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チャイコフスキー:交響曲第5番
オヴィディウ・マリネスク(指)ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
第2楽章ホルン・ソロ/
録音年:2004年5月28-29日モスクワ 【デジタル録音】
演奏時間: 第1楽章 15:57 / 第2楽章 12:58 / 第3楽章 6:25 / 第4楽章 12:44
カップリング/スラブ行進曲
“チェリスト出身のマリネスクのチャイ5”
マリネスクはルーマニア出身。元はチェリストで、アメリカに出てからは指揮者としても活動を開始。現在はウェストチェスター大学で後進の指導に当たり、同大学のオーケストラの音楽監督も努めています。このCDは彼の自主制作盤の様で(CD番号の記載もない)、ロシア・フィル側からの要請で実現した録音とのことです。なお、オーケストラは、Arte Novaでフリードマンが指揮している団体(1995年創立)と同一と思われます。
演奏はというと、特にコメントすることなし。マリネスクのチェリストとしての力量が如何ほどのものなのかはわかりませんが、少なくとも指揮者としては最低限の力量すら備えているとは思えません。まずこの作品をどのようにイメージしどう構築するつもりなのか最後まで見えず、声部のバランス処理も不徹底。根源的なスケール感に欠け、大きな音にも小さな音にも意思が感じられず、音色イメージもなし。見事なまでにないない尽くしです。学生達にいったい何をどのように教えているのでしょうか?ただ1点だけ、終楽章展開部の202小節から5小節間。高音の木管群をバランスの頂点に置く例はほとんどないので、ハッとさせられますが…。
第1楽章のツボ
ツボ1 クラリネットは程よい輪郭を伴って浮かび上がり、全体にテヌート気味に粘着力を持って進行。弱音の繊細さよりもあえて土臭さを出すように意識しているようだ。
ツボ2 テンポは標準的。木管の技量はなかなか。音楽的センスも感じられる。弦にテーマが移ると、約1名先走って弾いている走者がいることを除けば、共感を込めた美しいフレージングを実現している。
ツボ3 特徴なし。
ツボ4 やや響きが荒く、ハーモニーが溶け合っていない。特にフレーズが下降しきった付点4分音符で、第2ヴァイオリンが目立つのはバランスがおかしい。
ツボ5 最初のスフィルツァンドが不統一。
ツボ6 繊細に歌うのはよいが、音楽が小さく聞こえるのが難点。
ツボ7 美しくないうえに下手。
ツボ8 個々ではじめて楽想の違いを浮き立たせる表情を表出。デリケートに甘美に歌い上げている。ただ、オケの音色がキメテに欠ける。
ツボ9 わずかにテンポを上げる。
第2楽章のツボ
ツボ10 弦の序奏は情感皆無。ただ音符をなぞるだけでで何も湧き上がらないままホルンに渡す。ホルンは音の外しはないが無難な出来という程度。
ツボ11 熱い魂がこもったフォルティシシモ。ティンパニも効いている。
ツボ12 クラリネットは実に巧いが、響きがあまりにも晴れやか。
ツボ13 これまた変なバランス。低弦が響きすぎる。
ツボ14 懇親のアゴーギクを展開するが、途中多少間延びする箇所がある。ただ、最後のフォルテ4つの頂点は、木管の表出が効いて見事な咆哮を実現している。
ツボ15 ここまでデリカシーを捨て去った演奏も珍しい。
第3楽章のツボ
ツボ16 わずかにテンポを落とす。
ツボ17 ここの楽想をどう捉えているのか全く見えてこない。木管は不器用にピコピコ飛び出すばかりで、テンポもリズムの不安定。
ツボ18 まずまずの出来。
第4楽章のツボ
ツボ19 ここでも低弦寄りのバランスで居心地が悪い。幾分マイクが近いのだろうか?指揮者が無頓着なのか?
ツボ20 ホルンは裏方だが、バランスとって響いている。
ツボ21 ティンパニは61小節と63小節でスコアどおりのスコアどおりのクレッシェンドを実行。テンポは極めて中庸。全体の声部バランスは良いが、どこか生ぬるい空気が流れる。
ツボ22 全く無視。
ツボ23 克明に聞き取れるが意思の強さは感じられない。
ツボ24 主部冒頭よりもわずかに速いテンポ。
ツボ25 鈍い。
ツボ26 主部冒頭と同等のテンポだが、リズムの打ち込みがここだけなぜか強靭。
ツボ27 少しテンポを速める。2つの8分音符が妙に軽い。
ツボ28 楽譜の音価より長め。ティンパニは最後にアクセントを置く。
ツボ29 堂々とした雰囲気を出そうとはしているが、フレーズが素直に流れず、重い荷物を背負って山を登っているかのようで、ここに至って未だ達成感を表出しない。に
ツボ30 弦は明確に音を切り、トランペットは徹底してテヌート
ツボ31 改変なし。503小節のスフィルツアンドは試みるも不徹底。
ツボ32 はっきり聞こえるが、巧味がない。
ツボ33 ごく普通のイン・テンポ進行。最後の4小節でテンポを落とすのは良いが、緊張感を昇華仕切れていない。


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