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イリア・ストゥペル(指)アルトゥール・ルービンシュタイン・フィルハーモニー管弦楽団 | |||||||||||||
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Danacord DACOCD-414 |
録音年:1992年9月 【デジタル録音】 | ||||||||||||
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カップリング/イタリア奇想曲 |
“歌のセンスは本物!内省的なニュアンスに焦点を当てた画期的チャイ5” |
ストゥペルは1948年、リトアニア出身。決して強烈な個性を放つのではなく、各フレーズの持つ意味を丹念に誠実に引き出すことを旨とし、内省的ニュアンスの表出に徹したチャイ5です。購入直後に聴いた印象は、ティンパニが遠く、残響が多いせいか、さっぱり迫力が伝わらず、軽く聴き流してそれっきりになっていたのですが、聴き直して見ると、それこそが指揮者の解釈であり個性であると感じられる面が多々あるのです。第1楽章の副次主題の歌わせ方は、決してスコアに縛られず、かといって自己顕示に陥ることなく、自然なフレージングとなって表れていますし、第2楽章の全く弛緩のない大きな呼吸感や、第3楽章の爽やかな春風のような雰囲気も、それらが一貫していることから決して偶然の産物ではなく、指揮者のセンスとして受け止められるのです。そして、最も特徴的なのが終楽章。最初から最後まで勝利の輝きや男性的な力感を遠ざけ、遅めのテンポを貫きながら前へ進むのを拒むような屈折した空気を滲ませているのです。主部突入後の金管の運命動機でさえ、リズムが垂直に振り下ろさず、絞り出すような苦悩が滲んでいます。また、序奏部22小節で、トランペットの旋律が下降線を描くところを上行させているのは前代未聞!しかも音楽的に奇異に聴こえないので、その点でも独特の感性の持ち主であることは間違いなさそうです。その資質を一層強く感じるのが、カップリングの「イタリア奇想曲」。決してリズムを叩きつけず、あくまでも美しくしなやかに旋律を歌うこに徹したこの演奏は、いかにもイタリア的なカラッとした痛快さと無縁ですが、主題の切実な歌いまわしは決して無視できません。大ピアニストの名を冠したオーケストラは、ポーランドでワルシャワ・フィルに次ぐ歴史を持ち、日本の飯森範親が主席客演指揮者を務めています。特に弦セクションの充実ぶりが印象的です。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | クラリネットは陰影に乏しく、表情もやや平板。テンポは標準的。 |
ツボ2 | 最初に弦がやや速めのテンポで小気味良く弾む。クラリネットも軽妙。翳りはあまり感じられないが、洗練されたフレージングが美しい。 |
ツボ3 | 特徴なし。 |
ツボ4 | しなやかな呼吸感が息づく。 |
ツボ5 | 前の部分から変わらずインテンポ。強弱の振幅が大きく、音を感じきっている。 |
ツボ6 | 洗練されたフレージング。アニマートでもテンポは基本的に崩さず、豊かな呼吸を行っている。 |
ツボ7 | なかなかチャーミング。 |
ツボ8 | 各音符の音価をかなり自由に扱い、自然なフレージングを築いているのが特徴的。強弱にも意味を感じる。 |
ツボ9 | はじめ、ややテンポは定まらないが、遅めのテンポを基調としている。ティンパニが遠いので、音の厚味に欠けるのが残念。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 弦は一音ごとに音を切るように弾かせているのが、やや自然さを欠く。ホルンは、豊かな残響に乗せて美しく響くが、ニュアンスが、表情自体は単調。 |
ツボ11 | いまひとつインパクトに欠ける。ティンパニの遠さが災いしているようだ。 |
ツボ12 | スコアどおりテンポを若干上げているのは良いが、クラリネットが機械的。 |
ツボ13 | これはユニーク!最初の108小節はスコアどおりメゾフォルテだが、109小節ではピアニッシモにしていて、美しくアルコの弦に繋げている。これが実に自然! |
ツボ14 | 弦の響きが充実仕きっていて、緊張の高まりを見事に表出。フォルテ4つの築きも全く揺るぎなく、熟練の巨匠芸を感じさせる。芯から呼吸している証し。 |
ツボ15 | 各小節の入りをしっかり意識して丁寧に歌い上げている。その誠実さに、安心して身を委ねることができる。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | ほんのわずかテンポを落とす程度で、基本的にインテンポを貫くのが洗練された雰囲気を醸し出す。 |
ツボ17 | やや全体のバランスが悪いが、各パートはそれぞれに音楽的な表情を出している。 |
ツボ18 | ややぎこちない。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | テンポは標準的。確固とした表情は持っていないが、第1楽章冒頭同様、16分音符を短かめに処理。しっかりとした弓圧で鳴らし切る。22小節でトランペットの旋律が下降線を描くところを、上行させているのは前代未聞! |
ツボ20 | 木管とホルンはほぼ同等。 |
ツボ21 | ティンパニは冒頭で少しクレッシェンドする程度で、後は一定音量でトレモロ。テンポは標準よりやや遅め。このテンポだと続く木管が走りがちになるところだが、ここでは見事にテンポに乗っている。柔らかいニュアンスを信条としている。 |
ツボ22 | 全く無視。むしろディミニュエンドしている。しかし、ここまで築いてきた雰囲気からしてこの方が自然で美しい。 |
ツボ23 | 決して大きな音ではないが、全体と調和して主張している。 |
ツボ24 | テンポは変えず、後ろ髪を引かれるようなテンポをキープ。 |
ツボ25 | ほとんど聞こえないが、前後のニュアンスから、強打はありえない。 |
ツボ26 | インテンポ。 |
ツボ27 | ここも遅め。 |
ツボ28 | 8分音符の音価は完璧に正確。 |
ツボ29 | ここに至ってもまだ輝きを放射させずに、内省的なニュアンスが続く。 |
ツボ30 | 弦もトランペットも、音を切っている。特にトランペットの切り方は明快。 |
ツボ31 | 改変なし。 |
ツボ32 | 残響に埋もれ気味。 |
ツボ33 | 音の重量感には欠けるが、最後の4つの和音でテンポを落とすのを含めて、大人の風格を感じさせる。 |
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