湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


声楽曲・新譜速報1


※発売済のアイテムも含め、約3ヶ月間掲載しています。
※新しい情報ほど上の段に記載しています。
※表示価格は全て税込みです。



Ars Produktion
ARS-38627(1CD)
ヴァイス・ウント・ブラウ〜バイエルン地方の男声合唱作品集
トニ・ズルツベック(1922-1994):Es muss ein Sonntag g’wesen sein/民謡(ハンス・プリチェット編):Als wir jungst in Regensburg waren*/グルック:Leih‘ aus deines Himmels Hohen*/クリスティアン・ラフゼン(1886-1975):Wemdinger Wallfahrtslied/ラインベルガー:Walthers von der Vogelweide Begrabnis op.141-1*/プリチェット:Wessobrunner Gebet*/パトリック・エーリヒ(b.1976):Ich sah einen hohen, schwarzen Wald*/ヨゼフ・ハルトマン・シュトゥンツ(1793-1859):Teutscher Bardengesang*/民謡(プリチェット編):Wahre Freundschaft*/民謡(レーガー編):Das Lieben bringt gros‘ Freud‘/オルフ:Si puer cum puellula/民謡(ヨゼフ・レンナー編): Mei Bua*/民謡(クリスティアン・ヘイス編):Horch, was kommt von drausen rein*/R・シュトラウス:Soldatenlied*/オルランド・ディ・ラッソ:Nasenmadrigal - Hort zu ein news gedicht/民謡(レンナー編):Der Wendelstoa*/マックス・ヴェルカー(1878-1954):Der Leberkas op.130-12b/ロレンツ・シュラーフ(1896-1974):Frankenlied/ワーグナー:Matrosenchor*/フランツ・クサヴァー・エンゲルハルト(1861-1924):Dampfnudl-Lied op.36-1/ヴェルカー:Ein Lob dem Gerstensaft op.112b*/マックス・クンツ(1812-1875):Bayernlied/ブロンテ(b.2020):Bonus
レンナー・アンサンブル・レーゲンスブルク、
ハンス・プリチェット(指)

録音:2021年7月23日-25日&10月16日-17日
*世界初録音
1987年設立の男声合唱団、レンナー・アンサンブル・レーゲンスブルクは、レーゲンスブルク大聖堂のオルガニストであり作曲家のヨゼフ・レンナーにちなんで名付けられました。グレゴリオ聖歌から前衛音楽まで幅広い楽曲をレパートリーとし、世界中でコンサートを開催して高い評価を得ています。

Delphian
DCD-34271(1CD)
サミュエル・コールリッジ=テイラー:パートソング集
Sea Drift */ By the lone seashore/Isle of Beauty */The Lee Shore/Dead in the Sierras */Song of Proserpine */The Fair of Almachara */The Sea Shell/All my stars forsake me/The Evening Star/Whispers of Summer */Summer is gone/Requiescat *
ロンドン・キングズ・カレッジcho
ジョゼフ・フォート(指)

録音:2022年2月24日-26日、オール・ハロウズ教会(ゴスペル・オーク、イギリス)
*世界初録音
2014年10月に急逝したデイヴィッド・トレンデルの後任として、2015年9月に18世紀の音楽と舞踏の研究者としても名高いジョゼフ・フォートを音楽監督に迎えた名門ロンドン・キングズ・カレッジ合唱団。
本アルバムでは、豊かなハーモニーと詩的感性に溢れ、自然の精妙な美しさからヴィクトリア朝時代の死への憧れまで、多くの題材に触発されたイギリスとアメリカのロマン派詩の鮮烈な作品の数々を探求。長きにわたり過小評価されてきた、コールリッジ=テイラーの作品の魅力を再発掘します。
Delphian
DCD-34279(1CDR)
夢、危険、歌う-女性の声を高める〜歌曲集
リビー・ラーセン(b.1950):ビッグ・シスター・セズ1967
カーソン・ク―マン(b.1982):バラード
リッキー・イアン・ゴードン(b.1956):マイ・マザー・イズ・ア・シンガー
ジュディス・ウィアー(b.1954):ウーマン. ライフ. ソング
シャーロット・ブレイ(b.1982):クロッシング・フォルトラインズ
リビー・ラーセン:バース・プロジェクト
レベッカ・クラーク:子供の喜び
ヘレン・グライム(b.1981):ブライト・トラベラーズ
フローレンス・プライス(1887-1953):ハート・オヴ・ア・ウーマン
ドヴォルザーク:我が母の教えたまいし歌
ミケーレ・ブアウアマン(b.1947):私の娘たち
サマンサ・クロフォード(S)、
ラナ・ボード(P)
イギリスのソプラノ歌手、サマンサ・クロフォードのデビュー盤は、女性の人生における思春期、愛と欲望、母性、キャリア、遺産という5つの具体的な側面にスポットを当てています。伝統的な歌曲リサイタルとは違ったこのテーマを前面に押し出すために、本アルバムには、新曲の委嘱やジュディス・ウィアーの作品集 「woman.life.song」 から2曲の新編曲、レベッカ・クラーク、フローレンス・プライスなど20世紀初期の女性作曲家の作品などを取り上げています。
※当タイトルは、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Delphian
DCD-34321(1CD)
チルコット:クリスマス・オラトリオ
ボブ・チルコット(b.1955):イエス・キリスト、りんごの木
クリスマス・オラトリオ
梨の木のキャロル*
ようこそ、全ての奇跡よ
ベンジャミン・ニコラス(指)、
オックスフォード・マートン・カレッジcho
オックスフォード・コンテンポラリー・シンフォニア、
サラ・コノリー(メゾ・ソプラノ, マリア)、
ニック・プリッチャード(福音史家)、
ニール・デイヴィス(バス, ヘロデ, シメオン)、他

録音:2023年6月25日-27日、マートン・カレッジ礼拝堂(オックスフォード)
*を除く全曲世界初録音
スコットランド有数のクラシック・レーベルDelphian(デルフィアン)の最重要アーティストであるオックスフォード・マートン・カレッジ合唱団は、英国合唱界の2人の名匠ベンジャミン・ニコラスとピーター・フィリップスの指導の下、瞬く間にオックスフォード大学の混声合唱団の代表的存在の1つとなり、Delphianからリリースした様々なアルバムは夥しい数の5つ星の批評を得るとともに、数多くのグラモフォン「エディターズ・チョイス」を獲得。ガブリエル・ジャクソンの「われらが主イエス・キリストの受難」(DCD-34222)で、BBCミュージック・マガジン賞の「合唱賞」を受賞し、イアン・ヴェナブルズの「レクイエム」とハウエルズの管弦楽伴奏付きモテットを収録したアンセム集(DCD-34252)は、MusicWeb Internationalの年間最優秀レコーディングのひとつにノミネートされています。
バートウィスル、チルコット、ダヴ、エシェンヴァルズ、マクミラン、マクダウアル、ラッター、タバコフ、ウィアーの作品を初演するなど、現代音楽への献身でも並外れた実績を残すマートン・カレッジ合唱団の注目すべき新録音では、「英国の合唱音楽の現代的英雄」と称される人気合唱作曲家、ボブ・チルコットの大作「クリスマス・オラトリオ」を世界初録音! 2019年のスリー・クワイア・フェスティヴァルで音楽祭を開催する3都市(グロスター、ウスター、ヘレフォード)の大聖堂合唱団によって初演され、「明白な成功…そしてまったく新しい」と称賛された作品で、このレコーディング・セッションではデイム・サラ・コノリーを始めとする初演時の輝かしいソリストたちが再集結し、エレガントで歓びに満ちたチルコットの「クリスマス・オラトリオ」のアルバムを完成させました。

Rondeau
ROP-7024(1CD)
ハノーファー少年合唱団〜ポートレート・アルバム第2巻
バッハ:歓呼の声を放て, 喜び踊れ(クリスマス・オラトリオ BWV248より)
バード:喜びもて歌え/シュトローバッハ編)):マリアは茨の森を通り
チルコット:羊飼いのキャロル
ラッター:星のキャロル
ハンマーシュミット:門を広く開けよ
ローゼンミュラー:グロリア・パトリ(主は言われた より)
ビガーリャ:ミゼレーレ・メイ
ロッティ:クレド
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス/タルクマン編)):動物の歌のポプリ
ドイツ民謡:考えは自由
ブロドヴィ:ビスケットのある街
ディータレ編)):雪のかけら, 小さな白いスカート
ガストルディ&ハスラー/イェーガー編)):恋人、明るい日には、踊れ, 飛べ、汝にこそ喜びあり
ハノーファー少年cho、イェルク・ブライディング(指)、ラルコ・バロックO、ロンドン・ブラス、ハノーファー北ドイツ放送PO、ラ・フェスタ・ムジカーレ、ローゼンミュラー・アンサンブル、ブレーメンPO、カナディアン・ブラス、ニルス・ランドグレーン&バンド、他
2002年に創設者のハインツ・ヘニッヒがこの世を去りイェルク・ブライディングが芸術監督に就任して以来、ハノーファー少年合唱団はレパートリーの拡充に力を入れ、時代を問わずあまり知られていない作曲家の作品も取り上げてきました。本作には過去にリリースされた音源からの抜粋とこれまで未発表だった音源が収録されており、この合唱団が積み上げてきた功績の幅広さを窺い知ることができます。
1950年に創設されたハノーファー少年合唱団はヨーロッパにおいては比較的新しい合唱団ですが、ドイツ国内でもトップレベルの少年合唱団の一つとして重要な役割を担っており、また世界各地でその気高く柔らかな歌声を響かせています。

Diapason
DIAP-160(1CD)
シューベルト:歌曲集

(1)鱒 D550
水の上で歌う D774
(2)猟師の歌 D881
(3)春の小川 D361
僕の挨拶を送ろう D741
(4)春に D882
(5)死と乙女 D531
(6)音楽に寄せて D547
(7)憩いなき恋 D138
こびと D771
(8)シルヴィアに D891
若い尼僧 D828
恋人のそばに D162(9)笑いと涙 D777
至福 D433
(10)ガニュメート D544
(11)それらがここにいたことは D775
(12)糸を紡ぐグレートヒェン D118
音楽に寄せて D547
(13)君はわが憩い D776
ミューズの子 D764
(14)魔王 D328
(1)エリーザベト・グリュンマー(S)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1958年
(2)クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1957年
(3)ハンス・ホッター(Br)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1949年
(4)ペーター・アンダース(T)、ミヒャエル・ラウハイゼン(P)
録音:1943年
(5)キャスリーン・フェリアー(C.A)、ブルーノ・ワルター(P)
録音:1949年
(6)キャスリーン・フェリアー(C.A)、フィリス・スパー(P)
録音:1949年
(7)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、クラウス・ビリンク(P)
録音:1948年
(8)エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)、エドウィン・フィッシャー(P)
録音:1952年
(9)イルムガルト・ゼーフリート(S)、エリック・ヴェルバ(P)
録音:1955年
(10)イルムガルト・ゼーフリート(S)、エリック・ヴェルバ(P)
録音:1957年
(11)ゲルハルト・ヒュッシュ(T)、ハンス・ウード・ミュラー(P)
録音:1938年
(12)ロッテ・レーマン(S)、エルネー・バログ(P、D118)、ポール・ウラノフスキ(P、D547)
録音:1937年、1947年
(13)エリーザベト・シューマン(S)、カール・アルヴィン(P、D776)、ジェラルド・ムーア(P、D764)
(14)ハインリヒ・シュルスヌス(バリントン)、フランツ・ルップ(P)
録音:1933年
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第160巻として登場するのは、22曲ものシューベルトの歌曲集!
往年のシューベルト・ファンにはたまらない1枚の登場です。20世紀の名歌手と名ピアニストたちが勢揃いしたと言っても過言ではない贅沢な歌曲集の登場です。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、エリーザベト・シュヴァルツコップなどの若き日の名歌手たちの素晴らしい歌声を満喫できる1枚となっています。

Pentatone
PTC-5187071(1SACD)
コダーイ&バルトーク:教会音楽、合唱曲
コダーイ
(1)ブダヴァリ・テ・デウム〜独唱、混声合唱とオーケストラの為の(1936)
(2)ハンガリー詩編 Op.13〜テノール、混声合唱、児童合唱とオーケストラの為の(1923)
バルトーク
(3)トランシルヴァニア舞曲 Sz.96〜オーケストラの為の(1931)
(4)カンタータ・プロファーナ「魔法にかけられた鹿」〜テノール、バリトン、混声合唱とオーケストラの為の(1930)
(1)ルイザ・ファトヨル(S)
(1)ロクサーナ・コンスタンティネスク(Ms)
(1)(2)マリウス・ヴラド(T)
(4)イオアン・ホテア(T)
(1)(4)ボグダン・バチウ(Br)
(2)ジュニアVIP(児童合唱)
トランシルヴァニアPO&同cho「クルジュ=ナポカ」
ローレンス・フォスター(指)

録音:2022年5月/クルジュ・ラジオ・スタジオ(ルーマニア)
名指揮者ローレンス・フォスター率いるトランシルヴァニアPO&choが、バルトークとコダーイの教会音楽、合 唱曲、管弦楽作品を録音!ルイザ・ファトヨル(S)、ロクサーナ・コンスタンティネスク(Ms)、マリウス・ヴラド(T)、イオアン・ホテア(テ ノール)、ボグダン・バチウ(Br)ら豪華ソリスト陣が共演しております。
コダーイの「ブダヴァリ・テ・デウム」はトルコからのブダ城の解放(1686年)の250周年記念として、ブダペスト大聖堂で演奏された独唱、混声合唱とオー ケストラの為の作品。
バルトークの「カンタータ・プロファーナ」は古代の神話に基づく作品。魔法によって鹿に変えられてしまった9人兄弟の物語で、ハンガリーのホルティ独裁政権 に対する抗議と解されています。通常ハンガリー語で歌われますが、この録音では合唱指揮者コーネル・グローザによるルーマニア語原典版で復活。バルトークが 作曲当初構想した形で蘇ります。 (Ki)

MDG
MDG-61322792(1CD)
タイユフェール&ミヨー:歌曲集 Vol.2
ミヨー:花のカタログ(1920)
 ヘブライ民謡による6つの歌(1925)
タイユフェール:シャグラン通り(1955)
 6つのフランスのシャンソン(1929)
バイロン卿の2つの詩(1934)
 玄関のサイン(ドント・ディスターブ)(1959)
 騎士の別れ〜プーランクへのオマージュ(1963)
 ヴォカリーズ=エチュード(1929)
 ジャン・タルデューの3つの歌(1977)
ミヨー:トルバドゥールの3つの歌(1936)
 付随音楽「天の狂女」による2つの歌(1936)
 付随音楽「あなたは私から逃げることができない」による2つの歌(1936
ホルガー・ファルク(Br)
シュテッフェン・シュライエルマッヒャー(P)

録音:2022年12月7-9日、マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス
ハンス・アイスラーの歌曲集やオネゲル:歌曲集(MDG-61322032)など知られざる作品を録音してきたバリトン歌手のホルガー・ファルク、ピアニストのシュ テッフェン・シュライエルマッヒャーによる、フランス6人組のメンバーの一人ダリウス・ミヨーの歌曲の録音シリーズ第2弾。今回はミヨーに加え、同じく6人組の 紅一点ジュルメーヌ・タイユフェールの作品も収録されています。 タイユフェールは91歳という長命で、亡くなる数週間前まで作曲を続け、室内楽曲、映画音楽に佳作を残しています。また6人組の旗手ジャン・コクトーに「耳の マリー・ローランサン」と呼ばれ、シャブリエ、サティの影響を受けた快活で爽やかな作風。ここに収録されている『シャグラン通り』は、ナイトクラブで歌われるシャ ンソンのような、けだるく小粋な旋律が印象的。『バイロン卿の2つの詩』は、タイユフェールが英語のテキストに作曲した唯一の作品で、1925〜27年に滞在し たアメリカの影響が感じられるブルースの調の音楽です。 そしてミヨーの初期の佳作『花のカタログ』。非常にエレガントで、まさに花の香りが広がる美しい作品。一方『トルバドゥールの3つの歌』は、素晴らしい古代劇 場があるプロヴァンス地方のオランジュを舞台とした「花咲ける中世」というバレエ音楽からとられた3つの歌曲や劇音楽を下敷きにした2つの歌曲など多彩な楽 曲が収録されています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72967(1CD)
バッハ:宗教歌曲集
コラール前奏曲『主なる神よ、いざ天のとびらを開きたまえ』 BWV1092*
イエスよ、イエスよ、汝はわがもの BWV470
来たれ、魂らよ、この日は聖なる歌もて讃えられるべし BWV479
ああ、わが生涯を限る最期の時刻の BWV439
われは汝を拝しまつる、いと高きわが御神よ BWV449
コラール前奏曲『おお、神の小羊、罪なくして』 BWV1095*
汝らこの世の知者は BWV443
イエスよ、汝の受けし愛の御傷の数々 BWV471
暗き墓穴より出て来たれ BWV480
おお愛しき魂よ、五感をば BWV494
神よ、われをみ旨のままに取り計らい給え BWV514
パストラーレ BWV590〜ジーグ *
われはいかなる時にもイエスを愛しまつる BWV468
なくてはならぬものはただ一つ。ああ主よ、この一つ BWV453
われは信じて耐え忍び BWV466
ああ暗き夜よ、汝はいつ過ぎ去るや BWV492
満ちたりて心やすらかなれ BWV511
コラール前奏曲『天にましますわれらの父よ』 BWV683*
神よ、汝の慈しみはいかに大いなるかな BWV462
いと尊き主イエスよ、かくも久しくいずこに留まりたもうや
BWV484
わがイエスよ!いかばかりの魂の苦しみ BWV487
汝に、エホバよ、汝に向かいてわれは歌わん BWV452
いざ、いざ!いまや時は到りて BWV440
コラール前奏曲『愛する御神にすべてを委ねる者は』 BWV691*
さらばわれ今は限りと願わん BWV502
われを忘るるなかれ BWV505
幸いなるかな!イエスを思いて BWV498
来たれ、甘しき死よ、来たれ、浄き安息よ BWV478
われはここ馬槽のかたえに立ち BWV469
カンツォーナ ニ短調 BWV588*
(*=オルガン独奏)
クラウス・メルテンス(Bs)
トン・コープマン(Org;1762年製)

録音:2023年3月/オランダ、オスターランド、ミヒャエル教会
古楽界の重鎮トン・コープマンと、親しい友であり共演者であるクラウス・メルテンスによるバッハの宗教歌曲集。『シェメッリ歌曲集』を中心に、『アンナ・マグ ダレーナ・バッハの音楽帖』からも数曲選び、またオルガン独奏曲も絡めて、各曲の調性や性格のつながりを考慮して全体を構成したアルバムです。
『シェメッリ歌曲集』はゲオルク・クリスティアン・シェメッリ(1680頃-1762)がバッハの協力を得て発表した宗教歌曲集。旋律と通奏低音がきちんと楽 譜として書かれているのは69曲(BWV439-507)ありますが、バッハが自分で書き下ろした曲はBWV452、478、505の3曲のみで、他は既存の旋律に バッハが通奏低音を書き足したものとされています。どれも気の置けない者同士で演奏して楽しむような、家庭的で親密な楽曲。コープマンにとってはこれまでも PHILIPS(ペーター・シュライアー/1991年)、TELDEC(クリストフ・プレガルディエン、クラウス・メルテンス/1999年)、CHALLENGE CLASSICS(コ ンスタンティン・エマヌエル/2014年[CC-72263])と折に触れて録音してきた作品であり、自家薬籠中のものと言わんばかりの自然体な伴奏です。1762 年製のオルガンが放つあたたかで味わいある音色もすてき。メルテンスの歌唱も肩肘張らずリラックスしたもので、飽きの来ない物語を少しずつ語るように歌い進 んでいきます。滋味豊かな音楽にゆるりと浸れるアルバム。

KLARTHE
KLA-168(1CD)
夜明けの恍惚〜ジャポニスムと日本歌曲
別宮貞雄:さくら横ちょう
アンリエット・ピュイグ=ロジェ:3つの和歌〜T.芸者の歌
グラシアーヌ・フィンジ:赤とんぼ(宝井其角詩)
ピュイグ=ロジェ:3つの和歌〜U.雪
グラシアーヌ・フィンジ:窓の月(正岡子規詩)
ピュイグ=ロジェ:3つの和歌〜V.夏の夜
ファビアン・ヴァクスマン:更科の影(ロワヴィエ詩)
デルヴァンクール:露の世
ポリーヌ・ヴィアルド:日本女性
大野香織:小野小町による五つの歌曲
小林秀雄:落葉松
ブレンダ・プパール(Ms)、
ジャン=ミッシェル・キム(P)

録音:2021年10月12-14日/ラ・マラドルリ・ド・ボーヴェ
日本とその伝統にインスピレーションを得た「ジャポニスム」は「フジヤマ・ゲイシャ」とは別次元で美術やファッションの世界に花開きましたが、音楽にも影響し ています。このアルバムは、フランス女性ながら艶やかな浴衣と古き良き日本女性の凛としたたたずまいを見せるメゾソプラノ歌手ブレンダ・プパールが、仏訳さ れた和歌によるフランス作曲家の歌曲と、フランス的感性を示す邦人作曲家の歌曲をあつめた好企画。
古くはショパンやサン=サーンスと親しかった大歌手ポリーヌ・ヴィアルドや、デルヴァンクールの14曲から成る「露の世」(1927)、12年にわたり日本に滞在 し、教育面で多大な貢献をしたアンリエット・ピュイグ=ロジェの「3つの和歌」など興味津々。
さらに1947年生まれの女性作曲家グラシアーヌ・フィンジが正岡子規の句に作曲した「窓の月」や、このアルバムのために書き下ろされた1980年生まれの ファビアン・ヴァクスマンと充実のラインナップ。当然ながらフランス語の発音の美しさに魅せられます。
邦人作品は別宮貞雄「さくら横ちょう」、小林秀雄「落葉松」など名曲のほか、このアルバムのディレクターでもある作曲家大野香織の「小野小町による五つの 歌曲」も聴きもの。いずれもプパールは日本語歌唱に挑戦しています。
さらに魅力なのがジャン=ミッシェル・キムのフレッシュなピアノ。1989年東京生まれ、東京音楽大学で学んだ後パリ音楽院とザルツブルク・モーツァルテウム 音楽院で研鑽を積んだ期待の若手。ヨーロッパから見た日本を理想的に実現しています。

Alba
NCD-62(1CD)
創立40周年記念アルバム
影から〜フィンランド現代合唱曲集/女声合唱団 KYN

キルモ・リンティネン(1967-):クロッカスの歌(Krookus-laulut)(2019)(ハッリ・サルメンニエミの詩)
リーカ・タルヴィティエ(1970-): 影(Varjot)(2020/23)(ハッリ・サルメンニエミの詩)
ミッコ・ハッシネン(1971-):夕べに*(Illala)(2019)(ハッリ・サルメンニエミの詩)
女声合唱団 KYN
カイヤ・ヴィータサロ(指)
ミッコ・ハッシネン(エレクトロニクス)*
ヴオッコ・ホヴァッタ(朗読パート・エレクトロニクス)*

録音:2021年10月?11月、2022年4月、2023年2月 リーヒマキ守備隊教会(リーヒマキ、フィンランド)
フィンランドを代表する女声合唱団のひとつ「KYN」(キュン)は、1981年にヘルシンキの商科大学(現、アールト大学商学部)に創設されました。『新しい始 まり』(ABCD223)『あなたにお話しするなら』(ABACD 15)『妖しげなカンテレ』(NCD57)につづく Alba Records の第5作『影から』は、KYN の 40周年を記念するアルバムです。ジャズ・ピアニストのキルモ・リンティネン の「クロッカスの歌」、モダニスト作曲家のリーカ・タルヴィティエ の「影」、ジャズ・ ドラマーでバンドリーダーのミッコ・ハッシネン の「夕べに」。3つの曲集は、KYN の委嘱で作曲され、現代フィンランドでもっとも創造的な作家のひとり、ハッリ・ サルメンニエミ (1983?)の詩集『Yo ja lasi(夜とガラス)』の詩がテクストに使われました。1989年から芸術監督を務めるカイヤ・ヴィータサロ の指揮によ る録音です。 (Ki)

BR KLASSIK
BR-900346(1CD)
NX-B07
シューベルト:オーケストラ伴奏による歌曲集
1. 夕星 D806(1824)
2. ロマンス - 劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」 D797(1823)
3. ドイツ舞曲 第1集〜導入 - 舞曲1- 舞曲2
●オーケストラ編):ヨハンフォン・ヘルベック
4. 秘めごと D719(1821)
5. 君はわが憩い D776(1823)
6. 涙の雨 - 歌曲集『美しき水車屋の娘』 D795(1823)より
7. ドイツ舞曲 第1集〜舞曲3- 舞曲4- 舞曲5
オーケストラ編):ヨハンフォン・ヘルベック
8. ガニュメード D544(1817)
9. 死と乙女 D531(1817)
10. タルタロスの群れ D583(1817)
11. 君の肖像 - 歌曲集『白鳥の歌』 D957(1828)より
12. ます D550(1817)
13. ドイツ舞曲 第1集〜舞曲6- 舞曲7- 舞曲8
●オーケストラ編):ヨハンフォン・ヘルベック
14. 夕映えの中で D799(1825)
15. 楽に寄せて D547(1817)
16. シルヴィアに D891(1826)
17. 道しるべ - 歌曲集『冬の旅』 D911(1827) より
18. 夜と夢 D827(1825)
19. セレナード - 歌曲集『白鳥の歌』 D957(1828)より
20. ドイツ舞曲 第1集〜舞曲9- 舞曲10
オーケストラ編):ヨハンフォン・ヘルベック
21. プロメテウス D674(1819)
22. 万霊節の為の連祷 D343(1816)
23. 魔王 D328(1815)

※オーケストラ伴奏編):
1、16…アレクサンダー・シュマルツ
2、5-6、11、17…ウェーベルン
4…ブラームス
8…クルト・ギルマン
9…フェリックス・モットル
10、14-15、18、21-23…レーガー
12…ブリテン
19…オッフェンバック
ベンヤミン・アップル(Br)
ミュンヘン放送O
オスカー・ヨッケル(指)

録音:2022年9月28-30日、11月30日、12月1-2日
バイエルン放送 スタジオ1(ドイツ)
フィッシャー=ディースカウ最後の弟子と言われるドイツの注目バリトン、ベンヤミン・アップル。 これまでにALPHAレーベルから「禁断の果実」(ALPHA912)やシューベルトの『冬の旅』(ALPHA854)をリリース、大好評を博しています。 このアルバムではアップルは、シューベルトの名歌曲のピアノ伴奏パートを、後世の作曲家たちがオーケストラ版に編曲した作品を歌いました。 もともと親密な雰囲気を持つシューベルトの歌曲ですが、これらの編曲によって現代の巨大なホールでも遜色なく響くことになるとともに、更なる歌手の 表現力も求められます。アップルは以前にもヴォルフの管弦楽伴奏版歌曲を歌い、(cpo 555380)管弦楽伴奏版の歌曲はお手の物と言えます が、今作でもこの要求に見事に応え、朗々たる歌声を響かせています。レーガーをはじめとしたさまざまな作曲家たちの個性あふれる編曲も聴きどころ の一つと言えるでしょう。 また歌曲の間にはオーストリアの指揮者・作曲家ヨハン・ヘルベック(1831-1877)の手による「ドイツ舞曲」のオーケストラ編曲版を収録し、シューベル トと民俗音楽のつながりを探っています。ミュンヘン放送Oを作曲家としても高く評価されるオスカー・ヨッケルが指揮するオーケストラにも注目。






BR KLASSIK
BR-900211(3CD)
NX-E03
ワーグナー:楽劇「ジークフリート」 ジークフリート…サイモン・オニール(T)
ミーメ…ピーター・ホーレ(T)
さすらい人…ミヒャエル・フォッレ(Br)
アルベリヒ…ゲオルク・ニルグ(Br)
ファフナー…フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(Bs)
森の小鳥…ダナエ・コントラ(S)
エルダ…ゲルヒルト・ロンベルガー(A)
ブリュンンヒルデ…アニャ・カンペ(S)
バイエルンRSO
サイモン・ラトル(指)

録音:2023年2月3-5日(ライヴ)
イザールフィルハーモニー・イン・ガスタイクHP8、ミュンヘン(ドイツ)
任期中に急逝したマリス・ヤンソンスの後を受けて、2023/24シーズンからバイエルン放送響の第6代首席指揮者に着任するサイモン・ラトル。その新 シーズン幕開けに合わせてリリースされるのがこの「ジークフリート」です。このコンビが2015年から進めてきた「ニーベルングの指環」演奏会形式上演の ライヴ録音の第3作で、今回も実力のある歌手陣と世界最高峰の機能性を誇るオーケストラの妙技で聴きどころがいっぱいです。「指環」の中では少 数の歌手で演じられる「ジークフリート」。それだけに歌手たちの表現力とアンサンブルの妙が成功のカギとなります。ここでは題名役ジークフリートを現 代最高峰のワーグナー歌手の一人サイモン・オニールが歌い、ミーメには現代歌劇を中心に演技力のある歌唱で人気を博すピーター・ホーレ、さすら い人には「ラインの黄金」でヴォータンを歌ったベテランのミヒャエル・フォッレ、ブリュンヒルデには人気と実力を兼ね備えたアニャ・カンペと、それぞれの役 柄に合った歌手たちが登場します。森の小鳥役のダナエ・コントラの清冽な歌唱も注目です。 前2作ではヘルクレスザールが会場でしたが、今回の会場「イザールフィルハーモニー・イン・ガスタイクHP8」は より大きく、豊田泰久と彼の事務所「永田音響」が手掛けた音響設計の妙と相まって、更なる空間の広がり を感じられる録音となりました。 「「ジークフリート」には、ワーグナーが書いた音楽の中でも最もドラマティックで 色彩豊かで魅惑的な音楽があります」というラトルの言葉通り、バイエルン放送響の精妙な音色、精緻なソ ロ、スケールの大きなトゥッティと響きを紡ぎ出しています。

CPO
CPO-555585(1CD)
NX-B10
オッフェンバック:喜歌劇「ヴァイオリン弾き」
喜歌劇「66」
サンドリーヌ・ブエンディア(S)
ピエール=アントワーヌ・ショミアン(T)
アルマンド・ノゲラ(Br)
ケルン・アカデミー(古楽アンサンブル)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)

録音:2022年8月27-29日
1855年、オッフェンバックがパリに設立した歌劇・ブフとオペレッタの公演の為の劇場ブフ・パリジャン座。 劇場は収容300人ほどの小さいものでしたが、パリ万国博覧会の正面入り口の真向かいにあり、多くの人々が 訪れたため、オッフェンバックにも多大な成功をもたらしました。この年の夏に初演されたのが「ヴァイオリン弾き」(副 題「ブルターニュの伝説」)でした。この作品で主役を歌ったホルテンス・シュナイダーは素晴らしい演技で観客を魅 了し大人気となりました。その翌年の1856年7月31日には同じく1幕物の「66」が初演され大成功。こちらも 「ヴァイオリン弾き」と同じく登場人物は3人のみ。小さい規模ながらもチロルの民俗音楽が効果的に用いられた、 ちょっぴり皮肉の効いた楽しい作品です。ちなみにタイトルの「66」とは主人公のフランツが購入した宝くじの番号 のこと。
ケルン・アカデミーによるこの演奏は、19世紀の楽器を用いピリオド奏法によって行われたもので、初演時の雰囲 気が良く伝わります。3人の歌手の巧みな歌唱も魅力的です。

GENUIN
GEN-23844(1CD)
ブラームス:美しきマゲローネのロマンス Op.33 トマス・キルディシウス(Br)、
アニ・テル=マルティロシアン(P)、
ヤニケ・リープヴェルト(ナレーター)

録音:2021年7月
リトアニアとアルメニアのデュオ、トマス・キルディシウスとアニ・テル=マルティロシアンによるブラームスの「美しきマゲローネのロマンス Op.33」全曲録音です。このアルバムで「Genuinレーベル」デビューとなります。ルートヴィヒ・ティークの詩に若きブラームスが音楽をつけた美しい歌曲に、ヤニケ・リープヴェルトによるナレーションを加えています。
GENUIN
GEN-23847(1CD)
冬の旅
シューベルト:冬の旅 Op.89D 911(グレゴール・マイヤーによるバリトン、合唱と2つのアコーディオン版)
トビアス・ベルント(Br)、
ハイディ・シュティーガー(アコーディオン)、
ウーヴェ・シュティーガー(アコーディオン)、
ゲヴァントハウスcho、
グレゴール・マイヤー(指)

録音:2022年1月&2023年1月
ゲヴァントハウス合唱団の監督であるグレゴール・マイヤー編曲によるシューベルトの「冬の旅」は非常に珍しい編成となりました。バリトンのソロに、合唱団そして2つのアコーディオンという編成です。マイヤーはピアノのパートを巧みに2つのパートに分け、2つアコーディオンへと振り分けました。アコーディオンの音色は、驚くほど人間の声、呼吸、叫び、そしてささやきを表現しています。またソリストとして参加しているバリトン歌手のトビアス・ベルントは熟練の歌唱を聴かせてくれています。

Da Vinci Classics
C-00772(1CD)
ヴィルヘルム・ケンプ:歌曲集
愛する人よ、眠っているのですか?/くちづけ/ゆかいな夏/エウリピデスの祈り/さすらい人の夜の歌(A)/喜び/蝉/五月の歌/失った/見つけた/夜の思い/さすらい人の夜の歌(B)/ローマの泉/新年の鐘/星の下/海の歌/大運河の上で/さあ、あなたが話しましょう!
ジュゼッペ・アウレッタ(歌)、
ジョヴァンニ・アウレッタ(P)

録音:2023年2月
ピアニストとして著名なヴィルヘルム・ケンプ作曲による歌曲集。ケンプは、若い頃からピアニストや作曲家としてだけでなく、オルガニストとしてもその豊かな才能を発揮しました。そして作曲家としては交響曲、室内楽、舞台音楽、歌曲など少なくとも200を超える作品を作曲したと言われていますが、残念ながら多くの作品が焼失してしまいました。このアルバムでは焼失を免れた作品の中から、ゲーテや、C.F.マイヤーの詩を基にした作品を中心に収録しています。

Christophorus
CHR-77473(1CD)
バッハ:ダイアローグ・カンタータ
バッハ:カンタータ 「憧れもて求め行かん」 BWV49
クリストフ・グラウプナー:オーボエ・ダモーレ協奏曲 ハ長調 GWV302
バッハ:カンタータ「いと尊きイエス、わが憧れよ」 BWV32
ミリアム・フォイアージンガー(S)、
クラウス・メルテンス(Bs)、
エリーザベト・グリュンマー(Ob)、
アンサンブル「フォアアールベルクのバッハ・カンタータ」、他

録音:2023年1月13日-14日
バッハのカンタータの中でも特別な位置を占める対話型のカンタータ(ダイアローグ・カンタータ)を中心としたアルバム。「魂」をソプラノが、「キリスト」をバスが演じ、バッハが音楽を付けたこのカンタータは、バッハがこの時代に作った作品の中でも特に優れたものとされています。まるで花嫁と花婿を結びつけるようなこれらの作品は「信仰」の「愛のデュエット」とも言えるでしょう。現在活躍している歌手たちの中でも特にバッハに精通しているミリアム・フォイアージンガーにクラウス・メルテンスの歌唱でお楽しみいただけます。

Avie
AV-2629(1CD)
ヘンデル:オラトリオ「エジプトのイスラエル人」 (ジャネット・ソレル翻案) アポロズ・ファイア、
アポロズ・シンガーズ、
ジャネット・ソレル(指)

録音:2022年2月、ファースト・バプテスト教会(アメリカ、シェーカー・ハイツ)
グスタフ・レオンハルトやロジャー・ノリントン、レナード・バーンスタインに師事した指揮者、ジャネット・ソレルが創設したピリオド・オーケストラ、アポロズ・ファイアのヘンデル新作が登場!「メサイア」(AV-2208)や「ディクシット・ドミヌス」(AV-2270)を含む彼女たちのディスコグラフィに「エジプトのイスラエル人」が加わります。「見事な音楽の語り部」と評されるソレル自身の翻案で、ヘンデルの色彩豊かなオーケストラがヨセフの死を嘆くイスラエル人からエジプト人を苦しめるカエルやイナゴ、病気、暗闇、そしてモーゼの奇跡的な紅海割りまでを描き出し、聴き手を聖書の旅へと誘います。

Signum Classics
SIGCD-770(1CD)
シューベルト・イン・イングリッシュ Vol.4(英語歌唱によるシューベルト)
さすらい人が月に寄せて/星たち/夜曲/光と愛/ミューズの子/春の信仰/春に/ズライカ II/愛は裏切られ/泉のほとりの若者/さすらい人/ミニョンと竪琴弾き/ブルックの丘にて(橋の上で)/娘の恋の立ち聞き/鱒/野ばら/水の上で歌う/孤独な男/至福/冬の夕べ/音楽に寄せて
ローワン・ピアース(S)、
ロデリック・ウィリアムズ(Br)、
クリストファー・グリン(P)

録音:2022年11月、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会(イギリス、ロンドン)
英国の名バリトン、ロデリック・ウィリアムズと、エイジ・オブ・インライトゥメントOの元ライジング・スターであるソプラノ歌手のローワン・ピアースが贈る、英語歌唱によるシューベルト・アルバム第4弾。ローワン・ピアースは英国を代表する古楽アンサンブル&cho、ガブリエリ・コンソート&プレーヤーズのメンバーとしても活躍する古楽系ソプラノ。シリーズ第1弾の「冬の歌」(SIGCD-531)を担当したロデリック・ウィリアムズは、2016年ロイヤル・フィルハーモニック協会賞を受賞、リーズ・リーダー音楽祭2016の芸術監督も務め、日本ではバッハ・コレギウム・ジャパンとの定期的な共演でも知られています。ピアノはこれまでの3作と同じくクリストファー・グリンが担当。彼の演奏は「息をのむような感性」(英グラモフォン誌)、「声とピアノの完璧な融合」(BBCミュージック・マガジン誌)などと称賛されています。

Challenge Classics
CC-72965(1CD)
光あれ! 〜ドイツ800年の歌
(1)オスヴァルト・フォン・ヴォルケンシュタイン(ca.1376/78-1445):誰ぞ光り輝くのは
(2)ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ(ca.1170-ca.1230):菩提樹の下
(3)バッハ:愛する太陽の光と輝きは BWV446/ おお暗き夜、いつ去るや BWV492
(4)ハイドン::田舎のたのしみ(Hob. XXVlaより)
(5)モーツァルト:ラウラによせる夕べの想い K523
(6)シューベルト::水上に歌う Op.72D774/ 小人 Op.22-1D771/ 夕映えのなかで D799
(7)ファニー・ヘンゼル(1805-1847):春 Op.7-3
(8)メンデルスゾーン:新しい恋 Op.19-4
(9)シューマン:窓硝子107-2/ 夕べの歌 Op.107-6
(10)ブラームス:夏の夕べ Op.85-1
(11)ヴォルフ:炎の騎士
(12)ベルク:4つの歌曲 Op.2[眠ること、眠ること、ただ眠ること / 眠りこんだ私は / 私は一番強い巨人
にうち勝ち / 風は暖かく、日当たりのよい牧場に下草が萌える]
(13)アリベルト・ライマン(b.1936):光が棄てられたのち(「暗闇に包まれて」より)
(14)ヴォルフガング・リーム(b.1952):枯れた花
(15)ハンス・アイスラー:そして仕舞いに憧れは消え / 自殺について(「ハリウッド・ソングブック」より)
(16)ヴァイル:光のなかのベルリン
(17)作者不詳:3つの贈り物(グレゴリオ聖歌、11世紀初頭)
アンナ・ル チア・リヒター(Ms)
アミエル・ブシャケヴィチ((1)(2)(17)ハーディ・ガーディ、(3)チェンバロ、(4)クラヴィコード、(5) - (8)フォルテピアノ、(9) - (16)ピアノ)

録音:2023年7月23・24・26・27日/シュトッットガルト、SWR放送スタジオ
来日公演も高く評価され近年人気上昇中のドイツのメゾ、アンナ・ルチア・リヒター。「光」をテーマにドイツ・リート800年の歴史をたどるスケールの大きなア ルバムを発表しました。「明るく透明で、集中力があり正確、またドラマに対して鋭い感覚をもつ」とグラモフォン誌が評した彼女の歌唱を存分に味わえる内容です。
ヴォルケンシュタインとフォーゲルヴァイデの作品は現代記譜法で書かれた最初期の歌曲。これを「夜明け前の光」とし、そこから時代順に、日が昇り光を増して いくようにアルバムが進みますが、ライマンやリームといった20世紀の作品に入っていくと(音楽の完成度は高いままですが)日が傾き、沈んでいくイメージが現 れてきます。人が生まれ成長し、老いて死にゆくような感覚にも近い構成で、最後のグレゴリオ聖歌も意味深く感じられます。様々な様式の歌を迫真の表情で力強 く歌いきったルチア・リヒターの素晴らしさはもちろん、楽器を変えひとりで共演をこなした歌曲伴奏の名手ブシャケヴィチにも拍手! (Ki)

PARNASSUS
PACD-960856(2CD)
アイネズ・マシューズ・シングズ・シューベルト
シューベルト:美しき水車小屋の娘 D.795
冬の旅 D.911
アイネズ・マシューズ(Ms)、
ロウエル・ファー(P)

録音:1953年&1954年
ミュージカル俳優や黒人霊歌歌手としても活躍したアフリカ系アメリカ人のメゾ・ソプラノ歌手、アイネズ・マシューズ(1917-2004)が歌ったシューベルトの三大歌曲集から「冬の旅」と「美しき水車小屋の娘」のセットが初CD化。(他に「白鳥の歌」の録音もあり)
現代では女性歌手による同曲の録音・演奏も珍しくありませんが、アイネズ・マシューズはソプラノのロッテ・レーマンに次ぐ2人目の録音となりました。(メゾ・ソプラノとして、また恐らくアフリカ系歌手としても初録音)

Pentatone
PTC-5187039(1CD)
ラインベルガー&メンデルスゾーン:合唱作品集
ラインベルガー:ミサ曲 変ホ長調 Op.109IJR75「カントゥス・ミサ」
メンデルスゾーン:3つの詩篇 Op.781
 詩篇100番「全地よ、主に向かいて歓呼の声をあげよ」MWV B45
 6つの箴言 Op.79IFM111
ラインベルガー:夕べの歌(3つの宗教歌 Op.69 IJR33より)
オランダ放送cho
ベンジャミン・グッドソン(指)

録音:2022年8月(ラインベルガー)、2023年6月(メンデルスゾーン)、
ファン・デ・オムループ・ミュージックセンター、スタジオ1、ヒルフェルスム(オランダ)
ヨーロッパの名門放送合唱団、オランダ放送合唱団と首席指揮者に就任したベンジャミン・グッドソン指揮によるラインベルガーとメンデルスゾーンという19世 紀ドイツ・ロマン派の合唱曲集。
リヒテンシュタイン出身の19世紀ドイツの作曲家ヨーゼフ・ラインベルガーは、7歳で生地の教会のオルガニストに就任し、すでに作曲もしていたという神童とし て知られ、ミサやレクイエム、モテットなどの教会音楽とオルガン作品を中心に、歌劇や歌曲、オルガン協奏曲、室内楽など数多くの作品を残しました。1878年 に作曲された、ミサ曲変ホ長調作品109「カントゥス・ミサ」は、その当時、新しくローマ教皇に就任したレオ13世に献呈されたミサ曲。その二重合唱形式は、ジョ ヴァンニ・ガブリエーリの複合唱様式を彷彿とさせ、歌詞の聴き取りやすいストイックなポリフォニー様式はパレストリーナに倣っているといいます。ルネサンス後 期におけるヴェネツィアとローマの様式を融合した古い様式によるカトリック・ミサですが、随所にロマンティックな美しい旋律が現れる点はラインベルガーならで は。特に最もロマン派風な作風になるアニュス・デイでの悲哀を感じる美しさには息を呑みます。対照的に「夕べの歌」は、ルター派の伝統に基づくドイツ語の教会 音楽で、10代半ばの作曲。「エマオの道程」をテーマとした楽曲で、ラインベルガーの作品の中でも最も人気のある作品となっています。異なる様式の2作品はラ インベルガーの幅広い作風を物語っています。
合唱音楽は、他の有名な作品の影になりがちですが、作曲家メンデルスゾーンを理解する上で、決して聴き逃すことのできない重要な音楽ジャンルです。ドイツ 語による詩篇を基にした4曲は、メンデルスゾーンの合唱音楽の代表的作品で、ドイツやヨーロッパだけでなく日本のアマチュア合唱団も取り上げることの多い人 気曲です。バッハやそれ以前のドイツの伝統的な合唱音楽の研究の成果が活かされた作品で、伝統に則りながらもメンデルスゾーンの独自の旋律美と斉唱を効果 的に用いる構成力が活かされた名作群です。「6つの箴言」は、8声部の合唱の為のドイツ語による典礼音楽で、待降節、受難節などルター派の典礼における6 つの節に関する楽曲がまとめられています。詩篇曲に比べれば小規模でシンプルな作りで親しみやすい佳品です。メンデルスゾーンの作品もラインベルガー同様、 異なる個性を持つ作品が対比的に収められ、選曲における工夫が感じられます。
この録音でのオランダ放送合唱団の人数は、ソプラノ22、アルト17、テノール17、バス17、計73名で、メンデルスゾーンの一部の曲の独唱者も合唱団員よ り選出されています。ベンジャミン・グッドソンはBBCシンガーズ、ベルリン放送合唱団、SWRヴォーカル・アンサンブル、コレギウム・ヴォカーレ・ゲントなどヨー ロッパの優れた合唱団の客演指揮を務めた次代を担う若き合唱指揮者で、2020年にオランダ放送合唱団の首席指揮者に就任しました。よほど相性が良かったよ うで、グッドソンとオランダ放送合唱団は2027年までこの契約を延長しています。
これがグッドソンがオランダ放送合唱団の首席指揮者に就任してからのデビュー盤であり、グッドソンにとって思い入れのある曲が選ばれているということも あって、この録音に対する並々ならない意欲を感じられる歌唱となっています。メンデルスゾーンでは、ドイツ語の響きが音楽と一体となる音楽の特性を存分に生 かした歌唱となっていて、その表現力は圧巻です。ラインベルガーでの美しさにも魅せられます。パワフルで大規模な合唱でも精緻さを失わないのは、グッドソン の統率力のおかげでしょう。今後の活躍への期待も大いに膨らむ指揮者と合唱団の名歌唱をPENTATONEの秀逸な録音でお楽しみください。
Pentatone
PTC-5187083(1CD)
恋する魂は〜ヘンデル:カンタータ、アリアとソナタ
(1)私の心は騒ぐ HWV132b
(2)ヴァイオリン・ソナタ ト短調 HWV364a
(3)恋する魂は HWV173
(4)3声のソナタ ト短調 作品2ー6HWV391
(5)あなたが誠実?あなたが一途なの? HWV171
(6)我が苦しみはいつか私を満たすだろうHWV223(世界初録音)
フランチェスカ・アスプロモンテ(S)
ボリス・ベゲルマン(Vn&指)
アルセナーレ・ソノーロ
ヴァイオリン:ボリス・ベゲルマン、アンドレア・ヴァッサーレ、マウロ・マッサ、アンジェロ・カルヴォ、マリア・クリスティーナ・ヴァシ
チェロ:ルドヴィコ・ミナージ
ダブルベース:リッカルド・コエラーティ
アーチリュート:ジャンジャコモ・ピナルディ
チェンバロ:フェデリカ・ビアンキ

録音:2022年12月/オーディトリウムコレッリ、フジニャーノ(イタリア)
バロックの宗教曲や歌劇の分野で大活躍中のソプラノ、フランチェスカ・アスプロモンテと、コンチェルト・イタリアーノなど気鋭のピリオド楽器グループで、コ ンサートマスターやソリストを務めるバロック・ヴァイオリン奏者、ボリス・ベゲルマンが率いるピリオド楽器アンサンブル、アルセナーレ・ソノーロの共演によるヘ ンデル・アルバム。
ヘンデルのイタリア語によるカンタータは、1700年代の早い時期に、おもにローマで、数多く作曲されました。20歳で故郷ハレからイタリアに出てきたヘンデ ルは、A・スカルラッティら当時のイタリアの最先端の音楽様式を瞬く間に吸収し、独自の創意を加えて自身の作風を確立していきました。これらのカ ンタータは、主にイタリア貴族たちの依頼により、宮廷や別荘などでのコンサートのために書かれた楽曲で、ギリシャ・ローマ神話やイタリア文学を題材としたテキ ストを用い、愛や恋を歌うものでした。このアルバムには、愛の神クピドの矢に射抜かれ、愛に燃え、苦悩する登場人物の心情を歌うカンタータ3曲を、器楽ソナタ 2曲とともに収録されています。器楽ソナタはどちらもト短調の作品が選ばれ、カンタータの序曲の役割を果たすよう配置されていて、強い感情を歌う劇的なカン タータの雰囲気を盛り上げています。
それぞれに趣向が凝らされた劇的な表現力を持ったカンタータを、アスプロモンテは抜群の情感表現と持ち前の清新な美声で聴かせてくれます。ベゲルマンがソ ロを取るアルセナーレ・ソノーロの器楽演奏も、時に強烈な表現を見せながら、歌手の感情に寄り添う演奏を展開しています。特にHWV132bでは通常、オブリ ガート楽器はオーボエですが、ここではベゲルマンがヴァイオリンで奏でており、まるでアスプロモンテとの二重唱を歌うかのような表情豊かな演奏を聴かせてくれ ます。また最終トラックには、世界初録音となるというアリア「我が苦しみはいつか私を満たすだろう」HWV223が収録されている点も見逃せません。カンタータ とは異なり1738年から1741年の間に作曲されたという比較的晩年の作品となる、晴れやかな雰囲気を持つ技巧的なアリアは、この「愛」をテーマにしたヘン デル・アルバムを締めくくるにはふさわしいものでしょう。
フランチェスカ・アスプロモンテは、20代にして世界のカーネギーホールをはじめとする世界の主要なホールで歌い、エンリコ・オノフリやディエゴ・ファゾリス、 ラファエル・ピションといった気鋭の指揮者たちの信頼も厚い若き実力派ソプラノ歌手です。PENTATONEレーベルでは、すでにプロローグと聖母マリアという 趣向を凝らした2枚のアルバムをリリース。この二枚ではアルバム・コンセプトにも携わり、世界的にも高い評価を得ています。今回のアルバムでも、ブックレットに 示唆に富んだ巻頭言を寄せていて、その知的なアプローチは歌唱にも活かされています。
ロシア出身でイタリアでバロック・ヴァイオリンを学んだボリス・ベゲルマンは、イル・ジャルディーノ・アルモニコやイ・バロッキスティといった最先端を行く古 楽グループに参加し、2017年からは、コンチェルト・イタリアーノのコンサートマスターに就任しています。また、2014年には、自らのアンサンブル、アルセナーレ・ ソノーロを結成し、DHMやObsidianといったレーベルからCDをリリースし、世界的にも高い評価を得ています。声楽ソリストとの共演ではヴァイオリンを弾き ながら、指揮を務め、ヴィヴィカ・ジュノーやマックス・エマヌエル・ツェンチッチら最高峰の歌手たちとヨーロッパを中心にコンサートを行っています。また、今後、 フランチェスカ・アスプロモンテとの共演でイタリア各地の音楽祭に参加することが決まっています。今をときめく若き才能が共演したヘンデル・アルバムをお聴き 逃しなく!

BIS
BISSA-2651(1SACD)
『困苦の時のミサ曲』
ジョン・ピカード(1963-):3つのラテン語のモテット(Three Latin Motets)(1983-87)〜アカペラ合唱の為の
 光より生まれし光よ(O nata lux)(SATB)(1985)
 光の消ゆる前に(Te lucis ante terminum)(SSAA)(1987)
 慈しみと愛のあるところ(Ubi Caritas et amor)(SATB)(1983)
おお大いなる神秘(O magnum mysterim)(2015)〜アカペラ混声合唱の為の
オリオン座(Orion)(2004)〜トランペットとオルガンの為の
めでたし海の星(Ave maris stella)(1992)〜アカペラ混声合唱の為の
オジマンディアス(Ozymandias)(1983)〜アカペラ二重混声合唱の為の
テッセラ(Tesserae)(2009)〜オルガンの為の
困苦の時のミサ曲(Mass in Troubled Times)(2018)〜18声の為の
BBCシンガーズ、
マーティン・ブラビンズ(指)
クロエ・アボット(トランペット、フリューゲルホルン)、
デイヴィッド・グード(Org)、
スーザン・ビクリー(Ms)
[楽器 Trumpet:Van Laar Custom C/Flugelhorn: Van Laar Custom ]

録音:2022年10月13&14日/セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教区教会(ハムステッド、ロンドン、イングランド)
イギリスの作曲家ジョン・ピカードは、ウィリアム・マタイアスとルイ・アンドリーセンに学び、現在、ブリストル大学で作曲科の教授を務 めています。一連のエネルギッシュな力のある管弦楽と器楽の作品で主に知られ、現在までに交響曲と弦楽四重奏曲を6曲ずつ書いています。ナッシュ・アンサン ブルが彼の室内楽作品を演奏した『アレッポの園芸商』(BIS SA-2461)は、2021年グラモフォン賞の現代音楽部門賞に選ばれました。
BBCシンガーズとマーティン・ブラビンズによる新しいアルバムではピカードが、ライフワークとする交響曲と室内楽曲の合間、1983年から2018年にかけ て作曲した合唱作品が演奏されます。ブリストル大学在学中に課題として書いた〈光より生まれし光よ〉、シンプルな構造と明快なハーモニーの〈光の消ゆる前に〉、 聖木曜日の聖歌の歌詞による〈慈しみと愛のあるところ〉の「3つのラテン語のモテット」。ブリストル大学のクリスマスキャロル・コンサートのために書いた「おお 大いなる神秘」。直截的なハーモニーの語法に精巧なテクスチュアを加えた「めでたし海の星」。
パーシー・ビッシュ・シェリーのエジプトのファラオ、ラムセス二世を題材にとったソネット「オジマンディアス」は、ピカードが19歳の時に作曲されました。 2018年の「ミサ曲」の足がかりとなる不協和音がすでに織りこまれた作品です。
「困苦の時のミサ曲」は、ハイドンがナポレオン戦争中に書いた「ネルソン・ミサ(Missa in Angustiis)」からタイトルがとられました。カトリック神学教授ギャ ヴィン・デコスタが書いた、ミサ通常文と5つの言語による複雑なテクストに作曲された作品です。BBCシンガーズのために作曲され、2019年2月1日、ロンド ンのセント・ピーターズ教会でアンドルー・グリフィスの指揮で初演されました。BBCシンガーズは、1924年にラジオ放送のために組織された合唱団です。イギ リスの合唱音楽シーンの中心で活動をつづけ、ブリテンの「聖チェチーリア賛歌」やプーランクの「人間の声」などを初演しています。 (Ki)

APARTE
AP-323(1CD)
スターバト・マーテル
(1)プーランク:ロコマドゥールの黒衣の聖母へのリタニア
(2)クレマン・ジャヌカン:ああ、甘い眼差しよ
(3)プーランク:スターバト・マーテル
マチュー・ロマーノ(指)
アンサンブル・エデス
マリアンヌ・クルー(S)、
ルウイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブーラ(Org)(1)、
レ・シエクル(3)

録音:2022年10月19,20日コンピエーニュ帝室劇場(ライヴ)(2)(3)、2023年2月21日ロワイモヨン修道院食堂(1)
衝撃的なストラヴィンスキーの「結婚」とラヴェルの「ボレロ」のディスク(AP.300/KKC.6647)で注目を集めたロマーノとアンサンブル・エデス、待望の新 譜はプーランクの「スターバト・マーテル」。オーケストラ・パートはレ・シエクルが担うという豪華盤。1950年の作品ですが、なんと初のピリオド楽器による演奏 となります。
ロトの弟子にして助手も務めたロマーノは師の影響を強く受けていて、ノン・ヴィブラートのピュアな音色はもちろんながら、リズムの切れの良さと推進力が魅 力。いずれもプーランクの音楽のポイントでもあるため理想的な世界を実現しています。「スターバト・マーテル」のオーケストラ編成は大きいものの、ロマーノはロ トが同曲を指揮したらと思わせる透明でエネルギーあふれる美演を繰り広げます。
カップリングの「ロコマドゥールの黒衣の聖母へのリタニア」は女声合唱とオルガンという編成。プーランクの宗教作品のなかでもとりわけ感動的なものですが、 初演時に立ち戻るという姿勢からフランス国立図書館所蔵の自筆譜を用いた演奏で、鮮烈な印象を残します。さらに注目なのが、プーランクの間奏曲的にクレマン・ジャヌカンのシャンソン「ああ、甘い眼差しよ」を彼らの歌唱で聴くことができること。宮廷の近寄りがた い女性への愛の歌とされますが、ロマーノは聖母マリアに宛てたものではと指摘していて、リタニアやスターバト・マーテルの間にあっても違和感なく、音楽にたっ ぷり浸れます。 (Ki)

Chopin University Press
UMFCCD-118(1CD)
ヤング・ワルシャワ・コンポーザーズ
1. アレクサンドラ・フミェレフスカ(b.1993):管弦楽のための幻想的な場面
2. ドミニク・ラソタ(b.1994):16人の奏者のための小品
3. マルチン・ヤヒム(b.1993):打楽器と弦楽のための幻想曲
4. ヤツェク・シェンキエヴィチ(b.1994):クラリネットと弦楽のための協奏曲
5. マチェイ・スウェツキ(b.1995):混声合唱と管弦楽のためのMy River runs to Thee
アガタ・パルティカ(パーカッション/tr.3)、
ヤン・グラッラ(パーカッション/tr.3)、
マテウシュ・ライコフスキ(クラリネット/tr.4)、
合唱団(tr.5)、
器楽アンサンブル(tr.2)、UMFCSO(tr.1, 5)、
ヤン・ミウォシュ・ザジツキ(指揮/tr.1)、
マレク・ヴロニシェフスキ(指揮/tr.2)、
マテウシュ・グヴィズダウワ(指揮/tr.3-5)

録音:2017年4月&2018年4月、フレデリック・ショパン音楽大学コンサート・ホール(ポーランド、ワルシャワ)
※全曲世界初録音
本アルバムでは、ワルシャワの若手作曲家たちによる管弦楽作品を紹介しています。彼らはショパン音楽大学の学生や卒業生であり、数々の作曲コンクールでの受賞によって、その芸術的な成熟度が証明されています。これらの作品は、同大学のコンサートホールで初披露されたコンサートの一部として録音されました。色彩、構造、音色に対する豊かな想像力と、多面的な音楽風景の構築によって結びついています。

Pentatone
PTC-5187075(1CD)
民謡集
(1)バルトーク:5つのハンガリー民謡 BB108 Sz.101(1929)
(2)ベリオ:フォーク・ソングズ(1964)
(3)ラヴェル:5つのギリシャ民謡(1904-1906)
(4)モンサルバーチェ:5つの黒人歌曲(1945)
マグダレーナ・コジェナー(Ms)
チェコPO、
サイモン・ラトル(指)

録音:(2)2020年6月、(1)(3)2022年11月、(4)2023年2月/ドヴォルザーク・ホール、ルドルフィヌム(プラハ)
世界最高の名歌手マグダレーナ・コジェナー、PENTATONEレーベル第4弾は「民謡集」。バルトーク、ベリオ、ラヴェル、モンサルバーチェが民謡にインスパイ アされ作曲した歌曲集です。共演はサイモン・ラトル(指)チェコPOとの豪華共演!ラトルとコジェナーは2022/23年シーズンの同団の アーティスト・イン・レジデンスを務めています。
当録音でもコジェナーの歌唱力は圧倒的。スタイルの全く違う4人の作曲家がそれぞれ選択した民謡をコジェナーは独自のスタイルで表現しており、ラトル率い るチェコ・フィルの好サポートを得て民謡の世界へと誘います。
スペイン出身の作曲家ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)はカタルーニャ民謡を基調した作品で知られ、器楽曲、映画音楽、バレエ音楽など幅広いジャ ンルで作品を残しました。5つの黒人歌曲は1945年に作曲したモンサルバーチェの代表作。スペイン語の詩にのせた民族色の強い作品です。
「私の子供時代は民謡とともに育ちました。夏休みの夜にはテレビを観る代わりに姉や祖父母と一緒に台所で民謡を歌い、その民謡から新しいメロディを学び、 即興で2重唱、3重唱を歌って楽みました。私が育ったモラヴィア地方は、どの村にも独自の曲と民謡があり、今もなお祝宴、冠婚葬祭などで歌われます。バルトー ク、ベリオ、ラヴェル、モンサルバーチェ各作曲家が民謡を用いた作品に対するアプローチがユニークであるにも関わらず、私はそれぞれの曲に特別なつながりを感 じています。民謡は日常生活について語り、先人から学ぶ道徳のようです。民謡はどんな感情もリアルに感じられる、私たちの文化遺産なのです」(マグダレーナ・ コジェナー)
コジェナーがPENTATONEレーベルからリリースしているタイトルはどれも高い評価を得ており、バロック・レパートリーを歌った「ため息の庭」(KKC-6107 / PTC-5186725)、ラトルがピアノ伴奏で共演した「ソワレ」(PTC-5186671)、ブロンフマンと共演した「郷愁」(PTC-5186777)をリリースしております。 (Ki)

Linn
CKD-721(1CD)

NYCX-10428(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
モーツァルト:ミサ曲 ハ短調 K. 427(クレメンス・ケンメ補筆版)
C.P.E.バッハ:聖なるかな、万軍の主なる神 H.778
ルーシー・クロウ、アンナ・デニス(S)
ジェス・ダンディ(A)
ニコラス・マルロイ(T)
ロバート・デイヴィス(Bs)
ダニーデン・コンソート(声楽&古楽器アンサンブル)
スティーヴン・ファー(Org)
ジョン・バット(指)

録音:2022年9月20-23日 パース・コンサート・ホール、UK
18世紀当時のモデルの楽器と演奏様式を徹底追求、バッハやヘンデルの大作声楽曲などでユニークな演奏解釈を送り出してきたダニーデ ン・コンソートが、古典派の未完大作を録音、同じく二重合唱を活かしたC.P.E.バッハ晩年の充実作と共に一つのアルバムにまとめました。 モーツァルトが結婚式を挙げるためザルツブルクに一時帰郷した1783年に作曲したものの未完に終わったハ短調ミサ曲K. 427は、20世紀 以降ランドン(1956)、バイヤー(1989)、モンダー(1990)、レヴィン(2005)など数々の音楽学者により校訂・補筆がなされましたが、ここ ではブライトコップフ&ヘルテル社から2018年に刊行されたオランダの音楽学者クレメンス・ケンメによる補筆が採用されています。ケンメは 2012年にも同曲の補筆を行っていますが(SONYにペーター・ダイクストラ指揮の録音あり)、ここではより作品の特徴に沿ってオーケストラ・ パートを改定、トランペットやティンパニも存在感ある立ち回りを見せる一方、二重合唱の割り振りも18世紀の教会音楽の例をよく踏まえた 構成にしています。先行録音はあるものの、コンパクトな編成で楽譜の特徴をよく伝えるダニーデン・コンソートの解釈は、2023年8月6日の BBCプロムスでも演奏、放送もされ大きな反響を呼びました。同日のプログラム前半でも演奏されたC.P.E.バッハ晩年の合唱曲「聖なるか な」は、ミサのサンクトゥスの章をラテン語ではなくドイツ語で、出典である新約聖書の羊飼いへのお告げの場面を生々しく描写するよう仕上 げた音楽。こちらも短いながら金管・打楽器が二重合唱を効果的に盛り上げ、声楽・器楽パートの精妙な解釈と相俟ってC.P.E.バッハ特 有の書法が大いに迫力を発揮します。両作曲家の異同にも気づかされる刺激的な新録音です。

Hortus
HORTUS-577(1CD)
ナグムジーク
(1)ヘンドリク・ピエナール・ホフメイル(1957-):2つの記念日の歌 Op.139
(2)アー
ノルド・ヴァン・ウィック
:ナグムジーク
(3)ウィック:愛と放棄
(4)ホフメイル:風の中の言葉 Op.216
(5)ホフメイル:ファンタジア・ソプラ・センツェーニ・ナ Op.180
(1)(3)(4)ミネット・デュ・トワ=ピアース(Ms)
マリカ・ホフメイル(P)

録音:2022年12月&2023年1月/グラース(フランス)
当アルバムはアーノルド・ヴァン・ウィックとヘンドリク・ピエナール・ホフメイル、2人の南アフリカ出身の作曲家の歌曲とピアノ曲を収録。歌曲に共通するのは 南アフリカの著名な詩人の詩に曲をつけており、その詩は南アフリカ共和国の数百万人の国民が今も話すアフリカーンス語で書かれています。

Coviello
COV-923(1CD)
バッハ:ユダのアリアとレチタティーヴォ
カンタータ第131番『深き淵より われ汝に呼ばわる、主よ』 BWV131より アリア Meine Seele wartet auf den Herrn
カンタータ第78番『イエスよ、汝わが魂を』 BWV78より レチタティーヴォ Ach! ich bin ein Kind der Sunden
カンタータ第179番『心せよ、汝の敬神の偽りならざるかを』 BWV179より アリア Falscher Heuchler Ebenbild
カンタータ第55番『われ哀れなる人、われ罪の下僕』 BWV55より レチタティーヴォ Ich habe wider Gott gehandelt
カンタータ第76番『天は神の栄光を語り』 BWV76より アリア Hasse nur, hasse mich recht
カンタータ第55番『われ哀れなる人、われ罪の下僕』 BWV55より アリア Erbarme Dich! Lass die Tranen dich
カンタータ第3番『ああ神よ、いかに多き胸の悩み』 BWV3より レチタティーヴォEs mag mir Leib und Geist verschmachten
カンタータ第12番『泣き、歎き、憂い、怯え』 BWV12より アリア Sei getreu, alle Pein
マタイ受難曲 BWV244より レチタティーヴォ Trinket alle daraus
カンタータ第154番『いと尊きわがイエスは見失われぬ』 BWV154より レチタティーヴォ Dies ist die Stimme meines Freundes
カンタータ第157番『汝われを祝せずば』 BWV157より アリア Ich halte meinen Jesum feste
カンタータ第183番『彼らはあなた方を追放し』 BWV183より アリア Ich furchte nicht des Todes Schrecken
カンタータ第97番『わがなすすべての業に』 BWV97より アリア Ich traue seiner Gnaden
ベネディクト・クリスティアンソン(T)
セルゲイ・マーロフ(Vn)
アンサンブル・コンティヌム

録音:2022年6月19-22日/ベルリン、アンドレアス教会
テノール歌手のベネディクト・クリスティアンソンはユダについて、絶対悪の裏切り者という認識ではなく、キリスト教の核心であるイエスの犠牲に根本的に関わ る重要人物と考えています。この考えに基づき、バッハのカンタータと受難曲からユダにちなんだ内容のレチタティーヴォとアリアを集め、普段と異なる角度からユ ダを描こうと試みたアルバムです。バッハの音楽に籠められた強い表現が新たな象徴性をもって響き、ヴァイオリンのオブリガートも意味深く感じられてきます。
ベネディクト・クリスティアンソンはアイスランド生まれ。レイキャヴィーク音楽院、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で学び、クリスタ・ルートヴィヒ、ペー ター・シュライヤー、エリー・アメリング、ロベルト・ホルらのマスタークラスに参加しています。 (Ki)

DUX
DUX-1972(1CD)
ザレンプスキ:コンプリート・ワークス Vol.5 〜作品番号のない作品集
ユリウシュ・ザレンプスキ(1854-1885):大幻想曲 JZBO11/無題の小品 嬰ヘ短調 JZBO14/花開いたばかりの木々 JZBO2/アンダンテ・マ・ノン・トロッポ JZBO 1/無言歌 JZBO5/マルチェフスキによるオペラ「マリア」より「序曲」(4手のピアノのための) JZBO7/アデューJZBO4
ピオトル・サワイチク(P)、
ヨアンナ・フレシェル(S)、
グジェゴシュ・ビエガス(P)

録音:2022年12月10日-12日
19世紀のポーランドのピアニストであり作曲家であったユリウシュ・ザレンプスキは、ショパンやリストの楽曲の影響を受けつつ、ポーランドの民族音楽にインスピレーションを得ながら作曲していました。生前には出版されず、作品番号のない作品も多く、本アルバムにはその中から、ピアノ曲とソプラノとピアノのための歌曲が収められています。
DUX
DUX-1974(1CD)
ワールド・ヒッツ
Lubi? wraca? tam, gdzie by?em/好きにならずにいられない/オンリー・ユー/マイ・ウェイ/行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って(ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」より)/Pami?tam ciche, jasne, z?ote dnie/誰も寝てはならぬ(プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より)/シー(忘れじのおもかげ)/オー・ソレ・ミオ/ハレルヤ/スタンド・バイ・ミー/Pozwol mi/ザ・プレイヤー(祈り)/ユー・レイズ・ミー・アップ
ポーランド男声cho、
ピオトル・ヤンチャク(指,P)、
ミコワイ・ヴィエンケ(Sax)、
ピオトル・ストロミウォ(ギター、プログラミング)、他

録音:2022年
エルヴィス・プレスリー、フランク・シナトラなど、世界中でヒットしたポップスや、誰もが知るクラシックの名曲などを織り交ぜ、ポーランド合唱団とソリストたちが美しく歌い上げます。
DUX
DUX-1988(1CD)
フリーマン:歌曲選集 vol.1
ヴィトルト・フリーマン
(1889-1977):Zgarnij w me serce op.198-9/Krolowo ro? Op.206-5/Nasz wieczor Op.305-2/ ??ko wieczy?cie zielona Op.344-7/Kocham Op.283-7/Ballada Op.209-3/Nad wod? wielk? i czyst? Op.196-1/W lesie Op.327-1/Ko?ysanka z Nadarzyna Op.135-6/Gdyby? Ty by?a szklanym jeziorem Op.235-2/M?dro?? drzew Op.344-4/O u?miechu, przewodniku dobrym Op.210-5/Wzruszony smok Op.260-4/Wiatr zaniesie Ci Op.172-2/Noc majowa/Przy wigilijnym stole Op.261-3/Moja piosnka Op.123-3/Twoje s?owa Op.327-3
レナタ・ジョンソン=ヴォイトヴィチ(S)、
マチェイ・バルチャク(Br)、
マルチン・カスプシク(P)

録音:2022年
※全曲世界初録音
20世紀の作曲家ヴィトルト・フリーマンは、その長い生涯で約1300もの曲を作曲しましたが、その内の400以上が歌曲となっています。本アルバムには、ソプラノとピアノのための小曲や、バリトンとピアノのための小曲が収録されており、これらは現在ほとんど演奏されることのない貴重なもので、全曲世界初録音となっています。
DUX
DUX-1980(1CD)
私の泣き声
シュニトケ(1934-1998):Gospodi Iisusie
ジエナディ・ニキフォロヴィチ・ワパイェフ(b.1954):Pokajanija otwierzi mi dwiery
アレクサンドル・ニコルスキー(1878-1943):Na riekach Wawi?onskich op.7-2
マルチン・モルスキ(b.1999):Pomyszlaju die? strasznyj/アルテム・ヴェデル(1767-1808):Nie otwrati lica Twojeho, solo:Andrii Matsenko
イリナ・デニソヴァ(b.1957):Dusze moja
シュテファン・ストヤノヴィッチ・モクラーニャッツ(1914): Da isprawitsa molitwa moja
G.F.ルヴォフスキ(1830-1894):Nynie Si?y Niebiesnyja
ニコライ・ダニリン(1878-1945):O Tiebie radujetsa
ヴラディミル・ミロサウリェヴィチ(1951-2023):Pokajni?ka molitva, solo:Mi?osz Bogi?
アレクセイ・ルヴォフ(1798-1870):Wieczeri Twojeja, opr. W. Kowald?y
タネーエフ(1850-1918):Razbojnika b?agorazumnago
metr. I アルフィエフ(b.1966):Wo carstwii Twojem
ミウォシュ・ボジチ(b.1994):Nie rydaj mienie, Mati
パヴェウ・グリゴリエヴィチ・チェスノコフ(1877-1944):Priidite ub?a?ym Iosifa
グレチャニノフ:Jelicy wo Christa, Woskresni Bo?e op.52-12
伝承曲:Da mo?czyt wsiakaja p?ot’
チェスノコフ:Spasienije sodie?a? op.25-5
ヴァルスラヴィア

録音:2021年-2022年
2016年に結成された正教会音楽アンサンブル、ヴァルスラヴィアは、活動歴はまだ数年と浅いものの、国内外の正教会音楽のフェスティバルにて成功を収めています。
本アルバムには、19世紀から20世紀にかけて活躍したポーランド、ロシア、セルビア、ウクライナの作曲家たちの歌曲と、現代の歌曲が収録され、ア・カペラで厳かに奏でられています。

Rondeau
ROP-6246(1CD)
マルクス・フリッカー:ア・カペラ作品集
マルクス・フリッカー(b.1943):占星術師/もし私が生まれていなかったら/人生の豊かさ/Schlaft ein Lied in allen Dingen/音楽を選ぶ人は誰でも/Zwei Gesange:「Nachts uberm Wasser」/夜の静けさの中で/スターン博士/S’ Labe/「失恋」/Du liessest deine Gute regnen/Eine grosse Stadt/Unser Vater/開花した菩提樹/Quand je vais au jardin/私の村/夏の名残のばら/夕べの歌/3つのドイツ民謡
ライナー・ヘルド(指)、
ドイツ室内cho

録音:2023年1月6日-8日
ライナー・ヘルド率いるドイツ室内合唱団は、世界で初めてマルクス・フリッカーのみの作品を集めたアルバムを収録しました。マルクス・フリッカーは、スイス国内で非常に有名で知名度のある作曲家で、すでに多くの作品で多くの賞を受賞しています。このアルバムには宗教曲や世俗曲、混声合唱団や男声合唱団のオリジナル曲の他、「夏の名残のばら」や「許しておくれ、すてきな娘さん」、「深い谷間で」などの民謡のアレンジ作品も収録されています。

Signum Classics
SIGCD-773(1CD)
バッハ、マクミラン:モテット&宗教音楽集
バッハ:来たれ、イエスよ、来たれ BWV229
ジェームズ・マクミラン
(b.1959):テネブレ・レスポンソリウム〜第1番:あまねく暗くなりて
バッハ:イエス, わが喜び
マクミラン:ミゼレーレ、
 テネブレ・レスポンソリウム〜第2番:われは不敬なる者らの手に渡され、
 テネブレ・レスポンソリウム〜第3番:不敬の者はイエズスを、この間の夜私は永遠を見た*
バッハ:新しい歌を主に向かって歌え BWV225
*世界初録音
テネブレ、
ナイジェル・ショート(指)

録音(ライヴ):2023年5月27日、スネイプ・モルティングス(サフォーク、イギリス)
キングズ・シンガーズの元メンバーであるナイジェル・ショートによって2001年に設立され、世界最高峰のヴォーカル・アンサンブルの一つとして広く活動する“テネブレ”。2016年に「ブラームス&ブルックナー(SIGCD-430)」が2度目のBBCミュージック・マガジン賞を受賞し、2018年には「天体の音楽(SIGCD-904)」がグラミー賞にノミネートされるなど度々大きな注目を浴びてきた彼らが、バッハのモテットと現代のスコットランドを代表する作曲家、ジェームズ・マクミランの宗教音楽を歌ったライヴ・レコーディングをリリース!
ナイジェル・ショートが「400年後のジェームズ(・マクミラン)は、今日のバッハと同じように尊敬されていることでしょう。」と語るように、マクミランの作品は宗教的な信仰に対する徹底的な献身と信念が表れた精緻さが際立ち、合唱レパートリーの柱であるバッハのモテットとの組み合わせが絶妙な陰影を生み出しています。マクミランがロンドン・バッハ協会の創立75周年を記念して2021年にテネブレのために作曲した新作「この間の夜私は永遠を見た」はこれが初の録音となります。
Signum Classics
SIGCD-754(1CD)
ノエル
トビー・ヤング
(1990-):O Adonai、The Astronomer’s Carol
伝承曲:On Christmas Night
ボブ・チルコット(1955-):羊飼いのキャロル
ジョナサン・ダヴ(1959-):The Star-Song
伝承曲
:Away in a Manger
ハロルド・ダーク(1888-1976):In the Bleak Midwinter
エリザベス・ポストン(1905-1987):Jesus Christ the Apple Tree
伝承曲:ああベツレヘムよ
ジャン・ムートン:Nesciens Mater
ジョン・ラター(1945-):天使のキャロル、What Sweeter Music
ビクトリア:おお大いなる神秘
ジョナサン・ロバーツ(1983ー):Hope Finds a Way
グルーバー(1787-1863):きよしこの夜
アルモニコ・コンソート、
クリストファー・モンクス(指)

録音:2022年7月(イギリス、ロンドン)
ストリッジョのミサ曲(SIGCD-560S)で話題となったアルモニコ・コンソートとクリストファー・モンクスによるクリスマス・アルバム!アルモニコ・コンソートは小編成から大編成、合唱のみ、オーケストラ付きなど、多種多様な編成とプログラムにハイレベルなパフォーマンスで対応する2001年創設の合唱団です。本作は、現代作品からはトビー・ヤングの世界初録音曲やジョナサン・ダヴによる「Star Song」をフィーチャーし、伝統的なキャロルからは「Silent Night」から「Away in a Manger」まで、絶妙に崇高なバージョンを収録しています。クリスマスの雰囲気を愛する人々にとって完璧な1枚といえるでしょう。
Signum Classics
SIGCD-743(1CD)
ブルー
オリヴァー・デイヴィス:Sea Dances(4手ピアノと弦楽のための)/Coral Suite(2台ピアノとオーケストラのための)/The Water Garden(4手ピアノ、ハープ、チェレスタと弦楽のための)/Water Variations(4手ピアノ、弦楽と声楽のための)/Tango(4手ピアノのための)/Dream Songs(2人のソプラノ、トレブル、4手ピアノ、弦楽と合唱のための)/Shoals(4手ピアノとチェレスタ、弦楽のための)/Blue(4手ピアノのための)
ベス&フロー(P・デュオ)、
グレイス・デイヴィッドソン(S)、
ジュリア・ドイル(S)、
オリヴァー・デイヴィス(テノール、チェレスタ、ハープ)、
ジョシュア・デイヴィッドソン(トレブル)、
ロイヤルPO、ポール・ベイトマン(指)

録音:2021年&2022年(イギリス)
オリヴァー・デイヴィス(1972-)は英国王立音楽アカデミーで研鑽を積み、コンサート音楽からバレエ、サウンドトラック、テレビ・スコアなど様々な音楽でロンドンの主要オーケストラと共演してきたイギリスの若手作曲家。Signumからリリースされている過去作〔「フライト」(SIGCD-411)、「シーズンズ」(SIGCD-437)、「ダンス」(SIGCD-469)、「リバティ」(SIGCD-522)、「アルカディア」(SIGCD-590)、「ソレス」(SIGCD-668)、「エア」(SIGCD-709)〕は全英クラシカル・チャートとiTunesクラシック・チャートの両方で何度もTOP10入りを果たし(「リバティ」はiTunesクラシック・チャート第1位)、アップル・ミュージックでは多数の5つ星レビューと100万回以上のストリーミング実績を誇ります。今作は初のピアノに特化したアルバムで、テーマは「水」。オランダのピアノ・デュオ、ベス&フローがピアノ連弾と2台ピアノでチェレスタやハープ、フルオーケストラと共演します。

Acte Prealable
AP-0563(1CD)
エウゲニウシュ・グルベルスキ:合唱作品集 Vol.1
エウゲニウシュ・グルベルスキ
(1870-1923):1-2. コシチュシュコの葬送カンタータ
3. マズルカ Op.10
4. サロンのマズルカ
5-8. 聖体祭のレスポンソリウム
9. 夜想曲/10. 私の息子たちのカンタータ
ロベルト・カチョロフスキ(バリトン、1,10)、
マチェイ・ナチク(バリトン、1,2)、
ダリウシュ・ミコレク(P、1-4,9-10)、
モニカ・バホフスカ((指)1-2,5-8,10)、
インシエメcho(1-2,5-8,10)

録音:2023年4月
エウゲニウシュ・グルベルスキ(1870-1923)はポーランドのプウォツクに生まれました。「大聖堂のオルガニストの息子」として生まれたグルベルスキは、ドイツのレーゲンスブルク音楽を学び、その後1898年からプウォツクの大聖堂聖歌隊の指揮者となり、定期刊行物「教会の歌声」の編集者であったことが分かっています。
Acte Prealable
AP-0564(1CD)
ベッリーニ:歌曲集
蝶々/その時はいつやって来るのだろう/幼い日の夢/捨てられたわが身/苦悩にふるえ/帰れ, 愛しいフィッリデよ/追憶/フィッリデの悲しげな姿よ/優雅な月よ/マリンコニーア/お行き, 幸運なバラよ/美しいニーチェよ/もし私ができないなら/私の偶像よ/喜ばせてあげて
ヨアンナ・ティルコフスカ=ドロジュジ(S)、
オルハ・ビラ(P)

録音:2022年1月(ポーランド)
ロッシーニやドニゼッティとともに「ベルカント・オペラ」と称される19世紀前半のイタリア・オペラを代表する作曲家、ヴィンチェンツォ・ベッリーニの歌曲集がポーランドの「Acte Prealable」から登場。
ソリストは、シュチェチン芸術アカデミーで教鞭を執るヨアンナ・ティルコフスカ=ドロジュジ。2005年からはシュチェチン城でのオペラのソリストとして多くの舞台に登場し、モーツァルト、プッチーニ、シマノフスキ、チャイコフスキー、R.シュトラウス、ビゼーなどのオペラ作品や、J.シュトラウス、レハール、オッフェンバックなどのオペレッタ作品を演じてきました。2015年には、国内外での優れた芸術的功績に対して贈られる「シュチェチニアン・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされ、特別賞を受賞しています。
Acte Prealable
AP-0562(1CD)
ヴェルトハイム:ピアノ&歌曲作品集
ユリウシュ・ヴェルトハイム
(1880-1928):バラード Op.11/バッソ・オスティナートの変奏による前奏曲とフーガ Op.12/2つのピアノ小品 Op.14/3つの歌
エルジュビェタ・ティシェツカ(P)、
ベアタ・ザヴァツカ=クウォス(S)

録音:2019年5月&2023年5月(ポーランド)
19世紀後半〜20世紀前半のポーランドにおけるコンポーザー=ピアニスト、指揮者、教育者、音楽評論家として活躍したユリウシュ・ヴェルトハイム。
ヴェルトハイムは新ロマン主義を掲げた作曲者としての一面はもちろんのこと、若き日のアルトゥール・ルービンシュタインに多大な影響を与えた人物としても知られ、その短い生涯の中で、交響曲、ピアノ独奏曲、ヴァイオリン・ソナタ、の歌曲など、数多くの作品を残しましたが手稿譜の大部分は第二次世界大戦中にワルシャワで焼却されています。本アルバムでは、多彩な音楽活動を行ったヴェルトハイムによるピアノ作品と歌曲作品を取り上げています。

Tactus
TC-890390(2CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:歌曲&ピアノ作品集
【CD-1/歌曲集】 L'infinito op.22/Il libro di Dolcina/La serafiesolana/Piccino piccio (ninna nanna) op.26/2preghiere per i bimbi d'Italia op.29/La barba bianca op.28/La canzone della vita/Briciole op.8/Ore sole op.52/Stelle cadenti.12 liriche brevi op.6/Quattro sonetti da La vita nova op.41/Ninna nanna per l'album di una bimba op.4/I naviganti op.13[pianoforte solo]
【CD-2/ピアノ作品集】 La sirenetta e il pesce turchino op.18/2. Vitalba e Biancospino op.21/Cipressi op.17/Questo fu il carro della morte op.2/Il raggio verde op.9/Alghe op.12/Epigrafe op.25/Le stagioni op.33/Tre poemi campestri op.44
ヴァレンティーナ・ヴァニーニ(Ms)、
ジュゼッピーナ・コーニ(P)

録音:2021年7月-8月
1895年にフィレンツェで生まれたマリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコは、イタリアの作曲家、ピツェッティに師事し、生涯で200曲以上を作曲しました。ギターのための楽曲が有名ですが、ピアノ曲や管弦楽曲など、幅広い楽曲を遺しています。
イタリア系ユダヤ人だったカステルヌオーヴォ=テデスコは、ファシズムから逃れるため、1939年にアメリカへ渡り、ハリウッドにて映画音楽の世界で活躍しますが、本アルバムにはイタリアで盛んに活動できた1920年代までの作品が収録されています。

RUBICON
RCD-1117(1CD)
ホームランズ
1. マーラー:私はこの世に忘れられ
2. デュパルク:旅へのいざない
3. シューマン:ジプシーの歌T
4. シューマン:ジプシーの歌U
5. ヴォルフ:つばめの帰郷
6. シューベルト:さすらい人の夜の歌
7. シューマン:異郷にて
8. シューマン:間奏曲
9. ラフマニノフ:歌わないでおくれ、美しい人よ
10. デュパルク:前世
11. シューマン:森の対話
12. シューマン:月夜
13. シューベルト:竪琴弾きの歌T
14. シューベルト:竪琴弾きの歌U
15. シューベルト:竪琴弾きの歌V
16. ドンス・シン:おお、山よ!
17. シューマン:牛飼いの別れ
18. デュパルク:ミニョンのロマンス
19. シューベルト:さすらい人
20. シューマン:美しき異郷
21. シューマン:悲哀
22. シューマン:春の夜
23. チャイコフスキー:ただあこがれを知る者だけが
24. フォーレ:揺りかご
イアン・ボストリッジ(テノール/tr.1,3,4, 13,14,15,17)、
ジェニファー・フランス(ソプラノ/tr.2, 5,10,18,24)、
ジェイムズ・アトキンソン(バリトン/tr.7, 8,11,12,20,21,22)、
ウォンシク・オー(バス/tr.6, 9,16,19,23)、
アーロン・ゴールディン(P)
英国王立音楽アカデミー(RAM)でマルコム・マルティノー、ジェームズ・ベイリュー、マイケル・ドゥセクらの指導の下、ピアノ伴奏の上級ディプロマ取得に向けて研鑽しているイギリスのピアニスト、アーロン・ゴールディン。この歌曲レパートリーを専門とする若き天才がキュレーションした素晴しいプログラム「HOMELANDS」のアルバムが、次代を担う才能あふれる若きアーティストたちのための"クリエイティヴ・ホーム" 「Rubicon」から登場。アーロン・ゴールディンが監修した「HOMELANDS」は、2022年6月の「世界難民の日」にRAMで行われた公演後、20万ポンド以上の寄付が集まり、500人のアフガニスタンの女子生徒をタリバンから逃してカナダへ留学させている慈善団体「The 30Birds Foundation」の活動に使われました。このニュースは米ニューヨーク・タイムズ紙、英タイムズ紙、CNNなどでも報道され、このアルバムの実現に繋がっています。
「HOMELANDS」は亡命と故郷への憧れをテーマにした珠玉のアート・ソング集で、シューマンの「リーダークライス」からのセレクションを柱に、マーラー、デュパルク、チャイコフスキー、フォーレ、シューベルト、ヴォルフ、ラフマニノフらの郷愁と哀愁に満ちた歌曲を厳選。「世界難民の日」での公演でも歌った世界的テノール、イアン・ボストリッジを筆頭に、2018年「Critics’ Circle」の新進タレント賞を受賞したジェニファー・フランス、2022年ロイヤル・オーバーシーズ・リーグのシンガー賞を受賞し、2023-2025年BBCラジオ3新世代アーティストに選ばれているジェイムズ・アトキンソン、アーロン・ゴールディンのデュオ・パートナーであり、ともに2022-2024年オックスフォード・リーダー(オックスフォード国際歌曲音楽祭)のヤング・アーティストに選出されたウォンシク・オーといった、才能豊かな若手アーティストたちが歌います。

Nimbus
NI-8112(1CDR)
マックス・コヴァルスキ:歌曲集
マックス・コヴァルスキ(1882-1956):6つの歌 Op.1/6つの賛美歌 Op.3より 第1曲〜第3曲/マルティン・グライフの詩による3つの歌 Op.8/ロココ時代の6つの恋の歌 Op.11/ヘルマン・ヘッセの詩による5つの歌 Op.14/クラブントの詩による6つの歌 Op.15/イングリッシュ・ソングス 第1番、第2番、第3番/芸者の歌
サイモン・ウォルフィッシュ(Br)、
カミーユ・ブッチャー(S)、
エドワード・ラシュトン(P)

録音:2019年8月7日-9日
マックス・コヴァルスキ(1882-1956)は1939年まではドイツで、その後はイギリスで活躍した声楽家兼作曲家です。250以上もの歌曲を遺した彼の作風は、19世紀後半の美学が活かされ、その様式が反映されています。ほぼドイツ語の詩に曲を付けた作品を遺した知られざる作曲家コヴァルスキの楽曲をお楽しみください。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

B RECORDS
LBM-053(1CD)
NX-B10
パリへの旅 〜アカデミー・オルセー=ロワイヨモンの歌手たち
1-5. プーランク:平凡な話 FP107
6. リスト:安らぎをください S317
7. リスト:すべての頂には憩いがある S306
8. リスト:祈り S265
9. フォーレ:L’absent 不在 Op.5-3
10. デュパルク:L波と鐘の音(1871)
11. プーランク:セレナーデ(『陽気な歌』FP 42より)
12. レーヴェ:Erlkonig 魔王 Op.1-3
13. シューベルト:竪琴引きの歌 I D478
14. シューベルト:こびと D771
15. シューベルト:墓掘人の郷愁 D842
16-18. ドビュッシー: ビリティスの三つの歌
19-20. ドビュッシー:抒情的散文
21-22. コルンゴルト:『四つの別れの歌』Op.14より
 21.月よ、おまえはそうやってまた昇り
 22. 穏やかな別れ
ブレンダ・プパール(Ms)
アンヌ=ルイーズ・ブリオン(P)…1-8
アドリアン・フルネゾン(Bs-Br)
ナターリャ・イェリセイェヴァ(P)…9-13
シリエル・ンジキニャ(S)
カオリ・オノ(P)…14-18
テッド・ブラック(T)
ディラン・ぺレス(P)…19-22

録音:2023年5月8日 ロワイヨモン修道院
フランス革命で中世以来の修道院としての役目を終え、19世紀に復活するも20世紀初頭以降は廃院、近年は古楽や現代音楽のワーク ショップや演奏会、録音などでも使われているロワイヨモン修道院。この歴史的建築を拠点とするロワイヨモン財団がオルセー美術館と共同 で進めている新世代歌曲演奏家育成プロジェクトのアカデミー・オルセー=ロワイヨモンで学んだ歌手・ピアニストたちが集い、歌曲芸術の ルーツともいうべきドイツ語歌曲の世界とフランス近代歌曲の傑作を聴かせます。「パリへの旅」の題にふさわしく、演奏家たちはそれぞれに多 様なバックグラウンドを持ち、歌われる内容と相俟って今もなおパリが重要な文化交流の拠点であることを改めて実感できる内容。既にフラン ス各地の歌劇界での活躍が注目されているブレンダ・プパールやMIRAREでソロ録音をリリースしているシリエル・ンジキニャ&カオリ・オノな ど、今後が期待される演奏家たちが既に現時点で比類ない歌曲解釈者であることを強く実感させてやみません。両言語とも詩句の濃やか な表現をじっくり聴き確かめられる録音エンジニアリングにも好感が持てます。

FUGA LIBERA
FUG-800(1CD)
19-20世紀ロシアの合唱作品
1. グリンカ/ミリー・バラキエフ 編曲:ヴェネツィアの夜
2. ダルゴムイシスキー(1813-1869): 嵐が空を覆う 〜『ペテルブルク・セレナーデ』
3. リムスキー=コルサコフ: タタールの捕囚
4. アレクサンドル・ヴァルラモフ(1801-1848)/アンドレイ・ペトレンコ 編曲:私はなぜ生き、悲しむのか
5. ルビンシテイン/ゲオルギ・ドミトレフスキー 編曲/A.ペトレンコ改訂:山の頂
6. ボロディン/A. ペトレンコ 無伴奏合奏の為の自由な編曲: V Monastyre 修道院にて
7. バラキエフ/パーヴェル・ツィガノフ 編曲:明るい月は空に輝く
8. キュイ:夜想曲
9. ヴィッサリオン・シェバリーン(1902-1963): 冬の道
10. アナトーリ・ノヴィコフ(1896-1984)/A.ペトレンコ 編曲:愉快な宴
11. エラスト・アバーザ(1819-1855)/A.ペトレンコ 編曲:霧の朝
12. チャイコフスキー:黄金の雲は眠りにつき
13. カリンニコフ(1870-1927): エレジー
14. ムソルグスキー/A. ペトレンコ 無伴奏合奏の為の自由な編曲: 祈り
15. アレンスキー:セレナーデ
16. ロシア民謡/A.ペトレンコ 編曲:ヴァニュシカは道を切り開いた
17. ロシア民謡/オレグ・コロフスキー編曲: トロイカが颯爽とやってくる
18. チャイコフスキー/A.ペトレンコ 編曲: 祈り
19. ロシア民謡:小さなベル
エカテリンブルク・フィルハーモニーcho
アンドレイ・ペトレンコ(指)

録音:2021年9月 スヴェルドロフスク・フィルハーモニック大ホール、エカテリンブルク、ロシア
チャイコフスキー、リムスキー=コルサコフ、カリンニコフなどを中心とした18-19世紀ロシアのア・カペラの為の作品と編曲を、2018年のラ・ フォル・ジュルネで来日し、高い評価を得たアンドレイ・ペトレンコ率いるエカテリンブルク・フィルハーモニー合唱団の歌唱で堪能する一枚。

BSOrec
BSOREC-0003(2CD)
NX-E01
メンデルスゾーン:エリヤ エリヤ…ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
マーガレット・プライス(S)
マリアンネ・ジーベル(S)
ブリギッテ・ファスベンダー(C.A)
コルネリア・ヴルコプフ(C.A)
ペーター・シュライヤー(T)
ハイナー・ホプフナー(T)
クルト・モル(Bs)
ヴァルデマール・ヴィルト(Bs)
テルツ少年合唱団のソリストたち
デュッセルドルフ市楽友協会cho
バイエルン国立O
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指)

録音:1984年7月4日 ミュンヘン、ナツィオナルテアター(ライヴ)
バイエルン国立Oの創設500周年を記念して、バイエルン国立歌劇場の豊富なアーカイヴからのCD化プロジェクトが始動。第1弾に選ばれ たのは1984年7月4日に行われた『エリヤ』の歴史的ライヴ。ミュンヘン・歌劇フェスティバルの開幕公演で、指揮を執ったのはミュンヘン生まれで当時 の劇場総監督サヴァリッシュ。タイトルロールのフィッシャー=ディースカウ以下、ドリーム・キャストを見事に統率した壮麗な演奏が展開しています。 サヴァリッシュは1986年のN響の第1000回定期公演、2001年のN響75周年記念公演といった特別な機会にも『エリヤ』を取り上げており、この作 品を「勝負曲」の一つとしていたことがわかります。録音でも1968年のゲヴァントハウス管とのものが長らく名盤とされてきましたが、彼の生誕100年& 没後10年の節目に登場する本拠地ミュンヘンでのライヴ盤は大いに注目されるでしょう。

J.S.Bach-Stiftung
C-203CD(1CD)
NX-E03
バッハ:カンタータ第44集
カンタータ 第14番「神もしわれらと共になかりせば BWV14
カンタータ 第144番「汝のものをとりて去りゆけ 」BWV144*
カンタータ 第72番「すべてただ神の御心のままに 」BWV72#
ジョアン・ラン(S)
ゼーレン・リヒター(T)
ドミニク・ヴェルナー(Bs)
ヌリア・リアル(S)*
マルクス・フォルスター(A)*
ラファエル・ヘーン(T)*
エリザベート・ブロイアー(S)#
クラウデ・アイヒェンベルガー(A)#
トビアス・ヴィッキー(Bs)#
バッハ財団O&cho
ルドルフ・ルッツ(指)

録音(ライヴ):2022年2月18日、2013年1月25日*、2020年2月14日#
ルドルフ・ルッツとバッハ財団Oによるカンタータ集。第144番にはヌリア・リアルが参加しています。 第14番「神もしわれらと共になかりせば」は1735年の顕現後第4日曜日用のカンタータ。未完となった1724/25年のコラール・カンタータ年巻を補うものと して作曲されました。基になったのは詩篇第124篇に基づくルターのコラールで、苦境に立った時や脅威にさらされた時に助けてくれる神を称える内容です。 第144番「汝のものをとりて去りゆけ」は1724年2月6日、七旬節主日に初演された作品。作詞者は不明ですが「現状に不満を抱くことなく、全ては神が 与える自身の取り分のみに感謝するように」という内容が歌われます。曲は4声のモテットで始まり、最後は簡素なコラールで締めくくられます。 第72番「すべてただ神の御心のままに」は1726年1月27日の顕現後第3日曜日用の作品。ザロモン・フランクによる詩は、マタイ伝からの「重い皮膚病を 患った人を癒したイエスの奇跡」のエピソードが元になっており、冒頭は力強い合唱で人間の迷いのない確固たる信念が歌われます。レチタティーヴォに続 き、弦楽器が活躍するアルトのソロでは「Herr, so du willt 主により」の言葉が何度も繰り返すことで厚い信仰心が表明されています。そしてバスのレチタ ティーヴォに続き、軽やかなソプラノのアリアが続きます。最後は神への感謝が歌われた輝かしいコラールで曲を閉じます。

Capriccio
C-5482(1CD)
NX-B07
ヘンツェ(1926-2012):オラトリオ『メデューサの筏』(1967) ラ・モルト(死)…ザラ・ヴェゲナー(S)
ジャン=シャルル…ディートリヒ・ヘンシェル(Br)
シャロン…スヴェン=エリク・べヒトルフ(語り)
シェーンベルクcho
ウィーン少年cho
ウィーンRSO
コルネリウス・マイスター(指)

録音:2017年11月1-2日(ライヴ)
19世紀前半に活躍した画家テオドール・ジェリコーの代表作の一つ「メドゥーサ(メデューズ号)の筏」。 1816年に実際に起きた凄惨な海難事故をテーマにした巨大なこの絵画は、フランス絵画におけるロマン主 義の台頭を示すものとして数多くの芸術家たちの想像力を刺激しました。ヘンツェもこの絵に触発された一 人で、1967年にエルンスト・シュナーベルの台本を用い、2人のソリストと語り手、大合唱団とオーケストラの ための大規模なオラトリオを書き上げました。しかし翌年、ハンブルクで初演を試みた際は、過激な演出に反 対した人々が乱闘騒ぎを起こしたために上演が中止されてしまい、結局1971年まで初演が行われることの なかった問題作です。このアルバムには作曲から50年目に行われた演奏会形式上演のライヴを収録。2人 のソリストにヴェゲナーとヘンシェルという実力派を迎え、語り手にはウィーン国立歌劇場の「指環」やザルツブ ルク音楽祭のダ・ポンテ3部作を演出したベヒトルフ、更にシェーンベルク合唱団とウィーン少年合 唱団という万全の布陣で臨み、マイスターの指揮の下、ドラマティックな演奏を繰り広げています。

Da Vinci Classics
C-00763(1CD)
シューベルト:歌曲集「冬の旅」 リヒャルト・レッシュ(T)、
ディエゴ・カエターノ(P)

録音:2021年11月、アウグスブルク(ドイツ)
バーゼル・スコラ・カントルムで古楽とアンサンブルを学んだドイツ・レーゲンスブルク生まれのテノール、リヒャルト・レッシュが歌う「冬の歌」(全24曲)。晩年のシューベルトがたどり着いた境地、人間の心の奥深さ、人間関係の傷、愛とは何か、死とは何かについて、深く感動的に探求する1枚です。

Tactus
TC-931903(1CD)
シモーニ:ミサ・ソレムニス
ルチアーノ・シモーニ
(1932-2010):ミサ・ソレムニス(独唱、合唱と管弦楽のための)
エディス・ボルソス(S)、
ミハイ・ラザール(T)
トゥルグ・ムレシュPO&cho
ロメオ・ルンブ(指)

録音:2007年6月
1987年に作曲されたシモーニの大作である「ミサ・ソレムニス」は、当時ローマ教皇だったヨハネ・パウロ2世に捧げられました。ボローニャで初演されたあと、ポーランド西部のヴロツワフでも演奏され、大成功を収めた作品で、シモーニの代表作の1つとなっています。

CORO
COR-16202(1CD)
日本向け完全限定生産
回想〜ア・シックスティーン・コレクション
1. ラフマニノフ(ボブ・チルコット編):アダージョ・ソステヌート(P協奏曲第2番より)*
2. パレストリーナ:マリアは天に昇らされた
3. ペルト:ヌンク・ディミッティス
4. アレグリ:ミゼレーレ(進化版)
5-6. ラッブラ:3つの賛美歌*〔イエスへの祈り、あの聖母の子、慈悲の女王〕
8. スタンフォード:青い鳥
9. ウィテカー:サント・シャペル(聖なる礼拝堂)
10. バード:目をさましていなさい
11. バード/タリス:われらをあわれみたまえ
12. タリス:おお, 光から生まれた光
13. マクミラン:ミゼレーレ
ザ・シックスティーン、
ハリー・クリストファーズ(指)

*=初CD化音源
1979年にハリー・クリストファーズが設立し、それ以来世界最高クラスの合唱団として活動し続けている英国合唱界の至宝、ザ・シックスティーン。東京エムプラスの創立30周年を記念して特別に製作されたスペシャル・コレクション・アルバムが登場!
近年(およそ2011年〜2022年頃)にザ・シックスティーンが録音してきた16世紀から現代に至るまでの素晴らしい音楽を厳選。発売当時から大きな話題を呼んだアレグリの「ミゼレーレ」の独自の版やハリー・クリストファーズに献呈されたマクミランの「ミゼレーレ」、人気パレストリーナ・シリーズ第1巻からの「マリアは天に昇らされた」、レコード芸術特選盤やBBCミュージック・マガジン賞を受賞したバード・アルバム『目を凝らしてじっと見つめ』からの「目をさましていなさい」、ペルトやウィテカーの現代レパートリーなど注目の録音に加え、配信限定でリリースされていたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番からのアレンジ(ボブ・チルコット編)やラッブラ・アルバム(COR16144)には収録されていなかった「3つの讃美歌」など初CD化となる貴重な音源も収録。日本語曲目解説と歌詞対訳を掲載した、日本向け完全限定生産盤です。

DUX
DUX-1890(1CD)
グアスタビーノ:歌曲&ピアノ作品集
カルロス・グアスタビーノ(1912-2000):薔薇と柳/「白いカーネーション」(歌曲集「アルゼンチンの花々」より)/「パンパマパ」(歌曲集「12の民謡」より)/「エル・サンペドリーノ」(歌曲集「12の民謡」より)/兄弟のミロンガ/「私は去ろう…」(歌曲集「植民地時代の4つの歌」より)/「チャパナイのブドウ畑」(歌曲集「12の民謡」より)/「私の村」(歌曲集「9つのこどもの歌」より)/「3つのアルゼンチンのロマンス」(2台のピアノのための)/ピアノ・ソナタ嬰ハ短調
ヤツェク・シチボル(T)、
パヴェウ・ヴェングジン(P)、
ガユシュ・ケンスカ(P)

録音:2022年6月11日-12日、11月26日-27日
アルゼンチンを代表する20世紀の作曲家、グアスタビーノは、「パンパ(ブエノスアイレスを囲む草原地帯)のシューベルト」とも呼ばれ、声楽曲とピアノ曲を多く遺しました。本アルバムには、前半に歌曲、後半にピアノ作品が収録されています。

MDG
MDG-90822886(1SACD)
セシル・シャミナード:歌曲集〜恋の季節
1.愛の嘆き/2.四月は目覚める
3.はかなさ/4.セレナータ
5.不在/6.セヴィリアのセレナーデ
7.かわいい娘/8.願い
9.マドリガル/10.私の心が歌っている
11.夏/12.マドレーヌ
13.繊細な歌/14.兵士のフィアンセ
15.うねりの流れ/16.美しい歌手
17.子守唄/18.未来/19.昔は!
20.至高の願い/21.無限/22.肖像
カタリーナ・カンマーローアー(Ms)
ヨハン・ブランシャール(P)
イ・ジユン(Vn)

録音:2022年9月24-26日、10月22,24,25日、、マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス
ドビュッシーと同時代に生き、数多くの作品を残し、波乱の人生を歩んだ女流作曲家セシル・シャミナード。アメリカでは「シャミナードクラブ」というファンクラ ブも存在したほど、生前の人気は高かったのですが、第一次世界大戦後、パリのサロンの香りと世紀末の軽快さを漂わせる彼女の音楽は次第に忘れ去られていき ます。ここでは実力派メゾソプラノ歌手のカタリーナ・カンマーローアーとシャミナードの作品に精通しているピアニストのヨハン・ブランシャールが、シャミナード の幅広い歌曲作品の中から選曲し収録。当時の聴衆を虜にしたシャミナードの音楽の魅力を再発見することができます。 (Ki)

C Major
76-5508(DVD)
オルフ:カルミナ・ブラーナ レグラ・ミューレマン(S) 、ミヒャエル・シャーデ(T)、マルクス・ウェルバ(Br)
ファビオ・ルイージ(指)、フェニーチェ歌劇場O&cho、ベネチア児童cho

収録:2022年7月9日、サン・マルコ広場、ヴェネツァ、イタリア(ライヴ)
画面:NTSC,16:9
音声:PCMステレオ、DTS5.1
リージョン:All DVD9
字幕:英独韓,日本語、68'00
1803年、現在のドイツ・バイエルン州にあるボイエルン修道院図書室から古い歌を集めた写本が発見されました。その中の歌は約300篇にものぼり、カール・ オルフはこの詩を用いて、「春」「酒」「愛」をテーマに3部から成る全25曲の大規模な声楽作品を作曲。それが今回リリースされる「カルミナ・ブラーナ」。 修道院を訪れた学生や修道僧たちによる自由で奔放なエネルギーに溢れた歌詞と、壮大なオーケストラ、合唱団による壮大にして強烈な一大スペクタクル作品 です。
ここに収録されているのは、2022年7月、ヴェネツィアのサン・マルコ広場で行われた野外公演の模様。2022年9月NHKSOの首席指揮者を務 めているイタリア、ジェノヴァ出身のファビオ・ルイージによる演奏。コロナ禍で特に上演が制限されていた合唱とオーケストラによる演奏が、イタリア人にとっ て重要なピアッツァ(=広場)で行われるということだけあって、市民は大盛り上がりとなっており、イタリアでは生中継も行われたそうです。
今ヨーロッパでモーツァルト歌手として引っ張りだこのソプラノ、レグラ・ミューレマン、リリック・テナーの名手ミヒャエル・シャーデ、オーストリア出身の世 界的バリトン、マルクス・ヴェルバといった実力派のソリストたち、そしてフェニーチェ歌劇場O&choに加え最後にはベネチア児童合唱団が登場し、こ の歴史的大舞台を成功に導いています。 (Ki)

H.M.F
HMX-2904070(17CD)
バッハ:カンタータ録音集成〜ハルモニア・ムンディ・イヤーズ〜/ヘレヴェッヘ
■CD1
「候妃よ、さらに一条の光を」(追悼式用カンタータ)BWV 198
「イエスよ、汝はわが魂を」BWV78
■CD2
「わが心に憂い多かりき」BWV21
「されど同じ安息日の夕べに」BWV42
■CD3
「われらが神は堅き砦」BWV80
「キリスト者よ、この日を銘記せよ」BWV63
■CD4
バスのためのカンタータ集
「われは満ちたれり」 BWV82
「われは喜びて十字架を負わん」 BWV56
「平安 汝にあれ」 BWV158
■CD5
「歓呼のうちに神は昇天したもう」BWV43
「かれらは汝らを追放せん」BWV44
昇天節オラトリオ BWV11
■CD6
復活節オラトリオ BWV249
「喜べ、汝ら、もろ人の心よ」BWV66
■CD7
「新たにうまれしみどり児」BWV122
「笑いは、われらの口に満ち」BWV110
「試練に耐えうる人は幸いなり」BWV57
■CD8
「喜びて舞い上がれ」BWV63
「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV61
「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV62
■CD9
「喜ばしい安息、好ましい魂の歓喜」BWV170
「いざ、罪に抗すべし」BWV54
「心も魂も乱れはて」BWV35
■CD10
「いと尊き御神よ、いつわれは死なん」BWV8
「平安と歓喜もて われはいく」BWV125
「汝なにゆえにうなだるるや、わが心よ」BWV 138
■CD11
「神よ、われら汝に感謝す」BWV29
「イェルサレムよ、主をたたえよ」BWV119
「神よ、人は汝をひそかにたたう」BWV120
■CD12
「賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ」BWV 91
「キリストをわれらさやけく頌め讃うべし」BWV 121
「われ汝にありて喜び」BWV133
■CD13
「ああ神よ、天よりみそなわし」BWV2
「おお永遠、そは雷の言葉」BWV20
「傲りかつ臆するは(人の心はみな偽るものにして)」BWV 176
■CD14
「泣き、嘆き、憂い、怯え」BWV12
「深き苦しみから、我汝に叫ばん」BWV38
「貧しき者は食らいて」BWV75
■CD15
「鳴り交わす絃の相和せる競いよ」BWV207
「鳴れ、太鼓よ!響け、トランペットよ!」BWV 214
■CD16
「たれぞ知らん、わが終わりの近づけるを」BWV 27
「われはわが幸に満ち足れり」BWV84
「キリストこそ わが生命」 BWV95
「ああ、いまわれ婚宴に行かんとして」BWV161
■CD17
「イエス十二弟子を召寄せて」BWV22
「汝まことの神にしてダビデの子よ」BWV23
「主イエス・キリスト、真の人にして神よ」BWV 127
「見よ、われらエルサレムにのぼる」BWV 159
フィリップ・ヘレヴ ェッヘ(指)
■CD1
イングリット・シュミットヒューゼン(S)、チャールズ・ブレット(A)、ハワード・クルック(T)、ペーター・コーイ(Bs)、シャペル・ロワイヤル
録音:1987年11月
■CD2
バーバラ・シュリック(S)、ジェラール・レーヌ(A)、ハワード・クルック(T)、ペーター・ハーヴェイ(Bs/ BWV21)、ペーター・コーイ(Bs/ BWV42)、シャペル・ロワイヤル、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:1990年1月
■CD3
キャロリン・サンプソン(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、マーク・パドモア(T)、セバスティアン・ノアック (Bs/ BWV 63)、ペーター・コーイ(Bs/ BWV 80)、シャペル・ロワイヤル、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント(BWV 63)
録音:1990年(BWV80)、2002年(BWV63)
■CD4
ペーター・コーイ(Bs)、シャペル・ロワイヤル
録音:1991年
■CD5
バーバラ・シュリック(S)、カトリーヌ・パトリアス(A)、クリストフ・プレガルディエン(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:1993年5月
■CD6
バーバラ・シュリック(S)、カイ・ヴェッセル(A)、ジェイムス・テイラー(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:1994年
■CD7
ヴァシリカ・イェゾフシェク(S)、サラ・コノリー(A)、マルク・パドモア(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:1995年
■CD8
シビッラ・ルーベンス(S)、サラ・コノリー(A)、クリストフ・プレガルディエン(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:1996-97年
■CD9
アンドレアス・ショル(C-T)、マルセル・ポンセール(Ob)、マルクス・メルクル(Org)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:1997年
■CD10
デボラ・ヨーク(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、マーク・パドモア(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:1998年
■CD11
デボラ・ヨーク(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、マーク・パドモア(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:1999年1月
■CD12
ドロテー・ミールズ(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、マーク・パドモア(T)、ペーター・コーイ(Bs)
録音:2001年
■CD13
ヨハネッテ・ゾマー(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、ヤン・コボウ(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:2002年5月
■CD14
キャロリン・サンプソン(S)、ダニエル・テイラー(A)、マーク・パドモア(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:2003年
■CD15
キャロリン・サンプソン(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、マーク・パドモア(T)、
ペーター・コーイ(Bs)
コレギウム・ヴォカーレ
録音:2004年
■CD16
ドロテー・ミールズ(S)、マシュー・ホワイト(A)、ハンス・イェルク・マメル(T)、トーマス・バウアー(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:2006-07年
■CD17
ドロテー・ミールズ(S)、マシュー・ホワイト(A)、ヤン・コボウ(T)、ペーター・コーイ(Bs)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
録音:2007年11月
ヘレヴェッヘがハルモアムンディ・レーベルで行ったバッハのカンタータ録音がボックスで登場します。48作、17枚組。豪華歌手陣による歌唱、そしてなに よりいつ聴いても典雅にしてやわらか、至極の美音の管弦楽となめらかな合唱。不朽のカンタータ名演録音の数々をじっくりと味わいたいボックスセットです。 (Ki)

KLARTHE
KLA-165(1CD)
「サラダ・リヨネーズ」
(1)クロード・テラス:「ユビュ王」より序曲
(2)テラス:咳をしている子供
(3)テラス:「ユビュ王」より解体への歌
(4)エヌモン・トリラ:7つの歌による救済
(5)テラス:不定形の詩
(6)トリラ:侯爵夫人とサンキュロット
(7)テラス:肉屋に捧げる3つの歌
(8)トリラ:4つのレシピ
(9)テラス:スコットランドの歌
(10)トリラ:別れ
(11)トリラ:言葉と物
(12)ジョルジュ=マルタン・ヴィトコフスキ:ロンサールによる3つの詩
(13)ヴィトコフスキ:カリヨン

※編曲:(1)(2)(3)(6)(9)-(13)ジュリアン・ウェバー、(4)(5)(7)(8)オーレリアン・コステ
アンサンブル・カイーノス
ソフィ・マルシャン(S)、ジャン=クリストフ・ダントラ=アンリ(T)、フランソワ・オレマエル(T)、セバスチャン・ドルギャド(Br)、カトリーヌ・ガロンヌ(ヴォーカル・リーダー)
ジュリアン・ウェバー(Ob、指)、オーレリアン・コステ(Fg)、アンナ・スタヴェロヴァ(Fl)、エリーズ・ヴェイレス(Hp)、ルイ・キレス(パーカッション)

録音:2022年9月30日〜10月2日ビエンヌ音楽・舞踊学校
19世紀後半から20世紀にかけてリヨンで活躍した3人の作曲家に焦点をあてたアルバム「サラダ・リヨネーズ(リヨン風サラダ)」。ジョルジュ=マルタン・ヴィ トコフスキ(1867-1943)、クロード・テラス(1868-1923)、エヌモン・トリラ(1890-1980)は音楽家や作曲家として、直接的または間接的にリヨンに 貢献しました。このアルバムでは、それぞれ驚くべき美学と独自の音楽言語を持った彼らの歌曲を室内アンサンブルの伴奏でお楽しみいただけます。 (Ki)

ALBANY
TROY-1923(1CD)
「リメンバー」〜喪失と慰めの音楽
ジョージ・チャドウィック:聖なる死への挨拶
ジョージ・ホワイティング:ミサ へ短調〜ベネディクトゥス
チャールズ・マーティン・ローフラー:戦死者のために
マリアン・バウアー:死はその優しい翼を枯らす
エディス・ラング:「汝の声を聞く」「神よ、汝の助けあらんことを」
ダドリー・バック:「ドン・ムニオの伝説/レクイエム・エテルナム」
J.C.D.パーカー:「聖ヨハネ、そして彼らは君臨するであろう」「バビロンの水辺のほとりで」
デイヴィッド・P.デヴェニー(指)
ウェスト・チェスター大学コンサートcho
アーロン・ハンガーフォード(P)
ジョナサン・クリーマー(P)
シャンドール・カダール(Org、Pf)
リチャード・アモローソ(Vc)、他

録音:2019-2022年ウェスト・チェスター大学ウィング・アドラー劇場
副題に「喪失と慰め」あるように神に救済と慰めを求める混声合唱のための宗教曲が収めら れています。作曲家たちの生年は記載されていないが、いずれも 20〜21世紀のアメリカの作曲 家と思われます。無伴奏、ピアノ伴奏、曲によってはチェロが入るなど、ヴァラエティのある構成と なっています。いずれの曲も調性で書かれた穏やかで親しみ易い作風。

ATMA
ACD2-2423(1CD)
合唱の芸術 第4集「古典派」
クイリーノ・ガスパリーニ(1721-1778):4声のモテット ハ短調「アドラムス・テ」
ハイドン::神への夕べの歌 Hob. XXVC.9
M・ハイドン:四旬節のミサ曲 MH552より「アニュス・デイ」
モーツァルト:讃えられよ、父なる神 K.117より「ユビラーテ・デオ」
 アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
 キリエ K.90
 天主の御母なる聖マリア K.273
ゴットロープ・ベネディクト・ビーレイ(1772-1840):ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」 第1楽章によるキリエ
モーツァルト:ディクシットとマニフィカト K.193〜「ハレルヤ - アーメン」
ハイドン:従兄弟に Hob.XXVB.1
 どんなよそよそしい美人も Hob.Xxvia.18
 死についての熟考 Hob.XXVB.3
 ご老人 Hob.XXVC.5
 雄弁さ Hob.XXVC.4
 結婚における調和 Hob.XXVC.2
モーツァルト:農民は猫を失った K.Anh.C9.01
イリヤ・ポレターエフ(フォルテピアノ)
マティアス・マウテ(指)
アンサンブル・アートコラール

録音:2021年4月12-13日ケベック、ミラベル、サン・ブノワ教会
モーツァルト、ハイドンら古典派の作曲家の合唱曲を取り上げたアルバム。伴奏には1826年ブロードウッド製のフォルテピアノが使われています。ビーレイの「キ リエ」はベートーヴェンの月光ソナタを伴奏にした合唱作品で、声を乗せただけなのに曲の暗さがぐっと強調され、さながらレクイエムのいでたち。
「合唱の芸術」シリーズは、ルネサンスから現代までの6世紀にわたる合唱の歴史をたどる、大がかりなプロジェクト。3年間で全11集を刊行予定です。発売順 は1からではなく、これまでには第7集「クリスマス」(ACD2-2426)と第3集「バロックVol.2」(ACD2-2422)が発売されています。
アンサンブル・アートコラール(旧アンサンブル・ヴォーカル・アーツ・ケベック)は伝統的な合唱曲をレパートリーの柱とし、40年以上の歴史を持つ合唱団。 2018年より指揮者・作曲家・リコーダー&フルート奏者として活躍しているマティアス・マウテを芸術監督に迎えています。 (Ki)

MDG
MDG-90222786
(1SACD)
モニューシコ:宗教管弦楽曲集
オストラ・ブラマの連祷T
あなたの守護のもとに(ノスコフスキのオーケストレーション)
オストラ・ブラマの連祷U
見よ、十字架を(ノスコフスキのオーケストレーション)
アントニ・オルウォフスキの葬送行進曲
宗教カンタータ「永遠の安息」
オストラ・ブラマの連祷V
イングリーダ・ガーポヴァー(S)、
マリオン・エックシテイン(A)、
セバスティアン・マッハ(T)、
マクシミリアン・アークマン(Bs)、
アンジェイ・シャデイコ(指)
ゴルトベルク・バロック・アンサンブル、
ゲラート・アンサンブル

録音:2022年5月30日-6月1日聖ヤン教会(グダンスク)
ショパンと並び称されるポーランド音楽の宝モニューシコ。主に歌劇で知られますが、教会オルガニストを長く務めていたこともあり宗教曲にも感動的なものが 多数あります。 彼は1840年に現リトアニアのヴィリニュス(当時はポーランド)に定住して街の音楽文化発展に多大な寄与をしました。街中心にあるオストラ・ ブラマ(現アウシュロスの門)のカトリック教会のために4篇の連祷を作り、ロッシーニに激賞されました。宗教曲ながら歌劇で培ったメロディーと劇作法で聴き 手の心をつかみます。
興味深いのは独唱とオルガン用に書かれたモテット2篇を、彼の愛弟子ノスコフスキ(シマノフスキやカルウォヴィチの恩師)がフルオーケストラ用に編曲したも のも収録されていること。歌劇・アリアにように魅力的です。
1974年生まれのアンジェイ・シャデイコは作曲家、オルガニストとしても活躍するモニューシコの権威。彼が独自の研究の末、当アルバムを披露。歌劇作曲家 ならではの宗教音楽を満喫できます。

Phi
LPH-041(1CD)

NYCX-10418(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

バッハ:教会カンタータ「神のみわざは善きかな」 BWV99
教会カンタータ「われらのもとにとどまれ、はや夕べとなれば」 BWV6
教会カンタータ「心と口と行いと命もて」 BWV 147
コレギウム・ヴォカーレ・ヘント(声楽、古楽器アンサンブル)
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指)

録音:2023年1月 アルスナル、メス、フランス
収録時間:62分
※ 国内仕様盤日本語解説、歌詞日本語訳…野中裕
ヘレヴェッヘが自主レーベルPhiで続けている、200曲近いバッハの教会カンタータからの厳選録音に、人気曲第147番が登場。今回収録 された3曲は1723年から25年までの間にライプツィヒ聖トーマス教会のために作曲されたもので、いずれも各声部にアリアやレチタティーヴォ があり合唱との鮮やかな対照を聴かせるほか、管楽器も随所でオブリガート的に活躍するなど、聴きどころの多い作品です。1723年、聖母 マリアのエリザベト訪問の祝日のために書かれた第147番は2部構成の大掛かりなもので、トランペットも用いられて冒頭から華やか。終曲の 合唱が「主よ、人の望みの喜びよ」の名で(第1部の終曲も同じ音楽に違う歌詞を載せたもの)広く有名です。併せて1724年の三位一体 後第15主日のために書かれた第99番、1725年の復活節第2日のために書かれた第6番といった傑作を収録しています。声楽陣は各 パート3名の精鋭で固められ、アルト(C.T)にアレックス・ポッター、バスにペーター・コーイといったお馴染みの名歌手を配置。ソプラ ノにはドロテー・ミールズのほか、ミュンヘン在住の岡村知由紀も参加しています。ヘレヴェッヘはいずれの作品でも自然な躍動感と伸びやかさ を大切にし、それぞれの歌詞が表出する世界観を瑞々しく歌い上げます。

Chandos
CHSA-5317(1SACD)
パリー:独唱、合唱と管弦楽のための劇的カンタータ「シェリーの「鎖を解かれたプロメテウス」からの情景」*(世界初録音)
合唱と管弦楽のための 「恵みを受けし二人のセイレーン」 変ホ長調
ウィリアム・ヴァン(指)、クラウチ・エンド祝祭cho
ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズ、サラ・フォックス(ソプラノ/時の精霊)*、サラ・コノリー(メゾ・ソプラノ/アース)*、デイヴィッド・バット・フィリップ(テノール/ジュピター、マーキュリー)*、ニール・デイヴィス(バス・バリトン/プロメテウス)*

録音:2022年9月9日-10日、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会(ロンドン、イギリス)
近代イギリス音楽の父ともいえるチャールズ・ヒューバート・パリーの知られざる作品、「シェリーの「鎖を解かれたプロメテウス」からの情景」を世界初録音!パリーは王立音楽大学の学長を務めるなどイギリス音楽に大きく貢献した人物で、1902年のエドワード7世の戴冠式のために書かれた代表作「私は歓喜した(I was glad)」は、ジョージ5世、エリザベス2世、そして先日行われたチャールズ3世(彼はパリーのファンを公言しています)の戴冠式でも歌われました。彼の教え子にはレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ、グスターヴ・ホルスト、フランク・ブリッジ、ジョン・アイアランドといったイギリスを代表する作曲家たちがいます。そのことからもパリーの音楽がイギリスにおいて重要な部分を占めていることが窺えます。
1880年にグロスターで開催されたスリー・クワイア・フェスティバルのために委嘱された「シェリーの「鎖を解かれたプロメテウス」からの情景」は、パリーの初期の作品で、彼がドイツ・ロマン派のメンデルスゾーンやシューマンに触発され、ブラームスやワーグナーから影響を受ける前の、個性的なサウンドがはっきりと現れています。初演後この作品はケンブリッジやオックスフォード、そしてロンドンで繰り返し演奏されましたが、その後忘れ去られてしまいました。そのような隠れた名曲をこのアルバムでは素晴らしい音質でお楽しみいただけます。

DUX
DUX-1877(1CD)
ジェイコブ・ヴァイス:詩篇&讃美歌集
ジェイコブ・ヴァイス
(1825-1889):詩篇66番、詩篇93番、詩篇114番、詩篇137番、讃美歌「NIECH SIE OZWA DZWIECZNE TONY」、讃美歌「EN KOMOC-HO」、讃美歌「WIE GROSS IST DES- LEBEND’GEN- GOTTES- RUHM」、讃美歌「NIKT NIE JES-T JAK NASZ BOG」、讃美歌「ADON OLOM」/ヨーゼフ・ズルツァー(1850-1925):前奏曲 Op.10(第1番〜第4番)
ヤクブ・ステフェク(Org)、
イシドロ・アブラモビッチ(カントル)、
シュチェチン芸術アカデミー室内cho
バルバラ・ハレツ(指)

録音:2022年6月
ハンガリー出身、ポーランドのワルシャワで活動した19世紀の作曲家・カントル、ジェイコブ・ヴァイス(1825-1889)の詩篇と讃美歌を集めた1枚。残っている作品が少ない作曲家のため貴重な録音です。当時の慣習に従い、曲間ではオルガン独奏曲(ヴァイスの師の息子、ヨーゼフ・ズルツァーの作品)が演奏されます。

Albion Records
ALBCD0−57(1CD)
ポートレート・オヴ・ア・マインド〜ヴォーン・ウィリアムズ:歌曲集
ヴォーン・ウィリアムズ:ウェンロック・エッジで(テノール、弦楽四重奏とピアノのための連作歌曲)
イアン・ヴェナブルズ:ポートレート・オヴ・ア・マインド Op.54(テノール、弦楽四重奏とピアノのための連作歌曲)
ヴォーン・ウィリアムズ(ヴェナブルズ編):4つの賛歌(テノール、弦楽四重奏とピアノのための版)
アレッサンドロ・フィッシャー(T)、
ウィリアム・ヴァン(P)、ナヴァラSQ

録音:2022月11月14日ー15日、セント・ジョージ教会(イギリス)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの知られざる作品、埋もれていた作品、未発表作品などを取り上げてきた、ヴォーン・ウィリアムズ協会の自主レーベル「アルビオン・レコーズ(Albion Records)」。
本アルバムでは、2022年のヴォーン・ウィリアムズ生誕150周年を記念し、ヴォーン・ウィリアムズ協会が英国で最も著名な作曲家のひとりであり、歌曲作曲の巨匠でもあるイアン・ヴェナブルズに委嘱した連作歌曲 「ポートレート・オヴ・ア・マインド」 を中心とした歌曲作品を取り上げています。この作品は、2022年のオックスフォード・リーダー・フェスティバルで初演され、高い評価を得ています。ソロを務めるアレッサンドロ・フィッシャーは、2016年キャスリーン・フェリアー賞でファースト・プライズを受賞し、2018年から2021年にかけてBBCニュー・ジェネレーション・アーティスト・スキームのメンバーとしても活動した若手テノール歌手の注目株のひとりです。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0073(2CD)
バッハ&J.C.バッハ:モテット集
[CD1]
バッハ:来たれ、イエスよ、来たれ BWV229
J.C.バッハ(1642?1703):主よ、われらを目覚めさせ給え
バッハ:御霊は我らの弱さを支え助け給う BWV226
J.C.バッハ:正しきものは、仮にひとたび死のうとも
バッハ:イエス、わが喜びよ BWV227
[CD2]
バッハ:主を讃えよ、すべての異邦人よ BWV230
J.C.バッハ:恐れるなかれ
バッハ:恐れるな、私はあなたと共にいる BWV228
J.C.バッハ:主よ、誓いのごとく、やすらかにこの世を去らせ給え
バッハ:歌え、主に向かい新しい歌を BWV225
われを祝福し給わずは、われ汝を離さじ BWV1164
ソロモンズ・ノット

録音:2022年6月25-28日/アルンシュタット、バッハ教会
〈ソロモンの結び目〉をシンボルマークにしている「ソロモンズ・ノット」は、声楽と器楽からなる指揮者なしの小編成古楽グループ。音楽を舞台作品のように軽 やかに柔軟にとらえ、演奏はすべて暗譜で綿密な準備・練習期間を経て、かつ本番では直感的な自由さや激しさを伴ったパフォーマンスを行っています。実際の舞 台演出家や振付家たちとのコラボレーションも多く、常に新たな古楽演奏の在り方を追求。一見不釣り合いに見える当アルバムのジャケットデザインも彼らのイメー ジ上では正しく成り立っているのでしょう。2023年には本拠地イギリスのウィグモア・ホールからバロック・アンサンブル・イン・レジデンスに任命されています。
ヨハン・セバスティアン・バッハのモテット全曲を、父の従兄弟にあたるヨハン・クリストフ・バッハのモテットと組み合わせたアルバム。バッハはJ.C.バッ ハの音楽を高く評価し、これらのモテットも研究していました。聴き比べることによってふたりの個性と近似性が見えてくるでしょう。
録音場所はアルンシュタットのバッハ教会。J.C.バッハはアルンシュタットで生まれ、バッハがオルガニストとして初めて仕事をしたのもこの教会でした。美し い音響効果のみならず、ふたりをつなぐ場所として選ばれたうってつけの「舞台」です。 (Ki)

SUPRAPHON
SU-4329(1CD)
「そこに故郷がある」
パヴェル・ハース:「Zaslech jsem divoke husy」〜『中国の詩人の言葉による4つの歌曲』より
「Mein Heimweh」(詩:ヘウンツ・アルバート・ヒンドリクス)*
ムソルグスキー:「ばあや、お話して」〜『子供部屋』より
ブリテン:「ある朝早く」〜『民謡編曲』より
マーラー:「私は仄かな香りを吸い込んだ」〜『リュッケルト歌曲集』より
ハース:「V bambusovem haji」〜『中国の詩人の言葉による4つの歌曲』より
「dis moll」(詩:クラーラ・ゴールドスタイン)*
マーラー:「私の歌を覗き見しないで」〜『リュッケルト歌曲集』より
ブリテン:「高くのびる木」〜『民謡編曲』より
「What the angels left」(詩:マリー・ハウ)*
ブリテン:「めぐり歩きながら思いめぐらす〜『民謡編曲』より
ハース:「Probd?na noc」〜『中国の詩人の言葉による4つの歌曲』より
ムソルグスキー:「部屋の片隅に」〜『子供部屋』より
「The Queen」(詩:パブロ・ネルダ)*
マーラー:「美しさゆえに愛するのなら」〜『リュッケルト歌曲集』より
ハース:「Daleko m?sic je domova」〜『中国の詩人の言葉による4つの歌曲』より
「About distance」(詩:ベラ・アダモワ)*
マーラー:「私はこの世に捨てられて」〜『リュッケルト歌曲集』より
「K Muzyke」(詩:アンナ・アフマートヴァ)*
マーラー:「真夜中に」〜『リュッケルト歌曲集』より
ムソルグスキー:「お人形を持って」〜『子供部屋』より

*=即興演奏
ベラ・アダモワ(C.A)
ミヒャエル・ゲース(P)

録音:2023年1月28〜30日/舞台芸術アカデミー、マルティヌーホール(プラハ)
注目のコントラルト歌手でインプロヴァイザー(即興演奏家、即興詩人)のベラ・アダモワがSupraphonレーベルから新録音をリリースします。
ロシア生まれのアダモワは幼少のころに家族とプラハへ移住。その後イギリス、スイス、ドイツで研鑽を積み、オッター、ハンプソン、プレガルディエンなどの世界 的歌手から薫陶を受けています。近年のコンクール受賞歴が華々しく、コロナ禍に開催された2021年シューマン国際ビデオ・コンクール優勝(2020 年に開催予定だった第18回シューマン国際コンクールの代替コンクール)、2022年フランツ・シューベルトと現代音楽国際コンクール優勝、同年ヘル トゲンボッシュ国際声楽コンクールでオラトリオ賞受賞など、今最も注目されている歌手の一人。並外れた完成を持つアダモワは幅広いレパートリーを歌い、深く美 しい色の声を持つコントラルト歌手と賞賛されています。
パヴェル・ハース、ブリテン、ムソルグスキー、マーラーの歌曲と、アダモワお気に入りの詩をもとに即興的に歌ったこのアルバムのテーマは、「ホーム(故郷、家) を探すこと」「自分の居場所を知ること」。楽曲を通じ自分自身の物語として語り、同時に作曲家たちの人生の物語や故郷への思いなどを表現しました。コロナ禍そ して母国ロシアのウクライナ侵攻など様々な感情がうまれる中、アダモアが表現したい「今」の気持ちが詰まったアルバムが完成しました。名手ミヒャエル・ゲース と非常に美しいハーモニーを奏で、歌います。 (Ki)

Linn
CKD-693(1CD)
ブラームス:マゲローネのロマンス
ブラームス:ティークの「マゲローネ」によるロマンス Op.33
クラウス・グロートの詩に基づく4つの歌、「雨の歌」サイクル(8つのリートと歌 Op.59より)
トーマス・オリーマンス(Br)
マルコム・マルティノー(P)

録音:2021年10月25-27日 ポットン・ホール、サフォーク、UK
歌曲におけるピアノ演奏と解釈では世界の第一人者マルコム・マルティノーによるプロジェクト「ブラームス・ソングブック」が始動!第1弾には、 オランダのバリトン歌手オリーマンスと組んだ「マゲローネによるロマンス」を収録。ブラームスが二十代の終わりに書き始めた連作歌曲を、若々 しくドラマティックに歌い上げています。余白には作品59の歌曲集より、ブラームスとは親しく付き合いがあったと伝わるグロートの詩による4曲 を収録。「雨の歌」はその旋律を引用したヴァイオリン・ソナタ第1番が有名ですが、歌曲の方は録音が多いと言えず、同じ旋律が用いられる 「余韻」と共に嬉しいおまけと言えるでしょう。

SOMM
SOMMCD-0673(1CD)
NX-B04
スティーヴン・ドッジソン(1924-2013):歌曲集 第2集
The Distances Between *
Bagatelle-2バガテル 第2番- Serene but sad(原曲:Selevan’s threnody)
Bagatelle-3バガテル 第3番- Restless and searching
The Lamb 子羊*
Song for Eve イヴの歌*
Lachrymae ラクリメ*
Bagatelle-4バガテル 第4番 - Languid but visionary
Bagatelle-5バガテル 第5番 - Alert and mischievous
Bush Ballads ブッシュバラード*
The Sunflower ひまわり*
A Gypsy Prayer ジプシーの祈り*
Riley & CO ライリーと仲間たち*
エイリッシュ・タイナン(S)
ケイティー・ブレイ(Ms)
マーカス・ファーンズワース(Br)
クリストファー・グリン(P)
マーク・イーデン(G)
イアン・ウィルソン(リコーダー)

録音:2021年2月4-7日、9月6-8日
*…世界初録音
SOMM RECORDINGSは、2013年に89歳で亡くなった作曲家スティーヴン・ドッジソンの10周忌を記念して、その豊かで多彩な歌を収録した全 3巻の「歌のアルバム」に取り組んでいます。このアルバムは第2集。ドッジソンの音楽は古きよき英国歌曲を思わせるスタイルで、どれも非常に親しみ やすいものばかり。ユーモアあり、ウィットあり、哀愁あり、と楽しめます。今作ではピアノ独奏のバガテルも収録しています。

CEDILLE
CDR-90000222(1CD)
NX-B04
わが世界へようこそ
1. ベルリオーズ:ファウストの劫罰 Op.24- Une puce gentille
2. ベートーヴェン:6つの歌 Op.75- 第3番ゲーテのファウストより(蚤の歌)
3. ムソルグスキー:蚤の歌
4. ボーイト:歌劇「メフィストフェレ」 - Ecco il mondo
5. グノー:歌劇「ファウスト」 - 金の子牛
6. ビゼー:歌劇「カルメン」 - 闘牛士の歌
7. ヘンデル:歌劇「リナルド」- Sibillar gli angui d’Aletto
8. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」- もう飛ぶまいぞこの蝶々
9. ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」- La del ciel”
10. ジョルダーノ(1867-1948):歌劇「アンドレア・シェニエ」 - 祖国の敵
11. ディ・カプア(1865-1917):オー・ソレ・ミオ
12. デ・クルティス:帰れソレントへ
13. クルティス:勿忘草
14. ヴァイル:歌劇「ロスト・イン・ザ・スターズ」- ロスト・イン・ザ・スターズ
15. ヴァイル:歌劇「ロスト・イン・ザ・スターズ」 - O Tixo, Tixo Help Me!
16. ヴァイル:歌劇「ロスト・イン・ザ・スターズ」 - Thousands of Miles
17. ルイス・グルーエンバーグ(1884-1964):皇帝ジョーンズ- Oh, Lawd Jesus, heah my Prayer
18. トーマス・A・ドーシー(1899-1993):Peace in the Valley
19. トーマス・A・ドーシー:Take my Hand, Precious Lord
20. ニコラス・ブロドスキー(1905-1958):I’ll Walk with God
21. ブレンダン・グラハム(1945-)&ロルフ・ラヴランド(1955-):ユー・レイズ・ミー・アップ
マーク・スティーヴン・ドス(Bs-Br)
ケン・スミス(P)
スタス・ヴェングレフスキー(アコーディオン)

録音:2022年11月28-30日
アメリカを代表するバス・バリトン歌手の一人、マーク・スティーヴン・ドスの人生を凝縮したようなアルバム。 1957年にクリーヴランドで生まれたドスは1985年に開催された「Bel Canto Foundation ベルカント財団」主宰のコンクールで優勝、 翌年にはメトロポリタン歌劇場のメンバーとなり、それ以降、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、英国ロイヤル・歌劇など世界60か国以上の歌劇 場に出演。歌い演じた役は102に上ります。1990年代前半には当時大スターだったキャスリーン・バトルとコンサートや録音で共演しました。 このアルバムの前半では、歌劇・アリアの名曲の数々や定番のナポリ民謡などで国際派としての実力を聴かせます。後半は自身のアイデンティティを 表現。アフリカ系アメリカ人のバリトンとして偉大な先達トッド・ダンカン(「ポーギーとベス」のポーギー役を創唱)に敬意を表し、トッドの当たり役『ロスト・ イン・ザ・スターズ』からの3曲を歌い、ゴスペルの生みの親とも呼ばれるトーマス・A・ドーシーの代表作2曲を収録。最後はゴスペルやスピリチュアルに 通じる歌詞を持つ大ヒット曲「ユー・レイズ・ミー・アップ」で感動的に締めくくっています。

H.M.F
HAF-8905359(2CD)
ヘンデル:オラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人」HWV 55 レザール・フロリサン、
ウィリアム・クリスティ(指)
レイチェル・レドモント(S)
レオ・ジェミソン(トリニティ・ボーイズcho/ボーイ・ソプラノ)
スレテン・マノイロヴィチ(バス=バリトン)

録音:2022年3月2,3日&6月5日、フィルハーモニー・ド・パリ
クリスティが、レザール・フロリサンを率いて、最愛の作品のひとつであるヘンデルのオラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人 」を録音しました。この作品は、 オラトリオとセレナータ(小規模なオペラ的作品)あるいは頌歌の中間のような、哲学的・道徳的な目的を持った作品で、やや謎めいた作品とも言われますが、歌 詞に即したヘンデルの楽曲づけやオーケストラの書法の見事さ、さらに歌唱パートの旋律の美しさなど、ヘンデルの魅力が満載となっています。クリスティはこの作 品に並々ならぬ愛着を持っており、2007年にはパリのオペラ座で上演もしています。この作品は、ロンドンの聴衆がヘンデルのイタリア語のオペラに飽きてきた 頃であった1740年の冬に、わずか2週間で書き上げられました。第1部と第2部のテキストはジョン・ミルトンの原作に基づいて、チャールズ・ジェネンズ(メサ イアの台本もジェネンズによる)が台本を作りました。第3部はジェネンズのオリジナルです。第1部「アレグロ」はヘンデルの自画像のようなオルガンのアドリブ 部分が含まれ、続く第2部の「ペンセローゾ」ではミルトンの哲学的な言葉が音によって描かれます。そして第3部の「モデラート」では”何事も中庸に(ほどよく =moderato)”ということが大事なのだと歌われています。この作品の準備にあたり、‘Don’t just play the notes, paint every word(音符を演奏する のではなく、ひとつひとつの言葉を描くように)’と奏者たちに何度も繰り返したというクリスティ。器楽奏者たちは、歌手および歌手の言葉に寄り添って演奏、言 葉の抑揚にあわせて表情を変えており、歌手とアンサンブルの驚異的な一体感が生まれています。歌手たちのうまさ、そしてレザール・フロリサン独特の、やわら かでどこまでも自然な抑揚の管弦楽の美しさに圧倒される内容です。 (Ki)

Naive
V-7086[NA](1CD)
ライフ・ストーリー
トーマス・アデス(b.1971):ライフ・ストーリー op.8
ドビュッシー:ボードレールの詩による5つの歌曲
バンジャマン・アタイール(b.1989):廃墟の子供(2019)
シューマン:女の愛と生涯 op.42
レオナール・コーエン(1934-2016):ダンス・ミー・トゥー・ザ・エンド・オブ・ラヴ
ラケル・カマリーナ(S)
ヨアン・エロー(P)

録音:2020年2月18-20日、ポットン・ホール
ポルトガルのソプラノ歌手ラケル・カマリーナとフランスのピアニスト、ヨアン・エローによる、『ライフ・ストーリー』と題した1枚。タイトルは、ディスク冒頭のトー マス・アデスの作品『Life Story』op.8(テネシー・ウィリアムズのテキスト)からとられています。哀しみ、嘆き、そして喪失から平穏への回帰、そしてもちろん 愛についてなど、人生における様々な感情が歌われたテキストが選ばれています。2019年のメシアン音楽祭委嘱作品の、今話題の作曲家アタイールにとって初め ての声楽作品である「廃墟の子供」は、カマリーナの母国語でもあるポルトガル語のテキストによっています。 (Ki)

BIS
BISSA-2653(1SACD)
サウンズ・アンド・スウィート・エアズ〜シェイクスピア歌曲集
(1)アイアランド:五尋の深みに(テンペスト)
(2)ヴォーン=ウィリアムズ:フィディーリのための挽歌(シンベリン)
(3)モーラン:恋に落ちた若者とその彼女(お気に召すまま)
(4)カステルヌオーヴォ=テデスコ:昇れ(シンベリン)
(5)スミス(グレイヴス編):舌の割れたまだらの蛇(真夏の世の夢)
(6)ティペット:エアリエルの3つの歌【来て、この黄色い砂のところに/五尋の深みに/ミツバチが蜜を吸う所で】(テンペスト)
(7)トマス・アーン:緑の森の木陰で(お気に召すまま)
(8)ガーニー:緑の森の木陰で(お気に召すまま)
(9)パリー:ソネット87
(10)アイアランド:水仙が咲きだしゃあ(冬物語)
(11)ハイドン:彼女は決して恋心を語らなかった(十二夜)
(12)シューベルト:シルヴィアにD891(ヴェローナの二紳士)
(13)同:セレナードD889(シンベリン)
(14)同:酒の歌D888(アントニーとクレオパトラ)
(15)シューマン:狂人の最後の歌Op.127の5(十二夜)
(16)ヴォルフ:鳥づくしの歌(真夏の世の夢)
(17)コルネリウス:死よ、来たれ(十二夜)
(18)フランシス=ホード:彼は死化粧もされず棺に入れられた(ハムレット)
(19)ハンナ・ケンドール:ロザリンド(全5曲)
(20)プーランク:恋する心は(ヴェニスの商人)
(21)ブリテン:恋する心は(ヴェニスの商人)
(22)オネゲル:エアリエルの2つの歌【来て、この黄色い砂のところに/ミツバチが蜜を吸う所で】(テンペスト)
(24)ブリッジ:吹け、吹け、冬の風よ(お気に召すまま)
(25)マデリーン・ドリング:さあ持って行け、この唇を(尺には尺を)
(26)ジョン・ダンクワース:ソネット18
(27)マーヴィン・ホーダー:緑の森の木陰で(お気に召すまま)
(28)クールリッジ=テイラー:柳の歌(オテロ)
(29)エイミー・ビーチ:妖精の子守唄(真夏の世の夢)
(30)ロデリック・ウィリアムズ:溜息なさるな、御婦人方(空騒ぎ)
(31)アーサー・サリヴァン:リュートを持ったオルフェウス(ヘンリー8世)
キャロリン・サンプソン (S) (1)- (5) (7) (11) (12) (17)- (22) (27)- (31)、
ロデリック・ウィリアムズ (Br) (1)- (3) (5) (6) (8)- (10) (14)- (17) (19) (24)- (26) (30) (31)
ジョゼフ・ミドルトン (P)

録音:2022年6月27-28日ワイアストーン・コンサートホール
バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしても人気のキャロリン・サンプソンの最新盤はお国もののシェイクスピア。古典派から現代まであらゆる性別と国に またがる27人の作曲家による作品を集めています。
これらをプロローグとエピローグ付き5幕の劇に仕立てました。シューベルトの名作をはじめ同じテクストに他の作曲家が付曲しているのも興味津々。シェイクス ピアということでイギリスの作曲家が中心ではありますが、ハイドンやプーランク、オネゲル、カステルヌオーヴォ=テデスコ、エイミー・ビーチなど諸外国の作曲家 によるものも味わえます。
またマデリーン・ドリングやジョン・ダンクワースのジャズ・テイスト、マーヴィン・ホーダーのタンゴ調も個性的。さらに1984年生まれのハンナ・ケンドールの 現代的な「ロザリンド」までさまざまなスタイルの音楽が並びます。
サンプソンと魅力的な二重唱のほか独唱も聴かせるバリトンのロデリック・ウィリアムズもBCJのソリストとしておなじみ。何と彼が12歳の時に作曲した「溜息 なさるな、御婦人方」があるのも驚き。多才なところを見せてくれます。
演奏者すべてがイギリス人なため説得力は誰も太刀打ちできぬ神業。演劇的要素も芸達者な彼らならではの巧さにうならされます。 (Ki)

H.M.F
HMX-2904046(11CD)
シューベルト:歌曲集〜マティアス・ゲルネ
■CD1
冥府への旅D526,沈むよろこびD700,涙するD926,漁夫の愛の幸せD933,冬の夕べD938,メムノンD541,双子座に寄せる舟人の歌D360,舟人D536,あこがれD636,小川のほとりの若者D638,エンマにD113,巡礼者D794,タルタルスの群れD583,希望D295,人間の限界D716
■CD2
若者と死D545,緑の中の歌D917,秋の夜D404,静かな国へD403,秋の夕べD405,遠くへの渇望D770,私の心へD860,さすらい人D649,ヴィルデマンの丘を越えてD884,嘆きD371,春の小川のほとりでD361,リュートに寄せてD905,娘の恋の立ち聞きD698,まなざしの歌D297,君はわが憩いD776,音楽に寄せてD547,泉に寄せてD530,岩のそばの歌手D482,竪琴との別れD406,歌の終わりD473 
■CD3
郷愁D456,ドナウ河の上でD553,ウルフルが釣りをする時D525,星の夜D670,帰り道D476,秘密D491,ゴンドラの舟人D808,夕べの星D806,勝利D805,夜の曲D672,解消D807,語らずともよい、黙っているがよい(ミニョンの歌)D877-2,ただ憧れを知るひとだけが(ミニョンの歌)D877-4,ミニョンにD161,竪琴弾きの歌D480(孤独に身を委ねる者は,涙を流しながら,パンを食べたことのない者は,家々の門辺に歩み寄り),流れのほとりでD160,恋人の近くにD162,漁師D225,湖上にてD543,悲しみの喜びD260,出会いと別れD767
■CD4
歌曲集「美しい水車小屋の娘」
■CD5
ギリシャの神々D677,フィロクテートD540,アイスキュロスからの断章D450b,赦されたオレステスD699,ヘリオポリス1D753,ヘリオポリス2D754,竪琴に寄すD737,アティスD585,海の静けさD216,トゥーレの王D367,ブロンデルからマリアへD626(,茂みD646,羊飼いD490,巡礼の歌D789,さすらい人の夜の歌D224,春の想いD686,郷愁D851,十字軍D932,別れD475
■CD6
夜と夢D827,盲目の少年D833,あこがれD637,墓堀人の歌D869,私はすべての安らぎを奪われてD876,老年の歌D778,墓掘り人の郷愁D842,月に寄すD193,5月の夜D194,シルヴィアにD891,セレナードD889,羊飼と騎馬の人D517,夏の夜D289,収穫の歌D434,秋の歌D502,愛らしい星D861,恋人にD303
■CD7
「白鳥の歌」全15曲D.957(「秋」D.945追補版)
■CD8
夕映えの中でD799,さすらい人D493,夜咲きすみれD752,森にてD834,ノルマンの歌D846,精霊の踊りD116,宝堀り人の願
いD761,月に寄せてD259,魔王D328,湖のほとりでD746,アリンデD904,反映D949,鱒D550,流れD693,夕焼けD690,嘆きD415,川D565,漁夫の歌D881,ブルックの丘にてD853
■CD9
沈みゆく太陽に寄せてD457,死と乙女D531,ばらD745,思い出「死者への捧げもの」D101,万霊節の日のための連?D343,水の上で歌うD774,夕べの光景D650,雷雨ののちにD561,小人D771,春にD882,花言葉D519,すみれD786,遠く去った人にD765,ただあなたのそばにD866-2,ガニュメートD544 
■CD10
さすらい人の夜の歌「山々に憩いあり」D768,羊飼いの嘆きの歌D121,野ばらD257,たゆみなき愛D138,月に寄すD259,涙の慰めD120,最初の喪失D226,ミューズの息子D764,秘めごとD719,遊びにおぼれてD715,御者クローノスにD369,心の近さD100,それは私だったD174,ばらの花冠D280,恋する者の気がかりD285,あなたに寄すD288,愛は裏切られD751,笑いと涙
D777,それらがここにいたことはD775,孤独な人D800,星D684
■CD11
「冬の旅」(全曲)
マティアス・ゲルネ(Br)

■CD1
エリザーベト・レオンスカヤ(P) 
録音:2007年2-3月,ベルリン
■CD2
ヘルムート・ドイッチュ(P)
録音:2008年1月
■CD3
エリック・シュナイダー(P) 
録音:2007年10月
■CD4
クリストフ・エッシェンバッハ(P) 
録音:2008年9月6-8日,ベルリン
■CD5
インゴ・メッツマッハー(P) 
録音:2008年10,11月,2009年2月,ベルリン
■CD6
アレクサンダー・シュマルツ(P) 
録音:2008年9月
■CD7
クリストフ・エッシェンバッハ(P) 
録音:2010年2月、2011年1月、ベルリン
■CD8
アンドレアス・ヘフリガー(P)
録音:2012年1月、ベルリン
■CD9
ヘルムート・ドイッチュ(P) 
録音:2011年2,4月
■CD10
エリック・シュナイダー(P) 
録音:2012年2月
■CD11
「冬の旅」(全曲)
クリストフ・エッシェンバッハ(P) 
録音:2011年1,5月
マティアス・ゲルネがハルモニアムンディに録音した珠玉のシューベルト歌曲集シリーズ「マティアス・ゲルネ・シューベルト・エディション」。ゲルネの最新のシュー ベルトとして、さらに、パートナーを務めるピアニストが実に豪華で注目のシリーズが、このたび11枚組のボックスとして登場です。シューベルトの音楽を最高の布 陣で味わうことができます。 
※[CD5](原盤:HMC 902035)に付属していたDVDおよび、[CD7](原盤:HMC 902139)に付属していたシューベルト:ピアノ・ソナタのCDはこのボックスセットには含まれません。 (Ki)
H.M.F
HMM-931292(1CD)
フォーレ:レクイエム(1893年室内楽稿) 
小ミサ曲(ヴィエルヴィユの漁師のミサ/1882年オリジナル・オーケストラ版)
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指)
シャペル・ロワイヤル、
サン=ルイ少年合唱隊、
アンサンブル・ミュジック・オブリク,
アニェス・メロン(S)
ペーター・コーイ(Br)

録音:1988年9月
発売当初から、その編成と、なにより演奏の美しさで大きな話題となった名盤。当時グラモフォン誌が「将来、レクイエムを演奏するすべての人が参照する必 要がある、重要な録音である」と予言した1枚です。 フォーレのレクイエムは、1888年から1900年の間に3つの稿で演奏されました。まず、オリジナルの「マドレーヌ稿」は、1888年実際の儀式で演奏され たもので、〔入祭唱とキリエ、サンクトゥス、ピエ・イエス、アニュス・デイ、イン・パラディスムの5曲構成/ソプラノ独唱、合唱、ヴィオラ、チェロ、コントラ バス、ハープ、オルガン〕という構成。2つ目となる「1893年稿」は、1888年版の楽曲に、リベラ・メと奉献唱が追加、バリトン・ソロと管楽器が加わります。 そして3つ目が、1900年に演奏されたのが現在一般的に演奏されるのと同じオーケストラ編成の稿。このヘレヴェッヘの録音は、1893年稿で、1988年の 録音。清澄無垢さが際立っており、純化された世界が広がります。 (Ki)

CORO
COR-16198(1CD)
セイレーンの歌
スタンフォード:8つのパートソング Op.119
エリザベス・マコンキー:セイレーンの歌
イモジェン・ホルスト:ようこそ喜び、ようこそ悲しみ
ヴォーン・ウィリアムズ:静寂と音楽
フィンジ:ロバート・ブリッジズの7つの詩
アーサー・サリヴァン:長い一日が終わる
ザ・シックスティーン、
ハリー・クリストファーズ(指)

録音:2023年1月11日-13日、オール・ハロウズ教会(ゴスペル・オーク、イギリス)
1979年にハリー・クリストファーズが設立し、それ以来世界最高クラスの合唱団として活動し続けている英国合唱界の至宝、ザ・シックスティーン。
これまでにルネサンス時代のモテット集、パーセルのオードやアンセム、ヘンデルの数え切れないほどのオラトリオ、そしてプーランク、ブリテン、マクミランといった現代音楽を取り上げてきたザ・シックスティーン。本アルバムでは、これまであまり取り上げる機会が少なかったパートソングを収録しています。
スタンフォードから、フィンジ、イモジェン・ホルスト、そして、ヴォーン・ウィリアムズに師事したアイルランド系のイギリス人作曲家、エリザベス・マコンキーまで、素晴らしい詩と絶妙な音楽が組み合わさり、この100年あまりに誕生したイギリスのパートソングの変遷を辿ります。

NovAntiqua Records
NA-85(1CD)
カイレ・マリア
フランク:アヴェ・マリア FWV62(オルガンとソプラノのための)
サン=サーンス:アヴェ・マリア ICS19(オルガンとソプラノのための)
ラインベルガー:アヴェ・マリア Op.171-1(オルガンとソプラノのための)
フォーレ:アヴェ・マリア Op.93(オルガンと2人のソプラノのための)
グノー:トータ・プルクラ・エス CG108(オルガンと2人のソプラノのための)
レーガー:マリアの子守歌 Op.76-52(オルガンとソプラノのための)
グノー:レジーナ・チェリ CG106(オルガンと2人のソプラノのための)、アヴェ・レジーナ CG103(オルガンと2人のソプラノのための)
フォーレ:サルヴェ・レジーナ Op.67-1(オルガンとソプラノのための)
サン=サーンス:インヴィオラータ ICS286(オルガンとソプラノのための)
ジャン=バティスト・フォール(1830-1914):サンクタ・マリア(オルガンとソプラノのための)
マリア・エルコラーノ(S)、
ヴァレンティーナ・ヴァッリャーレ(S)、
オルガ・ラウドーニャ(Org)

録音:2022年6月15日&20日(イタリア)
19世紀から20世紀初頭にかけて聖母マリアに捧げられた、オルガンと1人または2人のソプラノのための楽曲集。表題のカイレ・マリアはギリシャ語で、ラテン語でのアヴェ・マリアを意味します。サン=サーンスやレーガー、フォーレ、フランクなど、著名な作曲家の知られざる名曲の数々を収録しています。

ES-DUR
ES-2087(1CD)
世界のどこか
エーリヒ・ツァイスル:「Vor meinem Fenster」(7つの歌より 第1曲)
ジョゼフ・アクロン:「Das Taubchen flog voruber」(2つの歌より 第2曲)
シェーンベルク:「Im Fliederbusch ein Voglein sas」
ゲオルク・クライスラー:「Waltz - graceful - but not too Fast」(P・ソナタより 第2楽章)
ルート・シェーンタール:「Poor Bit of a Wench」(愛と悲しみの7つの歌より 第3曲)
ツァイスル:「Die funf Huhnerchen」(7つの歌より 第7曲)
G.クライスラー:「Fruhlingslied」
ツァイスル:「So regnet es sich langsam ein」、「Ein Regentag」(8つのピアノ小品集 「11月」より)
イルゼ・ウェーバー:「Und der Regen rinnt」
ツァイスル:「Regen」
G.クライスラー:「Zufall auf den Wiesen」
ミシャ・スポリアンスキー:「Ich bin ein Vamp!」(「100メートルの幸福」より)
シェーンベルク:「Der genugsame Liebhaber」(キャバレー・ソング集より 第1曲)
シェック:「Warum leckst du dein Maulchen?」(5つのヴェネツィアのエピグラム Op.19b-7より)
ルディ・シュテファン:「Pantherlied」
ツァイスル:「Der Schafer」(7つの歌より 第5曲)、「The Lonely Shepherd」(バルバラのための小品集より)
I.ウェーバー:「Wiegala」
パウル・ベン=ハイム:「Arabic Song」
ウルズラ・マムロク:「On Top of a Hill」
シェーンタール:「A Woman's Last Word」(愛と悲しみの7つの歌より 第5曲)
ロージー・ヴェルトヘイム:「スケルツォ」(オランダの詩による4つの歌より 第1曲)
ベルト・ライスフェルト&アルブレヒト・マルクーゼ:「Mein kleiner gruner Kaktus」
オスカー・フリート:「So sprach ein Weib voll Schuchternheit」(7つの歌 Op.7より 第2曲)
ツァイスル:「Kater」
シュテファン・ヴォルペ:「Ansprache einer Bardame」(エーリッヒ・ケストナーの詩による3つの歌より 第3曲)
ヴェルナー・リヒャルト・ハイマン:「Irgendwo auf der Welt」
ピア・ダヴィラ(S)、
リンダ・ライネ(P)

録音:2021年
エーリヒ・ツァイスル、イルゼ・ウェーバー、ロージー・ヴェルトハイム、ゲオルク・クライスラー、これらはみな20世紀初頭の偉大な作曲家でありながら、現代では主にナチスによって迫害された「追放された音楽」というタイトルでひとくくりにされてしまっています。ドイツのシュヴェリーンで行われている「追放された音楽のための国際コンクール」2016で優勝したソプラノ歌手のピア・ダヴィラとピアニストのリンダ・ライネは、これらのとても美しく素晴らしいハーモニーと繊細さを備えた音楽が、レパートリーの一部として自然に演奏されることを望み、これらの作曲家を違った角度から見たり聴いたりする機会としてもこのアルバムが録音されました。
これらほとんどすべての作曲家が悲劇的な人生を送っていますが、彼らの作品にはユーモアがあり、生きる喜びと陽気さが漂っています。100年前のこれらの音楽と歌詞のユーモアが今日でも通用するという事実を、このアルバムを通して発信しています。

Quartz
QTZ-2155(1CD)
ロマンス
ラフマニノフ:朝 Op.4-2
タネーエフ:小さな島 Op.17-1
ラフマニノフ:リラの花 Op.21-5
プロコフィエフ:夢 Op.104-9
ラフマニノフ:小さな島 Op.14-2、春の洪水 Op.14-11、私の胸のうちに Op.14-10
プロコフィエフ:カテリーナ Op.104-4
リムスキー=コルサコフ:私のいたずらな娘 Op.42-4
チャイコフスキー:涙は震える Op.6-4
ラフマニノフ:私を信じるな, わが友よ Op.14-7
チャイコフスキー:昼の輝きが満ち, 夜の静けさが広がっても Op.47-6
リムスキー=コルサコフ:流れたなびく雲が切れ切れになって Op.42-3
プロコフィエフ:茂みのかげに Op.104-8
チャイコフスキー:ただ憧れを知る者だけが Op.6-6
プロコフィエフ:私はどこにいっても恋人に会えない Op.104-7
チャイコフスキー:なぜ? Op.6-5
ラフマニノフ:あなたは皆に愛される Op.14-6
メトネル:ばら Op.29-6、祈り Op.29-7、ヴィルヘルム・マイスターより Op.15-2、似たもの同士 Op.15-11
グレチャニノフ:死 Op.15-2
ラフマニノフ:時は来た! Op.14-12
イェスティン・モリス(C.T)、
ナイジェル・フォスター(P)
バレエや交響曲、オペラで大きな名声を得たおかげで見過ごされがちな、チャイコフスキーからプロコフィエフの時代に活躍したロシアの作曲家たちによる歌曲集。ロンドン出身のカウンターテナー、イェスティン・モリスが25の作品を「人生と夢」、「愛」、「憧れ」、「喪失」という4つのテーマに分けて歌います。巨大な個性、先駆者、革命家、名ピアニスト、あまり知られていない英雄、そして100年以上前と同じように今日にも通用する豪華で明快な詩の物語が綴られており、当時のロシアが歌曲の世界でも並外れた貢献をしていたことを証明しています。

Halle
CDHLD-7561(6CDR)
エルガー:オラトリオ集
エルガー:オラトリオ「ゲロンティアスの夢」 Op.38*
オラトリオ「使徒たち」 Op.49#
オラトリオ「神の国」 Op.51+
マーク・エルダー(指)、
ハレO&cho、
ハレ・ユースが*#、
アリス・クート(Ms)*#、
ポール・グローヴス(T)*#、
ブリン・ターフェル(Br)*、
レベッカ・エヴァンズ(S)#、
ジャック・インブライロ(Br)#、
クレア・ラター(S)+、
スーザン・ビックリー(Ms)+、
ジョン・ハドソン(T)+、
イアン・パターソン(Br)+

録音:2008年7月15-19日*、2012年5月5日(ライヴ)#、2009年10月17日(ライヴ)、ブリッジウォーター・ホール(マンチェスター)
「ゲロンティアスの夢」と「神の国」はグラモフォン賞を、「使徒たち」はグラモフォン賞とBBCミュージック・マガジン賞を受賞という非常に高評価を得た、マーク・エルダー指揮ハレOによるエルガーのオラトリオ集がBOXとなって登場です!またこのBOXはハレ・レーベルの20周年を記念したリリースとなります。
長き歴史を誇るイギリス、マンチェスターの雄、ハレOと、音楽監督を2000年から2023年まで務めるマーク・エルダーによるエルガーの解釈は、長年の間称賛されてきました。またこのアルバムには、優秀なハレ合唱団とハレ・ユース合唱団、そしてアリス・クートを始めとした国際的に活躍している豪華ソリストも多数参加しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Hyperion
CDA-68426(1CD)
クレド
R・シュトラウス:ドイツ語のモテット Op.62
サンドストレム(1942-2019):4つの愛の歌
メシアン:イエスの永遠性への賛歌(クリトゥス・ゴットヴァルト編)
アンブロジュ・チョピ(1973-):He wishes for the Cloths of Heaven
R・シュトラウス:夕べ Op.34-1
マテイ・カステリッチ(1994-):クレド/私は信じる
ラトビア国立cho
マーリス・シルマイス(指)

録音:2021年6月&9月、聖ヨハネ教会(ラトビア、リガ)
ヨーロッパで最も高く評価されている合唱団のひとつ、ラトビア国立合唱団による「愛」をテーマにした合唱作品集!1997年より芸術監督・首席指揮者を務めるマーリス・シルマイスのもと、2022年に80周年を迎えたラトビア国立合唱団。技術と音楽性を併せ持つ歌手たちが揃っており、1パ―ト1名のアカペラから、大規模な合唱団であることを活かしたフル・オーケストラとの共演まで、幅広いレパートリーをこなしています。本作では、求められる歌手の人数が多いためあまり演奏されないR・シュトラウスの2作品を柱に、原曲以上に魅力的なメシアンの「イエスの永遠性への賛歌」(『世の終わりのための四重奏曲』の第5楽章)の編曲版や、スロベニアの作曲家であるアンブロジュ・チョピ(1973-)とマテイ・カステリッチ(1994-)の作品を収録しています。特に若きカステリッチがチョピに捧げた「クレド/私は信じる」は、アントニオ・ロッティ(1667-1740)の「十字架につけられ給いて」を引用した非常に感動的な作品。シルマイスはこの作品を「クラシックの偉大な合唱作品に比肩する」と絶賛しています。

PASCHENrecords
PR-220078(1CD)
バリトンとピアノのための作品集
ウォルフガング・フォルトナー:(:ヘルダリーンの詩による4つの歌
モーリス・ドラージュ:間奏曲、ラホール
ブリテン:6つのヘルダーリン断章 Op.61
ディーリアス:フリードリヒ・ニーチェの詩による4つの歌
ヤン・ルロフ・ヴォルトハウス:ゲーテとトラークルの詩による3つの歌、ゲオルク・トラークルの詩による2つの歌、老賢者、日没
ペトル・エベン:ライナー・マリア・リルケの詩による6つの歌
クリストファー・ユンク(Br)、
ヤン・ルロフ・ヴォルトハウス(P)
ニーチェやゲーテなどの詩に20世紀の作曲家が曲を付けた歌曲集。バリトンのクリストファー・ユンクは、幼少期にヴィオラから習い始めいくつかの賞を受賞しました。その後10歳からボーイ・ソプラノを務め、マンハイム国立劇場などでソリストを務めました。変声期後はバリトンに転向し、ベルリンとライプツィヒの音楽院で研鑽を積み、フィッシャー=ディースカウのマスター・クラスなどにも参加しています。ドイツ・シューベルト協会などのいくつかの賞を受賞し、現在はプロテスタント教会音楽大学ハレ校の副学長を務めています。

ANTARCTICA
ANTAR-051(1CD)
退廃音楽をうたう
マーラー:『子どもの不思議な角笛』より 原光
ミッシャ・スポリアンスキー:リラの歌
エルヴィン・シュルホフ:『ジャズの舞踏組曲』WV98より フォックストロット
クルト・ヴァイル:『マリー・ギャラント』より ユーカリ
ミッシャ・スポリアンスキー:青の時間
アルマ・マーラー:『5つの歌曲』より 静かな街
イルゼ・ウェバー:テレジエンシュタットをさまよう
ハンス・アイスラー&クルト・トゥホルスキー:塹壕
ヴィクトル・ウルマン:『3つのユダヤの歌』Op.53より 白樺
ギデオン・クライン:『チェコとロシアの民謡集』より Uz Mne Kone Vyvadeji
イルゼ・ウェバー:子守唄
カルロ・シグムンド・タウベ:あるユダヤの子
ギデオン・クライン:子守唄
マーラー:交響曲第5番〜アダージェット「夕映えに」
フラマン放送cho
ブリュッセル・フィルハーモニックのソリストたち
バルト・ファン・レイン(指)
エステール・ルフォール(S)


録音:2022年8月29日-9月2日/ブリュッセル、マリブランザール
ジャズ、黒人音楽、新ウィーン楽派の無調音楽、そしてユダヤ人作曲家の音楽は、1930年代にナチス政権から「退廃音楽」とみなされ迫害を受けました。 1938年にデュッセルドルフで退廃音楽展が開かれこれらの「堕落した音楽」が強く弾圧されるなどして、多くの音楽家は亡命を迫られ、あるいは強制収容所に送 られて命を落とす不幸をたどります。
「退廃音楽」の汚名をつけられた音楽をあつめ、合唱主体のアレンジで力強く美しく歌いあげたアルバム。マーラーの「原光」にはじまり、さまざまな作曲家の作 品を経て「アダージェット」(これも無伴奏合唱版)に至るプログラムは、不当な評価を受けた音楽が浄化され天に昇っていくようで、聴いていて胸が締め付けられ ます。フラマン放送合唱団の精緻な合唱が絶品。

H.M.F
HMM-905362(1CD)
ROLLING RIVER
バーンスタイン:チチェスター詩篇、Hashkiveinu(ハシュキヴェイヌ)
伝承曲(ジェームズ・エルプ編):シェナンドー
バーバー:二つの合唱曲 op.42(十二夜、水の上で歌う)
ハーバート・ハウエルズ:Take him, earth, for cherishing(大地よ、彼を大切にせよ)
ジェニファー・ヒグドン(b.1962):おお大いなる神秘よ
キャロライン・ショウ(b.1982):and the swallow(そしてつばめは)
デイヴィッド・ラング(b.1957):感染症から身を守りましょう
ニコ・ムーリー(b.1981):A Great Stone[世界初録音], A Good Understanding
エリック・ホワイテークル(b.1970):レナードは空飛ぶマシーンを夢見る
ケンブリッジ・クレア・カレッジcho
グレアム・ロス(指)
イェスティン・デイヴィス(C.T)
タニヤ・ヒュートン(Hp)、
オーウェン・グンネル(打楽器)、
レベッカ・ラーセン&ジェーン・ミッチェル(Fl)、
ジョージ・ジロー&サミュエル・ジョーンズ(Org)

録音:2022年
グレアム・ロス率いる名門ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団の新譜は、アメリカの合唱音楽。バーンスタインのチチェスター詩篇から、アメリカの民謡「シェ ナンドー」、さらに世界初録音の楽曲まで、様々な作品が集められています。「シェナンドー」には様々なヴァージョンがありますが、ここで歌われているジェームズ・ エルプ編曲のヴァージョンは、合唱の世界で極めてよく演奏されています。タイトルのROLLIN RIVERは、シェナンドーの歌詞にも現れる言葉。きわめて高い水 準での演奏の登場です。 (Ki)

Pentatone
PTC-5186866(1CD)
「ロマンス」
ラフマニノフ
●12のロマンス Op.12より
第4曲:彼女たちは答えた
第5曲:リラの花
第7曲:ここはすばらしい場所
●6つの歌 Op.4
第1曲:いや、お願いだ、行かないで
第2曲:朝
第3曲:夜の静けさに
第4曲:美しい人よ、私のために歌わないで
第5曲:ああ、私の畑よ
第6曲:そんなに昔だろうか
●12の歌 Op.14より
第1曲:私はあなたを待っている
第7曲:私を信じるな、わが友よ
第11曲:春の洪水
チャイコフスキー
●7つの歌 Op.47より
第6曲:昼の輝きが満ち、夜の静けさが広がっても
●12の歌 Op.60より
第12曲:星は穏やかに私たちを照らし
●コンスタンティン・ロマノフの歌詞による6つの歌 Op.63より
第5曲:もう部屋の灯は消えた
第6曲:セレナード
●6つの歌 Op.6より
第5曲:なぜ
第6曲:ただあこがれを知る者だけが
Helmut Deu
●6つの歌 Op.16より
第5曲:なぜそんなに
●6つの歌 Op.27より
第1曲:眠る前に夢見て
●6つの歌 Op.28より
第3曲:なぜ
●6つの歌 Op.38より
第2曲:それは早春のことだった
第3曲:騒がしい舞踏会のなかで
●ラトガウスの歌詞による6つの歌 Op.73
第1曲:私はおまえと一緒に座っていた
第2曲:夜
第3曲:この月夜に
第4曲:太陽は沈んだ
第5曲:暗い日に
第6曲:再び、前のように、ただひとり
ピョートル・ベチャワ(T)
ヘルムート・ドイチュ(P)

録音:2021年3月9-12日/マルクス・シティックス・ホール(ザルツブルク)
「ロマンス」は19世紀から20世紀初頭のロシアで最も人気のあったジャンルであり、プロだけでなくアマチュアにも親しまれました。チャイコフスキーとラフマ ニノフはこの上ない美しい旋律を書き上げ、「ロマンス」の名曲を多く残しております。
ドイチュの見事な演奏とともにベチャワは色彩豊かなリリシズムとイタリア的な雰囲気を併せ持つこれらの作品を歌い上げます。
ベチャワは1966年ポーランド最南部のチェホヴィツェ=ジエジツェ生まれ。リンツ州立劇場での活躍後、1997年からはチューリッヒ歌劇場に所属。その後の 活躍は目覚ましくロイヤル・オペラ・ハウス、メトロポリタン歌劇場、マリインスキー劇場、パリ国立オペラ座などで活躍し、圧倒的な歌唱で注目され続けています。 PENTATONEレーベルからリリースした「私は勝つ!〜イタリア・オペラ・アリア集」(PTC-5186993)は2021年、ドイツの最も権威のある賞のひとつオーパ ス・クラシック賞の「シンガーズ・オブ・ザ・イヤー」の栄冠に輝いています。

APARTE
AP-324(1CD)
リスト:管弦楽伴奏声楽作品集
1. ローレライ S.369
2.3人のジプシーS.374
3. 若い尼僧(シューベルト作)
4. 糸を紡ぐグレートヒェン(シューベルト作)
5. ミニョンの歌(このままの姿でいさせてください)(シューベルト作)
6. 魔王(シューベルト作)
7. 影法師(シューベルト:「白鳥の歌」より)*
8. 祖先の墓 S.371*
9. ヴァイマルの死者たち*
10. さすらいのユダヤ人*
11. 巨人 S.79/2
イム・スンヘ(ソプラノ[3-5])、
ステファニー・ハウツィール(メゾ・ソプラノ[1])、
トーマス・ハンプソン(バリトン2,6-10)
トマシュ・コニエチュニ(バリトン[11])、
ウィーンcho[11]、
マルティン・ハーゼルベック(指)
ウィーン・アカデミーO

録音:2021、2022年
*=リスト・アカデミー・エディションによる世界初録音
リストの管弦楽伴奏による歌曲集。リストにとって歌曲は、芸術的・美的発展の手段でした。また、リストの後、管弦楽伴奏による歌曲も多く生み出されるように なるなど、同世代・後世にも影響を与えています。ここでは、リスト作のほか、シューベルトの歌曲をリストが管弦楽伴奏に編曲したものも収録。管弦楽版が未出版 だった、「影法師」「祖先の墓」「ヴァイマルの死者たち」「さすらいのユダヤ人」を、リスト・アカデミー・エディションに基づいて世界初録音収録。歌唱陣は、ウィー ン国立歌劇場で活躍し、ヘンデルやモーツァルト、そして「ばらの騎士」オクタヴィアンで絶大な評価を得ているハウツィール、ヘレヴェッヘの指揮で鮮烈デビューし、 宗教作品からオペラ、歌曲まで縦横無尽に活躍するイム・スンヘ、そして言わずとしれたトーマス・ハンプソン、バイロイト音楽祭や東京・春・音楽祭などでもおな じみのコニエチュニ、という夢のような顔ぶれです。ハーゼルベック率いるウィーン・アカデミー管の細やかな表現も味わいがあります。 ハーゼルベックはオルガン奏者、指揮者として数多くのリリースと受賞を重ねた重鎮。1985年にピリオド楽器のウィーン・アカデミーOを設立し、バロック からロマン派作品まで、ウィーン楽友協会および世界中で演奏会シリーズを重ねました。

WERGO
WER-5129(1CD)
エンヨット・シュナイダー(1950-):Orbe Rotundo 円い球体(2010) 〜生と魔法と死の歌 / 独唱・合唱と管弦楽のためのラテン語と中世のテキストによる一年の風景画 サンドラ・ムーン(S)
ロベルト・セリアー(T)
トッド・ボイス(Br)
ミュンヘン・モテットcho
モラヴィスカ・フィルハーモニー・オロモウツ
ハイコ・ジーメンス(指)

録音:2010年12月5日(世界初演ライヴ)
WERGOからの数々のリリースのほか、映画音楽の世界でも活躍する多作家シュナイダー。2010年の『Orbe Rotundo』初演ライヴが収録されています。こ れはオルフの『カルミナ・ブラーナ』と同じ編成で、対となる作品として書かれたもの。『カルミナ・ブラーナ』同様に土臭く、過激なテキストで人間のあらゆる業 を歌っていて、その世界はさながら『カルミナ・ブラーナ』をさらに拡張し、推し進めたよう。美しい響きを用いながら、ダイナミックな爆発、しなやかなリズム、豊 かな優しさといったさまざまな表情を見せる合唱が実に雄弁。初演時に「現代作品としては異例の熱狂的拍手」(ノイエ・ムジークツァイトゥング誌)で受け入れら れたという音楽をじっくりお楽しみください。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00819(1SACD)
税込定価
2023年7月19日発売
A Time for Us −歌道U
N.ロータ:私たちの時 (映画「ロメオとジュリエット」より)
H.マンシーニ:失われた愛 (映画「ひまわり」より)
 ムーンリバー(映画「ティファニーで朝食を」より)
M.ルグラン:あなたを待つ (映画「シェルブールの雨傘」より)
S.フェイン:映画「慕情」のテーマ
アイルランド民謡:ダニーボーイ
トラディショナル・フォークソング [ブリテン編]:グリーンスリーヴズ/ 犂引きの子/ 庭の千草
クイルター:私の生きることの喜びよ (7つのエリザベス朝の歌)
 ダマスクのバラ (7つのエリザベス朝の歌)
フィンジ:歌曲集「私は愛の神に言った」(全6曲)
トスティ:私を愛して!
夜の静けさの中で
ミッチ・リー:見果てぬ夢 (ミュージカル「ラ・マンチャの男」より)
フランク・ワイルドホーン:ジキルの研究室の外 (ミュージカル「ジキルとハイド」より)
 時が来た (ミュージカル「ジキルとハイド」より)
加耒徹 (Br)、松岡あさひ (P)

録音:2023年2月7-9日 東京・稲城iプラザ
今や二期会を代表するスター、 加耒徹の「moment」に続く待望の第2弾。プログ ラムの中心には、最愛のレパートリーであるイギリス芸術歌曲を据え、それらを 映画音楽、民謡、イタリア名作曲家による英語歌曲、ミュージカルなどで大きく 包みこんだブーケのような魅惑的アルバム。 「バリトン歌手が紡ぐ英語の“歌道”。じっくりと音楽に浸ることによって、ジャ ンルは様々でも、そこに一本の道を感じることができるでしょう。」(自筆ライ ナーノーツより)というように、のびやかな声が輝き、しみわたるような清爽感 をもたらせてくれます。自身が最も傾倒する、作曲家フィンジは特に必聴!(オクタヴィア)

H.M.F
HMM-902720(1CD)
シューベルト:美しき水車小屋の娘 サミュエル・ハッセルホルン(Br)
アミエル・ブシャケヴィチ(P)

録音:2022年11月、スタジオ・bシャープ、ベルリン
2018年エリザベート・コンクールに優勝、またたく間に世界の注目を集め、名だたる歌劇場で活躍(バレンボイム指揮のベルリン国立歌劇場での「フィガロの 結婚」伯爵ほか)、歌曲でも高く評価されている注目のバリトン、ハッセルホルン。先日も日本で最終公演をむかえたワルトラウト・マイヤーのさよなら演奏会にも 出演し、その歌声と舞台姿が話題となりました。そのハッセルホルンが、シューベルトのシリーズをスタートします。シューベルト最晩年の1823-1828年に書かれ た作品を中心に録音していくという注目のプロジェクトです。シリーズ第1弾は、今年2023年から200年前にあたる1823年に完成した「美しき水車小屋の娘」。 ハッセルホルンの美しい発語と余裕あるフレーズ、そして作品に対する深い洞察は、説得力十分。歌曲伴奏で活躍するピアニストと組んでの理想的な演奏が誕生し ました。
「美しき水車小屋の娘」は1823年に完成しました。ハッセルホルンはブックレットに以下のようにコメントを寄せています。 〜『これらの曲が作られた時代と私たちを隔てる時間の隔たりに直面し、私たち演奏家は常に、これらの曲が、「今」の私たちに何を語りかけているのかを自問し なければならない。実は私は、「美しき水車小屋の娘」の物語(粉職人の男が水車小屋の娘に恋をするが、その恋は実らない云々)をそのまま素直に受け入れるの は難しいといつも思ってきた。あまりにも具体的な情報が少なすぎるのだ。たとえば、その若い女性については、金髪で青い目をしているということ以外には描写 がない。彼女自身の発言も少ない。その若い女性がほかの男に恋をしたという三角関係、という解釈も難しい。ミュラー=シューベルトでは、ハイネ=シューマンが コンビを組んだ『詩人の恋』(1840年)と同様、男性主人公は孤独で、遠いところに身を置いています。失恋という単純な物語を超えて、詩と音楽は "よそ者 "の 拒絶を暗示しているのではないか。”彼”は世間一般の常識には当てはまらぬ人だったのかもしれず、その個性(ここでは「他とは違う」ということ)が理由で排斥 されます。そして社会的孤立によって絶望に追い込まてしまっているのだ。おそらくこれが、200年前に書かれたこの作品が、リートという枠を超えて、21世紀の男 女に、今なお語りかけることができる理由なのだろう」。
ピアノのブシャケヴィチは、エルサレムに生まれ、南アフリカで育ちました。ライプツィヒの音楽院、そしてパリ国立高等音楽院を卒業。フィリプ・モルや、ブレンデ ルに師事しています。シューベルト作品の演奏に定評があり、2011年、国際シューベルト協会賞受賞。ソロでも活躍していますが、歌曲伴奏でも極めて高い評価を 得ています。ディースカウ晩年の生徒の一人として、ディースカウのマスタークラスの伴奏者にも抜擢されました。 (Ki)

ONDINE
ODE-1424(1CD)
NX-B07
ベルンハルド・ヘンリク・クルーセル(1775-1838):歌劇「小さな奴隷の少女」序曲(1824)
ファゴット協奏曲 変ロ長調(1829)
『最後の戦士』(1834)- 朗読、合唱、オーケストラのためのデクラメトリウム…世界初録音
ヤニ・スンナルボリ(Fg)
フランク・スコーグ(朗読)
アウディ青少年合唱アカデミー
ヘルシンキ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)
アーポ・ハッキネン(指)

録音:2022年10月16-17日(ライヴ)
フィンランドの製本業者の息子として生まれ、幼い頃から才能を発揮。軍楽隊を経て宮廷楽団の首席クラリネット奏者から指揮者へと登り詰めたクルーセ ル。G.J.フォーグラーに作曲を師事し、クラリネットのための作品を多数書き上げ、なかでも協奏曲はモーツァルトに並ぶ、この楽器のための重要なレパート リーになっています。 このアルバムには世界初録音となる朗読、合唱、オーケストラのための『最後の戦士』を中心に、クルーセル晩年の3作品が収録されています。『最後の戦 士』はスウェーデンの詩人、評論家エリック・グスタフ・イェイイエル(1783-1847)の詩に触発された曲。古代の英雄オーディンを称え、ヴァイキングを偶像化 したこの詩を用いて書かれた大規模な作品で、作曲家が亡くなる前年の1837年12月9日にストックホルム歌劇場で初演されましたが、評価はまちまちで あり、その後演奏されることはありませんでした。「小さな奴隷の少女」はクルーセル唯一の歌劇。娘を失った彼自身の悲痛な思いが込められたという作品 で、この序曲も冒頭は重苦しい雰囲気を漂わせていますが、すぐに明るく清澄な旋律が表れます。 ファゴット協奏曲はクルーセル最後の器楽作品で、3オクターブ半の音域を誇ったという彼の娘婿でファゴット奏者フランス・プロイメイエルのために書かれたも の。曲中には、当時ストックホルムで40年ぶりに演奏されたボワエルデューの歌劇「村の新しい領主」の旋律が引用されています。プロイメイエルは宮廷楽団 の奏者で同僚たちとしばしばアンサンブルを行い、クルーセルは彼らのために多くの作品を書いています。 アーポ・ハッキネンが指揮するヘルシンキ・バロック・オーケストラがピリオド楽器を用いて未知の作品に光をあてています。

OEHMS
OC-1720(2CD)
NX-D02
カール・レーヴェ:オラトリオ『ヤン・フス』 Op. 82 ゾフィア/バーバラ…モニカ・マウフ(S)
ジプシーの老女…ウルリケ・マロッタ(A)
フス…ゲオルク・ポプルッツ(T)
ヴェンツェル/クラム 他…ドミニク・ヴェルナー(Bs)
ヒルテ…トーマス・グロッパー(Bs)
アルチス=ヴォーカリステン・ミュンヘン
ラルパ・フェスタンテ・バロックオーケストラ(古楽器使用)
トーマス・グロッパー(指)

録音:2022年10月12-16日
世界初録音
ドイツ歌曲において「バラード」という新しいスタイルを確立したカール・レーヴェ。実は本職は宗教音楽家で、1820年から66年までシュテティン(現ポーランド のシュチェチン)の教会でカントルを務めました。任期中に書かれたオラトリオは17作以上に上ると見られますが、「バラード」の成功の影に隠れてしまい、研 究・演奏は遅れをとっています。その復興に情熱を傾けているのが当アルバムの指揮者トーマス・グロッパー。2018年録音の受難オラトリオ『新約のいけに え』(OC1706)に続く第2作は、宗教改革の先駆的存在でボヘミア民族の精神的支柱とされてきたフスの後半生をドラマティックに描いています。 この作品は1841年12月にベルリンで初演されましたが、その後は埋もれてしまい、2013年になってようやくピアノ伴奏版で蘇演され、これがオーケストラ版 の初録音となります。オーケストラの楽器と規模は当時のものを想定し、歌手陣にはモニカ・マウフやドミニク・ヴェルナーら古楽演奏の第一級歌手を揃えグ ロッパー自身もバス歌手として参加、5日間をかけてセッション録音した力作です。ブックレットではグロッパーが9ページにわたり充実した解説を執筆していま す(英語・ドイツ語)。 ドヴォルザークの「フス教徒」やスメタナの「わが祖国」第5曲「ターボル」など、チェコからはヤン・フスの生きざまに影響された作品も生まれています。このオラトリ オをそれらのドイツにおける先駆的な存在として聞いてみるのも興味深いでしょう。

Orchid Classics
ORC-100249(1CD)
NX-B03
ジョナサン・ラザフォード(1953-):合唱作品集
Psalm13詩篇13篇(1978)
The Artist 芸術家(2015)
The Master 主(2016)
Final Parting 最後の別れ(1995)
Four Toasts (1966/2011)
エイミー・リッドン(C.A)
キャロライン・デール(Vc)
ロンドン・ヴォイシズ(合唱)
イギリス室内O
ベン・パリー(指)

録音:2021年10月28-29日
全て世界初録音
イギリスの作曲家ジョナサン・ラザフォードの合唱作品集。10歳の時に新しく開校したユーディ・メニューイン音楽学 校に入学。ナディア・ブーランジェから教えを受けながら、レノックス・バークリー(らにも師事。ピアニストとして活動する とともに、合唱音楽の作曲家として宗教音楽、世俗音楽双方にわたる多数の作品を書き上げています。 このアルバムには詩篇13篇による合唱曲をはじめ、聖書からオスカー・ワイルドのテキストを用いたさまざまなテイス トの作品を収録。なかでも「Four Toasts4つの乾杯」は10代の頃に書かれた曲で、2011年までに何度も改 訂されたラザフォード渾身の作品です。

Acte Prealable
AP-0556(1CD)
エルネスト・ショーソン:オルガン、合唱作品集
聖体拝領の晩祷 Op.31
Autres antiennes breves pour le Magnificat
付随音楽「聖セシリアの伝説」Op.22より5曲
おお、救いのいけにえよ
2つのモテット Op.6
3つのモテット Op.12
4つのモテット Op.16
スタニスワフ・マリイェフスキ(Org)、
ルブリン工科大学アカデミックcho、他
エルネスト・ショーソンの知られざるオルガンと、合唱作品集。このアルバムに収められているオルガン作品は、約20年前にシブリー図書館で発見されました。しかし、なかなか演奏機会に恵まれずにいたところ、フランス音楽に詳しいスタニスワフ・マリイェフスキの目に留まり収録されることになりました。ですが1枚のアルバムにするには収録時間が足りなかったため、パリの国立図書館に所蔵されていた合唱曲を加えることになりこのアルバムが完成しました。エルネスト・ショーソンの知られざる名曲をお楽しみください。

Signum Classics
SIGCD-739(1CD)
ワンダーランド〜リゲティ生誕100周年と久石譲、木下牧子、イェイロ、ビンガム、パターソン他の委嘱作品集
1.木下牧子:あしたのうた
2.リゲティ:ナンセンス・マドリガル集より 2つの夢と小さな蝙蝠
3.オラ・イェイロ:夢の中の夢
4.リゲティ:ナンセンス・マドリガル集より 梨の木の上のカッコウ
5. フランチェスカ・アミューダー=リヴァーズ:アライヴ
6.リゲティ:ナンセンス・マドリガル集より アルファベット
7.久石譲:I was there
8.リゲティ:ナンセンス・マドリガル集より 空飛ぶロバート
9.ジュディス・ビンガム:トリックスター
10.リゲティ:ナンセンス・マドリガル集より ロブスターのカドリーユ
11.マルコム・ウィリアムソン:ブレーメンの音楽隊
12.リゲティ:ナンセンス・マドリガル集より 長く、悲しい物語
13.ポール・パターソン: タイム・ピース
キングズ・シンガーズ〔パトリック・ダナキー(C.T)、エドワード・バトン(C.T)、ジュリアン・グレゴリー(T)、クリストファー・ブリュートン(Br)、ニック・アシュビー(Br)、ジョナサン・ハワード(Bs)〕

録音:2022年10月19日&21日、2023年1月16日-18日、ブリテン・スタジオ(サフォーク、イギリス)
ルネサンス・ポリフォニーからジャズ・ポップスまで、2000曲以上ものレパートリーを誇り、2018年に結成50周年を迎えた男声ア・カペラ・グループのレジェンド、キングズ・シンガーズ。本アルバムでは、2023年に生誕100周年を迎えるリゲティの作品を中心に、キングズ・シンガーズの55年の歴史の中で、彼らのトレードマークである音楽的なストーリーテリングと喜びにあふれた委嘱作品を収録。アルバムのタイトルでもある「ワンダーランド」の通り、魔法、神話、おとぎ話の世界に立ち返っています。 遊び心のある子供の詩やルイス・キャロルの代表作、「不思議の国のアリス」からの抜粋を題材にしたリゲティのナンセンス・マドリガル集を中心に、オーストラリアの最も著名な音楽家の一人、マルコム・ウィリアムソンによって1972年に作曲されたグリム童話「ブレーメンの音楽隊」に基づいた音楽、2022年12月の来日公演で世界初演された久石譲の 「I was there」(9.11や東日本大震災など、悲劇的な出来事の文化的記憶に焦点を当てた作品)、同じく2022年の来日公演で披露された(初演は2020年)木下牧子の 「あしたのうた」(自然界を中心とした希望とポジティブなテーマを思い浮かばせる作品)まで、各時代を代表する現代作曲家から200を超える作品を捧げられてきたキングズ・シンガーズの珠玉のレパートリーをお楽しみいただけます。
Signum Classics
SIGCD-741(1CD)
マーラー:歌曲集
リュッケルト歌曲集
さすらう若人の歌/亡き子をしのぶ歌
サラ・コノリー(Ms)、
ジョセフ・ミドルトン(P)

録音:2021年4月27日-28日&30日(イギリス)
ニューヨークタイムズ紙にて「最上級」と絶賛されているサラ・コノリーとジョセフ・ミドルトンの二人の共演による、マーラー歌曲集の第1弾!今後もピアノ伴奏付きの歌曲の全曲録音が予定されている非常に楽しみな企画がスタートしました。サラ・コノリーはイギリスを代表するメゾ・ソプラノで、BBCシンガーズやザ・シックスティーンのメンバーとしても演奏し、活躍してきました。その活動が認められ。2010年にはCBE(大英帝国三等勲爵士)2017年には「デイム」の称号を授与されるDBE(大英帝国二等勲爵士)を受勲しています。今回の企画を立ち上げたピアニストのジョセフ・ミドルトンとは10年間共に演奏を繰り返しており、ミドルトンはコノリーとこのアルバムで共演できたことを喜んでいます。二人の類まれな洞察力と完璧な芸術性で歌われる世界最高峰のマーラーをご堪能いただけます。

Chopin University Press
UMFCCD-140(1CD)
イグナツィ・ヤン・パデレフスキ:歌曲全集
4つの歌曲 Op.7/すずらん Op.7(a)
6つの歌曲 Op.18/森の中で/カチュール・マンデスの詩による12の歌 Op.22
アンナ・ミコワイチク=ニェヴィエジャウ(S)、
マルチン・タデウシュ・ウカシェフスキ(P)

録音:2020年2月、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・ホール(ポーランド、ワルシャワ)
19世紀後半から20世紀前半におけるポーランドの文化・政治界で最も偉大な人物の一人、イグナツィ・ヤン・パデレフスキの歌曲全集。傑出したピアニストであったパデレフスキの作品はピアノ曲が中心ですが、繊細で多彩、豊かな表現と質感を持った歌曲も人気があります。Op.18はポーランドを代表する国民的ロマン派詩人・政治活動家、アダム・ミツキェヴィチ(1798-1855)の詩に曲を付けたものです。
Chopin University Press
UMFCCD-132(1CD)
J.ヴィエニャフスキ&ルトスワフスキ:歌曲集
ルトスワフスキ:シロンスクの3章(ソプラノとピアノ版)
ユゼフ・ヴィエニャフス:歌曲集 Op.50(ソプラノとピアノのための)
ルトスワフスキ:お花の歌とお話の歌(ソプラノとピアノ版)
アンナ・ミコワイチク=ニェヴィエジャウ(S)、ロベルト・モラフスキ(P)

録音:2019年11月、2020年(ポーランド、ワルシャワ)
管弦楽付き声楽曲で知られるルトスワフスキの楽曲、「シロンスクの3章」をイェジ・コルノヴィチとロベルト・モラフスキが、「お花の歌とお話の歌」をエウゲニシュ・クナピクとロベルト・モラフスキが、それぞれソプラノとピアノ用に編曲。
ユゼフ・ヴィエニャフスキは、ヴァイオリンの名手としてあまりにも有名なヘンリク・ヴィエニャフスキの弟でありますが、彼もまた優れたピアニストとして活躍し、作曲家としても多様な作品を遺しています。本アルバムには6曲からなる「歌曲集 Op.50」が収められ、豊かで多彩なメロディに触れることができます。ポーランド(シレジア地方)の民俗的な詩が使われた「シロンスクの3章」(シレジア三部作)はポーランド語で、ハイネ、ゲーテ、ミュラーの詩を用いたヴィエニャフスキの「歌曲集 Op.50」はドイツ語で、ロベール・デスノスの児童向け詩集から9編を選んだ「お花の歌とお話の歌」はフランス語で歌われています。

RUBICON
RCD-1100(1CD)
アーウェル・ヒューズ(1908-1988):3人の独唱、合唱と管弦楽のためのオラトリオ 「デヴィ・サント(聖デイヴィッド)」(オリジナルのウェールズ語歌唱版世界初録音) オウェイン・アーウェル・ヒューズ(指)、
BBCウェールズ・ナショナルO&cho、
スーザン・ブロック(S)、
ポール・キャリー・ジョーンズ(Bs-Br)、
ロドリ・プリース・ジョーンズ(T)
ロイヤル・フィルを振ったシベリウスの交響曲全集録音で国際的な存在感を増しているウェールズの指揮者オウェイン・アーウェル・ヒューズ(b.1942)。Rubiconレーベルでの新たな録音は、オウェインの父親にあたる作曲家・指揮者アーウェル・ヒューズ(1908-1988)のオラトリオを取り上げました!
アーウェル・ヒューズはウェールズの炭鉱労働者の10番目の息子として生まれ、英国王立音楽カレッジで学び、ゴードン・ジェイコブ、ホルスト、ヴォーン・ウィリアムズを師と仰ぎました。第二次世界大戦中はBBCに勤務し、BBCウェールズの音楽部長を務めています。1951年のイギリス祭(Festival of Britain)のために作曲された『デヴィ・サント(聖デイヴィッド)』は、彼の友人でBBCの同僚でもあったAneurin Talfan Daviesが、ウェールズの守護聖人であるデイヴィッド(c.520-588)の生涯に基づいて書いたテキストを用いたオラトリオで、メロディアスでありながらドラマティックでもあり、素晴らしい技巧が凝らされた作品となっています。
同曲は1990年にも同じオウェイン・アーウェル・ヒューズ&BBCウェールズ・ナショナルOによってChandosに録音されていますが(ソリストは別)、当時は英語歌唱版だったため、オリジナルのウェールズ語のテキストを歌ったウェールズ語版は世界初録音となります。ソリストも、スーザン・ブロックを始めとするウェールズに縁のある一流歌手たちが集い、理想的なウェールズ・オラトリオのレコーディングが実現しました。
1942年にウェールズのカーディフに生まれたオウェイン・アーウェル・ヒューズ(オワイン・アルウェル・ヒューズ)は、作曲家・指揮者として成功したアーウェル・ヒューズの息子として育ち、ボールト、ハイティンク、ケンペらに指揮を学び、40年以上にわたって情熱的な音楽制作を続けてきました。日本での知名度はまだ途上ながらも、欧米では堅実に評価を積み重ね、2009年にはCBE(大英帝国勲章第3位)を受勲している実力者です。

Rondeau
ROP-6250(1CD)
サミュエル・ランペル:安息日のための夕べの祈り フィリップ・ゴールドマン(指)、
ライプツィヒ・シナゴーグcho、
アサフ・レヴィティン(Bs-Br)、
イヴォ・ムラヴェリ(Org)
1884年生まれのサミュエル・ランペルによる「安息日のための夕べの祈り」。ドイツ系ユダヤ人として生まれた彼は、ユダヤ教やその文化を広めるために貢献しました。1928年に出版された『カントールと混声合唱のためのシナゴーグ聖歌集』では、ユダヤ教で頻繁に行われるカバラット・シャバットの儀式を音楽にしました。この曲集は今でもユダヤ教徒の間で親しまれており、ライプツィヒ・シナゴーグ合唱団は、この作品が作曲されたまさにその地で録音を行っています。
Rondeau
ROP-405253(2CD)
バッハ:ミサ曲 ロ短調 BWV232 聖トーマス教会cho、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO、アンドレアス・ライツェ(指)、ミリアム・フォイアージンガー、マリー・ヘンリエッテ・ラインホルト、クロード・アイヒェンベルガー、ゲオルク・ポプルツ、ヘンリク・ベーム

録音:2022年11月3日-6日、聖トーマス教会(ライプツィヒ、ドイツ)
約800年にもおよぶ歴史を持つライプツィヒの少年合唱団、聖トーマス教会合唱団(聖トーマス教会少年合唱団、ライプツィヒ聖トーマス教会聖歌隊などとも)。大バッハが27年間カントル(トーマスカントル/楽長)を務めたこの由緒ある合唱団に2021年9月、大バッハ以後第18代目のカントルにアンドレアス・ライツェが就任しました。そして2022年、豪華ソリスト陣を迎えて臨んだクラシック音楽史上最高傑作ともいわれる大バッハの集大成「ロ短調ミサ」をレコーディング、カントルとしてのファースト・アルバムが待望のリリースとなります!
アンドレアス・ライツェ(アンドレアス・ライゼ)は1975年、スイスのゾロトゥルン出まれ。ベルン、チューリッヒ、ルツェルン、バーゼル、グラーツで教会音楽や鍵盤楽器、合唱とオーケストラの指揮を学びました。以来多くの劇場やコンサートホールに招かれて指揮台に立っているほか、自身が結成したピリオド楽器アンサンブル「カントゥス・フィルムス・コンソート」を率いてRondeauレーベルにモンテヴェルディの大作「ポッペーアの戴冠」のナポリ稿完全版を世界初録音(ROP-6237384)するなど、活動の幅をますます拡げ注目を集めています。典礼や教会暦にも精通し、少年合唱の豊富な指導経験が認められ、宗教改革以後初となるカトリックのスイス人トーマスカントル(これまではプロテスタントのドイツ人であった)としても話題を呼んだ新時代のカントル、ライツェによる渾身の「ロ短調ミサ」。聖トーマス教会合唱団の明るい未来を確信させる素晴らしいアルバムの登場です。

Challenge Classics
CC-72934(1CD)
ラスト・エピファニー
ブラームス:ドイツ民謡集 WoO33
All mein Gedanken, No.30/ Mein Madel hat einen Rosenmund, No.25/ Feinsliebchen, No.12 / Jungfraulein, soll ich mit Euch gehen, No.11/ Die Sonne scheint nicht mehr, No.5 / Erlaube mir, feins Madchen, No.2/ Sagt mir, o schonste Schaf’rin mein, No.1/ Es steht ein Lind’, No.41/ Gar lieblich hat sich gesellet, No.3/ Sonntag, Op.47-3/ Wach auf, Mein’ Herzensschone, No.16/ Es wohnet ein Fiedler zu Frankfurt am Main, No.36/ In stiller Nacht, No.42/ Ach Gott, wie weh tut scheiden, No.17/ Soll sich der Mond nicht heller scheinen, No.35/ Da unten im Tale, No.6
ノルベルト・グランズベルグ(1910-2001):追憶 〜ホロコースト歌曲集
Im Gefangnis / Abschied / Fur Ule / Alter Baum / Nachtgedanken / Der Ofen von Lublin / Versprich mir eins / Die letzte Epiphanie / Lied zur guten Nacht / Greta / An die Volker der Erde
シューベルト:夕星 D.806
ティロ・ダールマン(Bs-Br)
ヒダイエット・ヨナス・ジェディカー(P)

録音:2022年5月2-5日
蒔いた種を、見守ることもなく…」シューベルトの『夕星』で終わるこの歌曲アルバムには、19世紀を生きたブラームスと、20世紀を生きたグランツベルクに よる、これ以上ないほど対照的な楽曲が並んでいます。グランツベルクはナチの台頭を受けてドイツからフランスに渡り、エディト・ピアフの歌を多く書くなどして 活躍した作曲家です。
音楽の無邪気さ、喜びを体現したブラームスの『ドイツ民謡集』に、ホロコーストを知る作曲家グランツベルクによる『追憶 〜ホロコースト歌曲集』をカップリン グ。後者はたいへん美しい響きを持っているのにただただ痛ましいだけで、1世紀を隔てての文化の断絶が強烈に迫ってきます。音楽の傑作とは何なのか、考えさ せられる1枚。 (Ki)

FIRST HAND RECORDS
FHR-148(1CD)
ファニー・ヘンゼル(ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル)(1805-1847):歌曲集
[1820年]
Wenn ich ihn nur habe * / Die Schonheit Nicht, Madchen * / Wohl deinem Liebling *
[1823年]
Der Abendstern # / Die sanften Tage * / Der Sanger * / An die Entfernte
[1824-26年]
Auf der Wanderung * / Abschied * / Mond* / Sehnsucht [H-U190]
[1827年]
Sehnsucht [H-U192] * / Maigesang / Seufzer * / An den Mond* / An die Ruhe * /
Sehnsucht [H-U203] * / Sehnsucht [H-U205] / Umsonst * / Suleika
[1828-33年]
Sehnsucht [H-U217] / Nacht / In der Ferne *
[1835-38年]
Uber allen Gipfeln ist Ruh’ / Ach, die Augen sind es wieder / Das Meer Erglanzte / Ich wandelte unter den Baumen
[1840-44年]
Der Furst vom Berge / Traurige Wege / Dammrung senkte sich von oben / Traum / Mutter, o sing mich zur Ruh’ *
[1846年]
Erwache Knab’, erwache * / Vorwurf
ジェニファー・パーカー(Ms)
ステファニー・ウェイク=エドワーズ(Ms)
ティム・パーカー=ラングストン(T)
ジェームス・コールマン(P)
ジュヌヴィエーヴ・エリス(P)
エヴァン・ギルフォード(P)

録音:2023年1月3-8日/ライプツィヒ、メンデルスゾーンハウス
* 初録音
# 商業用初録音
フェリックス・メンデルスゾーンの姉で、ピアノ曲や歌曲を残しているファニー・ヘンゼル。その生涯については多くのことが研究者によって明らかにされ、たく さんの手書き譜も見られるようになりましたが、肝心の音楽についてはまだあまり知られていません。この現状を打破すべく、ヘンゼルの歌曲を研究し「HENSEL SONGS ONLINE」(henselsongsonline.org)に239曲の歌曲の楽譜を公開しているテノール歌手、ティム・パーカー=ラングストンを中心としたメンバー による、貴重な初録音を含む歌曲集が登場しました。ヘンゼル自身もかつて暮らしていた、メンデルスゾーンハウスでの録音。
アルバムはヘンゼルが10代の頃の初期作品にはじまり、晩年にかけて年代順に展開。先へ進むにつれ書法が発展し、音楽的にもどんどんと表現豊かになってい くのが聴き取れます。最後に収録された「Vorwurf」はヘンゼルの作品10として、作曲家の死後に弟フェリックスによって出版された作品。

ATMA
ACD2-2856(1CD)
おじいさんのうた
ホセ・アルフレード・ヒメネス
(1926-1973):Paloma Querida / Deja que salga la Luna
モイセズ・シモンズ(1889-1945):Martha
アグスティン・ララ(1897-1970):Espanolerias
フランシスコ・ロペス(1916-1995):Mexico
アルフォンソ・エスパルサ・オテオ:Dime Que Si
クアテス・カスティージャ:El Pastor
ラファエル・エルナンデス:Diez Anos
ホセ・アルフレード・ヒメネス(1926-1973):La Noche de Mi Mal
マリア・グレベール(1885-1951):Jurame
マヌエル・アルバエス・マシステ(1892-1960):Virgencita de Talpa
ペドロ・ガリンド・ガラルサ& エルピディオ・ラミレス(1906-1989/1882-1960):La Malaguena
ホセ・アンヘル・エスピノーザ(1919-2015):Echame a mi la culpa
ホセ・F.エリソンド& F. メネンデス(1880-1943/ ?):Ojos tapatios
アントニオ・フィゲロア(T)
ラ・ファミリア・フィゲロア

録音:2021年7月5-9日/ケベック
モントリオール出身のテノール歌手で、オペラ界でも活躍しているアントニオ・フィゲロアがメキシコの伝統的な歌を取り上げました。これらは彼の子供時代の個 人的な記憶に深く結びついた音楽だそうで、メキシコからの移民一家が故郷の文化を温かく伝えながら新しい社会に溶け込んでいく物語を描いたアルバムである とも語っています。マリアッチバンド「ラ・ファミリア・フィゲロア」の伴奏にのって、敬意と情熱をもって歌い上げるメキシコの歌をお聴きください。 (Ki)
ATMA
ACD2-2836(1CD)
バッハ:6つのモテット BWV225-230
歌え、主に向かい新しい歌を BWV225
イエス、わが喜びよ BWV227
御霊は我らの弱さを支え助け給う BWV226
来たれ、イエスよ、来たれ BWV229
恐れるな、私はあなたと共にいる BWV228
主を讃えよ、すべての異邦人よ BWV230
リゼット・カントン(指)
オタワ・バッハcho

録音:2021年10月16-17、23-24日/オタワ
2002年にリゼット・カントンによって創設されたオタワ・バッハ合唱団は、バッハの声楽作品をレパートリーの中心としながらあらゆる時代の音楽を演奏する グループで、カナダ屈指の合唱団として国内外から高く評価されています。バッハの合唱曲中、とりわけ瑞々しく美しいこれら6曲のモテットは、この合唱団の歌唱 を堪能するにふさわしい作品と言えるでしょう。

Paraty
PTY-3231134(1CD)
わが夢のご婦人
作者不詳:カセレスの子守唄
アンリ・コレ:マリアーナ/セギディーリャ/レリヒオーサ
エミリアーナ・デ・スベルディア:子守歌/グアヒラ/ジプシーのコプラ
イベール:テーブルの下/ドン・キホーテの別れの歌
ラパーラ:闘牛のように/不幸のソレア/あるスペイン人への手紙
イベール:星の子守歌
ロルカ:18世紀のセビリャーナス/チニータスの酒場/ハエンのムーア娘たち/セビーリャの子守唄/ドン・ボイソのロマンセ
イベール:死の歌
作者不詳:ムルシアの子守唄
アンサンブル・イル・カラヴァッジオ【 ギ エム・ウォルムス(Bs-Br)、カミーユ・ドラフォルジュ(Cemb)、ロナルド・マーティン・アロンソ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)】

録音:2020年ラ・シテ・ド・ラ・ヴォワ
アンダルシアやスペインをテーマにした歌曲を集めていますが、大半はフランスの作曲家によるもので、想像上のスペイン旅行となっています。本物のスペインと して作家ロルカのスペイン民謡集から5曲が選ばれています。
フランスの若手古楽奏者たちを集めたアンサンブル・イル・カラヴァッジオ。ギエム・ウォルムスがスペイン語を駆使しているのも注目。フランスの作曲家たちが 夢見たスペインにご期待ください。 (Ki)
Paraty
PTY-2522057(1CD)
アンチ・メランコリクス
バッハ:教会カンタータ集
(1)第131番「主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ」BWV131
(2)第13番「わが溜息、わが涙は」BWV13
(3)神の時は最上の時なりBWV106
エロディ・フォンナール(S)、ウィリアム・シェルトン(A)、トーマス・ホッブス(T)、ロマン・ボックレル(Bs)
オリヴィエ・スピルモン(指)アンサンブル・アリア・メン

録音:2021年9月12-15日サン=ジョス教会(モントレイユ=シュル=メール)
タイトルはアウグスト・ファイファーの本のタイトル。ルターにとり憂鬱は悪魔の食べ物で、ここに収められた3つのカンタータには、その思想が反映されています。
オリヴィエ・スピルモンは1979年生まれのフランスのチェンバロ奏者で指揮者。2012年にバロック音楽専門の団体アンサンブル・アリア・メンを創設。バッハ作品とりわけワイマール時代のカンタータに力を注いでいます。

Coviello
COV-92305(1CD)
ヒンデミット:歌曲集『マリアの生涯』 イヴ ォン ヌ・フリードリ(S)
コンスタンティン・アレックス(P)

録音:2021年10月15-18日ベルリン、エールベルク教会スタジオ
グレン・グールドが「史上最高の歌曲集」と評したことでも知られるヒンデミットの『マリアの生涯』。リルケによる詩を美しく歌いながらも、ヒンデミット流のネ オ・バロック的ピアニズムがあふれだして独特の味わいをもたらす作品です。スイスのソプラノ歌手、イヴォンヌ・フリードリによる歌唱。 (Ki)

Dynamic
DYNDVD-37981(DVD)
NX-D05

DYNBRD-57981(Bluray)
NX-D05
ピツェッティ:ソフォクレスの『オイディプス王』への3つの交響的前奏曲
ストラヴィンスキー:オペラ=オラトリオ「エディプス王」
エディプス王・・・AJ. グリュッカート(T)
ヨカスタ・・エカテリーナ・セメンチュク(Ms)
クレオン・・アレックス・エスポジト(Br)
ティレシアス・・・アドルフォ・コッラード(Bs)
羊飼い・・ルカ・ベルナール(T)
使者セバスティアン・ガイヤー(Bs-Br)
ナレーターマッシモ・ポポリツィオ
フィレンツェ五月音楽祭O&cho
ダニエレ・ガッティ(指)
映像監督:ティツィアーノ・マンチーニ

収録:2022年6月30日
サーラ・ズービン・メータ(フィレンツェ五月音楽祭歌劇場)
収録時間:79分
音声:イタリア語・ラテン語
PCMステレオ2.0/DTS5.1(DVD)
PCMステレオ2.0/DTS-HD Master Audio5.1(Blu-ray)
字幕:日本語、ラテン語、イタリア語、英語、フランス語、ドイツ
語、韓国語
画角:16/9 NTSC All Region
DVD…片面単層ディスク
Blu-ray…片面単層ディスク 1080i High Definition
古代ギリシャ悲劇の最高傑作の一つに挙げられる『オイディプス王(エディプス王)』を素材にして、ピツェッティとストラヴィンスキー(1882- 1972)という同時代を生きた二人の作曲家が書いた対照的な作品を並べた意欲的なコンサートのライヴ映像。 「ソフォクレスの『オイディプス王』への3つの交響的前奏曲」はピツェッティ24歳の作品。ミラノの劇場でのソフォクレス:『オイディプス王』上演のために書かれ ました。バロック音楽やルネサンス音楽に対して強い関心を持っていたピツェッティが古代ギリシャに思いを馳せて書いた清澄な響きが興味を惹きます。 一 方、オペラ=オラトリオ「エディプス王」は、ジャン・コクトーがソフォクレスの『オイディプス王』に依って書いた台本のラテン語訳詞にストラヴィンスキーが作曲し、 1927年、バレエ・リュスのパリ公演の一環として作曲家自身の指揮で初演。翌1928年、ベルリンでこの作品を上演したクレンペラーは「「エディプス王」は (…中略)クロール・オーパーで採り上げた現代作品の中で、私に最も大きな喜びを与えた作品でした」(白水社刊「クレンペラーとの対話」)と語っています。 この演奏会では同じギリシャ悲劇をテーマとしながらも、かたや清澄な抒情とドラマを併せ持つ管弦楽曲、こなた叙事性に重きを置いたナレーション付きの声 楽による音楽劇、という対照的な性格の2つの作品をカップリング。近・現代作品の解釈に定評のあるダニエレ・ガッティのタクトのもと、フィレンツェ音楽祭管 弦楽団(&cho、独唱陣)による端正なたたずまいと高い緊張感に貫かれた演奏が聴きものです。
DynamicCDS-7981(1CD)
NX-B03
ピツェッティ:ソフォクレスの『オイディプス王』への3つの交響的前奏曲
ストラヴィンスキー:オペラ=オラトリオ「エディプス王」
エディプス王・・・AJ. グリュッカート(T)
ヨカスタ・・エカテリーナ・セメンチュク(Ms)
クレオン・・アレックス・エスポジト(Br)
ティレシアス・・・アドルフォ・コッラード(Bs)
羊飼い・・ルカ・ベルナール(T)
使者セバスティアン・ガイヤー(Bs-Br)
ナレーターマッシモ・ポポリツィオ
フィレンツェ五月音楽祭O&cho
ダニエレ・ガッティ(指)

録音:2022年6月30日
サーラ・ズービン・メータ(フィレンツェ五月音楽祭歌劇場)
古代ギリシャ悲劇の最高傑作の一つに挙げられる『オイディプス王(エディプス王)』を素材にして、ピツェッティ(1880- 1968)とストラヴィンスキー(1882-1972)という同時代を生きた二人の作曲家が書いた対照的な作品 を並べた意欲的 なコンサートのライヴ録音。 「ソフォクレスの『オイディプス王』への3つの交響的前奏曲」はピツェッティ24歳の作品。ミラノの劇場でのソフォクレス:『オイ ディプス王』上演のために書かれました。バロック音楽やルネサンス音楽に対して強い関心を持っていたピツェッティが古代ギ リシャに思いを馳せて書いた清澄な響きが興味を惹きます。ストラヴィンスキーのオペラ=オラトリオ「エディプス王」は、ジャン・ コクトーが『オイディプス王』に依って書いた台本のラテン語訳を用いたナレーション付きの音楽劇。 1927年、バレエ・リュス のパリ公演の一環として作曲家自身の指揮で初演されました。 ここではダニエレ・ガッティの指揮の下、端正なたたずまいと 高い緊張感に貫かれた演奏が聴きものです。

TUDOR
TUD-7212(1CD)
AVE GENEROSA
1. Attende Domine - グレゴリオ聖歌
2. Victimae paschali laudes - グレゴリオ聖歌
3. オラ・イェイロ:Ubi caritas
4. カザルス:O vos omnes
5. ビクトリア:Tenebrae
6. フランソワ・パンティヨン:Une Croix (詩: Maurice Budry)
7. アレグリ:Miserere mei, Deus
8. ルドルフ・マウエルスベルガー:Herr, lehre doch mich:
9. フランツ・ビーブル:Ave Maria / Angelus Domini
10. Joseph Reveyron:Psaume du Serviteur
11. オラ・イェイロ:Ave Generosa (詩:ヒルデガルド・フォン・ビンゲン)
12. Vytautas Mi?kinis:Cantate Domino
13. カルロ・ボラー:Christus Vincit
14. アンドレ・ドゥクレ:Notre Pere
15. ジョゼフ・ボヴェ:Veille sur nous
アマリリス・ド・ラ・グリュイエールcho
ニコラ・フラニェール(指)

録音:2022年6月2、9、12、23日
アマリリス・ド・ラ・グリュイエールは、チーズで名高いスイスの山里グリュイエールにある男声合唱団。グリュイエール博 物館の館長アンリ・グルモーとビュルの音楽教師アンドレ・コルボによって1955年に設立されました。アンドレ・コルボ は名指揮者ミシェル・コルボのおじで、ミシェルが音楽の道に進む上で大きな影響を受けた人物です。設立当時は 16人のメンバーで主にスイス民謡を歌っていました。その後、一時活動を中断したものの、1976年に再開。今で はメンバーも36人に増えました。このアルバムではグレゴリオ聖歌からルネサンスのポリフォニー、近現代の宗教曲を 歌っています。ピンポイントで高精度に磨き上げられた歌唱とは少し雰囲気の異なる、あたたかみのあるハーモニー が魅力です。

TOCCATA
TOCC-0667(1CD)
NX-B03
ミャスコフスキー:声楽作品集 第2集〜バリトンとピアノのための歌曲全集
アレクサンドル・ブロークの詩による6つの歌Op. 20(1920)
日の暮れに:フョードル・チュッチェフの詩による3つのスケッチ Op.21(1922)
3つのスケッチ Op.45(1938)
ステパン・シチパチョフの抒情詩集より Op. 52(1940)
長年の歌 Op.87より (1901?36/改訂1950)
 No.1. Thus yearns the soul
 No.6. Song of the Collectors
 No.7. In the struggle with a heavy fate
 No.10. Sonnet of Michelangelo
極地探検隊の2つの歌 (1939)s
イリヤ・クズミン(Br)
ジャムラト・ドゥラーエフ(Br)
オルガ・ソロヴィエヴァ(P)

録音:2018年1月15-22日、2022年1月20日、2019年2月4、18日、2019年3月23日、2022年1月14日
全て世界初録音
27曲の交響曲で知られるロシアの作曲家ニコライ・ミャスコフスキー。このTOCCATAレーベルでのシリーズでは、あまり耳にすることのない彼の声楽作品に焦 点を当てています。第2集にはバリトンとピアノのための歌曲を全曲収録。どれもミャスコフスキーの初期から中期に書かれたもので、テキストにはロシアの抒情 詩が用いられています。また、アルバムの最後に置かれた「極地探検隊の2つの歌」は彼にとっては珍しい大衆のための歌曲であり、1930年代のソ連でブー ムになっていた北極開発の探検家たちの偉業をテーマにしています。とりわけ第1番で用いられたミハイル・スヴェトロフの詩は、プロコフィエフも曲を付けるなど 当時大きな人気を博していたものです。

KLARTHE
KLA-162(1CD)
パリジャンのファリャ
ファャ:3つの歌【T.鳩/U.中国風/V.セギディーリャ】
アンダルシアのセレナータ
前奏曲/あなたの黒い瞳
アンダルシア
7つのスペイン民謡【T.ムーア人の衣装/U.ムルシア地方のセギディーリャ/V.アストゥリアス地方の歌/ W.ホタ/X.子守歌/Y.歌/Z.ポーロ】
クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌
本当の味がするロンダのパン
幼子を腕に抱きしめる母たちの祈り
ポール・デュカスの墓碑銘のための賛歌
マヤ・ビリャヌエヴァ(S)、
ダヴィド・ソーデュブライ(P)

録音:2021年5月23&24日、2021年6月6日パリ地方音楽院内講堂(フランス)
スペインの作曲家ファリャは1907年から1914年までパリに滞在し、同地でデュカス、アルベニス、ラヴェル、ドビュッシーと知り合い人脈が広がりました。当 アルバムではパリ時代の作品からドビュッシーやデュカスの死を悼んで作曲した歌曲までを集めました。名ソプラノ、マヤ・ビリャヌエヴァがファリャの魅惑的な作 品を歌います。 (Ki)
KLARTHE
KLA-164(1CD)
「水辺にて」
ミシェル・ルグラン:わが心の風車
ユベール・ジロー:優しさ
セルジュ・ラマ:孤独の島
ヴァレリー・ラルボー:メルス・エル・ケビール
クルト・ヴァイル:ユーカリ
ドビュッシー:美しき夕暮れ
フォーレ:ゆりかご
ギー・ベアール:河は呼んでる
エディ・マーネイ:アイルランドのバラード
ヘンリー・マンシーニ:ムーン・リヴァー
ヴァレリー・ラルボー:スヘフェニンゲン
ドヴォルザーク:月に寄せる歌
フォーレ:水のほとりで
フランソワ・プーランク:愛の小径
フルール・ミノ(歌)、
ジェローム・ブラジュマン(G)

録音:2022年10月4〜7日ヴィラ・マルゲリータ、ヴィシー(フランス)
『キャンディード』『ウエスト・サイド・ストーリー』『オペラ座の怪人』『マイ・フェア・レディ』などの名作ミュージカルの中から最も美しい作品を集めた「フレ ンチ・キス」(KLA-030)で多彩な表現をみせたソプラノ歌手フルール・ミノ。期待の新譜は、ドビュッシーからミシェル・ルグランまで、フランスのメロディと歌 をテーマにしたアルバム「水辺にて」です。ロマンティックで自由なフランスのメロディとフランスの大衆文化の歌を並べることによって、フランスの多様な音楽を 表現しております。
「当演奏はA’=432Hzにチューニングしております。これは自然や水の周波数に近いと考え、私たちの表現がより自然に伝わると思い選択しました」(フルー ル・ミノ&ジェローム・ブラジュマン) (Ki)

LAWO Classics
LWC-1256(1CD)
シーグル・リ:歌曲集 第1集
シーグル・リ(1871-1904):雪(1899)/ヴィルヘルム・クラーグの詩による6つの歌 Op.1(1892)〔ただお泣き,青ざめ悲しい子よ、ヴァルプルギスの夜、鳥が甲高く鳴いた、世界がみんな歌う、私は鞍をつけ、フィドルよ私を癒してくれ〕/クラーグとカスパリの詩による4つの歌 Op.2(1893)〔私の五月の日の花嫁、賄賂、私は愛するひとを埋葬した、夏の夕べ〕/6つの歌(1895)〔新しい生、彼は傷つき、十二月、母の子守歌、わたしは甘い夢を隠し、金色ちどり〕/ペール・シヴレの詩による5つの歌(1898)〔日蝕、光、春-願い、秋、故郷〕/中声のための歌(1901)〔心はやさしさと若さにあふれ、日の光の歌〕/ヘリェ・ローゼの詩による低声のための8つの歌〔平原、夜、歌、わたしの希望はどこに、黄色と白のボートは、木、メヌエット、秋〕/ヘリェ・ローゼの『王の息子たち』による3つの歌〔子守歌、夏至の日の歌、明るく輝く日だった〕/イーダル・ハンダガールの詩による7つの歌(1902)〔春だ、地球を照らす黄金色の太陽よ、あなたの肌は薄く、海と山、ふりそそぐ日の光、それは鼻歌に似て、夏の朝〕
マリアンネ・ベアーテ・シェラン(Ms)、
ニルス・アンデシュ・モッテンセン(P)

録音:2022年6月7日-10日、11月8日、ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
シーグル・リは1871年にノルウェーのドランメンで生まれ、クリスチャニア(現オスロ)で育ちました。ピアノとヴァイオリンと音楽理論を学び、リンデマン音楽オルガニスト学校の学生だった時、自身の楽器としてヴァイオリンを選びました。作曲をイーヴェル・ホルテルに学び、音楽の道を志す当時のノルウェー青年たちと同じようにライプツィヒに留学。1891年から1893年にかけてカール・ライネッケに教わり、1894年から1895年までベルリンでハインリヒ・ウルバンに師事しました。帰国後、1895年から1898年までベルゲンの「ハルモニエン」オーケストラ(ベルゲン・フィルハーモニックO)のコンサートマスターを務め、1898年にクリスチャニアに戻り中央劇場のカペルマイスターに就任しました。1902年に男声合唱団「ハンデルスタンデン合唱クラブ」の指揮者に任命され、ノルウェー音楽シーンでの活躍を期待されたものの、1904年、結核のためわずか33歳で没しました。後期ロマンティシズムのスタイルによる「交響曲 イ短調」と合唱曲「雪」が特に知られていますが、70を超す数の歌曲も手がけました。多くは生前に出版され、未出版だった15曲はテリエ・マティセンとハンス・マグネ・グレースヴォルが改訂を加え、1999年に『Sanger(歌)』として出版されました。
メゾ・ソプラノのマリアンネ・ベアーテ・シェラン(マリアンネ・ベアーテ・キーラント)がニルス・アンデシュ・モッテンセンと共演してシーグル・レの全歌曲を2枚のアルバムに録音するうちの最初のアルバムとなる今作は「スーパーヒット」の「雪」を含む、生前に出版された作品が歌われます。デンマークの詩人ヘリェ・ローゼ、クリスチャニアで同じ学校に通っていたヴィルヘルム・クラーグ(1871-1933)、テオドル・カスパリ(1853-1948)、ニルス・コレット・ヴォークト(1864-1937)、シーグビョルン・オプストフェルデル(1866-1900)、ペール・シヴレ(1857-1904)、マグヌス・ブローストルプ・ランドスタ(1802-1880)、ニーノシュクの推進にも務めた医師のイーダル・ハンダガール(1874-1959)の詩がテキストの作品です。

GENUIN
GEN-23819(1CD)
シューベルト:冬の旅
冬の旅 Op.89D911第一部(バリトン、イングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏曲版)
ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D959第二楽章(イングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏曲版)
冬の旅 Op.89D911第二部(バリトン、イングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏曲版)
※全てエドゥアルト・ヴェスリー編
フローリアン・ゲッツ(Br)、
グルントマンQ【エドゥアルト・ヴェスリー(イングリッシュ・ホルン)、ウルリケ・ティッツェ(Vn)、ベッティーナ・イーリヒ(Va)、ウルリケ・ベッカー(Vc)】

録音:2022年1月13日-17日&2月7日-11日
シューベルトの名曲「冬の旅」をバリトン、イングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏版という非常に珍しい編成でのリリース!カップリングにはイングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏によるシューベルトの「ピアノ・ソナタ第20番」の第二楽章を収録。全てグルントマン四重奏団のイングリッシュ・ホルン奏者、エドゥアルト・ヴェスリーによる編曲で、木管楽器の柔らかな響きとフローリアン・ゲッツの豊かな歌声が絡み合いピアノ伴奏とはまた違った「冬の旅」を作り上げています。
バリトンのフローリアン・ゲッツは、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校と、ワイマール音楽大学で声楽を学びました。その後パリ・オペラ座、ミュンヘンのガスタイク、ライプツィヒ歌劇場、ダルムシュタット州立劇場などで活躍しています。またアムステルダムのコンセルトヘボウなどにも出演しています。

Glossa
GCD-C81133(1CD)
モーツァルト:アロイージア・ウェーバーのためのアリア集
いえ、いえ、あなたにはできません K.419/アルカンドロよ、わたしは告白する ― どこから来るのかわたしにはわからない K.294/わたしはあなたに明かしたい、ああ! K.418/ああ、もし天に、恵み深い星たちよ K.538/わが憧れの希望よ ― あなたにはどれほどの苦しみかわかるまい K.416/テッサーリアの民よ ― わたしは求めはしません、永遠の神々よ K.316(K.300b)/私の感謝をお受け取り下さい、親切な後援者の皆様 K.383
シンディア・ジーデン(S)、
フランス・ブリュッヘン(指)、
18世紀オーケストラ

録音:1998年5月&9月、ユトレヒト・フレーデンブルフ音楽センター(オランダ)
1777年にモーツァルトが出会った1人の女性、アロイージア・ウェーバー。このアロイージア・ウェーバーは後にモーツァルトの妻となるコンスタンツェの姉であり、「後宮からの逃走」や「悔悟するダヴィデ」、「劇場支配人」などの作品で重要な役を演じるなど輝かしいキャリアを築いたソプラノ歌手であり、そして若かりし頃のモーツァルトが恋心を抱いた初恋の相手です。
モーツァルトがアロイージアのために1778年から1788年の間に作曲を行った7つのコンサート・アリアは、モーツァルトが作品に込めた想いや表現の意図などが現在でも様々な推測を呼んでおり、楽曲の高い完成度はもちろんのこと、不思議な魅力を持ち合わせた傑作として評価されています。
有数のモーツァルト解釈者としての地位を確立しているシンディア・ジーデンが、ブリュッヘン&18世紀オーケストラのサポートを受けて録音された「アロイージア・ウェーバーのためのアリア集」が復刻。シンディア・ジーデンは、上演機会に恵まれないモーツァルトの初期作品や、このアリア集を自身のコンサート・レパートリーとするなどモーツァルトの演奏には特に定評があります。

Da Vinci Classics
C-00745(1CD)
クララ&シューマン:言葉の痕跡〜歌曲とピアノ・トランスクリプション集
献呈/美しき異郷/きみの顔/山と城が見下ろしている/月の夜/今は...(春だ)/ミルテとばらで/告白/くるみの木/きみは花のよう/間奏曲/はすの花/あこがれ/異郷にて(Op.39-1)/春の夜/セレナーデ

※シューマンによる歌曲と、クララ・シューマンによるピアノ編曲版を両方収録(全32トラック
ジュリア・ベアティーニ(歌)、
ヴァレンティーナ・メッサ(P/J.B.シュトライヒャー 1860年製)

録音:2022年10月、キアーヴァリ(イタリア)
シューマンによる珠玉の歌曲16作品を、クララ・シューマンによるピアノ編曲版と並べて収録したDa Vinci Classicsらしい好企画盤。このような歌曲のトランスクリプションはリストが手掛けたものが有名ですが、ここでは夫の作品を妻が編曲したという点で、より特別なものといえるでしょう。1860年に作られたJ.B.シュトライヒャー製のピアノを用いている点もポイントです。

Da Vinci Classics
C-00748(1CD)
べヌス・レイ・ジュニア(1969-):管弦楽作品集
四大元素(ソプラノ、ピアノと管弦楽のための)
メキシコ風バッハ第3番「欲望の踊り」(管弦楽のための)
ソノラ組曲(管弦楽のための)
サイラ・ソリア(S)、
グレタ・シプリアーニ(P)、
サン・ルイス・ポトシSO、
ホセ・ミラモンテス・サパタ(指)

録音:2022年3月(メキシコ)
メキシコのコンポーザー=コンダクター、べヌス・レイ・ジュニア(べヌスティアーノ・レイエス、1969-)の管弦楽作品集。「四大元素」は本作の演奏にも参加しているイタリアのピアニストで詩人のグレタ・シプリアーニのテキストにちなんだ作品で、水、空気、火、土の4つの楽章からなり、原初の元素の力と自然の底知れぬ神秘を描いています。「メキシコ風バッハ第3番」はバロック時代の舞踏組曲にインスピレーションを得た作品。2021年の春に書かれた「ソノラ組曲」は、4つの楽章からなる管弦楽曲で、メキシコ北部のソノラ砂漠の雄大さと神秘を表現しています。

Prima Facie
PFCD-196(2CD)
デュルフレ:レクイエム
ジョナサン・ダヴ:「ミサ・ブレヴィス」よりグローリア、
 天上の宝物、七つの星を創る主を求めよ
イヴ・カスタニェ:ミサ・サルヴェ・レジーナ
オックスフォード大学リンカーン・カレッジcho

録音:2022年6月29日-7月1日
オックスフォード大学リンカーン・カレッジ合唱団が教会音楽の難曲をCD2枚組で収録をしました。パンデミックによって合唱団の活動が壊滅的になったことにより、ある目標を掲げる意味でもこの録音は行われました。レパートリーもデュルフレの「レクイエム」をメインとして、カップリングに現代作曲家の作品を選ぶことにより、未来への希望を持たせてくれるものになっています。

Chopin University Press
UMFCCD-104(1CD)
Ars paschalis
ツェザリー・クンダ編曲:Holy Cross Above All/Improperium T/ゲッセマネ/おお、我がイエス/スターバト・マーテル・ドローローサ/Cry Ye Angels/Improperium U/十字架上の主よ/さらば、愛しい人よ/Our Sheperd Has Left Us/Goodnight Holy Head/Improperium V/Let's Contemplate Today,Faith Christians
エヴァ・バルバラ・ラファウコ(指)、
ヤン・ボクシュチャニン(Org)、
プロ・オペレ(声楽アンサンブル)

録音:2006年&2017年
ツェザリー・クンダ編曲による受難曲。メロディはヤン・シエドレツキが作曲した『教会歌集』から引用し、クンダがさまざまな作曲技法を駆使して一貫性を持たせながら過去へと聴衆を誘うこの作品は、神秘主義と宗教的な思索に満ちています。また「Improperium」はポーランドのオルガン奏者マリアン・サヴァによるものでこの作品により深みを持たせています。
Chopin University Press
UMFCCD-174(1CD)
モーツァルト:レクイエム ニ短調 フレデリック・ショパン音楽アカデミーcho&SO、
リシャルト・ジマク(指)、
マウゴジャタ・ロデク(S)、エルジュビエタ・ヴルブレフスカ(Ms)、イェジー・クネティク(T)、ヴォイチェフ・ジェルラフ(Bs)

録音:2005年4月8日
2005年の4月8日、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が亡くなった直後に収録されたモーツァルト:レクイエムのライヴ録音。優れた指揮者、指導者であり、音楽院の院長も務めたリシャルト・ジマク教授の指揮による演奏で、このアルバムは2021年に亡くなった教授の没後1年に捧げられています。ポーランド音楽界の傑出した人物であるジマク教授の指揮のもと、フレデリック・ショパン音楽アカデミーの学生や教師たちが一丸となって演奏したレクイエム。善や美は悪に勝り、音楽は最も困難な瞬間を乗り切るのに役立つという彼らの信念を表す象徴的な1枚です。

BIS
BISSA-2662(1SACD)
カイヤ・サーリアホ(1952-):合唱曲集
(1)『夜、別れ(Nuits, adieux)』〜4人の歌手とエレクトロニクスのための(1991)
 「夜 I(Nuits I)」 「別れ I(Adieu I)」 「夜 U(Nuits II)」 「別れ U(Adieu II)」
 「夜 V(Nuits III)」 「夜 W(Nuits IV)」 「夜 X(Nuits V)」 「別れ III?V (Adieu III?V)」
(2)『時計さん、黙って!(Horloge, tais-toi!)』〜女声合唱とピアノのための(2005)
(3)『エーコ-!(Echo!)〜8声とエレクトロニクスのための(2007)
(4)『一年の日(Tag des Jahrs)』〜混声合唱とエレクトロニクスのための(2001)
 「春(Der Fruhlin)」 「夏(Der Sommeer)」 「秋(Der Herbst)」 「冬(Der Winter)」
(5)『確信(Uberzeugung)』〜3人の女声、クロタル、ヴァイオリンとチェロのための(2001)
(6)『偵察/再認(Reconnaissance)』〜混声合唱、打楽器とコントラバスのための(2020)
 「長い間で初めての火星人(The First Martian in a Long Time)」 「カウントダウン(Count Down)」
 「(合間:無線傍受(ソラリス))Interlude: Intercepted Radio Transmission (Solaris)」
 「温室(Green House)」 「砂漠の民(Desert People)」 「レクイエム(Requiem)」
(7)『夜、別れ(Nuits, adieux)』〜4人の歌手と合唱のための(1996)(アカペラ版)
 「夜 I(Nuits I)」 「別れ I(Adieu I)」 「夜 U(Nuits II)」 「別れ U(Adieu II)」 「夜 V(Nuits III)」 「夜 W(Nuits IV)」 「夜 X(Nuits V)」 「別れ III?V (Adieu III?V)」
ヘルシンキ室内cho
ニルス・シュヴェケンディーク(指)
(1) (3) (4) ティモ・クル キカンガス(ライヴ・エレクトロニクス、エレクトロニクス)
(2)アンナ・クヴァヤ(P)
(5)(6)ウーシンタ・アンサンブル【イ=ハン・フー(打楽器)、アレクシ・コティラ(Vn)、ヨアシャ・チェスラック(Vc)、エーロ・マルッティラ(Cb)】

録音:2022年8月22〜25日、2022年10月20日ヴィヒティ教会、ヴィヒティ、フィンランド
フィンランドの作曲家カイヤ・サーリアホは、1952年生まれ。シベリウス・アカデミーで、フィンランド・モダニズムの先駆的存在の パーヴォ・ヘイニネンに学び、マグヌス・リンドベリたちと進歩的グループ「コルヴァト・アウキ!(耳を開け!)」を結成して注目されました。1982年からパリの IRCAMで研究を始め、フランスを拠点に、ザルツブルク音楽祭のための歌劇「遥かなる愛」に代表される委嘱作を次々と手がけ、フィンランドを代表する作曲家 のひとりとして活動をつづけています。
フィンランドでは、彼女の70歳の誕生日を祝うコンサート・シリーズ「カイヤ・サーリアホ 70」が2022年10月を中心に行われ、舞台作品と世界初演の作品 など多岐にわたる彼女の作品が演奏されました。ヘルシンキ室内合唱団と芸術監督ニルス・シュヴェケンディークの『Reconnaissance』は、このシリーズの一 環として行われたコンサートの作品によるアルバムです。
「エレクトロニクス付き」と「アカペラ」の2つのバージョンが演奏される「Nuits, adieux」は、眠る子供のためというより、この世に別れを告げる高齢者のた めの「子守歌」という作品。子供の合唱から思いついたという「Horloge, tais-toi!(時計さん、黙って!)」。「Echo!(エーコー!)」は、エーコーとナルキッソス の神話に基づくアレクシ・バリエールの詩的なテクストに作曲され、エレクトロニクス処理による「声」が「こだま」として使われます。人間の声、鳥、風、その他の 自然音にまで「音世界」を広げた、ヘルダーリンの詩による「Tag des Jahrs(一年の日)」。ザルツブルク音楽祭の総監督を離れるジェラール・モルティエへのト リビュートとして音楽祭スタッフから依頼されたという、中世音楽の感覚による「Uberzeugung(確信)」。英語の「偵察」とフランス語の「再認」の両方の意味 をもつ曲名の「Reconnaissance」は「サイエンスフィクション・マドリガル」とでもいう作品。すべての作品でテクストが自由にアレンジして使われ、彼女独自の 音楽表現に実現されました。「Nuits, adieux」と「Tag des Jahrs」をのぞき、世界初録音の作品です。

CASCAVELLE
VEL-1680(1CD)
クララ・シューマンへのオマージュ
シューマン:献呈、蓮華、
 沈黙の愛、夕べの歌、とても愛らしい君の顔
クララ・シューマン:私は暗い夢を見ながら立っていた、
 彼らはお互いを愛し合った、愛の魔力、
 月は静かに上る、静かなる蓮華の花、
 私はあなたの眼を見た
ブラームス:死は冷たい夜、
 わが愛は緑のごとく、夜鶯へ、
 ああもし私が帰り道を知っていたなら、
 やわらげられた憧れ、
 旋律が私を連れて行ってくれるように、
 私の眠りは静かに、 セレナード、
 永遠の愛、五月の夜、
 動かない穏やかな空気、ゆりかごの歌、
 子守歌
アリス・フェリエール(Ms)
ニコラ・ロワイエ(P)、
ピエール=アンリ・ゼレブ(Va)

録音:2022年4月20、25日聖ジャン=ガル寺院
クララ・シューマンの珍しい歌曲を囲むようにしてシューマンとブラームスの 歌曲を配した一枚。メゾ・ソプラノのアリス・フェリエールはソルボンヌ大学で歴史と政治 学を学んだ後、ウィーンでオペラを学んだ一風変わった経歴を持つ。2015年にベルリン で行われた「Das Lied」国際コンペティション、ミュンヘンで行われた「Vokal Gnial」コン ペティションに入賞した。柔らかでしなやかな歌声を持つ若手歌手として今後の活躍が 注目されています。シューマン夫妻とブラームスの歌曲の持つ叙情性、歌謡性が存分に 生かされたアルバム。

GALLO
GALLO-1689(1CD)
ヴィクトル・カリンニコフの晩祷
ヴィクトル・カリンニコフ(1870-1927):晩祷(1914-18)
シュニトケ(1934-1998):3つの聖歌(1988)
チャイコフスキー:ケルビム賛歌
ラフマニノフ:ケルビム賛歌
ヴィクトル・カニンニコフ:ケルビム賛歌
ルノー・ブーヴィエ(指)
レ・ヴォカリステ・ロマンド(混声合唱団)

録音:2022年11月18、19、20日エスタヴァイエ・ル・ジブルー教会
アカペラ混声合唱によるロシア近現代の宗教歌を収録。今日、カリンニコフと言えば2 つの知る人ぞ知る名作交響曲の作曲者で早世したヴァリシー・カリンニコフのことだが、 その弟も作曲家であった。生前は弟ヴィクトルの方が世俗的な意味で成功しており、合 唱のための宗教曲を数多く作曲したが今日ではあまり演奏されることがない。ロシアの大 地から湧き上がるような「晩祷」の荘重な響きは印象的。多様式主義で知られたシュニト ケの3つの聖歌は彼の交響曲や室内楽のようなエキセントリックな現代音楽的要素は一 切皆無。カリンニコフやラフマニノフと見紛うばかりの美しい旋律と和音に溢れており、聴 きごたえ充分。合唱ファン必聴の一枚。

ALPHA
ALPHA-929(1CD)
シューベルト:美しき水車小屋の娘 コンスタンティン・クリンメル(Br)
ダニエル・ハイデ(P)

録音:2022年3月マルクス・シティクス・ホール、ホーエネムス、オーストリア
1993年ドイツ生まれのバリトン、コンスタンティン・クリンメルのALPHAレーベル3枚目のソロ・アルバム。ド イツ・ロマン派のバラード集(ALPHA549)、ウィーン古典派のアリア集(ALPHA892)に続く今作は、待 望の正統派歌曲集「美しき水車小屋の娘」となりました。彼の美しく滑らかな歌声をこれまで以上に堪 能できるアルバムです。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0058(1CD)
それでも、愛は 〜ブラームス:歌曲とピアノ曲
青春の歌 Op.63-5
永遠の愛について Op.43-1
お前の青い瞳 Op.59-8
日曜日の朝 Op.49-1
間奏曲 Op.116-4*
ドイツ民謡集 WoO33より
 第5曲 太陽はもう輝かない
 第6曲 谷底で
 第25曲 私の恋人の唇はバラ色
心変わり Op.48-2
カプリッチョ Op.116-3*
2つの歌曲 Op.91**
カプリッチョ Op.116-1*
4つの厳粛な歌 Op.121(ジャン=ピエール・メクリ編、弦楽四重奏伴奏版) ***
*=ピアノ独奏曲
マリー=クロード・シャピュイ(Ms)
クリスティアン・シャモレル(P)
ハンス・エディジ(Va)**
シネ・ノミネQ***

録音:2021年1月14-16日/スイス、ラ・ショー=ド=フォン、サル・ド・ミュジーク
ブラームス晩年の傑作歌曲『4つの厳粛な歌』を頂点に据え、声楽曲とピアノ独奏曲を絡めて構成したアルバムです。愛について歌いながらも、どこか超越した 雰囲気をもつ形而上学的な音楽が続き、最後の『4つの厳粛な歌』が本来のピアノ伴奏ではなく弦楽四重奏伴奏になっていることで、特別感のあるクライマックス が築かれています。この曲のもつ懐の深さ、一音一音を踏みしめる重みが、原曲とは一味違った質感で表現された魅力的な編曲です。
マリー=クロード・シャピュイはスイスのメゾソプラノ歌手。バロック・オペラや宗教曲での活躍が多く、ノリントン、ヤーコプス、アーノンクール、シャイーらと共演 しています。 (Ki)

SUPRAPHON
SU-4314(1CD)
ドヴォルザーク:合唱曲集
(1)ミサ曲 ニ長調 Op.86B175
(2)聖書歌曲集 Op.99B189より第1〜5曲
(3)テ・デウム Op.103B176
マルチェラ・マホトコヴァー(S)(1)、
スタニスラヴァ・シュカトゥロヴァー(A)(1)、
オルドルジヒ・リンダウアー(T)(1)
ダリボル・イェドリチカ(Bs)(1)、
インジフ・インドラーク(Br)(2)、
マリア・ヘレニタ・オリヴァレス(S)(3)、
ジャンニ・マッフェオ(Br)(3)
プラハ・フィルハーモニーcho
ヴァーツラフ・スメターチェク(指)
プラハSO

録音:(1)1970年3月11日&12日、(2)1969年11月6-10日、(3)1970年4月4日&6日/ルドルフィヌム(プラハ)
ヴァーツラフ・スメターチェク(指)プラハSOの名盤、ドヴォルザークの「ミサ曲 ニ長調」、「聖書歌曲集」より第1〜5曲、「テ・デウム」が再発売いたし ます!ドヴォルザークは信仰心の厚い人であり、宗教曲、教会音楽など聖書に基づく作品はドヴォルザークにとって最も大切にしてきました。
「ミサ曲 ニ長調」はドヴォルザークのパトロンで有力な建築家ヨゼフ・ハラーフカが礼拝堂の落成式のための委嘱作。「聖書歌曲集」はドヴォルザークが好んだ 詩篇をチェコ語訳に合わせた全10曲の作品で当録音では第1〜5曲を収録。そして「テ・デウム」はアメリカ発見400年祭のために作曲された祝祭のための壮 大なカンタータ。他の2作品と同様ドヴォルザークらしい美しいメロディで彩られています。録音当時最高の独唱陣を迎えた記念碑的名盤です。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187064
(1SACD)
メンデルスゾーン:合唱曲集
(1)詩篇第100番「全地よ、主に向かいて歓呼の声をあげよ」MWV B45
3つの詩篇モテット Op.78
(2)第1番〜詩篇第2番「いかなれば諸々の民の立ち騒ぎ」(改定版)MWV B41
(3)第2番〜詩篇43番「神よ、わたしを裁きたまえ」(改定版) MWV B46
(4)第3番〜詩篇第22番「我が神よ、我が神よ、なにゆえわたしを見捨てられるのか」MWV B51
2つの宗教的合唱曲 Op.115
(5)第1番「死せる者は幸いなり」
(6)第2番「思慮深きひとは、さらに輝き」
ドイツの典礼より MWV B57より
(7)第3番「キリエ」
(8)第4番「いと高きにある神に栄光あれ」
(9)第10番「聖なるかな」
(10)夕べの祈り「主よ、わたしたちを憐れみたまえ」 MWV B12
(11)「目を上げて」〜オラトリオ「エリヤ」Op.70より
(12)主はあなたのために天使に命じ MWV B53
3つモテット Op.69
(13)第1番「今こそ主よ、僕を去らせたまわん」 MWV B60
(14)第2番「全地よ、主に向かいて歓呼の声をあげよ」 MWV B58
(15)第3番「わたしの魂は主をあがめ」 MWV B59
(16)聖なるかな MWV B47(世界初録音)
フィリップ・アーマン(指)
MDRライプツィヒ放送cho

録音:2022年9月/パウル・ゲルハルト教会(ライプツィヒ)
名合唱指揮者マーカス・クリードに師事し、主にドイツの放送合唱団で指揮者を務めてきた合唱指揮者フィリップ・アーマン(1974年生) が、現在首席指揮者を務めるMDRライプツィヒ放送合唱団とメンデルスゾーンの宗教合唱曲を録音。
「スコットランド」「イタリア」「真夏の夜の夢」といったオーケストラ作品や、「無言歌」「歌の翼に」といった愛らしい小品の影に隠れがちですが、メンデルスゾー ンにとって合唱曲は、大変重要なジャンルでした。メンデルスゾーンは、パレストリーナやバッハらのルネサンスやバロックの様式だけでなく、ユダヤ教の伝統音楽 の様式も取り入れ、独自の合唱音楽の様式を作り上げました。そのすばらしい音楽は、19世紀ドイツの教会音楽の頂きとされています。このアルバムには、有名な 詩篇のドイツ語訳に付けられた作品からラテン語の作品(Op.115)、そして世界初録音となる「聖なるかな」MWV B47まで、メンデルスゾーンの宗教合唱曲 の概要と言える楽曲が選ばれ、収録されています。約70名という大規模な合唱団をまとめあげ、精緻な響きを生み出すアーマンの手腕はさすがです。
メンデルスゾーンの重要なジャンルである合唱音楽の貴重なアルバムというだけでなく、日本のアマチュア合唱団にとってのまたとないお手本となる歌唱と言え るでしょう。 (Ki)

カメラータ
CMBK-30006
(1CD+BOOK)
税込定価
2023年5月31日発売
古代からの声〜伊福部昭の歌曲作品/藍川由美
平安朝の秋に寄する三つの詩
 秋の夜も名のみなりけりあふといへは事そともなくあけぬるものを(小野小町『古今和歌集』巻十三「恋三」六三五)
 人はこす風にこのはゝちりはてゝよなよなむしはこゑよはるなり(曾禰好忠『新古今和歌集』巻五「秋歌 下」五三五)
 うき事もこひしき事も秋のよの月にはみゆる心ちこそすれ
 人きてかへりぬる十月ばかりに(和泉式部『和泉式部集 正集』五七〇)

ギリヤーク族の古き吟誦歌(伊福部昭 詞)
サハリン島先住民の三つの揺籃歌(伊福部昭 採録)
摩周湖(更科源蔵 詩)
蒼鷺(更科源蔵 詩)
藍川由美(ヴォーカル)
蓼沼明美(P)、百武由紀(Va)、神農広樹(Ob)、竹田勉(Cb)

書籍付きCD
●三方背ケース
●書籍52P+4P
●DVDトールケース

録音:2022年1月
 作曲家・伊福部昭から四半世紀にわたり指導を受け、これまでに演奏 会シリーズ、全歌曲集CDやCDブックなどで彼の音楽の真価を伝えてき た藍川由美。  今回、藍川由美がリリースするのは、2007年に手稿譜が見つかった伊 福部昭作曲「平安朝の秋に寄する三つの詩」を藍川自身が校訂、録音し た音源を中心に、伊福部昭の歌曲作品集CDとその解説本をセットした CDブックです。  知られざる伊福部のこの作品の重要性を、藍川が自身の歌唱と筆で解 き明かし、伊福部昭歌曲の真髄を伝える伊福部ファン必携の労作です。(カメラータ)

Gramola
GRAM-99297(1CD)
シューマン:歌曲集
リーダークライス Op.24
二人の擲弾兵 Op.49No.1
ベルシャザール Op.57
詩人の恋 Op.48
ダニエル・グートマン(Br)
マクシミリアン・クロマー(P)

録音:2022年12月16-19日
オーストリア出身、ゲルトナープラッツ劇場のアンサンブル・メンバーとして活躍するバリトン歌手、ダニエル・ガットマンと マクシミリアン・クロマーによるシューマンの歌曲集。"歌の年"に書かれたハイネの詩による「リーダークライス」と「詩人 の恋」では若者の切ない心情を、甘やかな声で切々と歌い上げています。ピアノのクロマーは室内楽と歌曲伴奏に 力を入れ、国際フェスティヴァルやコンサートホールで幅広く活動するピアニストです。

DIVINE ART
DDX-21106(1CD)
NX-B07
アメリカの合唱作品集
ランドール・トンプソン(1899-1984):アレルヤ
バーバー:アニュス・デイ
エリック・ウィテカー(1970-):黄金の光
コープランド:シンプル・ギフト
コープランド:初めに
バーバー:この輝く夜にきっと
アイヴズ:詩篇67篇
ガーシュウィン:サマータイム - 歌劇「ポーギーとベス」より
伝承曲:シェナンドー(ロビン・ホワイト編)
コープランド:私は猫を買ってきた
バーバラ・ネイラー(Ms)
アルバン・ヴォイシズ(合唱)
ピーター・ジェイケル(P)
ロビン・ホワイト(指)

録音:2022-2023年

アメリカ近現代の作曲家たちの合唱曲を集めた1枚。バーバーの「アダージョ」を無伴奏合唱曲に編曲した心にしみ いる「アニュス・デイ」から、コープランドの愉しい「私は猫を買ってきた」まで様々な曲が集められています。合唱指揮 者のロビン・ホワイトはアレンジャーとしても名高く、このアルバムでも有名なアメリカ民謡「シェナンドー」を見事な合唱 曲に編曲しています。アルバン・ヴォイシズはロビン・ホワイトと故フリーダ夫人によって設立された室内合唱団。ホワ イトが作曲したクリスマスソング「世界の光」が好評を博しています。

Orchid Classics
ORC-100247(2CD)
NX-B03
サミュエル・コールリッジ=テイラー(1875-1912):合唱作品集
【CD1】…宗教曲
1. Te Deum Laudamus
2. The Lord is my strength
3. In thee, O Lord
4. Jubilate Deo
5. O ye that love the Lord
6. Benedictus
7. By the waters of Babylon
8. Arietta アリエッタ(オルガンのための3つの小品)
9. Lift up your heads
10. Magnificat
11. Nunc Dimittis
12. Now late on the Sabbath Day
【CD2】…世俗曲
1. Sea Drift 海流
2. By the lone Sea Shore 孤独な海辺で
3. Whispers of Summer 夏のささやき
4. The Evening Star 宵の明星
5. Elegy エレジー(オルガンのための3つの小品)
6. The Lee Shore リー・ショア
7. Song of Proserpine プロセルピンの歌
8. Summer is gone 夏は去った
9. Melody メロディ(オルガンのための3つの小品)
10. Viking Song ヴァイキングの歌
アリソン・ポンスフォード=ヒル(S)
ジェイムズ・オーフォード(Org)
ロンドン・コーラル・シンフォニアcho
マイケル・ウォルドロン(指)

録音:2023年1月17-19日
ロンドンに生まれ、アフリカ系音楽家のパイオニア的存在として特にアメリカで高い評価を得たサミュエル・コールリッジ=テイラー。この2枚組は彼の宗教的な 合唱曲と世俗的な合唱曲が収録されており、多くは初めて録音されたものです。 コールリッジ=テイラーの合唱音楽に興味を持ち、その音楽性の深さと多様性に感銘を受けた指揮者のマイケル・ウォルドロンによってこのリリースが実現しま した。収録された作品はシンプルな曲からカンタータを思わせる壮大な曲まで多彩な雰囲気をもっています。

Acte Prealable
AP-0549(1CD)
ユゼフ・クログルスキ(1815-1842):宗教音楽集 Vol.2
ミサ曲 ニ長調
アニュス・デイ/葬送ミサ(レクイエム) ニ短調
ハンナ・ザヨンチキエヴィチ(S)、
ドナタ・ズリアーニ(Ms)、マチェイ・ナチク(Br)、
リアン・ユー(Br)、ロベルト・カチョロフスキ(バリトン、オルガン)

録音:2022年11月&12月
わずか27歳でその生涯を終えた作曲家、ユゼフ・クログルスキ(1815-1842)による合唱作品集の第2弾!クログルスキは父親から音楽を学び始め、その後一般音楽学校でカロル・クルピンスキやユゼフ・エルスネルに作曲を師事しました。彼の最初の公開演奏会は1825年に行われ、この時わずか10歳であった音楽家の名声は一気に高まり、「将来有望なピアニスト」と見なされ、「ポーランドのモーツァルト」、「若きリスト」と呼ばれるようになりました。創作活動の面でも驚くほど豊かな才能に恵まれていた彼は、27歳という短い生涯であったにも関わらず、「ピアノとオーケストラのための序曲 ニ短調」のような管弦楽作品、2つのピアノ協奏曲、室内楽、ピアノ、声楽、11の声楽器カンタータ、10のミサ曲という膨大の数の作品を残しています。

Rondeau
ROP-620607(2CD)
フォーレ:宗教音楽全集
汝はペテロなり(c.1872)
詩篇第136篇「バビロンの川のほとりに」(1863)
アヴェ・マリア Op.93
サルヴェ・レジーナ Op.67-1
アヴェ・マリア Op.67-2
小ミサ曲(1881, rev.1906)/祈り(1890)
サンクタ・マーテル(c.1894)
タントゥム・エルゴ Op.55
ベネディクトゥス(c.1880)
アヴェ・マリア(c.1894)
アヴェ・ヴェルム Op.65-1
タントゥム・エルゴ Op.65-2
見よ忠実なしもべ Op.54
アヴェ・マリア Op.posth.(1871)
ラシーヌ讃歌 Op.11
レクイエム Op.48(1888/89年版)
おお サルタリス Op.47-1
恵み深き御母マリア Op.47-2
子どもたちの降誕祭(c.1888-1890)
神のみ子がお生まれになった(1888)
降誕祭 Op.43-1/夜想曲 Op.43-2
レクイエム Op.48(1893年版) より 第2曲「奉献唱」、第6曲「リベラ・メ」
タントゥム・エルゴ(1904)
シュプリンゲ・キリスマ青年cho、
ハノーファー宮廷楽団、
ケノ・ウェーバー(指)、
ロビン・フリンカ(Org)、
ユセフィーネ・ミンドゥス(S)、
ルート・ヘーデ(A)、シュテッフェン・クルーゼ(T)、
コンスタンティン・インゲンパス(バリトン、バス)、
ケア・ラドンス(ソプラノU)、
クリスティアン・ペイシ(P)

録音:2021年8月31日-9月5日、聖ミカエル聖堂(ヒルデスハイム、ドイツ)
2014年から2021年まで芸術監督を務めたケノ・ウェーバーの指揮の下、北ドイツを代表する青年合唱団として知られるシュプリンゲ・キリスマ青年合唱団がフォーレの宗教音楽を初めて全曲録音しました。このプロジェクトは2018年、彼らが「Totensonntag」(死者の日曜日)の礼拝で初めてフォーレのレクイエムを歌ったことがきっかけとなってスタート。1888/89年版レクイエムの親密さ、音色の調和、器楽の鮮やかさに魅せられた彼らはレコーディングを行うことにします。Rondeau Produktionがこのアイデアに共感し、さらには宗教音楽を全曲録音するという提案が生まれ、この大きなプロジェクトに発展していきました。ようやく録音のスケジュールも固まり具体的に動き始めた2020年初めにはCovid-19の拡大によって中断を余儀なくされたものの、少人数での屋外リハーサルやオンライン・リハーサルを重ねることでメンバー全員がその情熱を絶やすことなく燃やし続け、ついに2021年8月から9月にかけて行われたレコーディングをもってこの素晴らしいプロジェクトを完成させました。1877年から1905年にかけてパリの教区教会「ラ・マドレーヌ」で有名なレクイエムをはじめほぼすべての宗教音楽を作曲し、「ラ・マドレーヌ」の少年合唱団を自ら指揮して演奏していたというフォーレの宗教音楽の全貌を、シュプリンゲ・キリスマ青年合唱団の若い歌手たちが瑞々しい歌声で美しく表現します。

Rondeau
ROP-6241(1CD)
R.シュトラウス:歌曲集(無伴奏混声合唱版)
4つの歌 Op.27より 第4曲「明日!」(無伴奏混声16部合唱と独奏ヴァイオリン版)/4つの最後の歌 Op.150(無伴奏混声16部合唱と独奏ヴァイオリン版)/6つの歌 Op.68より 第1曲「夜に」, 第2曲「私は花束を編みたかった」(無伴奏混声6部合唱版)/8つの歌 Op.10より 第3曲「夜」, 第7曲「イヌサフラン」, 第8曲「万霊節」(無伴奏混声8部合唱版)/3つの歌 Op.29より 第3曲「夜の逍遥」(無伴奏混声5部合唱版)/5つの歌 Op.32より 第1曲「愛を抱いて」(無伴奏混声5部合唱版)/5つの歌 Op.15より 第1曲「マドリガル」(無伴奏混声5部合唱版), 第5曲「帰郷」(無伴奏混声8部合唱版)/「はすの葉」の詩による6つの歌 Op.19より 第4曲「二人の秘密をなぜ隠すのか」(無伴奏混声8部合唱版)/5つの歌 Op.48より 第2曲「さまよう心」, 第4曲「冬の霊感」(無伴奏混声4部&5部合唱版)
ザールブリュッケン室内cho
ヘルムート・ヴィンケル(Vn)、
ゲオルク・グリュン(指)

録音:2020年2月22日-24日&2022年2月26日-28日、ザールラント放送協会大ホール(ザールブリュッケン、ドイツ)
R・シュトラウスの有名な歌曲の数々を無伴奏混声合唱のためのアレンジで聴く1枚。歌曲を原曲のアイデアをできるだけ損なわずに無伴奏合唱のために編曲するにはピアノやオーケストラのパートも人間の声に変換する必要がありますが、フランツ・ツィムノルとクリトゥス・ゴットヴァルトの2人は、前奏や後奏などの純粋な器楽部分にも歌詞を加えることで声楽と器楽の間の境界を解消させるなど、様々な手法を駆使して作品の全体性を形成しており、いずれもシュトラウスの意図を確実に保ちながらも作品に新しい聴感と視点を提供しています。声楽パートの歌詞と旋律を伝えると同時に器楽伴奏の役割も担うという非常に高い技術を要求されるアレンジながら、ドイツの著名な室内合唱団の一つに数えられるザールブリュッケン室内合唱団はハイレベルな歌唱技術とアンサンブル能力を披露し見事に歌い上げています。
KLANGLOGO
KL-1546(1CD)
R.シュトラウス:歌曲集
フリードリヒ・リュッケルトによる5つの詩 Op.46
5つの歌 Op.47/3つの歌 Op.29
4つの歌 Op.27より 〔第3曲、第4曲〕
「最後の葉」による8つの詩 Op.10より 〔第1曲、第2曲、第3曲、第8曲〕
トーマス・ラスケ(Br)、
ヴェレーナ・ロイス(P)

録音:2021年9月、ドイツ
ドイツの名バリトン、トーマス・ラスケが歌うR・シュトラウスの歌曲集。学生時代からシュトラウスの音楽に触れ、常にレパートリーの中で大きな役割を果たし、1997年にはミュンヘンのR・シュトラウス・コンクールでも優勝したラスケが、200曲以上に及ぶシュトラウスの豊穣なリート作品から選りすぐりの5つの歌曲集(一部抜粋)をセレクトし、濃密で贅沢な歌唱でお届けします。
トーマス・ラスケはシュトゥットガルト生まれのバリトン歌手。1997年にミュンヘンで行われたR・シュトラウス・コンクールで第1位を獲得。シャイー、ヤンソンス、コープマン、サヴァリッシュなどの著名な指揮者、バイエルン放送響、ベルリン・ドイツ響、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ケルンWDR響、サンクトペテルブルク・フィル、アムステルダム・バロック・オーケストラなどの世界的なオーケストラやアンサンブルと共演してきました。

Eudora
EUDSACD-2304(1SACD)
ヘスス・レギド(b.1943):歌曲集
生(Vida)-Violetas mojadas、Romances del bajo Duero
死(Muerte)-Oracion en silencio
愛(Amor)-Triptico lorquiano、Soledades
ラケル・ロヘンディオ(S)、
イレーネ・アルファゲメ(P)

録音:2022年11月14日-15日、ミゲル・デリーベス文化センター・シンフォニーホール(バリャドリッド、スペイン)
スペインの高音質レーベル、Eudoraによる、SACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、スペインで最も偉大な現代芸術歌曲の作曲家の一人である、ヘスス・レギドの作品集が登場。
1975年のデビュー以来、スペインを代表する歌曲作曲家の一人として活躍するヘスス・レギドは、80年代には多くの作曲賞を受賞し、中でもオルガン曲ではクリストバル・アルフテル賞をしています。
本アルバムでは、レギドの詩的で力強い言葉の3本柱である愛、死、生を巡る作品の数々を、ベルリン・フィル、ボストン響、BBCフィルなど、世界最高峰のオーケストラとの共演や、スペインの名ピアニスト、アレクシス・ムニョスからも絶賛されるソプラノ、ラケル・ロヘンディオの美声で彩ります。
フォーマットはSACD Stereo/MultichannelとMQA-CDのハイブリッドを採用しており、CD層はMQA対応機器を使用することにより、ハイレゾ音源として再生することができます。


SOMM

SOMMCD-0670(1CD)
NX-B04
Stimme der Liebe 愛の声〜イアン・パートリッジの85歳を記念して
シューベルト:歌曲集

春に Op.101No.1/D882
初めての喪失 D226
それらがここにいたことは Op.59No.2/D775
孤独な男 Op.41/D800
夜咲きすみれ(花大根) D752
わが心に D860
囚われの歌人たち D712
月に寄せて Op.57No.3/D193
盲目の子 Op.101No.2/D833
ヴィルデマンの丘をこえて D884
わが揺りかごの前で D927
ただあなたのそばに Op.95No.2/D866
愛は裏切られ Op.23No.1/D751
恋人はそばに D162
アリンデ Op.81No.1/D904
彼女の絵姿 D957/漁師の娘 D957
夜と夢 D827/愛の声 D412
挨拶を送ろう Op.20No.1/D741
イアン・パートリッジ(T)
ジェニファー・パートリッジ(P)
イアン・パートリッジ(P)
アーネスト・ラッシュ(P)

1968-72年 BBC放送音源より初CD化
2023年6月12日に85歳の誕生日を迎えるイギリスの名テノール歌手イアン・パートリッジ。モンテヴェルディやエリザベス朝のリュート曲から、シェーンベルクとブ リテンなどまで幅広いレパートリーを持つパートリッジですが、このアルバムは彼が1968年から72年にかけてBBCラジオで歌った、彼が最も愛するというシューベ ルトの歌曲を20曲収録したものです。多くの曲の伴奏を務めるのは彼の妹ジェニファーで、二人は長らく共演し、多くのリサイタルと録音を行っています。アー ネスト・ラッシュも彼が信頼するピアニスト。またパートリッジ自らピアノを演奏して歌った3曲も収録されています。

CD ACCORD
ACD-318(2CD)
NX-E07
ロッシーニ:小荘厳ミサ曲(1863) Agnieszka Rehlis(Ms)
Andrzej Lampert(T)他
Agnieszka Kopacka-Aleksandrowicz(P)
ワルシャワ・フィルハーモニーcho
バルトシュ・ミハウォフスキ(指)

録音:2018年5月18、19日(ライヴ)
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団の創立70周年記念アルバム。2018年5月18日と19日に行われたロッシーニ 「小荘厳ミサ曲」のライヴを収録した2枚組です。 この作品はロッシーニが晩年に作曲した宗教音楽ですが、90分近い長さにもかかわらず、オーケストラの代わりに ピアノ・デュオとハルモニウムが伴奏するという小さな編成で書かれているため「小荘厳ミサ曲」という名前が付けられ ています。しかしオペラの大家ロッシーニのこと、歌のパートはオペラを思わせる伸びやかで美しい旋律に溢れていま す。全てポーランドの歌手、奏者たちによる華やかな演奏をお楽しみください。

ALPHA
ALPHA-912(1CD)
禁断の果実
作者不詳:恋人にりんごを
フォーレ:楽園にて 〜『レクイエム』 (P独奏)
  「主なる神はエデンの園に木をはえさせた」
アイヴァー・ガーニー(1890-1937):りんご畑
  「主なる神は人を連れてエデンの園に置いた」
ヴォルフ:ガニュメート 〜『ゲーテの詩による歌曲集』第50番
クルト・ヴァイル:ユーカリ
 「人が一人でいるのはよくない」
プーランク:捧げもの 〜『陽気な歌』 FP42-6
  「喜びの園」
レイナルド・アーン(1874-1947):クロリスに
R・シュトラウス:ばらの花輪 〜『4つの歌』 Op.36-1
ヴォルフ:恋人に
  「アダムとその妻は、いずれも裸であったが、恥ずかしいとは思わなかった」
ロジャー・クィルター(1877-1953):今、深紅の花びらは眠り 〜『3つの歌』 Op.3-2
  「そして彼らは結び合い、一体となる」
ヴォルフ:恋人の死を見たいなら 〜『イタリア歌曲集』
ドビュッシー:髪 〜『ビリティスの3つの歌』 L90-2
 「おまえは園のどの木からでも心のままに取って食べてよい」
プーランク:バッカスのクプレ 〜『陽気な歌』 FP42-5
シェーンベルク:アリア 〜「アルカディアの鏡」
  「その木の実は目に美しいかった」
レオネッロ・カスッチ(1885-1975):ジャスト・ア・ジゴロ
グリーグ:悪魔へ
 さて、野の生き物の中で蛇が最も狡猾であった」
プーランク:蛇 〜『動物詩集』 FP15b-1
  「しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない」
シューマン:ローレライ 〜『ロマンスとバラード』 第3集 Op.53-2
シューマン:春の旅 〜『ロマンスとバラード』 第1集 Op.45-2
29. 「おまえは神のようになり、善悪を知るものとなった」
ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847):尼僧
 「彼女はその実を取って食べた」
ローター・ブルーネ(1900-1958):愛は罪になりうるか? 〜『Der Blaufuchs 青狐』
ジェイク・ヘギー(1961-):蛇 〜『イヴの歌』
  「二人の目が開けた」
シューベルト:野ばら D257
シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン D118
ハンス・アイスラー:パラグラフのバラード218
 「蛇が私をだましたのです、それで私は食べました」
シューマン:涙とともにパンを食べたことのない者は 〜『「ヴィルヘルム・マイスター」による歌曲集』 Op.98a-4
「神はケルビムを置き命の木への道を守らせた」
フォーレ:楽園にて 〜『レクイエム』 (P独奏)
マーラー:原光 〜『子供の不思議な角笛』
ベンヤミン・アップル(Br)
ジェームズ・ベイリュー(P)

録音:2020年7月27-30日
フィッシャー=ディースカウ最後の弟子と言われるドイツのバリトン、ベンヤミン・アップルのALPHAレーベル第2弾。エデンの園でアダムとエバ(イ ヴ)が食べた禁断の果実をモチーフとした、民謡からロマン派、近代、現代、そしてミュージカルのナンバーまでを収め、その解釈の多様性を巡 りながら、現代の禁断の果実とはなにか、蛇は今もどこかに潜んでいないかと、問いかける内容となっています。長くパートナーを務めるジェー ムズ・ベイリューとの息もぴったり。曲間にはアップルが語る『創世記』からの語句が短く添えられ、彼の美声と幅広い表現力を様々な角度か ら堪能することの出来るアルバムです。

Linn
CKD-695(1CD)
シューマン:詩人の恋 Op.48
12の詩 Op.35
フローリアン・ベッシュ(Br)
マルコム・マルティノー(P)

録音:2021年12月11-14日 クレア、キルベリー、アーガイル、UK
LINNからの前作「シューマン:リーダークライス/マーラー: さすらう若者の歌」(CKD511)が、2019年BBCミュージック・マガジン・アウォード のヴォーカル部門を制したフローリアン・ベッシュとマルコム・マルティノーのコンビによる、「詩人の恋」が登場。ベッシュは作品に込められた愛と 喪失を深い味わいで歌い上げ、寄り添うようなマルティノーのピアノは歌とほぼ同等の立場で歌詞を補完し、さらに新たな景色を広げていま す。カップリングは歌われる機会の多くはないユティヌス・ケルナーの詩による12の歌曲で、「詩人の恋」と好対照をなす多彩な世界観を楽し ませてくれます。

Linn
CKD-720(1CD)
ニュー・カレッジの委嘱作品と初演作品
ウイリアム・ハリス(1883?1973):天は美し
ハウエルズ(1892?1983):New College Service
ケネス・レイトン(1929?1988):我らのために十字架に架けられ Op.38
ポール・ドレイトン(1944-):New College Service
ケイトリン・ハリソン(1996-):O pastor animarum 魂の牧者
デボラ・プリッチャード(1977-):New College Service
トビー・ヤング(1990-):O God、make the door of this house
オックスフォード・ニュー・カレッジcho
ロバート・クィニー(指)
ドナル・マッカン(Org)

録音:2022年7月18-22日ニュー・カレッジ・チャペル、オックスフォード、UK
オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団が、1920年代から2020年代までの間に委嘱した、あるいは初演をした作品を集めたアルバム。600 年以上の歴史を誇る世界屈指の合唱団がその実力を存分に発揮し、その直近100年を彩った様々な顔を持つ作品を歌い上げていま す。

Capriccio
C-5500(1CD)
NX-B07
クルト・ワイル:作品集

(1)カンタータ『預言者たち』- 音楽劇『永遠の道』(1935)より/デイヴィッド・ドリュー構成
(2)ウォルト・ホイットマンの詩による4つの歌*
(1)ザロモンの声…アルベルト・ドーメン(Br)
僧…クルト・アツェスベルガー(ヴォーカル)
第1の白い天使/時の終わりの天使…ミヒャエル・パプスト(T)
敵対者…ゴットフリート・ホーニック(Br)
ナレーター…アンゼルム・リプゲンス(朗読) 他
ウィーン・ジュネスcho、ウィーン・モテットcho
グンポルツキルヒェン・シュパーツェン(合唱)
(2)トーマス・ハンプソン(Br)

ウィーンRSO
デニス・ラッセル・デイヴィス(指)

録音:オーストリア(ライヴ):1998年5月28日(世界初録音)
2001年7月30日*
「預言者たち」は、当初音楽劇『約束の国への道』の最終第4幕として構想されました。ヴァイルがヨーロッパで書いた最後の作品で、ドイツ語による大規模 な作品としても最後のものです。しかし『約束の国への道』はヨーロッパでの上演機会が得られず、ヴァイルは反ユダヤ主義の風潮を逃れて渡米。1937年に 歌詞を英語にして『永遠の道』と改題してニューヨークで初演されたものの、その長大さゆえか、初演以後に演奏された記録がありませんでした。ここに収録 されたのは、ヴァイルの研究で知られるイギリスの音楽ジャーナリストで評論家デイヴィッド・ドリューがBBCプロムスの委嘱で演奏会用のカンタータとして再構 成したもの。歌詞を当初のドイツ語に戻し、イスラエル人の指揮者Noam Sheriffがオーケストレーションをサポートしています。1998年5月に初演され(当 盤がそのライヴ録音)、同年7月にはプロムスでも上演されました。 併録の『ウォルト・ホイットマンの4つの歌』ではトーマス・ハンプソンの表現力豊かな歌唱が聞けます。

Hanssler
HC-23011(8CD)
バッハ:世俗カンタータ集
■CD1
フェーブスとパンの争い「急げ、渦巻く風ども」 BWV201

■CD2
(1)結婚カンタータ「いまぞ去れ、悲しみの影よ」 BWV202
(2)「裏切り者なる愛よ」 BWV203
(3)「われはおのがうちに満ち足れり」 BWV204

■CD3
(1)「破れ、砕け、壊せ」(鎮まれるアイオルス) BWV205
(2)クォドリベット(断片) BWV524(偽作?)

■CD4
(1)「忍びよれ、たわむれる波よ」 BWV206
(2)「いざ、勇ましきラッパの嚠喨たる調べよ」 BWV207a
(3)「鳴り交わす絃の相和せる競いよ」 BWV207

■CD5
(1)狩のカンタータ「わが楽しみは、元気な狩のみ」 BWV208
(2)「悲しみを知らぬ者」 BWV209

■CD6
(1)結婚カンタータ「おお、やさしき日、待ち望みし時」 BWV210
(2)コーヒー・カンタータ「そっと黙って、お喋りなさるな」 BWV211

■CD7
(1)農民カンタータ「おいらは新しい領主様をいただいた」 BWV212
(2)「われらにまかせて見張りをさせよ」 BWV213

■CD8
(1)「太鼓よとどろき、ラッパよ響け」 BWV214
(2)「恵まれしザクセンよ、汝の幸いをたたえよ」 BWV215
全て、ヘルムート・リリング(指)、

■CD1
シビラ・ルーベンス(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、ロタール・オディニウス(T)、ジェームズ・テイラー(T)、マティアス・ゲルネ(Br)、ディートリヒ・ヘンシェル(Bs)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1996年9月シュタートハレ・レオンベルク
■CD2
(1)シビラ・ルーベンス(S)、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1997年4月リーダーハレ・シュトゥットガルト、モーツァルトザール
(2)ディートリヒ・ヘンシェル(Bs)、ミヒャエル・ベーリンガー(Cemb)、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1998年1月シュタートハレ・ジンデルフィンゲン
(3)シビラ・ルーベンス(S)、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1998年1月シュタートハレ・ジンデルフィンゲン
■CD3
(1)シビラ・ルーベンス(S)、イヴォンヌ・ナエフ(A)、クリストフ・ゲンツ(T)、アンドレアス・シュミット(Bs)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1999年9月シュタートハレ・レオンベルク
(2)シビラ・ルーベンス(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、マークス・ウルマン(T)、アンドレアス・シュミット(Bs)、マイケル・グロス(Vc)、ハッロ・ベルツ(Cb)、ミヒャエル・ベーリンガー(Cemb)/録音:1998年9月シュタートハレ・ジンデルフィンゲン
■CD4
(1)クリスティーネ・シェーファー(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、スタンフォード・オルセン(T)、ミヒャエル・フォッレ(Br)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1994年6月シュタートハレ・レオンベルク
(2)クリスティーネ・シェーファー(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、スタンフォード・オルセン(T)、ミヒャエル・フォッレ(Br)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1995年1月シュタートハレ・レオンベルク
(3)マルリス・ペーターゼン(S)、マークス・ウルマン(T)、クラウス・ヘーガー(Bs)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:2000年3月シュタートハレ・レオンベルク
■CD5
(1)シビラ・ルーベンス(S)、エヴァ・キルヒナー(S)、ジェイムズ・テイラー(T)、マティアス・ゲルネ(Bs)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1996年9月シュタートハレ・レオンベルク
(2)シビラ・ルーベンス(S)、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1998年1月シュタートハレ・ジンデルフィンゲン
■CD6
(1)シビラ・ルーベンス(S)、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1998年1月シュタートハレ・ジンデルフィンゲン
(2)、クリスティーネ・シェーファー(S)、ジェームズ・テイラー(T)、トーマス・クヴァストホフ(Bs)、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1996年5月ヘレンベルク参事会教会
■CD7
(1)クリスティーネ・シェーファー(S)、トーマス・クヴァストホフ(Bs)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、ュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1996年5月ヘレンベルク参事会教会
(2)シビラ・ルーベンス(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、コンスタンツェ・シューマッヒャー(A)、マークス・ウルマン(T)、アンドレアス・シュミット(Bs)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1999年9月シュタートハレ・ジンデルフィンゲン
■CD8
(1)シビラ・ルーベンス(S)、インゲボルク・ダンツ(A)、マークス・ウルマン(T)、アンドレアス・シュミット(Br)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1999年1月、1999年4月シュタートハレ・ジンデルフィンゲン
(2)シビラ・ルーベンス(S)、マルクス・シェーファー(T)、ディートリヒ・ヘンシェル(Bs)、シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム/録音:1999年6月シュタートハレ・レオンベルク
2023年5月29日に90歳を迎える巨匠ヘルムート・リリング。卒寿を記念してヘンスラー・レーベルから過去の名録音からのボックスをリリース。当セットは バッハの世俗カンタータを集めた8枚組です。
2000年にバッハの歿後250年を記念して独ヘンスラー・レーベルがリリースした172枚組の「新バッハ・エディションによる大全集」。この全集から世 俗カンタータを集めたのが当セットです。当録音は国際的バッハ研究家として著名なヘルムート・リリング自ら校訂に参加したベーレンライター新バッハ・エディショ ンを用いて録音され、今では決定的名盤に数えられています。世俗カンタータ集は1994年から2000年にかけて録音され、シビラ・ルーベンス、クリスティーネ・ シェーファー、マティアス・ゲルネら充実の独唱陣を迎えているのも最も大きな魅力です。リリング渾身の演奏をお楽しみください! (Ki)
Hanssler
HC-22008(2CD)
ベルンハルト・セクレス:18の歌曲集 Op.15(詩経〜中国の歌より)(リュッケルト詩)
ピアノのための24の小品集「幻想」 Op.42
ピアノのための組曲第1番Op.34
テヒラ・ニニ・ゴルトスタイン(S)
ヤーシャ・ネムツォフ(P)

録音:2021年3月31日、2021年4月14日、2021年8月11日/ゼンデザール
ナチスの迫害の犠牲となった音楽家・作曲家は数多くいますが、ベルンハルト・セクレス(1872-1934)もその一人。セクレスは生前、同世代で最もよく知ら れた作曲家であり、ドイツのクラシック音楽シーンで極めて重要な存在でした。またホッホ音楽院では10年間院長を務めるなど、後進の育成にも力を注いだ人物 です。温かい人間性が音楽にもあらわれ、生命力あふれる作品を数多く残しております。
当アルバムでは知られざる作曲家に焦点を当て録音を進めているピアニスト、ネムツォフとソプラノ、ゴルトスタインがセクレスの18の歌曲集とピアノのための 作品を演奏しております。 (Ki)
Hanssler
HC-23019(1CD)
エマニュエル・キルシュナー:「シナゴーグの聖歌」より16曲 ニコラ・ダーヴィト(カントール)、ベッティナ・ストリューベル(Org)、オッフェンバッハ声楽アンサンブル・プロフェット、クリストフ・ジーベルト(指)

録音:2022年11月、2023年1月/ルター派福音教会、オッフェンバッハ(ヘッセン)
エマニュエル・キルシュナー(1857-1938)が作曲したユダヤ教の会堂(シナゴーグ)で歌われる聖歌を集めた「シナゴーグの聖歌」からの作品集。当アルバ ムではニコラ・ダヴィドが選曲し、アシュケナジム(ドイツ語圏や東欧諸国などに定住したユダヤ人)からセファルディム(スペイン、ポルトガル、北アフリカ家系であ るユダヤ人)の発音にカントールが音訳した16曲を収録しております。
ブックレットには知られざる作曲家に焦点を当てて演奏・録音活動しているピアニスト、ネムツォフによる解説付(独英)。
「将来的にキルシュナーの音楽がユダヤ教の礼拝で頻繁に取り上げてられるだけでなく、19世紀後半から20世紀前半にかけてのドイツの音楽文化の貴重な一 面として「シナゴーグの聖歌」は歌われることを期待してやまない」(ヤーシャ・ネムツォフ)

FIRST HAND RECORDS
FHR-143(1CD)
ブルックナー:モテット集
見よ、大いなる司祭を WAB13(1885)
アヴェ・マリア WAB6(1861)
タントゥム・エルゴ 変イ長調 WAB41/4(1846 rev.1888)
この場所は神が造り給う WAB23(1869)
パンジェ・リングァ WAB33(1868)
乙女たちは王の前に招き入れられ WAB1(1861)
オルガンのための前奏曲とフーガ ハ短調 WAB131 (1847)
愛する者よ、あなたはすべてに美しい WAB46 (1878)
正しき者の唇は知恵を語る WAB30(1879)
王の御旗は翻る WAB51(1892)
エサイの枝は芽を出し WAB52(1885)
タントゥム・エルゴ ニ長調 WAB32(1845)
ダビデを見出し WAB19(1868)
オルガンのための後奏曲 ニ短調 WAB126(c.1846)
御身の民を救いた給え WAB40(1884)
キリストは従順であられた WAB11(1884)
デヴィ・リース(Org)
アンドリュー・ルーカス(指)
セント・オールバンズ大聖堂cho

録音:7月12・13・20・21日/イギリス、ハーフォードシャー、セント・オールバンズ大聖堂
ブルックナーと言えばなんといっても交響曲ですが、それに次いで存在感のある曲種が宗教的な声楽曲です。敬虔なカトリックであった作曲者の「祈り」がスト レートに表れているという点では交響曲以上とも言えましょう。
11世紀に建てられたセント・オールバンズ大聖堂での録音で、非常に優れた音響がたのしめます。女声ではなく少年合唱を起用した演奏。オルガン曲も収録し ています。 (Ki)

SWR music
SWR-19532CD(4CD)
NX-C05
ベートーヴェン、ベルリオーズ、ブラームスの大作宗教音楽集

【CD1】
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス

【CD2&3】
ベルリオーズ:レクイエム

【CD4】
ブラームス:ドイツ・レクイエム
シュトゥットガルトRSO
ロジャー・ノリントン(指)
【CD1】
アマンダ・ハルグリムソン(S)、コルネリア・カリッシュ(A)、ジョン・エイラー(T)、アラステア・マイルズ(Bs)、南西ドイツ放送ヴォーカル・アンサンブル、北ドイツ放送cho
録音:1999年7月21-23日
【CD2&3】
トビー・スペンス(T)、南西ドイツ放送ヴォーカル・アンサンブル、ライプツィヒ放送cho
録音:2003年5月9日
【CD4】
クリスティーナ・ランツハーマー(S)、フローリアン・ベッシュ(Bs)、南西ドイツ放送ヴォーカル・アンサンブル、北ドイツ放送cho
録音:2014年2月20-21日(ライヴ)
1998年から2011年の13年間にわたりシュトゥットガルトRSOの首席指揮者を務めたロジャー・ノリント ン。このコンビの演奏はどれも、ノリントンが長年積み重ねて来た作品成立当時の演奏法研究の成果を機能性の 高いモダン・オーケストラにつぎ込んだもので、作品のイメージをリフレッシュしたと高く評価されました。この4枚組はノ リントンが得意とした3人の作曲家の宗教曲の大作を収録したもので、ノリントンの看板のひとつであるノン・ヴィヴ ラートから生まれる「ピュア・トーン」はここでも健在です。とはいえ、例えばベートーヴェンの「荘厳ミサ曲」ベネディク トゥスでのヴァイオリンの独奏の美しい旋律にはたっぷりとヴィヴラートが用いられており、その使い分けの見事さにも改 めてうならされます。とりわけダイナミック・レンジが広いことで知られる「死者のための大ミサ曲(レクイエム)」では、3 組の合唱団とバンダを含む規模の大きなオーケストラを率いて、神々しいまでの音楽を聴かせます。2014年録音の ブラームスの「ドイツ・レクイエム」もピュア・トーンを生かした透明感ある美しい響きが特徴です。

ALPHA
ALPHA-981(1CD)
ドビュッシー:海、管弦楽編曲歌曲集
ドビュッシー:夢ごこち - ポール・ヴェルレーヌの詩による10の歌曲【ロビン・ホロウェイ編曲 (Op.118)2012】
 I. やるせない夢ごこち〜忘れられたアリエッタ
 II. 巷に雨の降るごとく〜忘れられたアリエッタ
 III. 木々の影は〜忘れられたアリエッタ
 IV. グリーン〜忘れられたアリエッタ
 V. 角笛の音は森に向かって訴える〜3つの歌曲
 VI. 垣根のつらなり〜3つの歌曲
 VII. 憂鬱〜忘れられたアリエッタ
 VIII. 木馬〜忘れられたアリエッタ
 IX. マンドリン
 X. 海はさらに美しく〜3つの歌曲
 XI. エピローグ (ホロウェイ作曲)
ヴァンニーナ・サントーニ(S)
フランス放送PO
ミッコ・フランク(指)

録音:2022年9月 オーディトリアム、ラジオ・フランス、パリ
ALPHAレーベルからの、ミッコ・フランクとフランス放送フィルによるドビュッシー第2弾。「選ばれし乙女」と「夜想曲」ほかを組み合わせた前作 (NYCX-10297/ALPHA777)同様、声楽を伴う管弦楽曲と純粋な管弦楽曲を組み合わせていますが、今回収録された声楽曲は、ブ ラームスの編曲などでも高い評価を得ている現代イギリスの作曲家ロビン・ホロウェイが、ドビュッシーの「忘れられたアリエッタ」と「3つの歌曲 (メロディ)」ほかを管弦楽伴奏の歌曲集に仕立てたもの。作品へのリスペクトが溢れた編曲で、それぞれの曲が持つ世界観をぐっと広げまし た。歌うのは今注目されているフランスのソプラノ、ヴァンニーナ・サントーニ。大きな評判となったロトとレ・シエクルによる「ペレアスとメリザンド」 (HMF)でメリザンドを歌ったことも記憶に新しい彼女が、艶やかな歌声を披露しています。併せて収録された「海」では、暗い海から立ち上が る色彩感をじっくりと豊かに描いており、ミッコ・フランクとフランス放送フィルの面目躍如たる素晴らしい演奏を聴かせています。

J.S.Bach-Stiftung
C-222CD(1CD)
NX-E03
J. S. バッハ:カンタータ第42集
カンタータ 第2番「ああ神よ、天より見そなわし 】BWV2
カンタータ 第185番「永遠の愛の慈悲深き心よ」 BWV185
カンタータ 第37番「信じて洗礼を受けし者は」 BWV37
アレックス・ポッター(A)
ゲオルク・ポプルッツ(T)
マルクス・フォルペルト(Bs)
レジーナ・カービス(S)
イェンス・ウェーバー(T)
ベルンハルト・ベルヒトルト(T)
マティアス・ヘルム(Bs)
バッハ財団O&cho(古楽器使用)
ルドルフ・ルッツ(指)

録音(ライヴ):2019年6月28日、2007年7月29日、2021年5月21日
第2番「ああ神よ、天より見そなわし」は1724年6月18日の三位一体後第2日曜日用の作品。オルガンに導かれた冒頭の厳格な合唱にはじまり、テノール のレチタティーヴォ、独奏ヴァイオリンが活躍するアルトのアリア、そして美しいバスのレチタティーヴォに続く執拗なリズムの反復が特徴的なテノールのアリアが歌 われ、最後はオルガン独奏が絡むシンプルなコラールで幕を閉じます。 第185番「永遠の愛の慈悲深き心よ」は1715年の三位一体後第4日曜日に初演されたカンタータ。冒頭のソプラノとテノールの二重唱は、神の慈悲と人 間への憐れみが描かれています。その後はさまざまな形でイエスの教えが描かれ、最後はヴァイオリン独奏を伴うコラールで締めくくられます。 第37番「信じて洗礼を受けし者は」は1724年5月18日、キリスト昇天祭のカンタータ。イエスを讃える曲であるにも関わらず、弦楽合奏とオーボエ・ダモーレ 2本という簡素な編成が特徴。第3曲はコラール・コンチェルトの形式で書かれており、歌唱パートと通奏低音の掛け合いが華やかに展開します。バスのレチタ ティーヴォとアリアが続き、最後には晴れやかなコラールが置かれています。
J.S.Bach-Stiftung
C-177CD(1CD)
NX-E03
J. S. バッハ:カンタータ第43集
カンタータ第39番「 飢えたる者に汝のパンを分けあたえよ」 BWV39
カンタータ第89番「エフライムよ、われ汝をいかにせん」 BWV89
カンタータ第138番「何ゆえに悲しむや、わが心よ」 BWV138
ウルリケ・ホーフバウアー(S)
デルフィーヌ・ガルー(A)
マティアス・ヘルム(Bs)
ヌリア・リアル(S)
マルクス・フォルスター(A)
ラファエル・ヘーン(T)
ドミニク・ヴェルナー(Bs)
ユリア・ゾフィー・ワーグナー(S)
アレックス・ポッター(A)
櫻田亮(T)
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(Bs)
バッハ財団O&cho(古楽器使用)
ルドルフ・ルッツ(指揮/チェンバロ)

録音(ライヴ):2022年3月18日、2013年10月25日、2010年9月10日
第39番「飢えたる者に汝のパンを分けあたえよ」は1726年6月23日の三位一体後第1日曜日に初演された作品。貧民ラザロと傲慢な金持ちの末路が比 較されるというエピソードを主に、隣人愛と困っている同胞への助力、そして神の庇護への感謝が描かれています。旧約聖書の言葉を引用した長大な第1曲 をはじめ、美しいアリアが3曲含まれた傑作のひとつ。 第89番「エフライムよ、われ汝をいかにせん」は1723年の三位一体後第22日曜日のための作品。罪深い世の現状に対する神の怒りと、裁きと報復につい ての警告。そして罪深い人がやがて神の救済を待ち望む心境へと変化する様が描かれており、最後は力強いコラールで締めくくられます。 第138番「何ゆえに悲しむや、わが心よ」は1723年9月5日、三位一体後第15日曜日に初演されたカンタータ。この世の富に振り回されてしまう人間の苦 悩を、神に祈ることで解放される様子が、作者不詳のコラールを中心に描かれています。アリアは、メヌエット風の明るさを持つ1曲のみ。これは後にミサ曲ト 長調BWV236に転用されました。

Alba
ABCD-525(1CD)
シューベルト:歌曲集「美しい水車屋の娘」 D795 エーリク・ロウシ(Bs-Br)
ユスタス・スタセフスキー(P)

録音:2021年4月1日-4日 ニューパヴィリオン(カウニアイネン、フィンランド)
フィンランドのバス・バリトン歌手、エーリク・ロウシとピアニストのユスタス・スタセフスキーは、ともに、ヘルシンキとウィーンで学び、2015年からコラボ レーションをスタートさせました。歌曲集「美しい水車屋の娘」を歌ったこのアルバムは、シューベルト歌曲のスペシャリストと言われるようになったデュオの最初の シューベルト録音です。 「わたしたちは「美しい水車屋の娘」をできるだけ多くの『色』をもった、コンサートを彷彿とさせる録音に創りあげることを目標にしました。結果、セッション録音 ではあっても、ストーリーテリングと感情表現を行き渡らせることができました」とロウシは語り、スタセフスキーは、高声のために書かれた歌を音程を下げて歌い ながらも作品の求める若々しい情熱と緑あふれる明るさを保つことができた、と言います。 録音セッションは、カウニアイネンのニューパヴィリオンで行われました。マルユット・ハンヌラがプロデュース、マルック・ヴェイヨンスオ がエンジニアリングを担当。 シューベルトの「冬の旅」を「24景の劇」のように歌ったジェームズ・ラザフォードとユージーン・アスティの「冬の旅」(BIS SA-2410)と同様、歌と歌の間の「空 白の時」を巧みに設計したアルバム作りが行われています。 (Ki)
Alba
ABCD-523(1CD)
愛ってほんとうは〜ブリテン、ウルマン、メシアン歌曲集
ブリテン:キャバレー・ソング(1937-39)
ヴィクトル・ウルマン:リカルダ・フーフによる5つの恋歌 Op.26a(1939)
メシアン:地と天の歌(1938)
イーダ・アントラ(S)
キリル・コズロフスキ(P)

録音:2021年5月27日?30日 ニューパヴィリオン(カウニアイネン、フィンランド)
フィンランドのソプラノ歌手、イーダ・アントラのデビュー・アルバム。第二次世界大戦の前から戦中にかけて作曲された3つの歌曲集を歌っています。 ブリテン の「キャバレー・ソング」、ヴィクトル・ウルマン の「リカルダ・フーフによる5つの恋歌」、オリヴィエ・メシアンの「地と天の歌」。3人の 作曲家は全員、戦争が彼らの人生に大きく関わっています。ブリテンは、開戦が近づくとアメリカに渡り、イギリスに戻ってからは良心的兵役拒否者の申請をしまし た。メシアンは、開戦とともにフランス陸軍の医療部隊に徴募され、ドイツ軍の捕虜となってから1年間を収容所で過ごしました。ウルマンは、ユダヤの家系だった ため、1942年にテレージエンシュタットの収容所に送られたあと、1944年に移送先のアウシュヴィッツ強制収容所で殺害されました。こうした背景をもつ3つの 歌曲集は「愛と希望の真実を伝えるもの」としてアントラの最初のアルバムのプログラムに選ばれました。 ブリテンの「キャバレー・ソング」は、友人のW・H・オーデン(1907?1973)の詩集『Another Time(もうひとつの時代)』に収められていた4つの詩をテ クストにした作品。ウルマンの曲集の詩を書いたリカルダ・フーフ (1864?1947)は、言論の自由を擁護する代表的なひとりだったため、1933年にナチスが 権力を握った時、彼らの教義を支持することを拒否。プロイセン芸術アカデミーの教職を辞任しました。「5つの恋歌」は、彼女が学生時代に書いた詩集『Neue Gedichte (Liebesgedichten)(新しい詩(愛の詩))』から選んだ詩に作曲されました。メシアンの「地と天の歌」は、最初の妻クレール・デルボス(「Mi」) との間に息子パスカル(愛称「ピリュール」)が生まれた一年後、1938年夏に作られた作品です。作曲者自身の書いたテクストは、彼の結婚と家庭生活は神の愛 があってこそ、という信念の表明とみなされています。 イーダ・アントラの執筆した詳細なライナーノートが、ウルマンとメシアンの曲集の歌詞と英訳とともにブックレットに掲載されています。 (Ki)

Albion Records
ALBCD-055(1CD)
ヴォーン・ウィリアムズ:「旅の歌」(1954年初録音音源)
ヴォーン・ウィリアムズ:歌曲集「旅の歌」、静かな午後、ウォーター・ミル、リンデン・リー
フレデリック・キール:3つの海水の歌
マイケル・ヘッド:6つの海の歌より第2曲、第6曲
スタンフォード:海の歌 Op.91より第1曲、第5曲
ジョン・アイアランド:海熱
アルバート・マリンソン:フォー・バイ・ザ・クロック
マルコム・デイヴィッドソン:クリスマス・キャロル
ウォーロック
:ストラットン船長の空想
リチャード・スタンデン(Bs-Br)、
フレデリック・ストーン(P)

録音:1954年秋(ロンドン)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの知られざる作品、埋もれていた作品、未発表作品などを取り上げてきた、ヴォーン・ウィリアムズ協会の自主レーベル「アルビオン・レコーズ(Albion Records)」から、埋もれていた貴重な録音が復刻されます。
1954年の秋にロンドンで録音され、翌年に米Westminster RecordsからLPでリリースされたリチャード・スタンデン&フレデリック・ストーンによるヴォーン・ウィリアムズの「旅の歌」の初の全曲録音(ヴォーン・ウィリアムズの死後に発見され出版された「坂を上り、坂を下りた」を除く8曲)。この録音の存在はヴォーン・ウィリアムズ本人も知っており高く評価していたとされていますが、1960年代初頭にWestminster Recordsを買収したABC-Paramount Recordsやその後原盤権を取得したMCA、そして現在原盤権を保有するDeutsche Grammophonからこれまでにリイシューされたことはありませんでした。ヴォーン・ウィリアムズ協会のロナルド・グレイムズは1959年に再発売された時の2枚のLPから、音の劣化を最小限に抑えてLPの原音にできるだけ近づけるため丁寧な復刻とリマスターを実施、この貴重な名録音が久しぶりにスポットライトを浴びることになりました。カップリングにもしばらく入手できなくなっていた録音を含むブリテン諸島の様々な作曲家による歌曲が収録されています。
リチャード・スタンデンはイギリスの多くの主要な音楽祭で歌い、BBCのリサイタルやコンサートの放送に数多く出演したほか、ヴォーン・ウィリアムズの指揮でバッハの2つの受難曲のソロを務め称賛されるなど、当時のヨーロッパでは名前を知られた歌手でした。フレデリック・ストーンはBBCのスタッフ伴奏者として1930年代からおよそ30年間にわたって活動し、BBCの放送のあらゆる場面で活躍したピアニストです。

Hyperion
CDA-68434(1CD)
アンセム集 Vol.1
エルガー:主は偉大なり Op.67、主に捧げよ Op.74
サミュエル・セバスチャン・ウェズリー(1810-1876): 荒野
ハウエルズ:ハウス・オヴ・ザ・マインド
ポール・スパイサー(1952-):出でよ、ラザロ
パトリック・ガワーズ(1936-2014):ガリラヤの人々
ジェームズ・マクミラン(1959-):主に感謝せよ
フランシス・ポット(1957-):トッカータ
デヴィッド・ベドナル(1979-):エブリワン・サング
ケンブリッジ・トリニティ・カレッジcho、
スティーヴン・レイトン(指)、
ハリソン・コール(Org)、ジョナサン・リー(Org)

録音:2022年1月&2023年1月、イーリー大聖堂(イギリス、ケンブリッジシャー)
イギリス合唱界の名指揮者スティーヴン・レイトンが音楽監督を務める名門ケンブリッジ・トリニティ・カレッジ合唱団、待望のアンセム集がスタート!第1巻はアンセムの歴史において重要な作曲家サミュエル・セバスチャン・ウェズリー(1810-1876)の「荒野 The wilderness」に、ウェズリーを称賛していたエルガーによる2つの代表作「主は偉大なり Great is the Lord」 「主に捧げよ Give unto the Lord」、そして20世紀後半から21世紀に書かれたハウエルズやマクミランらの作品を加えた計9作品を収録(フランシス・ポットのトッカータのみオルガン独奏曲)。古楽から近現代音楽まで幅広いレパートリーを誇る彼らならではのプログラムといえるでしょう。

Records
IC-007(1CD)
愛の歌〜バクリ、デュパルク、フォーレ
デュパルク:旅へのいざない
カントルーブ:センチメンタルな対話
フォーレ
:歌曲集 「優しい歌」
ニコラ・バクリ:歌曲集 「愛の歌」 Op.126-2b
ルクー:夜想曲
ジャケ・ド・ラ・プレール:婚礼の行進
ロズリーヌ・マルテル(S)、
ロレーヌ・ド・ラチュルド(P)、ギヨーム・ラトゥール(Vn)、タニア・パッセンジ(Vn)、モード・ガスティネル(Va)、エレーヌ・ラトゥール(Vc)、パブティスト・アンドリウ(Cb)

録音:2022年5月、フランス
IndesensとCalliopeがリニューアルし再出発したフランスのレーベル、Indesens Calliope Records(アンデサンス・カリオペ・レコーズ)。
20世紀前半のフランスを代表するコンポーザー=オルガニスト、ジョゼフ・エルマン・ボナルの孫娘であるソプラノ歌手、ロズリーヌ・マルテル(=ボナル)。
近代フランスの大作曲家たちの歌曲を歌った『太陽の反射』(CAL2074)に続くロズリーヌ・マルテルのニュー・アルバム『愛の歌(Chants D'amour)』は、ボードレール、ヴェルレーヌ、ヴェルハーレン、ユゴー、アロクールら、フランス語の情感豊かな詩を題材にした、ソプラノとピアノ&弦楽四重奏(or弦楽五重奏)のための歌曲集。David Mawが作曲者自身のオーケストラ版を参考にしながらアレンジしたデュパルクの「旅へのいざない」から始まり、フォーレ自身が声楽、弦楽五重奏とピアノ版に編曲した「優しい歌」、マコンのフランス歌曲コンクールの委嘱で2015年に作曲されたニコラ・バクリの「愛の歌」、ギヨーム・ルクーの「3つの詩」(1892)の第3曲にあたる「夜想曲」、そして未出版であったジャケ・ド・ラ・プレールの「婚礼の行進」の初録音などを収録しています。

299 MUSIC
NIKU-9053(1CD)
税込定価
至福の憧れ〜ゲーテ歌曲の現在
R・シュトラウス:見つけたものOp.56-1 (1903)
クララ・シューマン:すみれ(1853)
ウェーベルン:花の挨拶(1903)
グリーグ:バラの咲く時にOp.48-5 (1889)
シューベルト:5月に寄せてD296 (1815-16) [05:10]
リスト:喜びも悲しみもS280/2 (1849)
リスト:全ての山の頂きに安らぎがS306/2(1859)
リスト:天から来たあなたはS279/1(1842)
ツェムリンスキー:妖精の歌Op.22-4 (1934)
ツェムリンスキー:さすらい人の夜の歌Op.27-12 (1938)
リヒャルト・トゥルンク(1879-1968):ズライカOp.40-5(vor1927)
パウル・デッサウ:愛の歌(1955)
アイスラー:ゲーテ断章(1953)
ウェーベルン:似たもの同士Op.12-4(1917)
伊藤祐二(1956- ):「J.W.v.ゲーテの4つの詩」(2019)〜リーナへ/至福の憧れ
ヴォルフ:「ミニョンの4つの歌」(1888)
 ミニョン第1曲「語らずともよいと言ってください」
 ミニョン第2曲「ただ憧れを知る人だけが」
 ミニョン第3曲「もうしばらくこのままの姿に」
 ミニョン「君よ知るや南の組」
(21)アイヴズ:イルメナウ(vor 1902)
長島剛子(S)、梅本実(P)

録音:2022年8月7、11、16日、相模湖交流センター(ラックスマン・ホール)
ドイツが生んだ文豪が生涯書き続けた「詩」とその世界に心を奪われた作曲家たち ※詩人や劇作家、小説家だけではなく政治家、自然科学者、画家としても才能を発揮したヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲ ーテ(1749-1832)。その豊かな人生を映し続けた「詩」は、時代を超えて多くの作曲家を魅了しています。長年ゲーテ歌曲に 取り組んできたリート・デュオが、今もなお愛される彼の詩と歌曲の因果を紐解き、その真髄に迫る。

PAU
PANU-7014(1CD)
税込定価
「松の舞」〜間宮芳生の音風景
間宮芳生(b.1929):
(1)-(7)「日本民謡集」より(1955-68)
 (1)さそり節(岩手県民謡)/子守唄(秋田県民謡)
 杓子売唄(秋田県民謡)/まいまい(富山県民謡)
 さんさい踊り(富山県民謡)/ちらん節(鹿児島県民謡)
 草切節(鹿児島県民謡)
空の向こうがわ(詩:友竹辰)(1992)
ピアノのための三つのプレリュード(1978)
 夕日のなかの子供たち/鹿おどりの日
 ひかげ通りの子守唄
チェロとピアノのための六つの日本民謡
 田植唄(富山県民謡)/ちらん節(鹿児島県民謡)
 銀鶴節(鹿児島県民謡)/田の草取り唄(愛媛県民謡)
 から臼搗(岩手県民謡)/米搗まだら(長崎県民謡)
「日本民謡集」より(1957-68)
でいらほん(東京都民謡)/南部牛追唄(岩手県民謡)
とのさ(山形県民謡)/銭吹唄(青森県民謡)
松の舞(青森県民謡)
駒ヶ嶺ゆかり(Ms)
水月恵美子(P)、大澤 久(Vc)

録音:2022年8月8-10日逗子YUI コミュニティホール
間宮芳生の声楽作品の中核をなす「日本民謡集」から 12曲と「チェロとピアノのための六つの日本民謡」、「ピアノのための三つ のプレリュード」を併録。日本民謡を出発点とし、その要素を現代の芸術作品へと昇華させた間宮芳生の創作活動を俯瞰すること ができる選曲になっています。 ※間宮芳生先生が 26歳から手がけていらっしゃる日本民謡を題材にした独唱曲は、95 歳の現在まで継続的に作曲されています。 人間の営みが息づく民謡を生身の人間が声にし踊るとき、そこに生命が生き生きと湧き立ってくる。命ある者への慈しみと畏敬の念 がここには流れています。そして人々にとっていかに「音楽」が必要であったかを私達に訴えています。

H.M.F
HMM-905367(1CD)
プッチーニ:グローリア・ミサ&管弦楽作品集
プッチーニ:4声による管弦楽をともなうミサ(グローリア・ミサ)
弦のためのスケルツォ SC56
交響的カプリッチョ SC55
「菊」〜弦楽四重奏のためのエレジーSC65
グスターボ・ヒメノ(指)
ルクセンブルクPO
シャルル・カストロノーヴォ(T)
ルドヴ ィク・テジ エ(Br)
オルフェオ・カタラ

録音:2022年5月14日、6月29日、フィルハーモニー・ルクセンブルク、大ホール
ヒメノ&ルクセンブルク・フィルの2022年録音盤は、オペラ作曲家プッチーニの、宗教作品および管弦楽(器楽)作品という注目の内容です。 ★プッチーニは、5代にわたる教会音楽家一家の末裔でした。10歳前後から聖歌隊員として活動、同時にヴァイオリン、ピアノ、オルガン、作曲 などの教育を受けるようになります。そして14歳の時には、教会オルガニスとして演奏していました。若い頃に作曲された宗教的な作品に、モテット、クレド、そし て1880年に作曲されたこのグローリア・ミサがあります。1876年にヴェルディの「アイーダ」にふれてオペラに専念するようになった、と記述されることも多 いですが、プッチーニの初期の業績が聖歌、室内楽、管弦楽曲であり、そのキャリアを通じて、頻繁ではないにしてもこれらのジャンルの作品を書き続けていたこと を忘れてはなりません。ここには、オペラ以外の初期の作品で最も重要なものが厳選されて収録されております。スケルツォは、1881-83年に書かれた弦楽四重 奏曲の中のひとつの楽章です。
ディスク冒頭はグローリア・ミサですが、男声2つ(テノール、バリトン)をソロにもつ、オーケストラと合唱という大編成。非常にきらびやかな作品で、非常に重 みのある作品。オペラではないのですが、やはり、声の扱いが素晴らしいことがよくわかります。そして声を支える管弦楽も表情豊かで充実。ヒメノ率いるルクセン ブルク・フィルが懇親の力で演奏していることが感じられます。
「交響的カプリッチョ」は、ミラノ音楽院を卒業する際の最終試験のための楽曲。冒頭から壮大なオペラの序曲かはたまた映画の幕開けか、というドラマティック さで、さらにAllegro vivaceの部分は、10年後に作曲した「ラ・ボエーム」の序曲冒頭とまるっきり同じであることに驚かされます。
イタリアでは亡くなった人に「菊」の花を捧げる風習があり、この「菊」(もともとは弦楽四重奏作品ですが、ここでは弦楽オーケストラで演奏)は、スペイン王 (1870-73在位、イタリアのヴィットリオ・エマヌエーレ2世の次男)の死を悼むエレジー。非常にドラマティックな作品です。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187035(1CD)
The Folly of Desire
●Brad Mehldau:The Folly of Desire[The Sick Rose / Leda and the Swan / Sonnet147 / Sonnet75/
Uber die Verfuhrung von Engeln / Ganymede I / Ganymede II / the boys i mean are not refined /
Sailing to Byzantium / Night II / Lullaby]
●Strachey & Maschwitz:These Foolish Things
●Mann & Hilliard:In the Wee Small Hours of the Morning
●Cole Porter:Every Time We Say Goodbye
●Franz Schubert:Nacht und Traume D.827
●Cole Porter:Night and Day
イアン・ボストリッジ(T)、
ブラッド・メルドー(P)

録音:2022年7月/アルトフン・ニュー・モルティングス、サドベリー(イギリス)
現代ジャズの先駆者ブラッド・メルドーと、現代最高のテノール歌手イアン・ボストリッジという、共にグラミー賞の受賞歴を持つ最高級の布陣で紡ぎだした歌曲 集『The Folly of Desire』がPENTATONEレーベルからリリース!
2016年にドイツ・南バイエルンで出会った二人は、食事をするうちに意気投合し、そこからお互いのコンサートへ足を運ぶようになり、そこでメルドーがボスト リッジのために曲を書くことを思いついたのが今作を作るきっかけとなりました。
ウィリアム・ブレイクが書いた詩『The Sick Rose』から始まり、シェイクスピア、ゲーテ、カミングスといった詩人たちの作品群をもとに、メルドーの鮮やかな ピアノとボストリッジのパワフルな歌声が、何とも奇妙な雰囲気を漂わせています。
さらに、アルバム後半にはコール・ポーターの『Night and Day』やボブ・ヒリヤードの『In the Wee Small Hours of the Morning』などといったジャ ズリスナーには馴染み深いジャズスタンダードが数曲、そしてリート歌手ボストリッジが得意とするシューベルトの『夜と夢』D.827を収録しており、作品ごとにス タイルの多様性が強調されています。
この作品集には、”純粋な欲望からの脱却”というテーマがあり、”欲望から解放された愛こそが人生の最高到達点である”、という哲学的かつ道徳的なメッセー ジが込められています。 (Ki)

ACCENT
ACC-25321(1CD)
バッハ:カンタータ第108番『わが去るは汝らの益なり』 BWV108
カンタータ第86番『まことに、まことに汝らに告ぐ』 BWV86
カンタータ第11番『神をそのもろもろの国にて頌めよ』 BWV11(昇天祭オラトリオ)
カンタータ第44番『ひとびと汝らを除名すべし』 BWV44
シーリ・ソーンヒル(S)
ペトラ・ノスカイオヴァ(A)
クリストフ・ゲンツ(T)
ヤン・ファン・デル・クラッペン(Bs)
シギスヴァルト・クイケン(指)
ラ・プティット・バンド

録音:2008年4月30日-5月1日/ベルギー、ルーヴェン
復活祭の40日後にある昇天祭のために書かれたカンタータ第11番と、近い時期に演奏されるカンタータを組み合わせたアルバム。2005-2014年にクイケ ンとラ・プティット・バンドが取り組んだカンタータ録音シリーズからの音源です。声楽も器楽も各パート1人で演奏していて、透明度の高い響きが魅力的。
バッハ自らも『昇天祭オラトリオ』と呼んだカンタータ第11番は30分近くある大曲で、他のカンタータとは一線を画す作品です。 (Ki)

Coviello
COV-92303(1CD)
菩提樹と蓮華 〜ドイツと中国の芸術歌曲
シューマン:ジャスミンの木 Op.27-4
江蘇省民謡:ジャスミン [茉莉花](He Fang & SHEN Wujun編)
黄自 HUANG ZI(1904-1938):3つのバラの祈り
R.シュトラウス:花束を編みたかった Op.68-2
青海省民謡:四季 [四季歌](Tang Qijing編)
マーラー:私は仄かな香りを吸い込んだ
羅忠鎔 LUO ZHONGRONG(1924-2021):黄昏時の杏の花 [杏花天影]
クララ・シューマン:もの言わぬ蓮の花
羅忠鎔 LUO ZHONGRONG:遥かなる恋人への蓮華
シューマン:月夜 Op.39-5
モンゴル民謡:牧歌
黄永熙 HUANG YONGXI(1917-2003):憧憬の歌]
シューベルト::漁師の愛の幸福 D933
雲南省民謡:せせらぐ小川 [小河淌水]
シューベルト:水上に歌う D774
四川省民謡:アカシアはいつ咲く](DING Shande編)
シューベルト:菩提樹
アンナ・ハープスト(S)
トニ・ミン・ガイガー(P)

録音:2021年9月14-17日
アジアの芸術を、ヨーロッパのものと同列に並べて提示し、新しい耳を向けさせる趣向のアルバム。ケルン生まれのソプラノ歌手とミュンヘン生まれのピアニスト、 ふたりの若い音楽家による意欲作です。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0068(2CD)
モノローグ
[CD1]
ニコロ・ジンガレッリ:声とピアノのためのモノローグ『私は…だった』
ドニゼッティ:声とピアノのためのカンタータ『サッフォー』
ロッシーニ:声とピアノのためのカンタータ『ジョヴァンナ・ダルコ』
[CD2]
ワーグナー:声とピアノのための『メアリー・スチュアートの別れ』 WWV61
ポーリーヌ・ヴィアルド:コントラルトとピアノのための『ヘルミオネーの情景』
メル・ボニ:ピアノのための舞曲『サロメ』 Op.100
レスピーギ:ピアノのための短詩『アレトゥーザ』
アンナ・ボニタティブス(歌)
アデーレ・ダロンツォ(P)

録音:2022年5月/チューリッヒ、SRFスタジオ
モノローグ(独白)の技法はオペラや歌曲においても特別な表現力を持っています。感情のわずかな機微までも視覚化するような効果があり、語りすぎると冗長 なものになりかねない側面もあります。作曲家にとって絶妙なバランス感覚を強いられる技法と言えるでしょう。
アンナ・ボニタティブスは1999年にスカラ座デビューして以降、多くのベルカント・オペラ出演やレコーディングを行ってきたイタリアのメゾ・ソプラノ歌手。様々 な作曲家が用いたモノローグ技法に注目し、熱意をもって表現しています。
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0054(1CD)
月はわが友
テオドール・キルヒナー:歌曲集 Op.1(全10曲)
ドビュッシー:ベルガマスク組曲より「月の光」、忘れられた小唄(全6曲)
グリーグ:叙情小曲集より「夜想曲」 Op.54-4、歌曲集 Op.48(全6曲)
キルヒナー:幻想的小品集より「夜想曲」 Op.14-4
ピエール・モーリス:中国の歌(全7曲)
カトリン・ホッティガー(S)
エドワード・ラシュトン(P)

録音:2020年7月25日、2021年8月22・26・27日
夜と月をテーマにした歌曲とピアノ曲をあつめたアルバム。キルヒナーやピエール・モーリスといっためずらしい作品も。
カトリン・ホッティガーはルツェルン応用科学芸術大学で学んだスイスのソプラノ歌手。バロック・オペラや、フランスとスカンジナビアのリートなどに力を注いで いて、ピアノのエドワード・ラシュトンと定期的にリートのリサイタルを行っています。 (Ki)
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0062(1CD)

ヴァレー地方からの歌/スイスの作曲家による歌曲集
オイゲン・マイアー(1934-):Chiajeri (Taugwalder)
エミル・フレイ(1889-1946):Junges Madchen in den Bergen (Morgenstern) op.49/1
オイゲン・マイアー:Wela Wag (Taugwalder)
ヴェルナー・ベルッチ(1950-):Die Felswand (Meyer) Wege III
オイゲン・マイアー:Ds Hittuliechtje (Taugwalder)
ヨゼフ・ラウバー(1864-1952):Fruhlingsnacht (Hesse) op.37/2
オイゲン・マイアー:Dr Schuelschatz (Taugwalder)
ハンス・フーバー(1852-1921):Mir traumte von einem Myrtenbaum (Heyse) op.61/32.47
オイゲン・マイアー:Dr Bluusuchnopf (Taugwalder)
ワルター・クルヴォワジエ(1875-1931):Morgens (Storm) op.2/7
オイゲン・マイアー:Herbschtwind (Taugwalder)
ハインツ・ホリガー(1939-):Herbst (Morgenstern) Sechs Lieder VI

フランツィスカ・ハインツェン(S)
ベンジャミン・ミード(P)

録音:2022年5月
スイスのソプラノ歌手フランツィスカ・ハインツェンが歌う、故郷ヴァレー州とスイスの歌の芸術への愛に満ちたアルバム。ヴァレー語の詩によるオイゲン・マイアー の作品を中心に、過去2世紀のスイスの作曲家による歌曲を収録しています。 (Ki)

THE CHOIR OF KINGS COLLEGE
KGS-0067(1CD)
MY SOUL, WHAT FEAR YOU? わが魂よ、何をおそれているのか?
R.シュトラウス:〈見出されたもの〉、〈おくれたボートで〉(「6つの歌」 op.56より)、〈夜の逍遥〉(「3つの歌」op.29より)
プフィッツナー:〈牢獄のフス〉(「4つの歌」op.32より)
バッハ:カンタータ第82番BWV82より第1番アリア「われは満ちたれり」
シューベルト:〈勝利〉D805、〈墓堀人の歌〉D 44、〈人間の限界〉 D716
シューマン:〈宝を掘る人〉、〈春の旅路〉(「ロマンスとバラード」第1集 op.45より)
アイスラー:〈カリフォルニアの秋〉〈小さなラジオに〉〈ヘルダーリン=フラグメント〉(「ハリウッド・ソングブック集」より)
マーラー:〈少年鼓主〉(「子供の魔法の角笛」)
クルト・ワイル:ベルリン・レクイエムより〈未知の兵士に関する第2の報告:私が話したことすべて〉
クリストファー・パーヴス(Br)、
サイモン・レッパー(P)
ミロシュ・ミリオイエヴィチ(アコーディオン)、
サラ・フィールド(サックス)、
ルーシー・ショウ(Cb)、
リリー・ヴァーノン=パーヴス(Fl)、
ラファエル・オニエット(G)

録音:2922年2月21-23日、聖ヨハネ福音教会、オックスフォード
キングス・カレッジの卒業生にして英国が世界に誇るバリトン、クリストファー・パーヴスが、英国屈指のピアニスト、サイモン・レッパーと共演した、当レーベル 初の歌曲アルバムの登場。R.シュトラウス、シューベルト、プフィッツナー、マーラーの歌曲が、オペラ界でも活躍するパーヴスのドラマチックな演奏で響き渡ります。 バッハ、アイスラー、ワイルの作品が、アコーディオン、サックス、ギター、フルート、コントラバスを効果的に組み合わせた編成で演奏されており、聴きごたえがあり ます。
クリストファー・パーヴス(Br)は、キングス・カレッジの聖歌隊で音楽を学び、その後ロック・グループHarvey and the Wallbangersのメンバーと しても活躍。オペラ歌手としても活躍しており、バイエルン国立歌劇場でボルストロード(ピーター・グライムズ)、ロイヤル・オペラ・ハウス等でファルスタッフ(ファ ルスタッフ)、グラインドボーン音楽祭でゴロー(ペレアスとメリザンド)、チューリヒ歌劇場のリング・サイクルでアルベリヒを歌うなど、各地の歌劇場に登場し、そ の歌唱と存在感で聴衆を魅了しています。また、グレの歌(ラトル指揮LSO)など、演奏会でも活躍しています。 (Ki)


APARTE
AP-311(1CD)
ほかに好きな人がいるから
ギター伴奏によるフランスとヒスパニックのレオ・フェレ:ロマンス集

フォーレ:夢のあとにOp.7の1
 秋Op.18の3/愛の歌Op.27の1
 ゆりかごOp.23の1
マスネ:スペインの夜
イソリーナ・カリージョ:くちなしの花をふたつ
モレーノ・トローバ:マドローニョス(ギター・ソロ)
カルロス・エレタ・アルマラン:ある恋の物語
レオ・フェレ:芸術家の人生
サティ:グノシエンヌ第1番(ギター・ソロ)
ファリャ:7つのスペイン民謡
イネス・アリミ:キエロ
マスネ:エレジー
ジャック・ブレル/ジェラール・ジュアネスト:懐かしき恋人たちの歌
ロッシーニ:踊り
ポリーヌ・ヴィアルド:星
マリーナ・ヴィオッティ(Ms)、
ガブリエル・ビアンコ(G)
レオナルド・ディッセルホルスト(Vc)、
ジェリー・ロペス(Sax)
録音:2022年5月12-14日/TWLスタジオ(シュレーヌ)
マリーナ・ヴィオッティはスイス出身のメゾソプラノ。ジャズ、ゴスペル、ヘヴィメタに親しみ大学で哲学と文学を専攻し、卒業後本格的に声楽を学んだ変わり種。 オペラ、宗教曲のほか、ジャンルにとらわれぬ活動を繰り広げています。
最新盤はフォーレとマスネのフランス歌曲と、スペイン・ラテンアメリカの歌をギター伴奏で聴かせてくれる魅力的なアルバム。またレオ・フェレやジャック・ブレ ルのシャンソンもイキに聴かせます。ファリャの「7つのスペイン民謡」や南米系のものはもちろんながら、フォーレやマスネの歌曲がギター伴奏と合うのに驚かされ ます。

Avie
AV-2605(2CD)
バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245 ニコラス・マギーガン(指)、
カンタータ・コレクティヴ、
トーマス・クーリー(T)、ポール・マックス・ティプトン(Bs-Br)、ノラ・リチャードソン(S)、アリエ・ヌスバウム・コーエン(C.T)、デレク・チェスター(T)、ハリソン・ヒンツェ(Br)

ライヴ録音:2022年3月21日、バークレー第一会衆派教会(カルフォルニア)
長年フィルハーモニア・バロック・オーケストラの音楽監督として活躍し(現在は桂冠音楽監督)、バロック音楽のエキスパートとして知られるニコラス・マギーガン。そして彼が指揮台に立っていたフィルハーモニア・バロック・オーケストラの首席奏者やソリストたちによって創設されたカンタータ・コレクティヴによるバッハの「ヨハネ受難曲」が登場です。このアルバムはカンタータ・コレクティヴのAvieレーベルへの最初の録音となり、今後もバッハの合唱作品を録音していく予定で、次回作以降も期待されます。
指揮者のニコラス・マギーガンは、フィルハーモニア・バロック・オーケストラの音楽監督の他、クリーブランド、シカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンフランシスコなどのアメリカの主要なオーケストラ、香港、シドニー、ロイヤル・コンセルトヘボウといった世界の主要なオーケストラと共演。海外での音楽活動への貢献によって大英帝国勲章(OBE)を授与されています。またイエール大学の定期演奏会に頻繁に客演するなど後進の指導にもあたっています。

Diapason
DIAP-157(2CD)
ベルリオーズ:ファウストの劫罰、他

(1)劇的物語「ファウストの劫罰」

(2)「ファウストの劫罰」より
メフィストフェレスの歌「やさしい蚤が一匹」(蚤の歌)
メフィストフェレスのセレナード「家の前で」

(3)交響曲「イタリアのハロルド」
(1)リシャール・ヴェロー(ファウスト)
ミシェル・ルー(メフィストフェレス)
コンスエロ・ルビオ(マルグリート)
ピエール・モレ(ブランデル)
フランス国営放送児童cho
エリーザベト・ブラッスールcho
コンセール・ラムルーO
イーゴリ・マルケヴィチ(指)
録音:1959年
(2)ジェラール・スゼー(メフィストフェレス)
パリ国立歌劇場O&cho
アンドレ・クリュイタンス(指)
録音:1959年
(3)ウィリアム・プリムローズ(Va)
ボストンSO
シャルル・ミュンシュ(指)
録音:1959年
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第157巻として登場するのは、イーゴリ・マルケヴィチ(指)劇的物語「ファウストの劫罰」と、シャルル・ミュンシュ(指)交響曲「イタリアのハロルド」のカップリング。「ファウストの劫罰」はマルケヴィチとコンセール・ラムルー管がその実力をフルに発揮し、今なお語り継がれる名盤として知られており、マルケヴィチの棒から生み出される豪快さと繊細さを併せ持つ名演をご堪能いただけます。「イタリアのハロルド」では往年の名ヴィオラ奏者ウィリアム・プリムローズがソリストとして登場。こちらも同曲の名盤のひとつとして名高くミュンシュとの息の合った名演を繰り広げています。

Da Vinci Classics
C-00719(1CD)
イタリアへの旅〜ドイツ・リートにおけるイタリアの影響
リスト:ペトラルカの3つのソネット S.270A
ヴォルフ
:イタリア歌曲集より 6つの歌 〔あなたはこの世で一番美しい(第1巻, 第3曲)、祝福あれ,この世を創られた方に(第1巻, 第4曲)、さあ仲直りしよう(第1巻, 第8曲)、そして,君が恋人の焦がれ死にするさまを見たいなら(第1巻, 第17曲)、幸せな母に祝福あれ(第2巻, 第35曲)、君が僕をちら見して笑い出し(第2巻, 第38曲)〕
R.シュトラウス:マドリガル Op.15-1
ヴォルフ:ミケランジェロの3つの詩
シューベルト:3つのイタリア歌曲 D.902
ルチオ・ガッロ(Br)、
エーリク・バッターリア(P)

録音:2022年10月
ロマン派とポスト・ロマン派のドイツ語圏の作曲家たちによるイタリアに思いをはせた歌曲集。リストの「ペトラルカの3つのソネット」(後にピアノ版に編曲されています)から始まり、ヴォルフのイタリアでの経験を表している6つの歌曲を収録。さらにはミケランジェロの詩を用いたR.シュトラウスやヴォルフの作品、最後にはシューベルトがイタリア語の詩を基に書かれた「3つの歌」を収めています。

Da Vinci Classics
C-00714(1CD)
デュリュフレ:レクイエム Op.9
オルガン組曲 Op.5
ギユー・コンソート、マルコ・サッカルディン(Br)、
シルヴィア・アリーチェ・ジャノッラ(Ms)、
エミリオ・ゴネッラ(Vc)、
アレッサンドロ・ペリン(Org)、
マッテオ・チェザロット(指)

録音:2021年10月(ヴィッラサンタ、イタリア)
フランスの作曲家、モーリス・デュリュフレは、プーランクのオルガン協奏曲の初演をするなど、卓越したオルガニストとしても活躍しました。
本アルバムでは、生涯に14曲しか残していないデュリュフレの作品の中で、代表作にあげられる 「レクイエム」 を収録。この作品は、グレゴリオ聖歌の『死者のためのミサ曲』から多くの主題を用いており、フォーレの『レクイエム』と多くの類似点が見られ、曲の構成についてもフォーレの構成を踏襲していることも特徴です。前奏曲、シシリエンヌ、トッカータの三部作からなるオルガン組曲がカップリングされています。
Da Vinci Classics
C-00708(1CD)
ボッケリーニ:スターバト・マーテル G.532
レチタティーヴォとアカデミックなアリア 「あわれ、私はどこにいる?…ああ、話しているのは私ではない」G. 548
交響曲第18番ヘ長調 G.512
バルバラ・フリットリ(S)、
マッティア・ロンデッリ(指)、
ミラノ・スカラ座ヴィルトゥオーゾO

録音:2008年5月(ボローニャ、イタリア)
ボッケリーニが「スターバト・マーテル」を完成させた1781年頃、「スターバト・マーテル」と言えばペルゴレージの作品であり、ヨーロッパ中の聴衆を魅了していました。しかし、ボッケリーニは中世のラテン語の詩を鮮やかに読み解き、この感動的な作品が生まれました。ソプラノと弦楽合奏という編成のこの作品では、独唱に名ソプラノであるバルバラ・フリットリが登場します。彼女のドラマティックな歌唱は、ロンデッリ指揮ミラノ・スカラ座のヴィルトゥオーゾたちによる芳醇な響きによってよりその魅力が引き出されています。聖母の悲しみを鮮やかに表現しているバルバラ・フリットリの歌唱にぜひご注目ください。

Hyperion
CDA-68420(1CD)
ヴォーン・ウィリアムズ、マクミラン、タヴァナー:合唱作品集
ヴォーン・ウィリアムズ:ミサ曲 ト短調、味わい見よ*
マクミラン:主を恐れる人はだれか#、
 エドワード懺悔王のミサ曲#、特別な訴え*、
 誰がキリストの愛からわたしたちを離れさせるのか
タヴァナー:マニフィカトとヌンク・ディミッティス 「コレギウム・レガーレ」、アテネのための歌 
ウェストミンスター寺院聖歌隊、
ジェームズ・オドンネル(指)、
ピーター・ホルダー(Org)*

録音:2022年6月&10月
(世界初録音#)
ウェストミンスター寺院聖歌隊によるヴォーン・ウィリアムズ、マクミラン、そしてタヴァナーの合唱作品集。このアルバムの中にはマクミランの世界初録音作品が二曲含まれています。ヴォーン・ウィリアムズの「味わい見よ」は、エリザベス2世の戴冠式のために委嘱された作品で、1953年6月2日にウェストミンスター寺院にて歌われました。
世界遺産にも指定されている英国国教会の教会、ウェストミンスター寺院の聖歌隊は、30名の少年合唱と12名のプロの成人歌手からなる合唱団で、教会聖歌隊の最高峰として知られており、長年に亘って典礼や祝典の場で国際的に重要な役割を果たしています。先日行われたエリザベス2世の追悼式でもその美しい歌声を響かせていました。

Skani
SKANI-146(1CD)
ラトビアの川の歌
ライモンツ・パウルス(b.1936):合唱曲集「ラトビアの川の歌」〔サラツァ川、ガウヤ川、リエルぺ川、オグレのシチリアーナ、イルべ川、ヴェンタ川、ダウガヴァ川、アイヴィエクステ川、川の詩*〕
ユースクワイア「バルシス」、
インツ・テレロヴスキス(指)、
イネセ・ザンデレ(朗読)*、ライモンツ・パウルス(P)*

録音:2021年10月13日&12月2日、リガ改革派教会(ラトビア)
『ラトビアの川の歌』は、ラトビアの3人の芸術家のコラボレーションで実現したアルバムです。ミュージカル、バレエ、映画、合唱曲、ジャズ、ポップソング作曲家として活躍し、1988年から1993年まで文化省の大臣を務めたライモンツ・パウルス(b.1936)。児童文学の執筆と編集、出版の活動で知られる詩人のイネセ・ザンデレ(b.1958)。そしてラトビア音楽アカデミーで学び、イギリスとドイツのバロック音楽演奏のコースに参加し、「バルシス(Balsis)」と「ティアデ(Tiade)」のユースクワイアを指揮するインツ・テレロヴスキス(b.1972)。本アルバムは、サラツァ川、ガウヤ川、リエルぺ川、オグレ川が流れこむ〈オグレのシチリアーナ〉など、ラトビアの川をテーマにした8つのアカペラ合唱曲と、ザンデレがパウルスのピアノ伴奏で朗読する『川の詩』で構成されています。合唱曲を集成した『川の歌』という「特別な旅」が始まってからすでに10年が経過しました。「ザンデレが川を詩に書き、若い世代がラトビア合唱音楽に応えるかぎり、『バルシス』(ラトビア語で「声」)は、小さな川と大きな川として流れ、広大な海や湖へと注いでいく」。指揮者のテレロヴスキスは、このアルバムが作られた目的と意義をそう語っています。
Skani
SKANI-150(1CD)
ルツィーヤ・ガルータ:神聖な愛
ルツィーヤ・ガルータ(1902-1977):空と海/私にできさえすれば/夕映に/ああ, 私の大切な女の子/しゃべらないほうがいい/別れ際/さあ早く神のところへ行け, 愛しの太陽よ/異国のコーカサスの子供の歌/山の子供の子守歌/ジャネマの歌/困難な瞬間に/子守歌/秋/小雨/生まれ故郷は春に/春はもうじき/提供者/月の舟/またやって来たね/神聖な愛
ユリヤ・ヴァシリエヴァ(S)、
マーリス・スクヤ(P)
ルツィーヤ・ガルータ(1902-1977)は音楽学者の間で、ラトビアのジェルメーヌ・タイユフェールとも呼ばれています。ガルータが学生になったばかりの頃、フランスで起きた新しいトレンドに興味をもち、海外で学ぶ夢をもっていたことが、いわゆる「フランス六人組」の作曲家とくらべられる理由だと言われています。彼女は、ラトビア音楽院を卒業後、パリで、アルフレッド・コルトーと、ドビュッシーの友人であったイシドール・フィリップにピアノを、作曲家で指揮者のポール・ル・フレムに管弦楽法を学び、二度目にフランスに渡った際にはエコール・ノルマル音楽院のポール・デュカスに作曲法を師事しました。
このガルータの歌曲アルバムで伴奏を務めるマーリス・スクヤは、ガルータにピアノを学びました。「ガルータの音楽を伝えるという使命は、精薄さに戦いを挑むことだ。現代の音楽は多様な効果に長けてはいるが、ややもすると実質に欠ける。対照的にガルータの音楽は、内容が豊かだ」(マーリス・スクヤ)。彼のステージ・パートナーであるソプラノ歌手、ユリヤ・ヴァシリエヴァが共演。比較的初期の1926年に書かれた「空と海」に始まり、ガルータが生涯にわたって作りつづけた「小世界」の作品が20曲、初めてのスタジオ録音を含むプログラムで歌われます。

Danacord
DACOCD-961(1CD)
シューベルト:歌曲集
さすらい人の月に寄せる歌 D.870/春に D.882/船乗り D.536/双子座に寄せる船乗りの歌 D.360/夜の曲 D.672/漁夫の歌 D.881/シルヴィアに D.891/月に寄す D.193/小人 Op.771/万霊節のための連祷 D.343/ます D.550/恋する者のさまざまな姿 D.558/さすらい人の夜の歌 D.224/セレナード D.957/4/ブルックにて D.853/春のおもい D.686/夕映に D.799
マティアス・ヘーゼゴー(T)、
トーヴェ・レンスコウ(P)

録音:2021年11月15日-18日、ガーニソン教会(コペンハーゲン、デンマーク)
デンマークのテノール歌手マティアス・ヘーゼゴー(b.1978)とベテラン・ピアニスト、トーヴェ・レンスコウの共演によるシューベルトの第2作。ヘーゼゴーは、彼の世代のデンマーク芸術歌曲のもっとも優れた歌い手として評価され、シューベルトの 「冬の旅」 を歌った前作(DACOCD-865)は、デンマーク放送(DR)P2 が選ぶ2021年の「最優秀クラシカル・アルバム」賞を獲得しました。新しいアルバムでは、ザイドルの詩による 「さすらい人の月に寄せる歌」 からカール・ラッペの詩による 「夕映に」 まで、「シューベルティアーデ」を偲ばせるプログラムを歌っています。

Danacord
DACOCD-959(1CD)
オダマキの花が二本
クララ・シューマン:6つの歌曲 Op.13(ハイネ、ガイベル、リュッケルトの詩)〔暗い夢のなかにいた、彼らは愛しあっていた、愛の魔法、月は静かに昇った、私はあなたの瞳に、もの言わぬはすの花〕、3つの詩 Op.12(フリードリヒ・リュッケルトの「愛の春」から)〔風雨の中を彼はやってきた、美しいがために私を愛するのなら、なぜ他の人にたずねるのか〕
リリ・ブーランジェ:空のひろがり(フランシス・ジャムの詩)〔彼女は野原から谷へ下りていった、彼女はとてもおおらかだ、時どき僕は悲しくなる、ある詩人が言った、僕のベッドの足元に、これが全部ただのくだらない夢で、言葉にしなくてもいいくらい愛し合おう、あなたは魂をこめて僕を見つめた、去年咲いたライラックは、オダマキの花が二本、どうして僕が苦しんだかというと、彼女のもっていたメダルが僕の手元にある、明日でちょうど一年だ〕
デュオ・ボルス&ビャアケー〔ニナ・ボルス・ロングレーン(S)、クリスティーナ・ビャアケー(P)〕
ファニー・メンデルスゾーンの「一年」(DACOCD-957)をリリースしたクリスティーナ・ビャアケーとリリック・ソプラノのニナ・ボルス・ロングレーンの「デュオ・ボルス&ビャアケー」が、2022年で結成から5年が経ちました。二人は、コペンハーゲンのホルメン教会で行われ、デンマーク放送からラジオ中継されたニルス・W・ゲーゼを祝うコンサートにソリストとして出演して初めて出会い、以後、デュオとしてコンサートやデンマーク国内のツアーを重ねました。クララ・シューマンとリリ・ブーランジェの歌曲を歌うアルバム「オダマキの花が二本」は、2020年にロスキレ音楽協会の提案で行われた女性作曲家作品のコンサートがきっかけで生まれました。このコンサートは、デンマーク放送が放送のために録音していましたが、好評だったためこのセッション録音が行われました。
クララ・シューマンの詩の嗜好は夫ロベルトと重なり、このアルバムで歌われる「6つの歌曲」と「3つの詩」もロベルトが好んだハインリヒ・ハイネ、エマヌエル・ガイベル、フリードリヒ・リュッケルトといった同時代の重要な詩人たちの詩に作曲されています。またリリ・ブーランジェも同時代の詩をテキストに選んでいます。フランシス・ジャムの「空のひろがり」は、さまざまな感情を呼び起こす花や鳥といった言葉をちりばめ、ノスタルジアと憧れの気分にひたった作品です。彼女の時代に好まれた“サロン”的雰囲気からは遠い、輝かしい、当時としては前衛の音楽が、この曲集の際立った魅力と言われています。

DACAPO
MAR-8.224736(1CD)
NX-B07
フーギ・グズムンドソン(1977-):オラトリオ『メアリーのゴスペル(福音)』(2021) ベリト・ノルバッケン(S)
オーフス・シンフォニエッタ
レイキャヴィク・スコラ・カントルム
ホルズル・アウスケルソン(指)

録音:2022年6月15-17日
全て世界初録音
アイスランドの作曲家フーギ・グズムンドソンの宗教的オラトリオ。 19世紀に発見された新約聖書の外典『マリアによる福音書』からインスピレーションを受けて書かれたもので、ここ に登場するマリアは"マグダラのマリア"と考えられています。グズムンドソンの劇的な音楽描写とノルバッケンの美しい 歌声が聴きどころです。

Resonus
RES-10317(1CD)
NX-B05
エリザベス・マコンキー&ヴォーン・ウィリアムズ:歌曲集 第2集
ヴォーン・ウィリアムズ:4つの最後の歌
エリザベス・マコンキー(1907-1994):The Exequy/花束
Sailor’s Song of the Two Balconies
The Disillusion
The Swallow
The Poet-Wooer
Sleep Brings No Joy To Me
In Fountain Court
ヴォーン・ウィリアムズ:命の家
マコンキー:How Samson Bore Away the Gates of Gaza(1937年オリジナル版)
ジェイムズ・ギア(T)
ロナルド・ウッドリー(P)

録音:2022年9月6-9日
2022年に生誕150年を迎えたヴォーン・ウィリアムズと彼の弟子エリザベス・マコンキーの歌曲を紹介するプロジェク ト、第1集(RES-10299)の続編です。今作の収録曲は、ヴォーン・ウィリアムズ初期を代表するロセッティの詩によ る歌曲集「命の家」(1940年初演)と、1954年から1958年に書かれた晩年の歌曲集「4つの最後の歌」の2作 品。またマコンキーの歌曲は、1920年代半ばにヴォーン・ウィリアムズに師事してから、1960年代から70年代にか けて英国モダニズムの美学に傾倒するまでの間に作曲されたもので、ほぼ未発表の作品です。 今作でもテノール歌手のジェイムズ・ギアとピアニストのロナルド・ウッドリーが、長年のパートナーシップの継続から生 まれる、息の合った演奏を披露しています。

SOMM
SOMMCD-0668(1CD)
NX-B04
ブリテン諸島の民謡集
1. She Moved Through the Fair
2. The Lark in the Clear Air
3. By the Short Cut to the Rosses
4. Si Bheag Si Mor
5. Give Me Your Hand
6. The Last Rose of Summer
7. Down by the Salley Gardens
8. Can Ye Sew Cushions
9. My Love Is Like A Red, Red Rose
10. Skye Boat Song
11. Ye Banks and Braes
12. The rowan tree
13. Dance te Thi Daddy
14. Blaydon Races
15. Blow the Wind Southerly
16. Sweet Polly Oliver
17. Oliver Cromwell
18. English Folk Song
19. Can yr Arad Goch
20. Myfanwy
21. The Foyy, Foggy Dew
22. Bugail Aberdyfi
23. My Little Welsh Home
24. Sospan Fach
25. Drink to Me Only
26. The Oak and the Ash
27. Song for Gwyn…世界初録音
ジャニス・ケリー(S)…10-12
イヴォンヌ・ハワード(Ms)…15-17
マリア・ヤグシュ(Ms)…25-27
エレイン・デルマー(ジャズ・シンガー)…18
ニッキー・スペンス(T)…7-9
ウェイン・エヴァンス(T) …21-22、24
マーク・リュウェリン・エヴァンス(Br)…19-20、23-24
カロライン・マコーズランド(歌/ギター)…1、3、6

フィオナ・ケリー(Fl)…2、4-5
ジーン・ケリー(Hp)…2、4-5
マイケル・ポロック(P)…19-24
ジョン・ウィルソン(P)…7-9、11-17、25、27


録音:2022年7月26日、8月3日、2022年9月13日
時代を超えて息づく英国とアイルランド民謡。このアルバムではよく知られる「The Last Rose of Summer 夏の なごりのバラ(庭の千草)」や「Down by the Salley Gardens サリー・ガーデン」などの名曲から、世界初録音と なる「Song for Gwyn」まで、ブリテン諸島4地域の民謡を27曲集めました。 ピアノ伴奏による英国の歌手たちのこなれた歌唱(トラック18にはジャズ・ヴォーカルの重鎮エレイン・デルマーも登 場)や、フルートとハープのデュオなど、さまざまな演奏で伝統的な民謡の旋律をお楽しみいただけます。
SOMM
SOMMCD-0667(1CD)
NX-B04
ケネス・レイトン(1929-1988):合唱作品集
Laudes animantium, Op.61*
London Town*
Lord, When the Sense of Thy Sweet Grace*
3つのキャロル Op.25(1948)
Nativitie
A Hymn to the Trinity
レベッカ・リー(S)
ニナ・ベネット(S)
キアラ・ヘンドリック(Ms)
ニック・プリチャード(T)
フィンチリー児童cho
ロンディニウム(合唱)
アンドルー・グリフィス(指)

録音:2022年6月17-19日
20世紀イギリスの作曲家ケネス・レイトン。ヨークシャーで生まれ、地元のウェークフィールド大聖堂の聖歌隊で活 躍後、王立音楽院でピアノと声楽、オックスフォード音楽院で作曲を学び、教会音楽の分野で目覚ましい活動を 行った人です。彼の没後35年を記念して作られたこのアルバムには、5曲の世界初録音を含む合唱作品が収録 されています。メインは「Laudes animantium」で、ニ重合唱、ソリスト、児童合唱によるさまざまな動物を賛美 した魅力的な作品。他にはキャロルやパートソングなど、レイトンの得意分野の作品を聴くことができます。 演奏はアンドルー・グリフィスが2005年に設立した「ロンディニウム」。現代作品を得意とする室内合唱団で、ここで もレイトンの活気に満ちた作品を見事なアンサンブルで聴かせます。

Dynamic
CDS-7986(1CD)
NX-B03
メルカダンテ:荘厳ミサ曲 フランチェスコ・メーリ(T)
マッテオ・リッピ(T)
マリオ・カッシ(バッソ・カンタンテ(Br)
ニコラ・ウリヴィエーリ(Bs-Br)
フランチェスコ・ビラガ(コールアングレ)
ジョヴァンニ・バッティスタ・ファブリス(Vn)
ジェノヴァ・カルロ・フェリーチェO&cho
ファブリツィオ・カッライ(指)

録音:2021年3月2-9日
カルロ・フェリーチェ劇場、ジェノヴァ(イタリア)
世界初録音
ロッシーニとヴェルディを結ぶ世代の歌劇作曲家の中でも重要な存在だったメルカダンテ。その晩年のミサ曲が 150年余りを経て蘇りました。当CDの演奏時間76分が示すとおりの大作で、充実した書法は作曲家の円熟を 示しています。男声合唱と4人の男声ソリストのために書かれ、1868年1月19日にジェノヴァで初演されました。 その後は忘却の淵に沈んでいたものの、近年行われた同地のドラッツォ=ジュスティニアーニ資料館の調査で発見 されました。世界初録音の栄誉を担ったのはジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場、指揮者と花形のテノール・ソロ二 人の生まれもジェノヴァです。

Solo Musica
SM-421(1CD)
NX-B03
近現代のユダヤに根差す歌曲集
ラヴェル:2つのヘブライの歌
コルンゴルト:6つの簡素な歌 Op. 9より
 Schneeglockchen/Sommer
マーラー:『子供の魔法の角笛』より
 トランペットが美しく鳴り響くところ
 ラインの伝説
リュッケルト歌曲集より
 私はこの世に捨てられて
ヴァイル:ナナの歌
ジョエル・エンゲル(1868-1927):Nor noch dir
 A mol iz geven a Maise
 Minhag chadash
エヤル・バト(1966-):Ha'hakara sheli nemoga
 Ke'tzitz ha'amakim
サーシャ・アルゴフ(1914-1995):Az haya la
 Hakol zahav/Lo yada'ati ma
デイヴィッド・ゾンネンシャイン:Elei tashuv
ナーマ・ゴールドマン(Ms)
ジューリオ・ザッパ(P)

録音:2022年10月16-18日
イスラエル出身でベルリンを拠点に活躍するナーマ・ゴールドマンが歌う、自身のルーツを探る1 枚。彼女が傾倒す るドイツの後期ロマン派の作品と、自らのアイデンティティを強く意識するというユダヤ系の作品とを組み合わせまし た。陰影と力強さを合わせ持つメゾ・ソプラノの声質が作品のドラマや深みを伝えます。

ALPHA
ALPHA-936(1CD)
黒人霊歌と黒人作曲家による歌曲集
1. 時には母のない子のように
2. WERE YOU THERE 君もそこにいたのか
3. I GOT A ROBE 私はローブを持っている
4. バティスト・トロティニョン(1974-):WHY (P・ソロ)
5. フローレンス・プライス(1887-1953):BECAUSE
6. STEAL AWAY イエスの元へ逃れよう
7. SAVE ME LORD, SAVE ME
8. BRIGHT SPARKLES IN THE CHURCHYARD
9. NOBODY KNOWS THE TROUBLE I’VE SEEN 誰も知らない私の悩み
10. プライス:RESIGNATION
11. A GREAT CAMPMEETIN’
12. プライス:SUNSET
13. MY LORD, WHAT A MORNING 星かげ落ち
14. ハリー・バーリー(1866-1949):JEAN
15. BY AN’ BY - THERE IS A BALM IN GILEAD
16. バレット・ストロング(1941-2023):I HEARD IT THROUGH THE GRAPEVINE 悲しいうわさ
17. 深い河

※編曲:バティスト・トロティニョン…1、2、3、7、8、9、11、13、15(THERE IS A BALM IN GILEAD)、17
パトリック・デュプレ・クイッグレー…6
ハリー・バーリー…15(BY AN’ BY)
レジナルド・モブリー(C.T)
バティスト・トロティニョン(P)

録音:2021年10月 サル・コロンヌ、パリ
ジョン・エリオット・ガーディナーなど一流の古楽指揮者に信頼を置かれているアメリカ出身のカウンターテナー、レジナルド・モブリー。ジャズや ポップスでの活動も多く、プロとしての初舞台は日本のミュージカル・シアターで、当時は東京ディズニーランドのアクター/シンガーとして働いて いたのだそう。今回の彼にとって初めてのソロ・アルバムは、黒人霊歌と黒人作曲家による歌曲を集めたもので、共演はクラシカルな作品の発 表も多いフランスのジャズ・ピアニスト、バティスト・トロティニョン。黒人霊歌の多くはトロティニョンによるアレンジで収められており、冒頭から フュージョンを思わせるビートに乗せた疾走感溢れる演奏で惹きつけられます。さらに、初の黒人女性作曲家と言われるフローレンス・プライス の作品から、モータウン・レコードのソングライター、バレット・ストロングによるソウル・ナンバーまでを収録、張りのあるカウンターテナーで楽しむこ とが出来ます。

ONDINE
ODE-1428(2CD)
NX-C07
グレツキ:教会の歌集 Op.84(ラテン語版全曲) ポーランド室内cho
ヤン・ウカシェフスキ(指)

録音:2021年8月9-13日
交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」の世界的なヒットで一躍有名となったグレツキ。その音楽的な原点とも言える 宗教合唱曲集が登場。1990年代後半にイギリスのヒットチャートを席巻し、「癒しのクラシック」の代名詞的存在になった「悲歌のシンフォ ニー」。後期のグレツキにとってインスピレーションの源泉の一つがポーランドに伝わるカトリック音楽でした。この無伴 奏混声合唱のための「教会の歌」は、ポーランドの教会で歌い継がれて来た旋律と歌詞を素材にグレツキがアレン ジしたもので、敬虔な祈りに満たされた静謐な曲もあれば、民族舞踏を思わせる楽しい雰囲気の曲もあります。グ レツキはこの曲集をコンサートでも教会の典礼でも歌えるように作りました。ポーランド語版の録音は過去にありま したが、ラテン語版の全曲盤はこれが初。グダンスクの聖堂で行われた演奏は、かなりゆったりとしたテンポをとり、 祈りや瞑想的な気分へと誘います。

FUGA LIBERA
FUG-796(1CD)

NYCX-10399(1CD)
国内盤仕様
税込定価
アルマ・マーラー:歌曲全集
穏やかにひらくはじめての花
私の夜をご存じか
5つの歌曲【 静かな街/お父さんの庭で/ 気だるい 夏の夜/あなたのそばが 心地良い/花のあいだを さまよって/独りの歩み】
4つの歌曲【 夜の光/ 森のしあわせ/ 激しい想い/ 収穫の歌】
5つの歌曲【 賛歌/悦楽/ 知っているひと/ほめたたえる歌/夜の賛歌】
エリーゼ・カールワールツ(S)
マリアンナ・シリニャン(P/1895年製 Steinway C)

録音:2022年1月3日 アンリ・ル・ブフ・ホール、ブリュッセル
2022年6月22-23日 ボザール、ブリュッセル
マーラーとの結婚生活のほか、多くの音楽家、芸術家と交流を持ったアルマ・マーラー。彼女自身様々な才能に恵まれていたと言わ れており、作曲家としては歌曲が残されています。このアルバムには、最晩年のマーラーによって出版の準備がなされた5つの歌曲(トラック3- 7)から、2018年に出版された「独りの歩み」まで、全17曲が初めて収録されています。ソプラノのエリーゼ・カールワールツは母国ベルギーを 中心にヨーロッパ各地で活躍、モーツアルトからベルクまで幅広いレパートリーを持ち、これまで2枚のアルバムをリリースしています。ボーイ・ソ プラノを思わせる澄んだ中高音域から、深い憂いを帯びた低音域まで多彩な表現力で、作品の魅力を伝えています。ピアノは来日経験も あるアルメニア出身のマリアンナ・シリニャン。アルマが生きた時代のスタインウェイから美しい音色を引き出しています。
※ 使用ピアノについて原盤ブックレットには1899年製とありますが、確認の結果1895年の可能性が高いとのことです。
※原盤ブックレットには歌詞の掲載がなくインターネットを参照するようになっておりますが、国内仕様盤には広瀬大介氏による日本語対 訳付きで歌詞の掲載を予定しております。


CLAVES
50-3068(2CD)
バッハ:ヨハネ受難曲BWV245(+1725年第2稿の異稿5曲) ヴェルナー・ギュラ(テノール / エヴァンゲリスト)
ソフィー・ガラヘル(ソプラノ / アリア)
アレクサンドラ・レヴァンドフスカ(ソプラノ / アリア、侍女)
アレックス・ポッター(ア ルト)
クリステル・モネー(アルト / リピエーノ)
マクシミリアン・フォクラー(テノール / アリア)
オリヴィエ・コワフェ(テノール / 従僕)
ドリュー・サンティーニ(バス / イエス)
ステファン・マクラウド(バス / アリア、ユダ、ペテロ、ピラト)
リ・アンジェリ・ジュネーヴ 、
ステファン・マクラウド(指)

録音:2022年3月/グロッサー・フェストザール、ランドガストホフ・リーエン(スイス)
「マタイ受難曲」「ミサ曲ロ短調」とバッハの宗教音楽の大曲を録音し、世界的に高い評価を得ているステファン・マクラウドとリ・アンジェリ・ジュネーヴが、「ヨ ハネ受難曲」を録音!
「ヨハネ受難曲」は、バッハの生前の1724年、1725年、1732年、1739年、1749年と、5度の改訂稿が作成され、そのうち少なくとも4回は演奏され ています。再演するたびに手を入れ、楽譜を書き直していたのです。現在では、最後の演奏となった1749年稿で演奏・録音されることが多くなってきており、マ クラウドも第4稿を基にしていますが、録音に当たっては、それ以外の稿も参照にして、曲の構成・楽器編成・歌詞の選択を行っているようです。例えば、通奏低 音には、チェンバロとオルガンが併用され、曲や場面によってうまく使い分けられ、巧みな変化が付けられています。
た、今回の録音では、1725年の第2稿の際に入れ替えられた5つの異稿曲もボーナストラック*として収録。トラックを入れ替えて聴くことで、全体を1725 年の第2稿の曲構成として聴くこともできるようになっています。
最大でも9人の歌手という小編成での歌唱ながら、その緊張感は冒頭からただならぬものがあり、「十字架に付けろ」などの合唱の迫力も圧巻。現代最高のエ ヴァンゲリストの一人、ヴェルナー・ギュラを中心に、これまでの「マタイ受難曲」「ミサ曲ロ短調」に勝るとも劣らない最高峰の完成度で演奏されています。優れ た実力を持つ歌手たちによる独唱もすばらしいですが、コラールの充実度も特筆すべきでしょう。歌手と楽器奏者たちのアーティキュレーションが統一され、歌も 楽器も一体となり、テキストの内容をかみしめるように歌われています。終曲の透き通るような美しさを持つコラールまで聴き通せば、心が動かされること間違い ありません。
2005年ステファン・マクラウドによって結成されたリ・アンジェリ・ジュネーヴはスイスを中心に活動するピリオド楽器グループで、世界中から実力ある演奏家 が集っています。バッハ演奏の最前線にいる彼らのすばらしい演奏を聴き逃すことがありませんように! (Ki)

BRAVO RECORDS
BRAVO-10011(1CD)
税込定価
アモーレ
ジョルダーニ:カロ・ミオ・ベン
トスティ:最後の口づけ
ベッリーニ:激しい希求(いつその日は訪れるだろう)〜「3つのアリエッタ」より
ベッリーニ:せめて私にかなうなら〜「6つのアリエッタ」より
ベッリーニ:喜ばせてあげて〜「6つのアリエッタ」より
ベッリーニ:追憶
メルカダンテ:どんなに感謝していることか、おお平和よ!(パオロのカヴァティーナ)〜歌劇「フランチェスカ・ダ・リミニ」より
ロッシーニ:今の歌声は〜歌劇「セビリアの理髪師」より
モーツァルト:あの人でなしは私を欺き〜歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より
ロッシーニ:苦しみと涙のうちに生まれて〜歌劇「ラ・チェネレントラ」より
リスト:「ペトラルカの3つのソネット」
第1番 平和は見出せず
第2番 祝福があるように、かの日
第3番 私は地上に天使のような姿を見た
脇園彩(Ms)、丸山貴大(P)

録音:2022年10月11〜13日/府中の森芸術劇場・ウィーンホール
日本語帯・解説・歌詞対訳付
ミラノ・スカラ座をはじめ、世界の舞台で活躍をつづけるメゾ・ソプラノの脇園彩が、ついに CD をリリース。
収録曲目は、ジョルダーニ、ベッリーニ、トスティのイタリア歌曲から、また、モーツァルト、メルカダンテ、ロッシーニの有名歌劇・アリア、さらにはリスト の「ペトラルカの3つのソネット」を収録。脇園彩の魅力全開のアルバムとなっています。
ピアノ伴奏は、ミラノ在住でコレペティトール及び指揮者を務める丸山貴大が担当。日ごろから親交のある脇園と息のあった名演を聴かせてくれます。
2022年10月に、府中の森芸術劇場・ウィーンホールにおけるセッション録音。脇園本人が納得いくまで練り上げた最良の作品となりました。
36ページ・フルカラー解 説 書 には 、脇 園 自身 の 翻 訳 による 歌 詞 対 訳と、アー ティスト写 真を満 載 、世 界を 駆 けるプリマドン ナに ふさ わしい 豪 華 な 仕 上 がりとなっ ています。

ALPHA
ALPHA-934(1CD)
シューベルト、レーヴェ、シューマン、ヴォルフ: 歌曲集
シューベルト:すみれ D786
 子を抱く父 D906
レーヴェ:魔王 Op.1-3
 歩き回る鐘 Op.20-3
 エーバーシュタイン伯爵 Op.9Heft VI-5
 抑揚の狂った詩 Op.62-5
 やさしいお弔い Op.62-4
 魔法使いの弟子 Op.20-2
シューマン(1810-56):5つのリート Op. 40
 レーヴェ:海をゆくオーディン Op.118
ヴォルフ:ムンメル湖の精霊たち
 月の黄色い蝶/古い絵に
 鼠捕りの男/炎の騎士
 レーヴェ:オールフ殿 Op.2-2
ゲオルク・ニグル(Br)
オルガ・パシチェンコ(P、フォルテピアノ)
使用楽器:ウィーンのコンラート・グラーフ1826年製楽器による、シュタウフェン・イム・ブライスガウのクリストフ・ケルン2019年製作の再現楽器
ニューヨーク・スタインウェイ・コンサート・グランド・ピアノ1875年製

録音:2022年2月 ベートーヴェン・ハウス、ボン、ドイツ
バロックや現代のオペラで活躍するバリトン歌手ニグルと、歴史的な楽器での演奏を中心に世界的に活躍するピアニスト、パシチェンコの共 演によるアルバム第2弾。演奏に15分もかかるシューベルトの「すみれ」ほか、物語性の高いバラードを集めたアルバムです。ニグルの歌唱は やさしく語り掛けるような表現がたいへん印象的ですが、時折聴かせるドラマティックな高揚や、品の良いユーモアも大変魅力的。寄り添うよ うなパシチェンコのピアノも素晴らしく、一部ではグラーフの楽器が装備するヤニチャーレン・ペダル(トルコ風の打楽器が鳴るペダル)や、特殊な ストップによる音色の変化も楽しむことが出来ます。ジャケットは前作(ALPHA646)に続き作曲家パスカル・デュサパンによる写真。

Forgotten Records
fr-1866(1CDR)
バッハ:マニフィカト.ニ長調 BWV.243*
カンタータ第78番BWV.78「イエスよ、汝わが魂を」
マリア・シュターダー(S)
エルンスト・ヘフリガー(T)
エルザ・カヴェルティ(A)
ヘルマン・シャイ(Bs)
カール・マッテイ(Org)
トゥティ・フンツィカー=ドゥルアイ(Cemb)
ワルター・ラインハルト(指)ヴィンタートゥールSO、
チューリヒ・ラインハルトcho、
ヴィンタートゥール混声cho

録音:1950年5月、シャフハウゼン国際バッハ音楽祭、ライヴ
※音源: Musical Masterpiece Society MMS 31他

ALIA VOX
AVSA-9953(1SACD)
KKC-6708(1SACD)
国内盤仕様
税込定価
モーツァルト:レクイエム KV626 レイチェル・レドモンド(S)
マリアンヌ・ベアーテ・キーランド(Ms)
ミンジェ・レイ(T)
マヌエル・ヴァルサー(Br)
ラ・カペラ・ナショナル・デ・カタルーニャ(合唱)
ジョルディ・サヴァール(指)

録音:2022年5月11-13日、カタルーニャ自治州カルドーナ城参事会教会
※国内盤=日本語帯・解説・歌詞訳付
幼い日、サヴァールが教会に足を踏み入れると、そこではモーツァルトのレクイエムのリハーサルが行われていました。サヴァールはそれを聴いて「音楽という ものがこんなにもすごい力を持っているなら、僕は音楽家になりたい・・・」と思ったといいます。それから長い年月が流れ、これまでに約230の録音をし てきたサヴァールが、モーツァルトの「レクイエム」をリリースします。
サヴァールはこれまで、中世からモーツァルトの時代(さらに最近ではベートーヴェンやシューベルト)まで、ありとあらゆる音楽をヴィオラ・ダ・ガンバや指 揮で演奏してきました。その中には宗教音楽も多くありましたが、サヴァールは、暗い悲しみと威嚇的な死、というものをスペインのカトリック主義という絵筆と 色彩で描いてきました。音楽家として、そして学者としてまさに「啓蒙」の人であるサヴァール。ここで、死者のためのミサ、という本来のレクイエムの宗教的 意義と効果を見事に私たちに提示してくれます。
残響が非常に豊か、かつ過剰ではない絶妙な会場「怒りの日」での激しさもありつつ、とてもやわらかな響きは、かつてない聴体験。「奇しきラッ パの響き」での神聖な響きには驚かされます。音楽史を生きてきたサヴァールにしかなしえない表現がここにあります。
2023年にはエスペリオンXXIとの来日も予定されており、80歳を超えてなおその躍進がとまらないサヴァールの動向から目が離せません。 (Ki)

ACCENTUS Music
ACC-80571CD(3CD)
ACCENTUS MUSICレーベル〜カンタータ集
■CD1:バッハ:バスのためのソロ・カンタータ集
カンタータ第21番BWV21「ライプツィヒ時代にバッハが残した」よりシンフォニア
カンタータ第82番BWV82「われは満ちたれり」
カンタータ第42番BWV42「この安息日の夕べに」よりシンフォニア
カンタータ第158番BWV158「平安なんじにあれ」*
カンタータ第169番BWV169「神にのみわが心を捧げん」よりシンフォニア
カンタータ第56番BWV56「われ喜びて十字架を担わん」
■CD2:バッハ:カンタータ集〜とどまれ かたえに天使よ わが かたえに
カンタータ第19番「かくて戦おこれり」BWV19
カンタータ第169番「神ひとり、わが心を知りたまわん」BWV169
カンタータ第158番「平和汝とともにあれ」BWV158
カンタータ第149番「人は喜びもて勝利の歌をうたう」BWV149
■CD3:バッハ:カンタータ集
カンタータ第33番「ただ御身へと、主イエス・キリスト」BWV33
カンタータ第17番「感謝の供えものを献ぐる者は、われを讃う」BWV17
カンタータ第99番「神のみわざはすべてなされ」BWV99
■CD1:
ミヒャエル・フォッレ(Bs)
ロビン・ヨハンセン(S)*
RIAS室内cho、
ベルリン古楽アカデミー
ラファエル・アルパーマン(オルガン、音楽監督)
録音:2016年12月ベルリン・イエスキリスト教会

■CD2:
シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊
ハンス=クリストフ・ラーデマン(指)
レンネケ・ライテン(S)
アンケ・フォンドゥング(A)
ベネディクト・クリスティアンソン(T)
ピーター・ハーヴェイ (Bs)
デヴィッド・フランケ(Org)
録音:2018年9月、聖ヴェンツェル教会、ナウムブルク

■CD3:
ライプツィヒ聖トーマス教会少年cho
ゴットホルト・シュヴァルツ(指)
ザクセン・バロックオーケストラ
ジュリア・ソフィー・ワーグナー(S)
シュテファン・カーレ(A)
ヴォルフラム・ラトケ(T)
トビアス・ベルント(Bs)
ACCENTUS MUSICからリリースされている、優れた3つの合唱団とオーケストラによるバッハのカンタータ集をまとめたボックス・セット。 ★ディスク1は、ベルリン古楽アカデミーとミヒャエル・フォッレによるライプツィヒ時代にバッハが残した独唱カンタータの中でも傑作揃いのバスのためのカンター タ3曲を収録した1作。貫禄たっぷりの深みのある声をもつベテランのフォッレとベルリン古楽アカデミーとRIAS室内合唱団の安定した緻密なアンサンブルは必 聴。ディスク2には、合唱指揮者として確固たる地位を築いているハンス=クリストフ・ラーデマンとシュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊によるバッハのカンター タ集。「大天使ミカエルの祝日」用に書かれたカンタータを中心にしたアルバム。そして最後ディスク3には、世界で最も歴史ある少年合唱団の聖トーマス教会合唱 団とその第17代トーマスカントルのゴットホルト・シュヴァルツ(2016〜2021年)によるカンタータ集。ソリストには、ドイツのソプラノ歌手ジュリア・ソフィー・ ワーグナー、アルトとテノールには同合唱団に在籍していたシュテファン・カーレとヴォルフラム・ラトケ、そしてフィッシャー=ディースカウにも師事したバリトンの トビアス・ベルントらが登場します。12世紀の聖トーマス教会完成とともに創設された、聖トーマス教会少年合唱団。バッハはこの教会の音楽監督を務め、少年た ちに指導をしながら作曲活動を行いました。ここに収録されている3つのカンタータ(BWV33,17,99)はバッハがライプツィヒにいた頃のものです。 (Ki)

Signum Classics
SIGCD-725(1CD)
神聖な音楽〜イングリッシュ・ソングブック
パーセル(ブリテン編):主よ、人とは?
パーセル(トーマス・アデス編):4つの歌
ウィリアム・クロフト(ブリテン編):神聖な音楽による讃歌
ニコ・ミューリー(b.1981):ニュー・メイド・タング
パーセル(ブリテン編):シリウスを目印に舟を進めよう
ハウエルズ:ダビデ王
ニコ・ミューリー:オールド・ボーンズ
トーマス・アデス:ザ・ラヴァー・イン・ウィンター
バターワース:「シュロップシャーの若者」 からの6つの歌
ニコ・ミューリー:4つの民謡
トーマス・アデス:歌劇 「皆殺しの天使」 の第2幕より コーヒー・スプーン・カヴァティーナ
イェスティン・デイヴィス(C.T)、
ジョゼフ・ミドルトン(P)

録音:2020年8月28日ー31日、ポットン・ホール(サフォーク、イギリス)
イェスティン・デイヴィスは、その美しく器用な声と知的なミュージシャンシップによって、世界でもっとも優れた歌手の一人として広く知られるイギリスのカウンターテナー。これまで2度のグラモフォン賞受賞、グラミー賞受賞、ローレンス・オリヴィエ賞ノミネートなどの実績を誇り、その功績から2017年には大英帝国勲章(MBE)を授与されています。
マイケル・ナイマン(とヘンリー・パーセルの音楽を組み合わせるという衝撃のプログラムで話題を呼び、英グラモフォン誌で「エディターズ・チョイス」(2019年5月)、「クリティクス・チョイス」(2019年12月)に選ばれるなど好評を博した「If」(SIGCD-586)。シューベルトの傑作「美しき水車小屋の娘」(SIGCD-697)に続く、シグナム・クラシックス(Signum Classics)からリリースされる3枚目のリサイタル・アルバムでは、"神聖"の様々な解釈やニュアンスを包含した作品を選曲。世界初録音となる「4つの歌」(パーセル/アデス)、「スプーンのアリア」(アデス)、「4つの民謡」「オールド・ボーンズ」(ミューリー)をはじめ、イェスティン・デイヴィスが収録する機会を待ち望んでいた英語圏の作曲家たちによる神聖な作品を集成しています。

Avie
AV-2562(7CD)
C.T.ニッケル:オラトリオ 「マルコによる福音書」(GATM) クライド・ミッチェル(指)、
バンクーバー・コンテンポラリー・オーケストラ、
キャサリン・レディング(S)、
ファビアナ・カッツ(Ms)、
カーマン・J.プライス(T)、
スティーヴン・ベランガー(Br)

録音:2019年6月〜7月、バンクーバー(カナダ)
カナダの人気現代作曲家、クリストファー・タイラー・ニッケル(b.1978)による超大作、オラトリオ「マルコによる福音書(The Gospel According to Mark / GATM」!1月〜3月にかけて配信限定で3つの抜粋盤がリリースされていましたが、ついにCD7枚組の全曲セットが発売となりました。
テキストには伝統的なラテン語やドイツ語ではなく、英語プロテスタントのテキストが選択され、欽定訳聖書(King James bible)の「マルコによる福音書」第1章〜第16章全文(!)を用いているという規格外のオラトリオ。室内楽サイズの弦楽オーケストラに2本のホルン、オーボエ(オーボエ・ダモーレ)、コール・アングレ(バス・オーボエ)を加えた編成に、ソプラノ、アルト(Ms)、テノール、バス(Br)の独唱で構成され、他のオラトリオとは異なり、歌手は特定の人物を表すのではなく、語り手と合唱を兼ねています。全部で約7時間に及ぶという超大作のオラトリオで、平和と動乱、闇と光のコントラストを通してリスナーを福音書の旅に誘います。
クリストファー・タイラー・ニッケル(1978-)はコンサートホール用の作品だけでなく、映画、テレビ、劇場のための音楽も得意とするカナダの作曲家。代表作には、各種オーボエ&オーボエ・ダモーレのための作品(無伴奏、ソナタ、室内楽、協奏曲)やクライド・ミッチェルが指揮した交響曲第2番、ノースイースタン・ペンシルヴェニア・フィルハーモニックが4万人の聴衆を集めた「自由のためのファンファーレ」、演劇ではジュール・ヴェルヌの「海底二万里」を題材にしたミュージカルやCatchingART Contemporary Balletのためのバレエ音楽、バンクーバーのシェイクスピア・フェスティヴァル「Bard on the Beach」の音楽などがあり、イギリスのAvieレーベルから、オーボエ協奏曲集(AV-2433)、交響曲第2番(AV-2456)、オーボエのためのソナタ&室内楽作品集(AV-2558)などがリリースされています。これまで、SOCAN(カナダ作曲家・著者・音楽出版社協会)賞4回、パークシティ映画音楽祭2004年金賞、レオ賞(カナダ、ブリティッシュコロンビア州の映画・テレビ業界向けの賞)2回(ノミネート14回)、西カナダ音楽賞ノミネートなどの栄誉に輝いています。
カナダ=アメリカの指揮者クライド・ミッチェルは、コロンビアSO(コロンビア共和国の首都ボゴタ)とツーソンSO(米アリゾナ州)で首席ホルン奏者を務めた後、シャルル・デュトワが指揮する名門モントリオールSOで副首席ホルン奏者も経験。モントリオール大学で教鞭を執り、バンクーバーSOのレジデント兼アソシエイト・コンダクターの役職を9年間務めた後、自身でライオンズ・ゲート・シンフォニア(バンクーバーのプロ・オケ)を創設し、クリストファー・タイラー・ニッケルの交響曲第2番などを初演しています。

DUX
DUX-1737(1CD)
グレツキ:作品集
イントロダクション/詩篇「Beatus Vir」 Op.38*
コンチェルト-カンタータ Op.65
カンティクム・グラドゥム Op.27
シモン・メフリンスキ(Br)*、
ウカシュ・ドゥウゴシュ(Fl)#、
ミロスワフ・ヤツェク・ブワシュチク(指)*、
ヤロスラフ・シェメット(指)、
シレジア・フィルハーモニーcho*、
シレジア・フィルハーモニーSO

録音:2020年12月、ヘンリク・ミコワイ・グレツキ・シレジア・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ポーランド)
戦後ポーランドの最も興味深い作曲家の一人であるヘンリク・ミコワイ・グレツキの優れた作品を集めた1枚。教皇ヨハネ・パウロ二世のポーランド訪問を記念してバリトン、混声合唱、管弦楽のために作曲された「Beatus vir」は記念碑的な作品で、歴史的な出来事と現代両方への象徴的な言及に満ちています。フルートと管弦楽のための「コンチェルト-カンタータ」は、瞑想的なものから荒々しいものまで、コントラストに富んだ4楽章からなる名作。長く続く和音のブロックを基調とした管弦楽のための「カンティクム グラドゥム」は声楽曲ではありませんが、作曲のタイトルや集中力に満ちた全体の雰囲気から、作曲者が愛した宗教音楽を思わせる作品です。
DUX
DUX-1927(1CD)
ルジツキ:歌曲集
8つの歌曲 Op.9(1905)
4つの歌曲 Op.12(1906)
歌曲集 Op.14(1906)
6つの歌曲 Op.16(1906)
3つの歌曲 Op.19(1908)
ラファウ・マイズネル(T)、
マテウシュ・ラサトヴィチ(P)

録音:2022年8月
シマノフスキやフィテルベルクらと共に「若きポーランド」の一員となったポーランドの作曲家、ルドミル・ルジツキの歌曲集。ルジツキの歌曲創作は若い頃に集中しており、本作に収録された26曲はすべて20代のうちに書かれています。

Da Vinci Classics
C-00697(1CD)
スピリチュアル・アリア集
ベートーヴェン:ゲレルトによる6つの歌 Op.48
シューベルト:天の火花 D651、
 連祷 D343、星々 D444、
 御身らの平安を祈る D551
バッハ(ブリテン編):5つのスピリチュアル・ソング(世界初録音)
バッハ(ブラームス編):ああ神よ、いかに多き胸の痛みを(世界初録音)
ブラームス:4つの厳粛な歌 Op.121
マウロ・ボルジョーニ(Br)、
キアーラ・ベルトリオ(P)

録音:2021年7月22日-23日&12月16日
この「スピリチュアル・アリア集」は世界的に活躍しているバリトン歌手のマウロ・ボルジョーニと、ピアニストのキアーラ・ベルトリオの選曲によってプログラムされました。ここで選ばれた霊歌にはバッハの作品をブリテンやブラームスが編曲した重要な世界初録音作品も含まれています。ベートーヴェンの「ゲレルトによる6つの歌」やブラームスの「4つの厳粛な歌」にはバッハの影響が見られ、シューベルトの作品には、祈り、死、希望、自然の美しさといったテーマが繊細かつ深い感情表現で描かれています。これらの作品は、音楽芸術という手段を通じて、私たちを瞑想と霊性の世界へと導いてくれるでしょう。

B RECORDS
LBM-050(1CD)
イントゥ・ザ・ウッズ 〜ドイツ、フランス、アメリカの歌曲
ソンドハイム(1930-2021):どんな時も 〜ミュージカル『イントゥ・ザ・ウッズ』
ブリテン:鰐
サン=サーンス:ジャン王の軍隊行進
デュパルク:旅への誘い
リスト:ガスティベルツァ
シューベルト:魔王
シューベルト:影法師
シューベルト:さすらい人の夜の歌
シューベルト:御者クロノスへ
レーヴェ:エドワード
ボルコム(1938-):ブラック・マックスの歌 〜『キャバレー・ソング第1集』
マイク・ストーラー(1933-)/ジェリー・リーバー(1933-2011):オートバイの男
ソンドハイム:みんなひとりじゃない 〜ミュージカル『イントゥ・ザ・ウッズ』
オーストラリアの伝承曲
ボタニー湾/ワルツィング・マチルダ
/Dying Stockman/ Wild Colonial Boy
サティ:3つの歌曲
ブロンズの彫像/ダフェネオ/帽子屋
ソンドハイム:Everybody Says Don’t 〜ミュージカル『口笛は誰でも吹ける』
ダミアン・パス(Br)
アルフォンス・スマン(P)

録音:2022年3月14日 アテネ・ルイ・ジューヴェ劇場、パリ (ライヴ/一部に拍手入り)
オーストラリア生まれでパリに学んだバス・バリトン、ダミアン・パスと、フランスでソロからアンサンブルまで幅 広く活躍するピアニスト、アルフォンス・スマンが贈る洒脱なライヴ。ミュージカル、フランス近代歌曲、そし てドイツ歌曲までを抜群の表現力、演技力で歌い分け、聴衆を沸かせています。

CD ACCORD
ACD-312(1CD)
NX-C03
ズザンナ・コジェイ(1994-):合唱作品集
混声合唱の為の(2018)
混声合唱の為の(2018)
混声合唱の為の(2017)
混声合唱の為の(2021)
混声合唱の為の(2020)
スターバト・マーテル - 女声合唱の為の(2017)
信頼のミサ- ソプラノ独唱、混声合唱と室内オーケストラの為の(2016-17)
アレクサンドラ・トゥラルスカ(S)
ナショナル・フォーラム・オブ・ミュージックcho
N-ハーモニー室内O
アグニェスカ・フランクフ=ジェラズニ(指)

録音:2022年1月4-5日、7月7-8日
全て世界初録音
作曲家・アレンジャーとして活躍するポーランド出身のスザンナ・コジェイの合唱作品集。 コジェイはワルシャワのショパン音楽大学を卒業後、多くの作曲家のもとで研鑽を積みました。彼女の 作品は、2015年に"‘Universitas Cantat'in Pozna?"のコンペティションで演奏された他、数多くの合唱コン クールで賞を受賞し、ヨーロッパやアメリカで頻繁に演奏されています。このアルバムに収録されているのは「スターバ ト・マーテル」と「信頼のミサ」を中心とした2016年以降に書かれた合唱作品。どの曲にもラテン語の典礼文と聖 書がテキストに用いられており、彼女がモットーとしている信頼、調和、平和の概念が反映されています。作品には 難解なハーモニーは使われておらず、どこか民謡を思わせる聴きやすく耳なじみのよい音楽です。

ALPHA
ALPHA-945(1CD)

NYCX-10390(1CD)
国内盤仕様
税込定価
バッハ:カンタータ 第78番ト短調 「わが魂なるイエスよ」 BWV78
オルガン・ソナタ(トリオ・ソナタ) 第2番ハ短調 BWV526
カンタータ 第60番ニ長調 「おお永遠よ、汝恐ろしき言葉」 BWV60
前奏曲 ハ短調 BWV546
カンタータ 第47番ト短調「みずから高ぶるものは、いやしめらるべし」 BWV47
ル・バンケ・セレスト(古楽器使用)
 編成:ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、トラヴェルソ、オーボエ2、ファゴット、チェンバロ
ダミアン・ギヨン(カウンターテナー、指)
セリーヌ・シェーン(S)
トーマス・ホッブズ(T)
ブノワ・アルヌー(Bs)
モード・グラットン(ソロ・オルガン)

録音:2022年5月28日-6月2日
 ブクリエ改革派教会、ストラスブール
※国内仕様盤日本語解説、歌詞日本語訳…藤原一弘
日本でも高い知名度と人気を誇るカウンターテナー、ダミアン・ギヨン率いるル・バンケ・セレストによるバッハ。ALPHAとZIG-ZAGからこれま でアルト独唱を中心としたカンタータのアルバム2枚をリリースしましたが、今回は三位一体節に関わる、全くの趣の異なった3つの作品を収録 しています。声楽器楽ともに世界中で活躍する名手たちが、1パート1人で担当する声部の綾が素晴らしく、さらにきめ細かかつダイナミックな 表現も楽しめるアルバムです。また使用されているオルガンは、歴史的オルガンに通じたドミニク・トマ工房が18世紀テューリンゲン式のモデル で建造したもので、カンタータの間には名手モード・グラットンによる独奏も収録。カンタータ第47番の前には、その冒頭合唱曲の主題の元と なったBWV546の前奏曲も聴くことが出来ます。

Passacaille
PAS-1092(1CD)
バッハ:カンタータ第35番『心も魂も乱れ迷い』 BWV35
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
カンタータ第169番『神にのみ心を捧げん』 BWV169
アレックス・ポッター(C.T)
レオ・ファン・ドゥセラール(Org)
イル・ガルデリーノ

録音:2020年9月7-9日/ドイツ、ゴスラー
バッハのカンタータ2作を収録。いずれも表情ゆたかなレチタティーヴォと技巧的なアリアが盛り込まれており、イタリア・オペラからの影響がみられます。ま たオルガン独奏を伴う協奏的なシンフォニアで始まるのも特徴。同じ音楽がチェンバロ協奏曲としても残されているので耳にしたことのある方も多いでしょう (BWV35のシンフォニアはBWV1059の第1楽章、BWV169のシンフォニアはBWV1053の第1楽章として知られるもの)。オルガン独奏曲『トッカータ、 アダージョとフーガ』をカップリングしており、全編でオルガンが活躍するアルバムとしても楽しめます。レオ・ファン・ドゥセラールはベルリン芸大教授で、オルガ ン、ピアノ、ピアノフォルテを弾き、数世紀にわたるレパートリーをもつ奏者です。

Hanssler
HC-22079(1CD)
「ルーツのある鳥たち」
サラ・ネムツォフ(1980-):8つの歌曲「郷愁」【世界初録音】
ブラームス:アルトのための2つの歌
ヤノト・ロスキン(1884-1946):3つのユダヤの歌【世界初録音】
アドルフ・ブッシュ(1891-1952):3つの歌 Op.3a
ヴァルター・ツィンマーマン(1949-):外へ【世界初録音】
テヒラ・ニニ・ゴルトスタイン(S)
ユリア・レ ベッカ・アドラー(Va)
ヤーシャ・ネムツォフ(P)

録音:2022年8月29日〜9月1日/ハウス・デス・ルンドフンクス、ゼンデザール(ドイツ)
知られざる作曲家に焦点を当て世界初録音を進めているピアニスト、ヤーシャ・ネムツォフ。当アルバムでは歌、ヴィオラ、ピアノという珍しい編成の作品を集め ました。アルバムの主軸はブラームスのオリジナル作品、アルト、ヴィオラ、ピアノのための「2つの歌 Op.91」です。1863年、ブラームスは友人であったヴァイ オリニストのヨーゼフ・ヨアヒムとコントラルトのアマリー・シュニーヴァイスの結婚祝いに「聖なる子守歌 Op.91-2」を作曲。ブラームスもヨアヒムもヴィオラの 音色が大好きでこの楽器にしか出せない音色を効果的に発揮し、歌とピアノの楽曲に仕上げました。
この他、当アルバムでは実に3世紀にわたるトリオのための作品が収録されており、オリジナル作品とサラ・ネムツォフとヴァルター・ツィンマーマン(1949-) の新作委嘱にも注目です。それぞれの詩は迫害、追放、ホームレスそして孤独といった現代の問題をテーマとし、この編成でしか表現できない密度の濃い世界を展 開しております。 (Ki)

APARTE
AP-297(1CD)
リスト:「聖人の伝説」集 vol.1
(1)ストラスブール大聖堂の鐘 S.6(バリトン、合唱とオーケストラのための)(1874)
(2)カンタンティブス・オルガニス S.7(アルト、合唱とオーケストラのための)(1879)
(3)2つの伝説 S.354〔水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ/小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ〕(1862-3)
(4)聖フランチェスコ S.665(1880)
(5)アッシジの聖フランチェスコの太陽の讃歌 S.4(バリトン、男声合唱とオーケストラのための(1862年/1879年改訂))
(6)ホザンナ S.677(バス・トロンボーンとオルガンのための)(1862-3)
トマシュ・コニエチュニ(Br)
ステファニー・ハウツィール(Ms)
ヴィエネンシスcho、
アド・リビトゥムcho
マルティン・ハーゼルベック(指揮およびオルガン(S.665)) 
ウィーン・アカデミーO

録音:(1)(2)(4)(5)2021年10月9,10日、ウィーン・イエズス会教会
(3)2015年6月5日、リスト・ホール
(6)1983年9月22日、ウィーン・コンツェルトハウス
ハーゼルベック(指)ウィーン・アカデミー管による、リストのシリーズがスタートします。1865年に僧籍に入ったリストは、キリスト教を題材とした作品を多く 書くようになります。そして、ほかの作曲家にはあまり例をみませんが、絵画や書物から題材をとった、聖人にまつわる音楽を多く書いています。ここでは、「聖人 の伝説」として、キリスト教上の様々な聖人にまつわる物語を音楽にした作品をシリーズとしてお届けします。第1弾は、聖チェチリア((2))、ふたりの聖フランチェ スコ(「2つの伝説」(3))などが取り上げられています。
リストが交響詩を多く書いたのは1850年でした。1862年頃の「2つの伝説」はピアノ版でも広く知られる作品ですが、ピアノ版とこの管弦楽版、どちらが先 に完成したかについては定かになってはいません(P版とは順序が逆になっています)。ピアノ版でも既に豊かな情景に満ちた音楽ですが、交響詩などと比べ ても遜色ないクライマックスの見事な演出など、管弦楽版ならではの魅力に満ちています。「小鳥」の音色を管楽器で奏でたりと、より一層豊かな色彩感をもって、 聖フランチェスコが説教するシーンが響きます。
ほかにも、アッシジの聖フランチェスコが自然を讃えた祈り「太陽の讃歌」に基づいた「アッシジの聖フランチェスコの太陽の讃歌」を収録。バリトン・ソロを務め るのはバイロイト音楽祭や東京・春・音楽祭などでもおなじみのトマシュ・コニエチュニ。「ストラスブール大聖堂の鐘」では、まるでワーグナーを思わせる管弦楽 と合唱をバックに、力強くもドラマティックな歌声を聴かせます。演奏会用小品の「ホザンナ」など、演奏機会の少ない作品が収録されております。
ハーゼルベックの指揮が導く音楽が非常にドラマティックにして敬虔な空気に満ちており、教会の荘厳な空気までをも伝えてくれるようです。
ハーゼルベックはオルガン奏者、指揮者として数多くのリリースと受賞を重ねた重鎮。1985年にピリオド楽器のウィーン・アカデミーOを設立し、バロッ クからロマン派作品まで、ウィーン楽友協会および世界中で演奏会シリーズを重ねました。

KLARTHE
KLA-152(1CD)
フォーレ:レクイエム(オルガン伴奏版)
 ラシーヌ賛歌Op.11
プーランク:黒衣の聖母への連祷
マルク・アンリク:メリオル・エスト・サピエンティア
ブーシュ・デュ・ローヌ聖歌隊アスマラ室内cho
マルク・スコフォーニ(Br)、
レニー・バルデ(Boy-S)
エマニュエル・アラケリアン(Org)
サミュエル・コカール(指)

録音:2022年6月15-17日サン・ヴァンサン・ド・ロクヴェール教会
南仏ブーシュ・デュ・ローヌにある青少年声楽芸術センターの合唱団による心洗われる宗教曲の世界。指揮は同センターでも教えているサミュエル・コカール。 彼は1999年に23歳でノートルダム大聖堂合唱団の指揮者となり、2002年からブーシュ・デュ・ローヌ聖歌隊の音楽監督を務めています。後者の急速なレベ ルアップを認められています。
このアルバムはオペラ歌手として活躍するマルク・スコフォーニを招き、コカールの教え子たちが無垢な児童合唱とボーイソプラノ独唱を聴かせてくれます。伴 奏もオーケストラではなくオルガンで、あたかも天上の響きのような清純極まりないひとときをもたらしてくれます。カップリングの「ラシーヌ賛歌」とプーランクの 「連祷」も静かな感動を味わせてくれます。
KLARTHE
KLA-154(1CD)
秘密の変奏曲
イッポリトフ=イワノフ:タゴールの4つの詩
シャミナード:メヌエット
サン=サーンス:夕べのヴァイオリン
リュカ・ドゥバルグ:ボードレールの詩による5つのメロディ
ユーリ・ガリペリン:オデッサの宇宙
ショスタコーヴィチ:アレクサンドル・ブロークの詩による7つの歌曲*
デンツァ:あなたがわかっていてくれたなら
ヴィクトリア・シェレシェフスカヤ(Ms)、
アレクサンドラ・スム(Vn)、
レミ・ジュニエ(P)
ヤン・レヴィオンノワ(Vc)*

録音:2022年3月/セブヴィル城
ヴィクトリア・シェレシェフスカヤはアレクサンドル・カントロフの師レナ・シェレシェフスカヤの娘で、ピアノの英才教育を受けピアニストとして知られています。 しかし生来の美声を惜しまれ、声楽を学び直しました。歌手としてのデビュー・アルバムは人気のアレクサンドラ・スム、レミ・ジュニエと組んで室内楽と歌のアンサ ンブルという興味深い内容となっています。
いずれもオリジナルで、「コーカサスの風景」で知られるイッポリトフ=イワノフ、「フニクリ・フニクラ」で知られるデンツァ、知人のリュカ・ドゥバルグ、ユーリ・ ガリペリンの曲など意欲的。さらにチェロのヤン・レヴィオンノワを加え、ショスタコーヴィチの「ブロークの7つの詩」に挑戦しているのも注目。フレッシュなアン サンブルが魅力です。
KLARTHE
KLA-156(1CD)
覚えていますか ?〜古への音楽オマージュ
(1)ウジェーヌ・ソゼー:八行詩/(2)同:春
(3)ラパラ:私が虜になった時
(4)ダンディ:古風な旋法によるマドリガル
(5)プーランク:平和への祈り
(6)アーサー・メッツナー:古い歌
(7)ラパラ:スシ追放/この金髪
(9)グノー:おお、わがつれなき美女
(10)ルイ・ピット:枝に咲き広がり
(11)ラヴェル:クレマン・マロの2つの風刺詩
(12)アーン:ラテンのエチュード〜サリヌム;ネール;タンダリス;フォロエ
フォーレ編:アポロへの賛歌
(14)フォーレ:マンドリン
(15)ラパラ:私は時々好き/(16)同:死と不運
(17)サン=サーンス:メヌエット
(18)ベロー:装飾のタンゴ
(19)ジュリエット:なんとなくセレナード
(20)フェルレ:エウリディーチェ*
ジャン =フランソワ・ノヴェッリ(T)
モード・グラットン(P)、
エドゥアール・フェルレ(P)*

録音:2021年4月、9月、2021年12月
ジャン=フランソワ・ノヴェッリは1970年生まれのフランスのテノール。パトリシア・プティボンとともにアンサンブル・アマリリスのメンバーとして活躍しまし た。主にバロック・オペラで定評のあるノヴェッリが近代フランス歌曲に挑戦。といっても、用いられている詩がクレマン・マロ、シャルル・ドルレアン、ピエール・ド・ ロンサール、ジャン=アントワーヌ・ド・バイフら中世・ルネサンス期の大物が中心で、作曲者たちのいにしえの時代への憧れを表しています。近代作品ながらノヴェッ リは古楽的アプローチにより、これまで聴いたこともなかったような新鮮な世界に誘ってくれます。

コウベレックス
KRS-5616(1CD)
税込定価
フォーレ:レクイエムop.48
 ラシーヌの聖なる賛美op.11
※ピアノ伴奏版(日本語監修:谷口惠一、ピアノ伴奏編曲:沢田真智子)
太田務(指)神戸市混声cho
沢田真智子(P)

録音:2022年11月25日西神中央ホール(神戸市)ライブ
谷口惠一は神戸市の職員として奉職し2013年退職。これまで音楽や合唱をこよ なく愛し、神戸クリスチャンクワイアの指揮や演奏などに携わり、宗教音楽の演奏活 動を広げてきた。2012年より、ブラームス「ドイツ・レクイエム」の日本語歌詞化に取り組み、15 年に楽 譜を出版し初演は16年。18年に神戸新聞松方ホールで延原武春指揮テレマン室 内オーケストラによる演奏会を開催。その後フォーレの「J. ラシーヌによる聖なる賛 美(ラシーヌ讃歌)」の日本語訳版を出版する。 1995年阪神淡路大震災後に開催されてきた「レクイエムの夕べ」(神戸市主催)で 神戸市混声合唱団により歌われてきたフォーレのレクイエムは、市民にとって大きな 心の慰めのコンサートであったが、残された人々の心、希望の光となる聖書的な部 分をもっと身近なことばで伝わらないのかと日本語化に取り組み、2021 年に楽譜を 出版(出版社:エピック)。2022 年に出版記念コンサートを神戸市の西神中央ホー ルで開催し、CD はそのライブ録音です。谷口のたっての希望で神戸市混声合唱 団に依頼した。プロの演奏家としてソリストとしても名を馳せるメンバーばかりの16 名 が、初心にかえって日本語演奏に取り組んだ。同団の副指揮者として歌い手達の ハーモニーと個性を引き出す太田務と、33年間専属ピアニストを務めた沢田真智 子の伴奏という贅沢な組み合わせです。ラテン語のイメージだけにひっぱられ ず、日本語ならではのフレーズ感と和声の響かせ方が聞きどころ。 ピアノ伴奏編曲は沢田真智子、カルマス版スコアとピアノ伴奏譜を参考にした丁寧 な構成で、美しくオーケストラやオルガン的な豊潤な音色が浮かびあがってくる。 この貴重なライブ録音からは、演奏会の来場者たちが、ことばの新鮮な世界にひき 込まれ、温かい思いに包まれている様子が伝わってくるのではないだろうか。

DUX
DUX-1874(1CD)
ヴァインベルク:歌曲集
アカシア Op.4
ジプシー・バイブル Op.57
記憶 Op.62/古い手紙 Op.77
アレクサンドラ・クバス=クルク(S)、
アンナ・ベルナツカ(Ms)、
モニカ・クルク(P)

録音:2022年(ヴロツワフ、ポーランド)
ポーランドのDuxレーベルから展開され人気を博し、ヴァインベルクの近年の再評価にも繋がっているシリーズ「ヴァインベルク・シリーズ」から歌曲集が登場。波乱に満ちた生涯を送ったヴァインベルクの素朴で美しく、どこか切ない歌曲集が4作収められています。すべて世界初録音。

Nimbus Alliance
NI-6437JP(1CD)
SONY DADCプレス盤
日本向け限定生産

ヴェルディ:レクイエム(リチャード・ブラックフォード編曲による合唱、2台ピアノ、オルガンとパーカッション版) デイヴィッド・ヒル(指)、バッハcho、ヘレナ・ディックス(S)、キャサリン・カービィ(Ms)、ルイス・ゴメス(T)、ジフン・キム(Bs)、イアン・ファリントン&アンナ・ティルブルック(2台ピアノ)、フィリップ・スクリヴン(Org)、ピーター・フライ(パーカッション)

録音:2022年2月11日-12日、ホーリー・トリニティ教会(スローン・スクエア、イギリス)
「グレート・アニマル・オーケストラ」や、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」の新編曲などの意欲作を続々と世に送り出しているイギリスの作曲家、リチャード・ブラックフォードによる前代未聞のアレンジで描く、ヴェルディの傑作「レクイエム」。
1876年に創設され、バッハのミサ曲ロ短調を英国で初めて演奏したのが始まりとされる最高峰の合唱団のひとつ、バッハ合唱団。およそ150年におよぶ歴史の中で、スタンフォード、ヴォーン・ウィリアムズ、デイヴィッド・ウィルコックスといった著名な音楽監督の下で合唱の伝統を後世に伝えるために、バッハ、モーツァルト、ヴェルディから現代作曲家まで、幅広いジャンルの作曲家たちの作品を取り上げてきました。
現在の音楽監督を務める名匠デイヴィッド・ヒルの提案により、これまでになかった合唱、2台ピアノ、オルガン、パーカッションという驚愕のアレンジ版レクイエムが誕生。本来フルオーケストラが奏でる幅広い色彩感を、ピアノと打楽器のダイナミックな輝きと、オルガンの持つ多様な音色で見事に再現するだけでなく、独自の特徴ある音世界を持つオーケストレーションの可能性を追求。オリジナル版が持つ魅力をそのままに、一線を画すサウンドでこの偉大な名曲に新たな世界を広げています。

※「NI6437JP」はSONY DADCプレスによる、日本向けの限定生産盤となります。海外で発売される「NI6437」品番の商品はCD-R盤です。予めご了承ください。

Signum Classics
SIGCD-742(1CD)
マニフィカト3
パーヴェル・チェスノコフ(1877-1944):混声合唱のための6つの合唱曲 Op.40-4より「ヌンク・ディミティス」
ハウエルズ:マニフィカト&ヌンク・ディミティス(St Paul’s Service)
フィリップ・ムーア(b.1949):マニフィカト&ヌンク・ディミティス(Sancti Johannis Cantabrigiense)
ケネス・レイトン(1929-1988):マニフィカト&ヌンク・ディミティス(Collegium Magdalenae Oxoniense)
ハウエルズ:マニフィカト&ヌンク・ディミティス(Westminster Service)
ジョージ・ダイソン(1883-1964):マニフィカト&ヌンク・ディミティス ヘ長調
チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード:マニフィカト&ヌンク・ディミティス 変ロ長調
ブライアン・ケリー(b.1934):マニフィカト&ヌンク・ディミティス ハ長調
アンドルー・ネスシンガ(指)、
ケンブリッジ・セント・ジョンズ・カレッジcho
ジョージ・ハーバート(Org)

録音:2022年1月12日-13日&4月21日-23日、セント・ジョンズ・カレッジ教会(ケンブリッジ、イギリス)
1670年代に創設され、世界でも有数のカレッジ聖歌隊として活動を続けるケンブリッジ・セント・ジョンズ・カレッジ合唱団と、2007年の音楽監督就任後、数多くの名演を共に創り上げてきた名指揮者アンドルー・ネスシンガ。英グラモフォン誌では「エディターズ・チョイス」に選ばれるなど、好評を博した『マニフィカト』シリーズの第3弾。このアルバムでは、1945年から1965年までの20年間の音楽に焦点をあてています。フィリップ・ムーアの「マニフィカト&ヌンク・ディミティス」は、ケンブリッジ・セント・ジョンズ・カレッジ合唱団のために特別に委嘱された作品です。また、ハウエルズによる二作品は、それぞれセントポール寺院とウェストミンスター寺院のために書かれたもので、ハウエルズの没後40年を記念して収録されました。
Signum Classics
SIGCD-746(1CD)
私は美しき人をみたり〜宗教合唱音楽
作者不詳/単旋聖歌:おお祝福されし天の光
パレストリーナ
:鹿が谷川を慕うごとく
ビクトリア
:ミサ曲 「私は美しき人をみたり」(ミサ・ヴィディ・スペチオザム)
アロンソ・ロボ:わがハープは悲しみの音に変わり
タリス
:おお聖なる饗宴よ
パーソンズ:私は知っている、贖い主は生きておられると
ジョヴァンニ・クローチェ:謙虚な精神で
フェルナンド・デ・ラス・インファンタス
:御身をたたえんわれを認めたまえ
作者不詳/単旋聖歌:アヴェ・マリア
デイヴィッド・ベヴァン:第7旋法によるマニフィカト
ホルスト
:ヌンク・ディミッティス
 アヴェ・マリア
スタンフォード
:いかに幸いなことでしょう
ベヴァン・ファミリー・コンソート、
グレアム・ロス(指)
メンバー:アグニス・ベヴァン(S)
アナスタシア・ベヴァン(S)
メアリー・ベヴァン(S)
ソフィー・ベヴァン(S)
リジー・ベヴァン(A)
フランシス・ベヴァン(A)
テス・ベヴァン(A)
ドミニク・ベヴァン(T)
エドワード・ベヴァン(T)
ハリー・ベヴァン(T)
デイヴィッド・ベヴァン(Br)
ヘンリー・ベヴァン(Br)
ベネディクト・ベヴァン(Bs)
ヒュー・ベヴァン(Bs)
マイケル・ベヴァン(Bs)

録音:2022年4月18日-21日、イギリス
メアリー・ベヴァンを筆頭に、声楽や教会合唱の分野で活躍するイギリスの音楽一家ベヴァン・ファミリー。オリジナルのベヴァン・ファミリー・クワイア(ベヴァン・ファミリー合唱団)は14人のきょうだいのうち11人で構成され、父親のロジャーが指揮を執って1975年にデビュー・アルバム(LP)をリリースしました。その後次男のデイヴィッドが引き継ぎ、デイヴィッドはウェストミンスター大聖堂の副音楽監督にも就任しました。ファミリーでの音楽活動の伝統はその後も盛んになり、2013年に2世代目の親戚の何人かが新しいファミリー合唱団を結成し、「ベヴァン・ファミリー・コンソート」と名づけられました。53人に及ぶ親類のうち15人から22人のメンバー(そのうち7人はプロの歌手)で活動しており、このアルバムでは、パレストリーナやタリスからホルスト、スタンフォード、そしてデイヴィッド・ベヴァン(メアリーの父)の作品まで、これまでファミリーが歌い親しんできた教会音楽がプログラムされています。

CAvi music
85-53516(1CD)
シューベルト:さすらい人 D489
墓掘人の郷愁 D842/死と乙女 D531
哀しみ D772
歌曲集 「白鳥の歌」 D957
岩の上の羊飼い D965
アンドレアス・バウアー・カナバス(Bs)、
ダニエル・ハイデ(P)
ドイツのバス歌手であるアンドレアス・バウアー・カナバスによる「白鳥の歌」を中心にしたシューベルトの歌曲集。音楽一家に生まれたカナバスは、音響技師になるための訓練を受けた後、ドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学などで声楽を学びました。そして、2007年から2012年にベルリン国立歌劇場、2013年よりフランクフルト歌劇場に所属し、これまでに、バレンボイムやネルソンス、そしてメッツマッハーなどの指揮者の下歌っています。その後もアバドやラトルなどと共演しその成熟した解釈と美しい歌声は、高く評価されています。このアルバムでもその実力を存分に発揮し、シューベルトの名曲の数々を歌い上げています。また、近年開かれたリサイタルでは、ますますその評価を高めており、人気実力ともに急上昇しているアーティストの一人です。

Delphian
DCD-34291(1CD)
オーケストラル・アンセムズ〜英国の管弦楽伴奏付き頌歌集
1. エドワード・ベアストウ(1874-1946):Blessed city, heavenly Salem
2. エルガー:見よこれぞ大祭司
3-4. ジョージ・ダイソン(1883-1964):マニフィカトとヌンク・ディミッティス(イヴニング・サーヴィス ニ長調)(ダグラス・ホプキンズ編曲オーケストラ版世界初録音)
5. ハウエルズ:Behold, O God our defender
6. パーセル:Jehova, quam multi sunt hostes mei(エルガー編曲オーケストラ版)
7. ヴォーン・ウィリアムズ:テ・デウム ト長調(アーノルド・フォスター編曲オーケストラ版)
8. フィンジ:Lo, the full, final sacrifice
9. エルガー:The Spirit of the Lord
ベンジャミン・ニコラス(指)、
オックスフォード・マートン・カレッジcho、
ブリテン・シンフォニア、アイネ・スミス(ソプラノ/tr.1, 8)、
ルアリー・ボーウェン(テノール/tr.6, 8)、
ウィリアム・トマス(バス/tr.6, 8)、
オックスフォード・マートン・カレッジ少女cho

録音:2022年7月1日-2日、オール・ハロウズ教会(ゴスペル・オーク)
英国合唱界の2人の名匠ベンジャミン・ニコラスとピーター・フィリップスの指導の下、瞬く間にオックスフォード大学の混声合唱団の代表的存在の1つとなったマートン・カレッジ合唱団。ブリテン・シンフォニアとの初コラボレーションとなった本アルバムでは、ベンジャミン・ニコラスは20世紀前半の神聖な合唱音楽をセレクト。ダイソン、ハウエルズ、エルガー、フィンジの元々オーケストラとの演奏を想定していた作品と、作曲者や親しい同僚が後にオーケストレーションを行った作品。それぞれ、王位継承式や戴冠式、イギリスのもっとも盛大な合唱祭のために書かれた華やかで荘厳な音楽をお贈りします。

Hyperion
CDA-68418(1CD)

PCDA-68418(1CD)
国内盤仕様
税込定価
スタンフォード:レクイエム Op.63 マーティン・ブラビンズ(指)、
バーミンガム市SO、
バーミンガム大学cho
キャロリン・サンプソン(S)、マルタ・フォンタナルス=シモンズ(Ms)、ジェイムズ・ウェイ(T)、ロス・ラムゴビン(Br)

録音:2022年7月2日-3日、シンフォニー・ホール(バーミンガム、イギリス)
※国内盤:解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き
2003年から2016年まで名古屋フィルの常任指揮者を務め、その後も度々来日公演を成功させ、2016年からはイングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督という大役を任されているイギリスの名指揮者マーティン・ブラビンズが、アイルランド人である作曲家スタンフォードの「レクイエム」を収録!
スタンフォードはわずか10歳の時にイギリスの著名な画家フレデリック・レイトンの絵画を観てその作品から影響を受けています。その作品は新古典派に属するもので、スタンフォードにとって共感できる部分が多かったのでしょう。カトリック信者であったレイトンが1896年に亡くなると、それを契機に「レクイエム」を作曲することになりました。そのスタイルもスタンフォード自身が20年前にケンブリッジに持ち込んだブラームスの「ドイツ・レクイエム」のように慰めと再生をテーマにしており、決して審判や天罰の恐怖をテーマにしているものではありませんでした。四人のソリストと合唱団、オーケストラという大きな編成で書かれてはいますが、スタンフォードの初期の作品である交響曲とオペラの側面が見事に融合しており、合唱団は複雑な対位法よりも讃美歌的なハーモニーで歌うことが多くなっています。

Ars Produktion
ARS-38633(1CD)
伝説と英雄
シューマン:歌人の呪い Op.139、
 3つの詩 Op.30
リスト:ローレライ S273.1、
 ラインの美しき流れのほとり S272.1
 シラーの「ヴィルヘルム・テル」からの3つの歌 S292.2
エミール・シェーグレン(1853-1918):ユリウス・ヴォルフの「タンホイザー」から6つの歌 Op.12
シューマン:リーダークライス Op.39
セバスティアン・コールヘップ(T)、
アンドレアス・フレーセ(P)

録音:2021年8月3日-4日&6日-7日
ドイツのテノール歌手セバスティアン・コールヘップは、同世代の中でも今後を期待されている一人で、2022/23年シーズンにはバイエルン国立歌劇場やウィーン国立歌劇場に出演、また2023年にはミラノ・スカラ座デビューが決まっています。これまでにもオペラ公演だけでなく、シュターツカペレ・ドレスデン、SWRSO、そしてボストンSOといった一流のオーケストラとの共演も数々行っている期待のテノール歌手です。

TUDOR
TUD-7503(1CD)
NX-A14
シューベルト:ドイツ・ミサ曲/ブラームス: 四重唱曲 Op.92他
シューベルト:ドイツ・ミサ曲
ロッシーニ:ゴンドラ乗り
小さな旅
ブラームス:四重唱曲 Op.92- 合唱とピアノのために
ルツェルン・ヴォーカル・ゾリステン
【メンバー】
ブリギッテ・クーン/ハイディ・ロイトホルド/コリンネ・リュシャー
ブリギット・シュミット(S)
ブリギッタ・フルーリー/ヨハンナ・クラウス/ヨハンナ・モン
クリスティーネ・ヴァルザー(A)
エルンスト・デスター/ローベルト・ランカー/宇佐美 尊(T)
ミシェル・ジャカール/ミヒャエル・パヴル/シェルドン・パイン
ペーター・タールマン(Bs)
イル・ディヴェルティメント
【メンバー】
ハンス=ルドルフ・シュタルダー/リヒャルト・シェーネンベルガー(Cl)
レナーテ・ヒルデブラント/ランドール・クック(Ob)
トーマス・ミュラー/ユルク・アーレマン(Hrn)
ヴァルター・シュティフトナー/ドンナ・アグレル(Fg)
アンサンブル・エドワード・H・タール
【メンバー】
エドワード・H・タール/ボー・ニルソン(Tp)
ハインリヒ・フーバー/ポール・シャピュイ/ハワード・ウェイナー(Tb)
エーリッヒ・ジンガー(ティンパニ)
マルティン・ミュラー(Cb)
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)
フランツ・クサヴァー・ヤンス(指)

録音:1980年12月20、21日
1970年、ルツェルン音楽祭でアレッサンドロ・スカルラッティの「聖チェチーリアの夕べの祈り」の世界初演をきっ かけに、フランツ・クサヴァー・ヤンスとハンス・イェルク・ヤンスの2人によって創設された声楽アンサンブル「ルツェ ルン・ヴォーカル・ゾリステン」。ペーター・マークやヴォルフガング・サヴァリッシュ、ミシェル・コルボら錚々たる指揮 者たちとも共演し、バロックから近現代まで幅広い演目を歌いましたが、出発点となったアレッサンドロ・スカル ラッティには特に注力、1983年から88年まで毎年ルツェルン音楽祭の期間中に、聖レオデガー教会でハン ス・イェルク・ヤンスの指揮のもと演奏を重ねました。 1980年に録音されたこのアルバムには、2つの器楽アンサンブル"イル・ディヴェルティメント"と"アンサンブル・エ ドワード・H・タール"との共演による、シューベルトの「ドイツ・ミサ曲」を中心にしたプログラムが収録されていま す。絶妙に溶け合う美しい声の饗宴が繰り広げられます。ブラームスの四重唱曲にピアノ伴奏で参加してい るのは名手ミェチスワフ・ホルショフスキ。この時点ですでに88歳という年齢にもかかわらず味わい深い演奏を 聞かせます。*既発のLPより復刻となります。

LSO Live
CCR-000(1SACD)
ライヒ:18人の音楽家の為の音楽 コリン・カリー・グループ、
シナジー・ヴォーカルズ

録音:2022年11月16日、アビイ・ロード・スタジオ
ライヒが認めるパーカッショニスト、コリン・カリー。カリーが、自身結成したコリン・カリー・グループを率いて、ライヒの「18人の音楽家の為の音楽」 を録音しました。ビートルズで有名なアビイ・ロード・スタジオでの録音です。2006年、ライヒの「ドラミング」を演奏するために結成されたのがこのコリン・ カリー・グループ。ライヒも認めるその正確さとグルーヴ感はますます研ぎ澄まされています。2023年4月には、来日してこの「18人の音楽家の為の音 楽」ほかを披露する予定。少しずつ変容しながら繰り返され重なり合い、シンクロし、またずれてゆくリズムが織りなす、”鮮烈な”トランス状態をぜひ、実感し てください!
「コリン・カリー」
1976年エディンバラ生まれ。2000年ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ・ヤングアーティスト賞、2005年ボルレッティ=ブイトーニ・トラスト賞受賞。 圧倒的なパーカッショニズムで世界を魅了する存在。ソリストとしてコンセルトヘボウ管、フィラデルフィア管、ロサンゼルス・フィル、ロンドン響、フィルハーモ ニア管などとの共演多数のほか、リサイタルや室内楽でも活躍。ライヒ、カーター、アンドリーセン、マクミラン、ラウタヴァーラ、アホ、ターネイジらの作品の 初演を手がています。

PREISER
PRCD-90845(1CD)
ベートーヴェン:歌曲集
恋する男 WoO139
希望に寄せて Op.94
遥かなる恋人に寄す Op.75-5/追想 WoO136
満ち足りたもの Op.75-6
恋人に寄せて WoO140
異郷の若者 WoO138
私を思いだして WoO130
山の呼び声 WoO147/口づけ Op.128
ゲレルトの詩による6つの歌 Op.48(全6曲)
星空の下の夕べの歌 WoO150
憧れ Op.83-2/新しい恋、新しい人生 Op.75-2
憧れ WoO146/
遥かなる恋人に寄す Op.98(全6曲)

ヴォルフガング・ホルツマイアー(Br)
マルクス・フォルツェルナー(P;1874年製ベーゼンドルファー)

録音:2022年2月2-6日/ウィーン

フィリップスはじめ多くのレーベルに録音を残してきた、1952年オーストリア生まれのバリトン、ヴォルフガング・ホルツマイアー。ウィーンのレーベル 「PREISER」から、2022年録音のベートーヴェン歌曲集が登場

GENUIN
GEN-23798(1CD)
信仰について - 肖像
バード:喜んで歌いなさい
ガブリエリ:新しい歌を主に向かって歌え
スウェーリンク:喜べ、エルサレムよ
ブジニャック:ハレルヤ、神は言う
キンベルガー:バビロン川のほとりで
トーマス:神は彼らの目から涙をすっかり拭いとるだろう
ポーラーズ:ああ主よ、あなたの怒りで私を罰しないでください
ヴァイスマン:詩篇121「わたしは山にむかって目をあげる」
ブラウティガム:神は私たちの確信である
ラミン:来なさい、聖なる聖霊よ
ヘラー/アベル:良い力によって
チルコット:今こそ去らせなさい(シメオンの賛歌)
タウベ:海がこんなに輝いたことはなかった
キーホー:流水
マクドナルド:星の昨夜
スウェーデン民謡:古い羊飼いの賛歌
ヴォイスメイド【リリ・ハイン(S) 、ヨハンナ・ヤーガー(Ms) 、エバ・レジョンクロウ(A) 、ヨハン・ヤコブ・ヴィンター(T) 、フリーデマン・マインハルト(Br) 、ヴィンセント・ベルガー(Bs)】

録音:2022年2月5,6日,3月12,13日 ドイツ デベルン35
ドイツの声楽六重唱団、ヴォイスメイド voicemeade のおそらくデビューCD。ルネサンスか ら近年の作品まで様々な作品が収録されています。 ヴォイスメイドは2017年結成の若い団体。ライプツィヒを拠点に活動しています。透明で精緻な 歌の絡み合いは古い歌も新しい歌もいずれも見事で素晴らしい。 (Ki)
GENUIN
GEN-23817(1CD)
シマノフスキ、ラビリチ、シューベルト、スミルノフ、シュトラウス歌曲集
シマノフスキ:ミチンスキの詩による4つの歌
ラビリチ(b.1988):イワノフの詩による連作歌曲〜私に話して,寒さが来る,私の憧れは打ち負かされない
シューベルト:夜の曲 D672Op.36-2
 小人 D771 Op.22-1
 丘の上の若者 D702Op.8-1
スミルノフ(b.1952):「淀み」〜ロルカの4つの詩による女声低声とピアノの為の連作歌曲
R.シュトラウス:庭で野薔薇を摘んで来た AV-49
 愛そうと思う者は Op.49-7
 薔薇のリボン Op.36-1/夜の散歩 Op.29-3
 憩えわが心 Op.27-1
ナタリア・ボエヴァ(Ms)
ポリーナ・スピリナ(P)

録音:2021年11月1-4日 ドイツ ミュンヘン
二人のロシア人による歌曲集。ナタリア・ボエヴァはソ連末期のレニングラード(ほどなくサ ンクトペテルブルクに改称)の生まれ。サンクトペテルブルク音楽院で学んだ後、同地でデビ ュー。2012年にイタリアの進出し、2013年8 月、イタリア、ペーザロのロッシーニ・歌劇・フェ スティヴァルの「ランスへの旅」に出演。その後はミュンヘンを拠点とし、また 2018/19年のシーズンからアウグスブルク州立歌劇場に所属した。ロシア人ならではの暗めのしっとりした美 声が映え、しかも歌い口はとても丁寧。また 1988年生まれのアレクサンドル・ラビリチや 1952年生まれのディミトリ・スミルノフ(1948 年生まれのベラルーシの同名の作曲家とは別人)のロ シア語の歌曲も加えています。ポリーナ・スピリナもサンクトペテルブルク出身のピアニスト。

BIS
BISSA-2595(1SACD)
『灰燼に帰す』
ジョナサン・ダヴ(1959-):今夜眠るものはみな(All You Who Sleep Tonight)
ジョージ・バタワース(1885-1916):死者の為の祈り(Requiescat)
レベッカ・クラーク:シールマン(海から来た男)(The Seal Man)
フィンジ(1901-1958):歳月の時計(The Clock of the Years)
 花輪をささげよう(Let Us Garlands Bring)
ジョン・アイアランド(1879-1962):三羽のカラス(The Three Ravens)
アイヴァー・ガーニー(1890-1937):棺台の脇で(By a Bierside)
エルガー:心からの願い(Pleading) Op.48nO1
ヴォーン・ウィリアムズ:空は屋根の上にあって(The Sky above the Roof)
アーサー・サマヴェル:シュロプシャーの若者(A Shropshire Lad)
ブリテン(編):トム・ボウリング(Tom Bowling)
アイヴァー・ガーニー(1890-1937):最愛のあなた、私が死んでも(Dearest, when I am dead)
リザ・レーマン:ヘンリー王(Henry King)
エロリン・ウォレン(1958-):このあたりは(About Here)
ウォルズリー・チャールズ(1889-1962):緑色の目をした竜(The Green-eyed Dragon)
ジェームズ・ニュービー(Br)、
ジョーセフ・ミドルトン(P)

録音:2022年1月31日-2月3日/ゼンデザール(ブレーメン)
「BBC New Generation Artists(2018?2022)」のひとりに選ばれたイギリスのバリトン歌手、ジェームズ・ニュービー(1993-) は、2020年、デビューアルバム『彷徨いながら不思議に思う』(BIS SA-2475)をリリース。「素晴らしく均質なバリトンの声は、ビロードのようになめらかで、 ゆるぎない技術により全声域で安定している」(”Opera Today”)と好意的な評価を受け、共演のジョーセフ・ミドルトンのピアノとともに、「りっぱなデビュー ディスク」(”BBC Music Magazine”)と言われました。
アルバム第2作『灰燼に帰す』は、イギリスの作曲家たちの音楽によるプログラムで作られました。「2015年、姉妹のローラが亡くなった。それからというもの、 何か彼女に捧げることをしたいと願ってきた。そして、彼女の葬儀でフィンジの「照りつける太陽をもう恐れるな」を歌ったことから、この曲の入った 曲集「花輪をささげよう」をメインにしたプログラムがふさわしいのではないかと思った」(ジェームズ・ニュービー)。『十二夜』『ヴェローナの二人の紳士』『お 気に召すまま』といったシェイクスピアの戯曲をテクストにしたフィンジの曲集とともに、A・E・ハウスマンの『シュロプシャーの若者』の10の詩に曲をつけたアー サー・サマヴェルの作品も「ハイライト」です。 (Ki)

Maguelone
MAG-358443(1CD)

KKC-6694(1CD)
国内盤仕様
税込定価
メシアン:「ハラウイ―愛と死の歌―」 小林真理(Ms)
棚田文紀(P)

録音:2008年10月/モントロイユ、コンセルバトワール内ホール
現在フランスを拠点に演奏・教育の両面で活躍し続ける、日本を代表するメゾ・ソプラノ小林真理がメシアンの「ハラウイ」を録音しました。
小林はレジーヌ・クレスパンのもとで学び、ウィリアム・クリスティのクラスを1等賞で卒業した実績をもち、フランス歌曲、古楽から現代音楽まで知性とテクニッ ク、豊かな音楽で魅了しています。その小林の東京芸術大学博士課程論文のテーマがメシアンの「ハラウイ」でした。そのライフワークともいえる作品を、パリ 留学時代からの信頼おけるピアニスト、棚田文紀を迎えて満を持してリリースしました。
メシアンが1945年に作曲した異国趣味の作品「ハラウイ」は、ペルーに伝わるインカ帝国の民謡からインスピレーションを得た12からなる歌曲。「ハラウイ」 はケチュア語で「愛と死の歌」を意味し、戦争という体験の中で死に近づいた後、再びメシアンが新しく生まれた如く生き始めたころに作曲された悲恋物語です。 小林と棚田が思いを込めて演奏しております。
日本語解説書付の国内仕様版(KKC-6694)には小林真理による楽曲解説および歌詞対訳付です。 (Ki)

CORO
COR-16196(1CD)
戴冠式〜王室行事の為の音楽
ヘンデル:戴冠式アンセム 「司祭ザドク」 HWV 258
バード:おお主よ、御身のしもべエリザベスが
ブリテン:合唱舞曲集(第4、第5&第6の踊り)(「グロリアーナ」より)
ギボンズ:神の偉大なる王
パーセル:主に向かって新しき歌をうたえ(抜粋)
セシリア・マクドウォール:おお主よ、御身のしもべエリザベスが(世界初録音)
ティペット:踊れ 、クラリオン・エアを(「女王の為のガーランド」より)
バード:この甘く陽気な5月
作曲者不詳:ディス・デイ・デイ・ドーズ
ブリテン:ユビラーテ・デオ
パーセル:恋の食べ物の音楽(「いざ、全能の王の代理人を迎えん」より)
バード/タリス:ミゼレーレ・ノストリ
ヘンデル:戴冠式アンセム 「主よ、王はあなたの力に喜びたり」 HWV260
タリス:歌え、賛美せよ
ザ・シックスティーン、
ハリー・クリストファーズ(指)
1979年にハリー・クリストファーズが設立し、それ以来世界最高クラスの合唱団として活動し続けている英国合唱界の至宝、ザ・シックスティーン。これまで、ザ・シックスティーンが録音してきた様々な「王室行事の為の音楽」を集成したロイヤル・コンピレーション!
英グラモフォン賞2009で“バロック声楽部門賞”に輝いたヘンデルの「戴冠式アンセム」や、タリスの40声のモテット『御身よりほかにわれは(Spem in alium)』の英語版である『歌え、賛美せよ(Sing and glorify)』など、500年にわたる王室音楽の歴史を俯瞰。個人的な祈りから戴冠式などの国家的行事の音楽まで、祝典、祈祷、記念の為の様々なスケールの音楽を、ザ・シックスティーンの壮麗な歌声で彩ります。
2014年に英国作曲家賞(現:アイヴァーズ作曲家賞)を受賞した現代イギリスのもっとも著名な作曲家の一人、セシリア・マクドウォール(b.1951)の新作『おお主よ、御身のしもべエリザベスが』は、エリザベス2世の人生と治世を記念した作品で、ジェネシス財団の委嘱により作曲され、今回世界初録音されています。
2023年5月に予定されているチャールズ3世の戴冠式に向けても必携のアイテムとなることでしょう!

Da Vinci Classics
C-00674(1CD)
エリザベト・ジャケ=ド=ラ=ゲール(1665-1729):クラヴザン作品集
第1組曲 ニ短調/第2組曲 ト短調/第3組曲 イ短調/第4組曲 ヘ長調
サルヴァトーレ・カルキオロ(ハープシコード)

録音:2005年9月、スコルディーア(イタリア)
エリザベト・ジャケ=ド=ラ=ゲール(1665-1729)は、音楽家の家庭に生まれ、その才能を開花させる機会に恵まれ、総合的な文化教育を受けながら、宮廷音楽家として独自のキャリアを築いていきました。彼女の作品は出版され高い評価を得ており、特にそのクラヴザンの為の作品に用いられた作曲技法は、その卓越した技術を証明しています。
同世代の中でも最も優れたチェンバロ奏者の一人であるサルヴァトーレ・カルキオロが、これらの歴史的な作品の音楽的価値を詳細に体現するような演奏で聴かせてくれています。
Da Vinci Classics
C-00665(1CD)
家庭の音楽〜クラヴィコード作品集
パッヘルベル:トッカータ ニ短調 P154- フーガ ニ短調 P461
テレマン:ああ、私は貧しい罪人 TWV31:21
パッヘルベル:心から望んでいます P378
テレマン:幻想曲 ヘ長調 TWV33:25
パッヘルベル:神の子羊よ、無垢なる者よ P 393
シャイト(1587-1654):私はあなたを呼ぶ SSWW114
カウフマン:我らが父
テレマン:幻想曲 ニ短調 TWV33:2、Christ lag in Todesbanden TWV31:27
ミケーレ・キアラミダ(クラヴィコード)

録音:2022年7月18日-20日、ローマ(イタリア)
バロック時代のドイツではルター派のコラールは教会の公式の礼拝だけでなく、家庭や家族のプライベートな領域にも広く浸透しており、音楽・宗教文化全体の枠組みを構成していました。家庭内で愛用されたクラヴィコードは、特に女性たちによるコラールの歌唱に寄り添い、より自由な前奏曲やより複雑なパルティータという形で、コラールの曲調をより緻密な音楽にすることを可能にしました。
ミケーレ・キアラミダは、歴史に根ざした演奏活動の第一人者であり、クラヴィコード製作者としても高く評価されている人物です。彼の演奏は、クラヴィコードの無限に広がる繊細なニュアンスを生き生きと表現し、時に新進気鋭の歌手の若々しい歌声と相まって、その澄んだ音色は宗教的で感情的な経験の神秘的な親密さを呼び起こします。
Da Vinci Classics
C-00686(1CD)
R.シュトラウス:歌曲集
8つの歌 Op.10/4つの歌 Op.27
商人の鑑 Op.66
ジョー・チョー(S)、
マリノ・ナオン(P)

録音:2022年3月(イタリア)
「8つの歌」はR.シュトラウスにとって最初の本格的な歌曲集で、「4つの歌」は才能あるソプラノ歌手であった妻への結婚祝いのために作られました。そしてこのアルバムに収められた最後の作品「商人の鑑」は滅多に聞くことの出来ない作品です。なんと出版社への復讐劇を描いたもので卑猥なセリフで出版社を揶揄し、厳しく批判するという珍しい作品となっています。
ソプラノのジョー・チョーはソウル生まれで、ヴェルディ音楽院を卒業しました。その後ペーター・シュライアーやヘルムート・ドイッチュに師事し、ヨーロッパやアジアで活動しています。

Tactus
TC-810003(1CD)
19世紀の未出版歌曲集
ファビオ・カンパーナ(1819-1882):ボローニャへのオマージュ
スタニスラオ・ロンジ(18223-1893):ロマンツァ
アントニオ・サンペリ(1828-1893):Una serenata a Sorrento
ガエターノ・コルティチェッリ(1804-1840):The ariette da camera
ミケーレ・レイチェル(19世紀):La rosa
ピエトロ・アントニオ・コッポラ(1793-1876):Rapito nell'estasi
ジュゼッペ・ビレッタ(1810-1894):Una memoria
フェデリコ・ヴェラーニ(1822-1907):Le rocher des aveux
アルトゥーロ・クィリチ(19世紀):バルカローラ
アレッサンドロ・ニーニ(1805-1880):La serenata del pastore
クリト・モデラッティ(1830-1907):Penso a te
ルイジ・ザンボ-ニ(1767-1837:La fioraia fiorentina
バルバラ・ヴィニュデッリ(S)、
ステファノ・マルフェッラーリ(P)

録音:2021年10月
19世紀、人々が音楽を楽しむのに身近にあったのは室内楽でした。それらを演奏するのはプロだけでなくアマチュアも参加し楽しんでいました。そういった音楽はロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディなどの有名な作曲家によって残されたものもありますが、無名の作曲家によって残されたものも多数あります。ボローニャのリスト研究所に残されていた未出版の作品をこのアルバムでは収録しています。

Hyperion
CDA-68425(1CD)
イーヴォ・アントニーニ:合唱作品集
我がもとに来たれ
主に向かいて歌え
おお、偉大なる神秘よ
永遠の光
天の元后 喜びたまえ
希望は羽をまとった姿で
立ち上がれ友よ
天のいと高きところに栄光あれ
トリニティー・サーヴィス/記憶
主をほめたたえよ/アレルヤ
優しい言葉/神を喜びたたえよ
天使
スティーヴン・レイトン(指)、
ケンブリッジ・トリニティ・カレッジcho

録音:2021年7月、聖ペテロ&パウロ教会(イギリス、サール)
イギリス合唱界の名指揮者、スティーヴン・レイトンが音楽監督を務める名門ケンブリッジ・トリニティ・カレッジ合唱団。バッハ、ヘンデルなどの古楽からスタンフォード、フィンジ、ハウエルズ、マクドウォール、オワイン・パークなどの近現代音楽まで広いレパートリーを誇る彼らの最新盤は、スイス出身の作曲家イーヴォ・アントニーニ(1963-)の合唱作品集!現在は合唱音楽の作曲に専念しているアントニーニですが、もともと映画、テレビ、ジャズの分野で活躍していたこともあり、どの作品も親しみやすく甘美なものに仕上がっています。彼のいくつかの作品は国際的な賞を獲得しており、2016年にはニューヨークのリンカーン・センターで彼の作品だけを取り上げたコンサートが開催されました。初の主要な大規模作品である『合唱、オーケストラ、ソプラノ、ピアノの為の「母なる大地への祈り」』はカーネギー・ホールで初演が行われています。

Challenge Classics
CC-72962(3CD)
バッハ:マタイ受難曲 BWV244 ゲルリンデ・ゼーマン(ソプラノ1)
マリー・クイケン(ソプラノ2)
ペトラ・ノスカイオヴァ(アルト1)
パトリツィア・ハルト(アルト2)
クリストフ・ゲンツ(テノール1、福音史家)
ベルンハルト・フンツィカー(テノール2)
ヤン・ファン・デル・クラッベン(バス1、イエス)
マルクス・ニーダーマイア(バス2)
エミリエ・デ・フォフト(リピエーノ、下女、ピラトの妻)
オリヴィエ・ベルテン(ペテロ、ピラト、祭司長2)
ニコラス・アクテン(ユダ、大祭司カヤバ、祭司長1)
シギスヴァルト・クイケン(指揮)
ラ・プティット・バンド

録音:2009年4月5-9日/ベルギー、ルーヴェン、プレディクヘーレン教会
盤として知られるシギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンドによる2009年録音の『マタイ』が再発売。ソリストが合唱パートもこなし、オケは少人数 に切り詰められ、研ぎ澄まし磨き上げられた演奏です。少年合唱をソプラノに置き換えるなど発表当時は賛否両論な面もありました。しかしすべては、作品を堅苦 しいアカデミズムに陥らせるのではなく、真に生きたものとして響かせんとする姿勢からきているのであり、だからこそ今もなお鮮烈な名演として評価され残り続 けているのでしょう。『マタイ』録音史に輝く名盤です。 ※2019年発売のハイブリッド盤(CC72821)は廃盤になっております。 (Ki)

REFERENCE
FR-750(1CD)
Le Dolce Sirene / Bach Aria Soloists
モンテヴェルディ:苦しみが甘美なものならば SV332
ヘンデル:「メサイア」より”シオンの娘よ大いに喜べ”
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ 変ロ長調 Op.65,-4より第4楽章
ヘンデル:「甘い静けさ、やさしい泉よ」 HWV.205
バッハ:カンタータ「わたしは自分に満ち足りている」 BWV.204より”Die Schatzbarkeit der weiten Erden”
セシリア・マクドウォール(1951-):シェイクスピアの詩による4つの歌
バッハ・アリア・ソロイスツ:ラ・フォリアによる変奏曲(即興)
バッハ・アリア・ソロイスツ
エリザベス・スー・レーン(Vn)
サラ・タンヒル・アンダーソン(S)
エリサ・ウィリアムズ・ビッカース(ハープシコード、オルガン、ピアノ)
ハンナ・コリンズ(Vc)
ヴァイオリン奏者のエリザベス・スー・レーンが創設したバロック・アンサンブル、バッハ・アリア・ソロイスツによるアルバム。ヴァイオリン、ソプラノ、鍵盤楽器、 チェロという楽器編成の女性アンサンブルで、モンテヴェルディ、ヘンデル、メンデルスゾーン、バッハ、そしてイギリスの現代作曲家セシリア・マクドウォールの作 品を収録しています。本作は、ソプラノのサラ・タンヒル・アンダーソンのソロを中心とした選曲ですが、4人の多才さと演奏の妙技が存分に発揮された1枚です。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187031(1CD)
「折れた枝」
(1)ダウランド:「時が静止する」
(2)ハーヴェイ(1939-2012):「Sufi Dance」
(3)カッチーニ:「東の門より」
(4)モンテヴェルディ:「かくも甘い苦悩が」
(5)モンテヴェルディ:「私のトルコ女」
(6)「La prima vez」(セファルディの伝承曲)(ショーン・シベ&カリム・スレイマン編)
(7)「Lamma bada yatathanna」(アラブ・アンダルシア伝統歌曲のムワッシャハ)(シベ編)
(8)サイード・ダルウィーシュ(1892-1923):「El helwa di」(ロニー・マレー編に基づくシベ&スレイマン編)
(9)ファイルーズ(1934-):「Li Beirut」(原曲:ロドリーゴ:アランフェス協奏曲より第2楽章「アダージョ」)(シベ&スレイマン編)
(10)ラヤーレ・シャケール(1990-):「A Butterfly in New York」
(11)武満徹:「ウェインスコット・ポンド」〜ギターの為の3つの小品『森のなかで』より
(12)ブリテン:『中国の歌』
カリム・スレイマン(T)
ショーン・シベ(G)

録音:2022年8月8-12日/セント・マーティン教会、イースト・ウッドヘイ(ニューベリー)
色の天才ギタリスト、ショーン・シベのPENTATONE第3弾アルバムが早くも登場。今回はテノール歌手のカリム・スレイマンとの共演でダウランド、モンテヴェ ルディ、ブリテン、ロドリーゴ、武満徹、ハーヴェイ、シャケールから中東の伝統歌曲まで、東洋と西洋の文化や音楽の密接なつながりを表したコンセプト・アルバム 「折れた枝」です!
レバノン系アメリカ人であるスレイマンと日本人とイギリス人の間に生まれたシベはともに民族的ルーツは東洋であり、西洋で育った2人のアーティストが“中間 的な”アイデンティティを体験したことがこのコンセプトのきっかけ。「折れた枝(Broken Branches)」は、ギターとテノールがディアスポラ(民族離散)として 知られる歴史の分裂を表現しています。
カリム・スレイマンはシカゴ児童合唱団で活動し、少年時代にはアルトのソリストとしてゲオルク・ショルティ(指)シカゴSO、レナード・スラットキン(指) セントルイスSOとも共演しています。2018年にソロとしてのデビュー・アルバムをリリースし、2019年の第61回グラミー賞にノミネートされています。
ショーン・シベはスコットランド王立音楽院で学び、その後イタリアでパオロ・ペゴラーロに師事。その後の活躍は目覚ましく2017年のロイヤル・フィルハーモニッ ク協会音楽賞で「ヤング・アーティスト賞」を受賞しています。PENTATONEレーベルより「巡礼」(PTC-5186870)、「ロスト・アンド・ファウンド」(PTC-5186988)をリリースしております。 (Ki)

Cypres
CYP-8622(1CD)
NX-B10
ソプラノ、ヴァイオリンと弦楽合奏のための作品集
バッハ:憐れみたまえ、神よ 『マタイ受難曲』 BWV244より
バッハ:ヴァイオリン協奏曲 ト短調 BWV1056R
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲(カール・シンプソンによるソプラノと弦楽合奏のための編曲版)
パーセル:私が地の下に横たわる時 歌劇「ディドとエアネス」より
メンデルスゾーン:ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲 ニ短調
メンデルスゾーン:不幸な女よ Op.94(イーゴリ・バディンシテインによるソプラノと弦楽合奏のための編曲版)
ヴェルディ:アヴェ・マリア
R・シュトラウス:あすの朝 Op.27-4 (マティアス・サムイルによるソプラノ、ヴァイオリンと弦楽合奏のための編曲版)
アンナ・サムイル(S)
タチアナ・サムイル(Vn)
ワロニー王立室内O
ヴァハン・マルディロシアン(通奏低音、指揮)

録音:2021年3月24-27日 アルソニック、モンス、ベルギー
モルドヴァの音楽一家に生まれた姉妹、アンナ・サムイルとタチアナ・サムイルのアルバム。いずれも伸びやかな歌が魅力の、姉タチアナのヴァイ オリンと妹アンナのソプラノが、親密な音楽を聴かせます。ギトリスとの来日でピアニストとしても有名なアルメニア出身の指揮者マルディロシア ンのタクトも、広い時代にわたる作品それぞれの魅力を丁寧に引き出してゆきます。

Gramola
GRAM-99276(1CD)
NX-B08
春のおもい
モーツァルト:夕べの想い K.523
 楽しい安らぎが(ミスリヴェチェクによる声とピアノ編)
 ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K.570? 第2楽章 Adagio
シューベルト:ます D550
 春のおもい D686
 セレナード D957
 アヴェ・マリア D839
 楽興の時 第2番変イ長調
ブラームス:永遠の愛について Op. 43No.1
 調べのように私を通り抜ける Op.105No. 1
シューベルト:楽興の時 第6番変イ長調
作者不詳:Herdsman Song 牧歌
Peidong Xu (1954-):Songs of my Hometown
マリー・チョー(S)
ニルス・ムース(P)

録音:2021年11月&2022年6月
中国語とクラシックの曲を収録した前作「私はこの地を愛す」(GRAM99275)の続編とも言える1枚。今作ではソ プラノのマリー・チョーがモーツァルト、シューベルト、ブラームスのドイツ・リートと2曲の中国の歌を披露しています。ピ アノは前作と同じニルス・ムース。アルバム内ではモーツァルトとシューベルトのピアノ曲を演奏し、花を添えました。 マリー・チョーは香港出身。香港舞台芸術大学のオペラ・音楽部門を卒業し、現在は北京のAcademy of Performing Artsで教鞭を執っています。

SWR music
SWR-19128CD(2CD)
NX-C09
ジェルジ・リゲティ:無伴奏合唱曲全集
【CD1】
1. Haj, ifjusag! おお、若さよ(1952)
2. Papaine パーパイ夫人(1953)
Kallai kettos カーライ・ケットゥシュ -2つのハンガリー民謡の編曲(1950)
3. I.
4. II
Matraszentimrei Dalok マートラセンティムレの歌 (1955)
5. I. Harom hordo3つの樽
6. II. Igaz szelerem 真実の愛
7. III. Gomb, gomb ボタン、ボタン
8. IV. Erdobe, erdobe 森の中へ、森の中へ
9. Magany 孤独(1946)
Ejszaka - Reggel 夜、朝(1955)
10. I. Ejszaka 夜
11. II. Reggel 朝
12. bn Husvet イースター(1946) 
13. Betlehemi kiralyok ベツレヘムの3人の王(1945-46)
14. Chorlied nach Goethe ゲーテによる合唱曲(1942)*
15. Choral コラール(1941)*
16. A varro lanyok お針子(1942)        Idegen foldon 異国の地で(1945-46)
17. I. Siralmas nekem それは私にとって悲惨だった
18. II. Egy fekete hollo 黒いカラス
19. III. Vissza ne nezz 振り返らないで
20. IV. Fujdogal a nyari szel 夏の風が吹く
21. Bujdoso お尋ね者(1946)
22. Magos k-sziklanak 高い崖のそばで(1946)
23-26. Negy lakodalmi tanc4つの結婚式の踊り(1950)
27. Lakodalmas 婚礼の歌(1950)
28-30. Inaktelki notak3つのハンガリー民謡(1953)
【CD2】
1. Hortobagy ホルトバージ(1952)
2. Temetes a tengeren 水葬(1943)*
Hajnal 夜明け (1949-50)*
3. Hajnal I 夜明け I
4. Hajnal II 夜明け II
5. Hajnal III 夜明け III
6. Burjat aratodal ブリヤートの収穫祭の歌(1945)
7. Nagy idok 偉大な時(1946/48)
8. Dereng mar a hajnal もう夜明けだ(1945)
9. Tel 冬(1950)*
Ket Balassa Balint-korus バラッシャ・バーリントの詩による2つの合唱曲(1946)*
10. Csillagok palotaja 星の宮殿
11. Mezok illatoznak … 香る牧草地
12. Orban オルバーン(1942)*
13. Az asszony es a katona 女と兵士(1951)
Ket kanon2つのカノン(1947/52)
14. I. Ha folyoviz volnek
15. II. Pletykazo asszonyok
16. Lux aeterna 永遠の光(ルクス・エテルナ)(1966)
Magyar Etudok nach Gedichten von Sandor Weores
シャーンドル・ヴェレシュの詩によるハンガリーのエチュード(1983)
17. I. Etude No.9
18. II. Etude No.49, Etude No.40
19. III. Etude No.90
Drei Phantasien nach Friedrich Holderlin フリードリヒ・ヘルダーリンによる3つのファンタジー(1982)
20. I. Halfte des Lebens 生の途上
21. II. Wenn aus der Ferne 彼方から
22. III. Abendphantasie 夕べの幻想
SWRヴォーカル・アンサンブル
ユヴァル・ワインバーグ(指)

【CD1】
12. 独唱:ドロテア・ヴィンケル(S)
15. 独唱:ミシェル・ライアン(S)
18. 独唱:中曽和歌子(S)
21独唱:ゲオルク・ゲドカー(Br)
23-26. 独唱:ヨハンナ・ジマー(S)、キルステン・ドローペ(S)、ユディト・ヒルガー(A)/ピアノ:辺見智子
28-30. I独唱:フィリップ・ニーダーベルガー(Br)

【CD2】
1. 独唱:クリストファー・カプラン(T)
14.15. 独唱:クリストファー・カプラン(T)、フィリップ・ニーダーベルガー(Br)、アレクサンドル・ユデンコフ(T)、ベルンハルト・ハルトマン(Br)

録音:SWR Funkstudio, Stuttgart (CD2:1のみSt. Michael, Sillenbuch)
2022年10月4-5日…CD1:1
2021年11月8-12日…CD1:2、14、17-22
2019年9月9-13日…CD1:3、4、9-12、27-30
2022年9月19-23日、10月7日…CD1:5-8、15-16、23-26、 CD2:2、8-11
2020年12月18日…CD1:13
2022年10月4-5日…CD2:1
2021年11月8-12日…CD2:3-7、12-15
2022年10月14-15日…CD2:16
2020年6月3-5日…CD2:17-19
2021年3月16-18日、22日…CD2:20-22
*・・・世界初録音
ハンガリーの作曲家ジェルジ・リゲティの無伴奏合唱作品集。 彼の合唱曲と言えば、ラテン語をテキストにする無伴奏16声部の「ルクス・エテルナ」がよく知られています。それぞれのパートが複雑に絡み合い、移り 行くハーモニーを紡いでいくこの演奏至難な曲は映画『2001年宇宙の旅』で効果的に用いられ、聴く人を魅了しました。 しかし、リゲティはコダーイの影響で合唱作品を作るようになったということで、この「ルクス・エテルナ」とドイツ語の歌詞を持つ「フリードリヒ・ヘルダーリンに よる3つのファンタジー」を除いた彼の合唱作品は全てハンガリー語の歌詞が用いられ、特有のリズムやイントネーション、アクセントを大切にしたものば かりです。 この2枚組のアルバムでは、世界初録音を含むリゲティの無伴奏合唱曲をすべて収録。 曲のスタイルは年代を追って変化、時には前出の「ルクス・エテルナ」のような実験的な作品もありますが、基本的には豊かな響きと簡潔なリズムで書 かれた合唱の魅力を引き出すものばかり。たとえ言葉を理解していなくても、存分に楽しむことが可能です。 アルバムで歌っているのは、創立75年以上の歴史を持つ南西ドイツ放送合唱団の選りすぐりのメンバーたちによる「SWR(南西ドイツ放送)ヴォーカ ル・アンサンブル」。20人ほどの少人数で結成されており、現代作品を中心に250曲以上のレパートリーを持つ彼らは世界中のコンサートホールで見 事なハーモニーを披露しています。2004年から2020年まではマーカス・クリードが首席指揮者をつとめアンサンブルの向上に寄与してきました。 2020/21年シーズンからは、1990年生まれでテルアヴィヴで音楽を学びベルリンとオスロで研鑽を積んだユヴァル・ワインバーグが新しい首席指揮者 に就任。このアルバムが彼とアンサンブルの初録音となります。

BIS
BISSA-2573(1SACD)
「楽園」〜シューベルト・リサイタル
(1)妹の挨拶(1822) D.762
(2)ガニュメート(1817) D.544
(3)月に寄せて(1815-26) D.193
(4)水の上で歌う(1823) D.774
(5)若い尼僧(1825) D.828
(6)春の神(1816) D.448
(7)夜と夢(1823) D.827
(8)星(1828) D.939
(9)月に寄せて(1815-26) D.259
(10)万霊節の連祷(1816) D.343
(11)ナイチンゲール(1816) D.497
(12)ミューズの息子(1822) D.764
(13)愛らしき星(1825) D.861
(14)子守歌(1826) D.867
(15)君はわが憩い(1823) D.776
(16)楽園(1817) D.584
(17)別れ(1826) D.829
キャロリン・サンプソン(S)、
ジョゼフ・ミドルトン(P)

録音:(1)(8)(10)2020年9月21-23日、(2)-(7)(9)(11)-(17)2021年7月6-8日/ポットン・ホール、サフォーク州(イギリス)
バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしてもおなじみの名歌手キャロリン・サンプソン。BISレーベルから数多くのディスクをリリー スしておりますが、当アルバムは『ズライカ』(BIS SA-2343)に続く、シューベルトの第2弾となります。
サンプソンは「完璧なコロラトゥーラ技術と豊かにのびる輝かしい声」と評され、世界の聴衆を魅了し続けています。バロック・古典派の歌曲からオペラまで幅広 いレパートリーで積極的な演奏活動を展開しておりますが、なかでもシューベルトは非常に評価が高く美しい発音と歌声で魅了します。
共演は名ピアニスト、ジョゼフ・ミドルトンで、サンプソンとはヴォルフの「イタリア歌曲集」(BIS SA-2553)、『女性のためのアルバム〜ロベルト&クララ・ シューマンのリート集』(BIS SA-2473)、『「コントラスト」〜イギリス名詩による歌曲集』(BIS SA-2413)、『狂気のなかの正気』(BIS SA-2353)、『「私 の安らぎは消え失せた」〜デュエットと独唱曲集』(BIS SA-2279)、『花にまつわる歌曲集』(BIS SA-2102)、『ヴェルレーヌの詩による歌曲集』(BIS SA-2233)など、数多くの録音でも共演しております。 (Ki)
BIS
BISSA-2611(1SACD)
ベント・サーアンセン(1958-):マタイ受難曲(2019) 独唱:ディテ・マリーエ・ブレイン(S)、
マーリ・アスクヴィーク(A)、
オイスタイン・ステンスハイム(T)、
ハルヴォル・フェステルヴォル・メリン(Bs)
ノルウェー・ソリストcho
アンサンブル・アレグリア,
グレーテ・ペーデシェン(指)

録音:2022年3月24-26日/リス教会、オスロ(ノルウェー)
デンマークのベント・サーアンセン(1958-)は、北欧の音楽シーンでもっとも作品が演奏され、もっとも賞賛を集めている作曲家のひ とりです。三重協奏曲「都市の島(L’isolda della Chitta)」で2018年のグローマイアー音楽賞を受賞しました。イプ・ヌアホルムとペア・ヌアゴーに学び、早 い時期に見つけた自身の「声」に忠実に作曲をつづけています。
「マタイ受難曲」は、2014年ごろの「なによりも「マタイ受難曲」を作曲したい」という思いが発端となって生まれました。構想を練り、作品の姿が整ってきた ころ、受難曲のことを発表。オスロ国際教会音楽祭とデンマーク国立SOの共同委嘱が決まりました。
「霧の中の旅 - 光に入り、光から出る。磔刑に向かう旅、さらにいえば復活に向かう旅。自信を信じること、死というより復活を信じることを感じた」(サーアン セン)。〈霧のヴェールの中に〉から〈霧の中〉まで10章による音楽として作られ、一部ラテン語の部分をのぞく、基本的に英語によるリブレットは、王立デンマー ク音楽アカデミーのヤコブ・ホルツェがサーアンセンの意図を汲み、まとめあげました。『聖書』のほか、エーディト・セーデルグラン、アンナ・アフマートヴァ、エミ リ・ディキンソン、セーアン・ウルリク・トムセン、オーレ・サーヴィー、フランク・イェーヤの作品が引用され、第4章〈嵐の夜〉は、ディキンソンの『嵐の夜、嵐の 夜に』の全詩と『イザヤ書』の「恐れるな、わたしはあなたを贖う……」(43章)がテクストに使われました。「磔刑と復活によるキリストの人類すべてへの愛の表 明というだけでなく、つましく美しい愛」(サーアンセン)。サーアンセンの音楽に固有の「光と影のグラデーション」と「静寂」のテクスチュアによる「愛の情熱(love passion)」の作品です。
2022年3月27日、グレーテ・ペーデシェン指揮のノルウェー・ソリスト合唱団とアンサンブル・アレグリアがオスロ大聖堂で初演。アルバムは、バッハの『モ テット』(BIS SA-2251)と同じオスロのリス教会で初演に先立って行われたセッションで録音されました。 (Ki)

WERGO
WER-6439(1CD)
ゲノエル・フォン・リリエンシュテルン(1979-):クチュール
(1)広告的音声 Voz Comercial 〜声楽家とアンサンブルのための(2017)
(2)クチュール Couture 〜ふたりのシンセサイザー独奏と管弦楽のための(2014)
(3)大きな絵 Big Picture 〜声楽家とアンサンブルのための(2018/21)
(4)頂上 Top 〜アンサンブルのための(2012/13)
(1)ヨハンナ・ヴァル ガス(歌 )、マリアーノ・キアッキアリー ニ(指 揮 )、アンサンブ ル・ガレージ
(2)ベンジャミン・コブラー(オーバーハイム OB-Xa、ローランド JUNO-106)、ラース・ヨンソン(ヤマハ DX7、ローランド D-50)、イラン・ヴォルコフ(指)、南西ドイツRSO
(3)ソエトキン・エ ル バース(歌 )、マリアーノ・キアッキアリー ニ(指 揮 )、アンサンブ ル・ガレージ
(4)スコット・ボイルズ(指)、アンサンブル・インターフェース

録音:2013-2021年
1979年生まれのリリエンシュテルンは、CM音声や80年代ポップスなど、自分が繰り返しよくきいた音をサンプラー素材として作品を作っています。それらは いわば高度に商業化された音であり、コラージュ素材として意味ありげな素材に見えますが、なにか別の意味を含ませるとか、主観的な良し悪しをほのめかす、と いった感じはまったくなく、気持ち良いくらいにあからさまに引用しています。それによって獲得された独特な雰囲気は実に個性的。
シンセサイザーとオーケストラという編成で書かれた『クチュール Couture』は南西ドイツRSOの委嘱作品。機械音と生音、新しさと伝統が対比される イメージ…かと思いきや、およそまるで違う音楽が展開されます。使われるシンセサイザーはどれも80年代のもので、名器とされながらもすでに時代遅れとみな されている楽器であり、オーケストラもまた、同じ存在感をもつ「音源」という扱い。曲調としては80年代シンセ音楽が基礎にあり、その中で両者の音は溶け合う ように織り込まれ、どこまでシンセか、どこからオケか、判然としないサウンドでたゆたいます。これがスコアに実際に書かれ、伝統によって高められたSOが 演奏しているというのも不思議な感覚にさせられます。
『頂上 Top』はゲートリバーブのかかったスネアに始まります。80年代のヒット曲が使われ、終盤にヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」が登場。 (Ki)

Naive
OP-7901(1CD)
ヴィヴァルディ:3つの声のためのセレナータ RV690 アンドレア・ブッカレッラ((指)チェンバロ)
アブコルディス・アンサンブル
マリー・リス(ソプラノ/ エウリッラ)、ゾフィー・レンネル(メゾ・ソプラノ/ ニース)、
アンチオ・ゾルツィ・ジュスティニアーニ(テノール/アルシンド)

録音:2022年6月4-7日、リーエン(スイス)
18世紀の声楽ジャンルの「セレナータ」といえば、祝祭、誕生日、政治的イベント、あるいは結婚などといったお祝い事で演奏されることが多く、神話を題材と するものを指します。野外で(ごく稀に簡単な舞台を伴う)、松明の明かりのもとで演奏されました。2部構成をとり、合間に聴衆は飲み物などを手にします。ヴィ ヴァルディは全部で8つのセレナータを作曲したとされていますが、手稿譜が現存しているのはそのうちの3曲のみ。その中で、このRV 690はフランスの貴族トゥ レイユ氏が、平民との女性との自身の結婚を祝うためにヴィヴァウルディに発注したと考えられています。このセレナータのストーリーは、妖精のエウリッラが羊飼 いのアルシンドにアプローチするが、アルシンドは妖精と羊飼いという身分の違いから、本気ではないと考え拒絶する。しかし、アルシンドがエウリッラの思いに気 づいて心を開くと今度はエウリッラが彼を拒絶する、というなんともいえないものですが、これは貴族と平民との結婚を暗喩していると考えられます。美しいアリア がそろい、『テウッツォーネ』『ティート・マンリオ』にもこの作品のアリアが転用されています。 (Ki)

DUX
DUX-1843(1CD)
モニューシュコ:声楽作品集
主イエスへの賛歌/主の意志を賛美する/Zgadzanie sie z wola boska/Sub tuum praesidium/Modlitwa.W poswistach wichrow losu/老人と老婆/コラール/コザック/ああ、我が母/船員の歌/兵士の歌/Rada/私の心/市長/老兵/異国の歌手/晩鐘/Znasz-li ten kraj/古時計
スビグニェフ・ステンプニャク(Bs)、
クシシュトフ・キエルツル (P)

録音:2021年5月10日-13日
バス歌手スビグニェフ・ステンプニャクによるモニューシュコの声楽作品集。「神聖なもの」と「世俗的なもの」を表題にした歌曲を組み合わせて対比させたプログラムにしています。その歌声は周囲を優しく包み込むような特徴を持っており、温かみのある歌曲集に仕上がっています。

Signum Classics
SIGCD-749(1CD)
セシリア・マクドウォール(b.1951):ダ・ヴィンチ・レクイエム*
零下70度**
ウィンブルドンcho、シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニア、ニール・フェリス(指)、ケイト・ロイヤル(S)*、ロデリック・ウィリアムズ(Br)*、ベンジャミン・ヒューレット(T)**

録音:2022年2月22日-23日、聖オーガスティン教会(ロンドン、イギリス)
2014年に英国作曲家賞(現:アイヴァーズ作曲家賞)を受賞した現代イギリスのもっとも著名な作曲家の一人、セシリア・マクドウォール(b.1951)による「ダ・ヴィンチ・レクイエム」は、作曲者が「死者のためのミサ」から選んだラテン語のテキストとレオナルド・ダ・ヴィンチのノートからの抜粋を組み合わせたものをテキストとしており、7つの楽章で構成されており芸術的かつ哲学的な作品となっています。「零下70度」はテノールのソリストと室内オーケストラのために書かれた3楽章の作品となっています。南極探検家ロバート・ファルコン・スコットが妻へと当てた手紙を基としたもので、スコットたちが集めた過去のデータが今日の研究の基盤となっており、「過去」と「現在」を結びつけたいという思いが込められているとセシリア・マクドウォールは語っています。
ウィンブルドン合唱団は、記録によるとそのルーツは1870年まで遡ることが出来ます。イングランド南東部で最高のアマチュア合唱団として高く評価されています。

Chandos
CHAN-20182(1CD)
ジェイド・マウンテン〜ラッブラ:歌曲集
エドマンド・ラッブラ:1.ロサ・ムンディOp.2/2.子守歌 Op.8-1/3.Nod/4.オルフェウスとリュート Op.8-2/5.シルヴィアとは? Op.8-3/6.アウト・インザ・ダーク Op.13-1/7.イット・ワズ・ア・ラヴァー Op.13-3/8.夜 Op.14/9.ルーン・オヴ・ホスピタリティ Op.15/10.ア・デュアン・オヴ・バッラ Op.20/11.ア・ウィドウ・バード・セイト・モーニング Op.28/12.祈り Op.17-1/13-14.2つの歌 Op.22/15.イン・ダーク・ウェザー Op.33/16. インヴォケイション・トゥ・スプリング Op.17-2/17-18.ウィリアム・アラバスターによる2つのソネット Op.87/19-20.2つの歌 Op.4/21.聖母賛歌 Op.13-2/22-26.ジェイド・マウンテン Op.116/27.夜想曲 Op.54/28.サルヴェ・レジナ Op.119/29. ノー・スワン・ソウ・ファイン Op.91/30.フライ・エンヴィアス・タイム Op.148/31-33.3つの詩篇 Op.61/34.親愛なるリザ Op.7
ルーシー・クロウ(ソプラノ/tr.5-7,10,11,15,16,19-26,29,30)
クレア・バーネット=ジョーンズ(メゾ・ソプラノ/tr.1,2,12-14,17-18,31-34)
マーカス・ファーンズワース(バリトン/tr.3,4,8,9,27,28,34)
ティモシー・リダウト(ヴィオラ/tr.17-18)
カトリン・フィンチ(Hp)
イアン・バーンサイド(P)

録音:2022年2月6日、7日&23日、ポットン・ホール(サフォーク、イギリス)
シリル・スコットとグスタフ・ホルストに師事し、同時代のジェラルド・フィンジと親交があったイギリスの作曲家エドマンド・ラッブラ。本アルバムでは、ラッブラが作曲家としての生涯を通じて書き続けた多くの作品の中から、ピアノとハープ伴奏による歌曲全作品を収録しています。
英国王立音楽院で学び、パーセル、ヘンデル、モーツァルトからドニゼッティのアディーナ、ヴェルディのジルダまで幅広いレパートリーを持つ現代を代表するリリック・ソプラノの一人、ルーシー・クロウを筆頭に豪華ソリスト陣が名を連ね、名歌曲伴奏者のイアン・バーンサイド、「ハープの女王」とも称されるカトリン・フィンチ、次世代のスター・ヴィオラ奏者ティモシー・リダウトという伴奏陣も万全のサポートで臨んだ1枚です。

NovAntiqua Records
NA-77(1CD)
ルイジ・グイダ:歌曲集(全22曲) カンディダ・グイダ(A)、
エウフェミア・マンフレディ(P)

録音:2022年2月(イタリア、ナポリ)
パヴァロッティが何度も録音した「おお優しいイエス様 O Jesu mi dulcissime」などいくつかの声楽曲で名を残すイタリア近代の作曲家、ルイジ・グイダ(1883-1951)の貴重な歌曲集。ブックレットにはイタリア語の歌詞が掲載されています。

H.M.F
HMM-902356(3CD)
明るい時〜ナディア&リリ・ブーランジェ作品集
■Disc1
ナディア・ブーランジェ
(1)わが心(サマン)
(2)聴いておくれ、いとも甘美な歌を(ヴェルレーヌ)
(3)落日(ヴェルレーヌ)
(4)銀の湖を見に行こう(シルヴェストル)二重唱
(5)ヴェルサイユ(サマン)
(6)大いなるゆううつな眠り(ヴェルレーヌ)
(7)イルダ(サマン)
(8)私の恋人(サマン)
(9)愛の詩(シルヴェストル)
(10)カンティーク(メーテルリンク)
(11)チェロとピアノのための3つの小品
(12)うつろな時(メーテルリンク)
(13)シャンソン(ドラキ)
(14)冬の夜(ナディア・ブーランジェ)
(15)新生活に向って【ピアノ曲】
(16)疑惑(モークレール)
(17)道端で(モークレール)
(18)私は手を打った(ジャン=フランソワ・ブルギニョン)
■Disc2
ナディア・ブーランジェ
(1)恍惚(ユゴー)
(2)オーバード(ティルスラン)
(3)絶望(ヴェルレーヌ)
(4)エレジー(サマン)
(5)シレーヌ(アドニス&デヴォー=ヴィリテ)
(6)おお、誓うな(ハイネ)
(7)孤独な涙は何を望む(ハイネ)
(8)ああ、またもその瞳(ハイネ)
(9)祈り(バタイユ)
(10)明るい時(ヴェルハーレン)【ラウル・プーニョとの合作。全8曲】
(11)小品【ピアノ曲】
(12)美しき船(ドラキ)
(13)海(ヴェルレーヌ)
(14)交換(モークレール)
(15)ナイフ(モークレール)
(16)シャンソン(モークレール)
■Disc3
リリ・ブーランジェ
(1)小品【ヴァイオリンとピアノ】
(2)待ちぼうけ(メーテルリンク)
(3)反映(メーテルリンク)
(4)夜想曲【ヴァイオリンとピアノ】
(5)帰郷(ドラキ)
(6)序奏と行列【ヴァイオリンとピアノ】
(7)天空の広間(フランシス・ジャム)(全13曲)
(8)無限の悲しみの中で(ギャロン・ド・カロンヌ)
(9)春の朝に【ヴァイオリンとピアノ】
(10)悲しみの夕べに【チェロとピアノ。ナディア・ブーランジェ編】
■Disc1
ルシール・リシャルドー(メゾソプラノ:11、15以外)、
アンヌ・ド・フォルネル(P)、
ステファヌ・ドゥグー(Br)(4)、
エマニュエル・ベルトラン(Vc)(11)

■Disc2
ステファヌ・ドゥグー(Br)(1)(2)(6)(8)(10)(15)(16)、
ルシール・リシャルドー(Ms)(3)(4)(7)(10)(12)(13)(14)、
ラケル・カマリーナ(S)(5)(9)、
アンヌ・ド・フォルネル(P)

■Disc3
サラ・ネムタヌ(Vn)(1)(4)(6)(9)、
エマニュエル・ベルトラン(Vc)(10)、
ステファヌ・ドゥグー(Br)(2)(3)、
ルシール・リシャルドー(Ms)(5)(8)、
ラケル・カマリーナ(S)(7)、
アンヌ・ド・フォルネル(P)

録音:2022年2月、6月セーヌ・ミュジカルRIFFXスタジオ(ブローニュ・ビリヤンクール
ブーランジェは、姉ナディアが名教師としてコープランドやバーンスタイン、マルケヴィチ、リパッティ、バレンボイム、グラスから、ミシェル・ルグラン、ピアソラ、 キース・ジャレット、クィンシー・ジョーンズらを育てたことで知られ、24歳で夭折した妹リリの作も近年演奏、録音が増えている天才姉妹。
ナディアは妹に比べ自分の作曲の天分を卑下して、1920年代に断筆してしまいます。その先入観ゆえかたいした作品を残していないと思われがちですが、14 歳の時のユゴーの詩による「恍惚」をはじめ、20世紀の最初20年間に少なくとも38篇の歌曲を書いたとされ、そのすべてがこのアルバムに収録されています。 さらにチェロ曲やピアノ曲も収録。それらを聴く限り彼女の作は決してつまらないものでなく、魅力的なメロディと洗練された技法が光る逸品ばかり、認識を改め させられます。
同様に作品数の少ない妹リリ作品22曲を収め、「悲しみの夕べに」はナディアが編曲したチェロとピアノ版でアルバムを終わらせています。未出版や世界初録音 も含まれ、国際ブーランジェ・センターの協力で歌曲全集が実現しました。
ルシール・リシャルドーは27歳までジャーナリストとして働いていたフランスのメゾソプラノ。中世から現代まで、研ぎ澄まされた声質で注目されています。フラ ンス系アメリカ人ピアニスト、アンヌ・ド・フォルネルの清潔なピアニズムで理想的なブーランジェ姉妹の音世界を作り上げています。 (Ki)
H.M.F
HMM-937504(1CD)
ラフマニノフ:晩祷 Op.37 ポール・ヒリアー(指)
エストニア・フィル室内cho

録音:2004年5月24-27日、エストニア
ラフマニノフといえば華麗なピアノ曲や甘美なオーケストラ音楽のイメージがありますが、アカペラ合唱のみ50分以上という世界でも感動的な傑作を残していま す。もともとラフマニノフのメロディは聖歌を引用によるものもあり、本物の聖歌を作っても何の違和感もありません。非常な難曲であるこの作品を、ヒリアーとエ ストニア・フィル室内合唱団が見事に再現。透明で深々とした美声にすっかり酔わされる、至福の50 分です。 ※かつて HMU907384、HMU807384(SACDハイブリッド)、HMU 807504(SACDハイブリッド)で出ていました(すべて廃盤)が、このたびの再発売 はCD版のみとなります。 (Ki)
H.M.F
HMM-931365(1CD)
バッハ:バスのためのカンタータ集
カンタータ第82番「われは満ち足れり」BWV82
同第56番「われ喜びて十字架をになわん」BWV56
同第158番「平安、汝とともにあれ」BWV158
ペーター・コーイ(Bs)
フィリップ・ヘレヴ ェッヘ(指)
ラ・シャペル・ロワイヤル

録音:1991年1月、パリ
1991年、フィリップ・ヘレヴェッヘとシャペル・ロワイヤルは、苦しみと死をテーマにした、バスを中心としたバッハによるカンタータを3曲録音しました。バス のソロを務めるのは、シャペル・ロワイヤルと長年にわたり共演を重ねているだけでなく、バッハのあらゆる声楽作品のに欠かせない実力者、ペーター・コーイ。 30年前のコーイの、すでに熟している表現と完璧さにもあらためて驚かされます。これらの作品の決定的名演といえるでしょう。

SUPRAPHON
SU-4322(1CD)
マーラー:『子供の不思議な角笛』より
 「歩哨の夜の歌」
 「ラインの伝説」
 「美しきトランペットが鳴り響くところ」
「スケルツォ」〜交響曲第1番ニ長調『巨人』より
『子供の不思議な角笛』より
 「この世の暮らし」
 「少年鼓手」
 「塔に囚われて迫害を受けし者の歌」
「花の章」〜交響曲第1番ニ長調『巨人』(1893年版)より
『子供の不思議な角笛』より
 「三人の天使がやさしい歌を歌ってた」
 「高遠なる知性のおほめの言葉」
 「魚に説教するパドヴァのアントニウス」
 「 はじめての 灯り」
ペーター・シェーネ(Br)
フィルハーモニア・オクテット【ヴィレム・ヴェヴェルカ(Ob)、モニカ・ボウシュコヴァー(オーボエ、イングリッシュホルン)、カレル・ドーナル(Cl)、イルヴィン・ヴェニシュ(Cl)、ヴァーツラフ・ヴォナーシェク(Fg)、マルチン・ペトラーク(Fg)、オンドジェイ・ブラヴェッツ(Hrn)、プジェミスル・ヴォイタ(Hrn)】

録音:2022年1月5-7日/ドヴォルザーク・ホール、ルドルフィヌム(プラハ)
権威あるARDミュンヘン国際音楽コンクールで優勝し、世界から注目されるドイツのバリトン歌手ペーター・シェーネが、フィルハーモニア・オクテットとの共演 アルバムをリリースします。収録曲はマーラーの歌曲集『子供の不思議な角笛』からの抜粋で管楽器アンサンブルに合う10曲を選曲しました。
イーグラウ(現チェコのイフラバ)に生まれたマーラーは幼少から民謡や軍楽隊の音楽に親しんでいたことからこの歌曲集を管楽アンサンブルで演奏するのは理 にかなっており、マーラーの描く世界に陶酔できます。歌曲集に挟んでフィルハーモニア・オクテットが交響曲第1番から「スケルツォ」と「花の章」を演奏。こちら も見事なアンサンブルを聴かせてくれます。
フィルハーモニア・オクテットは、チェコPO、BPO、ケルンWDRSOなど世界の名門オーケストラ の首席演奏者が集まった名人集団。オーボエのヴィレム・ヴェヴェルカ、ファゴットのヴァーツラフ・ヴォナーシェク、ホルンのプジェミスル・ヴォイタなどのメンバー で構成されております。結成10周年を記念してリリースした「ベートーヴェン、モーツァルト、クライン」(SU-4214)も好評発売中です。 (Ki)

Pentatone
PTC-5186953(1CD)
ハイドン:スターバト・マーテル(1803年、ジギスムント・ノイコム編曲による管楽器拡張版) ビル ギッテ・クリステンセン(S)、クリスティーナ・ハンマーシュトレ ーム(A)、スティーヴ・ダヴィスリム(T)、クリスティアン・イムラー(Bs)
ルネ・ヤーコプス(指)、
バーゼル室内O
チューリッヒ・ジング・アカデミー

録音:2021年2月ドン・ボスコ、パウル・ザッハー・ザール、バーゼル(スイス)
ヤコポーネ・トーディという中世イタリアの修道士が書いた宗教詩「スターバト・マーテル」は、ジョスカン・デ・プレ、パレストリーナ、ヴィヴァルディ、スカルラッ ティ親子、ペルゴレージと、ルネサンス以来、数々の傑作を生んできました。古典派の時代には、ここにハイドンの作品が加わります。1767年の作とされるハイド ンの「スターバト・マーテル」は、ハッセらウィーン周辺で活躍していた後期バロック音楽の巨匠たちの影響を受けて作曲された大規模宗教音楽です。発表されて すぐに、パリのコンセール・スピリチュエルでは4回も演奏されるなど、ヨーロッパ中で演奏される有名曲となりました。度重なる上演の中で、楽器の付加によるオー ケストレーションの変更が行われていたようですが、1803年には、ハイドンの弟子のノイコムが大幅にオーケストレーションを変更した改定版が作られました。オリ ジナルの楽器編成が、弦楽合奏、オルガン、オーボエ(イングリッシュホルンの持ち替えあり)のところ、ノイコムによる編曲版では、管楽器が大幅に拡張され、フルー ト1、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2、ホルン2、トランペット2、トロンボーン2となり、さらにティンパニーが加えられています。このことで、よりダイナミッ クで華やかな作品へと装いを変えたのです。
「天地創造」「四季」とハイドンのオラトリオを録音してきたルネ・ヤーコプスは、「スターバト・マーテル」の録音に当たり、このノイコムによる改定版を採用し、 オペラを思わせるほど劇的な音楽として聴かせてくれます。ノルウェーのソプラノで古楽を得意とするビルギッテ・クリステンセン、スウェーデンの古楽を得意とす るアルト、クリスティーナ・ハンマーシュトレーム、マレーシア出身のオーストラリアのテノール歌手、スティーヴ・ダヴィスリム、ヤーコプスとの共演も多く、バッハ・ コレギウム・ジャパンでもおなじみのバス、クリスティアン・イムラーと、ソリストも充実。バーゼル室内Oは、モダン楽器、ピリオド楽器を持ち替えて演奏す る注目のオーケストラで、ジョヴァンニ・アントニーニやハインツ・ホリガーと多くの録音を行っており、アントニーニ指揮によるハイドンの交響曲全集シリーズ(進 行中)など、ハイドンの演奏でも注目を浴びています。ヤーコプスとは初めての録音となります。チューリッヒ・ジング・アカデミーは、スイスの名合唱団で、ここでは、 SATB各8人計32人で録音に臨んでいます。ヤーコプスとは「ウェーバー:魔弾の射手」(KKC-6532)、「ベートーヴェン:フィデリオ」(KKC-6133)で共演 しています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72936(1SACD)
クピードー〜ハイドン、ジュリアーニとウィーンの愛の歌
ハイドン:Cupido (Gottlieb Leon) / Die zu spate Ankunft der Mutter (Ch.F. Weise)
ヨーゼフ・アントン・ステファン(1726-1797):Dein suses Bild (Friedrich Gottlieb Klopstock)
カール・フリーベルト(1736-1816):Warnung an die Madchen (in Ramlers Blumenlese)
ハイドン:She never told her love (Shakespeare) / Eine sehr gewohnliche Geschichte (Ch.F. Weise) / Trost unglucklicher Liebe
ジュリアーニ:Romance
ハイドン:Der erste Kuss (J.G. Jacobi)
コジェルフ(1747-1818):Vogelstellerlied (Moritz August von Thummel)
ジュリアーニ:Mon coeur soupire
ヨハン・ホルツァー(1753-1818):Zwei Augen (Alois Blumauer)
ステファン:Das Madchen am Ufer (Joh. Gottfried Herder)
ヨハン・ホルツァー:Kupido (Gottlieb Leon)
カール・フリーベルト:Das ungetreue Madchen (Graf v. Schlieben o. Putbus)
コジェルフ:An die kleine Schone (Gotthold Ephraim Lessing)
ヨハン・ホルツァー:Liebeslied (Gottlieb Leon)
マルティン・ルプレリト(1758-1800):Romanze
ホフマイスター:Der Entschluss
マルクス・ミーセンベルガー(T)
エーリヒ・トラクスラー(フォルテピアノ)
クリスティアン・ハイメル(G)

録音:2022年9月15-17日/オーストリア、ザンクト・マリエン、聖ミカエル教会
これまでほとんど録音のない歌曲も取り上げた貴重な内容。テノール歌手のマルクス・ミーセンベルガーが、フォルテピアノとギターの古楽器専門家とともに、 ウィーンの愛の歌を演奏しています。
ヨハン・ゲオルク・グレーバーの手によるグランドピアノ(1815年インスブルック)と、ヨハン・ゲオルク・シュタウファー製のギター(1850年、作者不詳のウィー ン・ギターに基づく)を使用。 (Ki)

APARTE
AP-300(1CD)
ストラヴィンスキー:作品集
(1)ロシア民謡「つまらん連中」
(2)ストラヴィンスキー:結婚(1919年版)(テオ・フェルベイ完成版)
(3)ラヴェル(ロビン・メルヒオール編):ボレロ(合唱と小器楽アンサンブル版)
マチュー・ロマーノ(指)
アンサンブル・エデス、レ・シエクル
アメリ・レゾン(S)、ポリーヌ・ルロワ(Ms)、マルシャル・ポリア(T)、ルノー・ドレーグ(Bs)

録音:2022年1月23日パリ音楽院(3)、2月4-5日ブローニュ=ビヤンクール、RIFFXスタジオ(1)(2)
ストラヴィンスキーのバレエ・カンタータ「結婚」は合唱、4台のピアノと打楽器が織りなす強烈な音響で知られますが、その形態に落着くまで紆余曲折がありま した。まず1917年に管弦楽用に執りかかるものの中断、1919年には合唱とピアノラ(自動ピアノ)、ハルモニウム、2台のツィンバロン、打楽器用に着手しますが、 生演奏と機械(Pラ)の共演やツィンバロンの名手を2人揃える非現実性に気づき前半で中止、最終的に現行版となりました。
2007年にオランダの作曲家テオ・フェルベイが1919年版を意図通りに完成させる許可をストラヴィンスキーの遺族から得て、全曲が日の目をみました。ハ ルモニア・ムンディからルネ・ボスが2005年に完成させた版もリリースされていましたが、当アルバムはピリオド楽器のレ・シエクルのメンバーと、その手兵的合 唱団アンサンブル・エデスの演奏であることが特別。声楽も正式なロシアの方言指導を受け、農民調に歌っているのが注目です。また、ピアノラ(自動ピアノ)は最 新コンピューター制御を駆使。プログラミングをさきの補筆完成したルネ・ボスが務めているのも、作品を熟知する点で重要です。
アンサンブル・エデスのノン・ヴォブラート唱法はリアルで終始ボルテージが高く、ツィンバロンの効果も抜群。ロシアの民謡唱法も巧みに真似し、あたかも前衛 演劇を見るような、3大バレエに劣らぬエネルギーの発散と衝撃に満ちています。
もうひとつ興味深いのは同じ編成に編曲されたラヴェルの「ボレロ」。リズムは打楽器が担当し、ヴォカリーズによる各歌手とハルモニウムがメロディを受け継ぎ ますが、音楽自体は原曲に忠実。こちらもノン・ヴォブラート歌唱が高貴さから最後の狂気じみた物凄い盛りあがりまで、声の力を堪能させてくれます。ロト指揮の 「ボレロ」はまだディスクがありませんが、レ・シエクルのメンバーのリズム感と引き締まった演奏から想像が広がります。 (Ki)
APARTE
AP-303(1CD)
魔術〜ライナー・マリア・リルケを讃えて
アレクサンドル&コンスタンチン・ヴラディゲロフ兄弟:(1) 豹/(2)オルフォイスのソネットT-22/(3)愛の歌/(4)/オルフォイスのソネットT-9/(5)魔術/(6)別離/(7)時?集T/(8)オルフォイスのソネットT-19/(9)人間の言葉は怖い/(10)私/(11)私は自分自身をさらけ出す/(12)ピエタ/(13)降臨祭/(14)時?集U/(15)結び/(16)魔術ふたたび

作曲:アレクサンドル・ヴラディゲロフ(1)(2)(4)(8)(10)(15)、コンスタンチン・ヴラディゲロフ(3)(5)(7)(9)(11)(13)(14)(16)、トリフォン・シヤノフスキー(6)(12)
アンドレアス・ショル(C.T)(1)
(4)(8)(11)、
クラッシミラ・ストヤノヴァ(S)(3)、
ヤン・ムキアン(S)(2)、
サラ・トローベル(S)(6)(9)、
テオドラ・ネステロヴァ(S)(12)
ウィーン少年合唱団メンバー(5)(10)(13)、
クリスティアン・ライナー(朗読)(5)(7)(9)(11)(14)(16)、
ロベルト・ライナー(朗読)(9)
コンスタンチン・ヴラディゲロフ(P、バ スクラリネット)、
アレクサンドル・ヴラディゲロフ(トラン ペット、フリューゲルホルン )、
モーフィング室内Oメンバー

録音、ミキシング:2020-21年
アレクサンドル&コンスタンチン・ヴラディゲロフ兄弟は1978年ブルガリア生まれの双子音楽家。同国の大作曲家パンチョ・ヴラディゲロフの孫にあたり、ジャ ズの世界でも活躍しています。
このアルバムは大詩人ライナー・マリア・リルケへのオマージュとして彼の詩に作曲。ヴラディゲロフ兄弟の人脈を示すようにアンドレアス・ショルやクラッシミラ・ ストヤノヴァ、ウィーン少年合唱団など世界的な演奏陣が並びます。
ジャケットは「ドクトル・ジバゴ」で有名なボリス・パステルナークの父で画家レオニード・パステルナークによる友人リルケの肖像画。ヴラディゲロフ兄弟の曾 祖母はパステルナーク家の出で、その人脈にも驚かされます。
作風は現代的でなく、ヒーリング系ポップス風。リルケのファン、ドイツ文学研究家にもオススメです。
APARTE
AP-310(1CD)
女たち
(1)カスティーリャのバラ(器楽版)(メキシコ伝承曲)/(2)マリア、すべてがマリア(ボリビア伝承曲)/(3)小さな花(メキシコ伝承曲)/(4)神は苦しみのために生まれたもうた(フアナ・イネス・デ・ラ・クルス。メキシコ)/(5)ラ・マルティニアーナ(アンドレス・エネストローサ。メキシコ)/(6)ロンヒーナ(マヌエル・コローナ・ライムンド。キューバ)/(7)アルフォンシーナと海(アリエル・ラミレス&フェリクス・ルナ。アルゼンチン)/(8)泣き虫(メキシコ伝承曲)/(9)ペテネーラ(メキシコ伝承曲)/(10)海の波(メキシコ伝承曲)/(11)呪われた心(ビオレータ・パラ作曲。チリ)/(12)あなたの悲しみに泣く(ルシアーナ・オルティス・エレッラ。アルゼンチン)/(13)別れ(ボリビア伝承曲)/(14)カスティーリャのバラ(声楽版)(メキシコ伝承曲)
ディアナ・バローニ(歌、トラヴェルソ、キハーダ)、
ロナルド・マルティン・アロンソ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ラファエル・グエル・フリアス(バロックギター、笛。打楽器、歌)

録音:2021年4月 シルヴァネス修道院
アルゼンチン出身のディアナ・バローニは、古楽のみならずラテンアメリカのフォークロアを探求する興味深い活動を見せるトラヴェルソ奏者。このアルバムはラ テンアメリカ女性の作あるいは女性を讃えた音楽を集めた興味深い内容となっています。
ラテンアメリカの音楽ならではの情熱と明るさも感じさせ、トラヴェルソ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、バロックギターの温かみのある音色と妖艶な歌声で植民地時代 から今日まで、新世界の傑出した女性たちに敬意を表しています。 (Ki)
APARTE
AP- 304(1CD)
ランデヴー
フレデリック・シャスラン:ランデヴー(2021)〜ソプラノ、トランペットとピアノのための6つの歌
(1) 手(アリエル・ビュトー詩:朗読)/(2)巣から落ちた手(アラン・デュオー詩)/(3)夜(アリエル・ビュトー詩:朗読)/(4)美しい恋人たち(ジャン・コクトー詩)/(5)ドレープ(アリエル・ビュトー詩:朗読)/(6)私たちが残すもの(アラン・デュオー詩)/(7)6月(アリエル・ビュトー詩:朗読)/(8)そこにはいない熊へのバラード(ボリス・ヴィアン詩)/(9)白(アリエル・ビュトー詩:朗読)/(10)忘却(アラン・デュオー詩)/(11)緑(アリエル・ビュトー詩:朗読)/(12)僕はスノッブ(ボリス・ヴィアン詩)
ジュリー・シェリエ =ホフマン(S)、
リュシエンヌ・ルノーダン・ヴァリ(Tp)、
フレデリック・シャスラン(P)、
ピエール・アルディーティ(朗読)(1)(3)(5)(7)(9)(11)

録音:2022年1月10-14日 マリ=エコール(ヴィーニュル・レ・アトンシャテル)
歌曲にピアノとトランペットを組み合わせることはジャズやタンゴでは日常に行われますが、クラシックではあまり例がありません。この編成の6曲から成る最新 作「ランデヴー」の作曲者はフレデリック・シャルラン。パリ管等でバレンボイムのアシスタントを務め、アンサンブル・アンテルコンタンポランの指揮者も務めた鬼 才で、ここでは見事なピアノ伴奏も披露しています。
ジャン・コクトー、ボリス・ヴィアン、アラン・デュオーの詩により、作風は現代的でなく、シャンソンのようにオシャレでシックな世界。1999年生まれのトランペッ トのスター、リュシエンヌ・ルノーダン・ヴァリが共演しているのも豪華。まさに「ジャンルを超えた新星」の呼び声通りのポップな感覚で主役のような存在感。ま た各曲の間にアリエル・ビュトーの詩をはさみ、名匠ピエール・アルディーティがフランス語の美しい朗読も味合わせてくれます。 (Ki)

Hortus
HORTUS-213(1CD)
リタ・ストロール:ピエール・ルイスの「ビリティスの歌」からの12の詩による歌
【リカス、お手玉遊びの勝負、糸巻棒、パンの笛、髪、夜の薔薇、後悔、さまたげられた眠り、ビリティス、誓い、夜、子守歌】
マリアンヌ・クルー(S)、
アンヌ・ベルタン=ユゴー(P)

録音:2022年/エクス・アン・プロヴァンス聖堂
19世紀後半から20世紀初頭のフランスの女性画家エロディー・ラ・ヴィレット(1848-1917)の娘として生まれたリタ・ストロール・ラ・ヴィレット (1865-1941)は13歳でパリ音楽院に入学した才女で、作曲家としてもサン=サーンス、ダンディ、フォーレらに称賛される才能の持ち主でした。あのパブロ・ カザルスも彼女のチェロ作品を気に入り、演奏していたそうです。「12のビリティスの歌」は、ピエール・ルイスによる散文詩「ビリティスの歌」からの12の詩に 付けられた歌曲集。技巧的で表現力あふれるピアノの上で優美に歌われる歌曲集で、この録音が世界初。2018年エリザベート王妃音楽コンクールに入賞し、パリ・ オペラ座などで活躍するベルギーのソプラノ、マリアンヌ・クルーの美しい声と、ハンス・レイグラフ、アンヌ・ケフェレック、ジャン=クロード・ペヌティエらに学ん だピアニスト、アンヌ・ベルタン=ユゴーの歌に寄りそうピアノによってストロールの美しい作品が見事によみがえっています。
Hortus
HORTUS-199(1CD)
「春」〜フランス合唱曲集
サン=サーンス:夜
ジャック・ド・ラ・プレル:平原の夕暮れ
ジャック・ド・ラ・プレル:夕暮れ
ジャック・ド・ラ・プレル:四月(「春の2つの合唱団」より)
ジャック・ド・ラ・プレル:六月(「春の2つの合唱団」より)
ジャック・ド・ラ・プレル:夏
ロベール・カビ:そは五月の甘き夜(「7つのフランスの詩」より)
ロベール・カビ:時は花なり(「10の小二重唱と合唱」より)
ロベール・カビ:秘密の仲
ロベール・カビ:四月(「ジェラール・ド・ネルヴァルの合唱曲集」より)
ロベール・カビ:冬(「ジェラール・ド・ネルヴァルの合唱曲集」より)
ロベール・カビ:ゆりかごの歌(「無垢の歌」より)
シャミナード:白い帆の下に
シャミナード:アルルの娘たち
シャミナード:船乗りたちのノエル
シャミナード:森の妖精
フィアト・カントゥス(混声合唱団)
カロリーヌ・ジェステ(S)
リサ・シャイブ=オーリオル(S)
ベランダ・プパール(Ms)
カエリク・ボシェ(T)
ヒョウォン・ペドロ・チ(Fl)
ドミティーユ・ベス(P)
トマ・タッケ(P&指 )

録音:2021年6月26-29日/Riffxスタジオ(オー=ド=セーヌ県)
サン=サーンスからはじまり、ジャック・ド・ラ・プレル、ロベール・カビ、セシル・シャミナードの作品で構成された、「春」を主題としたフランス合唱作品集。テ オフィル・ゴーティエ、ジェラール・ド・ネルヴァル、アルマン・シルヴェストルらの詩と融合した20世紀フランスの合唱の伝統を知る格好の1枚です。1997年 に結成された混声合唱団フィアト・カントゥスが、エラール・ピアノの伴奏で表情豊かに歌っています。 (Ki)
Hortus
HORTUS-212(1CD)
動物寓話〜歌の中の動物たち(1698-1734)
フランソワ・クープラン:うなぎ
ジャン=バティスト・ド・ブセ:なぜなの、二羽の夜鳴鶯
マラン・マレ:小さなパッサカーユ
オトテール:忠実な恋人
シェドヴィル:フォンテーヌブローの即興
ルイ・ド・ケ・デルヴロワ:バッタ
作者不詳:「王が欲しかった蛙」、「オランダのチーズの中のネズミ」、 「2匹のラバ」「獅子の宮廷」「カラストキツネ」、他
マルコ・オルヴァ(指)、ファエンツァ
マルコ・オルヴァ(歌、アーチリュート、バロック・ギター、ヴィエール)
サラ・ルフェーヴル(歌、リコーダー)
オルガ・ピタルフ(歌)
フランソワーズ・エノク(バス・ド・ヴィオール、コラショーネ)
エルミヌ・マルタン(リコーダー、ミュゼット)
中川亜由美(チェンバロ、オッタヴィーノ)
ニコラ・ロザンフェルト(バスーン、リコーダー)
ロマン・ファリク(バロック・ギター、テオルボ)

録音:2021年/ヴァランセ城(アンドル県)
18世紀フランスで出版された曲集「Nouvelles poesies spirituelles et morales」の中から、ラ・フォンテーヌの「寓話集」の動物の詩に付けられた作 者不詳の楽曲と、フランス・バロックの作曲家たちの器楽曲による動物寓話集。リュートやギターを弾きながら歌う才人マルコ・オルヴァ率いる古楽技巧派集団ファ エンツァが、教訓的な内容の詩に付けられた音楽を、動物や自然の描写をまじえて、雰囲気豊かに歌い、演奏している楽しい1枚です。フランスを中心に活躍して いるチェンバロ奏者、中川亜由美が参加しています。 (Ki)

BAM International
BAM-22602(1CD)
19世紀ヴェネチアの宗教音楽
ペロッティ(1769-1855):オルガン・ソナタ 変ホ長調 / Ave del mar o Stella / O Jesu mi dulcissime / Ave Maris Stella / グラーヴェ ト長調
アントニオ・ブッツォッラ(1815-1871):Preghiera a Maria / La campana del tramonto
ニコロ・コッコン(1826-1903):フーガ ハ短調 / Crucem tuam / Tantum ergo
ロレンツォ・ペロージ(1872-1956):O Sacro convivium / O Salutaris Hostia / ロマンツァ / エレジーハ長調
アロイジア・パスクアロット(1903-1963):Ecce Sacerdos / 聖母マリアのオラトリオ
ミッリ・フッリン(指)
スキヴィアス・アンサンブル女声cho
アルヴィゼ・メイソン(Org)他

録音:2021、2022年
ロマン派あたりの時代の、めずらしいイタリア宗教曲集です。

ALPHA
ALPHA-919(1CD)

NYCX-10382(1CD)
国内盤仕様
税込定価
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K. 626(未完/1804年パリ初演版)(ニコロ・ヨンメッリ[1714-1774]: レクイエムより入祭唱 を冒頭に挿入)
パイジェッロ:ナポレオン1世戴冠式のためのミサ曲(ニコラ・シャルル・ボクサ[1789-1856]: ハープのための前奏曲 を途中に挿入)
サンドリーヌ・ピオー、シャンタル・サントン・ジェフェリ(S)
エレオノール・パンクラツィ(Ms)
マティアス・ヴィダル(T)
トマ・ドリエ(Br)
ナミュール室内cho
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ(古楽器使用)
 コンサートマスター:古川沙織(Vn)
 フレデリク・リヴォアル(Org)
 サンドリーヌ・シャトロン(Hp)
ジュリアン・ショーヴァン(指)

録音:2022年2月 アルスナル、メス(フランス東部ロレーヌ地方)
※ 国内仕様盤、解説・歌詞日本語訳…白沢達生
ソリストとしても活躍してきたヴァイオリン奏者ジュリアン・ショーヴァンと共に、フランスの古楽器演奏シーンの最前線をゆくル・コンセール・ド・ラ・ ロージュ。ALPHAで好評のうちにスタートしたモーツァルト後期作品シリーズ第3弾は『レクイエム』が演目の中心ですが、革命期前後のフラン スにおける演奏習慣を常に意識している団体だけに、一般的なジュスマイヤー補筆版に手を加えた1804年パリ初演版という意外なヴァー ジョンで臨みます。1800年前後は歿後間もないモーツァルトの作品復権が進み、フランスでも『フィガロの結婚』や『魔笛』が上演され話題を 呼んでいた頃で、その成功を受け1804年12月21日にケルビーニ指揮によるこのヴァージョンで披露された『レクイエム』も熱狂をもって迎え られました。パリでも人気のあった18世紀ナポリ楽派の巨匠ヨンメッリの同題作冒頭が最初に盛り込まれているほか、ジュスマイヤーの手によ る後半を中心に大胆なカットも加えられて演奏時間は30分あまり。しかしながら、バセットホルンの代わりにコーラングレ(イングリッシュホルン) が使われ、「喇叭は不思議な響きをTuba mirum」のトロンボーン独奏が冒頭は堂々たる金管のユニゾン、その後はバスーンに置き換えら れるなど随所に聴きどころが秘められており、その魅力をショーヴァンの元に集まった古楽器の名手たちがコントラスト豊かに伝えます。カップリ ングは人気オペラ作曲家として欧州を席巻した後、ナポレオンに忠誠を誓い、充実したイタリア歌劇様式でこのフランス皇帝を魅了した大御 所パイジェッロが、同年12月2日のナポレオン皇位着任を祝う式典のために書いたミサ曲。こちらも当時流の管楽器が聴かせる豊かな響きと 相俟って聴き応え充分。「クレド」に挿入されたハープ独奏も美しさに満ちています。ピオー、サントン=ジェフェリ、ヴィダル……とフランス最前 線の実力派が揃った申し分ない独唱陣の立ちまわりも聴き逃せません。

RICERCAR
RIC-449(2CD)
NX-D09
ヘンデル:オラトリオ『ソロモン』 HWV 67 イスラエルの王ソロモン…クリストファー・ロウリー(C.T)
シバの女王、遊女1…アナ・マリア・ラビン(S)
ファラオの娘、ソロモンの妻、遊女2…グヴェンドリーヌ・ブロンデール(S)
祭司ザドク、神官、従者…マシュー・ニューリン(T)
レヴィ人…アンドレアス・ヴォルフ(Bs)
ミレニアム・オーケストラ(古楽器使用)
ナミュール室内合唱団
レオナルド・ガルシア・アラルコン(指)

録音:2022年7月28日(ライヴ)
レオナルド・ガルシア・アラルコンのヘンデル・シリーズ第3作は『ソロモン』全曲。アルゼンチン生まれのアラルコンは、モンテヴェルディをはじめイタ リアやスペインなど地中海諸国の声楽作品の解釈で際立った成果をあげ、近年はモーツァルトやヘンデルなどの傑作でも出色の演奏を聞か せています。世界的に知られた実力派集団ナミュール室内合唱団の信頼も厚く、同国の古楽レーベルRICERCARでは『サムソン』 (RIC411)、『セメレ』(RIC437)とヘンデル後期大作の全曲録音を相次いで成功させてきました。その流れを受けての今回の新録音は 1748年、名声の絶頂にあったヘンデルの新作オラトリオとして大きな成功を収めた『ソロモン』。2本ずつのトランペットとホルンを含む充実の 管楽編成を動員、至るところ二重合唱が効果的な対話を聴かせる聴きどころに事欠かない大作を、俊才歌手たちの持ち味を引き出しな がら充実した音の饗宴へと織り上げてゆくアラルコンの手腕は今回も痛快というほかありません。真の母親を見極めるソロモン王の裁きの場 面をはじめ、通奏低音楽器一つ一つまで解像度の高い解釈を聴かせるレチタティーヴォも魅力たっぷり。有名な「シバの女王の入城」など器 楽合奏はもちろん、全編を通じて古楽器オーケストラの自発性に満ちた演奏がたっぷり味わえるのも嬉しいところ。ヘンデル後期の起伏に富 んだ音作りの深みに改めて気づかされる全曲録音です。

Channel Classics
CCSBOX-7523(10CD)
NX-F10
バッハ:マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、クリスマス・オラトリオ、ミサ曲 ロ短調


【DISC 1-2】
ヨハネ受難曲 BWV 245
【DISC 3】

教会カンタータ「我らが口を笑いにて満たすべし」BWV 110
マニフィカト(わたしの魂は主を崇め)ニ長調 BWV 243

【DISC 4-5】
ミサ曲 ロ短調 BWV 232

【DISC 6-8】
マタイ受難曲 BWV 244

【DISC 9-10】
クリスマス・オラトリオ BWV 248
フェン、オランダ
オランダ・バッハ協会O&cho(古楽器使用)
ヨス・ファン・フェルトホーフェン(指)

【DISC 1-2】
〔独唱〕
カロリン・スタム(S)、ペーテル・デ・グロート(アルト=カウンターテナー)、ゲルト・テュルク(T):福音史家、チャールズ・ダニエルズ(T)、ステファン・マクラウド(Bs):救世主イエス、バス・ラムセラール(Bs):ペトロ、ピラト
〔合唱〕
マリオン・ストライク(S):使用人の女、マルレーネ・ホルトステイン、エルスベト・ヘルリツェン(A)、サイモン・ウォール(T):使用人の男、コンサートマスター:アントワネット・ローマン(Vn、ヴィオラ・ダモーレ)
録音:2004年3月、ワロン教会(Waalse Kerk)、アムステルダム
【DISC 3】
〔独唱〕
ドロテー・ミールズ、ヨハネッテ・ゾマー(S)、ウィリアム・タワーズ(アルト=カウンターテナー)、チャールズ・ダニエルズ(T)、ステファン・マクラウド(Bs)、コンサートマスター:山縣さゆり(Vn)
録音:2009年12月、コンセルトザール、ティルブルフ (ベルギー中部ノルトブラバント地方)
【DISC 4-5】
〔独唱〕
ドロテー・ミールズ、ヨハネッテ・ゾマー(S)、マシュー・ホワイト(アルト=カウンターテナー)、チャールズ・ダニエルズ(T)、ピーター・ハーヴェイ(Bs)、コンサートマスター:ヨハンネス・レールタウヴェル(Vn)
録音:2006年12月、ワロン教会(Waalse Kerk)、アムステルダム
【DISC 6-8】
〔独唱〕
ゲルト・テュルク(T):福音史家、ピーター・ハーヴェイ(Bs):救世主イエス、ドロテア・ヤーコプ(S):使用人の女1、マリオン・ストライク(S):使用人の女2、ピラトの妻、マシュー・ベイカー(Bs):ペトロ、ピラト、祭司1、フィリップ・ファヴェット(Bs):ユダ、祭司2、カンペン少年cho
コンサートマスター:ヨハンネス・レールタウヴェル、山縣さゆり(Vn)
録音:2010年4月、ナールデン大教会、オランダ
【DISC 9-10】
〔独唱〕
ヨハネッテ・ゾマー(S)、アンネッテ・マルケルト(A)、ゲルト・テュルク(T)、ピーター・ハーヴェイ(Bs)、コンサートマスター:ヨハンネス・レールタウヴェル(Vn)
録音:2002年12月、フリッツ・フィリップス音楽センター、エイントホー
ウィレム・メンゲルベルクやカール・リヒターらによる現代楽器によるバッハ解釈に、古楽器による新解釈で新風を巻き起こしたアーノンクールや ガーディナーら大家たちに続き、古楽先進国オランダならではの21世紀の瑞々しいバッハ像を打ち出したヨス・ファン・フェルトホーフェン率いる オランダ・バッハ協会。18世紀の演奏習慣を見据えた洞察に満ちた解釈と、抜群の音楽性を兼ね備えた演奏の機微を隅々まで伝える Channel Classicsのエンジニアリングを得て、バッハの大作群を彼らが録音してきたのは今世紀初頭の10年間においてのことでした。リリー スされるたび大きな反響を呼んできたこれらの名盤が、このたび10枚組BOX仕様で登場!他の名指揮者たちの元でもソリストとして多くの 名盤を刻んでいるテュルク、ゾマー、マクラウド、ハーヴェイ、ダニエルズら名歌手たちが続々参入、各パートの員数はほぼ1人で最大でも3人 程度と適切に絞り込まれた編成で精緻に綴られてゆくその演奏は、隅々まで聴きどころが詰まっていて興味が尽きません。通奏低音はオル ガンだけでなくチェンバロやテオルボも参入、撥弦のフレッド・ヤーコプスやマイク・フェントロス、チェンバロのピーター・ヤン・ベルダーやシーベ・ヘン ストラなど今やソリストとしても名の通った名手たちがオーケストラの各セクションに見つかり、聴きながら誰の音か確かめてゆく楽しみも。知らず にいるのが惜しい名盤群、この機会にぜひお求め下さい。(ブックレットに歌詞の掲載はございません。)

GENUIN
GEN-23811(1CD)
ドイツ後期ロマン派歌曲集
(1)アルマ・マーラー:静かな町
 森の孤独/激情/賛歌
(2)コルンゴルト:「不滅であること」 Op.27
(3)R.シュトラウス:希望と失望 Op.19-5
 もしも Op.31-2
 静かな散歩 Op.31-4
 解き放たれて Op.39-4
(4)R.シュトラウス:夜の散歩 Op.29-3
 忍耐 Op.10-5
 美しく、しかし冷たい空の星よ Op.19-3
 私の心は沈黙し冷える Op.19-6
(5)ツェムリンスキー:6つの歌曲 Op.13
(1)ジュリア・ムーアマン(S)
(2)アメリー・ペトリヒ(S)
(3)ミヒャエル・ポーター(T)
(4)マルセル・ブルンナー(Bs-Br)
(5)ノラ・シュトイアーヴァルト(メッゾソプラノ)
(1)-(5)フリーデリケ・ジーバー(P)

録音:2022年2月2-5日 ドイツ フランクフルト・アム・マイン
アルマ・マーラー(1879-1964)、エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト、リヒャ ルト・シュトラウス、アレクザンダー・フォン・ツェムリンスキーという後 期ロマン派を汲む作曲家の歌曲を、5人の若い歌手が歌い分けた CD。歌手一人一人を紹 介したいところだが、いずれもドイツ各地の歌劇場で活躍している優秀な人たちである(ジュリ ア・ムーアマンのみ米国人)。中でも、フリッツ・ヴンダーリヒを思わせる甘い美声と泣きが魅力 的なテノール、ミヒャエル・ポーターは今後が期待できそうだ。フリーデリケ・ジーバーはドイ ツ・リートのピアニストとして知られています。

RUBICON
RCD-1115(1CD)
詩人のこだま〜プーシキンの詩による歌曲集
プロコフィエフ:プーシキンによる3つのロマンス Op.73
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ Op.40、
 プーシキンによる4つのロマンス Op.46
ブリテン:詩人のこだま Op.76(フリーマン&ハイド=スミス編
ジェマ・サマーフィールド(S)、
ギャレス・ブリンモア・ジョン(Br)、
アビ・ハイド=スミス(Vc)、
ジョセリン・フリーマン(P)
プロコフィエフとショスタコーヴィチがプーシキン没後100年を記念して作曲した2組の歌曲と、ブリテンのプーシキンの詩に基づく連作歌曲「詩人のこだま」(ショスタコーヴィチの弟子であったムスティスラフ・ロストロポーヴィチと、その妻ガリーナ・ヴィシネフスカヤのために作曲)の編曲版を収録。時代を超えたロシア文学の美しさを体験できるだけでなく、収録曲にはプロコフィエフのピアノ・ソナタを予期させる瞬間や、ショスタコーヴィチの交響曲第5番との強い繋がりもあり、クラシック音楽と文学の両方を愛する人にとって必携の内容となっています。

Skani
SKANI-142(1CD)
武装した男
ウギス・プラウリンシュ(b.1957):ミサと間奏曲「武装した男」(5声のヴォーカル・アンサンブル、2つのサックバッドとオルガンのための)
アルス・アンティカ・リガ〔ルードルフス・ベールティンシュ(C.T)、ノルムンツ・チルシス(T)、ヤーニス・クルシェフス(T)、ヴィターリス・スタンケヴィチス(Br)、ペーテリス・ヴァイツコフスキス(バス、指揮)〕、ヤーニス・ペルシェ(Org)、ヴァイリス・ナルティシュス(サックバット)、カルパルス・マヨルス(サックバット)

録音:2020年、聖ヨハネ教会(リガ、ラトビア)
ラトビアのウギス・プラウリンシュ(b.1957)は、ジャンルや時代の境界を無視する折衷的ポストモダンの作曲家のひとり。ルネサンスのポリフォニーから今のロックミュージックまで幅広いスタイルを結びながら、独自の作品を発表しています。
「ミサと間奏曲」の「武装した男」は、ルネサンス期フランスの俗謡「武装した男」を素材にした作品です。この歌をインスピレーションにした曲は過去にも作曲されており、デンマークのヌアゴーが独奏チェロのために書いた作品や、ノルウェー海軍音楽隊のアルバム『武装した男』(LAWO Classics LWC1223)で演奏されたノルウェーのシェティル・ヴォスレフの作品が注目されました。プラウリンシュの作品は「武装した男に気をつけろ」と歌う「武装した男」を〈キリエ〉〈グローリア〉といったラテン語の「ミサ通常文」に織り込み、ペーテリス・ヴァイツコフスキスがアーティスティック・ディレクターを務める「アルス・アンティカ・リガ」を念頭において5声のヴォーカル・アンサンブル、2つのサックバットとオルガンのために作曲されています。
Skani
SKANI-136(1CD)
そして白樺と芝生と…
エミリス・メルンガイリス:月明かりはなく, 咲く花もない、ひっそりと、羊飼い、新しい光、三月はじめての日
クリスタプス・ペーテルソンス(b.1982):ピアノのための音楽
エミリス・メルンガイリス:小さな話、ウサギが道を横切った、朝方に、黄金色の葉
クリスタプス・ペーテルソンス:エドゥアルツ・ヴェイデンバウムスの詩による歌
エミリス・メルンガイリス:私に星がひとつ輝いた、太陽のない日のように、孤独(P曲集「ちょっとしたスケッチ」より)
クリスタプス・ペーテルソンス:芝生
エミリス・メルンガイリス:アヒルの呼び声、白樺と虹、ふたつの小さな手、アルプスの情熱)
イェヴァ・パルシャ(Ms)、
アンドレイス・オソキンス(P)

録音:2021年10月25日-28日、グレート・アンバー・コンサートホール(リエパーヤ、ラトビア)
ラトビアの作曲家エミリス・メルンガイリスは、シェーンベルクと同じ年、ヴォーン・ウィリアムズの2年後の生まれ。民俗学者と合唱音楽の作曲家として知られ、ムソルグスキーの音楽をいち早く理解したひとりだったと言われます。メルンガイリスの曲作りは、ヴォーン・ウィリアムズと共通するところが多く、ムソルグスキーの姿も投影されていることも指摘されています。このアルバムは、彼の歌曲と彼よりずっと若い世代のラトビアの作曲家、クレメラータ・バルティカのコントラバス奏者でもあるクリスタプス・ペーテルソンス(b.1982)の作品を組み合わせて作られました。
イェヴァ・パルシャは、合唱指揮と音楽教育のディプロマを取得、古典時代と20世紀の音楽を主なレパートリーに室内楽の歌手として活動しています。メルンガイリスは、彼女のもっともお気に入りの作曲家のひとりだと言います。共演のアンドレイス・オソキンスもラトビアの音楽家。コンサート・ピアニストとアンサンブル・プレーヤーとして活動しています。

Signum Classics
SIGCD-735(1CD)
ヴィジオン・イルミネ
フォーレ:月の光 Op.46-2
ブリテン:ヴィジオン・イリュミネ Op.18
ラヴェル:暗く果てしない眠り(ロビン・ホロウェイ編)
デュパルク:悲しき歌
シャブリエ:あなたの青い目(作曲者自身の編曲による弦楽オーケストラ伴奏版/世界初録音)
ショーソン:終わりなき歌 Op.37
ドビュッシー
:ヴェルレーヌの詩による4つのメロディ(ロビン・ホロウェイ編曲/世界初録音)
オーギュスタ・オルメス(1847-1903):セレナード(作曲者自身の編曲によるピアノ五重奏伴奏版/世界初録音)
メアリー・ベヴァン(S)、
12アンサンブル、ルイージQ
ジョゼフ・ミドルトン(P)

録音:2022年3月16日-19日、オール・ハロウズ教会(イギリス)
イギリスのソプラノ、メアリー・ベヴァンのSignumレーベル第3弾となるリサイタル・アルバムは、フランス歌曲集。その第1弾となった「ボヤージュ(SIGCD-509)」は、英グラモフォン賞2018にノミネート、第2弾の「ディヴァイン・ミューズ(SIGCD-606)」もBBCマガジン誌や英グラモフォン誌によって高い評価を得ました。今作でも第1弾、第2弾引き続き名伴奏者ジョゼフ・ミドルトンとの共演で、「ボヤージュ」を録音した際に、より興味が湧いてきたというフランス歌曲に挑みます。
メアリー・ベヴァンは英国ロイヤル・フィルハーモニック協会のヤング・アーティスト賞や英国批評家サークル賞を受賞し、オペラとコンサート・プラットフォームの両面で輝かしい活躍を見せるソプラノで、2019年には栄誉あるMBE(大英帝国五等勲爵士)を受勲し、益々その存在感を高めています。

Avie
AV-2592(1CD)
ディス・アイランド
ヘンリエッテ・ボスマンス(1895-1952):この島、雨の中で、海の砂に空を描く
エリザベート・クレース(fl.1922-23):4つのメロディー(世界初録音)
イレーヌ・フエリソン(1875-1931):歌曲集「明るい時間, 昼の時間, 夜の時間」 Op.50(世界初録音)
ナディア・ブーランジェ(1887-1979)&ラウール・プーニョ(1852-1914):歌曲集「明るい時間」より〔第1曲、第3曲、第4曲、第6曲〕
マリオン・バウアー(1882-1955):4つの詩 Op.16(世界初録音)
スーザン・ナルッキ(S)、
ドナルド・バーマン(P)

録音:2022年5月&6月、カリフォルニア大学サン・ディエゴ校(アメリカ)
スーザン・ナルッキはカリフォルニア大学サン・ディエゴ校の音楽教授を務め、2000年にグラミー賞を受賞したジョージ・クラムのアルバム「スター・チャイルド」に参加。他、2度のグラミー賞ノミネートを含む多くの賞を受賞し、オペラ、コンサート、レコーディングの舞台で100以上の世界初演を果たすなど、現代音楽のスペシャリストとして知られるアメリカの名ソプラノです。クルターグの作品を歌った前作「The Edge of Silence」(AV-2408)も、2019年のグラミー賞(Best Classical Solo Vocal Album)にノミネートし、ニューヨーク・タイムズの「Recordings of the Year 2019」に選ばれるなど極めて高い評価を得ています。
現代音楽の素晴らしき挑戦と発掘を続けるスーザン・ナルッキが新たに歌うのは、20世紀前半の女性作曲家たちによる作品集。ナディア・ブーランジェとパリ音楽院の教師ラウール・プーニョの共作から、ベルギーのイレーヌ・フエリソン、オランダのヘンリエッテ・ボスマンス、パリに留学しブーランジェやプーニョと出会ったアメリカの作曲家・教育者マリオン・バウアー、そして謎のフランス人作曲家エリザベート・クレースまで、お馴染みの作曲家とほとんど知られていない作曲家の作品を見事に組み合わせています。

Danacord
DACOCD-951(1CD)
スヴェン・S・シュルス(1913-1998):アカペラ合唱のための作品全集 第1集
年間最優秀合唱作曲家賞受賞に際しての4つの歌 〜夕べの賛美歌、誰もひとりぼっちではない、二月の春の日、長い冬/森の歌/デューアヘーヴェンの静かな祈り/自作の詩による4つの合唱曲 「デンマークの天気」〜霜、風、太陽、雨/まさかの不品行/混声合唱のための3つのマドリガル 〜四月の歌、雨が降っている、詩と現実/こだま
オーフス大学cho、
ヨーナス・ラスムセン(指)
スヴェン・シモン・シュルスは、作曲家と指揮者として20世紀デンマークの音楽に重要な貢献をしたひとりです。王立デンマーク音楽アカデミーでポウル・シアベクに作曲を学び、コペンハーゲンの新聞「ポリティケン」の音楽批評を1942年から1949年まで担当。その後、デンマーク放送室内合唱団の指揮者を務めながら、映画と放送劇の音楽、オペラ、管弦楽と室内楽のための作曲を行いました。とりわけ、抒情的な作風の合唱曲で知られ、代表作の 「デンマーク再訪」 や 「デンマークは香しく」 は、デンマークの合唱団のレパートリーに欠かせない作品として歌われ、愛されています。
Danacord Records のこのアルバムは、シュルスが作曲した音楽的にも技術的にも最高のレベルにある約90曲のアカペラ合唱作品の全曲を5枚のディスクに録音するプロジェクトの最初の一枚です。
オーフス大学合唱団は、1985年に創設され、ヨーナス・ラスムセンが現在、指揮者を務めています。20人から35人のメンバーで構成され、オーフス大学とオーフス王立音楽アカデミー(ユラン音楽院)の音楽的環境の下、アマチュア合唱団としてプロ活動を続けています。
指揮者のラスムセン(b.1992)は、王立ストックホルム音楽大学でフレードリク・マルムベリとマッツ・ニルソンの下で学び、学士号を得て卒業。スティーヴン・レイトンとティム・ブラウンに学んだケンブリッジ大学の優等修士号を取得、オーフス王立音楽アカデミーでカーステン・サイアー=ハンセンとセーアン・K・ハンセンに学び、ソリスト・クラスを修了しました。

Urania Records
LDV-14096(2CD)
エンリコ・カルーソ:9つの歌曲集&34の委嘱作品集
Adrables Tourments/No!Nun Di Ca So Stato I(世界初録音)/Fenesta Abbandunata(世界初録音)/Dreams of Long Ago/Canzona a Dispietto(世界初録音)/Tiempo Antico/Per Sempre Liberta/Liberty Forever(世界初録音)/Campane a Sera/Serenata/34の委嘱作品
マーク・ミルホーファー(T)、
マルコ・スコラストラ(P)
イタリアが生んだ名テノール、エンリコ・カルーソは、約60作品のオペラと約500曲もの歌曲をレパートリーとし、豊かな声量と声域の広さで当時の最も著名なスター歌手として活躍しました。
本アルバムでは、2023年で生誕150周年を迎えるカルーソの作曲家としての一面に焦点を当て、カルーソによる9つの歌曲と、アントニオ・ピー二=コルシ(ヴェルディの 「ファルスタッフ」 や、プッチーニの 「ラ・ボエーム」 の初演に参加したバリトン歌手)、フランチェスコ・パオロ・トスティ(イタリアの作曲家、声楽教師)など、34人のオペラ歌手や作曲家によって献呈された作品を収録しています。四半世紀にわたり主要な国際オペラハウスで活躍してきたイギリスのテノール歌手、マーク・ミルホーファーが偉大なイタリア人テノールへその歌声を捧げます。

H.M.F
HMM-902616(1CD)
ブラームス:愛の歌(ワルツ)op.52(全18曲)
新・愛の歌(ワルツ)op.65(全15曲)
ハンガリー舞曲 第7番イ長調、第20番ホ短調、第4番 ヘ短調、第14番ニ短調、第9番ホ短調
RIAS室内cho
ジャスティン・ドイル(指)
4手連弾ピアノ:アンゲラ・ガッセンフーバー&フィリップ・マイヤース

録音:2021年4月、ベルリン
ブラームスによる四重唱の中でも抜群の人気を誇る愛のワルツop.52を、名門RIAS室内合唱団が録音しました。ブラームス自身「印刷された楽譜をみて初め て笑顔になることができた」という手紙を残しているくらいに、この作品を気に入っていたもの。ブラームスの全作品の中でもとりわけ明るさに満ちた作品で、四 重唱+ピアノ連弾という編成をとり、ワルツやレントラー、そして当時のウィーンの居酒屋などで流れていた音楽のリズムで書かれており、どれも基本的には男女の 間で交わされる歌となっています。声楽の四重唱は、当時の家庭内での音楽活動のための編成で、大変に人気のあるジャンルでした。このop.52は、正式には「四 手ピアノ(連弾)のためのワルツ集(そして歌も自由に加えてよい)」という題がつけられています。これは、四重唱(声楽による四重奏)よりもさらに楽譜需要の 高かった、ピアノ連弾という編成を全面に打ち出すための出版社の作戦でもありました。ブラームスはロシア語、ポーランド語、そしてハンガリーの詞に基づいてゲ オルク・フリードリヒ・ダウマーが編んだ詩集をたいそう気に入り、作曲を始めました。出版社には「声楽パートなしで印刷・出版することのないように」と念を押 していたほど。実際、やはり需要があり、後年になって、ブラームスはピアノ連弾のためにあらたに編曲をしなおすことになりますが、その連弾の楽譜にはダウマー の詩が掲載されていました。このop.52の成功をうけて書かれたop.52に加え、ブラームスのピアノ連弾の代表格、ハンガリー舞曲からの抜粋を挟み込んだ充実 のプログラムとなっています。 (Ki)

MIRARE
MIR-650(1CD)
冬のセレナード
(1)ドビュッシー:冬は嫌いだ(「シャルル・ドルレアンの3つの歌」より)
(2)ドリーブ:寒気の合唱
(3)フランス民謡:新しいノエル
(4)クロード・グディメル:精霊たち、聖なる夜に歌おう
(5)ウスタシュ・デュ・コロワ:ようこそ、栄光なる聖母
(6)プーランク:クリスマスのための4つのモテット
(7)パトリック・ブルガン:雪の夜
(8)サン=サーンス:冬のセレナード
(9)プーランク:白雪
(10)同:雪の夜
(11)ザド・ムルタカ:フランマ
(12)バスク民謡:若き乙女がいた
(13)アントワーヌ・ビュノワ:ノエル、ノエル、ノエル
(14)アントワーヌ・ブリュメル:ノエ、ノエ、ノエ
(15)フランス民謡:聖母よ、われらに歌いたまえ(クリストフ・バラールによる)
(16)ニコラ・サボリ:カンボが私を傷つける
(17)クローダン・ド・セルミジ:声のかぎりノエと叫ぼう
(18)アンリ・マルティネ:プチ・パパ・ノエル
※(2)(3)(15)(16)(18)ピエール・ジャノ編
ジョエル・シュービエット(指)
レ・ゼレマン

録音:2022年2月28日-3月5日 サン・ピエール・デ・キュイジーヌ教会(トゥールーズ)
トゥールーズを本拠とするアカペラ合唱団「レ・ゼレマン」は1997年創設。古楽から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つ彼らがクリスマスなどの祭事や冬 の寒さを歌います。
ドビュッシーやサン=サーンス、プーランクのほか、ルネサンス期の作曲家、民謡までフランスの冬の寒さと暖炉のあたたかさを音で味わえます。 (Ki)

Hanssler
HC-22041(1CD)
シューベルト:ミサ曲第5番変イ長調 D.678 ヨハンナ・ヴィンケル(S)
エ ルヴィラ・ビル(A)
フロリアン・シーヴェルズ(T)
ア ルットゥ・カタヤ(Br)
シュトゥットガルト室内cho
シュトゥットガ ルト・ホープカペレ
フリーダー・ベルニウス(指)

録音:2021年10月6-8日シュトゥットガルト・リーダーハレ、ヘーゲルザール(ドイツ)
ドイツ合唱界を代表する名指揮者フリーダー・ベルニウス率いるシュトゥットガルト室内合唱団がシューベルトのミサ曲第5番を録音しました。
ミサ曲第5番変イ長調 D.678はシューベルトがのこしたラテン語の6曲のミサの1曲。この作品は未完成交響曲と同時期に書かれており、いかにもシューベル トらしい抒情性と豊かな楽想を示し和声的にも対位法にも大きな意欲を感じせる、この上なく美しいハーモニーが魅力です。
シュトゥットガルト室内合唱団をバックにヨハンナ・ヴィンケル、エルヴィラ・ビル、フロリアン・シーヴェルズ、アルットゥ・カタヤという豪華なソリスト陣を迎え た当録音は、新たな名盤登場といえましょう!
フリーダー・ベルニウス(指)シュトゥットガルト室内合唱団は積極的な録音を続けており、ヘンスラー・レーベルからは「メンデルスゾーン:テ・デウム」(HC-20034)、「カンナビヒ:エレクトラ」(HC-20062)、「バッハ一族のモテット集」(HC-18014)などを発売しております。 (Ki)

Chandos
CHAN-20177(1CD)
ミュラー=ヘルマン、マーラー、R.シュトラウス、シュヴァイカート:歌曲集
マルガレーテ・シュヴァイカート(1887-1957):Wolke I, Totenhausen, Zusammen sterben, Unser Haus, Die Entschlafen
R.シュトラウス:Befreit, Allerseelen, Auf ein Kind, Ruckleben, Morgen!
ヨハンナ・ミュラー=ヘルマン(1878-1941):Wie eine Vollmondnacht, Der Letzte Abend, Die stille Stadt, Herbst, In Memoriam
マーラー:亡き子をしのぶ歌
キティ・ウェイトリー(Ms)、
ジョセフ・ミドルトン(P)

録音:2022年2月、ポットン・ホール(イギリス、サフォーク)
キャスリーン・フェリアー賞受賞、BBCニュージェネレーション・アーティストにも選出されたメゾソプラノのキティ・ウェイトリーが歌う、20世紀初頭のロマンティックな歌曲集。マーラーとR.シュトラウスに加え、同時代のあまり知られていない作曲家として、ツェムリンスキーやフランツ・シュミットに師事したヨハンナ・ミュラー=ヘルマンと、ヨゼフ・ハースに学んだマルガレーテ・シュヴァイカート、2人の女性作曲家の作品を収録しています。プログラムの選定にあたっては、死に関するさまざまな主題、特に解放としての死について考察している作品を注意深く探したといい、パンデミックを体験した音楽家ならではの悲しみや死別に対する想いが反映されています。

Da Vinci Classics
C-00646(1CD)
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626(ジュスマイヤー補完版) フランチェスカ・ロンバルディ・マッズーリ(S)、
エレーナ・ビスキュオーラ(A)、
ミルコ・グァダニーニ(T)、
フルヴィオ・ベッティーニ(Bs)、
マニフィカト・クワイアー&コンソート(ピリオド楽器使用)、
マッシモ・グレキ(指)

録音(ライヴ):2021年6月、サン・フェルモ・エ・ルスティコ教会(カラヴァッジョ、イタリア)
モーツァルトがその晩年に作曲し、未完成のまま終わり、依頼者も謎に包まれたままの名作「レクイエム」。
故郷のイタリアで研鑽を積んだ後、スイスのイタリア語圏の都市ルガーノのスヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院で「ルネサンス・ポリフォニー演奏法」を専門的に学んだマッシモ・グレキが率いるイタリアのピリオド・アンサンブル、マニフィカト・クワイアー&コンソートがその荘厳な響きと精神性に深く迫っています。
イタリア古楽界の若き精鋭たちによって構成されるマニフィカト・クワイアー&コンソートの「モツレク」のために集まったソリストたちは、ソプラノのフランチェスカ・ロンバルディ・マッズーリを筆頭に世界的名手ばかり。
イタリアからピリオド楽器による「モツレク」の注目盤の登場です。

ALPHA
ALPHA-911(1CD)

NYCX-10377(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ドイツ、オーストリアとフランスの歌曲集
リスト:漁師の少年(『ヴィルヘルム・テルからの3つの歌』 S. 292より)
ヴォルフ:『メーリケ歌曲集』 より. 古い絵に/ めぐりあい/ 隠棲
シューベルト:『ヴィルヘルム・マイスターから』 D 877OP.62より ミニョンの歌 II このよそおいをお許し下さい/ ミニョンの歌 I 私に言わせないで
クララ・シューマン:彼らは愛し合っていた(『6つの歌曲』 Op. 13より)
C. シューマン:ローレライ
C. シューマン:スケルツォ 第2番Op. 14(P独奏)
シューベルト:魔王 D 328
シューベルト:死と乙女 D 531
シューベルト:君よ知るや南の国 D 321
デュパルク:旅への誘い
デュパルク:前世
リリ・ブーランジェ:もしもこれがちっぽけな夢に過ぎなかったら( 『空の開けたところ』 より)
ドビュッシー:瞑想(『ボードレールの5つの詩』 より)
L.ブーランジェ:あなたはぼくを見た、あなたの魂すべてで( 『空の開けたところ』 より)
L.ブーランジェ:行列 (P独奏)
ドビュッシー:『ボードレールの5つの詩』 より噴水/ 恋人たちの死
リスト:「どうやって」彼らは尋ねた S. 276
サンドリーヌ・ピオー(S)
ダヴィッド・カドゥシュ(P)

録音:2022年9月 テルデックス・スタジオ、ベルリン
初めて行ったデュオでのリサイタルを成功させたサンドリーヌ・ピオーとダヴィッド・カドゥシュによる、待望のアルバムが登場。新たな出会いの喜び とそこから見えるもの、憧れの地への旅、到達できない場所への探求といったものを出発点として、様々な作曲家と詩人たちによる言葉の交 差を楽しむというのがテーマとなっており、結果的には有名作を多く含むドイツ語圏とフランスの作品を収めた内容となっています。どの作品で も詩情を奥深く表現するピオーの特性が生きており、「魔王」での切迫した表情も歌姫の貫禄十分。フランスを中心にソリストとして活躍めざ ましいカドゥシュのピアノも、これにそっと寄り添う素晴らしいサポートを聴かせてます。

B RECORDS
LBM-048(1CD)
ノスタルジック歌曲集
フォーレ:やさしき歌 Op. 61
ショーソン(1855-1899):終わりなき歌 Op. 37
シャルロット・ソヒー(1887-1955):3つのノスタルジックな歌 Op. 7
ショーソン(フランク・ヴィラール編):愛と海の詩 Op. 19
マリー=ロール・ガルニエ(S)
セリア・オヌト・ベンサイド(P)
ハンソンQ【アントン・ハンソン、ジュール・デュサップ(Vn)、ガブリエル・ラフェ(Va)、シモン・ドゥシャンブル(Vc)】

録音:2022年3月31日L’Estran、ギデル、ブルターニュ、フランス(ライヴ/各曲集の後に拍手入り)
フランスの作曲家による、ノスタルジックな愛の歌を集めたアルバム。いずれもピアノと弦楽四重奏のための作品(あるいはその版)であり、元々 管弦楽伴奏である「愛と海の歌」はフランスの作曲家フランク・ヴィラールによって編曲されています。アルバム「トリスタンの後に」(LBM036) で名唱を聴かせた今注目のソプラノ、マリー=ロール・ガルニエの豊かな声量で訴えかける歌唱が聴きもの。クラムの「ブラック・エンジェルズ」 (LBM040)で素晴らしい演奏を聴かせたハンソン四重奏団、Nomad Musicからリリースしたアルバム「メタモルフォシス」も好評のピアニス ト、セリア・オヌト・ベンサイドの共演も嬉しいところで、実に表情豊かな演奏を聴かせています。

Alba
ABCD-518(1CD)
イラリ・ラークソ(1952-):ジャムポット- ピアノとソプラノのための作品
・Villa(ヴィラ)(2007)(Pのための4つの小品)【
Jam Pot(ジャムポット)(2022)(クリス・ソルトの6つの詩)(女性歌手、ピアニストと詩人のための)*
Beyond(向こうに)(2016/22)(Pのための)
Writing These Poems(こうした詩を書いて)(クリス・ソルトの4つの詩)(女声とピアノのための)
From behind the Wallpaper(壁紙の向こうから)(2020)(Pのための)
En tieda milloin jaat ovat lahteneet(いつ氷が消えてしまったか、私は知らない)(2021)
ピア・フロイント(ソプラノ、シュプレッヒシュティンメ *)
アンア・ラークソ(P、シュプレッヒシュティンメ *)
クリス・ソルト(シュプレッヒシュティンメ *)

録音:2022年2月14日?18日 クーサーホール(クーサンコスキ、フィンランド)
1960年代の後期、フィンランドの音楽シーンでモダニズムが脇に追いやられ、「古かったもの」に新しい道を求める人たちが台頭してきました。モダニズムの流 れを嫌い、教えることに専念していたエイナル・エングルンドが作曲に復帰。ジャズやフォークミュージックの要素をコンテンポラリー・ミュージックに融合させる手 法の作曲家や「自由調性」を重視する作曲家が演奏者と聴衆から注目されるようになりました。1952年生まれのイラリ・ラークソ Ilari Laakso もそうした作曲 家のひとりです。 『Jam Pot(ジャムポット)』と題したアルバムには、「家族と親族、演奏者との関わり」という共通点をもつ3つの歌曲集と3つのピアノ曲が収録されています。 作曲家マルティン・ヴェゲリウスが建て、現在、音楽関係者のレクリエーションと仕事の場として使われている「ヴィラ・ヴィーカン」に由来する「ヴィラ」。イギリス の詩人クリス・ソルト Chrys Salt の詩による「ジャムポット」と「こうした詩を書いて」。「隠れていて、ほとんど聞こえない」と「目に見えて、騒々しい」という 生活の2つの状態による「向こうに」。「ヨウコ・トロネン教授を追悼」する「壁紙の向こうから」。「最後の歌曲 - リトヴァ・パルッシネンの詩による女声とピアノ のための歌(Canzoni Domestici ? Laulusarja naisaanelle ja pianolle Ritva Parssisen runoihin)」「いつ氷が消えてしまったか、私は知らない」 は、ラークソの姉妹、2021年に病気で亡くなったリトヴァ・パルッシネン Ritva Parssinen が「家族」を詠んだ詩に作曲されました。 (Ki)

2L
2L-170SA BD
(Blu-ray Disc Audio
+SACD Hybrid)
ユグドラシル
ヘンニング・ソンメッロ(1952-):牡鹿(Hirtir)
アンデシュ・エーデンロート(1963-):樹の歌(Tree Song)
マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン(1971-):今、女が世界に樹を植える(No plantar)
エルルン・ユースタ(1965-):母に捧げる三つの詩(Tre vers til mor)
クリスティーン・ドンキン(1976-):円(Sirkel)
エリック・ウィリアム・バーナム(1979-):ユグドラシル(Yggdrasil)
ハリングダール民謡(ラグナル・ラスムセン(1966-) 編):天の砦を知っている(Eg veit i himmerik ei borg)
トリュグヴェ・ブロスケ(1973-):ラタトスクル(Ratakoskr)
松下功(1951-)(アイヌ伝承の旋律と詩):カムイ(Kamuy)
ミア・マカロフ(1970-):詩編9番(Psalm 9)
エリック・ウィリアム・バーナム(1979-):満天の星(Heaven Full of Stars) カントゥス
カントゥス
トーヴェ・ラムロ=ユースタ(指)

録音:2018年?2021年 ラーデモーエン教会(トロンハイム、ノルウェー)
制 作・バランスエンジニア・編 集・ミクシング・マスタリング:モッテン・リンドベルグ
[Disc 1:SACD hybrid (5.1multichannel DSD/2.0 stereo DSD) RedBook PCM:MQA CD]
[Disc 2:Blu-ray:2.0LPCM (192kHz/24bit), 5.1DTS HD-MA (192kHz/24bit), 7.1.4. Auro-3D (96kHz),
9.1.4. Dolby Atmos (48kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region:ABC worldwide]
『Spes - 希望』(2L 110SABD)が話題を呼んだノルウェーの女声合唱団「カントゥス」の新作『ユグドラシル』。北欧神話の「世界樹」をテーマに作られま した。豊かに茂り複雑に絡み合うトネリコの木からインスピレーションを得て作曲された多様な音楽語法と表現の作品が歌われます。
ヘンニング・ソンメッロ Henning Sommerro(1952?)の「牡鹿」は、古代北欧語の詩集『エッダ』の「グリームニルの歌(Grimnismal)」の一節をテクス トに作曲された作品です。「四頭の牡鹿もいて、彼らは首をうしろにまげ、樹の皮から若芽をむしって食べている……」。ザ・リアル・グループのメンバーだったア ンデシュ・エーデンロート Anders Edenroth(1963?)の「樹の歌」は、神話の「樹」を現代の気候変動になぞらえて作詞作曲されました。マリアンネ・ライダシュ ダッテル・エーリクセン Marianne Reidarsdatter Eriksen(1971?)は、第二次世界大戦で荒廃した土地に樹を植える女の姿に希望を見るハルディス・モー レン・ヴェソース(1907?1995)の詩に作曲。美しいメロディで知られるシンガーソングライター、エルルン・ユースタ Ellrun Ystad(1965?)の「母に捧げ る三つの詩」もヴェソースの詩に作曲されました。
クリスティーン・ドンキン Christine Donkin(1976?)は、合唱に対する挑戦的な姿勢が刺激的だ、とカントゥスのメンバーがいう、カナダの作曲家です。世 界樹を語る「円」は、カントゥスが彼女から求められて歌詞を書いた作品です。アメリカのエリック・ウィリアム・バーナム Eric William Barnum(1979?)は、 2曲。スウェーデンの詩人ヴィクトル・リュードベリ(1828?1895)の詩に作曲された「ユグドラシル」とアメリカのサラ・ディーズデール(1884?1933)の詩 による「満天の星」。ラグナル・ラスムセン Ragnar Rasmussen(1966?)の「天の砦を知っている」は、ノルウェー民謡をアレンジした作品です。トリュグヴェ・ ブロスケ Trygve Broske(1973?)の「ラタトスクル」は、鷲のことばを運ぶためにユグドラシルの上をかけまわるリスを描いたアリス・メージャー(1949?) の詩に作曲されました。
松下功(1962?)は、指揮者のトーヴェ・ラムロ=ユースタ Tove Ramlo-Ystad と長年の友情で結ばれる音楽家のひとり。「アイヌ伝承の旋律と詩」による「カ ムイ」をこのアルバムに寄せています。フィンランドのミア・マカロフ Mia Makaroff(1970?)の「詩編9番」は、パレスチナの詩人マフムード・ダルウィーシュ Mahmoud Darwish(1941?2008)の詩がテクストです。イスラエルに占領された祖国を離れねばならない、その悲しみと祖国への愛を歌った作品です。
録音セッションは、トロンハイムのラーデモーエン教会で2018年から2021年にかけて5回に分けて行われました。アルバム「幸いなるかな」(2L 171SABD)が「第65回グラミー賞」の「ベスト・イマーシヴ」と「ベスト・エンジアド」のアルバム部門にノミネートされたモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg のプロダクションによる録音です。 (Ki)
※[Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu?ray ディスクにはインデックスを除き映像は収 録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu?ray プレーヤーもしくは Blu?ray 対応のPCをお使いください]

Pentatone
PTC-5187019(1CD)
ラフマニノフ:晩祷Op.37 スティーブン・フォックス(指)クラリオンcho

録音:2020年1月 至聖三者大聖堂(ニューヨーク)
ニューヨークに本拠を置くクラリオン合唱団が2023年ラフマニノフ生誕150年に贈る新録音。ロシアのレパートリーに定評のある彼らにとり、ラフマニノフはロ シア人ながら後半生をアメリカで送っていたゆえ特別の愛着をもっているそうです。
ラフマニノフの「晩祷」はキリストの復活を象徴する夜明けに向かい徹夜で吟じられる賛歌。リーダーのスティーブン・フォックスは現在ウクライナで起こってい る紛争と人々の苦しみを、曲およびラフマニノフが革命時に味わった故郷から離れるという経験と重ね合わせています。
ラフマニノフが作った15の部分に加え、4、5、8、12、14曲の前にはラフマニノフが基にしたオリジナルのキエフ聖歌やズナメニー聖歌を歌っているのも注目。
これまで複数のグラミー賞にノミネートされたクラリオン合唱団、実用的教会音楽として作られたラフマニノフの「晩祷」がコンサート用作品としても魅力的なこ とを証明してくれます。ペンタトーンならではの高音質録音が人の声の凄さを再認識させてくれます。 (Ki)

Simax
PSC-1397(1CD)
名もなき〜ノルウェーの民謡
1.シーリダールの歌(Siri Dale-visa)
2.1匹の狐がやってきた(Der kom en rev )
3.フルドリが山の斜面の老女に向かって叫んでいる( sHuldri rop pa kjerring i li)
4.オーラの谷で、オーラの湖で(I Ola-dalom, i Ola-tjonn)
5.子守歌(Badnlatar)
6.子牛の踊り/黒褐色の馬(Kalven dansa / Dei svartbrune hestar)
7.ランヴェイ(Ranveig)
8.わが青春の日に(Det var i min ungdom)
9.ひとりの王がオステルダールを統治した(En konge hersket i Osterdal)
10.スロット(明日は君の婚礼の日・小さなアストリ)(Slatt (I morgon, Astrid) )
11.牛を呼ぶ声(Lokkar)
12.その少年は小さかった(Liten var guten)
13.伯爵の歌(Grevevisa)
14.深く想いをめぐらせて(Jeg gar i tusen tanker)
15.小さな灰色の男(En liten gra mann)
16.父なる神はかくも素晴らしい(Gud fader mig sa underlig)
ユンニ・ローヴリ(ヴォーカル)
アンネ・ヒュッタ(ハリングフェレ)
イングフリー・ブライエ・ニューフース(P、ハルモニウム)
[楽器 Piano:Steinway grand, 1893/Hand-piped harmonium from India/5-stringed Hardanger fiddle:Salve Hakedal, 2010]

録音:2022年3月14日-17日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
ルウェーの民俗音楽は、何世代にもわたって人々とともに生き、人から人へと伝えられてきました。人々が、それぞれ必要にかられ、それぞれの能力に応じて 作った音楽は、いつの時代も人々のアイデンティティとして聴かれ、演奏されてきました。作者や楽器のプレーヤーたちと同様に重要だったのが、女性の存在です。 女性たちは、仕事をしながら牛寄せの歌やバラードを歌い子守歌を歌うことで、伝統を伝えることに深く関わりをもっていました。そうした「名もなき」人たちが伝 えた音楽は、その後、エドヴァルド・グリーグをはじめとする音楽家に影響を与え、ノルウェーの芸術音楽創造の原動力ともなりました。
このアルバムの3人の女性、ヴォーカルのユンニ・ローヴリ、ハリングフェレのアンネ・ヒュッタ 、ピアノのイングフリー・ブライエ・ニューフースは、グリーグも「伝 承による19のノルウェー民謡」(Op.66)の素材に使ったグーブランスダーレン、ロム、ソグンなどの谷に伝わる音楽を吟味し、それぞれの音楽語法とアプローチ によって多様な音響空間という共通基盤の上に再構築しました。
録音セッションは、オスロのソフィエンベルグ教会で行われ、作曲家でもあるレーネ・グレナーゲルがプロデュースを担当しました。 (Ki)

Rondeau
ROP-6201(1CD)
シューベルト(シェーン・ウッドボーン編):冬の旅(弦楽三重奏伴奏版) クラウス・メルテンス(Bs-Br)、
ダニエル・ゼペック(Vn)、
ドナータ・ベッキング(Va)、
パトリック・ゼペック(Vc)

録音:2020年6月3日-5日
ン・ウッドボーンによって編曲された「冬の旅」は、シューベルトの音楽をより美しく、明るく、それでいて暗く、細かなニュアンスまで原曲以上に引き出しています。
バッハの名手として知られているクラウス・メルテンスは、ヤーコプス、ブロムシュテット、アーノンクールなどの多くの巨匠たちと共演を果たしています。2002年にはベルティーニ指揮東京都SOのマーラー交響曲第4番の演奏に参加し来日しています。その幅広いレパートリーを活かしてこのアルバムでも高い表現力で「冬の旅」を歌い上げています。
Rondeau
ROP-6162(2CD)
バッハ:ヨハネ受難曲 BWV.245 ペーター・シュライアー(指)
ザクセン室内cho、ミッテルドイチュ・ヴィルトゥオーゼン
ヴィクトリア・ウィルソン(S)、マリー・ヘンリエッテ・ラインホルト(A)、マルティン・ペツォールト(T)、パトリック・グラール(T)、エグベルト・ユングハンス(Bs)、ラース・コンラート(Bs)

録音(ライヴ):2018年2月24日、聖トーマス教会(ドイツ
惜しくも2019年12月にこの世を去った20世紀を代表するリリック・テノールとして知られたドイツの歌手・指揮者のペーター・シュライアーによる、バッハの名作、ヨハネ受難曲のライヴ録音。シュライアーは、バッハのカンタータや受難曲の歌唱で高く評価され、歌手生活引退後は、教育者、指揮者としても国際的に評価されています。本アルバムでは、最高峰のエヴァンゲリスト(福音史家)としての解釈でバッハの傑作の真の魅力を引き出しています。
Rondeau
ROP-6203(3CD)
バッハ:マタイ受難曲 BWV 244 ドレスデン聖母教会室内cho、
ドレスデン聖母教会アンサンブル
マティアス・グリュナート、他

録音:2020年2月5日-8日、ドレスデン聖母教会
バッハの「マタイ受難曲」は声楽曲の中でも間違いなく名曲中の名曲といえるでしょう。この演奏では福音史家とイエスを除いたソリストをダブルキャストで録音しています。ドレスデン聖母教会では毎年2月13日に追悼コンサート(1945年2月13日のドレスデン爆撃のためと思われる)を行っておりこの「マタイ受難曲」はその直前に収録されました。編成は小さいながらも細部まで歴史的な背景を伴った丁寧な音作りが魅力の演奏です。
Rondeau
ROP-6202(1CD)
フンパーディンク:ドイツの子供の歌の本  クラウス・メルテンス(Bs-Br)、
ハノーファー少年cho、
トーマス・フリッツィヒ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
マルギット・ウーベルラッカー(ダルシマー)、
マサコ・アルト(Hp)

録音:2020年2月27日-29日
フンパーディンクと言えば「ヘンゼルとグレーテル」を思い浮かべるかもしれません。しかしフンパーディンクはアデルハイド・ヴェッテと協力し、ドイツの民謡やモーツァルト、シューマンなどの曲も引用して多くの童謡を出版していました。「きらきら星」や「カッコウ」、「ぶんぶんぶん」といった有名なものから今では忘れ去られてしまった美しい小曲をクラウス・メルテンスとハノーファー少年合唱団の歌声でお楽しみください。
Rondeau
ROP-6181(1CD)
グノー:ミサ曲集
ミサ・ブレヴィス第5番「神学校のミサ曲」
聖セシリア荘厳ミサ曲
マインツ大聖堂O&cho
カルステン・シュトルク(指)、他

録音(ライヴ):2019年5月20日-21日、2018年12月22日-23日
グノーの宗教音楽家としての力量を示した旋律美に溢れた名作、聖セシリア荘厳ミサ曲。本アルバムでは、マインツ大聖堂でのクリスマス・コンサートの一環として行われた演奏を収録。宗教作品でありながら、オペラの劇的な要素が組み合わされた大作を、1866年に創設された歴史ある合唱団の聖なる歌声と、オーケストラのダイナミックかつ色彩感に富んだサウンドで描きます。
Rondeau
ROP-6179(1CD)
ケルビーニ:宗教作品集
Exulta e lauda/Cum invocarem/Qui habitat/Nunc dimittis/Kyrie et Pater noster/O salutaris hostia/Inclina、Domine
ドレスデン聖母教会室内cho、ドレスデン聖母教会アンサンブル、マティアス・グリュナート(指)、シビラ・ルーベンス(S)、ブリッタ・シュヴァルツ(A)、トビアス・フンガー(T)、トビアス・ベルント(Bs)

録音:2019年2月7日-9日
イタリア出身のフランスの作曲家、ルイジ・ケルビーニの世界初録音となる宗教作品集。ケルビーニが若き日にイタリアで書いたとされるCum invocarem、Qui Habitat、Nunc dimittisの3つの作品は、パリの国立図書館で長い間発見されずに眠っていました。200年以上の時を経て、これらの美しい作品が再び蘇ります。
Rondeau
ROP-6172(1CD)
愛の歌〜声楽作品集
コルネリウス:Liebe, dir ergeb ich mich、 Ich will dich lieben, meine Krone、Thron der Liebe, Stern der Gute
タリス
:光よ、お前の消える前に
シェルシ(1905-1988):グロリア
ヴァツロヴァス・アウグスティナス(b.1959):聖マルティヌスの賛美歌
ブリテン:聖チェチーリア賛歌
トムキンズ:ごらん、羊飼いの女王様
マーラー(C.ゴットヴァルト編):思い出
シベリウス:ラカスタヴァ
メンデルスゾーン
:主は御使いたちに命じて
ブラームス:私の胸の思いのすべて
伝承曲(H.ヴォルムスバッヒャー編):Dat du min Leevsten bust
ヴォクテット・ハノーファー

録音:2018年9月9日-12日
8人の声楽アンサンブル、ヴォクテット・ハノーファーによる「愛」をテーマとした作品集。人間同士の愛を考える作品もあれば、神への霊的な愛に取り組む作品など、古典的作品から現代まで幅広く集約。アンサンブルは、2012年に結成され、2018年ドイツ合唱コンクールの声楽アンサンブル部門第1位受賞など、様々な国際コンクールで優秀な成績をおさめ、ポリフォニーから現代曲まで多岐に渡るレパートリーで、アルブレヒト・マイヤーなど著名なアーティストとも共演を果たしています。このアルバムでもその幅広いレパートリーを存分に活かし、美声を聴かせてくれています。
Rondeau
ROP-6170(1CD)
CHOR. KLANG. SAXOPHON.〜讃美歌とラッシャーの出会い
バッハ:主よ人の望みの喜びよ BWV.147-10、
 イタリア協奏曲ヘ長調 BWV.971
ラッソ:バビロンの河のほとりに
バッハ:モテット第6番 「すべての国よ、主を讃美せよ」 BWV.230
モンテヴェルディ:詩篇第121 「われは喜びに満ちたり」
ジョン・タヴナー:神の御母への賛歌
アルトゥール・ヘイメ(1925-2009):天にいますわれらの父よ
ペルト:天にいますわれらの父よ
クリストフ・グルント(b.1961):Alle Flusse fliesen ins Meer, doch wird das Meer nicht voll
シュトゥットガルト・ヒムヌス少年cho
ラッシャー・サクソフォン四重奏団、
ライナー・ヨハネス・ホンブルク(指)、他

録音:2018年7月18日-21日
1969年に結成されたラッシャー・サクソフォン四重奏団は、確立された伝統を受け継ぎつつ、これまでに世界有数のオーケストラや様々な楽器、声楽とのコラボレーションなど、新たな可能性を追求してきました。本アルバムでも、ルネサンスからバロック、現代まで、様々な時代の合唱作品とサクソフォン四重奏によるコラボレーションという好企画で、リスナーに新たな体験をもたらすことでしょう。

Epitagraph
EPITA-030(3CD)
UHQCD
宗教曲集(ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス/モーツァルト:レクイエム/ヴェルディ:レクイエム) / ワルター【3UHQCD】

■DISC 1 
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 Op.123

■DISC 2 
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K. 626(ジュスマイヤー版)

■DISC 3 
ヴェルディ:レクイエム
ブルーノ・ワルター(指)

■DISC 1
エレノア・スティーバー(S)/ナン・メリマン (Ms)/ウィリアム・ヘイン (T)/ロレンツォ・アルヴァリ(Bs)/ウェストミンスターcho/NYO
録音:1948年4月18日 カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ)
■DISC 2
イルムガルト・ゼーフリート (S)/ジェニー・トゥーレル (Ms)/レオポルド・シモノー(T)/ウィリアム・ウォーフィールド (Br)/ウェストミンスターcho/NYO
録音:1956年3月11日 カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ)
■DISC 3
ジンカ・ミラノフ(S)&ハイディ・クロール(S)/ロザリンド・エリアス(A)/カルロ・ベルゴンツィ(T)/ジョルジョ・トッツィ(Bs)/メトロポリタン歌劇場O&cho
録音:1959年3月29日 メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク(ライヴ)

Produced by Epitagraph(原盤:エピタグラフ)
エピタグラフ・レーベルによるワルター没後60年企画のライヴ録音シリーズ。モーツァルト、ブラームス、マーラー、ブルックナーと続けてきて、今回は3大宗教 曲集(1)ベートーヴェンのミサ・ソレムニス(2)モーツァルトのレクイエム(3)ヴェルディのレクイエム。
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス・・・宇野功芳氏がクレンペラー盤と並ぶこの名曲の代表的名演として海外盤を著作で紹介してきましたが、「欠点は録音の、 あまりの悪さ」でした。それが今回、目覚ましく音の状態が良いのが登場! 「これはワルターの最高傑作の一つであるばかりでなく、同曲CD中、クレンペラーのそれと並んで演奏面では一、二を争うものです。・・・クレンペラーの、遅 いテンポを一貫させた堂々たる造型に対し、ワルターのはテンポを緩急自在に動かした極めて動的な表現で、好みからいえば、ぼくは断然ワルターを採りたい。」 (『名指揮者ワルターの名盤駄盤』宇野功芳著、講談社+α文庫1995年刊) また、「放送録音ディスクが良い音で残っています。残念なことに、最近出ているグロテスクに歪んだ音源によるコンパクト・ディスクは、1948年4月半ばにカーネ ギーホールで聴かれた崇高な演奏をひどく不当に扱っています。」(『ブルーノ・ワルター 音楽に楽園を見た人』エリック・ライディング&レベッカ・ペチュフスキー 共著、高橋宜也訳、音楽之友社2015年刊)として、本書籍では「数ヶ所の乱れを別とすれば、これはワルターの名演の一つです。キリエで醸し出される優しさ、 唖然とするようなグローリアでの歓喜の激しい爆発、クレドの力強い信念の表出、サンクトゥスの揺りかごを揺らすような祝福、そして人生の重荷を厳かに思い、平 安を乞い願うアニュス・デイ。スティーバーとメリマンは特に見事で、甘美な声色というのではなくて自分のパートを息づかせるドラマがすばらしく、神々しい熱狂 にすっかり我を忘れているようであるが、オーケストラと合唱も、神にささげる恍惚とした喜びの音を奏でるのにひと役買っています。ワルターの、自分の巨大なヴィ ジョンを大編成の演奏家に伝達する能力と、テンポを変化させて歌手とオーケストラから多彩な抑揚を引き出す技は、時には息をのむほどです。」と称賛されて おります。
モーツァルト:レクイエム・・・1956年3月10・12日、モーツァルト生誕200年記念にワルターは米コロンビア・レコードにセッション録音し、この名曲の代 表盤を完成していますが、11日にカーネギー・ホールでのモーツァルト・フェスティバルで披露していました。ワルターは4人の独唱者(ゼーフリート、トゥーレル、 シモノー、ウォ―フィールド)とのピアノ・レッスンの際、本番中は暗譜して歌うように要請。はたして本番では、四重唱として室内楽的なまとまりのある美しい音楽 となったと、ウォ―フィールドは後年の雑誌インタビューで語っています。音も良好。最後の拍手歓声がすごく、当時のワルターのモーツァルトへの人気ぶりがうか がえるドキュメントとなっております。
ヴェルディ:レクイエム・・・「ミサ・ソレムニス」と同様、ワルター唯一の録音。何度も演奏してきましたが、レコーディングの機会に恵まれず、1959年3月 27日と29日、つまり聖金曜日と復活祭の日にメトロポリタン・オペラでのお別れコンサートでこの曲を演奏、2日目の記録が本ディスクになりました。当時激しい 合唱を含むこの曲を指揮するには老年のワルターには無理ではないかとの声も出ていた中、「首尾一貫した力強い演奏ができなくなっているとうかがわせるもの はない。彼の熱のこもった気合の声や独唱者たちへのしばしばこちらまで聞こえる指示の言葉は、演奏行為に完全に没入している人間の様を表しています。― ニューヨーク・タイムズ紙‘59.3.29」(前掲『ブルーノ・ワルター 音楽に楽園を見た人』) なお、ソプラノ・パートのミラノフは「怒りの日」を歌い終わってから体調不良で降板、代役で控えていたクロールに替っています。
以上3曲とも、曲の最初から終わりまで途切れはなく、終了後の拍手も入っています。それぞれ1枚のディスクに収録。いずれも放送原盤ディスクからの復刻 にともなうスクラッチ・ノイズが多少ありますが、従来の海外盤をも凌駕する明瞭な音質で登場!国内盤初発売になります。さらに“高音質CDの決定版”である UHQCD仕様で発売!歌詞対訳付き。

TOCCATA
TOCC-0679(1CD)
NX-B03
ガリーナ・グリゴリエヴァ(1962-):男声合唱曲集
人生の夜-男声合唱のために(2006-08)
Diptych 二部作 - 男声合唱のために(2011)
神は主なり-チェロと男声合唱のために(2014)…世界初録音
祈り-チェロと男声合唱のために(2005/2022) …このヴァージョンでの世界初録音
神の子羊 - 男声合唱のために(2022)…世界初録音
楽園にて - 男声合唱のために(2012)
テオドール・シンク(Vc)
アレクサンドル・ミハイロフ(Bs)
アレクサンダー・エルダー(T)
マルグス・フェルマン(T)
グリゴーリ・ルトシュキン(T)
エストニア国立男声cho
ミック・ウレオヤ(指)

録音:2012年2月14、16日、2013年1月27日、2022年5月24、25日
ウクライナのシンフェローポリで生まれ、タリンを拠点に活躍する女性作曲家ガリーナ・グリゴリエヴァの合唱作品 集。 彼女の音楽は正教会の伝統とロシアの伝統、スラヴ民話に深く根差しており、その作品には時代を超越した 魅力が備わっています。ほとんどの作品にはスピリチュアルなメッセージが内包されており、時には刺激的なハー モニーをあしらいながら、力強い旋律を紡いでいきます。ここ数年、彼女はエストニア国立男声合唱団のため に作品を書いていますが、このアルバムにもチェロを伴う詩篇117篇のテキストを用いた「God is the Lord」 や「Prayer」など、この合唱団のために特別に作曲、または編曲を行った作品が収録されています。

Gramola
GRAM-99278(1CD)
大西洋を越えて
マーラー:交響曲第1番(1888年 第1稿)-花の章
マーラー:さすらう若人の歌(管弦楽伴奏版)
マーラー:子供の不思議な角笛− 天上の生活(交響曲第4番 終楽章)
ウェーバー:歌劇「3人のピント」(マーラー補筆)- 間奏曲
ジグマント・ロンバーグ(1887-1951):恋人よ我に帰れ*
クルト・ヴァイル:Berlin im Licht#
ヴァイル:Je ne t’aime pas#
ヴァイル:That’s Him#

*=フランク・トルティエ&ジャン・ゴビネ(編)…8
#=フランク・トルティエ&アンジェロ・ペトロニオ(編)
ダニエル・シュムッツハルト(Br)
アメル・ブライム=ジェルール(S)
オーケストラ・ジャズ・フランク・トルティエ
オーケストラ・パドルー
ヴォルフガング・デールナー(指)

録音:2020年12月16-18日
「大西洋を越えて」と題されたこのアルバムは、「渡米」をキーワードにドイツ語文化圏からアメリカへ渡った作曲家3人の作品を収め、20世紀前半の 雰囲気を伝えます。 マーラーは1907年以降、ニューヨーク・フィルやメトロポリタン歌劇場に招かれて何度も欧米間を往復しました。ここではマーラー自身の作品 に加え、マーラーが補筆完成させたウェーバーの歌劇「3人のピント」の間奏曲も収録。ハンガリー生まれのジグマンド・ロンバーグはウィーン風オペレッタ で成功を収めた後、1909年以降ニューヨークを拠点としてミュージカルの作曲を手掛け、ヒット作を生みました。ドイツ生まれのクルト・ヴァイルはベルリ ンで名声を得ますが、ナチスの圧迫を受けてまずパリへ逃れ、その後アメリカへわたります。彼の作品からはベルリンとパリにちなんだ歌とブロードウェイ・ソ ングを収録し、旅の軌跡をたどります。 ロンバーグとヴァイルのナンバーではジャズ・オーケストラを加えたアレンジで時代を感じさせるサウンドを奏でます。

Delphian
DCD-34296(1CD)
ラフマニノフ:徹夜祷 Op.37 ロンドン・キングズ・カレッジcho、
ジョゼフ・フォート(指)

録音:2022年2月、オール・ハロウズ教会(イギリス、ロンドン)
英国国教会の聖歌隊による、正教会の奉神礼音楽の傑作、ラフマニノフの徹夜祷(晩祷)の名録音!
最初の1秒から惹きこまれる本作のレコーディングは、2023年のラフマニノフ生誕150周年を記念して行われたもので、名門ロンドン・キングズ・カレッジ合唱団の澄み切った歌声と、全曲を通して鳴り響く鐘のようなフレーズが見事に捉えられています。ブラームスの「イングリッシュ・レクイエム」(ドイツ・レクイエムの英語歌唱版、DCD34195)でも話題を呼んだジョゼフ・フォート&ロンドン・キングズ・カレッジ合唱団の、大胆で迫力のある、名曲の新たな表現にご期待ください。

Rondeau
ROP-6218(1CD)
抱擁
ファニー・ヘンゼル(メンデルスゾーン)(1805-1847):夜行者 Op.7-1、
 白鳥の歌 Op.1-1、
 憧れ Op.9-7、Ach, die Augen
リスト:マルリンクの鐘、Wie singt die Lerche schon、それは素晴らしいことに違いない、私の歌は毒されている、Ein Fichtenbaum steht einsam、Uber allen Gipfeln ist Ruh
ヴィクトル・ウルマン:人間とその日 Op.47
グリーグ:6つの歌曲 Op.48
エネアス・ヒュム(Br)、
レナーテ・ロールフィンク(P)

録音:2021年2月1日-4日
このアルバムで温かみのある特徴的な美しい歌声を披露しているエネアス・ヒュムは数々の受賞歴をもつバリトン歌手です。「抱擁」と題された今作ではそれぞれの状況下に置かれた作曲家たちの知られざる作品を中心に収録しており、例えばアウシュビッツ強制収容所で死と相対しながら作曲を続けたヴィクトル・ウルマンや、天才である弟フェリックス・メンデルスゾーンからの影響を受けたファニー・ヘンゼルなどの作品が収められています。
Rondeau
ROP-6231(1CD)
フリードリヒ・ゲルンスハイム(1839-1916):混声合唱作品集
Hafis Op.56
Ausgewahte Volkslieder
Der Zaubermantel Op.55
ヴォックス・クアドラータ、
トリスタン・マイスター(指)

録音:2021年11月5日-7日
今日ではあまり知られていませんが、生前は非常に尊敬されていた音楽家フリードリヒ・ゲルンスハイムによる混声合唱作品集。ゲルンスハイムは、王立ベルリン芸術アカデミーの会員となりその後作曲家アカデミー高等学院の院長に任命されるなど存命中は楽壇に大きな影響力を持っていました。ゲルンスハイムの合唱作品は当時としては前衛的で現在になってその作品は再評価されています。

Christophorus
CHR-77467(1CD)
バッハ一族のモテット集
ハン・バッハ(1604-1673):我らが人生は影のごとく
 私の魂よ、再び安らうがよい
ハン・ミヒャエル・バッハ(1648-1694):持っているものを大事にしなさい
ヨハン・クリストフ・バッハ(1642-1703):主よ、今こそあなたはこの僕を安らかにいかせ給う
ヨハン・ミヒャエル・バッハ:今、私は苦難を乗り越え
ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ(1677-1731):私たちの苦悩のために
ヨハン・セバスティアン・バッハ:すべての国よ、主を賛美せよ BWV230
テルツ少年cho、
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)、
ゼーレン・ロイポルト(テオルボ)、アクセル・ヴォルフ(Lute)、
ミヒャエル・シェーンフェルダー(ヴィオローネ)、
トーマス・ライニンガー(ポジティブ・オルガン&ハープシコード)

ロバート・シュレーター(ポジティブ・オルガン)

録音:2022年8月、ドイツ
ほぼ70年間にわたり、その優れた均一性、光り輝くトレブル、正確なイントネーション、明確なアーティキュレーションによってドイツを代表する少年合唱団の1つとして活動するテルツ少年合唱団が、ドイツの古楽系老舗レーベルChristophorusより初登場。2022年の夏から首席客演指揮者となったミヒャエル・ホフシュテッターとともに、バッハ一族のモテットを収録するという意欲的なアルバムを贈り出します。
全部で約80人もの音楽家で構成されるバッハ・ファミリーですが、今日知られている作曲家は一握りとなります。このアルバムでは、17世紀のバッハ・ファミリーから、バッハの大叔父であるヨハン・バッハから始まり、バッハの父の従兄弟であるヨハン・クリストフとヨハン・ミヒャエルの兄弟、遠い親戚となるがバッハが高く評価したとされているヨハン・ルートヴィヒ・バッハの作品をセレクトし、最後に一族を代表する大バッハことバッハの偉大なモテットで終わります。

ALPHA
ALPHA-914(1CD)
『聖と俗と』 〜ヴィヴァルディ独唱作品集
詩篇第127(126)篇「主が建てて下さるのでなければ(ニジ・ドミヌス)」 RV 608
弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ短調 RV 128
カンタータ「やめてください、本当にやめて」 RV 684
「ごきげんよう皇后(サルヴェ・レジーナ)」 RV 618
弦楽と通奏低音のためのシンフォニア「聖墓の傍らで」 ロ短調 RV 169
カンタータ「恋の神よ、わかった、おまえの勝ちだ」 RV 683
ティム・ミード(C.T)
アルカンジェロ(古楽器使用)【コンサートマスター: サラ・シクストン(Vn)、ボヤン・チチッチ(ヴィオラ・ダモーレ)】
ジョナサン・コーエン(チェンバロ、指揮)

録音:2021年7月1-4日
 洗礼者聖ヨハネ教会、アッパー・ノーウッド、ロンドン
聖職者として研鑚を積み司祭になったにもかかわらず、教会の仕事もそこそこにヴェネツィアのピエタ慈善院の音楽教員として女子生徒たち からなるオーケストラを(指)自らもヴァイオリンを圧倒的な腕前で弾きこなしたヴィヴァルディ。作曲家として彼が残した作品は「四季」の4曲 のような独奏協奏曲やソナタなどの器楽ばかりでなく、謝肉祭シーズンの水の都を湧かせたオペラや教会向けの声楽作品も多く残していま す。バロック・オペラの世界を中心に、本拠の英国に留まらない活躍をみせるジョナサン・コーエン指揮の古楽器楽団アルカンジェロが、この大 作曲家と本格的に録音物で向き合うのは今回のアルバムが初。やはり声楽中心の選曲で、パートナーに選ばれたのは躍進めざましい英国 のカウンターテナー歌手、ティム・ミード!温もりと透明感を兼ね備えた圧倒的な美声は、ヴィオラ・ダモーレ独奏の典雅な響きに彩られる「ニ ジ・ドミヌス」から、躍動感豊かに恋の栄光を歌いあげる「恋の神よ、分かった、おまえの勝ちだ」まで、ヴィヴァルディの聖と俗の両面を鮮やか に描き出してゆきます。弦楽のための協奏曲やシンフォニアでの立ちまわり含め、アルカンジェロの一体感ある音楽性も絶妙のアンサンブルで 存在感豊かに音楽の魅力を伝えてくれます。

Halle
CDHLL-7559(1CDR)
シュロップシャーの若者〜ロデリック・ウィリアムズ編曲による英語の歌
アイアランド:グレイト・スィングス、海熱
アイナ・ボイル:地球の喜び
ウィリアム・デニス・ブラウン:グラティアナの踊りと歌に
ジョージ・バターワース:「シュロップシャーの若者」より6つの歌
ルース・ギップス:The pulley
ヴォーン・ウィリアムズ:ザ・ハウス・オヴ・ライフ
マデリーン・ドリング:Take, O take those lips away
ジェイムズ・バートン:When I set out for Lyonesse
レベッカ・クラーク:The seal man
アーネスト・ファーラー:静かな午後
ロデリック・ウィリアムズ(Br)、
ハレO、
マーク・エルダー(指)
イギリスを代表するバリトン奏者であるロデリック・ウィリアムズの夢であったというこの集大成のアルバムは、第一次世界大戦で犠牲になった人々へと捧げられています。このアルバムは、ヴォーン・ウィリアムズなどイギリスを代表する20世紀の作曲家と現代の作曲家の作品を、ロデリック・ウィリアムズがオーケストレーションを行い歌ったものです。マーク・エルダーの味わいたっぷりの伴奏で、2016年にはロイヤル・フィルハーモニー協会のシンガー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞し、イギリスで今最も注目されるバリトンの一人であるロデリック・ウィリアムズが歌い上げます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

WAON RECORDS
WAONCD-540(1CD)
(HQCD)
日本語の夢と目醒め
平野一郎:邪宗門・魔睡 (2012) 
女声とピアノによる連作歌曲
 詩|北原白秋 
1 No.1:邪宗門扉銘
2 No.2:邪宗門秘曲
3 No.3:室内庭園
4 No.4:赤き僧正
5 No.5:赤き花の魔睡
6 No.6:空に眞赤な
7 No.7:接吻の時

武満徹:ソングスより
 編曲|鷹羽弘晃
詞|武満 徹 8,10,12
詞|谷川俊太郎 9,11,14
詞|秋山邦晴 13
8 翼 
9 恋のかくれんぼ 
10 小さな空
11 死んだ男の残したものは
12 明日ハ晴レカナ、曇リカナ
13 さようなら
14 うたうだけ
林光:アメリカ・アメリカ
  竜の尻尾を見つけた黒い犬のことなど
  詞|佐藤 信
吉川真澄(うた)
河野紘子(P)(1-7)、
水戸見弥子(8-14)、Momo(15)

録音:2021年11月24-26日、富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール
現代音楽のエキスパート吉川真澄による、平野一郎、武満徹、林光の歌曲。日本語の詞に寄り添い、時に激しく渡りあう三者三様の音楽を、それぞれに個性きわだ つ三人のピアニストと共に収録した1枚です。
特殊発声やボディ・パーカッションで、自然に満ちる声や音を再現したWAONCD-330「平野一郎「四季の四部作〜春夏秋冬」」(本作などを実演した舞台で 2015年佐治敬三賞を受賞)とはまた違って、今回は、ことばのある作品を選んで演奏しています。
「邪宗門・魔睡」は、平野一郎が14歳の時から魅了されていた北原白秋の「邪宗門」をモノオペラにしたものがもととなった作品。もともとは全6章からなり、 15楽器と指揮者、そして声(母音唱や歌唱、朗唱、朗読などおよそ6段階に大別される多様な発声が要求される)、という編成ですが、吉川真澄がこの作品の第I部 「魔睡」をぜひ連作歌曲として再編してほしいと平野に打診して完成したのがここに収録されたもの。現実とも夢ともつかない吉川の言葉の表現に、世界に引き込 まれます。
武満作品は、鷹羽弘晃のあらたな編曲を得ての録音。林光作品は未出版ですが、「アメリカ」にまつわる佐藤信(劇作家・演出家)の詩に林光が、語るようにうた い、かと思うとうたうように語り、時にシャウトやウェスト・サイド・ストーリーの断片、ジャズまでもが登場する音をつけた作品。少ない音符とコードネーム、リズム のアウトラインを記した譜面がそのまま遺されているだけの作品なので(委嘱者の伊藤淑と林光による録音が存在)、奏者は大胆にアプローチすることが求められる 作品です。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0059(1CD)
スイスのクリスマス
アルベルト・ベッカー(1834?1899):Joseph, lieber Joseph
カール・リュッティ(1949-):O nata lux de lumine
シャイト:(1587?1654):Puer natus in Bethlehem
ギオン・アントニ・デルングス(1935?2012):Tut ils fideivels
ジュリア・シュヴァルツ(1963-):Das Christkind im Wald
ゴットフリート・ヴォルタース(1910?1989):Maria durch ein Dornwald ging
ピーター・アッペンツェラー(1955-):Maria va tras un god spinus
ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルク(1843?1900):Meine Seele erhebt den Herrn
アンドレ・サラ(1899?1968):Que j’aime ce divin Enfant
カルロ・ボラー(1896?1952):Dormi bel bambin
マスクス・フリッカー(1943-):Advent
メンデルスゾーン(1809?1847):聖夜 Op.79-1
ピーター・アッペンツェラー:Neues Quempas-Lied I
ピーター・アッペンツェラー:Neues Quempas-Lied II
アンドレ・デュクレ(1945-):La Marche des Rois
ロバート・ルーカス・ピアサル(1795?1856):In dulci jubilo
マルクス・フリッカー(1943-):Liislig fallt de Schnee
ブルクハルト・キンツラー(1963-):Still, still, still
ツェザール・ブレスゲン(1913?1988)/マルクス・シュミードル(1971-)編)):O du stille Zeit
マルコ・アマード(指)
シュヴァイツァー・ヴォーカルコンソート

録音:2022年7月4-6日/チューリッヒ放送スタジオ
1988年生まれで指揮とオルガン、経済学を学び、合唱指揮者として活躍しているスイスの指揮者マルコ・アマードと、彼が2018年に設立した合唱団「シュヴァ イツァー・ヴォーカルコンソート」によるクリスマスアルバム。 (Ki)

MDG

MDG-61322712(1CD)
ミヨー:歌曲集 Vol.1
ジャン・コクトーの3つの詩 Op.59
リオの街で Op.44a
ユダヤの詩 Op.34
ペトログラードの夜 Op. 55
レオ・ラティールの4つの詩 Op.20
最初の家庭 Op.193より2曲
ヴォカリーズ Op.105
ホルガー・ファルク(Br)
シュテッフェン・シュライエルマッヒャー(P)
ハンス・アイスラーの歌曲集やオネゲル:歌曲集(MDG-61322032)など知られざる作品を録音してきたバリトン歌手のホルガー・ファルク、ピアニストのシュ テッフェン・シュライエルマッヒャーがこの度、フランス6人組のメンバーの一人ダリウス・ミヨーの歌曲の録音シリーズをスタートさせます。ミヨーの歌曲は華やかな キャバレー・ソングからシリアスな歌曲まで音楽の幅が非常に広く、その全貌を把握するのは困難です。その巨大なミヨーの迷路に二人がどのように挑んでいくのか 非常に楽しみなシリーズ・スタートといえるでしょう。
ミヨーは、同時代の作曲家たちが無調や十二音技法を追及していく中、生涯調性音楽に忠実でありました。ただ楽曲の中で、同時に複数の調性を使用する多調性は ミヨーの特徴とも言えます。8分の5拍子の「ヴォカリーズ・エチュード」は、発声練習というより南米の踊りのような独特な響きが感じられます。また「リオの街で」は、 ブラジルに滞在した際の思い出が影響されています。またロシアの移民団の録音をもとにした「ペトログラードの夜」はユニークなキャバレー音楽のような印象を受け ます。多彩で豊富な楽想を駆使したミヨーの世界を十分に楽しむことのできる1枚です。 (Ki)
MDG
MDG-10200032(2CD)
ロッシーニ:小荘厳ミサ曲 ゲルダ・ハーグナー(S)
ガブリエレ・シュナウト(A)
アルド・バルディン(T)
カール・フェイス(Bs)
マリー=テレーズ・アンゲリッシュ(P)
クリスティアン・デ・ブリュイン(P)
マルティン・ルッカー(ハーモニウム)
ギュータースロー・バッハcho
ヘルマン・クロイツ(指)

録音:1976年11月7日、マリーエンフェルト修道院(ライヴ)
MDGレーベル始まりの録音がこの度満を持してCD化されました。曲目は、ヘルマン・クロイツ指揮によるロッシーニの「小荘厳ミサ曲」で、1976年マリーエ ンフェルトの修道院でライヴ収録されました。音楽的にも音響的にも妥協が一切ない見事な録音で、46年間培われたMDGレーベルの首尾一貫した録音のスター トを感じることができます。MDGの録音信条は、音楽が第一優先であり、過度な録音技術に頼らず、会場の響きを最大限取り込み、必要最低限のマイクセッティン グで収録するものです。このロッシーニの「小荘厳ミサ曲」はLPでリリース直後、大きな反響があり「お気に入りレコードだ!傑出した音響空間を捉えている!」(ス テレオプレイ誌)、「音楽的にも録音として最高峰だ!」(フォノフォーラム誌)と業界でも高い評価を受けました。
そしてギュータースロー・バッハの演奏も必聴です。この合唱団はヘルマン・クロイツが何十年もかけて育て上げた地域に根付いた最高のアンサンブルです。4 人のソリストと2台のピアノとハルモニウムという特徴的な楽器編成でロッシーニの美しい音楽を見事演奏しています。
今回のプロデューサーのヴェルナー・ダブリングハウス氏が丁寧にリマスタリングを行い、惜しくも数年前に亡くなった録音パートナーであったライムント・グリ ム氏の思い出と共に、最良の形で蘇らせました。 (Ki)

BR KLASSIK
BR-900530(1CD)
NX-B09
モーツァルト:ミサ曲 ハ長調 「戴冠式ミサ」 K. 317- キリエ、グローリア
教会ソナタ K. 326
ミサ曲 ハ長調 「戴冠式ミサ」 K. 317-クレド
.創造主の御母 K. 277
ミサ曲 ハ長調 「戴冠式ミサ」 K. 317-サンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュス・デイ
主日のための晩課 K. 321
カタリナ・コンラディ(S)
ソフィー・ハームセン(Ms)
スティーヴ・ダヴィスリム(T)
クレシミル・ストラジャナッツ(Bs)
ラファエル・アルパーマン(Org)
バイエルン放送cho
ベルリン古楽アカデミー(ピリオド楽器使用)
ハワード・アーマン(指)

録音:2022年5月19-21日
ミュンヘン、ヘルクレスザール(ライヴ録音)
モーツァルトがザルツブルク時代後期に作曲した教会音楽によるコンサートのライヴ録音が登場。 「戴冠式ミサ」の名はモーツァルトの命名ではありませんが、ウィーンの宮廷では人気があったらしく、1791年の神聖ローマ帝国皇帝レオポルト2世の戴 冠式で宮廷楽長アントニオ・サリエリの指揮により演奏されています。作曲当時は教会で演奏される音楽が過度に複雑になるのを禁じていたため、わ かり易く華やいだ曲想が好まれた理由かもしれません。ここではほぼ同時期に書かれたと見られる教会ソナタや晩課を加え、祝祭的な雰囲気を演出 しています。ソリストに実力派の若手・中堅を揃えた、気鋭の古楽アンサンブルとの共演で、バイエルン放送合唱団もアクセントの利いた精彩に富んだ 演奏を聞かせます。 (ブックレットに歌詞は掲載されていません)

BR KLASSIK
BR-900342(1CD)
NX-B09
アンドレ・カプレ:オラトリオ「イエスの鏡」(1923) アンケ・フォンドゥング(Ms)
バイエルン放送cho
ミュンヘン放送O
ハワード・アーマン(指)

録音:2019年4月4&5日ミュンヘン、イエスの聖心教会(ライヴ)
2023年はドイツの公共放送100周年にあたり、これを記念した企画がBR-KLASSIKから登場。 ベルリンのポツダム広場の一角からドイツの公共放送サービスが始まったのが1923年。カプレの『イエスの鏡』 は同年春から秋にかけて作曲されました。聖母マリアという「鏡」に映ったキリストの生涯を描いたアンリ・ゲオン の詩をテキストとするオラトリオで、マリア役のメゾ・ソプラノが時に歌い、時に語るように物語を進め、カプレが研 究した中世音楽のような響きと無調的な瞬間が入れ替わります。小編成の女声合唱がもたらす透明感と浮 遊感に弦楽合奏とハープを交えたサウンドが、キリストの苦悩と受難を描く第2部にあっても物語を神秘的に 彩り、最後の被昇天の法悦感も見事に演出。 1923年は第1次世界大戦が終わってから5年目で、戦争の傷跡もそこかしこに残っていました。カプレも第1 次大戦従軍中の負傷による後遺症に苦しみ、彼の作品中でも屈指の大作となった『イエスの鏡』を仕上げた 後、2年も経たずに亡くなりました。

OMF
KCD-2094(1CD)
税込定価
山田耕筰歌曲集
1. 赤とんぼ(野口雨情)
2. 中国地方の子守唄* (中国地方民謡)
3. 曼珠沙華(AIYAN の歌)(北原白秋)
4. 待ちぼうけ (北原白秋)
5. 山百合(川路柳虹)
6. 野道(川路柳虹)
7. 七夕(川路柳虹)
8. 燕 (川路柳虹)
9. かへろかへろと(北原白秋)
10. この道(北原白秋)
13. 砂山(北原白秋)
14. 赤とんぼ(三木露風)
15. あわて床屋(北原白秋)
16. からたちの花II (北原白秋)
17. からたちの花(北原白秋)
18. 夜中(北原白秋)
19. 雪こんこん(北原白秋)
20. ペイチカ(北原白秋)
21. 雪こんこん(野口雨情)
22. 子守謡* (日本古謡)
23. さくらさくら* (近世筝曲)

*採譜編曲:山田耕筰
阿部雅子(S)
西山まりえ(バロックハープ)
ハマ(パーカッション)

録音:2021年11月2日-4日神奈川県立相模湖交流センター
【阿部雅子 ソプラノ】
国立音楽大学声楽科、同大学大学院修士課程、後期博士課程音楽研究科声楽研究領域修了。博士論文『C. モンテヴェルディの 歌劇「ポッペーアの戴冠」におけるポッペーア像の研究』とそれに関する演奏で博士号(音楽)取得。C. モンテヴェルディ「ポッペーアの戴 冠」タイトルロール、W. A. モーツァルト「イドメネオ」イリア、G. プッチーニ「つばめ」リゼット、N. ロータ「かしこいリス」タイトルロール、G. F. ヘン デル「メサイア」、L. V. ベートーヴェン「第九」、G. B. ペルゴレージ「スターバト・マーテル」等のソリストを務める。中でも「ポッペーアの戴冠」は これまで4回タイトルロールを務め、深い人物像解釈に基づく歌唱と高い演技力でいずれも好評を博す。バロック時代の音楽を中心とする 傍ら、N響団友会との共演や、イタリアで開催されたAMI Festival(2012)、NYの国連イベント日本歌曲コンサート(2014)、東京・春・ 音楽祭(2018)への出演、また高い演技力と「四大気質」に基づく人物像分析の研究を生かした演技指導・演出などで、演奏以外で も幅広く活躍の場を広げています。2018年7月に「Ego flos campi わたしは野の花」(レコード芸術誌・準特選盤/OMFレーベル)を リリース。 現在は得意の絵を生かし、イラストレーターとしても活動を開始。本CDのカヴァーイラスト、挿絵も本人によるものです。

LAWO Classics
LWC-1231(1CD)
カラーズ・オヴ・クリスマス
キム・アンドレ・アルネセン(b.1980):クリスマスの夜
ジョン・ラッター(b.1945):カラーズ・オヴ・クリスマス
キム・アンドレ・アルネセン:フライト・ソング
フレードリク・シクステン(b.1962):娘シオンよ、大いに踊れ
トーヴェ・クヌートセン(b.1951):いちばん小さい星
カーリン・レーンクヴィスト(b.1957):暗闇をこわがらないで
キム・アンドレ・アルネセン:ゆりかごの歌、こんどのクリスマスにはキャンドルに火を灯そう
ジョン・ラッター:キャンドルライト・キャロル
伝承曲(エド・ロジェスキ(1942-2020)編):ディンドン、空高く
キム・アンドレ・アルネセン:愛を探り
スヴァイン・モッレル(1958-1999):命のある限り恵みと慈しみはいつも
Z・ランドル・ストループ(b.1953):永遠の光
ミコラ・レオントヴィチ(1877-1921):鐘のキャロル
フレードリク・シクステン(b.1962):神よ、あなたをほめ讃えましょう!
ブラゲーネス教会ユースcho、器楽アンサンブル〔ボグミラ・ドヴラシュ・ニューステット(Vn)、アマンダ・ホーオイ・ホルン(Vn)、ヘンニンゲ・ランドース(Va)、アンネ・スティーネ・ダール(Vc)、フローデ・ベルグ(Cb)、スンニヴァ・ロードラン(Hp)、イングリ・ホルメン(Fl)、ヤン・ベッテルセン(Ob)、オッド・ニルセン(Tp)、アンデシュ・アイステン・ダール(オルガン、ピアノ)、アンデシュ・クレグネス・ハンセン(打楽器)〕、ベアーテ・ストロンメ・フェヴァング(指)

録音:2019年4月27日&6月16日、2021年5月2日-3日&5月10日、ブラゲーネス教会(ドランメン、ノルウェー)/Recorded in DXD 24bit/352.8kHz
ノルウェーの首都オスロの南西44キロほどのところにあるドランメン市は、多くの詩人、哲学者、画家、音楽家、スポーツ選手を育んできました。ブラゲーネス教会は、この町の音楽活動の一翼を担い、聖歌隊、少女合唱団、少年合唱団などがさまざまな活動を行っています。このアルバムで素晴らしい歌声を聴かせてくれる「ブラゲーネス教会ユース合唱団」もその団体のひとつ。終身指揮者ベアーテ・ストロンメ・フェヴァングの下、十代の女性たちが集まってコンサートとツアーを行い、ニューヨークのセント・パトリック大聖堂やウィーンのシュテファン大聖堂でも歌いました。このクリスマス・アルバム『カラーズ・オブ・クリスマス』では、「クリスマスのメッセージ」を伝えるキャロルの中からメンバーが選んだ、初録音の作品も含む15曲を歌っています。
ノルウェーでもっとも国際的に人気のある作曲家のひとり、キム・アンドレ・アルネセンの作品からは、ユアン・テイト(b.1968)、アイザック・ワッツ(1674-1748)、ハワード・サーマン(1899-1981)の詩に作曲した5曲を収録。同じくノルウェーのトーヴェ・クヌートセンはアルヴィド・ハンセン(1932-1998)の詩、スヴァイン・モッレルは『詩編23番』をテキストに使っています。スウェーデン生まれでニーダロス大聖堂のカントルを務めたフレードリク・シクステンは今もトロンハイムに住んで宗教作品を中心に作曲しており、「娘シオンよ、大いに踊れ」は『旧約聖書』の『ゼカリア書』と『新約聖書』の『ヨハネによる福音書』を、「神よ、あなたをほめ讃えましょう!」は、マルティン・ルターをテキストにした作品。イギリスのジョン・ラッターの「キャンドルライト・キャロル」とウクライナのミコラ・レオントヴィチの「鐘のキャロル」は、クリスマスの季節の歌として定着しています。アメリカのZ・ランドル・ストループ「永遠の光」は、「レクイエム・ミサ」のラテン語の典礼文による作品です。アカペラのほか、オスロ・フィルハーモニックのボグミラ・ドヴラシュ・ニューステットをはじめとするプレーヤーたちのアンサンブルとの共演、ブラゲーネス教会のオルガニストで音楽監督のアンデシュ・アイステン・ダールによるオルガンとピアノの伴奏で歌われています。

SOMM
SOMMCD-279(1CD)
NX-B04
グスターヴ・ホルスト:宗教的合唱作品集
1. Nunc Dimittis 今こそ主よ、僕を去らせたまわん
2. Gird on Thy Sword 汝の剣を身に着けよ
2つの詩篇
 詩篇第86篇
 詩篇第148篇
5. 4Hymns for Songs of Praise:
No. 2. In This World, the Isle of Dreams
6. Not Unto Us, O Lord*
7. Our Blest Redeemer
8. Short Festival Te Deum(I. ファリントンによる合唱とオルガン編)*
9. 3Hymns for The English Hymnal:
No. 2. From Glory to Glory Advancing
10. Man Born to Toil
11. Eternal Father
12. By Weary Stages the Old World Ages
13. Christ Hath a Garden
14. Ave Maria, Op. 9b
15. I Vow to Thee, My Country
16. 3Festival Choruses 3つの祝祭合唱曲 Op. 36a -No. 3. A Festival Chime(I. ファリントンによる合唱、チューブラー・ベルとオルガン編)*
17. All People That on Earth Do Dwell
18. 3Festival Choruses 3つの祝祭合唱曲 Op. 36a -No. 1. Let All Mortal Flesh Keep Silence(I. ファリントンによる合唱とオルガン編)*
19. 3Festival Choruses 3つの祝祭合唱曲 Op. 36a -No. 2. Turn Back, O Man (I. ファリントンによる合唱とオルガン編)*
ジョシュア・ライアン(Org)
リチャード・ホーン(チューブラー・ベル/バス・ベル)
ロイヤル・ホスピタル・チェルシー・チャペルcho
ウィリアム・ヴァン(指)


録音:2021年7月21-22日
世界初録音…6、8、16、18、19
20世紀英国を代表する作曲家ホルスト合唱作品集。このアルバムは、現在知られている彼の宗教的合唱作品を全て集めたものであり、演奏はアンサン ブルに定評あるロイヤル・ホスピタル・チェルシー・チャペル合唱団が担っています。ホルストの作品では組曲『惑星』が知られますが、宗教音楽も多数手がけ ており、オリジナルからアレンジまで様々な作品を遺しています。ここで聴ける英国国教会の「夕べの祈り」のための「Nunc Dimittis 今こそ主よ、僕を去ら せたまわん」や、充実した内容を持つ「2つの詩篇と4つの祝祭合唱曲」では、ホルストが聖書や16世紀の音楽、バッハなどの作品から得たであろうイン スピレーションが感じられます。他には8声部からなる無伴奏女声合唱で歌われる「アヴェ・マリア」など官能的な響きを持つ作品も含まれています。更に 2020年に初演されたトラック6「Not Unto Us, O Lord」や、有名な「木星」の旋律を転用した「I Vow to Thee, My Country」、英国ホルスト協会 がイアン・ファリントンに編曲を依頼した4作品などが演奏されており、英国に脈々と受け継がれる合唱作品の伝統を感じることができる1枚です。 ペア・ノアゴーとヨーン・ストルゴーズ
SOMM
SOMMCD-0659(1CD)
NX-B04
スティーヴン・ドッジソン(1924-2013):The Peasant Poet 農民詩人- 歌曲集 第1集
ジョン・クレアの4つの詩*
Mrs. Hen
Heaven-Haven
Five Eyes
The Monk and his Cat
Bush Ballads 茂みのバラード 第2集
8つの空想的な小品より
  No. 1. A Leaf in the River
  No. 2. Shrovetide Procession
Irishry アイリッシュリー
Tideways 潮汐
Inversnaid
Slow, Slow Fresh Fount
アイリッシュ・タイナン(S)
ケイティー・ブレイ(Ms)
ジェイムス・ギルクリスト(T)
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
クリストファー・グリン(P)
マーク・エデン(G)
イアン・ウィルソン(リコーダー)

録音:2021年2月4-7日、9月6-8日
*以外=世界初録音
SOMM RECORDINGSは、2013年に89歳で亡くなった作曲家スティーヴン・ドッジソンの10周忌を記念して、その豊かで多彩な歌を収録した全3巻の 「歌のアルバム」のリリースを予定しています。第1巻の「農民詩人」では、ジェイムズ・ギルクリスト(T)、ロデリック・ウィリアムズ(Br)をはじめとした英 国を代表する4人の名歌手をフィーチャーし、ピアノやギターの伴奏による様々な歌曲を紹介。象徴主義の画家ジョン・アーサー・ドッジソンの息子で、ルイ ス・キャロルの遠縁にあたる作曲家の作品を存分に味わうことができます。アルバム・タイトルでもある「農民詩人」は農民労働者の息子であった詩人、ジョ ン・クレアの4つの詩からの1篇。悩める詩人の揺れ動く心情が描かれた美しい作品です。他の曲も時にはシンプルに、時には豊かなハーモニーを持つ多彩な もの。ほとんどの作品が世界初録音であり、英国における芸術歌曲の一端を知る有益な1枚です。

TOCCATA
TOCC-0644(1CD)
NX-B03
ハンス・ガル(1890-1987):声楽作品集 第2集
ライナー・マリア・リルケの詩に基づく3つの歌曲 Op. 31(1928)
3つの歌曲 Op. 37(1929-30)
遅い収穫 Op. 91(1966)
トーマス・ロッジの詩による2つのマドリガル(1939-40)
3つの習作肖像画 Op. 34(1929)
若人の歌 Op. 75(1959)
トーマス・ムーアの詩による3つの抒情歌 (1942)
ボレアリス(声楽アンサンブル)
イアン・バックル(P)
ブリジット・バッジ(指)
スティーヴン・ミューア(指)

録音:2020年1月3-6日
全て世界初録音
ハンガリー系ユダヤ人としてドイツ、オーストリアを経てイギリスで活躍した作曲家ハンス・ガルの声楽作品集第2集。彼はナチスによってドイツを追われるも、 移住先の英国エジンバラで音楽界の中心人物となり、本国ドイツやオーストリアの伝統を継ぐ数多くの歌劇や交響曲などを書き上げています。また、人々を 音楽に参加させる手段としての合唱を提案し、自ら合唱団を創設、指揮するとともに合唱作品を多く遺しました。このアルバムでは混声合唱、女声合唱、 男声合唱、ア・カペラ、ピアノ伴奏による合唱など40年にわたって書かれた室内合唱曲を収録。演奏は、指揮者スティーヴン・ミューアが創設した合唱団ボ レアリス(「北、北風」の意味を持つ)が担当。ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジで合唱を研究し、現在はイギリスやドイツでオペラやオラトリオのソリストとし て活躍するブリジット・バッジも指揮者として加わり、演奏が難しいとされるガルの作品の数々を歌いこなしています。

J.S.Bach-Stiftung
C-111CD(1CD)
NX-E03
バッハ:カンタータ 第41集
カンタータ 第27番「わが終わりの近きをだれぞ知らん」 BWV 27
カンタータ 第165番「おお聖なる洗礼」 BWV 165*
カンタータ 第122番「新たに生まれしみどり児」 BWV 122#
リア・アンドレス(S)
マーゴット・オイツィンガー(A)
ゼーレン・リヒター(T)
マルクス・フォルペルト(Bs)
マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルク(S)*#
エルヴィラ・ビル(A)*#
コリン・バルザー(テノール*#2
ドミニク・ヴェルナー(Bs)*#
ミリアム・ヴェルンリ(S)#
リザ・ヴァイス(A)#
ラファエル・ヘーン(T)#
ステファン・マクロード(Bs)#
ルドルフ・ルッツ(指)
バッハ財団O&cho(ピリオド楽器使用)

録音:Evangelischen Kirche Trogen AR (スイス)(ライヴ)
2021年8月20日、2012年3月19日*、2021年12月17日#
第27番「わが終わりの近きをだれぞ知らん」は1726年10月6日の三位一体後第16日曜日に初演された作品。世の終わりに際し、自らの死について思い を巡らすという深刻な内容が、冒頭の合唱から丁寧に描かれています。オーボエ・ダ・カッチャを用いたアルトのアリア、諦観と世の喧噪を鮮やかに対比させた バスのアリアも聴きどころです。第165番「おお聖なる洗礼」はワイマール時代(1708-1717)の作品。"洗礼"の重要性を説く内容を持ち、1715年の三位 一体日に初演されたと推定されています。管楽器を用いない室内楽的な編成によるカンタータです。第122番「新たに生まれしみどり児」は1724年に書か れた降誕祭後の日曜日のための作品。この年はこの日が大晦日にあたったため、年の変わり目を祝す賛美歌が選ばれています。メヌエットの形式による第1 曲にはじまり、厳かなバスのアリアとソプラノのレチタティーヴォが続き、三重唱のアリアで頂点を迎え、喜びに包まれたバスのレチタティーヴォと、冒頭と同じく三 拍子で書かれた簡潔なコラールで曲は締めくくられます。

STEINWAY&SONS
STNS-30208(1CD)
NX-B07
アルトゥール・シュナーベル(1882-1951):歌曲全集
5つの歌曲…世界初録音
10の歌曲 Op. 11
7つの歌曲 Op. 14
ノットゥルノ Op. 16
サラ・クーデン(C.A)
ジェニー・リン(P)

録音:2022年4月23-25日
ベートーヴェン弾きとして知られる名ピアニスト、アルトゥール・シュナーベル(1882-1951)。実は作曲家としても精 力的に活動し3曲の交響曲をはじめ、ピアノ曲や声楽曲を遺しました。このアルバムは、彼の歌曲を全て収録した もので、台湾で生まれ現在はアメリカで活躍するピアニスト、ジェニー・リンと、同じくアメリカのコントラルト、サラ・クー デンの演奏によるもの。ジェニー・リンはシュナーベルのピアノ作品全集(STNS-30074)を2019年にリリースしてお り、シュナーベル作品の紹介に取り組んでいます。

EUROARTS
20-45093F(Bluray)

20-45099F(2DVD)
バッハ:クリスマス・オラトリオ

【ドキュメンタリー】
・「歓呼の声を放て、喜び踊れ!」〜ガーディナー、カンタータ巡礼の旅
・バッハ再訪〜ガーディナー、ザクセン=テューリンゲンを訪れる
ジョン・エリオット・ガーディナー( 指)
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
クラロン・マクファーデン(S)
ベルナルダ・フィンク(A)
クリストフ・ゲンツ(T)
ディートリヒ・ヘンシェル(Bs)
モンテヴェルディcho

収録:1999年12月23,27日、ワイマール、ヘルダー教会(ライヴ)
◆Bluray
画面:16:9、Full HD
音声:PCMステレオ、
DD5.1、DTS-HDMA5.1
リージョン:A l l
字幕:英独仏韓、日本語
本編145分
ドキュメンタリー52分
◆DVD
画 面:16:9、N T S C
音声:PCMステレオ、
DD5.1、DTS5.1
リージョン:A l l
字幕:英独仏韓、日本語
本編145分
ドキュメンタリー52分
大家ガーディナーによる演奏で聴く6曲のカンタータからなるバッハの傑作『クリスマス・オラトリオ』。ガーディナーはバッハ没後250年企画として、ヨーロッパとアメリカの約50都市の教会を訪れ、バッハの教会カンタータ全曲を演奏するという壮大な企画「バッハ:カンタータ巡礼」を打ち立て見事完走しました。この演奏は、その巡礼の旅の出発点ともなった記念碑的コンサート。収録されたワイマールにあるヘルダー教会は、バッハの子供たちが洗礼を受けた場所で、クラーナハの祭壇画で知られています。ガーディナーの明晰な解釈と細部までコントロールされた合唱陣、深々とした祈りの音楽を完璧に表現しています。さらに巡礼の旅へかけた思いと同様、ガーディナーの情熱が聴衆を感動に導きます。ドキュメンタリーでも、ガーディナーはこの巡礼の旅への思いを語っています。 (Ki)

Signum Classics
SIGCD-729(1CD)
チルコット:カンティクルズ・オヴ・ライト
ボブ・チルコット:カンティクルズ・オヴ・ライト、ムーヴ・ヒム・イントゥ・ザ・サン
セシリア・マクドウォール:スタンディング・アズ・アイ・ドゥ・ビフォー・ゴッド
フランシス・ポット:ラメント
ジェイムズ・マクミラン:子供の祈り
チルコット:シング・ザ・カラー・オヴ・ピース
NFM合唱団、 NFMヴロツワフPO団員、
アグニェシュカ・フランクフ=ジェラズニ(指)

録音:2019年3月23日-26日
Signumレーベル9枚目となるボブ・チルコットの作品集「カンティクルズ・オヴ・ライト」。同時収録されたセシリア・マクドウォール、フランシス・ポットやジェイムズ・マクミランの作品は、指揮者であるアグニェシュカ・フランクフ=ジェラズニによって慎重に選ばれました。最終トラックに収録された「シング・ザ・カラー・オヴ・ピース」はボブ・チルコットがNFM(National Forum of Music/国立音楽フォーラム)合唱団のために書き上げた作品です。
ボブ・チルコットは英オブザーバー紙によって「英国の合唱音楽の現代的英雄」と称される作曲家兼指揮者で、特に合唱作品に精通しておりオックスフォード大学出版から出版された膨大なカタログはその幅広い音楽スタイルを反映したものとなっています。

Ars Produktion
ARS-38353(1SACD)
シュナイダー:オラトリオ「幼児キリスト」  ドロテア・ブラント(S)、エルヴィラ・ビル(A)、サンティアゴ・サンチェス(T)、クリストフ・シェーベン(Bs)、ヴッパータールSO、カントライ・ブレーメン=ゲマルケ、アレクサンダー・リューケン(指)

録音:2021年11月
ドイツのピアニスト、オルガン奏者でもあった作曲家のフリードリヒ・シュナイダー(1786-1853)による三部作のオラトリオ。デッサウ宮廷音楽監督であったシュナイダーは1820年代にキリストの生涯に基づいた長編オラトリオの構想を持っていました。初演から190年以上が経った2021年に出版された版による世界初録音です。

Rondeau
ROP-622122(2CD)
バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV 248 アンサンブル・ポリハルモニーク、
テューリンゲン・バッハ・コレギウム、
ベンヤミン・グラウビッツ(T)、
イェルク・レディン(Org)、
ゲルノート・ジュスムート(指)

録音:2020年12月18日-20日&2021年4月6日-9日、バッハ教会(アルンシュタット、ドイツ)
バッハがオルガン奏者を務めていたアルンシュタットのバッハ教会のオルガンを用いた「クリスマス・オラトリオ」が登場です。声楽には古楽合唱に定評のある8人の歌手によるアンサンブル・ポリハルモニークが参加し、器楽演奏はバッハが30年間過ごしたテューリンゲンに拠点を置くテューリンゲン・バッハ・コレギウム。バッハやその一族の作品を中心に演奏活動を行っており、シュターツカペレ・ベルリンのコンサートマスターでもあったゲルノート・ジュスムートが率いています。

Rondeau
ROP-6220(1CD)
スィングス・オヴ・ジョイ
メンデルスゾーン:Im Advent
プレトリウス:いざ来ませ、異教徒の救い主よ
ヤン=オーケ・ヒッレルード(b.1938):久しく待ちにし主よとく来たりて
レーガー:Es kommt ein Schiff, geladen
メンデルスゾーン:クリスマス
セバスチャン・ナップ(b.1989):Kommet, ihr Hirten
コルネリウス(クリトゥス・ゴットヴァルト編):羊飼い、Die Konige
ゴットフリート・ヴォルタース(1910-1989):マリアはいばらの森を歩む
ヒューゴ・ディストラー:Es ist ein Ros entsprungen
ハインリヒ・シュッツ
:Ein Kind ist uns geboren
プレトリウス:もろびと声あげ
デイヴィッド・ウィルコックス:明日は私の踊る日
ナップ:Tidings of Comfort and Joy
ヒュー・マーティン&ラルフ・ブレイン(ピーター・グリットン編):ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス
ジェームス・ロード・ピアポント(1822-1893)(ベン・パリー編):ジングル・ベル
アーヴィング・バーリン(1888-1989)(ジェレミー・デイヴィス編):ホワイト・クリスマス
ヴォクテット・ハノーファー

録音:2021年3月27日-31日、ハノーファー(ドイツ)
8人の声楽アンサンブル、ヴォクテット・ハノーファーによるクリスマス・アルバム。学生時代に結成されたアンサンブルは様々な国際コンクールで優秀な成績をおさめ、ポリフォニーから現代曲まで多岐に渡るレパートリーで、アルブレヒト・マイヤーなど著名なアーティストとも共演を果たしています。このアルバムでもその幅広いレパートリーを存分に活かし美声を聴かせてくれています。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0052(2CD)
故郷の歌、500年
[CD1]
1ハインリヒ・イザーク(ca.1450-1517):インスブルックよさようなら
2「人にはどれほどの家が必要か?」ジャン・アメリー*
3ミシャ・スポリアンスキー(1898-1985):人には家がなくてはならない
4ブラームス:ドイツ民謡集 WoO 33より 谷底で
5リヒャルト・トルンク(1879-1968):都市
6「友へ」テオドール・シュトルム
7シューベルト:魔王 D328
8ドヴォルザーク(アンドレ・フィッシャー編):家路
9「郷愁、とは何?」マーシャ・カレコ
10ハンス・ナウミルカート(1919-1994):私たちの家
11民謡:クルプファルツの狩人
12「丘の上から見下ろす私の世界」ベッティーナ・フォン・アルニム*
13クルシェネク(1900-1991):オーストリア・アルプスからの旅日記 Op.62より 雨天
14ダニエル・ベーレ(1974-):家とは鍵のあるところ
15シューベルト:海の静けさ
16「家の祝福」著者不明*
17ブラームス:荒野の上を
18伝承曲:鳥が飛んできて
19「孤独」フリードリヒ・ニーチェ*
20ワーグナー:聖杯伝説(彼方の国に)
[CD2]
21クルシェネク:オーストリア・アルプスからの旅日記 Op.62より モティーフ
22「モットー」フリードリヒ・ヘルダーリン*
23アイスラー:故郷
24アイスラー:逃避行
25ウィリー・エンゲル=ベルガー(1890-1946)、ウィル・マイゼル(1897-1967):新しい春
26ヘルマン・レオポルディ(1888-1959):ブーヘンヴァルトの歌
27カルロ・ジグムンド・タウベ(1897-1944):ユダヤの子
28「浮浪」マックス・ヘルマン=ナイセ*
29ヴェルナー・アイスブレンナー(1908-1981):難民の歌
30マーラー:この世の暮らし
31シューベルト:さすらい人の夜の歌
32「旅の途中」李白/リヒャルト・デーメル*
33スウェーデン民謡:朝露に濡れた山の中で
34クルシェネク:オーストリア・アルプスからの旅日記 Op.62より 上へ下へ
35ゲオルク・クライスラー(1922-2011):ウィーン人のいないウィーン
36「異国にて」フランツ・グリルパルツァー*
37ヨハネス・オルディング(1981-):故郷
38ヴェルナー・ボッホマン(1900-1993):故郷、あなたの星
39テオ・マッケベン(1897-1953):そして私たちの上には空が

※14・20を除き、アレクサンダー・クランペによるホルン四重奏とテノールのための編曲
ダニール・ベーレ(T)
ジャーマン・ホルンサウンド(ホルン四重奏)
クリストフ・エス、セバスティアン・ショール、ステファン・ショットシュテット、ティモ・シュタイニンガー
マリオ・アドルフ(朗読*)

録音:2021年1月9-13日、2022年4月4日
2017年に知り合ったテノール歌手ダニエル・ベーレとホルン四重奏団ジャーマン・ホルンサウンドによるアルバムです。彼らは「家」から派生し「故郷・母国」 といった意味を持つドイツ特有の言葉〈Heimat〉をテーマとして曲を集め、自分たちの編成に合わせてアレンジするというプロジェクトを行い、最終的にあらゆる 時代とジャンルの歌を50曲集めました。そこからCD2枚分選曲し、実演でも共演した著名な俳優マリオ・アドルフの朗読を絡めて構成。家や故郷、自身のルーツ について考えさせる労作に仕上がっています。 (Ki)


ATMA
ACD2-2411(13CD)
マスネ:歌曲全集
■CD1
1聞いてよマドレーヌ[未出版]
2幼年時代の思い出[未出版]
3花嫁花婿のセレナード
4ソネット/5子供の肖像
6古いエールに基づく新しい歌[未出版]
7花と蝶※初録音
8あなたのおそばに[未出版]
9バラの命/10四月の詩
11枝の下で/12奴隷
13バラの季節のことだった※初録音
14内なる歌
15リッツィオのバラード(カンタータ「デヴィッド・リッツィオ」より)
16リッツィオの歌[未出版]
17通りがかりのセレナード
18即興詩人
19ブルターニュのメロディ(歌劇「大おばさん」より)
20ラ・ロシェルの娘たち(歌劇「大おばさん」より)
■CD2
1悲歌(付随音楽「復讐の3女神」より)
2十字架[未出版]/3思い出の詩
4不安[未出版]/5夕べ(二重唱)
6夜の対話(二重唱)
田園詩
7I.合唱付きパストラール
8II.ミュゼット
9III.あけぼの
10IV.風景
11V.たそがれ
12VI.羊飼いの別れ
13即興詩人
14ようこそ春よ!(二重唱)
15ジュデッカ風に(ヴェネツィアの歌)(二重唱)
16亡命者(ロマンスOp.21)[未出版]
17ゆったりと(二重唱)[未出版]
18東洋の思い出(ロマンスOp.2)[未出版]
19ナポレターナ[未出版]
■CD3
1秋のセレナード
2プロヴァンスの歌
3口づけ―即興曲
410月の詩/5雨が降っていた
6夢見よう、今はその時(二重唱)
7マグダラの女たち(付随音楽「マグダラのマリア」より)
8マドリガル
9スタンス(またはジルベールとの別れ)
10別れ
3つのメロディと3つの重唱
11I.おやすみ
12II.松林
13III.果樹園
14IV.海(二重唱)
15V.喜び(二重唱)
16VI.夏の朝(三重唱)
17スペインの夜(愛の時)
18セビリャーナ(歌劇「バザルのドン・セザール」より)
19眠れ、友よ(歌劇「バザルのドン・セザール」より
20私は決して見ることがない(ピレネーの歌)
21ジュデッカ風に
22ミュゼットの歌(付随音楽「ボヘミアの生活」より)
23コロンビーヌに/24カプリの歌
■CD4
1アルキヨン/2誕生日
3ユゴー賛歌※初録音
4オーバード
5雛鳥(付随音楽「3人の泥棒」より)
6この前の春/7知っているかい?
8願い/9見えなくなった小道(牧歌)
愛の詩
10I.雉鳩に訴えた
11II.夜はたしかに美しすぎた
12III.君の青い目を開けて(二重唱)
13IV彼女に僕の人生を捧げたので
14V.どうして泣くの?
15VI.おお、やめないで(二重唱)
16悲歌(Vc助奏付き版)(付随音楽「復讐の3女神」より)
17ネーレ(付随音楽「復讐の3女神」より)
18泉のほとりのナルキッソス(付随音楽「ナルキッソス」より)
19おおいとしい泉よ(付随音楽「ナルキッソス」より)※初録音
20モードよ、庭にお入り
21私から遠く離れて君の唇は偽り
22告白
23セレナード「ド・モリエール」
24異教徒のソネット
25もし君が望むなら、かわしい人よ
26スペインの夜(愛の時)(J.ホルマン編)
27ギター/28婚礼の日
■CD5
1冬の詩
2私が歌い上げたいのはこの子供たち
3聖ニコラウスの伝説※初録音
4神の分け前※初録音
5子供たち/6乳母の歌
73つの純潔の詩
8来たれ、聖なるメシア(クリスマスの歌)※初録音
9異教徒のクリスマス
10花のクリスマス
11貧者のクリスマス
12幼子イエスの宵
13雪/14幼子イエス
15憶えていてください聖母マリア
16アヴェ・マリア(タイスの瞑想曲)
■CD6
1出発/2詩人と幽霊
3もっと速く!/4フルヴィエール
5理想※初録音/6星へ(二重唱)
7アルバムのページ※初録音
8摘まれた花々/9花の魂
10あなたを愛しています
11心を与えないで
12夜の美女たち/13魅惑
14小道で/15アンダルシアの歌
16ホラティウスとリディア(二重唱)
彼と彼女(二連画)/17I.彼
18II.彼女
19フランスだけのものでなく(「フロレアル」より)
20祝婚歌(二重唱)(「フロレアル」より)
21範囲/22侯爵夫人
23愛する時(セレナード)/24春の思い
25九月/26秋の思い
■CD7
1愛の賛歌
2あなたを愛しています(オリヴィエ・ゴダン編)
3愛されて/4唇の歌
5私の好きな美しい目
6追憶※初録音/7夕べの詩
8春の夕べ※初録音
9魂/10花(二重唱)
11最初の銀の糸
12母/13母の涙
14コサックの戦の歌
15ジプシーの嘆き(付随音楽「ゴム」より)※初録音
16彼女は行ってしまった
17別離/18最後の歌
19無限を前にして
20幸福を追い求めて
21彼女のための歌
22詩人は王様
■CD8
1私のもの/2恋する女
3恋の誘惑/4永遠
5アモルよ、祝福したまえ
6意中の人に
7あなたは通り過ぎて
8あなたがあえてそうするなら
9古い手紙/10情熱的に
11両手/122人で泣いて!
13口づけ[未出版]
14選ばれし修道女
15巣/16鳥の魂
17魂/18アントワネットのために
19おちびさん/20子守歌
21酩酊の杯
■CD9
1春が大地を訪れ
2四月はそこに/3四月は恋
アマランサスの森の歌
4I.おお楽しい春よ(三重唱)
5II.森の鳥(二重唱)
6III.大切な花々(四重唱)
7IV.小川よ(三重唱)
8V.歌っておくれ!(四重唱)
9川/10聖なる花※初録音
11おお、花に目があったなら(オリヴィエ・ゴダン編)
12天使と子供/13ちいさなミレイユ
14幸あれ、マルガリータ
15子供のまなざし
16私の愛しい母は泣いた
17女たちの声
18祝福されし愛(オリヴィエ・ゴダン編)
19迂回路※初録音
20人の噂/21森の美女のロンデル
22ムスメ/23最初の踊り
■CD10
1盗まれた時間/2ミティスの詩
3目を閉じて
4いくつかの薄紫色の歌
5甘美な時/6口づけのメロディ
7人の噂/8お眠り、マグダ!
9あなたの笑顔に私は気掛かる※初録音
10おお、花に目があったなら
11春の法悦/12目覚め/13君と!
14ヴァン・アセルトの詩により
15私は愛に向って立ち去り/16口説き歌
17拒否(二重唱)※初録音
18恋する女は気もそぞろ
19私の小姓/20幸せな苦悩
21先に※初録音
22収穫(二重唱)※初録音
23カルロ・バルディのナポリ行進曲(マスネ編)※初録音
24戦争前(ライヒスホッフェン)(二重唱)※初録音
25歌いながら※初録音
26みなしご/27鐘が告げること
28夢のかなたに
29聖女テレーズの祈り
■CD11
1白雪姫(付随音楽「白雪姫と7人の小人」より)
2感傷的な夢(オリヴィエ・ゴダン編)
3手紙
4目を閉じて(オリヴィエ・ゴダン編)
5森の春(試験用小品第4番)※初録音
6叙情的表現(朗誦付版)
7私はあなたより死ぬ(「敬意の頌歌」より)
8君の髪/9百合のなかで眠ろう
10夢の商人/11恋に酔いしれて
12時と愛(二重唱)/13それから…
14春だ/15小川の歌(二重唱)
16孤独な時間(二重唱)
■CD12
1蝉の死/2それが愛
3彼が好きだと伝えてください/4鳥の帰巣
5ピュイジョリのガヴォット(二重唱)
6君の思い出/7星の恋人※初録音
8いつも/9すべてが過ぎて
10鎮静/11何も起こらず!
花の詩/12I.前奏曲(三重唱)
13II.花の賛歌
14III.小枝の踊り(二重唱)
15IV.5月の歌(三重唱)
16ギター[未出版,オリヴィエ・ゴダン&H.オレオン完成]
17絶望の歌
18感傷的な夢想
19メランコリー(初版)※初録音
20最後の眠り※初録音
21夕べの悲しみ(偽作?)
22神が砂漠を作られた※初録音
23それを言っていただけるなら
24コモディア※初録音
25ロチの光景※初録音
■CD13
1芳香/2黒檀の小箱
3生きられた時間/4至高の声
5夕日/6叙情的表現(歌曲版)
7本当の人生[遺作・初録音]
8感動/9もし私を愛してくれるなら
10無名の魂/11異教のあけぼの
12恍惚/13極楽鳥/14夜
15夢のような夕べ/16愛が泣いて
17いとしい嘘つきさん/18もう決して!
■CD1
ソプラノ:アンナ=ソフィー・ネーハー(3) (15)、
カリーナ・ゴーヴァン(5) (12) (13) (17) (19) (20)、
マガリ・シマール=ガルデス(9)
コントラルト:マリー=ニコル・ルミュー(1) (7)
テノール:アントニオ・フィゲロア(2) (4) (18)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(16)
バリトン:ジャン=フランソワ・ラポワント(6) (8) (10) (11)、
マルク・ブーシェ(14)
オリヴィエ・ゴダン(P)
■CD2
ソプラノ:カリーナ・ゴーヴァン(1) (4) (5) (14)、
アンナ=ソフィー・ネーハー(6) (7) (8) (12)、
マガリ・シマール=ガルデス(7) (9) (12) (15)
メゾソプラノ:ジュリー・ボーリアン(15) (17)
コントラルト:フローレンス・ブルジェ(5) (7) (11) (12)、
マリー=ニコル・ルミュー(14)
テノール:アントニオ・フィゲロア(6) (10) (12) (13)、
エマヌエル・ハスラー(16) (18)、エーリク・ラポルテ(19)
バリトン:ヒューゴ・ラポルテ(2)、
ジャン=フランソワ・ラポワント(3)、
マルク・ブーシェ(17)
オリヴィエ・ゴダン((4)以外ピアノ)、
ダヴィッド・ジャック(G) (4)
■CD3
ソプラノ:アンナ=ソフィー・ネーハー(5) (11) (14)、
カリーナ・ゴーヴァン(6) (7) (8) (15) (16)?、
マガリ・シマール=ガルデス(12) (14) (18)
メゾソプラノ:ミシェル・ロジエ(1) (2) (3) (13)、
ジュリー・ボーリアン(15) (16)
コントラルト:マリー=ニコル・ルミュー(16)、
フローレンス・ブルジェ(19)
テノール:エマヌエル・ハスラー(6)、
アントニオ・フィゲロア(17)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(20) (23) (24)
バリトン:マルク・ブーシェ(4)、
ヒューゴ・ラポルテ(9) (10)
オリヴィエ・ゴダン(P)
■CD4
ソプラノ:アンナ=ソフィー・ネーハー(2) (5)、
ソフィー・ノベール(12) (15)、
マガリ・シマール=ガルデス(19)
メゾソプラノ:ミシェル・ロジエ(27)、
ジュリー・ボーリアン(19) (26)
コントラルト:フローレンス・ブルジェ(22)
テノール:エマヌエル・ハスラー(6)、
アントニオ・フィゲロア(7) (8) (9) (17) (18)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(23) (25(28)
フレデリック・アントウン(16) (24)
バリトン:マルク・ブーシェ(2) (3) (4) (10) (11) (12) (13) (14) (15)、
ヒューゴ・ラポルテ(20) (21)、
ジャン=フランソワ・ラポワント(1)
オリヴィエ・ゴダン(P)、
ステファン・テトロー(Vc) (16) (26)
■CD5
ソプラノ:アンナ=ソフィー・ネーハー(14)、
カリーナ・ゴーヴァン(3) (4) (8) (10) (15)
メゾソプラノ:ジュリー・ボーリアン(2) (9)
コントラルト:マリー=ニコル・ルミュー(6) (7) (16)、
フローレンス・ブルジェ(5) (11) (12) (13)
バリトン:ジャン=フランソワ・ラポワント(1)
オリヴィエ・ゴダン(P、(16)のみハルモニウム)、
アントワーヌ・バライル(ヴァイ
オリン) (16)、ヴァレリー・ミロト(Hp) (16)、
ジャン・マルシャン(語り) (6)
■CD6
ソプラノ:アンナ=ソフィー・ネーハー(23)、
カリーナ・ゴーヴァン(6) (9)、
マガリ・シマール=ガルデス(1) (11) (12) (20) (24)
メゾソプラノ:ミシェル・ロジエ(18)、
ジュリー・ボーリアン(3) (14) (15) (16) (21) (25)
コントラルト:マリー=ニコル・ルミュー(5) (6) (10)、
フローレンス・ブルジェ(20)
テノール:アントニオ・フィゲロア(2) (4) (13) (22) (2)、
エーリク・ラポル(17)
バリトン:マルク・ブーシェ(19)、
ヒューゴ・ラポルテ(7) (8) (16)
オリヴィエ・ゴダン(P、(19) (20)のみチェンバロ)
■CD7
ソプラノ:ソフィー・ノベール(5)、
アンナ=ソフィー・ネーハー(9) (21)、
カリーナ・ゴーヴァン(2) (4) (6) (11) (13)、
マガリ・シマール=ガルデス(10)
メゾソプラノ:ミシェル・ロジエ(1) (12) (15)
テノール:フレデリック・アントウン(3)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(10) (14) (16)、
アントニオ・フィゲロア(18) (19) (20)、
エマヌエル・ハスラー(22)
バリトン:ヒューゴ・ラポルテ(7) (17)
オリヴィエ・ゴダン((11)以外ピアノ)、
ステファン・テトロー(Vc) (2)、
ヴァレリー・ミロト(Hp) (11)、
ジャン・マルシャン(語り) (8)
■CD8
ソプラノ:アンナ=ソフィー・ネーハー(17) (18)、
カリーナ・ゴーヴァン(2) (6) (9) (11) (13) (14)
メゾソプラノ:ミシェル・ロジエ(15) (16) (19) (20)、
ジュリー・ボーリアン(3) (4) (5)
テノール:エマヌエル・ハスラー(1)、
フレデリック・アントウン(7) (8)、
エーリク・ラポル(10) (21)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(12)
オリヴィエ・ゴダン(P)
■CD9
ソプラノ:カリーナ・ゴーヴァン(1) (4) (5) (6) (7) (8) (11) (18) (19)、
マガリ・シマール=ガルデス(9) (15) (17) (21) (23)
メゾソプラノ:ミシェル・ロジエ(3) (12) (13) (14)、
ジュリー・ボーリアン(16)
コントラルト:マリー=ニコル・ルミュー(4) (5) (6) (7) (8) (10)
テノール:アントニオ・フィゲロア(2)、
アントワーヌ・ベランジェ(4) (6) (7) (8)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(22)
バリトン:マルク・ブーシェ(6) (8)、
ジャン=フランソワ・ラポワント(20)
オリヴィエ・ゴダン(P)、
ステファン・テトロー(Vc) (11) (18)、
マリー・エーヴ=ペルティエ(語り) (4) (5) (6) (7) (8)
■CD10
ソプラノ:アンナ=ソフィー・ネーハー(12) (21)、
ソフィー・ノベール(21)、
カリーナ・ゴーヴァン(9) (28) (29)、
マガリ・シマール=ガルデス(18)
メゾソプラノ:ジュリー・ボーリアン(17) (23) (24) (26) (27)
ミシェル・ロジエ(10) (11)
コントラルト:フローレンス・ブルジェ(19) (20)、
マリー=ニコル・ルミュー(3) (5) (6) (7) (25)
テノール:フレデリック・アントウン(8)、
アントニオ・フィゲロア(13) (14) (15) (16)
バリトン:マルク・ブーシェ(22) (24)、
ジャン=フランソワ・ラポワント(22)、
ヒューゴ・ラポルテ(1) (2) (4) (17)
オリヴィエ・ゴダン(P)、
ステファン・テトロー(Vc) (9)
■CD11
ソプラノ:カリーナ・ゴーヴァン(4) (11) (15) (16)
メゾソプラノ:ジュリー・ボーリアン(2) (3)、
ミシェル・ロジエ(1) (5)
コントラルト:フローレンス・ブルジェ(9)、
マリー=ニコル・ルミュー(6) (15) (16)
テノール:エーリク・ラポル(12)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(13) (14)
バリトン:マルク・ブーシェ(7) (8) (10) (12)
オリヴィエ・ゴダン((1)以外ピアノ)、
ステファン・テトロー(Vc) (2) (4)
■CD12
ソプラノ:ソフィー・ノベール(18)、
カリーナ・ゴーヴァン(12) (14) (15) (16)、
マガリ・シマール=ガルデス(1) (2) (4) (5) (25)
メゾソプラノ:ジュリー・ボーリアン(12) (15)、
ミシェル・ロジエ(6)
コントラルト:フローレンス・ブルジェ(10) (25)、
マリー=ニコル・ルミュー(12) (13) (14) (15) (19) (20) (21)
テノール:フレデリック・アントウン(11)、
アントニオ・フィゲロア(3) (9) (25)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(17)
バリトン:マルク・ブーシェ(5) (25)、
ジャン=フランソワ・ラポワント(7) (8)、
ヒューゴ・ラポルテ(22) (23) (24)
オリヴィエ・ゴダン(P)、
ステファン・テトロー(Vc) (21)、
ジャン・マルシャン(語り) (25)
■CD13
ソプラノ:カリーナ・ゴーヴァン(1) (2) (18)、
アンナ=ソフィー・ネーハー(9) (10)、
マガリ・シマール=ガルデス(13)
メゾソプラノ:ジュリー・ボーリアン(3) (4)
コントラルト:フローレンス・ブルジェ(16)、
マリー=ニコル・ルミュー(6) (12)
テノール:アントニオ・フィゲロア(11)、
ジョー・ランプロン=ダンドノー(14) (15)
バリトン:マルク・ブーシェ、ジャン=フランソワ・ラポワント、ヒューゴ・ラポルテ(5) (7) (8) (17)
オリヴィエ・ゴダン(22以外ピアノ)、ヴァレリー・ミロト(Hp) (22)

録音:2020年9月〜2022年4月
ありそうでなかったマスネの歌曲全集が最新録音で登場します。何とCD13枚、独唱、2重唱、3重唱、4重唱を含む全333曲、うち13曲が未出版作品、31 曲世界初録音という快挙。カナダのATMA Classique渾身の制作で、カナダ史上最大の歌曲アルバムとなりました。
マスネはまずオペラ作曲家として知られ、生前は絶大な人気を誇っていました。オシャレでメロディアスな歌は、ちょうど今日のポップスのようにブティックの店 員や飲食店のスタッフが鼻歌で歌うほど浸透していたといわれます。オペラの多くは今日録音で楽しむことができますが、終生書き続けた歌曲はいくつかを除き聴 く機会がありませんでした。日本を題材とした「ムスメ」なる秘曲から遺作の「本当の人生」まで興味深い曲が並びます。
このアルバムは、バリトン歌手マルク・ブーシェのイニシアティブのもと、ケベック州で最も美しい歌声の持ち主たちが集結。オリヴィエ・ゴダンが1854年製エラー ルのコンサート・グランドピアノで伴奏を務めました。マスネはピアノの名手だったこともあり、歌曲のピアノ・パートも冴えた筆致が光り存在感にあふれているこ とがわかります。ピアノは1859年当時のパリで制定されていたピッチ435Hzによるのも注目です。
伴奏はピアノだけでなくチェンバロ、ギター、ハープによるものもあり、変化に富み聴きごたえ満点。音楽史上最も旋律の泉に恵まれた作曲家と称されるマスネ の絶美の世界を存分に堪能できます。資料としても超貴重です。 (Ki)

QUERSTAND
VKJK-2111(1CD)
ヴォルフ:イタリア歌曲集(全46曲)
小さなものでも/噂によると/あなたはこの世の中で/ 祝福あれ、この世をお創りになった方に/幸いなるかな、盲目の者は/誰があなたを呼んだのか/月はひどい嘆きを抱えて/さあ平和を締結しよう/ あなたの魅力のすべてが/あなたは 細い一本の糸で/どれほど長い間/ いいや、若いお方よ!/あなたは高慢だ/友よ、修道服に身を包もう/ 私の恋人は背が低い/戦場に向かう若い人たちよ/ あなたが恋人の死を見たいなら/金髪の頭を/私たち二人は長いこと/ 私の恋人が家の前で歌う/人が言うには/あなた方にセレナーデを/ いったいどんな歌を/私はもう乾いていないパンを食べることはない/ 私の恋人が私を食事に誘った/聞いた話では/ベッドに疲れた身を投げたのに/ 私は侯爵夫人じゃないと言うけれど/あなたの身分は分かっている/ 放っておけばいい!/どうして陽気でいられようか?/ 何を怒っているのかい/私が死んだら/あなたが朝早くにベッドから起きて/ あなたの亡くなったお母さまに祝福があるように/ あなたが、愛する人よ、もし天国に召されるようなことがあれば/ どれだけたくさんの時間を私は無駄にしたことか/あなたは私を一瞥すると/ 緑に幸いがあるように!/もしあなたの家がガラスのように透明だったら/ 昨夜私が目を覚ますと/もうこれ以上私は歌えない/ちょっと静かに黙りなさい!/ あああなたは知っているのか、どれほど私があなたのために/ 深淵が私の恋人の小屋を飲み込むがいい/私にはペンナに住む恋人がいる
ミレッラ・ハーゲン(S)、
トビアス・ベルント(Br)
フランク=インモ・ツィヒナー(P)

録音:2020年7月23―24日 ドイツ ベルリン ダーレム
ヴォルフの傑作、イタリア歌曲集に素晴らしい録音が登場。ズバリ申し上げて、これは今 メキメキと人気ソプラノへと駆け登っているミレッラ・ハーゲンを聞くべきCD。ミレッラ・ハーゲ ンは1984年、バイエルン州ヴュルツブルクの生まれ。彼女の美声はクリスタルに喩えられる ほどの透明で硬質で素晴らしい響き。バロックやモーツァルトを得意とする一方、ピンと張っ た声はロマン派でも圧倒的で、2013年から 2015 年に渡ってバイロイト音楽祭でヴォークリ ンデと森の小鳥を歌った。そして彼女はヴォルフには強い思い入れがあるようで、2012 年、 シュトゥットガルトでの歌曲コンクールでヴォルフを歌ってファイナリストに入っています。それ から 8年後のハーゲンは表現もしっかり練られています。CD では歌曲の録音はどうしてもベ テランが受け持ちがちだが、若く瑞々しい声の歌手によるドイツリートは実に新鮮だ。一方 のバリトンのトビアス・ベルントも素晴らしい。1979 年、ベルリン生まれの中堅。一声聞けば 偉大なフィッシャー=ディースカウの伝統に連なる歌手と分かる逸材。バッハのバリトンとし て大活躍しています。
QUERSTAND
VKJK-2205(1CD)
子供のための歌曲
シューベルト:子守歌 D304
ムソルグスキー:「子供部屋」―ばあやといっしょ,部屋の隅
シューベルト;子守歌 D498
ムソルグスキー:「子供部屋」―カブトムシ,人形と
ルビ:アーメンの歌
ムソルグスキー:「子供部屋」―夕べの祈り
ブラームス:子守歌 Op.49-4
ムソルグスキー:「子供部屋」―木馬に乗って,いたずら猫
チャイコフスキー:嵐の中の子守 Op.54-10
ツァイスル:子どもの歌曲集―眠りの歌
ツェムリンスキー:眠りの歌
ヴァインベルク:7つのイディッシュ語の歌 Op.13
6つの子供の歌 Op139―子守歌
イルゼ・ウェーバー:そして雨が滴る
ヴァインベルク:私が子供を揺すって寝かせると Op.110-4
フックス:子供の死によって
イルゼ・ウェーバー:タニウツギ(ヴィーガラ)
シューベルト:私の揺りかごに D927
アンナ・グラーフ(S)
ハン=リン・ユン(P)

録音:2022年2月21-23日
曲名を見れば分かる通り、子守歌など子供のための歌曲を集めた面白い内容のCD。シ ューベルトの歌曲や、ムソルグスキーの「子供部屋」(全 7曲収録)などの有名曲から、ヴァ インベルクのイディッシュ語の歌、アウシュビッツ強制収容所で処刑された悲劇の詩人、イ ルゼ・ウェーバーの子供のための歌まで、さまざま。 アンナ・グラーフは、ロシア南西部、カフカス(コーサカス)地方のカバルダ・バルカル共和 国の首都ナリチク出身。現地で学んだ後、21 歳でケルンに留学。元々は合唱指揮者にな るつもりだったそうだが、素晴らしく優しく温かい美声の持ち主で、歌手としての活動が主に なった。まだデビューして数年だが既にドイツの地方歌劇場では人気のソプラノです。こ こでの子供向けの歌曲は絶品で、若い母親が愛情いっぱいに子供に歌って聞かせている ような安らぎに満ちています。ハン=リン・ユンは台湾出身のピアニスト。

GENUIN
GEN-22561(1CD)
「境界の影」 〜クリスティアン・FP・クラム(b.1968):歌曲集
(1)境界の影(2004/10)〜6つの歌曲
(2)サルゴン(2001)〜サルゴン・ボウルスの詩による 5つの歌曲
(3)ニーチェ格言集(2019)〜11の格言
(4)静かな反響(2002)(全2曲)
(5)雪は降る(2012)(全10曲)
(1)(3)(5)クリストファー・ユング(Br)、ヤン・ローロフ・ヴォルトハウス(P)
(2)(4)マライケ・シェレンベルガー(Ms)、オリヴィエ・ルシャルドゥール(P)

録音:(1)(3)(5)2021年9月14-15日、(2)(4)2021年10月28-29日、ライプツィヒ
※(2)-(5)世界初録音
ドイツの作曲家クリスティアン・FP・クラム(Christian FP Kram) はエッセンのフォルクヴァン ク大学で音楽理論とピアノを学び、デュッセルドルフのシューマン大学でマンフレー ト・トロヤーンに作曲を、ライプツィヒ音楽大学でペーター・ヘルマンとディミトリ・テルザキスに 師事した。また 2002年から 2004年にかけて、ライプツィヒの HMT で 電気音響作曲コースを受講しました。現代音楽的な無調で硬派な作風。

ANTARCTICA
ANTAR-039(1CD)
ロベール・グロスロ(1951-):作品集
室内オペラ『I Will Come Back』
ウィリアム・バトラー・イェイツの6つの詩
フラマン放送cho
トーマ ス・オリーナン ス(バリトン )
エロイーズ・マス(S)
ブリュッセル・フィルハーモニック
録音:2020年、2021年
ベルギーの作曲家ロベール・グロスロによる、文学と音楽をつなぐ作品集。『I Will Come Back』はオランダの作家アドリアン・ファン・ディス著の同タイトル の小説『Ik kom terug』を原作とした室内オペラ。台本は作曲者の手によるもの。アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツの詩を用いた歌をカップリ ングしています。どの曲も幻想的で美しい響きと、管楽器と打楽器が活躍する手の込んだ伴奏が印象的。

MSR
MS-1784(1CD)
レスピーギをめぐる友人の輪と彼らの歌曲集
リムスキー=コルサコフ:西は遥か遠く
マルトゥッチ:3つの歌曲Op.84
レスピーギ:森の神々
エルザ・サンジャコモ・レスピーギ(1894-1996):ルバイヤートの四行詩による歌曲
ヴィットリオ・リエッティ(1898-94):マックス・ジャコブの4つの詩の歌曲より
エルザ・サンジャコモ・レスピーギ:3つのスペインの詩による歌曲
レスピーギ:雪が降る、夜、霧、雨
リムスキー=コルサコフ:ニンフ
ガブリエル・ヘーグ(S)
ランドール・フスコ(P)

録音:2020年11月10-12日カリフォルニア、聖ステファン司教教会
レスピーギと彼と関わりの深かった作曲家による歌曲を収録。エルザ・サンジャコモ・レスピーギ はオットリーノ・レスピーギの妻で元は彼の弟子であり歌手でもあったが、作曲家としてもいくつか の作品を残しています。マルトゥッチはレスピーギの師匠です。リムスキー=コルサコフとレスピー ギの関係は意外に思われるかもしれないが、レスピーギは若い頃、コルサコフに師事していた。 収録されている歌曲はいずれも19世紀末から20 世紀初頭の成熟した和声書法と優美でたおや かな旋律に溢れており、楽しめる。ソプラノのガブリエル・ヘーグのリリカルな歌声も素晴らしい。

NIFC
NIFCCD-135(1CD)
モニューシュコ:歌曲集 第3巻
四季/ジグムントの柱の下/3つの花/穏やかな川の上で/運命/マズールへの呼びかけ/私のコロヴァイ/小さなナイチンゲール/即興曲/天使の子/氷上のボール/鹿毛の雄馬を飼っていた/水を求めて/村長の歌/盗癖/涙/幸せな日々/夕暮れに/村のハーディー・ガーディー・マン(3)/漁師/歌「Lo the sun it’s dial’s hidden」/ラメント第5番/酔い騒ぐ老人/マチェク
マリウシュ・ゴドレフスキ(Br)、
ラドスワフ・クレク(ピリオド・ピアノ/クラール&ザイトラー1864)

録音(ライヴ):2021年1月3日-6日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
2019年に生誕200年を迎えNI-FC(ポーランド国立ショパン研究所)がその作品の再発見、再評価に総力を挙げている作曲家、スタニスワフ・モニューシュコの歌曲集第3弾!モニューシュコは「ポーランド・オペラの父」と言われ、フレデリック・ショパンと並ぶポーランドを代表する作曲家の一人です。近年ではピリオド楽器による主要なオペラ作品のリリースが続いており、歌曲集も継続しています。前作(NI-FCCD116)に引き続き、ポーランドの国内外の多くのオペラ・シーンで活躍し、ドイツ・リート、イギリス・バロックなどもレパートリーとするポーランド有数のバリトン歌手、マリウシュ・ゴドレフスキが歌います。今作では1864年製のクラール&ザイトラーのピアノが使用されており、前作までとはまた違った響きを出しています。

Lyrita
SRCD-409(1CDR)
ウィリアム・ブッシュ:歌曲集
ジェラルド・フィンジ:ぼくが早朝の太陽の中に横になっているとき**
エリザべス・ポストン:スウィート・サフォーク・オウル*
フィンジ:ただ放浪する者だけが**
ウィリアム・ブッシュ:まどろみの歌§、
中秋の名月**、スウィート・コンテント*
マイケル・ヘッド:ホワイ・ハヴ・ユー・ストールン・マイ・デライト?§
フィンジ:おお, 見るも美しい**
ブッシュ:妖精たち*、休憩*
フィンジ:喜びに**/ヘッド:歌手§
ブッシュ:ケンタウロス**、
秋へのオード**、もう泣かないで*、
こだまする野辺§、羊飼い§、
ベルマン**、青い鳥**、幸せな日々だった*、ロウエスト・ツリーズ・ハヴ・トップス**、イフ・ゾウ・ウィルト・イーズ・シン・ハート§、スノードロップ・イン・ザ・ウィンド§
フィンジ:収穫**
ポストン:スノードロップ・イン・ザ・ウィンド*
ブッシュ:来たれ, 来たれ, 私の人生の喜びよ§
ヘッド:親愛なる喜び§
ポストン:スウィート・サフォーク・オウル*
ダイアナ・ムーア(Ms)*、
ロデリック・ウィリアムズ(Br)**、
ロビン・トリッチュラー(T)§、
ジョン・レイド(P)

録音:2021年6月21日-23日、ワイアストン・レイズ(イギリス)
20世紀前半にコンサート・ピアニストとしても活躍したイギリスの作曲家、ウィリアム・ブッシュの歌曲集。アルバムには、ブッシュと同世代のイギリスの作曲家、ジェラルド・フィンジ、エリザベス・ポストン、マイケル・ヘッドの作品をカップリング。
2016年ロイヤル・フィルハーモニック協会賞を受賞、リーズ・リーダー音楽祭2016の芸術監督も務め、日本ではバッハ・コレギウム・ジャパンとの定期的な共演でも知られる名バリトン、ロデリック・ウィリアムズなど、イギリスを代表する豪華歌手陣による万全の態勢で、知られざるブッシュの作品の魅力を伝えていきます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Avie
AV-2547(1CD)
ヘヴンリー・バッハ〜バッハ:アリアとカンタータ集
バッハ:カンタータ第51番「全地よ、神に向かいて歓び呼ばわれ」 BWV.51
ヨハネ受難曲BWV.245より アリア 「わが心よ、溢れる涙となり溶け出し」
カンタータ第202番「いまぞ去れ、悲しみの影よ」 BWV.202(結婚カンタータ)
ヨハネ受難曲 BWV.245より アリア 「われもまた汝に従い行かん」
アマンダ・フォーサイス(S)、
アポロズ・ファイア、
ジャネット・ソレル((指)ハープシコード)

録音:2021年4月23日-26日、ファースト・バプテスト教会(シェーカー・ハイツ、アメリカ)
2016年3月5日-7日、2018年2月9日&12日、セント・ポール教会(クリーブランド・ハイツ、アメリカ)
ビルボード・チャート第1位、2015年の第57回グラミー賞では「BEST OPERA RECORDING」に輝いたアメリカのソプラノ、アマンダ・フォーサイスと、アムステルダムでグスタフ・レオンハルト、アメリカでロジャー・ノリントン、レナード・バーンスタインに師事した才女ジャネット・ソレルが創設したアメリカ、クリーヴランドのピリオド・オーケストラ、アポロズ・ファイアによるバッハの神聖な音楽。
本アルバムでは、ソプラノの重要レパートリーとして挙げられる2つのカンタータに、ヨハネ受難曲から崇高なアリアをカップリング。高音域による技巧を要求されるこれらの作品で、フォーサイスは芯のある歌声と妙技を見事に発揮。天上へと響き渡る至高のひと時を聴かせてくれます。

Etcetra
KTC-1731(1CD)
リエラント:グイード・ゲゼルの詩による歌曲集
ヨーゼフ・リエラント(1870-1965):Avondstemmen Op.8-4/k’En hoore u nog niet Op.46-1/Ego Flos(1920) Op.77/5つの霊歌(1905) Op.44/Liederenkrans(1904) Op.38/Eerste communielied(1904)/Smeeklied Op.68-3/Zielzuchten(1901) Op.34
エミリエ・デ・フォフト(S)、
ピーター=ヤン・フェルホーエン(フォルテピアノ)
ベルギー出身の司祭であり詩人であるグイード・ゲゼルの詩による歌曲集。ヨーゼフ・リエラント(1870-1965)は同郷であったゲゼルの詩を広めるためにこの歌曲集を作ったと言われています。現在では19世紀のベルギーを代表する詩人と考えられているゲゼルの詩は抒情性に満ちており、リエラントにインスピレーションを与えました。
Etcetra
KTC-1725(1CD)
ガーランド〜ソプラノ、ヴァイオリンとハープのための16の歌曲
ブリテン:Bonny at morn、She’s like the Swallow
ヘンデル:燃えるようなバラ HWV210
リムスキー=コルサコフ:Plenivshis’rozoy, solovey - Enslaved by the Rose, the Nightingale Op.2-21
パンクラス・ロワイエ:L’Aimable
ブリテン:イリュミナシオン Op.18
R.シュトラウス:明日 Op.27-4
ヘンデル:甘い静けさ、やさしい泉よ HWV205
ブリテン:I wonder as I wander、キャロルの祭典 Op.28
ピアソラ:チキリン・デ・バチン
トリオ・ギリュー
ソプラノ、ヴァイオリンそしてハープという珍しい編成のトリオによる歌曲集。2021年に結成された若いこのトリオは、特に20世紀と現代作曲家の作品に力を入れながらも、その他の時代の音楽もレパートリーにしています。それぞれ国内外のコンクールで受賞歴のある三人の編成に合わせた特別な編曲でお楽しみいただけます。

Signum Classics
SIGCD724(1CD)
ペンブルックのクリスマス
1. パトリシア・ファン・ネス:Archangelus/2. エイドリアン・ピーコック:Venite, Gaudete!/3. メリッサ・ダンフィ:Halcyon Days、4. O Oriens/5. ジェイムズ・マクミラン:O Radiant Dawn/6. エマ・ジョンソン:I Sing of a Maiden/7. ケレンザ・ブリッグス:A Tender Shoot/8. ペンブルック・カレッジ少女合唱団:Gaudete!/9. ルーシー・ウォーカー:My Heart, O God/10. ケタキ・プラティヴァディ:オン・クリスマス/11. ロデリック・ウィリアムズ:おお,神よ/12. ウィル・トッド:我が主,来たりて/13. エレノア・デイリー:The Huron Carol/14. ペンブルック・カレッジ少女合唱団:The Pembroke Carol/15. オラ・イェイロ:Serenity/16. セシリア・マクドウォール:Lo! He Slumbers/17. ベン・ポニア:Seeing the Star/18. サミュエル・コールリッジ=テイラー:The Evening Star/19. エリック・ウィテカー:Lux Aurumque/20. ペンブルック・カレッジ少女合唱団:きよしこの夜/21. ジョン・ラッター(オワイン・パーク編):The Very Best Time of Year
ケンブリッジ・ペンブルック・カレッジ礼拝堂cho、
アナ・ラップウッド(指)、
ペンブルック・カレッジ少女cho (3,6-8,12-14,17,20)、
エマ・ジョンソン(クラリネット、6)、
ウォリス・パワー(Vc、15)

録音:2022年3月25日-27日、セント・ジョージ教会(ケンブリッジ、イギリス)
ケンブリッジ・ペンブルック・カレッジ礼拝堂合唱団とアナ・ラップウッドによる初めてのクリスマス・アルバムが登場!21歳という若さでケンブリッジ・ペンブルック・カレッジ礼拝堂合唱団の音楽監督となったアナ・ラップウッドの指揮で、伝統的なキャロルからジェイムズ・マクミラン、メリッサ・ダンフィといった現代作曲家の作品まで幅広く収録されています。そのうち半数近くの曲ではラップウッドが創設したペンブルック・カレッジ少女合唱団も参加し、ケンブリッジ・ペンブルック・カレッジ礼拝堂合唱団とともに美しいアンサンブルを聴かせています。その美しさは驚異的でまさに聖なる夜を祝うにふさわしいものとなっています。

Nimbus Alliance
NI-6431(1CDR)
ソングズ・オヴ・セレブレーション
エマ・ジョンソン:ソングズ・オヴ・セレブレーション
ジョナサン・ダヴ:パイド・パイパー
ミコラ・レオントヴィチ(ジョンソン編):鐘のキャロル
伝承曲(ジョンソン編):コヴェントリー・キャロル
グルーバー(ジョンソン編):きよしこの夜
ジョンソン:「クリスマスおめでとう」による変奏曲(クラリネットとピアノ版)
バッハ(ジョンソン編):主よ、人の望みの喜びを
エマ・ジョンソン(クラリネット、ナレーター)、
グロスター大聖堂聖歌隊、
エイドリアン・パーティントン(指)、
ジョン・レネハン(P)

録音:2022年3月9日-11日、グロスター大聖堂(イギリス)
イギリスで最も有名なクラリネット奏者のひとり、エマ・ジョンソンによるクリスマス・アルバム。これまでに30以上の録音があり、 一部の録音はSpotifyで300万回再生されるなど世界的にも人気を誇るエマ・ジョンソンの自作や「きよしこの夜」や「主よ、人の望みの喜びを」などの編曲を含むクリスマス・アルバムは、彼女がナレーションも務めた「ハーメルンの笛吹き」を題材にしたジョナサン・ダヴの作品も含めた充実の内容です。ジョンソン作曲の「ソングズ・オヴ・セレブレーション」は、近年ダブリン、ロンドン、そして東京でも演奏されています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-421(2CD)
エミーリオ・アリエータ(1823-1894):芸術歌曲全集
ジプシー女(第1版)/夕べに/ある赤子の死に/漕げ!/ジプシー女(第2 版 ポロネーズ風)/運命/コレラ伝染病/気紛れ/美女/ オアシス/憂鬱/追放された娘/湖上で/天才/欲求/悲哀/溜め息/ トルクワートへのエレオノーラの告別/君に!/モリスコのセレナータ/ 棘のない薔薇/少女たちの眼差し/少女一人/親交/影/ レパントの海戦でのセルバンテス/捨てられた娘 第1番/春/国民の嘆き/ ああ、天の快さよ!/平和/哀れなグラナダよ!/独白/捨てられた娘 第2番
ソフィア・エスパルサ(S)、
リナルド・ゾック(P)
アリシア・グリフィツ・トゥリーリャス(ハープ;悲哀)

録音:2021年2月17-22日,12月7―9日 イタリア アブルッツォ州 モンテシルヴァーノ
19世紀のスペインの作曲家、エミーリオ・アリエータ(1823-1894)の芸術歌曲を集めた CD。正確なことは分からないが世 界初録音の曲が多く含まれていると思われます。アリエータはナヴァラのプエンテ・ラ・レイナの生まれ。マドリードで学んだ後、 イタリアに渡りミラノ音楽院でイタリアの音楽を学び、1846 年には最初のイタリア・オペラ「イルデゴンダ」を初演。その後マドリ ードに戻るもしばらくはイタリア直伝の音楽を書いていたが、後半生はサルスエラに身を投じた。アリエータの CD はほとんど がサルスエラとそのアリア、それにイタリア・オペラが加わるだけで、当時人気を博した彼の歌曲はあまり顧みられなかった。 ここに CD2枚に彼の歌曲がまとまったことは大変意義深くまた未知の宝との出会いが生まれた。イタリア語ありスペイン語あ り、音楽もイタリア風ありスペイン風あり、ともかくいずれも素敵な曲ばかりだ。 ソフィア・エスパルサはスペイン、ナヴァラ州パンプローナ生まれのソプラノ。美声のソプラノで、スペインを中心に活躍してい る。リナルド・ゾックはイタリア、トリエステ生まれのピアニスト。ODRADEK からはリストのヴェルディによるパラフレーズ集 (ODRCD 309)、アルトゥール・ピサロと組んだドヴォルザークのピアノ連弾曲集(ODRCD 323)、同じくベートーヴェンの4手ピ アノ作品全集(ODRCD 335)、ヘスス・ガルシア・レオス作品集(ODRCD 347)と立て続けに録音が出ています。 ※ブックレットに歌詞は掲載されておりません。 ※※CD の収録曲は上記34曲です。デジタル配信に含まれるボーナス2 曲は含まれていません。

ACCENT
ACC-26504(2CD)
エステルハージ・ミュージック・コレクション Vol.4
M・ハイドン:オラトリオ『皇帝コンスタンティヌス1世の遠征と勝利』(1769)
エメーケ・バラート(ソプラノ;神学)
クラーラ・コロニツ(ソプラノ;弱気)
テオドーラ・ラフティス(ソプラノ;哲学)
シャンタル・サントン =ジェフェリー(ソプラノ;信仰)
ストレーリ・カタリン(ソプラノ;勇気)

ジェルジュ・ヴァシェジ(指揮 )
オルフェオO、パーセルcho

録音:2016年5月25-27日 / ハンガリー、ベラ・バルトーク国立コンサートホール
今では完全に兄ヨーゼフの影に隠れているものの、生前は高く評価されていたミヒャエル・ハイドン。近年、ミヒャエルの作品とその画期的な書法が再発見され つつあります。ここに収められたオラトリオはブダペストのエステルハージ音楽資料館で発見されたもので、当盤が世界初録音になります。エステルハージ家の音楽 遺産を紹介する「エステルハージ・ミュージック・コレクション」の第4弾。
四旬節のためのオラトリオとして書かれ、1762年にザルツブルクで初演された『皇帝コンスタンティヌス1世の遠征と勝利』。312年ローマ帝国のミルウィウ ス橋の戦いにおいて、神から印を授かった皇帝コンスタンティヌス1世が勝利を収め、キリスト教に改宗する場面を取り上げており、信仰、勇気、弱気、神学といっ た登場人物がキリスト教の教義や信仰について、コンスタンティヌスの勝利について論争を繰り広げます。
ミヒャエル・ハイドンはこの神学論争をみずみずしい音楽で色彩豊かに表現しており、その充実した書法は当時の宮廷歌手や管楽器奏者の質の高さを物語って います。 (Ki)

CPO
CPO-555360(1CD)
NX-B10
カール・ヴァイグル(1881-1949):作品集
3つの歌曲 - ソプラノと管弦楽のために
狂詩曲 - 弦楽オーケストラのために
ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op. 21
リナ・ジョンソン(S)
オリヴァー・トリンドル(P)
イェナPO
ジモン・ガウデンツ(指)

録音:2022年4月28-29日、2021年6月21-22日、2022年6月21-22日
オーストリアの上流階級出身のカール・ヴァイグル。シェーンベルクと親交を育みながらも、自身は決して十二音技 法には手を染めず、若い頃に影響を受けたマーラーの作風を受け継ぎ生涯後期ロマン派の曲調を貫いた作曲家 です。1925年にはウィーン市賞を受賞、フルトヴェングラーら著名な演奏家たちが挙って彼の作品を演奏しました が、ユダヤ系であったため、ナチスの侵攻に伴い自身はアメリカに亡命。作品の演奏を禁じられたため長い間忘れ られてしまいました。しかし、20世紀の終りに巻き起こった「退廃音楽」の発掘と再評価によって近年注目が高 まっています。 このアルバムには1906年作曲の弦楽六重奏曲を原曲として1931年に書かれた弦楽オーケストラのための「狂 詩曲」、同じく1931年の「ピアノ協奏曲」、1916年に書かれた「3つの歌曲」の3作品を収録。ピアノ協奏曲だけ は少しだけ先進的な味わいを持っていますが、基本的には調性感のある耳なじみのよい作品に仕上がっていま す。ピアノ協奏曲を演奏するのはヴェテラン、オリヴァー・トリンドル。ノルウェー出身の若きソプラノ、リナ・ジョンソンの 美しい歌声も聴きどころです。

Gramola
GRAM-99280(1CD)
R・シュトラウス/ロット/マーラー: 歌曲集
R・シュトラウス:献呈 Op. 10-1
 万霊節 Op. 10-8/峡谷 Op. 51-1
 孤独 Op. 51-2
 黒髪を この頭上に拡げ Op. 19-2
 ひそやかな誘い Op. 27-3
 解き放たれて Op. 39-4
ハンス・ロット(1858-1884):歌い手
 精霊の挨拶
 さすらい人の夜の歌
マーラー:二度と会えない
 死んだ鼓手
 シュトラスブルクの砦の上
 少年鼓手/原光
ギュンター・グロイスベック(Bs)
マルコム・マルティノー(P)

録音:2022年8月14-16日
オーストリアのバス歌手ギュンター・グロイスベック。これまでにもブラームスやマーラーなどのドイツ・リートの録音で、 その深く力強い声を披露、絶賛されました。今作では、長く共演を重ねるピアニスト、マルコム・マルティノーととも に、R・シュトラウスの様々な歌曲、マーラーの「子供の不思議な角笛」と「若き日の歌」から、そしてハン ス・ロットの3つの歌曲を歌っています。中でもマーラーに影響を与えたハンス・ロットの歌曲は録音が少なく、ここで 聴ける3曲は貴重なものと言えるでしょう。

BIS
BISSA-2568(1SACD)
『エコー(Echo)- 時代を越える歌』
バッハ:サラバンド(Sarabande)(「パルティータ第4番 ニ長調 BWV 828」から)
●思え、わが心よ(Gedenke doch, mein eist, zurucke)(ブリテンによる編曲「5つの宗教的歌曲」第1曲)
バッハ:サラバンド(Sarabande)(「フランス組曲第3番 ロ短調 BWV 814」から)
甘き死よ来たれ(Komm, susser Tod)(ブリテンによる編曲「5つの宗教的歌曲」第4曲)
バッハ:コレンテ(Corrente)(「パルティータ第6番 ホ短調 BWV 830」から)
いと尊きイエスよ(Liebster Herr Jesu)(ブリテンによる編曲「5つの宗教的歌曲」第3曲)
ヒュー・ワトキンズ(1976-):エコー(Echo)(2017)(ソプラノとピアノのための)
  T.エコー(Echo)
  U.恍惚の一瞬には(For each ecstatic instant)
  V.悲しみが燃え尽きるものなら(If grief could burn out)
  W.あなたが年老いたとき(When you are old) 
  X.青ざめた赤子(Baby blue)
パーセル(c.1659-1695):
 美しい柔和さが(By beauteous softness)(トーマス・アデスによる編曲(2017))
 しばし楽の音に(Music for a while)(マイケル・ティペットとウィルター・バーグマンによる編曲(1949))
伝承曲(ブリテン編)
彷徨いながら不思議に思う(I wodner as I wander)(c.1941)
ホワイト・ロックのデイヴィッド(Dafydd y Garreng Wen) (「8つの民謡の編曲」(1976)から コリン・マシューズによるピアノ版)
なんと優しいエコーの答え(How sweet the answer)(「民謡の編曲 第4巻」(1957)から)
デボラ・プリチャード(1977-):世界(The World)(2021)
シェリル・フランシス=ホード(1980-):嘆き(Lament)(2012)
エロリン・ウォレン(1958-):地に平和を(Peace on Earth)(2006)
ルビー・ヒューズ(S)、
ヒュー・ワトキンズ(P)

録音:2021年4月28日-5月1日/ポットンホール(ウェスルトン、サフォーク、イングランド)
イギリスのソプラノ歌手、2011年から2013年の BBC New Generation Artists に選ばれたひとり、ルビー・ヒューズ Ruby Hughes は、2014年の『ヴェネツィアのクリスマス』(BIS SA-2089)、ヴァンスカとミネソタSOのマーラーの「復活」(BIS SA-2296)、ユナイテッド・ ストリングズ・オブ・ヨーロッパの『リニューアル』(BIS SA-2549)の録音に参加、『愛と喪失のヒロインたち』(BIS SA-2248)に始まる3枚のリサイタル・ アルバムをリリースしてきました。
作曲家でピアニストのヒュー・ワトキンズ Huw Watlkins(1976-)と共演した新作の『エコー(Echo)』は、「時代を越える歌(songs across the ages)」の副題をもち、それぞれの音楽で語り、たがいに愛情をこめて「響きあう」17世紀から現代の作曲家たちの作品によるプログラムのアルバムです。「時 を越える感情の結びつきを示唆する」バッハのソロ・キーボードのための「サラバンド」と「コレンテ」、ブリテンがバッハの曲を「現代の音楽」に作っ た「5つの宗教的歌曲」と、イギリスの民謡の編曲。「8つの民謡の編曲」の〈ホワイト・ロックのデイヴィッド〉は、ウェールズ生まれのヒューズとワトキンズに敬意 を払って選ばれ、コリン・マシューズが作ったピアノ共演版で演奏されます。パーセルの「美しい柔和さが」と「しばし楽の音に」は、トーマス・アデス、マイケル・ティ ペットとウィルター・バーグマンによる版による演奏です。
ヒュー・ワトキンズの歌曲集「エコー」は、クリスティーナ・ロセッティ、エミリ・ディキンソン、フィリップ・ラーキン、W・B・イェイツ、デイヴィッド・ハーセン トの詩がテクストに使われています。メイン・プログラムにふさわしい、詩情と内省の音楽です。カーネギーホールとウェールズのプレスティン音楽祭からルビー・ ヒューズのために委嘱され、2017年10月にニューヨークで初演されました。
プログラム最後の3つの歌は、イギリスの作曲家による作品です。デボラ・プリチャード Deborah Pritchard(1977-)が、ヘンリー・ヴォーン Henry Vaughan(1621-95)の詩に作曲した、ルビー・ヒューズのための「The World(世界)」。シェリル・フランシス=ホード Cheeryl Frances-Hoad (1980-)のアンドルー・モーション Andrew Motion(1952-)の詩による「Lament(嘆き)」。エロリン・ウォレン Errollyn Wallen(1958-)が自身で 詩を書いた「クリスマスキャロル」の「Peace on Earth(地に平和を)」。 前作の『新しい命と愛の歌(Songs for New Life and Love)』(BIS SA-2468)に「ガーディアン」紙が呈した「美しい演奏による、想像力あふれるリ サイタル」の賛辞が「こだま」するアルバムです。 (Ki)

CALLIOPE
CAL-22103(1CD)
夜に〜シューマン&シューベルト
シューマン:幻想小曲集 Op.73(クラリネットとピアノのための)、
 「4つの二重唱曲」Op.78より第3曲「君を想う」(ソプラノ、バセット・ホルンとピアノのための)、
 アダージョとアレグロ Op.70(バセット・ホルンとピアノのための)
シューベルト
:歌劇「謀反人たち」D.787より「ヘレーネのロマンス」(ソプラノ、バセット・ホルンとピアノのための)、
 岩の上の羊飼い D.965(ソプラノ、クラリネットとピアノのための)
シューマン:3つのロマンス Op.94(クラリネットとピアノのための)、
 3つの二重唱曲 Op.43(ソプラノ、バセット・ホルンとピアノのための)、
 「スペインの歌遊び」Op.74より第4曲「夜に」(ソプラノ、バセット・ホルンとピアノのための)
フランク・ルッソ(クラリネット、バセット・ホルン)、
リア・ナヴィリアット・クンチッチ(S)、
ロリアンヌ・コルネイユ(P)

録音:2020年9月7日-10日、パリ(フランス)
1986年生まれのフランスのクラリネット奏者フランク・ルッソによるファースト・アルバム、シューマンとシューベルトのクラリネット作品集。パリ国立高等音楽院で学び「プラハの春」クラリネット国際コンクール、ドビュッシー国際クラリネットコンクールなどの受賞歴のあるフランク・ルッソが、クラリネットとバセット・ホルンを駆使し、クラリネット、ソプラノとピアノといった珍しい編成の楽曲まで、温かみのある音色を存分に活かして紡いでいきます。

Da Vinci Classics
C-00625(1CD)
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994):フェルナンド・ペソアの詩による歌曲集 シルヴィア・レガッツォ(Ms)、
クラウディオ・プロイエッティ(P)

録音:2020年9月、クラシカル・レコーディング・スタジオ(ペルージャ、イタリア)
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994)が20世紀を代表するポルトガル人作曲家であるとすれば、詩人フェルナンド・ペソア(1888-1935)はこのレコーディング・プロジェクトの真の魂を構成し、この2人が共に大きく多面的で、そして非常に複雑な宇宙(歌曲集)を創造することになったのだと言えるでしょう。
メゾ・ソプラノのシルヴィア・レガッツォの歌声が、この20世紀ポルトガルの作曲家と詩人の精神を現代に蘇らせます。

DUX
DUX-1726(1CD)
アレクサンドラ・ブレイザ:夜想曲風に〜声楽とピアノのための作品集
レクサンドラ・ブレイザ(b.1963):イン・ア・ポアー・A
日本の鳥*/ヌースへのオマージュ
3つの歌*/夜想曲風に/雲**/我が祖国にて**/ノモスのスタディ
マウゴジャタ・フルヘ=ユルチク(P)、
イリナ・ウシャノヴァ=ルドコ(S)*、
アダム・ザレンバ(Br)**

録音:2021年(ポーランド)
ポーランドの現代作曲家、アレクサンドラ・ブレイザは、フェリクス・ノヴォヴィエイスキ音楽院で作曲と音楽理論を学び、これまでに、タデウシュ・バイルト若手作曲家コンクールで2度入賞、ニュー・ロンドン室内合唱団主催の国際作曲家コンクールでファイナリスト、カトヴィツェで開催された国際詩篇コンクールで第2位に輝くなど、多くのコンクールで入賞を果たしています。
本アルバムでは、ブレイザがメインとしているピアノ作品と、アート・ソング(P伴奏付き詩歌)を収録。ピアノは、多くの現代作曲家の作品を初演してきたマウゴジャタ・フルヘ=ユルチク。ユルチクは、フェリクス・ノヴォヴィエイスキ音楽院と、ショパン音楽院ではタチアナ・シェバノワの下で研鑽を積み、7年間ティーチングアシスタントも務めています。
DUX
DUX-1693(1CD)
フェリクス・ノヴォヴィエイスキ:オラトリオ 「放蕩息子の帰還」 (オリジナル版/ドイツ語歌唱)
アグニェシュカ・レーリス(メゾ・ソプラノ/母親)、アルノルト・ルトコフスキ(テノール/息子)、ウカシュ・コニェチュニ(バス/父親)、マレク・パヴェウェク(Org)、クラクフ・シマノフスキ・フィルハーモニーcho、フェリクス・ノヴォヴィエイスキ・ヴァルミア=マズリPO、ピオトル・スウコフスキ(指)

録音:2020年9月&2021年6月(ポーランド)
ポーランド後期ロマン主義の作曲家、指揮者、教師、オルガン奏者、フェリクス・ノヴォヴィエイスキによる最初の大編成作品、オラトリオ 「放蕩息子の帰還」。この作品は、ベルリンでブルッフの下で研鑽を積んでいた1901年に作曲され、ローマ賞を受賞。1993年に世界初演がされました。それ以降は、ほとんど上演される機会はありませんでしたが、合唱指揮者やオルガン奏者としての経験も活かされ、楽器の特性を多用途に用いたオーケストラの華々しく力強いサウンドと、旋律美溢れる合唱、オルガンの重厚なハーモニーの調和が見事に取れた作品です。今日では、シマノフスキ、カルウォヴィチらと並び、ポーランドの同世代の作曲家として重要視されているノヴォヴィエイスキの大作が甦ります。
DUX
DUX-1853(1CD)
ヴワディスワフ・ジェレンスキ(1831-1921):ピアノ作品集と歌曲集
1. 幻想的アレグロ「夢」Op.15/2. 牧歌 Op.63-2/3-5. Wiazanie dla buni/6. マズルカ Op.31-1/7. マズルカ Op.31-2/8. 空想 Op.48/9. Opuszczona Op.10-3/10. Teschnota Oo.25-3/11. Zazulka Op.10-1/12. 真夏の夜の夢 Op.23-1/13. Slowiczku moj/14. 優雅な女の子 Op.25-5/15. Co bym ci chciala dac Op.25-6/16. Mlodo zaswatana Op.19-1/17. Czarna sukienka Op.12-1/18. Marsz uroczysty ku czci Mickiewicza Op.44/19. ショパンの影/20. Wspomnienie Op.8-3
マリア・ガブリス=ヘイク(P)、
マルタ・トリブレツ(ソプラノ、9-17,19-20)

録音:2021年
音楽教師として活躍しクラクフ音楽アカデミーの院長としても活躍したポーランドの作曲家、ヴワディスワフ・ジェレンスキ(1831-1921)。彼が遺したピアノ曲と歌曲の著名な作品と、最近発見された作品をこのアルバムでは収録しています。ジェレンスキは交響曲を始めとした管弦楽作品の他、特に声楽作品を多く作曲しました。

Rondeau
ROP-6211(1CD)

PROP-6211(1CD)
国内盤仕様
税込定価
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626(1791)(編曲・補筆完成:ビルガー・ピーターゼン、フランツ・クサヴァー・ジュスマイヤー)
ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー(1749-1814):ルイ16世のための葬送音楽(SCHV 154)(ハルモニームジーク版/世界初録音)
アントーニオ・サリエーリ:深き淵より(合唱と管弦楽のための/世界初録音)
グーテンベルク室内cho
ノイマイヤー・コンソート、
フェリックス・コッホ(指)、
谷垣千沙(S)、
レベッカ・シュトルツ(A)、
ファビアン・ケリー(T)、
クリスティアン・ヴァークナー(Bs)

録音:2019年10月23日-26日、ゼンガーハレ(ザウルハイム、ドイツ)
マインツ音楽大学の教授、ヨハネス・グーテンベルク大学マインツのコレギウム・ムジクムの指揮者、フランクフルト古楽フォーラムの芸術監督などを務める指揮者、チェリスト、音楽教師のフェリックス・コッホと、コッホが2007年に設立したドイツのバロック・オーケストラ「ノイマイヤー・コンソート」。そしてヨハネス・グーテンベルク大学マインツ合唱アカデミーのエリート合唱団として2013年に設立されたグーテンベルク室内合唱団。新たに再構築されたバッハの「マルコ受難曲」の1744年版録音(CHR77423)などでも話題を呼んできた彼らの次なる注目すべきレコーディング・プロジェクトは、モーツァルトのレクイエム!
モーツァルトの弟子フランツ・クサヴァー・ジュスマイヤー(ジュースマイヤー)が補筆完成させた版をベースに、マインツ音楽大学音楽理論科教授のビルガー・ピーターゼンが「ラクリモーサ」の後の「アーメン・フーガ」をモーツァルトのスタイルと精神で完成させ、コッホが「マインツ版モーツァルト・レクイエム」と呼ぶ作品が生まれました。
更に、モーツァルトと同世代の作曲家、アントーニオ・サリエーリ(アントニオ・サリエリ)とゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラーの2つの世界初録音作品が、このレパートリーを補完し、アルバムをより魅力的なものとしています。
Rondeau
ROP-6196(1CD)

PROP-6196(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ヴェルディ:レクイエム ライプツィヒ大学cho
ライプツィヒ・メンデルスゾーンO、
ダヴィット・ティム(指)、
ヴィクトリヤ・カミンスカイテ(S)、マリー・ヘンリエッテ・ラインホルト(Ms)、アンドレ・ハマスミー(T)、ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(Bs)

録音(ライヴ):2018年11月24日、ライプツィヒ聖トーマス教会(ドイツ)
2005年にライプツィヒ大学の音楽監督に就任し、同大学で様々な学問を修めながら音楽に情熱を注ぐ若い学生たちによって構成されるライプツィヒ大学合唱団を指揮してライプツィヒ音楽界を支えるダヴィット・ティム(ダーフィト・ティム)。ライプツィヒ音楽演劇大学(フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学ライプツィヒ)の卒業生を中心に結成され、現在は地元の音楽家に加えドイツ全土、場合によっては海外からの演奏家も加わって演奏会ごとに新しく結成されるというライプツィヒ・メンデルスゾーンO。ダヴィット・ティムと歴史的な演奏を得意とするメンデルスゾーンOによるライヴ録音は、ピリオド楽器によるヴェルディの「レクイエム」という注目プログラムが登場!
バッハやモンテヴェルディの演奏ではもちろん、モーツァルトやメンデルスゾーンの作品でもピリオド楽器による録音は珍しくなくなりましたが、ヴェルディではまだ限られているピリオド楽器演奏。19世紀末には近代的なオーケストラが定着してきましたが、個々の楽器については地域差が大きく、新しい楽器が普及するスピードもまちまちでした。今回の録音では、弦楽器はガット弦を使用し、当時の標準的なピッチであったA4=438Hzを選び、ヴェルディになじみのある音色を探求。特に管楽器は当時使われていたものとかなり違っており、4本のファゴットに加え、4本のトロンボーン、更に低音域はオフィクレイド(ここではキー式ではなくヴェルディの時代に発展したヴァルヴ式のオフィクレイド)が補っています。作曲家が意図した音色を細部に至るまで再現し自在に操るライプツィヒ・メンデルスゾーンOと、情熱的で感情的なライプツィヒ大学合唱団の若々しい合唱、ドイツの優れた声楽ソリストたち、そしてヴェルディが考えていたような楽器の組み合わせによって、魅力的で刺激的な「レクイエム」の録音が完成しました。
Rondeau
ROP-6244(1CD)
フリードリヒ・テオドール・フレーリヒ(1803-1836):リート&悲歌集
8つのドイツ風カンツォーネ Op.3(Pのための)
Deklamatorische Gesange
クラウス・メルテンス(Bs-Br)、
ヴォロディミール・ラヴリネンコ(P)

録音:2022年7月6日-8日
1803年にスイスのブルックに生まれたフリードリヒ・テオドール・フレーリヒは、33歳の若さで亡くなってしまいましたが、スイスの初期ロマン派の重要な作曲家のひとりです。現在その作品はあまり演奏される機会に恵まれていませんが、バーゼル大学図書館のアーカイヴには700以上の作品が保管されています。それらの作品は、2017年以降ブルックに拠点を持つ国際フリードリヒ・テオドール・フレーリヒ協会によって再発見され、少しずつ編集されるとともにコンサートで演奏されました。バス・バリトンのクラウス・メルテンスは、フレーリヒの足跡を辿りながら、リート伴奏の名手であるヴォロディミール・ラヴリネンコを迎えて歌い上げます。
Rondeau
ROP-8003(1CD)
ア・セレブレーション・オヴ・ブリティッシュ・フォークソング
デイヴィッド・デ・ワーレン編:4つのイングリッシュ・フォークソング
ベンジャミン・ブリテン編:ザ・サリー・ガーデンズ、リトル・サー・ウィリアム、O Can Ye Sew Cushions?
ピーター・ホワイト編:4つのブリティッシュ・フォークソングより
ブリテン編:ザ・スリー・ゼイ・グロウ・ソウ・ハイ
グレイストン・ビル・アイヴズ:On a Summer’s Morn
ブリテン編:The Bonny Earl O’Moray、The Ash Grove
ワーレン編:The Skye Boat Song
トリニティ少年cho、
デイヴィッド・スウィンソン(指)、
レティシア・フェデリッチ(Org)

録音:2019年9月20日-22日、トリニティ・スクール・コンサート・ホール
ヴィクトリア朝後期に再発見されたイギリス民謡の多くは20世紀イギリスの作曲家たちに多大な影響を与えました。例えばブリテンがそのひとりとして挙げられるでしょう。このアルバムにはそうした新たに編曲されたイギリス民謡を収録しており、ロンドンの名門校トリニティ・スクールに創設されたトリニティ少年合唱団が透き通るような美しい歌声を聴かせてくれています。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-078(1CD)

NYCX-10357(1CD)
国内盤仕様
税込定価
二つのレクイエム
サリエリ:レクイエム ハ短調(1804)
モーツァルト:レクイエム ニ短調(1791・未完/補筆: F.X.ジュスマイヤー[1766-1803])
ヴァレンティーナ・ナフォルニータ(S)
アンブロワジーヌ・ブレ(A)
ロビン・トリッチュラー(T)
アンドレアス・ヴォルフ(Bs)
ル・コンセール・スピリチュエル(古楽器&声楽アンサンブル)
コンサートマスター:テオティム・ラングロワ・ド・スヴァルト
フランソワ・サンティヴ(大オルガン)
エルヴェ・ニケ(指)

録音:2021年11月19-23日ヴェルサイユ王室礼拝堂、フランス
※国内仕様盤解説、歌詞日本語訳…白沢達生/序文…かげはら史帆
ピーター・シェーファーの戯曲(1979)に基づくミロス・フォアマンの映画『アマデウス』(1984)で、通念を覆すモーツァルト像の引き立て役として 大きな存在感を放ったイタリア人作曲家サリエリ。作中ではモーツァルトの才能への抗いがたい憧憬と強い嫉妬から、立場を隠して『レクイエ ム』作曲を依頼、毒を盛って徐々にモーツァルトを死に追いやる悪役として描かれましたが、これはサリエリの晩年、イタリア人作曲家たちの人 気への反発からウィーンの一部の者たちが流した、根拠なき悪評の遠い結実にほかなりません。生前のサリエリは後進思いの人徳ある教育 家で、一時勝手な反感を抱いていたモーツァルトも晩年には和解、互いに才能を認め合う間柄になっていました。結果的には数世紀後のサ リエリ復権の鍵を握る作品にもなったこのモーツァルト未完の『レクイエム』を、歌劇界引退直後のサリエリが自身のために作曲した『レクイエ ム』とのカップリングで、鬼才ニケの指揮で聴けるアルバムが登場!モーツァルトでは一般的なジュスマイヤー補筆版を用いながら、緩急豊かに 圧倒的なドラマを描き出す手腕はまさにニケの面目躍如ですが、古楽器での録音はこれが初となるサリエリでも、作曲者自身の旧作からの 引用などオペラの劇的語法が豊かに活かされた、曲本来の真価を余すところなく引き出してゆきます。18世紀のモデルと同じ指孔なしナチュ ラル・トランペットを吹きこなすジャン=フランソワ・マドゥーフをはじめ器楽陣も名手揃い!後世の風評を洗い落とし「礼拝音楽本来の存在 感のままに」(ニケ談)生々しい素顔の作品像に迫った名演に仕上がっています。

ONDINE
ODE-1413(1CD)
NX-B07
アルフレード・モモテンコ(1970-):合唱作品集
天使の創造者(2021)
3つの聖なる賛歌(2019)
子守歌(2021)
情熱的に(2017)- 10話からなる2楽章の叙事詩
沈黙の神秘(2019)/奇蹟(2022)
イエヴァ・サブロフスカ(Hp)
ラトヴィア放送cho
シグヴァルズ・クラーヴァ(指)

録音:2019年3月18-19日、2020年1月8日、2022年1月19日、2022年5月12-13日
シグヴァルス・クラーヴァが指揮するラトヴィア放送合唱団の最新アルバムは、ウクライナ生まれの作曲家アルフレード・モモテンコ(モモテンコ=レヴィツキー)の 合唱作品集です。1970年生まれのモモテンコはリヴィウで生まれ、ソチ芸術大学とモスクワ文化芸術大学で学び、1990年に政治情勢が悪化したためオ ランダに移住、ブラパント音楽院でパーカッションの即興演奏を学び、ハーグ王立音楽院で更なる研鑽を積みました。彼は管弦楽作品からオルガン曲、声 楽のための作品などさまざまな分野の作品を書いていますが、合唱作品は何世紀にもわたる合唱音楽の伝統を受け継いだものが多く、一部ではアルフ レート・シュニトケの影響も受けています。このアルバムには2017年から2022年にかけて書かれた作品を収録、ロシア正教会の伝統的な聖歌であるズナメ ニ聖歌と現代の聖歌、この二つを採り入れた「天使の創造者」にはじまり、特色ある作品を聴くことができます。キリストの生涯における重要なエピソードを 元にした「3つの聖なる讃歌」はシュニトケの同名作品に倣ったもので、正教会のテキストに音楽をつけています。その他、モモテンコ自身がウクライナ語でテキ ストを書いた女声とハープのための「子守歌」やラフマニノフの「徹夜祷」に倣った比較的規模の大きな「Na strastnoy」、マリアのイコンへの問い掛けが続く 「沈黙の神秘」、ヨーゼフ・ブロツキーの詩の英訳に曲を付けた「Miracle」の6作品を収録。どの曲も刺激的な不協和音と、美しい全音階和声が交錯する 豊かな響きが印象的です。 ペア・ノアゴーとヨーン・ストルゴーズ

ALPHA
ALPHA-887(1CD)
『うんざりだ、冬って奴は』〜路傍の人たちの嘆きの歌を集めて〜
1. 作者不詳(13世紀):怒りの日〔器楽による演奏〕
2. 作者不詳:うんざりだ、冬って奴は〔I〕(ジャン・リクテュス〔1867-1933〕の詩「貧者の独白」〔1903〕による)
3. アリスティード・ブリュアン(1851-1925): これがコレラだ(『通りでは』〔1889〕より)
4. ヴァンサン・スコット(1874-1952):舗道の毒蛇(作詞: ジャン・ロドール〔1881-1967〕)
5. フランシス・ポピー(1874-1928):憂愁 〜ためらいのワルツ(1921)〔器楽による演奏〕
6. 作者不詳(「ザクセン元帥の歌」の調べによる): フュアルデスの嘆き(1818)
7. ワルトトイフェル(1837-1915): ワルツ「恋と春」(1880)〔器楽による演奏〕
8. ギュスターヴ・グブリエ(1856-1926):女工をしている娘(1898/ジュール・ジュイ〔1855-1897〕の詩による)
9. ジャン・ヴァルネ(1868-1904):舗道のセレナーデ(1894)
10. ポール・ベルナール(1825-1879):鳥たちが怖がるので(1864)〔器楽による演奏〕
11. デュクリュ&ベレッタ:道化師の嘆き(1903?)
12. 作者不詳:放浪歌手の独白(リクトゥスの詩「貧者の独白」〔1903〕による)
13. キュイ:路傍の子ら (『ジャン・リシュパンの詩による20の歌』Op.44より)
14. ガストン・ガバロシュ(1884-1961):夜型の者たち(1914/ラウル・ル・ペルティエ〔1870頃-1926〕とシャルル・クリュニー〔1882-1962〕の詩による)
15. 作者不詳(15世紀):ラ・ペロネル (作者不詳〔伝ラブレー〕『パンタグリュエル第五之書』〔1564〕より)
16. 作者不詳:うんざりだ、冬って奴は〔II〕 (ジャン・リクテュス〔1867-1933〕の詩「貧者の独白」〔1903〕による)
ステファニー・ドゥストラック(Ms)
アルノー・マルゾラーティ(バリトン、構成、音楽監督)
レ・リュネジアン【エルサ・モアッティ(Vn)、メラニー・フラオー(バスーン、リコーダー、声、歌)、ピエール・キュサック(アコーディオン)、ペルネル・マルゾラーティ(Hp)、クリストフ・テラール(ハーディガーディ、バグパイプ)、アントワーヌ・ビトラン(手回しオルガン)、ジョエル・グラール(打楽器)】
サントメール・オードマリア女声cho

録音:2020年6月22-29日 ムーラン・ア・カフェ劇場、サントメール(フランス北部パ=ド=カレー県)
童謡や民俗舞踊などの伝統音楽にも光を当て、ALPHAに名盤も多いル・ポエム・アルモニークで創設以来重要な役割を演じてきた歌手ア ルノー・マルゾラーティが、同団体の仲間も含めた経験豊かな古楽プレイヤーを集め、自ら主宰する個性派団体レ・リュネジアン。フランス革 命以降の時代を中心に、西洋音楽史の主流がすくい切れずにいた音楽領域を探り続けてきた彼らは『セントヘレナ 〜ナポレオンの伝説』 (MU044/国内仕様盤NYCX-10219)でもユニークな名演を聴かせました。今回は時代をぐっと下り第一次大戦前後、ベル=エポックか ら狂乱の時代に至る華やかなフランス文化の裏で辛酸をなめ、路傍に追いやられた人々の暮らしを扱った詩句にもとづく歌の数々に光を当 てます。俳優として研鑽を積んだ後クリスティに見出され、今やミンコフスキやマナコルダら実力派指揮者たちとの共演が続く個性派歌手ドゥ ストラックとともに、マルゾラーティは演技力抜群の朗読と鮮やかな歌唱を自在に行き来し、小劇場の極上レビューのごとく変幻自在の音楽 世界を展開。ル・ポエム・アルモニークの伝統音楽系アルバムでも活躍した名手続々の器楽勢も、雑味交じりの民俗楽器や手廻しオルガン など楽器の持ち味を最大限に引き出し、冒頭の「怒りの日」から鮮烈な存在感で歌を彩り続けます。土臭いシャンソン風味と表裏一体の高 雅なワルツも魅力なら、唯一19世紀初頭生まれの歌「フュアルデスの嘆き」での堂々たる展開も聴きごたえあり。いかにもALPHAレーベルら しい1枚です。

DIVERSIONS
DDV-24171(1CD)
NX-A14
ジェイムズ・クック(1963-):「愛の死」交響曲(P伴奏版) ヘレン・レイシー(S)
ポール・マッケンジー(P)

録音:2021年11月26日
1963年ウェールズ生まれの作曲家ジェイムズ・クック。活動の初期には交響曲や合唱作品を発表していました が、近年は聖書をもとにした歌劇や声楽曲で注目されています。この「愛の死」交響曲は、もともとソプラノとオー ケストラのために書かれた5曲からなる連作歌曲集ですが、ここでは作曲家自身によるピアノ伴奏版が用いられ ています。タイトル通り、どの曲もワーグナーを題材にしたもので、最初の4曲はさまざまな詩人によるワーグナーに ついてのテキストが用いられており、最後の曲はクックが関心を寄せている「トリスタンとイゾルデ」の「愛の死」にち なんだ作品です。 伸びやかな歌唱を聴かせるのは英国王立音楽院を卒業したばかりのリリック・ソプラノ、ヘレン・レイシー。伴奏の ポール・マッケンジーはジャズの分野でも活躍するピアニストです。※収録時間 31’39

KLARTHE
KLA-145(1CD)
カロル・ベッファ:命のなかで
(1) 深き淵より〜混声合唱とヴィオラのための
(2) 至点〜ピアノのための
(3) 冬のセレナード〜ピアノのための
(4) アポリネールの2つの詩〜ソプラノとピアノのための
(5) 忘れられた街〜ピアノのための
(6) 命のなかで〜混声合唱のための
(7) 歩み半ばで〜ピアノのための
(8) ロッキングチェア〜ピアノのための
(9) 中国断章(全4曲)〜ソプラノとピアノのための
(10) 自画像〜ピアノのための
カロル・ベッファ(P)、
ジャンヌ・ジェラール(S)(4)(9)
アルノ・トレット(Va)(1)、
リオネル・ソー(指)
命のなかでcho

録音:2020年9月7日/スタジオ・セクスタン
1973年生まれのポーランド系フランス人作曲家カロル・ベッファ。作曲のみならずピアニスト、俳優としても知られる才人。作曲家としては前衛性よりもヒーリ ング系の音楽を生み出しています。
バレエ用に書かれた「深き淵より」と「命のなかで」は合唱作品。また同じポーランド系の出自ゆえか大好きだというアポリネールの詩につけた歌曲も聴きもの。 ピアノ曲ではベッファの名手ぶりが光りますが、「自画像」は自分の名BEFFA (B♭?ミ?ファ?ファ?ラ)NO 音名象徴に基づいています。

THE CHOIR OF KINGS COLLEGE
KGS-0066(2CD)
The Street
[CD1]
バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV 826
ニコ・ムーリー作曲、アリス・グッドマン台本:The Street(道)※ハープ独奏版
[CD2]
ニコ・ムーリー作曲、アリス・グッドマン台本:The Street(道)※語り、合唱を伴うフル・ヴァージョン
パーカー・ラムゼイ(Hp)
ロージー・ヒラル(語り)
ケンブリッジ・キングズ・カレッジcho、
ダニエル・ハイド(音楽監督)

録音:2021年4月25-27, 29,30日キングズ・カレッジ聖堂(ケンブリッジ)
The Choir of King's Collegeの新譜は、同カレッジの卒業生であるハープ奏者、パーカー・ラムゼイの2枚目のアルバム。近年評価の高まっている作曲家 ニコ・ムーリー作曲、アリス・グッドマン台本による、「The Street」です。キリストが十字架につけられるまでの「道のり」である14の留(磔刑の宣告を受け、 十字架にかけられ亡くなるまでを14の場面であらわしたもの)に沿って、キリストの最後の日々を、ハープ独奏、語り、そして聖歌という3つの要素で崇高な美し さで物語っていきます。また、ハープ独奏のためのバージョンも収録されています。
当盤のもうひとつの注目は、ゴルトベルク変奏曲(KGS.0049)をハープで演奏して世界から注目を浴びたラムゼイの第2弾ということで、鍵盤のための「パ ルティータ第2番ハ短調 BWV 826」が収録されていること。パルティータ第2番のシンフォニアはフランス風序曲のリズムで幕を開けますが、このリズムは「王 の入城」、つまりキリストがエルサレムに入る場面を表しているともいえ、この「The Street」への導入としてもまことにふさわしい選曲といえるでしょう。チャペ ルのたぐいまれなる豊かな残響を生かした素晴らしい録音にも注目です。 =パーカー・ラムゼイ= アメリカ人として初めてキングズ・カレッジでオルガン奨学生(2010-2013)となります。アメリカのオーバーリン音楽院では歴史的鍵盤楽器の研究を修めた。ジュ リアード音楽院で学び、イザベル・ペラン、シヴァン・マーゲン(ニューヨーク・フィル奏者)らに師事。現代ハープ、古楽ハープの両方を演奏する。キングズのオル ガン奨学生は、礼拝での演奏のほか、時によっては合唱隊を指揮するなど様々な能力が要求されるが、ラムゼイはそのどれもに優れた能力を発揮し、6回の世界ツ アー、さらにレコーディングにも4回参加した。コンセルトヘボウ、ロイヤル・アルバート・ホールなど世界的なホールでも演奏している上、新作初演も多数手がけ ています。

ACCENTUS Music
ACC-30564CD(2CD)
ハイドン:オラトリオ「天地創造」 ゲヒンガー・カントライ(ゲヒンゲン聖歌隊)
ハンス=クリストフ・ラーデマン(指)
カタリーナ・コンラーディ(S)
ユリアン・ハベルマン(T)
トビアス・ベルント(Bs)

録音:2021年10月、ルートヴィヒスブルク
「天地創造」は晩年の2度にわたる英国滞在中に、「メサイア」などヘンデルの大作におおいに触発され着想した、その規模内容ともにハイドンの最高傑作とい われるオラトリオ。旧約聖書の『創世記』と『詩篇』、ミルトンの『失楽園』をテキストの題材として、神による創造の第1日から第4日まで、生き物が出現する第 5日と第6日、そしてアダムとイヴの登場と、創世の七日間を時系列に沿って3部構成で描いています。このように直截的にキリスト教的世界観で彩られた内容と、 絵画的ともいうべき巧みな手法でわかりやすく活写される動物たちの魅力や、オーケストラや合唱が全体を通して活躍することから、欧米ではとりわけ人気も高く 特別な作品として迎えられています。
ハンス=クリストフ・ラーデマン率いるゲヒンガー・カントライは、2019年にヘンデルの「メサイア」、2020年にバッハの「マタイ受難曲」と宗教曲の大作 を次々に録音し、圧巻の演奏を聴かせてくれただけに、今回の「天地創造」も期待が高まります。ソリストには、キルギス共和国出身のソプラノ、カタリーナ・ コン ラーディ。ドイツ国内を中心に欧州各地で活躍しているテノール、ユリアン・ハベルマン。ドレスデン聖十字架合唱団でボーイソプラノとして活動していた現在はバ ス歌手のトビアス・ベルントといった充実の歌手陣が揃い、見逃せない録音となっております。

TYXart
TXA-20151(1CD)
ヨーゼフ・ハース(1879-1960):女声合唱とピアノのための作品集
民謡による3つの歌曲 Op.89(1940-1952)
陽気な讃美歌 Op.73(1930)
歌曲集 Op.44(1916)
3つの3声による小さな歌(1929)
結婚式の歌(1935)
Heisa, Kathreinerle(1932)
幼子がやってくる Op.76-2(1952)
女声とピアノのためのカンタータ Op.81
ミュンヘン女声cho
スザンヌ・ユッツ=ミルトシツキー(P)
カトリン・ヴェンデ= エーマシ

録音:2021年7月
ヨーゼフ・ハース(1879-1960)はレーガーに作曲を学び、ヒンデミットと共にドナウエッシンゲン音楽祭の運営に携わるなどドイツの音楽界の発展に貢献し た人物。女声合唱のための作品は比較的数が多く、民謡や賛美歌、音楽と自然を讃えるカンタータなどがあります。

MDG
MDG-92322596
(1SACD)
バッハ:来たれ、イエスよ、来たれ BWV229
ヨハン・シェレ(1648〜1701):来たれ、イエスよ、来たれ
バッハ:カンタータ第82番「わたしは満ち足りている」 BWV82
アルマ・マーラー=ヴェルフェル(1879〜1964):なま暖かい夏の夜を待ちわびて
ヤコブ・グルシュマン(1991〜):ゲヌーク〜カンターテ(2021)
アルマ・マーラー:夜への賛歌
ヨハン・ルドルフ・アーレ (1625-1673):エリヤの幻の言葉〜もう十分です!
バッハ:カンタータ第60番「おお 永遠、そは雷のことば 」BWV60
アンサンブル・バッハヴェルクヴォーカル
ゴードン・サファリ(指)
コラール「イエス、わが喜び」を題材にしたアルバム(MDG-92322076)をリリースした、ゴードン・サファリ率いるアンサンブル・バッハヴェルクヴォーカル。 今回のテーマはバッハのカンタータ第82番でも歌われている「わたしは満ち足りている」Ich Habe Genug (it is Enough)。このカンタータは、老人シ メオンが救世主たる幼子イエスを抱き、満ち足りた気分で安らかな死を迎えて清められたいと願う場面を題材にしたもの。この言葉をテーマに、バッハ、アーレ、シェ レ、アルマ・マーラー、グルシュマンと時代を超えた作曲の作品を収録することにより、死に向き合う人々の考え方の変化を印象的に表したアルバムとなっていま す。アンサンブル・バッハヴェルクヴォーカルが色々な時代の音楽を柔軟に解釈し、優れた音楽的センスで演奏。MDGの見事な立体音響録音もあいまって、感動 的な1枚に仕上がっています。 (Ki)

H.M.F
HMM-905345(1CD)
Mein Traum(わたしの夢)
1. シューベルト:レチタティーヴォとアリア「私はどこに・・・力ある者よ、塵の中に (‘Wo bin ich… O konnt’ ich’)」(「ラザロ」D 689第2幕より)
2. 合唱「狩りへ‘Zur jagd’」(「アルフォンソとエストレッラ」D 732第1幕より)
3. レチタティーヴォ&アリア「‘O sing mir Vater… Der Jager’」(「アルフォンソとエストレッラ」D 732第2幕より)
4. シューベルト(リスト編曲によるオーケストラ版):影法師(「白鳥の歌」D 957より)
5. シューベルト:交響曲第7番ロ短調 「未完成」D 759より第1楽章Allegro moderato
6. ウェーバー:「おお!海の上に浮かぶのはなんと心地よいことか‘O wie wogt es
sich schon auf der Flut’」(オベロン、第2幕より)
7. シューベルト:交響曲第7番ロ短調 「未完成」D759より第2楽章Andante con moto
8. シューマン:人魚Meerfey op.69-5(女声のための6つのロマンス第1集より)
9. ウェーバー:レチタティーヴォ&アリア“どこに隠れよう・・・そして、私は復讐の力に身を捧げる”(抜粋)(歌劇『オイリアンテ』より)
10. シューベルト:序奏〜アルフォンソとエストレッラ D732第3幕より
11. シューベルト(ブラームス編):タルタロスの群れ D583
12. シューベルト:アヴェ・マリア(エレンの歌 第3番) D839, op.52, no.6
13. シューベルト:合唱「やさしく静かに(‘Sanft und still’)」〜「ラザロ」D 689第2幕
14. シューマン:アリア“ここは見晴らしがよく(‘Hier ist die Aussicht frei’)” 「ゲーテのファウストからの情景」WoO 3より第3部第5場
15. シューベルト:「神はわたしの羊飼い」D 706
ラファエル・ピション(指)
ピグマリオン(合唱、管弦楽)

ステファヌ・ドゥグー(バリトン/1, 3, 4, 9, 11, 14)
ユディト・ファ(ソプラノ/3, 6)
ザビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ/12)

録音:2020年12月、ピエール・ブーレーズ・ホール、フィルハーモニー・ド゙・パリ
「マタイ受難曲」(KKC.6514)で世界を驚かせたピション&ピグマリオン、注目の新作のテーマはシューベルト。1822年のある朝、シューベルトは様々な思い 出(愛する父から何度か拒絶された記憶や、父に拒絶された後絶望の中にさすらう旅をしたこと、母が亡くなった時のことや失恋のことなど)を記した謎めいた 文章を書き残しました。シューベルトの心の闇、シューベルトの作品の裏に感じられる孤独や絶望といったものの根源が観られるようです。ピションとドゥグーは、 シューベルトの傑作や演奏機会の少ない楽曲、さらに関連あるほかの作曲家たちの作品を注意深く集めて、1枚の広大な絵物語を創り出しました。シューベルトが 主人公のドラマティックなオペラのようになっております。 (タイトルの「Mein Traum(私の夢)」とは、フェルディナント・シューベルトがフランツの文章につけたタイトルです) (Ki)

GENUIN
GEN-22797(1CD)
グローリア ドイツと世界のクリスマス・ソング集 第3集
ウェイド:ここに来なさい、ああ信心深い者たちよ(神の御子は今宵しも)
ゲーゼ:幼児イエスは飼い葉桶の中に横たわっていた
ジェイムズ:3人の家畜追い
作者不詳:羊の傍で番をしていると
ロシアの歌:この聖なる夜は
オード:アダムは縛られて横たわり
レーガー:マリアの子守歌
マウエルスベルガー:クリスマス
東ポーランドの歌:羊飼いよ、小屋へ
テニェール:湖と湖畔を照らす
伝ディルク・ヤンスゾーン・スウェーリンク:ああクリスマスの夜よ
フランスの歌:幼児イエス
カールソン:冬の魔法
エーベル:静かに雪が降り
ニコラウス・ボイットナーの歌本:私たちの愛する女性の夢
シレジア民謡:この上なく優しく鐘が鳴る
クヴェルノ:めでたし海の星
ラインターラー:この暗い日々に
伝承歌:もみの木
ビーブル:アヴェ・マリア
サバテ:グローリア
フィリップ・アーマン(指)
MDR放送cho

録音:2022年1月25-28日 ドイツ ライプツィヒ
第1集(GEN-15381)、第2集(GEN-17484)に続く、フィリップ・アーマン指揮MDR 放送合 唱団による世界のクリスマス曲集、第2 集から5年ぶりの第3集が登場。今回も有名曲から渋 い選曲まで幅広くクリスマスの歌が美しい無伴奏合唱で楽しめる。フィリップ・アーマンは1974 年生まれ。ケルンでマーカス・クリードに学んでいる。2013 年から2016年までMDR 放送合唱 団の首席客演指揮者を務めたのち、 2020年に同団の芸術監督に就任している。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0031(1CD)
ブリテン:声楽と管弦楽のための作品集
(1)テノールと管弦楽のための『狩をする私たちの先祖』 Op.8
(2)ソプラノと管弦楽のための4つのフランス歌曲
(3)テノールと管弦楽のための交響組曲『グロリアーナ』 Op.53a
クリスティーナ・ランツハマー(ソプラノ(2))
マーク・パドモア(テノール(1))
アラスデア・ケント(テノール(3)「リュートの歌」)
アイヴァー・ボルトン(指)
バーゼルSO

録音:(1)(3)2020年8月10-14日、(2)2020年8月17・18日/ドルナッハ、ゲーテアヌム
2016/17年シーズンの初めからバーゼルSOの首席指揮者を務めているアイヴァー・ボルトン。彼は常に祖国イギリスの音楽に特別な親近感を抱いてお り、ブリテンの割とマイナーな作品を取り上げた当盤はボルトンのやりたかったことが詰まったアルバムと言えます。パドモアら声楽陣の活躍も聴き 逃せません。
『狩をする私たちの先祖』は23歳、『4つのフランス歌曲』は僅か14歳で作曲された天才的な作品。また1953年にエリザベス二世の戴冠式のために書かれ たオペラ『グロリアーナ』からの組曲も収録しています。 (Ki)

Delphian
DCD-34252(1CD)
ヴェナブルズ:レクイエム&ハウエルズ:合唱と管弦楽のためのアンセム集
ハウエルズジョナサン・クリンチ:オーケストレーション):おおエルサレムの平和のために祈れ
ハウエルズ(ハワード・エクダール:オーケストレーション):Like as the hart desireth the waterbrooks
ハウエルズ:The House of the Mind
イアン・ヴェナブルズ(b.1955):レクイエム Op.48(オーケストラ伴奏版)、God be merciful Op.51、
 ラプソディ 「ハーバート・ハウエルズの思い出に」 Op.25(オルガン独奏
ベンジャミン・ニコラス(指,Org)、
オックスフォード・マートン・カレッジcho、
オックスフォード・コンテンポラリー・シンフォニア

録音:2021年6月、オックスフォード・マートン・カレッジ礼拝堂
英国合唱界の2人の名匠ベンジャミン・ニコラスとピーター・フィリップスの指導の下、瞬く間にオックスフォード大学の混声合唱団の代表的存在の1つとなったマートン・カレッジ合唱団。
指揮者のベンジャミン・ニコラスは、ハウエルズの親しみやすいイギリスの合唱音楽と、現代の作曲家イアン・ヴェナブルズの音楽との間に類似性を見出し、このアルバムを完成させました。ヴェナブルズのレクイエムは、2020年にオルガン伴奏のみのバージョンで初録音されていますが、今回はこのアルバムのために特別にオーケストレーションを施したバージョンで収録。ハウエルズの研究者であるハワード・エクダールとジョナサン・クリンチの編曲による「4つのアンセム」のうちの2曲は新しいオーケストラ伴奏版となって、ステンドグラスの美しい光のようにハウエルズの豊かな合唱曲を照らし出します。

Signum Classics
SIGCD-723(1CD)
イントゥ・ザ・ライト
伝承曲ソーンダー・チョイ編):荒野の果てに
ケネス・ジェニングス:ああベツレヘムよ
ジョン・ジェイコブ・ナイルズ(ポール・ジョン・ルドイ編):めぐり歩きながら思いめぐらす
ジョニ・ミッチェル:リヴァー
シェリル・カム:アレルヤ!真の光の中に
クリス・フォス:愛よ, 永遠の神よ
B.E.ボイキン:おお, 大いなる神秘
伝承曲:Glory Hallelujah to Duh Newbo’n King(R.パウエル、W.C.パウエルによる男声合唱編)
フランシスコ・グラウ・ベガラ:Mensaje de Paz
伝承曲カントゥス編):チルドレン・ゴー!
伝承曲R.ボーエンス編):三隻の船
伝承曲ソーンダー・チョイ編):アギナルド・キャロル
伝承曲A.ハンブル編):スティル, スティル, スティル
伝承曲S.セーデルベリ編):新しいクリスマス
グルーバーC.H.ハリス編):きよしこの夜
クリス・フォス:クリスマスのまえのばん
リンダ・カシェルマイアー:ウィー・トースト・ザ・デイズ
カントゥス

録音:2021年7月、アメリカ
カウンターテナーなし、テノール×4、バリトン×2、バス×2の低声部のみで構成される男声ヴォーカル・アンサンブル「カントゥス」。
YouTubeとFacebookで話題となった前作、「ザ・COVID-19・セッションズ」(SIGCD819)に続くSignum第3弾は、クリスマスをテーマとした作品集。
今作では、ジョン・ジェイコブ・ナイルズ、ケネス・ジェニングスからジョニ・ミッチェルやB.ボイキンまで、5つの幅広い言語に跨る様々な作品、R.ボーエンス、C.H.ハリスによる2つの新しいアレンジや、カントゥスのために特別に作られた6つの作品など、ルネサンスから21世紀まで幅広いレパートリーを持つ彼らの魅力を引き出した好企画。混乱の渦中にある世界に、清らかな歌声で癒しのひと時を贈り出します。
Signum Classics
SIGCD-690(1CD)
イン・ウィンターズ・ハウス〜テネブレのクリスマス
ボブ・チルコット:羊飼いのキャロル
ジョアンナ・マーシュ:イン・ウィンターズ・ハウス
伝承曲:天使がおとめのもとに
ヴォーン・ウィリアムズ:天からの真実
J.フォーブス・レストレンジ:Advent‘O’Carol
オワイン・パーク:おお大いなる神秘
E.ウッドール・ネイラー:Vox dicentis:Clama
ブリテン
:キャロルの祭典
サリー・ビーミッシュ:静けさの中で
エリザベス・ポストン:イエス・キリスト・ザ・アップル・ツリー
ジューン・コリン:静かな心
ハウエルズ:子守歌を歌う
ベン・パリー:オールドバラ・キャロル
ジョゼフ・フィブス:Sleep My Pretty One, Sleep
テネブレ、ナイジェル・ショート(指)、
カミラ・ペイ(Hp)、
ジョシュア・デイヴィットソン(Boy-S)

録音:2022年3月7日-10日、オール・ハローズ教会(ロンドン)
キングズ・シンガーズの元メンバーであるナイジェル・ショートによって2001年に設立され、世界最高峰のヴォーカル・アンサンブルの一つとして広く活動する"テネブレ"。2016年に「ブラームス&ブルックナーSIGCD430)」が2度目のBBCミュージック・マガジン賞を受賞し、2018年には「天体の音楽(SIGCD904)」がグラミー賞にノミネートされ、大きな注目を浴びたテネブレによる4枚目となるクリスマス・アルバム。
テネブレは定期的に世界的なオーケストラと共演し、音楽祭などにも出演、聴衆から絶大な評価を受けてきました。今回のクリスマス・アルバムは、ブリテンの「キャロルの祭典」をメイン・プログラムとして、ヴォーン・ウィリアムズやハーバート・ハウエルズといった20世紀の作曲家から、ボブ・チルコットやオワイン・パークといった現代のイギリスを代表する作曲家たちの作品まで幅広く収録しています。合唱ファンだけでなくイギリス音楽ファンにもおすすめ出来る1枚です。

Etcetra
KTC-1770(1CD)
永遠の二元性
グノー:Ou voulez-vous aller?
ディーペンブロック:Recueillement
イベール:Deux steles orientees
マスネ:エレジー
ダッラピッコラ:Rencesvals
デュパルク:恍惚、ローズモンドの屋敷、
 フィレンツェのセレナード
ワーグナー:Les Deux Grenadiers
カプレ:おいで!見えない笛の音よ
ラヴェル
:マダガスカル島民の歌
グノー:セレナード
フロリアン・ユスト(Br)、
ジュリー・ムーラン(Fl)、
シュテファン・ヘーバー(Vc)、
ヤン=パウル・フライピンク(P)
フルート、チェロ、ピアノを伴奏に用いるという珍しいバリトン歌曲集。フロリアン・ユストはドイツ出身で幼い頃からドレスデンのゼンパー・オーパーとベルリン国立歌劇場などに出演していました。その後アムステルダム音楽院で、ウド・ライネマンに師事し、トーマス・ハンプソン、ヤルト・ファン・ネスなどのマスタークラスに参加しました。現在ではシュターツカペレ・ドレスデンなどの演奏会やオランダの歌劇場に定期的に出演しており、活躍しています。

FUGA LIBERA
FUG-810(1CD)
『夜の中の光』 〜ドイツとフランスの近代歌曲集
シェーンベルク:4つの歌曲 Op. 2(1899)
ドビュッシー:ビリティスの3つの歌(1897-1898)
ツェムリンスキー:リヒャルト・デーメルの詩による幻想曲 Op. 9より I. 夕べの声 (1898) *
ラヴェル:クレマン・マロの2つの風刺詩(1896-1899)
リリ・ブーランジェ:3つの小品 より I. 古い庭園にて(1914) *
アルマ・マーラー1879-1964):5つの歌曲 (1910)
リリ・ブーランジェ:反映 (1911)
ナディア・ブーランジェ1887-1979):暗く果てしない眠り (1906)
リリ・ブーランジェ:空の広がり より VI. もしこれがちっぽけな夢にすぎなかったら(1914)
ベルク:4つの歌曲 Op. 2 (1910)
*…ピアノ独奏
コリーヌ・デュティユル(Ms)
クナル・ラヒリー(P)

録音:2021年9月27-29 オリーヴ山教会スタジオ、ベルリン
ベルギーのメゾソプラノ、コリーヌ・デュティユルが歌う、フランス印象派からウィーン世紀末を巡る歌曲の旅。アルマ・マーラー、ブーランジェ姉妹 の貴重な作品を含むプログラムを、深みのある表現力で聴かせます。

Pentatone
PTC-5187023(1CD)
ハンス・ゾマー(1837-1922):管弦楽伴奏付き歌曲集
■声楽と管弦楽のための作品集
(1)「自由な想い」
(2)「トゥーレの王」
(3)「ミニョンの家」
(4)「銘記T」
(5)「銘記U」
(6)「憩いのない恋」
(7)「嵐の中で」Op.4-3
(8)「エゼルベルト卿」Op.11-4
(9)-(13)歌劇『ローレライ』からの伝承曲 Op.13【第1曲「艀での伝承」/第2曲「薔薇の
つぼみと蝶々」/第3曲「伝承と従者」/第4曲「森の中で」/第5曲「岩の上に」】(ハンス-クリストフ・マウラスシャット&マルティン・アルブデヒト-ホーマイヤー校訂(2020))
(14)「 夜 、船室にて」
(15)「さすらいの夜想曲T」
(16)「さすらいの夜想曲U」
(17)「追憶」(オルガ・クロウポヴァー編曲(2020))
■声楽と室内アンサンブルのための作品集
(18)「村に咲きほこる菩提樹」
(19)-(22)歌曲集『フーノルト・シングーフ』Op.4より【第1曲「ご挨拶」/第2曲「夏の遊び」/第3曲「ルアー」/第4曲「その酒」】
(1)(2)(8)(15)(16)(19)-(22)ベンヤミン・アップル(Br)、
(3)(4)(7)(18)(22)アンケ・フォンドゥング(Ms)、
(5)(6)(9)-(13)(17)(22)モイツァ・エルトマン(S)、
(14)(22)マウロ・ペーター(T)
(1)-(17)ベルリンRSO、グリエルモ・ガルシア・カルヴォ(指)
(18)-(22)クリストフ・コーン(Cl)、アンネ・フェルツ(Vn1)、ブリギッテ・ドラガノフ(Vn2)、アレハンドロ・レグエイラ・カウメル(Va)、ペーター・アルブレヒト(Vc)

録音:2021年5月25-28日/ハウス・デス・ルンドフンクス、ザール1(ベルリン)
※(16)を除く全曲世界初録音
ハンス・ゾマー(1837-1922)作曲の管弦楽伴奏付き歌曲をモイツァ・エルトマン、アンケ・フォンドゥング、マウロ・ペーター、ベンヤミン・アップルという充実のソリ スト陣を迎え、グリエルモ・ガルシア・カルヴォ(指)ベルリンRSOが録音。「さすらいの夜想曲U」以外、管弦楽伴奏版では全曲世界初録音という注目の内容です!
ドイツの作曲家ハンス・ゾマーは数学を学び、のちに物理学の教授となり、工科大学の学長も務めるなど、音楽家としては異例の経歴の持ち主。ライプツィヒではブラー ムス、シューマン、ヨアヒムらが参加したサークルに所属し、作曲家としても着実に研鑽を積み、ゾマーの作品はR・シュトラウスからも絶賛されるほどでした。作品 の中心は歌曲や歌劇といった声楽曲ですが、彼の異色の経歴に加え、楽譜が出版されることがほとんどなかったため、ゾマーの作品は長い間日の目を見ることがありませ んでした。
近年その作品の再評価が進んでいますが、今年(2022年)歿後100年を記念して充実のアルバムが登場です。ゾマーの歌曲はゲーテを中心とした詩にロマン派らしい 美しい旋律と民謡とを融合させた色彩豊かなオーケストレーション、そしてドラマティックな音楽が最大の魅力。この輝かしい歌曲を世界最高峰のソリスト陣が思いを込めて 歌い上げます! (Ki)

arcantus
ARC-20024(1CD)
「難民」〜ユダヤ系アメリカ人作曲家の声楽曲集
(1)ジェイコブ・ラッパポート:A Pastokh'l, A Troymer(1933)
(2)ガーション・キングスレイ:2つの瞑想的な歌(1972)
(3)キングスレイ:The Lord ind My Shepherd(1976)
(4)イスラエル・オルター:Ad Anah(1963)
(5)ハインリヒ・シャリト:イェフダ・ハレヴィの展望(1970)
(6)ラザール・ウェイナー:3つの聖書の歌(1972)
(7)伝承曲(カステルヌオーヴォ=テデスコ編):3つのセファルディムの歌(1959)
(8)フレデリック・ピケット:信仰のための3つの歌(1970)
(9)マックス・ヤノフスキ:Oseh Shalom(1978)
(10)アーヴィング・バーリン:Give Me Your Tired, Your Poor(1949)
デイヴィッド・バーガー(歌)、
ジョイス・ローゼンツヴァイク(P)

ン録音:2017年5月〜2019年5月/トランジェント・サウンド・レコーディング・スタジオ(シカゴ)
シカゴ出身のユダヤ系アメリカ人の声楽家デイヴィッド・バーガーとニューヨーク出身のピアニスト、ジョイス・ローゼンツヴァイクによるアルバム『難民』。アメリ カは何百年もの間、世界中のユダヤ人にとっての避難場所で、アメリカほどユダヤ人社会が発展してきた場所はありません。このCDに収録されている作曲家たち は、反ユダヤ主義から逃れるために難民としてアメリカに渡った音楽家の声楽曲で、20世紀のアメリカ・ユダヤ音楽を語る上で欠かせない作品集です。 (Ki)

Phi
LPH0-39(1CD)
ベートーヴェン:オリーヴ山のキリスト キリスト…ゼバスティアン・コールヘップ(T)
セラフィム(熾天使)…エレノア・ライオンズ(S)
ペトロ…トーマス・バウアー(Bs)
コレギウム・ヴォカーレ・ヘント(合唱)
シャンゼリゼ劇場O(古楽器使用)
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指)

録音:2022年3月 ポワチエ・テアトル・オーディトリアム(TAP)、フランス
三十代前半、1802年に『ハイリゲンシュタットの遺書』を書いたベートーヴェンがその翌年に書き上げた、初めての宗教的作品「オリーヴ山の キリスト」。自らの運命を予感したキリストがオリーヴ山で祈りを捧げているところへ兵士たちが現れ、ペトロらの抵抗も空しく囚われてしまう場 面までが描かれています。テキストを聖書に求めずオペラ作家のフーバーにオリジナルを依頼、結果的にはベートーヴェンが生涯で唯一書いた オラトリオであるこの作品は、その生前にはヨーロッパ各地で80回以上も演奏されたという人気でしたが、現在では録音も演奏回数も決して 多いとは言えません。この作品にヘレヴェッヘによる新録音が登場します。70歳のインタビューで「残された人生では真に向き合う価値を感じ る作品だけを演奏する」と語った彼がここでこの作品を取り上げるのは、その価値を改めて世に問うに足る内容であると認めるからにほかなら ないでしょう。管弦楽は2011年録音の「ミサ・ソレムニス」と同様シャンゼリゼ劇場Oを起用、中心となるキリスト役にはヤーコプス指 揮の大バッハ作品録音(ヨハネ受難曲、ロ短調ミサ)に参加するほか活躍目覚ましいコールヘップを配するなど、万全の布陣で臨んでいます。 『英雄』に始まる「傑作の森」の直前に書かれた意欲作に新たな光を当てる、決定的なアルバムの登場です。

SOMM
ARIADNE-5018(1CD)
NX-B04
ヴォーン・ウィリアムズ・ライヴ 第2集
勝利のための感謝祭(感謝の歌)
音楽へのセレナード*
仮面劇『ヨブ』#
エルシー・サダビー(S)
ヴァレンタイン・ダイヤル(ナレーター)
ジョージ・ソールベン=ボール(Org)
トーマス・コラム・スクール児童cho
イゾベル・ベイリー(S)*
アストラ・デズモンド(C.A)*
ベヴァリッジ・ホワイト(T)*
ハロルド・ウィリアムズ(Br)
BBC響&cho
ボストンSO#
エイドリアン・ボールト(指)

録音:全てライヴ
1945年5月13日 BBC broadcast(UK)
1946年9月29日 BBC broadcast(UK)*
1946年1月26日 Symphony Hall, Boston Massachusetts(USA)#
第1集(ARIADNE5016)に続く、ヴォーン・ウィリアムズの生誕150年を記念したアルバム。今作はエイドリアン・ボールトの指揮による3つの作品をクリアな 音で復刻しています。 冒頭の2作品は、1930年にボールトが創設し、1950年まで首席指揮者を務めたBBCSOによる演奏。「勝利のための感謝祭」はソプラノ・ソロ、ナ レーターとオルガン、オーケストラ、合唱の大編成による作品で、1945年の初演となったラジオ放送の録音です。「音楽へのセレナード」は1946年のBBC 第3番組(現ラジオ3)のオープニング・ナイトで演奏された作品で、『ヴェニスの商人』の第5幕第1場が題材となっています。こちらは1938年に作曲家の友 人で、名指揮者ヘンリー・ウッドへのオマージュとして書かれました。もともとは16人の歌手のための曲でしたが、ヴォーン・ウィリアムズ自身によりオーケストラと 4人のソリスト、合唱のためにアレンジ。この放送が当ヴァージョンの世界初演となりました。 『ヨブ』はボールトに献呈された劇音楽で、ボールトはこのボストンSOとの演奏の後、4回のスタジオ録音を行うほどのお気に入り作品でした。 今回の復刻も、これまでにも数々の名盤の復刻にあたった、英国を代表するリマスター・エンジニア、ラーニ・スパールが手掛けており、丁寧なリマスターによる ノイズの少ないリアルな音が蘇りました。なお、ブックレットにはヴォーン・ウィリアムズの評伝を執筆した英国の研究家サイモン・ヘファーによる解説(英語のみ) が掲載されています。 ペア・ノアゴーとヨーン・ストルゴーズ

ALBANY
TROY-1898(1CD)
ドン・ウォーカー(b.1941):女性詩人の詩による歌曲集
「アンネ・ブラッドストリートの詩による歌曲集」
「フィリス・フィートリーの詩による歌曲集」
「エミリー・ディキンソンの詩による歌曲集」
「ヘレン・ハント・ジャクソンの詩による歌曲集」
「ガートルード・スタインの詩による歌曲集」
「エドナ・セント・ビンセント・ミレイの詩による歌曲」
「ハリー・アレイの詩による歌曲集」
アン・モス (S)
カレン・ローズナック(P)

録音:2018年、2020年オークランド第25通りスタジオ、カリフォルニア
ドン・ウォーカーはカリフォルニアを拠点に活動する作曲家。多作家で 10曲の交響曲を始
め、3つのオペラ、14曲の弦楽四重奏曲など総数200 曲を作曲しています。このディスクはアメリカの女性詩人の詩に作曲した歌曲で、いずれも調性によって書かれた、穏健な作風。エミリー・ディキンソンとガートルード・スタインは邦訳もあるほど世界的に著名な詩人。
ALBANY
TROY-1899(1CD)
「パリを気取るニューヨーク」〜エリック・ショール歌曲集
歌曲集「花々」〜詩:シンシア・ザンリン
「朝帰り」〜詩:トマス・マーチ
「フランスの物語」〜詩:リッチー・ホフマン
「あなたが行ってしまった後、アパートの一室で」〜詩:トマス
マーチ
「小さな街の超能力者のためのエレジー」〜詩:モリ・クリーチ
「液体」〜詩:アーロン・スミス
「今さらながら」〜詩:アーロン・スミス
「謹慎中」〜詩:スーザン・キンソルヴィング
「改造」〜詩:スーザン・キンソルヴィング
「パリを気取るニューヨーク」〜詩:アーロン・スミス
イヴ・ジリオッティ(MS)
ジェシー・ダーデン(T)
マイケル・ケリー(Br)
エリック・ショール(P)
エリカ・スウィッツァー(P)
クリス・フリスコ(P)
19マーサー・アンサンブル

録音:2021年6月-2022年3月
エリック・ショールは主に演劇、テレビ、映画のための音楽の作曲に従事、またブロードウェイの芝居、ミュージカルのためにも音楽を提供しています。このディスクにはそうした彼のキャリアを反映してか、ブロードウェイ・ミュージカル風の声楽と室内オーケストラのための歌曲集が収録されています。親しみ易いメロディと暖かなハーモニーに心がなごむ一枚。
ALBANY
TROY-1902(1CD)
As One(一心同体)〜現代アメリカの歌曲集
ロバート・オーウェンズ(1925-2017):銀色の雨Op.11
ネッド・ローレム(b.1923):「若き日、古い世代そして夜」/「雲」/「大いなるハドソン」/ 「彼らが私をどれだけ愛しているか」
ザカリー・ワズワース(b.1983):「物語のない場所」〜ロビンソン・ジェファーの5 つの詩による
スルール・アーヴィング・グリック(1934-2002):2つの風景
リビー・ラーセン(b.1950):私のアントニア
ジョス・ミルトン(T)
メリンダ・コーフェイ・アームステッド(P)

録音:2021年9月25-30日 ハイデン・バレー・ミュージック・セミナー、カリフォルニア
20〜21世紀の様々な世代のアメリカの作曲家による歌曲を収録。全体にバーバーやコープ ンドを思わせるロマンティックで親しみ易い作風。ジョス・ミルトンはアメリカの地方都市で活躍 るテノールだが、その伸びやかで柔らかい声が素晴らしい。

ALPHA
ALPHA-638(1CD)
『私の中のゴッホ』 〜ゴッホとクリムトの時代を巡るア・カペラ・コーラスの旅
サン=サーンス:2つの合唱曲 Op. 68
ドビュッシー:お告げの鐘 L. 76 (クリトゥス・ゴットヴァルト編)
 シャルル・ドルレアンの3つの歌 L. 98
 雪の上の足跡 (ゴットヴァルト編) 〜前奏曲集 第1巻 より
サティ:ジムノペディ 第1番(ウィリアム・ナイト編曲、ティド・フィセルの発案による)
R・シュトラウス:夢の中の光
マーラー:原光 (ゴットヴァルト編)
アルマ・マーラー(1879-1964):なま暖かい夏の夜 (ゴットヴァルト編)
マーラー:夕映えに (ゴットヴァルト編曲、交響曲第5番アダージェットによる)
A.マーラー:静かな町 (ゴットヴァルト編)
マーラー:私はこの世に捨てられて 〜リュッケルトによる5つの歌曲 より
シェーンベルク:千年を三たび Op. 50a
 地には平和を Op. 13
オランダ室内cho
ペーター・ダイクストラ(指)

録音:2022年2月 ハーレム・フィルハーモニー、オランダ
ペーター・ダイクストラ率いるオランダ室内合唱団による、ゴッホとクリムトが生きた19世紀末近辺のフランスとドイツの音楽を集めたア・カペラ・ アルバム。サン=サーンス、ドビュッシー、R・シュトラウス、シェーンベルクといった大家の合唱作品が聴けますが、サティの「ジムノペディ 第1番」(この編曲による世界初録音)などの合唱編曲版などが収録されているのが嬉しいところ。中でも、妻アルマの作品と会話のように交 互に収められたマーラーの編曲版に注目で、彼らならではの高純度のア・カペラで歌われる「原光」や交響曲第5番「アダージェット」の美しさ は、まさに天国的と言えるでしょう。合唱編曲の多くは、この分野で定評のあるドイツの作曲家クリトゥス・ゴットヴァルトによるものです。またこ の作品はイタリアのアート集団「fuse*」とのコラボレーションとなっており、実演では、ステージ上の大きなスクリーンにゴッホとクリムトの絵を元 にしたイメージを投影し、それが観客と演奏者の生体反応をリアルタイムに反映して次々と変化していく、インスタレーションの要素を導入して いました。その様子もブックレットにカラーで掲載されています。
ALPHA
ALPHA-897(1CD)
『ノクターン』 〜ラフマニノフ:徹夜祷、ビザンティン聖歌
ラフマニノフ:徹夜祷 Op. 37
<徹夜祷>
1. ビザンティン聖歌:Anixandaria
2. O come, let us worship
3. Bless the Lord, O my soul (greek mode)
4. ビザンティン聖歌:Makarios anir
5. Blessed is the man
6. ビザンティン聖歌:Kyrie ekekraxa
7. hail, gladdening light (kievan mode)
8. Nunc Dimittis (kievan mode)
9. ビザンティン聖歌:Litia ? Kyrie eleison
10. Ave Maria ? Rejoice, O Virgin
<早課>
11. The Six Plams (Glory to God in the highest)
12. ビザンティン聖歌:Dhouli kirion
13. Praise ye the name of the Lord (znamenny mode)
14. ビザンティン聖歌:les Antiphones
15. Blessed art thou, O Lord (znamenny mode)
16. ビザンティン聖歌:Evloghitos i Kyrie
17. Having beheld the Resurrection of Christ
18. Magnificat ? My soul doth magnify the Lord
19. ビザンティン聖歌:Tin timioteran
20. Great Doxology (znamenny mode)
エイドリアン・シルブ(ビザンティン聖歌)
マティルド・ガトゥイヤ(A)
エドゥアルト・モンジャネル(T)
ラ・タンペート(合唱)
シモン=ピエール・ベスティオン(指)

録音:2021年12月 サンテスプリ教会、パリ
様々な時代、地域の音楽をユニークな形で組み合わせるコンセプト・アルバムで、世界の合唱シーンを常に刺激するフランスの声楽アンサン ブル、ラ・タンペート。今回は指揮者ベスティオンが、一見シンプルな印象を与えながら、実際は合唱をオーケストラのように扱う複雑な手法が 当時としては革新的と語る難曲、ラフマニノフの「徹夜祷(晩祷)」に臨みました。この作品に深い感動を覚えたというベスティオンは、ロシアと ルーマニアで経験した正教会の儀式を踏まえ、その典礼的な文脈の中に位置付けてみるために、ビザンティン聖歌と交互に演奏するという 手法を採用しています。宗教音楽らしい奥深さをぐっと増した、たいへん興味深いアルバム。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-077(1CD)
ソフィー・ガーユとフランス第一帝政期のハープ伴奏歌曲
1. ルイ=エマニュエル・ジャダン(1768-1853):コラス、コラス、どうか誠実に慕って
2. ソフィー・ガーユ(1775-1819):わかっている、若い頃には(第1・2連)
3. フランソワ=ジョゼフ・ナーデルマン(1781-1835):西風がやさしく吹き寄せてくれようと*
4. ガーユ:それは彼女とは違う
5. ジャン=ポール・エジード・マルティーニ(1741-1816)/ナーデルマン編)):愛の喜び*
6. モーツァルト:クロエに K. 524
7. ガーユ:期待
8. F-J. ナーデルマン:ソフィー・ガーユの「おお漁師よ」の調べによるハープのための幻想曲*
9. ガーユ:悪魔の円舞
10. ガーユ:ミラノの司祭の歌、別名「間に合わせの食卓」
11. L-E. ジャダン:ウェルテルの死
12. ジャン=ルイ・アダン(1758-1848):ウェルテルの墓を訪れたシャルロット(第1・2連)
13. ガーユ:もはや死ぬほかない
14. フランソワ=アドリアン・ボワエルデュー:思い出*
15. J-L. アダン:後悔
16. モーツァルト:ラウラに寄せる夕べの思い K. 523
17. ガーユ:夕暮れのひととき
18. モーツァルト:鳥たちよ、年ごとに K. 307
19. ニコラ=シャルル・ボクサ(1789-1856):モーツァルトの「わたしの心は溜息をつく」によるハープのための変奏曲*
20. ガーユ:わたしの心の機微がわかる人は
21. J-P-E. マルティーニ:涙を流す人
22. ガーユ:愛しきフロンタン

*=ハープ独奏
マイリス・ド・ヴィルトレ(S)
クララ・イザンベール(Hp)
使用楽器:パリのジョルジュ・ブレシェール1800〜20年頃製作によるオリジナル楽器(A=430Hz)

録音:2021年10月5-8日ブロス教会(フランス中東部ブルゴーニュ地方)
近年フランスでバロック作品を中心に歌劇シーンを賑わせているマイリス・ド・ヴィルトレが、古楽器ハープの弾き手クララ・イザンベールと提案 するプログラムのテーマは第一帝政期、つまりナポレオンの時代。18世紀末にマリー=アントワネットが女性を中心とした文化談義の場を華 やがせ、その中心でハープという楽器の立場を大きく向上させた後、ナポレオンがフランス皇帝となった時代にもハープは「太古から存在する 楽器」として古代帝国への憧憬をつのらせる文化人たちを魅了。楽器製作者の息子ナーデルマンや名手ボクサら数多くの俊才たちの妙技 が人々を虜にするとともに、繊細な恋歌のための伴奏楽器としてもハープは大きな人気を獲得しました。ヴィルトレとイザンベールは革命期か ら10代で作品を発表しはじめた早熟の女性作曲家ソフィー・ガーユの作品を中心に、この曲種にすぐれた手腕を発揮したジャダン兄や「愛 の喜び」で知られるマルティーニ、ハープ奏者たちや歿後間もなく国際的名声を博したモーツァルトなど、19世紀初頭のフランスで動乱に戸 惑う多くの人々の心を慰めた調べの数々を入念に選び、じっくり味わわせてくれます。使用されているハープも当時のもの。ケルビーニの救出 オペラやベートーヴェンの交響曲の影で歴史に埋もれていったままにしておくには惜しすぎる、繊細そのものの音楽世界をじっくりご堪能くださ い。

Gramola
GRAM-99275(1SACD)
NX-B08
私はこの地を愛す
ヴォルフ:メーリケ歌曲集より
 No. 6Er ist's 時は春
 No. 12Verborgenheit 隠棲
シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン Op. 2 D. 118
 楽興の時 Op. 94D. 780? No. 6変イ長調
 ガニュメート Op. 19No. 3D. 544
R・シュトラウス:あなたは私の心の王冠 Op. 21No. 2
 セレナード Op. 17No. 2
シューベルト:4つの即興曲 Op. 142? 第2番 変イ長調
マーラー:『リュッケルト歌曲集』 - 美しさゆえに愛するなら
 『若き日の歌』 - 夏に小鳥はかわり
 『子供の不思議な角笛』 - 誰がこの歌を作ったか
シューベルト:6つの楽興の時 Op. 94D. 780 - No. 2変イ長調
ツィー・ファン(1904-1938):ばらの3つの願い
ツァイイ・ルー(1943-):I 私はこの地を愛す
ワン・シン(S)
ニールス・ムース(P)

録音:2021年11月15-18日
中国とオーストリアの国交50周年を記念して製作された1枚。アルバムにはオーストリア在住の中国人ソプラノ歌手、ワン・シンが歌うオーストリアの作曲 家、ヴォルフ、シューベルト、R・シュトラウス、マーラーの歌曲と中国の作曲家たちの歌曲が中心に収録されています。 ワン・シンは、ウィーン市立音楽芸術大学の教授であり、以前はウィーン・フォルクスオーパーのキャスティング・ディレクターを務めていたため、オーストリアの聴 衆にはおなじみの存在。また、オペラ指揮者としても国際的によく知られているデンマーク系アメリカ人のピアニスト、ニールス・ムースが、1928年にドイツで制 作したピアノ「ユリウス・フォーリヒ280」を演奏。現代のピアノとは一味違う音色をお楽しみください。アルバム・タイトルに選ばれた「Ich liebe dieses Land 私はこの地を愛す」は中国の作曲家ツァイイ・ルーの作品で、まさにコンセプトにふさわしい選曲となっています。

Capriccio
C-5501(1CD)
NX-B05
ヨアヒム・ラフ:無伴奏混声合唱曲集
混声合唱のための10の歌(1860-1874)
 1. No. 1Fruhlingsjubel 「Fruhling ist da」
 2. No. 2Ave Maria 「Die Abendglocken klingen」
 3. No. 3Und dann nicht mehr 「Der Rose Pracht hat ihren Tag」
 4. No. 4Haidelieder I 「Die Haide ist voll Licht und Luft」
 5. No. 5Haidelieder II 「Nacht voller Sterne, dunkel und lind」
 6. No. 6In Mondenglanz 「In Mondenglanz die Berge flimmern」
 7. No. 7Stilles Gluck 「Zarte Rose, still erbluhte」
 8. No. 8Schneeglockchen 「Horch, liebliches Lauten」
 9. No. 9Maitag 「Die Zweige wieder schiesen」
 10. No. 10Nachtgrus vom Rhein 「Nun alle Wipfel schlafen!」
4つのマリアのアンティフォナ WoO 027(1868)
無伴奏混声合唱のための(5-8声 ローマ・カトリック教会定旋律による)
 11. No. 1Alma redemptoris mater(6声)
 12. No. 2Ave regina coelorum(5声)
 13. No. 3Regina coeli(5声)
 14. No. 4Salve Regina(8声)
 15. Ave Maria アヴェ・マリア(8声) WoO 033 (1869)
キリエとグローリア(6声) WoO 031(1869)…世界初録音
 16. I. キリエ
 17. II. グローリア
 18. Pater noster 天にましますわれらの父よ(6声) WoO 032(1869)
バーゼル・マドリガリステン(声楽アンサンブル)
ラファエル・インモース(指)

録音:2022年2月2-5日
2022年に生誕200年を迎えたスイスの作曲家ヨアヒム・ラフ。若い頃にフランツ・リストの助手としてオーケストレーションの腕を磨き、10曲を超える交響曲 を書いてスイスを代表するシンフォニストと評価されています。優れたピアニストであったもラフはピアノ曲を含む多くの作品を遺し、それらはスイスの自然を思 わせる伸びやかな美しさと、ロマン派の伝統に連なるあたたかなサウンドによって日本でも根強い人気を獲得しています。このアルバムに収録された無伴奏 合唱曲は、どれもラフ30代終わりから40代にかけて書かれたもので、作曲家としては遅咲きだった彼が、交響曲第1番で認められた頃の充実した筆致によ る見事な作品に仕上がっています。作風はロマン派の様式に基づいていますが、ルネサンス期のポリフォニーの要素も盛り込まれています。 19世紀と20世紀の希少作品を研究する指揮者ラファエル・インモースが芸術監督を務める、スイスの声楽アンサンブル、バーゼル・マドリガリステンによる演 奏です。

ORFEO DOR
C-230072(2CD)