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アンタル・ドラティ(指)ロンドン交響楽団 | |||||||||||||
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Mercury 4756261(5CD) |
録音年:1961年6月23日 ロンドン、ワトフォード・タウン・ホール 【ステレオ録音】 | ||||||||||||
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チャイコフスキー:交響曲全集 |
“旧盤以上に徹底させた非常なまでのチャイコフスキー解釈” |
旧録音と比べ、全楽章を通じてテンポが遅くなっていることでも分かるとおり、表現の幅を大きく広くなっているのがまず特徴的。しかし、一切無駄のない筋肉質な音つくりはここでも健在で、オンマイクのステレオ録音のせいもあって、かなりそれが非常に響くところがあるのも確か。繰り返し聴きたくなる演奏というよりも、この演奏が持つ独特の切れ味に打ちのめされたいと思うときに絶大な効能を発揮する演奏と言えましょう。機能的な演奏に掛けてはLSOは正にうってつけ。その特質を充分活用できるるだけに、ドラティのトレーナー的な資質はここでも磐石の構えです。特に印象的なのは、第3楽章冒頭で意識的にアーティキュレーションを明確に分割している点で、これはドヴォルザークの「新世界」(Decca)の冒頭でも顕著だったように、その意図が前面に出すぎて自然な流れを寸断しているのが実に残念。全体的なテンポ変化の設定も旧録音とほとんど変わりありませんが、やはりマイクに極めて近い録音(ティンパニのみがやや遠い)が、この演奏のメカニックな動きばかりに照準をあわせてしまうので、音楽的な味わいを得るのは難しいと言わざるを得ないようです。ただ、終楽章の総休止以降、プレストに変化するまでの圧倒的な威厳は無類の素晴らしさ!ここにも録音の特色が大きく反映していはいますが、この間精度は見過ごすわけには行きません! |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | クラリネットの音色暗く沈み、テンポも一音ずつ念を押すように陰りを見せ、杓子定規な音符が一つもない!前回の録音とはまるで別人。 |
ツボ2 | 冒頭の弦の刻みは軽く短くスタッカート。主題の歌わせ方も、序奏とは打って変わって完全なインテンポ。かなりの快速テンポ。リズムをメカニックに刻み、感傷を排して直進。録音のせいか響きもニュアンスに乏しいので(、味わいに欠ける。 |
ツボ3 | 優しさに欠け、ドライな印象。 |
ツボ4 | スターを無視してスタッカートで軽やかに下降。 |
ツボ5 | フォルテピアノはそれほど強調せず、推進力を保持。意志の強さは相変わらずだが、前回の録音より表情が柔軟。 |
ツボ6 | 音価を伸縮させることなく楽譜どおりの進行。 |
ツボ7 | 鋼鉄を打ち込むようなピチカート!しかも寸分の狂いもなし。ここから更にテンポをアップ。 |
ツボ8 | 直前で一切リタルダンドしないのは旧盤と同様だが、ここでは場面の切り替えがスムースに行っている。 |
ツボ9 | 完全にインテンポ。16分音符は聞き取れる。かなりオンマイクの録音のため、筋肉質な音作りが一層生々しく迫る。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 冒頭の弦はかなり虚弱の幅を広く取り、陰影豊か。ホルンは充分に陰りの表情を浮かべながらも、音にししっかりとした芯を宿し、フレージングにもゆとりを感じさせる。クラリネットとのコンビネーションも絶妙。 |
ツボ11 | 56小節のみ大きく呼吸を膨らませ、剛直なフォルティシシモを実現。57小節からすぐに元のテンポに戻る。 |
ツボ12 | クラリネットはやや技巧には走りがち。 |
ツボ13 | 「ツボ7」同様、極めて強靭なピチカート。スウィングを感じさせないドライなフレージング。 |
ツボ14 | 今までの流れからするとアゴーギクを多用。しかしどこか機械的で味わや深みは乏しい。 |
ツボ15 | 全体を通じて最大限にデリカシーを投入した箇所。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | わずかにテンポを落としてから進行。 |
ツボ17 | 旧盤と甲乙つけがたい完成度!メカニックな面の引き締め効果が充分に功を奏した箇所として印象的。。 |
ツボ18 | オンマイクなので明確に聞き取れる。クラリネットの連携も見事。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | 第1楽章冒頭の余韻を感じさせ、確信を持った進行に走らず、未だに不安を払拭しきれないような不思議なニュアンス。16小節から弦のピチカートにスコアにはないクレッシェンドがかかり、強靭なフォルテまでに達するのはドッキリ! |
ツボ20 | ホルンはほとんど裏方。 |
ツボ21 | ティンパニは旧盤同様クレッシェンドもアクセントもなし。テンポは標準よりやや遅め。弾丸のような迫力を見せない代わりに、非常なまでの鋭利な弦の刻みせんれるな印象を残す。 |
ツボ22 | アクセントは無視。 |
ツボ23 | バスはよく張り出しているが、やや団子状態。 |
ツボ24 | 直前で徹底的にテンポを落としてから主部冒頭のテンポに戻る。 |
ツボ25 | ほとんど聞こえない。 |
ツボ26 | インテンポ。 |
ツボ27 | 直前でテンポを落とし、436小節からテンポアップ。灼熱の進行を見せる。 |
ツボ28 | 8分音符の音価は完全にスコアどおり。最後にティンパニの一撃アクセントがあるが、これがパンチ力横溢! |
ツボ29 | 筋骨隆々、実に立派な進行!テンポはやや遅めだが、音に威厳と確信が満ちており、縦の線も厳格に揃っているので独特の格調高い雰囲気を生み出している。この音のハリの強さは無類! |
ツボ30 | 弦もトランペットも厳格に音を切っている。 |
ツボ31 | 改変なし。ここからなぜかテンポを畳み掛けるのは旧盤同様。 |
ツボ32 | 明快な音色。 |
ツボ33 | 少しづつテンポアップ。562-563小節のみテンポを落とし、最後の2小節で畳み掛ける。 |
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