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SSS-0102
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ブルックナー:交響曲第7番(ノヴァーク版) |
ジョルジュ・プレートル(指)
ベルリン・ドイツSO
録音:2006年5月1日ベルリン・フィルハーモニーに於けるライヴ |
“「ブルックナーらしさ」よりも音楽的な感動を優先したい人のための必聴盤!” |
なんという伸びやかなブルックナーでしょう!しかもかつて誰も引き出しえなかったこの作品の魅力を「拡大解釈」を用いずに引き出した功績はいくら讃えても足りないほどです。
第1楽章冒頭の弦のトレモロを聴いただけで、名演奏であることを確信させるほど、詩的なニュアンスがふんわり立ち上がります。そのトレモロはかなりの弱音で開始しますが、決して無機質ではなく繊細な心のときめきとして響き、なおかつ通常のブルックナーのイメージを突き抜けた、夢色の色彩が微妙な陰影を伴いながら広がる様にワクワクさせるものが孕んでいるのです。第2主題は全く粘らず、春風のような清々しさを放つのはいかにもプレートル的ですが、感覚的な魅力だけでなく、そうもそうそういう瑞々しい生命の息吹を湛えた音楽であるのだという確信に裏打ちされたニュアンスの求心力の高さに心打たれるのです。第3主題も同様。ある意味でシューリヒト以上にシューリヒト的とも言えましょう。そしてコーダでは物々しい鎧を完全に取り払い、全身で生を謳歌!これは画期的解釈という次元ではなく、自身の感性を信じることがいかに重要で、聴き手を感動に与える必須条件であることを痛感させる必聴シーンです。第2楽章は弦のテーマが伸縮硬軟自在の豊かなフレージングにこれまたノックアウト!しかも全声部が完全に融合しきった窮極の響きが何の力みもなく自然発生的に湧き出るのですからたまりません。羽のように軽妙な第2主題の香しさ!心の底から歌いながらも歌い込み過ぎによる停滞感などあり得ず、有機的な流れを絶やさないまさに熟練技。第3楽章もかつてないほどの健康的な明るめの響き。いわゆる「ブルックナーらしさ」に囚われていては思いも付かないニュアンスの連続です。今までねじ伏せられていた音符たちが一斉に命を吹き返したような活力が「やりすぎ感」や「場違い」のイメージを与えることなく当然のように鳴り渡る、これぞプレートルの芸術の真骨頂でしょう。
終楽章も表面的にはサラッとした感触ですが、内容は濃密。展開部冒頭テーマはなんという堅牢さ!ベルリン・ドイツ響が乾坤一擲、鉄壁のアンサンブルを披露しているのはプレートルへの絶対的な信頼の現れと言えましょう。コーダは第1楽章と同様に一気呵成型ですが、もちろん熱気で興奮を煽るそれとはことなります。「音の凝縮させる」という本当の姿を体現いただけるはずです。演奏後は聴衆もすぐには拍手をせず、一瞬ど惑いのような空白がありますが、聴衆の各々の引き出しにはない想定外の感動にあっけにとられたに違いありません。【湧々堂】
※演奏タイミング:[17:51][21:44][9:19][11:07] |
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SSS-0121
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ブルックナー:交響曲第9番 |
エフゲニ・スヴェトラーノフ(指)
スウェーデンRSO
録音:1999年3月6日ベルワルド・ホール,ライヴ(デジタル) |
スヴェトラーノフとブルックナーと意外に思われるかも知れませんが、第8番の名演はマニアなら知るところでしょう。第9番は、ロシア国立響との第3楽章のみが正規発売されています。当盤の登場で巨匠の名解釈が初めて世に問われることになります。演奏分数の通り、正に大河的名演奏。ミュンヘン・フィルとの共演(ワーグナー、SSS0094)でみせた静謐な心境で取り組んだ美演と申せましょう。その細密画のような描写は遥か対極にあるかのように思われたチェリビダッケの演奏にも通じるものがあります。
※演奏タイミング[28:46][11:40][25:25]
高音質ライヴ。晩年のスヴェトラーノフの世界を大きく包み込むようなスケール感と巨大な振幅力がブルックナーの宇宙と見事に融合した感動的名演奏です。かつてのソビエト国立響との録音は、オケの馬力が純ドイツ的な朴訥さと相反するせいか、厳格なブルックナー・ファンからは敬遠されがちでしたが、ここではオケの機能美とも相まって、祈りに満ちた精妙な大空間を築いています。第1楽章の冒頭動機の16分音符と複符点2分音符の正確な奏し方!スヴェトラーノフというととかくそのスケール感のみが賞賛されますが、こんな緻密な配慮も持ち合わせていることも実証しています。第2主題がこれまた他に類を見ないほどの美しさで、心を込めぬき、手元でじっくり育んだ後に音を発しおり、尋常ならざる共感の深さを感じさせます。終始力みを感じさせず、煩悩を捨て去ってすっきりとした心持ちで、自然に委ねるようにフレーズを流動させ、勘所は決して外さずにビシッと制御する熟練技は、まさにこの作品に相応しいもの。第2楽章は鋭角的でアポロ的な演奏とは対極的。全声部を調和させながら、ひたひたと緊張が迫ります。終楽章はまさに諦観の境地。13:29からの楽節は例外的に表現の意思を表面化させ、切迫感をあらわにしますが、これはこの後に迫り来る壮絶な主題展開の伏線でしょうか。20:44以降のフォルティッシモは激烈そのものですが、最後の不協和音を引き伸ばしたりせずにさっと身を引くなんという妙味!そこには安易な演出の入りこむ隙などありません。そして、コーダでの弦のアルペジョ風のリズム打ちのなんという清らかさ!!すべてを浄化し尽くした末に訪れた世界が遂に現出するのです。 【湧々堂】 |
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SSS-0144
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ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」 |
オイゲン・ヨッフム(指)
スウェーデンRSO
録音:1975 年2 月23 日ストックホルム・コンサートホール,ライヴ |
ヨッフム+スウェーデン放送響の初ディスクです。1975
年というと、座って指揮するようになった最晩年の枯淡と壮年期の馬力に満ちた動的アプローチの丁度中間期に当たります。しっとりとした味わいに加え、若き日の劇性をも兼ね備えた非の打ちどころのない演奏と申せましょう。ブルックナーの名作の中でも穏当に過ぎるとも見られるこの曲にはピッタリな表現方法とも言えましょう。勿論「ロマンティック」は巨匠の愛奏曲でしたが、ライヴとなるとコンセルトヘボウとの同年のものだけです。澄み切ったスウェーデン放送響の音色は、フランスともロシアともイギリスとも違いますが、どちらかというと機能美を誇るドイツの放送オーケストラに近い、明快さと機敏さに溢れた近代的なものと言えましょう。
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SSS-0215
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ブルックナー:交響曲第3番(1889 年版) |
クルト・ザンデルリンク(指)
ベルリンRSO(旧東)
録音:2001 年9 月9 日コンツェルトハウス・ベルリン・ライヴ(デジタル録音) |
巨匠クルト・ザンデルリンクが没して早7 年。日本にもその実演に接した多くのフ
ァンがおり、人気は今なお褪せることを知りません。ただし、ザンデルリンクは活動
晩年になればなるほどレパートリーを絞り厳選したために、同曲異演のリリースが続
くのも致し方ないことでしょう。 今回初登場の「ブル3」はザンデルリンクが自らの引退を決断発表した頃のライヴと
なります。その声明に多くのファンが衝撃を受けました。活動地域をヨーロッパ国内
に限定していたとは言え、演奏はますます円熟味をましており、両手のひらを下に
向けて身体をブンブン振回すエネルギッシュな指揮ぶりには聊かの衰えも見られ
なかったからです。第一線のまま、身を引きたいというダンディズムのなせる業でし
ょうか。 「ブル3」は、巨匠の十八番です。正規盤に限ってもゲヴァントハウス管(1963
年、 ETERNA)、BBC ノーザン響(1978 年,ICA)、コンセルトヘボウ管(1996
年,COA)が 既出で高い評価を得ております。しかし、当演奏はそれらを軽く超えてしまうような
偉大な演奏です。トータルの演奏時間がチェリビダッケを超える遅さ!ザンデルリ
ンクもここまでのテンポを採用することはありませんでした。
ザンデルリンク特有のシルクのように艶々と輝かしい上に、肌触りの柔らかい美音。
時に、音楽の動きを止めてまでも旋律を強調する大胆さ(第一楽章12
分過ぎ)。乾 坤一擲!フィナーレの壮麗と独自の改訂。意外や派手な表現をするザンデルリン
ク会心の超名演です。旧東ベルリン放送響は、ベルリン人ザンデルリンクにとって
は子供のような存在なのでしょう。献身的な演奏で巨匠のバトンに食らいついて呼
応します。2001 年のデジタル録音で音質の素晴らしさも特筆ものです。
そして、翌年の 5 月には自ら手兵ベルリン交響楽団を指揮して、この演奏と同じ会
場であるコンツェルトハウス・ベルリン(旧シャウシュピールハウス・ベルリン)におい
て告別コンサートを行いました。 |
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YASCD-1012
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ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
グルック:「アウリスのイフィゲニア」序曲 |
ルドルフ・バルシャイ(指)読売日本SO
録音:1979年6月13日東京文化会館第145回定期演奏会
全曲ライヴ・ステレオ・アナログ録音(サウンド・マスタリング:WEITBLICK) |
1979 年は、バルシャイ+読響の初共演で、多くの演奏会が持たれましたが、その中からブルックナーとグルックをご紹介。驚くべきは、読響のスマートな反応で、とても巧い!バルシャイの細かく、うるさい指示が隅々まで行き届いております。こういう極度に厳しい演奏を聴くと、世界中でどこのオーケストラとも常任的ポジションは長く続かず、客演指揮者としての活動がメインとなったことが頷けます。バルシャイはマーラー程ブルックナーを取上げなかったようで、その点も貴重。予想通りの快速で、全く「ロマンティック」ではない演奏を聴かせております。 |
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2506-5612(2CD)
UHQCD
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ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 |
エフゲニ・スヴェトラーノフ(指)
ハーグ・レジデンティO(ハーグPO)
録音:2000年3月25日アントン・フィリップザール,デジタル・ライヴ |
スヴェトラーノフにとって2002年10月に予定されていたNHK
SO との共演がその死によって幻になってしまったのがブルックナー8番です。
極限まで遅いテンポを採用するようになったスヴェトラーノフ最晩年の心境
がブルックナーにどう反映されるのか?その回答がハーグ・レジデンティ管
弦楽団との当ライヴです。ハーグ・レジデンティ管とスヴェトラーノフの演奏
はいくつか商品化されていますがいずれも残念なことにオーケストラの実力
が弱点となっておりますが、ここでは奇跡が起きております。艶やかな弦楽
器といい重量感溢れる金管の咆哮。オーケストラと巨匠が死力を尽くした感
のある凄絶なライヴ。スヴェトラーノフ研究の権威はやしひろし氏によるマス
タリングと解説も嬉しいところです。 |
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TBRCD-0065(3CD)
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ブルックナー:後期三大交響曲集
交響曲第7番
交響曲第8番*
交響曲第9番# |
エドゥアルド・チバス(指)
ベネズエラ交SO
録音:2004年5月27日、2005年11月10日*、2007年6月7日#
ホセ・フェニックス・リバスホールにおけるデジタル・ライヴ録音 |
ベートーヴェン全集が絶賛発売中の「ベネズエラのフルトヴェングラー」
ことエドウアルド・チバスのブルックナーが登場!第7
番は、ベネズエラ交 響楽団にとっての初演。繊細なストーリー展開が意外ながら、谷間に咲く
白百合のような美しい佇まい。弦楽器のささやきはいじらしいまでの異色
の名演。第 8 番もベネズエラ初演という歴史的な演奏会の記録です。高
揚を隠そうともしない展開。それでいて第3 楽章の目一杯遅いテンポでし
みじみした味わいを出すなど、極めて人間臭い土の香りのするブルックナ
ーと申せましょう。第9 番は、チバスのブルックナー愛、音楽愛の吐露とで
も言うべき私小説的演奏。テンポは中庸より早めであり、シューリヒトを思
わせる軽快な疾走すらも感じ取れます。 いずれの演奏も臨場感あふれるライヴ。ヴァイオリンを両翼に配置した古
典配置で対位法を強調したもの。ベネズエラ交響楽団は創立
70 周年を 超えた名門でフルトヴェングラーも客演したことで知られます。今年はさら
にブラームス、シューベルト、ワーグナーが予定されております。
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TBRCD-0091(2CD)
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ブルックナー:交響曲第2番ハ短調
(ハース版)
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調* |
ジェームズ・デプリースト(指)
東京都SO
録音: 2006 年4 月12 日サントリーホール、ライヴ(第624
回定期演奏会)
2006 年4 月17 日東京文化会館、ライヴ(第625
回定期演奏会)* |
万全の体調ではなかったのに都響の音楽監督を引き受けた漢気の人、デ
プリースト。困難な時代にその豊かな音楽性と人柄で都響を牽引した恩人。
巨匠はマーラー演奏で名を成した人ですが、その解釈は当時隆盛を極めた
諦観と失望を取混ぜた人生に対する疑問を表現するマーラーとは無縁なも
のでした。ブルックナー解釈についてもそれは同様、デプリーストのブルック
ナーもやはり大らかな人生肯定と自然への讃歌に満ちております。ブル2は
ハース版使用。かなりのスピード感で瑞々しさと若々しさに脱帽。ブル9
は軽 やかな足取りで進む快演。澄み切った湖の畔に立ち美しい空気の中で深呼
吸をするような演奏と申せましょう。 |
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TBRCD-0093(3CD)
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ブルックナー:ジャズ・シンフォニー(トーマス・マンデル編)
(1)ブルックナー:交響曲第5 番
(2)ブルックナー:交響曲第7番 |
トーマス・マンデル(指)
テンポラリー・アーツ・オーケストラ
※オーケストラ・メンバー
トーマス・マンデル((指)ソプラノ・サックス、テナー・サックス、ピアノ)
ゲルト・ラーシュトルファー(フリューゲルホルン、トランペット)
ヴォルフガング・ブルエンドリンガー(エレキ・ギター)
クリスチャン・ヴィルト(第1 ヴァイオリン)
マーカス・ウォール(第2 ヴァイオリン)
ユリアン・ギレスベルガー(Va)
シュテパン・プンデルリチェク(Vc)
ヴォルフラン・デルシュミット(Cb)
マルコ・パレヴィッツ(ピアノとシンセサイザー)
エンゲルベルト・ガグル(打楽器)
エルヴィン・ドレシェル(ドラム)
エーリヒ・ピンター(録音とマスタリング)
録音:(1)2007 年8 月16 日聖フロリアン・ビブロテックセラー(ライヴ)
(2)2010 年9 月17 日リンツ・ブルックナーハウス(ライヴ) |
「四手ピアノによる交響曲全集」によるエンターテイメント性と啓蒙性を両立した「ブルックナー・アーカイヴ」シリーズ。第
2 作は、これは超問題作です。何とブルックナーのジャズ編曲!!編曲と指揮とソプラ・サックス、テナー・サックスとピアノを
務めるのがオーストリアの奇才トーマス・マンデル(1965〜)リンツの音楽ギムナジウムでピアノからバロック・フルートまで学
び、長じて作曲、編曲を修める。ブルックナー私立音楽大学で作曲を教える硬骨漢。
2007 年には聖フロリアンにて、自ら率いるテンポラリー・アーツ・オーケストラを指揮して、ブルックナー:交響曲第5
番「ジャ ズ・ヴァージョン」を初演。かの「マイ・フェイヴァリット・シングズ」を彷彿とさせる長大な序章と怒濤狂乱の演奏で聴衆の度肝
を抜いた。調子づいて 2010 年のブルックナーフェストでは第
7 番を披露。ブルックナーファンは「宇宙の鳴動」を良く口に
するが、これを徹底して人工的に表現する度胸と厚かましさには脱帽という他ない。執拗に繰り返されるトレモロで構築され
るバロック建築に例えられるブルックナーの交響楽をサディスティックなまでにマンデルが好き放題に料理した怪作。真面
目なブルックナーファンの神経を逆撫でする好企画の登場です。3
枚組で超特価2 枚組(完全限定品)で登場です。
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TBRCD-0110(2CD)
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ブルックナー:交響曲第4番(1874 年第一稿) (ウィリアム・キャラガンによる2台ピアノ編曲版)
交響曲第8番(ヨゼフ・シャルクによる4 手ピアノ版/ウィリアム・キャラガンによる2台ピアノ編曲版)* |
ウィリアム・キャラガン&クロフォード・ホヴィ(P)
録音:(1)2011年4月13日ハートフォード・カレッジ・チャペル、ロンドン
2009年4月18日オックスフォード大学、ロンドン* |
またも怪作が登場。今度はブルックナー研究の第一人者(交響曲第9番のフィ
ナーレの校訂などでも有名)である、ウィリアム・キャラガン博士(1937〜)が
2 台 ピアノのために編曲した交響曲集。しかも自らピアノを弾いているという注目盤の
登場です。もう一台のピアノを担当するのはキャラガンの盟友でもあるクロフォー
ド・ホヴィ(1942〜)。スコットランド生まれのブルックナー学者で、ブルックナーの
伝記の最新版を現しております。https://www.oxfordlieder.co.uk/artist/12
第 4 番は嬉しいことに 1874 年の第一稿です。一般的に知られる“第
2 稿”とは 違う曲と言っても過言ではない程で、近年は評価も高まりファンも増えておりま
す。ブルックナーの幽玄さはピアノ版という骨格の状態でも良く理解できます。
第8 番はヨゼフ・シャルクによるピアノ連弾版をさらにキャラガンが2
台ピアノ版に 編曲したと言う凝ったものです。ヨゼフ・シャルクは中間の二楽章を入れ替えてい
たそうで、これに従って演奏されておりますことをご了承ください。即ち、第二楽
章がアダージョ、第三楽章がスケルツォとなります。
どういう訳か第8 番の録音が残念なことに落ちる(*オリジナル録音に起因する)
ためにあくまでボーナス盤という扱いで1 枚価格の特価でご提供します。
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