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ユリアン・コバチェフ(指)ソフィア祝祭管弦楽団 | |||||||||||||
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Real Sound 951-0064 |
録音年:1992年9月2日〜4日 ソフィア ブルガリア・ホール 【デジタル録音】 | ||||||||||||
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“終楽章が不思議!” |
コバチェフは、ソフィアで学んだ後、ザルツブルク音楽院へ進み、5年間ベルリン・フィルのヴァイオリン奏者を務め、指揮者を目指しすようになってからは、カラヤン・コンクールに入賞するなど、輝かしい経歴の持ち主。1992年からはソフィア祝祭管の音楽監督を務めています。このチャイ5は、第1楽章から終楽章の序奏部までが実に素晴らしい演奏!下に記したように、テンポも音色もしっかり練られ、表情が確信に満ち、揺るぎない説得力を誇っています。歌のセンスは天性の閃きに満ち、第2楽章の副次旋律が弦で現れる箇所の深みを湛えたフレージングは心の深部まで浸透する魅力を持ち、ティンパニの音楽的な轟きも絶妙!第3楽章のゆったりとしたテンポを全く弛緩させず、内容量豊富な音楽を展開し尽くしているのにも、コバチェフの真摯な音楽への姿勢感じ、オケの共感も十分に感じ取れ、素敵な表情は上げたらきりがないほどです。終楽章の序奏部は、演奏時間からも予想したとおり、チェリビダッケばりの超スローテンポ!しかも来たるべきドラマを予感させる異様な緊張が漲り、ワクワク感この上ないのですが、残念なことに主部以降は、なぜか表情がぐらつき、ボロが見え隠れしてしまうのです。今まであれだけ充実していた響きがどんどん散漫になり、トランペットは致命的なミスをするだけでなく、自分の出番を吹いたり吹かなかったりという有様。ティンパニも今までいい味を出していたのに、終楽章の再現部368小節で、「レ・ミ♯・レ・ミ♯」と叩き続けるところを「ミ♯・レ・ミ♯・レ」と逆に叩いてしまい、なんだかガムラン音楽風のサウンドになってしまって、思わず吹き出してしまいました。ライヴではなく、3日間も掛けたセッションにもかかわらず、それを放置したままとままというのは、いったいどういうことでしょう? |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | クラリネットは一音一音丹念に丹念に豊かな音色を紡ぎ出している。低弦の押し出しが強く、しっかり発言。全体に響きが厚い。テンポは標準的なもの。 |
ツボ2 | 弦の刻みは逞しさが宿っている。木管の一貫した深みを湛えた音色が印象的。 |
ツボ3 | スラーは普通でが、自然な2小節単位でのフレージングが美しい。 |
ツボ4 | 入念な下降線を描く。 |
ツボ5 | 音の筆致が太く、表情は入念。低弦部の動きがよく聞こえる。 |
ツボ6 | 感傷過多にならず普通に流しているが、均整のとれた音色美が素晴らしく、130小節目でのほんの一瞬のテンポの落とし方も絶妙。 |
ツボ7 | 整然とした響き。 |
ツボ8 | 弱音ではなく、メゾフォルテくらいの音でくっきりとした旋律線を描いている。 |
ツボ9 | 加速しない。16分音符の頭はゆったり目のテンポのためよく聞こえる。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 導入の弦は、なぜかチェロの上声部ばかりが目立ち、バランスが悪い。ホルンはホールトーンと相俟って美しい音を出しているが、ほとんど強弱を付けず、ニュアンスは乏しい。クラリネットの絡みとオーボエはしっとりと聴かせる。 |
ツボ11 | 弦が副次旋律を弾き始める45小節からこの箇所までの悠揚たる歌い回しの味わいは格別!56小節のフォルティシシモでのティンパニの轟きが実に意味深く、音楽が一気に壮大に膨らむ。 |
ツボ12 | クラリネットは哀愁漂うと言うより、やや不安定さが残る。テンポは特に変えていない。 |
ツボ13 | 各和音の意味を確かめるように鳴らされる。ここでも上声部がやや弱いが、その低音重視のハーモニーがここでは独特の深みに繋がっている。 |
ツボ14 | 見事!直前でギリギリまでテンポを落としておいて、重量級のティンパニの一撃を契機じりじりと内燃のエネルギーを燃やし続け、フォルテ4つの頂点で仰ぎ見るような音像を築いている。 |
ツボ15 | 太い筆致で入念に歌い込んでいる。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | 少しだけテンポを落とす。 |
ツボ17 | やや遅めのテンポが完全に生き、そのテンポの中で各パートが音を聞き合って豊かなハーモニーを築いている。 |
ツボ18 | まずまず。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | メゾフォルテの指定に忠実。翳りを湛えながら超スローテンポで意味深いレガートを聴かせる。チェリビダッケ的! |
ツボ20 | ホルンは完全に裏方。全体に一貫して弱音寄りの進行が独特の緊張を保ち続けている。 |
ツボ21 | 最初のクレッシェンドのあとで一撃。その後62小節と66小節でクレッシェンド。そのティンパニに対して弦の刻みの量感がやや弱い。テンポは中庸。78小節でトランペットが吹き損じている。トランペット、ホルン、トロンボーンと引き継ぐ最初のきっかけを担っているだけに、これはマズい。 |
ツボ22 | ほとんど無視。 |
ツボ23 | 音の末端までよく響いている。 |
ツボ24 | テンポは変えない。 |
ツボ25 | 強打ではないが、バランス良く鳴っている。 |
ツボ26 | インテンポ。 |
ツボ27 | なんとトランペットが吹いていない!ホルンしか聞こえず、時折思い出したようにトランペットが顔を出すが、またすぐ消えてしまう。全く不可解。 |
ツボ28 | 8分音符を思い切り伸ばす。 |
ツボ29 | この最初のトランペットも、強弱が気まぐれ。全休止前といい、何か投げやりのように聞こえる。最後までこの調子。 |
ツボ30 | 弦もトランペットも、音を切っている。 |
ツボ31 | 改変型。 |
ツボ32 | はっきり聞こえるが、血の気を感じさせない。 |
ツボ33 | 十全としたテンポのままで巨匠風の足取りで終わるが、564小節の符点2分音符の後に、はっきりと休符を挟んでから最後の4つの和音を克明に打ち込むのがユニーク。 |
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