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イサーク・カラブチェフスキー(指)フランス国立ロワール管弦楽団 | |||||||||||||
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CALLIOPE CAL-9381 |
録音年:2005年11月 【デジタル・ライヴ録音】 | ||||||||||||
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“ロワール管の久々のメジャー大曲録音” |
東京フィルへの客演でもおなじみのカラブチェフスキーの熱のこもったライヴ。彼はロシアからブラジルに移民した家系の出身で、そのせいか、音楽の作りは骨太で熱いものがあります。デルヴォーが育てたロワール管は、フランス風のニュアンスといったものはほとんど感じられず、カラブチェフスキーの意図するものを忠実に再現しようと努めています。音楽の呼吸もなかなか深く、表情のメリハリにも十分配慮。単なる熱血漢のノリでやり過ごさず、じっくりと腰を据えたそのアプローチには大いに共感できます。しかし、録音がややドライなせいか音色的な魅力に乏しく、奏者の力量にもばらつきがあることは否めません。決してムなんな演奏を目指しているわけではないのに、いまひとつ聴く側に食い入ってくるような要素に欠けるのです。したがって、競合盤がひしめく中、あえてこの演奏で世に問う意味はあまりないように思われます。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | クラリネットは第2小節から早くもクレッシェンドを行いニュアンスを膨らませる。序奏部後半は音色が太くなり、低弦の唸りも加味してなかなかの凄みを利かせる。 |
ツボ2 | テンポは中庸。クラリネットのテーマは陰りがなく、カラッと明快。木管同士のユニゾンによる音色は美しく融合している。 |
ツボ3 | クレッシェンドとディミニュエンドを無視し、弱音のまま通す。 |
ツボ4 | 情感を込め、優しく奏でる。強弱の振幅にも真実味がある。 |
ツボ5 | フォルテピアノの生かし方が完璧といえるほど忠実!切ない心情もよく表されている。 |
ツボ6 | ここもスコアに忠実。フォルティッシモはことさら声高にならない。録音がややドライなせいもあるが、もう少し音色的な魅力も欲しいところ。 |
ツボ7 | ピチカートはあまり美しいとは言えない。ここからの楽想の変化に対し、メリハリを持って表現しているようにも思われない。 |
ツボ8 | 副次主題に入る直前の音の消え入り方が実にデリケート。副次主題は裏の木管がやや煩わしく聞こえる。ここでも弦に音色的な色香が欲しい |
ツボ9 | 聞こえすぎるくらいよく聞き取れる。よほど木管に接近してマイクが設置されているのだろうか?テンポはインテンポのまま。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 低弦の音色はややざらつき気味。ホルンは朴訥という他なし。安全運転を目指しすぎて何も浮かび上がってこない典型。 |
ツボ11 | 呼吸感は素晴らしいが、ティンパニの入りがややもたつくのが惜しい。 |
ツボ12 | むしろテンポを落とすが、これが成功!弦と一体となって、強弱の配分が心の真の吐露となっている。ファゴットも心を打つ。 |
ツボ13 | 直前でかなりテンポを煽る。量感質感を兼ね備えた素晴らしいピチカート!テンポは戻っている。 |
ツボ14 | 冒頭のティンパニがいかにも甘い。呼吸は深く、フォルテ4つへの導き方も堂に入っているが、音楽の芯のヴォルテージが高揚しきれていない。な |
ツボ15 | すっきり流れるのはよいが、表情まで薄くなってしまっている。最後の4小節で突如減速し、柔らかい響きを醸し出してしっとりと聴かせるが、このテクスチュアをここだけに表出する意図がわからない。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | わずかにテンポを落とす。 |
ツボ17 | アンサンブルの崩壊を恐れているのだろうか?リズムは弾まず、自信なさげな表情に変わるのが不思議。音楽的な表情を聞き取りにくい。 |
ツボ18 | クラリネットとファゴットは毎回に聞こえる。2回目は大成功!楽章最後の4分音符が中途半端に引き伸ばされる。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | 標準的なテンポ。テクスチュアの統一も図られており、安定した響きだが、それ以上のニュアンスは立ち上がってこない。 |
ツボ20 | このあたりから、音楽に緊張感が加味される。ホルンは後半にやや浮上する。荘重なテンポもツボを得ている。 |
ツボ21 | ティンパニは58、62、66小節でクレッシェンドするが、いかにもぎこちない。テンポは中庸。音楽の作りには逞しさを感じる。 |
ツボ22 | 全く無視。 |
ツボ23 | なかなかの量感で、感とのバランスも良好。266小節のホルンのアクセントを見逃さずに生かしているのは極めて希少! |
ツボ24 | 直前までにぎりぎりまでテンポを落とし、ここから主部冒頭のテンポに戻る。 |
ツボ25 | 鈍い。 |
ツボ26 | そのままインテンポ。 |
ツボ27 | ここからテンポアップ。トランペットと弦が少しずれている。 |
ツボ28 | 楽譜の音価より長め。ここでもティンパニは素人的。 |
ツボ29 | 勇壮なニュアンスが見事に結実。弦は終始テヌートで朗々と歌い上げる。 |
ツボ30 | トランペットは弦と同様にテヌート。 |
ツボ31 | 改変なし。 |
ツボ32 | はっきり聞こえるが、音色やや濁っている。 |
ツボ33 | 最後までインテンポ。スコアどおりの普通の締めくくり。 |
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