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アルヴィド・ヤンソンス(指)レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 | |||||||||||||
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Altus ALT-095 |
録音年:1970年7月1日 大阪フェスティバル・ホール 【ステレオ・ライヴ録音】 | ||||||||||||
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カップリング/「白鳥の湖」〜第2幕「情景」 |
“ムラヴィンスキーの代役であることを忘れさせる、父ヤンソンスの比類なき音楽性!” |
ムラヴィンスキーの代役として来日したヤンソンス(マリスの父)は、ショスタコ5番とチャイ5というムラヴィンスキーの最大の得意曲を振るハメになりましたが、どちらもムラヴィン流でお茶を濁すことなく、民族色と透徹のテクスチュアをバランスよく融合したトーンの統一感と、強弱のそれぞれの意味を最大に生かすセンスが渾然一体となった、大ヤンソンス独自の技で彩られているのは驚愕です。私は晩年の彼が東京響を振った「悲愴」を聴いて、第1楽章展開部や第3楽章の巨大造型力と破格のスケールに完全に打ちのめされたのとともに、表現の幅広さと格調高い雰囲気作りに、彼こそ巨匠の中の巨匠だよイウ確信を持ちましたが、このチャイ5はその確信を一層強めてくれます。第1楽章の171小節の副次旋律のフレージングで、さっそく誰も思いも寄らない強弱のコントラストを表出!第2楽章は、頻出するピアニッシモがそれぞれ独自の意味を持って心に染み入り、全体を見事に統合しているのは並みの職人芸ではありません。第3楽章は前半でクラリネットが派手に音を外すのが残念ですが、中間部の管楽器の絡み合いの妙が聴きもの。終楽章は、強弱の差が一層激しくなりますが、超高速テンポの中で、容赦ない運命動機の強奏と息を潜ませた弱音は、結晶化された最良の部分だけが抽出され、見事な緊張感で一貫。名物イワノフのティンパニも大炸裂ですが、それだけが浮き立たつことなく、全体とのブレンド感をモートーのしているところにも、ヤンソンスの格調高い芸風を痛感します。しかし、172小節の運命動機や、コーダなど、ここぞという箇所のバランスを破っての馬力は敵なし!東京響を「鉛から金に変えた」と評されたヤンソンスの手腕をたっぷる堪能してください。なお、Vn両翼配置を採用していません。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | クラリネットのアタックは柔らかく、色彩も滲む。各音の音価も柔軟性があり、ムラヴィンスキーよりロマンティックな表現。 |
ツボ2 | テンポは標準的。第1主題の木管にフルートが加わってすぐ(2:58)に表れるディミニュエンドは実に儚い。 |
ツボ3 | 甘美に流れず、芯のある音。 |
ツボ4 | ほとんどディミニュエンドせずに、一音ごとに明確に弾く。 |
ツボ5 | 最初の3小節間、ほとんどピアニッシモのまま強弱の振幅を最少に抑え、119小節の符点2分音符からふわっとクレッシェンド。しかも、122小節の頭の符点4分音符を軽く撫でる程度にして、切なさを醸し出すセンスが素晴らしい!再現部でも同様。 |
ツボ6 | テンポの動きは最少で、洗練されたフレージング。 |
ツボ7 | 一呼吸で一気に駆け上がる。 |
ツボ8 | 直前で全くリタルダンドしないで、ここからガラッと一段遅いテンポでに切り替える。低弦の対旋律との掛け合いが絶妙! |
ツボ9 | テンポは速めない。そのインテンポ進行に独特の緊張が走る。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 冒頭はヴィオラの主旋律を響かせながら、低弦の分厚いうねりも生かす絶妙なバランス!ブヤノフスキーのホルン・ソロは、ややフレージングに安定感を欠くが、大咆哮ぶりばかりが伝えられる中で、この弱音で歌いぬくセンスは必聴! |
ツボ11 | 最初のフォルティシシモの一撃は、ティンパニとの壮絶な轟きと共に凄い馬力で押し寄せる。その後のフレージングは、洗練の極み。 |
ツボ12 | テンポは変わらず。強弱の陰影はあまり付けず、素朴に流れる。こういうところは、他のオケならただ平板なだけで終わってしまうところだが、技術を越えた共感が感じられるので、無味感想に陥ってはいない。 |
ツボ13 | 直前の全休止の間(ま)をたっぷりと取る。各和音ごとに独特のデリカシーを感じ、意味を込め抜いている。 |
ツボ14 | イワノフのティンパニが入魂の強打!高潔を極めたフレージングでエネルギーを加熱させ、フォルテ4つで極限の激高に達する。しかし、それでも品格を失わない。 |
ツボ15 | 安易な感傷とは無縁。透徹した弱音が魂の浄化のニュアンスを引き出す。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | 鉄壁のインテンポ! |
ツボ17 | オーボエの音が絶妙に生かされているのに注目! |
ツボ18 | あまり明快に聞こえない。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | 民族の血を感じさせる、確信に満ちたフレージング。テンポはやや速め。続くトランペットの強奏が、さらに音楽に凄みを付加。 |
ツボ20 | ホルンをかなり強奏させ、オーボエのピンと張った高音と絶妙なバランスを取っている。 |
ツボ21 | ティンパニはトレモロの途中から弱音で弦の刻みが快速で滑り込むのはムラヴィンスキーと同じ。その間、ティンパニはほとんどクレッシェンドせず、締めくくりの66小節で激烈な最強打アクセント。 |
ツボ22 | わずかに生かして、次のスラーのつなげている。 |
ツボ23 | こオケ特有のカロリー価の高い張り出し方! |
ツボ24 | テンポは変えず。 |
ツボ25 | ここで強打をしないのが、かえってセンスの高さを感じさせる。 |
ツボ26 | インテンポ。 |
ツボ27 | テンポ自体はことさら速くしていないが、芯の強靭なトランペットの突き抜けと共に、戦慄の緊張が漲る。 |
ツボ28 | 8分音符の音価は、やや長め。最後に一撃は置かない。 |
ツボ29 | 弦の動機は究極の高潔レガート!テンポそのものは標準的。 |
ツボ30 | 弦もトランペットも、レガートに徹している。そのためトランペットのブレスの位置が通常とは異なる。このトランペットの無敵の輝きと渾身のティンパニ強打は、ソ連邦の威信を担ったような凄い存在感! |
ツボ31 | 改変なし。ムラヴィン型のトランペット消音方式はとっていない。 |
ツボ32 | このオケならもっと出せそう。 |
ツボ33 | 最後の4つの和音の打ち込みでテンポを落とし、全てを最強打! |
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