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サミュエル・フリードマン(指)ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
第2楽章ホルン・ソロ:
Arte Nova
74321-30492
録音年:1995年7月 ロシア・放送録音第5スタジオ【デジタル録音】
演奏時間
第1楽章 14:51 / 第2楽章 13:04 / 第3楽章 6:12 / 第4楽章 11:35
カップリング/スラブ行進曲、戴冠式行進曲
“指揮者の表現力とオケの力量不足が悔やまれます”
フリードマンは、1940年、ウクライナのハルコフ生まれ。1973年まではソビエト国内で指揮活動をしていましたが、1973年にイスラエルへ移住し、世界に活動の場を広げました。経験豊富な中堅で、オケもお得意の曲だと思いますが、感動には遠い演奏と言わざるを得ません。残響過多の録音もその要因だと思いますが、スコアから何かを汲み取ろうとする意思があまり感じられず、オケにも根源的なパワーが不足しています。ただ、下記に記したようにユニークな解釈もあるので、より整った条件で録音されると、また違った印象になるかもしれません。
第1楽章のツボ
ツボ1 クラリネットは太い音色で素朴に奏でる。それを支える弦が、多少ぶっきらぼうだが、それがかえって味。
ツボ2 前の部分の暗さを引きずらないで、淡白に進行その翳りをそっくり受け継いで弦を刻み、第1主題を奏でる。テンポは程よいアンダンテ。
ツボ3 特に何も感じてはいない。
ツボ4 楽譜どおり。
ツボ5 ことさら表情が豊かなわけではないが、しっかり歌っている。
ツボ6 強弱の差は大きくなく、無難な歌いまわしに終止。
ツボ7 完全に縦の線が揃っているが、第1音が少し金属的なのが惜しい。
ツボ8 華が感じられないが、美しいフレージングを聴かせる。
ツボ9 テンポは多少速める。501〜502小節のティンパニをトレモロに変更しているのが珍しい。ただ録音が遠く、効果的ではない。
第2楽章のツボ
ツボ10 弦は平板に流れるのみ。ホルンは、ヴィブラートの掛かった音色が独特だが、正確に吹いている域を出ず、それに絡むクラリネット共々、ニュアンスに乏しい。
ツボ11 フォルティシシモにまるで力感が感じられない。沈静の仕方は美しい。
ツボ12 このクラリネットは、なかなか感動的。4小節間ほとんど一息で奏で、結尾の余韻の残し方も美しい。
ツボ13 呼吸を感じさせず、ただ弾いているだけのピチカート。若干テンポも速め。
ツボ14 精一杯弾いているが、音量が大きくなるだけで、情感が溢れてこない。
ツボ15 音楽を感じず、楽譜どおりに弾いているだけ。
第3楽章のツボ
ツボ16 テンポを変えず吹き始める。
ツボ17 各パートがその役割を果たしているだけで、連携の妙は感じられない。
ツボ18 ちょっとぎこちない。2度目の方が出来が良い。
第4楽章のツボ
ツボ19 しっかりリズムを刻んで、威厳を醸し出そうとしているが、響き自体に厚みがない。
ツボ20 ホルンは裏方に徹しているが、美しいハーモニーを築いている。
ツボ21 ティンパニは終始トレモロのまま。その間に音楽が高揚していかないのは、どういうことだろうか?
ツボ22 完全に無視。
ツボ23 いかにもスタミナ不足。
ツボ24 テンポは変えない。
ツボ25 やる気のない一撃。
ツボ26 ここでもテンポを変えない。
ツボ27 快速感はない。ここに至っても音楽に根源的なエネルギーを感じないのは、録音のせいか?
ツボ28 ほぼ音符どおりの音価。
ツボ29 力感が上滑りしている感じ。
ツボ30 弦と同様にレガート風につないでいる。
ツボ31 スコア遵守。それに伴った工夫は何もしていないが、トランペットの力量が弱いので、結果的に弦主体のバランスとなり、違和感はない。
ツボ32 明確に轟いている。
ツボ33 インテンポでそのまま突き進み、ここは決然とした力感が感じられる。


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