HOME | 新譜速報→ | 交響曲 | 管弦楽 | 協奏曲 | 器楽曲 | 室内楽 | 声楽曲 | オペラ | 現代曲 | バロック | 企画・廉価 | 特集 → | 演奏家 | レーベル | バックナンバー |
殿堂入り → | 交響曲 | 管弦楽 | 協奏曲 | 器楽曲 | 室内楽 | 声楽曲 | オペラ | シリーズ | カタログ | 音楽本 → | クラシック | 名言集 | チャイ5年表 | お買い物ガイド |
小澤征爾(指)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | |||||||||||||
|
|||||||||||||
DG 431603 廃盤 |
録音年:1989年4月25〜26日 ベルリン・フィルハーモニー 【デジタル録音】 | ||||||||||||
|
|||||||||||||
※カップリング/序曲「1812年」 |
“伸びやかさを欠いたベルリン・フィル” |
特に第1楽章で、木管が異常にマイクに近く、雰囲気が台無しになっているのがまず残念。小澤の表情は過去の録音に比べて安定感を増しているだけに、良好バランスであったなら、もっと心に迫る瞬間があったかもしれません。しかしそれにしても、BPOというチャイコフスキーと相性抜群のスーパー・オケを相手にしても、音楽の作りがどこか窮屈で、沸き立ってこないのは、これが小澤の限界ということなのでしょうか?一見、隅々まで良く鳴り、技術的にも完璧なので、立派な演奏に聞えますが、「誠実」という枠の外から出ず、一向に音楽が自立して迫ってこないのです。そもそも小澤自身、この録音を聴いて胸が打ち震えたのでしょうか?少なくとも、この録音で聴く演奏は、音楽を構築するという概念が存在せず、指揮者なしの合奏のようにしか聞えないのです。同じベルリン・フィルを振ったアバドの演奏と比べると、音楽を受け止める許容量の違い、歌の質感、全てにおいて差があまりにも大きすぎます。「小澤はライヴに限る」と言ってしまえばそれまでですが、少なくともこうして超有名曲を録音する以上は、独自の音楽観を出してもらわなければ困ります。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | クラリネットが妙にオンマイク気味。しかも変な箇所で息継ぎしている。 |
ツボ2 | クラリネットの、フルート共に強弱ニュアンスが濃厚。続く弦は繊細。これに絡む木管が全てマイクに近く、バランス劣悪。 |
ツボ3 | 音量を抑えてデリケートに奏でているのが、今までの録音と異なる。 |
ツボ4 | 丁寧な下行ライン。絡む木管の全てがマイクに近く煩わしい。 |
ツボ5 | いかにもBPOらしい陰影の濃いフレージング。タイの引き伸ばしはなく、ごく自然。 |
ツボ6 | 入念に歌ってはいるが、なぜが真に迫ってこない。 |
ツボ7 | 無表情に近い。 |
ツボ8 | 今までの録音同様、アゴーギク皆無のストレートな歌い回し。 |
ツボ9 | 16分音符は聞き取れる。響きの量感が見事だが、全体のフォルムがどこか固い。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 呼吸が深く、じっくりかみ締めるような弦が印象的。ホルンの音色は芯が強く、技術的に全く危なげなし。 |
ツボ11 | 最初のフォルティシシモで音量は大きくなるが、そのエネルギーを持ちか耐えられず、呼吸が次第に浅くなる。 |
ツボ12 | 少しテンポを落とす。クラリネットは巧すぎるほどだが、どこか人工的に響く。 |
ツボ13 | 低弦部の余韻が残りすぎて、響きのバランスが崩れている。 |
ツボ14 | アクセントも良く効き、速めのテンポで直進し、響きも充実。BPOの弦特有のうねりを以ってしても、呼吸の浅さが出てしまう。小澤の限界を痛感。 |
ツボ15 | 綺麗なフレージングだが、心に迫ってこない。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | ほとんどテンポを落とさない。 |
ツボ17 | 各パートが細切れで飛び出てくる感じ。ニュアンス豊かな連携に聞えない。 |
ツボ18 | パーフェクト!特に2度目が。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | これまでの中で、この冒頭1〜2分の響きが最も意味深い。意志も漲り、威厳に満ちている。 |
ツボ20 | ホルンはよく聞こえるが、木管と共に豊かな色彩を生んでいるような響き方ではない。 |
ツボ21 | 冒頭でクレッシェンドして一撃を置き、すぐにディミニュエンド。62小節でもアクセントを置く。オーボエ・登場する82小節から急にテンポが速くなるのが不自然。編集で繋げたのか? |
ツボ22 | 少し生かしている。 |
ツボ23 | よく聞えるが、表情はない。続く木管の音がが全て丸裸で聞え、非音楽的。 |
ツボ24 | 主部冒頭のテンポ。 |
ツボ25 | 実に意味深く響く。 |
ツボ26 | テンポ変わらず。 |
ツボ27 | 無理のない快速テンポ。ベルリン・フィルのパワー全開。それなのに聴き手に訴え掛けてこないのはどういうわけか? |
ツボ28 | 8分音符の音価は長め。 |
ツボ29 | ホルンの跳躍音型の輝きを筆頭に見事な響き。気力もここへ来て充分に漲り、声部のバランスも良くなっている。リズムにも張りがある。 |
ツボ30 | 弦もトランペットも、テヌート気味。 |
ツボ31 | 改変なし。 |
ツボ32 | 良く鳴っている。 |
ツボ33 | 過去の小澤のチャイ5の中で最も重量感がある。テンポも安定。 |
このホームページ内の各アイテムの紹介コメントは、営利・非営利の目的の有無に関わらず、 複写・複製・転載・改変・引用等、一切の二次使用を固く禁じます。 万一、ここに掲載している文章と極めて類似するものをお見かけになりましたら、メールでお知らせ頂ければ幸いです。 |