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ウラジーミル・ヴェルビツキー(指)西オーストラリア交響楽団 | |||||||||||||
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豪ELOQUENCE 446058[EL] |
録音年:1994年 【デジタル録音】 | ||||||||||||
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カップリング/スラブ行進曲 |
“堅実路線のチャイ5の中で屈指の名演!” |
スロヴァキア盤では全く自己主張を抑えた演奏に終始し、オケの素朴な佇まいを大切にすることで、自然発生的な味わい残したヴェルビツキーが、ここでは大きく変貌!オケの機能性と豊かな表現力を生かして、もてる表現意欲の全てを投入した、活気に満ちた演奏を披露しています。外面的な派手さはなく、堅実路線に変わりありませんが、表現の幅が格段に広がっているのです。それにしてもこの2つの盤の指揮者のアプローチの違いは尋常ではありません。スロヴァキア盤はライセンスを受けた廉価盤でしたので、別の指揮者の可能性も頭を過ぎりましたが、テンポの切り返しの特徴や、終楽章コーダ直前のトランペットの独特の改変は共通しているので、ほぼ同一人物と見て間違いなさそうです。まず印象的なのが、音色の見事な統一感。冒頭の弦とクラリネットの溶け合いから、第2楽章の強靭なトゥッティの凝縮力、終楽章の輝きに至るまで、全パートがその領分をわきまえて奏でていることが十分に感じられます。特に第1楽章の副次旋律が切々と歌われる箇所のオケの質感、フレージングのしなやかさは絶品!第2楽章のピチカートで始る主部再現の直前の渾身のトゥッティも強烈なインパクト。108小節以降のピチカートの意味深さ、アルコの弦と木管の対話の妙が醸し出す至福の空間の素晴らしさも例えようもありません。終楽章も衒いが一切なく、正攻法そのものですが、内面の燃焼度が高く、響きのムラも皆無。まさに音楽の魅力そのものが確実に伝わってきます。終楽章の主部突入直前で不可解な約2小節半の欠落があるのを除けば、正攻法路線のチャイ5としてはトップランクの名演だと思います。カップリングの「スラブ行進曲」がこれまた素晴らしい!リズム、テンポが確実にキマり、オケの技量とセンスも磐石。全ての音がその末端まで強固な意志で貫かれ、見事な10分間のドラマを築き上げています。ティンパニ連打から始る後半は超高速で一気呵成!しかも軽薄さはなく、響きのバランスを保持してインテンポのまま締めくくります。ヴィルトゥオーゾを誇るオーケストラと有名指揮者の演奏でも、強固な凝縮力を欠くことなく全体を構築し切った演奏は決して多くないだけに、これはいくら賞賛してもし尽くせません。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | クラリネットの弦の融合ぶりが絶妙。際立った特徴はないが、その響きの安定感が音楽的な共感の結びついて心に迫る。 |
ツボ2 | やや速めのテンポ。木管が決然とした意思で、はっきりとリズム感を打ち出す。主題が弦に移ってからも、活力が漲る。 |
ツボ3 | 繊細な中に切れ味がある。 |
ツボ4 | 楽譜に忠実。 |
ツボ5 | かなり思い入れたっぷりで深い呼吸。しかも弦の質感が高いので、フレージングは高潔の極み。 |
ツボ6 | 回りくどい表情ではなく、ストレートに情感をぶつけている。アニマート以降のテンポの落とし方も自然。 |
ツボ7 | ピチカートが見事に響き切っている!テンポは速くしていないが、縦の線がよく揃い、生き生きとした表情が素晴らしい。木管の跳躍音型の音色がまろやかなのも印象的。 |
ツボ8 | スロヴァキア盤同様、ほとんどインテンポのまま突入するが、アゴーギクのセンスが全開で、半音階で下降する172〜173小節の感じ方など絶品!その後も、呼吸と寄り添ったテンポの揺れが心に響く。展開部に至るまでのこの箇所は、全チャイ5録音の中でも指折りの素晴らしさ! |
ツボ9 | テンポは変えていない。頭のフォルティッシモはかなり強靭にもかかわらず、16分音符の頭は聞き取れる。威厳に満ちた素晴らしい進行。495小節でピアニッシモに落としてじりじりとクレッシェンドするのは、スロヴァキア盤では見られなかった解釈で、これが実に自然。ダイナミズムのメリハリ付けに完全に生かされている。 |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 弦は一音ごとに表情を付加せず、自然体のフレージングに徹している。完全に弦のテンポと一体となったホルンのフレージングが素晴らしい!音色的な特徴はないが、その音の末端まで感じ切った歌のセンスと共に、忘れがたい。 |
ツボ11 | スロヴァキア盤同様、冒頭で強烈なパンチは見せないが、しなやかなフレージングが美しく、共感もしっかりと伝わる。 |
ツボ12 | ややテンポを速める。クラリネットは、音が明るく表情がやや平板。ファゴットは逆に弱々しい。 |
ツボ13 | 温かみがある。このピチカートと木管の魅惑的な対話も絶品。このムラのない音色と音楽の感じ方は、なかなか他に例を見ない。 |
ツボ14 | 来たるべきフォルテ4つの頂点に備えてか、142小節の冒頭は激烈に叩きつけず、爽やかに駆け抜ける。頂点でも極限の炸裂というほどではないが、ここに至るまでのフレージングに弛緩はなく、美しいラインとなって描かれている。スロヴァキア盤では142小節最後の8分音符と次の2連の8分音符を全く同じ音価で弾かせていたが、ここでは、通常通り短めに弾いている。 |
ツボ15 | これまた美しい!ヴァイオリンとチェロのピアニッシモの質感が見事に揃い、深々とした沈静感に息を呑む。ほのかな香気さえ立ち込めている。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | ほとんどテンポを変えない。 |
ツボ17 | このオケの技量とセンスの高さを思い知る瞬間。ここでも各パートの音色の統一が素晴らしく、連携も絶妙。 |
ツボ18 | パーフェクト!クラリネットとファゴットのつなぎ目を意識させないほどスムースな上に、各音が明確。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | 節度のあるメゾフォルテ。高貴な雰囲気が漂う。 |
ツボ20 | ホルンは裏方に徹しているが、木管のアンサンブルが美しく際立っている。 |
ツボ21 | 奇怪!主部突入直前の2小節半(56〜58小節)がすっぽり抜けている!弦の音型の最後の繰り返しを行っていいないわけだが、編集ミスならば、その間トレモロを続けているティンパニに一瞬音の隙間ができると思うのだが、それもないと言うことは、指揮者の解釈か?ティンパニは短めのクレッシェンド。後はアクセントを置かずに一定音量でトレモロのまま。テンポは標準的。70小節〜73小節までの弦のパートの徹底的に抑えて、管の音型を浮き立たせている。 |
ツボ22 | 控えめに生かしている。 |
ツボ23 | 芯のある立派な響き。 |
ツボ24 | 主部冒頭のテンポのまま。 |
ツボ25 | やや強打。 |
ツボ26 | インテンポ。 |
ツボ27 | この直前で徹底的にテンポを落としておいて、ここからその2倍のテンポで進行する美しい移行。響きの凝縮力も万全。 |
ツボ28 | 8分音符は本来の音価より長め。 |
ツボ29 | テンポは標準的。弦は終始輝かしいレガートが素晴らしい。スロヴァキア盤ではもっと細かくフレーズを区切っていた。 |
ツボ30 | 弦はレガート、トランペットは音を切る。スロヴァキア盤とは逆。 |
ツボ31 | 502小節のみ、弦の音型と合わせているようだ。これはスロヴァキア盤同様。 |
ツボ32 | 決然とした立派な響き! |
ツボ33 | 546小節から完全なインテンポ。輝かしい勝利の行進として手ごたえのある演奏を繰り広げている。最後の打ち込みは特に強調はしていない。 |
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