10年を超える歳月となによりエルガーにゆかりの深いLSOを得たことで説得力は計り知れません。交響曲全集(LSO.0072)やジェロンティアスの夢(LSO.0083、LSO.0583)でもそうでしたが、デイヴィスのもとLSOがエルガーでみせる愛しむような表情にはやはり格別のものがあるというべきでしょう。  (Ki)
LSO-0628(2SACD)
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ハイドン:オラトリオ「天地創造」 サリー・マシューズ(S天使ガブリエル、イヴ)、
イアン・ボストリッジ(T天使ウリエル)、
ディートリヒ・ヘンシェル(Br天使ラファエル、
アダム、ロンドン交響cho、
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2007年10月7日ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
ハイドン歿後200周年を迎える2009年、LSOLiveがおくる超強力盤はデイヴィスによる「天地創造」。巨匠が80歳の誕生日を迎えるシーズンの呼び物のひとつとして、2007年10月におこなわれたライヴです。「天地創造」は晩年の2度にわたる英国滞在中に、「メサイア」などヘンデルの大作におおいに触発され着想した、その規模内容ともにハイドンの最高傑作といわれるオラトリオ。旧約聖書の「創世記」と「詩篇」、ミルトンの「失楽園」をテキストの題材として、神による創造の第1日から第4日まで、生き物が出現する第5日と第6日、そしてアダムとイヴの登場と、創世の七日間を時系列に沿って3部構成で描いています。このように直截的にキリスト教的世界観で彩られた内容と、絵画的ともいうべき巧みな手法でわかりやすく活写される動物たちの魅力や、大合唱が動員されて聞き栄えすることなどから、欧米ではとりわけ人気も高く特別な作品として迎えられています。こうした作品だけに「天地創造」は、すぐれた腕前で声楽作品を意欲的に取り上げてきたデイヴィスにふさわしいものとおもわれます。このたびの特色としてデイヴィスはヴァイオリン両翼型配置を選択。舞台下手から第1ヴァイオリン、チェロ、指揮者のすぐ正面に通奏低音、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、上手奥にコントラバスという具合に、2006年12月の「メサイア」(LSO.0607)のときと同じくヴィブラートも控えめに、あきらかにピリオド・アプローチを意識したアプローチを行なっている点も注目されます。なお、声楽陣では「優秀さがあまりに凄すぎてそのためかあまり強調されることがありません」(クラシカルソース・ドットコム)という、LSOに匹敵するもうひとつの手兵ロンドン・シンフォニー・コーラスに加え、目を引くのが名実ともにスター歌手を揃えたソリストたち。クリスティ盤のラファエルや、ヤーコプスの「四季」でのシモンが知られるヘンシェル。ミンコフスキの指揮でザルツブルク音楽祭2009でも同名役を歌う予定の、英国の誇りボストリッジ。そしてデイヴィスのお気に入りでマシューズという顔触れが並んでいます。あらためて、当ライヴが取り上げられた時期については、デイヴィス80歳ガラ・イヴニングとして9月に行なわれたモーツァルトの「レクィエム」(LSO.0127,0627)、さらに12月のティペットの「われらが時代の子」(LSO.0670)、そして前作、翌2008年4月のマクミランの「聖ヨハネ受難曲」世界初演(LSO.0671)という流れにあって、この上ない充実ぶりをみせているという事実も見逃せないところでしょう。  (Ki)
LSO-0681(1SACD)
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ウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」*
交響曲第1番変ロ短調
ピーター・コールマン=ライト(Br)*
ロンドン交響cho* 
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2008年9月28&30日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)*、2005年9月23日&12月4日ロンドン、バービカンホール(ライヴ
■英国音楽のエキスパート、デイヴィス■
2006年より楽団創設以来6人目となるLSOのプレジデントを務めるコリン・デイヴィスが、LSOLiveレーベル立ち上げからベルリオーズやシベリウスと並び、力を注いできたのが自国イギリスの作曲家たち。デイヴィスが折に触れて語っていることからも知られるように、自国の音楽に傾ける情熱にかけては並々ならぬものがあり、エルガー、ホルスト、ブリテン、ティペット、マクミランと、そのディスコグラフィはきわめて高水準の出来ばえを示していました。
■ウォルトンの傑作「ベルシャザールの饗宴」■
「ベルシャザールの饗宴」は、当時22歳の若さで「ファサード」を発表して一躍人気を得て以来、それまで英国楽壇では異端児としてみなされていたウォルトンが、イギリス音楽界きっての保守主義の牙城である合唱音楽祭に挑む決定打として用意したオラトリオ。旧約聖書の「詩篇」と「ダニエル書」に基づき、オズバート・シットウェルが簡略化したテキストはおおまかにいって、次のとおりです。バビロニアにより捕囚の身となったユダヤの民は嘆き悲しんでいる。バビロニアの王ベルシャザールは、ユダヤ人の神器を用いて異教徒の神々を讃えて、ヤハウェを冒涜した。すると、饗宴ののちに奇蹟が起こり、ベルシャザールは死に至り王国は滅亡。ユダヤの民は自由を取り戻し歓喜の歌声を上げた。ここで物語を描くにあたり、ウォルトンはユニークな仕掛けを施しています。
■大規模で特異な楽器編成■
ウォルトンが指定した楽器編成は破格ともいえるもので、まず、通常のブラス・セクションとは別に、ステージ上と裏に分けて2群のバンダ(各3本のトランペット、トロンボーンに各1のチューバ)を配置。これはベルリオーズの「レクィエム」を引き合いにトーマス・ビーチャムがウォルトンに提案したとも云われ、加えてハープ2・チェレスタ1・オルガン、それにティンパニを含む総勢6名の打楽器群も動員。これらが豪華絢爛のスペクタクルを盛り上げるいっぽうで、アルト・サクソフォンなども起用され、ウォルトンが関心を寄せていたジャズの影響ものぞかせます。さらに、カギとなる合唱の扱いも凝っていて、ユダヤの民とバビロニアの民衆、さらには物語の語りを描き分けるため、混声四部合唱2組にバリトン独唱が採用されています。このあたり、地元オールダムで聖歌隊指揮者と声楽教師を務める父に見出されて、オクスフォード・クライスト・チャーチ聖歌隊学校に入学した経歴や、少年時代より合唱曲を作曲してきた経験が、遺憾なく発揮された成果とみることもできます。
■20世紀イギリス合唱音楽の傑作「ベルシャザールの饗宴」■
当初、BBCより小規模の合唱曲を委嘱され着手しながらも、ウォルトン生来の遅筆のため今日の形にまで拡大した「ベルシャザールの饗宴」は大規模な編成も特徴的ですが、内容の充実ぶりでも際立っています。コーラス・パートに代表される新鮮で生命力あふれる和声法や、ジャズやポピュラー音楽を思わせる錯綜とした楽想やリズムの感覚、のちにサントラも手がけるウォルトンの先駆けとも取れるゴージャスをきわめたサウンド、どれをとっても、まったく色あせないどころか、いま聴いてもかえって新しさを感じさせるという点にも驚かされます。なにより聴き応えのすることから、ウォルトンの「ベルシャザールの饗宴」といえば、エルガーの「ジェロンティアスの夢」以降に書かれたイギリス合唱音楽のうちで、最も画期的な作品として、とくにイギリス本国において高い人気を獲得しています。なお、本作についてウォルトンはオラトリオというよりは3楽章の合唱交響曲と考えていた旨のコメントを残していることも、作品を理解する手掛かりとして興味深いエピソードといえるでしょう。
■LSOが初演を手掛けた「ベルシャザールの饗宴」■
ウォルトンは1948年から1957年にかけてLSOの第2代プレジデントを務めており、その在任中LSOはヴォーン・ウィリアムズやブリス、さらにはウォルトンよりも若い世代のブリテン、ティペットといった自国の作曲家たちの擁護に努めました。LSOは「ベルシャザールの饗宴」を、1931年10月8日にリーズ音楽祭においてマルコム・サージェントの指揮で初演していますが、これは同時にまた、LSOとともに波乱に富んだ歴史を歩み、身銭を切って特別のリハーサルを付けた、トーマス・ビーチャムにとっても云うまでもなく重要な初演でした。1951年に、英国博覧会の一部として行われた、LSO創立47周年記念演奏会でもサージェントは本作をふたたび指揮しています。ほかならぬウォルトンもLSOと、自身70歳のバースデイ・コンサートであった1972年3月28日にロイヤル・フェスティヴァル・ホールでたった一度だけ本作を指揮しています。さらに、この翌日と翌々日、1972年3月29、30日に、70歳の誕生日を迎えたばかりの作曲者立会いの下、LSOはアンドレ・プレヴィンの指揮で「ベルシャザールの饗宴」をセッションで初録音を果たしています。こののちLSOは1988年にも本作をリチャード・ヒコックスの指揮でセッション録音しています。
■デイヴィスによる「ベルシャザールの饗宴」■
かつてウォルトンがそうしたように、今ここにまたデイヴィスも英国音楽の普及に熱い取り組みをみせるそのひとり。「ベルシャザールの饗宴」が取り上げられた2008/09年のシーズンでは、シリーズ「継承者と反逆者の声(TheVoiceofHeirs&Rebels)」と題して、デイヴィスとLSOはほかにもエルガーの「海の絵」やヴォーン・ウィリアムズの交響曲第4番を演奏しており、これらの公演に寄せてコリン・デイヴィスは次のように述べています。『モーツァルトやストラヴィンスキーと同様に、ヴォーン・ウィリアムズとウォルトンもまだ生きていた間はとても人気がありましたが、亡くなると、彼らに対する関心は低下しました。結局、新しい世代が彼らの作品に才能の迸りを見つけ出して、ふたたび彼らの作品に取り組み、普及させるということです。』こうして巨匠デイヴィスのもと、「ベルシャザールの饗宴」では、ガーディアン紙ほかのレビューがこぞって伝えているように、好調LSOの誇るブラス・セクションのアンサンブルをも凌ぐほど、圧倒的な存在感をみせたのがロンドン交響合唱団でした。過去2度のレコーディングに参加した記憶が受け継がれているのでしょうか。とにかく表現のレンジがいたって広く、ときにしんと透明で瞑想的であり、ときに黙示録的な破壊力で迫り、やがて歓びの美しいハーモニーを聞かせて、この傑作にかなった理想的な歌唱で応えています。バービカン・センターの短めの残響もこうした大編成の作品ではむしろプラスに働く傾向にあり、切れ味と迫力あるサウンドを実現。モニュメンタルな作品のすぐれた演奏にふさわしい仕上がりとなっています。LSOはやはり初演を手がけた自負と強みからか、上記に挙げたように「ベルシャザールの饗宴」のすぐれたアルバムを過去にも残していますが、録音がきわめて優秀なこともあって、このたびのデイヴィス盤は今後本作のスタンダードとしてのポジションを獲得し得る可能性も十分と思われます。
■2005年収録の「交響曲第1番」をSACDフォーマットでリカップリング■
アルバム後半には、「ベルシャザールの饗宴」と前後して作曲され、同様にウォルトンきっての人気作である交響曲第1番をカップリング。こちらの音源は2006年にリリースされたものと同一の内容になりますが、SACDハイブリッド仕様盤(LSO0576)に限ってはすでに2年近く廃盤で入手難の状態が続いていたので、こうした形でのカタログ復活はなによりといえるでしょう。 (Ki)
LSO-0685(1SACD)
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バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」 エレーナ・ジドコーワ(Msユディット)、
サー・ウィラード・ホワイト(Bs-Br青ひげ公)、
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

録音:2009年1月27&29日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
2009年の1月に演奏会形式で上演され、白熱の模様がタイムズ紙ほかでも絶賛されたプログラムです。バルトーク唯一のオペラ「青ひげ公の城」は、青ひげとその新妻ユディットという、わずかふたりの登場人物と、大編成の管弦楽によって繰り広げられる激烈なるドラマ。シャルル・ペローの童話集「マ・メール・ロワ」の一篇を題材にしながら、シュールで象徴的な内容を孕んだ台本を手掛けたのは、バルトークとの名コンビで知られるべラ・バラージュ。血塗られた狂気の物語は進みます。わたしを愛しているなら鍵を渡し、城の7つある扉の向こうのすべてを見せてとせがむユディット。これに対して、何も訊かずにただ愛して欲しいと求める青ひげ。やがて、ついにユディットが過去の3人の女性とともに自らも第7の扉のなかに消えてゆくショッキングなラストまで、今でいうサスペンス・ホラーばりの緊迫したやりとりが見せ場となっています。「青ひげ公の城」といえば、LSOが1960年代に2度のセッション録音を行なっていることは広く知られています。まず、1962年にドラティの指揮で、次いで1965年11月には首席指揮者ケルテスという具合に、いずれもハンガリーの名匠に拠る点が共通していました。また、LSOは最近でも2008年5月にブーレーズの指揮で本作を“憑かれたように”(クラシカルソース・ドットコム)取り上げていることからも、本録音に向けての環境は十分整えられていたとみるべきでしょう。このたびはソリストも揃い、青ひげ役は絶大なる存在感で現代屈指の同役歌いとして知られながら、これが初録音となるホワイト。かれはまた、知的で雄弁な英語でプロローグの吟遊詩人による語り(ピーター・バルトークによる翻訳)も担当しています。ユディットにはスカラ座やネーデルラント・オペラでも同役を歌って、やはり当たり役とするジドコーワ。ロシア出身でベルリンを拠点に活動するメッツォは、ゲルギエフのお気に入りでプロムスやマリインスキー劇場にも登場しています。「ゲルギエフはありとあらゆる無数の色彩をこの鮮明なスコアから引き出しました。そしてユディットが第5のドアを開くとき、作品のクライマックスは息をのむようでした。…ユディット役のエレーナ・ジドコーワは、センセーショナルというにほかならないものでした。」(MusicOMH)すでに手兵マリインスキー劇場をはじめ、数々の劇場でオペラの場数を踏んできたゲルギエフですが、扇情的ということではなにより本作の内容はゲルギエフの志向と合っているように思われます。じっさい、ゲルギエフは今シーズンに予てよりの手兵マリインスキー劇場管とも4月23日にエカテリンブルクで、また25日にはモスクワのイースター・フェスティヴァルでも再演しています。マーラーのシリーズでも速めのテンポで現代に生きる不安や焦燥を抉り出すかのようなアプローチを聞かせていたことなども思い起こすと、ここでも一級の心理劇として描き出し、スコアの核心に迫るものと期待されるところです。  (Ki)
LSO-0689(1SACD)
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R・シュトラウス:アルプス交響曲 ベルナルド・ハイティンク(指)LSO

録音:2008年6月8&10日ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
【ハイティンク&LSO、ライヴによる再録音】
RCOとのセッション録音を経て、あらたにLSOとのライヴでのレコーディングという流れが、2003年と2004年に行なわれたブラームス、2005年から2006年にかけてのベートーヴェンの交響曲全集と共通する、ハイティンク指揮によるシュトラウスの「アルプス交響曲」。前回のRCOとの「アルプス交響曲」は名門の熟成されたひびきを存分に活かしたみごとな内容でしたが、以来じつに23年ぶりのハイティンクにとっての再録音は、LSOにとっても1990年のフリューベック・デ・ブルゴスとのセッション録音以来となるものです。
【傘寿を迎えた巨匠ハイティンクと黄金時代を迎えたLSO】
伝統ということにかけては1904年の楽団創設より一世紀以上の歴史があるLSO。2009年3月に傘寿を迎えたハイティンクに加え、プレジデントのコリン・デイヴィス、首席客演指揮者のハーディング、そして、あらたな首席指揮者ゲルギエフの加入による刺激もおおきな要因とおもわれますが、多彩な顔ぶれで、いままさに黄金時代を迎えています。「堂々たる暗闇より現われ、また暗闇へと陥ってゆき、ハイティンクとその手兵は作品のいかなるドラマにも敏感に反応していた。けれども、おそらくは、このうえない静寂の部分こそが、シュトラウスのスコアとこのパフォーマンスとで最も印象的であった。」(クラシカルソース・ドット・コム)「リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲のみごとなパフォーマンス。山頂への長い道のりが、ここまでたしかな決意をもって感じられたことはめったにありませんでした。ハイティンクが日の出の、そして夕闇におけるオーケストラの色彩を完璧に統率したことによって、ちょうど色彩の束が暗闇のモノクロームの輪郭から浮かび上がり、そしてふたたび陥ってゆくように、この演奏は、音楽それ自体をめぐる形而上学的な葛藤と克服を具現化するものとなりました。」(タイムズ紙)各紙レビューが伝える状況からも、ハイティンクとLSOがあらたに取り組んだ「アルプス交響曲」でどのような内容を聴かせてくれるのか、おおいに期待されるところです。 (Ki)
LSO-0692(1SACD)
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ドビュッシー:「海」〜3つの交響的スケッチ
バレエ「遊戯」*
牧神の午後への前奏曲#
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

録音:2009年9月20&24日バービカンホール(ライヴ)、2009年12月13&18日バービカンホール(ライヴ)*、2010年5月12&19日バービカンホール(ライヴ)#
ドビュッシーは、ゲルギエフが2007年のLSO首席指揮者就任当初より定期的に取り上げてきた作曲家で、人気作『海』ほか全3曲を収めた期待のプログラムとなっています。ラヴェルの『ダフニスとクロエ』(LSO0693)とともに、2009/10年のシーズンのオープニングを飾ったドビュッシーの『海』。ゲルギエフは『海』を、1997年以来自らが指揮者を務めるワールド・オーケストラ・フォー・ピースと、2000年にBBCプロムスでライヴ録音していたので、9年ぶり2度目のレコーディングということになります。『海』といえば、数あるドビュッシー作品の中でもゲルギエフが一際好んで手掛けている作品としてよく知られ、アルバム併録の『牧神』が演奏された2010年5月19日、予定されていたラヴェルの協奏曲がグリモーの健康上の理由でキャンセルとなるアクシデントに見舞われた際、ゲルギエフが急遽プログラムをほかならぬこの曲に差し替えていることから、やはり自信のプログラムであることがうかがい知れます。なお、ここでの演奏の模様は、以前よりLSOによって演奏の一部がYouTubeでも公開されておおきな反響を呼び、ヴァイオリン両翼型配置を採用したオケの様子やソロをとる首席奏者たちの表情に加え、とりわけ『風と海との対話』におけるゲルギエフのエネルギッシュな指揮ぶりなど、まさに見た目の迫力そのままのセンセーショナルな内容を今もじっさいに確かめることができます。こちらはきわめて優秀な音質を実現した、前述の『ダフニスとクロエ』とはレコーディングの条件も同一とおもわれるので、録音面の出来ばえもまず間違いないでしょう。さらに、いずれもディアギレフ率いるロシア・バレエ団によって舞台上演されたことで関連する2曲のカップリングも魅力たっぷり。1988年にマリインスキー劇場のオペラ部門の芸術監督、1996年にはマリインスキー劇場の芸術総監督に就任して、ここに至るまで、つねに劇場作品をコンサート・レパートリーの中心に据えてきたゲルギエフにとってはお手のもの。“ゲルギエフが想像力に富んだ舞踏の達人だった(タイムズ紙)”『遊戯』と、“絶好調のゲルギエフとLSO(インディペンデント紙)”による『牧神の午後』というラインナップは、ゲルギエフにとって初のレパートリーとなるという意味でも注目されるところです。アルバム全篇に通じる唖然とするほどゆたかな色彩感やリズムの切れ味は、過去にLSOが『海』『牧神』をストコフスキー、首席指揮者モントゥーやプレヴィンと録音し、また『遊戯』を、かつての首席指揮者で現首席客演指揮者ティルソン=トーマスと録音して、すぐれた演奏を聞かせていたことをもあらためて思い起こさせるもので、ラヴェルを指揮したケースと同様、LSOを起用したゲルギエフの見識の高さを示しています。 (Ki)
LSO-0694(1SACD)
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ニールセン:交響曲第4番「不滅」
交響曲第5番*
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2010年5月6&9日バービカンホール(ライヴ)、2009年10月1&4日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)*
【ニールセンとLSO】
ニールセンは生涯ただ一度の訪英の折に、デンマーク出身の英国王妃アレクサンドラに謁見していますが、彼女が列席した1923年6月23日のクィーンズ・ホールで、作曲者の指揮により、LSOは歌劇「仮面舞踏会」と劇音楽「アラディン」からそれぞれ数曲、交響詩「パンとシリンクス」、ヴァイオリン協奏曲、そして交響曲第4番を演奏しています。
【LSOによるニールセンの交響曲録音】
LSOによるニールセンのレコーディングで特に注目すべきものが、1973年から1974年にかけてオレ・シュミット(1928−2010)の指揮でUNICORNへおこなわれたステレオ・セッションによる交響曲全集でしょう。コペンハーゲンに生まれたシュミットによる録音は、同郷人の寄せる熱い共感にもとづく内容のゆたかさから1975年のニールセン賞を獲得し、英国におけるニールセンの普及にも大きく貢献した点で重要ですが、今後2011/12年のシーズンまでつづくと伝えられるデイヴィスとのシリーズが完成すれば、LSOにとっては2種目、じつに38年ぶりの全集レコーディングということになります。ちなみに、LSOはほかにも1967年にアンドレ・プレヴィンの指揮で交響曲第1番をセッション録音、1974年にフランソワ・ユイブレシュトの指揮で交響曲第3番をセッション録音しています。
【デイヴィス念願のニールセン・プロジェクト】
「ニールセンは強迫観念にとり憑かれていて、本当に執拗なのです…シベリウスよりはるかにずっと狂気を孕んでいるのです」インタビューでニールセンについてこのように述べ、シベリウス同様に長年、ニールセンの音楽を激賞してきたデイヴィスですが、意外にもこれまでほとんどどんな作品も指揮してきませんでした。それだけに、このたびの交響曲全集プロジェクトにかける意気込みも一入といったところでしょう。いま、とてつもなくパワフルな最高の手兵LSOを得て、デイヴィスがようやく83歳にして初めて取り組むニールセンのプロジェクト。デイヴィスの熱くひたむきな思いもまたまさに“消しがたきもの”にほかなりません。
【演奏のレビューから】
「ニールセンの音楽は、LSOのために書かれたとおもっていいかもしれません。つまり、オーケストラの強靭なサウンドと自由な精神のテンペラメントは、このシンフォニーにおける名手の要求と本能的なダイナミズムとに適っているからです。デイヴィスもまた、ベートーヴェン流の対立の構図をニールセンの音楽に見出しています。デイヴィスは、シンフォニーのタイトル、“滅ぼし得ざるもの”に値するヴァイタリティで、作品を指揮しました」(フィナンシャル・タイムズ)
「[交響曲第5番は]ほとんど聞き取れないものから非常に大きな音まであらゆるダイナミックレンジを示し、広範囲にわたる音色を提示します。オーケストラの各セクションには見せ場が用意されていますが、けれども第1楽章を通してずっと絶え間なく続くスネアドラム・ソロ(ニール・パーシーが勇気と賞賛に値する技術で示した)と、同じく終結部での美しいカデンツァ風のクラリネット・ソロ(アンドルー・マリナーによってみごとに奏でられた)とはおそらくもっとも忘れられない瞬間です。サー・コリン・デイヴィスは、このうえなく献身的な取り組みと興奮のパフォーマンスという点で秀でていました。」(ミュージカルクリティシズム・ドット・コム)
LSO-0700(2SACD)
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ヴェルディ:歌劇「オテロ」 サイモン・オニール(Tオテロ)
ジェラルド・フィンリー(Bs-Brイヤーゴ) アラン・クレイトン(Tカッシオ)
ベン・ジョンソン(Tロデリーゴ) 
アレクサンドル・ツィンバリュク(Bsロドヴィーコ)
マシュー・ローズ(Bsモンターノ) 
ルーカス・ヤコブスキ(Bs伝令) 
アンネ・シュヴァネヴィルムス(Sデズデモナ)
エウフェミア・トゥファーノ(Sエミーリア)
ロンドン交響cho
コリン・デイヴィス(指)LSO

*イタリア語歌唱
録音:2009年12月3&6日ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
長年にわたるイギリス音楽の普及と若い世代に向けた音楽教育の関わりへの多大なる貢献が認められ、女王陛下より2009年度のクィーンズ・メダル・フォー・ミュージックを叙勲されたコリン・デイヴィス。LSOLive2010/11年シーズン最初のリリースは、ヴェルディの「オテロ」。その晴れがましいニュースが初めて公表された機会に、巨匠率いるLSOによってコンサート形式で上演されたプログラムです。
【コヴェント・ガーデン時代のデイヴィスによる『オテロ』】
デイヴィスにとって「オテロ」とは、そもそもコヴェント・ガーデンの音楽監督時代(1971−1987)にもたびたび取り上げているこだわりのレパートリー。記録によると、デイヴィスはロイヤル・オペラハウスによるプロダクションとして、1972年にジョン・ヴィッカースを表題役に立てて1公演、1980年に再度ヴィッカースで1公演、1983年にはプラシド・ドミンゴがオテロを歌い3公演を全曲上演しています。この間ほかにもコヴェント・ガーデン歌劇場管とともに、1977年にオテロをドミンゴ、デズデモナにマーガレット・プライスを迎えてガラ・コンサート形式で上演しています。デイヴィスはコヴェント・ガーデン歌劇場管と、1978、1979年に「仮面舞踏会」を、1980年に「トロヴァトーレ」をともにセッション録音していますが、あいにく「オテロ」についてはチャンスがありませんでした。
【手兵LSOとの顔合わせによる『オテロ』】
1995年にLSO首席指揮者に任命されたのち、さらにデイヴィスは1999年にもLSOと「オテロ」をバービカンにおいてコンサート形式で取り上げ、このときはホセ・クーラをオテロに迎えています。このように「オテロ」に情熱を傾けてきたデイヴィスですが、LSOLiveにおける2004年収録の「ファルスタッフ」(LSO0528,0055)や、あたらしいところでは2009年1月のヒコックス追悼演奏会における「レクィエム」(LSO0683)でも示して明らかなように、ここに至る巨匠のヴェルディへの適性を疑う余地などないでしょう。それにしてもここでのデイヴィスはとても82歳とは思えぬ、驚くべき白熱ぶり。それもエネルギーの爆発にみせる凄まじさは、人間のむき出しの感情を表現し尽くしてなお余りあるものがあります。巨匠デイヴィスがようやく初レコーディングを実現した「オテロ」。各紙レビューですでに報じられている内容からも圧倒的な手ごたえを約束してくれるものとおもわれます。
【センセーショナルな“オテロ”デビューを飾った注目株オニールほか歌手について】
タイトルロールのサイモン・オニールは、1971年ニュージーランドのアシュバートン生まれ。ドミンゴの代役として「ワルキューレ」のジークムントでMETデビュー。以降、ジークムントを当たり役として、パッパーノ指揮のコヴェント・ガーデンやラニクルズ指揮のMET、最近も2010年6月のフィリップ・ジョルダン指揮のバスティーユ・オペラで起用され、国際的な舞台での評価を急速に上げているといいますから、ドラマティックな歌唱が決め手となるオテロの資質にも十分期待がもてそうです。ちなみに、本公演はドミンゴにオテロを師事したオニールにとってオテロ・デビューとなるもので、2012年にはスカラ座でバレンボイム指揮でも当役を歌うことが決まっています。イヤーゴを心憎いほどに演じ切ったジェラルド・フィンリーは1960年モントリオール生まれ。シューベルトやシューマンのリートでのこまやかな性格的歌唱も冴えるカナダのバリトンです。異色のキャスティングといえるのが1967年ルール地方のゲルゼンキルヒェンに生まれたドイツのソプラノ、アンネ・シュヴァネヴィルムス。ワーグナーやシュレーカー、ことにR.シュトラウスものでは不動の地位を獲得しているシュヴァネヴィルムスもヴェルディは未知数でしたが、聴かせどころの第4幕「柳の歌」では完璧な美しさを披露。ほかではともに英国出身で若手イケメンのテノールふたり、アラン・クレイトンとベン・ジョンソンも存在が光っていました。
【当夜のレビューから】
「オニールは、本物のトランペット・トーンの最高音の声を備えており、また、あらゆる真の戦士のように怖れを知りません。ドミンゴをふくむ、この役どころのひじょうにおおくの名歌手たちは、バリトン寄りのヘルデンテノール・タイプで固められているので、ひとりの若い歌手が最高音をまちがいなく決めるのを聴くことは、興奮はしなかったけれども、斬新でした。(中略)じっさい、オニールが細心の注意を払い、表情ゆたかにテキストを扱ったことで大詰めの場面でほんとうに胸がいっぱいになりました。」(インディペンデント紙)
「サイモン・オニールは表題役ですばらしいデビューを果たしたことで、最近10年間に出てきたヘルデンテノールのなかでも最高の歌手であることを世に知らしめた。初舞台を踏んだもう一人、ジェラルド・フィンリーは際立って明快で蛇のようにもっともらしいイヤーゴであった。」(デイリー・テレグラフ紙)
「ここでの真の『ヴェネチアの獅子』はコリン・デイヴィス卿であった。つまり、バービカンの舞台から爆発したヴェルディの「オテロ」初めの強大な嵐のように、40歳かそこらに振舞う80歳かそこらであり、どこからみても最高司令官だった。」(インディペンデント紙)
「演奏全体は興奮させるものでした。久しくコリン・デイヴィス卿はわたしたちの音楽人生の中心に留まりつづけるかも知れません!」(クラシカルソース・ドットコム) (Ki)
LSO-0701(2SACD)
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R・シュトラウス:歌劇「エレクトラ」[ドイツ語歌唱] エレクトラ:ジャンヌ=ミシェル・シャルボネ(S)
クリソテミス:アンゲラ・デノケ(S)
クリテムネストラ:フェリシティ・パーマー(Ms)
エギスト:イアン・ストレイ(T)
オレスト:マティアス・ゲルネ(Br)
監視の女 / クリテムネストラの腹心の女:エカテリーナ・ポポワ(S)
第1の下女:オリガ・レフコワ(Ms) 
第2の下女 / クリテムネストラの裾持ちの女:エカテリーナ・セルゲーエワ(Ms)
第3の下女:ワルワラ・ソロヴィエワ(A)
第4の下女:タチヤナ・クラフツォワ(S)
第5の下女:リヤ・シェフツォワ(A)
若い下僕:アンドレイ・ポポフ(T)
年老いた下僕 / オレストの扶養者:ヴヤニ・ムリンデ(Bs-Br)
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO&Cho

録音:2010年1月12 & 14日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
LSO首席指揮者の姿と併せて、マリインスキー劇場の芸術総監督としての顔を持つ「当代のカリスマ」ゲルギエフが、劇場の実演で「影のない女」「サ ロメ」などを取り上げ、シュトラウス作品の舞台上演に情熱を傾けてきたことはよく知られています。そのゲルギエフの「エレクトラ」がLSO Liveに登場。 2010年1月にLSOを指揮して本拠バービカンで行った演奏会形式による上演の模様をライヴ収録したものです。 前作「サロメ」の大成功から3年ぶり、ギリシア悲劇を換骨奪胎したホフマンスタールの台本を得て、シュトラウスが書き上げた「エレクトラ」はまたし ても血なまぐさく凄惨な内容とさらなる激烈な音楽で有名なオペラ。不協和音、半音階の多用、調性のあいまいさといった近代的手法を駆使し、ワーグナー の「リング」を凌ぐ巨大編成の管弦楽が、“不義密通ののちに実父を殺害した実母とその愛人に対して姉弟らが復讐を遂げる” という筋立てを盛り上げる のに絶大な効果を生んでいます。 数あるシュトラウスのオペラのなかでも、死、暴力、性的抑圧、復讐といったテーマが遍在する「エレクトラ」となれば、ゲルギエフのドラマティックな芸 風との相性の良さを容易に想像できるところですが、「エレクトラ」ヘのゲルギエフの並々ならぬ入れ込みようは、豪華なキャストの起用からもうかがうこ とができます。 スポレートでの第4の下女役で作品の魅力に開眼して以降、エレクトラ役を追究してきたというジャンヌ=ミシェル・シャルボネは、近年ドイツや近代のレ パートリーで頭角をあらわすアメリカのドラマティック・ソプラノ。妹のクリソテミスに、2011年バーデン=バーデンの「サロメ」が強烈な印象を残した アンゲラ・デノケ、母親クリテムネストラ役には2005年のビシュコフ盤でも知られるヴェテラン、フェリシティ・パーマーと主要3人の女性がなんとも強力。 これに心理描写のうまさで定評のマティアス・ゲルネが弟オレスト役で加わり、しかも主役級のほかに脇をマリインスキー劇場のオペラ・カンパニーのメン バーを呼び寄せて固めるというのですから、もはやこれ以上ない万全の態勢というほかありません。 ゲルギエフの「エレクトラ」は、絶好調のLSOから重厚かつ多彩な響きを存分に引出しながら、大迫力の歌唱で堂々とオケと渡り合う歌手たちへの目配 りもさすがというべきで、長年オペラで培った豊富なキャリアをあらためて証明する完成度となっています。 (Ki)

LSO-0702(2SACD)
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ハイドン:交響曲集/コリン・デイヴィス

(1)交響曲第92番ト長調Hob.I:92「オックスフォード」
(2)交響曲第93番ニ長調Hob.I:93
(3)交響曲第97番ハ長調Hob.I:97
(4)交響曲第98番変ロ長調Hob.I:98
(5)交響曲第99番変ホ長調Hob.I:99
コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:(1)2011年10月2 & 4日バービカンホール(ライヴ)
(2)2011年12月11 & 13日バービカンホール(ライヴ)
(3)2010年5月6 & 9日バービカンホール(ライヴ)
(4)2011年12月4 & 6日バービカンホール(ライヴ)
(5)2011年5月26日& 6月2日バービカンホール(ライヴ)
コリン・デイヴィスがロンドン響を指揮してハイドンの交響曲を演奏したセットがLSO Liveより登場。もちろんすべて初出で、ベルリオーズ、シベリウス、 ヴォーン・ウィリアムズの未発表音源が投入された愛蔵家版ボックス「サー・コリン・デイヴィス・アンソロジー」につづいて、こうして次々とかけがえの ないドキュメントが日の目をみるのはなんともうれしい限りです。  1970年代半ばから80年代初めにかけて、デイヴィスはコンセルトヘボウ管を指揮して、「ザロモン・セット」を含む、ハイドンの交響曲19曲をオラ ンダのPhilipsにセッション録音していますが、その優美で格調高い演奏内容は、モダン楽器のオーケストラによる古典派演奏のひとつの頂点を築いたデ イヴィスのベスト・フォームとして、いまなお多くのファンの根強い支持を得ています。  以来、アルバム収録の5曲すべてが、デイヴィスにとっておよそ30年以上を経ての再録音となるハイドンの交響曲は、2010年と2011年に、最晩年 にしてまだまだ意欲旺盛な巨匠がニールセンの交響曲全曲にあらたに挑むということでも話題を集めたコンサート・シリーズで、各回の前半に演奏された プログラム。ガーディアン紙をはじめ、演奏会評もこぞってたいへん好意的であっただけに出来ばえにはおおいに期待が高まります。  加えて、デイヴィスが同じくロンドン響を指揮してライヴ収録した2007年10月の「天地創造」(LSO0628)や2010年6月の「四季」(LSO0708) でも確かめられるように、前回からここに至るピリオド・アプローチの成果も適宜盛り込まれるなど、新旧の比較も聴きどころのひとつといえそうです。 (Ki)
LSO-0708(2SACD)
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ハイドン:オラトリオ「四季」(ドイツ語歌唱) ミア・パーション(Sハンネ)
ジェレミー・オヴェンデン(Tルーカス)
アンドルー・フォスター=ウィリアムズ(Brシモン)
ロンドン交響cho(合唱指揮:ジョセフ・カレン)
キャサリン・エドワーズ(Cem)
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2010年6月26-27日ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:ジョナサン・ストークス
■ハイドンの集大成的傑作『四季』■
「ハイドンの全創作の頂点はまさに『天地創造』と『四季』である」とは、近代的ハイドン研究の創始者カール・フェルディナント・ポールの有名な言葉ですが、ハイドンが到達した古典派様式の完成型との高い評価と人気で広く受容されているこの2作については、各々対照的な性格を備えていることがしばしば指摘されています。喩えていえば、神聖な天上の世界を扱った『天地創造』が宗教音楽とオペラ・セリアの総決算なら、農民の生活のなかに神への素朴な感謝を歌い上げる『四季』はオペラ・ブッファといったつくりで、そこでは、喜びにあふれた春の訪れや、秋の収穫を陽気にはしゃぐ姿などが、農民の目を通して一年という周期でじつに表情豊かに描かれ、明るく楽しさいっぱいの親しみやすさがおおきな特徴となっています。
■デイヴィスによる40年以上ぶりの再録音■
このたびのLSOとのライヴ盤に先立って、デイヴィスは『四季』をBBC響と1968年7月にウォトフォード・タウン・ホールでセッション録音をおこなっているので、じつに40年以上を経ての再録音ということになります。前回が英語による歌唱、通奏低音にはフォルテピアノが使われていたのに対して、このたびはドイツ語による歌唱、通奏低音もハープシコードへと変更されています。デイヴィスによる第1回目の『四季』がリリースされて以来、40年にも及ぶ歳月のあいだには、いわゆる時代考証派による「ピリオド・アプローチ」が隆盛となり、その本場のひとつイギリスでも、さまざまな経験や研究成果を積んだホグウッドやガーディナーらによって、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンといった古典派の作品にもまたあらたな光があてられてきました。当然ながら、デイヴィスもその“洗礼”を受けているとみるべきで、ここでの演奏内容にどのような形で反映されているのかは気になるところです。
■ピリオド・アプローチを意識した新録音■
このたびの『四季』でも、前作『天地創造』に共通して、たとえばヴァイオリン両翼型配置を選択、ヴィブラートを控えめにするなどのはっきりとした特徴がみられるほか、当夜のメンバー表によれば、第1ヴァイオリン12・第2ヴァイオリン10・ヴィオラ8・チェロ6・コントラバス5という人数配分をデイヴィスは採用しています。この数字ですが、通常のLSOからみて、ここではかなり思い切った編成の刈り込みがなされていることは確かなようです。なお、オリジナル楽器による『四季』の演奏例として、参考までにフライブルク・バロック管を指揮したヤーコプスの録音では、弦楽パートはそれぞれ順に7・6・4・4・3となっていて、弦をのぞくパートの人数がデイヴィス、ヤーコプスとも22と同数ながら、デイヴィス新盤はそれでも、弦に限ってはまだほぼ2倍近いということになります。たた、そのいっぽうで、『天地創造』と『四季』の誕生に直接の動機を与えたといわれる、ヘンデルのオラトリオが、当時ロンドンでは数千人規模の大編成で盛んに上演され、その模様を目の当たりにして異常な感銘を受けたハイドンが、巨大な表現手段と圧倒的な演奏効果を自作に盛り込もうとしたと考えられることから、ここでのサイズの選択はそうした側面にもデイヴィスはじゅうぶん配慮した結果であるようにおもわれます。
■絶妙なバランスのとれたデイヴィスの演奏■
デイヴィスによる新旧の『四季』はいずれもモダン楽器のオケによる演奏というのが共通する特徴ですが、ここではっきりとした違いがみられるのが演奏時間です。BBC旧盤が138分だったのに対して、このたびのLSO新盤が130分と、全体で8分も短くなっています。このテンポの変更にはピリオド・アプローチが影響していると考えるのが自然で、同じ方向性でデイヴィスがLSOを指揮した『天地創造』といい、2006年収録の『メサイア』といい、ここでもまた生き生きとした表情を獲得することに成功しています。このたびの『四季』では、長年に渡るデイヴィスとLSOの強い結びつきもあってのことか、モダン・オケの生み出す荘重なムードを湛えたオラトリオ的な迫力と、ピリオド・アプローチの鮮烈なインパクトとの絶妙なバランスが保持されており、じっさいにデイヴィスがどのような手腕を発揮しているのかをひとつひとつ確認するのもたいへん興味深い作業といえるでしょう。
■ソリストについて■
旬のソリストの顔触れも魅力的。小作人シモンを歌うアンドルー・フォスター=ウィリアムズは、イングランド北部ウィガンに生まれた英国のバリトンで、デイヴィスの『ベンヴェヌート・チェッリーニ』(2007)にも参加しているほか、ここ近年『メサイア』や『フラーヴィオ』など、ヘンデルのオラトリオの重要なリリースが続いている注目株。シモンの娘ハンネ役には、ボルトン指揮の『四季』でも同役を歌っていたスウェーデンの美声ソプラノ、ミア・パーション。そして、ファゾリス指揮の『四季』に次いで、若い農夫ルーカス役を担当するジェレミー・オヴェンデンは、タミーノやフェルランド、ドン・オッターヴィオなどを持ち役とするモーツァルト歌いで、実生活ではパーションの夫君でもある英国のテノールです。
■パワフルで柔軟なパフォーマンスで応えるロンドン交響合唱団■
「最後を飾る光栄はロンドン交響合唱団でした。安定したピッチ、歓喜とぬくもりは途切れることなく、ハイドンの伝えるすべてに飛びかかりました。」(タイムズ紙)このたびもコーラスにはロンドン交響合唱団が起用され、LSOLiveではモーツァルトやヴェルディのレクィエムから、近現代のティペットやマクミラン、そして、ごく最近のアルバム『ベルシャザールの饗宴』にいたるまで、これまでもデイヴィスの意図にみごとに応えてきた実績の通り、スリルに富んだ活力と創造力にあふれた内容を圧倒的な迫力で歌い上げています。き
LSO-0715(1SACD)
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ニールセン:交響曲第1番ト短調Op.7
交響曲第6番「素朴な交響曲」*
コリン・デイヴィス( 指)LSO

録音:2011年10月2&4日ロンドン、バービカンホール( ライヴ)
2011年5月26日& 6月2日ロンドン、バービカンホール( ライヴ)*
高い評価を獲得した「不滅」& 第5 番からはや1 年あまり、巨匠コリン・デイヴィス指揮LSO 演奏のニールセン・シリーズに続篇が登場。このたびは、30 年以上を隔てて書かれたニールセン最初と最後の交響曲であり、古典的な4 楽章形式という点も共通する第1 番と第6 番というカップリングになります。ニールセン20 代半ばの1891 年から92 年にかけて作曲された交響曲第1 番には、第2 ヴァイオリン奏者として当時在籍していたデンマーク王立劇場オーケストラでの経験も反映されてのことか、全曲の構成や管弦楽様式にドヴォルザーク、特にブラームスの影響がみられると同時にまた、ニールセンの特徴として後世知られる進歩的な調性の兆しもすでに含まれています。ここでは、粗削りながら激しく若々しさに満ちた両端楽章に加えて、美しく牧歌的な中間楽章でもトロンボーン、ホルンあたりが大活躍するので、LSO ブラス・セクションの本領が遺憾なく発揮されているのにも注目です。ニールセンが世を去る6 年前の1925 年に完成した交響曲第6 番は、副題から「簡潔な性格」の内容を示唆しながら決してそうではないところが、なるほど交響曲第4 番、第5 番を経て生み出されたという作品の素性を思い起こさせるもの。第3 楽章での錯綜するフーガに、手の込んだ変奏曲のフィナーレのほか、弦楽器が緘黙する第2 楽章など限定的なオーケストラの楽器用法も特徴的で、第5 番に引き続き打楽器群の存在感がまた強烈。そのうえ、シニカルでユーモラスな味わいも滲ませて、ほかの誰とも異なるニールセンのユニークな境地と、いみじくもこの作品が20 世紀のシンフォニーであることを表してもいるようです。「時に聴き手を戸惑わせるニールセンの音楽でデイヴィスが成功を収める鍵は、彼がニールセンの音楽にあまり自身を押しつけようとしないということです。
むしろ、細部をできるだけ明白にして、全体的な形を自然に出て来させることにあくまで重点が置かれているのです。」−英ガーディアン紙2011 年5 月29 日[ 交響曲第6 番]
年輪を重ねてなおますます意気盛んなデイヴィスのもと、巨匠に心からの敬意と信頼を寄せるLSO の演奏は、真摯なアプローチと充実しきった音響がひときわ印象的なもので、同じ顔ぶれによるシベリウスの例がそうであったように、高品位な録音も併せて数あるニールセンの交響曲全集のなかでも、あらたな強力盤の登場を予感させるに十分な内容となっています。 (Ki)
LSO-0719(2SACD)
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ブリテン:戦争レクィエム サビーナ・ツビラク(S) 
イアン・ボストリッジ(T) 
サイモン・キーンリーサイド(Br)
エルサム・カレッジ少年cho
ロンドン交響cho
ジャナンドレア・ノセダ(指)LSO、

録音:2011年10月9&11日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
首席指揮者ゲルギエフの弟子、ジャナンドレア・ノセダがLSOLiveに初登場。ブリテンの戦争レクィエムは、2011年10月にノセダがLSOを指揮して本拠バービカンでおこなったコンサートの模様をライヴ収録したものです。
【LSOを率いた作曲者自演による世界初録音】
1962年5月の「戦争レクィエム」世界初演を自ら指揮したブリテンは、翌1963年1月にはLSOを指揮して世界初のセッション録音を果たしています。世界初演時のキャストふたり、ピアーズとフィッシャー=ディースカウに、当初出演が予定されていたヴィシネフスカヤをソリストに擁したこの録音は、随所に作曲者の強い表現意欲が漲り亘ることからもその説得力は絶大で、1963年度第1回レコード・アカデミー大賞にも輝いているなど、初演直後いきなりとんでもない高みにそびえ立つ内容として、圧倒的存在感を示してきました。さらに、LSOはまた「戦争レクィエム」を1991年にヒコックスの指揮でセッション録音しており、こちらはソプラノに世界初演時のヘザー・ハーパーを迎えたことも功を奏してか、英国GramophoneAwardを受賞しています。
【ノセダによる注目演奏】
ノセダがLSOを率いて、ブリテンの世界初演より半世紀後の2012年に世に問う「戦争レクィエム」。すでにLSOとは、ゲルギエフの首席指揮者就任を機に頻繁に客演を重ねている間柄であることもそうですが、ここでノセダはLSOによる過去2度のレコーディングにも参加したロンドン・シンフォニー・コーラスを起用。ソリストには、2011年6月にもビシュコフ指揮で同曲を歌ったばかりのスロベニア期待のツビラク、そして、もっともブリテンがこだわり抜いたオーエンの戦争詩のパートを受け持つテノールとバリトンに、英国が誇る当代きってのボストリッジとキーンリーサイドを配したきわめて強力な布陣で臨んでいることにも注目されます。また、ノセダは、2011年5月のスペイン3か所でおこなったトリノ王立劇場管とのヴェルディの「レクィエム」、同じくパリ公演での「聖歌四篇」、さらに9月のトリノとリミニでトリノ王立歌劇場管、RAI国立響の合同オケを指揮したマーラーの「第8交響曲」と、立て続けに声楽付きの大作を手掛けて成功を収めていることから、この良い流れを受けての内容ということで期待もおおきくふくらみます。 (Ki)
LSO-0722(1SACD)
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ニールセン:交響曲第2番「四つの気質」
交響曲第3番「ひろがりの交響曲(シンフォニア・エスパンシヴォ)」*
ルーシー・ホール(S)*
マーカス・ファーンズワース(Br)*
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2011年12月4 & 6日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
2011年12月11 & 13日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)*
巨匠コリン・デイヴィス指揮LSO演奏によるニールセン・シリーズもいよいよ大詰め。交響曲第2番と第3番は、前作第1番より2ヶ月後の2011 年12月に、いずれも本拠バービカンホールで集中的に行われたコンサートの模様をライヴ収録したものです。
【第2番「四つの気質」と第3番「ひろがりの交響曲」】
「四つの気質」というタイトルをもつ第2交響曲は、ニールセンが田舎を訪れた際にパブで偶然目にした、人間の気質をテーマとした水彩戯画に霊感を得 て生み出されたもので、4つの楽章各々の発想記号に、怒りっぽい「胆汁質」、知的で冷静な「粘液質」、沈んでメランコリックな「憂鬱質」、陽気で快活 な「多血質」という性格を暗示する形容詞が与えられ、じっさいの音楽もこれに沿う形で展開するところがユニークな作品。 いっぽう、第1楽章の発想記号(アレグロ・エスパンシヴォ)に由来する「ひろがりの交響曲」というタイトルで呼ばれる第3交響曲は、第2楽章(ア ンダンテ・パストラーレ)の曲想から「ニールセンの田園交響曲」ともいわれ、楽章中盤以降に舞台裏からバリトンとソプラノの独唱が相次いでヴォカリー ズで現れるところに最大の特徴があり、北欧風の牧歌的な味わいで発表当時から人気の高かった曲でもあります。
【“デンマーク王室お墨付き” デイヴィス&LSOによるニールセン・プロジェクト】
2012年5月25日、デイヴィスはデンマーク王室より、2011年にLSOと取り組んだニールセンの交響曲録音の功績を認められ、デンマーク大使を通 じて由緒あるダネブロー・コマンダー勲章(Commander of the Order of the Dannebrog)を叙勲されました。 その評価の正当性はこれまでのシリーズのすぐれた演奏内容からも明らかですが、2012年9月に85歳を迎えたデイヴィスの音楽はここでも、はたして 本当にこれがニールセンの交響曲に初めて本格的に挑んだ指揮者のものとは到底信じられないほどの高みに聳えて圧倒的な佇まい。前2作同様に、心酔 する巨匠と音楽を奏でる歓びを一丸となって表現するLSOの演奏は迫真そのもので、シリーズを締め括るにふさわしいみごとな内容となっています。 (Ki)
LSO-0726(2SACD)
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ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」 サイモン・オニール(テノール:マックス) 
ラルス・ヴォルト(バス‐バリトン:カスパール)
クリスティーン・ブルーワー(ソプラノ:アガーテ)
サリー・マシューズ(ソプラノ:エンヒェン)
シュテファン・ローゲス(バス‐バリトン:オットカール/ザミエル)
マーティン・スネル(バス:クーノー)
マーカス・ファーンズワース(バリトン:キリアン)
ギドン・サクス(バス:隠 者)
ルーシー・ホール(ソプラノ:花嫁に付き添う4人の乙女)
マルコム・シンクレア(語り)
ロンドン・シンフォニー・コーラス
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2012年4月19日 & 21日/ロンドン、バービカン・ホール(演奏会形式によるライヴ上演)
2012年秋に85歳を迎えたコリン・デイヴィスを記念するリリースが続くLSOLive。最新アルバムは、デイヴィス指揮によるヴェーバーのオペラ「魔弾の射手」全曲。前作ベルリオーズの「レクィエム」より2か月ほど前の、2012年の4月19日と21日に、本拠バービカン・ホールで行われた演奏会形式による上演の模様をライヴ収録したものです。 デイヴィス指揮の「魔弾の射手」といえば、1990年1月にドレスデンのルカ教会でシュターツカペレ・ドレスデンを指揮して全曲のセッション録音をおこなっていたので、デイヴィスにとっては22年ぶり2種目の録音ということになります。 マクミランへの委嘱作やニールセンの交響曲のように、デイヴィスはあらたなレパートリーに対して情熱を傾けつつ、そのいっぽうでこれまでの長きに亘るキャリアを通じて解釈を深めてきたベルリオーズやシベリウスといった納得のプログラムの総仕上げをおこなってもきました。 そうしたなかで、2006年にデイヴィスがLSOのプレジデントに就任したあたりから現在まで、いずれのケースにおいても桁違いの充実ぶりを示してきたのは、この間に構築したディスコグラフィを通じて確かめられるところで、このたびの演奏内容についても、やはりその出来ばえにはすばらしいものがあります。 それにしても、これから繰り広げられる場面のテーマをたくみに散りばめた「序曲」といい、楽譜に書き留められたうちでもっとも邪悪で残忍な描写として名高い「狼谷の場面」における緊迫感とボルテージといい、デイヴィスは年輪を重ねてかえってなおもエネルギッシュでみずみずしく、想像をはるかに上回る圧倒的な音楽で満たしています。 意外なことに、これが初の「魔弾の射手」全曲録音となるLSOにしても、2000年以降の毎シーズン必ずコンサート形式でのオペラ上演に取り組んで着実に実績を重ねており、その結果生み出されたベルリオーズやベートーヴェンのオペラ録音が物語るように、デイヴィスとの呼吸も申し分ありません。 さらに、主要キャストも、マックスのサイモン・オニール(「オテロ」)、アガーテのクリスティーン・ブルーワー(ヴェルディの「レクィエム」)、エンヒェンのサリー・マシューズ(「天地創造」)という具合に、過去のLSOLiveのリリースで起用されたデイヴィスのお気に入りで固められ、巨匠の信頼にみごとに応えています。 ドイツ・ロマン派オペラの幕開けを告げ、来たるワーグナーへの道筋を準備した画期的な傑作の魅力を余すところなく引き出したデイヴィス率いるLSOによる「魔弾の射手」。ここにまたひとつデイヴィスを代表するアルバムが加わったといえるでしょう。なお、このたびの上演に際して、オリジナルのドイツ語歌唱に並行して、アマンダ・ホールデンによる新英語訳のナレーションを、英国の名優マルコム・シンクレアが語るというスタイルが採用され、物語のスムーズな進行と理解に役立っていました。 (Ki)
LSO-0728(1SACD)
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV 1004、ルターのコラール集
 ああ 主よ、あなたの愛しい天使に命じて(ヨハネ受難曲BWV 245)
 パルティータ第2番:アルマンド
 パルティータ第2番:クラント
 キリストは死の縄目につながれたり(BWV 4)
 パルティータ第2番:サラバンド
 死に打ち勝てる者は絶えてなかりき(BWV 4)
 パルティータ第2番:ジグ
 いつの日かわれ去り逝くとき(マタイ受難曲BWV 244)
 シャコンヌ[ヘルガ・テーネのレアリゼーションによる、ヴァイオリンと4声のコーラスのための]
フォーレ:レクィエム
ゴルダン・ニコリッチ((Vn)
グレース・デイヴィッドソン(S)
ウィリアム・ゴーント(Br)
テネブレCho
ナイジェル・ショート(指)
ロンドン交響楽団室内アンサンブル

録音:2012年 5月ロンドン、セント・ジャイルズ・クリップルゲイト教会(ライヴ )
世界的に有名なザ・キングズ・シンガーズの元メンバーで、英国合唱界の大立者ナイジェル・ショート率いる若手の精鋭合唱アンサンブル、テネブレ。「キリストの幼時」「メサイア」の好演も光るかれらが、LSO Liveに本格的に登場。ロンドン交響楽団室内アンサンブルとともに、J. S. バッハのコラールほか、メインにフォーレの「レクィエム」を取り上げた注目の内容です。
【好評を博した「シティ・オブ・ロンドン・フェスティバル」のプログラム再演】
2011年6月、テネブレとLSO選抜メンバーによる室内アンサンブルは「シティ・オブ・ロンドン・フェスティバル」に出演、セント・ポール大聖堂でのコンサートは大成功を収めました。これはその翌年2012年5月に、すぐれた音響で知られるセント・ジャイルズ・クリップルゲイト教会でおこなわれた同一プログラム再演の模様をライヴ収録したものです。
【J.S.バッハの「コラール」と「シャコンヌ」】
プログラムはたいへんユニークなもので、前半のJ. S. バッハでは、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番各曲のあいだに、教会カンタータ第4番「キリストは死の縄目につながれたり」ほか、バッハのコラールを挿み込む構成が採られています。さらに、最大のポイントは終曲「シャコンヌ」で、バッハの旅行中に亡くなった彼の最初の妻、マリアへの “レクィエム” であるという説に依拠して、独奏ヴァイオリンに乗せて当時の教会用コラールからの歌詞が綾なすように歌われるさまが、神秘的な美しさを湛えているばかりでなく、フィナーレとしてもじつに自然で効果的。ちなみに、同じコンセプトの内容には、ポッペンのヴァイオリンとヒリアード・アンサンブルによるアルバムや、モレーノのリュートとカークビーの歌唱によるレコーディングがありましたが、またひとつここに魅力的な演奏が加わりました。なお、ここでみごとなヴァイオリン独奏を披露するのは、LSOコンサートマスターのゴルダン・ニコリッチ。師カントロフゆずりの折り目正しいアプローチがまさしくこうした内容にぴったりです。
【テネブレ待望のレパートリー、フォーレの「レクィエム」】
テネブレは、しばしばロウソクの灯りのみが燈された空間で歌い、アレグリやヴィクトリア、タヴナーの宗教作品や、プーランクの声楽曲などにおいて、とびきり透明度の高い歌唱を聴かせてきたのはすでによく知られるところで、繊細な表現と美しいハーモニーの安定感は折り紙つき。フォーレのレクィエムは声楽曲の最重要レパートリーのひとつにもかかわらず、テネブレによるレコーディングはこれまでなかったので、その演奏内容にはひときわおおきな期待がかかります。また、意外なことに、LSOにとってもフォーレのレクィエムは、1982年にチェリビダッケが指揮したロイヤル・フェスティバル・ホールでのライヴ演奏(BBC収録・正規未発売)くらいしかなかったので、その意味でも貴重な内容といえるでしょう。ここでは時期の異なる3つの版うち、ジョン・ラターによる第2稿の校訂版(1984年)に拠る演奏となっています。 (Ki)

LSO-0729(2SACD)
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ベルリオーズ:レクィエム Op.5 バリー・バンクス(T)
ロンドン・シンフォニー・コーラス、
ロンドン・フィルハーモニーCho
コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2012年6月25 & 26日ロンドン、セント・ポール大聖堂(ライヴ)
【デイヴィスによるベルリオーズの「レクィエム」】
なかでも「レクィエム」はデイヴィスにとって真に特別なもののようで、まだクラリネット奏者だった若い頃に演奏して指揮者を志 す啓示を受けた運命の曲であると述懐しているほどです。 デイヴィスはまた「レクィエム」について、1969年にLSOを指揮してウェストミンスター大聖堂でセッション録音、1989年にバイエルン放送響を指揮した コンサートのライヴ映像作品を制作、1994年に聖十字架教会でシュターツカペレ・ドレスデンを指揮したコンサートの模様をライヴ収録という具合に、折 に触れてすでに3度ものレコーディングを重ねており、とくに、シュターツカペレ・ドレスデンを指揮したドレスデン爆撃戦没者追悼演奏会のライヴ録音盤が、 言葉どおりの意味で迫真の演奏内容を聴かせたことで、桁違いの名演とまで騒がれたのはまだ記憶にあたらしいところです。
【2012年6月セント・ポール大聖堂における最新ライヴ】
デイヴィスが、自身による第1回目の録音からじつに43年ぶりに同じLSOを指揮してベルリオーズの「レクィエム」を演奏したアルバムは、50回目の節目 を迎えたシティ・オブ・ロンドン・フェスティバル2012のハイライトとして、巨匠が85歳の誕生日を迎える3か月前の2012年6月25、26日の2日間 に亘りセント・ポール大聖堂でおこなわれたコンサートの模様をライヴ収録したものです。 ここ最近のデイヴィスとの顔合わせでみせる手兵LSOの白熱ぶりはここでも健在なうえに、総勢150名にも及ぶ合唱には、やはりデイヴィスの第1回録音 にも起用されたロンドン・シンフォニー・コーラスとともに、ロンドン・フィルハーモニー合唱団が合同参加して、このモニュメンタルな大作の上演をおおい に盛り立てています。 18年前のシュターツカペレ・ドレスデンとのライヴ録音盤を「まさに忘れることの出来ない感動的な体験」だったと語るデイヴィスですが、過去に安住する ことなく、あくまでひたむきな巨匠の境地と尽きることのない情熱には頭が下がる思いです。 デイヴィスが初めてLSOとベルリオーズ作品を録音して以来50年。LSO Liveでデイヴィスが取り組んできたベルリオーズ・シリーズを締め括る「レクィエム」 は、エキスパートとしてのポジションをあらためて裏付けるものといえるでしょう。 (Ki)
LSO-0733(2SACD)
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ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
交響曲第2番Op.73
悲劇的序曲Op.81
ハイドンの主題による変奏曲
ワレリー・ゲルギエフ (指)LSO

録音:2012年9月、10月、12月 バービカン・ホール(ライヴ)
ゲルギエフとロンドン交響楽団は、昨2012年シーズンでシマノフスキとブラームスの交響曲を対比上演するという試みを行い ました。かたやポーランド近代、かたや純ドイツ・ロマン派と、交響曲を4篇残していること以外共通する点のないふたりの作曲家ですが、ゲルギエフにとっ て初レパートリーだけに興味津々。今回は待望のブラームス。
ブラームスの交響曲はゲルギエフの音楽性と資質から考えると、面白そうと思われながら、録音は協奏曲やドイツ・レクイエムなどしかありませんでした。 満を持しての披露となります。
交響曲第1番にゲルギエフの個性がもっとも強く表れています。音色は暗く、強烈なアクセントはロシア音楽のようで新鮮。重低音をきかせたフィナー レの、ことにコーダはロシア正教の合唱をオーケストラに移し替えたような音響に驚かされます。
交響曲第2番は本来田園的で平穏な作品のはずながら、不思議な不吉さと不穏な雰囲気に翳っています。ゲルギエフは伝統や因習から離れ、劇的とい えるような作品像を描いています。終楽章の素晴らしい加速ぶりはゲルギエフならでは。最後の輝かしい肯定へ向かって進む熱気は感動的です。
「ハイドンの主題による変奏曲」は各変奏での性格分けの巧さが光ります。メンデルスゾーンのスケルツォのように軽快な第5変奏、明朗な管楽による 第6変奏、上品でうきうきしただ第7変奏、不気味に音を抑えた第8変奏が、威厳に満ちた「聖アントニウスのコラール」を感動的に導きます。 (Ki)
LSO-0730
(10SACD)
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マーラー:交響曲全集

(1)交響曲第1番ニ長調「巨人」

(3)交響曲第2番ハ短調「復活」

(4)交響曲第3番ニ短調〜第1楽章

(5)交響曲第3番ニ短調〜第2−第6楽章

(6)交響曲第4番ト長調

(7)交響曲第5番嬰ハ短調

(8)交響曲第6番イ短調「悲劇的」

(9)交響曲第7番ホ短調「夜の歌」

(10)交響曲第8番「千人の交響曲」

(11)交響曲第9番ニ長調
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

(1)録音:2008年1月13日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.0
(2)録音:2008年6月5日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.0
(3)エレーナ・モシュク(ソプラノ) ズラータ・ブルィチェワ(メゾ・ソプラノ) ロンドン交響Cho
 録音:2008年4月20、21日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.0
(4)(5)アンナ・ラーション(Ms)、ティフィン少年Cho、ロンドン交響Cho
 録音:2007年9月24日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.0
(6)ラウラ・クレイコム(S)
 録音:2008年1月12日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.0
(7)録音:2010年9月26日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.1
(8)録音:2007年11月22日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.0
(9)録音:2008年3月7日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.0
(10)ヴィクトリヤ・ヤーストレボワ(S T 罪深き女)、アイリッシュ・タイナン(S U 贖罪の女)、リュドミラ・ドゥディーノワ(S V 栄光の聖母)、リリ・パーシキヴィ(Ms T サマリアの女)、ズラータ・ブルィチェワ(Ms U エジプトのマリア)、セルゲイ・セミシクール(T マリア崇拝の博士)、アレクセイ・マルコフ(Br 法悦の神父)、エフゲニー・ニキティン(Bs 瞑想の神父)、エルサム・カレッジCho 、ワシントン・コーラル・アーツ・ソサエティ、ロンドン交響Cho、録音:2008年7月9 & 10日セント・ポール大聖堂(ライヴ) 5.1
(11)録音:2011年3月2 & 3日バービカンホール(ライヴ) DSD 5.1
2007年収録の第6番でスタートし、2011年の第9番で完結したゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団によるマーラーの交響曲全集が、SACD Hybrid 盤10枚組のBOXセットとなって登場。分売リリース11枚分の収録内容はそのままに、収録順を組み換えることで枚数を抑えて、たいへんお買い得な 価格での御提供が可能となりました。 このシリーズは、すべてコンサートでの演奏をライヴ録音しているところにその特徴があり、実演における白熱の模様がストレートに肌で感じられるのも魅 力のひとつといえ、第6番や第7番などはその最たる例で、極端なテンポ設定や荒削りでユニークなアプローチも話題騒然となりました。 また、シリーズの大詰めの時期にあたる第5番と第9番では、同一プログラムを数多くこなしたのちに、周到な準備を経て収録に臨んだこともあり、完 成度の高さでもゲルギエフがロンドン交響楽団のシェフに就任して以来、屈指の成果を示しています。 マーラー・アニヴァーサリーに向けて台風の目となったゲルギエフ率いるロンドン交響楽団によるマーラー・シリーズ。ぜひとも、この機会にお確かめくだ さい。 (Ki)
LSO-0737(1SACD)
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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調op. 90
交響曲第4番ホ短調op. 98*
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

録音:2012年12月11日&18日
2012年12月12日&19日* 共にバービカンホール(ライヴ)
ゲルギエフとロンドン交響楽団が進めてきたブラームス・プロジェクトの完結篇。 ゲルギエフは、2012/13年のシーズンにロンドン響を指揮して、シマノフスキとブラームスの交響曲および声楽曲そのほかを対比上演するという試みを行 い、おおきな話題を集めました。このたび登場するブラームスのふたつの交響曲はいずれも2012年12月に集中的にライヴ収録されたもので、交響曲 第4番が、前半のシマノフスキの交響曲第4番とヴァイオリン協奏曲第2番に続いて演奏されたプログラム。交響曲第3番が演奏されたコンサートでは、 後半にハイドン変奏曲と、シマノフスキの交響曲第3番が演奏されています。  ゲルギエフのブラームスといえば、ロンドン響を指揮した前作の「ドイツ・レクィエム」もそうでしたが、熱っぽい部分にも事欠かないものの、どっしり と腰を落とした構えで、ある意味、正統的な、堂々たる演奏を展開していました。そこでは、ロンドン響から重厚なひびきを引き出して、充実ぶりと相性 の良いところをみせていたので、ブラームス円熟の様式美がふんだんに盛り込まれたこのたびの2曲にもおおきな期待をもって迎えられるところです。 (Ki)
LSO-0739(1SACD)
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シマノフスキ:交響曲第3番Op.27「夜の歌」
協奏交響曲(交響曲第4番Op.60)
スターバト・マーテルOp.53(ポーランド語歌唱)
トビー・スペンス(T)、
デニス・マツーエフ(P)、
サリー・マシューズ(S)、
エカテリーナ・グバノワ(Ms)、
コスタス・スモリギナス(Br)、
ワレリー・ゲルギエフ (指)
LSO&Cho
サイモン・ハルジー(合唱指揮)

録音:2012年12月、2013年3月 バービカン・ホール(ライヴ)
ゲルギエフとロンドン交響楽団は、昨2012年シーズンでシマノフスキとブラームスの交響曲を対比上演するという試みを行い ました。かたやポーランド近代、かたや純ドイツ・ロマン派と、交響曲を4篇残していること以外共通する点のないふたりの作曲家ですが、ゲルギエフにとっ て初レパートリーだけに興味津々。今回のアルバムはシマノフスキ作品のみ、ソリストとオーケストラのための3篇が収められています。
カロル・シマノフスキ(1882-1937)は近代ポーランドを代表する作曲家ですが、生まれ育ちはウクライナ。ロシア・ピアニズムの源流ゲンリヒ・ネイ ガウスが従兄弟、ホロヴィッツの師だったピアニストで作曲家のフェリクス・ブルーメンフェルトが叔父という、ロシア音楽史から見ても特別な家柄の出で す。それゆえか、彼の音楽はポーランドの演奏家のみならず、ロシアの大物たちに愛奏される歴史があり、リヒテルやオイストラフも素晴らしい録音を残 しています。
交響曲第3番「夜の歌」は、13世紀ペルシャの詩人ジャラール・ウッディーン・ルーミーの詩をドイツ語からの重訳でポーランド語訳された歌詞によ るテノールと合唱付きのオラトリオ風作品で、神秘的で扇情的な歌詞とスクリャービン風の官能性に満ちた音楽。この曲の初演は、1916年11月にアレ クサンドル・ジロティ(ラフマニノフの従兄のピアニストで指揮者)の指揮で予定されていましたが延期となり、1921年11月にロンドンにてアルバート・ コーツ指揮ロンドン交響楽団により行われました。コーツはロシア革命までマリインスキー劇場の首席指揮者を務めたゲルギエフの大先輩でもあり、同じ LSOを指揮しての演奏など、ゲルギエフならびにロシアとの縁の深さに興味津々。極めて大編成で、たくさんの声部による精緻を極めた織物ですが、まさ にゲルギエフの真骨頂、驚くべきバランス感覚と統率力で完璧に再現しています。独唱のトビー・スペンスはイギリスのテノール。明るくさわやかな美声が かえってこの作品の変態性を際立たせています。
交響曲第4番は、「協奏交響曲」と呼ばれるピアノとオーケストラのための作品。シマノフスキの晩年にあたる1932年に作曲され、親友の大ピアニス ト、アルトゥール・ルービンシュタインに捧げられました。通常のピアノ協奏曲よりもオーケストラの比重が高く、まさに立派な交響曲となっています。マツー エフの師ナセトキンはゲンリヒ・ネイガウスの弟子であり、まさに直系の独奏者。あいかわらずの物凄いテクニックで、ポーランド民俗舞曲に基づくフィナー レなど、プロコフィエフの音楽のようで鮮烈です。ここでもゲルギエフのバランス感覚とLSOの巧さが光ります。
1926年作の「スターバト・マーテル」は、宗教音楽ながらポーランドの民俗音楽の要素濃厚な、シマノフスキ後期の傾向が明瞭な作品。シマノフス キの古代趣味の表れのひとつである16世紀ルネサンス音楽への傾倒が見てとれます。独唱も合唱もポーランド語により、非常に感動的です。
ゲルギエフはシマノフスキの音楽について、「広く聴かれ、認められるのが当然なだけでなく、その音楽で20世紀音楽の発展をより良く理解する絶好の 機会だ」と絶賛しています。シマノフスキの交響曲第3番と4番はこれだけ持っていれば充分な決定盤の登場と申せましょう。
LSO-0744(1SACD)
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ターネイジ:残骸から
スペランツァ
ホーカン・ハーデンベルガー(Tp)
ダニエル・ハーディング(指)LSO

録音:2013年2月5、7日/バービカン・ホール(ライヴ)
ハーディングとロンドン交響楽団がターネイジ作品に挑戦しました。マーク=アンソニー・ターネイジは1960年生まれの英国 作曲家。ストラヴィンスキー、ブリテン、ヘンツェに私淑しながらマイルス・デイヴィスに傾倒、本物のモダンジャズを作曲できる数少ないクラシック作曲 家とみなされています。また、ホルストの「惑星」の続編として準惑星「ケレス(セレス)」を作曲しており、天体オタクからも注目されています。
「残骸から」は、2005年に名手ホーカン・ハーデンベルガーのために作曲されたトランペット協奏曲。通常のトランペットのほか、フリューゲルホルン、 ピッコロ・トランペット持ちかえ、暗闇から光明への葛藤を描いています。ジャズの要素も濃く、マイルス・デイヴィスが現代作品を吹くかのような趣となっ ていますが、ハーデンベルガーが驚愕の巧さで、鮮やかなテクニックと歌い回しが光ります。 2012の最新作「スペランツァ」は4楽章から成る40分の大作。タイトルは「希望」を意味するイタリア語ですが、内容はセーヌ川で自殺したルーマ ニア系ユダヤ人作家パウル・ツェラン(1920-1970)の文学を背景にしています。第1曲にはパレスチナの聖歌、第2曲にはイスラエルのわらべ歌、4曲 にはユダヤ民謡が引用されていますが、全体は映画音楽風で色彩的。
ハーディングもジャズ的なノリの良さ全開。いともカッコいい現代音楽となっています。 (Ki)
LSO-0748(1SACD)
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ブラームス:ドイツ・レクィエム サリー・マシューズ(S)
クリストファー・マルトマン(Br)
ロンドン交響Cho
サイモン・ハルジー(合唱 指揮)
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

録音:2013年3月30&31日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
2012/13年のシーズンに、ゲルギエフはロンドン響を指揮してブラームスとシマノフスキの作品を対比上演するという意欲 的なシリーズで話題を集めましたが、このたびLSO Liveに登場するブラームスの「ドイツ・レクィエム」は、2013年3月30日と31日に、シマノフス キの「スターバト・マーテル」(LSO0739)に続いて、後半に演奏されたプログラムになります。  ゲルギエフにはロッテルダム・フィルを指揮した「ドイツ・レクィエム」のライヴ映像作品がすでに知られており、2008年5月25日におこなわれたこ のときの模様は、1995年よりこの年まで13年に亘るゲルギエフの首席指揮者時代を締め括る最後のコンサートということもあってでしょうか。たいへん 熱のこもった指揮ぶりと並んで、世界最高峰と称されるスウェーデン放送合唱団の高水準の仕上がりがひときわ記憶に残るものでした。  いっぽう、ロンドン響との新盤でも、相変わらず声楽陣の優秀さが光ります。1966年にロンドン響の仕事を補完するために結成され、ロンドン響との これまでのレコーディングでも数多くのパワフルな演奏を聴かせてきたロンドン・シンフォニー・コーラスを率いるのは、当代超一級のコーラス・ビルダー として知られるサイモン・ハルジー。精緻で妙なるハーモニーはまさに、このひとならではのなせるワザといえます。  ともに英国出身のソリストのふたりも的を射たキャスティング。LSO Liveではおなじみのマシューズは、凛とした歌声がたまらなくチャーミング。リート に声楽曲、オペラと実績を積むマルトマンは、知的で濃やかな性格表現に長けていることをここでもあらためて強く印象付けています。  ゲルギエフ率いるロンドン響による「ドイツ・レクィエム」は、就任以来7シーズン目に入った首席指揮者のもとで、あらたな充実の時代を迎えている 楽団のいまをうかがい知るのに、またとない内容といえるでしょう。 (Ki)
LSO-0749(2SACD)
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ブリテン:歌劇「ねじの回転」 アンドルー・ケネディ(T 前口上,ピーター・クイント)
サリー・マシューズ(S 家庭教師)
マイケル・クレイトン=ジョリ(Bs マイルズ)
ルーシー・ホール(S フローラ)
キャサリン・ウィン=ロジャース(Ms グロース夫人)
キャサリン・ブロデリック(S ジェスル嬢)
リチャード・ファーンズ(指)LSO

録音:2013年4月16、18日、ロンドン(ライヴ録音)
2013年4月16、18日、ロンドンのバービカン・センターでブリテンの「ねじの回転」が演奏会形式で上演されました。本来、この上演はロンドン 交響楽団の前首席指揮者コリン・デイヴィスが指揮する予定でしたが、数ヶ月の体調不良の末、公演直前の4月14日に亡くなってしまいました。この上 演は図らずも追悼公演になってしまったのです。出演者たちの思いが一つになっていることは、録音を通しても実感できることでしょう。 代役指揮者はリチャード・ファーンズ。1964年生まれの英国の中堅指揮者。日本ではまだ知名度は低いでしょうが、北イングランド、リーズのオペラ・ノー スの音楽監督を2004年から務め、意欲的な上演を立て続けに成功させて名声を高めつつある人物。遠からず国際的人気指揮者になることでしょう。そ の冴えた劇場感覚はこの演奏からも十分伝わってきます。「ねじの回転」は2010年に演奏したことがあるそうです。 キャストは適材適所。家庭教師のサリー・マシューズは、LSOシリーズではお馴染みの英国のソプラノ。透明感のある美声がこの役にピタリです。ピーター・ クイントのアンドルー・ケネディは1977年、英国生まれの若いテノール。バロック音楽やモーツァルトのテノールとして人気が高い美声のテノールですが、 ミステリアスな雰囲気と声の張りにも不足はなく、クイントは当り役でしょう。重要な役であるグロース夫人には、英国のベテランのメッゾソプラノ、キャ サリン・ウィン=ロジャースを起用。そしてマイルズ少年はマイケル・クレイトン=ジョリ君が天使の声で歌っています。 デイヴィス追悼で聞くにしても、次世代のオペラ界の担い手を耳で知るにも、新しい世代の歌手を目当てにするも、いずれにしても注目の録音です。 (Ki)
LSO-0751(1SACD)
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ストラヴィンスキー:バレエ「ミューズを司るアポロ」
オペラ=オラトリオ「エディプス王」
ジェニファー・ジョンストン(S:イオカステ)
チュアート・スケルトン(T:エディプス王)
ギドン・サクス(Bs:クレオン)
ファニー・アルダン(語り)
モンテヴェルディ合唱団男声Cho
ジョン・エリオット・ガーディナー(指)LSO

録音:2013年4月25日& 5月1日/ロンドン、バービカン・ホール(ライヴ)
プロデューサー:ニコラス・パーカー
■LSOによるガーディナー生誕70年記念コンサート
2013年4月25日、「サー・ジョン・エリオット・ガーディナー生誕70年コンサート」と銘打たれたバービカン・ホールの公演で、ガーディナーはロ ンドン響(LSO)ならびに手兵モンテヴェルディ合唱団を指揮して、ストラヴィンスキーの「ミューズを司るアポロ」と「エディプス王」を取り上げました。  なお、公演に先立ち4月14日には楽団の功労者でプレジデント、サー・コリン・デイヴィスが惜しまれつつ世を去っており、ガーディナー祝賀の舞台 がはからずもデイヴィス追悼の式典ともなりました。
■ガーディナーとコリン・デイヴィス、そしてストラヴィンスキー
ガーディナーは当日の公演プログラムのなかで、サー・コリン・デイヴィスについて、次のように追悼の辞を寄せています。 「非常に多くのイギリス出身の音楽家たちと同様に、わたしはサー・コリン・デイヴィスの鼓舞と指導に負うところがたいへん大きい。わたしが、デイヴィ スの指揮のもと、バードとトムキンズの作品を初めて歌ったのが14歳のときだった。翌年、わたしは勇気を振り絞って、ホーランド・パークにあるデイヴィ スの自宅のドアを叩き『指揮者になるにはどうすればよいですか』と尋ねた。デイヴィスの答えはこうだった。『まずは一旦帰って、それから《春の祭典》 を勉強しなさい』と。わたしは、そうした。  ストラヴィンスキーはもちろん、サー・コリンが特別な親しみを抱いていた作曲家のひとりであり、わたしは彼の指揮した《3大バレエ》のすべて、協奏曲《ダ ンバートン・オークス》と2つの交響曲といったすばらしい録音を大切に心に留め置いている。  21歳の誕生日プレゼントにわたしは《エディプス王》のスコアをもらった。それから49年、残念なことにサー・コリンが世を去ってちょうど一週間が 経つけれども、初めてこの作品を指揮する機会を得たことをとても感謝している。しかも、サー・コリンのすばらしきLSOとわたし自身のモンテヴェルディ 合唱団との共演によって。  けれども、わたしがもっともサー・コリンを連想するのは、《ミューズを司るアポロ》なのだ。アポロは太陽の神、音楽の神、医術の神として有名だが、サー・ コリン自身はある種のアポロ神的な人物(Apollonian figure)だった。」
■ガーディナー率いるLSO、モンテヴェルディ合唱団によるストラヴィンスキー
ここ毎シーズン、LSOの定期公演への客演を重ねて好評を博しているガーディナーは、2011/12年のシーズンにはベートーヴェンの「合唱」&第 1番を指揮、このときもモンテヴェルディ合唱団を帯同して、ハンブルク、ハノーファー、ミュンヘンを巡るドイツ・ツアーを成功に導くなど、現在に至る LSOとの結び付きにはかなりのものがあります。  ちなみに、ガーディナー率いるLSOならびにモンテヴェルディ合唱団は、ストラヴィンスキー・プログラムを4月22日にブリュッセル、23日にパリ、 25日のバービカンを挟んで、28日にケルンでも演奏しており、これらの成果を盛り込む形で、最終的に5月1日のバービカンでのパッチ・セッションを経て、 このたびのアルバムは製作されました。  ガーディナーとコリン・デイヴィス、そしてストラヴィンスキー。あらためて、なんともふしぎな巡り合わせを感じさせますが、ほかでもない自身の記念 コンサートに臨むにあたり、指揮者の道を示してくれた師デイヴィス、ストラヴィンスキーの音楽へ思いを馳せていたガーディナーのこと、いつもの洗練さ れた美観のなかにもテンションの高い演奏内容を期待できそうです。 ガーディナーは、やはりLSOとモンテヴェルディ合唱団とを指揮して、1997年にオペラ《放蕩児の遍歴》、1999年に《詩篇交響曲》のセッション録音 をおこなってもいましたが、これまでのところガーディナーによるストラヴィンスキーといえば、もっぱら新古典主義的作風の演目で、そのすべてにすぐれ た演奏を聴かせていたというのも興味深いところです。 (Ki)
LSO-0752(1SACD)
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チャイコフスキー:弦楽セレナード.ハ長調op. 48
バルトーク:ディヴェルティメントSz. 113
ロマン・シモヴィチ(リーダー)
LSO弦楽アンサンブル

録音:2013年10月27日/ロンドン、バービカン・ホール(ライヴ)
ロンドン響の誇る弦楽セクションは、2014年に創立110周年を迎えた名門楽団の看板として、その実力を遺憾なく示してき ました。 たとえば、コリン・デイヴィスとは、崇高で深遠な表情を湛えたエルガー、透明で清澄な空気に包まれるシベリウスで、さらに、ゲルギエフのもとでは プロコフィエフやシマノフスキといったユニークなプログラムで、世界中の音楽ファンを魅了し続けているのは周知の通り。 このほどLSO弦楽アンサンブルがLSO Liveより堂々のデビュー。2013年10月にバービカンでおこなわれたコンサート前半の演目をライヴ収録した もので、美しく親しみやすい旋律の宝庫であるチャイコフスキーに、ソリッドなサウンドでアンサンブルの精度が否応なく試されるバルトークという、弦楽 合奏の魅力を伝える究極の組み合わせになります。  以下は、ゲルギエフのお気に入りで、アンサンブルを率いるロンドン響の若きリーダー、ロマン・シモヴィチによるレコーディングについての談話です。 「わたしは、LSO弦楽アンサンブルを指揮するとき、いつもゾクゾクする。たった数日間、信じられないほど精力的に取り組むだけで、チャイコフスキーの 弦楽セレナードとバルトークのディヴェルティメントの途方もなくゆたかな音色を習得したんだ。わたしたちは、自分たちの耳と反応を頼りに親密な室内楽 の響きを習得したかったんだ。プレーヤー誰もがこのレコーディングで各自の重要性と影響力を実感したし、わたしにとっては彼らのチームの一員であるこ とと、この録音に参加できたことはたいへんな名誉だよ。LSO弦楽アンサンブルはほんとうに特別なアンサンブルだ。」 (Ki)
LSO-0757
(1SACD
+Bluray-Audio)

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ベルリオーズ:序曲「ウェイヴァリー」Op. 1
幻想交響曲 Op. 14

■特典映像
ベルリオーズ:幻想交響曲 Op. 14(全曲演奏)
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

録音:2013年10月31日 & 11月14日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
[SACD : DSD5.1 surround stereo / 2.0 stereo]
[Pure Audio Blu ray : 5.1 DTS-HD Master Audio (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz)]

■特典映像
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO
収録:2013年11月14日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
ゲルギエフがロンドン響を指揮して、あらたにベルリオーズのシリーズをスタート。第1弾の「幻想交響曲」と序曲「ウェイヴァリー」は、2013年の秋、当 コンビがシーズンの目玉に掲げたベルリオーズ・プロジェクトにおける公演の模様をライヴ収録したものです。ゲルギエフ2度目の「幻想交響曲」は、ウィーン・ フィルを指揮した当時のフィリップスへのセッション・レコーディングが2003年でしたので、このたびは10年ぶりの再録音ということになります。  よく知られる通り、ベルリオーズはロンドン響にとって、この作曲家のエキスパート、サー・コリン・デイヴィスのもとで半世紀以上に亘って共に取り組んできた、 もっとも得意とするレパートリーのひとつ。膨大なディスコグラフィを構築する過程で、デイヴィス指揮でロンドン響は「幻想交響曲」について、2度もレコーディ ング(1963年セッション、2000年ライヴ)を果たすほどで、演奏内容はその音楽語法を体得してきた自負を感じさせる説得力の強いものでした。  ちなみに、ロンドン響はこの間、1967年にブーレーズ、1975&76年にプレヴィン、1977年にパイタ、1988年にフレモー、1989年にスクロヴァチェフスキと、 じつにさまざまな指揮者とも「幻想交響曲」のいくつもの個性的な演奏を生み出してもいました。  こうした背景を踏まえると、ここでのロンドン響との顔合わせはたいへん意味あるところで、いつにもましてゲルギエフにとって、おおきな強みといえそうですが、 ゲルギエフもまた、ベルリオーズに傾ける情熱にかけてはかなりのものがあります。  公演に先立って行われたインタビューでゲルギエフは、ベルリオーズの音楽の魅力について熱っぽく次のように語っています。 「ベルリオーズの響きはとても現代的で、とても新鮮で予測不可能なものなのです。書法は独自のスタイルで貫かれています。それこそがいつもわたしをベルリオー ズに惹きつけてやまないのです。」  ゲルギエフとロンドン響によるベルリオーズ・プロジェクトは、実質的には10月31日から11月17日までの2週間半と短期間ながら、本拠バービカン8公演と、 ヨーロッパ・ツアーを併せた全13公演が組まれ、当アルバムの2作品のほかにも、「イタリアのハロルド」、「ファウストの劫罰」、「ロメオとジュリエット」、歌曲集「夏 の夜」、カンタータ「クレオパトラの死」、「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲といった主要な作品が網羅的に演奏される大がかりで本格的なものでした。  本レコーディングに際して、ゲルギエフ自身は2013年5月に、もうひとつの手兵マリインスキー劇場管を指揮して「幻想交響曲」を演奏してもいましたし、 ロンドン響とは「幻想交響曲」と序曲「ウェイヴァリー」を11月8日にブルノ、9日にザンクト・ペルテン、10日にエッセン、16日にパリのサル・プレイエ ルでも取り上げていたことから、実演でのプログラムと並行して演奏内容を検証しつつ、集中してその解釈を掘り下げる機会にも恵まれていたとおもわれます。  「幻想交響曲」の演奏時間について。ウィーン・フィル盤との比較では、ロンドン響新盤は第1、第4楽章のすべての反復を実行して10分以上長くなっています。 このあたりにもゲルギエフの細部の情報に対するこだわりが垣間見えて、より踏み込んだアプローチを期待出来そうです。  なお、当アルバムではLSO Live初の試みとして、従来のSACDハイブリッド盤に加えて、同一の演奏内容を収めたピュア・オーディオ・ブルーレイ・ディ スクが同梱されます。お手持ちのブルーレイ・ディスク・プレーヤーで手軽に楽しめるハイスペックのフォーマットへの対応は、かねてよりオーディオ・ファイル からの要望も高かったのでなんとも嬉しい配慮といえるでしょう。  さらにボーナス映像として、ブルーレイ・ディスクのビデオ・パートには、本拠バービカンにおける11月14日分の「幻想交響曲」の全曲演奏が丸ごと収められ、 まさに至れり尽くせりの仕様となっております。 (Ki)
LSO-0762(2SACD)
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ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」 ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO
ギルドホール・スクール・シンガーズ
オリガ・ボロディナ(Ms)
ケネス・ターヴァー(T)
エフゲニー・ニキーチン(Bs-Br)

録音:2013年11月6、13日バービカン・ホール(ライヴ)
ゲルギエフとロンドン交響楽団は2013年10月31日から11月17日にかけてベルリオーズの管弦楽曲を網羅的に上演しました。 すでに第1弾として「幻想交響曲」(LSO 0757)が、第2弾「イタリアのハロルド」(LSO 0760)がリリースされ話題となりました。 待望の第3弾は劇的交響曲「ロメオとジュリエット」。交響曲の規模を拡大し、声楽まで動員した90分を要することはマーラーの先取を思わせます。オー ケストレーションも凝りに凝り、これ以上ゲルギエフ向きの作品は珍しいと申せましょう。 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」は1838年、失意の中にいたベルリーズに、パガニーニが勇気を与えた結果生まれた作品といわれています。印象 的なメロディも多く聴かせどころも多い作品で、ベルリオーズの最高傑作と評する向きもあります。 ゲルギエフは、チャイコフスキー、プロコフィエフが同じ題材で音楽化した作品の素晴らしい録音を残していますが、ベルリオーズは自身好きな作曲家 として高く評価しているだけに興味津々。この作品は描写音楽ではなく、あくまでベルリオーズの妄想上の「ロメオとジュリエット」で、聴き手を徐々にお かしな世界へと誘います。 (Ki)

LSO-0766
(8SACD+4CD
+1DVD)
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コリン・デイヴィス/LSOライヴ録音選集

(1)ベルリオーズ:幻想交響曲

(2)ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

(3)ベルリオーズ:序曲「宗教裁判官」o

(4)ベルリオーズ:テ・デウム

(5)シベリウス:交響詩「大洋の女神」

(6)ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番

(7)ベルリオーズ:歌劇「トロイアの人々」

(8)エルガー:エニグマ変奏曲op.36

(9)エルガー:序奏とアレグロop.47

(10)シベリウス:交響曲第2番ニ長調

(11)シベリウス:交響幻想曲「ポホヨラの娘」

(12)ティペット:オラトリオ「われらが時代の子」

(13)ウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」

(14)ウォルトン:交響曲第1番変ロ短調

■特典DVD
ドキュメンタリー「The Man Behind the Music」
全て、コリン・デイヴィス(指)LSO

(1)※初SACD化
 録音:2000年9月29−30日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(2)※初SACD化
 録音:1999年9月ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(3)※初出
 録音:2006年9月27&28日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(4)※初出
  コリン・リー(T)、ロンドン交響Cho、エルサム・カレッジCho
 録音:2009年2月22&23日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(5)※初出
 録音:2008年6月29日&7月2日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(6)※初出
 録音:2008年9月24日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(7)ベン・ヘップナー(T)、ミシェル・デ・ヤング(Ms)、ペトラ・ラング(Ms)、サラ・ミンガルド(A)、ペーテル・マッテイ(Br)、スティーヴン・ミリング(Bs)、ケネス・ターヴァー(T)、トビー・スペンス(T)、ロンドン交響Cho 録音:2000年12月3、6、7日&9日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(8)録音:2007年1月6&7日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(9)録音:2005年9月23日&12月9日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(10)録音:2006年9月27&28日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(11)録音:2005年9月18日&10月9日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(12)インドラ・トーマス(S)、藤村実穂子(A)、スティーヴ・ダヴィスリム(T)、マシュー・ローズ(Bs)、ロンドン交響Cho
 録音:2007年12月16&18日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(13)ピーター・コールマン=ライト(Br)、ロンドン交響Cho
 録音:2008年9月28&30日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
(14)録音:2005年9月23日&12月4日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)

■特典DVD
※初出
 監督:ライナー・モリッツ
 字幕:日仏独伊西
※ベルリオーズの「トロイアの人々」のみ通常盤CD。他全てSACDハイブリッド盤。
記念すべきLSO Live最初のカタログ番号もデイヴィス指揮のドヴォルザー クの「新世界交響曲」(LSO0001)でしたが、栄誉ある100番目のリリースもやはり、楽団の最大の功労者であるかれのために用意されました。  この13枚組のセットは、サー・コリンのLSO Liveに対する功労のみならず、もっと正確に言えば、数十年間を通してのLSOとの関係に敬意を表す るべく編まれたもの。アンソロジーといっても、既発タイトルの寄せ集めではなく、うれしいことに録り溜めてあったお宝音源のなかから選りすぐりの初出 タイトルがいくつも盛り込まれているところが見逃せません。  さらに、特典DVDのドキュメタリー映像もまた初公開となる貴重な内容で、デイヴィスとその音楽を愛してやまないかたにとって、まさしくこれは文字 通り永久保存版といえるでしょう。  なお、完全限定生産品とのことですのでお早めにお求めいただきますようお願い致します。
【得意のベルリオーズとシベリウスの初出音源】
 デイヴィスがライフワークとしてもっとも得意としていたベルリオーズとシベリウス。2009年収録の「テ・デウム」は、生前最後のリリースとなった 2012年の「レクィエム」に至る、ベルリオーズ・プロジェクトの一環として演奏されたもの。また、序曲「宗教裁判官」はシベリウスの第2交響曲と同 日の録音で、そのシベリウスの交響詩「大洋の女神」は第4交響曲(LSO0601)と同日のライヴ・レコーディング。すべてファンのあいだでリリースが 待たれていたものです。
【初録音となるヴォーン・ウィリアムズの第4交響曲】
 エルガー、ウォルトン、ティペットと、英国音楽のスペシャリストの面目躍如たるところを示してきたデイヴィス初の取り組みとしておおいに注目されたの が、ここでのヴォーン・ウィリアムズの第 4 交響曲でした。  この作品は第2次大戦前夜のヨーロッパを取り巻く不穏な空気を強く反映した内容で、デイヴィスがまだまだ元気だった時期の演奏ということで、その 仕上がりにもおおいに期待が持てそうです。
【「新世界」と「幻想」を初SACD化】  
さらに、レーベル黎明期のタイトルで、リリース以来このかたたいへん好評な「新世界交響曲」と「幻想交響曲」を、装いもあらたにSACDハイブリッ ド盤化。音質の飛躍的な向上が期待され、演奏の感銘もいっそう深まるものとおもわれます。
【初公開のドキュメンタリー映像】  
特典映像のDVDもまた、初めて日の目をみる興味深い内容。「The Man behind the Music(音楽を支え続けてきた人物)」と題されたドキュメンタリー には、マエストロ最後の公式声明と、サー・デイヴィッド・アッテンボロー、サー・サイモン・ラトル、ロジャー・ライトらの発言が収められ、ハイライト はマスタークラス、オペラ、コンサートにおける仕事ぶりと、カメラ目線のトークで、音楽家たちを支え続けてきたことをあきらかにしています。監督は、ドキュ メンタリー「ピンク・フロイド/ライヴ・アット・ポンペイ」や、小澤征爾指揮の「ジャンニ・スキッキ」「スペインの時」の音楽映像作品などを手掛けた プロデューサー、ディレクターであるライナー・モリッツ。
【資料価値大、貴重な写真満載で充実のブックレット】
 ドキュメンタリー映像とタイトルも同じ、52ページの付属ブックレットは、デイヴィスの生涯、LSOとのあゆみ、デイヴィス語録集、1961年から 2012年にかけてLSOと構築したディスコグラフィ(アルファベットによる作曲家順)、楽譜や手紙の画像などから構成された資料的価値の高いもので、 さらに、学生時分のクラリネットを吹く姿に始まり、プライベート・ショットを含むさまざまな時代のデイヴィスの表情はもちろん、ゆかりの深かった作曲 家ティペット、ピアニスト内田光子らとの貴重な写真もふんだんに収められ、たいへん充実したつくりとなっています。 (Ki)
LSO-0767(1SACD)
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ピーター・マクスウェル・デイヴィス:交響曲第10番op. 327「アラ・リチェルカ・ディ・ボッロミーニ」(2013-14)*
アンジェイ・パヌフニク:交響曲第10番(1988)
マルクス・ブッター(Br)*
ロンドン交響Cho* 
アントニオ・パッパーノ(指)LSO

録音:2014年2月2日ロンドン・バービカン・ホール(世界初演ライヴ)*
2014年10月19日ロンドン・バービカン・ホール(ライヴ)
LSO Liveの新譜は、現代イギリスを代表する世界的な作曲家のひとり、ピーター・マクスウェル・デイヴィスの交響曲第10番。80歳の誕生日を作 曲者が迎える2014年2月におこなわれた世界初演時の模様をライヴ収録したもので、指揮はこれがLSO Live初登場となるアントニオ・パッパーノが 担当しています。 作曲者自身「わたしの書いた作品のなかで、もっとも激しい音楽」と述べるこの曲は、17世紀に実在した建築家フランチェスコ・ボッロミーニの物語を 描いた演奏時間42分ほどの作品。イタリア・バロックを代表する建築家でありながら、ボッロミーニは特異な建築であまたの批判に苦しんだ末に、不幸 にも自殺を遂げています。 ちなみに、マクスウェル・デイヴィスがこの人物をテーマにするのは2度目で、前回2001年から2007年に作曲された弦楽四重奏の連作10曲のうち、「ボッ ロミーニに寄せるメタフォーレ」と題された第 7 番でも取り扱っていましたので、その思い入れの深さも窺い知れるところです。バリトン独唱と合唱を擁し、 オラトリオやカンタータを思わせるこの交響曲でも、ボッロミーニの建築理念と数学的原理が全曲に浸透し、創造性、生と死、そして再生について語られ ます。 ロンドン響、ローマ聖チェチーリア国立音楽院管、チャイコフスキー記念交響楽団による共同委嘱作品として作曲された交響曲第10番ですが、指揮のパッ パーノといえば聖チェチーリア国立音楽院管現音楽監督。もともとロンドン出身で、2002年に就任したロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督の活動と並 行して、ここ毎シーズン登場して好評を博すロンドン響とはすでに20年来の親密な間柄となれば、ここで初演の大役を果たすにふさわしいのは、このひ とをおいてほかにいないでしょう。パッパーノは作品と作曲者について次のように賛辞を寄せています。 「マックスがこの作品について説明したときに、私はそのドラマティックな内容にとても強く引きつけられました。かれはこの曲の大部分を病院で書きました。 白血病と診断され、長期間治療を受けていたので、曲はとてつもない哀愁が強烈に漂い…作品に知識の持つ力と確信をもたらしているのです。」 この言葉のままに、作曲者が込めた迫真のメッセージに対するパッパーノの熱い共感が伝わるこのアルバム。現時点で本作品の唯一のレコーディングとな ります。 カップリングは、アンジェイ・パヌフニク作の同じく交響曲第10番。こちらはマクスウェル・デイヴィスの世界初演より8か月あまり、2014年10月の パヌフニク生誕100周年記念コンサートにおけるライヴ・レコーディングとなっています。 母国ポーランドから亡命、1991年に世を去るまでのほぼ半世紀に亘る後半生をイギリスで終えたパヌフニクは、生前からロンドン響にとってゆかりの深 い作曲家であっただけでなく、現在も、楽団はカミラ未亡人の協力のもと「LSOパヌフニク・スキーム」を通じて、毎年有望な若手作曲家6名を選出し て作品発表の機会を設け、偉大な作曲家の業績を特別に讃えていることで知られます。 シカゴ響創設100周年記念委嘱作として、1988年に作曲された交響曲第10番は、パヌフニクのほかの数多くの作品と同様に、独特の簡潔な表現が特 徴的で、この場合にはフィボナッチ数列ですが、幾何学の影響を受けています。 さらに、その人間性と激しくも奥深い音楽の才能とを伝えるため、パヌフニクが配分した、グループ化されたさまざまな楽器の組み合わせによって、極上 のサウンド・クオリティを獲得しているのも、この交響曲の魅力。 全曲は4つのセクション(ラルゴ−アレグロ・モデラート−プレスト−アダージョ)に分かれていますが単一楽章形式により切れ目なく演奏されます。不 穏なブラスの咆哮で幕を開ける、この交響曲の最初の部分は、ある種の嘆願の性格を持つもの。続く瞑想的性格のセクションはクライマックスへと次第に 高まりつつ、突如、打ち切られ、弱音の弦の振動のみが残ります。その後、祈願するようなセクションが現れ、消え入るように閉じられます。 (Ki)
LSO-0770(2SACD)
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スクリャービン:交響曲第1番ホ長調Op.26
第2番ハ短調「悪魔的な詩」Op.29/
ワレリー・ゲルギエフ (指)LSO
エカテリーナ・セルゲイエワ(Ms)
アレクサンドル・ティムチェンコ(Br)

録音:2014年3月30日、4月10日*バービカン・ホール(ライヴ)
ゲルギエフとロンドンSOは2014年3月から4月にかけて彼としては初めてスクリャービンの交響曲全5篇を上演しました。 昨秋に第1弾として第3番と「法悦の詩(第4番)」をカップリングでリリース (LSO0771)し、話題となりました。 どちらもスクリャービン初期の作品ですが、若き日に大のワグネリアンだった影響に加え、交響曲の規模を拡大し、声楽まで動員している点はマーラー を思わせます。ゲルギエフの得意とする音楽の集大成した感があり、これ以上彼向きの作品は珍しいと申せましょう。 交響曲第1番は1899-1900年の作で、全6楽章50分の大曲。第5楽章にはメゾソプラノとバリトンの独唱、終楽章には混声合唱が起用されています。 歌詞はスクリャービン自身のよるロシア語の芸術讃歌で、マーラー風な響きと充実度に満ちていますが、編成が大きいため演奏頻度は多くありません。こ の曲がついにゲルギエフの演奏で登場。絶妙なバランスでオーケストラと声楽を統率、若きスクリャービン独特の鮮烈な叙情と、不思議な光に満ちた世界 から、感動的なクライマックスに導きます。この秋、マリインスキー・オペラで来日予定のセルゲイエワが説得力満点な歌唱を聴かせます。★交響曲第2番は全5楽章の純器楽作品。メシアンを先取りしたような、延々と鳥の囀りを描写した第3楽章が独特。フィナーレはワーグナー風のロシ ア音楽で、カッコ良さの極み。初演当時は酷評されましたが、ゲルギエフの演奏で聴けば、チャイコフスキーの伝統上にある魅力的な交響曲であることを 再認識させられます。 (Ki)
LSO-0771(1SACD)
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スクリャービン:交響曲第3番ハ短調op. 43「神聖な詩」
交響曲第4番op. 54「法悦の詩」
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

録音:2014年3月30日(第4番)、2014年4月13日(第3番)/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
ゲルギエフとロンドン響は、2014年3月から4月にかけて「ミュージック・イン・カラー」と題して、スクリャービンの5つの交響曲を取り上げました。 「法悦の詩」と「神聖な詩」はその公演のライヴ録音からのSACD化で、ゲルギエフが首席指揮者としての最後の在任期間にリリースされるもっとも重 要なプロジェクト、スクリャービンの交響曲全集シリーズ第 1 弾となります。
ゲルギエフはスクリャービンについて、公演前のインタビューで次のように述べています。 「スクリャービンは偉大なるロシアの作曲家です、(中略)かれは自身の世界から生まれた、独自の表現を明確に持つ作曲家なのです。まったく独自のソノ リティを見つけ、そのさまざまな色彩を聴き取る能力は伝説的でした。今日、スクリャービンは驚くほど魅惑的な音楽世界を創造することが出来た人物と して理解されるべきで、まさにそう認めずにはいられません。わたしたちはこれらの作品と創作者の不思議な力によって魅入られずにはいられないのです。」
ゲルギエフとロンドン響の顔合わせによる初のスクリャービン・アルバム。そもそも、神秘性と官能系音楽という点で、ほとんど同傾向のシマノフスキの シリーズで空前絶後の名演を繰り広げた当コンビだけあって、スクリャービンとの相性が悪かろうはずがありませんが、じっさい、ハマり過ぎのプログラム としか言いようがありません。ゲルギエフにとって「法悦の詩」は、1999年7月のマリインスキー劇場管との録音があったので、13年ぶりの再録音とな りますが、あらためてゲルギエフの濃厚な表現と、ロンドン響のポテンシャルの高さに感心することしきりのとんでもない内容となっています。
交響曲第3番「神聖な詩」は、3つの楽章それぞれに「闘争」「悦楽」「神聖なる遊戯」という副題が付けられ、傾倒していたニーチェの超人哲学の 影響を指摘される作品。さらに、そこから神秘主義へと向かった先の交響曲第4番「法悦の詩」は拍節感も調性もあいまいとなって、スクリャービンの 代名詞ともいえる「神秘和音」を使用した、妖しく幻想的なムードに包まれた音楽。ゲルギエフの云う、個性的な手法が一気に開花した中期の作と、まっ たく独自の語法を確立した後期の代表作という組み合わせは、シリーズの輝かしいスタートにふさわしいものといえるでしょう。 (Ki)
LSO-0779(1SACD)
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ラフマニノフ:交響曲第3番
バラキレフ:交響詩「ロシア」
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

録音:2014年11月11 & 13日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
ラフマニノフがロシアを遠く離れ、およそ20年近くを経た1935年から36年にかけて亡命先のルツェルンで書き上げた交響曲第3番は、切々と迫る抒 情と熱くたぎる激情にあふれ、抑えることのできない祖国への思いが色濃く投影された作品。 当コンビによる前2作の並外れた出来栄えを知れば、ここでも期待は高まるところですが、たっぷりと重厚な響きを引き出した第1楽章開始からまもなく、 どこか懐かしくもあるメロディが現れると、早くもこれは大当たりの予感、第2楽章に入ると確信へと変わります。ハープに乗せて朗々と歌い出すホルンに つづいて、独奏ヴァイオリンに導かれる甘美でせつない弦楽の調べが押し寄せるアダージョ・マ・ノン・トロッポ。まさに交響曲第2番第3楽章の再現 ともいうべき美に浸れます。さらに、ラフマニノフのトレードマークともいえるグレゴリオ聖歌「怒りの日」が効果的に使われ、交響的舞曲との相関も指 摘されるフィナーレもやはりゲルギエフのうまさが全面に出た場面といえるでしょう。 カップリングはバラキレフの交響詩「ロシア」。自作の「ロシアの主題による序曲第2番」をバラキレフが改訂したもので、ヴォルガ河流域を調査して収集 した3つの民謡(ゆったりした婚礼の歌とふたつの輪舞)をもとに、作中では素材として自在に扱われています。民俗色ゆたかな親しみやすい内容で、こ ちらも雰囲気満点の演奏が楽しめます。 なお、ゲルギエフ指揮ロンドン響の演奏によるラフマニノフの交響曲シリーズは2016年春に完結予定とのことです。 (Ki)
LSO-0781(1SACD)
ラフマニノフ:晩祷Op.37 サイモン・ホールジー(指)
ロンドン交響楽団Cho

録音:2014年11月26日/バービカン・ホール(ライヴ)
LSOシリーズとは言っても、ロンドン交響楽団合唱団のアルバムで、オーケストラは全く出てきません。 ラフマニノフは帝政末期の1915年にロシア正教の奉神礼用の晩?を作曲しました。当時彼はピアニストとして世界的に活躍し、作曲家としても合唱交 響曲「鐘」や練習曲「音の絵」など、近代作曲技法を駆使した複雑な作品を発表していました。作曲家として「ロシアに於ける西欧派」とみなされてい た彼が、ロシア音楽の神髄である正教会の宗教曲に手を染めているのは意外ですが、伝統にのっとって見事な作に仕上げています。
指揮者、合唱団ともに非ロシアの音楽家ですが、さすがゲルギエフに鍛えられているだけあり、ツボをおさえたロシア色に感心させられます。ピアノの 名手だったラフマニノフの声楽書法は、どこかピアノ的な発想があるとされますが、ロンドン交響楽団合唱団の正確な演奏は驚異的。声だけの世界からフ ルオーケストラに匹敵する響きと表現力を引き出しています。 (Ki)

LSO-0782
(2SACD hybrid
+ 1Pure Audio Bluray)

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シューマン:オラトリオ「楽園とペリ」op. 50 サリー・マシューズ(S:ペリ)
マーク・パドモア(T:語り)
ケイト・ロイヤル(S)
ベルナルダ・フィンク(A)
アンドルー・ステイプルズ(T)
フローリアン・ベッシュ(Bs-Br)
ロンドン・シンフォニー・コーラス、
サイモン・ハルシー(合唱指揮)
サー・サイモン・ラトル(指)LSO

収録:2015年1月11日ロンドン、バービカン・ホール(ライヴ)
2017/18年シーズンよりロンドン響の音楽監督に就任するサー・サイモン・ラトルが、これに先駆けてLSO Liveに堂々の初登場を果たします。 大注目のプログラムはシューマンの大作「楽園とペリ」。2015年1月に本拠バービカンで行なわれたばかりの公演をライヴ収録したもので、SACDハイ ブリッド盤 2 枚組に加えて、ピュア・オーディオ・ブルーレイ・ディスクも同梱されるという、たいへん力の入ったつくりとなっています。 1843年に完成したシューマンの「楽園とペリ」は、ペルシャ神話のエキゾチックで色彩豊かな物語から、アイルランドの詩人トマス・ムーア(1779-1852) が生み出した叙事詩「ララ・ルーク」に基づく作品で、19世紀のオリエンタリズム(東洋趣味)の大流行を反映しています。この世俗オラトリオでは、 罪をおかした妖精ペリが楽園から追放され、数々の試練を乗り越えた末にやがてふたたび楽園へと救済される過程を描いてゆきます。  シューマンが友人に宛てた手紙によると、  「私は今、大きな計画に夢中です。今までで最も大きいものですが、オペラではありません。それがほとんど新しいジャンルだと私は確信しています。」  この自信に満ちた言葉そのままに、この曲はシューマンの時代に作曲されたいかなるオラトリオとも異なるものです。  「(「楽園とペリ」は)あなた方がこの曲を聴くまで耳にしたことがなく、今でも、他にほとんど存在しないようなレベルの大傑作です...。考えてもみてく ださい。これはまさにすごいことで、全く例外的なことなのです。この曲は、シューマンの生涯において、それまでに作曲した作品の中で最も人気があり、 際限なく演奏されました。あらゆる作曲家がこの作品を愛しました。ワーグナーは、シューマンが成し遂げたことについて、自分がやってみたかったこの 主題を奪ったことについて、どれほど嫉妬したか、それが、どれほど特別なことであったことかを書き記しています。それは、作曲家にとっての競いの場で あり、作品は特別なものでした。」  このように熱く語るラトルは「楽園とペリ」に心底魅了されたひとり。ラトルはすでにベルリン・フィルの2009年2月の定期公演でもこの曲を取り上 げていますが、鍵を握る声楽陣については、このたびほぼ同一のキャストというのも興味深いポイントといえそうです。併せて、ベルリン・フィルによる「マ タイ」&「ヨハネ」の福音史家役で絶大なる存在感を示してラトルの信頼厚いパドモアを筆頭に、ベッシュ、合唱とここであらたに参加した強力な顔触れ をみても、このたびのレコーディングに万全の布陣で臨むラトルの意気込みのほどがうかがえます。 なにより、ラトルに応えるロンドン響のみずみずしい響きと、三部構成演奏時間一時間半近い長丁場を持続するテンションの高さからは、英国の誇る巨匠 を迎えて音楽する歓びがひしと伝わってくるようです。 ラトル=シューマンといえば、2013年にベルリン・フィルを指揮してライヴ収録した交響曲全曲の高評価も未だ記憶に新しいところ。ロンドン響との門出 に選ばれた「楽園とペリ」は、ラトルが「家に帰るようなもの」とコメントした新たなパートナーとの輝かしい今後に期待をつなぐリリースといえるでしょう。 (Ki)
LSO-0784(1SACD)
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ラフマニノフ:交響曲第1番ニ短調Op.13
バラキレフ:交響詩「タマーラ」
ワレリー・ゲルギエフ(指)LSO

録音:2015年2月19日 バービカン・ホール(ライヴ)
ゲルギエフとロンドン交響楽団によるラフマニノフの交響曲シリーズがついに完成。交響的舞曲を含むラフマニノフの大作がゲ ルギエフの演奏で揃いました。 ゲルギエフの演奏は驚くべき凄さ。交響曲第1番はラフマニノフの野心作でしたが、1897年に行われた初演が未曾有の大失敗に終わり、ラフマニノフ は重いノイローゼとなり作品は封印されました。今日録音はかなりあるものの、交響曲第2番などと比べ甘いメロディもなく、尖った作品のイメージがあ ります。しかしゲルギエフの演奏は、初めて聴くかのように新鮮。全体にいびつな感じはなく、むしろラフマニノフならではのしなやかで繊細なフレージン グが息づいています。 ラフマニノフ独特な推進力に満ちたアレグロも絶妙。ピアノの難しいパッセージ風な楽句も、LSOの名人芸で曖昧さ皆無の完璧さ。またしばしばゴージャ スなサウンドが響き、ラフマニノフの優れたオーケストレーションを再認識させてくれます。 圧巻はフィナーレの長いコーダ。一切ダレることなく、かえって栄光さえ感じさせ感動的。この作品の先入観を一変させてくれます。 カップリングはバラキレフの交響詩「タマーラ」。ゲルギエフの故郷カフカスの音楽素材を用い、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」を先取り するようなオリエンタリズムの世界を描いています。バラキレフ独特のボルテージの高さがゲルギエフにぴったり。めくるめく極彩色の絵巻として楽しめます。 (Ki)
LSO-0786(1SACD)
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シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D810「死と乙女」(マーラー編曲による弦楽オーケストラ版)
ショスタコーヴィチ:室内交響曲ハ短調 op.110a(バルシャイによる弦楽四重奏曲第8番の編曲)
LSO弦楽アンサンブル
ロマン・シモヴィチ(リーダー)

録音:2015年4月26日/ロンドン、バービカン・ホール(ライヴ)
ロンドン響のコンサートマスター、ロマン・シモヴィチ率いるLSO弦楽アンサンブルによる第2弾アルバムでは、ふたつの傑 作カルテットの弦楽合奏版が取り上げられています。  弦楽合奏版編曲によるシューベルトの「死と乙女」は、すぐれた指揮者であったマーラーのたしかなセンスを証明するもので、変奏曲での慟哭表現、 死神に追い立てられるかのような切迫した終楽章など、凄みと深みが一段と増した内容です。  ショスタコーヴィチのお墨付きを得たバルシャイ編曲による弦楽四重奏曲第8番もまた、オリジナルの性格を際立たせるもの。1960年にわずか三日間 で書き上げられたこの曲は、自身の名前のイニシャルをもじった音型を全曲の中心主題に扱うとともに、共通の音型主題を用いた交響曲第10番といった 自作の数々や、チャイコフスキーの「悲愴」の主題引用でも知られるいわくつきの作品で、当時のひどく落ち込んでいた精神状態を反映しているといわれます。  その陰鬱なムードと緊迫感がそのまま投影された第1、第4、第5楽章のラルゴを聴くと、ヴァイオリニスト、ヴィオリストとして弦楽四重奏に精通し、 指揮者としてモスクワ室内管を組織したバルシャイによるアレンジの意味が強く理解されます。さらにここでは首席指揮者ゲルギエフを通じてショスタコー ヴィチの語法を体得したことが、当アンサンブルの演奏に説得力を与えているようにおもわれます。  鋭い切れ味を聴かせたデビュー盤「チャイコフスキー&バルトーク」とともに、柔軟で表現レンジの広いロンドン響弦楽セクションの魅力を味わえる一 枚です。 (Ki)

LSO-0789
(1SACD+Bluray-Audio)
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ニールセン:交響曲全集(全6曲) ルーシー・ホール(S)
マーカス・ファーンズワース(Br)
サー・コリン・デイヴィス(指)LSO

録音:2011年10月2 & 4日(第1番)、2011年12月4 & 6日(第2番)、2011年12月11 & 13日(第3番)、2010年5月6 & 9日(第4番)、2009年10月1 & 4日(第5番)、2011年5月26 日& 6月2日(第6番)/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
長年シベリウス演奏のエキスパートとして名を馳せたコリン・デイヴィスが、もっとも信頼を置くロンドン響を指揮して、シベリウスと等しく北欧有数の交響 曲作家である「ニールセンの交響曲全集」を初めて完成させたのは、巨匠最晩年の2009年から2011年にかけてのことでした。 2015年のニールセン・アニヴァーサリーを迎えるにあたり、これをよりお求め易い価格でセット化。さらに、5.1 DTS-HD Master Audio 24bit/192kHz と 2.0 LPCM 24bit/192kHzの音声を収録したピュア・オーディオ・ブルーレイ・ディスクが付属するという、オーディオファイルに は見逃せないポイントつきでのリリースとなります。  演奏内容は、年輪を重ねてなおますます意気盛んなデイヴィスのもと、巨匠に心からの敬意と信頼を寄せるLSOの充実しきった音響がひときわ印象的なも ので、ここでの功績によりデイヴィスは、デンマーク大使を通じて由緒あるダネブロー・コマンダー勲章(Commander of the Order of the Dannebrog) を叙勲されています。  なお、装丁はカートン・スリーヴ入りのディジ・ボックス仕様を予定しております。(※ご自宅のホームネットワークを使用してブルーレイディスク内の WAV、MP3ファイルを直接対応機器にダウンロードできます。ご自宅のネットワークの設定環境により操作方法等が異なる場合がございます)
【演奏のレビューから】
「ニールセンの音楽は、LSOのために書かれたとおもっていいかもしれません。つまり、オーケストラの強靭なサウンドと自由な精神のテンペラメントは、こ のシンフォニーにおける名手の要求と本能的なダイナミズムとに適っているからです。デイヴィスもまた、ベートーヴェン流の対立の構図をニールセンの音楽 に見出しています。デイヴィスは、シンフォニーのタイトル、“滅ぼし得ざるもの” に値するヴァイタリティで、作品を指揮しました」(フィナンシャル・タイムズ) 「(交響曲第5番は)ほとんど聞き取れないものから非常に大きな音まであらゆるダイナミックレンジを示し、広範囲にわたる音色を提示します。オーケストラ の各セクションには見せ場が用意されていますが、けれども第1楽章を通してずっと絶え間なく続くスネアドラム・ソロ(ニール・パーシーが勇気と賞賛に値 する技術で示した)と、同じく終結部での美しいカデンツァ風のクラリネット・ソロ(アンドルー・マリナーによってみごとに奏でられた)とはおそらくもっと も忘れられない瞬間です。サー・コリン・デイヴィスは、このうえなく献身的な取り組みと興奮のパフォーマンスという点で秀でていました。」(ミュージカル クリティシズム・ドット・コム)

LSO-0790
(3SACD
+Bluray Disc Audio)

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ドビュッシー:歌劇「ペレアスとメリザンド」 サイモン・ラトル(指)LSO
ロンドンSOchocho
メリザンド:マグダレーナ・コジェナー(S)
ペレアス:クリスティアン・ゲルハーヘル(Bs)
ゴロー:ジェラルド・フィンリー(Bs-Br)
ジュヌヴィエーブ:ベルナルダ・フィンク(Ms)他

録音:2016年1月9-10日、バービカン・ホール(ライヴ)、DSD128fs
ラトル&LSOの注目コンビが放つ、豪華キャストによる2016年1月の「ペレアスとメリザンド」ライヴの登場。バービカンで「ペレアスとメリザンド」 が演奏されたのは20年以上ぶりのことだったといいます。ラトルとLSO、そして豪華歌唱陣による繊細な色彩に満ちた演奏は絶賛され、現地では「LSO Liveからの(当ライヴの)発売が待ち遠しい」(The Times誌など)という評も出ていました。(当日はピーター・セラーズ演出によるセミ・ステージ形 式で演奏されましたが、ここではSACD Hybrid、およびブルーレイ・オーディオでの発売となります)
アルモンド国の王子ゴローは、迷い込んだ森で、メリザンドと名乗る不思議な女性に出会い、彼女に魅かれる。祖父である王アルケルの許しを得て、ゴロー はメリザンドと結婚する。だが、メリザンドは同じ城に住んでいたゴローの弟ペレアスと次第に親交を深めていく。ゴローはペレアスとメリザンドの密会場 面を目撃し嫉妬に狂ってペレアスを殺害してしまう。その時に負った、小鳥でも死なないような小さな傷によってメリザンドも死んでしまう。という物語に つけたドビュッシーの官能的で繊細にしてミステリアスな音楽を、ラトルはあたたかみのあるLSOのサウンドを存分に活かして響かせています。そして豪 華キャスト陣による美しい歌唱も完璧。ラトル&LSOの今後がますます楽しみでなりません。 (Ki)
LSO-0792(1SACD)
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エルガー:序奏とアレグロ
ヴォーン・ウィリアムズ:ファンタジア
ブリテン:フランク・ブリッジの主題による変奏曲
LSO弦楽アンサンブル
ロマン・シモヴィチ(リーダー )

録音:2015年2月3日、バービカン・ホール(DSD128fs)
ロンドン響の誇る弦楽セクション、LSO弦楽アンサンブルのLSO Liveレーベル第3弾の登場。英国作曲家エルガーに始まり、ヴォーン・ウィリアムズ、 ブリテンと、英国作曲家の作品が並んだプログラムです。LSOにとって自家薬籠中の作品といえる「序奏とアレグロ」は、まるでLSO弦楽アンサンブル のために書かれたかのような綿密かつ濃厚な演奏。ヴォーン・ウィリアムズのファンタジアは、トマス・タリスの主題にもとづいており、高貴な世界をたの しめます。そして20世紀の弦楽アンサンブル作品の金字塔のひとつともいえるブリテンの変奏曲は、高度なアンサンブル、超絶技巧のソロが魅力。LSO 弦楽セクションの実力が遺憾なく発揮されたアルバムとなっています。 (Ki)
LSO-0798
(1SACD
+1Blu-ray Disc Audio)

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トマス・アデス(b.1971):作品集
Asyla アサイラ op.17 (1997)
Tevot テヴォット(2005-2006)
Polaris ポラリス(オーケストラのための) op.29(2010)
ブラームス(2001)
トマス・アデス(指)LSO
サミュエル・デラ・ジョンソン(Br)

録音:2016年3月バービカン・センター(ライヴ)
ギリスの人気作曲家、トマス・アデスの作品集。「イギリスには素晴らしき若き作曲家たちがたくさんいるが、その中でもトマス・アデスの才がずばぬ けていることについて、反論する人はいないだろう」とはラトルの言葉。アデスは1971年ロンドン生まれ、93年にはロンドンで、ピアニスト、そして作 曲家としてデビューして以降、様々な作品を委嘱され、95年にはラトル率いるバーミンガム市交響楽団に作品を委嘱されるという異例の速さで才能が認 められた逸材。イギリスを代表する存在のトマス・アデスが、ロンドン交響楽団を指揮した、自作自演集。注目盤の登場です。
「アサイラ」は、ラトルがバーミンガム市交響楽団の音楽監督時代に委嘱した作品で、ラトルもたびたびとりあげている作品。アサイラとは、安全な地、 そして隔離された場所をも意味する言葉。コンサートホールも一種のアサイラであるといえるかもしれません。1997年ラトル指揮バーミンガム市交響楽 団によって初演された当時26歳のアデスの作品。2曲目のテヴォットは22分かかる作品。テヴォットとはヘブライ語で「小節」、そして「言葉」を意味 する言葉。2005−06シーズンに、ベルリン・フィルのために作曲されました。3曲目のポラリス(北極星)はマイアミの音楽ホール創立に際して作曲 されたもの。チャイムもかきならされる大規模なオーケストラ作品ながら、静けさも印象的な不思議な作品。 4曲目の「ブラームス」は、ピアニストのブレンデルが70歳を迎えるにあたり(2001年)、ベリオらと共作でブレンデルの詞に付曲する、というプロジェ クトから生まれたもの。ブラームスの交響曲第4番の第1楽章冒頭風に始まり、同じく第4番のスケルツォのリズムで締めくくられます。
従来のSACD ハイブリッド盤に加えて、同一の演奏内容を収めたピュア・オーディオ・ブルーレイ・ディスクが同梱されます。お手持ちのブルーレイ・ディ スク・プレーヤーで手軽に楽しめるハイスペックのフォーマットへの対応はオーディオ・ファイルから大好評です。 (Ki)


LSO-3028
(1Bluray+1DVD)
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ストラヴィンスキー:春の祭典
リゲティ:マカーブルの秘密(オペラ「グラン・マカーブル」からのコンサート用アリア集)
ベルク:ヴォツェックからの3つの断章
ウェーベルン:オーケストラのための6つの小品
バーバラ・ハンニガン(S)
サー・サイモン・ラトル(指)LSO

収録:2016年1月13日、バービカン・ホール(ライヴ/ライヴ/HD、24bit 96kHz収録)
ラトル&LSOによる春の祭典、4K収録による映像の登場です。カナダの歌姫、とりわけ現代ものでも素晴らしいパフォーマンスで聴かせるハンニガン をゲストに迎え、彼女の十八番ともいえる「マカーブルの秘密」も収録されているという、大注目盤です!
ラトルの『春の祭典』は、イングリッシュ・ナショナル・ユース管(1977)、バーミンガム市響(1987)、ベルリン・フィル(2003、2009(映像)、2012年) とこれまでに5回リリースされています。このたび初めてのリリースから実に40年を経ての最新録音となります。ラトルは『春の祭典』について次のよう に述べています。「私は19歳の時からこの作品を指揮しています。まったく新しいものがもたらす衝撃とはどのようなものかを思い起こさせ、今なお大き なチャレンジの作品で、演奏する時にもっともわくわくする作品のひとつ」と。LSOの面々とラトルが繰り広げるアンサンブルは、思わず手に汗握る緊張 感です。
ヴェーベルンの「オーケストラのための6つの小品」は情景感たっぷり、ラトルの繊細な表情づけにLSOの面々がよい反応をみせています。 そして「マカーブルの秘密」では、カナダ出身のソプラノ、ハンニガンが真っ赤な血を思わせるようなガウンをはおって登場。彼女の得意演目だけあり、 冒頭の「プスー」という発音も鮮やかな鬼気迫る演奏。聴衆の反応もとらえられています。LSOのメンバーによる器楽パートも、緊迫感たっぷりにリゲティ の作品世界を盛り上げます。 (Ki)
LSO-3038
(1DVD+1BluRay)
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ラトル〜フランス・プログラム
ラヴェル:クープランの墓
デュティユー:ヴァイオリン協奏曲「夢の樹」
モーリス・ドラージュ:4つのインドの詩
デュティユー:メタボール
ラヴェル:バレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲
サイモン・ラトル(指)LSO
レオニダス・カヴァコス(Vn)
ジュリア・ブ ロック(S)

収録:2016年1月13日、バービカン・ホール(ライヴ)
〔映像監督:フランソワ=ルネ・マルタン、オーディオ・プロデューサー:ニコラス・パーカー、
サウンド・エンジニアリング:クラシック・サウンド・リミテッド〕
24bit 48kHzPCM
LSO Liveでは、2012年から、バービカン・センターでの演奏会をライヴ収録してきていますが、このたび満を持しての映像商品初登場(ブルーレイディ スクにボーナスとして映像が収録されていたものもありましたが、純粋な映像商品としては初)。DVDとブルーレイがセットになったかたちでの発売となり ます。映像監督はフランソワ=ルネ・マルタン。 2017年9月から正式に音楽監督に就任するラトル。既にLSO Liveからはシューマンの楽園とペリ(LSO 0782)がリリースされており、相性の良 さと信頼度の高さは広く認められているところ。ラヴェル、デュティユーというフランス音楽の核を成す存在である作曲家の作品と、ラヴェルに師事したド ラージュの作品も取り入れたフランス・プログラム、注目です、
ラヴェルの「クープランの墓」のオーケストラ版は、とりわけオーボエに超絶技巧が要求されますが、首席奏者スタンキエーヴィチが完璧な演奏を披露。デュ ティユーの「夢の樹」はラジオ・フランスの委嘱を受けて、I.スターンとフランス国立管のために、1983-85年にかけて作曲、1985年に初演されました。 木が枝や葉を伸ばしていくように、連続して増えていくプロセスを描いた作品を、名手カヴァコスとLSOが見事な集中力で展開。「メタボール」は、ドビュッ シーを思わせる響きの変奏曲のかたちをとった作品。LSOの音響の混ざり合いの妙を楽しめます。ドラージュの「4つのインドの詩」は、1912年にソプ ラノと室内アンサンブル(フルート2、オーボエ、クラリネット2、弦楽四重奏)のために作曲されたもの。ドラージュはラヴェルに師事し、「俳諧」など、 異国趣味の作品をのこしています。この「4つのインドの詩」は、インド旅行の後に書かれ、インドの旋律とリズム形式を西洋の楽器で様々に再現する作品。 ジュリアン・ブロックの歌唱も光る、貴重な新録音の登場です。そしてプログラムの掉尾を飾るのは、ラトルがこれまでに頻繁に取り上げている得意演目、 ダフニスとクロエ第2組曲。ラトルの緻密な指揮にLSOが一ミリの乱れもなく反応しています。 (Ki)
LSO-3042
(1DVD+1Blu-Ray)
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メシアン:天国の色彩(天の都市の色彩)
ブルックナー:交響曲第8番(1939年ハース版)
サイモン・ラトル(指)LSO
ピエール=ロラン・エマール(P)

収録:2016年4月バービカン・ホール(ロンドン)/ライヴ
STEREO
24bit 48kHz PCM
リージョン:all、1h44’
メシアンとブルックナーは、二人とも敬虔なカトリックであるという点で共通しています。メシアンの「天国の色彩(天の都市の色彩)」は、ピアノと管 打楽器によって、タイトルにもある天の都市をめざす、極彩色の衣をまとった巡礼者たちの行列を思わせる音世界の作品。管楽器による美しいコラールが エマールのピアノによってさらにきらきらと彩られ、さらにクラリネットや打楽器が加わります。聴き手はこのメシアンによる極彩色のいわばカテドラルのよ うな音楽によって耳をひらかれます。そして、休憩をはさんで演奏された、劇的な対比を成すブルックナーの壮大な交響曲第8番の世界、異なる大聖堂 へといざなわれます。ブルックナーでは、LSOのメンバーは、フォルテとフォルティシモの区別も明確、そして絶美のピアニッシモまでラトルの音楽を完璧 に表現。ラトルによるブルックナーの明晰な解釈と、LSOの底力を実感する内容です。 (Ki)
LSO-5061(1CD)
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The Panufnik Legacies〜LSOのために書き下した作品集
アンドルー・マコーマック:インセンティヴIncentive
クリスティアン・メイソン:…照りつける日差しからの逃避…… from bursting suns escaping …
チャーリー・パイパー:浮遊Fl?otan
エロイーズ・ジン:サクラSakura
エドワード・ネズビット:類似T Parallels I
エドワード・ネズビット:類似U Parallels II
ジェイソン・ヤード:ひどい幻滅!Rude Awakening!
マーティン・サックリング:新生児のためのファンファーレFanfare for a Newborn Child
クリストファー・メイヨー:サーマTherma
エリザベス・ウィンターズ:突然の豪雨、突然の曇りSudden Squall, Sudden Shadow
ヴラド・マイストロヴィチ:ハロHalo
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)LSO

録音:2012年10月/ロンドン、LSOセント・ルークス
プロデューサー:ジョナサン・ストークス
LSO Liveの新シリーズLSO Discovery第1弾。10名の若き新進作曲家たちの新作を収めた内容はすべて、もともと「LSOパヌフニク・スキーム」 の一環として委嘱された作品で、ロンドン交響楽団(LSO)がその音楽を世界中で分かち合い、プロモートできるように、あらたにレコーディングされた ものです。  ポーランドが生んだ20世紀を代表する作曲家サー・アンジェイ・パヌフニク(1914−1991)は、生前にLSOが3つの作品を委嘱して、その交響 作品の多くをレコーディングしたことから楽団とのゆかりの深かったことで知られています。 「作曲家で私の夫は、今日ではどうしたら若い作曲家たちが最高水準のオーケストラとの絶対不可欠な経験を得ることができるのかを気にかけていました。 このプロジェクトこそが彼の夢をかなえるのです。」  このように語るカミラ・パヌフニク夫人の協力のもとLSOによって、LSOパヌフニク・スキーム(The LSO Panufnik Scheme)は、今は亡き作曲家 パヌフニクを追悼する目的で、創設されました。2005年にスタートしたスキームでは、著名な作曲家コリン・マシューズの指導を受けて、毎年6名の作 曲家たちにLSOのための演奏時間3分間の曲を書く機会を提供しています。スキームの開始以降、この作曲家たちの多くが、引き続きLSOよりさらな る作品の委嘱を受けるようになっています。  このアルバムでは、このプロジェクトの最初の5年間から厳選された作曲家たちの作品の数々を紹介していますが、その経歴や作風はじつにさまざま。  グラスゴーの生まれで、作曲家への転向以前の青春期を、スコットランド中を演奏して廻るフォークバンドのヴァイオリン弾きとして過ごしたサックリング。 クリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」とのサントラの一部の譜面起こし、オーケストレーションおよび演奏 を手掛けたマコーマック。作曲家、アレンジャー、プロデューサーそしてジャズ・サックス奏者としてすでに名高いヤードは、2013年3月のLSOセント・ ルークス10周年記念式典の一環として、2013年4月のワークショップで演奏予定の、LSOブラスとパーカッション・セクションのための新作も委嘱さ れています。  ここで選ばれた10名を含め、このアルバムはいま現在もこのスキームを通じてオーケストラと共同作業をする過去総勢45名の作曲家たちによる多岐 に亘るスタイルと影響の範囲の一端を示すものといえるでしょう。  なお、指揮を手掛けるロトは、LSOが1990年より2年おきに行うドナテッラ・フリックLSO指揮コンクール(The Donatella Flick LSO Conducting Competition)で2000年に優勝を果たし、最長1年間LSOのアシスタント・コンダクターを務めるチャンスを得てキャリアの足掛かりを 築き、世界の舞台へと羽ばたいていった指揮者でもあります。  2003年のオープンから10周年を迎えるLSOセント・ルークスは、LSOのリハーサルや演奏会およびレコーディングのためのホール。もとは18世 紀にニコラス・ホークスムーアが設計した教会で、第一級指定建造物にも登録されており、外観が当時の様子を留めているのとは対照的に、内部には録 音機材など最新鋭の設備が整えられています。  公開リハーサルや、年間を通して毎週木曜日に開催される、BBCラジオ3放送番組用のクラシック・ランチタイムコンサートの会場として活用されると 同時に、クラシックのほか、ワールドミュージックやポピュラーを取り入れた音楽教育プログラムLSO Discoveryも実施しています。 (Ki)
LSO-5070(1CD)
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パヌフニクの遺産U
パヌフニク変奏曲(「宇宙の祈り」の主題による10人の作曲家の共作)
ダンカン・ワード:P-p-パラノイア
アラステア・パット:スパイラル
アーロン・パーカー:魅了された
キム・B・アシュトン:波しぶき
ジェームズ・モリアーティ:顆粒状の断片
エリザベス・オゴネク:鳥のように
レオ・チャドバーン:茶色のレザー・ソファ
ブシュラ・エル=トゥルク:切断
マシュー・カーナー:書道家の自筆
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)LSO

録音:2015年6月3、4日/聖ルカ教会(ロンドン)
ポーランド出身のアンジェイ・パヌフニクは、半世紀にわたる後半生をイギリスで送りました。ロンドン響とも縁の深い作曲家であっただけでなく、現在 もカミラ未亡人の協力のもと「LSOパヌフニク・スキーム」を通じ毎年有望な若手作曲家6名を選出して作品発表の機会を設け、彼の偉大さを特別に讃 えていることで知られます。 その第2弾にはパヌフニクが1968-9年に作曲した4人の独唱と合唱、3台のハープとオルガンのための「宇宙の祈り」の主題を、現代イギリスの 10人の作曲家が変奏曲にした興味津々の作品が登場。ホルストの「惑星」に「冥王星」を付け足したことで知られる作曲家コリン・マシューズが中心と なり、マックス・デ・ワードナー、エーヴィス・サムーティス、クリストファー・マヨ、トビー・ヤング、エリザベス・ウィンターズ、ラリー・ゴーヴス、レ イモンド・ユー、アンジュラ・セマンズ、エドムンド・フィニスが変奏を共作。 指揮を務めるのは、この趣旨に賛同して第 1 弾から引き受けるフランソワ=グザヴィエ・ロト。ロトならではの推進力とバランス感覚であっという間に聴 き通してしまいます。 (Ki)
LSO-5073(1SACD)
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スティーヴ・ライヒ(b 1936):クラッピング・ミュージック(1972)
木片のための音楽(1973)
六重奏曲(1985)
LSOパーカッション・アンサンブル

録音:2015年10月30日/ロンドン、LSOセント・ルークス(ライヴ)/DSD 128fs録音
レコーディング・サポート/Bowers&Wilkins
卓越した演奏が素晴らしい音質で楽しめる人気のLSO自主制作レーベルより、ライヒのパーカッション作品が登場。演奏者はもちろんロンドン交響楽 団のメンバーです。様々なコンサートやリハーサル、ワークショップなどのイベントを開催しているLSOセント・ルークスでのライヴ録音。
「クラッピング・ミュージック」は2人の演奏者の手拍子による作品。12/8拍子の基本リズムを1人が叩き続け、もう1人が同じリズムを1拍ずつ ずらしていきます。3分半ほどの小品ですが、ライヒ音楽の基礎というべき構成原理を持っています。「木片のための音楽」は5つのウッドブロック(あるいはクラベス)で演奏され、A、B、C#、D#、D#(オクターブ上)の5音が指定されています。 最高音のウッドブロックがメトロノームのように終始テンポを刻み続ける中、他の奏者が順次新しいリズムで加わり、サウンドが変化していきます。「クラッ ピング・ミュージック」のリズムも使われています。 「六重奏曲」はマリンバ3、ヴィブラフォン2、バスドラム2、アンティークシンバル、タムタム、ピアノ2、シンセサイザー2という編成の作品。鍵盤 打楽器が多いため音色は一層多彩、使われる和音も非常にカラフルです。ヴィブラフォンは通常のマレット奏法の他に弓を使った奏法もあり、ハーモニク スのような独特の効果を上げています。曲全体は切れ目のない5つの楽章に分かれ、中央に行くほど速度の遅いABCBAのアーチ状構成になっています。 2つ目のBではシンセサイザーが日本の陰旋法を思わせるメロディを奏で、旋律に意識が行ったところで再度リズムの饗宴となるAで明確なクライマック スを築いて幕を閉じます。 スティーヴ・ライヒは2016年に80歳を迎えます。2017年3月には東京オペラシティで80歳記念コンサートが開催予定で、ライヒ自ら参加する「ク ラッピング・ミュージック」などが演奏されます。 (Ki)
LSO-5074(1SACD)
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ストラヴィンスキー:兵士の物語 LSO 室内アンサンブル
語り:マルコム・シンクレア
ロマン・シモヴィチ(ヴァイオリン(LSO首席))
エディクソン・ルイス( コントラバス( ベルリン・フィル))
アンドルー・マリナー(クラリネット(LSO首席))
ラファエル・ガウフ(ファゴット(LSO 首席))
フィリップ・コブ(トランペット(LSO首席))
ダドリー・ブライト(トロンボーン(LSO首席))
ニール・パーシー(打楽器(LSO首席))

録音:2015 年10月31日、セント・ルークス(ロンドン)
LSOメンバー+ベルリン・フィルメンバーによる、「兵士の物語」の登場。語りはイギリスの俳優、マルコム・シンクレア。映画「カジノ・ロワイヤル」 にも出演しているほか、本場イギリスでシェイクスピアやオスカー・ワイルドらの作品の演じ手としても高く評価されている実力派俳優です。LSOの首席 奏者たち、そしてベルリン・フィルのメンバーが集ったアンサンブルを率いるのはロマン・シモヴィチ。弦楽器の堅固な響き、そして管楽器の面々のうまさ を堪能でき、しかも全員のアンサンブルとストーリーとの一体感は圧倒的です。 (Ki)
LSO-5078(2CD)
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LSOアメリカ・ライヴ
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1910年版)
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
 バレエ組曲「中国の不思議な役人」
プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」〜モンタギュー家とキャピュレット家
イェフィム・ブロンフマン(P)
ワレリー・ゲルギエフ (指)LSO

録音:2015年10月24日 ニュージャージー・パフォーミング&アーツセンター(ライヴ)
ゲルギエフとロンドン交響楽団は2015年10月にアメリカ・ツアーを行いました。ゲルギエフの8年におよぶ首席指揮者職最後の海外ツアーで、 24日の公演をニューヨークのFMが放送用に収録し、その音源を2枚組CDとして発売。 まず目を引くのがストラヴィンスキーの「火の鳥」。ゲルギエフはキーロフ劇場管弦楽団(マリインスキー劇場管弦楽団)と1995年に録音(当 時「レコード芸術」誌準特選)していますが、20年ぶりの再録となりました。今回も1910年全曲版で、テンポ等基本的な解釈は違わないものの、 説得力と語り口の巧さが凄い。冒頭から徐々に盛り上げていく自然さ、金管はロシア伝統の咆哮など、自在な指揮ぶりはほとんど神業。 興味深いのがバルトーク。かつて歌劇「青ひげ公の城」のCDで優れた解釈を評価されていたこともあり、猟奇的な「中国の不思議な役人」と 天国的なピアノ協奏曲第3番をどう料理するか興味津々。これが期待以上の出来。バルトークの精密なスコアはゲルギエフにうってつけですが、 LSOの名人芸もあいまって驚きの世界を作り上げています。ことにバルトークの冷たいまでに透明なオーケストレーションを類稀なバランスで再 現、もちろんバルトークならではの暴力的エネルギーも申し分なしの充実感。ピアノ協奏曲第3番はブロンフマンの超絶技巧をあくまで抑え、宗 教的ともいえる純な世界を描きます。 聴衆の熱狂に応え、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」から「モンタギュー家とキャピュレット家」をアンコール演奏。携帯のCMで 有名になった曲あの曲をゲルギエフとLSOの演奏で聴くことができます。それもアメリカの聴衆への告別で、ゲルギエフの演奏も感慨深いものが あります。 (Ki)


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