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チャイコフスキー:交響曲第5番
ゲオルグ・ショルティ(指)シカゴ交響楽団
第2楽章ホルン・ソロ: デイル・クレヴェンジャー
ポリドール
POCL-9981
録音年:1975年5月15日 シカゴ・メディナ・テンプル 【ステレオ録音】
演奏時間 第1楽章 14:11 / 第2楽章 14:04 / 第3楽章 5:47 / 第4楽章 13:09
※カップリング/グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲、ムソルグスキー(R.コルサコフ編):「ホヴァンシチナ」前奏曲、はげ山の一夜(以上、LSO)
“本当のヴィルトゥオーゾのあり方を教えてくれる、ショルティ2度目のチャイ5”
これは、初めて自分の小遣いで買ったチャイ5(もちろんLP)なのですが、その時も、これがたった一日で録音された上に、あまりにもテクニックが完璧であることにまず驚いたものです。シカゴ響の巧さを十分認識している今こうして聴いても、その完全無欠ぶりはやはり只事ではありません。ここまで完璧だと、そのテクニック自体に説得力が宿るものだ、と言いたくなってしまいますが、やはりここまで心を駆り立てるのは技術のせいだけではありません。個々の奏者の音楽を感じるセンス、他のパートを聴く能力など、あらゆる点で並外れていることに改めて痛感させられ、だからこそ、最後まで聴き漏らすまいという気持ちにさせられるのです。ショルティが、決して強引一辺倒なだけでないということも、この演奏で再認識させられます。パリ音楽院との録音と比べ、格段に構築のスケール感が増し、スコアの読みが深まり、、全体にゆとりに満ちた包容力に溢れています。第1楽章の冒頭の色彩の幅、いかにもショルティらしい曖昧さを許さない克明なフレージングの中に熱い共感が漲っているところから、ちょっといつものショルティとは違う様相を呈しはじめます。第2楽章の副次主題が弦で切々と歌われるあたりからの繊細なリリシズムは、まさに本物の歌に溢れ、コーダに至っては、大音量のシカゴ響のイメージとは裏腹に、しっとりとしたピアニッシモを聴かせ、思わず言葉を失います。第3楽章を終始インテンポで通すのも珍しいですが、強引さは全くなく、心の底からワルツのリズムにって、優雅な雰囲気さえ醸し出しています。終楽章は、金管を中心とした運命動機の斉奏の見事な力感と輝きに象徴されるように、余裕綽々のヴィルトゥオーゾのオンパレード!全体にロシア的な郷愁とは程遠いことは確かですが、ここまでテクニックと音楽性が一体化しつくした演奏はそうそう聴けるものではなく、超一級の芸術品であることは明らか。ティンパニがややオンマイクで露骨に響く傾向がありますが、不思議と違和感はなく、トゥッティの響きにも豊かさを感じるのは、エンジニア(K.ウィルキンソン)の力量でしょう。
第1楽章のツボ
ツボ1 2本のクラリネットの色彩が豊か。弦の量感も手ごたえ十分。全体の音程の確かさは、チャイ5録音史上最高クラス!
ツボ2 弦の刻みが意外なほど憂いを湛えている。木管も心のこもったフレージング。
ツボ3 多少アクセントが付く。
ツボ4 音の線は克明だが、エネルギーの減衰がしなやか。
ツボ5 PCOより角が丸くなり、伸びやか。テンポは全く変えず、インテンポで直進。
ツボ6 テンポを落としてよく歌っている。
ツボ7 鋼鉄を思わせる頑丈な響き。
ツボ8 完全にインテンポだが強引ではなく、共感が滲んでいる。
ツボ9 前の部分からテンポを変えずに進む。メカニックな響きに徹しているが、あまりの確信の漲りに聴き入ってしまう。
第2楽章のツボ
ツボ10 低弦の旋律線が極めて克明。アーティキュレーションも明快。クレヴェンジャーのホルンはもちろん超完璧。フレージングも実に丁寧。木管も切々と語りかける。
ツボ11 弦の響きにもっと艶が欲しいが、強弱の振幅にしっかり呼吸が伴って、スケールの大きな音像を描く。
ツボ12 スコアどおり、ここからテンポアップ。クラリネットは巧すぎる!結尾のディミニュエンド!!
ツボ13 これまた鋼鉄の響き!この後のアルコの弦とオーボエのフレージングが泣かせる。
ツボ14 一音ごとの共感が熱い。テンポは決して加速せず、じっくりとした構えで高揚していく。フォルテ4つの手前でルフト・パウゼ風になるのはPCO盤と同じだが、スケール感は断然こちらが上。
ツボ15 これは美しい!なんという優しいピアニッシモ!指揮者の名前を伏せたら、誰もショルティだと思わないだろう。線のきつさもここでは完全に影を潜めている。
第3楽章のツボ
ツボ16 この楽章の第一音から完全なインテンポ。
ツボ17 全く流れに淀みがない!縦の線が一瞬たりともずれがない完全無敵ぶり!!
ツボ18 巧すぎて絶句!
第4楽章のツボ
ツボ19 全ての音のアタックが強く、筆致が実に太い。アンサンブルが完璧で、スケールも壮大。
ツボ20 ホルンはほとんど裏方。
ツボ21 かなりオンマイクのティンパニが、クレッシェンドしてすぐにディミニュエンド。62小節と66小節でも山を築く。テンポは標準的だが、音自体がパワフルで手応え十分。。
ツボ22 完全に生かしている。
ツボ23 いきり立ってはいないが、量感に不足なし。全体とのバランスも良好。
ツボ24 テンポ変わらず。
ツボ25 明快。
ツボ26 ここもそのままのテンポで直進。
ツボ27 ややテンポアップする。トランペットの3連音はもちろんパーフェクト。
ツボ28 本来の音価どおり
ツボ29 テンポはやや遅め。弓圧が一貫して強く、威厳に満ち溢れている。
ツボ30 弦は完全に音を切り、トランペットはテヌート風に吹く。
ツボ31 改変なし。
ツボ32 明快。かなりオンマイク。
ツボ33 まさに巨匠風の進行。テンポを煽らず、音の持つパワーのみで圧倒する。最後の4つの打ち込みもテンポをやや落として克明に印象付ける。


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