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チャイコフスキー:交響曲第5番
ジョルジュ・プレートル(指)ニュー・フィルハーモニア管弦楽団  
第2楽章ホルン・ソロ: アラン・シヴィル
仏EMI
4891562[EM]
録音年:1964年7月22日〜24日 キングスウェイ・ホール【ステレオ録音】
演奏時間 第1楽章 14:55 / 第2楽章 12:13 / 第3楽章 5:45 / 第4楽章 12:52
オリジナル・カップリング/ムスルグスキー(R.コルサコフ編):はげ山の一夜、ボロディン:ダッタン人の踊り、中央アジアの草原にて
“ラテン的な感性で貫かれた美演は、味わい深い清涼剤!”
フランス人が指揮したチャイ5はモントゥーぐらいしかなく、またフィルハーモニア管がニュー・フィルハーモニアと改称された(1964年7月)直後の録音で、クレンペーラーが同曲を録音してからまだ1年しか経っていないないという意味でもこのCDは特別な存在ですが、ここでは、プレートルならではの洗練されたテクスチュアをべースにした流麗な表現が何よりも魅力的で、心に染みます。ガツンと来る迫力はないですが、クレンペーラー存命中のソロ奏者センス、お互いをよく聴き合うアンサンブルの能力も相俟って、魅力的な表現が随所に光り、とても下記の33のツボだけでは収まりきれません。必要最小限の箇所だけに現われるテンポ・ルバートや、ポルタメントもいつまでも引きずることなく、サッと切り上げて造型を維持するセンス、「歌う」ということがどういうことか痛感させる伸びやかなフレージングは、オペラで培われたものかもしれませんが、何といっても驚きは、クレンペラーが引き出すくすんだ音色と正反対のさわやかで透明な音像!木管が美しく浮きるのは、クレンペラーの仕込みが奏者の体に完全に染みこんでいることの表れだと思いますが、それをあえて生かしながら、プレートル独自の音色を満遍なく行き渡らせる手腕には、感服するしかありません。特に、ロシア臭プンプンの演奏が苦手な人、指揮者とオケの音楽的なセンスに浸りたい人は、この演奏に惚れ込むこと必至!
第1楽章のツボ
ツボ1 安定感抜群のクラリネット。しかもハイセンスな歌い口。16分音符の音価を短めにしているのがユニーク。低弦がかなり押し出て、分厚いテクスチュア。テンポは標準的。
ツボ2 序奏部とほとんど変わらないテンポ。優しげな弦の刻みから響きの充実を感じる。クラリネット&ファゴットの美しい色彩感にも耳を奪われる。
ツボ3 ことさらレガートにはしていないが、大変しなやかで美しい。
ツボ4 意外にも、73小節結尾をリタルダンドするメンゲルベルク・スタイルを採用!
ツボ5 オペラ指揮者らしい、非常に息の長いフレージングが心に染みる。合いの手を入れる木管がポコポコ浮き出るが、これがまた色彩を添える。クレンペラー流の名残か?
ツボ6 気品を保ちながらたっぷりと音楽が呼吸している。
ツボ7 完璧に縦の線は揃ってはいないが、それさえも味わい深く、意味深いピチカート!
ツボ8 基本テンポは落とさず、アゴーギクも最少だが、フレージングが洗練美の極致!
ツボ9 若干テンポを速める。フルート&オーボエ・コンビがセンス満点!その後かなりトランペットをラテン的な響きで突出させるが、うるさく感じない。
第2楽章のツボ
ツボ10 ここも一音ごとに念を押すのではなく、大きなスパンで豊かなプレージングを聴かせる。比較的ストレートな歌いまわしだが、古今を通じて安定感、美しさ、共にトップクラス。それに絡むクラリネットが、また抜群に巧い!続くオーボエ(サトクリフ?)も濃厚な味わい。
ツボ11 突出するホルンをバックボーンにして美しい頂点を築く。
ツボ12 またまたこのクラリネットも最高!巧妙に流すことなく、気品のある“すすり泣き”が聴ける。
ツボ13 ピチカートの冒頭は、前のテンポのままサラッと始め、オーボエ・ソロが入る直前あたりからテンポを落とすのも、プレートルのセンスの賜物。が、
ツボ14 フォルティシシモ直前で大きくリタルダンドするのが通例だが、ここではそれは最小限にとどめ、スムースに山を気づく。
ツボ15 「ダフニスとクロエ」の1シーンのような透明な美しさ。途中でさりげないポルタメントが一箇所だけかかるのがしゃれている。
第3楽章のツボ
ツボ16 一瞬テンポを落とす。
ツボ17 花畑で戯れるような色彩で魅了。
ツボ18 巧い!
第4楽章のツボ
ツボ19 テンポは標準的。拍節をきっちり刻むが、十分歌ってもいる。
ツボ20 主旋律を吹く木管のブレンド感が味わい深い。ホルンほとんど裏方に徹していいる。
ツボ21 ティンパニは、主部冒頭で一山築くだけで、後は一定音量のトレモロのみ。激しい突進力には欠けるが、弦の刻みが異様に巧く、しなやか生命感を感じる。
ツボ22 全く無視。
ツボ23 バスはかなり強力にでているが、急にマイクに近づいた感じ。
ツボ24 やや速める。
ツボ25 他に埋没している。
ツボ26 ややテンポを落として主部冒頭のテンポに戻す。
ツボ27 ことさら急速なテンポはとらない。
ツボ28 8分音符は本来の音価どおり。ティンパニは最後の一撃を行わないが、切り上げ方が痛快!これは凄いセンス!
ツボ29 運命動機を歌う弦の響きが清潔この上ない。やや徹底不足だが、第1楽章冒頭のクラリネット同様にここでも16分音符を詰めて弾かせている。続くトランペットも同様。
ツボ30 弦もトランペットも音を切って統一。
ツボ31 スコアどおり。
ツボ32 実によく鳴っている。
ツボ33 インテンポを基調とするが、最後の2小節の直前だけ、わずかにテンポを落とす。重量感で圧倒はしない。


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