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チャイコフスキー:交響曲第5番
トマス・ビーチャム(指)ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
第2楽章ホルン・ソロ/ チャールズ・グレゴリー
EMI
CDM-7643502
廃盤
録音年:1939年12月18日 キングスウェイ・ホール 【モノラル録音】
演奏時間: 第1楽章 13:59 / 第2楽章 12:33 / 第3楽章 5:59 / 第4楽章 12:14
カップリング/フランチェスカ・ダ・リミニ
“意外に現代的なビーチャム唯一の「チャイ5」”
作品的にビーチャムらしいウィットを盛り込む余地があまりないせいか、全体的に極めて正攻法なアプローチで、録音の古さを除けば現在にも通用する説得力を持つ演奏です。アゴーギクも多用せず、むしろインテンポの中で歌う至芸を堪能できる点で貴重な遺産と言えます。なんと言ってもこの録音の華は名手グレゴリーの美しいホルンの音色!この復刻ではわずかにエコーが加えられているようですが、そのホルンのニュアンスを引き出すための措置だったのでは?と思わせるほどしっくり耳に染みるのです。
第1楽章のツボ
ツボ1 クラリネットはふくよかな風情を漂わせてしっとり歌う。5小節からのテヌートはたっぷり保ち、テンポも若干落とす。
ツボ2 強弱の指示を忠実に再現。リズムは意外なほど洗練されている。
ツボ3 軽くアクセントが掛かる程度だが、根底に活力を感じさせ、推進力がある。
ツボ4 その推進力を確保したままインテンポで進行。
ツボ5 メゾフォルテで開始し、スフォルツァンドは行なわない。この後もインテンポで通し、洗練美の極致。強弱の振幅具合も美しい。
ツボ6 アニマートからテンポを落とすが、基本的にインテンポのままで感情の高ぶりを表現している。
ツボ7 テンポ不変。ピチカートの第1音がかなり強靭。
ツボ8 決してすすり泣くことなく、明るい希望を持ったカンタービレがビーチャムらしい。
ツボ9 ここからテンポを若干上げ、そのまま最後の小節までインテンポで通すのは、時代を考えるかなり斬新。16分音符は聞き取れない。
第2楽章のツボ
ツボ10 弦の序奏は一音ごとに丹念に表情を込める。ホルンは絶品!音色が美しい上に、音符に乗っかるのがやっとという次元とは全く異なり、一音ごとに余情がある。オーボエ(レオン・グーセンス)は、やや明るすぎる。
ツボ11 決して大見得は切らず、録音に限界があるのでくっきりと聳えるような迫力こそないが、感情の高ぶりが見事に熱いハーモニーに注入されている。
ツボ12 クラリネット(バーナード・ウォルトン)はあっさりした歌い口だが、それがかえって余韻を残す。
ツボ13 なかなか深みのあるピチカート。
ツボ14 強い意志で拍節を刻み、音のレンジは広くないが、集中力と気迫で求心力の高いフレージングを行なっている。引きつける。
ツボ15 これは珍しい!170小から次第にリタルダンドし、171小節から着地したテンポで連綿と歌い上げる。ここのニュアンスは、ポルタメントも含め、時代を感じさせる濃厚なロマンの宝庫。
第3楽章のツボ
ツボ16 もともとゆったりしたテンポなので、そのままのテンポで進行。
ツボ17 ここから少しテンポアップ。
ツボ18 録音のせいで明瞭に聞こえない。
第4楽章のツボ
ツボ19 堂々とした風格がある。テンポは標準的。ピチカートが明瞭に鳴らされる。
ツボ20 ホルンは裏方に徹しているが、それでもその響きの美しさにうっとりする。
ツボ21 ティンパニは58小節で一旦音量を落とし、その先一定音量でトレモロ。テンポはあわてず騒がず落ち着いている。
ツボ22 アクセントを生かしているが、恣意的な感じを与えないのが流石。
ツボ23 古い録音のせいでもこもこしている。この直後原盤上の周期的なノイズが聞かれる。
ツボ24 提示部冒頭よりも速いテンポに切り替える。
ツボ25 ほとんど聞こえない。
ツボ26 提示部冒頭のテンポに戻る。
ツボ27 かなりの高速。したがって3連音も曖昧だが、この活力こそが魅力。
ツボ28 楽譜の音価より少し長め。
ツボ29 ビーチャムならではの曇りのないフレージング力が遺憾なき発揮された箇所。
ツボ30 弦もトランペットも音を切りあげる。
ツボ31 改変あり。
ツボ32 最新録音のように明確に聞こえないが、美しいいハーモニーがしっかり感じ取れる。
ツボ33 インテンポで進行し、最後の4小節のみテンポを落とす。


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