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テレイエ・ミッケルセン(指)ウクライナ州立交響楽団 | |||||||||||||
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Simax PSC-1109 |
録音年:1993年11月12日〜14日 キエフ・フィルム・スタジオ 【デジタル録音】 | ||||||||||||
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“激情を消して煽らず、しなやかな流れに徹したチャイ5” |
ミッケルセンは、1957年ノルウェー生まれ。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでパヌラ等に学んだ後、1984年から1990年まで、オスロ、サンクト・ペテルブルクでマリス・ヤンソンスのもとで研鑽を積み、1993年からはウクライナ州立響の音楽監督を務めています。彼の芸風は、激情を爆発させるタイプではなく、ややこじんまりとしたフォルムの中で洗練された佇まいを重視した音像を繰り広げるのが特徴で、第2楽章の頂点や終楽章も、テンポの急緩を大きく取らず、インテンポを基調としたすっきりした流れで統一しています。声部のバランスも模範的で、オケの技量にもムラがなく、安心し聴き通すことが出来ますが、最後まで無難にすっきり流れすぎて手応えが少なく、胸に迫る瞬間が少ないのが残念です。オケの人数が少ないのか、フォルティッシモでも重量感が増すことがなく、当たり障りのない音楽が素通りしてしまう感じです。全体のトーンの統一感や、第1楽章第2主題のフレージングなどは決して偶然の産物ではないので、決して凡庸な指揮者ではないと思いますが、全体的にインパクトに欠けるようです。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | 全体にフレージングも流れも表情もやや淡白だが、響きが見事に統制されている。テンポはやや速め。 |
ツボ2 | 虚飾の一切ない木管の歌い回しが心地よい。弦も洗練されている。 |
ツボ3 | デリケート。 |
ツボ4 | 呼吸を沈静させながら静かに下行。 |
ツボ5 | 完全にインテンポ。独特の振幅!最初のクレッシェンドの膨らみが見事! |
ツボ6 | 124小節からとアニマート以降でニュアンスの違いを見せるセンスが抜群。 |
ツボ7 | わずかにテンポアップして活気を呈す。色彩も豊か。 |
ツボ8 | ピアニッシモ寄りの最弱音で深々と語りかける。しっかり呼吸が息づいている。 |
ツボ9 | 16分音符の頭は聞こえない。安定した進行だが、響きにやや厚みと芯を欠く。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | ホルンの技術は安定しているが、表情は平板。 |
ツボ11 | フォルティシシモを際立たせず、テンポも変えずストレートに飛び込む。 |
ツボ12 | クラリネットは前の部分のテンポをそのまま引継ぎ、洗練されたフレージング。 |
ツボ13 | ここでもインテンポ。響きのニュアンスは乏しい。 |
ツボ14 | この冒頭とフォルテ4つの頂点、共にパンチに欠ける。 |
ツボ15 | 非常に丁寧という以外、特徴はない。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | インテンポ。 |
ツボ17 | 誠実な運びだが、ニュアンスが広がらない。 |
ツボ18 | 特徴なし。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | テンポはやや速め。弓圧を抑えて流麗に流れる。デリカシー優先。 |
ツボ20 | ホルンは裏方に徹する。 |
ツボ21 | ティンパニは冒頭で少しクレッシェンドした後に一撃を置くが、やや中途半端。62小節でも弱めに一撃。その後、弦がが快速で切込むが、音のアタックは鋭利ではなく、ここでも力感よりもしなやかさが優る。 |
ツボ22 | 無視。 |
ツボ23 | 決して大きな音ではないが、全体とバランスよく調和。 |
ツボ24 | テンポは速めずインテンポを守っている。 |
ツボ25 | 弱い一撃。 |
ツボ26 | インテンポ。 |
ツボ27 | 今まで同様のテンポ。 |
ツボ28 | 8分音符の音価は長め。 |
ツボ29 | やや速めのテンポでレガート主体でフレージング。 |
ツボ30 | 弦もトランペットも、レガートで統一。 |
ツボ31 | 改変なし。ムラヴィンスキー的に一旦トランペットを引っ込めている。 |
ツボ32 | とても堅実な鳴り方。 |
ツボ33 | 最後の4小節でややテンポを落とすが、全体に重量感に欠ける。 |
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