湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



OEHMS
(ドイツ)



※品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者
OC-010D(3CD)
シュテファン・テミング
《CD1…OC598アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713):ヴァイオリン・ソナタ集Op.5第7番-第12番(リコーダー編)》
1-5.ソナタホ長調Op.5第11番/6-9.ソナタト短調Op.5第7番(原調:ニ短調)/10-13.ソナタホ短調Op.5第8番/14-18.ソナタハ短調Op.5第10番(原調:ヘ長調)/19-22.ソナタイ長調Op.5第9番/23-33.ソナタト短調「ラ・フォリア」Op.5第12番(編曲:F.M.ヴェラチーニ)

《CD2…OC772G.F.ヘンデル:紳士のフルート》
1.歌劇「リナルド」HWV7-序曲/2.歌劇「アルチーナ」HWV34-また私を喜ばせにきて/3.歌劇「ジュリオ・カエサル」HWV17-恋の矢はなつ瞳よ、君を讃えん/4.歌劇「リナルド」HWV7-麗しい青春の五月を/5.歌劇「アルチーナ」HWV34-緑の牧場よ/6.歌劇「アルチーナ」HWV34-幸福な一瞬は/7.歌劇「アルチーナ」HWV34-ミュゼット/8.歌劇「アルチーナ」HWV34-私の苦しみを信じて/9.オラトリオ「サウル」HWV53-シンフォニア/10.歌劇「アルチーナ」HWV34-君は笑止千万だ/11.歌劇「リナルド」HWV7-私を泣かせてください/12.歌劇「リナルド」HWV7-幸運の車に乗って希望が巡る/13.歌劇「ゴールのアマディージ」HWV11-私の希望/14.歌劇「リナルド」HWV7-美しい愛と気高い喜び/15-18.リコーダー・ソナタト短調Op.1-2HWV360/19.歌劇「リナルド」HWV7-声よ風よ/20.オラトリオ「アレクサンダー・バルス」HWV65-穏やかな海岸に私を

《CD3…OC795J.S.バッハ:フランス&イギリス組曲》
1.チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ第4番ハ短調BWV1017-シチリアーノ/2.ペダル練習曲BWV598/3-7.イギリス組曲第2番イ短調BWV807より<アルマンド/クーラント/サラバンド/ブーレI.U/ジグ>/8.リュート組曲ホ長調BWV1006a-前奏曲/9-15.フランス組曲第5番ト長調BWV816<アルマンド/クーラント/サラバンド/バヴォット/ブーレ/ルール/15.ジグ/16-21.フランス組曲第3番ロ短調BWV814<アルマンド/クーラント/サラバンド/アングレーズ/メヌエット-トリオ/ジグ>/22.シュープラー・コラール「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV645/23.フーガト短調BWV1000
《CD1》
シュテファン・テミング(リコーダー)
オルガ・ワッツ(ハープシコード)

《CD2》シュテファン・テミング(フルート&リコーダー)
<アンサンブル>オルガ・ワッツ(ハープシコード)
ドーメン・マリンチュチュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
リンドン・ワッツ(バロック・ファゴット)
アクセル・ヴィルフ(リュート&テオルボ)/ローレダナ・ジントーリ(バロック・ハープ)
オルガ・ミシュラ(プラルテリウム)
《CD3》
シュテファン・テミング(リコーダー)
ドーメン・マリンチュチュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
アクセル・ヴィルフ(リュート)

録音:《CD1》2007年9月17-21日スイスチューリヒ,ノイミュンスター教会
《CD2》2010年4月12-15日ドイツシ
ュタルンベルク,Malteserstift St.Josef
《CD3》2011年1月17-20日ドイツシュタルンベルク,Malteserstift St.Josef
シュテファン・テミング…1987年ケープタウン生まれ。ミュンヘンとフランクフルト大学でミヒャエル・シュナイダーにリコーダーを学ぶ。様々な音楽コンクールで優勝した後、リコーダー・アンサンブル、古楽アンサンブルに参加。様々な現代音楽作曲家も彼のために曲を書いているなど、すでに彼の演奏は「既に巨匠の域」と絶賛されています。このセットは、そんな彼のこれまでの3種類の演奏をBOXにしたものです。2007年に録音されたコレッリのソナタ集は、共演したオルガ・ワッツの見事な伴奏を得て、彼らのすばぬけたテクニックによる華麗なる装飾技法と解釈がは世界中で高く評価されたものです。第2作のヘンデルは、歌劇のメロディをリコーダーに置き換えることでまた違った世界を構築しました。第3作目のバッハでも、バッハ作品をリコーダーで演奏するために多くの趣向を凝らし、フランス組曲をはじめとしたチェンバロ作品などをリコーダーで吹いています。彼の自然な演奏は、まるでこれらの曲が「もともとリコーダーのために書かれていた」かのような錯覚を覚えるほど。自然で無理のないバッハがここにあります。

OC-011E(4CD)
ヴェラール・バルナ=サバドゥス〜OEHMS録音集
■CD1
ハッセ(1699-1783):音楽劇「捨てられたディドーネ」(1742)
 室内カンタータ「嫉妬」(1762)
ポルポラ(1686-1768):ハッセの歌劇「アルタセルセ」(1734)への追加アリア「今や嵐の雲が」
■CD2…イギリス歌曲集
パーセル:音楽が愛の糧であるならば Z. 379c
 彼女は恋し、愛をうちあけるZ. 413
 歌劇「インドの女王」Z. 630 -第3 幕恋の病から逃れようとしても
 劇音楽「エディプス、テーベの王」Z. 583 -つかの間の音楽
 新しいグラウンドホ短調Z. T682
 劇音楽「パウサニアス、または国を裏切った者」Z. 585 -バラの花よりも甘く
 「おお孤独よ、我が甘き選択」Z. 406
アンソニー・プール(?-1692):聖ジュスナティナス
ニコラ・マッティス:新しい歌のコレクション第1 巻(抜粋)
ジョン・ダウランド(1563-1626):「おお孤独よ、我が甘き選択」Z. 406
ダウランド:もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ
 私は見た、あの人が泣いているのを ダウランド:あふれよわが涙 
 愛の神よ、見つけたことがあれば話して
■CD3
ペルゴレージ:スターバト・マーテル
ラウダーテ・プエリ・ドミヌム
■CD4
モーツァルト:カストラートのためのアリア集
歌劇「偽の女庭師」K196 よりラミロのアリア「小鳥があるとき逃げ出したら」
歌劇「偽の女庭師」K196 よりラミロのアリア「ああ嬉しい希望、わが忠実な恋人」
歌劇「ルーチョ・シッラ」K135 より序曲
歌劇「ルーチョ・シッラ」K135 よりチェチ−リオのアリア「いとしい瞳よ」
歌劇「ルーチョ・シッラ」K135 よりチェチーリオのアリア「甘い喜びの一瞬を」
歌劇「皇帝ティートの慈悲」K621セストのアリア「この今のときだけでも」
歌劇「クレタの王イドメネオ」K366イダマンテのアリア「自分に罪はない」
歌劇「フィガロの結婚」K492ケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら」
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(C.T)

<CD1>
ホーフカペレ・ミュンヘン
ミヒャエル・ホフステッター(指)

<CD2>
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(C.T)
アクセル・ヴォルフ(Lute)
オルガ・ワッツ(ハープシコード)

<CD3>
テリー・ウェイ(C.T)
マインツ・ヴォーカル
ノイマイヤー・コンソート
ミハエル・ホフシュテッター(指)
<CD4>
グラーツ大O「レクリエーション」
ミヒャエル・ホフステッター(指)

録音: <CD1>2011 年6 月ミュンヘン昇天教会/<CD2>2012 年9 月12 日ドイツミュンヘン/<CD3> 2011 年3 月ドイツマインツ/<CD4>2013 年12 月2-3 日オーストリアグラーツ,シュテファニーエンザール・ライブ
1986 年ルーマニア生まれのカウンター・テナー、ヴェラール・バルナ=サバドゥス。彼がOEHMS レーベルへ録音した数々の名盤をまとめてBOX にしました。バロック期のアリアがいかに技巧的であったか、また輝かしいものであったかを認識させるにふさわしい究極の4枚組です。

OC-012F(8CD)
ヘルベルト・シュフ〜OEHMS録音集
<CD1>
シューマン:クライスレリアーナ
ラヴェル:鏡
<CD2>
ツェムリンスキー:ヴァイオリンとピアノのためのセレナーデ.イ長調
シューベルト:幻想曲ハ長調Op.159D934
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op.108
<CD3>
ラッヘンマン:シューベルトの主題と5つの変奏
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番ト長調Op.78D894
シューベルト:ピアノ・ソナタ第4番イ短調Op.164D537
ラッヘンマン:グエロ
<CD4>
シューマン:夜曲Op.23
ハインツ・ホリガー:エリス
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」
ラヴェル:夜のガスパール
モーツァルト:アダージョロ短調K540
<CD5>
シューマン:シューベルトの主題による変奏曲「あこがれのワルツの変奏曲」
シューマン:蝶々Op.2
シューマン:6つの間奏曲Op.4
シューマン:謝肉祭Op.9
<CD6>
ツェルニー:ウィーンのワルツによる変奏曲「あこがれのワルツ」Op.12
シューベルト:16のドイツ舞曲Op.83D783-第15番ヘ短調
シューベルト:12のドイツ舞曲Op.171D790-第11番変イ長調
シューベルト:36のオリジナル舞曲(最初のワルツ)Op.9D365-第6番
シューベルト:36のオリジナル舞曲(最初のワルツ)Op.9D365-第14番
シューベルト:36のオリジナル舞曲(最初のワルツ)Op.9D365-第22番
.シューベルト:16のレントラーと2つのエコセーズOp.67D734-レントラー第14番
シューベルト:34の感傷的なワルツOp.50D779-第13番イ長調
シューベルト:12のドイツ舞曲Op.171D790-第3番ニ長調
ウェーバー:舞踏への勧誘
<CD7>
ヴィクトル・ウルマン:ピアノ協奏曲Op.25
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
<CD8>
シューベルト:幻想曲「さすらい人」
ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ「1905年10月1日、街頭にて」
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番イ長調Op.120D664
ヘルベルト・シュフ(P)
<CD2>ミリヤム・コンツェン(Vn)
<CD7>オラリー・エルツ(指)ケルン西ドイツRSO

録音:<CD1>2004年10月25-27日
<CD2>2006年11月27-29日,
<CD3>2007年9月11-12日<CD4>2008年9月
<CD5>2009年12月
<CD6>2009年12月
<CD7>2011年3月21-24日
<CD8>2012年8月1-4日
1979年ルーマニア生まれのピアニスト、ヘルベルト・シュフのOEHMSレーベルへ録音した8枚のCDをまとめたBOXの登場です。シュフは2004年6月のカサグランデ国際ピアノコンクールを皮切りに、、2005年4月のロンドン国際ピアノコンクール、同じく2005年6月のベベートーヴェン国際ピアノコンクールで優勝と、その才能をまざまざと見せつけてくれました。OEHMSレーベルには2004年から録音を開始、その独特なプログラミングははもちろんのこと、彼の奏でる瞑想的な音色はとても魅力的なものです。ベートーヴェンからハインツ・ホリガーまでと、様々な時代の作品を易々と弾き分けていますが、特にシューマンやラヴェルなどには独特の魅力があります。また、ウルマンとベートーヴェンの協奏曲は各雑誌でも高く評価されたものです。
OC-013E(5CD)
ベンヤミン・シュミット/バッハ:ヴァイオリン作品全集
<CD1>
1-4.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタト短調BWV1001
5-12.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータロ短調BWV1002
13-16.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタイ短調BWV1003
<CD2>
1-5.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータニ短調BWV1004
6-9.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタハ長調BWV1005
10-16.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータホ長調BWV1006
<CD3>
1-3.ヴァイオリン協奏曲イ短調BWV1041
4-6.ヴァイオリン協奏曲ホ長調BWV1042
7-9.オーボエ・ダモーレと弦楽のための協奏曲イ長調BWV1055R
10-12.2台のヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
<CD4>1-4.ヴァイオリン・ソナタ第1番ロ短調BWV1014
5-8.ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調BWV1015
9-12.ヴァイオリン・ソナタ第3番ホ長調BWV1016
13-16.ヴァイオリン・ソナタト長調BWV1021
<CD5>
1-4.ヴァイオリン・ソナタ第4番ハ短調BWV1017
5-8.ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ短調BWV1018
9-13.ヴァイオリン・ソナタ第6番ト長調BWV1019
14-17.ヴァイオリン・ソナタホ短調BWV1023
ベンヤミン・シュミット(Vn)
クララ・デント(オーボエ・ダモーレ)…CD3:7-9
ヘルゲ・ローゼンクランツ(Vn)…CD3:10-12
ザルツブルク・モーツァルテウム・コレギウム・ツィス…CD3/ユルゲン・ガイゼ(指)…CD3
アンソニー・シピリ(ハープシコード)…CD4.5
セバスティアン・ヘス(Vc)…CD4:13-16,CD5:14-17

録音:1999年7月.9月…CD1-2
1996年4月…CD3
2000年2月…CD4-5
1968年ウィーン生まれのヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミットが1999年から2000年に録音したJ.S.バッハのヴァイオリン作品の全集をBOXにまとめたものです。卓越したテクニックと音楽性は当時から高く評価されていた彼はたびたび日本にも来日し、クラシックに留まらずジャズでも見事な演奏を披露するなど、人気も高く、最近ではONDINEレーベルでもショスターヴィチやレーガーなどを録音し、ますます活躍を期待されています。このバッハは、極めて厳しい表情を持つ無伴奏作品と、親密な雰囲気の協奏曲、ソナタとの対比が素晴らしく、彼の変幻自在な解釈、音楽性を知ることができるはずです。そして限りないバッハへの愛!音楽を奏でる歓びをも感じさせる究極の5枚組です。
OC-014EE(6CD)
北ドイツ・オルガンの巨匠たち
<CD1…OC607>
ヴィンセント・リューベック(1654-1740):オルガン作品集

1.前奏曲ハ長調LubWV10/2.前奏曲ヘ長調LubWV8/3.前奏曲とフーガハ短調LubWV6/4.いざ来たりませ、世の救い主LubWV15/5.前奏曲ト短調LubWV12/6.われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよLubWV13/7.前奏曲ホ長調LubWV7/8.前奏曲ト長調LubWV9/9.前奏曲ニ短調LubWV11
<CD2…OC627>
マティアス・ヴェックマン(1616-1674):オルガン作品集
1.第1旋法による5声の前奏曲ニ短調/2.第1旋法によるフーガニ短調/3-5.我ら貧しき罪人を/6.トッカータハ長調/7.カンツォンハ長調/8-14.救いはわれらに来れリ/15.「羊番のルシドール」の旋律による変奏曲/16-19.イエス・キリストよ、汝はたたえられよ/20.カンツォーナ第3番ニ短調/21.ファンタジアニ短調
<CD3…OC641>
ブルーンス/シルト:オルガン作品集

1.ニコラウス・ブルーンス(1565-1697):前奏曲とフーガト長調-前奏曲/2.メルヒオール・シルト(1593-1667):炎のように/3.ブルーンス:前奏曲とフーガ変ト長調/4-8.シルト:第1旋法のマニフィカト/9.ブルーンス:アダージョニ長調/10.シルト:いと高きところにいます神にのみ栄光あれ/11.ブルーンス:いざ来たれ、異教徒の救い主よ/12.ブルーンス:前奏曲ホ長調/13.シルト:涙のパヴァーヌ/14.ブルーンス:前奏曲変ホ長調
<CD4…OC682>
ハインリヒ・シャイデマン(1595-1663):オルガン作品集

1.前奏曲ト長調WV73/2-3.われを憐れみたまえ、おお主なる神よWV87/4-7.マニフィカトVIToni,WV19/8.カンツォーナヘ長調WV44/9.我らの救い主なるイエス・キリストWV10/10.「よい羊飼いはよみがえられた」/11-12.われらみな唯一なる神を信ずWV29/13.トッカータト長調WV43/14-17.高き天よりわれは来たれりWV69/18.涙のパヴァーヌ(ダウランドによる)WV106/19.前奏曲ニ短調WV34
<CD5…OC680>
スウェーリンク(1562-1621):オルガン作品集

1.ドリア旋法によるトッカータSwWV286/2.ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラによる4声のファンタジアSwWV263/3.ドリア旋法によるエコー・ファンタジアSwWV261/4-6.「われらみな唯一なる神を信ず」SwWV316/7.ドリア旋法による半音階的幻想曲SwWV258/8-10.詩篇第23番「Mein Huterundmein Hirt」SwWV310/11-14.いと高きところにいます神にのみ栄光あれSwWV299/15-20.われを憐れみたまえ、おお主なる神よSWV303/21-24.御子がわれらに生まれたもうSwWV315/25-31.戦いの神マルス
SwWV321/32.涙のパヴァーヌSwWV328/33.第1旋法によるトッカータ第9番SwWV296
<CD6…OC691>
ヒエロニムス&ヤコプ・プレトリウス:オルガン作品集

1-4.ヒエロニムス・プレトリウス(1560-1629):主にして日なるキリストよ/5-6.プレトリウス:Diesabsolutipraetereunt/7.プレトリウス:われらの主キリスト、ヨルダン川に来り/8-9.プレトリウス:光よ、お前の消える前に/10-12.プレトリウス:第5旋法によるマニフィカト/13.ヤコプ・プレトリウス(1586-1651):前奏曲ニ短調/14-17.プレトリウス:われらは非常時に備え/18-20.プレトリウス:全て
の人から顔を背けイ長調/21-24.プレトリウス:第3旋法によるマニフィカト
ヨーゼフ・ケレメン(Org)

<CD1…OC607>
ドイツシュターデ,聖コスマエ・エト・ダミアニ教会(コスマエ教会)フス/シュニトガー・オルガン(1668/1688)
録音:2005年7月26-28日


<CD2…OC627>
ドイツハンブルク,聖ヤコビ教会アルプ‐シュニトガー・オルガン(1693)
録音:2006年10月12-15日


<CD3…OC641>
ドイツノルデン,ルドガリ教会アルプ‐シュニトガー・オルガン(1692)
録音:2007年11月6-9日


<CD4…OC682>
スウェーデンイェテボリ,Orgrytenyakyrkaノルドドイチェ・オルガン(2000)
録音:2010年8月3-5日


<CD5…OC680>
オランダライデン,ピータース教会ファンヘーヘルビーア‐オルガン(1643/90)
録音:2012年7月19-21日


<CD6…OC691>
ドイツタンガーミュンデ,聖シュテファン教会シェーレル‐オルガン(1624)
録音:2013年8月5-7日
「北ドイツ・オルガン楽派」とは、17世紀から18世紀前半にかけて北ドイツ周辺で活躍したオルガン奏者、作曲家の総称です。この時期、ルターのコラールをはじめとした教会音楽の盛り上がりと、当時のハンザ同盟がもたらした経済的効果のおかげで、ドイツの諸都市のプロテスタント教会は競うように大規模なオルガンを設置。数多くの才能ある音楽家たちをこの地に呼び寄せることで、更なる繁栄をみることになります。またこの時期を代表するオルガン製作者の一人、アルプ・シュニットガーの銘器がハンブルクに建立されたことも、この繁栄に拍車をかけることとなったのでした。このアルバムに収録された作曲家たちは、皆、ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク(1562-1621)の流れを汲む人たちで、各々、オルガン音楽に新しい形式を取り入れ発展されることで、やがてブクステフーデやJ.S.バッハへと繋がる重要な作品を残しています。これらの作品は、OEHMSレーベルを代表する名オルガニスト、ヨーゼフ・ケレメンが10年近くの年月をかけて録音してきましたが、今回BOXにまとめることで、この偉大な作品群を一挙にお楽しみいただけます。
OC-015(9CD)
NX-D10
ワーグナーの初期歌劇集

【CD1-3】…OC940
歌劇《妖精》

【CD4-6】…OC942
歌劇《恋愛禁制》

【CD7-9】…OC941
歌劇《リエンツィ、最後の護民官》
セバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O&cho

【CD1-3】
妖精の王…アルフレッド・ライター(Bs)、アーダ…タマラ・ウィルソン(S)、アリンダル…ブルクハルト・フリッツ(T)、ツェミーナ…アーニャ・フレデリカ・ウルリッヒ(S)、フェルツァーナ…ファニータ・ラスカーロ(S)、ローラ…ブレンダ・リー(S)、モラルド…マイケル・ネイジー(Bs)、ドローラ…クリスティアーネ・カルク(S)、ゲルノット…トルステン・グリュンベル(Bs) 他
録音 2011年5月3.6日 ライヴ

【CD4-6】
シチリアの総督フリードリヒ…マイケル・ネイジー(Br)、貴族クラウディオ…チャールズ・ライド(T)、その妹イザベッラ…クリスティアーナ・リボア(Ms)、貴族ルチオ…ピーター・ブロンダー(T)、アンジェロ…フランツ・マイヤー(Br)、修道女マリアーナ…アンナ・ガブラー(S)、ブリゲーラ…トルステン・グリュムベル(Bs)、ダニエリ…シム・キーワン(Bs-Br)他
録音 2012年5月2.4日 ライヴ

【CD7-9】…OC941
コーラ・リエンツィ:教皇の公証人…ペーター・ブロンダー(T)、イレーネ:リエンツィの妹…クリスティアーネ・リボル(S)、ステファーノ・コロンナ:コロンナ家の当主…ファルク・シュトゥルックマン(Bs)、アドリアーノ:コロンナの息子…クラウディア・マーンケ(S)、パオロ・オルシーニ:オルシーニ家の当主…ダニエル・シュムツハルト(Br)、教皇の特使…アルフレッド・ライター(Bs)他
録音 2013年5月17.20日 ライヴ
ついにBOX化!ワーグナー(1813-1883)の初期歌劇集 《妖精》はカルロ・ゴッツィの原作「へび女」からワーグナー自らが台本を作成し1833年から34年にかけて書き上げた大作。中世の架空の国トラモントで起きた 若き王子アリンダルと妖精アーダの物語。アリンダルが“禁断の質問”をしてしまったために、2人に様々な苦難が降りかかるというお話で、先人であるマルシュ ナー、ウェーバー、メンデルスゾーンなどの影響が強く感じられますが、やはりワーグナーらしく、彼が生涯を通じて追求した「愛、禁じられた質問、救済」の原型が ここにあります。また音楽的にもローエングリンを思わせるメロディがあったりと、なかなか興味深い作品です。 《恋愛禁制》はワーグナーがマクデブルクで指揮者としての修業を重ねていた時代の1834年-1836年に書かれ、その直後、彼自身によってマクデブルクで初 演されています。 物語は16世紀のシチリア島パレルモ。総督フリードリヒは恋愛を禁じ、違反したものは死刑に処すとし、手始めに貴族クラウディオを捉えます。それを知った彼の 妹の修道女イザベッラはフリードリヒに助命を乞いますが、フリードリヒは「それなら恋愛の素晴らしさを教えてくれれば許してやろう」と彼女に言うのです。そこでイ ザベッラは、昔フリードリヒに捨てられたという修道女仲間のマリアーナを使ってフリードリヒを懲らしめる作戦を立てるのです。さて、物語の行く末は???ワーグ ナー唯一のオペラ・ブッファ的な作品であり、音楽も多分にヴェルディ風ではありますが、なかなか楽しめる軽いオペラです。歌手たちも伸び伸び歌い、ヴァイグレ も幾分力を緩めた楽しい音楽を奏でています。 《リエンツィ、最後の護民官》。この作品は堂々たる序曲が良く知られていますが、内容もまた豪勢なもの。最初の構想では全曲を演奏するのに5時間以上も 掛かることもあって、現在では大抵短縮版(この録音も)で上演されています。後のワーグナー作品のような半音階的な音楽ではなく、どこかヴェルディをも思 い起こさせる明快なメロディですが、甘い愛のデュエットや、攻撃的な金管楽器の使い方はワーグナー独自のものであり、ヴァイグレはそんな部分も存分に生か した、迫力ある世界を描き出しています。ベテランと若手をバランスよく配した歌手たちの歌唱にも大満足です。
OC-016J(15CD)
メルビッシュ湖上音楽祭・オペラ名演BOX


<CD1>J・シュトラウス:喜歌劇「こうもり」

<CD2>オッフェンバック:喜歌劇「パリの生活」

<CD3>カール・ツェラー:喜歌劇「小鳥売り」

<CD4>J・シュトラウス:喜歌劇「ジプシー男爵」

<CD5>レハール:喜歌劇「微笑みの国」

<CD6>エンメリッヒ・カールマン(1882-1953):喜歌劇「チャールダッシュ侯爵夫人」

<CD7>レハール:喜歌劇「ジュディッタ」

<CD8>カールマン:喜歌劇「伯爵令嬢マリツァ」

<CD9>レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」

<CD10>レハール:喜歌劇「ルクセンブルク伯爵」

<CD11>J・シュトラウス:喜歌劇「ウィーン気質」

<CD12>ラルフ・ベナツキー(1884-1957):喜歌劇「白馬亭にて」

<CD13>レハール:喜歌劇「ロシアの皇太子」

<CD14>カール・ミレッカー(1842-1899):喜歌劇「乞食学生」(
<CD15>J・シュトラウス:喜歌劇「ヴェネツィアの一夜」
<CD1>録音:1996年/アイゼンシュタイン…ペーター・エーデルマン(Br)/ロザリンデ…シルヴァーナ・ドゥスマン(S)/アデーレ…ウテ・グフレーラー(S)/イーダ…マリオン・ライナー(語り)/ファルケ博士…パウル・アルミン・エーデルマン(Br)/オルロフスキー公爵…アルトゥール・ステファノヴィッツ(C.T)/アルフレード…トーマス・リント(T)他
<CD2>録音:1997年/マクドナルド男爵…ミヒャエル・グリュックスマン(Br)/男爵夫人…イングリッド・カイザーフェルト(S)/ラウル・ドゥ・ギャルドフー…アンドレアス・シントラー(Br)/ボビネ…クラウス・ハンネス・ブロック(T)/メテラ…マルティナ・セラフィン(S)/ブラジル人…ゲッツ・ツェーマン(ヴォーカル)/フリック…ヴォルフガンク・グラツマイアー(T)他
<CD3>録音:1998年/公爵夫人マリー…イングリッド・ハーベルマン(S)/アデライーデ…マリカ・リヒター(S)/ヴェプス男爵…エドゥアルド・レーマン(Br)/スタニスラス伯爵…イェルク・シュナイダー(T)/アダム…セバスティアン・ラインターラー(T)/クリステル…ビルギット・シュタインベルガー(S)/ズュフレ&ヴュルムヒェン…ムッケンシュトルンツ&バムシャーブル他
<CD4>録音:2000年
ホモナイ伯爵…ペーター・エーデルマン(Br)/カルネロ伯爵…ハインツ・ツェドニク(T)/ザッフィ…マルティナ・セラフィン(S)/シャンドール・バリンカイ…ハリー・ファン・デル・プラス(T)/カールマン・ジュパン…ヘルムート・ペルガー=トゥーナ(Bs)/アルゼーナ…クリスティアン・バート(S)/ツイプラ…エレナ・バトゥコーヴァ(Ms)他
<CD5>録音:2001年/リヒテンフェルス伯爵…ハラルド・セラフィン(Br)/リーザ…エリザベート・フレッフル(S)/グスタフ・フォン・ポッテンシュタイン伯爵…ディートマール・ケルシュバウム(T)/スー・チョン殿下…チョイ・サンゴー(T)/ミー…ユウコ・ミタニ(S)/チャン…田辺とおる(Br)/宦官長…ギデオン・ジンガー(語り)
<CD6>録音:2002年/シルヴァ・ヴァレスク…マルティナ・セラフィン(S)/エドウィン・ロナルド…フェルディナント・フォン・ボトマー(T)/シュタージ…ケルスティン・グロトリアン(S)/ボニ・カンチャヌ伯爵…アドリアン・エロート(Br)/レオポルト伯爵…ハラルド・セラフィン(Br)/アンヒルテ…ミリャーナ・イロシュ(Ms)/フェリ・バチ…フリジェス・ハルシャーニ他
<CD7>録音:2003年/ジュディッタ…ナターリア・ウシャコーワ(S)/オクターヴィオ…メールツァド・モンタツェーリ(T)/ピエッリーノ…マルクス・ハインリヒ(T)/アニータ…ユリア・バウアー(S)
<CD8>録音:2004年/伯爵令嬢マリッツァ…ウルズラ・プフィッツナー(S)/ポプレスク…ゲルハルト・エルンスト(Br)/ジュパン男爵…マルコ・カトール(T)/タシロ伯爵…ニコライ・シューコフ(T)/リーザ…ユリア・バウアー(S)他
<CD9>録音:2005年/ミルコ・ツェータ男爵…アルフレート・スラーメク(Bs)/ハンナ・グラヴァリ…マルガリータ・デ・アレリャーノ(S)/ヴァランシエンヌ…ビルギット・シュタインベルガー(S)/ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵…マティアス・ハウスマン(Br)/カミーユ・ド・ロジヨン…マルワン・シャミエー(T)/カスカーダ子爵…ダニエル・セラフィン(T)/ラウール・ド・サンブリオシュ…アレクサンダー・クリンガー(T)他
<CD10>録音:2006年/ルクセンブルク伯爵ルネ…ミヒャエル・ズットナー/バジール・バジロヴィッチ侯爵…アルフレード・スラーメク(Bs)/スターサ・ココソワ…マリカ・リヒター(S)/アルマン・ブリサード…マルコ・カトール(T)/アンジェール・ディディエ…ルート・オールマン(S)/ジュリエッテ・ヴェルモント…アナ=マリア・ラビン(S)他
<CD11>録音:2007年
ギンデルバッハ侯爵…ロルフ・ボルラート(Bs)/ツェドラウ伯爵…クリスティアン・ツェンカー(ヴォーカル)/ガブリエーレ…ウルズラ・プフィッツナー(S)/フランツィスカ・カリアリ…マルガレータ・クロブチャール(S)/カーグラー…アレクサンダー・グリル(ヴォーカル)/ペピ・プライニンガー…ルネ・シュッテングルバー(S)/ヨーゼフ…ダニエル・セラフィン(T)
<CD12>録音:2008年/レオポルド…マティアス・ハウスマン(バリトン)/ヨゼファ…インゲボルク・シェップ(S)/ジードラー博士…マルコ・イェンチュ(T)/ヴィルヘルム・ギーゼッケ…クラウス=ディーター・レルヒェ(Bs)/オッティーリエ…アニャ=カタリナ・ヴィッガー(S)/ジギスムント・シュルツハイマー…セルジュ・ファルク(ヴォーカル)/皇帝フランツ・ヨーゼフ2世・・アルベルト・ルエプレヒト(T)他
<CD13>録音:2010年/ロシアの皇太子…ティベリウス・シム(T)/ソーニャ…アレクサンドラ・ラインプレヒト(S)/大公…ハラルド・セラフィン(バ
リトン)/イワン…マルコ・カトール(T)/マーシャ…ジークリンデ・フェルトホファー(S)他
<CD14>録音:2013年/サイモン・ライマノヴィツ…ミルコ・ロシュコウスキ(T)/ヤン・ヤニッキ…エルヴィン・ベラコヴィッチュ(Br)/パルマティカ侯爵夫人…リンダ・プレヒ(S)/ラウラ…コルネリア・ツィンク(S)/ブロニスラヴァ…アロドリアーヌ・クヴァイロツ(S)/オルレンドルフ…ヘンリク・ベーム(Br)他
<CD15>録音:2015年
ウルビーノ公爵グイド…ヘルベルト・リッペルト(T)/カラメッロ…リヒャルト・ザメク(T)/エンリーコ・ピセッリ…オットー・ヤウス(T)/デラックア…ハインツ・ツェドニク(T)/バルバラ…ダグマー・シェレンベルガー(S)/バルバルッチオ…ジョエシ・プロコペッツ(バリトン9/アグリコーラ…ヴェレーナ・シャイツ(ヴォーカル)他

メルビッシュ祝祭O&cho
ルドルフ・ビーブル(指)…CD1-CD12
ヴォルフディーター・マウラー(指)…CD13
ウーヴェ・タイマー(指)…CD14
アンドレアス・シュラー(指)…CD15
1955年にウィーン国立歌劇場の歌手ヘルベルト・アルゼンが構想し、2年の準備期間を経て1957年に第1回の音楽祭が開催されたという「メルビッシュ湖上音楽祭」。毎年夏、オーストリアとハンガリーにまたがる大きなノイジードル湖に特設ステージが作られ、人々は蚊取り線香を携帯しながら、ここで上演される喜歌劇やミュージカルを大いに楽しむのが恒例となっています。1993年にはウィーンフォルクスオーパーのバリトン歌手ハラルド・セラフィンが総監督に就任、指揮者もルドルフ・ビーブルが担当。セラフィンは2013年に勇退するまで、様々な役を歌い大喝采を浴びています。現在の総監督には2015年の「ヴェネツィアの一夜」でバルバラ役を担当したソプラノ、シェレンベルガーが就任しており、今後一層の賑わいが期待されています。これらのCDは、音楽祭のおみやげとして、あらかじめ公演の前に収録されたもので、長い舞台も全て短縮、聴きどころが濃縮されたすぐれものです。

OC-017(5CD)
NX-C05
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集
アノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K282
ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K310
ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K330
ピアノ・ソナタ 第17番 変ロ長調 K570
ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調 K280
ピアノ・ソナタ 第9番 ニ長調 K311
ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調K332
ピアノ・ソナタ 第16番 ハ長調 K545
ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 K279
ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調「トルコ行進曲付き」K331
ピアノ・ソナタ 第15番 K533+K494
ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 K281
ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調 K283
ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調 K333
ピアノ・ソナタ 第18番 ニ長調 K576
ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 K284
ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 K309
幻想曲 ハ短調 K475
ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K457
ウィリアム・ヨン(P)

録音:2013年3月1-3日、2014年10月28-30日、2015年6月23-25日、2016年4月30日-5月2日、2016年12月8-10日
若き韓国のピアニスト、ウィリアム・ヨンによるモーツァルト:ピアノ・ソナタ全集。 ヨンは韓国とアメリカでピアノを学び、ハノーヴァー大学へ留学、アンドレアス・シュタイアーやメナヘム・プレスラーに師事し研鑽 を積みました。 以前、全集録音の進行中に、雑誌のインタビューで「多くの人にとってモーツァルトはしばしば同じように聞こえるかもしれませ んが、私はそう思いません。私はモーツァルトが音楽の中で感情や色彩をどのように表現したのかを示したいと思います。」と 語った通り、この全集には、現在の彼が表現したかったものの全てが込められています。 ドイツの音楽誌「Fono Forum」2015年5月号では「彼のモーツァルトはツァハリアスの明快さ、ブレンデルの洗練されたニュ アンス、バレンボイムの温かい響き、全てを兼ね備えている」と絶賛されています。
OC-018(6CD)
NX-C05
南ドイツ・オルガンの巨匠たち
【CD1】
ヨハン・カルパール・ケルル(1627-1693):オルガン作品集

【CD2】
ゲオルク・ムッファト(1653-1704):音楽とオルガンの資料
トッカータ 第1番-第9番

【CD3】
ムッファト:音楽とオルガンの資料
1-3.トッカータ 第10番-第12番
4.チャコーナ
5.パッサカリア
6.Nova Cyclopeias Harmonica

【CD4】
ヨハン・パッヘルベル:オルガン作品集

【CD5】
ブクスハイムのオルガン曲集

【CD6】
ハンス・レオ・ハスラー(1564-1612):オルガン作品集
ヨゼフ・ケレメン(Org)

【CD1】
録音:2004年4月20-23日エゲダヒャー・オルガン(1708)
【CD2】
録音:2004年11月17-18日 Augustiner-Chorherrenstift, Klosterneuburg, Austria
【CD3】
録音:2004年10月19-20日 Augustiner-Chorherrenstift, Klosterneuburg, Austria
【CD4】
録音:2005年11月7-8日 Augustiner-Eremiten-Kirche Pappenheim, Germany
【CD5】
録音:2009年4月22-23日 作者不詳のオルガン(1425頃)St. Andreaskirche, Soest-Ostonnen…1-14
2008年11月5-6日 エーベルト・オルガン(1558) Hofkirche Innsbruck…15-27
【CD6】
録音:2014年8月12-14日 ヨハネス・フロイント・オルガン(1642) Stiftskirche Klosterneuburg, Austria…1-12
2016年10月19-20日 マルクス・ギュンツアー・オルガン(1609) St.Martin Gabelbach, Germany…13-18
このアルバムにおける「南ドイツ」というのは、ドイツ語圏の南部、オーストリアとスイスの一部からポーランド、ボヘミア、トランシ ルバニアの東ヨーロッパ地域の一部までを含む、広範囲を指します。 この6枚組のBOXには、16世紀から17世紀にかけてこの地で活躍した作曲家たちのオルガン作品と、1460-70年頃に成 立した作品集「ブクスハイムのオルガン曲集」(バイエルン州のブクスハイム修道院に伝えられてきた256曲からなる曲集。作 曲家名のほとんどは不詳)を収録。南ドイツのオルガン音楽の伝統を辿る貴重なBOXです。演奏しているケレメンは1986 年以来、この地方の教会音楽を研究し、演奏活動にも熱心に取り組んでおり、このBOXは長年の研究の成果とも言える ものです。
OC-019(20CD)
NX-E08
ベンヤミン・シュミット/OEHMSへの録音全集
■CD1 
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク:ロマンス ヘ短調 Op.11
■CD2 私の好きなパガニーニ*未発表音源
パガニーニ:魔女たちの踊り(クライスラー編)
ナタン・ミルシテイン(1904-1992):パガニーニ変奏曲
パガニーニ:カンタービレ
 ロッシーニの「シンデレラ」の「悲しみよ去りゆけ」による序奏と変奏曲 Op.12(クライスラー編)*
 ソナタ 第12番ホ短調
 「鐘」Op.7 Allegretto grazioso(クライスラー編)
 奇想曲 Op.1 第20番(クライスラー編)
 奇想曲 Op.1 第13番(クライスラー編)
ミューレンバッハ(1949-):無伴奏ヴァイオリンのための奇想曲
タルティーニ:ソナタ「悪魔のトリル」ト短調(クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
■CD3 バッハ:リフレクテッド*未発表音源
バッハによるインプロヴィゼーション
前奏曲(シュミット編)
Sweet’n Loure(バッハ&ベンヤミン・シュミット)
Let’s Gavotte!(バッハ&ベンヤミン・シュミット)
Andante autonom(ベンヤミン・シュミット)
Adagio c# minor(バッハ=ベンヤミン・シュミット編)
Youkali(クルト・ヴァイル)
Well tempered Extension(バッハ&ベンヤミン・シュミット)
All the things you are(ジェローム・カーン)
Breins Knights(ブラインシュミット) ライヴ!
Biber Extensions(ベンヤミン・シュミット)
Adagio C major(バッハ=シュミット編)
Caravan(ティツォル=ベンヤミン・シュミット編)
Nuages(ジャンゴ・ラインハルト)
■CD4 コルンゴルト:作品集
(1)ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(2)歌劇「ヘリアーネの奇跡」Op.20-ヘリアーネの歌(ヴァイオリンとピアノ編)
 組曲「空騒ぎ」Op.11
(3)組曲 Op.23(2台のヴァイオリン、チェロ、左手ピアノのための)
■CD5 
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
シューマン:幻想曲 Op.131
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
■CD6 
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ルトスワフスキ:チェーン2-ヴァイオリンとオーケストラの対話
■CD7 グラッペリへのオマージュ
1.スーヴェニール/2.スウィング39
3.ナイト・アンド・デイ
4.マノワール・ドゥ・メ・レーヴ
5.ティアーズ/6.トラブラント・ボレロ
7.バイ・ディア・ヴァール・エス・インマー・ゾー・シェーン
8.タイム・オン・マイ・ハンズ
9.エンブレイサンブル・ユー
10.スウィート・ジョージア・ブラウン
11.ハニーサックル・ローズ
12.プレイス・ブローケア
13.ファッシネイティング・リズム
14.スウィート・コーラス/15.ヌアージュ
16.ノクターン
全て「ベニ」・シュミットのアレンジによる
■CD8 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
ソナタ イ長調 K526/ソナタ ト長調 K301
ソナタ ト長調 K9/ソナタ 変ロ長調 K378
■CD9 
ゴルトマルク:ヴァイオリン協奏曲第1番
ブラームス:二重協奏曲 イ短調 Op.102
■CD10 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 Op.30(3曲)
■CD11 
ヴィヴァルディ:合奏協奏曲「四季」
パガニーニ=クライスラー:ヴァイオリン協奏曲 第1番ニ長調 Op.6 第1楽章(協奏曲の1楽章)
■CD12 クライスラー:オリジナル作品とジャズ・トリオのための編曲
ウィーン風狂想的幻想曲
ジプシー奇想曲/ジプシーの女
蓮の花の国(原曲:シリル・スコット)
スペイン舞曲 第1番(原曲:マヌエル・デ・ファリャ)
イン・パラディエス(原曲:クラカウアー)
メヌエット Op.14-1(原曲:パデレフスキ)
真夜中の鐘(原曲:ホイベルガー)
クープランの様式によるルイ13世の歌とパヴァーヌ
精霊の踊り(原曲:グルック)
プニャーニの様式によるプレリュードとアレグロ
愛の悲しみ/美しきロスマリン
オールド・リフレイン
■CD13 バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集
ソナタ 第1番ロ短調 BWV1014
ソナタ 第2番イ長調 BWV1015
ソナタ 第3番ホ長調 BWV1016
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021
■CD14 バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集
ソナタ 第4番ハ短調 BWV1017
ソナタ 第5番ヘ短調 BWV1018
ソナタ 第6番ト長調 BWV1019
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023
■CD15 バッハ:無伴奏ヴァイオリンためのソナタとパルティータ集
ソナタ 第1番ト短調 BWV1001
パルティータ 第1番ロ短調 BWV1002
ソナタ 第2番イ短調 BWV1003
■CD16 バッハ:無伴奏ヴァイオリンためのソナタとパルティータ集
パルティータ 第2番ニ短調 BWV1004
ソナタ 第3番ハ長調 BWV1005
パルティータ 第3番ホ長調 BWV1006
■CD17 イザイ:無伴奏ヴァイオリンのための6つのソナタ OP.27
■CD18 ブラームス:作品集
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
ピアノ四重奏曲 第3番ハ短調 Op.60
■CD19 バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV1042
協奏曲 イ長調 BWV1055R(オーボエ・ダ・モーレと弦楽のための)
2台のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
■CD20 コンサート・ピース
バッツィーニ:妖精の踊り Op.25
イザイ:ワルツ形式の練習曲(ヴァイオリンとピアノ編)
パガニーニ:カンタービレ ニ長調 Op.17
ブラームス:ハンガリー舞曲 第7番
 ハンガリー舞曲 第20番
フバイ:カルメンによる華麗な幻想曲 Op.3-3
チャイコフスキー:感傷的なワルツ Op.51-6
ガーシュウィン:3つの前奏曲(ハイフェッツ編)
ミクロシュ・スクタ(1960-):トッカータ
ミヨー:屋根の上の牝牛 Op.58-シネマ・ファンタジー
■CD1 
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ティボール・ボガーニ(指)
パノンPO
録音:2017年10月1日 ハンガリー、ペチェ コダーイ・センター

■CD2
ベンヤミン・シュミット(Vn)
リサ・スミルノヴァ(P)
アリアーヌ・ヘーリング(P)
録音:2001年7.8.10月
2013年1月 *

■CD3
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ゲオルク・ブラインシュミット(Cb)
ディクヌ・シュネベルガー(G)
スティアン・カーステンセン(アコーディオン)
ミクロシュ・スクタ(P)
内山 詠美子(マリンバ)
録音:2009年5月,2010年4.5月 Sonic Flow Studios, Salzburg
2008年 ザルツブルク国際バッハ祝祭音楽祭・ライヴ収録

■CD4
(1)ベンヤミン・シュミット(Vn)
 小澤征爾(指)VPO
 録音:2004年7月24日 祝祭大劇場
(2)ダヴィッド・フリューヴィルト(Vn)
 ヘンリー・ジークフリートソン(P)
録音:2004年8月1日 モーツァルテウム
(3)ベンヤミン・シュミット(Vn)
 ハンナ・ヴァインマイスター(Vn)
 クヴィリーネ・フィールゼン(Vc)
 ジルケ・アヴェンハウス(P)
 録音:2004年8月12日 モーツァルテウム

■CD5 
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ダニエル・ライスキン(指)
ライン州立PO
録音:2007年12月、2008年2月

■CD6 
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ダニエル・ライスキン(指)
ワルシャワPO
録音:2006年12月21.22日
2006年2月14.15日

■CD7
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ゲオルク・ブラインシュミット(Cb)
エディ・ケールドルファー(G)
ビレリ・ラグエレーネ(アコースティック・ギター)
エルンスト・ライゼガー(Vc)
録音:2003年11月1日,2004年6月22日

■CD8
ベンヤミン・シュミット(Vn)
アリアーヌ・ヘーリング(P)
録音:2004年1月17-20日Salle de Musique, La Chauxde-Fonds,Switzerland

■CD9 
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ラモン・ヤーフェ(Vc)
ダニエル・ライスキン(指)
ヴィトルト・ルトスワフスキPO
録音:2003年12月8-9日、2004年4月5日

■CD10
ベンヤミン・シュミット(Vn)
アルフレード・パール(P)
録音:2003年4月28-29日.6月15日Bayerischer Rundfunk, Studio 2, Munich

■CD11 
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ユベール・スダーン(指)
カメラータ・ザルツブルク
ザルツブルク・モーツァルテウムO
録音:2001年9月、2001年7.8.10月

■CD12
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ミクロシュ・スクタ(P)
ビレーリ・ラグレーネ(G)
ゲオルク・ブラインシュミット(Cb)
録音:2006年5月3日

■CD13
ベンヤミン・シュミット(Vn)
アントニー・スピリ(Cemb)
セバスティアン・ヘス(Vc)
録音:2000年2月15-19日
Kleine Kollegiumskirche Kalksburg, Vienna

■CD14
ベンヤミン・シュミット(Vn)
アントニー・スピリ(Cemb)
セバスティアン・ヘス(Vc)
録音:2000年2月15-19日

■CD15
ベンヤミン・シュミット(Vn)
録音:1999年7月12-15日,9月7-10日

■CD16
ベンヤミン・シュミット(Vn)
録音:1999年7月12-15日,9月7-10日

■CD17
ベンヤミン・シュミット(Vn)
録音:1998年6月.9月Remigiuskirche, Nagold

■CD18
ベンヤミン・シュミット(Vn)
クリスティアン・マンデル(指)
ジョルジュ・エネスコ・ブカレストPO
プロ・アルテ四重奏団
録音:1996年7月10-12日
1996年6月2-4日Athenaum, Bucharest

■CD19
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ヘルゲ・ローゼンクランツ(Vn)
クララ・デント(オーボエ・ダ・モーレ)
ユルゲン・ガイス(指)
ツィス・コレギウム・モーツァルテウム・ザルツブルク
録音:1996年4月26-28日Volksschule Aigen,Salzburg

■CD20
ベンヤミン・シュミット(Vn)
リサ・スミルノヴァ(P)
ミクロシュ・スクタ(P)
録音:2001年4.7月
1968年ウィーンで生まれ、数々のコンクールを制し世界中で活躍するヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミット。彼の50 歳を記念して製作されたこのBOXには彼がOEHMSレーベル(旧ARTE NOVAレーベルも含む)への録音が集大 成されています。18枚は既にリリースされたものですが、CD2の「私の好きなパガニーニ」とCD3の「バッハ:リフレクテッ ド」は未発表音源であり、今回のBOX化のために特別にリリースが承認されたというアルバムです。クラシックだけでな く、ジャズ、クロスオーヴァーの分野でも素晴らしい才能を発揮するシュミットの魅力が詰まった究極のBOXです。

OC-025G(12CD)
ブルックナー:交響曲全集
(1)交響曲ヘ短調「習作」
(2)序曲ト短調
(3)交響曲第0番
(4)弦楽四重奏曲ヘ長調-アダージョ
(5)交響曲第1番ハ短調
(6)交響曲第2番ハ短調
(7)交響曲第3番ニ短調
(8)交響曲第4番「ロマンティック」
(9)交響曲第5番変ロ長調
(10)交響曲第6番イ長調
(11)交響曲第7番ホ長調
(12)交響曲第8番ハ短調
(13)交響曲第9番ニ長調
ザールブリュッケン放送SO
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)

録音:(1)(2)2001年3月6-10日
(3)(4)1999年3月22-25日
(5)1995年6月13-18日
(6)1995年6月13-18日
(7)1996年10月
(8)1998年10月25-28日
(9)1996年5月31日-6月3日
(10)1997年3月3-4日
(11)1991年9月27.29日
(12)1993年10月8.9日
(13)2001年1月12-18日
定評あるスクロヴァチェフスキのブルックナー(1824-1896)交響曲全集。緊張感に満ちたフレーズ、うねる低音域、そして計算され尽したフォルムと、どの曲も正統派でありながら、聴くたびに新しい発見があるのが、スクロヴァチェフスキの創り出す音楽です。これからブルックナーを聴いてみようと考えている人にもぜひオススメしたい全集です。
OC-026E07(12CD)
ブルックナー:交響曲全集
(1)交響曲ヘ短調「習作」WAB99
(2)交響曲第0番ニ短調WAB100
(3)交響曲第1番ハ短調WAB101
(4)交響曲第2番ハ短調WAB102
(5)交響曲第3番ニ短調WAB103
(6)交響曲第4番「ロマンティック」
WAB104
(7)交響曲第5番変ロ長調WAB105
(8)交響曲第6番イ長調WAB106
(9)交響曲第7番ホ長調WAB107
(10)交響曲第8番ハ短調WAB108
(11)交響曲第9番ニ短調WAB109
シモーネ・ヤング(指)
ハンブルクPO

録音:(1)2013年2月22-26日
(2)2012年5月20-21日
(3)2010年1月
(4)2006年3月12-13日
(5)2006年10月14-16日
(6)2007年12月1-3日
(7)2015年3月1-2日
(8)2013年12月14-16日
(9)2014年8月29日,30日
(10)2008年12月14-15日
(11)2014年10月25-27日
ハンブルクライスハレ
日本では「ブルックナーは女性に人気がない=女性にはブルックナーを理解するのが難しい」というのが定説であり、演奏会場でも公演曲目がブルックナーの場合は、聴衆のほとんどが男性という状況の中、このシドニー出身の女性指揮者、シモーネ・ヤングのブルックナーは新譜が出る毎に、素晴らしい評価を得てきました。もともと歌劇場で鍛錬を積んできたヤングが得意とする作曲家はワーグナーやマーラー、そしてブルックナーなど後期ロマン派を代表する人たちであり、このブルックナー全集における、新鮮な音響と溢れる歌心、スケールの大きな解釈は他に類を見ません。初期の作品では異稿版も積極に取り上げ、後期の作品では緻密な構成と壮大な響きを生かした演奏は、BOX化が待たれていたものです。
OC-027H(8CD)
チャイコフスキー:交響曲全集
<CD1>
マンフレッド交響曲ロ短調Op.58
<CD2>
交響曲第1番「冬
の日の幻想」
劇付随音楽「雪娘」op.12より
<CD3>
交響曲第2番「小ロシア」
ロココ風の主題による変奏曲
アンダンテ・カンタービレ
<CD4>
交響曲第3番「ポーランド」Op.29
バレエ音楽「眠りの森の美女」組曲
<CD5>
交響曲第4番ヘ短調Op.36
イタリア奇想曲Op.45
<CD6>
交響曲第5番ホ短調
歌劇「スペードの女王」序曲
<CD7>
交響曲第6番ロ短調「悲愴」
<CD8>
交響曲変ホ長調(S.ボガティレフによる補筆完成版)
ピアノ協奏曲第3番Op.75
ドミートリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO
>レオナルド・エルシェンブロイヒ(Vc)
リーリャ・ジルベルシュテイン(P)

録音:<CD1>2009年3月29-31日
<CD2>2009年11月8-10日、2011年12月
<CD3>2009年3月29-31日
<CD4>2010年11月、2011年12月
<CD5>2010年11月
<CD6>2011年3月20-22日
<CD7>2010年1月
<CD8>2012年4月、2013年5月
サンクトペテルブルクに生まれ、レニングラード音楽院、モスクワ音楽院で学び、その後、ウィーン音楽アカデミーでハンス・スワロフスキーに師事したという、指揮者ドミトリー・キタエンコ。彼の演奏はどれもメリハリのある重厚なものとして知られ、これまでにもショスタコーヴィチやプロコフィエフの交響曲全集は大人気を博しています。このチャイコフスキー(1840-1893)の交響曲全集も、素晴らしい演奏であり、それはCD1の「マンフレッド交響曲」を聴いただけでも明らかです。各々の楽章の性格の描き分けはもちろんのこと、音楽の隅々までもが明解で説得力に溢れています。全てがすっきりと見通しが良く、美しいところはひたすら美しく、また激しいところは恐ろしいほどに激しいというメリハリのある演奏です。全ての交響曲がそんな確信に裏打ちされており、また要所要所に挟み込まれた序曲などの管弦楽曲と、あまり聴く機会のないピアノ協奏曲変ホ長調も、、驚くばかりの名演です。
OC-029GG(13CD)
マーラー:交響曲全集


(1)交響曲第1番ニ長調

(2)交響曲第2番ハ短調

(3)交響曲第3番ニ短調

(4)交響曲第4番ト長調

(5)交響曲第5番嬰ハ短調

(6)交響曲第6番イ短調

(7)交響曲第7番ホ短調

(8)交響曲第8番変ホ長調

(9)交響曲第9番ニ長調

(10)交響曲第10番嬰ヘ長調
全て、ケルン・ギュルツェニヒO
マルクス・シュテンツ(指)

(1)録音:2011年7月3-5日
(2)クリスティアーネ・エルツェ(S)/ミヒャエラ・シュースター(Ms)/ケルン・カルタウザー・カントライ/ケルン・バッハCho他/録音:2010年10月23-27日
(3)ミヒャエラ・シュースター(A)/ケルン大聖堂児童Cho/ケルン・オペラCho/録音:2010年7月4-6日
(4)クリスティアーネ・エルツェ(S)/録音:2009年8月23-26日.12月28-29日
(5)録音:2009年1月26-29日
(6)録音:2013年11月10-12日
(7)録音:2012年6月23-27日
(8)バーバラ・ハーフェマン(S…罪深き女)/オーラ・ボイラン(S)/クリスティアーネ・エルツェ(S…懺悔する女)/アンナ・パリミナ(S…栄光の聖母)/ペトラ・ラング(Ms…サマリアの女)/マリア・ラドナー(A…エジプトのマリア)/ブランドン・ヨヴァノヴィッチ(T…マリア崇敬の博士)/ハンノ・ミュラー=ブラッハマン(Br…法悦の教父)/ギュンター・グロイスベック(Bs…瞑想する教父)/ケルン大聖堂児童Cho/ケルン・バッハ・ヴォーカル・アンサンブル/ケルン大聖堂Cho/ケルン・カントライ/ボン市フィルハーモニーCho/ケルン大聖堂声楽アンサンブル
録音:2011年9月23-27日
(9)録音:2014年1月
(10)録音:2011年6月
2010年の来日時は、N響とマーラー(1860-1911)の「復活」を演奏。そのドラマティックな解釈と、N響から極めて精緻な響きを引き出したことで大絶賛された指揮者マルクス・シュテンツと、ケルン・ギュルツェニヒOによる記念碑的なマーラーの交響曲全集です。2009年から2014年にかけて進行したこの録音、どの曲にからもシュテンツの拘り(異稿版なども含めたスコアを徹底的に研究)が感じられるもので、もちろん全体の構築だけでなく、細部の至るところにまで気を配った完成度の高いものです。録音も素晴らしく、第6番や第3番で際立つキレのよさや、合唱が含まれる第2番、第8番での透明度の高い響きも特筆すべき点といえるでしょう。
OC-030(3CD)
NX-B09
ブラームス:交響曲全集
交響曲第1番ハ短調Op.68(1876)
交響曲第2番ニ長調Op.73(1877)
悲劇的序曲ニ短調Op.81(1880)
交響曲第3番ヘ長調Op.90(1883)
交響曲第4番ホ短調Op.98(1884/1885)
シモーネ・ヤング(指)
ハンブルクPO

録音:2007年3月11-12日、2008年3月、2010年1月、2009年10月8-10日
2007年から2010年にかけて録音されたシモーネ・ヤングのブラームス交響曲全集。 シドニーに生まれ、1985年に地元のオペラハウスでデビュー、その翌年ドイツに渡ってからは各地の歌劇場で経験を重ね、2005年にハ ンブルク国立歌劇場の総支配人とハンブルク・フィルの音楽総監督に就任、その手腕を存分に発揮し始めた頃から取り組んだこのブ ラームス、重厚な響きの中にも躍動感を抱かせた第1番、瑞々しい響きが美しい第2番、流麗さが目立つ第3番、古典的な形式を重 視しながらも新しい道を探る4番と、考え抜かれたアプローチによる演奏です。
OC-031(9CD)
NX-C05
ブルックナー:交響曲全集
交響曲 第1番 ハ短調 WAB101 LINZER FASSUNG1865/66
交響曲 第2番 ハ短調 WAB102 FASSUNG VON 1872
交響曲 第3番 ニ短調 WAB103 FASSUNG VON 1889
BEARBEITUNG VON DR. LEOPOLD NOWAK
交響曲 第4番 変ホ長調 WAB104 BEARBEITUNG VON DR. LEOPOLD NOWAK
交響曲 第5番 変ロ長調 WAB105
交響曲 第6番 イ長調 WAB106
BEARBEITUNG VON DR. LEOPOLD NOWAK
交響曲 第7番 ホ長調 WAB107
交響曲 第8番 ハ短調 WAB108 FASSUNG VON 1890.BEARBEITUNG VON DR.LEOPOLD NOWAK
交響曲 第9番 ニ短調 WAB109
1894年初稿(ノヴァーク版)ベンヤミン=グンナー・コールス補筆による4楽章完成版
アイヴォー・ ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
スクロヴァチェフスキ、ヤ ングに次ぐ「OEHMSレーベル:ブルックナー・ツィクルス」の第3集はイギリ スの指揮者アイヴォー・ボルトンが指 揮したザルツブルク・モーツァルテウムOの演奏。 1982年からグラインドボーン音楽祭の指揮者を務めるとともに 、1984年からはピリオド楽器を使用したセント・ジェイムズ・バロック・ プレイヤーズを結成したボルトン。現代から古楽まで幅広いレ パートリーを有しており、このブルックナーの演奏も、ピリオド奏法を取り 入れた軽やかで透明感ある響きが特徴的。従来のような重厚な 響きを重んじる聴き手の耳にも新鮮な風を送り込んだことで知ら れる演奏です。

OC-055
ハイドン:ピアノ・ソナタ集
ソナタハ短調Hob.XVI:20
ソナタロ短調Hob.XVI:32
ソナタホ短調Hob.XVI:34
ソナタ嬰ハ短調Hob.XVI:36
ソナタト短調Hob.XVI:44
ベルント・グレムザー(P)

録音:2015年12月1-3日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
NAXOSレーベルにも、シューマン、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチなど数多くの録音があるドイツのピアニスト、ベル ント・グレムザーの新録音。ドイツ国内では“ピアノの魔術師”と称えられているグレムザー、OEHMSレーベルには更に多彩 なレパートリーを録音しています。前作のメンデルスゾーンは、彼自身において最善の出来映えとのことでしたが、今回のハ イドン(1732-1809)はそれ以上に力が入っています。バッハの時のように、ショスタコーヴィチを組み込んだ「前奏曲とフ ーガ」(OC738)や「バッハ作品のトランスクリプション」(OC706)といった企画物ではなく、真っ向からハイドンに取り組 んだ作品集となっています。選ばれたソナタは全て「短調」で書かれていると言うグレムザーのこだわりもお楽しみください。
OC-071
サンプラーCD付き
フランツ・アントン・ホフマイスター:ヴィオラ作品全集
ヴィオラ協奏曲変ロ長調
ヴィオラ協奏曲ニ長調
12の練習曲<第1番ハ長調/第2番イ長調/第3番ヘ長調/第4番ニ長調/第5番ト長調/第6番イ短調/第7番:変ホ長調/弟8番:ロ長調/第9番:ヘ短調/第10番:変ロ短調/第11番:嬰ヘ長調/第12番:ホ長調>

《サンプラーCD》【OEHMSクラシック】2015年秋までの名演より
1.チャイコフスキー:歌劇「イオランタ」より−オレシャ・ゴロヴネヴァ(S)
2.リヒャルト・シュトラウス:明日に‐ミヒャエラ・シュースター(S)
3.リヒャルト・シュトラウス:歌劇「影のない女」より‐第1幕の終景
4.シューマン:月夜‐アドリアン・ボワソー(Va)
5.ドヴォルザーク:ドゥムキー‐セバスチャン・クリンガー(Vc)
6.メンデルスゾーン:無言歌より‐ミヒャエル・エンドレス(P)
7.ドップラー:デュエッティーノ‐ルーデンス・トゥルク&フレンズ
8.ケクラン:遠い憧れ‐シュテファン・シッリ(Ob)
9.ラフマニノフ:交響曲第3番2楽章‐ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団/ドミトリー・キタエンコ(指)
10.マッテゾン:フーガIト長調‐アンドレア・ベネッケ(P)
11.モーツァルト:トルコ行進曲‐ウィリアム・ユン(P)
12.ヴィヴァルディ:四季より春
13.J.S.バッハ:カンタータBWV58から:トーマス・E・バウアー(Bs-Br)バス・バリトン)
14.主を待ち望むアドヴェント:ジンガー・プア
アシャン・ピライ(Va)
グルベンキアンO
クリストファー・ホグウッド(指)

録音:2003年9月3-5日リスボンファンダシオ・カロウステ・グルベンキアン,グルベンキアン・ホール

※OC334と同内容
ドイツの作曲家、フルーティストとして活躍したホフマイスター(1754-1812)。しかし、現在彼の名が知られているのは音楽出版者としての業績の方が大きいかもしれません。当時の作曲家たち…ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ヴァンハル、クレメンティなど…の作品を積極的に出版し、広めたのは彼に他ならないからです(彼の出版社はその後様々な経緯を経て、ペータース社に買収され現在に至ってます)。そんなホフマイスターの作品は、実はモーツァルトと比較されるほどの素晴らしいもので、とりわけヴィオラ作品に関しては、当時の最先端の技巧を駆使した演奏困難なものとして評価されていたようです。ここでヴィオラを演奏しているアシャン・ピライはコロンボ生まれ。ジュリアード音楽院でズーカーマンに師事し、様々なコンクールでも優勝しています。古楽に強いホグウッドの指揮も万全です。今回はこのアルバムに、2015年までのOEHMSの名演を集めたコンピレーションCDが付いています。
OC-072
OEHMSサンプラーCD付
ワーグナー:2台のオルガンのための「ニーベルングの指環」交響的組曲
■CD1.ワーグナー:2台のオルガンのための「ニーベルングの指環」交響的組曲
「ラインの黄金」‐前奏曲/ヴァルハラの情景/「ヴァルキューレ」‐ヴァルキューレの騎行/「ジークフリート」‐森のささやき/「神々の黄昏」‐葬送行進曲/ブリュンヒルデの自己犠牲
■CD2.【OEHMSクラシック】2016年春/夏の名演より
(1)ヘンツェ:「蒼い時間、セレナード」
(2)レーガー:幻想曲Op.135b
(3)ワルター・ブラウンフェルス:森の別れOp.31-1
(4)L.モーツァルト:シンフォニアト長調:第1楽章アレグロ
(5)マルティヌー:歌劇「ジュリエッタ」第2幕より
(6)R・シュトラウス:「アルプス交響曲」より日の出‐
(7)ウルマン:手紙よ、今私にOp.29-1‐
(8)モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番〜第3楽章
(9)ワーグナー:歌劇「リエンツィ」より
(10)ショスタコーヴィチ:パリのパノラマ‐デリアン:クァルテット
(11)ショスタコーヴィチ:追跡
(12)シューマン:君よ知るや南の国Op.98-1
(13)レーガー:フーガOp.135b
■CD1
ハンスイェルク・アルブレヒト(編曲・オルガン)

■CD2
(1)ケルン・ギュルツェニヒO/マルクス・シュテンツ(指)
(2)ベルンハルト・ビュットマン(Org)
(3)クラウス=フローリアン・フォークト(T)
(4バイエルン室内フィルハーモニー/ラインハルト・ゲーベル(指)
(5)ファニータ・ラスカーロ(S)
(6)フランクフルト歌劇場O/セバスティアン・ヴァイグレ(指)
(7)クリスティアーナ・ランドシャーマー(S)/ゲロルト・フーバー(P)
(8)ゾフィー=マユコ・フェッター(P)ハンブルクSO/ペーター・ルジツカ(指)
(9)マクシミリアン・シュミット(T)
(10)デリアン・クァルテット/アナトール・ウゴルスキ(P)
(11)デリアン::クァルテット/アナトール・ウゴルスキ(P)
(12)クリスティアーナ・ランドシャーマー(S)/ゲロルト・フーバー(P)
(13)ベルンハルト・ビュットマン(Org)

録音:<CD1>2006年4月30日‐5月7日ドイツ,キール聖ニコライ教会,大オルガン(カヴァリエ=コル=ムタン)
フライブルク生まれの若手鬼才オルガニストによる、ワーグナーの「指環」からの音楽を複数台オルガン用に編曲した演奏。この録音では、かつてトゥルコアン聖ニコライ教会に設置されていた大小2台のオルガンを同時に使用(1つのコンソールで、2台のオルガン演奏が可能)。5本のマイクロフォンを教会の中央の最適な場所にセッティング。更に最新録音機器とコンピュータによる多重録音で、あたかも5人のオルガニストが、10台のオルガンを一気に演奏しているように感じさせられます。このことにより、ワーグナーの管弦楽効果を、十分に引き出すことに成功しました。SACDハイブリッド盤として発売されたアルバムのリイシューですが、もちろん今回の通常盤でも録音の素晴らしさは存分に堪能できます。今回はこのアルバムに、2016年の夏までに発売されるOEHMSの名演を集めたコンピレーションCDが付いています。


OC-090(28CD)
スクロヴァチェフスキ・90歳来日BOX

《OC319》
ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14
ロメオとジュリエットOp.17〜愛の情景*

《OC306》
バルトーク:ディヴェルティメントBB118
管弦楽のための協奏曲BB123*

《OC521》
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21
交響曲第4番変ロ長調Op.60*

《OC522(2枚組)》
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調Op.36
交響曲第3番変ホ長調「英雄」Op.55*

《OC523》
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
交響曲第6番ヘ長調「田園」Op.68*

《OC524》
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
交響曲第8番ヘ長調Op.93*

《OC525》
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」

《OC408》
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68

《OC409(2枚組)》
ブラームス:交響曲第2番ニ長調Op.73
交響曲第3番ヘ長調Op.90*

《OC410》
ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98

《OC208》
ブルックナー:交響曲第00番WAB99
序曲ト短調WAB98

《OC209》
ブルックナー:交響曲第0番
弦楽五重奏曲ヘ長調〜第3楽章(スクロヴァチェフスキによる管弦楽版)

《OC210》
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調(リンツ版)

《OC211》
ブルックナー:交響曲第2番(1877年版)

《OC212》
ブルックナー:交響曲第3番(1889年版)

《OC213》
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」WAB104(1886年ノーヴァク版)

《OC214》
ブルックナー:交響曲第5番

《OC215》
ブルックナー:交響曲第6番(ノーヴァク版)

《OC216》
ブルックナー:交響曲第7番(1885年ノーヴァク版)

《OC217(2枚組)》
ブルックナー:交響曲第8番(ハース版)

《OC218》
ブルックナー:交響曲第9番(1894年原典版)

《OC326》
ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番

《OC707》
シューマン:交響曲第1番&第4番

《OC708》
シューマン:交響曲第2番&第3番変ホ長調「ライン」

《OC712》スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ自作自演集
ミュージック・アット・ナイト
ファンタジー「夜の横笛」/シンフォニー#
全て、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケン放送PO

《OC319》
録音2002年11月27-29日、2003年6月26日*

《OC306》
録音2002年11月25-26日、2002年6月10-15日*

《OC521》
録音2005年6月1-4日、2005年10月20-22日*

《OC522(2枚組)》
録音2005年6月1-3日、2005年1月15-16日*

《OC523》
録音2005年10月14-19日、2005年10月31日-11月3日*

《OC524》
録音2006年3月22-23日、2006年3月20-21日*

《OC525》
アネッテ・ダッシュ(S)
ダニエラ・シンドラム(Ms)
クリスティアン・エルスナー(T)
ゲオルク・ツェッペンフェルト(Br)
バイエルン放送Cho
録音2005年5月23-26日

《OC408》
録音2011年2月12-13日

《OC409(2枚組)》
録音2011年3月10-13日、2011年3月14-19日*

《OC410》
録音2011年3月14-16日

《OC208》
録音2001年3月6-10日

《OC209》
録音1999年3月22-25日

《OC210》
録音1995年6月13-18日

《OC211》
録音1995年6月13-18日

《OC212》
録音1996年10月

《OC213》
録音1998年10月25-28日

《OC214》
録音1996年5月31日-6月3日

《OC215》
録音1997年3月3-4日

《OC216》
録音1991年9月27.29日

《OC217(2枚組)》
録音1993年10月8.9日

《OC218》
録音2001年1月12-18日

《OC326》
エヴァ・クピーク(P)
録音2003年9月30日

《OC707》
録音2007年3月20-23日

《OC708》
録音2007年11月

《OC712》
ロスヴィータ・シュテーゲ(Fl)*
録音2005年10月29-30日、2008年6月14日*、2006年1月12-14日#
2013年10月3日に90歳(!)の誕生日を迎える「ミスターS」こと スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ。この日を記念して、OHEMS レーベルでの彼の全録音を集大成した豪華BOXを発売します。ブッ クレットには詳細な解説と数多くの写真を掲載し、指揮者、作曲家と しての偉大なる彼の足跡を辿ることができるでしょう。現在最高のブ ルックナー、ベートーヴェン指揮者であり、ユニーク過ぎる作品を発 表しつづける孤高の作曲家であるスクロヴァチェフスキの神髄がここ にあります。
OC-105A
ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲
ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII:6
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2004年3月-4月
OC-107D(4CD)
ヨハネス・トニオ・クロイッシュ

[OC-304]
ヨハネス・トニオ・クロイッシュ&マーカス・シュトックハウゼン:PANTA RHEI

[OC-241]
ヴィラ=ロボス:ギターの為のエチュード
ヒナステラ:ギター・ソナタOp.47

[OC-256]パラグアイ、スペイン、キューバの作曲家によるギター作品集

[OC-227]
ポートレイト・オブ・キューバ(テュリオ・ペラモ:作品集)
ヨハネス・トニオ・クロイッシュ(G)
Johannes Tonio Kreusch (ヨハネス トニオ クロイッシュ)はドイツのクラシックギタリスト。ジュリアード音楽院ではシャロン・イズビンのマスタークラスも受講し、1996年カーネギーホールにデビュー。中南米の楽曲を主にレパートリーとしています。その音楽性はクラシックに限定されたものではなく、アドリブに於けるジャズへの方向性も見受けられます。ギター・ソロ活動20周年記念として、この限定BOXの発売となりました。なお元盤の「OC227」 &「OC256」は、廃盤となっております。
OC-110B(2CD)
ブラームス:クラリネット・ソナタOp.120 *
 [第1番 ヘ短調/第2番 変ホ長調]
クラリネット五重奏曲 ロ短調Op.115#
ピアノ五重奏曲 ヘ短調Op.34+
ラルフ・マンノ(Cl;*/#)
アルフレッド・パール(P;*/+)
ミヒャエラ・ペッチュ・ネフテル、
ラーエル・クンツ(Vn;#/+)
ハルトムート・ローデ(Vc;#/+)
グイド・シーフェン(Vc;#/+)

録音:1992年8月24日&27日、ブレーメン放送ホール*/1995年8月14日-17日、イグレシア・サンフランシスコ・デ・テルデ、パルマ、グラン・カナリア諸島(#/+)
OC-111B(2CD)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 全集
第1番−第5番
グイド・シーフェン(Vc)
アルフレッド・パール(P)

録音:1998年
OC-112A
ピアソラと他のアルゼンチン作曲家の作品集
ピアソラ:アルフレド・ゴビの肖像
 ピグマリオン
グァスタビーノ(1914-):バイレシート
 ガト
フォンテンラ(1927-):山なみの夕暮
ピアソラ::天使のタンゴ/ピカソ
ヒナステラ:ミロンガ/アルゼンチン舞曲集
ブチャルド(1881-1948):バイレシート
 カンペーラ(田園のしらべ)
サエンス(1915-1995):ミロンガ
ピアソラ:金星の女たちの歌
 南十字星へのプレリュード
アルベルト・ウィリアムズ(1862-1952):捨てられた畑小屋Op.32 NO4
アギーレ(1868-1924):ガト/トリステ第4番
ピアソラ::チャウ・パリ/死
カルメン・ピアッツィーニ(P)

録音:1997年7月、ゴッテスアウエ城、カールスルーエ
OC-113B(2CD)
エルネスト・ブロッホ:ヴァイオリンの為の作品全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番/第2番「神秘の詩」
無伴奏ヴァイオリン組曲第1番/第2番
組曲「バール・シェム」
アボダ[Abodah]/エキゾティックな夜
ヘブライ組曲
ラティカ・ホンダ・ローゼンベルク(Vn)
エイヴナー・アラッド(P)

録音:1999年
OC-114A
フレンチ・クラリネット・ラプソディー
プーランク:クラリネット・ソナタ
オネゲル:ソナチネ
ミヨー:クラリネットとピアノの為のソナチネ Op.100
 デュオ・コンチェルタント Op.351
 カプリス Op.335a
ドビュッシー:狂詩曲第1番
 クラリネットとピアノの為の小品
フロラン・シュミット:アンダンティーノ Op.30-1
ラルフ・マンノ(Cl)
アルフレード・パール(P)

録音:1995年4月24日-28日
OC-115B(2CD)
モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走 イングリッド・ハーベルマン(S)
ピョートル・ベチャワ(T)
ンナ・エレン(S)
オリヴァー・リンゲルハーンt
ハラルト・プファイファー(語り)、他
マルティン・ジークハルト(指) 
リンツ・ブルックナーO
 リンツ州立劇場ガ
 
録音:1996年11月19-22日、1997年3月1日、 リンツ・ブルックナー・ハウス

OC-125F
(10CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集
創作主題による6 つの変奏曲 ヘ長調 Op.34
「プロメテウスの創造物」の主題による15 の変奏曲とフーガ 変ホ長調 (エロイカ変奏曲)Op.35
6つのバガテル Op.126
小品「やや生き生きと」 Wo060
小品「アレグレット」Wo061a
ロンド・カプリッチョ「失われた小銭への怒り」Op.129
ミヒャエル・コルスティック(P)
「ドクター・ベートーヴェン」の異名を持つドイツの名ピアニスト、ミヒャエル・コルスティックが10年以上の長き年月をかけて創り上げたベートーヴェンのソナタ全集です。極めて念入りに構築された巨大な建築物のようなベートーヴェンは、荘厳でありながらも時には親しげな表情を持つもので、過去の幾多の名演に匹敵する素晴らしい全集であることは間違いありません。21世紀の新しいベートーヴェンをお届けいたします。
OC-1818C
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタと歌曲集(チェロ編)
楽に寄せてD547/アルペジョーネ・ソナタイ短調D821
夜と夢D827/野ばらD257/さすらい人D493ますD550/自作主題による序奏と変奏曲D968a
歌曲集「白鳥の歌」より第12番「海辺で」D957ミニョンの歌D877-4
歌曲集「水車屋の娘」〜「好奇心の強い男」君こそわが憩いD776
歌曲集「白鳥の歌」〜第4番「セレナード」
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
アンドレアス・フレーリヒ(P)

録音:2013年12月ラインハルト=プファルツヴィラ・ムジカエンゲルス城
1969年ドイツ、プファルツで生まれたチェリスト、アレクサンダー・ヒュルスホフのシューベルト作品集です。フォルクヴァンク芸術大学で教授を務めながら、世界中でコンサートを開催し、知られざる作品を世に問う活動を繰り広げています。シューベルトの名作「アルペジョーネ・ソナタ」は、今は忘れられてしまった楽器「アルペジョーネ」のために書かれた作品で、現在では通常チェロで演奏されています。シューベルト独特の陰鬱さと、仄暗い明るさが共生した美しい音楽ですが、実はチェロで演奏するのは難しく(特に高音部)、これは奏者の力量にかかっているといえるでしょう。もちろんヒュルスホフはこの点を難なくクリア。チェロで演奏する歌曲と併せて寂寥感溢れる世界を完璧に描き出しています。
OC-201B
カールマン:喜歌劇「チャルダーシュ姫」(抜粋) マルティナ・ゼラフィン(S)
フェルディナント・フォン・ボトマー、
カースティン・グロントリアン、
アドリアン・エレート、
ハラルト・ゼラフィン、他(以上独唱陣)
ルドルフ・ビーブル(指)
メルビシュ祝祭O&cho
OC-202B
バッハ:リュート組曲集(ギター版)
BWV.995、BWV.996、
BWV.997、BWV.1006a
エドゥアルト・フェルナンデス(G)
OC-203B
モーツァルト:交響曲第34番 ハ長調K.338/交響曲第39番 変ホ長調K.543
メヌエット ハ長調K.409
ユベール・スダーン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
OC-206D(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンの為のソナタ&パルティータ 全曲 ベンヤミン・シュミット(Vn)
OC-207G2(12CD)
ブルックナー:交響曲全集
00番〜9番+アダージョ+序曲ト短調
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-208B
ブルックナー:交響曲第00番 へ短調/序曲 ト短調 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-209B
ブルックナー:交響曲第0番
弦楽四重奏曲 ヘ長調〜アダージョ(スクロヴァチェフスキ編)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-210B
ブルックナー:交響曲第1番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-211B
ブルックナー:交響曲第2番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-212B
ブルックナー:交響曲第3番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-213B
ブルックナー:交響曲第4番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-214B
ブルックナー:交響曲第5番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-215B
ブルックナー:交響曲第6番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-216B
ブルックナー:交響曲第7番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-217D(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-218B
ブルックナー:交響曲第9番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-220B
ツェラー:喜歌劇「小鳥売り」 イングリート・ハーベルマン(S)
マリカ・リヒター、他
」ルドルフ・ビーブル(指)
ブルゲンラントSO
メルビシュ祝祭O&cho
OC-221B
レハール:喜歌劇「ほほえみの国」(抜粋) エリーザベト・フレッヒル(S)
ディートマー・ケルシュバウム(Bs)
サンホー・チョイ(T)
田辺とおる(Br)、三谷結子(S)他
ルドルフ・ビーブル(指)
メルビシュ祝祭O&cho
OC-224B
ロマンティック・ギター
アグアド、シューベルト(メルツ編)、
レゴンディ、ソルの作品
エドゥアルト・フェルナンデス(G)
OC-229G2(10CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集(全32曲)
ディアベッリ変奏曲
アルフレッド・パール(P)
OC-235B
レーガー:無伴奏チェロ組曲全集
第1番 ト長調/第2番 ニ短調/第3番 イ短調
グイド・シーフェン(Vc)
OC-236B
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集Op.27(全6曲) ベンヤミン・シュミット(Vn)
OC-238B
J.シュトラウス:喜歌劇「ジプシー男爵」(抜粋) ルドルフ・ビーブル(指)
ブルゲンラントSO、
メルビシュ祝祭cho
OC-239B
J・シュトラウス:喜歌劇「こうもり」(抜粋) ワルデマール・クメント(T)
ペーター・エーデルマン(Br)他
ルドルフ・ビーブル(指)
ブルゲンラントSO
メルビシュ祝祭cho
OC-241B
ヴィラ=ロボス:ギターの為のエチュード
ヒナステラ:ギター・ソナタOp.47
ヨハネス・トニオ・クロイッシュ(G)
OC-245F2(9CD)
ハイドン::ピアノ・ソナタ全集(全52曲) カルメン・ピアッツィーニ(P)
OC-248B(2CD)
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ 全曲 ベンヤミン・シュミット(Vn)
アンソニー・スピリ(Cemb)
OC-251B
J.シュトラウス:喜歌劇「ヴェネチアの一夜」 ルドルフ・ビーブル(指)
ブルゲンラントSO、
メルビシュ祝祭cho
OC-252B
オッフェンバック:喜歌劇「パリの生活」 イングリッド・カイザーフェルト(S)
マルティナ・ゼラフィン(S)他
ルドルフ・ビーブル(指)
ブルゲンラントSO
メルビシュ祝祭cho
OC-253F(5CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集(全18曲) ミヒャエル・エンドレス(P)
OC-262B
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調Op.60*
ベンヤミン・シュミット(Vn)
クリスティアン・マンデール(指)
ブカレスト・ジョルジュ・エネスコPO
プロ・アルテSQ*

OC-303B
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲「四季」*
クライスラー:1楽章の協奏曲(パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調より)+
ベンヤミン・シュミット(Vn)(指)*
カメラータ・アカデミカ・ザルツブルク*
ユベール・スダーン(指)+
ザルツブルク・モーツァルテウムO+
OC-305B
ヴォルフ:メーリケ歌曲集 ローマン・トレーケル(Br)
オリヴァー・ポール(P)
OC-306B
スクロヴァチェフスキのバルトーク
バルトーク:管弦楽の為の協奏曲/
 弦楽の為のディヴェルティメント
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO

録音:2002年11月
OC-307D(2CD)
ラヴェル:2手ピアノための作品全集
グロテスクなセレナード/古風なメヌエット
亡き王女の為のパヴァーヌ/水の戯れ
ソナチネ/鏡/ハイドンの名によるメヌエット
ボロディン風に/シャブリエ風に/前奏曲
クープランの墓/夜のガスパール
高雅で感傷的なワルツ
ミヒャエル・エンドレス(P)
OC-308B
ノエミ・ナデルマン、オペレッタを歌う ノエミ・ナデルマン(S)
ヤン・シュルツ(指)ブタペストSO
OC-309B
コンサート・アンコール・ピース集
バッジーニ:妖精のロンド
ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲集〜第7番/第20番
サン=サーンス:ワルツ風奇想曲 Op.52 NO6
ミヨー:シネマ・ファンタジー Op.58b
チャイコフスキー:感傷的なワルツ Op.51 NO6
フバイ:カルメン幻想曲
ラヴェル(ハイフェッツ編):高雅にして感傷的なワルツ
ガーシュウィン(ハイフェッツ編):3つの前奏曲
ミクローシュ・スクタ:トッカータ
ベンヤミン・シュミット(Vn)
リサ・スミルノワ(P)
OC-310B
レハール:喜歌劇「ジュディッタ」(抜粋) 独唱者たち
ルドルフ・ビーブル(指)
メルビッシュ祝祭O
OC-311C(2CD)
アファナシエフ、「皇帝」を弾く!
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集Vol.1

第3番 ハ短調Op.37*/第5番 変ホ長調Op.73「皇帝」#
ヴァレリー・アファナシエフ(P)
ユベール・スダーン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2001年12月12日&13日*/2002年6月10日&11日#、モーツァルテウム大ホール、ザルツブルク(*/#)
OC-312D(2CD)
ダルベール:歌劇「低地」 ヨハン・ボータ、リサ・ガスティーン
F.シュトルックマン
A.ケイロスK.ユン
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO
OC-316B
リスト:ピアノ協奏曲第1番/第2番 アルフレッド・パール(P)
ヤコフ・クライツベルク(指)BBC響
OC-318F(5CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ(全6曲)
ヴァイオリン・ソナタ
ヴァイオリン協奏曲
ベンヤミン・シュミット(Vn)
OC-319B
ベルリオーズ:幻想交響曲
「ロメオとジュリエット」第3部〜愛の場面
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-320B
トルステン・ケルル〜オペラ・アリアを歌う
ベートーヴェン:「フィデリオ」、
ウェーバー:「魔弾の射手」、
ワーグナー:「リエンツィ」、
 「さまよえるオランダ人」、「ローエングリン」、
 「ニュルンベルクのマイスタジンガー」、
 「ワルキューレ」、「パルジファル」、
R.シュトラウス:「ダフネ」、
コルンゴルト:「死の都」から
トルステン・ケルル(T)
イヴァン・アンゲロフ(指)
スロヴァキアRSO
OC-321B
ジングフォニカー〜サイモン&ガーファンクルを歌う ジングフォニカー
OC-323B
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5番 Op.10-1
スクリャービン:練習曲 Op.8/同 Op.65
バッハ:パルティータ第4番
アール・ワイルド:エチュード第1番/第4番
キリル・ゲルシテイン(P)
OC-324B
マーラー:「さすらう若者の歌」/「告別」
5つのリュッケルトの歌
コンラート・ヤルノット(Br)
ヘルムート・ドイチュ(P)
OC-325B
ハイディ・ブルンナー/アリア・歌曲集
モーツァルト:レチタティーヴォとアリア「どうしてあなたが忘れられるでしょうか?心配しなくともよいのです愛する人よ」K.505
ハイドン:カンタータ「ナクソスのアリアンナ」Hob.XXVIb-2
レスピーギ:歌曲「夕暮れ」
ワーグナー:ヴェーゼンドンクの歌
ハイディ・ブルンナー(Ms)
クリスティン・オカールンド(P)
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

OC-326B
ショパン:ピアノ協奏曲第1番/第2番 エヴァ・クピーク(P)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO

録音:2003年
まず印象的なのがスクロヴァチェフスキの伴奏。ワイセンベルクとの饗宴、N響&ダビドヴィチとの共演などでも明らかなように、ここでも作曲家の視点で、声部バランス、テンポ、アクセントを再構築した独自の響きが魅力ですが、凄いのはそのオケの響きが一人歩きするのではなく常にピアノ・ソロと完全に協調して、ポーランド人としての民族的な息吹を徹底して注入し、ポーランド人としてのショパンの精神世界を具現化しようとする強固な意思を痛切に感じさせる点。ショパンの協奏曲をこいうスタンスで貫いた演奏は他ではなかなか耳にできません。クピークのピアノは派手なヴィルトゥオーゾの誇示には全く無縁で、繊細さの極み!使用ピアノは明記されていませんが、スタインウェイではないと思われ、真綿のように柔らかなタッチがまた魅力的。その繊細さを携えて、むしろピアニストの側からオケの響きに入り込み、共鳴し合って一つの音像を醸しだすという姿勢が最後まで貫かれています。オケとソロ双方が個性をぶつけ合っていたら、このような至福のニュアンスは生まれなかったでしょう。第1番終楽章冒頭の付点リズムはもちろん忠実に再現。「誠実」といえる演奏は多く存在しますが、尋常ならざる本物の愛情と共感の為せる技をとくとご堪能あれ!【湧々堂】
OC-329B
フランス管弦楽作品集
ビゼー:「カルメン」組曲
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:亡き王女のパヴァーヌ
フォーレ:ベルガマスク組曲
ルーセル:蜘蛛の饗宴
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO
OC-330B
ワーグナー・メカニーク〜歴史的オルゴールで聴くワーグナー・オペラ (全15曲) オルゴール等の演奏を収録
ミュンヘン国立博物館所蔵の歴史的オルゴールや自動オルガン、自動ピアノによる演奏。1890〜1910年頃編曲された形での原盤やロールを使用。
OC-331D(2CD)
ブラームス:ティークの「マゲローネ」によるロマンス(全15曲) ローマン・トレーケル(Br)
オリヴァー・ポール(P)
ブルーノ・ガンツ(朗読)
OC-332B
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番
ブリテン:無伴奏チェロ組曲第1番
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ
アルバン・ゲルハルト(Vc)
OC-334B
ホフマイスター(1754-1812):ヴィオラの為の作品全集
ヴィオラ協奏曲(2曲)/
12の演奏会用無伴奏練習曲*
アシャン・ピライ(Va)
クリストファー・ホグウッド(指)
リスボン・グルベンキアンO
OC-335B
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
第25番 K.301/第4番 K.9/第42番 K.526/第34番 K.378
ベンヤミン・シュミット(Vn)
アリアーネ・ヘーリング(P)
OC-337B
カールマン:喜歌劇「マリツァ伯爵夫人」(抜粋) ルドルフ・ビーブル(指)
メルビッシュ音楽祭O
OC-339B
シューベルト:交響曲第9番「グレート」 ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

録音:2003年
全楽章リピート敢行。細部をこねくり回さずまあわさず、素直な表現が信条。しかしアーティキュレーションやアクセントに関しては些かも疎かにせず、それが決して説明調の強調に陥らずに確実な推進力につなげている点が見事です。第1楽章は、序奏部から幻想味を出そうとしたり素朴な鄙びた雰囲気を演出する素振を微塵も見せず、屈託の無い瑞々しさ。決して脳天気な軽さではなく、ニュアンスとして結実して聴き手に迫るのです。主部のリズムの湧き立ちも活力ある進行に功を奏し、主旋律の背後における木管楽器のスフォルツァンドも効果的。第2主題への以降もイン・テンポを貫きますが、直前で僅かにテンポを落とすセンスがこれまた見事!第2楽章は、リズムの躍動と歌の両立が素晴らしく、歌が主体となる中間部の純朴なフレージングも心に染みます。第3楽章、中間部冒頭の管楽器のハーモニーの明るさには覚醒!サッと日差しが差し込んだような明朗さ!一瞬にして別世界へ誘います。終楽章も一切ヤマを張らずに聴き応えのある演奏を披露。  【湧々堂】
OC-340B
ウィーン王宮における宗教的作品集
ハインリヒ・イザーク、ジョスカン・デ・プレ、
ルートヴィヒ・ゼンフルらの合唱作品と器楽曲集
ルネ・クレマンシック(指)
クレマンシック・コンソート、
ウィーン王宮カペレ
OC-341B
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集Op.30
(ソナタ第6番−第8番)
ベンヤミン・シュミット(Vn)
アルフレッド・パール(P)

録音:2004年1月、スイス
OC-342B
シュヴェルトシク(1935-):作品集
シンフォニア・シンフォニエッタ
ヴァイオリン協奏曲第2番/交響曲「シュランフ」
ロアルド・ダールの「Goldilocks」*
クリスティアン・アルテンブルガー(Vn)
クルト・シュヴェルトシク(指)(語り;*)
デニス・ラッセル・デイヴィス(指)
ウィーンRSO
OC-343B
モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」
交響曲第40番
アイヴァー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
OC-344D(2CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集Vol.2
第1番*/第2番*/第4番#
ヴァレリー・アファナシエフ(P)
ユベール・スダーン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2001年11月21日&22日*/2002年3月20日&21日#、以上ザルツブルク・モーツァルテウム大ホール、ライヴ
OC-346B
ヨハン・ボータ〜ワーグナー・オペラ・アリアを歌う
「マイスタージンガー」「オランダ人」
「ロ−エングリン」「ワルキューレ」
「パルシファル」より
ヨハン・ボータ(T)
シモーネ・ヤング(指)ウィーンRSO

録音:2003年12月&2004年1月
OC-348B
バルトーク:ピアノ作品集
ラプソディOp.1/3つの練習曲Op.18
ピアノの為の組曲Op.14
3つのソナチネ/アレグロ・バルバロ/野外にて
アンドレアス・バッハ(P)
OC-349B
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(ロバート・レヴィン版)
ベリオ:レンダリング(シューベルトの未完の交響曲.ニ長調 D.936Aによる)
イングリッド・ハッセ(Fl)
イサベラ・ウンテレル(Ob)
ヴィリ・シュヴァイガー(Hrn)
エドァルト・ヴィンマー(Fg)
ユベール・スダーン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
OC-350B
バロック時代のクリスマスの為の
アリア、デュエット、パストラーレ集
ルネ・クレマンシック(指)
クレマンシック・コンソート
OC-351B
ラフマニノフ:晩祷 ミヒャエル・グレーザー(指)バイエルンRSO
OC-353B
レーガー:ピアノ・デュオの為の作品集
6つの小品 Op.94/6つのブルレスケ Op.58
ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ Op.86
デュオ・ダコール
[シャオ=イン・ファン、セバスティアン・オイラー(P)]
OC-354B
合唱の為の現代作品集
サルヴァトーレ・シャリーノ、ヴォルフガング・リーム、イヴァン・ムーディ、ジョン・メトカルフの作品
シンガー・ピュア
ヒリヤード・アンサンブル(ゲスト参加)
OC-355B
ラヴェル&デュパルク:歌曲集
ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」
 ステファン・マラルメの3つの詩
デュパルク:12の歌曲
コンラート・ヤルノット(Br)
ヘルムート・ドイチュ(P)
OC-356B
ジェミニアーニ:ヴァイオリン・ソナタ集 Op.4
ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタ集 Op.1
Lyriarte
[リュディガー・ロッター(Vn)、オルガ・ワッツ(Cemb)]
OC-357D(2CD)
ウェーバー:ピアノの為の作品集
ソナタ第1−4番/
自作の主題による7つの変奏曲 ヘ長調 Op.9/
ビアンキの「ここにおいで、美しきドリーナよ」による7つの変奏曲 ハ長調 Op.7/
舞踏への勧誘 Op.65
グランド・ポロネーズ Op.21
フランス王妃マリー・ルイーズの親しみ易いワルツ
ミヒャエル・エンドレス(P)
OC-358B
ケルル(1627-1693):ミサ・ニグラ
A.ステッファーニ:しもべらよ、賛美せよ
ゲルト・ガグヘール(指)
ミュンヘン・オルフェウスcho
ミュンヘン新王宮カペレ
OC-359B
ゴルトマルク:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:ヴァイオリンとチェロの為の二重協奏曲*
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ラモン・ヤッフェ(Vc)*
ダニエル・ライスキン(指)ワルシャワPO
OC-360B
フンメル:ピアノ作品集
ソナタ第2番/同第3番
グルックの主題による変奏曲 Op.57
幻想曲「ラ・コンテンプラツィオーネ」Op.107 NO3
ポロネーズ「ラ・ベラ・カプリチョーザ」Op.55
クリストフ・ハンマー(Fp)
OC-361B
作者不詳:トゥルネーのミサ(13世紀;ウエルガスの写本による) トーマス・キュンネ(CT)
ベルント・オリヴァー・フレーリヒ、
ベルント・ランバウアー(T)
マリオ・エーダー(Bs)
ルネ・クレマンシック(ポジティフOrg)(指)
クレマンシック・コンソート
ウィーン王宮礼拝堂cho
ウィリアム・ドンゴワ(ツィンク)
OC-362B
ケルル(1627-1693):オルガン作品集(全19曲)
カンツォン、トッカータ、リチェルカーレ、パッサカリア
ヨーゼフ・ケーレメン(Org)

録音:2004年4月
OC-364B
ブルックナー:交響曲第5番 アイヴァー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
OC-365B
モーツァルト:セレナード第5番 K.204
オーボエ,クラリネット,ファゴット,ホルンの為の協奏交響曲 K.297b*
イザベラ・ウンテラー(Ob)
ラインハルト・グチー(Cl)
ヴィリ・シュヴァイガー(Hrn)
エドゥアルト・ヴィンマー(Fg)
フランク・シュタドラー(Vn)
ユベール・スダーン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
OC-366C(3CD)
シューマン:ピアノ作品集 BOX
フモレスケ Op.20/朝の歌 Op.133
子供の情景 Op.15/子供の為のアルバム Op.68
クライスレリアーナ Op.16
創作主題による変奏曲 WoO24
ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26
ミヒャエル・エンドレス(P)
OC-368B
チェロとピアノの為のアンコール・ピース集
R.コルサコフ:熊ばちは飛ぶ
サン=サーンス::白鳥
フレスコバルディ:トッカータ
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
フォーレ:エレジー
マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲
コスマン:ファンタジー Op.5
ドレスラー:トラヴィアータ・パラフレーズ
ラフマニノフ:ヴォカーリズ
ポッパー:ハンガリアン狂詩曲/セレナード
 妖精の踊り
ブーランジェ:ジョルジェット
グイト・シーフェン(Vc)
オラフ・ドレスラー(P)
タンヤ・ヴァグナー(P)

録音:2004年4月19-20日
OC-371B
ワーグナー:2つのヴァイオリンの為の「ドニゼッティ:歌劇『ファヴォリータ』」(抜粋) マティアス・ヴォロング(Vn)
イェルク・ファスマン(Vn)
ダニエル・モルゲンロート(朗読)
1839年パリに移住したワーグナーは、まさに貧困のどん底でした。出版社を営むシュレザンジェは彼の経済的な窮状を知り、この「ファヴォリータ」を改編させようとしました。シュレザンジェのは様々な編成のための編曲をワーグナーに依頼し、その仕事に対して1100フラン(即座前貸し500フラン)もの大金を支払うというもの。ワーグナーはこの惨めな作業に一瞬躊躇したが、その報酬の多さに受諾した。この2つのヴァイオリン用の編曲版は、その中でもほとんど知られてないもので(依頼によると全曲が編曲されたようだが)、ここではその中からの抜粋と、ワーグナーによってこの「ファヴォリータ」のために書かれた「ミニチュア
・トーキング・ブック」の朗読も収録されています。マティアス・ヴォロング(Vn)は、1968年、ベルリン生まれ。ウェルナー・ショルツ、ティボール・ヴァルガらに師事。ヨーゼフ・ヨアヒム・コンクール、ティボール・ヴァルガ・コンクールに入賞して注目を集め、1999年にザクセン州立歌劇場管弦楽団第一コンサートマスターとして迎えらました。現在ドレスデン・シュターツカペレ第一コンサートマスター、2001年からはバイロイト音楽祭管弦楽団の第一コンサートマスターとしても活躍。 イェルク・ファスマン(Vn)は、1966年デッサウ生まれ。5歳からヴァイオリンを始め、ライプツィヒ・メンデルスゾーン音楽院で学ぶ。ライプツィヒ・バッハ・コンクールなど様々なコンクールで優勝。1989年までドレスデン・シュターツ・カペレの第2コンサートマスターを務め、現在はドレスデン・CM・ウェーバー音楽院の教授を務めています。
OC-374B
現代アルメニアのピアノ音楽
コミタス(1869-1935):ピアノの為の3つの舞曲
ハチャトゥリアン:トッカータ
アンドレアシアン(1913-1986):コミタス作による歌曲のピアノ用編曲(5曲)
サラディアン(1919-1986):コミタス作による歌曲のピアノ用編曲(1曲)
アルチュニアン(1920-):アララト渓谷の夕暮れ/兵士の踊り
ババジャニャン(1921-1983):ヴァガルシャパトの舞曲/6つの音画
ミルゾヤン(1921-):詩曲
サルグシアン(1945-):「コミタスへの敬意」より[第3番/第4番/第7番]
ソーナ・シャボヤン(P)
シャボヤンはアルメニアに生まれ、チャイコフスキー音楽院でピアノを学び、その後フライブルク音楽大学でも学んだ。レパートリーは広いが、特に近代から現代ものを得意として、ヨーロッパで話題となりつつあるピアニストです。ここでは彼女の故郷である、アルメニアの作曲家による作品で、世界初録音のものばかりを収録。
OC-376F(5CD)
ドヴォルザーク:交響曲全集 イヴァン・アンゲロフ(指)
スロヴァキアRSO

OC-401B
エドゥアルド・フェルナンデス・プレイズ・ジュリアーニ
ロッシーニアーナ第4番
ソナチネOp.71-2
ジュリアナーテOp.148
「栄光と愛」による変奏曲Op.105
英雄的大ソナタOp.150
エドゥアルド・フェルナンデス(G)

録音:2010年1月ハンガリー、モンテヴィデオ
19世紀、ギターにおける最も偉大な作曲家、マウロ・ジュリアーニ(1781-1829)の作品集です。彼は幼い頃からチェロを学び、後にギターを始めました。誰から教えを受けたについては、全くわかっていないのですが、短期間のうちに上達し、多くのギター作品を作曲しました。ウィーンで成功を収めてからは、1819年にローマに移り、1829年に亡くなるまでイタリアで過ごしています。彼の作品は、当時の流行を反映したもので、流行していたオペラ・アリアなどを、様々な趣向を凝らし繋いで行ったり、変奏したり、と、自ずから演奏の難易度もあがるようになっています。ここでギターを演奏しているフェルナンデス(1952年ウルグアイ生まれ)は、ベテラン中のベテランであり、世界中で活躍している人気者です。彼はギターの歴史を忠実になぞることに力を注いでおり、ここでの演奏も、当時のピッチを考慮して、わずかに下げたピッチで演奏しています。
OC-402B
ショパン:バラードと即興曲集
バラード第1番〜バラード第4番
即興曲第1番 変イ長調 Op.29
即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op.36
即興曲第3番 変ト長調 Op.51
幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
アミール・カッツ(P)

録音:2011年9月10日,10月1日ベルリン テルデック・スタジオ
前作「夜想曲」(OC-779)の録音の際、インタヴューで「俺のショパンを聴け」と言い切った男、エミール・カッツ。このバラードと即興曲は、ショパン・プロジェクトの第2弾としてベルリンで録音されたものです。ここでも彼の個性は際立っていて、どの曲からも、今まで聞いたことのないような新鮮な驚きと発見を引き出しています。それは、あくまでも自然な流れの中から沸き起こるもので、不思議な旋律線を出したり、新奇なテンポを設定するものではありません。まずは「バラード第3番」での両手のバランスや、「即興曲第2番」での目を見張るような軽やかさに息を飲んでください。このアルバムは彼が信頼するテノール歌手、パヴォル・プレスリクに捧げられています。
OC-405B
答えなかった問い-シュテファニー・シューマッハー:アコーディオンの世界
《Chapter1.オルガ》
マシャ・コーティムスキ(1980-):答えなかった問い
《Chapter2.レオシュ》
ヤナーチェク:草陰の小道を通って第1集
《Chapter3.孤独》
ミナス・ボルボウダキス(1974-):回折思考
アラシュ・サファイアン(1981-):アルファ
《エピローグ》
ローセンス・トライガー(1956-):共感
ステファニー・シューマッハー(アコーディオン)

録音:2011年5月ミュンヘン
ステファニー・シューマッハーはフライブルグ近郊で生まれた、現在注目のアコーディオン奏者です。「アンサンブルZeitsprung」のメンバーでもあり、他にも様々な現代アンサンブルのメンバーとしても活躍。幅広い活動をしています。そんなアンサンブルの中で光を放つ彼女ですが、このアルバムではソリストとしての彼女に焦点を当て、物語性を持たせたコンセプト・アルバムとして、その存在を印象つけることに成功しました。収録曲の中心となるのは、ヤナーチェクのおなじみのピアノ曲「草陰の小道を通って」で、これは「最初からアコーディオンのために書かれた?」と思うほどに曲想と音色がマッチしています。例えば「フリーデクの聖母マリア」に現れるコラール風の旋律は、ピアノでは表現できないほどの切ない情感を表出しています。
OC-406B
ストラヴィンスキー:うぐいすの歌
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
バルトーク:中国の不思議な役人
アンドレイ・ボレイコ(指)ユンゲ・ドイチェPO

録音2011年3月14日ベルリン・フィルハーモニー
1974年、ドイツの学生たちによって結成されたユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー。彼らは若き情熱の下、音楽を演奏する喜びに燃え着実に成長してきました。1976年に「カラヤン賞」を受賞することで基本的な概念を確立することにより、ここを巣立った演奏家たちが、その概念を継承しています。毎年18歳から28歳までの学生たちをオーディションで選抜、リハーサル期間を経て、国際的コンサート・ツアーに出掛け大成功を収めるのを常としています。このアルバムは、ボレイコの指揮のもと、「魅惑とダンス」をモティーフにした3つの作品が収録されています。ストラヴィンスキーでは官能的とまで言える表現、ドビュッシーでの魅惑的な午睡への誘惑、そして荒々しいリズムと妖しさが交錯するバルトーク。しなやかな音楽性が爆裂です。
OC-407B
ブルックナー:交響曲第4番(ノーヴァク版) アイヴァー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2008年4月25.26日ザルツブルク祝祭劇場 大ホール
ブルックナー(1824-1896)の交響曲の中でも、最も愛される曲の一つである第4番「ロマンティック」については、すでに多くの人が挑んでおり、この聳え立つ山の様々な面の景観を楽しむことができるものです。さて、アイヴァー・ボルトンは2004年からこのザルツブルク・モーツァルテウムの首席指揮者として活躍していて、ブルックナーの交響曲全集も着々と進行。そろそろ完成に近づいているところです。この第4番は7作目にあたるもので、今回もライブ録音であり、極めて集中力の高い演奏を提示しています。彼の作り出すブルックナーは、音の厚さよりも、透明感を追求する傾向にあり、この4番のような比較的軽めの作品では、その美点が最大限発揮されていると言っても過言ではありません。
OC-408B
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68 スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音 2011年2月
ブルックナー、ベートーヴェンとはまた違う孤高の世界を見せてくれるスクロヴァのブラームス。以前にもハレ管、読響など他のオーケストラとの演奏が話題になっていて、「できることなら、手兵ザールブリュッケンとのブラームスを聴いてみたい!」と思っていた方も多いのではないでしょうか?この演奏は、期待に違わぬ素晴らしいもので、快適なテンポ、重厚な音色はもちろんのこと、とことん丁寧に奏される内声部にもおどろかされます。もちろん要所要所では、絶妙なアゴーギクがつけられています。第4楽章で輝かしいテーマを導くコラールの荘厳さにも圧倒されること間違いありません。艶やかな弦の音色はいぶし銀の如く。まさに満を持してのブラームスです。

OC-409D(2CD)
ブラームス:交響曲第2番
交響曲第3番*
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音:2011年3月10-13日*、2011年3月17-19日 ザールブリュッケン,コングレスハレ
2012年に89歳を迎える「Mr.S」スクロヴァチェフスキ。ますますその燃焼度に磨きがかかり、その生み出す音楽はまさに神の領域に届かんばかりの崇高さを備えています。ザールブリュッケンとのブラームスは、前作「第1番(OC408)」でも高い評価を受けましたが、今回の第2番、第3番はそれを上回る改心の出来。昨今の流れである「テンポ早め、あっさりめ」のブラームスではなく、全体的に濃厚でボリュームある仕上がりであり、なおかつ必要なところはきちんと聞こえるという誰もが納得の行く音楽となっています。
OC-410B
ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98 スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音2011年3月14-16日ザールブリュッケンコングレスハレ
「ミスターS」スクロヴァチェフスキによるブラームス(1833-1897)交響曲ツィクルス、ここに完結。この交響曲第4番はブラームスの円熟期の作品であり、複雑な管弦楽技法が用いられている上に、終楽章はバロック時代の変奏曲形式である“シャコンヌ”が使われるなど、指揮者にとっても力の見せ所が盛りだくさんの、充実の極みと言った感のある最高作品と言っても過言ではありません。この4番、ツィクルスの締めくくりとなりますが、実際は2011年の2月から3月にかけて全曲が一気に録音されているため、第1番から第3番と比較しても音楽の流れが滞ることは一切ありません。音色、テンポ、解釈全てにおいて理想的なブラームスです。特に終楽章は圧巻の一言です。スクロヴァチェフスキ。まだまだ進化し続けてます。
OC-411B
ヴァルター・ブラウンフェルス:オルガン協奏曲・交響的変奏曲他
オルガンと少年合唱と管弦楽のための協奏曲Op.38(1927)*
オルガンのための「トッカータ、アダージョとフーガ」ヘ短調Op.43(1933-1942)#
古いフランス童謡の主題による交響的変奏曲Op.15(1909)
イヴェタ・アプカルナ(Org)*
※ミュンヘン,ヘルクレス・ザールシュタインマイヤー=オルガン
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)#
※キール,聖ニコライCavaille-Coll-Mutin-Orgel
テルツ少年Cho
ハンスイェルク・アルブレヒト(指)
ミュンヘンSO

録音:2012年1月18-20日ミュンヘンヘルクレス・ザール
頽廃音楽好きなら、知らぬ人はいないであろうブラウンフェルス(1882-1954)。彼はドイツの文化的な家庭に生まれ(母親の家系にはあのルイ・シュポーアの名前もありま)、作曲家として認められてからは、歌曲、ピアノ曲、室内楽から交響曲、合唱曲などあらゆるジャンルの作品を書いています。彼の最も成功した作品は、歌劇鳥たち」でしょう。R.シュトラウスを思わせる美しく官能的な音楽は、まさに後期ロマン派の申し子とも言える雰囲気を持っています。このアルバムはそんなブラウンフェルスの3つの作品を収録しています。初期の作品である「交響的変奏曲」、「鳥たち」の成功後に書かれた充実した書法の「協奏曲」、そして頽廃音楽作曲家のレッテルを貼られた時期の「トッカータ」。音楽の持つ意味について考えさせてくれる1枚です。

OC-412B
2012年版カタログ付
マーラー:交響曲第2番「復活」 ミカエラ・カウネ(S)
ダグマール・ペチコーヴァ(A)
シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO

録音:2010年10月24&25日ハンブルク ライスハレ
マーラー(1860-1911)の生誕150年&没後100年であった「2010年から2011年」にかけては、世界中で記念演奏会が開かれ、とりわけ象徴的な作品である、第2番が至るところで聴かれたのはご存知の通りでしょう。そんな中、2011年10月は、ハンブルクでマーラーの「復活」が初演されてから100年目の記念年にあたり、ここでも素晴らしい演奏会が開催されました。指揮は今をときめく、シモーネ・ヤング。全曲を通して、一切だれることのない集中力の高い演奏は彼女ならでは。まさに火を吹くかのような激しさには思わず身震いするのではないでしょうか。ソリストには最近めきめきと力をつけてきた若手カウネと、安定した歌唱で知られるペチコーヴァの2人を迎え、NDRハンブルク合唱団と、ラトビア州立合唱団が渾身の合唱を聴かせてくれます。「Bereite dich zu leben!」での毅然とした響きは、まさに天上から一筋の光が射すかのような感動を呼びます。
OC-414B
ロート・アン・デル・ロートのホルツァイ・オルガン
バッハ:オルガンのための小品−幻想曲ト長調BWV572
 パストラーレ ヘ長調 BWV590
F・クープラン:教区のためのミサ曲〜「キリエ-Plein chant en taille」
 教区のためのミサ曲〜「キリエ-Recit de chromhorne」
 修道院のためのミサ曲〜「ベネディクトゥス-Tierce en taille」
 教区のためのミサ曲〜「グラン・ジュのオッフェルトリウム」
ピストイアの作者不詳の曲:トッカータ
 高めたまえ/ポスト・コムニオ
ベルガモのダヴィデ神父:アレグロ
ルイ・ジェームズ・アルフレッド・ルフェビュール=ヴェリー(1817-1869):パストラーレ ト長調
 ソルティエ ト短調
ジョゼフ・ガブリエル・ラインベルガー:オルガン・ソナタ第4番イ短調「第9旋法による」Op.98
フランツ・ラムル(Org)

録音:2011年7月ロート・アン・デル・ロート聖ヴェレーナ教会
ドイツのロート・アン・デア・ロートにある聖ヴェレーナ教会は、その音響の良さでも知られ、いくつかの名録音が存在する「知る人ぞ知る」名所です。ここに設置されているオルガンは1793年にネポムーク・ホルツァイによって建立されたフランス・バロック式の仕様を持ち、柔らかい管楽器の響きと、人の声に近い音色を出せることが特色の一つです。バロックから初期ロマン派の作品を演奏するのに、これほど良い楽器はないでしょう。演奏者のフランツ・ラムルは、1964年ドイツ、シュトラウビング生まれ。トン・コープマンにオルガンとチェンバロを師事し、演奏家として、また教育者として精力的に活躍しています。このホルツァイ・オルガンによる録音もいくつかあり、楽器を知り尽くした完璧な演奏は他の追随を許しません。

OC-413D(2CD)
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」 シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO

録音:2007年4月22.23日ハンブルクライスハ
第2番「復活」(OC-412)に続く、シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィルのマーラー第2弾。今作でも彼女らしい豪壮で勇猛果敢な音楽が堪能できます。第1楽章では、第2主題のテンポをぐっと落とすことで、曲にメリハリを与えるなど、細部に渡って数多くの工夫も凝らされており、落ち着いた第2楽章、諧謔的な第3楽章を経て、怒涛の終楽章へ傾れ込む様は、一種の爽快感すら覚える名演です。(演奏する際に、第2楽章と第3楽章の順序をどうするかについては、最近の関心事の一つとなっていますが、ここでは2003年の国際マーラー協会での見解に従ったもので、第2楽章にアンダンテ、第3楽章にスケルツォが配置されています。)
OC-416B
カール・ヴォルフラム:オルガン・ソナタ集
オルガンのためのソナタ第1番ヘ短調Op.4
オルガンのためのソナタ第2番ハ短調Op.12
オルガンのためのソナタ第3番ヘ長調Op.15
ハルゲイル・シアーゲル(Org)
※ケムニッツ,ルター教会1908年製ザウアー・オルガン「opus1011」

録音:2011年6月7-9日ケムニッツルター教会
20世紀への変わり目に作曲された3つのオルガン・ソナタは、若干「時代遅れ」とも評される古典的で簡潔なフォルムの中に、精緻な響きと新しい形式を取り入れた見事な作品です。同世代のレーガーに見られる拡張された和声法はあまり用いることはなかったものの、様々なアプローチを試みたであろうことが推測される作品で、この時代のオルガン音楽の一つの方向性を知ることができる貴重な1枚と言えるでしょう。数々の賞を受賞する世界的名手であるノルウェイ生まれのオルガニスト、シアーゲルによる演奏で、バイエルン放送との共同制作です。
OC-417B
グローガウの歌の本
Die nacht die wil verbergen sich
O preclara stella maris
Ave, dei genitrix/Primus
J'abandonne le souhaitier
Es leit ein schlos in Oesterreich
Dies est leticie
Adest fi nis mesticie
Fulgent nunc natalicia
Amours/Der entrepris
Carmen F
Mein gemut das wut in heyser glut
Viminibus cinge
Regina celi, letare, alleluia
Surrexit Christus hodie
Der fuchs schwanz/Du lenze gut
Der natter schwanz
Veni, sancte spiritus
O sacrum misterium
Die katzenpfote/Ich bins erfreut
Bonum vinum/All voll
Zenner, greiner
Der neue bauern schwanz
Elslein, liebstes elselein
Else, else mundo
ルネ・クレマンシック(指)
クレマンシック・コンソート

録音:2011年11月25-28日ウィーンカペラ・デア・アルベルトゥス・マグヌス・シューレ
ポーランド最古の町のひとつであるグウォグフは、ポーランドとドイツの国境近く、シレジア地方の西に位置し、ヨーロッパの各地の中でもとりわけ複雑な歴史を持っています。都市の名前はポーランド語のサンザシに由来し、様々な国の支配下にあったこの町は、政治的混乱を呈しながらも、逆に多くの文化が交わる場所として、香り高き芸術が生まれる素地も持っていたといえるようです。この「グローガウの歌の本」は1480年頃に作られた写本で、装飾的かつ慎重に編纂された曲集で、当時の文化を余すことなく伝える貴重な文献としても高く評価されるものでしょう。中世からルネサンス期への過渡期における実りある文化財を、クレマンシック(クレメンチッチ)が見事に顕在化しています。
OC-418B
ガーシュウイン:ソングブック&ラプソディ・イン・ブルー 他
ソングブック<私の彼氏/スワニー/ノーボディ・バット・ユー/アイル・ビルド・ア・ステアウェイ・トゥ・ パラダイス(天国への階段)/ドゥ・イット・アゲイン/魅惑のリズム/レディ・ビー・グッド!/サムボディ・ラブズ・ミー(誰かが私を愛している)/スウィート・アンド・ロウ・ダウン/クラップ・ユーズ・ハンズ/ドゥ-ドゥ-ドゥ/マイ・ワン・アンド・オンリー/ス・ワンダフル/ストライク・アップ・ザ・バンド/フー・ケアズ?/ライザ/すてきな気持ち/アイ・ガット・リズム>
ラプソディ・イン・ブルー
プレリュード T/プレリュード U/ブルー・ララバイ
プレリュード V/スパニッシュ風プレリュード/ジャズボー・ブラウン・ブルース
プレリュード/4 度のノヴェレッテ
リアルト・リップルズ
メリー・アンドリュー/プロムナード
プレリュード/フラグメント
プレリュード/メロディ 第17番
2 つの調による即興曲
プレリュード/ルバート
スリー・クォーター・ブルース
スイス・ミス/キャブ-ホース
ミヒャエル・エンドレス(P)

録音: 2011年7月5-8日 ケルン WDR 放送 クラウス・フォン・ビスマルク-ザール
ポピュラー音楽とクラシック音楽の融合を見事になし遂げたガーシュウイン(1898-1937)。貧しい家庭に生まれた彼ですが、12 歳の時に、兄のアイラのために購入したピアノに親しんだことで、音楽の道を志したのです。そんな彼の出世作となったのは、1919 年に書いた歌曲「スワニー」で、これは当時の人気歌手A.ジョルソンが歌ったことで大ヒットとなり、ガーシュウインは一躍人気者となりました。1920 年代以降は、兄と組んで、数多くのミュージカル・ソングを世に送り出し、これらは今でもスタンダード・ナンバーとして広く愛唱されています。このソング・ブックはガーシュウイン自身がお気に入りを18 曲選び出し、ピアノ用にアレンジしたもの。どれも短い曲ですが、その中にはウイットがたっぷり詰まっています。他にはピアノ・ソロ編の「ラプソディ・イン・ブルー」や、洒落た小品も収録。「2 つの調による即興曲」では多調も試みられています。いつもと違うエンドレスにも注目。
OC-419B
わが魂よ、大いに喜べ
F.コレッリ(J.ヴァームルスト/C.ブレムベック編):コンチェルト・グロッソト短調Op6-8「クリスマス」
バッハ(M.デュリュフレ編):慈悲によってわれらを死なせBWV22
クレープス:いと高きところには神にのみ栄光あれ
バッハ(S.カルク=エーレルト編):フランス風序曲ロ短調BWV831〜「エコー」
S.カルク=エーレルト(1877-1933):わが魂よ、おおいに喜びOp.65-5
レーガー:メロディOp.59
S.カルク=エーレルト:汝に、エホバよ、われ汝に向かいて歌わんOp.65-24
 高く戸を上げよOp.65-8
H.F.ミヒェールゼン(1902-1973):コラールムジークから4つの小品(1936)
L.J.A.ルフェビュール=ヴェリ(1817-1870):人間の声のコーラスより「アンダンテ」
G.A.メルケル(1827-1885):アンダンテイ短調Op.122-2
F.カポッチ:グレゴリア聖歌「来たり給え、創造主なる聖霊よ」のメロディによる幻想曲
フランツ・シュミット(1874-1939):トッカータハ長調(1924)
クリスティアン・ブレムベック(Org…オーストリアマイスホーフェン、レンター=オルガン)

録音:2011年10月13-15日オーストリアマイスホーフェン,プファール教会
2010年に建立されたばかりの「オーストリアで最も美しい」25のストップを持つ新しいいオルガンに捧げられたこのアルバムは、コレッリなどのバロック時代を作品も、レーガー、フランツ・シュミットのような後期ロマン派の作品も万遍なく響かせます。演奏するのは、1960年ミュンヘン生まれのオルガニスト、ブレムベック。1987年にチェリビダッケに認められ、彼がバッハなどの鍵盤楽器を要する作品を演奏する際には必ず起用されたという、チェリお墨付きの名手です。指揮者としても活躍していますが、やはり本領はオルガンにあり、ここでも納得の演奏を聴かせています。
OC-420B
ペトル・エベン:オルガンのための作品集
シャガールの窓/パトモスの風景
馬たちがいる風景
オルガン協奏曲第2番
ギュンター・ロスト(Org)
ティーネ・ティング・ヘルセット(Tp)
バベッテ・ハーグ(Perc)
ガブリエル・フェルツ(指)バンベルクSO

録音:2009年4月,2010年9月,2011年9月バンベルク、ヨーゼフ・カイルベルト・ザール
ボヘミア出身の作曲家ペトル・エベン(1929-2007)。多くのジャンルの曲を書いていますが、ピアニスト、オルガニストとしても知られるだけあり、魅惑的なオルガン曲も多数残しています。エベンの父親がユダヤ人であったために第2次世界大戦中は苦難を強いられ、その影響は作品にも色濃く反映されているようですが、ここに収録された3つの作品には、もっと自由で色彩感溢れる音楽が横溢しています。アルバムタイトルにある「シャガールの窓」とは、ユダヤ協会の装飾のために作成されたステンドグラスのことで、イスラエルの12の部族の物語が象徴的に描かれた、神秘的かつ壮大な作品。エベンは様々な思いをトラペットとオルガンへと託しています。
OC-421B
ハイドン:交響曲第102番変ロ長調Hob.I:102
交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.I:103
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2011年5月17-19日ザルツブルク,オデオン、クルトゥールフォルム,ドロテア・ポルシェ・ザール
ボルトン&モーツァルテウムのハイドン。交響曲はこれが2枚目(オラトリオの「四季」と「天地創造」も好演)ですが、今作もピリオド的なアプローチでぐいぐい聴き手を引き込みます。モダン楽器のオーケストラですが、ホルンとトランペット、ティンパニはピリオ楽器を使用しているため、この「太鼓連打」もテンポの良い音楽が炸裂。ムダな贅肉を削ぎ落としたスタイリッシュなハイドンです。
OC-422B
クジェネク:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ 第2番 Op.59(1928)
小組曲 Op.13a(1922)
5つのピアノ小品 Op.39(1925)
ピアノ・ソナタ 第3番 Op.92-4(1943)
オーストリアからの反響 Op.166(1958)
.ピアノ・ソナタ 第7番 Op.240(1988)
スタニスラフ・フリステンコ(P)

録音: 2011年7月23.24日 ウィーン、コンチェルトハウス シューベルトザール
1964 年4 月10 日、かのグレン・グールドがロサンゼルスで最後のコンサートを開催した時、そのプログラムには、彼が敬愛するバッハバッハの作品とともに、クジェネク(1900-1991)のソナタ第3 番が含まれていました。4 楽章からなるこの曲は1943 年に作曲され、第1 楽章は伝統的なソナタ形式、第2楽章は主題と変奏で、第3 楽章にスケルツォ、第4 楽章に悲しげなアダージョが置かれるというピアニスティックなもの。極端にレパートリーを選ぶグールドの美意識に叶ったというだけでも、後世に名を残すべき重要な曲と言えるでしょう。他にもジャズ・テイストあり、ウィンナ・ワルツ風の曲あり・・・など様々な作風による6 つの作品が収録されています。ウクライナに生まれ、セルゲイ・ババヤンに師事したピアニスト、フリステンコの演奏です。

OC-423
フランスのピアノ作品集
ドビュッシー:レントより遅く
 版画/子どもの領分
ラヴェル:水の戯れ/夜のガスパール
ベンヤミン・モーザー(P)

録音:2011年1月19-21日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
“完璧な技巧から果てしなく広がる余音の素晴らしさ!”
2007年のチャイコフスキー国際コンクールで聴衆賞を獲得、NYヤングアーチストコンクールでは優勝を果たしたドイツのピアニスト、ベンヤミン・モーザー。只者ではありません!
最初の「レントより遅く」から、モーザのセンスの高さを確信。演出の施しようのないシンプルな楽想の中で各フレーズに微妙なコントラストを配しながら全体を豊かな呼吸で息づかせます。
「版画」は、1曲目の“塔”での色彩とその余音に対する繊細な感覚が、雰囲気満点の録音と相まって完全に生き、3:58からの細やかなアルペジョの一つとっても実に魅惑的。夜露に濡れる感覚と仄かな官能が匂う“グラナダの夕べ”もパーフェクト!力任せなだけでは全く空気感が表出されない“雨の庭”も本物の鮮やかさ!最後を締めくくる一音の閃光も粋!
モーザーの技巧的な武器の一つはアルペジオの粒立ちの良さ。「子どもの領分」1曲目、4曲目でそれは特に顕著で、一切音像を潰すことなく香気を漂わせるのです。“ゴリーウォーグ…”では良い意味での粗雑さと繊細さが完全同居。リズムに悪乗りする素振りなど見せず、作品の持ち味を丹念に抽出し尽します。
「夜のガスパール」は、もっと暗黒の雰囲気を強調する演奏もありますが、モーザーはあくまでもラヴェルの筆致の精妙さとそこに漂う余情に焦点を当てます。技巧も非の打ち所がありませんが、全てが作品の忠実な再現のために活用され、しかも綺麗事の嘘臭い演奏に陥らないのです。
ベンヤミン・モーザーがこれ以上どうのように成熟していくのか想像もつきません。【湧々堂】
OC-424B
バッハ:フルート・ソナタ集
フルートと通奏低音のためのソナタ.ホ短調BWV1034
フルートとチェンバロのためのソナタ.イ長調BWV1032
フルートと通奏低音のためのソナタ.ホ長調BWV1035
フルートとチェンバロのためのソナタ.ロ短調BWV1030
無伴奏フルートのためのソナタ.イ短調BWV1013
ヴェレナ・フィッシャー(Fl…2010年マルティン・ヴェンナー製:1760年カルロ・パランカ製を原型とする)
レオン・ベルデン(Cemb…2010年キース・ヒル製:1728年クリスティアン・ツェル製を原型とする)

録音:2011年10月3-6日ミュンヘン=ゼントリンク昇天教会
トランスバース・フルート(トラベルソ)は現代のモダン・フルートの前身となった楽器のこと。ヴィヴァルディの時代くらいまでは、フルートと言えば縦型のリコーダーが主流であったため、わざわざ「トランバース(横向きの)」という形容詞を付けて呼ばれていたのです。極めてシンプルな構造を持ち、もちろん素材は木でできています。現代のような複雑なキーでなく、トーンホール(音孔)を押さえることで音程を作っていました。バッハの時代以降、半音を自在に出せるように少しずつ改良されますが、1847年にベーム式のフルートが登場したことで、このトラベルソの時代は一旦終焉を迎えることとなります。このフィッシャーの演奏する楽器は1760年代のものの複製で、バッハの作品の正しい姿を表現するためには、これ以上のものはないと言い切ってしまえるほどの洗練された音色を味わうことが可能です。
OC-425
バッハ:カンタータ集
カンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののけ」BWV12(1714)
カンタータ「心と口と行いと命もて」BWV147(1723)
ユディス・シュピーサー(S)
アンネカスリーン・ラーブス(Ms)
ロベルト・ゼリアー(T)/
ティモ・ヤンゼン(Bs)
ミュンヘン・アルチス=ヴォーカリステン
トーマス・グロッパー(指)
ラルパ・フェスタンテ・バロックO

録音:2012年3月9-11日ミュンヘンゼントリンク,昇天教会
2005年に結成された、ミュンヘンの劇場・音楽アカデミーのおよそ50人の学生たちをメンバーとする「ミュンヘン・アルチス=ヴォーカリステン」によるバッハのカンタータ集の第2集です。このアルバムでは、バッハがワイマールの楽長に就任してから2作目のカンタータである第12番と、「主よ、人の望みの喜びよ」でおなじみの第147番のカップリングです。憂いを帯びたオーボエが美しいシンフォニアで始まる第12番での柔らかな歌い口、涙が出るほどに美しい第147番のコラール、どちらもレベルの高い演奏です。彼らを支えるラルパ・フェスタンテ・バロックOの素朴で暖かみのある音色も魅力的です。
OC-426B
ラフマニノフ&プロコフィエフ:チェロ作品集
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ.ト短調 Op.19
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ.ハ長調 Op.119
ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34-14
 前奏曲 Op .2-1
 東洋風舞曲 Op.2-2
 チェロとピアノのための「リート」ヘ短調
ユリアン・ステッケル(Vc)
パウル・リヴィニウス(P)

録音:2012年1月30日-2月1日 ミュンヘン ・バイエルン放送第2 スタジオ
1982 年生まれのチェリスト、ユリアン・ステッケル。音楽一家に生まれ5 歳からチェロをはじめ、ウルリッヒ・ヴォスに最初に師事し、やがてグスタフ・リヴィニウス、ボリス・ペルガメンシコフ、ハインリッヒ・シフ、アンチェ・ヴァイトハースに教えを受けます。2010 年のミュンヘン国際音楽コンクールのチェロ部門で第1 位を獲得し、一躍世界的名声を得ました。現在では2011 年にはルガーノ・フェスティヴァルでハイドンを演奏したり、CAvi-music レーベルからメンデルスゾーンやブラームスなどのロマン派の作品を中心としたレパートリーのCD リリースを精力的に行っています。彼の音色はとても繊細でありながらも、とても伸びやかで艶やか。今作ではロシア物という、これまでとは違う雰囲気の音楽を聴かせます。ピアニスト、リヴィニウスとはこれまでも何度も共演を重ねており、ここでもその親密なやりとりが伺えます。

OC-427B
ファビオ・マルティーノ/ピアノ・リサイタル
ブラームス:ピアノ・ソナタ.第1番 ハ長調 Op.1
エディノ・クリーガー(1928-):ピアノのための音程の練習曲<二度のための/三度のための/四度のための>
シューマン:3 つの幻想小曲集 Op.111
ヨルク・ヘラー(1944-):ピアノ・ソナタ.第3番
ファビオ・マルティーノ(P)

録音:2012年1月3-5 日 ミュンヘン バイエルン放送第2 スタジオ
1988年、サンパウロ生まれのファビオ・マルティーノは5 歳の時にブラジルでピアノのレッスンを受け始めました。マグダ・タリアフェッロ財団から奨学金を得てアルマンド・ファヴァ・フィホに師事し、その後2008 年にはカールスルーエ・アカデミーに留学しました。数々のコンクールを制覇し、2011 年にはドイツ文化委員会が主催するコンクールで優勝しました。このアルバムはバイエルン放送との共同制作で、ブラームス、シューマンと言ったオーソドックスなレパートリーから、クリーガー、ヘラーと言った新しいものまで多彩な選曲となっています。とりあわけクリーガーの「音程の練習曲」はとても面白い作品であり、タイトルの通りの音程で展開される音楽は、まさに耳への喜びです。
OC-428B
デヴィッド・イアンニ:静寂への祈り
《第1 部-LISTEN》
Obsculta op.97/De Profundis op.71
.Holy Lake op.91
《第2 部-MOTHER OF GOD》
Thanking Blessed Mary
Rosa Mystica op.84
Stella Maris op.63/Angelus op.88
《第3 部-EPILOGUE》
Afterthought op.102
デヴィッド・イアンニ(P)

録音2012年8月オーストリアスティフト・ハイリゲンクロイツ
21世紀の祈りの音楽。全ての人に捧げます…1979年、ルクセンブルク生まれのピアニスト&作曲家デヴィッド・イアンニ(1979-)。前作「夜に祈る人」(OC-790)で独自の世界観を味わわせてくれましたが、今作もまた、インスピレーションに溢れた親密な音楽で、聞き手を別世界へといざなってくれます。静けさと祈り。このアルバムはマイケル・ナイマン,ジョヴァンニ・アレヴィ,ジョージ・ウィンストン,久石譲…などが好きな人にオススメです。
OC-429B
ピアソラ&ヴィヴァルディ:8シーズンズ
ピアソラ:春/ヴィヴァルディ:夏
ピアソラ:秋/ヴィヴァルディ:冬
ヴィヴァルディ:春/ピアソラ:夏
ヴィヴァルディ:秋/ピアソラ:冬
シン・ヤン(Vn)
ハラルド・エーラー(アコーディオン)

録音:2013年7月15-17日
ァイオリニストのシン・ヤンとアコーディオンのハラルド・エーラー。2009年のハイデルベルク・スプリング・フェスティバルの際に2人で結成した「デュオ・ヴィア…DUOViA」によるピアソラ(1921-1992)&ヴィヴァルディ(1678-1741)です。この時の演奏会のチケットは早々に完売。聴衆の期待の高さがうかがわれるものでした。同じ「四季」と言っても、全く性格も時代も違う2つの作品、使われるテクニックも違えば、求められる音色も違います。しかし彼らはこれらを上手く手懐け、まるで最初からセッティングされていたかのような、親密な一つの組曲として聞かせてくれます。規律正しく流麗なヴィヴァルディ、美しさ、清明さだけでは表現できないピアソラ。

OC-430B
メンデルスゾーン:ピアノ作品集
無言歌集(抜粋)<第1巻Op.19-1ホ長調/第1巻Op.19-5嬰ヘ短調/第2巻Op.30-6嬰ヘ短調「ヴェネツィアの舟歌第2」/第3巻Op.38-2ハ短調/第6巻Op.67-4ハ長調/第5巻Op.62-1ト長調/第5巻Op.62-3ホ短調「葬送行進曲」/第1巻Op.19-3イ長調「狩人の歌」/第7巻Op.85-4ニ長調/第1巻Op.19-6ト短調「ヴェネツィアの舟歌第1」/第4巻Op.53-2変ホ長調/第3巻Op.38-6変イ長調/第6巻Op.67-2嬰ヘ短調/第8巻Op.102-5イ長調/第6巻Op.67-5ロ短調/第5巻Op.62-6イ長調「春の歌」>
幻想曲嬰ヘ短調「スコットランド・ソナタ」Op.28
厳格な変奏曲ニ短調Op.54
3つの練習曲Op.104
ベルント・グレムザー(P)

録音:2012年6月16-18日ミュンヘン・バイエルン放送第2スタジオ
2013年には名指揮者スクロヴァチェフスキとともに来日、心蕩けるショパンを演奏したグレムザー。彼の名前はすでにNAXOSを始めとした一連のアルバムでもおなじみです。幅広いレパートリーを持ち、ラフマニノフやプロコフィエフのエレガントで知的な解釈で知られる彼ですが、このアルバムでは一転、メンデルスゾーンの「無言歌」の抜粋を始めとした作品を演奏しています。お稽古にも使われる「無言歌」。譜読みは平易なものが多いのですが、実際に聴かせる演奏をするのはとても大変、ピアニストの資質がそのまま出てしまう恐ろしい曲集でもあるのです。もちろんグレムザーは1曲1曲を大切に、音の詩として表出しています。
OC-431B
W.F.バッハ:ピアノ作品集
幻想曲ニ短調/フーガ.ニ短調
幻想曲ホ短調/フーガホ短調
フーガ.ホ短調/ソナタ.ニ長調
ソナタ変ホ長調/ソナタ.ハ長調
幻想曲イ短調
アントニー・スピリ(P)
バッハ一族の中でも、少しだけ異端視されているヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784)。彼は大バッハの長男であり、当時は「バッハの息子たちの中で最も才能に恵まれている」と評価されていたものの、性格の悪さから人望をなくし、結果、良い職にもつけずに失意のうちにこの世を去ってしまった人です。膨大な作品を書いたにもかかわらず、前述の理由でほとんど出版されることはなく、多くは散逸してしまいました。しかし残された作品は、どれも独創性と多様性に満ちたものであり(これは伝統を無視した結果と評する人もいます)、どれも興味深い音楽であることは間違いありません。まだ彼の作品の全貌は明らかになっていませんが、最近になってキエフでいくつかの作品が発見されたりと、再評価が進んでいます。今回ピアノを演奏しているのは、ヨーロッパを中心に大活躍しているピアニスト、アントニー・スピリです。現代音楽も得意ですが、バッハ一族の作品にも深い関心を寄せていて、いくつかのリリースが継続しています。
OC-432B
ミレッカー:喜歌劇「乞食学生」 シモン・リマノヴィッツ(乞食学生)…ミルコ・ロシュコフスキー(T)
ヤン・ヤニツキー(オバリンスキー伯爵)…エルヴィン・ベラコヴィツ(Br)
パルマティカ・ノヴァルスカ伯爵夫人…リンダ・プレヒ(S)
ラウラ・ノヴァルスカ伯爵令嬢…コルネリア・ツィンク(S)
ブロニスラヴァ・ノヴァルスカ伯爵令嬢…アドリアーネ・クヴェイロツ(Ms)
オーレンドルフ大佐…ヘンリク・ベーム(Bs)他
ウヴェ・タイマー(指)
メルビッシュ祝祭O&cho

録音2013年5月30日-6月2日メルビッシュ湖上音楽祭ステージ
日本にも数多くのファンを持つ、メルビッシュの湖上音楽祭。ウィーンからバスで約1時間半のところにあるノイジードラーゼーで毎年7月中旬から8月下旬まで行われるコンサートは、あらかじめ予定されたメンバーでゲネプロを兼ねての演奏を行い、こちらを録音して当日のお土産として販売するというシステムを取っており、このアルバムもそのためのもの。これを聴きながら音楽祭の風景を思い浮かべるのも一興です。当時ポーランドに進駐していたザクセン軍との確執をベースに、身分を隠した、偽った人々の思いが交錯する入り組んだストーリーですが、最後はハッピーエンドで、楽しく終わります。
OC-433B
マリー=クロディーヌ&ディミトリー・パパドプーロス
シューベルト:ヴァイオリンとソナタのためのソナタイ長調Op-posth.162D574
ガーシュウィン:ポーギーとベスからの5つの小品<サマータイム-女は一時の慰みものさ/テンポ・ディ・ブルース/なんでもそ
うとは限らない/ベス、お前は俺のもの/うちの人は逝ってしまった>
ヴィオレタ・ディネスク(1953-):ヴァイオリンのための雲の練習曲-自由に
ラヴェル:ヴァイオリ・ソナタ
マリー=クロディーヌ・パパドプーロス(Vn)
ディミトリー・パパドプーロス(P)

録音:2012年12月5-7日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
1987年生まれの若きヴァイオリニスト、マリー=クロディーヌ・パパドプーロスのデビュー・アルバムです。名前からわかる通り、シリアとギリシャの血を引く彼女ですが、生まれはフランス、ストラスブールで、この地の国立音楽院に学び、14歳で金メダルを獲得し卒業しています。2002年からはカールスルーエ音楽大学でウルフ・ヘルシャーの下で学び、2011年に修士号を取得し、ソリストとしての活動を始めています。このアルバムでは、シューベルトからラヴェル、ガーシュウイン、ディネスクという幅広い年代の作品を収録。一つ違いの兄ディミトリーと共に、瑞々しい感性と確かな技巧で、これらの作品を的確に表現しています。シューベルトで見せる端正な表情と、ガーシュウインでの妖艶さのギャップがステキです。
OC-434B
祥子・古畑=ケルスティング
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」Op.27-2
 創作主題による32の変奏曲
Wo080
シューマン:交響的変奏曲Op.13
 交響的変奏曲への追加-5つの遺作
祥子・古畑=ケルスティング(P)

録音:2013年3月19-20日カイザースラウテルンSWRスタジオ
横須賀出身で、現在ドイツを中心に活躍しているピアニスト、祥子・古畑ケルスティングのOEHMSへの2枚目の録音:です。ヨーロッパ各地で華々しい活動を行い、2012年にはサントリーホールに凱旋公演、またスタインウェイのアーティストとしても認定されるなど、注目を浴びている人です。2010年に録音:された前作では、メンデルスゾーン、シューマン、リストの作品を演奏、堅実な技巧と豊かな情感を披露していましたが、今作ではベートーヴェンとシューマンの2人の作曲家に特化して、素晴らしい演奏を繰り広げています。変奏曲を中心としたこのプログラムにおいて、彼女の持つ多様性と表現力の幅を実感できるのではないでしょうか。
OC-435B
シューベルト:ピアノ作品集
ピアノのための小品(即興曲)第2番変ホ長調遺作
即興曲変ホ長調Op.90-2
ピアノのための小品(即興曲)第1番変ホ短調遺作
即興曲変イ長調Op.90-4
楽興の時第2番変イ長調Op.94-2
即興曲ヘ短調Op.142-4
幻想曲ハ長調「さすらい人」Op.15
ユラ・マルグリス(P)
あのアルゲリッチと度々公演を重ね、2013年には日本にも来日。実に味わい深い演奏を聴かせたことで話題になった中堅ピアニスト、ユラ・マルグリス。彼の演奏は極めて個性的であり、滋味深いものです。今回彼が取り上げたのはシューベルト(1797-1828)の一連の作品ですが、マルグリスは、これらの曲を演奏する際に、最初は歴史的楽器を使用することを試みたのですが、それでは、独自の響きが得られなかったため、なんと現代の楽器に当時の楽器の特徴である「弱音器ペダル」を組み込むことを思いついたのです。このアルバムには、試行錯誤の結果生まれた「独自の響き」がたっぷりと詰まっています。
OC-436B
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調WAB101(リンツ版1865/66) ザルツブルク・モーツァルテウムO
アイヴォー・ボルトン(指)

2013年10月11-13日ザルツブルク祝祭大劇場ライブ収録
清潔な響きと堅実な解釈で定評のあるボルトン&ザルツブルク・モーツァルテウム管とのブルックナー。今回は第1番の“リンツ稿”をお届けします。若きブルックナーによる意欲満々のこの交響曲、スダーンはいつものように決して重苦しい響きを要求することなく、清々しく、丁寧に仕上げています。第2楽章の中間部の決め細やかな動きや、第3楽章のスケルツォの特徴的な音形の造形など、まるでモーツァルトの音楽のような品の良い美しさを保っています。
OC-438B
シュポア:オラトリオ「最後の審判」 サリー・マシューズ(S)
カタリーネ・ゲルトナー(Ms)
ジェレミー・オヴェンデン(T)
アンドリュー・フォスター=ウィリアムズ(Bs)
ザルツブルク・バッハCho
ザルツブルク・モーツァルテウムO
アイヴァー・ボルトン(指)

録音:2013年6月6日ザルツブルク祝祭大劇場ライブ
2014年に生誕260年を迎えた作曲家ルイ・シュポア(1784-1859)のオラトリオ「最後の審判」は、彼の活動の絶頂期である1825年から26年に書かれました。彼はヴァイオリニストとして高名でしたが、指揮者としても有能で1805年から12年まではゴータの宮廷楽長を務めた後、アン・デア・ウィーン劇場、フランクフルト歌劇場の指揮者、監督を務め、1822年から亡くなるまではカッセルの宮廷楽長を務めるほど、歌劇などにも精通していたのです。この作品はカッセル時代に書かれたもので、当時の「貧困層の利益のために」と催された、ルター派マルタン教会の聖金曜日のミサで初演されたものです。200人以上の演奏家と2000人以上の聴衆がこの記念碑的な演奏会を経験したといわれています。テキストはタイトルの通り、ヨハネの黙示録の“最後の審判”を元にしており、正義、責任と償還など人間の根本的な問題を扱っています。初演時の興奮が2013年に再度降臨した奇跡的な名演です。
OC-439B
ユリウス・ロイプケ:ピアノ・オルガン作品全集
ピアノ・ソナタロ短調
マズルカホ長調
スケルツォニ短調/トリオ変ホ長調
オルガン・ソナタ.ハ短調『詩篇第94番』
ミヒャエル・シェヒ(P&TOrg)

録音:2013年7月15-16日ランズベルク・アム・レックマリア昇天教会(オルガン)、2014年10月1-2日ミュンヘンバイエルン放送第1スタジオ
あまりにも豊かな才能を有していたため、神に愛されてしまったのか、たった24歳という若さでこの世を去ってしまったドイツの作曲家、ユリウス・ロイプケ(1834-1858)。オルガン製作者の父を持ち、幼いころから音楽の才能を示し、ハンス・ビューローの薦めでリストに師事した彼、これからという矢先に突然の病で死去してしまいます。しかし僅かばかり残された彼の作品の完成度の高さには驚くばかり。たった1曲のオルガン・ソナタ「詩篇第94番」に見られる構成力と、複雑な和声、まるで地獄の苦しみを味わうかのような怒りと哀しみに満ちた表情は、とても20代になったばかりの若者の作品とは思えないものです。全般的に暗さを湛えたピアノ曲も深淵な美しさを帯びています。オルガンとピアノの両方を演奏するミヒャエル・シェヒの共感に満ちた音色が心に染み入ります。

OC-440B
ラフマニノフ:交響曲第1番ニ短調Op.13
幻想曲「岩」Op.7
ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2013年1月、2013年5月 ケルンシュトルベルガー・シュトラッセ・スタジオ
ケルン・ギュルツェニヒOとのチャイコフスキー・ツィクルスを堂々完成させたドミトリー・キタエンコ、次はラフマニノフ(1873-1943)の交響曲全集に挑戦。
OC-441
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調Op.27
ヴォカリーズ嬰ハ短調Op.34-14*
ヴェラール・サバドゥス(C.T)
ケルン・ギュルツェニヒO
ドミートリー・キタエンコ(指)

録音:2013年10月ケルン・フィルハーモニー、2013年5月ケルンスタジオ・シュトルベルガー・シュトラーセ*
キタエンコによるラフマニノフ交響曲集、第2弾となるこの第2番の演奏ですが、さすがお国物に定評のあるキタエンコだけあって今回も文句のつけようがありません。冒頭からたっぷり歌わせる弦の調べと、溌剌とした木管、高らかに咆哮する金管・・・全てが完璧です。最後に添えられたこちらも名曲「ヴォカリーズ」を歌うのは当代随一のカウンター・テナー、サバドゥスです。幻想的な歌声が夢心地を誘います。
OC-442B
ラフマニノフ:交響曲第3番&交響的舞曲
交響曲第3番イ短調Op.44
交響的舞曲Op.45*
ケルン・ギュルツェニヒO
ドミトリー・キタエンコ(指)

録音:2012年2月13-15日、2013年5月13-17日* ケルンスタジオ・シュトルベルガー・シュトラーセ
連続した作品番号からもわかる通り、ラフマニノフ(1873-1943)の「交響曲第3番」と「交響的舞曲」には密接な関係があります。楽器編成が似ていたり、どちらの曲にも「怒りの日」のモティーフが効果的に使われていたりと、その類似点は数多く、どちらも精緻なオーケストレーションによる充実した作品となっています。とはいうものの、彼の最後の作品となった「交響的舞曲」に「交響曲第4番」のタイトルを与えなかったラフマニノフの思いはどんなものだったのでしょう。この曲の各々の楽章に副題をつけることも想定していたというラフマニノフ、やはり自由な形式をより好んでいたのでしょうか。キタエンコの演奏は、いつものようにがっちりと音を固め、それぞれの曲をぐいぐい引っ張っていきます。交響曲第2番のような「酔えるメロディ」は少なめですが、それでも歌わせるところはとことん歌わせながら、曲の核心に迫るところなど、さすがの一言です。
OC-443B
炎の写真-ヤーノシュ・タマシュ:室内楽作品集
クラリネット,ホルンとピアノのための三重奏曲(1992)
クラリネット,ホルンとチェロのための幻想的三重奏曲(1983)
クラリネット,ヴィオラとピアノのための「炎の写真」(1986)
チェロとピアノのための「夢の泉」(1979)
クラリネットとピアノのための「ザーネンの庭で」(1984)
ホルンとピアノのための「詩」(1952/1961改作)
チェロとピアノのための「詩」(初稿版…1952)
トーマス・ドラトヴァ(P)
ファビオ・ディ・チャソーラ(Cl)
ミシャ・グロイル(Hrn)
ディースター・ヒルペルト(Vc)
アレクサンダー・ベーサ(Va)

録音:2013年4月27-30日チューリヒ,ラジオスタジオ
ハンガリーに生まれ、ブダペストで学んだ作曲家ヤーノシュ・タマシュ(1936-1995)。彼は1956年に勃発したハンガリー動乱を避けてスイスに亡命、チューリヒで音楽の勉強を続けました。1960年から音楽家として活動し、各地の劇場の指揮者をはじめ、教育者としても知られるようになります。1969年にはスイスの市民権を獲得し、1971年からは教師として活躍しました。作品は120作ほどありますが、それらは皆バーゼルのポール・ザッハー財団によって管理されています。このアルバムに収録されている室内楽は、彼の活動のほぼ全ての期間に渡って書かれたものであり、ある時は新古典派風、またある時は抽象的な音列を用いた様々な音楽を聴くことができます。OEHMSからは、他にもピアノ協奏曲などの作品集(OC-750)もリリースされています。未知の作曲家に出会う楽しみがあります。
OC-444B
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘスラー:ピアノ作品集
グランド・ジグニ短調Op.31
幻想的ソナタハ長調Op.4
幻想曲ハ短調/ソナタニ長調
ソナタト長調
ソナタ第6番イ短調ポコ・アレグロ
アンソニー・スピリ(P)

録音:2004年12月21-23日、2011年11月14-16日 シュトゥッツガルトSWR室内楽スタジオ
W.F.バッハのピアノ作品集で好評を博しているピアニスト、アンソニー・シピリによる後期バロックの知られざる作曲家ヨハン・ヴィルヘルム・ヘスラー(1747-1822)の作品集です。ドイツ、エアフルトに生まれたヘスラーは、オルガニストであった叔父J.C.キッテルから音楽の手ほどきを受け、1762年頃に地方のオルガニストの職に就きます。1769年に彼の父が死去したため、家業の毛皮商を継ぎながらもドイツ周辺のコンサート・ツアーを行うなど積極的に活動しました。中でも1789年4月15日にはドレスデンを旅行中のモーツァルトと宮廷付属教会オルガンの弾き比べを行ったという記録も残るほどの事件だったのです。数多くの作曲家たちとも交友関係を持ち、1790年から1792年にはロンドンに行き、1794年にはサンクトペテルスブルクからモスクワに移動、この地で亡くなるまで作曲家、教師として功績を挙げたのです。ヘスラーは数多くの鍵盤作品をはじめ、歌劇、室内楽曲などを残していますが、それらのほとんどは現在耳にすることがありません。J.S.バッハからモーツァルト、メンデルスゾーンへと繋がる時代のこれらの音楽、じっくりとお聴きいただければ、当時の風景が鮮やかに目の前に浮かんでくるのではないでしょうか。
OC-445B
シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」Op.5
ヴァイオリン協奏曲Op.36
コーリャ・ブラッハー(Vn)
ケルン・ギュルツェニヒO
マルクス・シュテンツ(指)

録音:2013年1月5-10日…1,2013年9月7-11日…2-4ケルン、スタジオ・シュトルベルガー・シュトラーセ
シェーンベルク(1874-1951)が手がけた唯一の交響詩「ペレアスとメリザンド」です。題材となったのは、メーテルランクの同名の戯曲で、当時ドビュッシーやフォーレ、シベリウスらもこの作品に音楽を付けています。シェーンベルクが無調を取り入れる前の作品は、どれもが後期ロマン派風の味わいを持っていますが、この作品もその例に漏れることなく、美しくまったりとした響きをたっぷりと堪能できるものです。もう1曲の「ヴァイオリン協奏曲」はその30年以上も後に書かれたもので、こちらは厳格な十二音技法に則って書かれています。難解な作風の中に、時折ロマンティックな風情が見え隠れする印象的な音楽です。マーラーの交響曲ツィクルスを完成させたマルクス・シュテンツの的確な指揮で、この精緻な音楽をお楽しみください。ヴァイオリン独奏は、これまた名手コーリャ・ブラッハーが担当しています。
OC-446B
ヘンツェ:交響曲第7番,他
交響曲第7番(1983/1984)
7つのボレロ(1998)
劇場のための序曲(2012)
歌劇「ヤツガシラと息子の愛の勝利」から蒼い時間、セレナード
ケルン・ギュルツェニヒO
マルクス・シュテンツ(指)

録音:2013年1月21-23日シュトルベルガー・シュトラーセ・スタジオ、2013年10月5-8日ケルン・フィルハーモニー
ヘンツェ(1926-2012)の交響曲第7番は、ベルリン・フィルハーモニー協会創立100周年記念の委嘱作として書かれたもので、オスティナート(ある種のパターンを何度も繰り返すこと…偏執的なという意味を持つ)を多用した新古典派風の趣きと、第3楽章に見られるロマンティックな和声の両方を兼ね備えた、現代音楽の中でも比較的耳馴染みのよい作品です。ヘンツェ自身も「私の交響曲の中でも、最も古典派のモデルに近い」と述べるなど、彼にとっても自信作であったことが伺われます。「7つのボレロ」は歌劇「ヴィーナスとアドニス」と同時期の作品で、各々にスペイン語の副題が付されています。「劇場のための序曲」はヘンツェの最後の作品、ベルリン・ドイツ・オペラの創立100周年の委嘱作です。この曲が初演された7日後にヘンツェは惜しまれつつこの世を去りました。最後に収録された「蒼い時間」はフランクフルト歌劇場で初演された歌劇「ヤツガシラと息子の愛の勝利」の一場面です。夕暮れの空の色を音で描いたという美しい小品。ヨーロッパでは「ヘンツェのスペシャリスト」として高い評価を受けてるシュテンツによる演奏。
OC-447
NX-B01
ブルックナー:交響曲第2番ハ短調 WAB102(1872年版) アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音 2015年10月2-4日
ブルックナーの交響曲第2番には、少なくとも4つのヴァージョンがあることが知られています。最後の改訂は1982年になされていますが、 現在演奏される機会が多いのは1872年の第1稿(2005年、ウィリアム・キャラガンによる校訂版)であり、これは第2楽章にスケルツォが 置かれ、第3楽章にアダージョが置かれるという順番となっています。アダージョ楽章はもともとベートーヴェンの第9の第3楽章の形式に由 来するものであり、この順序で演奏することで更にベートーヴェンを想起させることになります。またこの楽章のコーダに登場する跳躍の多 いホルン・ソロは当時の奏者たちの能力ではしばしば演奏が困難であったとも言われます。ボルトンは他の曲と同じく、素朴さを前面に出 したアプローチで、この曲の魅力を引き出しています。
OC-448(2CD)
NX-C09
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」(全曲)
ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント「妖精の口づけ」
ケルン大聖堂少年cho
ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2015年10月5-9日ケルンスタジオ・シュトルベルガー・シュトラーセ
ケルン・ギュルツェニヒOが“首席指揮者”の任にあたることのなかったドミトリー・キタエンコに“名誉指揮者”の称号 を送ったのは、その数多い録音が高く評価されているためです。ショスタコーヴィチ(CapriccioC49545)、プロコフィエフ (C7190)、ラフマニノフ、そしてチャイコフスキー(OEHMSOC027)の各々の交響曲全集は、その機動力の高さと緻密な構 成、迫力ある音色で他の追従を許しません。とりわけチャイコフスキーに関しては、交響曲の録音が終了してから歌劇「イオ ランタ」(OC963)の全曲盤をリリース、キタエンコの思い入れの深さが感じられましたが、今回の「くるみ割り人形」全曲 盤も注目すべき演奏です。この作品は組曲版の演奏が多い中、キタエンコは全曲版を選択し、この物語の全容をすみずみまで 聴かせています。一瞬たりとも聴き手の耳をそらすことのない集中力の高い演奏は、キタエンコとオーケストラの良好な関係 性を明確に示しています。余白に収録されたストラヴィンスキーの「妖精の口づけ」も絶品。
OC-449
NX-B01
ブラームス、クララ&ロベルト・シューマン:作品集
ブラームス:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 Op.25(ピアノ連弾版)
クララ・シューマン:行進曲 変ホ長調
シューマン:東洋の絵 Op.66
アンナ&イネス・ヴァラホフスキー(ピアノ・デュオ)

録音:2016年3月7-10日
ポーランド出身の“ピアノ・デュオ”アンナ&イネス・ヴァラホフスキーは、アンナが4歳、イネスが6歳の時に音楽を学び始め、1983年に家族が ドイツに移住したのをきっかけに、ハノーヴァーの音楽・演劇大学とザルツブルク・モーツァルテウムに入学、アルフォンス・コンタルスキーに薫陶 を受けてピアノ・デュオとして活動することを決意します。彼女らを絶賛したのは、アメリカの伝説的音楽評論家、ハロルド C.ショーンバーグ で、彼女らの演奏について「幅広いデュナーミクと、無尽蔵のテクニックを備え、リズム感に富み色彩も豊か」と絶賛、これが世界的な名声を 得る足がかりとなりました。これまでの20年間近くの活動の中で、彼女たちはモーツァルトからガーシュウィンまで様々なアルバムを録音してい ますが、今回のアルバムはブラームスとシューマン、そしてシューマンの妻クララの3人の作品を演奏、ロマン派の時代に花開いた3人の天才た ちの愛情と深い友情を暗示しながら、あまり耳にすることにない作品も含めて素晴らしい演奏を聴かせています。

OC-450B
J・シュトラウス:喜歌劇「ヴェネツィアの一夜」(エーリッヒ・コルンゴルト編曲版) ウルビーノ公爵…ヘルベルト・リッペルト(T)/カラメッロ:理髪師…リチャード・ザメク(T)/エンリーコ・ピセッリ:バルバラの恋人…オットー・ヤウス(語り)/デラックア:元老院議員…ハインツ・ツェドニク(Br)/バルバラ:デラックアの妻…ダグマール・シェレンベルガー(Ms)/バルバルッチオ:元老院議員…ヨエジ・プロコペッツ(Br)/アグリコラ:バルバルッチオの妻…ヴェレナ・シャイツ(S)/テスタッチオ:元老院議員…エルンスト=ディーター・シュッツハイマー(Bs)/コンスタンティア…マリーナ・アールゼン(S)/アンニーナ…アンニカ・ゲルハルド(S)/パッパコーダ…ジェフリー・トレガンツァ(T)/チボレッタ…バルバラ・ペルトル(S)/メルビッシュ祝祭O&cho
アンドレアス・シューラー(指)

録音:2015年6月28日メルビッシュ湖上音楽祭ステージ
毎年7月中旬から8月下旬まで、オーストリアの世界遺産に登録されているメルビッシュのノイジードラー湖上で行われる音楽フェスティヴァルが、このメルビッシュ湖上音楽祭です。1955年に始まったこの音楽祭の目的は「オペレッタの伝統」を守ることであり、毎年、小粋なオペレッタが上演されることで知られています。このJ・シュトラウス(1825-1899)の「ヴェネツィアの一夜」も何度も取り上げられている演目で、頽廃したウィーン世紀末におけるドタバタの恋愛模様が描かれています。物語の鍵を握るデラックアを演じているのが、名手ハインツ・ツェドニク。彼の歌が聴けるとはなんとも嬉しい1枚です。これは音楽祭の直前に録音され、お土産用として当日会場で販売されるCDです。
OC-451E(2CD)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲集&ピアノ五重奏曲、映画音楽集
弦楽四重奏曲第4 番ニ長調Op.83
弦楽四重奏曲第6 番ト長調 Op.101
ハムレットOp.32 から「食卓の音楽」
ハムレット Op.32 から「子守歌」
人間喜劇Op.37 から「ガヴォット」
人間喜劇Op.37 から「サラバンド」
ハムレットOp.32 から「ローゼンクランツとギルデンスターンの対話」
ハムレットOp.32 から「パントマイム」
人間喜劇Op.37 から「パリのパノラマ」
コルジンキナの冒険Op.59 から「カーチェイス」
ピアノ五重奏曲ト短調Op.57
デリアンQ
アナトール・ウゴルスキ(P)

録音: 2011 年10 月20-25 日、2014 年1 月20-21 日 ケルン,ドイツ放送室内楽ホール
1 枚目は2 曲の弦楽四重奏曲、そして2 枚目には彼の映画音楽が収録されています。そして最後を飾るのがピアノ五重奏曲(名手ウゴルスキがピアノを担当)。不思議な取り合わせですが、ショスタコーヴィチの音楽を知るには格好のアルバムです。
OC-452E(2CD)
メンデルスゾーン:無言歌集
《CD1》
第1集Op.19<ホ長調「甘い思い出」<イ短調「後悔」/イ長調「狩人の歌」/イ長調「信頼」/嬰へ短調「眠れぬままに」/ト短調「ヴェネツィアの舟歌第1番」>
第2集Op.30<変ホ長調「瞑想」/変ロ短調「安らぎもなく」/ホ長調「慰め」/ロ短調「道に迷った人」/ニ長調「小川」/嬰へ短調「ヴェネツィアの舟歌第2番」>
第3集Op.38<変ホ長調「夕べの星」/ハ短調「失われた幸福」/ホ長調「詩人の竪琴」/イ長調「希望」/イ短調「情熱」/変イ長調「デュエット」>
第4集Op.53<変イ長調「海辺で」/変ホ長調「浮雲」/ト短調「胸さわぎ」/ヘ長調「心の悲しみ」/イ短調「民謡」/イ長調「勝利の歌」>
《CD2》
第5集Op.62<ト長調「5月のそよ風」/変ロ長調「出発」/ホ短調「葬送行進曲」/ト長調「朝の歌」/イ短調「ヴェネツィアの舟歌第3番」/イ長調「春の歌」>
第6集Op.67<変ホ長調「瞑想」/嬰へ短調「失われた幻影」/変ロ長調「巡礼の歌」/ハ長調「紡ぎ歌」/ロ短調「羊飼いの嘆き」/ホ長調「子守歌」>
第7集Op.85<ヘ長調「夢」/イ短調「別れ」/変ホ長調「狂乱」/ニ長調「悲歌」/イ長調「帰還」/変ロ長調「旅人の歌」>
第8集Op.102<ホ短調「寄る辺なく」/ニ長調「追憶」/ハ長調「タランテッラ」/ト短調「そよぐ風」/イ長調「子どものための小品」/ハ長調「信仰」>
ミヒャエル・エンドレス(P)

録音:2012年3月24-27日、2013年4月17-20日 ケルン放送クラウス・フォン・ビスマルク・ホール
ヘルマン・プライの良き伴奏者として知られるピアニスト、ミヒャエル・エンドレス。ですが、彼はソリストとしても極めて素晴らしい演奏者であることもよく知られています。これまでにウェーバーやモーツァルト、シューベルトなどのドイツの伝統的なレパートリーや、ラベル、アーノルド・バックスなどの近代的作品、そしてガーシュウィンのソングブックまで、多彩なレパートリーを披露しています。今回は、メンデルスゾーン(1809-1847)の代表作「無言歌」の全曲演奏に挑んだエンドレス、数多くの物語を描き出しています。
OC-453B
ユラ・マルグリス:Arrangements & Adaptations
バッハ:マタイ受難曲BWV244-われらは涙ながらここにひざまずき
モーツァルト:レクイエム〜呪われたもの/涙の日
プッチーニ:弦楽四重奏曲「菊」/
リスト:メフィスト・ワルツ
シューマン:詩人の恋〜ぼくが君の瞳に見入るときには
ショスタコーヴィチ:交響曲第8 番〜トッカータとパッサカリア
サヤト・ノーヴァ(1712-1795):メロディ-エレジー
ムソルグスキー:禿山の一夜(2 台ピアノ版)*

※ユラ・マルグリスによるピアノ編曲…1-8
アルノ・ババジャニアンによるピアノ編曲…9
ユラ・マルグリスによる2 台ピアノ編曲…10
ユラ・マルグリス(P)
マルタ・アルゲリッチ(P)*

録音: 2014 年7 月1.2 日、2014 年6 月24 日 ルガーノ音楽祭
楽器への強いこだわり、そして作品への強い思い入れ。この2 つで知られるドイツのピアニスト、ユラ・マルグリス。これまでにもリストやシューベルトの作品で主張の強い演奏を披露し、多くのファン(楽器マニアも含め)を獲得しています。今回は作品への思い入れが強く表明されたアルバムをリリース。声楽のための作品や、弦楽四重奏曲などを自由自在にピアノ独奏曲へと変貌させています。そして彼が2 台ピアノのために編曲した「禿山の一夜」で共演しているのは、マルタ・アルゲリッチ。激しく、そして蠱惑的な世界が目の前に開けます。
OC-454B03
パウル・アブラハム:喜歌劇「ヴィクトリアと軽騎兵」 ヴィクトリア伯爵夫人…ダグマール・シェレンベルガー(S)/シュテファン・コルタイ…ミヒャエル・ハイム(T)/ジョン・カンライト…アンドレアス・シュテッパン(ヴォーカル)/ヤンチ…アンドレアス・ザウアーツァプフ(T)/リケッテ…カトリン・フックス(S)/フェリー伯爵…ペーター・レジアク(ヴォーカル)/オーリアサン…ヴェレナ・バルソ=ユルカ(S)/日本の僧侶…ルイ・ドス・サントス(T)/ベーラ・ペルケルティ…ティボール・ソルノキ(ヴォーカル)
メルビッシュ祝祭O&cho
ディヴィッド・レヴィ(指)

録音:2016年7月5-7日メルビッシュ湖上音楽祭ステージ
オーストリアのノイジードル湖上で開催されるメルビッシュ湖上音楽祭は、1957年に第1回が開催されて以来、毎年欠かさず上演され、多くのオペレッタ愛好家たちを大層喜ばせています。初期の頃は「こうもり」や「メリー・ウィドウ」などの有名演目が上演されていましたが、最近は知られざるオペレッタにも焦点を当て、次々と珍しい作品が上演されるようになりました。2016年の演目もこれまたレアな作品である「ヴィクトリアと軽騎兵」というもの。ハンガリー出身のオペラ作曲家アブラハム(189-1960)が1930年に発表した作品で、戦時中ロシアに捕らわれ、死刑を宣告されてしまった軽騎兵コルタイが、日本に逃亡。アメリカ大使館でかつての恋人だったヴィクトリア(現在は伯爵夫人)と出会うことで運命に翻弄されていく物語です。
OC-456C09(2CD)
レーガー:チェロとピアノのための作品全集
.奇想曲イ短調
チェロ・ソナタ第1番へ短調Op.5
奇想曲Op.79-1
小ロマンスOp.79-2
チェロ・ソナタ第2番ト短調Op.28
ロマンスト長調
チェロ・ソナタ第3番ヘ長調Op.78
アリアOp.103a-3
チェロ・ソナタ第4番イ短調Op.116
グィド・シーフェン(Vc)
ヤコブ・ロイシュナー(P)

録音:2015年7月13-15日,2016年4月5-7日ドイツクララ・ヴィーク・アウディトリウム
2016年、レーガー(1873-1916)の「没後100年」を記念して数多くの作品がリリースされていますが、このチェロとピアノのための作品集もそんな1枚です。ワーグナーにも匹敵するほど重厚な作品を書き、ドイツロマン派を代表すべき作曲家であるレーガー。オルガン作品ばかりが有名ですが、彼のチェロ・ソナタはブラームス風の雰囲気を持つ美しいもの。ドイツの伝統を受け継ぎながらも、晩年の第4番に出現する前衛的な部分は後のヒンデミットやショスタコーヴィチ作品の先駆ともなっています。チェリストのグィド・シーフェンはこれまでにもバッハから現代まで数多くのアルバムをリリースし、とりわけ近現代の作品の演奏について評価の高い人です。
OC-457
NX-B01
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 Op.43
グリーグ:4つの交響的舞曲 Op.64より第2番*
 2つの悲しい旋律 Op.34より第2番「過ぎにし春」*/
ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2015年6月6.9日 Philharmonie Koln、2017年9月8日 Studio Stolberger Strase, Koln*
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団より名誉指揮者の称号を贈られたキタエンコによる圧巻のシベリウスが登場。 キタエンコは、ショスタコーヴィチやプロコフィエフ、チャイコフスキー、ラフマニノフの交響曲全集を始めとしたロシア作品の 数多くの録音が、どれも大好評を得ていますが、北欧ものはあまり手掛けておらず、グリーグやゲーゼ、グヴァイドリーナ などのいくつかの演奏の録音があるのみで、シベリウスの録音はほとんど見当たりません。しかし、雄大な楽想を持つ 「第2番」こそ、キタエンコが紡ぎ出す重厚な響きを余すことなく生かせる作品です。第1楽章から終楽章に至るまでの 劇的な展開も、キタエンコらしく一気呵成に聴かせます。 同時収録のグリーグも表情豊かな演奏であり、グリーグ作品の持つ郷愁の念が強く表現されています。
OC-458
NX-B01
シューベルト:4つの即興曲Op.90
4つの即興曲Op.142
アレグレットハ短調D915
ハンガリーの旋律D817
アンダンテイ長調D604
クーペルヴィーザー=ワルツDAhn.1/14
ミヒャエル・エンドレス(P)

録音:2014年4月14-17日
ロマン派から現代作品まで、幅広いレパートリーで知られるドイツの中堅ピアニスト、ミヒャエル・エンドレス。彼は1990年代にCAPRICCIOレーベルにシューベルトのソナタと舞曲の録音をしていますが、今回は即興曲をメインとした新たなシューベルトの解釈に挑んでいます。アルバムの最後に収録されたクーペルヴィーザー=ワルツは、シューベルトが友人の結婚式のために作曲した小さなワルツで、保存されていたメモをリヒャルト・シュトラウスが書き起こし、1970年にようやく出版された曲。ロシアの作曲家シルヴェストロフが、「2つの対話」で引用したことでも知られています。
OC-459
NX-B01
ムソルグスキー:禿山の一夜(原典版)
死の歌と踊り(875-1877)
(1983年 E.デニソフによるオーケストラ伴奏編)
ヴラディスラフ・スリムスキー(Bs-Br)
アグンダ・クラエワ(Ms)
チェコ・フィルハーモニーcho
ドミートリー・キタエンコ
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2015年10月5日、2015年11月29日-12月1日
ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ラフマニノフ、チャイコフスキーと続いてきた、キタエンコとケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団によるロシア 音楽集の録音。今回は「魔女の宴、死神の踊り、氷上の戦い」にまつわる作品が演奏されています。通常耳にすることの多いリム スキー=コルサコフによる編曲ではなく、作曲者自身の原典版で聴く「禿山の一夜」は、幾度も改訂を繰り返す前の粗削りさが魅 力。最後まで悪霊たちが暴れまわり唐突に曲を閉じるのは、普段のヴァージョンに慣れている人にはかなり衝撃的。同じく死に取り つかれた歌曲集「死の歌と踊り」も恐ろしさに満ちています。もともとは映画のための音楽「アレクサンドル・ネフスキー」も荒々しさ満 点。音楽がピークに達する「氷上の戦い」では迫力たっぷりの響きが堪能できます。
OC-460
NX-B01
エリザベート・ブラウス〜デビュー
ピアノ・リサイタル

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 Op.10-3
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第2番 ニ短調 Op.14
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35
ミヒャエル・デンホフ(1955-):Etude de couleurs 色彩の練習曲 Op.115(ピアノ・デュオ)*
エリザベート・ブラウス(P)
ファビアン・ミュラー(P)*


録音:2016年3月29-31日
2015年1月にフランクフルトで開催されたBDI(ドイツ産業文化連盟)が主催する音楽コンクール「Ton und Erklarung」。 2007年に創設されて以来、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、歌の4部門が年毎に開催され、優れた受賞者を輩出しているこのコン クール、「OEHMSレーベルよりデビュー盤をリリース」できることも優勝者の特権の一つです。今回の優勝者エリザベート・ブラウス は1995年ハノーヴァー生まれ。5歳でエリナ・レヴィトのピアノ・クラスに入門を許可され早期の音楽教育をうけます。2008年から 2010年には並行して名手マッティ・ラエカッリオにも師事、才能を存分に開花させ、すでに数多くのコンサートホールやフェスティ ヴァルで演奏しています。このデビュー・アルバムではオーソドックスなレパートリーを丁寧に演奏、将来が期待される若手です。
OC-461
NX-B01
ツェラー:喜歌劇《小鳥売り》 アダム:チロルの小鳥売り…ベルンハルト・ベルヒトールド(T)
クリステル:郵便配達の娘…マルティナ・フェンダー(S)
大公妃マリー…エレナ・プシュタ(S)
アデライーデ…ダグマール・シェレベルガー(S)
ヴェプス男爵…ルペルト・ベルクマン(Br)
スタニスラウス伯爵…マキシミリアン・マイヤー(T)
ズュフレ教授…ヴォルフガンク・ドシュ(T)
ヴュルムヒェン教授…ゲルハルト・エルンスト(Br)
シュネック…ライムンド・シュタングル(T) 他
ゲリット・プリースニツ(指)
メルビッシュ祝祭O&cho

録音:2017年7月6.8日ライヴ
「チロルでの贈り物はばら」など、何曲かのアリアのみが知られるツェラーの喜歌劇《小鳥売り》。オーストリアの小さな村で起きる騒動 を、美しいメロディに載せた楽しい物語です。郵便配達の娘クリステルと愛し合う小鳥売りアダム。しかし美しいクリステルに目を付け たのがヴェプス男爵とその甥、スタニスラウス伯爵でした。伯爵は大公殿下になりすましクリステルに言い寄りますが・・・。 メルビッシュ音楽祭でこの演目が上演されるのは実に20年ぶりということで、歌手もオーケストラも気合の入った演奏を繰り広げて います。
OC-462(2CD)
NX-A13
Operettenzauber-オペレッタの魔法
【CD1】
オッフェンバック(1819-1880):喜歌劇「パリの生活」
1.序曲
2.ロンド
J.シュトラウス2世(1825-1899):喜歌劇「こうもり」
3.時計の二重唱
4.Spiel ich die Unschuld vom Lande-無垢な田舎娘を演じる時は
ミレッカー(1842-1899):喜歌劇「乞食学生」
5.前奏曲
6.Ich knupfte manche zarte Bande
J.シュトラウス2世:喜歌劇「ヴェネツィアの一夜」
7.序曲
8.Komm in die Gondel-さあゴンドラにお乗り
9.Schwipslied-ほろよいの歌
10.Lagunenwalzer-入り江のワルツ
J.シュトラウス2世:喜歌劇「ジプシー男爵」
11.序曲
12.Zigeunerlied-ジプシーの歌
13.Wer uns getraut-うそ鳥の二重唱
14.Werberlied-徴兵の歌
ツェラー(1842-1898):喜歌劇「小鳥売り」
15.Ich bin die Christel von der Post-私は郵便配達のクリステル
16.Schenkt man sich Rosen in Tirol-チロルで薔薇を贈る時は
【CD2】
J.シュトラウス2世:喜歌劇「ウィーン気質」
1.Ich bin ein echtes Wiener Blut 私こそ真のウィーン気質
2.Schwipslied ほろ酔いの歌
レハール(1870-1948):喜歌劇「メリー・ウィドゥ」
3.Bitte, meine Herren どうぞ、だんなさま
4.Ja, das Studium der Weiber 女の研究は難しい
5.Lippen schweigen 唇は語らずとも
レハール:喜歌劇「ルクセンブルク伯爵」
6.Bist du’s, lachendes Gluck 微笑みかける幸福よ
カールマン:喜歌劇「チャールダッシュの女王」
7.Heia, heia in den Bergen ist mein Heimatland 山こそわが故郷
8.Tanzen mochte ich 踊りましょう
カールマン:喜歌劇「伯爵令嬢マリツァ」
9.Wenn es Abend wird 夜になり
10.Mein lieber Schatz 私のいとしい人
レハール:喜歌劇「ロシアの皇太子」
11.Einer wird kommen だれかがくるでしょう
12.Kosende Wellen
レハール:喜歌劇「ほほえみの国」
13.Wer hat die Liebe uns ins Herz gesenk 私たちの心の中に誰が愛を埋めたのか
14.Dein ist mein ganzes Herz 君はわが心の全て
15.Ich mocht' wieder einmal die Heimat sehn 故郷をもういちど見たい
ベナツキー(1884-1957):喜歌劇「白馬亭にて」
16.Einmal nur-Es muss was Wunderbares sein
17.Das ist der Zauber der Saison
18.Im Weisen Rossl am Wolfgangsee
レハール:喜歌劇「ジュディッタ」
19.Uns ist alles einerlei
20.Freunde, das Leben ist lebenswert 友よ、人生は生きる価値が ある
21.Hab'ein blaues Himmelbet 青空が天蓋の寝台に
22.Meine Lippen, sie kussen so heis 私の唇は熱いキスをする
ウルズラ・プ フィツナー(S)…1.2.10
クリスティアン・ツェンカー(ヴォーカル)… 1
マルガリータ・デ・アレリャーノ(S)…3.5
マティアス・ハウスマン(Br)…5.16
ミヒャエル・ズットナー(T)…6 ルート・オールマン(S)…6
マルティナ・セラフィン(S)…7.8 フェルディナント・フォン・ボトマー(T)…8
ニコライ・シューコフ(T)…9.10
アレクサンドラ・ラインプレヒト (S)…11.12
ティベリウス・ジム(T)…12 エリザベト・フレフル(S)…13.15
チョイ・サンゴ(T)…14 マルコ・イェンチュ(T)…18
マルクス・ハインリヒ(T)…19.21 ユリア・バウアー(S)…19.21
メールツァド・モンタゼリ(T)…20 ナターリア・ウシャコーワ(S)… 22
ルドルフ・ビーブル(指)
ルドルフ・ビーブル(指)…【CD1】1-10.13-22
                …【CD2】1-4.11-14.15-16
ウヴェ・タイマー(指)…【CD1】5.6
アンドレアス・シューラー(指)…【CD1】7-10
ヴォルフディーター・マウラー(指)…【CD2】11.12
メルビッシュ祝祭cho…【CD2】4.17
メルビッシュ祝祭O
オーストリアのメルビッシ ュ湖上で毎年夏に開催されるオペレッタの大音楽祭「メルビッシュ湖上音楽 祭」。1957年に第1回の音楽 祭が開催されて以降、休むことなく開催される大人気を誇る夏 の風物詩です。この2枚組はこれまで録音された音楽祭のアルバム から名アリアと情景をピックアップ。 名歌手たちの表情豊か な歌唱をたっぷりお楽しみいただけます。また、音楽祭の中心的な存在であ る指揮者ルドルフ・ビーブルの 演奏だけでなく、ビーブル退任後の若手指揮者たちの演奏も収 録されています。
OC-463
NX-B03
シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」 ローマン・トレーケル(Br)
オリヴァー・ポール(P)

録音:2017年1月14.15.18.20日
1988年からベルリン国立歌劇場のソリストとして頭角を現し、現在では優れたリート歌手として世界中で活躍を続けるバリトン歌 手トレーケル。シューベルトの三大歌曲集は2004年に「美しき水車小屋の娘」、1998年と2007年に2度の「冬の旅」の録音が ありますが、「白鳥の歌」は来日時のリサイタルで披露したもののCDの録音はありませんでした。ファンにとって待望の1枚となるこの アルバムでは通常の「白鳥の歌」歌曲集に、独立した番号を持つ別の曲である「白鳥の歌」をはじめとした4曲を加えた全20曲を 暖かみのある声で歌い上げています。長年のパートナーであるオリヴァー・ポールとの息のあったやりとりも聴きものです。
OC-464
NX-B01
REVOLUTIONARY RHYTHMS
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲 第1番&第2番
ファリャ:バレエ「三角帽子」第2組曲〜近所の人たちの踊り/粉屋の踊り/最後の踊り(ホタ)
カレル・マーク・チチョン(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音:2013年12月2.3日、2015年11月27-28日 、2016年9月12-15日 、2015年11月26日
ニューヨーク・タイムズ紙上で「天才指揮者」と賞賛された、1971年ロンドン生まれのカレル・マーク・チチョン。2009年から 2012年までラトヴィア国立SOの首席指揮者、2011年から2017年にはクリストフ・ポッペンの後任としてザールブ リュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送POの首席指揮者を務めるなど、現在最も活躍が期待さ れる指揮者の一人です。 このアルバムでは、20世紀の名作を3曲演奏。どれも特徴的なリズムを持つ躍動的な作品で、まさにタイトル 「REVOLUTIONARY RHYTHMS」にふさわしい内容であり、刺激的な響きも存分に堪能できます。
OC-465
NX-B01
J.S.バッハ:オルガン作品集
前奏曲とフーガ ハ短調 BWV546
いと高きところには神にのみ栄光あれ BWV717(手鍵盤のみ)
幻想曲 ハ短調 BWV562
協奏曲 ハ長調 BWV595(原曲:ザクセン=ワイマール公ヨハン・エルンスト)
前奏曲とフーガ ヘ短調 BWV534
フーガの技法 BWV1080より
コントラプンクトゥス I
われ汝に別れを告げん BWV736(ペダルによるコラール)
トリオ「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV664
フーガ ハ短調 BWV575
パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
ヨゼフ・ケレメン(クリストフ・トロイトマン・オルガン…1734-1737)

録音:2017年8月7-9日
ヨゼフ・ケレメンはフランツ・リスト音楽大学で学んだ後、1980年スイスに留学。バーゼル・スコラ・カントルムで主に17世紀初 期のバロック音楽とオルガン奏法を研究、その後はブレーメン芸術大学を経てカナダに移住し、その市民権を得ました。 現在は17世紀のドイツ・オルガン作品と、J.S.バッハのオルガン作品の研究家として知られており、これまでの録音も高く評 価されています。 このアルバムは、J.S.バッハのオルガン作品の中から「短調」の曲を中心にセレクトし、ところどころに長調の曲を配することで、 短調が持つメランコリーの表情を追求するというもの。ケレメンならではのコンセプトアルバムです。
OC-466
NX-B01
フォーレ:13の舟歌集 ミヒャエル・エンドレス(P)

録音:2017年5月22-24日
ケルン放送 クラウス・フォン・ビスマルク・ホール
ヴェネツィアのゴンドラ漕ぎの歌に由来するという「舟歌」。波を表現する「ゆったりとしたリズム」の上で哀愁漂う旋律が歌われ ます。ロマン派の作曲家の中でも、とりわけフォーレはこの形式を愛し、ピアノ曲だけでも13曲の「舟歌」を残しています。第1 番から第13番はほぼフォーレの全生涯に渡って書かれており、初期の清明な曲から晩年の神秘的な曲までシューベルトやラ ヴェルを得意とするドイツのピアニスト、ミヒャエル・エンドレスによる演奏です。
OC-467
NX-B01
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ドヴォルザーク:ヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのロマンス ヘ短調 Op.11
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ティボール・ボガーニ(指)
パノンPO

録音:2017年10月1日ハンガリー,ペーチ コダーイ・センター
1968年ウィーン生まれのベテラン・ヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミット。世界中の主要コンサートホールで演奏活動を行う 他、ジャズプレイヤーとしても味のある演奏を行ってきました。これまでにバッハから現代音楽、ジャズまで数多い録音がある シュミットですが、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はこれまでに録音しておらず、このアルバムが満を持してのリリースとなり ます。同時収録のドヴォルザークのロマンスは、自身の「弦楽四重奏曲第5番」の第2楽章を改作したもの。優美で哀愁漂う 旋律が特徴的な美しい作品を、シュミットは感情を込めてたっぷりと歌い上げています。
OC-477
NX-B03
ブルックナー:オルガン編曲による交響曲全集 Vol.1
ブルックナー:オーケストラのための3つの小品 WAB 97(E. ホルンによるオルガン編)
ブルックナー:行進曲 ニ短調 WAB 96(E. ホルンによるオルガン編)
オスカー・ヨッケル(1955-):ブルックナー・フェンスター II
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調 WAB 101(1865/66 リンツ稿)(E. ホルンによるオルガン編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2021年3月1-4日ブルックナーハウス、リンツ(オーストリア)
前作(OC476)の第0番では、オーストリアのリンツにあるザンクト・フローリアン修道院の通称「ブルックナー・オルガ ン」を用いたハンスイェルク・アルブレヒト、今作ではリンツの「ブルックナーハウス」のオルガンを演奏しています。今回中 心になるのは1886年に作曲された交響曲第1番。交響曲0番よりも以前の作品で、ブルックナーは幾度も改訂を 行っていますが、このエルヴィン・ホルンによるオルガン版は初稿版を用いています。他には、あまり耳にすることのない 1861年から63年にかけて作曲された「3つの小品」WAB 97と「行進曲」WAB 96を収録。ブルックナーが初めて 完成させたとされる小品も、同じくエルヴィン・ホルンの手で見事なオルガン曲に生まれ変わりました。また、このシリー ズのために毎回用意される新作ですが、今作はオスカー・ヨッケルの「ブルックナー・フェンスターII」。交響曲第1番の 素材を断片的に用いながら、R・シュトラウスの「アルプス交響曲」の夜明け部分を思わせる壮大な音楽を創 り上げています。 2024年のブルックナー生誕200周年に向けての記念企画、全10巻からなるオルガン版ブルックナー交響曲全集第2弾です。 このシリーズは毎年2〜3巻をリリース、2024年に完結予定となります。
OC-478
NX-B03
ブルックナー:オルガン編曲による交響曲全集 Vol.2
交響曲第2番ハ短調 他

ブルックナー:詩篇150篇 WAB 38 - ソプラノ、合唱とオーケストラのために(1892) (エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
デイヴィッド・マシューズ(1943-):ブルックナーの第2交響曲の緩徐楽章による瞑想〜ブルックナー・フェンスター III -オルガンのために(2021)
ブルックナー:交響曲第2番ハ短調 WAB102/1877年版(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(ウィリス-オルガン)

録音:2021年8月5-9日ウェストミンスター大聖堂、ロンドン(UK)
1868年からウィーン宮廷礼拝堂のオルガン奏者として活躍をはじめたブルックナー。パリに赴き演奏会を開いたところサン=サーンスやフランクに絶賛され 自信を得ました。そして1871年にはロンドンのオルガン・コンクールに参加し第1位を獲得します。彼は当時存在した巨大な建造物「水晶宮」で70,000 人の聴衆の前で即興演奏とバッハの小品、自作などを演奏したと伝えられています。その後、しばらくロンドンに滞在し、同年10月から交響曲第2番の作 曲に取り掛かりました。ロンドンで得た経験も採り入れられながら1年も経たずにウィーンで完成されたこの交響曲は、すぐさま彼の友人の指揮者オットー・ デッソフが初演を試みましたが、オーケストラの団員が「演奏不可能」と評したことからブルックナーは作品を改訂、翌1873年にようやくブルックナー自身の 指揮によって初演が行われます。その後、1877年に更なる改訂が行われており、今回のオルガン版はこの1877年の改訂稿が用いられています。 ブルックナー自身は大きなオルガンを演奏することを好んでいたようで、1871年に完成したばかりのロイヤル・アルバート・ホールの巨大なオルガン(ヘンリー・ ウィリス工房製造)にも魅了されました。このアルバムでハンスイェルク・アルブレヒトが使用したのは、ヘンリー・ウィリスの孫"ウィリスIII世"が製造したオルガン で、こちらも4段鍵盤と78ストップを備えた壮麗な楽器。ロンドンに縁ある交響曲第2番を演奏するには最もふさわしい楽器と言えるでしょう。 毎回注目されるこのプロジェクトの為の新作は、イギリスの作曲家デイヴィッド・マシューズの「ブルックナーの第2交響曲の緩徐楽章による瞑想」です。他 にはブルックナーの詩篇第150篇のオルガン版。こちらは交響曲と同じくエルヴィン・ホルンによる編曲版が収録されています。
OC-479
NX-B03
ブルックナー:オルガン編曲による交響曲全集 Vol.3
ブルックナー:交響的前奏曲 WAB 297(1871-76)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
ヨハンナ・ドーデラー(1969-):PINUS ピヌス - ブルックナー・フェンスター(管弦楽版からのオルガン編 DWV 139/2021)
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 WAB103 (1888/89年稿)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)
使用楽器:ミュンヘン、聖ペーター教会のメイン・オルガン及びクワイア・オルガン(共にクライス社製)

録音 2021年11月22-26日
2024年のブルックナー生誕200周年に向けての記念企画、全10巻からなるオルガン版ブルックナー交響曲全集第4弾です。このシリーズは指揮者クリス ティアン・ティーレマンの後援のもとに毎年2〜3巻をリリース、2024年に完結予定です。 1873年8月31日、ブルックナーはこの交響曲第3番と旧作の第2交響曲の楽譜を持ってバイロイトのワーグナー宅を訪れました。ワーグナーは第2番には 興味を抱かなかったものの、第3番には感銘を受け、一度は帰らせたブルックナーを呼び戻し、2人はコジマ夫人を交えでビールを飲みながら歓談、その翌 朝、ブルックナーはワーグナーがどちらの交響曲を受け入れてくれたのか忘れてしまい、ワーグナーに改めて尋ねたと記録が残っています。ただし、この初稿に あたる第3番の総譜にはワーグナー作品からの引用が多くあったので、ワーグナーが気に入ったとも推測されています。後にブルックナーは少しずつ引用を削 除し、このアルバムで用いられている第3稿(1888/1889)では引用はほぼ姿を消しています。そこには、ワーグナーの力を借りなくても受け入れられる交響 曲を書けるというブルックナーの自負が感じられます。 ハンスイェルク・アルブレヒトはこの作品に「オルガン奏者を原点とする作曲家ブルックナー」を見出し、その交響的世界をオルガンならではの響きで描いてい ます。 冒頭に収録されている「交響的前奏曲」は、第二次世界大戦直後にブルックナーの弟子ルドルフ・クリザノフスキの遺品から発見された作品で、当初はグ スタフ・マーラーが書いたものとみなされていましたが、今ではブルックナー作と考えられています。 毎回注目されるこのプロジェクトのための新作は、ブレゲンツ生まれのヨハンナ・ドーデラーの「PINUS」。もともとはオーケストラのための作品ですが、今回ア ルブレヒトの協力のもと、オルガン版に改訂。巧みなコラージュを用い、ブルックナーの旋律が埋め込まれた興味深い作品です。
OC-487
NX-B03
ヴァインベルク(1919-1996):ピアノ五重奏曲 Op.18
子どもの手帳第3集 Op. 23
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)
ノア・ベンディックス=バルグリー(Vn)…1-5
ヤオ・シャンシャン(Vn)
マテ・スーチュ(Va)
ブリュノ・ドルプレール(Vc)

録音:2020年2月17,18日RBB(ベルリン=ブランデンブルク放送) 第1ホール
近年、知名度と人気が著しく高まってきた作曲家ヴァインベルク。このアルバムには初期の名作「ピアノ五重奏曲」と、ピアノ小品集「子どもの手帳」 第3集が収録されています。ヴァンベルク25歳の時に書かれた「ピアノ五重奏曲」は5楽章で構成された古典的な佇まいを持つ大作で、冒頭の哀 愁溢れるピアノの旋律が全体を統一。時には激しく力強く奏されるという完成度の高い仕上がりを見せています。「子どもの手帳」も同じ時期に書か れた小品集。シューマンの「子どものためのアルバム」に倣い、ソビエトの子どもたちの教育用として書かれましたが、実際に演奏するためにはある程度 の技巧が求められます。さまざまな表情を持つこの楽しい小品集は、後にジダーノフ批判の対象になりましたが、現在では多くの奏者たちが愛奏して います。 ピアニスト、エリザヴェータ・ブルーミナはドイツ出身。とりわけヴァインベルクを得意としており、これまでにも様々なレーベルよりピアノ五重奏曲(管弦楽 伴奏版)や「子どもの手帳」他、ピアノ・ソナタや室内楽など数多くのアルバムを発表、高い評価を受けています。
OC-489
NX-B03
エコール・ド・パリのチェロ作品集
ティボール・ハルシャーニ(1898-1954):ラプソディ-チェロとピアノのために…世界初録音
タンスマン(1897-1986):2つの小品
マルティヌー(1890-1959):スラヴ民謡による変奏曲 H.378
ハルシャーニ:チェロ・ソナタ…世界初録音
アレクサンドル・チェレプニン(1899-1977):歌と踊り Op. 74
マルセル・ミハロヴィチ(1898-1985):抒情的な情景のようなソナタ Op. 108…世界初録音
ウェン=シン・ヤン(Vc)
オリヴァー・トリンドル(P)

録音:2020年12月28-30日、2021年1月4日
第一次大戦終戦後、若く希望に満ちた才能ある作曲家たちがフランスの中心都市に集まりました。1925年、出版業を営むミシェル・ディラールは彼 らの中でも突出した才能を持つ5人の作曲家、ハルシャーニ、タンスマン、マルティヌー、チェレプニン、ミハロヴィチのグループのために「エコール・ド・パリ (パリ派)」という名前を造りました。東ヨーロッパ出身の彼らは、みなフランスを中心として活躍しながらも、自身の音楽的ルーツの探求に余念がありま せんでした。 このアルバムには、ピアティゴルスキーに捧げられたハルシャーニの「ラプソディ」やミハロヴィチのソナタなどの世界初録音を含む、各々の作曲家が自国の 民族音楽と西洋音楽の融合を試み成功した作品を収録。ウェン=シン・ヤンの雄弁なチェロとトリンドルのピアノが作品の持ち味を生かした演奏を聴 かせます。
OC-491
NX-B03
ラートハウス/ティーセン/アルマ:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ集
カロル・ラートハウス(1895-1954):ヴァイオリン・ソナタ Op. 14
ハインツ・ティーセン(1887-1971):デュオ・ソナタ Op. 35…世界初録音
ポール・アルマ(1905-1987):ヴァイオリン・ソナタ…世界初録音
デュオ・インゴルフソン−ストウペル【ジュディス・インゴルフソン(Vn)、ウラディーミル・ストウペル(P)】

録音:2020年11月25-27日
イエス=キリスト教会、ダーレム、ベルリン(ドイツ)
ヴァイオリニスト、ジュディス・インゴルフソンとピアニスト、ウラディーミル・ストウペルによるデュオ。彼らは、第一次世界大戦、および第二次世界大戦に 巻き込まれ、命を落とす、もしくは迫害を受けた作曲家たちの作品に関心を持ち、それらの作品の演奏と録音に尽力しています。このアルバムにはユ ダヤ系オーストリア人のカロル・ラートハウス、ドイツ人のハインツ・ティーセン、ハンガリー出身のポール・アルマという3人の作曲家の作品が収録されてお り、ティーセンとアルマの作品は世界初録音となります。 ラートハウスはシュレーカーの弟子であり、1920年代にベルリンで大人気を博しました。映画音楽の分野でも活躍しましたが、ナチス・ドイツによって 「退廃芸術」のレッテルを貼られ、一時期上演を禁止されています。ティーセンは1922年にベルリンで創設された国際現代音楽協会(ISCM)のメン バーであり、1925年から1945年までベルリン音楽大学で音楽理論と作曲を教えましたが、その音楽は、やはりナチス政権によって「不適切」とされて います。またセルジュ・チェリビダッケの師としても知られています。ポール・アルマはハンガリー生まれ。1925年以降、ピアニストとして活躍、アメリカの大 学で現代音楽を教えていました。1930年から1933年まではドイツで指揮者として働くためにアメリカでのキャリアを断念しましたが、ゲシュタポに目を 付けられパリに逃亡。以降フランスで活動を行った作曲家です。彼のヴァイオリン・ソナタは未出版であり、遺族が原稿をデュオに提供、この録音が完 成しました。
OC-492
NX-B03
変則調弦によるヴァイオリンのための作品集
イザイ:悲劇的な詩 Op. 12(Vnとピアノ版)
ビーバー(1644-1704):ロザリオのソナタ 第9番「十字架を背負う」
ルイス・フランツ・アギーレ(1965-):4つの夜想曲とマスク
フランツ・フォン・ヴェチェイ(1893-1935):Nuit du Nord 北国の夜
ジャコモ・プラティーニ(1967-):Four Souvenirs 4つの思い出
サン=サーンス:死の舞踏 Op. 40 (Vnとピアノ編)
ヴァレリア・ツォリナ(Vn)
エフゲニー・シナイスキ(P)

録音:2019年12月テレサ・ベルガンサ音楽院、コンサート・ホール、マドリット(スペイン)
このアルバムに収録された作品は、どれもヴァイオリンのスコルダトゥーラ(変則調弦)が用いられています 。スコルダトゥーラは、作曲家が通常の調弦で は出せない響きを求める時に使われる技法で、聞く人に緊張感をもたらしたり、非日常の世界を感じさせるような効果があります。その代表作とされる ビーバーのロザリオのソナタに始まり、イザイやサン=サーンスの「死の舞踏」を経て現代作品に至る収録作を、3台のヴァイオリンと7種類の調弦を使い 分けて演奏することで、タイトルにあるExtended Reality(拡張現実)を表現しようというアルバムです。 演奏しているヴァレリア・ツォリナはモルダヴィア出身のヴァイオリニスト。「ナショナル・ヤング・アーティスト・コンペティション」やカールスルーエ国際室内楽コ ンクールなど数多くのコンクールで優勝を飾り、ソリスト、室内楽奏者として活躍しています。2また、2015年からはマドリットの音楽学校「Centro Superior Katarina Gurska(CSKG)」で大学院の教授を務めています。
OC-493
NX-B03
デュボワ、ダンディ、カプレ:作品集
テオドール・デュボワ(1837-1924):十重奏曲(1909)
ダンディ:歌と踊り Op. 50(1898)
アンドレ・カプレ(1878-1924):ペルシャ組曲(1900)
ポリフォニア・アンサンブル・ベルリン
【メンバー】
フラウケ・ロス(Fl)
ウパマ・ムッケンシュトゥルム(Fl)
マルティン・ケーゲル(Ob)
ラファエル・グロッシュ(Ob)
ベルンハルト・ヌッサー(Cl)
ガブリエーレ・ケーゲル(Cl)
イェルク・ペーターゼン(Fg)
ヘンドリク・シュット(Fg)
オーザン・ツァカル(Hrn)
マルクス・ブルガイヤー(Hrn)
ヨハネス・ヴァツェル(Vn)
マリア・ミュッケ(Vn)
ヘンリー・ピーパー(Va)
トーマス・レセラー(Vc)
ウルリヒ・シュナイダー(Cb)

録音:2020年11月30日-12月1日、14、15日
ベルリン・ドイツSOのメンバーによって結成された"ポリフォニア・アンサンブル・ベルリン"による近代フランスの 室内楽作品集。デュボワ、ダンディ、カプレ、この3人は同時代の作曲家たちの影に隠れ、あまり目立つことはあり ませんが、フランス音楽の発展において重要、かつ独自の役割を果たした人たちです。デュボワはパリ音楽院でトマ に指示、ローマ大賞を受賞後、マドレーヌ寺院の楽長に就任するとともに、パリ音楽院の教授として多くの後進を 育てました。宗教曲やバレエ作品を残しましたが、この弦楽五重奏と木管五重奏の組合せによる十重奏曲は後 期の作品で、厚みのある和声が特徴です。「フランスの山人の歌による交響曲」で知られるダンディの「歌と踊り」は フルート、オーボエ、クラリネット2本、ファゴット2本、ホルンの七重奏曲。フランクを思わせる歌部分と軽妙な曲調 が魅力的な踊りの部分からなる作品です。ドビュッシー作品のオーケストラ編曲で知られるカプレの「ペルシャ組曲」 はエキゾチックな旋律を粋に用いた管楽十重奏曲。管のみの軽やかな響きが魅力的です。
OC-496
NX-B03
二つの世界の間で
レベッカ・クラーク:The Tiger 虎
シューベルト:タルタロスの群れ D. 585
ベッツイ・ジョラス(1926-):いつでも
マルガレータ・フレク=ペトリ(1982-):インゲボルグ・バッハマンのために
シューベルト:アテュス D. 585
ヴォルフ:ムンメル湖の精霊たち
サーリアホ:あんたは飛び去った
ヴォルフ:水の精ビンゼフース
 夜の魔法
ラヴェル:シェエラザード
シェーンベルク:期待 Op. 2-1
クラーク:シールマン
シューベルト:夕映えの中に D. 709
クラウディア・タンドル(Ms)
ギーゼラ・イェブストル(P)

録音:2021年7月20-23日
「二つの世界の間で」と題されたこのアルバムは、男性/女性の作曲家、ロマン派と現代、さまざまな国と言語に属する作品を対照的に並べることで、音楽 における既存の序列から解放されたアプローチを提案しています。 アルバム・タイトルはフランスの作曲家ベッツィ・ジョラスの歌曲集『Plupart du temps I』の1曲目から採られていて、シュルレアリスム的なこの作品がシュー ベルトやヴォルフらのリートと強烈な対照をなし、聴き手の感性をゆさぶります。

OC-501F(2CD)
レヴァイン&ミュンヘンPO〜ライヴVol.1
シェーンベルク:グレの歌
ベン・ヘップナー(T:ヴァルデマール王)
デボラ・ヴォイト(S:トーヴェ)
ヴァルトラウト・マイヤー(Ms:山鳩)
アイケ・ヴィルム・シュルテ(Br:農夫)
マシュー・ポレンザーニ(T:道化クラウス)
エルンスト・ヘフリガー(語り)
ジェイムズ・レヴァイン(指)
ミュンヘンPO&cho
アンドレアス・ヘルマン合唱(指)
バンベルクSO併設cho男声団員
ロルフ・ベック合唱(指)

録音:2001年7月18日、19日、21日、ガスタイク・フィルハーモニー、ミュンヘン・ライヴ
OC-502B
レヴァイン&ミュンヘンPO〜ライヴVol.2
〜現代音楽選集

ロジャー・セッションズ:ピアノ協奏曲*
チャールズ・ウォーリネン:弦楽の為のグランド・バンブーラ#
エリオット・カーター:管弦楽の為の変奏曲+
ロベルト・ディ・ドメニカ:交響曲*
ロベルト・タウプ(P)
ジェイムズ・レヴァイン(指)ミュンヘンPO

録音:2002年2月2日&3日*/2003年9月2日&3日#/2003年11月6日、7日、9日+、以上ガスタイク・フィルハーモニー、ミュンヘン。ライヴ
OC-503F(2CD)
レヴァイン&ミュンヘンPO〜ライヴVol.3
マーラー:交響曲第9番
ジェイムズ・レヴァイン(指)ミュンヘンPO

録音:1999年3月27日、29日、30日、ガスタイク・フィルハーモニー、ミュンヘン。ライヴ
OC-504B
レヴァイン&ミュンヘンPO〜ライヴVol.4
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲*
R.シュトラウス:「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」+
モーツァルト:交響曲第39番#
コープランド:クラリネット協奏曲**
ジェームズ・レヴァイン(指)ミュンヘンPO
マーティン・シュパンゲンベルグ(Cl)**

録音:2000年6月16-18日*/2002年1月11-12日+/2000年12月8日#/2002年2月1-3日**
「オベロン序曲」はキビキビとした現代感覚に歌心に溢れたアゴーギクを織り交ぜた瑞々しい演奏。コーダでは今年珍しいホルンを重ねるヴァージョンを採用していますが、突然音楽が大袈裟に変貌することはなく、最後の一音まで音楽に新鮮な息吹を与え続けているのが流石。
モーツァルトがこれまた名演。ミュンヘン・フィルの機能美と自発的な表現能力も物を言いい、変わったアプローチは何一つないにもかかわらず、全体に速めのテンポを貫いて聴き手を惹きつけ続けます。第2楽章の清明なフレージングと深い呼吸は特に聴きもの。
3楽章も古楽派指揮者同様の速めのテンポを採用していますが、響きがぎすぎすせず、人肌の温もり。終楽章展開部はリピート有り。
コープランドのクラリネット協奏曲は、このジャンルの作品でも屈指の名曲!特に第1楽章の心身とした詩情は何度聴いても感動的。
そして、レヴァインのオペラ指揮者としての力量を発揮し尽くしてとんでもない名演となったのが「ティル」
単なるユーモラスの表現でお茶を濁す演奏とは次元が違い、これこそが本物の機知!各楽想の性格描写のリアルさと自然さは当代随一と言えましょう。8:31からのオーボエ・ソロの嘆きなど言葉が出ません。この演奏に欠ける要素があるなら、ぜひ教えていただきたいものです。【湧々堂】
OC-505F(2CD)
レヴァイン&ミュンヘンPOライヴVol.5
バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」(演奏会形式)*
 ピアノ協奏曲第3番+
 組曲「中国の不思議な役人」
ジョン・トムリンソン(B-Br:青ひげ公;*)
クレメーナ・ディチェーヴァ(S:ユーディト;*)
エルス・キスファルディ(語り;*)
ジョナサン・ビス(P)+
ジェームズ・レヴァイン(指)ミュンヘンPO

録音:2003年11月14-16日、ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー、ライヴ
OC-506B
レヴァイン&ミュンヘンPOライヴVol.6
ブラームス:交響曲第1番*
 運命の歌+
ジェームズ・レヴァイン(指)
ミュンヘンPO&同cho+

録音:2003年9月2-3日*、1999年10月28-29日+、ガスタイク・フィルハーモニー、ライヴ
OC-507B
レヴァイン&ミュンヘンPOライヴVol.7
アメリカ現代音楽集 2

アイヴズ:交響曲第2番*
ガーシュウィン:キューバ序曲+
ジョン・ハービソン:交響曲第3番#
ジェームズ・レヴァイン(指)ミュンヘンPO

録音:2002年2月2-3日*、2001年12月30-31日+、2002年1月11-13日、ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー、ライヴ
OC-508F(2CD)
レヴァイン&ミュンヘンPOライヴVol.8
ベートーヴェン:交響曲第7番*
ワーグナー:「ジークフリート」第3幕(演奏会形式)+
ベン・ヘップナー(T:ジークフリート)
ルアナ・デ・ヴォール(S:ブリュンヒルデ)
ジェームズ・モリス(B-Br:さすらい人)
ビルギッタ・スヴェンディン(A:エルダ)以上+
ジェームズ・レヴァイン(指)ミュンヘンPO

録音:2001年2月15-16日*、2000年6月29-30日、7月3日+、ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー、ライヴ
OC-509G2(12CD)
レヴァイン&ミュンヘンPOライヴ・ボックス ジェイムズ・レヴァイン(指)ミュンヘンPO 他
OC-510F(2CD)
フェルドマン:トライアディック・メモリーズ(3組の記憶) ザビーネ・リープナー(P)

録音:2001年5月
OC-511B
シューベルト:歌曲集「美しき水車屋の娘」 ローマン・トレーケル(Br)
オリヴァー・ポール(P)
OC-512B
ハルトマン(1905-1963):葬送協奏曲
 組曲第2番
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番
 交響曲第8番
スーヨェン・キム(Vn)
ピエタリ・インキネン(指)バイエルンCO
ヴァイオリンのスーヨェン・キムは、1987年ドイツ生まれ。1997年ミュンスター学生音楽コンクールで優勝し、同1997年と2000年にコペンハーゲンで行われた若い学生のための国際コンクールで優勝。ハルトンマンはドイツの作曲家(1905-1963)。ナチス政権下で反ファシズムの姿勢を貫き、ドイツ国内での演奏を禁止されたまま表出力の強い作品を書き溜めて、戦後になって交響曲として発表。作品に満ちた悲哀と怒りの情念が聴き手に訴えかけます。彼の作品の中でも埋もれた作品である「コンチェルト・フネーブル」と、対照的なモーツァルトの協奏曲をカップリングし、2つの作品の対比をキムがどこまで演じるか、聴き所。 
OC-513D(4CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集(全5曲) ヴァレリー・アファナシエフ(P)
ユベール・スダーン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
OC-514F(2CD)
ビーバー:「ロザリオのソナタ」
[第1番 ニ短調「お告げ」/
 第2番 イ長調「聖母マリアのエリザベト訪問」/
 第3番 ロ短調「キリストの降誕」/
 第4番 ニ短調「イエスの神殿への拝謁」/
 第5番 イ長調「神殿における12歳のイエス」/
 第6番 ハ短調「オリーヴの山で苦しみ」/
 第7番 ヘ長調「イエスのむち打ち」/
 第8番 変ロ長調「いばらの冠をかぶせられ」/
 第9番 イ短調「十字架を負ったイエス」/
 第10番 ト短調「十字架にかけられたイエス」/
 第11番 ト長調「キリストの復活」/
 第12番 ハ長調「キリストの昇天」/
 第13番 ニ短調「聖霊降臨」/
 第14番 ニ長調「聖母被昇天」/
 第15番 ハ長調「聖母マリアの戴冠」]/
 パッサカリア ト短調
アンサンブル LYRIARTE
[ルディガー・ロッター(バロックVn)
オルガ・ワッツ(Cemb/Org)
アクセル・ヴォルフ(リュート/テオルボ)]

録音:2004年5月3日-4日、アレルハイリゲン教会
「ロザリオのソナタ」は、別名「ミステリー・ソナタ」と呼ばれているように、「奥義のソナタ」であると同時に、実際に楽譜の中にミステリーが隠されている作品と言われている。第1曲とパッサカリアのみ通常の調弦で、それ以外の全ての曲がそれぞれ違った調弦されたヴァイオリンを用いるというもの(更に第11曲目は、4弦の内側の2弦を入れ替えて調弦されるため、下から順番に上に音階は上がらない)。これら独特な調弦法は、今までは聖母マリアの生涯を美術的表現で扱った標題音楽で、宗教的独特な音響をもたらした祈りの音楽であると解釈される。しかし演奏者ロッターの考えは、それとは大きく異なる。「これらの曲は、調弦法によって3つの部類に区分けされる。
第1グループ(1G): 1,5,6,10,11,15
第2グループ(2G): 2,4,7,9,12,14
第3グループ(3G): 3,8,13
曲順で追っていくと、1G→2G→3G→2G→1G→2G→3G→2G→1G…と順になっているのがわかる。更に各グループの曲番号を足すと、全て4の倍数になっている。当時「4」という数字は「科学的数学」「幾何学」「ハーモニー」「天文学」では非常に重要な数字であった。それ以前の宗教的観念から見ると、「3」が重要視されていた。各グループの調弦の度数をトータルしていくと3の倍数に固定されている。それ以外にも天文学的に星座や惑星の動き(惑星和音)とも一致していることも解析されたのだ。宗教的観念と数学科学的観念(ガリレオ、ピタゴラス、プラトン等)を取り入れた結果における、計算された調弦だったのだ。熱心なカトリック教徒であったビーバーであったが、こうした科学的なものを信じてもいた。しかし当時、科学は宗教への反発行為だったため、それは単なる音響効果を生むだけのものではなく、秘密に音符に織り込まれた作品なのだ。」
さらに「この曲集の多くはアリアと舞曲形式によって書かれている。もし一般的宗教音楽であったらならば、こうした形式はとらなかったであろう。演奏するならば宗教的観念をはずし、基本は当時の舞曲演奏法にのっ取って演奏するべき(そうした)であるが、そこから発せられた和音と開放弦の音色は「宗教的」であり、かつ当時の最新の科学であり、世俗的なもの。」
演奏者ルディガー・ロッターは上記のような独自解釈によっているため、宗教的解釈も充分取り込みつつあるが、基本を舞曲的演奏法としており、変奏的舞曲形式で書かれた14曲目は、テオルボをギターの様にかき鳴らしたりと、スペイン風に快活に演奏されているのは特に印象的。元となる基本低音はテオルボが受け持ち、チェンバロ又はオルガンは和音を添える程度に控えめにしているため、ヴァイオリンの特徴的な開放弦や和音を多用した独特な音色が強調され、他の盤以上に雰囲気だけでなく、よりいっそう楽しませてくれるアルバムとなっています。 ※ロッターのテクニックは、この超絶技巧曲を難なくクリアし、今まで発売されているCDの中で最も的確な音程で演奏されています。(Live録音とは思えないほど・・)  
OC-515B
ビーバー:器楽と合奏の為の作品集
無伴奏ヴァイオリンの為のチャコーナ
食卓の音楽〜Pars III&IV/「Harmonia Artificosa」から
6声のバレエ音楽/Sonatae tam Aris quam〜Sonata X&VII
Sonata representavia
ヒロ・クロサキ(Vn)
ヘルベルト・ヴァルザー(高域クラリーノ・トランペット)
ルネ・クレマンシック(Cemb、Org)(指)
クレマンシック・コンソート
OC-516B
Herz Tone〜世界のLove Songs
ニルス・リンドベリ:As you are
アイルランド民謡:ロンドンデリーの歌
ドイツ民謡:私は夕べに眠れない/王様の子供たち
トーマス・レイヴァンズクロフト:The three ravens
ブラームス:私の胸の思いのすべて/美しい乙女よ、私を許して
シューマン:夏の歌
ウェルナー・ヘイマン:Wenn der Wind weht uber das Meer
グレンジャー:ブリッグの定期市
タウベ:これほど美しい海の光は
ガーシュウィン:Our Love is here to stay
ジャック・シャイエ:J'ay vu la beaute ma mie
バート・バカラック:Close to you
チック・コリア:Crystal silence
エロール・ガーナー:Misty
ビリー・ジョエル:Goodnight, My Angel
メンデルスゾーン:舟歌
ドロシー・ラヴ・コート:London by night
ジンガー・プール

録音:2004年9月-10月、ブルクレンゲンフェルト十字架教会
OC-517B
ラド・アタネリ〜イタリア・オペラを歌う
レオンカヴァッロ:「道化師」
ヴェルディ:「仮面舞踏会」「リゴレット」「椿姫」
 「ドン・カルロ」「オテロ」「マクベス」
 「ナブッコ」「運命の力」
プッチーニ:「西部の娘」
ポンキエッリ:「ジョコンダ」
ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」より
ラド・アタネリ(Br)
イヴァン・アンゲロフ(指)
スロヴァキアRSO
OC-518B
R.シュトラウス:4つの最後の歌
8つの歌曲Op.10/4つの歌曲Op.27
コンラート・ジャルノット(Br)
ヘルムート・ドイチュ(P)
OC-519B
Die Jagd nach Liebe〜13&14世紀ドイツ、騎士の愛の歌 ルネ・クレマンシック(監修/笛/シャルマイ)
クレマンシック・コンソート
[エバーハルト・クンマー(バリトン/Hp)
メルクス・ホルスター(CT)
エスミール・ヴァッセージ(Perc)]
OC-520B
アリーナ・カバノワ〜ピアノ・リサイタル
シューマン:交響的練習曲
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
ラフマニノフ:楽興の時〜第3&4番
ルビンシテイン:練習曲第2番
アリーナ・カバノワ(P)
1982年ウクライナ生まれ。モスクワ音楽院で学び、ドイツ、オランダ、アメリカ、ウィーン、パリでの国際コンクールで優勝し、絶賛を浴びてきています。特にドイツものとロシアものを得意としており、このアルバムでは彼女が最も得意としているレパートリーを収録しています。
OC-521B
ベートーヴェン:交響曲第1番
交響曲第4番
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO

OC-522D(2CD)
ベートーヴェン:交響曲第2番*
交響曲第3番「英雄」#
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO

録音:2005年6月、大ゼンデザール*/2005年1月15日&16日、コングレスハレ、ザールブリュッケン、ライヴ#
1年近くも発売延期の末世に出た全集第1弾ですが、そこまで待たせた意味が痛いほど分かる感動的な名演奏です!「第2番」は、第1楽章冒頭からザッハリヒというべきドライな叩き付けで開始し、主部に至る間にその贅肉を削ぎ落とした響きに柔軟な伸縮を与えることで牽引力を誇示。リズムは一貫して鋭利。主部位に入ると快速なテンポで突き進みますが、展開部での声部の緊密な絡み方と熱気は、師のセルを彷彿とさせます。その緊迫感は終楽章で更に高次元に達し、急速テンポ(6分08秒)の中で強弱の俊敏なレスポンスを見せ、それでいながら第2主題では陰影に富んだニュアンスを聴かせる等、どこにも妥協の欠片もありません。展開部の第1Vnと第2Vnの対話の熾烈なぶつかり合いも聴きものですが、コーダに差し掛かり、急激なフォルティッシモが登場した後の弦の高速マシンのようないきり立ちはもう圧巻!
一方の、「英雄」は更に感動的!しかもこれほど演奏されつくされた曲で、空前絶後というしかない緻密な配慮が目白押しです!N響定期での演奏も、N響演奏史に刻むべき感動的名演でしたが、ここでの演奏を聴くと、N響との演奏はスクロヴァの理想の半分程しか実現出来ていなかったことに気付かされます。まず冒頭、2つの和音の叩きつけから、十分に用心してお聴き下さい!まるで一呼吸で2撃するような強烈なパンチ力と高求心力!この音の弾丸が実現するまで発売に待ったを出し続けたのでは、と思えるほどの強固な意志の塊なのです!第2主題に達するまでの間に、スクロヴァが理想とする音楽がいかにハードルの高いものだったかを十分思い知らされますが、音の溶け合いと高解像度を誇るという点では、あの潔癖なセル以上とさえ思うほどの徹底ぶり。1:46でほんの一瞬だけ管のアンサンブルにアクセントを施していますが、こんな配慮を今まで誰が思いついたでしょうか!後半13:18の強烈なトゥッティの強烈な切り込みはまさに奇跡!主題再現時のトランペットの追加は行なっていませんが、その周りのパートの発言力があまりにも凄まじく、一部のパートだけに意識を集中している場合ではありません。第2楽章は弱音自体が意味深く、コントラバスの唸りが明確な輪郭を伴って旋律を煽ります。音の質感自体は高潔そのもの。それでいてこのシンプルな主題にこれほどまでに強弱のアクセントと共にニュアンスを封じ込めた演奏というのも聴いたことがありません。5:11の弦のリズムの刻みの全く歯葉こぼれなし。最も緊迫するフーガ主題以降にいたっては、スクロヴァの唸り声と呼応するかのように、壮絶な重圧感が全身を襲い、最高潮に達して、固いティンパニが追い討ち掛けます。この2つの楽章だけでもへトヘトになるほどの緊張感ですが、第3楽章では、束の間の小休止…、とは行かないのです。このオケの機能性を前面に出したインテンポの威力たるや言葉を失うばかりで、トリオでものどかさは皆無でまっしぐら!そして、そのままアタッカで突入する終楽章は、現実にありえないと思っていたことですが、勇気を持ってセルを超えたしまったと言わざるを得ない、壮絶無比、空前絶後の超名演奏です!冒頭の一糸乱れぬ突進の馬力は思い出すだけでも鳥肌が立ちます。3:59からの約1分間のフレーズにおいて、満遍なく全声部が鳴りきり、完璧に一本の線で連動しきった演奏は、それこそ過去に例があるとは思えません!コーダでは、ホルンを終止明快に鳴らし、ティンパニを恭子に連打し続けると思いきや、そんな単純ではありません。声部の出し入れの自在さ、強弱配分、ほとんどの演奏で埋没しているクラリネットの一瞬の走句の浮き立たせかた、レガートの意味深い挿入等々、ありとあらゆるセンサーを全開にさせた驚異のコーダを実現しているのです!即刻、「殿堂入り」です!【湧々堂】
OC-523B
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」*
交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」#
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO

録音:2005年10月17日-19日*&2005年10月31日-11月3日#
OC-524B
ベートーヴェン:交響曲第7番/交響曲第8番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-525B
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 アネッテ・ダッシュ(S)
ダニエラ・シンドラム(A)
クリスティアン・エルスナー(T)
ゲオルク・ツェッペンフェルト(Bs)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO、
バイエルン放送cho

録音:2005年、ザールラント放送大ホール、ザールブリュッケン
卓越したオーケストラ・ビルダーとしての手腕を発揮し、ザールブリュッケン放送響をドイツ随一のオーケストラに育て上げたスクロヴァチェフスキにとっても会心の録音「第2番&第3番」に続くベートーヴェン第2弾。ソプラノのアネッテ・ダッシュは、すでにモーツァルトでのけなげな演技やバロック歌曲などでおなじみの若手。
OC-526G(6CD)
ベートーヴェン:交響曲全集 BOX
[第1番−第9番]
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケンRSO
OC-527B
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から ロバート・ディーン・スミス(T)
リンダ・ワトソン(S)
イヴァン・アンゲロフ(指)
スロヴァキアRSO
OC-528B
モーツァルト:弦楽四重奏曲第1番 K.80
 アダージョとフーガ.ハ短調 K.546
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第6番 ヘ短調/奇想曲 Op.81 NO3
クスSQ
OC-529B
ミュンヘン・フルート・アンサンブルの至芸
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
バッハ:管弦楽組曲第3番
メンデルスゾーン:弦楽の為の交響曲第12番
マックス・ベックシェーファー:Cielo Coperto & Sereno
ディーター・アッカー:Am Rande des Tages
ローベルト・デラノフ:Die Grillen von Palagione
ミュンヘン・フルート・アンサンブル
OC-530B
レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」(抜粋)
Baron Mirko Zeta: Alfred Sramek /
Hanna Glawari: Margarita de Arellano
Graf Danilo Danilowitsch: Mathias Hausmann /
Valencienne, seine Frau: Birgid Steinberger
Camille de Rosillon: Marwan Shamiyeh /
Vicomte Cascada: Daniel Serafin
Raoul de St. Brioche: Alexander Klinger /
Kromow, pontevedrinischer Gesandschaftsrat: Peter Branoff
Bogdanowitsch, pontevedrinischer Konsul: Bernd Ander /
Praskowia, seine Frau: Mirjana Irosch
Pritschitsch: Johann Reinprecht

ルドルフ・ビーブル(指)メルビッシュ祝祭O
OC-531B
カール・オルフと、彼が影響を受け、
または影響された作曲家の合唱作品集

モンテヴェルディ(オルフ編):「オルフェオ」による2つの合唱曲[ Preist diesen Tag der Freude /Froher, lichter Tag]
ハラルト・ゲンツマー(1909-):Gelassen stieg die Nacht ans Land /Tristissima Nox
レーガー(オルフ編):8つの宗教合唱曲 Op.138〜[第2曲「朝の歌」/第3曲「夜の歌」]
オルフ(ヘルマン・レグナー(1928-)編):Frohlicher Ostersang / Am Weynachtabend
グレゴリオ聖歌(オルフ編):Veni creator spiritus
W.ブーへンベルク:Venisancte Spiritus / Magnificat
レーガー:Oster-Motette /
 8つの宗教合唱曲 Op.138〜[第4曲「 Und unser lieben Frauen Traum 」/
 第1曲「 Der Mensch lebet und bestehet 」]
W.ブーへンベルク:Vidi calumnias etlacrymas
ヘルマン・レグナー:Alles zu seiner Zeit
 (sechs Miniaturen fur gemischten Chor)
オルフ(ヘルマン・レグナー編):Wessobruner Gebet / Sunt lacrimae rerum (fur sechsstimmigen Mannerchor)
ミヒャエル・ガン(T)
ルドルフ・ヒレブラント(Br)
ウルリヒ・バイエルホフ(Bs)
ローベルト・ブランク(指)
カール・オルフcho
OC-532B
ベートーヴェン:鍵盤作品集Vol.1
ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲
ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII:6
ミヒャエル・コルスティック(P)
ARS MUSICI から移籍のコルスティックの最新録音。1955年ケルン生まれ。ジュリアード音楽院でピアノを学びましたが、全くコンサートを行わず研究に没頭。初のコンサートはなんと1993年(38歳)。特にベートーヴェンやシューベルトにこだわって演奏。その独特な解釈は絶賛され、2005年度エコー賞を受賞しています。現在でも、1年に数回のコンサートしか行わない演奏家です。その演奏は、確かに“遅咲きの天才”を確信させるもの。もともと現代音楽などを得意としていたようですが、たまたま彼が演奏したベートーヴェンを聴いたクラウディオ・アラウが「これはすごい!」と大絶賛。一躍注目を浴びることとなったのが何と38歳でした。そんなコルスティックのCD初リリースはベートーヴェンの「最後の3つのソナタ」(AM1227−2)。 
OC-533F(2CD)
21世紀の器楽作品〜ミュンヘン音楽コンクール委嘱作品集
(1)イェルク・ヴィドマン:ピアノの為のトッカータ
(2)アリベルト・ライマン:オーボエ・ソロ作品
(3)ハインツ・ホリガー:ファゴットの為の3つの小品〜第3番
(4)ハンス=イェルク・フォン・ボッセ:三重奏曲「K」
(5)マウリシオ・カーゲル:Der Turm zu Babel
(6)カティア・チェンベルジー:Ma’or
(7)ヴァスクス:Bass Trip
(8)フリードリヒ・ハース:Finale
(9)デイヴィッド・ソウアー:Parthenope
(10)ハインツ・ホリガー:パルティータ
(11)ヴォルフガング・リーム:四重奏の為の練習曲
(1)イレーネ・ルッソ(P)
(2)アレクサンドル・ガテット(Ob)
(3)リンドン・ワッツ(Fg)
(4)リオ・コン・ブリオ
(5)ミーシャ・ブリュッゲルゴスマン(S)
(6)ビョルン・ニーマン(Cl)
(7)ロマン・パトコロ(Cb)
(8)デニス・ブリアコフ(Fl)
(9)アントワーヌ・タメスティット(Va)
(10)アントン・シー(Hp)
(11)Quatuor Ebene
このアルバムでは、有名な【ARDミュンヘン音楽コンクール】の2001〜2003年に行われた最終選考で行われた課題曲集。その課題曲は、現代を代表する作曲家がこのコンクールのために委嘱したものです。その最終選考、つまり優勝者によるライヴ録音です。
OC-534B
Californian Concert
ラフマニノフ:前奏曲 嬰ト短調Op.32-12
バッハ(シロティ編):前奏曲 ロ短調
ミヨー:Tabernacles
クルシェネク:オーストリアからのこだま
フープフェルト:As Time Goes By
シェーンベルク:ピアノ小品Op.11 NO1
ストラヴィンスキー:タンゴ
トッホ:曲芸師
ユールマン/ブロニスワフ・カパー:ニノン
エーリヒ・ザイズル: In the factory
ジョン・ウィリアムズ:シンドラーのリスト
ピーター・クネル: Four Snapshots Nos. 1, 4
タンスマン: Cantilena
ガーシュウィン: The Man I Love
ハンス・アイスラー: Dritte Sonate〜1楽章
アレックス・シャピロ: For My Father
ヘンリー・カウエル: The Tides of Manaunaun
チャールズ・チャップリン: Smile
ハロルド・アーレン: Somewhere
ジョン・ケージ:4分33秒
スザンヌ・ケッセル(P)

録音:2005年7月、ケルン放送局ホール
OC-535B
MACHET DIE TORE WEIT〜クリスマス・キャロル集
プレトリウス:In dulci jubilo
バッハ:Ich steh an deiner Krippen hier
ブルックナー:Ave Maria
バッハ:O Jesulein sus
ブラームス:Es flog ein Taublein weise/
 O Heiland, reis die Himmel auf/ Ave Maria
ライヒャルト:Heilige Nacht
アルマン:Lieb’Nachtigall, wach auf
ブルックナー:Virga Jesse
プレトリウス/J.サンドストレーム:Es ist ein Ros entsprungen(以上:*)
E.マウエルスベルガー:Macht hoch die Tur
ハンマーシュミット:Machet die Tore weit
レーガー:Es kommt ein Schiff geladen
エッカルト:Ubers Gebirg Maria geht
ヴォルタース:Maria durch ein Dornwald ging
リーデル:Kommet, ihr Hirten
ボーデンシャッツ:Joseph, lieber Joseph mein
ジルヒャー:Adeste fideles/ Herbei, o ihr Glaubgen
エッカルト:O Freude uber Freud
E.マウエルスベルガー:Vom Himmel hoch, o Englein kommt
ヴァインフュルター:O du frohliche
プレトリウス:Es ist ein Ros entsprungen
レーガー:Schlaf, mein Kindelein
ミースナー:Stille Nacht, heilige Nacht(以上;+)
ピーター・ダイクストラ(指)*
ミヒャエル・グレーザー(指)+
バイエルン放送cho
OC-536B
M・ハイドン:レクィエム(ジキスムント大司教葬送の為のミサ)
モーツァルト/カンタータ「悔悟するダヴィデ」K.469
イリーデ・マルティネス(S)
アンア・ボニタティバス(A)
クリストフ・シュトレール(T)
ルチア・ピサローニ(Bs)
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ザルツブルク・バッハcho

録音:2004年、ザルツブルク・モーツァルテウム大ホール、ライヴ
OC-537
NX-B01
2004年ザルツブルク音楽祭/コルンゴルト作品集

(1)ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(2)歌劇《ヘリアーネの奇跡》Op.20-ヘリアーネの歌 (ヴァイオリンとピアノ編)
組曲「空騒ぎ」Op.11
(3)組曲 Op.23
(1)ベンヤミン・シュミット(Vn)
 小澤征爾(指)VPO
 録音 2004年7月24日 祝祭大劇場
(2)ダヴィッド・フリューヴィルト(Vn)
 ヘンリー・ジークフリートソン(P)
 録音 2004年8月1日 モーツァルテウム
(3)ベンヤミン・シュミット(Vn)
 ハンナ・ヴァインマイスター(Vn)
 クヴィリーネ・フィールゼン(Vc)
 ジルケ・アヴェンハウス(P)
 録音 2004年8月12日 モーツァルテウム
2004年のザルツブルク音楽祭のライブ録音。ベンヤミン・シュミットと小澤征爾のコラボレーションから生まれた極上の コルンゴルト。このアルバムは長らく生産中止となっていましたが、ようやく再プレスが完了しました。 ハイフェッツのために書かれ初演されたコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は、ハイフェッツ以後のヴァイオリニストの重要 な協奏曲レパートリーとなっています。ここでシュミットは、後期ロマン派音楽で抜群の能力を発揮する小澤と、国立 歌劇場のピットでオペラ「死の都」などの演奏でコルンゴルトの音楽を知り尽くしているウィーン・フィルの最高のサポート に支えられ、理想的な名演を繰り広げています。 また、2つの組曲もコルンゴルトを知るための絶好の作品。世紀末ウィーンの香りを色濃く漂わせています。
OC-539B
エーダー(1916-):ザルツブルク音楽祭の為の作品集
ディヴェルティメントOp.64*
… Misa estOp.86+
メイ・サンド(S)*
テオドール・グシュルバウアー(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO*
エヴァ・リンド(S)+
マリアーナ・リポフシェク(Ms)+
ロベルト・ホル(Bs)+
レオポルト・ハーガー(指)ウィーンRSO+
アルノルト・シェーンベルクcho+
オーストリア放送協会cho+
パッソウ・シュテファン教会cho+

録音:1976年*/1986年+
OC-540B
フランスの宗教的合唱作品集
プーランク:サルヴェ・レジナ
 アヴェ・ヴェルム・コルプス
 エクスルターテ・デオ
デュリュフレ:グレゴリオ聖歌による4つのモテット
メシアン:おお聖餐よ
トン・デ・レーウ:祈り
ペーター・ダイクストラ(指)
バイエルン放送cho

OC-541B
シューマン:クライスレリアーナ
ラヴェル:鏡
ヘルベルト・シュッフ(P)
ヘルベルト・シュッフは、1979年ルーマニア生まれ。1988年ドイツに移住し、ザルツブルク・モーツァルテウムにて学んだピアニスト。16歳でダブリンでの若人のための国際コンクールで入賞し、ミュンヘン・ガスタイク・ホールでデビュー。「深く機敏な演奏!」と絶賛されました。2003年からザルツブルク・モーツァルト週間などにも出演しており、「聴衆を夢中にさせる強烈な音楽家」と称えられ、ウィーン・ベートーヴェン国際コンクールでの最終選考では、ド・ビリー指揮ウィーン放送Oをバックに、ベートーヴェンの協奏曲を弾き、「完璧な超大家!」と絶賛。このデビューアルバムでは彼の得意としている2つの違ったレパートリーを楽しめます。エームズ社長も絶賛!
OC-542B
南ドイツのバロック・オルガン作品集Vol.3
バッハ:オルガン協奏曲BWV.974(原曲:マルチェロ)
 オルガン協奏曲BWV.972(原曲:ヴィヴァルディ)
ムファット:パルティータ ニ短調
ヨハン・カスパル・ケルル:カプリッチョ
ドメニコ・ツィポーリ:トッカータ All'Elevazione / Al Post Comunio
 All'Offertorio
フローベルガー:Lamento sopra la dolorosa perdita
ムファット:トッカータ12番
ハイドルン・ヘンゼル(Org)
OC-543B
ドイツ・ロマン派のオルガン作品集
ブラームス:前奏曲とフーガ ト短調
シューマン:6つのカノン風小品 Op.56 から
ラインベルガー:ソナタ第3番 ト長調「田園」Op.88
レーガー:ハレルヤ!ほむべき神はわが心の喜び Op.52 NO3
シュテファン・ヨハネス・ブライヒャー(Org)
ブライヒャーは、世界各国の大聖堂のオルガンを弾きこなし、全ての時代と地域の作曲家に合わした演奏を行い、その演奏活動は絶賛を浴びており、30枚以上の録音をしてきています。特にアーノンクールに古楽を学び、即興を取り入れた演奏にも定評があります。現在南ドイツ・オルガン・アカデミーのリーダーを務めています。彼が主席オルガニストを務める、スイス・チューリヒ近郊の芸術の街、ヴィンタートゥール教区教会大オルガンを使用し、ドイツのロマン派の美しいオルガン作品を収録しています。
OC-544B
モシェレス:チェロとピアノの為の作品集
チェロとピアノの為のソナタ ホ長調 Op.121
バッハの平均律クラヴィーア曲集によるピアノとオブリガート・チェロの為の10の前奏曲 Op.137A
ラモン・ヤッフェ(Vc)
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)

録音:2002年4月、2003年12月
モシェレスと言えば、ピアノを学ぶ人なら旋律的に優れた練習曲を書いた人としてお馴染みでしょう。1794年に生まれ、卓越したピアニストとしてヨーロッパ各地を演奏旅行し、ベートーヴェンやメンデルスゾーンとも交流があったと言われる人で、あのディアベリも彼に変奏曲を依頼している。このアルバムは彼のチェロ・ソナタと、バッハの平均律にチェロのオブリガード・メロディを付けた作品が10曲収録されています。古典的な佇まいの中に溢れる美しいメロディが印象的なチェロ・ソナタも聞き物ですが、何と言っても注目は平均律に添えられたチェロのパートでしょう。このような試みといえば、あの有名なグノーの「アヴェ・マリア」がありますが、モシェレスの書いたメロディはもう少し躍動的かつ雄弁で、ピアノ・パートよりもかなり目立っているのが微笑ましいところ。
OC-545B
ピアノ・トランスクリプション集
グルック(ズガンバーティ編):「オルフェオとエウリディーチェ」からのメロディー
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
シューベルト(リスト編):水車職人と小川/水の上で歌う/影法師/魔王
アンドレ・カプレ(マルグリス編):幻想物語「赤い死の仮面」
ワーグナー(リスト編):イゾルデの愛の死
ワーグナー(マルグリス編):ジークフリートの葬送行進曲
サン=サーンス(リスト&マルグリス編):交響詩「死の舞踏」
リムスキー=コルサコフ(ラフマニノフ編):熊ばちの飛行
ユーラ・マルグリス(P)

録音:2004年5月3日-5日
OC-546B
チェロと管弦楽の為の「オペラ・ヴォイス」
ヴェルディ:歌劇「群盗」〜前奏曲
ウェーバー:大ポプリ Op.20
R.シュトラウス:「ロマンス」AV.75
ロッシーニ:「老年のいたずら」〜「涙」による変奏曲
J・シュトラウス:ロマンス第1番/ロマンス第2番/ロマンス「 Dolci Pianti 」
オーベール:ロンド
ラモン・ヤッフェ(Vc)
ダニエル・ライスキン(指)イエナPO

録音:2005年7月18-20日 イエナ・フォルクスハウス
チェロのための作品は、ヴィヴァルディやボッケリーニが多数の作品を作曲しましたが、チェロを声のように”歌う”形式はJ・ハイドンの交響曲やM・ハイドンの作品の中に、レチタティーヴォとしてよく現れます。その後、ウェーバー、ロッシーニ(ウィリアム・テル序曲は有名)やヴェルディ、チャイコフスキーなど様々作曲家の作品には、チェロを舞台中央に配置するように指定した独奏チェロを伴う管弦楽やオペラ作品が、数多く作曲されました。チェロの魅力は「男声のナイトのような柔らかさ」のように演奏することとも言われ、偉大なる歌手シャリアピンは、良くチェロを聴き、チェロのように歌ったそうです。まさに19〜20世紀はチェロにとっての最盛期でした。ここに収録されたチェロ作品には、まさにオペラと同一の発声法の本質を見出すことができます。カンタービレ、レチタティーヴォ、モノローグなど、オペラ場面と同様に、チェロとオーケストラとの自然な対話が、短い作品の中に集約されているのです。 ラモン・ヤッフェはリーガ生まれで、父親にチェロを学び、その後シャフランに学んだ。チェロ独奏者としてヨーロッパ名門オーケストラと共演するだけでなく、室内楽演奏をブロンフマン、B・シュミット、N・スナイダー、ムストネン等と組んで好評を得ている。現在チロル室内楽フェスティバル芸術監督、ドレスデン・ウェーバー音楽院の教授を務めています。  
OC-547B
南米ギター作品集
カチョ・ティラオ:ドン・タコのミロンガ
アグスティン・バリオス・マンゴレ:大聖堂/マヒーヘ
ピアソラ:5つの小品/バチン酒場の少年(藤井敬吾 編)
ヘンティル・モンターニャ:組曲第4番
カルロス・グァスタビーノ:ギターの為のソナタ
マトス・ロドリゲス:ラ・クンパルシータ
エドゥアルト・フェルナンデス(G)

録音:2003年7月15日-17日
OC-548B
ジルヒャー、ブラームス、レーガー:合唱作品集
■第1部「愛の思想」
ジルヒャー:ローレライ/ターラウのエンヒェン/おやすみ
ブラームス:私の胸の思いのすべて/美しい乙女よ、私を許して/
 目覚めよ、美しい恋人/古い民謡
レーガー:Trutze nicht /あこがれ
■第2部「喜び」
ジルヒャー:Frisch gesungen / Burschenlust /
 Suss Liebeliebt den Mai / Wohin mit der Freud
ブラームス:Mein Madel hat einen Rosenmund
レーガー: Das Lieben bringt gros Freud /
 Ich geh durch einengrasgrunen Wald
■第3部「別れ」
 ジルヒャー: Abschied / Lebewohl /
 3つの小さいばら/菩提樹
ブラームス:別れの歌/別
レーガー: Ach Baumchen, du stehst grune
■第4部「別離」
ジルヒャー:不貞
ブラームス:Die Sonne scheint nicht mehr /
 嘆きの谷に角笛を吹く/
 Es steht ein Lind in jenem Tal
レーガー: Ich hab' die Nacht getraumet /
 Verlorenes Lieb' /
 Der Tod als Schnitter
ジングフォニカー
OC-549B
モーツァルト:弦楽四重奏曲集
第1番K.80/第15番K.421/第19番K.465
ザルツブルク・モーツァルテウムSQ
OC-553B
エバースミュンスター教会のジルバーマン・オルガン
パーセル:シャコンヌ ト短調/グラウンド ハ短調
 グラウンド ニ短調/新グラウンド ホ短調
ゲオルク・ベーム:コラール・パルティータ「装いせよ,おお,魂よ」
グリニー:詩篇「来たれ、創造主たる聖霊よ」
ジョン・ブロウ:コルネット・ヴォランタリー ニ短調
 ヴォランタリー[イ長調/ニ長調]
バッハ:コラール「バビロンの流れのほとりに BWV.653
 幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.562
マリオ・ホスパッハ=マルティニ(Org)

録音:2005年4月28日-30日
エルザス地方で最大のバロック様式の大修道院教会。17世紀初に建築されフレスコ画(聖ベネディクト、マリア昇天、聖モーリッツの生涯)は有名ですが、そこには現存する当時から最も素晴らしい音色をもつオルガン製作家、アンドレアス・ジルバーマンによるオルガン(1730年製)があり、それを使用して録音されたもの。1699年にジルバーマンがこのアルザスでオルガン製作を開始したと言われています。ジルバーマンの製作したオルガンはドイツに多いようですが、実際はフランス式製法がとられており、ここに収録された曲もフランス様式に最も適したものが選曲されています(イギリスのオルガンも、実際はフランス様式で作成されている)。
OC-554B
ステファン・グラッペリ讃
ラインハルト/グラッペリ: Souvenirs / Swing 39
ポーター:ナイト・アンド・デイ
ラインハルト: Manoir de mes reves
ラインハルト/グラッペリ: Tears
ラインハルト: Troublant Bolero
ベックマン/マッケベン:Bei dir war es immer so schon
ユーマンス/アダムソン/ゴードン: Time on my Hands
ガーシュウィン:エンブレイサブル・ユー
ピンカード/ケイシー/バーニー:スウィート・ジョージア・ブラウン
ウォーラー/ラザフ:ハニーサックル・ローズ
ラインハルト: Place Broukere
ガーシュウィン:ファッシネイティング・リズム
ラインハルト/グラッペリ: Sweet Chorus
ラインハルト: Nuages
ラインハルト/グラッペリ: Nocturne
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ゲオルク・ブラインシュミット(ベース)
エディ・ケールドルファー(エレキG)
ビレリ・ラグレーン(G)
エルンスト・レイズグル(Vc)

録音:2003年-2004年
OC-555B
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
「ボヘミア組曲」Op.39
イヴァン・アンゲロフ(指)
スロヴァキアRSO
OC-556B
フックス(1660-1741):ウィーン王宮の為の室内楽作品集
4声の為の序曲(器楽の為の協奏曲第3番&第6番)
3声の為のカンツォン/パルティータ・トリオ
3声の為のパルティータ
3声の為のシンフォニア「トルコ風」
ルネ・クレマンシック(Cemb/Org)(指)
クレマンシック・コンソート[ヒロ・クロサキ(Vn)
イシュトヴァーン・ケルテス(Vn)
ウルスラ・コルチャック(Va)
クラウディオ・ロンコ(Vc)
ヘルヴィヒ・ノイゲバウアー(ヴィオローネ)]

録音:2004年5月26日-28日
OC-557B
Huj〜バルトークによるハンガリー民族音楽
 コレクションへのイマジネーション
ヴォルフガング・ネッツァー(G/アレンジ)
オードリー・ルーナ(S)
ガブリエレ・ミラバッシ(Cl)
サーシャ・ゴトワシュコフ(Perc)

録音:2004年
OC-558B
ベルント・グレムザーのラフマニノフ
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番Op.36
コレッリの主題による変奏曲/幻想的小曲集Op.3
ベルント・グレムザー(P)
OC-559D(3CD)
モーツァルト:後期交響曲集
交響曲第39番*/交響曲第34番*
メヌエットK.409*/交響曲第36番「リンツ」#
交響曲第38番「プラハ」#
交響曲第40番#/交響曲第41番#
ユベール・スダーン(指)*
アイヴァー・ボルトン(指)#
ザルツブルク・モーツァルテウムO
OC-560B
新アレンジによるドイツ民謡集(全22曲)
Auf einem Baum ein Kuckuck sas (Arr.: Wolf Kerschek) /
Der Mai ist gekommen (Arr.: William Hawley) /
Rosestock Holderbluh (Arr.: Peter Wittrich) /
Zu Regensburg auf der Kirchturmspitz (Arr.: Norbert Ochmann) /
Es klappert die Muhle (Arr.: Marcus Schmidl) /
Wenn alle Brunnlein fliesen (Arr.: Guido Heidloff) /
Madle, ruck, ruck, ruck (Arr.: Peter Wittrich) /
Es geht ein dunkle Wolk herein (Arr.: Reiko Futing) /
Es, es, es und es (Arr.: William Hawley) /
Wenn ich ein Voglein war (Arr.: Max Beckschafer) /
Feinsliebchen, Du sollst mir nicht barfus gehn
 (Arr.: Georg Friemel) /
Bunt sind schon die Walder (Arr.: Wolfram Buchenberg) /
Heisa Kathreinerle (Arr.: Jaakko Mantyjarvi) /
Ach, bittrer Winter (Arr.: Jaakko Mantyjarvi) /
Komm, lieber Mai und mache
 (Arr.: Wieland Reismann nach W.A. Mozart) /
Nun will der Lenz uns grusen (Arr.: Graham Lack)
 (Recorder: Claudia Reinhard, Violin: Manuel Warwitz) /
Der Kuckuck und der Esel (Arr.: Rene Veen) /
Ein Jager langs dem Weiher ging (Arr.: Wolf Kerschek) /
Kein schoner Land (Arr.: Wolfgang Braun) /
In stiller Nacht (Arr.: William Hawley nach J. Brahms) /
Der Mond ist aufgegangen (Arr.: Hans Huber) /
Guten Abend, gut’ Nacht (Arr.: Heike Beckmann nach J. Brahms)
ジンガー・プーア
OC-561B
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番
弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 Op.110(バウムガルトナー編曲による弦楽合奏版)
「24の前奏曲とフーガ」〜前奏曲第1番[ピアノ版原曲/バウムガルトナー編曲による弦楽合奏版]
ベルント・グレムザー(P)
ラインホルト・フリードリヒ(Tp)
アヒム・フィードラー(指)
ルツェルン祝祭弦楽合奏団

録音:2005年10月11日-14日
バウムガルトナーが、8番の弦楽四重奏曲を編曲した版で演奏。この編曲についてバウムガルトナー自身「この合奏団のために、コントラバス・パートを加えて、出来る限り弦楽四重奏そのままを再現したかった。しかしそれはたやすいように見えながら、非常に困難を要した。単純にオクターヴを入れ替えただけでも、別の曲になってしまうのだ。この曲素晴らしく、この編曲の重大さを感じた」と語っています。ピアノのグレムザーは、1962年ドイツ生まれ。プログラムには、17以上の国際コンクールに入賞。多くの評論家から絶賛されている彼は、世界各地の主要音楽祭にも出演。幅広いレパートリーを持ち、技巧的作品を得意とし、ナクソスにも多数録音。2003年6月には、ドイツ連邦共和国大統領より最高の栄誉である功労十字章を授与されています。そして今や、新生ルツェルン祝祭管の「顔」とも言える名手R.フリードリッヒにも要注目。 
OC-562H(5CD)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 ザールブリュッケン・ラズモフスキーSQ
[ドラ・ブラチュコワ、エフゲニア・グランジェン(Vn)、ゲルハルト・ミュラー(Va)、アリーナ・クデレヴィチ(Vc)]
OC-563B
モーツァルト:ピアノ・ソナタ選集
[長調K.280/ヘ長調K.332/ハ短調K.457/ハ長調K.545/ニ長調K.576
ミヒャエル・エンドレス(P)

録音:1998年9月-10月 ケルン・ビスマルク・ザール
OC-564B
モーツァルト三代の歌曲集
L・モーツァルト:低い境遇にある満足
 悠然たる落ち着き/別れ/ひそかなる愛
モーツァルト:歓喜に寄す鳥たちよ、お前たちは毎年
 寂しく暗い森で/静けさはほほえみつつ
 戒め/すみれ/クローエに寄す/夕べの想い
 別れの歌/夢に見る姿/おお聖なる絆
F・X・モーツァルト:つれない美人たちに
 それはだめ/忘れな草にとまる蝶
 月への嘆き/収穫の歌/宵の明星に
 見つける/思い出/エマに
Julie von Baroni-Cavalcabo (1813-1887):なぜに?
コンラッド・ジャーノット(Br)
アレクサンダー・シュマルツ(P)

録音:2005年12月20日-22日
ヴォルフガングの父レオポルドは、宮廷楽長、理論家、音楽教師として有名で(ヴァイオリン教則本は有名)、様々な作品を作曲してきたが、そのほとんどの作品は失われてしまった。そのため現代において彼の作品は頻繁に過小評価されています。ここに収録された作品は、一時的にヴォルフガングの作品とされていたものですが、間違うくらいに息子の最高の才能と同等またはそれ以上に素晴らしい作品となっています。これらの曲は、ヴォルフガングが知人友人たちのために家で演奏したようです。もちろんヴォルフガングの有名な作品らは、彼自身の人生の快楽、悲しみなどを率直に歌いあげ、さらに短いながらまさにそれはオペラのような作品です。フランツは、コンスタンツェの夢とモーツァルトの名声を伝えるためにフランツに託されることとなり、支援するため幼少の頃から最高の教育が受けられていました。ピアノの先生としてノイコムやフンメル。作曲の先生として、フォーグラー神父(マイアベーアやウェーバーの先生)やアルブレヒツベルガー(ベートーヴェンの先生)がついていました。フランツの作品は、彼がヴォルフガングの作品に関心があったにせよ、比較的この歌曲集は影響を受けていない作品といわれていますが、その想像力は特にピアノ曲とこの歌曲に最も才能が見出されます。1819年に始まった彼のコンサート・ツァーの後、ウィーンでJulie von Baroni-Cavalcabo(1813-1887)が彼の生徒としてつき、彼女にピアノと作曲法を教えました。実際には、彼は女性作曲家に対しての偏見を持っていたと言われていましたが、彼は彼女のことを好意的に思っていたようです。そのJulie von Baroni-Cavalcaboは、多くのすばらしい歌を作曲しましたが、その作品はほとんど残っていません。シューマンやメンデルスゾーンも彼女の作品を好意的に思い、特にシューマンは実際に彼女に会い「フモレスケ」を彼女に捧げたそうです。
ここで歌うのは、マーラー、ラヴェルで深い解釈を聞かせてくれたバリトン、コンラッド・ジャーノット。ジャーノットは1972年イギリスに生まれ、その後ドイツに移り、フィッシャー=ディースカウやH.リリンクに師事。1996年キャスリン・フェリア・アワードでDecca賞を受賞。さらにいくつかのコンクールで優勝し、以来幅広い活動をしています。
OC-565F(2CD)
バックス:番号付きピアノ・ソナタ全集
第1番/第2番/第3番/第4番
ソナタ 変ホ長調(交響曲第1番の原曲)
ミヒャエル・エンドレス(P)

録音:2005年1月-3月、ケルン放送ビスマルク・ザール
今までドイツ・ロマン派作品を得意としてきたミヒャエル・エンドレスの意外なレパートリー。ヴォーン・ウィリアムズと並ぶイギリスの作曲家バックスの交響曲は、力強く雄弁に語らせたスケールの大きい管弦楽法が魅力ですが、ピアノ作品は彼のそうした作曲の根源でもあります。それは、若い頃よりピアノ演奏に卓越した才能を発揮。ロシア旅行での民族音楽の影響を含みながら、彼が愛したアイルランドの哀史が源泉となっています。激情とエレジー、神秘的なトーンが全体を包んでおり、ダイナミックかつ不思議な魅力に包まれる。ピアノ・ソナタ第2番の後に書かれた番号無しのソナタ(未出版)は、後に交響曲第1番に編曲され(試演を聞いたハリエット・コーエンから「オーケストラ向き」と指摘された)、バックスの最高の作品といわれています。「バックスは、20世紀最高のピアノ作品を書いた作曲家であると思います。しかし現代のほとんどのピアニストは、バックスのピアノ作品に関心を持ちません。なぜならバックスは交響曲の作曲家で管弦楽作品に魅力があると信じ込んでいるからです。オーケストラによる効果は、ハンドレーの指揮によって最大の効果を聞くことができます。しかし彼のピアノ曲は、交響曲のオーケストレーションと同じ効果を醸し出します。彼が管弦楽の作曲を始めたのは意外と遅く、もともと最初彼はピアノ作品の作曲家で、彼の本来の作品の良さは、既にこれらのピアノ作品に全て凝縮されていました。」【ミヒャエル・エンドレス】
OC-566B
モーツァルト:2台のピアノの為の協奏曲 K.242/同 K.365 アンナ&イネス・ワラホフスキ・ピアノ・デュオ
マルクス・ボッシュ(指)アーヘンSO

録音:2005年9月27-29日、アーヘン福音教会自由連盟ザール
アンナ&アイネス・ワラショフスキ姉妹はポーランド出身で、4歳、6歳より音楽教育を始めた。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院、そしてハノーヴァー大学を卒業。コンタルスキーなどに師事しました。1996年にデビューし、イタリア、ドイツ、ポーランドの国際音楽コンクールで優勝。またベルリン・フィル、ミュンヘン、シュトゥットガルト、ドレスデンなど様々な欧州の有名オーケストラなどとも共演を続けています。彼女らのレパートリーは、バッハから現代音楽まで幅広く、すでにベルリン・クラシックなどから6枚のCDを発売し、ベストセラーにもなりました。彼女らのこの曲の演奏は、『このモーツァルトの協奏曲は、しばしば評価の低い作品に思われがちです。しかし彼女らの演奏解釈によって、その考えは無となります。そしてモーツァルトの大胆なアイデアやジョークを、見出すことに成功しました。もちろん彼女らのデュエットは見事なほど完璧に1つになりました。トリル一つを聴くだけでも、見事にそろっています。そして、わたしたちを非常に至福にさせてくれます。』と絶賛された。なお、K242は通常「3台のピアノのための協奏曲」として知られますが、ここでは後にモーツァルト自身が2台用に改作したと言われている版での演奏となります。 
OC-567B
モーツァルト:ホルン協奏曲集
第2番 K.417+/第3番 K.447+/第4番 K.495+
第1番 K.412(ジョン・ハンフリーズ補筆版)*
ロンド ニ長調 K.514(ジュスマイヤー作曲)*
ロンド 変ホ長調 K.371(ジョン・ハンフリーズ補筆版)*
協奏曲 ホ長調 K.494a(同補筆版)+

※カデンツァ全て:ヨハネス・ヒンターホルツァー作
ヨハネス・ヒンターホルツァー(ナチュラルHrn;*、Hrn;+)
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2005年10月31日-11月1日、ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール
ヨハネス・ヒンターホルツァーは、1974年生まれ。Josef Mayr とヴィラトコヴィチに、モーツァルテウム音楽院で学んだ。またフレンチ・ホルンをペーター・ダム、ナチュラル・ホルンでアンソニー・ハルステッドとアンドリュー・クラークのマスター・クラスに参加。わずか23歳で、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席となり、さらにリンツ・ブルックナー管弦楽団やウィーン室内管弦楽団のメンバーも務めました。2000年からはベルリン・フィル、シュトゥッツガルト放送管弦楽団、バーゼル室内管弦楽団、カメラータ・ザルツブルク、マーラー室内管弦楽団、のソロ・ホルン奏者としてたびたびゲスト出演。彼はモダン・ホルンだけでなく、ナチュラル・ホルンの名手としても有名で、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(アーノンクール)、ウィーン・アカデミー(ハーゼルベック)、ルーヴル宮音楽隊(ミンコフスキー)の古楽器オーケストラのホルン奏者も務めている。現在もモーツァルテウム管弦楽団の首席を務めながら、私立リンツ・ブルックナー大学の教授も務めています。『私たちのモーツァルテウム管弦楽団は、モダン楽器による楽団です。よって当然のことながらモダン・フレンチ・ホルンで演奏するのは、最も相性の良い方法でしょう。しかし、モーツァルトのホルン協奏曲に関して見れば、ナチュラル・ホルンの音色の変化を有用に使用した曲は他にありません。吹き抜けの良いすがすがしい明るい音色(途中にバルブ内を通らないため)、ゲシュトップ(右手でベルをふさぐ)奏法によるくすんだ音色など、モーツァルトの音楽的感情を最も有効に伝えることができます。マエストロ・スダーンとI・ボルトンは、オリジナル楽器奏法を取りいれ、私たちの楽団の大幅な改革に成功し、2種類のホルンの性能を十分に引き出すことができるようになりました。そこで、新旧方式のホルンの音色の違いを皆様に聞いていただきたいと、私は考えました。』(J・ヒンターホルツァー)  
OC-568B
ブルックナー:交響曲第7番(ノーヴァク版) アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2006年2月7日、ザルツブルク祝祭劇場大ホール、ライヴ
伝統を誇るザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団によるモーツァルトの交響曲のレコーディング・シリーズ「ザルツブルクからのモーツァルト」と並行する形で始動したブルックナー・チクルス「第5番」に続く第2弾となるアルバムで、2004年のシーズンから首席指揮者に就任したアイヴォー・ボルトンとのブルックナー第7。 バロック演奏の経験(フライブルク・バロック・オーケストラなどにも客演指揮している)を生かしてピリオド楽器演奏の成果を採り入れ、非常に清澄明晰で引き締まった現代的な演奏で高く評価されているボルトンが、モーツァルテウム管の機能性と編成を生かし新しい視点で捉え解釈したブルックナーです。 
OC-569B
W・F・バッハ:3つの幻想曲、3つのフーガ、3つのソナタ集
幻想曲 ハ短調 from MSP883
フーガ ハ短調 FK31 2
ソナタ ニ長調 FK3
フーガ ニ短調 FK31 4
幻想曲 ホ短調 FK20
フーガ ホ短調 FK31 6
ソナタ ニ長調 from MSP883
幻想曲 イ短調 FK23
ソナタ ト長調 from MSP883
アントニー・スピリ(P)

録音:2004年12月21日-23日
偉大なる父親に最も溺愛されたと言われる大バッハの長男、W.F.バッハ。もちろん才能には恵まれてましたが、その才能をきっちりと開花させるだけのハングリー精神にも欠けていたようです。彼の作品は、「恐らくこの人は大変な夢想家であったに違いない」と思わせる作風で、曲を構成するメロディは当時の様式(バロック風というよりハイドン風)ですが、その展開は予想を超えたもの。あとからあとから沸いてくるメロディをそのまま書き付けた感のある「ファンタジア」に至っては、まるでシューマンやブラームスの作品を彷彿させます。一度聴いたら忘れられない楽曲集。古楽器鍵盤奏者でもあるA・スピリはあえて現代ピアノを使用し、独創幻想的な世界を強調しているようにも感じられます。
【アントニー・スピリ】 ニュージャージーに生まれる。7歳でピアノと作曲のレッスンを始め、声楽のトレーニングも受ける。その後クリ−ヴランドとボストンで修業を積むが、とくに古典鍵盤楽器に強い興味を持つ。1977年、ワトソン基金から奨学金を受けヨーロッパに渡り、さらに古典的な演奏法を学ぶ。E.フリース、H.ライグラーフ、E.ヴェルバ、P.シルハウスキー、K.ギルバートに師事。1970年、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院を優秀な成績で卒業すると同時に同音楽院で教鞭をとる。現在ピアニスト、チェンバリスト、ハンマーフリューゲル奏者として、独奏、室内楽等に活躍し、著名な音楽家、数多くのオーケストラ、アンサンブルと共演、ヨーロッパ各地の主要な音楽祭にも招かれている。又、E.マティス、P.シュライヤー、M.リポセックはじめ世界的な歌手たちが最も信頼を寄せている伴奏者として広く知られている。バロック、クラシックから現代曲まで幅広いレパートリーを有しCDも多数。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院で歌曲解釈、ケルン音楽大学で室内楽の教授を務める。 
OC-570B
レハール:喜歌劇「ルクセンブルク伯爵」(抜粋) Michael Suttner, Alfred Sramek,
Marika Lichter, Marko Kathol,
Ruth Ohlmann, Ana-Maria Labin,
Johannes Beck, Stephan Paryla,
Franz Leitner
ルドルフ・ビーブル(指)
メルビッシュ祝祭O&cho

録音:2006年3月19-21日
OC-571B
ローマン・トレーケル〜シューマン:歌曲集
歌曲集「詩人の恋」Op.48
歌曲集「リーダークライス」Op.24
ハイネの詩による5つの歌[あなたの顔はOp.127-2/2人の擲弾兵Op.49-1/憎しみ合う兄弟Op.49-2/ベルシャザル王Op.57/浜辺の夕暮れOp.45-3]
ローマン・トレーケル(Br)
オリヴァー・ポール(P)

録音:2005年11月21日-25日、ベルリン、アンドレア教会
べルリン州立歌劇場、バイロイト音楽祭で名ワーグナー歌手として存在感を示すトレーケルは、ヨーロッパではリート歌手としてもすでに幅広い名声を確立しています。今までのドイツ・ロマン派の演奏同様、この最新録音盤のシューマンも、そうした彼の最良の部分を聞き取ることが出来る見事なもの。天性の美声、惚れ惚れするばかりのドイツ語の美しさ、それに感情を極めて自然に歌い上げる類い希な表現力、そうした彼の歌の魅力がここに凝縮されています。ピアノのオリヴァー・ポールも決して大きく出ず、しっかりと歌をサポートする弾き方は絶品。
OC-572B
ヴォルフゾーン&リスト:ピアノ作品集
ユリウス・ヴォルフゾーン(1880-1944):古いユダヤ民謡によるパラフレーズ/
 ユダヤ狂詩曲/ヘブライ組曲
リスト:「ハンガリー狂詩曲集〜第3, 7, 8, 13番
ヤッシャ・ネムツォフ(P)

録音:2005年11月21日-23日
ユリウス・ヴォルフゾーンは1880年に生まれ、世界シオニスト機構のユダヤ機関代表を務めました。その後、ワルシャワ、モスクワ、パリ、ウィーンにてピアノを研究。1910年代にサンクトペテルブルクで、ユダヤ民謡をアレンジした作品を書き始め、1920年にここに収録された作品を出版し、大成功をとげました。その後彼はウィーンに移り住み、有名な音楽評論家としてユダヤの芸術音楽を支持。1939年ユダヤ人迫害のためニューヨークに移住。1963年生まれのピアニスト、ヤッシャ・ネムツォフは、レニングラード音楽院でピアノを学び、ユダヤ音楽研究家の第一人者として知られており、ヘンスラーやCPOなどにも録音し、様々な賞を受賞しています。現在、ポツダム大学のユダヤ研究の教授を務めています。
OC-573B
バッハ:オルガン作品集
幻想曲とフーガ ト短調BWV.542
トリオ・ソナタ第1番 変ホ長調 BWV.525
パルティータ「喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ」BWV.768
オルガン協奏曲第3番 ハ長調 BWV.594
(原曲:ヴィヴァルディ作曲)
コラール「イエス・キリスト、汝ほめ讃えられよ」 BWV.604
パッサカリア ハ短調 BWV.582
フランツ・ラムル(Org)

録音:2005年11月2日-3日、ドレスデン、ホーフ教会
バッハ時代、最高の名オルガン製作者ジルバーマンが最後に製作したオルガン(1755年製)を使用し、バッハの真髄に迫った録音。このオルガンの特徴は独特な音色。バス・リード管の音色は、スーザホーンとコントラ・ファゴットをあわせたような「ブッカブッカ、ブーブー」という音色は今までにはないもの。フルート管も非常に柔らかい音で美しく、当時と製作された当時と同様に戻されたメカニカル部分の「カタカタ」といった音も、演奏の生々しさまで録音されています。 1964年バイエルン生まれのオルガン奏者F.ラムルは、トン・コープマンにオルガンとチェンバロを習得。1990年からはハーグ王立音楽院のバロック・オルガンの教授を務め、ハスラー・コンソートの音楽監督も務めています。彼の演奏は、確固たるしっかりした作りの上に歯切れの良いテンポを乗せていくという方式で、このオルガンの音色にすばらしく同調したものです。エームズ社長も、「様々なオルガンを聴いてきたが、このオルガン非常に独特で、興味深いものである」と感心したオルガンです。この盤は通常のCDですが、優秀な録音のおかげで、素晴らしい広がりと響きを再現してくれています。 
OC-574B
ヴェルナー・エック:バレエ音楽「アブラクサス」(1948) マルク・マスト(指)
アイゼナハ州立歌劇場O

録音:2005年7月4-6日、アイゼナハ劇場
エックはオルフの弟子であり、この曲は1948年に作曲されたバレエ音楽で、原作はハイネの詩「ファウスト」によっています。「反主知主義的作風」「伝統的なドイツ音楽の延長線上」にある作品で、12音技法によらないもの。曲風は、R=コルサコフやハチャトゥリヤンのようで、ドイツ的というよりはややロシア風舞曲的要素を含み、リズミカルで明快なメロディーやリズムと、オーケストラの複雑な動きを熟練した筆の力で纏め上げたこの作品は、エックの力量を推測させるに十分なもので、彼の作品中最も彼独自の作風が現れた作品のひとつ。カルロス・クライバーが、デュッセルドルフ時代(1962-1963)に指揮したことのある作品でもあるようです。
OC-575B
Dudana 〜ピアノ・リサイタル
バッハ:イギリス組曲第6番
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
リスト:ハンガリー狂詩曲第12番
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番
Dudana(ドゥダナ・マツマニシュヴィリ)(P)

録音:2005年10月10-12日
Dudana(Dudana Mazmanishvili)は、ジョージア州生まれ。8歳でモーツァルト/ピアノ協奏曲第15番でデビュー。14歳でラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番を演奏した。2005年ワシントンDCピアノ・コンクール、ミュンヘン国際音楽コンクールで入賞。聴衆より絶賛を浴び、これから注目のピアニスト。
OC-576B
ジョン・トレレーヴェン
「ローエングリン」〜私と共に吸っている芳しい薫りが/そなたには感じられないのか?/私はあなたの誓いを固く信頼しているのだ/遥かな国に/愛しい白鳥よ
「リエンツィ」〜全脳の神よ
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜静かな炉端で/朝はばら色に輝き/「はじめ!」と春が森に我らをいざない寄せる声響く
「タンホイザー」〜あなたの為の賛歌よ響け!/罪ある者に救いをもたらすべく/ヴォルフラム、きいてくれ〜いかなる懺悔者も/今まで感じなかったほどの熱烈さを持って
「パルジファル」〜アンフォルタス!あの傷!/ただ1つの武器だけが
ジョン・トレレーヴェン(T)
イヴァン・アンゲーロフ(指)
スロヴァキアRSO

録音:2006年2月20日-26日、ブラティスラヴァ、スロヴァキア放送コンサートホール
OC-577B
シューマン:ピアノ・デュオの為の作品集
東洋の絵」Op.66
アンダンテと変奏Op.46
ピアノ五重奏曲 変ホ長調Op.44(クララ・シューマン編曲による4手の為のピアノ編曲版;世界初録音)
デュオ・ダコール
[シャオ=イン・ファン、セバスティアン・オイラー(P)]

録音:2006年1月16日-18日,
OC-578B
モーツァルト:歌劇「羊飼いの王様」序曲
ピアノ協奏曲第22番/交響曲第31番
コンサート・アリア「私は行く、しかしどこへ」K.583
「いえ、いえ、あなたには無理なこと」K.419
「わが感謝を受けたまえ、やさしき保護者よ」K.383
リタ・シュトライヒ(S)
ゲザ・アンダ(P)
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:1956年8月19日、ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール、モノラル・ライヴ
OC-579B
モーツァルト:ディヴェルティメント第7番 ニ長調K.205*
ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調K.218
交響曲第25番 ト短調K.183
レチタティーヴォとアリア「幸せの影よ…私はお前を残してゆく」K.255
コンサート・アリア「私は行く、しかしどこへ」K.583
トーマス・ツェートマイアー(Vn)
マルヤーナ・リポヴシェク(Ms)
レオポルド・ハーガー(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:1981年8月15日、30日*、ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール、ライヴ
OC-580B
ハイドン:2つのリラ(リコーダー),2つのヴァイオリン,2つのヴィオール,コントラバスとホルンの為の協奏曲 ト長調(リラ・オルガニザータ協奏曲第3番 ト長調Hob.VIIh-3)*
 交響曲第85番 変ホ長調 Hob.I-84
モーツァルト:交響曲第38番 「プラハ」
カトリーネ・ラグマイアー(BFl;*)
ラファエラ・ダンクザクミュラー(BFl;*)
ピエーレ・ピツル(Gamb;*)
ジェーン・ベリ(Gamb;*)
フランス・ブリュッヘン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:1995年8月20日、ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール、ライヴ
OC-581B
ヴラダー&ボルトン
ヨーゼフ・マルティン・クラウス:交響曲 ハ短調 VB148
フンメル:ピアノ協奏曲 ヘ長調 Op.post.(1833)
モーツァルト:交響曲第29番 イ長調K.201(186a)
シュテファン・ヴラダー(P)
アイヴァー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2003年8月17日、ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール、ライヴ
OC-582B
ドイツ・ホルンの為のロマンティック作品集
R・シュトラウス:アンダンテ
フランツ・ラハナー:スイス民謡による変奏曲
F・シュトラウス:主題と変奏 Op.13
 夜想曲 Op.7
シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
カール・ピルス:ソナタ風の3曲
ルイ=フィリップ・マルソレ(Hrn)
デイヴィッド・ジャルバート(P)

録音:2006年5月16日-19日
第2回Audiモーツァルト・コンクール優勝。2005年ARDミュンヘン国際コンクール、ホルン部門で第2位を受賞した、カナダ出身のホルン奏者のソロ・デビュー盤です。現地の批評家・聴衆も「2位を受賞したマルソレの方が、音楽的に素晴らしい解釈!」と評価し、エームズ社長も大絶賛。現在彼は、様々なオーケストラとの共演、そして室内楽を中心として活躍しています。今後が楽しみなアーティストでしょう。ホルンを学んでいる方には基本の、シュトラウス父子とシューマンをあえて選曲しているだけあって、その自信が伺えます。
OC-583B
古いハンガリーのクリスマス作品集 ルネ・クレマンシック(バロック・ポシティヴOrg/角笛/リコーダー/Schamanenpfeife (saman cserepsip))(指)
クレマンシック・コンソート
[タマーシュ・キシュ(歌/ハーディ・ガーディ/コボズ/Kurbistambura (tokcitera))
アンドラーシュ・ケチケーシュ(歌/ルネサンス・リュート/コボズ/口琴)ペーテル・ケチケーシュ(歌/Hp/Schamanentrommel (samandob) /Rummelpot (kocsogduda)
トマス・ヴィンマー(バグパイプ/ヴィオローネ/フィドル)
ヴォルフガング・ライトホーファー(太鼓/タンブラン)]

録音:2006年8月16-18日
OC-584B
ブラームス:ピアノ作品全集Vol.1
ピアノ・ソナタ第1番/ピアノ・ソナタ第2番
スケルツォ Op.4
アンドレアス・ボイデ(P)

録音:2005年7月25-28日
アンドレアス・ボイデ。彼の演奏は今までにもマイナー・レーベルからいくつか発売されており、一部の熱狂的なファンの間で語り草となっていました。ベートーヴェンの“ハンマークラヴィーア”を聴いているような力のこもったピアノ・ソナタ第1番。シューマンの影響が見え隠れする第2番。そして、まるでショパンの作品を思わせるスケルツォ。どの曲も、晩年の作品のような渋さはあまり見受けられませんが、意欲的で貪欲に音楽を貪ろうとするブラームスの気合が聴こえてくるようで微笑ましさすら覚えるでしょう。ボイデの演奏は、ブラームスの構造性の確かさをきっちり押さえ、その上で叙情的な部分も漂わせるという、まさにブラームスを演奏する理想的な形と言えるもの。これから発売されるであろう、後期の小品集が楽しみでなりません。
アンドレアス・ボイデ:ドイツのピアニスト。ドレスデンとロンドンでピアノを学び、マルコム・フレージャーにも師事。様々なヨーロッパのオーケストラと共演、音楽祭に出演し、絶賛を浴びている。また、現代音楽も得意としており、初演も行ってきている。2000年にはシューマンの作品の校訂版を出版。Atheneレーベルより5枚のCDを発売している。 
OC-585F(2CD)
ブラームス:ピアノ作品集Vol.2
ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
シューマンの主題による変奏曲 Op.9
4つのバラード Op.10
アンドレアス・ボイデ(P)

録音:2005年-2006年
前作ではピアノ・ソナタの第1番と第2番(OC584)でその才能の片鱗を見せ付けた彼ですが、今回は、ブラームスのピアノ・ソナタの中でも最も劇的な表現力に富み、難易度も高い第3番を取り上げます。曲全体が関連付けられた動機からなる重厚な作品で、演奏時間は40分近くの長丁場。後期の作品のような渋さを追求するよりは、ダイナミックさや華やかさに重きが置かれがちな曲ですが、ボイデの演奏はとても落ち着いたもので、決して技巧をひけらかすことなく、冒頭なども力まずスタイリッシュにまとめています。第2楽章や第4楽章での、一音一音の粒の際立つ様の美しさも筆舌に尽くしがたいほどです。男の独白、または、渋いモノトーンで描くブラームス。そんな味わいのソナタと小品です。
OC-586B
ブラームス:ピアノ作品集Vol.3
創作主題による変奏曲 ニ長調Op.21-1
ハンガリーの歌による変奏曲 ニ長調Op.21-2
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調Op.24
パガニーニの主題による変奏曲 イ短調Op.35
アンドレアス・ボイデ(P)

録音:2006年7月14日、2007年1月2日-6日
OC-587B
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
第7番 ニ長調 Op.10-3
第9番 ホ長調 Op.14-1
第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
イゴール・カメンツ(P)

録音:2005年4月4日-7日
カメンツは以前にリストなどの、どちらかというと超絶技巧系の作品の録音で評価が高いですが(AM13192、AM12632)、今回はベートーヴェンという、いわゆる「正統派」の作品でその真価を問います。音色は録音のせいもあってか柔らかめ。ベートーヴェンの初期の作品の中でもとりわけ躍動的な第7番のソナタや第14番“月光”では、良く回る指を活かし眼の覚めるような鮮やかさで駆け抜けます。第9番で一息入れて、最後の第23番“熱情”で面白さ爆発。
【イゴール・カメンツ】 1968年ハバロフスク生まれの指揮者&ピアニスト、イゴール・カメンツ。1974年からノヴォシビルスク・ジュニア音楽学校で指揮法をアルノルド・カッツに学び、そして市立コンセルヴァトワールでヴァイオリンをザハール・ブロン、ピアノをマリー・リーベンソンに学ぶ。彼が指揮者としてデビューしたのは、なんと1975年。ノヴォシビルスク・フィルハーモニーと共にハイドンの第94番の交響曲「驚愕」を演奏。それからはピアニストとしても頭角を現す。
OC-588B
コジェルフ:ピアノ協奏曲集
第1番/第4番/第5番
タマス・ドラトヴァ(P)
オリヴァー・フォン・ドホナーニ(指)
スロヴァキア・シンフォニエッタ

録音:2004年12月17-19日
コジェルフは、モーツァルト晩年の1780年代には、モーツァルトを凌ぐ名声と人気を得ていました。1791年には、モーツァルトの後を継いでウィーン宮廷作曲家に任命。主にピアノのための作品を数多く作曲しました。23曲のピアノ協奏曲、55曲のピアノ・ソナタ、65曲のピアノ三重奏曲を作曲。しかし後、ベートーヴェンらが有名となっていき、彼は忘れらた存在となって行きました。ここに収録された作品は、彼の最も初期の作品で、2002年にタマス・ドラトヴァが偶然に3曲のオリジナル譜を発見。音楽学者でもあるウラディーミル・ゴダール氏と共に校訂を行い、2004年12月に演奏・録音されたものです。カデンツァは、タマス・ドラトヴァが作曲。 さて、このコジェルフ。最近、モーツァルトは食傷気味で・・・。という方にぜひオススメしたい音楽です。一瞬モーツァルト?と思わせるメロディラインに、一瞬垣間見える小洒落た響き。とは言え、ハイドンのような凝りに凝った曲ではなく、あくまでも自然な音楽の流れ。小気味良いパッセージが耳を刺激します。 
OC-589B
ロマンティック合唱名唱集
ブラームス:5つの歌 Op.104*
 3つの歌 Op.42〜第3番
 12の歌とロマンス Op.44〜[愛の歌/山は険しく/渓流のほとりの牧場]
メンデルスゾーン:6つの歌 Op.59 より[第5番/第6番]
 最初の春の日 Op.48〜第5番
シューマン:ロマンス第2集 Op.91
ブルックナー:慰めの音楽
シューベルト:菩提樹
レーガー:Es waren zwei Konigskinder
  Trutze nicht
フリッツ・シュタイン:Das Heimattal
ジルヒャー:Untreue
フランツ・ビーブル:Feinsliebchen, du sollst mir nicht barfus gehn
ミヒャエル・グレーザー(指)
ペーター・ダイクストラ(指)*
バイエルン放送cho

録音:1990年-2004年
1946年に創立された長い伝統を誇るバイエルン放送合唱団。クーベリックやコリン・ディヴィス、ロリン・マゼールなどの多くの大指揮者と共演し、当時の現代作品から古典的な作品まで大変幅広いレパートリーを持つことで知られています。このアルバムは、当団体が1990年から2004年までに録音したロマン派の小品を集めたもの。注目は2005年重鎮M・グレーザーの引退に伴い、当時弱冠26歳の若さを誇るP・ダイクストラが音楽監督に就任したことで、この合唱団の色合いがどのように変化したのかを感じることもできるはず。合唱ファン必聴の1枚といえるでしょう。 
OC-590B
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ Op.48
ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ Op.22
アヒム・フィードラー(指)
ルツェルン祝祭弦楽合奏団
録音:2006年2月2日-5日
OC-591B
シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ D.821
カリヴォダ:6つの夜想曲 Op.186
シューベルト(A.ピライ編):「白鳥の歌」より(ヴィオラとピアノの為の版)
[愛の使い/セレナード/別れ/海辺にて/鳩の便り]
アシャン・ピライ(Va)
ミヒャエル・エンドレス(P)

録音:2005年9月13日-14日
OC-592B
アレクサンダー・ギルマン・デビュー
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ Op.94a
ヴィエニャフスキ:創作主題による華麗なる変奏曲 Op.15
フォスター(クライスラー編):故郷の人々(スワニー川)
フォスター(ハイフェッツ編):金髪のジェニー
アレクサンダー・
ギルマン(Vn)
マリーナ・
ゼルテンライヒ(P)

録音:2007年1月11日-13日
アレクサンダー・ギルマンは6歳よりヴァイオリンを学び始め、7歳でミュンヘン・ガスタイクにデビュー。12歳でミュンヘンの「Jungend Musiziert」で優勝。イツァーク・パールマン及びブロン教授のマスター・クラスに参加。15歳でニューヨーク国際サミット・コンクール優勝しました。現在はケルン音楽大学にて、ブロン教授に学んでいます。
OC-593B
シューベルト:ピアノ・ソナタ第4番 イ短調 D.537
 ピアノ・ソナタ第18番 ト長調「幻想」D.894
ラッヘンマン:シューベルトの主題による5つの変奏曲
 独奏ピアノの為のグエロ
ヘルベルト・シュッフ(P)

録音:2007年9月
彼のシューベルトはすでにヨーロッパで大評判、「まさにルプーや内田光子を凌ぐ才能」と賛美されています。
【ヘルベルト・シュッフ】1979年ルーマニア生まれ。1988年ドイツに移住し、ザルツブルク・モーツァルテウムにて学んだピアニスト。16歳でダブリンでの若人のための国際コンクールで入賞し、ミュンヘン・ガスタイク・ホールでデビュー。「深く機敏な演奏!」と絶賛されました。2003年からザルツブルク・モーツァルト週間などにも出演しており、「聴衆を夢中にさせる強烈な音楽家」と称えられ、2005年6月に行われたウィーン・ベートーヴェン国際コンクールでの最終選考では、ド・ビリー指揮ウィーン放送Oをバックに、ベートーヴェンの協奏曲を弾き、「完璧な超大家!」と絶賛。エームズ社長も絶賛し、OEHMSCLASSICSと契約。ファーストアルバム『ラヴェル&シューマン(OC541)』では、ドイツではすでに8000枚以上のセールスをあげており、「彼の演奏は、迫力と輝きに満ちたもの」とグラモフォン・エディターズ・チョイスに選ばれた。また、「ホロヴィッツ、ペライア、内田光子、ルプーなどと並ぶシューマンであり、最も自然体な演奏」と絶賛されています。2007年5月にブーレーズに認められ、競演を果たしている。
OC-594F(2CD)
モートン・フェルドマン:ピアノ作品集Vol.2
For Bunita Marcus (1985)
Palais De Mari (1986)
ザビーネ・リープナー(P)

録音:2006年2月4日-5日、バイエルン放送第1スタジオ
Vol.1 【OC510】で通常の1.5〜倍の遅さの演奏でびっくりさせてくれたS.リープナーの2枚のフェルドマン作品集。2曲ともフェルドマンの最晩年のピアノ作品です。彼の弟子であるBunita Marcusのために書かれた“For Bunita Marcus”。本来、空白に一つ一つ音をはめていく感のある作品で、まるで満天に輝く星を数えているような気分にさせる不思議な音の世界に満ちています。各々の音の動きを追うことも困難ですし、リズムを把握するのも難しいのですが、ただ音の流れに身を任せながら、心地良い眠りをむさぼるのも良いかもしれません。この曲は、いままでいくつかのに演奏も存在するのですが、今回の演奏もとりわけゆったりとしていて、演奏時間がゆうに80分を超えてしまいました。もう一つの曲、“廃墟の静寂“も基本的には同じ作風です。移り変わる響きの美しさは、まるで万華鏡のよう。ただただ聞いているだけで癒されることでしょう。
 【ザビーネ・リープナー】 ミュンヘン音楽大学で学び、ホルショフスキ・マスタークラスでピアノを学んだ。彼女は古典的作品の演奏は行わず、現代音楽専門家として活躍し、バイエルン放送やWDRなど主要放送局で、現代音楽の初演を行っている。1992年から現代音楽シリーズのコンサートを行っており、特に最近は「モートン・フェルドマン&ジョン・ケージ」シリーズと題したコンサートを続けており、絶賛を浴びています。
OC-595B
J・シュトラウス:喜歌劇「ウィーン気質」(抜粋) ロルフ・ヴォルラート、
クリスティアン・ツェンカー、
ウルズラ・プフィッツナー、
マルガレータ・クロブチャール、
アレクサンデル・グリル、
ルネー・シュッテングルーバー、
ダニエル・ゼラフィン/他
ルドルフ・ビーブル(指)
メルビッシュ湖上音楽祭O&cho

録音:2007年2月21日-24日、アイゼンシュタット文化センター
毎年恒例のメルビッシュ音楽祭、2007年の演目はウィーン気質。この音楽祭も年を追う毎に認知度が高まり、最近はBS放送で放映されたり、DVDも入手しやすくなったりと、着実に人気も高まっています。このアルバムはご存知の通り、音楽祭が開催される際に現地での即売用としてあらかじめ出演者たちにより録音されたもの。台詞などは省略してあるため、長いお話も1枚のCDに収まってしまうというすぐれものです。ちょっと淫靡なジャケット通り、お洒落で妖艶な舞台が想像できる1枚です。
OC-596B
ミリヤム・コンツェン(Vn)
ツェムリンスキー:ヴァイオリンとピアノの為のセレナード イ長調
シューベルト:幻想曲 ハ長調 D.934, Op.159
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.108
ミリヤム・コンツェン(Vn)
ヘルベルト・シュッフ(P)

録音:2006年11月26日-29日
このCDは3枚のCDを出したアルテ・ノヴァ・レーベルからエームズ・クラシックスへの移籍第1弾CDで、彼女にとって4作目のアルバム。シェーンベルクら新ウィーン楽派の師で後期ロマン派の文脈で生まれた傑作「抒情交響曲」の作曲家ツェムリンスキーのセレナード、シューベルトのピアノ曲の傑作「さすらい人幻想曲」と同系列に属し、高度なヴィルトゥオージティが要求される名作「幻想曲」、そしてブラームスの晩年の重厚で内省的な情緒が色濃い傑作、ソナタ第3番といった、一晩のヴァイオリン・リサイタルと同じようにソリストとしての資質を問われる考え抜かれたプログラム。ミリヤムはこのディスクでも、前3作を上回る洗練された卓越の技術に裏付けられた類い稀な音楽性で真価を発揮し、聴くものを魅了します。
OC-597B
近代ポーランドのヴァイオリン協奏曲集
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番*
ルトスワフスキ:チェイン2:対話
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ダニエル・ライスキン(指)
ヴロツワフPO

録音:2006年12月、ヴロツワフ・フィルハーモニー*/2006年2月、ラ・ショー・ド・フォン音楽ホール、スイス
最近ジャズの分野でも目覚ましい活躍ぶりを披露するベンヤミン・シュミット。今作はポーランドの偉大な作曲家3人のヴァイオリン協奏曲を取り上げます。ヴィエニアエフスキの協奏曲2番は、この作曲家の作品の中でもとりわけ有名なもので、厳粛な第1楽章、夢見るような第2楽章、そして情熱的な終楽章と、聞かせどころの多き名曲です。彼の演奏はとてもクール。もちろん歌わせるところはきっちりつぼを押さえていますが、全体的にべとつかず、すっきり爽やかな仕上がりです。終楽章での目まぐるしいパッセージの見事な処理をお聞きください。シマノフスキの協奏曲第2番は作曲家の最晩年の作品。音色、リズム・・すべてにおいて大胆さが際立つものですが、シュミットはいとも楽しげにこの曲を征服します。そしてルトスワフスキ。難解さの中にユーモラスな表情を湛えた独特の作品ですが、彼は何とも明晰な切り口でこの曲を楽しませてくれるのです。
OC-598B
コレッリ:ソナタ集 Op.5-7〜12
(18世紀の作曲家の装飾法によるリコーダー編曲版)
シュテファン・テミング(bfl)
オルガ・ワッツ(Cemb)

録音:2007年9月、チューリヒ、ノイミュンスター教会
コレルリのこれらのソナタ集は、もともとヴァイオリンのためのソナタ集であり、「ウィリアム・バベル」「ミシェル・ブラヴェ」「ピエトロ・カストゥルッチ」「マシュー・デュボーグ」「タルティーニ」「ジェミニアーニ」「ヴェラチーニ」「マンチェスター出版」らの装飾法によった50以上の出版譜によって現代まで伝えられています。ブリュッヘンなど様々なリコーダー奏者がレパートリーを増やすために、当時のこれらの重要な装飾法による楽譜が残されているのにもかかわらず、独自に編曲し演奏・録音されていました。ここでは、テミングがそれらの重要な貴重な装飾法を守りつつ、当時のもっともすばらしい装飾法の楽譜を選出し、リコーダーで演奏した世界初録音となります。リコーダーの特性を十分生かすために、あえて通奏低音はチェンバロのみで演奏。
【シュテファン・テミング】 1987年ケープタウン生まれ。ミュンヘンとフランクフルト大学でミヒャエル・シュナイダーにリコーダーを学ぶ。様々な音楽コンクールで優勝した後、リコーダー・アンサンブル、古楽アンサンブルに参加。様々な現代音楽作曲かも、彼のために曲を書いている。すでに彼の演奏は「既に巨匠の域」と絶賛されています。
OC-599B
ヘンデル:カンタータ&鍵盤楽器の為の作品集
カンタータ「残酷な暴君、愛の神 (Crudel tiranno amor) 」HWV.97b(2005年新発見の自筆譜、チェンバロ伴奏版による)
チェンバロ組曲第7番 ト短調 HWV.432
音楽時計の為の小品 〜(9曲)
オルガンまたはチェンバロの為のフーガまたはヴォランタリーOp.3〜HMV.605/HMV.609
シルヴィア・グリーンベルク(S)
エドガー・クラップ(Cemb/Org)
ウェン=シン・ヤン(Vc)

録音:2006年5月17日、ミュンヘン、アレルハイリゲン教会、ライヴ
2005年に相継いで、バッハとヘンデルの自筆譜が発見されました。その一つは、ここに収録されたヘンデルの作品で、ミュンヘン・バイエルン州立図書館に保存されていた【イタリアン・カンタータHWV97<Crudel tiranno Amor>】の楽譜で、比較的有名なヘンデルのカンタータの一つです。1899年に当館に寄与された芸術史学者フォン・リール氏の纏めた曲集が鑑定された結果、ヘンデルの自筆譜であることが確認されたもの。既に知られていたヘンデルの片腕のクリストファー・スミスの8つの楽譜に紛れて、手書きを特定するのは困難であったようです。新たに発見された楽譜は、通常知られているソプラノ独唱と通奏低音付きオーボエ(または弦楽合奏)版の楽譜ではなく、チェンバロのみによる伴奏版。レチタティーヴォ部分に、稀な作曲家本人による通奏低音和音記載がされているため、当時の通奏低音の研究に計り知れない意味を持つものです。また、ここでは珍しいヘンデルのキーボード作品も収録されています。 

OC-601C(1SACD)
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ調
パスカル・ロジェ(P)
ベルトラン・ド・ビリー(指)
オーストリアRSO
OC-602C
(1SACD)
デボラ・ポラスキー〜ワーグナーを歌う デボラ・ポラスキー(S)
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO
OC-603
(1SACD)
パンフルートと管弦楽のための音楽
ウルリヒ・ヘルケンホフ:ルーマニアへの手紙*
マティアス・ケラー:バルカニア*
パラシケフ・ハディエフ:12のルーマニア舞曲*
バルトーク:ルーマニア民族舞曲+
ウルリッヒ・ヘルケンホフ(パンフルート)
上岡敏之(指)*
ヘンリー・ラウダレス(指)+
ミュンヘン放送O

録音:2002年6月*、2004年7月+
OC-604F
(2SACD)
ムッファト:オルガン音楽の練習(1690) ヨゼフ・ケレメン(Org)
OC-605C
(1SACD)
ベートーヴェン:交響曲第1番
交響曲第2番(原典版)
ジョヴァンニ・アントニーニ(指)
バーゼル室内O

音:2004年11月&2005年1月、ルツェルン大会議場
OC-606C
(1SACD)
オルガン・スペクタキュラー
バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
ロッシーニ:「ウィリアム・テル」序曲
ニーノ・ロータ:オルガン・ソナタ
J.ウィリアムズ:「スターウォーズ」組曲
ヴィエルヌ:ファントム
ハラルト・フェラー(Org)
OC-607C
(1SACD)
リューベック(1654-1740):オルガン作品集
前奏曲/前奏曲とフーガ
コラール「主イエス・キリストよわれ汝の名を呼ぶ」
ヨーゼフ・ケレメン(Org)

録音:2005年7月
ヴィンツェント・リューベック(Vincent Lubeck 1654年 ブレーメン近郊 - 1740年2月9日 ハンブルク)は、ドイツ盛期バロック音楽の作曲家・オルガニスト。1675年にシュターデのオルガニストとなり、演奏家・作曲家・教師として名声を得ました。1702年にハンブルクの聖ニコライ教会(この教会のパイプオルガンは、名匠アルプ・シュニットガーによって建造された世界で最も美麗なオルガンの一つであった。) に地位を得、終生にわたってこの座にありました。また、バッハは青年時代にハンブルクを訪ねた折に、リューベックの演奏にも触れており、バッハの初期のオルガン作品には、彼の影響が歴然としています。しかし長い生涯のわりに、ごく僅かな作品数しか現存しなく、ここに収録された記念碑的なコラール《主イエス・キリストよ、われ汝の名を呼ぶ "Ich ruf zu Dir Herr Jesu Christ"》と、《前奏曲とフーガ》は、彼の最も優れた作品と言われています。
OC-608C
(1SACD)
カミンスキ(1886-1946):合唱作品集
詩篇第130番
Alle Menschen mussen sterben
ドイツ・ミサ曲
大地=ツァラトゥストラ: Yasna29
三連画/ Der Mensch /6つのコラール
アーメン/ Geistliche Chore
ゲルト・グクルヘール(指)
ミュンヘン・オルフェウスcho

録音:2005年7月15日-18日、ミュンヘン・聖ウルスラ教会
OC-609F
(2SACD)
ハイドン:オラトリオ「天地創造」 ミア・ペーション(S)
トピ・レティプ(T)
デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Br)
アイヴァー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO、
ザルツブルク・バッハcho

録音:2005年11月20日-22日、ザルツブルク・モーツァルテウム・大ホール、ライヴ
アイヴァー・ボルトンのオラトリオ「四季」に続くハイドン第2弾。今回はテノールが代わり、ラモーの「遍歴騎士(レ・パラダン)」でも清楚な声を聞かしてくれたトピ・レティプが歌います。金管楽器と打楽器はオリジナル楽器を使用。他楽器も古楽器奏法を取り入れて、天地創造の様々な要素を動画のように見せてくれるのは、様々なオペラ演奏を経験してきたボルトンの創造性が見事に一致した演奏でしょう。 「この演奏は比較的小人数の演奏であったが、身の毛もよだつエネルギーと強い説得力を持つものであった。現代において、この曲の理想的な歌手は見つけ出すことは難しい。しかし、ミーア・ペールソンとトピ・レティプの清楚で柔軟な声。また弁者としての役割を持つデイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン、高次元で自発的意思と柔軟性をもった合唱によって、素晴らしい場面場面を作り出した。ボルトンは古楽奏法を活用し、さらにオーケストラから様々な色を出すことに成功しました。それらは、まさに理想的であるしか言いようがありませんでした。各個人の突出した素晴らしい演奏を引き出すことも重要ながら、全体のハーモニーを調和させることが、この曲には一番重要であるということを感じました。物語芸術と音楽の調和を一致させたボルトンの、次元の違った解釈には脱帽です」と、演奏会の批評で絶賛されました。
OC-610C
(1SACD)
バッハ:フルートと鍵盤楽器のための協奏曲 ハ長調(フルート・ソナタBWV1032による)
モーツァルト:ソナタ ト長調(フルート四重奏曲K.285aによる)
ドビュッシー:小船にて/小さな羊飼い/月の光
ミクローシュ・ローザ:北ハンガリーの農民の歌と踊り Op.5
ヨハン・S.スヴェンセン:ロマンス Op.26
ハラルト・ゲンツマー:無伴奏パン・フルートのためのソナタ
ウルリヒ・ヘルケンホフ(パン・Fl)
マティアス・ケラー(P)

録音:2006年1月15-17日、ロイトキルヒ・フェストハレ
ドイツで最も有名なパン・フルート奏者、ヘルケンホフ。すでにヨーロッパでは10枚以上のソロ・アルバムや、多数のアルバムにゲスト参加している。また、映画やテレビ音楽などにも参加しており、モリコーネも絶賛するアーティストでもあります(DVDで発売されている「モリコーネ・コンダクツ・モリコーネ」にも参加)。今回のアルバムでは、まずバッハ、モーツァルトのフルートのための作品をアレンジ。跳躍の困難なパン・フルートでどこまでこなせるか。そして幻想的なドビュッシーの作品はこの楽器にぴったり。そして、ドイツを代表する現代音楽作曲家の長老、ゲンツマーがヘルケンホフのために作曲した作品も収録。民族音楽&楽器としてではなく、パン・フルートという一つの楽器としての可能性を見出したアルバムです。 
OC-611C
(1SACD)
ビーバー&ベリオ:ヴァイオリンのための作品集
ベリオ:「2台のヴァイオリンのためのデュエット」より*
 [ Maurice / Bela / Jeanne /Alfred / Peppino / Piero ]
 セクエンツァ VIII#
ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ より+
 [第3番/第5番/第6番]
 2台のヴァイオリンと通奏低音のためのパルティータ**
アーヴィン・アルディッティ(Vn;*/#/**)
ルディガー・ロッター(Vn;*、バロックVn;+/**)
オルガ・ワッツ(Cemb)
アクセル・ヴォルフ(リュート&テオルボ)

音:2005年12月12日-15日、グリュンヴァルト・オーガスト・エヴリディンク・ザール
バロック音楽復興初期(1960年ごろ)、一部の聴衆のために、多少の歴史的知識を持った演奏家がロマン的演奏法によってバロック音楽は演奏されていました。1980年頃一部のオリジナル楽器演奏家は、音楽学者の研究結果、自分の歴史的演奏方法と解釈など、貴重な洞察を取り入れ始めました。これは、西洋音楽の傑作に新しい視点への扉を開けたことになります。それまでの情緒的な演奏は、基本的に疑われ、払いのけられました。例えば、アーノンクールやゲーベル、フライブルク・バロックオーケストラの演奏は、最初は挑発的な解釈と言われ、激しい対立を生みました。アーノンクールがウィーン・フィルを初めて指揮した時は、ブーイングの嵐でした。しかし現在ではその挑発的と言われた演奏は絶大なる支持を得、むしろ一般的となっています。よってその対立は無くなり、あえて伝統的なオーケストラは、有名なバロック指揮者が指揮しない限り、バロック演奏は行わない状態です。昔の演奏解釈による頑固な芸術家は、忘れられていっています。しかし、私はそれぞれの時代的専門的考えだけを貫くことはよくないと考えます。例えばここに収録したビーバーの作品は、バロック的奏法だけ、またはモダン・ヴァイオリン奏法だけでは、余りにも均等的でつまらないもので、この両立こそ感情を豊かにしていくのです。私がコンサートを行ってみると、バロック演奏の時と現代音楽の演奏会との聴衆が一致するのです。フライブルク・バロックオーケストラなど、最近の若手オリジナル楽器奏者は、しばしば現代音楽のコンサートも行います。つまり現代音楽とバロック音楽は、ベクトルは同じ方向にあり、新しいアヴァンギャルドを求め、私たちは、その方向性によって挑発し合います。ビーバーとベリオには300年離れていますが、まるで対話をしているようで、ビーバーの構成は驚くほど現代的なのです。(R。ロッター)
OC-612C
(1SACD)
ワーグナー(アルブレヒト編):「ラインの黄金」前奏曲/ヴァルハラ城
 ワルキューレの騎行
 「ジークフリート」〜森のささやき
 「神々の黄昏」〜葬送行進曲/ブリュンヒルデの自己犠牲
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2006年5月、トゥルコアン聖ニコライ教会、フランス北部
ライブルク生まれの若手鬼才オルガニストによる、ワーグナーの指環を複数台オルガン用に編曲した演奏。この録音では、トゥルコアン聖ニコライ教会に設置されている大小2台のオルガンを同時に使用(1つのコンソールで、2台のオルガン演奏が可能)。5本のマイクロフォンを教会の中央の最適な場所にセッティング。更に多重録音を最新録音機器とコンピュータを使用することによって、あたかも5人のオルガニストが、10台のオルガンを一気に演奏しているように感じさせられます。このことにより、ワーグナーの管弦楽効果を、十分に引き出すことに成功しました。通常のステレオCDでも十分な音響効果を得られるようにミックスしてありますが、ぜひ5.1chのサラウンド効果を聴いて欲しいとのことです。
OC-613C(1SACD)
パッヘルベル:オルガン作品集
プレリュード ニ短調
われらみな唯一なる神を信ず
チャコーナ ヘ短調
オクターヴ・トーンによるマニフィカト
リチェルカーレ ハ長調
トッカータ ハ長調
リチェルカーレ ハ短調/フーガ ニ短調
トッカータ ハ短調/フーガ ハ長調
神なしたもう御業こそ、いと善けれ
神のひとり子なる主キリスト
さあ、主を讃美せよ、私の魂よ
高き天より我は来れり/第3アリア
われらの救い主なるイエス・キリスト
暁の星はいと麗しきかな/
トッカータ ハ長調
ヨーゼフ・ケレメン(Org)

録音:2006年5月30日-31日、エルフルト=ビュスレーベン、聖ペトリ教会
当時、北ドイツの巨匠ブクステフーデ、南ドイツのあの「カノン」で有名なパッヘルベル、として並び称されていました。パッヘルベルはバッハ一家とも交流があったと伝えられ、バッハの兄、クリストフに音楽を教えたことは有名。特にオルガンに関しては、J.S.バッハも大変尊敬し、研究した作曲家の一人。彼の作品で伝えられている殆どはオルガン作品で、コラール旋律を元にする「コラール編曲」作品が主なものとなっています。 この時代のオルガン作品研究家でもあるヨーゼフ・ケレメンは、パッヘルベルの作品に最も適したオルガンを使用して、パッヘルベルの作品の本質にせまります。
OC-614C
(1SACD)
ブルックナー:交響曲第2番(1871/72年第1稿)[校訂:ウィリアム・キャラガン、2005年] シモーネ・ヤング(指)
ハンブルク州立PO

録音:2006年3月12日&13日、ハンブルク、ムジークハレ、ライヴ
このディスクは、そのシモーネ・ヤングがその真価を問う、初のシンフォニー・レコーディングとなるもので、手兵ハンブルク州立フィルハーモニー管弦楽団(フィルハーモニッシェス・ハンブルク=州立歌劇場管弦楽団のコンサート活動での名称)と始めたブルックナーの交響曲第1弾。第2交響曲の第1稿(1871/72年)に基づく1872年にウィーン・フィルが初演した版による録音となるもので、ウィリアム・キャラガンが校訂し2005年に出版された譜面によっています。これは1871年10月のウィーン・フィルの試演を経て、スケルツォの反復なし、終楽章を56小節短縮し、一部を差し替えて演奏されたもの。初演に関して新聞評は賛否両論でしたが、ハンスリックは好意的に書いたといわれる版であり、ベートーヴェンの第9交響曲をモデルにしたといわれるこの第2交響曲では、中間楽章はベートーヴェンの「第9」と同じスケルツォ→アンダンテ(急→緩)の順となっています。

OC-615C
(1SACD)
ベートーヴェン:鍵盤作品集 Vol.2
ピアノ・ソナタ第1番−第3番
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2005年12月20日-22日、ハノーファー・コングレス・センター、ベートーヴェン・ザール
1955年ケルン生まれ。ジュリアード音楽院でピアノを学んだが、拘った性格のため全くコンサートを行わず研究に没頭。初のコンサートはなんと1993年(38歳)。特にベートーヴェンやシューベルトにこだわって演奏し、その独特な解釈は絶賛され、2005年度エコー賞を受賞しています。現在でも、1年に数回のコンサートのみしか行わないそうです。もともと現代音楽などを得意としていました、たまたま彼の演奏したベートーヴェンが、かの名ピアニスト、クラウディオ・アラウの耳にとまり「これはすごい!」と大絶賛されたm一躍注目を浴びることとなったのが何と38歳。そんな彼の前作の“ディアベリ変奏曲(OC532)”では、その才能の片鱗を見せてくれましたが、今回は同じくベートーヴェン。最初のソナタ3曲。まず学習用にも使われることの多いOp.2-1。何という迫力!決然とした第1主題はもちろんのこと、叙情的な第2主題までもが激しく、聴き手はまるで燃え盛る炎に炙られているようです。美しい第2楽章で一息ついて、また目まぐるしい第3楽章が始まる頃にはすっかり音の魅力にはまることでしょう。Op2−2も負けずに激しい。時としてデフォルメされるテンポ、そして湧き上がるような上全曲を通じて感じられるのが「思い切りのよさ」。5.0chのマルチの音も非常に自然で優秀。
OC-616C(1SACD)
ベートーヴェン:鍵盤作品集 Vol.3
第4番 変ホ長調 Op.7
第9番 ホ長調 Op.14-1
第10番 ト長調 Op.14-2
第12番 変イ長調 Op.26
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2006年9月5日-7日、プフォルツハイム・コングレスセンター
いつものコルスティックの演奏と同じく、楽譜をきちんと読み込み、丁寧な解釈を施し、そして鮮やかな技巧で弾き切るというもので、第12番「葬送行進曲」では重苦しい第3楽章と疾風のような終楽章の対比が見事。
OC-617C
(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.4
第5番 ハ短調 Op.10-1
第6番 ヘ長調 Op.10-2
第7番 ニ長調
第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2006年5月17日-20日、ブレーメン放送ゼントザール
ドイツ・ピアノ界の、シルヴェスター・スタローン ではなく、今や“ドクター・ベートーヴェン”と呼ばれる鬼才ピアニスト、ミヒャエル・コルスティック。ヨーロッパでドクター・ベートーヴェン!と呼ばれ、エコー賞を受賞するなど非常に高い評価を得ているコルスティックのベートーヴェン・ピアノ・ソナタ集、4枚目。今回は超名曲悲愴を含む初期の作品を4曲収録。爆発的なエネルギーを秘めた第5番ハ短調の第1楽章の冒頭部分と叙情的過ぎるほどの第2楽章のコントラストに唖然としてください。そしてその驚きはアルバムの最後まで持続します。柔和な第6番、そして疾走するかのような第7番。どこもかしこにも漲るエネルギーは爆発寸前。余裕あふれる悲愴での歌い口もたまりません(絶妙な強弱とテンポ設定の第2楽章の美しさは絶品)。もちろん全て、ベートーヴェンの自筆譜から研究し演奏に望んでいます。派手さはなくとも味のある、コルスティックのベートーヴェン。
OC-618C
(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.5
第11番/第13番/第14番/第19番/第20番
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2007年7月2日-4日、ハノーファー・ベートーヴェン・ザール
OC-619C(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.6
ピアノ・ソナタ第15番「田園」
創作主題による6つの変奏曲 ヘ長調Op.34
「エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調Op.35
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2007年8月1日-3日、プフォルツハイム・コングレスセンター
OC-620C(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.7
第16番 ト長調/第17番 ニ短調「テンペスト」/第18番 変ホ長調
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2008年2月12日-14日、ハノーファー・コングレス・センター、ベートーヴェン・ザール
OC-621C(1SACD)
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
「コリオラン」序曲/「エグモント」序曲
ベルトラン・ド・ビリー(指)
ウィーンRSO

録音:2006年、ORFゼンデザール
OC-622C
(1SACD)
ミュンヘン・オデオンのオルガン
ブルックナー:前奏曲とフーガ ハ短調
リスト:「泣き、悲しみ、悩み、おののき」
 の主題による変奏曲
ラインベルガー:オルガン・ソナタ第9番 ニ短調 Op.142
レーガー:コラール幻想曲 Op.52-2「目覚めよ、と呼ぶ声あり」
ヴィンツェンツ・ゴラー:ブルックナーへのメモリアルによる祝祭前奏曲
アンドレアス・ゲッツ(Org)

録音:2005年10月17日-21日、ミュンヘン、聖ルペルト教会
ミュンヘン王立オデオンは1828年に建てられ、1944年の第2次世界大戦によって破壊されるまで、ミュンヘンの公的な音楽の場、及び音楽教育の場の一つでした。そこでは、シューマン、ブラームス、マーラー、R・シュトラウス、ラインベルガーなど偉大な作曲家たちも働いたことがありました。もともとここには1887年にメルツ社製の当時もっとも美しいといわれたロマンティック・オルガンが備え付けられていましたが、残念ながら1907年に聖ルペルト教会移動されてしまった。しかしその間に、様々な作曲家のオルガン作品が初演されたそうです。このオルガンの特色は、とにかく音色が美しく響きがたっぷりとしていること。だからこそ、フーガのように、「音の絡まりを楽しむ曲」よりも、ここに選ばれているようなロマン派以降の作品を演奏する時のほうが、その特性が最大限に発揮されることは間違いありません。音が複雑になればなるほど、ねっとりとした響きが層を増す、まさに、あの有名店「キム○ツ」のミルフィーユとんかつのような芸術的な音が楽しめるのです。ゴラーの作品で聴こえてくるブルックナーのおなじみのメロディも、更に荘厳になり、まさに天上から響いてくるかのよう。リストの音楽の持つ「切なさ」も、ラインベルガーの「夢想的な感傷」も丁寧に表現されているのには、全く恐れいる他ありません。
OC-623C
(1SACD)
パスカル・ロジェのガーシュウィン&ラヴェル Vol.2
ガーシュウィン:パリのアメリカ人
 ラプソディー・イン・ブルー
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
パスカル・ロジェ(P)
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

録音:2006年5月、2007年1月、3月
ロジェが、ラヴェルとガーシュウィンの記念イヤーに向けて満を持して録音した「ガーシュウィン&ラヴェル:ピアノ協奏曲」(OC601)に続く第2弾。
OC-624C(1SACD)
ブルックナー:交響曲第3番(1873年第初稿版) シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO

録音:2006年10月15〜16日:ハンブルク、ライスハレ(旧称ムジークハレ)
ウィーン・フィルを振った初の女性指揮者、シモーネ・ヤングのブルックナー交響曲第2弾。ワーグナーなどの重厚なドイツ・オペラを得意とするシモーネ・ヤング(エームス・クラシックスにヨハン・ボータのサポートでウィーン放送響を指揮したワーグナー・オペラ・アリア集あり)が、その実力・真価をブルックナーのシンフォニーでも十分に発揮して腕っこき揃いの手兵ハンブルク・フィルとともに見事な演奏を繰り広げています。
OC-625C
(1SACD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編曲版) ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2007年4月27日-30日、バート・ガンデルスハイム
あの「オルガン版:ワーグナーの指輪(OC612)」から1年。今回は、バッハのゴルトベルク変奏曲に挑戦!
●私はバッハの研究中に、「ゴルトベルク変奏曲」が最高のバッハの鍵盤楽器 のための作品であることを実感しました。この魅力的な作品は感情や色彩だ けでなく、演奏者にとって最も技術を要求する作品でもあります。この曲は、 バッハは2段式マニュアル・チェンバロで演奏するように指定しており、イタリア協奏曲やフランス風序曲もこの楽器を指定しています。現代においては伝説的なグールドの録音以来、グランド・ピアノでも演奏されています。チェンバロでもピアノでも演奏者の考えによって、色彩豊かな音を出せる楽器で演 奏するべきであることを要求しているのです。さて、もう一つ重要な鍵盤楽 器としてオルガンの可能性があります。バッハ自身、ヴィヴァルディなどのイタリア風協奏曲をオルガン1台用協奏曲に編曲を多数試みています。も ちろんゴルトベルク変奏曲は、2手のための作品なので、足鍵盤用の適した 音を抜き出し(付けたし)、多彩な音の洪水にならないように置き換えること は大変困難な事でした。また、決してバロック時代の、バッハの作曲様式を 崩してはなりません。よって、この編曲版を演奏するには、色彩豊かな音色 を持つだけでなく、このような表現を完璧に演奏可能なオルガンと空間でな いと演奏はうまくいきません。私が演奏旅行の中で見出した最適な楽器に 出会ったとき、この編曲版の演奏をしようと決心しました。バート・ガンデル スハイムの参事会教会のオルガンは、中型の新しい楽器ではありますが、見 事にバロック様式の流れを汲んだその当時の様々な音色を出すことができる 楽器です。ここに私の編曲とそのベストな楽器での演奏を、皆様にSACDのマ ルチ・チャンネルを使用して、教会の空間に広がる散りばめられた色彩豊かな音楽をお聴きいただくことが可能となりました。(ハンスイェルク・アルブレヒト)
【ハンスイェルク・アルブレヒト】
フライブルク生まれザクソン育ち。ドレスデン 聖十字架教会聖歌隊のメンバーとなり、カウンター・テナー歌手を務める。そ の後ハンブルクとケルンにて、オルガンとチェンバロを学び、ハンブルク聖ミ ヒャエリス教会のアシスタント・オルガン奏者を務める。ペーター・シュライヤ ーのアシスタントとして5年間、日本を含め世界中を廻った。カメラータ・ザル ツブルク、CPE.バッハ室内管弦楽団、バイエルン州立歌劇場管弦楽団、北ド イツ放送交響楽団などのゲスト指揮者を務め、2005 年よりミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団の 音楽監督に就任。「マルチな鬼才オルガニスト」と呼ばれ、現在ドイツで人気のある演奏家の1人。
OC-626C
(1SACD)
ポラスキー&ボータ〜ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」〜デュエット場面集
[第1幕第5場/第2幕第2場/第2幕第3場/より]
デボラ・ポラスキー(S)
ヨハン・ボータ(T)
ハイデ・ブルンナー(Ms)
ベルトラン・ド・ビリー(指)
ウィーンRSO

録音:2004年-2005年
現在、ブリュンヒルデ、イゾルデ、ゼンタ、ヴェーヌス、オルトルート…といった、ワーグナー・オペラの女主人公の役柄を一手に引き受けているアメリカ出身のドラマティック・ソプラノ、デボラ・ポラスキ。1983年にイゾルデ役を初めて手がけて以来、アバド指揮ベルリン・フィル、メータ指揮フィレンツェ歌劇場、バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場。ウィーン国立歌劇場では、彼女無しのワーグナーは考えられないほど大きな成功を収めてきたポラスキ。豊麗な歌声を見事にコントロールする知的な歌唱は、まさに21世紀のワーグナー歌手に相応しい新鮮な魅力を放っています。2005年の東京オペラの森でのエレクトラ、2006年メトロポリタン歌劇場来日でのワルキューレ(ブリュンヒルデ役)での迫真の歌と演技のゆえに日本でも鮮烈な印象を持っている音楽ファンは数多いはず。
ウィーンを本拠に、ワーグナー、R.シュトラウスからヴェルディ、プッチーニ、レオンカヴァッロなどのヒロイックな役柄を幅広く手がけ、大きな人気を誇るヘルデンテノール、ヨハン・ボータ。カイザースラウテルン、ハーゲン、ボンなどドイツの歌劇場を中心に活動を開始し、瞬く間に欧米のオペラハウスで引っ張りだことなった輝かしい経歴を持ちます。ワーグナー・テノールの真髄、豊かな感情をこめてヒロイックに歌うボータの特質が100%発揮されました。今や、ウィーンで最も実力・人気のド・ビリー。バルセロナの名門リセウ歌劇場でリングトリスタンをはじめとするワーグナー上演で大成功を収めてきた気鋭のベルトラン・ド・ビリーがバックをつとめているのも大きなポイント。ワーグナー指揮者としての大きな呼吸がそれに続くドラマを予感させます。
OC-627C(1SACD)
ヴェックマン(1616頃-1674):オルガン作品集 ヨゼフ・ケレメン(Org)

録音:2006年10月12日-15日、ハンブルク、聖ヤコビ教会
マティアス・ヴェックマン(1616年頃生)は、ハンブルクで活躍した作曲家。ドレスデンでシュッツより音楽教育を受け、イタリアヘ留学しモンテヴェルディやガブリエリの音楽に影響を受けました。またハンブルクでスヴェーリンクの作曲様式にも影響され、ザクセン選帝侯の宮廷オルガニスト、ハンブルクのヤコビ教会専属オルガニストを務めた。彼の作品はシュッツをさらに発展させた様式で、半音階的、対位法的なものが感じられます。 この録音では、ヴェックマンが使用したオルガンではありませんが、彼が務めた教会での録音となります。このシュニットガー・オルガンは、オルガン界のストラディバリと呼ばれるほどの名器で、第2次世界大戦中でも破壊される前に分解され、オリジナルのパイプのまま保存されました。1992年にユルゲン・アーレント(現代最高のバロック・オルガン製作者)によって、当時のままに復元されました。
OC-628F
(2SACD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 イルマ・イサカーゼ(P)

録音:2004年8月19日-21日
彼女の演奏は、アリアの冒頭から心が込められています。装飾音の付け方には少々驚く人もいるかも知れませんが、この独特な味付けに慣れていくとどんどん彼女の世界にはまっていくことでしょう。微妙に揺らす右手のメロディと左手のメロディが交錯したところに現れる不思議な響き。これは一体バッハに内包されるべき音なのだろうか?と戸惑ううちに、あっさりと終結部に至る。アリアだけでここまで心が揺り動かされる演奏はそう滅多にはありません。それに続く変奏も見事なこと。例えば第3変奏での雄弁な左手の動きや、第4変奏での巨大な建築物がそそり立つような堂々とした音。曲が一つ進むたびに新たな扉が開いていくのです。現地の音楽評では「グールドの再来」と言われています。しかし音楽の作り方は、グールドとは全く違ういます。
OC-629C
(1SACD)
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(1874年第1稿版) シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO

録音:2007年12月1日-3日、ハンブルク、ライスハレ
OC-630C(1SACD)
ビリー/ベートーヴェン Vol.2
交響曲第5番「運命」*
交響曲第6番「田園」#
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

録音:2007年8月*、2008年2月#
OC-631C(1SACD)
R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
交響的幻想曲 ト長調Op.16「イタリアより」
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

録音:2007年6月、2008年2月、ウィーン、ORFオーストリア放送局ラディアクルトゥーアハウス
R.シュトラウス演奏の伝統を踏まえながら、引き締まったアンサンブル、磨き上げたディテールと音の透明性で見事に表現、ウィーンの音楽シーンに新風を吹き込んでいるド・ビリーのフレッシュで感動に満ちたものに仕上がっています。
OC-632C
(1SACD)
オルガン編曲によるロシア作品集
ムソルグスキー(H.アルブレヒト編):展覧会の絵(オルガン編曲版)
ラフマニノフ(ラングマン編):交響詩「死の島」(オルガン編曲版)
ストラヴィンスキー(アルブレヒト編):ペトルーシュカからの3楽章(オルガン編曲版)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2008年4月21日-27日、キール、聖ニコライ教会、ドイツ
ワーグナー:指輪(OC612)」「バッハ:ゴルトベルク(OC625)」の独自な編曲で楽しませてくれたハンスイェルク・アルブレヒト。今回は「展覧会の絵」に挑戦です。すでにこの曲のオルガン版は、様々なオルガニストによって演奏録音されてきていますが、SACDで初めての盤でしょうか。今回のカップリングでは、アレックス・ラングマンによるオルガン編曲版の「死の島」が追加されています。この教会にある大小の2つのロマンティック様式に改修されたオルガンは、最近更に電子的な改造が施され、同時に2台を鳴らすことができるようになったという画期的なもの。メインの「展覧会の絵」はもちろんのこと、「ペトルーシュカ」に至っては、まるで別の作品?オルガンだけに、原曲の持つリズミカルさは若干不足気味ではありますが、ここまで重厚な音の響きに彩られてしまえば、もう何もいうことはないでしょう。もう一つの「死の島」での不気味な音の連続も、ぞくぞくするような快感をもたらしてくれることでしょう。 
OC-633C(1SACD)
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調1865/66年第1稿(リンツ版) シモーネ・ヤング(指)
ハンブルク・フィルハーモニー

録音:2010年1月ハンブルク、ライスハレライヴ
ブルックナー(1824-1896)初の番号付きの交響曲である「第1番」も、他の作品のようにいくつかの違稿版の存在が知られています(リブレット中には、ウィーン版とリンツ版についてのみ言及されていますが、実際には、版についてはもう少し複雑な問題が存在します)。ヤングは今までの演奏と同じく、この曲でも初稿版を使用することに拘りました。なぜなら、ヤングとハンブルク・フィルは、「創造的なプロセスの最初の形のなかにこそ、ブルックナーの考えとメッセージが妥協なしで聴こえてくる」という堅固な信念を持っているからに他なりません。作曲家と演奏家の様々な思いが交錯したこの1枚。
OC-634C(1SACD)
バッハ:オルガンで聴く様々な作品集
カンタータ第29番「われら汝に感謝す神よ、われら感謝す」BWV.29より「シンフォニア」(オルガン版編曲:M.デュプレ)
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータよりシャコンヌニ短調BWV.1004(オルガン版編曲:A.ランドマン)
イタリア協奏曲ヘ長調BWV.971(オルガン版編曲:ハンスイェルク・アルブレヒト)
フランス風序曲ロ短調BWV.831(オルガン版編曲:ハンスイェルク・アルブレヒト)
パッサカリアとフーガハ短調BWV.582
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)
※ハルゼヴィンケル、聖パウル教会、ミュルアイゼン・オルガンによる演奏

録音:2009年10月30日-11月2日ハルゼヴィンケル、聖パウル教会
ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編曲作品集は、音楽的にも音質的にも優れていて、多くのファンから絶大なる支持を得ています。例えば、ワーグナーの「指環」からの音楽集に於いて、なんと多重録音を用いて2台のオルガンの華麗なる音の饗宴を聴かせたり、他のアルバムではムソルグスキーやストラヴィンスキー、ラフマニノフと言ったロシアの重厚過ぎる音楽を、オルガンの音色に移し替えています。ここではバッハの諸作品を演奏していますが、これも一筋縄では行きません。明晰な響きが求められる流麗な「イタリア協奏曲」をオルガンで演奏するなんて、これは確かに暴挙?ですが、これがとにかくスゴイのです。ピアノ版で奏されることの多い「シャコンヌ」もオルガンで聴くとまた一味違います。音質の素晴らしさも特筆もの。
OC-635C(1SACD)
カルミナ・ブラーナ(13世紀ブルナス写本によるオリジナル・ヴァージョン) ルネ・クレマンシック(リコーダー/ゲムショルン)(指)
クレマンシック・コンソー
マルコ・アンブロジーニ(ニッケルHp/ジューズHp/バグパイプ)
マルクス・フォルスター(CT)
エーベルハルト・クマー(B−Br)
ヴォルフガング・ライトホーファー
(ドラム/タンブーラン/ダラブッカ)
エスメイル・ヴァッセージ(ドゥルシメア/ドラム/ベル)
トーマス・ヴィマー(フィデル/中世リュート/バグパイプ)
ルネ・ゾッソ(ヴォーカル/ハーディ・ガーディ)

録音:2008年年6月13日-15日
衝撃の初録音から35年。中世音楽の巨匠クレマンシックが挑む「カルミナ・ブラーナ」、SACDマルチで再録音、待望のリリース!その新たな解釈は、奇才クレマンシックだけのもの。このアルバムは中世音楽の巨匠(81歳)ルネ・クレマンシックが1974年に録音し、衝撃を与えた「カルミナ・ブラーナ」(ハルモニア・ムンディ・フランス)から35年、13世紀のカルミナ・ブラーナの手稿譜を再度、丹念に調査・精査して再録音したニュー・レコーディング。激しい調子で時代を非難する歌のほかにも、カルミナ・ブラーナには、優雅な愛の歌、春の歌、内面的な感情を歌った歌、そして淫らな歌……実に様々な内容のものがあり、また旋律にも、グレゴリオ聖歌、トルヴェールやミンネゼンガーの歌の影響がみられ、様々な趣味のものが収められた興味深いもので、ファン必聴のニュー・アルバムです。
OC-636C
(1SACD)
バッハ(グンター・ロスト編):ゴルトベルク変奏曲(オルガン編曲版) グンター・ロスト(Org)

録音:2007年8月27日-31日、サン・ルイ・アン・リル教会
OC-637C
(1SACD)
プーランク:鍵盤楽器のための協奏曲集
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 ニ短調FP.61*(2台のピアノ、オルガン、打楽器のための/H.アルブレヒト編曲版)
クラヴサンと管弦楽のための「田園のコンセール」FP.49#(クラヴサン、オルガン、打楽器のための/H.アルブレヒト編曲版)
オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲 ト短調 FP.93+
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)(指)
タール&グロートホイゼン(Pデュオ;*)
ペーター・コフラー(Cemb;#)
バベッテ・ハーグ(打楽器/ティンパニ;+)
バッハ・コレギウム・ミュンヘン+

録音:2009年1月、ミュンヘン、ガスタイク、フィルハーモニー、ライヴ+/2009年4月、7月、ミュンヘン音楽大学 大ホール、セッション(*/#)
OC-638F
(2SACD)
ブルックナー:交響曲第8番[1887年第1稿(ノヴァーク版)] シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO
OC-639F
(2SACD)
バッハ:クラヴィーア練習曲第3巻
プレリュード 変ホ長調BWV552-1
21のコラール前奏曲(ドイツ・オルガン・ミサ)BWV669-689
4つのデュエットBWV802-805
フーガ 変ホ長調BWV552-2
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)(指)
ミュンヘン・バッハcho

録音:2008年10月
OC-640C
(1SACD)
ベートーヴェン・ツィクルス Vol.3
ベートーヴェン:交響曲第7番
 交響曲第8番 ヘ長調Op.93
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO
OC-641C
(1SACD)
北ドイツオルガン楽派作品集 Vol.3
ブルーンス(1665-1697):大前奏曲 ホ短調/小前奏曲 ホ短調/前奏曲 ト短調
前奏曲 ト長調/アダージョ ニ長調
いざ来ませ、異邦人の救い主よ
メルヒオール・シルト(1592-1667):前奏曲 ト短調/前奏曲 ト長調
ヨーゼフ・ケーレメン(Org)

録音:2008年、ノルデン・ルドゲリ教会
OC-642C
(1SACD)
ヴィヴァルディ(J・S・バッハ、G・ロスト編曲):6つの協奏曲 グンター・ロスト(Org)
※ヒルデブラント製オルガン、ナウムブルク、聖ヴェンツェル教会

録音:2009年8月30日-9月5日、ナウムブルク、聖ヴェンツェル教会
グンター・ロストは1974年にヴュルツブルクに生まれ、パリでマリ=クレール・アランにオルガンを学びました。ロストはライプツィヒ・バッハ・コンクールや、ダラス、ニュールンベルク、ハンガリーなどで10以上のコンクールで賞を与えられました。2002年までツィルヒャー音楽院とヴュルツブルク音楽大学でオルガンについて講義を持ち、バイエルン芸術賞を受賞。その後グラーツ音楽大学教授とチャイコフスキー音楽院ののマスタークラスを受け持っています。 あくまでも歴史的オルガンを使用し、当時のオルガン編曲であったらこうしたであろうということにこだわって演奏されます。その成功例が「バッハ:ゴルトベルク変奏曲(OC636)」でしょう。 J・S・バッハは、イタリア風協奏曲の習作のために、ヴィヴァルディらの協奏曲をオルガン・ソロのために編曲を行っていました(BWV.592-597)。その中からバッハが編曲したものを3曲。そしてG・ロスト自身がバッハと同じように編曲した版で3曲を収録しました。
OC-643C
(1SACD)
ペトル・エベン(1929-2007):オルガン協奏曲第1番「シンフォニア・グレゴリアーナ」 グンター・ロスト(Org)
ガブリエル・フェルツ(指)バンベルクSO

録音:2009年4月14-16日 バンベルク・コンサートホール「ヨーゼフ・カイルベルト・ザール」
エベンはボヘミアで生まれ、ピアノ、チェロ、オルガンを学びましたが、ナチの強制収容所に抑留され苦悩の日を過ごしました。戦後、プラハ音楽アカデミーに入学し、イギリスのマンチェスターで作曲法の教授を務めました。1990年にプラハの春音楽祭会長を務め、現代チェコ作曲家の第一人者でもあります。様々なジャンルの作品を作曲し、ウィーン・フィルやザルツブルク大聖堂のための委嘱作品もあります。 この作品は、1954年に作曲した彼にとって初期の作品ではありますが、グレゴリオ聖歌のメロディーを主題として書かれた大規模な作品で、現代的で荘厳さが魅惑的なものです。この録音では、ドイツの若手オルガニスト、グンター・ロストが担当しています。ロストは、1974年ヴュルツブルク生れ。生地でギュンター・カウンツィンガーに、パリでマリ=クレール・アランにオルガンを学んでいます。ライプツィヒ・バッハ・コンクールや、ニュルンベルク、ハンガリーなど数多くのコンクールで入賞したロストは、バイエルン芸術賞を受賞し、グラーツ音楽大学教授も務めています。
OC-644C
(1SACD)
レーガー:3つの幻想曲Op.52〜”目覚めよと呼ぶ声あり”による幻想曲とフーガ
52の易しいコラール前奏曲Op.67〜いざ来たれ異教徒の救い主よ/こぞりて讃えよ 主のみ民ら/いまぞ喜べ愛するキリスト者の仲間たち/高き天よりわれは来れり
12の小品集Op.59&80〜「キリエ」「グローリア」「ベネディクトゥス」「アヴェ・マリア」「パストラーレ」
7つのオルガンのための小品Op.145〜クリスマス
2つの幻想曲OP.40〜”暁の星いと麗しきかな”による幻想曲とフーガ
ハラルド・フェラー(Org)

録音:2009年 オーバープファルツ、ヴァイデン聖ミヒャエル教会
レーガーのオルガン作品の録音は数多くありますが、この録音ではレーガーが育った街、ヴァイデン・イン・デア・オーバープファルツにある聖ミヒャエル教会のオルガンを使用しているのが特徴でしょう。このオルガンも幼少の時期から聴き、そして演奏されたものです。 H・フェラーは、1951年ミュンヘン生まれ。ミュンヘン芸術大学でオルガンを学び、パリでマリ・クレール・アランの教会音楽を学びました。ドイツで奨学金を得、1979年にミュンヘン、ベルリン、ニュルンベルクの国際コンクールで優勝。1980年オランダ・ハールレムでのオルガン即興コンクールで優勝し、1983年よりミュンヘン芸術大学教授を務めています。彼はもちろん古典的オルガン作品も多く演奏していますが(CALIGなどに多数録音)、様々なテレビや映画音楽の作曲と演奏を行い、絶賛されています。この録音では、オルガンの録音には定評のあるこのレーベルの、SACDマルチチャンネルの特性をいっぱいに引き出した録音です。
OC-645C
(1SACD)
ブクスハイム・オルガン曲集
[01] Glockenlauten, Glocke St. Andreaskirche Ostonnen,
gegossen am 24. Juni 1306
[02] Redeuntes in idem(231)
[03] Wolhin las vogelin sorgen(14)
[04] Portigaler(43)
[05] Vil lieber Zit uff diser Erde(51)
[06] Kyriel(eyson)Angelicum . Christeleyson .
Ultimum Kyriel(eyson)(153.155)
[07] Praembulum Super C(232a)
[08] Praembulum Super Mi(233a)
[09] Redeuntes in mi(232d)
[10] Allegalea(185)
[11] Praembulum Super D(232c)
[12] Gaudeamus(omnes in Domino)(35)
[13] Ellend du hast umbfangen mich(48)
[14] Sequitur adhuc semel Ellend und Jamer(49)
[15] Redeuntes in idem(231)
[16] Ein frouwlin edel von natueren(19)
[17] Veni virgo(76)
[18] Salve Radix Josophanie(250)
[19] Se la phase pale(255)
[20] Redeuntes in d(232b)
[21] Descendi in ortum meum(161)
[22] Rorate celi desuper et nubes pl(uant iustum)
[23] Jeloy mors(18)
[24] Redeuntes in La(234)
[25] Anna vasanna(92)
[26] Kyrieleyson de S(ancta)Maria V(irgine). Christeleyson .
Kyrieleyson Ultimum(150)
[27] Ave Regina(258)
ヨーゼフ・ケレメン(Org)
※ゾースト=オステンネン・アンドレアス教会・1425年製オルガン、インスブルック宮廷教会・1558年製エーベルト製オルガン

録音:2008年11月、2009年4月[デジタル:セッション
1460年から1470年の間に編纂された250曲以上にも及ぶ、ブクスハイム修道院のタブラチュアのコレクション。ほとんどが3声のもので、ミュンヘンでの最後の数年に、パウマンの指導の下で書かれた可能性があるようです。トランスクリプションの技法は、右手のパートは自由に作られたか、シャンソンのカントゥスに基づいており、キリエなどの典礼の曲のメロディでさえ装飾や大きく変形され、極めて華麗な音形に感じられるでしょう。また、ドイツ、イギリス、ブルゴーニュ、イタリアの曲をも含み、このブクスハイム・オルガン曲集は、15世紀中期のヨーロッパ音楽の著しい記念碑です。このアルバムでは、現存する非常に古い1425年製と1558年製のオルガンを使用し、当時の作品を再現していきます。ケレメンは1957年生まれで、フランツ・リスト音楽院とバーゼル・スコラ・カントールムで学んだオルガニスト。カナダで哲学も学び、その後17世紀ドイツ・オルガン研究家としても有名です。この録音においても、これらの作品に適したオルガンを使用し、SACDのマルチチャンネルで十分の残響を取り入れ、教会を丸ごと楽器にしてしまったかのようです。
OC-646C
(1SACD)
マーラー:交響曲第1番「巨人」 マルクス・シュテンツ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2011年7月3-5 日 ケルン・フィルハーモニー
1884年から1888年にかけて、若きマーラーが着手した交響詩は、彼が当時愛読していたジャン・パウルの小説「巨人」に影響されたもので、全体は2 部構成、5 楽章からなり、各々の楽章には標題が付けられるなど、伝統的な交響曲とは一味違う味わいを有していました。しかし、最終的には、第2 楽章として置かれていた「花の章」と、各楽章の標題を削除、極めて伝統的な形式に則った交響曲に姿を変えたものが、最終形態となったことはご存知の通りです。最近では「花の章」を付け加えた演奏も見られますが、ここでのシュテンツは4 楽章形式の「第1 番」を見事に演奏しています。ケルン・フィルハーモニーでのライブ録音です。
OC-647E
(2SACD)
マーラー:交響曲第2番「復活」 クリスティアーネ・エルツェ(S)
ミカエラ・シュスター(Ms)
カルトイザーカントライ・ケルン
バッハ=フェライン・ケルン
ケルン音楽大学マドリガルコア
ケルン音楽大学カンマーコア
フィギュラルコア・ボン
マルクス・シュテンツ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2010年10月23-27日ケルン・フィルハーモニー
純器楽作品である第5番、ソプラノを伴う第4番。続くシュテンツのマーラー・ツィクルスは合唱を伴う第2番へと移ります。ソプラノ、メゾ・ソプラノのソロと合唱を伴うこの「復活交響曲」のために、ケルンとボンから5つの合唱団と、2人の名歌手が力を合わせました。今作もシュテンツは作曲家の真意を汲むために、入念なスコアの読み込みを行い、確固たる表現力でこの大作を見事に形にしています。またホールの空気感までをも余さず捉えた素晴らしい録音にも注目。全てのマーラー・ファンへ捧げます。
OC-648E(2SACD)
マーラー:交響曲第3番ニ短調 ミヒャエラ・シュースター(A)
ケルン少年少女cho(エバーハルト・メッテルニヒ…指揮)
ケルン・オペラ女声cho(アンドリュー・オリヴァント…指揮)
マルクス・シュテンツ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2010年7月4-6日ケルン・フィルハーモニー
常に堅実な音楽を聴かせるドイツの中堅指揮者シュテンツ。決して派手ではなくとも、その良さがじわじわと浸み込んでくるような指揮は、来日公演の際も賛否両論を巻き起こしながら、大きな話題となったものです。今回のマーラーも、この大曲の隅から隅までをじっくりと見渡し、細部まで丁寧にスコアを読み込んだ上で、一貫した流れに乗った音楽を聴かせます。ソリスト、合唱団も全て力を出し切った上で、最終楽章へとなだれ込む様は、まさに感動の極みと言えるでしょう。日本では、どうしてもマーラー指揮者として見られてしまうシュテンツですが、劇場でのオペラ経験も長く、また、ヘンツェのスペシャリストでもあります。次代を担う指揮者の筆頭として押さえておきたい一人です。
OC-848E(2CD)
ブリタニック・オルガン第9集〜ヴェルテのアメリカ人オルガニストとエドウィン・ルメア
<CD1.ヴェルテのアメリカ人オルガニスト>
1.クラレンス・エディ(1851-1937):「オールド・ハンドレッド」による祝祭前奏曲とフーガヴェルテ・ロール1654(マスター)
2.ボッシ(1861-1925):夕べの歌ヴェルテ・ロール1649(マスター)
3.ボッシ:アヴェ・マリアOp.104ヴェルテ・ロール1648(マスター)
4.デュドレイ・ブック(1839-1909):「星条旗」による演奏会用変奏曲Op.23ヴェルテ・ロール1342(マスター)
5.フレデリック・ハルカー(1876-1936):たそがれ時にOp.43-1ヴェルテ・ロール1350(マスター)
6.アレクサンドレ・グリマン(1837-1911):ソナタニ短調Op.42-前奏曲とパストラーレヴェルテ・ロール1349(マスター)
7.ルイ・シール(1816-1848):主題と変奏変イ長調ヴェルテ・ロール1355(マスター)
8.ファルナム:「子らよほめまつれ」によるトッカータヴェルテ・ロール2661(コピー)
9.サン=サーンス(1835-1921):サムソンとダリアより「二重唱のカンタービレ」ヴェルテ・ロール740(コピー)
10.サン=サーンス:白鳥(グリマン編)ヴェルテ・ロール1665(コピー)
11.ルドルフ・フリムル(1879-1972):婚礼の歌Op.57-3「オレンジの花」ヴェルテ・ロール1670(マスター)
12.ウィリアム・ファウルケス(1863-1933):祝典行進曲Op.128-1ヴェルテ・ロール1657(マスター)

<CD2.エドウィン.H.ルメア、ヴェルテ・オルガンを弾く>
グノー:サバの女王-行進と行列ヴェルテ・ロール1274(マスター)
ルメア:ロンド・カプリチョーソ「アクセントの練習」Op.64ヴェルテ・ロール1181(マスター)
アンダンティーノ変ニ長調ヴェルテ・ロール1180(マスター)
グリマン:葬送行進曲とセラフの讃歌Op.17ヴェルテ・ロール1265(マスター)
サンディフォード・ターナー(1869-1928):スケルツォヘ短調ヴェルテ・ロール1226(マスター)
グリマン:カプリース変ロ長調ヴェルテ・ロール1232(マスター)
ラインベルガー(1839-1901):ソナタOp.88-第3楽章ヴェルテ・ロール1188(マスター)
フンパーディンク(1854-1921):歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲ヴェルテ・ロール1221(コピー)
ルメア:交響曲ニ短調Op.50-スケルツォヴェルテ・ロール1266(マスター)
ルメア:交響曲ニ短調Op.50-アダージョ・パテティコヴェルテ・ロール1267(マスター)
サン=サーンス:死の舞踏(レメア編)ヴェルテ・ロール1251(マスター)
CD1
クラレンス・エディ(Org)…1.2.3.10.11.12
サムエル・アトキンソン・ボルドウィン(Org)…4.5.6.7.
リヌッド・ファルナム(Org)…8
リチャード・エプステイン(P)…9

エドウィン.H.ルメア(Org)


録音:2014年2月スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
「ブリタニックのオルガン」第9集は、アメリカにおけるヴェルテの発展を支えたオルガニストたちと、イギリスに生まれアメリカを中心に活躍したコンサート・オルガニスト、エドウィン・ルメアの演奏の記録を再現します。1832年にフライブルクで設立された自動楽器のメーカー、M.ヴェルテ&シェーン社がニューヨークの5番街にに支店を出していたのは1865年から1917年まで。この間にたくさんのオルガン(P)の演奏が記録されました。この2枚組は、その時代に活躍したアメリカのオルガニストたちの演奏と、前述のルメアの演奏を記録したロールを、およそ100年を経て再現したものです。当時の最高の技術によって記録された妙技には、録音とは違った味わいがあります。
OC-649C
(1SACD)
マーラー:交響曲第4番ト長調 クリスティアーネ・エルツェ(S)
マルクス・シュテンツ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2009年8月23-26日、9月28-29日、ケルン・フィルハーモニー
バーンスタインらの演奏とは真逆的演奏ながら、ジンマンの新解釈とも全く異なった演奏として、古典的新解釈を提唱するシュテンツの、マーラー録音第2弾となります。第5番の演奏と同じように指揮者マルクス・シュテンツは、この曲をできるだけ元の形のまま演奏していきます。近年のシャープなマーラーに慣れている耳には、若干のんびりした響きとして聞こえるかもしれませんが、初演時にワルターが感じたという「管弦楽法が声部の対位法的構造を明白に表していなかった」不満を体感できるかもしれません。またメンゲルベルクが提唱した自由なテンポのゆらぎが多く再現し、初演時の興奮を聴き手に届けることに成功したと言えるでしょう。 この録音では、カプリッチョ・レーベルのキタエンコのシリーズと同じく、プロデューサーはイェンス・シューネマンが、エンジニアはクラウス・ヴァッハシュッツが担当しており、優秀で安定したサウンド・クオリティが確保されており、ケルンのフィルハーモニーの美しい響きとともに収録されているのもポイントです。既にマーラーの5番の録音(OC650)は、演奏もそうですが録音の面でも高い評価を得てきています。
OC-650C
(1SACD)
マーラー:交響曲第5番 マルクス・シュテンツ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2009年1月26日-29日
OC-651E(2SACD)
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」 ケルン・ギュルツェニヒO
マルクス・シュテンツ(指)

録音:2013年11月10-12日ケルン・フィルハーモニー
丁寧で精緻な演奏を聴かせるマルクス・シュテンツの“マーラー・ツィクルス”もあとは第9番を残すのみとなりました。この第6番も、極めてオーソドックスで美しい演奏です。最近では、スコアを読み込み過ぎてか(!)若干過激に走りがちな第6番の演奏をよく耳にしますが、このシュテンツの演奏は、聴いていてとても安心できるもの。全ての楽器とパッセージはあるべきところに収まっているかのような安定したマーラー(1860-1911)です(楽章の順序は最近の傾向に従い、第2楽章にアンダンテが来ています)。
OC-652C
(1SACD)
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」 マルクス・シュテンツ(指)
ケルン・グルツェニヒO

録音:2012年6月23-27日ケルン・フィルハーモニー
マルクス・シュテンツのマーラー・ツィクルスもそろそろ終盤に差し掛かってきました。今回はとりわけ複雑怪奇な曲である第7番です。この作品が「夜の歌」と呼ばれる理由は第2楽章と第4楽章に「NAHATMUSIC(夜の歌)」という表題が付されているためですが、第1楽章の冒頭の不穏な雰囲気をはじめ、不気味な第3楽章も夜の空気を醸し出しています。それにひきかえ最終楽章の祝典的かつ無意味なほどの明るさは、ともすれば空虚ささえ感じさせてしまうことでしょう。とにかく全体をまとめるのが難しい作品ですが、シュテンツの明快な指揮にかかれば雑多な部分はきっちりと整理されたうえで、なおかつ神秘的な雰囲気を残しているのが素晴らしいの一言です。大編成のオーケストラに加え、特殊楽器(銅鑼、ムチ、カウベル、鐘)やマンドリン、ギターまでをも必要とするこの作品、今回も最高の音質でお届けいたします。
OC-653C
(1SACD)
マーラー:交響曲第8番「一千人の交響曲」 バーバラ・ハーヴェマン(S)…罪深き女
オルラ・ボイラン(S)
クリスティアーネ・エルツェ(S)…懺悔する女
アンナ・パリミナ(S)…栄光の聖母
ペトラ・ラング(Ms)…サマリアの女
マリア・ラドナー(A)…エジプトのマリア
ブランドン・ジョヴァノヴィチ(T)…マリア崇敬の博士
ハンノ・ミュラー=ブラハマン(Br)…法悦の教父
ギュンター・グロイスベック(Bs)…瞑想する教父
マルクス・シュテンツ(指)
ケルン大聖堂少女少年Cho
ケルン・バッハ=フェラインCho
ケルン大聖堂カントライ
ボン市フィルハーモニーCho
ケルン大聖堂ヴォーカルアンサンブル
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2011年9月23-27日ケルンフィルハーモニー
今回のシュテンツの演奏はケルン・フィルハーモニー創立25周年記念の演奏会であり、シュテンツの考え抜かれた解釈と、各々の独唱者、そして全く隙のないオーケストラによるこの演奏は、全ての聴衆に感銘を与えました。なお、歌詞として用いられている第1部のラテン語の賛歌「来たれ、創造主なる聖霊よ」と第2部のゲーテの「ファウスト第2部」からの最後の場については、ブックレットで各々の原型が掲載されており、マーラーが削除したり付け加えた部分がわかるようになっているのも興味深いところです。
OC-654E(2SACD)
マーラー:交響曲第9番ニ長調
交響曲第10番嬰ヘ長調(1910.未完成)第1楽章:Adagioアダージョ*
ケルン・ギュルツェニヒO
マルクス・シュテンツ(指)

録音:2011年6月*、2014年1月 ケルンシュトルベルガー・シュトラーセ・スタジオ
シュテンツとケルン・ギュルツェニヒ管によるマーラー(1860-1911)・ツィクルスもこの1枚で完了となります。最後に登場するのは感動的な第9番と、第10番のアダージョ。第9番で素晴らしいドラマの構築を堪能したあと、1枚のディスクに収録されたアダージョ楽章を聴くときには、大いなる満足感とともに一抹の寂しさを覚えずにはいられません。「大地の歌」と「第10番全曲」(補筆は誰でもよい)もこの組み合わせで聞きたかった…と。すでにこのオーケストラの音楽監督の地位を離れたシュテンツ。次回は私たちの前に、どのような音楽を披露してくれるのでしょう?その期待も込めて、何回も繰り返して聞きたくなるアルバムです。
OC-657C
(1SACD)
マーラー:歌曲集「不思議な子供の角笛」(全曲)(ウィーン原典版使用) クリスティアーネ・エルツェ(S)
ミヒャエル・フォレ(Br)
マルクス・シュテンツ(指揮
ケルン・ギュルツェニヒO
OC-658
NX-B07
レオ・ハスラー(1564-1612):オルガン作品集
イントロイトゥス 4声
カンツォン ハ長調
これほどの歓びは 8声(ト短調より)
オルガン・ミサ
Kyrie Apostolorum 憐れみたまえ、使徒たちよ
Kyrie Secondo 憐れみたまえ 第2
Christe キリストよ
Kyrie 憐れみたまえ
Et in terra pax 地に平和を
Domine Deus 神なる主
Cum Sancto Spiritu ともに 聖霊
.Ach Gott von Himel sieh darein ああ神よ、天よりみそなわし
.Credo in unum Deum 我々は唯一の神を信ずる
イントロイトゥス ニ短調
リチェルカーレ ホ短調
カンツォン ハ長調
Ach weh der schweren pein 悲しいかな、重い苦悩
Und weicht von mir gar ferr ただでさえ、私から離れると
リチェルカーレ 2声
ヨーゼフ・ケレメン(Org)
ヨハネス・フロイント・オルガン(1642年製)・・・1-12
マルクス=ギュンツァー・オルガン(1609年製)・・・13-17

録音:2014年8月12-14日 Stiftskirche Klosterneuburg, Austria
2016年10月19-20日 St. Martin, Gabelbach, Germany
ドイツ、ニュルンベルクに生まれ、若い頃にイタリア留学を果たし、16世紀当時最先端のイタリア音楽の様式をドイツに持 ち帰った功績が讃えられる作曲家、オルガニスト、レオ・ハスラーのオルガン作品集。このアルバムでは名手ケレメンがオー ストリアとドイツにある2ヶ所の教会のオルガンを駆使、各々の曲にふさわしい楽器を選び演奏しています。ヨハネス・フロイ ント・オルガンは1642年に建立された規模の大きな楽器で、何度も改築を繰り返しつつもその伝統ある音色を保持して います。また、マルクス・ギュンツァーのオルガンは規模は小さく、軽快な音色が特徴です。楽器の響きが存分に捉えられた SACDハイブリッド盤です。
OC-661C
(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」 
ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調Op.54 
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2003年8月6日 プフォルツハイム・コングレスセンター(第21番)、2008年6月3&4日 ケルン・ドイチュランド放送スタジオ(22&23番)
ヨーロッパで『ドクター・ベートーヴェン』と呼ばれ、エコー賞を受賞するなど非常に高い評価を得ているコルスティックのベートーヴェン・ピアノ・ソナタ集、8枚目。今回は超名曲『ワルトシュタイン』『熱情』を含む作品を3曲収録。彼は今まで録音に使用した楽譜は、ボン・ベートーヴェン・ハウスのアーカイヴに保存されているベートーヴェンの自筆譜を使用しています。彼ならでは着眼点は、そこから様々な演奏表現を見出すことに成功し、今までにない爆発的なエネルギーを表現していきます。
OC-662C(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9集
ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」
ピアノ・ソナタ第25番ト長調Op.79
ピアノ・ソナタ第26番「告別」
ピアノ・ソナタ第27番ホ短調Op.90
ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2008年
ドイツの中堅ピアニスト、コルスティックによるベートーヴェンのソナタ集第9集、第24番から第28番が収録されています。多くの「腕に覚えのあるピアニスト」が挑むベートーヴェンの全ソナタ録音ですが、彼はこの全集録音に向けて、ボンのベートーヴェン・ハウスで自筆稿を隅々まで研究し、入念な準備をしてきました。あと1枚で全集完結となりますが、ベートーヴェンという孤高の山を一歩一歩踏みしめるが如く、初期の作品から晩年の作品まで一貫性を持たせ、その上で、彼自身の理想を実現化させるために渾身の注意を払ってきたと言うコルスティックの演奏は、強く胸に迫るものがあります。
OC-663C
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集第10集
ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」Op.106
6つのバガテルOp.126
ピアノのための小品変ロ長調WoO60
ピアノのための小品ト短調WoO61
ロンド・カプリッチョト長調「失われた小銭への怒り」Op.129
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2003年8月5-6日プフォルツハイム,コングレス・セントラム/2005年12月22日ハノーヴァー,ベートーヴェンザール
コルスティックの演奏するベートーヴェン、この第10集は名作「ハンマークラヴィーア」と小品集。演奏が非常に困難とされるこの第29番のソナタは、当時目まぐるしい発展を遂げていた鍵盤楽器の中で、とりわけベートーヴェンが心惹かれた2台のピアノを用いて作曲されていて、今後も鍵盤楽器が発展していくことを予想したベートーヴェンが、敢えてフォルテピアノではなく「ハンマークラヴィーア(ドイツ語のピアノの意)」というタイトルを付けたとされています。本来ベートーヴェンはこの第29番だけでなく、作品101のソナタ全てにこのタイトルを記すようにと出版社に手紙を送っていますが、なぜか今ではこの曲だけがこう呼ばれています。曲はあまりにも大規模であり、随所に難所があるというピアニスト泣かせの曲。しかしコルスティックは何の苦もなく弾ききっています。小品も全て味わい深いのですが、最後におかれたロンド・カプリッチョが秀逸。
OC-664C
(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 第11集
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:1997年7月11-13 日 ノイマルクト・イン・デア・オベルプファルツ
着々と進行してきた、ミヒャエル・コルスティックのベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集がここに完結しました。ほぼ14 年に渡って録音された32 曲のソナタからは、コルスティックの音楽的な熟達も感じ取れることでしょう。とりわけ、この最後の「3 大ソナタ」は深淵の極地です。秋の日を思わせる諦観に満ちた第30 番の3 楽章、美しい音の粒が際立つ31 番の冒頭、第32 番の悲劇的なアダージョと、全てを振り切ったかのような静かな明るさに満ちた第2 楽章。ベートーヴェン演奏の歴史の一つのモニュメントがここにあります。
OC-665C
(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲「マンフレッド」 ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2009年3月29-31日

OC-666C(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第6番 「悲愴」 ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音 2010年1月ケルン ビューネン,プローベン ザール
マンフレッド交響曲に続く、キタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒOのチャイコフスキー第2弾。今回は彼の最高傑作である「悲愴」。アグレッシヴでマッシヴな音作りはさすがです。

OC-667C(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第5番
歌劇「スペードの女王」序曲
ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2011年3月20-22日ケルン・フィルハーモニー
2011年3月ケルン シュトルバーガー・シュトラッセ・スタジオ*
キタエンコ&ギュルツェニヒ管のコンビによるチャイコフスキー(1840-1893)第3弾!指揮者キタエンコは1940年生まれの実力派。2010年からケルン・ギュルツェニヒOの名誉指揮者として活躍していて、ショスタコーヴィチやプロコフィエフの交響曲全集などの録音があり、これらにおいても、オーケストラの機動力を存分に生かした、切れ味のよい演奏を聴かせることで人気の高い人です。今作は、チャイコフスキーの交響曲の中でも、もっともメロディアスでドラマチックな味わいが光る第5番と、「スペードの女王」序曲を収録。もちろん録音の良さはお墨付きであり、演奏の面でも音質の面でも、聴けば聴くほどに新たな発見があることでしょう。
OC-669C(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第2番ハ短調「小ロシア」Op.17
ロココの主題による変奏曲
弦楽四重奏曲第1番〜アンダンテ・カンタービレ(管弦楽版)
レオナルド・エルシェンブロイヒ(Vc)
ドミートリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2009年8月&2012年3月ケルンスタジオ・ストルベルガー
期待のシリーズ、キタエンコのチャイコフスキー交響曲集。第1番、第5番、第6番でのアグレッシヴな音楽作りはここでも変わることがありません。第2番の交響曲はチャイコフスキーが1872年に作曲した曲で、初演時は大変な成功を収めたのですが、なぜかその後にチャイコフスキー自身が大幅な改定を行ったことでも知られています。ウクライナ民謡が効果的に使われているため、評論家ニコライ・カシュキンから「小ロシア」という愛称を付けられたと言われています。この演奏、冒頭からメロディをたっぷりと歌わせ、大きな流れを作っていくという極めて聴き応えのあるものです。併録の「ロココ」でチェロを弾くエルシェンブロイヒがこれまた美しい音色を持つ人で、こちらも大満足いただけることでしょう。彼はムターに認められた俊英で、来日の際も高い評価を受けています。最後におかれたアンダンテ・カンタービレも絶妙です。
OC-670C
(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド
組曲「眠りの森の美女」Op.66a<序奏とリラの精/パ・ダクシオン/パノラマ/ワルツ
ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギルツェニヒO

録音:2010年11月&2011年12月ケルンシュトラーセ,ストルベルガー
交響曲のカップリングは「眠りの森の美女」から4曲。キタエンコはいつものように壮大で勇壮な部分を強調しながらも、繊細さを打ち出すメリハリのある演奏で楽しませてくれます。もちろん音質は最高です。
OC-672C
(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第7 番変ホ長調
ピアノ協奏曲第3 番変ホ長調Op.75
リリヤ・ジルベルシュタイン(P)
ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音2012 年4 月、2013 年5 月
キタエンコのチャイコフスキーは、前作の第4 番(OC-671)で、交響曲全集が完成したと思っていた方も多いのではないでしょうか?しかし、実は「交響曲第7 番」がまだあったのです。この作品、もともとは1892 年に着手された「人生」と呼ぶ交響曲のスケッチ(途中で放棄)がピアノ協奏曲第3 番に作り替えられ始めたものの、こちらも第1 楽章のみが完成されました。そしてチャイコフスキーの死後、1950 年になって作曲家セミヨン・ボガティレフが、この協奏曲をもとに交響曲の復元(・・・というよりっ素材を用いて新しい曲を創り上げた)に着手、第1 楽章は協奏曲に若干の手を加え、第2 楽章と第4 楽章は協奏曲に使われるはずだった第2 楽章と第3 楽章のスケッチから、そして第3 楽章は全く別の曲「ピアノのための小品Op.72」の第10 曲を引用。なんとか交響曲の形に仕上げたというものです。日本の女性指揮者が「幻の交響曲」として演奏し話題になった曲としても知られています。このキタエンコ盤は、ピアノ協奏曲第3 番(ソロはジルベルシュタイン!)も併せて収録。この興味深い作品の理解度を高めてくれること間違いありません。
OC-679C(1SACD)
トリオロジー
マルセル・デュプレ:3つのプレリュードとフーガOp.7
ジュアン・アラン:3つの舞曲JA.120,AWV119
マルセル・デュプレ:3つのエスキース(素描)Op.41
グンター・ロスト(Org)
※ヴュルツブルク・ユリウス・マクシミリアン大学新教会、シュッケ・オルガンにて演奏

録音:2010年4月6-9日
フランスの近代オルガン作曲家2人の作品集です。マルセル・デュプレはルーアンの音楽一家に生まれ、1904年にパリ音楽院に入学。ヴィドールとギルマン、ヴィエルヌ他に師事し、1914年にローマ大賞を受賞、1920年にはバッハのオルガン作品全曲演奏会という偉業を成し遂げます。1926年にオルガン科の教授としてパリ音楽院で教鞭を執ります。作曲家としては65曲の作品番号付きの曲を書き、多くの後進へ影響を与えました。教師としてもすぐれていて、過去の作曲家たちの作品の校正を行い、また音楽理論や即興演奏法、オルガン奏法教則本なども多く執筆しています。彼の弟子でもあったジュアン・アランは、名オルガニスト、マリー=クレール・アランの兄であり、夭折の作曲家としても知られます。彼らの作品は、19世紀の後半にフランスで発展したロマンティックなオルガン作品とは一線を画す革新的なもので、音色や技巧など、目の覚めるような素晴らしさを有しています。オルガニストのロストは、1974年ヴュルツブルク生れ。バッハなどのオーソドックスなレパートリーから近代作品まで幅広いレパートリーの持ち主で、古典作品では「6つの協奏曲(OC-642)」や「ゴルトベルク変奏曲(OC-636)」。近代では「エベン作品集(OC-643)」が既にリリースされ、好評を博しています。
OC-686C(1SACD)
ブルックナー:交響曲ヘ短調(習作交響曲) シモーネ・ヤング(指)
ハンブルクPO

録音:2013年2月22-26日ハンブルクライス
若い頃は、小さな村の補助教員とオルガニストとして生活していたブルックナー(1824-1896)ですが、1863年に、当時管弦楽法を学んでいたオットー・キラーの薦めにより「実習」として作曲したのが、この交響曲へ短調でした。自作には何度も改作を施したブルックナー、なぜかこの作品には愛着があったらしく、一度も改定されることもなく、また最晩年に自作の譜面を整理した際にも(不要と思った作品は破棄を試みた)この作品はそのまま保存されたといいます。師であるキッツラーはこの作品を高く評価することはなかったようですが、実際に聴いてみれば、後のブルックナーの精神の萌芽とも言える部分が多々あり、特にスケルツォ楽章などは「まさにブルックナーそのもの」と言える風情を持っています。ブルックナーの交響曲にしては演奏時間も短めであるこの曲。ブルックナー入門にはうってつけかも知れません。演奏はおなじみシモーネ・ヤング。0番で見せた柔軟な歌い口はここでも健在。終楽章の「ちょっとシューマン風?」(ここら辺がブルックナーらしくない?)と思える主題も丁寧に歌いこまれていきます。
OC-668C
(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」
付随音楽「雪娘」*〜序奏/メロドラマ/スコモロフたちの踊り
ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音 2009年11月8-10日 ケルン・フィルハーモニー、2011年12月 ケルン Studio*
キタエンコによるチャイコフスキーの交響曲シリーズ第4 弾です。今回の第1 番は、チャイコフスキーが1866 年に作曲した最初の交響曲で、「冬の日の幻想」という標題も彼自身に拠るものです。若書きの作品とは言え、後期の作品に見られるチャイコフスキー独特の筆致が見られる力作ですが、アントン・ルビンシテインからは出来上がりを酷評され、2 回の改訂を施したことでも知られてます。キタエンコの演奏は、いつものようにスケール感たっぷりの堂々たるもので、どこまでも伸びて行く美しい音と、ゆったりとしたテンポに裏打ちされた完璧なる音楽が紡ぎだされていきます。とりわけ第2 楽章の弦の響きはまさに夢のようであり、郷愁に満ちた民謡風の主題が聞こえてくると、まさに胸がキュンとするほどの感動を覚えます。同時収録は「雪娘」より3 曲。甘美なチャイコフスキー節が炸裂します。
OC-671C(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
イタリア奇想曲Op.45
ドミトリー・キタエンコ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2010年11月&2011年12月ケルンシュトルベルガー・シュトラッセ・スタジオ
OC-673C
(1SACD)
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調Op.36
ブラームス:カンタータ「リナルド」Op.50
ヨハン・ボータ(T)
ベルトラン・ド・ビリー(指)
ウィーン国立歌劇場Cho
ウィーンRSO

録音:2007年8月9日ザルツブルク、フェルゼンライトシューレ
2010年6月28日、7月2日ウィーンORFグローサー・ゼンデザール
ド・ビリーとウィーンRSOによるベートーヴェン・交響曲シリーズの第4弾(他に「エグモント」と「フィデリオ」もあり)は、初期の名作「交響曲第2番」と、あまり演奏される機会のないブラームスのカンタータ「リナルド」の組み合わせです。一連の作品と同じく、古楽器的なアプローチによる第2番の交響曲は、まるでモーツァルトの曲のように優美であり、すっきりとしたもので、多くの人が持つベートーヴェンのイメージ…重苦しく悲痛な…を見事に覆すのではないでしょうか。「リナルド」は、2007年のザルツブルク音楽祭のライブ録音で、ヘンデルのオペラと同じ素材からなるこの作品を、ヨハン・ボータの情熱的な歌唱と、精緻な男声合唱で恐ろしいまでの雄弁さで表出しています。
OC-675C(1SACD)
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68 シモーネ・ヤング(指)
ハンブルクPO

録音:2007年3月11&12日 ハンブルク、ライスハレ(ムジークハレ)
多くの支持と高い評価を得ているシモーネ・ヤングと手兵ハンブルク・フィルによるブラームス:交響曲チクルスが始動!ウィーン・フィルを初めて振った女流指揮者シモーネ・ヤングが手兵ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団は、「ブルックナー:交響曲初稿版シリーズ」や、ワーグナーの「指輪」、ヒンデミットの「画家マティス」など、『重厚ということだけでなく、細部までこだわったオーケストラへの要求を完璧にこなした精密な演奏』と、高い評価を得ています。 今回はロマン派古典的ブラームスの演奏です。彼女が新たにスコアを見直した結果は、濃厚的なロマンティックの中に秘められた古典的な舞曲や民謡だったのかもしれません。それを融合することに、独特な新しいブラームス像なのです。もちろんシモーネ・ヤングはすみずみまで神経が行き届き、更に練り上げられ、それに応じたハンブルク・フィルの演奏は、別の意味で最も現代的に感じるに違いありません。
OC-676C(1SACD)
ブラームス:交響曲第2番、
悲劇的序曲Op.81*
シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO

録音:ハンブルク ライスハレ ライブ録音:2008年3月、2010年1月*
2005年からハンブルク州立歌劇場総支配人と、ハンブルク・フィルの音楽総監督を務めるシモーネ・ヤング。彼女が登場した頃は「注目の女性指揮者」という肩書がついて回ったものですが、最近は誰も彼女の事を「女性指揮者」だとは思わなくなっているに違いありません。彼女の創り上げる音楽は、ワーグナーにしてもマーラーにしても、一本筋の通った明快なものであり、感情に任せて音楽が揺らぐこともなければ、泣きが入ることもありません。作曲家が表現したかった世界を極めて丁寧になぞって見せてくれます。そんなヤング、今回はブラームスの交響曲のなかでも、とりわけ、瑞々しさを要求される第2番を取り上げます。伸びやかで美しいブラームス(1833-1897)は、ブルックナーとはまた違うアプローチです。
OC-678C(1SACD)
愛と死
ヴィドール:オルガン交響曲第5番〜トッカータ
サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」(E・ルメア編)
ビゼー:「アルルの女」第1&第2組曲(J・アビンク編)
サン=サーンス:英雄的行進曲変ホ長調(A・ギルマン編)
フォーレ:パヴァーヌ(I・アプカルナ編)
イヴェタ・アプカルナ(Org)
※エッセン・フィルハーモニー、クーン・オルガンにて演奏

録音:2007年10月、2009年9月
1976年生まれの若きオルガニスト、イヴェタ・アプカルナは、ラトヴィアの音楽アカデミーでピアノとオルガンを学び、1999年に卒業。その後1年間ロンドンでピアノの勉強を続け2003年にはシュトゥットガルトでラドガー・ローマン教授による3年間に渡るオルガン・ソロの長期授業を終え、また多くの国際コンクールに参加し、実績を残しています。彼女の演奏は、従来のオルガン奏法を踏襲しながらも、「新しさ」を常に追求するもので、多くの人がオルガンに抱く「ほこりまみれ」と言ったイメージを払拭するための尽力は素晴らしいものです。以前、PHOENIXレーベルから現代曲を、トランペット奏者ラインホルトと共演した作品をリリースし、オルガン・マニアの熱い視線を浴びていました彼女ですが、このアルバムでも、ヴィドール以外は全て、オーケストラ作品からの編曲もの。楽器の可能性を存分に発揮した素晴らしい音の建造物を目の当たりにすることが可能です。このアルバムにおいて権威あるECHO賞を受賞しています。
OC-683C(1SACD)
ホルスト:組曲「惑星」(ピーター・シークスによるオルガン編曲版)
1.火星/2.金星/3.水星/4.木星
5.土星/6.天王星/7.海王星
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2010年4月23-28日キール 聖ニコライ
最近は指揮者としても、その活動が華々しいハンスイェルク・アルブレヒトですが、やはり彼の本領発揮はオルガン演奏。それも、このような珍しいレパートリーを次々と世に送り出してくれることでしょう。今回のアルバムは、ホルスト(1874-1934)の超人気曲「惑星」です。通常、オーケストラの芳醇な響きを楽しむためのスペキュタクルな作品、オルガン1台ではどのような様相を呈するのでしょうか?もちろん、そんな期待にアルブレヒトは100%以上応えてくれました。SACDのフォーマットを最大限に生かし、それぞれの曲をこの上なく劇的に演奏しています。

OC-677C(1SACD)
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90
交響曲第4番ホ短調Op.98
シモーネ・ヤング(指)
ハンブルクPO

録音2009年10月8-10日ハンブルクライスハレライブ収録
シモーネ・ヤングのブラームス(1833-1897)交響曲全集、ここに完結です。第1番の冒頭では、思いっ切りテンポを落とし重厚に歌わせるかと思えば、第2番では朗々と明るく、まるで地中海の風を思わせるような爽やかさで迫るヤング。彼女の演奏は基本的に対位法と内声を重視するよりも、感情の起伏に沿った流動的で柔軟な音楽を追求することにあるのかもしれません。そのため、ドイツ音楽に堅固さと構造性を期待する人には「緩く」感じる場合もあるかもしれませんが、それはそれ。ブラームスに快楽を求めるのもなかなか良いものです。流麗さが際立つ第3番、過去の巨匠たちの演奏とは一線を画した感のある第4番。どちらも聴きものです。
OC-680C(1SACD)
スウェーリンク:オルガン作品集
第1旋法によるトッカータSwWV286
ファンタジア「ウト・レ・ミ・ファ・ソル・ラ」SwWV286
エコー・ファンタジアSwWV261
我らはみな唯一の神を信ずSwWV316
半音階ファンタジアSwWV258
詩篇第23番「私の守護神、私の羊飼い」SwWV310
いと高き神に栄えあれSwWV299
ああ神よ、御空より見そなわせSwWV303
御子がわたしたちに生まれたSwWV315
戦いの神マルスSwWV321
涙のパヴァーヌ(ダウランド原曲)SwWV328
第9旋法によるトッカータSwWV296
ヨーゼフ・ケレメン(Org)

録音:2012年7月19-21日NLライデンピータースケルク
1957年ブダペスト生まれの名オルガニスト、ヨーゼフ・ケレメンが演奏するスウェーリンク(1562-1621)のオルガン作品集です。彼はドイツのオルガン音楽の権威とみなされており、バッハはもちろんのこと、周辺の作曲家たちの作品の解釈においては右に出るものがいないほど高い評価を得ています。オランダのオルガニスト、作曲家スウェーリンクはルネサンス音楽の末期からバロック音楽の最初期に活躍した人で、北ドイツ・オルガン楽派の育成に寄与した人物として知られています。バッハより100年以上も前の時代に生きたにも拘わらず、その作風は先鋭的であり、使われている対位法も複雑を極めています。当時の彼がいかに影響力の高い人物であったかが、これらの音楽を聴いてみれば理解できることでしょう。まさにめくるめく音の饗宴です。
OC-681C(1SACD)
ショパン:24の前奏曲Op.28(オルガン編) ギュンター・ロスト(Org)

録音:2010年11月10-13日ケヴェラー
ショパンの24の前奏曲は、12音の全ての調性(12の長調と短調)を使って書かれています。これはバッハバッハの平均律に源を発し、ショパンの後もショスタコーヴィチやスクリャビンなどに伝統は受け継がれていきます。全ての調性を使うというこの試みはピアニストだけでなく、他の楽器の奏者にも大層魅力的であるようで、今までにも様々な楽器、演奏家によって、このショパンの名曲は演奏され続けています。今回オルガンを演奏しているギュンター・ロストは、この曲を録音するにあたって、驚くべきことに、ショパンのピアノ譜に全く変更を加えることなく全曲を弾き切りました。ショパンの繊細な表現はピアノでないと無理だと思う方は、ぜひこれを聴いてみてください。世界最大のロマンティック・オルガンの七色の響きを最高の状態でお届けいたします。
OC-682C(1SACD)
北ドイツのオルガン作品集第4集ハインリヒ・シャイデマン:オルガン作品集
前奏曲ト長調 WV73
われを憐れみたまえ、おお主なる神よWV87
第6旋法によるマニフィカトWV19
カンツォンヘ長調 WV44
イエス・キリスト我らの救い主WV10
よき羊飼いは見出したWV55
われらみな唯一なる神を信ずWV29
トッカータト長調 WV43
高き空よりわれは来れりWV69
涙のパヴァーヌWV106
前奏曲ニ短調 WV34
ヨーゼフ・ケレメン(Org)
※イエテボリ オールグリューテ新教会のオルガンにて演奏

録音:2010年8月3-5日スウェーデン イエテボリ オールグリューテ新教会
シャイデマン(1595?-1663)は17世紀半ばのオランダのオルガニスト・作曲家です。彼はスウェーリンクに学び、ブクステフーデ、バッハバッハの先駆者として高く評価されています。生涯のほとんどをオルガンに捧げ、数オ国のオルガン曲を残しました。彼の作品の主たるものはコラール前奏曲とコラール、そしてマニフィカトであり、またハスラーやダウランドの作品の編曲も知られています。これらはスウェーリンクから学んだ形式をもとにして、当時発展途上にあった北ドイツのバロック・オルガンの機能を存分に生かしたものであり、技巧的な華やかさも備えています。バッハが活躍する100年前に、こんなに素晴らしく堅実なオルガン曲があったことには驚くほかありません。ここで演奏しているケレメンは1957年ブダペスト生まれのベテランで、バッハバッハのオルガン演奏の権威でもあります。
OC-684E
(2SACD)
バッハ:6つのパルティータBWV825-830(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編曲) ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2011年6月5-11日クレフェルト=ヒュルス,聖クリアクス・プファル教会メッツラー-オルガン演奏
本来は「クラヴィア練習曲」として出版された6つのパルティータ。この作品を、名オルガニスト&編曲者アルブレヒトは「バッハに最も近い楽器」オルガンで再現する試みに挑戦しました。既存の演奏との比較をするよりも、全く新しいバッハ作品として聴いていただければ、そこに新しい世界の誕生を見ることができるかも知れません。“バッハは人であり神ではなかった。しかし、彼は「神の人」であり、彼の音楽は始めから神に祝福されていた”と偉大なる指揮者レナード・バーンスタインが述べたように、神の音楽は確かにオルガンで奏されるのがふさわしいと納得できるアルバムです。
OC-685C
(1SACD)
ブルックナー:交響曲第0番ニ短調WAB100(1896) シモーネ・ヤング(指)
ハンブルクPO

録音:2012年5月20&21日ライブ録音:ハンブルクライスハレ
869年に着手されその年に完成されたと言われる、ブルックナー(1824-1896)の「第0番」。実際の完成は第1番よりも後ですが、なぜかブルックナー自身がこの曲の総譜に「0(ゼロ)」と書き込んでいることからこの番号で呼ばれています。曲が完成した際、当時ウィーン・フィルを指揮していたオットー・デッソフに感想を求めたところ、「第1主題がわからない」と言われたため、発表を取りやめてしまったというブルックナー。総譜を破棄することはなかったものの、晩年になって「試作」「無効」などの書き込みを付すことで気持ちの整理をつけたのかもしれません。初演は彼の没後である1924年。確かに堂々たる主題はわかりにくいですが、音の使い方はいかにもブルックナーらしく、また要所に現れるゲネラルパウゼ(オーケストラの楽器全てが休みとなること)などが彼らしさを主張しています。
OC-687C
ブルックナー:交響曲第6番(1881) シモーネ・ヤング(指)
ハンブルクPO

録音:2013年12月14-16日ハンブルクライスハレ
ブルックナー(1824-1896)の交響曲の中では、5番と同じく改訂されていないため、異稿版も存在しないこの第6番。シモーネ・ヤングの指揮も極めてオーソドックスなものであり、いつのもように精度が高く、燃えるような情熱を傾けた素晴らしい演奏となっています。この演奏の素晴らしさには、いつもは口うるさい批評家たちも、2013年12月16
日の「Hamburger Abendblatt」紙上で全員が賛辞を送ったということです。ヤングのブルクッナー・ツィクルスもそろそろ終盤戦に突入。一層の名演が期待されます。
OC-688C(1SACD)
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(1885年ノーヴァク版) シモーネ・ヤング(指)
ハンブルク・フィルハーモニカー

録音:2014年8月30日ハンブルク・ライブ
2014-2015年のシーズンで、ついにブルックナー(1824-1896)の交響曲全曲ツィクルスが完成となるシモーネ・ヤングとハンブルク・フィル。この第7番でも完璧な音楽を聴かせています。ブルックナーの交響曲の中でも屈指の旋律美を持つ第7番こそ彼女の資質にぴったりなのではないでしょうか。冒頭の伸びやかでたっぷりとしたチェロの歌を聴いただけで、この演奏が類い稀なる名演であることがおわかりになるでしょう。第2楽章の壮麗さも筆舌に尽くしがたいものであり(もちろん打楽器は豪快に鳴り渡ります)スケルツォ、終楽章も万全。ブルックナーってやっぱり良い!と思える演奏です。
OC-689C(1SACD)
ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 ハンブルク・フィルハーモニカー
シモーネ・ヤング(指)

録音:2015年3月1-2日ハンブルクライスハレライヴ収録
この5番でようやく全ての曲が出揃いました。第5番は彼の交響曲の中でも、
内容が極めて充実しているのと同時に、ブルックナーの他作品のような「幾たびもの改訂が加えられていない」決然とした交響曲でもあります。シモーネ・ヤングはこの神々しい音楽を、冒頭から重厚な響きを駆使しつつ、一切の夾雑物を取り除いた理想の姿で再現していきます。高らかに鳴り響く金管楽器のコラールは例えようもない美しさを誇ります。
OC-690C
(1SACD)
ワーグナー:オルガン・ファイヤーワーク 〜オルガンで聴く序曲と前奏曲集
「タンホイザー」序曲
「パルジファル」序曲
「さまよえるオランダ人」
「トリスタンとイゾルデ」序曲
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
※エドウィン・ヘンリー・ルメア&アーヴィン・ホルン…オルガン編曲
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)
※聖ニコライ教会 ドッペル・オルガン)

録音:2012年4月24-29日 聖ニコライ教会
オルガンで演奏する「惑星」が2012 年のグラミー賞にノミネートされるなど、その卓越した演奏と解釈が遍く知れ渡っているハンスイェルク・アルブレヒト。このアルバムはワーグナー生誕200 年の記念でもあり、以前リリースした「2 台オルガンのための“指環”(OC-612)」を凌駕する中身の濃い1 枚です。ワーグナーの楽劇、歌劇の序曲から5 曲を選び、その曲想を基にして「一つの組曲」として編成したもので、そのアルバム構の独自性もさることながら、ブックレットの解説は「ワーグナーとアルブレヒトの対談」という意表を突くものとなっているのが面白いところです。ワーグナーの音楽をとことん面白く聴かせるこの1 枚。確かにこういうのあり!です。
OC-691C
(1SACD)
ヒエロニムス&ヤコプ・プレトリウス:オルガン作品集
ヒエロニムス・プレトリウス賛歌:キリストの光
 賛歌:一日の終わり
 われらの主キリストはヨルダン川に来たり
 賛歌:あなたは光
 第5旋法によるマニフィカト
ヤーコプ・プレトリウス(1586-1651):前奏曲ニ短調
 いかなる辛苦はわれらを襲えども
 全ての人々から離れて
 第3旋法によるマニフィカト
ヨーゼフ・ケレメン(Org…1624年製シェーラーオルガン)

録音:2013年8月5-7日タンガーミュンデ,聖シュテファン教会
16世紀に活躍した何人かの「プレトリウス」たちの中で最も有名なのは、ミヒャエル・プレトリウスでしょう。しかしこのアルバムに登場するのは他のプレトリウス。ヒエロニムス(父)とヤコプ(息子)の親子です。ヒエルニムスはハンブルクに生まれ、父からオルガンの訓練を受けます。その後エアフルトでオルガニストになりますが、すぐにハンブルクに戻り、その地のオルガニストとして活躍します。オルガン曲だけでなく、ミサ曲などの宗教曲で知られ、合唱音楽にも素晴らしい成果を残しています。一方、息子ヤコプはスウェーリンクに学び、J.S.バッハの前時代において、最も尊敬されたオルガニストとして名を残しています。マティアス・ヴェックマンが彼に師事し、ドイツのオルガン音楽の系譜を継承したことでも知られています。親子の作品のスタイルの違いは、そのまま当時のオルガン音楽の変化を表すものであり、対位法や様式などにも興味深い相違点を見ることができるはずです。ヴェテラン、ケレメンは彼らが活躍した時代のオルガンを用い、当時の音をそのまま再現しています。
OC-692C(1SACD)
ベルリオーズ:「ファウストの劫罰」〜ラコッツィ行進曲(H.ビュッセルによるオルガン
編曲版)
幻想交響曲(A.トロヴァートによるオルガン編曲版)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org…アン・デア・ゴル=オルガン)

録音:2014年3月31日-4月2日ルツェルンクルトゥル-ウント・コングレッスツェンザール
指揮者、オルガニスト、ハンスイェルク・アルブレヒトによる大好評シリーズ「オルガン・トランスクリプション集」の第10集目はベルリオーズ(1803-1869)の幻想交響曲とラコッツィ行進曲。オーケストラで演奏すると、不気味さ満載な「ラコッツイ行進曲」も、オルガンで演奏すると、そのまま結婚式の入場にも使えそうな荘厳さが生まれます。幻想交響曲は、リストのピアノ編曲版を上回る凄さ。不思議な音色、そして雰囲気。この面白さは聴かないとわかりません。いつものようにSACDハイブリッドの高音質。音楽を聴く事と演奏する事の楽しさを味わってください。
OC-693C(1SACD)
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調WAB109 ハンブルク・フィルハーモニカー
シモーネ・ヤング(指)

録音:2014年10月25-27日ハンブルクライスハレライヴ
シモーネ・ヤングとハンブルク・フィルによるブルックナー(1824-1896)の交響曲全集ツィクルスも、そろそろ完成に近づいてきました。注目の第9番は、ヤングは未完の終楽章を省いた3楽章版で演奏、ブルックナーの遺志を生かしたものとなっています。ここでも彼女は、ブルックナーが要求する造形美と、崇高なる神への憧れを見事に具現化した堅固かつ力強い演奏を成し遂げており、たとえ終楽章がなくとも作品が完結することを端的に示しているようです。まさに宇宙と一体となったかのような壮大な響きを堪能できるでしょう。

OC-700F2(10CD)
メルビッシュ音楽祭50周年記念スペシャルBOX
オッフェンバック:「パリの生活」
J.シュトラウス:「こうもり」「ヴェネツィアの一夜」
 「ジプシー男爵」
ツェラー:「小鳥売り」
レハール:「メリー・ウィドゥ」
 「ルクセンブルク伯爵」「微笑みの国」
カールマン:「チャルダーシュの女王」
 「マリッツァ伯爵令嬢」(各ハイライト)
ルドルフ・ビーブル(指)
メルビッシュ祝祭O&cho
毎年夏ウィーン近郊で行われている恒例のメルビッシュ湖上音楽祭。この音楽祭も年を追う毎に認知度が高まり、BS放送で放映されたり、DVDも入手しやすくなったりと、着実に人気も高まっています。2007年、50周年を迎えるこの音楽祭を記念して、ここ10年間の演目をお買い得BOXセットを発売(分売商品は、既発売済み)。このアルバムはご存知の通り、音楽祭が開催される際に現地での即売用としてあらかじめ出演者たちにより録音されたもの。台詞などは省略してあるため、音楽部分のみを収録してあり、長いお話も各オペレッタが各1枚のCDに収まってしまうというすぐれものです。ちょっと淫靡なジャケット通り、お洒落で妖艶な舞台が想像できるお買い得なセットです。 ※BOXの大きさは、縦横12cmx12cm 厚さ2.5cm でRCAコンプリートBOXのようなコンパクトな紙製。歌詞対訳は付いておりません。簡単なドイツ語による曲目のみとなります。
OC-701B
From Fritz to Django
・第1部・
 「ベンヤミン・シュミット・プレイズ・クライスラー」*
クライスラー:ウィーン狂詩曲風幻想曲/ジプシー奇想曲/
 ジプシーの女/はすの花の国/
ファリャ:スペイン舞曲/Im Paradies
パデレフスキ:メヌエット Op.14-1/
 Mitternachtsglocken
 クープランの様式による
 ルイ13世の歌とパヴァーヌ
グルック:メロディー
・第2部・
 「ベンヤミン・シュミット編曲による
 クライスラー作品の即興
 Improvisations on Kreisler
 on arranged by Benjamin Schmid 」#
 前奏曲、アレグロとブルース/
 Perpetual Love's Joy /愛の悲しみ/
 甘きロスマリン/
 「 J. Brandl / Fritz Kreisler:
 古きリフレイン」
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ミクローシュ・スクタ(P)*
ビレリ・ラグレーン(G;#)
ゲオルク・ブラインシュミット(ベース;#)

録音:2000年11月27-28日、ウィーン・ベーゼンドルファーザール*/2006年5月3日、ソニック・フロー・トーンスタジオ#
OC-702B
フィッツェンハーゲン(1848-1890):作品集
チェロ協奏曲第2番 イ短調 Op.4*
エレジー Op.21/カプリッチョ Op.40
セレナーデ Op.35/ガヴォット Op.42
即興曲 Op.43/アヴェ・マリア Op.41
悪魔の幻想曲 Op.34(ルビンシュテインの歌劇「悪魔」のモチーフによる)
アヴェ・マリア Op.41(チェロとピアノ版/チェロとハルモニウム版)
イェンス・ペーター・マインツ(Vc)
ペーター・ルンデル(指)ミュンヘン放送O*
パウル・リフィニウス(P/ハルモニウム)

録音:2003年9月19日*、2005年12月12日-13日
このフィッツェンハーゲンは作曲家としては、ほとんど知られていませんが、実は彼の作品は良く知られているのです。それは、あのチェイコフスキーの“ロココ風の主題による変奏曲”。この曲を初演しなおかつ勝手に編曲し、出版してしまったのが、何を隠そうこのフィッツェンハーゲンだったのです。(現在入手できる、この曲のCDはほとんどがフィッツェンハーゲン版を使用しているとの事・・・) そんな彼自身の作品は、どちらかというとシューマンを思わせる至って叙情的で内省的なもの。ちょっぴりドヴォルザークも感じさせる日本人の琴線に触れるメロディもふんだんに聴こえてきます。時代に埋もれてしまった名手の発掘。そんな興味深い1枚といえるでしょう。
【ヴィルヘルム・フィッツェンハーゲン(1848-1890)】 ドイツで生まれのチェリスト。22歳のときにモスクワ音楽院の教授として迎えられた。その後チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」を初演し、またピアノ三重奏曲の初演にも参加した。しかしそれ以外の彼の演奏活動などは、現代ではほとんど知られていないののが現状。しかしながら、彼が存在しなかったら、ロシアの音楽学校の発展はなかったであろうとも言われている。ここに収録されたチェロ協奏曲は、彼がシューマンの影響を受けて作曲したもの。またチェロの小品は、彼が定期的にモスクワのルター派教会でのコンサートに参加し、そのために書いたものとも言われている。彼の作品はチェロの演奏をするものは必ず学ぶ曲で、楽譜もたくさん出版されているが、CDはほとんどないため、貴重なアルバムともいえよう。
OC-703B
プッチーニ&ヴェルディ:オペラ・アリア集
ヴェルディ:「アイーダ」より
 [勝ちて帰れ!/おおわが故郷]/
 「仮面舞踏会」より
 [ここがあの恐ろしい場所/
 死ぬ前にお慈悲だから]/
 「運命の力」〜神よ平和を与え賜え/
 「トロヴァトーレ」〜穏やかな夜/
 「アッティラ」〜Liberamente Or Piangi
プッチーニ:「マノン・レスコー」より
 [この柔らかなレースの中で/
 ひとり捨てられて]/
 「蝶々夫人」より
 [ある晴れた日に/私の坊や]/
 「トスカ」〜歌に生き、恋に生き/
 「トゥーランドット」より
 [ご主人様、お聞き下さい!/
 氷のような姫君の心も]
ホイ・ヘー(S)
イヴァン・アンゲロフ(指)
スロヴァキアRSO

録音:2006年9月25日-29日、スロヴァキア放送コンサート・ホール
【ホイ・ヘー】
1972年上海生まれ。1995年に上海で「コシ・ファン・トゥッテ」でデビュー。その後「蝶々夫人」「トスカ」「カヴァレリア・ルスティカーナ」で絶賛を浴びた。2000年ドミンゴ国際声楽コンクールで2位を受賞。その後ドミンゴの助言により、ロサンゼルス・オペラで「アイーダ」を、ワシントン・オペラで「トゥーランドット」に出演。「トスカ」でイタリア・デビューを果たす。その後2002年第42回ヴェルディの声国際コンクールで優勝。その後イタリア、ヨーロッパを中心に、ヴェルディ、プッチーニのタイトルロールとして絶賛を浴びています。
OC-704B
2005年発見!ベートーヴェン自身による2台ピアノ版「大フーガ」
メシアン:アーメンの幻影
ベートーヴェン:大フーガ Op.134
 (作曲者自身による2台ピアノ版)
デュオ・ダコール
[シャオ=イン・ファン、セバスティアン・オイラー(P)]

録音:2006年10月23日-27日
メシアンの“アーメンの幻影”を演奏する際の難しさは、この曲に秘められたエロティズムをどこまで表現するか・・・に尽きると言われています。ひたすら瞑想的な第1曲「創造のアーメン」、星の煌きがそのまま音になったかのような「星と環を持つ惑星のアーメン」、苦悶の表情に時折歓喜が垣間見えるかのような「イエスの苦悩のアーメン」、そしてこの作品のクライマックスである「欲望のアーメン」。(この曲を初めて聴く人はまずこのトラックからどうぞ。)「天使、聖人、鳥の歌のアーメン」、「神の裁きのアーメン」、「終わりのアーメン」。まさに音で聴く大人の世界です。とは言え、デュオ・ダ・コールの演奏はこの曲に過度な飾りつけをすることもなく、極めて品良くまとめています。彼らが描く、「ドロドロしたものを排除した美しい楽園の世界」は、一つの理想郷の形。こういうメシアンもありなのかも知れません。
ベートーヴェンの「大フーガ」の4手連弾版の録音も極めて珍しいものです。この曲は、弦楽四重奏曲第13番の終曲として書かれた(後に削除された)「大フーガ」のベートーヴェン自身によるピアノ連弾版で、2005年7月にペンシルヴァニア州、ウィンウッドのパーマー神学校の図書館で発見されたものです。弦楽四重奏版の“大フーガ”とはほとんど音楽は同一ですが、その成立理由から考えると違う作品番号を与えられた独立した作品として考えても良いでしょう。響きはずっとコンパクトで、深く考えられた低音部とバランスの良さ、そしてリズミカルなピアノによる音の流れは、このベートーベンの晦渋な音楽をより鮮明に表現しています。
Duo d’Accordは、今ドイツでもっとも期待されているピアノ・デュオ。Shao-Yin Huang と Sebastian Eulerの若手によるデュオで、すでにリンカーン・センター、ミュンヘン・ヘラクレス・ホール、チューリヒ・トーンハレ、などメジャーなホールで絶賛を浴びています。
OC-705B
モーツァルト・イン・パリ
J・C・バッハ:シンフォニア ニ長調 Op.18-6(「ゴールのアマディ」序曲)
シモン・ル=デュク:シンフォニア 変ホ長調
サン・ジョルジュ:ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op.2-1*
ピエール=モンタン・ベルトン:新しいシャコンヌ ホ短調
モーツァルト:交響曲第31番「パリ」
ユラ・リー(Vn)*
ラインハルト・ゲーベル(指)
バイエルン・カンマーPO

録音:2007年3月6日-9日
OC-706B
バッハ:トランスクリプション集
ブゾーニ編:「シャコンヌ」(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番BWV.1004より)
 コラール「目覚めよとわれらに呼ばわる物見らの声」BWV.645
 コラール「いざ来たれ異教徒の救い主よ」BWV.659
「アレグロ」(カンタータ第134番「イエス生きたもうと知る心は」BWV.134より)/
 ラール「われ汝に呼ばわる主イエス・キリストよ」BWV.639
 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV.532
 前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV.552
ラフマニノフ編曲:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番からの組曲
ケンプ編:シチリアーノ(フルート・ソナタ .ホ長調 BWV.1031より)
マイラ・ヘス編:主よ人の望みの喜びよ
ベルント・グレムザー(P)

録音:2006年12月11日-13日
輝くような名声こそないものの、実は根強いファンの多い中堅ピアニスト、グレムザー。以前、NAXOSレーベルからリリースしていた熱いラフマニノフやプロコフィエフは隠れた名演として今でも高い人気を誇っているそうです。そのグレムザーが今回手がけたのは、バッハのトランスクリプション集。今までにも腕に覚えのある名手ばかりが取り上げていたこれらの作品群を、彼はあいかわらずの熱きパッションでがんがんに弾きこなします。芯の通った研ぎ澄まされた音色も魅力です。

OC-707B
シューマン:交響曲全集 Vol.1
第1番 変ロ長調 Op.38「春」
第4番 ニ短調 Op.120]
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ドイツ放送PO(旧称:ザールブリュッケン放送交響楽団)

2007年3月20〜23日、ザールブリュッケン、ザールラント放送大ホール
まさにスクロヴァチェフスキでなければ到底なしえなかったと思われる極めつけの名演!効果的に音楽的に鳴らすのが困難とされるシューマンのスコアに対し、過去の指揮者たちも独自の視点で再構築を試みてきましたが、そのスコアの不備が決して不備ではなく、丸ごと受け止めた上でむしろその込み入った筆致こそがシューマンの音楽の重要なエキスと、強い信念を持って演奏しきった例は、かつてなかったのではないでしょうか?音響的な効果のみならず、シューマン特有の暗い陰影や絶えず変化するニュアンスの切り替えの俊敏な処理能力も、スクロヴァチェフスキの面目躍如!今後はシューマンの交響曲を語る上で、このを度外視することなど考えられません。
まず、「第1番」。序奏からかなり筋肉質な造形力を発揮。チェロの音型の克明さ、1:21からの管楽器の下降音型のテヌート処理の艶やかさ等、いきなりニュアンスの宝庫で、些細な声部も決して曖昧にしないスクロヴァチェフスキのこだわりの意志の強さに打たれます。主部はびっくりするほどの高速テンポ!それでも細部へのこだわりを忘れないのはもちろんのことですが、終結の9:19ではぐっとテンポを落とし、いきなり緩徐楽章に突入したかのような憂いを連綿と湛えた表情に一変!もちろん過去の演奏もそれなりにしっとりと歌っているものが多いですが、ここまでコントラストを明確にした礼は前代未聞です!第2楽章に情に流されず、随所に的確なアクセントを刻み込み、独特の緊張が走ります。2:46あたりからはますます表情が濃密となり、弦のピチカートをはじめとする裏の声部の意味深い背景表出にも息を呑みます。第3楽章は無駄な粘り気は一切なし。現代的な機能美をベースとしたリズムの精妙さが際立ちます。終結4:49からのフレーズは、超スロー・テンポに転じ、叶わぬ夢への憧れに胸を焦がすシューマンの姿を連想させます。終楽章も快速。どこを取っても音楽にブレやもたつきがないので、演奏にかける意気込みがダイレクトに迫ってきます。最後の締めくくりでの強固なティンパニの強打も実に効果的。
「第4番」はN響とのライヴ盤もあり、これもそのコンビのライヴの中ではトップクラスの名演でしたが、この再録音はそれを上回る入念さ!彫琢の豊かさ、熾烈な緊張の持続など全ての点でグレードが上がっており、剛直に打ち込まれるティンパニの響きも冴え渡ります。
第1楽章序奏から、N響では気づかなかった刻々と変化するニュアンスの綾の繊細さ、特に弱音の美しさに引き込まれます。展開部では悲壮味を更に増し、チェロの抉り方も壮絶。第2楽章はなんという寂寥感!気がついたら辺りに誰も居らず一人ぽっちになってしまったようなこの孤独な空気は何事でしょうか!ここでも切々と敷き詰められる弱音の主題が胸に響きます。終楽章の序奏部はブルックナーを思わせる荘厳さで圧倒。強烈な印象を残すのは展開部開始すぐ、弦の激しいトレモロが牛刀を振り下ろしたようにズバッと音の余韻を寸断するシーン!これを聞くと過去のどんな演奏もフニャフニャに感じてしまいます。
83歳にしてこのヴァイタリティ!肉体的な衰えと共に生み出す音楽まで脆弱になっていった過去の多くの指揮者達のことをスクロヴァチェフスキはどう捉えているのでしょうか? 【湧々堂】
OC-708B
シューマン:交響曲全集 Vol.2
交響曲第2番
交響曲第3番「ライン」
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ドイツ放送PO

録音:2007年11月19日-23日、ザールブリュッケン、ザールラント放送大ホール
OC-709G(3CD)
メンデルスゾーン:交響曲全集
[第1−5番]
シビラ・ルーベンス(S)
クラウディア・マーンケ(Ms)
クリストフ・プレガルディエン(T)
クリストフ・ポッペン(指)ドイツ放送PO
バイエルン放送cho

録音:2006年9月-2007年5月
クリストフ・ポッペンのドイツ放送フィル音楽監督就任記念盤!明晰でありながら過度に強調されることのないロマン性。そして、曲の素の美しさをストレートに表現。引き締まったテンポと流れの良い運び、曲の立体感を際立たせるフレージング。これらは彼がメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲の録音と基本的に変わりないことが判る。ポッペンの、メンデルスゾーンに対する実に見通しの良い構成感とオーケストラ・コントロールの確かさが際立つ演奏です。
【クリストフ・ポッペン】1956年、ドイツのミュンスター生まれのヴァイオリニスト、指揮者。ヴァイオリニストとして数多くの著名コンクールで入賞。1978年、ケルビーニ弦楽四重奏団を設立。1981年にはエヴィアン国際弦楽四重奏コンクールでグランプリを受賞。1988年、デトモルト室内オーケストラの音楽監督。1995年、ミュンヘン室内オーケストラの音楽監督に就任。1988〜95年、デトモルト国立音楽大学の教授を務め、1996年からベルリン国立音楽大学の学長を務めている。バロック・ヴァイオリンも演奏し、ECMから発売されたヒリアード・アンサンブルとの「バッハ/モリムール」は世界的に話題となった。また、ザルツブルク音楽祭にも多く出演している。2007年シーズンより、ドイツ放送フィル(旧称ザールブリュッケン放送響)の音楽監督を務める。
OC-710B
ハッセ(1699-1783)のオペラによる、
リュートのためのトランスクリプション集
アクセル・ヴォルフ(Lute)

録音:2006年11月-12月
バロック時代、様々なオペラのアリアは、室内楽または器楽のために自由に編曲され演奏されていました。そのように編曲された作品は、即興で友人達または個人で楽しまれていたわけで、楽譜などは残されていないのが実状でした。そこでバイエルン州立歌劇場の通奏低音リュート奏者であるアクセル・ヴォルフは、後期バロック時代にヨーロッパで最も有名だったオペラ作曲家ハッセのオペラ・アリアを、当時このようにリュートで演奏されていたように、様々なオペラを手がけてきた経験を生かし編曲・演奏を行いました。ほとんど上演されないハッセのオペラですが、そのアリアはわかりやすく美しいメロディーが心を引きます。もちろんリュートの古典的演奏法からはずすことのないA・ヴォルフは、さらにフランス風演奏法を取り入れ、その音は、夢のような心地良さが広がります。
【ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699〜1783)】 ドレスデンの音楽史上、最も重要な作曲家。ハンブルク近郊に生まれ、ブランシュヴァイク=リューネブルクの宮廷劇場と契約。その後ナポリに留学。そこで大成功をおさめ名声を確立した。その後、ヴェネチィア、ドレスデン、ロンドン、ウィーンなどで活躍した。ハッセは、120にも及ぶオペラ作品を書き上げたが、残念ながらプロイセン人によるドレスデン包囲の際に、彼の写本は焼失してしまった。
【アクセル・ヴォルフ】 ハンス・ミヒャエル・コッホ氏に師事しギター、リュートを学ぶ。ナイジェル・ノース、ホプキンスン・スミスのマイスターコースをとりながら、ロルフ・リスレヴァントに師事。アンサンブル“ラ・スフォントラータ”のメンバーとして、1992年オランダ、ユトレヒト古楽器国際コンクールに入賞の実績をもつ。彼の演奏活動は、ムジカ・フィアタ・ケルン、アルス・アンティクヮ・オーストリア、フライブルク・バロック・オーケストラ、ガブリエリ・コンソートのもとでソリストやメンバーとして活躍している。
また、バイエルン州立歌劇団にて、ハリー・ビケットやアイヴォー・ボルトンの指揮で、バロック・オペラ上演の際には必ず出演している。(2005年秋のバイエルン州立歌劇場来日の際、ヘンデルのアリオダンテで通奏低音リュートを担当していた。)更にオペラ、コンサートのほかに、ペーター・シュライアー、ラヨシュ・ロヴァトケイ、ポール・マッククリーシュ、ヨシュア・リフキンなどの指揮でCD製作も行っている。
1986年〜2003年、ハノーバー国立音楽大学で後進の指導にあたる。伴奏者、コンティヌオ奏者として数多くのCDを手掛ける傍ら、ヨハン・セバスティアン・バッハの作品をリュートで、あるいはユナイテット・コンティヌオ・アンサンブルと共にリュートとキタローネを使い、アレッサンドロ・ピッチニーニの作品でソロでCDをリリースしている。 Oehms Classicsより、アンサンブルLyriarteの通奏低音として「ビーバー/ロザリオのソナタ(OC514)」「ジェミニアーニ等のヴァイオリン・ソナタ集(OC356)」などをCDリリースしている。
OC-711B
シューマン:楽四重奏曲第1番 イ短調 Op.41-1
ピアノ五重奏曲 変ホ長調Op.44 *
デリアンSQ
イゴール・カメンツ(P)*

録音:2007年3月5日-8日
2007年1月結成されたデリアン・クァルテットは、デビュー・コンサートで「斬新かつユニークで、最も理想的で情熱的な演奏」と絶賛され、瞬く間にヨーロッパ中に評判が広がりました。彼らは、ドイツ、フランス、ルーマニア出身で、彼らのモットーは、弦楽四重奏曲による「文学」と「愛」を表現すること。すでにシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭に出演し、総立ちの喝采を浴びました。五重奏に参加しているカメンツは、すでにエームスレーベルでおなじみのピアニストです。ロシアで生まれ、指揮もピアノもこなす才人。超絶技巧を駆使した曲を得意としていますが、最近はベートーヴェンなどの造形美溢れる堅固な曲にもその才能を遺憾なく発揮しています。このシューマンは、堅実ながらも奥底に熱い情熱を秘めた曲の特性を存分に活かした演奏で、詩的な雰囲気も感じられる聴き応えのある素晴らしいものです。
OC-712B
スクロヴァチェフスキ自作自演
スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト(1949/1977年改訂版;*)/
シンフォニー(2003)#/
フルートとオーケストラのためのファンタジー(2007)+
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音:2005年10月29日-30日*、2008年6月14日+、以上、ザールブリュッケン・コングレスホール/2006年1月14日-14日#
スクロヴァチェフスキは4歳でピアノの練習を始めたが、7歳の時に早くも最初の作品「序曲」をモーツァルトと同じ2管編成・古典派スタイルで作曲。ピアニストを目指していましたが、第2次世界大戦中のドイツ爆撃で手を負傷し、1947年からパリで名教師ナディア・ブーランジェに師事し始めてから本格的に作曲を行うようになります。その後指揮活動の傍ら、作曲も意欲的に行い、協奏的作品も含むオーケストラ曲15曲、室内楽曲4曲を作曲しています。その中でも「管弦楽のための協奏曲」はNHK交響楽団、読売日本交響楽団に客演した際に自ら指揮し、聴衆に大きな感銘を残しています。
このディスクは、そのスクロヴァチェフスキの作品ばかりを自作自演したもので、昨年読売日本交響楽団と日本初演した初期の傑作「ミュージック・アット・ナイト」(1977年改訂版)をはじめとした管弦楽曲を中心とした作品集。スクロヴァチェフスキが卓越した指揮者であるばかりでなく、素晴らしい作曲家であることを認識させられる1枚。
OC-713B
ショパン:練習曲集Op.10
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調
ソナ・シャボヤン(P)

録音:2007年5月
ソナ・シャボヤンはアルメニアに生まれ、チャイコフスキー音楽院でピアノを学び、その後フライブルク音楽大学でも学びました。レパートリーは広いが、特に近代から現代ものを得意として、ヨーロッパで話題となりつつあるピアニストです。今回は、ピアニストならば誰もが一度はチャレンジしてみたくなる名曲かつ難曲、ショパンの練習曲とソナタ第2番を選びました。第3楽章に「葬送行進曲」を持つソナタ第2番は、第1楽章の狂おしいほどの熱気と、第2楽章の諧謔的な気分、そして陰鬱な第3楽章、とらえどころのない終楽章と聞かせどころがたっぷり。もちろん申し分のない演奏に仕上がっています。練習曲も華やかさとテクニックを兼ね備えた見事なもの。これは将来が楽しみなピアニストです。
OC-714B
モーツァルトに影響を与えた、
モーツァルトから影響を受けた作曲者の作品集

カール・シュターミッツ:チェロ協奏曲第1番 ト長調
フランツ・ダンツィ:ドン・ジョヴァンニの
 主題によるチェロと管弦楽のための変奏曲
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調K.136
ヨハンナ・ドーデラー:Mon cher cousin
サロマ・カンマー(S)
モニカ・レスコヴァール(Vc)
ウルフ・シルマー(指)ミュンヘンRSO

録音:2007年12月18日-21日
毎年アウグスブルクで行われる、アウグスブルク・モーツァルト・フェスティバル。そこで話題となった作品を収録したアルバム。カール・シュターミッツはマンハイム楽派で、モーツァルトに影響を与えました。ダンツィは、青年期にモーツァルトを知り敬意を抱いており、ここではモーツァルトのドン・ジョヴァンニの主題による作品です。アウグスブルク音楽祭ということで、女流現代音楽作曲家J・ドーデラーは、この音楽祭のために、モーツァルトがこのアウグスブルクで知り合ったマリア・アンナ・テークラ・モーツァルト(モーツァルトのいとこ)に宛てた手紙の内容(この曲も収録しました。その手紙の内容は、かなり有名な内容ですが・・・)をもとにし、ソプラノと管弦楽のためのアリアを作曲し、大変話題となりました。
OC-716B
ヨハネス・フィッシャー/パーカッション・ソロ・リサイタル
クセナキス:ルボン
ホセ・マニュエル・ロペス・ロペス:Calculo secreto
マティアス・ピンチャー:nemeton
ヴィンコ・グロボカール:Toucher
ジェイコブ・ドラックマン:Reflections on the nature of water
ヨハネス・フィッシャー(Perc)

録音:2007年12月11日-13日
ヨハネス・フィッシャーの初アルバム。クセナキスにおける野性的なリズムの応酬もさることながら、指揮者としてもおなじみのピンチャーの静寂から立ち上る不可思議な音も魅力的。マリンバの超絶技巧が炸裂したドラックマンの「Reflections on the nature of water」での涼しげな音。ロペス・ロペスによる「Calculo secreto」のヴィブラフォンの幻想的な音色は、水族館を彷徨うが如くの味わいと言えるでしょう。
【ヨハネス・フィッシャー】1981年生まれの打楽器奏者、9歳よりドラムとピアノを学び始め、フライブルク音楽大学で学んだ。2003と2004年には、ピエール・ブーレーズに認められ、ルツェルン祝祭アカデミーに特別招聘。その後バーゼルやルツェルンで、バーゼル交響楽団主席ティンパニ奏者、宮崎泰二郎に学んだ。昨年、ミュンヘンADRコンクールで優勝している。
OC-717B
ブルックナー・ツィクルス Vol.3
ブルックナー:交響曲第9番(ノーヴァク版)
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2005年11月10日-11日、ザルツブルク祝祭大劇場、ライヴ

OC-718F(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) セバスティアン・クリンガー(Vc)

録音:2007年6月、7月、9月、ミュンヘン昇天教会
バイエルン放送交響楽団の若きトップ・チェリスト、セバスティアン・クリンガー。本格ソロデビューは、こだわりのバッハの無伴奏!無伴奏の解釈も時代によって変遷を遂げています。カザルスやリヒターのように、自身の祈りを込めて奏する時代からできるだけ人間的な感情を排し、ひたすら楽譜と向き合い音に語らせる求道的な演奏、そして楽器自体に語らせ、バッハの時代に懐古するかのような演奏・・・。などが入り乱れた昨今、このクリンガーの演奏は少しだけ時代が戻ったかのようなノスタルジックな驚きを与えてくれることでしょう。さらに完全モダン楽器(金属弦&モダン弓)を使用していながら、バロック語法と音色を再現していく美しさがそのまま感動に繋がること。これを改めて認識させてくれるはずです。
『私がバッハの無伴奏を聞いたのは、モーリス・ジャンドロンとパブロ・カザルスの盤でした。しかし音楽の解釈は、時とともに変わっており、この私の演奏もその瞬間でしかありません。子供の時からこの曲を20年間演奏してきましたが、当時の通常演奏解釈はロマンティックなものでした。しかし私に大きな影響を与えたのは、アンナー・ビルスマによるバロック・チェロでの演奏でした。当時としては珍品として解釈されたビルスマの演奏ですが、現代においては既に通常の解釈でしょう。更に、私は師であるハンリヒ・シフとペルガメンシコフの解釈も取り入れました。バッハの無伴奏は、全て舞曲によって形成されています。倍音とリズミカルなダンスのテンポと修辞学、連続した対位法の芸術的なアルペジオによって書かれています。この部分を強調したいと思います。第5番のバッハの指示による調弦法は演奏を楽にするためのものではなく、弦の倍音によって暗い表情の曲調を豊かにさせるものです。第6番は、5弦のチェロを使用して録音しました。通常より高い音の弦を1本追加することにより、この弦を弾かないときでも、いつも共鳴し独特な倍音を発しています。バッハのこれらの曲には多くの倍音を含み、教会のような大きな空間でのビブラートは倍音を濁す原因なので、ビブラートは使用しません。私が子供のときにチェロを練習していた場所は家の洗濯場で、そこはまるで教会の響きのようでしたので、ビブラートの使用方法は十分に身についていると思います。もちろんロマンティックな曲を演奏するときは多用しますが。私の楽器がこの曲に適した倍音を発するのは、A=420Hzなのでこのピッチを使用し、最も音響学的にも効果的で美しい響きの、ミュンヘン昇天教会で録音しました。』(S・クリンガーのインタビューより)
【セバスティアン・クリンガー】 1977年ミュンヘン生まれ。ザルツブルクとウィーンで、ハンリヒ・シフとペルガメンシコフに学ぶ。1988年のバッハ国際コンクールをはじめ、毎年のように様々なコンクールで優勝。ヨーロッパの主要オーケストラと競演し絶賛をあびた。彼の演奏を大絶賛しているマリス・ヤンソンスは、彼をバイエルン放送SOに迎え入れ、2004年からバイエルン放送SOの主席チェリストを務めている。ストラディヴァリとグァルネリに指示したといわれるマントヴァ派の弦楽器製作者、カミッロ・カミッリの1736年製のチェロを使用。
OC-719B
ステラ・グリゴリアン〜スペイン歌曲集
モンサルバーチェ:5つの黒人歌曲
グァスタビーノ:ローザとサロー
ホアキン・ニン=クルメル:グラナダ
オブラドルス:ビート(アンダルシア地方の踊り)
グリンカ:夜のそよ風/ボレロ/イネジリアよ、私はここに
チャイコフスキー:ドン・ファンのセレナード
ショスタコーヴィチ:さよならグラナダよ/小さな星
マルク・ミンコフ:景色
スタンフォード:「スペインのジプシー」〜8つの歌
ドリーブ:スペインの歌
ビゼー:君の心を開いてくれ
マスネ:スペインの夜
ラヴェル:スペインの歌
ロッシーニ:スペインのカンツォネッタ「絵の具にまみれて」
ドニゼッティ:スペイン人の恋人
ヴィンチェンツォ・ディ・キアーラ:スペインの娘
バーンスタイン:影響されやすいの
ステラ・グリゴリアン(Ms)
ヘルムート・ドイチュ(P)

録音:2008年5月-6月
1998年ウィーン音楽院で卒業後、すぐにウィーン国立歌劇場ソリストとなったグリゴリアン。既にウィーン国立歌劇場&フォルクスオーパでのロッシーニやモーツァルト歌いとして数多くのオペラに出演。小澤征爾やムーティ、ド・ビリーは彼女を多く起用し絶賛を浴びました。現在では、ウィーンだけでなくフランクフルト・オペラにも出演し、ヴェルディやカルメンなどの主役にも抜擢されています。このアルバムでは、彼女が高校時代より研究していたスペイン歌曲を収録。
OC-720B
アントニオ・ヴェラチーニ:ソナタOp.1-1/Op.2-3
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ:ソナタOp.1-1/Op.2-5/Op.2-12
ルディガー・ロッタ(バロックVn)
ドロテー・オベルリンガー(Bfl)
オルガ・ワッツ(Cemb/Org)
アクセル・ヴォルフ(Lute)
クリスティーネ・フォン・デア・ゴルツ(バロックVc)

録音:2007年12月14日-19日、ミュンヘン昇天教会
ミュンヘンの奇才バロック・ヴァイオリン,ルディガー・ロッターの、ヴェラチーニの2枚目のアルバム。今回は、ブロックフレーテのドロテー・オベルリンガーも参加してのアルバムとなります。有名なフランチェスコは、叔父のアントニオにヴァイオリンを学んだ当時天才的ヴァイオリニストで、タルティーニさえも彼をなかなか越せなかったという話も残っています。他のバロック・ヴァイオリン奏者には見られないものでラインハルト・ゲーベルに学んだロッターの天才的感覚とテクニックは、ヴェラチーニの曲感には最高の奏者ではないでしょうか。更にブロックフレーテのための作品は、オベルリンガーが演奏します。通奏低音チェロには、フライブルク・バロック・オーケストラのチェロのトップ、クリスティン・フォン・デル・ゴルツが参加しています。
OC-721B
クレメンス・ベルク、ピアノ・リサイタル
ショパン:バラード第4番 Op.52
 夜想曲[第13番/第14番]
ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1
ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27
トロヤーン(1949-):「12のプレリュード」より[第5番/第6番]
ヒナステラ:ピアノ・ソナタ第2番 Op.53
クレメンス・ベルク(P)

録音:2007年9月、11月、ロストック音楽演劇専門大学ホール
ドイツの若き俊英、クレメンス・ベルクのデビュー・アルバム。もちろんショパンでの個性的な演奏は聴きものですが、これはず小手調べ。ヒナステラ、ウェーベルン、そしてベルクなど彩り豊かな曲を伸び伸び弾き切ってます。とても珍しいマンフレート・トロヤーン(指揮者としておなじみ)の作品まで含まれているところが「やられた」って感じでしょう。新しい才能を感じてください!!
【クレメンス・ベルク】
1987 年ロストック生まれ。12 歳より専門的にピアノを学び、2002 年でロストック音楽演劇専門大学に入学。2005 年からはグラーツ音楽大学で学ぶ。既に2004 年から様々な国際コンクールで優勝している。また、2006 年には映画俳優としてもデビューし、カンヌ国際映画祭で特別賞も受賞した。現在は、ドイツ・オーストリアを中心として、ソリストとして活躍している。『彼の演奏は、若くして傑作を生み出します。情熱的解釈であり、嵐の様でもあります。アダージョの部分でもひとつひとつの音に感情が込められています。全ての音楽が徹底的なコントラストは、人々を熱狂的にさせられてしまいます。』と絶賛されています。
OC-722B
ブルックナー:交響曲第3番(ヴァーク版; 1889) アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルトO

録音:2007年10月25日、ザルツブルク祝祭劇場大ホール、ライヴ
OC-723B
ブリテン:弦楽のための作品集
シンプル・シンフォニー
ブリッジの主題による変奏曲
前奏曲とフーガ
アヒム・フィードラー(指)
ルツェルン祝祭弦楽合奏団

録音:2007年2月26日、2008年4月21日、ジュネーヴ・ヴィクトリア・ホール、ライヴ
今や世界で最も人気の音楽祭となった、ルツェルン音楽祭の名を冠した名門オーケストラ。昨年設立50周年を迎えた、数々の名演に裏付けられた確固たる実力をもつルツェルン祝祭弦楽合奏団の最新録音は、ブリテンの作品。ブリテンが作曲家として生計を立てるためにはじめて作曲した「シンプル・シンフォニー」、彼の作曲の師であるフランク・ブリッジの弦楽四重奏の主題から作曲された変奏曲。18声の弦楽ための「前奏曲とフーガ」を収録。もちろん50年前の演奏様式は変化し、ややヴィブラートを押さえ、スマートで起伏の大きい現代的表現は、イギリスの作品の醍醐味でしょう。メンバー全員の揃った弦楽アンサンブルには、見事としかいいようがありません。
【アヒム・フィードラー】 シュトゥットガルト生まれ。ケルン音楽院、ロンドンのギルドホール音楽院で学んだ後、タングルウッドにおける小澤征爾主宰のマスタークラスに招かれ、ベルナルト・ハイティンクとカルロ・マリア・ジュリーニのアシスタントを務めました。1997年にカラヤン奨学金を獲得。1996年カダケス国際指揮コンクール(スペイン)にて第1位、他入賞多数。ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、ベルリン交響楽団、ハノーヴァー北ドイツ放送フィルなど多くの著名オーケストラに客演。1998年よりルツェルン祝祭弦楽合奏団の芸術監督を務めています。】 
OC-724B
チャイコフスキー:18のピアノ小品集Op.72 イゴール・カメンツ(P)
OC-725B
ベンヤミン・シュミット
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
シューマン:ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲 ハ長調Op.131
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ダニエル・ライスキン(指)
ライン州立PO
伸びやか過ぎるほど良く歌うメンデルスゾーンの第1楽章から耳は釘付け。この曲はもう飽きるほど聴いたはずの人でも新たな発見が目白押しでしょう。彼のヴァイオリンの音色は、ひとつひとつの音がふくよかな張りがあり、瑞々しさに満ちています。第1主題から第2主題へと移る時の一瞬の間合いに秘められた美しさ。これだけでもこのアルバムを聴く価値があると言えそうです。第2楽章の素晴らしさも言葉に尽くせません。冒頭から光の粒が転がるかのような見事な技巧と表現。渋さの中に情熱を隠したシューマンの「幻想曲」も作品自体の美しさに改めて気付かせてくれる誠実な演奏です。(最晩年のシューマンの鬱屈した思いは若干健康的な肉付けをされて、私たちに提供されます。) 白眉はブルッフ。彼とは何度も共演している気鋭の指揮者ライスキンがまた絶品のサポート。シュミットとはもちろん息がぴったりなのは言うまでもありませんが、オケのメンバーまでをも伸び伸び歌わせるためでしょう。彼らの思いは熱き奔流となり、それは終楽章で一気に噴出します。「燃えるような」とはまさにこの演奏にある言葉。 
OC-726B
ベンヤミン・モーザー〜デビュー・リサイタル
ラフマニノフ:前奏曲集〜Op.32 Nos.10,12/Op.23 Nos.2,10
 練習曲 Op.39-5
スクリャービン:幻想曲 Op.28
 左手のための前奏曲 Op.9-1
 左手のための夜想曲 Op.9-
メトネル:2つのおとぎ話 Op.20
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 Op.83
チャイコフスキー:四季〜10月/1月
ベンヤミン・モーザー(P)
2007年チャイコフスキー国際コンクールにて入賞の逸材(優勝こそ逃したが、聴衆賞を獲得)、ドイツ生まれのベンヤミン・モーザー。彼はこのコンクールの前にも、ニューヨークで「若い芸術家のための国際オーディション」で1等賞と8つの特別賞を受賞すという快挙を成し遂げ、すでに世界各地で華々しい活躍を期待されている人でもあります。彼の演奏は極めて力強く、また、美麗な音色が印象的です。今回のデビューアルバムは全てロシアの曲が選ばれていますがおのおのの作曲家の作品の持つ色合いを確実に描き分けているところなど若きピアニストの理性が存分に感じられる出色の選曲と言えるでしょう。無論のこと、テクニックの冴えは申し分なくまるで叩きつけるかのようなプロコフィエフのソナタには度肝を抜かれてしまうかもしれません。彼はベートーヴェンやブラームスも得意とのこと。将来が本当に楽しみなピアニストです。
OC-727B
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
第20番*/第23番#
ラルス・フォークト(P)
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2008年1月5日、ザルツブルク祝祭劇場大ホール、ライヴ*、2008年8月31日、ザルクブルク・モーツァルテウム大ホール、ライヴ#
OC-728B
チャイコフスキー:交響曲第4番*
序曲「1812年」#
クリストフ・ポッペン(指)
ザールブリュッケン=カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音:2007年9月24日、ミュンヘン・ガスタイク・フィルハーモニー、ライヴ*/2008年1月4日、ザールブリュッケン・コングレスハレ、ライヴ#
OC-729B
シン・ヤン、デビュー
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D.934
バルトーク:ラプソディ第1番
イェルク・ヴィトマン:無伴奏ヴァイオリンのためのエチュード V「パガニーニのカプリース第6番へのオマージュ」
ピアソラ(グバイドリーナ編):ル・グラン・タンゴ
シン・ヤン(Vn)
マルコ・グリサンティ(P)
ハラルト・エラー(アコーディオン)

録音:2008年9月-11月
OC-730C(1SACD)
フォーレ:ピアノ三重奏曲 ニ短調Op.120
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
フィリップ・エルサン(1948-):三重奏曲「マラン・マレサン・ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」による変奏曲
トリオ・セレス

録音:2008年6月10日-12日
OC-731B
シューベルト:幻想曲「さすらい人」D.760
幻想曲 ハ長調「グラーツ幻想曲」D.605A
3つの小品(即興曲)D.946
ヒュッテンブレンナーの主題による13の変奏曲 イ短調 D.576
ミヒャエル・エンドレス(P)
OC-732B
ユーラ・マルグリス
ベルク:ピアノ・ソナタOp.1
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 イ短調Op.35
ベートーヴェン:創作主題による変奏曲WoO80
バッハ:イギリス組曲第3番
ユーラ・マルグリス(P)

録音:2008年4月30日-5月1日、ヘッセン放送ホール、フランクフルト
OC-733B
シューマン:4つの夜曲 Op.23
ハインツ・ホリガー:エリス
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番
ラヴェル:夜のガスパール
モーツァルト:アダージョ ロ短調K.540
ヘルベルト・シュフ(P)

録音:2008年9月
OC-735B
フォーゲル(1756-1788):3つの交響曲集(1784)
第1番 ニ長調/第2番 変ホ長調/第3番 変ロ長調
ラインハルト・ゲーベル(指)
バイエルン・カンマーPO

録音:2008年9月16日-19日
OC-736B
ハイドン:交響曲集
[第66番「うっかり者」/第88番/第96番「奇蹟」]
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
OC-737B
マルティヌー:オーボエと小管弦楽のための協奏曲 H.353(1955)
B・A・ツィンマーマン:オーボエと小管弦楽のための協奏曲
R・シュトラウス:オーボエと小管弦楽のための協奏曲 ニ長調AV144
シュテファン・シュリ(Ob)
マリス・ヤンソンス(指)バイエルンRSO
OC-738B
バッハ:平均律クラヴィーア曲集〜BWV.860,887,858,858,853,891
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87〜第4番/第14番/第15番/第17番
ベルント・グレムザー(P)

録音:2008年11月10日-12日、ミュンヘン、バイエルン放送第2スタジオ
OC-739B
メンデルスゾーン:2台のピアノのための協奏曲集
2台のピアノのための協奏曲 ホ長調(1823)
2台のピアノのための協奏曲 変イ長調(1824)
シルヴァー=ガルブルク・ピアノ・デュオ
[シヴァン・シルヴァー、ギル・ガルブルク(P)]
クリストファー・ホグウッド(指)
バイエルン室内PO
OC-740G(3CD)
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲集(全13曲) アヒム・フィードラー(指)
ルツェルン音楽祭弦楽合奏団
OC-741D(2CD)
シューマン:交響曲全集 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO
OC-743B
ブラームス:ピアノ品全集Vol.4
8つの小品 Op.76/2つのラプソディーOp.79/幻想曲 Op.116
アンドレア・ホイデ(P)
OC-744B
ブラームス:ピアノ品集 Vol.5
3つの間奏曲Op.117、6つの小品Op.118
4つの小品Op.119
アンドレアス・ボイデ(P)

録音:2008年1&7月ケルン放送、クラウス・フォン・ビスマルク・ザール
OC-745B
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」*
スーク:組曲「おとぎ話」Op.16#
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

録音:2007年11月23日、ウィーン、ムジークフェライン大ホール#/2008年2月22日、ウィーン・コンツェルトハウス*
OC-746B
ピアノ・デュオ作品集
ブラームス:ハンガリー舞曲
 [第2、3、5、7、8、11、20、21番]
フォーレ:組曲「ドリー」Op.56
チャイコフスキー(ラフマニノフ編):「眠りの森の美女」
モニューシュコ:コントルダンス
アンナ&イネス・ワラショフスキ(Pデュオ)

録音:2009年5月25日-26日
OC-747B
モーツァルト:フルート協奏曲集
モーツァルト:フルート協奏曲第1番 ト長調K.313
 フルート協奏曲第2番 ニ長調K.314
 アンダンテ ハ長調K.315/ロンド ニ長調K.Anh.184
ヴェンドリング:フルート協奏曲 ハ長調
ベルンハルト・クラバッチュ(Fl)
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:2009年6月15日-18日
OC-748B
ハイドン:弦楽四重奏曲&協奏曲集
弦楽四重奏曲第78番変ロ長調Op.76-4
 「日の出」Hob.III-78
弦楽四重奏曲第37番 ロ短調Op.33-1,Hob.III-37
ピアノ協奏曲 ト長調Hob.XVIII-4*
ヴァイオリン,ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲 ヘ長調#
デリアンSQ
ジル・アパップ(Vn)#
アンドレアス・フレーリヒ(P;*/#)

録音:2008年9月-10月
OC-749B
ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.71-2
ブラームス:弦楽四重奏曲 イ短調 Op.51-2
シマノフスキ:弦楽四重奏曲第1番 ハ長調 Op.37
シチェドリン:抒情風景
アポロン・ミューザゲートSQ

録音:2009年
OC-750B
ヤーノシュ・タマーシュ(1936-):作品集
ピアノと管弦楽のための協奏曲*
Display of lights#
Improvisations#/Frost flowers#
トーマス・ドラトヴァ(P)*
ポール・グッドウィン(指)
バーゼル室内O

録音:2009年2月10日
OC-752B
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番
24の前奏曲 Op.28
エレーヌ・ティスマン(P)

録音:2009年
OC-753B
ハッセ(1699-1783):歌劇「ルッジェーロ」序曲
トーマス・リンリーJr(1756-1778):ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調
ラウッツィーニ(1746-1810):シンフォニア ニ長調
フランツ・ラモッテ(1751-1780):ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調
モーツァルト:交響曲ニ長調〔「アルバのアスカーニョ」序曲〕
ミリヤム・コンツェン(Vn)
ラインハルト・ゲーベル(指)
バイエルン・カンマーPO

録音:2010年2月25-28日 バイエルン放送第1スタジオ
OC-754C(2CD)
シューマン:あこがれのワルツの変奏曲「通俗的な主題による音楽の情景」(アンドレアス・ボイデ補完)
蝶々Op.2/6つの間奏曲 Op.4
謝肉祭 Op.9
カール・ツェルニー:お気に入りの悲しいワルツによる変奏曲Op.12
シューベルト:ドイツ舞曲第15番(D.783より)
レントラー第3,11番(D.790より)
ワルツ第6,14,22番(D.365より)
レントラー第14番(D.734より)
ワルツ第13番(D.779より)
ウェーバー:舞踏への勧誘
ヘルベルト・シュフ(P)

録音:2009年、ドイツランド放送室内楽ザール
OC-755B
メンデルスゾーン:真夏の夜の夢Op.61
無言歌集第5集第25-30番Op.62
無言歌第31番変ホ長調Op.67-1「瞑想」
シルバー=ガーバーグ・ピアノ・デュオ

録音:2009年11月6-8日 バイエルン放送第2スタジオ
メンデルスゾーンが姉のファニーと楽しむためのピアノ連弾曲として書かれた「夏の夜の夢」序曲Op.21は、弱冠17歳の時に書かれた作品です。その後、序曲をオーケストラ用に編曲し、1843年に劇音楽「夏の夜の夢Op.61」として作曲され出版されました。実はその4年前にすでに連弾用として作曲され出版されていたのです。この時代中間層の家庭では、音楽を用いたコミュニケーションが最も通常のメディアでした。ただ、ほとんどの家庭ではピアノを2台所有できませんでしたので、連弾というジャンルは「ピアノ教師と生徒」「学生どうしの練習」「家庭や交流の場での娯楽」へと極めて用途が広がっていったのでした。更にメンデルスゾーンは、既に劇音楽オーケストラ版以前に連弾版を作曲し、ヨーロッパの劇場へのプロモーションを行ったのでした。さらにそれを完璧成功させるための劇場側の要求を取り入れ、最終的に管弦楽版完成と至ったのです。 シルヴァー=ガーバーグ・ピアノ・デュオは、イスラエル生まれの2人。テルアビブで学んだ後ハノーヴァー音楽大学を最高位で卒業し、現在世界中で活躍しています。
OC-757B
シューマン:ピアノ作品集
クライスレリアーナ Op.16/アラベスク
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2009年8月27日:プフォルツハイム・コングレス・センター
「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集」全てが、ヨーロッパで賞を受賞してきて、2009年にはミデム賞も受賞しました。 この録音でも、ベートーヴェンと同じように自筆譜から研究しなおし、テンポ、フレージング、アクセントなど独特な解釈により、新シューマン像を描き出していきます。
OC-758B
ショパン:バラード第1-4番、
スケルツォ第1-4番
ベルント・グレムザー(P)

録音:2009年12月21-23日 ミュンヘン、バイエルン放送第2スタジオ
7歳でピアノを始め、ロシア出身のピアニスト、ヴィターリ・マルグリスに師事。1981年から数々の国際コンクールに出場し素晴らしい成績を納める。」これはよくある名ピアニストの略歴ですが、このベルント・グレムザーが最も注目を浴びたのは、1989年、まだフライブルク高等音楽学校の教育実習生だった彼が、突如ザールラント音楽学校の教授に任命されたことでした。これで彼は「ドイツ最年少の大学教授」として、その実力が広く認められることになりました。レパートリーは幅広く、とりわけ超絶技巧系の作品を得意としており、今までに30枚以上のCDをリリース。NAXOSへのラフマニノフやプロコフィエフを始め、そのどれもが高い評価を受けています。 そんな彼が今回世に問うのは、ショパンのバラードとスケルツォです。この2つの作品は、ショパンの中期から晩年に書かれた作品群で、演奏難易度や表現法などが酷似しており、全曲の時間もCD収録にちょうどよいためか、まとめて録音される機会の多い曲集です。1曲1曲が物語性を持ち、多彩な表現力を要求されるもので、まさに実力派グレムザーにはうってつけと言えるものです。
OC-759B
ファレンティン・ラドゥティウ:チェロ・リサイタル
シューマン:民謡風の5つの小品Op.102
フランク:ヴァイオリン・ソナタイ長調(チェロ版)
ペーター・ルジツカ:チェロとピアノのためのレチタティーヴォ(世界初録音
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソイ短調 Op.28
ファレンティン・ラドゥティウ(Vc)
ペル・ルンドベルク(P)

録音 2010年3月6-8日ライプツィヒ MDRスタジオ
1986年にミュンヘンに生まれたチェリスト、ラドゥティウ。彼は6歳の時に父親から最初のチェロのレッスンを受け、たちまちその才覚を表しました。2001年から2005年まで、ザルツブルクのモーツァルテウム大学でクレメンス・ハーゲンと学んだ後、ウィーンでハインリヒ・シフ(彼には今でも学んでいる)の下で学びます。その後2007年から2009年までは、ベルリンのハンス・アイスラー・アカデミー・オブ・ミュージックでD.ゲリンガスの最後の学生の一人となりました。もちろん内外のコンクールでも数多くの入賞歴を持っていて、中でも2008年にリガで開催された「カール・ダヴィドフ国際コンクール」での1位と、バッハの解釈に与えられた特別賞は、彼の経歴の中でもとりわけ輝くものとなっています。そんな、現在のドイツで最も将来有望視されている彼のデビュー・アルバムは、世界初録音となるルジツカの依嘱作品を含む、幅広いレパートリーからなるものです。今後の彼の活躍が容易に想像できそうな、柔軟な音楽性が魅力です。
OC-760B
チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」、
イタリア奇想曲
クリストフ・ポッペン(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音:2007年12月13-16日 ザールブリュッケン・コングレスホール(交響曲1番) 、2009年12月29日-2010年1月1日 マインツ・ラインゴールドハレ(イタリア奇想曲) [デジタル:ライヴ]
明晰でありながら過度に強調されることのないロマン性。そして、曲の素の美しさをストレートに表現。引き締まったテンポと流れの良い運び、曲の立体感を際立たせるフレージング。実に見通しの良い構成感とオーケストラ・コントロールの確かさが際立つ演奏をモットーにし、最近の過度に付け加えられたロシア風とは違った新解釈で聴かせてくれます。その彼の独自な解釈は独特な盛り上がり感を持ち、チィコフスキーの描写力を引き立てることに成功し、充実感のある色彩力あるチャイコフスキーの音楽を聴かせてくれます。 クリストフ・ポッペンは、1956年、ドイツのミュンスター生まれのヴァイオリニスト、指揮者。ヴァイオリニストとして数多くの著名コンクールで入賞。1978年、ケルビーニ弦楽四重奏団を設立。1981年にはエヴィアン国際弦楽四重奏コンクールでグランプリを受賞。1988年、デトモルト室内オーケストラの音楽監督。1995年、ミュンヘン室内オーケストラの音楽監督に就任。1988-95年、デトモルト国立音楽大学の教授を務め、1996年からベルリン国立音楽大学の学長を務めています。バロック・ヴァイオリンも演奏し、ECMから発売されたヒリアード・アンサンブルとの『バッハ/モリムール』は世界的に話題となりました。また、ザルツブルク音楽祭にも多く出演。2007年シーズンより、ドイツ放送フィル(旧称ザールブリュッケン放送響)の音楽監督を務めています。
OC-761B
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
幻想的序曲「ハムレット」*
クリストフ・ポッペン(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音:2008年4月20日、2010年4月15日* ザールブリュッケンコングレッスハレ・ライブ
1956年、ドイツのミュンスター生まれのヴァイオリニスト、指揮者であるクリストフ・ポッペン。バロック・ヴァイオリンの名手も、現在では押しも押されぬ指揮者として君臨しています。そのポッペンとザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニーのOEHMSでの共同作業は、メンデルスゾーンの交響曲全集(OC709)で始まりました。その後、チャイコフスキーの第4番、第1番をリリース。陶酔的で、情熱的な解釈が評判を呼び、新時代のチャイコフスキーとして、全曲録音が待たれるところです。今回の第6番も充実した響きと安定したアンサンブルが魅力的。
OC-762B
チャイコフスキー:交響曲第2番ハ短調「小ロシア」Op.17
交響曲第3番ニ長調「ポーランド」Op.29
クリストフ・ポッペン(指)
ドイツ放送PO(旧ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送POO)

録音:2009年6月15日…5-9,2010年6月27日…1-4ザールブリュッケンコングレスホール
今や、ヴァイオリニストとしてよりも指揮者としてその名前が知れ渡りつつあるクリストフ・ポッペン。彼とドイツ放送フィルによるチャイコフスキー・ツィクルスも4作目となりました。今回も見通しの良い構成感と的確なテンポ設定は健在、チャイコフスキーの全交響曲の中では比較的地味な存在である第2番と第3番に新しい風を送ることに成功しました。1872年に作曲された第2番は3つのウクライナ民謡を用いた明晰な作品で初演時に大成功を収めたことで知られています。第3番は1875年の作品で「ポーランド」の愛称が付いてますがこちらは終楽章にポーランド舞曲のリズムが使われているだけであり、タイトルに固執することもなさそうです。ポッペンは弦の響きを最大限に引き出しながら小気味よいテンポで曲を進めていきます。両曲ともライブならではの盛り上がりが素晴らしく、とりわけ第3番の終楽章の鮮やかさは類を見ません。聴衆たちの熱狂を肌で感じる拍手入りです。

OC-763B
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64
スラヴ行進曲 変ロ短調 Op.31*
クリストフ・ポッペン(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音:2010年2月26-27日
2010年12月10.12日*, ザールブリュッケン コングレス・ホール(ライヴ)
ポッペンは巧妙かつ流麗に曲を盛り上げ、感動ノクライマックスへと導いてくれます。スラヴ行進曲も大盛り上がり。ライブならではの熱狂ぶりが楽しめます。
OC-764B
thoughts-思考アルブレヒト・メンツェル(Vn):デビュー!
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調Op.105
 ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調Op.121
 幻想曲ハ長調Op.131(フリッツ・クライスラー編)
エルンスト:独奏ヴァイオリンのための狂詩曲集Op.26-「魔王」
 独奏ヴァイオリンのための練習曲第6番「夏の名残のばら」
アルブレヒト・メンツェル(Vn)
アミール・カッツ(P)

録音:2014年6月10-12日RBB放送第3スタジオ
992年生まれのヴァイオリニスト、アルブレヒト・メンツェルのデビュー盤です。彼は4歳でヴァイオリンを始め、13歳でドレスデンの音楽祭にソロ・デビュー。その後ウィーン音楽院でジュリアン・ラクリンとボリス・クシュニールに師事します。多くの国際コンクールに入賞を果たし、2011年のメンデルスゾーン音楽祭ではクルト・マズアの指揮でライプツィヒSOとともにヴァイオリン協奏曲を演奏、聴衆を魅了しました。このデビュー盤では、シューマンの晩年に書かれた2つのヴァイオリン・ソナタと、パガニーニを凌ぐ名手であったエルンストの2つの作品を演奏。シューマンでは抑制された表情の中に潜む情熱を描き出し、またエルンストでは華麗な技巧と溢れる歌心を表出。確かに「すごい才能だ」と思わせるだけの迫力を備えた若手の出現に胸躍ります。伴奏はこちらも名手アミール・カッツ。“熟考”の言葉がふさわしい1枚です。
OC-765B
弦の躯
1-8.ディエゴ・オルティス(1510頃-1570頃):「ヴィオラ・ダ・ガンバ演奏の装飾論ならびに変奏論」〜8つのリチェルカーレ<第1リチェルカーレ/第4リチェルカーレ/第3リチェルカーレ/第16リチェルカーレ/第5リチェルカーレ/第5パルス/第8リチェルカーレ/第2リチェルカーレ>
9.イザベル・ムンドリー(1963-):弦の躯
10-15.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012
16-19.プーランク:チェロ・ソナタ
シャルル=アントワーヌ・デュフロ(vc&チェロ・ピッコロ)
セバスチャン・キュフラー=ブレッシング(cemb)…1-8
ウルリヒ・ヴェーデマイアー(lu)…1-8
マティアス・ミュラー(ヴィオローネ)…1-8
ムラート・コシュクン(per)…1-8
マルティン・クレット(p)…16-19

録音:2014年6月2-4日ハノーファーNDRクライナー・ゼントザール
1986年生まれの若きチェリスト、シャルル=アントワーヌ・デュフロによる「弦」に拘ったアルバムです。弦楽器の歴史を紐解く時、人々は往々にして楽器本体に目を向けますが、使われる4本の弦にも多くのストーリーがあります。彼は曲ごとに、使用する弦を変え、その時代の音楽を丁寧に描き出すことを試みたのです。16世紀の音楽と、バッハの音楽の違い、そして現代の作曲家ムンドリーによる「弦」の強い主張、プーランクでは、チェロだけでなくピアノの弦も加わり、異なった響きを醸し出します。呼吸とともに、自然な弦の振動を味わうこと。これも弦楽器を聴くときの楽しみなのかもしれません。
OC-766C
モーツァルト&シュニトケ:ヴァイオリンのための作品集
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタニ長調K306
シュニトケ:独奏ヴァイオリンのためのフーガ(1953)
 ヴァイオリンと室内オーケストラのためのソナタ(1963/68)
モーツァルト:アダージョ.ホ長調K261 
 ロンドハ長調K373
マイア・カベザ(Vn)
ホセ・ガラルド(P)
コンチェルティーノ・アンサンブル
ディルク・カフタン(指)

録音:2014年10月20-22日アウグスブルク,シュテッテン・インスティタットバルバラザール、2015年10月23-25日アウグスブルク大学フォーメル・コンサート・ホール
2013年にアウグスブルクで開催された「レオポルド・モーツァルト国際ヴァイオリン・コンクール」で第1位と「モーツァルト賞」を獲得した若きヴァイオリニスト、マイア・カベザのアルバムです。彼女は1992年日本で生まれ、3歳でカナダ、トロントに移住。10歳でソロ・デビューを飾った後、ミュンヘン放送O、ウィーン室内Oなど、ヨーロッパとアメリカのオーケストラと共演し、また幾多のホールでリサイタルを行っています。2014年には来日し、今井信子が主宰するゴルトベルク変奏曲の弦楽トリオ版の演奏会に出演、大喝采を浴びています。ここでの彼女はモーツァルトとシュニトケという2人の作曲家の作品を並べて演奏し、時代の変遷とクラシック音楽における語法の変化をまざまざと見せ付けています。切れの良い音色にもご注目ください。
OC-767B
ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」全曲 トビアス・モレッティ(語り)
マリア・ベングトソン(S)
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

録音:2007年8月27日&28日ウィーン ORFフンクハウス
交響曲第5番を完成させた直後のベートーヴェン(1770-1827)が、当時の宮廷劇場支配人ハルトルに依頼されて書いた作品「エグモント」です。ゲーテの戯曲を元に、伝説的英雄エグモント伯ラモラールの英雄的行為と自己犠牲について書かれた壮大な作品ですが、今では序曲のみが演奏されることがほとんどです。全曲として演奏するにも、どうしても曲の説明が若干必要になるため、このCDのように、曲間に台詞を入れて朗読する形が取られる場合が多いのです。この演奏も、トビアス・モレッティ自身がゲーテの戯曲から編纂したテキストを曲間に効果的に挿入、一つの叙事詩として完成された形として表現されています。
OC-768B
マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」 リカルダ・メルベス(S)
エルザ・ファン・デン・ヘーヴァー(S)
エリザベータ・マリン(S)
ステラ・グリゴリアン(A)
ジェーン・ヘンシェル(A)
ヨハン・ボータ(T)/ボアズ・ダニエル(Br)
ユン・クヮンチュル(Bs)
ウィーン・ジングアカデミー
スロヴァキア・フィルハーモニーcho
ウィーン少年cho
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

録音:2010年3月ウィーン、コンチェルトハウス大ホール
パリ生まれの指揮者ベルトランド・ド・ビリー。最近は専らベートーヴェン指揮者として名を馳せていますが、新作はマーラーの交響曲8番という大物です。ベートーヴェンでもドヴォルザークなどは、どちらかというと「さっぱり目」の味付けで曲を聴かせるド・ビリーですが、一転ワーグナーなどでは濃厚な響きを前面に押し出す彼。ここでも、今現在考えられる名歌手を総動員して、管弦楽、合唱団も交え、最上の音色を創り上げています。
OC-770B
レハール:喜歌劇「ロシアの皇太子」(抜粋) ヴォルフディーター・マウラー(指)
メルビッシュ湖上音楽祭O&cho
Tiberius Simu,
Alexandra Reinprecht,
Harald Serafin,
Marko Kathol,
Sieglinde Feldhofer,
Ciro de Luca
OC-771B
ミュンヘン王宮のクリスマス音楽
エヴァリスト・ダッラーバコ:協奏曲ハ長調Op.5-5
ビーバー:ソナタ第3番ロ短調「キリスト降誕」(「ロザリオのソナタ」より)
バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068
ヨハン・クリストフ・ペーツ:パストラーレ協奏曲
トレッリ:クリスマス協奏曲ト短調Op.8-8
E・ロイスナー:パッサカリア、他、リュート作品3曲
ルディガー・ロッター(Vn&指)
ホーフカペレ・ミュンヘン(ピリオド楽器使用)

録音:2010年7月12-14日 ミュンヘン昇天教会(デジタル:セッション)
ミュンヘンで最も人気と実力を持つバロック・ヴァイオリン奏者ルディガー・ロッターと、彼率いる「ホーフカペレ・ミュンヘン」との最新録音となります。ロッターは、モダンとバロック両方のヴァイオリン奏法を習得した後、ムジカ・アンティクァ・ケルン、コンチェルト・ケルンのメンバーを務め、多くのコンサートや録音に加わっています。さらにドイツ・カンマーフィルにも在籍、ミュンヘン・フィルのソロ・ゲストにも呼ばれたこともあるそうです。2004年からは、ホーフカペレ・ミュンヘンのコンサート・マスターを務めています。 この録音では、当時ミュンヘンの王宮で演奏されたと伝わっている、クリスマスに関連した作品を収録しました。ラインハルト・ゲーベルゆずりの独特な音色と演奏法は、今までにない刺激が敷き詰められています。弱冠20歳でバイエルン放送交響楽団の首席オーボエ奏者、シュテファン・シーリがゲスト参加しているのも見逃がせません。また、バイエルン州立歌劇場リュート奏者、アクセル・ヴォルフのソロによるロイスナーのリュート作品も収録され、静かにこのアルバムは終わります。
OC-772B
ソナタ風アレンジメントによるヘンデルのアリア集
ヘンデル:歌劇「リナルド」
歌劇「アルチーナ」
歌劇「ジュリオ・チェーザレ」
オラトリオ「サウル」
オラトリオ「アレクサンダーの饗宴」
歌劇「ゴールのアマディージ」
ガンバ・ソナタト短調から、
序曲、シンフォニア、アリアによる編曲
シュテファン・テミング(Bfl)
オルガ・ワッツ(cemb)
ドーメン・マリンチッチ(gamb)
リンドン・ワッツ(バロックFg)
アレックス・ヴォルフ(リュート&テオルボ)
ロレンダーナ・ジントーリ(バロック・ハープ)
オルガ・ミシュラ(プサルテリー)

録音:2010年4月12-15日
シュタルンベルク、マルテゼールシュティフト聖ヨーゼフ教会
OC-773B
バッハ:カンタータ第137番「力強き栄光の王なる主を讃えよ」BWV.137
レーガー:ヴァイオリンとオルガンのためのラルゴ(Op.93より)
 Ich sehe dich in tausend Bildern Op.105-1
 ヴァイオリンとオルガンのためのロマンス.ト長調
 マリアの子守唄Op.76-52
 創作主題による変奏曲とフーガ.嬰へ短調 Op.73
ミヒャエル・ハルトマン(Org,指揮)
カーチャ・ステューバー(S)
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(C-T)
ロベルト・ゼリアー(T)
ベンヤミン・アップル(Bs)
マルクス・ヴォルフ(Vc)
ミュンヘン・ビュルガーザール教会cho
ミュンヘン・オデオン・アンサンブル

録音:2009年12月7-8日、2010年3月3日、ミュンヘン・ビュルガーザール
教会 [デジタル:ライヴ]
ミュンヘンの市民によって設立されたドイツ・マリア騎士団は、2010年、400年を迎えます。この団体は、ミュンヘン・ビュルガーザール(市民のためのホール)に設立され、教会に改修され奉献されて300年を迎えました。それを記念して、これに関係した典礼文で書かれているバッハのカンタータ137番。そして1901-1907年ミュンヘンで仕事をしていたマックス・レーガーが書いたとされる古典的な作品を収録しました。
OC-774B
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲ニ短調Op.54
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化Op.26
リスト:コンソレーション第3番変ニ長調S.172-3
 ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
サチコ・フルハタ=ケルスティング(P)

録音:2010年5月19-20日 カイザースラウテルン、南西ドイツ放送スタジオ
サチコ・フルハタ=ケルスティングは、横浜で生まれ武蔵野音楽大学を卒業。その後、デトモルト音楽大学、デュッセルドルフ・ロベルト・シューマン音楽大学でロベルト・シドン、種田直之らに学びました。その後、ヨーロッパを中心に演奏活動を続け、この数年で非常に高い評価を得てきているピアニストです。
OC-775B
ヴァリエーション
モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲ニ長調K573
ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲ハ短調WoO.80
シューマン:アベッグ変奏曲Op.1
シューベルト:即興曲変ロ長調D935-3
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲ニ短調Op.54
ショパン:子守歌変ニ長調Op.57
アレハンドロ・ピコ=レオニス(P)

録音:2009年4月22-23日ベルリンテルデック・スタジオ
変奏曲形式で書かれた作品を集めた1枚です。モーツァルトからショパンまで、小さな作品がパッチワークのように大きな流れを形成していく様を眺めることができるでしょう。1789年に書かれたモーツァルトの曲の整った形式、ベートーヴェンに新しい音楽への探求心、そしてシューマンが20歳の時に書いた実験的な作品(音名を曲に執拗に織り込むこと)、メンデルスゾーンの「厳格」といいながらも溢れるロマンティックさ、シューベルトの「即興的」な変奏曲。そして最後に置かれたショパン(1843年に作曲)では、左手の音形を変えずに右手のメロディだけを変化させるという手法。およそ50年くらいの年代の違いでこれほどまでに時代は変遷していきました。これらを演奏するのは、スペイン、アリカンテ生まれのピアニスト、アレハンドロ・ピコ=レオニス。アリシア・デ・ラローチャに学び、その後ニューヨークへ渡り、2002年にカーネギー・ホール・デビューを果たした逸材です。
OC-776B
中南米のピアノ三重奏曲集
ヴィラ=ロボス:ピアノ三重奏曲第1番ハ短調
ピアソラ:ブエノス・アイレスの四季(ヴィラ=ロボス・トリオ編曲版)
ルチオ・ブルノ=ヴィデラ:ユンバ・トランスフォーメイション
ヴィラ=ロボス・トリオ
[Rosangela Antunes(P),
Florian Wilscher(Vn),
Katrin Schickedanz(Vc)]

録音:2009年11月、ウィーン
それぞれ、ブラジル、オーストリア、ドイツ出身のピアノ三重奏団。今やウィーンを中心に、様々な音楽祭にも客演し高い評価を得てきています。V=ロボスの作品は、若い頃のもので、ヴァイオリン、チェロ、ピアノがそれぞれ雄大でソリスティックなメロディが印象的。ピアソラではそれぞれの楽器が見事なコントラストを見せており、小さい編成ながら様々な弦楽器の奏法も駆使した色彩感あふれる演奏が繰り広げられていきます。
OC-777B
EIGHT STRINGS
コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲Op.7
ジョヴァンニ・バッティスタ・チッリ(1724-1808):二重奏曲 ト長調Op.12
ヨハン・ハルヴォルセン:パッサカリア(ヘンデルの主題による』
グリエール:ヴァイオリンとチェロのための8つの小品 Op.39
EIGHT STRINGS
ヴェレリア・ナスシュキナ(Vn)
ミカエル・サムソノフ(Vc)

録音:2010年6月 ハイデルベルク、トンスタジオ・ヴァン・ゲースト
ヴァイオリンとチェロのデュエットによるグループというのは意外と少なく、こうした作品を演奏する場合は、ソリスト二人がそろった時にしか演奏されないのが実情のようです。こうした中でもプロ活動として行っているヨーロッパでも話題のグループEIGHT STRINGSのアルバムです。
OC-778B
コロンビアのギター作品集
ハイメ・ロメロ:「Confesiones」
モンターニャ:「Lejania」「En mi ribera」
サムエル・ベドジャ:「Seis por Numeracion」
カルロス・ヴィエコ:「Ruego」「Tulia」
ホセ・A・モラレス: 「Pueblito Viejo」「Bucarelia」「Maria Antonia」
アオドルフォ・メヒア:「Bambuco en mi menor」
ホルヘ・ヴィジャミル:「Los Guaduales」
アンドレス・ヴィジャミル:「Camburpinton」「Chicaquicha」「Mery」「Piazzollesco」
アンドレス・ヴィジャミル(G)
録音:2009年9&12月ギターモニア・スタジオ
コロンビアは、中南米でも最もギターが一般的な国。独自の民族音楽やフォルクローレなどを基本とし、シンプルで美しい音色にのせて、ラテンの爽やかな風を運んでくれます。そのなかに切実なロマンチックさを求めるようなメロディー。そしてこういう曲が愛されるのがコロンビアという場所なようです。アンドレス・ヴィジャミルは、1976年ボゴタ生れで、ボゴタ国立音楽学校を卒業。ヨーロッパでのコンサートで、北ドイツ放送室内管弦楽団と共演し絶賛を浴びました。
OC-779F(2CD)
ショパン:夜想曲全集(全21曲) アミール・カッツ(P)

録音:2010年3月15日、4月1日 ミュンヘン音楽大学大ホール
この夜想曲の弾き手であるカッツは、インタビュアーから「今更、ショパンの夜想曲の新しい録音が必要なのでしょうか?」という少々意地の悪い質問を受けた時、こう答えた。「それでは質問をお返ししますが、私が5回録音をした場合、その最上のものはどれにあたるのですか?全てのピアニストは常に自分自身の言葉で音楽を語りたいし、作品から新しい何かを発見しています。素晴らしい芸術からは無限の可能性を引き出すことができるのです」と答えています。聴き手にしてもそれは同じこと。一つの作品を繰り返し聴き、また違う演奏家によって命を吹き込まれたものを聴き比べ、少しずつ自分の中に蓄積し、音楽への愛を高めていくことは大いなる「聴く喜び」と言えるでしょう。彼だけのショパンを心行くまで堪能して欲しい。
OC-780B
スザンヌ・ラング-ピアノ・リサイタル
リスト:死んだ夜鳴きうぐいす(ナイチンゲール)
チャイコフスキー:ドゥムカ ハ短調Op.59
ラフマニノフ:V.R.のポルカ(W.Rのポルカ)
ヤナーチェク:「霧の中で」〜アンダンテとプレスト/
チャイコフスキー:子守歌
スメタナ:演奏会用習作嬰ト短調「海辺にて」
シューベルト:楽興の時 D.780,Op.94〜アンダンテとアンダンテ・モデラート
シチェドリン:私はバラライカを弾く
ファリャ:火祭りの踊り
プロコフィエフ:メフィスト・ワルツOp.96-3
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」〜の10の小品〜「少女ジュリエット」と「モンタギュー家とキャピュレット家」
スザンヌ・ラング(P)

録音:2010年1月&3月 マインツ・トーンマイスター・スタジ
スザンヌ・ラング。彼女はどのような方向性を目指しているのかどうか? まずレパートリーを見る限り、かなりのヴィルトゥオーゾ系を狙っていると見て間違いないでしょう。しかしその選曲のセンスには驚くべきものがあります。リストの「ナイチンゲール」はアリャビエフの有名な歌曲の編曲版ですが、あまり取り上げる人のいない珍品であり、ファリャの「火祭りの踊り」はいわずと知れた名ピアニストが好んで演奏したアンコール・ピースです。ロシア系、チェコ系で攻めるかと思うと、唐突にシューベルトが来て少々驚きに見舞われる。とにかく予想外の曲が出て来るので一時も気を緩めることはできません。しかし、全ての曲にはストーリーが込められているという。冒頭のナイチンゲールの歌は、ロメオとジュリエットの愛の場面で歌われるものであるし、ファリャの作品は「踊りの音楽」としてチャイコフスキー、ラフマニノフ、シチェドリンと同列に扱われているそうです。彼女の意図がわかったところでもう一度耳を傾けてみたい。この精巧なミニアチュア、どこまで巨大に成長するのか楽しみです。
OC-781E(2CD)
バッハ:パルティータ集(全6曲) イルマ・イサカーゼ(P)

録音:2010年3月21-23日、5月3-5日バイエルン放送第2スタジオ
前作「ゴルトベルク変奏曲」(OC-628)で「グールドの再来か?」と称されたグルジア生まれの若手ピアニスト、イルマ・イサカーゼのバッハ第2弾です。若手ピアニストが出現してバッハを弾くと、どうしてもグールドと比較してしまいがちですが、彼女は自らの世界を構築することに熱心です。ここでも1曲1曲を磨き上げ、音に宝石のような輝きを載せて聴かせます。「パルティータ」とは、17世紀にはほとんど「変奏曲」と同じ意味であったジャンルですが、18世紀になると、舞曲と変奏曲の境が曖昧になり、「統一の主題と気分を持った組曲」という意味合いに変化したもので、このバッハの作品も大きな舞曲集に近いものと言えるでしょう。そんな曲集を彼女は丁寧に音にしていきます。ゆったりとした曲の叙情性がたまりません。
OC-782B
ハイドン:チェロ協奏曲集
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.VIIb-1
チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VIIb-2
ヴァイオリン協奏曲第4番ト長調Hob.VIIa-4(ウェン=シン・ヤン編によるチェロ版)」
ウェン=シン・ヤン(Vc)
アカデミア・ダルキ・ボルツァーノ
ゲオルク・エガー(コンサートマスター)

録音:2010年8月9-13日レンクムースフェラインスハウス“ペーター・マイール”
このチェリスト、ウェン=シン・ヤンも古典から現代の幅広いレパートリーを持つ人です。彼はスイスのベルンに生まれた台湾系で、シューリヒとベルリンで学び、24歳の時にバイエルン放送交響楽団の首席チェリストとなりました。1991年のジュネーブ国際音楽コンクールで1位を受賞後、その後、ソリストとして世界中のオーケストラと共演し、多くの作品を演奏しています。このアルバムでは、彼が恐るべし超絶技巧を駆使して、指揮者なしのアンサンブル(コンサートマスターはゲオルグ・エガー)アカデミア・ダルキ・ボルツァーノと丁々発止の演奏を繰り広げます。彼自身の編曲による「ヴァイオリン協奏曲」も、ため息のでるような素晴らしさです。
OC-784B
グルジアン・ミニアチュアズ
スルハン・ナシーゼ(1927-1996):室内交響曲第3番
ヨゼフ・バルダナシュヴィリ(1948-):ピアノと弦楽,チェレスタとハープシコードの為の「協奏曲、ほとんど幻想曲のように」
スルハン・ツィンツァーゼ(1925-1991):室内Oの為の「ミニアチュアズ」
アリエル・ズッカーマン(指)
グルジア室内Oインゴルシュタット
アレクサンダー・コルサンティア(P)

録音:2010年9月19-21日ノイマルクト ヒストリシャー・ライトシュタードル
グルジアのティフリス(トビリシ)で1964年に創設され、1990年にドイツへ移った「グルジア室内Oインゴルシュタット」の20世紀の音楽集です。彼らは既にドイツで確固たる地位を築いていて、様々なレパートリーを有し、現代作品も意欲的に紹介しています。このアルバムでは、現代グルジアの音楽を紹介。未知の作曲家の作品との出会いを楽しむことができます。「協奏曲、ほとんど幻想曲のように」でピアノを担当しているアレクサンダー・コルサンティアは、1988年にシドニー国際ピアノコンクールと、1995年にテル・アビブで開催されたルービンシュタイン国際コンクールで1位を獲得したグルジアのピアニストです。
OC-785B
シネマ・コンチェルタンテ
ハワード・ショア(1946-):イン・ドリームズ〜ロード・オブ・ザ・リングより
エルマー・バーンスタイン(1922-2004):エイジ・オブ・イノセンス〜汚れなき情事より
カブリエル・ヤレド(1949-):コンヴェント・ディ・サンタナ〜イングリッシュ・ペイシェントより
エンニオ・モリコーネ(1928-):ニュー・シネマ・モリコーネ組曲
ニーノ・ロータ(1911-1979):「ワルツ」「愛のテーマ」〜ゴッドファーザーより
ヤン・ティルセン(1970-):アメリ〜テーマ
エンヤ(1961-):メイ・イット・ビー〜ロード・オブ・ザ・リングより
ニキ・ライザー(1958-):ビヨンド・サイレンス
ナイジェル・ヘス(1953-):ラヴェンダーの咲く庭で〜テーマ
エンニオ・モリコーネ:レディ・カリフ〜テーマ
ロン・ゴッドウィン(1925-2003):ミス・マープル〜テーマ
ルイス・バカロフ(1933-):イル・ボスティーノ〜テーマ
ヘンリー・マンシーニ(1924-1994):ピンクの豹〜メイン・テーマ
マティアス・ケラー(1956-):ElisegoestoHollywood〜テーマ
ウルリヒ・ヘルケンホフ(パン・フルート)
フランク・ツァッハー(指)
マンハイム・プファルツ選帝候CO

録音:2010年9月29日-10月1日マンハイム聖ヨハネス教会
パン・フルートの音色は、なぜか胸をくすぐるものがあります。そんな素朴で郷愁に満ちた楽器で奏される「映画音楽集」。これを聞いて涙せずにはいられる人がいるのでしょうか?ここで魅力ある演奏を聴かせるのは、ドイツで最も有名なパン・フルート奏者であるヘルケンホフです。ヨーロッパでは10枚以上のソロ・アルバムをリリースし、多くのアーティストとのコラボレーションでも知られています。またモリコーネも彼を高く評価していて、自身のコンサートにも招いているほどです。今作は、最近の映画からの名曲を、名編曲家マティアス・ケラーが曲に最もふさわしい形に再創造したものです。ケラーのオリジナル作品である最終トラックの「ElisegoestoHollywood」は、ベートーヴェンの「エリーゼのために」が原曲。こちらは弦楽合奏曲です。ハリウッドを訪れたエリーゼがヤナーチェク風の衣装を纏い、ワルツを踊る。そんな曲です。
OC-788B
テルティス・ヴィオラ・アンサンブル
テレマン:4台のヴィオラの為の協奏曲ハ長調
ヴァインツール(1841-1898):4台のヴィオラの為の「夜の小品」
ヨーク・ボーエン(1884-1961):4台のヴィオラの為の幻想四重奏曲Op.41
テレマン:4台のヴィオラの為の協奏曲ト長調
バルトーク:2台のヴァイオリンの為の44の二重奏曲より(第10番「ルテニアの歌」/第14番「クッションの踊り」/13.第16番「ブルレスケ」/第26番「からかいの歌」/第22番「蚊の踊り」/第28番「悲嘆」/第35番「ルテニアのコロミイカ舞曲」/第42番「アラビアの歌」/第44番「トランシルヴァニアの踊り」)
ピアソラ:フォー・フォー・タンゴ
クリストファー・ノートン(1953-):ステアリング・ホイール・ブルース
テルティス・ヴィオラ・アンサンブル

録音:2009年11月ミュンヘン、メリートン・スタジオ
普通の弦楽四重奏の場合、各々の楽器の響きを楽しむことも一つの喜びですが、これが全て同じ楽器の場合は、また違った楽しみ方ができることは間違いありません。このヴィオラ・アンサンブルはミュンヘンSOの4人のメンバーによって構成されています。もちろん、通常のレパートリーを望むのは無理な話で、原型そのままで演奏できるのは、ヴァインツールとヨーク・ボーエンの2曲のみでした(ピアソラはもともと弦楽四重奏のために書かれていたので、ちょっと編曲するだけですみました)。残りの曲は、新たな可能性を求めた“adaptations(適応、順応)”です。テレマン、バルトークの何と楽しいこと。演奏する楽しさがそのまま伝わってくるかのような、生命力に溢れた1枚です。

OC-789B
カラーズ・オブ・フレンチ・ホルン
R・シュトラウス:ホルンとピアノのためのアンダンテ
シューマン:3つのロマンスOp.94
アダージョとアレグロ変イ長調 Op.70
ロッシーニ:前奏曲、主題と変奏ホ長調
ジャン・フランセ:ホルンとピアノのためのディヴェルティメント
プーランク:ホルンとピアノのためのエレジー(デニス・ブレインの想い出に捧ぐ)
キルヒナー:3つの詩
サボルチ・ゼンプレーニ(Hrn)
ペーター・ナギー(P)
1981年、ハンガリーのブタベストに生まれ、6歳からピアノを、13歳からホルンを始めた今最も注目のホルン奏者の一人です。父もホルン奏者、母はオーボエ奏者、祖父はピアニストという音楽一家に育った彼は、フランツ・リスト音楽院でフェレンツ・タルヤーニに師事し、2002年からベルリンのハンス・アイスラー音楽院でクリスティアン・フリードリッヒ・ダルマン及びマルクス・ブルガイヤーに学びました。17歳の時にコンチェルティーノ・プラハで第1位及び特別賞を受賞。その後も数多くのコンクールに入賞し、2005年には24歳にしてミュンヘン国際コンクール第1位を獲得しました。オーケストラ歴は2000年ブダペスト祝祭Oの第1ホルン奏者、フランクフルト歌劇場O、ドレスデン国立歌劇場O(契約)、そして2005年11月よりバンベルク交響楽団のソロホルン奏者となり、現在に至ります。彼の演奏は、本当にのびのびとした明るい音色が特色で、バボラークに続く俊英として期待されています。
OC-792B
マーラー:大地の歌(H.アルブレヒトによる独唱と室内楽による新編曲版) シビラ・ルーベンス(S)
ルネ・モーロック(A)
マルクス・シェーファー(T)
マルクス・アイヒェ(Br)
ハンスイェルク・アルブレヒト(指)
ミュンヘン・バッハO

録音2011年1月14-15日&17-19日ミュンヘンゼントリンク、ヒンメルファールツ教会
※1911年11月20日、ミュンヘンでの初演100周年記念
指揮者としてよりも、どちらかというと「編曲物をばりばり演奏するオルガニスト」としての知名度の方が高いハンスイェルク・アルブレヒトですが、今作では、その両方の才能を見せつけてくれるかのような、すごい編曲&演奏をくりだしてきました。マーラー(1860-1911)の「大地の歌」の異稿版というと、ピアノ版か、シェーンベルク編曲の「室内楽伴奏版」が知られていて、どちらも原曲の持つ透明感を強調した風通しの良い音楽に変貌していることはご存知の通りです。しかし、今回のアルブレヒトの編曲は、オーケストラのサイズは小さくなっているものの、芳醇な響きは変わることなく、その上、ソリストを4人態勢にすることで、一層の音色の変化を加えることに成功していると言えましょう。もちろん賛否両論あるでしょうが、100年という節目に、このような新しいものが出てくることもマーラーの偉大さを表しているのではないでしょうか。
OC-794B
ジョヴァンニ・ベネデッティ・プラッティ:通奏低音とチェロの為の6つのソナタ
第1ソナタ/第2ソナタ/第3ソナタ
第4ソナタ/第5ソナタ/第6ソナタ
セバスチャン・ヘス(バロックVc)
アクセル・ヴォルフ(リュート&テオルボ)

録音:2010年9月14-16日ニュルンベルク、マイスタージンガーホール(小ホール)
1697年生まれの作曲家、プラッティ(1697-1763)はイタリアで歌とオーボエ、ヴァイオリンを学びました。当時発明されたばかりのフォルテピアノも習得し、この楽器のためにソナタを作曲しています。その後、25歳の時にビュルツブルクの大司教ヨハン・フィリップ・シェーンボルンに招かれ、バンベルクとビュルツブルクを治めていたビショップ王子の宮廷楽師となります。ここで、8人の子どもを持つソプラノ歌手、テレジア・ラングプリュックナーと結婚し、生涯をビュルツブルクで過ごしました。このソナタ集は1725年に作曲されたと見られ、シェーンボルンが編纂したピアッティの60作にものぼるリストの巻頭に置かれた「12のソナタ」の中の6つの作品です。シンプルなスコアから導き出された見事な通奏低音と、美しいチェロの絡みが絶妙です。希少作品の発見に力を注ぐヘスとヴォルフによる演奏で。
OC-795B
バッハ:リコーダーとヴィオラ・ダ・ガンバ、リュートの為の編曲集
シチリアーノ(ヴァイオリン・ソナタ第4番ハ短調より)
ペダル練習曲イ短調(原調ト短調) BWV598
イギリス組曲第2番イ短調 BWV807
前奏曲ニ長調 BWV1006a
フランス組曲第5番 BWV816
フランス組曲第3番BWV814
目覚めよ、と呼ぶ声ありBWV645
フーガト短調 BWV1000
シュテファン・テミング(リコーダー&音楽監督)
ドーメン・マリンチッチュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
アクセル・ヴォルフ(Lute)

録音:2011年1月
コレルリ(OC-598)、ヘンデル(OC-772)で、超絶技巧と確固たる時代考証をまざまざと見せつけた驚異のリコーダー奏者、テミングの最新作はバッハ(1685-1750)の作品集です。もし、リコーダーでバッハを演奏したいとしても、そのレパートリーは非常に限られています。しかし、テミングは「バッハのハープシコード作品は他の楽器で演奏されるためにコピーが可能である」と主張、その結果、なんと、イギリス組曲とフランス組曲のメロディをリコーダーで吹いてみせるのです。確かに当時は様々な編曲も花盛りでしたし、ヴィヴァルディの協奏曲を独奏版に編曲したバッハ自身の作品も多数存在します。さて、テミングの思惑は当たってますでしょうか?
シュテファン・テミング・・・1987年ケープタウン生まれ。ミュンヘンとフランクフルト大学でミヒャエル・シュナイダーにリコーダーを学ぶ。様々な音楽コンクールで優勝した後、リコーダー・アンサンブル、古楽アンサンブルに参加。様々な現代音楽作曲家も、彼のために曲を書いているなど、すでに彼の演奏は「既に巨匠の域」と絶賛されています。
OC-796B
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 Op.18-1
フーガ.ニ長調 Op.13
弦楽五重奏曲ハ長調 Op.29
デリアン::クァルテット
<エイドリアン・ピンツァル(Vn)
アンドレアス・モショー(Vn)
アイーダ=カルメン・ソアネア(Va)
ロマン・ジルー(Vc)>
ジェラール・コセ(Va)

録音:2010年6月11-13日、2010 年10月21-24日 ケルン ドイツ放送,室内楽
ホール
<デリアン::クァルテット>のデリアンとはデロス島のことで、ここにあの太陽神であり、音楽、芸術の守護神であるアポロが生まれ、また4 年ごとの体育、音楽、詩歌の饗宴が行われた、という故事からこの名称がつけられたのです。メンバーはルーマニア、ドイツ、フランス人の混
成チームで2007 年1 月に結成されて以来、広く活躍しているアンサンブルです。これまでにシューマン、ハイドンの作品をリリースし、その伸びやかで表現力豊かな音楽は、若さと円熟を併せ持つものとして高く評価されました。今回のベートーヴェンは音楽的に一層の厳しさを備え、驚くばかりの高みに昇った演奏です。五重奏曲にはベテラン、コセを交え、高度なアンサンブルを聴かせています。アルバム名の::の意味を知りたいところです。
OC-797B
モーツァルト&ベートーヴェン:ピアノ作品集
モーツァルト:幻想曲ハ短調K475
 ピアノ・ソナタ.ハ短調K457
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
 アンダンテ・ファヴォリヘ長調WoO57
アレハンドロ・ピコ=レオニス(P)

録音:2010年5月28日,6月21-22日ベルリンテルデック・スタジオ
前作「VARIATIONS」ではモーツァルトからショパンまで「変奏曲」の形式で書かれた作品を並べ、その溢れ出る表現力の一端を見せつけたスペイン生まれのアレハンドロ・ピコ=レオニス。今作でもまた興味深いプログラムが興味をそそります。モーツァルトの幻想曲K475と、ソナタK457は各々独立した作品ではありますが、曲調や楽想が密接に関連性を持ち、またセットで出版された事を鑑みると、モーツァルト自身も「同じグループに属する作品」と考えていたことは間違いなさそうです。また、ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」と「アンダンテ・ファヴォリ」の関連についても良く知られていて、こちらは、最初ワルトシュタインの中間楽章として構想した楽章を、「長い」という理由で削除したベートーヴェンですが、結局、捨てるには忍びなく「お気に入り(Favori)」として独立させたもの。もちろん関連性はばっちりです。そんな4曲を絶妙の呼吸で演奏するピコ=レオニス。常に冷静沈着です。
OC-798B
フォーレ:ピアノ作品集
3つの無言歌Op.17
8つの小品Op.84-3 フーガイ短調
舟歌第6番変ホ長調 Op.70
8つの小品Op.84-1 カプリッチョ変ホ長調
8つの小品Op.84-5 即興嬰ハ短調
8つの小品Op.84-7 喜びハ長調
9つの前奏曲Op.103
舟歌第12番変ホ長調 Op.105/2(106bis)
舟歌第13番ハ長調 Op.116
バラード嬰ヘ長調
アンソニー・シピリ(P)

録音:2010年3月15-18日,4月12日シュトゥッツガルト カンマームジーク・スタジオ
実力派ピアニスト、アンソニー・シピリはアメリカ、ニュージャージーに生まれ、7歳からピアノと作曲を学びはじめ、ヨーロッパに留学、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院を優秀な成績で卒業しました。幅広いレパートリーで知られますが、とりわけ若い頃から古典の鍵盤楽器に興味を持ち、バロック音楽演奏でも目覚ましい成果をあげている人です。歌曲の伴奏のうまさでも知られますが、今回彼が選んだのは「フランスのエスプリ」の権化ともいえるフォーレ(1845-1924)の舟歌を中心とした名曲の数々です。初期の作品である無言歌から、晩年の作品「前奏曲」までしなやかで流麗な演奏を披露、チェンバロやフォルテピアノを演奏する時とは全く違うアプローチを見せてくれます。バラードは通常耳にする「オーケストラとピアノ版」ではなく、オリジナルの「ピアノ独奏版」をチョイス。あのリストに「この曲を演奏するには指が足りない」とまで言わせた難曲ですが、シピリの演奏はは難しさを微塵も感じさせない完璧なもの。フォーレの持ち味である和声のゆらめきや、独特の転調などの七色の音色が存分に楽しめる1枚です。
OC-799B
バーバー&コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲他
バーバー:ヴァイオリン協奏曲Op.14
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
ワックスマン:カルメン・ファンタジー
ジョン・ウィリアムズ:「シンドラーのリスト」メイン・テーマ
アレクサンダー・ギルマン(Vn)
ペリー・ソー(指)ケープタウンPO

録音:2010年12月ケープタウン
「何ともロマンティックな表現、そして美しい音色!」若きヴァイオリニスト、ギルマンを聴いた途端、誰もがそう思うに違いありません。あのハイフェッツを凌駕するほどのコルンゴルトのコンチェルトからは、まさに「良き時代のアメリカとウィーン」の風景が感じられるのです。彼は1982年にドイツ、バンベルク在住のロシア系音楽一家に生まれ、幼い頃から音楽的才能を示し、数多くのコンクールに入賞し、多くのコンサートで演奏、また名教師ザハール・ブロンに師事し、チューリヒ音楽大学で修士号を取得、現在はブロンのアシスタントとして活躍しています。2006年からは、フランク・ペーター・ツィマーマンが所有していたストラディヴァリス“ex Croall(1684年製)”を与えられ、その楽器から素晴らしい音色を引き出しているのです。そんな前途洋々の彼のデビュー・アルバムは前述のコルンゴルトとバーバーのヴァイオリン協奏曲を中心とした1枚です。ケープタウン・フィルハーモニー管の若き指揮者ペリー・ソーのバックを得て、この少し懐かしい感触の音楽を瑞々しく、この上ない美しさで表現しつくしています。

OC-802C
ヘルマン・ツィルヒャー(1881-1948):歌曲集(Vol.2)
4つの歌 Op.12
アイヒェンドルフの詩による歌曲集Op.60
Hey-Speckterschen Fabelinによる15の小歌曲集 Op.37
コンラッド・ジャーノット(Br)
アレクサンダー・シュマルツ(P)

録音:2006年3月26日-28日、9月17日
この盤は、Orferレーベルから発売されている「ツィルヒャー/歌曲集」(Orfer190021)の続編にあたるもので、K・ジャーノットが愛してやまないジルヒャーの美しいカンタービレの歌曲集です。ツィルヒャーは1881年にフランクフルトに生まれ、16歳でフランクフルト音楽院に入学。素晴らしい成績と奨学金を得、ベルリンで作曲とピアニストとして活躍。1905年にはフランクフルト音楽院の教授となり、1908年にはミュンヘン音楽院の教授となりました(カール・オルフはその時の教え子でした)。また、劇場音楽やドイツ民謡、合唱の分野で重要な功績を残しました。1941年にはフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルによって、「ヴァイオリン協奏曲第2番」初演。このように彼は1900年代非常に人気があり、最も重要な作曲家でもありました。しかし彼の音楽は1948年元旦の彼の死後、彼の古い形式による伝統的なロマンティックな音楽は、残念ながら忘れ去られていきました。ここに収録された歌曲集は、伝統的なものに新しいものを取り入れ、フーゴ・ヴォルフを喚起します。更にピアノ伴奏には独特な演奏とペダル法をして指定しているのも特徴です。
OC-803C
古い時代と現代の愛の歌
ドミニク・フィノー(1510-1555):
 Surge, propera amica mea
アイヴァン・ムーディ(1964-):
 Canticum Canticorum II (1994)
レオンハルト・レヒナー(1553-1606):
 Surge, propera amica mea
デュファイ:Anima mea liquefacta est
ブライアン・イライアス(1948-):Song (1986/90)
ジャン・リシャフォール(1480-1547):Veni, electa mea
シュッツ:Ego dormio (et cor meum vigilat)
ジョアン・メトカーフ(1958-):Ego dilecto meo (2002)
ジョン・プラマー(1410-1484):Tota pulchra es
ルートヴィヒ・ゼンフル(1486-1542):Tota pulchra es
ヴィルヘルム・ケラー(1920-):Der Gesang der Gesange (1999)
ジンガー・プア(声楽アンサンブル)

録音:2006年11月27日-30日、ミュンヘン、ヒンメルファールツ教会
ジンガー・プアの最新アルバムは1300〜1500年第の作品、いわゆるルネッサンス期のものと、1986年から2002年に書かれたいわゆる「現代音楽」を並べて演奏したもの。このような試みは初めてではなく、例えばリゲティとビーバーを並べたものや、バッハとウェーベルンを並べたものなど枚挙に暇がなく、どれもが優れた効果を挙げているのは驚くばかりであり、聴き手の耳を刺激する材料にも事欠きません。このジンガー・プアの演奏を聞いてもわかる通り、調性を持つ前の音と、調性の概念が壊れた後の音は驚くほど似通っています。600年を超える音の旅を心行くまで楽しみたい1枚といえるでしょう。
OC-804C
ワーグナー&リスト:歌曲集
ワーグナー:ヴェーゼンドンクの5つの歌
リスト:ラインの美しき流れのほとり
 ローレライ/私は死にたいの
 ぼくの歌には毒がある
 ゆれよ、青い眼/花と香り
 御身、天から来たり(1843)
 御身、天から来たり(1860)
 風がざわめく/おお、夢に来ませ
 ペトラルカの3つのソネット
コンラッド・ジャーノット(Br)
アレクサンダー・シュマルツ(P)

録音:2006年10月30日-11月2日
【コンラッド・ジャーノット】
1972 年イギリスに生まれ、その後ドイツに移り、フィッシャー=ディースカウやH.リリンクに学ぶ。1996年キャスリン・フェリア・アワードでDecca賞を受賞。さらにいくつかのコンクールで優勝し、以来幅広い活動をしている。最近ではヘレヴェッヘ指揮のコンサートのソリストとして、バッハ宗教曲歌いとしても活躍を深めている。
OC-805C
トゥイレ:歌曲集
Op.4/Op.19/Op.24/Op.36
レベッカ・ブローベルク(S)
フランク・ストローベル(P)

録音:2006年4月26日-28日
Op.4の5つの歌曲は、まさにシューマンそのもの。ためらいがちに現れるひそやかな感情も、満たされぬ思いを秘めた和音進行も、濃厚なロマン派の色合いを帯びている。その5年後のOp.19は少々マーラーを思わせる民謡的な味わい。半音階的な和声の進行も少し垣間見えるところが興味深いところです。そして1906年に書かれたOp.36はすっかり後期ロマン派の特有の音楽。最後まで調性から逸脱することはありません。 ここで歌っているレベッカ・ブロベルクはこの時代の歌を得意とするソプラノ。適度な甘さと深い表現力を備えた力強い声が魅力的だ。そしてフランク・ストローベルといえば、退廃音楽から現代音楽、その時代の映画音楽を最も得意としている指揮者として有名ですが、ここではピアノを担当しており、見事にこの時代の音楽を表現しています。
OC-806C
ロマン派時代の宗教的歌曲集
ドヴォルザーク:歌曲集「聖書の歌」Op.99
ヴォルフ:棕櫚の木のまわりに浮かぶものたちは
 私は罪を担い、御恵みを受け
 眠る幼な児イエス/聖週間/祈り
メンデルスゾーン:2つの宗教的な歌 Op.112
レーガー:2つの宗教的歌曲集Op.105〜第1曲
 「 Ich sehe dich in tausend Bildern 」
 2つのクリスマスの歌
スザーネ・ベルンハルト(S)
マリア・グラーフ(Hp)
ハラルト・フェラー(Org)

録音:2008年10月16日-18日、聖ミヒャエル教会、オーバープファルツ
OC-807C(2CD)
エンゲルベルト・フンパーディンク:歌曲全集 シビラ・ルーベンス(S)
クリスティーネ・ミュラー(Ms)
アンドレアス・ヴェラー(T)
トーマス・バウアー(Br)
ウタ・ヒールヒャー、チア・チョウ(P)

録音:2005年-2006年
フンパーディンクと言うと、どうしても“ヘンゼルとグレーテル”のかわいらしい情景を思い浮かべることでしょう。ワーグナーの「交響曲」を校訂したりと、巨匠の信頼を得たフンパーディンクですが、彼が好んだのはメルヘンの世界でした。代表作“ヘンゼルとグレーテル”の他にも“いばら姫”などの題材を用いたオペラを作曲しています。そして、そのオーケストラ・パートが思いの他重厚に書かれていることもご存じの方が多いのではないでしょうか?後年のオペラではシュプレッヒゲザングも使われるほど、その作曲技法は凝ったものです。
ここに収録された歌曲も、フンパーディンクの特質がよく表れているものと言えましょう。とても耳当たりは良いのですが、決して単純なメロディではありません。とは言え、ツェムリンスキーなどのような半音階を駆使した音楽でもないので、とにかく愛らしく聴きやすいことは間違いなしです。各曲に最も適した声域で、新鋭シビラ・ルーベンスら、4人の歌手たちが歌いわけているのも魅力です。
OC-808C
偉大なる指揮者たちによる歌曲集
ハンス・フォン・ビューロー:5つの歌 Op.5*
 3つの歌 Op.30
ブルーノ・ワルター:アイヒェンドルフの詩による3つの歌*
 ハイネの詩による3つの歌 Op.12 Nos.4-6*
クレメンス・クラウス:リルケの詩による8つの歌
ペトラ・ラング(S)
ミヒャエル・ヴォレ(Br)*
エイドリアン・バイナウ(P)

録音:2004年9月、2007年5月
往年の指揮者は、ほとんどが作曲もしていた(マーラーも本業は指揮者で、作曲は副業と考えていた)・・・と言っても過言ではないのでしょうか。「大指揮者ハンス・フォン・ビューローこそが指揮者と作曲家の仕事を分けた」と言われていますが、実はかなりたくさんの曲を書いていたのです。ワルターの歌曲は、自作自演盤や、最近のCDにも録音されていてお聞きになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?師匠であるマーラーの影響も垣間見えるまさに後期ロマン派の申し子のような歌曲です。ここでは、他にクレメンス・クラウスやハンス・フォン・ビューローの歌曲も収録されています。クレメンス・クラウスは、R・シュトラウスの「カプリッチョ」での台本作家としては知られていますが、このような素敵な歌曲を残していたとは意外です。歴史に埋もれてしまった作品に、名歌手ラングとヴォレが光を当てます。
OC-809C
フランツ・ラッハナー:宗教合唱作品集
ミサ曲 ヘ長調 Op.130/
スターバト・マーテル Op.154/詩篇15番
ゲルト・グクルヘール(指)
ミュンヘン・オルフェウスcho

録音:2007年7月13日-16日、ミュンヘン昇天教会
ベートーヴェン、シューベルトの同時代人、シューベルトと親交を持っていたとしてのみ知られるフランツ・ラハナー(1803〜1900)。ウィーンで、オルガン奏者やケルントナートーア劇場の首席指揮者を務め、さらに1835年にミュンヘン宮廷劇場の指揮者音楽総監督を務めるなど、ドイツやオーストリアの重要な地位を歴任しています。また、様々なジャンルを手掛け、古典的伝統に基づいた様式のうちに仄かなロマン的香りを加味した作風は当時広い人気を得ていました。現在では、彼はどちらかというと室内楽の作曲家として有名で、堅実な構成の中に叙情性が浮かび上がる、まさにシューベルトの後継者の音楽を作曲し、その端正で美しい作品を愛する人も多いはずです。ここで聴けるのは彼の珍しい宗教合唱作品。室内楽や管弦楽作品でのロマン派の様式ではなく、もう少し前の時代の音楽を模した作風で、無伴奏ながらも各声部の動きが雄弁で、和声的には古典派ですが少しだけルネサンスやバロックの声楽曲(ラッソスやパレストリーナ)を思わせる部分もあり、まことに興味深い音楽と言えるでしょう。メンデルスゾーンの声楽曲が好きな人だったら間違いなくはまります。
OC-810C
シューベルト:歌曲集「冬の旅」 ロマン・トレーケル(Br)
オリヴァー・ポール(P)

録音:2007年6月4日-7日
OC-812C
MEMENTO 〜ジンガー・プア
ラッスス:モテット「わが魂よ、何ゆえに悲しみたるか」
ジョルジュ・ドゥ・ラ・エル(1547-1586):ミサ「わが魂よ、何ゆえに悲しみたるか」
リーム:わが眼は曇り果てたり
 我らが牧者は隠れ給いぬ
 私はその中に数えられる
アルヴォ・ペルト:Memento(形見)
ジンガー・プア

録音:2007年7月、レーゲンスブルク、聖ヴィート教会
OC-814F(2CD)
ヴィラールト(1490頃-1562):MUSICA NOVA〜「フランチェスコ・ペトラルカの詩によるマドレガーレ(カンツォン)集」 ジンガー・プーア
OC-815C
ヨハネス・マルティン・クレンツレ
レーヴェ:エドワード/オールフ殿/
 Der Mohrenfurst auf der Messe/婚礼の歌
シューマン:春の旅路/宝を掘る人
 ベルシャザル/2人の擲弾兵
ヴォルフ:善人夫婦/炎の騎士
シューベルト:こびと/魔王
マーラー:魚に説教するパドゥアの聖アントニウス
 高尚なる知性をたたえて
 死せる鼓手
ブゾーニ:蚤の歌
ヨハネス・マルティン・クレンツレ(Br)
ヒルコ・ドゥムノ(P)

録音:2008年3月-4月、フランクフルト
OC-816C
シューベルト:「美しき水車小屋の娘」 コンラッド・ジャーノット(Br)
アレクサンダー・シュマルツ(P)

録音:2008年9月22日-25日
OC-818C
シェーンベルク:4つの歌曲 Op.2
ベルク:4つの歌曲 Op.2
オネゲル:4つの詩
ドビュッシー:ビリティスの3つの歌
レイラ・プフィスター(Ms)
ユディス・ポルガー(P)

録音:2009年
OC-820C
ルネッサンス、ラインラント地方の歌曲集

Johannes de Cleve, A
ndreas Pevernage, Konrad Hagius,
Martin Peudargent, Orlando di Lasso,
Petit Jean de Latre,
Johannes Mangon, Jean de Castro,
Nicolaus Zangiusの声楽作品
ジンガー・プーア(声楽アンサンブル)
Claudia Reinhard(S),
Klaus Wenk(T), Markus Zapp(T),
Manuel Warwitz(T),
Reiner Schneider=Waterberg(Br),
Marcus Schmidl(Bs)

録音:2010年4月 レーゲンスブルク,聖ヴィート教会
OC-822C
バッハとブルース
プーランク:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ「フェデリコ・ガルシア・ロルカの思い出に」
ラヴェル:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ
ビーバー:ロザリオのソナタ〜「独奏ヴァイオリンの為のパッサカリア〜天使の庭」
バッハ:シャコンヌ
イスカンダル・ウィジャヤ(Vn)
アナスタシア・ドランチュク(P)

録音:2011年3月ベルリンハルデンベルクシュトラーセ、Udkコンサートホール
1986年、ベルリン生まれの若きヴァイオリニスト、イスカンダル・ウィジャヤの興味深いアルバムです。「バッハ」と「ブルース」。この相反する両極端な世界を繋ぐのは、無邪気な創造力、もしくは宗教的な強さでしょう。と語る彼は、ベルリン、ジャカルタ、テル・アヴィブを始め、各地のコンサート・ホールでコンサートを行っています。ソリストとして、またアンサンブル奏者として、めきめきと力を付けている若き彼の、一つの到達点を聴いてみてください。バッハのシャコンヌに普遍性と全ての感情を見出し、ビーバーの音楽に禅の精神と瞑想性を感じ、ラヴェルの音楽に喧騒を見出したという彼。今後の活躍も楽しみな逸材です。
OC-824C
ドイツ・ロマンティック歌曲集
メンデルスゾーン:「森からの別れ」「6つの歌 Op.41」「秋の歌」
ブラームス:「ダルスーラの葬送の歌」「最後の幸福」「楽しく馬を走らせ」「静かな胸の音」「お前は眠っているか」「セレナード Op.42-1」
シューマン:「野ばら」「露にぬれたバラ」
ジルヒャー:「ローレライ」「不誠実」「天の御国で 星のように輝かせて」
シューベルト:「夜」
レーガー:「夜の歌」
R・シュトラウス:「夢の光」
ジンガー・プーア
Claudia Reinhard(S)、Klaus Wenk(T)、
Markus Zapp(T)、Manuel Warwitz(T)、
Reiner Schneider-Waterberg(Br)、
Marcus Schmidl(Bs)

録音:2009年9月29日-10月1日、レーゲンスブルク、聖ヴィート教会
ピュアな声で私たちの心を清らかにさせてくれる、ドイツのスーパー声楽グループ、ジンガー・プーアの最新アルバム。今回は、ドイツ人にとって子供の頃から聴かされているクラシックの名曲を呼び起こさせてくれます。このアルバムには、日本人にとってなじみ深い曲はほとんどないのですが、それなのに全編に渡って感じられる懐かしい響きが、私たちの心の奥底から湧き上がってきます。感情的に歌うのではなく、くつろいだ雰囲気がすばらしいのです。彼らが本当に楽しんで、また自分たちのルーツとして、これらの歌を歌っているのが伝わってきます。静かな曲は静かに、そして楽しい曲は活発に。どんな時でも歌をくちずさむ・そんな彼らの心からのメッセージをお楽しみください。
OC-825C
ドイツのクリスマス(全20曲)
In dulci jubilo、 Christnacht 、 Adventsruf、 Maria durch ein’ Dornwald ging、
Es ist ein Ros entsprungen、Kommet, ihr Hirten、Der Heiland ist geboren、
Schlaf wohl, du Himmelsknabe du、Es wird scho glei dumpa、Ein Kindlein in der Wiegen、
Schlaf, mein Kindlein、Vom Himmel hoch, ihr Englein kommt、Still, still, still、
O Jesulein zart、Ich lag in tiefer Todesnacht、Lieb Nachtigall, wach auf、
Drei Schiffe sah ich segeln、Wisst ihr noch, wie es geschehen?、Stille Nacht, heilige Nacht、
Es wird scho glei dumpa (Dreigesang)
ジンガー・プーア

録音:2008年1月19日-23日、フォラルルベルク、聖ゲロルト教会
ピュアな声で私たちの心を清らかにさせてくれる、ドイツのスーパー声楽グループ「ジンガー・プーア」の最新アルバム。今回は、ドイツ人の奥底に埋もれている、賛美歌や民謡のクリスマスの音楽をよみがえさせてくれます。このアルバムには、日本人にとってなじみ深い曲はほとんどありません。しいて言うなら第19曲「きよしこの夜」くらい。(かなり現代風な味付けがされています)それなのに、全編に渡って感じられるクリスマスらしい、くつろいだ雰囲気がすばらしいのです。彼らが本当に楽しんで、また自分たちのルーツとして、これらの歌を歌っているのが伝わってくるのです。静かな曲は静かに、そして楽しい曲は活発に。どんな時でも歌をくちずさむ・・・そんな彼らの心からのメッセージをお楽しみください。 
OC-826C
ヴェスペレ〜十字架称讃の祝日
E.エブナー(1612-1665):前奏曲
グレゴリア聖歌より:主よ,早く私を助けに
 Nos autem
P.A.マザーク(1609-1661):主は言われた Ps.109
 Nos autem/Salva nos
 主に感謝するPs.110
 Salva nos/Ecce Crucem
 幸いなるかなPs.111/Ecce Crucem
 Tuam Crucem
 ほめたたえよ、しもべたちよPs.112
 Tuam Crucem/Per signum Crucis
 主を主を崇めよPs.116
 Per signum Crucis
Fratres: Hoc enim
E.エブナー:8声のトッカータ
 Hoc signum Crucis erit in coelo
 O Crux benedicta
P.A.マザーク:マニフィカト
G.F.サンチェス(1600-1679):おお、祝福される十字架/24.Deus qui nos
P.A.マザーク:幸いなるかな女王
G.B.ブオナマンテ(1595?1642):3声のソナタ第2番
P.A.マザーク:聖母マリアの為のリタニア
主の御保護のもとに
M.A.フェッロ(1600-1662):3声のソナタ第4番
P.A.マザーク:美しきベルナドゥス
 主は汝の声を聞き/われらの父
 天より主をたたえよ
ハイリゲンクロイツ修道院シトー会修道士
アンサンブル・ドルチェ・リゾナンツァ

録音:2010年8月4-7日オーストリア、ハイリゲンクロイツ修道院
世界で2番目に古いシトー会修道院である、ハイリゲンクロイツ修道院シトー会はウィーンの森にあり、数年前「Chant ? Music for Paradise」のCDが、UKチャートに入ったことをきっかけに、世界中で聴かれるようになり、その静謐な歌声が「究極の癒し」として高く評価されたのは記憶に新しいところです。このアルバムは、彼らの美しく神聖な声を聴くのはもちろんのことですが、それにもまして、典礼規定に準拠するヴェスペレの一連の流れを楽しむことに主眼が置かれています。中心となるのはバロック時代のアルベリヒ・マザーク神父の晩課の音楽で、いくつかの他の17生気の作曲家の曲が追加されています。アンサンブル・ドルチェ・リゾナンツァの甘美な楽器の響きと、心に浸み渡る歌声が溶けあい、一つの儀式が完結していきます。
OC-827C
ジンガー・プア〜スティングを歌う
Fields of gold
Englishman in New York
Every breath you take
Every little thing she does is magic
A thousand years
Wrapped around your finger
Seven days
They dance alone (Cueca solo)
Fragile/Straight to my heart
Shape of my heart
Everybody laughed but you
When we dance
Let your soul be your pilot
クラウディア・ラインハルト(S)
クラウス・ヴェンク(T)
マルクス・ザップ(T)
マヌエル・ヴァルヴィッツ(T)
ライナー・シュナイダー=ヴァーターベルク(Br)
マルクス・シュミードル(Bs)
スペシャル・ゲスト…ドミニク・ミラー(G)

録音: 2011年2月&3月 バイロイト バックヤード・スタジオ
ルネッサンス期から現代作品、はたまた他ジャンルの音楽まで、幅広いレパートリーを持ち、ドイツ国内では絶大なる人気を誇るヴォーカル・アンサンブル「ジンガー・プア」の最新録音は、なんとスティングの名曲をカヴァーしたもの。2012 年は、彼らの初ステージから20 周年にあたり、これを記念して初のポップス・アルバムを作ってしまったというわけです。もちろんベースやパーカッションなし!!実はものすごく複雑なアレンジがかかっているのですが、ヴォーカル部分があまりにも軽々と歌い上げられているため、誰もが心で口笛を吹きたくなるほどにノリノリな仕上がりです。スペシャル・ゲストにドミニク・ミラー参戦。
OC-829C
バロック時代のクリスマス牧歌と聖なる歌曲集
ベルンハルト・シュミット(1536-1592):悩みの日に主よ隠れたまわず(オルガン)
プレトリウス(1569?-1621):暁の星のいと美しきかな
ヴェネツィア伝承(16世紀):ピヴァのパドヴァナ-パヴァーヌ(チェンバロ)
マルコ・ダ・ガリアーノ(1582-1643):羊飼いたちよ,さあ,起き上がりなさい
アレッサンドロ・グランディ(1575?-1630):カンタード・ドミノ
フランチェスコ・ゲラウ(1649-1722):カナリオ(バロックギター)
モンテヴェルディ:すべての市民よ歓喜せよ!
 サルヴェ・レジーナ
 喜び踊れ,シオンの娘よ
 ああ、幸いな道
クリスティアン・エールバッハ(1570?-1635):第2旋法によるトッカータ(Org)
シュッツ:おお、優しく恵み深い主イエス・キリストSWV285
 主は偉大であるSWV286
 リンツのタブラトゥーラ(1611-1613年)よりイントゥラーダ,舞曲,クーラント
ガスパール・サンツ(1640-1710):マターチン(バロックギター)
レオナルド・レオ(1694-1744):満足、喜びと歓喜の
アントニオ・カルダーラ(1670?-1736):われは命の糧なり
D・スカルラッティ:サルヴェ・レジーナ
サルヴァトーレ・ランツェッティ(1710?-1780):ラルゴ・パストラーレ(バロックチェロによる合奏)
クレメンチッチ・コンソート
クリスティーナ・ヨナス(S)
マレリーゼ・ゲルバー(S)
アルミン・グラマー(C.T)
ピエール・ピツル(バロックG)
クラウディオ・ロンコ(バロックVc)
エマニュエル・ヴォッツァ(バロックVc)
レネー・クレメンチッチ(フリーザッハーのバロックOrg、Cemb,指)

録音:2011年1月ウィーン アルベルトゥス・マグヌス・ギウナジウム教会
常に刺激的で驚きに満ちた音楽を提供するクレメンチッチ(ルネ・クレマンシック)による19曲からなるクリスマス・コンサートです。バロック時代と言っても、初期から後期までおよそ150年の長き年月に渡るもので、当然音楽様式もかなり変化していることは間違いありません。これを研究者クレマンチッチは、まったく自然に理解させてくれるのがさすがです。もちろん彼なりの考証に基づいたもので、もしかしたら逸脱している部分もあるのでしょうが、何より「音楽は楽しいもの」という原点に立ち返らせてくれることは間違いありません。リブレット(ドイツ語&英語)には今年83歳を迎えたクレメンチッチによる作曲家紹介も掲載されていて、知的欲求も満たすことが可能です。
OC-830C
リローデッド・ハッセ
ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):音楽劇「捨てられたディドーネ」(1742)
室内カンタータ「嫉妬」(1762)
ポルポラ(1686-1768):ハッセの歌劇「アルタセルセ」(1734)への追加アリア「今や嵐の雲が」
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(C.T)
ミヒャエル・ホフステッター(指)
ホーフカペレ・ミュンヘン

録音:2011年6月ミュンヘン 昇天教会
「リローデッド(再充填)・ハッセ」とは、なんともステキなアルバム・タイトルではないでしょうか?「18世紀に書かれた音楽は古臭く、誇りに塗れている」という偏見を取り除きたいと語る現代屈指のカウンターテナー、バルナ=サバドゥスが目を付けたのは、ヘンデルとヴィヴァルディの名声の陰に隠れてしまい、名前すら忘れられかけてしまった作曲家、ヨハン・アドルフ・ハッセでした。ハッセは120作品に及ぶオペラ作品のほか、オラトリオ、カンタータ、ミサ曲、そして数多くの器楽曲を作曲し、一時は「ヘンデルのライバル」として持ち上げられようとしましたが、彼自身がそれを断ったことでも知られます。生前は高く評価され、人気もあったのですが、この当時の多くの作曲家たちと同じく、時の流れとともに忘れ去られてしまいました。そんなハッセの作品に、300年以上経た今こそ新しい命を与えるべく立ち上がったバルナ=サバドゥス。彼の試みは、すばらしい技巧と強靭な声、そしておなじみホフステッターによる見事なオーケストラによって、ここに見事に実現いたしました。
OC-831C
ペルゴレージ:スターバト・マーテル
ラウダーテ・プエリ・ドミヌム詩篇112番
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(C.T)
テリー・ヴァイ(C.T)
マインツ・アンサンブル・バロック・ヴォーカル
ミヒャエル・ホフステッター(指)
ノイマイヤー・コンソート

録音:2011年3月マインツ音楽大学ローターザール
夭折の天才、ペルゴレージが死の直前に作曲したスターバト・マーテル(1710-1736)は、その旋律の美しさで格別の人気を誇っています。最近の録音は、ほとんどが女声によって歌われていますが、ホフシュテッターはこの曲を純粋な教会音楽として位置付け、当時はカストラート2人によって歌われた事実から、独唱にカウンターテナーを起用することで、本来の姿へと近づけています。登場するのは、近頃、最も注目を浴びているカウンターテナー、ヴェラール・ルナ=サバドゥスと、元ウィーン少年合唱団の大スター、テリー・ヴァイ。この2人の共演から生み出される響きは、悲劇性に中にも、少しだけ倒錯的な美しさを備えたものであり、これまでにない演奏として高く評価されることでしょう。輝かしい神への讃歌である「ラウダーテ・プエリ」は、あまり耳にする機会のない曲ですが、こちらも絶品です。
OC-832C
時を越えて
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌBWV1004
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ「バラード」Op.27-3
ベリオ:ゼクエンツァ[
パガニーニ:カプリース第24番イ短調
ロックバーグ(1918-2005):カプリースより
エルンスト:練習曲第4番「最後のバラ」
ブレム(1944-):時計仕掛け
メシアン:世の終わりのための四重奏曲〜「イエスの不滅性への賛歌」
ダニエル・ドッズ(Vn)
トマス・トルゼビアトウスキ(P)

録音:2009年2月20-22日、2010年4月19-21日サントハウゼン,トンスタジオ・ファン・ギースト
時間を超越する音楽の旅の始まりです。バッハのシャコンヌの普遍的な順序、イザイのバラードに見られる胸の鼓動のようなテンション、ベリオ「ゼクエンツァ」の永久に続くかのような繰り返し、パガニーニでの短い動機が拡大し変化する姿、ロックバーグの破壊的なまでの変容、エルンストでは美しく飾り付けられていくバラの花、ブレムでの耳に残る執拗なリズム・・・そしてメシアンでの止まりゆく時の流れ。極めて多くのことを語りかけるストーリー性を持ったアルバムです。オーストリアに生まれた中国系のヴァイオリニスト、ダニエル(ハオ=ミン)・ドッズは5歳でデビュー、数多くの奨学金を得て、スイスに留学しました。ミルシテインのマスター・クラスに参加した時はミルシテインから「まるでパガニーニの孫のようだ」と絶賛されたと言います。現在では室内楽、ソロの両面で活躍し、世界中で名声を博しています。現在は、ルツェルンの財団から貸与された1717年製のストラディヴァリウス「EXバウムガルトナー」を愛奏。滴る美音がたまりません。
OC-833C
ウルマン&ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ヴィクトル・ウルマン(1898-1944):ピアノ協奏曲 Op.25
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
ヘルベルト・シュフ(P)
オラリー・エルツ(指)ケルンWDR響

録音:2011年3月21-24日 ケルン・フィルハーモニー
20世紀末から復興の兆しが見え始めた一連の“退廃音楽”。ナチス・ドイツによって「有害、退廃的」であるとレッテルを貼られた作曲家たちは、不当な扱いを受け、その音楽も上演が困難となり、多くの作品は散逸してしまったが実情です。このウルマンもそんな“退廃音楽”の作曲家の一人で、ユダヤの血を引いたがために悲しい最期を遂げることとなってしまったのです。このピアノ協奏曲は、まだ弾圧される前の1939年に書かれたもので、簡潔な書法による生き生きとした音楽を保っています。ウルマンはピアノ・ソナタを作曲する際、ベートーヴェンを強く意識していたと言われており、ここでシュフがベートーヴェンの協奏曲を併せたことにより、その印象が強く際立つのではないでしょうか。
OC-834C
バッハ・トゥ・ジャズ
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調BWV1006
ブラームス:ハンガリー舞曲第9番
チャイコフスキー:白鳥の湖〜ロシアの踊り
イザイ:マズルカ
サラサーテ:序奏とタランテラ
モンティ:チャールダッシュ
伝承曲:スカボロー・フェア
伝承曲:トス・ザ・フェザーズ
伝承曲:クパリンカ
E.ケッチャー(E.プレッソウ):ソーニャがロシアのダンスを踊る時
G.M.ロドリゲス:ラ・クンパルシータ
デューク・エリントン:スィングしなけりゃ意味がない*
ビル・ウィザース:消えゆく太陽*
ポール・デスモンド:テイク・ファイヴ*
トーマス・ハストレイター(Perc)*
キャロライン・アドメイト(Vn)
ジュリアン・リーム(P)

録音:2011年10月2-3日ミュンヘン音楽演劇大学,大コンサートホール
才能ひしめくヴァイオリン界に、新たなヒロインが誕生しました。キャロライン・アドメイトはドイツ系の英国人で、ハンブルクとミュンヘンに留学し、オランダではコンセルト・へボウのコンサート・マスターを務めたこともある名手ヘルマン・クレッバースから教えを受けています。もちろん数多くのコンクールで入賞し、マインツ・フィルハーモニーを始め、ヨーロッパの各地のオーケストラとも共演しています。そんな彼女のデビュー盤は、彼女のお気に入りがたっぷり詰め込まれた多彩なプログラムで構築されています。バッハで始まり、少しずつ荒々しい舞曲へと移行、心と体が存分に温まった(?)ところで民謡で一息つき、タンゴからスィングになだれこみ、最後はスタンダードの名曲「テイク・ファイヴ」で締めくくるというもの。これは「聴かなきゃ意味がない」と言ったところでしょうか。期待たっぷりの新鋭登場です!
OC-835F(3CD)
アドリアン・ヴィラールト:ムジカ・ノーヴァ-モテット集
星空から降りてくるように命じ-とげのある冠-私の唯一の愛について
私の祈りの声を主は聴く-主よ,私の魂の声をききたまえ
島よ聞け-彼は鋭いナイフのように
これは主の家-いと高き方は礎を築く
神の言葉は述べ進む-生まれながらに
汝,主をほめたたえる-その日を-私は悩みのうちを歩む
天におりますわれらが父よ-父なる神に
こころの貧しい人たちは-今,飢えている人は天国の喜びにあずかっている
私たちは平和を望む-私たちは祖先とともに罪を犯し
自然の秩序に反して-精霊の力
なんと美しき救い主の母-あなたは救い主を生み給うた
聖処女に-私は先に行く-聞き受け入れる
祝福されしあなた,天の女王-あいさつを通じて
讃えよ,聖なる両親を-神の母マリア
けがれなき純粋なるあなた-甘き祈りの声6.あなたの保護のもとで我々は逃れた7.おお,素晴らしき交歓-汝生まれし時-モーゼは繁みを-エサイの根-偉大なる不思議な謎-マリアをみよ-継承の謎-大いなる遺産の神秘
主を見よ-彼女は夜に泣く
主よ,私の罪よ-私はおのれの罪を知っている
主よ,あのような人の多くは-私は深く眠っていた
父よ,私は罪を犯した-あなたの雇った使用人のように
神は全てを憐れんで-あなたの手を持ち上げて
おお主よ,汝の怒りと憤りが-わが神よ,私の言葉に耳を傾けたまえ
私たちに行われた全てのことを-主よ,われらは罪を犯したことを認める
主よ,覚えておいてください-私たちの先祖は罪をおかしました
復活祭の犠牲者に捧げる賛美の歌-マリアよ,私たちに語りたまえ
来たれ聖霊よ-祝福された光
ジンガー・プア

録音:2011年5月10-13日,6月27-28 日,7 月4-7日
アドリアン・ヴィラールト(1490?-1562)はフランドル出身でありながらも、イタリアに移住してヴェネツィア楽派の礎を築き、当地にフランドル楽派のポリフォニー形式を定着させた、この世代を代表する作曲家です。またヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の楽長を務めていたため、この当時のヨーロッパでもっとも影響力を誇っていました。単純に見えるポリフォニーの中に極めて精緻な旋律線が隠される高度な技法で書かれた彼の作品ですが、当時は高い人気を誇ったものの、今ではほとんど忘れられてしまっています。ジンガー・プアはこのヴィラールトの作品の復興に力を入れていて、以前リリースされた「フランチェスコ・ペトラルカの詩によるマドレガーレ集」(OC-814)でも、見事なアンサンブルを聴かせていました。今作では一層充実したハーモニーを聴くことができます。
OC-836C
ジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ:チェロとヴァイオリン、通奏低音のためのソナタ集
トリオ.ソナタWD683/トリオ.ソナタWD689
リチェルカーレT/トリオ.ソナタWD678
ハープシコード・ソナタ第12番ハ長調
リチェルカーレU/ソナタ.ト短調
セバスチャン・ヘス(バロックVc)
リュディガー・ロッター(Vn)
フローリアン・ビルサーク(フォルテピアノ)

録音:2010年8月26-28日ヴィーゼンタイト,聖マウリティウス・バロック教会
チェロ・ソナタ(OC-794)で、その豊富な響きを堪能させてくれたパドヴァ出身の作曲家プラッティ(1697-1763)。優れたオーボエ奏者でありテノール歌手でもあった彼の作品は、どれもが美しいメロディに彩られた、明るく活力のあるものです。彼は楽器製作者のクリストフォリが発明したばかりのフォルテピアノの演奏法を早々と習得したことでも知られるほどの鍵盤楽器の名手でもあり、この「トリオ・ソナタ」集でも通奏低音の果たす役割が大きいであろうことは想像に難くありません。もちろん譜面には最低限の情報しか記載されてはいない時代ですので、奏する場合には演奏者の解釈が必要になってくるのですが、この演奏は、屈託のない流麗な響きに彩られた見事な完成形の音楽を楽しむことができるのです。これぞ「イタリア・バロック」です。
OC-837C
PRESENT
ハルヴォルセン(1864-1935):ヘンデルの組曲第7番によるサラバンドと変奏 ト短調
オンドレイ・クーカル(1964-):プレゼント
シュトレーブル:別れ/夜
ジョヴァンニ・バッティスタ・チッリ(1724-1808):6つの二重奏曲 Op.12 〜変ロ長調(世界初録音)
シュルホフ(1894-1942):ツィンガレスカ
ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
エイト・ストリングス
【ヴァレリア・ナスシキナ(Vn)
ミカエル・サムソノフ(Vc) 】

録音: 2010/2011年 ザントハウゼン クララ=ヴィーク・アウディトリウム トンスタジオ
ヴァイオリンとチェロによるアンサンブル「エイト・ストリングス(8 本の弦)」による「耳への贈り物」です。名技と創意をモットーとする彼らによる、新しい作品を中心としたこの1 枚は、どの曲も多様で幅広い可能性を帯びています。ほとんどの作曲家の名前に馴染みがありませんが、これらはどれも煌めくような音楽であり、要求される音は楽器の限界を超えたものばかりです。アルバムタイトルであるクーカルの「プレゼント」は、スパイ映画の音楽を思わせるクールなものであり、シュトレーブルの作品は瞑想的です。明快なチッリ、バルトーク風の味わいを持つシュルホフ、そして比較的良く知られているのはラヴェルの作品でしょうか?音楽雑誌のドビュッシーの追悼企画として書かれた第1 楽章に、2 年がかりで3 つの楽章を付け加えたもので、ラヴェルらしい豊かな発想に彩られた名品です。
OC-838C
バッハ:独奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ第1集
ソナタ第2番イ短調BWV1003
パルティータ第2番ニ短調BWV1004
ソナタ第1番ト短調BWV1001
リュディガー・ロッター(Vn)

録音:2010年4月&2011年7月ミュンヘンゼントリンク,昇天教会
優れた指揮者でもあるリュディガー・ロッターですが、やはり彼の本質はヴァイオリンにあるようです。このバッハの作品には、有名な「シャコンヌ」が含まれており、ヴァイオリンの音色と技術を思う存分聴かせることができるものですが、ここでのロッターの演奏と言ったら、もう言葉に尽くせないほどの見事さです。彼のシャコンヌと言えば、以前発売されているビーバーの「ロザリオ・ソナタ」(OC514)でリリアルテのメンバーとして、終曲であるシャコンヌ…同じパターンによる変奏曲の形式…を自由自在に演奏していたのを思い出す人も多いことでしょう。バロック音楽に漂う堅苦しさを一掃する新時代の演奏家です。
OC-839C
ユビラーテ・デオ-神をたたえよ
ヨハン・シュタットルマイアー(1580-1648):主よ、われらの主
 主よ、われ御身をたたえまつらん
 子らよ、来たりてわれに聞け
 神を讃えよ
シュッツ:5.小宗教コンチェルト第2部より「天は滴を落とし」SWV322
ジョヴァンニ・ガブリエリ(1554-1612): おお、わが甘美なキリスト
 おお、大いなる神秘
 今日キリストが生まれた
 14声のマニフィカト
シュッツ:小宗教コンチェルト第2部より「言葉は肉体となった」SWV314
ヨハン・シュタットルマイアー:ミサ曲「神をたたえよ」
ロスヴィータ・シュメルツル(S)/
アンドレア・ブラウン(S)/
ゲルト・ホーマン(C.T)
ロバート・セリアー(T)
マヌエル・ヴァルビッツ(T)
マティアス・ヴィンクーラー(Bs)
ベネディクト・ゲーベル(Bs)
ミュンヘン・オル
フェウスChoレ・コルネ・ノアール
ゲルト・ググルヘーア(指)

録音:2011年11月25-27日ミュンヘン聖マルクス教会
なんと色彩的で喜ばしいアルバムでしょうか!この、初期バロックのクリスマス・アルバムは、静謐で格調高い雰囲気と、荘厳さ、素朴さの全てを兼ね備えた心温まる音楽で満たされています。聖マルクス教会の豊潤なる残響もまさに天上の音色。綾なす声と光の芸術です。落ち着いたシュッツ、珍しいシュタットルマイアー、そして壮麗なガブリエリ。三者三様の喜びの音楽です。
OC-840E(2CD)
ブリタニック号のオルガン第1集
■《CD1 初期ヴェルテ・フィルハーモニー・ロールより》
モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲〜ヴェルテ・ロール421(マスター)
グリーグ:ペール・ギュント組曲〜「朝」〜ヴェルテ・ロール213(マスター)
グリーグ:オーゼの死〜ヴェルテ・ロール213(マスター)
ベートーヴェン:エグモント序曲〜ヴェルテ・ロール956(コピー)
ベルリオーズ:ファウストの劫罰〜妖精の踊り〜ヴェルテ・ロール53(マスター)
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より〜ヴェルテ・ロール642(マスター)
エロール:「ザンパ」より序曲〜ヴェルテ・ロール236(マスター)最初期のオルガン録音集
バッハ:コラール前奏曲「わが心の切なる願い」BWV727〜ヴェルテ・ロール717(マスター)
バッハ:前奏曲とフーガ.ハ短調 BWV549〜ヴェルテ・ロール716(マスター)オルガン演奏…カール・ホフナー(1842-1912)
ギルマン:ヘンデルの主題による行進曲〜ヴェルテ・ロール776(コピー)オルガン演奏…カール・ヘルマン・ケール(1855-1919)
レーガー:田園曲〜ヴェルテ・ロール1664(コピー)オルガン演奏…クラレンス・エディ(1851-1937)
メンデルスゾーン:「ルイ・ブラス」序曲〜ヴェルテ・ロール1241(マスター)

■《CD2 ゼーヴェン国立博物館のブリタニック号オルガン、デモンストレーション》*
カラーツ:トッカータよりフィナーレOp.23-3
バッハ:主よ人の望みの喜びよBWV147
 わが魂は主をあがめBWV648
 オルガン協奏曲BWV592ii〜第2楽章(ヨハン・エルンスト編)
ハイドン:音楽時計の音楽より第18番ヘ長調「茶話会」
 音楽時計の音楽より第5番ハ長調
リンドベルイ(1887-1955):Gammal Fabodspsalm fran Dalarna
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタOp.65-4〜第2楽章
ボエルマン:ゴシック風メヌエット
レーガー:ベネディクトゥス
グリソン(1842-1896):トッカータヘ短調
エドウィン.H.ルメル(Org)
デヴィッド・ラムゼイ(Org)*

録音:2011年2.3月スイス ゼーヴェン、自動楽器博物館
スイスのバーゼル近郊のゼーヴェンにある「自動演奏楽器博物館(Museum fur Musikautomaten)」ここには、バーゼルで印刷業を営み成功を収めたハインリヒ・ヴァイス氏が自ら蒐集してきたオルゴールなどの自動演奏楽器が収蔵されています。この中の1台が今回のアルバムの主人公です。
豪華客船タイタニック号の姉妹船「ブリタニック号」。1871年に汽船運航を始めた英国の名門船会社ホワイト・スター・ラインが建造した大型豪華客船ですが、完成しないうちに第一次大戦となり、戦争中病院船として働いている途中で,エーゲ海で触雷して沈没し,一度も客船として就航できませんでした。このブリタニック号には、ピアノ・ロールでおなじみヴェルテ社の自動演奏オルガン「フィルハーモニック・オルガン」が搭載されていましたが、沈没と同時に行方不明になってしまいました。1世紀以上も消息が不明だったこの銘器ですが、ヴァイス氏のコレクションの一つがそのオルガンではないかと推測。手がかりも発見し、2006年から秘かに修復作業を行ってきたのです。そして見事に修復完了。2007年10月に一般公開し、世界的な話題を呼んだというものです。この楽器は「ブリタニック・オルガン」と命名され、博物館で展示されると同時に、ヴェルテのロール紙の演奏を行い、また実際の演奏も可能です。海に沈んだ楽器が再び音を奏でる姿は感動的ですらあります。珍しい楽器をこよなく愛するOEHMSならではの、貴重な音を伝えるシリーズです。
OC-842C
ブリタニック号のオルガン第2集〜クリスマスの旅
1.フランシス・ウェイド(1711-1786)伝:信仰篤き人々よヴェルテ・ロール1156(マスター)
2.アレクサンドル・ギルマン(1837-1911):牧歌的なカンティレーナOp.15-3 ヴェルテ・ロール2005(マスター)
3.ヘンデル:メサイアより「主は羊飼いのようにその群れを養い」ヴェルテ・ロール1332(マスター)
4.ウィリアム・ファウルケス(1863-1933):古いフランスのキャロルによる狂詩曲ヴェルテ・ロール1332(マスター)
5.ギルマン:古いポーランドのノエルによる序奏と変奏曲Op.60-1 ヴェルテ・ロール1326(マスター)
6.ギルマン:「御子生まれたまう」による2つの変奏曲Op.60 ヴェルテ・ロール1323(マスター)
7.バンジャマン・ゴダール(1849-1895):羊飼いと羊飼い女Op.55-6 ヴェルテ・ロール4007(マスター)
8.ベルリオーズ:羊飼いの別れ(ギルマン編) ヴェルテ・ロール4002(マスター)
9.グルーヴァー(1787-1863):清しこの夜ヴェルテ・ロール910(マスター)
10.モーツァルト:パストラールと変奏(ピアノ編) ヴェルテ・ロール1092(マスター)
11.ブクステフーデ:コーラル前奏曲「諸人声あげ」ヴェルテ・ロール2056(マスター)
12.パッヘルベル:高き天よりわれは来たれりヴェルテ・ロール2057
13.パッヘルベル:高きところでは神にのみ栄光あれヴェルテ・ロール2057
14.ヨハネス・ダニエル・ファルク(1768-1826):いざ喜べいざ祝え ヴェルテ・ロール911(マスター)
15.古い民謡:もみの木ヴェルテ・ロール1883(マスター)
16.レーガー:マリアの子守歌Op.76-52 ヴェルテ・ロール1781(マスター)
17.ブラームス:エサイの根Op.122 ヴェルテ・ロール711(マスター)
18.ギュンター・ラミン(1898-1956):クリスマス・コラールによるインプロヴィゼーションヴェルテ・ロール1993(マスター)
レジナルド・ゴス・カスタルド(1877-1956 Org)…1 & 2
ヨハン・ヤコブ・ナーテル(1878-1972 Org)…3, 5 & 6
ウィリアム・ファウルケス(Org)…4
ヴァルター・フィッシャー(1872-1931 Org)…7, 16
ヨゼフ・ボンネット(1884-1944 Org)…8
フランツ・フィリップ(1890-1972 Org)…9, 14
ルチエン・ヴュルムザー(1877-1967 ピアノ)…10
カール・マタエイ(1897-1960 Org)…11-13
クルト・グロッセ(1890-? Org)…15
パウル・ヒンダーマン(1868-1925 Org)…17
ギュンター・ラミン(Org)…18

録音:2011年7/8月スイス ゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
ゼーヴェンの「自動演奏楽器博物館」所蔵のブリタニック・オルガンを蘇らせるシリーズの第2弾です。第1弾(OC840)では総合的な音の紹介に終始したのですが、今回はクリスマスの音楽に絞ってご紹介します。本来、クリスマスは一家で静かに過ごすのが昔からの習慣ですが、もし旅の途中でクリスマスを迎えることになったら、旅人は少々寂しくなってしまうかもしれません。そんな時のために、ブリタニック号はクリスマス音楽のロール紙をあらかじめ用意して出航しました。もちろん演奏は当時最高のオルガニストたちによるものです。船上で彼らの演奏を再現しながら旅人達は静かにクリスマスを祝ったのです。彼らの華やいだざわめきもこのアルバムから感じ取れるかもしれません。予想以上に力強いオルガンの音は、1世紀以上も前の空気をありありと伝えてくれます。
OC-844E(2CD)
ブリタニック・オルガン第5集〜ヴェルテのリヒャルト・ワーグナー
タンホイザー序曲/ヴェルテ・ロール636(コピー)
ラインの黄金〜ヴァルハラへの神々の入城/ヴェルテ・ロール788(マスター)
ヴァルキューレ〜ヴォータンの告別と魔の炎の音楽/ヴェルテ・ロール1093(コピー)
パルジファル〜クリングゾルの魔法の庭と花の乙女たち/ヴェルテ・ロール921(マスター)
ローエングリン〜婚礼の合唱/ヴェルテ・ロール1667(マスター)
ヴェーゼンドンク歌曲集〜夢/ヴェルテ・ロール1357(マスター)
ローエングリン〜第1幕前奏曲/ヴェルテ・ロール1668(マスター)
バイエルン王ルートヴィヒ2世のための表敬の行進曲/ヴェルテ・ロール1500(コピー)
ニュルンベルクのマイスタージンガー〜前奏曲/ヴェルテ・ロール1270(コピー)
使徒の愛餐/ヴェルテ・ロール1876(マスター)
神々の黄昏〜ジークフリートの葬送行進曲/ヴェルテ・ロール1189(マスター)
タンホイザー〜巡礼の合唱ヴェルテ・ロール1499(コピー)
ローエングリン〜第1幕前奏曲/ヴェルテ・ロール1032(マスター)
ローエングリン〜ローエングリンの忠告/ヴェルテ・ロール792(マスター)
トリスタンとイゾルデ〜イゾルデの愛の死/ヴェルテ・ロール1724(コピー)
リエンツィ序曲/ヴェルテ・ロール643(コピー)
ディ・ヴェルテ=フィルハーモニー=オルガン

録音:2012年3月スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
ワーグナー生誕200年記念リリース。大好評シリーズの「ブリタニック・オルガン」の第5集はワーグナーの作品集です。とは言え、ワーグナーがオルガン作品を書いたわけではなく、リストの弟子であったピアニスト、エミール・パウルを始めとした音楽家たちが、ヴェルテ・ロールのために編曲した一連の作品の復元集となります。今のようにCDや映像が充実していなかった当時、ワーグナーの巨大な作品を楽しむためには、実際に劇場に出かける必要がありましたが、演奏するにも莫大な費用がかかるため、各地のコンサート・ホールや教会のオルガンを使って、このような「編曲物」のワーグナーで満足せざるを得ない状況でした。1940年代になると蓄音機を所有する人もちらほら現れますが、ピアノ・ロールは根強い人気を保っており、保存されたロールは現代でも忠実に記録された音楽を奏でることができるというわけです。
OC-845E(2CD)
ブリタニック・オルガン第6集〜ヴェルテを弾く5人のイギリス・ヴィクトリア朝時代の超絶技巧オルガニストたち
<CD1>
1.ヘンデル:オルガン協奏曲第2番第1楽章ヴェルテ・ロール1400(コピー)
2.アルフレッド・ホリンズ(1865-1942):銀のコードヴェルテ・ロール1410(マスター)
3.ホリンズ:カンティレーヌヴェルテ・ロール1409(マスター)
4.ホリンズ:祈りヴェルテ・ロール1416(マスター)
5.ホリンズ:勝利の行進曲ヴェルテ・ロール1405(マスター)
6.G.E.ワイティング(1840-1923):パストラーレヴェルテ・ロール1437(マスター)
7.ラフマニノフ:前奏曲Op.3-2(ルメア編)ヴェルテ・ロール1133(マスター)
8.W.ウォルステンホルム(1865-1931):アレグレット.ヘ長調ヴェルテ・ロール1582(マスター)
9.E.デヴリー(1869-1951):瞑想曲ヴェルテ・ロール1107(マスター)
10.ウォルステンホルム:質問ヴェルテ・ロール1148(マスター)
11.ウォルステンホルム:答えヴェルテ・ロール1149(マスター)
12.チャイコフスキー(1840-1894):こんぺい糖の踊りヴェルテ・ロール1495(マスター)
13.ウォルステンホルム:アイルランド幻想曲ヴェルテ・ロール1438(マスター)
14.ウォルステンホルム:セレナータヴェルテ・ロール1440(マスター)
15.ホリンズ:グランクール.ト短調ヴェルテ・ロール1413(マスター)
<CD2>
1.バッハバッハ:フーガト短調BWV577からジーグヴェルテ・ロール1504(コピー)
2.J.グリソン(1842-1896):聖体Op.11からアンダンテ・レリジオーソヴェルテ・ロール1514(マスター)
3.C.M.ウィドール(1844-1936):オルガン交響曲第2番からスケルツォヴェルテ・ロール1531(マスター)
4.S.カルク=エーレルト(1877-1933):月の光(3つの印象から)ヴェルテ・ロール1520(マスター)
5.D.ブック(1839-1909):変奏Op.51からスコットランド・エアでヴェルテ・ロール1511(マスター)
6.S.S.ウェズリー(1819-1876):コラール・ソングとフーガハ長調ヴェルテ・ロール1555(マスター)
7.ウォルステンホルム:ソナタ第1番ヘ長調から間奏曲ヴェルテ・ロール1581(マスター)
8.ウォルステンホルム:メロディ変ロ長調ヴェルテ・ロール1580(マスター)
9-11.F.ボロウスキ(1872-1956):ソナタ第1番ヴェルテ・ロール2007&2008(マスター)
12.R.ゴス=カスタード(1877-1955):ベネディクトゥス変イ長調ヴェルテ・ロール2004(マスター)
13.サン=サーンス:夕べの夢想Op.60ヴェルテ・ロール2031(マスター)
14.ボロウスキ:勝利の行進曲イ長調ヴェルテ・ロール2009(マスター)
<オルガン演奏>
<CD1>アルフレッド・ホリンズ…1-6,13-15
ハリー・ゴス=カスタード…7
ウィリアム・ウォルステンホルム…8-12

<CD2>
ハーバート・ウォルトン…1-5
ウィリアム・ウォルステンホルム…6-8
レジナルド・ゴス=カスタード…9-14
ディ・ヴェルテ=フィルハーモニー=オルガン

録音:2012年1月-2月スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
大好評シリーズの「ブリタニック・オルガン」の第6集です。ここで選ばれているのは「ヴィクトリア朝」時代に活躍した5人のオルガニストたち。1837年から1901年まで、ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた時代は、政治的には混乱していましたが、産業革命による経済や文化が著しく発展した「激動の時代」でもありました。この時代に活躍したイギリスのオルガニストたちも、挙ってヴェルテの自動演奏システム(ロール)に録音、かなりの分量のロールが保存されています。今回はこの中から注目すべきオルガニストたちの記録を「ブリタニック・オルガン」で再現しました。100年以上も前の空気を鮮烈に伝える貴重な響きです。
OC-846E(2CD)
ブリタニック・オルガン第7集〜ヴェルテを弾くスイスのオルガニストたち
<CD1>
マルコ・エンリコ・ボッシ(1861-1925):祝祭行進曲Op.118-8ヴェルテ・ロール1068(マスター)
ワーグナー:ローエングリン-エルザの婚礼参進ヴェルテ・ロール1077(マスター)
ウジェーヌ・ジグー(1844-1925):スケルツォヴェルテ・ロール1069(マスター)
カール・アドルフ・ロレンツ(1887-1923):「ホーム・スイート・ホーム」の主題による変奏曲Op.72-4ヴェルテ・ロール1071(マスター)
A.J.E.マイリー(1833-1918):荘厳な行進曲ヴェルテ・ロール1072(マスター)
サン=サーンス:奇想曲Op.2-7ヴェルテ・ロール1073(マスター)
フランク:英雄的小品ヴェルテ・ロール748(マスター)
サン=サーンス:婚礼祝福Op.8ヴェルテ・ロール4016(マスター)
レーガー:アヴェ・マリアOp.80-5ヴェルテ・ロール742(コピー)
バッハ:トッカータとフーガ.ニ短調BWV565ヴェルテ・ロール751(マスター)
<CD2>
バッハ:トッカータヘ長調BWV540ヴェルテ・ロール2052(マスター)
スウェーリンク):「わが青春はすでに過ぎ去り」による変奏曲ヴェルテ・ロール2062(マスター)
スウェーリンク:緑の菩提樹の下で-アルマンドヴェルテ・ロール2063(マスター)
シャイト(1587-1654):パッサメッツォ12の変奏曲ヴェルテ・ロール2059(マスター)
デュヴォワ:光あれヴェルテ・ロール1059(マスター)
 田園の歌ハ短調ヴェルテ・ロール1278(コピー/マスター)
 アレルヤ(子らよ、ほめまつれ)ヴェルテ・ロール1282(マスター)
ギルマン:ノエル・エレヴェーション第6番ヴェルテ・ロール1313(マスター)/
 ソナタハ短調Op.80-5第1楽章ヴェルテ・ロール1056(マスター)
 ソナタハ短調Op.80-5第2楽章ヴェルテ・ロール1057(マスター)
 ソナタハ短調Op.80-5第3楽章ヴェルテ・ロール1058(マスター)
<CD1>
フランツ・ヨーゼフ・ブライテンバッハ(Org)
パウル・ヒンダーマン(Org)

<CD2>
カール・マッティ(Org)
ヨハン・ヤコブ・ネイター(Org)

録音:2013年4月スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
スイスは、ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインに囲まれた内陸に位置する国であり、多くの国際機関の本部が置かれることでも知られる「多言語国家」です。当然、様々な国の文化の影響を受けていますし、永世中立国であるが故に多くの文化的な遺産や教会を有し、歴史的価値のあるオルガンも数多く存在しています。そんな楽器をスイスのオルガニストだちは演奏してきました。また時計などの精密機器の工場でも知られる国であり、ブリタニック・オルガンが所蔵される「児童演奏楽器博物館」もスイスにあるのです。そんなスイスのオルガニストたちが遺したヴェルテのロールを所縁の地で復元したのがこのアルバムです。時を超えて蘇る響きをお楽しみください。
OC-847E(2CD)
ブリタニック号のオルガン第8集マックス・レーガー:作品集
《CD1.レーガー自作自演集》
フーガト長調Op.56-3ヴェルテ・ロール1294(マスター)
ベネティクトゥスOp.59-9ヴェルテ・ロール1295(マスター)
メロディOp.59-11ヴェルテ・ロール1296(マスター)
カンツォーネ変ホ長調Op.65-9ヴェルテ・ロール1297(コピー)
イエス、わが確信Op.67-20ヴェルテ・ロール1298(マスター)
汝らキリスト者よ、こぞりて神をたたえよOp.67-23ヴェルテ・ロール1299(コピー)
神よ、汝の善行にわれを向かわしめたまえOp.67-25ヴェルテ・ロール1300(コピー)
おおこの世よ、私は汝より去らねばならぬOp.67-33ヴェルテ・ロール1301(コピー)
ただ愛する神の摂理にまかす物Op.67-45ヴェルテ・ロール1302(コピー)
幸いなるかな、おお魂の友よOp.67-50ヴェルテ・ロール1303(コピー)
おお、いかに喜びに満ちたるか、汝ら信仰深き者Op.67-52ヴェルテ・ロール1304(コピー)
楽興の時ニ長調Op.69-4ヴェルテ・ロール1305(マスター)
ロマンスイ短調Op.80-8ヴェルテ・ロール1306(マスター)
アヴェ・マリア変ニ長調Op.80-5ヴェルテ・ロール1307(コピー)
前奏曲ヘ長調Op.85-3ヴェルテ・ロール1308(コピー)/
組曲ト短調からバッソ・オスティナートOp.92-4ヴェルテ・ロール1309(マスター)
《CD2.レーガーの時代のオルガニストによる作品集》
1.トッカータとフーガニ短調Op.129ヴェルテ・ロール1991(コピー)
コラール幻想曲「目覚めよ、と呼ぶ声あり」Op.52-2ヴェルテ・ロール1874(マスター)
キリエ・エレイソンOp.59-7ヴェルテ・ロール1991(コピー)
グローリアOp.59-8ヴェルテ・ロール1763(コピー)
ロマンツェイ短調ヴェルテ・ロール1892(コピー)
バッハの主題による幻
想曲とフーガOp.46ヴェルテ・ロール1873(コピー)
マックス・レーガー(Org)
ギュンター・ラミン(Org)
クルト・グロッセ(Org)
ヴァルター・フィッシャー(Org)
ジョゼフ・メッスナー(Org)

録音:2014年2月スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
大好評シリーズ「ブリタニックのオルガン」第8集は、2016年に没後100周年を迎えるレーガー(1873-1916)に関する作品集です。CD1にはレーガー自身がロールに残した演奏を再現したもの、CD2には同時代の演奏家の記録を再現したものが収録されています。レーガー自身の演奏は、ロールとは言え、彼の意思がそのまま反映されたものであり、レーガーの音楽を理解するためにも役立つものなのではないでしょうか?また、CD2に収録された同時代の演奏家たちのうち、興味深いのは何といってもギュンター・ラミンの演奏でしょう。彼は1898年に生まれハンス・ヘニー・ヤーンとともに「ドイツ・オルガン運動」の提唱者として名をあげましたが、今の聴き手には指揮者としての一連のバッハ作品がおなじみであり、なかでも「マタイ」の壮絶な演奏は伝説と言ってもよいものです。バッハを演奏した録音は入手可能でしたが、レーガーの演奏が存在したとは…。
OC-850E(2CD)
ブリタニック・オルガン第11 集〜ヴェルテのイギリス人オルガニストとドイツ人オルガニスト-即興演奏集
<CD1…イギリス人オルガニスト>
1.エドウィン・レメア(1865-1934):与えられた主題による即興演奏ヴェルテ・ロール1182(マスター)/2.レメア:K.ボッキッシュの「わが喜び」による即興演奏1913 年2 月4 日ヴェルテ・ロール1196(マスター)/3.レメア:即興演奏「ベルやハープ効果の紹介」ヴェルテ・ロール1195(マスター)/4.レメア:「スワニー川」の主題による即興演奏ヴェルテ・ロール1253(マスター)/5.レメア:メヌエットのフォームによる即興演奏ヴェルテ・ロール1243(マスター)/6.レメア:アルフレード・ホリンズの主題による即興演奏 ヴェルテ・ロール1235(コピー)/7.アルフレード・ホリンズ(1865-1942):即興演奏ヴェルテ・ロール1441(マスター)/8.ウィリアム・ウルステンホルム(1865-1931):即興演奏ヴェルテ・ロール1583(マスター)/9.ウィリアム・ウルステンホルム(1865-1931):「私は仲間を待っていた」による即興演奏ヴェルテ・ロール1584(マスター)
<CD2…ドイツ人オルガニスト>
1.カール・ヘフナー(1864-1955):主題による幻想曲ヴェルテ・ロール722(マスター)/2.クルト・グロッセ(生没年不詳):即興演奏ヴェルテ・ロール1810(マスター)/3.グロッセ:即興演奏ヴェルテ・ロール1862(マスター)/4.グロッセ:即興演奏ヴェルテ・ロール1861(マスター)/5.パウル・マニア(1883-1945):ワーグナーの主題による幻想曲ヴェルテ・ロール1979(マスター)/6.マニア:古いスタイルのガヴォットによる自由な即興演奏ヴェルテ・ロール1970(マスター)/7.マニア:古いオランダの歌による幻想曲ヴェルテ・ロール1977(マスター)/8.オットー・ドゥンケルベルク(1900-1964):「たとえ全てが背くとも」による即興演奏ヴェルテ・ロール2251(マスター)/9.ヘンリー・ヴルカルト(シュヴァラ博士)(1881-?):サイレント映画「狩りに」のための即興ヴェルテ・ロール2196(マスター)(陽気で活気のある,幸せ,リズミカルな警告,狩猟,逃亡,カーレース)
録音: 2015 年スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
「ブリタニックのオルガン」第11 集は、イギリスとドイツのオルガニストたちによる即興演奏を収録したものです。オルガンの即興演奏は、バッハ以前の時代から聴衆たちを魅了してきたもので、まさにオルガニストたちの腕のみせどころであり、技術と音楽性を問うものでした。しかし演奏家と作曲家が分業になり始めた20 世紀頃になると、即興演奏の意義が少しずつ変化しているのかもしれません。この2 枚組に収録されているオルガニストたちの妙技を聞いてみてください。一つの主題から数多くの楽想が溢れ出し、融け合い雄大な世界が創られていくのがわかるはずです。このヴェルテの自動オルガンのロールには、現在では名前すら残っていない作曲家たちの作品が多く残されており、当時、いかに多くの作曲家やオルガニストたちが活躍していたのかを再確認することができるものでもあるのです。1909 年から1912 年、まだ現代のように録音技術が発展しておらず、オルガンの音を記録するためには、このヴェルテのシステムがうってつけでした。年を追うごとに多くのオルガニストがロールに演奏を記録し、1920 年代には一大ムーヴメントになったのです。100 年の時を経た今でも、彼らの演奏は全く色褪せることなく、数多くのロールは再生される時を待っているのです
OC-851H(3CD)
レーガー:オルガン作品集第1集
<CD1>
1-3.3つの小品Op.7
4-7.バッハの手法による組曲ホ短調Op.16
<CD2>1.コラール幻想曲「われらが神はかたき砦」Op.27
2.幻想曲とフーガ.ハ短調Op.29
3.コラール幻想曲「おおわが魂よ、大いに喜べ」Op.30
4-8.作品番号なしの作品<前奏曲とフーガニ短調Wo0IV/10/序奏とパッサカリア.ニ短調Wo0IV/6/前奏曲ハ短調Wo0VIII/6/「国王万歳」による変奏曲とフーガWo0IV/7/前奏曲ニ短調Wo0IV/12>
<CD3>
1-6.6つのトリオOp.47
7-16.5つのやさしい前奏曲とフーガ
17-18.作品番号なしの2つのコラール前奏曲<おお嘆き、おお心の苦しみWo0IV/2/来たれ、甘き死よWo0IV/3>
<CD4>1-12.12
の小品Op.59<前奏曲ホ短調/パストラールヘ長調/間奏曲イ短調/カノンホ長調/トッカータニ短調/フーガニ長調/キリエホ短調/グローリアニ長調/ベネディクトゥス
変ニ長調/カプリッチョ嬰ヘ短調/メロディ変ロ長調/テ・デウムイ短調>
13-16.作品番号なしのコラール前奏曲<キリストは死からよみがえられたWo0IV/9/血潮したたる御頭Wo0IV/14/戸を高くあげよWo0IV/14/輝く暁の星のいと美わしきかなWo0IV/16>
ベルンハルト・ブットマン(Org)

録音:<CD1>2012年1月24-26日ヴィスバーデン,エヴァンゲリスト・マルクト教会,ヴァルッカー・ザウアー・オルガン

<CD2:1-3,CD3>2012年8月13-17日オベルプファルツ聖ミヒャエル教会マックス・レーガー・オルガン

<CD2:4-8,CD4:13-16>2012年6月
25-26日ミュンヘン聖ルペルトメルツ・オルガン

<CD4:1-12>2012年7月9-11日ヴァイラー・イン・アラガウ聖ブラジウス教会スタインメイヤー・オルガン
016年に没後100年を迎えるマックス・レーガーを記念して、OEHMSではバイエルン放送と協力の上、彼のオルガン作品全集のリリースを予定しています(第2集以降は、今後年1回のリリースで2016年に完結となります)。ドイツの伝統を直接伝える彼の作品は、バッハ以前の古典的な構成とバッハに見られる複雑な対位法、そしてロマン派の拡張された和声感が溶け合い、見事な建築物を形作っています。ドイツ各地の4つの教会での録音。
OC-852H(4CD)
レーガー:オルガン作品全集第2集
《CD1》1-3.オルガンのためのソナタ第1番嬰ヘ短調Op.33/4-5.バッハの主題による幻想曲とフーガ/6-20.52のやさ
しいコラール前奏曲Op.67第1巻<いと高きにある神にのみ栄光あれ/すべてのものは神の祝福により/深き苦しみの淵より、われ汝を呼ぶ/わが心の深みより/わが命なるキリスト/われらが神はかたき砦/汝エホヴァに、われ歌わん/栄光の日は来たりぬ/主イエス・キリスト、われらを顧みたまえ/救いはわれらに来たれり/おおわが魂よ、大いに喜べ/天と地の紙/主よ、汝の御心のままにわれはあらん/わが心の切なる願い/地と天は歓びの声を高くあげよ>
《CD2》1.コラール幻想曲「暁の星のいと美しきかな」Op.40-1/2.コラール幻想曲「汝が怒りをもてわれを罰したもうな」Op.40-2/3-22.52のやさしいコラール前奏曲Op.67第2巻<われ汝に感謝す、愛する主なる神よ/わが勇気をわれは愛さん/エルサレム、高くそびゆる都市/悩み悲しみ苦しむイエス/イエス、来たれ/8.イエス、わが喜び/イエス、わが確信/来たれ、生命の霊よ/主をたたえよ/汝らキリスト者よ、こぞりて神をたたえよ/われはわがイエスを捨てず/神よ、汝の善行にわれを向かわしめたまえ/いざ、もろびとよ、神に感謝せよ/いざ来たれ、異教徒の救い主よ/今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たち/おお神よ、汝いつくしみ深き神よ/おおイエス・キリスト、わが命の光/おお汚れなき神の子羊/おおこの世よ、私は汝より去らねばならぬ/おお、いかに喜びに満ちたるか、汝ら信仰深き者>
《CD3》1-10.オルガンのための10の小品Op.69<前奏曲ホ短調/フーガホ短調/バッソ・オスティナートホ短調/楽興の時ニ長調/カプリッチョニ短調/トッカータニ長調/フーガニ長調/ロマンスト短調/前奏曲イ短調/フーガイ短調>/11-27.52のやさしいコラール前奏曲Op.67第3巻<おお愛する魂よ、汝を飾れ/魂の花婿、イエス、神の子羊/われはわがが神を歌わずにいられようか/汝が怒りもてわれを罰したもうな/われ汝に別れを告げん/天にいますわれらの父よ/高き天より、われは来たり/目覚めよ、と呼ぶ声あり/われは神より離れず/何ゆえにわれは悩むや/神のみわざはよきかな/ただ愛する神の摂理にまかす者/ただ愛する神の摂理にまかす者/目覚めよ、わが心/わが終わりの近きをだれぞ知らん/暁の星のいと美しきかな/幸いなるかな、おお魂の友よ>
《CD4》1-12.12の小品Op.65<狂詩曲ハ短調/カプリッチョト長調/
パストラールイ長調/慰めホ長調/即興曲イ短調/フーガイ短調/前奏曲ニ短調/フーガニ長調/カンツォーネ変ホ長調/スケルツォニ短調/トッカータホ短調/フーガホ長調>
ベルンハルト・ビュットマン(Org)

録音:
《CD1》
2013年8月19-22日ヴィッテン,聖マリーエン教会シュミット=オルガン…1-5,2013年9月23-25日ケムニッツ,ルター教会ザウアー=オルガン…6-20,
《CD2》
2013年8月19-22日ヴィッテン,聖マリーエン教会シュミット=オルガン…1-2,2013年9月19-22日ケムニッツ,ルター教会ザウアー=オルガン…3-22,
《CD3》
2013年10月14-16日マンハイム,キリスト教会スタインマイヤー=オルガン,
《CD4》
2013年4月8-11日ヴィルスホーフェン,アブタイ・シュヴァイクルベルククライス=オルガン
2016年に没後100周年を迎えるマックス・レーガー(1873-1916)。これを記念して、OEHMSレーベルでは、バイエルン放送と協力の上、彼のオルガン作品全集のリリースを予定しています。第1巻(OC851)では様々な小品を中心に、バッハからの伝統を引き継いだレーガーの様々な作品が収録されていましたが、第2巻では、1902年に作曲された「52のやさしいコラール前奏曲」がメインとなっています。今回もドイツ各地の4つの教会での録音:。
OC-843E(2CD)
ブリタニック・オルガン第4集
<CD1>
《ウジェーヌ・ジグー(1844-1925):自作を弾く》
トッカータ.ロ短調〜ヴェルテ・ロール1084(マスター)
アレグレット・グラジオーソ〜ヴェルテ・ロール1603(マスター)
歌〜ヴェルテ・ロール1599(マスター)
祝典行進曲〜ヴェルテ・ロール1600(マスター)
メヌエット〜ヴェルテ・ロール1087(マスター)
フゲッタ〜ヴェルテ・ロール1601(マスター)
祈願祭の行進曲〜ヴェルテ・ロール1597(マスター)
カンティレーヌ〜ヴェルテ・ロール1602(マスター)
宗教的な行進曲〜ヴェルテ・ロール1598(マスター)
聖なる体〜ヴェルテ・ロール1085(マスター)
大合唱と対話〜ヴェルテ・ロール1086(マスター)
《ウジェーヌ・ジグー:彼の時代のパリの作曲家たちの曲を弾く》
フランク:アンダンティーノト短調Op.25〜ヴェルテ・ロール1083(マスター)
ボエリー(1785-1858):アンダンテ・コン・モートト短調Op.45-7〜ヴェルテ・ロール1082(マスター)/
ショヴェ:20の小品第6番アンダンテ・コン・モート〜ヴェルテ・ロール1595(マスター)
ショヴェ:20の小品第9番アンダンティーノ〜ヴェルテ・ロール1596(マスター)
ボエルマン(1862-1897):神秘の時変ホ長調「エレヴァーション」Op.29-1〜ヴェルテ・ロール1590(マスター)
ボエルマン:神秘の時変ロ長調「コムニオン」Op.30-5〜ヴェルテ・ロール1591(マスター)
ボエルマン:神秘の時ハ長調「ソルティエ」Op.30-5〜ヴェルテ・ロール1592(マスター)
<CD2>
《ウジェーヌ・ジグー:レンメンス(1823-1881)を弾く》
交響的スケルツォ「ファンファーレ」〜ヴェルテ・ロール1606(マスター)
カンタービレ〜ヴェルテ・ロール1607(マスター)
前奏曲変ホ長調〜ヴェルテ・ロール1605(マスター)
祈り〜ヴェルテ・ロール1608(マスター)
協奏交響曲よりスケルツォ〜ヴェルテ・ロール1604(マスター)
《ジョセフ・ボネ(1884-1944):自作を弾く》
12の小品Op.7より第1番「献身」〜ヴェルテ・ロール1204(マスター)
12の小品Op.7より第3番「月の光」〜ヴェルテ・ロール1207(マスター)
12の小品Op.7より第8番「無言歌」〜ヴェルテ・ロール1205(マスター)
晩鐘Op.10-10〜ヴェルテ・ロール1615(マスター)
12の小品Op.7より第9番「パストラール」〜ヴェルテ・ロール1208(マスター)
子守歌Op.10-6〜ヴェルテ・ロール1612(マスター)
風景Op.10-9〜ヴェルテ・ロール1616(マスター)
《ジョセフ・ボネ:他の作曲家の曲を弾く》
リュリ:リゴードン〜ヴェルテ・ロール4502(マスター)
コレッリ:前奏曲(ギルマン編)〜ヴェルテ・ロール1623(マスター)
ブクステフーデ(1637頃-1707):フーガハ長調〜ヴェルテ・ロール1209(マスター)
ボエリー:アンダンテ・コン・モート
Op.45-7〜ヴェルテ・ロール1203(マスター)
シューマン:ペダル・ピアノのためのスケッチOp.58-3「生き生きと」〜ヴェルテ・ロール1636(マスター)
ウジェーヌ・ジグー(Org)
とジョセフ・ボネ(Org)

録音:2012年1月スイスゼーヴェン、自動演奏楽器
好評シリーズ、ブリタニックのオルガン第4集です。一度は海に沈んだオルガンを引き揚げ再生を施し、現在また音を鳴らすこと。そして更には、ロールに保存してある過去の演奏家たちの実演を再現するということ。この2つの歴史的偉業は他のどんな楽器でもなかなかできるものではありません。今回はフランスのオルガニスト&作曲家ウジェーヌ・ジグーの作品と演奏を中心に収録。彼はサン=サーンスに学んだパリッ子で、聖オギュスタン教会のオルガニストとして62年もの長い間活躍した人です。ボルドー生まれのジョセフ・ボネも同じく優れたルガニストですが、33歳の時にアメリカに移住、数多くのコンサートを開き絶賛され、1921年にはイーストマン音楽学校にオルガン学科を創設、一度はフランスに戻るものの、戦争に追われ結局は北米に移住。アメリカでのオルガン音楽の普及に努めています。この2人の演奏が時を越えて今、感動的に蘇ったのです。
OC-849E(2CD)
ブリタニック・オルガン第10集〜ヴェルテのドイツ人オルガニストと彼らの作品集
<CD1>
1.ヨーゼフ・レンナー:オルガンのための組曲Op.56-エレジーヴェルテ・ロール2247(マスター)
2.ジークフリート・カルク・エーレルト(1877-1933):3つの即興曲IOp.72-1「夜の調和」ヴェルテ・ロール1742(マスター)
3.ヨーゼフ・ラインベルガー(1839-1901):ロマンスOp.142-2ヴェルテ・ロール781(マスター)
4.ヨーゼフ・クロモリッキ(1892-1961):2つの演奏会用練習曲第2番Op.49ヴェルテ・ロール1871(マスター)
5.エミール・シェーグレン(1853-1918):3つの伝説曲Op.46
6.ニルス・ヴィルゲルム・ゲーゼ(1817-1890):オルガンのための3つの小品Op.22より第1番ヴェルテ・ロール1775(マスター)
7.オットー・ヴァルデマール・マーリンク(1848-1915):「キリストの生涯」-誘惑ヴェルテ・ロール4011(マスター)
8.エーレルト:サラバンドOp.37ヴェルテ・ロール4510(マスター)
9.アルフレッド・シッタールド(1878-1942):コラール練習曲「われら悩みのきわみにありて」ヴェルテ・ロール1051(マスター)
10.マックス・シュプリンガー(1877-1954):3つの田園曲Op.25-第1番変イ長調ヴェルテ・ロール1893(マスター)
11.レーガー(1873-1954):コンソレーションOp.65-4ヴェルテ・ロール1891(コピー)
<CD2>
1.ヘンデル:オルガン協奏曲Op.4-4第1楽章ヴェルテ・ロール1043(マスター)
2.ディートリヒ・ブクステフーデ(1637-1707):チャコーナホ短調BuxWV160ヴェルテ・ロール1732(マスター)
3.ブクステフーデ:前奏曲とフーガヘ長調BuxWV145ヴェルテ・ロール1985(コピー)
4.ヴィンチェント・リューベック(1654-1740):前奏曲とフーガホ長調ヴェルテ・ロール1992(コピー)
5.ヨハン・パッヘルベル(1653-1706):チャコーナヘ短調ヴェルテ・ロール2058(コピー)
6.バッハ:前奏曲とフーガハ長調BWV531ヴェルテ・ロール1752(マスター)
7.バッハ:高き天よりわれは来たりBWV606ヴェルテ・ロール1822(マスター)
8.バッハ:われらキリストをたたえまつるBWV611ヴェルテ・ロール1822(マスター)
9.バッハ:キリスト、汝神の子羊BWV619ヴェルテ・ロール1823(マスター)
10.バッハ:イエス十字架にかけられしときヴェルテ・ロール1823(マスター)
11.キリストは死の絆につかせたまえりBWV625ヴェルテ・ロール1823(マスター)
12.主なるイエス・キリストよ、われら汝に感謝するBWV623ヴェルテ・ロール1823(マスター)
13.ヴィヴァルディ(:協奏曲ニ短調-ラルゴ
(BWV596ii)バッハ編曲ヴェルテ・ロール1038(マスター)
14.バッハ:主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶBWV396ヴェルテ・ロール1039(マスター)
15.ヘンデル:オルガン協奏曲第8番イ長調ヴェルテ・ロール2250(コピー)
<CD1>
オットー・ドゥンケルベルク(Org)…1
アルノ・ランドマン(Org)…2
ヨハネス・ディーホルト(オルガン)…3/クルト・グロッセ(Org)…4.5
ヴァルター・フィッシャー(Org)…6
タデウス・ホフミラー(Org)…7
グスタフ・クナーク(Org)…8
アルフレッド・シッタールド(Org)…9
ヨゼフ・メッスナー(Org)…10.11
<CD2>
アルフレッド・シッタールド(Org)…1.13.14
グスタフ・クナーク(Org)…2
ギュンター・ラミン(オルガン)…3.4
カール・マタエイ(Org)…5
ヴァルター・フィッシャー(Org)…6
カール・シュトラウベ(Org)…7-12
オットー・ドゥンケルベルク(Org)…13

録音:2015年スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
「ブリタニックのオルガン」第10集は、ドイツのオルガニストと作曲家に焦点を当てたものです。このヴェルテのロールには、現在では名前すら残っていない作曲家たちの作品が多く残されており、当時、いかに多くの作曲家やオルガニストたちが活躍していたのかを再確認することができるものでもあるのです。1909年から1912年、まだ現代のように録音技術が発展しておらず、オルガンの音を記録するためには、このヴェルテのシステムがうってつけでした。年を追うごとに多くのオルガニストがロールに演奏を記録し、1920年代には一大ムーヴメントになったのです。100年の時を経た今でも、彼らの演奏は全く色褪せることなく、数多くのロールは再生される時を待っているのです。
OC-850E(2CD)
ブリタニック・オルガン第11 集〜ヴェルテのイギリス人オルガニストとドイツ人オルガニスト-即興演奏集
<CD1…イギリス人オルガニスト>
1.エドウィン・レメア(1865-1934):与えられた主題による即興演奏ヴェルテ・ロール1182(マスター)/2.レメア:K.ボッキッシュの「わが喜び」による即興演奏1913 年2 月4 日ヴェルテ・ロール1196(マスター)/3.レメア:即興演奏「ベルやハープ効果の紹介」ヴェルテ・ロール1195(マスター)/4.レメア:「スワニー川」の主題による即興演奏ヴェルテ・ロール1253(マスター)/5.レメア:メヌエットのフォームによる即興演奏ヴェルテ・ロール1243(マスター)/6.レメア:アルフレード・ホリンズの主題による即興演奏 ヴェルテ・ロール1235(コピー)/7.アルフレード・ホリンズ(1865-1942):即興演奏ヴェルテ・ロール1441(マスター)/8.ウィリアム・ウルステンホルム(1865-1931):即興演奏ヴェルテ・ロール1583(マスター)/9.ウィリアム・ウルステンホルム(1865-1931):「私は仲間を待っていた」による即興演奏ヴェルテ・ロール1584(マスター)
<CD2…ドイツ人オルガニスト>
1.カール・ヘフナー(1864-1955):主題による幻想曲ヴェルテ・ロール722(マスター)/2.クルト・グロッセ(生没年不詳):即興演奏ヴェルテ・ロール1810(マスター)/3.グロッセ:即興演奏ヴェルテ・ロール1862(マスター)/4.グロッセ:即興演奏ヴェルテ・ロール1861(マスター)/5.パウル・マニア(1883-1945):ワーグナーの主題による幻想曲ヴェルテ・ロール1979(マスター)/6.マニア:古いスタイルのガヴォットによる自由な即興演奏ヴェルテ・ロール1970(マスター)/7.マニア:古いオランダの歌による幻想曲ヴェルテ・ロール1977(マスター)/8.オットー・ドゥンケルベルク(1900-1964):「たとえ全てが背くとも」による即興演奏ヴェルテ・ロール2251(マスター)/9.ヘンリー・ヴルカルト(シュヴァラ博士)(1881-?):サイレント映画「狩りに」のための即興ヴェルテ・ロール2196(マスター)(陽気で活気のある,幸せ,リズミカルな警告,狩猟,逃亡,カーレース)
録音: 2015 年スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
「ブリタニックのオルガン」第11 集は、イギリスとドイツのオルガニストたちによる即興演奏を収録したものです。オルガンの即興演奏は、バッハ以前の時代から聴衆たちを魅了してきたもので、まさにオルガニストたちの腕のみせどころであり、技術と音楽性を問うものでした。しかし演奏家と作曲家が分業になり始めた20 世紀頃になると、即興演奏の意義が少しずつ変化しているのかもしれません。この2 枚組に収録されているオルガニストたちの妙技を聞いてみてください。一つの主題から数多くの楽想が溢れ出し、融け合い雄大な世界が創られていくのがわかるはずです。このヴェルテの自動オルガンのロールには、現在では名前すら残っていない作曲家たちの作品が多く残されており、当時、いかに多くの作曲家やオルガニストたちが活躍していたのかを再確認することができるものでもあるのです。1909 年から1912 年、まだ現代のように録音技術が発展しておらず、オルガンの音を記録するためには、このヴェルテのシステムがうってつけでした。年を追うごとに多くのオルガニストがロールに演奏を記録し、1920 年代には一大ムーヴメントになったのです。100 年の時を経た今でも、彼らの演奏は全く色褪せることなく、数多くのロールは再生される時を待っているのです
OC-853(4CD)
レーガー:オルガン作品集第3集
《CD1》1-3.3つのコラール幻想曲Op.52<第1番:人はすべて死すべきものなり/第2番:目覚めよ、と呼ぶ声あり/第3番:ハレルヤ,ほむべき神はわが心の喜び>
《CD2》1-2.交響的幻想曲とフーガ/3-5.オルガン・ソナタ第2番ニ短調Op.60/6-7.前奏曲とフーガ嬰ト短調WoO4-15/8-9.私の日記帳Op.82第4巻から前奏曲とフーガ/10.ロマンツェイ短調WoO4-11
《CD3》1-12.12のモノローグOp.63<第1番:前奏曲ハ短調/第2番:フーガハ長調/第3番:カンツォーネト短調/第4番:カプリッチョイ短調/第5番:序奏ヘ短調/第6番:パッサカリアヘ短調/第7番:アヴェ・マリアイ長調/第8番:幻想曲ハ長調/第9番:トッカータホ短調/第10番:フーガホ短調/第11番:カノンニ長調/第12番:スケルツォニ短調>
《CD4》1-13.13のコラール前奏曲Op.79b<第1番:神よ、私を見捨てないでください/第2番:われらが神は堅き砦/第3番:主よ、今足を止めて/第4番:永遠なる朝の光/第5番:平和と喜びに満ちて私は出立する/第6番:私の近しき最後について/第7番:復活せよ、汝復活せよ/第8番:キリストは死から復活する/第9番:キリストよ、汝はわが命/第10番:平和と喜びに満ちて私は出立する/第11番:全ての神に感謝せよ/第12番:主よ、今足を止めて/第13番:なぜ私が悲しむ必要があるのか>/14-25.12の小品Op.80<第1番:前奏曲ホ短調/第2番:フゲッタホ短調/第3番:カンツォネッタト短調/第4番:ジーグニ短調/第5番:アヴェ・マリア変ニ長調/第6番:間奏曲ト短調/第7番:スケルツォ嬰へ短調/第8番:ロマンツェイ短調/第9番:無窮動ヘ短調/第10番:間奏曲ニ長調/第11番:トッカータイ短調/第12番:フーガイ短調>
ベルンハルト・ブットマン(Org)

録音 2014年4月22-25日…CD1、2014年4月22-25日…CD2:6-10 ケヴェラエル マリエン・バジリカ ザイフェルト・オルガン Producer、Balance Engineer、Editing &Mastering:Lutz Wildner/2014年8月25-28日…CD2:1-5 ランズベルク・アム・レー シュターツプファール教会 マリア・ヒンメル=ファールト,シュミット・オルガン Producer、Editing & Mastering: Torsten Schreier、Balance Engineer: Stefan Briegel/2014年10月12-15日…CD3 ブレーメン 聖ペトリ大聖堂 ザウアー・オルガン Producer、Editing & Mastering: Torsten Schreier、Balance Engineer: Stefan Briegel/2014年6月23-27日…CD4 ウルム エヴェンゲリッシェ・パウル教会 リンク・オルガン Producer、Editing & Mastering: Torsten Schreier、Balance Engineer: Thomas Schinko
☆レーガー(1873-1916)の没後100年を記念して、進行中の「オルガン全集」の第3集となります。今回も特徴ある作品が並びますが、CD1に収録された、規模の大きな「3つのコラール幻想曲」Op.52が聴きものです。使われているのはお馴染みのコラール主題ですが、どれもレーガーならではの趣向が凝らされた興味深いもの。中でも第2番はとりわけ劇的な作品で、「目覚めよ、と呼ぶ声あり」のタイトルそのまま、全ての死者たちが眠りから醒め、墓から甦るかのような雰囲気を持つ重厚な音楽です。曲の最後でお馴染みのメロディが聞こえてくると、思わず感動の涙が頬を伝わるもしれません。このような長大な曲から、ほんの1分にも満たない小さな曲まで多種多彩。じっくり噛みしめながら聴いていただきたい4枚組です。
OC-854H(4CD)
レーガー:オルガン作品全集第4集
<CD1>4つの前奏曲とフーガOp.85/1-2.嬰ハ短調/3-4.ニ長調/5-6.ヘ長調/7-8.ホ短調/9-15.組曲ニ短調Op.92<前奏曲/フーガ/間奏曲/バッソ・オスティナート/ロマンス/トッカータ/フーガ>/<CD2>1-3.創作主題による変奏曲とフーガOp.73/4-6.序奏とパッサカリアとフーガホ短調Op.127/<CD3>1-9.9つの小品Op.129<トッカータニ短調/フーガニ短調/カノンホ短調/メロディ変ロ長調/カプリッチョト短調/バッソ・オスティナートト短調/間奏曲ヘ短調/前奏曲ロ短調/フーガロ短調>/10-39.30の小コラール前奏曲Op.135a<ああ、汝の恩寵もて/いと高きところにいます神にのみ栄光あれ/すべてのものは神の祝福により/深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる/われらが神は固き砦/必要なのはただひとつ、ああ神よ、このひとつを/救いはわれらに来たれり/確かにその時期だ/わが魂、大いに喜べ/偉大なる神よ、われらはその名を賛美する/主、イエス・キリスト、われらを顧みたまえ/イェルサレムよ、かたく立てられし街よ/イエス、わが信頼/最愛のイエス、われらここに集いて/主を頌めまつれ、力つよき栄光の王をば/高く戸を上げよ/イエス、共にあらん/ああ、感謝せん、神に/私に千の舌があったなら/おお、汝正しくて善なる神よ/血潮したたる御頭よ/おお世界、私はあなたから去らねばならない/われは汝に別れを告げん/高き空よりわれは来たりぬ/目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声/わが主のみわざは/神のみ旨が常に実現しますように/ただ主に依りたのみ/暁の星のいと美しきかな/くすしき神>/<CD4>1-2.前奏曲とフーガニ短調Op.135b/3-9.オルガンのための小品Op.145<第1番:葬送曲/第2番:感謝の詩篇/第3番:クリスマス/第4番:受難/第5番:復活祭/第6番:聖霊降臨祭/第7番:戦勝の祝賀>
ベルンハルト・ビュットマン(Org)

録音:<CD1>2015年9月3-5日ベルリン-ハーゼルホルスト,ヴァイヒナハト教会シュタインマイヤー・オルガン/<CD2>2015年3月3-5日ベルリン大聖堂ザウアー・オルガン/<CD3>2015年7月13-16日ウルムパウルス教会リンク・オルガン…1-9,2015年10月20-21日ハウスハム聖アントン教会コウレン・オルガン…10-39/<CD4>2015年7月13-16日ウルムパウルス教会リンク・オルガン
1916年5月11日にこの世を去ったレーガーの没後100年を記念してシリーズ化されたこのOEHMSレーベルとバイエルン放送との共同制作によるこの「オルガン作品全集」もこれで完結です。今回は「30の小コラール前奏曲Op.135a」と「創作主題による変奏曲とフーガOp.73」が聴きものですが、他の小品も、レーガーらしい複雑な対位法を駆使した曲が多く、オルガンを愛好する人ならば一度は聴いていただきたい作品なのです。なかでも最晩年の作品である「7つの小品Op.145」(とは言え、1曲がどれも長い)に引用された“きよしこの夜”の旋律は本当に感動的です。今作もビュットマンが演奏する、ドイツの様々な教会に設置されたオルガンの響きを楽しめます。
OC-855C
ジョン・ケージ:INDETERMINACY-不確定性 “フォンタナ・ミックス”テープ使用(1958年ミラノ,ジョン・ケージ自身の録音)
スザンヌ・カッセル(P)
ヨアヒム・クロール(朗読)…マルティン・エルドマンのドイツ語翻訳

録音:2012年1月25-27日ドイツ放送,カンマームジークザール
スザンヌ・カッセルによる「ジョン・ケージ生誕100年」に捧げる魅惑的な1枚。ここでは彼女の演奏する(!)ピアノと、ヨアヒム・クロールの朗読に、1958年にケージ(1912-1992)自身が録音した「グラフィックに基づいた音楽」をミックス。このミラノで録音された「演奏」はケージの電子音楽の代表作の一つであり、ピアノの弦をひっかく音やら、ガラスにマイクをこすり付ける音など、これだけでも独立した音楽ですが、ここでこのように使われることで、また新たな「不確定性」を得たのではないでしょうか。「誰でも演奏できそう」ととるか「これは普通の人には再現不可能」ととるか・・・。聴き手にいろいろなものを突き付けてくるかのような挑戦的な1枚です。
OC-856C
フレンチ・リサイタル
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
デュティユー:SACHERの名による3つのストロフ
フランク:ヴァイオリン・ソナタ.イ長調(チェロ編)
ドビュッシー:スケルツォ(1882)
セバスティアン・クリンガー(Vc)
ミラナ・チェルニャフスカ(P)

録音:2011年6月13-15日ノイマルクト・イン・デル・オベルプファルツ,ライトスタデル
あのバッハの無伴奏で奔放なる演奏を聴かせたセバスティアン・クリンガー。彼はこの世代のチェリストの中でもとりわけ優秀な奏者であり、もちろんそのテクニックと音楽性は世界中で高く評価されています。OEHMSレーベルでの2枚目のアルバムは、ちょっと趣向を変えてフランス音楽集に取り組んだ彼。ここでは何とも言えない抒情性と香り高い文学性を帯びた音楽を奏でます。ドビュッシーでの気怠さ、ディティユーの彫りの深さ、フランクでの思い切りのよさ、そして最後のスケルツォの微笑ましさ。バッハの時とは全く違う柔らかさと甘さは、フランスの小粋な雰囲気を余すことなく映し出すものです。ピアノのチェルニャフスカも良く歌う見事な演奏を披露しています。
OC-857C
シューマン:詩人の恋
※5.6.15.16曲目は印刷時に歌集より破棄された曲>
ベルク:7つの初期の歌<夜/葦の歌/ナイチンゲール/夢にみた栄光/室内にて/愛の頌歌/夏の日々>
アーノルド・ベズイエン(T)
ユラ・マルグリス(P)

録音:2011年12月18-21 日 バイロイト シュタイングレーバー・ハウス 室内楽ホール
通常は16 曲のはずのシューマンの「詩人の恋」。ベズイエンはシューマンが作曲しながらも、組曲には入れずに破棄してしまった4 曲を付け加えて“完全版”として歌い上げます。このロマンティックで感傷的な作品を、オランダのベテランテノール、ベズイエンがこの上ない共感を持って歌いあげます。カップリングはベルクの「7 つの初期の歌」で、どちらかというと、繊細な女声で歌われることの多いこの作品に、ベズイエンは力強さと甘さをうまく付け加えています。ピアノのマルグリスが、また見事な表現で彼の歌をサポートしています。
OC-858C
アレクサンダー・マリア・ワグナー
A.M.ワグナー(1995-):第1交響曲「クラフトヴェルク」
バッハ(A.M.ワグナー編):半音階的幻想曲ニ短調
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83
アレクサンダー・マリア・ワグナー(P)
アレクセイ・コルニエンコ(指)ソフィアPO

録音:2010年1月ソフィア・フィルハーモニック
2012年2月&4月シュトラウビンク、リッターザール
このアルバムの録音時「作曲家」であるA.M.ワグナーは、たった14歳であったにも拘わらず、すでに「偉大なる未来」を予言された存在でした。彼の言葉によると「第1交響曲」はストラヴィンスキーの春の祭典に見られるような“音の混沌”と、リゲティの音楽のような強烈なサウンドを持ち合わせており、ゆっくりとした楽章では、連綿と続く変奏で世界の変遷を見据え、自らの使命をも映し出しているというのです。まさに現代音楽界のスターであり奇跡でもある彼は、また屈指のピアニストでもあり、ここでは衝撃的なプロコフィエフと、彼自身が編曲を施したバッハの2作品を披露、この録音当時16歳。斬新な感性をこれでもかと見せつけています。
OC-859C
レオン・ミロ(1956-)パリの情景
メシアン:前奏曲第7番「静かな嘆き」
ミロ:時のテクスチャー
 4つのリズムのエチュード「火の鳥第1」
メシアン:前奏曲第1番「鳩」
ミロ:声の情景
武満徹:雨の樹素描U?オリヴィエ・メシアンの追憶に
メシアン:歌つぐみ
ミロ:鳥の情景
メシアン:幼子イエスに注ぐ20のまなざし第1曲「父なる神のまなざし」
 幼子イエスに注ぐ20のまなざし第2曲「星のま
なざし」
 幼子イエスに注ぐ20のまなざし第7曲「十字架のまなざし」
ミロ:鐘の情景
スザンナ・カッセル(P)

録音:2012年1月27-29日ドイツ放送室内楽ホール
20世紀、最も尊敬された作曲家の一人であるフランスの作曲家オリヴィエ・メシアン。彼の音楽からは鳥の声と神の声が聞こえてくるのです。このアルバムはそんなメシアンの世界を更に拡大するという試みがなされています。ピアニストのスザンナ・カッセルは以前から実験的な試みをその録音に導入する人ですが、今回はアメリカの作曲家レオン・ミロとコンビを組み、独特な「もの」を作り上げました。一種のオーディオ・ブックとも言えるこの作品。メシアンの目指した音楽はミロが作り上げた「Soundscapes-音の風景」の中に緩やかに組み込まれます。鳥の声も街の音も、そしてカッセルのピアノの音も全てが混然一体となって意識の底深くに沈んでいく快感。もちろん単なるヒーリング・アルバムとは一線を画した不可思議な世界です。
OC-860(2CD)
L・モーツァルト:ハンマーフリューゲルのためのソナタ集
《CD1.ソロ・ソナタ集》
ソナタ 第1番 ヘ長調
ソナタ 第2番 ロ長調
ソナタ 第3番 ハ長調

《CD2.ハンマーフリューゲルとチェロ、ヴァイオリンのためのトリオ・ソナタ集》
ソナタ 第1番 ヘ長調
ソナタ 第2番 ハ長調
ソナタ 第3番 イ長調
クリスティーネ・ショルンスハイム(ハンマーフリューゲル…1785年ヨハン・アンドレアス・シュタイン製,モーツァルト・ハウス所蔵)
ルディガー・ロッター(バロックVn)
ゼバスティアン・ヘス(バロックVc)

録音:2011年10月31日-11月2日 アウスブウルク ツォイグハウス,ムジクザール、2012年3月6-7日 ミュンヘン ゼントリッヒ,昇天教会
優れた鍵盤楽器奏者、研究者であるショルンスハイム。バッハやハイドンの幾多の名演を挙げるまでもなく、現代最高のバロック音楽の担い手の一人として素晴しい活動をしています。このアルバムではレオポルド・モーツァルト(1719-1787)のソロ・ソナタとトリオ・ソナタを演奏しています。トリオ・ソナタでは、“リリアルテ”のメンバーとして、ビーバーの「ロザリオのソナタ」(OC-514)などで考え抜かれた演奏を繰り広げていたヴァイオリニストのロッターと、同じくバロック・チェロの名手ヘスとともに、見事なアンサンブルを聴かせます。父モーツァルトの作品は、現代ではほとんど忘れ去られてしまっていますが、改めて聴いてみると、バロックから古典派へと移り変わる時代を見事に表出していることに気が付くのではないでしょうか?
OC-861C
アメリカの思い出
ガーシュウィン:歌劇「ポーギーとベス」から(J.ハイフェッツ編)<It Ain’t Necessarily So-必ずしもそうじゃない/Bess You Is My Woman Now-ベス、お前はおれのもの/Tempo di Blues-ブルースのテンポで>
ウィリアム・クロル(1901-1980):バンジョーとフィドル
スティーヴン・フォスター(1826-1864):金髪のジェニー(J.ハイフェッツ編)
アンリ・ヴュータン(1820-1881):アメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」Op.17
コルンゴルト:劇音楽「から騒ぎ」Op 11 より
ブロッホ:ニーグン
J.ウィリアムズ(1932-):「シンドラーのリスト」よりテーマ
ホセ・ブラガート(1915-):グラシエラとブエノスアイレス
ホセ・ブラガート:ミロンタン
ピアソラ:タンティ・アンニ・プリマ
ワックスマン:カルメン・ファンタジー
ジョン・ケージ:0'00"
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アンドレアス・フレーリヒ(P)

録音:2012年2月22-24日 ケルクラーデ ロルドック,アウラ・ミノール,
このアルバム、最初は「ハリウッドのサウンド」というタイトルが予定されていたそうです。しかし演奏を重ね、選曲を吟味しているうちに構想が膨らみ、結局のところは「様々な作曲家たちによるアメリカの印象」を盛り込むこととなり、それに伴ってタイトルも変更されたというものです。“新世界”であった20 世紀初頭のアメリカの印象を、改めて探ってみたくなるようなお洒落で重厚な作品が並びます。ヴァイオリンを弾くアイヒホルンは、OEHMS では初録音となりますが、NAXOS レーベルを始めとしたいくつかのCD で素晴しい演奏をしている人で、ここでも曲に応じていろいろな表情を使い分けながら、楽しい音楽を聴かせます。
OC-862E(2CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲変ロ長調K207
ヴァイオリン協奏曲ニ長調K211
ヴァイオリン協奏曲ト長調K216
ヴァイオリン協奏曲ニ長調K218
ヴァイオリン協奏曲イ長調K219
ヴァイオリン協奏曲ニ長調K271
※カデンツァ…ミリアム・コンツェン
ミリヤム・コンツェン(Vn)
バイエルン・カンマーフィルハーモニー
ラインハルト・ゲーベル(指)

録音:2011年11月29日-12月3日ミュンヘン・バイエルン・音楽スタジオ
前作「モーツァルト・イン・イタリー」(OC-753)で素晴らしい演奏を聴かせたゲーベルとコンツェンが再び共演。今作ではモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を刺激的に、そしてじっくりと聴かせます。通常は5曲を数えるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲、彼らはあえてK271aのニ長調(現在では疑作とされることが多い)もカウントし、通し番号を付さずに演奏しています。この作品は自筆譜が紛失、現在では筆写譜のみが存在していて、「1777年7月16日、ザルツブルクで作曲」とイタリア語で書き込みがあるとされていますが、未だに彼の作品であるという確証は持たれておりません。演奏機会もごく稀ですが、ここでのコンツェンとゲーベルは、一つの作品としてこの曲をリスペクト。見事な音楽を創り上げています。コンツェンのヴァイオリンはいつものように美しさの極みであり、またゲーベルのアプローチも変わることなく、小編成のモダン楽器オーケストラを意のままに操り、小気味よい演奏を繰り広げています。OC-753…ミリアム・コンツェン&ゲーベル:モーツァルト・イン・イタリー1770年、モーツァルト少年がイタリアを訪れた際に耳にした、あるいは影響を受けた作品を収録したものです。
OC-863C
ヘルベルト・シュフ
シューベルト:さすらい人幻想曲ハ長調D760Op.15
ヤナーチェク:ピアノソナタ
「1905年10月1日」(街頭より)
シューベルト:ピアノ・ソナタイ長調D664
ヘルベルト・シュフ(P)

録音:2012年8月1-4日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
2013年にも来日し、その才能の片鱗をまざまざと見せつけたピアニスト、ヘルベルト・シュフ。このアルバムは彼が愛するシューベルトとヤナーチェクの作品集です。ここでの彼はただ2人の作曲家の作品を取り上げたのではなく、演奏するピアノも変えて、彼らの個性を描きだしています。彼のとってのシューベルトは放浪を繰り返す“自然主義的”な音楽であり、ヤナーチェクは禁欲的で重い“11月の空気”のような音楽なのだそうです。シューベルトの2つの作品も明らかに性格が違うと感じられたため、敢えてピアノを変え、その異なる音色を楽しめるように考えられています。華麗な「さすらい人」、悲痛な嘆きが範反映されたヤナーチェク、そして室内楽的な調和を保つ「ソナタイ長調」。これらの違いをじっくり感じてみてください。
OC-864C
ドビュッシー&ショパン:作品集
ドビュッシー:映像第1集&第2集
ショパン:24 の前奏曲 Op.28
パリス・ツェニコグルー(P)

録音:2012 年7 月14-16 日 ミュンヘン バイエルン放送 第2 スタジオ
1989 年、ギリシャのテッサロニキで生まれたツェニコグルー。ピアノを始めたのは8 歳と若干遅めではありますが、その3 年後にはすでにバッハのピアノ協奏曲ニ短調と、ゴルトベルク変奏曲を公式の場で演奏するなど、瞬く間に才能を発揮したのでした。教えていたジャニス・アダミディスは、15 歳になった彼をミュンヘンの音楽演劇学校に留学させ、そこでフランツ・マッシンジャーに師事、2012 年6 月に卒業証書を得たのです。現在はザルツブルク・モーツァルテウム音楽院の修士課程で学び、マレイ・ペライアから指導を受けています。18 歳の頃から何枚かのCD をリリースし、また演奏会のオファーも数多く、今後ますます注目を浴びる逸材であることは間違いありません。このアルバムではショパンの「前奏曲」とドビュッシーの「映像」という、極めて多感で繊細な作品が選ばれており、彼の資質を垣間見ることができる1 枚となっています。
OC-865C
高き天よりわれは来たれり〜クリスマスのオルガン作品集
バッハ:前奏曲とフーガ.ハ長調BWV547
 いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV599
 「いと高きにある神にのみ栄光あれ」によるフゲッタBWV677
 パストラーレヘ長調BWV590
ブラームス:コラール前奏曲「一輪のばらは咲きて」Op.122-8
ノヴォヴィエジスキ(1877-1946):クラクフの旧セントメアリー教会のクリスマスOp.31-8
フロール・ペータース(1903-1986):目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声Op.68-5
ペータース:高き天よりわれは来たれりOp.70-3
 光の創り主Op.75-10
オットー・マリング(1848-1915):キリストの生誕Op.48より<野の羊飼い/東方の三賢者/ベツレヘム>
アレクサンドル・グリマン(1834-1911):カンティレーナ・パストラーレ(思い出)Op.15
グリマン:ポーランドの古いノエルによる序奏と変奏Op.60-2
 ノエル・ブラパンコン(ハイドン風)Op.60-3
アンドレ・フルーリー(1903-1995):ブルゴーニュ地方のノエルによる変奏曲
バーバー:「きよしこの夜」によるコラール前奏曲Op.37
ミヒャエル・ハルトマン(Org…ミュンヘン、聖ボニファツ教会ミュライゼン・オルガン)

録音:2012年6月11.12日ミュンヘン聖ボニファツ教会
クリスマスとオルガン…これ以上ふさわしい組み合わせはありません。本来クリスマスは「キリストの誕生を静かに祝う日」であり、この日のためのコラールを聴きながら喜びに打ち震える日なのです。ここに収録されている曲は、日本ではあまり馴染みのないもので、とても珍しい作品も含まれていますが、どれもが伝統のクリスマス・ソングに由来しているもので、美しく穏やかな雰囲気が満ち溢れています。オルガニストのハルトマンは1955年生まれの名手。高校時代からフランツ・レールンドルファーの弟子として腕を磨き、哲学と神学、舞台芸術も学び、グラーツではオペラ歌手のトレーナーをも務めたという多彩な才能を持つ人です。即興演奏も得意で、日本にも何度か来日しています。
OC-866C
ウェン・シン=ヤン&アドリアン・エティカー:リサイタル
コダーイ:ソナティネ
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタD821
ドホナーニ:ソナタロ短調Op.8
クライスラー:中国の太鼓Op.3
カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):ロッシーニの「セビリャの理髪師」よりフィガロ
ブラームス:「野辺にひとり」Op.86-2
ウェン・シン=ヤン(Vc)
アドリアン・エティカー(P)

録音2012年6月13-15日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
指揮者ロリン・マゼールが大絶賛しているというチェリスト、ウェン=シン・ヤン。1965年にスイス、ベルンに生まれ、チューリッヒでクロード・スターク、ベルリンのウルフガング・ベッチャーに師事、マスタークラスをヤーノシュ・シュタルケル、ダーヴィド・ゲリンガスに師事。24歳にして、バイエルン放送交響楽団の主席チェロ奏者となり、2004年まで務めた経歴を持ち、現在ではソロ、室内楽で幅広く活躍している人です。日本にも何度も来日し、その豊かな音楽性と音色で多くの聴衆を魅了しています。このアルバムではピアニストのエティカーと親密な対話を繰り広げています。

OC-867C
アレクサンダー・シンプ
ラヴェル:クープランの墓
スクリャービン:5つの前奏曲Op.74
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D960
アレクサンダー・シンプ(P)

録音:2012年3月12-14日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
アレクサンダー・シンプは、2008年のドイツ音楽コンクールで14年ぶりの優勝者となったピアニスト。
清潔なテクスチュアを均質に保ちながら作品の構成をクリアに再現する誠実なピアニズムが特徴。「クープランの墓」の“リゴードン”は通常よりもリズムの重心を下げて浮遊感よりも舞曲的な躍動に比重を置くのが独特。“メヌエット”の神経質に透明感を追求するのではない温かなタッチも魅力。“トッカータ”の声部ラランスの鉄壁さも聴きもの。スクリャービンはタッチの色彩変化で聴き手を翻弄することなく水墨画的な雰囲気が漂います。
シンプのピアニズムに最も自然に合致していると思われるのがシューベルト。肩の力を抜いてそっと心の襞に語りかける第2楽章が印象的で、終楽章をこれほど清潔に描ききった演奏も久しいでしょう。【湧々堂】
OC-868E(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ集
ソナタ.第1番 ト短調 BWV1001
ソナタ.第2番 イ短調 BWV1003
ソナタ.第3番 ハ長調 BWV1005
パルティータ 第1番 ロ短調
BWV1002
パルティータ 第2番 ト短調 BWV1004
パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
ゴットフリート・シュナイダー(Vn)

録音:2011年8月 ミュンヘン 音楽演劇学校 大ホール
オーストリア、バードガシュタインの音楽家の家庭に生まれ、11 歳でソリストとしてデビューした神童です。オットー・ヴュヒナー、マックス・ロスタル、イヴァン・ガラミアンに師事し、カール・フレッシュ国際ヴァイオリンコンクールやベオグラード国際青年音楽コンクールなどの数々の国際コンクールを制覇、マールボロ音楽祭ではルドルフ・ゼルキンに招待され演奏を披露し、ヴォルフガンク・サヴァリッシュとの共演が話題となり世界中で演奏会を行うようになります。教師としても素晴らしい才能を持ち、デュッセルドルフ国立音楽大学マスターコース主任を経て、1991 年よりミュンヘン国立音楽大学ヴァイオリン科主任として活躍、ヴァイオリン及び室内楽を指導しています。また現代作曲家の作品を積極的に紹介し、不当に忘れられた作曲家の復興にも尽力しています。そんな彼が真っ向から取り組んだバッハの最高傑作です。これはただただ瞑目して聴くほかありません。

OC-869C
ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14 アンドレス・オロスコ=エストラーダ
(指)
ウィーン・トーンキュンストラーO

録音:2012年10月07日ライヴ録音:ウィーンムジークフェライン,ゴルデナー・ザール
1977年、コロンビア、メデジン生まれの若手指揮者アンドレス・オロスコ=エストラーダ。もともとはヴァイオリニストとして才能を伸ばしていましたが、彼はウィーン国立音楽大学でブルーノ・マデルナ、ハンス・スワロフスキーの弟子であるウーロシュ・ラヨヴィチに指揮を学び、指揮者としての能力を開花させ、各地の歌劇場指揮者として研鑽を積んだ後に、2009年からウィーン・トーンキュンストラーOの首席指揮者を務めることになりました。このアルバムはそんな彼とオーケストラの初のアルバムとなります。最近の若手指揮者の例にもれず、レパートリーは幅広いのですが、彼がとりわけ愛しているのはロマン派とウィーンの古典派であり、また現代音楽とスペイン音楽だそうです。このアルバムではそんな彼の伸びやかな才能を存分に感じることができるでしょう。
OC-870C
イギリス歌曲集
パーセル:もし音楽が愛の糧であるのなら(第3稿)Z379C
彼女は恋し、愛をうちあけるZ413
恋の病から飛び立とうZ630
しばし楽の音にZ583
新しいグラウンドZ339
ばらよりも甘いZ585
おお孤独よ、わが甘き選択Z406
アンソニー・プール(1629頃-1692):ジュスティナス
ニコラ・マッテイス(1650頃-1703頃):新しい歌のコレクション〜いいえ、あなたは私のように愛したことなど決してない
おいで、いとしき人
それは私たちの力、セリアではありません
クロリンダ、あなたの準備は無駄になる
私がコリンナの同情を懇願するとき
いいえ、わがクロエ、私たちはこの場所を出発する
ジョン・ダウランド:涙のパヴァーヌ
再び来ておくれ
私は彼女が泣くのを見た/流れよわが涙
愛よ、みつけたことがあれば話しておくれ
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(C.T)
オルガ・ワッツ(Cemb)
アクセル・ヴォルフ(Lute)
パヴェル・セルビン(バロックVc)
「リローデッド・ハッセ」(OC830)でその才能を鮮烈に印象付けた次世代カウンターテナー、ヴェラール・バルナ=サバドゥス。彼の最新アルバムはパーセル、ダウランドを中心としたイギリス・ルネッサンス期の歌曲集です。愛、苦しみ、憧れ、死・・・溢れんばかりの事象をシンプルなメロディに閉じ込めたダウランドの歌。イタリアやフランスの華やかさも感じさせるパーセルの歌。そして1650年頃のイタリアに生まれながらも放浪の末に1670年頃にロンドンに落ち着いたというマッテイスの自由な歌。どれもチャーミングでありながらも人生の深遠を感じさせる完成度の高いものです。サバドゥスの歌とそれを支える器楽奏者たち。親密な空気はそれはそれは心地よいものです。
OC-871E(2CD)
シューマン:ばらの巡礼Op.112
レクイエム変イ長調Op.148
ブリッタ・シュタルマイスター(S)
アントニア・ブルヴェ(S)
オリヴィア・フェルモイレン(Ms)
ダニエル・ベーレ(T)
トビアス・ベルント(Br)
コルス・ムジクス・ケルン
ダス・ノイエ・オルケスター
クリストフ・シュペリング(指)

録音2010年9月19日ケルン西部ドイツ放送,クラウス・フォン・ビスマルク-ザール
シューマン(1810-1856)がその晩年になって、立て続けに作曲したオラトリオ「ばらの巡礼」とレクイエム変ニ長調の2曲を、シュペリングの慈愛溢れる演奏で。「ばらの巡礼」は、人間界に下ったばらの精の物語であり、題材は若き頃の作品である「楽園とペリ」に似ているものの、はるかに円熟した音楽に満たされています。レクイエムは彼の最後の大作であり、持てる力を全て振り絞ったかのような悲痛さと、静謐な美しさを備えています。どちらも極めて充実した作品でありながら、あまり演奏の機会に恵まれないこの2曲を、等身大の姿で再現した名演です。
OC-872C
ヴルフィン・リースケ〜ソルとジュリアーニを弾く
ソル:練習曲Op.35-第17番
 練習曲Op.35-第22番
 練習曲Op.6-第11番
 モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲Op.9
ジュリアーニ(1781-1829):ソナタハ長調Op.15
ソル:悲歌的幻想曲Op.59
 アンダンテ・モデラート
ジュリアーニ:前奏曲Op.83-2
 前奏曲第4番/ 前奏曲第5番
 変奏曲Op.112
ヴルフィン・リースケ(ギター)

録音:2011年10月21-23日ケルンWDR放送第2ホール
日本にも何度も来日経験のあるヴェテラン・ギタリスト、ヴルフィン・リースケによるソルとジュリアーニのギター作品集です。「ギターのベートーヴェン」の異名を取るスペイン・バルセロナ生まれのフェルナンド・ソル。そしてナポリでギターの魅力に取りつかれたマウロ・ジュリアーニ。この2人がいなければ、現在これほどまでにギター音楽が愛されることはなかったでしょう。ただこの2人の作風は若干違っており、当時としては先鋭的な音を使い、どちらかというとロマン派とみなされるソルの音楽に比べ、ジュリアーニは変奏曲形式を好み、美しいメロディに装飾を施していくというものが多く、またヴァイオリンとの二重奏にも素晴らしい作品を残しているのが特徴です。リースケの演奏は2人の個性を際立たせ、超絶技巧を織り込みながら各々の曲に強い主張を持たせています。
OC-873C
ジョゼッフォ・ツァルリーノ:6声のモジュレーション(1566)
最初の神/サルヴェ・レジナ/今日キリストが生まれる/敬虔なるセバスチャン/ミゼレリス・オムニウム/神に聞く/神よ慈悲を与えたまえ/復活のいけにえ/わが父よおそばに/おお、いと聡明なる乙女/おお、なんと栄光に満ちているか/ユダヤ人は努めて/我らが父よ-めでたしマリア
ジンガー・プア

録音2013年2月20-22日ミュンヘンゼントリンク,昇天教会
16世紀イタリアの作曲家ツァルリーノ(1517-1590)。フランシスコ会の修道士であり、聖マルコ大寺院の楽長としても活躍し、ヴェネツィア楽派の主要な人材を何人も育てあげました。作曲家としても数多くのモテットを残しましたが、現在彼の名は音楽理論家として知られており、和声においては「あらゆる音程の中で3度の音程が最も重要である」と考えた最初の人物とされています。このアルバムに収録された彼の作品は、寺院の祭日のためのものであり、シンプルなメロディにつけられた幽玄なハーモニーは美しさを保ちながらも、見事な規則性に従った厳格なものです。ジンガー・プアの最高の歌唱で、この世界が蘇りました。
OC-874C
ロシアの魂
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1 番ニ長調Op.11
プロコフィエフ:束の間の幻影より<第1 番:Lentamente/第3 番:Allegretto/第4 番:Con eleganza/第16 番:Dolente/第10 番:Ridicolosamente/第17番:Poetico/第14 番:Feroce>
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第4 番ニ長調Op.8
アポロン・ミューザゲート・クァルテット
<パヴェウ・ザレイスキ(第1 ヴァイオリン)/バルトシュ・ザフウォト(第2 ヴァイオリン)/ピョトル・シュミエウ(Va)/ピョトル・スクイヴェレス(Vc)>

録音2012 年6 月23-26 日ミュンヘンバイエルン放送第2 スタジオ
2008年にミュンヘン国際音楽コンクールで最優秀賞を獲得し一躍注目を浴びた、ポーランドの若手弦楽四重奏団、アポロン・ミューザゲート・クァルテット。2012 年に来日した際も、その瑞々しい感性と揺るぎない解釈、そして見事なアンサンブルで耳の肥えた聴衆をうならせたのが記憶に新しいところです。OEHMS レーベルからの第2 弾リリースはロシアの作品集。前作(OC-749)は自己紹介のような選曲であり、ハイドン、ブラームス、シマノフスキ、シチェドリンと多彩なプログラムでしたが、今回はじっくり腰を据えて「ロシア物」に取り組んでいます。甘さと若々しさを併せ持つチャイコフスキー、諧謔的なプロコフィエフ、聴きやすそうな振りをして、実はトンデモなく難しい音楽であるショスタコーヴィチの第4 番(特に終楽章が凄い)。
OC-875C
ジョリヴェ:オーボエとコーラングレのための室内楽作品集
セレナード〜オーボエとピアノのための
ソナティネ〜オーボエとファゴットのための
コントラヴァルシア〜オーボエとハープのための
オリノコ川の丸木舟を操る人の歌〜オーボエとピアノのための
典礼組曲〜声,コーラングレ(オーボエ持ち替え),チェロ、ハープのための
ステファン・シッリ(コーラングレ/Ob)
クリスティアーネ・カルク(S)
クリスティーナ・ビアンキ(Hp)
マルコ・ポスティングゲル(Fg)
セバスティアン・クリンガー(Vc)
オリヴァー・トリエンドル(P)

録音:2012年3月20-22日…1-9,2012年9月22日…10-17ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオRecording
フランスの現代作曲家アンドレ・ジョリヴェ(1905-1974)。彼のファンはとても多いのですが、それは彼の作品があまりにも独創的であり一度聴いたら忘れられないほどに印象深いものだからでしょう。このアルバムにはそんなジョリヴェの室内楽作品がたっぷり収録されています。どれもエキゾチックなメロディに充たされいますが、中でも耳に残るのが「典礼組曲」でしょうか。ここでオーボエを吹いているのはバイエルン放送響の首席奏者シッリ。彼はオーボエとコーラングレを持ち替えて、このヘブライ風のメロディを見事に演奏しています。そよぐ風をイメージさせる涼やかなハープ、はるか彼方から届く祈りの声。各楽器の音がせめぎあい心地良く体に纏わりつく様は、確かに他の作曲家の作品では味わえない快感です。ソプラノのカルクを始めとした素晴らしい奏者たちの奏でる音楽も極上です。
OC-876C
リュートの友たち
ヴァイス:幻想曲変ロ長調
 リュートとマンドリンのためのコンセール(原曲:リュートとフルートのためのコンセール…フランク・レーアによるフルート=マンドリン・パート再構築)
  前奏曲ニ短調
エルンスト・ゴットリープ・バロン(1696-1760):フラウトドルチェとリュートのためのコンチェルト(組曲)
ヴァイス:幻想曲ハ長調
バッハ(ヴァイス):リュートとチェンバロのためのソナタイ長調BWV1025
 チャコーナ.イ長調
アクセル・ヴォルフ(Lute)
アンナ・トルゲ(マンドリン)
ドロテー・オベルリンガー(ブロックフレーテ
クリストフ・アンゼルム・ノル(Cemb)

録音:2012年5月30日-6月2日ノイマルクト,ライトシュターデル
現代最高のリュート、ギター奏者アクセル・ヴォルフ。彼はハンス・ミヒャエル。コッホに師事し、ナイジェル・ノース、ホプキンスン・スミスのマスター・コースを受講し、ロルフ・リスレヴァントにも師事し研鑽を重ねて来ました。OEHMSレーベルを始め、これまでにも何枚ものCDをリリース。演奏活動も活発に行っています。このアルバムは輝かしさと仄暗さが相俟った独特の静かな音楽で知られるヴァイスの作品を中心に収録した1枚です。彼のオリジナルの作品のいくつかを冒頭に置き、やはり素晴らしいリュート作曲家であるながら、あまり知られる事のなかったバロンのソナタを1曲。そしてヴァイスが編曲したバッハの「ヴァイオリンとチェンバロのための組曲」のリュート版、またヴァイスのオリジナル作品を最後に置くというプログラムで、曲の間に流れる親密な空気が、そのまま演奏家たちの間に流れているというもの。「FRIENDS」と言う言葉がぴったりの1枚です。
OC-877C
Aufbruch-目覚めよ〜ヘッセとゲーテによる歌曲集
シューマン:ミニョンのための歌曲集Op.98
シェック:J.W.ゲーテによる歌曲集Op.19
ユリエ・キルピネン(1892-1959)H.ヘッセの詩による連続歌曲集Op97
シェック:H.ヘッセの誌による歌曲集<記念日/ニノンのために/口笛吹き/あなたはそれを知っているの?/あなたは何を笑っているの?/休みなく>
R・シュトラウス:4つの最後の歌
ゾフィア・ブロンマー(S)
アレクサンダー・シュマルツ(P)

録音:2013年8月19-21日バイエルン放送第1スタジオ
1981年生まれのソプラノ、ゾフィア・グロンマーのデビュー・アルバムです。彼女は1998年と1999年にドイツ連邦の「青少年音楽コンクール」で賞を受賞、そして2008年には「バイエルン芸術賞」、2009年には「アウスプルク劇場賞」も獲得しています。2012年には超難関として知られるミュンヘン国際音楽コンクールで第3位に輝き、観客賞と特別賞も授与されています。ここでの彼女は、その若々しい持ち味を生かして、ヘッセとゲーテの詩による4人の作曲家のリートを歌っています。若干線の細く暗めの声(ユリアーネ・バンゼを思わせる)ですが、何とも深い味わいと青草さ、そして時に見え隠れする人懐っこさが魅力的。揺れ動く感情を巧みに表現する歌唱は、将来の大物を予見させるものです。
OC-878C
ジンクフォニカー:チャットルーム〜エンヨット・シュナイダー(1950-):作品集
明けの明星-歌曲集<第1番:マイヤーさん/第2番:膝/第3番:あなたは誰?/第4番:小さな虫の告白/第5番:ナゾベーム/第6番:祈り/第7番:大きなラウラ>
愛の変奏曲<第1番:アレグロ・バルバロ/第2番:夜のカンティレーナ/第3番:短縮されたタンゴ/第4番:スケルツィッシモ>/12-16.チャット・ルーム<第1番:Hiiiii,welcome, bussiiiii,thx../第2番:暗い部屋、または:孤独な心のバール/第3番:LOL&HDGDL,?チャットの何でも屋/第4番:夜のマナーのバラード/第5番:ハイスピードのサイバー・デート>
ジンクフォニカー
ドイツ・カンマームジークアカデミー・ノイス

録音:2012年5月30-31日,9月15-16日ドイツ放送室内楽ザール
現代ドイツにおける映画音楽の第1人者であるエンヨット・シュナイダー。彼の作風はとても柔軟であり、ある時はマイケル・ナイマン風、ある時はニーノ・ロータ風の作品を易々書くかと思えば、新古典派の作品と見紛うばかりの激しいオルガン・トッカータを書くなど、本当に変幻自在な人と言えそうです。このアルバムに収録されている3つの作品も、当然の如くただものではありません。大真面目な風を装って書かれている「明けの明星」、なぜ愛なのか説明してほしい「愛の変奏曲」、そして少しだけ以前の世界を跋扈したインターネット・チャット(今ではLINEか?)。どれも真っ向から対峙しても理解するのは難しそうな曲たちです。しかし、これらをひたすら楽しく聴かせてくれるのが、ドイツで最も人気を博しているヴォーカル・グループ「ジンクフォニカー」の面々です。

OC-879C
アレクセイ・ゴルラッチ/ベートーヴェン・リサイタル
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」Op.8
ピアノ・ソナタ第14番「月光」Op.27-2
ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
アレクセイ・ゴルラッチ(P)

録音:2013年7月4-6日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
若き逸材アレクセイ・ゴルラッチ。彼は1988年ウクライナに生まれ、12歳の時にベルリン芸術大学にてM.ヒュッヘに師事。19歳の時にはカーネギー・ホールで演奏し高い評価を受けています。様々なコンクールで上位入賞し、最近では2011年のミュンヘン国際コンクールで優勝。一躍注目を浴びています。それ以前に日本では2006年の浜松国際ピアノコンクールで優勝を飾っており、世界に先駆けて日本での人気を勝ち得ている人としても知られています。このアルバムは彼が最も得意としているベートーヴェン。収録されているのは「悲愴」を始めとする超人気曲3曲ですが、どれもがまるで初めてこの世に生まれてきたかのような瑞々しさと、厳粛さを纏った素晴らしい演奏で、例えば「悲愴」の第2楽章の天国的な美しさなどは、この若きピアニストの類い稀なる資質にほれぼれする他ありません。
OC-880C
ウィリアム・ヨン〜モーツァルトを弾く
ピアノ・ソナタ変ホ長調K282
ピアノ・ソナタ.イ短調K310
ピアノ・ソナタ.ハ長調K330
ピアノ・ソナタ変ロ長調K570
ウィリアム・ヨン(P)

録音:2013年3月1-3日ミュンヘン・バイエルン放送第2スタジオ
若き韓国のピアニスト、ウィリアム・ヨンのOEHMSデビュー・アルバムです。彼は他のレーベルからショパンのピアノ協奏曲やシューベルトの即興曲集、他、ロマン派のいくつかの作品をリリースしています。華麗なタッチはもちろんのこと、彼の特筆すべき点は、リリカルな音楽性と詩情溢れる解釈でしょうか。例えばショパンの2番の協奏曲での、美しい歌い回しは若干線の細さを感じさせるものの、穏やかで甘く、第2楽章の劇的な部分でも決して声を荒立てることのない上品さには驚くばかりでした。このモーツァルトでは、ロマン派の音楽のような甘さは影をひそめるものの、全体に漂う爽やかさと清冽さがたまりません。
OC-881C
ジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ&アントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディ:チェロと通奏低音のためのソナタ集
プラッティ:ソナタ.第1番WD698/1
 ソナタ.第2番WD698/2
 ソナタ.第4番WD698/4
ヴィヴァルディ:チェロ・ソナタ.イ短調VIIIRV44
 チェロ・ソナタ.ト短調VIIRV42
 チェロ・ソナタ.変ロ長調VIRV46
プラッティ:ソナタ.第3番WD698/3アダージョ
ゼバスチャン・ヘス(Vc)
アクセル・ヴォルフ(Lute&テオルボ)

録音:2012年8月14-16日グロスラングハイム聖ヤコブ教会
1722年、若き音楽家であったジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ(1697?-1763)は、当時ハンブルクとヴュルツブルクの領主司教ヨハン・フィリップ・フランツ・フォン・シェーンボルンの宮廷にオーボエ奏者として招かれました。彼は領主の弟フリードリヒ・カールにも声楽教師として仕えることとなります。その6年後、当時既に高い名声を得ていたヴィヴァルディ(1678-1741)が神聖ローマ帝国のカール6世を謁見する機会を持ち、この時、協奏曲集「チェトラ」を献呈したことは有名です。この2人の作品を並べ聞くことで18世紀初めのドイツ、イタリアの音楽の変遷を味わっていただくことが可能です。落ち着いた風情のプラッティに比べて、ヴィヴァルディの作品はやはり華やかさの面で一歩先んじています。ヘスの表情豊かなチェロ、そして鮮やかなヴォルフのリュート&テオルボ。この時代の響きを忠実に伝えます。
OC-882C
シューベルト:歌曲集「美しき水車屋の娘」D795 マキシミリアン・シュミット(T)
ゲロルト・フーバー(P)

録音2013年1月3-5日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
古楽演奏で人気を博しているマキシミリアン・シュミット。レーゲンスブルクの少年合唱団を皮切りに、1999年にベルリン芸術大学で学び、バイエルンでオペラにも出演。最近はシャイーの「マタイ」でも瑞々しいテノールを聴かせました。OEHMSにおける録音はシューマンの「詩人の恋」(OC819)に続く2枚目のもの。伴奏は同じくベテラン、フーバーです。途切れることのない小川の流れのように、数多くの歌手たちが演奏を重ねていくこの名曲、シュミットの演奏も新たな心象風景をみせてくれるものです。どこまでも伸びていくような高音と繊細な弱音が魅力です。
OC-883C
暗き光〜ブラームス:歌曲集
ブラーテンとダウマーによる9つリートと歌Op.32
バスのための4つの厳粛な歌Op.121
帰郷Op.7-6
おまえの青い瞳よOp.59-8
郷愁UOp.63-8/.五月の夜Op.43-2
おお涼しい春よOp.72-3
家もなく、故郷もなくOp.94-5
別れOp.97-6
マルティン・ヘンゼル(Br)
ヘダイェト・ヨナス・ジェッディカー(P)

録音:2011年6月11-12日.12月8日.2012年6月9日チューリヒ,ラジオスタジオ
ドレスデンで生まれ、数々の音楽アカデミーで学んだバリトン歌手マルティン・ヘンゼル。チューリヒの音楽アカデミーではヴェルナー・ギューラに師事しリートを研究。ハルトムート・ヘルの元で研鑽を積んでいたときにはフィッシャー・ディースカウとユリア・バラディにも強く影響を受けたといいます。チューリヒ歌劇場でデビューし、数々のオーケストラ(バロックも含む)と共演、多くの歌曲やオラトリオを歌っています。そんな彼による「暗き光」と題されたこのブラームス(1833-1897)の歌曲集に耳を傾けてみると「交響曲やピアノ曲でのブラームス」とはまた違った印象を受けるのではないしょうか?交響曲のようなベートーヴェン譲りの堅固さでもなく、晩年のピアノ曲のような内省的で晦渋さでもない、ブラームスの心の声のようなものが、余すことなく表出されているように思えます。もちろん「4つの厳粛な歌」のような、全ての世俗的なものから解脱したかのような精神的な作品も含めて、実直で愛すべき人間であったブラームスが透けて見えるような迫真の歌唱です。
OC-884C
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」より名合唱集
<第1部>
シンフォニア/こうして主の栄光があらわれ…/彼はレビの子孫を清め…/ひとりのみどりごがわれわれのために生れた…/いと高きところでは、神に栄光があるように…/彼のくびきは負いやすく…
<第2部>
見よ、世の罪を取り除く神の子羊…/まことに彼はわれわれの病を負い…/彼の打たれた傷によって…/われわれはみな羊のように迷って…/彼は主にみをゆだねた…/門よ、こうべをあげよ…/神の御使いたちはことごとく…/主は命令を下される…/ああ麗しいかな…/われらは彼らのかせをこわし…/ハレルヤ、全能者にして主なるわれらの神は…
<第3部>
死よ、お前の勝利は、どこにあるのか…/神に感謝あれ/ほふられた子羊こそは…/アメン
ノイマイヤー・コンソート
マインツ音楽大学・バロックCho
ミヒャエル・ホフステッター(指)

録音:2011年9月マインツ聖イグナチオ教会
ヘンデルの名作オラトリオ「メサイア」から感動的な合唱部分だけをじっくり楽しむ1枚です。バロック音楽のオーソリティ、ホフステッターによる納得の指揮で、オーケストラ、合唱も驚くほど壮麗。文句なしの演奏です。クリスマス時期にぴったりですが、もちろん1年中通して愛していただけます。
OC-885C
時の反射〜シュシャヌ・シラノシアン(Vn)
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ルスト(1739-1796):独奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番ロ長調
ビシャーラ・エル=コーリー(1957-):アルミニアOp.90(2012)
 ペルペトゥエルOp.83(2010)
ルクレール(1697-1764):2台のヴァイオリンのためのソナタホ短調Op.3-5
ヨハン・シュターミッツ:2台のヴァイオリンのためのディヴェルティメント.ニ長調
エリック・タンギー(1968-):2台のヴァイオリンのためのソナタ(2011)

■ボーナス・トラック
グリゴー・ナレカッツィ(950-1003):Havun-Havun(アルメニア民謡-ヴァイオリンとドゥドゥク編)
シュシャヌ・シラノシアン(Vn)I
リュディガー・ロッター(バロックVn)
ジャン=マルク・フィリップス=ヴァルジャベディアン(Vn)
レヴォン・チャティキャン(ドゥドゥク)

録音:2013年4月15-16日ポール・ロワイヤル修道院,2013年6月25-28日聖マルティン=ホスタン教会
フランス=アルメニアの女性ヴァイオリニスト、シュシャヌ・シラノシアンによる興味深い1枚。バロックの作品と現代の作品が絶妙なバランスを持って並ぶという構成、そして美しい音色。彼女は2台のヴァイオリン…ジュゼッペ&アントニオ・ガリアーニ(こちらはガット弦、バロックスケール)と、ジュゼッペ・グァルネリ(こちらはモダン)を使い分け、様々な時代を自由に行き来して、時代の制約をさっぱりと取り払い、ひたすら「音楽」を追求しています。ルクレールのソナタ以外は、全て初録音となります。
OC-886C
EVOCATION
ドビュッシー:子どもの領分より「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」
 前奏曲第1 巻より「ヴィーノの門」
アルベニス:イベリア第2 巻より「トゥリアーナ」
 イベリア第1 巻より「エボカシオン(招魂)」
 イベリア第1 巻より「セビーリャの聖体祭」
シューマン:子どもの情景Op.15
キム・バルビエ(P)

録音2012 年3 月ベルリンテルデック・スタジオ
フランスのピアニスト、キム・バルビエ。彼女はフランス人とベトナム人の両親の間にパリで生まれました。その後アフリカと南フランスで育ち、パリのコンセルヴァトワールではピエール=ロラン・エマールに教えを受けています。他にもジョルジ・クルタークやパトリック・コーエン、レオン・フライシャーなどの錚々たる名手に指導を受けた彼女、驚くほど幅広いレパートリーを持っています。そのため、ソリストとしてだけでなく、多くの指揮者や共演者たちに愛されており、数多くのオーケストラやアンサンブルと共演、世界中でコンサートを行い好評を博しているのです。この「EVOC-ATION」と題されたアルバムは、ドビュッシーとアルベニス、シューマンという3 人の作曲家の作品が収められたもの。美しいタッチで演奏された全ての曲から立ち上る香気がたまりません。いつまでも子供の心を忘れない大人に捧げる1 枚です。
OC-887C
バッハ:バスのためのソロ・カンタータ集
われは満ち足れりBWV82
平安、汝とともにあれBWV158
われ喜びて十字架を担わんBWV56
:トーマス.E.バウアー(Bs)
エリーザ・ラバヌス(S)
コルス・ムジクス・ケルン
ダス・ノイエ・オルケスター(ピリオド楽器使用…415')
クリストフ・シュペリング(指)

録音:2013年2月14-17日ケルンゾルストックメランヒトン教会
バリトン歌手トーマス.E.バウアー。彼が現在最も力を入れているバッハ(1685-1750)のバス・カンタータ集です。「冬の旅」を始め、数々のアルバムで名唱を聴かせるバウアーですが、近年ますます声に深みを加え、今回はバッハでも素晴らしいソロを歌っています。彼は1970年に生まれ、少年時代はレーゲンスブルク大聖堂聖歌隊に属していました。その後ミュンヘン音楽大学を卒業し、ヘレヴェッヘを始めとした大指揮者たちと共演。その実力を広く世界に知らしめています。このバッハのカンタータは、多くのバス・バリトン歌手たちに愛され、様々な解釈が施されていますが、ここでの彼らの演奏はどちらかというと厳しさよりも優しさを追求したものであり、バウアーの艶やかで甘さを含んだ声がその表現を後押ししているかのようです。BWV82のオーボエ・ソロの自由闊達さにも耳を奪われます。
OC-888C
R・シュトラウス:交響詩集第1集
交響詩「英雄の生涯」Op.40
交響詩「マクベス」Op.23
セバスチャン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O

録音:2011年6月19-20日、2013年5月26-27日フランクフルト歌劇場ライブ
2014年はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の生誕150年にあたります。OEHMSレーベルでは、そんな彼の偉業をたたえて新しいプロジェクトを立ち上げました。それは現在ワーグナーの一連の作品で素晴らしい演奏を披露しているヴァイグレが指揮するフランクフルト歌劇場Oの芳醇なる響きで楽しむ交響詩集です。まず第1弾は「英雄の生涯」と少々珍しい「マクベス」の組み合わせで、「誇大妄想的」と言われるシュトラウスの音楽から余分なものをそぎ落とした極めて現代的な表現を楽しむことができます。
OC-889C
R・シュトラウス:交響詩集第2集
ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらOp.28
家庭交響曲Op.53
フランクフルト歌劇場O
セバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音:2012年1月15-16日、2013年5月26-17日 1フランクフルト歌劇場ライブ
「英雄の生涯」「マクベス」(OC-888)に続く、ヴァイグレ&フランクフルトSOによるリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)作品集の第2集です。今回はなかなか表現の難しい(気恥ずかしい)「家庭交響曲」と彼の交響詩中、最も人気の高い「ティル」のカップリング。ともすれば散漫になってしまいがちな「家庭交響曲」での集中力、「ティル」での活発で飄々とした表現。ヴァイグレの手腕をとことん堪能できる素晴らしい1枚となっています。
OC-890
R・シュトラウス:管弦楽作品集第3集
交響詩「ドン・ファン」Op.20
交響曲ヘ短調
フランクフルト歌劇場O
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音:2014年3月2.3日、2015年3月8.9日 アルテン・オーパー・フランクフルト・ライヴ
交響曲は、青年期の作品であり、シュトラウスらしさは散見されるものの、まだまだ独自の個性を発揮するところまでは至っておらず、そこが却って微笑ましいとも言える曲なのです。初演時にブラームスには酷評されたものの、聴衆には好感を持って迎えられたようですが、次第に忘れ去られてしまい、現在ではあまり聴く機会がありません。まだ交響詩の概念はなく、曲の構成はベートーヴェンに対するオマージュであるともされますが、なかなか意欲的な作風が貫かれていることも確かです。
OC-891B03
R・シュトラウス:アルプス交響曲 フランクフルト歌劇場O
セバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音:2015年11月1日.2日フランクフルトアルテ・オパー
2016年にも来日、レパートリーの広さで定評のあるドイツの指揮者セバスチャン・ヴァイグレ。OEHMSレーベルで進行中のこのリヒャルト・シュトラウスのシリーズは、ヴァイグレが「最も得意である」と語る作曲家であるだけに、どれも力の入った見事な出来映えを誇っています。今回の「アルプス交響曲」はとりわけ多彩な響きを駆使した映画音楽のような作品であり、ヴァイグレはオペラで培った巧みな統率力と表現力で、雄大なアルプスの風景だけでなく、シュトラウス(1864-1949)が作品に秘めたニーチェの影響(アンチクリスト)までをも丁寧に描き出そうとするかのようです。
OC-892
NX-B03
R・シュトラウス:交響詩集
交響詩「イタリアから」Op.16
セバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O

録音:the Alte Oper Frankfurt ライヴ録音
ヴァイグレとフランクフルト歌劇場Oによるリヒャルト・シュトラウスの管弦楽作品集第5集は、20代の若きシュトラウス による2曲の交響詩を収録。「死と変容」は曲を先に書いてから、彼の友人であるアレクサンダー・リッターに曲にふさわしい詩 を書くように依頼し、スコアの冒頭に掲げたという曲。当時の彼自身の死生観が凝縮された名作です。もう1曲の「イタリアか ら」は明るく伸びやかな曲。旅行先で見たイタリアの風光明媚な景色が曲に反映されており、シュトラウスにおける標題音楽 の始まりをなす作品とも言われています。リヒャルト・シュトラウス作品を得意とするヴァイグレは絶妙なオーケストレーションを 余すことなく伝えるニュアンスに富んだ演奏を聴かせます。
OC-894E(2CD)
エレン・ティスマン:ショパンを弾く第2集
バラード第1番ト短調Op.23
マズルカ.ト短調Op.24-1
マズルカ.ハ長調Op.24-2
マズルカ変イ長調Op.24-3
マズルカ変ロ短調Op.24-4
バラード第2番ヘ長調Op.38
舟歌嬰ヘ長調Op.60
想曲ロ長調Op.9-3
バラード第3番変イ長調Op.47
幻想ポロネーズ変イ長調Op.61
バラード第4番ヘ短調Op.52
エレン・ティスマン(P)

録音:2012年9月18-20日スイス
エレン・ティスマンは1982年生まれ。パリ音楽院で学び、ケルン音楽大学でローラン=エマールに20世紀音楽を、更にウィーンでオレグ・マイセンベルクに学びました。2006年ダルムシュタット・ショパン国際コンクールで優勝。もっぱら現代音楽を演奏するピアニストとして知られていましたが、2010年、ショパン国際ピアノ・コンクールのファイナリストとなりその存在が注目されました。彼女のショパンアルバムはこれが2枚目であり、コンクール参加前に収録された第1集の「ピアノ・ソナタと前奏曲集」は独特の乾いたタッチ(とりわけソナタ2番の終楽章が面白い)とユニークな解釈が評価されています。この第2集は2012年の録音で、彼女の成長もよくわかるもの。バラエティに富んだ選曲も聴きどころです。
OC-895C
NUEVO TANGO NUEVO
マルセロ・ニシンマン:ダーク・ブルー・タンゴ(2012)(バンドネオンと室内オーケストラのための)
ジュリオ・ビエラ(1943-):真夜中のタンゴ(2012)(室内オーケストラとバンドネオンのための)
パブロ・オルリッツ(1956-):マドリガル(2012)(室内オーケストラのための)
マルセロ・ニシンマン(バンドネオン・ソロ)
オルケストレ・ムジケ・デ・ルミエレス
ファクンド・アグディン(指)

録音2012 年11 月スイスドレモン
最近、すっかりバンドネオンの音色も日常生活に定着し、どこでも耳にするようになってきました。しかし、大抵は「ピアソラ」の名前を介してのこと。タンゴ=ピアソラ…そろそろこの図式も取り払ってもよいのではないでしょうか?このアルバム、まさに「新しいタンゴ」を集めたものです。もちろん全ての曲が最近書かれたばかりの世界初録音。3 人の作曲家の名前にはほとんど馴染みがなくとも、彼らはみな現在のアルゼンチンを牽引する優れた人たちなのです。これらのタンゴは踊るためというよりも「聴くため」に書かれた本格的なタンゴであり、愉しさはもちろんのこと、様々な試みや手法が施された、実に手の込んだ作品なのです。バンドネオンを演奏するのは、作曲家でもあるニシンマン(1970-)その人。

OC-896C
バッハ:ヴァイオリン作品集
ソナタ第3番ハ長調BWV1005
コンチェルトト短調BWV1056R(チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056からの再構築)
ソナタ第2番イ短調BWV1003
ヴァイオリン協奏曲イ短調BWV1041
イスカンダル・ヴィジャヤ(Vn&指)
ベルリン・カメラータ

録音2012年11月&2013年6月ベルリン=ダーレムイエス・キリスト教会
1986年ベルリン生まれの若きヴァイオリニスト、イスカンダル・ヴィジャヤのバッハ作品集。前作(OC-822)では、フレッシュな感性と技巧に裏打ちされた興味深い音楽を存分に披露していました。多くの名指揮者たちにも絶賛され(とりわけエッシェンバッハは彼を高く評価している)、世界中のオーケストラとも共演を果たし、その音楽性にますます磨きがかかっていることは間違いありません。そんな彼の新譜はバッハの作品集。この孤高の作曲家を彼は独自のやり方で手中に収めました。ある時はたった一人で向き合い、またある時はオーケストラを率いながら、作品を歌い上げます。指揮者としても素晴らしい才能を抱く彼。将来には明るい未来が開けています。
OC-898C
メンデルスゾーン:交響曲第1番&第3番
交響曲第1番ハ短調Op.11
交響曲第3番イ短調「スコットランド」Op.56
ウィーン・トンキュンストラーO
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指)

録音:2011年10月2.5日
2013年2月17.20日
ウィーンムジクフェライン・ライヴ
1977年コロンビア生まれの指揮者アンドレス・オロスコ=エストラーダ。2010年からク
リスチャン・ヤルヴィの後任としてウィーン・トンキュンストラーOを纏め上げ、その類い稀なる才能が話題となっています。前作のエベルリオーズのフレッシュな解釈や、オーケストラの自主制作盤であるマーラーの第1番での奔放な演奏で、じわじわと人気を集めている彼、2014/2015年のシーズンからhrSO(フランクフルト放送交響楽団)の首席指揮者として、また2015年の9月からはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者として、一層の活躍が期待されています。そんなエストラーダの新作はメンデルスゾーン(1809-1847)の第1番と第3番の交響曲集。はじける若々しさと野心的な演奏は、確かに聴き手の心をくすぐるものです。
OC-897C
テレマン:協奏曲集
2本のオーボエ,2台のヴァイオリン,2台のヴィオラ,ファゴットと通奏低音のためのフランス風協奏曲ト短調TWV53:g1
2台のヴァイオリンと通奏低音のためのトリオニ長調TWV42:D13
リコーダー,ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオト短調TWV42:g13
2台のヴァイオリンとヴィオラ,通奏低音のための協奏曲変ロ長調TWV43:B1
リコーダー,弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調TWVAnh.51:D
2本のオーボエ,ファゴット,2台のヴァイオリン、2台のヴィオラと通奏低音のためのソナタホ短調TWV50:4*
ル・アカデミア・ジョコーサ<メンバー:シュテファン・シッリ(バロック・オーボエ)/トビアス・フォーゲルマン(バロック・オーボエ)/ヴァレリー・ジラール(バロック・ヴァイオリン)/ダヴィッド・ファン・ダイク(バロック・ヴァイオリン)/マリー・グレヴィンク(バロック・ヴァイオリン)/佐藤俊介(バロック・ヴァイオリン)/アニヤ・クレイナッケ(バロック・ヴィオラ)/ロザール・ハース(バロック・ヴィオラ)/ヨハネス・ベルガー(バロック・チェロ)/くらばやしまきこ(ファゴット)/アレクサンダー・スコット(ヴィオローネ)/ペーター・コフラー(ハープシコード)>

録音:2012年10月24-25日,11月3日ミュンヘン,バイエルン放送第1スタジオ
※*以外=世界初録音
テレマン(1681-1767)の作品は非常に広範囲に渡っていて、当時存在したほとんどのジャンルをカバーしていたといっても過言ではないほどです。彼はその作品中、様々な楽器を縦横無尽に用いていますが、その音楽の本質はカンタービレにあり、どの楽器もその特色を存分に披露しながら高らかにメロディを歌い上げています。当時流行の兆しを見せていたフランス風の形式も取り入れながら、ある時はポーランドの民俗的なものの影響も感じさせるこれらの豊かな音楽を、バイエルン放送響の首席オーボエ奏者シュテファン・シッリを中心としたアンサンブル、ル・アカデミア・ジョコーサが壮麗に、賑やかに演奏しています。現在、古楽奏法の最先端を行くオランダの奏者たちと2人の日本人演奏家も、アンサンブルに高く貢献しています。
OC-899C
エフゲニー・グンスト:ソナタ=幻想曲ヘ短調Op.8
.3つの前奏曲Op.13
ハイデルベルクのスケッチ集Op.6
無言歌ホ短調Op.2-1/素晴らしきダンスOp.29
無言歌嬰ハ短調Op.2-2/12の小品Op.28
ソナタ第2番嬰ハ短調Op.10
スザンヌ・ラング(P)

録音:2013年6.8.9.11月ザンドハウゼンクララ=ヴィーク・アウディトリウム
2010年春、バーゼル大学の音楽学セミナー室の地下から、ロシアの作曲家エフゲニー・グンスト(1877-1950)の作品が発見されました。この作曲家、今ではほとんど忘れられてしまっていますが、彼が活躍していた時代はいくつかの点で高く評価されていた芸術家であり、革命前のロシア音楽界に大いなる影響を与えた人でもありました。スクリャービンの側近であり、革命が起きてからは、1920年にエストニアを経由してパリに亡命。そこで寂しく生涯を終えたのです。彼の自筆スコアは非常に几帳面に書かれていますが、そこから立ち上る音は、これまでに聞いた事のないような独自なものであり、先人であるメトネルやスクリャービンとも違う不思議な雰囲気を醸し出しています。

OC-901G(3CD)
フェランディーニ(1710-1791):歌劇「ウティカのカトーネ」 クリストフ・ハンマー(指)
ノイエ・ホフカペレ・ミュンヘン
OC-902C
ヘンデル::歌劇「ロタリオ」(抜粋) ヌリア・リアル(アデライーデ)
ロレンス・ザッゾ(ロタリオ)
アンドレアス・カラシアク(ボレンガリオ)
ポール・グッドウィン(指)
バーゼル・バロックCO
OC-903F(2CD)
シューベルト:歌劇「グライヒェンの伯爵」(リヒャルト・デンザー補筆完成版) コルネリア・ホラク、
レティツィア・シェラー(S)
フロリアン・ベッシュ(Br)
クルト・シュテルニク(語り)
クリストフ・エーバーレ(指)
フォアアールベルクSO&cho
OC-905F(2CD)
ハイドン:オラトリオ「四季」 ミア・ペールソン(S)
ジョン・マーク・エインズリー(T)
デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Bs)
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO、
ザルツブルク・バッハcho

録音:2004年9月30日、ザルツブルク・モーツァルテウム大ホール、ライヴ
OC-906F(2CD)
ベルリオーズ:レクィエム*
カンタータ「クレオパトラの死」+
序曲「ローマの謝肉祭」
ジュゼッペ・サバッティーニ(T)*
ヴィオレッタ・ウルマーナ(Ms)+
ベルトラン・ドゥ・ビリー(指)ウィーンRSO
ウィーン国立歌劇場cho*
ウィーン・ジングアカデミー*
OC-907C
シューベルト:歌曲集「冬の旅」 トーマス・E.バウアー(Br)
ジークフリート・マウザー(P)

録音:2004年9月14日
OC-908F(3CD)
ヒンデミット:歌劇「画家マティス」 シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO
ハンブルク州立歌劇場cho
Falk Struckmann(Mathis)
Scott MacAllister(Albrecht von Brandenburg)
Carsten Wittmoser(Lorenz von Pommersfelden)
Peter Galliard(Wolfgang Capito)
Harald Stamm(Riedinger)
Par Lindskog(Hans Schwalb)
Moritz Gogg(Truchses von Waldburg)
Jurgen Sacher(Sylvester von Schaumburg)
Ho-yoon Chung(Pfeifer des Grafen)
Susan Anthony(Ursula)Inga Kalna(Regina)
Renate Spingler(Grafin Helfenstein)

録音:2005年9月25日、ハンブルク州立歌劇場、ライヴ
タイトルロールは、リセウ劇場の「リング・ツィクルス」での名演が光るファルク・シュトルクマン。現在最高のワーグナーバリトンとして名を馳せる人だけあって、ここでの歌唱もしびれるほどに見事。
OC-909F(2CD)
サリエリ:歌劇「ダナオスの娘たち」 ソフィー・マラン=ドゥゴール(S)
ハンス・クリストフ・ベゲマン(Br)
クリストフ・ゲンツ(T)
キルシュテンブライゼ(S)他
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)
ルートヴィヒスブルク城芸術祝祭O&cho

録音:2006年8月28日-31日、ルートヴィヒスブルク城劇場、ライヴ
モーツァルト・イヤーのおかげで、ライバルとされたサリエリのオペラにも光が当たったのでしょうか。とにかく録音的にも、全曲盤としては今までに2種類ほどしかリリースされていない貴重なものです。この作品は、初演時はグルック作として発表されました。しかし、これはグルックが当時34歳のサリエリをパリの楽壇に売り込むために仕組んだ作戦だったというのです。もちろんパリの聴衆はこのオペラに熱烈な賛辞を送り、そこでグルックが「この作品を書いたのは実はサリエリでした」と発表したところで、その評価が下がることはありませんでした。内容は、当時流行のギリシア神話を基にした悲劇で、若干荒唐無稽なあらすじですが、(ダナオスには娘が50人もいる!)音楽はなかなか重厚で、目立つアリアこそありませんが、聴き所はたっぷり。さすがベルリオーズも絶賛したと言われる作品です。この演奏では、オリジナル楽器を使用しています。 また、最近バイエルン国立歌劇場、リセウ劇場、ベルリン・コミッシェ・オーパ、ザルツブルク音楽祭などからの客演、そして古典派の隠れた作品の復活上演(アイブラーの作品)などを手がける若手指揮者、ホフシュテッターの指揮によって演奏されています。
【ルートヴィヒスブルク城芸術ファスティヴァル】 
1975年より、毎夏にバーデン=ヴュルテンベルク国際音楽祭の一環として行われる、ルートヴィヒスブルク城芸術祭。フランスのヴェルサイユ宮殿を模して作られたバロック様式の城館を中心に繰り広げられる音楽祭で、演目は管弦楽、室内楽、バレエ、演劇、美術展と多彩で、出演者には国際的に活躍する演奏家が多数参加している。城の中の劇場や大広間で室内音楽などに耳を傾けることができ、文字どおり貴族になったような優雅な気分にひたれる。
OC-910F(2CD)
チマローザ:歌劇「オラーツィオ兄弟とクリアーツィオ兄弟」 フロリアン・モック(T;プブリオ・オラーツィオ)
アンドレアス・カラシアク(T;マルコ・オラーツィオ)
カーステン・ブレイス(S;オラーツィア)
アンナ・ボニタティブス(Ms;クリアーツィオ)
リサ・ラーション(S;サビーナ)
トビアス・シュアベル(B; Augure )
ダニエル・スト(司祭)
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)
ルートヴィヒスブルク城芸術祝祭O&cho

録音:2005年7月3日、ルートヴィヒスブルク城劇場、ライヴ
OC-911F(2CD)
M・ハイドン:歌劇「アンドロメダとペルセウス」 ハイケ・ポルシュタイン(S)
クリスティーネ・ヴォルフ(S)
マックス・チオレク(T)
ライムント・ノールト(T)
ギュンター・クレーマー(語り)
ラインハルト・ゲーベル(指)
ザールブリュッケンRSO
ケルン声楽アンサンブル
OC-913F(2CD)
アルビノーニ:セレナータ「オーロラの誕生」 ラドゥ・マリアーン(男声S)
ゲルノット・ハインリヒ(T)
クリスティーナ・ヨナス(S)
テリー・ウェイ(CT)
アドリーネ・シモニアン(Ms)
ルネ・クレマンシッ(Cemb)(指)
クレマンシック・コンソート
[ヒロ・クロサキ、イシュトヴァーン・ケルテス(バロックVn)、ウルスラ・コルチャック(バロックVa)、クラウディオ・ロンコ(バロックVc)、ロベルト・センシ(ヴィオローネ)、フーベルト・ホフマン(テオルボ)]

音:2007年1月18日-23日、ウィーン王宮礼拝堂、ウィーン W*A*R スタジオ
クレマンシックの最新録音。1710年頃に出版されたというアルビノ−ニの珍しい作品です。作品の存在自体がほとんど知られておりませんが、実は名テノール山路芳久さんが出演したライヴ盤というのもあるので、お聴きになったことがある人もいるかも知れません。ここでは各パート1 人による弦楽セクションによって全編田園的で素朴な音楽が横溢した、典雅で美しい世界です。もちろんヒロ・クロサキのバロック・ヴァイオリンも素晴らしく美しい。昔、ウィーン少年合唱団のアイドルの一人でもあったテリー・ウェイが、カウンター・テナーとなって、落ち着いた歌声を披露。今回は9 歳で「夜の女王のアリア」を歌って話題となった、現在ソプラニスタとして活躍しているラドゥ・マリアンも出演。この作品に出てくるソプラノより高い声と少年のような声は、不思議としかいいようがありません。その他の歌手も、バロック歌手としてでなく、ウィーン国立歌劇場やフォルクスオーパなどでも活躍している歌手たちも起用しているのも、奇才クレマンシックならでは!
OC-914C
バッハ:カンタータ第201番「急げ、渦巻く風ども」BWV.201 シモーネ・ノルト(S)
アンネッテ・マルケルト(Ms)
マルクス・シェーファー(T)
ヴェルナー・ギューラ(T)
コンラッド・ジャーノット(Br)
シュテファン・ゲンツ(Br)
ハンスイェルク・アルブレヒト(指)
ミュンヘン・バッハcho、
バッハ・コレギウム・ミュンヘン

録音:2007年7月3日-6日
「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」「ワーグナー:指輪」のオルガン編曲版で話題のハンスイェルク・アルブレヒト。彼は今シーズンより、あのカール・リヒターが設立したミュンヘン・バッハ合唱団の音楽監督に就任しました。彼の考えによると、このカンタータ201番には序曲があったに違いないと。彼は断片として残されている「復活祭カンタータ」からの音楽を新たに構成し、序曲として加えています。最近としては珍しくモダン楽器での演奏ですが、そんなことは全く感じさせず、最近のオリジナル楽器奏法を取り入れ、軽快なバッハ像を表現しています。ソリストたちも、古楽演奏の有名な歌手たちばかりを起用していますです。
OC-915F(2CD)
デュカス:歌劇「アリアーヌと青ひげ」 デボラ・ポラスキ、
ステラ・グレゴリアン、イレアーナ・トンカ、
ニーナ・バーンシュタイナー(S)
ジェーン・ヘンシェル(A)
クワンチュル・ヨン(Bs-Br)
アンテ・ジェルクニカ、マルクス・ラープ(Bs)
ルクサンドラ・ドノーゼ(Ms)
エリック・アルミン(T)
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO、
スロヴァキア・フィルハーモニーcho

録音:2006年5月5日、ウィーン・コンツェルトハウス、ライヴ
OC-916C
モーツァルト:ミサ曲「コシ・ファン・トゥッテ」K.253e(編曲者不詳)*
行進曲 ハ長調 K.408 NO3
交響曲第41番「ジュピター」
シリ・キャロリン・トルンヒル(S)
ウルスラ・アイティンガー(Ms)
フーベルト・ネッティンガー(T)
シュテファン・ゲイヤー(Bs)
フランツ・ラムル(指)
ドイツ・モーツァルトO

録音:2006年6月、ロッゲブルク修道院ライヴ
*=世界初録音
モーツァルトのミサ曲、新発見か?!実は、「モーツァルト:コシ・ファントゥッテ」のメロディーを使ったミサ曲(編曲者不詳)なのです。ミヒャエル・ハイドンの弟子であったろうと考えられているニコラウス・ベッチャー(1745〜1811)によって写譜されたものが、ベルリン国立図書館とフィレンツェ音楽院に所蔵されています。ニコラウス・ベッチャーは、ウッパー・スワビワ修道院長を務めました。ミヒャエル・ハイドンとヨーゼフ・ハイドンは、この修道院のためにいくつかの作品を作曲したと言われています。しかしモーツァルトはこの近くのベネディクト派修道院のために曲を書きましたが、ウッパー・スワビワ修道院のためには作曲しませんでした。そこでニコラウス・ベッチャーは、当時流行っていたモーツァルトのオペラのメロディーを使ったミサ曲を誰かに依頼し、1800年頃に修道院で演奏したのではないかと考えられています。
「この作品は、最高のパロディ音楽であると考えます。(ここで使われるパロディは、現代のパロディと意味が異なります。)古典派になると、特にウィーンでは神聖な場所で劇場的な音楽は批判的にとらえられた時期もありました。しかし、「宗教は、天才的な新しい芸術を取り入れることによって、高尚な精神を奮い立てなければならない」という考えもありました。「コシ・ファン・トゥッテ」には、「フィガロ」や「ドン・ジョヴァンニ」に比べて有名なソロ・アリアは少ない代わりに、アンサンブルが主体であることは、彼のミサ曲の形式に非常に似ています。修道院でのミサの改革をもたらそうとしたベッチャーにとってこの曲を基にした作品を演奏することは、最も良い選択だったでしょう。もちろんそのまま言葉を典礼文に置き換えただけでなく、それぞれのセクションに2つのアリア(アンサンブル)を繋ぎ合せたり、典礼文通りの雰囲気にするためにパッセージや運弓方の変更、使用楽器や調性の変更も多く見られます。通常典礼形式の曲に含まれる「オッフェトリウム」は発見されていないため、「ティトの慈悲」のアリア「もしも私の気に入られたいなら」を、やはり同じように19世紀中頃に編曲された編曲者不詳のオッフェトリウムを挿入しました。」(フランツ・ラムル)
実際に聞いてみると、やはり「おなじみのメロディ」に、違う歌詞がついているのには若干の違和感がありますが、考えてみれば、ビゼーの「アルルの女」の間奏曲にギローが歌詞をつけた「アニュス・デイ」や、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲→「アヴェ・マリア」など、そういう事例は結構多いことに思い当たります。ならば、これもOK。「高尚な替え歌」とでも名付けましょうか。「ジュピター」は、決して楽譜をいじるようなことはなく、確固たるしっかりした作りの上に歯切れの良いテンポを乗せていくというもので、ドイツで高い評価を得ている演奏です。【フランツ・ラムル】1964年生まれ。トン・コープマンにオルガンとチェンバロを学んだ。1990年からはハーグ王立音楽院のバロック・オルガンの教授を務め、ハスラー・コンソートの音楽監督も務める。この彼が新しく設立したジャーマン・モーツァルト・オーケストラは、古典派からロマン派の音楽を演奏するためのピリオド楽器の団体。すでにブラームスやブルックナーの演奏までも試みています。
OC-917F(2CD)
ベルリオーズ:オラトリオ「キリストの幼時」 エド・リヨン(T)
デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Bs)
ミレイユ・ドゥルンシュ(S)
ウィリアム・ダズリー(Bs)
辻マサシ(T)
アイヴォー・ボルトン(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO、
ザルツブルク・バッハcho

録音:2007年12月13日、ザルツブルク、Haus fuer Mozart(旧ザルツブルク祝祭小劇場)、ライヴ
このボルトンの演奏。ハイドンなどでの説得力高い演奏ぶりが反映された、まことに小気味よいもの。オラトリオ歌いとして定評のあるデイヴィッド・ウィルソン=ジョンソンを中心として、ザルツブルク、ウィーン、ミュンヘンで活躍する若手歌手を起用し、今までのこの作品のイメージを覆してくれるでしょう。
OC-918F(2CD)
グルック:歌劇「エツィオ」 ルート・サンドホフ(Ms;ヴァレンティニアーノ3世)
キルステン・ブライゼ(Ms;フルヴィア)フランコ・ファギオーリ(CT;エツィオ)
ソフィー・マラン=ドゥゴール(S;オノーリア)
ステファノ・フェラーリ(T;マッシモ)
ネッタ・オール(S;ヴァーロ)
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)
ルートヴィヒスブルク城芸術祝祭O& cho

録音:2007年7月15日-17日、ルートヴィヒスブルク城劇場、ライヴ
毎年恒例の、バーデン=ヴュルテンベルク国際音楽祭の一環として行われる、ルートヴィヒスブルク城芸術祭の2007年ライヴ録音です。今回のグルックの「エツィオ」は、ローマ皇帝ヴァレンティニアーヌス3世治下の時代、皇帝の軍の隊長エツィオ、ローマの貴族マッシモ。娘のフルヴィアらを中心とする恋と陰謀の物語。当時から人気のあったこの台本は、ヘンデル等らもこのオペラを作曲しています。 この録音では、最近様々なオペラに出演し絶賛を浴びているルート・サンドホフやキルステン・ブライゼ。また、2003年度世界オペラ歌唱コンクール優勝者フランコ・ファギオーリが出演しているのも見逃せません。また、最近バイエルン国立歌劇場、リセウ劇場、ベルリン・コミッシェ・オーパ、ザルツブルク音楽祭などからの客演、そして古典派の隠れた作品の復活上演(アイブラーの作品)などを手がける若手指揮者、ホフシュテッターの指揮によって演奏されています。
【ルートヴィヒスブルク城芸術ファスティヴァル】
1975年より、毎夏にバーデン=ヴュルテンベルク国際音楽祭の一環として行われる、ルートヴィヒスブルク城芸術祭。フランスのヴェルサイユ宮殿を模して作られたバロック様式の城館を中心に繰り広げられる音楽祭で、演目は管弦楽、室内楽、バレエ、演劇、美術展と多彩で、出演者には国際的に活躍する演奏家が多数参加している。城の中の劇場や大広間で室内音楽などに耳を傾けることができ、文字どおり貴族になったような優雅な気分にひたれる。
OC-919F(2CD)
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」(1805年初演版全曲) カミラ・ニュールンド(S)
クルト・シュトライト(T)
ピーター・ローズ(Bs)
ゲルト・グロホウスキ(Bs-Br)
ブリギッテ・ゲラー(S)
ディートマール・ケルシュバウム(T)
ラルフ・ルーカス(Bs-Br)
トーマス・エーベンシュタイン(Bs)
マルクス・ラープ(Bs)
ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンRSO
アルノルト・シェーンベルクガ

録音:2005年8月 アン・デア・ウィーン劇場でのライブ
1805年に、アン・デア・ウィーン劇場で初演が行われた「フィデリオ」。その場所で初演200年を記念して行われたライブ録音です。1805年の初演時には、フランス軍がウィーンを占領下に置いたため、ウィーンの貴族たちは疎開しており客層はフランス軍人ばかりだったため、ドイツ語で書かれたこの作品は全く理解されず、失敗に終わったのでした。 今回、このアン・デア・ウィーン劇場の専属オーケストラ&合唱団。絶好調のベルトラン・ド・ビリーがこの記念公演を担当し、濃厚なロマン性とウィーンの演奏伝統を踏まえながら、引き締まったアンサンブル、磨き上げたディテールと音の透明性で、この作品を見事に表現し物語を進めていきます。ウィーンの音楽シーンに新風を吹き込んでいるド・ビリーと若手歌手たちを中心とした、フレッシュで感動に満ちた名演に仕上がっています。なお初演時の序曲は「レオノーレ序曲第2番」が演奏され、この上演でもこの曲から始まります。
OC-920F(2CD)
マイール(1763-1845):歌劇「フェードラ」 カプチーネ・キアウダーニ(Fedra)
トマス・ザゴルスキ(Teseo)
ベッカ・ネルセン(Ippolito)
リー・デブン(Teramene)
シン・ヒョジン(Atide)ヨ
ルン・リンデマン(Filocle)
ゲルト・シャラー(指)
ブラウンシュヴァイク州立O&歌劇場cho

録音:2008年、ブラウンシュヴァイク州立歌劇場、ライヴ
ヨハン・ジモン・マイール(1763-1845)は、バイエルン王国で生まれ、神学を学び、イアリアで活躍した作曲家であり、1802年からベルガモ大聖堂の終身教会楽長も務めた。彼の門下には、ベッリーニやドニゼッティらおり、ロッシーニやヴェルディらも彼をイタリア・オペラの父と尊敬していた。彼は約60ものオペラを作曲したが、残念ながらそのほとんどは忘れられた作品となっている。この歌劇「フェードラ」は、1820年にミラノ・スカラ座で初演された作品で、2008年にRicordiより校訂新版楽譜が出版されたばかりの作品です。
指揮者のゲルト・シャラーは、1965年バンベルクに生まれ、ハノーファー州立歌劇場の指揮者を務め、ドイツで最も古い歌劇場の一つであるブラウンシュヴァイク州立歌劇場音楽監督を現在務めています。幅広いレパートリーの演奏はどれも創造的で緻密であり、未知の作品をも取り上げており、絶賛を浴びています。また、彼のマーラーやブルックナーの交響曲演奏も定評を得ています。この録音では主役のフェードラ役に、ヨーロッパでトスカを歌わせたら絶品と評され、2006年に来日し絶賛を浴びたカプチーネ・キアウダーニを起用しています。
OC-921D(2CD)
ライマン:歌劇「リア王」 ヴォルフガング・コッホ(リア王)
マグヌス・バル(フランス王)
ディートリヒ・フォレ(オールバニー公)
ミヒャエル・マクコ(コーンウォール公)
ハンス=ユルゲン・ラツァル(ケント伯)
ヨハネス・マルト(グロスター伯)
マルティン・ヴォルフェル(エドガー)
フランク・ヴァン・エイケン(エドマンド)
キャロライン・ウィスナント(リーガン)
ブリッタ・シュタールマイスター(コーデリア)
グレアム・クラーク(道化)
チャド・グラハ(召使い)
ニコライ・クラワ(騎士)
セバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト・ムゼウムO

録音:2008年9月、フランクフルト歌劇場、ライヴ
OC-922C
フォーグラー(1749-1814):レクィエム(1777)
ハイドン::テ・デウム
ゲルト・グクルヘーア(指)
ミュンヘン・ノイエ・ホーフカペレ、
ミュンヘン・オルフェウスcho
OC-924C
ドイツのロマンティック・クリスマス
カール・ホイヤー:キリストの誕生
ベッカー:扉よ、頭を上げよ
レーガー:Es kommt ein Schiff geladen
ギュンター・ラファエル:マリアはいばらの茂みを行く
ヴォルフ:さあ歩きましょう、マリア(聖ヨセフの歌)
レーガー:高く戸を上げよ
ブラームス:一輪のばらが咲いて Op.122-8
ラインベルガー:羊飼いの歌(アンダンテ・パストラーレ)
フンパーディンク:夕べの祈り
カルク=エレルト:高きみ空より我は来れり
メンデルスゾーン:Hort! Die Engel singen
コルネリウス:羊飼いの歌
ブルッフ:羊飼いの子守歌
レーガー:もろびとと声をあげ
R.シュトラウス:ヨハネ騎士修道会の荘重な入場
コルネリウス:Drie Kon'ge wandern aus Morgenland
メンデルスゾーン:歓び歌え、地の民よ
レーヴェ:羊飼いたちはみ使いらの歌
グルーバー:清しこの夜
讃美歌:いざうたえ、いざ祝え
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org/編曲)(指)
ミュンヘン・バッハcho
ハンネス・ロイビン・ブラス・アンサンブル
ぺーター・コフラー(Org)
シュテファン・シーリ(Ob)
ミヒャエル・ヴォレ(Br)
フローリアン・ゾーンライトナー(Vn)
バベッテ・ハーグ(Perc)
OC-925D(2CD)
シモーネ・ヤングの「指輪」第1弾
ワーグナー:楽劇「ラインの黄金」
ファルク・シュトルックマン(ヴォータン)
ヤン・ブッフヴァルト(ドンナー)
ラディスワフ・エルグル(フロー)
ペーター・ガイヤール(ローゲ)
ヴォルフガング・コッホ(アルベリヒ)
ユルゲン・ザッヒャー(ミーメ)
ティグラン・マルティロシアン(ファーゾルト)
アレクサンドル・ツィムバリュク(ファーフナー)
カーチャ・ピーヴェック(フリッカ)
ヘレン・クォン(フライア)
デボラ・ハンブル(エルダ)
ハ・ヤン・リー(ヴォークリンデ)
ガブリエーレ・ロスマニト(ヴェルグンデ)
アン=ベス・ソルヴァング(フロースヒルデ)
シモーネ・ヤング(指)
ハンブルクPO(ハンブルク歌劇場O)

録音:2008年3月、ハンブルク州立歌劇場、ライヴ
ハンブルク州立歌劇場のインテンダントとフィルハーモニーの音楽監督を務めるシモーネ・ヤングはオペラのほかコンサート・レパートリーにも強く、どんなレパートリーにおいても重厚なスタイルで聴きごたえある音楽をつくりあげることで知られています。そんな中で目立つのはヴォータン役のファルク・シュトルックマン。この名前は最近至るところで見かけます。現代最高のヴォータンの一人と言っても差し支えないでしょう。大きな体躯をフル活用した底力のある声が魅力。ヤングとは「画家マティス」で共演していて、気心が知れているのかもしれません。ARTE NOVAでおなじみのソプラノ、ヘレン・クォンの成長ぶりにも目を細めたくなるでしょう。豊富なステージカラー写真入り120ページの解説&リブレット付き。
OC-926H(4CD)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」 ファルク・シュトゥルックマン(ヴォータン)
デボラ・ポラスキー(ブリュンヒルデ)
ステュアート・スケルトン(ジークムント)
イヴォンヌ・ネフ(ジークリンデ)
ミハイル・ペトレンコ(フンディング)
ジャンヌ・ピランド(フリッカ)
ヘレン・クォン(ゲルヒルデ)他
シモーネ・ヤング(指)
ハンブルク州立歌劇場O(ハンブルクPO)

録音:2008年3月12日-19日、ハンブルク州立歌劇場、ライヴ
OC-928G(4CD)
ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」 ジークフリート:クリスティアン・フランツ(T)
グンター…ローベルト・ボルク(Bs-Br)
アルベリヒ…ヴォルフガンク・コッホ(Bs-Br)
ハーゲン…ジョン・トムリンソン(Bs)
ブリュンヒルデ…デボラ・ポラスキ(S)
グートルーネ…アンナ・ガブラー(S)
ヴァルトラウテ…ペトラ・ラング(Ms)
第1のノルン…デボラ・ハンブル(A)
第2のノルン…クリスティーナ・ダミアン(Ms)
第3のノルン…カーチャ・ピーヴェク(S)
ヴォークリンデ…ユン・リー=ハ(S)
ヴェルグンデ…マリア・マルキーナ(S)
フロスヒルデ…アン=ベス・ソルヴァング(Ms)
シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO

録音:2010年10月12.14.17.21日ハンブルク国立歌劇場
シモーネ・ヤングとハンブルク国立歌劇場の「リング・ツィクルス」もいよいよ大詰め。この「神々の黄昏」で幕を閉じます。配役はジークフリートは変わらず、クリスティアン・フランツが張りのある声を生かし、この大役を歌い切りました。ブリュンヒルデはベテラン、デボラ・ポラスキが担当。有無を言わせぬ迫力で現代最高のワーグナー・ソプラノの威厳を見せ付けます。ハーゲン役には、こちらもベテラン、トムリンソン。奸計巡らす悪役を気持ちよいばかりに歌ってのけています。ヤングの指揮は、オーケストラの音色に波打つかのようなうねりを持たせ、かつ、厚みのあるハーモニーと、的確なライトモティーフを聴かせます。全て、この壮大なる叙事詩の締めくくりに相応しい素晴らしいものです。

OC-929(14CD)
ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」

1.《前夜劇「ラインの黄金」》

2.《第1日「ワルキューレ」》

3.《弟2日「ジークフリート」》

4.《第3日「神々の黄昏」》
シモーネ・ヤング(指)ハンブルクPO

《ラインの黄金》…既発品番OC925
ヴォータン…ファルク・シュトルックマン(Br)/ドンナー…ヤン・ブッフヴァルト(Br)/フロー…ラディスワフ・エルグル(T)/ローゲ…ペーター・ガイヤール(T)/アルベリヒ…ヴォルフガング・コッホ(Br)/ミーメ…ユルゲン・ザッヒャー(T)/ファーゾルト…ティグラン・マルティロシアン(Bs)/フリッカ…カーチャ・ピーヴェック(Ms)他

《ワルキューレ》…既発品番OC926
ヴォータン…ファルク・シュトゥルックマン(Br)/ブリュンヒルデ…デボラ・ポラスキ(S)/ジークムント…スチュアート・スケルトン(T)/ジークリンデ…イヴォンヌ・ナエフ(A)/フンディング…ミハイル・ペトレンコ(Bs)/フリッカ…ジャンヌ・ピランド(Ms)他

《ジークフリー」》…既発品番OC927
ジークフリート:クリスティアン・フランツ(T)/ミーメ:ペーター・ガイヤール(T)/さすらい人:ファルク・シュトルックマン(Br)/アルベリヒ:ヴォルフガンク・コッホ(Bs-Br)/ファフナー:ディオゲネス・ランデス(Bs)/エルダ:デボラ・ハンブル(Ms)/ブリュンヒルデ:キャサリン・フォスター(S)/森の小鳥:ハ・ヤン・リー(S)他

《神々の黄昏》…既発品番OC928
ブリュンヒルデ…デボラ・ポラスキ(S)/ジークフリート…クリスティアン・フランツ(T)/ハーゲン…ジョン・トムリンソン(Bs)/グンター…ローベルト・ボルク(Bs-Br)/アルベリヒ…ヴォルフガンク・コッホ(Bs-Br)/グートルーネ…アンナ・ガブラー(S)/ヴァルトラウテ…ペトラ・ラング(Ms)/第1のノルン…デボラ・ハンブル(A)/第2のノルン…クリスティーナ・ダミアン(Ms)/第3のノルン…カーチャ・ピーヴェク(S)/ヴォークリンデ…ユン・リー=ハ(S)/ヴェルグンデ…マリア・マルキーナ(S)/フロスヒルデ…アン=ベス・ソルヴァング(Ms)他
ハンブルク州立歌劇場が総力を結集して臨んだワーグナー(1813-1883)の大作「ニーベルングの指環」全曲。シモーネ・ヤングの揺るぎない指揮と、素晴しい歌い手による完全無欠の演奏です。最近は数多くの映像作品も発売され、ワーグナーが描き出した世界観にも様々な解釈が施される傾向にありますが、まずはこのような正統派の演奏を「音で聴いて」、聴き手が自分なりの世界を構築してから映像を見ると、一層理解が深まることでしょう。全4作を美麗BOXに収録。
OC-930F(3CD)
プフィッツナー:音楽的伝説「パレストリーナ」 パレストリーナ…ペーター・ブロンダー(T)
イギーノ(その息子)…ブリッタ・シュタルマイスター(S)
シッラ(弟子)…クラウディア・マーンケ(Ms)
カルロ・ボロメオ(枢機卿)…ヴォルフガンク・コッホ(Br)
ジョヴァンニ・モローネ(枢機卿使節)…ジョハネス・マルティン・クランツル(Br)
ベルナルド・ノヴァゲリオ(枢機卿使節)…フランク・ファン・アーケン(T)
クリストフ・マルトルシュト/教皇ピウス4世…アルフレード・ライター(Bs)
ロートリンゲンの枢機卿…マグヌス・バルトヴィンソン(Bs)
アドヴィウス…ペーター・マルシュ(T)他
キリル・ペトレンコ(指)
フランクフルト歌劇場O&cho

録音:2010年6月フランクフルト歌劇場ライブ
厳格な教皇ピウス4世によって、ポリフォニー様式のミサ曲の全廃が検討されていた頃(多声ではなく、グレゴリオ聖歌のような単旋律に戻そうという動き)、それを危惧した枢機卿ボロメオがパレストリーナに新作ミサ曲を依頼します。パレストリーナの弟子や息子は、その時代の前衛音楽に心惹かれています。年齢と能力の衰えを理由に、一度は依頼を断ろうとしたパレストリーナですが、その夜に過去の巨匠たちの幻影や、天使たちが現れ、それに拠って霊感を得たパレストリーナは、美しいミサ曲を書き上げます。トリエントの宗教会議では、スペインとイタリアの間で激しい紛争が起こりますが、パレストリーナが書いたミサ曲のおかげで解決します。しかし、結局のところ、彼自身は自らの引き際を感じ、最後は祈りで終息します。後期ロマン派の作曲家、プフィッツナー(1869-1949)による大作「パレストリーナ」。この作品は実在の作曲家パレストリーナが「教皇マルチェルスのミサ曲」を書くにあたってのエピソードを中心に、芸術家の厳しい自律の精神と、16世紀当時の宗教問題も交え描かれた壮大なるドラマです。1917年にワルターの指揮で初演され、トーマス・マンを始めとした文化人たちに高く評価されました。高い倫理性と哲学的な真摯さを持ち、また、パレストリーナが霊感を得る場面からミサを書き上げるまでの音楽の素晴らしさは、言葉に尽くせません。ドイツでは非常に大切にされているこの作品、オペラに付き物の恋愛要素はありませんし、なかなか理解するのは難しいかもしれませんが、過去にはクーベリックの名演があったり、最近では見事な映像もリリースされているので、一度味わってみてはいかがでしょう?素晴らしい歌手陣とペトレンコの集中力ある指揮が、このドラマを一気呵成に聴かせます。
OC-931E(2CD)
プーランク:歌劇「カルメル会修道女の対話」 フォルス侯爵…ジャン・フィリップ・ラフォン(Br)
ブランシュ・ド・ラ・フォルス…サリー・マシューズ(S)
騎士フォルス…ヤン・ボイロン(T)
マダム・ド・クロワシー…デボラ・ポラスキ(S)
マダム・リドワンヌ…ハイディ・ブルンナー(S)
マザー・マリー…ミケーレ・ブリート(Ms)
シスター・コンスタンス…ヘンドリッケ・ファン・ケルクホーフ(S)
マザー・ジャンヌ…マグダレーナ・アンナ・ホフマン(C-A) 他
アルノルト・シェーンベルクcho
ベルトランド・ド・ビリー(指)ウィーンRSO

録音:2008年1月&2011年4月アン・デア・ウィーン劇場
フランスの小説家ベルナノスの「死に直面した修道院長の信仰の危機」をテーマに取り込んだ舞台を見て感銘を受けたプーランク(1899-1963)が、リコルディ社の依頼で書き上げたこのオペラ、結局は最初イタリアで初演され、その数か月後、ようやくプーランクの望んだ形でフランスで初演されることとなります。彼自身の宗教観が反映され、また少しだけ懐古趣味とされる作風、なおかつ透明で静謐な祈りに満ちた音楽。そして作品の全てに「死の影」が横溢したオペラです。プーランクに諧謔的な面影を求める人は、このシリアスな世界に面食らうかもしれませんが、どんな残酷な結末が待っていても目をそむけることなく向き合いたい問題作です。ド・ビリーは周到な準備をもって、この全曲録音に臨み、結果、2008年と2011年のライブから最良の部分を選ぶことで、完成形を提示したのです。
OC-932F(2CD)
デトレフ・グラネルト(1960-):歌劇「カリギュラ」 アシュリー・ホランド(Br)
ミハエラ・シュスター(S)
マルティン・ヴェルフェル(CT)
グレゴリー・フランク(Bs)
ユルギータ・アダモンテ(Ms)
ハンス=ユルゲン・ラザー(T)
ディートリヒ・ヴォレ(Br)
バルバラ・ツェヘマイスター(S)
マルクス・ステンツ(指)
フランクフルト・オペラ・ムゼウムO&cho

録音:2006年10月7日、フランクフルト歌劇場(初演時ライヴ
OC-933F(2CD)
マイール(1763-1845): 歌劇「コリントのメディア」(1813 rev.1821) ヴォチェク・ギールラッハ(Bs)
ローレンス・ブラウンリー(T)
エルジビェータ・シュミトカ(S)
マーク・ミルホファー(T)
イヴリン・ポロック(S)
カルロス・ペトルチェッロ(Br)他
デイヴィッド・スターン(指)
ザンクト・ガレンSO、
ザンクト・ガレン劇場cho

録音:2009年10月、ザンクト・ガレン劇場、ライヴ
OC-934F(2CD)
ヘルゲ・ブルッグラーベ(1973-):化身オラトリオ「ジョシュア」 オリヴィア・イェレミアーシュ(Vc)
ヨハネス・パイツ(Cl)
マレク・ライマン(Perc)
ゲラルディーネ・ツェラー(S)
アンネ・ビールヴィールス(A)
マニュエル・ケーニヒ(T)
クリストフ・バンツァー(語り)
クラウス・バンツァー(指)
ルフェステフーデ室内cho、
アンサンブル・レゾナンツ

録音:2009年11月21日、ハンブルク、ブランケネーゼ教会(ディジタル:ライヴ)
OC-935F(2CD)
ワーグナー:楽劇「ラインの黄金」 ヴォータン:テリエ・ステンスフォルト(ティァリーア・スティーンスヴォールト)
ドンナー:ディートリヒ・フォレ
フロー:リチャード・コックス
ローゲ:クルト・シュトライト(カート・ストレイト)
アルベリヒ:ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー
ミーメ:ハンス=ユルゲン・ラザール
ファーゾルト:アルフレッド・ライター
ファーフナー:マグヌス・バトトヴィンソン
フリッカ:マルティナ:ダイク
フライア:バルバラ・ツェッヘマイスター
エルダ:メレディス・オルウェディ
ヴォークリンデ:ブリッタ・シュタルマイスター
ヴェルグンデ:ジェニー・カールシュテット
フロースヒルデ:カタリーナ・マギエラ
セバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト・ムゼウムO(フランクフルト市立歌劇場O)

録音:2010年5-6月、フランクフルト歌劇場
2010年、フランクフルト・オペラの注目の新演出「ラインの黄金」。こちらは惑星の軌跡を模した舞台が話題となり、ドイツ劇場境界が発行するオペラ・演劇専門誌「ドイチェ・ビューネ」のアンケート(批評家50人による投票)で2009/10シーズンの最優秀オペラ劇場にも選ばれています。この演奏でヴォータンを歌うのは、テリエ・ステンスフォルト。以前、ブルーノ・ヴァイル指揮の「オランダ人」でタイトルロールを歌っていた歌手です。最近は、このヴォータンや「フィデリオ」のドン・ピッツァーロが当たり役です。指揮のヴァイグルは、好評のリセウ劇場のローエングリン、2007年にはバイロイト音楽祭の「マイスタージンガー」など、この手の実力は実証済み。2008年からはこのフランクフルト歌劇場音楽監督と務め、重厚さを残しながらも、淡麗辛口の味わいを生かした素晴らしいワーグナーを聴かせます。

OC-936G(4CD)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」 ジークムント…フランク・ファン・アーケン(T)
フンディング…アイン・アンガー(Bs)
ヴォータン…テリエ・ステンスフォルト(B-Br)
ジークリンデ…エヴァ・マリア・ヴェストブリー(S)
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)
フリッカ…マルティナ・ダイク(Ms)
ヘルムヴィゲ…クリスティアーネ・コール(S)
ゲルヒルデ…アニャ・フィデリカ・ウルリッヒ(S)
ジークルーネ…リサ・ヴェーデキント(Ms)
グリムゲルデ…ターニャ・アリアーヌ・バウムガルトナー(A)
オルトリンデ…モナ・ソム(S)
ヴァルトラウテ…イヴ=モード・ヒュボー(Ms)
ロスヴァイセ…モニカ・ボヒネック(Ms)
シュヴェルトライテ…ベルナデット・フォドール(A)
セバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O

録音 2010年11月ライブ録音 フランクフルト歌劇場
OEHMSレーベルから次々とオペラ全曲盤をリリース。そのどれもが極めて高い完成度を誇るヴァイグレの最新作は、ワーグナー(1813-1883)の「ワルキューレ」です。前作「ラインの黄金」では、演出を含めて批評家、聴衆の双方から大絶賛されましたが、今作はそれ以上にいろいろな面で期待が持てるものであり、緊迫した人間ドラマや、迫力あるワルキューレたちの絡みなど聴くべきところの多い仕上がりを見せています。とりわけ、オーケストラの鳴りのよさは特筆すべき点で、スコアの隅々までもが、切れの良い音で浮かびあがりることで、ワーグナーが音で語りたかった部分が白日の下に晒されたとも言える、オケ好きにも満足の行く演奏です。ヴォータンは前作に続くステンスフォルトで、逡巡する父親の思いのたけを歌いあげます。ブリュンヒルデは、今作では日本でもおなじみのスーザン・ブロックが担当。力強さと繊細さを併せもつ、かわいらしいブリュンヒルデ像を作ります。

OC-937G(4CD)
ワーグナー:楽劇「ジークフリート」 ジークフリート…ランス・ライアン(T)
ミーメ…ペーター・マーシュ(T)
さすらい人…テリエ・ステンスヴォルト(Br)
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)
ファフナー…マグヌス・バルトヴィンソン(Bs)
エルダ…メレディス・アーワディ(C.A)
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O

録音:2011年10月/11月フランクフルト歌劇場ライブ
OC-938G(4CD)
ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」 ジークフリート…ランス・ライアン(T)
グンター…ヨハネス・マルティン・クレンツル(Br)
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)
ハーゲン…グレゴリー・フランク(Bs)
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)
グートルーネ…アーニャ・フィデリア・ウルリヒ(S)/
ヴァルトラウテ/第2のノルン…クラウディア・マーンケ(C.A)
第1のノルン…メレディス・アーワディ(C.A)
第3のノルン…アンゲル・ブルー(S)
ヴォークリンデ…ブリッタ・シュタルマイスター(S)
ヴェルグンデ…ジェニー・カールステット(Ms)
フロースヒルデ…カタリーナ・マギエラ(A)
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O&cho

録音:2012年1月/2月フランクフルト歌劇場ライブ
フランクフルト歌劇場における「指輪」ツィクルス、「ジークフリート」と「神々の黄昏」のリリースです。、徹底したスコアの読み込みから導きだされるオーケストラの豊穣な響きと、現代の最高の歌手たちが歌う登場人物たちは、また新しいドラマを生み出し、21世紀の混沌の時代に一石を投じます。ジークフリート役のランス・ライアンは、最近めきめきと力を付けてきたヘルデン・テノールで、メータ指揮の「バレンシア・リング」でも圧倒的な存在感を見せつけていましたが、ここでも(少々軽めの声ではありますが)見事な英雄ぶりを披露しています。リング好きにはたまらないプロジェクトです。

OC-939(14CD)
ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」


■楽劇「ラインの黄金」

■楽劇「ヴァルキューレ」

■楽劇「ジークフリート」

■楽劇「神々の黄昏」
セバスチャン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O

■楽劇「ラインの黄金」
ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(Br)/ドンナー…ディートリッヒ・フォレ(Br)/フロー…リチャード・コックス(T)/ローゲ…クルト・シュトライト(T)/アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)/ミーメ…ハンス=ユルゲン・ラザール(T)/ファーゾルト…アルフレッド・ライター(Bs)/ファフナー…マグヌス・バルトヴィソン(Bs)/フリッカ…マルティナ・ダイク(Ms)/フライア…バルバラ・ツェヒマイスター(S)/エルダ…メレディス・アルウェディ(A)他
■楽劇「ヴァルキューレ」
ジークムント…フランク・ファン・アーケン(T)/フンディング…アイン・アンガー(Bs)/ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(Br)/ジークリンデ…エヴァ=マリア・ウェストブローク(S)/ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)/フリッカ…マルティナ・ダイク(Ms)/ゲルヒルデ…アニヤ・フィデリア・ウルリッヒ(ソプラノ)/オルトリンデ・・・モナ・ソム(S)他
■楽劇「ジークフリート」
ジークフリート…ランス・ライアン(T)/ミーメ…ペーター・マーシュ(T)/さすらい人…テリエ・ステンスヴォルト(Br)/アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)/ファフナー…マグヌス・バルトヴィソン(Bs)/エルダ…メレディス・アルウェディ(A)/ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)/森の小鳥の声…カテリーナ・カスパー
■楽劇「神々の黄昏」
ジークフリート…ランス・ライアン(T)/グンター…ヨハネス・マルタン・クレンツレ(Br)/アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)/ハーゲン…グレゴリー・フランク(Bs)/ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)/グートルーネ…アニヤ・フィデリア・ウルリッヒ(S)/ヴァルトラウテ/第2のノルン…クラウディア・マーンケ(Ms)/第1のノルン…メレディス・アルウェディ(A)/第3のノルン…エンジェル・ブルー(S)他

録音:2010年5-6月(ラインの黄金)
2010年11月(ヴァルキューレ)
2011年10-11月(ジークフリート)
2012年1-2月(神々の黄昏)
ヴァイグレの「指環」全曲は、すでに映像(OC-999)が発売されていて高い評価を受けています。こちらのBOXは分売で発売されているCDをまとめたもので、前述の映像とは、録音時期が違い、キャストの一部も変更されています。映像で見るか、音で聴くか…2つのパラレルワールドはいかがでしょうか。
OC-940F(3CD)
ワーグナー:歌劇「妖精」 妖精の王…アルフレッド・ライター(Bs)
アーダ…タマラ・ウィルソン(S)
アリンダル…ブルクハルト・フリッツ(T)
ツェミーナ…アーニャ・フレデリカ・ウルリッヒ(S)
フェルツァーナ…ファニータ・ラスカーロ(S)
ローラ…ブレンダ・リー(S)
モラルド…マイケル・ネイジー(Bs)
ドローラ…クリスティアーネ・カルク(S)
ゲルノット…トルステン・グリュンベル(Bs) 他
フランクフルト歌劇場Cho
フランクフルト歌劇場O
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音:2011年5月3-6日 アルテ・オーパー・フランクフルト
最近「指輪」全曲を完成させたヴァイグレとフランクフルト歌劇場が次に取り組んだのは、ワーグナーの初期作品である「妖精」全曲です。カルロ・ゴッツィの原作「へび女」と「からワーグナー自らが台本を作成し1833年から34年にかけて書き上げた大作で、中世の架空の国トラモントで起きた若き王子アリンダルと妖精アーダの物語で、アリンダルが“禁断の質問”をしてしまったために、2 人に様々な苦難が降りかかるというお話。先人であるマルシュナー、ウェーバー、メンデルスゾーンなどの影響が強く感じられますが、やはりワーグナーらしく、彼が生涯を通じて追求した「愛、禁じられた質問、救済」の原型があり、また音楽的にもローエングリンを思わせるメロディがあったりと、多少冗長ではありますがなかなか興味深いものです。
OC-941H(3CD)
ワーグナー:歌劇「リエンツィ」 コーラ・リエンツィ:教皇の公証人…ペーター・ブロンダー(T)/イレーネ:リエンツィの妹…クリスティアーネ・リボル(S)/ステファーノ・コロンナ:コロンナ家の当主…ファルク・シュトゥルックマン(Bs)/アドリアーノ:コロンナの息子…クラウディア・マーンケ(S)/パオロ・オルシーニ:オルシーニ家の当主…ダニエル・シュムツハルト(Br)/教皇の特使…アルフレッド・ライター(Bs)/バロンチェリ:ローマ市民…ベアウ・ギブソン(T)/チェッコ・デル・ヴェッキオ:ローマ市民…ペーター・フェリックス・バウアー(Bs)他
フランクフルト歌劇場O&cho
セバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音2013 年5 月17.20 日アルテ・オパー・フランクフルト
この作品は堂々たる序曲が良く知られていますが、内容もまた豪勢なもの。最初の構想では全曲を演奏するのに5時間以上も掛かることもあって、現在では大抵短縮版(この録音も)で上演されています。後のワーグナー作品のような半音階的な音楽ではなく、どこかヴェルディをも思い起こさせる明快なメロディですが、甘い愛のデュエットや、攻撃的な金管楽器の使い方はワーグナー独自のものであり、ヴァイグレはそんな部分も存分に生かした、迫力ある世界を描き出しえt います。ベテランと若手をバランスよく配した歌手たちの歌唱にも大満足です。
OC-942H(3CD)
ワーグナー:歌劇「恋愛禁制」 シチリアの総督フリードリヒ…マイケル・ネイジー(Br)
貴族クラウディオ…チャールズ・ライド(T)
その妹イザベッラ…クリスティアーナ・リボア(Ms)
貴族ルチオ…ピーター・ブロンダー(T)
アンジェロ…フランツ・マイヤー(Br)
修道女マリアーナ…アンナ・ガブラー(S)
ブリゲーラ…トルステン・グリュムベル(Bs)
ダニエリ…シム・キーワン(Bs-Br)
フランクフルト歌劇場O&cho
セバスチャン・ヴァイグレ(指)

録音:2012年5月2.4日フランクフルト歌劇場ライブ
このオペラ「恋愛禁制」はワーグナーがマクデブルクで指揮者としての修業を重ねていた時代の1834年-1836年に書かれ、その直後、彼自身によってマクデブルクで初演されています。物語は16世紀のシチリア島パレルモ。総督フリードリヒは恋愛を禁じ、違反したものは死刑に処すとし、手始めに貴族クラウディオを捉えます。それを知った彼の妹の修道女イザベッラはフリードリヒに助命を乞いますが、フリードリヒは「それなら恋愛の素晴らしさを教えてくれれば許してやろう」と彼女に言うのです。そこでイザベッラは、昔フリードリヒに捨てられたという修道女仲間のマリアーナを使ってフリードリヒを懲らしめる作戦を立てるのです。さて、物語の行く末は???ワーグナー唯一のオペラ・ブッファ的な作品であり、音楽も多分にヴェルディ風ではありますが、なかなか楽しめる軽いオペラです。歌手たちも伸び伸び歌い、ヴァイグレも幾分力を緩めた楽しい音楽を奏でています。
OC-943H(3CD)
フンパーディンク:歌劇「王の子どもたち」 王の息子…ダニエル・ベーレ(T)
ガチョウ番の娘…アマンダ・マジェスキ(S)
ヴァイオリン弾き…ニコライ・ボルチェフ(Br)
魔女…ユリア・ユオン(Ms)
きこり…マグヌス・ヴァルドヴィンソン(Bs)
きこりの娘…キアーラ・ボイムル(S)他
フランクフルト歌劇場O&cho、少年Cho
セバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音2012年9月-10月フランクフルト・オペラ・ライブ
1854年、ラインラントで生まれケルン音楽院でフェルディナント・ヒラーに師事、やがてミュンヘンでフランツ・パウル・ラハナーとヨーゼフ・ラインベルガーに師事。ナポリではリヒャルト・ワーグナーと知り合い、彼に招かれてバイロイトへ行き、1880年と1881年の「パルジファル」上演の輔佐を務めた作曲家フンパーディンク(1854-1921)。現在ではかろうじて、メルヘンオペラ「ヘンデルとグレーテル」が上演されますが、彼は他にもおとぎ話から題材を取った作品をいくつか残しています。この「王の子どもたち」(日本では慣習的に「王子と王女」と呼ばれている)もそんな作品ですが、内容はちょっぴり寂しいもので、王の息子(継承権がないので王子ではない)と、ガチョウ番に姿を変えられている王家の血を引いた娘の愛の物語。もちろん悲しい結末を辿ってしまいます。音楽も時としてワーグナー風の重厚なものであったり、シェーンベルクを先取りしたシュプレッヒゲザングが使われるなどかなり先進的であり、一筋縄ではいかない作品となっています。指揮は、最近ワーグナーにとことん力を入れているヴァイグレ。ワーグナー的な響きの中に、少しずつ前衛的な音を溶け込ませ、いい味を出しています。
OC-944C
ワーグナー:「ニーベルングの指環」管弦楽曲集
ラインの黄金〜前奏曲
ヴァルキューレ〜第1幕前奏曲
ヴァルキューレ〜ヴァルキューレの騎行
ヴァルキューレ〜第3幕〜「魔の炎の音楽と終景」
ジークフリート〜第1幕前奏曲
ジークフリート〜森のささやきと森の小鳥の情景
ジークフリート〜第3幕前奏曲
神々の黄昏〜第1幕前奏曲
ジークフリートのラインの旅
ジークフリートの死
葬送行進曲、第3幕の最終場面
セバスチャン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O

録音:2010年5-6月(ラインの黄金)
2010年11月(ワァルキューレ)
2011年10-11月(ジークフリート)
2012年1-2月(神々の黄昏)
「指環」の世界観は好きだけど長過ぎて…。そんな思いを抱いている人も多いことでしょう。そんなファンのために作られたのがこの1枚です。長大な物語の中から聞きどころを抽出、管弦楽曲を中心に名場面が綴られています。ワーグナーが描き出した壮大なる世界の「入り口」へようこそ。
OC-945E(2CD)
プッチーニ:歌劇「西部の娘」 ミニー…エファ=マリア・ヴェストブルック(S)
ディック・ジョンソン/盗賊ラメレス…カルロ・ヴェントレ(T)
ジャック・ランス…アシュリー・ホランド(Br)
ニック…ピーター・マーシュ(T)
アシュビーアルフレード・ライトナー…(Bs)
<鉱夫たち>ハリー…ハンス=ユルゲン・ラツァー(T)
ジョー…ビュー・ギブソン(T)
トリン…マイケル・マッコウン(T)
ベッロ…キム・スンコン(Br)
ハッピー…ナタニエル・ウェブスター(Br)
シド…バリント・シャーボ(Br)
ソノーラ…サイモン・ベイリー(Br)
ラーキンズ…ビョルン・ブルガー(Bs)
ビリー・ジャックラビット、インディアン…カルロス・クラウゼ(Bs)
ウォークル/ビリーの内妻…エリザベス・ホウヌング(Ms)他
フランクフルト歌劇場O&cho
セバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音2013年5/6月フランクフルト歌劇場ライヴ
2013年、フランクフルト歌劇場に於いて上演された、クリストフ・ロイによる新演出の「西部の娘」。1907年にメトロポリタン歌劇場の招きでニューヨークに渡ったプッチーニ(1858-1924)が、この歌劇場のために書き上げた作品です。途中、プライヴェートでのいざこざを抱えながらも1909年に完成。その翌年に初演され、当時は高い人気を誇ったことでも知られています。しかし、プッチーニ作品の中では、少し異色な雰囲気を湛えているせいか、後世までその人気を保持することはできず、現在でもあまり上演される機会がありません。そんな作品ですが、この上演は丁寧にブロットを読み解き、シンプルながら説得力のある装置、衣装を用いて、作品の隠れた素晴らしさを存分に味わわせてくれたことが高く評価されたものです。主役を歌うエファ=マリア・ウェストブルックはオランダのソプラノ。容姿も歌唱も素晴らしく、この作品に新しい光を与えることに成功しています。ヴァイグレはいつものように、オーケストラからまるでワーグナーのような重厚な響きを紡ぎ出しています。
OC-946H(3CD)
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」 ローエングリン…ミヒャエル・ケーニヒ(T)/エルザ・フォン・ブラバント…カミュラ・ニュルンド(S)/フリードリヒ・フォン・テルラムント伯爵…ロバート・ヘイウォード(Br)/オルトルート…ミカエラ・シュースター(メゾ・ソプラノ)/ハインリヒ・デア・フォーグラー…ファルク・シュトルックマン(Bs)/ハインリヒ王の伝令…ダニエル・シュムッツハルト(Bs)他フランクフルト歌劇場O&cho
ベルトラン・ド・ビリー(指)

録音:2013年3月.4月フランクフルト歌劇場
歌手たちの力量はもちろんのこと、オーケストラにも高い技術と表現力を要求するこの歌劇、ド・ビリーは透明感溢れる色彩で、見事にワーグナーが望んだであろう響きを表出しています。エルザ役のニュルンドやハインリヒ王役のシュトルックマンの安定した歌唱はもちろんのこと、タイトル役のケーニヒの堂々たる歌唱にも注目です。
OC-947E(2CD)
R・シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」 プリマドンナ/アリアドネ…カミラ・ニュルンド(S)/ツェルビネッタ…ブレンダ・リー(S)/テノール歌手/バッカス…ミヒャエル・ケーニヒ(T)/作曲家…クラウディア・マーンケ(Ms)/音楽教師…フランツ・グルントヘーバー(Br)/ナイアーデ…エリザベス・ライター(S)/ドリアーデ…カタリナ・マギエラ(S)/エコー…マレン・ファヴェラ(S)/執事長…ウィリアム・レルトン(語り)他
フランクフルト歌劇場O
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音:2013年10月フランクフルト歌劇場ライブ収録
モリエールの戯曲を元にした歌劇「町人貴族」において、シュトラウス(1864-1949)とホフマンスタールが目指した「演劇と音楽の完全なる融合」は、結局実を結ぶことはありませんでした。しかしこの長すぎる歌劇の中の劇中劇「ナクソス島のアリアドネ」は、その後シュトラウスによって独立した物語に改訂され、皮肉たっぷりのプロローグを付け加えられて、新しい装いに生まれ変ったのはご存知の通りです。別々に用意された喜劇と悲劇、そして終演時間の制約…歌手と作曲家、そのほかの登場人物の軋轢と世間体。そして愛のもつれ。これらに上手く折り合いをつけ、更なる問題提起まで織り込んだこのオペラ(その上、ほかのオペラに比べて上演時間も短めです)は、聞けば聞くほどに魅力が増すものです。わがままなプリマドンナを歌うニュルンドを筆頭に芸達者をそろえたこの上演、ヴァイグレがぴりりと全体を制御しています。
OC-949F(2CD)
ベルク:歌劇「ルル」(2幕オリジナル版) ルル:アナート・エフラティ(S)
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:ドリス・ゾッフェル(Ms)
劇場の衣装係、ギムナジウムの学生:モニカ・ミナレッリ(A)
医事顧問官:アダルベルト・ヴァラー(Br)
画家:クラウデ・ピア(T)
シェーン博士:イェルゲン・リン(Br)
アルヴァ:イアン・ストレイ(Br)
猛獣使い、ロドリーゴ:リデリック・ケネディ(Bs)
シゴルヒ:テオ・アダム(Bs)
公爵、従僕:エツィオ・ディ・チェザーレ(T)
劇場支配人:ボード・シュヴァンベック(Bs)
シュテファン・アントン・レック(指)
パレルモ・マッシモ歌劇場O
OC-950C
ハッセ:オラトリオ「聖ペトロと聖マリア・マグダレーナ」 キルステン・ブライゼ(Sp)
ハイドルン・コルデス(Sp)
ヴィヴィカ・ジェノー(Ms)
テリー・ウェイ(C-T)
ヤチェク・ラシュコウスキ(ソプラニスタ)
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)
ルードヴィヒスブルク城音楽祭O&cho

録音:2008年11月22-23日 ルードヴィヒスブルク城教会でのライヴ
ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699 . 1783)の、注目すべきオラトリオの録音です。この作品はオラトリオ形式で書かれていますが、内容は「ミゼレーレ(慈悲)」と「詩篇への導入詩」によって書かれています。ヴェネツィア書法で書かれたこの作品は、歌劇「クレオフィーデ」とほぼ同時期に書かれたものですが、孤児慈善団体の音楽専門の教育を受けたスカウトのために書かれたとも言われていますが、全てが高声のソロ歌手たちだけで構成されているのも特徴的。その高声の魅力的な組み合わせは、ヴィルトゥーゾ音楽ではなく、後悔の深い悲しみと慈悲深い神を想起させ、そして喜びを導き出すことを表現しているのです。 バーデン=ヴュルテンベルク国際音楽祭の一環として行われる、ルートヴィヒスブルク城芸術祭2008年のライヴ録音です。最近様々なオペラに出演し絶賛を浴びているハイドルン・コルディスやキルステン・ブライゼ。圧倒的テクニックと幅広い音域をもつヴィヴィカ・ジェノー。元ウィーン少年合唱団のアイドル、テリー・ウェイの清楚なカウンターテナー。そして最近ソプラニスタとして注目を浴びてきているヤチェク・ラシュコウスキが出演。また、最近バイエルン国立歌劇場、リセウ劇場、ベルリン・コミッシェ・オーパ、ザルツブルク音楽祭などからの客演、そして古典派の隠れた作品の復活上演(アイブラーの作品)などを手がける若手指揮者、ホフシュテッターの指揮によって演奏されています。
OC-952C
フランコ・レオーニ:歌劇「神託」 アシュレイ・ホランド(Br)
ピーター・シドム(Br)
フランツ・マイヤー(Bs)
カルロ・ヴェントレ(T)
アンナリサ・ラスパッリョージ(Sp)
カタリーナ・マギエラ(Ms)
シュテファン・ソルヨム(指)
フランクフルト・オペラ=ムゼウムO&cho
OC-953E(2CD)
グルック:歌劇「アウリスのイフィゲニア」
演奏会用序曲(1854年ワーグナー編WWV87)
イフィゲニア…カミラ・ニュルンド(S)/クリュテムネストラ…ミケーレ・ブリート(Ms)/アキレス…クリスティアン・エルスナー(T)/アガメムノン…オリヴァー・ツヴァルク(Bs)/カルカス…ライムント・ノルテ(Bs-Br)/アルテミス…ミリアム・エンゲル(S)/パトロクロス…リヒャルト・ロギエヴァ(Br)/アルカス…ティリオ・ダールマン(Bs)/コーラス・ムジクス・ケルン
ダス・ノイエ・オルケスター
クリストフ・シュペリンク(指)

録音2013 年4 月3-10 日ケルンドイツ放送室内楽ホール
常に意欲的なプログラムで聴衆を興奮と感銘に導く指揮者シュペリング。彼の最新作は2014 年に生誕300 年を迎える作曲家グルック(1714-1787)のオペラ「アウリスのイフィゲニア」。しかしこれは只者ではありません。今回の演奏に使われたのはワーグナーによる改訂版。何しろワーグナーは、E.T.A.ホフマンを通じて知ったこの大作曲家グルックの思想に強く感銘を受け、グルックの唱えた「神話的題材を使う作劇法」を自らの作風に取り入れていく上で、彼自身がグルックの作品を指揮しながら、その問題点などを探って行き、結果的にこの改訂版が出来上がったというわけです(できるだけ原作を尊重しながらも、ワーグナーが不要と思った場面を省き若干の響きを付け加えた「無理のない」改編であることを付け加えておきます)。なお、グルックの原作では、序曲から切れ目なく本編が続くため、ワーグナーが序曲が「終わる形」にした「演奏会用序曲」も、この盤には収録されています。ニュルンド、エルスナーらベテラン歌手がしっかりと全体を引き締めた素晴らしい演奏です。
OC-954E(2CD)
ジョヴァンニ・シモーネ・マイル:歌劇「ロドイスカ」 ロドイスカ…アンナ・マリア・パンザレッラ(S)
ロヴィンスキ…エレナ・ベルフィオーレ(Ms)
ボレスラオ…ジェレミー・オヴェンデン(T)
レジスカ…エルヴィラ・ハサナジチ(S)
ナルセーノ…イネス・ラインハルト(S)
ラドスキ…ナム・ウォン・フー(T)
シゲスキ…マルク・メゲーレ(T)
ジスカーノ…マルコ・キリク(T)
プラハ・フィルハーモニー男声cho
シュテファン・ハイネマイヤー(通奏低音)
ジョージ・ペトロウ(指&フォルテ・ピアノ)
ミュンヘン放送O

録音:2010年9月23&24日インゴルシュタット劇場
1763年ドイツで生まれ、インゴルシュタット大学で神学を学び、1787年からイタリアに留学し、カルロ・レンツィ、フェルディナンド・ベルトーニら師事。そのままレンツィの後継者としてベルガモ大聖堂の終身教会楽長に就任したという経歴を持つ作曲家、マイル(1763-1845)(そのためマイヤー、マイールの名前表記もあり)。彼は生涯70作ほどのオペラを作曲し、それらも少しずつ復興の兆しを見せています。この「ロドイスカ」は1796年にベニスで初演され、当時は高い人気を誇っていました。フランス革命の時代、権力抗争渦巻く貴族社会に翻弄される若き恋人たち。マイルは、ヒロイン、ロドイスカに無理やり関係を迫る悪者「ボレスラオ」に重要な役割を持たせることで、この劇の緊張感を高めることに成功しました。2010年、ゆかりの地インゴルシュタットでのライブ収録です。
OC-956H(3CD)
ブゾーニ:歌劇「ファウスト博士」 ファウスト博士…ヴォルフガンク・コシュ(Br)
ヴァグナー/幽霊の声…スティーヴン・フームス(Bs)
メフィストフェレス…ジョ・ダスザック(T)
パルマ公…レイモンド・ヴェリー(T)
パルマ公妃…カテリーネ・ナグレスタッド(S)
進行役…アルフレッド・クーン(Bs)
自然科学者…アドリアン・セムペトレーン(Bs)他
オルガン…エルマー・シュローター
バイエルン国立O
トーマス・ネトピル(指)

録音:2008年6月28日ライブ
この神秘的かつ難解な作品ですが、ゲーテの有名な「ファウスト」を下敷きにしたのではなく、ブゾー(1866-1924)ニ自身が幼い頃に見たという人形芝居や、伝承などを組み合わせ、幻想的で複雑な物語に仕立てあげたものです。作曲家自身はこのオペラを完成させることなくこの世を去ってしまったため、弟子のヤルナッハが補筆した版や、音楽学者のボーモントが補筆した版が存在しますが、この演奏はブゾーニの作曲した部分のみという潔いものです。
OC-957E(2CD)
アントーニョ・カルロス・ゴメス:歌劇「サルヴァトル・ローサ」 ルコス公爵…リー・デブン(Bs)
イザベッラ…マリア・ポルブチノヴァ(S)
サルヴァトール・ローザ…レイ.M.ウェイドJr.(T)
マサニエッロ…マルテ・レーズナー(Br)
ジェンナリエッロ…ジモーネ・リヒテンシュタイン(S)他
ゲオルク・メンスケス(指)
ブラウンシュヴァイク州立O
ブラウンシュヴァイク州立歌劇場cho

録音:2010年1月20日ブラウンシュヴァイク歌劇場ライブ
ブラジル出身のオペラ作曲家、アントーニョ・カルロス・ゴメス(1836-1896)は、音楽一家に生まれ、早いうちから才能を示し、指揮者であった兄の助言を受け、芸術に理解のあった皇帝ドン・ペドロ2世の庇護を受けます。ブラジルで充分な音楽教育を受けるも、やはりオペラと言えばイタリア!ということで、皇帝から奨学金を賜り、1864年にイタリアへ留学、当時この地を席捲していたヴェルディから多大なる影響を受けたのです。このオペラは、彼の代表作の一つであり、実在の画家サルヴァトル・ローサ(1615-1673)をモデルにしたものです。優れた芸術家であったローサですが、なかなかの暴れん坊であり、1647年にナポリで起こった「マザニエッロの乱」に加わり、また生涯を終えたのも暴動に巻き込まれたためだったと言われます。そんな波乱万丈のローサの生き方に、ナポリ総督の娘イザベッラとの悲恋を合わせ、まるで「シモン・ボッカネグラ」を思わせる壮大な悲劇が生まれたのでした(ブックレットに挿入されている写真を見ると、ローサは革ジャンをすっきり着こなしたイケメンとして描かれています)。イタリア風の音楽でありながらも、やはり南米らしい滾る血潮が感じられます。
OC-958E(2CD)
マイール:歌劇「デメートリオ、シリアの王」 クレオニーチェ…ベネディクト・トラン(S)
アルチェステ/デメトリオ…アマヤ・ドミンゲス(Ms)
オリント…ピオルト・フリーベ(T)
フェニチオ…リザンドロ・アバディー(Bs)
バルセーネ…エリザベス・ベイリー(S)
ミトラーネ…マッテオ・メッツァーロ(T)
OSJ シンフォニック.ネット
オペラ・オブリクァ・スタンド・ドゥ・ムーティエ
ファクンド・アグディン(指)
ポズナニ大劇場室内O&オペラCho

録音: 2011年6月18-19日 スタンド・ドゥ・ムーティエ・ライブ
最近の「シモーネ・マイール・ルネッサンス」は本当に目覚ましく、この4 年間の間にドイツとスイスの歌劇場で、何と5 つのオペラ・セリエの初演が行われました。しかしまだまだ彼の全貌は明らかになっていません。この「デメートリオ、シリアの王」は宮廷詩人メタスタージオ(1698-1782)のテキストを元にしたもので、1823 年にトリノで初演されています。確かに、この音楽には明らかにモーツァルトの要素とロッシーニのタッチが混在していますが、それ以上に魅力的な旋律が横溢する活気あるものです。
OC-959E(2CD)
ヴェルディ:歌劇「サン・ボニファーチョ伯爵オベルト」 サン・ボニファーチョ伯爵オベルト…エイドリアン・ジャンス(Bs)/レオノーラ:オベルトの娘…フランチェスカ・ロンバルディ・マッツッリ(S)/サリングエルラ伯爵リッカルド…ノーマン・ラインハルト(T)/クニーツァ:リッカルドの婚約者…マヌエラ・カスター(Ms)/イメルダ:クニーツァの侍女…ナロア・インチャウスティ(Ms)他
ギーセン州立劇場cho
ギーセン州立劇場PO
ミヒャエル・ホフステッター(指)

録音:2012年12月ギーセン州立劇場ライヴ
ヴェルディ(1813-1901)の最初のオペラである「オベルト」は1839年11月17日にミラノ・スカラ座で初演されました。初演は好評ですぐさま続演されたにも拘わらず、ヴェルディ自身はこの作品を自身の成功作とは認めることもなく、その50年後にこの歌劇を蘇演しようという動きがあった時にも、ヴェルディ本人が強硬に反対し、結局その話がなくなってしまったという問題作です。確かに若干物語が冗長で、また主役が4人必要であることなど、上演が困難な面もありますが、音楽は何といってもヴェルディそのもの。序曲を始め、冒頭のリッカルドのアリアから文句なく惹きこまれること間違いありません。

OC-960H(3CD)
ジモン・マイール:スコットランドのジネヴラ
(2幕の音楽による英雄劇)
ジネヴラ:スコットランド王の娘…ミルト・パパタナシウ(S)
ダリンダ:貴族令嬢…マルガレーナ・ヒナタードプラー(S)
アリオダンテ:イタリアの騎士…アンナ・ボニタティブス(Ms)
ルルカニオ:アリオダンテの兄弟…ステファニー・イラニー(Ms)
ポリネッソ:帝国の最高司令官…マリオ・ゼッフィリ(T)
ファフリーノ:アリオダンテの従者…マルコ・チリック(T)
スコットランド王…ペーター・シェーン(Br)
テンプル騎士団長…ヴァージル・ミショック(Br)
マルクス・ヴォルフ(ソロ・ヴァイオリン)
ハインリヒ・シュッツ・アンサンブル・フォルンバッハ男声Cho(指導…マルティン・シュタイドラー)
ミュンヘン放送O
ジョージ・ペトロウ(ハンマーフリューゲル&指)

録音:2013年6月14日インゴルシュタンット国立劇場ライヴ
スコットランドとアイルランドが戦っていた時代、戦いに加勢するイタリアの騎士アリオダンテと、彼を愛するスコットランド王の娘ジネヴラが主人公。ジネヴラを自分の物にしようとするポリネッソの策略で2人は一時期窮地に陥りますが、愛を信じる力で最後はハッピーエンドを迎えます。2013年に生誕250年を迎えた作曲家ジモン・マイール(1763-1845)。ヨーロッパでは彼の作品が挙って演奏され、数々の録音:、映像も世に出されました。この演奏もその一環であり、知られざるマイールの素顔を知る事ができる、またドニゼッティやベルリーニへとつながるイタリア・オペラの源流と言える貴重な資料としても、喜ばれるものでしょう。
OC-961HE(2CD)
ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」 ニネッタ・ヴィッラベッラ…ゾフィー・ベーヴァン(S)/フェルナンド・ヴィッラベッラ(ニネッタの父)…ジョナサン・レマル(Bs)/ジャンネット・ヴィングラディート(ニネッタの恋人)…フランシスコ・ブリート(T)/ファブリッツィオ・ヴィングラディート(ジャンネットの父)…フェデリコ・サッキ(Bs)/ルチーア・ヴィングラディート(ジャンネットの母)…カタリーナ・レオソン(Ms)/ゴッタルド(代官)…シム・キーワン(Bs-Br)/イザッコ(行商人)…ニッキー・スペンス(T)/ピッポ(ジャンネットの家の召使)…アレクサンドラ・カドゥリナ(Ms)/アントーニオ…ミヒャエル・マッコーン(T)/ジョルジョ…ルリー・サモイロフ(Bs)/エルネスト…トーマ・シャルロワ(バス)/裁判官…カルロス・クラウゼ(Bs)
フランクフルト・ムゼウムO
フランクフルト歌劇場Cho
ヘンリク・ナナシ(指)

録音:2014年4月フランフルト歌劇場ライヴ収録
今回のフランクフルト・オペラはいつものヴァイグレでなく、ナナシが指揮棒を振り重厚かつ軽妙な音楽を奏で、最高に上手い歌手たちがとことんロッシーニ節を披露しています。
OC-962E(2CD)
ヤナーチェク:歌劇「イェヌーファ」 イェヌーファ…ガル・ジェイムズ(S)/ブリヤ家のおばあさん…ドゥニャ・ヴェイソヴィチ(A)/ラツァ・クレメニュ…アレシュ・ブリスツェイン(T)/シュテヴァ・ブリヤ…タイラン・ラインハルト(T)/コステルニチカ・ブリヤ…イリス・フェルミリオン(S)/製粉所の親方…ディヴィッド・マクシェーン(Br)/村長…コンスタンティン・シフィリス(Br)/村長夫人…ステファニー・ヒールマイアー(Ms)/カロルカ…タチアナ・ミユス(Ms)/羊飼い…フラン・ルバーン(Ms)/バレナ…シュ・シャオイ(S)/ヤノ…ナザニン・エザジ(S)他/ヴァイオリン・ソロ…岩城風佑(ふゆ)/グラーツPO/グラーツ歌劇場少年少女Cho
ディルク・カフタン(指)

録音:2014年5月7.17.21.22日グラーツ歌劇場ライヴ収録
OEHMSレーベルと、オーストリア第二の規模の都市グラーツにある「グラーツ歌劇場」との初の共同制作となったのが、このヤナーチェク(1854-1928)の「イェヌーファ」です。彼の3作目となるこの「イェヌーファ」は、チェコの小さな村で起こる物語で、複雑な人間関係が引き起こす悲劇です。いとこ同士で愛し合い、子どもを身篭ったイェヌーファ。その身を案じる継母コステルニチカは、イェヌーファのためを思い、彼女が産んだ子どもを川に捨ててしまいます。この物語にヤナーチェクがつけた音楽は、民謡調の親しみ易いメロディであり、また時として登場人物の心理を的確に表すものであり、と聞き応えたっぷりのものです。ここではタイトルロールにイスラエル出身の期待の若手、ガル・ジェイムズ、またキーパーソンとなるコステルニチカにはヴェテラン、イリス・フェルミリオンを起用し、迫真の物語を創り上げています。また第2幕でのイェヌーファのモノローグの場面で、素晴らしいヴァイオリン・ソロを聞かせるのは日本のヴァイオリニスト、岩城風佑(ふゆ)。彼女は現在グラーツ・フィルハーモニーのコンミスを務めており、この上演の際は舞台上でイェヌーファと直接絡んでいたりと大活躍を果たしています。
OC-963E(2CD)
チャイコフスキー:歌劇「イオランテ」 イオランタ…オレシャ・ゴロフネーヴァ(S)/レネ王…アレクサンダー・フィログラドフ(Bs)/ローベルト…アンドレイ・ボンダレンコ(Br)/ボデモン…ドミトロ・ポポフ(T)/イブン=ハキヤ…フラディスラフ・スリムスキ(Br)/アルメリク…ジョン・ホイゼンレーダー(T)/ベルトラン…マルク=オリヴィエール・エッテルリ(Bs)/マルタ…ユスティナ・サムボルスカ(A)/ブリギッタ…ダリア・シェヒター(S)/ラウラ…マルタ・ウリク(Ms)
ケルン・ギュルツェニヒO/ケルン歌劇場Cho
ドミトリー・キタエンコ(指)

録音:2014年10月17-19日ケルンフィルハーモニー
チャイコフスキーの交響曲全集ツィクルスを完成させたキタエンコですが、まだまだこの作曲家へと燃やす愛の炎は消えていなかったのです。この「イオランタ」は1892年のクリスマス・シーズンである12月18日に、あの「くるみ割り人形」と同日初演された1幕の短いメルヘン・オペラです。さすがに2演目の同時公演は壮大すぎたのか、翌日チャイコフスキーは弟に「2つの華麗な作品で目が疲れた」と手紙を書いたといいます。またグスタフ・マーラーがこの作品を1893年1月3日にハンブルク、1900年3月22日にウィーンで、それぞれ初演しているというのも興味深いところです。そんな愛らしいこの作品、内容は盲目の姫と彼女を巡る人々の物語。全ての登場人物は優しく思いやりに溢れ、物語もほのぼのと進行し、もちろん最後はハッピーエンドで締めくくられます。
OC-964H(3CD)
R・シュトラウス:歌劇「影のない女」 皇后…タマーラ・ウィルソン(S)/染物師バラク…テリエ・ステンスヴォルト(Br)/バラクの妻…ザビーネ・ホグレーフェ(S)/乳母…ターニャ・アリアーヌ・バウムガルトナー(Ms)/皇帝…ブルクハルト・フリッツ(T)/伝令使…ミヒャエル・ヴォッレ(Br)/若い男の幽霊…ミヒャエル・ポーター(T)/鷹の声…ブレンダ・リー(S)/バラクの兄弟(片目)…フランツ・マイヤー(Bs)/バラクの兄弟(片腕)…ビョルン・ビュルガー(テノール)/バラクの兄弟(ねこぜ)…ハンス=ユルゲン・ラツァール(Br)その他
フランクフルト歌劇場O&cho
セバスチャン・ヴァイグレ(指)

録音:2014年10月.11月フランクフルト歌劇場ライヴ
快進撃を続けるセバスチャン・ヴァイグレとフランクフルト歌劇場のオペラ全曲シリーズに、いよいよリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の大作「影のない女」が登場します。モーツァルトの「魔笛」を意識したと言われる作品ですが、内容は難解であり、なかなか全容を捉えることは難しいとされています。とはいえ、リヒャルト・シュトラウスを得意とするヴァイグレのこと、全体を見通し良く纏め上げていることは言うまでもありません。大管弦楽と、多数の歌手を必要とする大掛かりなオペラですが、全てがバランスよく、納得の行く仕上がりとなっているのはさすがです。染物氏バラクを演じたテリエ・ステンスヴォルトは、2014年のシーズンをもって舞台から引退。これが「さよなら公演」となりましたが、そんなことは微塵も感じさせない充実した歌唱を聞かせます。
OC-965
NX-D10
アントニオ・チェスティ(1623-1669):歌劇「オロンテーア」 オロンテーア・・・ポーラ・マリヒー(Ms)
クレオンテ・・・セバスティアン・ガイアー(Br)
ティブリーノ/愛・・・ファニータ・ラスカーロ(S)
アリステア・・・グィ・ド・メイ(T)
アリドーロ・・・ハビエル・サバータ(C.T)
ゲローネ・・・サイモン・ベイリー(Bs)
コリンド・・・マティアス・レクスロート(C.T)
シランドラ・・・ルイーズ・オルダー(S)
ジアチンタ・・・カテリーナ・カスパー(S)
フィロソフィア・・・カタリーナ・マギエラ(A)
モンテヴェルディ・コンティヌオ・アンサンブル
フランクフルト歌劇場O
アイヴォー・ボルトン(指)

録音:2015年2.3月
バロック中期のヴェネツィア楽派を代表する歌劇作曲家チェスティの出世作「オロンテーア」の登場。1656年にインスブ ルックで作曲され、ヴェネツィアで初演、カヴァッリの「ジャゾーネ」と並ぶ人気を誇り、17世紀後半の最も成功した喜劇とし て知られています。当時主流であった「お国騒動」を描いた内容で、賢人クレオンテが勧める結婚を拒むエジプトの女王 オロンテーアがひょんなことから若い画家アリドーロを愛するようになります。そのアリドーロを付け狙うジアチンタ、アリドーロに 恋心を抱くシランドラ、他の登場人物も巻き込んで大きな騒動となりますが、結局アリドーロは行方知れずだったフェニキ アの王子フロリダーノであったことが分かり、全てが丸く収まるというハッピーエンド。アイヴォー・ボルトンのテンポ良い音楽運 びに加え、歌手たちの熱唱が話題となった舞台です。
OC-966F(2CD)
マルティヌー:歌劇「ジュリエッタ」 ジュリエッタ…ファニータ・ラスカーロ(S)/ミシェル…カート・ストレイト(T)/コミッサー(郵便配達
人),森番,機関士…ビュー・ギブソン(T)/ヘルメットを持つ男,アルトファーター(若者),思い出の販売人,盲目の乞食…ボリス・グラッペ(Br)/窓の男,囚人…アンドレアス・バウアー(Bs)/小さなアラブ人,最初の紳士,若い船乗り,ホテルボーイ…ニナ・タランデク(Ms)/年老いたアラブ人,年取った男、年取った船乗り…マグヌス・バルドヴィンソン(Bs)/鳥売り,2番目の紳士…マルタ・ヘルマン(Ms)/魚売り,3番目の紳士,手相占い…マリア・パンティウコーヴァ(Ms)/年取った女,年取った婦人…ユディタ・ナギョヴァ(Ms)/公務員,夜警…ミヒャエル・マッコウン(語り)
フランクフルト歌劇場O
セバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音:2014年6月フランクフルト歌劇場ライブ収録
ヴァイグレ&フランクフルト歌劇場の一連の「知られざるオペラ」発掘シリーズの最新作。ドヴォルザークからスメタナ、ヤナーチェクの伝統を引き継ぎ、また新たな風をチェコ音楽に取り入れたボフスラフ・マルティヌー(1890-1959)。新古典派の作風に基づき、11曲の歌劇を含む、驚くほど数多くの作品を書き上げた作曲家です。この「ジュリエッタ」は1936年から1937年にかけて書かれた作品で、主人公のミシェルと、彼の過去の想い人「ジュリエッタ』を巡る物語です。コルンゴルトの「死の都」のように夢と現実が交錯する幻想的なお話は哀しい結末を見るものの、聞き手の心にも強く訴えかけるでしょう。ミシェル役のカート・ストレイトと、ジュリエッタ役のファニータ・ラスカーロの存在感ある歌唱もさることながら、数多くの人物が現れては消えて行く場面も印象的。
OC-967
NX-C09
マルティヌー:「ギリシャ受難劇」(英語版) マノリオス・・・ロルフ・ロメイ(T)
カテリーナ・・・シャミリア・カイザー(A)
フォティス司祭・・・マルクス・ブッター(Br)
グリゴリス司祭・・・ヴィルフリート・ツェリンカ(Bs)
ヤンナコス・・・マヌエル・フォン・ゼンデン(T)
レニオ・・・タティアナ・ミユス(S)
パナイト・・・タイラン・ラインハルト(T)
アルコン・・・イヴァン・オレチャニン(Br)
ラダス・・・ティノ・セカイ(ナレーター)
年老いた男・・・コンスタンティン・スフィリス(Bs)
コスタンディス・・・ダリウス・ペルツァク(Br)
ミヘリス・・・マルティン・フォーニアー(T)
デスピニオ・・・ソフィア・マーラ(S)
年老いた女・・・ツァン・ユアン(S)
コメンテーター・・・ベンヤミン・プラウツ(ナレーター)
バリトン歌手・・・デヴィッド・マックシェーン(Br)
グラーツ歌劇場cho
グラーツPO
ディルク・カフタン(指)

録音:2016年3.4月
20世紀初頭、アナトリアの山村でトルコ人に支配されながら平和に暮らしているギリシャ人たちと、トルコ人に追われ助け を求めてやってきたギリシャ人難民との心の戦いを描いた問題作。 1954年、マルティヌーはニース近郊のアンティーブに滞在するギリシャ人作家カザンキスを訪ね「キリスト再磔の物語」の 台本化のための許可を得ます。台本をまとめるのに1年を要し、更に作曲に4年をかけて完成した「ギリシャの受難劇」 は、本来はロイヤル・オペラで演奏されるはずでしたが、それがかなわず、若干の改定を経て1961年にパウル・ザッハー指 揮によりチューリヒ国立歌劇場で初演。大好評を博したもののその後ほとんど演奏される機会なく眠っていた作品です。 今回の演奏は改訂版ではなく、第1稿を用いての演奏で、マルティヌー・ファンからも期待されていたリリースとなります。
OC-968(2CD)
NX-C05
レハール:喜歌劇「ルクセンブルク伯爵」 ルネ・ルクセ ンブルク伯爵/若い放蕩貴族…ダニエル・ベーレ(Br)
アンジェール・ディディエ/オペラ歌手…カミラ・ニュールンド(S)
バジル・バジロヴィッチ侯爵/ロシアの老貴族…セバスティアン・ガ イヤー(T)
シュターザ・ココゾフ伯爵夫人/未亡人…マルギット・ノイバウアー (A)
アルマン・ブリサール/画家…サイモン・ボーデ(T)
ジュリエット・ヴェルモン/モデル…ルイーズ・オルダー(S)
ペレグラン/公証人・役所の戸籍係…グルゲン・バーヴェヤン(Br)
セルゲイ・メンチコフ/公証人・侯爵の秘書…ルートヴィヒ・ミッテ ルハンマー(T)
パーヴェル・フォン・パヴロヴィッチ/公証人・侯爵の秘書…ホワン ・インギュ(Bs)
キム・ウンソン(指)
フランクフルト歌劇場O&cho

録音:2015/2016 ライヴ
レハールの喜歌劇「ルクセ ンブルク伯爵」は、1909年、テアター・アン・デア・ウィーンで名指揮者ロ ベルト・シュトルツによって世界初 演され、すぐさま大成功を収め、同劇場で300回も再演されま した。この記録は現代におけるミュージカルにも匹敵するもの。親し みやすいメロディと、貴族や芸術家たちの生活がちりばめられ た楽しい内容、そしてなんといっても幸せなハッピーエンドがやってくるこ とでしょう。現代でもしばしば上演されますが、この録音では 注目のテノール、ダニエル・ベーレとベテラン、カミラ・ニュールンドの軽 妙な やりとりが素晴らしく、韓国出身の女性指揮者キム・ウンソン の演奏も聴きどころです。
OC-969(2CD)
NX-C05
スカルタッツィーニ(1971-):歌劇《エドワード2世》 エドワード2世…ミヒャエル・ナジ(Bs-Br)
イザベラ…アイヒェンホルツ(Ms)
ピアーズ・ドゥ・ギャヴィストン…ラディスワフ・エルグル(T)
ロジャー・モーティマー…アンドリュー・ハリス(Bs)
ウォルター・ラントン:コヴェントリーの司教…ブルクハルト・ウルリヒ(T)
ライトボーン…ジェイムズ・クリシャク(T)
天使…ジャレット・オット(Br)
エドワード王子…マティアス・ヴァン・ハッセルト(Boy-S) 他
トマス・セナゴー(指)
ベルリン・ドイツ・オペラO&cho

録音:2017年3月1.4日ベルリン・ドイツ・オペラ・ライヴ
バーゼル大学でドイツ語とイタリア語を学びばながら、ヴォルフガンク・リームに作曲を師事したというスイスの作曲家スカルタッ ツィーニ。1999年にはイギリスに留学し、ロンドン王立音楽学校で研鑽を積みました。作曲家としてデビューしてからは、ザル ツブルク復活音楽祭やダルムシュタット夏期現代音楽講習会などで自作が演奏されるなど、活躍が世界的に注目されてい ます。オペラ《エドワード2世》は14世紀に実在した人物が主人公。幼い頃から遊び相手であった側近ギャヴィストンとの同性 愛関係を軸に、彼を巡る人間関係が描かれています。同性同士の愛が描かれているのはこの歌劇が初めてではありません が、この《エドワード2世》は社会の成熟の兆候と、多様性などの様々な要素を孕む問題作として話題になりました。主人公 エドワード2世を歌うのは名バス・バリトン、ミヒャエル・ナジ。来日回数も多く日本でも人気があります。
OC-970
NX-C01
ダラピッコラ:歌劇「囚われ人」 母…アイレ・アッソーニ(S)
囚われ人…マルクス・ブッター(Br)
看守/異端宗教裁判長…マヌエル・フォン・ゼンデン(T)
第1の聖職者…ロマン・ピヒラー(T)
第2の聖職者…ダヴィッド・マックシェーン(Bs)
ディルク・カフタン(指)
グラーツ歌劇場cho
グラーツPO

録音:2017年3月グラーツ歌劇場 ライヴ
ダラピッコラが1944年から1948年にかけて作曲した歌劇「囚われ人」は、ヴィリエ・ド・リラダンの短編小説に基づく45分ほど の短い作品。物語は16世紀後半。宗教裁判にかけられた囚われ人が孤独と恐怖に苛まれながらも、解放への希望を募ら せています。そして釈放されたかと思えたのですが、結局は火刑台へと送られるという絶望的な結末を迎えます。彼を案ずる 母の印象的なモノローグがあり、最終部分には「囚われの歌」が引用される全編十二音技法による重厚かつ複雑な作品で す。この2017年の上演では、主役2人マルクス・ブッター、アイレ・アッソーニの歌唱と、カフタンの指揮が批評家や音楽誌で 最高の賛辞を得ています。
OC-971(3CD)
NX-D10
マイヤベーア:歌劇「預言者」
新比較校訂版による初録音
ジャン…ジョン・オズボーン(T)
フィデス:ジャンの母…マリアンネ・コルネッティ(Ms)
ベルテ:ジャンの恋人…リネッテ・タピア(S)
ヨナス…アルブレヒト・クルドシュヴァイト(T)
マティセン…ピーエル・ドイエン(Br)
ツァハリエ…ティール・ファヴィッツ(Bs)
オーベルタール伯…カレル・マルティン・ルドヴィク(Br) 他
ジュリアーノ・カレッラ(指)
エッセン歌劇場cho、エッセン歌劇場少年cho、エッセンPO

録音:2017年4月29日,5月11日.14日
エッセン歌劇場 ライヴ
16世紀のオランダ。当時は若者が結婚するためには領地の伯爵の許可が必要でした。そのためベルテは婚約者ジャンの母 フィデスとともに、オーベルタール伯のもとに向かいますが、伯爵はベルテの美しさに目をつけ、彼女を得るためにフィデスを捉 え、ジャンにベルテを差し出すように要求します。絶望したジャンのところに現れたのは3人の僧侶。ジャンに「預言者」として伯 爵を倒すようにと伝えますが・・・。 「戴冠式行進曲」で知られるマイヤベーアのこの傑作、主役はテノールでもソプラノでもなく、フィデス役のメゾ・ソプラノです。 最高の歌手を得るためにマイヤベーアは構想に10年を費やしたため、台本や作曲過程に多くの変遷があり、現在でも決定 稿と言えるものはありません。この2017年エッセンでの上演は、最新の「比較校訂版」を用いての演奏。これは19世紀に Brandus社より出版された総譜をもとに様々な研究結果が盛り込まれており、この版を使っての録音は、当アルバムが初と なります。
OC-972(2CD)
NX-C05
フロトー:歌劇「マルタ」 レディ・ハリエット・ダーラム(マルタ)…マリア・ベントッソン(S)
ナンシー(ユリア)…カタリーナ・マギエラ(Ms)
サー・トリスタン・ミクルフォード(ボブ)…バーナビー・レイ(バスバリトン)
ライオネル…AJ.グルッケルト(T)
プランケット…ビョルン・ビュルガー(バスバリトン)
セバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O&cho
アン女王の女官ハリエットは普段の生活に退屈しています。そこで刺激を求めて、侍女ナンシーと共にマルタとユリアの名を持 つ村娘に変装して、奉公人市場に出かけ、若い農場主ブランケットの元で働く契約をしてしまいます。ブランケットの義弟、ラ イオネルはマルタ(ハリエット)の歌声に魅了され、彼女にプロポーズをするのですが…。 19世紀の歌劇によくある「普通の若者が実は貴族の遺児だった」という設定が、このオペラでも生きており、一旦はマルタとの 恋をあきらめてしまったライオネルの想いも最後には成就する楽しい作品です。第2幕で歌われる「夏の名残りのばら」や、「ま じめで働き者の娘さん」、ライオネルのアリア「夢のように」など、日本でも良く知られる曲が散りばめられていますが、全曲録音 はあまりなく、この素晴らしい歌手を揃えたヴァイグレの演奏の登場は、19世紀の忘れられた作品の復興としても価値あるも のです。
OC-973(2CD)
NX-C05
アリベルト・ライマン:歌劇「目にみえぬもの」 ウルスラ/マリー/イグレイン
…レイチェル・ハルニッシュ(S)
マルテ/ベランジェーレ
…アンニカ・シュリヒト(Ms)
デイーネリン…ロンニタ・ミラー(Ms)
父…セート・キャリコ(Br)
祖父/老人/アグロヴァル
…スティーヴン・ブロンク(Bs-Br)
おじ/異国の人…トーマス・ブロンデル(T)
子供/タンタジール
…サルヴァドール・マチェド(Boy-S)
女王の三人の召使
…ティム・セヴァーロー/マシュー・ショー/マルティン・ヴェルフェル
ドナルド・ラニクルズ(指)
イド・アラド(指)…2017年10月25日のみ)
ベルリン・ドイツ・オペラO

録音:2017年10月 ライヴ
ベルリン・ドイツ・オペラ
世界初録音
1992年、イタリアのラクイラで生まれたダヴィデ・フェレッラ。地元のカセッラ音楽院でファビオ・ジュディーチェからマンドリン を学び、コンクールで1位を獲得。現在、数多くのバロック・アンサンブルとコラボレーションを行い成果を上げる注目のマン ドリン奏者です。このアルバムはバッハのチェンバロ協奏曲を自身で編曲したマンドリン・ヴァージョンを巧みに演奏。作品 に新たな光を当てています。
OC-974(2CD)
NX-C05
ベルク:歌劇「ヴォツェック」 ヴォツェック…アウドゥン・イヴェルセン(Br)
鼓手長…ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(T)
アンドレス…マルティン・ミッタールツナー(リリック・テノール)
大尉…ペーター・ブロンダー(T)
徒弟職人1…トーマス・フォークナー(Bs)
徒弟職人2…イウリー・サモイロフ(Br)
愚か者…マルティン・ヴェルフェル(T)
マリー…クラウディア・マーンケ(S)
医者…アルフレート・ライター(Bs)
マルグレート…カタリーナ・マギエラ(A)
マリーの息子…エドゥワルド・ユマターテ(歌) 他
セバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O

録音:2016年6.7月 ライヴ
フランクフルト歌劇場
ヴァイグレとフランクフルト歌劇場Oによる「R・シュトラウス管弦楽作品集」第6集。2013年からスタートしたこのシリーズの終わりを飾るのはニー チェに基づく「ツァラトゥストラ」と、チェロが大活躍する「ドン・キホーテ」の2曲が収録されています。常任指揮者就任が決定した読売日本SOとも、2016 年にシュトラウス作品を演奏したヴァイグレ。この時の演奏が就任の決め手の一つでもあるほどに、シュトラウスを得意とするヴァイグレの面目躍如といった陶酔感 溢れる「ツァラ」と「ドン・キホーテ」です。 「ドン・キホーテ」でチェロを演奏しているのは、1988年生まれの韓国系ドイツ人チェリスト、イサン・エンダース。シュターツカペレ・ドレスデンの首席チェロ奏者に弱 冠20歳で就任した逸材で、退団後は世界中で活躍。2016年には来日し、J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」全曲を演奏し賞賛を浴びました。彼の表情豊 かな演奏は、ドン・キホーテの夢想と現実を映し出しています。
OC-980(3CD)
NX-D02
シュレーカー:歌劇「はるかなる響き」 フランクフルト歌劇場O&cho
フランクフルト歌劇場のエキストラ
セバスチャン・ヴァイグレ(指)

録音:2019年3、4月(ライヴ) フランクフルト歌劇場
1912年8月18日にフランクフルト歌劇場で初演されたフランツ・シュレーカーの歌劇「はるかなる響き」。彼の2作目の歌劇であり、ワーグナーやリヒャ ルト・シュトラウス直系の濃厚なロマンティシズムを持つこの作品は、初演と同時に大人気を博し、1920年のプラハではツェムリンスキーがチェコ初演 を指揮し、また1925年にはエーリヒ・クライバーがベルリン国立歌劇場で上演を行うなど人気を獲得していきました。 この作品はシュレーカーの名声を押し上げるのに一役買いましたが、後にナチスにより"退廃音楽"の烙印を押されてしまい、その後は歌劇場のレ パートリーから姿を消してしまいました。20世紀末になってようやく人気が復興、近年は日本を含め世界中の歌劇場で上演が行われています。 2019年に読売日本SOの常任指揮者に就任し、2020年12月にもコロナ禍の中来日し、第九を演奏したセバスチャン・ヴァイグレは、20世 紀初頭の作品を重要なレパートリーにしており、このフランクフルト歌劇場にとっても大切な作品である「はるかな響き」では、オーケストラの厚い響き にも負けない強靭な声を持つ歌手を揃え、熱意を持って演奏しています。
OC-982(2CD)
NX-D02
ヤナーチェク:歌劇「利口な女狐の物語」 女狐…ルイーズ・オルダー(S)
雄狐…ジェニー・カールステット(Ms)
森番…サイモン・ニール(Br)
森番の妻…ジョアンナ・クラススカ=モトゥレヴィチ(Ms)
校長…ボウ・ギブソン(T)
司祭…マグヌス・バルトヴィンソン(Bs)
ハラシュタ:行商人…セバスティアン・ガイヤー(Br)
きつつき…ニーナ・タランデーク(Ms)
雄鶏…マイケル・マカウン(T)
雌鶏…ブリッタ・シュタルマイスター(S)
宿屋の女主人…ノーラ・フリードリクス(S) 他
フランクフルト歌劇場児童cho
フランクフルト歌劇場O&cho
ヨハネス・デブス(指)

録音:2016年4月、5月(ライヴ)
フランクフルト歌劇場
一見民話風、あるいは童話風に見えるヤナーチェクの歌劇「利口な女狐の物語」。 ブルノの新聞に掲載されたルドルフ・ティエスノフリーデクの物語に感銘を受けたヤナーチェクが、これをもとに自ら起こした台本では「早耳の女狐ビスト ロウシュカ」は本能のおもむくままに獲物を捕らえ、恋におち、最後は人間に射殺されてしまいます。このヒロインの死は致命的な病気でも、傷ついた 心でもなく、自然のサイクルとして表現されており、死と再生を繰り返す自然への賛美と畏怖が込められています。モラヴィア民謡を散りばめた音楽 は、チェコ語の会話にぴったりと寄り添い、登場人物たちを生き生きと描写、また歌手たちの闊達なやりとりも見事です。ドイツ生まれの指揮者ヨハネ ス・デブスは世界中の歌劇場で経験を積んだベテランです。
OC-985(2CD)
NX-D02
デトレフ・グラナート(1960-):歌劇「オケアーネ」 オケアーネ・フォン・パルシファル…マリア・ベングトソン(S)
マルティン・フォン・ディルクセン…ニコライ・ジューコフ(T)
アルベルト・フェルゲントロイ博士…クリストフ・ポール(Br)
クリスティーナ…ニコル・ハスレット(S)
ストル・バルツァー…アルベルト・ペーゼンドルファー(Bs)
ルイーズ夫人…ドリス・ゾッフェル(A)
ゲオルク…スティーヴン・ブロンク(Bs-Br)
ドナルド・ラニクルズ(指)
ベルリン・ドイツ・オペラO&cho

録音:2019年4月25日,5月15,17日 ベルリン・ドイツ・オペラ・ライヴ
※世界初録音
“七つの大罪”の詩を効果的に用いた「ヒエロニムス・ボスのためのレクイエム」で知られる現代ドイツの作曲家デトレフ・グ ラナートの最新作「オケアーネ」。2019年4月28日に初演され、ベルリンの新聞紙上で「近年最もエキサイティングなオ ペラのひとつ」と高く評価された作品です。ドイツの詩人テオドール・フォンターネの詩からインスピレーションを受けたハンス =ウルリッヒ・トライヒェルの台本は、“海に棲む神秘的な女性”オケアーネが感情を捉える能力と愛を求めて地上に訪れ るという『人魚姫』を思わせる筋書き。断片的でありながらも人間の本質を描き出した問題作です。マリア・ベングトソン は美しく優雅な声で人智を超えた存在を歌い上げるとともに、テノールのジューコフは、オケアーネに関心を寄せるも、存 在そのものを理解できない悲しい男性を見事に表出。グラナートが物語につけた幻想的な音楽は、ラニクルズによって 感動的に演奏されています。
OC-986(2CD)
NX-D02
ペーテル・エトヴェシュ(1944-):歌劇「三人姉妹」 イリーナ…レイ・チェネス(C.T)
マーシャ…デイヴィッド・DQ・リー(C.T)
オルガ…ドミートリー・エゴロフ(C.T)
アンドレイ…ミコワイ・トラブカ(Br)
ナターシャ…エリック・ジュレナス(C.T)
医師…マーク・ミルホファー(T)
トゥーゼンバフ…クレシミール・ストラジャナツ(Bs-Br)
ソリョーヌイ…バーナビー・レア(Bs)
クルイギン…トーマス・フォークナー(Bs-Br)
ヴェルシーニン…アイアン・マクニール(Br) 他
ニコライ・ペテルセン(指)
デニス・ラッセル・デイヴィス(指)
フランクフルト歌劇場O
録音:2018年9月,10月 フランクフルト歌劇場・ライヴ
ロシアの文豪チェーホフの同名戯曲に基づくエトヴェシュの歌劇「三人姉妹」。田舎町に赴任した軍人一家の三姉妹を 主人公に、ロシア革命を目前にした帝政ロシア末期の知識階級の閉塞感を描いた物語をオペラ化する際に、エトヴェ シュは主人公の三人姉妹を全てカウンターテナーが演じるという思い切った配役を敢行、極めて倒錯的な世界を創り 上げました。この上演では、アメリカのチェネス、カナダのデイヴィッド・DQ、ロシアのエゴロフ、この3人の世界的に成功し た歌手を起用し、アコーディオンを効果的に用いたプロローグから濃厚な世界を表出。同じカウンターテナーであるもの の、3人の声は声質が違うため姉妹の性格の描き分けに成功しています。また、個性的な演奏で知られる指揮者デニ ス・ラッセル・デイヴィスと、歌劇場のカペル・マイスターを務めるニコライ・ペテルセンの2人が指揮を担当する複雑なオーケ ストラの響きも聴きどころです。
OC-991(2CD)
NX-D02
マスカーニ:歌劇「イリス」 イリス…カリーネ・ババジャニアン(S)
オオサカ…サムエーレ・シモンチーニ(T)
キョウト…エルネスト・ペッティ(Br)
イリスの盲目の父…ダヴィッド・オシュトレク(Bs)
芸者…ミナ・クラウゼン(S)
くず拾い…アンドレス・モレーノ・ガルシア(T) 他
フェリックス・クリーガー(指)
ベルリン・オペラグループO&cho

録音:2020年2月17-18日ヴェルナー=オットー=ザール、コンツェルトハウス、ベルリン(ドイツ)
1890年に初演された歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」で大成功を収めたマスカーニ。その後も指揮者として活躍しながら数々の歌劇を作曲、生 涯に15作を書き残しました。この「イリス」は1898年、ローマでマスカーニ自身の指揮により初演された歌劇。当時、ヨーロッパを席捲していた『ジャ ポニズム・ブーム』の流れに乗った作品で、台本作家イッリカがマスカーニに台本を提供。初演時は大成功を収めています。タイトルの『イリス』とはあ やめの花のこと。江戸を舞台に盲目の父の世話をする純真な娘イリスが、若者オオサカと女衒キョウトに騙され、吉原に売られてしまう物語。また第 2幕でイリスが歌うアリア「Un di, ero piccina 私がまだ小さな子供だった頃」は、北斎の浮世絵「蛸と海女」からインスピレーションを得たと言われ ています。この作品のタイトル・ロールを歌うのはアルメニア出身のソプラノ、カリーネ・ババジャニアン。プッチーニを得意とする彼女、ここでも美しい歌 声で聴き手を魅了します。指揮は、1975年ドイツ生まれのフェリックス・クリーガー。ベルリン・フィルでクラウディオ・アバドのアシスタントを務め、2000 年からビーレフェルト劇場のカペル・マイスターに就任。現在はベルリン・オペラグループO創設者、芸術監督、首席指揮者として活躍してい ます。
OC-995F(2CD)
ワーグナー:楽劇「ラインの黄金」
DVD1・・・序夜「ラインの黄金」
DVD2・・・メイキング・オブ・リング…23分
ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(Br)…1.2/ドンナー…ディートリヒ・フォッレ(Br)/フロー…リチャード・コックス(T)/ローゲ…カート・ストレイト(T)/アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)/ミーメ…ハンス=ユルゲン・ラザール(T)/ファーゾルト…アルフレッド・ライター(Bs)/ファーフナー…マグヌス・バルトヴィンソン(Bs)/フリッカ…マルティナ・ディーケ(Ms)/フライア…バルバラ・ツェヒマイスター(S)/エルダ…メデレィス・アーワディ(C.A)/ヴォークリンデ…ブリッタ・シュタルマイスター(S)/ヴェルグンデ…ジェニー・カールステット(Ms)/フロシュヒルデ…カタリーナ・マギエラ(A)
フランクフルト歌劇場O
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)
ヴェラ・ネミロヴァ(演出)/イェンス・キリアン(装置)/インゲボルク・ベルネルス(衣装)/オラフ・ヴィンター(照明)/マルテ・クラスティング(ドラマトゥルギー)

録音:2012年6月-7月
収録時間:184分
音声:ステレオ2.0/DD5.1
字幕:ドイツ語・英語
画面:16:9/REGION All(Code:0)
OC-999の分売
舞台に配された青い輪が全ての世界を現し、歌手もここで歌う。水は映像で表現され、人々は現代的な衣装を纏い、極力ムダな動きは抑えられています。時折、驚くような場面もあるけれど相対的には安心してみることができる演出。被り物もなし、裸体もなし。すっきりとした「ラインの黄金」です。メイキング映像が興味深いです。現代における「リング」を知りたい人はここだけでも価値ありです。
OC-996F(2DVD)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」 ジークムント…フランク・ファン・アーケン(T)/フンディング…アイン・アンガー(Bs)/ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(Bs-Br)/ジークリンデ…アンバー・ワーグナー(S)/ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)/フリッカ…マルティナ・ディーケク(Ms)/ゲルヒルデ…アーニャ・フィデリア・ウルリッヒ(S)/オルトリンデ…エリザベス・ライター(S)/ヴァルトラウデ…クラウディア・マーンケ(Ms)他
フランクフルト歌劇場O
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)
ヴェラ・ネミロヴァ(演出)/イェンス・キリアン(装置)/インゲボルク・ベルネルス(衣装)/オラフ・ヴィンター(照明)/マルテ・クラスティング(ドラマトゥルギー)

録音:2012年6月-7月
収録時間:234分
音声:ステレオ2.0/DD5.1
字幕:ドイツ語・英語/画面:16:9
REGION All(Code:0)
OC-999の分売
ここでも青い輪は健在。第3幕の幕切れではブリュンヒルデもここで炎に囲まれ眠りに尽きます。演出も文句なし。演奏も文句なし。CDとは録音時期が違うので、何人かの配役は違っていますが、これはこれで面白いところです。こちらも安心してみることのできる「ヴァルキューレ」といえるでしょう。
OC-997F(2DVD)
ワーグナー:楽劇「ジークフリート」 ジークフリート…ランス・ライアン(T)
ミーメ…ペーター・マーシュ(T)
さすらい人(ヴォータン)…テリエ・ステンスヴォルト(Bs-Br)
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)
ファーフナー…マグヌス・バルトヴィンソン(Bs)
エルダ…メデレィス・アーワディ(C.A)
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)
森の小鳥…アラン・バルネス(踊り)&ロビン・ヨハンセン(歌)
フランクフルト歌劇場O
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)
フランクフルト歌劇場O
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)
ヴェラ・ネミロヴァ(演出)
イェンス・キリアン(装置)
インゲボルク・ベルネルス(衣装)
オラフ・ヴィンター(照明)
マルテ・クラスティング(ドラ
マトゥルギー)

録音:2012年6月-7月
収録時間:243分
音声:ステレオ2.0/DD5.1
字幕:独,英
画面:16:9
REGION All(Code:0)
※OC-999の分売
全編に渡って登場する巨大な輪。もちろんジークフリートの成長物語もこの輪の中で描かれます。実に細やかな演出が施されていて、どこにも破綻はありません。歌手たちもレヴェルが高く、文句の付け所はありません。ファーフナーは最近流行のアニメの主人公のようなコスチュームです。また森の小鳥は、ダンサーが演じています。細かい伏線があるので、なんども観ることをオススメいたします。
OC-998F(2DVD)
ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」 ジークフリート…ランス・ライアン(T)
グンター…ヨハネス・マルタン・クレンツル(Br)
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)
ハーゲン…グレゴリー・フランク(Bs)
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)
グートルーネ…アーニャ・フィデリア・ウルリッヒ(S)
ヴァルトラウテ&第2のノルン…クラウディア・マーンケ(Ms)
第1のノルン…メデレィス・アルヴァディ(C.A)
第3のノルン…アンゲル・ブルー(S)
ヴォークリンデ…ブリッタ・シュタルマイスター(S)
ヴェルグンデ…ジェニー・カールステット(S)
フロスヒルデ…カタリーナ・マギエラ(Ms)
フランクフルト歌劇場O
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)
ヴェラ・ネミロヴァ(演出)/イェンス・キリアン(装置)/インゲボルク・ベルネルス(衣装)/オラフ・ヴィンター(照明)/マルテ・クラスティング(ドラマトゥルギー)

録音:2012年6月-7月
収録時間:280分/音声:ステレオ2.0/DD5.1/字幕:独,英
画面:16:9/REGION All(Code:0)
※OC-999の分売
いよいよ物語も大詰め。いつものように舞台には巨大な輪。幾分黒ずんでいます。「神々の黄昏」は合唱団も登場することもあり、シンプルな中にも壮麗さがあります。肥大化した物語にどのような結末を与えるのかについては、多くの演出家が工夫を凝らしていますが、ここでは、あっと驚くような結びが用意されています。神々の時代から人類へ…時代は確実に引き継がれているということでしょうか。色々なことを考えさせてくれる感動的な結末です。
OC-999(8DVD)
ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」
1.序夜「ラインの黄金」(メイキング付き…23 分)
2.第1 夜「ワルキューレ」
3.第2 夜「ジークフリート」
4.第3 夜「神々の黄昏」
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指)フランクフルト歌劇場O&cho
《ラインの黄金》
ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(Br)/ドンナー…ディートリヒ・フォッレ(Br)/フロー…リチャード・コックス(T)/ローゲ…クルト・シュトライト(T)/アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー (Br)/ミーメ…ハンス=ユルゲン・ラザール(T)/ファーゾルト…アルフレッド・ライター(Bs)/ファーフナー…マグヌス・バルトヴィンソン(Bs)/フリッカ…マルティナ・ダイク(Ms)/フライア…バルバラ・ツェヒマイスター(S)/エルダ…メデレィス・アルヴァディ(C-A)/ヴォークリンデ…ブリッタ・シュタルマイスター(S)/ヴェルグンデ…ジェニー・カールステット(Ms)/フロシュヒルデ…カタリーナ・マギエラ(A)
《ワルキューレ》
ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(Br)/ジークフリート…フランク・ファン・アーケン(T)/フンディング…アイン・アンガー(Bs)/ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(B-Br)/ジークリンデ…アンバー・ヴァーグナー(S)/ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)/フリッカ…マルティナ・ダイク(Ms)/ゲルヒルデ…アーニャ・フィデリア・ウルリッヒ(S)/オルトリンデ…エリザベス・ライター(S)/ヴァルトラウデ…クラウディア・マーンケ(Ms) 他/
《ジークフリート》
ジークフリート…ランス・リャン(T)/ミーメ…ペーター・マーシュ(T)/さすらい人(ヴォータン)…テリエ・ステンスヴォルト(B-Br)/アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)/ファーフナー…マグヌス・バルトヴィンソン(Bs)/エルダ…メデレィス・アルヴァディ(C-A)/ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)/森の小鳥…アラン・バルネス(S)
《神々の黄昏》
ジークフリート…ランス・リャン(T)/グンター…ヨハネス・マルタン・クレンツル(Br)/アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Br)/ハーゲン…グレゴリー・フランク(Bs)/ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)/グートルーネ…アーニャ・フィデリア・ウルリッヒ(S)/ヴァルトラウテ&第2 のノルン…クラウディア・マーンケ(Ms)/第1 のノルン…メデレィス・アルヴァディ(C-A)/第3 のノルン…アンゲル・ブルー(S)/ヴォークリンデ…ブリッタ・シュタルマイスター(S)/ヴェルグンデ…ジェニー・カールステット(S)/フロシュヒルデ…カタリーナ・マギエラ(Ms)

録音:2012年6 月-7月
収録時間:184分+234 分+243 分+280 分
音声:ステレオ2.0/DD 5.1
字幕:独, 英/画面:16:9
REGION All(Code:0)
ヴァイグレ率いるフランクフルト歌劇場の「指環」に映像登場です。 OEHMS レーベル初となるこの映像作品は、斬新な装置を用いたスペクタクルなもの。大胆な回り舞台と燃え盛る炎を中心に設定された見どころ満載な舞台です。 登場人物たちは思いの他シンプルな衣装を身につけ、体当たりで情感豊かな歌唱を聴かせます。「神々の黄昏」での幕切れの場面は、登場人物と観客たちが全て一体となり、人類に対して答えのない質問を投げかけるという斬新な解釈であり、これは映像ならではの見せ場と言えるでしょう。 既にリリースされているCD(OC935-938)とは別テイクの演奏です。 メイキング・オブ・リングも興味深い内容です。

ODE-1247
エリクス・エセンヴァルズ:宗教作品集
聖ルカ伝による受難曲(2014)
大海の一滴(2006)
最初の涙(2014)/天の連祷(2011)
レヴァ・パルシャ(Ms)
ヤミス・クルシェブス(T)
ダウマンツ・カルニニュス(Br)
レヴァ・エゼリエーテ(S)
リーガ・パエグレ(A)
アレクサンドルズ・マイジェルズ(リコーダー&ハープ)
ラトビア放送Cho
シンフォニエッタ・リガ
シグヴァルズ・クリャーヴァ(指)

録音:2015年5月5-7日ラトビア、リガ聖ジョン教会
現代合唱曲の作曲家として、一部のファンの間では熱狂的な人気を誇るラトビア出身のエリクス・エセンヴァルズ(1977-)。このアルバムでは彼の新作「聖ルカ受難曲」を中心に、いくつかの特徴的な曲を聴くことができます。エセンヴァルズにとっては初の受難曲となるこの「聖ルカ」は、8つの部分から構成され、メゾ・ソプラノ、テノール、バリトン独唱と合唱、オーケストラによって奏される壮大な作品。作曲にあたり、指揮者クリャーヴァも助言をしたという大作です。また「大海の一滴」と「最初の涙」はマザー・テレサに献呈された透明感を持つ作品で、「天の連祷」はラトビアの詩人フリシス・バールダの神秘的な詩を用いた作品です。複雑な旋律の絡み合いと、そこから生まれる美しい響きに耳を奪われます。
ODE-1274
エイノユハニ・ラウタヴァーラ:声楽作品集
バリトンとオーケストラのための歌曲集「ルバイヤート」(2015)
弦楽オーケストラのための「心の光に」(カント第5番)(2012)
テノール,混声合唱と管弦楽のためのカンタータ「バラダ」(2014)
歌劇「ラスプーチン」からの4つの歌曲(2012)
ジェラルド・フィンリー(Bs-Br)
ミカ・ポーヨネン(T)
ヘルシンキ・ミュージック・センターCho
ヘルシンキPO
ヨン・ストルゴールズ(指)

録音:2015年4月1-2日、2015年10月7-10日 フィンランド,ヘルシンキ・ミュージック・センター
NDINEレーベルが力を入れているラウタヴァーラ(1928-)の録音、今回は全てが世界初演である声楽作品集です。バリトンのための歌曲集のテキストは11世紀から12世紀に活躍したペルシアの詩人、ウマル・ハイヤームの四行詩集「ルバイヤート」から採られた教訓的なもので、この作品はジェラルド・フィンリーのために書かれています。ロルカのテキストに基づいて書かれた大規模な「バラダ」、ラウタヴァーラが若い頃からシリーズとして作曲している「カント」の最新作「心の光に」、自身の歌劇「ラスプーチン」からの編曲である4つの歌曲と、どれも最近のラウタヴァーラの作風を象徴するような神秘的な音楽の中に劇的要素が込められた興味深い作品を、2015年までヘルシンキ・フィルの首席を務めたストルゴーズによる演奏で。
ODE-1287
NX-B04
エリッキ=スヴェン・トゥール(1959-):作品集
クラリネット協奏曲「ペレグリヌス・エクスタティクス」
Le poids des vies non vecues-命の重さはここには存在しない
クラリネット.ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲「ノエシス」
クリストファー・スンドクヴィスト(Cl)
ペッカ・クーシスト(Vn)
フィンランド放送SO
ハンヌ・リントゥ(指)

録音:2015年4月、2015年5月、2016年8月
現代エストニアを代表する作曲家、エリッキ=スヴェン・トゥール。ONDINEレーベルでは彼の作品を集中して録音しています。前作の交響 曲第5番(ODE-1234)は、ビッグ・バンドとエレクトリック・ギターを用いた独創的な音響が魅力でしたが、今回のアルバムにはクラリネットを 中心とした2曲の協奏曲が収録されており「ペレグリヌス・エクスタティクス」ではクラリネットの鮮やかなモティーフと、打楽器を含むきらびやかな オーケストラの響きの融合を楽しむことができます。「ノエシス」はクラリネットとヴァイオリンの二重協奏曲で、こちらは諧謔性は少ない辛辣な 音楽。全編が嘆きに満ちたレクイエムであり、2つの楽器の音色は交錯しながら、フィナーレで完全なる融合を遂げます。激しいリズムの応 酬も見事です。スンドクヴィストは2005年からフィンランド放送SOの首席クラリネット奏者として活躍し、2013年にリントゥと共に「ペ レグリヌス・エクスタティクス」の世界初演を行いました。ペッカ・クーシストはフィンランドを代表するヴァイオリンの名手。数多くのオーケストラと 共演し、様々な現代作品を初演、高い評価を受けています。
ODE-1291
NX-B04
ブラームス:セレナード集
セレナード 第1番 ニ長調 Op.11
セレナード 第2番 イ長調 Op.16*
イェヴレSO
ハイメ・マルティン(指)

録音:2015年5月18-22日、2015年10月5-7日*
イェヴレSOと、2013年から首席指揮者として活躍しているスペイン生まれのハイメ・マルティンによるONDINEレーベル へのブラームス・ツィクルス第1弾。もともと優れたフルーティストであったマルティンは、ロンドン・モーツァルト・プレイヤー、モスクワ・ ヴィルトゥージ他、数々のアンサンブル、オーケストラで演奏し、指揮者としては2008年からネヴィル・マリナーのアシスタントを務 め、2012年に「魔笛」でデビュー、以降、ロンドンPOをはじめ、ニュージーランドSO、シンフォニ カ・サンパウロ、ローザンヌ室内Oなど、世界中のオーケストラと共演、こちらも国際的に高く評価されています。 若い時期の曲のほとんどを破棄したブラームスにしては珍しく、何度かの改訂を施した上で残された2つのセレナードは、どちらも 意欲的で美しい音楽です。各々の楽器の活躍が目覚しく、また美しい響きに富んだ詩的な作品として人気を獲得していま す。1912年にスウェーデンで設立されたイェヴレSOの清澄な音色が魅力的です。
ODE-1293
NX-B04
シューベルト&ハイドン:弦楽四重奏曲集
シューベルト:弦楽四重奏曲 第15番 ト長調 D887
ハイドン:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.20-3 Hob.III:33
テツラフ・カルテット
【メンバー】
クリスティアン・テツラフ(Vn)
エリザベト・クッフェラート(Vn)
ハンナ・ヴァインマイスター(Va)
ターニャ・テツラフ(Vc)

録音:2015年9月19-21日
世界中で絶賛される弦楽四重奏団、テツラフ・カルテット。 ヴァイオリニストのクリスティアン・テツラフとその妹ターニャを中心に1994年に結成、ヨーロッパの音楽祭の常連であり、その演奏 は「ドラマティックでエネルギッシュ」と評され、2014年には来日公演も行い、日本でも着実に人気を獲得しています。これまで のアルバムは「シェーンベルクとシベリウス」、「メンデルスゾーンとベルク」という意外性たっぷりの組み合わせでしたが、ONDINEへ の初レコーディングとなる今作は、シューベルトとハイドンというウィーンの伝統に則ったオーソドックスな組み合わせ。シューベルト の最後の弦楽四重奏曲である第15番は、10日間という短い期間で書き上げられたにも拘らず極めて優れた内容を持つ作 品です。ト長調とありますが、シューベルトらしく短調と長調が目まぐるしく交替し、全曲に緊張感が漲っています。ハイドンの四 重奏は「太陽弦楽四重奏曲」と呼ばれるシリーズの1曲。四重奏の可能性を探るハイドンが創り上げた実験的で創造的な作 品です。

OC-1710
NX-B03
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 ニ長調 断章 Hess15-Allegro(ニコラス・クック&ヘルマン・デシャントによる完成版)…世界初録音
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲 変ホ長調 WoO4
ゾフィー=マユコ・フェッター(P)
ペーター・ルジツカ(指)
ハンブルクSO

録音:2019年2月25.28日,5月14.15日
2020年の「ベートーヴェン・イヤー」に向けて珍しい作品が次々とリリースされていますが、このアルバムに収録されている 曲もかなりレアと言えるでしょう。ピアノ協奏曲第2番はベートーヴェンの初期作品で、モーツァルトよりもヨハン・クリスチャ ン・バッハの影響が強い端正な風情を持っていますが、こちらは通常のレパートリー。しかし変ホ長調 WoO4はベートー ヴェン14歳頃の作品で、ほとんど演奏されることがありません。「第0番」と呼ばれることもあるこの曲を来日経験もあるゾ フィー=マユコ・フェッターは1806年、ブロードウッド製のフォルテピアノを用い、当時の響きを再現しています。また、時に 「第6番」と呼ばれることもある未完となったニ長調の協奏曲は1814年から1815年頃に作曲されたと推測される作 品。70ページほどのスケッチが残されています。完成すれば、第4番のあでやかさと第5番の力強さを更に発展させた壮 大な作品になるはずでしたが、ベートーヴェンは何らかの理由により途中で筆を折ってしまいました。ここでは研究家たち による補筆完成版でお楽しみください。
OC-1715
NX-B03
クリスティーナ・ビアンキ/ハープ・リサイタル
スカルラッティ:ソナタ ロ短調 K.197/L.147/P.124(ハープ編)
 ソナタ ヘ短調 K.239/L.281/P.56(ハープ編)
タイユフェール(1892-1983):ハープ・ソナタ
スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.213/L.108/P.288(ハープ編)
 ソナタ ヘ長調 K.469/L.431/P.514(ハープ編)
C.P.E.バッハ:スペインのフォリアによる12の変奏曲 Wq.118/9, H.263(ハープ編)
スカルラッティ:ソナタ イ短調 K.149/L.93/P.241(ハープ編)
 ソナタ ホ長調 K.162/L.21/P.162ハープ編)
 ソナタ ホ短調 K.198/L.22/P.132(ハープ編)
バルティン(1931-2009):3つの前奏曲
スカルラッティ:ソナタ ト長調(ハープ編)
 スカルラッティ:ソナタ ト短調(ハープ編)
クリスティーナ・ビアンキ(Hp)

録音:2019年3月4-6日バイエルン放送 第2スタジオ,ドイツ
7歳でハープのレッスンを始めたクリスティーナ・ビアンキ。16歳でミラノ音楽学校を卒業、1989年から1995年まで「EU ユースO」の首席奏者を務めた後、ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場Oの首席奏者を経て、2001年 から2008年にはバイエルンRSOの首席奏者を務めるなど着実にキャリアを重ね、現在では大学で教える傍 らソリストとして活躍しています。ビアンキは長年に渡りドメニコ・スカルラッティの作品を研究しており、このアルバムでは彼 の一連の作品をハープで演奏。本来は鍵盤のためのソナタ(ギターで演奏されることもしばしば)を違った視点で聴か せます。合間には、タイユフェール、C.P.E.バッハ、ロシアの近代作曲家バルティンの珍しい作品を挿入し、選曲にユニー クなアクセントを施しています。
OC-1716(2CD)
NX-B03
マーラー:交響曲第6番【悲劇的」 トマーシュ・ネトピル(指)
エッセンPO
2019年11月に来日、読売日本SOと共演したチェコの指揮者トマーシュ・ネトピル。「チェコの次世代を担う指 揮者」として注目され、現在はエッセン歌劇場の音楽総監督を務め、オペラでも素晴らしい成果を上げる期待の俊英 の一人です。エッセン・フィルハーモニーとの3枚目の録音となるこのアルバムは、マーラーを得意とするネトピルが取り組む 「交響曲第6番」を収録。ネトピルは、チェコと深い関係にあるマーラーの音楽に強く共感しているといい、この第6番の 演奏では、古典的な構成を採りながらも様々なアイデアが凝らされた作品のすみずみまでを見渡すことで、マーラーの 旺盛な創作力が反映された数々のドラマティックな楽想を見事に表現しています。また、この曲は、もともと1906年5 月27日にマーラーの指揮によりエッセン・フィルハーモニーが初演したこともあり、オーケストラにとっても所縁の深い作品 です。初演時に第2楽章と第3楽章の順序が変更され、アンダンテ-スケルツォの順で演奏されたと記録にありますが、 ネトピルはマーラーの最初の構想通り、第2楽章にスケルツォを置いています。

OC-1801C
バッハ:カンタータ&マニフィカート
カンタータ「心と口と行いと命もて」BWV147
シンフォニア.長調BWV1045
マニフィカート.ニ長調 BWV243
レベッカ・ハルトマン(Vn)/アンドレア・ローレン・ブラウン(第1 ソプラノ)/リディア・トイシャー(第2ソプラノ)/オリヴィア・フェルモイレン(A)/ユリアン・プレガルディエン(T)/セバスティアン・ノアック(Br)
ミュンヘン・バッハO&cho
ハンス=イエルク・アルブレヒト(指)

録音2012 年12 月8.9 日プーラッハビュルガーハウス
1954 年から活動しているミュンヘン・バッハ合唱団による美しいバッハ作品集です。この合唱団は、もともと存在していたハインリヒ・シュッツ合唱団の指揮を任されたカール・リヒターが、「バッハの作品を演奏するため」に名称を変更し(同時にミュンヘン・バッハOも組織)、活動を行ってきたのです。1981 年にリヒターが死去した後は1984 年から2001 年までハンス=マルティン・シュナイトが芸術監督を務めていましたが、現在はハンス=イエルク・アルブレヒトがその任にあたっています。今回の録音はバッハのカンタータの中でも最も人気の高い第147 番(コラールは「主よ、人の望みの喜びよ」)と、輝かしい「マニフィカト」がメイン。現在のこの合唱団とオーケストラの姿を知るのに最もふさわしいアルバムと言えるでしょう。
OC-1802C
R・シュトラウス:晩年の管弦楽作品集
メタモルフォーゼン*
オーボエ協奏曲ニ長調*
シュテファン・シッリ(Ob)
オイゲン・ヨッフム(指)*
マリス・ヤンソンス(指)
バイエルン放送SO

録音:1959年10月21日(モノラル)*、2006年3月 ミュンヘン,ヘルクレスザール
シュトラウスの晩年の名作「メタモルフォーゼン」は、1945年、第二次世界大戦でドイツの敗戦決定間近に書かれた作品で、彼の思い出がたくさん詰まった劇場や、町並みが悉く空爆で破壊されてしまうのを目の当たりにした時に書かれた「ドイツへのレクイエム」とも呼べる悲痛な音楽です。しかしそんなシュトラウスの思いを他所に、イギリスでは「ヒトラーへのレイクエム」として捉えられていたのは彼にとっては心外だったに違いありません。同じ年の「オーボエ協奏曲」はピッツバーク交響楽団の首席オーボエ奏者ジョン・ド・ランシーの依頼で作曲されたもので、こちらは全てを超越したかのような、モーツァルトを思わせる美しい作品です。メタモルフォーゼンはヨッフムによる歴史的録音、オーボエ協奏曲は2006年の新しい録音。この50年でリヒャルト・シュトラウス演奏における様相も随分変化したようです。
OC-1803C
ハンス・ロット〜マーラーに至る道
1-11.待ちたまえ、お前はすぐにまた休むだろう〜バリトンと管弦楽のための歌の旅(エンジョット・シュニーダー翻案)<プロローグ/さすらい人の夜の歌/インテルメッツォ/すみれ/インテルメッツォ/2つの願い/インテルメッツォ/わすれな草/インテルメッツォ/歌手/エピローグ>
12-15.交響曲ホ長調
ミヒャエル・ヴォッレ(Br)
ミュンヘンSO
ハンスイェルク・アルブレヒト(指)
以前は「マーラーのエピゴーネン(亜流)」として認識されていたハンス・ロット(1858-1884)。しかし最近の研究により、実は彼は「マーラーの先駆者」であったことが明らかになり、それに連れて演奏の機会や録音も増えてきたようです。しかし現在でも、彼の名前を口にする時、なんとなく躊躇ってしまうのはなぜでしょう?それは彼が自身の運命を呪いながら悲劇的な死を迎えたからでしょうか?そんな彼の意思を現代に蘇らせようと試みたのが、このE.シュニーダーが再構築した歌曲集です。ロットが残したいくつかの歌曲の中から5曲を選び出し、各々の曲間を現代的なイディオムを用いたフレーズで繋いでいくというものです。この方法は、かのハンス・ツェンダー「冬の旅」に行った再構築(reconstruction)にも似たものであり、元の曲に溢れかえる「音にならない狂気と叫び、感情の爆発」を丁寧にトレースして、改めて見せてくれるものと言えるでしょう。ただ、どのような方法を試みたとしても、ロットの深層心理を100%描き出すことは永遠に不可能なのですが・・・。

OC-1804C
フランツ&リヒャルト・シュトラウス:ロマンティック・ホルン作品集
F.J.シュトラウス:告別
 ホルンとピアノのためのノットゥルノOp.7
 ホルンとピアノのための「主題と変奏」Op.13
 シューベルトの「あこがれのワルツ」による幻想曲
R・シュトラウス:アルプホルン(J.ケルナーの詩による)
 ホルンとピアノのためのアンダンテOp.86A
 序奏,主題と変奏変ホ長調
ハーゼンネール:もう一人のティル・オイレンシュピーゲルOp.28*
ハン・シャオメイ(Hrn)
ペーター・シュマルフス(P)
カーチャ・ブースト(Ms)
ドラ・ブラチコヴァ(Vn)*
ライナー・ミューラー=ファン・レクム(Cl)*
マルク・エンゲルハールト(Fg)*
マルティン・ドブナー(Cb)*
リヒャルト・シュトラウスの父親、フランツ・ヨーゼフ・シュトラウスはミュンヘン宮廷歌劇場の首席ホルン奏者を務めていました。当時の歌劇場では、ワーグナーなどの当時としては先鋭的な作品が上演され、父ヨーゼフはそれらを演奏していたにも拘わらず、彼は全く評価することなく、「ジュピター交響曲は最も偉大な作品である」とモーツァルトを全力で賛美していたといいます。そんな父を持ったリヒャルト。20歳頃までは父の教えに従い、かなり保守的な作品を書いていたのですが、その後の方向転換はご存知の通り。父親がどれほど眉をひそめたかは想像に難くありません。このアルバムでは、そんな父と子、そしてここから派生した「もうひとりのティル」を収録し、ホルンの妙技を通して、当時の音楽事情にも目を向けようという意図が感じられます。ちなみに「アルプホルン」はリヒャルトが14歳の時の作品。すでに型にはまることのない息子の才能が溢れ出しているように思われます。ここでホルンを吹くハン・シャオメイもホルン奏者を父に持ち、10歳からホルンを始めた人。共感溢れる歌心はそんな中から生まれたのでしょう。
OC-1805
NX-B03
SHANGHAI MOZART DREAM-モーツァルト(1756-1791):ホルンのための名曲集
ホルン協奏曲 ホ長調 K447
ホルン,ヴァイオリン,2台のヴィオラとチェロのための五重奏曲 変ホ長調 K407(386c)
2台のヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスと2台のホルンのためのディヴェルティメント K287/271h
ハン・シャオメイ(Hrn)
ヨーゼフ・スヴェンセン(指)
ザールブリュッケンRSO
ホウ・レイ(Vn)
ホウ・キン(Va
チャン・リークォ(Va)
ワン・レイ(Vc)
ハン・ジェーン・レーマン(Hrn)
マルティン・ドブナー(Cb)

録音;1993年1月18日、1998年4月14日、1999年4月6-8日
1980年、中国中央Oの首席ホルン奏者に就任し、1985年からはザールブリュッケン放送Oの首席ホルン奏者と なったハン・シャオメイ。彼の父親ハン・インハンもジュネーブ国際ホルン・コンクールで優勝した名手であり、シャオメイが10歳の時に は演奏会で共演も果たしています。このアルバムでは、彼の仲間たちであるザールブリュッケン放送SOのメンバーたちと共 演。ホルン協奏曲では堂々と、室内楽作品では親密な演奏を披露しています。
OC-1806C
モーツァルト:ピアノ協奏曲第6番変ロ長調K238
歌劇「フィガロの結婚」序曲
ピアノ協奏曲第13番ハ長調K415
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
アンドレアス・フレーリッヒ(P)
アルメニアPO
エドゥアルド・トプチャン(指)
1927年にアルメニアの首都エレバンに設立されたアルメニア・フィルハーモニーOは、設立当時は作曲家アレクサンドル・スペンディアリアンが召集した18名の団員からなる小さなオーケストラでした。しかし、その試みは少しずつアルメニアの人々の間に浸透し、少しずつ知名度を得てきたのです。一時期は若きゲルギエフが首席指揮者を務めていたこともありますが、何といってもソ連崩壊後に就任したロリス・チェクナヴォリアンがこのオーケストラの性能を飛躍的に高めたと言えるでしょう。彼は1988年にアルメニアを襲った大地震のときにも、毎週オーケストラを振ることで国民の士気を高め、復興の足がかりを作ったことでも知られています。現在は、2000年に音楽監督兼主席指揮者の地に就いたエドゥアルド・トプチャンによって、新たなパワーを与えられています。このアルバムはピアニストのアンドレアス・フレーリッヒをソリストに迎えたモーツァルト(1756-1791)の2曲のピアノ協奏曲と2曲の序曲を収録したもの。このオーケストラの持つ底知れぬパワーを生かしながら、上品な味わいも付け加えた好感の持てる溌剌としたモーツァルトとなっています。
OC-1807C
ジンクフォニカー〜ゲオルク・クライスラーを歌う
ゲオルク・クライスラー(1922-2011):公園でハトに毒を盛る(B.ホフマン編)
どうして?(C.M.シュミット編)
3つの黒い目を持つ少女(F.X.ラハナー編)
ケルンテン男声合唱のための歌(P.エーリッヒ編)
私はKOAを持つ(F.X.ラハナー編)
彼女は素晴らしい女性です!(J.ヴェストナー編)
春のメルヘン(J.P.ファーバー編)
トライアングル(C.ゲール編)
音楽評論家(C.ゲオルク編)
トラ祭り(C.M.シュミット編)
美しいハインリヒ(B.ホフマン編)
どうぞ、あなたの夫を撃ってください(P.エーリッヒ編)
私の妻は私を残したい(B.ホフマン編)
ビドラ・ブー(P.エーリッヒ編)
Derguade,oide Franz(C.M.シュミット編)
電話帳のポルカ(B.ホフマン編)
ジンクフォニカー
ベルノ・シャルプ(P)

録音:2014年7月27-30日バイエルン放送第1スタジオ
ゲオルク・クライスラーはウィーンに生まれたユダヤ人です。戦禍を逃れアメリカに渡り、他の音楽家たちのように映画やテレビの音楽を書き、キャバレーやバーで演奏していたと言います。1950年代後半にヨーロッパに戻りますが、以降は「歯に衣を着せぬ」発言でオーストリア社会を批判し、89歳で亡くなるまで、独自のユーモアで社会を風刺したのです。彼は社会の底辺に潜む暗い闇を愛し、これらを上手く歌にしたのです。このアルバムでも、第1曲目のタイトルからショッキングなものですが、ここにも痛烈な皮肉が込められているのです。たくさんの比喩、皮肉が含まれたこれらの歌を、ジンクフォニカーが極上のハーモニーで聴く幸せ。曲自体はとても気楽な雰囲気を持つものの、なんとなく背中がぞくぞくするような背徳感も覚えるのではないでしょうか。
OC-1808C
Promessa-約束
グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」-ああ、私は夢に生きたい
レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」-彼のまなざしに炎が見えた
ドニゼッティ:歌劇「ランメルムーアのルチア」-あたりは静けさに包まれ
ヴェルディ:歌劇「リゴレット」-ガルテル・マルデ…愛しき名よ
ビゼー:歌劇「カルメン」-何を恐れることがありましょう
ベッリーニ:歌劇「清教徒」-あなたの優しい声が
ヴェルディ:歌劇「椿姫」-さようなら、過ぎ去った日々よ
マスネ:歌劇「マノン」-やさしい恋人たちが呼んだら、いつでも答えましょう
バーンスタイン(1918-1990):歌劇「キャンディード」-着飾ってきらびやかに
ソフィア・ブロンマー(S)
アウグスブルクPO
ディルク・カフタン(指)

録音:2013年9月16-18日ゲルストホーフェン,シュタッドハレ
1981年、ドイツのレオンベルクで生まれ、ミュンヘンの音楽芸術大学で学んだソフィア・ブロンマー。彼女は1998年と1999年にドイツ連邦の「青少年音楽コンクール」で賞を受賞、そして2008年には「バイエルン芸術賞」、2009年には「アウスプルク劇場賞」も獲得しています。2012年には超難関として知られるミュンヘン国際音楽コンクールで第3位に輝き、観客賞と特別賞も授与されています。デビュー・アルバムではシューマンやリヒャルト・シュトラウスなどのドイツ歌曲を歌い、完成度の高い表現力を披露しましたが、今回はベルカントのアリアを歌うことで、全く違う表情を見せてくれています。ベッリーニやドニゼッティ、そしてバーンスタインでは超絶技巧を駆使し、ヴェルディやレオンカヴァッロでは極めて抒情的な歌唱を聴かせます。今後の活躍が楽しみな歌姫です。
OC-1809E(2CD)
カール・ハインリヒ・グラウン:受難オラトリオ「イエスの死」 モニカ・マウフ(S)
ゲオルク・ポプルツ(T)
アンドレアス・ブルクハルト(Br)
ミュンヘン・アルチス=ヴォーカリステン
アルパ・フェスタンテ・バロックオーケストラ
トーマス・グロッパー(指)

録音:2014年5月17-20日ミュンヘン,センドリンク,ルター派昇天教会
ドイツのヴァーレンブリュックに生まれ、ドレスデン宮廷歌劇場の合唱団に加わり、1740年にフリードリヒ大王が即位するとベルリンの宮廷楽長に招かれ、亡くなるまでその地位にあったカール・ハインリヒ・グラウン(1704-1759)。彼の代表作がこの受難オラトリオ「イエスの死」です。この曲が初演されたのは1755年3月26日で、使われている詩は聖書のものではなく、カール・ヴィルヘルム・ラムラーの詩という点でも独創的。曲はとにかく穏やかで、静かな感情に満ちたものです。あまり演奏される機会が多いわけではありませんが、不思議と音楽史からは忘れられることなく、現代に至っています。
OC-1810D
ジンガー・プア〜アドベント・カレンダー‐クリスマスのための24の歌
主を待ち望むアドベント/いざ来ませ、異邦人の救い主よ/山を越えてマリアは行く/私は3本の枯れ枝を折り取り/私たちの幸せなクリスマス/アドベントリート:船が来ます/戸を高くあげよ/マリアは茨の道を歩む/静かな夜/あかつきの空の美しい星よ/目覚めよと呼ぶ声が聞こえ/おお救い主よ、天を引き開け/舟が来ます/今ぞ愛する魂よ、時が来たり/久しく待ちにし/わたしたちのお慕いする聖母さまが/よろこべや、たたえよや/闇は深まり/輝く暁の星、いと美しきかな/静かに雪が降り/あなたは雹、いとしきキリスト/どのようにあなたをお迎えしましょうか/子どもたち、明日は何かいいことがある/どこでもクリスマスおめでとう
ジンガー・プア

録音:2015年2月9-13日ミュンヘンザンドリンク,ヒンメルファールツ教会
ドイツで高い人気を誇るヴォーカル・アンサンブル「ジンガー・プア」が贈るクリスマスのためのステキな1枚です。“アドベント”とはキリストの降誕を待ち望む期間のことで、日本では「待降節」などと訳されます。この時期が近くなると売り出されるのが「アドベントBOX」というもので、小さな箱の一つ一つにお菓子やおもちゃが入っていて、子供たちはこれを毎日一つずつ開けて12月25日を待ち望むという仕組みです。このジンガー・プアのアルバムもいわば「聴くアドベントBOX」であり、ブックレットには12月の毎日の日付とともに1曲ずつの歌詞が付されているという凝った作りとなっています。もちろん歌唱は素晴らしく、楽器なしのピュアな歌声に心洗われることでしょう。
OC-1811C
Heimkehr-帰郷
R・シュトラウス:ひそやかな誘いOp.27-3
 私の頭上であなたの黒髪をOp.19-2
 まちわびてOp.10-5
 女たちは時にはつつましくOp.21-5
 明日の朝Op.27-4/懐かしき面影Op.48-1
 たそがれの夢Op.29-1/夜Op.10-3
 献呈Op.10-1/帰郷Op.15-5
 解き放たれてOp.39-4
 憩え、わが魂Op.27-1
 4つの最後の歌
ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
ローマン・トレーケル(Br)
オリヴァー・ポール(P)

録音:2011年7月25-31日ベルリンOPS
OEHMSレーベルにおける名バリトン、ローマン・トレーケルの6枚目のアルバムは、リヒャルト・シュトラウスとワーグナーの歌曲集。とはいっても、その半分を占めるのは、基本的に「女声用」とされる「4つの最後の歌」と「ヴェーゼンドンク歌曲集」という幾分挑戦的なアルバムです。もちろんこれまでにも何人もの男性歌手がこの“花園”を探索し、薫り高い花束を創り上げてきましたが、今回のトレーケルは、クールな響きの中に暖かみのある表現を込めて、またとない美しい歌唱でこれらの歌を歌い上げています。シュトラウスの12の歌は、彼の愛唱曲であり、良く知られる「献呈」や「明日の朝」をはじめ、アルバムタイトルでもある「帰郷」などを真っ直ぐに、そして優しくデリケートに歌っています。
OC-1812C
(CD+mp4-video)
タンゴ・フエゴ
<CD1>
ヤルッコ・リーヒマキ:Tango Fuego Vivo
ウント・モノネン:Tahdet meren ylla
リーヒマキ:Locura
セザール・ポルティロ・デ・ラ・ルス:Contigo en la distancia
ズビニエフ・コレプタ:Kasztany
カルロス・ガルデル:El dia que me quieras
ピアソラ:Soledad
リーヒマキ:#lastminute
 Milongita finlandesa
ホラシオ・アドルフォ・サルガン:Don Agustin Bardi
ピアソラ&フェラー:Chiquilin de Bachin
リーヒマキ:Sikosaari

<CD2…ボーナス・トラック>
イスカンダル・ヴィジャヤ:BURN(mp4-video)
トリオCAYAO
<イスカンダル・ヴィジャヤ(Vn)
アンデル・ペリーノ(Cb)
ヤルッコ・リーヒマキ(P)>

録音:2014年1月20-24日ベルリンニコデムス教会
デビュー・アルバムではバッハ作品とブルースを繋ぐ線を辿るという興味深いプログラムで、その才能を遺憾なく発揮した若き名手イスカンダル・ヴィジャヤ。うってかわって第2作目はバッハの作品をとことん聴かせるという正統派のアルバムを用意し、聴き手の耳を惹きつけたところで、最新アルバムでは、彼の友人である、作曲家、ピアニストのヤルッコ・リーヒマキとアンデル・ペリーノとトリオを組み、何とも心弾むタンゴを演奏しています。このトリオの主宰であるリーヒマキはフィンランド出身で、タンゴとは異質な印象がありますが、実はフィンランドでも20世紀の始めからタンゴが愛されていて、エキゾチックで情熱的なメロディーは多くのフィンランド人を魅了したという証拠もあるのでした。そんな彼らによるゴキゲンな演奏です。

OC-1813H(3CD)
ブラームス:交響曲全集
交響曲第1番ハ短調Op.68
交響曲第2番ニ長調Op.73
交響曲第3番ヘ長調Op.90
交響曲第4番ホ短調Op.98
トーンキュンストラーO
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指)

録音:2013年5月13-17日アウディトリウム・グラーフェネック、2014年10月23-24日ウィーン・ムジクフェライン「金のホール」
最近大躍進中。コロンビアの指揮者アンドレス・オロスコ=エストラーダと、2014年まで彼が首席指揮者を務めていたトーンキュンストラーO(次期は佐渡裕氏が予定されている)によるブラームスの交響曲全集です。これまでのベルリオーズとメンデルスゾーンでは、極めてオーソドックスな解釈に情熱的な音色を載せた共感溢れる演奏を聴かせていた両者ですが、このブラームスでは、更に深化した音楽が味わえます。緊密な第1番、伸びやかな第2番、清冽な第3番、そして古典的な様式感を大切にした第4番と、驚くほどに正統派であり、聴いていて安心できるものです。
OC-1814
モーツァルト:カストラートのためのアリア集
歌劇「偽の女庭師」K196より<ラミロのアリア「小鳥があるとき逃げ出したら」/ラミロのアリア「ああ嬉しい希望、わが忠実な恋人」>
歌劇「ルーチョ・シッラ」K135より<序曲/チェチ−リオのアリア「いとしい瞳よ」/チェチーリオのアリア「甘い喜びの一瞬を」>
歌劇「皇帝ティートの慈悲」K621セストのアリア「この今のときだけでも」
歌劇「クレタの王イドメネオ」K366イダマンテのアリア「自分に罪はない」
歌劇「フィガロの結婚」K492ケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら」
ヴェラール・サバドゥス(C.T)
グラーツ大O「レクリエーション」
ミヒャエル・ホフステッター(指)

録音:2013年12月2-3日オーストリアグラーツ,シュテファニーエンザール・ライブ
モーツァルト(1756-1791)の時代は多くの「カストラート」が活躍していました。16世紀のヨーロッパでは女性が教会で歌うことが許されず、その代わりにボーイ・ソプラノが重用されていましたが、彼らは変声期を迎えると声の質が変わってしまいます。そこで「男性を去勢してその美しい声を残すこと」が流行しました。彼らは、声は女性に近いものの、体つきは男性に近くなるため、独特のトーンと持続力のある声を持つことができたといわれています。もちろん現在では消滅した存在で、女声のメゾ・ソプラノがその代わりを担うことが多いのですが、発声法こそ違うものの、カウンターテナー(裏声を用いる)も女声とはまた違った魅力を持っています。このアルバムの収録曲もカストラートのためのものですが、名カウンターテナー、サバドゥスは当時のスタイルを慮りつつ、また新たな表現の幅を広げています。
OC-1815C
バッハ:ソプラノとバスのためのカンタータ
カンタータ「その人は幸いなり」BWV57
カンタータ「最愛のイエス、わが願い」BWV32
カンタータ「ああ神よ、心の痛手いかに多く」BWV58
ヨハンナ・ヴィンケル(S)
トーマス.E.バウアー(Bs)
コルス・ムジクス・ケルン
ダス・ノイエ・オルケスター(ピリオド楽器使用Hz-415)
クリストフ・シュペリング(指)

録音:2014年6月17-19日ケルンツォルシュトック
「バスのためのカンタータ集」(OC887)で慈愛に満ちた歌唱を聞かせたバリトンのトーマス.E.バウアーが次に取り組んだのは、バスとソプラノが対話形式で曲を進めていく3曲のカンタータです。ソプラノを歌うのはヨハンナ・ヴィンケル。清冽な響きを持つ美しい声が魅力です。彼女が歌うBWV57の良く知られたアリア「試練に耐える人は幸いなり」での歌唱はひたすら暖かく、懐かしさをも感じさせることでしょう。BWV32で描かれているのは「魂とイエスの霊的な結びつき」であり、2人の対話は、例え物語を知らなくても心に突き刺さるものです。BWV58は豊潤な響きに満たされた美しいカンタータ。慰めと楽園への道が示されている感動的な作品です。ダス・ノイエ・オルケスターの鄙びた響きは、これらの作品に豊かな余韻を与えています。
OC-1816C
シューマン:ハインリヒ・ハイネの詩による歌曲集
リーダークライスOp.24
5つのリートと歌Op.127より<第3番:私の恋は輝く/第2番:あなたの顔は>
4つの歌Op.142より<第2番:君の頬を寄せて/第4番:私の馬車はゆっくりと>
ベルシャザルOp.57
詩人の恋Op.48
セバスティアン・ノアック(Br)
マヌエル・ランゲ(P)

録音:2012年10月17-19日ベルリン=ダーレムイエス・キリスト教会
1840年にシューマンが「詩人の恋」を作曲してから、それこそ数え切れないほどの歌い手たちがこの歌を歌って来ました。男声歌手、時には女声歌手も歌うこの歌曲集には汲めども尽きぬ魅力があることは間違いありません。このアルバムでは同じ年に書かれた「リーダークライスOp.24」と、同じハイネの詩に付けられた4つの歌曲を集めています。シューマンがこれらの詩にどれほどまでに寄り添って、美しいメロディをつけたかを味わっていただけることでしょう。ハイネの詩自体は、批評精神に裏打ちされているものも多く、ドビュッシーを始めとした後世の人々は「シューマンはハイネを理解していない」と批判したとも言われますが、少なくともシューマンは、詩から崇高なエッセンスを抜き出すことで言葉に永遠の命を与えたのではないでしょうか。ここで艶やかな歌を聞かせるのはベルリン生まれのノアックです。彼はフィッシャー=ディースカウやアリベルト・ライマンに学び、数々のオペラに出演する実力派です。現在はベルリンのハンス・アイスラー音楽アカデミーの客員教授を務めています。
OC-1817C
パーテル・ノステル
ヤコプス・ガルス(1550-1591):Pater noster-わが父よ
シュッツ(1585-1672):Vater unser-わが主よ
プーランク:Salve Regina-元后あわれみの母
ヴェルディ:O Padre nostro-われらが父よ
 Laudi alla Vergine Maria-聖母マリアへの讃歌
リスト:Pater noster II-わが父よ U
ブルックナー:Ave Maria-アヴェ・マリア
シュニトケ:Otche Nash-われらの父よ
グリーグ:Ave, maris stella-めでたし、海の星
ヴァグナー(1962-):Pater noster-わが父よ
デュリュフレ:Notre Pere-われらが父よ
ホルスト:Ave Maria-めでたし、マリア
ライター(1941-):Vater unser-わが主よ
ブリテン:A Hymn to the Virgin-聖母讃歌
民謡/伝承曲:Ybbstaler Vaterunser-われらが父よ
ザルツブルク・バッハCho
アロイス・グラスナー(指)

録音:2014年5月29-31日ザルツブルク聖コンラッド教会
キリスト教は、神への祈りを捧げる時に唱える様々な定型文(祈祷文)を持っていますが、どの文が正統な祈祷文と認めるかは教派によって異なります(プロテスタントの一部では定型文すら持たない教派もあります)。その中で「主の祈り」だけは唯一、キリストが弟子たちに与えた祈祷文として、ほぼ全ての教派で唱えられているというものです。この普遍的な言葉は、様々な作曲家たちの手によって音楽になり、現代に歌い継がれています。このザルツブルク・バッハ合唱団の演奏は教会で収録されたものですが、歌の背後にしばしば柔らかい鳥の声が聞こえてきます。
OC-1819C
シューマン:作品集
.幻想小曲集Op.73
おとぎ話の挿絵Op.113
3つのロマンスOp.94
おとぎ話Op.132
ミルテの花Op.25より(ヴィオラとピアノ版)<第24番:君は花のごとく/第1番:献呈>
リーダークライスOp.39-5月の夜(ヴィオラとピアノ版)
アドリアン・ボワソー(Va)
ガスパール・ドゥアンヌ(P)
ピエール・ゲニソン(Cl)

録音:2014年7月7-11日
1999年に結成されたフランスの「エベーヌ弦楽四重奏団」のヴィオラ奏者、マチュー・ヘルツォクが突然退団を表明したのが、2014年の5月のこと。やがて後任として選出されたのが、当時23歳の新鋭ボワソーでした。彼はパリ音楽院を卒業後、ベルリンのハンス・アイスラー音楽院とクローンベルク・アカデミーで学び、2009年にベルリンのマックス・ロスタル国際コンクールで優勝。2013年には、ユーリ・バシュメット国際ヴィオラ・コンクールで第2位を獲得した期待の人。2015年の1月から正式にエベーヌ弦楽四重奏団のメンバーとしても活躍しています。彼も古典派から現代作品まで驚異的なレパートリーを誇りますが、ここで選ばれているのはシューマンの作品集。まるで歌うかのように響く美しい音色と、渋い表現力は、確かに同世代のヴィオラ奏者の中でも群を抜く才能によるものでしょう。
OC-1820
アレクサンダー・シンプ〜ブラームス、ドビュッシー他
ブラームス:4つのピアノ小品Op.119
ドビュッシー:映像第2集/喜びの島
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
アレクサンダー・シンプ(P)

録音:2013年12月,2014年4月.9月
2011年、クリーブランド国際ピアノ・コンクールで優勝した後、輝かしい経歴を歩んでいるピアニスト、アレクサンダー・シンプ。彼は北米大陸を中心に活発なコンサート活動を行い、素晴らしい結果を出しています。そんな彼の新譜はブラームスとドビュッシー、ベートーヴェンという一見脈絡のない作品で構成されています。しかし、全て作曲家の後期の作品であるという綿密に計算されたプログラムであり、前作のラヴェル、スクリャービン、シューベルト作品集(OC-867)と同じコンセプトに貫かれたものなのです。深部に沈むものを丁寧に掬い上げるかのような優しいタッチと色彩感は、彼の美点の一つでしょう。ひたすら美しい音色に潜む陶酔感は、聴き手を幽玄な世界へといざないます。
OC-1821C
ヘンデル:オルガンと管弦楽のための新しい協奏曲集(ハンスイェルク・アルブレヒト編曲)
シバの女王の到着-オラトリオ「ソロモン」HWV67より
オルガンと管弦楽のための協奏曲ハ長調-オラトリオ「サウル」HWV53より
独奏オルガンのためのコンチェルトニ長調-組曲「王宮の花火の音楽」HWV351
オルガンと管弦楽のための「イスラエルの王、サウル」-オラトリオ「サウル」HWV53より3つの組曲<10-15.第1組曲「ハレルヤ」/16-22.第2組曲「鐘」/23-29.第3組曲「復活」>
マルティン・シュメディング(Org=ミュンヘン,ゼンデリンク昇天教会1994年)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org=ハレ/ザーレマルクト教会「Unserlieben Frauen1984/2007年)
ミュンヘン・バッハO
ハンスイェルク・アルブレヒト(指)

録音:2014年9月4.5日ハレ/ザーレマルクト教会、2014年1月8-10日ミュンヘンゼンデリンク昇天教会
常にオルガンのための斬新なレパートリーを模索していることで知られる、オルガニスト&指揮者ハンスイェルク・アルブレヒトの最新作は、ヘンデルの諸作品を「オルガン・ソロもしくはオルガンと管弦楽のための協奏曲」へと編曲したという神をも畏れぬ大胆なものです。壮麗なオルガンで高らかに演奏される「シバの女王の到着」の音楽から、普段耳にする同曲とは随分表情が異なりますが、それ以降も驚くばかりに見事な曲が続きます。圧巻は、最後に置かれたオラトリオ「サウル」の音楽を基に創り上げた組曲。遊び心と探究心が融合した聞き応えたっぷりのアレンジをお楽しみください。指揮者としてもオルガニストとしても、素晴らしい活躍をしているアルブレヒトにもぜひ拍手を!
OC-1822C
ヴィヴァルディ:オルガンのための協奏曲(バッハとH.E.グリムによる編曲集)
「調和の霊感」RV565より第11番ニ短調(バッハ編)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調RV208「グロッソ・モグール」(バッハ編…BWV594)
「和声と創意の試み」Op.8-「四季」(H.E.グリム編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org…ドレスデンホーフ教会,ジルバーマン製)

録音:2015年4月15-19日ドレスデンホーフ教会
鬼才オルガニスト(作曲家)、ハンスイェルク・アルブレヒトの新譜はヴィヴァルディの「オルガン協奏曲集」です。とはいえ、彼の演奏する作品は前作のヘンデルのように、ごく普通のものであるわけがありません。今回も驚くような曲を準備しています。現在では「バロック」として捉えられているヴィヴァルディですが、当時は最も前衛的な作曲家であり、その作品はヨーロッパ全土で高い需要がありました。彼の作品は多くの同時代の作曲家たちの手によってコピーされ、またバッハの例のように、作曲のお手本として他の楽器のための協奏曲として書き換えられるなどして、ヨーロッパ中に広まっていったのです。このアルバムでは、そんなバッハによる2つの編曲作品と、ハインリヒ・E・グリムの編曲による「四季」のオルガン版を聴く事ができます。技巧を凝らしたヴァイオリン協奏曲をオルガンの独奏に置き換えることは、多くの困難を伴うものの、全て成功した暁には、素晴らしい音響に彩られた新しい音楽を楽しむことができるのです。
OC-1823C
シャルル・ケクラン:オーボエを含む室内楽作品集
オーボエとピアノのためのソナタOp.58
オーボエ,クラリネット,ファゴットのための三重奏曲Op.206
イングリッシュホルンとピアノのための「遠き憧れ」Op.20
オーボエ,フルート,ハープと弦楽四重奏のための「七重奏ソナタ」Op.221
無伴奏オーボエ・ダモーレのための「ティーテュルスの休息」Op.216-10
シュテファン・シーリ(Ob)
ヘンリク・ヴィーゼ(Fl)
クリストファー・コルベット(Cl)
マルコ・ポスティンゲル(Fg)
クリスティーナ・ビアンキ(Hp)
ダニエル・ギグルベルガー(Vn)
ヘザー・コットレル(Vn)
アニャ・クレイナッケ(Va)
クリスティン・フォン・デル・ゴルツ(Vc)
オリヴァー・トリエンドル(P)

録音:2014年10月18-19日,2015年4月9.10日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
日本ではもっぱら「ジャングル・ブック」の音楽を書いた人として知られるシャルル・ケクラン(1867-1950)ですが、実際は作品番号226に至る、たくさんの曲を残していて、その中でも静謐で内省的な雰囲気を湛えた室内楽作品は、ドビュッシーやプーランクともまた違う味わいを持つことで知られ、近年演奏される機会が増えています。今回このケクランの一連の作品を演奏しているのは、1991年からバイエルン放送SOの首席オーボエ奏者を務める名手シュテファン・シーリと、彼を取り巻く仲間たち。無伴奏から七重奏までと、まるで音のステンドグラスを見るような多彩で親密な響きは、室内楽作品を聴く喜びをダイレクトに体感させてくれるものです。
OC-1824
ウィリアム・ヨン:モーツァルトのソナタを弾く
ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調K280
ピアノ・ソナタ第9番ニ長調K311
ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調K332
ピアノ・ソナタ第16番ハ長調K545
ウィリアム・ヨン(P)

録音:2014年10月28-30日ベルリンクルトゥルスタール,ブリッツ城
2014年にリリースされた第1集(OC880)に続く、韓国のピアニスト、ウィリアム・ヨンのモーツァルト・ソナタ第2集。ここでも伸びやかな歌心と確かなテクニックで、モーツァルトの典雅な音楽を丁寧に、そして美しく奏でています。溌剌とした第2番のヘ長調ソナタでの闊達さ、第9番での優雅な語らい、疾走する第12番の終楽章、そしてピアノ学習者なら必ず手がける第16番ハ長調の奥深さ…など、新しい発見がたくさんあることでしょう。
OC-1825C
野生の鳥〜デュオ47/4
ヴィオレタ・ディネスク(1953-):モーツァルトを求めて
ベレルナルド・アンドレス(1941-):ツェルビナ
R.ムライ・シェーファー(1933-):野生の鳥
マスネ(1842-1912):タイスの瞑想曲
ヴィクトリア・カウンツナー(1982-):韓国のしずく受け
イベール:間奏曲
チョイ・ヤユン(1974-):荒布の歌
サン=サーンス:幻想曲Op.124
デュオ47/4<ヴィクトリア・カウンツナー(Vn)/アンナ・フィークトゥル(ハープ)>

録音:2014年1月15-17日ベルリンシャルロッテンブルクフリーデンス教会
ベルリンのハンス・アイスラー音楽院に在学中に「デュオ47/4」を結成したヴァイオリンのカウンツナーとハープのフィークトゥルの2人。このデュオの名前はハープの47弦とヴァイオリンの4弦を組み合わせたもので、20世紀から21世紀の音楽を中心に、新しい響きを探求していくという意味が込められています。このアルバムには、カウンツナーの自作を含む7曲が収録されていて、マスネの「タイスの瞑想曲」のようなよく知られたメロディから、極めて独創的な「野生の鳥」や「韓国のしずく受け」などの面白い曲まで、興味深い作品を聞くことができます。ヴァイオリンの七色の響きはもちろんのこと、癒し系の楽器として語られがちなハープが、こんなにも攻撃的な音色を出すことにも驚くばかりです。
OC-1826
FLOW〜ジャズとルネッサンス-イタリアとブラジルから
ジョン・ダウランド(1563-1626):流れよ、わが涙
カルロス・ジョビン(1927-1994):イパネマの娘
バルトロメオ・デ・セルマ・イ・サラベルデ(1580-1640):歌-第3番
ダウランド:悲しめ、昼は闇に去った
チャーリー・パーカー&ベニー・ハリス:オルニトロジー
ジョヴァンニ・カプスベルガー(1580-1651):デサフィナード
タルクィーニオ・メルーラ(1595-1665):チャコーナ
モンテヴェルディ:私を死なせて
アクセル・ヴォルフ:インプロヴィーソ&セロニアス・モンク(1917-1982):ラウンド・ミッドナイト
ジョヴァンニ・バッサーノ(1558-1617):愛は決して前に/
ダウランド:暗闇に住まわせておくれ
ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):トッカータ&マイルス・デイヴィス(1926-1991):ブード
ガーシュウイン:サマータイム
メルーラ:子守歌による宗教的カンツォネッタ
アクセル・ヴォルフ(リュート&テオルボ)
フーゴ・ジークメト(ソプラノ&テナーサックス&バスクラリネット)

録音:2014年9月15-19日ミュンヘンリアリステック・サウンド・スタジオ
「現代とルネッサンスの融合」このような試みは、しばしば現れ多くの聴き手に新鮮な喜びを与えてくれます。このアルバムでは名リュート奏者ヴォルフとサックス奏者ジークメトのコラボによる、新しい音楽を楽しむことができます。現代的なスタイルとサウンドに彩られたダウランドの名旋律がこんなにも心に染みるなんて・・・。また、曲によっては火花が散るようなインプロヴィゼーションの応酬があったり。また典雅なリュートの音色とジャズの融合にも目が覚めるようです。オシャレでラグジュアリーな空間にもぴったりの1枚です。
OC-1827E(2CD)
バッハ&フィリップ・グラス:オルガン作品集
バッハ:トッカータとフーガニ短調BWV565
 パストラーレヘ長調BWV590
 前奏曲とフーガ変ホ長調BWV552
 パッサカリアハ短調BWV541
 前奏曲とフーガト長調BWV541
 前奏曲とフーガニ長調BWV532
 オルガンのための小品(幻想曲ト長調)BWV572
フィリップ・グラス:.ダンス第4番(1979)
 マッド・ラッシュ(1979)
 ミュージック・カントリー・モーション(1969)
 歌劇「サチャグラハ」第3幕より「コンクルージョン」(1980,M.リースマン編)
 ダンス第2番(1979)
イヴェタ・アプカルナ(Org=アブテイ・ヒンメロート,クライス・オルガン1962/2006年)

録音:2013年6月&10月ドイツ,ヒンメロート修道院クライス・オルガン
ラトヴィアで学んだ若きオルガニスト、イヴェタ・アプカルナ。OEHMSレーベルからは、これまでにフランス作品集(OC678)と、ブラウンフェルスの作品集(OC411)をリリースしていますが、他にも、「グラゴル・ミサ」でもオルガンを演奏したり、現代曲をトランペット奏者と共演したりと、まさに八面六臂の活躍をしています。今回のアルバムも、これまた個性的なもので、2枚組のうちの1枚は、端正で荘厳なバッハ作品、そしてもう1枚はなんとアメリカの現代作曲家、フィリップ・グラスの作品集という面白いものです。対位法を駆使したバッハ作品に比べ、グラスの作品は基本的にミニマル重視。しかしこの対比がなんとも言えず耳に残るのです。オルガンの持つ可能性を極限まで追求した2枚組と言えるでしょう。
OC-1828C
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲&ピアノ三重奏曲第4番
チェロ協奏曲ロ短調Op.104
ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」
セバスティアン・クリンガー(Vc)
ジモン・ガウデンツ(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送POO
リサ・バティアシュヴィリ(Vn)
ミラーナ・チェルニャスカ((P)

録音:2014年10月21-24日ザールブリュッケンザールランド州放送ゼントザール、,2014年7月7-8日バイエルン放送第2スタジオ
能溢れる若手チェリスト、セバスティアン・クリンガー。こちらはOEHMSへの3枚目のソロ・アルバムとなります(アンサンブルとしてはジョリヴェの作品集もリリースされています…OC875)。今作では、ドヴォルザークの2つの作品、チェロ奏者なら誰もが憧れる「チェロ協奏曲」と民俗色の強いピアノ三重奏曲「ドゥムキー」の組み合わせです。悠々たるチェロ協奏曲での独奏も素晴らしいものですが、何より、個性の強いことで知られるヴァイオリニスト、バティアシュヴィリと、ピアノのチェルニャスカとを相手に、がっぷり組んだ「ドゥムキー」での火花が散るような演奏が聴きものです。何度も聴いてみたくなるような鮮烈なドヴォルザークです。
OC-1829C
ドヴォルザーク&ブラームス:弦楽五重奏集
ドヴォルザーク:弦楽五重奏曲第3番変ホ長調Op.97
ブラームス:弦楽五重奏曲第2番ト長調Op.11
ボリス・ガルリツキー(Vn)
リー・ヤハ(Vn)
パク・キョンミン(Va)
ゲオルギー・コヴァレフ(Va)
フィリップ・グラハム(Vc)

録音:2014年6月15-17日ノイヴィート=エンゲルス,ディアナ=ザール城
ロシア生まれの名ヴァイオリニスト、ボリス・ガルリツキーを中心に、ラインハルト=プファルツの南西ドイツ放送が2012年に設立した室内楽財団「ヴィラ=ムジカ・ラインハルト・プファルツ」の奨学生たちによるブラームスとドヴォルザークの2曲の弦楽五重奏曲です。ガルリツキーは1999年までフランス国立リヨンOのコンサートマスターを務め、その後ロンドン・フィルハーモニーでも同じくコンサートマスターを務めています。教育者としても名高く、この「ヴィラ・ムジカ」のプロジェクトでも若手の育成に多大なる力を注いでいます。親密かつ緊張感溢れる五重奏です。

OC-1830C
ウィリアム・ユン/モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第3集
ピアノ・ソナタ第1番ハ長調K279
ピアノ・ソナタ第11番イ長調K331「トルコ行進曲」
ピアノ・ソナタヘ長調K533
ウィリアム・ユン(P)

録音:2015年6月23-25日エルマウ城コンチェルトザール
韓国出身のピアニスト、ウィリアム・ユンによるモーツァルト(1756-1791)のソナタ第3集です。今作では人気の高い「トルコ行進曲」のついたイ長調のソナタも含まれていて、聴く前から期待が高まるというものです。第1楽章が変奏曲形式で書かれたこの曲は、優雅な主題がどのように変化するかを聴くのが楽しく、表現力豊かなピアニストの手によると、まるで魔法のような美しさを放つものなのです。ユンの演奏はもちろん文句なしの素晴らしさ。可愛らしい第2楽章から圧巻の第3楽章「トルコ行進曲」まで、本当に楽しめるものとなっています。他には19歳頃に書かれた第1番と、ばらばらに書かれて一つにまとめられたヘ長調のソナタの2曲を収録(終楽章にはK494の番号が振られることも多い)。ヘ長調のソナタの第1楽章は右手と左手が独立していないと演奏が難しい作品で、まるでバッハのインベンションのような雰囲気を持っています。もちろんユンはどの曲も完璧に演奏しています。
OC-1831C
ショパン:ピアノ協奏曲集(ピアノ六重奏版)
.ピアノ協奏曲第1 番ホ短調Op.11
ピアノ協奏曲第2 番ヘ短調Op.21
ヨーゼフ=モーリス・ヴェーダー(P)
ベルリン・カメラータ<オルガ・パーク(第1Vn)/アレクセイ・ナウメンコ(第2Vn)/ジーン・ドメイエル(Va)/ヤン・メルケル(Vc)/パウル・クレバー(Cb)>

録音: 2015 年8 月3-6 日ベルリンダーレム,イエス・キリスト教会
1988 年生まれの若手ピアニスト、モーリス=ヴェーダーによる2 つのショパンの協奏曲です。彼は12 歳の時にバーゼルの高等音楽院に入学、エイドリアン・エーティカー教授の下で11 年間研鑽を積み、その後は更にフィリッポ・ガンバに師事しながら幾多のマスタークラスを受講。2013 年にはウィグモア・ホールでデビュー・リサイタルを行っています。そんな彼がOEHMS へのデビューとして選んだショパンの協奏曲は、通常のオーケストラ伴奏ではなく、より親密な響きが紡ぎだされるピアノ六重奏版によるもので、指摘されがちな「オーケストラ・パートの貧弱さ」を感じることのない緊密な音楽を聴くことができます。この理由は本来ならピアノの出番がない前奏から積極的にアンサンブルに関わるなど、一つの室内楽作品として成立していることにもあるのかもしれません。ナイーブさと力強さを兼ね備えたヴェーダーのピアノ、そして寄り添いながらも必要に応じて強く主張する弦の響き。素晴らしいハーモニーが展開されます。
OC-1832C
ルーデンス・トゥルクと仲間たち
1.フランツ・ドップラー(1821-1883):アメリカの主題による二重奏曲Op.37(A.アドリヤンによるフルート、ヴァイオリン、ピアノ編)
2-4.パガニーニ:ギターとヴァイオリンのための協奏的ソナタイ長調Op.61-2
5-9.ショスタコーヴィチ:2台のヴァイオリンとピアノのための5つの小品
10-12.パガニーニ:協奏的二重奏曲第3番ニ長調
13-16.メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.49(フルート、チェロ、ピアノ編)
アンドラシュ・アドリアン(Fl)…1.13-16
ルーデンス・トゥルク(Vn)…1-12
占部由美子(P)…1.5-9
フランツ・ハラーシュ(G)…2-4
レーナ・ノイダウアー(Vn)…5-9
マルテ・ラファールト(Fg)…10-12
ウェン・シン・ヤン(Vc)…13-16
エイドリアン・エティカー(P)…13-16

録音:2015年3月.4月…1.5-12
2014年2月25日…2-4
2013年2月18日…13-16
ミュンヘン音楽演劇大学
アルバニア、ティラナで生まれたヴァイオリニスト、ルーデンス・トゥルクは14歳でドイツに移り、アナ・チュマチェンコに師事し、ミュンヘン音楽演劇大学に進学します。ここで出会ったネーメ・ヤルヴィ、イダ・ヘンデル、ユーディ・メニューインなどの偉大な音楽家に感銘を受けた彼は、室内楽アンサンブルに興味を持ち、ソリストだけでなく優れた室内楽奏者として活躍を始めます。アルバムタイトルの「MUSIKTAGE-音楽の日」は2000年から彼が主宰しているゼーフェルトの音楽祭で、2013年にはシュテルンベルク行政区の文化賞が与えられるなど、ヨーロッパでとても高く評価されています。ここには新進気鋭の演奏家たちと学生がやってきて、講義を行ったり、オーケストラを編成したりと様々な活動を行い、音楽を演奏する喜びを味わうのです。そしてこのアルバムは、音楽祭の「お土産」として販売され、人々の記憶に残るものとなります。
OC-1833C
ミヒャエラ・シュースター〜ロマン派歌曲を歌う
ブラームス:下の谷底にはWo033-6
 昔の恋Op.72-1/セレナードOp.106-1
 失望Op.72-4
 もうおまえのところには行かないOp.32-2
 5月の夜Op.43-2/子守歌Op.49-4
シューマン:献呈Op.25-1
 東方のばらよりOp.25-25
 松雪草Op.79-27/民謡Op.51-2
 ことづてOp.77-5/重苦しい夕べOp.90-6
 レクイエムOp.90-7
レーガー:森の孤独Op.76-3
 静かな園は眠りOp.98-4
 死の言葉Op.62-12/愛の歌第7番「子守歌」
 謙虚な羊飼いOp.97-4/
R・シュトラウス:ダリヤOp.10-4
 単調さOp.69-3/物言わぬ花Op.10-6
 憩え、わが心Op.27-1/サフランOp.10-7
 解き放たれてOp.39-4/明日の朝Op.27-4
ミヒャエラ・シュースター(Ms)
マルクス・シュレンマー(P)

録音:2012年7月12日エッパン,リートの夏音楽祭クンストザール
マーラー、ワーグナーなどの後期ロマン派作品を得意とするメゾ・ソプラノ歌手ミヒャエラ・シュースター。あの名歌手ブリギッテ・ファスベンダーも彼女に最大の賛辞を贈るほどに、素晴らしい歌手として知られています。そんな彼女の魅力を最大に引き出したこの歌曲集は、本当にロマンティックであり、また言葉と音楽の融合から生まれる美をしみじみと味わわせてくれるものです。選曲も良く練られており、ブラームスのドイツ民謡歌曲の1曲でひっそりと始まり、シューマン、レーガーで少しずつ人生の深淵を伺わせながら、最後はリヒャルト・シュトラウスの「明日の朝」で希望の光を見せてくれるという、1枚を聴きとおすと何となく嬉しくなるというものです。
OC-1834C
メンデルスゾーン:交響曲第4番&第5番
交響曲第4番イ長調「イタリア」Op.90
交響曲第5番ニ短調「宗教改革」Op.107
ウィーン・トーンキュンストラーO
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指)

録音:2014年4月3.4日ウィーン楽友協会大ホール
アンドレス・オロスコ=エストラーダとウィーン・トーンキュンストラーOによるメンデルスゾーン(1809-1847)の第2集。前作の第1番&第3番のカップリング盤よりも、一層緊密な関係が感じられるこの演奏。指揮者とオーケストラの良い関係が伺われます。2015年からはどちらも新しいパートナーを得て(オロスコ=エストラーダはヒューストンSOの首席指揮者、トーンキュンストラーOは佐渡裕を首席指揮者に迎えることが決定)一層飛躍していくのではないでしょうか。
OC-1835C
ウタ・ヒールシャー〜バッハとショパンの「第1番」を弾く
バッハ:パルティータ第1番ロ短調BWV825
ショパン:バラード第1番ト短調Op.23
 華麗なるワルツ第1番変ホ長調Op.18
 即興曲第1番変イ長調Op.29
 スケルツォ第1番ロ短調Op.20
バッハ:フランス組曲第1番ニ短調BWV812
ウタ・ヒールシャー(P)

録音:2015年4月21-24日ブライバッハコンチェルトハウス
作品番号1ではなく、あくまでも作曲家がそのジャンルの作品を始めて書いた「第1番」に拘って、曲を集めたという「プロジェクトNO.1」。ここではバッハとショパンの「第1番」の作品が収録されています。この興味深いアルバムで演奏しているのは、日本で生まれミュンヘンで学んだ女性ピアニスト、ウタ・ヒールシャー。NAXOSでは一連のシューマン歌曲集の伴奏を務め、またマーラーの伴奏でも、そのしなやかな感性を生かした説得力ある伴奏をすることで知られる人。従って、このアルバムは伴奏者として名高い彼女の「第1番」のソロアルバムでもあるという記念すべき1枚なのです。
OC-1836C
マクシミリアン・シュミット:アリア集
1.フロトー:歌劇「マルタ」-ああ、かくも素直で愛らしい
2.フロトー:歌劇「アレクサンドロ・ストラデッラ」-何と快く輝くこの日
3.ロルツィング:歌劇「ロシア皇帝と船大工」-さようなら、私の浮気な娘よ
4.マルシュナー:歌劇「吸血鬼」-美しい春の朝のような
5.ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」-聞け、ひばりは森に歌う
6.シューベルト:歌劇「フィエラブラス」‐どのような苦しみがあなたを
7.ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」‐雷と嵐と
8.ワーグナー:歌劇「タンホイザー」-ヴォルフラムが示した泉の姿は
9.ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」‐嫌だ、こんな苦しみにはもう耐えられない
10.ウェーバー:歌劇「オイリュアンテ」‐アーモンドの花の下で
11.ワーグナー:歌劇「リエンツィ」‐全能の父よ
マクシミリアン・シュミット(T)
ケルンWDR響
パトリック・ランゲ(指)

録音:2015年1月5-10日ケルンフィルハーモニー
レーゲンスブルク少年合唱団で少年時代を過ごし、1999年にベルリン芸術大学に入学、その後はバイエルン国立歌劇場のメンバーになり、同時に古楽歌手としても期待されているテノール、マクシミリアン・シュミット。OEHMSレーベルには「詩人の恋」(OC819)、「水車屋の娘」(OC882)に続く3枚目の録音となります。今回は歌曲ではなく、更に劇的な表現が求められるオペラのアリア集です。もともとタミーノなどをはじめとするモーツァルトのアリアでは高く評価されていましたが、ここでの彼は愛が溢れる見事な表現力と、輝かしい高音を披露、彼のレパートリーが幅広いものであることを確信させてくれることは間違いありません。ランゲの指揮によるケルンWDRSOが万全のサポートで、彼の歌唱を引き立てています。
OC-1837C
ヨハン・マッテゾン:良く響く指使い(12のフーガ)
フーガ第1番ト長調/フーガ第2番ハ短調
フーガ第3番ヘ長調/フーガ第4番変ロ長調
アルマンド/クーラント/ガヴォット
フーガ第5番変ホ長調/フーガ第6番ハ短調
フゲッタ/フーガ第7番ヘ短調
フーガ第8番シンフォニア、フーガハ長調
フーガ第9番ヘ長調/ブルラ
フーガ第10番ト長調/セリオシタ
フーガ第11番ハ短調
フーガ第12番ト長調
クラヴィチェンバロのためのソナタ
アンドレア・ベネッケ(P)

録音:2015年19-26日ハノーファームジクプロダクツィオン,トンスタジオ
ヨハン・マッテゾン(1681-1764)はドイツのバロック期の作曲家です。音楽理論家でもあり、作家、外交官としての顔も持つ多彩な才能を有した人でした。6曲のオペラと33曲のオラトリオ、膨大な室内楽曲と鍵盤音楽を残し、ヘンデルの親友(けんか友だち?)としても知られ、ヘンデルとの友情についてのいくつかのエピソードも伝えられています。そして、実は本業が外交官で、作曲は副業であったともされています。そんなマッテゾンの代表作の一つがこの「良く響く指使い」と名付けられた鍵盤曲集です。1735年から1737年に書かれたこの作品には当時の最先端の技法が用いられており、演奏家にとっても興味深い曲集なのです。もちろんバッハの影響も感じられますが、マッテゾンはバッハとはあまり気が合わなかったのだそうです。とは言え、「フーガの技法」を高く評価していたという資料もあり、やはりバッハの作品からインスパイアされた部分もありそうです。ピアニスト、ベネッケはマッテゾンの作品を深く研究し、現代のピアノでその曲を演奏することで、この忘れられた作曲家の復権に勤しんでいます。
OC-1838C
サン=サーンス/マルタン/ラロ:チェロと管弦楽のための作品集
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
マルタン:チェロと管弦楽のためのバラード
ラロ:チェロ協奏曲ニ短調
ウェン=シン・ヤン(Vc)
ギーセンPO
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)

録音:2014年5月6日、2015年6月16日ギーセン国立劇場
1965年スイス生まれのチェリスト、ウェン=シン・ヤンによるフランスの協奏的作品集3曲です。24歳のときにバイエルン放送SOの首席チェリストに就任、注目を浴びた彼ですが、最近はますます円熟味が増した演奏と表現で多くの人々を魅了しています。サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番は、切れ目なく演奏される3つの楽章が特徴で、第1部の主題が第3部でも使われるなど工夫が凝らされています。溢れる旋律美もあり人気の高い作品です。マルタンの「バラード」は、この形式をこよなく愛した彼が1949年に書いた作品。沈み込むような雰囲気で始まる印象的な曲です。ラロの「チェロ協奏曲」は、有名な「スペイン交響曲」にも似たスペイン風の雰囲気が漲る力作です。今回バックを務めているのはドイツ、ヘッセンの都市で活動するギーセン・フィルハーモニーと指揮者のミヒャエル・ホフシュテッター。バロック系の作品を得意とするホフシュテッターの意外な面を聞くことができます。
OC-1839C
ゲーテの詩による歌曲集〜ゲーテとギター
ヴォルフ:ズライカ:私がユーフラテスで舟遊びをしたおり
 コフタの歌I
 コフタの歌IIヴォルフ:羊飼い
 ErschaffenundBeleben
 気がかり/お似合いどうし
 花のあいさつ/エピファニアス
メンデルスゾーン:恋する女の手紙
 ズライカ:このそよぎは何を告げようとしているの
 ズライカ:ああ、お前の湿りを帯びた翼
最初の喪失
ヨゼフィーネ・カロリン・ラング(1815-1880):幸せな旅ラング:恋人への手紙
 愛しい子
ファニー・ヘンゼル(1805-1847):たそがれが上方から降りてきて
ヨハンナ・キンケル(1810-1858):月に寄せて
シューマン:ズライカ:どんなにか心満ち足りて
 きままな思い
 悲しい響きで歌ったりしないで
 愛の歌/さすらい人の夜の歌
カタリーナ・マギエラ(A)
クリストファー・ブラント(G)

録音:2015年5月ケーニヒスタインタウヌス
若手アルト歌手カタリーナ・マギエラは、フランクフルト歌劇場のメンバーとして、これまでもこの歌劇場のオペラ録音のいくつかに参加し、その将来を嘱望されています。もともとピアノと音楽教育学を学んでいた彼女ですが、声楽に転向してからは、2009年のメンデルスゾーン国際コンクールに入賞、以降宗教曲を中心に数多くの指揮者と共演、その才能を認められています。今回、彼女の初のソロアルバムとしてリリースされたのは、ゲーテの詩による歌曲集。これはフランクフルトのゲーテハウスの協力の下、企画されたコンサートです。ピアノではなくギターの伴奏で奏されるこれらの歌は、実に素朴で暖かい感触を持つもので、彼女のしっとりとした歌声にぴったりマッチしています。

OC-1840E(2CD)
フランツ・シュミット:オラトリオ「7 つの封印の書」 クラウス・フローリアン・フォークト(テノール…ヨハネ)/ゲオルク・ツェッペンフェルト(バス…主の声)/インガ・カルナ(S)/ベッティーナ・ランシュ(Ms)/ドヴレット・ヌルゲルディエフ(T)
フォルカー・クラフト(Org)
/NDR 合唱団
ラトヴィア国立Cho
ハンブルク・フィルハーモニカー
ジモーネ・ヤング(指)

収録:2015 年6 月14.15 日ハンブルクライスハレ・ライヴ
1938 年に完成されたこの作品は、第2 次世界大戦が始まる前の不穏な空気を克明に映し取った問題作であり、またフランツ・シュミット自身の作品の集大成でもあるという壮大なものです。新約聖書の「ヨハネの黙示録」をテキストにしたこの音楽には明確なストーリーはありませんが、のどかな響きに満ちた冒頭の「天上のプロローグ」が終わり、封印が解かれていくたびに、絶望や悲しみが溢れ出してきます。この世界の悲痛な叫びを聴いているだけでも背中が総毛立つに違いありません。今回のシモーネ・ヤングの指揮によるこの演奏は、迫力はもちろんのこと、作品が内包する諸問題を突きつけてくるかのような迫真に満ちています。軽めの声質であるフローリアン・フォークトをヨハネに配しているところも注目です。
OC-1841F(2CD)
ブリタニック・オルガン第12集〜最後の航海と偉大なるオルガニストのパフォーマンス

(1)ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」第1楽章
(2)メンデルスゾー:ソナタ第6番ニ短調
(3)ヘンデル:歌劇「セルセ」よりラルゴ
(4)ベイジル・ハーウッド(1859-1949):酒神礼賛
(5)バッハ:前奏曲とフーガト長調BWV541
(6)ヘンデル:歌劇「ヘラクレス」より行進曲
(7)バッハ:ジーグ風フーガBWV577
(8)ワーグナー:皇帝行進曲
(9)パーシー.E.フレッチャー(1879-1932):祝祭トッカータハ長調
(10)9ウィリアム・ヴォルステンホルメ:スケルツォヘ長調
(11)エドゥアルト・サイラス(1827-1909):幻想曲ニ短調
マルコ・エンリコ・ボッシ(1861-1925):自作自演集
 (12)ホラ・ミスティカ
 (13)ノエルOp.94-2
 (14)アリア・ポポラーレ・デル・パーセ・ディ・アス
 (15)良き行いを,私の祈りを聞いてください,祈り−第1番「2つの小品」
(16)テオドール・デュボア(1837-1924):12の新しいオルガンとペダル・ピアノのための小品より「天国にて」
(17)ベルナルド・ジョンソン(1868-1935):妖精の踊り
(18)メンデルスゾーン:ソナタ第6番ニ短調
(19)シャルル=マリー・ウィドール(1844-1937):オルガン交響曲ヘ長調よりトッカータ
(1)ミヒャエル・ヴェルテ(1846-1920)によるフィルハーモニー・ロールヴェルテ・ロール0929(コピー)
(2)ウジェーヌ・ジグー(184-1925オルガン)ヴェルテ・ロール1088&1089(マスター)
(3)ハーバート・ウォルトン(1869-1929オルガン)ヴェルテ・ロール1534(マスター)
(4)ハーバート・ウォルトン(Org)ヴェルテ・ロール1518(マスター)
(5)アルフレート・シッタール(1878-1942オルガン)ヴェルテ・ロール1036(マスター)
(6)アルフレート・シッタール(Org)ヴェルテ・ロール1049(マスター)
(7)エドウィン・ルメア(1865-1934オルガン)ヴェルテ・ロール1160(マスター)
(8)エドウィン・ルメア(Org)ヴェルテ・ロール1246(コピー)
(9)レジナルド・ゴス=カスタード(1877-1956)ヴェルテ・ロール2003(マスター)
(10)レジナルド・ゴス=カスタード(Org)ヴェルテ・ロール1151(マスター)
(11)アルフレード・ホリンス(1865-1942オルガン)ヴェルテ・ロール1427(マスター)
(12)ヴェルテ・ロール1001(コピー)
(13)ヴェルテ・ロール1002(マスター)
(14)ヴェルテ・ロール1003(マスター)
(15)ヴェルテ・ロール1004(マスター)
(16)マルコ・エンリコ・ボッシ(Org)ヴェルテ・ロール1011(マスター)
(17)エドウィン・ルメア(Org)ヴェルテ・ロール1218(マスター)
(18)エドウィン・ルメア(Org)ヴェルテ・ロール1186(マスター)
(19)ヨハン・ヤコブ・ナテル(1878-1972オルガン)ヴェルテ・ロール(マスター)

録音:2016年スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
2011年から開始された「ブリタニックのオルガン」シリーズを締めくくる第12集。海に沈んだ貴重なオルガンを復元すると共に、20世紀初頭の技術を駆使した「ヴェルテ・ロール」に遺された演奏を楽しむという歴史的にも意義のあるこの企画、多くの知られざる記録が音として世に出されました。この曲集では、これまでに登場した何人かのオルガニストの演奏と、やはり20世紀初頭に活躍したイタリアの巨匠エンリコ・ボッシの作品、演奏を収録しています。100年の時を経て甦った音色をぜひお楽しみください。
OC-1842C
エフゲニー・グンスト&クロード・ドビュッシー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
エフゲニー・グンスト(1877-1950):ヴァイオリンとピアノのための7つの小品Op.27(1936)
 幻想交響曲Op.18(ピアノのための)(1921)
 2つの小品(1937)
 ピアノのための2つの情景Op.5(1922年9月1日,未知の起源)
ドビュッシー:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 ベルガマスク組曲
スザンヌ・ラング(P)
エレーナ・デニソーヴァ(Vn)

録音:2015年8月,2016年2月ザントハウゼンクララ=ヴィーク=アウディトリウム
ロシアの知られざる作曲家、エフゲニー・グンスト。2010年にバーゼル大学のセミナー室の地下から発見されたスコアによるピアノ作品集(OC899)では、スクリャービンとも似た独特の個性を伺い知ることができると、大きな話題になった人です。今作は、彼の数少ないヴァイオリン作品も含んだ作品集で、彼が生涯の最後に到達したパリの雰囲気も備えた興味深い曲が詰まっています。同時に収録されたドビュッシーの有名曲と聞き比べるのも面白いでしょう。演奏は前作と同じくスザンヌ・ラングがピアノを担当、この作曲家にかける思いを綴っています。ヴァイオリンはオレグ・カガンとヴァレリー・キモフ(オイストラフの弟子)に師事したヴェテラン、デニソーヴァです。
OC-1843C
宗教合唱曲とオルガン作品集
ハスラー(1564-1612):トッカータト短調
ディ・ラッソ(1532-1594):ミサ「かの人の口で私に口づけせしめよ」より「キリエ」
 ミサ「かの人の口で私に口づけせしめよ」より「グローリア」
フレスコバルディ(1583-1643):「マドンナのミサ」より「Canzondopola Pistola」
ヴィタウタス・ミシュキニス(1954-):神の使い
ジョン・クック(1918-1984):ファンファーレ
エリック・ウィテカー(1970-):アレルヤ
フレスコバルディ:「マドンナのミサ」より「Ricercardopoil Credo」
松下耕(1962-):ウビ・カリタス
ディ・ラッソ:ミサ「かの人の口で私に口づけせしめよ」より「サンクトゥス」
ディ・ラッソ:ミサ「かの人の口で私に口づけせしめよ」より「ベネディクトゥス」
フレスコバルディ:「マドンナのミサ」より「Toccataperl’ Elevatione」
クリスティアン・エールバッハ(1570-1635):第4旋法による4声のカンツォン
松下耕:パーテル・ノステル
ディ・ラッソ:ミサ「かの人の口で私に口づけせしめよ」より「アニュス・デイ」
松下耕:オ・サルタリス・ホスティア
ハラルド・フェラー(1951-):テ・デウム
カール・オルフCho
シュテファン・ヴォリツ(指)
ペーター・バデル(Org)

録音:2015年6月6-7日、,2015年7月3-5日、2015年7月24.25日 バート・グレーネンバッハカート聖フィリップス&ヤコプスシュティフト教会(合唱)
アウグスブルク聖ウルリヒ&アフラ大聖堂(Org)
400年以上の長きに渡って教会で演奏されてきたミサ曲は、キリスト教の教義を伝えるための大切な役割を担っていて、多くの作曲家たちが「キリストの死と復活の物語」を根底に置いた素晴らしい作品を書いています。またその様式は時代によって変化し、合唱のみであったり、オルガンが用いられたり、また楽器が使われたりと様々な形があります。今回、オルガンと合
唱をバランスよく適切に用い、またルネサンスから現代の作品までを取り入れて、一つの「祝祭ミサ」を構成してみるという実験的な試みを実行したのが、指揮者のシュテファン・ヴォリツ。彼の目論見通り、ディ・ラッソから松下耕まで、時代を超えた音楽が渾然一体となり、見事に一つの作品としてまとまっています。演奏は、カール・オルフによって創立され、発展を遂げてきた「カール・オルフ合唱団」の優れた合唱と、ニュルンベルク=アウストブルク音楽大学で教会音楽を学んだオルガニスト、ペーター・バデルのオルガンです。
OC-1844C
レオポルト・モーツァルト:作品集
独奏トランペット,独奏トロンボーン,2台のヴァイオリン,ヴィオラ,オーボエ,2本のホルン,2本のトランペット,ティンパニ,通奏低音のためのセレナードニ長調LMVVIII:9
2本のホルン,2台のヴァイオリン,ヴィオラと通奏低音のための協奏曲変ホ長調LMVIX:9
2台のヴァイオリン,ヴィオラ,2本のオーボエ,2台のホルン,通奏低音のための「新ランバッハ」交響曲ト長調LMVVII:G16
アリョーシャ・ツィーロウ(Tp)
ファブリース・ミッリシャー(Tb)
カールステン・キャレイ・ダフィン(Hrn)
フィリップ・レメル(Hrn)
バイエルン室内フィルハーモニー
ラインハルト・ゲーベル(指)

録音:2015年5月26-29日ミュンヘンバイエルン放送第1スタジオ
レオポルト・モーツァルト(1719-1787)は、神童モーツァルトの父親で、ヴァイオリニストであり偉大なる教育者でした。もちろん作曲に手を染めはしましたが、ある時期に自身の作曲家としての才能に見切りを付け、以降は息子の育成に力を注いだのです。そんな父モーツァルトの作品は、ザルツブルクの大聖堂図書館に保管されており、現在研究が進められています。そんな珍しい曲を演奏しているのは、ムジカ・アンティクワ・ケルンの創始者ラインハルト・ゲーベル。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲(OC862)やフォーゲルの交響曲(OC705)に並ぶ、前古典派時代の作品に光を当てる興味深い1枚です。
OC-1845D03(2CD)
レーガー:クラリネットを伴う室内楽曲全集
クラリネットとピアノのためのソナタ変ロ長調Op.107(1908/1909)
クラリネットとピアノのためのソナタ変イ長調Op.49-1(1901)
タランテッラWoOII/12(1902)
アルバムのページWoOII/13(1902)
クラリネット五重奏曲イ長調Op.146(1915/1916)
クラリネットとピアノのためのソナタ嬰へ短調Op.49-2
シュテファン・ジーゲンターラー(Cl)
コーリャ・レッシング(P)
ライプツィヒSQ[コンラート・ムック(第1Vn)、ティルマン・ビューニング(第2Vn)、イーヴォ・バウアー(Va)、マティアス・ムースドルフ(Vc)]

録音:2015年7月29日,9月9-10日,10月27日スタジオ・ベルリン=ブリッツ
2016年に没後100年を迎えるレーガー(1873-1916)は、管弦楽曲やオルガン曲を数多く遺していますが、その中でも一連のクラリネット作品、とりわけ五重奏曲はモーツァルトやブラームスの作品にも比肩する充実した内容を持っています。また3曲あるクラリネット・ソナタも、最初の2曲はブラームス作品に触発されて書かれた曲で、若干複雑とは言え、クラリネットの音色が滑らかに響く穏やかで美しい雰囲気を持っています。2つの小品「タランテッラ」と「アルバムのページ」はしばしばヴァイオリンでも奏される親しみやすい曲です。演奏しているのは、ベルンとジュネーヴの高等音楽院で、ドイツの名手、クルト・ウェーバーとトーマス・フリードリに師事した後、デトモルト音楽大学でハンス・クラウスとジョスト・ミヒャエルズに学んだクラリネット奏者シュテファン・ジーゲンターラーと、ヴァイオリン奏者、古楽研究家としても知られるコーリャ・レッシング。また、五重奏曲では名門ライプツィヒ弦楽四重奏団が絶妙なアンサンブルで曲をひきたてています。
OC-1846C
ヴァルター・ブラウンフェルス:管弦楽伴奏による歌曲集第1集
コロラトゥーラ・ソプラノと管弦楽のための「ナイチンゲールのための前奏曲とプロローグ」Op.30-3(1913)テキスト:ヴァルター・ブラウンフェルスの歌劇「鳥たち」より
バリトンと管弦楽のための「2つのヘルダーリンによる歌曲」Op.27(1916-1918)テキスト:フリードリヒ・ヘルダーリン
バリトンと管弦楽のための「兵士の墓より」Op.26(1915)テキスト:ヘルマン・ヘッセ
テノールと管弦楽のための「森の別れ」Op.30-1(1913)テキスト:ヴァルター・ブラウンフェルスの歌劇「鳥たち」より
大管弦楽のための「ドン・ファン」Op.34(1922-1924)モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」-シャンパンの歌に基づく
ヴァァレンティナ・ファルカス(S)
クラウス・フローリアン・フォークト(T)
ミヒャエル・ヴォッレ(Br)
ヴァイマール・シュターツカペレ
ハンスイェルク・アルブレヒト(指)

録音:2015年9月7-11日ワイマール,レドウテ
最近復興が進んでいる「退廃音楽作曲家」の中でも、現在のドイツにおいてとりわけ注目されているのが、このブラウンフェルス(1882-1954)でしょう。2015年から立て続けに、Capriccioレーベルを中心に新録音がリリースされ(それも声楽を含む大編成の作品なども含む)、そのどれもが高い評価を受けているというのは驚くばかりです。この管弦楽伴奏による歌曲集には、彼の復興の最初期に話題となった歌劇「鳥たち」からのアリアも含まれています。この第1集は、彼がまだケルンの音楽界で隆盛を誇っていた時期の作品を集めたもので、音楽的には後期ロマン派の流れを汲む甘く美しいメロディに満たされた曲が主となっています。大人気テノール、フローリアン・フォークトの歌声も、曲想にぴったり沿ったものです。
OC-1847
ヴァルター・ブラウンフェルス:管弦楽伴奏による歌曲集第2集
3つの中国の歌Op.19(1914)ハンス・ベトゲの詩「中国の笛」によるソプラノと管弦楽のための
ロマンティックな歌Op.58(1918-1942)クレメンス・ブレンターノとヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩によるソプラノと管弦楽のための
クレオパトラの死Op.59(1944)ウィリアム・シェイクスピアの情景によるソプラノと管弦楽のための
日本の歌Op.62(1944-1945)ハンス・ベトゲの詩「甘き夢と苦い果実」によるソプラノと管弦楽のための
カミラ・ニュールンド(S)
ゲニア・キューマイアー(S)
リカルダ・メルベート(S)

ベルリン・コンツェルトハウスO
ハンスイェルク・アルブレヒト(指)

録音:2015年11月16-20日ベルリン放送
後期ロマン派の末裔、ブラウンフェルス(1882-1954)。大戦中は「退廃作曲家」として冷遇されるも、戦後はドイツの音楽 復興に尽くした功績のためか、現代のドイツにおいてその作品への注目は高まる一方です。OEHMSレーベルにも幾つかの作 品の録音があり、とりわけ「管弦楽伴奏による歌曲」の第1集には、代表作である歌劇《鳥たち》からの抜粋が収録される など、ブラウンフェルスを紹介するための良い手がかりともなっています。この第2集の作品は、不穏な時代の空気が反映 された曲もありますが、やはり根本的にはロマンティックな風合いを持っており、また作品によっては、ハンス・ベトゲの詩 が用いられた東洋的な雰囲気を漂わせているものもあります。ニュールンド、キューマイアー、メルベート、この3人の名 ソプラノの声の違いにも注目。指揮は前作同様、ハンスイェルク・アルブレヒトが担っています。
OC-1848C
クリスティーナ・ランドシャーマー:ウルマン&シューマンの歌曲を歌う
シューマン:ことづてOp.77-5
 ばらよ、ばらよOp.89-6
 ズライカの歌Op.25-9
 東方のばらよりOp.25-25
 愛の歌Op.51-5
ウルマン(1898-1944):3つのソネットOp.29
シューマン:ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスター」によるリート<第1番:君よ知るや南の国/第3番:ただあこがれを知る者だけが/第5番:私に言わせないで/第9番:大人になるまでこのままに>
ウルマン:ルイーズ・ラベの6つのソネットOp.39
シューマン:6つの詩とレクイエムOp.90
クリスティアン・ランドシャーマー(S)
ゲロルト・フーバー(P)

録音:2015年7月14-17日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
シカゴ・リリック・オペラでデビューし、世界中の歌劇場に出演、めきめきと知名度を上げているソプラノ歌手ランドシャーマー。NAXOSレーベルからは「ペーター・コルネリウス:歌曲全集」という渋いレパートリーを録音。またバッハの「マタイ受難曲」や「ヨハネ受難曲」などの宗教曲でも抜群の歌唱力を示し、その美しい容姿を活かしてオペレッタの分野でも大活躍しているという、各方面から引く手あまたの歌手の一人です。このOEHMSレーベルへのデビュー・アルバムでも、シューマンとウルマンという比較的珍しい作品を歌い、知られざる曲への興味が著しくかきたてられるものとなっています。ゲロルト・フーバーの巧みな伴奏も聴きものです。

OC-1849B03
モーツァルト:協奏曲集
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K595
ピアノ協奏曲第17番ト長調K453
ピアノとヴァイオリンのための協奏曲ニ長調KAnk.56(315f)より
第1楽章の断章(ロバート・レヴィンによる補筆版)
幻想曲ハ短調K396(385f)(マキシミリアン・シュタードラーによる補筆版)
ゾフィー=マユコ・フェッター(P)
ライナー・クスマウル(Vn)
ハンブルクSO
ペーター・ルジツカ(指)

録音:2015年9月29.30日,10月1日ハンブルク,フリードリヒ・エーベルト・ハレ
ドイツ人の父と日本人の母を持つ女性ピアニスト、ゾフィー=マユコ・フェッターのOEHMSデビュー盤。どちらかというと現代音楽のスペシャリストとして知られている彼女ですが、HAENSSLERレーベルにはブラームスを録音したりと、幅広いレパートリーの片鱗を見せていました。そんな彼女が今回演奏したのは、モーツァルト(1756-1791)の2曲のピアノ協奏曲と、アンコールとして用意されたヴァイオリンを伴う2曲の小品です。実はエディット・ピヒト=アクセンフェルトが亡くなる年まで、ハープシコードなど歴史的鍵盤楽器の演奏法の指導を受けていたという彼女、モーツァルトの演奏に関しても優れた解釈を有しています。ヴァイオリン奏者として参加しているのは彼女の師でもあるライナー・クスマウル。1990年代にベルリン・フィルのコンサート・マスターを務めながら、古楽奏法の研究にも勤しみ、1995年に創設したベルリン・バロック・ゾリステンの音楽監督でもあるという名手です。

OC-1850C
ブラームス:ピアノのための作品集
ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調Op.5
シューマンの主題による変奏曲Op.9
スケルツォ変ホ短調Op.4
ガブリエーレ・カルカーノ(P)

録音:2016年1月21-24日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
新進ピアニストの登竜門として知られる「ボルレッティ=ブイトーニ財団アワード」2010年の受賞者で、イタリアのピアニスト、ガブリエーレ・カルカーノのOEHMSデビュー・アルバムは、彼が最も得意としているというブラームス(1833-1897)の作品集。1985年、トリノに生まれ7歳でピアノを初め、17歳でジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で最高位を獲得、卒業。その後はパリでアルド・チッコリーニに師事し、リチャード・グード、ロバート・マクドナルド、そして内田光子からも薫陶を受けています。とりわけ内田光子は彼の才能を高く評価し、2010年、2012年、2013年のマルボロ音楽祭に招待、ここで演奏したことは彼にとって大きな励みとなったようです。以降は世界中のコンサート・ホールでオーケストラと共演するとともに、室内楽も盛んに演奏、ますます評価を高めています。
OC-1851B03
ピアソラ・オン・マリンバ
ブエノスアイレスの冬

タンゴ組曲
エスクアロ鮫
オブリビオン忘却
アディオス・ノニーノ
タンガータ組曲「風神と水の精」
リベルタンゴ
布谷史人(マリンバ)
車野桃子(P)
誉田広耶(マリンバ)
佐藤友香(Vn)

録音:2015年&2016年東京稲城市立i-プラザホール
※日本語解説付き
バンドネオンだけでなく最近は様々な楽器で演奏されるピアソラの名曲の数々。この布谷のマリンバでの演奏も曲の持つ情熱や哀愁を丁寧に描き出した見事なものとなっています。1990年代から2000年代の初めにピアソラがブームになった頃、マリンバを学んでいた布谷は彼の母に「マリンバでピアソラを弾いて」と懇願されたそうですが、当時の彼は「マリンバ以外のために書かれた曲をマリンバで演奏するなんてとんでもない」と困惑していたそうです。しかし「リベルタンゴ」の編曲を始めた途端ピアソラにのめり込んでしまった彼、その時から「ピアソラだけのアルバムを制作したい」という思いに駆られてしまいました。そして2007年から企画を立て、ようやく完成したのがこの1枚です
OC-1852
アニ&ニア・スルクハニシヴィリ‐ピアノ・デュオドヴォルザークとラヴェルを弾く
ドヴォルザーク:伝説
ラヴェル:スペイン狂詩曲(ピアノ4手編)
アニ&ニア・スルクハニシヴィリ(ピアノ・デュオ)

録音:2016年1月8-10日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
1988年、ジョージア(グルジア)の首都トビリシに生まれた双子ピアニスト、アニとニア・スルクハニシヴィリのデビュー・ アルバム。2015年に開催された第64回ARD(ミュンヘン)国際音楽コンクールのピアノ・デュオ部門で二位を獲得、その傑 出した才能が認められ、すぐさまBRKLASSIKとの共同制作でこのアルバムの録音が敢行されたのです。幼い頃から音楽的 才能が顕著だった二人ですが、両親は音楽家ではなかったため、彼女たちは6歳の時に初めてピアノのレッスンを受けるこ ととなります。その後はトビリシ音楽院で音楽を学びますが、デュオとして演奏することはなかったといいます。しかし、 13歳の時に偶然にドビュッシーの「小組曲」を連弾したところ、その演奏に強く魅了された人々から、デュオで活動するこ とを勧められたのです。16歳の時にモスクワでデビュー。その際は大規模なプログラムを用意した本格的なコンサートでし た。2012年10月からはタール&グロートホイゼンに師事し、レパートリーの拡大を図りながら、多くのコンクールを制し、 2015年のARDで快挙を遂げます。このアルバムではドヴォルザークの「伝説」とラヴェルの「スペイン狂詩曲」を披露。 息のあったアンサンブルを繰り広げています。
OC-1853
NX-B03
おとぎ話、神話、伝説
ジョン・ケージ(1912-1992):ストーリー(居間の音楽より)(1940)
ヨーゼフ・レンナー・ジュニア(1868-1934):若きディーテルム Op66-1(1909)
アメリカ伝承:ラレドの通り(D.ランスウィック編)
ヴォルフ・ケルシェク(1969-):マックスとモーリッツ(2015)
イヴァン・ムーディ(1964-):クールの野生の白鳥たち(1988)
ヴェンツェル・ハインリヒ・ヴァイト(1806-1864):虫と花(1853)
リゲティ:梨の木のカッコウ(1988)
デヴィッド・ヴィカンダー(1884-1955):スズランの王(1920)
ジャケス・デ・ヴェルト(1535-1596):これ以上の涙はない(1571)
ヴァイト:テューレの王 Op.37-4(1854)
ヘイヨ・トルミス(1930-):クレルヴォのメッセージ(1994)
アイルランド民謡:she moveD through the fair(D.ランスウィック編)
ライティス・グリガリス(1975-):何年も前に歌った歌
アメリカ民謡:シェナンドゥ(D.ランスウィック編)
ジム・クローチェ(1943-1973):悪い、悪い、ルロイ・ブラウン(1973)
ケルシェク:ヘンゼルとグレーテル(2015)
ジンガー・プア
【メンバー】
クラウディア・ラインハルト(S)
リュディガー・バルホルン(T)
マルクス・ツァップ(T)
マヌエル・ヴァルヴィツ(T)
ライナー・シュナイダー=ヴァーテルベルク(Br)
マルクス・シュミードル(Bs)

録音:2016年10月31日-11月3日
1992年3月8日、ケルン・フィルでのコンサートが国際的なキャリアの礎となり、「エコー賞」をはじめ、数多くの賞を獲得し、ドイツをはじめヨー ロッパで絶大な人気を誇るヴォーカル・アンサンブル「ジンガー・プア」。ルネッサンス期から現代作品まで、どんな曲でも歌いこなす彼ら、 2017年は結成25周年を迎え、その活躍がますます期待されています。この「SAGENHAFT-奇跡」と題された新しいアルバムでは、様々 な伝承物語や伝説を素材とした曲を取り上げ、アンサンブルの可能性を探るとともに、彼らの活動そのものが伝説となるべく、新たな世界の 探求を仄めかしています。
OC-1854(2CD)
NX-D03

OC-050(3LP)
限定盤
NX-L06
バッハ:フーガの技法 BWV1080 アンサンブル・ラルテ・デッラ・フーガ
【メンバー】
ハンス・エベルハルト・デントラー(Vc)
カルロ・パラッツォーリ(Vn)
ラファエレ・マッロッツィ(Va)
フランチェスコ・バッソーネ(Fg)
アントニオ・シアンカレポーレ(Cb)

録音:2016年7月19日、2016年10月1.2日 Schlosskirche

LP重量=180g
スイス、オーストリアの国境に面するボーデン湖に浮かぶ島リンダウで生まれたハンス・エベルハルト・デントラー。優れた医師としして 働きながらチェリストとしても活動し、ヨーロッパ各地で演奏会を開いています。1985年から2014年までの30年間はイタリアに居 住、かの地で“J.S.バッハ協会”を設立、「フーガの技法」の研究を続けています。そしてヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスと ファゴットで演奏するための楽譜をショット社から出版(作品はベネディクト16世に捧げられた)、実際にアンサンブルを創立して演 奏するという快挙も成し遂げました。バッハの「フーガの技法」は未完成の上、楽器の指定もされていない曲であり、各々のフーガの 並べ方にも様々な解釈がありますが、デントラーは長年の研究結果を凝縮し、独自の理論で曲を展開しています。
OC-1855(2CD)
ジンガー・プアが歌うアドヴェントとクリスマス
〈CD1.アドベント・カレンダー‐クリスマスのための24の歌…OC1810〉
1.主を待ち望むアドベント/2.いざ来ませ、異邦人の救い主よ/3.山を越えてマリアは行く/4.私は3本の枯れ枝を折り取り/5.私たちの幸せなクリスマス/6.アドベントリート:船が来ます/7.戸を高くあげよ/8.マリアは茨の道を歩む/9.静かな夜/10.あかつきの空の美しい星よ/11.目覚めよと呼ぶ声が聞こえ/12.おお救い主よ、天を引き開け/13.舟が来ます/14.今ぞ愛する魂よ、時が来たり/15.久しく待ちにし/16.わたしたちのお慕いする聖母さまが/17.よろこべや、たたえよや/18.闇は深まり/19.輝く暁の星、いと美しきかな/20.静かに雪が降り/21.あなたは雹、いとしきキリスト/22.どのようにあなたをお迎えしましょうか/23.子どもたち、明日は何かいいことがある/24.どこでもクリスマスおめでとう
〈CD2.ドイツのクリスマス…CD825
〉1.甘き喜びのうちに/2.クリスマスの夜/3.アドヴェントの呼び声/4.マリアは茨の森を通って行った/5.一輪のばらが咲いて/6.来たり聞けよ、お告げを/7.救いの御子は生まれリ/8.眠れ、天の子供/9.夕闇せまりて/10.幼子は眠りの中に/11.安らかに眠れ、子供よ/12.高き天よりわれは来たれり/13.静かに、静かに/14.おお、やさしきイエスよ/15.私は死の深い夜にあり/16.愛しいうぐいすよ、目覚めよ/17.私は三艘の帆を見た/18.覚えていますか?それがあったことを/19.きよしこの夜/20.夕闇せまりて
ジンガー・プア(ヴォーカル・アンサンブル)

録音:2015年2月9-13日ミュンヘンゼンディリング、2008年1月19-23日オーストリア,フォアアールベルク
ピュアな声で私たちの心を清らかにさせてくれる、ドイツのスーパー声楽グループ「ジンガー・プア」。創立は1991年、レ ーゲンスブルク大聖堂少年合唱団の卒業生たちによるこの2枚組は、既に発売されている「アドベント・カレンダー‐クリス マスのための24の歌」と「ドイツのクリスマス」の2枚をセットにしたもの。ドイツ人なら誰でも知っているクリスマスの ための賛美歌や民謡ですが、日本人の耳にはほとんど馴染みがありません。皆で盛り上がることが大切な日本のクリスマスに 比べ、ドイツのクリスマスはキリストの誕生を静かに祝う日であり、歌われるキャロルも落ち着いた曲が多いのが特徴です。 もちろん、時には「きよしこの夜」のような現代的な味付けがされている曲もありますが、ほとんどはゆったりとくつろいだ 静かな雰囲気に満ちています。一点の曇りのないアンサンブルをお聴きください。
OC-1856
NX-B03
モーツァルト ピアノ・ソナタ集 第4集
ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 K281
ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調 K283
ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調 K333
ピアノ・ソナタ 第18番 ニ長調 K576
ピアノ・ソナタ 第18番 ニ長調 K576
ウィリアム・ヨン(P)

録音:2016年4月30日-5月2日
ミュンヘンを拠点に活躍する韓国のピアニスト、ウィリアム・ヨンのモーツァルト・ソナタ集。この第4集には19歳の作品である第3番と第5 番、中期に書かれた第13番、そして晩年の作品である第18番を収録、モーツァルトの短い生涯における凝縮された14年間の変遷を 知ることができるカップリングとなっています。とりわけ第18番は、見事な対位法が駆使された堂々たる作品で、演奏にも高い技術が必 要とされます。優れたハープシコード奏者としても活躍しているヨンは、マンハイムで開催されたモーツァルト・フェスティバルでもフォルテピア ノで得意のモーツァルトを演奏、こちらも高く評価されたということで、このアルバムでも随所に自由な装飾を加えながら、変幻自在の演 奏を聴かせています。
OC-1857
NX-B03
モーツァルト ピアノ・ソナタ集 第5集
ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 K284
ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 K309
幻想曲 ハ短調 K475
ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K457
ウィリアム・ ヨン(P)

録音:2016年12月8-10日
若き韓国のピアニスト、ウ ィリアム・ヨンによるモーツァルト:ピアノ・ソナタ集完結編となる第5集 。インタビューで「多くの人にとってモー ツァルトはしばしば同じように聞こえるかもしれませんが、私 はそう思いません。私はモーツァルトが音楽の中で感情や色彩をどのように 表現したのかを示したいと思います。」と語ったヨンの言葉通 り、5枚のアルバムの中にはヨンが表現したかったものが全て詰まっていま す。なかでもツィクルスの最後に置かれたハ短調の「幻想曲」 と「ソナタ」の劇的な演奏は、多くの人が抱くモーツァルトのイメージを覆 すほどに衝撃的です。
OC-1858

OC-1860(2LP)
バッロ・トルコ‐ヴェニスからイスタンブール
1.アントニオ・チェスティ(1623-1669):歌劇《ラ・ドリ》‐宦官の踊り
2.ジョヴァンニ・フェリーチェ・サ ンチェス(1600-1679):他の男が暴君のように
3.アンドレア・ファルコニエーリ(1586-1656):1650 年 ナ ボリの曲集 第1 集より「柔らかなメロディ」
4.ファルコニエーリ:1650 年 ナポリの曲集 第2 集より「コ リエンテ・ディカ・ラ・モータ」
5.プレトリウス(1571-1621):テレプシコーレより「ラ・モーレスク」/ モンテヴェルディ(1567-1643):歌劇《オルフェオ》より「モレスカ」
6.ルイジ・ロッシ(1597-1653):歌劇《オルフェオ》より「ラスチアーテ・ア・ヴェルノ」
7.ベレロフォンテ・カスタルディ(1581-1649):「誰 が私に幸せを見い出そうか」
8.ヨハン・ヒエロニムス・カプスベルガー(1580-1651):キタローネのタブラ チュア譜 第4集より「チャコーナ」
9.ビアジオ・マリーニ(1594-1663):様々な楽器のための「シンフォ ニア 第3 番《雷》」
10.ヴォジチエフ・ボボウスキ(別名 アリ・ウフキ):Haza Mecmua-i Saz u Soz より 「レアハヴィ・セマイ」
11.マルコ・ダ・ガリアーノ(1582-1643):トルコ女性のダンス‐シンフォニア 第3 番「幸運、幸せ」
12.作者不詳:エジプトのファティマの歌
13.デルヴィシュ・フレンク・ムスタファ:Haza Mecmua-i Saz u Soz より「ムラーバ」
14.サロモン・ロッシ(1571-1630):トルコ風ソナタより「ガリア ルダ 第1−第4」
15.ヴォジチエフ・ボボウスキ(別名 アリ・ウフキ):Pisrev-i Ef renc i yani Pavane‐ファ ビオ・カローソ(1527-1605):Balleto Pauaniglia‐プレトリウス:テレプシコーレよりPavane de Sp aign e
16.ネフィリ・ベーラム・アガ(不祥‐1560):Bayati Pesrev
ペーラ・アンサンブル〈メンバー:メフメトC.イェシルチャイ(指揮,ウード,バロック・ギター)/フランチェスカ・ロンバルディ・マズーリ(S)/イシュハン・エーゼル(カヌン)/ハサン・エセン(ヴィオラ・ダ・モーレ)/リュトフィエ・エゼル(ケメンチェ)/オーザン・パルス(パーカッション)/パオロ・ロセッティ・ムリットゥ(パーカッション)/メヒティルド・カルコウ(バロック・ヴァイオリン)/クラウディア・メンデ(バロック・ヴァイオリン)/フランツィスカ・グルンゼ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/グンター・ホルツハウゼン(ヴィオローネ)/クリストフ・ゾンマー(テオルボ,バロックギター)/ミカエル・バルヤン(チェンバロ)他〉

録音:2014年6月イスタンブールMIAMスタジオ
地中海は多くの偉大な文化の発祥地であり、また東洋と西洋の文化が融合する地でもあります。15世紀に東ローマ帝国を滅 ぼし、コンスタンティノポリスを征服したオスマン帝国は、その後勢力を拡大し、17世紀にはアゼルバイジャンからモロッ コ、イエメンからウクライナ、ハンガリーからチェコスロバキアに至る広大な領域を手中に収めます。当時、最盛を誇ってい たキョプリュリュ家ですが、1683年に当家の婿であった首相カラ・ムスタファ・パシャが敢行した第二次ウィーン包囲が失 敗、16年間の戦争状態を経て、1699年に結ばれたカルロヴィッツ条約において、史上初めてオスマン帝国の領土は削減さ れ、以降覇権はオーストリアに奪われることとなります。さて、そんな歴史的背景のもとに様々な文化交流が行われ、文学や 絵画、そして音楽においても「東洋的なテイスト」が入り込んで来たことも良く知られています。このペーラ・アンサンブル による意欲的なアルバムは、16世紀から17世紀、トルコからイタリア、またイタリアからトルコへと渡った様々な音楽が 収録されています。想像以上に複雑に入り組んでいるこれらの多彩な音楽は、当時の文化を想像させるに余りあるものです。 LP盤(2枚組)も同時発売。
OC-1859B03
クラシックス・オン・マリンバ
カステルヌオーヴォ=テデスコ:トッカータOp.83
 水上の夜想曲Op.82a
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ
短調BWV1004‐シャコンヌ
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調BWV1003‐アンダンテ
ショパン:舟歌嬰ヘ長調Op.60
ワックスマン:カルメン・ファンタジー
ランダル・トンプソン(1899-1984):フロスティアーナ〜「星のようなものを選びなさい」
布谷史人(マリンバ)
車野桃子(P)
誉田広耶(マリンバ)

録音:2015年9月東京稲城市立i-プラザホール、2016年3月滋賀びわこホール
※日本語解説付き
こちらも様々な作曲家の作品を彼自身がマリンバ用に編曲、演奏した1枚です。布谷はブックレットの中で「どの作品も“マリンバで歌う”ことを追求し、編曲は最低限に抑えてある」と述べています。2008年に車内のラジオで偶然耳にしたカステルヌォーヴォ・テデスコの「トッカータ」、演奏家なら誰もが一度は自分の手で音にしたいと憧れるバッハ、ピアノで演奏するのも難しいショパンの「舟歌」、ヴァイオリンの超絶技巧が光るワックスマンの「カルメン・ファンタジー」、そしてランダル・トンプソンの合唱作品組曲「フロスティアーナ」からの1曲。布谷の個性と技術を存分に味わえる1枚です。
OC-1861
NX-B03
ポーランドとドイツ:オルガンのためのクリスマス音楽集
フェリクス・ラスコフスキ(1906-1989):組曲「クリスマスの歌」
バッハ :コラール前奏曲「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」
ピオトル・ ドルシンスキ(1550頃-1611):シトー会修道院のタブラチュア譜から「シダニスクの オリヴァ」
バッハ:パストラーレヘ長調BWV590
ヤン・ヤンカ (1933-):メディテーション「マリアは茨の森を通って」
バッハ:オルガ ン小曲集より〈いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV599/甘き喜びのうちに BWV608/大天使の群れ、天より来たれりBWV607〉
ミエチスワフ・ズルティ ンスキ(1866-1924):オルガンのための前奏曲集Op.36-クリスマス・キャロル「キリ ストが生まれた」
レーガー:クリスマスOp.145-3
ズルティ ンスキ:ポーランドのクリスマスの歌からのコラール前奏曲「神は生まれ、その力に恐 れおののく」
カルク=エーレルト(1877-1933):大聖堂の窓Op.106から「神の み子は今宵しも」
フェリクス・ノヴォヴィエジスキ(1877-1946):古いクラクフ のマリエン教会のクリスマスの歌よりOp.31-3
ヨーゼフ・シュティル(Org…アイフェル、マンダーシャイトレーベンバウム教会,ベッケラート‐マイヤ‐オルガン)

録音:2016年7月5-7日マンダーシャイトレーベンバウム教会
1959年、デッゲンドルフで生まれ、1994年からトリーア教会大聖堂のオルガニストを務めるヨーゼフ・シュティルが、 OHEMSの最高責任者ディーター・エームス氏の75歳の誕生日を記念し、彼自身が選曲して演奏したクリスマス音楽集。バ ッハやレーガー、カルク=エーレルトなどのドイツの伝統を汲む作品と、ほとんど耳にすることのないポーランドのロマン派、 現代の作品を絶妙に配置、じっくり聴かせる1枚に仕上げています。ベッケラート・オルガンはもともとシュパイアーの司 教区に据えられていましたが、2015年に解体、マンダーシャイトの由緒正しいレーベンバウム教会に移設され、オルガン製 作者のH.マイヤーによって再構築、新しい響きを獲得した楽器です。教会一杯に響き渡る壮麗な音色が存分に捉えられてい ます。
OC-1862
NX-B03
レーガー:ヴァイオリン協奏曲イ長調Op.101 エレナ・デニソヴァ(Vn)
グスタフ・マーラー・アンサンブル
アレクセイ・コルニエンコ(指)

録音録音:2003年4月オーストリア
2016年のレーガー・メモリアルイヤーを記念し、数多くのレーガー作品がリリースされましたが、この長大なヴァイオリン 協奏曲は演奏家にとっても難曲であり、録音数もあまり多くありません。もちろんヴァイオリンには高度な技術が要求されま すが、オーケストラ・パートの比重も高く、ブラームスのピアノ協奏曲のように「ヴァイオリンを伴う交響曲」と呼んだほう がしっくりくるという作品です。ソリストを務めるのは、ロシアで生まれ、現在オーストリアで活躍する名手エレナ・デニソ ヴァ。4歳から演奏活動をはじめ、11歳で初のレコーディングを行ったほどの神童で、多くのコンサート、音楽祭に出演し、 その高い音楽性で聴衆を魅了しています。このヴァイオリン協奏曲は、バックを務めるアンサンブルも重要な役割を果たしま すが、共演したグスタフ・マーラー・アンサンブルは、デニソヴァとコルニエンコの2人が1996年に「珍しい作品を上演 する」ことを目的に設立。作品によってプレイヤーの数を変化させるなど、常に柔軟で意欲的な演奏を行う団体です。
OC-1863
クリストファー・パーク:シューマン/ストラヴィンスキー/ノイヴィルトを弾く
シューマン:幻想曲ハ長調Op.17
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカより3つの楽章
オルガ・ノイヴィルト(1868-):Maesyas‐牧羊神
クリストファー・パーク(P)

録音:2016年3月17-19日フランクフルト・アム・マインフェステブルク教会
「The European Concert Hall Organisation=ヨーロッパ・コンサート・ホール機関(ECHO)」が選出した2016/2017年 のシーズンにおけるライジング・スターの一人、1987年バンベルク生まれのパークはドイツと韓国の血を引くピアニスト。 この「ECHO」とはヨーロッパ全土のコンサート・ホールが一致団結して若いアーティストを育てるという賞であり、これに 選定されるとウィーン楽友協会コンサート・ホール、バーデンバーデン・フェスティヴァル・ホール、ロンドンのバービカン ホール、アムステルダム・コンセルトヘボウと言った名ホールでの演奏機会が与えられるという名誉あるものです。すでに 2014年のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭でも高い評価を受けているパークですが、どちらかというと室内楽に注力 しており、DGKOREAからリリースしたアルバムもリチャード・オニールやスミ・ジョーの伴奏で、本格的なソロ・アルバ ムは2011年のリスト作品集以来のもの。今後の活躍が楽しみなピアニストです。
OC-1864
NX-B03
《時よとどまれ》
バード:前奏曲 MB 55/3
作者不詳:ガリアルド(1545頃-1570編纂:マリナー・ブックより)
バード:私のネヴェル夫人のグラウンド MB 28/57
ダウランド:涙のパヴァーヌ(バード編) MB 28/54
ジョンソン(1580?-1633):アルマン(フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)
ファーナビー(1563?-1640):ポールの埠頭 MB 24/46
パーセル:組曲 ト短調 Z661
 エア Z641
 新しいアイルランドの音 Z646
 行進曲 Z648/リゴードン Z653
 組曲 イ短調 Z663
 新しいグラウンド
 ホーンパイプ Z607/4
バード:ラヴォルタ MB28/91
トムキンズ:グラウンド MB5/39
ジョンソン:パヴァン(ファーナビー編) MB24/14
ダウランド:歌とエア:第3番目と最後の曲集より「時はとどまりて 」(フリーデリケ・シュレク編)
フリーデリケ・シュレク(ハープシコード)

録音 2015年9月19-20日
ドイツ、シュタルンベルクで生まれたフリーデリケ・シュレクは7歳でピアノとリコーダーを始め、地元の中学を出たあと、ミュンヘンでハープシ コード奏者ミヒャエル・エベルトに師事、本格的に古楽奏者の道に進むことを決意しました。2000年にはスコラ・カントルム・バジリエンシ スでハープシコードと通奏低音をイェスパー・クリステンセン、即興演奏をルドルフ・ルッツから学んでいます。現在の彼女は、ドイツを始め、 世界中のコンサートホールで演奏を行い、古楽フェスティヴァルにも頻繁に招かれています。このアルバムは英国バロック期の音楽を集め たもので、ドイツ、フランス、イタリアなどに比べ、大作曲家が少なかったとされるこの時代の英国にも、これほど多彩で素晴らしい作品が あったということを認識させてくれる1枚です。 ここで取り上げられている「マリナー・ブック」は1547年頃から1570年の間に、トマス・マリナー(経歴不祥)によって編纂された、市井の 人々の愛奏曲集です。121曲の鍵盤曲のうち、半分以上はカトリックの典礼歌、他、タリスやタヴァナーなどのパートソング、そして20曲 ほどが作者不詳です。9曲はシターン(弦楽器)のための曲で、この楽器のための最も初期の作品として重要視されています。
OC-1865
NX-B03
ヨゼフ・スーク:交響曲「アスラエル」ハ短調(1905/1906) エッセンPO
トーマス・ネトピル(指

)録音:2016年11月17-18日
スーク・トリオの名ヴァイオリニスト、ヨゼフ・スーク。同じ名前を持つ彼の祖父はドヴォルザークの娘婿であり、優れたヴァイオリニス ト、作曲家でした。 1904年、スークが敬愛していた義父ドヴォルザークがこの世を去り、その翌年には最愛の妻オティリエも亡くすという悲劇に見舞 われました。しかしスークは悲しみを乗り越え、1906年に完成させたこの交響曲「アスラエル」(死を司る天使の名)は、ドヴォル ザークやブラームスの影響を感じさせながらも、さらに独創的な作風を持つ重厚な作品となりました。第1楽章から第3楽章までは 慟哭が続きますが、第4楽章の美しいアダージョは愛妻オティリエへの追悼であり、終楽章ではかすかな希望も感じられます。チェ コの近代作品を得意とするネトピルの共感溢れる演奏です。
OC-1867
NX-B03
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78
(使用楽器・・・1808年ニコラス・リュポー製)
 ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調Op.100(1886)
(使用楽器・・・1721年ストラディヴァリ製)
 ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op.108
(使用楽器・・・2009年マルティン・シュレスケ製)
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調Op.105〜第2楽章
インゴルフ・トゥルバン(Vn)
ガブリエレ・ザイデル=ヘル(P)

録音:2016年4月13日
1964年ミュンヘンに生まれ、チェリビダッケに見い出され20歳台の若さでミュンヘン・フィルのコンサートマスターに就任。1988年までその地位にあった名手インゴルフ・トゥルバン。このブラームスのソナタ集は、彼の演奏活動30周年を記念して録音されたアルバムで、これまでパガニーニやタルティーニなどのイタリア物や、シュポア、ヤルナッハなどの秘曲を中心に録音してきたトゥルバンにとっては、新たな挑戦であり、独自の個性と真価が発揮するまたとない機会になっています。このライヴでトゥルバンは、曲の個性にふさわしい三挺の楽器を用意。第1番では「内省的で落ち着いた音色」、第2番では「女性的で軽い響き」、第3番では「劇的で現実的な音」と、トゥルバンが要求する音色を紡ぎ出す楽器の音色にも注目してください。
OC-1868(2CD)
NX-C05
ブラームス:2台ピアノのためのソナタ.Op.34b
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34*
デュオ・ダコール
【ルチア・ファン(P)
ゼバスティアン・オイラー(P)】

ハーバSQ*
【シャ・カツオウリス(第1Vn)、ホヴァネス・モカツィアン(第2Vn)、ペーター・ツェリエンカ(Va)、アーノルド・イルグ(Vc)】
ルチア・ファン(P)
1864年、ブラームスは1曲の弦楽五重奏曲を作曲しました。しかし試演しても全く評価されずに終わり、彼はこの曲を破 棄、出版もしませんでした。しかしブラームスはこの曲を「2台ピアノのためのソナタ」として作り変え好評を得ます。そして周 囲の人々の勧めもあり、もう一度「ピアノ五重奏」として編曲。この版を1865年に出版し(前述の「2台ピアノのためのソ ナタ」も1871年に出版)親交のあったヘッセン方伯家の公子妃マリア・アンナに献呈しています。このアルバムでは、マリ ア・アンナの曾孫にあたるライナー・フォン・ヘッセンがライナー・ノートを執筆。同じ素材で書かれた2曲が同じ日に演奏さ れ、録音、リリースされる歓びについて語っています。既にOEHMSレーベルから多数のアルバムをリリースしているデュオ・ダ コールとプラハ生まれの作曲家ハーバの名前を冠したハーバ弦楽四重奏団による密度の濃い演奏です。
OC-1869(2CD)
NX-A13
Best of Singer Pur-ジンガー・プア:名唱集
【CD1】
1.スティング:Fields of Gold
2.メンデルスゾーン:森からの別れ
3.ケルペン:木の上にかっこうが
4.ブラームス:5つの歌 Op.104-3「最後の幸福」
5.ライヒャルト:森は色づいた
6.ハイマン:狂乱のモンテカルロ
7.スティング:Englishman in New York
8.伝承曲:王の子
9.チック・コリア:Crystal Silence
10.スティング:A Thousand Years
11.伝承曲:Ach, bittrer Winter, wie bist du kalt
12.ジルヒャー:ローレライ
13.伝承曲:Der Schneider Jahrestag: Aus der Wetterau
14.スティング:When We Dance
15.ジルヒャー:ばらの枝は花を咲かせ
16.スティング:Every Little Thing She Does Is Magic
17.ツッカルマグリオ:Kein schoner Land
18.ブラームス:子守歌 Op.49-4
【CD2】
1.メトカーフ:美しい花の名前
2.リシャフォール:我らは選択する
3.ブラームス:ドイツ民謡集 第1集 WoO33-第2曲「美しい乙女よ、私を許して」
4.ド・ラトル:私の愛するものは何ですか
5.伝承曲:夕方、私は眠ることができない
6.ツァルリーノ:Virgo prudentissima
7.リヒャルト・シュトラウス:3つの男声合唱曲 Trv270-第2曲「夢の光」
8.ヴィラールト:めでたし、聖なる母
9.ブラームス:3つの歌 Op.42-3「ダルトゥラの哀悼の歌」
10.ペルト:メメント(初期ヴァージョン)
11.オルランド・ディ・ラッソ:わが魂よ、何ゆえに悲しみたるか
12.リーム:7つの情熱 - 第1曲 私の魂は死ぬほどに悲しい
13.ヴィラールト:Cantai, hor piango
14.ド・ラトル:バラのように
15.ビリー・ジョエル:Lullabye, "Goodnight, My Angel"
16.ブレスゲン:おお、あなた、静かな時間
ジンガー・プア

録音:2004-2015年
1992年3月にデビューしたドイツのヴォーカル・アンサンブル「ジンガー・プア」。この2枚組は彼らの活動25年を記念してリリースさ れるコンピレーション・アルバムです。 2004年からCDをリリースし、これまでに発売した20種類以上のディスコグラフィから選りすぐられた曲は、ルネサンス期から現代 (チック・コリアやスティングも含む)にまで及び、その多種多様さには驚くばかりです。高度なテクニックに裏打ちされた美しいハーモ ニーをたっぷりお楽しみください。
OC-1870
NX-B03
チャイナ・ホルン・アンサンブル
R・シュトラウス:アルプス交響曲-狩猟のフ ァンファーレ
ベートーヴェン:エグモント序曲(カカ編)
バッハ:G線上のアリア(カカ編)
ブルックナー:アヴェ・マリア(H.ヨイリセン編)
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」(カカ編)
ワーグナー:ワグネリアーナ幻想曲(H.リヒター/H.ピ ツカ編)
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲(カカ編)
ピアソラ:リベルタンゴ(カカ編)
ガーシュウィン:サムワン・トゥー・ウォッチ・オー ヴァー・ミー(H.ヨイリセン編)
ジミー・ファン・ホイゼン(1913-1990): Darn That Dream(H.ヨイリセン編)
バラスケス(1916-2005):ベサメ・ムーチョ(A.パタレオン/G.ソト =メンデス編)
中国民謡:ジャスミンの花(A.ドン編)
チャイナ・ホルン・アンサンブル

録音:2016年8月1-6日
「チャイナ・ホルン・アン サンブル」は2015年、中国の中央音楽院の教授ハン・シャオメイが設立した 21名のホルン奏者からなるアン サンブル。世界中で活躍する中国のホルン奏者たちをメンバー として集め「ホルン音楽を中国国内に広める」ことを目的に活動して います。2015年に北京で最初のコンサートを行い、翌年には香 港とシンセンにツアーに出かけ、2016年の夏にはドイツとオーストリ アでコンサートを行い、すでに世界的な称賛を得ています。ク ラシックだけでなく、ジャズ、タンゴ、映画音楽と幅広いレパートリーを持 つ彼ら、ここでもユニークなパフォーマンスを披露しています 。
OC-1871
NX-B03
モナ=飛鳥・ オット/シューベルトとリストを弾く
シューベル:即興曲集 D899 Op.90
シューベルト:歌曲集(リスト編)
 .水の上で歌う/君はわが憩い
 セレナード/さすらい人
リスト:「巡礼の年」よりヴェネツィアとナポリ/ゴンドラの漕ぎ手/カンツォーネ/タランテッラ
モナ=飛鳥・ オット(P)

録音:2017年3月9-11日
ドイツ・ミュンヘン出身の ピアニスト、モナ=飛鳥・オット。2歳からピアノを学び4歳で初舞台を踏む という才媛で、すでに海外の音楽 祭にひっぱりだこ。彼女の姉アリス=紗良・オットもピアニス トとして活躍しています。 ドイツに住み、名手ベルント・グレムザーに師事したモナは16 歳の時に、日本経済新聞社の主催コンサートで日本デビュー。以降、 何度も来日し素晴らしい演奏を披露しています。2017年には、 ステファヌ・ドゥネーヴ指揮ブリュッセルPOの ソリストとして来日、演奏家としてますますの発展を見せつけ ました。このアルバムでは彼女が得意とするシューベルトとリストを演奏。 シューベルトからリストへと変遷するピアニズムを、グレムザ ー譲りの「正統派ドイツのピアニスト」としてじっくり聴かせます。
OC-1872(2CD)
NX-B03
ワーグナー:言葉のない指環
ロリン・マゼールによる管弦楽版「ニーベルングの指環」交響組曲

【ラインの黄金】
1.第1場:前奏曲
2.第2場:山頂のひらけた土地
3.第3場:ニーベルハイムの旅 “nacht'ges Land”
4.第4場:ヴァルハラ-神々の入場
【ヴァルキューレ】
5.第1幕第1場への前奏曲
6.第1幕第3場:ジークムントとジークリンデの逃避行
7.第2幕:前奏曲と第1場:ヴォータンの怒り
8.第3幕第1場:ワルキューレの騎行
9.第3幕第3場:ヴォータンの告別と魔の炎
【ジークフリート】
10.第1幕第2場&第3場:ヴォータン、ミーメと虫けら
11.第1幕第3場:ジークフリートは魔法の剣を鋳造する
12.第2幕:第2場:森のささやき
13.第2幕:ジークフリートの戦い
14.第2幕:ファーフナーの嘆き歌
【神々の黄昏】
15.前奏曲:夜明け
16.ジークフリートのラインの旅
17.第1幕第3場:ハーゲンの招集(角笛の呼びかけ)
18.第3幕への前奏曲と第1場:ジークフリートとラインの娘たち
19.第3幕第2場:ジークフリートの死と葬送行進曲
20.終曲:ブリュンヒルデの自己犠牲
ハンス=イェ ルク・アルブレヒト(指)
ヴァイマール・シュターツカペレ

録音:2016年10月9.10日 ライヴ
オルガニストとして、また カール・リヒターの理念を継承したミュンヘン・バッハOの芸術監督として 多彩な活動を続けるハンス イェルク・アルブレヒト。ヴァイマール・シュターツカペレと は前作のブラウンフェルス歌曲集でも、オーケストラをたっぷり歌わせた重 厚な 音楽を聴かせましたが、今回のワーグナーはまさにオーケスト ラにとっても得意中の得意の作品。マゼールの編曲による「歌のない指 環」を指揮者、オーケストラが一体となり思う存分に歌い上げ ています。
OC-1873
NX-B03
リスト:ファウスト交響曲(1854年初稿版を用いたオルガン版) ハンスイェルク・アルブレヒト(クライスオルガン…ミュンヘン,ガスタイク・フィルハーモニー)
1830年末、友人ベルリオーズに薦められてリストが手にしたのは、ゲーテの戯曲「ファウスト」でした。 この物語はリストを深く魅了し、やがてリストは物語を音楽にしようと考え“ファウスト伝説”を題材にした作品が何曲も生まれました。なかでも1840年代から構 想が練られた「ファウスト交響曲」はリストの最高傑作とされています。物語を忠実に再現するのではなく、ファウスト、グレートヒェン、メフィストフェレスの性格、人 物描写を8つの主題によって造形的に描くという交響曲と言っても自由な形式が用いられています。作品は1854年に一旦完成されましたが、リストはこの作品 に何度も改訂を行い、その都度楽器の編成を増強し、第3楽章に男声合唱を付け加えるなどの手を加え、最終的に完成を見たのは1880年でした。 このアルバムは1854年の初稿版をアルブレヒト自身がオルガン用に編曲、演奏しています。ホルン以外の金管楽器や打楽器、ハープ、男声合唱が付け加えら れる以前のシンプルな響きは、オルガンで演奏しても何の遜色もありません。1985年に製作され2004年と2010年に改造された豊かな機能を持つガスタイク のクライスオルガンの音色をたっぷりとお楽しみください。
OC-1874
ワーグナー:オルガンのためのトランスクリプション集
幻想的交響曲
 歌劇「妖精」-序曲(アクセル・ラングマンによるオルガン編)…世界初録音
 歌劇「ローエングリン」-前奏曲(エドウィン・ヘンリー・ルメアによるオルガン編)
 歌劇「恋愛禁制」-序曲(アクセル・ラングマンによるオルガン編)…世界初録音
 歌劇「リエンツィ」-前奏曲
 ジークフリート牧歌(エドウィン・ヘンリー・ルメアによるオルガン編)

■ボーナス・トラック
歌劇「タンホイザー」-「夕星の歌」(エドウィン・ヘンリー・ルメアによるオルガン編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2019年4月23-28日
オルガン奏者のハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン・トランスクリプションのシリーズ、新しいアルバムはワーグナー歌 劇の序曲をオルガン用に編曲したものを集めた1枚で、「妖精」と「恋愛禁制」の序曲は世界初録音となります。オルガ ニスト、ヘンリー・ルメア(1866-1934)はワーグナー作品を好んでオルガン用に編曲しており、いくつかの作品はオルガニ ストの大切なレパートリーになっています。かたやアクセル・ラングマンは現代のオルガニスト・アレンジャーで、アルブレヒト は彼が編曲したラフマニノフの「死の島」オルガン版を演奏、その華麗な編曲法は高く評価されています。今回アルブレ ヒトはミュンヘンのヘルツ・イエズ教会の「ヴェール=オルガン(2003年製)」を演奏、造形的にも美しいモダンな楽器から 鮮やかな響きを紡ぎ出しています。
OC-1875
NX-B03
Lieder im Volkston-民謡のスタイルによる歌曲集
1.レーガー(1873-1916):素朴な歌 Op.76-3 Waldeinsamkeit 森の孤独
2.ダルベール(1864-1932):Rosmarin ロスマリン
3.ベッカー(1842-1924):Niederlandisches Wiegenlied オランダの子守歌
4.バーガー(1861-1911):Nein und ja イエス、ノー
5.ブレッヒ(1871-1958):Schon Rohtraut 美しいロートラウト
6.ブリュル(1846-1907):Nachtwandler 夜のさすらい人
7.ブンガート(1845-1915):Frau Holle ミセス・ホッレ
8.デッバー:So Einer war auch Er 彼も一人
9-10.オイレンブルク(1847-1921):Wir Beide
  我々はどちらも-浜辺で/忠実な思い出
11.ゲルンスハイム(1839-1916):Abendlied 夕べの歌
12.ゴルトシュミット(1848-1906):Gebet 祈り
13.ヘルマン(1870-1931):Das Ringlein sprang entzwei 指輪は半分に
14.ヒルダッハ(1849-1924):Der Schnitter 死神
15.ホーホベルク(843-1926):Der schonste Tod 最も美しい死
16.フンパーディンク(1854-1921):Rosmarin ロスマリン
17.カーン(1865-1951):Volkslied 民謡
18.キーンツル(1857-1941):Rieke im Manover singt リエケは機上で歌う
19.クレッフェル(1840-1913):Ich denke oft an's blaue Meer
  私はしばしば青い海について考える
20.コス:Die Verlassene 去るもの
21.ラッセン(1830-1904):Hoppoldey
22.オックス(1858-1929):Von mond und den sternlein 月とお星さま
23.プフィッツナー(1869-1949):Untreu und trost 不平と慰め
24.ライネッケ(1824-1910):Rheinisches Volkslied ラインの民謡
25.シリングス(1868-1933):Ach, Herzigs Herz! ああ、心を込めて
26.ゲオルク・シューマン(1866-1952):Vogleins Begrabnis 小鳥の葬式
27.ハンス・ゾマー(1837-1922):Soldatenabschied 兵士の別れ
28.トゥイレ(1861-1907):昔の恋の歌
29.ジークフリート・ワーグナー(1869-1930):Schafer und Schaferin
  羊飼いと羊飼いの娘
30.ゼプラー(1858-1918):Im Laubengang ラウベンガンクにて
31-32.ズンペ(1850-1903):美しきシュヴァーベンから-ヘルブシュトにて/窓の下で
レグラ・ミューレマン(S)
オッカ・フォン・デル・ダメラウ(Ms)
ヴォルフガング・シュヴァイガー(Br)
タレク・ナズミ(Bs)
エイドリアン・バイアヌ(P)

録音:2016年12月12.13.15日
ベルリンの出版社「August Scherl」が1899年から1944年に刊行していた週刊誌「Die Woche」。ここで1903年に開催され たコンペティション“im Volkston-新しい民謡“のために30人の作曲家が曲を提出、特別号に掲載されました。どの曲も「民謡の 形式」を持ってはいましたが、少々芸術的になり過ぎてしまって、本来の目的「簡潔で美しく歌いやすい曲を発見する」には至ら ず、出版社は2回目のコンペティションを開催することになりました。今回は出版社から作曲家に直接依頼することはなく、自然に 集まった様々な曲をWoche誌に掲載。大好評を得ました(残念なことにレーガーの「森の孤独」は素晴らしい出来栄えにも拘わら ず落選、誌面では発表されませんでした)。このアルバムでは、全ての応募作中から美しい作品を選び演奏したものです。
OC-1876
NX-B03
カール・ハインリヒ・グラウン(1704-1759):クリスマス・オラトリオ
モニカ・マウフ(S)
マリオン・エックシュタイン(A)
ゲオルグ・ポプルッツ(T)
ラインムンド・ノルテ(Bs)
トーマス・グロッパー(指)
ミュンヘン・アルチス=ヴォカリステン
アルパ・フェスタンテ・バロックO

録音:2016年12月5-8日
2014年に録音されたグロッパーとアルパ・フェスタンテ・バロックOによる「イエスの死」(OC-1809)に続く、OEHMSレーベル のグラウン声楽曲2作目リリース。ドイツで生まれた作曲家カール・ハインリヒ・グラウン。卓越した歌手として活動を続けながら、声 楽曲を中心に作曲、宗教曲だけでなく、イタリア様式を用いたオペラも数多く作曲し、ヴァイオリニストの兄ヨハン・ゴットリープと共に ドイツの後期バロック音楽を支えた重要な人物です。この「クリスマス・オラトリオ」は1990年代にワシントンD.Cの国会図書館から 写譜が発見され、注目を集めました。写譜をした人物と正確な日付はわかりませんが、恐らく30歳代の作品であると考えられてい ます。聖書の言葉を自由に引用した荘厳で美しい曲調が感動を呼び起こします。
OC-1877
NX-B03
ミケランジェロ・ガリレイ(1575-1631):タヴラチュアによるリュート曲集 第1集(ミュンヘン 1620年)
ソナタ ハ短調 (ニ短調)
ソナタ ト短調
ソナタ ト長調
ソナタ ヘ長調
ソナタ ニ短調 (ハ短調)
ソナタ ハ長調 (ニ長調)
ソナタ 変ロ長調
ソナタ イ短調
ソナタ ヘ短調
アクセル・ヴォルフ(Lute)

録音:2017年2月21-23日Konzerthaus Blaibach
バロック期の作品だけでなく、サクソフォンとのアンサンブルはジャズの演奏もするなど幅広いレパートリーを持つリュート奏者アク セル・ヴォルフ。今作では著名な天文学者ガリレオ・ガリレイの末弟であるミケランジェロ・ガリレイのソナタに取り組みました。元 来ガリレオ家はリュートに縁があり、彼らの父はリュート奏法の理論書を出版するほど楽器に精通していました。ミケランジェロ はリュート奏者になり、やがてポーランドを経てリトアニアの宮殿に仕え、1607年にはバイエルンのマクシミリアン1世の宮廷楽 団奏者になりました。この「タヴラチュアによるリュート曲集」はガリレイの代表作であり、各々のソナタはイタリアの様式に則った 短い舞曲で構成されており、ヴォルフは多彩な表情の曲を生き生きと演奏しています。
OC-1878
NX-B03
ポーリーヌ・ヴィアルド(1821-1910):ドイツ語による歌曲集 ミリアム・アレクサンドラ(S)
エリック・シュナイダー(P)

録音:2016年8月22.24.26日.9月15日
スペインの音楽一家に生まれたポーリーヌ・ヴィアルド。彼女の年の離れた姉マリア・マリブランは、19世紀初頭当時のフランスにお ける最も素晴らしい歌手でしたが、ヴィアルドも優れた音楽の才能を持ち、晩年のショパンを始め、サン=サーンスやマイアベーア など数多くの音楽家や文筆家と交流したことで知られています。作曲家としてのヴィアルドの作品は、とりわけショパンのマズルカに 歌詞をつけたものが良く知られていますが、このアルバムではオリジナル作品が歌われています。メーリケやガイベルといったドイツ語 の詩の曲だけでなく、プーシキンやツルゲーネフなどロシアの詩人の詩も用いられており語学にも堪能だったという彼女の才能の豊 かさを知ることができます。ドイツとギリシャの血をひくソプラノ、ミリアム・アレクサンドラの魅惑的な歌唱を、エリック・シュナイダーの伴 奏が彩ります。
OC-1879
NX-B03
ラファエル・フィンガーロス〜バリトン・リサイタル
ロベルト・フュルステンタール(1920-2016):シュペトレーゼ III-第4番 Das war de
Tag der weisen Chrysanthemen それは白い菊の日でした
R・シュトラウス:あなたの黒髪を私の頭上に広げてください
Op.19-2
クララ・シューマン(1819-1896):彼女の絵姿 Op.13-1
シューマン:嵐の夜のきらめき Op.35-1
フュルステンタール:シュペトレーゼ III-第5番 Notturno ノットゥルノ
シューマン:リーダークライス Op.39-4 静けさブラームス:あなたの青い瞳 Op.59-8
R・シュトラウス:ひそやかな誘い Op.27-4
カール・ベーム(1894-1981):夜のごとく静かに Op.326-27(歌とピアノ編)
R・シュトラウス:万霊節 Op.10-8
シューベルト:夕映えの中に D799
 さすらい人が月に寄せて D870
ブラームス:愛する人のもとへ Op.48-1
 49のドイツ民謡集 第1集 WoO33 第6曲 谷の底では
シューベルト:月に寄せて D259
 音楽に寄せて D547
フュルステンタール:シュペトレーゼ III-第8曲 Liebeslied 愛の悲しみ
ブラームス:私は悲しみ、黙ってあちこち忍び歩く Op.32-3
 もうおまえのところには行かない Op.32-2
 49のドイツ民謡集 第1集 WoO33 第42曲 きよしこの夜
ポルステラー(1879-1945):Die Zeit steht still 時は静かに過ぎ去り
コルネリウス(1824-1874):9つの宗教的な歌「天におられるわたし
たちの父よ」Op.2-第1番-第3番
ペーター・コルネリウス:クリスマスの歌 Op.8 第3曲 王様
グルーバー(1787-1863):きよしこの夜*
ラファエル・フィンガーロス(Br)
サシャ・エル・ムイジ(P)
ベルンハルト・ベルヒトルト(T)*
ダヴィド・バーダー(G)

録音:2017年9月3日
2018年は誰もが知っているクリスマス・ソング「きよしこの夜」が初演されてから200年目にあたる年です。この歌のドイツ語の タイトルは「Stille Nacht」であり、ピアニスト、ムイジはこの言葉「Stille=静かな」と「Nacht=夜」をモティーフにしたアルバム を想起、バリトン歌手であるフィンガーロスとともに、ユニークなアルバムを作り上げました。これは単なるクリスマス・アルバムで はなく「夜」の新しい形の表現であり、愛に満ちた美しい作品を散りばめられた感動的な1枚です。もちろん最後には「きよし この夜」でアルバムが締めくくられています。
OC-1881
NX-B03
ミヒャエラ・シュースター〜リサイタル
■RUHE-休み
コルンゴルト:不滅なるもの-第1番 不滅なるものI
レーガー:素朴な歌 Op.76-20 真っ赤な花が咲いている
マーラー:若き日の歌 第5番 ドン・ファンの幻想
 若き日の歌 第1番 春の朝
コルンゴルト:6つの素朴な歌 Op.9 第6番 夏
■UNRUHE-休みなく
マーラー:若き日の歌 第2番 思い出
コルンゴルト:不滅なるもの-第2番 流れの速い川
 4つの告別の歌 Op.14 第2番:Dies eine kann mein Sehnen
nimmer fassen
 4つの告別の歌 Op.14 第3番:Mond, so gehst du wieder auf
クルト・ヴァイル(190-1950):Wie lange noch?あとどのくらい
■KOMMEN UND GEHEN-来るもの、行くもの
マーラー:若き日の歌 第4番 たくましい想像力
レーガー:素朴な歌 Op.76 第32番 Von der Liebe 愛によせて
 素朴な歌 Op.76 第23番 Zwiesprach 対話
 素朴な歌 Op.76 第11番 Mei Bua
コルンゴルト:4つの告別の歌 Op.14 第4曲 Gefasster Abschied
ヴァイル:光の中のベルリン(声楽とピアノ版)
■VERGEHEN UND BESTEHEN-忘れられるもの、存在するもの
マーラー:若き日の歌 第4曲 もう会えない
レーガー:素朴な歌 Op.76 第18番 In einem Rosengartelein ばら庭園に

コルンゴルト:不滅なるもの-第3番 Das schlafende Kind 眠る子
 不滅なるもの-第4番 Stronger than Death 死よりも強く
ヴァイル:ナナの歌
■BEGINNEN UND ENDEN-始まり、終わり
レーガー:素朴な歌 Op.76 第44番 Klein Marie 小さなマリー
 素朴な歌 Op.76 第12番 Mit Rosen bestreut ばらを敷き詰めて
コルンゴルト:6つの素朴な歌 Op.9 第4番 Liebesbriefchen 恋文
レーガー:素朴な歌 Op.76 第58番 Mausefangen ねずみ捕り
 素朴な歌 Op.76 第48番 Zwei Mauschen 2匹の子ねずみ
マーラー:若き日の歌 第5番 うぬぼれ
■NAHE UND FERNE-近くに、遠くへ
コルンゴルト:古いスペインの歌 Op.38-3
ヴァイル:告別の手紙
 雨が降る
コルンゴルト:お祝い Op.38-5
 不滅なるもの-第5番 不滅なるものII
 ドゥシュニッツ家のガチョウのレバー
ミヒャエラ・シュースター(Ms)
マティアス・ファイト(P)

録音:2017年5月6-8日
ドイツ出身のメゾ・ソプラノ、ミヒャエラ・シュスター。2008年にロイヤル・オペラで《サロメ》のヘロディアス役でデビュー。以降、幅 広い役柄に挑戦し、いずれも表情豊かな歌唱で高く評価され、2016年にはウィーン国立歌劇場の来日公演にも帯同、こ の時は「ヴァルキューレ」のフリッカ役を歌い喝采を浴びました。 このコルンゴルトの歌曲集「Unverganglichkeit=不滅なるもの」からタイトルを得たアルバムは、永遠の憧れと普遍性を テーマにしたもので、全て後期ロマン派の作曲家たちによる曲は各々の標題に沿って選ばれ、丁寧に歌われています。マー ラーやレーガーの微笑ましい曲や、ヴァイルのひねりの効いた曲、中心となるコルンゴルトの曲など聴き応えのある1枚です。
OC-1882
NX-B03
エリザベト・シュトリッド/アリア集
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」-Abscheulicher! Wo eilst du hin? …Komm, Hoffnung, lass den letzten Stern
人間の屑! 何をしているつもり? かかってきなさい、希望は捨てない わ、最後には星が出る
ワーグナー:歌劇「妖精」-Wie muss ich doch beklagen なんと切ないことなの
歌劇「さまよえるオランダ人」- Johohohe!- Ballade ゼンダのバラード
.歌劇「タンホイザー」- Dich, teure Halle 愛する殿堂よ
歌劇「タンホイザー」-Allmacht’ge Jungfrau 全能の聖処女よ
歌劇「ローエングリン」- Einsam in truben Tagen ひとり寂しく悲しみの日を(エルザの夢)
楽劇「トリスタンとイゾルデ」- Mild und leise おだやかに、静かに(イゾルデの愛の死)
楽劇「ヴァルキューレ」-Schlafst du, Gast? … Der Manner Sippe
お客様、寝ておいでですか?-私の言うことをきいてください
楽劇「ヴァルキューレ」-Du bist der Lenz あなたこそ春
楽劇「ジークフリート」- Ewig war ich 私はずっと永遠の中に
エリザベト・ シュトリッド(S)
イヴァン・アンゲロフ(指)
ブルガリア国立放送SO
ブルガリア国立放送cho-女声合唱
ブルガリア国立放送cho団-男声合唱

録音:2016年5月16-20日
スウェーデン、マルメ出身 のオペラ歌手エリザベト・シュトリッドのアリア集。2006年にノールランド 歌劇場で「ルサルカ」のタイトル・ロー ルを歌い雑誌「Opera」で絶賛され、以降、世界中の歌劇場で 歌ってきましたが、彼女の名前を一躍有名にしたのが、2010年に ノルウェー国立歌劇場の「タンホイザー」におけるエリザベー ト役。その素晴らしい歌唱が大絶賛され、一躍世界の檜舞台に躍り出 た彼女、2013年にはバイロイト音楽祭でフライア役を歌うなど 、ワーグナー・ソプラノとしての地位を確実なものにしています。2017 年にはフランスのリール歌劇場で「さまよえるオランダ人」の ゼンタを歌い、ライプツィヒ歌劇場ではR・シュトラウスの「サロ メ」を 歌っています。今後はヘルシンキ国立歌劇場でコルンゴルトの 「死の都」のマリエッタを歌う予定です。このアルバムでは彼女が最も 得意としているアリアの数々を聴くことができます。
OC-1883
NX-B03
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129
コルンゴルト:チェロ協奏曲 ハ長調 Op.37
ウェン=シン・ヤン(Vc)
リュウ・シャオチャ(指)
台湾フィルハーモニック

録音:2016年12月23日、2017年6月16日 ライヴ
チェリスト、ヤン・ウェンシンと指揮者リュウ・シャオチャは共に現在ドイツに住んでいます。2人はベルリンとウィーンの音楽院で音楽を 学び、年齢も近いこともあって、音楽的にも強い親近感を持っており、この2016/17年の台湾フィルハーモニックのシーズンでの共 演は素晴らしいパフォーマンスを生み出しました。聴衆たちに熱狂的な感動をもたらしたエルガー、指揮者とチェリストの対話が美し いシューマン、あまり耳にする機会の多くないコルンゴルト。3人の作曲家の特徴が際立つ見事な演奏です。
OC-1884
NX-B03
エレナ・ガポネンコ(ピアノ&チェロ)

【CD1】ロシアの詩情*
リャードフ:2つの間奏曲 Op.8(1883)
メトネル:2つのおとぎ話 Op.8(1904/05)
リャプノフ:夜想曲 Op.8(1898)
スクリャービン:12の練習曲 Op.8
エレナ・ガポネンコ(P)
【CD2】Finno-Ugrian Rhapsody フィンランドとハンガリーの狂詩曲
シベリウス:独奏チェロのための主題と変奏曲(1887)
リゲティ:無伴奏チェロのためのソナタ(1948/1953)
コダーイ:無伴奏チェロのためのソナタ Op.8(1915)
エレナ・ガポネンコ(P*、Vc)

録音:2017年8月8-9日、2017年6月15-16日
ロシア生まれのエレナ・ガポネンコは4歳ですでに「チェロとピアノの神童」として知られていました。すぐさま最高の訓練を受け、 9歳でオーケストラと共演を果たし、モスクワ音楽院の中央音楽学校を経て、ドイツとオランダに留学。ピアノとチェロの両方で 賞を獲得し、2014年にはGENUINレーベルに2つの楽器を操った演奏を録音。こちらも驚きを持って迎えられています。今 回のアルバムは2枚組の構成となっており、CD1はピアノ、CD2はチェロの演奏で、基本的に作曲家の「作品番号8」が選ば れているという凝った選曲。様々な要素が盛り込まれた興味深い2枚組です。
OC-1885
NX-B03
シューマン:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 Op.121
オーケストラ伴奏によるヴァイオリンのための幻想曲 ハ長調 Op.131*
イスカンダル・ヴィジャヤ(Vn)
ベルリン・ドイツSO
クリストフ・エッシェンバッハ(P&指)

録音:2015年4月22-23日、2016年5月29日*
数多くあるシューマンの作品の中では、残念なことにヴァイオリン作品はあまり注目されません。しかし3曲あるヴァイオリン・ソナ タは、どれも内省的な雰囲気の中に苦悩が溢れるような独特の暗さを持ち、シューマン作品の特徴をよく表しています。ソナ タ第2番はシューマン41歳の作品で、その前に書いた第1番の出来映えに不満を持ったシューマンによって、作品全体が念 入りに構築されています。43歳の作品である「幻想曲」は冒頭こそ悲痛ですが、曲が展開していくに従ってヴァイオリンが自 由に歌う作品。演奏しているヴィジャヤはベルリン生まれ。4歳でヴァイオリンを始め、ベルリン芸術大学で学んだ気鋭の若手 奏者です。当アルバムでは、エッシェンバッハのピアノと指揮のもと、伸びやかな演奏を聞かせています。
OC-1887
NX-B03
永遠の謎
リヒャルト・ルドルフ・クライン(1921-2011):古いイディッシュの教えから12の歌曲
1.Die alte Kasche
2.s is nit do kejn Nachtn
3.Rois, Rois, wie wait bist du?
4.Kudaj jiddisch?
5.Is gekummen der Vetter Nossn
6.Sog mir, du schejn Mejdele
7.Bist du mit mir brojges?
8.DennOC-h frejlech
9.Er soll lebn!
10.Der Rebbe tanzt
11.A Chasn oif Schabbes
12.Der Opschijd
マーラー:子供の不思議な角笛から6つの歌曲
 ラインの伝説/別離
 もう会えない/不幸な時のなぐさめ
 少年鼓手/うぬぼれ
マルタン:イェーダーマンによる6つのモノローグ
ラヴェル:へブライの2つの旋律
ヨハネス・マルティン・クレンツレ(Br)
ヒルコ・ドゥムノ(P)
死後の世界についての考え方は、宗教や人種によっても違います。このアルバムにはヨーロッパとユダヤの死生観についての 歌曲を収録。リヒャルト・クライン、マーラー、マルタン、ラヴェルの4人の作品から透けて見える「死後の世界」について考察し ます。クラインがテキストに選んだのは古いイディッシュ語。ユダヤ人の様々な生活が歌われたほとんど1分程度の短い曲は、 非常にカラフルな表情を持っています。マーラーの作品は「子供の不思議な角笛」によるもの。皮肉と風刺に満ちた作品で す。重苦しいマルタンの曲には苦悩が漲り、ラヴェルの作品は神秘的です。アウグスブルク生まれのバリトン歌手クレンツレは 世界的に活躍していましたが、2015年に病を発症、幹細胞移植を受けたことで、強い死生観を抱いており、曲への思い入 れの強さが伝わる演奏となっています。
OC-1888
NX-B03
ストラヴィンスキー:作品集
交響曲 変ホ長調 op.1
小管弦楽のための組曲 第1番
小管弦楽のための組曲 第2番
ドミトリー・キタエンコ(指)
ザグレブPO

録音:2017年9月20日-23日
ザグレブ・フィルハーモニー
2011/12年のシーズン以来、ザグレブPOの音楽監督を務めているキタエンコ。ロシアのレパートリー を自家薬籠中の物としているキタエンコらしく、ザグレブ・フィルとの最初の録音もストラヴィンスキーが最初に書いた「交響曲 第1番」で決めてきました。この曲はストラヴィンスキーがリムスキー=コルサコフの下で修業時代を過ごしていた時期(1905 年頃)に書かれた曲で、チャイコフスキーやグラズノフの影響が強く感じられる壮大で美しい曲想を持っています。若書きの作 品とは言え、オーケストラの性能と響きがフルに生かされており、キタエンコは冒頭の金管の咆哮を含め、抒情的な第3楽 章、賑やかな終楽章など曲全体をたっぷりと鳴らしています。 余白に収録された2つの「小管弦楽のための組曲」は、もともとピアノ連弾曲をオーケストラ用に編曲したもの。どちらも様々 な舞曲が取り混ぜられており、キタエンコは各々の曲の性格を強調し、短いながらも聴き応えたっぷりに仕上げています。
OC-1889
NX-B01
グラズノフ:バレエ音楽「四季」
チャイコフスキー:弦楽のためのセレナード
ドミトリー・キタエンコ(指)
ザグレブPO

録音:2018年3月7-11日
ストラヴィンスキー:初期作品集(OC1888)に続くキタエンコとザグレブPOのアルバムは、グラズ ノフの「四季」とチャイコフスキー:弦楽のためのセレナードのカップリング。1889年にマリウス・プティパの依頼により作曲 されたバレエ音楽「四季」はタイトル通り、自然がテーマであり、ストーリーは特にありませんし、登場するのも全て霜や そよ風、氷や妖精。人間は出てきません。キタエンコは各々の季節の特徴を生き生きと描き出しながら、全曲を統一 する主題をくっきり浮かびあがらせるメリハリのある演奏を行っています。またカットするのが慣例である秋の「Petit Adagio」の後のヴァリアシオンも演奏されています。 誰もが知っている名曲、チャイコフスキーの弦楽セレナードも、厚みのある響きを生かした流麗な演奏。とりわけ第2楽 章の落ち着いた表情付けは新鮮です。

OC-1896
NX-B01
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番
コレッリの主題による変奏曲 Op.42*
ピアノ・ソナタ 第2番ロ短調 Op.36#
ミヒャエル・コルスティック(P)
ドミトリー・リス(指)
ヤナーチェクPOオストラヴァ

録音:2017年11月8-9日、2018年2月14日*、2005年8月28日#
OEHMSレーベルのベートーヴェンのソナタ全集が高く評価され「ドクター・ベートーヴェン」の異名を取るミヒャエル・コル スティック。もちろんレパートリーはベートーヴェンだけではなく、リスト、レーガー、ドビュッシーやケクランなどのフランス作 品、ヒナステラ、カバレフスキーなどの近代作品も得意としています。今作は、ピアニストの王道レパートリーとも言えるラ フマニノフ:ピアノ協奏曲第3番。コルスティックにとっては初めての録音ですが、彼は超絶技巧を駆使しながら共感溢 れる素晴らしい演奏を聴かせます。アルバムには2018年2月に録音された「コレッリ変奏曲」と2005年8月の「ピアノ・ ソナタ 第2番」も収録されており、10年以上かけて熟成された彼の音楽性も確かめることができる1枚です。 (Ki)
OC-1894
NX-B01
カメルローアー:ガリコーン(マンドーラ)のための曲集

ガリコーン・ソロ(パルティータ I)
2台のガリコーンのためのデュオ
ガリコーンのための独奏曲(パルティータII)
2台のガリコーンとチェロのためのトリオ C/A
ガリコーンのための独奏曲(パルティータIII)
ガリコーンのための独奏曲(パルティータIV)
.パルティータ EX F
クリストフ・エクルフーバー
8弦ガリコーン d(2015年 H.ハーゼンフス製
…原型ヴァイゲルト/2016年 J.クライゼル最終調整)
10弦マンドーラ e(1996年 M.シファード製…原型フライ)
6弦コラコーン a(2014年 M.サレルノ製…原型ショルン)

ハンス・ブリューデル
8弦ガリコーン d(2008年 G.シェーネ製…原型ヴェネーレ)

テオーナ・グッバ=チヘイゼ(バロック・ヴァイオリン…1800年頃 作者不詳 deutscher Sprachraum)
アンゲリカ・フィヒター(バロック・ヴァイオリン…18世紀 作者不詳 nach Klotz)
ザビーナ・レールマン(バロック・チェロ…1780年頃 作者不詳 Frankreich)

a'=440Hz mitteltonige Temperatur=中音全律(1/6)

録音:2017年3月13日,4月3日、2017年11月11.12日
ミュンヘンから遠く離れたフライジング。18世紀の始めにこの街で活躍した宮廷音楽長カメルローアーの作品集。 1718年に宮廷書記官の息子として生まれたカメルローアーは、幼い頃から音楽的才能に恵まれ、1744年にフライ ジング大聖堂から聖職者として任命された際には、優れた音楽家、作曲家としても評価されていました。その後、宮 廷楽長に任命されてからは、ほぼ40年に渡り数多くの作品を書き街の音楽文化の発展に寄与したことで知られてい ます。現在はその偉業を記念し、フライジングの音楽学校には彼の名が冠されているほどに地元の人々に愛されてい ます。 カメルローアー生誕300年を記念して製作されたこのアルバムで中心となるのは、フライジングのカメルローアー音楽学 校に通っていたリュート奏者クリストフ・エクルフーバー。地元以外では知名度の低いカメルローアーの作品を編集、彼 の仲間たちと共に録音に臨みました。大部分の曲は世界初録音であり、また演奏される楽器についても研究が凝らさ れています。ここで用いられているガリコーンとは「マンドーラ」とも呼ばれるリュートの後継楽器のこと。ドイツではこの楽 器からリュートギターが生まれたとされています。知られざる作品を当時の音で聴く楽しみに溢れた1枚です。

OC-1900(5CD)
NX-D11
リスト:ピアノ作品集
【CD1】
巡礼の年 第2年 イタリア S161/R10b ? 第1番 婚礼
バラード第2番ロ短調 S171/R16
ノクターン「夢のなかに」 S207 R87
眠られぬ夜、問いと答え S203/R79
不運 S208/R80
詩的で宗教的な調べ 第3番孤独の中の神の祝福
メフィスト・ワルツ第1番
【CD2】
ピアノ・ソナタ ロ短調
巡礼の年 第2年 イタリア〜第4番 ペトラルカのソネット 第47番/第5番ペトラルカのソネット 第104番/第6番ペトラルカのソネット 第123番/第7番 ソナタ風幻想曲 「ダンテを読んで」
【CD3】
12の超絶技巧練習曲 S139/R2b
【CD4】
ピアノ協奏曲第1番&第2番
死の舞踏
アルフレッド・パール(P)

【CD1】
録音:1997年12月16-17日

【CD2】
録音:2000年3月28,29日
1998年7月29日,1999年7月12日
1991年4月3日

【CD3】
録音:1999年5月31日-6月2日,7月12日,11月2-4日

【CD4】
ヤコブ・クライツベルク(指)
BBC響
録音:2003年4月23-24日
1965年、チリのサンティアゴ出身のピアニスト、アルフレッド・パールが1997年から2003年に録音したリスト作品をまとめた4枚組BOX。9歳で初の リサイタルを行った彼は、チリ音楽院を経て、ドイツに留学。ギュンター・ルートヴィヒに師事し、ロンドンではマリア・クルチオに師事し研鑽を積み、数多 くのコンクールでの優勝経験を持っています。ベートーヴェンのソナタ全曲演奏が知られていますが、このリストも技巧を生かした見事な演奏です。12 の超絶技巧練習曲では派手な音作りですが、「ペトラルカのソネット」などの比較的内省的な作品では、歌心溢れる演奏を聴かせます。また、ヤコ ブ・クライツベルクが指揮したBBCSOとの協奏曲は、息のあったオーケストラとの掛け合いと、クライマックスに向けての高揚感が高く評価された 演奏。
OC-1901(2CD)
NX-C09
ガーシュウィン&ラヴェル:ピアノ協奏曲集
【CD1】
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
【CD2】
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
 パリのアメリカ人
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
パスカル・ロジェ(P)
ウィーンRSO
ベルトラント・ド・ビリー(指)

録音:2004年2月…ORF ウィーン(オーストリア)…CD1
2006年5月、2007年3月…Radiokulturhaus
ウィーン(オーストリア)…CD2
フランスのピアニズムを代表する演奏家として確固たる地位を確立しているパスカル・ロジェ。洗練されたタッチ から生まれる美しく繊細な響きや、生き生きとした表情は他の演奏家の追随を許しません。この2枚組は 2004年と2006年に相次いで録音されたラヴェルとガーシュウィンのピアノ協奏曲集を組み合わせたもの。 1928年に初めてアメリカを訪れたラヴェルが「ガーシュウィンの演奏を聴きたい」と希望し、その後、今度はパリ でガーシュウィンがラヴェルに弟子入りを希望するなど、接点の多かった2人の作曲家のピアノのための協奏的 作品を並べて演奏することで、2人の共通性を探りながら20世紀前半の音楽を描いていくという好企画を味 わえる2枚組。ベルトラン・ド・ビリーの、絶妙なサポートも聴きどころです。
OC-1902(5CD)
NX-C09
レハール:オペレッタ・エディション


【CD1】
喜歌劇「微笑みの国」ハイライト

【CD2】
喜歌劇「ジュディッタ」ハイライト

【CD3】
喜歌劇「メリー・ウィドウ」ハイライト

【CD4】
喜歌劇「ルクセンブルク伯爵」ハイライト

【CD5】
喜歌劇「ロシアの皇太子」ハイライト*
【CD1】
リヒテンフェルス伯爵…ハラルド・セラフィン(Br)
リーザ…エリザベート・フレッヒル(S)
グスタフ・フォン・ポッテンシュタイン伯爵…ディートマール・ケルシュバウム(T)
スー・チョン…チェ・サンホ(T)
ミー…三谷結子(S)
チャン…田辺とおる(Br)
宦官長…ギデオン・シンガー(台詞)
【CD2】
ジュディッタ…ナタリア・ウシャコヴァ(S)
オクターヴィオ…メールザード・モンタゼーリ(T)
ピエリーノ…マルクス・ハインリヒ(T)
アニータ…ユリア・バウアー(S)
【CD3】
ミルコ・ツェータ男爵…アルフレート・スラメーク(Bs)
ハンナ・グラヴァリ…マルガリータ・デ・アレリャーノ(S)
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵…マティアス・ハウスマン(Br)
ヴァランシエンヌ…ビルギット・シュタインベルガー(S)
カミーユ・ド・ロジョン…マルワン・シャミーヤ(T) 他
【CD4】
ルネ・ルクセンブルク伯爵…ミヒャエル・ズットナー(T)
バジル・バジロヴィッチ侯爵…アルフレート・スラメーク(Bs)
シュターザ・ココゾフ伯爵夫人…マリカ・リヒター(S)
アルマン・ブリサール…マルコ・カトール(T)
アンジェール・ディディエ…ルート・オールマン(S)
ジュリエット・ヴェルモン…アナ=マリア・ラビン(S) 他
【CD5】*
ロシアの皇太子アリョーシャ…ティベリウス・シム(T)
ソーニャ…アレクサンドラ・ラインプレヒト(S)
大公…ハラルド・セラフィン(Br)
イヴァン…マルコ・カトール(T)
マーシャ…ジークリンデ・フェルドホーファー(S)
バルドロ…チロ・デ・ルカ(T) 他

メルビッシュ祝祭O&cho
ルドルフ・ビーブル(指)
ヴォルフディーター・マウラー(指)*

録音:2002年3月2-4日 Kulturzentrum Eisenstadt(オーストリア)…CD1
2003年2月2-5日ORF ウィーン放送(オーストリア)…CD2
2005年2月12-14日 Kulturzentrum Eisenstadt(オーストリア)…CD3
2006年3月19-21日 Kulturzentrum Eisenstadt(オーストリア)…CD4
2010年6月26-27日 Seefestspiele Morbisch, Stage(オーストリア)…CD5
オーストリアのメルビッシュ・アム・ゼーで毎年夏に開催される「メルビッシュ湖上音楽祭」。その名の通り、ノイジードル湖上に設えられた舞台でウィーンの オペレッタをはじめ、オッフェンバック作品や、ドイツ語訳のブロードウェイ・ミュージカルなどが上演される"夏の風物詩"です。日本からも多くの見物客が 押しかけることで知られ、1957年に第1回音楽祭が開催され、以降ほぼ毎年熱い舞台が繰り広げられています(2020年はコロナ禍のための残念な がら中止)。1993年にバリトン歌手ハラルド・セラフィン(このセットでも出演あり)が総監督に就任し、指揮者、音楽監督をオペレッタの巨匠ルドルフ・ ビーブルが担うことで高水準の上演を維持していましたが、ビーブルは2008年に退任、セラフィンも2012年で勇退。その後は一時期、ドイツ人ソプラ ノ歌手ダグマール・シェレンベルガーが総監督を務め、2018年からは名歌手オットー・エーデルマンの息子ペーター・エーデルマンが総監督に就任。音 楽祭は国際的な知名度を獲得しています。 それぞれのアルバム、実は上演時のライヴではなく音楽祭のお土産用に毎年事前に製作されているもの。基本的に本番の出演者を揃え、作品の聴 きどころのみを1枚のアルバムに収めるという画期的なシステムで、音楽祭を楽しんだ聴衆はこれをお土産にし、舞台の感動を思い起こすことができると いうわけです。これまでの上演曲目からレハールの良いとこどりをしたこのBOXは、歴史ある音楽祭の雰囲気を存分に味わえる最強アイテムです。
OC-1903(2CD)
NX-C05
チャイコフスキー:管弦楽作品集
歌劇「スペードの女王」 Op. 68 - 序曲
イタリア奇想曲 Op. 45
劇付随音楽『雪娘』 Op. 12(3曲抜粋)
バレエ音楽『眠りの森の美女』 Op. 66(4曲抜粋)
ロココ風の主題による変奏曲 Op. 33
弦楽四重奏曲第1番ニ長調 Op. 11 - 第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」(Vcと弦楽オーケストラ編)
バレエ音楽『くるみ割り人形』 Op. 71(17曲抜粋)
レオナルド・エルシェンブロイヒ(Vc)
ケルン・ギュルツェニヒO
ドミートリー・キタエンコ(指)

録音:2011年3月、2010年11月、2011年12月、2009年8月、2012年3月、2015年10月5-9日
2020年に80歳を迎えたキタエンコを祝して、彼と30年以上にわたって協力関係を築いてきたケルン・ギュルツェニ ヒ管とのコンビによるチャイコフスキーの録音から、管弦楽作品をセレクトした2枚組。プロコフィエフやショスタコーヴィ チなどではオーケストラの機動力を存分に生かした、切れ味のよい演奏を聴かせることで知られるキタエンコ、この チャイコフスキーでは、作品の持つ旋律の美しさを際立たせるとともに、バレエ音楽では抒情的な場面と躍動的な 場面とのメリハリの効いた表現を聴かせています。 共演するチェリスト、エルチェンブロイヒは1986年ボリビア生まれの実力派。近年は指揮者としても頭角を現し、ボ リビアでオーケストラを共同設立し様々な曲の演奏で高い評価を受けています。
OC-1904(2CD)
NX-B03
ビーバー/フックス:作品集
【CD1】
ビーバー:トランペットと弦楽のためのバレットとソナタ集
1. 祭壇または宮廷用ソナタ集 - 二重奏曲第1番(C114)
2-13. 6声のバレット集(C57)
14. 祭壇または宮廷用ソナタ集 - 二重奏曲第6番(C119)
15-21. 食卓の音楽 - ソナタ第4番変ロ長調(C72)
22. 祭壇または宮廷用ソナタ集 - 二重奏曲第2番(C115)
23. 技巧的で楽しい合奏
- パルティータ第4番変ホ長調(C65)
24. 祭壇または宮廷用ソナタ集 - 二重奏曲第4番(C117)
25. 祭壇または宮廷用ソナタ集
- ソナタ第10番ト短調(C123)
26. 祭壇または宮廷用ソナタ集 - 二重奏曲第10番
27. 技巧的で楽しい合奏 - パルティータ第6番 ニ長調(C67)
28. 祭壇または宮廷用ソナタ集 - 二重奏曲第3番(C116)
29. 祭壇または宮廷用ソナタ集
- ソナタ第7番ハ長調(C120)
30. 祭壇または宮廷用ソナタ集 - 二重奏曲第5番(C118)
【CD2】
フックス(1660-1741):
1-7. 器楽のための協奏曲 - 第6番4声のための序曲 ニ短調(K357)
8-12. パルティータ第11番(K329)
13-16. パルティータ・トリオ ホ長調(E64)
17-20. パルティータ第2番ト短調(K320)
21-24. パルティータ 「トルコ風」
(シンフォニア) ハ長調(K331)
25-30. 器楽のための協奏曲 - 第3番4声のための序曲(K354)
クレメンチッチ・コンソート(古楽器使用)
【メンバー】
ヒロ・クロサキ(Vn)
イリア・カロル(Vn)…CD1
イシュトヴァン・ケルテス(Vn)…CD2
ウルスラ・コルチャック(Va)
クラウディオ・ロンコ(Vc)
アンドレアス・ラクナー(Tp)…CD1
ヘルベルト・ヴァルザー(Tp)…CD1
ヘルヴィッヒ・ノイゲバウアー(ヴィオローネ)…CD2
レネー・クレメンチッチ(指)

録音:2004年5月24-26日…CD1(旧品番OC515)
2004年5月26-28日…CD2(旧品番OC556)
レネー・クレメンチッチ(ルネ・クレマンシック)率いるクレメンチッチ(クレマンシック)・コンソートによる2004年録 音の名盤2枚をセットにした再発盤。どちらもクレメンチッチ独自の研究成果が盛り込まれており、とりわけフッ クスは、その作品研究が彼のライフワークでもあることから、ほとんど出版されていなかった器楽作品を演奏し たことで高く評価されています。クレメンチッチ・コンソートはバロック・ヴァイオリニスト、ヒロ・クロサキがコンサート マスターを務める古楽アンサンブル。録音時、すでに10年以上もこのアンサンブルで演奏していた彼は単な る技巧の披露にとどまらない、作品に深く切り込んだ見事な解釈を聞かせます。またビーバーで素晴らしいバ ロック・トランペットを聴かせるのは、ジャズ・トランペット奏者でもあるヘルベルト・ヴァルザー。即興的要素も加 えながら難しい楽器をやすやすと吹きこなしています。


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