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小泉和裕(指)九州交響楽団 | ||||||||||||||
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ナミ・レコード WWCC-7230 |
録音年:1993年3月21〜22日 福岡・末永文化センター 【デジタル録音】 | |||||||||||||
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オリジナル・カップリング/チャイコフスキー:イタリア奇想曲 |
“これがこのコンビの最大限の表現力でしょうか?” |
九州交響楽団の創立40周年記念録音で、これがCDデビュー。小泉にとってはRPOから5年ぶりの再録音です。そういった記念的な意味合いでの録音ということは分かりますが、なぜこの曲を選んだのか、このCDから聴衆に何を感じてもらいたいのかさっぱり分かりません。小泉にとっては、ウィーン・フィルとの演奏会でも取りあげるほど手馴れた作品で、落ち着き払った大人のチャイコフスキーを目指しているのだと思いますが、決して表現のために踏み込もうとせず、音楽的な感興が最後まで湧き上がって来ないのです。全てに渡ってRPOでのアプローチと全く同じというのも逆に驚愕で、彼自身の円熟味や、オケの意気込みも感じられないとなっては、このCDは単なる団員の記念品としか思えなくなってきます。金管がキンキンとうるさいのまでRPOの時と同じですが、これは偶然の一致でしょうか? |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | クラリネットに特色はないが、弦のえぐりがよく効いている。テンポは中庸。音価の保ち方も入念。 |
ツボ2 | 弦の質感が乏しいが、丁寧。クラリネットとファゴットでは、ややファゴットの方が浮き立っている。 |
ツボ3 | 草書風のレガート。 |
ツボ4 | ほとんどディミニュエンドをしないのはRPO盤と同じ。 |
ツボ5 | 最初のタイで繋がった音符の音価が若干長い。 |
ツボ6 | 丁寧なフレージング。 |
ツボ7 | 表情が湧き出てこない。 |
ツボ8 | テンポを落としてたっぷり歌っている。弦の質感が良く、洗練されたニュアンスが伝わる。 |
ツボ9 | テンポを変えない。やや遅めのテンポだが、音の重心が高域よりで威厳がない。。16分音符は聞こえない。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | テンポは普通。ホルンは流麗さはないが、丁寧に歌っている。 |
ツボ11 | 中低域の力感が不足していて、手応えはそれほどない。 |
ツボ12 | クラリネットが入る直前の2分音符音価どおりに弾かせて、すぐクラリネットがすぐ吹き始めるのもRPO盤と同じ。ファゴットが巧い。 |
ツボ13 | このピチカートも質感に乏しいが、意味を込めようとする意思は感じられる。 |
ツボ14 | フォルティシシモの一撃は完全に不発。フォルテ4つの直前でリタルダンドするのはRPO盤と同じだが、せっかくの高揚がいきなり遮断されるだけ。ここまでの流れも、呼吸で支え切れていない。 |
ツボ15 | 非常に美しいが表面的。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | ほんの少しだけテンポを落とす。 |
ツボ17 | 楽譜どおりに弾いている範疇をでない。 |
ツボ18 | 特徴なし。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | 程よいアンダンテ。カラヤン風の演奏を目指したのかもしれない。 |
ツボ20 | ホルンはほとんど裏方。 |
ツボ21 | ティンパニが最初にクレッシェンドしてから弦が入り、すぐにティンパニは音量を弱めるので、エネルギーが変に減退してしまう。62小節でもクレッシェンドする。テンポはやや遅め。 |
ツボ22 | 全く無視。 |
ツボ23 | よく聞こえるが、見事に無表情。 |
ツボ24 | 直前でいったんテンポを落としてから、主部冒頭のテンポをとる。このテンポ操作も極めて人工的。 |
ツボ25 | 強打ではないが、よく聞こえる。 |
ツボ26 | そのままインテンポ |
ツボ27 | テンポは速いのに、なぜかスピード感がない。音に意思が伴っていない証拠。 |
ツボ28 | 8分音符の音価は長いが、緊張が続かない。 |
ツボ29 | 全休止で完全に真空無音状態になる。この前後を編集で繋げたのは明白。著しく興を殺ぐ。この先のオケ全体のクオリティーが一段高まっている。 |
ツボ30 | 弦もトランペットも中途半端に音を切る。 |
ツボ31 | 改変なし。 |
ツボ32 | 聞こえすぎるくらい聞こえる。 |
ツボ33 | 全てRPO盤と同じ。最後のティンパニのトレモロが、急にリアルに轟く。これも調整されてのことだろう。 |
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