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ユーリ・テミルカーノフ(指)サンクト・ペテルブルクフィルハーモニー管弦楽団 | |||||||||||||
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BMG 09026-613772 廃盤 ↓ 82876-658312 |
録音年:1992年4月8、9、11日サンクト・ペテルブルク・フィルハーモニック・ホール 【デジタル録音】 | ||||||||||||
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カップリング(09026-613772・廃盤)/交響曲第4番、交響曲第6番「悲愴」(2CD) カップリング(82876-658312)/イタリア奇想曲(RPO) |
“ムラヴィンスキーとの亡霊との戦い!勝者は?” |
ムラヴィンスキーの伝統がしっかり染み付いているオケに対峙するのですから、全くそれを意識しないはずはありません。しかし、テミルカーノフはこのオケの新たなシェフとしての意地を貫き通し、オケも完全に自分の方へ向け、独自のチャイ5像を気付き上げているのは全く見事です。ほとんどのコンセプトはRPO盤と同じということからも、この曲の彼独自のイメージは完成されていたのは確実で、あとはムラヴィン色とどのように折り合いを付けるかが腕の見せ所。そこがまた実に巧妙で、ムラヴィンが遺してくれた手法の良い所は無理にいじらず、その配慮によってオケものびのびと自発性を発揮できる結果になっているのが分かります。最もテミルカーノフの独自性を発揮し尽くしたといえるのは第2楽章。かなり主情的な表情を交えながら、濃厚なロシアン・カラーを醸し出しています。第3楽章の3拍子の拍節のこだわりもRPO同様ですが、中間部の色彩が暗いのが独特の味。終楽章は、テンポ感、コーダ直前の499小節以降のトランペット改変部分(強弱操作む含めて)などは、ムラヴィンスキーの手法をほぼそのまま取り入れていますが、一方では、主部に入ってすぐにヴィオラの細かい音型を強調したり、ティンパニを終始突出させて野性味を表出するなど、独自性のアプローチも満載です。特に、そのティンパニはもう大変な騒ぎで、ティンパニが叩く全ての箇所を強打しまくっているといっても過言でなく、運命動機が斉奏する167小節以降は、完全に壮絶なティンパニ・コンチェルトと化しています。今のところこれ以上ティンパニが大突出した演奏はありません!その主の名は、ムラヴィン時代から活躍するアナトリー・イワーノフ。ただの強打ではなく、重量感がたまりません。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | スローテンポで濃密に歌わせるが、意外にもRPO盤ほど粘着性はない。ピュ・フォルテは無視し、テヌートも強調することはないが、深々と厳しさを湛える。動機の最後の方は、クラリネットの音量を抑えすぎている。 |
ツボ2 | その厳しさを保ちながらも弦が軽く弾む。木管群は普通の出来ばえ。 |
ツボ3 | スラーを無視し、弓を返しているようだ。 |
ツボ4 | ほぼ楽譜どおり。凄い重量感のティンパニが印象的。 |
ツボ5 | ここからテンポを落とし、最小限のアゴーギクで高潔なフレージングを築く。フォルテを挟む強弱のタイミングが、見事に楽譜どおり。 |
ツボ6 | ここから更にもう一段テンポを落とすが、若干、間(ま)が持てないように聞こえる。 |
ツボ7 | ピチカートは、妙に軽く、表面的に響く。 |
ツボ8 | テンポを落とし、徹底的にすすり泣き、途中で聞こえるぎりぎりの最弱音も盛り込む入念さだが、恣意的。 |
ツボ9 | よく聞こえる! |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 低弦の導入は、コントラバスが指揮者の左、ヴィオラとチェロは右から聞こえ、安定感のある独特の音像の広がる。ホルンは例によってヴィブラートが独特だが、そのヴィブラートはかなり控えめで、洗練と民族的な郷愁を共に感じさせる見事なもの。 |
ツボ11 | 大きな特徴はない。 |
ツボ12 | クラリネットは、独特の芯の通った音色で明快に、かっちりとしたインテンポで吹くが、前の雰囲気とはやや異質なものを感じる。 |
ツボ13 | 低音寄りのバランス。 |
ツボ14 | ティンパニが超激打!その分、フォルテ4つのヴォルテージが、それ以上高まらなくなってしまった。 |
ツボ15 | ここのピアニッシモが恣意的に響く。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | ほとんどテンポを落とさず吹き始める。抜群に巧い! |
ツボ17 | 全体に異様なほど暗い色調。木管がきれいに浮き立っている。 |
ツボ18 | 実にスムース。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | 粘着質で威厳もある。テンポは、標準よりもやや遅めに感じられる。 |
ツボ20 | ホルンはほとんど裏方。一瞬、ゲシュトップ的な音がする。 |
ツボ21 | 快速!冒頭のティンパニはクレッシェンドを長く引っ張って一発激打。62小節でも激打。最後にも激打。イワーノフ健在!弦はさすがに強靭で凄み満点。ムラヴィンのような弱音からのクレッシェンドは行なっていない。 |
ツボ22 | わずかだが、アクセントを施している。 |
ツボ23 | とてつもない強靭は張り出し!まさに迫真!! |
ツボ24 | 主部冒頭同様の快速テンポ。 |
ツボ25 | またまた激打! |
ツボ26 | ここも快速のままインテンポで突き進む。 |
ツボ27 | 速めのテンポを採用。金管のリズムが実に正確でスムース。3連音も完璧。ティンパニは全て強打。 |
ツボ28 | 本来の音価より長め。ティンパニのトレモロは、極限の凄み。最後に一打は置かない。 |
ツボ29 | 弦とティンパニが一体となった雄渾の響きが見事!動機の斉奏は、RPO盤ほどレガートにこだわらず、自然な威厳を表出。 |
ツボ30 | 弦もトランペットもレガート。その間終始ティンパニが強烈な打ち込みを続ける。 |
ツボ31 | 完全にムラヴィン型!急激に弱音に落として、管楽器は更に弱めて、全体に徐々にクレッシェンドする。トランペットは改定型。RPOとは大違い。 |
ツボ32 | 強力に鳴り渡る。 |
ツボ33 | ティンパニの連続強打によって圧倒的な手応えのエンディングになるはずが、最後の4分音符4つの打ち込み前で、なぜか間(ま)を挟む。せっかくエネルギーがここで削がれてしまうのが惜しい! |
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