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リッカルド・ムーティ(指)フィルラデルフィア管弦楽団 | ||||||||||||
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| 東芝EMI TOCE-13104 |
録音:1991年1月19-21日 フィラデルフィア・メモリアル・ホール 【デジタル録音】 | ||||||||||||
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| カップリング/幻想的交響詩「フランチェスカ・ダ・リミニ」 | |||||||||||||
| “ムーティの熱い歌心と構成力が見事に融合した名演” |
| 前回のフィルハーモニア管との録音からわずか3年後の再録音ですが、これを聴くと、前回の録音の時点で既にこの作品へのアプローチが出来上がっており、練り上げられたいたことを確認することができます。テンポ、強弱、表情の等のコンセプトは前回とほとんど変わっていませんが、音楽が一層大きく確信に満ちた内容となり、フォラデルフィア管という名器を得て再録音を果たした意義を十分に感じ取ることができます。第2楽章の終結部に至るまでの表現の充実ぶりは見事というほかなく、ほとんど軽く扱われがちな第3楽章のコーダの巨匠然とした味わいも格別。ムーティが指揮する交響曲作品は、毒にも薬にもならない思っている方(私も以前はそう思っていた)は、この演奏に接っすれば決して通り一遍の演奏で満足する指揮者ではないという事に気付かれることでしょう。第2楽章(ツボ14)を是非聴いてみてください!こんな思い切りの良い表現を決然と行ない、なおかつそれを、「こんなアイデアを持っています」という自己顕示が前面で出ることなくえる自然に構築できる技量を持つ指揮者は稀有でなないでしょうか? |
| 第1楽章のツボ | |
| ツボ1 | 前回の録音同様、クラリネットの輪郭は太く明快。男性的な意志の強さを湛えるムーティらしいフレージング。弦とのバランスが全く同等な上、高弦と低弦も同等に存在感を示すところに、指揮のデジタル録音特有の癖を感じるが、全体に表現としてのバランスは取れている。 |
| ツボ2 | 中庸のテンポで、デリカシーを感じさせる弱音で丁寧にフレージング。弦にテーマが以降した後は、レガートのの美しさと安定感がが際立つ。 |
| ツボ3 | 際立った特徴はないが、前録音よりも強弱のの振幅が豊か。 |
| ツボ4 | スコアどおり。 |
| ツボ5 | 前回同様、ここからテンポを落として丹念に歌い上げるが、一層表情が緻密かつ濃厚になり、木管の合の手との連動も実に美しい。 |
| ツボ6 | その雰囲気を踏襲し、耽溺スレスレの表情で一貫。ムーティのカンタービレのセンスの賜物。 |
| ツボ7 | ピチカートは美しく揃っているという程度だが、フォルティッシモの指示にとらわれず、あえて弱音主体で、第2主題の叙情性をここでも踏襲しているのがユニーク。 |
| ツボ8 | 弦の量感が実に豊かなので、求心力の高いフレージングが実現。 |
| ツボ9 | 16分音符はかすかに聞こえる程度。インテンポのまま勇壮に進行するが、前回録音よりも巨匠風の安定感を感じさせる。 |
| 第2楽章のツボ | |
| ツボ10 | 弦の序奏は、前回録音よりも付点2分音符の音価は同等になっているが、強弱の振幅が大きくなっている。ホルンは美しい弱音で安定した歌を聴かせる。もう少し閃きが欲しい気はする。距離感も良好。 |
| ツボ11 | 決して大音量ではないが、ティンパニとのバランスの良さも含め、奥行き感のある高揚を見せる。 |
| ツボ12 | クラリネットは絶品!音の線は明快だが、わずかに伏目がちな表情で繊細に歌い、ファゴットが登場する直前の消え入り方も心を打つ。 |
| ツボ13 | この直前でのテンポの落とし方は前回録音ほどは際立っていないが、音の芯がより逞しくなっている。ピチカートの箇所から最初のテンポにスパッと戻るのは前回同様。 |
| ツボ14 | 前回録音では、141小節の最後の8分音符を思いっきり引き伸ばして素晴らしい効果を上げていたが、ここではさらに前の音符から減速を開始し、音の引き伸ばし方もさらに迫真のものとなっている。しかも、フォルテ4つに差し掛かる直前の最後の音符に至っては、とてつのなく長い引き空前絶後と言える引き伸ばしを敢行!スタジオ録音なので壮烈な凄みには達していないが、表現として見事に結実している。 |
| ツボ15 | 2連音のクレッシェンドが心に響く。 |
| 第3楽章のツボ | |
| ツボ16 | 冒頭でテンポを落とす。 |
| ツボ17 | さすがに名門オケだけにアンサンブルに全く破綻がないが、どこか表情が四角四面の域を出ない。ムーティならもう少し湧き上がるような何かを込められる気がする。 |
| ツボ18 | ファゴットの冒頭一音がやや目立つ。221小節からのクレッシェンドを忠実に実行(前回録音では行なわなかった)。 |
| 第4楽章のツボ | |
| ツボ19 | 標準的なテンポながら風格満点。 |
| ツボ20 | オーボエ主体で、ホルンは終始裏方に徹している。 |
| ツボ21 | テンポはカラヤンに近い。ティンパニは58小節と62、66小節でクレッシェンド。前回行なっていた64小節のホルンの強調はないが、全体に音楽の質感量感が格段に向上している。 |
| ツボ22 | 全く無視。 |
| ツボ23 | 明快に張り出し、特に8分音符の下降音型までしっかり聞き取れるのは珍しい。 |
| ツボ24 | テンポは一定。 |
| ツボ25 | 強烈なパンチ力はないが、存在感を示す意味深い一打。 |
| ツボ26 | インテンポのまま。 |
| ツボ27 | ここからテンポ・アップ。トランペットの技量が見事! |
| ツボ28 | 楽譜の音価より長め。 |
| ツボ29 | 前回録音でやや散漫だった最初の2小節が、ここでは見事な威厳を保ち、この録音全体の表現意欲を象徴している。弦のフレージングに宿る意思も一層強固なものとなっている。 |
| ツボ30 | 弦は明確に音を切っているが、トランペットはテヌート。 |
| ツボ31 | 改変なし。 |
| ツボ32 | はっきり聞こえるが、ややオン・マイク気味。 |
| ツボ33 | 確信に満ちたインテンポ進行。 |
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