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アルトゥール・ロジンスキー(指)クリーヴランド管弦楽団 | ||||||||||||
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DANTE LYS-208 |
録音年:1939年12月20日、1940年1月8日 【モノラル録音】 | |||||||||||
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※カップリング/スラブ行進曲、序曲「1812年」 |
“ロジンスキーの真意はどこに?” |
初代のニコライ・ソコロフに続いて、1933年にクリーヴランド管の第2代音楽監督に就任したのがロジンスキー。これは米Columbiaへの録音ですが、この時点で終楽章に10年が経過しており、ロジンスキーの音楽作りが隅々にまで浸透している、と思いきや、そうは聞こえないのです。ロジンスキーは「オーケストラ・ビルダーとして手腕を発揮」と書かれることが多いですが、厳しさとは程遠く、例えばジョーゾ・セルなどと比べれば明白ですが、その影響下でオケが音楽を発しているというシーンがほとんど見当たらないのです。インテンポできちんと拍を刻むことには余念がないようですが、そのリズムは決して強靭なわけではなく、弾力性にもムラがあります。感傷的な表現を排するのは良いとしても、この作品に対し如何なる共感を持ってどう構築しようとしているのか最後まで伝わらず、そうかと思うとストコフスキーのような大見得が登場(RPOとの第4番でもそうでしたが)して、さらに音楽を安定感に欠けるものにしてしまっているのです。「スコアの裏を読む」と言いますが、ロジンスキーは目に見える音符しか信じないのでしょうか?最晩年にEMIに遺したステレオ録音の感動的な演奏を思うと、このまるで愛を感じられない録音は悲しすぎます。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | 感情の入る隙を与えないドライな進行。テンポも速めで、スラーもテヌートも介さず、音符に強弱を付けただけなようで味気ない。 |
ツボ2 | 序奏部のテンポをちょうど8分の6表紙に置き換えたテンポ。次の音が出るまでに余韻がなくせっかちで、それが緊張感につながってもいない。 |
ツボ3 | あまりにも無慈悲。 |
ツボ4 | ここも機械的。 |
ツボ5 | ここでようやく感情表出される。スラーの区分は無視し、4小節間を大きなフレーズで息づかせ、テンポも若干落とす。 |
ツボ6 | 楽譜どおりの強弱のメリハリは施している。アニマートの4小節で洗練された美しさが感じられる。 |
ツボ7 | 美観には掛けるが縦の線は揃っている。もともと感情が希薄な進行なので、ここから新たな表情が立ち上がるという風にはならない。 |
ツボ8 | ここからゆったりとしたテンポを採用はしているが、フレーズ最初の音の出し方が常にゆとりがなく、無理やりメトロノームの刻みに合わせた感じ。 |
ツボ9 | 16分音符は聞き取れる。ここから最後で快速で、ただの一度もテンポを揺らすことなく進行。こうなると、この音楽を何のために誰に向かって発しているのか皆目分からなくなる。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 弦の導入はこれまた機械的。詩情も何もなくフレーズは膨らまず、ただ音符がは置かれているのみ。そんな序奏の後だからだろうか・ホルンのソロは心に染みる。随所にチリメン風のヴィブラートがかかるが、深い共感が感じられ、音色にも深みがある。 |
ツボ11 | 怒りさえ覚える。嫌々ながら指揮しているのか?楽譜から何も感じ取ろうとしていないのではないのだろうか? |
ツボ12 | クラリネットは自分なりに歌おうとしているが、伸びやかさがなく、何か歯止めが掛かっている印象を拭えない。 |
ツボ13 | ピチカートはかなり大きな音で飛び出る。弦のフレーズが登場するまでに次第に沈静させる手法は見事。 |
ツボ14 | 古い録音でレンジが狭いことを考慮しても、音楽の高揚感が極めて希薄。 |
ツボ15 | 香りがまるで立ち昇らない。どうしたらこうまで不感症的な音を羅列できるのだろうか? |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | インテンポのまま。但し70小節の弱音の指示はきちんと守っているのが意外。 |
ツボ17 | 特にヴァイオリンの16分音符の弾き方にご注目を。ここまでニュアンスを消し去ってまで実現したかったものは何なのだろうか? |
ツボ18 | 美しいい連携技! |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | ドライな進行はこの部分の楽想にはマッチするものの、意思は決して強くなく淡白な印象が上回ってしまう。20小節のスフォルツァンドの指示は無視して、金管が丸々1小節間フォルテで斉奏させ、ストコフスキーを思わせる。(これはNYO盤も同様。RPO盤はスフォルツァンドを忠実に生かしている。) |
ツボ20 | 木管とホルンはほぼ同等のバランス。 |
ツボ21 | ティンパニは最初にわずかにクレシェンドを掛けるのみで後はむしろ弱音でトレモロ。テンポは標準よりやや遅め。構築は厳格だが、音楽に意志の力が希薄。 |
ツボ22 | 多少アクセントあり。 |
ツボ23 | 210小節から再現部の315小節まで演奏カットするのはNYO盤と同じ(セル&ケルンRSO盤も同様)。 |
ツボ24 | 〃 |
ツボ25 | 〃 |
ツボ26 | 〃 |
ツボ27 | 434〜435小節の2小節間だけ一旦テンポを落とし、この436小節からもとのテンポに戻る。452小節と454小節で、ティンパニに一打追加あり。 |
ツボ28 | 本来の音価より長め。 |
ツボ29 | ミリタリー調の軽快な進行。 |
ツボ30 | 弦もトランペットもきっぱりと音を切る。 |
ツボ31 | 明瞭ではないが、改変型と思われる。502小節の2つの2分音符にそれぞれクレッシェンドを掛ける。 |
ツボ32 | はっきりとした輪郭を伴って聞こえる。その後もホルンはトランペットの音型に合わせ吹き続ける(NYO盤も同様)。 |
ツボ33 | インテンポのまま。最後の2小節はテンポを落とす。 |
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