湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



ACTES SUD
(フランス)



※品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者
ASM-01
アルベニス:組曲「イベリア」(全12曲) ジャン=フランソワ・エッセール(Pf)
写真:イサベル・ムニョス

録音:2009年6月1-4日/メジャン教会(アルル)
※A5デジブック仕様
アルベニスの「イベリア」はその複雑さ、身の毛のよだつ技巧ゆえピアノ音楽の頂点に位置する作品のひとつで、よほど自信がなければ手掛けない難物中の難物と申せましょう。エッセールはかつてエラートに全曲を録音していていましたが、2009年に満を持して再録音。これが予想以上の素晴らしさ。技術的な不安や無理もないうえ、音の過剰ともいえるこれらの曲を実にすっきり再現、モーツァルトを想い起させさえします。さらに推進力とスピード感もあり、ピアノ好きをゾクゾクさせる魅力に満ちています。加えて魅力なのは、スペインの女流写真家イサベル・ムニョスによる40ページの写真集が付いていること。フラメンコや闘牛など、アンダルシアの風物を雄弁なモノクロで描いています。ハードカバーA5サイズの豪華デジブック仕様です。 (Ki)
ASM-02
ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14 フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

録音:2009年8月30日/ラ・コート=サンタンドレ(ベルリオーズ音楽祭ライヴ)
ベルリオーズの幻想交響曲を古楽器で演奏したものは、ノリントンやインマゼール盤をはじめいくつかありますが、注目の新鋭フランソワ=グザヴィエ・ロトが手兵レ・シエクルを振った当アルバムは、母国の作曲家としての自信とこだわりにあふれていて別格の出来。ベルリオーズ時代の楽器を再発見、修繕して使用、第5楽章の鐘も華々しい効果と響きをもたらしています。多くの古楽器演奏のように曲が古典派的たたずまいを示すのではなく、音色が明るくなり、不思議な慎み深さと陽気さを放ちます。ロトの指揮も早めのテンポときびきびしたリズム感で、この曲のイメージを一新させる新鮮さに満ちています。ベルリオーズの生地ラ・コート=サンタンドレで行われたベルリオーズ音楽祭のコンサートという特別な催しゆえ、演奏者たちの本気ぶりも格別です。 (Ki)
ASM-03
新ウィーン楽派作品集
ベルク:ピアノソナタOp.1
シェーンベルク:3つのピアノ曲Op.11
 6つのピアノ小品Op.19
 5つのピアノ曲Op.23
 ピアノ組曲Op.25
 ピアノ曲Op.33a,b
ウェーベルン:変奏曲Op.27
ジャン=ルイ・シュトイアーマン(Pf)
写真:マイケル・アッカーマン

録音:2004年5月9-20日、11月26-29日/ポットン・ホール(イギリス)

※A5デジブック仕様
ブラジルのピアニスト、ジャン=ルイ・シュトイアーマンによる新ウィーン楽派ピアノ曲集。彼はBISレーベルにヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第3、4番を録音して話題になりましたが、バッハからバーンスタインまで幅広いレパートリーを持つ実力派。ここに収められた作品の多くが十二音技法によりますが、シュトイアーマンの演奏は活き活きとしたリズム感に富み、難解さを感じさせません。アメリカの写真家マイケル・アッカーマンによる44ページの写真集がまた魅力的。ピントと露出をわざと合わさない夢のような画質で、不思議な孤独感をモノクロで描いています。ハードカバーA5サイズの豪華デジブック仕様です。 (Ki)
ASM-04
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
ピアノ協奏曲第4番ハ短調Op.44*
ジャン=フランソワ・エッセール(P)
ダニエル・ロト(Org)、
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)レ・シエクル

録音:2010年5月16日サン=シュルピス教会(パリ)、6月16日オペラ・コミック* (ともにライヴ)
サン=サーンスの交響曲第3番は名作の誉れ高いものですが、物々しく演奏されるのが常でした。しかし作曲者サン=サーンス本来の資質は軽妙でオシャレ、威圧感や重苦しさとは無縁のはず。そうした疑念を解消する演奏がついに登場しました。フランソワ=グザヴィエ・ロトが古楽器オーケストラ「レ・シエクル」を指揮したもので、古楽器による同曲のCDも初めて。まさに物々しさや重苦しさは姿を消し、テンポも早めで、オルガンも荘厳というより、そよそよと風が吹くような爽やかさ。これぞサン=サーンスが思い描いた響き、とまさに目から鱗が落ちる思いがします。オルガンを受け持つのはフランソワ=グザヴィエの実父で有名なオルガニスト、ダニエル・ロト。パリのサン=シュルピス教会の名器が素晴らしい響きを聴かせてくれます。カップリングはこれもシリアスな曲調で名高いピアノ協奏曲第4番。ジャン=フランソワ・エッセールが1874年製のエラールのフォルテピアノでいとも見事に披露。まるで古典派協奏曲のようなたたずまいとなっています。 (Ki)
ASM-05
マルタン・マタロン:トラムW(2001)〜ピアノと11楽器のための*
トラムU(1999)〜クラヴサンと6楽器のための
トラム[(2008)〜マリンバと6楽器のための
フローランス・チョッコラーニ(P)、
モード・グラットン(Clav)、南恵理子(Mar)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)レ・シエクル

録音:2009年11月20日/ラ・クルシヴ(ロシェル)*、11月15日/メジャン教会(アルル) (ともにライヴ)
マルタン・マタロンは1958年ブエノスアイレス出身の作曲家。ジュリアード音楽学校で学び、1993年以来パリを本拠に活躍しています。フリッツ・ラングのサイレント映画「メトロポリス」に音楽付けをしたことで話題になりました。マタロンの代表作は、1997年より始めた「トラム」と称する連作で、協奏曲と室内楽の境界を行き来する独特の作風を示しています。現代音楽ではありますが、南米風のリズムの良さと、各独奏楽器の機能を駆使した楽器法が不思議な魅力を放っていて、オススメです。フランソワ=グザヴィエ・ロトはこうした現代作品も非常な巧さを示し、抜群のリズム感とノリの良さで聴く者を惹きつけます。 (Ki)
ASM-06
ノン・ヴィブラートの「火の鳥」
グラズノフ:バレエ音楽「ライモンダ」第2幕〜サラセン人の入場/東洋の踊り
 バレエ音楽「四季」より秋のバッカナール
シンディング(チャーリー・パイパー編):東洋舞曲Op.32-5
アレンスキー:バレエ音楽「エジプトの夜」〜エジプト女の踊り/蛇のシャルムーズ/ガジーの踊り
グリーグ(ブルーノ・マントヴァーニ編):小妖精Op.71-3(抒情小曲集より)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1910年版全曲)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)レ・シエクル

録音:2010年10月2日シテ・ド・ラ・ミュジーク(パリ)、10月9日ラン大聖堂(ともにライヴ)
近年、時代楽器による演奏がどんどん近世に及んでいますが、ついにストラヴィンスキーを含むディアギレフのバレエ・リュスにまで達しました。驚きなのが「火の鳥」全曲盤。この作品が百年前の1910年6月、ピエルネの指揮によりパリ・オペラ座で初演された際の響きを再現しています。ピッチこそさほど違和感はありませんが、弦楽器はガット弦、金管は細管、木管やハープはいずれもフランス製で、パリ音楽院直伝の奏法を遵守しているため、聴感上の印象はかなり違います。ヴィブラートも少なめで、パステル画のような色彩がいかにもフランス風。4管の大編成ながらすっきりしていて、金管の響きが独特。原色的で厚い音というストラヴィンスキーのイメージが一新され新鮮の極み。グラズノフのサウンドも向いていて、作品の爽やかさに痺れさせられます。
指揮のフランソワ=グザヴィエ・ロトは1971年生まれ。今年9月にバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団の首席指揮者デビューを果たし、来年2月にはSWR響との来日公演が予定されています。パリ音楽院でアラン・マリオンとヤーノシュ・フュルストに師事、2000年にロンドンのドナテッラ・フリック指揮コンクールで優勝、ガーディナーの助手を務めた後、2003年にはパリ音楽院指揮科教授に就任。2003年に古楽器オーケストラ「レ・シエクル」を結成、抜群の統率力ときびきびした音楽運びが魅力の、最も期待される俊英のひとりです。 (Ki)
ASM-07
リスト:ダンテ交響曲
交響詩「オルフェウス」
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル、カーン聖歌隊

録音:2011年9月9日(ラン(ラオン)大聖堂)
2011年12月4日(カーン劇場)(ともにライヴ録音)
注目指揮者ロト、最新盤はリスト。ロト率いるピリオド楽器の団体レ・シエクルによる演奏は、大上段に構えた重苦しさを一切排除。トロンボーンのバ リバリの迫力の音色をはじめ、まさに「音」だけで地獄絵図を描いてゆきます。奈落の底に突き落とされるような恐ろしさと凄味に満ちた3本のトロンボー ンで幕を開ける「ダンテ交響曲」。いずれも20世紀初期に作られたトロンボーンを用いた、ビリビリとした迫真の音色。リストが音で描き込んだ地獄絵 図が生々しく浮かび上がる演奏です。「オルフェウス」では一転、幻想的な美しさで聴き手を別世界へといざないます。
リストのダンテといえば、ピアノのための「ダンテを読んで−ソナタ風幻想曲」(1837年、15分ほどかかる超絶技巧の大曲)も知られていますが、こ の交響曲は演奏時間も40分程度と規模の大きなもの。「地獄」「煉獄」に続いて、当初は第3楽章の「天国」も予定していたのですが、ワーグナーから、「い かなる人間の声を用いても天国の喜ばしさを音楽で表現するのは不可能だろう」と言われて、第2楽章までで留まるかたちとなりました。冒頭のトロンボー ンをはじめ、コントラバスの引き裂くような響き、管楽器の耳をつんざくような鋭い響きなど、さすがつわもの揃いのピリオド楽器オーケストラ、レ・シエクル。 リストが描いた地獄絵図をとどろかせます。「天国」の代わりに、第2楽章の最後で清澄な「マニフィカト」が歌われますが、このロトの演奏では少年を 中心とする聖歌隊による演奏。まさに天使の歌声を思わせる神々しい透明感の中、幕を閉じます。
「オルフェウス」は、グルックの歌劇「オルフェウス」がワイマールで上演されることになった際、その序として1853年末から54年にかけて作曲したもの。 冒頭のオルフェウスが奏でる竪琴の音色を思わせるハープ二台のアルペッジョが美しい幻想的な雰囲気で始まります。イングリッシュ・ホルンとクラリネッ トによる第二主題の美しさは絶品。地獄の番人をも鎮めたオルフェウスの美しい竪琴と歌声、その高い芸術性によせるリストの賛辞となっている作品を、レ・ シエクルの面々が典雅に紡ぎます。 (Ki)
ASM-08
(CD+Photo Book)
パスカル・デュサパン(1955-):ピアノのためのエチュード(全7曲) ヴァネッサ・ワーグナー(P)

録音:2012年 5月2,3日聖マルタン教会、アルル、フランス
写真:パスカル・デュサパン テキスト:ミシェル・オンフレ
クセナキスが認めた現代フランス作曲家パスカル・デュサパン。このアルバムは、鬼才ピアニスト、イアン・ペイスの協力によって誕生したピアノのためのエチュードを、フランスの実力派ピアニスト、ヴァネッサ・ワーグナーによる演奏で収録しています。ピアノのためのエチュードは均整のとれたフォルム、美しく明快で流れるような曲調の作品。またこのアルバムには、パリ、ニューヨーク、東京、ベルリンなど世界の主要都市の風景をデュサパン自らが撮った写真が収められています。彼の音楽作品と写真の製作過程の共通点を探るためCDフォトブックの形式で発売されました。フランスの哲学者ミシェル・オンフレ氏が解説を書いており以下のように述べています。「デュサパンは光の彫刻家である。彼が作曲するとき、時間を彫刻しているようなものだ。世界各地の写真を撮るとき、そのフレームに適合させるように風景を固定させるのである。」
ASM-09
テオドール・デュボワ:フリチョフ序曲 (1880)
ピアノ協奏曲第2番 (1897)
十重奏曲 (1909)
ヴァネッサ・ワーグナー(P)、
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)レ・シエクル

録音:2011年(ライヴ)
ピリオド楽器によるストラヴィンスキーの「火の鳥」やサン=サーンスのオルガン付き交響曲が大絶賛のロト、SWR響との来日公演も大成功に終り、 現在最も注目される指揮者のひとりとなりました。今後のリリース予定も充実していますが、まずは近代フランスの作曲家デュボワ作品集の登場です。デュ ボワは非常な多作家でしたが、CD自体が珍しく、またピリオド楽器であるのももちろん初の試みです。
テオドール・デュボワ(1837-1924)はパリ音楽院で作曲をトマに師事、マドレーヌ教会のオルガニストを務めるかたわら母校でも教鞭をとり、デュカス、 マニャール、アーン、フロラン・シュミットを育て、1896年には院長となりました。しかし1905年にラヴェルがローマ大賞応募資格を無効とされたこと が物議を醸し引責辞任。フランス音楽史上では悪役のイメージがついています。作曲家としては500を超える作品を残していますが、むしろ今日では音 楽作品よりも、日本でも音大生必修だった「和声学」の著者として名を残しています。
このアルバムでは、デュボワの長い創作期の3つの時代を代表する3篇をとりあげています。初期1880年作の「フリチョフ序曲」は、「スカンジナヴィ ア伝説」の副題を持つ交響詩で、フリチョフ物語を描いています。劇的なアクセントやリズムを駆使してオーケストレーションの秘術を披露。中期1897 年のピアノ協奏曲第2番はロマン派風の大協奏曲で、ショパンを思わすメロディに満ちた魅力的作。ヴァネッサ・ワーグナーは1880年製のエラール・ピ アノを用いて薫り高き演奏を繰り広げます。後期1909年の十重奏曲は、弦楽五重奏と木管五重奏の組合せにより、フランクを思わすオルガン的な響き に満ちています。ガット弦と20世紀初頭のフランス製管楽器ならではの音色を存分に堪能できます。 ★ロトの演奏は相変わらず才気煥発。「フリチョフ」での強烈なリズム、ピアノ協奏曲でのロマン性、いずれもきびきびした推進力で表出。忘れられていたデュ ボワ作品からいきいきとした息吹を再現しています。 (Ki)


ASM-10
ドビュッシー:管弦楽組曲第1番(1882)
【祭/バレエ/夢/行列とバッカナール】
交響詩「海」
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

録音:2012年2月2日シテ・ド・ラ・ミュジーク(パリ)、4月13日聖チェチーリア音楽院(ローマ)* (共ににライヴ)
“時代考証にとどまらない渾身の音楽表現がもたらす絶大な説得力”
『管弦楽組曲第1番』は、ドビュッシーがパリ音楽院の学生だった頃の作品で、ピアノ連弾版による演奏は既に録音されていますが、オケ版はこれが世界初録音。これを聴いて多くの方は、「以前から慣れ親しんだ音楽」と感じるのではないでしょうか?五音音階をベースにした親しみやすい楽想は、特にに日本人の心にダイレクトに迫ること必至。その楽想の意味を十分に感じ取り、表現意欲をストレートに表出するロトのアプローチは、単なる新曲の紹介にとどまらず、当然ながら「表現」に徹することで、音楽を一層魅力的なものに引き上げていることは明らかあです。2曲目「バレエ」のコーダの霊妙な響きには思わずうっとり…。3曲目「夢」(フランスの作曲家フィリップ・マヌリが補筆完成)は、同名のピアノ曲にも似た雰囲気を湛え、中間の静謐美は信じがたいほどの幻想性を漂わせます。終曲「バッナール」は、あの「お祭りマンボ」風の小粋な音楽。これを聴いて少しもウキウキしない人などいるでしょうか?
そして、同様に五音音階を基調とする「海」が、これまた大名演!かつて無いアプローチを目指そうと奇をてらうのではなく、初演時の響きの再現だけを目指したのでもなく、ひたすら楽曲の理想形だけ追い求めた結果に得られた至純の響きは、感覚的な新鮮さを超えて普遍的な説得力を誇ります。
古楽器にこだわる指揮者は、楽器構造の解析に独自の主張を込めるとが多いですが、ロトはそれに加え、今を生きる生身の人間の呼吸感を盛り込むことを決して忘れません。
第1楽章は、冒頭の神秘的な空気感に早速引き込まれます。ソロパートを中心に、語り口はかなり濃厚ですが、透明なテクスチュアによって厚塗り感はなく瑞々しい完食だけを残して生き生きと進行。4:49からの弦のふわっとした感触は、まさにガット弦で聴くう醍醐味。2楽章は、色彩の入れ替えに俊敏なレスポンスを見せつづけ、コーダの一音一音がこれほど艶かしい光を帯びて迫った例も、他に思い当たりません。
3楽章は、アンサンブルの精度の高さに唖然。1:22以降、低弦の動きを克明に浮き彫りにしながら、管楽器と共に巨大生命体のように躍動する音像は特に聴きもの。
古楽派の指揮者は、画一的な色彩しか持たず、肉感的な風合いとも無縁なことが多いので、フランス音楽やスラブ系作品を演奏した場合には、ヴィブラートのない乾いた音だけが浮き彫りになることが多いですが、ロトはそれらの作品を表現する術を本能的に弁えている稀有な存在と言えましょう。【湧々堂】
ASM-12
デュカス:魔法使いの弟子
カンタータ「ヴェレダ」
「ポリュークト」序曲*
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル、
シャンタル・サントン(S)、
ジュリアン・ドラン(T)、
ジャン=マニュエル・カンドノ(Br)

録音:2011年4月12日スクオーラ・グランデ(ヴェネツィア)、
2012 年 5月31日ラベイ・ド・レポー*(ライヴ)
時代楽器による近代名曲を次々リリース、今最も注目される奇才指揮者のひとりフランソワ=グザヴィエ・ロト。彼があの「魔法使いの弟子」を時代楽 器で挑戦しました。時代楽器によるこの名作の録音は初めてでもあり興味津々。
ポール・デュカス(1865-1935)はドビュッシーやラヴェルの同世代の友人ですが、自己に厳しく、意に満たない作品をすべて破棄してしまったため、 今日13作品しか残っていないと言われています。そのなかで「魔法使いの弟子」は描写的な内容と精妙なオーケストレーションにより、フランスの管弦 楽曲を代表する人気作となっています。
アルバムに収録された3篇は、いずれも19世紀末の作品ですが、オーケストラの楽器も当時のもので揃えられています。今回は日本からの要望が叶い、 ブックレットに弦楽器以外すべての使用楽器が明記されているのもマニア垂涎の資料となっています。特に「魔法使いの弟子」で重要な役割を演じるバソ ン(1900年ビュッフェ・クランポン製)とグロッケンシュピール(ミュステル製)は、一般的な録音と異なった印象を受けますが、これこそまさにデュカ スの思い描いた音。目から鱗が落ちる衝撃度です。
さらに嬉しいのが、録音の多くない「ポリュークト」序曲とカンタータ「ヴェレダ」も収録されていること。コルネイユの悲劇に基づく「ポリュークト」は、 異教徒のキリスト教改宗をテーマに、嫉妬に燃える夫と無実の妻の顛末をうねる音楽で描いた感動作。当時のデュカスのワグネリアンぶりを実感できます。 パリ音楽院のローマ大賞コンクールで2位となった「ヴェレダ」はフェルナン・ベシエの台本によるケルトの巫女ヴェレダとローマ人エウドレの愛を描い たカンタータ。デュカスの実験的な管弦楽法が興味津々の作品で、たとえば前奏曲でフルートの美しいメロディをヴァイオリンとヴィオラが音の塊で半音 階的に支えていくとことなど、ドビュッシーやラヴェル、さらにはリゲティやシュニトケさえも先駆けています。この作品をロトの演奏で聴くことができるの は存外の喜び。
ロトの演奏は相変わらず才気煥発。歴史的な意義を別としても、これほど面白く生気に満ちた「魔法使いの弟子」演奏は稀で、まさに決定盤登場と申 せましょう。 (Ki)
ASM-13
モンポウ:ひそやかな音楽(全28曲) ジャン=フランソワ・エッセール(P)

写真:チェマ・マドス
録音:2013年5月21-24日/ポワチエ・オードトリウム
エッセールは1996年にエラートから「歌と踊り」をはじめとするモンポウ・アルバムをエラートからリリースしていましたが、17年を経て第2弾の登 場となります。エッセールはスペイン音楽のスペシャリストとされ、アルベニスの「イベリア」やグラナドスの「ゴェスカス」で超絶技巧を駆使し、絢爛た る世界を描いています。それらに較べると音の数が少なくシンプルなモンポウにも絶妙さをみせてくれます。「ひそやかな音楽」は、1959年から67年に かけて散発的に作曲された28曲から成り、モンポウ作品のなかでも、ひときわ音が少なく空間の多い小品集。モンポウの心象日記的な作品なため、解 釈の難しさが際立ちます。エッセールは1974年にサンティアゴ・デ・コンポステラのサマー・アカデミーに参加し、2週間にわたってモンポウの自作自 演に接したという、まさに直伝。透明な神秘性とオシャレなセンスが光ります。 さらに魅力なのが、スペインの奇才写真家チェマ・マドス(1958-)のフォトアルバムが付いていること。日常品をシュールな解釈で撮ったモノクロの世 界は「ひそやかな音楽」と共通する世界観を感じさせます。 (Ki)

ASM-15
時代楽器演奏で「春の祭典」を
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」 (1913年初版)
バレエ音楽「ペトルーシュカ」 (1911年初版)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

録音:2013年5月14日/メス・アルセナル、5月16日/グルノーブルMC2、9月29日/フランクフルト旧オペラ座
2013年5月14日/メス・アルセナル、5月16日/グルノーブルMC2(すべてライヴ)
これはとんでもない衝撃。ついに「春の祭典」と「ペトルーシュカ」の時代楽器による録音が登場しました。時代考証に則した演奏による近代名曲を次々 リリース、今最も注目される奇才指揮者のひとりフランソワ=グザヴィエ・ロト。誰が最初に手掛けるかと思われた「春の祭典」、ロトがやってくれました。 どちらも1900年前後に作られた、主にフランス製の楽器と奏法を用いているのはもちろんながら、改訂魔だったストラヴィンスキーゆえに版の問題も、 ここでは初版により、まさに初演時に響いた音を再現しています。
「春の祭典」は1913年5月29日、モントゥーの指揮によりシャンゼリゼ劇場で初演され、音楽史上最大のスキャンダルとなりました。今日では人 気曲として、またオーケストラの性能を披露できる好個の楽曲として頻繁に演奏されますが、複雑な変拍子、無理な楽器法など、古楽器あるいは古楽指 揮者には不可能な作品とされてきました。ここでは、まず冒頭のファゴット(1900年ビュッフェ・クランポン製バソン)の音から未知のもので衝撃度満点。 また小型のフレンチ・チューバ、小トロンボーンも新鮮で、ピストン・ホルン8本の響きも独特。ロシア的な重量感あふれる音で奏されるのが常ですが、 この明るいフランス的音色こそまさに初演時の音。目から鱗が落ちる衝撃度です。
また「春の祭典」初演時1913年版楽譜は自筆のままでパウル・ザッハー財団が所蔵していますが、ロトはこれと1922年ロシア音楽出版社初版のス コア、モントゥー所蔵の1920年代初頭の楽譜を検討、音の間違いとストラヴィンスキーが改訂した箇所をはっきりさせ、1913年5月29日初演時の音 の再現を試みました。
「ペトルーシュカ」も初演時1911年版。四管の大編成で、協奏曲風に活躍するはずのピアノがあまり目立ちません。ここでは日本人ジャン=ヒサノリ・ スギタニが1892年製エラールのピアノで美しい響きを醸し出しています。通常の交響楽団がこの版をとりあげると、もっさりと重くなりますが、ロト&レ・ シエクルは大編成なことを意識させない透明さ。ことにグロッケンシュピールやチェレスタのキラキラした響きが効果的で、ロシア・バレエならではの夢の あふれる世界を創り出しています。
今回もブックレットに弦楽器以外すべての使用楽器が明記されていて、貴重な資料となっています。ロトの演奏は相変わらず才気煥発。歴史的な意義は もちろんながら、切れの良いリズム感、推進力など驚くほど魅力的な演奏を繰り広げています。 (Ki)
ASM-17
フランス‐スペイン
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
マスネ:歌劇「ル・シッド」〜バレエ組曲
ラヴェル:道化師の朝の歌
ドビュッシー:管弦楽のための「映像」〜イベリア
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

録音:2012 年 8月24日/ラ・シューズ・デュー音楽祭、2013 年 2 月9日/サル・プレイエル(パリ)、2014年3月28日/ラルシペル(ペルピニャン)(すべてライヴ)
「春の祭典」と「ペトルーシュカ」の時代楽器による録音で、レコードアカデミー賞大賞を受賞し、一世を風靡した奇才指揮者フランソワ=グザヴィエ・ ロト。期待の新譜はフランスの作曲家の目を通したスペイン。両国はピレネー山脈を挟んで隣同士ながら、音楽の印象はかなり違います。
このテーマの代表作がシャブリエの狂詩曲「スペイン」。1883年にパリで初演され、ポピュラー名曲となりましたが、マーラーは「近代音楽の始まり」 と位置づけ、その先進性を高く評価したといわれます。時代楽器演奏による初録音に興味津々ですが、これが予想外の新鮮さ。原色的なオーケストラの 響きとボルテージの高さが先入観となっていましたが、ロトとレ・シエクルの演奏は繊細で純フランス風。ラヴェルを思わす近代的な音響に驚かされます。 ことにハープの効果と音色が絶妙で聴き惚れます。親しみやすい内容に反して、リズムとアンサンブルが難しい作品ですが、ロトの統率力で精密の極み。
マスネ作品が時代楽器で登場するのも初めてで大歓迎。当時の楽器、とりわけ木管の音色がマスネの柔らかな色彩にぴったりで、パステルカラーの世 界が広がります。
さらに驚きなのが、ラヴェルの「道化師の朝の歌」。これは凄い。ラヴェルこそ、ロト&シエクルに一番合う作曲家と実感できる相性の良さ。各楽器の 響きがこれ以上ないほど均等なうえ、透明で典雅な音色の美しさと人工美は目から鱗の落ちる思い。今後ラヴェルの大作に挑戦すること間違いないであろ うロト&シエクルの意欲が感じられます。演奏後、観客の「ブラボー」の声が納得できます。
今回もブックレットに弦楽器以外すべての使用楽器が明記されていて、貴重な資料となっています。ロトの演奏は相変わらず才気煥発。歴史的な意義は もちろんながら、切れの良いリズム感、推進力などスペインらしい魅力を味わせてくれます。気
ASM-26
リゲティ:6つのバガテル(1953)〜木管五重奏のための
室内協奏曲(1970)
10の小品(1968) 〜木管五重奏のための
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

録音:2016年4月12-14日/メジャン礼拝堂(アルル)、シテ・ド・ラ・ミュジーク(パリ)(すべてライヴ)
毎回思いもよらぬ企画で、音楽ファンの度肝を抜く奇才指揮者フランソワ=グザヴィエ・ロト。今回は何とリゲティをとりあげました。1923年に生まれ、2006年に歿したリゲティは、今年が歿後10年のまさに現代作曲家。それをピリオド楽器集団のレ・シエクルで演奏するというのが常人には思いつかない発想です。収められた3篇のうち2つは木管五重奏のための室内楽曲。このジャンルで重要なレパートリーとなっていますが、ピリオド楽器による演奏はもちろん初めて。レ・シエクルのメンバーであるマリオン・ラランクール(フルート)、エレーヌ・ムロ(オーボエ)、クリスティアン・ラボリ(クラリネット)、ミカエル・ロラン(バソン)、ピエール・ルジェリ(ホルン)の五重奏ですが、まず木管楽器の音色の違いに驚かされます。ことにバソンとホルンは、今や絶滅寸前の19世紀的なフレンチ・サウンドを聴かせ、同曲の印象ががらりと変わります。さらに興味津々なのが、ロトの指揮する「室内協奏曲」。13人の奏者のための作品で、各奏者の力量とアンサンブルの難しさで知られます。リゲティならではの猟奇的な音楽が繰り広げますが、パステル画のような明るい音色でとっつきにくさや難解さは皆無。むしろあっと言う間の18分を味わえます。これを聴かずにリゲティは語れません。ロトとレ・シエクルの企画力と実力の脱帽。目が離せません。 (Ki)
ASM-28
シェイクスピア時代のコンソート・ミュージック
オスバート・パースリー:5声のイン・ノミネ
ウィリアム・バード:4声のイン・ノミネ
 6声のファンタジア
パースリー:スペス・ノストラ(我らの望み
作者不詳:6声のイン・ノミネ
クリストファー・タイ:5声のイン・ノミネ
エルウェイ・ベヴェン:ブロウニング
ロバート・パーソンズ:デラコート
バード:パヴァンとガリヤード
パースリー:4声のイン・ノミネ
バード:3声のファンタジア
タイ:おお、祝福されし三位一体
ピックフォース:5声のイン・ノミネ
ニコラス・ストロジャーズ:5声のイン・ノミネ
バード:天使はやさしい言葉もて
:4声のファンタジア
 おお、祝福されし三位一体
ヘンリー・ストニングス:ミゼレーレ
ベヴェン:5声のイン・ノミネ
タイ:5声のイン・ノミネ
バード:光なり日なるキリスト
スペス・ノストラ
【上村かおり(トレブル・ヴィオール)、ジェローム・アンタイ(トレブル &テノール・ヴィオール)、
カトリーヌ・アルヌー(テノール・ヴィオール)、エマニュエル・バラサ、ジュリアン・レオナール、アリクス・ヴェルジエ(バス・ヴィオール)】

録音:2015年6月1-4日/ベシーヌ・ローマ教会
イギリス王ヘンリー8世が、1540年にイタリアから6人のヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者を連れ帰ったことにより、王宮のコンソート・ミュージッ クが始まりました。1543年に生まれたウィリアム・バードは声楽曲やヴァージナル曲も多数残していますが、まずはイギリス伝統のコンソート・ミュージッ クの訓練を受けました。当時のヴィオール合奏曲でもっとも重要なタイプが「イン・ノミネ」と呼ばれるもので、グレゴリオ聖歌起源の単旋律を弾くもの から始まり、豊かな発展をとげました。ここではバードとその同時代人たちによる様々な「イン・ノミネ」を堪能できます。ピエール・アンタイの兄ジェロー ムと、日本を代表するガンバ奏者、上村かおり率いる「スペス・ノストラ」が古雅な美しさにかげる世界を作り上げています。 (Ki)


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