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湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


協奏曲・新譜速報1


※発売済のアイテムも含めて、約3ヶ月間掲載しています。
※新しい情報ほど上の段に記載しています。
※表示価格は全て税込みです。





Treasures
TRE-311(1CDR)
ヘブラー〜ソ連ライヴを含む3つの協奏曲
ハイドン:ピアノ協奏曲第11番ニ長調Op.21 Hob.XVIII : 11
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K. 414
 ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K. 453*
イングリット・ヘブラー(P)
シモン・ゴールドベルク(指)オランダ室内O
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)ザルツブルク・モーツァルテウムO*

録音:1960年7月9&14-15日アムステルダム・コンセルトヘボウ、1965年モスクワ音楽院大ホール・ライヴ*(共にステレオ)
※音源:蘭PHILIPS 875-052FY、MELODIYA C90-13051-52*
◎収録時間:73:34
“30代のヘブラーが織りなす気品と生命力溢れる理想のモーツァルト像!”
■音源について
ミケランジェリ、アルゲリッチなど名演が多いハイドンのニ長調協奏曲はヘブラー唯一の録音。モーツァルトの「第12番」は計3回のセッション録音があり、これは2回目のもの。後の全集企画とは別の録音。アズキ/銀内溝/ザラザラ表面/full stereo盤。
「第17番」は、2種のセッション録音がありますが、これはヘブラーがソ連を訪問した際の貴重なライヴ。しかも良質ステレオ!日本でN響との共演時にも演奏した作品で、彼女にとってのいわば勝負曲だったのでしょう。なお、トラック6の5:42付近でに電波障害によるものと思われる人の声の混入があります。ご了承ください。

ハイドンは、もちろん珠を転がすようなタッチによる愉悦感が魅力的ではありますが、単に軽いタッチでパラパラと運指を続けているだけではなく、若き日のヘブラーの闊達さが鮮烈に迫る快演!第1楽章2:55からの程よい粘度を持つリズムはまさにその象徴。第2楽章でも、後年のたおやかさが際立つ演奏スタイルの片鱗が見えるものの、曖昧なタッチはどこにもなく前抜きな主張に満ちており、決して上品さだけを売りにしたピアニストではなかったことが明らか。終楽章0:44のリズムの弾力も古典的な様式の中で煌めいているので、アルゲリッチでは激しすぎると感じる方も納得されるること必定。
 ヘブラーといえばモーツァルト。この「12番」は、後年の全集録音におけるロヴィツキの指揮とのコンビネーションがちぐはぐでトーンがどこか暗かったのとは好対照、。指揮のゴールドベルク共々伸びやかな音楽作りに邁進します。第1楽章展開部では彼女特有の優しい語りの妙が如何なく発揮され、単に清潔なフレージングだけに執着していてはここまで聴き手の心に迫ることはないはずです。第2楽章の第2主題以降の一音ごとに託した切実な思いも、ロヴィツキ盤では聞けない魅力ですし。コーダの8:26からの息絶える直前のような間合いの絶妙さは奇跡的!今更ながら、協奏曲において共演指揮者との親和性が不可欠であると再認識させられます。
 その点、「第17番」のモーツァルトのスペシャリスト同士の共演は、両者ともPHILIPSに録音を遺しながら共演録音がなかったことも含め、モーツァルト・ファン垂涎と言えましょう。人間味溢れるニュアンスを大切に育みながら丁寧に紡ぎ出す手法は、ソリッドな感覚に傾きがちなソ連スタイルとは異なりますが、心ある多くの聴衆の心に魅了したことは終演後の熱い拍手からも窺えます。第1楽章第2主題の装飾音が込み入った楽想の処理の淀みのなさと細やかさには、並の共感以上の確信が漲っており、その素直な音楽の息づきにただただ酔いしれるばかり。4:48以降は生きる喜びを惜しげもなく謳歌。しかも独り善がり的なノリに興じないよう自身を律しながら常に作品を主役に立てるヘブラーのセンスは、もっと正当に評価されて然るべきではないでしょうか。そして、展開部の無限とも思える陰影の濃さ!モーツァルトの作品の中でも屈指の幻想性を誇る第2楽章は、その特質を余すことなく引き出しますが、パウムガルトナーの含蓄のある指揮なしにはこれほど音楽の本質が抉り出されることはなかったでしょう。終楽章では、速いテンポでも決して音楽が上滑りしない打鍵バランス感覚に脱帽。特にヘブラーの演奏に後年まで見られる、強拍のリズムの重心をわずかに下げるスタイルここでも功を奏し、音楽の造形に安定感と気品を与えていることにもご注目ください。【2024年9月・湧々堂】

299 MUSIC
NIKU-9064(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フィオリトゥーラ

(1)ヴィヴァルディ:「調和の霊感」作品 3(1711) より
ヴァイオリン協奏曲第9番ニ長調
ヴァイオリン協奏曲第6番イ短調
「ラ・ストラヴァガンツァ」作品4(1716) より
ヴァイオリン協奏曲第4番イ短調
(2)ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ニ短調 RV405(c.1720)
チェロ協奏曲 ト短調 RV417(c.1720)

(3)アルビノーニ:「6つのシンフォニアと 6つの五声の協奏曲」作品2(1700) より
5声のソナタ(シンフォニア)第1番ト長調op.2-1
5声のソナタ(シンフォニア)第2番 ハ長調op.2-3
古楽オーケストラ<ラ・ムジカ・コッラーナ La Musica Collana>

(1)丸山 韶(Vn・ソロ/T)、佐々木梨花(Vn T/U)、廣海史帆/勝森菜々(Vn U)、山本佳輝(Va)、島根朋史(Vc) 、諸岡典経(ヴィオローネ) 、石川友香理(チェンバロ/オルガン) 、西山まりえ(ハープ/チェンバロ/オルガン)

(2)島根朋史(Vc・ソロ)、丸山 韶(Vn 1)、廣海史帆(Vn2)、佐々木梨花(Va)、懸田貴嗣(Vc) 、諸岡典経(ヴィオローネ)、石川友香理(チェンバロ/オルガン)、西山まりえ(Hp)

(3)丸山 韶(Vn1)、廣海史帆(Vn 2) 、山本佳輝(アルト・ヴィオラ) 、佐々木梨花(テノール・ヴィオラ) 、島根朋史(Vc)、諸岡典経(ヴィオローネ)、石川友香理(Org)、西山まりえ(Hp)


録音:2022年9月21-22日、2023年5月22-24 日 岐阜・サラマンカホール
新世代バロック・ヴァイオリニスト丸山韶が率いる古楽オーケストラ「ラ・ムジカ・コッラーナ(LMC)」待望のアルバムは、得 意とするイタリアン・バロックの中でも多く演奏してきたヴィヴァルディとアルビノーニの楽曲より、これまでにまで培ってきた調 和と精彩が発揮される作品集。結成10周年を迎える今、彼らの音楽への情熱はさらに開花し続けていく。

LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-038(1CD)
(1)グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
(2)ワーグナー=リスト:イゾルデの愛の死
(3)ショパン:夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
(4)ドビュッシー:12の練習曲より第1集第6曲「8本の指のための」
(5)プロコフィエフ:10の小品 Op.12より第7曲「前奏曲」
(6)スクリャービン:8つの練習曲 Op.42より第3曲 嬰へ長調
(7)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16
ミハイル・ルディ(P)
(1)(7)マリス・ヤンソンス(指)、
サンクトペテルブルクPO

録音:1990年代
ウズベキスタン出身で、亡命後フランスで活躍するミハイル・ルディ(1953〜)の貴重な音源初CD化!ルディは15歳でモスクワ音楽院に入学し、ヤコフ・フリ エールに師事。その後渡仏。1975年に開催されたロン=ティボー国際コンクールに優勝。この年はアブデル・ラーマン・エル=バシャや海老彰子などが参加した 非常にレヴェルの高い回でした。その後ソリストとして世界的に活躍しています。
長いキャリアに対して録音は少なく、当初CD化は大歓迎。今回のメインはサンクトペテルブルクPOの定期で演奏したグリーグとプロコ フィエフ(第2番)のピアノ協奏曲、指揮はマリス・ヤンソンスです。音源はオーケストラのアーカイブではなくルディが依頼し記録用に収録したものです。卓越した 技巧と情感溢れるルディの演奏はライヴでこそ花開き、このライヴ録音でもその凄みが伝わってきます。 (Ki)

NIFC
NIFCCD-157(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番(ギター版)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21(ギター版)
モーツァルト:交響曲第5番変ロ長調 K.22
カロル・クルピンスキ/ゼバスティアン・ゴットシック(b1959):クラリネット協奏曲変ロ長調
マテウシュ・コヴァルスキ(G)、ロレンツォ・コッポラ(ピリオド・クラリネット、指揮)、マルティナ・パストゥシュカ(指)、{oh!} オルキェストラ・ヒストリチナ

録音:2023年-2024年、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
ポーランド国立ショパン研究所の自主レーベルNIFC。本アルバムでは、ギター版にアレンジしたショパンのピアノ協奏曲第2番に、ポーランドのオペラ、ポーランドの代表的な舞曲である「ポロネーズ」や「マズルカ」など、民族舞踊の発展に貢献したポーランド古典派を代表する作曲家の1人、カロル・クルピンスキ(クルピニスキ)のクラリネット協奏曲を組み合わた好企画。
各協奏曲のソリストを務めるのは、ショパン音楽大学を首席で卒業し、23歳でウィーン楽友協会と上海大劇院でデビュー、2019年にEuroStrings国際ギター・コンクール(欧州各地のコンクール覇者による大会)で優勝したポーランドの若きヴィルトゥオーゾ・ギタリスト、マテウシュ・コヴァルスキと、ハーグ王立音楽院でエリック・ホープリッチに学び、フライブルク・バロック・オーケストラ、レ・ザール・フロリサン、ラ・プティット・バンドなど、現代古楽シーンを代表するオーケストラとも度々共演を重ね、2004年からはバルセロナのカタルーニャ音楽院(ESMUC)で自身もヒストリカル・クラリネットを教えているイタリアの名手、ロレンツォ・コッポラです。
クラシック・ギター・ファン、クラリネット愛好家はもとより、ショパン愛好家、ポーランド音楽愛好家にとっても注目のアルバムの登場です。

Nimbus Alliance
NI-6446(1CDR)
エルコック:交響曲第8番&ヴァイオリン協奏曲
スティーヴ・エルコック(b.1957):ヴァイオリン協奏曲(2006)*
交響曲第8番(1981/2021)
ゾーイ・ベイヤーズ(Vn)*、
ケネス・ウッズ(指)イギリスSO

録音:2021年7月28日(交響曲第8番)&2022年5月26日(Vn協奏曲)、ワイアストン・コンサート・ホール
イギリスSOの首席指揮者&芸術監督を務め、様々なレア作品・現代作品の録音に定評のあるケネス・ウッズが考案した「21世紀交響曲プロジェクト」(The 21st Century Symphony Project)から、イギリスの作曲家スティーヴ・エルコックの交響曲第8番が登場。このプロジェクトは9人の作曲家による9つの新しい交響曲を委嘱・初演・録音することを目標にスタートし、これまでデイヴィッド・マシューズ(NI6382)、フィリップ・ソーヤーズ(NI6353)、エイドリアン・ウィリアムズ(NI6432)、マシュー・テイラー(NI6406)などがリリースされてきました。
スティーヴ・エルコックはほとんど無名の作曲家でしたが、2017年にリリースされた交響曲第3番がBBCラジオ3で「CD of the Week」に選ばれて話題となり、現在は多くの音楽愛好家、指揮者、評論家から注目を集める存在となっています。
ヴァイオリン協奏曲でソロを担うゾーイ・ベイヤーズは、南アフリカ出身でイギリスを拠点に多才に活動するヴァイオリニスト。2017年からイギリスSOのコンサート・マスターとしてケネス・ウッズと緊密に連携している他、2020年にはBBCフィルハーモニックのコンサート・マスターにも就任し、その他ハレ管、フィルハーモニア管、ロイヤル・リヴァプール・フィル、BBC響、BBCスコティッシュ響、バーミンガム市響など、英国の主要オーケストラにゲスト・コンサート・マスターとして定期的に参加している名手です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Lyrita
SRCD-2421(2CDR)
ジョージ・ロイド:ピアノ協奏曲全集

(1)プゴート(P協奏曲第1番)
(2)ピアノ協奏曲第3番
(3)ピアノ協奏曲第2番
(4)ピアノ協奏曲第4番
(1)マーティン・ロスコー(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(2)キャスリン・ストット(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(3)マーティン・ロスコー(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(4)キャスリン・ストット(P)、LSO、ジョージ・ロイド(指)

録音:1984年〜1990年、BBCスタジオ7(イギリス)/ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)
イギリスの老舗レーベルLyritaが贈る、ブリテンと同年に生まれ、戦禍を乗り越えて20世紀のイギリスで活躍した作曲家ジョージ・ロイドの録音アーカイヴ集。このディスクにはロイドが作曲した全4曲のピアノ協奏曲が、マーティン・ロスコーとキャスリン・ストットというイギリス出身の名ピアニストの演奏で収録されています。すべて伴奏はロイド自身の指揮によるものです。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Lyrita
SRCD-2422(2CDR)
ジョージ・ロイド:ヴァイオリン&チェロ協奏曲集
(1)ヴァイオリンと管楽のための協奏曲
(2)ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲
(1)クリスティーナ・アンゲレスク(Vn)、フィルハーモニアO、デイヴィッド・パリー(指)
チェロ協奏曲
(2)アンソニー・ロス(Vc)、オールバニーSO、デイヴィッド・アラン・ミラー(指)

録音:1998年&2001年、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)/トロイ貯蓄銀行音楽ホール(アメリカ)録音:1998年&2001年、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)/トロイ貯蓄銀行音楽ホール(アメリカ)
イギリスの老舗レーベルLyritaが贈る、ブリテンと同年に生まれ、戦禍を乗り越えて20世紀のイギリスで活躍した作曲家ジョージ・ロイドの録音アーカイヴ集。このディスクには「独奏ヴァイオリンがオーケストラの厚いテクスチャーに圧倒されてはならない」という視点から1曲は管楽アンサンブルが、もう1曲は弦楽アンサンブルが伴奏を担う2つのヴァイオリン協奏曲と、最晩年に書かれた、どことなく物憂げで悲しい雰囲気の漂うチェロ協奏曲を収録しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Chandos
CHAN-20323(1CD)
NX-B09
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.10
1. 歌劇「アポロとヒュアキントゥス」序曲
2. 歌劇「バスティアンとバスティエンヌ」序曲
3-5. ピアノ協奏曲 第1番ヘ長調 K.37(1767)
 3. 第1楽章:Allegro
 4. 第2楽章:Andante -Cadenza -[Tempo I]
 5. 第3楽章:Rondo. [Allegro] -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…第2楽章:マレイ・ペライア/第3楽章:オリヴィエ・メシアン(?)
6-8. ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 K.39(1767)
 6. 第1楽章:Allegro spiritoso -Cadenza -[Tempo I]
 7. 第2楽章:Andante
 8. 第3楽章:Molto allegro -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…ウラディーミル・アシュケナージ
9-11. ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 K.40(1767)
 9. 第1楽章:Allegro maestoso -Cadenza -[Tempo I]
 10. 第2楽章:Andante
 11. 第3楽章:Presto
カデンツァ…モーツァルト
12-14. ピアノ協奏曲 第4番ト長調 K.41(1767)
 12. 第1楽章:Allegro -Cadenza -[Tempo I]
 13. 第2楽章:Andante
 14. 第3楽章:Molto allegro -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…ウラディーミル・アシュケナージ
ジャン=エフラム・バヴゼ(P:Yamaha CFX)…3-14
マンチェスター・カメラータ
キャロライン・ペザー(リーダー)
ガボール・タカーチ=ナジ(指)

録音:2023年10月7-9日
フランスの名ピアニスト、ジャン=エフラム・バヴゼとガボール・タカーチ=ナジによるモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ。第10集となる本作では、天才作曲家の 幼少期の作品を演奏しています。この4つの協奏曲は、父レオポルトが11歳のモーツァルトに、当時の人気作曲家ホーナウアーやラウパッハらの鍵盤のための ソナタを与え、それにオーケストラのパートを加えて協奏曲に編曲するように練習させたものです。この「パスティーシュ(作風の模倣)」の技法は、特に後期バロッ クおよび初期古典派の時代において広く用いられていました。モーツァルトは原曲には一切手を加えず、オーケストラのパートのみを書き上げることで作品を完 成させています。今回、バヴゼは各曲にふさわしいと考えるカデンツァを用意。彼が尊敬するアシュケナージのカデンツァやモーツァルト自身の作、さらに第2番の 第2楽章ではマレイ・ペライア作、そして第3楽章では、バヴゼが慕うイヴォンヌ・ロリオが演奏したメシアン作と推測されるカデンツァを演奏するなど、趣向が凝らさ れています。アルバムの冒頭にはモーツァルトの初期の歌劇から2曲の序曲が演奏されています。


Spectrum Sound
CDSMBA-164(1CD)
(UHQCD)
完全限定盤
ミルシテイン/ブラームスとチャイコフスキー
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(カデンツァ:ミルシテイン)
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ナタン・ミルシテイン(Vn)
(1)フランス国立放送O、ルイ・フレモー(指)
(2)フランス国立放送O、ジャン・マルティノン(指)
ライヴ録音:(1)1967年6月13日(ステレオ)、(2)1969年6月4日/シャンゼリゼ劇場(ステレオ)
82歳のラスト・リサイタルまで、常に世界の第一線で活躍したミルシテイン。驚くべきテクニックとこの上なく美しい音色で聴衆を魅了した、まさにヴァイオリン の美を象徴するヴィルトゥオーゾです。ここに収録された2つの協奏曲は60代前半から中頃にかけて、表現の面で最も充実した、自由に歌い上げる演奏を聴かせ てくれます。
ブラームスは常にミルシテイン自作のカデンツァで演奏していますが、演奏年代、時期によって少しずつ改作しており、ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストが一期 一会の演奏を聴かせてくれます。このカデンツァを聴いただけでもミルシテインの凄みが伝わってきます。ルイ・フレモーの好サポートのもと雄大な演奏を聴かせて くれます。
70年以上の舞台のキャリアで最も多く演奏した作品のひとつチャイコフスキー。数多くの録音が残っていますが、ミルシテインの芸はライヴでこそひと際輝く魅 力をもちます。今年(2024年)に生誕120年を迎えたミルシテイン。独特の語り口は今もなお色褪せることなく光り輝いており、INA保有音源からの復刻は大 歓迎と申せましょう。日本プレスUHQCD。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

BIS
BISSA-2635(1SACD)
モーツァルト:ホルン協奏曲集
(1)ホルン協奏曲第1番ニ長調
 【第1楽章:アレグロ K.412(1791)、第2楽章:アダージョK.211(1775)*、第3楽章:ロンド.アレグロ K.514(1791)#】
(2)ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417(1783)
(3)ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447(1787)
(4)ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495(1786)
(5)ホルン協奏曲第0番変ホ長調【第1楽章:[アレグロ]K.370b$、第2楽章:ロンドー.アレグロ K.371#】(1781)

*= アレック・フランク=ゲミル&スティーヴン・ロバーツ編曲
#=スティーヴン・ロバーツ補筆完成版
$ = スティーヴン・ロバーツ復元版
アレック・フランク=ゲミル(Hrn)
スウェーデン室内O、ニコラス・マギーガン(指)

録音:2023年5月22〜26日/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)
世界的ホルン奏者アレック・フランク=ゲミルがモーツァルトの協奏曲のアルバムをリリースします。フランク=ゲミルはスコットランド室 内Oの首席ホルン奏者を務めながらソリストとしても活躍。2023年にはベルリンのフィルハーモニーでドイツSOのソリストに招かれるなど、トッププ レイヤーとして活躍しています。高度な技術を要するホルンですが、フランク=ゲミルは完璧ともいえる技術を武器に実に雄弁に歌い上げ、聴き手を魅了していま す。録音にも積極的に取り組んでおり、BISレーベルから『ノーブルでメランコリーな楽器』(BIS SA-2228)、『W.A.モーツァルト以前の初期ホルン協奏曲集』 (BIS SA-2315)、『ブラームス:室内楽曲集』(BIS SA-2478)をリリースしています。
モーツァルトの友人でホルンの名手であったヨーゼフ・ロイトゲープ(1732-1811)のために作曲されたホルン協奏曲。1781年からモーツァルトが亡くなる までの約10年の間に作曲された4つの協奏曲は、ダ・ポンテの台本による3大名作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』や、 最後の交響曲、ピアノ協奏曲と同時代の産物です。モーツァルトはホルンという楽器の独特の音色を生かした、エレガントで洗練された作品を書きました。当録音に は草稿の形で残されたK.370b、K.371をホルン奏者スティーヴン・ロバーツによって補筆完成・復元されたホルン協奏曲“第0番”も収録しています。 (Ki)

Naive
V-844[NA](1CD)
ピアノとオーケストラのための作品集
(1)リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.16
(3)ツファスマン:ジャズ組曲
ズラータ・チョチエヴァ(P)
カール=ハインツ・シュテフェンス(指)
BBCスコティッシュSO

録音:2024年1月9-11日/グラスゴー市ホール
1985年モスクワ生まれのピアニスト、ズラータ・チョチエヴァはこれまで10枚ほどのディスクをリリースしていますが、協奏曲に初挑戦しました。いずれも高 度な技巧が要求されるロシア作品です。
チョチエヴァは12歳からプレトニョフに師事していましたが、14歳の時に師の指揮でリムスキー=コルサコフの協奏曲を弾き大成功を収めました(youtubeで 抜粋を観ることができます)。このアルバムでも、その思い出の自信作を披露。切れ味のよい指さばきで説得力あふれる演奏を聴かせてくれます。
カップリングはリムスキー=コルサコフと師弟関係にあるプロコフィエフの難曲第2番。さらにツファスマンのジャズ組曲が大歓迎。アレクサンドル・ツファスマン は(1906-1971)はブルーメンフェルト門下のピアニストでソ連ジャズの創始。ショスタコーヴィチも認めた才能の持ち主で、カプースチンを先取りしたような超 絶技巧系ジャズが新鮮です。
リムスキー=コルサコフ作品とプロコフィエフ作品がちょうど30年、プロコフィエフ作品とツファスマン作品が32年間隔で作られていること、ツファスマン作品 はプレトニョフが愛奏していることなど師弟・世代を意識した内容となっています。 (Ki)

MSR
MS-1844(1CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番*
フランク:交響詩「鬼神」#
ウェーバー:コンチェルト・シュトゥック ヘ短調Op.79+
ジョシュア・ピアース(P)
カーク・トレヴァー(指)ボフスラフ・マルティヌーPO*,#
ビストリーク・レジュハ(指)スロヴァキア国立PO*

録音:1999年5月28-29日チェコ・BMFホール*
1999年12月10-11日、チェコ・BMFホール#
2003年9月18日スロヴァキア・ドム・ウメニア(コシツェ)+
*,#=MS1148で既発売
ジョシュア・ピアースはニューヨーク出身。1960年代にジュリアード音楽院で学んだ後、ウォ ルター・ピストン、ヴィンセント・パーシケッティ、カルロス・チャベス、ヘンリー・カウエルのマス タークラスにも参加し、現代音楽についても研鑽を積んだ(実際彼の演奏によるジョン・ケー ジのプリペアード・ピアノのための作品集の独WergoのCDは定評がある)。このディスクでは ブラームスの協奏曲にフランクのピアノ独奏つき交響詩とウェーバーの小協奏曲という重厚 なプログラム。ピアースのピアノは強靭な打鍵と繊細なタッチが融合した見事なもの。ブラー ムスのピアノ独奏つき交響曲ともいうべき第2協奏曲を圧倒的なパッションで弾き切り聴きごた え充分。カーク・トレヴァー指揮によるマルティヌー・フィル、レジュハ指揮によるスロヴァキア 国立フィルも熱演。

Capriccio
C-5537(2CD)
バルトーク:ピアノ協奏曲(全3曲) ツィモン・バルト(P)
ベルリン・ドイツSO
クリストフ・エッシェンバッハ(指)

録音:2018年12月8日、2019年5月27-29日イエス・キリスト教会、ベルリン(ドイツ)、2019年6月2日 ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)
アメリカのピアニストであり作家でもあるツィモン・バルトは、1989年にエッシェンバッハと共演して以来、長年 にわたる友好関係を築いてきました。これまでにCAPROCCIOレーベルからは、チャイコフスキーのピアノ協奏 曲(C5065)やブラームスのピアノ協奏曲(C5210)を収録したアルバムをリリースしています。 ここでのバルトは、バルトークの演奏にありがちな「ピアノを打楽器的に扱うアプローチ」ではなく、しなやかな タッチが必要だと考え、ゆったりしたテンポを取って旋律を伸びやかに歌わせています。通常はCD1枚に収ま る3曲ですが、87分を超える演奏時間のため2枚組でのリリースとなりました。

Biddulph
BIDD-85052(1CD)
HMVへの協奏曲録音全集 - チャイコフスキー、バッハ、ヴィヴァルディ 他
1-3. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.12No.1RV317
4-6. バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
7-9. チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(アウアー校訂版)
10. ベートーヴェン:ロマンス第1番 ト長調
11. ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調
ミッシャ・エルマン(Vn)
新SO…1-3、室内O…4-6
LSO…7-11
ローレンス・コリングウッド(指)…1-3、10-11
ジョン・バルビローリ(指)…4-9

録音:1-3.931年9月29日 初出:DB1595/96 (matrices2B1490/93)
4-6.1932年12月2日 初出:DB1871/73(matrices 2B4088/92)
7-9.1929年12月19、20日 初出:DB1405/08 (matrices BR2471/78)
10.1932年11月30日 初出:DB1846(matrices 2B4341/42)
11.1932年11月30日 初出:DB1847(matrices 2B4343/44)
SP時代から録音の多いエルマンですが、SPでの協奏曲の全曲録音は意外にも少なく、第2次大戦前のものとなるとここに復刻されたHMV(His Master's Voice)のものがすべて。バッハとヴィヴァルディの両端楽章は当世の古楽スタイル(HIP)とは趣を異にする、拍をしっかりと刻んで歩を進めてゆく堂々たる演 奏。緩徐楽章では古典的な品格を保った中にエルマンらしいカンタービレが聞かれます。チャイコフスキーの協奏曲はエルマンの師アウアーが初演を頼まれた ものの「演奏不可能」として一旦は退けた作品。初演こそ他人に譲ったものの、後にアウアーはこの作品の価値を認め、自ら楽譜を校訂して演奏し、弟子た ちにも教えました。アウアーの弟子による同曲の録音はこのエルマン盤が最初。楽譜はアウアー版を使っています。約35分のゆったりめのテンポを採り、随所 にロマンティックで個性的な歌い回しが聞かれる点は、こんにちのスタイルとは一線を画しています。ベートーヴェンの2曲も甘美でロマンティックな演奏。

Forgotten Records
fr-1936(2CDR)
ステンパルトのヘンデル1
12の合奏協奏曲 Op.6〔第1番-第8番〕
カール・リステンパルト(指)
ザール室内O

録音:1953年-1955年
※音源:Les Discophiles Français DF 89, DF 112, DF 157
Forgotten Records
fr-1938(1CDR)
リステンパルトのヘンデル2
12の合奏協奏曲 Op.6,〔第9番-第12番〕
カール・リステンパルト(指)
ザール室内O

録音:1953年-1955年
※音源:Les Discophiles Français DF 89, DF 112, DF 157
Forgotten Records
fr-1946(1CDR)
ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲*
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番*
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」〜パゴダの女王レドロネット#
エネスコ:組曲第2番ニ長調〜#〔トッカータ Op.10-1/パヴァーヌ Op.10 -3/ブーレ Op.10-4〕
ミンドール・カッツ(P)
エイドリアン・ボールト(指) LPO*

録音:1958年(ステレオ)* 、1960年(モノラル)#
※音源: Pye GSGC 14013他

ALBANY
TROY-1979(1CD)
クリストファー・ラウズ(b.1949):協奏曲集
(1)ヘイムダールのトランペット
(2)オーボエ協奏曲
(3)バスーン協奏曲
デヴィッド・アラン・ミラー(指)
アルバニーSO
(1)エリック・バーリン(Tp)
(2)キャサリン・ニードルマン(Ob)
(3)ピーター・コルケイ(Fg)

録音:(1)(3)2021年12月12日、(2)2016年10月24日、トロイ貯蓄銀行ミュージックホール
クリストファー・ラウズは1949年ボルティモア生まれ。ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞して います。様々なジャンルの音楽を身に付けたラウズは、ニューヨークタイムズ誌で『周囲の記憶に最 も残る音楽を書く人物』と紹介された。1986〜89 年までボルティモアSOのコンポーザー・イ ン・レジデンスを、2012〜15年までニューヨーク・フィルのマリー=ジョゼ・クラヴィス記念コンポー ザー・イン・レジデンスを務めた。現在はジュリアード音楽院で教鞭を取っています。 「ヘイムダール」は北欧神話に登場する光の神。角笛ギャラルホルンの持ち主で、この角笛が 鳴らされた時にラグナロック(神々の滅亡)が起こる。タイトルはこれに由来しておりダイナミック な曲想。オーボエ協奏曲は2004年にミネソタOからの委嘱で作曲された。バスーン協 奏曲は伝統的な(急―緩―急)3つの楽章で構成され、オーケストラパートは控えめでシンプル になっています。2曲の木管楽器の協奏曲はソロを生かした楽しめるものになっています。

Albion Records
ALBCD-061(1CD)
グリンケ・レガシー〜ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン作品集
ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
 揚げひばり
 2つの讃美歌による前奏曲 より 第1番夕暮れ
アーサー・ベンジャミン:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ
ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン・ソナタ イ短調
フレデリック・グリンケ(Vn)、
ボイド・ニール(指)、
ボイド・ニールO、
アーサー・ベンジャミン(指)、
マイケル・マリナー(P)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの知られざる作品、埋もれていた作品、未発表作品などを取り上げてきた、ヴォーン・ウィリアムズ協会の自主レーベル「アルビオン・レコーズ(Albion Records)」。
ボイド・ニールOの首席ヴァイオリニストとして10年間活躍し、多くのレコーディングに参加したカナダの名ヴァイオリニスト、フレデリック・グリンケは、ブリテン、アイアランド、ブリッジ、ラッブラ、バークリー(、ヴォーン・ウィリアムズといったイギリスの作曲家による重要な作品の初演に携わってきました。本アルバムでは、グリンケのヴォーン・ウィリアムズ録音を一堂に集めたもので、1939年の「ヴァイオリン協奏曲」、1940年の「揚げひばり」、そしてグリンケがコンサートマスターを務めた2つの讃美歌による前奏曲より「夕暮れ」が収録されています。また、これら3曲はすべて、Ronald Gramesによる優れた新修復版となります。 「揚げひばり」以外はリリース時に初めて録音されたもので、協奏曲だけがデジタル形式で市販されています。
ヴォーン・ウィリアムズは、これらの録音の中でも特に「揚げひばり」に感銘を受け、1954年のヴァイオリン・ソナタ イ短調をグリンケのヴィルトゥオージックな技巧に合わせて作曲し彼に捧げました。グリンケが初演前にヴォーン・ウィリアムズの監督下で準備したこの作品の録音もここに収録されています。また、この作品のために作曲家と緊密に協力したピアニスト、マイケル・マリナーによる唯一の録音も収録されていることもポイントのひとつと言えるでしょう。加えてプログラムには、アーサー・ベンジャミン自身がピアノを演奏したヴァイオリンとピアノのためのソナチネの録音も含まれており、LP盤に収録されているヴォーン・ウィリアムズのソナタと同様、この権威ある録音はデジタル盤では初めての登場となります。

Avie
AV-2489(1CD)
バッハ:ハープシコード協奏曲集
ハープシコード協奏曲 ニ短調 BWV1052
ハープシコード協奏曲 ヘ短調 BWV1056
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050
ジャネット・ソレル(ハープシコード、指揮)、
アポロズ・ファイア

録音:1999年10月(BWV1050)、2002年10月(BWV1052)、2024年5月(BWV1056)、St. Paul’s Episcopal Church(クリーヴランド)
アムステルダムでグスタフ・レオンハルト、アメリカでロジャー・ノリントン、レナード・バーンスタインに師事した才女ジャネット・ソレルが創設したアメリカ、クリーヴランドのピリオド・オーケストラ、アポロズ・ファイア。ヨーロッパでのコンサート・ツアーを企画すればチケットが完売し、CDをリリースすればビルボード・チャートを騒がせ、グラミー賞を受賞するなど話題にことかかないアメリカ古楽界注目オーケストラの名録音がAvieから復刻!
ジャネット・ソレルが聴いて初めてハープシコードに魅了されたというバッハの3つの傑作、ニ短調 BWV1052とヘ短調 BWV1056のハープシコード協奏曲と、ハープシコード、フルート、ヴァイオリンが独奏を担うブランデンブルク協奏曲第5番。ソレルとアポロズ・ファイアは1999年から2004年の間にこれらの作品を録音し、2010年にリリースされたアルバムは、ビルボードのトラディショナル・クラシック・アルバム・チャートのトップ10に初登場しました。録音から25周年を記念して、アニヴァーサリー・エディションとしてこの名録音が新装再発売されました。
「輝かしき断固とした演奏」(アメリカン・レコード・ガイド)、「威風堂々としている」(サンデー・タイムズ - ロンドン)、「まさに壮観」(オーディオファイル・オーディション)などと批評家から絶賛されたソレルの素晴しきソロ・カデンツァをお楽しみください。

Channel Classics
CCS-46724(1CD)
NX-C04
シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO1
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 Op.26
ニーク・バール(Vn)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO
クリストフ・ポッペン(指)

録音:2023年5月30日-6月2日ザールラント放送ハルベルク放送局大スタジオ、ザールブリュッケン
オランダのヴァイオリニスト、ニーク・バールのCHANNEL CLASSICS3枚目のアルバム。デン・ハーグの王立音楽院でフィリップ・グラファン、 ペーター・ブラントらに学んだ後、ベルリンにてシュテファン・ピカールやクリストフ・ポッペンの元でさらなる研鑽を積んだ彼は、オランダ国内はもと より各国のコンクールで入賞を重ねています。今回は師ポッペンの指揮のもと、ドイツのヴァイオリン協奏曲2曲を録音。晩年のシューマンがヨ アヒムのために書いたものの、演奏されず封印され80年以上も陽の目を見なかった作品と、こちらもヨアヒムの助言により改訂された、あらゆ るヴァイオリン協奏曲の中でもトップクラスの人気を誇るブルッフの傑作をカップリングしています。バールはどちらの作品にも深く寄り添い、それ ぞれの美しさを伸び伸びと存分に引き出しました。

Orchid Classics
ORC-100335(1CD)
NX-B06
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.26
ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83*
スチュワート・グッドイヤー(P)
BBC響
アンドルー・リットン(指)

録音:2024年1月3-5日Maida Vale Studios、ロンドン(UK)、2024年1月7日Wyastone Concert Hall, Wyastone Leys(UK)*
2024年のBBCプロムス・デビューを目前に控えたカナダ人ピアニスト、スチュワート・グッドイヤーの最新アルバ ムは、アンドルー・リットン指揮のBBC響とのプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番&第3番、そしてピア ノ・ソナタ第7番という意欲的な選曲です。コロナ禍のパンデミックの頃から企画を温めてきたというこのアルバ ムで、彼はプロコフィエフの音楽に内在する若々しいダイナミズムと活力を引き出しています。

CASCAVELLE
VEL-1701(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第0番変ホ長調 WoO.4【ヴィリー・ヘス 復元版(1943)】
交響曲第10番変ホ長調 【バリー・クーパー版】
カメラータ・ド・レマン
フィリップ・ボアロン(P)
ジュネーヴで活躍するアンサンブルとピアニストによるベートーヴェンの少年期の協奏曲と 未完に終わった交響曲のアルバム。 ピアノ協奏曲はベートーヴェンが13 歳で作曲。残されたピアノ・パートをもとに、スイスのヴィリ ー・ヘスによる補筆完成されたスコア 爽やかな少年期の感性が迸る作品で、演奏 も作品に寄り添ったものです。 交響曲は元々第九と対をなす構想であったが2曲を統一してより高い完成度を目指すものに 方向転換されたので、未完のままスケッチだけが残された。このスケッチを元に、バリー・クー パーが1楽章のみを1988年に復元したものを2012 年に改訂したスコアで演奏した録音。 少年期と後期の2曲のカップリングは、資料的価値が高いだけでなく演奏内容も含めて楽しめ るものになっています。

Hanssler
HC-24035(1CD)
20世紀ハンガリーの作品3篇
(1)ドラティ:ピアノ協奏曲(1974)
(2)シェイベル:組曲「招待状」(1960)
(3)シェイベル:組曲「ルネサンス舞曲」(1959)
(1)オリヴァー・トリンドル(P)
シュターツカペレ・ワイマール、
ドモンコシュ・ヘーヤ(指)

録音:2024年4月10〜13日/オーケストラ練習ホール、ワイマール
ハンガリーが生んだ大指揮者アンタル・ドラティ(1906〜1988)。作曲家としても活躍し交響曲をはじめ多くの作品をのこしました。当アルバムにはドラティ の妻イルゼ・フォン・アルペンハイムに献呈されたピアノ協奏曲を収録。演奏は知られざる室内楽・協奏曲作品の録音に積極的なピアニスト、オリヴァー・トリンド ルです。
カップリングはマーチャーシュ・シェイベル(1905〜1960)の管弦楽作品2篇。シェイベルはナチスの迫害を避けるため1935年に渡英。その後モーリー大学 で後進の育成に力を注ぎながら作曲を続けてきました。1960年、講演のために南アフリカを旅行中に自動車事故で亡くなってしまった悲劇の作曲家。当アルバム にはシェイベル最晩年の作品、組曲「招待状」と組曲「ルネサンス舞曲」を収録しております。 (Ki)

Hanssler
HC-24036(2CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
CD1
(1)ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271「ジュノーム」
(2)ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415【ピアノと弦楽四重奏版】
CD2
(3)ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246「リュッツォウ」
(4)ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414【ピアノと弦楽四重奏版】
ダナ・チョカルリエ(P)
(1)(3)オープン・チェンバー・オーケストラ、ヤイール・ベナイム(指)
(2)(4)ヤイール・ベナイム(Vn1)、ビン・ファム(Vn2)、テオドール・コマン(Va)、ディアナ・リゲティ(Vc)

ライヴ録音:2022年9月29日&2023年3月13日/ベハーグ宮殿内ビザンティン・ホール(フランス)
リパッティ、クララ・ハスキルらの流れをくむルーマニア・ピアノ楽派のダナ・チョカルリエがモーツァルトのピアノ協奏曲をライヴ収録しました!チョカルリエは ルーマニアに生まれ、フランスでジョルジュ・プルーデルマッハー、ドミニク・メルレに師事。1996年のシューマン国際コンクールで第2位を受賞するな ど、輝かしいコンクール受賞歴を誇ります。
当アルバムにはモーツァルトのピアノ協奏曲4篇を収録。第8番「リュッツォウ」と第9番「ジュノーム」ではヤイール・ベナイム率いるオープン・チェンバー・オー ケストラとクリスタルの如く輝かしい音色で奏でます。第12・13番はピアノと弦楽四重奏版で演奏。チョカルリエは編成を考慮しアンサンブルを重視した室内楽 的演奏を披露。編成の違いも楽しめるチョカルリエのモーツァルト、要注目です。 (Ki)

Hanssler
HC-23082(2CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
ミヒャエル・コルスティック(P)
ベルリン・ドイツSO、
コンスタンティン・トリンクス(指)

録音:2023年9月13〜18日/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
ベートーヴェンの協奏曲・ソナタ全曲録音でも知られるドイツの名手ミヒャエル・コルスティックが遂にブラームスの協奏曲を録音しました!
1955年ケルンに生まれたコルスティック。9歳でピアノをはじめわずか2年後の11歳の時には地元ケルンで開かれたコンクールで優勝した神童。ハンス・ラ イグラフ、タチアナ・ニコラーエワら著名なピアニストに師事し、1983年よりドイツを拠点に本格的な演奏活動を開始。以後世界の第一線で活躍しています。演奏 活動40周年となった2023年、68歳のコルスティック満を持してのブラームス録音です。
丁寧な音楽づくりでも定評があるコルスティック。ブラームスの堂々たる重音では力強く、詩情溢れるフレーズでは光り輝く音色で奏でるなど、その演奏は流石 のひとことにつきます。多彩な音色とコルスティックの深い解釈で聴く充実の演奏をお楽しみください。

Hanssler
HC-24028(6CD)
ヘンデル、モーツァルト、バッハ、C.P.E.バッハ
■CD1
ヘンデル:6つの合奏協奏曲Op.3
(1)合奏協奏曲第1番変ロ長調Op.3-1HWV312
(2)合奏協奏曲第2番変ロ長調Op.3-2HWV313
(3)合奏協奏曲第3番ト長調Op.3-3HWV314
(4)合奏協奏曲第4番(b)ヘ長調Op.3-4HWV315
(5)合奏協奏曲第5番ニ短調Op.3-5HWV316
(6)合奏協奏曲第6番ニ長調Op.3-6HWV317
■CD2
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
(3)ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV1052
(4)オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060(2つのヴァイオリンのための協奏曲編)
■CD3
モーツァルト
(1)セレナード第6番「セレナータ・ノットゥルナ」
(2)自動オルガンのためのアダージョとアレグロヘ短調K.594
(3)アダージョとフーガハ短調K.546
(4)セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
■CD4
バッハ:ホルン協奏曲
(1)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ホ長調BWV1053
(2)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ短調BWV1059R(BWV974、BWV35からの再構築版)
(3)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ロ長調BWV1055R
■CD5
「バッハ・ファミリーの交響曲集」
(1)ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ニ長調BR-WFBCInc.1【世界初録音】
(2) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲変ホ長調Wq/Hdeest【世界初録音】
(3) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ハ長調Wq/Hdeest【世界初録音】
(4) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ホ短調Wq177(1759)
(5)ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ニ短調
(6)ヨハン・エルンスト・バッハ:弦楽、2つのファゴットと通奏低音のための交響曲変ロ長調BR-JEBC1【世界初録音】
(7)ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ:2つのヴァイオリン、2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調
(8)バッハ:ヴァイオリン、2つのオーボエ、3つのトランペット、弦楽、ティンパニと通奏低音のためのシンフォニアBWV1045
■CD6
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲集
(1)協奏曲イ短調Wq.1【第1&2楽章のカデンツァ:ミヒャエル・リシェ】
(2)協奏曲ニ長調Wq.45【第1楽章のカデンツァ:C.P.E.バッハ】
(3)協奏曲ホ短調Wq.15
ベルリン・バロック・ゾリステン

■CD1
マルティン・フンダ、アルバロ・パラ、ドリアン・ジョジ、マリー・ラーダウアー=プランク(Vn1)、町田琴和、ライマー・オルロフスキー、クリストフ・シュトロイリ、ラヘル・シュミット(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、クレメンス・ヴァイゲル(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(Cb)、ラファエル・アルパーマン((1)-(5)チェンバロ、(6)オルガン)
(1)マリア・ホセ・ガルシア・サモラ(Fg)
(2)-(6)ギヨーム・サンタナ(Fg)
(3)マチュー・デュフォー(Fl)
クリストフ・ハルトマン、ヴィオラ・オルロフスキー(Ob)
(1)ザスキア・フィッケンッシャー(バロックフルート)
(1)ケルスティン・ファール(バロックフルート)
ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD2
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn)
(4)セルゲ・ツィンマーマン(Vn)
町田琴和、リューディガー・リーバーマン、アレッサンドロ・カッポーネ(Vn1)、ライマー・オルロフスキー、エーファ=マリア・トマジ、ラヘル・シュミット(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、クリストフ・シュトロイリ(Va)、ブリュノ・ドルプレール(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(Cb)、ラファエル・アルパーマン(Cemb)、ダニエル・ゲーデ(Vn、指揮)
■CD3
ロベルト・ゴンザレス=モンハス(コンサートマスター)、町田琴和、ゾルタン・アルマージ、ハンデ・コデン(Vn1)、ドリアン・ジョジ、アンナ・ルイーザ・メーリン、ライマー・オルロフスキー、コルネリア・ガルテマン(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、ジョアン・バシュ(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)
(1)ライナー・ゼーガーズ(ティンパニ)
ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD4
ラデク・バボラーク(Hrn)
マルティン・フンダ、ドリアン・ジョジ、ハンデ・コデン、ヘレーナ・オッテンリップス(Vn1)
ライマー・オルロフスキー、アンナ・ルイーザ・メーリン、クリストフ・シュトロイリ(Vn2)
ヴァルター・キュスナー、マシュー・ハンター(Va)
クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、ジョアン・バシュ(Vc)
ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)
ラファエル・アルパーマン(Cemb)
■CD5
クシシュトフ・ポロネク(コンサートマスター、(7)(8)独奏ヴァイオリン)
(7)町田琴和(第2独奏ヴァイオリン)、ドリアン・ジョジ、ヘレーナ・オッテンリップス、クリストフ・シュトロイリ、ライマー・オルロフスキー、アンナ・ルイーザ・メーリン、マリー・ラーダウアー=プランク(Vn)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、ジョアン・バシュ、ファビアン・ボレック(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)、ラファエル・アルパーマン(Cemb)
(7)(8)クリストフ・ハルトマン、アンドレーアス・ヴィットマン(Ob)
(6)マルクス・ヴァイトマン、ルイーザ・スローザル(Fg)
(8)ラインハルト・フリードリヒ、アンドレ・ショッホ、フェリックスビルデ(Tp)
(8)ライナー・ゼーガーズ(ティンパニ)、ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD6
ミヒャエル・リシェ(P&指揮)、ダニエル・ゲーデ(コンサートマスター)、町田琴和、アレッサンドロ・カッポーネ、ヘレナ・マドカ・ベルク(Vn1)、ライマー・オルロフスキー、アンナ・メーリン、アンナ・マッツ(Vn2)
(1)(2)ヴァルター・キュスナー、(3)ウルリヒ・クネルツァー、クリストフ・シュトロイリ(Va)
(1)(2)シュテファン・フォルク、(3)ジョアン・バックス(Vc)
(3)クラウス・ヴァーレンドルフ、(3)アンドレイ・ジュースト(Hrn)

録音:(CD1)2019年1月8〜11日、(CD2)2017年4月、(CD6(1)(2))2017年6月20&21日、
(CD6(3))2017年7月11&12日/イエス・キリスト教会(ベルリン)
(CD3)2021年1月25〜28日、(CD5)2021年4月11〜15日/ベルリン・フィルハーモニー、カンマームジークザール(ベルリン)
(CD4)2020年10月17〜19日/ブラックバード音楽スタジオ、シャルロッテンブルク(ベルリン)
世界最高峰のメンバーが揃ったベルリン・バロック・ゾリステン。当セットは独ヘンスラー・レーベルからリリースされた「ヘンデル:6つの合奏協奏曲 Op.3」、 「バッハ:ヴァイオリン協奏曲」(独奏:フランク・ペーター・ツィンマーマン)、「モーツァルト:セレナード」、「バッハ:“ホルン”協奏曲」(独奏:ラデク・ バボラーク)、「バッハ・ファミリーの交響曲集」、「C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲」(独奏:ミヒャエル・リシェ)の6枚組です!
ヘンデルの6つの合奏協奏曲 Op.3は、小規模ながら管楽器を効果的に取り入れた編成をとり、ヘンデルらしい豊かな旋律に加えて合奏協奏曲ならではの華や かな響きが魅力です。
フランク・ペーター・ツィンマーマン独奏のバッハの協奏曲録音では、息子セルゲとの共演も話題に。有名な2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043ではなく、オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060を2つのヴァイオリン版で演奏したことでも注目されました。
モーツァルトのセレナードではラインハルト・ゲーベルが指揮を務めました。ゲーベルといえばムジカ・アンティクヮ・ケルン(MAK)と1986年から1987年 にかけて録音したブランデンブルク協奏曲の録音。ピリオド楽器演奏における新たな解釈でのアプローチで衝撃を与え、以後革新的な演奏で聴衆を魅了してきまし た。ゲーベルが描くモーツァルトは実に明快です。
ラデク・バボラークを迎えての協奏曲録音はコロナ禍2020年10月に行われました。ホルン協奏曲といってもバッハはホルンのための協奏曲は作曲しておら ず、バボラークがホルンに合わせて移調し編み直した再構築版で演奏しています。ブランデンブルク協奏曲第1番、ミサ曲 ロ短調、カンタータなど、ナチュラルホル ンに素晴らしい旋律を書いているバッハ。バボラークはこれまで無伴奏チェロ組曲やヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタなど数多くの作品に触れてきましたが、バッハ の音楽の一つの結論としてこの“ホルン”協奏曲の録音を実現させました。
大バッハの息子たちヴィルヘルム・フリーデマン(1710〜1784)、カール・フィリップ・エマヌエル(1714〜1788)、ヨハン・クリストフ・フリードリヒ(1732 〜1795)、大バッハの甥ヨハン・エルンスト(1722〜1777)、大バッハの再従兄ヨハン・ルートヴィヒ(1677〜1731)、そして大バッハ自身の作品を収録し た「バッハ・ファミリーの交響曲集」。このうち4曲が世界初録音という実に興味深い内容です。
C.P.E.バッハの鍵盤協奏曲ではミヒャエル・リシェが独奏を務めました。リシェは鮮烈な世界をセンセーショナルに表現しており、ベルリン・バロック・ゾリステ ンと絶妙なアンサンブルを作り上げております。

オクタヴィア
OVCL-00851(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価

2024年8月28日発売
モーツァルト&ハイドン:協奏交響曲
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K. 364
 コンサートアリア「ああ、やさしい星よ、もし天に」K.538
 ディヴェルティメント第11番ニ長調K.251より第3楽章
ハイドン:協奏交響曲変ロ長調Hob.I:105
アンサンブルof トウキョウ【青山聖樹(Ob)、ダーク・イェンセン (Fg)、玉井菜採(Vn)、大野かおる(Va)
河野文昭(Vc)】

2022年5月11日東京文化会館小ホール、2023年10月27日紀尾井ホール・ライヴ
ふたつの協奏交響曲は、玉井菜採と大野かおるの交歓が心地よい モーツァルトと、名手たちのソロが光るハイドン。 さらに「リュクスで高貴な協奏曲」と題された2022年5月のアンサン ブルofトウキョウの公演から、伸びやかに歌い上げる青山聖樹による コンサートアリア、アンコールとして演奏されたディベルティメン

Solo Musica
SM-398(1CD)
NX-B06
オーロラ - グリーグ:ピアノ協奏曲、ペール・ギュント組曲(4手ピアノ版) 他
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
ヒャウルマル・ヘルギ・ラグナルソン:スティッラ
グリーグ:ペール・ギュント組曲第1番Op.46 (4手ピアノ版)*
 ペール・ギュント組曲第2番Op.55(4手ピアノ版)*
マルガリータ・ヘーエンリーダー(P)
北西ドイツPO
ジョナサン・ヘイウォード(指)
アンティ・シーララ(P)*

録音:2022年1月 ドイツ・ヘルフォルト、2022年12月 ドイツ、ポリング
1981年ブゾーニ国際ピアノ・コンクールで優勝を果たし、世界の著名な指揮者らと共演、現在はミュンヘン音楽・演劇大学で教鞭を執るマルガリータ・ヘー エンリーダーのグリーグ・アルバム。メインのピアノ協奏曲では、ヘイウォードが指揮する北西ドイツPOをバックに雄大な旋律を存分に 歌い上げています。『ペール・ギュント組曲』はグリーグ自身の4手ピアノ編曲版を演奏。共演のアンティ・シーララは1997年のベートーヴェン(ウィーン)と 2003年リーズのコンクールの優勝者。現在はヘーエンリーダーと同じ大学で教える同僚でもあり、極めて息のあった演奏が楽しめます。 アルバムには、アイスランドの作曲家ヒャウルマル・ヘルギ・ラグナルソンの「スティッラ」も収録。これは以前、ヘーエンリーダーが左手のための曲を探していた時 に、彼女のために書かれた曲で、アイスランドの薄緑色の苔で覆われた火山の風景、氷河、そして広大で静かな風景からインスパイアされた魅力的な作品 です。

Etcetra
KTC-1809(1CD)
コンチェルト・グロッソ
エリク・デシンペラーレ(b.1990):ノルウェー民謡の旋律による組曲より 第2曲「Aa Lensmand」
ピアソラ:天使の協奏曲より 第1曲「天使への序奏」*
ピート・スヴェルツ(b.1960):Retro
ピアソラ:天使の協奏曲より 第2曲「天使のミロンガ」*
ピーテル・シュールマンス(b.1970):コンチェルト・エメルソ
ピアソラ:天使の協奏曲より 第3曲「天使の死」*
イェルン・ドー(b.1968):Prayer
ピアソラ:天使の協奏曲より 第4曲「天使の復活」*
(*=編曲:ロルフ・グプタ
バンドネオン・パートのサクソフォンへのトランスクリプション:クルト・ベルテルス)
アタネレス・アンサンブル、
クゴーニ・トリオ、
ピーテル・シュールマンス(指)
フランドルの弦楽オーケストラ「アタネレス・アンサンブル」と、ピアノ、ヴァイオリン、サクソフォンというユニークな編成で活動するベルギーの「クゴーニ・トリオ」が初のジョイント・アルバムをリリース。クゴーニ・トリオの独創的なサウンドとアタネレス・アンサンブルの弦楽器が刺激的な対話を繰り広げ、バロック時代の器楽ジャンルであるコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)の現代的な解釈を提供します。
クゴーニ・トリオのサクソフォニスト、クルト・ベルテルスによって、バンドネオンからサクソフォンへとトランスクリプションされたピアソラの「天使4部作」(天使の協奏曲)にも注目。

Ars Produktion
ARS-38660S(1CD)
モーツァルト&J.C.バッハ:OPUS V
モーツァルト:協奏曲T
K.107(21b)-1(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-2)
J.C.バッハ:ソナタ Op.5-1
モーツァルト:協奏曲V K.107(21b)-3(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-4)
J.C.バッハ:ソナタ Op.5-5、ソナタ Op.5-6
モーツァルト:協奏曲U K.107(21b)-2(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-3)
イネス・モレノ・ウンシージャ(ハープシコード)、ミヌエ・アンサンブル〔吉田爽子(Vn)、阪永珠水(Vn)、ヨハネス・コフラー(Vc)〕

録音:2024年6月24日-28日、スイス
1995年マドリッド生まれの若きハープシコード奏者イネス・モレーノ・ウンシージャは、世界有数の古楽系撥弦楽器の名手であり音楽学者としても高名なホセ・ミゲル・モレーノ(Glossaレーベルの共同創設者)を親に持ち、バロック・ヴァイオリン&ヴィオラの名手エミリオ・モレーノ(18世紀オーケストラの首席ヴィオラ)を叔父に持つ音楽一家で幼少期から古楽や母国スペインの音楽に触れ、スイスのバーゼル・スコラ・カントルムでアンドレア・マルコンらの薫陶を受け、2018年にスペインの若手音楽家のコンクールで第1位を獲得するなど、様々な国際コンクールで入賞を続けています。
スペインの鍵盤音楽の300年をたどるという意欲的なアルバム(Opus Klassik Awards2024ヤング・タレント・オヴ・ザ・イヤー・ノミネート)で衝撃のデビューを果たした彼女がセカンド・アルバムに選んだのは、モーツァルトとJ.C.バッハ!
大バッハの末子であるヨハン・クリスティアン・バッハは、モーツァルトが心から評価し、崇拝さえした数少ない同時代の作曲家の一人でした。1766年に出版されたJ.C.バッハの「ソナタ集 Op.5」はモーツァルトに非常に気に入られたようで、数年後には6曲のうち3曲が協奏曲に編曲されました。
イネス・モレーノ・ウンシージャはモーツァルトが編曲した第2曲、第3曲、第4曲と、J.C.バッハのオリジナルであるソロ・ソナタの第1曲、第5曲、第6曲を組み合わせて、ユニークな「OPUS V」のアルバムを完成させました。協奏曲といっても伴奏はヴァイオリン2台とチェロだけのシンプルな編成で、吉田爽子、阪永珠水といった日本の名手と、アンサンブル・マティスやバッハ・コンソート・ウィーン等のメンバーとして活躍する南チロル出身のバロック・チェリスト、ヨハネス・コフラーが参加しています。
Ars Produktion
ARS-38374S(1SACD)
日本語解説付き
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲集 Vol.3
ファゴット協奏曲イ短調 RV.500/歌劇 「ティートゥス・マンリウス」 RV.738より アリア「ローマがこのルチオの目に」/シンフォニア ハ長調 RV.112/歌劇 「ダリオの戴冠」 RV.719 より アリア「恋するあなたの心に」/ファゴット協奏曲ト長調 RV.494/歌劇 「エジプトの戦場のアルミーダ」 RV.699より アリア「いちど悪行の道へ踏み出した者は」/歌劇 「セミラーミデ」 RV.733より アリア「メガーラの松明を掲げ」/弦楽と通奏低音のための協奏曲ト長調 RV.157/歌劇 「ファルナーチェ」 RV.711より アリア「氷のように冷たい血が」/歌劇 「ティト・マンリオ」 RV.738より アリア「戦功にはやる心に」
福井美穂(バロック・ファゴット)
ドミニク・ヴェルナー(Bs-Br)、アンサンブルF〔川原千真(Vn1)、三輪真樹(Vn2)、宮崎桃子(Va)、田崎瑞博(Vc)、菅間周子(ヴィオローネ)、タクミ・ヒラツカ(ヴィオローネ)、能登伊津子(Cemb)、佐藤亜希子(テオルボ)〕

録音:2022年11月8日-11日、三鷹市芸術文化センター(日本)
2014年、2018年にリリースされたヴィヴァルディ・アルバムに続く第3弾では、39曲ものファゴット協奏曲を書いたというヴィヴァルディのファゴット協奏曲からのセレクションと、ファゴットのレパートリーと関わりの深い、オペラからの抜粋によるバスのためのアリアなどを取り上げています。ライプツィヒの国際バッハ・コンクール声楽部門第1位(2002年)、および、ライプツィヒ・バッハOから特別賞を受賞し、ここ日本では、バッハ・コレギウム・ジャパンとも度々共演をしている世界的バス・バリトン歌手、ドミニク・ヴェルナーと日本古楽界を牽引する第一線級の演奏家たちによる力演を、SACDハイブリッド・マルチチャンネルによる高品質録音でお贈りします。

Anaklasis
ANA-030(1CD)
ヨアンナ・フヌク=ナザロワ:イル・テンポ・パッサ
ヨアンナ・フヌク=ナザロワ(b.1949):前奏曲と大フーガ 「カタストロフ」(大SO、ボーイ・ソプラノとフック・ハープのための)(2019)/Morze ?rodziemne, ?egnaj. Proba rekonstrukcji(2本のギターと室内オーケストラのための)(1986)/Nie odwracaj si?! Dyptyk(2本の独奏フルートと室内オーケストラのための)(2022)/イル・テンポ・パッサ. パッサカリア(大SOのための)(2020)/ひばり協奏曲(アンプリファイド・ハープシコードと室内オーケストラのための)(2023)
バルトウォミエイ・ドゥダ(Boy-S)、アグニエシュカ・カチマレク=ビアリツ(フック・ハープ)、ヤクブ・モロジンスキ(G)、マレク・ノサル(G)、アガタ・キエラル=ドゥゴシュ(Fl)、ウカシュ・ドゥゴシュ(Fl)、フゴ・ドゥゴシュ(Tp)、アレクサンドラ・ガイェツカ=アントシエヴィチ(ハープシコード)、シレジア室内O、ピオトル・プワフネル(指)、シレジア・フィルハーモニーSO、ヤロスラフ・シェメト(指)

録音:2023年11月〜2024年2月(カトヴィツェ、ポーランド)
1945年にクラクフで設立されたポーランド最大級の音楽出版社「ポーランド音楽出版社(PWM Edition)」が運営するレーベル「Anaklasis(アナクラシス)」。20世紀と21世紀のポーランドの作曲家の業績を紹介する「PORTRAITS」シリーズから、作曲家としてはもとより教育学、政治の分野でも多大な功績を挙げているポーランドの偉大な人物、ヨアンナ・フヌク=ナザロワ(b.1949)の管弦楽作品集が登場!2010年に亡くなった母国の偉大な作曲家、ヘンリク・ミコワイ・グレツキを偲んで捧げられた2023年の新作「ひばり協奏曲」をはじめ、クラクフ・フィルやカトヴィツェのポーランド国立放送響の指揮台にも立つなど優れた指揮者でもある彼女が作り上げた、大小様々な管弦楽のためのセレクションです。

Gramola
GRAM-99328(1CD)
NX-C05
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
 ヴァイオリンとピアノのための5つの小品 Op. 81
 田園舞曲 Op.106- 第1曲
 ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op. 115
 夜想曲 Op.51No.3
フランツ・フォン・ヴェチェイ(1893-1935):悲しきワルツ
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
ロイヤルPO
ドロン・サロモン(指)
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2022年7月7日、2023年2月27日
ザルツブルクを拠点に活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー。このアルバムでは、彼が長年にわたり録音を望んでいたというシベリウ スのヴァイオリン協奏曲を中心に構成。協奏曲ではドロン・サロモンが指揮するロイヤルPOとともに白熱した演奏を聴かせ、小品では 一転、作品の抒情的な美しさを表現しています。アルバムの最後には、シベリウスから「ヴァイオリン協奏曲」を献呈されたフランツ・フォン・ヴェチェイの「悲しき ワルツ」が収録されています。


Hanssler
HC-23015(6CD)
「イン・メモリアム Vo.2」

■CD1
(1)シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129
(2)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102
(3)チャイコフスキー:カプリッチョ風小品 ロ短調 Op.62
(4)ルトスワフスキ:チェロと弦楽オーケストラのためのメタモルフォーゼより「グラーヴェ」

■CD2
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191
(2)ブロッホ:ヘブライ狂詩曲『シェロモ』
グバイドゥーリナ:チェロ、バヤンと弦楽合奏のための『7つの言葉』より第7曲「今日、あなたは私と共に楽園に入る」、第8曲「わが神,なんぞわれを見棄てし?」

■CD3
(1)ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 Op.65
(2)ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40
シュニトケ:チェロ・ソナタ第1番

■CD4
(1)メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49
シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調 Op.100, D.929より第2楽章「アンダンテ・コン・モート」
(2)ツェムリンスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調
(3)ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
(4)ヤナーチェク:おとぎ話
(5)シェーンベルク:鉄の旅団

■CD5
(1)ベートーヴェン:モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
(2)シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
(3)ブラームス:6つのリート Op.86より第2曲「野の寂しさ」
ブラームス:5つのリート Op.94より第4曲「サッフォー風頌歌」
ブラームス:5つのリート Op.105より第1曲「調べのように私を通り抜ける」
(4)チャイコフスキー:6つの小品 Op.19より第4曲「夜想曲」
(5)ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 Op.65, B.130より第3楽章「ポーコ・アダージョ」
(6)ブルッフ:8つの小品 Op.83より第6曲 ト短調「夜想曲」
(7)フォーレ:悲歌 Op.24
(8)ドビュッシー:忘れられたアリエッタより第2曲「私の心に涙が落ちる」
エリセンダ・ファブレガス(1955〜):アルハンブラの夜
(10)ヒラリー・タン(1947〜):リーフ
(11)カザルス:鳥の歌

■CD6
(1)バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
(2)クープラン(バズレール編):コンセールのための5つの小品より第4曲「嘆き」
(3)ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番ニ長調「幽霊」 Op.70, No.1
(4)シューベルト:水の上で歌う Op.72D.774
シューベルト:白鳥の歌 D.957より第4曲「セレナード」
シューベルト:夜と夢 Op.43-2D.827
シューベルト:エレンの歌第3番「アヴェ・マリア」D.839 Op.52-6
(5)ポッパー:ハンガリー狂詩曲 Op.68
フランソワーズ・グローベン(Vc)

■CD1
(1)NHKSO、ウーヴェ・ムント(指)
録音:1996年8月26日(ライヴ)サントリーホール(東京)
(2)カリン・アダム(Vn)
ルクセンブルクRSO)、レオポルド・ハーガー(指)
録音:1995年11月9日(セッション)ルクセンブルク大劇場(ルクセンブルク)
(3)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2003年10月10日(ライヴ)ヒポ・フェラインス銀行内ホール(ルクセンブルク)
(4)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2011年3月12日(ライヴ)キューブ521、マルナッハ、クレルヴォー(ルクセンブルク)
■CD2
(1)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指)
録音:2005年5月4日(ライヴ)メッツ・アルナセル(フランス)
(2)ルクセンブルクPO、デヴィッド・シャローン(指)
【原盤:BGL(1999)】
●マウリツィオ・スピリディリオッツィ(バヤン)
ルクセンブルクPO、ヴェルナー・エールハルト(指)
録音:2006年4月2日(ライヴ)フィルハーモニー・ルクセンブルク(ルクセンブルク)
■CD3
(1)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2000年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
(2)イヴァン・ガヤン(P)
録音:1990年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
■CD4
(1)グラフ・ムーリャ(Vn)、ペーター・ラウル(P)
録音:2005年7月7日(ライヴ)カンブレー劇場(フランス)
(2)マヤ・コッホ(Vn)、イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:1998年11月26日(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)
(3)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2008年11月11日(ライヴ)キューブ521、マルナッハ、クレルヴォー(ルクセンブルク)
(4)ライナー・ゲップ(P)
録音:2007年(ライヴ)ボーデン湖音楽祭(ドイツ)
(5)トーマス・ブランディス(Vn)、マルコ・リッツィ(Vn)、ステファン・フェーラント(Va)、フリーデマン・リーガー(P)
録音:1999年7月29日(ライヴ)北ドイツ放送内スタジオ、ヒッツアッカー(ドイツ)
■CD5
(1)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2000年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
(2)小川典子(P)
録音:1996年8月(ライヴ)シューベルティアーデ、フォアアールベルク(オーストリア)
(3)イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:2004年(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)【原盤:ARS Produktion38435.(2004)】
(4)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2003年10月10日(ライヴ)ヒポ・フェラインス銀行内ホール(ルクセンブルク)
(5)グラフ・ムーリャ(Vn)、ペーター・ラウル(P)
録音:2004年7月14日(ライヴ)カンブレー劇場、ユベントス(フランス)
(6)ロナルド・ファン・スパンドンク(Cl)、ペーター・ラウル(P)
録音:2006年3月26日(ライヴ)シルダール(ルクセンブルク)
(7)ライナー・ゲップ(P)
録音:2005年5月28日(ライヴ)マーブルタウン、ニューヨーク(アメリカ)
(8)イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:2004年(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)
(9)マイニンガー・トリオ【クリストファー・マイニンガー(Fl)、フランソワーズ・グローベン(Vc)、ライナー・ゲップ(P)】
録音:2005年(セッション)ロンドン【原盤:Profil PH-05019】
(10)クリスティアーネ・マイニンガー(Fl)
録音:2005年(セッション)ロンドン【原盤:Profil PH-05019】
(11)小林由佳(P)
録音:1991年12月9日(ライヴ)カザルスホール(御茶ノ水)
■CD6
(1)録音:1991年12月9日(ライヴ)カザルスホール(御茶ノ水)
(2)小林由佳(P)
録音:1991年2月3日(ライヴ)ブールリンシュター(ルクセンブルク)
(3)グラフ・ムーリャ(Vn)
ペーター・ラウル(P)
録音:2006年8月(ライヴ)カンブレー劇場、ユベントス(フランス)
(4)小川典子(P)
録音:1996年8月28日(ライヴ)シューベルティアーデ、フォアアールベルク(オーストリア)
(5)小林由佳(P)
録音:1991年11月28日(ライヴ)いずみホール(大阪)
ルクセンブルクが生んだ名チェリスト、フランソワーズ・グローベン。2011年5月28日、40代半ばで急逝し、その訃報は世界のクラシック・ファンを悲しませ ました。
グローベンは、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーSO、エルサレムSO、グルジア室内O、チューリッヒ室内O、ルクセンブルク・フィ ルハーモニーOなどのオーケストラと、ダニエル・ハーディング、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、エフゲニー・スヴェトラーノフといった名指揮者と共 演し、ソリストとして活躍。また1997年から2003年までトーマス・ツェートマイアーが第1ヴァイオリンをつとめるツェートマイアー・クァルテットのチェロ奏者 を務めるなど、室内楽の名手としても活躍しました。
父ジョゼフ・グローベン(1935〜)が娘フランソワーズの貴重な録音を後世にのこしたいという強い思いから独ヘンスラー社と共同でCD化を実現(ジョゼフ・ グローベンはルクセンブルクの高名な作家で、娘をルクセンブルクから世界へ活躍する音楽家に育て上げた人物)。歿後10年を迎え、2022年に「イン・メモリアム」 (6CD / HC-22021)をリリースしました。「イン・メモリアム」のリリースから2年。貴重な初出音源を数多く含む第2弾「イン・メモリアム Vo.2」が6枚組で リリースされます。
「イン・メモリアム Vo.2」にはドヴォルザーク、シューマン、ブラームス(二重協奏曲)の協奏曲、ショパン、ショスタコーヴィチ、シュニトケのソナタなどを収録。 また、小川典子や小林由佳と共演した貴重な音源もこの度CD化されました。今もなお愛され続けるグローベンの情熱的な演奏。多くのファンを魅了し続ける音楽 をご堪能ください。 ※ここに収録されたライヴ音源の一部はプライベート・アーカイヴのため音質のばらつきがございます。予めご了承ください。

ACCENT
ACC-24403(1CD)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041(独奏:モニカ・ワイズマン)
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042(独奏:フロリアン・ドイター)
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 BWV1060R
フロリアン・ドイター(Vn 、指 揮 )
モニカ・ワイズマン(Vn 、指)
アルモニー・ウニベルセル

録音:2022年5月30日-6月2日/ドイツ、ホンラート教会
マラン・メルセンヌによる17世紀の音楽理論書「Harmonie Universelle 宇宙の調和」から名をとった古楽アンサンブル、アルモニー・ウニベルセル。フロリ アン・ドイターとモニカ・ワイズマン、ふたりのヴァイオリニストがリーダーを務める楽団です。そのポテンシャルを最大限に生かしたバッハのヴァイオリン協奏曲集 が登場。
モニカ・ワイズマンはアルゼンチン生まれで、アメリカで学びオランダへと渡り活動しました。一方フロリアン・ドイターはドイツの音楽一家に生まれ、ムジカ・ア ンティクヮ・ケルンに長年在籍。対照的なキャリアをもつ演奏家と言えます。さらにメンバーの出身もイタリア、ハンガリー、フランス、オーストリア、イギリス等々さ まざまで、異なるバックボーンを持つ人々が集い調和をつくりあげるというスタンスが大切にされています。
少人数の演奏ですが大変濃密なアンサンブル。ソロの技巧も全体の調和から離れすぎることなく、バッハが芸術的に織り込んだ対位法の綾がいきいきと輝きま す。通奏低音にはファゴットが加えられ、重心の深い、かつ潤いのある響きを創造。ヴァイオリンとオーボエで演奏されることの多いBWV1060Rもこのふたりの ヴァイオリンだと聴き応えあり!前半2曲では名手フランチェスコ・コルティがチェンバロを弾いているのも注目です。 (Ki)


Treasures
TRE-319(1CDR)


Branka Musulin
ブランカ・ムスリン/ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11*
ピアノ協奏曲第2番へ短調Op.21*#
練習曲Op.25-7/Op.25-3
ブランカ・ムスリン(P)
ハインツ・ワルベルク(指)バンベルクSO*
ウィルヘルム・シュヒター(指)ベルリンSO#

録音:1960年代初頭*、1963年7月4-5日#、1964年10月3日(全てステレオ)
※音源:日KING SH-5242*,#、日KING SR-5052#
◎収録時間:77:03
“成熟した精神の昇華力で甘美なショパン像を打破!”
■音源について
独Eurodisc録音。使用したのは60年代後半のキング盤。ムスリンは1953年にも2つの協奏曲を録音しており、これは再録音。

★ザグレブ出身の女流ピアニスト、ブランカ・ムスリン(1920-1975)の貴重なステレオ録音。地元のの音楽院で学んだ後に、パリではコルトーやルフェーブルの薫陶も受けていますが、1958年からはフランクフルト音楽院での教育活動にも力を注いだせいか、遺された録音はごく僅か。
ムスリンの2つのピアノ協奏曲の旧録音ではかなり奔放な表現を発散していましたが、ここではそのピアニズムは格段に成熟。情緒的な表現は師のコルトーを思わせる点もありますが、あくまでも作品の造形美を基調として旋律線の隈取を明確に出するタイプで、普遍的な価値を持つ逸品!
「第1番」のソロの出だしは何の思わせぶりな態度を取らず、単刀直入に打鍵。第1主題に移っても音像が霞むことなく、凛とした風情を保持。第2主題でやっと表情が和らぎますが、その微かな微笑みと語らいは心に染み入ります。展開部では、内面に精神的な強さを湛えたフレージングのセンスが活き、甘美な雰囲気に流されない輝かしい推進性に引き込まれます。第2楽章開始すぐ、1:22からの長い余韻にたっぷり詰まったロマンはどうでしょう!この感性こそロマン派作品を演奏する上での必須条件だと叫びたくなります。過剰なアゴーギクを避けたつつも微妙な感情の揺れに即応したテンポの揺れと色彩の選択も見事。6:53以降の風格美と装飾音を含む細かい走句の描き出しはまさに名人芸。終楽章冒頭テーマは、付点16分音符もしっかり弾き上げながら(旧録音は16分音符で弾いている)、窮屈感が皆無という理想形を実現!
 「第2番」も同様のスタイル。傑出しているのは第2楽章で、孤高の空気感の中での結晶化されたタッチが繊細に息づく様には言葉も出ません。暗雲立ち込める中間部での確信溢れるタッチは聴く者に勇気を与え、後半では「大丈夫!」と背中を押してくれるような不思議な力を感じます。終楽章の1:10からは細かい音符が連続しますが、音の粒を揃えようとすると途端に機械的に響いてしまう昨今のピアニストとの格の違いを痛感。
 演奏家の表現への意欲が少しづつ変な方向に向かってしまっている気がしてならないのですが、作品の魅力を説明調でもなく聴き手に媚びるわけでもなく丁寧にあぶり出すかつての真摯な演奏を今こそ意識的に掘り返して耳を傾けるべきではないでしょうか?【2024年7月・湧々堂】

ONDINE
ODE-1436(1CD)
NX-B10
マグヌス・リンドベルイ(1958-):ヴィオラ協奏曲、他
ヴィオラ協奏曲(2023-24)
不在(2020)
セレナード(2020)
ローレンス・パワー(Va)
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2023年9月、2023年12月、2024年2、3月
今や母国フィンランドにとどまらず世界の現代音楽シーンの重鎮的存在となっているマグヌス・リンドベルイの近作を集めたアルバム。 リンドベルイはパルシヴかつ激しく、時に爆発的なサウンドを用いた先鋭的な作風で知られてきましたが、近年は重厚なサウンドはそのままに調性感を持ちロマ ンティックな趣を加えたスタイルに変化しつつあり、その動向がますます注目されています。ヴィオラ協奏曲は7つの部分からなる演奏時間33分ほどの大作。ソ リストは分厚いオーケストラと渡り合いつつ、随所で高度なテクニックを求められます。ここではローレンス・パワーが見事に重責を果たしています。 ベートーヴェン生誕250年の記念にロッテルダム・フィルから委嘱された「不在」は、ベートーヴェンの楽曲のモチーフを随所に引用した演奏時間11分余りの作 品。特に「不在」をテーマにしたピアノ・ソナタ第26番「告別」の旋律が効果的に使われています。シカゴSOの委嘱作「セレナード」についてリンドベルイ は、ゆったりとした穏やかな音楽ではなく「ワイルドなセレナードだ」と語っています。マーラーの「夜の歌」のスケルツォを参照したとも語り、また曲の終わり近くには ベートーヴェン作品の引用も聞かれます。演奏時間17分余り、大規模で力強く起伏に富んだ異色のセレナード。 フィンランドRSOと2021年から楽団の首席指揮者を務めるニコラス・コロンがパワフルかつ切れ味の良い演奏を展開。優秀録音で評価の高いベテ ラン、エンノ・マエメツが録音とマスタリングを担当しており、オーディオ的にも楽しみな1枚です。

C Major
76-6508(DVD)

76-6604(Bluray)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調op.77
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV1002
ニールセン:交響曲第5番op.50
ヘルベルト・ブロムシュテット(指)VPO
レオニダス・カヴァコス(Vn)

収録:2023年3月、ウィーン楽友協会大ホール(ライヴ)
◆DVD
画面:NTSC16:9
音声:PCMステレオ、DTS5、リージョン:All
DVD9、93分
◆Bluray
画面:1080i16:9FullHD 
音声:PCMステレオ、DTS-HD MA5.1
リージョン:All
BD25、93分
C-majorレーベルの注目の映像シリーズ「ウィーン・フィル定期演奏会(The Exclusive Subscription Concert Series)」第2弾がリリース!指揮はブロ ムシュテット、ソリストにカヴァコスを迎えブラームスのヴァイオリン協奏曲およびニールセンの交響曲第5番を演奏した2023年3月の映像です。 ウィーン・フィルの定期演奏会は、土曜と日曜とソワレ(平日)の3種類あり、すべて会員制ですので一般販売はありません(定期会員枠のチケットが余った場合の み、一般に向けて販売あり)。ウィーン・フィルの定期会員になるには、会員枠に空きが出ないと会員にはなれませんし、現在その待ち時間は10年以上といわれて います。さらに会員権を取得するには、ウィーン・フィルに手紙を書き入会の意思を伝える必要があります。ウェイティング・リストは毎年春に更新されるため、空き が出るまで手紙を書き続け、空きが出たときに晴れて定期会員となれるという、非常に特別なコンサートなのです。本作は、その入手困難のコンサートが映像で観ら れる、大変貴重な映像シリーズです。 今回は、ウィーン・フィルの名誉会員である大巨匠ヘルベルト・ブロムシュテットが登場。ブロムシュテットは、2011年1月にニコラウス・アーノンクールの代役で ウィーン・モーツァルト週間の演奏会で初共演以来、数々の名演を披露しています。プログラムはレオニダス・カヴァコスをソリストに迎えてのブラームスのヴァイオ リン協奏曲、そしてニールセンの交響曲第5番という内容。2021年10月にN響と共演した際にも同じ内容のプログラムであったことは記憶に新しいでしょう。研 ぎ澄まされたカヴァコスの美音、そして芳醇なオーケストラの響きは最高峰の演奏と言えるでしょう。またブロムシュテット得意のニールセン。第一次世界大戦の影 響が色濃く反映した交響曲第5番。緻密で複雑な構成をもつ作品でニールセンの最高傑作との呼び声高く、ブロムシュテットのさすがの手腕を発揮しています。 (Ki)

ATMA
ACD2-2885(1CD)
アマデウスと皇妃 〜モンジュルーとモーツァルト
エレーヌ・ド・モンジュルー(1764-1836):ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
 序曲『皇妃』(マテュー・ルシエによるモンジュルー作品の管弦楽編)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
エレーヌ・ド・モンジュルー:練習曲集『ピアノ教育のための完全教程』より 第19番ヘ長調 / 第107番ニ短調 / 第73番ニ長調 / 第26番ト長調 / 第111番ト短調
同曲集より 第26番『無言歌』(マテュー・ルシエによるピアノと弦楽合奏のための編曲版)
エリザベート・ピオン(フォルテピアノ;1826年製ブロードウッド)
マテュー・ルシエ(指)
アリオン・バロックオーケストラ

録音:2023年10月9・10日/ケベック、ミラベル、聖オーギュスタン教会
モーツァルトと同時代に活躍した女性作曲家エレーヌ・ド・モンジュルー。侯爵と結婚し「L'Imperatrice」(皇妃)と人々から呼ばれていた彼女はピアノを得意 とし、ロマン派を呼び込むような作品を残しました。
モンジュルーのピアノ協奏曲第1番は、面識のあったヴィオッティのヴァイオリン協奏曲をピアノ用に編曲したもの。第6番の第1・2楽章と第4番の第3楽章を、 調性を変えて並べています。ピアノの特徴を生かした音数と旋律に変更された独奏部はもちろん、オーケストレーションにも手を加え、まるでオリジナル作品のよう な完成度。併録されたモーツァルトの第24番とのバランスからも、モンジュルーの筆の凄さが分かるでしょう。
練習曲集『ピアノ教育のための完全教程』は完全にロマン派の世界。煌びやかな技巧とたっぷりの歌心に満ちています。モンジュルーの様々な作品から素材を とって編まれた序曲『皇妃』も音楽の豊かさに驚かされます。
ATMA
ACD2-2851(1CD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1&2番
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb:1
 チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob. VIIb:2
ジャック・エテュ(1938-2010):チェロと弦楽合奏のためのロンド Op.9
キャメロン・クロズマン(Vc)
ニコラス・エリス(指)
レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワ

録音:2023年6月13-15日/ケベック、パレ・モンカルム
カナダのチェリスト、キャメロン・クロズマンによるハイドンの協奏曲集。颯爽としていてのびやかな佳演です。カデンツァはクロズマン本人によるもの。カナダの 作曲家ジャック・エテュによる愉悦リズム炸裂の『ロンド』をカップリング。

Orlando Records
OR-0054(1CD)
コペル、シュミット、ベンソン:クラリネット協奏曲集
ヘアマン・D・コペル
(1908-1998):クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲 Op.35
オーレ・シュミット(1928-2010):クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲
ニルス・ヴィゴ・ベンソン(1919-2000):独奏クラリネットと小器楽アンサンブルのための室内協奏曲 Op.578
ジョン・クルーゼ(Cl)、オールボーSO、フリードリク・ビューシュテット(指)

録音:2023年6月12日-16日、ミュージック・ハウス(オールボー、デンマーク)
1989年からオーデンセSOの首席クラリネット奏者を務めた後、2005年の夏からはデンマーク王立Oの首席クラリネット奏者を務めるデンマークの名手ジョン・クルーゼが紹介する、デンマークの作曲家たちによるクラリネット協奏曲集。ジャズの影響も見られるコペルやO.シュミット、そして4つの楽章がユニークな音楽言語を提示するベンソンの作品は、それぞれがデンマークの豊かな音楽の伝統を強調する傑作といえるでしょう。

Avie
AV-2688(1CD)
ジ・アイリッシュ・シーズンズ〜マクドナー&ヴィヴァルディ
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」
アルバ・マクドナー(b.1982):アイルランドの四季(世界初デジタル録音)
リンダ・オコナー、
アナムス(オーケストラ)、
デイヴィッド・ブロフィー(指)

録音:2022年11月、ウィンドミル・レイン・スタジオ(ダブリン)
RIAM(アイルランド王立音楽アカデミー)でヴァイオリンを教えているリンダ・オコナーのデビュー・レコーディング。彼女の「音楽のソウルメイト」でもあるというアイルランドのコンポーザー=チェリスト、アルバ・マクドナーの「アイルランドの四季(The Irish Four Seasons)」を世界初デジタル録音し、ヴィヴァルディの傑作「四季」と組み合わせて世に放ちます。
2022年にリンダ・オコナーによって初演された「アイルランドの四季」は、バロック様式とアイルランド文化の巧みな融合が果たされた作品。ヴィヴァルディの印象的な旋律にインスピレーションを受けた新しいアイルランドのメロディーを導入し、バロックの不朽の名作と肩を並べる刺激的で感動的な音楽が生み出されています。
小編成のオーケストラ「アナムス(Anamus)」は、リンダ・オコナーによってこのアルバムのために結成されたアンサンブル。指揮は、RTEコンサート・オーケストラの首席指揮者も務めたアイルランドの指揮者、デイヴィッド・ブロフィーです。

Fineline
FL-72418(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
ニコライ・ルガンスキー(P)、
ロシア国立SO、
イワン・シュピレル(指)

録音:1995年、モスクワ音楽院大ホール(ロシア)
かつてChallenge Classicsレーベルよりリリースされていた、ニコライ・ルガンスキーが1995年に録音したラフマニノフのピアノ協奏曲第3番&第4番がFinelineレーベルからリイシュー!
チャイコフスキー国際コンクールで最高位(1位なしの2位)に輝いた翌年、波に乗るルガンスキーが臨んだこのレコーディングは、若きエネルギーを感じさせつつすでにラフマニノフを得意とする彼らしい端正な音楽性、きわめて高い技巧を兼ね備えた名演奏。イワン・シュピレル&ロシア国立SOのスケールの大きな好サポートも相まって、ルガンスキーの数あるレコーディングの中でも特筆すべき1枚といえるでしょう。

IBS CLASSICAL
IBS-72024(1CD)
NX-B10
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58

※全てヴィンツェンツ・ラハナーによる弦楽オーケストラ伴奏版
ツ・ユー・ヤン(フォルテピアノ)
ロバート A.ブラウンによる復元楽器
1806年 Michael Rosenberger製…第3番
1815年頃 Jacob Bertsche製…第4番
ヴァン・スヴィーテンス(古楽器使用)
ティボー・バック・ド・スラニ(指)

録音:2022年10月22-23日、2022年2月24-25日
ヴィンツェンツ・ラハナーの編曲によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番と第4番の弦楽オーケストラ伴奏版。この 編曲では管楽器や打楽器の音色が失われる代わりに、楽曲のテクスチャーが明瞭になり、室内楽のように楽器 間の対話が際立ちます。そして弦楽器の演奏において重要なアーティキュレーションやポルタメントなどの側面が強 調されます。 このアルバムではバロック作品の演奏でしばしば議論される音律にも関心が注がれており、第4協奏曲では「キル ンベルガー第3法」を用いています(第4協奏曲には音色がマッチせず他の音律を用いたとのこと)。フォルテピアノを 演奏するツ・ユー・ヤンはブルージュ国際古楽コンクールのファイナリストの一人。ヨーロッパやアジア各地で演奏活 動を行っています。ヴァン・スヴィーテンスはザルツブルクを拠点にバロック、古典派、ロマン派の音楽をピリオド楽器 で演奏するアンサンブル。近年はアンサンブルのために書かれた新作も演奏しています。


Hanssler
HC-24002(4CD)
F・P・ツィンマーマン/ヘンスラー録音集成
■CD1
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集Vol.1
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207(カデンツァ コンスタンチン・モストラス)
ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョホ長調K.261(カデンツァ フランツ・バイヤー)
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンドハ長調K.373
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216(カデンツァ フランツ・バイヤー)
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218(カデンツァ ヨーゼフ・ヨアヒム)
■CD2
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集Vol.2
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調K.211(カデンツァ 第1楽章:ピンカス・ズッカーマン/第2楽章:ロバート・D・レヴィン/第3楽章:ダヴィッド・オイストラフ)
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」(カデンツァ 第1楽章:フランツ・バイヤー/第2楽章:ロバート・D・レヴィン/第3楽章:ヨーゼフ・ヨアヒム)
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364*(カデンツァ モーツァルト)
■CD3
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV1052
オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060*(2つのヴァイオリンのための協奏曲編)
■CD4
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61(カデンツァ 第1楽章:フランク・ペーター・ツィンマーマン/第2楽章:フリッツ・クライスラー/第3楽章:フリッツ・クライスラー)
■CD1
バイエルン放送室内O、ラドスラフ・スルク(指)
セッション録音:2014年3月6〜8日/ヘルクレスザール、ミュンヘン王宮内(ミュンヘン)
■CD2
アントワン・タメスティ(Va)*
バイエルン放送室内O、ラドスラフ・スルク(指)
セッション録音:2015年6月28〜30日/ヘルクレスザール、ミュンヘン王宮内(ミュンヘン)
■CD3
セルゲ・ツィンマーマン(Vn)*
ベルリン・バロック・ゾリステン
指揮&ヴァイオリン:ダニエル・ゲーデ
第1ヴァイオリン:町田琴和、リューディガー・リーバーマン、アレッサンドロ・カッポーネ
第2ヴァイオリン:ライマー・オルロフスキー、エーファ=マリア・トマジ、ラヘル・シュミット
ヴィオラ:ヴァルター・キュスナー、クリストフ・シュトロイリ
チェロ:ブリュノ・ドルプレール
コントラバス:ウルリヒ・ヴォルフ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン
セッション録音:2017年4月/イエス・キリスト教会(ベルリン)
■CD4
シュターツカペレ・ドレスデン、ベルナルト・ハイティンク(指)
ライヴ録音:2002年9月29日/ドレスデン文化宮殿(ドレスデン)
現代最高のヴァイオリニストの一人、フランク・ペーター・ツィンマーマンのヘンスラー録音集成4枚組がリリースされます!10代後半から世界の第一線で活躍 しているツィンマーマンはバロックから現代まで非常に幅広いレパートリーを演奏・録音していますが、なかでもバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンは最も得意に しているレパートリー。当セットでは今世紀に録音したベートーヴェン(2002年/ライヴ)、モーツァルト(2014&2015年/セッション)、J.S.バッハ(2017 年/セッション)の協奏曲を集めた名録音をお届けします。
ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビ ロードのような音色です。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でる演奏をご堪能ください。

【自身2度目のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲録音】
第1集には第1・3・4番、アダージョ ホ長調、ロンド ハ長調を、第2集には第2・5番「トルコ風」、協奏交響曲を収録。1986年、1度目の全曲録音から約四半世紀。 2014・2015年の2度目の録音はラドスラフ・スルク指揮、バイエルン放送室内管弦楽団との共演です。ポーランド生まれのヴァイオリニストで、バイエルン放送 交響楽団のコンサート・マスターのラドスラフ・スルクが指揮を担当しており、完璧なアンサンブルはもとより、特に弦楽の美しさを追求した演奏で、レコード芸術誌 「特選盤」など各誌で高く評価されています。 協奏交響曲のヴィオラ奏者はアントワン・タメスティ。長年ベストなアンサンブルができる演奏者を探していたツィンマーマンが、タメスティの演奏会に足を運んだ 際に感銘を受け、その音色に魅了されたツィンマーマンが終演後に直々にトリオ結成を懇願したほどの惚れこみよう。2007年に結成したトリオ・ツィンマーマンは 今では世界トップの弦楽三重奏団としても活躍しています。
【父子共演も話題に。自身2度目のJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲録音】
ジェフリー・テイト指揮、イギリス室内管弦楽団と1988年に録音してから約30年ぶりの2017年。自身2度目となったJ.S.バッハの協奏曲録音では、息子セル ゲとの共演も話題に。有名な2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043ではなく、オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060を2 つのヴァイオリン版で演奏したことでも注目されました。 また、消失したヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052はツィンマーマンにとって初録音でした。入り組んだ起伏をもつユニゾンの主題が印象的なこの協奏曲は、 チェンバロ編曲として自筆総譜が存在する名曲、鍵盤協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052の原曲とされる作品。主題の直後から颯爽としたヴァイオリン独奏があら われます。独奏パートの幻想的で豊かな発展が印象的な当作品は、1832年にメンデルスゾーンがピアノ協奏曲として演奏した記録が残っており、シューマンは「最 大の傑作のひとつ」と讃えております。 共演はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者たちを中心にして1995年に結成されたベルリン・バロック・ゾリステンです。
【ハイティンク指揮、ベートーヴェンのライヴ録音】
Profilレーベルの「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズ40作でリリースされた音源で、2002年9月、ベルナルト・ハイティンクがシュターツカ ペレ・ドレスデンの首席指揮者就任を記念したコンサートのライヴの初日を収録したものです。同年夏にドレスデンを襲った洪水のため、ゼンパーオーパーが浸水し て使用不可能でドレスデン文化宮殿にて開催され、コンサートは犠牲者に捧げられました。 フランク・ペーター・ツィンマーマンが最も得意とするベートーヴェン。録音ではジェフリー・テイト指揮、イギリス室内管弦楽団(1987年/セッション)、ダニエル・ ハーディング指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2019年/ライヴ)(KKC-9695/7)が有名ですが、2002年のライヴもまた素晴らしい演奏で聴衆 を沸かせました。ツィンマーマンはさまざまなカデンツァで演奏してきましたが、当ライヴでは第1楽章では自作で演奏。先人の名カデンツァからインスパイアされ たヴァイオリンの美が凝縮された技巧的な作品です。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85040(1CD)
NX-B06
ハイフェッツ コルンゴルト/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲 他
1-3. コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
4-6. シンンディング:古風な様式の組曲 Op.10
7. ブラームス:ハンガリー舞曲第7番 イ長調(ヨアヒム編)
8. チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
9. ラヴェル:ツィガーヌ
10-12. カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲第2番「予言者」 Op.66
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ロサンゼルスPO
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)

録音/初出レコード番号:
1953年1月10日 RCA Victor LM1782…1-3
1953年12月9日 RCA Victor LM1832…4-6
1953年12月9日 RCA Victor LSC3232…7
1954年10月29日 RCA Victor LM2027…8
1953年12月8日 RCA Victor LM1832…9
1954年10月28&29日 RCA Victor LM2050…10-12
1917年にアメリカ・デビューをカーネギーホールで飾ったハイフェッツは、1925年にアメリカの市民権を取得。東海岸を拠点に活動を展開しましたが、 1940年にビヴァリー・ヒルズにスタジオ付きの住宅を建て、第2次大戦後はロサンゼルスに拠点を移します。このディスクには1953年から54年にかけ て、ウォーレンスタインの指揮するロス・フィルと行ったRCA録音を復刻しています。 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は1947年にハイフェッツが初演し、その後も繰り返し演奏しました。作曲者はこの曲について「終楽章こそ高度な技 巧が必要だが、美しい旋律や抒情的なエピソードがたくさんあるから、パガニーニよりはカルーソー向きの曲だ。カルーソーとパガニーニを兼ね備える人 物、すなわちハイフェッツに演奏してもらえるとは、なんと嬉しいことだろう」と語っています。当録音は大評判となり、作品を広める上で大きく貢献。 2008年には遂にグラミー賞の殿堂入りを果たしました(Vn協奏曲の録音としては、クライスラーのメンデルスゾーン、メニューインのエルガーに次 いで史上3番目の殿堂入り)。圧倒的なテクニックの冴えが注目されるハイフェッツですが、コルンゴルトがカルーソーにたとえたように、メロディアスな旋律 を時に朗々と時に甘美に歌いあげる歌心もたっぷりと味わえます。 カステルヌオーヴォ=テデスコのヴァイオリン協奏曲第2番は、ハイフェッツがトスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルと共に初演した作品。3つの楽章には旧 約聖書の3人の預言者の名前が充てられています。自身がヴァイオリニストだったシンディングの作品と、ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾたちにインスパイア された3曲も、ハイフェッツの緩急自在な技の冴えと歌い回しを堪能できます。

Resonus
RES-10335(1CD)
NX-B08
フルート協奏曲集
イベール:フルート協奏曲(1934)
ジョリヴェ(1905-1974):フルートと弦楽オーケストラのための協奏曲(1949)
ロドリーゴ:田園協奏曲(1978)
サミ・ユンノネン(Fl)
ヘルシンキ室内O
ジャームズ・S・カハーン(指)

録音:2023年10月11-14日
2012年にフィンランドのヘルシンキ音楽センターでデビュー・リサイタルを行い、2018年にはヒューストンSO のソリストとして登場、以降コンサートや録音など幅広く活躍するサミ・ユンノネン。このアルバムでは、20世紀のフ ルート協奏曲の名品3曲を、カハーンが指揮するヘルシンキ室内Oとともに巧みに演奏しています。 イベールのフルート協奏曲は、ジャズや民謡の要素も用いられた彼の代表作の一つ。抒情的な雰囲気の中に軽 妙さも併せ持つ粋な作品です。ジョリヴェの協奏曲は、パリ音楽院のコンクール課題曲として第二次世界大戦後 に書かれた2楽章構成の作品。小規模ながら技巧的な見せ場が多く用意されています。ロドリーゴの「田園協奏 曲」はジェームズ・ゴールウェイの委嘱作。スペインの田園風景を想起させる優雅な楽想が広がる美しい作品で す。

H.M.F
HMM-902392(1CD)
アントニン・クラフト(1749-1820):チェロ協奏曲 ハ長調 op.4(1804)
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 変ロ長調 H436Wq171(1751)
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/Gioffredo Cappa,1696)
アンサンブル・レゾナンツ
リッカルド・ミナージ(指)

録音:2023年9月、ハンブルク、フリードリヒ=エーベルト・ホール
世界最高峰のチェロ奏者、ジャン=ギアン・ケラス。冴え渡った切れ味の技巧と知的頭脳的ひらめき、そしてそこに近年さらなる深みをました音楽性が加わり、 とどまるところを知らない活動を見せています。このたびのケラスの新譜は、18世紀半ば、そして19世紀の幕開けに誕生したチェロ協奏曲2篇。どちらも 超絶技巧が求められ、しかし軽やかに弾かねばならぬ難曲ですが、ケラスはらくらくと、自由に歌いあそぶ余裕も見せながらの演奏を展開しています。管弦楽は アンサンブル・レゾナンツ。こちらも過去の偉大な作品から現代音楽まで、切れのある解釈で聴き手を魅了するアンサンブルで、まさにケラスと絶好の相性の良 さ。2017年にはC.P.E.バッハのチエロ協奏曲(イ短調)のディスクを録音しております(HMM 902331/KKC5913)。指揮のミナージは、2018年 からアンサンブル・レゾナンツのアーティスト・イン・レジデンスを務め、現在までその関係は延長されています。ミナージにとって、特にC.P.E.バッハはこれ までにも頻繁にとりあげている作曲家。徹底した資料研究と明確な音楽ヴィジョンで、当時の熱気や喧騒までをも彷彿とさせるような「生きた」演奏を展開し ています。
クラフトはボヘミアの小さな町で生まれ、プラハ大学で学び、チェロの教本でも知られるウェルナーのレッスを受けます。ウィーンに移り、チェロの妙技で人々 を魅了。ニコラウスI世ヨーゼフ・エステルハージーのオーケストラの首席チェロ奏者を務め、J.ハイドンの指揮のもと様々な作品を演奏する傍ら、作曲も師事 しました。ハイドンのチェロ協奏曲ニ長調や、ベートーヴェンの三重協奏曲op.56のチェロ・パートはクラフトのために書かれたと言われており、彼がいかに優 れた奏者だったかということが窺われます。そしてクラフトのチェロ協奏曲は音域の広さと超絶技巧に驚かされますが、ケラスはそんなことを感じさせない軽や かな技巧で演奏、さらに2楽章ではおあそびも交えるほどの余裕ぶりです。 C.P.E.バッハのチェロ協奏曲は、彼がもっとも充実していたベルリン時代に書かれたもの。とある当時の大名手を念頭に書かれたと考えられ、エレガントな雄弁 さで貫かれており、わかりやすいコントラストなどは控えられています。喜びに満ちた終楽章まで、C.P.E.バッハの旋律の美しさをたのしめる作品。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187076(1CD)
再発見〜トーマス・ド・ハルトマン
トーマス・ド・ハルトマン(1884-1956):
(1)ヴァイオリン協奏曲 Op.66(1943)
(2)チェロ協奏曲 Op.57(1935)
(1)ジョシュア・ベル(Vn)、INSO-リヴィウSO、ダリア・スタセフスカ(指)
(2)マット・ハイモヴィッツ(Vc)、MDR響、デニス・ラッセル・デイヴィス(指)

録音:(1)2024年1月8〜10日/ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール(ポーランド)
(2)2022年5月22日/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス大ホール(ドイツ)
ウクライナに生まれたロシア人作曲家トーマス・ド・ハルトマン(1884-1956)の作品に魅了された、世界的名手が演奏した協奏曲2篇のアルバム。アレンス キー、タネーエフらに作曲を、リムスキー=コルサコフにピアノを師事したトーマス・ド・ハルトマン。眩いばかりに輝く旋律と効果的な技巧が散りばめられた協奏曲 作品を残しています。ヴァイオリン協奏曲は1943年に、チェロ協奏曲は1935年にそれぞれ作曲。雄大な管弦楽に、情感豊かな独奏が魅力であるこれらの作品 に魅了されたジョシュア・ベルとマット・ハイモヴィッツが満を持して録音しました。
画家ワシリー・カンディンスキーとの共同作品を書いたことでも知られるトーマス・ド・ハルトマン。当CDのジャケットにはカンディンスキーの代表作 「Transverse Line横線」(1925)が使用されています。 (Ki)

「私は数年前、トーマス・ド・ハルトマンの作品の普及に情熱を注いでいる『ザ・トーマス・ド・ハルトマン・プロジェクト』のエフレム・マルダー氏からヴァイオリ ン協奏曲の楽譜を受け取った。私はすぐにこの協奏曲の情感の深さに衝撃を受け、これほど力強く魅力的な作品が、これまで私を含む多くのクラシック音楽の聴衆 から忘れ去られていたことに驚いた。1943年に作曲された当時と同様に今日の現状と関連性のある作品です。ダリア・スタセフスカ率いるINSO-リヴィウ交 響楽団との演奏で、トーマス・ド・ハルトマンの音楽が、彼の祖国ウクライナだけでなく、世界中の多くの人々の心に響くことを願っている」(ジョシュア・ベル)

Goodies
33CDR-3947(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調 K.268(365b)
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
クリスチャン・フェラス(Vn)
カール・ミュンヒンガー(指)
シュトゥットガルト室内O

英DECCA LXT5044(FFRR録音)
1954年10月14日-11月11日、スイス、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール録音
ヴァイオリン協奏曲第6番K.268(365b)はモーツァルトの死後8年目の1799年に ヨハン・アントン・アンドレによって楽譜が出版された。モーツァルト時代に ミュンヘンで活躍したヴァイオリニスト、ヨハン・フリートリッヒ・エックが モーツァルトから手渡された楽譜にもとづいて自分で加筆し、さらにモーツァ ルトの弟子のフランツ・ジェスマイアー(1766-1830)が加筆したという。ジェ スマイヤーはモーツァルト最後の作品「レクイエム」を補筆完成させた人物。 学者間では第2楽章は疑わしいが、他の楽章はモーツァルトの作品であるとい う説だったが、現在ではモーツァルトの作品表から除外されています。ジャック ・ティボーの(1880-1953)の快心の名演がSPレコード(復刻CDR:78CDR-3080) にあったが、LP時代には録音はごく僅かだった。クリスチャン・フェラス (1933-1982)はパリ音楽院出身。49歳の若さで他界したが、DECCA、EMI、 DEUTCHE GRAMMOPHONに大量の録音を残した。これは21歳のフェラスが取り組ん だ最初期の録音。指揮者のカール・ミュンヒンガー(1915-1990)はドイツ生ま れ。ヘルマン・アーベントロート(1883-1956)に師事し、シュトゥットガルト 室内Oを主宰した。
復刻にはWESTREX10Aカートリッジの復製モデル「クラング・クンスト10A]をmono接続にし、コルグの[DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)
Goodies
33CDR-3948(1CDR)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35 ナタン・ミルシテイン(Vn)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

米 RCA VICTOR LM1760
1953年3月23日ボストン・シンフォニー・ホール録音
ナタン・ミルシテイン(1903-1952)はウクライナのオデッサ生まれ。11歳でペ テルブルク音楽院に入学し、名ヴァイオリン教師レオポルド・アウアー(1845- 1930)に師事した。後にピアニストのホロヴィッツと知り合い一緒に演奏旅行 をしたこともあった。1929年にストコフスキー指揮フィラデルフィアO のソリストとしてアメリカ・デビュー。1942年にアメリカ市民権を得た。ミル シテインは生涯に8回もチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をレコード録 音しています。これはその2番目で50歳の時のもの。指揮者のシャルル・ミュン シュ(1891-1968)はドイツのストラスブルク生まれ。ヴァイオリンを学び、 1926年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウスOのヴァイオリン奏者に なり、1932年まで楽長のフルトヴェングラーやワルターの下でコンサートマス ターを務めた。1929年にパリで指揮者デビュー。1937年にはパリ音楽院管弦楽 団の指揮者になり1946年まで在任した。1949年にボストンSOの常任指揮 者に就任、1962年までその地位にあった。1967年パリOが出来たとき、 初代の音楽監督に就任したが、同年アメリカを演奏旅行中に心臓発作で死去 した。享年77。 復刻にはWESTREX10Aカートリッジの復製モデル「クラング・クンスト10A]を mono接続にし、コルグの[DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002692(2CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全曲
ァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211*
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
アダージョ ホ長調 K.261*
ロンド ハ長調 K.373*
ロンド 変ロ長調 K.269*
オレグ・カガン(Vn)、

ダヴィッド・オイストラフ(指)モスクワPO、
トヴィス・リフシッツ(指)ラトヴィア・フィルハーモニー室内O*

録音:1970年、1972年
廃盤・入手困難となったMelodiyaの名盤を復刻するMelodiya x Obsessionシリーズに43歳の若さで亡くなってしまったソビエト連邦出身のヴァイオリニスト、オレグ・カガン(1946-1990)が登場。彼はダヴィッド・オイストラフにその実力を認められ師事し、シベリウス国際コンクールとバッハ国際コンクールで第1位を獲得するなど若き才能あふれる奏者でした。またスヴャトスラフ・リヒテルからも薫陶を受け室内楽で多数共演しました。このアルバムでは師であるダヴィッド・オイストラフのサポートを受けて、その実力をいかんなく発揮しています。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。
Melodiya x Obsession
SMELCD-1001994(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番他
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*/ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*/マズルカ ヘ短調 Op.63-2/マズルカ ヘ短調 Op.68-4/ワルツ ホ短調 Op.Posth
エフゲニー・キーシン(P)、
モスクワPO*、
ドミトリー・キタエンコ(指)*

録音(ライヴ):1984年3月27日、モスクワ音楽院大ホール
1984年3月27日、モスクワ音楽院の大ホールで行われたエフゲニー・キーシンとドミトリー・キタエンコ&モスクワ・フィルのコンサート。そこでわずか12歳の少年が弾いたショパンの2つのピアノ協奏曲がキーシンのデビュー・アルバムとしてMelodiyaからLP盤でリリースされると、瞬く間に名声が広まり神童として世界中から注目を集めることとなりました。数あるMelodiyaの録音の中でも突出した知名度を誇る録音でありながら近年は廃盤・入手困難状態が続いていましたが、この度Melodiya x Obsessionシリーズから待望の復刻となります。なお、初回生産分完売後の再生産は未定です。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-010(1CD)
ゲザ・アンダ&カール・ベーム完全初出!
(1)スイス放送(DRS)のアナウンス
(2)-(4)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(5)オーストリア放送(ORF)のアナウンス
(6)-(8)モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 K.456
ゲザ・アンダ(P)
カール・ベーム(指)
(2)-(4)フィルハーモニアO
(6)-(8)VPO

録音:(2)-(4)1963年9月14日/ルツェルン音楽祭(ライヴ・モノラル)
(6)-(8)1974年8月25日/ザルツブルク音楽祭(ライヴ・ステレオ)
アンダとベームとの共演、注目の完全初出音源です。63年ルツェルン音楽祭でのブラームス1番と74年ザルツブルク音楽祭でのモーツァルト18番。それぞれ の協奏曲の前には放送時のアナウンスも収録されています。
第2番の録音が複数知られているのに対し、第1番はあまり世に出ていないアンダのブラームス。ベームとの共演で聴けるとは僥倖です。深くじっくりと奏でら れるオーケストラに対し、熱っぽくもしっかり構築的に弾きあげるアンダ。卓越した技量と比類のない激しさがぶつかりあう白熱の演奏です。モノラル録音とはいえ 音楽の充実ぶりは十二分に堪能できます。
アンダは52年から毎年ザルツブルク音楽祭に出演し、この地と良好な関係を続けました。60年代に弾き振りでカメラータ・ザルツブルクと録音したモーツァル トの協奏曲全集は至高の名盤として聴き継がれています。そんなアンダの最後のザルツブルク音楽祭出演となったのがこの74年のモーツァルト。透明な音で軽や かに舞い上がり、かつ心の内をじっとみつめるような、確たる芯のある上質の戯れ。癌を患う1年前、死の2年前の演奏であり、緩徐楽章などまさにアンダの「白 鳥の歌」と言えましょう。たまらぬ響きを持つベームVPOとの対話も多角的に愉しめるステレオ録音。カデンツァは全集録音のものと同一です (Ki)

ALPHA
ALPHA-1065(1CD)
NX-C04
モーツァルト:フルート協奏曲集
フルート協奏曲 第2番ニ長調 K.314(カデンツァ:フランソワ・ラザレヴィチ)
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299*(カデンツァ:ピエール・シェペロフ[1979-])
フルート協奏曲 第1番ト長調 K.313(カデンツァ:フランソワ・ラザレヴィチ)
フランソワ・ラザレヴィチ(フラウト・トラヴェルソ、指揮)
使用楽器:1キーのバロック・モデル/ルドルフ・トゥッツ1790年代製作楽器に基づく8キー・モデル*
サンドリーヌ・シャルトン(Hp)
使用楽器:フランソワ=ジョゼフ・ナーデルマン(1781-1835)製作のオリジナル楽器
レ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアン(古楽器使用)

録音:2023年6月 サル・コロンヌ、パリ
レーベル創設者ジャン=ポール・コンベに希代のバグパイプ奏者として見出されて以来、ALPHAレーベルで録音を続けているフランソワ・ラザ レヴィチ。各種の民俗管楽器を驚くべき音楽性で吹きこなすだけでなく、古楽器奏者としても徹底した同時代史料の検証や音楽史研究の 成果を演奏に反映させ、信頼できる音楽仲間と結成したレ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアンと共に、16〜18世紀の宮廷音楽から民俗系 レパートリーまでその録音の幅広さは他に類をみません。その一貫した解釈姿勢を保ちつつ今回はなんと古典派に進出し、モーツァルトの協 奏曲3曲を自らソロに立ち録音。弦楽合奏だけでも過去のアルバムのどれよりも多い13名が居並ぶ17人編成ですが、培われた一体感は 見事というほかなく、きわめて滑らかでメロディアスかつ機知に富んだラザレヴィチの吹奏と絶妙のアンサンブルを展開してゆきます。両フルート 協奏曲では「モーツァルト自身のピアノ協奏曲のものも大いに参照した」(本人談、ライナーノートより)ラザレヴィチ自身による即興性に富んだ カデンツァを、近年ソロ活動でも注目されているサンドリーヌ・シャルトンとの「フルートとハープのための協奏曲」ではソロ楽器の二重奏を鮮や かに織り上げたピエール・シェペロフ作曲の18世紀室内楽風カデンツァを披露。充実したインタビューによる解説(仏、英、独語)も、参照した 同時代教本や音楽史研究書、使用楽器の根拠などがあげられており読み応えがあります。

Biddulph
BIDD-85049(1CD)
NX-B06
協奏曲集と小品集
1-3. 伝モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調 K.268
4-5. ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ短調 Op.37
6-9. ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調
10. ピエトロ・ナルディーニ(1722-1793):ヴァイオリン・ソナタ ニ長調〜アリア(イザイ編)
11. ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.9No.3-タンブーラン(ヘルマン編)
12. モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.334-メヌエット(ヘルマン編)
13. ヴュータン:アルバムの綴り Op.40〜 第1番 ロマンス
14. イザイ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調「バラード」
15. クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ
アルフレッド・デュボワ(Vn)
ブリュッセル王立音楽院O…1-5
デジレ・デファウ(指)…1-5
ジェラルド・ムーア(P)…6-9
フェルナン・フイエンス(P)…10-13
14,15は無伴奏

録音/音源
1931年6月12日/LF X201/03(matrices LBX 83/87)…1-3
1929年9月27,28日/LFX14/16(matrices W 52031/36)…4-5
1947年10月27日/LCX103(matrices CLBX160/61)…6-9
1929年9月26日/LF2(matrices W33029)…10
1929年9月26日/LF2(matrices W33030)…11
1931年6月13日/LFX203(matrices LBX90)…12
1929年12月19日/D15144(matrices WLX700)…13
1947年10月27日/LCX104(matrices CLBX162/63)…14
199年9月26日/LF3(matrices W33031/32)…15
グリュミオーらの師としてフランコ=ベルギー楽派を現代につないだアルフレッド・デュボワ。彼が遺した2つの協奏曲録音他を復刻。イザイの無伴奏ソナタ第3 番などの併録曲の数々も魅力的です。 アルフレッド・デュボワは12歳でブリュッセル音楽院に進んでアレクサンドル・コルネリスにヴァイオリンを学び、3年後にはプルミエ・プリを得ました。卒業後もコル ネリスに個人的に師事し続けましたが、イザイにレッスンを受けたこともあるのでデュボワをイザイの弟子とする説もあります。22歳の年にブリュッセル市から ヴュータン賞を授与されてソリストとして本格的な活動を始め、1927年にはイザイの後任としてブリュッセル王立音楽院の教授陣に迎えられました。門下にア ルテュール・グリュミオーがおり、現在では「グリュミオーの師」として言及されることの多いデュボワですが、第1次大戦と第2次大戦の間はベルギーを代表する ヴァイオリニストとして高い評価を得ていました。このディスクではデュボワが遺した2曲の協奏曲録音を復刻し、その余白に小品を収めています。1曲目は、かつてケッヘルが番号を与えて「モーツァルトの第6番」として親しまれていたもので、ティボーやフェラスといった名手も録音しています。エックの作と判定 されてからは録音が減ってしまったのが惜しまれる佳曲です。ヴュータンの第5番は第2楽章はじめのアダージョ部分にグレトリの歌劇「ルシール」の旋律が引用 されていることから「ル・グレトリ」のニックネームが付けられました。当初は課題曲として作曲されたものだけに、技巧的な見せ場の多い作品で、デュボワのテク ニックの冴えと歌謡的な旋律での豊かなヴィブラートを伴った歌わせ方が魅力を加えています。格調高く描かれたヘンデルや、ヴィルトゥオーゾ的なイザイとクラ イスラーなどの小品群も、この演奏家の様々な魅力を伝えてくれます。

Orchid Classics
ORC-100315(1CD)
NX-B06
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲とソナタ
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 第10番 変ホ長調 K.365/316a
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 第7番ヘ長調 K.242
2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448/375a*
フィアンメッタ・タルリ(P)
イーヴォ・ヴァルバノフ(P)
ムハイ・タン(指)
イギリス室内O

録音:2018年7月13ー14日 Henry Wood Hall(UK)
2022年9月2日 Menuhin Concert Hall(UK)*
ストラヴィンスキーの「春の祭典」や「ペトルーシュカ」、ブラームスのワルツ集での素晴らしいアンサンブルが高く評価さ れるフィアンメッタ・タルリとイーヴォ・ヴァルバノフによるピアノ・デュオ。 当盤ではモーツァルトの2台ピアノのための3作品を演奏しています。協奏曲ではムハイ・タンが指揮するイギリス室 内Oをバックに従え、バイロイトに本拠を置くドイツのピアノ製造会社、シュタイングレーバーの「フェニックス・モ デル」を使用。この楽器の特徴である「オーケストラを思わせる壮大かつ柔らかい音色」を存分に生かした華麗な演 奏を披露。ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホールの美しい響きも聴きどころです。 メニューイン・コンサートホールでスタインウェイを使用したソナタとの音色の違いもお楽しみいただけます。

Queen Elisabeth Competition
QEC-2024(4CD)
NX-F06
エリザベート王妃国際音楽コンクール ヴァイオリン部門2024
■CD1
 ショスタコーヴィチ
1-4. ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77
 ブラームス
5-7. ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
■CD2
 モーツァルト
1-3. ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K. 207
4-6. ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
 ベートーヴェン
7-10. ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調 Op. 30-2
■CD3
 チャイコフスキー
1-3. ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(1965-):
4. リタニー風変奏曲
 シューベルト
5. 幻想曲 D934
■CD4
 サン=サーンス
1. 序奏とロンド・カプリチオーソ
 チャイコフスキー
2. ワルツ・スケルツォ ハ長調 Op.34
 シャーロット・ブレイ(1982-):
3. 太陽と彼女の花々 The Sun and Her Flowers
 シェーンベルク
4. 幻想曲 Op.47
 ルトスワフスキ
5. スビト
 バルトーク
6-7. ヴァイオリン・ソナタ第2番Sz.76
 シュニトケ(1934-1998):
8-11ヴァイオリン・ソナタ第1番
■CD1
1-4. ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)
5-7. ジョシュア・ブラウン(Vn)
■CD2
1-3. 吉田南(MINAMI)(Vn)
4-6. ケヴィン・ジュー(Vn)
ジョシュア・ブラウン(Vn)

■CD3
1-3. ジュリアン・リー(Vn)
4. ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)
5. エリー・チョイ(Vn)
■CD4
1. ルスラン・タラス(Vn)
2. カレン・スー(Vn)
3. ハナ・チャン(Vn)
4. ターユン・ユー(Vn)
5. アナ・イム(Vn)
6-7. ソンハ・チョイ(Vn)
8-11ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)

ベルギー国立O
アントニー・ヘルムス(指)…CD1& CD3/1-4
ワロニー王立室内O
ヴァハン・マルディロシアン(指)…CD2/1-6
ピアノ:トマス・ホッペ…CD2/7-10& CD3/5
リーブレヒト・ファンベッケフォールト…CD4/1
クリスティア・フジー…CD4/2
ボリス・クズネツォフ…CD4/3
森川由佳子…CD4/4、6、7
エロディー・ヴィニョン…CD4/5
タティアナ・ビエリコヴァ…CD4/8-11

録音:2024年5月13-18日 フラジェ・スタジオ4、ブリュッセル
2024年5月27日-6月1日 ブリュッセル・ファイン・アーツ・センター、 全てライヴ
6月1日(日本時間2日)に閉幕したばかりのエリザベート王妃国際音楽コンクールから、熱演を収めたライヴ盤が早くも登場! エリザベート王妃国際音楽コンクールは、チャイコフスキー・コンクール、ショパン・コンクールと共に「世界三大コンクール」と呼ばれる屈指の名 門コンクール。前身のウジェーヌ・イザイ・コンクール時代を含めれば、ヴァイオリン部門の優勝者にはダヴィド・オイストラフ(1937)、レオニード・ コーガン(1951)、堀米ゆず子(1980)、ヴァディム・レーピン(1989)、戸田弥生(1993)、レイ・チェン(2009)など、錚々たる顔ぶれが並び ます。2024年のヴァイオリン部門は当初予定の2023年から1年延期されて開催され、5月6日から熱戦が繰り広げられました。日本でも 奈良県出身でボストンのニューイングランド音楽院修士課程を5月に修了したばかりのMINAMIこと吉田南が入賞し、メディアで紹介された ので、ご覧になった方も多いと思います。 このアルバムではCD1からCD3には入賞者6名による選りすぐりの演奏を収録し、CD4には順位が付かなかったファイナリストたちの演奏を収 めていますが、難関で知られるコンクールだけに、ファイナリスト12名の全員が非常に高水準であったことが伝わる内容となっています。中でも ウドヴィチェンコは力強い美音と造形力を持ちながら、時にグロテスクなサウンドを出すこともいとわず曲の核心をえぐり出そうとする、師のクリス ティアン・テツラフにも通じる演奏を展開しており、インターネット中継を見ていた人たちの多くが優勝候補筆頭に挙げたことも頷けます。ちなみ にウドヴィチェンコは6月1日生まれ。優勝を手にしたのは25歳の誕生日でした。CD2のモーツァルト2曲は演奏者がカデンツァも作曲していま す。吉田南はロマンティックな美感を前面に出したものを披露していて、これが実にモーツァルトの音楽とつながりが良く、全曲の造形の確かさ と相俟って聴きものとなっています。 CD3のトラック4はファイナルの、CD4のトラック3はセミ・ファイナルのための新作課題曲です。
Queen Elisabeth Competition
QECDUO-24(4CD)
NX-E10
エリザベート王妃国際音楽コンクール ヴァイオリン部門2009-2012


■CD1
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調*
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op.28*

■CD2
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.6
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番*
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調 Op.27-6*
サン=サーンス:ハバネラ Op.83*

■CD3
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」*
エルガー:ヴァイオリン協奏曲
ロ短調 Op.61*

■CD4
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216*
チャイコフスキー:懐かしい土地の思い出(瞑想曲) Op.42-1*
ワルツ・スケルツォ ハ長調 Op.34*
■CD1
レイ・チェン(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
トマス・ホッペ(P)
録音:2009年5月16日 ボザール(4-8)、5月30日 王立音楽院(1-3)
*初出音源
■CD2
ロレンツォ・ガット(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
エリアーヌ・レイエス(P)
録音:2009年5月12日 ボザール(4-8)、5月26日 王立音楽院(1-3)
*初出音源
■CD3
ヴィネタ・サレイカ(Vn)
ワロニー王立室内O、ポール・グッドウィン(指)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
録音:2009年5月14日 ボザール(1-3)、5月25日 王立音楽院(4-6)
*初出音源
■CD4
アンドレイ・バラノフ(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
ワロニー王立室内O、ミヒャエル・ホフステッター(指)
ダナ・プロトポペスク(P)

録音:2012年5月8日(5-7)、5月11日(8、9) フラジェ、スタジオ4、5月
24日 ボザール (1-4)
*初出音源
録音場所:王立音楽院、フラジェ(スタジオ4)、ボザール(以上、ブリュッセル)
 全てライヴ
「世界三大コンクール」の一つに数えられるエリザベート王妃国際コンクールの記録音源より、こんにち世界的に活躍する4人のライヴをリリー ス。収録時間にして約3分の2が初出音源で構成されているのも魅力です。CD1のレイ・チェンは2009年の第1位。今や世界的なソリスト として活躍し、メジャー・レーベルからCDリリースしています。名作フランクのソナタやサン=サーンスのヴィルトゥオーゾ・ピースの初出音源が聴 けるのは嬉しいところ。CD2のロレンツォ・ガットは同2009年の第2位。母国ベルギーを代表する音楽家として国際的に活動し、ALPHA レーベルからリリースしたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集は高く評価されました。初出音源では彼のヴィルトゥオジティを堪能できます。 CD3のヴィネタ・サレイカ(現在の姓はサレイカ=フォルクナー)は2009年のファイナリスト(Laureate)。フランダースSOのコンサートマス ターやアルテミスSQの第1ヴァイオリンを経て、2023年にベルリン・フィルのコンサートマスターに就任し(女性として初)、同年の来 日公演にも参加しました。ここでは様式も規模も異なる2曲の協奏曲を聴かせます。CD4のバラノフは2012年の第1位。得意とするチャイ コフスキーの名曲2曲に加えてモーツァルトの協奏曲も初出という嬉しい内容です。

APARTE
AP-364(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
リード・テツロフ(P)
パヴェウ・カプワ(指)プラハ・フィル

録音:2023年3月/ドヴォルザーク・ホール(プラハ)
リード・テツラフは1992年ミネソタ生まれのアメリカ・ピアノ界期待の星。2015年の第15回チャイコフスキー国際コンクールや2018年の第10回浜松国 際コンクールで入賞こそ逃しましたが注目され、「魔法のような音色」「熱狂的な技巧」が評判となりました。
彼のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集シリーズ第1弾は第4番と「皇帝」。交響曲第3番「英雄」やラズモフスキー四重奏曲などと革命的作品と同時代の2篇 の完璧なイメージを提供し、カプワ指揮プラハ・フィルとともにドラマを作り上げています。 (Ki)

King International
KKC-6874(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フランス女性ピアニストたち〜ブルショルリ他
■CD1
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)ショパン:夜想曲集 第13番ハ短調、第7番ハ短調、第8番変ニ長調、第4番ヘ長調、第9番イ長調
■CD2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番+ラヴェルについて語る(日本語訳なし)
(2)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」+ショパンについて語る
■CD1
(1)モニク・ド・ラ・ブルショルリ(P)、レオポルト・ルートヴィッヒ(指)BPO
録音:1948年6月20-21日ベルリン・ティタニア・パラストLive
(2)ユーラ・ギュラー(P)
録音:1959年9月9日
■CD2
(1)イヴォンヌ・ルフェビュール(P)、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキー(指) フランス国立O
録音:1959年12月1日
(2)マグダ・タリアフェロ(P)、ポール・パレー(指) フランス国立O
録音:1958年4月21日Live
■ブルショルリ(1915-1972)のベートーヴェン。ブルショルリは1937年のショパン・コンクールでフランス人初の入賞(第7位)。1966年の自動車事故により ピアノが弾けなくなり、引退を余儀なくされまました。
■ユーラ・ギュラー(1895-1980)は、ロシア人の父、ルーマニア人の母を持ちマルセイユで生まれました。幼 いころから神童として活躍、パリ音楽院を首席で卒業した名手でありながらその美貌もすばらしく、映画女優にスカウトされたほど。エネスコ、フランチェスカッ ティ、シゲティらと共演し、アインシュタインのヴァイオリンとも演奏したことがある彼女の録音物は決して多くなく、残されたひとつひとつがたいへん貴重で、熱 烈な愛好家がいることで知られています。ここには大戦後に復帰した直後のショパンのマズルカが収録されています。ユーラ・ギュラーに関してのハスキルの興味 深い言葉があります:「ユーラ・ギュラー、なんと風変りで気まぐれな女性でしょう。彼女は本能のおもむくままに行動し、たいていの場合トラブルに見舞われま す。しかし本当に素晴らしい芸術家です!」。
■ルフェヴュール(1898-1986)はピアニスト、教師として名を成しました。9歳でコンセルヴァトワールに入学、コル トーとヴィドールに師事。13歳で初リサイタル、14歳でオーケストラと初共演。フォーレ、ラヴェルらと親交を結び、また、1936年からコルトーのアシスタントを務 め、サンソン・フランソワにもレッスンをしています。1952-67年、教授を務めました。ポリフォニックな演奏はバッハに向いていましたが、彼女はまたドビュッシー のスペシャリストでもありました。
■タリアフェロ(1893-1986)はフルトヴェングラー、ミュンシュ、モントゥ。パレー、アンセルメといった指揮者と共演、さらに ティボー、エネスコ、カザルスとも共演をした名手。コルトーの弟子のひとりです。アーン、ピエルネ、ヴィラ=ロボスらの作品の初演を手掛けてもいます。赤毛と大 胆なドレスもいつも注目の的でした。

MELO CLASSIC
MC-1078(2CD)
アレクサンダー・ブライロフスキー/ライヴ・コンサート・イン・ヨーロッパ
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)ショパン:ピアノ協奏曲第1番
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(4)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
(5)リスト:死の舞踏
アレクサンダー・ブライロフスキー(P)
(1)カール・ガラグリー(指)ストックホルム・コンサート協会O
(2)(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルク放送O
(3)ユージン・オーマンディ(指)フィラデルフィアO
(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルク放送O
(5)アンドレ・クリュイタンス(指)フランス国立放送O

録音:(1)1951年9月19日スウェーデン放送局ストックホルム・コンサート・ホール、
(2)(4)1962年4月4日ルクセンブルク - オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニーRTL、
(3)1958年6月30日ミュンヘン - コングレスホール ドイツ博物館、
(5)1958年10月16日パリ - シャンゼリゼ劇場
全てモノラル
アレクサンダー・ブライロフスキーは1896年ウクライナのキーウに生まれ、1976 年にニューヨークで没したウクライナのユダ ヤ系ピアニスト。キーウ音楽院に在学中ラフマニノフにその才能を見出され、その後ウィーンでテオドル・レシェティツキに師 事した。1926年にフランス国籍を取得するも最終的にアメリカに帰化した。彼の演奏スタイルは大音量で聴き手を圧倒する のではなく、透明な音色と洒落たエスプリで聴かせるものであった。恩師ラフマニノフ、チャイコフスキーのほかショパンを得 意としており、このアルバムでは彼の個性が存分に味わえます。まとまった録音が少ないだけに貴重なアルバム。
MELO CLASSIC
MC-2054(1CD)
ヨハンナ・マルツィ/ライヴ・コンサート・パフォーマンス
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8 番ト長調
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
(1)イシュトヴァン・ハイジュ(P)
(2)ルチアーノ・ロサーダ(指)RAIミラノSO
(3)ウルス・ヨーゼフ・フルーリー(指)ソロトゥルン室内O

録音:(1)1969年2月3日ヴェネツィア、フェニーチェ劇場(ライヴ・モノラル)、
(2)1961年6月6日ミラノ、スタジオRAI (ライヴ・モノラル)、
(3)1974年5月9日ソロトゥルン大ホール(ライヴ・モノラル)
ヨハンナ・マルツィ(1924-1979)はルーマニア出身のヴァイオリニスト。ブダペストのフランツ・リ スト音楽院でイェネー・フバイに師事し13歳でデビュー。1947 年にジュネーヴ国際音楽コンクールに入賞後はスイスを拠点に国際的に演奏活動を続けた。1960 年代からはピアノのイシュト ゥ・ヴァン・ハイドゥと組んでデュオ活動を盛んに行っています。このアルバムではハイドゥとのデュ オによるベートーヴェンのソナタのほか、得意のメンデルスゾーン、モーツァルトの協奏曲を披 露しています。
MELO CLASSIC
MC-2055(2CD)
マックス・ロスタル/コンサート・ツアー1956-1965
(1)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
(2)ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調KV219
(4)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
(5)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.82
マックス・ロスタル(Vn)
(1)(3)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルク放送O
(2)ヤン・クーツィール(指)バイエルンRSO
(4)カール・メレス(指)ルクセンブルク放送O
(5)エーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O

録音:(1)1957年11月23日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(2)1957年3月15日ミュンヘン、ヘラクレスザール(スタジオ録音・モノラル)
(3)1956年1月25日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(4)1960年11月5日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(5)1965年9月4日チューリッヒ、スタジオI-DRS(スタジオ録音・モノラル)
マックス・ロスタル(1905-1991)はオーストリア帝国のテシェン(現ポーランド領チェシン)に生ま れベルリン高等音楽院でカール・フレッシュに学び、後に同校で教鞭と執ったがナチスの台頭 によりイギリスに亡命。戦後はケルン音大、ベルン音楽院で後進の指導にあたり、イヴリー・ギト リス、ウート・ウーギら多くの優秀なヴァイオリニストを育てた。ドイツ、オーストリアの作曲家の作 品を得意としているが、同時代の作曲家の作品の擁護者としても知られ、このアルバムにも収 録されているハチャトゥリアンのほか、バルトーク、ベルク、ショスタコーヴィチなどもレパートリー にしていた。ロスタルの録音がこうしてまとまったアルバムがリリースされるのは珍しく大変貴重。
MELO CLASSIC
MC-2056(2CD)
アルテュール・グリュミオー/ライヴ・コンサート・パフォーマンス
(1)パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ短調MS60
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調KV219
(3)バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
(4)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調KV218
(5)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソOp.28
(6)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ短調「バラード」Op.27-3
(7)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
アルテュール・グリュミオー(Vn)
(1)フランコ・ガリーニ(指)ウィーンSO
(2)(4)(5)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルク放送O
(3)ヘンリー・メルケル(2nd Vn)、ルイ・マルタン(指)ストラスブールRSO
(7)カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・クラシッシェクPO

録音:(1)1954年12月9日ウィーン楽友協会ホールORF(ライヴ・モノラル)、
(2)1956年5月17日ルクセンブルク 、オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニー(ライヴ・モノラル)、
(3)1958年6月19日ストラスブール、パレ・デ・フェット(ライヴ・モノラル)、
(4)(5)(6)1955年5月26日ルクセンブルク、オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニー(ライヴ・モノラル)、
(7)1971年11月22日シュトゥットガルト、リートハレSDR(ライヴ・ステレオ)
アルテュール・グリュミオー(1921-1986)はベルギーのヴァイオリニスト。パリでジョルジュ・エネ スコに師事、第二次大戦中はナチスに協力的でなかった為、活動の範囲は限定されていたが 戦後はソリストとして華々しい活動を開始した。彼のレパートリーはバロックから古典派、ロマン 派そして同時代の音楽と幅広かった。また、このアルバムにも収録されているように長い間行方 不明だったパガニーニのヴァイオリン協奏曲第 4番の楽譜を発見、復活初演し録音した(当録 音がそれである)功績も忘れがたい。艶やかな音色と気高い品位を持った彼のヴァイオリンは 20世紀前半のヴァイオリン演奏の頂点といっても過言ではない。
MELO CLASSIC
MC-2057(2CD)
ピーナ・カルミレッリ/コンサート・ツアー1964-1971
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調KV216
(4)ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1 番イ短調Op.77
ピーナ・カルミレッリ(Vn)
(1)(2)エーリッヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
(3)ウィレム・ファン・オッテルロー(指)NDRハノーファー放送O
(4)ウィリー・シュタイナー(指)NDRハノーファー放送O

録音:(1)1968年10月6日チューリッヒス、タジオ1-DRS(スタジオ録音・モノラル)、
(2)1964年2月2日チューリッヒ、スタジオ1-DRS(スタジオ録音・モノラル)、
(3)1971年2月12日ハノーファー、放送センターNDR(ライヴ・ステレオ)、
(4)1965年11月19日ゲッティンゲン、シュタットハレNDR(ライヴ・モノラル)
ピーナ・カルミレッリ(1914-1993)はイタリアのヴァイオリニスト。ミラノ音楽院でミケランジェロ・ アバド、ローマの聖チェチーリア音楽院でアリゴ・セラートに師事した。ボッケリーニ五重奏団、 カルミレッリ四重奏団を創設するなど、室内楽に力を入れる一方、ルドルフ・ゼルキンをパート ナーにベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲演奏を行うなど、ソロ活動も活発に行った。 1973年から1986年イ・ムジチ合奏団のコンサート・ミストレスを務めた。イ・ムジチのコンミスによ るショスタコーヴィチなど興味深い。
MELO CLASSIC
MC-2058(1CD)
グィラ・ブスターボ/発掘された放送音源集
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調KV268
(2)ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
グィラ・ブスターボ(Vn)
(1)オトマール・ヌシオ(指)スイス・イタリアーナO
(2)ヒューゴ・リグノルド(指)ラジオPO

録音:(1)1965年6月4日ルガーノ、テアトロ・クルサールRSI(スタジオ録音・モノラル)、
(2)1966年5月4日ヒルヴェルスム・スタジオAVRO(スタジオ録音・モノラル)
グィラ・ブスターボ(1916-2002)はアメリカのヴァイオリニスト。両親の手ほどきで2 才からヴァイ オリンを始め、既に4才でシカゴSOと共演、5 才の頃にはイザイ門下のレオン・ザメティーニに師事した。天才少女の名をほしいままにしてヨーロッパへ演奏旅行に出かけ、フルトヴェ ングラー、アーベントロート、メンゲルベルクらと共演、またパリではジョルジュ・エネスコの指導 を受けています。しかし戦時中、ナチスの息のかかったコンサートに出演したことが戦後問題にさ れ、アメリカ国内での演奏が事実上出来なくなり、1970 年に帰国するまでヨーロッパのみでの 活動を余儀なくされた。このアルバムは天才少女として世に出ながら不遇な人生を余儀なくさ れたブスターボの近年発見された珍しい放送録音集。ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲は 圧倒的な熱演で聴きごたえ充分。
MELO CLASSIC
MS-3018(2CD)
ダニール・シャフラン/コンサート・ツアー・イン・ヨーロッパ
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104B 191
(2)シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129
(3)シューマン:幻想小曲集Op.73
(4)シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調D 821
(5)バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012
(6)シュニトケ:古い様式の組曲
(7)ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調Op.40
ダニール・シャフラン(Vc)
(1)アルヴィド・ヤンソンス(指)モスクワPO
(2)ヤロスラフ・クロムホルツ(指)チェコRSO
(3)(4)ハンス・アルトマン(P)
(6)(7)アントン・ギンズブルグ(P)

録音:(1)1967年7月23日東ベルリン 、メトロポリタン・シアター、ドイツ放送協会(ライヴ・モノラル)、
(2)1973年5月22日プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ・ステレオ)、
(3)(4)1959年11月09日ミュンヘン、スタジオBR(スタジオ録音・モノラル)、
(5)(6)(7)1982年5月20日プラハ、ドヴォルザーク・ホール(ライヴ・ステレオ)
ダニール・シャフラン(1923-1997)はソビエト・ロシアのユダヤ系チェリスト。チェリストであった 父の手ほどきで8才よりチェロを始め、10才で公開のコンサートで演奏、11 才の時にオーケス トラを共演した。ソビエト国内ではシャフランよりやや年少のロストロポーヴィチとともにチェロの 双璧と目された。ソリストとしてのキャリアを追求し、録音も盛んに行ったが、その活動がソビエト 国内、東欧諸国に限られていたため、彼の国際的な名声は非常に限られていた。アメリカ・デ ビューは1960年、その後日本でも数度来日してコンサートを行っています。彼の豊かな音色、ヴ ィブラートそして特に高音域での驚異的なテクニックは今日聴いても決して色褪せない。

Danacord
DACOCD-888(2CDR)
ラウニ・グランデールの遺産第8集

(1)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53*

(2)ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容

(3)ペーザー・グラム(1881-1956):ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op20(1919-20)**

(4)グラム:序曲 ハ長調 Op.21(1935)

(5)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(第1楽章に一部欠落あり)***
(6)シベリウス:交響曲第1番- 第1楽章・第3楽章・第4楽章
ヤロスラフ・スヒー(Vn)*、
ヴィリ・ケーア(Vn)*、
マックス・ロスタル(Vn)***、
ラウニ・グランデール(指)、
デンマークRSO

(1)録音:952年12月11日 (ライヴ放送)
(2)録音:1954年11月25日 ラジオ・オペラ 1952年12月11日 (ライヴ放送)
(3)録音:1956年11月25日 (ライヴ放送)
(4)録音:1950年9月28日 (ライヴ放送)
(5)(6)録音:1950年12月7日 シベリウス85歳誕生日コンサート(ライヴ放送)
デンマーク放送のアーカイブ音源によるグランデール(1886-1960)の「遺産」シリーズ。第8作は「スタイリッシュ」と評された協奏曲を中心に構成されました。シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」は、オーストリア出身のイギリスのヴァイオリニスト、マックス・ロスタル (1905-1991)がソロを弾いた1950年12月7日の「シベリウス85歳誕生日コンサート」のライヴ放送録音。ドヴォルザークの協奏曲は、ウィーン国立歌劇場のヤロスラフ・スヒーと共演。グランデールと同時代に人気のあったデンマークのペーザー・グラムの曲は、デンマークのヴィリ・ケーアがソロを弾いています。シベリウスの「交響曲第1番」は、第2楽章をのぞく3楽章のみの収録です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Signum Classics
SIGCD-908(1CD)
ヴィヴァルディ×22〜フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロのための二重協奏曲集
ヴィヴァルディ:協奏曲ハ長調 RV.557(2本のヴァイオリン、2本のオーボエ、2本のリコーダー、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ト短調 RV.531(2本のチェロ、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ハ長調 RV.533(2本のフルート、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ト長調 RV.516(2本のヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ハ長調 RV.534(2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲変ロ長調 RV.524(2本のヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ヘ長調 RV.572「プロテウス、または、さかさまの世界」(Vn、チェロ、2本のフルート、2本のオーボエ、ハープシコード、弦楽と通奏低音のための
ラ・セレニッシマ、
エイドリアン・チャンドラー(指,Vn)
英国屈指のバロック・ヴァイオリニスト、エイドリアン・チャンドラーによって1994年に創設されたピリオド・アンサンブル、ラ・セレニッシマ。"赤毛の司祭"ヴィヴァルディを中心とする18世紀ヴェネツィアとその周辺の作曲家たちの知られざる作品や、再発見された作品の世界初録音を続々と世に送り出し、これまで2度のグラモフォン賞に輝いています(「セレニッシマ」は、「晴朗きわまるところ」という意味の、ヴェネツィアの別称)。
2018年にAvieからリリースされ、英BBCミュージック・マガジンでは2018年10月の『Recording of the Month』にも選ばれた「ヴィヴァルディ×2」(AV-2392)の続編となる、「ヴィヴァルディ×22」(ヴィヴァルディ 掛ける2の二乗)が、Signum Classicsから登場!
今作でも、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロなど様々な楽器・編成のためのダブル・コンチェルトが組み合わされ、エイドリアン・チャンドラーのダイナミックなアンサンブルで、ヴィヴァルディのもっとも色彩豊かで楽しい作品群と、更なるバロック音楽の素晴らしさをお届けします。
ケイティ・バーチャー(フルート&リコーダー)やレイチェル・チャップリン(Ob)などの一流古楽器奏者たちのソロにも注目!

BONGIOVANNI
GB-5640(1CD)
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲全集 第2集
協奏曲 イ短調 RV500
協奏曲 ハ長調 RV469
協奏曲 ヘ長調 RV489
協奏曲 ニ短調 RV481
協奏曲 ハ長調 RV467
協奏曲 イ短調 RV497
協奏曲 ヘ長調 RV487
協奏曲 ハ長調 RV471
マウロ・モングッツィ(Fg))
スカラ座の弦楽奏者たち
ジョヴァン ニ・ブロッロ(Cemb)

録音:2022年12月23日、2023年5月5日
ミラノRAISO、フェニーチェ歌劇場Oなどでファゴット奏者を務めるイタリアの名手マウロ・モングッツィによるヴィヴァルディの協奏曲集第2弾。 モダン楽器での演奏です。 (Ki)


Treasures
TRE-316(1CDR)
ハンゼン/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op. 15*
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op. 37
コンラート・ハンゼン(P)、
ハインツ・ワルベルク*、イシュトヴァン・ケルテス(指)
バンベルクSO、

録音:1960年頃(共にステレオ)
※音源:独OPERA St-3959*、St-3919
◎収録時間:69:16
“小手先の演出とは無縁のドイツ・ピアニズムの真髄!”
■音源について
2曲とも10インチの初期ステレオ盤を使用。

★1906年ドイツ生まれでE・フィッシャー門下、フルトヴェングラーとの競演でも知られるハンゼンの芸風をとことん堪能できる貴重なステレオ録音。珠を転がすようなタッチから深みとコクを湛えた風情が滲み、ピアニッシモでも音楽自体を脆弱にせず、一本芯の通った精神的な逞しさを絶やさないのは、リヒター・ハーザーなどとも共通する特質です。
 第1番、第1楽章は楽想の可憐さをと古典美を湛えた演奏。第3番と共にハンゼン自身の作によるカデンツァが使用されていますがこれが実に素晴らしく、他のピアニストにも是非採用して欲しい力作。第2楽章は情に溺れず、強弱対比も控えめに淡々と進行しているようでいて、そこにはモーツァルト的な柔和な光が常に付随。特に5:40以降の弦のピチカートと共に進行するフレーズの幸福感、6:42以降のトリルの慈しみ方は、例えようもない余韻を残します。近年ではまるで速さを競うかのような演奏が多い終楽章は、まずそのテンポに膝を打ちます!このテンポだからこそベヒシュタインと思われる楽器の馥郁とした雰囲気も十分に揮されたと言えましょう。
 第3番の第1楽章は、第2主題に入ると柔和な表情に転じる演奏が多いですが、ここでは明快なタッチを崩さず全く媚びるそぶりを見せず男っぽさ満点!第2楽章も強弱の振幅を意図的に操作する印象を与えない朴訥な進行がかえって心を打ちます。装飾音やトリルは決して軽く滑らすのではなく、音の粒の一つ一つが芯から響いているのです。終楽章はもっとスポーティな演奏はいくらでもありますが、この筋金入りとしかいいようなない頑丈な構築感は何度聴いても見事。一見ぶっきらぼうとも言える1:56〜1:58のフレーズの締めくくり方は、ドイツの心意気丸出し!更に感動的なのは5:01からのまろやかなタッチに彩られた夢のようなロマン性!全く力みがなく指が勝手に動いているような自然な音楽の律動感が美しさの極み!この箇所でこんなに心奪われたことはありません。メカニックな痛快さはどこにもありませんが、逆にその技巧を武器にしない渋いピアニズムの奥底のある息遣いを是非感じていただきたいと思います。
 2人の指揮者との競演も盤石。派手さとは対極にあるハンゼンのピアニズムを見事に引き立たせつつも、オケの持つ木目調の風合いとも相まって自然な構築美を築き上げています。【2024年6月・湧々堂】

CPO
CPO--555667(1CD)
NX-C04
17-18世紀のホルン協奏曲集
ファッシュ:協奏曲 ニ長調 FWV L:D16
ハイニヒェン:シンフォニア ヘ長調 Seibel209
シュテルツェル(1690-1749):シンフォニア 変ホ長調
メルヒオール・ホフマン(1679頃-1715):協奏曲 変ホ長調
バッハ:われ心より至高なるものを愛する BWV174- シンフォニア
グラウプナー(1683-1760):シンフォニア ニ長調 GWV511
ファッシュ:協奏曲 ニ長調 FWV L:D186番ニ短調 Op. 65No.6
シュテファン・カッテ(Hrn1/トロンバ・ダ・カッチャ)
ゼバスティアン・フィッシャー(Hrn2/トロンバ・ダ・カッチャ)
ラルパ・フェスタンテ(古楽器使用)
シュテファン・カッテ(指)
リーン・フォスカイレン(指)

録音:2021年1月11-13日
ボヘミアのフランツ・アントン(チェコ名フランティシェク・アントニン)・フォン・シュポルク伯爵が1680年にルイ14世の宮 廷を訪れた際、初めてホルンに出会いました。彼はこの楽器に魅了され、2人の召使をフランスに派遣、演奏法を 学ばせたと言われています。このときボヘミアにに導入された狩りのホルン(Corno de Chasse)は、その後改良さ れてヨーロッパ全体に広がったとされています。それに伴い奏者たちのテクニックも向上し、作品中には難度の高い パッセージも含まれるようになっていきます。このアルバムでは華麗なファッシュの協奏曲をはじめ、さまざまなホルン が活躍するオーケストラ作品を紹介。18世紀初頭には協奏曲の明確な区分がなかったためシンフォニアとされて いても、独奏楽器が活躍する協奏的作品も含まれます。独奏者シュテファン・カッテとゼバスティアン・フィッシャー は、ナチュラル・ホルンと指孔付きのトロンバ・ダ・カッチャを使い分け、ベル内の手の位置で音程を変化させるストッ プを用いない古い時代の奏法も曲によって駆使し、ラルパ・フェスタンテとともに驚異的なテクニックで作品を聴かせ ます。

ANTARCTICA
AR-057(1CD)
ロベール・グロロ:協奏曲集
ロベール・グロロ(b.1951):クラリネットと管弦楽のための協奏曲 Op.124
ピアノと管弦楽のための協奏曲 Op.35
ピアノと管弦楽のための協奏曲第2番 Op.125
ルーラント・ヘンドリックス(Cl)、
ヤン・ミヒールス(P)
ブリュッセル・フィルハーモニック、
ロベール・グロロ(指)

録音:2014年-2023年(ベルギー)
ベルギーの現代作曲家、ロベール・グロロは、ピアニストとして音楽家のキャリアをスタートし、1974年のカサグランデ国際ピアノ・コンクール、1978年のエリザベート王妃国際ピアノ・コンクールで入賞後、4大陸20か国以上での演奏旅行と、スタジオ、ラジオ、テレビで多数のレコーディングを行い、120枚を超えるCDをリリースしました。作曲技法は、ほとんど独学で習得したというグロローの作風は、西洋の伝統の偉大な作曲家の業績を基に、アングロサクソン、ゲルマン、ラテンの要素を融合し、柔軟な表現力と洗練されたフォルムから成っています。
本アルバムでは、ベルギー国立Oの首席奏者(1998年〜2017年)や、ベルギーが世界に誇る木管アンサンブル”イ・ソリスティ・デル・ヴェント”のメンバーを務め、オランダのマーストリヒト音楽院ほか世界各地で教鞭を取り、日本でのマスタークラスも度々行われているクラリネットの名手、ルーラント・ヘンドリックス。2018年1月に大野和士(指)&東京都SOとメシアンの大作「トゥーランガリラ交響曲」を披露したベルギーの名ピアニスト、ヤン・ミヒールスをソリストに迎え、指揮者としての面も持つグロロが、自らのタクトで優雅な旋律とヴィルトゥオーゾ要素溢れるこれら作品の魅力を十分に引き出しています。

DUX
DUX-1796(1CD)
アンビルド:ピアノ協奏曲
カロル・アンビルド
(1925-2008):ピアノ協奏曲*
ホーリークロス山脈のこだま
ピアノと管弦楽のための狂詩曲*
アルトゥル・ヤロン(P)*、
ヤツェク・ロガラ(指)、キエルツェSO
ポーランドの都市キエルツェでその生涯のほとんどを過ごし、キエルツェSOの指揮者を務めた作曲家カロル・アンビルドの作品集。彼の作品は簡潔なものでありつつもキエルツェ地方に伝わる美しい民謡を取り入れた作品や、ジャズを取り入れた作品など多様でした。

FONE
FONE-2053(2CD)
完全数量限定盤
マダーマ宮殿のコンサート〜クリスマス2000
ミケーレ・ノヴァーロ:イタリア国歌/
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番ヘ長調 Op.50
交響曲第2番ニ長調 Op.36
コリオラン序曲 Op.62
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn&指)、
イタリア室内O

録音:2000年12月、マダーマ宮殿(ローマ)
イタリアの偉大なヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドが2000年にローマのマダーマ宮殿で行ったコンサートのライヴ録音盤が発掘!
イタリア元老院の議事堂としても使われるローマのマダーマ宮殿で行われたクリスマス・コンサートは、アッカルドの指揮とヴァイオリンで、ベートーヴェンの交響曲と協奏曲の双方を堪能できる至福の機会となりました。このディスクは近年ほとんど出回っていませんでしたが、レーベル倉庫から若干数のみ発掘され、完全数量限定で発売されることになりました。在庫がなくなり次第次回の入荷は未定です。
※重要:レーベル在庫数僅少のため、ご注文数に対して十分な枚数をご用意できない可能性がございます。予めご了承下さい。
※重要:製造から長い時間が経過しているため、経年劣化等によりケースやブックレット、ディスク等に多少のスレ、汚れ、色褪せなどが見られる場合がございます。併せてご了承下さい。

Eudora
EUDSACD-2405(1SACD)
故郷
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」
ジュディット・ハウレギ(P)、
カスティーリャ・イ・レオンSO、
カスパール・ツェーンダー(指)

録音:2023年1月18日-20日、オーディトリオ・ミゲル・デリベス(バリャドリッド、スペイン)
スペインの高音質レーベル「Eudora」が誇るSACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、レーベルが大推薦する2024年の目玉盤、ジュディット・ハウレギのコンチェルト・アルバムが登場!
スペインのサンセバスチャン出身のピアニスト、ジュディット・ハウレギは、バスク地方、メキシコ、フランスに所縁があり、ピアノはヴァジム・スハーノフに師事しドイツのミュンヘンで学んだ国際派。そんなハウレギがただの「生まれた場所」というだけでなく、その土地、文化、自然との間に深い感情的な絆が生まれ、自身のアイデンティティに消えない痕跡を残すと語る“故郷”をテーマに掲げ、共に祖国への愛を音楽で表現した2人の作曲家、グリーグとファリャの協奏的作品を取り上げます。彼女が持つ祖国への愛着が真に反映された渾身の演奏をお楽しみください。

BMC
BMCCD-332(1CD)
ペーテル・エトヴェシュ:フェルマータ、レスポンド、シフラ・プソディア
ペーテル・エトヴェシュ(1944-2024):フェルマータ(アンサンブルのための)*
レスポンド(独奏ヴィオラと32人の音楽家のための)**
ピアノ協奏曲「シフラ・プソディア」***
ペーテル・エトヴェシュ(指)、
アンサンブル・コントルシャン*、
マーテー・スーチュ(Va)**、
コンチェルト・ブダペスト**、
ヤーノシュ・バラージュ(P)***、
ミクローシュ・ルカーチュ(ツィンバロム)***、
スイス・ロマンドO***

録音:2022年4月6日(ジュネーヴ)&2023年3月24-25日(ブダペスト)
2024年3月24日、作曲家や指揮者、教育者として現代の音楽界に多大な貢献を果たしたハンガリーを代表する巨匠、ペーテル・エトヴェシュが80歳で逝去。エトヴェシュと長年密接に関わってきたBMC Recordsが、2022年と2023年にエトヴェシュが自ら指揮した3つの作品を収録したアルバムをリリースし、この偉大な音楽家を追悼します。
Covid-19のパンデミックにインスピレーションを得た「フェルマータ」、1998年に作曲したヴィオラ協奏曲「レプリカ」を再想像した「レスポンド」、そしてエトヴェシュが幼少期から知っていたという同郷の大ピアニスト、ジョルジュ・シフラの生誕100周年を記念して作曲された「シフラ・プソディア」。改めてエトヴェシュという作曲家の存在の大きさを感じずにはいられない1枚です。

Audite
AU-97816(1CD)
バッハ・リコンストラクテッド
新ブランデンブルク協奏曲第1番〜ソプラノ・リコーダー、オーボエ、ファゴット、弦楽合奏と通奏低音のための
 1.Vivace(クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部 冒頭の合唱曲より)
 2-10.Aria with Variations1-8(イタリア風アリアと変奏 BWV989より)
 11.Adagio ad libitum(即興演奏)
 12.Presto(イタリア協奏曲 BWV971第3楽章より)
新ブランデンブルク協奏曲第2番〜3つの弦楽三重奏と通奏低音のための
 13.Allegro(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第1楽章より)
 14.Adagio(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第2楽章より)
 15.Allegro(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第3楽章より)
新ブランデンブルク協奏曲第3番〜フラウトトラヴェルソ、変則調弦のヴァイオリン、リュート、弦楽合奏と通奏低音のための
 16.Allegro(ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ BWV1029第1楽章より)
 17.Adagio ma non tanto e dolce
  (三重協奏曲 BWV1044第2楽章、またはオルガンのためのトリオ・ソナタ BWV527の第2楽章より)
 18.GavotteT-GavotteU(イギリス組曲第3番 第5楽章より)
 19.Aria(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳〜「我が魂よ、とくと思いみよ」BWV509より)
 20.Allegro(フランス風序曲 BWV831第8楽章より)
ラ・フェスタ・ムジカーレ(ピリオド楽器オーケストラ)

録音:2022年10月18〜21日/マリーエンミュンスター、シャフシュタール
エグゼクティヴ・プロデューサー、レコーディング・プロデューサー:ルトガー・ベッケンホーフ(audite)
高音質録音で人気のドイツのauditeレーベルから、3枚にわたるグレゴール・ヨーゼフ・ヴェルナーの宗教音楽集など注目を集めるアルバムをリリースしてい る2014年結成の北ドイツのピリオド楽器グループ、ラ・フェスタ・ムジカーレのニューアルバムは、バッハがテーマ。もちろん、毎回、凝った作りのアルバムを発表 するラ・フェスタ・ムジカーレのこと、ただのバッハ・アルバムではありません!
ラ・フェスタ・ムジカーレの主要メンバーでチェリストのクリストフ・ハラーが、「イタリア協奏曲」「イタリア風アリアと変奏」などの鍵盤独奏曲から、チェンバロ協 奏曲、ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ、そしてクリスマス・オラトリオの合唱曲やアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳のアリアという声楽曲まで、バッハの様々なジャ ンルの作品を素材として選び、ブランデンブルク協奏曲のように種々の楽器が組み合わさって活躍する協奏曲に仕上げました。
ソプラノ・リコーダー、オーボエ、ファゴットの独奏を持つ「新ブランデンブルク協奏曲第1番」は、「ブランデンブルク協奏曲」の第1番や第2番を、3群の弦楽 三重奏と通奏低音という編成の「新ブランデンブルク協奏曲第2番」は「ブランデンブルク協奏曲」の第3番や第6番を、フラウトトラヴェルソが活躍する第3番は 「管弦楽組曲第2番」を、それぞれ想起させる、とても興味深い協奏曲になっています。様々な楽器の組み合わせを行ったクリストフ・ハラーのアレンジは、バッハ の音楽から原曲とは異なる魅力を引き出すことに成功しているのです。総勢21人の技巧派集団ラ・フェスタ・ムジカーレによる演奏も躍動感に満ち、様々な楽器 が組み合わさった響きはプリズムのようにきらめく色彩感を生み出しています。バッハの「新しい協奏曲」を存分に楽しみください! (Ki)

CLAVES
50-3080(1CD)
ヴィスメール:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番(1942)
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番(1954)
(3)ヴァイオリン協奏曲第3番(1987)
オレグ・カスキフ(Vn/ジュゼッペ・グァルネリ・デル・ジェス製作)
シンフォニア・ヴァルソヴィア、アレクサンダー・マルコヴィチ(指)

録音:2023年9月/ポーランド放送局内第2スタジオ(ジュネーヴ)
Clavesレーベルが力を注いでリリースしているジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ピエール・ヴィスメールの作品集。当アルバムはオレグ・カスキフ独奏、ア レクサンダー・マルコヴィチ(指)シンフォニア・ヴァルソヴィアの演奏でヴァイオリン協奏曲3篇を収録しております。カスキフは過去に第3番を録音(50-3045) していますが、これとは別音源の2023年9月の新録音です。
1915年、スイス、ジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ヴィスメール。ジュネーヴの音楽院で作曲を学んだ後、1935年から三年間パリ音楽院にてロジェ=デュ カスに師事、またエコール・ノルマル・ド・ミュジックではミュンシュに指揮を学びました。第2次世界大戦でスイスに帰国するも1949年にはパリに戻り、1958 年にフランス国籍を取得しております。フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、ルーセルからの影響を受けながら、その後はストラヴィンスキーの音楽からも影響を受け ていきました。交響曲、協奏曲、室内楽曲、声楽曲、バレエ音楽など様々なジャンルに作品を残しております。
ヴァイオリン協奏曲は、メロディアスなヴァイオンが魅力の第1番(1942年)、十二音技法を取り入れ、打楽器が活躍する第2番(1954年)、ヴァイオリンとオー ケストラの掛け合いが特徴的な第3番(1987年)と時代によって作風が変わっていきますが、大規模編成のオーケストラから生まれるドラマティックな音楽とい う点では全篇共通しており、交響曲ファンにもおすすめの楽曲です。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMBA-150(1CD)
パリ国立高等音楽院の名教師たち
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」
(2)パガニーニ:24のカプリス Op.1より第13〜18番(6曲)
(3)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(1)ローラン・シャルミー(Vn)、フランソワー ズ・ドロー(P)
(2)ドゥヴィ・エルリー(Vn)
(3)ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)、
フランス国立O、
ポール・パレー(指)

録音:(1)1962年11月27日/フランス国立放送局内スタジオ(パリ)【モノラル】
(2)1967年5月12日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ120(パリ)【モノラル】
(3)1973年10月2日/オペラ=コミック座(パリ)【ステレオ/ライヴ】
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。「パリ国立高等音楽院の名教 師たち」と題した当アルバムにはローラン・シャルミー(1908〜1987)、ドゥヴィ・エルリー(1928〜2012)、ジャン=ジャック・カントロフ(1945〜)とい う3名のヴァイオリニストの正規初出録音を収録。
パトリック・ビスマスなどを育てたローラン・シャルミー。妻は高名なハープ奏者リリー・ラスキーヌです。1955年にロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝し、 ソリストとしての活動を始めたドゥヴィ・エルリーは、同年初来日を果たし、日本の聴衆にも情熱的な演奏を届けました。今やアレクサンドル・カントロフの父として も有名なジャン=ジャック・カントロフはカール・フレッシュ国際コンクール、パガニーニ国際コンクールなどで優勝した天才ヴァイオリニスト。この3人はいずれも パリ国立高等音楽院で後進の育成にも力を注ぎました。貴重な音源で聴く名手の演奏をお楽しみください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Solo Musica
SM-458(1CD)
NX-B06
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
ツェン・ゼン(ピアン)
トーマス・レスナー(指)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O

録音:2023年7月21-22日
モーツァルト所縁の地マンハイムで録音された2曲のピアノ協奏曲集。ピアノを演奏するのは中国出身のツェ ン・ゼンで、北京の中央音楽院で学んだ後、ニューヨークで研鑽を重ね米国とヨーロッパで演奏活動を行う 実力派ピアニストです。ウィーン出身、バーデンのベートーヴェン・フィルハーモニーの創設者兼芸術監督でも あるトーマス・レスナーの指揮のもと、オーケストラとピアノが一体となって、2つの作品に取り組んでいます。

Orchid Classics
ORC-100301(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調
ニールセン(1845-1931):2つの幻想的小品 Op. 2FS8より - I. Andante con duolo
ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46
ボフダン・ルッツ(Vn)
オーデンセSO
アンナ・スクリレヴァ(指)

録音:2023年8月21-25日
2022年4月に開催されたカール・ニールセン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で優勝したウクライナのヴァイオ リニスト、ボフダン・ルッツ。リヴィウとキーウで学び、スイスのグシュタード国際メニューイン音楽アカデミーに留学、ル ノー・カピュソンからも指導を受けました。コンクール優勝時、わずか17歳ながらも高い音楽性と卓越した技巧で聴 衆を魅了し、同年の8月にはドイツの文化系ラジオ局DLF(DeutschLandFunk)から奨励賞も授与されるな ど、その才能に高い期待が寄せられています。 このアルバムはコンクールの翌年にデンマークで録音されたもの。ルッツは哀愁に満ちたドヴォルザークの協奏曲を中 心に、スコットランドの民謡を用いたブルッフと、豊かな旋律を持つニールセンの協奏的作品を情感たっぷりに歌い上 げており、今後の活躍が期待されます。
Orchid Classics
ORC-100292(1CD)
NX-B06
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 Op.33TH.57
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
ジョン=ヘンリー・クロフォード(Vc)
サンフランシスコ・バレエO
マーティン・ウェスト(指)

録音:2023年3月23-24日
アメリカ出身のチェリスト、ジョン=ヘンリー・クロフォードが演奏するチャイコフスキーとドヴォルザークの名作2曲。彼は スズキ・メソードの実践者であるヴァイオリニスト、ローラ・クロフォードを母に持つ期待の若手で、2019年「CRF=ク ラシカル・レコーディング財団」のヤングアーティスト・オブ・ザ・イヤーに選出されました。以降、これまでにピアニスト、ビ クトル・サンティアゴ・アスンシオンとデュオを組み3枚のアルバムを発売、これらは300万回以上もストリーミング再生 が行われるなど、幅広い人気を博しています。今回は初となるオーケストラとの共演アルバムで、彼が愛奏するとい う2作品をじっくりと聴かせています。

VOX
VOXNX-3040CD(1CD)
NX-B06
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(1868)*
2つの抒情的小品 Op.68(1898-99)
古いノルウェーの歌と変奏 Op.51(1890/1900-05管弦楽編)
秋に Op.11(1866)
グラント・ヨハネセン(P)
ユタSO
モーリス・アブラヴァネル(指)

録音:1975年2月-3月、1975年5月*
アブラヴァネルのグリーグ管弦楽作品集の復刻第3弾で完結編。シリーズを通じて演奏は過激な表現に走ることなく、それでいて旋律は十分に歌い、 ダイナミックな躍動感も備え、安心して曲の魅力に浸ることが出来ます。冒頭に収められたピアノ協奏曲で共演しているのはユタ響の本拠地ソルトレ イクシティ出身のグラント・ヨハネセン。ロベール・カサドシュ、エゴン・ペトリ、ナディア・ブーランジェらに学び、VOXにはフランス近代作品などの録音があり ます。ピアノの音の重心が低く、低音が良く響く録音ですが、音が団子にならずきちんと分離するのは録音エンジニアのマーク・オーボートの手腕による もの。新リマスターでS/Nが改善し硬さが取れました。ブックレットには初出時のジャケットと解説を転載しています。

Pentatone
PTC-5187230(1CD)
(1)チェン・ガン/ヘ・チェンハオ:ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台」(バタフライ・ラヴァーズ)(1959)
(2)チェン・ガン(ヤン・リ・チン編):タシュクルガンの陽光(1976)
(3)パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6(1815)【第1楽章のカデンツァ:エミール・ソー
クロエ・チュア(Vn/グァダニーニ1753年製作)
(1)ジン・タ(Fl)、ウン・ペイ・シアン(Vc)
(1)(2)ロドルフォ・バラーエツ(指)、(3)マリオ・ヴェンツァーゴ(指)
シンガポールSO

ライヴ録音:(1)(2)2023年9月9〜11日/ヴィクトリア・コンサートホール(シンガポール)、
(3)2023年9月2日/エスパラネード・ホール(シンガポール)
2007年生まれのシンガポールの天才ヴァイオリニスト、クロエ・チュア(蔡珂宜)。「ヴィヴァルディ&ロカテッリ」(PTC-5187062)に続くPENTATONEレー ベル第2弾は、バタフライ・ラヴァーズとパガニーニのヴァイオリン協奏曲のライヴ録音です!
2018年、ユーディ・メニューイン国際コンクールのジュニア部門で優勝したクロエ。11歳での優勝は世界中で話題となり、instagramなどのSNSで彼女の 演奏動画が拡散されたことで神童ヴァイオリニストとして有名になりました。2024年現在17歳のチュアは、シンガポールの国民的人気を博す若手実力派ヴァイオ リニストです。
作曲家チェン・ガンとヘ・チェンハオ共作のヴァイオリン協奏曲「バタフライ・ラヴァーズ」は、古代中国のロミオとジュリエットとも呼ばれる物語にインスパイア された作品。ヴァネッサ・メイが演奏したことで世界中で知られることとなり、今ではフィギュアスケートでもおなじみの楽曲となりました。西洋音楽と京劇の要素 を巧みに融合させた名作として多くのヴァイオリニストが演奏しております。技量の見せどころ満載のパガニーニの協奏曲では、チュアの実力を証明する驚きの演 奏を披露。今後ますますの活躍を期待せずにはいられないヴァイオリニストのひとりです! (Ki)
Pentatone
PTC-5187239(1CD)
モーツァルト:フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314
モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
ミスリヴェチェク:フルート協奏曲 ニ長調
アナ・デ・ラ・ヴェガ(Fl)
イギリス室内O、ステファニー・ゴンリー(リーダー)

録音:2016年9月/ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)
“傑出した才能”(ウィグモアホール)、“真の芸術家”(カドガンホール)、“ファースト・クラス”(ベルリン・フィルハーモニー)と各演奏会で絶賛されている注 目のフルート奏者、アナ・デ・ラ・ヴェガのよるモーツァルトとミスリヴェチェクの協奏曲アルバム。
イギリス人とアルゼンチン人の両親の間にオーストラリアで生まれたヴェガはシドニー大学でマーガレット・クロフォードに師事。その後パリにてレイモンド・ギオ の最後の弟子として研鑽を積みました。
イギリス室内Oとは2010年以来度々共演しており、当ディスクにも収録されている忘れられし名曲ミスリヴェチェクのフルート協奏曲の演奏はBBCラ ジオにて生放送され話題となりました。
チェコの作曲家、ヨゼフ・ミスリヴェチェクは自国の教会でヴァイオリニストを務めるなどし、その後はヴェネツィアに赴き、オペラの作曲をジョ ヴァンニ・ペシェッティに学びました。最初のオペラ〈メデア〉は1764年に上演され、大好評を博すなど、作曲家としての才能を開花させました。チェコの音楽性 とイタリアの影響を融合することで独自の作曲様式を生み出したミスリヴェチェクの作品はウィーン古典派の巨匠たちの先駆けとなり、軽快な声部書法と旋律面で の豊かな創意によって特にイタリアで圧倒的な成功をおさめました。このフルート協奏曲も華やかな旋律が魅力の作品です。モーツァルトのフルート協奏曲2篇と あわせてお楽しみください。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(PTC-5186723)は廃盤となります。

Linn
CKD713(1CD)
NX-C04
私たちの金継ぎ〜管弦楽のための英国現代作品集
ジェイ・カッパーロールド(1989-):私たちの金継ぎ
アンナ・クライン(1980-):彼女の腕の中で
ジェイムズ・マクミラン(1959-):ゾエに捧ぐ
 オスカーの死
マーティン・サックリング(1981-):瞑想(ジョン・ダンに倣って)
ピーター・マクスウェル・デイヴィス(1934-2016):ストロムネスへの別れ(ローズマリー・ファーニスによる弦楽合奏版)
キャサリン・ブライアン(Fl)
ヘンリー・クレイ(コーラングレ)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ロリー・マクドナルド(指)

録音:2022年1月18-20日、2024年2月9日スコットランド・スタジオ、UK
1980年代生まれの作曲家たちの作品を中心とした現代管弦楽曲集。合唱作品を中心に日本でもファンの多いマクミランとカッパーロール ド、サックリングはスコットランド出身で、作曲の傍ら絵画制作でも知られ本盤のジャケットも手がけたクラインはエディンバラ大学を出ており、マ クスウェル・デイヴィスの作品(原曲は1980年に書かれたピアノ独奏曲、ここでは弦楽版で演奏)はスコットランド北部オークニー諸島の町から 着想を得てているなど、レーベルとオーケストラの本拠であるスコットランドにゆかりの深い作品集になっています。日本の伝統的な金継ぎ技 術に感銘を受けて書かれたというカッパーロールドの表題作と、マクミランの「オスカーの死」、サックリングの「瞑想」は打楽器や金管も加わる 大管弦楽のための作品で、他の3作は弦楽を中心とした編成のためのもの。いずれも各楽器の音色をよく活かしたモダンな響きながら前衛 に寄り過ぎず聴きやすい作品で、じっくり親しんでゆきたくなる映画音楽のような起伏に富んだ曲想や、あるいは徹底して美しい音楽世界に 出会うことの出来るアルバムです。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-942(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466(カデンツァ:オルガ・パシチェンコ)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488(カデンツァ: モーツァルト)
オルガ・パシチェンコ(フォルテピアノ、リーダー)
使用楽器:ウィーンのアントン・ヴァルター1792年頃製作モデルに基づくポール・マクナルティ製作の再現楽器
イル・ガルデリーノ(古楽器使用)
コンサートマスター:エフゲニー・スヴィリドフ(Vn)

録音:2021年6月6-9日コンセルトヘボウ、ブリュッヘ(ベルギー)
アムステルダムとヘントの音楽院で教鞭をとりながら世界的な活躍を続けるフォルテピアノ奏者オルガ・パシチェンコと、ベルギーの実力派古楽 器集団イル・ガルデリーノによるモーツァルトのピアノ協奏曲録音シリーズに待望の第2弾が登場。『レクイエム』などと並ぶニ短調の傑作=第 20番と、オーボエの代わりに一対のクラリネットが印象的な響きを添える第23番、いずれもモーツァルトがウィーンで希代のピアニストとして活 躍しながら間もなく「フィガロの結婚」で新たな成功を掴む躍進期の充実作2曲が選ばれています。パシチェンコはもはや「アレクセイ・リュビモフ 門下」と紹介するまでもなく強い存在感を欧州第一線で発揮していますが、今作も冒頭総奏部分の通奏低音から絶妙の立ち回りで、経 験豊かな奏者たちと対話を続けながら各曲それぞれの物語を引き出してゆく演奏は抜群の瑞々しさ。緩徐楽章の息をのむようなカンティ レーナから説得力豊かなアレグロの音使いまで隅々まで聴きどころに事欠かず、ニ短調の協奏曲ではファンタジーに満ちた独自のカデンツァま で披露してくれます。他の奏者たちも古楽器の音ならではの玄妙なニュアンスや鮮烈なアクセントを大いに活かし、「これらの協奏曲をオペラ と同じと考え、加わる楽器全てを主人公たちと認識する」(パシチェンコ談、本盤解説より)という一貫した姿勢がありありと示された解釈を披 露。トラヴェルソのデ・ヴィンネやオーボエのポンセ―ル、クラリネットのボウドら管楽器奏者にも世界的名手が続々。同レーベルのHAYDN 2032シリーズでも活躍中の技師J-D.ノワールによる古楽器の機微をよく踏まえた録音でお楽しみください。
ALPHA
ALPHA-1043(1CD)
大家C.P.E.バッハと躍進期のモーツァルト
C.P.E.バッハ:交響曲 ニ長調 Wq183-1/H663
チェンバロとフォルテピアノ〔と管弦楽〕のための協奏曲変ホ長調 Wq47/H479
モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調 K.138(ザルツブルク交響曲第3番)
ピアノ協奏曲 第17番ト長調 K.453
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ)
セリーヌ・フリッシュ(チェンバロ、フォルテピアノ)

「使用楽器」
フォルテピアノ:ウィーンのアントン・ヴァルター1795年製作モデルに基づくシュタウフェン・イン・ブレイスガウ(ドイツ)のクリストフ・ケルン2007年製作の再現楽器
チェンバロ:ベルリンのミヒャエル・ミートケ1710年製作モデルに基づくシュタウフェン・イン・ブレイスガウのクリストフ・ケルン2013年製作の再現楽器
カフェ・ツィマーマン(古楽器使用)
パブロ・バレッティ(Vn&指揮)

録音:2023年1月 ベギン女子修道会教会、シント・トライデン(ベルギー東部リンブルフ州)
ALPHAレーベル創設直後から数々の名盤を世に送り出してきた古楽器楽団カフェ・ツィマーマン。高い評価を博した大バッハの協奏曲& 管弦楽組曲シリーズに象徴される通りバロック作品の録音が目立つ彼らが今回、ついに18世紀後半の古典派時代に充実編成で臨みまし た。同団創設以来の中心メンバーで独奏者としても活躍するセリーヌ・フリッシュがチェンバロ独奏を務め(通奏低音ではフォルテピアノも使 用)、ゲストはなんと来日公演でもおなじみの俊才アレクサンドル・メルニコフ!1770〜80年代には既に国際的な名声を誇る巨匠となった ハンブルク市の音楽監督C. P. E. バッハ(大バッハの次男)、かたやザルツブルクとウィーンで続々名曲を生みつつあった躍進期のモーツァル ト、同時期とは思えないほど対照的な作風の両者それぞれ2作品ずつ収録。C. P. E. バッハが最晩年に手がけた協奏曲はオーケストラの 傍ら二つの鍵盤楽器を対置させた異色作で、両独奏者それぞれに異なる才気煥発なソロが音色の違いと共に十全に味わえる一方、モー ツァルトのピアノ協奏曲では総奏部分からメルニコフがフォルテピアノで通奏低音も演奏。充実の管楽器セクションにはオーボエのボジローや ファゴットのル・シュナーデクらバッハ録音でも活躍をみせた名手たちも参加、どの曲でも各パートの自発性と楽団の一体感が不思議な共存 をみせながら、じっくり曲を聴かせる解釈の深みはまさにカフェ・ツィマーマンならでは。名技師アリーヌ・ブロンディオの丁寧な仕事やバーゼル出 身の作曲家テュリング・ブレムによる洞察に富んだ解説(国内仕様では全訳付)まで、示唆と音楽性に富んだ演奏を十全に堪能できる1枚 です。

Dynamic
CDS-8012(1CD)
NX-B06
モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K. 546
協奏交響曲 変ホ長調 K.364
交響曲第27番ト長調 K.199
アレッサンドロ・ミラーニ(Vn)
ルカ・ラニーエリ(Va)
新フェルッチョ・ブゾーニO
マッシモ・ベッリ(指)

録音:2022年2月 Trieste(イタリア)、2022年5月 Sacile(イタリア)*
1965年にトリエステのヴェルディ歌劇場のメンバーによって創設された新フェルッチョ・ブゾーニO。楽団 名はブゾーニの母親がトリエステ出身であることにちなんでいます。このアルバムでは、バロック音楽を思わせる厳 粛な雰囲気の「アダージョとフーガ」、RAI国立SOの第1奏者二人を迎えたフランス風の協奏交響曲、 急緩急の3楽章構成でフガートによるプレストの終楽章で締めくくられるユニークな交響曲第27番という、性格 の異なるモーツァルトの3作品を演奏しています。

AAM Records
AAM-45(1CD)
NX-B10

NYCX-10475(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K. 503
コンサートアリア「どうしてあなたを忘れられよう…心配しないで、愛する人よ」K. 505
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595

※K.503とK.595のカデンツァはロバート・レヴィンの即興による
ルイーズ・オルダー(S)
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
リチャード・エガー(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
※使用楽器:フォルテピアノ:ウィーンのアントン・ヴァルター1795年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2018年製作

録音:2022年1月4-8日 St John’s Smith Square(UK)
モーツァルトの演奏史に革命を起こしたクリストファー・ホグウッドとアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックが、モーツァルト研究家でピアニストのロバート・レ ヴィンを迎えて1993年に開始したピアノ協奏曲全集の録音。8枚をリリースして2001年を最後に途絶えていたプロジェクトが2023年に再開、当リリースを もって遂に完結します。収録曲は、モーツァルト後期作品の中でも壮麗な規模と楽想を持つ第25番K.503と当ジャンル最後の作品第27番K.595。間に 挟まれたコンサート・アリアK.505は、作曲年代が近くピアノが活躍するという点に加えて、その歌詞「どうしてあなたを忘れられよう...心配しないで、愛する人 よ」に、当プロジェクトに携わってきたすべての音楽家の気持ちを込めた採用と思われます。ピアノ協奏曲のカデンツァはここでもレヴィンの即興によるもの。全 体的に即興や装飾など「楽譜に書かれていない」音符の多さに注意が行きがちですが、それらがモーツァルトのスタイルに見事にフィットしているところが特徴 です。既存の録音との差別化を意図したものではなく、モーツァルトのスタイルを徹底的に尊重し、その細部にまで注意を払った結果生まれる「モーツァルトら しさ」の再発見にあると言えるでしょう。調律にはキルンベルガーから派生した調律法Prinzが使われています。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。

Signum
SIGCD-799(1CD)
C.シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲集
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.7
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
アレクサンドラ・ダリエスク(P)、
ルー・ティエンイー(指)、フィルハーモニアO

録音:2023年9月11日-12日、セント・ジュード教会(ロンドン)
コンセルトヘボウ、ロイヤル・アルバート・ホール、カーネギー・ホールへのデビューを果たし、アンドラーシュ・シフから高く評価されたルーマニア出身の女流ピアニスト、アレクサンドラ・ダリエスクのSignum Classics第3弾。大胆不敵な好奇心と画期的な革新性を示す先駆的なピアニストであるダリエスクは、彼女の芸術の旅の一環として、3シーズン連続で「男女両方の作曲家の重要な作品を再演・初演する」というプログラミングで包摂性と多様性を擁護しており、このアルバムでもクララ・シューマンとエドヴァルド・グリーグという新しい協奏曲の組み合わせを提示しています。
クララ・シューマンが10代前半に作曲したこの協奏曲を知り、その夢と驚異的な妙技に溢れた音楽に惚れ込んだダリエスクは、今回のレコーディングを通して、「見過ごされがちな女性作曲家の才能に光を当てる責任があることに改めて気付かされた」と述べています。
名門フィルハーモニア管を指揮するのは、中国出身のニュージーランド人指揮者、ルー・ティエンイー(? 天?)。2020年には、インバル、ムーティ、井上道義、A.フィッシャー、スダーンらの巨匠を排出してきたイタリアのグイード・カンテルリ国際指揮者コンクールで見事優勝を果たし、同年のゲオルグ・ショルティ国際指揮者コンクールでも優勝するという快挙を達成。センセーショナルなデビューを果たし、ノルウェーのスタヴァンゲルSOの常任指揮者に任命されました。2020/21シーズンからは、英セント・ウーロス・シンフォニアの首席指揮者も務めています。

Glossa
GCD-924703(1CD)

XGCD-924703(1CD)
日本語解説付き国内盤
税込定価

SE4SONS〜ヴィヴァルディ&ピアソラ:四季
1-12. ヴィヴァルディ:四季 Op.8Nos.1-4
13-16. ピアソラ:ブエノスアイレスの四季
リナ・トゥール・ボネ(バロックVn、指)、
ムジカ・アルケミカ(tr.1-12)、
クアルテート・アルケミコ(tr.13-16)

録音:2023年11月27日ー29日、ヴィラセカ音楽院(スペイン)
同世代でもっともエキサイティングなヴァイオリニストの一人と評されるスペインのバロック・ヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネと、彼女が結成したバロック・アンサンブル「ムジカ・アルケミカ」!
スペインの古楽レーベルGlossaからリリースされる第3弾は、ヴィヴァルディ、ピアソラによる「四季」をカップリングした注目盤。ビーバーの大作「ロザリオのソナタ集」の全曲録音でも批評家や聴衆から高い評価を得、2018年の来日公演を含むヨーロッパ各地でも全曲演奏を行ってきたスペシャリストであるリナ・トゥール・ボネ。
本アルバムでは、ヴィヴァルディの 「四季」 とピアソラの 「四季」を見事に対比させています。ヴィヴァルディの名作 「四季」 では、その感情豊かな解釈で新たな側面を引き出し、ピアソラの 「四季」 では、独自の四重奏編成(Vn、バンドネオン、コントラバス、ピアノ)で、アルゼンチン・タンゴの名手たちと共に甘美でいて悲しく、そして、リズミカルでいて自由なタンゴを奏でています。これまでに多くのヴァイオリニストたちが取り上げてきたこれら名作の新たな解釈にご注目ください。

DUX
DUX-2013(1CD)
アダム・ヴェソウォフスキ:エンジェルズ
アダム・ヴェソウォフスキ
(b.1980):天体の踊り(シンフォニック・オーケストラのための)
天使たちの歌(弦楽オーケストラのための)
2本のフルートとシンフォニック・オーケストラのための協奏曲「大天使」*
天使たちと悪魔たち(シンフォニック・オーケストラのための)
シレジアPO、ヤロスラフ・シェメト(指)、
アガタ・キエラル=ドゥウゴシュ(Fl)*、
ウカシュ・ドゥウゴシュ(Fl)*

録音:2023年8月29日-9月2日、シレジア・フィルハーモニック(ポーランド)
このレコーディングに参加しているシレジアPOのディレクターも務めるポーランドの音楽家、アダム・ヴェソウォフスキの管弦楽作品集。「天使」という共通のテーマを持った作品がまとめられています。ヴェソウォフスキは作曲家としてチェコのドヴォルザーク国際作曲コンクールで第1位を獲得、さらにアダム・ディドゥル記念全ポーランド・コンクールでは2度の優勝に輝くなど輝かしい実績を誇り、彼が作曲した50以上の作品はポーランド国内外のコンサートや音楽祭で演奏されています。

Eudora
EUDSACD-2406(1SACD)
神秘
フリアン・オルボーン
(1925-1991):パルティータ第4番(Pと管弦楽のための交響的楽章)
マヌエル・マルティネス・ブルゴス(b.1970):鐘(Pと管弦楽のための協奏曲)(世界初録音)
ノエリア・ロディレス(P)、
ルーカス・マシアス(指)、オビエド・フィラルモニア

録音:2023年8月23日-25日&2024年1月31日-2月2日(スペイン)
スペインの高音質レーベルEudoraによるSACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、スペイン出身の現代作曲家たちの作品集がリリース!
ノエリア・ロディレスは、スペインのアルバセーテ国際ピアノ・コンクールで第1位と3つの特別賞を受賞し、同国内でセンセーションを巻き起こした女流ピアニスト。
フリアン・オルボーンは、スペインで生まれ、キューバ、メキシコ、アメリカで活躍したキューバを代表する作曲家の一人でした。師事したコープランドからの信頼も厚く、オルボーン自体も多大なる影響を受けました。
マヌエル・マルティネス・ブルゴスは、スペインを代表する現代作曲家の一人で、このアルバムでは彼のピアノ協奏曲「鐘」が世界初録音されています。

BIS
BISSA-2617(1SACD)
プロコフィエフ:チェロ作品集
(1)チェロと管弦楽のための交響的協奏曲 ホ短調 Op.125
(2)無伴奏チェロ・ソナタ 嬰ハ短調 Op.134第1楽章「アンダンテ」(ヴラディーミル・ブロク補完)
(3)チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119
クリスチャン・ポルテラ(Vc)
(1)ラハティSO、
アニヤ・ビールマイアー(指)
(3)ユホ・ポホヨネン(P)

録音:(1)2021年3月12&13日シベリウスホール、ラハティ(フィンランド)
(2)(3)2023年5月26〜28日ライツターデル、ノイマルクト(ドイツ)
ソリストとしてだけなく、トリオ・ツィンマーマンのチェリストとしても活躍する名手クリスチャン・ポルテラ。BISレーベルから多彩なレパー トリーを録音していますが、当アルバムではオール・プロコフィエフ・プログラムに挑みました。
クリスチャン・ポルテラは1977年チューリヒ生まれ。ザルツブルクとウィーンでハインリヒ・シフに師事し、これまでギドン・クレーメル、ヘンニング・クラッゲルー ド、内田光子ら世界的アーティストとの共演を重ねております。
近年の代表的な録音として「ブラームス:チェロ・ソナタ第1&2番、シューマン:民謡風の5つの小品集」(BIS SA-2427)、「メンデルスゾーン:チェロとピ アノのための作品集」(BIS SA-2187)、「ハイドン:チェロ協奏曲第1番&第2番、ヒンデミット:葬送音楽」(BIS SA-2507)、「シューマン&ブラームス:ソ ナタと歌曲」(BIS SA-2167)、「ショスタコーヴィチ&マルティヌー:チェロ協奏曲第2番」(BIS SA-2257)など、数多くのディスクをリリースしております。
当アルバムに収録された3篇はいずれもプロコフィエフの晩年の作品。健康状態は悪化し圧制的な政治情勢のなかでも、プロコフィエフは偉大な音楽家たち、と りわけチェリストのムスティスラフ・ロストロポーヴィチの存在に支えられたことにより、晩年にチェロのための作品が多く存在します。
チェロと管弦楽のための交響的協奏曲は、チェロ協奏曲第1番 Op58の改作。プロコフィエフの協奏曲らしい、独奏とオーケストラとの掛け合いが魅力です。無 伴奏チェロ・ソナタはもともと4楽章構成で作曲を始めたものの、第1楽章の冒頭「アンダンテ」を書き上げたところでこの世を去ってしまったため未完となって しまいました。ヴラディーミル・ブロクによる補完版では雄弁なアンダンテを聴くことができます。チェロ・ソナタは厳粛で詩的な作品。終始豊かな旋律であらわれ るプロコフィエフの最高傑作です。 (Ki)

ONDINE
ODE-1442(1CD)
NX-B10
ガブリエル・エルコレカ(1969-):チェロ協奏曲、他
チェロ協奏曲「Ekaitza 嵐」(2012)
3つのミケランジェロのソネット(2009)
ピアノ協奏曲「Piscis 魚」(2021-22)
アシエル・ポロ(Vc)
カルロス・メナ(C.T)
フランソワ・カーディ(コルネット)
ヌリア・サンロマ(コルネット)
アルフォンソ・ゴメス(P)
バスク国立O
ファンホ・メナ(指)

録音:2023年9月4-8日
1969年、スペインのバスク地方ビルバオで生まれたガブリエル・エルコレカは、地元で作曲を学んだ後ロンドンに留学し、王立音楽院でマイケル・フィニッシー に師事しました。彼の作品はスペインをはじめ、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、北京、日本で演奏され好評を博すとともに、数多くの賞も受賞しています。この アルバムに収録された3つの作品は、不穏で荒々しい音響がもたらす緊張感が特徴。チェロ協奏曲「Ekaitza」はバスク国立Oの創立30周年記念 の作品で、チェロの不気味な下降音型が際立つ、まさに嵐(バスク語でEkaitza)のような音楽。第3楽章では民俗舞曲的な旋律も聴こえてきます。ピアノ 協奏曲のタイトル「Piscis」はバスク語で魚。エルコレカ自身が魚座であることにちなみ、海を流れる水をイメージして書かれたといいますが、第1楽章冒頭か ら混沌としたオーケストラの響きと沸き立つような激しいピアノが強烈な印象を与えます。「3つのミケランジェロのソネット」は2つのコルネット(金管楽器ではなく 古楽器)が独特の効果をあげています。古楽分野で特に名高いカウンターテナーのカルロス・メナがソリストを務めています。 ファンホ・メナはマドリードで学んだ後ミュンヘンでチェリビダッケに指揮を学びました。これまでにビルバオSO、カルロ・フェリーチェ劇場、ベルゲン・フィル、ス ペイン国立O、BBCフィルなどで指揮者のポストを持ち、近年は日本も定期的に訪れています。

TOCCATA
TOCC-0708
NX-B06
マシュー・テイラー(1964-):管弦楽作品集 第2集
交響曲第6番Op.62(2021)
オーボエ協奏曲 Op.60(2020-21)
クラリネット協奏曲 Op.63(2021)
ヴァイオリン小協奏曲 Op.52(2016)
ジェイムズ・ターンブル(Ob)
ポピー・ベドー(Cl)
ミラ・マルトン(Vn)
BBCウェールズ・ナショナルO
マシュー・テイラー(指)

録音:2022年12月17-18日
※全て世界初録音
英国の作曲家マシュー・テイラー。彼の音楽は「現代に語りかける言葉と伝統的な形式を組み合わせた」もので、 ベートーヴェンやハイドンから連なる古典派の伝統を踏まえ、そこにシベリウスやニールセンの影響を感じさせる現代 的な装いの響きを描き出します。このアルバムには2021年に生誕100年を迎えたマルコム・アーノルドの追悼とし て作曲された交響曲第6番の他、3つの協奏的作品を収録。オーボエ協奏曲は、2つのコールアングレと弦楽器 が伴奏を務めるというユニークな編成で書かれ、クラリネット協奏曲の冒頭では、ブラームスの五重奏と似た旋律が 聴こえてきます。ジャズのリズムが用いられたヴァイオリン小協奏曲は、短いながらもまとまりのある曲。全ての作品 はテイラー自身が指揮を行い、彼が信頼する奏者たちが独奏を務めています。

NoMadMusic
NMM-119(1CD)
スパーク・ライト
マリー・ジャエル:ピアノ協奏曲第1番ニ短調
リスト:メフィスト・ワルツ第3番
 ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
セリア・オヌト・ベンサイド(P)、
デボラ・ワルドマン(指)
アヴィニョン=プロヴァンスO

録音:2023年/アヴィニョン
マリー・ジャエル(1846-1925)は近年再評価著しいフランスの女性作曲家。1866年に名ピアニスト、アルフレッド・ジャエルと結婚し、リスト、ブラームス。 サン=サーンスらの知己を得ました。その所産を集めたユニークなアルバム。ジャエルはピアニストとしてリストのピアノ協奏曲第1番をおはことしていました。リス トの「メフィスト・ワルツ第3番」はジャエルに捧げられています。彼女のピアノ協奏曲第1番は1877年頃の作で、フランスの女性が作曲家による最も古いもの とされます。サン=サーンスに献呈されました。
ベンサイドはパリ音楽院でヌーブルジェほかに師事。高度な技巧に加え華があるうえ、独特な美学によるコンセプトが興味深く、今後目が離せません (Ki)

Naive
V-7957(1CD)
バッハ:鍵盤協奏曲集
第1番ニ短調 BWV1052
第4番イ長調 BWV1055
曲第3番ニ長調 BWV1054
第5番ヘ短調 BWV1056
ティエンチ・ドゥ(P)
ジョナサン・ブロックスハム(指)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(アカデミー室内O)

録音:2023年4月28-30日/LSO・セントルークス、イズリントン(ロンドン)
「グレン・グールドを思わせる」などと世界中で絶賛され、レコード芸術2023年6月号でも特選を獲得した『ゴルトベルク変奏曲』の録音(KKC-6619 / V-7566)でCDデビューし、2023年の来日公演も話題を呼んだ新進気鋭の中国のピアニスト、ティエンチ・ドゥのCD第2弾はバッハの鍵盤協奏曲集!
『ゴルトベルク変奏曲』の次の録音として鍵盤協奏曲を選んだ理由は、「芸術家としての直観」だと語るティエンチ・ドゥ。子供の時にBWV1052の第1楽章に 深い感銘を受け、一音一音が頭に刻まれるほど聴き込み、また数年前にもBWV1054の第2楽章に涙するほど深く感動したという、個人的な体験が今回の録音 の選曲に繋がったそうです。また彼は、カフェ・ツィンンマーマンでのコンサートのレパートリーとして、ライプツィヒの音楽好きの聴衆のために演奏されたバッハの 鍵盤協奏曲の数々には、〈ゴルトベルク変奏曲〉や〈フーガの技法〉など晩年の傑作群とはまた異なる、「生き生きとした一人の人間としてのバッハの本質」が感じ られ、イタリア音楽の様式が活かされた鍵盤協奏曲では、「劇的で豊かな感情」が表現されていると捉えています。
こうした姿勢は、学究的な側面よりもひらめきを重視していると思われるこの演奏に示されています。特に緩やかなテンポの第2楽章での、思い入れたっぷりの 詩的で情感あふれる表現は、現代では珍しいほどロマンティック!一方、右手と左手のバランスやフレージング、即興的装飾などでは歴史的奏法を取り入れている 点も聴かれ、その異なる様式の融合具合がティエンチ・ドゥの演奏の大きな魅力となっています。
共演は、イギリスの新鋭ジョナサン・ブロックスハムが指揮する、巨匠ネヴィル・マリナーが創設した名室内Oアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ ザ・フィールズ(日本ではアカデミー室内Oの名で有名)。ブロックスハムは指揮をパーヴォ・ヤルヴィに学び、バーミンガム市SOではミルガ・グラジ ニーテ=ティーラのアシスタントも務めた、今注目の俊英指揮者で、2023/24シーズンからルツェルン劇場の音楽監督に就任するなど活躍の場を広げています。 ここではアカデミーのすばらしい演奏家とともに、ティエンチ・ドゥとの豊かな?音楽的対話“を聴かせてくれています。
たくさんの思いを込めて、現代の聴衆に訴える、ティエンチ・ドゥのエモーショナルなバッハ演奏をお楽しみください! (Ki)

EUROARTS
30-73908(2DVD)

30-73904(Bluray)
ドキュメンタリー:マルタ・アルゲリッチ『Bloody Daughter』


【ボーナス】
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
ショパン:マズルカ ハ長調Op.24-2
シューマン:幻想小曲集Op.12-7『夢のもつれ』
【本編】(94分)
マルタ・アルゲリッチ、リダ・チェン、アニー・デュトワ、ステファニー・アルゲリッチ、スティーヴン・コヴァセヴィッチ、ロバート・チェン、シャルル・デュトワ、ほか
監督:ステファニー・アルゲリッチ
製作:ピエール・オリヴィエ・バルデ、リュック・ピーター

【ボーナス】(54分)
マルタ・アルゲリッチ(P)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤツェク・カスプシク(指)

収録:2010年8月27日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
映像監督:ピエール=マルタン・ユバン

■DVD
画面:Full HD,16:9
音声:PCMステレオ、DD5.1、
DTS-HD MA5.1
リージョン:A l l
BD50
字幕:英 仏 独 波 西
148分
■Bluray
画面:N T S C ,16:9
音声:PCMステレオ、DD5.1、
DTS5.1
リージョン:A l l
DVD9
字幕:英 仏 独 波 西
148分
2021年6月に80歳を迎えたアルゲリッチ。それを記念して」EURO ARTSからアルゲリッチの映像集6枚組がリリースされました。当セットは、ドキュメンタリー 『Bloody Daughter』を収録したインターナショナル・バージョン。(※すでにご案内している品番:20-68485は廃盤となります。)
DVD1には、娘たちの視点で捉えたアルゲリッチの日常、音楽家として母としての葛藤と苦悩が綴られたドキュメンタリー映像『Bloody Daughter』。 DVD2は、2010年のショパン・イヤーにワルシャワでおこなわれたコンサートを収録したもの。カスプシク指揮するシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演した記念 演奏会にふさわしい豪華なコンサート映像。 そしてDVD3には、1977年にBBCが制作した貴重な映像。当時35歳のアルゲリッチが得意のチャイコフスキーとプロコフィエフの第3協奏曲を弾くという魅力 的な内容です。何より若いアルゲリッチの輝くような姿に目を奪われます。唖然とする指回りと速いテンポ、強靭なのになめらかな打鍵の美しさ、とてつもないエネ ルギーとオーラの発散に息もつけぬ1時間を満喫できます。 さらにDVD4は、2014年マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイム、お互いの故郷であるブエノスアイレスのテアトロ・コロンで初めて2人揃ってのコンサー トが行われました。ダニエル・バレンボイムによって創設されたウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラを率いて行われたコンサートは、ブエノスアイレス の人々の熱烈な拍手と歓声で迎えられました。当初2枚組でリリースされていた商品ですが、今回収録しているのは、アルゲリッチ、バレンボイムによるピアノ・デュ オ・ライヴ。 続いてDVD5には、2020年2月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコンサー トマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像。 最後は、クラウディオ・アバドが、ベルリン・フィルの定期演奏会で取り上げた「プロメテウス」神話に基づく様々な作曲家による作品が収録されたライヴ。「プロ メテウス神話」とは、ギリシア神話の神プロメテウスが人間に火を与えたとして、ゼウスの怒りをかい、不死身のプロメテウスは永遠にハゲ鷹に腹を割かれて処刑 された、それを勇敢なヘラクレスがハゲ鷹を殺しプロメテウスを救うという内容。映像監督のクリストファー・スワンは、照明等を駆使した視覚的効果を巧みに使い、 「火」「炎」を表現。ベルリンのフィルハーモニーホールが、赤、黄色、緑、青と変幻自在に染まっていく様子は必見です。 スクリャービンの交響曲第5番『プロメテウス』では、アルゲリッチがピアノ・ソロとして登場。神秘主義に影響され、色彩への強い関心をもち、音楽に色彩をも取 り込もうとしたスクリャービンの作風が最も色濃く投影された曲。大編成のオーケストラとヴォカリーズによる混声合唱、そして独奏ピアノのために作曲されました アルゲリッチの神秘的で魅惑的な演奏にも注目です。 (Ki)
EUROARTS
20-68488(6DVD)
マルタ・アルゲリッチBOX
■DVD1(94分)
ドキュメンタリー:マルタ・アルゲリッチ『Bloody Daughter』
■DVD2(54分)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
ショパン:マズルカ ハ長調Op.24-2
シューマン:幻想小曲集Op.12-7『夢のもつれ』
■DVD3(62分)
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
■DVD4(120分)
アルゲリッチ&バレンボイム/テアトロ・コロン凱旋公演
モーツァルト:2台ピアノのためのソナタ ニ長調K.448
シューベルト:創作主題による8つの変奏曲変イ長調D813
ストラヴィンスキー:春の祭典(2台ピアノ版)
シューマン:2台ピアノのためのアンダンテと変奏Op.46
ラフマニノフ:組曲第2番Op.17〜ワルツ
カルロス・グアスタビーノ:バイレシート
ミヨー:スカラムーシュ〜ブラジレイラ
■DVD5(85分)
シューマン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 イ短調 Op.105
プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調 Op.94
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
クライスラー:愛の悲しみ、美しきロスマリン
■DVD6(57分)
『プロメテウス』神話の様々な変奏〜火の詩
監督:クリストファー・スワン
ベートーヴェン:『プロメテウスの創造物』 Op.43より(導入部『嵐』/第1番/第9番/パストラーレ第10番)
リスト:交響詩『プロメテウス』
スクリャービン:交響曲第5番『プロメテウス』
ノーノ:『プロメテオ』組曲 (1992)〜ヘルダーリン
マルタ・アルゲリッチ(P)

■DVD1(94分)
監督:ステファニー・アルゲリッチ
■DVD2(54分)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤツェク・カスプシク(指)
収録:2010年8月27日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
映像監督:ピエール=マルタン・ユバン
■DVD3(62分)
(1)マルタ・アルゲリッチ(P)
ロイヤル・リヴァプールPO
サー・チャールズ・グローヴス(指)
収録:1977年2月6日、プレストン、ギルド・ホール(ライヴ)
(2)LSO
アンドレ・プレヴィン(指)
収録:1977年5月3日、クロイドン、フェアフィールド・ホール(ライヴ)
■DVD4(120分)
ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ
マルタ・アルゲリッチ(P)
ダニエル・バレンボイム((指)ピアノ)
収録:2014年8月コロン劇場、ブエノスアイレス(ライヴ)
■DVD5(85分)
ガイ・ブラウンシュタイン(Vn)
マルタ・アルゲリッチ(P)
収録:2020年2月22日、ピエール・ブーレーズ・ホール、ベルリン(ライヴ)
■DVD6(57分)
ベルリン・ジングアカデミー、
フライブルク・ゾリステンcho
BPO、
クラウディオ・アバド(指)
収録:1992年5月23-25日、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)

画面:NTSC,16:9(DVD3/4:3)
音声:PCM Stereo,DD5.1,DTS5.1
リージョン:All  DVD9
字幕:英仏独波西
472分
2021年6月に80歳を迎えたアルゲリッチ。それを記念して」EUROARTSからアルゲリッチの映像集6枚組がリリースされました。当セットは、ドキュメンタリー『BloodyDaughter』を収録したインターナショナル・バージョン。(※すでにご案内している品番:20-68485は廃盤となります。)
DVD1には、娘たちの視点で捉えたアルゲリッチの日常、音楽家として母としての葛藤と苦悩が綴られたドキュメンタリー映像『BloodyDaughter』。DVD2は、2010年のショパン・イヤーにワルシャワでおこなわれたコンサートを収録したもの。カスプシク指揮するシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演した記念演奏会にふさわしい豪華なコンサート映像。そしてDVD3には、1977年にBBCが制作した貴重な映像。当時35歳のアルゲリッチが得意のチャイコフスキーとプロコフィエフの第3協奏曲を弾くという魅力的な内容です。何より若いアルゲリッチの輝くような姿に目を奪われます。唖然とする指回りと速いテンポ、強靭なのになめらかな打鍵の美しさ、とてつもないエネルギーとオーラの発散に息もつけぬ1時間を満喫できます。さらにDVD4は、2014年マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイム、お互いの故郷であるブエノスアイレスのテアトロ・コロンで初めて2人揃ってのコンサートが行われました。ダニエル・バレンボイムによって創設されたウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラを率いて行われたコンサートは、ブエノスアイレスの人々の熱烈な拍手と歓声で迎えられました。当初2枚組でリリースされていた商品ですが、今回収録しているのは、アルゲリッチ、バレンボイムによるピアノ・デュオ・ライヴ。続いてDVD5には、2020年2月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコンサートマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像。最後は、クラウディオ・アバドが、ベルリン・フィルの定期演奏会で取り上げた「プロメテウス」神話に基づく様々な作曲家による作品が収録されたライヴ。「プロメテウス神話」とは、ギリシア神話の神プロメテウスが人間に火を与えたとして、ゼウスの怒りをかい、不死身のプロメテウスは永遠にハゲ鷹に腹を割かれて処刑された、それを勇敢なヘラクレスがハゲ鷹を殺しプロメテウスを救うという内容。映像監督のクリストファー・スワンは、照明等を駆使した視覚的効果を巧みに使い、「火」「炎」を表現。ベルリンのフィルハーモニーホールが、赤、黄色、緑、青と変幻自在に染まっていく様子は必見です。スクリャービンの交響曲第5番『プロメテウス』では、アルゲリッチがピアノ・ソロとして登場。神秘主義に影響され、色彩への強い関心をもち、音楽に色彩をも取り込もうとしたスクリャービンの作風が最も色濃く投影された曲。大編成のオーケストラとヴォカリーズによる混声合唱、そして独奏ピ

Goodies
78CDR-3941(1CDR)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104 ガスパール・カサド(Vc)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)
BPO

日TELEFUNKEN13622/26(独TELEFUNKEN1893/7 と同一録音)
1935年11月14日ベルリン録音
チェロのガスパール・カサド(1897-1966)はスペインのバルセロナ生まれ。7歳 でチェロを学び始めた。9歳でリサイタルを開いたとき、聴衆中に居たパブロ・ カザルス(1876-1973)に認められ、以来カザルスの薫陶を得た。バルセロナでは 街をあげて、カサド少年がパリのカザルスのもとで音楽修行を続けられるよう 奨学金を集めた。職業演奏家としての活動は第一次世界大戦(1914-1918)中に始 め、欧米各地で演奏活動やレコード録音活動を繰り広げた。1959年に日本人ピ アニストの原智恵子(1914-2001)と結婚した。指揮者のハンス・シュミット= イッセルシュテット(1900-1973)はベルリン生まれのドイツの名指揮者。第2次 世界大戦中も非ナチス党員をつらぬいた。当シリーズではヴァイオリニストの ゲオルク・クーレンカンプとのシューマン:ヴァイオリン協奏曲(1932年録音) (78CDR-3923)が出ていた。大戦後のLP時代にDECCA, PHILIPS, Deutsche Grammophon, TELEFUNKEN に多くの名録音を残しています。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3943(1CDR)
ストラヴィンスキー:ピアノと管楽器のための協奏曲ニ長調(1923/4) スリマ・ストラヴィンキー(P)
フェルナン・ウーブラドゥ(指)
パリ管楽器協会O

仏 DISQUES "GRAMOPHONE" DB11.105/6
1943年11月17日パリ、アルベール・スタジオ録音
ピアノのスリマ・ストラヴィンスキー(1910-1994)は作曲家イーゴリ・ストラ ヴィンスキーの次男で、父親が「火の鳥」を発表した1910年にローザンヌで生 まれた。スリマはパリ音楽院でピアノをイシドール・フィリップ(1863-1958)、 作曲をナディア・ブーランジェ(1887-1979)に師事した。1934年にパリでデビュ ーし、父親の作品を共に演奏・録音した。1939年父親はアメリカに亡命したが、 スリマはフランス陸軍に籍を置いていた。1948年父の招きで渡米し、以降アメ リカで活動した。1950年から1978年までイリノイ大学でピアノを教えた。スリ マの作品は父の没後に出版された。大部分はピアノ曲で演奏会用の作品の他に 教育用作品があった。レコード録音は父のピアノ曲がこの他にもあった。指揮 者のフェルナン・ウーブラドゥ(1903-1986)はパリ生まれ。パリ音楽院出身。 パリ音楽院O、パリ・オペラ座Oの首席ファゴット奏者を勤めた 後、1939年フェルナン・ウーブラドゥ室内Oを立ち上げ演奏会やレコー ド録音で活躍した。1941年から母校パリ音楽院教授をつとめた。(グッディーズ)

PARNASSUS
PACL-95014(1CD)
ウィリアム・プリムローズ〜ヴィオラ・トレジャーズ
(1)バルトーク:ヴィオラ協奏曲
(2)メンデルスゾーン:八重奏曲 変ホ長調 Op.20
(3)ウォルトン:ヴィオラ協奏曲
(4)パガニーニ(クライスラー編):「ヴァイオリン協奏曲第2番 ロ短調 Op.7第3楽章」より「カンパネラ」(プリムローズ編ヴィオラ版)
(5)フォスター(ハイフェッツ編):金髪のジェニー(プリムローズ編ヴィオラ版)
ウィリアム・プリムローズ(Va)

(1)シェルイ・ティボール(指)、ニュー・シンフォニー・オーケストラ/録音:1951年
(2)ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)、イスラエル・ベイカー(Vn)、アーノルド・ベルニック(Vn)、ジョゼフ・ステパンスキー(Vn)、ヴァージニア・マジェフスキ(Va)、 グレゴール・ピアティゴルスキー(Vc)、ガーボル・レイト(Vc)/録音:1961年
(3)ウィリアム・ウォルトン(指)、フィルハーモニアO/録音:1946年
(4)ハリー・アイザックス(P)/録音:1937年
(5)不明(P)
20世紀を代表するヴィオラ奏者ウィリアム・プリムローズ。彼はヴィオラを独奏楽器として世に知らしめた先駆者と言ってよいでしょう。このアルバムはプリムローズのために書かれたバルトークの「ヴィオラ協奏曲」を始めとして、ヤッシャ・ハイフェッツや、グレゴール・ピアティゴルスキーといったこちらも20世紀を代表する演奏者たちが参加したメンデルスゾーンの「八重奏曲」。作曲者自身が指揮をしたウォルトンの「ヴィオラ協奏曲」など充実の収録内容となっています。また「カンパネラ」といった小品ではプリムローズの至芸をたっぷりとご堪能いただけます。

Chandos
CHSA-5346(1SACD)
ブリッジ、フランシス=ホード、ウォルトン:チェロ協奏曲集
ブリッジ:悲歌的協奏曲 「祈り」
シェリル・フランシス=ホード(b.1980):チェロ協奏曲 「Earth, Sea, Air」(世界初録音)
ウォルトン:チェロ協奏曲
ラウラ・ファン・デル・ハイデン(Vc)
BBCスコティッシュSO、
ライアン・ウィグルスワース(指)

録音:2023年5月22日-24日、シティ・ホール(グラスゴー、スコットランド)
2012年に15歳でBBCヤング・ミュージシャン・コンクール優勝を果たし、その後も2018年にオランダのエディソン・クラシック賞、2019年にBBCミュージック・マガジン賞を受賞するなど、若手チェリストの中でも最注目株の一人とされるイギリス出身のチェリスト、ラウラ・ファン・デル・ハイデンのChandosレーベルからの3枚目となるアルバムは、イギリスのチェロ協奏曲集。
戦争の非人道性に対する抗議と、第一次世界大戦の犠牲者への哀悼の意が込められたブリッジの協奏曲「祈り」、ファン・デル・ハイデンのために書かれ、このレコーディングの1週間前にグラスゴーで初演が行われたシェリル・フランシス=ホードの新作「Earth, Sea, Air」、そして優勝を果たした2012年のBBCヤング・ミュージシャン・コンクールで演奏した彼女にとって思い出深い1曲、ウォルトンの協奏曲を収録しています。

ALTO
ALC-1483(1CD)
クラシックス・フォー・クラリネット〜クラリネット協奏曲集
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K622*
フランツ・クロンマー(1759-1831):クラリネット協奏曲変ホ長調 Op.36
ウェーバー:クラリネット小協奏曲ハ短調/変ホ長調
ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847):クラリネットと弦楽のためのアダージョ
ドビュッシー:第1狂詩曲
ジャック・ブライマー(Cl)、
ロイヤルPO*、
トーマス・ビーチャム(指)*、
ウィーン国立歌劇場O、
フェリックス・プロハスカ(指)

録音:1958年-1959年*&1966年
タイムズ紙が「彼の世代、そしておそらく今世紀を代表するクラリネット奏者である」と評した20世紀の偉大なクラリネット奏者、ジャック・ブライマーの協奏曲録音集。モーツァルト&クロンマーの協奏曲に加えウェーバー、ベールマン、ドビュッシーと盛りだくさんの内容です。モーツァルトは彼の3度の録音のうちの最初の録音にあたるビーチャム&RPOとの名演が選ばれています。

ALPHA
ALPHA-869(1CD)
アビイ・ロード・コンチェルト
ガイ・ブラウンシュタイン(1971-)作・編曲:アビイ・ロード・コンチェルト
ヴォーン・ウィリアムズ: 揚げひばり
ディーリアス:ヴァイオリン協奏曲
ガイ・ブラウンシュタイン(Vn)
ベルギー王立リエージュPO
アロンドラ・デ・ラ・パーラ(指)

録音:2021年11月 サル・フィラルモニーク、リエージュ、ベルギー
ビートルズ最後のスタジオ録音アルバムである『アビイ・ロード』。これをベルリン・フィルの第一コンサートマスターを2000年から約14年務めた ガイ・ブラウンシュタインが編曲し、クラシカルな楽曲に仕立てて自ら奏でるアルバムが登場。「アイ・ウォント・ユー」のリフによる序曲、「ストロベ リー・フィールズ・フォーエバー」のフレーズを挿入したカデンツァなどビートルズへの愛が全編に詰まっており、技巧的なアクセントも随所に散りば められた聴き応えたっぷりの35分間です。 併せて同じく英国由来の名曲2作、ヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」とディーリアスの協奏曲を収録。どちらもゆったりとした作品ですが、 ブラウンシュタインの歌心が冴えわたり、作品の美しさを満喫することが出来ます。特にひばりの描写は天国的。 2024年からマドリード州立Oの首席指揮者兼芸術監督への就任が決まっているアロンドラ・デ・ラ・パーラによる、隅々まで行き届き 抑制の効いたコントロールも素晴らしいものです。
ALPHA
ALPHA-1051(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol. 9
(1)協奏交響曲 変ホ長調 K.364(カデンツァ…モーツァルト)
(2)ホルン協奏曲 第2番変ホ長調 K.417
(3) ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K. 386(カデンツァ…アリエル・ラニ)
(4) ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K. 382(カデンツァ…モーツァルト)
(1)ユーハン・ダーレネ(Vn/ストラディヴァリウス1736年製「スペンサー・ダイク」)
(1)アイヴィンド・リングスタッド(ヴィオラ/アンドレア・グァルネリ1676年製「コンテ・ヴィターレ」)
(2)アレクサンドル・ザネッタ(ナチュラル・ホルン)
(3)(4)アリエル・ラニ(P/ベーゼンドルファー)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2021-2023年 オーストリア
2000年ノルウェー生まれのユーハン・ダーレネは、スウェーデンBISより2019年からこれまで4枚のアルバムをリリース、2度の来日公演を通じ て日本の聴衆にも大きなインパクトを与えている俊英。2012年のユーロビジョン・ヤング・ミュージシャンズの覇者であるアイヴィンド・リングス タッドと共に、切れ味のよい演奏を聴かせています。ホルンのアレクサンドル・ザネッタは1990年生まれのフランス出身、ベルリンでマリー=ル イーズ・ノイネッカーに師事するなど研鑽を積んだ後、バーゼル・スコラ・カントルムでナチュラル・ホルンを習得しました。ここでも細やかなトリル や装飾音など見事な技巧とセンスを聴かせ、作曲家が本来想定したホルンの音色で作品を楽しませてくれます。1997年イスラエル生まれ のアリエル・ラニは2023年、ルドルフ・ブッフビンダーが選出する若いアーティストのためのピアノ賞プリ・セルダンに選出された新鋭で、粒のそ ろった音色で安定した美しい演奏を聴かせます。


APARTE
AP-363(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲【全楽章のカデンツァ:アンリ・ヴュータン】
ベートーヴェン(リスト編曲による管弦楽版):アンダンテ・カンタービレ(原曲:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97の第3楽章)*
ベンヤミン・シュミット(Vn)
マルティン・ハーゼルベック(指)、
ウィーン・アカデミーO

ライヴ録音:2020年8月8日ブルックナーハウス、リンツ(オーストリア)
2022年10月24日ライディング・リスト音楽祭(オーストリア)*
マルティン・ハーゼルベック率いるウィーン・アカデミーOの最新盤は、天才ヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミットを独奏に迎えたベートーヴェンの ヴァイオリン協奏曲とリストがオーケストラ用に編曲したベートーヴェンのアンダンテ・カンタービレです!
1968年ウィーン生まれのシュミットは、数多くの国際コンクールで優勝。なかでも1992年に開催されたカール・フレッシュ国際ヴァイオリンコンクールでは、 第1位、最優秀モーツァルトおよびベートーヴェン協奏曲賞、そして観客賞を受賞するなど、若くして圧倒的な存在感を示しました。
積極的な演奏活動に並行して多くのレコーディングでも知られるシュミットは、バッハから現代、そしてジャズ・即興まで、クラシック・ヴァイオリニストとして 最も豊かなレパートリーで聴衆を魅了しております。そのシュミットがついにベートーヴェンの協奏曲を録音!ハーゼルベックの的確な解釈の元、名門ウィーン・ア カデミーOと奏でるベートーヴェンは格別で、流麗なヴァイオリンの音色は当代随一の演奏家だからこその表現といえます。
さらに注目は全楽章ヴュータン作のカデンツァで演奏していること!フランスで活躍したベルギーのヴァイオリニスト・作曲家アンリ・ヴュータン は、1830年代にシューマンやシュポアと親交を結び、のちにヴァイオリニスト、作曲家として活躍。晩年はイザイなどのヴァイオリニスト、作曲家を輩出しています。 ヴュータンといえば美しい旋律と演奏効果が見事にあらわれた華やかな作品で知られますが、ベートーヴェンのカデンツァでもヴュータンらしさが随所に現れます。 敬愛するベートーヴェンへのオマージュともいえる名カデンツァ。当演奏を聴けば、全楽章ヴュータンのカデンツァを採用したシュミットの意図がよくわかります。 大歓迎の録音といえましょう!
カップリングのアンダンテ・カンタービレについてハーゼルベックは「すでにヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして活躍していたリストは、1837年から1864 年にかけて、ベートーヴェンの交響曲全曲をピアノ独奏用に編曲。また『大公』の名で知られるベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97の第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」を管弦楽版に編曲しています。シューベルトのさすらい人幻想曲(Pとオーケストラ版)と並んで、このアンダンテ・ カンタービレの編曲は、作曲家リストが独自にして優れた管弦楽法を習得していることを証明しています」と語っています。

Pentatone
PTC-5187237(1CD)
ベル・エポック
ドビュッシー:第1狂詩曲
マンフレート・トロヤーン(1949-):ラプソディ〜クラリネットとオーケストラのための(2002)【世界初録音】
ピエルネ:カンツォネッタ【イェーレ・タジンズ(1979-)編曲】
ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.120【ルチアーノ・ベリオ編曲】
ヴィドール:序奏とロンド Op.72【タジンズ編曲】
アンネリエン・ファン・ヴァウヴェ(Cl)
アレクサンドル・ブロック(指)、
リール国立O

録音:2018年12月/ヌーヴォー・シエクル(リール)
若手実力派クラリネット奏者アンネリエン・ファン・ヴァウヴェのデビュー盤『ベル・エポック』がCDフォーマットで再発売されます!
収録作品はドビュッシーの第1狂詩曲、パリを拠点に活躍するマンフレート・トロヤーン(1949-)のラプソディ(世界初録音)、タジンズ編曲によるピエルネの カンツォネッタとヴィドールの序奏とロンド、そしてベリオ編曲のブラームスのクラリネット・ソナタ第1番です。
最難関のコンクールとして知られるミュンヘン国際音楽コンクールで優勝(2012年)後、英BBC選出の"新生代アーティスト"やボルレッティ=ブイトーニ財団 アワード2018を受賞するなど、今最も期待のされる新進気鋭のクラリネット奏者ヴァウヴェ。ザビーネ・マイヤー、ヴェンツェル・フックス、アレッサンドロ・カル ボナーレ、パスカル・モラゲスといった錚々たるクラリネット奏者に師事してきたヴァウヴェは、2017年夏のプロムスのデビュー後、2018年にはロイヤル・アル バート・ホールやカドガン・ホールにてトーマス・ダウスゴー(指)BBCスコティッシュSOとの共演でモーツァルトのクラリネット協奏曲を披露するなど、イ ギリスを中心に全ヨーロッパで注目を集めております。当録音ではアレクサンドル・ブロック(指)リール国立Oの好サポートのもと、圧倒的なテクニックと 豊かな感性で「ベル・エポック」の世界を表現しております。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(PTC-5186808)は廃盤となります。 (Ki)「

CLAVES
50-307(1CD)
フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(1791-1844):ピアノ協奏曲第1番(第3楽章のカデンツァ:アンドリー・ドラガン)
ピアノ協奏曲第2番
アンドリー・ドラガン(P)
ボグダン・ボジョヴィッチ(コンサートマスター)、
ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム

録音:2023年10月/ヴィンタートゥール・シュタットハウス(スイス)
2021年に生誕230周年を迎えたモーツァルトの末子フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(1791-1844)。彼の作品に魅了されたピア ニスト、アンドリー・ドラガンが変奏曲ばかりを集めたピアノ独奏曲のアルバム(50-3033)を同年にリリースし好評を博しました。あれから3年。フランツ・クサー ヴァーは今年(2024年)に歿後180年を迎えました。それを記念しドラガンが第2弾をリリース!収録作品は2つのピアノ協奏曲です。
フンメル、サリエリらに師事したフランツ・クサーヴァーはピアニストとしてヨーロッパ各地での演奏旅行を成功させた一方、作曲家としてはピアノ曲、声楽曲を残 しております。ピアニストとして成功したフランツ・クサーヴァーは非常に効果的な技巧が散りばめられたピアノ作品を書き上げました。ドラガンがボグダン・ボジョ ヴィッチ率いるヴィンタートゥール・ムジークコレギウムと華麗な演奏を披露しております。 (Ki)


Spectrum Sound
CDSMBA-010(1CD)
マウリツィオ・ポリーニ追悼再発売
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 Op.90
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
マウリツィオ・ポリーニ(P)
フランス国立放送O、
パウル・クレツキ(指)

ライヴ録音:1960年5月3日/シャンゼリゼ劇場(パリ)
長らく入手困難が続いていたSpectrum Soundの名盤が再発売。
ポリーニのショパン、それもピアノ協奏曲第1番1960年ステレオ・ライヴの世界初出。ポリーニは同年の2月から3月にかけて行われた第6回ショパン国際ピ アノコンクールにわずか18歳で優勝、クラシック音楽界最大の注目を集めていました。
ポリーニのショパンのピアノ協奏曲第1番といえば、1960年3月13日のショパン・コンクールにおけるライヴと、同年4月20-21日にクレツキ指揮フィルハー モニアOとのベストセラー盤が存在していますが、当アルバムはその1カ月半後の5月3日にパリのシャンゼリゼ劇場でフランス国立放送管と行われたコン サートのライヴ。フランス放送所蔵のオリジナル・ステレオマスターから192kHz、24bit高音質でデジタル・リマスタリングを行い、鮮やかな姿で蘇った正規盤で す。
何よりポリーニの独奏が唖然とする凄さ。明快なテクニックと早いデンポ、絹のようなタッチと透明な音色はフィルハーモニア管との盤と同質ですが、ライヴなら ではの高揚と熱気で、曲が進むにしたがって音楽に没入していくさまが危険ささえ感じさせるほど。奇跡の演奏が残されていたと申せましょう。老練なクレツキの バックも注目で、才気煥発名ポリーニの独奏にピッタリあわせているだけでなく、各所にちりばめられたポーランドの民族色の表出も見事。
カップリングのブラームスの交響曲第3番も、クレツキならではの考え抜かれた知的アプローチ光る名演。フランス国立放送管の音色も魅力です。 ※再発売に伴い日本語帯は付属いたしません。
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

BMOP SOUND
BMOP-1095(1SACD)
サミュエル・ジョーンズ(b.1935):協奏曲集
(1)フルート協奏曲(2018)
(2)ヴァイオリン協奏曲(2014)
(3)トロンボーン協奏曲「ヴィタ・アカデミカ」(2009)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)ジェフリー・ケーナー(Fl)
(2)マイケル・リュドヴィッグ(Vn)
(3)ジョセフ・アレッシ(Trb)

録音:(1)2021年11月29日、(2)(3)2020年1月12日
サミュエル・ジョーンズはイーストマン音楽院でハワード・ハンソン(交響曲第 1番「ノルディ ックと第2番「ロマンティック」で有名)に作曲を、指揮をウィリアム・スタインバーグに学んだ。 シアトルSOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めたこともある。彼の作風は師匠ハ ワード・ハンソンの系譜に連なる新古典主義もしくは新ロマン主義的なもので堅固な様式の 上にロマンティックな旋律や劇的な展開が行われるもの。管弦楽の機能を存分にいかした 3つの協奏曲は聴きごたえ充分の秀作ぞろい。 ソリストも豪華でフィラデルフィア首席のフルート奏者ジェフリー・ケーナー、ソリストとして NAXOS にレコーディングが多数あるマイケル・リュドヴィッグ、ニューヨーク・フィル首席で名 人として知られるジョセフ・アレッシが参加!
BMOP SOUND
BMOP-1096(1SACD)
ナンシー・ガルブレイス(b.1951):協奏曲集
(1)フルート協奏曲(2019)
(2)ヴァイオリン協奏曲第1番(2016)
(3)打楽器協奏曲「万物は流れる」(2019)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)リンゼイ・グッドマン(Fl)
(2)アリッサ・ワン(Vn)
(3)アビー・ラングホースト(Perc)

録音:(1)2021年6月16日、(2)2021年11月29日、(3)2022年8月25日
ナンシー・ガルブレイスはペンシルヴェニア出身の作曲家。オハイオ大学、カーネギーメ ロン大学で作曲を学び、現在はカーネギーメロン大学の教授の地位にある。彼女の作風は 基本的に調性で書かれ、新ロマン主義的な様式とミニマリズムを折衷したダイナミックなもの です。ここには3つの楽器のための協奏曲が収められているがいずれも楽器の特性を活 かした聴きごたえのある作品。

Orchid Classics
ORC-100304(1CD)
NX-B06
ベーラ・バルトーク:作品集
ヴィオラ協奏曲 Op. post(T. シェルイによる補筆完成版)
ヴァイオリン協奏曲第1番Op. post
ルーマニア民俗舞曲 Sz56、BB68(Y. ジスリンによるヴァイオリンと弦楽オーケストラ編)
ユーリ・ジスリン(Vn/Va)
ロシア国立シンフォニー・カペラ
ヴァレリー・ポリャンスキー(指)

録音:2021年6月
ロンドンを拠点に演奏家・教育者として活躍するユーリ・ジスリンがヴァイオリンとヴィオラの「二刀流」でバルトークの 傑作協奏曲2篇を演奏。更にジスリンが独奏ヴァイオリンとオーケストラの協奏曲風にアレンジしたルーマニア民俗 舞曲も収録しています。名匠ポリャンスキー指揮の重厚なオーケストラ・サウンドにも注目です。

DUX
DUX-2026(1CD)
ペンデレツキ:協奏曲集 Vol.10
1. ヴァイオリン、ヴィオラ(Vc)と管弦楽のための二重協奏曲(ミシェル・ルティエクによるフルートとクラリネット版)
2. ホルン協奏曲 「冬の旅」(エヴァ・イェリンスカによるトロンボーン版)
3-8. フルート(Cl)と室内オーケストラのための協奏曲
パトリック・ガロワ(フルート/tr.1)、
ミシェル・ルティエク(クラリネット/tr.1)、
ヴォイチェフ・イェリンスキ(トロンボーン/tr.2)、
クシシュトフ・グジボフスキ(クラリネット/tr.3-8)、
イェジー・セムコフ・ポーランド・シンフォニア・ユヴェントゥスO、
マチェイ・トヴォレク(指)

録音:2023年12月9日ー10日&29日ー30日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
2020年3月29日に86歳でこの世を去った現代のポーランド楽壇を代表する巨匠クシシュトフ・ペンデレツキ。ペンデレツキが作曲した数々の「協奏曲」を網羅するために、ポーランドのレーベル「DUX-(ドゥクス)」が進めてきた協奏曲シリーズの最終巻では、フランス、ポーランドを代表する管楽器の名手達によるトランスクリプション作品を取り上げています。ペンデレツキの作品は、他の楽器のためのトランスクリプションや編曲に対する並外れた感受性の高さが特徴的で、本アルバムでも原曲が持つ特徴を損なうことなく、各楽器のソリスト達が作品の魅力を存分に引き出しています。
ソリストには、2016年にDUX-からシンフォニア・ユヴェントゥスとの共演で、ペンデレツキのクラリネット協奏曲の録音で権威あるICMA賞を受賞したミシェル・ルティエク。1977年に21歳でフランス国立Oの首席フルート奏者を務め、近年は指揮者としても国際的に活躍する、フランスの名手パトリック・ガロワ。パデレフスキ音楽院でマチェイ・ワコミに、ハンス・アイスラー音楽大学でクリストハルト・ゲスリング(元ベルリン・フィル首席)に、ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーではオラフ・オット(ベルリン・フィル首席)に師事し、2019年からポズナンPOで第1トロンボーン奏者を務めるヴォイチェフ・イェリンスキ。リューベック音楽大学でドイツの伝説的クラリネット奏者、ザビーネ・マイヤーのもとで研鑽を積み、カールスルーエ音楽大学ではヴォルフガング・マイヤーとエドゥアルト・ブルンナーに室内楽を師事。定期的にヨーロッパ中の著名な音楽祭でのソリストとして、また、モーツァルト生誕225周年を記念して結成されたアマデウス・ウィンド・アンサンブル(メンバーは、LSOの奏者や著名なポーランドの楽器奏者、ソリストなど)のメンバーとして室内楽奏者としても国際的に活躍するクシシュトフ・グジボフスキという傑出した名手たちが名を連ねています。

DUX
DUX-20342035(2CD)
マイ・ライフ...ショパン:ピアノ協奏曲集
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
※ユゼフ・ドムジャウ&ラドスワフ・ソプチャクによるオーケストレーション(2023)
ラドスワフ・ソプチャク(P)、
ポドラシェ室内O、
カジミェシュ・ドンブロフスキ(指)

録音:2023年8月21日ー22日、イグナツィ・ヤン・パデレフスキ音楽学校コンサートホール、スタニスワフ・モニューシュコ・ポドラシェ歌劇場(ポーランド)
ピアニストとリスナーに広く愛されているショパンの2つのピアノ協奏曲を新たなオーケストレーションで描いた注目盤が、ポーランドのレーベル「DUX-(ドゥクス)」から登場。
過去には、アルフレッド・コルトーやミハイル・プレトニョフといった偉大なピアニストたちが、ショパンが残した両名曲の大規模なオーケストレーションを試みてきました。これら偉大な名曲に新たな可能性を見出したのは、2000年に開催された第14回ショパン国際ピアノ・コンクールで、ポーランド人最高位を果たしたラドスワフ・ソプチャクと、ポーランド国内外の多くのコンクールで受賞歴を持つユゼフ・ドムジャウ。
この新たなオーケストレーションでは、通常過小評価されがちなオーケストラ・パートの価値を示し、楽譜の副次的要素や楽器間の対話の役割を強調。
第14回ショパン国際ピアノコンクールから23年という時を経て成熟した音楽家が、ロマン派の名曲の詩的な側面を並外れた方法で示し、これら協奏曲の新たな魅力を見事に見出した今作にご注目下さい。

DUX
DUX-2039(1CD)
ポーリッシュ・ロマンティック・ワークス 〜 ヴィエニャフスキ&ノスコフスキ
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.14(1853)
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):交響曲第2番ハ短調 「哀歌的」(1875-1879)
ヴォイチェフ・ニェジュウカ(Vn)、
パヴェウ・プシトツキ(指)、
アルトゥール・ルービンシュタインPO

録音:2023年9月、クシシュトフ・ペンデレツキ・ヨーロッパ音楽センター・コンサート・ホール(ルスワヴィツェ、ポーランド)
前作「ポーリッシュ・ロマンティック・シンフォニーズ」(DUX-1901)では、フランチシェク・ミレツキとユゼフ・ヴィエニャフスキの交響曲を披露したパヴェウ・プシトツキと、彼が2017年から芸術監督を務めるアルトゥール・ルービンシュタイン・フィル(ウッチ・フィルハーモニック)。「ポーリッシュ・ロマンティック・ワークス」と題された続編では、兄ヘンリク・ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第1番と、ポーランド後期ロマン派を代表する作曲家であり、シマノフスキやフィテルベルクらを指導した名教師でもあったジグムント・ノスコフスキの交響曲第2番「哀歌的(Elegiac)」を収録。
協奏曲でソロを務めるポーランドのヴァイオリニスト、ヴォイチェフ・ニェジウカは、弱冠20歳の若き俊英。現在はウッチのバツェヴィチ音楽アカデミーで研鑚を積みながら、既に国内外の多くの音楽コンクールで優勝し、ポーランドの主要なオーケストラと共演しています。濃密なポーランド・ロマンティシズムを感じさせるオーケストラ作品を、ポーランド実力派たちの演奏でどうぞ。

NIFC
NIFCCD-155156(2CD)
ラスト・コンサート・イン・ポーランド
ショパン:ピアノ協奏曲ヘ短調 Op.21
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53「英雄」
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、
ウッチPO、ヘンリク・チシ(指)

録音:1975年5月30日、ウッチ・フィルハーモニック(ウッチ、ポーランド)
※レコーディング・スーパーヴィジョン:ポーランド放送(Polskie Radio)
ポーランド中央部に位置する都市ウッチでユダヤ人の家庭に生まれ、ポーランド、そして20世紀を代表するピアニストの1人として音楽史に大きな足跡を残すアルトゥール・ルービンシュタイン(1887-1982)。
80年にも及ぶキャリアを築いた後、飛蚊症を原因とする視力悪化により1976年に引退したルービンシュタインでしたが、その前年の1975年5月30日に生まれ故郷であるポーランドのウッチにおいて、同地のウッチPO(現アルトゥール・ルービンシュタインPO)との共演で自身のポーランドにおける「最後」のコンサートに臨んでいました。
今回、ルービンシュタインの家族であるエヴァ、アリーナ、そしてジョンから許諾を得て、このウッチ、そしてポーランドでのルービンシュタインの最後のコンサートの演奏が「NIFC(Chopin Institute/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)」からリリースされることになりました!
ウッチPOの創立60周年記念のコンサートにソリストとして招かれたルービンシュタインは、ショパン「ピアノ協奏曲ヘ短調」とベートーヴェンの「皇帝」を披露。そのキャリアの最晩年において故郷に錦を飾ると共に、その存在の偉大さを改めてポーランド内外に示す記念碑的なコンサートとなりました。
ポーランドにおけるルービンシュタインの最後の共演オーケストラとなったウッチPO(現アルトゥール・ルービンシュタイン・フィル)は2015年に創立100周年を迎え、ワルシャワ・フィルに次ぐ同国における2番目の常設オーケストラでもある由緒ある楽団。
また、ルービンシュタインの故郷ウッチも、第二次世界大戦でワルシャワが壊滅的な被害を受けた際、ワルシャワ再建が始まる1948年までは事実上の首都としての役割を担ったことでも知られています。

ALIA VOX
AVSA-9958(2SACD)
ヴィヴァルディ:四季
[CD1]
・「四季」op.8〜ソネットの朗読とともに〔協奏曲第1番「春」 ホ長調 RV269/協奏曲第2番「夏」 ト短調 RV 315
/協奏曲第3番「秋」 ヘ長調 RV293/協奏曲第4番「冬」 ヘ短調 RV297〕
・ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ヘ長調「プロメテウス、あるいは逆さまの世界」 RV544
・海の嵐 RV253
[CD2]
・調和の霊感〜4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 RV580
・ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV583より アンダンテ(第2楽章)
・「四季」 op.8〜器楽のみ〔協奏曲第1番「春」 ホ長調 RV269/協奏曲第2番「夏」 ト短調 RV 315/協奏曲第3番
「秋」 ヘ長調 RV293/協奏曲第4番「冬」 ヘ短調 RV297〕
レ・ミュジシャン・デュ・コンセール・デ・ナシオン
ジョルディ・サヴァール(指)
アルフィア・バキエヴァ(コンサートマスター/ヴァイオリン)
オリヴィア・マネスカルキ(語り)

録音:2024年1月3-7日、カルドナ修道院
ヴィヴァルディは、1703-1717年頃、ヴェネツィアのピエタ慈善院(オスペダーレ=孤児院)で、音楽監督を務めていました。ここでは孤児の少女達が養 育されており、修道院のような生活をしながら音楽の修行にはげみ、彼女たちによる演奏会はヴェネツィアで最も優れた音楽が聴ける場所、とされていました。 21世紀の今、このヴィヴァルディが音楽監督を務めていたオスペダーレをモデルとしたプロジェクトが動き出します。ピリオド楽器を専門とする優秀な女性音楽 家をヨーロッパ各国および世界各国から迎え入れ、ヴィヴァルディ以前からロマン派初期(1600-1830年)までの管弦楽と声楽のレパートリーについて、研 究、演奏するための女性たちによるプロジェクトです。ル・コンセール・デ・ナシオンが中心になって2019年から毎年開催しているオーディションで選ばれた 優秀な奏者たちの中の、女性によって結成されています。タタール出身の傑出したヴァイオリン奏者でありヴィルトゥオーゾ、アルフィア・バキエヴァにも注目の オーケストラです。「四季」では朗読ありヴァージョンとなしヴァージョンを収録。非常に細やかな、解像度の高い演奏。ほかの作品でも、室内楽のような趣で、 名手たちが互いを尊重しながらアンサンブルしているのが感じられます。 (Ki)

EUROARTS
20-47347(2SACD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集、他
ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲
ミハイル・プレトニョフ(P)
※使用楽器:Shigeru Kawai Grand Piano, SK-EX
ケント・ナガノ(指)
ラフマニノフ国際O
アシスタント・コンダクター:ウラディスラ

録音:2023年10月、ロゼ・コンサート・ホール、ロール、スイス(ライヴ)
ミハイル・プレトニョフが新たに創設したラフマニノフ国際O(RIO)による第2弾アルバムの登場。第1弾は、『チャイコフスキー:組曲「白鳥の湖」&シチェ ドリン:カルメン組曲』というオーケストラ作品をプレトニョフによる指揮で録音したものでしたが、今回は、2023年に生誕150年を迎えたラフマニノフのピ アノと管弦楽のための作品全曲(4つのピアノ協奏曲、パガニーニの主題による狂詩曲)。ピアノはもちろんプレトニョフ、そして指揮にはケント・ナガノを迎え、 スイスの新ホール『ロゼ・コンサート・ホール』でライヴ録音されました。
オーケストラが結成されて、はじめての公の場での演奏となりました。 ロシアを代表する作曲家、セルゲイ・ラフマニノフは、優れたピアニストであり、多くのピアノ作品を作曲しています。ピアノのための協奏作品 は全部で5つ。それらは様々な時代に書かれ、独自の個性を放っています。当盤にはそれらすべてが収められており、ラフマニノフという作曲家の書法の変遷を たどることのできる内容です。さらにプレトニョフの演奏によって、それぞれの作品の個性が存分に引き出されていると言えるでしょう。モスクワ音楽院在学中に 卒業試験のために書かれた瑞々しいピアニズムをもつ第1番。ラフマニノフの代表作でありピアノ音楽全体の中でも屈指の名曲第2番。技術、表現力ともに最 高難度を誇る作品第3番。これまでの作品とは違った厳粛な雰囲気、そして成熟したロマンティシズムをもつ第4番。パガニーニの「24の奇想曲」の第24番〈主 題と変奏〉の主題が用いられた、ラフマニノフらしい甘美で繊細な雰囲気の「パガニーニの主題による狂詩曲」。
ラフマニノフを深く敬愛するプレトニョフは、指揮者としてもピアニストとしてもその作品に熱心に取り組み、コンサートでも録音でもその実績は認められ、さら に今回はオーケストラにその名を冠するほど。2023年には東フィルと全曲演奏会を開催するなど、いまラフマニノフを聴くならプレトニョフと言わしめる最高 の演奏を堪能することができます。 (Ki)

Profil
PH-20055(4CD)
エディション・シュターツカペレ・ドレスデンVol.48 カール・ベーム協奏曲集1938〜1940
■Disc1
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
■Disc2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
(2)同:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
■Disc3
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
■Disc4
(1)モーツァルト:ホルン協奏曲第3番変ホ長調K.447
(2)ブラームス:アノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83
カール・ベーム(指)
シュターツカペレ・ドレスデン

■Disc1
ヤン・ダーメン(Vn)(1)、
エドウィン・フィッシャー(P)(2)
■Disc2
ヴァルター・ギーゼキング(P)(1) 、
マックス・シュトループ(Vn)(2)
■Disc3
ヴォルフガング・シュナイダーハン(Vn)(1)、
リュプカ・コレッサ(P)(2)
■Disc4
マックス・ツィモロング(Hrn)(1)、
ヴィルヘルム・バックハウス(P)(2)
録音:Disc1:1938年6-7月(1)、1939年7-8月(2)、Disc2: 1939年(1)、1939年7-8月(2)、Disc3:1939年、Disc4: 1940年12月(1)、1939年5-6月(2)/ドレスデン・シュターツオーパー
人気のエディション・シュターツカペレ・ドレスデン・シリーズ第48弾は戦前のベームの協奏曲録音。彼らの交響曲や管弦楽曲は同シリーズで復刻されましたが、 協奏曲も興味津々。何より独奏者が魅力的。ギーゼキング、バックハウス、シュナイダーハンら巨匠の若々しい時代の演奏が貴重。同団のトップメンバーだったダー メンやシュトループなどの名演も味わえます。
いずれも「カール・ベーム独EMI録音集」に収録されていたものと同音源ですが、同Boxが現在入手困難となっているため大歓迎のリリースと申せましょう。 またエディション・シュターツカペレ・ドレスデン・シリーズの楽しみであるフルカラー豪華解説書も今回は92ページ、貴重な写真もふんだんに用いて価値をあげ ています。 (Ki)

H.M.F
HMM-932075(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
弦楽六重奏曲 第2番op.36
イザベル・ファウスト(Vn/'スリーピング・ビューティ'1704年ストラディヴァリウス)
[協奏曲]ダニエル・ハーディング(指)マーラー・チェンバー・オーケストラ
[六重奏曲]イザベル・ファウスト、ユリア=マリア・クレッツ(Vn) ステファン・フェーラント、ポーリーヌ・ザクセ(Va)、クリストフ・リヒター 、シェニア・ヤンコビチ (Vc)

録音:[協奏曲]2010年2月(Sociedad Filarmonica(ビルバオ))、[六重奏曲]2010年9月(テルデックス・スタジオ(ベルリン))
2010年録音の、イザベル・ファウストの名盤、ブラームスのヴァイオリン協奏曲が再登場。ハーディング指揮によるマーラー・チェンバー・オーケストラとの共 演ということでも注目された名演です。ヴァイオリン・ソロの冒頭から、ファウストの高度の集中としなやかさに耳を奪われます。第2楽章での高音による旋律では、 ファウストの繊細かつ芯のある美音が冴えわたります。第3楽章で見せるエネルギー、それでいてどこか可憐な風合いもある表情はファウストの魅力全開です。全 体を通してハーディングの巧みな造形が光る音楽運びも見事です。
なお、ファウストは、ブゾーニのカデンツァを採用。「表情豊かで、作品への畏敬の念に満ち、構 造的には単純ながらオリジナリティに溢れ、ブラームスらしさを保ちつつも、ヴァイオリニストの技量の見せどころもちりばめられている」とファウスト自身が熱く語 るブゾーニのカデンツァ、注目です。カップリングの弦楽六重奏曲は、繊細な冒頭から見事なアンサンブル。マーラー・チェンバーの若手奏者のほか、ナヴァラやフ ルニエに師事したクリストフ・リヒターなど世代を超えたメンバーによる演奏で、親密でロマンティックな名曲をたっぷりと聴かせます。

Capriccio
C-5510(1CD)
NX-B10
マリア・ヘルツ(1878-1950):ピアノ協奏曲/チェロ協奏曲/管弦楽作品集
ピアノ協奏曲 Op.4
大管弦楽のための4つの短い小品 Op.8
チェロ協奏曲 Op.10
管弦楽のための組曲 Op.13
オリヴァー・トリンドル(P)
コンスタンツェ・フォン・グートツァイト(Vc)
ベルリンRSO
クリスティアーネ・ジルバー(指)

録音:2022年11月15-18日、2023年6月12-13日
全て世界初録音
1878年、ケルンの裕福なユダヤ系の家庭に生まれたマリアは、幼少期から音楽の才能を開花させました。1901年に化学者のアルベルト・ヘルツと結婚し てイギリスに移住しましたが、1914年に義理の弟の結婚式に参加するため一家でドイツを訪れた時に第1世界大戦が勃発。イギリス帰国が許可されず、 一家でケルンに留まることを余儀なくされます。更に1920年に夫が「スペイン風邪」で病死。苦境に瀕したマリアですが、その人柄と音楽的才能を慕ってケル ン歌劇場の第1カペルマイスターだったクレンペラーをはじめ、ブダペストSQ、ピアティゴルスキー、フォイアマン、アーベントロート、ロスバウトらが親 交を結び、作品の演奏回数が増えてゆきます。しかしナチスが台頭するとユダヤ人作品の演奏が禁じられてしまい、彼女の一家もドイツを離れて欧州各国 を転々。1935年を最後に作曲することはなく、1950年にニューヨークで亡くなりました。 男性優位の当時の社会で認められるために、彼女は夫が亡くなるとその名を借りてアルベルト・マリア・ヘルツと名乗って作曲していました。生前に出版された のは「5つの歌曲」と弦楽四重奏に編曲したバッハのシャコンヌだけでしたが、1995年に遺族が持っていた楽譜をチューリヒ中央図書館に寄贈し、2015年 からはそれらの作品へのアクセスが可能になりました。このアルバムに収められたのもその一部です。響きにも様式にも後期ロマン派の佇まいが濃厚な彼女の 作品は、演奏者には高度な技量を求めており、当時の社会情勢に翻弄され続けたこの作曲家の才能とセンスを今に伝えてくれます。

Channel Classics
CCS-46624(1CD)
NX-C04
ペルト、バッハ 作品集
バッハ:シンフォニア 〜教会カンタータ「わが心に憂い多かりき」 BWV21
ペルト:タブラ・ラサ(1977)
ペルト:B-A-C-Hの主題によるコラージュ(1964)
バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 BWV1060R  (2台のヴァイオリンによる)
ペルト:シルーアンの歌(1991)
シモーネ・ラムスマ(Vn)
カンディダ・トンプソン(Vn、指)
アムステルダム・シンフォニエッタ

録音:2020年-2023年 オランダ
オランダに生まれイギリスで学んだヴァイオリニスト、シモーネ・ラムスマと、イギリス生まれのカンディダ・トンプ ソンによる、ペルトとバッハの作品を集めたアルバム。その強いつながりを示す「コラージュ」では、ペルト初 期の動きのある作風でBACH主題が変容されてゆきます。そしてティンティナブリ様式による2つの作品と バッハの作品では、どちらも根底に祈りが流れているのを感じることが出来るでしょう。ラストの余韻まで非 常に美しい一枚。

Orchid Classics
ORC-100291(1CD)
NX-B06
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ブレット・ディーン(1961-):ピアノ協奏曲「グナイクセンドルフの音楽 - ある冬の旅」
ジョナサン・ビス(P)
スウェーデンRSO
ダーフィト・アフカム(指)

録音:2020年2月13-15日(ライヴ)
1980年生まれのジョナサン・ビスは若いうちから脚光を浴び、共演した音楽家たちからも篤い信頼を得てきました。35歳になる2015年にはセントポール室 内管と合同で、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲それぞれにインスパイアされた新作を5人の作曲家に委嘱し、両曲をペアで演奏するBeethoven/5と いうプロジェクトを立ち上げました。ORCHID CLASSICSは、それら5組の協奏曲の録音を順次リリースしてゆく予定です。第1弾として「皇帝」とブレット・ ディーンの「グナイクセンドルフの音楽 - ある冬の旅」が登場。「皇帝」はスケールが大きく、正攻法の堂々たる演奏。ベートーヴェンのソナタ全集の録音も 完成させたビスの円熟を示す演奏となっています。ディーンの作品名にあるグナイクセンドルフはベートーヴェンの弟ヨハンの家があった街。自殺未遂を起こし た甥のカールを連れたベートーヴェンが1826年の秋から初冬にかけて滞在した後、ウィーンに戻る旅の途中で体調を崩し、それから4カ月足らずで世を去り ました。作品は急緩急の3楽章構成で演奏時間約25分。熱にうなされて乱れがちな意識の中に「皇帝」のフレーズが浮かんでは消えるといった趣きで、全 編を通じてピアノにはヴィルトゥオーゾ的なテクニックが求められます。 Beethoven/5は発起人役のセントポール室内管に続いて15のオーケストラ・団体が賛同する大プロジェクトとなり、ディーンの作品はセントポール室内管 に加えてドレスデン・フィル、リヨン国立管、ヴロツワフ・フィル、メルボルン響、スウェーデン放送響が共同で委嘱。当録音は初演時のライヴ録音です。他の作 品は初演順にTimo Andres, The Blind Banister(第2番とのペア)、SALLY BEAMISH City Stanzas(第1番)、SALVATORE SCIARRINO Il sogno di Stradella(第4番)、CAROLINE SHAW Watermark(第3番)。これらの作品がレパートリーに定着し、自分が世を去った後も末永く演奏 されつつけるよう願っています」と語っています。今後のリリースが楽しみなシリーズです。

Pentatone
PTC-5187202(1SACD)
モーツァルト&プーランク:2台&3台ピアノのための協奏曲集
(1)モーツァルト:3台のピアノのための協奏曲ヘ長調K.242「ロードロン」
(2)モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲変ホ長調K.365
(3)プーランク:2台のピアノのための協奏曲ニ短調
児玉麻里(第2ピアノ(1)(2)、第1ピアノ(3))
児玉桃(第3ピアノ(1)、第1ピアノ(2)、第2ピアノ(3))
カリン・ケイ・ナガノ(第1ピアノ(1))
ケント・ナガノ(指)スイス・ロマンドO

録音:2023年3月/ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)
児玉麻里&桃姉妹のピアノ・デュオ、待望の最新録音が登場します。それもモーツァルトとプーランクの協奏曲、なんと児玉麻里の 夫君ケント・ナガノ指揮のスイス・ロマンドOという豪華すぎる共演。さらに注目はモーツァルトの3台のピアノのための協奏曲をケント・ナガノと児玉 麻里の愛娘カリン・ケイ・ナガノが加わり、まさに凄すぎる家族のアルバムとなっています。奏者たちは「夢が実現した」と記しています。
仲の良さは息のあい方から伝わりますが、3台のピアノのための協奏曲は主役の第1ピアノを若きカリンに担わせ、懸命に弾くのを両親と叔母が温かくも見 守り、美しいアンサンブルにしているのが胸を打ちます。モーツァルトはこの曲をロードロン伯爵夫人とその二人の娘のために作ったとされますが、その初演時 の様子を彷彿させる思いがします。
聴きものはプーランク初期の傑作協奏曲。バリ島のガムラン音楽やフランスのシャンソンをはじめ盛りだくさんな内容の曲ですが、「戴冠式」協奏曲のパロディ や引用も含めモーツァルトの精神に回帰しているとプーランク自身が認めており、カップリング的にも自然。速いパッセージなど技術面に加え、両奏者およびオー ケストラとのアンサンブルが非常に難しい作品ですが、3名が一体化した奇跡的な完成度を示しています。
技術的完璧さはもちろんながら、モーツァルトの輝きやプーランクならではのオシャレさなど児玉麻里&桃姉妹の薫り高きあでやかなピアニズムを存分に堪能 できます。 (Ki)

DOREMI
DHR-8231(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第6集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
(3)バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第22番変ロ短調 BWV867
(4)モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調 K.310
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ショパン:夜想曲 変ニ長調 Op.27-2
ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 Op.27-1
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ガリー・ベルティーニ(指)ケルンRSO
 録音:1976年5月ケルン
(2)ガリー・ベルティーニ(指)北ドイツSO
 録音:1977年1月17日ハンブルク
(3)録音:1967年ブカレスト、エネスコ国際コンクール
(4)録音:1987年10月16日東京
ルプーの貴重なライヴ音源集、第6弾です。ベルティーニとの協奏曲2種に、優勝した67年エネスコ国際コンクールからの音源と87年の東京リサイタルを収録。

Spectrum Sound
CDSMBA-156(1CD)
ORTFのステレオ技術
(1)サン=サーンス:ハバネラ Op.83
 サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(2)ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
(3)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
(1)ドゥヴィ・エルリー(Vn)
ピエール・キャプドヴィエル(指)、フランス国立放送室内O
録音:1966年12月29日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104【公開収録/ステレオ】
(2)ピエール・フルニエ(Vc)、ジャン・フォンダ(P)
録音:1980年3月17日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ124【セッション/ステレオ】
(3)ジャック・フェヴリエ(P)
マニュエル・ロザンタール(指)、フランス国立放送O
録音:1960年1月26日/シャンゼリゼ劇場【ライヴ/ステレオ】
ORTF(フランス放送協会)は1959年にステレオ録音の技術を確立。ラジオ放送では世界初でした。当アルバムにはORTFの技術の結晶といえる貴重な音源 からジャック・フェヴリエのラヴェルの左手のための協奏曲(1960年1月)、ドゥヴィ・エルリーのサン=サーンスの「ハバネラ」「序奏とロンド・カプリチオーソ」 (1966年12月)、そしてピエール・フルニエのラフマニノフのチェロ・ソナタ(1980年3月)を収録。フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディ スク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」からの注目リリースです!
ドゥヴィ・エルリーのサン=サーンスは超絶技巧をものともせず、自由に歌いあげています。艶やかな美音はエルリーならでは。
ピエール・フルニエが息子ジャン・フォンダと共演したラフマニノフはじっくりと聴かせます。巨匠フルニエが1980年に演奏した貴重な記録といえます。
ジャック・フェヴリエはラヴェル作品を得意としたピアニスト。左手のためのピアノ協奏曲のフランス初演はラヴェルに抜擢され演奏している作曲家お墨付きの 十八番です。マニュエル・ロザンタール率いるフランス国立放送Oと名演を聴かせてくれます。
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Signum Classics
SIGCD-791(1CD)
シーズンズ・インタラプテッド
シューベルト:4つの歌曲(トレイ・リー編曲/チェロとピアノ版)〔春に D.882、夏の夜 D.289、秋 D.945、凍った涙(冬の旅 D.911より)〕
ピアソラ:ブエノスアイレスの四季(トレイ・リー編曲/チェロと弦楽オーケストラ版)
キルモ・リンティネン:チェロ協奏曲
トレイ・リー(Vc)、
ゲオルギー・チャイゼ(P)、
エミリア・ホーヴィング(指)、
イギリス室内O

録音:2023年5月、ロンドン&2023年8月、ベルリン
トレイ・リーは香港の音楽一家に生まれ、北京の中央音楽院、ニューヨークのジュリアード音楽院、ハーバード大学(経済学)、ニューイングランド音楽院、マドリッドのソフィア王妃芸術学校、ケルン音楽大学など幅広い場で学び、現在はベルリンを拠点にアメリカ、ヨーロッパ、中国など世界中で活躍するチェリスト。英グラモフォン誌からは「奇跡」と称賛され、故ロリン・マゼールからは、フィルハーモニアOとハイドンのチェロ協奏曲で共演した後に「素晴しい主人公... 素晴しいチェリスト」と称えられています。
Signum Classicsからリリースされるトレイ・リーのアルバム「シーズンズ・インタラプテッド(中断された季節)」は、シューベルトの膨大な歌曲の中から「春、夏、秋、冬」にまつわる4曲を選び抜いてチェロ版に編曲したものと、ピアソラの傑作「ブエノスアイレスの四季」をチェロと弦楽オーケストラ版へと編曲した意欲的なレパートリーに、フィンランドの現代作曲家キルモ・リンティネンのチェロ協奏曲(トレイ・リーに献呈され、リーが初演)をカップリング。リンティネンのチェロ協奏曲は、季節がなくなった気候変動、環境危機の影響から生じる未来が描かれており、シューベルトの「四季」とピアソラの「四季」と合わせて、季節と気候変動の物語が綴られています。
シューベルトのピアノ伴奏はラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019などでも来日しているゲオルギー・チャイゼ。「チェロ協奏曲」の指揮は、2022年に読響で日本デビューし三浦文彰と共演したフィンランドの女性指揮者、エミリア・ホーヴィングです。

Hyperion
CDA-68429(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.87〜ライネッケ&ザウアー:ピアノ協奏曲集
ライネッケ(1824-1910):ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.144、コンツェルトシュテュック Op.33
エミール・フォン・ザウアー(1862-1942):ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.254
サイモン・キャラハン(P)、
ザンクト・ガレンSO、
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2023年5月22日-25日、トーンハレ・ザンクト・ガレン(スイス)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第87巻となる今作はレアなレパートリーを多数発掘しているピアニスト、サイモン・キャラハンがシリーズ4度目の登場!ライネッケ&ザウアーの珍しいピアノ協奏曲を取り上げます。
2024年に生誕200年を迎えるカール・ライネッケのピアノ協奏曲はシリーズ第85巻(CDA68339)でサイモン・キャラハンによる第1番、第2番、第4番がリリースされていましたが、残る第3番が今作に収録。ピアノと管弦楽のための「コンツェルトシュテュック」も併せて収録されています。ライネッケと同じくドイツの作曲家で一世代若いエミール・フォン・ザウアーは最晩年のフランツ・リストに教わった作曲家であり、楽譜の校訂者としても名が知られています。その作品はライネッケ以上に録音に恵まれているとは言い難く、ピアノ協奏曲第1番は同シリーズよりスティーヴン・ハフの演奏で1996年のグラモフォン賞を受賞したディスク(CDA66790)がありましたが、第2番がこの度待望のリリースとなります。

Avie
AV-2662(1CD)
イン・イヴニング・ライト
ペーテリス・ヴァスクス(b.1946):ヴァイオリン協奏曲第2番「夕暮れの光の中で(イン・イヴニング・ライト)」(世界初録音)
シューベルト(ポール・スーツ編):華麗なるロンド ロ短調 Op.70, D.895(Vnと弦楽版)
ペーテリス・ヴァスクス:孤独な天使
セバスティアン・ボーレン(Vn)、
ミュンヘン室内O、
セルゲイ・ボルクホヴェツ(指)

録音:2023年9月27日-29日、昇天教会(ゼンドリンク、ミュンヘン)
ギドン・クレーメルが初演、録音し1997年のラトビア音楽大賞に輝いた近年のヴァイオリン協奏曲の中でも指折りの傑作、ペーテリス・ヴァスクスの「遠き光」からおよそ25年、二作目のヴァイオリン協奏曲となる「夕暮れの光の中で」がセバスティアン・ボーレンによって世界初録音されました!
ラトビアに生まれ、自国の音楽の要素も取り入れ抒情的で明快な作風が高い人気を誇るヴァスクスが2020年に完成させた「ヴァイオリン協奏曲第2番「夕暮れの光の中で」」は3つの楽章からなる38分ほどの作品。全体的にゆったりと流れる音楽は瞑想的で、深い陰影とドラマチックなコントラストが美しい薄暮の世界を想起させる感動的な作品です。またヴァイオリンと弦楽版のアレンジによるシューベルト「華麗なるロンド」を挟んで最後に収録された「孤独な天使」は、ヴァスクスが20世紀のほとんどを生き抜いた亡き母へ捧げるオマージュ。こちらもまた聴き手の心を揺さぶる耽美な作品です。
セバスティアン・ボーレンは1987年スイス生まれの若手実力派ヴァイオリニスト。ザハール・ブロン、ジュリアーノ・カルミニョーラ、ドミトリー・シトコヴェツキーといった名教師たちに鍛えられた技術と表現力は見事の一言で、このアルバムでもヴァスクスの音楽が持つ魅力を余すところなく伝えています。

Halle
CDHLL-7562(1CDR)
タバコヴァ:協奏曲集
ドブリンカ・タバコヴァ(b.1980):オルフェウスの彗星
ヴィオラと弦楽のための協奏曲*
組曲「地球」
チェロと弦楽のための協奏曲**
デルヤナ・ラザロワ(指)ハレO、
マキシム・リザノフ(Va)*、
ガイ・ジョンストン(Vc)**

録音:2022年9月
デルヤナ・ラザロワ(2020-23年、ハレ副指揮者)と作曲家ドブリンカ・タバコヴァ(2022-23年、ハレ・アーティスト・イン・レジデンス)は、同じブルガリアのプロブディフで生まれました。このアルバムはその二人が同じオーケストラに在籍して行った初めての仕事となりますが、同郷ということもあり、タバコヴァの音楽言語をラザロワが見事に解釈しています。協奏曲の他にタバコヴァにとって重要な作品のひとつである組曲「地球」も収録されており、英BBCミュージック・マガジン誌において「レコーディング・オヴ・ザ・マンス」に選ばれています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Lyrita
SRCD-416(1CDR)
イギリスのピアノ協奏曲集
ゴードン・ジェイコブ:ピアノ協奏曲第2番 変ホ長調(1957)
ジョン・アディソン:ピアノと管弦楽のための変奏曲(1948)
エドマンド・ラッブラ:ピアノ協奏曲 Op.30(1932)*
サイモン・キャラハン(P)、
BBCウェールズ・ナショナルO、
スティーヴン・ベル(指)、ジョージ・ヴァス(指)*

録音:2022年4月&11月
これまでにも知られざる作曲家たちによる素晴らしい作品を世に広めてきたサイモン・キャラハン。このアルバムではこれまで演奏機会のあまりなかったイギリスのピアノ協奏曲を取り上げています。作曲当時ゴードン・ジェイコブの「ピアノ協奏曲第2番 変ホ長調」はプロムスでも取り上げられ、好評価で迎えられています。また、ジョン・アディソンの「ピアノと管弦楽のための変奏曲」は、管楽器を木管2本、ホルン4本、トランペットとトロンボーン各1組ずつ、そしてバストロンボーンだけという比較的小さなオーケストラのために書かれました。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Ars Produktion
ARS-38654(1CD)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6*
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 Op.7「ラ・カンパネラ」**
(3)ヴァイグルの主題による変奏つきソナタ ホ長調 M.S.47***
マンリコ・パドヴァーニ(Vn)
(1)オルテニアPO、ボリス・ペルノー(指)
(2)ソウル・ギュリPO、ボリス・ペルノー(指)
(3)スイス・イタリアーナO、ハワード・グリフィス(指)

録音(ライヴ):2012年10月(ルーマニア)*、2014年9月(韓国)**、録音日不詳(スイス)***
12歳の頃にパガニーニの生涯を描いた映画を観てヴァイオリンに目覚め、以来パガニーニを理想の音楽家とするイタリア出身のスイス人ヴァイオリニスト、マンリコ・パドヴァーニ。音楽的な激しさと技術的な敏捷性、コンサートで聴衆に与える印象から「ヴァイオリンの魔術師」「悪魔的なヴァイオリニスト」などと評されるパドヴァーニがパガニーニのコンチェルトを弾いたライヴ・レコーディング集がついに登場しました。ボリス・ペルノーと共演した2つのヴァイオリン協奏曲もライヴの熱気が伝わる秀演ですが、特に「ヴァイグルの主題による変奏つきソナタ」はピアノ伴奏版の録音が多く、今回のオーケストラ伴奏によるライヴ録音は貴重なものといえるでしょう。

ALPHA
ALPHA-993(2CD)
NX-E05
リゲティ作品集
【CD1】
1-5. ヴァイオリン協奏曲(1990-1992)
6-7. チェロ協奏曲(1966)
8-12. ピアノ協奏曲(1985)
【CD2】
1-4. 室内協奏曲 -13人の奏者のための(1969-1970)
5-6.2つの奇想曲 - ピアノのための(1947)
7-15.5つの小品 -4手ピアノのための(1942-1950)
16-21. 無伴奏ヴィオラのためのソナタ(1991-1994)
22-25. ホルン三重奏曲(1982)
カン・ヘスン(Vn)…CD1/1-5
ルノー・デジャルダン(Vc)…CD1/6-7
ディミトリ・ヴァッシラキス(P)…CD1/8-12、CD 2/5-15
セバスティアン・ヴィシャール(P)…CD 2/7-15、22-25
ジョン・ストゥルツ(Va)…CD2/16-21
デイエゴ・トージ(Vn)…CD2/22-25
ジャン=クリストフ・ヴェルヴォワット(Hrn)…CD 2/22-25
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
ピエール・ブリューズ(指)

録音:2023年2月、6月 フィラルモニ・ド・パリ
アンサンブル・アンテルコンタンポランと、2023/24年のシーズンからその音楽監督を務めるピエール・ブリューズによるリゲティの作品集が2枚 組で登場。1枚目にはメンバーが務めるソリストと20-30人規模のアンサンブルによる3つの協奏曲を収録。これらはアンサンブル・アンテルコ ンタンポランにとって約10年ぶりの再録音となります。2枚目には小規模な編成のための作品を収録。1940年代から1990年代までリゲティ の活動期間をほぼカバーしており、様々な新しい手法を取り入れ発展させた作風の変転を俯瞰することが出来る、有意義な作品集となっ ています。

ARCANA
A-542(1CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(アントニオ・ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
ルイジ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はルイジ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にのみ、 ルイジ・ピヴァーノの父で作曲家であったアントニオ・ピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なも の。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲 を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わり に、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに組み込まれています。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0083(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲集
第2番変ホ長調 K.417
第4番変ホ長調 K.495
第3番変ホ長調 K.447
第1番ニ長調 K.412
ジビュレ・マーニ(Hrn)
アンドレアス・シュペリング(指)
ブランデンブルクSO

録音:2023年
モーツァルトのホルン協奏曲は、ホルンの名手でありモーツァルトと冗談をとばしあいふざけあう間柄だったヨーゼフ・ロイトゲープ(1732-1811)のために 書かれました。どれも美しく整った音楽でありながらユーモアのある名品で、ホルン奏者にとって欠かせない重要レパートリーになっています
ジビュレ・マーニはマリー=ルイーズ・ノイネッカーに師事したホルン奏者。1997年から2016年までフランクフルト歌劇場のOで首席ホルン奏者を務 めました。ソリストとしても数多のオーケストラと共演、2020年からはベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学のホルン科教授を務めています。
指揮は古楽ファンになじみのあるシュペリング。ブランデンブルクSOは1810年創設の長い歴史を持つオーケストラです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72985(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第11〜13番
協奏曲第11番ヘ長調 K.413
協奏曲第12番イ長調 K.414
協奏曲第13番ハ長調 K.415
ベン・キム(P;D584307)
コンセルトヘボウ室内O

録音:2022年4月2日、2023年4月22-23日/ヒルフェルスム、MCO第1スタジオ
ミュンヘン国際コンクール覇者のベン・キムとコンセルトヘボウ室内Oによるモーツァルトの協奏曲、第3弾。モーツァルトがザルツブルクからウィーンに 移って最初に書いたピアノ協奏曲である第11番〜13番を収録しています。父レオポルドへの手紙では「簡単すぎず難しすぎず、幸福な中庸である」と表現され、 控えめながら自信作であることがうかがえます。崇高さと親密さが混じりあったスタイリッシュな好演。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187325(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn/1716年製ストラディヴァリウス「ブース」)
シャルル・デュトワ(指)
スイス・ロマンドO

録音:2014年9月22〜24日/ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)
世界的ヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハーの名盤の中でも特に高い評価を得ているメンデルスゾーン、チャイコフスキーのアルバムがCDフォー マットで再発売いたします!
メンデルスゾーンは一貫して落ち着いたテンポで一音一音雄弁に歌い上げます。カデンツァでは美しさと力強さを兼ね備えた演奏を披露。第2楽章では女王の 風格を感じる語り口で一度聴いたら忘れがたき熱演を繰り広げます。そして第3楽章はオーケストラとの対話も見事でデュトワとの相性のよさもさることながら、 歯切れのよいメロディが立体的に聴こえる快演を聴かせてくれます。
一方、チャイコフスキーは朗々と歌い上げ、テンポのコントロールや豊かな音楽表情など、シュタインバッハーでしか表現できない世界が広がります。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5439およびPTC-5186504)は廃盤となります。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMBA-148(1CD)
レジェンド・オブ・ザ・チェロ〜フルニエ、シュタルケル、レヴィ
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191
(2)ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2
(3)チェレプニン:歌と踊り Op.74
(1)ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)、シャルル・ブリュック(指)、フランス国立放送PO
(2)ピエール・フルニエ(Vc)、ジャン・フォンダ(P)
(3) アンドレ・レヴィ(Vc)、エレーヌ・ボスキ(P)

録音:(1)1966年11月25日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104【ステレオ/公開収録】
(2)1980年3月17日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ124【ステレオ/公開収録】
(3)1963年10月24日ブルダン・センター内スタジオ51【モノラル/セッション】
スペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。当アルバムはina&Radio Franceからのライセンスで20世紀を代表する3人のチェリストの正規初出音源集!!ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)が1966年に演奏したドヴォルザークのチェロ協奏曲、ピエール・ フルニエ(1906-1986)が1980年に演奏したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番、そしてアンドレ・レヴィ(1894-1982)が1963年に演奏したチェレ プニンの「歌と踊り」という充実の内容です。スペクトラム・サウンドの復刻には定評があり、その中でもチェロの復刻は最も高く評価されています。
シュタルケルのドヴォルザークは絶品の一言!最も充実した演奏を披露していた40代、まさにその時期の演奏で、テクニックはもちろんのことシュタルケルらしい 「語る」演奏で聴衆を魅了しております。フルニエのベートーヴェンは70代半ば、円熟の至芸といえる演奏で非常に温かい音色を奏でています。そして70歳を目 前にしたレヴィのチェレプニンは自由に歌い上げており、個性の違う3人の名手の演奏をこの1枚で堪能できます!
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-147(1CD)
ドゥヴィ・エルリー〜ザ・ライヴ・アーカイヴス・イン・フランス
(1)ラロ:スペイン交響曲(第3楽章カット)
(2)バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
ドゥヴィ・エ ルリー(Vn )

(1)マニュエル・ロザンタール(指)、フランス国立放送O
(2)ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(Cemb)
(3)ブリジット・エンゲラー(P)

録音:(1)1956年5月10日、(2)1961年12月18日フランス国立放送局内スタジオ(パリ)【モノラル/公開収録】
(3)1981年3月5日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ106【ステレオ/公開収録】
Previously unissued recordings
Licensed by INA
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。当アルバムはフランスの名ヴァ イオリニスト、ドゥヴィ・エルリーの正規初出音源でラロのスペイン交響曲、バッハのヴァイオリン・ソナタ ホ短調 BWV1023、そしてベートーヴェンのスプリ ング・ソナタです!
1955年にロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝し、ソリストとしての活動を始めたエルリー。同年初来日を果たし、日本の聴衆にも情熱的な演奏を届けま した。ヨーロッパを中心とした演奏活動の傍ら、1960年代後半にはマルセイユ音楽院の教授に、また1982年にはパリ音楽院の教授に就任し、後進の育成にも 力を注ぎました。
商業録音が極めて少ないエルリー。そのため、INAに保管されている放送用の公開収録音源は非常に貴重です。ラロのスペイン交響曲はロン=ティボー優勝の 翌年、1956年の演奏。完璧といえるテクニックと自由な歌いまわしはエルリーならでは。名指揮者マニュエル・ロザンタールの好サポートを得て堂々たる演奏を 聴かせます。最終楽章の最後の一音を待たずに熱狂的な聴衆の拍手からも熱演であることが感じられます。
チェンバロ奏者ロベール・ヴェイロン=ラクロワとのバッハのホ短調のソナタでは抒情的な歌わせ方で弾き、ブリジット・エンゲラーとのスプリング・ソナタでは 音楽的対話を楽しむように演奏しております。今では聴くことのできない20世紀の大ヴァイオリニスト、エルリーが奏でる美音をご堪能ください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Alba
ABCD-477((1CD)
フィンランドのアコーディオン協奏曲
ミンナ・レイノネン(1977-):Vyory(雪崩)(2021)(アコーディオンと弦楽オーケストラのための)*
アウリス・サッリネン(1935-):協奏曲 Op.115(2つのアコーディオン、弦楽オーケストラと打楽器のための協奏曲)(2018-19)**
ヴェリ・クヤラ(1976-):シェイプ=シフター(Shape-Shifter)(2018)(アコーディオンと弦楽オーケストラのための協奏曲)***
アンッティ・レイノネン(アコーディオン)*
ソニヤ・ヴェルタイネン(アコーディオン)**
ヤンネ・ヴァルケアヨキ(アコーディオン)**
ペッテリ・ヴァリス(アコーディオン)***
オストロボスニア室内O
トマス・ユープシェーバカ(指)
フィンランドの中部ポホヤンマー(スウェーデン名「オストロボスニア」)にあるコッコラ市は、文化活動に力を注いでいることで知られます。コッコラ市が本拠の オストロボスニア室内Oは活動のひとつとして毎年2月に「コッコラ冬のアコーディオン」を開催。この音楽際では一週間にわたってアコーディオンの多様な 音楽が演奏されています。オストロボスニア室内Oの新しいアルバムでは、このフェスティヴァルの委嘱作が3曲演奏されます。  ミンナ・レイノネン(1977?)は、シベリウス・アカデミーでヨウニ・カイパイネンに学び、修士号を取得。博士課程のヴェリ=マッティ・プーマラの下で研究を続 けています。自然現象、文学、文化遺産といった音楽外のものからインスピレーションを得た作品が多く、そのことが作品のタイトルにも反映されます。このアルバ ムの「Vyory(雪崩)」は、2021年という「落ち着かない社会情勢」の時代を映したとされ、アンッティ・レイノネンに献呈されました。  アウリス・サッリネン(1935?)は、「騎馬兵卒」「赤い線」「クッレルヴォ」「英国王フランスへ行く」といったオペラや交響曲で名高い作曲家です。モダニズム の手法から出発し、『カレヴァラ』に基づくテレビ映画『鉄の時代』の音楽などを手がけながら、新古典的とみなされる独自のスタイルを確立してきました。「2つ のアコーディオン、弦楽オーケストラと打楽器のための協奏曲」は、コッコラ文化ディレクターのサンポ・プロンタウスとフェスティヴァルの共同委嘱で作曲されまし た。2楽章の作品。オストロボスニアの風景をベースに、2楽章にはコッコラ地方の民謡が素材に使われています。2020年のフェスティヴァルでソニヤ・ヴェルタ イネン とヤンネ・ヴァルケアヨキ により初演されました。  アコーディオン・ヴィルトゥオーゾのヴェリ・クヤラ(1976?)は、作曲家としても評価され、フィンランドのほか、ニューヨーク、東京、ロンドン、パリ、ベルリン で彼の作品が演奏されてきました。作曲家のサンポ・ハーパマキと共同で四分音アコーディオンを開発したことでも知られます。「シェイプ=シフター」は、「音色の カメレオン」アコーディオンの特性を活かした「レント・アフェットゥオーゾ」「アレグロ・コン・ブリオ」「ラルヴォ・インテンシヴォ」「アレグロ・コン・フォーコ」の 4つの部分で「姿形を変えるもの」を表現する音楽です。フェスティヴァルとオストロボスニア室内Oの共同委嘱作。2019年の「第10回コッコラ冬のアコー ディオン」でペッテリ・ヴァリス のソロで初演されました。 (Ki)

BIS
BISSA-2715(1SACD)
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889):ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.16
ハンス・ブロンサルト・フォン・シェレンドルフ(1830-1913):ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.10
ポール・ウェー(P/Steinway D)
スウェーデン室内O、
マイケル・コリンズ(指)

録音:2022年10月/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)
ロンドンの敏腕弁護士にして高名なポール・ウェー。BISレーベルから超絶技巧作品を多くリリースし注目されています。
当アルバムはマイケル・コリンズ(指)スウェーデン室内Oとの共演で、ロマン派時代に生まれた2つのピアノ協奏曲を録音しました。
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889)は現ニュルンベルク近郊出身でのちにロシア帝国に渡りロシア・ピアノ楽派の基礎を築いたピアニスト、作曲家。 ヘンゼルトのピアノ協奏曲の初演はクララ・シューマン独奏、メンデルスゾーン指揮で成功を収め、その後偉大なヴィルトゥオーゾたちによって演奏されました。全 3楽章に渡り、ドラマティックな激しさ、高鳴るメロディと優しい叙情性、色彩豊かなオーケストレーション、そして光り輝くピアノなど魅力に満ちた作品です。
ハンス・ブロンサルト・フォン・シェレンドルフ(1830-1913)はベルリン大学で学んだのち、ヴァイマルでリストに師事したピアニスト、作曲家。リストのピア ノ協奏曲第2番のヴァイマル初演はブロンサルト独奏、リスト指揮で行われました。ブロンサルトのピアノ協奏曲は、後期ロマン派の息吹を感じさせ、技巧的なピア ノ独奏と豊かなオーケストレーションが魅力。類まれな才能の持ち主ウェーが雄弁に語りかける演奏を披露しております。 (Ki)

DOREMI
DHR-8227(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第5集
(1)ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調
 ラプソディ・イン・ブルー
(2)アンドレ・チャイコフスキ:ピアノ協奏曲第2番 Op.4
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19
(4)ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番ニ長調 Hob XVI:37
(5)ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番へ短調 Op.5
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D.664〜第3楽章 アンダンテ
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ディーン・ディクソン(指)フランクフルトRSO.
 録音:1973年3月2日フランクフルト
(2)ウリ・セガル(指)ロイヤルPO
 録音:1975年10月28日ロンドン
(3)エーリヒ・ラインスドルフ(指)CSO
 録音:1978年1月12日シカゴ
(4)録音:1988年9月ロンドン
(5)録音:1980年10月新宿文化センター
ルプーの貴重なライヴ音源集、第5弾です。ルプーに捧げられた、ポーランドの作曲家アンドレ・チャイコフスキー(アンジェイ・チャイコフスキ)のピアノ協奏曲 第2番、初演時の音源も収録。 (Ki)

MSR
MS-1839(1CD)
カゼッラ:ピアノと管弦楽のためのパルティータ
レスピーギ:ピアノと管弦楽のためのトッカータ
ラフマニノフ:パガニーニの主題によるラプソディ
ジョシュア・ピアース(P)
アントン・ナヌート(指)
スロヴェニアRSO

録音:1991年4月9-11日 スロヴェニア
1990年代初頭に米国のPHOENIX レーベルから発売されたカゼッラ、レスピーギ、ラフマニ ノフの新古典主義的なピアノと管弦楽のための作品集がMSR CLASSICS から再発売。ラフマ ニノフのパガニーニの主題によるラプソディは極めて有名だが、カゼッラとレスピーギのそれぞ れ管弦楽のためのパルティータはわりと珍しいでしょう。カゼッラのパルティータ(1925 年)は、シ ンフォニア、、パッサカリア、ブルレスカの3 楽章から成る新古典主義の作品。特に第3楽章が イタリア古典的でカラッと明るい味が利いていて面白い。レスピーギのトッカータ(1928 年)は、1928年11月28日にレスピーギのピアノ、ヴィレム・メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィルの 演奏で初演された。バロック音楽を下地にしているものの暗くダイナミックな力作。 後にMSR CLASSICSの看板ピアニストになるジョシュア・ピアースが40歳の時の録音。ラフマニ ノフは緊張感の高い熱演、カゼッラは軽妙に、レスピーギは重厚にと、それぞれの作風をピタ リと当てた素晴らしい演奏を聞かせてくれます。また伴奏指揮がスロヴェニアの巨匠アントン・ナ ヌートというのが嬉しい。ラフマニノフのラプソディはナヌートの指揮も非常に充実しています。

CPO
CPO-555631(1CD)
NX-C04
ウォルター・カウフマン(1907-1984):管弦楽作品集 第1集
ピアノ協奏曲第3番(1950)…第3楽章のカデンツァ:エリザヴェータ・ブルーミナ作
交響曲第3番(1936)
インド交響曲(1943)
6つのインドの小品(1965)
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)
ベルリンRSO
デイヴィッド・ロバート・コールマン(指)

録音:2023年10月18-19日、2023年3月14-16日5
※全て世界初録音
ボヘミアのカールスバート(当時オーストリア=ハンガリー帝国の一部)で生まれたウォルター・カウフマンの作品集。 ベルリンではフランツ・シュレーカーに学び、学生時代には相対性理論で知られるアルベルト・アインシュタインと親 交を結んでいます。卒業時にはマーラーに関する学位論文を提出するも、ナチス支持者の教授に抗議し学位取 得を拒否、その後は指揮者ブルーノ・ワルターのアシスタントを務めながら自身の作品の演奏にも携わっています。 フランツ・カフカの姪と結婚し、ナチスの迫害から逃れ1934年には家族で亡命、インドのボンベイに移住します。同 地ではインドとアジア音楽の研究をする傍らオール・インディア・ラジオのディレクターを務め、同局が放送開始前に 流す音楽(インターバル・シグナル)を作曲。またスービン・メータの父メーリ・メータらと共にボンベイ室内楽協会を設 立し、一時期はズービンを教えていました。その後イギリス、カナダを経てアメリカに渡り、ダリウス・ミヨーの紹介でイ ンディアナ大学に職を得て、亡くなるまで音楽学を教えました。 彼は80曲を超えるオーケストラ曲や、10曲以上の歌劇などを残しましたが、それらは現在ほとんど知られていませ ん。このアルバムでは4つの作品をフィーチャー。インドの旋律を用いたエキゾチックな小品や、ブルーミナが独奏を務 めるピアノ協奏曲など、全てが世界初録音です。

Polskie Radio
PRCD-22342235(2CD)
初紹介旧譜
ミェチスワフ・ホルショフスキ・イン・ポーランド
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 KV466*
バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調 KV570
シマノフスキ:20のマズルカ Op.50より 第13番〜第16番
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
シューマン:子供の情景 より 「トロイメライ」 Op.15-7
メンデルスゾーン:無言歌集第6巻 より 「紡ぎ歌」 Op.67-4
アンナ・スクルスカによるミェチスワフ・ホルショフスキへのインタビュー**
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)、
ポーランド国立RSO*、
ヤン・クレンツ(指)*

録音:1963年10月18日(カトヴィツェ)*、1984年5月6日/5月7日**(ワルシャワ)
ポーランドの公共放送局『ポーランド放送(Polskie Radio/Polish Radio)』の自主レーベル「Polskie Radio」が制作する、同局のアーカイヴに眠る貴重な録音をCD化する「FROM THE POLISH RADIO ARCHIVES」シリーズから、テオドール・レシェティツキの弟子であり、99歳までステージに立ち続けたポーランドの伝説的ピアニスト、ミェチスワフ・ホルショフスキ(1892-1993)の2枚組ディスクが登場!ヤン・クレンツと共演した1963年のモーツァルト録音に加え、最後のワルシャワ・リサイタルとなった1984年、91歳のホルショフスキが紡いだ聴く者の心を揺さぶる入魂の演奏を聴くことができます。最終トラックにはそのリサイタルの翌日に行われたホルショフスキへのインタビューを収録。

NIFC
NIFCCD-660(1CD)
エリック・グオ〜第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール・ライヴ
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*
3つのマズルカ Op.59*
ワルツ変イ長調 Op.42*
エリック・グオ(ピリオド・ピアノ)
{oh!} Orkiestra(オルキェストラ・ヒストリチナ)*
ヴァーツラフ・ルクス(指)*

※使用楽器:プレイエル(1842年製)
※録音(ライヴ):2023年10月13日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(/ファイナルステージ)、
2023年10月10日、ワルシャワ・フィルハーモニー・チェンバー・ホール(/第2ステージ)*
ポーランドのフレデリク・ショパン研究所(NIFC/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)が創設から現在まで取り組み続けているショパンの作品をショパンが生きた時代の楽器(オリジナル、復元)で演奏する「リアル・ショパン(The Real Chopin)」プロジェクト。ショパンの時代の響きを現代に蘇らせるというこの画期的な取り組みをさらに活性化させるためにショパン研究所はもちろんのこと、ポーランドの国家としての一大事業として立ち上げられた「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」。日本が世界に誇る歴史的ピアノの名手、川口成彦の第2位受賞が大きな話題となった2018年の第1回大会から5年。2023年に開催された「第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」には予備予選を通過した35名のピアニストたちがワルシャワに集まり、約2週間という期間中「ショパンの時代の響き」が奏でられ続けました。
ファイナル進出者6名全員が「ピアノ協奏曲第1番」を選択する中、見事、第1位とマズルカ賞に輝いたエリック・グオのコンクールでのライヴ録音がいよいよ登場します!
自ら「(ピリオドピアノを含む)古楽器の演奏経験はほとんどない」と語っていたエリック・グオでしたが、コンクール期間中に驚異的な速さでピリオド楽器、ピリオド奏法に順応。第1、第2、そしてファイナルの全てのステージで「ショパンの時代」を感じさせてくれました。今回のライヴ録音のリリースにあたり、ショパン研究所が選出したエリック・グオの演奏は「ピアノ協奏曲第1番」、「3つのマズルカOp.59」、そして「ワルツOp.42」。第1位、マズルカ賞に輝いた俊英エリック・グオのコンクールでの足跡、そして魅力が凝縮された素晴らしいプログラムにご注目下さい!

H.M.F
HMM-902668(1CD)
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲&室内楽作品集
ヴァイオリン協奏曲 op.15(1939年、1958年改訂)*
Reveille(起床ラッパ)(Vnとピアノ伴奏のためのコンサート・スタディ)(1937年)
組曲(1936年)#
ヴァイオリン、ヴィオラとピアノのための2つの小品(1929年)【世界初録音】**
全て、イザベル・ファウスト(Vn)
ヤクブ・フルシャ(指)*
バイエルンRSO*
アレクサンドル・メルニコフ(P)#,**
ボリス・ファウスト(Va)**

録音:2021年10月28-29日ライヴ*、
2022年4月、テルデックス・スタジオ(*以外)
イザベル・ファウストがブリテンのヴァイオリン協奏曲を録音しました!管弦楽はフルシャ率いるバイエルン放送響という最高の布陣。ファウストの聴き手の心を 射抜くようなまばゆい音色は冴え渡り、オケも全員が全身全霊の超絶名演です。ブリテンのヴァイオリン協奏曲は、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲に多 大な影響を受けて書かれましたが、ブリテン渾身の魅力的なメロディも満載の名曲。壮絶な場面から作品終盤の神がかり的な美しさまで、驚異の名演の登場です。 カップリングはメルニコフがピアノを担当している室内楽というこれまた豪華な内容で、世界初録音のブリテン16歳の時の「二つの小品」も収録されており、 大注目の1枚です!
ブリテンがヴァイオリン協奏曲の作曲に着手したのは1938年。1936年の国際現代音楽協会フェスティバルで初演を聴いたアルバン・ ベルクのヴァイオリン協奏曲に触発されてのことだったといわれます。ヴァイオリン協奏曲はスペインのヴァイオリン奏者(1914年よりロンドンに定住)のアン トニオ・ブロサの為に書かれました。1940年3月、バルビローリ指揮ニューヨーク・フィルによりカーネギー・ホールで初演されました。同時代の政治的激動 に対するブリテンの心情がシリアスな器楽群に現れているような作品です。冒頭はティンパニの柔らかな響きとそれに呼応するシンバルという行進曲風で印象的 な出だしで、ヴァイオリンが登場しエレジー風かつ非常にかっこいい旋律を奏でます。ここからしてファウストの輝かしい音色が炸裂しており、ファウスト節全開。 歌いまくり弾きまくっている様子に驚かされるほど。フルシャ率いるバイエルン放響もソリストとオーケストラの間で交わされる様々な対話のひとつひとつが実に 丁寧です。第2楽章はヴィヴァーチェで非常に暴力的で獰猛。そのまま第3楽章では様々な感情の起伏を経て、最後は壮絶ながらも神がかり的な美しさで曲が閉 じます。終始ファウストのソロの鬼気迫るまでの表情と音色が際立っており、それに呼応するフルシャとオケも全身全霊。稀有の名演が誕生しました。
続く収録楽曲はピアノを含む室内楽作品。「組曲」はブリテンがベルクのヴァイオリン協奏曲を聴いた直後に作曲された作品で、ヴァイオリン協奏曲に先立って アントニオ・ブロサとブリテン自身によって初演されました。ヴァイオリン・パートには容赦ないヴィルトゥオジティが要求されるだけでなく、モダニズムの語法 やストラヴィンスキーの新古典主義を思わせる部分など、ブリテンの才気に満ちた作品です。 Reveilleもアントニオ・ブロサのために書かれ、1937年4月12日にフランツ・ライゼンシュタインのピアノによりウィグモア・ホールで初演されました。ピ アノが時計のような規則的な動きをやわらかく繰り返す上で、ヴァイオリニストがゆっくりと目覚め、次第に旋律を奏で狂詩曲的な華やかさへ、そして最後には 楽器の名人芸をより激しく披露していくような作品です。世界初録音となる「二つの小品」は1929年12月12および24日、ブリテンの16歳の誕生日 直後に完成されました。2013年にようやく出版された作品で、ファウスト、ボリス・ファウスト、メルニコフという最高のメンバーによる世界初録音の登場と なりました。スクリャービン、シェーンベルク、ベルクらの革新性を驚くほど理解しており、神秘的で集中した2曲。ピアノ・パートの驚異的な美しさ(書法 も美しいし、メルニコフの演奏も素晴らしい)も印象的です。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0090(2CD)
スイスの夢
■CD1
ヨーゼフ・フランツ・クサーヴァー・ドミニク・スタルダー(1725-1765):交響曲 変ホ長調
ジャン・バティスト・エドゥアルド・デュピュイ(1770-1822):歌劇『若さと愚かさ』序曲
フランツ・クサヴァー・シュニーダー・フォン・ヴァルテンゼー(1786-1868):序曲 ハ短調
ハンス・フーバー(1852-1921):セレナード第2番『冬の夜』
ジョージ・テンプルトン・ストロング(1856-1948):組曲第3番『絵本』
■CD2
ヘルマン・ズーター(1870-1926):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.23
パウル・フーバー(1918-2001):ダルシマーと弦楽合奏のための協奏曲
マイケル・バレンボイム(Vn)
クリストフ・プフェンドラー(ダルシマー)
レナ=リザ・ヴュステンドルファー(指)
スイスO

録音:2019-2023年
18世紀から20世紀にかけてのスイスの管弦楽作品集。スイス国内でも知名度が高いとはいいがたい作品群を積極的に取り上げている、2018年設立のスイ スO(Swiss Orchestra)による演奏ですべてライヴ録音。ダニエル・バレンボイムの息子、マイケル・バレンボイムも協奏曲のソロで参加しています。 (Ki)


MELO CLASSIC
MC-1076(9CD)
ヴィルヘルム・ケンプ/ライヴ・コンサート・エディション
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
7つのバガテル―第1番変ホ長調Op.33-1
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
シューベルト:即興曲変イ長調D.899-4,Op.90-41
(3)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:間奏曲変ホ長調Op.117-1
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
(5)モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番
(6)バッハ:フランス組曲第5番ト長調BWV816
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
シューマン:交響的練習曲
シューベルト:4つの即興曲D.899,Op.90
ブラームス:ラプソディ第2番ト短調Op.79-2
ブラームス:カプリッチョロ短調Op.76-2
(7)モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番
(8)モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478
(9)ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
6つのバガテルOp.126
(10)バッハ(ケンプ編):来なさい、異教徒の救い主よBWV659
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8
全て、ヴィルヘルム・ケンプ(P)


(1)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1965年3月26日東ドイツベルリン(ステレオ)
(2)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1965年3月28日東ドイツベルリン(ステレオ)
(3)ーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
録音:1962年1月24日スイスビール
(4)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1966年9月25日東ドイツベルリン(ステレオ)
(5)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO
録音:1955年7月21日西ドイツコスタンツ
(6)カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・クラシッシェ・フィルハーモニー
録音:1969年11月21日西ドイツシュトゥットガルト(ステレオ)
(7)録音:1963年10月7日東ドイツポツダム
(8)オイゲン・ヨッフム(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO
録音:1963年3月17日オランダアムステルダム
(9)アマデウスQ
録音:フランスプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏マントン
(10)録音:1958年7月16日フランスピレネー=オリアンタル県プラド
(11)シャンドール・ヴェーグ(Vn,Op.96,Op.8)
パブロ・カザルス(Vc,Op.8)
録音:1958年7月17日フランスピレネー=オリアンタル県プラド
※ステレオ表記以外はモノラル 630'10
MELO CLASSICS が凄いセット物を出してきた!20 世紀ドイツの偉大なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプのライヴ録音集、 9CD、10 時間半!どれもこれもお宝音源ばかり! まずは何と言っても 1965 年 3 月 26、28 日に催された、ハインツ・レーグナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンと共演のベ ートーヴェンのピアノ協奏曲全曲。この5 曲のためにこのセットを勝っても損はしないというくらいの充実した演奏。69 歳のケ ンプのピアノはベテランの味わい深さがありつつも、ライヴでは意外なくらい思い切った表情もあり、改めて超一流のベート ーヴェン弾きだと唸らされるもの。そして若くしてドイツの伝統を背負った当時36 歳のレーグナーがドレスデンのオーケストラ から渋く重厚なしかし柔軟な音楽を引き出している。皇帝協奏曲の第 3 楽章はもう圧巻、大喝采。全曲ステレオ録音で音質 も十分。両日のアンコールまで収録。 オイゲン・ヨッフム指揮コンセルトヘボウ管弦楽団とのモーツァルトのピアノ協奏曲第 15 番もとても良い演奏。ケンプとヨッフ ムとコンセルトヘボウ管弦楽団の共演はおそらくこれが初めてで、なんともリラックスした和やかで味わい深いモーツァルトが 聞ける。テープ保存が悪く年代にしては音質が今一つなのが惜しいが、それでも価値のある名演だろう。 リサイタルでは、1963 年 10 月のポツダムでの演奏が素晴らしい。4 曲はいずれもケンプのお得意で商業録音も残されてい るが、ライヴで興が乗った時のケンプの、堅固でありながらふつふつと湧き上がる音楽がしっかり収められている。 ケンプが伴奏に回ったお宝が、プラド音楽祭で81 歳のカザルスと共演したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第5 番。カザルス とケンプは1961 年のチェロ・ソナタ第1 番の録音が知られているが、この第 5 番は1958 年のライヴ録音。この世紀の共演 はもはや普通の物差しでは測れないだろう、途轍もないものを体験した充実感を得られるだろう。 ケンプ・ファンはもちろん、ドイツ伝統のピアノ弾きが好きな人に広くお勧めしたい9CD だ。
ベートーヴェンの全集を始め、およそ半数の録音がステレオ!(各ディスクが収容されているペーパー・スリーヴに STEREO or MONO の記載があります)。 またブックレットには1936 年の最初の来日の時の写真など貴重な写真も数点掲載されている。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-340(1CD)
シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42(ライスによる室内オーケストラ伴奏編)
4つの歌曲 Op.22(グリースルによるピアノ五重奏伴奏編)
「グレの歌」―山鳩の歌(作曲者による室内オーケストラ伴奏編)
室内交響曲第1番Op.9
ミヒャエル・ツラビンガー(指)
ヴィーナー・コンツェルト=フェライン
ピーナ・ナポリターノ(P)
イダ・アルドリアン(S)、クリストフ・フィラー(Br)

録音:2021年9月24-27日、2022年6月16-17 日、ウィーン
シェーンベルクの室内オーケストラ作品を集めた CD。といってもオリジナルは有名な室 内交響曲第1 番で、他はシェーンベルク自身のものも含めた編曲。近代の大編成オーケス トラ作品を縮小編曲すると作品の斬新さが際立つというのはよくあることで、ここでも百数十 年前のシェーンベルクの前衛っぷりが気持ち良い刺激で伝わって来る。 ツラビンガーは1984年、ウィーン生まれの若手指揮者。インゴ・メッツマッハーの助手を長 く務め、彼自身20世紀の音楽を得意としています。2018 年、マドリッドのレアル劇場でツィン マーマンの「軍人たち」を指揮して大評判となり、以来欧州各地の歌劇場で活躍しています。 ヴィーナー・コンツェルト=フェラインは1987 年結成の若い音楽家によるオーケストラ。

Orchid Classics
ORC-100287(1CD)
NX-B06
モーツァルト/ライネッケ/ニールセン:協奏曲集
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
ライネッケ(1824-1910):フルート協奏曲 ニ長調 Op.283
ニールセン:フルート協奏曲 FS 119
アルベルト・ナヴァーラ(Fl)
クラウディア・ルチア・ラマンナ(Hp)
オーデンセSO
ホリー・ヒョン・チェ(指)

録音:2023年1月16-20日
2022年にデンマークで開催された「カール・ニールセン国際音楽コンクール」で優勝、一躍注目を浴びたフルート 奏者アルベルト・ナヴァーラのデビュー・アルバム。2022/23年のシーズンからベルリン・フィルハーモニーのカラヤン・ アカデミーのメンバーに加わるとともに、ソリストとしてオーフスSO、オーデンセSOと共演、各地の音楽 祭で演奏するなど着々と活動の場を広げています。アルバムではフルーティスト定番のレパートリー、ニールセンとラ イネッケの協奏曲に加えて、ハープ奏者ラマンナとともにモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」を披露。 巧みな技術から生まれる輝かしい音色と卓越した音楽性で聴き手を魅了します。

Gramola
GRAM-99287(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲全集
ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412(386b)…第2楽章:フランツ・バイヤー編
ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417

※K.495第1楽章&K.447第1楽章のカデンツァ…パウル・アンゲラー
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
使用楽器…1800年頃ボヘミア製 作者不詳
ザルツブルク・ホーフムジーク(古楽器オーケストラ)
ヴォルフガング・ブルンナー(指)

録音:2006年4月10-12日
モーツァルトの4つのホルン協奏曲をナチュラルホルンで演奏した1枚。使用した楽器は1800年頃にボヘミアで製 作されたもので、バルブを持たないシンプルな構造から生まれる音色は、現代の楽器とは大きく異なり、自然倍音 の美しさがより味わえます。演奏するハンスイェルク・アンゲラーはチロル出身。ザルツブルクのモーツァルテウムで学 び、インスブルックSOのホルン奏者を務めた後、ソリスト、教授として活躍しています。ドイツ・グラモフォンに は「モーツァルト:管楽作品全集」を指揮者、ホルン奏者として録音。こちらも高い評価を受けています。

ONDINE
ODE-1429(1CD)
NX-B10
ロルフ・ヴァリーン(1957-):作品集
Stride - オーケストラのために(2023)
2?5. Whirld - ヴァイオリンとオーケストラのために(2018)
Spirit - エレクトリック・ベースギターと管弦楽のために(2017)
.5つの季節 - 笙と管弦楽のために(2022)
ウー・ウェイ(中国笙)
エルドビョルク・ヘムシング(Vn)
イダ・ニールセン(エレクトリック・ベースギター)
スタヴァンゲルSO
アンドリス・ポーガ(指)

録音:2022年6月15-17、2023年6月5-9日
現在のスカンジナビアで「最もエキサイティングな作品を書く作曲家」として評判の高いノルウェーのロルフ・ヴァリーンの4つの近作を収録した1枚。 アルバムでは、「世界は一つの渦であり、あらゆる渦は一つの世界である」と考えるヴァリーンが錬金術師になったような気分で書き上げたというヴァイオリン協 奏曲(独奏は若きヴァイオリニスト、エルドビョルク・ヘムシング)、古代中国における5つの要素「木、火、土、金属、水」を季節に例え、ウー・ウェイが奏でる笙 とオーケストラのための作品に仕立てた「5つの季節」、プリンスとの共演経験を持つベーシスト、イダ・ニールセンをフィーチャーした「Spirit」の協奏的作品3曲 と、ウイルスや天候、戦争などの恐怖から精神的に抜け出すためのポジティヴなエネルギーを込めたというオーケストラ作品「Stride」、これらの4曲をスタヴァ ンゲルSOの首席指揮者を務めるアンドリス・ポーガの演奏でお聞きいただけます。

VOX
VOXNX-3036CD(1CD)
NX-B06
ショパン:ピアノと管弦楽のための作品全集 第2巻
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 変ロ長調 Op.2
演奏会用ロンド「クラコヴィアク」 Op.14
アビー・サイモン(P)
ヘリベルト・バイセル(指)
ハンブルクSO

録音:1972年ハンブルク(ドイツ)
ニューヨーク生まれのピアニスト、アビー・サイモン(1920-2019)によるショパンのピアノと管弦楽のための作品全集。1972年に録音され、1973年に3枚組 LPとして発売された全集を新リマスターでCD2枚に復刻、これはその第2巻です(第1巻:VOXNX3032CD)。ヨーゼフ・ホフマンに師事したサイモンは、 録音当時52歳。定評のあったロマンティックな詩情漂う演奏を聞かせます。日本の音楽ファンには懐かしいヘリベルト・バイセルが格調高い指揮で共演して います。 優秀録音で名高いエリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。ピアノがクローズアップ気味 に録られ、オーケストラが奥行きと広がりを持って展開する録音パターンになっています。ブックレットには初出時のLPのジャケット写真と解説が転載されてい ます。

BMOP SOUND
BMOP-1093(1CD)
ジョーン・タワー(b.1938):管弦楽作品集
@ピアノ協奏曲「ベートーヴェンへのオマージュ」(1986)
A「ライジング」(2010)〜フルートと管弦楽のための
B「赤いカエデ」(2013)〜ファゴットと弦楽のための
Cフルート協奏曲(1989)
ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
@マルク=アンドレ・アムラン(Pf)
ACキャロル・ウィンセンク(Fl)
Bエイドリアン・モアジョン(Fg)

録音:@2021年9月10日、A2018年2月7日マサチューセッツ州
ジョーン・タワーはアメリカの作曲家、ピアニスト、教育者として活動しており、エマーソン弦 楽四重奏団、東京弦楽四重奏団、マリンバ奏者エヴリン・グレニーなど著名な団体、演奏家 から作品の委嘱を受けている。このアルバムは20 世紀後半から21 世紀初頭までの協奏的 作品が収められている。「ベートーヴェンへのオマージュ」と題されたピアノ協奏曲は新古典 主義、ミニマル・ミュージックの要素が折衷された佳作でヴィルトゥオーゾ、マルク=アンドレ・ アムランのピアノの妙技が聴きもの。フルート協奏曲は呪文のようなフルートのメリスマティッ クな旋律が美しい秀作。

Ars Produktion
ARS-38647(1CD)
ファビアン・ミュラー:協奏曲集
パン・フルート協奏曲(2017)
ヘッケルフォーン協奏曲(2020)/大オーケストラのための「タラニス」
カスパール・ツェーンダー(指)、
ロイヤル・チェコ・シンフォニア・フラデツ・クラーロヴェー、
ハンスペーター・オジエ(パン・フルート)、
マルティン・フルティガー(ヘッケルフォーン)

録音:2023年2月
スイスの作曲家ファビアン・ミュラー(b.1964)の作曲による珍しい楽器のための協奏曲集。特にヘッケルフォーンは使用されることが少ない楽器で、オーボエの1オクターヴ低い音域を持ちます。R.シュトラウスのオペラで用いられたり、「アルプス交響曲」で用いられていますが、協奏曲のソロ楽器として使用されるのは特に珍しいケースです。マルティン・フルティガーによる演奏でその魅力をたっぷりとご堪能ください。

Diapason
DIAP-166(1CD)
ヴァイオリン協奏曲集/ヤッシャ・ハイフェッツ

(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
(3)ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46
(4)サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)

(1)シャルル・ミュンシュ(指)、ボストンSO
録音:1959年2月23日&25日
(2)マルコム・サージェント(指)、LSO
録音:1951年5月18日
(3)マルコム・サージェント(指)、オシアン・エリ録音:1961年5月15日&22日
(4)ウィリアム・スタインバーグ(指)、RCAビクターO
録音:1951年1月16日
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第166巻として登場するのは、ヤッシャ・ハイフェッツ。ハイフェッツと言えば20世紀最高のヴァイオリニストの一人と言えるでしょう。そのハイフェッツによるヴァイオリン協奏曲集は、珠玉の名曲であり続けているメンデルスゾーンから始まり、ブルッフを2曲、そして難曲で知られるサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」を収録しました。新たなマスタリングによって蘇る、ハイフェッツの超絶技巧は聴きものです!
Danacord
DACOCD-975(2CDR)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲集、他

(1)ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046

(2)ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047

(3)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048 より 第1楽章、第3楽章

(4)ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049

(5)ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050

(6)ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051

(7)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048

(8)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048

(9)トッカータとフーガ ニ短調 BWV565(アロイス・メリヒャル編)
(1)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、シモン・ゴールドベルク(Vn)、グスタフ・カーン(Ob)
録音:1932年
(2)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、パウル・シュペッリ(Tp)、アルベルト・ハルツァー(Fl)、グスタフ・カーン(Ob)、シモン・ゴールドベルク(Vn)、ハンス・ボッタームント(Vc)
録音:1932年
(3)BPO、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
録音:1930年
(4)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ハインリヒ・ブライデン(Fl)、アルベルト・ハルツァー(Fl)
録音:1933年
(5)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ジークフリート・ボリース(Vn)、フリードリヒ・トーマス(Fl)、フランツ・ルップ(Cemb)
録音:1934年
(6)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ラインハルト・ヴォルフ(Va)、クルト・オーバーレンダー(Va)、パウル・グリュンマー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、シルヴィア・グリュンマー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ヴォルフガング・クレーバー(Vc)、ヘルマン・メンツェル(Cb)、エータ・ハーリヒ=シュナイダー(Cemb)
録音:1934年
(7)ロイヤル・アルバート・ホールO、ユージン・グーセンス(指)
録音:1922or1923年
(8)ベルリン国立歌劇場O、ゲーオー・フベア(指)
録音:1924年
(9)BPO、アロイス・メリヒ
バッハの「ブランデンブルク協奏曲」をバロックの伝統に従って演奏した1920〜30年代の貴重な記録。今日ほとんど忘れられてしまったオーストリアの名指揮者アロイス・メリヒャル(1896-1976)によるこの草分け的なベルリンでの録音は、活力にあふれた高雅な演奏が録音史上の貴重な存在として記憶されています。このアルバムには、メリヒャル指揮の5曲と、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮の「第3番」(2つの楽章のみ)を収録。さらにボーナス・トラックとして、イギリスのユージン・グーセンスとデンマークのゲーオー・フベアが録音した「第3番」が収められました。コレクターでもあるエンジニアのクラウス・ビューリトのコレクションの音源を使い、可能な限り最良のデジタル技術により復刻され鮮明に甦りました。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002691(1CD)
初回生産限定
チャイコフスキー国際コンクールの優勝者たち 〜諏訪内晶子、セルゲイ・スタドレル
1-3. パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
4. ラヴェル:ツィガーヌ M.76
5. ショーソン:詩曲 Op.25
6. サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
諏訪内晶子(Vn/1-3)
モスクワ国立SO(1-3)
パヴェル・コーガン(指揮/1-3)
セルゲイ・スタドレル(Vn/4-6)
レニングラードPO(4-6)
ウラディーミル・ポンキン(指揮/4-6)

録音:1-3.1990年7月4日、モスクワ音楽院大ホール(ライヴ録音/ADD/ステレオ)
4-6.1987年7月、レニングラード・フィルハーモニー協会大ホール(ADD/ステレオ)
旧ソ連時代の1958年に創設され、1966年には、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽の4部門を同時に演奏する世界初にして唯一のコンクールとなった「チャイコフスキー国際コンクール」。今回、同コンクールの優勝者の歴史的演奏を振り返るためメロディア(Melodiya)に保管されている膨大な音源の中から選ばれたのは、ヴァイオリン部門の2人の優勝者、第7回(1982年)のセルゲイ・スタドレル、そして第9回(1990年)の諏訪内晶子!
当時、第9回大会において史上最年少、18歳で優勝を果たしセンセーションを巻き起こした諏訪内晶子。1990年のコンクール期間中に聴衆、審査員を熱狂させた鮮烈かつ圧倒的なパガニーニの協奏曲第1番です。
1982年の第7回大会において、ヴィクトリア・ムローヴァと並び第1位を受賞したセルゲイ・スタドレル(1962-)。指揮活動にも精力的に取り組み、教育面においてはサンクトペテルブルク音楽院(レニングラード音楽院)の院長を務めるなど多大な功績を残しているスタドレルですが、ヴァイオリニストとしての録音の数はその実績と比べて決して恵まれているとは言えないだけに、今回の協奏的作品3曲の演奏の復刻は歓迎されることでしょう。※バックインレイには現地に保管されているマスターテープに記載の情報に基づき、「Recorded live on July4th,1990at Grand Hall Moscow Conservatory (Winners concert of the IX International Tchaikovsky Competition)」との表記がありますが、共演者・演奏曲などを様々な情報と照らし合わせたところ、正しくは「優勝記念コンサート」ではなく、「コンクールのファイナル」のライヴであると思われます。予めご了承下さい。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Obsession
CHSA-10078(2SACD)
初回生産限定
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集&パガニーニの主題による狂詩曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1/ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
アール・ワイルド(P)、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)、
ロイヤルPO

録音:1965年
過去の名録音を高音質化して復刻しているObsessionレーベルよりまた大注目のリリース。アメリカが生んだ20世紀の大ピアニスト、アール・ワイルドが遺した名録音の一つ、ヤッシャ・ホーレンシュタインとのラフマニノフのピアノ協奏曲全集が初めてSACD化されました!
LP盤を含めいくつかのレーベルからリリースされていた同音源ですが、Chandosからリリースされていた全集盤(2003年発売)をSACDハイブリッド化。名盤ひしめく同曲集の中でも最高傑作とする声も多く、突出して高い評価を得ているワイルド&ホーレンシュタインの超名演。1965年の収録とは思えぬ鮮明な録音もポイントで、今回のSACD化によってさらなる音質の向上が期待されます。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Stradivarius
STR-37258(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲第1番ニ長調Op.99(1039)
モーゼス・イブン・エズラの詩集 Op.207〜声とギターのためのソング・サイクル*
ピエトロ・ロカット(G)
ナディール・ガロファロ(指)
エステSO
ローニャ・ヴェイヘンマイヤー(S) *

録音:2023年2月8日フェラーラ、2022年3月12-13日ナポリ*
カステルヌーヴォ=テデスコはユダヤ系イタリア人として生まれ、ムッソリーニのファシスト政権樹 立後はアメリカに亡命、ハリウッドで映画音楽の作曲家としても活躍した。ギターと朗読のための 「プラテーロと私」が特に日本では有名だが、このディスクではセゴビアのために書かれた代表作 ギター協奏曲を収録。新古典主義的で端正に書き込まれたこの作品は美しいメロディに溢れた傑 作です。また中世スペインの詩人イブン・エズラの詩に曲をつけた「モーゼスの寝椅子」はロン ヤ・ウェイヘンマイヤーの美しいソプラノの歌声が聴きもの。

スロヴェニア放送
ZKP-118548(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ロマンス第1番ト長調 Op.40
ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
ジガ・ブランク(Vn)
スラヴェン・クレノヴィチ(指)
スロヴェニアRSO

録音:2023年9月
スロヴェニアからたいへんに素敵なベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とロマンスの CD が出た。ジガ・ブランクは1982年生まれ、今やスロヴェニアを代表するヴァイオリニストの一 人です。ZKP RTV SLOVENIJA からはこれまでにイザイの6 つの無伴奏ヴァイオリン・ソナ タ(ZKP113192)やパガニーニの24 のカプリッチョ(ZKP114304)、モーツァルトのヴァイオリ ン・ソナタ K.301とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10 番(ZKP111839)が発売され ています。 久々の新録音であるこのベートーヴェン集はジガ・ブランクの充実ぶりを伝えてくれます。まず 柔らかく透明感のある美音が素晴らしく、しかも丁寧かつ端正で伸びやかで柔らかい音楽。 第2楽章のラルゲットは、まるで良い味のでただし汁のように旨味がじんわりと広がる。第 3楽章も丁寧に弾きながら様々な情感を醸して見事。こうしたブランクの魅力は 2つのロマン ス、特に有名な第2番でも発揮されています。 そしてもう一人注目すべきが指揮者のスラヴェン・クレノヴィチ。ブランクと同世代のこの若い 指揮者は、2023年にサラエヴォPOの首席指揮者に就任したばか りで、CD もおそらくこれが初めて。ここでのベートーヴェンの、骨太で剛毅で、しかし必要な 時には十分に抑えも効かせられる音楽には、彼の可能性が大いに感じられます。クレノヴィチ は20年後、いや10年後には西側で大活躍しているかもしれない。

CLAVES
50-3079(1CD)
(1)ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
(2)ブルッフ:コル・ニドライ Op.47
(3)ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ニ長調 Op.12
ティム・ポズナー(Vc)
ベルンSO、カタリーナ・ミュルナー(指)

録音:2023年9月ディアコニアス教会(ベルン)
2023年に開催したグシュタード音楽祭の「ティエリー・シェルツ賞」に受賞したチェロ奏者ティム・ポズナーがブロッホ、ブルッフ、ドホナーニを録音しました。
グシュタード音楽祭はスイスのグシュタード(スイスを横断する絶景パノラマ鉄道「ゴールンデパス・ライン」が走ることでも有名な山村)で開催される、世界各 国から才能豊かな若手音楽家が集まることで知られるフェスティヴァル。「ティエリー・シェルツ賞」は当音楽祭の創設者の一人ティエリー・シェルツへのオマージュ として設けられました。参加者のうち毎回1名がclavesレーベルからレコーディングの機会を与えられCDリリースできるという副賞がついており、これまでにヴァ イオリンのアンナ・アガフィア(2022年受賞)、ピアノのジャン=ポール・ガスパリアン(2020年受賞)、ヴィオラのティモシー・リダウト(2019年受賞)、チェ ロのアナスタシヤ・コベキナ(2018年受賞)、ハープのアナイス・ゴドゥマール(2015年受賞)、ピアノのヨゼフ・モーク(2006年受賞)、ハープのエマニュエル・ セイソン(2005年受賞)など現在世界的に活躍するアーティストを輩出しております。
1995年生まれのポズナーはカール・ダヴィドフ国際チェロ・コンクールに入賞した初の英国人。これまでにロイヤルPO、ロンドン・モー ツァルト・プレイヤーズなどのオーケストラと共演。現在、アムステルダム・シンフォニエッタの首席チェロ奏者を務めています。今後の活躍に期待が高まります! (Ki)

King International
KKC-4341(1SACD)
シングルレイヤー
日本語解説付国内盤
税込定価
プロムシュテット・ドレスデン・エテルナ・モーツァルト集成〜モーツァルト:ホルン、フルート、オーボエ協奏曲集&ディヴェルティメント集
ホルン協奏曲第1番ニ長調 KV412(386b)
ホルン協奏曲第2番変ホ長調KV417
ホルン協奏曲第3番変ホ長調KV447
ホルン協奏曲第4番変ホ長調KV495
ホルンと管弦楽のためのロンド変ホ長調KV371
フルート協奏曲第1番KV313(285c)
フルート協奏曲第2番ニ長調KV314(285d)
フルートと管弦楽のためのアンダンテハ長調KV315(285e)
オーボエ協奏曲ハ長調KV314
ディヴェルティメント ニ長調KV136(125a)
ディヴェルティメント 変ロ長調KV137(125b)
ディヴェルティメント ヘ長調KV138(125c)
アダージョとフーガ KV546
ペーター・ダム(Hrn)
ヨハ ネス・ヴァルター(Fl)
クルト・マーン(Ob)
シュターツカペレ・ドレスデン
ヘルベルト・ブロムシュテット(指)

録音日:[ホルン]1974年3月 [フルート&オーボエ]1973年2月、12月 [ディヴェルティメント]1976年11月
録音場所:ドレスデン・ルカ教会
全盛期のエテルナのアナログ・レコードの音を限りなく再現すべく、オリジナル音源から新規デジタル・マスタリングした、キングインターナショナルのシリーズ「ドイツ・シャルプラッテンETERNAの芸術」。第6弾は、シュターツカペレ・ドレスデンの名管楽器奏者たちによるモーツァルトの協奏曲集。指揮は当時まだ40代半ばであったヘルベルト・ブロムシュテット。さらにブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンとの蜜月に刻まれたモーツァルトの名録音で有名なディヴェルティメント集を含んだ充実の内容を1枚のSACDに収めました。モーツァルトがホルンのために書いた作品は、協奏曲が4つ、コンサート・ロンドが1つ、さらにホルン五重奏曲(KV407)を残しています。これらの多くはザルツブルク宮廷楽団のホルン奏者を務めていたヨーゼフ・ロイトゲープ(1732〜1811)のために書かれたと言われています。名作の影に名手あり、といったところですが、今回ソリストとして登場するホルン奏者も時代を代表する名匠ペーター・ダム(1937〜)。1969年から2002年までシュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルン奏者として同団の栄光を支えたひとり。そして同録のフルート協奏曲、オーボエ協奏曲でも、この名門オーケストラの首席奏者二人が登場しています。ドレスデン生まれの名フルート奏者、ヨハネス・ヴァルター(1937〜)と旧東ドイツを代表するオーボエ奏者クルト・マーン(1923〜2015)。いつも同じ呼吸している奏者がソロを担当することにより、自然で気負いのない伸びやかな協奏曲に仕上がっています。続いてディヴェルティメント集では、1970年代後半のブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンの息吹を感じさせる演奏。ディヴェルティメントの軽妙で優雅な音楽に見事に当てはまる名演と言えるでしょう。引き続き企画監修は、ヴィンテージレコードショップ「エテルナトレーディング」の店主で、日本にETERNAのレコードを流布させた“仕掛け人”でもある高荷洋一氏。今回の解説には、ソリストたちの個性、そして楽器に焦点を当てた興味深い内容となっています。 (Ki)

H.M.F
HMX-2904104(2CD)
ロト&レ・シエクルのラヴェル
■CD1
(1)ピアノ協奏曲ト長調
(2)ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(全3曲) 
(3)2つのヘブライの歌
(4)なき王女のためのパヴァーヌ(P版)
(5)マラルメの3つの詩
(6)左手のためのピアノ協奏曲
(7)聖女
■CD2
(1)ムソルグスキー(ラヴェル編):展覧会の絵
(2)ラヴェル:ラ・ヴァルス
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

■CD1(HMM902612)
セドリック・ティベルギアン(P;1892年製プレイエル・グランパトロン)、
ステファーヌ・ドゥグー(Br)
録音:2020年12月/ピエール・ブーレーズ大ホール(1)(6)、2021年9月/フィラルモニ・ド・パリ(2)(3)(5)(7)、スタジオ(4)
■CD2(HMM905282)
録音:2019年11月フィルハーモニー・ド・パリ(ライヴ)
ロトのベストセラー、ラヴェルの「展覧会の絵」と、ピアノ協奏曲などを収録した2タイトルが限定2枚組セットで登場!

ALTO
ALC-1488(1CD)
ロージャ・ミクローシュ:ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 Op.24
主題、変奏とフィナーレ Op.13A
ハンガリー夜想曲 Op.28
ワイン醸造家の娘 Op.23A
イゴール・グルップマン(Vn)、
ジェームズ・セダレス(指)、
ニュージーランドSO
ロージャ・ミクローシュは、映画音楽の世界で特に有名で「ベン・ハー」などのサウンドトラックを担当し、アカデミー賞に17回ノミネート、そして3度受賞しています。このCDに収められている「ヴァイオリン協奏曲」は、ハイフェッツの委嘱により作られたもので、ロージャが作曲した芸術音楽の中でも評価の高い作品の一つに数えられています。

ALPHA
ALPHA-1005(1CD)

NYCX-10456(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ヴィヴァルディ:四季、ラ・フォリア
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Op.8-3RV293「秋」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 Op.8-4RV297 「冬」
アリア 「太陽の強い輝きは」 〜歌劇「救われたアンドロメダ」 RV Anh.117*
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 Op.8-1RV269 「春」
ァイオリン協奏曲 ト短調 Op.8-2RV315「夏」
トリオ・ソナタ ニ短調 Op.1-12RV63「ラ・フォリア」
ポール=アントワーヌ・ベノス=ディアン(C.T)*
ジュリアン・ショーヴァン(Vn)
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ

録音:2023年2月 在仏イタリア大使館シチリア劇場、パリ
※国内仕様盤日本語解説…坂本龍右
モーツアルトの後期交響曲や「レクイエム」のような有名作をこれまでにない視点からの新解釈で披露し、世界中の音楽ファンを新鮮な驚き と共に楽しませてくれているジュリアン・ショーヴァンによる『四季』が登場。子供たちや俳優など様々な人々とこの作品で共演してきたという彼 ら。特に、パリ五輪の公式ダンスでも話題のフランスの振付師ムラッド・メルズキのダンサー達からは大きな影響を受けたと言い、極端な独創 性や誇張されたダイナミクスなどに頼ることなく、自然な身体的バランスと呼吸、自発性から今回の演奏が生まれたということです。とはいえ、 ここに聴く演奏は十分に刺激的。曲順は通常の「春」からではなく「秋」から始められており、間に近年発見されたヴァイオリンのオブリガート付 きアリアを挟み、最後にはフォリアを置くという構成となっています。弦楽を各パート一人ずつに絞った緊密なやり取りの中で映えるショーヴァン の緩急織り交ぜた妙技のほか、テオルボとバロック・ギターには名手キート・ガートも参加してアンサンブルを支え、時には煽るように先導するこ とも。名盤あまたの『四季』ですが、異彩を放つ注目盤がまた一つ加わりました。

SWR music
SWR-19141CD(1CD)
NX-B09
ブゾーニ:ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.39(1904) - ピアノと管弦楽、男声合唱のために デイヴィッド・ライヴリー(P)
バーデン=バーデン・フライブルクSWRSO
フライブルク・ヴォーカルアンサンブル男声cho
ミヒャエル・ギーレン(指)

録音:1990年2月13日ハンス・ロスバウト・スタジオ SWR、バーデン=バーデン(ドイツ)
フェルッチョ・ブゾーニの没後100年記念リリース。1902年から1904年に作曲された彼唯一のピアノ協奏曲は、全5楽章、演奏時間は約80分近く、そして 終楽章には男声合唱が入るという長大で大規模な曲。ピアノ・パートの難度は高いものの、決して派手な技巧を追うわけではなく、ブラームスの協奏曲のよ うにオーケストラの一部として機能します。 終楽章の男声合唱はデンマークの劇作家アダム・エーレンスレーヤーの戯曲「アラジン」の終幕の部分をブゾーニ自身がドイツ語に翻訳したものを高らかに歌 いますが、こちらも決して劇内容を表現しているわけではありません。破天荒な内容の上、合唱も必要とする編成のためか、それほど実演の機会が多い作 品ではありませんが、20世紀音楽と大編成作品を得意とするミヒャエル・ギーレンが見事な演奏を聴かせます(ギーレンによるこの作品の録音は、これが唯 一のものとなります) ピアノを演奏するフランス系アメリカ人のデイヴィッド・ライヴリーは、過去にエリザベート王妃コンクール、ジュネーブ国際音楽コンクール、チャイコフスキー国際コ ンクールなどの入賞歴を誇るピアニスト。現代作品も積極的に手掛け、多くの作曲家たちの新作の演奏も行い高い評価を受けています。

ARCANA
A-542(2CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(A.ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
アントニオ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
 リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
 収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はアントニオ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にの みピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なもの。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに 伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと 引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わりに、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに 組み込まれています。

CPO
CPO-555613(1CD)
NX-C04
C. P. E. バッハ/J. G. グラウン:ヴィオラ協奏曲集
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171(マティス・ロシャによるヴィオラ編)
ヨハン・ゴットリープ・グラウン(1703-1771):コンチェルタンテ ハ短調 Graun WV A:XIII:3- ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のために
グラウン:協奏曲 変ホ長調 Graun WV A:XIII:3- ヴィオラ、弦楽合奏と通奏低音のために
マティス・ロシャ(Va)
ステファン・ワーツ(Vn)
カメラータ・シュヴァイツ
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年7月7-9日
ヨーロッパで注目されている若手ヴィオラ奏者マティス・ロシャが宿願だったというC.P.E.バッハのチェロ協奏曲に挑んだアルバム。 ロシャはケルンでアントワン・タメスティに、ライプツィヒでタチヤナ・マスレンコに師事、現在はミゲル・ダ・シルバと共にベルギーのエリザベート王妃音楽院でアー ティスト・イン・レジデンスを務めつつ、ベルギー、ドイツ、フランス、スイスなどで演奏活動を行っています。2021年にはラフマニノフのチェロ・ソナタや歌曲をヴィ オラで演奏したアルバムをリリースして、そのテクニックと歌心あふれる演奏が注目されました。 ここでは彼がかねてからの夢だったと語るC.P.E.バッハのチェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171のソロをヴィオラで演奏。原盤解説(英語・独語)では「この曲の 軽やかなヴィルトゥオジティはヴィオラに向いている」と語る一方、10代の頃からの相談役であった指揮者ハワード・グリフィスに賛同してもらうためにアレンジに は周到な工夫を凝らしたとも語っています。他にはヴァイオリンの名手だったグラウンの作品を2曲収録。コンチェルタンテで共演しているのは2014年メニュー イン国際コンクールの覇者、オランダのステファン・ワーツ。グリフィス率いるカメラータ・シュヴァイツが見事なサポートを聴かせます。
CPO
CPO-777975(1CD)
NX-C04
フリードリヒ・エック(1767-1838):3つのヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調
ヴァイオリン協奏曲第2番ト長調
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調
ターニャ・ベッカー=ベンダー(Vn)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O
ヨハネス・シュレーフリ(指)

録音:2016年11月15-18日
ドイツのヴァイオリニスト、作曲家フリードリヒ・エックは、モーツァルトより11歳年下、ベートーヴェンより3歳年上の音 楽家。1778年、マンハイムOのヴァイオリニストに就任し、ミュンヘンではペーター・ヴィンターに作曲を師 事、その卓越した演奏と作品は18世紀末ヨーロッパの音楽界でセンセーションを巻き起こしました。しかし、当時 の批評家に大絶賛されたにもかかわらず、1800年に突然引退、妻とともにフランスに移住してしまいます。その引 退の理由はわかっていませんが、彼の協奏曲が著名な出版社から出版されたにもかかわらず、ほぼ忘れられてし まったからと推測されています。現在、彼の名が知られているのは、モーツァルトの作品とされていた「ヴァイオリン協 奏曲第6番」の真の作者としてのみでしょう。 このアルバムに収録されている3つの協奏曲は、高い演奏技術を要し、モーツァルトを思わせる美しい旋律を持って います。来日経験もあるターニャ・ベッカー=ベンダーのヴァイオリンでこの魅力的な作品をお聴きください。

AAM Records
AAM-44(1CD)
NX-B10
モーツァルト:ピアノ協奏曲第6番 変ロ長調K.238
3台のピアノと管弦楽のための協奏曲第7番ヘ長調 K.242*
ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246

※K.238とK.246のカデンツァはロバート・レヴィン作
ロバート・レヴィン(タンジェント・ピアノ)
ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)*
ローレンス・カミングズ(Cemb/指)*
ボヤン・チチッチ(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
ボヤン・チチッチ(リーダー)

録音:2022年5月3-7日 All Hallows, Gospel Oak
2022年7月2日 St Giles’ Cripplegate

タンジェント・ピアノ:レーゲンスブルクのシュパート&シュマール1794年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2008年製作
フォルテピアノ:アウグスブルクのアントン・シュタイン1786年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2021年製作
チェンバロ:パリのパスカル・タスカン1769年製作をモデルとするマンチェスターのキース・ヒルの再現楽器。2010年製作
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第4集は1776年にザルツブ ルクで作曲された協奏曲を集めています。注目は鍵盤楽器の選択。当時のザルツブルクではチェンバロまたはクラヴィコードという言葉が鍵盤楽器全 般を指して使われていました。モーツァルトが「チェンバロ」と書いた曲に強弱記号があるのもそうした背景によります。レヴィンはこれらの作品に取り組む にあたり「チェンバロとフォルテピアノの中間的な存在でクラヴィコード的な性格もある」タンジェント・ピアノ(タンゲンテンフリューゲル)を使用。フォルテピア ノに比べると音質は軽くて音量も小さめですが、4/3/2/2/1の弦の編成とうまくマッチして俊敏な音楽を透明なテクスチュアで奏でています。3台の鍵 盤楽器のための協奏曲ではフォルテピアノとチェンバロを加えることで3種の音色が生み出す華麗な効果が生まれ、各パートの音の動きを追いやすくな りました。 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、製作ス タッフの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が 使われています。

オクタヴィア
OVCL-00842(1SACD)
税込定価
2024年2月21日発売
アンサンブルof トウキョウ ライヴ2023秋
(1)モーツァルト:セレナーデニ長調「セレナータ・ノットゥルナ」
(2)R.シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調
(3)ウェーバー:ファゴット協奏曲ヘ長調 (Fg ダーク・イェンセン)
アンサンブルof トウキョウ(指揮者無し)【青山聖樹(Ob)、ダーク・イェンセン (Fg)、玉井菜採、戸原直(Vn)、大野かおる(Va)、渡邉玲雄(Cb)】
(1)玉井菜採(Vn)、戸原直(Vn)、大野かおる(Va)、渡邉玲雄(Cb)
(2))青山聖樹(Ob)
(3)ダーク・イェンセン(Fg)

録音:2023年10月27日東京、紀尾井ホール・ライヴ
ダブルリードファン待望の協奏曲ライヴのCD化!ゲスト出演した ノルウェー出身のファゴット奏者ダーク・イェンセンは、バンベル クSOやケルンRSOで首席を務め、日本ではサイト ウ・キネン・オーケストラや水戸室内Oの客演でも知られて います。ドラマティックなウェーバー協奏曲での美しいカンタービ レは必聴。青山聖樹は長年研究を重ねたR.シュトラウスで、伸びや かに歌い上げ、艶やかな音色を聴かせます。 また、セレナータ・ノットゥルナでは、アンサンブルofトウキョウ の名ソリストが率いる美しい音楽的対話が展開されていきます。カ デンツァはトルコ行進曲などの有名なメロディが顔を出し、一味違 う楽しみも。 指揮者なしのアンサンブルの自発性、アルバム全体を彩る瑞々しい 響きなどで名曲の数々をお楽しみください。(オクタヴィア)

Chandos
CHAN-20286(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.9
モーツァルト:「後宮からの誘拐」序曲
ピアノ協奏曲 第11番ヘ長調 KV413*
ピアノ協奏曲 第12番イ長調 KV414*
ピアノ協奏曲 第13番 ハ長調 KV415*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*、
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2023年4月4日-6日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN-10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第9弾には、モーツァルトがザルツブルクのパトロンを離れ、ウィーンでフリーの作曲家・演奏家としての地位を確立した直後の1782年〜1783年にまとめて作曲された3つのピアノ協奏曲が収録されています。これらの協奏曲はモーツァルトがウィーンで開いた一連の定期演奏会で演奏されたもので、ソナタ形式ではじまり、三部形式の緩徐楽章を挟んで、明るいロンド形式のフィナーレで締め括られる形式が共通しています。また、アルバムの冒頭に収録されている歌劇「後宮からの誘拐」の序曲も、これらの協奏曲と同時期に作曲されたものとなっています。

Chandos
CHSA-5333(1SACD)
ブラームス&ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲集
ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35a, K243
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op77
フランチェスカ・デゴ(Vn)、
ダリア・スタセフスカ(指)BBC響

録音:2023年7月4日-5日、フェニックス・コンサート・ホール(フェアフィールド・ホールズ、クロイドン、イギリス)
1989年生まれ、朗々たる響き、説得力のある解釈、隙のないテクニックを誇り、国際的なシーンでもっとも人気を集めるイタリアの若きヴァイオリニスト、フランチェスカ・デゴ。日本でも既にNHKSOをはじめ様々なオーケストラと共演し多くのファンを獲得しています。パガニーニ自身が所有し愛奏したヴァイオリンを弾いた「イル・カノーネ」(PCHAN-20223/CHAN-20223)で華麗なChandosデビューを果たすと、英BBCミュージック・マガジンで「レコーディング・オヴ・ザ・マンス(2021年11月)」に選出されたロジャー・ノリントンとの共演によるヴァイオリン協奏曲集第1巻(PCHAN-20234/CHAN-20234)を含む4つのモーツァルト・アルバムをリリースし、安定した評価を得てきました。
モーツァルトの協奏曲で共演したロジャー・ノリントンに「私はフランチェスカ・デゴと仕事をするのが好きです。彼女は非の打ち所のないテクニックを持っているだけでなく、協奏曲の様式上の問題に対応するための印象的な方法も備えています。」と讃えられたデゴが次に挑んだのはブラームスとブゾーニ、2つのニ長調協奏曲。「ブラームスのヴァイオリン協奏曲を録音できることは、すべてのヴァイオリニストにとって夢でありマイルストーン」とし、世にある多くの名演と競争するのではなく、自分自身の演奏を示したいというデゴがどのような音楽性を披露してくれるのか大いに注目です。伴奏には2度目の開催となったBBC Proms JAPAN2022でBBC響と来日しプロムスの熱気を日本に届けてくれたことも記憶に新しいウクライナ生まれの若き指揮者、ダリア・スタセフスカ(b.1984)がChandos初登場。2019年にBBC響史上初の女性首席客演指揮者に抜擢、さらに2021/22シーズンからはラハティSOの首席指揮者を務めるなど大躍進を遂げ、世界中から熱視線を浴びている注目株です。今回はSACDハイブリッド盤でのリリースとなり音質面でもより一層期待を持てるでしょう。

Spectrum Sound
CDSMBA-149(1CD)
完全限定盤
ジャンヌ・ゴーティエ〜フランス国営放送、未発表アーカイヴ
(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)クライスラー:パヴァーヌ
(3)クライスラー:プニャーニのスタイルによる前奏曲とアレグロ
(4)ヴィターリ:シャコンヌ
(5)シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 Op.100より第1&2楽章
ジャンヌ・ゴーティエ(Vn)
(1)ピエール=ミシェル・ル・コント(指)リリック放送O
(2)-(4)ユゲット・ドレフュス(Cemb)
(5)フランス三重奏団【ジャンヌ・ゴーティエ(Vn)、アンドレ・レヴィ(Vc)、ジュヌヴィエーヴ・ジョワ(P)】

ライヴ録音:(1)1958年6月22日エラール・スタジオ31
(2)-(4)1956年7月7日モアザン・センター
(5)1960年3月6日フランス・ラジオ・テレビ放送局内スタジオ(公開収録)
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。当アルバムはフランスが生ん だ天才ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエの未発表音源です!神童として注目されたゴーティエ。パリ音楽院卒業後、1910年代半ばには国際的な演奏活動を 展開し絶大な人気を得ました。
戦後、1950年代にはピアノのジュヌヴィエーヴ・ジョワ、チェロのアンドレ・レヴィとフランス三重奏団を結成し、ソロだけでなく室内楽も積極的に演奏してきま した。
ピエール=ミシェル・ル・コント(指)リリック放送Oとのメンデルスゾーン。ダイナミックで堂々たる当ライヴは必聴!第1楽章、第3楽章のテンポは同時 代の演奏家としては速く、また第2楽章はこの上なく美しい演奏を披露。ゴーティエならではの歌いまわしに聴き惚れてしまいます。
巨匠ユゲット・ドレフュスと共演したクライスラーとヴィターリも必聴。これらの作品をチェンバロで演奏していること自体稀ですが、ドレフュスとの演奏は二つの 楽器が対等に存在し、丁々発止のやり取りが終始展開されます。
そして、シューベルトのピアノ三重奏曲第2番より第1、2楽章。当時のフランスが誇る名手が揃った当団の演奏は格別で、どこまでも美しく、極上のシューベルト を堪能することができます。
長い演奏活動の割に録音の少ないゴーティエだけに当アルバムのリリースは大注目といえましょう。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-161(1CD)
完全限定盤
フェリックス・アーヨに捧ぐ
(1)ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』
(2)ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210Op.8-11
(3)ロッシーニ:6つの四重奏のソナタより第3番 ハ長調
(4)バルトーク:ルーマニア民族舞曲
(1)(2)フェリックス・アーヨ(Vn独奏&コンサートマスター)、イ・ムジチ合奏団
(3)(4)フェリックス・アーヨ(コンサートマスター)、
イ・ムジチ合奏団

ライヴ録音:(1)1959年8月13日マントン【マントン音楽祭】
(2)(3)1958年7月9日ディボンヌ・レ・バン
(4)1961年12月4日フランス・ラジオ・テレビ放送局内スタジオ(公開収録)
20世紀を代表する大ヴァイオリニスト、フェリックス・アーヨが2023年9月24日に90歳でこの世を去りました。アーヨの追悼盤としてSpectrum Soundレーベルから完全初出音源の登場です。
イ・ムジチ合奏団の創設メンバーの一人であるアーヨ。当団は1951年にサンタ・チェチーリア国立アカデミアの卒業生12人により結成。1952年にデビュー し以後現在も活動する名団体です。アーヨは当団デビューから16年間、初代コンサートマスターとして活躍。団の顔としてだけでなく、名ヴァイオリニストとして聴 衆を魅了しました。
イ・ムジチ合奏団の名が知られたのは『四季』の録音。50年代に2度録音しておりますが、当初出音源は1959年8月13日、マントン音楽祭におけるライヴ 音源です。アーヨの誠実で気品のある演奏が当演奏でも光っており、優美でふくよかな『四季』を堪能できます。
この他、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210Op.8-11も非常に貴重。また、アーヨがコンサートマスターを務めたロッシーニのソナタ第3番 ハ長調、そしてバルトークのルーマニア民族舞曲では非常に表現豊かな演奏をお楽しみいただけます。
長いキャリアの割に録音の少ないアーヨの貴重音源。ついに日の目を見ました。(Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

GRAND SLAM
GS-2312(1CD)
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)マーラー:「さすらう若人の歌」
(1)エドウィン・フィッシャー(P)
(2)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)、
フィルハーモニアO

録音:(1)1951年2月19、20日アビーロード第1スタジオ(ロンドン)
(2)1952年6月24、25日キングズウェイ・ホール(ロンドン)
使用音源:(1)Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(2)Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(セッション録音)
■制作者より  
フィッシャーとの「皇帝」、F=ディースカウとの「さすらう若人の歌」、これらはフルトヴェングラーが偉大なソリストを迎えての貴重なセッション録音でした。当 シリーズでは2曲ともLP復刻(「皇帝」:GS-2008、2005年、ALP1051使用/マーラー:GS-2015〜6、2006年、ALP1270使用)を発売していますが、 今回、初めてテープ復刻を行いました。「皇帝」は2トラック、38センチ、オープンリール・テープを使用、望みうる最上の得音質を獲得しました。マーラーは2トラッ ク、19センチのテープですが、全体の音質は「皇帝」と何ら遜色ありません。(平林直哉)

VOX
VOXNX-3034CD(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、他
チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104B.191
森の静けさ Op.68No.5B.182)*
ロンド ト短調 Op.94B.181*
ロマンス ヘ短調 Op.11B.39#
マズルカ ホ短調 Op.49B.90#
ザラ・ネルソヴァ(Vc)
ルッジェーロ・リッチ(Vn)
セントルイスSO
ヴァルター・ジュスキント(指)

録音:1974年5月15日、1974年5月*、1974年8月#
ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場! VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、その演奏・録音両面で高い評価を得、形態を変えつつ再 発売を重ねて来ました。このCDには、LP1枚目に収録されていたチェロ作品すべてとLP2枚目のヴァイオリン作品からロマンスとマズルカを収録しています。 チェロ作品のソロを務めるのは1918年カナダ生まれのザラ・ネルソヴァ。12歳の時にはサージェント指揮LSOとラロのチェロ協奏曲を演奏。ピア ティゴルスキー、フォイアマン、カザルスらに師事して世界的に活躍し、バーバーのチェロ協奏曲やブロッホのシェロモを作曲者自身の指揮で録音する際にはソ リストに指名されています。ここでのチェロ協奏曲の演奏時間は36分台と同曲録音の中ではかなり速いテンポによるもので、淀みのない流れに乗った豊かな 歌が印象的です。「森の静けさ」も深沈とした瞑想よりも緩やかな足取りによる散策を思わせ、音楽が停滞することがありません。 ヴァイオリン小品2曲は演奏・録音される機会が少ない曲ですが、ネルソヴァと同年生まれのルッジェーロ・リッチの独奏は、艶やかなサウンドと民族舞曲風の テンポ処理など見事な出来。アルバムを通じてチェコ生まれのジュスキントがセントルイス響から深みのある響きを引き出し、ドヴォルザークらしいリズムやフ レーズをしっかりと聞かせているのも当アルバムの聴きどころ。録音当時は首席指揮者として6シーズン目で、オーケストラを完全に掌握していたようです。 録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と 語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わ りましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に潤いが加わり ました。 ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。
VOX
VOXNX-3035CD(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53B. 108
ピアノ協奏曲 ト短調 Op.33B.63*
ルッジェーロ・リッチ(Vn)
ルドルフ・フィルクシュニー(P)
セントルイスSO
ヴァルター・ジュスキント(指)

録音:ミズーリ州セントルイス(USA)
1974年8月13日、1975年1月24日*
ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場! VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、 その演奏・録音両面で高い評価を得、 形態を変えつつ再 発売を重ねて来ました。 このCDには、LP2枚目からヴァイオリン協奏曲とLP3枚目のピアノ協奏曲を収録しています。前者のソリストは1918年生まれのルッジェーロ・リッチ。11歳で カーネギーホール・デビューを成功させ、1947年にはパガニーニの24のカプリースを世界で初めて録音したことでも知られます。ここではロマン派ヴァイオリン協 奏曲の王道を行く、朗々とした歌い回しと明るく美しい音が印象的。リッチ自身の1961年Decca録音よりも第1楽章と第2楽章はやや速めのテンポを取 り、前者の演奏時間32分余りに対して当盤は29分余り。音質も含めて、聴き比べも大いに楽しめることでしょう。 ピアノ協奏曲のソリストはチェコ生まれで生前は来日も多かったフィルクシュニー。「外連味が無い」と評されることから地味という先入観を持たれがちですが、 曲本来のブリリアントな聞かせどころはしっかりと決め、民俗舞曲風のリズムの弾みは自然体、高揚感も穏やかな抒情もオケと一体化して見事です。フィルク シュニーと1歳違いでやはりチェコ生まれのジュスキントが、首席指揮者として6シーズン目を迎えていたセントルイス響から深みのある響きを引き出し、個性の 異なる各ソリストに当意即妙に付けているのも聴きどころ。 録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と 語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わ りましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に伸びと潤いが 加わって硬さが取れているのが収穫です。 尚、ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。

BIS
BISSA-2665(1SACD)
ヘンリク・ヘルステニウス(1963-):Public Behaviour(公的行動)(2020)(打楽器、6人の歌手と管弦楽のための協奏曲)*
Together(ともに)(2021)(6人の歌手、ピアノ、サンプラーと打楽器のための)**
ノルディック・ヴォイセズ
トーネ・エリサベト・ブローテン(S)、イングリ・ハンケン(S)、エッバ・リュード(Ms)、ペール・クリスチャン・アムンドロー(T)、フランク・ハーヴロイ(Br)、ロルフ・マグネ・アッセル(Bs)、ハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン(打楽器、ヴォイス)*
エレン・ウゲルヴィーク(P)**
ジェニファー・トレンス(打楽器、ヴォイス)**
スタヴァンゲルSO *
イラン・ヴォルコフ(指)*
カイ・グリンデ・ミュラン(指)**
ヘンリク・ヘルステニウス Henrik Hellstenius は、ノルウェーのバールム生まれ。ラッセ・トーレセン、オラヴ・アントン・トンメセン、ビョ ルン・クルーセ、ジェラール・グリゼーの下で、「古典」の手法をマスターするに止まらない作曲を学びました。「自身の時代」の表現方法からインスピレーションを得な がら、サウンド、動き、リズム、静寂といった要素を重視。オペラ、室内楽と管弦楽の作品、エレクトロ=アコースティック音楽、劇場の音楽など、幅広いジャンルの作曲家 として活動しています。「Like Objects in a Dark Room(暗い部屋にある物体のように)」「ヴァイオリン協奏曲第2番」(BISSA--2152)、ヴァイオリン協奏曲 「By the voice a faint light is shed(声のするところから微かな光が)」(Aurora ACD-5047)といった作品がCDリリースされています。
新しいアルバムでは、彼の代表作のひとつ、室内オペラ「セラ(Sera)」(ACD-5024)に参加した6声のアカペラ・グループ「ノルディック・ヴォイセズ Nordic Voices」をフィーチャーした2つの作品が演奏されます。
「Public Behaviour(公的行動)」は、「極度の個人主義」の時代に「公の空間」でわれわれが一緒にどう行動するかということをテーマに「打楽器、6人の歌手 と管弦楽のための協奏曲」として作曲されました。ヘルステニウス自身が歌詞を書き、第2曲〈No Matter〉にはアメリカの社会学者リチャード・セネット Richard Sennett(1943?)の講義から採った一節も使われています。打楽器のハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン Hans-Kristian Kjos Sorensen(1965?) とイラン・ヴォルコフ IlanVolkov 指揮スタヴァンゲルSOが共演しています。
「Together(ともに)」は、「わたしと他人(me and the other)」の関係を深く考察する作品です。われわれが出会い、ともに働き、ともに住む人々とどう関わ るかという課題。この作品のテクストもヘルステニウスが作りました。現代音楽のスペシャリスト、ピアニストのエレン・ウゲルヴィーク Ellen Ugelvik(1971?)とオ スロを拠点とする実験的音楽家のジェニファー・トレンス Jennifer Torrence が加わった「6人の歌手、ピアノ、サンプラーと打楽器」のアンサンブルをカイ・グリン デ・ミュラン Kai Grnde Myrann が指揮して演奏されます。

SUPRAPHON
SU-4337(1CD)
チェコのピアノ協奏曲3篇
(1)コヴァルジョヴィツ:ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.6(1887)
(2)カプラーロヴァー:ピアノ協奏曲 ニ短調 Op.7(1935)
(3)ボシュコヴェツ:ピアノ協奏曲第2番(1949)
マレク・コザーク(P)
プラハRSO、
ロベルト・インドラ(指)

録音:/(1)2022年1月4〜6日、(2)2020年10月5&6日、(3)2022年11月9〜11日/プラハ放送第1スタジオ
19世紀から20世紀にかけてのチェコのピアノ協奏曲といえば、ドヴォルザークとマルティヌーが有名ですが、当アルバムでは同時代の知られざる傑作3篇を 紹介します。
カレル・コヴァルジョヴィツ(1862〜1920)はプラハ音楽院にて(指)作曲、クラリネット、ピアノを学び、スデニェク・フィビフから声楽と作曲の個人指導を 受けました。指揮者として1896年から1898年までチェコPOの初期のコンサートに出演。また、1900年には国民劇場のオペラの監 督に就任。国民劇場での仕事はチェコの音楽界に最も貢献し、同劇場ではドヴォルザークの歌劇『ルサルカ』の初演を含む数多くの演奏を行っています。作曲家と しては指揮者になる前から名声を得ており、歌劇『花婿たち』やバレエ『ハシシュ』で成功を収めました。コヴァルジョヴィツのピアノ協奏曲は、技巧的なピアノ独 奏が散りばめられた難曲です。
ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915〜1940)のピアノ協奏曲は、プラハ音楽院の卒業作品として作曲。豪華な楽器編成と華麗なピアノ・パートが魅 力で、1935年、自身の指揮で初演が行われ、批評家の絶賛を浴びました。カプラーロヴァーは1937年にパリに移りマルティヌーに師事。その翌年、ロンドンで 開催された国際現代音楽協会フェスティバルで賞賛を浴び、同フェスティバルのオープニングコンサートではBBCOを指揮し、自作「軍隊シンフォニエッタ」 を演奏。しかし、1940年、25歳のとき結核でこの世を去っております。
ヨゼフ・スークの弟子であったパヴェル・ボシュコヴェツ(1894〜1972)は、1946年から1967年までプラハ芸術アカデミーで教職に就き、イルジー・パ ウエル、ヤン・ノヴァーク、ペトル・エベンなどを育てました。ピアノ協奏曲第2番は第二次世界大戦後の1949年作曲。この協奏曲はボシュコヴェツの代表曲の一 つです。
ピアノ独奏はチェコ出身のマレク・コザークです。コザークはプラハ芸術アカデミーでイヴァン・クラスキーに師事。2018年開催のブレーメン国際ピアノ・コンクー ルで優勝し注目されました。母国の作曲家の作品を心を込めて演奏しております。 (Ki)

King International
KKC-2717(1CD)
税込定価
外山雄三自作自演集Vol.2
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番
(3)管弦楽のためのラプソディ
森下幸路(Vn)
外山雄三(指)大阪SO

録音:2018年2月22日(1)、2019年11月21日(2)、2019年8月31日(3)/ザ・シンフォニーホール(すべてライヴ)
2023年7月11日に92歳で歿した巨匠指揮者・外山雄三の追悼盤。作曲家でもある彼の自作自演集第2弾待望の登場となります。
メインは2篇のヴァイオリン協奏曲。2018年2月と19年11月にザ・シンフォニーホールで行われたコンサートのライヴで、独奏は大阪SO首席ソロ コンサートマスターの森下幸路。森下と外山は仙台フィルのコンサートマスターを務めていた1994年来の仲で、外山のヴァイオリン・ソナタの録音を作曲者が 絶賛するなど信頼厚く、2篇の協奏曲も彼をおいてほかには考えられない演奏者といえます。
ヴァイオリン協奏曲第1番は1963年尾高賞受賞作で、「ラプソディ」と同様に日本の素材が豊富に用いられ民族色に満ちています。第2番1966年作で、 2年前に作ったヴァイオリン・ソナタに基づいて生まれました。日本の伝統音楽と西洋音楽の融合と対立が興味深い内容です。どちらもディスクに恵まれておらず、 待望のリリースとなります。
外山作品としては欠かすことのできない「ラプソディ」も、しっかりフィルアップでプレゼント。「自作自演集Vol.1 (KKC-2710)」とは別音源2019年8月31日ザ・シンフォニーホールでのライヴで、大阪SOも乗りに乗った快演を聴かせてくれます。永久保存すべき外山雄三晩年の貴重な記録です。 (Ki)

Avie
AV-2650(1CD)
夢〜イザイ:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的詩曲(オーケストレーション:エリカ・ベガ/世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲ホ短調(第3楽章のオーケストレーション:グザヴィエ・ファルケス/全曲版世界初録音)
ヴァイオリンとピアノのための2つのサロンのマズルカ Op.10
ヴァイオリンとピアノのための子供の夢 Op.14
フィリップ・グラファン(Vn)、
ロイヤル・リヴァプールPO、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)、
マリサ・グプタ(P)

録音:2023年6月20日&21日、ザ・フライアリー(協奏曲)/2023年10月9日、ブリュッセル王立音楽院(デュオ)
フランスの名手フィリップ・グラファンのAvie新録音は、ベルギーの名ヴァイオリニスト、作曲家として活躍したウジェーヌ・イザイが残した2つのヴァイオリン協奏的作品を世界初録音。
グラファンは、イザイの弟子であるヨーゼフ・ギンゴルドに師事。オーストリアのフリッツ・クライスラー・コンクールで優勝後は、メニューインの指揮で初のレコーディングを行い、フランス系レパートリーにおいて特に高い評価を確立しています。2018年にはパリ国立高等音楽院とブリュッセル王立音楽院の教授を務め、2017年には、イザイが過ごしたベルギーの避暑地クノッケにて「Ysaye’sKnokke」国際音楽祭を創立、芸術監督に就任しています。
本アルバムに収められたイザイのヴァイオリン協奏曲は、最近、第1楽章が発見されたのに続き、作品を完成させるうえで必要なさらなる写本が発見されました。グラファンは、イザイ愛好家であるグザヴィエ・ファルケスとの緊密な共同作業により、ページごとに分析し、音楽のパズルのピースを丹念に再構築。その結果、イザイのトレードマークである熱意、激しさ、独創性を示す3楽章からなる協奏曲全編録音プロジェクトが成し遂げられました。もう一方の初録音となる協奏的詩曲(ポエム・コンチェルタント)も最近になって写本形式で発見され、イザイが弟子イルマ・セテに感じた情熱と愛情が込められています。この作品は、一世紀以上発見されずに残されていましたが、この世界初となる録音で見事に甦りました。グラファンは、これら初録音作品に加え、イザイが生涯に頻繁に演奏し、ヨーロッパ中で人気を博した 「2つのマズルカ」 。そして、末息子アントワーヌに捧げた 「子供の夢」 というヴァイオリンとピアノのための珠玉の3曲をカップリングしています。これまでも、多くの知られざる作品や珍しい版、初稿版、編曲版などのレア・レパートリーを開拓・録音してきたグラファンが新たなイザイ作品の魅力を見出した注目盤の登場です。

Diapason
DIAP-165(1CD)
ラロ:チェロ協奏曲/スペイン交響曲
(1)チェロ協奏曲 ニ短調

(2)「ナムーナ」組曲第1番

(3)スペイン交響曲
(1)ピエール・フルニエ(Vc)、
ジャン・マルティノン(指)、ラムルーO
録音:1960年
(2)ポール・パレ―(指)デトロイトSO
録音:1958年
(3)レオニード・コーガン(Vn)、
キリル・コンドラシン(指)フィルハーモニアO
録音:1959年
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第165巻として登場するのは、フランス人作曲家のエドゥアール・ラロによる作品集。サン=サーンスの「チェロ協奏曲第1番」に触発されて作曲されたというラロの「チェロ協奏曲」を弾くのは、ピエール・フルニエ。チェロの貴公子と称されたその美しさと格調の高さを感じさせる音色で奏でます。「ナムーナ」は元々バレエ作品として生まれたもので、初演後作曲者自身の手で編曲され組曲版が生まれました。こちらはフランスの指揮者ポール・パレーが手兵デトロイトSOを率いて収録。そして、ラロの代表作ともいえる「スペイン交響曲」では伝説のヴァイオリニスト、レオニード・コーガンとキリル・コンドラシンによる豪華な組み合わせとなっており、往年のラロ作品の名演奏をたっぷりとご堪能いただけます。

SUPRAPHON
SU-4334(1CD)
作曲家&指揮者ヴィクトル・カラビス
(1)序曲「青春」 Op.7(1950)〜大オーケストラのための
(2)協奏曲「ストラヴィンスキーへのオマージュ」 Op.3(1948)〜室内オーケストラのための
(3)チェロ協奏曲 Op.8(1951/1956)
(3)ミロスラフ・ペトラーシュ(Vc))
(1)(3)ヤナーチェクPO
(2)ヤナーチェク室内O
ヴィクトル・カラビス(指)

録音:(1)1984年1月16日、(2)1980年3月20&21日、(3)1979年2月23&24日/プラハ放送第1スタジオ
スプラフォン・レーベルが力を注いで録音を進めている20世紀チェコを代表する作曲家ヴィクトル・カラビスが、昨年(2023年)に生誕 100周年を迎えました。生誕90周年を記念してリリースした『交響曲&協奏曲集』(SU-4109)はカラビス後期の作品が中心でしたが、この度リリース当アルバ ムには1948年から1951年にかけての3つの作品を収録しており、すべてカラビス指揮による自作自演集です。
室内オーケストラための協奏曲 Op.3(1948年)はカラビス憧れの作曲家ストラヴィンスキーへのオマージュとして作曲。協奏曲の形式と楽器編成はストラヴィ ンスキーの室内オーケストラのための協奏曲「ダンバートン・オークス」を模しています。
序曲「青春」 Op.7(1950年)は、大編成のオーケストラ用に作曲した印象的な作品。暗い色彩は、共産党独裁政権が台頭していた困難な時代を反映しています。
チェロ協奏曲 Op.8(1951年)は、ドヴォルザーク、バルトーク、ヒンデミット、マルティヌーらの影響を感じさせる作品。若々しくダイナミックな力強さがカラビ ス初期の音楽を特徴づけています。これらの作品を作曲家自身による指揮で聴けるのもアニバーサリー・イヤーにふさわしいリリースと言えましょう。 (Ki)

DOREMI
DHR-8217(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第3集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
(3)ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80
(4)ショパン:夜想曲第7番嬰ハ短調 Op.27-1、夜想曲第8番 変ニ長調 Op.27-2、スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
(5)ブラームス:間奏曲 変ロ短調 Op.117-2、イ短調 Op.118-1、イ長調 Op.118-2、変ホ短調Op.118-6
(6)ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57
(7)シチェドリン:フモレスケ
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ルドルフ・ケンペ(指)ミュンヘンPO
 録音:1974年3月6日ロンドン
(2)ウリ・セガル(指)イギリス室内O
 録音:1974年3月25日ロンドン
(3)ローレンス・フォスター(指)ロイヤルPO
 録音:1971年9月2日ロンドン
(4)録音:1970年4月19日リーズ
(5)録音:1973年3月5日ロンドン
(6)ガブリエリSQ
 録音:1973年3月5日ロンドン
(7)録音:1974年12月9日ロンドン
DOREMIレーベルのラドゥ・ルプーの秘蔵ライヴ・シリーズ第3集。70年代のイギリス・ライヴを収録。聴き応えある2枚組です。

King International
KKC-116(1CD)
税込定価
菊池洋子&大阪SOのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集Vol.1
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37(第1楽章カデンツァ=ライネッケ作)
ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58(第1楽章カデンツァ=ベートーヴェン作、第3楽章カデンツァ=ブラームス作)
菊池洋子(P)
山下一史(指)大阪SO

録音:2023年9月9日/ザ・シンフォニーホール(ライヴ)
菊池洋子が2023年から3年かけてベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲のシリーズを開始しました。山下一史指揮大阪SOとの共演で毎夏2曲ずつコン サートを行い、キングインターナショナルがライヴ録音します。全 5曲のピアノ協奏曲に加え、ベートーヴェン自身がヴァイオリン協奏曲をピアノ協奏曲に直した ものまで披露予定。ご期待ください。
第1弾は2023年9月9日、ザ・シンフォニー・ホールでのライヴ。短調でベートーヴェンならではのアレグロを味わえる第 3番と穏やかで明るい第4番を 堪能できます。確かな技巧、香り立つピアニズムは菊池ならではの魅力。さらに菊池はカデンツァにも凝り、3番(第1楽章)は凄まじい効果を示しているライネッ ケ、第4番第1楽章はベートーヴェン自身、第 3楽章はブラームス作を使用しているのも興味津々。
山下一史指揮の大阪SOは、ベートーヴェンならではの緊張感と重厚な響きを繰り広げ風格満点。高揚感とフレッシュさも万全で交響的音世界を繰り広 げます。
菊池洋子は2023年3月よりウィーン国立音楽大学のアシスタント・プロフェッサーに任命され後進の指導も始め、ますます情熱的かつ優しい音楽性が深み を増しています。 (Ki)

ALBANY
TROY-1948(1CD)
「深淵の響き」〜ジェフリー・マムフォード(b.1955):作品集
(1)「フィールドの展開・・・共鳴する光の深淵に響く」〜チェロと管弦楽のための
(2)「ビカミング・・・」〜ピアノと管弦楽のための
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番「深まる春の青々とした斑点」
(1)クリスティーン・ランプレア(Vc)
カゼム・アブドラ(指)デトロイトSO
(2)ウィンストン・チョイ(P)
マイケル・レワンスキー(指)
アンサンブル・ダル・ニエンテ
(3)クリスティーン・ウー(Vn)
アレン・ティンカム(指)
シカゴ・コンポーザーズ・オーケストラ

録音:(1)2017年3月4日デトロイト、(2)2021年6月
14日シカゴ、(3)2022年8月6日シカゴ
作曲者ジェフリー・マムフォードはアフリカ系アメリカ人の作曲家で、米国内で既に数々の賞を受 賞、作品はアトランタSOを始め、多くのオーケストラ、アンサンブルによって演奏されています。 ここに収められた3つの協奏曲的な作品はいずれも激しいウェーベルン、シェーンベルクの影響を はっきりと受けた、点描的、表現主義的な様式で書かれており、聴き手を圧倒する。特にチェロと管 弦楽のための「フィールドの展開・・・共鳴する光の深淵に響く」では基本的に終始、チェロの嘆くよ うなモノローグにオーケストラが合いの手をいれたり、激しく、呼応、共鳴する力作。


Polskie Radio
PRCD-1721(7CD)
カヤ・ダンチョフスカ〜アーカイヴァル・レコーディングズ 1974-2007

【CD1】
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207*
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64*
(3)ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22*

【CD2】
(1)シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番Op.35
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.61
(2)カルウォヴィチ:ヴァイオリン協奏曲イ長調 Op.8

【CD3】
(1)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78
(2)ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2(Vn版)
(3)パヌフニク:ヴァイオリン協奏曲
(4)ウェーベルン:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7*

【CD4】
(1)シマノフスキ:前奏曲ロ短調 Op.1-1(バツェヴィチ編曲/ヴァイオリンとピアノ版)
シマノフスキ:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.9
(2)シマノフスキ:バレエ 「ハルナシェ」Op.55より 舞曲(パヴェウ・コハンスキ編曲/ヴァイオリンとピアノ版)
シマノフスキ:夜想曲とタランテッラ Op.28
シマノフスキ:アイタコ・エニアの子守歌 Op.52
(4)ショーソン:詩曲 Op.25(Vnとピアノ版)*
(5)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 「バラード」 Op.27-3*

【CD5】
(1)ヴィエニャフスキ:ポロネーズ イ長調 Op.21*
(2)ヴィエニャフスキ:伝説 Op.17*
(3)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調 Op.27-4*
(4)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番ト長調 Op.27-5
(5)ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.99*

【CD6】
(1)シューベルト:アヴェ・マリア D.839Op.52-6(ヴィルヘルミ編)
エデ・ポルディーニ(1869-1957):踊る人形(クライスラー編)
ブラームス:ワルツ 変イ長調 Op.39-15(デイヴィッド・ホクスタイン編)
(2)アレクサンデル・ザジツキ(1834-1895):マズルカ ト長調 Op.26*
(3)ラヴェル:ハバネラ形式の小品
(4)チャイコフスキー:「なつかしい土地の思い出」より メロディー変ホ長調 Op.42-3
(5)チャイコフスキー:ワルツ=スケルツォ ハ長調 Op.34*
(6)ドビュッシー:レントより遅く(レオン・ロケ編)
クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2
ドヴォルザーク:ユモレスク変ト長調 Op.101-7
フィビフ:詩曲 Op.41
(7)ヴィエニャフスキ:2つの性格的マズルカ Op.19*
(8)グルック:歌劇 「オルフェオとエウリディーチェ」第2幕より メロディー(クライスラー編)
(9)グラナドス:スペイン舞曲 ホ短調 Op.37-5(クライスラー編)*
クライスラー:愛の悲しみ*
クライスラー:美しきロスマリン*
(10)バツェヴィチ:オベレク第1番*
(11)ヴィエニャフスキ:クヤヴィアク イ短調*
(12)ヴィエニャフスキ:スケルツォ=タランテッラ ト短調 Op.16*

【CD7】
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
シマノフスキ:神話 Op.30
シマノフスキ:歌劇 「ロジェ王」Op.46より ロクサナの歌(パヴェウ・コハンスキ編)
シマノフスキ:クルピェの歌 Op.58
カヤ・ダンチョフスカ(Vn)

【CD1】
(1)カロル・テウチュ(指)、ワルシャワ国立フィルハーモニー室内O
録音:1974年4月7日、北ドイツ放送(ライヴ)
(2)タデウシュ・ストルガワ(指)、ポーランド国立RSO
録音:1982年12月22日、ラジオ音楽館(カトヴィツェ)
(3)アントニ・ヴィト(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1981年2月27日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD2】
(1)カジミエシュ・コルト(指)、ワルシャワ国立PO
録音:1996年2月21日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(2)アントニ・ヴィト(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年12月22日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD3】
(1)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1987年1月12日、ポーランド放送スタジオS-2(ワルシャワ)
(2)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1987年1月13日、ポーランド放送スタジオS-2(ワルシャワ)
(3)アグニェシュカ・ドゥチマル(指)、ポーランド放送ポズナン室内O(現ポーランド放送アマデウス室内O)
録音:1984年2月24日、アダム・ミツキェヴィチ大学講堂(ポズナン)
(4)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1978年1月15日、ポーランド放送スタジオM-2(ワルシャワ)
【CD4】
(1)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2007年7月11日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
(2)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2007年7月12日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
(4)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1984年3月16日、RIAS(ベルリン)
(5)録音:1975年12月13日、南ドイツ放送スタジオ(シュトゥットガルト)
【CD5】
(1)イェジ・サルヴァロフスキ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年1月24日、クラクフ・フィルハーモニー
(2)イェジ・サルヴァロフスキ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年1月23日、クラクフ・フィルハーモニー
(3)録音:1975年12月12日、南西ドイツ放送スタジオ(バーデン=バーデン)
(4)録音:1977年1月12日、ワルシャワ
(5)タデウシュ・ストルガワ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1981年1月12日-13日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD6】
(1)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(2)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
(3)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(4)(5)ローター・ブロダック(P)
録音:1974年11月11日、RIAS(ベルリン)
(6)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(7)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1978年1月15日、ポーランド放送スタジオM-1(ワルシャワ)
(8)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(9)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2006年12月19日、ジェシュフ大学(ライヴ)
(10)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
(11)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2006年12月19日、ジェシュフ大学(ライヴ)
(12)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
【CD7】
クリスチャン・ツィメルマン(P)
録音:1980年7月、ヘルクレス・ザール(ミュンヘン)

*=初出音源
ポーランドの傑出したヴァイオリニスト、カヤ・ダンチョフスカの素晴らしき芸術を集成した豪華7枚組BOX。2014年にリリースされ、その後も何度か日本で流通しながらも、即完売・入手困難が続いていたBOXセットです。22曲の初出(ワールド・プレミア・リリース)となる貴重な放送音源から、Deutsche Grammophon、CD Accord、Wifon等からリリースされていた商業録音まで、1974年〜2007年までの多くの録音作品全体からもっとも優れたパフォーマンスの音源がアーティスト自身によって選ばれおり、モーツァルト、メンデルスゾーン、ヴィエニャフスキ、シマノフスキ、ブラームス、ショスタコーヴィチ、イザイ、フランクらの傑作からカルウォヴィチ、パヌフニク、ザジツキなどポーランドの稀少なレパートリーも収録。ツィメルマン、オレイニチャクらポーランドの名ピアニストやポーランドの主要オーケストラとの共演によって、多くのファンを虜にしたカヤ・ダンチョフスカの魅力の全貌をお届けします。
50ページのブックレット(英語、ポーランド語)には、ダンチョフスカ本人による曲目解説に加え、オイストラフ、ツィメルマン、ペンデレツキ、シェリングら偉大なアーティストたちとの写真も掲載。
カヤ・ダンチョフスカは1949年クラクフ生まれ。1967年ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール(ポズナン)第3位、1969年アルベルト・クルチ国際ヴァイオリン・コンクール(ナポリ)第2位、1970年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位、1975年ARDミュンヘン国際音楽コンクール第3位、1976年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)第6位などの多くの国際コンクールで上位入賞。日本を含む各国の国際コンクールで審査員を務めるほか、クラクフ音楽アカデミーのヴァイオリン教授としても活躍しています。

Chandos
CHSA-5340(1SACD)
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 K053(1931)*/ロシア風スケルツォ K070(1945)/組曲第1番 K045(1925)/組曲第2番K038(1921)/ミューズを率いるアポロ K048(1927-28, revised1947)
ジェームズ・エーネス(Vn)*、アンドルー・デイヴィス(指)、BBCフィルハーモニック

録音:2023年2月9日&13日、メディア・シティUK(サルフォード)
驚異的な超絶技巧と澄み渡る抒情性で世界に名を馳せ、グラミー賞、グラモフォン賞、ジュノー賞などの栄誉ある音楽賞を多数受賞してきたカナダの天才ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス。現在はソロ・アルバムやエーネス・クヮルテットの録音をONYX-(オニックス)からリリースしていますが、Chandos(シャンドス)でも協奏曲を中心にバルトーク、プロコフィエフ、ウォルトン、チャイコフスキー、ベルリオーズ、ヤナーチェク、ドヴォルザークなど多くの名盤でN.ヤルヴィ、A.デイヴィス、ガードナー、ノセダらと共演してきました。
今回のアルバムではストラヴィンスキーがアメリカのヴァイオリニスト、サミュエル・ドゥシュキンの依頼によって作曲したヴァイオリン協奏曲を熱演!バッハの影響も受けているこの作品を、持ち前の超絶技巧を活かして圧倒的な演奏で聴かせています。その他にもアンドルー・デイヴィスの指揮で「組曲第1番」などのフランス時代の作品など管弦楽作品も収録されています。

APR
APRCD-5639(1CD)
エリー・ナイ:プレイズ・ブラームス・アンド・シューベルト

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
(2)シューベルト:さすらい人幻想曲 D760
(3)シューベルト(エリー・ナイ編):「シューベルトの舞曲」より、
ドイツ舞曲 D783-1、ドイツ舞曲 D783-7、ドイツ舞曲 D783-10、グラーツのワルツ D924-6、感傷的なワルツ D779-13、ドイツ舞曲 D790-3、ワルツ D365-29、レントラー D734-14、ワルツ D365-36、ワルツ D365-33
エリー・ナイ(P) 

(1)マックス・フィードラー(指)、
アロイス・メリヒャル(指)*、BPO
録音:1939年6月1日-2日&5日&1940年4月29日*

(2)録音:1942年5月21日

(3)録音:1942年5月21日
伝説的なドイツの女流ピアニスト、エリー・ナイによるブラームスとシューベルトのカップリング!エリー・ナイと言えば、戦時中ナチスに協力したことでその復権まで時間がかかりましたが、現在では疑いようのない名ピアニストとして知られています。特にオーストリア、ドイツ圏の作品を弾かせると当時右に出るものがいないほど、稀有な存在であったといっても過言ではないでしょう。
ここに収められているブラームスは、女性として初めて同曲を録音した記念碑的演奏で、ベルリン・フィルと共演を果たしています。なお、指揮者はブラームスのスペシャリストであるマックス・フィードラーがクレジットされていますが、彼の急死後アロイス・メリヒャルの指揮によって完成されているということです。また、シューベルトは「さすらい人幻想曲」の他に、今回初CD化となる非常に貴重なエリー・ナイ本人編曲による「舞曲集」が収録されています。

Musikmuseum
MMCD-13037(1CD)
表彰台に立つ若きソリストたち〜北チロルと南チロルの現代音楽作品集
マルティン・パチャイダー(b.1973):トランペットと管弦楽のための協奏曲(P無し)
ミヒャエル・F.P.フーバー(b.1971): パーカッションと室内オーケストラのための小協奏曲 Op.56
ハンネス・ケルシュバウマー(b.1981):バセットホルンと室内オーケストラのための 「メラノキシロン」
フェリックス・レッシュ(b.1957):弦楽、パーカッションと独奏ツィターのための 「ラッジ」
マルティン・オアヴァルダー(b.1972):ゴー・ブロウ!4本のトランペットと室内オーケストラのための協奏曲
パトリック・ホーファー(Tp)、
ユリアン・グルーバー(パーカッション)、
ルカ・モランドゥッツォ(バセットホルン)、
アンドレアス・ヴェルクマイスター(ツィター)、
ガブリエル・グリッチュ(Tp)、
クレメンス・ネウ(Tp)、
ユリアン・リッチュ(Tp)、
マルクス・シュタイクスナー(Tp)、
チロル室内O、
ゲルハルト・ザマー(指)

録音:2012年-2015年
チロルの若き優れた才能がチロルの作曲家の作品を演奏する好企画。本アルバムでは、チロル室内Oと若き音楽家たちとの共演、そして、チロルの作曲家シーンを促進するための集中的な努力を記録し、チロルの新しい音楽シーンの多様性を証明しています。カラヤン・アカデミーでガボール・タルケヴィ(元BPO首席トランペット奏者)に師事し、現在はベルリンRSOで活躍するトランペット奏者、パトリック・ホーファーの妙技にも注目です。
Musikmuseum
MMCD-13035(1CD)
アル・カプリッチョ〜ヤン・ツァハ:協奏曲&シンフォニア集
序曲ト短調/ハープシコード協奏曲ハ長調/フルート協奏曲ト長調/「主イエス・キリストの受難」 へのイントロドゥツィオーネ ホ長調/フルート協奏曲ニ長調/ハープシコード協奏曲ヘ長調/シンフォニア ト長調
ミュンヘン・バロックゾリステン、
ドロテア・ゼール(指)

録音:2016年
フルート奏者ドロテア・ゼールが率いるミュンヘン・バロックゾリステン。本アルバムでは、マインツで宮廷指揮者を務め、晩年の17年間は定職を持たずにドイツ、オーストリア、イタリアを旅したボヘミア人ヤン・ツァハの極めて特異な音楽世界を掘り下げています。プログラムには、フルートとチェンバロの協奏曲、チロルのシュタムス修道院に保存されているシンフォニア、壮大な序奏曲などが含まれています。18世紀音楽の華麗で魅惑的な解釈を聴衆に見事に伝えています。
Musikmuseum
MMCD-13048(1CD)
表彰台に立つ若きソリストたち Vol.2
マヌ・デラゴ(b.1984):Of Puppeteers and Marionettes(ジャズ・カルテットとオーケストラのための)
ヨハンナ・ドーデラー(b.1969):アコーディオン協奏曲「大洋」
エリック・イウェイゼン(b.1954):Visions of Light(トロンボーンと室内オーケストラのための)
マルティン・ライナー(b.1987):ハンガリー風変奏曲「Blickwinkel」(フルート、クラリネット、サクソフォンと室内オーケストラのための)
アンドレア・オベルパーライター(b.1979):Egallopade(室内オーケストラのための)
チロル室内O、
ゲルハルト・ザマー(指)、
HI5・ミニマル・ジャズ・チェンバー・ミュージック、
二コラ・ジョリチ(アコーディオン)、
ペーター・シュタイナー(Tb)、
サラ・ブブレグ(Fl)、
マルトン・ブブレグ(Sax)、
ベンセ・ブブレグ(Cl)

録音:2015年-2018年
チロル室内Oとソリストたちによる現代音楽集。10代〜20代の非常に若い世代を中心としたソリスト陣によるフレッシュな演奏をお楽しみいただけます。ウィーン・フィルの奏者やコロラドSOの首席奏者も務めた南チロル(イタリア)出身の名トロンボーン奏者、ペーター・シュタイナーの参加も注目です。
Musikmuseum
MMCD-13047(1CD)
ミヒャエル・F.P.フーバー:ピアノ協奏曲/交響曲第4番
ピアノ協奏曲 Op.61(ミヒャエル・ショッホに捧ぐ)*
交響曲第4番 Op.64**
ミヒャエル・ショッホ(P)*、
マリア・ラドゥルナー(S)**、
カールハインツ・ジースル(指)、
聖ブラシウス・アカデミーO

録音:2016年&2017年、インスブルック
1971年チロル出身の作曲家、ミヒャエル・F.P.フーバーのピアノ協奏曲と交響曲。フーバーはチロル州の州都インスブルックに生まれ、インスブルックの音楽高校でピアノ、ヴァイオリン、トロンボーンを学び、作曲の個人レッスンも受けながら、インスブルック大学で音楽楽と教育学を、ウィーン音楽舞台芸術大学で作曲と音楽理論を学びました。ウィーンSO図書館やピアノと作曲の個人教師として働いた後、チロル音楽学校でも教え、ピアノ、音楽理論、室内楽の講師や伴奏者、演奏家として活動しています。
2011年ARDミュンヘン国際音楽コンクールで40年ぶりとなるオルガン部門第1位を受賞し、2015年からはチロル州立音楽院でオルガンの教授を務めるミヒャエル・ショッホに捧げられたピアノ協奏曲は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を髣髴とさせるフレーズから始まり、モーツァルト、ベートーヴェン、ラヴェルなどのコンチェルトの旋律が顔を見せるユニークな作品です。

Obsession
SMHQ-003(1CD)
HQCD
完全限定生産
ヴィヴァルディ:リュート協奏曲&ソナタ集
リュート協奏曲ニ長調 RV93
ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調 RV540
トリオ・ソナタ ト短調 RV85
トリオ・ソナタ ハ長調 RV82
ダーニエル・ベンケー(Lute)、ラースロー・バールソニ(ヴィオラ・ダモーレ)、ジュジャ・ペルティシュ(ハープシコード)、マリア・フランク(Vc)、ヤーノシュ・ロッラ(Vn)、ブダペスト・フランツ・リスト室内O
フリジェシュ・シャーンドル(指)

録音:1978年/ADD
バクファルク・コンソートの設立者であり、ハンガリー国内におけるルネサンス、バロック時代のリュート作品の普及に重要な役割を果たしたリュート&ギター奏者、ダーニエル・ベンケー(1947-2019)がHungarotonレーベルに遺したヴィヴァルディの作品集がHQCD仕様で復刻。ベンケーのリュート録音は現在入手可能なものがほとんど無く大変貴重なリリースとなります。

※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

ALPHA
ALPHA-1039(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456
ピアノ協奏曲 第21番ハ長調 K.467(カデンツァ…ディヌ・リパッティ)
ジョナタン・フルネル(P/ベーゼンドルファー)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2023年2月22-24日アンジェラ・フェルストル・ザール、オルケスターハウス、ザルツブルク
若手から中堅までの注目ソリストが登場するモーツァルトの協奏曲シリーズ第8弾に、2021年エリザベート王妃コンクールの覇者ジョナタン・ フルネルが登場。2021年にALPHAから発売されたブラームスはコンクール直前のセッション録音だったということもあり、彼にとって待望の新 録音でもあります。曲は、そのエリザベート王妃コンクールのセミ・ファイナルでも素晴らしい演奏を披露した第18番と、人気曲第21番という 絶好の組み合わせ。CPOでのリース交響曲全集など古典派や初期ロマン派の解釈に秀でたハワード・グリフィス率いるモーツァルテウム管弦 楽団と共に、隅々までよく歌いつつたいへん伸びやかなモーツァルトを聴かせおり、持ち前の高い表現力を存分に発揮しています。第21番で リパッティのカデンツァを弾いているのも嬉しいところ。

Linn
CKD742(1CD)
イタリア組曲 〜ヴィヴァルディ、ソッリマ、ストラヴィンスキー
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 「ムガール大帝」 RV208
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962-):ヴァイオリン、弦楽、リュートと打楽器のための協奏曲 「テュケー(運命の神)」 *
ストラヴィンスキー(1882?1971):イタリア組曲(アンドレアス・フレックによる弦楽合奏、チェンバロ、ヴァイオリンのための編曲版)
ヨニアン・イリアス・カデシャ(Vn)
チャーツ・チェンバー・アーティスツ

録音:2022年12月8-11日 ボスヴィル旧教会、スイス
アテネ出身のヴァイオリンの名手ヨニアン・イリアス・カデシャ、LINNへの第2弾は様々な時代の協奏的作品集で、イタリアへのオマージュが テーマとなっています。オケとソロとの一体感が高く勢いのあるヴィヴァルディに始まり、カデシャの委嘱によって書かれたソッリマの作品では超絶 技巧を絡めた聴かせどころが随所に。イタリア組曲はチャーツ・チェンバー・アーティスツのチェリスト兼マネージャーであるアンドレアス・フレックの 編曲により、原曲の「プルチネッラ」に近い風合いで楽しむことが出来ます。
Linn
CKD-736(1CD)
トランペットによるヘンデル 〜協奏曲とアリアによるトランペットのための再構成
ヘンデル/ジョナサン・フリーマン=アットウッド、ティモシー・ジョーンズ編曲:アリア「帰ってきて、私の愛しい大切な宝物」 〜歌劇「ロデリンダ」 HWV19
ソナタ 第1番ヘ長調 - 合奏協奏曲 ヘ長調 Op. 3-4HWV315による
アリア「Nel passar da un laccio all’altro 罠から罠へ」〜歌劇「アルゴスのジョーヴェ」 HWV A14
前奏曲、アルマンドとフーガ - クラヴサン組曲第1巻第3番 ニ短調 HWV428による
ソナタ 第3番変ホ長調 - オルガン協奏曲 第13番 ヘ長調「カッコーとナイチンゲール」 HWV295 による
アリア「あなたがどこを歩くとも」 〜オラトリオ『セメレ』 HWV58
アリア「愛らしさ、媚び、そして快活さ」 〜歌劇「アリオダンテ」 HWV33
二重唱「私の愛があなたの罪であるならば」〜歌劇「エジプト王妃ベレニーチェ」 HWV38
ソナタ 第2番ヘ短調 - 合奏協奏曲 イ短調 Op. 6-4HWV322による
アリア「あなたと一緒に、私は荒野を歩くだろう」 〜オラトリオ『ソロモン』 HMV67
二重唱「なにかしら、まだわからない」 〜歌劇「アレッサンドロ」 HWV21
ソナタ 第4番イ長調 - 二重協奏曲 HMV332 による
二重唱「汝、栄光に満ちた全能の息子よ」〜オラトリオ『テオドーラ』 HWV68より
アリア「なんてすてきな喜び」 〜歌劇「アグリッピーナ」 HWV6
ジョナサン・フリーマン=アットウッド(Tp)
アンナ・シャウツカ(P)
トム・フリーマン=アットウッド(Tp)

録音:2022年10月、2023年2月 英国王立音楽院、ロンドン
ヴァイオリンのレイチェル・ポッジャーなどを手掛けた名音楽プロデューサーであり、2008年から英国王立 音楽院の学長も務めるトランペット奏者フリーマン=アットウッドによる、トランペットとピアノのためのレパー トリー集。今回は自身とティモシー・ジョーンズの編曲によるヘンデルの作品集。中でも協奏曲から編曲 された4つのソナタに注目です。ヘンデルの輝かしい作品をトランペットの音色が引き立てる魅力的なアレ ンジとなっています。

CD ACCORD
ACD-329(1CD)
NX-C09
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番-第3番
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
※カデンツァは全てロベルト・クヴィアトコフスキ作
ロベルト・クヴィアトコフスキ(Vn/指揮)
ポーランド・バルトPO

録音:2023年8月
ポーランド・バルト・フィルのコンサートマスターを務める他、各地のオーケストラと共演、高く評価されているヴァイオリ ニスト、ロベルト・クヴィアトコウスキが演奏するモーツァルトの3曲のヴァイオリン協奏曲。長年、これらを演奏してき たというクヴィアトコウスキは、熟考の末、自ら書いたカデンツァを演奏しています。 これまでモーツァルトの協奏曲を演奏する際、既存のカデンツァは「過度にロマンティックで手強い技術的問題が満 載されているうえ、その表現が重すぎる」と感じていたというクヴィアトコウスキが熟考の上に書き上げたカデンツァは 「主旋律から始めるのではなく、比較的簡潔で、その時代に用いられていたボウイングや旋律、リズムに基づいてい る」というものです。 彼自身が指揮し、のびのびと演奏するモーツァルトをぜひお楽しみください。

ORFEO
C-220021(1CD)
NX-C03
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲/二重協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.15
二重協奏曲 ロ短調− ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のための(1932)(C.マシューズによる完成版)
バイバ・スクリデ(Vn)
イヴァン・ヴクチェヴィチ(Va)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2021年10月9-10日、2022年5月23日
ラトヴィア出身のヴァイオリニスト、バイバ・スクリデと名指揮者マリン・オルソップが共演。 曲目はブリテンの「ヴァイオリン協奏曲」と、あまり演奏されることのない「二重協奏曲」という興味深いものです。 ヴァイオリン協奏曲は1939年、ブリテン25歳の作品。高度な技巧が要求される、激しく創意に富んだ第2楽章を、内省的な第1楽章とパッサカリア形式に よる荘重な第3楽章で挟んだ構成となっており、第二次世界大戦の開戦による不安な心情と反戦意思が反映された曲と言われています。ブリテンは1950 年に作品をハイフェッツが演奏することをきっかけに、最終楽章のヴァイオリン・パートを書き直すなどの改訂を行い、その後も小さな改訂を加え、現在の形に 落ち着いています。 かたや二重協奏曲は、ブリテンが王立音楽大学に在学していた時期の作品。克明に書き込まれたスケッチがあるものの、なぜか総譜としては完成しておら ず、彼の生前に演奏されることもありませんでした。ブリテンの死後、コリン・マシューズがスケッチに基づいてオーケストレーションを補筆完成、1997年6月15 日にようやく初演されたという作品です。 スクリデの演奏は、どちらの曲でもブリテン作品の持つ内省的、神秘的な雰囲気を大切にしながら、技巧的な部分では鮮やかに楽器を駆使し、最後まで緊 張感をゆるめることなく一気に弾き切っています。 二重協奏曲でヴィオラを弾くのはスイス・イタリア語放送Oのソロ・ヴィオラ奏者を務めるイヴァン・ヴクチェヴィチ。スクリデと息のあった演奏を聴かせま す。

Capriccio
C-5521(1CD)
NX-B10
ヨーゼフ・ラーボア(1842-1924):左手のためのピアノ協奏曲集
小協奏曲 第1番(1915) - 左手ピアノとオーケストラのために
小協奏曲 第2番(1917) - 左手ピアノとオーケストラのために
小協奏曲 第3番(1923) - 左手ピアノとオーケストラのために
オリヴァー・トリンドル(P)
ラインラント=プファルツ州立PO
ユージン・ツィガーン(指)

録音:2023年1月9-13日
ドイツ生まれのピアニスト、オリヴァー・トリンドルとCAPRICCIOレーベルが取り組むヨーゼフ・ラーボア・プロジェクトに、待望の左手のためのピアノ協奏曲が登 場。オーストリア生まれの作曲家ラーボアは3歳の時に失明しましたが、優れた音楽の才能を発揮して教師として大成しました。その門下にはシェーンベル ク、アルマ・マーラー、パウル・ヴィトゲンシュタインらがいます。ウィーンの名家に生まれたヴィトゲンシュタインはピアニストとしての未来を嘱望されながら第1次 世界大戦でのけががもとで右手を失いますが、左手で演奏を継続することに挑み、家の資産を生かして名だたる作曲家に左手のためのピアノ協奏曲を委 嘱、多くを自ら初演しました。それらは今日この分野の大きな財産となっています。その端緒を開いたのがここに収められた作品群。それぞれKonzertstu ck 小協奏曲と題されていますが、演奏時間20分から25分の規模があります。第1番は主題と変奏、第2番と第3番は緩-急-フィナーレの3楽章構成。 いずれも後期ロマン派らしい楽想と楽器法で彩られて時にR・シュトラウスの初期作品に通じる趣きがあり、ピアノ・パートは十分に聴き映えがするよ う書かれていて、これまで録音が無かったのが不思議に思えます。左手のためのピアノ音楽の歴史に関心のある人のみならず、後期ロマン派の音楽に興味 のある人にお勧めしたい1枚です。

Solo Musica
SM-425(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*
マルガリータ・ヘーエンリーダー(P…プレイエル 1848年製)
ラ・シンティッラO
リッカルド・ミナージ(指)
ウィーン・アカデミーO*
マルティン・ハーゼルベック(指)*

録音:2022年10月4-7日、2022年11月21-22日*
※SMLP431(LP)と同内容
マルガリータ・ヘーエンリーダーによるショパンの協奏曲集。彼女の深いショパン理解から生まれたアルバムです。 長年にわたりショパンの音楽を奏でるための楽器を探していたという彼女は、1831年にショパンが語ったという「プレイエルのピアノは最上のものである」という 言葉をもとに、クリストフ・ケルンの楽器コレクションの中から、1848年頃にパリで製作されたプレイエルを、歴史的な資料を元に修復した楽器でこの録音に 臨みました。この楽器はショパンが所有していたものと構造が同じであり、オーケストラの現代のピッチ(440Hz)に対応しつつ音量のバランスも取れるような、 力強いサウンドとフランス風のエレガンスを併せ持っています。彼女はタッチにも細心の注意を払い、ショパンの弟子であるカロル・ミクリによる指使いを取り入 れています。共演は、第1番ではリッカルド・ミナージが指揮するラ・シンティッラO、第2番ではマルティン・ハーゼルベックが指揮するウィーン・アカデミー O。どちらも当時の楽器を使用、ショパンの時代の音にとことんこだわった企画です。

VOX
VOXNX-3032CD(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ポーランドの歌による幻想曲 Op.13
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.2
アビー・サイモン(P)
ハンブルクSO
ヘリベルト・バイセル(指)

録音:1972年ハンブルク(ドイツ)
1920年ニューヨーク生まれのピアニスト、アビー・サイモン(1920-2019)によるショパンのピアノと管弦楽のための作品全集。1972年に録音され、1973年 に3枚組LPとして発売された全集から3曲が新リマスターで復刻されました。残る3曲も近日発売予定となっています。 サイモンは幼いうちから音楽の才能を発揮し、カーティス音楽院でヨーゼフ・ホフマンに師事。自身を「19世紀のピアニスト」と呼び、ヴィルトゥオーゾ・ピアニス トでもあった作曲家の作品に強い親近感を持っていました。華麗な技巧を持ちながらも前面に出すことを避け、繊細な詩情を漂わせた演奏が高く評価さ れ、辛口評論家として知られたハロルド・ショーンバーグにも絶賛されました。ここに収められたのはサイモン52歳のもの。ピアノの響きは輝かしく、演奏はロマ ンティックな詩情を漂わせ、協奏曲のクライマックスでは十分な迫力も聴かせます。 指揮は日本の音楽ファンには懐かしいヘリベルト・バイセル。ケルンでギュンター・ヴァントに指揮を、フランク・マルタンに作曲を学び、ボン歌劇場のコレペティー トルを振り出しにキャリアを築き、ハンブルクSOの首席指揮者を15年にわたって務めました。ここでは格調高い響きと柔軟な「付け」を披露していま す。 優秀録音で名高いエリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。ピアノがクローズアップ気味 に録られ、オーケストラが奥行きと広がりを持って展開する録音パターンになっています。ブックレットには初出時のLPのジャケット写真と解説が転載されてい ます。

CPO
CPO-555576(1CD)
NX-B10
ウェーバー/クルーセル/ベルク:ファゴット協奏曲集
ウェーバー:ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75
クルーセル(1775-1838):ファゴット協奏曲 変ロ長調
ウェーバー:アンダンテとハンガリー風ロンド Op.35
オラヴ・ベルク(1949-):ファゴット協奏曲
ダーグ・イェンセン(ファゴツト)
カンマーアカデミー・ポツダム
ダーグ・イェンセン(指)
グレゴール・ビュール(指)

録音:2023年1月18-20日
オーケストラの低音から中音部を担当するファゴット。独特な音色を持つ楽器のための協奏曲はそれほど多くありま せん。このアルバムには3曲のファゴット協奏曲を収録。1811年、ミュンヘン宮廷楽団のファゴット奏者を務めてい たG. F. ブラントのために書かれたウェーバーの作品は、第2楽章の美しい旋律が魅力。1829年のクルーセルの 作品はファゴット奏者F. C. プロマイユのために書かれたものです。最後のオラヴ・ベルクの作品はこのアルバムのソリ スト、ダーグ・イェンセンのために書かれた曲で、ブックレットには曲に関する2人の対話(ドイツ語、英語)が掲載され ています。 ダーグ・イェンセンはノルウェー出身の奏者。名だたるオーケストラとの共演経験を持ち、とりわけ水戸室内管弦楽 団、サイトウ・キネン・オーケストラの奏者として日本でもお馴染みです。

Gramola
GRAM-99307(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番-第5番
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
※カデンツァ…ベンヤミン・シュミット
(K.216第2楽章のみダヴィッド・オイストラフ作)
ベンヤミン・シュミット(指揮・ヴァイオリン)
ムシカ・ヴィーテ室内O

録音:2022年8月31日-9月3日
ウィーンとザルツブルクで育ち、モーツァルトは最も大切な作曲家の一人という彼は、1990年にハンス・グラーフが 指揮するザルツブルク・モーツァルテウムOとともにモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番と第2番を録音、 これは評論家たちから高く評価されました。その後、モーツァルトの協奏曲を数えきれないほど演奏してたシュミット ですが、32年の歳月を経て、第3番-第5番の録音を実現させました。今回バックを務めるのはシュミットが率いる ムシカ・ヴィーテ室内O。「モーツァルト解釈の鍵は、歌うことと話すこと」と語るシュミットらしく、持前の美音 を生かしながら、オーケストラと一体となり、確固たる意志がみなぎる演奏を繰り広げています。第3番第2楽章の カデンツァを除き、他のカデンツァはシュミット自身のものです。

カメラータ
CAMP-8022(1CD)
税込定価
2024年1月25日発売
パリとハープ〜ハープ協奏曲集/シュース
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c)(カデンツァ:アンドレ・プレヴィン)*
ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ボイエルデュー:ハープ協奏曲 ハ長調[シングル・アクション・ハープ使用]
サン=サーンス:演奏会用小品 作品154
マルギット=アナ・シュース(Hp)
※シングル・アクション・ハープ使用*
カール=ハインツ・シュッツ(Fl)a
ハンスイェルク・シェレンベルガー(指)
ベルリンSO

録音:2021年9月 ほかベルリン(ドイツ)
 カラヤンやアバド指揮のベルリン・フィルとの共演をはじめ、ソリス ト・教育者としても世界で活躍するハープの第一人者、マルギット= アナ・シュースが、ハープが愛された地=パリで生まれたハープとオー ケストラのための名作を集めたアルバムをリリース。モーツァルトでは ウィーン・フィル首席のシュッツがフルートで共演しています。  なお、2024年1月21日から2月9日まで、シュースとシェレンベルガー による来日公演が、名古屋、東京、浜松、京都、岡山、兵庫で行われる 予定です。(カメラータ)

GRAND SLAM
GS-2309(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
「レオノーレ」序曲第2番*
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1961年1月23、26日、1960年7月1日*/ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
日本側の要望で実現したと言われるフランチェスカッティとワルターとの夢の共演、録音されて以来60年以上が経過していますが、今もなお定番としての地位 は揺るいでいません。当シリーズでは2012年9月にGS-2083として発売しましたが、今回、約12年ぶりにリマスターしました。全工程をプロ用の機器を使用 し、情報量は大幅に増えています。余白には「レオノーレ」序曲第2番を収録しましたが、こちらは2016年6月発売のGS-2147以来の約7年半ぶりのリマスター となります。序曲は新規のテープを使用、最善を尽くしました。(平林 直哉)

H.M.F
HMX-2904095
(3CD+1BluRay)
THE SCHUMANN TRILOGY〜協奏曲&ピアノ三重奏全曲
■CD
シューマン
[CD1]ヴァイオリン協奏曲 WoO1ニ短調
 ピアノ三重奏曲 第3番ト短調 op.110
[CD2]ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ピアノ三重奏曲 第2番ヘ長調 op.80
[CD3]チェロ協奏曲 イ短調 op.12
 ピアノ三重奏曲第1番ニ短調op.63

■Blu-Ray VIDEO〜(120:41)
シューマン:序奏、スケルツォと終曲 ホ長調 op.52
 ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ヴァイオリン協奏曲 WoO1ニ短調
 チェロ協奏曲 イ短調 op.12
イザベル・ファウスト(Vn/1704年製ストラディヴァリウス[スリーピング・ビューティー])
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/ジョフレド・カッパ[1696年])
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ/【協奏曲】1837年製エラール、
【ピアノ三重奏曲】ジャン=バティスト・シュトライヒャー(ウィーン,1847年)/いずれもエドヴィン・ボインク・コレクション)
パブロ・エラス=カサド(指)
フライブルク・バロック・オーケストラ(コンサートマスター:アンナ・カタリーナ・シュライバー)

録音:2014年5,8,9月、テルデックス・スタジオ・ベルリン/映像収録:2014年3月25日、ベルリン・フィルハーモニー
ファウスト、ケラス、メルニコフというスーパースターたちによる、シューマンの協奏曲+ピアノ三重奏曲プロジェクトがボックスで登場します!映像は再登場にあ わせてブルーレイ化、さらに単独で発売されていた時には含まれなかった管弦楽曲「序曲、スケルツォと終曲」が収録されております!
イザベル・ファウスト(Vn)、ジャン=ギアン・ケラス(Vc)、アレクサンドル・メルニコフ(P)という、いまや世界が認める存在となった三人に よる、シューマン・プロジェクトが始動します。シューマンの協奏曲3曲(P・ヴァイオリン・チェロ協奏曲)+ピアノ三重奏曲3曲のレコーディングをするという このプロジェクトは、3人が、ヨーロッパでシューマンのピアノ三重奏曲を演奏するツアーを行った際に持ち上がったといいます。楽器は、ガット弦の弓を張った弦 楽器、そしてフォルテピアノで、ということになり、オーケストラもソロ楽器に合った編成のフライブルク・バロック・オーケストラに決定。指揮はパブロ・エラス=カ サド。オケとソロ楽器の素晴らしいバランス、自然なアーティキュレーションで作品に対する既成概念を払拭するような、まさにこの顔ぶれでしか為し得ない水準で の、新しいシューマン像が完成しました。
各独奏者に特化してリリースされていたHMC902196, 902197,902198およびKKC5477,5618,5617は廃盤となります。

Hanssler
HC-23057(1CD)
ドヴォルザーク:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53
ロマンス ヘ短調 Op.11〜ヴァイオリンとオーケストラのための
マズルカ ホ短調 Op.49〜ヴァイオリンとオーケストラのための
ミハイル・ポチェキン(Vn)
スロヴァキアPO、
ダニエル・ライスキン(指)

録音:2023年5月2〜5日/ブラチスラバ(スロヴァキア)
ミハイル・ポチェキンがドヴォルザークのヴァイオリンと管弦楽のための作品を録音。共演は2023年7月の来日公演も話題となったダニエル・ライスキン率い るスロヴァキアPOです。ポチェキンは2009年にリトアニア、ヴィリニュスのヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞。 以後ロシア・ナショナルOをはじめとする名だたるオーケストラとの共演を誇り、ヴァイオリニストの兄イヴァンとともに、多くの録音でも知られます。
チェロ協奏曲の影に隠れてしまいがちなドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲ですが、豊かな旋律と技巧的な独奏が実に魅力的な作品です。カップリングには「ロ マンス」と「マズルカ」を収録。とても切ない旋律が印象的な「ロマンス」は弦楽四重奏曲第5番 ヘ短調より編曲された、非常にドラマティックな作品。一方「マズ ルカ」は名ヴァイオリニスト、サラサーテに献呈された作品。ともにオリジナルのヴァイオリン独奏とオーケストラ版で演奏されているのが嬉しい限りです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72983(1CD)
ハイドン兄弟の協奏曲集
(1)ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ト長調 Hob.VIIIa/4
(2)M・ハイドン:ヴィオラとチェンバロのための協奏曲 ハ長調 P55, MH41

※カデンツァ作:寺神戸亮
寺神戸亮((1)Vn、(2)Va)
天野乃里子(Cemb、指)
「バロックの真珠たち」室内合奏団【[山縣さゆり(Vn)、迫間 野百合(Vn)、森田芳子(Va)、ルシア・スヴァルツ(Vc)、ロベルト・フラネンベルク(Cb)】

録音:2022年9月19-21日ハールレム、ドープスゲジンデ教会
ハイドン兄弟の協奏曲集。2曲ともあまり録音されませんが珠玉の名品です。オランダで活動する天野乃里子が設立した古楽アンサンブル「バロックの真珠た ち」による演奏で、寺神戸亮も参加。柔らかな抑揚をもつ演奏が特徴的で、古楽器のすっきりとした響きと音楽のあたたかさが融合した、新たな次元のピリオ ド演奏を提示。教会の残響を絶妙にとり入れた録音もすばらしく、贅沢なほどに心地よい響きに包まれます。
兄ヨーゼフの『ヴァイオリン協奏曲第4番(1769)』は現存する最後のヴァイオリン協奏曲。エステルハージの宮廷楽団コンサートマスター、ルイジ・トマジー ニのために書かれたとされています。シンプルにして含蓄あるハイドンならではの磨きぬかれた音楽。急ぐことなくあたたかな音色でしなやかに弾きすすむ寺神 戸の独奏が曲の魅力を十二分に伝えてくれます。通奏低音チェンバロが美しく溶け込む全体の音響バランスもすばらしいです。
弟ミヒャエルの『ヴィオラとチェンバロ(オルガンでも可)のための二重協奏曲(1762)』は、その編成からしてとても珍しいもの。ヴィオラ特有の音域と 音色がチェンバロとじつに好ましく絡みあい、楽器の選び方からして一本取れられたという感じの秘曲です。各楽器の持ち味を生かした書法が耳をおおいに愉し ませ、終楽章では天野がきらびやかな独奏を披露。落ち着き払ってたっぷりと歌われる緩徐楽章の合奏体としての美しさも絶品です。 (Ki)

EDITION ABSEITS
EDA-48(1CD)
エコール・ド・パリ
イベール:チェロと木管のための協奏曲(1925)
マルセル・ミハロヴィチ:ピアノ、木管、チェレスタと打楽器のための2部のエチュード (1951)
アンタイル:室内オーケストラのための協奏曲(1932)
シモン・ラクス:ピアノ、木管と打楽器のための室内協奏曲(1963)
アデ ル・ビッター(Vc)
ホルガー・グロショップ(P)
ヨハネス・ズール(指)
ベルリン・ドイツSOのメンバー

録音:2021年4月3日/ベルリン放送
美術史における「エコール・ド・パリ」、すなわち20世紀の最初の数十年間にパリで活動した非フランス系(多くは東欧系やユダヤ系)の芸術家たちは、その後 の芸術に大きな影響を及ぼします。これに対し音楽の分野では似た事象が見受けられるものの、「エコール・ド・パリ」と結びつけてこの時代を認識するというこ とはあまりありません。この録音は1920年代のパリに集まった人々の膨大な様式的多様性と、1939年から1945年までの「断絶」を超えた影響力を背景に、 より明確に「エコール・ド・パリ」という言葉を音楽史に刻み付けるものです。
パリ生まれのイベールと、パリに移り住んだ3人の作曲家ミハロヴィチ(ルーマニア)、アンタイル(アメリカ)、シモン・ラスク(ポーランド)の作品を収録。どれ も木管楽器が活躍する協奏的な楽曲で色彩豊か、かつ陰影の深い複雑な表情も。単にフランス風と言うだけでは表しきれない、アヴァンギャルドな響きが滅法おも しろいプログラム。
ミハロヴィチはモニク・アースの夫としても知られています。『エチュード』も彼女が演奏に参加したのでしょう。前衛的でメカニックなパッセージが各楽器に受け 継がれていくカッコイイ作品です。知らぬは惜しい1曲。 (Ki)

Goodies
78CDR-3926(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482 エトヴィン・フィッシャー(P)
ジョン・バルビローリ(指)管弦楽団

英HIS MASTER'S VOICE DB2681/4
1935年6月6日ロンドン、アビー・ロード EMI第1スタジオ録音
エトヴィン・フィッシャー(1886-1960)はスイス生まれのピアニスト、指揮者、 教育者。ベルリンでリストの最後の弟子だったマルティン・クラウゼ(1853- 1918)に師事し、1933年にEMIのアーティストになりバッハの「平均律クラ ヴィーア曲集」全曲(78CDR-1142/6)の世界初録音を行った。ジョン・バルビロ ーリ(1899-1970)はロンドン生まれ。最初チェロ奏者(78CDR-3443 バッハ:チェロ・ソナタBWV.1027、1929年録音)として音楽活動を始め、1925年室内管 弦楽団を組織して指揮者にに転向。1936年ニューヨーク・フィルハーモニーの 首席指揮者になり1943年までつとめた。1943年からイギリスのハレOの 音楽監督を1958年までつとめ、その後ヒューストンSOの常任指揮者(1961 -1967)もつとめた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3927(1CDR)
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 作品33 ピエール・フルニエ(Vc)
ワルター・ジュスキン(指)
フィルハーモニアO

英 HIS MASTER'S VOICE DB6602/03
1947年9月29&30日ロンドン、アビーロード EMI第1スタジオ録音
ピエール・フルニエ(1906-1986)はパリ生まれ。最初ピアノを学んだが6歳の時 小児麻痺による右足障害のためにチェロに転向した。1923年パリ音楽院一等賞 を得て楽壇にデビュー、ヴァイオリンのガブリエル・ブイヨン、ピアノのヴラ ド・ペルルミュテールとのトリオで注目された。1937年エコール・ノルマル教 授、1941年から49年までパリ音楽院教授をつとめた。1942年ヴァイオリンのシ ゲティ、ピアノのシュナーベルとのピアノ・トリオ、ヴィオラのプリムローズ を加えての四重奏で活躍、さらに1945年にはヴァイオリンのティボー、ピアノ のコルトーと演奏活動をした。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1980) はプラハ生まれ。1934年にプラハのドイツ歌劇場でセルのアシスタントとして 活躍、1938年にナチスの迫害をのがれてイギリスに移住。以降スコットランド O、メルボルンSO、トロントSO、セントルイスSO、 シンシナティSOの指揮者を歴任した。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3928(1CDR)
R.シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調(1945-6) レオン・グーセンス(Ob)
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

英 COLUMBIA DX1444/6
1947年9月15&23日ロンドン、アビー・ロード EMI第1スタジオ録音
レオン・グーセンス(1897-1988)は20世紀前半を代表するイギリスの優れたオー ボエ奏者。指揮者のアルチェオ・ガリエラ(1910-1996)はミラノ生まれのイオタ リアの指揮者。パルマ音楽院の教授だった父親から音楽の手ほどきを受けた後、 生地のミラノ音楽院でピアノ、オルガン、作曲を学んだ。1932年から母校で教 鞭をとっていたが、1941年に指揮者に転向し、ローマ聖チェチーリア音楽院管 弦楽団を指揮してデビューした。第二次世界大戦中にスイスに亡命し、1945年 にルツェルン音楽祭に出演した。以降レコード録音を含め活躍した。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル〔ゼロSP 78rpm〕(3mil 針)とコルグの [DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)


Hanssler
HC-23065(1CD)
グレーテ・フォン・ツィーリッツ作品集
(1)日本の歌(1919)(全10曲)
(2)死のヴァイオリン(死の舞踏)(1953/7)〜ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための
(3)2本のトランペットのための二重協奏曲(1975)
ゾフィー・クルスマン(S)(1)、
ニーナ・カーモン(Vn)(2)、
オリヴァー・トリンドル(P)(2)、
イエルーン・ベルワルツ、アンドレ・ショッホ(Tp)(3)
ヤーコプ・ブレンナー(指)
シューマンPOー

録音:2023年7月12-14日/ヘムニッツ・シュターツハレ
グレーテ・フォン・ツィーリッツは1899年に生まれ2001年に歿した女性作曲家。足かけ3世紀を生きた歴史の証人です。生まれはウィーンで、1917年以 降はベルリンに住みシュレーカーに師事。1919年の歌曲集「日本の歌」で注目され、作曲家になることを決意したといわれます。彼女の作品だけによるディスク はこれまで1つしかなく、大歓迎のリリースとなります。
長い人生ゆえ作風も変化しています。「日本の歌」はエンダーリング独訳による大伴家持、和泉式部から斎藤茂吉までの和歌に基づき、濃厚な後期ロマン派的作 風が興味津々。オリジナルはピアノ伴奏ですが、ここでは1980年代に作曲者自身が室内オーケストラ用にした版を使用。音楽は特に日本的でないものの、貴重な ドイツのジャポニスム芸術と申せましょう。
ヴァイオリン、ピアノとオーケストラのための「死のヴァイオリン」も、もとはヴァイオリンとピアノのための作品を後年編曲したもの。父が重病で死に瀕していた 際、山歩きしていた彼女が、木の上で死神がヴァイオリンを弾く幻覚にとらわれ、そのメロディを用いたとのこと。バレエとしてのシナリオも執筆したとされます。
「2本のトランペットのための二重協奏曲」はジャズ・トランペット奏者フリードリヒ・ケルナーと、当時ツィーリッツが注目していたキャロル ドーン ラインハルト のために作曲。カリオカ、チャチャチャなどラテン・アメリカのリズムやロックンロールの要素も採り入れた楽しい作品で、ツィーリッツの作風の幅広さと柔軟な感性 に驚かされます。このアルバムではもと北ドイツRSO首席イエルーン・ベルワルツとBPOの奏者でつい先頃2023年11 月の来日公演で妙技を披露したアンドレ・ショッホがキレッキレの演奏を繰り広げます。 (Ki)

BIS
BISSA-2657(1SACD)
ストラヴィンスキー、マルティヌー、バルトーク
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
バルトーク:狂詩曲第1番BB94b
 狂詩曲第2番BB96b
マルティヌー:ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲 H276a(第2稿版)
 瞑想曲〜ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲 H276(初稿版)より第2楽章
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn/ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」(1711年製))
バンベルクSO、
ヤクブ・フルシャ(指)

録音:(4)2021年6月30日〜7月1日、(2)(3)(5)2021年12月20〜22日、(1)2022年9月28&29日コンツェルトハレ・バンベルク(ヨーゼフ・カイルベルト・ザール)
1965年ドイツ、デュイスブルク生まれの正統派ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマン。BISレーベルより積極的な 録音が続いておりますが、当アルバムではヤクブ・フルシャ率いるバンベルクSOとの共演でストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲、バルトークの2つの 狂詩曲、マルティヌーの協奏的組曲を収録しました。これらの作品を書いたときにはそれぞれ国際的な地位を確立していたこの3人の作曲家は、政治的混乱と 文化的変遷期においても東欧のアイデンティティを捨てずに西側で活躍。ストラヴィンスキーは協奏曲で近代的なヴァイオリン技法の可能性を試し、マルティヌー は協奏組曲で祖国ボヘミアの響きとフランスの新古典主義の色彩を融合させ、バルトークは狂詩曲でハンガリーとルーマニアの民族音楽を取り入れました。
現代のヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストの必須レパートリーとなったストラヴィンスキーの協奏曲。ツィンマーマンは1990年にジャンルイジ・ジェルメッティ (指)シュトゥットガルトRSOと収録して以来、30年の時を経ての再録です。この作品のヴァイオリン・パートは献呈されたサミュエル・ドゥシュキン (1891〜1976)協力のもと作曲されました。超絶技巧を要し、ストラヴィンスキー独特の変拍子や、あっと驚く奏法など、ヴァイオリンの甘美さとは真逆 の世界を展開。終楽章「カプリッチョ」では連続スピッカート、フラジョレット、ピツィカートなど様々な奏法で奏でられます。ツィンマーマンの現在の充実ぶり があらわれた、同楽曲の新名盤登場です!
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、楽器にも注目。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この 楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビロードのような音色です。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でる演奏をご堪能ください。 (Ki)

DOREMI
DHR-82(2CD)
クリスチャン・フェラスLIVE 第3集

(1)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
(2)ロドリーゴ:ヴァイオリン協奏曲『夏の協奏曲』
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218
(4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 『クロイツェル』 Op.47
(5)エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ短調 Op.25
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.121
クリスチャン・フェラス(Vn)

(1)ズービン・メータ(指)フランス国立放送O
 録音:1965年5月26日パリ
(2)アタウルフォ・アルヘンタ(指)フランス国立O 
 録音:1951年4月4日パリ
(3)ピエトロ・アルジェント(指)スカルラッティO
 録音:1958年11月21日ナポリ(放送用ライヴ)
(4)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1961年5月24日パリ、シャンゼリゼ劇場
(5)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1959年9月25日エットリンゲン城
フランスの名ヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスによる貴重なライヴ録音集です。アルヘンタとのロドリーゴ、フランス・ライヴを含む協奏曲3曲と、バルビ ゼとのデュオによる『クロイツェル』他を収録。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85040(1CD)
ハイフェッツ コルンゴルト/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲 他
(1)コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(2)シンンディング:古風な様式の組曲 Op.10
(3)ブラームス:ハンガリー舞曲第7番(ヨアヒム編)
(4)チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
(5)ラヴェル:ツィガーヌ
(6)カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲第2番「予言者」 Op.66
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ロサンゼルスPO
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)

録音/初出レコード番号:
1953年1月10日 RCA Victor LM1782(1)
1953年12月9日 RCA Victor LM1832(2)
1953年12月9日 RCA Victor LSC3232(3)
1954年10月29日 RCA Victor LM2027(4)
1953年12月8日 RCA Victor LM1832(5)
1954年10月28&29日 RCA Victor LM2050(6)12
1917年にアメリカ・デビューをカーネギーホールで飾ったハイフェッツは、1925年にアメリカの市民権を取得。東海岸を拠点に活動を展開しましたが、 1940年にビヴァリー・ヒルズにスタジオ付きの住宅を建て、第2次大戦後はロサンゼルスに拠点を移します。このディスクには1953年から54年にかけ て、ウォーレンスタインの指揮するロス・フィルと行ったRCA録音を復刻しています。 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は1947年にハイフェッツが初演し、その後も繰り返し演奏しました。作曲者はこの曲について「終楽章こそ高度な技 巧が必要だが、美しい旋律や抒情的なエピソードがたくさんあるから、パガニーニよりはカルーソー向きの曲だ。カルーソーとパガニーニを兼ね備える人 物、すなわちハイフェッツに演奏してもらえるとは、なんと嬉しいことだろう」と語っています。当録音は大評判となり、作品を広める上で大きく貢献。 2008年には遂にグラミー賞の殿堂入りを果たしました(Vn協奏曲の録音としては、クライスラーのメンデルスゾーン、メニューインのエルガーに次 いで史上3番目の殿堂入り)。圧倒的なテクニックの冴えが注目されるハイフェッツですが、コルンゴルトがカルーソーにたとえたように、メロディアスな旋律 を時に朗々と時に甘美に歌いあげる歌心もたっぷりと味わえます。 カステルヌオーヴォ=テデスコのヴァイオリン協奏曲第2番は、ハイフェッツがトスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルと共に初演した作品。3つの楽章には旧 約聖書の3人の預言者の名前が充てられています。自身がヴァイオリニストだったシンディングの作品と、ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾたちにインスパイア された3曲も、ハイフェッツの緩急自在な技の冴えと歌い回しを堪能できます。

Gramola
GRAM-99308(1SACD)
NX-C01
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集/二重協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Hob.VIIa:1
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Hob.VIIa:4
ヴァイオリン、鍵盤楽器と弦楽オーケストラのための二重協奏曲 ヘ長調
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
バルバラ・モーザー(フォルテピアノ)
ミュンヘン・カンマーフィルハーモニー・ダカーポ
フランツ・ショットキー(指)

録音:2022年3月15-17日、2022年5月31日-6月1日
ザルツブルクを拠点に世界で活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー。今作で取り 組んだのはハイドンのヴァイオリン協奏曲です。ハイドンの器楽曲の多くは、どれもエステルハージ侯の宮廷楽 団のメンバーたちにソリストとして演奏する機会を与えるという目的があったと考えられています。イルンベルガー は華やかな技巧を駆使した作品をドラマティックに演奏。楽器の美音も優秀録音で余すことなく捉えられてい ます。二重協奏曲でフォルテピアノを演奏するのはオーストリア出身のバルバラ・モーザー。ウィーン・フィルとの 共演や室内楽の分野で高く評価される奏者です。

MPR
MPR-006(1CD)
ベンジャミン・エリン(1980-):トロンボーン作品集
パンドラ (トロンボーンと管弦楽のための)
ストー・スケッチ (3本のトロンボーンのための)
グレズリー(バス・トロンボーンと管弦楽のための)
ウィンドウズ (3本のトロンボーンと管弦楽のための)
ジョセフ・アレッシ(Tb)
クリスチャン・ジョーンズ(トロンボーン、バス・トロンボーン)
ブレア・シンクレア(Tb)
オペラ・ノースO
ベンジャミン・エリン(指)

録音:2022年11月22-24日 マントル・ミュージック・スタジオ、 ハワード・オペラ・センター、オペラ・ノース、リーズ、UK
英国の作曲家、指揮者ベンジャミン・エリンによるトロンボーンのための作品集。どの作品も現代的な響きですが前衛 に行きすぎることがなく、管楽器のファンには広く受け入れられるものでしょう。ニューヨーク・フィル首席のジョセフ・アレッ シの妙技が聴けるのがなんといっても魅力。共演のソリストはオペラ・ノースOのトロンボーン奏者たちで、この3 人とオーケストラの共演となる「ウィンドウズ」の華やかさは特に聴きものです。

Danacord
DACOCD-929(2CDR)
トマス・イェンセンの遺産 第19集

(1)ニールセン:フルート協奏曲 FS119CNW42
(2)ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 FS61(Op.33)
(3)ニールセン:サガの夢(Saga-Drom) FS46 CNW35(Op.39)
(4)ニールセン:愛の賛歌 FS21CNW100(Op.12)
(5)ヨハネス・フレゼリク・フレーリク(1806-1860):祝祭音楽「エーリク・メンヴェズの子供時代」
(6)ヨハン・ペーター・エミーリウス・ハートマン(1805-1900):序曲「ユルサ」 Op.78
(7)ニールセン:歌劇「仮面舞踏会」 FS39(抜粋)
(8)アイナー・ヤコブセン(1897-1970):交響曲第1番「今」
(9)スヴェン・エーリク・タープ(1908-1994):季節の変わり目 Op.46
(10)ポウル・シアベク(1888-1949):ユラン(男声合唱と管弦楽のための)
トマス・イェンセン(指)、デンマークRSO


(1)ポウル・ビアケロン(Fl)
 録音:1958年5月29日 ティボリ公園(コペンハーゲン)(ライヴ放送)
(2)アーネ・カレツキ(Vn)
 録音:1962年4月19日 (ライヴ放送)
(3)録音:1961年1月12日 (ライヴ放送)
(4)ルト・グルベク(S)、エレン・マグレーデ(Ms)、ニルス・ブリンカー(T)、ニルス・ムラー(T)、ホルガー・ヌアゴー(Bs)、ニルス・ユール・ボンド(Bs)、デンマーク放送児童cho、デンマーク放送cho
 録音:1958年5月29日 ティボリ公園(コペンハーゲン)(ライヴ放送)
(5)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(6)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(7)録音:1954年4月 スタジオ録音[Decca BR3111]
(8)録音:1960年8月13日 (ライヴ放送)
(9)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(10)録音:1961年8月18日 (ライヴ放送)
トマス・イェンセンの遺産シリーズの第19集。Disc1にはフルート奏者のポウル・ビアケロンとヴァイオリニストのアーネ・カレツキのソロによる協奏曲や、初期の傑作のひとつ、愛を壮大に歌いあげる「愛の賛歌」などニールセンの楽曲が盛り込まれ、Disc2には初期ロマンティシズムの作曲家ヨハネス・フレゼリク・フレーリクとヨハン・ペーター・エミーリウス・ハートマンから、イェンセンと同時代のアイナー・ヤコブセン、スヴェン・エーリク・タープとポウル・シアベクまで、めずらしいレパートリーのデンマークの管弦楽作品が収録されており、盛り沢山の内容となっています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Ars Produktion
ARS-38365(1SACD)
ラフマニノフ生誕150周年に捧ぐ〜ピアノ作品集
ラフマニノフ:楽興の時 Op.16
 リラの花 Op.21-5/ひなぎく Op.38-3
クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ
 前奏曲 Op.23-6
フランツ・べーア(ラフマニノフ編):W.R.のポルカ/前奏曲 Op.23-4
ピアノ協奏曲第2番Op.18
ショレナ・ツィンツァバーゼ(P)、
ヴァクタン・ジョルダニア(指)、
ロシア・フェデラル・オーケストラ

録音:2023年8月、インマヌエル教会(ヴッパータール、ドイツ)
モスクワで生まれ育ち、モスクワ音楽院を卒業後、ソリストとしての活動の幅を広げるショレナ・ツィンツァバーゼ。本アルバムでは、セルゲイ・ラフマニノフの生誕150周年と没後80周年に敬意を表し、卓越した不朽の作品を紹介しています。

Signum Classics
SIGCD-789(2CD)
アースサイクル
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Birds in the Spring
デヴィッド・ゴードン:Windigo (or Gradually then Suddenly)
ヴィヴァルディ:協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1, RV269「春」
伝承曲
(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Lark in the Morning
デヴィッド・ゴードン:The Elephant and the Moth
ヴィヴァルディ:協奏曲第2番ト短調 Op.8-2, RV315「夏」
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):Bright Phoebus
デヴィッド・ゴードン:Feeling the Chill
ヴィヴァルディ:協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3, RV293「秋」
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Robin’s Petition
デヴィッド・ゴードン:The Water’s Tears
ヴィヴァルディ:協奏曲第4番ヘ短調 Op.8-4, RV297「冬」
オーケストラ・オヴ・ザ・スワン、
デイヴィッド・ル・ページ(ディレクター、ヴァイオリン)、
デヴィッド・ゴードン(鍵盤楽器)、
ジャッキー・オーツ(ヴォーカル)

録音:2023年4月5日-7日、福音史家聖ヨハネ教会(オックスフォード、イギリス)
「タイムラプス」(SIGCD662)、「ラビリンス」(SIGCD694)とこれまでも古楽から現代音楽、ポップスを交えたジャンルレスなスタイルで幅広いリスナーに画期的な音楽を提供してきたオーケストラ・オヴ・ザ・スワン&デイヴィッド・ル・ページによる2024年の新作は、イギリスのハープシコード奏者兼ジャズ・ピアノ奏者、デヴィッド・ゴードンを迎えて行われたプロジェクト。ヴィヴァルディの《四季》を軸に、デヴィッド・ゴードンによるオリジナルの楽曲と季節のテーマに関連した伝承曲が組み合わされ、21世紀最大の関心事である私たちが自然に及ぼす影響や環境破壊について改めて考察します。


MIRARE
MIR-686(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番ニ短調 KV466
ピアノ協奏曲 第27番変ロ長調 KV595
アンヌ・ケフェレック(P)
リオ・クオクマン(指)パリ室内O

録音:2023年2月21-24日、フィルハーモニー・ド・パリ
現代を代表する名ピアニストの一人、国際的な舞台で活躍を続けるアンヌ・ケフェレックによる、モーツァルトのピアノ協奏曲の登場です。第20番では短調 での険しくも美しい表情。そして27番では、愛らしくもどこまでも気品に満ちた演奏。寸分の乱れもない、美しい真珠のような、恐るべき完璧さでととのった 粒立ちのタッチで、旋律が次々と美しく歌われてゆきます。円熟をきわめた先にある清澄の世界。クオクマン指揮のパリ室内管とのアンサンブルも、親密な対話 のよう。ケフェレック自身がライナーノートを執筆しており、そちらも注目です。
マカオO音楽監督・首席指揮者のほか、香港フィルの常任指揮者なども務めるリオ・クオクマン。2014年のスヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで 最高位を受賞。2016年まではフィラデルフィア管でネゼ=セガンの副指揮も任されていました。 (Ki)

CPO
CPO-555372(1CD)
NX-B10
フリードリヒ・フォン・フロトウ(1812-1883):ピアノ協奏曲集/序曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ短調(1830)
ピアノ協奏曲第2番イ短調(1831)
ウィリアム・シェイクスピアによる序曲「冬物語」
Fackeltanz たいまつの踊り(1853)
喜歌劇「未亡人グラパン」- 序曲
歌劇「リューベツァール」 序曲
歌劇「アレッサンドロ・ストラデッラ」 序曲
マティアス・キルシュネライト(P)
ミュンヘン放送O
ウルフ・シルマー(指)

録音:2020年3月2日-5日ミュンヘン BR第1スタジオ(ドイツ)
美しいアリア「夢のように」などを含む歌劇「マルタ」が知られるドイツの作曲家フリードリヒ・フォン・フロトウのピアノ協 奏曲の録音が登場。彼はパリでアントニーン・レイヒャから指導を受けるとともに、当時活躍していたオーベール、マ イアベーア、アレヴィと親交を深め、やがてグノー、オッフェンバックからも影響を受けました。1830年に勃発した七 月革命を避け、一時的にドイツに戻った彼は、フランスのオペラ・コミックのスタイルとドイツ伝統のジングシュピール を融合させた独自の作品を書き上げましたが、多くの批評家たちからは折衷的なスタイルは歓迎されませんでし た。しかし「アレッサンドロ・ストラデッラ」や「マルタ」が成功を収め、評価はうなぎ登りとなり、彼の作品はサンクトペ テルブルクやトリノでも上演されるなど人気を博しました。このアルバムには「アレッサンドロ・ストラデッラ」をはじめとし た序曲の他に、フロトウが18歳から19歳にかけて作曲した珍しい2曲のピアノ協奏曲を収録。当時の流行を反 映した超絶技巧を用いた魅力的な作品です。

GRAND SLAM
GS-2304(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」 クリフォード・カーゾン (P)
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)
VPO

録音:1957年6月10〜15日ゾフィエンザール(ウィーン)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
言うまでもなく、カーゾンとクナッパーツブッシュが共演した唯一のステレオ録音がこのベートーヴェンの「皇帝」でした。しかし、国内外の批評等には「クナッパー ツブッシュのしまりのない伴奏」、「ピアノが伴奏に押しまくられている」、「ミスキャスト」など、否定的な記述が意外に多く見られます。でも、本当にそうなんでしょ うか? 今回入手した2トラック、38センチのオープンリール・テープは、高貴な音色が漂うような新鮮な音質であり、改めて聴くと、まことに見事な「皇帝」のひ とつにしか思えません。総演奏時間は40分弱ですが、たとえば同じく顔合わせによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(モノラル)などを組ませることは不可 能ではありません。けれども、この「皇帝」の印象を大切にしたいため、あえて何も加えませんでした。(平林 直哉)

Naive
V-8120[NA](1CD)
オー・ソレ・ミオ
ヴィヴァルディ:2つのマンドリンのための協奏曲 ト長調 RV532
ディ・カプア(1865-1917)/マッツッキ(1878-1972)編)):オー・ソレ・ミオ
タリアフェッリ(1889-1937)/ヴァレンテ(1880-1946):受難(Passione)
カラーチェ(1863-1934):マンドリンとピアノのための協奏曲 ホ短調〔ティボー・ペリヌによるオーケストラ編曲版、世界初録音〕
パガニーニ:マンドリンとギターのための作品全曲
 ロヴェーネのためのソナタ ホ短調(マンドリンとギターのための)MS 14
 マンドリンとギターのためのソナタ ト短調 MS16
モーツァルト:カンツォネッタ〜歌劇「ドン・ジョヴァンニ」第2幕第3場
フンメル:マンドリンとオーケストラのための協奏曲 ト長調 S28(第3楽章カデンツァ:マルティノー)
ジュリアン・マルティノー(マンドリン)
フロリアン・センペイ(バリトン/4-5, 13) 
エリック・フランスリー(ギター/4-5, 13)
ヤン・ドゥボスト(コントラバス/4-5,13) 
アンナ・シヴァツァッパ(2ndマンドリン/1-3)
フィリップ・ムラトグル(ギター/9-12)
トゥールーズ・キャピトル国立O 
ウィルソン・ンー(指揮/1-3, 6-8&14-16)

録音:2022年9月1-4日
マンドリンの世界的名手、ジュリアン・マルティノーによる、ヴィヴァルディからフンメルまで、2世紀にまたがるマンドリンの名曲を集めた1枚が登場します。オー ケストラ、歌手など豪華共演陣との力のはいった内容です。
特に注目なのがカラーチェ。カラーチェは、マンドリンの歴史を語るうえで欠かせない存在。いわばマンドリンにとってのパガニーニ(といってもカラーチェはど ちらかというと奏者としてのキャリアを探求した)で、カラーチェによって、甘くチャーミングな作品ばかりになりがちだったマンドリンのレパートリーが一挙にヴィ ルトゥオーゾ的なものも可能となったのです。そのカラーチェの協奏曲第1番はカラーチェ自身はピアノとマンドリンのために作曲しました。この理由には、カラー チェ自身がオーケストラというものにそこまで近いところにいなかった、特に新曲を一緒につくりあげられるような関係がなかったことが考えられます。しかしオー ケストラと共演してもおかしくないスケールと内容を持っているため、このたびマルティノーがティボー・ペリーヌ(1979年生まれ)に依頼してオーケストラ版が 誕生、世界初録音となりました。今後のマンドリン界の大きな宝となることでしょう。ほかにもフンメルのエレガントな今協奏曲からオー・ソレ・ミオの歌まで、マン ドリンの魅力をとことん味わい尽くせる内容です!

DOREMI
DHR-8223(2CD)
クリスチャン・フェラスLIVE 第2集

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(3)ベルク:ヴァイオリン協奏曲『ある天使の思い出に』
(4)サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ Op.28
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
(5)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.526
全て、クリスチャン・フェラス(Vn)

(1)シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO
 録音:1959年3月7日ボストン
(2)オイゲン・ヨッフム(指)フランス国立放送O
 録音:1964年4月9日パリ
(3)パウル・クレツキ(指)ベルリンRSO
 録音:1956年4月23日ベルリン
(4)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1955年3月16日ハンブルク、NDR(放送用ライヴ)
(5)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1957年4月12日フランクフルト、ヘッセン放送(放送用ライヴ)
フランスの名ヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスによる貴重なライヴ録音集です。ボストン、パリ、ベルリンでの協奏曲ライヴに、盟友バルビゼとのデュオを 併録。

Da Vinci Classics
C-00793(1CD)
フィリッポ・デル・コルノ:作品集
フィリッポ・デル・コルノ(b.1970):ア・コーダ・ディ・ロンディーネ(オーケストラのための)
クラリネット協奏曲 「パッセージ」
6つのメモ(オーケストラのための)
ピアノ協奏曲 「ノット・イン・マイ・ネーム」
イ・ポメリッジ・ムジカーリO、
カルロ・ボッカドーロ(指)、
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
エマニュエレ・アルチウリ(P)

録音:2023年4月4日-6日
1970年生まれの作曲家フィリッポ・デル・コルノは、ミラノ音楽院で作曲を学びました。彼の作品はミラノ・スカラ座、サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、ルツェルン音楽祭などで演奏されています。現在は作曲活動の傍ら、ミラノ音楽院で教鞭をとっています。
イ・ポメリッジ・ムジカーリOは第二次世界大戦後まもなく1945年11月27日にデビューし、ファシズム時代に禁止された20世紀の偉大な芸術家たちの音楽の普及に大きく貢献しました。バロック、古典派、初期ロマン派の名曲に加え、近現代曲も幅広く取り上げるなど多彩なレパートリーを誇ります。このアルバムでは、ウラディーミル・アシュケナージの息子であるクラリネット奏者のディミトリ・アシュケナージや、ピアニストのエマニュエレ・アルチウリといった素晴らしいソリストを迎え、収録されました。

NovAntiqua Records
NA-87(1CD)
5つの季節
フランチェスコ・ヴェネルッチ(b.1968):オーボエ協奏曲
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」 Op.8
マリカ・ロンバルディ(Ob)、
ヴァディム・ツィジク(Vn&指揮)、
アンサンブル・レ・ヴィルトゥオーゼ

録音:2022年9月12日-14日(パリ、フランス)
ヴァイオリニストのヴァディム・チジクによって2011年に結成されたアンサンブル・レ・ヴィルトゥオーゼと、イタリアのオーボエ奏者マリカ・ロンバルディのコラボレーション。弦楽オーケストラのための伝統的なレパートリーと現代曲を結びつけることを目的に制作されたこのアルバムには、マリカ・ロンバルディのためにフランチェスコ・ヴェネルッチが作曲した、バロック音楽からジャズ、即興演奏まで様々な様式をもつオーボエ協奏曲と、ヴァディム・ツィジクのヴィルトゥオーゾ性が光るヴィヴァルディの 「四季」 が収録されています。

FONE
UHQ-190(1CD)
UHQCD
初回完全限定生産
fone 創立40周年記念
(1)ヴィヴァルディ:2つのチェロのための協奏曲ト短調 RV531より アレグロ
(2)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調 より アダージョ
(3)ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター:トマゾ・アルビノーニ氏によるオルガンのための協奏曲 ヘ長調(アルビノーニの協奏曲Op.2-4による) より アレグロ
(4)ビーバー:ソナタ第1番ニ短調「受胎告知」
(5)ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」 序曲
(6)プッチーニ:歌劇「トスカ」より テ・デウム
(7)ハロルド・アーレン/テッド・ケーラー:When The Sun Comes Out
(8)ジュール・スタイン:Time after time
(9)ファブリツィオ・デ・アンドレ/イヴァノ・フォッサーティ:Ho visto Nina volare
(10)マイケル・ジャクソン/ビル・ボットレル:Black or White
(11)ルー・リード:Perfect Day
(12)コネ・セイドゥ:Jerusalem
(1)イ・ムジチ合奏団
(2)サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)
(3)ステファノ・コンコルディア(Org)
(4)マルコ・フォルナチャーリ(Vn)、fone アンサンブル
(5)サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、チョン・ミョンフン(指)
(6)サンタ・チェチーリア国立アカデミーcho、チョン・ミョンフン(指)
(7)スコット・ハミルトン(Sax)、パオロ・ビッロ(P)、アルド・ズニーノ(ダブル・ベース)、アルフレッド・クラーマー(ドラムス)
(8)ジュリアン・オリヴァー・マッツァリエッロ(P)、エンツォ・ピエトロパオーリ(ダブル・ベース)
(9)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、フェルッチョ・スピネッティ(ダブル・ベース)
(10)ファウスト・メゾレッラ(G)
(11)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、イラリア・ファンティン(アーチリュート)
(12)ライズ&ラディカント(ヴォイス&インストゥルメンツ)
イタリアの老舗高音質レーベル、foneが2023年に創立40周年を迎え、レーベル初となるUHQCDをリリース!同レーベルが誇る豪華アーティストたちによるクラシック&ジャズの名録音集を最高峰の音質でお楽しみください。日本製の高品質UHQCDを採用しており、全世界496枚完全数量限定生産となります。
※重要:当タイトルは完全数量限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。

BMOP SOUND
BMOP-1092(1SACD)
アンソニー・ポール・デ・リティス(b.1968):作品集
(1)「中国ポップ(Zhongguo Pop)」(2021) 〜中国伝統楽器四重奏と弦楽のための
(2)琵琶協奏曲「ピン・ポン(卓球)」(2006)
(3)打楽器協奏曲「牛飼いと織姫の伝説」(2018)
(4)「梅の花」(2000)〜ピパ(中国琵琶)のための
(5)嫦娥と不老不死の薬(2022)
〜中国伝統楽器アンサンブルのための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)(2)(4)ミン・シャオフェン(琵琶[ピパ])
(1)(5)ヤジ・グオ(笛子[ディズー])
(1)ヘ・タオ(二胡[アルフー])
(1)シンイー・ヤン(古箏[グーチェン])
(3)ベイベイ・ワン(Perc)
(5)イーミン・ミャオ(笛子[ディズー])
ツジュイ・キャリー・チン(笙[シェン])
チェン・ジン・コー(揚琴[ヤンキン])
ジョウ・イー(琵琶[ピパ])
グオ・ジャオシュン(中阮[チョンルアン])
ウェイ・スン(古箏[グーチェン])

録音:2021年9月8日、2019年9月11日、2018年4月22日、2017年2月11日、2022年3月16日
アンソニー・ポール・リティスは中国系ではなく白系アメリカ人であるが、中国音楽に深い 造詣と愛を持っており、このアルバムは中国伝統楽器とオーケストラを共演させた作品が収 録されています。中国伝統音楽と西洋音楽のコラボレーションといえば中国人作曲家タン・ドゥ ン(最近あまり名前を聞かなくなってしまった)が有名だが、そのアプローチの仕方は真逆で ある。タン・ドゥンが中国伝統音楽をかなり攻撃的に西洋音楽に攻め入る形で作曲するのに 対し、リティスはアメリカ人が憧れるミステリアス・チャイナのイメージを大切にした抒情的なオ リエンタリズムの音楽に仕上げています。なんとなく坂本龍一みたいなところもあり、聴きどころ 満載。

Music&Arts
M&ACD-1308(1CD)
A.ルビンシテイン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.25
ピアノ協奏曲第2番へ町長 Op.35
6つの性格的小品 Op.50〜第3番「舟歌」,第5
番「子守歌」(レイトゥシュ編)
アンナ・シェレスト(P)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
エストニア国立SO

録音:2022年9月20,21,23日
エストニア タリン
Sorel Classics から、ピアノ協奏曲第4番,ロシア奇想曲(SCCD 013)、ピアノ協奏曲第3番,第5番(SCCD014)と発売されていた、 アンナ・シェレストとネーメ・ヤルヴィによるアント ン・ルビンシテインのピアノ協奏曲全集の完結編は、販売提携先だったMusic & Arts からの 発売。19世紀的ヴィルトゥオーソの色濃いことで人気のある第1 番も、その1年後の第2番も、シェレストの意欲的なピアノとヤルヴィ指揮の豊かなオーケストラで万全の演奏になって います。レーベルを跨いだバラ3枚とはいえ、シェレストとヤルヴィによるルビンシテインのピア ノ協奏曲全集はその決定盤というものになったでしょう。アルカディ・レイトゥシュのオーケスト ラ編の「舟歌」と「子守歌」もたいへんに素敵だ。日本ではチャイコフスキー絡みで名前ばか りが有名なアントン・ルビンシテインの芸術に改めて接するには打って付けだ。

VOX
VOXNX-3030CD(1CD)
NX-B03
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番(1890-91/1919改訂)
ピアノ協奏曲第4番(1926/1941改訂)*
パガニーニの主題による狂詩曲#
アビー・サイモン(P)
セントルイスSO
レナード・スラットキン(指)

録音:1977年9月30日、977年10月1日*、1976年8月13日#
ミズーリ州セントルイス、パウエル・ホール
ニューヨーク生まれのアピー・サイモン(1920-2019)は、3歳の時にラジオで聴いた音楽をピアノで完璧に再現できたといいます。ヨーゼフ・ホフマンに師事し、 ラフマニノフやプロコフィエフなどヴィルトゥオーゾ・ピアニストでもあった作曲家の作品に強い親近感を持っていました。超絶技巧を持ちながらもそれを前面に出 すことをせず、うつろいやすい繊細な詩情を漂わせた演奏を持ち味とした彼を、辛口評論家として知られたハロルド・ショーンバーグは「スーパーヴィルトゥオー ゾ」と絶賛しました。スラットキン&セントルイス響と共演したラフマニノフのピアノ協奏曲全集はサイモンの最良の遺産と言ってよいでしょう。 既にAudiophile Editionでリリースされている第2番&第3番(VOXNX3014CD)では旧盤に比べてピアノもオーケストラも硬さが取れ、高域は輝かしく 抜けが良く、低域は一層の重量感と歯切れよさも加わり、音場全体も立体感が増して、かなり大きな音質改善が見られました。今作でも同様の効果が期 待されます。

BRIDGE
BCD-9583(1CD)
ジャスティン・デロ・ジョイオ(b.1955):作品集
(1)ピアノ協奏曲「海を隔てて」(2022)
(2)「デュー・パー・デュー」(2011) 〜チェロとピアノのための
(3)「青と黄金の音楽」(2009)〜オルガンと金管五重奏のため
(1)ギャリック・オールソン(P)
アラン・ギルバート(指)
ボストンSO
(2)カーター・ブレイ(Vc)
クリストファー・オライリー(P)
(3)アメリカン・ブラス・クインテット

録音:(1)2023年1月12、14日、(2)2011年9
月4日、(3)2009年1月10日
ジャスティン・デロ・ジョイオはニューヨーク出身で高名な作曲家であるノーマン・デロ・ジョ イオを父に持つ。ジャスティンはパーシケッティ、ロジャー・セッションズらに作曲を師事した。 初期はルトスワフスキ、ジェイコブ・ドラッグマンの影響を受けたと本人は述べているが、ここ に収められた最近の作品はアメリカ東海岸流の手堅い書法と聴きごたえのある音のドラマ、 輝くばかりの見事な管弦楽法が聴き手を圧倒する。特にピアノ協奏曲「海を隔てて」はギャリ ック・オールソンのピアノ・ソロと巨匠アラン・ギルバートの見事な棒さばきの甲斐もあって大 いに聴きもの。現代音楽の主要な書法をとりつつ、その中にもロマンの香りが漂っており、21 世紀のピアノ協奏曲の代表作のひとつと言っても過言ではない秀作。最後に収められた金 管五重奏曲「青と黄金の音楽」はオルガンと金管五重奏のために書かれたもので教会のス テンドグラスを思わせる美しい作品。特にブラス関係者は必聴。

Goodies
78CDR-3923(1CDR)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006より
ガヴォットとロンド
ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテッ(指)BPO

日TELEFUNKEN23653/6(独TELEFUNKEN2395/8 と同一録音)
1937年12月20日ベルリン、ジングアカデミー録音
協奏曲は作曲者シューマンが死の3年前に名ヴァイオリン奏者ヨーゼフ・ヨアヒ ム(1831-1907)の依頼で作曲したが、ヨアヒムは楽譜を封印し演奏しなかった。 1937年にベルリン図書館のヨアヒムの蔵書から発見され、ナチス宣伝省の主導 で録音された。ヴァイオリンのクーレンカンプ(1898-1948)はドイツのブレーメ ン生まれ。第二次世界大戦中ソリストとして活躍する傍ら、ベルリン高等音楽 院教授を1943年までつとめた。指揮者のハンス・シュミット=イッセルシュテッ ト(1900-1973)は大戦中も非ナチス党員を保ち、戦後に北ドイツRSOの 創立に尽力した。(グッディーズ)


Treasures
TRE-313(1CDR)
ケンプ〜シューマン&リスト:ピアノ協奏曲集
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54*
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
 ピアノ協奏曲第2番イ長調
ウィルヘルム・ケンプ(P)
ヨーゼフ・クリップス(指)LSO*
アナトゥール・フィストラーリ(指)LSO

録音:1953年5月26-27日*、1964年6月2&4日(全てモノラル)
※音源:英DECCA LW-5337*、独DECCA MD-1043
◎収録時間:73:03
“芸術的表現に無関係なものを排斥するケンプのピアニズムを象徴!”
■音源について
シューマンは英国の10ンインチ盤、リストはドイツ盤LP(黒金ラベル)を採用。

リストのピアノ作品は、技巧的な切れ味をまず前面に立てないと成立しないという風潮があるようですが、ケンプにはそんな既成概念は通用しません。
 「第1番」第1楽章の冒頭テーマは叩きつけるような打鍵は存在せず、ひたすら端麗。一瞬肩透かしを食った感覚に陥りますが、そこに宿る精神力に全くブレがないので、すぐにその独特のモードに惹かれてしまいます。1:01からの上行音型の音の粒立ちを実感出来るような弾き方、最高音域に達した時の「カーン!」という響きの拡散のさせ方は、いかにもケンプ流で、その人間臭さと職人的なこだわりが滲みます。1:16からの流麗さ、艶やかさも、モノラルであることを忘れるほど魅惑的。それを更に痛感させるのが第2楽章。この楽章をこれほど深く、甘美に紡ぎ出した演奏を他に知りません。緩やかな楽想の中でもリズムをキリッと立てる箇所とぼかす箇所を明確に区分している点も、雰囲気に流された安易な演奏にはない説得力を生んでいます。
終楽章では、無機的なフォルティッシモを嫌い、高音をカーン!と響かせるケンプ独自のピアニズムが全開。勢いに任せた演奏では感じることではできない、しっかり心に根付く味わいを実感していただけると思います。
 「第2番」では、より詩的なニュアンスが横溢。何気ないアルペジオにも得も言われぬ幻想が敷き詰められ、聴き手の想像力を掻き立てます。第1部から第2部にかけては、めったに見せない渾身のフォルティッシモが登場しますが、ここぞという場面でのその輝き方は、通常が温和なニュアンスを湛えているだけに一層心に響きます。それでも、無慈悲で鋭利な響きとは無縁。第5部の前半はオケの音圧に埋没しそうでしないギリギリの線で、ケンプが孤高とも言えるピアニズムを貫徹。後半のカデンツァでも全くそのモードを崩さないことからも、ケンプがオケとの協調に拘泥しすぎず、楽譜に書かれているピアノ・パートをいかに繊細に感じ取り、丁寧にロマンの香気を放つことに専心しているかを思い知らせれます。第6部のグリサンド(0:26〜)に至っては、これほど表面的な効果に背を向けた演奏も稀ですし、アクロバット的なリストの演奏スタイルに対するアンチテーゼにも思えます。 
 このリストの録音は、音楽を再現する上で、マシンのような技巧のアピールが目的にも前提にもならないということを再認識させてくれる、かけがえのない財産です!ケンプの演奏に対し、技巧的な弱さを指摘する人は後を絶たないですが、ケンプ本人が技術を強みにすることをむしろ恥と感じ、最優先しなければならない「表現」を行なっているだけだということを感知できないのでしょう。そういう人には、AIによる演奏をお楽しみいただければと思います。
 一方のシューマンでもケンプは自身の矜持を曲げないので、ここでは作品の甘美なイメージとは距離をおいたストイックな演奏にも聞こえますが、聴けば聴くほど、表情を上塗りしたような下品さとは無縁の真摯な語り口が敷き詰められていることに気づきます。第1楽章展開部の前半はその典型。これぞ本物のロマンです!カデンツァも同様。第2楽章も媚びるような表情は見せないものの、克明なタッチを湛えつつ繊細な心情を丁寧に吐露。大きな展開を見せないこの楽章を飽きさせずに聴かせるのは、それこそ技巧を超えた人間力の賜物なのでしょう。終楽章の決してサクサクとスマートに進行しないフレージングには常に人間的な温かみが通っていますが、ケンプは技巧のみならずその優しささえアピールしないので音楽が説明調になることがなく、間延びしやすい遅めのテンポを取りつつも、確実にニュアンスが琴線に響くのです。
 最近は、音楽家がこだわるポイントや方向性が以前と変化しているようです。と言うより、そもそも「どうしても譲れないこだわり」なんて見いだせないことも少なくありません。器用さ、合理性、効率性、協調性は世間を渡る際には必要かもしれませんが、音楽を再現する際にそれを先に考えては、その本質を探り出すことも導き出すことも、ましてや人を感動させることなどできないのでは?などと、ケンプの演奏を聴く度に思う今日この頃です。【2023年10月・湧々堂】

Spectrum Sound
CDSMBA-1461CD)
ダヴィド・オイストラフ&シルヴィア・マルコヴィチ ― ライヴ・レコーディングス・イン・パリ

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

(2)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
(1)ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ピエール・デルヴォー(指)フランス国営放送PO/ライヴ録音:1961年3月21日サル・プレイエル(パリ)【ステレオ】

(2)シルヴィア・マルコヴィチ(Vn)
ジルベール・アミ(指)フランス放送新PO/ライヴ録音:1977年10月6日メゾン・ド・ラジオ・フランス、104スタジオ内大ホール(パリ)【ステレオ】
※正規初CD化!
スペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。期待の新譜はダヴィド・オイストラフのブラームスのヴァイオ リン協奏曲(1961年3月21日/パリ)とシルヴィア・マルコヴィチのシベリウスのヴァイオリン協奏曲(1977年10月6日/パリ)、ともにステレオの正規初 CD化です!
巨匠オイストラフが最も得意としたブラームス。数多くの録音同様、当ライヴでも非常に細かいヴィブラートとテヌートを多用し、これぞ「ヴァイオリンの美」とい える音色で奏でております。
ルーマニアを代表するヴァイオリニスト、シルヴィア・マルコヴィチ。10代後半でロン=ティボー国際コンクール最高位(1位なしの2位)、ジョルジェ・エネスコ 国際コンクール優勝し、一躍世界から注目される存在となりました。当ライヴはマルコヴィチ20代半ばの演奏。作曲家としても有名なジルベール・アミ(指)フラ ンス放送新POとの共演です。シベリウスは彼女が最も得意としたレパートリーで、1987年にネーメ・ヤルヴィ(指)エーテボリSOで 録音しておりBISレーベルからリリースされています(BIS-372)。マルコヴィチの魅力といえる一音一音クリアで艶やかな音色。シベリウスの雄大な世界を彼女 の演奏で存分に酔いしれることができます。演奏キャリアに対し録音が極端に少ないマルコヴィチだけに当初出音源は非常に貴重。ファン狂喜のリリースです! (Ki)

NIFC
NIFCCD-152(1CD)
ドゥラノフスキ&ヤニェヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集
アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキ(1770-1834):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.8
フェリクス・ヤニェヴィチ(1762-1848):ヴァイオリン協奏曲第3番イ長調
モーツァルト:交響曲第14番イ長調 K.114
シュシャーヌ・シラノシアン(Vn)、
マルティナ・パストゥシカ(指)
{oh!} オルキェストラ

録音:2022年6月2日-5日&2023年4月17日-20日(モーツァルト)、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
18世紀ポーランド生まれの作曲家、アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキとフェリクス・ヤニェヴィチのヴァイオリン協奏曲に同時代の作曲家モーツァルトの初期の交響曲を組み合わせた本アルバム。アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキはポーランド人の母とフランス移民の父の間に生まれました。作曲家としてでなく、ヴァイオリニストとしても活躍した彼は、17歳でヴィオッティに認められるほどの才能の持ち主で、パガニーニにも影響を与えるほどの演奏家でした。
フェリクス・ヤニェヴィチは、当時のポーランド連邦リトアニアに生まれ、若い時からヴァイオリンの才能を認められポーランド王立礼拝堂でヴァイオリニストを務めていました。その後、ハイドンやモーツァルトに出会うため1785年からウィーンに滞在しその影響を受けることとなりました。その後パリで認められ活躍していましたが、イギリスに渡りその生涯を終えています。
2002年からチューリッヒ音楽大学でザハール・ブロンに師事したシュシャーヌ・シラノシアンは、ザンクト・ガレンSO(スイス)のコンサートマスターに就任しその後ラインハルト・ゲーベルと出会うと、古楽器演奏に熱心に取り組み、レ・シエクルのツアーにソリストとして参加するなど、第一線で活躍しています。

Hyperion
CDA-68345(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.86〜テレフセン:ピアノ協奏曲集
トマス・テレフセン(1823-1874):ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.8、
 ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.15
フリードリヒ・カルクブレンナー:嵐によって中断されポロネーズが後に続く大行進 Op.93
ハワード・シェリー(P&指揮)、
ニュルンベルクSO

録音:2022年12月14日-16日(ニュルンベルク、ドイツ)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第86巻で取り上げられたのは、ノルウェー生まれのピアニストで作曲家の、トマス・テレフセン(1823-1874)のピアノ協奏曲。
10代の終わりからパリに移ったテレフセンは、このシリーズにも度々登場し今作にも長大な演奏会用作品「嵐によって中断されポロネーズが後に続く大行進」が収録されている、フリードリヒ・カルクブレンナーから幾度か学んでいます。また、1844年から1847年にかけては、定期的にショパンに師事し、交友関係を持ちました。ショパンとの関係は、テレフセンの作曲様式にも大きく影響しています。

ES-DUR
ES-2091(1CD)

JES-2091(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

CORE〜トランペット協奏曲集
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲第1番変ホ長調
レオポルト・モーツァルト:トランペット、2本のホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター:トランペット、2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 MWV6.32
ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:トランペット、2本のフルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲第2番ハ長調 MH60
テレマン:トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 TWV51:D7
アンドレ・ショッホ(Tp)、
スザンネ・フォン・グートツァイト(指)、
シュトゥットガルト室内O

録音:2023年2月3日&6月3日、シュトゥットガルト記念教会(ドイツ)
名門ベルリン・フィルが誇る名手、アンドレ・ショッホによるソロ・アルバムがドイツのEs-Durから登場。アンドレ・ショッホは、これまでにマティアス・ヘフス、ラインホルト・フリードリヒ、クラウス・ブレーカー、ガボール・タルケヴィといった世界屈指の名手達のもとで研鑽を積み、ベルリン・ドイツ・オペラ、ハンブルク国立フィルの首席トランペット奏者として活躍後、2017年からはベルリン・フィルに移籍。室内楽奏者としても活躍の場が目覚ましく、金管アンサンブル「10 for Brass」、デュオ・ショッホ/ホーリッケのメンバーとして活動。また、ドイツを代表する世界的金管アンサンブル「ジャーマン・ブラス」にも定期的に参加しています。教育者としては、カラヤン・アカデミーやマンハイム音楽大学において後進の指導にも力を注いでいます。
本アルバムでは、自身が子供の頃からお気に入りと語る18世紀に書かれた5つの協奏曲を集成。タイトル「CORE(核)」には、ショッホが楽器で表現したい音の魂、レパートリーの中心であり、「核」となる作品の意味が込められています。名手達のもとで学んだ豊かな音楽的解釈を、ドイツの名工タイン社製のピッコロトランペットで見事に発揮しています。

DUX
DUX-1788(1CD)
ブコフスキ:作品集
リシャルト・ブコフスキ
(1916-1987):2台ピアノ、パーカッションと弦楽のための協奏曲
トランペット、ジャズ・リズム・セクションとオーケストラのための協奏曲
ピアノ協奏曲第1番
バリトンと13の楽器のための歌曲
キエルツェSO、
ヤツェク・ロガラ(指)、
マリア・マグダレナ・ヤノフスカ=ブコフスカ(P)、トマシュ・ルパ(P)、トマシュ・ヴォジニャク(Tp)、アダム・クルシェフスキ(Br)

録音:2022年6月20日-24日&8月24日-26日、キエルツェSOコンサート・ホール(ポーランド)
20世紀のポーランドの作曲家リシャルト・ブコフスキは、オーケストラ作品をはじめ、室内楽曲や合唱曲、さらには舞台音楽など、さまざまな楽曲を作曲しました。このアルバムには協奏曲を中心に収録されており、冒頭の「2台ピアノ、パーカッションと弦楽のための協奏曲」ではブコフスキの未亡人であるマリア・マグダレナ・ヤノフスカ=ブコフスカがピアニストのひとりとして参加しています。

CAvi music
85-53539(1CD)
ベルリン1923〜ベートーヴェン&シュルホフ:ピアノ協奏曲集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
シュルホフ(1849-1942):ピアノ協奏曲 Op.43 「ジャズ風に」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15より第1楽章(カデンツァ:シュルホフ)
ヘルベルト・シュフ(P)、
ケルンWDRSO、
トンチエ・ツァン(指)

録音:2021年12月21日-23日、ケルン・フィルハーモニー(ドイツ)
1894年生まれのチェコの作曲家でピアニストのエルヴィン・シュルホフは第一次世界大戦の後、ジャズとの出会い、ヨーロッパの作曲家で最初にジャズを取り入れた作曲家のひとりとなりました。ピアノ曲を中心に、ジャズの影響を受けた作品を数多く残しており、このアルバムに収録されたピアノ協奏曲もそのひとつです。
シュルホフは1923年にベルリンで「ピアノ協奏曲 Op.43「ジャズ風に」」を作曲しましたが、同じく1923年に練り上げたのが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番〜第4番までの4つのカデンツァでした。その中から今回は第1番に焦点を当て、収録されています。
1979年にルーマニアで生まれたピアニストのヘルベルト・シュフは、1988年にドイツへ移り、モーツァルテウム音楽大学で学びました。2005年にはウィーン・ベートーヴェン国際ピアノ・コンクールで優勝しています。斬新で強いこだわりのあるプログラムでのCD録音は、常に注目の的となっています。

ALTO
ALC-1493(1CD)
サクソフォン協奏曲&四重奏曲集
グラズノフ:アルト・サクソフォン協奏曲 Op.109
ヴィラ=ロボス:ソプラノ・サクソフォン、3本のホルンと弦楽のためのファンタジア
マルタン:テナー・サクソフォンとオーケストラのためのバラード
ジャン・リヴィエ:アルト・サクソフォンとトランペット協奏曲
グラズノフ:Canzona Variee(四重奏曲 変ロ長調 Op.109より)
フランセ
:小四重奏曲
ニコラウス・ショイブレ:デューク・エリントン・メドレー
デトレフ・ベンスマン(Sax)、
デイヴィッド・シャローン(指)、
ベルリンRIASシンフォニエッタ、
ベルリン・サクソフォン四重奏団

録音:1984年、1991年
ベルリン・サクソフォン四重奏団のメンバーでもあるデトレフ・ベンスマンのサクソフォン協奏曲&四重奏曲集。ソプラノやアルトなど作品に合わせて持ち替えを行いながら見事なソロと、四重奏曲では息の合った演奏を繰り広げており、グラズノフを中心として様々な作曲家の作品を収録しています。

Harp&Company
CD-505051(1CD)
オン・ザ・ルーフ〜ハープとバスーンのための作品集
アンナ・シーガル:ユダヤ協奏曲/憧れ/バスーンとハープのための聖書のモザイク/フォークソングT.キャラバン/フォークソングU.恩赦-祈り/イエメンの愛の歌
ラシェル・タリトマン(Hp)、
マヴロウデス・トロウロス(Fg)
ドロン・サロモン(指)、
イスラエル弦楽アンサンブル
イスラエル、テルアビブ出身の世界的ハーピスト、ラシェル・タリトマンが設立した「ハープ音楽に特化」した世界でも珍しい自主レーベル、「ハープ・アンド・カンパニー(Harp & Company)」からリリースされる新録音は、イスラエルの作曲家、アンナ・シーガルによるハープとバスーンのための作品集。
ウクライナ出身のイスラエルの女流作曲家、アンナ・シーガルは、ウクライナのキエフ音楽院、イスラエルのエルサレム音楽アカデミーで作曲を学び、その作品はリオール・シャンバダール&ベルリンSOをはじめとする世界各地のオーケストラやソリストによって取り上げられています。本アルバムでは、東洋と西洋の色彩を混ぜ合わせ、9つの楽章からなる組曲の形式で書かれたソロ・ハープのための作品「大地に捧げる歌」、バスーンとハープのための「ユダヤの歌」、ハープ、バスーンと弦楽のための「ユダヤ協奏曲」の世界初録音作品で構成され、ユダヤ協奏曲では、現代的な拡張奏法を用いて、バスーンによるグリッサンドやトレモロ、ハープにはパーカッションのような効果など、東洋的な色彩を聴き手に感じさせます。各楽章名は、アレグロやアンダンテといったクラシック音楽の用語にちなんだものではなく、作曲家がインスピレーションを受けた歌、神話、物語、絵画、祈り、踊りなどにちなんで付けられています。

Spectrum Sound
CDSMBA-145(1CD)
ヘンリク・シェリング・ライヴ・イン・パリ(バッハ、モーツァルト、ポンセ)
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043*
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216(カデンツァ:サム・フランコ)
ポンセ:ヴァイオリン協奏曲#
ヘンリク・シェリング(Vn)
エルメロ・ノヴェロ(Vn2)*
ヘンリク・シェリング(Vn&指)、
フランス公共放送室内O
フランス国営放送PO#、
カルロス・チャベス(指)#

ライヴ録音:1971年12月24日メゾン・ド・ラジオ・フランス、104スタジオ内大ホール(パリ)【ステレオ】
1960年10月4日シャンゼリゼ劇場(パリ)【ステレオ】#
スペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。フランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規初出CD化、期待の新譜は、シェリングがパリで演奏 したバッハ&モーツァルト(1971年録音)、ポンセ(1960年録音)の協奏曲です!ポーランドに生まれ、1946年にメキシコ市民権を取得し以後世界的に活躍し た正統派ヴァイオリニト、ヘンリク・シェリング(1918-1988)。
バッハのドッペル・コンチェルトはPhilipsレーベルで1965年、1976年に2度セッション収録していますが、当演奏はちょうど中間にあたる1971年12月 のライヴ。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番とともにシェリング弾き振りでの演奏です。
ドッペル・コンチェルトの共演は20世紀メキシコを代表するヴァイオリニスト、指揮者のエルメロ・ノヴェロ(1930-1983)です。幼いころに父を亡くすも ヴァイオリンの才能を見出したノヴェロの母が、子供たちとともにメキシコ・シティに移り住んだ苦労人。奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院で学び、 ルイス・パーシンガー(1887-1966)、イヴァン・ガラミアン(1903-1981)ら、高名なヴァイオリン教育者たちに師事。また指揮をセルジュ・チェリビダッケ (1912-1996)、レオン・バルザン(1900-1999)に師事しています。自由に歌うノヴェロのヴァイオリン。時にテンポを揺らしながらシェリングとのバッハを 楽しみながら奏でています。
モーツァルトの第3番は1969年にPhilipsレーベルにセッション収録しておりますが、その2年後の演奏が当ライヴです。69年同様サム・フランコ作のカデン ツァを演奏。正確無比にして気品があるモーツァルトは流石!シェリングといえます。
そして、シェリングに献呈されたマヌエル・ポンセのヴァイオリン協奏曲。Philips、Mercury、DGには録音はしなかったものの生涯演奏してきたシェリングの 愛奏曲にしてポンセの代表作。ポンセはイタリア、ドイツに遊学、フランスではポール・デュカスに師事し、近代フランス音楽の影響を受けながら 独自のスタイルを確立しました。シマノフスキを思わせる、E線の高音域と重音を多用したヴァイオリン独奏と、色彩豊かなオーケストラとの掛け合いが実に魅力的。 メキシコの名指揮者カルロス・チャベスの好サポートを得て堂々たる演奏を聴かせてくれます。ライヴ演奏こそシェリングの凄みが伝わってくる熱演です! ※日本語帯・解説は付きません。 (Ki
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。)

IDIS
IDIS-6751(1CD)
カラヤン・スペクタキュラーVol.12
(1)
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
(1)トリノRAI響
 ライヴ録音:1953年4月10日
(2)ルツェルン祝祭O
 ライヴ録音:1955年8月27日
50年代から70年代にかけてのライヴ録音をリリースしているIDISの「カラヤン・スペクタキュラー」シリーズ。今回のベートーヴェンの第2はたいへん珍しい 貴重音源。シュナイダーハンとの協奏曲も名演。 (Ki)

Solo Musica
SM-441(2CD)
NX-C07
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番/第2番
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
6つの小品 Op. 118
アンドレア・カウテン(P)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
ティモ・ハンドシュー(指)

録音:2022年12月12-14日、2023年6月22-25日
ハンガリーに生まれ、スイスのバーゼルで学んだピアニスト、アンドレア・カウテン。「ブラームスの2つのピアノ協奏曲を録音することは長年の夢でした」と語る彼 女がその夢をかなえたアルバムです。彼女は、すでに第1番を2017年に地元のハンガリーで録音していますが、今作では2曲ともドイツで演奏。共感溢れる 素晴らしい演奏を聴かせます。またアルバムにはブラームス晩年の小品も収録。
Solo Musica
SM-428(1CD)
NX-B03
タイムトラベル〜シッダールタ、マルコ・ポーロからバッハ&バードまで
シルクロード - マルコ・ポーロ、東方へ - 笙と管弦楽のための協奏曲
シッダールタ- サクソフォンと管弦楽のための協奏曲
鐘-A Tribute to William Byrd
ウィリアム・バード へのトリビュート- 管弦楽のために
ブランデンブルガー・リミックスド(J.S. バッハのブランデンブルク協奏曲第2番作曲300年 バッハへのオマージュ)- トランペット、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、弦楽とチェンバロのために
ボーデン湖にて- 管弦楽のために
ウー・ウェイ(笙)
クリストフ・エンツェル(Sax)
ラインホルト・フリードリヒ(ピッコロ・トランペット)
コンスタンス・サニエ(Fl)
ミヒャエル・キュッテンバウム(Ob)
谷野響子(Vn)
クリスティアン・ナーゲル(Cemb)
南西ドイツPO
ガブリエル・ヴェンツァーゴ(指)

録音:2023年3月9-15日、6月26-27日
1950年生まれのエンヨット・シュナイダーは、オペラや交響曲をはじめとした多くの作品を世に送るとともに、なんと 600本以上もの映画のための音楽も作っているドイツの作曲家です。 このアルバムには、700年ほど前にこの世を去ったマルコ・ポーロの『東方見聞録』に思いを馳せた"笙のための協奏 曲"をはじめ、2023年に没後400年を迎えたウィリアム・バードへのトリビュート作品や、バッハの「ブランデンブ ルク協奏曲」完成300年の記念作品、2022年に出版100周年を迎えたヘッセの『シッダールタ』に基づく作品な ど、過去の時代を振り返る作品が並べられています。 長い歴史を持つ南西ドイツ・フィルが作品を演奏。ブランデンブルガー・リミックスドでは、トランペットの名手ラインホ ルト・フリードリヒや、オーケストラの首席ヴァイオリニストを務める谷野響子らがソリストを務めています。シュナイダー の素晴らしいオーケストレーションによる色彩豊かな音楽を楽しむことができる1枚です。

Linn
CKD-732(2CD)
NX-D09
ブラームス:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.8*
シモン・トルプチェスキ(P)
ケルンWDRSO
クリスティアン・マチェラル(指)

録音:2023年2月13-15、2023年3月7、8、10、11日(ライヴ)*  ケルン・フィルハーモニー、ドイツ
1979年マケドニア生まれのピアニスト、トルプチェスキのLINN第4弾は、ブラームスの大作協奏曲を全2 曲収録した意欲作です。彼持ち前の力強さを兼ね揃えた高いテクニックがいかんなく発揮され、作曲家 の若き日に書かれた第1番での深く情熱的なアプローチや、充実期に書かれた第2番でのリリカルな歌 心とダイナミックな表現が見事。マチェラルもWDR響を雄大に鳴らし、巨大な協奏曲の中でソリストを しっかりと支えています。

ALPHA
ALPHA-1001(1CD)
モーツァルト:協奏曲集
ピアノ協奏曲 第19番ヘ長調 K.459(カデンツァ…モーツァルト)
ホルン協奏曲 第1番ニ長調 K.412/514(386b)*
フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315(カデンツァ…ディレン・ドゥラン)
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299(カデンツァ…ハインツ・ホリガー)
アーロン・ピルザン(P/ベーゼンドルファー)
ニコラ・ラメズ(Hrn)
ディレン・ドゥラン(Fl)
エリーザベト・プランク(Hp)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指)
トマス・ツェートマイヤー(指)*

録音:2021年3月、12月、2022年9月、2023年3月  オーストリア放送スタジオ6/大ホール、ウィーン
無名の若き名手から中堅まで幅広いソリストの登場が話題を呼んでいる<次世代ソリストたちによるモーツァルト>の第7弾。今回は ALPHAからリリースした2タイトルのソロ・アルバムが既に高い評価を得ているアーロン・ピルザンが登場。リリカルでよく澄んだピアノを聴かせま す。フランスの若きホルン奏者ニコラ・ラメズはストラスブール・フィルの首席を2021年から務めるほか、アンサンブルやソリストとして国内外で活 躍して高く評価されており、ここでも安定感抜群のテクニックと伸びやかな音色で素晴らしい演奏を聴かせます。ドイツのフルート奏者ディレ ン・ドゥランは、Gramolaなどで既にソロ・アルバムをリリースして活躍しているハープ奏者エリーザベト・プランクと共に、溌溂とした演奏で楽し ませてくれます。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-138(1CD)
ヴィヴァルディ:『四季』、 オーボエ協奏曲
協奏曲集『四季』〜『和声と創意への試み』Op.8より
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調「春」Op.8-1/RV 269
ヴァイオリン協奏曲 ト短調「夏」Op.8-2/RV 315
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調「秋」Op.8-3/RV 293
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調「冬」Op.8-1/RV 297
オーボエ協奏曲 ハ長調 RV450
ヴェルサイユ王室歌劇場O(古楽器使用)
ステファン・プレヴニャク(Vn、指)
ミハエラ・フラバーンコヴァー(Ob)

録音:2023年7月14-16日 ヴェルサイユ宮殿王室歌劇場
ずば抜けたヴァイオリン演奏能力と作曲センスを誇り、聖職者でありながら礼拝よりも音楽活動で国際的に注目を集め「赤毛の司祭」の綽 名とともに音楽史の1ページを飾ったヴェネツィアの作曲家ヴィヴァルディ。生前からその人気はパリにも及んでおり、20世紀に彼の名が再び 有名になるきっかけとなった傑作曲集『四季』は特に大きな関心を集めたばかりか、「春」に至っては作曲者の歿後何十年も公に演奏され 続けたほどでした。そうしたヴィヴァルディ受容を語る上で見過ごせないフランスの古楽シーン最前線を代表する拠点のひとつヴェルサイユ宮殿 から古楽器オーケストラによる『四季』最新録音が登場。近年オペラ上演でも活況をみせている王室歌劇場を舞台に、知られざる18世紀 以前のオペラの指揮でも実績をあげつつヴィヴァルディの「パリ協奏曲集」(CVS065)やハイドンの「朝・昼・晩」(CVS094)など器楽録音で も注目を集めているステファン・プレヴニャクを中心に、フランス、ポーランド、チェコなど欧州各地から俊才が集うヴェルサイユ王室歌劇場管弦 楽団が、傑作の内から湧き上がる興奮を絶妙の一体感の中で鮮やかにドライヴしてゆく精緻な解釈がたまりません。劇音楽の指揮経験が 如実にあらわれるプレヴニャクの芸達者ぶりと妙技にも目を見張るばかり。ヨーロッパ最前線の古楽器演奏の面白さを隅々まで堪能できる 『四季』に加え、浮き立つ愉悦と躍動感に貫かれたオーボエ協奏曲ではチェコの俊才ミハエラ・フラバーンコヴァーがバロック楽器の美音とニュア ンスの豊かさを存分に楽しませてくれます。

Orchid Classics
ORC-100261(1CD)
NX-B03
上岡敏之のR・シュトラウス
オーボエ協奏曲 Trv292
ホルン協奏曲第1番 Op.11
組曲『町人貴族』
アンドレアス・フォスダル(Ob)
ヤコブ・カイディング(Hrn)
コペンハーゲンPO
上岡敏之(指)

録音:2019年2月18-21日、2021年3月23-27日
上岡敏之が2016年から首席指揮者を務めるコペンハーゲン・フィルとの初CDが登場。洒落た選曲と演奏者の劇場的センスも活きた、粋で魅力的なアル バムです。 ドイツ各地の劇場とオーケストラのポストを歴任してきた上岡にとってR・シュトラウスは自家薬籠中のレパートリーの一つ。ここに収録されているのは、 楽団の首席奏者をソリストに立てた協奏曲を2篇と、各パートにソリスティックな見せ場が多く、室内楽的なアンサンブル能力を要する組曲『町人貴族』とい う、楽団の規模に合わせ、その能力を活かした巧みな選曲です。 コペンハーゲン・フィルはコペンハーゲンの名所チボリ公園のホールで演奏するために、作曲家ハンス・クリスチャン・ロンビが主導して1843年に創設された楽 団を起源とし、現在は65名の楽団員を擁して年間120回ほどの公演を行っています。管弦楽のレパートリーに加え、国立歌劇場や王立劇場の舞台上演 でも定期的に演奏。また夏の間は創設以来の伝統でチボリ公園のホールでの演奏会も行っています(その際は「チボリSO」の別名を使用)。ホルンの カイディングは1993年から、オーボエのフォスダルは2003年から、楽団の首席奏者(ソロ奏者)を務めています。

CD ACCORD
ACD-324(1CD)
NX-C09
ミコワイ・グレツキ(1971-):作品集
序曲 Op.16-弦楽オーケストラのために(2000/2012)
3つの断片 Op.6- 弦楽オーケストラとチェレスタ(任意で)のために(1998)
コンチェルト=ノットゥルノ Op.13- ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために(2000)
Concerto-Notturno, Op.13
アコーディオンと弦楽合奏のための協奏曲 Op. 61(2022)*
ディヴェルティメント Op.32- 弦楽オーケストラのために(2009)
ヤクブ・ヤコヴィツツ(Vn)
マチェイ・フロンツキエヴィチ(アコーディオン)
ワルシャワ・フィルハーモニー室内O
ヤン・レウタク(音楽監督)

録音:2023年4月30日、5月1-2日ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
*=世界初録音
20世紀ポーランドを代表する作曲家ヘンリク・グレツキを父に持つミコワイ・グレツキの作品集。現在アメリカに在住するミコワイは、父の音楽的遺産を継承 しながら、独自の美的感覚に裏打ちされた耳なじみのよい作品を多数発表しています。このアルバムには1998年から2022年までに書かれた5作品を収 録。快活な曲想を持つ「序曲」以外は、どの曲も冒頭にゆったりとしたLento楽章が置かれていますが、これらはどれも、どこか彼の父の名作「悲歌のシンフォ ニー」を彷彿させる美しい曲です。民謡風の旋律とヴァイオリンの妙技が楽しめる「コンチェルト=ノットゥルノ」、90曲近くの作品の初演を行ったマチェイ・フロン ツキエヴィチに捧げられた、郷愁溢れる旋律が印象的な「アコーディオン協奏曲」。そして静かな楽章と激しい楽章の対比が素晴らしい「ディヴェルティメント」 を楽しめます。創立者ヤン・レウタクが芸術監督を務めるワルシャワ・フィルハーモニー室内Oは、注目すべきポーランドの室内楽作品の紹介を積極 的に行っています。

DOREMI
DHR-8213(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第1集

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(2)フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
(4)シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番イ短調 D.784
シューベルト:4つの即興曲 Op.90D.899
ラドゥ・ルプー(P)

(1)エド・デ・ワールト(指)BBC響
 録音:1970年8月25日ロンドン
(2)ストイカ・ミラノヴァ(Vn)
 録音:1972年2月21日セント・ジョンズ、スミス・スクエア
(3)アンドレ・プレヴィン(指)LSO
 録音:1970年9月17日ブカレスト
(4)録音:1969年9月19日リーズ
数々の秘蔵ライヴ音源をCD化しているDOREMIレーベルより、ラドゥ・ルプーのシリーズが始まりました。第1集はエド・デ・ワールトとのブラームス、プレヴィ ンとのベートーヴェンや、オイストラフに師事したブルガリアの女流ヴァイオリニスト・ミラノヴァとのフランクなど驚きの内容。レーベル情報ではすべて初CD化と のこと。 (Ki)

Goodies
78CDR-3921(1CDR)
R・シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調作品11 デニス・ブレイン(Hrn)
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

英 COLUMBIA D.X.1397/8
1947年5月21日録音
デニス・ブレイン(1921-1957)はイギリスのホルン奏者。父親で名ホルン奏者の オーブリー・ブレイン(1893-1955)の指導を受けた。デニス・ブレインは1957年 9月1日、エディンバラからロンドンに戻る途中、自身が運転するスポーツカー (トライアンフ)の事故で命を落とした。享年36。デニス・ブレインはこのシリー ズでモーツァルト:ホルン協奏曲第2番&第4番(78CDR-3291)、モーツァルト ホル ン、ヴァイオリン、2つのヴォラとチェロのための五重奏曲(78CDR-3386)、チャ イコフスキー交響曲第5番(第2楽章のホルン・ソロ)(78CDR-3158)が出ています。 指揮者のアルチェオ・ガリエラ(1910-1996)はイタリア、ミラノ生まれ。ミラノ 音楽院出身。1941年に指揮者デビュー。第二次世界大戦勃発でスイスに亡命。 1945年にルツェルン音楽祭に出演後、演奏活動を再開した。シャルル・デュト ワの師。(グッディーズ)

H.M.F
HMM-902333(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第6番変ロ長調 KV238〔カデンツァ:モーツァルト/アインガング:ベザイデンホウト〕
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 KV503〔カデンツァ:ベザイデンホウト〕*
クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ/2008年ポール・マクナルティ、1805年製ワルター&ゾーン・モデル)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2021年5月、2022年3月 *
アンサンブルハウス・フライブルク
ベザイデンホウトとFBOによるモーツァルトの協奏曲集、第4弾の登場です!若き日の協奏曲第6番(1776年)と、大作協奏曲第25番(1786年) という組み合わせ。
第25番の終楽章は、「イドメネオ」の主題が引用されておりますが、楽章全体がさながらオペラの序曲のようなワクワク感に満ちてい演奏されています。鮮 やかで大満足の終結を迎えると同時に、さらにそこから新たな世界が始まりそうで、ディスクが終わってしまって肩透かしを食ったような気分にさえなってしまう ほどに心が愉悦で膨らみます。何度も聴いたことがあるはずの作品がすべて「今、その場で」生まれたように聴こえてきます。ベザイデンホウトは自身、ソロと は違って、オーケストラとの共演は「パーティーのように楽しい」と話していましたが、まさにベザイデンホウトもオケも瞬間瞬間を楽しんでいることが感じられ ます。そして、重力を全く感じさせないように自在に翔けるベザイデンホウトのパッセージは至上の美しさ。モーツァルトの再来、と称されるベザイデンホウトの 神髄を見るようです。 (Ki)


Melodiya x Obsession
SMELCD-1000740(1CD)
完全限定生産
ダヴィド・オイストラフ・エディション Vol.1
チャイコフスキー
:ヴィオリン協奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 *、
 2つのユモレスク Op.87*
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮、
モスクワPO、モスクワRSO*

録音:1968年(チャイコフスキー)、1965年(シベリウス) ステレオ
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ほどダヴィド・オイストラフが頻繁に弾いた協奏曲はないでしょう。そう思われるほどこの作品は彼の節目に必ず弾かれていた作品で、どれだけ大切にされていたレパートリーなのかといううことがよくわかります。オイストラフが17歳でソリスト・デビューする際もこの作品を弾きました。また国際的に認められるきっかけとなったウジェーヌ・イザイ・コンクール(現在のエリザベート王妃国際音楽コンクール)の第1位を受賞した際もこの作品が重要な役割を果たしました。この「ダヴィド・オイストラフ・エディション Vol.1」に収められている演奏は、オイストラフが60歳を迎えた時のものでまさに油が乗り切った時の演奏と言ってもよいでしょう。技術面と表現力のバランスが非常に取れた演奏であり、若き日のゲンナジー・ロジェストヴェンスキーのサポートも絶妙です。
1965年にモスクワ放送交響楽団をオーケストラに迎えたシベリウスではスケールの大きな演奏を繰り広げています。

※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Gutman Records
GUTMANCD-172(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 KV415
ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 KV449
ピアノ協奏曲第23番イ長調 KV488
トーマス・ベイエル(P)、カメラータRCO

ライヴ録音:2017年5月31日(アムステルダム、オランダ)
1988年生まれのオランダのピアニスト、トーマス・ベイエルは2019年からヤング・ピアニスト・ファウンデーションの芸術監督を務め、2022年にオランダの教育・文化・科学省からクラシック音楽家に与えられる最高の国家賞「オランダ音楽賞(Nederlandse Muziekprijs)」を受賞しました。今回のモーツァルトのピアノ協奏曲集では、ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで構成されるカメラータRCOと共演です。カメラータRCOは編成をぎりぎりまで絞ったヴァイオリン2人、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネットの総勢7人で臨んでおり、上質な室内楽のような仕上がりになっています。
Gutman Records
GUTMANCD-162(1CD)
二つの月
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 Op.3-8
ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための4つの小品
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
モシュコフスキ:2つのヴァイオリンとピアノのための組曲 ト短調 Op.71
アナベス・ウェブ(Vn)、
ジョアンナ・ウェスターズ(Vn)、
カメラータRCO、他

録音:2015年2月22日-25日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで組織された室内楽団、カメラータRCOと、そのメンバーであるアナベス・ウェブ、ジョアンナ・ウェスターズの二人をソリストに迎えた2つのヴァイオリンのための作品集。長年培われた息の合った演奏を披露しており、カメラータRCOのメンバーにはヴィオラの小熊佐絵子も参加しています。

Forgotten Records
fr-1895(1CDR)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1#
アレクシ・ギャルペリーヌ(Vn)
マニュエル・ロザンタール(指)
パリ国立高等音楽・舞踊学校O*
ジゼル・マニャン(P)#

録音:1970年12月13日* 、1978年4月14日、サル・ロッシーニ#
※初出
Forgotten Records
fr-1905(1CDR)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
フランク:交響的変奏曲
サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」+
ベラ・シキ(P)、ゲザ・アンダ(P)+
ユージン・グーセンス(指)プロ・アルテO
イーゴリ・マルケヴィチ(指)フィルハーモニアO+

録音:1959年、1954年1月8日+
※音源:Pye Records CCT31008、Columbia CX1175他
Forgotten Records
fr-1907(1CDR)
ジャン・マルティノン:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.51*
ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.11-1#
ラヴェル:ツィガーヌ
ヘンリク・シェリング(Vn)
タッソ・ヤノプーロ(P)
ジャン・マルティノン(指)フランス放送PO*

録音:1961年9月8日ブザンソン音楽祭、1962年6月1日*(全て放送用ライヴ)
Forgotten Records
fr-1914(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
第1番変ロ長調 K.207/第4番ニ長調 K.218
ヴィリー・ボスコフスキー(Vn,指)
ウィーン・コンツェルトハウス室内O

録音:1955年
※音源:Les Discophiles Français DF85

AAM Records
AAM-43(1CD)

NYCX-10436(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第7番&第10番 他
ピアノ協奏曲 第7番ヘ長調 K.242-2台のピアノと管弦楽のための*
ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章 ニ長調 K. Anh56(315f)- 補筆完成:ロバート・レヴィン**
ピアノ協奏曲 第10番変ホ長調 K.365-2台のピアノと管弦楽のための#
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)*,#
ボヤン・チチッチ(Vn)**
ローレンス・カミングズ(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
ボヤン・チチッチ(リーダー)

録音:2022年7月5-10日
ロンドン、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会

使用楽器:フォルテピアノ:アウグスブルクのアントン・シュタイン1786年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2016年製作及び2021年製作。
ヴァイオリン:ミラノのジョヴァンニ・グランチーノ1703年製作のオリジナル楽器。
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて突如再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第3集は複数楽器のための 協奏曲がテーマで、2台ピアノのための協奏曲2篇に加え、レヴィンが補筆完成した協奏曲楽章を収録しています(K.242は3台ピアノ用の協奏曲をモー ツァルトが2台ピアノ用に編曲したもの)。2台ピアノのための協奏曲ではロバート・レヴィンとヤ=フェイ・チュアンの夫妻が息の合ったダイナミックな演奏を聴かせます。チュアンはブレンデルが高く評価し ており、レヴィンとのデュオでは古典派から現代に至るレパートリーをピリオド楽器とモダン楽器で演奏、録音でもグリーグ、デュティユー、それにレーガーによる ワーグナー作品の編曲などがあります。ここではモーツァルト=レヴィンのスタイルによる音の会話を楽しませてくれます。 ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章は1778年のマンハイム滞在中に協奏曲の第1楽章として構想されたとされるもの。かつてモーツァルト研究 の大家アルフレート・アインシュタインは「これが未完に終わったことはモーツァルトの芸術にとって最大の損失」と語ったそうです。120小節が遺されています が、ファンファーレ風の最初のトゥッティこそ完全にオーケストレーションがなされているものの、ソロ楽器(モーツァルトの自筆譜では「チェンバロとヴァイオリン」。 チェンバロは当時、鍵盤楽器全般の呼称でもありました)の登場後のオーケストラは、第1ヴァイオリンと低音パートしか書かれていません。レヴィンはここでも、 モーツァルトの語法に則った、明るく躍動感のある楽章に仕上げています。 このシリーズは録音も魅力的。デッカ・サウンドの継承者ニール・ハッチンソン(グラミー賞4回受賞)と、歌手でプロ・カンツィオーネ・アンティカの音楽監督も務 めたエイドリアン・ピーコックのコンビは、4/3/2/2/1の弦と管楽器とのアンサンブルが生み出す透明度の高いテクスチャーと、この編成ならではの繊細さとダイ ナミズムを見事にとらえています。 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、録音プロデュー サーの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が使われて います。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。

ARCANA
A-555(3CD)
NX-E02
バッハ:作品集
【CD1】
ブランデンブルク協奏曲 第1番ヘ長調 BWV 1046
ブランデンブルク協奏曲 第2番ヘ長調 BWV 1047
ブランデンブルク協奏曲 第3番ト長調 BWV 1048
ブランデンブルク協奏曲 第4番ト長調 BWV1049
【CD2】
ブランデンブルク協奏曲 第5番ニ長調 BWV 1050
ブランデンブルク協奏曲 第6番変ロ長調 BWV1051
序曲(管弦楽組曲)第2番ロ短調 BWV1067
ピッチ:A=398Hz
【CD3】
序曲 ハ長調 BWV119R
序曲(管弦楽組曲)第1番ハ長調 BWV1066
序曲(管弦楽組曲)第3番ニ長調 BWV1068
序曲 変ロ長調 BWV194R
序曲(管弦楽組曲)第4番ニ長調 BWV1069
ピッチ:A=415Hz
ゼフィーロ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)
アルフレード・ベルナルディーニ(指)
「独奏」
ガブリエーレ・カッソーネ(Tp)
ディレーノ・バルディン、フランチェスコ・メウッチ(Hrn)
ドロテー・オーバーリンガー、ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)
マルチェロ・ガッティ(フラウト・トラヴェルソ)
アルフレード・ベルナルディーニ、パオロ・グラッツィ、
エミリアーノ・ルドルフィ(Ob)
アルベルト・グラッツィ(Fg)
チェチーリア・ベルナルディーニ(ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴァイオリン)
フランチェスコ・コルティ(Cemb)

録音:2017年9月27日-10月5日リストーリ歌劇場、ヴェローナ[CD 1-2]
2015年11月6-9日 マーラー・ホール(エウレジオ文化センター)、ドッビアーコ[CD 3]
1989年、古楽器演奏の先進国オランダや英国で研鑽を積んだ気鋭イタリア人奏者たちが故郷で結成した古楽器アンサンブルのゼフィーロ は、徐々にさまざまな名手と信頼関係を重ね、やがてゼフィーロ・バロック・オーケストラ名義で大規模な作品の演奏にも乗り出し、丁寧な作 品解釈と地中海的パッションを宿した演奏の瑞々しさで世界中から喝采を浴びてきました。21世紀に同国のレーベルとして再出発した ARCANAでも広範なレパートリーの録音を続け、バロック秘曲群のみならず王道レパートリーでも群を抜く解釈で話題を呼んでいます。今 回は2017〜18年に相次いでリリースされ、古楽器の味わいを活かしながら安定感を失わず鮮烈な演奏に仕上げたことで注目されたバッハ の傑作管弦楽作品群が待望のBOX化!フランス宮廷音楽の流儀を意識した低いピッチが独特の味わいをもたらす『ブランデンブルク協奏 曲集』、ゼフィーロならではの緊密なアンサンブルを活かしつつもダイナミックな音響対比が痛快な管弦楽組曲群や教会カンタータから復元さ れた序曲楽章、いずれも作品像をみずみずしく問い直す名演の連続です。リコーダーのオーバーリンガーやカヴァサンティ、チェンバロのコル ティ、トランペットのカッソーネなど圧巻のテクニックで存在感を発揮するソリストたちにもはっとさせられること必至。古楽器演奏世界の進展と 深まりを強く実感できるバッハ解釈と言ってよいでしょう。

ANALEKTA
AN-29026(1CD)
モーツァルト(1756-1791):ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466(カデンツァ…シャルル・リシャール=アムラン)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488(カデンツァ…モーツァルト)
アダージョとフーガ ハ短調 K.546
シャルル・リシャール=アムラン(P)
レ・ヴィオロン・デュ・ロワ
ジョナサン・コーエン(指)

録音:2022年10月31日-11月2日ラウル・ジョバン・ホール、パレ・モンカルム、ケベック
シャルル・リシャール=アムランとジョナサン・コーエン率いるケベックの室内Oレ・ヴィオロン・デュ・ロ ワとのモーツァルトの協奏曲。2020年にリリースされた第22番、第24番に続く第2弾が登場です。第 20番冒頭の管弦楽から気合十分で、バロック・オペラを得意とするコーエンの面目躍如といったところ。リ シャール=アムランはここにすっと入ったかと思うと、豊かなフレーズ感で音楽をごく自然にリードしていきま す。第20番のカデンツァは自作で、第1楽章では二重フーガ風に始まり劇的な展開を聴かせ、第3楽 章では色彩感豊かに鮮やかな技巧を散りばめ、その多才ぶりを発揮しています。

ONDINE
ODE-1423(1CD)
NX-B07

NYCX-10424(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番 イ短調
ドヴォルザーク:森の静けさ Op. 68No.5
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ターニャ・テツラフ(Vc)
ベルリン・ドイツSO
パーヴォ・ヤルヴィ(指)

録音:2022年12月21-23日
このアルバムはラルス・フォークト(1970-2022)と共演を重ねてきたクリスティアン・テツラフとターニャ・テツラフが、フォークトとの友情を記念すべく企画したも の。フォークトが敬愛していたブラームスと、彼を取り巻く友情をヒントに組まれたプログラムです。 ブラームスの「二重協奏曲」は彼の最後の管弦楽作品であり、ブラームスが"8本の弦のために書いた"というこの曲は、一度は友情が途切れてしまった彼の 親友ヨーゼフ・ヨアヒムとの和解のきっかけを作った作品でもあったことから、ラルスとの不変の友情を記念して今回の録音曲に決定したというもの。テツラフ兄 妹による親密な対話が聴きどころです。2曲目は、そのブラームスが高く評価していたというヴィオッティのヴァイオリン協奏曲。ブラームスはヨアヒムが演奏するこのイ短調協奏曲に心を奪われ、クララ・ シューマンに熱狂的な手紙を書き送り、二重協奏曲の中にも旋律を引用しており、テツラフはやはり友情の証としてこの曲を演奏したといいます。 最後の「森の静けさ」はターニャからの友情の証。ドヴォルザークとブラームスの友情に加え、この曲を「チェロのための最も素晴らしく美しい小さな宝石」と語る ターニャが、自らの悲しみ、喪失感と愛を表現するのにふさわしい曲として選んだということです。ベルリン・ドイツSOを指揮するのは、ラルス・フォークト の親友でもあったパーヴォ・ヤルヴィ。万全の演奏でテツラフ兄妹を支えています。
※国内仕様盤には、フレデリーケ・ヴェスターハウスによるテツラフ兄妹へのインタビューの日本語訳が付属いたします。

GENUIN
GEN-23809(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(室内アンサンブル版)&第2番(室内アンサンブル版)
ベートーヴェン:ピアノと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 WoO6(室内アンサンブル版)
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19(室内アンサンブル版)
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルク(P、(指)編)、
ミュンヘン室内オペラO

録音:2023年4月12日-15日
ハンス・フォン・ビューロー国際ピアノ・コンクール第1位、ウィーン国際ベートーヴェン・ピアノ・コンクール第1位の受賞歴を持つ多才なピアニスト、アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルクによるベートーヴェンのピアノ協奏曲の室内アンサンブル版!C'Avi Musicからリリースした前作(8553529)でもベートーヴェンの交響曲第7番のリスト編曲版を披露するなど並々ならぬベートーヴェンへの想いを表現してきたブレッテンベルク。今作では全作ブレッテンベルク自身の編曲で挑むという力の入れようです。オーケストラの輝きを失うことなく、ベートーヴェンの若き日の作品を透明感のある音楽で表現しています。

Gutman Records
GUTMANCD-152(1CD)
モーツァルト&メンデルスゾーン:協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
メンデルスゾーン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲 ニ短調
ウェイイン・チェン(P)、
マルク・ダニエル・ファン・ビーメン(Vn)、
カメラータRCO

録音:2015年3月16日-18日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
台湾系アメリカ人ピアニスト、ウェイイン・チェンがロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで組織されるアンサンブル、カメラータRCOとの共演でモーツァルトとメンデルスゾーンの作品を披露。メンデルスゾーンではカメラータRCOのリーダーであるマルク・ダニエル・ファン・ビーメンと共演します。彼女の音楽の核心に迫る洞察力の高さは師であるレオン・フライシャーも賛辞を惜しみません。

MDG
MDG-10222942(4CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲、管弦楽組曲、ほか(レーガー編)): ピアノ連弾版)
■CD1(47’54)
ブランデンブルク協奏曲
・第1番ヘ長調 BWV1046
・第2番ヘ長調 BWV1047
・第3番ト長調 BWV1048
■CD2(56’42)
ブランデンブルク協奏曲
・第4番ト長調 BWV1049
・第5番ニ長調 BWV1050
・第6番変ロ長調 BWV1051
■CD3(73’27)
・パッサカリア ハ短調 BWV582
管弦楽組曲
・第1番ハ長調 BWV1066
・第2番ロ短調 BWV1067
■CD4(74’46)
トッカータとフーガ ニ短調BWV565
管弦楽組曲
・第3番ニ長調 BWVB1068
・第4番ニ長調 BWV1069
・前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552
トレンクナー&シュパイデ ル・ピアノ・デュオ【エフェリン デ・トレンクナー(P)、ゾントラウト・シュパイデル(P)】

録音:1995年6月(CD1&2),2000年3月27-29日(CD3&4),Furstliche Reitbahn Bad Arolsen
MDGレーベルの"貴重な"録音を再リリースする「プレツィオーザ」シリーズ。今回はMDGレーベルを代表するアーティストである、ドイツのベテラン・ピアノ・デュ オ、トレンクナー&シュパイデルによるレーガー編曲によるバッハのブランデンブルク協奏曲と管弦楽組曲の全曲が4枚組セットとなって登場します。トレンクナー& シュパイデルは、これまで、『パシフィック231』『シェエラザード』『ボレロ』『ペール・ギュント』などのほか、マーラー編曲によるブルックナーの交響曲第3番、 ワルター編曲のマーラーの『巨人』『復活』といった作品を録音してきた実績があります。中でも『ブランデンブルク協奏曲』と『管弦楽組曲』の演奏で話題とな りました。ピアノ連弾版の編曲を行なったレーガーは、バッハを大変尊敬し、彼の作品を熱心に研究し、ブランデンブルク協奏曲、管弦楽組曲やオルガン 作品などの作品の編曲を行いました。レーガーの編曲は非常に理論的で、バッハの錯綜する声部をあますことなく4手に振り分けられているため、難易度が高く演 奏機会は多くはありませんでした。本作は、多彩な楽器編成からなる各曲をピアノ一台で聴くことができ、レーガーによる名人技の編曲が原曲の旋律や書法の見事 さを際立たせ、見事なピアノ・デュオの演奏とともに楽しむことができます。 (Ki)

SWR music
SWR-19140CD(1CD)
NX-B06
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op. 16
シューベルト:幻想曲「さすらい人」 Op.15D760*
オレグ・マイセンベルク(P)
バーデン=バーデン・フライブルクSWR響
アダム・フィッシャー(指)

録音:2004年5月8日 ウィーン、コンツェルトハウス、大ホール(オーストリア)、1990年3月6日 Sparkassensaal Lorrach(ドイツ)*
オレグ・マイセンベルクは、ソ連時代の1945年にオデッサ(現ウクライナのオデーサ)に生まれ、モスクワのグ ネーシン音楽学校で学びました。1967年ウィーンで開催された国際シューベルト・コンクールで第2位、同 年同地で行われた「20世紀の音楽」コンクールに優勝。ソ連国内で活躍した後、1981年にウィーンに移住 しました。それ以降はソリストのみならず、特に室内楽や歌曲のピアニストとして一流演奏家たちの信頼を得 て活躍しました。そのためか、マイセンベルクにはソロの録音が非常に少なく、 シューベルトの「さすらい人幻 想曲」には1982年のORFEO盤があるものの、グリーグのピアノ協奏曲は正規盤初出レパートリーとなりま す。また21世紀に入ってからの録音も非常に少ないので、この2004年のグリーグはその点でも貴重。ソリス トとしてのマイセンベルクの芸術を伝える重要なリリースです。

CPO
CPO-555467(1CD)
NX-B10
カール・シュターミッツ(1745-1801):協奏交響曲集
協奏交響曲第9番ハ長調
協奏交響曲第12番変ロ長調
協奏交響曲 ニ長調 Op.2-2
ハンス=ペーター・ホフマン(Vn)
ロベルト・コルン(Vn)
クリストフ・エーベルル(Vc)
ポール・メイエ(Cl)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O
ポール・メイエ(指)

録音:2021年2月18-20日
18世紀ドイツ、プファルツ選帝侯カール4世フィリップ・テオドールの宮廷楽団で活躍した作曲家たちによる"マンハ イム楽派"。この中心人物の一人であったカール・シュターミッツ(マンハイム楽派の創始者とされるヨハンの息子)は 多数の交響曲や協奏曲を残しましたが、バロックの合奏協奏曲に倣った「協奏交響曲」も40曲近く残していま す。これらは少なくとも2人のソリストがオーケストラと対峙するのが特徴で、トゥッティ(総奏)とソロのセクションが並 置されているものの、通常の協奏曲よりはトゥッティの部分が大きな割合を占めています。カール・シュターミッツの 作品はたいてい3楽章で構成されており、ヴァイオリンとチェロが独奏を務めるものが多いのですが、中には7つの楽 器をソロとしている曲もあります。これらのほとんどは1770年代にパリで書かれ、印刷されました。前2作のクラリ ネット協奏曲集(555053、555415)に引き続き、ポール・メイエが2019/20シーズンより首席指揮者を務める マンハイム・プファルツ選帝候室内Oとともに他の独奏者を交え伸びやかな演奏を聴かせます。また協奏 曲第9番では第2楽章のヴァイオリン・ソロ・パートを代替え可能とされているクラリネットで演奏。名技を披露して います。

N-crafts Sound
NC-0002(1CD)
税込定価
Sixties Dialogue
E. ボザ(1905-1991):2本のトランペットの為の「DIALOGUE」
W. ペリー(1930-):トランペットとオーケストラの為の協奏曲
J. ホロヴィッツ(1926-2022):コンチェルティーノ・クラシコ
ヒンデミット:トランペットとピアノの為のソナタ Op.137
E. モラレス(1966-):2本のトランペットの為の協奏曲
井川明彦(Tp).
栃本浩規(Tp).
下田望(P)
大倉里美(パーカッション).
小林雅文(パーカッション).
小林奏人(パーカッション).
柳原正人(パーカッション).

録音:2023年5月3-4日 飛騨芸術堂
60歳のオジサンが魂を込めて作ったCDです。指もうまくまわってないし、舌 も追い付いていないかもしれない。音程もどうか ... 。でも、若い人たちに は「お前らも60歳で吹けるかー ?!」って投げかけたいです。(栃本) 同世代には「60歳でCD出したぞ、あいつら」ってね。自分たちには同世代 が沢山いて、いつも彼らからいい刺激をもらっていたから、今度はこちらから も刺激を送りたいです。(井川)

CPO
CPO-555523(1CD)
NX-B10
ヴァイオリンと室内管弦楽の為の作品集
シモン・ラクス(1901-1983):詩曲- ヴァイオリンと室内Oの為の(E. ノヴィツカ編)
 弦楽の為の交響曲
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):3つの小品 - ヴァイオリンと室内Oの為の(E. ノヴィツカ編)
エヴェリナ・ノヴィツカ(1982-):カディッシュ1944- ヴァイオリンと室内Oの為の
エヴェリナ・ノヴィツカ(Vn)
ポーランド放送アマデウス室内O
アニエスカ・ドゥチマル(指)
アンナ・ドゥチマル=ムローズ(指)
録音:2012年2月8日、2013年1月18日
シモン・ラクスはフランスで活動したポーランドの作曲家。地元で学びパリに留学、タンスマンと親交を結びました。 1942年にナチス・ドイツによりアウシュヴィッツに送られるも、奇跡的に生き延びパリに帰還。その後も作曲活動を 続け、1967年頃からは作家に転身しました。一方ヴァインベルクは同じくポーランド出身、ロシアで活動しショスタ コーヴィチと親交を結びました。やはり戦争によって苦難の人生を送ったことで知られています。 このアルバムの演奏者エヴェリナ・ノヴィツカも、自身の大叔母が戦争中に辛い経験をしたことを知り、2人の作曲 家に強い親近感を抱くとともに、自身の芸術活動を2人の作品に捧げたいと思うようになったと語ります。 彼女の「カディッシュ1944」は1944年8月に解体されたウッチ・ゲットーの犠牲者たちに捧げる詩篇曲であり、ラ クスの「詩曲」はノヴィツカによるヴァイオリンと室内管弦楽の為の編曲。イザイの伝統を継承するヴァイオリンの技 巧が際立つ作品です。ヴァインベルクの「3つの小品」は16歳の時の作品で、こちらもノヴィツカが編曲を行ってい ます。

Channel Classics
CCSBOX-7723(3CD)
NX-E02
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲(全4曲)
パガニーニの主題による狂詩曲
前奏曲 嬰へ短調 Op.23-1
前奏曲 嬰ト短調 Op.32-12
前奏曲 ト長調 Op.32-5
前奏曲 変ロ?調 Op.23-2
交響曲 ニ短調 「ユース・シンフォニー」
アンナ・フェドロヴァ(P)
ザンクト・ガレンSO
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2019年11月、2021年11月、2022年11月トーンハレ・シアター、ザンクト・ガレン、スイス
ウクライナのキーウ出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍し数度の来日 公演でも素晴らしい演奏を聴かせているアンナ・フェドロヴァ。彼女が完成させたラフマニノフのピアノ協奏曲全集がBOXで登場します。フェド ロヴァのラフマニノフといえば、YouTubeにアップされている2013年9月アムステルダム・コンセルトヘボウでの協奏曲第2番のライヴ映像が、 10年間で4000万回近く再生されているというから驚きです。今回の一連の録音では比較的ゆったりとしたテンポを取っており、表情をダイナ ミックに付けていくピアノと大きくうねるようなオーケストラとの絡みが、作品の持つ叙情性と力強さを十二分に引き出しています。2023年現 在、ロシアの侵攻による母国の現状に深く心を痛めるフェドロヴァは「今は多くの人がロシア音楽の演奏を控えようとしていますが、ラフマニノフ を演奏することは私にとって重要なのです。それはその音楽が美しさと力強さ、感動に満ちたものであるとともに、彼自身がロシアという国家に 圧力を受けた被害者であったからです」と語ります。セット化にあたり組替えが行われており、第1番からパガニーニ狂詩曲までが作曲順に収 められているのも嬉しいところ。組み合わせて収録されていた前奏曲と「ユース・シンフォニー」も収録されておりますが、第3番と一緒に収録さ れていたシルヴェストロフの「使者」は、今回収録されておりません。

Willowhayne Records
WHR-068(1CD)
ホルン協奏曲集
アーノルド:ホルン協奏曲第2番Op.58
クリストフ・シェーンベルガー(1961-):ホルン協奏曲 ヘ長調 …世界初録音
ルース・ギップス(1921-1999):ホルン協奏曲 Op.58
ベン・ゴルトシャイダー(Hrn)
フィルハーモニアO
リー・レイノルズ(指)

録音:2021年3-5月 ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン
ブーレーズ・アンサンブルのメンバーで、ウエスト=イースタン・ディヴァンOの首席ホルン 奏者、ベン・ゴルトシャイダーによるWillowhayneレーベルからの2枚目のアルバム。1921年に生まれた 2人の作曲家、当時の前衛的実験的な音楽の流れに背を向けて旋律的な作品を書き続けたアーノル ドとギップス、そして同様の流れを汲む新古典派的作風のシェーンベルガーによる協奏曲を収録していま す。高く安定した技術と滑らかによく歌う表現力が素晴らしく、それぞれの作品の魅力を十二分に引き 出しています。

Glossa
GCD-924702(1CD)
ヒンメルスブルク〜バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
ヴァイオリン協奏曲ニ短調 BWV.1052R〔復元版〕
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
ヴァイオリン協奏曲ト短調 BWV.1056R〔復元版〕
リナ・トゥール・ボネ(バロック・Vn、指)
ムジカ・アルケミカ

録音:2022年11月15日-17日、ヴィラセカ音楽院(スペイン)
同世代でもっともエキサイティングなヴァイオリニストの一人と評されるスペインのバロック・ヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネと、彼女が結成したバロック・アンサンブル「ムジカ・アルケミカ」! スペインの古楽レーベルGlossaからリリースされる第2弾は、大バッハが残したヴァイオリン協奏曲集。
ビーバーの大作「ロザリオのソナタ集」の全曲録音でも批評家や聴衆から高い評価を得、2018年の来日公演を含むヨーロッパ各地でも全曲演奏を行ってきたスペシャリストであるリナ・トゥール・ボネ。本アルバムでは、バッハが残した協奏曲のうち、ヴィヴァルディから影響を受けたとされるオリジナルの2つの協奏曲(BWV1041、1042)と、チェンバロ協奏曲としても知られる2曲をカップリングしています。古楽から現代まで400年にわたる幅広いレパートリーを誇り、常に各時代の適切な楽器を使用して演奏に臨むボネが挑む、大バッハが残した偉大なるヴァイオリン芸術に注目ください。

Challenge Classics
CC-72945(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 第1集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
モーツァルト(ラツィック編):「ロンド・コンチェルタンテ」-アレグレット・グラツィオーソ(P・ソナタ第13番 変ロ長調 K.333/315c 第3楽章からの編曲/世界初録音)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
デヤン・ラツィック(P)
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(指)
ベルゲンPO

録音:2022年2月14-17日/ノルウェー、ベルゲン、グリーグホール
ピアニスト・作曲家として活躍する才気あふれる音楽家、ラツィックによるモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ第1弾。シリーズ全3枚で6曲の協奏曲を収 録予定です。異なる創作時期・編成・スタイルを並置させることでモーツァルトのゆたかな秘儀をあらわにし、またカデンツァやアインガングをラツィック作で統 一することで各曲を密接に結び付けていく、というコンセプトが掲げられています。
ラツィックは現代ピアノで演奏するにあたって、発音・フレージング・アーティキュレーションなどあらゆる事象を注意深く検討・調整し、オーケストラとのバ ランスも徹底的に吟味しました。和声進行のグラデーションに即したテンポ変化、軽やかにして理路整然とした物言い、知的な奔放さといった頭脳派ならではの 見事な解釈が結晶化しています。フリエンドのバックも機敏な反応を見せ、ピアノと共に動きのある音楽を作っていくさまが大いに刺激的。こまかい作り込みな がら響きは小型にならず、たっぷりとモーツァルトの音楽を鳴らしているのも好印象。23番アダージョの深淵とフィナーレの嬉々とした輝きは当ディスクのハイ ライトと言えます。
ソナタ(K.333/315c)からのラツィック編曲版は「独奏ピアノ、オーボエ2、ホルン2、ファゴット、弦五部」という完全な協奏曲編成。もともとこのロ ンドはモーツァルト自身がカデンツァを書き込んでいる珍しい楽章で協奏曲に親和性があるため、面白い試みです。ここからさらにラツィックが手を加えた「ピア ノ四重奏版」は既に録音があるものの、この管弦楽伴奏版は初録音。カデンツァはモーツァルトの書いた通りに弾かれますがピアノ・パート全体は原曲そのまま ではなく、オーケストラにも旋律が託されます。ハ短調で提示されるテーマにはオーボエがあてがわれたりと管楽器の用法もじつに多彩で本当のモーツァルトの 協奏曲のよう。ラツィックの高い作曲センスにうたれます。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72972(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番『皇帝』 Op.73
※カデンツァ:すべてベートーヴェン作
ハンネス・ミンナール(P)
ヤン・ヴィレム・デ ・フリエンド(指)
ネザーランドSO

録音:[CD1]2015年2月2-4日、[CD2]2016年9月23・27日、[CD3]2014年5月26-28日/オランダ、エンスヘデ、音楽センター
CHALLENGE CLASSICSのベストセラー、ミンナールとフリエンドのベートーヴェンがお求めやすい価格で再発売。当レーベルから多数の録音を発表してい るピアニスト、ミンナールのあざやかな快演が堪能できるセットです。神経の行き届いたタッチと落ち着き払ったテンポ感、そして明るく澄みきった音色が実に好印 象。フリエンドのバックも申し分なく、目の覚めるような素晴らしいベートーヴェンがお聴き頂けます。 (Ki)

C Major
76-4908(DVD)

76-5004(Bluray)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466*
 交響曲第40番ト短調K.550
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54*
シルヴェストロフ:『使者』(Pと弦楽の為の)*
エレーヌ・グリモー(P)*
カメラータ・ザルツブルク
ジョヴァンニ ・グッツォ(コンサートマスター)

収録:2022年3月、エルプフィルハーモニー・ハンブルク(ライヴ)
◆DVD
画面:NTSC16:9
音声:PCMステレオ、DTS5.1
リージョン:All
DVD9、104分
◆Bluray
画面:1080i16:9FullHD
音声:PCMステレオ、DTS-HD
MA5.1
リージョン:All
BD50、104分
グリモーが今回選んだ作品はモーツァルト、シューマンともに短調の協奏曲で、二人の作曲家として最も創造的な時期に作曲されたもの。グリモーは選曲理由を 「モーツァルトの短調の作品は少ないですが、彼の有名作を取り囲む陽気さに潜む裏側の顔を垣間見ることができる」と述べています。 モーツァルトのピアノ協奏曲第20番は彼のピアノ協奏曲の中で最も有名な曲のひとつで、モーツァルトが初めて作曲した短調の楽曲でもあります。親しみやすい 旋律、充実した音楽、そしてグリモーが言うようにモーツァルトの人間味を感じる作品です。グリモーの軽やかで繊細ありながら、揺るぎない芯のあるタッチでしっ かり聴かせます。またカメラータ・ザルツブルクの伴奏も柔らかく小気味良い演奏で、推進力のある演奏。 シューマンが唯一完成させたピアノ協奏曲は、妻クララによって初演されています。冒頭のドラマティックなピアノ、哀愁を帯びたオーボエが主題を奏で、それをピ アノが引き継ぐ。何度聴いても魅力的な作品です。グリモーのシューマンの協奏曲は、ベルリン・ドイツSO&ジンマン指揮(1995年録音)、シュターツカペ レ・ドレスデン&サロネン指揮(2005年録音)がありますが、いずれもロマンティシズム溢れる名演。グリモーの清新かつ情感溢れる美しい演奏とカメラータ・ザ ルツブルクとの絶妙な絡みも聴かせどころです。 アンコールに演奏したのは、グリモーが近年力を入れているウクライナの偉大な現役作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフの『使者』。ピアノと弦楽の為の作 品で、シルヴェストロフの亡くなった妻のラリッサ・ボンダレンコに捧げられています。

ALTO
ALC-1480(1CD)
レスピーギ:ヴァイオリン協奏曲集&組曲
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「グレゴリオ風協奏曲」
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「古風な協奏曲」
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「秋の詩」
アンドレア・カッペレッティ(Vn)、
マティアス・バーメルト(指)、
フィルハーモニアO、
イゴール・グルップマン(Vn)*、
ドナルド・バッラ(指)*、
サン・ディエゴ室内O*

録音:1993年
レスピーギの古楽研究が発揮された『グレゴリオ風協奏曲』と『古風な協奏曲』を、ナポリ音楽院を当時史上最年少の首席でディプロマ取得したというスイス出身のヴァイオリニスト、アンドレア・カッペレッティが弾いたレスピーギのヴァイオリン協奏曲の名盤の1つ(しかもオケはバーメルト指揮のフィルハーモニア管!)に、ウクライナのヴァイオリニストイゴール・グルップマンによる『秋の詩』もカップリングして復刻。

NORTHERN FLOWERS
NFPM-A99151(1CD)
ホルンの為のロシア音楽〜協奏曲&四重奏曲集
グリエール:ホルン協奏曲変ロ長調 Op.91、
 ホルンとピアノの為の4つの小品
グラズノフ:夢 Op.24、
 セレナーデ Op.11-2、牧歌
シェバリーン(1902-1963):ホルンと管弦楽の為のコンチェルティーノ Op.14-2
ニコライ・ニコラエヴィチ・チェレプニン:6つのホルン四重奏曲 ヘ長調
マリー=ルイーズ・ノイネッカー(Hrn)、
バンベルクSO、
ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト(指)、
ザルツブルク・モーツァルテウム・ホルン・アンサンブル、
パウル・リヴィニウス(P)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチが優勝した1983年のARDミュンヘン国際音楽コンクールで第2位に入賞し、バンベルクSOとフランクフルトRSOで首席ホルン奏者を務めたドイツの名ホルン奏者、マリー=ルイーズ・ノイネッカーによるロシア音楽アルバムが復刻。その魅力が喧伝されてこなかったためにこれまであまり知られていなかった隠れた名録音です。Koch internationalより1994年にリリースされていた音源。

MUSICAL CONCEPTS
MC-3111(1CDR)
女性作曲家による管弦楽作品集
ファニー・メンデルスゾーン:序曲
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.7
タイユフェール:ハープ・コンチェルティーノ
リリ・ブーランジェ:哀しみの夜に、春の朝に
ジョアン・ファレッタ(指)、
ウィメンズPO、
アンジェラ・チェン(P)、
ジリアン・ベネット(Hp)
グラモフォン誌の「過去と現在の偉大な指揮者50人」のひとりに選ばれ、グラミー賞も受賞している指揮者ジョアン・ファレッタが、ウィメンズPOを率いて贈る女性作曲家の管弦楽作品集。彼女の指揮は「トスカニーニのアンサンブルに対する厳格なコントロール、ワルターの内声部の愛情に満ちたバランス、ストコフスキの度肝を抜くショーマンシップ、そしてバーンスタインのように統制のとれた熱狂を持ち合わせている」と称賛されています。聴く機会の少ないファニー・メンデルスゾーンの序曲や、室内楽曲として聴くことが多いリリ・ブーランジェ作品のオーケストラ版に注目です。

PARNASSUS
PACD-96089(1CD)
エマヌエル・フォイアマン・イン・コンサート
(1)ドヴォルザーク:森の静けさOp.68、
 ロンド ト短調 Op.94
ブロッホ:ヘブライ狂詩曲 「シェロモ」 B.39
(2)ダルベール:チェロ協奏曲ハ長調 Op.20
(3)ヨーゼフ・ライヒャ(レイハ):チェロ協奏曲イ長調 Op.4-1
エマヌエル・フォイアマン(Vc)、
レオン・バージン(指)、
ナショナル・オーケストラル・アソシエーション

(1)録音:1941年11月10日
(2)録音:1940年4月22日
(3)録音:1940年1月27日
カザルスとともに20世紀前半を代表する名手の一人、エマヌエル・フォイアマンの貴重録音が新リマスターで登場!
フォイアマンはドヴォルザークのチェロ協奏曲の名盤も遺していますが、今回は敢えてライヒャとダルベールというレア・レパートリーが選ばれているところも注目でしょう。

Goodies
78CDR-3919(1CDR)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61 イゾルデ・メンゲス(Vn)
サー・ランドン・ロナルド(指)
ロイヤル・アルバート・ホールO

英HMV D767/71
1923年9月4、7&21日ロンドン録音
※復刻に使用したSP盤のキズによるノイズがあります。
イゾルデ・メンゲス(1892-1976)は20世紀前半に活躍した英国の女流ヴァイオリ ン奏者。1917年17歳で名ヴァイオリン教授レオポルド・アウアー(1845-1930)に 師事するためにロシアのザンクトペテルブルグに向かった。アウアーの元には 3年間逗留し教授の最もお気に入りの弟子だった。1913年、20歳でロンドンにデ ビューした。その時のプログラムはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、 ラロのスペイン交響曲に加えて、ベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン 協奏曲の縮小版だった。1916年から1919年には北米公演を行いアメリカのメジャ ー・オーケストラのほとんどと共演し名声を高めた。メンゲスはこのシリーズ でバッハ:「シャコンヌ」(78CDR-3020)、ブラームス:ヴァイオリン・ソナ タ第3番(78CDR-3497)、ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番(78CDR-3497)、 シューベルト:ソナチネ第3番(78CDR-3206)が出ています。指揮者のランドン・ロ ナルド(1873-1938)はロンドン生まれ。LSO、ロンドン新SO (ロイヤル・アルバート・ホールO)、スコティッシュ・ナショナル管弦 楽団の首席指揮者を歴任。機械式録音時代からレコード録音が多数あった。(グッディーズ)

オクタヴィア
OVCL-00828(1SACD)
税込定価
2023年9月27日発売
スメタナ:交響詩「モルダウ」
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 B.191
 歌劇《ルサルカ》より「月に寄せる歌」
笹沼樹(チェロ)
ダニエル・ライスキン(指揮)
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団

録音:2023年6月25日 東京・サントリーホール・ライヴ
ソリスト、室内楽奏者、東京交響楽団 の客演首席奏者として、国内外にて広 く活動を展開している新進気鋭のチェ リスト笹沼樹によるEXTON第1弾です。 当盤は23年7月6日、サントリーホール で行われたスロヴァキア・フィル来日 公演のライヴ・レコーディング。チェ ロ協奏曲ほか、スメタナの名作「わが 祖国」よりヴルタヴァ(モルダウ)、 笹沼とスロヴァキア・フィルによるア ンコールをカップリングし、チェコの 音楽を存分にお楽しみいただける1枚と なりました。日本人離れした情熱迸る 演奏で、聴く者を魅了する笹沼のチェ ロをはじめ、ライヴならではの気迫溢 れる演奏をご堪能ください。(オクタヴィア)

Evil Penguin Records
EPRC-0055(1CD)
サンバ=バッハ
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
ヴィラ=ロボス:Villa Cantilena & Melodia Sentimental
アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994):Desafinado / Garota de Ipanema
同:Samba de uma Nota So
マルコス・ヴァーリ(1943-):Samba de Verao
ノエル・ホーザ(1910-1937):Gago Apaixonado
アリ・バホーゾ(1903-1964):Aquarela do Brasil
アシス・ヴァレンテ(1911-1958):Brasil Pandeiro
ヴァルジール・アゼヴェード(1923-1980)/ジャコー・ド・バンドリン(1918-1969):Brasileirinho / Assanhado
ゼキーニャ・ジ・アブレウ(1880-1935):Tico-tico no Fuba
ジョルジ・ベンジョール(1939-):Mas que nada
ピシンギーニャ(1897-1973)&ベネヂート・ラセルダ(1903-1958):Um a zero
リナス・ロス(Vn )
オルケストラ・ヨハン・セバスティアン・リオ

録音:2023年3月24・25・27・28日リオデジャネイロ、セシリア・メイレレス・ホール
ドイツのヴァイオリニスト、リナス・ロスとブラジルのオーケストラによるユニークなプロジェクト。バッハのヴァイオリン協奏曲に始まり、『ブラジル風バッハ』 でもおなじみのヴィラ=ロボスを経て、有名なサンバのメロディをヴァイオリン独奏、弦楽合奏、チェンバロ、ギター、パーカッションの為のアレンジで演奏。ドイツ の作曲家・ブラジルの作曲家・ブラジルの民族音楽と移り変わっていく音の景色をお楽しみください。 (Ki)

Chandos
CHAN-20246(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.8
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」序曲
歌劇「魔笛」序曲
歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲
ピアノ協奏曲第26番KV537「戴冠式」*
ピアノ協奏曲第27番 KV595*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2022年9月24日-26日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN-10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第8弾となる本アルバムでは、ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」とピアノ協奏曲第27番が収録されました。「戴冠式」は左手のパートの大部分が作曲者自身によっては書き込まれておらず、出版時に別の人物によって補完されています。今回の録音のためにジャン=エフラム・バヴゼは独自のバージョンを作り演奏しています。

CEDILLE
CDR-90000221(1CD)
NX-B04
リカルド・カストロ/マヌエル・ポンセ:ピアノ協奏曲
リカルド・カストロ(1864-1907):ピアノ協奏曲 Op. 22
 子守歌 Op.36-1/愛の歌
 嘆き Op.38-2
ポンセ:ピアノ協奏曲第1番「ロマンティコ」
 メキシコの子守唄「ラ・ランチェリータ」
 ガヴォット
 愛のロマンス/間奏曲
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(P)
ミネリアSO
カルロス・ミゲル・プリエト(指)

録音:2022年8月1、8日
19世紀末のメキシコにおけるクラシック音楽の発展に寄与した2人の作曲家、カストロとポンセのピアノ協奏曲を中心に収録したアルバム。 カストロはメキシコシティの国立音楽院でピアノと和声、作曲を学び、1883年5月にはベネズエラで開かれたシモン・ボリバル生誕百年祭に彼の作品 が送られるなど高い評価を受けるとともに、ピアニストとして活躍。1900年には音楽院の作曲家教授に就任し、後進の指導にも力を尽くしました。彼 のピアノ協奏曲は、メキシコ人作曲家として初めてのもので、華麗なピアノ・パートと、それを支える壮大なオーケストラの響きが魅力的です。 ポンセはカストロの次世代を代表する作曲家の一人。10代でサンディエゴ教会のオルガニストを務めた後、イタリアとドイツに留学、帰国後はカストロ の後任としてメキシコ国立音楽院のピアノ科教授に就任するなど活躍します。後年、アンドレス・セゴビアと交流し、数多くのギター曲を書いたことでも 知られています。このピアノ協奏曲は「ロマンティコ」のタイトル通り、リスト作品を思わせる妙技と美しさを兼ね備えています。 メキシコ生まれのホルヘ・フェデリコ・オソリオが自国の偉大な作曲家への共感を込めた熱い演奏を披露しています。
CEDILLE
CDR-90000223(1CD)
NX-B04
ショスタコーヴィチ/メニーアン:ヴァイオリン協奏曲集
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
アール・メニーアン(1976-):ヴァイオリンと管弦楽の為の協奏曲
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ティート・ムニョス(指)

録音:2022年1月7-8日
シカゴ生まれのレイチェル・バートン・パインの新作は挑発的な内容に注目です。ライプツィヒのバッハ・コンクー ルに優勝し、シゲティやクライスラー・コンクールにも入賞してキャリアを築いてきたパインですが、10代でヘヴィ メタルに目覚めたという一面も持っており、ヘヴメタ・スピリットに通じる闘争や反抗の精神の感じられる2曲を カップリングしました。メニーアンはヴァイオリニスト、アレンジャーとしても活躍する作曲家。メタル、ハードコア、 クラシックの要素を融合した彼の音楽は、メタリカのベーシスト、ロバート・トゥルヒーヨも称賛しています。アル バム・タイトルの「Dependent Arising」は仏教用語の「縁起」の英訳です。

SUPRAPHON
SU-4331(1CD)
ヤン・ノヴァーク(1921-1984):作品集
(1)4手ピアノと弦楽オーケストラのための「Concentus biiugis」(1977)【改訂版】
(2)フルート、弦楽オーケストラ、ハープとチェレスタのための「Choreae vernales」(1980)
(3)2台のピアノとオーケストラのための協奏曲(1955)
(1)(3)ドラ・ノヴァク=ウィルミントン(P)、
(1)(3)カレル・コシャーレク(P)
(2)クララ・ノヴァーコヴァーー(Fl)
プラハRSO、
トマーシュ・ネトピル(指)

録音:(1)(3)2022年3月7〜12日、(2)2022年12月6&7日/チェコ放送第1スタジオ(プラハ)
モラヴィア出身の作曲家ヤン・ノヴァーク(1921-1984)の協奏曲アルバム。1940年代後半、アメリカでマルティヌーに師事し、50年代から映画音楽など数多くの作品で人気を博しました。しかし、母国の共産主義体制に反発しデンマーク、イタリア、ドイツに亡命。晩年はバイエルンに居を構え活動しました。
母国では長らく発禁処分扱いの作曲家であったノヴァークの作品ですが、作曲者歿後30周年にあたる2014年にスプラフォン・レーベルからリリースしたのが「ヤン・ノヴァークの合唱作品集」(SU-4159)でした。このリリースによってノヴァークの再評価が進み、現在チェコをはじめ演奏機会が徐々に増えつつあります。
当アルバムは来年(2024年)の歿後40周年を前に協奏曲3篇を録音。当録音の注目はノヴァークの愛娘がソリストを務めていること。フルートのクララ・ノヴァーコヴァーは、15歳のときに父親から「Choreaevernales」の初稿を献呈されたときの思い出とともに、父への感謝の思いを込めて演奏。またドラ・ノヴァク=ウィルミントンはピアノの名手であった母エリシュカを思い出しながら偉大な父の作品に挑みました。当アルバムの録音は、ある意味「時を超えた家族の再会」ともいえます。
ノヴァークの音楽は、軽快で優雅、ユーモアのセンス、そしてわずかに挑発的でもあることで知られ、ニューヨークでマルティヌーに師事したときの印象や一緒にジャズクラブを訪れた時の思いなどが詰まった「2台のピアノとオーケストラのための協奏曲」は、師から認められたいという願望が反映されているともいえます。
またノヴァークは、日常生活においても使い、完璧にマスターしていたラテン語にインスパイアされた作品も数多くあります。4手ピアノのための「Concentusbiiugis」は、作曲者がドイツに亡命していた年に母国の反体制運動である「憲章77」に賛同していることをあらわした作品。その3年後、ノヴァークはこの作品に弦楽オーケストラをつけ、非常にカラフルな作品に仕上げました。今回録音されたのはほとんど知られていない改訂稿で、当バージョンでは世界初録音となります。
指揮はトマーシュ・ネトピルです。ネトピルは1975年チェコ共和国東部のクロメルジーシュ生まれ。ザルツブルク音楽祭やベルリン・フィル、ドレスデン・シュターツカペレの公演に出演、2013/14年のシーズンよりエッセン歌劇場の音楽総監督に就任すると同時に、ドレスデン国立歌劇場、パリ国立オペラ座、ウィーン国立歌劇場、またベルリン・フィル、パリ管、ロンドン・フィルといった、欧州各地のオーケストラや劇場へ出演するなど、オペラ、コンサートの両面で活躍を続けています。日本では2019年11月、読売日本SOとの演奏会も話題となりました。 (Ki)

CORO
COR-16200(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集 Vol.2
ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
アイスリン・ノスキー(Vn)、
ヘンデル&ハイドン・ソサエティ

録音(ライヴ):2023年1月6日&8日(K.211)、2022年1月28日&30日(K.207)、2019年1月25日&27日(K.219)、シンフォニー・ホール(ボストン、アメリカ)
ハリー・クリストファーズが2022年まで音楽監督を、そして現在は桂冠指揮者を務めるアメリカ最古のピリオド・オーケストラ、「ヘンデル&ハイドン・ソサエティ(HHS)」のコンサートマスターとして、またアイブラーSQのメンバーとしてもCoroレーベルのディスコグラフィーを華麗に彩ってきたカナダのヴァイオリニスト、アイスリン・ノスキーをフィーチャーしたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集の第2弾。前作(COR16183)同様、全曲ボストンのシンフォニー・ホールでのライヴ・レコーディングとなっています。
ニューヨーク・タイムズ紙でも絶賛され、バロック・ヴァイオリニストとして躍進を続けるアイスリン・ノスキーのダイナミックな弾き振りを是非、ご堪能下さい。

Goodies
78CDR-3915(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595(カデンツァ:モーツァルト) アルトゥール・シュナーベル(P)
サー・ジョン・バルビローリ(指)LSO

米 VICTOR17053/56(英 HMV DB2249/52と同一録音)
1934年5月2日ロンドン、アビー・ロードEMI 第1スタジオ録音
今でこそ幾多の録音が存在するこの曲だが、1934年にウィーンでシュナーベル によって演奏されたのは、なんとモーツァルトがこの地で初演して以来の二度 目の演奏会だったことはあまり知られていない。この曲の世界初録音。アルトゥ ール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オーストリア領)生 まれ。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に名教授テオドー ル・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・デビュー、1933 年までこの地を本拠にした。その後1932年から1934年にロンドンに居を構え、 1939年にアメリカに移住した。指揮者のサー・ジョン・バルビローリはロンド ン生まれ。1916年ヘンリー・ウッドの率いるクイーンズ・ホールOに入 りチェリストとして活躍を始めた。1925年室内Oを組織して指揮者に転 向。1936年ニューヨーク・フィルの首席指揮者になった。
Goodies
78CDR-3916(1CDR)
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調作品16 モウラ・リンパニー(P)
シドニー・ビーア(指)ナショナルSO

英 DECCA AK1134/37
1945年5月14日ロンドン、キングスウェイ・ホール録音
モウラ・リンパニー(1916-2005)はイギリスのコーンウォール生まれの女流ピア ニスト。幼少時にベルギーの修道院に送られ、そこで音楽才能が開花し、リエ ージュで勉強を続けた。その後ロンドンの王立アカデミーでも学んだ。さらに ウィーンでパウル・ヴァインガルテンに師事し、1938年ブリュッセルで開催さ れたイザイ・ピアノ・コンクールでソ連のエミール・ギレリス(1916-1985)に 次いで2位に入賞した。第2次世界大戦後はイギリスで最も名前の通ったピアニ ストになった。指揮者のシドニー・ビーアはナショナルSOの創立者。こ のシリーズでチャイコフスキー交響曲第5番(78CDR-3158)が出ています。第2楽章 のホルン・ソロはデニス・ブレインが吹いています。

Gramola
GRAM-99284(1CD)
ジャズ・ヴァイオリン・コンチェルト - メイド・イン・オーストリア
ヘルベルト・ベルガー(1969-):メトロポール組曲(Vnと弦楽オーケストラの為の協奏曲)
フリードリヒ・グルダ(1930-2000):Wings ウィングス(独奏ヴァイオリン、弦楽オーケストラとパーカッション(リズム・セクション)の為の小協奏曲)
ザビーナ・ハンク(1976-):見捨てられた天使の為の3つの歌(独奏ヴァイオリン、弦楽オーケストラとパーカッション(ドラムス)の為の協奏曲)
ベンヤミン・シュミット(Vn&指揮)
ムジカ・ヴィーテO
クリスティアン・レットナー(ドラムス)

録音:2020年10月24-25日、2021年8月15-19日、2021年9月14日
ベンヤミン・シュミットはクラシックだけでなく、ジャズや即興演奏にも強い関心を抱き、以前にも少年時代から憧れていたというステファン・グラッペリにイ ンスパイアされたアルバムを出すなど、幅広い活動をしています。このアルバムでは、スウェーデンの室内オーケストラ「ムジカ・ヴィーテ」と共に、オーストリ アの3人の作曲家のジャズ・コンチェルトを演奏。ヘルベルト・ベルガーの「メトロポール組曲」は、本来のクロマティック・ハーモニカの独奏部を今回の録 音のためにヴァイオリンへとアレンジ。ジャズ・ピアニスト、ザビーナ・ハンクの「見捨てられた天使の為の3つの歌」はシュミットのために書かれた作品で す。また、フリードリヒ・グルダの「ウィングス=翼」は4つのセクションから成る18分ほどの曲で、シュミットによればツィガーヌ風、バロック風、グルーヴ風の セクションがあり、最後にリディア旋法(リディアンスケール)を強く意識した即興的な部分があり、彼はここでオリジナルの即興演奏を加えているそうで す。


ARCANA
A-550(3CD)
NX-E02
ヴィヴァルディの三つの季節 〜ヴァイオリン協奏曲集〜
【Disc1】 春
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV343「さまざまに異なる調弦のヴァイオリンを集めて」〜アンナ・マリアの為の協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 RV240
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV230(協奏曲集『調和の霊感』Op.3-9)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV332(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8-8)
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV265(協奏曲集『調和の霊感』Op.3-12)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8-11)
【Disc2】 夏
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV189〜神聖ローマ皇帝カール6世の依頼による
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV333
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV289(世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV197
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV330
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV380
【Disc3】 秋
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV201
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV371
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV353
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV367(初期稿による世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV327
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV390
ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
使用楽器:ピエトロ・グヮルネリ1733年製作のオリジナル楽器
アッカデーミア・デラヌンチアータ(古楽器使用)
リッカルド・ドーニ(チェンバロ、ポジティフオルガン、指揮)

録音:2023年1月13-16日、2月1-4日、3月13-16日サン・ベルナルディーノ教会、アッビアーテグラッソ(イタリア北部ロンバルディア州ミラノ県)
水の都ヴェネツィアで聖職につきながら礼拝には加わらず、むしろ他の追従を許さないヴァイオリン演奏の妙技や作曲、歌劇興行手配などで 名声を博した「赤毛の司祭」ヴィヴァルディ。その膨大な作品群は今や数々の歌劇や声楽曲、珍しい室内楽曲に至るまで無数の名盤に刻 まれていますが、その本領はやはり独奏協奏曲、とりわけ当人が名演奏家だったヴァイオリン協奏曲の数々にあったと言ってよいでしょう。名 手ジュリアーノ・カルミニョーラはこれまでも数々の録音でこの作曲家と向き合ってきましたが、同じイタリアの最前線をゆく古楽器楽団アッカ デーミア・デラヌンチアータと満を持して3枚組で世に問う今回のアルバムは、そんなヴィヴァルディの活動歴を、初期から後年まで全てヴァイオ リン協奏曲だけで辿ってゆく意欲作! CD1枚ごと春(最初の躍進期)、夏(全盛期)、秋(名声安定期)と作曲年代で作品を集め、変則 調弦(スコルダトゥーラ)の活用やスリリングな超絶技巧、歌劇にも通じる歌心、細やかな音響表現の妙と、多岐にわたるヴィヴァルディ語法 の魅力を隅々まで徹底分解してゆきます。カルミニョーラならではの圧巻のソロは今回もダイナミックでありながら気品に満ち、弦楽と通奏低 音だけの編成にもかかわらず作品の機微をよく読み解き、驚くほど多彩な響きを繰り出してゆくアッカデーミア・デラヌンチアータの才人たちと味 わい深くも興奮を誘う対話を続けてゆきます。世界初録音も含むプログラム構成は、ヴィヴァルディ研究の最前線で見過ごしがたい実績をみ せている音楽学者オリヴィエ・フレが全面協力、ライナーノートも執筆しています(英・仏・伊語)。

Resonus
RES-10319(1CD)
NX-B05
マーク・デイヴィッド・ボーデン(1986-):クラリネット協奏曲(2017)
ヒュー・ワトキンス(1976-):Four Fables4つの寓話 - クラリネットとピアノ・トリオのために(2018)
ダイアナ・バレル(1948-):クラリネット協奏曲(1996)
サラ・フランシス・ジェンキンス(1998-):木漏れ日(2020)
ロバート・プレーン(Cl)
グールド・ピアノ・トリオ【ルーシー・グールド(Vn)、リチャード・レスター(Vc)、ベンジャミン・フリス(P)】
BBCPO
ジェフリー・パターソン(指)

録音:2022年12月13-14日
BBCウェールズ・ナショナルOの首席クラリネット奏者を20年余りにわたって務めた他、バーミンガ ム市SOとロイヤル ノーザン シンフォニアでも首席奏者をつとめたロバート・プレーンは、その長い キャリアを通じて、彼のために特別に書かれた数多くの作品の初演を行ったことで「現代音楽の擁護者」 として知られています。 このアルバムでは4人の現代作曲家の作品を紹介。プレーンの活動の初期に委嘱したというバレルの 「クラリネット協奏曲」、マラソンにインスパイアされたボーデンの協奏曲、シューマンの作品に倣ったワトキ ンスの「4つの寓話」、プレーンに師事したこともあるジェンキンスが自然からインスパイアされて書いた「木 漏れ日」。どれもプレーンのために書かれたものです。演奏にはピアニスト、ベンジャミン・フリスが参加する グールド・ピアノ・トリオと、ジェフリー・パターソンが指揮するBBCフィルハーモニックが参加しています。

Biddulph
BIDD-85035(1CD)
ナタン・ミルシテイン 1953年の協奏曲録音集
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲*
ナタン・ミルシテイン(Vn)
ピッツバーグSO
ウィリアム・スタインバーグ(指)
ボストンSO*
シャルル・ミュンシュ(指)*

録音:1953年11月28日 ボストン、シンフォニー・ホール、1953年3月23日 ピッツバーグ、シリア・モスク*
初出盤:Capitol P8243(1-6)、RCA LM1760(7-9)
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:David Hermann
マスタリング:Rick Torres
帝政ロシア(現ウクライナ)のオデーサに生まれたナタン・ミルシテインは、一度も来日しなかったにもかかわらず、卓越した技巧と美音、品格を感じさせる演奏 により日本でも多くのファンを持っています。ここに収められた3曲に関して、ミルシテインにはSP、モノラル、ステレオと3から4種類の録音があり、加えていくつか のライヴ録音がCD化されています。Biddulphが今回CD化したのは、いずれもミルシテインにとって2度目にあたるモノラルLP時代の録音。1904年1月13 日(ユリウス暦では1903年12月31日)生まれのミルシテインは録音時には49歳。「脂が乗り切った」と形容したくなる推進力に富んだ快演が繰り広げら れています。メンデルスゾーンとブルッフの2曲をわずか1日のセッションで録り終えているのは、演奏の完成度の高さあればこそでしょう。しかし、その後間もなく ステレオ録音の時代となって、ミルシテインも1959年にはこれら3曲をステレオで録音し直しました。更にチャイコフスキーとメンデルスゾーンについては、1972 年にアバド指揮ウィーン・フィルと録音したDG盤が代表盤とされてきたことから、1953年のモノラル盤が注目されることはありませんでした。 Biddulphレーベルは、これらの演奏が聴かれないのは余りにも惜しいと考えて復刻に取り組みました。同じ1953年の録音ですが、チャイコフスキーはミルシ テインのRCAレッドシール時代最後の録音で、メンデルスゾーンとブルッフはキャピトルに看板アーティストとして迎えられてからの録音。彼の録音キャリアにとっ ての節目が刻まれたCDになります。また原盤解説によれば、メンデルスゾーンとブルッフの第1番という定番のカップリングを初めて採用したのがこのミルシテイ ン盤だったとのことです。ブックレットには、ミルシテインが使っていた1716年製ストラディヴァリウスの胴体部分の写真と、メンデルスゾーン&ブルッフの初出LP のジャケット写真がカラーで掲載されており、スタインバーグとの録音セッションの写真が2点モノクロで掲載されています。

BONGIOVANNI
GB-5639(1CD)
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲全集 第1集
協奏曲 ト短調 RV495
協奏曲 ヘ長調 RV486
協奏曲 変ロ長調 RV502
協奏曲 ホ短調 RV484
協奏曲 ハ長調 RV476
協奏曲 ト短調 RV496
協奏曲 変ホ長調 RV483
協奏曲 ト長調 RV493
マウロ・モングッツィ(Fg)
スカラ座の弦楽奏者たち
ジョヴァン ニ・ブロッロ(Cemb)

録音:2021年11月12日、2022年5月30日イタリア、ブリオスコ
今や貴重なモダン楽器によるヴィヴァルディのファゴット協奏曲。ソリストはミラノRAISO、フェニーチェ歌劇場Oなどでファゴット奏者を務めるイ タリアの名手マウロ・モングッツィ。弦楽はスカラ座の奏者たちが各パート一人ずつの弦五部で演奏し、そこにチェンバロが加わる編成です。豊かな響きを含ませ た録音で、モダン楽器の美質が思いきり打ち出されているのが印象的。またコントラバスがいるため低音の存在感がすさまじく、どっしりとしたバスが何とも贅沢。 きびきびとしたテンポ感を取りながらも各奏者が良く歌いこんだ演奏で、ファゴットの技巧も十二分に堪能できます。
様々な楽器のために協奏曲を大量に書いたヴィヴァルディ。約40曲残されているファゴット協奏曲はどれも楽曲の完成度が高く、ファゴットの限界に挑む超絶 技巧や弦楽の驚くような動きなど、時代の最先端を行ったヴィヴァルディ節が炸裂しています。RV484は美しい旋律をもつ名作。 (Ki)

MELO CLASSIC
MC-1071(2CD)
ゲザ・アンダ/楽旅1951-1961

(1)シューマン:ピアノ協奏曲
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(4)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
ゲザ・アンダ(P)

(1)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1951年12月20日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1961年10月2日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(3)ルドルフ・ミヒル(指)ザールブリュッケンRSO
録音:1956年5月26日 西ドイツ ザールラント州 ザールブリュッケン (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)フェレンツ・フリッチャイ(指)バイエルン国立O
録音:1958年5月12日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・ライヴ)
ハンガリー出身のスイスの名ピアニスト、ゲザ・アンダの 4つの演奏会での協奏曲を集めて います。アンダはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1 番を若い頃に録音していたが、このルクセ ンブルクでの放送スタジオ録音はとても白熱した演奏、特に第 3楽章終盤は、名匠ルイ・ド・フ ロマンの伴奏もあって実にスリリング。ブラームスのピアノ協奏曲第2 番はDG に2度商業録音:をしているほどのアンダのお得意曲。ここでも説得力の強い名演を聞かせてくれます。指揮は DG1回目と同じくフェレンツ・フリッチャイ。オーケストラがバイエルン国立Oなのでより 大らかさが強く感じられます。もちろんシューマン、ラフマニノフも素晴らしい。
MELO CLASSIC
MC-1073(2CD)
ジュリアス・カッチェン/楽旅1960-1968
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(3)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番
(4)ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
(5)バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
(6)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ジュリアス・カッチェン(P)

(1)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1964年3月25日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO
録音:1964年4月3日 西ドイツ シュトゥットガルト (モノラル・放送スタジオ録音)
(3)カール・ランドルフ(指)NDR SO
録音:1960年1月6日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1964年9月30日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・ライヴ)
(5)ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(指)南ドイツRSO
録音:1967年12月8日 西ドイツ シュトゥットガルト (ステレオ・ライヴ)
(6)シャルル・ブリュック(指)ORTF PO
録音:1968年12月10日 フランス パリ (ステレオ・ライヴ)
米国のピアニスト、ジュリアス・カッチェン(1926―1969)の協奏曲の録音集。ジュリアス・カッチェンは第二次世界大戦後間 もなく欧州に渡って大活躍した米国人音楽家の代表的存在だが、僅か 42歳で亡くなってしまった。この2CD の中では、商 業録音を残さなかったプロコフィエフのピアノ協奏曲第 1番が特に貴重。ブリュッセルでのブラームスのピアノ協奏曲第 2番は燃焼度が高く、商業録音だけでカッチェンを聞いてはいけないことが分かる。カッチェンお得意のラフマニノフのパガニー ニの主題によるラプソディは名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテットの伴奏でこれもスリリング。バルトークのピアノ協奏曲 第3番は、あまり広がらないとはいえステレオ録音なのがありがたい。そしてラヴェルの左手のための協奏曲では、ピエール・ モントゥの高弟シャルル・ブリュックがパリの色彩豊かな伴奏で、カッチェンのピアノを引き立てています。どれもカッチェンの素 晴らしい音楽を楽しみつつ、早世してしまったことに残念に思わざるを得ない2CD です。
MELO CLASSIC
MC-1074(2CD)
ニキタ・マガロフ/演奏会楽旅1955-1973

(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
(3)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(4)ラヴェル:ピアノ協奏曲
(5)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
ニキタ・マガロフ(P)

(1)モーリス・ル・ルー(指)フランス国立放送O
録音:1964年10月6日 フランス パリ (モノラル・ライヴ)
(2)アンジェイ・マルコフスキ(指)ハノーファーNDRO
録音:1969年12月12日 西ドイツ ニーダーザクセン州 ハノーファー(ステレオ・ライヴ)
(3)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1955年10月20日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1963年10月23日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・ライヴ)
(5)ズデニェク・マーツァル(指)フランス国立放送O
録音:1973年11月28日 フランス パリ (ステレオ・ライヴ)
20世紀の名ピアニストの一人、ニキタ・マガロフの協奏曲録音集。マガロフは1912 年、ロシアのサンクトペテルブルクの生 まれ。父親はジョージア、トビリシの上流階級の生まれ。母は地元サンクトペテルブルクの人。ロシア革命の後にフィンランド のヘルシンキに脱出、一旦米国へ移る物の、フランスに渡りパリ音楽院で学ぶ。1930 年代にはパリで人気のピアニストとな り、戦後は巨匠として大いに活躍、またジュネーヴ音楽院での教職でも重きを置いた。マガロフのピアノはロマンティシズムと は一線を画した端正な音楽を基礎としつつも、しかし古き良き時代のピアノ美学も感じさせるもので、非常に独特です。マ ガロフの録音は多いものの、独奏曲(特にショパン)が主で、協奏曲の録音は限られています。ニューヨーク時代に接点のあっ たラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は彼の初めての録音かもしれない。しかもステレオ録音。ラヴェルのピアノ協奏曲は名 匠ハンス・シュミット=イッセルシュテットの伴奏。マガロフのピアノにも指揮にも、この作品が生まれた時のモダンな新鮮さが 良く表れています。あまりベートーヴェンを弾かなかったマガロフだが、ピアノ協奏曲第 4番は得意曲だった。彼も伴奏指揮の モーリス・ル・ルーも伝統的ドイツ的なベートーヴェンとは一線を画し、自由な発想で充実した演奏を繰り広げています。
MELO CLASSIC
MC-1075(2CD)
ジョン・オグドン/演奏会楽旅1965-1970

(1)シューマン:ピアノ協奏曲
(2)リスト;ピアノ協奏曲第2番
(3)ブゾーニ:インディアン幻想曲 Op.44
(4)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
(5)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
(6)ヒンデミット:ピアノ協奏曲
ジョン・オグドン(P)

(1)ヴァーツラフ・ノイマン(指)南ドイツRSO
録音:1967年3月10日 西ドイツ シュトゥットガルト (ステレオ・ライヴ)
(2)アンドレアス・フォン・ルカーチ(指)南西ドイツRSO
録音:1970年3月6日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 バーデン=バーデン (ステレオ・放送スタジオ)
(3ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1965年10月27日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1965年10月25日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(5)ラファエル・クーベリック(指)バイエルンRSO
録音:1968年5月24日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (ステレオ・放送スタジオ録音)
(6)フェルディナント・ライトナー(指)バイエルンRSO
録音:1970年12月11日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (ステレオ・放送スタジオ)
英国のピアニスト、ジョン・オグドンの欧州各地での協奏曲の録音。ジョン・オグドンは1937 年、イングランド、ノッティンガム シャーのマンスフィールド・ウッドハウスの生まれ。1962 年、モスクワでのチャイコフスキー国際コンクールでウラディーミル・ア シュケナージと共に優勝を分け合ったことで名高い。以来精力的に演奏活動を行ったオグドンだが、1973 年に躁うつ病(双 極性障害)を患い、さらに健康を害して1989 年に52歳の若さで亡くなってしまった。全盛期は僅か十年強。 この2CD のうち、ブゾーニのインディアン幻想曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第 3番、ラヴェルの左手のための協奏曲、 そしてヒンデミットの協奏曲はオグドンが商業録音を残さなかった曲です。最も重要なものはブゾーニの「インディアン幻想 曲」でしょう。オグドンはブゾーニを強く敬愛していたが、残された録音は少なく、「インディアン幻想曲」もこれが始めて世に出 るもの。ヒンデミットに至っては彼は1曲も商業録音を残しておらず、なおのこと貴重だ。アメリカ時代の1945 年作のピアノ協 奏曲は、オグドンの個性にピタリと合った音楽で、これがフェルディナント・ライトナーの指揮でステレオ録音で残されていた のは非常に幸運です。同様にラファエル・クーベリックの伴奏指揮によるラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲もステレオ 録音。オグドンのラヴェルは鮮やかな技巧で弾き切った充実感の残るものだ。
MELO CLASSIC
MC-2052(2CD)
ヘンリク・シェリング/演奏会楽旅1952-1976

(1)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
(3)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
(4)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2 番
(5)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
(6)ラロ:スペイン交響曲
ヘンリク・シェリング(Vn)

(1)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1952年1月17日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)カール・フォン・ガラグリ(指)ハルモニエン音楽協会(現 ベルゲン・フィル)
録音:1955年5月26日 ノルウェーベルゲン (モノラル・ライヴ)
(3)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1962年9月24日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ヴィルヘルム・シュヒター(指)NDR響
録音:1957年10月16日 西ドイツ ハンブルク (モノラル)
(5)アンヘル・サウチェ(指)ヴェネズエラSO
録音:1958年4月11日 ヴェネズエラ カラカス(モノラル)
(6)オイゲン・ヨッフム(指)ケルンRSO
録音:1976年9月7日 スイス ルツェルン (ステレオ・ライヴ)
20世紀半ばの偉大なヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリング(1918-1988)の様々な協奏 曲、オーケストラ伴奏の作品の録音を集めています。シェリングは多くの商業録音を残し、そこ から端正で美しいヴァイオリンという印象が広まった。ベルゲンでのメンデルスゾーンの協奏 曲ではそのイメージ通りのキリリと美しい演奏だ。ところが同じ時のラヴェルのツィガーヌで は、猛烈な緩急をつけてしばしばオーケストラを振り切らんばかりになり、14 年後の商業録 音とは別人のようだ。我々の知っている整ったシェリングの中には、激しい情熱が燃えてい ることを分からせる演奏だ。シェリングと名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテット音楽作り の方向性が一致していて、ここに収録されているシベリウスの協奏曲でも非常に完成度が 高い。グラズノフのヴァイオリン協奏曲はシェリングが商業録音を残さなかった曲。彼はこの 曲とは相性が良かったようで、素敵に仕上がっています。ルツェルンでオイゲン・ヨッフムが伴 奏指揮したラロのスペイン交響曲はステレオ録音。
MELO CLASSIC
MC-3017(2CD)
ジャクリーヌ・デュ・プレ/演奏会ライヴ1965-1969
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
(2)シューマン:チェロ協奏曲 イ短調
(3)バッハ:チェロとピアノのためのソナタ第3 番ト短調 BWV1029
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2
シューマン:幻想曲集 Op.73
ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op 65
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)

(1)ズビン・メータ(指)BPO
録音:1968年8月4日 オーストリア ザルツブルク州 ザルツブルク (モノラル・ライヴ)
(2)マルティン・トゥルノフスキー(指)NDR響
録音:1969年1月24日 西ドイツ ニーダーザクセン州 ハノーファー(モノラル・ライヴ)
(3)スティーヴン・ビショップ(スティーヴン・コヴァセヴィッチ)(P)
録音:1965年6月11日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 エトリンゲン(モノラル・ライヴ録音)
MELOCLASSIC がなんとジャクリーヌ・デュ・プレのライヴ録音を発掘!彼女の唯一のザルツブルク音楽祭出演となった1968 年8月4日のドヴォルザークのチェロ協奏曲は伝説的名演。デュ・プレもメータも燃えまくり、終演後は大喝采。もう一つのお宝はブリ テンのチェロ・ソナタ。これまで1965年2月の部分的な録音があったものの、全曲はこれが初登場かも。もう一つのお宝はバッハ のヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ BWV1029をチェロとピアノで弾いた演奏。そもそもデュ・プレはバッハの録音が 少ないので、1曲丸ごと出て来るだけで待望のもの。シューマンは協奏曲も幻想曲集も情感豊かで、デュ・プレに打って付け。エト リンゲンのリサイタルは本名時代の名ピアニスト、スティーヴン・コヴァセヴィッチが伴奏ピアノというのもありがたい。 MELOCLASSIC は一度品切れするとそのまま再プレスがないことがしばしばなので、デュ・プレ・マニアの方はくれぐれもお早め に。

Goodies
33CDR-3911(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
アルトゥール・シュナーベル(P)
ウォルター・ジュスキント(指)
フィルハーモニアO

米 VICTOR LHMV-1012
1948年6月17-18(K.466)&6月18-19日
ロンドン、アビー・ロードEMI第1スタジオ録音
アルトゥール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オースト リア領)に生まれた。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に 名教授テオドール・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・ デビュー、1933年までこの地を本拠にした。その後1932年から34年にロンドン に居を構え、1939にアメリカに移住した。このモーツァルトは大戦後の1948年 に録音されたが、SPレコードでは発売されずに、初レコードはこのRCA盤だっ た。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1890)はプラハ生まれ。1938年ナチ スの迫害を嫌ってイギリスに逃れた。EMIのハウス・コンダクターとして、巨匠 達の録音伴奏指揮者を務めた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3913(1CDR)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129 ルートヴィヒ・ヘルシャー(Vc)
ヨーゼフ・カイルベルト(指)
ベルリン国立歌劇場O

日VICTOR JD-1599/601(英HMV DB4550/52と同一録音)
1938年6月8日ベルリン録音
※一部に使用ディスクの傷によるノイズが入ります
ルートヴィヒ・ヘルシャー(1907-1996)はドイツのチェリスト。6歳でチェロを 始め、ライプツィヒでユリウス・クレンゲル(1859-1933)に、ベルリンでフーゴ ・ベッカー(1864-1941)に師事し、1930年にメンデルスゾーン賞を受賞し、1936 年フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏会でソリストとしてデビュ ーした。その後ピアノのエリー・ナイ(1882-1968)、ヴァイオリンのマックス・ シュトループ(1900-1968)とピアノ三重奏団を組んだ。ヨーゼフ・カイルベルト (1908-1968)はドイツの指揮者。これは大戦中に録音されたこの指揮者の最初期 の録音。LP時代になって多くの名録音を残しています。(グッディーズ)


Pentatone
PTC-5187029(1CD)
バルトーク:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第1番イ長調 Sz.83
ピアノ協奏曲第2番ト長調 Sz.95
ピアノ協奏曲第3番ホ長調 Sz.119
ピエール=ロラン・エマール(P)
サンフランシスコSO、
エサ=ペッカ・サロネン(指)

ライヴ録音:2022年6月16〜19日&2023年2月17〜19日デービス・シンフォニーホール(サンフランシスコ)
PENTATONEレーベルから積極的なリリースが続いているピエール=ロラン・エマールが、エサ=ペッカ・サロネン率いるサンフランシスコSOとバルトー クのピアノ協奏曲全曲録音をリリース!
ハンガリーを代表する大作曲家バルトーク。民俗的語法による現代的手法の開拓者として、20世紀のクラシック音楽に絶大な影響を残しました。ピアノとオー ケストラの為の作品は「ラプソディ」などを作曲していますが、ピアノ協奏曲は3篇作曲。ピアノを打楽器的に扱う手法を取り入れた、複雑で革新的な第1 番(1926年作曲)、ピアノのどっしりとした音がエネルギッシュで高揚感あふれる第2番(1930〜31年作曲)、そして最晩年の傑作第3番(1945年作曲)と、 作曲家バルトークとのさまざまな側面がそれぞれのピアノ協奏曲にあらわれております。各作品に真摯に向き合い、そのすべての演奏で非常に高い評価を受けて いる現代最高峰のピアニスト、エマールがサロネンの好サポートを得て、サンフランシスコSOと熱演を披露しております。当曲集の新名盤誕生と申せましょう。 (Ki)

Linn
CKD-729(1CD)
ブリテン:歌劇「ピーター・グライムス」〜4つの海の間奏曲 Op.33a
エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
ミヒャエル・バレンボイム(Vn)
フィルハーモニアO
アレッサンドロ・クルデーレ(指)

録音:2022年9月7-8日 ブラックヒース・ホール、ロンドン、UK
レスピーギ作品によるLINNデビュー盤が好評をもって迎えられたアレッサンドロ・クルデーレ。第2弾となる今回はフィルハーモニアOを 指揮して2つの対照的なイギリスの作品を収録しました。ブリテンの「4つの海の間奏曲」ではオーケストラを隅々までコントロールし、モダンな 響きと多彩な曲想を見透し良くスタイリッシュに描いています。抒情的な曲想で一貫されるエルガーの協奏曲では、ウェスト=イースタン・ディ ヴィアンOなどで活躍するミヒャエル・バレンボイムが登場。その高い技術力に裏打ちされた、父ダニエル・バレンボイム譲りのリリカルな 表現を存分に聴かせており、クルデーレの伸びやかなサポートも光っています。


ONDINE
ODE-1414(1CD)
NX-B07

NYCX-10416(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノーム」 K.271…カデンツァ:W.A.モーツァルト
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ラルス・フォークト(P&指)
パリ室内O

録音:2021年4月25-28日
ドイツの中堅世代を代表するピアニストとして敬愛されてきたラルス・フォークト(1970.9.8-2022.9.5)が世を去ると、多くの演奏家から痛切な感情を伴っ た追悼メッセージが発信されました。そこで異口同音に讃えられていたのは、その真摯で虚飾の無い音楽性とあたたかな人柄。フォークトが生前に遺していた 録音としては、先にテツラフ兄妹とのシューベルト:ピアノ三重奏曲集が発売されて大きな反響を呼んでいます。彼の53回目の誕生日となる2023年9月 8日にリリースされる当モーツァルト・アルバムも、フォークトの音楽を愛する人にとってかけがえのないものとなることでしょう。 フォークトは2020年にパリ室内Oの音楽監督に着任すると、次々と意欲的なプログラムに取り組みましたが、期せずして病が進行し、このコンビの 録音としてはメンデルスゾーンのピアノ協奏曲集(ODE-1400として発売済)とここに収録されたモーツァルトの2曲だけとなってしまいました。原盤解説書(英 語と独語)には当録音のプロデューサーであるクリストフ・フランケ氏が7ページ余りにおよぶ回想を寄せています。それによればフォークトは録音期間中も闘病 という現実に向き合いつつも常にものごとを前向きに考え、相反する感情の中を生きていたと言います。ここに聴かれる演奏も、決して自らの死を予感した人 の悲しみ一色の演奏というようなものではなく、第9番の若々しい華やぎと中間楽章の悲嘆、第24番の暗く力強いドラマにはさまれた中間楽章の無垢な音 の戯れなど、フォークトの円熟が自然体で伝わるものとなっています。フォークトの遺産としてのみならず、現代にふさわしい美感と様式感を備えた両曲の名 演奏の一つとして聴き継がれるに値する1枚と言えるでしょう。 第24番のカデンツァはラルス・フォークトの自作。マルティン・ヘルムヒェンもPENTATONE盤でこのカデンツァを演奏しています。
※国内仕様盤には原盤解説の全訳に加え、 大津聡氏による解説が付属します 。

Da Vinci Classics
C-00755(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番&第14番(作曲者編曲によるピアノ五重奏版)
ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
ピエロ・バルバレスキ(P)、
トリオ・ヘーゲル 〔ダヴィド・スカローニ(Vn1)、ダヴィデ・ブラーヴォ(Va)、アンドレア・マルコリーニ(Vc)、ジュリア・セッラ(Vn2)〕

録音:2022年5月、チーゴレ(イタリア)
チアーニの同門ピエロ・バルバレスキによるモーツァルトのピアノ協奏曲!モーツァルトが愛した2つのピアノ協奏曲、第12番と第14番の作曲家自身による「ピアノ+弦楽四重奏」のバージョンを収録!オペラの作曲技術をピアノ協奏曲にも適用させたモーツァルトは、これらの協奏曲の楽器編成を小編成の室内アンサンブルにすることで、オペラの場面を室内楽の文脈の中に取り込み、ソリスト同士の対話を実現しました。ディノ・チアーニの師でもあるマルタ・デル・ヴェッキオからピアノを学んだ実力派、ピエロ・バルバレスキが牽引するアンサンブルによる生き生きとした演奏をお楽しみください。同じメンバーによる第11番と第13番の演奏(C00336)もリリースされています。

Chopin University Press
UMFCCD-126(1CD)
21世紀のアコーディオン協奏曲集
ラファウ・ヤニャク(1986-):バンドネオンと室内オーケストラのための協奏曲「過去の追憶」(2015)
ニコラ・コウォジェイチク(1986-):サクソフォン、バンドネオンと弦楽オーケストラのための協奏曲(2018)
トマシュ・オパウカ(1983-):アコーディオンと弦楽オーケストラのための協奏曲「ブラック・ストリームズ」(2017
ラファウ・グジョンカ(バンドネオン、アコーディオン)、
パヴェウ・グスナル(Sax)、
ショパン音楽大学室内O、
ラファウ・ヤニャク(指)
1980年代生まれの3人の作曲家によるバンドネオン/アコーディオンのための協奏曲集を世界初録音で収録。それぞれの作品はタンゴからの強い影響を受けつつ、ヨーロッパ音楽やジャズなど、さまざまなイディオムが織り交ざっています。ソリストの芸術性を披露する特別な機会であるヴィルトゥオジックなカデンツァにも注目です。

DUX
DUX-1873(1CD)
ガスマン:ハープ協奏曲&トランペット協奏曲
ゲイリー・ガスマン
(1952-):ロマンティックな協奏曲(ハープ協奏曲)(2018)
トランペット協奏曲(2020)/マルガリータ(2022)
マウゴジャタ・ザレフスカ(Hp)、
ゲイリー・ガスマン(Tp)、
ミロスワフ・ヤツェク・ブワシュチク(指)、
ポドラシェ歌劇場フィルハーモニーO

録音:2022年6月
アメリカの作曲家、ジャズミュージシャン、トランペット奏者のゲイリー・ガスマン(1952-)が作曲した、ジャズとクラシックのフュージョン、あるいは映画音楽のような美しい協奏曲集。ハープ奏者の妻、マウゴジャタ・ザレフスカのために書かれた「ロマンティックな協奏曲」と、ガスマン自身がソロを務める「トランペット協奏曲」、そしてハープとトランペット、オーケストラのために書かれた「マルガリータ」を収録しています。魅力的なメロディーラインに満ちた、驚きと発見のある1枚です。

FONE
99F-16CD(1CD)
完全数量限定盤
マダーマ宮殿のコンサート
バッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060
モーツァルト
:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
プロコフィエフ:ピーターと狼 Op.67*
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、
ルカ・ヴィニャーリ(Ob)、イタリア室内O、
アルノルド・フォア(ナレーション)*

録音:1999年、マダーマ宮殿(ローマ)
イタリアの偉大なヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドが1999年にローマのマダーマ宮殿で行ったコンサートのライヴ録音盤が、イタリアのレコーディング・エンジニア、ジュリオ・チェーザレ・リッチによって設立され、40年の歴史を持つ高音質レーベル、Foneの倉庫から発掘されました。
このコンサートは前年に指揮活動を引退したイタリアの世界的指揮者、カルロ・マリア・ジュリーニの85歳を祝して、また彼の50年以上にわたる音楽文化の発展への貢献に捧げる賛辞として開かれたもの。ローマ歌劇場の首席オーボエ奏者、ルカ・ヴィニャーリとのバッハ「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」やモーツァルトのヴァイオリン協奏曲でアッカルド50代の頃の至芸を聴くことができます。このディスクは近年ほとんど出回っていませんでしたが、この度レーベル倉庫から若干数のみ発掘されたため、完全数量限定で発売されることになりました。在庫がなくなり次第次回の入荷は未定です。

BERLINER PHILHARMONIKER
KKC-6741(1SACD)
税込定価
ラフマニノフ150
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
「メロディー」〜幻想的ピアノ小品集op.3より 3番
愛の悲しみ[クライスラー原曲]
コレルリの主題による変奏曲 ニ短調 Op.42
「夜の静けさに」6つの歌 op.4ニ長調[ゲルシュタイン編曲]
キリル・ゲルシュタイン(P)
キリル・ペトレンコ(指)BPO*

録音:2022年6月25日、ヴァルトビューネ、ベルリン(協奏曲)
2023年2月6日、フィルハーモニー、ベルリン(独奏曲)
ラフマニノフ生誕150周年を記念して「ベルリン・フィル・レコーディングス」から特別なアルバムがリリースされます。第1弾はピアニスト、キリル・ゲルシュタ インをフィーチャーした内容。これまでにもフランク・ペーター・ツィンマーマンなどソリストに焦点を当てたディスクがリリースされていますが、今回はゲルシュタ インの独奏を含む構成となっています。 まずは、ベルリン・フィルが毎年シーズンの最後に野外で行うヴァルトビューネ・コンサートの2022年ライヴ録音。急病のダニール・トリフォノフに代わってキリル・ ゲルシュタインが登場。2016年のベルリン・フィル・デビューと同じ演目ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏しました。ゲルシュタインは出演が決まった際に、 指揮者キリル・ペトレンコと2時間半のミーティングを行ったといいます。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のような有名な楽曲では、普通はそれほど打合せをす ることはないそうですが、今回ペトレンコとゲルシュタインは互いの音楽観について徹底的に話し合ったそう。
ゲルシュタインは、ペトレンコのどんなときも作品に敬 意を払い、真摯に音楽作品と向き合い、再考する姿勢に感銘を受けたといいます。2022年のヴァルトビューネはオール・ロシアプログラムで組まれており、シー ズンを鮮やかに締めくくるコンサートでもありながら、ペトレンコの世界情勢に対するメッセージ性も含んだ内容と言えるでしょう。そして本番は、冒頭の鐘の音を 模したピアノの和音。言わずと知れた10度の音程は、ゲルシュタインの大きな手で難なく弾きこなし、第2楽章の夢見るような美しい旋律、繊細なカデンツァ、第 3楽章ではピアノの華麗な走句を展開しながら、ドラマティックなクライマックスへと突き進んでいきます。心の奥底まで響くラフマニノフの美しさ溢れる演奏となっ ています。 ゲルシュタインはこのアルバムに収録するソロ作品を考える際に、ピアノ協奏曲第2番という中期の傑作を核としながらも、初期から後期の作品を網羅した生誕 150周年にふさわしい内容となるように選曲したといいます。まず、ポスト・チャイコフスキーを思わせる初期の傑作、幻想的小品集から「メロディ」。そして非常 に親交の深かった20世紀前半を代表するヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーに関わる2曲を収録。クライスラーの名作『愛の悲しみ』のラフマニノフによる ピアノ編曲版と、クライスラーに献呈した「コレッリの主題による変奏曲」です。最後は歌曲「6つの歌」より第3曲「夜の静けさに」をゲルシュタインによるピアノ 編曲で収録しています。これらのソロ作品は、ベルリンのフィルハーモニー大ホールで特別に録音され、消え入るようなピアニッシモに至るまで美しく音を捉えてい ます。

BIS
BISSA-2646(1SACD)
カレヴィ・アホ(1949-):協奏作品集
(1)リコーダーと室内管弦楽のための協奏曲(2020)
(2)テナー・サクソフォーンと小管弦楽のための協奏曲(2015)
(3)アコーディオンと弦楽のための協奏的ソナタ(1984/2019)
(1)エーロ・サウナマキ(リコーダー)
(2)エサ・ピエティラ(テナー・サクソフォーン)
(3)ヤンネ・ヴァルケアヨキ(アコーディオン)
サイマー・シンフォニエッタ、エルッキ・ラソンパロ(指)

[楽器:Sopranino recorder in F:Kung (model: Superio), Eagle alto recorder in F:Adriana Breukink, Alto recorder in F:Thomas M. Prescott/Nikolaj Ronimus, Bass recorder in F:Yamaha moder YRB-61/Tenor saxophone:Selmer MK VI1958/Accordion: Pigini Nova, No.97]

録音:2022年4月19〜22日、9月19&20日/ミカエリ・コンサート&コングレス・ホール(ミッケリ、フィンランド)
リコーダー、テナー・サクソフォーン、アコーディオンを主役にした協奏的作品は、ほとんどなく、ごくまれにしか作られていないようです。 フィンランドの作曲家カレヴィ・アホは、大胆なことに挑む器楽奏者たちと出会う機会が多く、彼らの楽器と演奏から刺激を受け、「まれ」な楽器の協奏曲をさまざ まに手がけてきました。
「リコーダーと室内管弦楽のための協奏曲」は、1楽章の作品です。「ミステリオーゾ」に始まり最後の〈コーダ〉まで、テンポがさまざまに変化。バス・リコーダー からソプラニーノまで、ソリストが4種類のリコーダーを持ち替え、「リコーダーの黄金時代へのフラッシュバック」といわれるヴィルトゥオーゾ的要素のある音楽を 展開していきます。2021年9月3日、エーロ・サウナマキのソロ、エルッキ・ラソンパロ指揮のサイマー・シンフォニエッタによって初演されました。
「テナー・サクソフォーンと小管弦楽のための協奏曲」も1楽章で書かれています。「メスト(悲しげに)- 間奏I - ヴィヴァチッシモ、レッジェーロ(勢いよく、 軽く)- 間奏II - アンダンテ、ドレンテ(歩くような速さで、痛ましげに)- アレグロ・リトミコ(やや速くリズミカルに)- カデンツァ - エピローグ」。テナー・サ クソフォーンの潜在能力がフルに探られ、オーケストラには東洋のゴブレット・ドラム「ダラブッカ」も使われています。2016年3月10日に行われた初演のソリ スト、エサ・ピエティラが、この録音セッションに参加しました。
「アコーディオンと弦楽のための協奏的ソナタ(Sonata concertante)」は、ヤンネ・ヴァルケアヨキの提案により、1984年の「アコーディオン・ソナタ第 1番」を改作した作品です。「(モルト・ルバートの)前奏曲-パッサカリア」と「(レッジェーロの)前奏曲-(アンダンテ-ピウ・モッソ-レッジェーロの)フーガ」 の2つの楽章で構成され、フランツ・リストの超絶技巧的作品に劣らない驚異的技巧が求められています。2021年7月8日、ヴァルケアヨキがソロを弾き、ラソ ンパロが聖ミケル弦楽オーケストラを指揮してミッケリで初演されました。

Goodies
33CDR-3911(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
アルトゥール・シュナーベル(P)
ウォルター・ジュスキント(指)
フィルハーモニアO

米 VCTOR LHMV-1012
1948年6月17-18(K.466)&6月18-19日
ロンドン、アビー・ロードEMI第1スタジオ録音
アルトゥール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オースト リア領)に生まれた。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に 名教授テオドール・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・ デビュー、1933年までこの地を本拠にした。その後1932年から34年にロンドン に居を構え、1939にアメリカに移住した。このモーツァルトは大戦後の1948年 に録音されたが、SPレコードでは発売されずに、初レコードはこのRCA盤だっ た。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1890)はプラハ生まれ。1938年ナチ スの迫害を嫌ってイギリスに逃れた。EMIのハウス・コンダターとして、巨匠達 の録音伴奏指揮者を務めた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3913(1CDR)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129 ルートヴィヒ・ヘルシャー(Vc)
ヨーゼフ・カイルベルト(指)
ベルリン国立歌劇場O

日VICTOR JD-1599/601(英HMV DB4550/52と同一録音)
1938年6月8日ベルリン録音
ルートヴィヒ・ヘルシャー(1907-1996)はドイツのチェリスト。6歳でチェロを 始め、ライプツィヒでユリウス・クレンゲル(1859-1933)に、ベルリンでフーゴ ・ベッカー(1864-1941)に師事し、1930年にメンデルスゾーン賞を受賞し、1936 年フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏会でソリストとしてデビュ ーした。その後ピアノのエリー・ナイ(1882-1968)、ヴァイオリンのマックス・ シュトループ(1900-1968)とピアノ三重奏団を組んだ。ヨーゼフ・カイルベルト (1908-1968)はドイツの指揮者。これは大戦中に録音されたこの指揮者の最初期 の録音。LP時代になって多くの名録音を残しています。(グッディーズ)

Aulicus Classics
FAB-0001(2CD)
ヴィヴァルディ:「調和の霊感」 Op.3 ロベルト・ジーニ(指)
アンサンブル・コンチェルト

録音:1991年8月 イタリア ヴェネツィア
ロベルト・ジーニが指揮した1991年録音のヴィヴァルディ「調和の霊感」の久々の再 発。AULICUS CLASSICSが少し前の録音を復刻するAmadeus Bestのシリーズ。ロベ ルト・ジーニとアンサンブル・コンチェルトは、1990年前後はイタリアで最も注目された バロック音楽の牽引者だった。その後イタリアでは欧州でも特に刺激の強いバロック 音楽団体がいくつも台頭し、穏健なジーニの演奏は陰に隠れてしまった。しかし現代 から顧みると彼らの力みなく滑らかな音楽の素晴らしさが改めて実感できるでしょう。ヴ ェネツィアのサンタ・マリア・デッラ・ピエタ教会での収録。

Resonus
RES-10318(1CD)
NX-B05
バッハ:チェンバロ協奏曲集
協奏曲 ニ短調 BWV1052
協奏曲 イ長調 BWV1055
協奏曲 ニ長調 BWV1054
協奏曲 ニ短調 BWV1059 (スティーヴン・デヴァインによる再構築版)
スティーヴン・デヴァイン(チェンバロ&指揮)
使用楽器=ハンス・クリストフ・フライシャー(ハンブルク)が1710年に製作し
た1段鍵盤のチェンバロを参考に、コリン・ブースが2000年に製作した2段
鍵盤チェンバロ
エイジ・オブ・インライトゥメントO(古楽器使用)【Margaret Faultless(Vn)、Kati Debretzeni(Vn)、Max Mandel(Va)、Andrew Skidmore(Vc)、Christine Sticher(Cb)、Katharina Spreckelsen(Ob)(BWV 1059のみ)】
ピッチ a'=415Hz

録音:2022年3月1-3日
エイジ・オブ・インラントゥメントO及びゴンザーガ・バンドの首席チェンバロ奏者スティーヴン・デヴァイン。2009年からは指揮活動も始めました。 今作ではバッハのチェンバロ協奏曲の中から4曲を演奏。BWV1059はオーボエ協奏曲として冒頭の8小節半のみが遺されていますが、この録 音でデヴァインはカンタータ第35番『心も魂も乱れはて』の素材を用いて「復元」を試みています。 アリアの声楽パートをオーボエに割り当てるなどのデヴァインならではの工夫をお楽しみください。エイジ・オブ・インラントゥメントOは弦楽5部で 各パート1人の編成(BWV1059ではオーボエも参加)、精妙緻密なアンサンブルで聴かせます。

ALPHA
ALPHA-937(1CD)

NYCX-10412(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
モーツァルトとマンボ3〜美しきキューバ娘
モーツァルト:ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495
エドガー・オリヴェロ(1985-):ルンバ風ロンド
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
ホセ・ホワイト・ラフィット(ホルヘ・アラゴン編):美しきキューバ娘
ホセイト・フェルナンデス(アラゴン編):グァンタナメラ
サラ・ウィリス(Hrn)
ジョナサン・ケリー(Ob)
ヴェンツェル・フックス(Cl)
シュテファン・シュヴァイゲルト(Fg)
ハロルド・マドリガル・フリアス(Tp)
サラバンダ【サラ・ウィリス(Hrn)、ジュニエト・ロンビーダ(Sax)、ジャネル・ラスコン(P)、レオ・A. ルナ(ベース)、アレハンドロ・アギアル(カホン、マラカス)、アデル・ゴンサレス(コンガ)、エドゥアルド・ラモス(ティンバレス)】
ハバナ・リセウム・オーケストラ
 アデル・ゴンサレス(パーカッション/スペシャル・ゲスト)
ホセ・アントニオ・メンデス・パドロン(指)

録音:2022年4月 ハバナ、キューバ
国内仕様盤日本語解説…今泉晃一
ベルリン・フィルの人気ホルン奏者サラ・ウィリスがキューバのミュージシャンたちと録音し、世界的な大ヒットとなった2020年のアルバム「モーツァルトとマンボ」 (ALPHA578/NYCX-10151)、2022年の「キューバン・ダンス」(ALPHA878/NYCX-10336)に続く三部作の完結編が登場。「モーツァルトはきっと 素晴らしいキューバ人になったはず」という現地の友人の一言がきっかけとなり、彼女自身が大好きなキューバの音楽とモーツァルトを取り合わせるというなんと も不思議な企画が立ち上がりましたが、これが非常に面白い相乗効果を生みました。 3つのアルバムを合わせてサラ・ウィリスとハバナ・リセウム・オーケストラによるモーツアルトのホルン協奏曲全4曲が揃いますが、ここにもう1曲モーツアルトを加え たいという彼女の熱意に応えて、ベルリン・フィルから3人の首席奏者たちがハバナへ駆けつけ協奏交響曲の録音が実現しました。彼らはアンコールとして19 世紀にフランスで活躍したキューバ出身の作曲家・ヴァイオリニスト、ホセ・ホワイト・ラフィットが作曲した「美しきキューバ娘」も演奏。4人のソリストもオーケスト ラも肩の力を抜いて、音楽を心から楽しんでいるのが伝わる素晴らしい演奏を聴かせています。最後はキューバ国内はもとより世界中で親しまれている名曲 「グァンタナメラ(グァンタナモの娘)」のライヴ感覚溢れるパフォーマンスで、コロナ禍を乗り越えて完結したこのシリーズを締めくくります。

ALPHA
ALPHA-985(1CD)
バッハ・ミニマリスト 〜バッハ、グレツキ、アダムズ
バッハ:チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052
1. I. Allegro
 ヘンリク・グレツキ:チェンバロ協奏曲 Op.40
2. I. Allegro molto
 クヌート・ニーステッド(1915-2014)/シモン=ピエール・ベスティオン編曲:
3. 不滅のバッハ(弦楽合奏)
 ジョン・アダムズ(1947-):シェーカー・ループス
4. I. Shaking and Trembling
 ジャン・アラン(1911-1940)/ベスティオン編曲:
5. リタニ
 アダムズ:シェーカー・ループス
6. II. Hymning Slews
 バッハ//ベスティオン編曲:
7. パッサカリア ハ短調 BWV582
 ニーステッド/ベスティオン編曲:
8. 不滅のバッハ(無伴奏合唱)
 バッハ:チェンバロ協奏曲 第1番ニ短調 BWV 1052
9. III. Allegro
 グレツキ:チェンバロ協奏曲 Op.40
10. II. Vivace marcatissimo
 アダムズ:シェーカー・ループス
11. III. Loops and Verses
12. IV. A Final Shaking
 バッハ
13. コラール「汝の御座の前に、われ進み出で」 BWV668(弦楽合奏)
ルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブラ(Cemb)
ラ・タンペート(弦楽合奏、合唱…8)
シモン=ピエール・ベスティオン((指)編)

録音:2022年4月 サン=ピエール・ルーテル教会、パリ
シモン=ピエール・ベスティオンが2015年に結成したラ・タンペート。これまで主に声楽アンサンブルとしてCDをリリースしてきましたが、器楽アン サンブルにも力を入れている彼らならではの、目の覚めるような弦楽合奏によるアルバムが届けられました。ベスティオンが「まるで現代の曲の ように聴こえる」という大バッハのチェンバロ協奏曲第1番第1楽章から、同じニ短調で書かれたグレツキの協奏曲になだれ込むというオープニ ングからたいへんスリリング。チェンバロは、指揮者ベスティオンの弟でアンサンブル・レ・シュルプリーズの共同主宰者でもあるルイ=ノエル・ベス ティオン・ド・カンブラが担当しています。またガット弦を用いているため、ジョン・アダムズなどはたいへん新鮮な響き。現代ノルウェーの作曲家ク ヌート・ニーステッドが、バッハのコラール「甘き死よ来たれ」BWV 478を元にゆったりとしたインプロヴィゼーションの要素を加えて作曲した合唱 曲「不滅のバッハ」は、弦楽合奏版とラ・タンペートの為のア・カペラ版と2回収録しており、トーンクラスターが美しく響くこの作品で、今回た だ1曲だけ彼らの高度な合唱(メンバーはアンサンブルと兼任)を聴くことが出来ます。最後は、視力を失った死の床のバッハが口伝で譜面を 起こさせたという伝説を持つ美しいコラールを小編成で収録。これまでのアルバムでも古楽と現代を行き来する先鋭的なプログラムを得意と してきた彼らですが、今回はより刺激的な構成になっているといえるでしょう。

DACAPO
MAR-8.224753(1CD)
NX-B08
アウゴスト・エナ(1859-1939):ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(1896)
交響曲第2番ホ長調(1907)
アンナ・アガフィア(Vn)
ボゴタPO
ヨアキム・グスタフソン(指)

録音:2022年9月26-29日
デンマークでシチリア系の家庭に生まれ、19世紀後半から20世紀前半を生きたアウゴスト・エナの大作2編を収めたアルバム。メロディアスで分厚いサウンド が魅力です。 ワーグナーとフランス近代音楽に影響を受けた重厚なサウンドと次々と湧き出る親しみやすい楽想を持ち、国際的・普遍的なスタイルを目指したエナの作品 は、民族色が希薄なこともあって、デンマークよりもアメリカやオーストラリアで好評を博しました。このアルバムに収められた2曲ともエナ作品の特徴である美し いメロディが特徴です。 エナ自身がヴァイオリニストだったこともあり、高度な技巧と情感豊かな表現を結び付けたヴァイオリン協奏曲は彼の代表作とされることの多い充実した出来 栄え。急緩急の3楽章構成で、第2楽章アンダンテが悲劇的な和音で始まるのが強い印象を残します。アレグロ・スケルツァンドの終楽章にシベリウス作品 に通じるものを感じる人もいることでしょう。交響曲第2番は伝統的な4楽章構成で、ブルックナーのようにもワーグナーのようにも聞こえるところがあります。こ の「初めて聴くのに既視感がある」というのはエナ作品の特徴かもしれません。後期ロマン派のオーケストラ作品を開拓したい人にお勧めです。コロンビアのボ ゴタ・フィルがホットな演奏を展開しています。


Treasures
TRE-297(1CDR)
エッシュバッハーのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第17番Op.31-2「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第26番Op.81a「告別」*
ロンド・ア・カプリッチョ「なくした小銭への怒り」Op.129
ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15#
アドリアン・エッシュバッハー(P)
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)#
ルツェルン祝祭O#

録音:1950年9月19日、1951年5月22日*、1947年8月27日#
※音源:独DG LPM-18220、米Discocorp RR-438#
◎収録時間:79:15
“大指揮者と対等に音楽を紡ぎ合った美しき協奏!”
■音源について
ピアノ協奏曲は廉価CDでも発売されていましたが、音の生々しさはこのDiscocorp盤に遠く及びません。エッシュバッハーお得意のベートーヴェンですが、ピアノ・ソナタの録音はこの2曲のみ。協奏曲もこの1曲しか遺していません。

「テンペスト」は、ライヴかと勘違いするほどの凄い気迫!特に提示部の第2主題からの切迫感が強烈で、リピート時の第1主題のミスタッチもなんのその。再現部では、ラルゴの走句に追加されるレチタティーヴォが実に幻想的で、第2主題は一層熱を帯びて再現されます。第2楽章は、短い音価の音符の扱いに細心の配慮を払いつつ、フレージングの淀みを回避。終楽章は主題の全貌をぼかして開始し、遠近感を与えつつ推移。展開部以降は構築感と集中力がピークに達し、4:52以降の強弱の入れ替えにおける自然なドラマ性は流石です。
 更に素晴らしいのが「告別」。第1楽章序奏の、小さな部屋にぽつんと佇む風情からハッとさせられます。主部以降は「テンペスト」とは別人のようにペダルを抑制して噛んで含めるように進行。バックハウスのような威厳とは一線を画す内省的なニュアンスが心を捉えます。展開部では、少ない音符の隙間にそこはかとない悲しみが印象的。第2楽章は不安な空気感を煽らず、楽譜をサラリと忠実に再現することで常に希望の光を滲ませませながら、終楽章の喜びへの自然な流れを築きます。
 協奏曲は、まずは冒頭、フルトヴェングラーの指揮の充実ぶりに心打たれますが、エッシュバッハーはこれと互角に渡り合えるの?という心配は御無用。端正な造形美を湛えながら可憐な表情を紡ぎます。第2主題の澄み切った音色と微笑みの表情は、この楽章にこれ以上望めないほど魅力的で、偉大な指揮者に萎縮する素振りなど見せません。構えの大きな第2楽章も素晴らしく、3:24からのふくよかな呼吸感や3:50以降の華麗なタッチは必聴。終楽章は決して疾走に傾かず、音の跳躍の愉しさが伝わるテンポをフルトヴェングラーと共有しながら確実にニュアンスを紡ぎます。特にノリだけでで進行しやすい第2副主題(2:44〜)にも丁寧に表情が刻印されていおり、その入念なアプローチが大きく功を奏しています。一方で、推進力も盤石。コーダの追い込みが高圧的な熱狂ではなく素直な歓喜として響くのも、この作品に相応しいニュアンスと言えましょう。【2023年7月・湧々堂】

DOREMI
DHR-8207(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第16集
(1)ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVII:11
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.26
(3)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
(4)ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲 Op.2-2
スカルラッティ:ソナタ ニ短調 L.422, K.141
(5)ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60、夜想曲 ヘ長調 Op.15-1、マズルカ ハ長調 Op.24-2、マズルカ イ短調 Op.59-1、マズルカ 変
イ長調 Op.59-2、夜想曲 変ホ長調 Op.55-2、スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39、練習曲 嬰ハ短調 Op.10-4
(6)バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ Sz.110
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ロンドン・シンフォニエッタ
 録音:1980年6月6日ミラノ
(2)クラウディオ・アバド(指)、フランス国立O
 録音:1969年11月12日パリ
(3)シャルル・デュトワ(指)、ローザンヌ室内O
 録音:1959年1月19日ローザンヌ
(4)録音:1979年4月22日アムステルダム・リサイタル
(5)録音:1967年6月5日ベルガモ・リサイタル
(6)スティーヴン・コヴァセヴィチ(P)、ウィリー・ハウドスワールト&ミカエル・デ・ルー(打楽器)
 録音:1977年5月8日/アムステルダム・リサイタル
アルゲリッチの貴重ライヴ音源集第16弾。協奏曲とソロ、そしてバルトークの『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』のライヴ演奏が聴けます。
Naive
OP-7368(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集XI〜アンナ・マリアに捧ぐ〜
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV229、変ロ長調 RV363(Il corneto da posta/ポストホルン)、ニ長調 RV207、
変ホ長調 RV260、ハ長調 RV179a、変ホ長調 RV261、ラルゴ(RV179aより〜オリジナルの装飾音で演奏)
ファビオ・ビオンディ(Vn、指)
エウローパ・ガランテ

録音:2020年10月9-13日、イタリア
ヴィヴァルディ・エディション最新刊は、ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテによるヴァイオリン協奏曲集!ヴィヴァルディ・エディション全体としては 第71巻目となり、シリーズ中のヴァイオリン協奏曲としては11枚目となります。今回の演目は、18世紀初頭の最も有名な演奏家の一人、アンナ・マリアの名 を冠したヴァイオリン協奏曲集。ヴィヴァルディが 40年間教鞭を執ったピエタ教会出身の神童であり、卓越した演奏家であったアンナ・マリア(1696-1782)は、 優れたヴァイオリニストであると同時に、ヴィオラ・ダモーレ、テオルボ、チェンバロ、チェロ、リュート、マンドリンにも長けていました。彼女の名声はヨーロッ パ中にとどろいており、ヴィヴァルディが彼女に献呈した作品はRV 286(聖ロレンツォの祝日のために)やRV581, 582(聖母被昇天の祝日のために)など、 数多くの作品を献呈、ないし彼女のために書いたと考えられています。ここでは1710年から1720年代にかけて作曲された6曲を収録。独奏ヴァイオリン+ 弦楽(Vn、ヴィオラ・チェロ、ヴィオローネ)にアーチリュートとクラヴィチェンバロという編成で、時に茶目っ気たっぷりに、時に重厚な雰囲気でと、 自由自在に表情や雰囲気を変えて演奏しています。協奏曲RV179aのラルゴでは、アンナ・マリア自身による豊かな装飾が施されたヴァージョンも収録してい ます。ヴィヴァルディを熟知しているビオンディと、エウローパ・ガランテが、真骨頂を発揮しています。 (Ki)

H.M.F
HMM-931833(1CD)
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調op. 53
ピアノ三重奏曲 第3番ヘ短調 op.65*
イザ ベ ル・ファウスト(Vn)
ジャン=ギアン・ケラス(Vc)
アレクサンドル・メルニコフ(P))
イルジー・ビエロフラーヴェク(指)
プラハ・フィルハーモニア

録音:2003年9月ルドルフィヌム、プラハ
2003年12月テルデックス・スタジオ、ベルリン*
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は、チェロ協奏曲の陰に隠れがちですが、他の有名協奏曲に劣らない名曲です。またファウストの演奏は細やかな感性を 絶妙に表現し、透明感を失わず、詩情を大切にした音楽で、聴き手に爽やかな後味を残してくれます。 そしてピアノ三重奏曲では、ファウスト、ケラス、メルニコフという黄金トリオによる演奏で、ドヴォルザークのスラヴ的な哀愁と陰影を見事に描き出しています。 (Ki)
H.M.F
HMM-931816(1CD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb-1
 チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb-2
モン(1717〜50):チェロ協奏曲 ト短調
ジャン=ギアン・ケラス(Vc)
ペトラ・ミュレ ヤンス (指&Vn)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2003年3月、テルデックス・スタジオ・ベルリン
チェロ奏者ならだれもが演奏するレパートリーのハイドンのチェロ協奏曲をケラスとフライブルク・バロック・オーケストラという最高の布陣の演奏で。カップ リングのモンの協奏曲も、ハイドン以前(バロックから古典派への移行期に生きた)に書かれた傑作です。ハ長調の協奏曲で聴かせる活きのよい音楽(とくに終 楽章のアグレッシヴさは快感です)、ニ長調の協奏曲で聴かせる優しい明るさ。ケラスの縦横無尽の才を堪能できる1枚です。フライブルク・バロック・オーケ ストラの巧さも一聴に値します。 (Ki)

DUX
DUX-1958(1CD)
ポーランドの協奏曲集 Vol.1
マルセロ・ニシンマン(1970-):ポーランドの旋律による13の変奏曲(2018)〜ヴァイオリン、チェロと室内オーケストラのための
ミコワイ・グレツキ(1971-):セカンド・スペース(2010)〜弦楽四重奏と弦楽オーケストラのための
パヴェウ・ウカシェフスキ(1968-):ネオポリス・コンチェルト(2017)〜ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための
エヴァ・ファビアンスカ=イェリンスカ(1989-):ヴィオラ協奏曲(2015)〜ヴィオラと弦楽オーケストラのための*
エマヌエル・サルヴァドール(Vn、指)、
アンドリー・ヴィトヴィッチ(Va)、
エミリア・ゴフ・サルヴァドール(Va)*、
コンスタンティン・ハイドリッヒ(Vc)、
バルティック・ネオポリスO

録音:2022年
ポーランドの現代音楽作曲家による協奏的作品の世界初録音を集めた1枚。ヘンリク・グレツキの息子であるミコワイ・ピオトル・グレツキ(1971-)の弦楽四重奏と弦楽オーケストラの自由な対話を描いた作品や、日本では合唱関係者・愛好家に知られるパヴェウ・ウカシェフスキ(1968-)の深く瞑想的な雰囲気を湛えたヴァイオリン協奏曲など、21世紀の興味深い作品が集められています。

ANTARCTICA
ANTAR-046(1CD)
ロベール・グロスロ(1951-):ヴァイオリン協奏曲第2番Op.129
Now, Voyager, sail...(交響曲第1番) Op.130*
リナス・ロス(Vn)
ロベール・グロスロ(指)
ブリュッセル・フィルハーモニック

録音:2020年4月19日、9月3日、2021年6月14・15日*
ベルギーの作曲家ロベール・グロスロによる調性感をもった現代作品集。ヴァイオリン協奏曲第2番は「好きな作曲家であるシベリウスに近い」とグロスロ が語っており、透明感がありつつも暗く重い雰囲気がただよう独特な美しさを持っています。またアメリカの作家ウォルト・ホイットマンの詩にちなんだ『Now, Voyager, sail...』はグロスロの最初の交響曲で、そのスケルツォ楽章にはビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収録さ れている「ゲッティング・ベター」が素材として用いられています。

SWR music
SWR-19129CD(1CD)
NX-B02
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(カデンツァ=ベートーヴェン)
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
シュトゥットガルトRSO
アントワーヌ・ド・バヴィエ(指)

録音:1956年7月11日(モノラル・ライヴ)
20世紀を代表するピアニストの一人、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920-1995)、36歳のライヴがリマスターされて登場。 完璧主義者のミケランジェリは、共演者やレパートリーを厳選し、録音には滅多にOKを出しませんでしたが、放送には同意していたため、Pianist Discography.comによれば、モーツァルトの第15番には7種、第20番には9種もの録音が存在します。 モーツァルト生誕200年にあたる1956年7月11日、ルートヴィヒスブルク音楽祭でライヴ録音されたこの演奏は、壮年期のミケランジェリらしく理知的 で力強く、推進力漲る演奏。2013年にSWR(南西ドイツ放送)からライセンスされたマスターを使ってICA CLASSICSからリリースされたのと同一音 源ですが、今回は本家SWRで新たにマスタリングしたとのことです。 指揮者のアントワーヌ・ド・バヴィエ(アントン・フォン・バヴィエルとも)はスイス出身のクラリネット奏者。フルトヴェングラーの勧めで指揮をはじめ、ビルバオ SOを指揮した後、ザルツブルク・モーツァルテウムで室内楽を教え、1990年代にはプラハのスーク室内Oの指揮者を務めました。

Acte Prealable
AP-0560(1CD)
アルトゥル・チェシラク(b.1968):協奏曲集
クラリネット協奏曲
左手のためのピアノ協奏曲
管楽器と打楽器のための音楽(2人のドラマーと指揮者を伴うヴァージョン)
クラリネット・ソナタ
バルバラ・ハレツ(指)、
ミレナ・パルカイ(P)、
ボグスワフ・ヤクボフスキ(Cl)、
マルタ・ミクリンスカ(パーカッション)、
シモン・ガツェク(パーカッション)、
クシシュトフ・ソヴィンスキ(P)、
フィールハーモニー・クインテット(木管五重奏団)、
シュチェチン芸術アカデミーの器楽奏者たち
アルトゥル・チェシラク(b.1968)の協奏曲作品集。チェシラクはワルシャワのショパン音楽院と、ポズナンのパデレフスキ音楽院で学びました。当初はピアニストとして精力的に活動し、1990年代半ばから作曲家としても活躍し始めました。チェシラクは独自の様式と音響技法の開発に努めながらも、ヨーロッパの伝統的な手法も取り入れています。現在は教育者、音楽評論家としても活躍しています。

Chandos
CHAN-20168(1CD)

XCHAN-20168(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
シュトラウス、シューマン、ウェーバー:ホルン協奏曲集
シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック Op.86*
ウェーバー:ホルン小協奏曲 ホ短調 Op.45, J188
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調 Op.11, Trv117、
 ホルン協奏曲第2番変ホ長調 Trv283
マーティン・オーウェン(Hrn)
クリストファー・パークス(Hrn)*
アレック・フランク=ゲミル(Hrn)*
サラ・ウィリス(Hrn)*
ジョン・ウィルソン(指)、
BBCフィルハーモニック

録音:2022年4月25日(コンツェルトシュテュック)、9月30日&10月10日(その他の作品)、メディア・シティUK(サルフォード、イギリス)
ヨーロッパを代表するホルン奏者の一人、マーティン・オーウェンがChandosから登場。オーウェンは、ソリスト、室内楽奏者として世界各地で活躍。1998年から2008年までロイヤルPOの首席ホルン奏者を務め、現在はBBC響の首席ホルン奏者の地位に就いています。また、ロンドンの主要なオーケストラをはじめ、BPOやヨーロッパ室内Oなどでソロ・ホルン奏者も務めています。
本アルバムでは、ナチュラル・ホルンのために作曲され、重音奏法など、様々な技巧を要するウェーバーの小協奏曲。ホルン奏者でもあった父フランツの影響により、R・シュトラウスが18歳という若さで作曲し、今もなおホルンのための重要レパートリーのひとつにあげられる協奏曲第1番。そして、第1番誕生から60年後に作曲された、モーツァルト的作風の協奏曲第2番に加え、シューマンの4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックでは、オーウェンを筆頭に、クリストファー・パークス(スウェーデンRSO、シンフォニア・オヴ・ロンドン)、アレック・フランク=ゲミル(ヨーテボリSO)、そして、サラ・ウィリス(BPO)という、卓越した豪華ソリスト陣が織り成す圧倒的黄金のサウンドを堪能することができる、まさにホルンのための傑作選と呼ぶべき好企画。2022年度レコード・アカデミー賞&グラモフォン賞受賞など、評価を高め続けるジョン・ウィルソンと、BBCフィルという万全のサポートも注目すべきポイント。ホルン関係者はもとより、管楽器愛好家にもおすすめの注目盤が堂々の登場です。

Signum Classics
SIGCD-764(1CD)
バッハ:ハープシコード協奏曲集 Vol.2
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV1050
ハープシコード協奏曲 ホ長調 BWV1053
ハープシコード協奏曲 ヘ短調 BWV 1056
ハープシコード協奏曲 ヘ長調 BWV 1057
ハノーヴァー・バンド、
アンドルー・アーサー(指&ハープシコード)

録音:2019年5月&2022年3月、セント・ニコラス教会(アランデル、イギリス)
H.I.P(歴史的情報に基づく演奏)の分野でよく知られており、鍵盤楽器のソリストや通奏低音奏者、指揮者としてイギリスの主要なピリオド楽器オーケストラや合唱団と共演しているアンドルー・アーサーが指揮とハープシコードを務めた、ハノーヴァー・バンドとのバッハのハープシコード協奏曲集の第2弾!前作(PSIGCD-710、SIGCD-710)は『レコード芸術』準特選盤に選ばれるなど話題となりました。
今作では「ブランデンブルク協奏曲第5番」を取り上げており、さらに「ブランデンブルク協奏曲第4番」を編曲した「ハープシコード協奏曲 ヘ長調 BWV1057」などを収録。バッハのハープシコード協奏曲は、ソリストにかなりの技量を求めますが、その一方でソリストだけが目立つのではなくアンサンブル全体の中の一部として存在しており、全ての楽器が平等かつ補完された形で音楽を担っています。アンドルー・アーサーとハノーヴァー・バンドの演奏はそれを見事に体現して見せています。
ハノーヴァー・バンドは1980年にキャロライン・ブラウンによって創設されたイギリスを代表する古楽器オーケストラのひとつです。歴代の指揮者にはバロック・ヴァイオリンの名手としても知られるロイ・グッドマンや、チャールズ・マッケラスなどが名を連ねています。

Chopin University Press
UMFCCD-137(1CD)
ル・クラヴサン・モデルヌ・プラス・パーカッション Vol.1
ミコワイ・ヘルテル(b.1948):ハープシコード、弦楽と打楽器のための組曲「スペインの踊り子」*
グラント・マクラクラン(b.1956):「アフリカの祝祭」 (ハープシコードとアフリカン・パーカッションのための)
アンジェイ・カラウォフ(b.1991):「フェイタル・ミラーズ」 (打楽器とハープシコードのための)
ミコワイ・ヘルテル:「アウト・オヴ・タイム」 (フルート、打楽器とハープシコードのための)*
アリナ・ラトコフスカ(ハープシコード)、
レシェク・ロレント(パーカッション)、
アガタ・イグラス(Fl)、
ヤン・グララ(パーカッション)、
ショパン音楽大学室内O、
ラファウ・ヤニャク(指)

録音:2021年4月14日、6月28日、8月5日‐6日(ポーランド、ワルシャワ)
*世界初録音
ハープシコード奏者アリナ・ラトコフスカの発案により、ハープシコードとさまざまな楽器の組み合わせを、現代のレパートリーにのせて紹介するシリーズが始動。その第1弾は、ハープシコードとパーカッションの組み合わせで、ヨーロッパやアフリカ、ブラジルの伝統的な音楽に触れることができます。本アルバムの最初と最後を担うミコワイ・ヘルテルの楽曲はいずれも世界初録音。

NEOS
NEOS-1231314(2CD)
現代のヴィオラ協奏曲集
1. クリスティアン・ヨースト(b.1963):Mozarts 13097. Tag(2005)〜ヴァイオリン、ヴィオラとオーケストラのための協奏交響曲*
2. ハンス・ウルリヒ・レーマン(1937-2013):Contradictions(2008)〜独奏ヴィオラと室内オーケストラのための*
3. ナディア・ヴァッセナ(b.1970):D’oltremare(2012)〜ヴィオラと小オーケストラのための*
4. ダーフィト・フィリップ・ヘフティ(b.1975):Cantabile(1975)〜ヴィオラとオーケストラのための協奏曲*
5. モートン・フェルドマン(1926-1987):The Viola in My Life IV(1971)〜ヴィオラとオーケストラのための
6. ギヤ・カンチェリ(1935-2019):Styx(1999)〜ヴィオラ、混声合唱とオーケストラのためののための
7. ハインツ・ホリガー(b.1939):Recicanto(2001)〜ヴィオラと小オーケストラのための
ユルク・デーラー(Va)、
ウィリ・ツィンマーマン(Vn)、
コレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥール、スイス室内cho
ヤック・ファン・ステーン(指/1,6)、
ハインツ・ホリガー(指/2,7)、
ダグラス・ボイド(指/3)、
ダーフィト・フィリップ・ヘフティ(指揮/4)、ベアート・フラー(指/5)

録音:1999年〜2021年(2を除きライヴ録音)
*世界初録音
シャーンドル・ヴェーグやフョードル・ドルジーニン、ピンカス・ズーカーマン、キム・カシュカシャンらに師事したスイス出身のヴァイオリニスト/ヴィオリスト、ユルク・デーラーによる現代のヴィオラ協奏曲集。彼が現代音楽に奉仕してきた30年間の記録ともいえる2枚組のアルバムで、CD1には世界初録音の4作品、CD2には今回のレコーディングがスイス初演となる3作品が収録されています。デーラーはチューリッヒ・トーンハレでダニエル・シュナイダーのヴィオラ協奏曲を世界初演してデビューし、その後多くの有名なオーケストラに客演しているほか、1993年以降はコレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥールの首席ヴィオラ奏者を務めています。

Challenge Classics
CC-72951(1CD)
サン・サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調 Op.61
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82
ルドルフ・コエルマン(Vn)
パウル・K・ハウク(指)
シンフォニエッタ・シャフハウゼン

録音:2021年11月18・19日シャフハウゼン、聖ヨハネ教会
ヤッシャ・ハイフェッツに学び、ロイヤル・コンセルトヘボウOのコンサートマスターも務めたルドルフ・コエルマンによる、後期ロマン派の美しいヴァイオリ ン協奏曲集。コエルマンが師ハイフェッツに捧げるアルバムとして選曲したプログラムです。
グラズノフの協奏曲は名ヴァイオリニスト、レオポルド・アウアーのために書かれたもので、ハイフェッツは10代の頃アウアーから直接この曲について学んでいま す。またサン=サーンスの第3協奏曲は、ハイフェッツ自身が録音したかったが、実現できなかった曲だとコエルマンに語っていたそうです。コエルマンの演奏は師 を思いながらも自身の音楽を力強く展開するもので、両曲の持ち味を存分に堪能いただけます。 (Ki)


Treasures
TRE-312(1CDR)
ヘブラー〜ステレオ初期の協奏曲録音集
ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調Hob.18-11*
モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番変ロ長調K.456
 ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
シモン・ゴールドベルク(指)オランダ室内O*
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)ウィーンSO

録音:1960年7月1-3日*、1959年5月9-11日
※音源:蘭PHILIPS 802737DXY*、日Victor SFON-7508
◎収録時間:79:52
“穏やかなだけではないヘブラーの頑なにブレないピアニズム!”
■音源について
★ヘブラーにとってハイドンの協奏曲はN響とも共演(1983年)した大切なレパートリーですが、これが唯一の録音。モーツァルの2曲はそれぞれ3種のセッション録音があり、最も有名なのは60年代にLSOと録音した選集ですが、ここに収録したのはそれとは別のフィリップスに移籍直後の録音。

ハイドンは、ヘブラー特有の可憐さと気品を兼ね備えたタッチが活ききった名演奏。「女性らしさ」の範疇を超える芯の確かなタッチがものを言い、リズムが生き生きと湧き立ち、夢のような空間を現出。第1楽章再現部5:16からの体全体で飛び込む勢いは、ヘブラーの一般的なイメージを覆すのに十分で、心躍ること請け合い!もちろん終楽章も同様。1:54からの装飾音から弾ける愉しさはひとしお。第2楽章も十分にリリシズムを湛えながらも安易な柔和なトーンでやり過ごさず、古典的様式の範疇で凛としたタッチを確実に配置。指揮のゴールドベルクとの一体感も、これ以上のものは考えられないほどです。
 指揮とのコンビネーションの良さは、モーツァルトも同じ。メジャー・デビュー直後のドホナーニの瑞々しくも配慮の行き届いた指揮に、ヘブラーは心おきなく自身のピアニズムを羽ばたかせます。「第18番」第1楽章2:38からの音型の粒立ちの良さとよく通る響き、均整の取れたフォルムは、これまたヘブラーのピアニズムが決して柔和さ一辺倒でないことの証明。展開部では、ウィーン響の素朴な木管との掛け合いの何と愉しいことでしょう。第2楽章はピアノの入りに要注目!この楽想にこれ以上のタッチのニュアンスがあり得るでしょうか?伏し目がちでありながら決して暗く沈むこまない絶妙な表情は、まさにモーツァルトをライフワークとするヘブラーの面目躍如!
同じ音を連打する際に均衡を保って響かせる手腕もヘブラーの武器の一つで、終楽章冒頭もその好例。その何でもない行為が音楽を魅力的にさせるのに欠かせないことを体で知っているのです。フレージングからだけでなく、リズムからも語りかけのニュアンスが零れ出るのもヘブラーの魅力。テンポの速い楽章でもその姿勢にブレはなく、足場を固めながらそれを実践する様をこの終楽章でご堪能下さい。
 「第27番」は、第1楽章の冒頭を極めて内省的なタッチで開始するのが意外ですが、それが楽章全体で一貫していることからも、それがただの気まぐれではないのはもちろんのこと、展開部の陰影に飛んだニュアンスへ繋げるための布石であることに気付かされます。
 第2楽章冒頭では、先述のヘブラーの「リズムで語る」魅力を痛感。それを受けるドホナーニの指揮がまた絶妙で、強弱ニュアンスへの繊細な配慮は見事。その両者が、余分なものを全て排除した少ない音符を丹念に紡ぐ8分間は、浮世の雑念とは完全に隔絶した世界です。
終楽章は、菩薩のような笑みを浮かべた表情がたまりません!「癒やし」などという安直な意味ではなく、自信をなくしている全ての人の心を一旦リセットし、「何とかなりそうだ」と思わせるような不思議な光とパワーを感じるのは私だけでしょうか?そう思わせるのも、一見温和でありながら背後では頑として譲れないピアニズムを貫くブラーの意志の強さの賜物だと思うのです。【2023年6月・湧々堂】

Indesens Calliope Records
IC-013(1CD)
シャモー:協奏曲集
フィリップ・シャモー:ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲
バスーンと管弦楽のための協
奏曲
トランペットと管弦楽のための夜想協奏曲
エリック・オービエ(Tp)、
スヴェトリン・ルセフ(Vn)、
ジョルジオ・マンドレージ(バスーン)、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)ドゥエO

録音:2023年2月6日-7日(ドゥエ、フランス)
ギャルド・レピュブリケーヌOの首席指揮者として活躍したロジェ・ブートリーの門下生であり、ナディア・ブーランジェの孫弟子にあたるフランス人作曲家フィリップ・シャモー(1952-)。瞑想的、神秘的な作風を特徴とするシャモーが書いた、ヴァイオリン、バスーン、トランペットのための協奏曲集が登場。
メルボルン国際室内楽コンクール、ロン=ティボー国際コンクール、2001年には第1回仙台国際音楽コンクールで優勝を果たし、フランス国立放送POのコンサートマスターを務めるブルガリア出身のヴァイオリニスト、スヴェトリン・ルセフ。
名門パリOの首席バスーン奏者のジョルジオ・マンドレージ。モーリス・アンドレの高弟であり、その流派を受け継ぐフランスの名トランペット奏者、エリック・オービエという豪華ソリスト陣が名を連ねています。

Chopin University Press
UMFCCD-143(1CD)
ニュー・ダブル・アコーディオン・コンチェルトズ
バッハ:2台のハープシコード協奏曲 ハ短調 BWV1060/2台のハープシコード協奏曲 ハ長調 BWV1061/2台のハープシコード協奏曲 ハ短調 BWV1062
デュオアコスフィア〔グジェゴシュ・パルス(第1アコーディオン)、アレナ・ブジニャーコヴァー(第2アコーディオン)〕、カペラ・クラコヴィエンシス弦楽五重奏団

録音:2019年
国際的アコーディオン・デュオのデュオアコスフィアは、それぞれの国でアコーディオン奏者として傑出した地位を築いているポーランドのグジェゴシュ・パルスとスロヴァキアのアレナ・ブジニャーコヴァーの2人によって2011年に結成され、この編成では類を見ないほど世界各地で音楽祭への出演や多くのコンサートを開催し圧倒的な評価を得ています。このアルバムではカペラ・クラコヴィエンシス弦楽五重奏団を迎えてバッハの2台のハープシコード協奏曲をアコーディオンとピリオド楽器で演奏するとどうなるかという試みがなされており、アコーディオンの新たな可能性を感じさせてくれています。

MIRARE
MIR-670(1CD)
Momentum1
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲(ロ短調)
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ(ロ短調)
リヤ・ペトロワ(Vn/Helios、1735年カルロ・ベルゴンツィ製)
ロイヤルPO
ダンカン・ウォード(指)
アダム・ラルーム(P)

録音:[ウォルトン]2022年9月5日、ロンドン/[レスピーギ]2023年1月28-29日
2016年のカール・ニールセン・コンクールで優勝し一躍世界の注目を集めたペトロワ。最新盤となる本盤は、[Momentum(運動量、推進力、勢い)]シリー ズの第1弾。ウォルトンの協奏曲とレスピーギのソナタを収録。続編(2024年リリース予定)にはコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲とR.シュトラウスのソナタを 収録する、ウォルトンとコルンゴルトという2つの作品を軸に構成した意欲的なプロジェクトです。ウォルトンの協奏曲は1938年、続編に収録のコルンゴルトは 1945年という、激動の時代に作曲され、どちらもハイフェッツによって初演されました。今回収録のウォルトンとレスピーギのソナタはどちらもロ短調、さらにウォ ルトン作品にはイタリアを意識した楽章が含まれるといった共通点があります。
ウォルトンのヴァイオリン協奏曲は美しく抒情的に歌うヴァイオリンと、ゆらぎが美しいハーモニーの管弦楽のアンサンブルで始まります。第2楽章は「アッラ・ナ ポリターナ」でタランテラ風の超絶技巧な楽章。カラフルで活気に満ちたヴィヴァーチェの終楽章でのヴァイオリンとオケの丁々発止のやりとりも聴きものです。
レスピーギのソナタは非常にオペラティックで、ピアノがフル・オーケストラのように奏でる上で、ヴァイオリンが何か実際に歌詞のある歌を歌っているような旋 律を奏でます。
ペトロワの次の新譜は2024年リリース予定の[Momentun 2]、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲とR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタが予定されていま す。指揮と管弦楽はウォードとロイヤル・フィル、ピアノはアレクサンドル・カントロフです。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0071(1CD)
旅へのいざない 〜ラロの「ロシア協奏曲」とその原曲ほか
(1)デュパルク:旅へのいざない(Vnと管弦楽のための編曲版)
(2)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第1番ヘ長調 Op.20
(3)サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(4)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第4番ト短調 『ロシア協奏曲』
(5)リムスキー=コルサコフ:『100のロシア民謡』 Op.24より 「エヴラシェヴォ村の鐘が鳴る」(弦楽合奏のための編曲版)
(6)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第4番ト短調 『ロシア協奏曲』 Op.29第2〜4楽章
(7)リムスキー=コルサコフ:『100のロシア民謡』 Op.24より 「ノヴゴロドに鳴り響く鐘」(Vn、バセットホルン、チェレスタ、ハープ、チェロのための編曲版)
(8)ムソルグスキー:愛しいサーヴィシナ(Vn、チェロ、コントラバス、クラリネット、ホルン、ファゴットのための編曲版)
ドミトリー・スミルノフ(Vn、編曲(5)(7)(8))
ハインツ・ホリガー(指)
バーゼル室内O

録音:2022年2月23-25日/スイス、ドン・ボスコ・バーゼル
ラロのヴァイオリン協奏曲第4番『ロシア協奏曲』と、この曲でロシアの旋律を使うにあたってラロが参照したR=コルサコフ編纂の『100のロシア民謡』 を中心にして、19世紀末における東西の音楽の橋渡しをテーマに、絶妙な選曲でこまやかに作りこまれたアルバムです。歌や民謡をヴァイオリン編曲版で演奏し、 ヴァイオリンの協奏作品と組み合わせることで、音色の統一感もありつつ様々な音楽言語が織り込まれた幻想的な世界を生み出しています。
アルバムの扉を開く1曲目、『旅へのいざない』は、東方の地を幻想的に描いたボードレールのたいへん美しい韻文詩に基づく歌曲。もともとはピアノ伴奏 ですがデュパルク自身が管弦楽伴奏版も書いており、当盤ではそれをもとに歌のパートをヴァイオリンで演奏しています。原曲がピアノとは思えない繊細なオーケ ストレーションと夢みるような歌の旋律が、聴く者を彼の地へといざないます。
スペインの血を引くラロは、有名な『スペイン交響曲』(Vn協奏曲第2番)以外でもスペインの色彩をもつ音楽を書いていて、協奏曲第1番もそ のひとつ。この作品と響き合うものとして、同じくスペインの名手サラサーテのために書かれスペインの響きをもつ、サン= サーンスの 『序奏とロンド・カプリ チオーソ』が選ばれています。そして『ロシア協奏曲』は、印象的に使われたロシア民謡の原曲を大胆に挟み込むかたちで演奏。各々の作品が繋がっていくこ とで、音楽の味わいがぐっと深まっていきます。 ★最後を締めくくるのはムソルグスキーの歌曲『愛しいサーヴィシナ』。ロシア的な5拍子による物悲しくも美しい歌を、低音中心の印象的な編曲で奏でています。
ドミトリー・スミルノフは古楽から現代まで幅広くこなす若き俊英ヴァイオリニスト。2018年にバーゼルで自ら設立した室内アンサンブル「カメラータ・ライン」 では実験音楽や映画音楽まで手掛けるという多彩な音楽家です。今作ではロマン派作品のガット弦での演奏に挑戦、また巧妙なプログラミングと鮮やかな編曲も 彼によるもの。フランス・ロマン派の色彩に負けず、しかも編成にまでこだわった編曲はアルバムのハイライトとも言え、自身で演奏することによりさらに迫真の 表情が生まれています。巨匠ホリガーにとっても刺激的で新鮮なプロジェクトだったようで、非常にレベルの高い、真に交響的な演奏が繰り広げられています。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187110(1CD)
ロシアン・コンチェルト集
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82
ユリア・フィッシャー(Vn)
ヤコフ・クライツベルク(指)、
ロシア・ナショナルO

録音:2004年5月12&13日DZZ第5スタジオ(モスクワ)
ユリア・フィッシャーの衝撃のデビュー盤、ハチャトゥリアン、プロコフィエフ(第1番)、グラズノフのヴァイオリン協奏曲を収録したアルバム「ロシアン・コンチェ ルト集」がCDフォーマットで再発売いたします!
録音当時21歳だったユリア・フィッシャーですが、既に独自のスタイルを確立しており、彼女の最大の魅力と言える情熱的で表情豊かな演奏を披露しており ます。冒頭のハチャトゥリアン。一度聴いたらその旋律が耳に残る第1楽章の提示部から凄まじい存在感を示し、圧倒的なテクニックで雄大に演奏します。第2 楽章の歌謡的で抒情的な主題ではフィッシャーの美音が冴えわたり、聴き手の心を鷲掴みにします。そして、民族舞踏を想わせる無窮動とも言える終楽章は超ド 級の名演で、終結部の強烈な同音連続によって豪快に終わります。この作品はレコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤プラス100」で第1位に輝いており ます。
次に収録されたプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番では、「夢みるような」と作曲者自身が述べた第1主題を絶妙な歌い回しで弾きはじめ、緩-急-緩と配列された全3楽章構成の中で、非常に豊かな表現力を披露しております。
最後のグラズノフは終始フィッシャーの美音が冴えわたります。ヴァイオリンの様々な奏法を用い、高度な技術が要求されるこの協奏曲ですが、余裕すら感じ させる演奏には脱帽です。故ヤコフ・クライツベルク率いるロシア・ナショナルOとの熱演をお楽しみください。  (Ki)
※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5942およびPTC-5186591)は廃盤となります。

Goodies
78CDR-3909(1CDR)
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26 ユーディ・メニューイン(Vn)
ピエール・モントゥー(指)サンフランシスコSO

米 VICTOR11-8951/53
1945年1月27日サンフランシスコ録音
ユーディ・メニューイン(1916-1999)はニューヨーク生まれのユダヤ系ヴァイオ リニスト。4歳からヴァイオリン教育を受け、7歳でサンフランシスコSO と共演して初舞台を踏んだ。ルッジェロ・リッチ(1918-2012)の師でもあったル イス・パーシンガー(1887-1966)が最初のヴァイオリン教師。その後パリでジョ ルジュ・エネスコに、ベルリンでアドルフ・ブッシュ(1891-1952) に師事した。このブルッフはメニューインの2回目の録音。ピエール・モントゥ ー(1875-1964)はパリ生まれのフランスの大指揮者。1935年から1953年アメリカ のサンフランシスコSOの指揮者をつとめ、同楽団の黄金時代を築いた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3910(1CDR)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21
ワルツ第7番嬰ハ短調作品64-2
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
ジョン・バルビローリ(指)LSO

英 HMV DB1494/7
1931年1月8-9日ロンドン、キングズウェイ・ホール(協奏曲)
1930年12月17日ロンドン、小クイーンズ・ホール内スタジオC録音
アルトゥール・ルービンシュタイン(1887-1982)はポーランド生まれの大ピアニ スト。そのレパートリーは古典派から現代音楽と幅広く、電気録音の初期から レコード録音を始めた。生涯の前半をヨーロッパで過ごし、1937年にアメリカ に移住した。このショパンはルービンシュタインの初期の録音で、ここに収め られた「ワルツ嬰ハ短調」はなんとテイク8(八回やり直してOKを出した)だった。 これは限られたアーティストにのみ許されたことで、ヴァイオリンの巨匠フリッ ツ・クライスラーにテイク7(ベートーヴェン「スプリング・ソナタ」の第3楽 章-78CDR-3014)というのがあった。ルービンシュタインは後年ショパンのほぼ 全作品のレコード録音を完成しています。指揮者のジョン・バルビローリ(1899- 1970)は1916年にヘンリー・ウッドの率いるクイーンズ・ホールOにチェ リストとして入団(バッハ:チェロとピアノのためのソナタが78CDR-3443で 出ている)。1925年には自らの室内Oを組織して指揮をはじめた。1936- 43年にニューヨーク・フィルハーモニーSOの首席指揮者をつとめた。 SPレコード時代シュナーベルやクライスラーらの巨匠との録音があった。(グッディーズ)

MDG
MDG-92622816(1SACD)
ヴィルトゥオーゾの芸術 Vol.2〜ソロ・コンチェルト集
モーツァルト:3つのピアノ協奏曲〜第3番変ホ長調KV107(J.C. バッハのソナタ編)
マルティン・ザイフェルト(1681-1745):オーボエ協奏曲ハ短調
ヨハン・ジギスムント・ヴァイス(1690-1737):リュートと弦楽のための協奏曲ト短調
フランティシェク・イラーネク(1698-1778):ヴァイオリン協奏曲イ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター(1696-1765):ソナタ・グロッサ(3トランペット、2オーボエ、ティンパニ、弦楽、通奏低音))
ヨゼフ・ヘフナー(19世紀前半):キートランペットのための序奏とポロネーズ
ソリスト;
アダ・タニール(Cemb)
ハンス・ハインリヒ・クリーゲル(Ob)
佐々木勇一(Lute)
エルケ・ファブリ(Vn)
ペドロ・H・デ・ソウザ・ローサ(キートランペット)
カテルヴァ・ムジカ

録音:2022年6月2日、9月2,4日、10月27-29日、、マリエンミュンスター修道院コンツェルト
ドイツのルール地方の西部に位置するヴェストファーレンで活動する古楽アンサンブル、カテルヴァ・ムジカ。同団は、1998年にエルケ・ファブリ、ヴォルフガン グ・ファブリ夫妻によって設立。オリジナル楽器による演奏で、歴史的な音楽をただ蘇らせるだけではなく、現代的なアプローチを取り込んだ生き生きとした演奏 で定評があります。18世紀のソロ協奏曲を集めた「ヴィルトゥオーゾの芸術」第2弾 は、14歳のモーツァルトがロンドンを訪れた際に、J.C.バッハのソナタをピアノ協奏曲に編曲し た作品からはじまります。ピアノ・パートはそのままに、若き天才の驚くべき才能でロココの宝石のような魅力的な作品に仕上げています。モルターの「ソナタ・グ ロッサ」は、トランペット、ティンパニ、オーボエ、弦楽器と様々な楽器を使用した祝祭感溢れる作品。イラーネクの非常に技巧的な「ヴァイオリン協奏曲」や美しいハー モニーが印象的なザイフェルトの「オーボエ協奏曲」。そしてドイツで活躍しているリュート奏者佐々木勇一がソリストとして参加するヨハン・ジギスムント・ヴァイス の協奏曲。兄シルヴィウス・レオポルトの陰に隠れて忘れられていますが、このヨハン・ジギスムントのリュート協奏曲は、マンハイム楽派に先立つ音楽を聴くことが できます。またヨゼフ・ヘフナーの、19世紀前半には画期的だったキートランペットをソロ楽器とした序奏とポロネーズなど多彩なプログラムが収録されています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72942(1CD)
『オルフェウスの降下』 〜ロビン・デ・ラーフ(1968-):作品集
(1)ピアノ協奏曲第2番『キルクルス』(2021-2022)
(2)室内管弦楽のための『オルフェウスの降下』(2002-2003)
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番『北大西洋の光』(2002-2003)
(1)ラルフ・ファン・ラート(P)、マティアス・ピンチャー(指)、ネーデルラント放送PO
(2)ローレンス・レネス(指)、ネーデルラント放送PO
(3)トスカ・オプダム(Vn)、マルク・アルブレヒト(指)、ネーデルラントPO
録音:(1)2022年6月10日/アムステルダム、ヴェスターガスファブリーク
(2)2020年11月21日アムステルダム、コンセルトヘボウ、
(3)2019年5月20日アムステルダム、コンセルトヘボウ"
Challengeレーベルが力を入れて紹介しているオランダ現代音楽を代表する作曲家、デ・ラーフの管弦楽作品集。循環する時間をテーマとしたピアノ協奏曲『キ ルクルス(円)』、決して戻ってくることのない下降を描いた『オルフェウスの降下』、まばゆい光と水の煌めきに焦点を当てたヴァイオリン協奏曲『北大西洋の光』 を収録しています。どれも複雑・精巧でありながら、耳馴染みの良いサウンドを持っています。大編成のオーケストラをたっぷり鳴らし、華麗なソロも聴かせる、抜 群の聴き応え。 (Ki)

Hanssler
HC-23013(1CD)
ライネッケ:フルート協奏曲 ニ長調 Op.283
ペンデレツキ:フルートと室内オーケストラのための協奏曲*
クシシュトフ・カチカ(Fl)
ヤナーチェクPO、
フェリペ・トリスタン(指)

録音:2022年6月21&22日、2022年6月30日〜7月1日*/オストラバ(チェコ)
独ヘンスラー・レーベルから積極的なリリースが続いているポーランド出身のフルーティスト、クシシュトフ・カチカ。当アルバムではライネッケとペンデレツキの 協奏曲を収録しました。 <