第1楽章のツボ |
ツボ1 |
音像が明確に立ち上がり、暗さに耽溺せずにインテンポを基調として決然と直進。低弦は強く張り出し、全体に意志の力が漲っている。 |
ツボ2 |
テンポは中庸で、リズムは素朴に弾みながら野暮ったさはなく、温かい情感が流れる。クラリネットとファゴットの溶け合いはまさに理想的。 |
ツボ3 |
しなやかさにやや欠けるが、弦の質感が美しい。 |
ツボ4 |
最近では珍しくテンポを落とす!古さは感じさせず、2度目以降はインテンポのままとする配慮にもセンスの高さを感じさせる。 |
ツボ5 |
フォルテピアノは柔らかく、弦は心の底から歌い上げている。弦の質感も見事で、合いの手の木管の煌きも印象的。 |
ツボ6 |
微妙にテンポを落としているが、気品を失わず、内面的な高ぶりのみが自然に醸成されているのが実に見事! |
ツボ7 |
冒頭の一音のみ濁っているのが惜しい。 |
ツボ8 |
いくぶんテンポを落とすが、ここでも媚びるような歌いまわし馳せず、丹念に歌うのみ。176小節以降、少しづつリタルダンドしながら粋の長いフレージングを見せるのはなんとも感動的!再現部でも同様。 |
ツボ9 |
まさに理想的!冒頭のフォルティッシモを抑制しているので、16分音符は明確に聞き取れる。 |
第2楽章のツボ |
ツボ10 |
導入の弦は、全くスコアの演奏に終止しているが、憧れと共感を融合させた素晴らしいニュアンス!ホルンは、ピアニッシモの持久力が見事!表現の幅は大きくないが、表現はしっかりと伝わると共に、それを支える弦が天上世界をのようなニュアンスを表出している点も忘れがたい。 |
ツボ11 |
スケールは決して大きくないが、全体の流れに適応した自然な呼吸。 |
ツボ12 |
技巧に走らず温もりを感じさせる音色が魅力的。まさにチェコ・フィルならでは! |
ツボ13 |
精巧さよりも素朴さが際立つ。 |
ツボ14 |
149小節で一旦音量を落とす。これはマーカルの趣味だと思うが、切迫しながらフォルテ4つまで登りつめる途中において、呼吸の肺活量を危惧して一休みを入れる感が否めない。フォルテ4つも通常のフォルティッシモ程度の威力。 |
ツボ15 |
デリケートではあるが、表情がやや希薄。 |
第3楽章のツボ |
ツボ16 |
テンポを落とすがぎこちなく、59小節からのリズムが弦のピチカートとほぼ揃ってしまうくらいずれているのはあまりにも問題。なぜ録り直しをしなかったのだろうか? |
ツボ17 |
チェコ・フィルの楽器の特性が良く生かされた愉しい瞬間。 |
ツボ18 |
フォルティッシモをキープしているとは言い難く、ごく無難な出来。 |
第4楽章のツボ |
ツボ19 |
威厳に満ちているが威圧感はなく、格調が高い。テンポは中庸。 |
ツボ20 |
ホルンは完全に裏方。 |
ツボ21 |
ティンパニ、58小節冒頭でアクセントの一撃を置く。テンポはごく標準的。鬼気迫る凄みはないが、音色のバランスが見事で味わい深い。 |
ツボ22 |
アクセントは控え目ながら生かしている。 |
ツボ23 |
編集でクローズアップした感も残るが、明快に張り出している。意思の強さは感じられない。続くクラリネット・ソロの立ち上がりも極めて明快。 |
ツボ24 |
直前にややテンポを落とすが、ここでまた同じテンポで再起。 |
ツボ25 |
強打しているが、衝撃は小さい。 |
ツボ26 |
インテンポのまま。 |
ツボ27 |
やや速くなる程度。激高を煽ることは決してない。463小節からのティンパニのトレモロが妙に明快に聞こえる。今までとは明らかに音の質感が異なり、マレットを持ち替えているとは思えないので、編集でクローズアップしたものと思われる。オクタヴィアの録音には、ソロ・パートなどを意図的に強調する癖があるが、ここもそうなのかもしれない。 |
ツボ28 |
8分音符の音価は正確にスコアどおり。ティンパニは最後の一撃あり。 |
ツボ29 |
ここから、音の放射力が一気にアップする。チェコ・フィルの弦にも惚れ惚れ。 |
ツボ30 |
弦もトランペットも音を切る。但しトランペットはやや曖昧。 |
ツボ31 |
改変なし。 |
ツボ32 |
芯のある見事な鳴りっぷり! |
ツボ33 |
インテンポのまま終結。最後のティンパニも妙に克明。ここにも編集の痕を感じさせる。 |