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湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


協奏曲・新譜速報1


※発売済のアイテムも含めて、約3ヶ月間掲載しています。
※新しい情報ほど上の段に記載しています。
※表示価格は全て税込みです。




カメラータ
CMCD-28393(1CD)
税込定価
2025年1月24日発売
西村 朗 作品集20
(1) 華開世界〜オーケストラのための(2020)
(2) 三重協奏曲〈胡蝶夢〉〜ヴァイオリン、ハープ、クラリネットと管弦楽のための(2023)
(3) ピアノとオーケストラのための〈神秘的合一〉(2023)
NHKSO (1)/杉山洋一(指)(1)
小栗まち絵(Vn)(2)/篠ア和子(Hp)(2)/上田希(Cl)(2)
いずみシンフォニエッタ大阪 (2)
小菅優(P)(3)
パシフィックフィルハーモニア東京 (3)
飯森範親(指)(2)(3)

録音:2024年1月/東京(ライヴ録音)ほか
 2023年9月に急逝した西村朗が、逝去の約1か月前、自ら「最後の CD」としてタイトルと収録作品を記し、制作を託したこの管弦楽作品 集は、近作3曲を収録。  「華開世界」(尾高賞受賞)は、NHKSOの委嘱作品で2021年の 初演を収録。  「胡蝶夢」は、西村が音楽監督を務めたいずみシンフォニエッタ大阪 と、数々の委嘱作を初演してきた東京シンフォニエッタの共同委嘱作品 で、西村自身も立ち会った2023年7月の大阪での初演を収録。  「神秘的合一」は、パシフィックフィルハーモニア東京の委嘱作品で、 西村朗の絶筆となった。小菅優をソリストに迎えた2024年の初演を収録。(カメラータ)

Goodies
33CDR-3964(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第7番ニ長調 KV,271a
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調作品30-3
クルト・ヴェス(指)
オーストリアSO(モーツァルト)
セレニ・シャイエ=リシェ(P)(ベートーヴェン)

米 REMINGTON R-199-46(モーツァルト)1953年発売
米 REMINGTON R-199-93(ベートーヴェン)1952年11月発売
ヴァイオリンのヘレン・エアロフ(1916-1987)はロシア生まれ(ニューヨーク生 まれ説あり)。9歳のとき神童としてサンフランシスコでデビュー。ヨーロッパ に渡りアドルフ・ブッシュ(1891-1952)とジョルジュ・エネスコに 師事した。多くの演奏会で成功をしたが、特に第2次世界大戦中は米軍兵士 (G.I.)の慰問コンサートでアフリカ、ヨーロッパ、中近東で演奏した。エアロ フの最大の功績は、師のエネスコに録音プロデューサーのドン・ガボール (1912-1980)を紹介し、エネスコが録音していなかったバッハの無伴奏 ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲(33CDR-3385&33CDR-3385)の録音完 成を後押ししたことです。協奏曲を指揮するクルト・ヴェス(1914-1987)は オーストリアのリンツ生まれ。大指揮者フェリックス・ワインガルトナー (1863-1942)の個人教授で指揮法を学んだ。1951年から1954年までNHKSO の常任指揮者を務めたこともある。ピアノのセレニ・シャイエ=リシェはフラ ンスのリール生まれ。1898年にパリ音楽院で一等賞を得た。エネスコの没後ル ーマニアのブカレストでエネスコ資料館を立ち上げ参加した。(グッディーズ)

CPO
CPO-555152(1CD)
フリードリヒ・ゲルンスハイム(1839-1916):ピアノ協奏曲 ハ短調 Op.16
交響詩「あるドラマのために」 Op.82
チェロ協奏曲 ホ短調 Op.78
オリヴァー・トリンドル(P)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
マインツ州立PO
ヘルマン・ボイマー(指)

録音:2017年7月3-6日
ユダヤ人医師を父としてヴォルムスに生まれたゲルンスハイム。1848年、革命を避けて一家が移住したライプツィヒでモシェレ スにピアノを学び、やがてパリに留学。ロッシーニ、ラロ、サン=サーンスらと親交を結び作曲家、ピアニストとして活躍を始め るとともに、指揮者として同世代の作品を積極的に演奏するなど活躍しました。このアルバムには、ゲルンスハイムの3つの作 品を収録。ピアノ協奏曲は初期の傑作で、ブラームスやシューマンの影響が感じられる技巧的かつ豊かな旋律が特徴で す。1870年にブラームスの支援でウィーン楽友協会で初演され、ゲルンスハイム自身がピアノを演奏しました。円熟期に書 かれたチェロ協奏曲は、ラプソディックな自由形式による単一楽章の作品です。チェロが主導的役割を果たし、美しい旋律 と巧みなカデンツァが特徴で、響きは保守的ながら実験的な要素も含まれ、ドホナーニの同時代の作品と通じるものがあり ます。交響詩「あるドラマのために」はチェロ協奏曲以前の1902年頃の作曲とされ、1910年にベルリン・フィルによる初演、 1911年にはアメリカ初演も行われました。後期ロマン派らしい劇的な性格を持ちながらも明確なテーマは示されていない 謎めいた作品です。指揮者のボイマーは、これまでにゲルンスハイムの4つの交響曲(777758、777848)を録音。いずれ も高く評価されています。
CPO
CPO-555574(1CD)
アドルフ・ブッシュ:ピアノ協奏曲とピアノ作品集
アドルフ・ブッシュ(1891-1952):
ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.31(1924)*
アジタート BoO30(1909)
4つの間奏曲 - 間奏曲 イ短調 BoO102(1916)
主題と変奏 変ロ長調 Op.63(1920) - 変奏*
組曲 Op.60b
古い様式による小カノン風スケルツォ(1942)*
アンダンテ・アフェットゥオーソ BoO36(1945)
アレグロ・ヴェーメンテ BoO32(1946)
アンダンテ・エスプレッシーヴォ BoO37(1952)
フローレンス・ミレー(P)
グライツ=ライヒェンバッハ・フォクトラントPO
デイヴィッド・マーロウ(指)

録音:2022年3月29-31日、2022年7月5-9日、11月29日
*…世界初録音
アドルフ・ブッシュは、ドイツを代表するヴァイオリニストの一人で、ソリスト、SQのリーダー、教育者として 活躍しました。当時のドイツの伝統的な音楽家として演奏と作曲の両立を志向し、交響曲から器楽曲、歌劇に 至るジャンルで作品を遺しています。このアルバムに収録されたピアノ協奏曲は、1922年に出会い意気投合した ルドルフ・ゼルキン(後に娘婿となった)のために作曲し、1924年12月19日に兄フリッツの(指)ゼルキンの独奏に より、ドレスデンのゼンパーオーパーで初演が行われました。全体的にブラームスやレーガーの影響が感じられる調 性的で明確な構造を持ち、独奏パートには高度な技巧を要求するとともに、オーケストラの伴奏は対位法を駆使 した豊かな響きを持っています。この曲を大切にしていたルドルフの息子、ピーター・ゼルキンが病床で当盤のピアニ スト、ミレーに作品を紹介するように勧めたということです。他のピアノ曲は、ブッシュの家族や友人のために書かれ たもので、最晩年の作品「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」はピーターがアンコール曲として愛奏していたことでも知ら れています。

Channel Classics
CCS-48725(1CD)
エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
愛の挨拶 Op.12
ディーリアス(フレデリック・シャスラン編):ヴァイオリンと管弦楽のための組曲(Vn、ピアノと弦楽四重奏版)*
ニコラ・ドートリクール(Vn)
フレデリック・シャスラン((指)ピアノ)
BBCウェールズ・ナショナルO4
カプリチオSQ

録音:2021年10月12-13日 BBCホッディノット・ホール、2022年10月30日アトンシャテル・シティ・ホール*
高い技術力と幅広い音楽性で世界中から高く評価されているフランスのヴァイオリニスト、ニコラ・ドートリ クールのCHANNEL CLASSICSへの初録音。エルガーの大作ヴァイオリン協奏曲と、彼が婚約者のた めに名作「愛の挨拶」を書いたのと同じ年、ディーリアスが書き上げた組曲を収録。ドートリクールの張り のある音色と表現力が冴えわたります。

Linn
CKD-752(1CD)
秘めた想い 〜バッハ、ブラームス、ブゾーニ、レーガー
ブラームス(ブゾーニ編):11のコラール前奏曲 Op.122より
 X. わが心の切なる願い/VIII. 一輪のばらが咲いて
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24
ブラームス(ブゾーニ編):11のコラール前奏曲 Op.122より
30. IV. 心より喜びに満ちて
バッハ(ブラームス編):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番ニ短調 BWV1004より
 V. シャコンヌ(左手のための)
ブラームス(ブゾーニ編):11のコラール前奏曲 Op.122より
 V. おお愛する魂よ、汝を飾れ
 IX. わが心の切なる願い
ブラームス(レーガー編):4つの厳粛な歌 Op. 121
ブラームス(ブゾーニ編):11のコラール前奏曲 Op.122より
 XI. おお世よ、私は汝を去らねばならない
サムソン・ツォイ(P/Steinway D-274)

録音:2023年6月24-26日 アイ湾音楽堂、アムステルダム
カザフスタン出身のサムソン・ツォイ、パヴェル・コレスニコフとのデュオで既にアルバムをリリースしている彼による初のソロ・アルバムが登場。ブ ラームスが大バッハを手本として書き上げたオルガンのための「11のコラール前奏曲集」からブゾーニがピアノ用に編曲した6曲の間に、若き日 のブラームスがヘンデルのクラヴサン組曲HWV 434に含まれる8小節のアリアを元に書き上げた大曲、ブラームスが左手のみのために編曲し た大バッハの「シャコンヌ」、レーガーがピアノ独奏用に編曲した「4つの厳粛な歌」などを配した意欲的な内容です。ツォイは持ち前の高い技 術力と内省的とも言える感性で、これらの作品のピアニスティックな魅力を十二分に引き出しつつ、その精神的な繋がりを明らかにする見事 な演奏を聴かせています。

FUGA LIBERA
FUG-836(1CD)
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲集
フルート協奏曲 イ短調 Wq166H.431
フルート協奏曲 ト長調 Wq169H.445
フルート協奏曲 ニ短調 Wq22H.425
アリエル・ズッカーマン(フルート、指揮)
インゴルシュタット・ジョージア室内O

録音:2021年6月5-6日 インゴルシュタット祝祭ホール、ドイツ
イスラエル出身のフルート奏者、指揮者アリエル・ズッカーマンによるC.P.E.バッハ。多感様式の王道とも 言える激しさや穏やかさを幅広い表現力と確かな技術で聴かせながら、中でも作曲家が大切にしたとい われる「優しい感情」を前面に感じ取ることの出来る美しい演奏に仕上げています。

IBS CLASSICAL
IBS-162024(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16
ホス・デ・ソラウン(P)
カスティーリャ・イ・レオンSO
イサベル・ルビオ(指)

録音:2023年8月28-31日
ラフマニノフとプロコフィエフのそれぞれ異なる性格を持つピアノ協奏曲。どちらも技術と感情表現の頂点を目指す重要な作品です。ホス・デ・ソラウンはブカレ ストで開催された第13回ジョルジェ・エネスコ国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得。スペインのフルダ誌にて「詩的な音感、大胆なビジョン、卓越した技巧」 と評され、ICMA(国際クラシック音楽賞)を2度受賞する他、作曲家、詩人としても作品を発表するなど幅広い活動を繰り広げています。これまでに GRAND PIANOでのエネスコ作品全集や、シューマン、ハイドン作品の録音も高く評価されています。ムルシア出身のイサベル・ルビオは、オルケスタ・ビー ゴ430の副指揮者などを務める注目の若手。アスペ、ビリェナ、ビルバオでの指揮コンクールで優勝した他、多くの国際コンクールに出場、優秀な成績を収 めています。

Orchid Classics
ORC-100358(1CD)
ブゾーニ:コンチェルティーノ Op. 48
ジャン・フランセ:主題と変奏
ミヨー:スカラムーシュ Op.165d
ニールセン:クラリネット協奏曲 Op.57
オレグ・シェベタ=ラガン(Cl)
オーデンセSO
アンナ・スクリレヴァ(指)

録音:2023年8月28日-9月1日
2022年に開催されたカール・ニールセン国際コンクール、クラリネット部門の優勝者オレグ・シェベタ=ドラガ ンのデビュー・アルバム。シェベタ?ドラガンはウクライナ出身、キーウ国立チャイコフスキー音楽学校とリュー ベック音楽大学で学びました。コンクールでは、安定した技巧とスケールの大きさでオーケストラの特別賞と Junior Jury Prizeも受賞、注目を集めました。このアルバムで再度オーデンセSOと共演。ニールセ ンのクラリネット協奏曲ほかブゾーニ、ミヨー、フランセの作品を堂々と演奏しています。


Treasures
TRE-018r(1CDR)
ハンス・リヒター=ハーザー/グリーグ&シューマン他
グリーグ:ピアノ協奏曲*
シューマン:ピアノ協奏曲#
リスト:愛の夢第3番
グリーグ:抒情小品集第6集〜「過ぎ去った日々」Op.57-1
 抒情小品集第8集〜「トロールハウゲンの婚礼の日」Op.65-6
メンデルスゾーン:無言歌集〜「春の歌」Op.62-6
シューマン:子供の情景〜トロイメライ
ハンス・リヒター=ハーザー(P)
ルドルフ・モラルト(指)ウィーンSO

録音:1958年1月18-21日*,#(ステレオ)、1958年5月27日-6月1日(モノラル)
※音源:英PHILIPS_SABL-180*,#、EPIC LC-3620
◎※収録時間:79:18
"構築力だけではない!リヒター=ハーザーの知られざるリリシズム!”
■音源について
グリーグ&シューマンのピアノ協奏曲はなかなかCD化されませんが、LPでは繰り返し再発売されました。それらを聴き比べた結果、最初はグリーグ冒頭で最も彫琢豊かに響いたオランダの初期盤(蘭PHILIPS 835063)を採用しましたが、2024年末にそれよりも良質な英盤を入手したので、復刻し直しました。とにかく後発盤とは音の飛び出る勢いと重みがまるで違います。なお、ジャケ写は雰囲気のあるオランダ盤のデザインのままとしました。
※旧盤と区別するために、新盤の品番結尾に"r"の一文字を付します。

★特にグリーグの協奏曲が大推薦!リヒター=ハーザーのピアニズムは、ベートーヴェンやブラームスといったドイツの王道作品でも決してドイツ的な厳格さを売りにしていたのではないことは明らかですが、これを聴くと、タッチの艶やかさ、歌のセンス、音楽を伸びやかに飛翔させながら全体に安定感をもたらす構築力が並外れていたことを痛感します。
 第1楽章冒頭で低音から駆け上がる音型の、なんとブリリアントなこと!そして、第1主題の慈しみ抜いた歌。展開部での強弱の微妙な陰影感は、リヒター=ハーザーの感性の鋭敏さをいかんなく証明。甘美に流れがちな第2楽章で、多彩にタッチを変えつつ、音楽の多様な側面を余すことなく再現した演奏も稀なら、終わり近くの4:58で当然子供時代にタイムスリップしたかのような雰囲気を生むなどなど、誰にも真似できない奥義!終楽章は、この楽章に期待する華麗なピアニズムの全てを注入。どんなフォルティッシモでも艶やかさを保持したタッチと、大きな包容力の魅力が全開です。
 アンコール代わりに収録した小品では、各音を克明に打鍵することと全体をレガートで歌うこの両立、バランス感覚の絶妙さに是非ご注目を。「トロールハウゲンの婚礼の日」など、最初の数秒で唸らせます!可憐にリズムを弾ませながら、ほのかな幻想性まで滲ませるこんな演奏は、他で聴いたことはありません。こんな多彩なニュアンスを内包する作品だったのかと驚かれる方もいいでしょう。【湧々堂】


Melodiya x Obsession
SMELCD-1002708(2CD)
完全限定生産
シューマン&ショパン
■CD1
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
■CD2
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
ショパン:幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
エリソ・ヴィルサラーゼ(P)
ドミトリー・キタエンコ(指)、
モスクワPO

録音:CD1:1977年3月11日、モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)、CD2:1984年/ADD
廃盤・入手困難となったMelodiyaの名盤や貴重なMelodiya音源等を復刻する「Melodiya x Obsession」シリーズから、ジョージア出身の20世紀を代表する大ピアニスト、エリソ・ヴィルサラーゼのシューマン&ショパン録音が復刻!
キタエンコ&モスクワ・フィルと共演した1977年録音のシューマンとショパンのピアノ協奏曲集(MELCD1001819)に、恐らく初CD化となる(これまでLPと配信でリリースされていた)シューマンとショパンのソロ録音をセットにした2枚組。
ヴィルサラーゼが世界中のコンサートでもっとも頻繁に演奏してきたシューマンとショパンの演奏で、その並外れた精神性、誠実さ、感受性を改めて聴衆に届けます。
日本の主要なオーケストラとの共演やソロ・リサイタル、マスタークラス、コンクール審査員などで長年来日も続けているエリソ・ヴィルサラーゼ。2025年は11月に尾高忠明&愛知室内オーケストラとの共演も予定しています。

RUBICON
RCD-1120(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
スーク:幻想曲 ト短調 Op.24
リザ・フェルシュトマン(Vn)、
ブリュッセル・フィルハーモニック、
エリアス・グランディ(指)
1979年オランダ出身の人気ヴァイオリニスト、リザ・フェルシュトマンがRubiconレーベルに初登場!フェルシュトマンは情熱的な演奏スタイルや興味深いプログラミング、個性的なパフォーマンスで人気を博し、2006年に権威ある「オランダ音楽賞」を受賞。Challenge Classicsレーベルから多数のアルバムをリリースしています。ベートーヴェンやメンデルスゾーンなど主要なヴァイオリン協奏曲を録音してきた彼女が今回ついにブラームスの協奏曲をレコーディング。豊かな表現力が要求されるスークの幻想曲をカップリングしています。
伴奏を務めるのはエリアス・グランディ率いるブリュッセル・フィル。エリアス・グランディは日本人の母を持ち、2025年4月よりマティアス・バーメルトの後任として札幌SOの新首席指揮者に就任することが決定しています。またブリュッセル・フィルは大野和士が首席指揮者を務めるベルギーの名門オーケストラ。フェルシュトマンがブラームスへどのようなアプローチを聴かせてくれるのか、そしてそれにグランディ&ブリュッセル・フィルがどう呼応するのか。期待せずにはいられない1枚です。

Musikmuseum
MMCD-13027(1CD)
ネッツァー、シュグラッファー、ゴラー、アイスナー:19世紀の協奏曲集
ヨーゼフ・ネッツァー(1808-1864):歌劇「奇妙な結婚」序曲(1839/1846)、
 クラリネットと管弦楽のためのアダージョとロンド(1854)、
 歌劇「マーラ」序曲(1841)
ヤーコプ・シュグラッファー(1799-1859):フルートと管弦楽のためのディヴェルティメント(1830頃)、
 演奏会用序曲 ニ長調(1827)、
 ファゴットと管弦楽のためのディヴェルティメント(1830頃)
カール・クリスティアン・アイスナー(1802-1874):ホルンと管弦楽のためのメユールの歌劇「ジョゼフ」の主題による変奏曲(1840頃)
マルティン・ゴラー(1764-1836):クラリネットと管弦楽のための協奏曲 変ロ長調(1800頃)
聖ブラシウス・アカデミーO、
カールハインツ・ジースル(指)
ドロテア・ゼール(Fl)、
マックス・ツィーヘスベルガー(Cl)、
ルーカス・グルーバー(Fg)、
ヴィクトル・プラクスマーラー(Hrn)

録音:2014年10月(オーストリア)
チロル州立博物館の自主レーベルMusikmuseumによる、19世紀の華やかな協奏的作品を集めた一枚。イタリアのボルツァーノ出身の作曲家シュグラッファーによる優美なディヴェルティメントや、オーストリアのグラーツで作曲されたネッツァーの見事な「クラリネットと管弦楽のためのアダージョとロンド」、さらにインスブルック楽友協会のアーカイヴから発掘されたアイスナーの技巧的な変奏曲や、協会創設者の一人であるゴラーのクラリネット協奏曲が収録されています。2014年に上演されて大成功を収めたネッツァーの歌劇「マーラ」からの序曲にもご注目ください。
Musikmuseum
MMCD-13022(1CD)
クラリネットと管弦楽のための作品集
トスワフスキ:ダンス・プレリュード
ヨハン・バプティスト・ゲンスバッハー(1778-1844):クラリネットと管弦楽のための協奏曲 変ホ長調
ポール・リード(1943-1997):「ヴィクトリア朝のキッチン・ガーデン」組曲
ミヒャエル・F・P・フーバー(1971-):Veitstanze Op.22
ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847):クラリネットと弦楽のためのアダージョ
エドゥアルド・デメッツ(1958-):UE1〜クラリネット、バスクラリネットとエレクトロニクスのための
ペーター・ゴルザー(Cl)、
カーチャ・レヒナー(Hp)、
ユルゲン・フェーダラー(バスCl)、
聖ブラジウス・アカデミーO、
カールハインツ・ジースル(指)
南チロル出身のクラリネット奏者ペーター・ゴルザーが、ソリストとしての輝かしい技巧を披露する1枚です。本作では、南チロルのシュテルツィング出身の作曲家ゲンスバッハーによる初期ロマン派の珍しい協奏曲をはじめ、フーバーやデメッツによる現代作品、ルトスワフスキの「ダンス・プレリュード」や、ベールマンの夢幻的な「アダージョ」といったクラリネットの名作も取り上げられています。クラリネットの多彩な表現と、伝統と現代が交錯する魅力的なプログラムをお楽しみください。

Signum Classics
SIGCD-886(1CD)
ヴィヴァルディ:「和声と創意の試み」 Op.8 Vol.1〜四季とその他の協奏曲集
協奏曲第1番ホ長調 RV.269「春」
協奏曲第2番ト短調 RV.315「夏」
協奏曲第3番ヘ長調 RV.293「秋」
協奏曲第4番ヘ短調 RV.297「冬」
協奏曲第5番変ホ長調 RV.253「海の嵐」
協奏曲第6番ハ長調 RV.180「喜び」
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV.170
2本のヴァイオリンのための協奏曲 変ホ長調 RV.515
ラ・セレニッシマ、
エイドリアン・チャンドラー(指,Vn)

録音:2024年2月11日-14日、イギリス
英国屈指のバロック・ヴァイオリニスト、エイドリアン・チャンドラーによって1994年に創設されたピリオド・アンサンブル、ラ・セレニッシマ。”赤毛の司祭”ヴィヴァルディを中心とする18世紀ヴェネツィアとその周辺の作曲家たちの知られざる作品や、再発見された作品の世界初録音を続々と世に送り出し、これまで2度のグラモフォン賞に輝いています(「セレニッシマ」は、「晴朗きわまるところ」という意味の、ヴェネツィアの別称)。
ヴィヴァルディのスペシャリストとして、これまでヴィヴァルディの知られざる作品や、同世代の知られざる作曲家を多数録音してきたエイドリアン・チャンドラー&ラ・セレニッシマが、ついにヴィヴァルディの大作『和声と創意の試み』Op.8全曲をレコーディング! ヴィヴァルディのもっとも有名でもっとも愛される傑作『四季』は、2015年にも「マンチェスター手稿譜に基づくチャンドラー版」として録音していましたが、今回は『和声と創意の試み』Op.8の第1弾として12の協奏曲のうち『四季』を含む協奏曲第1番〜第6番と、Op.8には含まれない2つの協奏曲をカップリングした形で、新たに録音されています。

NIFC
NIFCCD-159(1CD)

XNIFCCD-159(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
モーツァルト&ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集ウィズ・ジャズ・インプロヴァイジング
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19**
アンコール
ショパン(小曽根真編):ワルツ嬰ハ短調 Op.64-2によるインプロヴィゼーション
小曽根真(P)、
アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(指)*、
尾高忠明(指)**、
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2006年8月27日*&2007年8月15日**、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)(「ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭ライヴ)
2024年の8月〜9月に開催された「ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭2024でモーツァルトのピアノ協奏曲第9番 「ジュノム」の独自の解釈とジャジーなカデンツァを披露し大絶賛を浴びた小曽根真。同音楽祭を主宰するポーランド国立ショパン研究所の自主レーベルNIFCから、なんと小曽根真の2006年と2007年の貴重なライヴ・レコーディングが登場!
日本を代表するジャズ・ピアニストであり、クラシック音楽の演奏やジャンルを超えたクロスオーヴァー的プロジェクト等でも世界的な活躍を続ける小曽根真。2006年のショパン音楽祭でもアレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー&シンフォニア・ヴァルソヴィアとの共演でモーツァルトのピアノ協奏曲第9番を披露しており、2024年の同曲はヒストリカル・オーケストラとの共演でフォルテピアノを弾きましたが、こちらはスタインウェイでの演奏です。そして、2007年のショパン音楽祭ライヴでは、尾高忠明の指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番も披露。アンコールで弾いたショパンのワルツによる即興も合わせて、大注目のライヴ録音リリースとなります。

IBS CLASSICAL
IBS-162024(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16
ホス・デ・ソラウン(P)
カスティーリャ・イ・レオンSO
イサベル・ルビオ(指)

録音:2023年8月28-31日
ラフマニノフとプロコフィエフのそれぞれ異なる性格を持つピアノ協奏曲。どちらも技術と感情表現の頂点を目指す重要な作品です。ホス・デ・ソラウンはブカレ ストで開催された第13回ジョルジェ・エネスコ国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得。スペインのフルダ誌にて「詩的な音感、大胆なビジョン、卓越した技巧」 と評され、ICMA(国際クラシック音楽賞)を2度受賞する他、作曲家、詩人としても作品を発表するなど幅広い活動を繰り広げています。これまでに GRAND PIANOでのエネスコ作品全集や、シューマン、ハイドン作品の録音も高く評価されています。ムルシア出身のイサベル・ルビオは、オルケスタ・ビー ゴ430の副指揮者などを務める注目の若手。アスペ、ビリェナ、ビルバオでの指揮コンクールで優勝した他、多くの国際コンクールに出場、優秀な成績を収 めています。

Spectrum Sound
CDSMAC-032(1CD)
500枚完全限定プレス
ミルシテイン、モリーニ
(1)バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
(2)ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリン、チェロのための協奏曲 ニ短調 Op.3-11RV565
(3)バッハ:2つのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ハ長調 BWV1037
(4)フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ナタン・ミルシテイン(Vn)
エリカ・モリーニ(Vn)
(2)ハーヴェイ・シャピロ(Vc)
(3)ベリー・フィッシャー(P)
(1)(2)室内O
(4)マリー=テレーズ・イボ(Vn)、イーナ・マリカ(P)

録音:(1)-(3)1964年3月26〜28日キャピトル・スタジオ、ニューヨーク(ステレオ)
Source - U.K EMI Columbia SAX2579Half Moon ED1STEREO LP (Ultra Mega rare LP Record)
(4)ライヴ録音:1971年6月28日/メゾン・ド・ラジオ・フランス内第105スタジオ(ステレオ)
スペクトラム・サウンド・レーベルが保有する貴重なレコード・コレクションから見事なリマスタリングを続けているアナログ・コレクター・シリーズ。当盤はナタン・ ミルシテインとエリカ・モリーニが共演したドッペル・コンチェルトのCD復刻です。言わずと知れた大名演。オリジナルのLPは高値で取引されていますが、この度 スペクトラム・サウンドが保有するLPから高い技術で復刻されました。この芳醇な音をお楽しみください。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMAC-028(1CD)
ナタン・ミルシテイン

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61(カデンツァ:ミルシテイン)

(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」
(1)ナタン・ミルシテイン(Vn)
フィルハーモニアO、エーリッヒ・ラインスドルフ(指)
U.K EMI Columbia SAX2508Blue silver ED 1LP Record + private open reel tape restoration (STEREO)

(2)ナタン・ミルシテイン(Vn)、アルトゥール・バルサム(P)
* U.K Capitol EMI P-8430ED1LP Record restoration (MONO)
スペクトラム・サウンド・レーベルが保有する貴重なレコード・コレクション(+オープンリール・テープ)から見事なリマスタリングを続けているアナログ・コレ クター・シリーズ。当盤はナタン・ミルシテイン世紀の大名演、1961年にラインスドルフ指揮フィルハーモニアOと演奏したベートーヴェンの協奏曲、カップ リングはバルサムとの「クロイツェル・ソナタ」です。
82歳のラスト・リサイタルまで、常に世界の第一線で活躍したミルシテイン。驚くべきテクニックとこの上なく美しい音色で聴衆を魅了した、まさにヴァイオリン の美を象徴するヴィルトゥオーゾです。艶やかなミルシテインの演奏をスペクトラム・サウンドの高い技術でCD化された音をお楽しみください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。


Spectrum Sound
CDSMAB-182(1CD)

オイストラフ・イン・パリ1962&1973

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61(カデンツァ:クライスラー)
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ短調 Op.23
ダヴィッド・オイストラフ(Vn)

(1)フランス国立放送O、フランチェスコ・マンデル(指)
録音:1973年2月7日シャンゼリゼ劇場、パリ(ライヴ)(ステレオ)

(2)レフ・オボーリン(P)
録音:1962年6月18日フランス国営放送局内スタジオ(放送用収録)(モノラル)
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規復刻シリーズから巨匠オイストラフが 1973年2月7日、シャンゼリゼ劇場で演奏したベートーヴェンの協奏曲が正規初出音源で登場します。
オイストラフが生涯最も多く演奏した作品のひとつ、ベートーヴェンの協奏曲。非常に細かいヴィブラートとテヌートを多用し、まるで歌手のように歌い上げるオイ ストラフのヴァイオリンの音色はひと際輝かしく、聴衆を魅了しました。INAの保管状態もよく、ステレオで収録されていること嬉しい限り。これほど艶やかな音色 は巨匠オイストラフの演奏でしか聴くことはできないでしょう。
ボーナストラックには、1962年6月18日、フランス国営放送局内のスタジオで収録した、レフ・オボーリンとのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第4番を 収録。同コンビはベートーヴェンの全曲を同時期に録音しておりますが、これとは別音源の6月18日の放送用に収録されたものです。芳醇な香りのする名演奏を お楽しみください!  (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

LPO
LPO-0130(2CD)
ブレット・ディーン(b.1961):作品集
(1) Amphitheatre(円形劇場)
(2)ヴィオラ協奏曲
(3) In spe contra spem*
(4)チェロ協奏曲
(5)3つのメモリアル〔Dispersal*-Ceremonial*-Komarov’s Fall〕
(6)ノットゥルノ・インクィエト*
(7)ザ・プレイヤーズ
全てLPO

(1) Aエンリケ・マッツォーラ(指)/録音:2023年1月18日(ライヴ)
(2)ハンヌ・リントゥ(指)、ローレンス・パワー(Va)/録音:2022年2月9日(ライヴ)
(3) エドワード・ガードナー(指)、エマ・ベル(ソプラノ/エリザベス・チューダー)、エルサ・ドライシヒ(ソプラノ/メアリー・スチュワート)/録音:2023年4月26日(世界初演、ライヴ)
(4)エドワード・ガードナー(指)、アルバン・ゲルハルト(Vc)/録音:2022年4月27日(英国初演)
(5)カリーナ・カネラキス(指)/録音:2022年10月
19日
(6)ユロフスキ(指)/録音:2021年12月8日(ライヴ)
(7)フロフスキ(指)、バルトシュ・グロヴァキ(アコーディオン)/録音:2020年12月5日(英国初演、ライヴ)

*=世界初録音
オーストラリアの作曲家ブレット・ディーンは、2020年9月から2023年7月までの3シーズン、LPOのコンポーザー・イン・ レジデンスとして過ごしました。このリリースには、彼が同Oと過ごした実り多い期間に、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでライブ録音された7作品が 収録されています。ロンドン・フィルは、ディーンのオペラ「ハムレット」でディーンと緊密に仕事をし、この作品は2017年のグラインドボーン音楽祭で、当時の LPO首席指揮者ユロフスキのもとで初演され、2018年サウスバンク・スカイ・アーツ賞と国際オペラ賞の最優秀新人オペラ賞を受賞し、現在もMETで上演され るなど、現代オペラの最高傑作のひとつとなっています。2020年9月にLPOのレジデンスに就任するにあたり、ディーンは「2017年のグラインドボーン音楽祭 で、ユロフスキ率いるLPOと、作曲家として初めて出会って以来、私はこの素晴らしい音楽家たちとの特別な絆を感じ、共感しあってきました』述べています。作 品の献呈者であるアルバン・ゲルハルトとのチェロ協奏曲や、アコーディオン協奏曲『ザ・プレイヤーズ』の英国初演も含まれており、大変価値のある2枚組となっ ております。 (Ki)

Hyperion
CDA-68458(1CD)
イタリアの希少ピアノ協奏曲集
グイド・アルベルト・ファーノ(1875-1961):アンダンテとアレグロ・コン・フオーコ(1900)
ルイージ・ダラピッコラ:ミュリエル・クーヴルーのための小協奏曲(1939-41)
シルヴィオ・オミッツォロ(1905-1991):ピアノとオーケストラのための協奏曲(1960)*
クリスティアン・カッラーラ(1977-):戦争の静寂(2015)*
ロベルト・プロッセダ(P)、
LPO、
ニール・カバレッティ(指)

録音:2022年3月、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス、ロンドン)
*=世界初録音
20世紀から21世紀のイタリアの珍しいピアノ協奏曲を集めた貴重な一枚。ロマン派的な叙情性と、スクリャービンを思わせるピアノ書法を兼ね備えたファーノの「アンダンテとアレグロ・コン・フオーコ」、新古典主義的な簡潔さが際立つダラピッコラの「小協奏曲」、豊かな音色と印象主義的な響きが特徴のオミッツォロの協奏曲、戦争の持つ二面性を描いたカッラーラの「戦争の静寂」と、この時代のイタリアのピアノ協奏曲を概観できる多彩な作品を収録。演奏するロベルト・プロッセダは、イタリアの現代音楽と埋もれたピアノ作品の擁護者として知られ、その卓越した技巧が楽曲の魅力を最大限に引き出しています。
ロベルト・プロッセダは、イタリア・ラツィオ州ラティーナ生まれのピアニストで、現代国際音楽界で最も活動的で多才な音楽家の一人です。彼は2005年から2014年にかけて録音したメンデルスゾーンのピアノ作品全集のリリースで国際的な名声を得ました。また、モーツァルト、シューベルト、ショパン、シューマンの解釈でも高く評価されています。2011年以降、ペダルピアノの復興に取り組み、アルカンやグノーの作品を現代に蘇らせ、数多くのコンサートで演奏しています。

GENUIN
GEN-25896(1CD)
ドリヴン〜ヴィヴァルディ&ラフマニノフ
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ロ短調 RV424
ラフマニノフ:東洋風舞曲 Op.2-2
ヴィヴァルディ
:チェロ協奏曲 イ短調 RV418(カデンツァ:フィリップ・シュペリウス作曲「ヴィヴァルディとラフマニノフの出会い」)
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
ラフマニノフ:悲歌 Op.3-1
フィリップ・シュペリウス(Vc)、開原由紀乃(P)、メタモルフォーゼン・ベルリン、ヴォルフガング・エマヌエル・シュミット(指)

録音:2024年5月エールベルク教会(ドイツ、ベルリン)
ドイツ音楽コンクール2023のチェロ部門優勝者、フィリップ・シュペリウス(2003-)による、ヴィヴァルディとラフマニノフを組み合わせた注目アルバム。クラシックFMによって「世界で最も注目すべき若手音楽家30人」の一人に選ばれたシュペリウスは、ベルリン芸術大学でヴォルフガング・エマヌエル・シュミットに師事し、2022年にはニューヨークのカーネギー・ホールでデビュー。ヴィヴァルディのチェロ協奏曲 RV418では自作のカデンツァ「Vivaldi meets Rachmaninov」(2024)を披露し、ヴィヴァルディの繊細かつ華やかなバロック音楽と、ラフマニノフの情熱的で壮大なロマン派音楽を見事に橋渡ししています。

MSR
MS-1860(2CD)
リスト:ピアノ協奏曲全集+ピアノと管弦楽のための作品集
(1)ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
(2)ピアノ協奏曲第2番イ長調
(3)ピアノ協奏曲第3番変ホ長調
(4)悲愴協奏曲(ロイス編曲・リスト修正編)
(5)スペイン狂詩曲(ブゾーニ編)
(6)呪い
(7)死の舞踏(1849年初版)
(8)ハンガリー民謡のテーマによる幻想曲
(9)さすらい人幻想曲(シューベルト作曲・リスト編)
ジョシュア・ピアース(P)
(1)-(3)(5)-(9)ポール・フリーマン(指)
(1)(8)ロシア国立SO
(2)(3)(5)(6)(9)モスクワ国立PO
(7)スロヴェニアRSO
(4)カーク・トレヴァー(指)
(4)ボフスラフ・マルティヌーPO

録音:(1)-(3)(5)-(9)1993年-1996年 モスクワ放送協会第ホール&モスクワ・フィルム・
スタジオ・コンサート・ホール、(4)1999年12月10-11日ズリーンBMFコンサート・ホール、(7)1990年1月3日スロヴェニア・フィルハーモニック・ホール
リストのピアノと管弦楽の為の作品集であるが編曲された作品も含まれています。「悲愴協奏曲」は、先ずピアノ・ソロから2台 ピアノに編曲され、そこから弟子のエドゥアルド・ロイスが編曲したものにリストが修正したもの。「スペイン狂詩曲」は、ピアノ・ ソロをブゾーニが編曲したもの。「さすらい人幻想曲」は、シューベルトのピアノ作品をリストが編曲したもの。 ジョシュア・ピアースはニューヨーク出身。ジョン・ケージをはじめとする現代音楽に造詣が深い実力派のピアニスト。多くのレ ーベルからCDが発売されレパートリーも幅広く、バッハ、モーツァルト、ショパン、レスピーギ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、 プロコフィエフ、ブロッホ、ヒンデミットetcと数え切れない。ポール・フリーマンはヴァージニア州リッチモンド出身。イーストマン 音楽学校、ベルリン高等音楽院で学ぶ。30国以上の国で100を超えるオーケストラを指揮してきた。録音されたアルバムは200 以上にも及ぶ。カーク・トレヴァーはロンドン出身。ギルドホール音楽演劇学校でチェロを学ぶ。一方で、ボールト、タウスキー に指揮を学んだ。ボフスラフ・マルチヌー・フィルの首席指揮者を務めた。バーンスタイン指揮者コンクールで優勝しています。 このCDは様々な機会に収録されたものを纏めたもの。録音された年代や場所による音の響きの違いも殆ど無く、リストの迫 力のある音楽が楽しめる。

H.M.F
HMM-902757(2CD)
ヴィヴァルディ:「四季」ほか/テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ
[CD1]
ヴィヴァルディ
1. プレリュード〜ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV268のカデンツァに基づく
2-4ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV269「春」
5-7ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV315「夏」
8-10ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 RV293「秋」
11-13ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 RV297「冬」
14アリア(モテット「まことの安らぎはこの世にはなく」RV630より)
[CD2]
1-3ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV264
4-7弦と独奏ヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV155
8-17グレゴリオ・ランプランツィ(1700以前-1750):「新しく珍しい流派の踊りDanze da Nuova e curiosa scuola de' balli teatral」世界初録音(O.フレ&ド・スワルテによるデュオ、トリオ編曲版/原曲は2つの旋律楽器と通奏低音のためのもの)*
18-21ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV292
22ラルゴ(ファゴット協奏曲 ヘ短調 RV491より〜ヴァイオリン編)
23ラルゴ(Vn協奏曲 ヘ短調 RV202より)
24ジョルジョ・ジェンティーリ(1669頃-1730頃):アダージョ(トリオ・ソナタ イ長調 op.1-1より)
テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ(指 、Vn)
ル・コンソール
ジュリー・ロゼ(ソプラノ/CD1-14)

ゾフィー・ド・バルドネッシュ(Vn)*
ハンナ・ザルツェンシュタイン(Vc)*
マリー=アンジュ・プティ(打楽器)*
ジュスタン・テイラー(Cem)*

録音:2024年7月、アルセナル・ド・メス、大ホール
フランスの(バロック・)ヴァイオリン界の注目すべき新星、ド・スワルテが、「四季」を録音しました!アンサンブルはル・コンソール。チェンバロのジュスタン・ テイラーの音色もそこかしこで冴え渡っています。ヴィヴァルディの生涯を描いた「Antonio Vivaldi, Concerti per una vita〜協奏曲で描くヴィヴァルディ の生涯」で、バロック・ヴァイオリンの新しき旗手であることを世界に印象付けたテオティム・ラングロワ・ド・スワルテは、ヴィヴァルディの「四季」によってヴァ イオリンにあこがれ、バロック音楽に興味をもつようになったといいます。ここでは「四季」を中心に、ヴィヴァルディのほかの作品や、同時代の作曲家たちの作品 で調性などで親和性がある作品をあわせたプログラムで、「春」、すなわちあたらしい出発(再出発)、新しい誕生の喜びを祝っています。永遠に聴いていたくなる ような2枚組です。
ヴィヴァルディの作品は3世紀も昔に書かれていても、たとえば春のそよ風、木の葉のざわめき、ゆっくりとした雪解けなど、当時もあったであろう実体験を彷 彿とさせ、音を通して過去、ヴィヴァルディ、当時の音楽家やこれを聴いていた人たちと対話できるようです。また、特にバロック音楽においては調性がそれぞれ 象徴するイメージがあり(たとえばホ長調は「誕生」、ヘ短調は「死」や「受難」、変ホ長調は献身や祈り、神(あるいは死)との対話)、スワルテはここで調性や、イ メージ的に関連ある楽曲を間に挟み込み、作品のイメージをより豊かに膨らませます。プログラム最後には、サン・マルコ教会のヴァイオリン奏者で、ヴィヴァルディ の憧れの存在であったジェンティーリのイ長調のトリオ・ソナタのアダージョ楽章(ホ長調)を演奏、弦楽器の美しさにうっとりさせられます。また、「四季」の骨格 となる民族舞曲に敬意を表し、。1716年にグレゴリオ・ランブランツィがアンソロジした、バッカスなどを称えるヴェネチア舞曲の組曲を世界初録音。「四季」だ けでなく、ほかの作品も盛り込んで、季節のめぐりを寿ぎます。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-1112(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第3番 ニ長調 K.40
※カデンツァ…モーツァルト(原曲…レオンツィ・ホーナウアー、ヨハン・ゴットフリート・エッカルト、 C.P.E.バッハ)
ピアノ協奏曲 第14番変ホ長調 K.449
※カデンツァ…モーツァルト
ヴァイオリン協奏曲 第5番イ長調 K.219 「トルコ風」
※カデンツァ…エルネスト・ヘス、ダヴィド・カストロ=バルビ
テオ・ゲオルギュー(P/ベーゼンドルファー VC280)
ダヴィド・カストロ=バルビ(Vn/ジャック・フュスティエ)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2017年8月、2023年5月30日-6月2日 ザルツブルク
ルーマニアの両親のもとスイスに生まれ、SonyやClavesから個性的なアルバムをリリースしてきたピアニスト、テオ・ゲオルギューと、cpoからリ リースしたシュターミッツの協奏曲が話題となったヴァイオリニスト、ダヴィド・カストロ=バルビが次世代ソリストによるモーツァルトのシリーズに登 場。どちらもモダンの銘器を用い、その機能性と艶のある音色を軽やかな感性で自在に操る、美しいモーツァルト像を描いています。

ONDINE
ODE-1481(1CD)
ファゴット協奏曲集
クルーセル(1775-1838):ファゴット協奏曲 変ロ長調(1829)
エドゥアール・デュ・ピュイ(1770-1822):ファゴット協奏曲 ハ短調(1812頃)
ベルワルド:コンチェルトシュトゥック ヘ長調 Op.2(1827)
エドゥアルド・ブレンドラー(1800-1831):ディヴェルティスマン 変ロ長調(1831頃)
ヤーッコ・ルオマ(Fg)
タピオラ・シンフォニエッタ
ヤンネ・ニソネン(指)

録音:2023年1月30日 ?2月3日
ヤーッコ・ルオマとタピオラ・シンフォニエッタによるファゴット協奏曲のアルバム。前作(ODE-1324)はモーツァル トやフンメルの作品が中心でしたが、今作では、19世紀前半にスウェーデンで活躍したファゴット奏者、フラン ス・カール・プロイマイヤーのために書かれた4作のファゴット協奏曲に焦点を当てています。アルバムには、プロ イマイヤーの義父クルーセルやベルワルドなど著名な作曲家に加え、エドゥアール・デュ・ピュイやエドゥアルト・ブ レンドラーといった、あまり知られていない作曲家の作品も含まれています。これらの協奏曲はどれも技巧的 で、当時の北欧音楽界の水準の高さを垣間見せる見事な仕上がりです。 ルオマはシベリウス音楽院やパリ音楽院で学び、国際的なコンクールでの受賞歴を持つ経験豊富なファゴット 奏者。現在はタピオラ・シンフォニエッタのメンバーとして活躍しています。タピオラ・シンフォニエッタは、フィンラン ドを代表する室内オーケストラで、幅広いレパートリーと高い表現力で国際的に高い評価を得ており、指揮 者なしでの演奏にも力を入れていますが、今作ではヤンネ・ニソネンが指揮を執り、伸びやかなアンサンブルを 披露しています。

H.M.F
HMM-902334(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K459
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K488
クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ/Walter&Sohn(1805頃)のコピー、ポール・マクナルティ製作(2008))
フライブルク・バロック・オーケストラ
〔コンサートマスター:ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ〕

録音:2022年3月、フライブルク・アンサンブルハウス
天才ベザイデンホウト&FBOによるますます好調のモーツァルト、第5弾の登場。音も目覚ましいフレッシュさで、当コンビが共演を重ねても毎度魅力的なセッショ ンを繰り広げていることが感じられる内容です。
K459は、モーツァルトがウィーンに移って、ピアニストとしての名声を確かなものにした1784年の12月に完成されました。オーケストラはオペラの序曲を思 わせるワクワクした雰囲気に満ち、そこに加わるように始まるベザインデンホウトの溌剌としたソロは絶品。全体を通して流麗にして楽し気な雰囲気に満ちていま す。K488は鍵盤協奏曲としては珍しくテンポのゆったりとした楽章(アダージョ)の、シチリアーノ風の第2楽章をもつ作品。ベザイデンホウトのソロは切々と、し かし美しい流れのある歌で、続く管弦楽で涙腺が崩壊するような、ロマンティックな演奏です。終楽章のアレグロ・アッサイではベザイデンホウトが天衣無縫にあそ んでいます。 (Ki)

APARTE
AP-343(1CD)
ロマン派を探し求めて
(1)ロセッティ:2本のホルンのための協奏曲変ホ長調
(2)モーツァルト:ホルン二重奏曲K.487(496a)〜第11番、第3番、第12番
(3)レオポルト・モーツァルト:2本のホルンのための協奏曲変ホ長調
(4)ハインリヒ・ジムロック:ホルン二重奏曲Op.2
(5)ベートーヴェン:六重奏曲Op.81b
バート・アールベイト、ハイス・ラシュール(Hrn)
ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(指) 
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2023年3月4-8日/フライブルク・バロック・オーケストラ・アンサンブルハウス(ドイツ)
ホルンは広々とした空間や深い森を想起させるところがあるためか、ドイツの作曲家の想像力を刺激してやまぬ楽器でした。18世紀には上流階級で狩りが流行 したため、ホルンが盛んに用いられ発展しました。このアルバムは、フライブルク・バロック・オーケストラのホルン奏者バート・アールベイトとハイス・ラシュールが モーツァルト父子、ベートーヴェン、ジムロック、ロゼッティの作品に挑戦。ロマン主義の萌芽を協奏曲と室内楽の間で探求し、やがて花開くホルン王国の予感を感 じさせてくれます。深々とした音色は、まさにドイツの森を、軽やかなファンファーレは楽しい狩猟を思わせます。

Initiale
INL-25(1CD)
当惑〜シューマンの作品
ピアノ協奏曲イ短調Op.54
ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調(管弦楽なしの協奏曲)
フィオ ナ・マト(P)
ジョナサン・ダーリントン(指)
パリ音楽院卒業生オーケストラ

録音:2021年11月/パリ音楽院
アルバニア系ギリシャ人ピアニスト、フィオナ・マトはトリオ・ディヒターのピアニストとして昨年ハルモニア・ムンディからシューマンがらみの作品集をリリースし て注目されました。今回もシューマン・アルバムで、名作のピアノ協奏曲と非常に技巧的なピアノ・ソナタ第3番という魅力的なラインナップ。
マト本人によれば、音楽家としての人生に20年来寄り添ってくれた作曲家と作品で、アテネの音楽学校時代の集大成たる協奏曲とパリ音楽院でのソナタ第3番 を録音することが長年の夢だったとのこと。アルバム・タイトルの「当惑」はシューマンの二面性、オーケストラの中にピアノがある前者とピアノの中にオーケストラ がある後者というスタイルの対立で、演奏にもはっきり主張されていて聴き応え満点です。 (Ki)

ATMA
ACD2-2829(1CD)
革命のいぶき 〜アンリ=ジョゼフ・リジェル作品集
アンリ=ジョゼフ・リジェル(1741-1799):牧歌喜劇『ブランシュとヴェルメイユ』(1781)より 序曲 / “Ruisseau charmant” / “Ici pour la premiere fois” / “Je vous entends, infidele”
ピアノ協奏曲 ヘ長調(ca.1770-1775)[カデンツァ:メリザンド・マクナブニー]
音楽歴史譚『ポーリーヌとアンリ』(1793)より “Au fond, pourtant il n’a pas tort”
叙情劇『アリックス・ド・ボーケール』(1791)より “C’est la premiere fois que j’aime”
交響曲第2番ト長調 Op.12
『アリックス・ド・ボーケール』より “Quel caprice guide mes traits ?”
チェンバロまたはピアノのための3つの交響曲より ソナタ ニ短調 Op.16-2
『アリックス・ド・ボーケール』より “O mon Alix, toi qui m’es chere” / “O mon ami, c’est ton amour”
マガリ・シマール・ガルデス(S)
ニコラス・スコット(T)
メリザンド・マクナブニー(フォルテピアノ)
マチュー・ルシエ(指)
アリオン・バロックO

録音:2022年11月7-9日
ドイツに生まれ生涯のほとんどをフランスで過ごした知られざる古典派作曲家、アンリ=ジョゼフ・リジェル(1741-1799)の声楽・器楽作品を収録。ヴェル サイユ・バロック音楽センター(CMBV)との共同プロジェクトで珍しい作品がよみがえります。 (Ki)


Treasures
TRE-322(1CDR)
ブランカール〜ラヴェル&モーツァルト
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 変ロ長調、K.570
ラヴェル:左手のための協奏曲*
 ピアノ協奏曲*
ジャクリーヌ・ブランカール(P)
エルネスト・アンセルメ(指)スイス・ロマンドO*

録音:1951年10月、1953年6月*
※音源:日KING LY-34、日KING LY-13*
◎収録時間:54:18
“表面的な雰囲気作りを必要としない明確な音の粒立ちと丁寧な語り口!”
■音源について
ブランカールは、ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲を1938年にミュンシュ指揮パリ・フィルと世界初録音。このアンセルメ盤は再録音となります。全て良質な日本の初期盤を使用。

★ジャクリーヌ・ブランカール(1909-1979)はパリ出身の女流ピアニスト。パリ音楽院でイジドール・フィリップに師事。モーツァルトは、デヴュー当時から大切にしていたレパートリー。その演奏は、エレガントでありながら脆弱なタッチは皆無。インテンポを基本としながらも楽想に応じて柔軟にテンポを変化させ、音楽に独特の気品と活力を与えています。第1楽章第2主題が一気に別次元へ飛んだような可憐なニュアンスを漂わせるのは、まさに天賦の才能。その16分音分も粒立ちの良さにもブランカーのピアニズムの特徴が現れています。展開部の後半での左右の声部の緊密な対話から生まれる幸福感も必聴。第2楽章は、過度な情感表出に傾かないことで抒情性が気高く飛翔。天才モーツァルト特有の悲哀が余す所なく現出されるという点で史上屈指の名演と言えましょう。終楽章では、確固たる造形とタッチの美しさが相俟って生まれる凛とした推進力gさこれまた見事。特に1:18からコーダに掛けてはまるで一息で呼吸しているかのうようフレーズが雄弁に語り続け、その求心力の高さは比類なし!
 ラヴェル左手の協奏曲は、第1部冒頭カデンツァのエキゾチックな和声を十分に余韻を感じながら描き出し、モーツァルト同様に楽想のニュアンスを具に表出。そこには気負いや見栄などないので、実に清潔な音像が繰り広げられます。アレグロに転じる第2部はそのジャズ的な側面をこれみよがし発散する演奏が多い中、ブランカールは浮かれることなく確実な語りに徹し、見落とされがちなラヴェルの繊細な筆致が炙り出されます。中盤のファゴット・ソロ登場後の高音域での打鍵のなんと端正なことでしょう!
 一方のピアノ協奏曲は多くの達者な録音が存在する中、ブランカールの端正で軸のブレないピアニズムで再現されると感覚的には地味に聴こえるかもしれませんが、派手な衣装を纏っていては気づきにくいニュアンスの多さに気付かされます。ジャズ的なイディオムに拘泥しないのは左手協奏曲と同様。第2楽章では何のスパイスも甘味料も用いない素朴なフレージング一本で勝負。もっと分かりやすく感傷的な演奏により大きな魅力を感じる向きも多いことでしょう。しかし、ラヴェルの筆致だけを信じ、ひたすら理想のタッチを連動させることで自然体の音楽を生まれると信じる一途さに揺らぎも嘘もなく、結果的に芸術な高みに達している演奏の魅力は蔑ろに出来ません。終楽章も技巧の乱射とは無縁。勢いで誤魔化さないので、作品の魅力がしっかりと聴き手に伝わるのです。【2024年11月・湧々堂】


MClassics
MC-2059(9CD)
エディト・パイネマン/ラジオ・アーカイヴ・エディション



■CD1
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲Op.61
(2)ベートーヴェン:ロマンス第2番Op.50
(3)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲Op.47

■CD2
(1)バッハ:ヴァイオリン協奏曲ホ長調BWV1042
(2)タルティーニ(マックス・ロスタル編):ヴァイオリン弦楽と通奏低音のための協奏曲ト短調D.86
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番KV219
(4)モーツァルト:ロンド ハ長調KV.373

■CD3
(1)モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調KV.364/320d
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲Op.35
(3)ラヴェル:ツィガーヌ

■CD4
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲Op.77
(2)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータよりガヴォット・エン・ロンド(アンコール)
(3)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲Op.10

■CD5
(1)ハイドン:ヴァイオリン協奏曲ハ長調Hob,VIIa:1
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲OP.64
(3)シューマン:ヴァイオリン協奏曲WoO23

■CD6
(1)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.78
(2)プロコフィエフ(マックス・ロスタル編):「冬の妖精〜シンデレラより
(3)ブロッホ:ニーグン、バール・シェムB.47
(4)スーク:4つの小品Op.17
(5)モーツァルト:ロンド ハ長調KV.373
(6)ラヴェル(G.カトリーヌ編):ハバネラ形式による小品
(7)バルトーク:ラプソディ第1番Sz.86

■CD7
モーツァルト
(1)ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調KV.380/374f
(2)ヴァイオリン・ソナタ ト長調KV.379/373a
シューベルト
(3)ヴァイオリン・ソナタ ト短調D.408
(4)ヴァイオリン・ソナタ イ長調D.574

■CD8
(1)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調KV.304/300c
(2)シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.105
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番Op.96
(4)モーツァルト
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調KV.454

■CD9
(1)シューベルト:ピアノ五重奏曲「鱒」D.667
(2)ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第2番Op.77
エディト・パイネマン(Vn)
■CD1
(1)カール・メレス(指)ルクセンブルク放送O
録音:1958年11月14日ヴィラ・ルヴィニーRTL放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)ヘルマン・ヒルデブラント(指) ベルリンRSO
録音:1965年9月5日ベルリンSFB放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルク放送O
録音:1957年10月31日ヴィラ・ルヴィニーRTL放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD2
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)シュトゥットガルトRSO
録音:1960年10月11日シュトゥットガルト ヴィラ・ベルク 放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)フランコ・カラッチオーロ(指)ヘッセンRSO
録音:1958年4月20日フランクフルト センデザールHR放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)(4)レート・チュップ(指)カメラータ・チューリヒ
録音:1969年5月1日チューリヒ、トーンハレDRSライヴ(モノラル)
■CD3
(1)ブルーノ・ジュランナ(Va) 、カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルトRSO
録音:1971年10月13日シュトゥットガルト リーダー・ハレSDRライヴ(ステレオ)
(2)ヴィリー・シュタイナー(指)NDRハノーファー放送O
録音:1966年9月9日ハノーファー、国営放送センターNDRライヴ(モノラル)
(3)ヘルマン・ヒルデブラント(指)ベルリンRSO
録音:1968年6月23日ベルリン・フィルハーモニーSFBライヴ(モノラル)
■CD4
(1)(2)モーシェ・アツモン(指)北ドイツRSO
録音:1976年3月26日ハノーヴァー、国営放送センターNDRライヴ(ステレオ)
(3)マリア・クリーゲル(Vc)、ハンス・ツェンダー(指)ユンゲ・ドイチュ・フィルハーモニー
録音:1979年3月16日ベルリン ザール1SFB放送用スタジオ(ステレオ)
■CD5
(1)エドモン・ド・シュトウツ(指)チューリヒ室内O
録音:1981年2月11日カールスルーエ ゼンデザールSDRライヴ(ステレオ)
(2)ゲルト・アルブレヒト(指)フランス国立放送O
録音:1974年11月22日パリ プレイエル・ホールORTFライヴ録音(ステレオ)
(3)マルク・アンドレーエ(指)スイス・イタリア語放送IO
録音:1987年1月29日ルガーノ・ベッソ スタジオ・オーディトリオ、RSIライヴ録音(ステレオ)
■CD6
(1)(2)(3)マグダ・ルシー(P)
録音:1959年11月2日ハンブルク、ラジオ会館NDR放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)-(7)ヘルムート・バルト(P)
録音:1963年2月15日ハンブルク ラジオ会館NDR放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD7
(1)ドリー・リッチャルド(P)
録音:1958年2月17日ベルンスタジオDRS放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)(3)イェルク・デムス(P)
録音:1965年4月28日ハンブルク、ラジオ会館NDR放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)イェルク・デムス(P)
録音:1977年12月13日シュトゥットガルト ヴィラK SDR放送用スタジオ録音(ステレオ)
■CD8
(1)(2)(3)ヴァルター・クリーン(P)
録音:1980年5月30日チューリヒ、スタジオ1 DRSライヴ録音(ステレオ)
(4)レオナルド・ホカンソン(P)
録音:1985年3月20日アーレン、シュタットハレSDRライヴ録音(ステレオ)
■CD9
(1)ヘルムート・バルト(P)、エンリケ・サンティアゴ(Va)、 マルティン・オステルターク(Vc)、 ヴォルフガング・ギュトラー(Cb)
(2)町田琴和. (Vn)、エンリケ・サンティアゴ(Va) 、マルティン・オステルターク(Vc)
録音:1990年10月2日アスコーナ、キエザ・デル・コレジオ・パピオ、RSI ライヴ録音(ステレオ)
エディト・パイネマン(1937-2023)はドイツのヴァイオリニスト。マインツのオーケストラのコンサートマスターの娘として生まれ 14歳まで父のもとでヴァイオリンを学んだ。その後、彼女はロンドンでマックス・ロスタルに師事し 19歳の彼女の演奏を聴い たユーディ・メニューインに激賞されます。1956 年、ミュンヘンで開催されたドイツ放送の国際コンクールで優勝。このコンクー ルで審査員の一人であった指揮者ウィリアム・スタインバーグに誘われ、1962 年にピッツバーグSOでアメリカ・デビュー を果たした。1976年からはフランクフルト音楽・舞台芸術大学の教授となり後進の指導にも当たった。このセットには協奏曲、 室内楽、器楽曲で活躍するソリストとしてのパイネマンの業績が収められており、大変貴重。共演陣もイェルク・デムス(P)、ヴ ァルター・クリーン(P)、モーシェ・アツモン(指)、カール・ミュンヒンガー(指)と往年の巨匠が勢揃いしており聴き応え充 分。

MClassics
MC-1080(9CD)
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン/ ラジオ・アーカイヴ・エディション

■CD1
ベートーヴェン
(1)ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(2)ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58

■CD2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番Op.1
(3)ボロディン
小組曲第3番より「マズルカ」
小組曲第5番より「セレナード」
スケルツォ変イ長調

■CD3
(1)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23
(3)バラキレフ:東洋幻想曲「イスラメイ」
(4)ラヴェル:組曲「鏡」より「道化師の朝の歌」

■CD4
(1)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.22
(2)スクリャービン:ピアノ協奏曲嬰ヘ短調Op.20
(3)サン=サーンス:ワルツの様式によるエチュードOp.52,No.6
(4)シマノフスキ:「マスク」Op.34

■CD5
モーツァルト
(1)ピアノ・ソナタ第18番ニ長調KV576
(2)ピアノ・ソナタ第11番イ長調KV331/300i
ベートーヴェン
(3)ピアノ・ソナタ第5番ハ短調Op.10,No.1
(4)ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26
(5)ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲第1 集&第2集Op.35

■CD6
シューマン
(1)交響的練習曲Op.13
(2)「ウィーンの謝肉祭の道化」Op.26
(3)8つの幻想的小品集Op.12
(4)4つの夜曲Op.23

■CD7
ショパン
(1)幻想曲へ短調Op.49
(2)即興曲第3番変ト長調Op.51
(3)夜想曲嬰ハ短調Op.27.No.1
シャブリエ:「2つの絵画的小品」より
(4)「メランコリー」/(5)「スケルツォ・ヴァルス」
ラヴェル
(6)組曲「鏡」より「悲しき鳥」
(7)「道化師の朝の歌」
(8)「クープランの墓」より「トッカータ」
(9)「夜のガスパール」
(10)「優雅で感傷的なワルツ」

■CD8
ドビュッシー
(1)「映像」第1集より「水の反映」
(2)「映像」第2集より「黄金の魚」
(3)「映像」第1集より
帆/アナカプリの丘/亜麻色の髪の乙女/パックの踊り/ミンストレル
「映像」第2集より ヴィーノの門/ヒース/奇人ラヴィーヌ将軍/月の光が降り注ぐテラス/水の精/花火
(4)「2つのアラベスク」/(5)「版画」/
(6)「ピアノのために」
(7)プーランク:「3つの無窮動」

■CD9
ドビュッシー:前奏曲集第1集より
(1)「帆」/(2)「アナカプリの丘」
プロコフィエフ:10の小品Op.12より
(3)行進曲/(4)前奏曲
フォーレ
(5)即興曲第1番/(6)即興曲第2番
(7)即興曲第3番/(8)舟歌第6番
(9)モンポウ:「子供の情景」
ブラームス
(10)間奏曲変ホ長調Op.117,No.1
(11)ラプソディ ロ短調Op.79,No.1
ドビュッシー:前奏曲集第2集より
(12)「月の光が降り注ぐテラス」/(13)「花火」
ヴィラ=ロボス
(14)「ブラジルの魂」ショーロ第5番
(15)「赤ちゃんの一族」組曲第1番&第2番(抜粋)
プロコフィエフ:10の小品Op.12より
(16)行進曲/(17)前奏曲
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン(P)
■CD1
(1)ウジェーヌ・ビゴー(指)フランス国立放送O
録音:1963年2月25日パリ・シャンゼリゼ劇場RTF放送スタジオ録音(モノラル)
(2)レオポルド・カセッラ(指)スイス・イタリア語放送O
録音:1961年ルガーノ・カンポ・マルツィオ、RSIスタジオ録音(モノラル)
■CD2
(1)ルイ・フレモー(指)モンテ・カルロ国立歌劇場O
録音:1958年8月16日モンテ・カルロ国立歌劇場 モナコ放送 ライヴ録音(モノラル)
(2)レオポルド・カセッラ(指)スイス・イタリア語放送O
録音:1960年9月3日ルガーノ・クルサール・アポロ劇場、RSIライヴ録音(モノラル)
(3)1960年12月14日バーゼル・DRS スタジオM3 放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD3
(1)ホルヘ・メスター(指)ベロミュンスター放送O
録音:1966年1月3日チューリヒ、DRSスタジオ1、放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)エーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
録音:1961年9月18日チューリヒ、DRSスタジオ1放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)録音:1969年3月28日バーゼル、DRSスタジオM3、放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)録音:1967年3月23日ルガーノ・ベッソRSIスタジオ・オーディトリオ放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD4
(1)(2)レオポルド・カセッラ(指)スイス・イタリア語放送O
(1)録音:1960年8月27日ルガーノ、カンポ・マルツィオRSI放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)録音:1964年12月22日ルガーノ、ベッソ・スタジオ・オーディトリオ、RSI放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)(4)録音:1960年12月14日バーゼル、DRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD5
(1)録音:1961年9月21日バーゼル、DRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)(3)録音:1962年4月13日バーゼル、DRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)録音:1959年3月26日ルガーノ、カンポ・マルツィオDRSスタジオM3 放送用スタジオ録音(モノラル)
(5)録音:1965年12月21日バーゼル、DRSスタジオM3 放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD6
(1)録音:1964年12月16日バーゼル、DRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)録音:1956年7月14日ミュンヘン、フンクハウス、BRスタジオ1 放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)(4)録音:1956年7月13日ミュンヘン、セイドハウス・ザールBR放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD7
(1)録音:1960年4月5日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)(3)録音:1964年12月16日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)(5)録音:1967年3月20日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(6)(7)録音:1959年6月6日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(8)録音1960年4月5日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(9)録音:1961年9月21日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(10)録音:1971年3月8日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(ステレオ)
■CD8
(1)(2)録音:1959年6月6日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)録音:1966年9月13日ルガーノ・ベッソ・スタジオ・オーディトリオRSI放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)(5)録音:1971年3月8日バーゼルDRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(6)録音:1972年2月22日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(ステレオ)
(7)録音:1967年3月23日ルガーノ・ベッソRSIスタジオ・オーディトリオ放送用スタジオ録音(ステレオ)
■CD9
(1)-(4)録音:1959年3月26日ルガーノ・カンポ・マルツィオ RSI放送用スタジオ録音(モノラル)
(5)-(9)録音:1972年2月22日バーゼルDRSスタジオM3放送用スタジオ録音(ステレオ)
(10)(11)録音:1974年3月25日ORTFスタジオ107放送用スタジオ録音(ステレオ)
(12)-(14)録音:1975年6月7日ORTFスタジオ107放送用ライヴ録音(ステレオ)
(15)録音:1967年3月23日ルガーノ・ベッソ・RSIスタジオ・オーディトリオ 放送用スタジオ録音(モノラル)
(16)(17)録音:1965年12月21日バーゼルDRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン(1897-1981)はアメリカ出身のフランスのピアニスト。マサチューセッツ州サマーヴィルに生ま れ4才で初のコンサートを開いた。幼い頃、母親に連れられてパリに行き、ここで正式な音楽教育を受け、7 才でベートーヴ ェンのピアノ協奏曲第1番を弾き、9 歳でパリ国立高等音楽院に入学、1909年にわずか11 歳でパリ国立高等音楽院のピア ノ・コンクールで第 1位を獲得し、この最年少記録は現在も続いています。その後ベルリンでハイリッヒ・バルトとエルンスト・フォ ン・ドホナーニに師事し、若き日のアルトゥール・ルービンシュタインとヴィルヘルム・ケンフにも出会っています。彼女はウィーン でテオドール・レシェティツキーのもとで修業を終え、最終的にはパリに定住し当時の著名な演奏家や作曲家に囲まれます。エ ネスコ、プーランク、メシアン、ルーセル、ヴィラ=ロボスらの作品を演奏した。1930 年代初頭にはフランス国籍を取得し、占 領期もパリに留まった。1954 年、パリ音楽院ピアノ科教授に任命され、1967 年までその職にあった。このセットは彼女が放送 用のために録音した音源のほぼ全てが収められています。20 世紀の知られざる巨匠の全貌を知る大変貴重な録音。1950 年 代末から1970年代半ばまでの録音で音質も秀逸。

Chopin University Press
UMFCCD-150(1CD)
ウカシェフスキ:協奏曲集
パヴェウ・ウカシェフスキ
(b.1968):アダージェット(弦楽オーケストラのための)/ネオポリス協奏曲(Vnと弦楽オーケストラのための)*/ウィングス協奏曲(2本のサクソフォンと室内オーケストラのための)*/ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲*/トリニティ協奏曲(オーボエと弦楽オーケストラのための)/クラロモンターナ(弦楽オーケストラのための)*
カミラ・ヴォンシク=ヤニャク(Vn)、
アグニェシュカ・プシェミク=ブリワ(P)
パヴェウ・グスナル、ミハウ・クノト(Sax)、
アルカディウシュ・クルパ(Ob)、
ショパン音楽大学室内O、
ラファウ・ヤニャク(指)


*世界初録音
現代ポーランドを代表する作曲家パヴェウ・ウカシェフスキ(b.1968)による、弦楽オーケストラと多彩なソリストたちが織りなす協奏曲の魅力を堪能できる1枚。収録作品のうち4曲は世界初録音です。ウカシェフスキの音楽は、予測できない転調を含む個性的な和声法、劇的な表現の対比、そして時を超えたような瞑想的な静けさに満ちており、聴く者を深い内面世界の探求へと誘います。

Tactus
TB-672262(1CD)
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲集
ファゴット協奏曲変ホ長調 RV.483/ファゴット協奏曲ヘ長調 RV.485/ファゴット協奏曲イ短調 RV.497/ファゴット協奏曲変ロ長調 RV.501「夜」/ファゴット協奏曲イ短調 RV.498/ファゴット協奏曲ホ短調 RV.484/ファゴット協奏曲変ロ長調 RV.502
パオロ・カルリーニ(Fg)
イ・ヴィルトォオージ・イタリアーニ、
アルベルト・マルティーニ(指、Vn)

録音:2002年10月
Tactusの名盤を復刻する「Serie Bianca(ホワイト・シリーズ)」から、イタリアの名ファゴット奏者、パオロ・カルリーニによるヴィヴァルディの協奏曲集が復活!
ヴィヴァルディのファゴットのための協奏曲は、ヴァイオリンのための協奏曲に次いで最大の作品群で、現存する曲は39曲以上、未完成の作品は2曲のみです。しかし、これらの詳細を越えて注目すべきは、ファゴットの技術的な可能性に対するヴィヴァルディの並外れた理解であり、それはソリストとしての完全で豪華な威厳を獲得したこの楽器の前衛的な扱いに反映されています。そして、音楽史上おそらく前例のない、その表現力に対する彼の直感です。
本アルバムでソリストを務めるのは、1987年からトスカーナOの首席ファゴット奏者として活躍したイタリアを代表する名手、パオロ・カルリーニ。1989年に結成され、国際的に著名なソリストや指揮者とのコラボレーションも数多く行っているイ・ヴィルトォオージ・イタリアーニとマエストロ、アルベルト・マルティーニとの共演で、ヴィヴァルディがファゴットに捧げた最も重要な作品の魅力を見事なテクニックと磨き抜かれた音色で奏でています。

EUROARTS
20-47344(Bluray)
プレトニョフ/ラフマニノフのピアノ協奏曲全曲演奏
ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集、パガニーニの主題による狂詩曲
ミハイル・プレトニョフ(P)
使用楽器:Shigeru Kawai Grand Piano, SK-EX(調律師:山本有宗)
ケント・ナガノ(指)
ラフマニノフ国際O

録音:2023年10月、ロゼ・コンサート・ホール、ロール、スイス(ライヴ)
画面:1080i,Full
HD,16:9
音声:PCMステレオ
リージョンALL
164分
ミハイル・プレトニョフが新たに創設したラフマニノフ国際O(RIO)。SACD Hybrid盤で『チャイコフスキー:組曲「白鳥の湖」&シチェドリン:カルメ ン組曲』(20-11067)、そしてケント・ナガノ(指)プレトニョフがピアノ演奏した『ラフマニノフのピアノと管弦楽のための作品全曲』(20-11067)と2枚の ディスクがリリースされていますが、今回そのうちラフマニノフのライヴ映像がブルーレイで発売されます。 ロシアを代表する作曲家、セルゲイ・ラフマニノフは、優れたピアニストであり、多くのピアノ作品を作曲しています。ピアノのための協奏作品は 全部で5つ。それらは様々な時代に書かれ、独自の個性を放っています。当盤にはそれらすべてが収められており、ラフマニノフという作曲家の書法の変遷をたど ることのできる内容です。さらにプレトニョフの演奏によって、それぞれの作品の個性が存分に引き出されていると言えるでしょう。モスクワ音楽院在学中に卒業 試験のために書かれた瑞々しいピアニズムをもつ第1番。ラフマニノフの代表作でありピアノ音楽全体の中でも屈指の名曲第2番。技術、表現力ともに最高難度を 誇る作品第3番。これまでの作品とは違った厳粛な雰囲気、そして成熟したロマンティシズムをもつ第4番。パガニーニの「24の奇想曲」の第24番〈主題と変奏〉 の主題が用いられた、ラフマニノフらしい甘美で繊細な雰囲気の「パガニーニの主題による狂詩曲」。 ラフマニノフを深く敬愛するプレトニョフは、指揮者としてもピアニストとしてもその作品に熱心に取り組み、コンサートでも録音でもその実績は認められ、さらに今 回はオーケストラにその名を冠するほど。2023年には東フィルと全曲演奏会を開催するなど、いまラフマニノフを聴くならプレトニョフと言わしめる最高の演奏を 堪能することができます。 このライヴ映像は、スイスの新ホール『ロゼ・コンサート・ホール』でのライヴ録音で、オーケストラが結成されて、はじめての公の場での演奏となりました。 (Ki)


Treasures
TRE-326(1CDR)
A.フィッシャー/モーツァルト&シューマン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K. 482*
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54#
メンデルスゾーン:ロンド・カプリッチョーソ ホ長調 Op.14##
アニー・フィッシャー(P)
オットー・クレンペラー(指)*
アムステルダム・コンセルトヘボウO*
ヨゼフ・カイルベルト(指)#
ケルンRSO#

録音:1956年7月12日コンセルトヘボウ*、1958年4月28日 ケルン放送 第1ホール#、1966年モスクワ## (全てモノラル・ライヴ)
※音源:Melodiya M10-44183#,##、Discocorp RR-527*
◎収録時間:70:15
“造形美を確保しつつ確信を持って邁進し続けるA.フィッシャーのピアニズム!”
■音源について
メンデルスゾーンはセッション録音なし。シューマンはレコードには1961年と表記されていますが、誤表記のようです。また、シューマンはピッチが高めなので正しく修正しています。Proifilレーベルからも復刻kされていますが、疑似ステレオのような加工が施されており、音楽的なニュアンスが半減していました。

★モーツァルトは、音楽を小さくまとめず、確信を持って前進し続ける姿勢が見事に結実。第1楽章第1主題は、可憐なだけではなく芯を湛えたタッチが印象的で、3:47からの短調の飛び込みも激烈。たちまち第2主題の清流へと溶け込んでいく流れにも息を呑みます。展開部前半の混沌世界で見せる求心力も見事。第2楽章はクレンペラーが引き出す敬虔な祈りの空気がまず心を捉えます。それに安心して身を委ねて同じ空気を湛えたフィッシャーのピアノは、サヴァリッシュとのセッション録音以上の内省美を湛えています。木管アンサンブルの入念な絡みも得も言われぬ素晴らしさ!その後のオケとピアノの慟哭の応酬は、クレンペラーとのコンビネーションならではの説得力。後半の微妙な陰影の移ろいも両者が渾然一体となって導き出し、コーダにおける長調へ転じると見せかけてすぐさま暗雲をに引き戻すモーツァルトの天才技をサラリと現出させるセンスにも脱帽です。終楽章では、クレンペラーが意外なほど愉悦に満ちたリズムの冴えを見せるなど柔軟な指揮ぶりを見せ、それに乗じてフィッシャーも伸び伸びと自身のピアニズムを羽ばたかせます。中間部後半の木管とピアノの織りなすまろやかで天国的なテクスチュアはどうでしょう!なお、カデンツカは、サヴァリッシュ盤ではフンメル版を使用していましたが、ここで使用しているのは、ドホナーニかフィッシャー自身のカデンツァかと思われます。
シューマンは後年のクレンペラーとセッション録音がありますが、こちらもそれを上回る名演奏。第1楽章、第1主題(0:27〜0:49)は、タッチの加減とルバートのセンスを凝縮させ、しかも自然に息づかせていることからして只事ではない美しさ!ロマン派音楽の真髄とも言える展開部は、その息吹を全身に感じ、体現し尽くしながら、気高い芸術性を築き上げます。第2楽章は全体的にニュアンのコントラストが強く、魂の入り方にムラがありません。冒頭は、単に美しく歌うというより、花の香りを全身で感じ、その幸福と感謝を花にそっと告げるような空気感!セッション録音も外見はそっくりですが、この囁きかけが明らかに弱いのです。2:24からで発作的に情感をむき出しにするシーンも、クレンペラー盤では普通に流れるのみ。第1楽章ではいつもの野武士モードを貫いていたカイルベルトが、ここでは大き呼吸の妙を見せ、フィッシャーと相乗的に見事なニュアンスを醸し出しています。終楽章では生命力が横溢。それでいて品格ある造形美もしっかり確保。1:59以降は相当の持久力を要する8分音符の連続。ここを勢いでやり過ごす演奏のなんと多いことか!その点フィッシャーはクレンペラー盤でも勢いとは無縁の真摯さで作品に対峙していますが、心のときめきを絶やすことなくタッチの隅々まで行き渡らせ、緊張の弛緩もなく、表情が冴え渡っているのは、このカイルベルト盤だと思うのです。【2024年11月・湧々堂】
【2024年11月・湧々堂】

Forgotten Records
fr-2308(1CDR)
モーツァルト:協奏交響曲K.364
ハイドン:協奏交響曲Hob. I/105
ズザンネ・ラウテンバッハー(Vn)
ウルリヒ・コッホ(Va)
ペータ・シュヴァルツ(Vc)
ヴィンフリート・リーベルマン(Ob)
ハンス・ベール(Fg)
イシュトヴァン・ケルテス(指)バンベルクSO

録音:1962年(ステレオ)
※音源:Opera ST1933
Forgotten Records
fr-2306(1CDR)
ムソルグスキー:展覧会の絵*
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ジーナ・バッカウアー(P)
ジョージ・セル(指)クリーヴランドO

録音:1957年*、1960年3月13日セヴェランスホール・ライヴ
※音源:His Master's Voice DLP1154*
Forgotten Records
fr-2296(1CDR)
ウェーバー:「オベロン」序曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
アイザック・スターン(Vn)*
ポール・パレー(指)デトロイトSO

録音:1961年11月24日放送録音、1961年2月9日放送録音*
Forgotten Records
fr-2285(1CDR)
パガニーニ(クライスラー編):ヴァイオリン協奏曲第1番〜第1楽章
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」*〜序曲/夜想曲/スケルツォ/結婚行進曲
イヴリー・ギトリス(Vn)
クルト・ヴェス(指)
ハイン・アーサー・ブラウン(指)*
ニーダーエースターライヒ・トーンキュンストラーO

録音:1950年9月26-28日、1951年9月10-12日*
※音源:Remington RLP-149-20, Remington R-199-67
Forgotten Records
fr-2282(1CDR)
リスト:ピアノ協奏曲第1番*
マスネ:ピアノ協奏曲変ホ長調
ブロッホ:ピアノとオーケストラのための「協奏バレエ」
ソンドラ・ビアンカ(P)
ジャン・マルティノン(指)ラムルーO*
ハンス=ユルゲン・ワルター(指)ハンブルク室内O

※音源:Plymouth P12-38, MGM E3178
※音源:Plymouth P12-38, MGM E3178
Forgotten Records
fr-2281(1CDR)
モーツァルト:協奏交響曲 K.Anh.9
モーツァルト:交響第41番「ジュピター」
ブルノ・デールシュミット(Ob)
オットカール・ドラパル(Cl)
エルンスト・ミュールバッハー(Hrn)
H・レルヒ(Fg)
クルト・ヴェス(指)
ニーダーエースターライヒ・トーンキュンストラーO

録音:1950年
※音源:Remington R-199-54, Remington R-149-16
Forgotten Records
fr-2278(1CDR)
ミルシテイン/チャイコフスキー&ドヴォルザーク
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲*
ナタン・ミルシテイン(Vn)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO
アンタル・ドラティ(指)ミネアポリスSO*

録音:1953年、1951年*
※音源:RCA LM-1760
Forgotten Records
fr-2277(1CDR)
ラロ:スペイン交響曲
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ポルムベスク (1853-1883):バラード(望郷のバラード)
イオン・ヴォイク(Vn)
イォシフ・コンタ(指)

録音:1956年
※音源:Electrecord ECD73, Electrecord ECD83
Forgotten Records
fr-2275(1CDR)
ブルメンタール/タヴァレス他
ヘケル・タヴァレス
(1896-1969):ピアノと管弦楽のための 「ブラジルの様式による協奏曲」 第2番Op.105
ヴィラ=ロボス:ピアノ協奏曲第5番*
パデレフスキ:幻想的ポロネーズ
フェリシア・ブルメンタール(P)
アナトール・フィストラーリ(指)LSO
エイトール・ヴィラ=ロボス(指)ウィーンSO*

録音:1954年、1955年5月25日ウィーン・ムジークフェライン・ライヴ*
※音源:Decca LXT2975, Columbia FCX438
Forgotten Records
fr-2086(1CDR)
アンセルメ&ジェルトレル
バッハ:管弦楽組曲第2番
ヒンデミット:ヴァイオリン協奏曲
リャードフ:8つのロシア民謡
チャイコフスキー:「眠れる森の美女」組曲
アンドレ・ジェルトレル(Vn)
エルネスト・アンセルメ(指)
スイス・ロマンドO

録音:1959年5月13日ヴィクトリア・ホール・ライヴ
Forgotten Records
fr-2083(1CDR)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番*
ヘンリク・シェリング(Vn)
ジャン・マルティノン(指)フランス放送PO
ヴィレム・ファン・オッテルロー(指)オランダ放送PO*

録音:1962年6月4日パリ、1962年6月25日アムステルダム(共に放送用ライヴ)
Forgotten Records
fr-2080(1CDR)
ヴューラー/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
第2番変ロ長調 Op.19
第3番ハ短調 Op.37
/フリードリヒ・ヴューラー(P)
ヴァルター・ダヴィソン(指)シュトゥットガルト・プロ・ムジカo

録音:1955年
※音源:Vox PL9570
Forgotten Records
fr-2079(1CDR)
ホルヴァート&オジム
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヤコヴ・ゴトヴァツ:交響的コロ Op.12**
 コレダOp.11#
イゴール・オジム(Vn)*
ミラン・ホルヴァー(指)ザグレブPO*,**
エミール・コッセット(指)男声合唱&器楽合奏#

録音:1961年*、1958年**,#
※音源:Fontana700154WGY, Jugoton LPY-33

Goodies
78CDR-3957(1CDR)
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 ダヴィッド・オイストラフ (Vn)
アレクサンドル・ガウク(指)
ロシア国立SO

米 MERCURY DM10(14000/14004)
1942年11月モスクワ録音
この曲の初演者ダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)による録音。オイストラフ はウクライナのオデーサ生まれ。1937年ブリュッセルで開催された「エリザベト 王妃音楽コンクール」で優勝。モスクワ音楽院で後進の指導をしていたが、ソビ エトの第2次大戦参戦で慰問演奏を行った。その後の活躍はめざましく、20世紀後 半に活躍した世界屈指のヴァイオリン奏者。この録音は戦後米マーキュリー社か ら発売された。指揮者のアレクサンドル・ガウク(1893-1963)はソ連の音楽界を支 えた偉大な人物。このシリーズでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(1950年モ スクワ録音)(78CDR-3358)も出ています。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3959(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 KV.449 キャスリーン・ロング(P)
ボイド・ニール(指)
ボイド・ニールO

英 DECCA K.784/6
1935年7月19日ロンドン録音
この曲の初録音。キャスリーン・ロング(1896-1968)はロンドン郊外のベントフォ ード生まれ。神童として名を馳せ8歳で演奏会を開いた。1915年にロンドンのエオ リアン・ホールでデビュー、1920年から1964年まで母校の王立音楽カレッジで教 鞭をとった。モーツァルト、ハイドン。バッハなどの作品を得意とし、英DECCAに 多く録音を残しています。指揮者のボイド・ニール(1905-1981)はイギリス生まれ。 外科医師から音楽家に転向し、1932年に自らの名を冠したオーケストラを指揮し てデビュー、DECCAと契約して活躍した。(グッディーズ)


PARNASSUS
PACD-96095(1CD)
マイケル・レビン 未公開録音:
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ポール・クレストン:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.78*
マイケル・レビン(Vn)、
ナショナル・オーケストラル・アソシエーション、
ジョン・バーネット(指)、
アトランタSO*、
ヘンリー・ソプキン(指)*

録音:1960年頃/1961年1月27日*
1972年に35歳の若さでこの世を去ったアメリカの天才ヴァイオリニスト、マイケル・レビンの初CD化音源という大注目盤が登場!「ザ・ベル・テレフォン・アワーでのマイケル・レビン」を2巻にわたりリリースし、第1巻(PACD960912)がレコード芸術ONLINEの「推薦盤」にも選ばれていたParnassusレーベルからの復刻です。
亡くなる半年前のインタビューで「もう一度レコーディングを始めるとしたら、ベートーヴェンとブラームスの協奏曲を演奏するだろう」と語っていたレビンのベートーヴェンをついに耳にすることができます。レビンが委嘱したクレストンのヴァイオリン協奏曲第2番についてはこれまで2種類の録音が出回っていましたが、それらとは別の録音が復刻されています。

SKARBO
DSK-1245(1CD)
モーツァルト:オーボエ協奏曲 ニ長調 K.314(原曲:ハ長調)
フルートと管弦楽のためのアンダンテ K.315
フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンドK.373
※すべてピッコロ版で演奏
ジャン=ルイ・ボーマディエ(ピッコロ)
ウィーン・クラシカル・プレイヤーズ
ヴァハン・マルディロシアン(指)

録音:2024年4月11〜13日/ペンツィング、ウィーン(オーストリア)
ピッコロ演奏の第一人者として当楽器のレパートリーの拡大と伝播に邁進するフランスの名手ジャン=ルイ・ボーマディエ。マルセイユ音楽院、パリ国立音楽院で 名教授達の下に学び、ピッコロの活躍度を上げるべく世界の名だたる指揮者との共演を果たす逸材で、澄んで生き生きした音色、軽快なリズム、豊かな表情が彼 の持ち味です。2024年2月、フルーティスト工藤重典プロデュース 東京チェンバー・ソロイスツとの共演も記憶に新しいところです。
注目の新譜はモーツァルトの協奏曲!オーボエ協奏曲、フルート協奏曲第1番に加えて、アンダンテ K.315、ロンド K.373をピッコロで演奏。共演はボーマディ エが絶大な信頼関係を築いているヴァハン・マルディロシアン(指)ウィーン・クラシカル・プレイヤーズです。ピッコロの高音域を軽やかな演奏するボーマディエ の現在の充実ぶりを証明する録音となりました。
ピッコロ・レパートリーを網羅すべく録音を進めている“ワールド・ピッコロ”シリーズではオリジナル作品の世界初録音はもちろんのこと、世界の作曲家が手 掛けた新作委嘱を数多く収録した唯一無二の企画で高く評価されております。これまでに同シリーズはVol.1「中央ヨーロッパ」(DSK-4132)、Vol.2「絵葉書」 (DSK-4149)、Vol.3「スウィート・ドリーム」(DSK-4165)、Vol.4「台風の目」(DSK-4193)が発売されております。 (Ki)


Gramola
GRAM-99286(9CD)
ハンスイェルク・アンゲラーの芸術 - モーツァルトから現代作品まで
【CD1】
モーツァルト:ホルン協奏曲集
1-3. ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
4-5. ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412
6-8. ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
9-11. ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
K.495第1楽章&K.447第1楽章のカデンツァ…パウル・アンゲラー
【CD2】
ナチュラル・ホルンとオーケストラのための狩りの協奏曲集
1. オンジェイ・アントン(1754-1817):シュヴァルツェンベルクの狩りのためのファンファーレ Bei Ankunft der Herrschaft
2-4. ジョヴァンニ・プント(1746-1803):ホルンとオーケストラのための協奏曲 第5番ヘ長調*
5. 不詳:Aria Sancti Huberti
6-7. アントン:シュヴァルツェンベルクの狩りのためのファンファーレ
8-10. プント:ホルンとオーケストラのための協奏曲 ホ長調*
*…カデンツァ:ハワード・アーマン
録音:1994年
【CD3】
ナチュラル・ホルンとフォルテピアノ
1-3. ベートーヴェン:ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17
4-6. ダンツィ(1763-1826):ホルン・ソナタ 変ホ長調 Op. 28
7-9. フェルディナント・リース(1784-1838):ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.34
【CD4】
ホルンとピアノ
1-2. シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
3. R・シュトラウス:序奏、主題と変奏TrV70
4. デュカス:ヴィラネル
5-8. ヴェルナー・ピルヒナー(1940-2001):Feld -, Wald - und Wiesen-Soli PWV53
9. ウジェーヌ・ボザ(1905-1991):森にて Op.40
10. ロッシーニ:前奏曲、主題と変奏
【CD5】
ホルンの哀歌
1. フランツ・シュトラウス(1822-1905):夜想曲 Op.7
2. R・シュトラウス:アンダンテ ハ長調 TrV 155
3. ボザ:森にて Op.40
4. オスカー・フランツ(1843-1886):無言歌 Op.2
5. シューベルト:流れにて D943
6. プーランク:エレジーFP168
【CD6】
クラシカル・ホルン
1-3. モーツァルト:五重奏曲 K.452
4-15. モーツァルト:2本のナチュラル・ホルンのための12の二重奏曲 K.487(K.496a)
16-18. テレマン:協奏曲 ヘ長調 TWV42/F14- リコーダー、バロック・ホルンと通奏低音のために
19-27. パウル・アンゲラー(1927-2017):17世紀の舞曲より「組曲」- リコーダー、バロック・ホルン、バロック・ファゴットとチェンバロのために
【CD7】
生まれついてのホルン吹き
1. ワーグナー:ジークフリートの角笛
2-7. ピルヒナー:ホルン四重奏曲「生まれついてのホルン吹き」
8-12. ピルヒナー:ホルンとトロンボーンのための二重奏曲
13. ヘルマン・バウマン(1934-):無伴奏ナチュラル・ホルンのための「哀歌」
14. リヒャルト・デュンサー(1959-):The Host of the Air - 無伴奏ホルンのために
15. パウル・アンゲラー:無伴奏狩猟ホルンのための「カプリッチョ」
16-22. パウル・アンゲラー:2本の狩猟ホルンのためのカノンによる「狩りの組曲」
23-27. パウル・アンゲラー:5つの狩りの歌 -4つの狩猟ホルンのために
28. パウル・アンゲラー:夜警の呼び声 -4つの狩猟ホルンのために
29. パウル・アンゲラー:葬送音楽 -4つの狩猟ホルンのために
30. ハンスイェルク・アンゲラー(1955-):DI Dieter Schramm Jagdfanfare
31. ハンスイェルク・アンゲラー:Klaus Stocker Jagdfanfare
32. ハンスイェルク・アンゲラー:Dr. Wolfgang Porsche Jagdfanfare
【CD8】
ホルン・コン・ブリオ&ロマンス
1. ベルンハルト・クロル(1920-2013):讃美 - 無伴奏ホルンのために
2-7. クロル:ホルン・ソナタ Op.1
8-10. クロル:3つの小品 Op.72
11. クロル:バーゼルのロマンス Op.114-4つのナチュラル・ホルンのために
12-14. パウル・ヴァルター・フュルスト(1926-2013):狩人の死 - アルメンラウシュ Op.80-4つの狩猟ホルンと4つのナチュラル・ホルンのための
15-17. フリッツ・ケル(1927-2018):4つのホルンのための小さなカッサシオン
18. ケル:ホルンとピアノのための「バルバラへのバラード」
19-22. ケル:ホルン・ソナタ
【CD9】
ザルツブルク・ウインド・フィルハーモニック
1-6. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」 K.492による13の楽器のためのハルモニームジーク(アルフレード・ベルナルディーニ編)
7. ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」 - ジークフリートの葬送行進曲*
8. エルンスト・ルートヴィヒ・ライトナー(1943-):交響曲第4番- 第4楽章「別れ」 …世界初演
9. ウェーバー:「魔弾の射手」 序曲*
10. フチーク(1872-1916):ワルツ「冬の嵐」 Op.184*
11. ホルスト:『惑星』 Op.32- 木星*
12. J・シュトラウス:ワルツ「美しく青きドナウ」 Op.314*
*…アルベルト・シュヴァルツマンによる吹奏楽版
【CD1】
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
ザルツブルク・ホーフムジーク(古楽器使用)
ヴォルフガング・ブルンナー(指)
録音:2006年4月10-12日
【CD2】
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
アンサンブル・ソ=ソ=ラ=ソハワード・アーマン(指)
録音:1994年
【CD3】
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
ノルベルト・リッカボナ(ハンマークラヴィーア)
録音:1991年
【CD4】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn)
ボジダル・ノエフ(P)
録音:1989年
【CD5】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn)
トーマス・ラルヒャー(P)…1-2
ボジダル・ノエフ(P)…3-4
ハンス・ゾーイエル(T)…5
ノルベルト・リッカボナ(ハンマークラヴィーア)…5
フローリアン・ポドゴレアヌ(P)…6
録音:オーストリア
1985年 ORF Innsbruck…3-4
1990年 ORF Innsbruck…1-2
1989年 Tiroler Landesmuseum -Ferdinandeum“,
Innsbruck…5
2015年 Solitar der Universitat Mozarteum
Salzburg…6
【CD6】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn/ナチュラルHrn、バロックHrn)
パヴェル・ギリロフ(P)…1-3
ホアン・カルロス・リヴァス・ペレッタ(Ob)…1-3
ダリオ・ジンガレス(Cl)…1-3
ミリアム・コフラー(Fg)…1-3
ダヴィッド・フリリ(ナチュラルHrn2)…4-7、12-15
スザンナ・ゲルトナー(ナチュラルHrn2)…8-11
イェレミアス・シュヴァルツァー(リコーダー)…16-27
エリザベート・カウフホールト(バロック・ファゴット)…19-27
ラルフ・ヴァルトナー(Cemb)…19-27
録音:
2017年 Solitar der Universitat Mozarteum Salzburg…
4-7、12-15
2018年 Solitar der Universitat Mozarteum Salzburg…
1-3、8-11
2002年 BR, Nurnberg…16-27
【CD7】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn/ナチュラルHrn/狩猟Hrn…16-22)
マルティン・ブラムベック(Hrn)…2-7
マルクス・プフェルシャー(Hrn)…2-7
クリストフ・ヴァルダー(Hrn)…2-7
リト・フォンタナ(Tb)…8-12
【狩猟ホルン】
クリストフ・ガップ…16-22、23-32
クラウス・デング…23-32
クリストフ・ヴァルダー…23-29
ガブリエル・クプジナー…30-32
アルベルト・シュヴァルツマン…30-32
エドゥアルド・ジュリアーニ…30-32
エリック・コシャク…30-32
トーマス・メヒトリンガー…23-32
トビアス・ツァンガール…30-32
ハンスイェルク・アンゲラー(指)
録音:1979年 Stadtsaal Innsbruck…1
2012年 Stadtsaal Innsbruck…15-32
1990年Konzertsaal ORF Tirol…14
1991年 Konzertsaal ORF Tirol…13
1999年 Konzertsaal ORF Tirol…2-12
【CD8】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn/ナチュラルHrn)
ボジダル・ノエフ(P)
マルコ・トライアー(ナチュラルHrn…11)(狩猟Hrn…12-14)
クリストフ・ガップ(ナチュラルHrn…11)(ホルン…15-17)
クリストフ・ヴァルダー(ナチュラルHrn)…11
マルティン・ブラムベック(ナチュラルHrn)…12-14
マルクス・プフェルシャー(ナチュラルHrn)…12-14
クリストフ・ヴァルダー(ナチュラルHrn)…12-14
ヘルヴィヒ・モルシュアー(狩猟Hrn)…12-14
カリン・コラート(狩猟Hrn)…12-14
トーマス・メヒトリンガー(狩猟Hrn)…12-14
ミヒャエル・ペスコルデルング(Hrn)…15-17
ハンス・モーザー(Hrn)…15-17
録音:Stadtsaal Innsbruck
1994年…12-14
1999年…1-11
2003…15-22
【CD9】
ザルツブルク・ウインド・フィルハーモニック
ダニエル・ヨハンセン(T)
ハンスイェルク・アンゲラー(指)
録音:2016年 Grosser Saal der Stiftung Mozarteum
Salzburg…1-6
2014年 Grosser Saal der Stiftung Mozarteum
Salzburg…7
2009年 Saal Tirol des Congress Innsbruck…8
2018年Groses Festspielhaus Salzburg…9
2019年 Felsenreitschule Salzburg,2019…10、12
2023年 Groses Festspielhaus Salzburg…11
ハンスイェルク・アンゲラー(1955-)は、オーストリアを代表するホルン奏者および指揮者であり、ホルンとナチュラルホルンを中心に、狩猟ホルンなど幅広い楽 器で独自の解釈による演奏を聴かせます。 アンゲラーはチロル生まれ。インスブルックのチロル音楽院とザルツブルクのモーツァルテウム大学で学び、著名 なホルン奏者ヘルマン・バウマンにも師事しました。1976年から1980年までインスブルックSOのホル ン奏者を務め、その後チロル音楽院およびモーツァルテウム大学で教授として活躍。さらに、ニュルンベルク音 楽大学でも教鞭を執り、次世代のホルン奏者を育成するとともに、ウィーン・フィルやカメラータ・ザルツブルク など著名なオーケストラと共演し、ホルンとナチュラルホルンのソリストとして国際的な評価を受けています。ま た、現代作曲家エーダーやクロルなどが彼のために作品を書いており、これらの録音は高く評価されていま す。録音も数多く、特に2006年に録音したモーツァルトのホルン協奏曲は、オーストリア放送協会から「パス ティッチョ賞」を受賞しました。指揮者としても活躍する彼は、2002年にザルツブルク・ウインド・フィルハーモ ニックの首席指揮者に就任して以来、世界有数のシンフォニック・ウインド・オーケストラへと育て上げ、印象 的なコンサートと録音で成功を収めています。この『ハンスイェルク・アンゲラーの芸術』では、数多くの録音の 中から多彩なレパートリーを紹介。独奏からアンサンブルまで、ホルン演奏の芸術を極めて魅力的な方法で 体験させてくれます。

Biddulph
BIDD-85054(1CD)
エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.82#
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61(抜粋)*
アルバート・サモンズ(Vn)
ニュー・クイーンズホールO
サー・ヘンリー・ウッド(指)管弦楽団*
ウィリアム・マードック(P)#

録音/初出:1929年3月18日/Columbia L2346/50(Matrices WAX4785/94)
1935年2月2日/Columbia68392/94(Matrices CAX7421/26)#
1916年3月14日/ Columbia L107*
ヴァイオリニストとして音楽家のキャリアを始めたエルガーにとってヴァイオリン協奏曲の作曲は夢の一つ。最初の構想は1890年にさかのぼりますが、実現した のは1910年、フリッツ・クライスラーの求めに応じてでした。そのクライスラーは初演したものの、その後はさほど好んで弾いた形跡も見当たらず、録音もありま せん。代わってこの曲を広めるのに貢献したのがアルバート・サモンズでした。サモンズは1914年にこの曲を弾いて一躍英国音楽界の注目を集め、その後も 折に触れて演奏し、世界初の録音も行いました。またSQの一員としてエルガーの弦楽四重奏曲とピアノ五重奏曲を初演。ヴァイオリン・ソナタは 初演こそ逃したものの、繰り返し演奏しています。エルガーは感謝のしるしに自身が持っていたジェームズ・ダブスの弓をサモンズに進呈しました。 サモンズは1886年にロンドン西部の靴職人の家に生まれました。熱心なアマチュア・ヴァイオリニストだった父と兄の手ほどきにより7歳からヴァイオリンを始める とめきめきと頭角を現し、12歳の時には学校を卒業してアールズ・コートのオーケストラのリーダーに就任。その後も演奏を続けながらイザイの弟子アルフレー ド・フェルナンデスらにヴァイオリンを学び、カザルス、ティボー、シマノフスキらの知遇を得ました。後にイザイからはトゥルトの弓を贈られ、1911年には英国王 ジョージ5世の王室付き音楽家となります。1914年にヴァシリー・サフォノフ指揮LSOとエルガーのヴァイオリン協奏曲を演奏したサモンズを『サンデー・タイムズ』が「第一級のソリストが突然 姿を現した」と絶賛してブレイク。病を得て1948年に引退するまで英国楽壇を代表するヴァイオリニストとして活躍し、ディーリアスのヴァイオリン協奏曲やアイ アランドのヴァイオリン・ソナタ第2番を初演、バントックやグーセンスの第1ソナタを献呈されています。また彼がリーダーを務めていたロンドンSQには ヴォーン・ウィリアムズやブリッジが作品を献呈しています。 ここに収められたエルガーのヴァイオリン協奏曲は2種類。トラック7-10はSPレコード2枚(4面)に収めるためにカットされた短縮版で、これが同曲の最初のレ コードとなりました。トラック1-3は全曲盤でサモンズの代表盤と呼べるもの。43分台の演奏時間は歴代の同曲録音の中では短い方で、エルガー特有の憂 愁を漂わせつつもそれに溺れることなく、格調高く緊張感のある中に歌心と抒情を湛えた名演奏となっています。ヘンリー・ウッドの指揮も様々な楽想を描き 分けつつ音楽を大きな流れの中に収めていて見事。年代を考えると音質が良好なのも嬉しいところです。ハイフェッツが1949年に同曲を録音した際、それに 先立ってサモンズを尋ねて話し込んだと伝えられていますが、作曲家直伝の解釈を伝える歴史遺産という意義を越えて、同曲録音が増えた今聴いても価 値のある演奏と言えるでしょう。

Hanssler
HC-24047(1CD)
マスネとラヴェルのピアノ協奏曲
(1)マスネ:ピアノ協奏曲 変ホ長調(1903)
(2)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(1929-31)
エロイーズ・ベラ・コーン(P)
ベルリンRSO、
クリストフ・コンツ(指)

録音:(1)2022年12月13〜15日、(2)2023年4月4&5日/ハウス・デス・ルンドフンクス、RBB(ベルリン)
使用楽器:Yamaha CFX (2022)
ヘンスラー・レーベルよりリリースを続けるピアニスト、エロイーズ・ベラ・コーンがマスネとラヴェルのピアノ協奏曲を録音しました。1991年パリ生まれのコー ンは4歳よりヤマハ音楽教室にてピアノをはじめました。その後、パリ国立高等音楽・舞踊学校にてミシェル・ベロフ、エリック・ル・サージュ、デニス・パスカル、 ダヴィッド・フレイ、ピエール=ローラン・エマールに師事しております。ドビュッシー没後100周年には前奏曲集第1集&第2集(HC-18085)を、その後J.S.バッ ハの「フーガの技法」BWV1080【エスケシュ補完】(HC-21049)をリリースしています。
マスネといえば『タイス』『マノン』といったオペラで知られる作曲家。1903年に作曲されたピアノ協奏曲は演奏機会が非常に少ないものの、その美しさは一 聴の価値ありの作品です。マスネの作品から約30年後に書かれたラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調は言わずと知れたラヴェルの代表作のひとつ。20世紀前半のパ リでうまれたこの2作をコーンが愛情をこめて演奏します。

Forgotten Records
fr-1965(1CDR)
ジャノリ&ホルヴァート/メンデルスゾーン
メンデルスゾーン
:ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.25
ピアノ協奏曲第2番ニ短調 Op.40
レーヌ・ジャノリ(P)
ミラン・ホルヴァート(指)
ウィーン国立歌劇場O

録音:1952年10月21日-26日
※音源: Westminster XWN18043/
Forgotten Records
fr-1953(1CDR)
ヘルマ・エルスナー他/Vox 録音のバッハ
2台のチェンバロの為の協奏曲第1番ハ短調 BWV.1060*
ヴァイオリンとオーボエの為の協奏曲 ニ短調 BWV.1060#
2台のチェンバロの為の協奏曲第2番ハ長調 BWV.1061*
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903+ /イタリア協奏曲 BWV.971+
ヘルマ・エルスナー(Cemb)
ヴィル・べー(Vn)# 
フリードリヒ・ミルデ(Ob;#)
ロルフ・ラインハルト(Cemb;*,指)
シュトゥットガルト・プロ・ムジカO

録音:1955年3月、モノラル(+以外) /1958年1月、ステレオ+
※音源:Vox, PL9580(+以外), STPL-510.770+

Chandos
CHSA-5339(1SACD)
共鳴 - ヴァインベルク、シェーンベルガー:トランペット協奏曲 他
ヴァインベルク(1919-1996):トランペット協奏曲 Op.94(1966-67)*
クリストフ・シェーンベルガー(1961-):トランペット協奏曲Op.94 (2016/2021-22)*
ラフマニノフ:ヴォカリーズ 嬰ハ短調Op.34No.14(1915)**
アレクサンドル・ゲディケ(1877-1957):演奏会用練習曲 ト短調 Op.49* (リー・レイノルズによる管弦楽伴奏版)
マティルダ・ロイド(Tp)
*…B♭管トランペット
**…D管トランペット
LSO
岩淵麻弥(リーダー)
リー・レイノルズ(指)
SACD層:Stereo, Multi-Channel5.0

録音:2023年11月17-19日ロンドン、ヘンリーウッド・ホール
「Resonance=共鳴」のタイトルの通り、選曲と演奏において様々な響き合いを聴かせるアルバム。ヴァインベルクのトランペット協奏曲は、軍楽におけるト ランペットの歴史が反映されており、マーラーやメンデルスゾーン、ストラヴィンスキーの音楽を引用しながらも、それらを暗く歪めたグロテスクなものに変えてい ます。シェーンベルガーの協奏曲はネオロマンティックであり、ロマン派の作曲家たちの影響が見られます。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」は、音楽が呼び起こす 感情や記憶を表現し、トランペットがその抒情性を引き立てます。アルバムの最後の作品、ゲディケの「演奏会用練習曲」は、ロイドのお気に入りの作品。 もともとピアノとトランペットの曲で、彼女はしばしばアンコールで演奏していましたが、今作ではリー・レイノルズによる管弦楽伴奏版での演奏です。 マティルダ・ロイドは、ケンブリッジ大学、英国王立音楽アカデミーで研鑽を積み、マルメ音楽大学では、現代最高峰のトランペット奏者の一人であるホーカ ン・ハーデンベルガーに師事。2014年にBBC Young Musician of the Year Brass Finalを受賞し、2016年にはBBCプロムスでデビュー。翌年には フランスで開催されたエリック・オービエ国際トランペット・コンクールで第一位に輝くなど、大いに期待されている若手です。古典派から現代まで幅広いレパー トリーを持ち、委嘱作品の初演を積極的に行うなどトランペットのレパートリー拡大にも力を注いでいます。 このアルバムは、彼女の華麗な音色を高音質録音で伝えるSACDハイブリッド盤での発売です。

IBS CLASSICAL
IBS-132024(1CD)
ミニマリスト〜ピアノと管弦楽のための作品集
グラス(1937-):エチュード第4番
シモン・ネーリング(1995-):ブリッジ
ヘンリク・ミコワイ・グレツキ:ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 Op.40
シメオン・テン・ホルト(1923-2012):カント・オスティナート
ギヤ・カンチェリ(1935-2019):ワルツ・ボストン -ピアノと弦楽のために
ペルト(1935-):アリヌーシュカの癒しに基づく変奏曲
 アンナ・マリアのために
ヴォイチェフ・キラール(1932-2013):ピアノ協奏曲
シモン・ネーリング(P)
ポーランド放送O
ミハウ・クラウザ(指)

録音:2024年1月10、12日、31日、2月1日
1960年代後半、当時音楽評論家として活動していたマイケル・ナイマン(が、シンプルさを特徴とする新しい音楽 美学を「ミニマリズム」と呼びました。ラ・モンテ・ヤングやスティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラスといった作曲家の「反復 構造を持つ音楽」やシメオン・テン・ホルトやアルヴォ・ペルトの一部の音楽のような「催眠効果」をもたらす音楽もミ ニマルと表現されることもあります。雨の単調な音に耳を澄まし、曇った日の鈍い灰色を愛し、ある種の世界の停 止を楽しむことができるような音楽。このアルバムはそんなミニマル・ミュージックを集めた1枚。 ポーランド出身のピアニスト、シモン・ネーリンクは、2017年のアルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール でポーランド人として初めて優勝し、19歳でショパン国際ピアノコンクールのファイナリストにもなりました。彼は多くの 著名なオーケストラや指揮者と共演し、故クシシュトフ・ペンデレツキとの共演や録音も行っています。

Orchid Classics
ORC-100351(1CD)
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 他
1. 私はあなたに明かしたい、おお、神よ! K. 418(J=C.マルト&S.メノッツィ編)
2-4. フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
 2. I. Allegro
 カデンツァ…ハインツ・ホリガー
 3. II. Andantino
 カデンツァ…ハインツ・ホリガー&ロバート・レヴィン
 4. III. Rondeau
 カデンツァ…ハインツ・ホリガー
5. あなたは今は忠実ね K.217(J=C.マルト&S.メノッツィ編)
6-12. 「泉のほとりで」の主題による6つの変奏曲 ト短調 K360
13. アンダンテ ハ長調 K315
 カデンツァ…ジュリアン・ボーディモン
14. ロンド ハ長調 K.373…原調での世界初録音
 カデンツァ…ジュリアン・ボーディモン
ジュリアン・ボーディモン(Fl)
アナイス・ゴドゥマール(Hp)
マッテオ・トレンティン(Ob)
リヨン国立歌劇場O
フィリップ・ベルノルド(指)

録音:2023年7月10-12日リヨン国立歌劇場
1777年、若きモーツァルトは母親と共に、当時の音楽の中心地マンハイムを訪れました。この街で、彼は後に妻と なるコンスタンツェ・ウェーバーや彼女の姉妹と出会い、また、フルート奏者フェルディナント・デジャンとのコラボレー ションを通じて、フルート協奏曲や四重奏曲を作曲しました。さらに、パリでは象徴的なフルートとハープの協奏曲 K.299を完成させましたが、母親の死という悲劇も経験します。ジュリアン・ボーディモンの新しいアルバムは、モー ツァルトのこの重要な時期の作品に焦点を当て、その感情的な深さと技巧を見事に表現しています。リヨン国立 歌劇場Oとの共演によるアルバムは、モーツァルトの天才を見事に捉えています。ハープのゴドゥマールは 2012年、イスラエルで開催された国際ハープコンクールで第1位を獲得、2016年にはミュンヘンのARD国際音 楽コンクールで2位を受賞後、世界的に活躍する奏者です。

CPO
CPO-555563(2CD)
フォルケル:4つのピアノ協奏曲
ヨハン・ニコラウス・フォルケル(1749-1818):ピアノ協奏曲 ト長調
ピアノ協奏曲 変ロ長調
ピアノ協奏曲 イ長調
ピアノ協奏曲 ハ長調
トビアス・コッホ(フォルテピアノ)
アントン・ヴァルター製ハンマーフリューゲルによるフォルテピアノ
(シュタウフェン・イム・ブライスガウ、クリストフ・カーンのピアノワーク
ショップによる再現楽器、2007年製作)
ケルン・アカデミー(古楽器使用)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)

録音:2022年5月2-6日
※全て世界初録音
バッハの評伝の著者として知られるフォルケルのピアノ協奏曲をピリオド楽器で演奏したcpoらしい企画。全曲世界 初録音。フォルケルは1749年にコーブルク近郊に生まれ、地元のカントルから音楽を学びました。その後、ゲッティ ンゲン大学で法律を学ぶ傍ら、音楽理論や歴史の研究にも取り組み、音楽教育や学術的なコンサートの開催を 通じて音楽の発展に寄与しました。熱烈なバッハ信奉者であった彼は1802年にバッハの初の伝記を出版し、バッ ハの偉業をドイツの国民的遺産として称賛したことでも知られています。フォルケルの作品には22の協奏曲があ り、そのうち12曲の筆写譜が現存しています。このアルバムには世界初録音となる4曲のピアノ協奏曲を収録。彼 の作曲活動は1769年から1796年まで続き、初期の鍵盤楽曲ではチェンバロを想定していたようですが、後期に なるとフォルテピアノを指定することが増えてゆき、この録音でもフォルテピアノを使っています。

EVIDENCE
EVCD-109(1CD)
クリスティアン・シッテンヘルム:ピアノ協奏曲第4番「Air」
 Dawn(夜明け)(交響詩)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
スヴェトラーナ・アンドレーエワ(P)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
セルゲイ・ネラー(指)

録音:2023年1月5日、イギリス
シッテンヘルムは、ルーヴル美術館の支援で作った「ダ・ヴィンチの翼」をはじめ「マッチ売りの少女」「人魚姫」などのミュージカルで人気となったフランスの 作曲家。ピアノ協奏曲「Air」も交響詩「Dawn」も世界初録音。ピアノ協奏曲はテレビドラマなどの音楽のようで、軽やかかつミステリアスなメロディが魅力です。 (Ki)

CZECH RADIOSERVIS
CR-1229(2CD)
プラハの春音楽祭ゴールド・エディション Vol.5


■CD1
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調Op.104
(2)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102

■CD2
(1)ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調 Hob. VIIe:1
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
■CD1
(1)アントニオ・メネセス(Vc)、チェコPO、ズデニェク・コシュラー(指)
録音:1991年5月18日、プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ)
(2)ヨゼフ・スーク(Vn) 、インリヒ・シフ(Vc)、プラハSO、イルジー・ビエロフラーヴェク(指)
録音:1979年5月17日、プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ)
■CD2
(1)モーリス・アンドレ(Tp)
プラハSO、サー・チャールズ・マッケラス(指)
録音:1974年6月1日、プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ)
(2)ラドゥ・ルプー(P)
プラハSO、ヘスス・ロペス=コボス(指)
録音:1977年5月23日プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ)
チェコ放送の自主レーベル「ラジオサーヴィス」のシリーズ『プラハの春音楽祭ゴールド・エディション』の第5弾は、音楽祭を彩ったソリストたちの饗宴、協奏曲 に焦点を当てたプログラムです。 まずは、ブラジル出身の世界的チェロ奏者、アントニオ・メネセス(1957-2024)によるドヴォルザークのチェロ協奏曲。残念ながらメネセスは2024年8月3 日スイスのバーゼルで闘病の末亡くなりましたが、当録音は1991年ソリストとして世界の檜舞台で活躍していた頃の演奏。メネセスは音楽一家で育ち、10歳か らチェロを始め、16歳で渡欧。アントニオ・ヤニグロの門下生として学び、1977年にミュンヘン国際音楽コンクールで1位、1982年にモスクワのチャイコフスキー 国際コンクールで1位と輝かしい成績を残します。以降、ベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管、ウィーン・フィルなど世界の主要オーケストラ、カラヤン、ヤンソン ス、ヤルヴィ、アバドら名指揮者と共演。このプラハの春やザルツブルクなど世界的音楽祭にも数多く招かれていました。1998〜2008年にはピアノ三重奏団の ボザール・トリオのメンバーとしても活躍。録音も多く、時代を牽引するチェリストでした。 次は、弦楽王国と言われるチェコの名ヴァイオリニスト、ヨゼフ・スーク(1929-2011)とオーストリアのチェロ奏者で指揮者としても活躍したハインリヒ・シフ (1951-2016)によるブラームスの二重協奏曲。演奏は、プラハSO、ビエロフラーヴェクの指揮。ヨゼフ・スークは、祖母はドヴォルザークの娘、祖父は作 曲家でヴァイオリニストのヨゼフ・スークという恵まれた音楽環境の中で育ち、名ヴァイオリニスト、ヤロスラフ・コチアンから英才教育を受け、プラハ音楽院在学中 からトリオを組んで活動、卒業後は、プラハ四重奏団の第1ヴァイオリン奏者となり、さらに23歳の時には、親友のヤン・パネンカ、ヨゼフ・フッフロと共にスーク・ トリオを結成し、室内楽の世界で熱心な活動を展開していました。ハインリヒ・シフは、1972年、グラーツの国際現代音楽祭でロストロポーヴィチの代役としてル トスワスキのチェロ協奏曲を演奏して成功。以後、世界的な奏者として活躍しました。 CD2には、「キング・オブ・トランペット」として知られるモーリス・アンドレ(1933-2012)によるハイドンのトランペット協奏曲。マッケラスとプラハ響のサポー トも光りますが、とにかくモーリス・アンドレのトランペット超絶技巧を堪能することができます。最後はラドゥ・ルプー(1945-2022)によるベートーヴェンのピ アノ協奏曲第3番。ルーマニア出身で幼いころからその才能を開花させ、1966年のヴァン・クライバーン国際コンクールをはじめ、エネスコ、リーズの各国際コン クールで1位となり、1969年にロンドン・デビューし、本格的な活動を開始しました。ルプーのベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番といえば、彼の最初の商業録 音(1967年ブゲアヌ(指)シネマトグラフィ響)の演目でもあります。本録音は1977年ですので、デビューから10周年というタイミングでの再録音となります。

LSO Live
LSO-0886(1SACD)
ミクロス・ローザ(1907-1995):ヴァイオリン協奏曲 op.24
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番*
ロマン・シモヴィッチ(Vn)
サー・サイモン・ラトル(指)
ケヴィン・ジョン・エドゥセイ(指)*
LSO

録音:2022年6月17日、2022年10月26日*
LSOのコンサートマスターを長きにわたって務めている実力派、シモヴィッチをソロに迎えたヴァイオリン協奏曲集の登場。ローザとバルトークとい う、どちらも高いテンションと技術、そして高度な音楽性が要求される難曲です。
『ベン・ハー』などの映画音楽作曲家としても知られるローザのヴァイオリン協奏曲 op.24は、ハイフェッツの委嘱を受けて1956年に作曲されたもの。ハイ フェッツによって初演された、高い緊張と高い技術を要する難曲にして美しい旋律と魅力のリズム溢れる作品。ラトル率いるLSOは作品のもつエネルギーをフルに 引き出した演奏で、シモヴィッチも自由自在に熱く奏でています。
バルトークはエドゥセイ指揮。エドゥセイは1976年ドイツ生まれ。2015年からミュンヘンSOの首席指揮者を務めており、楽団の性能を飛躍的に向上させ たことでも知られています。現代音楽のスペシャリストとして、WERGOからも録音多数発売している注目株です。
シモヴィチはモンテネグロ出身。モスクワ音楽院でマリナ・ヤシュヴィリのもとで学ぶ。ロドルフォ・リピツァー賞国際ヴァイオリンコンクール第1位および12の 聴衆賞、ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位など多くのコンクールで優勝、入賞。2010年よりLSOのコンサートマスターを務めており、指揮者陣 から絶大な信頼を得ています。使用楽器は1709年製ストラディヴァリウス。 (Ki)

Goodies
78CDR-3957(1CDR)
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 ダヴィッド・オイストラフ (Vn)
アレクサンドル・ガウク指揮
ロシア国立SO

米 MERCURY DM10(14000/14004)1942年11月モスクワ録音
この曲の初演者ダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)による録音。オイストラフ はウクライナのオデーサ生まれ。1937年ブリュッセルで開催された「エリザベト 王妃音楽コンクール」で優勝。モスクワ音楽院で後進の指導をしていたが、ソビ エトの第2次大戦参戦で慰問演奏を行った。その後の活躍はめざましく、20世紀後 半に活躍した世界屈指のヴァイオリン奏者。この録音は戦後米マーキュリー社か ら発売された。指揮者のアレクサンドル・ガウク(1893-1963)はソ連の音楽界を支 えた偉大な人物。このシリーズでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(1950年モ スクワ録音)(78CDR-3358)も出ています。(グッディーズ)

SWR music
SWR-19159CD(1CD)
チェロのための作品集
カバレフスキー:チェロ協奏曲第2番 ハ短調 Op.77(1964)
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40(1934)
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲*
リオネル・マルティン(Vc)
南西ドイツRSO
ギエドレ・シュレキーテ(指)
デミアン・マルティン(P)
カメラータ・シュヴァイツ*
ハワード・グリフィス(指)*

録音:全てライヴ
2023年5月5日、6月30日、2024年7月9日
2013年に発足した、優れた若手アーティストがキャリアをスタートするためのサポート「SWR ニュー・タレント・プログラム」。2021年からこのプログラムに参加 しているチェリストのリオネル・マルティンの最新アルバムです。彼はテュービンゲン音楽学校でヨーゼフ・ハーステンに師事、2020年からはチューリヒ芸術大学 でトーマス・グロッセンバッハーに師事して研鑽を積んでいます。2017年にはダン・エッティンガーが指揮するシュトゥットガルトPOをバッ クにチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」でデビュー・コンサートを行い、以降、ヨーロッパから南米まで幅広く演奏活動を行うとともに、2017年には アンネ・ゾフィー・ムター財団の奨学生になり、ムターや他の奨学生とツアーを行うなど才能が高く評価されています。彼はこのアルバムで19世紀と20世紀の ロシアのレパートリーに挑戦。着実な成長を感じさせる見事な演奏です。

Channel Classics
CCS-45924(1CD)
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番ニ長調 Op.19
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番イ短調 Op.77
ニン・フェン(Vn)
ボーフムSO
トンチエ・ツァン(指)

録音:2023年10月 アンネリーゼ・ブロスト・ムジークフォルム・ルール、ボーフム、ドイツ
2006年パガニーニ国際コンクールの覇者で、中国出身で現在はベルリンを拠点に活動しているヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、ニン・フェン が弾くショスタコーヴィチとプロコフィエフの協奏曲二題。美しいメロディと瞑想的な側面を持つプロコフィエフと、シニカルで先鋭的なショスタコー ヴィチの大作を、切れ味鋭く高い技術力と歌心で見事に描き分けています。

Capriccio
C-5528(1CD)
ニコライ・カプースチン(1937-2020):変奏曲 Op.3ー ピアノ・ソロとビッグバンドのために(1961)
トッカータ Op.8ー ピアノ・ソロとビッグバンドのために(1964)
ピアノ協奏曲 第2番Op.14? ピアノと管弦楽のために(1972)
夜想曲 Op.16? ピアノと管弦楽のために(1972)
コンサート・ラプソディ Op.25? ピアノと管弦楽のために(1976)
ピアノ協奏曲 第6番Op.74- ピアノとビッグバンドのために(1993)
フランク・デュプレー(P)
ヤコブ・クルップ(ベース)
マインハルト・OBI・イェンネ(ドラムセット)
南西ドイツ放送ビッグバンド
南西ドイツRSO
ドミニク・ベイキルヒ(指)

録音:2023年7月12-14日、2024年2月14-16日
「ジャズを演奏し始めたとき、それが自分に合っていると理解しました。二つの音楽を融合させなければならな いと分かったのです。」(ニコライ・カプースチン)
カプースチンの音楽は、このアルバムに収録されている作品も含め、まるでオスカー・ピーターソンの即興演奏 のように聞こえますが、その楽譜には即興に聞こえる部分まですべて克明に記されています。1961年にモス クワ音楽院を卒業した後、カプースチンは11年間にわたりオレーク・ルントストレムのジャズ・オーケストラで演 奏し、この経験が作曲を始める弾みとなり、最初のピアノ協奏曲Op.2や変奏曲、ジャズのコードで始まる トッカータ(このアルバムが世界初録音)といった作品が生まれました。1970年代には夜想曲やコンサート・ラ プソディを作曲し、時代とともにそのスタイルを進化させました。その後、1980年に作品番号はようやくOp. 30に到達、この年はまた、モスクワで彼のピアノ協奏曲第2番が初演された年でもありました。以降も彼は ビッグバンド・ジャズの音楽を作品に反映し、音楽の素材やオーケストラとの関係にも柔軟に対応し続けまし た。とりわけ、1993年のピアノ協奏曲第6番は、ハーモニーがより複雑化し、ファンクの要素が取り入れられ ましたが、ソリストへの要求は依然として高く、演奏は更に困難を極めています。
Capriccio
C-5534(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85
ハリエット・クライフ(Vc)
トーンキュンストラーO
マルティン・ジークハルト(指)

録音:2024年5月6-11日
優雅さと確かな表現力で観客を魅了する注目のチェリスト、ハリエット・クライフ。彼女は過去6年間に Capriccioレーベルから6枚のディスクをリリースしており、いずれも高く評価されている他、最近はヴァイオリニ スト、バイバ・スクリデとの共演でも見事な演奏を披露しています。このアルバムでは、彼女が長い間録音を 望んでいたというドヴォルザークとエルガーの協奏曲を披露。一層磨きのかかった表現で、美しい旋律を歌い 上げています。

GRAND SLAM
GS-2329(2CD)
限定生産盤
アーヨ&イ・ムジチの「四季」〜ステレオ&モノラル2種セット
ヴィヴァルディ
(1)協奏曲集、作品8「四季」 
(2)協奏曲集、作品8「四季」
フェリックス・アーヨ(Vn)
イ・ムジチ合奏団

録音:(1)1959年4月29日-5月6日ウィーン
(2)1955年7月18日-21日アムステルダム、バッハザール

使用音源:(1) Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(2)フィリップスPhilips(オランダ) A00301 L (LPレコード)

録音方式:(1)ステレオ(録音セッション)
(2)モノラル(録音セッション)
■制作者より  
かのトスカニーニから絶賛されたイタリア屈指の合奏団イ・ムジチ(1952年設立)は、コンサートマスターが交替するたびにヴィヴァルディの「四季」を録音、そ のつど話題になっています。その録音史の中でもフェリックス・アーヨをソリストとした2種の録音(1955年モノラル、1959年ステレオ)は今なお歴史的名演と して記憶されています。まず、ステレオ録音は2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用し、空気感の再現に優れた瑞々しい音質を獲得しました。モノ ラル録音はオランダ・フィリップスのLPから復刻しましたが、これが思っていた以上に素晴らしい音質と演奏で、びっくり。ステレオは残響の多い、柔らかく豊かな 音ですが、モノラルの方はこぢんまりした空間で鳴り渡っているせいか、その暖かい音色に直に触れられるような魅力があります。一般的にはモノラル盤はあまり 取りざたされませんが、この2枚組で改めて比較すると、モノラルに軍配を上げる人が増えてくるかもしれません。また、約4年の間に彼らの解釈がかなり変わっ ているのも実感されます。なお、ステレオ録音のかすかなテープの傷み、モノラル録音にはLP特有のノイズ等、若干お聴き苦しい個所が含まれていることをご了承 下さい。2枚組1枚価格ゆえに限定プレスとなります。  解説書には12人のメンバーを紹介した「イ・ムジチ ローマの休日」を掲載しています。とてもユーモラスな内容で、演奏とともに楽しんでいただけると思いま す。(平林直哉)

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002698(2CD)
完全限定生産
ユリアン・シトコヴェツキー・コレクション
■CD1
1-3. シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.47
4. パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 「ラ・カンパネッラ」 Op.7より 第3楽章 ロンド
5. パガニーニ(クライスラー編):魔女たちの踊り(フランツ・ジェスマイアーのバレエ 「ベネヴェントのくるみの木」の主題による変奏曲 Op.8)
6. パガニーニ:モーゼ幻想曲(ロッシーニの歌劇 「エジプトのモーゼ」より「汝の星をちりばめた王座に」による変奏曲 MS.23)
7-9. タルティーニ(クライスラー編):ヴァイオリン・ソナタ ト短調 「悪魔のトリル」 Bg.5
■CD2
1-5. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004
6. エルンストアイルランド民謡「夏の名残のバラ」による変奏曲(無伴奏ヴァイオリンのための練習曲第6番)
7. バッツィーニ:妖精の踊り(幻想的スケルツォ Op.25)
8. バルトーク(ゲルトレル編):ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ニ長調 Sz.55より 第3楽章 フィナーレ
9. リピンスキ:無伴奏ヴァイオリンのためのカプリッチョ ニ長調 Op.29-3
10-11. サラサーテ:スペイン舞曲集 Op.21〔第1曲 マラゲーニャ、第2曲 ハバネラ〕
ユリアン・シトコヴェツキー(Vn)、ニコライ・アノーソフ(指揮/CD1:1-3)、チェコPO(CD1:1-3)、マルク・パヴェルマン(指揮/CD1:4)、モスクワRSO(CD1:4)、ベラ・ダヴィドヴィチ(P/CD1:5-6, CD2:7,8,10,11)、ウラディーミル・ヤンポルスキー(P/CD1:7-9)

録音:1953年(CD1:1-3,6)、1955年(CD1:5)、1952年(CD1:7-9)、1954年(CD2:1-5, 9)、1951年(CD2:6)、1952年(CD2:10,11)/ADD
廃盤・入手困難となったMelodiyaの名盤や貴重なMelodiya音源等を復刻する「Melodiya x Obsession」シリーズから、20世紀前半に活躍したロシアの名ヴァイオリニスト、ユリアン・シトコヴェツキー(1925-1958)の録音集がまずは2枚組で登場。ユリアン・シトコヴェツキーは1945年の全ソ連青少年コンクールで優勝し(同年のピアノ部門ではリヒテル、チェロ部門ではロストロポーヴィチが優勝)、1947年プラハ・ユース・フェスティヴァルのコンクールではコーガンと第1位を分け合い、その後も1952年ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位、1955年エリザベート王妃国際コンクール第2位など活躍しましたが、1956年に肺がんを発病し、1958年に32歳の若さでこの世を去りました。彼の芸術について人々が本格的に語り始めたのは、Melodiyaからレコードが発売された1970年代後半になってからで、このアルバムでは、アノーソフが指揮したシベリウスのヴァイオリン協奏曲、ベラ・ダヴィトヴィチ夫人が伴奏した小品集、無伴奏の傑作など1950年代頃の貴重な音源を2枚組のコレクションにまとめ、息子のドミトリー・シトコヴェツキーらにも継承されている瑞々しく優雅な音色と鋭い技巧を、Nadezhda Raduginaのリマスタリングでお届けします。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Bearton
CDB-052(1SACD)
ルトスワフスキ:チェロ協奏曲*
ピアノ協奏曲**
交響曲第4番
ロバート・コーエン(Vc)*、エヴァ・ポブウォツカ(P)**、イェジ・マクシミウク(指)、シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2013年1月、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
ポーランド音楽の偉大な遺産を紹介する「ポーランド音楽の真珠」シリーズよりヴィトルト・ルトスワフスキの第2弾が登場です。交響曲第4番にムスティスラフ・ロストロポーヴィチからインスピレーションを得たチェロ協奏曲、クリスティアン・ツィメルマンに献呈されたピアノ協奏曲のカップリングです。
Bearton
CDB-049(1SACD)
ショパン:ポーランド民謡による幻想曲イ長調 Op.13
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.2
ヤヌシュ・オレイニチャク(P)、
マレク・モシ(指)、ティヒ市室内O 「AUKSO」

録音:2010年1月、カトヴィツェ音楽アカデミー・コンサート・ホール
ヤン・エキエル校訂のショパン「ナショナル・エディション」譜に基づき、ショパンの作品を収めたシリーズ。
ポーランド・ピアノ界の重鎮にして現代最高のショパン弾きの1人、ヤヌシュ・オレイニチャクが弾くピアノ協奏曲第2番を中心とした協奏的作品集。

Avie
AV-2520(1CD)
バッハのコーヒーハウス〜バッハ、テレマン、ヴィヴァルディ
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049
テレマン:ドン・キホーテのブルレスク(ドン・キホーテ組曲) TWV55
バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068より エール(G線上のアリア)
バッハ:オーボエとヴァイオリンのための二重協奏曲ニ長調 BWV1060
ヴィヴァルディ:ラ・フォリア(ソナタ Op.1-12からのコンチェルト・グロッソ)
ジャネット・ソレル(ハープシコード、指揮)、
アポロズ・ファイア

録音:2023年11月(ブランデンブルク協奏曲第4番)、2002年10月(ドン・キホーテ組曲)、2021年4月(G線上のアリア)、2018年2月(オーボエとヴァイオリンのための協奏曲)、2021年4月(ラ・フォリア)
アムステルダムでグスタフ・レオンハルト、アメリカでロジャー・ノリントン、レナード・バーンスタインに師事した才女ジャネット・ソレルが創設したアメリカ、クリーヴランドのピリオド・オーケストラ、アポロズ・ファイア。ヨーロッパでのコンサート・ツアーを企画すればチケットが完売し、CDをリリースすればビルボード・チャートを騒がせ、グラミー賞を受賞するなど話題にことかかないアメリカ古楽界注目オーケストラによる好企画のニュー・アルバム「バッハのコーヒーハウス」。
1730年代のライプツィヒに実在した「ツィマーマンのコーヒーハウス(カフェ・ツィマーマン)」は、大バッハ他、テレマンやヘンデル、ロカテッリ、ポルポラなど当時の有力音楽家たちがこぞって音楽を提供し、演奏していたというライヴハウス的カフェ。当時このカフェは大流行し社交と音楽会の場となっていました。バッハは聖トーマス教会のカントルとしての正式な任務の合間を縫って、この繁盛するコーヒーハウスで非公式な企画を行い、息抜きをしていたことでしょう。
バッハの「ブランデンブルク協奏曲第4番」や「G線上のアリア」などの新録音に、過去のアルバムからテレマンの「ドン・キホーテ組曲」(AV2353)、ヴィヴァルディの「ラ・フォリア」(AV2485)の音源を組み合わせて、「バッハのコーヒーハウス」の優雅なサロンを再現しています。

Chandos
CHSA-5267(1SACD)
シベリウス:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1903-04/1905改訂)
2つのユモレ
4つのユモレスク Op.89(1917-18)
2つの小品(1914-15)
2つのセレナード Op.69(1912-13)
ヴァイオリンとオーケストラのための組曲 ニ短調 Op.117JS185(1928-29)
ジェイムズ・エーネス(Vn)
ベルゲンPO
メリナ・マンドッツィ(リーダー)
エドワード・ガードナー(指)

録音:2023年8月14-18日
CHANDOSレーベルを中心に数多くの作品を録音しているカナダのヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、ジェイムズ・エーネスによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲 と小品集。自らもヴァイオリニストを志したシベリウスの唯一のヴァイオリン協奏曲と、北欧民謡が巧みに織り込まれた「6つのユモレスク」などの作品を、国際的に 高く評価されているエーネスが情感豊かに演奏。バックを務めるのはこれまでにもバルトークやニールセン、ヤナーチェク作品で共演してきたエドワード・ガードナー とベルゲン・フィルです。楽器の美音を高音質録音で伝えるSACDハイブリッド盤での発売です。

TOCCATA
TOCC-0728(1CD)
NX-B06
モーセス・ペルガメント(1893-1977):作品集 第1集
1-3. ピアノ協奏曲(1951-52)
4. Sorrow 悲しみ Op.5- ピアノのために(1908-09)
5-7. 抒情的な舞曲集 - ピアノのために
8. 劇音楽『ソロモン王』:Sulamith’s Dance - ピアノのために(1915)
9. Chanson triste 悲しい歌-ヴァイオリン(オブリガートのヴィオリーノ)、チェロとピアノのために(1915)
10-11. 劇音楽『エステルの祝宴』(1936)よりI. Dance/ II. Adagio
12-14. 映画音楽『Med livet som insats』より 第1幕:The Mill (1939)(マルムグレン編)/. 第2幕:Minuet(1916)(マルムグレン編)/. 第3幕:ワルツ・レント(1939)
15. 祝祭ファンファーレ(ベルガメント編)(1961)
16. ニコルへ - ピアノのために(1974)
17. 瞑想曲 - チェロのために(1974)
18. 瞑想曲 - チェロとピアノのために(1969)
19. メロディア・ロマンティカ - チェロとピアノのために(1970)
20. ファンタジカ・ディフェレンテ「チェーロ・エ・テッラ」- チェロと弦楽九重奏のために(1969)
ルティン・マルムグレン(P)…1-16、18、19
セバスティアン・シレン(Vn)…9
レア・トゥーリ(ヴィオリーノ・オブリガート)…9
マティアス・ホルトリング(Vc)…9
トーマス・ヌニェス(Vc)…17-20
ヘルシンキ・メトロポリタンO…1-3
サーシャ・マキラ(指)…1-3
ヘルシンキ室内O…20
アク・ソレンセン(指)…20

録音:2021年8月7-8日…1-3
2022年11月30日…17-19
Jarvenpaatalo, Jarvenpaa(フィンランド)
2022年3月20日…20
Organo, Music Centre, Helsinki(フィンランド)
2023年6月12日、11月29日、2024年3月17日…4-16
※全て世界初録音
20世紀スウェーデンの個性的な作曲家モーセス・ペルガメントの録音プロジェクトがスタート。リトアニア系ユダヤ人の家系に連なるペルガメントは、フィンランド に生まれロシアで学んだ後、1919年にスウェーデンの市民権を得ました。民族主義的な表現と反ユダヤ主義が強まっていた当時、ペルガメントは複雑なア イデンティティゆえに苦悩し、ユダヤらしさとスウェーデンらしさを統合した表現を目指した結果、スウェーデン楽壇の反発を受けて黙殺同然の状態に置かれま したが、その作品は今、ダイバーシティの表現という観点から注目されつつあります。シリーズ第1集となるこのアルバムでは、ロマンティックな初期の作品からバ ルトークを思わせる攻撃的な響きを持つ後期の作品までを収め、その作風を概観します。大半は演奏時間3分前後の小品ですが、冒頭に収められたピア ノ協奏曲は急緩急の3楽章構成で演奏時間27分を要する堂々たる力作です。

ALPHA
ALPHA-1090(1CD)
バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲 ニ短調 BWV1052
セルゲイ・アフノフ(1967-):スケッチ III
協奏曲「シャコンヌ」
バッハ:われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV639
ドブリンカ・タバコヴァ(1980-):II. Horizons 地平線 〜「The Quest 冒険」
ガブリエラ・モンテーロ(1970-)/ジョージ・モートン&クセーニャ・シドロワ編): Beyond Bach バッハを越えて
クセーニャ・シドロワ(アコーディオン)
シンフォニエッタ・リガ
ノルムンズ・シュネー(指)

録音:2023年9月リガ・サウンド・レコーディング・スタジオ、ラトヴィア
DGレーベルからリリースされた「カルメン」や、前作のピアソラで情熱的かつ繊細なアコーディオンを聴かせ、クラシック音楽で決してメジャーとは 言えないこの楽器の素晴らしさを存分に知らしめてくれたクセーニャ・シドロワ。ALPHAから2枚目となるこのアルバムでは、大バッハの作品とそ の影響を受けた現代の作品を収録。冒頭の協奏曲では意外性を越えた抜群の相性にまず驚かされ、オルガンのためのコラール「われ汝に 呼ばわる」ではぐっと落としたテンポでの深い歌とアコーディオンならではの音遣いで新鮮な味わいをもたらしています。併せて収録された現代 作品はいずれもゆったりとした曲想を基調としており、クラシカル・アコーディオンならではの多彩な音色と、左右の鍵盤を超絶技巧的に駆使 しながらも豊かな表情で楽しませつつ、その美しさで魅了します。彼女の祖国ラトヴィアのオーケストラとの息の合った共演も魅力。アコーディ オンのまた別の一面を提示し、その幅広い魅力を堪能させてくれるアルバムです。
ALPHA
ALPHA-1047(1CD)
ヴィヴァルディ:『四季』と3つの協奏曲
2つのヴァイオリン、チェロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調RV578a(合奏協奏曲Op.3-2初期稿)
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV372「キアーラ夫人に」
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 Op.8-1/RV269「春」
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.8-2/RV315「夏」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Op.8-3/RV293「秋」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 Op.8-4/RV297「冬」
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV390
リ・インコーニティ(古楽器使用)
アマンディーヌ・ベイエ(Vn独奏、指揮)
アルバ・ロカ(Vn独奏2)
マルコ・チェッカート(Vc独奏)

録音:2008年1月14-18日 ドイツ教会、パリ
2008年にZig-Zag Territoiresレーベルで制作されリリース直後から熱烈な反響を巻き起こし、リ・インコーニティという古楽器合奏団の名 を世界に知らしめた名盤がALPHAで新装再登場!2015年にALPHA COLLECTIONシリーズの1枚として限定再発売され、そのプレス が切れて以来の待望のカタログ復活です。自身もバロック・ヴァイオリン奏者でバロック・ダンスの専門家でもある音楽学者オリヴィエ・フレの全 面協力により、『四季』のほか録音プロジェクト進行中に発見された曲も含め3曲の協奏曲を併録(RV 578a と372は当時世界初録 音)。弦楽は各パート1人ずつに絞った室内楽編成で、通奏低音にはチェンバロと撥弦奏者が加わり、南フランスやイタリア、スペイン、コロン ビアから集まったプレイヤーたちが緊密なアンサンブルで繰り広げる演奏はきわめてスリリング、それでいてヴィヴァルディ作品の魅力を隅々まで 精緻に捉えた充実度。カフェ・ツィマーマンやアンサンブル415でも活躍していた時代を経て、本格的にリ・インコーニティに活動の軸を移した 頃にあたる録音時を振り返って、ベイエ自身が内容を紹介する2015年再発売時のインタビュー(仏・英・独語)も、アルバムの面白さをよく 伝える内容になっています。
ALPHA
ALPHA-1087(1CD)
モーツァルト:協奏曲集
ピアノ協奏曲 第10番変ホ長調 K.365(2台のピアノのための)*※カデンツァ…モーツァルト
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 K.269※カデンツァ…ビラル・アルネムル、マーク・ナイクルグ
ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261※カデンツァ…ビラル・アルネムル
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド ハ長調 K.373※カデンツァ…ビラル・アルネムル、イツァーク・パールマン
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンのための)
坂本彩・リサ(P/ベーゼンドルファー)
ビラル・アルネムル(Vn)
ガブリエル・ピドー(Ob)
ブラーシュ・シュパロヴェツ(Cl)
テオ・プラト(Fg)
ニコラ・ラメズ(Hrn)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指) *
トマス・ツェートマイヤー(指)

録音:オーストリア放送大ホール
2021年12月27-29日、2022年9月13-15日*
<次世代ソリストたちによるモーツァルト>第10弾。第21回シューベルト国際ピアノ・デュオ・コンクール(チェコ)で第1位など数々の国際コン クールで入賞、Piano Duo Sakamotoとして活動してきた姉妹デュオの坂本彩・リサが弾く、2台のピアノのための協奏曲を収録していま す。名匠ハワード・グリフィスのサポートのもと、瑞々しく溌溂とした表情でぴったりと息の合ったパフォーマンスを聴かせている彼女たちは、ピア ノ・デュオとして4年半のドイツ留学から今年(2024年)帰国、今後の活躍が楽しみです。併せて、全員がALPHAほかからソリストとして既に デビューしている豪華メンバーの共演による管楽器のための協奏交響曲、シリア出身でウエスト=イースタン・ディヴァンOでも活躍す るヴァイオリニスト、ビラル・アルネムルによる協奏的作品を収録。

Linn
CKD-757(1CD)
クリスマスの季節のお楽しみ
リスト:『クリスマス・ツリー』(4手ピアノ版) S.613より
 III. 飼葉桶のそばの羊飼たち 甘き歓びのうちに(もろびと声あげ)
 VII. 子守唄
 IX. 夕べの鐘
ヘンデル(ツェルニー編):『メサイア』 HWV 56より
 ひとりのみどりごが我らのために生まれた
 ハレルヤ
J・シュトラウス(ルノー・ド・ヴィルバク)&デュオ・プレイエル編):美しく青きドナウ Op.314
ヨハン・シュトラウス1世):ラデツキー行進曲
チャイコフスキー(エドゥアルド・ランゲル&デュオ・プレイエル編):『くるみ割り人形』 Op.71a
デュオ・プレイエル
アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤ(第1ピアノ)
リチャード・エガー(第2ピアノ)
使用楽器…クリス・マーネ製 平行弦コンサート・グランド・ピアノ

録音:2024年4月24-26日ルター派教会、ハールレム、オランダ
鍵盤古楽器の演奏で高い評価を得てきたリチャード・エガーと、そのパートナーであるネポムニャシチャヤによるデュオ・プレイエル4枚目のアル バム。シューベルト、デュセック、J.C.バッハとモーツァルトといったレパートリーをフォルテピアノで演奏してきたこれまでのアルバムとは一味違い、 歴史的ピアノ修復家でもあるクリス・マーネによる、19世紀末の楽器構造を取り入れた平行弦モダンピアノを使用した連弾によるクリスマス・ アルバムとなっています。チャイコフスキー『くるみ割り人形』をメインにリスト『クリスマス・ツリー』とヘンデル『メサイア』からの抜粋、そしてニューイ ヤー・コンサートの定番2曲までを収録。サービス満点の選曲に加え演奏も肩の力の抜けたたいへん楽しいもので、良き家庭人としての2人 の姿を垣間見るような温かい1枚です。

CPO
CPO-555571(1CD)
シャルヴェンカ(1850-1924):ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.32
交響曲 ハ短調 Op.60
ジョナサン・パウエル(P)
ポズナ二PO
ウカシュ・ボロヴィチ(指)

録音:2022年6月4-6日、2022年9月27-30日
ベートーヴェンの交響曲の4手ピアノ編曲で知られるポーランド系ドイツ人作曲家フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカの 没後100年に合わせたリリース。彼の代表作の一つ、ピアノ協奏曲第1番と唯一の交響曲を収録。前者は当初2 部構成のピアノ独奏のための幻想曲として作曲されましたが、後に3楽章からなる協奏曲に改訂され、ました。 1877年に初演されて大成功を収め、フランツ・リストに献呈されています。チャイコフスキーを思わせる憂愁に満ちた 旋律と超絶技巧を要するパッセージを併せ持つ魅力的な作品を名手ジョナサン・パウエルが見事に演奏していま す。後者は1882年に完成した後期ロマン派の交響曲の典型とも言える作品で、ワーグナーの影響が感じられる半 音階的な和声進行を伴う美しい旋律を持っています。1885年にはロストックとニューヨークでドイツ人指揮者テオ ドール・トーマスが指揮して好評を博しました。ポーランドのオケと指揮者による素晴らしい演奏でお楽しみいただける アルバムです。

Orchid Classics
ORC-100339(1CD)
Beethoven/5Vol.2
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
サリー・ビーミッシュ(1956-):シティ・スタンザス(P協奏曲第3番)
ジョナサン・ビス(P)
スウェーデンRSO
オメル・メイール・ヴェルバー(指)

録音:2018年12月13-15日(ライヴ)
1980年生まれのジョナサン・ビスは、2015年にセントポール室内Oと共同で、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲それぞれにインスパイアされた新作 を5人の作曲家に委嘱し、両曲をペアで演奏する「Beethoven/5」というプロジェクトを立ち上げました。第5番を収めた第1巻に続く第2巻では、ピアノ協奏 曲第1番と、イギリスの作曲家サリー・ビーミッシュによる「シティ・スタンザス」をカップリング。この作品は、自然からインスピレーションを得ることが多かったビーミッ シュの以前の作品とは異なり、都市景観に焦点を当てています。当初は人間の創造性を礼賛することを意図していたこの協奏曲ですが、2015年のイギリス やアメリカにおける政治的不安により作品のトーンが変化し、作品は、権力の中心にある貪欲と格差、利益優先の技術、効率的な兵器、そして社会的不平 等などの問題に呼応するものとなりました。「シティ・スタンザス」のすべての音楽的素材は、何らかの形でベートーヴェンの協奏曲から派生しています。ビーミッ シュは、ジョナサン・ビスの個性的で表現力豊かかつヴィルトゥオーソ的な演奏に触発されましたが、この作品はまた、作曲家とアーティストの双方が共有する未 来への不安にも深く影響を受けています。 「Beethoven/5」は、発起人であるセントポール室内Oに続いて、15のオーケストラや団体が賛同する大プロジェクトとなりました。他の作品はティモ・ アンドレスの「The Blind Banister」(第2番とのペア)、サルヴァトーレ・シャリーノの「Il sogno di Stradella」(第4番)、キャロライン・ショウの 「Watermark」(第3番)です。ビスは、「これらの作品がレパートリーに定着し、自分が世を去った後も末永く演奏され続けることを願っています」と語っていま す。今後のリリースも楽しみです。

SWR music
SWR-19158CD(1CD)
ヨーク・ボーエン(1884-1961):ヴィオラ協奏曲 ハ短調 Op.25(1907)
ウォルトン:ヴィオラ協奏曲 イ短調(1929)
ディヤン・メイ(Va)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO
ブレット・ディーン(指)

録音:2024年2月27日-3月1日
ベルリン・フィルの第一ヴィオラ奏者、ディヤン・メイによる20世紀イギリスのヴィオラ協奏曲傑作2篇。1994年 生まれのメイはミュンヘンARD国際音楽コンクールで第1位、ミュンヘン・フィル首席奏者を経て2022年にベル リン・フィルに入団しました。ここではイギリスの名手ライオネル・ターティスのために書かれた2作を、作曲家として も人気のブレット・ディーンの指揮で生き生きと演奏しています。

Orchid Classics
ORC-100325(1CD)
モーツァルトとペルト
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K.207
 ロンド 変ロ長調(K.269)
 ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211
アルヴォ・ペルト(1935-):ピアノ三重奏曲「モーツァルト - アダージョ」
※モーツァルト作品のカデンツァ…リール・ヴァギンスキー
リール・ヴァギンスキー(Vn)
ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ
オハッド・ベン=アリ(P)
ヒラ・カルニ(Vc)

録音:2023年2月27-28日、3月1日、2022年11月16日
イスラエルのヴァイオリニスト、リール・ヴァギンスキーは7歳でヴァイオリンを始め、ベルリン芸術大学でラティ ツァ・ホンダ=ローゼンバーグ教授に師事。その後、クロンベルク・アカデミーでクリスティアン・テツラフに学びまし た。数々の国際コンクールで受賞し、世界中のコンサートホールで演奏を行うほか、世界20か国以上から 集まった13歳から23歳までの若き才能による弦楽アンサンブル、LGTヤング・ソロイスツのメンバーとしても活 動していました。19歳で録音した本アルバムでは、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲で自作のカデンツァを加 えた演奏を披露。また、モーツァルトのピアノ・ソナタK.280のアダージョにインスパイアされて書かれた、ペルト の「モーツァルト - アダージョ」も収録されています。
Orchid Classics
ORC-100329(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第23番
ピアノ協奏曲 第20番ニ短調 K.466(1楽章カデンツァ:ヨハン・ネポムク・フンメル/3楽章カデンツァ:ロベール・カサドシュ)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488
チョ・ジェヒョク(P)
ロイヤルPO
ハンス・グラーフ(指)

録音:2020年8月24-26日
韓国のピアニスト、チョ・ジェヒョクによるモーツァルトのピアノ協奏曲集。チョが選んだのは、モーツァルトがウィー ンでピアニストとして活躍し「フィガロの結婚」で成功を収めた時期の充実した2つの作品で、ニ短調の劇的 な傑作として知られる第20番と、クラリネットの響きが印象的な第23番です。 チョ・ジェヒョクは韓国の春川市で生まれ、5歳からピアノを始めました。国内のコンクールで多数の優勝を果 たした後、アメリカに留学し、ジュリアード音楽院で学士と修士号を取得し、マンハッタン音楽院で博士号を 取得。1993年にカーネギーホールでデビュー。平行してオルガンも学び、20年以上にわたりニューヨークと ニュージャージー地域の教会でオルガニスト兼音楽監督を務めました。現在は韓国に拠点を移し、ラジオ番 組やコンサートでクラシック音楽の解説を行い、その魅力を伝えています。


Treasures
TRE-311(1CDR)
ヘブラー〜ソ連ライヴを含む3つの協奏曲
ハイドン:ピアノ協奏曲第11番ニ長調Op.21 Hob.XVIII : 11
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K. 414
 ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K. 453*
イングリット・ヘブラー(P)
シモン・ゴールドベルク(指)オランダ室内O
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)ザルツブルク・モーツァルテウムO*

録音:1960年7月9&14-15日アムステルダム・コンセルトヘボウ、1965年モスクワ音楽院大ホール・ライヴ*(共にステレオ)
※音源:蘭PHILIPS 875-052FY、MELODIYA C90-13051-52*
◎収録時間:73:34
“30代のヘブラーが織りなす気品と生命力溢れる理想のモーツァルト像!”
■音源について
ミケランジェリ、アルゲリッチなど名演が多いハイドンのニ長調協奏曲はヘブラー唯一の録音。モーツァルトの「第12番」は計3回のセッション録音があり、これは2回目のもの。後の全集企画とは別の録音。アズキ/銀内溝/ザラザラ表面/full stereo盤。
「第17番」は、2種のセッション録音がありますが、これはヘブラーがソ連を訪問した際の貴重なライヴ。しかも良質ステレオ!日本でN響との共演時にも演奏した作品で、彼女にとってのいわば勝負曲だったのでしょう。なお、トラック6の5:42付近でに電波障害によるものと思われる人の声の混入があります。ご了承ください。

ハイドンは、もちろん珠を転がすようなタッチによる愉悦感が魅力的ではありますが、単に軽いタッチでパラパラと運指を続けているだけではなく、若き日のヘブラーの闊達さが鮮烈に迫る快演!第1楽章2:55からの程よい粘度を持つリズムはまさにその象徴。第2楽章でも、後年のたおやかさが際立つ演奏スタイルの片鱗が見えるものの、曖昧なタッチはどこにもなく前抜きな主張に満ちており、決して上品さだけを売りにしたピアニストではなかったことが明らか。終楽章0:44のリズムの弾力も古典的な様式の中で煌めいているので、アルゲリッチでは激しすぎると感じる方も納得されるること必定。
 ヘブラーといえばモーツァルト。この「12番」は、後年の全集録音におけるロヴィツキの指揮とのコンビネーションがちぐはぐでトーンがどこか暗かったのとは好対照、。指揮のゴールドベルク共々伸びやかな音楽作りに邁進します。第1楽章展開部では彼女特有の優しい語りの妙が如何なく発揮され、単に清潔なフレージングだけに執着していてはここまで聴き手の心に迫ることはないはずです。第2楽章の第2主題以降の一音ごとに託した切実な思いも、ロヴィツキ盤では聞けない魅力ですし。コーダの8:26からの息絶える直前のような間合いの絶妙さは奇跡的!今更ながら、協奏曲において共演指揮者との親和性が不可欠であると再認識させられます。
 その点、「第17番」のモーツァルトのスペシャリスト同士の共演は、両者ともPHILIPSに録音を遺しながら共演録音がなかったことも含め、モーツァルト・ファン垂涎と言えましょう。人間味溢れるニュアンスを大切に育みながら丁寧に紡ぎ出す手法は、ソリッドな感覚に傾きがちなソ連スタイルとは異なりますが、心ある多くの聴衆の心に魅了したことは終演後の熱い拍手からも窺えます。第1楽章第2主題の装飾音が込み入った楽想の処理の淀みのなさと細やかさには、並の共感以上の確信が漲っており、その素直な音楽の息づきにただただ酔いしれるばかり。4:48以降は生きる喜びを惜しげもなく謳歌。しかも独り善がり的なノリに興じないよう自身を律しながら常に作品を主役に立てるヘブラーのセンスは、もっと正当に評価されて然るべきではないでしょうか。そして、展開部の無限とも思える陰影の濃さ!モーツァルトの作品の中でも屈指の幻想性を誇る第2楽章は、その特質を余すことなく引き出しますが、パウムガルトナーの含蓄のある指揮なしにはこれほど音楽の本質が抉り出されることはなかったでしょう。終楽章では、速いテンポでも決して音楽が上滑りしない打鍵バランス感覚に脱帽。特にヘブラーの演奏に後年まで見られる、強拍のリズムの重心をわずかに下げるスタイルここでも功を奏し、音楽の造形に安定感と気品を与えていることにもご注目ください。【2024年9月・湧々堂】

299 MUSIC
NIKU-9064(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フィオリトゥーラ

(1)ヴィヴァルディ:「調和の霊感」作品 3(1711) より
ヴァイオリン協奏曲第9番ニ長調
ヴァイオリン協奏曲第6番イ短調
「ラ・ストラヴァガンツァ」作品4(1716) より
ヴァイオリン協奏曲第4番イ短調
(2)ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ニ短調 RV405(c.1720)
チェロ協奏曲 ト短調 RV417(c.1720)

(3)アルビノーニ:「6つのシンフォニアと 6つの五声の協奏曲」作品2(1700) より
5声のソナタ(シンフォニア)第1番ト長調op.2-1
5声のソナタ(シンフォニア)第2番 ハ長調op.2-3
古楽オーケストラ<ラ・ムジカ・コッラーナ La Musica Collana>

(1)丸山 韶(Vn・ソロ/T)、佐々木梨花(Vn T/U)、廣海史帆/勝森菜々(Vn U)、山本佳輝(Va)、島根朋史(Vc) 、諸岡典経(ヴィオローネ) 、石川友香理(チェンバロ/オルガン) 、西山まりえ(ハープ/チェンバロ/オルガン)

(2)島根朋史(Vc・ソロ)、丸山 韶(Vn 1)、廣海史帆(Vn2)、佐々木梨花(Va)、懸田貴嗣(Vc) 、諸岡典経(ヴィオローネ)、石川友香理(チェンバロ/オルガン)、西山まりえ(Hp)

(3)丸山 韶(Vn1)、廣海史帆(Vn 2) 、山本佳輝(アルト・ヴィオラ) 、佐々木梨花(テノール・ヴィオラ) 、島根朋史(Vc)、諸岡典経(ヴィオローネ)、石川友香理(Org)、西山まりえ(Hp)

録音:024年4月3-5日 五反田文化センター
新世代バロック・ヴァイオリニスト丸山韶が率いる古楽オーケストラ「ラ・ムジカ・コッラーナ(LMC)」待望のアルバムは、得 意とするイタリアン・バロックの中でも多く演奏してきたヴィヴァルディとアルビノーニの楽曲より、これまでにまで培ってきた調 和と精彩が発揮される作品集。結成10周年を迎える今、彼らの音楽への情熱はさらに開花し続けていく。

LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-038(1CD)
(1)グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
(2)ワーグナー=リスト:イゾルデの愛の死
(3)ショパン:夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
(4)ドビュッシー:12の練習曲より第1集第6曲「8本の指のための」
(5)プロコフィエフ:10の小品 Op.12より第7曲「前奏曲」
(6)スクリャービン:8つの練習曲 Op.42より第3曲 嬰へ長調
(7)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16
ミハイル・ルディ(P)
(1)(7)マリス・ヤンソンス(指)、
サンクトペテルブルクPO

録音:1990年代
ウズベキスタン出身で、亡命後フランスで活躍するミハイル・ルディ(1953〜)の貴重な音源初CD化!ルディは15歳でモスクワ音楽院に入学し、ヤコフ・フリ エールに師事。その後渡仏。1975年に開催されたロン=ティボー国際コンクールに優勝。この年はアブデル・ラーマン・エル=バシャや海老彰子などが参加した 非常にレヴェルの高い回でした。その後ソリストとして世界的に活躍しています。
長いキャリアに対して録音は少なく、当初CD化は大歓迎。今回のメインはサンクトペテルブルクPOの定期で演奏したグリーグとプロコ フィエフ(第2番)のピアノ協奏曲、指揮はマリス・ヤンソンスです。音源はオーケストラのアーカイブではなくルディが依頼し記録用に収録したものです。卓越した 技巧と情感溢れるルディの演奏はライヴでこそ花開き、このライヴ録音でもその凄みが伝わってきます。 (Ki)

NIFC
NIFCCD-157(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番(ギター版)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21(ギター版)
モーツァルト:交響曲第5番変ロ長調 K.22
カロル・クルピンスキ/ゼバスティアン・ゴットシック(b1959):クラリネット協奏曲変ロ長調
マテウシュ・コヴァルスキ(G)、ロレンツォ・コッポラ(ピリオド・クラリネット、指揮)、マルティナ・パストゥシュカ(指)、{oh!} オルキェストラ・ヒストリチナ

録音:2023年-2024年、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
ポーランド国立ショパン研究所の自主レーベルNIFC。本アルバムでは、ギター版にアレンジしたショパンのピアノ協奏曲第2番に、ポーランドのオペラ、ポーランドの代表的な舞曲である「ポロネーズ」や「マズルカ」など、民族舞踊の発展に貢献したポーランド古典派を代表する作曲家の1人、カロル・クルピンスキ(クルピニスキ)のクラリネット協奏曲を組み合わた好企画。
各協奏曲のソリストを務めるのは、ショパン音楽大学を首席で卒業し、23歳でウィーン楽友協会と上海大劇院でデビュー、2019年にEuroStrings国際ギター・コンクール(欧州各地のコンクール覇者による大会)で優勝したポーランドの若きヴィルトゥオーゾ・ギタリスト、マテウシュ・コヴァルスキと、ハーグ王立音楽院でエリック・ホープリッチに学び、フライブルク・バロック・オーケストラ、レ・ザール・フロリサン、ラ・プティット・バンドなど、現代古楽シーンを代表するオーケストラとも度々共演を重ね、2004年からはバルセロナのカタルーニャ音楽院(ESMUC)で自身もヒストリカル・クラリネットを教えているイタリアの名手、ロレンツォ・コッポラです。
クラシック・ギター・ファン、クラリネット愛好家はもとより、ショパン愛好家、ポーランド音楽愛好家にとっても注目のアルバムの登場です。

Nimbus Alliance
NI-6446(1CDR)
エルコック:交響曲第8番&ヴァイオリン協奏曲
スティーヴ・エルコック(b.1957):ヴァイオリン協奏曲(2006)*
交響曲第8番(1981/2021)
ゾーイ・ベイヤーズ(Vn)*、
ケネス・ウッズ(指)イギリスSO

録音:2021年7月28日(交響曲第8番)&2022年5月26日(Vn協奏曲)、ワイアストン・コンサート・ホール
イギリスSOの首席指揮者&芸術監督を務め、様々なレア作品・現代作品の録音に定評のあるケネス・ウッズが考案した「21世紀交響曲プロジェクト」(The 21st Century Symphony Project)から、イギリスの作曲家スティーヴ・エルコックの交響曲第8番が登場。このプロジェクトは9人の作曲家による9つの新しい交響曲を委嘱・初演・録音することを目標にスタートし、これまでデイヴィッド・マシューズ(NI6382)、フィリップ・ソーヤーズ(NI6353)、エイドリアン・ウィリアムズ(NI6432)、マシュー・テイラー(NI6406)などがリリースされてきました。
スティーヴ・エルコックはほとんど無名の作曲家でしたが、2017年にリリースされた交響曲第3番がBBCラジオ3で「CD of the Week」に選ばれて話題となり、現在は多くの音楽愛好家、指揮者、評論家から注目を集める存在となっています。
ヴァイオリン協奏曲でソロを担うゾーイ・ベイヤーズは、南アフリカ出身でイギリスを拠点に多才に活動するヴァイオリニスト。2017年からイギリスSOのコンサート・マスターとしてケネス・ウッズと緊密に連携している他、2020年にはBBCフィルハーモニックのコンサート・マスターにも就任し、その他ハレ管、フィルハーモニア管、ロイヤル・リヴァプール・フィル、BBC響、BBCスコティッシュ響、バーミンガム市響など、英国の主要オーケストラにゲスト・コンサート・マスターとして定期的に参加している名手です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Lyrita
SRCD-2421(2CDR)
ジョージ・ロイド:ピアノ協奏曲全集

(1)プゴート(P協奏曲第1番)
(2)ピアノ協奏曲第3番
(3)ピアノ協奏曲第2番
(4)ピアノ協奏曲第4番
(1)マーティン・ロスコー(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(2)キャスリン・ストット(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(3)マーティン・ロスコー(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(4)キャスリン・ストット(P)、LSO、ジョージ・ロイド(指)

録音:1984年〜1990年、BBCスタジオ7(イギリス)/ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)
イギリスの老舗レーベルLyritaが贈る、ブリテンと同年に生まれ、戦禍を乗り越えて20世紀のイギリスで活躍した作曲家ジョージ・ロイドの録音アーカイヴ集。このディスクにはロイドが作曲した全4曲のピアノ協奏曲が、マーティン・ロスコーとキャスリン・ストットというイギリス出身の名ピアニストの演奏で収録されています。すべて伴奏はロイド自身の指揮によるものです。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Lyrita
SRCD-2422(2CDR)
ジョージ・ロイド:ヴァイオリン&チェロ協奏曲集
(1)ヴァイオリンと管楽のための協奏曲
(2)ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲
(1)クリスティーナ・アンゲレスク(Vn)、フィルハーモニアO、デイヴィッド・パリー(指)
チェロ協奏曲
(2)アンソニー・ロス(Vc)、オールバニーSO、デイヴィッド・アラン・ミラー(指)

録音:1998年&2001年、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)/トロイ貯蓄銀行音楽ホール(アメリカ)録音:1998年&2001年、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)/トロイ貯蓄銀行音楽ホール(アメリカ)
イギリスの老舗レーベルLyritaが贈る、ブリテンと同年に生まれ、戦禍を乗り越えて20世紀のイギリスで活躍した作曲家ジョージ・ロイドの録音アーカイヴ集。このディスクには「独奏ヴァイオリンがオーケストラの厚いテクスチャーに圧倒されてはならない」という視点から1曲は管楽アンサンブルが、もう1曲は弦楽アンサンブルが伴奏を担う2つのヴァイオリン協奏曲と、最晩年に書かれた、どことなく物憂げで悲しい雰囲気の漂うチェロ協奏曲を収録しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Chandos
CHAN-20323(1CD)
NX-B09
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.10
1. 歌劇「アポロとヒュアキントゥス」序曲
2. 歌劇「バスティアンとバスティエンヌ」序曲
3-5. ピアノ協奏曲 第1番ヘ長調 K.37(1767)
 3. 第1楽章:Allegro
 4. 第2楽章:Andante -Cadenza -[Tempo I]
 5. 第3楽章:Rondo. [Allegro] -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…第2楽章:マレイ・ペライア/第3楽章:オリヴィエ・メシアン(?)
6-8. ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 K.39(1767)
 6. 第1楽章:Allegro spiritoso -Cadenza -[Tempo I]
 7. 第2楽章:Andante
 8. 第3楽章:Molto allegro -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…ウラディーミル・アシュケナージ
9-11. ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 K.40(1767)
 9. 第1楽章:Allegro maestoso -Cadenza -[Tempo I]
 10. 第2楽章:Andante
 11. 第3楽章:Presto
カデンツァ…モーツァルト
12-14. ピアノ協奏曲 第4番ト長調 K.41(1767)
 12. 第1楽章:Allegro -Cadenza -[Tempo I]
 13. 第2楽章:Andante
 14. 第3楽章:Molto allegro -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…ウラディーミル・アシュケナージ
ジャン=エフラム・バヴゼ(P:Yamaha CFX)…3-14
マンチェスター・カメラータ
キャロライン・ペザー(リーダー)
ガボール・タカーチ=ナジ(指)

録音:2023年10月7-9日
フランスの名ピアニスト、ジャン=エフラム・バヴゼとガボール・タカーチ=ナジによるモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ。第10集となる本作では、天才作曲家の 幼少期の作品を演奏しています。この4つの協奏曲は、父レオポルトが11歳のモーツァルトに、当時の人気作曲家ホーナウアーやラウパッハらの鍵盤のための ソナタを与え、それにオーケストラのパートを加えて協奏曲に編曲するように練習させたものです。この「パスティーシュ(作風の模倣)」の技法は、特に後期バロッ クおよび初期古典派の時代において広く用いられていました。モーツァルトは原曲には一切手を加えず、オーケストラのパートのみを書き上げることで作品を完 成させています。今回、バヴゼは各曲にふさわしいと考えるカデンツァを用意。彼が尊敬するアシュケナージのカデンツァやモーツァルト自身の作、さらに第2番の 第2楽章ではマレイ・ペライア作、そして第3楽章では、バヴゼが慕うイヴォンヌ・ロリオが演奏したメシアン作と推測されるカデンツァを演奏するなど、趣向が凝らさ れています。アルバムの冒頭にはモーツァルトの初期の歌劇から2曲の序曲が演奏されています。


Spectrum Sound
CDSMBA-164(1CD)
(UHQCD)
完全限定盤
ミルシテイン/ブラームスとチャイコフスキー
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(カデンツァ:ミルシテイン)
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ナタン・ミルシテイン(Vn)
(1)フランス国立放送O、ルイ・フレモー(指)
(2)フランス国立放送O、ジャン・マルティノン(指)
ライヴ録音:(1)1967年6月13日(ステレオ)、(2)1969年6月4日/シャンゼリゼ劇場(ステレオ)
82歳のラスト・リサイタルまで、常に世界の第一線で活躍したミルシテイン。驚くべきテクニックとこの上なく美しい音色で聴衆を魅了した、まさにヴァイオリン の美を象徴するヴィルトゥオーゾです。ここに収録された2つの協奏曲は60代前半から中頃にかけて、表現の面で最も充実した、自由に歌い上げる演奏を聴かせ てくれます。
ブラームスは常にミルシテイン自作のカデンツァで演奏していますが、演奏年代、時期によって少しずつ改作しており、ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストが一期 一会の演奏を聴かせてくれます。このカデンツァを聴いただけでもミルシテインの凄みが伝わってきます。ルイ・フレモーの好サポートのもと雄大な演奏を聴かせて くれます。
70年以上の舞台のキャリアで最も多く演奏した作品のひとつチャイコフスキー。数多くの録音が残っていますが、ミルシテインの芸はライヴでこそひと際輝く魅 力をもちます。今年(2024年)に生誕120年を迎えたミルシテイン。独特の語り口は今もなお色褪せることなく光り輝いており、INA保有音源からの復刻は大 歓迎と申せましょう。日本プレスUHQCD。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

BIS
BISSA-2635(1SACD)
モーツァルト:ホルン協奏曲集
(1)ホルン協奏曲第1番ニ長調
 【第1楽章:アレグロ K.412(1791)、第2楽章:アダージョK.211(1775)*、第3楽章:ロンド.アレグロ K.514(1791)#】
(2)ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417(1783)
(3)ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447(1787)
(4)ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495(1786)
(5)ホルン協奏曲第0番変ホ長調【第1楽章:[アレグロ]K.370b$、第2楽章:ロンドー.アレグロ K.371#】(1781)

*= アレック・フランク=ゲミル&スティーヴン・ロバーツ編曲
#=スティーヴン・ロバーツ補筆完成版
$ = スティーヴン・ロバーツ復元版
アレック・フランク=ゲミル(Hrn)
スウェーデン室内O、ニコラス・マギーガン(指)

録音:2023年5月22〜26日/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)
世界的ホルン奏者アレック・フランク=ゲミルがモーツァルトの協奏曲のアルバムをリリースします。フランク=ゲミルはスコットランド室 内Oの首席ホルン奏者を務めながらソリストとしても活躍。2023年にはベルリンのフィルハーモニーでドイツSOのソリストに招かれるなど、トッププ レイヤーとして活躍しています。高度な技術を要するホルンですが、フランク=ゲミルは完璧ともいえる技術を武器に実に雄弁に歌い上げ、聴き手を魅了していま す。録音にも積極的に取り組んでおり、BISレーベルから『ノーブルでメランコリーな楽器』(BIS SA-2228)、『W.A.モーツァルト以前の初期ホルン協奏曲集』 (BIS SA-2315)、『ブラームス:室内楽曲集』(BIS SA-2478)をリリースしています。
モーツァルトの友人でホルンの名手であったヨーゼフ・ロイトゲープ(1732-1811)のために作曲されたホルン協奏曲。1781年からモーツァルトが亡くなる までの約10年の間に作曲された4つの協奏曲は、ダ・ポンテの台本による3大名作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』や、 最後の交響曲、ピアノ協奏曲と同時代の産物です。モーツァルトはホルンという楽器の独特の音色を生かした、エレガントで洗練された作品を書きました。当録音に は草稿の形で残されたK.370b、K.371をホルン奏者スティーヴン・ロバーツによって補筆完成・復元されたホルン協奏曲“第0番”も収録しています。 (Ki)

Naive
V-844[NA](1CD)
ピアノとオーケストラのための作品集
(1)リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.16
(3)ツファスマン:ジャズ組曲
ズラータ・チョチエヴァ(P)
カール=ハインツ・シュテフェンス(指)
BBCスコティッシュSO

録音:2024年1月9-11日/グラスゴー市ホール
1985年モスクワ生まれのピアニスト、ズラータ・チョチエヴァはこれまで10枚ほどのディスクをリリースしていますが、協奏曲に初挑戦しました。いずれも高 度な技巧が要求されるロシア作品です。
チョチエヴァは12歳からプレトニョフに師事していましたが、14歳の時に師の指揮でリムスキー=コルサコフの協奏曲を弾き大成功を収めました(youtubeで 抜粋を観ることができます)。このアルバムでも、その思い出の自信作を披露。切れ味のよい指さばきで説得力あふれる演奏を聴かせてくれます。
カップリングはリムスキー=コルサコフと師弟関係にあるプロコフィエフの難曲第2番。さらにツファスマンのジャズ組曲が大歓迎。アレクサンドル・ツファスマン は(1906-1971)はブルーメンフェルト門下のピアニストでソ連ジャズの創始。ショスタコーヴィチも認めた才能の持ち主で、カプースチンを先取りしたような超 絶技巧系ジャズが新鮮です。
リムスキー=コルサコフ作品とプロコフィエフ作品がちょうど30年、プロコフィエフ作品とツファスマン作品が32年間隔で作られていること、ツファスマン作品 はプレトニョフが愛奏していることなど師弟・世代を意識した内容となっています。 (Ki)

MSR
MS-1844(1CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番*
フランク:交響詩「鬼神」#
ウェーバー:コンチェルト・シュトゥック ヘ短調Op.79+
ジョシュア・ピアース(P)
カーク・トレヴァー(指)ボフスラフ・マルティヌーPO*,#
ビストリーク・レジュハ(指)スロヴァキア国立PO*

録音:1999年5月28-29日チェコ・BMFホール*
1999年12月10-11日、チェコ・BMFホール#
2003年9月18日スロヴァキア・ドム・ウメニア(コシツェ)+
*,#=MS1148で既発売
ジョシュア・ピアースはニューヨーク出身。1960年代にジュリアード音楽院で学んだ後、ウォ ルター・ピストン、ヴィンセント・パーシケッティ、カルロス・チャベス、ヘンリー・カウエルのマス タークラスにも参加し、現代音楽についても研鑽を積んだ(実際彼の演奏によるジョン・ケー ジのプリペアード・ピアノのための作品集の独WergoのCDは定評がある)。このディスクでは ブラームスの協奏曲にフランクのピアノ独奏つき交響詩とウェーバーの小協奏曲という重厚 なプログラム。ピアースのピアノは強靭な打鍵と繊細なタッチが融合した見事なもの。ブラー ムスのピアノ独奏つき交響曲ともいうべき第2協奏曲を圧倒的なパッションで弾き切り聴きごた え充分。カーク・トレヴァー指揮によるマルティヌー・フィル、レジュハ指揮によるスロヴァキア 国立フィルも熱演。

Capriccio
C-5537(2CD)
バルトーク:ピアノ協奏曲(全3曲) ツィモン・バルト(P)
ベルリン・ドイツSO
クリストフ・エッシェンバッハ(指)

録音:2018年12月8日、2019年5月27-29日イエス・キリスト教会、ベルリン(ドイツ)、2019年6月2日 ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)
アメリカのピアニストであり作家でもあるツィモン・バルトは、1989年にエッシェンバッハと共演して以来、長年 にわたる友好関係を築いてきました。これまでにCAPROCCIOレーベルからは、チャイコフスキーのピアノ協奏 曲(C5065)やブラームスのピアノ協奏曲(C5210)を収録したアルバムをリリースしています。 ここでのバルトは、バルトークの演奏にありがちな「ピアノを打楽器的に扱うアプローチ」ではなく、しなやかな タッチが必要だと考え、ゆったりしたテンポを取って旋律を伸びやかに歌わせています。通常はCD1枚に収ま る3曲ですが、87分を超える演奏時間のため2枚組でのリリースとなりました。

Biddulph
BIDD-85052(1CD)
HMVへの協奏曲録音全集 - チャイコフスキー、バッハ、ヴィヴァルディ 他
1-3. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.12No.1RV317
4-6. バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
7-9. チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(アウアー校訂版)
10. ベートーヴェン:ロマンス第1番 ト長調
11. ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調
ミッシャ・エルマン(Vn)
新SO…1-3、室内O…4-6
LSO…7-11
ローレンス・コリングウッド(指)…1-3、10-11
ジョン・バルビローリ(指)…4-9

録音:1-3.931年9月29日 初出:DB1595/96 (matrices2B1490/93)
4-6.1932年12月2日 初出:DB1871/73(matrices 2B4088/92)
7-9.1929年12月19、20日 初出:DB1405/08 (matrices BR2471/78)
10.1932年11月30日 初出:DB1846(matrices 2B4341/42)
11.1932年11月30日 初出:DB1847(matrices 2B4343/44)
SP時代から録音の多いエルマンですが、SPでの協奏曲の全曲録音は意外にも少なく、第2次大戦前のものとなるとここに復刻されたHMV(His Master's Voice)のものがすべて。バッハとヴィヴァルディの両端楽章は当世の古楽スタイル(HIP)とは趣を異にする、拍をしっかりと刻んで歩を進めてゆく堂々たる演 奏。緩徐楽章では古典的な品格を保った中にエルマンらしいカンタービレが聞かれます。チャイコフスキーの協奏曲はエルマンの師アウアーが初演を頼まれた ものの「演奏不可能」として一旦は退けた作品。初演こそ他人に譲ったものの、後にアウアーはこの作品の価値を認め、自ら楽譜を校訂して演奏し、弟子た ちにも教えました。アウアーの弟子による同曲の録音はこのエルマン盤が最初。楽譜はアウアー版を使っています。約35分のゆったりめのテンポを採り、随所 にロマンティックで個性的な歌い回しが聞かれる点は、こんにちのスタイルとは一線を画しています。ベートーヴェンの2曲も甘美でロマンティックな演奏。

Forgotten Records
fr-1936(2CDR)
ステンパルトのヘンデル1
12の合奏協奏曲 Op.6〔第1番-第8番〕
カール・リステンパルト(指)
ザール室内O

録音:1953年-1955年
※音源:Les Discophiles Français DF 89, DF 112, DF 157
Forgotten Records
fr-1938(1CDR)
リステンパルトのヘンデル2
12の合奏協奏曲 Op.6,〔第9番-第12番〕
カール・リステンパルト(指)
ザール室内O

録音:1953年-1955年
※音源:Les Discophiles Français DF 89, DF 112, DF 157
Forgotten Records
fr-1946(1CDR)
ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲*
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番*
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」〜パゴダの女王レドロネット#
エネスコ:組曲第2番ニ長調〜#〔トッカータ Op.10-1/パヴァーヌ Op.10 -3/ブーレ Op.10-4〕
ミンドール・カッツ(P)
エイドリアン・ボールト(指) LPO*

録音:1958年(ステレオ)* 、1960年(モノラル)#
※音源: Pye GSGC 14013他

ALBANY
TROY-1979(1CD)
クリストファー・ラウズ(b.1949):協奏曲集
(1)ヘイムダールのトランペット
(2)オーボエ協奏曲
(3)バスーン協奏曲
デヴィッド・アラン・ミラー(指)
アルバニーSO
(1)エリック・バーリン(Tp)
(2)キャサリン・ニードルマン(Ob)
(3)ピーター・コルケイ(Fg)

録音:(1)(3)2021年12月12日、(2)2016年10月24日、トロイ貯蓄銀行ミュージックホール
クリストファー・ラウズは1949年ボルティモア生まれ。ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞して います。様々なジャンルの音楽を身に付けたラウズは、ニューヨークタイムズ誌で『周囲の記憶に最 も残る音楽を書く人物』と紹介された。1986〜89 年までボルティモアSOのコンポーザー・イ ン・レジデンスを、2012〜15年までニューヨーク・フィルのマリー=ジョゼ・クラヴィス記念コンポー ザー・イン・レジデンスを務めた。現在はジュリアード音楽院で教鞭を取っています。 「ヘイムダール」は北欧神話に登場する光の神。角笛ギャラルホルンの持ち主で、この角笛が 鳴らされた時にラグナロック(神々の滅亡)が起こる。タイトルはこれに由来しておりダイナミック な曲想。オーボエ協奏曲は2004年にミネソタOからの委嘱で作曲された。バスーン協 奏曲は伝統的な(急―緩―急)3つの楽章で構成され、オーケストラパートは控えめでシンプル になっています。2曲の木管楽器の協奏曲はソロを生かした楽しめるものになっています。

Albion Records
ALBCD-061(1CD)
グリンケ・レガシー〜ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン作品集
ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
 揚げひばり
 2つの讃美歌による前奏曲 より 第1番夕暮れ
アーサー・ベンジャミン:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ
ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン・ソナタ イ短調
フレデリック・グリンケ(Vn)、
ボイド・ニール(指)、
ボイド・ニールO、
アーサー・ベンジャミン(指)、
マイケル・マリナー(P)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの知られざる作品、埋もれていた作品、未発表作品などを取り上げてきた、ヴォーン・ウィリアムズ協会の自主レーベル「アルビオン・レコーズ(Albion Records)」。
ボイド・ニールOの首席ヴァイオリニストとして10年間活躍し、多くのレコーディングに参加したカナダの名ヴァイオリニスト、フレデリック・グリンケは、ブリテン、アイアランド、ブリッジ、ラッブラ、バークリー(、ヴォーン・ウィリアムズといったイギリスの作曲家による重要な作品の初演に携わってきました。本アルバムでは、グリンケのヴォーン・ウィリアムズ録音を一堂に集めたもので、1939年の「ヴァイオリン協奏曲」、1940年の「揚げひばり」、そしてグリンケがコンサートマスターを務めた2つの讃美歌による前奏曲より「夕暮れ」が収録されています。また、これら3曲はすべて、Ronald Gramesによる優れた新修復版となります。 「揚げひばり」以外はリリース時に初めて録音されたもので、協奏曲だけがデジタル形式で市販されています。
ヴォーン・ウィリアムズは、これらの録音の中でも特に「揚げひばり」に感銘を受け、1954年のヴァイオリン・ソナタ イ短調をグリンケのヴィルトゥオージックな技巧に合わせて作曲し彼に捧げました。グリンケが初演前にヴォーン・ウィリアムズの監督下で準備したこの作品の録音もここに収録されています。また、この作品のために作曲家と緊密に協力したピアニスト、マイケル・マリナーによる唯一の録音も収録されていることもポイントのひとつと言えるでしょう。加えてプログラムには、アーサー・ベンジャミン自身がピアノを演奏したヴァイオリンとピアノのためのソナチネの録音も含まれており、LP盤に収録されているヴォーン・ウィリアムズのソナタと同様、この権威ある録音はデジタル盤では初めての登場となります。

Avie
AV-2489(1CD)
バッハ:ハープシコード協奏曲集
ハープシコード協奏曲 ニ短調 BWV1052
ハープシコード協奏曲 ヘ短調 BWV1056
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050
ジャネット・ソレル(ハープシコード、指揮)、
アポロズ・ファイア

録音:1999年10月(BWV1050)、2002年10月(BWV1052)、2024年5月(BWV1056)、St. Paul’s Episcopal Church(クリーヴランド)
アムステルダムでグスタフ・レオンハルト、アメリカでロジャー・ノリントン、レナード・バーンスタインに師事した才女ジャネット・ソレルが創設したアメリカ、クリーヴランドのピリオド・オーケストラ、アポロズ・ファイア。ヨーロッパでのコンサート・ツアーを企画すればチケットが完売し、CDをリリースすればビルボード・チャートを騒がせ、グラミー賞を受賞するなど話題にことかかないアメリカ古楽界注目オーケストラの名録音がAvieから復刻!
ジャネット・ソレルが聴いて初めてハープシコードに魅了されたというバッハの3つの傑作、ニ短調 BWV1052とヘ短調 BWV1056のハープシコード協奏曲と、ハープシコード、フルート、ヴァイオリンが独奏を担うブランデンブルク協奏曲第5番。ソレルとアポロズ・ファイアは1999年から2004年の間にこれらの作品を録音し、2010年にリリースされたアルバムは、ビルボードのトラディショナル・クラシック・アルバム・チャートのトップ10に初登場しました。録音から25周年を記念して、アニヴァーサリー・エディションとしてこの名録音が新装再発売されました。
「輝かしき断固とした演奏」(アメリカン・レコード・ガイド)、「威風堂々としている」(サンデー・タイムズ - ロンドン)、「まさに壮観」(オーディオファイル・オーディション)などと批評家から絶賛されたソレルの素晴しきソロ・カデンツァをお楽しみください。

Channel Classics
CCS-46724(1CD)
NX-C04
シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO1
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 Op.26
ニーク・バール(Vn)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO
クリストフ・ポッペン(指)

録音:2023年5月30日-6月2日ザールラント放送ハルベルク放送局大スタジオ、ザールブリュッケン
オランダのヴァイオリニスト、ニーク・バールのCHANNEL CLASSICS3枚目のアルバム。デン・ハーグの王立音楽院でフィリップ・グラファン、 ペーター・ブラントらに学んだ後、ベルリンにてシュテファン・ピカールやクリストフ・ポッペンの元でさらなる研鑽を積んだ彼は、オランダ国内はもと より各国のコンクールで入賞を重ねています。今回は師ポッペンの指揮のもと、ドイツのヴァイオリン協奏曲2曲を録音。晩年のシューマンがヨ アヒムのために書いたものの、演奏されず封印され80年以上も陽の目を見なかった作品と、こちらもヨアヒムの助言により改訂された、あらゆ るヴァイオリン協奏曲の中でもトップクラスの人気を誇るブルッフの傑作をカップリングしています。バールはどちらの作品にも深く寄り添い、それ ぞれの美しさを伸び伸びと存分に引き出しました。

Orchid Classics
ORC-100335(1CD)
NX-B06
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.26
ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83*
スチュワート・グッドイヤー(P)
BBC響
アンドルー・リットン(指)

録音:2024年1月3-5日Maida Vale Studios、ロンドン(UK)、2024年1月7日Wyastone Concert Hall, Wyastone Leys(UK)*
2024年のBBCプロムス・デビューを目前に控えたカナダ人ピアニスト、スチュワート・グッドイヤーの最新アルバ ムは、アンドルー・リットン指揮のBBC響とのプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番&第3番、そしてピア ノ・ソナタ第7番という意欲的な選曲です。コロナ禍のパンデミックの頃から企画を温めてきたというこのアルバ ムで、彼はプロコフィエフの音楽に内在する若々しいダイナミズムと活力を引き出しています。

CASCAVELLE
VEL-1701(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第0番変ホ長調 WoO.4【ヴィリー・ヘス 復元版(1943)】
交響曲第10番変ホ長調 【バリー・クーパー版】
カメラータ・ド・レマン
フィリップ・ボアロン(P)
ジュネーヴで活躍するアンサンブルとピアニストによるベートーヴェンの少年期の協奏曲と 未完に終わった交響曲のアルバム。 ピアノ協奏曲はベートーヴェンが13 歳で作曲。残されたピアノ・パートをもとに、スイスのヴィリ ー・ヘスによる補筆完成されたスコア 爽やかな少年期の感性が迸る作品で、演奏 も作品に寄り添ったものです。 交響曲は元々第九と対をなす構想であったが2曲を統一してより高い完成度を目指すものに 方向転換されたので、未完のままスケッチだけが残された。このスケッチを元に、バリー・クー パーが1楽章のみを1988年に復元したものを2012 年に改訂したスコアで演奏した録音。 少年期と後期の2曲のカップリングは、資料的価値が高いだけでなく演奏内容も含めて楽しめ るものになっています。

Hanssler
HC-24035(1CD)
20世紀ハンガリーの作品3篇
(1)ドラティ:ピアノ協奏曲(1974)
(2)シェイベル:組曲「招待状」(1960)
(3)シェイベル:組曲「ルネサンス舞曲」(1959)
(1)オリヴァー・トリンドル(P)
シュターツカペレ・ワイマール、
ドモンコシュ・ヘーヤ(指)

録音:2024年4月10〜13日/オーケストラ練習ホール、ワイマール
ハンガリーが生んだ大指揮者アンタル・ドラティ(1906〜1988)。作曲家としても活躍し交響曲をはじめ多くの作品をのこしました。当アルバムにはドラティ の妻イルゼ・フォン・アルペンハイムに献呈されたピアノ協奏曲を収録。演奏は知られざる室内楽・協奏曲作品の録音に積極的なピアニスト、オリヴァー・トリンド ルです。
カップリングはマーチャーシュ・シェイベル(1905〜1960)の管弦楽作品2篇。シェイベルはナチスの迫害を避けるため1935年に渡英。その後モーリー大学 で後進の育成に力を注ぎながら作曲を続けてきました。1960年、講演のために南アフリカを旅行中に自動車事故で亡くなってしまった悲劇の作曲家。当アルバム にはシェイベル最晩年の作品、組曲「招待状」と組曲「ルネサンス舞曲」を収録しております。 (Ki)

Hanssler
HC-24036(2CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
CD1
(1)ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271「ジュノーム」
(2)ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415【ピアノと弦楽四重奏版】
CD2
(3)ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246「リュッツォウ」
(4)ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414【ピアノと弦楽四重奏版】
ダナ・チョカルリエ(P)
(1)(3)オープン・チェンバー・オーケストラ、ヤイール・ベナイム(指)
(2)(4)ヤイール・ベナイム(Vn1)、ビン・ファム(Vn2)、テオドール・コマン(Va)、ディアナ・リゲティ(Vc)

ライヴ録音:2022年9月29日&2023年3月13日/ベハーグ宮殿内ビザンティン・ホール(フランス)
リパッティ、クララ・ハスキルらの流れをくむルーマニア・ピアノ楽派のダナ・チョカルリエがモーツァルトのピアノ協奏曲をライヴ収録しました!チョカルリエは ルーマニアに生まれ、フランスでジョルジュ・プルーデルマッハー、ドミニク・メルレに師事。1996年のシューマン国際コンクールで第2位を受賞するな ど、輝かしいコンクール受賞歴を誇ります。
当アルバムにはモーツァルトのピアノ協奏曲4篇を収録。第8番「リュッツォウ」と第9番「ジュノーム」ではヤイール・ベナイム率いるオープン・チェンバー・オー ケストラとクリスタルの如く輝かしい音色で奏でます。第12・13番はピアノと弦楽四重奏版で演奏。チョカルリエは編成を考慮しアンサンブルを重視した室内楽 的演奏を披露。編成の違いも楽しめるチョカルリエのモーツァルト、要注目です。 (Ki)

Hanssler
HC-23082(2CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
ミヒャエル・コルスティック(P)
ベルリン・ドイツSO、
コンスタンティン・トリンクス(指)

録音:2023年9月13〜18日/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
ベートーヴェンの協奏曲・ソナタ全曲録音でも知られるドイツの名手ミヒャエル・コルスティックが遂にブラームスの協奏曲を録音しました!
1955年ケルンに生まれたコルスティック。9歳でピアノをはじめわずか2年後の11歳の時には地元ケルンで開かれたコンクールで優勝した神童。ハンス・ラ イグラフ、タチアナ・ニコラーエワら著名なピアニストに師事し、1983年よりドイツを拠点に本格的な演奏活動を開始。以後世界の第一線で活躍しています。演奏 活動40周年となった2023年、68歳のコルスティック満を持してのブラームス録音です。
丁寧な音楽づくりでも定評があるコルスティック。ブラームスの堂々たる重音では力強く、詩情溢れるフレーズでは光り輝く音色で奏でるなど、その演奏は流石 のひとことにつきます。多彩な音色とコルスティックの深い解釈で聴く充実の演奏をお楽しみください。

Hanssler
HC-24028(6CD)
ヘンデル、モーツァルト、バッハ、C.P.E.バッハ
■CD1
ヘンデル:6つの合奏協奏曲Op.3
(1)合奏協奏曲第1番変ロ長調Op.3-1HWV312
(2)合奏協奏曲第2番変ロ長調Op.3-2HWV313
(3)合奏協奏曲第3番ト長調Op.3-3HWV314
(4)合奏協奏曲第4番(b)ヘ長調Op.3-4HWV315
(5)合奏協奏曲第5番ニ短調Op.3-5HWV316
(6)合奏協奏曲第6番ニ長調Op.3-6HWV317
■CD2
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
(3)ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV1052
(4)オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060(2つのヴァイオリンのための協奏曲編)
■CD3
モーツァルト
(1)セレナード第6番「セレナータ・ノットゥルナ」
(2)自動オルガンのためのアダージョとアレグロヘ短調K.594
(3)アダージョとフーガハ短調K.546
(4)セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
■CD4
バッハ:ホルン協奏曲
(1)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ホ長調BWV1053
(2)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ短調BWV1059R(BWV974、BWV35からの再構築版)
(3)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ロ長調BWV1055R
■CD5
「バッハ・ファミリーの交響曲集」
(1)ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ニ長調BR-WFBCInc.1【世界初録音】
(2) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲変ホ長調Wq/Hdeest【世界初録音】
(3) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ハ長調Wq/Hdeest【世界初録音】
(4) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ホ短調Wq177(1759)
(5)ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ニ短調
(6)ヨハン・エルンスト・バッハ:弦楽、2つのファゴットと通奏低音のための交響曲変ロ長調BR-JEBC1【世界初録音】
(7)ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ:2つのヴァイオリン、2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調
(8)バッハ:ヴァイオリン、2つのオーボエ、3つのトランペット、弦楽、ティンパニと通奏低音のためのシンフォニアBWV1045
■CD6
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲集
(1)協奏曲イ短調Wq.1【第1&2楽章のカデンツァ:ミヒャエル・リシェ】
(2)協奏曲ニ長調Wq.45【第1楽章のカデンツァ:C.P.E.バッハ】
(3)協奏曲ホ短調Wq.15
ベルリン・バロック・ゾリステン

■CD1
マルティン・フンダ、アルバロ・パラ、ドリアン・ジョジ、マリー・ラーダウアー=プランク(Vn1)、町田琴和、ライマー・オルロフスキー、クリストフ・シュトロイリ、ラヘル・シュミット(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、クレメンス・ヴァイゲル(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(Cb)、ラファエル・アルパーマン((1)-(5)チェンバロ、(6)オルガン)
(1)マリア・ホセ・ガルシア・サモラ(Fg)
(2)-(6)ギヨーム・サンタナ(Fg)
(3)マチュー・デュフォー(Fl)
クリストフ・ハルトマン、ヴィオラ・オルロフスキー(Ob)
(1)ザスキア・フィッケンッシャー(バロックフルート)
(1)ケルスティン・ファール(バロックフルート)
ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD2
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn)
(4)セルゲ・ツィンマーマン(Vn)
町田琴和、リューディガー・リーバーマン、アレッサンドロ・カッポーネ(Vn1)、ライマー・オルロフスキー、エーファ=マリア・トマジ、ラヘル・シュミット(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、クリストフ・シュトロイリ(Va)、ブリュノ・ドルプレール(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(Cb)、ラファエル・アルパーマン(Cemb)、ダニエル・ゲーデ(Vn、指揮)
■CD3
ロベルト・ゴンザレス=モンハス(コンサートマスター)、町田琴和、ゾルタン・アルマージ、ハンデ・コデン(Vn1)、ドリアン・ジョジ、アンナ・ルイーザ・メーリン、ライマー・オルロフスキー、コルネリア・ガルテマン(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、ジョアン・バシュ(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)
(1)ライナー・ゼーガーズ(ティンパニ)
ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD4
ラデク・バボラーク(Hrn)
マルティン・フンダ、ドリアン・ジョジ、ハンデ・コデン、ヘレーナ・オッテンリップス(Vn1)
ライマー・オルロフスキー、アンナ・ルイーザ・メーリン、クリストフ・シュトロイリ(Vn2)
ヴァルター・キュスナー、マシュー・ハンター(Va)
クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、ジョアン・バシュ(Vc)
ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)
ラファエル・アルパーマン(Cemb)
■CD5
クシシュトフ・ポロネク(コンサートマスター、(7)(8)独奏ヴァイオリン)
(7)町田琴和(第2独奏ヴァイオリン)、ドリアン・ジョジ、ヘレーナ・オッテンリップス、クリストフ・シュトロイリ、ライマー・オルロフスキー、アンナ・ルイーザ・メーリン、マリー・ラーダウアー=プランク(Vn)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、ジョアン・バシュ、ファビアン・ボレック(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)、ラファエル・アルパーマン(Cemb)
(7)(8)クリストフ・ハルトマン、アンドレーアス・ヴィットマン(Ob)
(6)マルクス・ヴァイトマン、ルイーザ・スローザル(Fg)
(8)ラインハルト・フリードリヒ、アンドレ・ショッホ、フェリックスビルデ(Tp)
(8)ライナー・ゼーガーズ(ティンパニ)、ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD6
ミヒャエル・リシェ(P&指揮)、ダニエル・ゲーデ(コンサートマスター)、町田琴和、アレッサンドロ・カッポーネ、ヘレナ・マドカ・ベルク(Vn1)、ライマー・オルロフスキー、アンナ・メーリン、アンナ・マッツ(Vn2)
(1)(2)ヴァルター・キュスナー、(3)ウルリヒ・クネルツァー、クリストフ・シュトロイリ(Va)
(1)(2)シュテファン・フォルク、(3)ジョアン・バックス(Vc)
(3)クラウス・ヴァーレンドルフ、(3)アンドレイ・ジュースト(Hrn)

録音:(CD1)2019年1月8〜11日、(CD2)2017年4月、(CD6(1)(2))2017年6月20&21日、
(CD6(3))2017年7月11&12日/イエス・キリスト教会(ベルリン)
(CD3)2021年1月25〜28日、(CD5)2021年4月11〜15日/ベルリン・フィルハーモニー、カンマームジークザール(ベルリン)
(CD4)2020年10月17〜19日/ブラックバード音楽スタジオ、シャルロッテンブルク(ベルリン)
世界最高峰のメンバーが揃ったベルリン・バロック・ゾリステン。当セットは独ヘンスラー・レーベルからリリースされた「ヘンデル:6つの合奏協奏曲 Op.3」、 「バッハ:ヴァイオリン協奏曲」(独奏:フランク・ペーター・ツィンマーマン)、「モーツァルト:セレナード」、「バッハ:“ホルン”協奏曲」(独奏:ラデク・ バボラーク)、「バッハ・ファミリーの交響曲集」、「C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲」(独奏:ミヒャエル・リシェ)の6枚組です!
ヘンデルの6つの合奏協奏曲 Op.3は、小規模ながら管楽器を効果的に取り入れた編成をとり、ヘンデルらしい豊かな旋律に加えて合奏協奏曲ならではの華や かな響きが魅力です。
フランク・ペーター・ツィンマーマン独奏のバッハの協奏曲録音では、息子セルゲとの共演も話題に。有名な2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043ではなく、オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060を2つのヴァイオリン版で演奏したことでも注目されました。
モーツァルトのセレナードではラインハルト・ゲーベルが指揮を務めました。ゲーベルといえばムジカ・アンティクヮ・ケルン(MAK)と1986年から1987年 にかけて録音したブランデンブルク協奏曲の録音。ピリオド楽器演奏における新たな解釈でのアプローチで衝撃を与え、以後革新的な演奏で聴衆を魅了してきまし た。ゲーベルが描くモーツァルトは実に明快です。
ラデク・バボラークを迎えての協奏曲録音はコロナ禍2020年10月に行われました。ホルン協奏曲といってもバッハはホルンのための協奏曲は作曲しておら ず、バボラークがホルンに合わせて移調し編み直した再構築版で演奏しています。ブランデンブルク協奏曲第1番、ミサ曲 ロ短調、カンタータなど、ナチュラルホル ンに素晴らしい旋律を書いているバッハ。バボラークはこれまで無伴奏チェロ組曲やヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタなど数多くの作品に触れてきましたが、バッハ の音楽の一つの結論としてこの“ホルン”協奏曲の録音を実現させました。
大バッハの息子たちヴィルヘルム・フリーデマン(1710〜1784)、カール・フィリップ・エマヌエル(1714〜1788)、ヨハン・クリストフ・フリードリヒ(1732 〜1795)、大バッハの甥ヨハン・エルンスト(1722〜1777)、大バッハの再従兄ヨハン・ルートヴィヒ(1677〜1731)、そして大バッハ自身の作品を収録し た「バッハ・ファミリーの交響曲集」。このうち4曲が世界初録音という実に興味深い内容です。
C.P.E.バッハの鍵盤協奏曲ではミヒャエル・リシェが独奏を務めました。リシェは鮮烈な世界をセンセーショナルに表現しており、ベルリン・バロック・ゾリステ ンと絶妙なアンサンブルを作り上げております。

オクタヴィア
OVCL-00851(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価

2024年8月28日発売
モーツァルト&ハイドン:協奏交響曲
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K. 364
 コンサートアリア「ああ、やさしい星よ、もし天に」K.538
 ディヴェルティメント第11番ニ長調K.251より第3楽章
ハイドン:協奏交響曲変ロ長調Hob.I:105
アンサンブルof トウキョウ【青山聖樹(Ob)、ダーク・イェンセン (Fg)、玉井菜採(Vn)、大野かおる(Va)
河野文昭(Vc)】

2022年5月11日東京文化会館小ホール、2023年10月27日紀尾井ホール・ライヴ
ふたつの協奏交響曲は、玉井菜採と大野かおるの交歓が心地よい モーツァルトと、名手たちのソロが光るハイドン。 さらに「リュクスで高貴な協奏曲」と題された2022年5月のアンサン ブルofトウキョウの公演から、伸びやかに歌い上げる青山聖樹による コンサートアリア、アンコールとして演奏されたディベルティメン

Solo Musica
SM-398(1CD)
NX-B06
オーロラ - グリーグ:ピアノ協奏曲、ペール・ギュント組曲(4手ピアノ版) 他
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
ヒャウルマル・ヘルギ・ラグナルソン:スティッラ
グリーグ:ペール・ギュント組曲第1番Op.46 (4手ピアノ版)*
 ペール・ギュント組曲第2番Op.55(4手ピアノ版)*
マルガリータ・ヘーエンリーダー(P)
北西ドイツPO
ジョナサン・ヘイウォード(指)
アンティ・シーララ(P)*

録音:2022年1月 ドイツ・ヘルフォルト、2022年12月 ドイツ、ポリング
1981年ブゾーニ国際ピアノ・コンクールで優勝を果たし、世界の著名な指揮者らと共演、現在はミュンヘン音楽・演劇大学で教鞭を執るマルガリータ・ヘー エンリーダーのグリーグ・アルバム。メインのピアノ協奏曲では、ヘイウォードが指揮する北西ドイツPOをバックに雄大な旋律を存分に 歌い上げています。『ペール・ギュント組曲』はグリーグ自身の4手ピアノ編曲版を演奏。共演のアンティ・シーララは1997年のベートーヴェン(ウィーン)と 2003年リーズのコンクールの優勝者。現在はヘーエンリーダーと同じ大学で教える同僚でもあり、極めて息のあった演奏が楽しめます。 アルバムには、アイスランドの作曲家ヒャウルマル・ヘルギ・ラグナルソンの「スティッラ」も収録。これは以前、ヘーエンリーダーが左手のための曲を探していた時 に、彼女のために書かれた曲で、アイスランドの薄緑色の苔で覆われた火山の風景、氷河、そして広大で静かな風景からインスパイアされた魅力的な作品 です。

Etcetra
KTC-1809(1CD)
コンチェルト・グロッソ
エリク・デシンペラーレ(b.1990):ノルウェー民謡の旋律による組曲より 第2曲「Aa Lensmand」
ピアソラ:天使の協奏曲より 第1曲「天使への序奏」*
ピート・スヴェルツ(b.1960):Retro
ピアソラ:天使の協奏曲より 第2曲「天使のミロンガ」*
ピーテル・シュールマンス(b.1970):コンチェルト・エメルソ
ピアソラ:天使の協奏曲より 第3曲「天使の死」*
イェルン・ドー(b.1968):Prayer
ピアソラ:天使の協奏曲より 第4曲「天使の復活」*
(*=編曲:ロルフ・グプタ
バンドネオン・パートのサクソフォンへのトランスクリプション:クルト・ベルテルス)
アタネレス・アンサンブル、
クゴーニ・トリオ、
ピーテル・シュールマンス(指)
フランドルの弦楽オーケストラ「アタネレス・アンサンブル」と、ピアノ、ヴァイオリン、サクソフォンというユニークな編成で活動するベルギーの「クゴーニ・トリオ」が初のジョイント・アルバムをリリース。クゴーニ・トリオの独創的なサウンドとアタネレス・アンサンブルの弦楽器が刺激的な対話を繰り広げ、バロック時代の器楽ジャンルであるコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)の現代的な解釈を提供します。
クゴーニ・トリオのサクソフォニスト、クルト・ベルテルスによって、バンドネオンからサクソフォンへとトランスクリプションされたピアソラの「天使4部作」(天使の協奏曲)にも注目。

Ars Produktion
ARS-38660S(1CD)
モーツァルト&J.C.バッハ:OPUS V
モーツァルト:協奏曲T
K.107(21b)-1(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-2)
J.C.バッハ:ソナタ Op.5-1
モーツァルト:協奏曲V K.107(21b)-3(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-4)
J.C.バッハ:ソナタ Op.5-5、ソナタ Op.5-6
モーツァルト:協奏曲U K.107(21b)-2(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-3)
イネス・モレノ・ウンシージャ(ハープシコード)、ミヌエ・アンサンブル〔吉田爽子(Vn)、阪永珠水(Vn)、ヨハネス・コフラー(Vc)〕

録音:2024年6月24日-28日、スイス
1995年マドリッド生まれの若きハープシコード奏者イネス・モレーノ・ウンシージャは、世界有数の古楽系撥弦楽器の名手であり音楽学者としても高名なホセ・ミゲル・モレーノ(Glossaレーベルの共同創設者)を親に持ち、バロック・ヴァイオリン&ヴィオラの名手エミリオ・モレーノ(18世紀オーケストラの首席ヴィオラ)を叔父に持つ音楽一家で幼少期から古楽や母国スペインの音楽に触れ、スイスのバーゼル・スコラ・カントルムでアンドレア・マルコンらの薫陶を受け、2018年にスペインの若手音楽家のコンクールで第1位を獲得するなど、様々な国際コンクールで入賞を続けています。
スペインの鍵盤音楽の300年をたどるという意欲的なアルバム(Opus Klassik Awards2024ヤング・タレント・オヴ・ザ・イヤー・ノミネート)で衝撃のデビューを果たした彼女がセカンド・アルバムに選んだのは、モーツァルトとJ.C.バッハ!
大バッハの末子であるヨハン・クリスティアン・バッハは、モーツァルトが心から評価し、崇拝さえした数少ない同時代の作曲家の一人でした。1766年に出版されたJ.C.バッハの「ソナタ集 Op.5」はモーツァルトに非常に気に入られたようで、数年後には6曲のうち3曲が協奏曲に編曲されました。
イネス・モレーノ・ウンシージャはモーツァルトが編曲した第2曲、第3曲、第4曲と、J.C.バッハのオリジナルであるソロ・ソナタの第1曲、第5曲、第6曲を組み合わせて、ユニークな「OPUS V」のアルバムを完成させました。協奏曲といっても伴奏はヴァイオリン2台とチェロだけのシンプルな編成で、吉田爽子、阪永珠水といった日本の名手と、アンサンブル・マティスやバッハ・コンソート・ウィーン等のメンバーとして活躍する南チロル出身のバロック・チェリスト、ヨハネス・コフラーが参加しています。
Ars Produktion
ARS-38374S(1SACD)
日本語解説付き
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲集 Vol.3
ファゴット協奏曲イ短調 RV.500/歌劇 「ティートゥス・マンリウス」 RV.738より アリア「ローマがこのルチオの目に」/シンフォニア ハ長調 RV.112/歌劇 「ダリオの戴冠」 RV.719 より アリア「恋するあなたの心に」/ファゴット協奏曲ト長調 RV.494/歌劇 「エジプトの戦場のアルミーダ」 RV.699より アリア「いちど悪行の道へ踏み出した者は」/歌劇 「セミラーミデ」 RV.733より アリア「メガーラの松明を掲げ」/弦楽と通奏低音のための協奏曲ト長調 RV.157/歌劇 「ファルナーチェ」 RV.711より アリア「氷のように冷たい血が」/歌劇 「ティト・マンリオ」 RV.738より アリア「戦功にはやる心に」
福井美穂(バロック・ファゴット)
ドミニク・ヴェルナー(Bs-Br)、アンサンブルF〔川原千真(Vn1)、三輪真樹(Vn2)、宮崎桃子(Va)、田崎瑞博(Vc)、菅間周子(ヴィオローネ)、タクミ・ヒラツカ(ヴィオローネ)、能登伊津子(Cemb)、佐藤亜希子(テオルボ)〕

録音:2022年11月8日-11日、三鷹市芸術文化センター(日本)
2014年、2018年にリリースされたヴィヴァルディ・アルバムに続く第3弾では、39曲ものファゴット協奏曲を書いたというヴィヴァルディのファゴット協奏曲からのセレクションと、ファゴットのレパートリーと関わりの深い、オペラからの抜粋によるバスのためのアリアなどを取り上げています。ライプツィヒの国際バッハ・コンクール声楽部門第1位(2002年)、および、ライプツィヒ・バッハOから特別賞を受賞し、ここ日本では、バッハ・コレギウム・ジャパンとも度々共演をしている世界的バス・バリトン歌手、ドミニク・ヴェルナーと日本古楽界を牽引する第一線級の演奏家たちによる力演を、SACDハイブリッド・マルチチャンネルによる高品質録音でお贈りします。

Anaklasis
ANA-030(1CD)
ヨアンナ・フヌク=ナザロワ:イル・テンポ・パッサ
ヨアンナ・フヌク=ナザロワ(b.1949):前奏曲と大フーガ 「カタストロフ」(大SO、ボーイ・ソプラノとフック・ハープのための)(2019)/Morze ?rodziemne, ?egnaj. Proba rekonstrukcji(2本のギターと室内オーケストラのための)(1986)/Nie odwracaj si?! Dyptyk(2本の独奏フルートと室内オーケストラのための)(2022)/イル・テンポ・パッサ. パッサカリア(大SOのための)(2020)/ひばり協奏曲(アンプリファイド・ハープシコードと室内オーケストラのための)(2023)
バルトウォミエイ・ドゥダ(Boy-S)、アグニエシュカ・カチマレク=ビアリツ(フック・ハープ)、ヤクブ・モロジンスキ(G)、マレク・ノサル(G)、アガタ・キエラル=ドゥゴシュ(Fl)、ウカシュ・ドゥゴシュ(Fl)、フゴ・ドゥゴシュ(Tp)、アレクサンドラ・ガイェツカ=アントシエヴィチ(ハープシコード)、シレジア室内O、ピオトル・プワフネル(指)、シレジア・フィルハーモニーSO、ヤロスラフ・シェメト(指)

録音:2023年11月〜2024年2月(カトヴィツェ、ポーランド)
1945年にクラクフで設立されたポーランド最大級の音楽出版社「ポーランド音楽出版社(PWM Edition)」が運営するレーベル「Anaklasis(アナクラシス)」。20世紀と21世紀のポーランドの作曲家の業績を紹介する「PORTRAITS」シリーズから、作曲家としてはもとより教育学、政治の分野でも多大な功績を挙げているポーランドの偉大な人物、ヨアンナ・フヌク=ナザロワ(b.1949)の管弦楽作品集が登場!2010年に亡くなった母国の偉大な作曲家、ヘンリク・ミコワイ・グレツキを偲んで捧げられた2023年の新作「ひばり協奏曲」をはじめ、クラクフ・フィルやカトヴィツェのポーランド国立放送響の指揮台にも立つなど優れた指揮者でもある彼女が作り上げた、大小様々な管弦楽のためのセレクションです。

Gramola
GRAM-99328(1CD)
NX-C05
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
 ヴァイオリンとピアノのための5つの小品 Op. 81
 田園舞曲 Op.106- 第1曲
 ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op. 115
 夜想曲 Op.51No.3
フランツ・フォン・ヴェチェイ(1893-1935):悲しきワルツ
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
ロイヤルPO
ドロン・サロモン(指)
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2022年7月7日、2023年2月27日
ザルツブルクを拠点に活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー。このアルバムでは、彼が長年にわたり録音を望んでいたというシベリウ スのヴァイオリン協奏曲を中心に構成。協奏曲ではドロン・サロモンが指揮するロイヤルPOとともに白熱した演奏を聴かせ、小品では 一転、作品の抒情的な美しさを表現しています。アルバムの最後には、シベリウスから「ヴァイオリン協奏曲」を献呈されたフランツ・フォン・ヴェチェイの「悲しき ワルツ」が収録されています。


Hanssler
HC-23015(6CD)
「イン・メモリアム Vo.2」

■CD1
(1)シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129
(2)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102
(3)チャイコフスキー:カプリッチョ風小品 ロ短調 Op.62
(4)ルトスワフスキ:チェロと弦楽オーケストラのためのメタモルフォーゼより「グラーヴェ」

■CD2
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191
(2)ブロッホ:ヘブライ狂詩曲『シェロモ』
グバイドゥーリナ:チェロ、バヤンと弦楽合奏のための『7つの言葉』より第7曲「今日、あなたは私と共に楽園に入る」、第8曲「わが神,なんぞわれを見棄てし?」

■CD3
(1)ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 Op.65
(2)ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40
シュニトケ:チェロ・ソナタ第1番

■CD4
(1)メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49
シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調 Op.100, D.929より第2楽章「アンダンテ・コン・モート」
(2)ツェムリンスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調
(3)ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
(4)ヤナーチェク:おとぎ話
(5)シェーンベルク:鉄の旅団

■CD5
(1)ベートーヴェン:モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
(2)シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
(3)ブラームス:6つのリート Op.86より第2曲「野の寂しさ」
ブラームス:5つのリート Op.94より第4曲「サッフォー風頌歌」
ブラームス:5つのリート Op.105より第1曲「調べのように私を通り抜ける」
(4)チャイコフスキー:6つの小品 Op.19より第4曲「夜想曲」
(5)ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 Op.65, B.130より第3楽章「ポーコ・アダージョ」
(6)ブルッフ:8つの小品 Op.83より第6曲 ト短調「夜想曲」
(7)フォーレ:悲歌 Op.24
(8)ドビュッシー:忘れられたアリエッタより第2曲「私の心に涙が落ちる」
エリセンダ・ファブレガス(1955〜):アルハンブラの夜
(10)ヒラリー・タン(1947〜):リーフ
(11)カザルス:鳥の歌

■CD6
(1)バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
(2)クープラン(バズレール編):コンセールのための5つの小品より第4曲「嘆き」
(3)ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番ニ長調「幽霊」 Op.70, No.1
(4)シューベルト:水の上で歌う Op.72D.774
シューベルト:白鳥の歌 D.957より第4曲「セレナード」
シューベルト:夜と夢 Op.43-2D.827
シューベルト:エレンの歌第3番「アヴェ・マリア」D.839 Op.52-6
(5)ポッパー:ハンガリー狂詩曲 Op.68
フランソワーズ・グローベン(Vc)

■CD1
(1)NHKSO、ウーヴェ・ムント(指)
録音:1996年8月26日(ライヴ)サントリーホール(東京)
(2)カリン・アダム(Vn)
ルクセンブルクRSO)、レオポルド・ハーガー(指)
録音:1995年11月9日(セッション)ルクセンブルク大劇場(ルクセンブルク)
(3)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2003年10月10日(ライヴ)ヒポ・フェラインス銀行内ホール(ルクセンブルク)
(4)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2011年3月12日(ライヴ)キューブ521、マルナッハ、クレルヴォー(ルクセンブルク)
■CD2
(1)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指)
録音:2005年5月4日(ライヴ)メッツ・アルナセル(フランス)
(2)ルクセンブルクPO、デヴィッド・シャローン(指)
【原盤:BGL(1999)】
●マウリツィオ・スピリディリオッツィ(バヤン)
ルクセンブルクPO、ヴェルナー・エールハルト(指)
録音:2006年4月2日(ライヴ)フィルハーモニー・ルクセンブルク(ルクセンブルク)
■CD3
(1)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2000年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
(2)イヴァン・ガヤン(P)
録音:1990年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
■CD4
(1)グラフ・ムーリャ(Vn)、ペーター・ラウル(P)
録音:2005年7月7日(ライヴ)カンブレー劇場(フランス)
(2)マヤ・コッホ(Vn)、イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:1998年11月26日(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)
(3)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2008年11月11日(ライヴ)キューブ521、マルナッハ、クレルヴォー(ルクセンブルク)
(4)ライナー・ゲップ(P)
録音:2007年(ライヴ)ボーデン湖音楽祭(ドイツ)
(5)トーマス・ブランディス(Vn)、マルコ・リッツィ(Vn)、ステファン・フェーラント(Va)、フリーデマン・リーガー(P)
録音:1999年7月29日(ライヴ)北ドイツ放送内スタジオ、ヒッツアッカー(ドイツ)
■CD5
(1)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2000年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
(2)小川典子(P)
録音:1996年8月(ライヴ)シューベルティアーデ、フォアアールベルク(オーストリア)
(3)イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:2004年(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)【原盤:ARS Produktion38435.(2004)】
(4)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2003年10月10日(ライヴ)ヒポ・フェラインス銀行内ホール(ルクセンブルク)
(5)グラフ・ムーリャ(Vn)、ペーター・ラウル(P)
録音:2004年7月14日(ライヴ)カンブレー劇場、ユベントス(フランス)
(6)ロナルド・ファン・スパンドンク(Cl)、ペーター・ラウル(P)
録音:2006年3月26日(ライヴ)シルダール(ルクセンブルク)
(7)ライナー・ゲップ(P)
録音:2005年5月28日(ライヴ)マーブルタウン、ニューヨーク(アメリカ)
(8)イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:2004年(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)
(9)マイニンガー・トリオ【クリストファー・マイニンガー(Fl)、フランソワーズ・グローベン(Vc)、ライナー・ゲップ(P)】
録音:2005年(セッション)ロンドン【原盤:Profil PH-05019】
(10)クリスティアーネ・マイニンガー(Fl)
録音:2005年(セッション)ロンドン【原盤:Profil PH-05019】
(11)小林由佳(P)
録音:1991年12月9日(ライヴ)カザルスホール(御茶ノ水)
■CD6
(1)録音:1991年12月9日(ライヴ)カザルスホール(御茶ノ水)
(2)小林由佳(P)
録音:1991年2月3日(ライヴ)ブールリンシュター(ルクセンブルク)
(3)グラフ・ムーリャ(Vn)
ペーター・ラウル(P)
録音:2006年8月(ライヴ)カンブレー劇場、ユベントス(フランス)
(4)小川典子(P)
録音:1996年8月28日(ライヴ)シューベルティアーデ、フォアアールベルク(オーストリア)
(5)小林由佳(P)
録音:1991年11月28日(ライヴ)いずみホール(大阪)
ルクセンブルクが生んだ名チェリスト、フランソワーズ・グローベン。2011年5月28日、40代半ばで急逝し、その訃報は世界のクラシック・ファンを悲しませ ました。
グローベンは、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーSO、エルサレムSO、グルジア室内O、チューリッヒ室内O、ルクセンブルク・フィ ルハーモニーOなどのオーケストラと、ダニエル・ハーディング、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、エフゲニー・スヴェトラーノフといった名指揮者と共 演し、ソリストとして活躍。また1997年から2003年までトーマス・ツェートマイアーが第1ヴァイオリンをつとめるツェートマイアー・クァルテットのチェロ奏者 を務めるなど、室内楽の名手としても活躍しました。
父ジョゼフ・グローベン(1935〜)が娘フランソワーズの貴重な録音を後世にのこしたいという強い思いから独ヘンスラー社と共同でCD化を実現(ジョゼフ・ グローベンはルクセンブルクの高名な作家で、娘をルクセンブルクから世界へ活躍する音楽家に育て上げた人物)。歿後10年を迎え、2022年に「イン・メモリアム」 (6CD / HC-22021)をリリースしました。「イン・メモリアム」のリリースから2年。貴重な初出音源を数多く含む第2弾「イン・メモリアム Vo.2」が6枚組で リリースされます。
「イン・メモリアム Vo.2」にはドヴォルザーク、シューマン、ブラームス(二重協奏曲)の協奏曲、ショパン、ショスタコーヴィチ、シュニトケのソナタなどを収録。 また、小川典子や小林由佳と共演した貴重な音源もこの度CD化されました。今もなお愛され続けるグローベンの情熱的な演奏。多くのファンを魅了し続ける音楽 をご堪能ください。 ※ここに収録されたライヴ音源の一部はプライベート・アーカイヴのため音質のばらつきがございます。予めご了承ください。

ACCENT
ACC-24403(1CD)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041(独奏:モニカ・ワイズマン)
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042(独奏:フロリアン・ドイター)
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 BWV1060R
フロリアン・ドイター(Vn 、指 揮 )
モニカ・ワイズマン(Vn 、指)
アルモニー・ウニベルセル

録音:2022年5月30日-6月2日/ドイツ、ホンラート教会
マラン・メルセンヌによる17世紀の音楽理論書「Harmonie Universelle 宇宙の調和」から名をとった古楽アンサンブル、アルモニー・ウニベルセル。フロリ アン・ドイターとモニカ・ワイズマン、ふたりのヴァイオリニストがリーダーを務める楽団です。そのポテンシャルを最大限に生かしたバッハのヴァイオリン協奏曲集 が登場。
モニカ・ワイズマンはアルゼンチン生まれで、アメリカで学びオランダへと渡り活動しました。一方フロリアン・ドイターはドイツの音楽一家に生まれ、ムジカ・ア ンティクヮ・ケルンに長年在籍。対照的なキャリアをもつ演奏家と言えます。さらにメンバーの出身もイタリア、ハンガリー、フランス、オーストリア、イギリス等々さ まざまで、異なるバックボーンを持つ人々が集い調和をつくりあげるというスタンスが大切にされています。
少人数の演奏ですが大変濃密なアンサンブル。ソロの技巧も全体の調和から離れすぎることなく、バッハが芸術的に織り込んだ対位法の綾がいきいきと輝きま す。通奏低音にはファゴットが加えられ、重心の深い、かつ潤いのある響きを創造。ヴァイオリンとオーボエで演奏されることの多いBWV1060Rもこのふたりの ヴァイオリンだと聴き応えあり!前半2曲では名手フランチェスコ・コルティがチェンバロを弾いているのも注目です。 (Ki)


Treasures
TRE-319(1CDR)


Branka Musulin
ブランカ・ムスリン/ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11*
ピアノ協奏曲第2番へ短調Op.21*#
練習曲Op.25-7/Op.25-3
ブランカ・ムスリン(P)
ハインツ・ワルベルク(指)バンベルクSO*
ウィルヘルム・シュヒター(指)ベルリンSO#

録音:1960年代初頭*、1963年7月4-5日#、1964年10月3日(全てステレオ)
※音源:日KING SH-5242*,#、日KING SR-5052#
◎収録時間:77:03
“成熟した精神の昇華力で甘美なショパン像を打破!”
■音源について
独Eurodisc録音。使用したのは60年代後半のキング盤。ムスリンは1953年にも2つの協奏曲を録音しており、これは再録音。

★ザグレブ出身の女流ピアニスト、ブランカ・ムスリン(1920-1975)の貴重なステレオ録音。地元のの音楽院で学んだ後に、パリではコルトーやルフェーブルの薫陶も受けていますが、1958年からはフランクフルト音楽院での教育活動にも力を注いだせいか、遺された録音はごく僅か。
ムスリンの2つのピアノ協奏曲の旧録音ではかなり奔放な表現を発散していましたが、ここではそのピアニズムは格段に成熟。情緒的な表現は師のコルトーを思わせる点もありますが、あくまでも作品の造形美を基調として旋律線の隈取を明確に出するタイプで、普遍的な価値を持つ逸品!
「第1番」のソロの出だしは何の思わせぶりな態度を取らず、単刀直入に打鍵。第1主題に移っても音像が霞むことなく、凛とした風情を保持。第2主題でやっと表情が和らぎますが、その微かな微笑みと語らいは心に染み入ります。展開部では、内面に精神的な強さを湛えたフレージングのセンスが活き、甘美な雰囲気に流されない輝かしい推進性に引き込まれます。第2楽章開始すぐ、1:22からの長い余韻にたっぷり詰まったロマンはどうでしょう!この感性こそロマン派作品を演奏する上での必須条件だと叫びたくなります。過剰なアゴーギクを避けたつつも微妙な感情の揺れに即応したテンポの揺れと色彩の選択も見事。6:53以降の風格美と装飾音を含む細かい走句の描き出しはまさに名人芸。終楽章冒頭テーマは、付点16分音符もしっかり弾き上げながら(旧録音は16分音符で弾いている)、窮屈感が皆無という理想形を実現!
 「第2番」も同様のスタイル。傑出しているのは第2楽章で、孤高の空気感の中での結晶化されたタッチが繊細に息づく様には言葉も出ません。暗雲立ち込める中間部での確信溢れるタッチは聴く者に勇気を与え、後半では「大丈夫!」と背中を押してくれるような不思議な力を感じます。終楽章の1:10からは細かい音符が連続しますが、音の粒を揃えようとすると途端に機械的に響いてしまう昨今のピアニストとの格の違いを痛感。
 演奏家の表現への意欲が少しづつ変な方向に向かってしまっている気がしてならないのですが、作品の魅力を説明調でもなく聴き手に媚びるわけでもなく丁寧にあぶり出すかつての真摯な演奏を今こそ意識的に掘り返して耳を傾けるべきではないでしょうか?【2024年7月・湧々堂】

ONDINE
ODE-1436(1CD)
NX-B10
マグヌス・リンドベルイ(1958-):ヴィオラ協奏曲、他
ヴィオラ協奏曲(2023-24)
不在(2020)
セレナード(2020)
ローレンス・パワー(Va)
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2023年9月、2023年12月、2024年2、3月
今や母国フィンランドにとどまらず世界の現代音楽シーンの重鎮的存在となっているマグヌス・リンドベルイの近作を集めたアルバム。 リンドベルイはパルシヴかつ激しく、時に爆発的なサウンドを用いた先鋭的な作風で知られてきましたが、近年は重厚なサウンドはそのままに調性感を持ちロマ ンティックな趣を加えたスタイルに変化しつつあり、その動向がますます注目されています。ヴィオラ協奏曲は7つの部分からなる演奏時間33分ほどの大作。ソ リストは分厚いオーケストラと渡り合いつつ、随所で高度なテクニックを求められます。ここではローレンス・パワーが見事に重責を果たしています。 ベートーヴェン生誕250年の記念にロッテルダム・フィルから委嘱された「不在」は、ベートーヴェンの楽曲のモチーフを随所に引用した演奏時間11分余りの作 品。特に「不在」をテーマにしたピアノ・ソナタ第26番「告別」の旋律が効果的に使われています。シカゴSOの委嘱作「セレナード」についてリンドベルイ は、ゆったりとした穏やかな音楽ではなく「ワイルドなセレナードだ」と語っています。マーラーの「夜の歌」のスケルツォを参照したとも語り、また曲の終わり近くには ベートーヴェン作品の引用も聞かれます。演奏時間17分余り、大規模で力強く起伏に富んだ異色のセレナード。 フィンランドRSOと2021年から楽団の首席指揮者を務めるニコラス・コロンがパワフルかつ切れ味の良い演奏を展開。優秀録音で評価の高いベテ ラン、エンノ・マエメツが録音とマスタリングを担当しており、オーディオ的にも楽しみな1枚です。

C Major
76-6508(DVD)

76-6604(Bluray)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調op.77
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV1002〜サラバンド(アンコール)
ニールセン:交響曲第5番op.50
ヘルベルト・ブロムシュテット(指)VPO
レオニダス・カヴァコス(Vn)

収録:2023年3月、ウィーン楽友協会大ホール(ライヴ)
◆DVD
画面:NTSC16:9
音声:PCMステレオ、DTS5、リージョン:All
DVD9、93分
◆Bluray
画面:1080i16:9FullHD 
音声:PCMステレオ、DTS-HD MA5.1
リージョン:All
BD25、93分
C-majorレーベルの注目の映像シリーズ「ウィーン・フィル定期演奏会(The Exclusive Subscription Concert Series)」第2弾がリリース!指揮はブロ ムシュテット、ソリストにカヴァコスを迎えブラームスのヴァイオリン協奏曲およびニールセンの交響曲第5番を演奏した2023年3月の映像です。 ウィーン・フィルの定期演奏会は、土曜と日曜とソワレ(平日)の3種類あり、すべて会員制ですので一般販売はありません(定期会員枠のチケットが余った場合の み、一般に向けて販売あり)。ウィーン・フィルの定期会員になるには、会員枠に空きが出ないと会員にはなれませんし、現在その待ち時間は10年以上といわれて います。さらに会員権を取得するには、ウィーン・フィルに手紙を書き入会の意思を伝える必要があります。ウェイティング・リストは毎年春に更新されるため、空き が出るまで手紙を書き続け、空きが出たときに晴れて定期会員となれるという、非常に特別なコンサートなのです。本作は、その入手困難のコンサートが映像で観ら れる、大変貴重な映像シリーズです。 今回は、ウィーン・フィルの名誉会員である大巨匠ヘルベルト・ブロムシュテットが登場。ブロムシュテットは、2011年1月にニコラウス・アーノンクールの代役で ウィーン・モーツァルト週間の演奏会で初共演以来、数々の名演を披露しています。プログラムはレオニダス・カヴァコスをソリストに迎えてのブラームスのヴァイオ リン協奏曲、そしてニールセンの交響曲第5番という内容。2021年10月にN響と共演した際にも同じ内容のプログラムであったことは記憶に新しいでしょう。研 ぎ澄まされたカヴァコスの美音、そして芳醇なオーケストラの響きは最高峰の演奏と言えるでしょう。またブロムシュテット得意のニールセン。第一次世界大戦の影 響が色濃く反映した交響曲第5番。緻密で複雑な構成をもつ作品でニールセンの最高傑作との呼び声高く、ブロムシュテットのさすがの手腕を発揮しています。 (Ki)

ATMA
ACD2-2885(1CD)
アマデウスと皇妃 〜モンジュルーとモーツァルト
エレーヌ・ド・モンジュルー(1764-1836):ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
 序曲『皇妃』(マテュー・ルシエによるモンジュルー作品の管弦楽編)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
エレーヌ・ド・モンジュルー:練習曲集『ピアノ教育のための完全教程』より 第19番ヘ長調 / 第107番ニ短調 / 第73番ニ長調 / 第26番ト長調 / 第111番ト短調
同曲集より 第26番『無言歌』(マテュー・ルシエによるピアノと弦楽合奏のための編曲版)
エリザベート・ピオン(フォルテピアノ;1826年製ブロードウッド)
マテュー・ルシエ(指)
アリオン・バロックオーケストラ

録音:2023年10月9・10日/ケベック、ミラベル、聖オーギュスタン教会
モーツァルトと同時代に活躍した女性作曲家エレーヌ・ド・モンジュルー。侯爵と結婚し「L'Imperatrice」(皇妃)と人々から呼ばれていた彼女はピアノを得意 とし、ロマン派を呼び込むような作品を残しました。
モンジュルーのピアノ協奏曲第1番は、面識のあったヴィオッティのヴァイオリン協奏曲をピアノ用に編曲したもの。第6番の第1・2楽章と第4番の第3楽章を、 調性を変えて並べています。ピアノの特徴を生かした音数と旋律に変更された独奏部はもちろん、オーケストレーションにも手を加え、まるでオリジナル作品のよう な完成度。併録されたモーツァルトの第24番とのバランスからも、モンジュルーの筆の凄さが分かるでしょう。
練習曲集『ピアノ教育のための完全教程』は完全にロマン派の世界。煌びやかな技巧とたっぷりの歌心に満ちています。モンジュルーの様々な作品から素材を とって編まれた序曲『皇妃』も音楽の豊かさに驚かされます。
ATMA
ACD2-2851(1CD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1&2番
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb:1
 チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob. VIIb:2
ジャック・エテュ(1938-2010):チェロと弦楽合奏のためのロンド Op.9
キャメロン・クロズマン(Vc)
ニコラス・エリス(指)
レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワ

録音:2023年6月13-15日/ケベック、パレ・モンカルム
カナダのチェリスト、キャメロン・クロズマンによるハイドンの協奏曲集。颯爽としていてのびやかな佳演です。カデンツァはクロズマン本人によるもの。カナダの 作曲家ジャック・エテュによる愉悦リズム炸裂の『ロンド』をカップリング。

Orlando Records
OR-0054(1CD)
コペル、シュミット、ベンソン:クラリネット協奏曲集
ヘアマン・D・コペル
(1908-1998):クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲 Op.35
オーレ・シュミット(1928-2010):クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲
ニルス・ヴィゴ・ベンソン(1919-2000):独奏クラリネットと小器楽アンサンブルのための室内協奏曲 Op.578
ジョン・クルーゼ(Cl)、オールボーSO、フリードリク・ビューシュテット(指)

録音:2023年6月12日-16日、ミュージック・ハウス(オールボー、デンマーク)
1989年からオーデンセSOの首席クラリネット奏者を務めた後、2005年の夏からはデンマーク王立Oの首席クラリネット奏者を務めるデンマークの名手ジョン・クルーゼが紹介する、デンマークの作曲家たちによるクラリネット協奏曲集。ジャズの影響も見られるコペルやO.シュミット、そして4つの楽章がユニークな音楽言語を提示するベンソンの作品は、それぞれがデンマークの豊かな音楽の伝統を強調する傑作といえるでしょう。

Avie
AV-2688(1CD)
ジ・アイリッシュ・シーズンズ〜マクドナー&ヴィヴァルディ
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」
アルバ・マクドナー(b.1982):アイルランドの四季(世界初デジタル録音)
リンダ・オコナー、
アナムス(オーケストラ)、
デイヴィッド・ブロフィー(指)

録音:2022年11月、ウィンドミル・レイン・スタジオ(ダブリン)
RIAM(アイルランド王立音楽アカデミー)でヴァイオリンを教えているリンダ・オコナーのデビュー・レコーディング。彼女の「音楽のソウルメイト」でもあるというアイルランドのコンポーザー=チェリスト、アルバ・マクドナーの「アイルランドの四季(The Irish Four Seasons)」を世界初デジタル録音し、ヴィヴァルディの傑作「四季」と組み合わせて世に放ちます。
2022年にリンダ・オコナーによって初演された「アイルランドの四季」は、バロック様式とアイルランド文化の巧みな融合が果たされた作品。ヴィヴァルディの印象的な旋律にインスピレーションを受けた新しいアイルランドのメロディーを導入し、バロックの不朽の名作と肩を並べる刺激的で感動的な音楽が生み出されています。
小編成のオーケストラ「アナムス(Anamus)」は、リンダ・オコナーによってこのアルバムのために結成されたアンサンブル。指揮は、RTEコンサート・オーケストラの首席指揮者も務めたアイルランドの指揮者、デイヴィッド・ブロフィーです。

Fineline
FL-72418(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
ニコライ・ルガンスキー(P)、
ロシア国立SO、
イワン・シュピレル(指)

録音:1995年、モスクワ音楽院大ホール(ロシア)
かつてChallenge Classicsレーベルよりリリースされていた、ニコライ・ルガンスキーが1995年に録音したラフマニノフのピアノ協奏曲第3番&第4番がFinelineレーベルからリイシュー!
チャイコフスキー国際コンクールで最高位(1位なしの2位)に輝いた翌年、波に乗るルガンスキーが臨んだこのレコーディングは、若きエネルギーを感じさせつつすでにラフマニノフを得意とする彼らしい端正な音楽性、きわめて高い技巧を兼ね備えた名演奏。イワン・シュピレル&ロシア国立SOのスケールの大きな好サポートも相まって、ルガンスキーの数あるレコーディングの中でも特筆すべき1枚といえるでしょう。

IBS CLASSICAL
IBS-72024(1CD)
NX-B10
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58

※全てヴィンツェンツ・ラハナーによる弦楽オーケストラ伴奏版
ツ・ユー・ヤン(フォルテピアノ)
ロバート A.ブラウンによる復元楽器
1806年 Michael Rosenberger製…第3番
1815年頃 Jacob Bertsche製…第4番
ヴァン・スヴィーテンス(古楽器使用)
ティボー・バック・ド・スラニ(指)

録音:2022年10月22-23日、2022年2月24-25日
ヴィンツェンツ・ラハナーの編曲によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番と第4番の弦楽オーケストラ伴奏版。この 編曲では管楽器や打楽器の音色が失われる代わりに、楽曲のテクスチャーが明瞭になり、室内楽のように楽器 間の対話が際立ちます。そして弦楽器の演奏において重要なアーティキュレーションやポルタメントなどの側面が強 調されます。 このアルバムではバロック作品の演奏でしばしば議論される音律にも関心が注がれており、第4協奏曲では「キル ンベルガー第3法」を用いています(第4協奏曲には音色がマッチせず他の音律を用いたとのこと)。フォルテピアノを 演奏するツ・ユー・ヤンはブルージュ国際古楽コンクールのファイナリストの一人。ヨーロッパやアジア各地で演奏活 動を行っています。ヴァン・スヴィーテンスはザルツブルクを拠点にバロック、古典派、ロマン派の音楽をピリオド楽器 で演奏するアンサンブル。近年はアンサンブルのために書かれた新作も演奏しています。


Hanssler
HC-24002(4CD)
F・P・ツィンマーマン/ヘンスラー録音集成
■CD1
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集Vol.1
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207(カデンツァ コンスタンチン・モストラス)
ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョホ長調K.261(カデンツァ フランツ・バイヤー)
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンドハ長調K.373
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216(カデンツァ フランツ・バイヤー)
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218(カデンツァ ヨーゼフ・ヨアヒム)
■CD2
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集Vol.2
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調K.211(カデンツァ 第1楽章:ピンカス・ズッカーマン/第2楽章:ロバート・D・レヴィン/第3楽章:ダヴィッド・オイストラフ)
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」(カデンツァ 第1楽章:フランツ・バイヤー/第2楽章:ロバート・D・レヴィン/第3楽章:ヨーゼフ・ヨアヒム)
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364*(カデンツァ モーツァルト)
■CD3
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV1052
オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060*(2つのヴァイオリンのための協奏曲編)
■CD4
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61(カデンツァ 第1楽章:フランク・ペーター・ツィンマーマン/第2楽章:フリッツ・クライスラー/第3楽章:フリッツ・クライスラー)
■CD1
バイエルン放送室内O、ラドスラフ・スルク(指)
セッション録音:2014年3月6〜8日/ヘルクレスザール、ミュンヘン王宮内(ミュンヘン)
■CD2
アントワン・タメスティ(Va)*
バイエルン放送室内O、ラドスラフ・スルク(指)
セッション録音:2015年6月28〜30日/ヘルクレスザール、ミュンヘン王宮内(ミュンヘン)
■CD3
セルゲ・ツィンマーマン(Vn)*
ベルリン・バロック・ゾリステン
指揮&ヴァイオリン:ダニエル・ゲーデ
第1ヴァイオリン:町田琴和、リューディガー・リーバーマン、アレッサンドロ・カッポーネ
第2ヴァイオリン:ライマー・オルロフスキー、エーファ=マリア・トマジ、ラヘル・シュミット
ヴィオラ:ヴァルター・キュスナー、クリストフ・シュトロイリ
チェロ:ブリュノ・ドルプレール
コントラバス:ウルリヒ・ヴォルフ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン
セッション録音:2017年4月/イエス・キリスト教会(ベルリン)
■CD4
シュターツカペレ・ドレスデン、ベルナルト・ハイティンク(指)
ライヴ録音:2002年9月29日/ドレスデン文化宮殿(ドレスデン)
現代最高のヴァイオリニストの一人、フランク・ペーター・ツィンマーマンのヘンスラー録音集成4枚組がリリースされます!10代後半から世界の第一線で活躍 しているツィンマーマンはバロックから現代まで非常に幅広いレパートリーを演奏・録音していますが、なかでもバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンは最も得意に しているレパートリー。当セットでは今世紀に録音したベートーヴェン(2002年/ライヴ)、モーツァルト(2014&2015年/セッション)、J.S.バッハ(2017 年/セッション)の協奏曲を集めた名録音をお届けします。
ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビ ロードのような音色です。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でる演奏をご堪能ください。

【自身2度目のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲録音】
第1集には第1・3・4番、アダージョ ホ長調、ロンド ハ長調を、第2集には第2・5番「トルコ風」、協奏交響曲を収録。1986年、1度目の全曲録音から約四半世紀。 2014・2015年の2度目の録音はラドスラフ・スルク指揮、バイエルン放送室内管弦楽団との共演です。ポーランド生まれのヴァイオリニストで、バイエルン放送 交響楽団のコンサート・マスターのラドスラフ・スルクが指揮を担当しており、完璧なアンサンブルはもとより、特に弦楽の美しさを追求した演奏で、レコード芸術誌 「特選盤」など各誌で高く評価されています。 協奏交響曲のヴィオラ奏者はアントワン・タメスティ。長年ベストなアンサンブルができる演奏者を探していたツィンマーマンが、タメスティの演奏会に足を運んだ 際に感銘を受け、その音色に魅了されたツィンマーマンが終演後に直々にトリオ結成を懇願したほどの惚れこみよう。2007年に結成したトリオ・ツィンマーマンは 今では世界トップの弦楽三重奏団としても活躍しています。
【父子共演も話題に。自身2度目のJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲録音】
ジェフリー・テイト指揮、イギリス室内管弦楽団と1988年に録音してから約30年ぶりの2017年。自身2度目となったJ.S.バッハの協奏曲録音では、息子セル ゲとの共演も話題に。有名な2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043ではなく、オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060を2 つのヴァイオリン版で演奏したことでも注目されました。 また、消失したヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052はツィンマーマンにとって初録音でした。入り組んだ起伏をもつユニゾンの主題が印象的なこの協奏曲は、 チェンバロ編曲として自筆総譜が存在する名曲、鍵盤協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052の原曲とされる作品。主題の直後から颯爽としたヴァイオリン独奏があら われます。独奏パートの幻想的で豊かな発展が印象的な当作品は、1832年にメンデルスゾーンがピアノ協奏曲として演奏した記録が残っており、シューマンは「最 大の傑作のひとつ」と讃えております。 共演はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者たちを中心にして1995年に結成されたベルリン・バロック・ゾリステンです。
【ハイティンク指揮、ベートーヴェンのライヴ録音】
Profilレーベルの「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズ40作でリリースされた音源で、2002年9月、ベルナルト・ハイティンクがシュターツカ ペレ・ドレスデンの首席指揮者就任を記念したコンサートのライヴの初日を収録したものです。同年夏にドレスデンを襲った洪水のため、ゼンパーオーパーが浸水し て使用不可能でドレスデン文化宮殿にて開催され、コンサートは犠牲者に捧げられました。 フランク・ペーター・ツィンマーマンが最も得意とするベートーヴェン。録音ではジェフリー・テイト指揮、イギリス室内管弦楽団(1987年/セッション)、ダニエル・ ハーディング指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2019年/ライヴ)(KKC-9695/7)が有名ですが、2002年のライヴもまた素晴らしい演奏で聴衆 を沸かせました。ツィンマーマンはさまざまなカデンツァで演奏してきましたが、当ライヴでは第1楽章では自作で演奏。先人の名カデンツァからインスパイアされ たヴァイオリンの美が凝縮された技巧的な作品です。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85040(1CD)
NX-B06
ハイフェッツ コルンゴルト/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲 他
1-3. コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
4-6. シンンディング:古風な様式の組曲 Op.10
7. ブラームス:ハンガリー舞曲第7番 イ長調(ヨアヒム編)
8. チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
9. ラヴェル:ツィガーヌ
10-12. カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲第2番「予言者」 Op.66
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ロサンゼルスPO
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)

録音/初出レコード番号:
1953年1月10日 RCA Victor LM1782…1-3
1953年12月9日 RCA Victor LM1832…4-6
1953年12月9日 RCA Victor LSC3232…7
1954年10月29日 RCA Victor LM2027…8
1953年12月8日 RCA Victor LM1832…9
1954年10月28&29日 RCA Victor LM2050…10-12
1917年にアメリカ・デビューをカーネギーホールで飾ったハイフェッツは、1925年にアメリカの市民権を取得。東海岸を拠点に活動を展開しましたが、 1940年にビヴァリー・ヒルズにスタジオ付きの住宅を建て、第2次大戦後はロサンゼルスに拠点を移します。このディスクには1953年から54年にかけ て、ウォーレンスタインの指揮するロス・フィルと行ったRCA録音を復刻しています。 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は1947年にハイフェッツが初演し、その後も繰り返し演奏しました。作曲者はこの曲について「終楽章こそ高度な技 巧が必要だが、美しい旋律や抒情的なエピソードがたくさんあるから、パガニーニよりはカルーソー向きの曲だ。カルーソーとパガニーニを兼ね備える人 物、すなわちハイフェッツに演奏してもらえるとは、なんと嬉しいことだろう」と語っています。当録音は大評判となり、作品を広める上で大きく貢献。 2008年には遂にグラミー賞の殿堂入りを果たしました(Vn協奏曲の録音としては、クライスラーのメンデルスゾーン、メニューインのエルガーに次 いで史上3番目の殿堂入り)。圧倒的なテクニックの冴えが注目されるハイフェッツですが、コルンゴルトがカルーソーにたとえたように、メロディアスな旋律 を時に朗々と時に甘美に歌いあげる歌心もたっぷりと味わえます。 カステルヌオーヴォ=テデスコのヴァイオリン協奏曲第2番は、ハイフェッツがトスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルと共に初演した作品。3つの楽章には旧 約聖書の3人の預言者の名前が充てられています。自身がヴァイオリニストだったシンディングの作品と、ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾたちにインスパイア された3曲も、ハイフェッツの緩急自在な技の冴えと歌い回しを堪能できます。

Resonus
RES-10335(1CD)
NX-B08
フルート協奏曲集
イベール:フルート協奏曲(1934)
ジョリヴェ(1905-1974):フルートと弦楽オーケストラのための協奏曲(1949)
ロドリーゴ:田園協奏曲(1978)
サミ・ユンノネン(Fl)
ヘルシンキ室内O
ジャームズ・S・カハーン(指)

録音:2023年10月11-14日
2012年にフィンランドのヘルシンキ音楽センターでデビュー・リサイタルを行い、2018年にはヒューストンSO のソリストとして登場、以降コンサートや録音など幅広く活躍するサミ・ユンノネン。このアルバムでは、20世紀のフ ルート協奏曲の名品3曲を、カハーンが指揮するヘルシンキ室内Oとともに巧みに演奏しています。 イベールのフルート協奏曲は、ジャズや民謡の要素も用いられた彼の代表作の一つ。抒情的な雰囲気の中に軽 妙さも併せ持つ粋な作品です。ジョリヴェの協奏曲は、パリ音楽院のコンクール課題曲として第二次世界大戦後 に書かれた2楽章構成の作品。小規模ながら技巧的な見せ場が多く用意されています。ロドリーゴの「田園協奏 曲」はジェームズ・ゴールウェイの委嘱作。スペインの田園風景を想起させる優雅な楽想が広がる美しい作品で す。

H.M.F
HMM-902392(1CD)
アントニン・クラフト(1749-1820):チェロ協奏曲 ハ長調 op.4(1804)
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 変ロ長調 H436Wq171(1751)
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/Gioffredo Cappa,1696)
アンサンブル・レゾナンツ
リッカルド・ミナージ(指)

録音:2023年9月、ハンブルク、フリードリヒ=エーベルト・ホール
世界最高峰のチェロ奏者、ジャン=ギアン・ケラス。冴え渡った切れ味の技巧と知的頭脳的ひらめき、そしてそこに近年さらなる深みをました音楽性が加わり、 とどまるところを知らない活動を見せています。このたびのケラスの新譜は、18世紀半ば、そして19世紀の幕開けに誕生したチェロ協奏曲2篇。どちらも 超絶技巧が求められ、しかし軽やかに弾かねばならぬ難曲ですが、ケラスはらくらくと、自由に歌いあそぶ余裕も見せながらの演奏を展開しています。管弦楽は アンサンブル・レゾナンツ。こちらも過去の偉大な作品から現代音楽まで、切れのある解釈で聴き手を魅了するアンサンブルで、まさにケラスと絶好の相性の良 さ。2017年にはC.P.E.バッハのチエロ協奏曲(イ短調)のディスクを録音しております(HMM 902331/KKC5913)。指揮のミナージは、2018年 からアンサンブル・レゾナンツのアーティスト・イン・レジデンスを務め、現在までその関係は延長されています。ミナージにとって、特にC.P.E.バッハはこれ までにも頻繁にとりあげている作曲家。徹底した資料研究と明確な音楽ヴィジョンで、当時の熱気や喧騒までをも彷彿とさせるような「生きた」演奏を展開し ています。
クラフトはボヘミアの小さな町で生まれ、プラハ大学で学び、チェロの教本でも知られるウェルナーのレッスを受けます。ウィーンに移り、チェロの妙技で人々 を魅了。ニコラウスI世ヨーゼフ・エステルハージーのオーケストラの首席チェロ奏者を務め、J.ハイドンの指揮のもと様々な作品を演奏する傍ら、作曲も師事 しました。ハイドンのチェロ協奏曲ニ長調や、ベートーヴェンの三重協奏曲op.56のチェロ・パートはクラフトのために書かれたと言われており、彼がいかに優 れた奏者だったかということが窺われます。そしてクラフトのチェロ協奏曲は音域の広さと超絶技巧に驚かされますが、ケラスはそんなことを感じさせない軽や かな技巧で演奏、さらに2楽章ではおあそびも交えるほどの余裕ぶりです。 C.P.E.バッハのチェロ協奏曲は、彼がもっとも充実していたベルリン時代に書かれたもの。とある当時の大名手を念頭に書かれたと考えられ、エレガントな雄弁 さで貫かれており、わかりやすいコントラストなどは控えられています。喜びに満ちた終楽章まで、C.P.E.バッハの旋律の美しさをたのしめる作品。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187076(1CD)
再発見〜トーマス・ド・ハルトマン
トーマス・ド・ハルトマン(1884-1956):
(1)ヴァイオリン協奏曲 Op.66(1943)
(2)チェロ協奏曲 Op.57(1935)
(1)ジョシュア・ベル(Vn)、INSO-リヴィウSO、ダリア・スタセフスカ(指)
(2)マット・ハイモヴィッツ(Vc)、MDR響、デニス・ラッセル・デイヴィス(指)

録音:(1)2024年1月8〜10日/ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール(ポーランド)
(2)2022年5月22日/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス大ホール(ドイツ)
ウクライナに生まれたロシア人作曲家トーマス・ド・ハルトマン(1884-1956)の作品に魅了された、世界的名手が演奏した協奏曲2篇のアルバム。アレンス キー、タネーエフらに作曲を、リムスキー=コルサコフにピアノを師事したトーマス・ド・ハルトマン。眩いばかりに輝く旋律と効果的な技巧が散りばめられた協奏曲 作品を残しています。ヴァイオリン協奏曲は1943年に、チェロ協奏曲は1935年にそれぞれ作曲。雄大な管弦楽に、情感豊かな独奏が魅力であるこれらの作品 に魅了されたジョシュア・ベルとマット・ハイモヴィッツが満を持して録音しました。
画家ワシリー・カンディンスキーとの共同作品を書いたことでも知られるトーマス・ド・ハルトマン。当CDのジャケットにはカンディンスキーの代表作 「Transverse Line横線」(1925)が使用されています。 (Ki)

「私は数年前、トーマス・ド・ハルトマンの作品の普及に情熱を注いでいる『ザ・トーマス・ド・ハルトマン・プロジェクト』のエフレム・マルダー氏からヴァイオリ ン協奏曲の楽譜を受け取った。私はすぐにこの協奏曲の情感の深さに衝撃を受け、これほど力強く魅力的な作品が、これまで私を含む多くのクラシック音楽の聴衆 から忘れ去られていたことに驚いた。1943年に作曲された当時と同様に今日の現状と関連性のある作品です。ダリア・スタセフスカ率いるINSO-リヴィウ交 響楽団との演奏で、トーマス・ド・ハルトマンの音楽が、彼の祖国ウクライナだけでなく、世界中の多くの人々の心に響くことを願っている」(ジョシュア・ベル)

Goodies
33CDR-3947(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調 K.268(365b)
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
クリスチャン・フェラス(Vn)
カール・ミュンヒンガー(指)
シュトゥットガルト室内O

英DECCA LXT5044(FFRR録音)
1954年10月14日-11月11日、スイス、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール録音
ヴァイオリン協奏曲第6番K.268(365b)はモーツァルトの死後8年目の1799年に ヨハン・アントン・アンドレによって楽譜が出版された。モーツァルト時代に ミュンヘンで活躍したヴァイオリニスト、ヨハン・フリートリッヒ・エックが モーツァルトから手渡された楽譜にもとづいて自分で加筆し、さらにモーツァ ルトの弟子のフランツ・ジェスマイアー(1766-1830)が加筆したという。ジェ スマイヤーはモーツァルト最後の作品「レクイエム」を補筆完成させた人物。 学者間では第2楽章は疑わしいが、他の楽章はモーツァルトの作品であるとい う説だったが、現在ではモーツァルトの作品表から除外されています。ジャック ・ティボーの(1880-1953)の快心の名演がSPレコード(復刻CDR:78CDR-3080) にあったが、LP時代には録音はごく僅かだった。クリスチャン・フェラス (1933-1982)はパリ音楽院出身。49歳の若さで他界したが、DECCA、EMI、 DEUTCHE GRAMMOPHONに大量の録音を残した。これは21歳のフェラスが取り組ん だ最初期の録音。指揮者のカール・ミュンヒンガー(1915-1990)はドイツ生ま れ。ヘルマン・アーベントロート(1883-1956)に師事し、シュトゥットガルト 室内Oを主宰した。
復刻にはWESTREX10Aカートリッジの復製モデル「クラング・クンスト10A]をmono接続にし、コルグの[DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)
Goodies
33CDR-3948(1CDR)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35 ナタン・ミルシテイン(Vn)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

米 RCA VICTOR LM1760
1953年3月23日ボストン・シンフォニー・ホール録音
ナタン・ミルシテイン(1903-1952)はウクライナのオデッサ生まれ。11歳でペ テルブルク音楽院に入学し、名ヴァイオリン教師レオポルド・アウアー(1845- 1930)に師事した。後にピアニストのホロヴィッツと知り合い一緒に演奏旅行 をしたこともあった。1929年にストコフスキー指揮フィラデルフィアO のソリストとしてアメリカ・デビュー。1942年にアメリカ市民権を得た。ミル シテインは生涯に8回もチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をレコード録 音しています。これはその2番目で50歳の時のもの。指揮者のシャルル・ミュン シュ(1891-1968)はドイツのストラスブルク生まれ。ヴァイオリンを学び、 1926年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウスOのヴァイオリン奏者に なり、1932年まで楽長のフルトヴェングラーやワルターの下でコンサートマス ターを務めた。1929年にパリで指揮者デビュー。1937年にはパリ音楽院管弦楽 団の指揮者になり1946年まで在任した。1949年にボストンSOの常任指揮 者に就任、1962年までその地位にあった。1967年パリOが出来たとき、 初代の音楽監督に就任したが、同年アメリカを演奏旅行中に心臓発作で死去 した。享年77。 復刻にはWESTREX10Aカートリッジの復製モデル「クラング・クンスト10A]を mono接続にし、コルグの[DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002692(2CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全曲
ァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211*
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
アダージョ ホ長調 K.261*
ロンド ハ長調 K.373*
ロンド 変ロ長調 K.269*
オレグ・カガン(Vn)、

ダヴィッド・オイストラフ(指)モスクワPO、
トヴィス・リフシッツ(指)ラトヴィア・フィルハーモニー室内O*

録音:1970年、1972年
廃盤・入手困難となったMelodiyaの名盤を復刻するMelodiya x Obsessionシリーズに43歳の若さで亡くなってしまったソビエト連邦出身のヴァイオリニスト、オレグ・カガン(1946-1990)が登場。彼はダヴィッド・オイストラフにその実力を認められ師事し、シベリウス国際コンクールとバッハ国際コンクールで第1位を獲得するなど若き才能あふれる奏者でした。またスヴャトスラフ・リヒテルからも薫陶を受け室内楽で多数共演しました。このアルバムでは師であるダヴィッド・オイストラフのサポートを受けて、その実力をいかんなく発揮しています。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。
Melodiya x Obsession
SMELCD-1001994(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番他
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*/ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*/マズルカ ヘ短調 Op.63-2/マズルカ ヘ短調 Op.68-4/ワルツ ホ短調 Op.Posth
エフゲニー・キーシン(P)、
モスクワPO*、
ドミトリー・キタエンコ(指)*

録音(ライヴ):1984年3月27日、モスクワ音楽院大ホール
1984年3月27日、モスクワ音楽院の大ホールで行われたエフゲニー・キーシンとドミトリー・キタエンコ&モスクワ・フィルのコンサート。そこでわずか12歳の少年が弾いたショパンの2つのピアノ協奏曲がキーシンのデビュー・アルバムとしてMelodiyaからLP盤でリリースされると、瞬く間に名声が広まり神童として世界中から注目を集めることとなりました。数あるMelodiyaの録音の中でも突出した知名度を誇る録音でありながら近年は廃盤・入手困難状態が続いていましたが、この度Melodiya x Obsessionシリーズから待望の復刻となります。なお、初回生産分完売後の再生産は未定です。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-010(1CD)
ゲザ・アンダ&カール・ベーム完全初出!
(1)スイス放送(DRS)のアナウンス
(2)-(4)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(5)オーストリア放送(ORF)のアナウンス
(6)-(8)モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 K.456
ゲザ・アンダ(P)
カール・ベーム(指)
(2)-(4)フィルハーモニアO
(6)-(8)VPO

録音:(2)-(4)1963年9月14日/ルツェルン音楽祭(ライヴ・モノラル)
(6)-(8)1974年8月25日/ザルツブルク音楽祭(ライヴ・ステレオ)
アンダとベームとの共演、注目の完全初出音源です。63年ルツェルン音楽祭でのブラームス1番と74年ザルツブルク音楽祭でのモーツァルト18番。それぞれ の協奏曲の前には放送時のアナウンスも収録されています。
第2番の録音が複数知られているのに対し、第1番はあまり世に出ていないアンダのブラームス。ベームとの共演で聴けるとは僥倖です。深くじっくりと奏でら れるオーケストラに対し、熱っぽくもしっかり構築的に弾きあげるアンダ。卓越した技量と比類のない激しさがぶつかりあう白熱の演奏です。モノラル録音とはいえ 音楽の充実ぶりは十二分に堪能できます。
アンダは52年から毎年ザルツブルク音楽祭に出演し、この地と良好な関係を続けました。60年代に弾き振りでカメラータ・ザルツブルクと録音したモーツァル トの協奏曲全集は至高の名盤として聴き継がれています。そんなアンダの最後のザルツブルク音楽祭出演となったのがこの74年のモーツァルト。透明な音で軽や かに舞い上がり、かつ心の内をじっとみつめるような、確たる芯のある上質の戯れ。癌を患う1年前、死の2年前の演奏であり、緩徐楽章などまさにアンダの「白 鳥の歌」と言えましょう。たまらぬ響きを持つベームVPOとの対話も多角的に愉しめるステレオ録音。カデンツァは全集録音のものと同一です (Ki)

ALPHA
ALPHA-1065(1CD)
NX-C04
モーツァルト:フルート協奏曲集
フルート協奏曲 第2番ニ長調 K.314(カデンツァ:フランソワ・ラザレヴィチ)
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299*(カデンツァ:ピエール・シェペロフ[1979-])
フルート協奏曲 第1番ト長調 K.313(カデンツァ:フランソワ・ラザレヴィチ)
フランソワ・ラザレヴィチ(フラウト・トラヴェルソ、指揮)
使用楽器:1キーのバロック・モデル/ルドルフ・トゥッツ1790年代製作楽器に基づく8キー・モデル*
サンドリーヌ・シャルトン(Hp)
使用楽器:フランソワ=ジョゼフ・ナーデルマン(1781-1835)製作のオリジナル楽器
レ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアン(古楽器使用)

録音:2023年6月 サル・コロンヌ、パリ
レーベル創設者ジャン=ポール・コンベに希代のバグパイプ奏者として見出されて以来、ALPHAレーベルで録音を続けているフランソワ・ラザ レヴィチ。各種の民俗管楽器を驚くべき音楽性で吹きこなすだけでなく、古楽器奏者としても徹底した同時代史料の検証や音楽史研究の 成果を演奏に反映させ、信頼できる音楽仲間と結成したレ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアンと共に、16〜18世紀の宮廷音楽から民俗系 レパートリーまでその録音の幅広さは他に類をみません。その一貫した解釈姿勢を保ちつつ今回はなんと古典派に進出し、モーツァルトの協 奏曲3曲を自らソロに立ち録音。弦楽合奏だけでも過去のアルバムのどれよりも多い13名が居並ぶ17人編成ですが、培われた一体感は 見事というほかなく、きわめて滑らかでメロディアスかつ機知に富んだラザレヴィチの吹奏と絶妙のアンサンブルを展開してゆきます。両フルート 協奏曲では「モーツァルト自身のピアノ協奏曲のものも大いに参照した」(本人談、ライナーノートより)ラザレヴィチ自身による即興性に富んだ カデンツァを、近年ソロ活動でも注目されているサンドリーヌ・シャルトンとの「フルートとハープのための協奏曲」ではソロ楽器の二重奏を鮮や かに織り上げたピエール・シェペロフ作曲の18世紀室内楽風カデンツァを披露。充実したインタビューによる解説(仏、英、独語)も、参照した 同時代教本や音楽史研究書、使用楽器の根拠などがあげられており読み応えがあります。

Biddulph
BIDD-85049(1CD)
NX-B06
協奏曲集と小品集
1-3. 伝モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調 K.268
4-5. ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ短調 Op.37
6-9. ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調
10. ピエトロ・ナルディーニ(1722-1793):ヴァイオリン・ソナタ ニ長調〜アリア(イザイ編)
11. ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.9No.3-タンブーラン(ヘルマン編)
12. モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.334-メヌエット(ヘルマン編)
13. ヴュータン:アルバムの綴り Op.40〜 第1番 ロマンス
14. イザイ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調「バラード」
15. クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ
アルフレッド・デュボワ(Vn)
ブリュッセル王立音楽院O…1-5
デジレ・デファウ(指)…1-5
ジェラルド・ムーア(P)…6-9
フェルナン・フイエンス(P)…10-13
14,15は無伴奏

録音/音源
1931年6月12日/LF X201/03(matrices LBX 83/87)…1-3
1929年9月27,28日/LFX14/16(matrices W 52031/36)…4-5
1947年10月27日/LCX103(matrices CLBX160/61)…6-9
1929年9月26日/LF2(matrices W33029)…10
1929年9月26日/LF2(matrices W33030)…11
1931年6月13日/LFX203(matrices LBX90)…12
1929年12月19日/D15144(matrices WLX700)…13
1947年10月27日/LCX104(matrices CLBX162/63)…14
199年9月26日/LF3(matrices W33031/32)…15
グリュミオーらの師としてフランコ=ベルギー楽派を現代につないだアルフレッド・デュボワ。彼が遺した2つの協奏曲録音他を復刻。イザイの無伴奏ソナタ第3 番などの併録曲の数々も魅力的です。 アルフレッド・デュボワは12歳でブリュッセル音楽院に進んでアレクサンドル・コルネリスにヴァイオリンを学び、3年後にはプルミエ・プリを得ました。卒業後もコル ネリスに個人的に師事し続けましたが、イザイにレッスンを受けたこともあるのでデュボワをイザイの弟子とする説もあります。22歳の年にブリュッセル市から ヴュータン賞を授与されてソリストとして本格的な活動を始め、1927年にはイザイの後任としてブリュッセル王立音楽院の教授陣に迎えられました。門下にア ルテュール・グリュミオーがおり、現在では「グリュミオーの師」として言及されることの多いデュボワですが、第1次大戦と第2次大戦の間はベルギーを代表する ヴァイオリニストとして高い評価を得ていました。このディスクではデュボワが遺した2曲の協奏曲録音を復刻し、その余白に小品を収めています。1曲目は、かつてケッヘルが番号を与えて「モーツァルトの第6番」として親しまれていたもので、ティボーやフェラスといった名手も録音しています。エックの作と判定 されてからは録音が減ってしまったのが惜しまれる佳曲です。ヴュータンの第5番は第2楽章はじめのアダージョ部分にグレトリの歌劇「ルシール」の旋律が引用 されていることから「ル・グレトリ」のニックネームが付けられました。当初は課題曲として作曲されたものだけに、技巧的な見せ場の多い作品で、デュボワのテク ニックの冴えと歌謡的な旋律での豊かなヴィブラートを伴った歌わせ方が魅力を加えています。格調高く描かれたヘンデルや、ヴィルトゥオーゾ的なイザイとクラ イスラーなどの小品群も、この演奏家の様々な魅力を伝えてくれます。

Orchid Classics
ORC-100315(1CD)
NX-B06
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲とソナタ
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 第10番 変ホ長調 K.365/316a
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 第7番ヘ長調 K.242
2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448/375a*
フィアンメッタ・タルリ(P)
イーヴォ・ヴァルバノフ(P)
ムハイ・タン(指)
イギリス室内O

録音:2018年7月13ー14日 Henry Wood Hall(UK)
2022年9月2日 Menuhin Concert Hall(UK)*
ストラヴィンスキーの「春の祭典」や「ペトルーシュカ」、ブラームスのワルツ集での素晴らしいアンサンブルが高く評価さ れるフィアンメッタ・タルリとイーヴォ・ヴァルバノフによるピアノ・デュオ。 当盤ではモーツァルトの2台ピアノのための3作品を演奏しています。協奏曲ではムハイ・タンが指揮するイギリス室 内Oをバックに従え、バイロイトに本拠を置くドイツのピアノ製造会社、シュタイングレーバーの「フェニックス・モ デル」を使用。この楽器の特徴である「オーケストラを思わせる壮大かつ柔らかい音色」を存分に生かした華麗な演 奏を披露。ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホールの美しい響きも聴きどころです。 メニューイン・コンサートホールでスタインウェイを使用したソナタとの音色の違いもお楽しみいただけます。

Queen Elisabeth Competition
QEC-2024(4CD)
NX-F06
エリザベート王妃国際音楽コンクール ヴァイオリン部門2024
■CD1
 ショスタコーヴィチ
1-4. ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77
 ブラームス
5-7. ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
■CD2
 モーツァルト
1-3. ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K. 207
4-6. ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
 ベートーヴェン
7-10. ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調 Op. 30-2
■CD3
 チャイコフスキー
1-3. ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(1965-):
4. リタニー風変奏曲
 シューベルト
5. 幻想曲 D934
■CD4
 サン=サーンス
1. 序奏とロンド・カプリチオーソ
 チャイコフスキー
2. ワルツ・スケルツォ ハ長調 Op.34
 シャーロット・ブレイ(1982-):
3. 太陽と彼女の花々 The Sun and Her Flowers
 シェーンベルク
4. 幻想曲 Op.47
 ルトスワフスキ
5. スビト
 バルトーク
6-7. ヴァイオリン・ソナタ第2番Sz.76
 シュニトケ(1934-1998):
8-11ヴァイオリン・ソナタ第1番
■CD1
1-4. ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)
5-7. ジョシュア・ブラウン(Vn)
■CD2
1-3. 吉田南(MINAMI)(Vn)
4-6. ケヴィン・ジュー(Vn)
ジョシュア・ブラウン(Vn)

■CD3
1-3. ジュリアン・リー(Vn)
4. ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)
5. エリー・チョイ(Vn)
■CD4
1. ルスラン・タラス(Vn)
2. カレン・スー(Vn)
3. ハナ・チャン(Vn)
4. ターユン・ユー(Vn)
5. アナ・イム(Vn)
6-7. ソンハ・チョイ(Vn)
8-11ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)

ベルギー国立O
アントニー・ヘルムス(指)…CD1& CD3/1-4
ワロニー王立室内O
ヴァハン・マルディロシアン(指)…CD2/1-6
ピアノ:トマス・ホッペ…CD2/7-10& CD3/5
リーブレヒト・ファンベッケフォールト…CD4/1
クリスティア・フジー…CD4/2
ボリス・クズネツォフ…CD4/3
森川由佳子…CD4/4、6、7
エロディー・ヴィニョン…CD4/5
タティアナ・ビエリコヴァ…CD4/8-11

録音:2024年5月13-18日 フラジェ・スタジオ4、ブリュッセル
2024年5月27日-6月1日 ブリュッセル・ファイン・アーツ・センター、 全てライヴ
6月1日(日本時間2日)に閉幕したばかりのエリザベート王妃国際音楽コンクールから、熱演を収めたライヴ盤が早くも登場! エリザベート王妃国際音楽コンクールは、チャイコフスキー・コンクール、ショパン・コンクールと共に「世界三大コンクール」と呼ばれる屈指の名 門コンクール。前身のウジェーヌ・イザイ・コンクール時代を含めれば、ヴァイオリン部門の優勝者にはダヴィド・オイストラフ(1937)、レオニード・ コーガン(1951)、堀米ゆず子(1980)、ヴァディム・レーピン(1989)、戸田弥生(1993)、レイ・チェン(2009)など、錚々たる顔ぶれが並び ます。2024年のヴァイオリン部門は当初予定の2023年から1年延期されて開催され、5月6日から熱戦が繰り広げられました。日本でも 奈良県出身でボストンのニューイングランド音楽院修士課程を5月に修了したばかりのMINAMIこと吉田南が入賞し、メディアで紹介された ので、ご覧になった方も多いと思います。 このアルバムではCD1からCD3には入賞者6名による選りすぐりの演奏を収録し、CD4には順位が付かなかったファイナリストたちの演奏を収 めていますが、難関で知られるコンクールだけに、ファイナリスト12名の全員が非常に高水準であったことが伝わる内容となっています。中でも ウドヴィチェンコは力強い美音と造形力を持ちながら、時にグロテスクなサウンドを出すこともいとわず曲の核心をえぐり出そうとする、師のクリス ティアン・テツラフにも通じる演奏を展開しており、インターネット中継を見ていた人たちの多くが優勝候補筆頭に挙げたことも頷けます。ちなみ にウドヴィチェンコは6月1日生まれ。優勝を手にしたのは25歳の誕生日でした。CD2のモーツァルト2曲は演奏者がカデンツァも作曲していま す。吉田南はロマンティックな美感を前面に出したものを披露していて、これが実にモーツァルトの音楽とつながりが良く、全曲の造形の確かさ と相俟って聴きものとなっています。 CD3のトラック4はファイナルの、CD4のトラック3はセミ・ファイナルのための新作課題曲です。
Queen Elisabeth Competition
QECDUO-24(4CD)
NX-E10
エリザベート王妃国際音楽コンクール ヴァイオリン部門2009-2012


■CD1
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調*
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op.28*

■CD2
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.6
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番*
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調 Op.27-6*
サン=サーンス:ハバネラ Op.83*

■CD3
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」*
エルガー:ヴァイオリン協奏曲
ロ短調 Op.61*

■CD4
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216*
チャイコフスキー:懐かしい土地の思い出(瞑想曲) Op.42-1*
ワルツ・スケルツォ ハ長調 Op.34*
■CD1
レイ・チェン(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
トマス・ホッペ(P)
録音:2009年5月16日 ボザール(4-8)、5月30日 王立音楽院(1-3)
*初出音源
■CD2
ロレンツォ・ガット(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
エリアーヌ・レイエス(P)
録音:2009年5月12日 ボザール(4-8)、5月26日 王立音楽院(1-3)
*初出音源
■CD3
ヴィネタ・サレイカ(Vn)
ワロニー王立室内O、ポール・グッドウィン(指)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
録音:2009年5月14日 ボザール(1-3)、5月25日 王立音楽院(4-6)
*初出音源
■CD4
アンドレイ・バラノフ(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
ワロニー王立室内O、ミヒャエル・ホフステッター(指)
ダナ・プロトポペスク(P)

録音:2012年5月8日(5-7)、5月11日(8、9) フラジェ、スタジオ4、5月
24日 ボザール (1-4)
*初出音源
録音場所:王立音楽院、フラジェ(スタジオ4)、ボザール(以上、ブリュッセル)
 全てライヴ
「世界三大コンクール」の一つに数えられるエリザベート王妃国際コンクールの記録音源より、こんにち世界的に活躍する4人のライヴをリリー ス。収録時間にして約3分の2が初出音源で構成されているのも魅力です。CD1のレイ・チェンは2009年の第1位。今や世界的なソリスト として活躍し、メジャー・レーベルからCDリリースしています。名作フランクのソナタやサン=サーンスのヴィルトゥオーゾ・ピースの初出音源が聴 けるのは嬉しいところ。CD2のロレンツォ・ガットは同2009年の第2位。母国ベルギーを代表する音楽家として国際的に活動し、ALPHA レーベルからリリースしたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集は高く評価されました。初出音源では彼のヴィルトゥオジティを堪能できます。 CD3のヴィネタ・サレイカ(現在の姓はサレイカ=フォルクナー)は2009年のファイナリスト(Laureate)。フランダースSOのコンサートマス ターやアルテミスSQの第1ヴァイオリンを経て、2023年にベルリン・フィルのコンサートマスターに就任し(女性として初)、同年の来 日公演にも参加しました。ここでは様式も規模も異なる2曲の協奏曲を聴かせます。CD4のバラノフは2012年の第1位。得意とするチャイ コフスキーの名曲2曲に加えてモーツァルトの協奏曲も初出という嬉しい内容です。

APARTE
AP-364(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
リード・テツロフ(P)
パヴェウ・カプワ(指)プラハ・フィル

録音:2023年3月/ドヴォルザーク・ホール(プラハ)
リード・テツラフは1992年ミネソタ生まれのアメリカ・ピアノ界期待の星。2015年の第15回チャイコフスキー国際コンクールや2018年の第10回浜松国 際コンクールで入賞こそ逃しましたが注目され、「魔法のような音色」「熱狂的な技巧」が評判となりました。
彼のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集シリーズ第1弾は第4番と「皇帝」。交響曲第3番「英雄」やラズモフスキー四重奏曲などと革命的作品と同時代の2篇 の完璧なイメージを提供し、カプワ指揮プラハ・フィルとともにドラマを作り上げています。 (Ki)

King International
KKC-6874(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フランス女性ピアニストたち〜ブルショルリ他
■CD1
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)ショパン:夜想曲集 第13番ハ短調、第7番ハ短調、第8番変ニ長調、第4番ヘ長調、第9番イ長調
■CD2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番+ラヴェルについて語る(日本語訳なし)
(2)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」+ショパンについて語る
■CD1
(1)モニク・ド・ラ・ブルショルリ(P)、レオポルト・ルートヴィッヒ(指)BPO
録音:1948年6月20-21日ベルリン・ティタニア・パラストLive
(2)ユーラ・ギュラー(P)
録音:1959年9月9日
■CD2
(1)イヴォンヌ・ルフェビュール(P)、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキー(指) フランス国立O
録音:1959年12月1日
(2)マグダ・タリアフェロ(P)、ポール・パレー(指) フランス国立O
録音:1958年4月21日Live
■ブルショルリ(1915-1972)のベートーヴェン。ブルショルリは1937年のショパン・コンクールでフランス人初の入賞(第7位)。1966年の自動車事故により ピアノが弾けなくなり、引退を余儀なくされまました。
■ユーラ・ギュラー(1895-1980)は、ロシア人の父、ルーマニア人の母を持ちマルセイユで生まれました。幼 いころから神童として活躍、パリ音楽院を首席で卒業した名手でありながらその美貌もすばらしく、映画女優にスカウトされたほど。エネスコ、フランチェスカッ ティ、シゲティらと共演し、アインシュタインのヴァイオリンとも演奏したことがある彼女の録音物は決して多くなく、残されたひとつひとつがたいへん貴重で、熱 烈な愛好家がいることで知られています。ここには大戦後に復帰した直後のショパンのマズルカが収録されています。ユーラ・ギュラーに関してのハスキルの興味 深い言葉があります:「ユーラ・ギュラー、なんと風変りで気まぐれな女性でしょう。彼女は本能のおもむくままに行動し、たいていの場合トラブルに見舞われま す。しかし本当に素晴らしい芸術家です!」。
■ルフェヴュール(1898-1986)はピアニスト、教師として名を成しました。9歳でコンセルヴァトワールに入学、コル トーとヴィドールに師事。13歳で初リサイタル、14歳でオーケストラと初共演。フォーレ、ラヴェルらと親交を結び、また、1936年からコルトーのアシスタントを務 め、サンソン・フランソワにもレッスンをしています。1952-67年、教授を務めました。ポリフォニックな演奏はバッハに向いていましたが、彼女はまたドビュッシー のスペシャリストでもありました。
■タリアフェロ(1893-1986)はフルトヴェングラー、ミュンシュ、モントゥ。パレー、アンセルメといった指揮者と共演、さらに ティボー、エネスコ、カザルスとも共演をした名手。コルトーの弟子のひとりです。アーン、ピエルネ、ヴィラ=ロボスらの作品の初演を手掛けてもいます。赤毛と大 胆なドレスもいつも注目の的でした。

MELO CLASSIC
MC-1078(2CD)
アレクサンダー・ブライロフスキー/ライヴ・コンサート・イン・ヨーロッパ
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)ショパン:ピアノ協奏曲第1番
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(4)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
(5)リスト:死の舞踏
アレクサンダー・ブライロフスキー(P)
(1)カール・ガラグリー(指)ストックホルム・コンサート協会O
(2)(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルク放送O
(3)ユージン・オーマンディ(指)フィラデルフィアO
(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルク放送O
(5)アンドレ・クリュイタンス(指)フランス国立放送O

録音:(1)1951年9月19日スウェーデン放送局ストックホルム・コンサート・ホール、
(2)(4)1962年4月4日ルクセンブルク - オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニーRTL、
(3)1958年6月30日ミュンヘン - コングレスホール ドイツ博物館、
(5)1958年10月16日パリ - シャンゼリゼ劇場
全てモノラル
アレクサンダー・ブライロフスキーは1896年ウクライナのキーウに生まれ、1976 年にニューヨークで没したウクライナのユダ ヤ系ピアニスト。キーウ音楽院に在学中ラフマニノフにその才能を見出され、その後ウィーンでテオドル・レシェティツキに師 事した。1926年にフランス国籍を取得するも最終的にアメリカに帰化した。彼の演奏スタイルは大音量で聴き手を圧倒する のではなく、透明な音色と洒落たエスプリで聴かせるものであった。恩師ラフマニノフ、チャイコフスキーのほかショパンを得 意としており、このアルバムでは彼の個性が存分に味わえます。まとまった録音が少ないだけに貴重なアルバム。
MELO CLASSIC
MC-2054(1CD)
ヨハンナ・マルツィ/ライヴ・コンサート・パフォーマンス
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8 番ト長調
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
(1)イシュトヴァン・ハイジュ(P)
(2)ルチアーノ・ロサーダ(指)RAIミラノSO
(3)ウルス・ヨーゼフ・フルーリー(指)ソロトゥルン室内O

録音:(1)1969年2月3日ヴェネツィア、フェニーチェ劇場(ライヴ・モノラル)、
(2)1961年6月6日ミラノ、スタジオRAI (ライヴ・モノラル)、
(3)1974年5月9日ソロトゥルン大ホール(ライヴ・モノラル)
ヨハンナ・マルツィ(1924-1979)はルーマニア出身のヴァイオリニスト。ブダペストのフランツ・リ スト音楽院でイェネー・フバイに師事し13歳でデビュー。1947 年にジュネーヴ国際音楽コンクールに入賞後はスイスを拠点に国際的に演奏活動を続けた。1960 年代からはピアノのイシュト ゥ・ヴァン・ハイドゥと組んでデュオ活動を盛んに行っています。このアルバムではハイドゥとのデュ オによるベートーヴェンのソナタのほか、得意のメンデルスゾーン、モーツァルトの協奏曲を披 露しています。
MELO CLASSIC
MC-2055(2CD)
マックス・ロスタル/コンサート・ツアー1956-1965
(1)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
(2)ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調KV219
(4)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
(5)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.82
マックス・ロスタル(Vn)
(1)(3)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルク放送O
(2)ヤン・クーツィール(指)バイエルンRSO
(4)カール・メレス(指)ルクセンブルク放送O
(5)エーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O

録音:(1)1957年11月23日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(2)1957年3月15日ミュンヘン、ヘラクレスザール(スタジオ録音・モノラル)
(3)1956年1月25日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(4)1960年11月5日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(5)1965年9月4日チューリッヒ、スタジオI-DRS(スタジオ録音・モノラル)
マックス・ロスタル(1905-1991)はオーストリア帝国のテシェン(現ポーランド領チェシン)に生ま れベルリン高等音楽院でカール・フレッシュに学び、後に同校で教鞭と執ったがナチスの台頭 によりイギリスに亡命。戦後はケルン音大、ベルン音楽院で後進の指導にあたり、イヴリー・ギト リス、ウート・ウーギら多くの優秀なヴァイオリニストを育てた。ドイツ、オーストリアの作曲家の作 品を得意としているが、同時代の作曲家の作品の擁護者としても知られ、このアルバムにも収 録されているハチャトゥリアンのほか、バルトーク、ベルク、ショスタコーヴィチなどもレパートリー にしていた。ロスタルの録音がこうしてまとまったアルバムがリリースされるのは珍しく大変貴重。
MELO CLASSIC
MC-2056(2CD)
アルテュール・グリュミオー/ライヴ・コンサート・パフォーマンス
(1)パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ短調MS60
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調KV219
(3)バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
(4)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調KV218
(5)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソOp.28
(6)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ短調「バラード」Op.27-3
(7)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
アルテュール・グリュミオー(Vn)
(1)フランコ・ガリーニ(指)ウィーンSO
(2)(4)(5)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルク放送O
(3)ヘンリー・メルケル(2nd Vn)、ルイ・マルタン(指)ストラスブールRSO
(7)カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・クラシッシェクPO

録音:(1)1954年12月9日ウィーン楽友協会ホールORF(ライヴ・モノラル)、
(2)1956年5月17日ルクセンブルク 、オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニー(ライヴ・モノラル)、
(3)1958年6月19日ストラスブール、パレ・デ・フェット(ライヴ・モノラル)、
(4)(5)(6)1955年5月26日ルクセンブルク、オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニー(ライヴ・モノラル)、
(7)1971年11月22日シュトゥットガルト、リートハレSDR(ライヴ・ステレオ)
アルテュール・グリュミオー(1921-1986)はベルギーのヴァイオリニスト。パリでジョルジュ・エネ スコに師事、第二次大戦中はナチスに協力的でなかった為、活動の範囲は限定されていたが 戦後はソリストとして華々しい活動を開始した。彼のレパートリーはバロックから古典派、ロマン 派そして同時代の音楽と幅広かった。また、このアルバムにも収録されているように長い間行方 不明だったパガニーニのヴァイオリン協奏曲第 4番の楽譜を発見、復活初演し録音した(当録 音がそれである)功績も忘れがたい。艶やかな音色と気高い品位を持った彼のヴァイオリンは 20世紀前半のヴァイオリン演奏の頂点といっても過言ではない。
MELO CLASSIC
MC-2057(2CD)
ピーナ・カルミレッリ/コンサート・ツアー1964-1971
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調KV216
(4)ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1 番イ短調Op.77
ピーナ・カルミレッリ(Vn)
(1)(2)エーリッヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
(3)ウィレム・ファン・オッテルロー(指)NDRハノーファー放送O
(4)ウィリー・シュタイナー(指)NDRハノーファー放送O

録音:(1)1968年10月6日チューリッヒス、タジオ1-DRS(スタジオ録音・モノラル)、
(2)1964年2月2日チューリッヒ、スタジオ1-DRS(スタジオ録音・モノラル)、
(3)1971年2月12日ハノーファー、放送センターNDR(ライヴ・ステレオ)、
(4)1965年11月19日ゲッティンゲン、シュタットハレNDR(ライヴ・モノラル)
ピーナ・カルミレッリ(1914-1993)はイタリアのヴァイオリニスト。ミラノ音楽院でミケランジェロ・ アバド、ローマの聖チェチーリア音楽院でアリゴ・セラートに師事した。ボッケリーニ五重奏団、 カルミレッリ四重奏団を創設するなど、室内楽に力を入れる一方、ルドルフ・ゼルキンをパート ナーにベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲演奏を行うなど、ソロ活動も活発に行った。 1973年から1986年イ・ムジチ合奏団のコンサート・ミストレスを務めた。イ・ムジチのコンミスによ るショスタコーヴィチなど興味深い。
MELO CLASSIC
MC-2058(1CD)
グィラ・ブスターボ/発掘された放送音源集
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調KV268
(2)ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
グィラ・ブスターボ(Vn)
(1)オトマール・ヌシオ(指)スイス・イタリアーナO
(2)ヒューゴ・リグノルド(指)ラジオPO

録音:(1)1965年6月4日ルガーノ、テアトロ・クルサールRSI(スタジオ録音・モノラル)、
(2)1966年5月4日ヒルヴェルスム・スタジオAVRO(スタジオ録音・モノラル)
グィラ・ブスターボ(1916-2002)はアメリカのヴァイオリニスト。両親の手ほどきで2 才からヴァイ オリンを始め、既に4才でシカゴSOと共演、5 才の頃にはイザイ門下のレオン・ザメティーニに師事した。天才少女の名をほしいままにしてヨーロッパへ演奏旅行に出かけ、フルトヴェ ングラー、アーベントロート、メンゲルベルクらと共演、またパリではジョルジュ・エネスコの指導 を受けています。しかし戦時中、ナチスの息のかかったコンサートに出演したことが戦後問題にさ れ、アメリカ国内での演奏が事実上出来なくなり、1970 年に帰国するまでヨーロッパのみでの 活動を余儀なくされた。このアルバムは天才少女として世に出ながら不遇な人生を余儀なくさ れたブスターボの近年発見された珍しい放送録音集。ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲は 圧倒的な熱演で聴きごたえ充分。
MELO CLASSIC
MS-3018(2CD)
ダニール・シャフラン/コンサート・ツアー・イン・ヨーロッパ
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104B 191
(2)シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129
(3)シューマン:幻想小曲集Op.73
(4)シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調D 821
(5)バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012
(6)シュニトケ:古い様式の組曲
(7)ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調Op.40
ダニール・シャフラン(Vc)
(1)アルヴィド・ヤンソンス(指)モスクワPO
(2)ヤロスラフ・クロムホルツ(指)チェコRSO
(3)(4)ハンス・アルトマン(P)
(6)(7)アントン・ギンズブルグ(P)

録音:(1)1967年7月23日東ベルリン 、メトロポリタン・シアター、ドイツ放送協会(ライヴ・モノラル)、
(2)1973年5月22日プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ・ステレオ)、
(3)(4)1959年11月09日ミュンヘン、スタジオBR(スタジオ録音・モノラル)、
(5)(6)(7)1982年5月20日プラハ、ドヴォルザーク・ホール(ライヴ・ステレオ)
ダニール・シャフラン(1923-1997)はソビエト・ロシアのユダヤ系チェリスト。チェリストであった 父の手ほどきで8才よりチェロを始め、10才で公開のコンサートで演奏、11 才の時にオーケス トラを共演した。ソビエト国内ではシャフランよりやや年少のロストロポーヴィチとともにチェロの 双璧と目された。ソリストとしてのキャリアを追求し、録音も盛んに行ったが、その活動がソビエト 国内、東欧諸国に限られていたため、彼の国際的な名声は非常に限られていた。アメリカ・デ ビューは1960年、その後日本でも数度来日してコンサートを行っています。彼の豊かな音色、ヴ ィブラートそして特に高音域での驚異的なテクニックは今日聴いても決して色褪せない。

Danacord
DACOCD-888(2CDR)
ラウニ・グランデールの遺産第8集

(1)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53*

(2)ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容

(3)ペーザー・グラム(1881-1956):ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op20(1919-20)**

(4)グラム:序曲 ハ長調 Op.21(1935)

(5)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(第1楽章に一部欠落あり)***
(6)シベリウス:交響曲第1番- 第1楽章・第3楽章・第4楽章
ヤロスラフ・スヒー(Vn)*、
ヴィリ・ケーア(Vn)*、
マックス・ロスタル(Vn)***、
ラウニ・グランデール(指)、
デンマークRSO

(1)録音:952年12月11日 (ライヴ放送)
(2)録音:1954年11月25日 ラジオ・オペラ 1952年12月11日 (ライヴ放送)
(3)録音:1956年11月25日 (ライヴ放送)
(4)録音:1950年9月28日 (ライヴ放送)
(5)(6)録音:1950年12月7日 シベリウス85歳誕生日コンサート(ライヴ放送)
デンマーク放送のアーカイブ音源によるグランデール(1886-1960)の「遺産」シリーズ。第8作は「スタイリッシュ」と評された協奏曲を中心に構成されました。シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」は、オーストリア出身のイギリスのヴァイオリニスト、マックス・ロスタル (1905-1991)がソロを弾いた1950年12月7日の「シベリウス85歳誕生日コンサート」のライヴ放送録音。ドヴォルザークの協奏曲は、ウィーン国立歌劇場のヤロスラフ・スヒーと共演。グランデールと同時代に人気のあったデンマークのペーザー・グラムの曲は、デンマークのヴィリ・ケーアがソロを弾いています。シベリウスの「交響曲第1番」は、第2楽章をのぞく3楽章のみの収録です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Signum Classics
SIGCD-908(1CD)
ヴィヴァルディ×22〜フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロのための二重協奏曲集
ヴィヴァルディ:協奏曲ハ長調 RV.557(2本のヴァイオリン、2本のオーボエ、2本のリコーダー、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ト短調 RV.531(2本のチェロ、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ハ長調 RV.533(2本のフルート、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ト長調 RV.516(2本のヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ハ長調 RV.534(2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲変ロ長調 RV.524(2本のヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ヘ長調 RV.572「プロテウス、または、さかさまの世界」(Vn、チェロ、2本のフルート、2本のオーボエ、ハープシコード、弦楽と通奏低音のための
ラ・セレニッシマ、
エイドリアン・チャンドラー(指,Vn)
英国屈指のバロック・ヴァイオリニスト、エイドリアン・チャンドラーによって1994年に創設されたピリオド・アンサンブル、ラ・セレニッシマ。"赤毛の司祭"ヴィヴァルディを中心とする18世紀ヴェネツィアとその周辺の作曲家たちの知られざる作品や、再発見された作品の世界初録音を続々と世に送り出し、これまで2度のグラモフォン賞に輝いています(「セレニッシマ」は、「晴朗きわまるところ」という意味の、ヴェネツィアの別称)。
2018年にAvieからリリースされ、英BBCミュージック・マガジンでは2018年10月の『Recording of the Month』にも選ばれた「ヴィヴァルディ×2」(AV-2392)の続編となる、「ヴィヴァルディ×22」(ヴィヴァルディ 掛ける2の二乗)が、Signum Classicsから登場!
今作でも、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロなど様々な楽器・編成のためのダブル・コンチェルトが組み合わされ、エイドリアン・チャンドラーのダイナミックなアンサンブルで、ヴィヴァルディのもっとも色彩豊かで楽しい作品群と、更なるバロック音楽の素晴らしさをお届けします。
ケイティ・バーチャー(フルート&リコーダー)やレイチェル・チャップリン(Ob)などの一流古楽器奏者たちのソロにも注目!

BONGIOVANNI
GB-5640(1CD)
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲全集 第2集
協奏曲 イ短調 RV500
協奏曲 ハ長調 RV469
協奏曲 ヘ長調 RV489
協奏曲 ニ短調 RV481
協奏曲 ハ長調 RV467
協奏曲 イ短調 RV497
協奏曲 ヘ長調 RV487
協奏曲 ハ長調 RV471
マウロ・モングッツィ(Fg))
スカラ座の弦楽奏者たち
ジョヴァン ニ・ブロッロ(Cemb)

録音:2022年12月23日、2023年5月5日
ミラノRAISO、フェニーチェ歌劇場Oなどでファゴット奏者を務めるイタリアの名手マウロ・モングッツィによるヴィヴァルディの協奏曲集第2弾。 モダン楽器での演奏です。 (Ki)


Treasures
TRE-316(1CDR)
ハンゼン/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op. 15*
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op. 37
コンラート・ハンゼン(P)、
ハインツ・ワルベルク*、イシュトヴァン・ケルテス(指)
バンベルクSO、

録音:1960年頃(共にステレオ)
※音源:独OPERA St-3959*、St-3919
◎収録時間:69:16
“小手先の演出とは無縁のドイツ・ピアニズムの真髄!”
■音源について
2曲とも10インチの初期ステレオ盤を使用。

★1906年ドイツ生まれでE・フィッシャー門下、フルトヴェングラーとの競演でも知られるハンゼンの芸風をとことん堪能できる貴重なステレオ録音。珠を転がすようなタッチから深みとコクを湛えた風情が滲み、ピアニッシモでも音楽自体を脆弱にせず、一本芯の通った精神的な逞しさを絶やさないのは、リヒター・ハーザーなどとも共通する特質です。
 第1番、第1楽章は楽想の可憐さをと古典美を湛えた演奏。第3番と共にハンゼン自身の作によるカデンツァが使用されていますがこれが実に素晴らしく、他のピアニストにも是非採用して欲しい力作。第2楽章は情に溺れず、強弱対比も控えめに淡々と進行しているようでいて、そこにはモーツァルト的な柔和な光が常に付随。特に5:40以降の弦のピチカートと共に進行するフレーズの幸福感、6:42以降のトリルの慈しみ方は、例えようもない余韻を残します。近年ではまるで速さを競うかのような演奏が多い終楽章は、まずそのテンポに膝を打ちます!このテンポだからこそベヒシュタインと思われる楽器の馥郁とした雰囲気も十分に揮されたと言えましょう。
 第3番の第1楽章は、第2主題に入ると柔和な表情に転じる演奏が多いですが、ここでは明快なタッチを崩さず全く媚びるそぶりを見せず男っぽさ満点!第2楽章も強弱の振幅を意図的に操作する印象を与えない朴訥な進行がかえって心を打ちます。装飾音やトリルは決して軽く滑らすのではなく、音の粒の一つ一つが芯から響いているのです。終楽章はもっとスポーティな演奏はいくらでもありますが、この筋金入りとしかいいようなない頑丈な構築感は何度聴いても見事。一見ぶっきらぼうとも言える1:56〜1:58のフレーズの締めくくり方は、ドイツの心意気丸出し!更に感動的なのは5:01からのまろやかなタッチに彩られた夢のようなロマン性!全く力みがなく指が勝手に動いているような自然な音楽の律動感が美しさの極み!この箇所でこんなに心奪われたことはありません。メカニックな痛快さはどこにもありませんが、逆にその技巧を武器にしない渋いピアニズムの奥底のある息遣いを是非感じていただきたいと思います。
 2人の指揮者との競演も盤石。派手さとは対極にあるハンゼンのピアニズムを見事に引き立たせつつも、オケの持つ木目調の風合いとも相まって自然な構築美を築き上げています。【2024年6月・湧々堂】

CPO
CPO--555667(1CD)
NX-C04
17-18世紀のホルン協奏曲集
ファッシュ:協奏曲 ニ長調 FWV L:D16
ハイニヒェン:シンフォニア ヘ長調 Seibel209
シュテルツェル(1690-1749):シンフォニア 変ホ長調
メルヒオール・ホフマン(1679頃-1715):協奏曲 変ホ長調
バッハ:われ心より至高なるものを愛する BWV174- シンフォニア
グラウプナー(1683-1760):シンフォニア ニ長調 GWV511
ファッシュ:協奏曲 ニ長調 FWV L:D186番ニ短調 Op. 65No.6
シュテファン・カッテ(Hrn1/トロンバ・ダ・カッチャ)
ゼバスティアン・フィッシャー(Hrn2/トロンバ・ダ・カッチャ)
ラルパ・フェスタンテ(古楽器使用)
シュテファン・カッテ(指)
リーン・フォスカイレン(指)

録音:2021年1月11-13日
ボヘミアのフランツ・アントン(チェコ名フランティシェク・アントニン)・フォン・シュポルク伯爵が1680年にルイ14世の宮 廷を訪れた際、初めてホルンに出会いました。彼はこの楽器に魅了され、2人の召使をフランスに派遣、演奏法を 学ばせたと言われています。このときボヘミアにに導入された狩りのホルン(Corno de Chasse)は、その後改良さ れてヨーロッパ全体に広がったとされています。それに伴い奏者たちのテクニックも向上し、作品中には難度の高い パッセージも含まれるようになっていきます。このアルバムでは華麗なファッシュの協奏曲をはじめ、さまざまなホルン が活躍するオーケストラ作品を紹介。18世紀初頭には協奏曲の明確な区分がなかったためシンフォニアとされて いても、独奏楽器が活躍する協奏的作品も含まれます。独奏者シュテファン・カッテとゼバスティアン・フィッシャー は、ナチュラル・ホルンと指孔付きのトロンバ・ダ・カッチャを使い分け、ベル内の手の位置で音程を変化させるストッ プを用いない古い時代の奏法も曲によって駆使し、ラルパ・フェスタンテとともに驚異的なテクニックで作品を聴かせ ます。

ANTARCTICA
AR-057(1CD)
ロベール・グロロ:協奏曲集
ロベール・グロロ(b.1951):クラリネットと管弦楽のための協奏曲 Op.124
ピアノと管弦楽のための協奏曲 Op.35
ピアノと管弦楽のための協奏曲第2番 Op.125
ルーラント・ヘンドリックス(Cl)、
ヤン・ミヒールス(P)
ブリュッセル・フィルハーモニック、
ロベール・グロロ(指)

録音:2014年-2023年(ベルギー)
ベルギーの現代作曲家、ロベール・グロロは、ピアニストとして音楽家のキャリアをスタートし、1974年のカサグランデ国際ピアノ・コンクール、1978年のエリザベート王妃国際ピアノ・コンクールで入賞後、4大陸20か国以上での演奏旅行と、スタジオ、ラジオ、テレビで多数のレコーディングを行い、120枚を超えるCDをリリースしました。作曲技法は、ほとんど独学で習得したというグロローの作風は、西洋の伝統の偉大な作曲家の業績を基に、アングロサクソン、ゲルマン、ラテンの要素を融合し、柔軟な表現力と洗練されたフォルムから成っています。
本アルバムでは、ベルギー国立Oの首席奏者(1998年〜2017年)や、ベルギーが世界に誇る木管アンサンブル”イ・ソリスティ・デル・ヴェント”のメンバーを務め、オランダのマーストリヒト音楽院ほか世界各地で教鞭を取り、日本でのマスタークラスも度々行われているクラリネットの名手、ルーラント・ヘンドリックス。2018年1月に大野和士(指)&東京都SOとメシアンの大作「トゥーランガリラ交響曲」を披露したベルギーの名ピアニスト、ヤン・ミヒールスをソリストに迎え、指揮者としての面も持つグロロが、自らのタクトで優雅な旋律とヴィルトゥオーゾ要素溢れるこれら作品の魅力を十分に引き出しています。

DUX
DUX-1796(1CD)
アンビルド:ピアノ協奏曲
カロル・アンビルド
(1925-2008):ピアノ協奏曲*
ホーリークロス山脈のこだま
ピアノと管弦楽のための狂詩曲*
アルトゥル・ヤロン(P)*、
ヤツェク・ロガラ(指)、キエルツェSO
ポーランドの都市キエルツェでその生涯のほとんどを過ごし、キエルツェSOの指揮者を務めた作曲家カロル・アンビルドの作品集。彼の作品は簡潔なものでありつつもキエルツェ地方に伝わる美しい民謡を取り入れた作品や、ジャズを取り入れた作品など多様でした。

FONE
FONE-2053(2CD)
完全数量限定盤
マダーマ宮殿のコンサート〜クリスマス2000
ミケーレ・ノヴァーロ:イタリア国歌/
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番ヘ長調 Op.50
交響曲第2番ニ長調 Op.36
コリオラン序曲 Op.62
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn&指)、
イタリア室内O

録音:2000年12月、マダーマ宮殿(ローマ)
イタリアの偉大なヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドが2000年にローマのマダーマ宮殿で行ったコンサートのライヴ録音盤が発掘!
イタリア元老院の議事堂としても使われるローマのマダーマ宮殿で行われたクリスマス・コンサートは、アッカルドの指揮とヴァイオリンで、ベートーヴェンの交響曲と協奏曲の双方を堪能できる至福の機会となりました。このディスクは近年ほとんど出回っていませんでしたが、レーベル倉庫から若干数のみ発掘され、完全数量限定で発売されることになりました。在庫がなくなり次第次回の入荷は未定です。
※重要:レーベル在庫数僅少のため、ご注文数に対して十分な枚数をご用意できない可能性がございます。予めご了承下さい。
※重要:製造から長い時間が経過しているため、経年劣化等によりケースやブックレット、ディスク等に多少のスレ、汚れ、色褪せなどが見られる場合がございます。併せてご了承下さい。

Eudora
EUDSACD-2405(1SACD)
故郷
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」
ジュディット・ハウレギ(P)、
カスティーリャ・イ・レオンSO、
カスパール・ツェーンダー(指)

録音:2023年1月18日-20日、オーディトリオ・ミゲル・デリベス(バリャドリッド、スペイン)
スペインの高音質レーベル「Eudora」が誇るSACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、レーベルが大推薦する2024年の目玉盤、ジュディット・ハウレギのコンチェルト・アルバムが登場!
スペインのサンセバスチャン出身のピアニスト、ジュディット・ハウレギは、バスク地方、メキシコ、フランスに所縁があり、ピアノはヴァジム・スハーノフに師事しドイツのミュンヘンで学んだ国際派。そんなハウレギがただの「生まれた場所」というだけでなく、その土地、文化、自然との間に深い感情的な絆が生まれ、自身のアイデンティティに消えない痕跡を残すと語る“故郷”をテーマに掲げ、共に祖国への愛を音楽で表現した2人の作曲家、グリーグとファリャの協奏的作品を取り上げます。彼女が持つ祖国への愛着が真に反映された渾身の演奏をお楽しみください。

BMC
BMCCD-332(1CD)
ペーテル・エトヴェシュ:フェルマータ、レスポンド、シフラ・プソディア
ペーテル・エトヴェシュ(1944-2024):フェルマータ(アンサンブルのための)*
レスポンド(独奏ヴィオラと32人の音楽家のための)**
ピアノ協奏曲「シフラ・プソディア」***
ペーテル・エトヴェシュ(指)、
アンサンブル・コントルシャン*、
マーテー・スーチュ(Va)**、
コンチェルト・ブダペスト**、
ヤーノシュ・バラージュ(P)***、
ミクローシュ・ルカーチュ(ツィンバロム)***、
スイス・ロマンドO***

録音:2022年4月6日(ジュネーヴ)&2023年3月24-25日(ブダペスト)
2024年3月24日、作曲家や指揮者、教育者として現代の音楽界に多大な貢献を果たしたハンガリーを代表する巨匠、ペーテル・エトヴェシュが80歳で逝去。エトヴェシュと長年密接に関わってきたBMC Recordsが、2022年と2023年にエトヴェシュが自ら指揮した3つの作品を収録したアルバムをリリースし、この偉大な音楽家を追悼します。
Covid-19のパンデミックにインスピレーションを得た「フェルマータ」、1998年に作曲したヴィオラ協奏曲「レプリカ」を再想像した「レスポンド」、そしてエトヴェシュが幼少期から知っていたという同郷の大ピアニスト、ジョルジュ・シフラの生誕100周年を記念して作曲された「シフラ・プソディア」。改めてエトヴェシュという作曲家の存在の大きさを感じずにはいられない1枚です。

Audite
AU-97816(1CD)
バッハ・リコンストラクテッド
新ブランデンブルク協奏曲第1番〜ソプラノ・リコーダー、オーボエ、ファゴット、弦楽合奏と通奏低音のための
 1.Vivace(クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部 冒頭の合唱曲より)
 2-10.Aria with Variations1-8(イタリア風アリアと変奏 BWV989より)
 11.Adagio ad libitum(即興演奏)
 12.Presto(イタリア協奏曲 BWV971第3楽章より)
新ブランデンブルク協奏曲第2番〜3つの弦楽三重奏と通奏低音のための
 13.Allegro(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第1楽章より)
 14.Adagio(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第2楽章より)
 15.Allegro(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第3楽章より)
新ブランデンブルク協奏曲第3番〜フラウトトラヴェルソ、変則調弦のヴァイオリン、リュート、弦楽合奏と通奏低音のための
 16.Allegro(ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ BWV1029第1楽章より)
 17.Adagio ma non tanto e dolce
  (三重協奏曲 BWV1044第2楽章、またはオルガンのためのトリオ・ソナタ BWV527の第2楽章より)
 18.GavotteT-GavotteU(イギリス組曲第3番 第5楽章より)
 19.Aria(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳〜「我が魂よ、とくと思いみよ」BWV509より)
 20.Allegro(フランス風序曲 BWV831第8楽章より)
ラ・フェスタ・ムジカーレ(ピリオド楽器オーケストラ)

録音:2022年10月18〜21日/マリーエンミュンスター、シャフシュタール
エグゼクティヴ・プロデューサー、レコーディング・プロデューサー:ルトガー・ベッケンホーフ(audite)
高音質録音で人気のドイツのauditeレーベルから、3枚にわたるグレゴール・ヨーゼフ・ヴェルナーの宗教音楽集など注目を集めるアルバムをリリースしてい る2014年結成の北ドイツのピリオド楽器グループ、ラ・フェスタ・ムジカーレのニューアルバムは、バッハがテーマ。もちろん、毎回、凝った作りのアルバムを発表 するラ・フェスタ・ムジカーレのこと、ただのバッハ・アルバムではありません!
ラ・フェスタ・ムジカーレの主要メンバーでチェリストのクリストフ・ハラーが、「イタリア協奏曲」「イタリア風アリアと変奏」などの鍵盤独奏曲から、チェンバロ協 奏曲、ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ、そしてクリスマス・オラトリオの合唱曲やアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳のアリアという声楽曲まで、バッハの様々なジャ ンルの作品を素材として選び、ブランデンブルク協奏曲のように種々の楽器が組み合わさって活躍する協奏曲に仕上げました。
ソプラノ・リコーダー、オーボエ、ファゴットの独奏を持つ「新ブランデンブルク協奏曲第1番」は、「ブランデンブルク協奏曲」の第1番や第2番を、3群の弦楽 三重奏と通奏低音という編成の「新ブランデンブルク協奏曲第2番」は「ブランデンブルク協奏曲」の第3番や第6番を、フラウトトラヴェルソが活躍する第3番は 「管弦楽組曲第2番」を、それぞれ想起させる、とても興味深い協奏曲になっています。様々な楽器の組み合わせを行ったクリストフ・ハラーのアレンジは、バッハ の音楽から原曲とは異なる魅力を引き出すことに成功しているのです。総勢21人の技巧派集団ラ・フェスタ・ムジカーレによる演奏も躍動感に満ち、様々な楽器 が組み合わさった響きはプリズムのようにきらめく色彩感を生み出しています。バッハの「新しい協奏曲」を存分に楽しみください! (Ki)

CLAVES
50-3080(1CD)
ヴィスメール:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番(1942)
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番(1954)
(3)ヴァイオリン協奏曲第3番(1987)
オレグ・カスキフ(Vn/ジュゼッペ・グァルネリ・デル・ジェス製作)
シンフォニア・ヴァルソヴィア、アレクサンダー・マルコヴィチ(指)

録音:2023年9月/ポーランド放送局内第2スタジオ(ジュネーヴ)
Clavesレーベルが力を注いでリリースしているジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ピエール・ヴィスメールの作品集。当アルバムはオレグ・カスキフ独奏、ア レクサンダー・マルコヴィチ(指)シンフォニア・ヴァルソヴィアの演奏でヴァイオリン協奏曲3篇を収録しております。カスキフは過去に第3番を録音(50-3045) していますが、これとは別音源の2023年9月の新録音です。
1915年、スイス、ジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ヴィスメール。ジュネーヴの音楽院で作曲を学んだ後、1935年から三年間パリ音楽院にてロジェ=デュ カスに師事、またエコール・ノルマル・ド・ミュジックではミュンシュに指揮を学びました。第2次世界大戦でスイスに帰国するも1949年にはパリに戻り、1958 年にフランス国籍を取得しております。フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、ルーセルからの影響を受けながら、その後はストラヴィンスキーの音楽からも影響を受け ていきました。交響曲、協奏曲、室内楽曲、声楽曲、バレエ音楽など様々なジャンルに作品を残しております。
ヴァイオリン協奏曲は、メロディアスなヴァイオンが魅力の第1番(1942年)、十二音技法を取り入れ、打楽器が活躍する第2番(1954年)、ヴァイオリンとオー ケストラの掛け合いが特徴的な第3番(1987年)と時代によって作風が変わっていきますが、大規模編成のオーケストラから生まれるドラマティックな音楽とい う点では全篇共通しており、交響曲ファンにもおすすめの楽曲です。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMBA-150(1CD)
パリ国立高等音楽院の名教師たち
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」
(2)パガニーニ:24のカプリス Op.1より第13〜18番(6曲)
(3)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(1)ローラン・シャルミー(Vn)、フランソワー ズ・ドロー(P)
(2)ドゥヴィ・エルリー(Vn)
(3)ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)、
フランス国立O、
ポール・パレー(指)

録音:(1)1962年11月27日/フランス国立放送局内スタジオ(パリ)【モノラル】
(2)1967年5月12日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ120(パリ)【モノラル】
(3)1973年10月2日/オペラ=コミック座(パリ)【ステレオ/ライヴ】
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。「パリ国立高等音楽院の名教 師たち」と題した当アルバムにはローラン・シャルミー(1908〜1987)、ドゥヴィ・エルリー(1928〜2012)、ジャン=ジャック・カントロフ(1945〜)とい う3名のヴァイオリニストの正規初出録音を収録。
パトリック・ビスマスなどを育てたローラン・シャルミー。妻は高名なハープ奏者リリー・ラスキーヌです。1955年にロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝し、 ソリストとしての活動を始めたドゥヴィ・エルリーは、同年初来日を果たし、日本の聴衆にも情熱的な演奏を届けました。今やアレクサンドル・カントロフの父として も有名なジャン=ジャック・カントロフはカール・フレッシュ国際コンクール、パガニーニ国際コンクールなどで優勝した天才ヴァイオリニスト。この3人はいずれも パリ国立高等音楽院で後進の育成にも力を注ぎました。貴重な音源で聴く名手の演奏をお楽しみください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Solo Musica
SM-458(1CD)
NX-B06
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
ツェン・ゼン(ピアン)
トーマス・レスナー(指)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O

録音:2023年7月21-22日
モーツァルト所縁の地マンハイムで録音された2曲のピアノ協奏曲集。ピアノを演奏するのは中国出身のツェ ン・ゼンで、北京の中央音楽院で学んだ後、ニューヨークで研鑽を重ね米国とヨーロッパで演奏活動を行う 実力派ピアニストです。ウィーン出身、バーデンのベートーヴェン・フィルハーモニーの創設者兼芸術監督でも あるトーマス・レスナーの指揮のもと、オーケストラとピアノが一体となって、2つの作品に取り組んでいます。

Orchid Classics
ORC-100301(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調
ニールセン(1845-1931):2つの幻想的小品 Op. 2FS8より - I. Andante con duolo
ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46
ボフダン・ルッツ(Vn)
オーデンセSO
アンナ・スクリレヴァ(指)

録音:2023年8月21-25日
2022年4月に開催されたカール・ニールセン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で優勝したウクライナのヴァイオ リニスト、ボフダン・ルッツ。リヴィウとキーウで学び、スイスのグシュタード国際メニューイン音楽アカデミーに留学、ル ノー・カピュソンからも指導を受けました。コンクール優勝時、わずか17歳ながらも高い音楽性と卓越した技巧で聴 衆を魅了し、同年の8月にはドイツの文化系ラジオ局DLF(DeutschLandFunk)から奨励賞も授与されるな ど、その才能に高い期待が寄せられています。 このアルバムはコンクールの翌年にデンマークで録音されたもの。ルッツは哀愁に満ちたドヴォルザークの協奏曲を中 心に、スコットランドの民謡を用いたブルッフと、豊かな旋律を持つニールセンの協奏的作品を情感たっぷりに歌い上 げており、今後の活躍が期待されます。
Orchid Classics
ORC-100292(1CD)
NX-B06
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 Op.33TH.57
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
ジョン=ヘンリー・クロフォード(Vc)
サンフランシスコ・バレエO
マーティン・ウェスト(指)

録音:2023年3月23-24日
アメリカ出身のチェリスト、ジョン=ヘンリー・クロフォードが演奏するチャイコフスキーとドヴォルザークの名作2曲。彼は スズキ・メソードの実践者であるヴァイオリニスト、ローラ・クロフォードを母に持つ期待の若手で、2019年「CRF=ク ラシカル・レコーディング財団」のヤングアーティスト・オブ・ザ・イヤーに選出されました。以降、これまでにピアニスト、ビ クトル・サンティアゴ・アスンシオンとデュオを組み3枚のアルバムを発売、これらは300万回以上もストリーミング再生 が行われるなど、幅広い人気を博しています。今回は初となるオーケストラとの共演アルバムで、彼が愛奏するとい う2作品をじっくりと聴かせています。

VOX
VOXNX-3040CD(1CD)
NX-B06
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(1868)*
2つの抒情的小品 Op.68(1898-99)
古いノルウェーの歌と変奏 Op.51(1890/1900-05管弦楽編)
秋に Op.11(1866)
グラント・ヨハネセン(P)
ユタSO
モーリス・アブラヴァネル(指)

録音:1975年2月-3月、1975年5月*
アブラヴァネルのグリーグ管弦楽作品集の復刻第3弾で完結編。シリーズを通じて演奏は過激な表現に走ることなく、それでいて旋律は十分に歌い、 ダイナミックな躍動感も備え、安心して曲の魅力に浸ることが出来ます。冒頭に収められたピアノ協奏曲で共演しているのはユタ響の本拠地ソルトレ イクシティ出身のグラント・ヨハネセン。ロベール・カサドシュ、エゴン・ペトリ、ナディア・ブーランジェらに学び、VOXにはフランス近代作品などの録音があり ます。ピアノの音の重心が低く、低音が良く響く録音ですが、音が団子にならずきちんと分離するのは録音エンジニアのマーク・オーボートの手腕による もの。新リマスターでS/Nが改善し硬さが取れました。ブックレットには初出時のジャケットと解説を転載しています。

Pentatone
PTC-5187230(1CD)
(1)チェン・ガン/ヘ・チェンハオ:ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台」(バタフライ・ラヴァーズ)(1959)
(2)チェン・ガン(ヤン・リ・チン編):タシュクルガンの陽光(1976)
(3)パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6(1815)【第1楽章のカデンツァ:エミール・ソー
クロエ・チュア(Vn/グァダニーニ1753年製作)
(1)ジン・タ(Fl)、ウン・ペイ・シアン(Vc)
(1)(2)ロドルフォ・バラーエツ(指)、(3)マリオ・ヴェンツァーゴ(指)
シンガポールSO

ライヴ録音:(1)(2)2023年9月9〜11日/ヴィクトリア・コンサートホール(シンガポール)、
(3)2023年9月2日/エスパラネード・ホール(シンガポール)
2007年生まれのシンガポールの天才ヴァイオリニスト、クロエ・チュア(蔡珂宜)。「ヴィヴァルディ&ロカテッリ」(PTC-5187062)に続くPENTATONEレー ベル第2弾は、バタフライ・ラヴァーズとパガニーニのヴァイオリン協奏曲のライヴ録音です!
2018年、ユーディ・メニューイン国際コンクールのジュニア部門で優勝したクロエ。11歳での優勝は世界中で話題となり、instagramなどのSNSで彼女の 演奏動画が拡散されたことで神童ヴァイオリニストとして有名になりました。2024年現在17歳のチュアは、シンガポールの国民的人気を博す若手実力派ヴァイオ リニストです。
作曲家チェン・ガンとヘ・チェンハオ共作のヴァイオリン協奏曲「バタフライ・ラヴァーズ」は、古代中国のロミオとジュリエットとも呼ばれる物語にインスパイア された作品。ヴァネッサ・メイが演奏したことで世界中で知られることとなり、今ではフィギュアスケートでもおなじみの楽曲となりました。西洋音楽と京劇の要素 を巧みに融合させた名作として多くのヴァイオリニストが演奏しております。技量の見せどころ満載のパガニーニの協奏曲では、チュアの実力を証明する驚きの演 奏を披露。今後ますますの活躍を期待せずにはいられないヴァイオリニストのひとりです! (Ki)
Pentatone
PTC-5187239(1CD)
モーツァルト:フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314
モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
ミスリヴェチェク:フルート協奏曲 ニ長調
アナ・デ・ラ・ヴェガ(Fl)
イギリス室内O、ステファニー・ゴンリー(リーダー)

録音:2016年9月/ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)
“傑出した才能”(ウィグモアホール)、“真の芸術家”(カドガンホール)、“ファースト・クラス”(ベルリン・フィルハーモニー)と各演奏会で絶賛されている注 目のフルート奏者、アナ・デ・ラ・ヴェガのよるモーツァルトとミスリヴェチェクの協奏曲アルバム。
イギリス人とアルゼンチン人の両親の間にオーストラリアで生まれたヴェガはシドニー大学でマーガレット・クロフォードに師事。その後パリにてレイモンド・ギオ の最後の弟子として研鑽を積みました。
イギリス室内Oとは2010年以来度々共演しており、当ディスクにも収録されている忘れられし名曲ミスリヴェチェクのフルート協奏曲の演奏はBBCラ ジオにて生放送され話題となりました。
チェコの作曲家、ヨゼフ・ミスリヴェチェクは自国の教会でヴァイオリニストを務めるなどし、その後はヴェネツィアに赴き、オペラの作曲をジョ ヴァンニ・ペシェッティに学びました。最初のオペラ〈メデア〉は1764年に上演され、大好評を博すなど、作曲家としての才能を開花させました。チェコの音楽性 とイタリアの影響を融合することで独自の作曲様式を生み出したミスリヴェチェクの作品はウィーン古典派の巨匠たちの先駆けとなり、軽快な声部書法と旋律面で の豊かな創意によって特にイタリアで圧倒的な成功をおさめました。このフルート協奏曲も華やかな旋律が魅力の作品です。モーツァルトのフルート協奏曲2篇と あわせてお楽しみください。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(PTC-5186723)は廃盤となります。

Linn
CKD713(1CD)
NX-C04
私たちの金継ぎ〜管弦楽のための英国現代作品集
ジェイ・カッパーロールド(1989-):私たちの金継ぎ
アンナ・クライン(1980-):彼女の腕の中で
ジェイムズ・マクミラン(1959-):ゾエに捧ぐ
 オスカーの死
マーティン・サックリング(1981-):瞑想(ジョン・ダンに倣って)
ピーター・マクスウェル・デイヴィス(1934-2016):ストロムネスへの別れ(ローズマリー・ファーニスによる弦楽合奏版)
キャサリン・ブライアン(Fl)
ヘンリー・クレイ(コーラングレ)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ロリー・マクドナルド(指)

録音:2022年1月18-20日、2024年2月9日スコットランド・スタジオ、UK
1980年代生まれの作曲家たちの作品を中心とした現代管弦楽曲集。合唱作品を中心に日本でもファンの多いマクミランとカッパーロール ド、サックリングはスコットランド出身で、作曲の傍ら絵画制作でも知られ本盤のジャケットも手がけたクラインはエディンバラ大学を出ており、マ クスウェル・デイヴィスの作品(原曲は1980年に書かれたピアノ独奏曲、ここでは弦楽版で演奏)はスコットランド北部オークニー諸島の町から 着想を得てているなど、レーベルとオーケストラの本拠であるスコットランドにゆかりの深い作品集になっています。日本の伝統的な金継ぎ技 術に感銘を受けて書かれたというカッパーロールドの表題作と、マクミランの「オスカーの死」、サックリングの「瞑想」は打楽器や金管も加わる 大管弦楽のための作品で、他の3作は弦楽を中心とした編成のためのもの。いずれも各楽器の音色をよく活かしたモダンな響きながら前衛 に寄り過ぎず聴きやすい作品で、じっくり親しんでゆきたくなる映画音楽のような起伏に富んだ曲想や、あるいは徹底して美しい音楽世界に 出会うことの出来るアルバムです。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-942(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466(カデンツァ:オルガ・パシチェンコ)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488(カデンツァ: モーツァルト)
オルガ・パシチェンコ(フォルテピアノ、リーダー)
使用楽器:ウィーンのアントン・ヴァルター1792年頃製作モデルに基づくポール・マクナルティ製作の再現楽器
イル・ガルデリーノ(古楽器使用)
コンサートマスター:エフゲニー・スヴィリドフ(Vn)

録音:2021年6月6-9日コンセルトヘボウ、ブリュッヘ(ベルギー)
アムステルダムとヘントの音楽院で教鞭をとりながら世界的な活躍を続けるフォルテピアノ奏者オルガ・パシチェンコと、ベルギーの実力派古楽 器集団イル・ガルデリーノによるモーツァルトのピアノ協奏曲録音シリーズに待望の第2弾が登場。『レクイエム』などと並ぶニ短調の傑作=第 20番と、オーボエの代わりに一対のクラリネットが印象的な響きを添える第23番、いずれもモーツァルトがウィーンで希代のピアニストとして活 躍しながら間もなく「フィガロの結婚」で新たな成功を掴む躍進期の充実作2曲が選ばれています。パシチェンコはもはや「アレクセイ・リュビモフ 門下」と紹介するまでもなく強い存在感を欧州第一線で発揮していますが、今作も冒頭総奏部分の通奏低音から絶妙の立ち回りで、経 験豊かな奏者たちと対話を続けながら各曲それぞれの物語を引き出してゆく演奏は抜群の瑞々しさ。緩徐楽章の息をのむようなカンティ レーナから説得力豊かなアレグロの音使いまで隅々まで聴きどころに事欠かず、ニ短調の協奏曲ではファンタジーに満ちた独自のカデンツァま で披露してくれます。他の奏者たちも古楽器の音ならではの玄妙なニュアンスや鮮烈なアクセントを大いに活かし、「これらの協奏曲をオペラ と同じと考え、加わる楽器全てを主人公たちと認識する」(パシチェンコ談、本盤解説より)という一貫した姿勢がありありと示された解釈を披 露。トラヴェルソのデ・ヴィンネやオーボエのポンセ―ル、クラリネットのボウドら管楽器奏者にも世界的名手が続々。同レーベルのHAYDN 2032シリーズでも活躍中の技師J-D.ノワールによる古楽器の機微をよく踏まえた録音でお楽しみください。
ALPHA
ALPHA-1043(1CD)
大家C.P.E.バッハと躍進期のモーツァルト
C.P.E.バッハ:交響曲 ニ長調 Wq183-1/H663
チェンバロとフォルテピアノ〔と管弦楽〕のための協奏曲変ホ長調 Wq47/H479
モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調 K.138(ザルツブルク交響曲第3番)
ピアノ協奏曲 第17番ト長調 K.453
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ)
セリーヌ・フリッシュ(チェンバロ、フォルテピアノ)

「使用楽器」
フォルテピアノ:ウィーンのアントン・ヴァルター1795年製作モデルに基づくシュタウフェン・イン・ブレイスガウ(ドイツ)のクリストフ・ケルン2007年製作の再現楽器
チェンバロ:ベルリンのミヒャエル・ミートケ1710年製作モデルに基づくシュタウフェン・イン・ブレイスガウのクリストフ・ケルン2013年製作の再現楽器
カフェ・ツィマーマン(古楽器使用)
パブロ・バレッティ(Vn&指揮)

録音:2023年1月 ベギン女子修道会教会、シント・トライデン(ベルギー東部リンブルフ州)
ALPHAレーベル創設直後から数々の名盤を世に送り出してきた古楽器楽団カフェ・ツィマーマン。高い評価を博した大バッハの協奏曲& 管弦楽組曲シリーズに象徴される通りバロック作品の録音が目立つ彼らが今回、ついに18世紀後半の古典派時代に充実編成で臨みまし た。同団創設以来の中心メンバーで独奏者としても活躍するセリーヌ・フリッシュがチェンバロ独奏を務め(通奏低音ではフォルテピアノも使 用)、ゲストはなんと来日公演でもおなじみの俊才アレクサンドル・メルニコフ!1770〜80年代には既に国際的な名声を誇る巨匠となった ハンブルク市の音楽監督C. P. E. バッハ(大バッハの次男)、かたやザルツブルクとウィーンで続々名曲を生みつつあった躍進期のモーツァル ト、同時期とは思えないほど対照的な作風の両者それぞれ2作品ずつ収録。C. P. E. バッハが最晩年に手がけた協奏曲はオーケストラの 傍ら二つの鍵盤楽器を対置させた異色作で、両独奏者それぞれに異なる才気煥発なソロが音色の違いと共に十全に味わえる一方、モー ツァルトのピアノ協奏曲では総奏部分からメルニコフがフォルテピアノで通奏低音も演奏。充実の管楽器セクションにはオーボエのボジローや ファゴットのル・シュナーデクらバッハ録音でも活躍をみせた名手たちも参加、どの曲でも各パートの自発性と楽団の一体感が不思議な共存 をみせながら、じっくり曲を聴かせる解釈の深みはまさにカフェ・ツィマーマンならでは。名技師アリーヌ・ブロンディオの丁寧な仕事やバーゼル出 身の作曲家テュリング・ブレムによる洞察に富んだ解説(国内仕様では全訳付)まで、示唆と音楽性に富んだ演奏を十全に堪能できる1枚 です。

Dynamic
CDS-8012(1CD)
NX-B06
モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K. 546
協奏交響曲 変ホ長調 K.364
交響曲第27番ト長調 K.199
アレッサンドロ・ミラーニ(Vn)
ルカ・ラニーエリ(Va)
新フェルッチョ・ブゾーニO
マッシモ・ベッリ(指)

録音:2022年2月 Trieste(イタリア)、2022年5月 Sacile(イタリア)*
1965年にトリエステのヴェルディ歌劇場のメンバーによって創設された新フェルッチョ・ブゾーニO。楽団 名はブゾーニの母親がトリエステ出身であることにちなんでいます。このアルバムでは、バロック音楽を思わせる厳 粛な雰囲気の「アダージョとフーガ」、RAI国立SOの第1奏者二人を迎えたフランス風の協奏交響曲、 急緩急の3楽章構成でフガートによるプレストの終楽章で締めくくられるユニークな交響曲第27番という、性格 の異なるモーツァルトの3作品を演奏しています。

AAM Records
AAM-45(1CD)
NX-B10

NYCX-10475(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K. 503
コンサートアリア「どうしてあなたを忘れられよう…心配しないで、愛する人よ」K. 505
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595

※K.503とK.595のカデンツァはロバート・レヴィンの即興による
ルイーズ・オルダー(S)
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
リチャード・エガー(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
※使用楽器:フォルテピアノ:ウィーンのアントン・ヴァルター1795年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2018年製作

録音:2022年1月4-8日 St John’s Smith Square(UK)
モーツァルトの演奏史に革命を起こしたクリストファー・ホグウッドとアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックが、モーツァルト研究家でピアニストのロバート・レ ヴィンを迎えて1993年に開始したピアノ協奏曲全集の録音。8枚をリリースして2001年を最後に途絶えていたプロジェクトが2023年に再開、当リリースを もって遂に完結します。収録曲は、モーツァルト後期作品の中でも壮麗な規模と楽想を持つ第25番K.503と当ジャンル最後の作品第27番K.595。間に 挟まれたコンサート・アリアK.505は、作曲年代が近くピアノが活躍するという点に加えて、その歌詞「どうしてあなたを忘れられよう...心配しないで、愛する人 よ」に、当プロジェクトに携わってきたすべての音楽家の気持ちを込めた採用と思われます。ピアノ協奏曲のカデンツァはここでもレヴィンの即興によるもの。全 体的に即興や装飾など「楽譜に書かれていない」音符の多さに注意が行きがちですが、それらがモーツァルトのスタイルに見事にフィットしているところが特徴 です。既存の録音との差別化を意図したものではなく、モーツァルトのスタイルを徹底的に尊重し、その細部にまで注意を払った結果生まれる「モーツァルトら しさ」の再発見にあると言えるでしょう。調律にはキルンベルガーから派生した調律法Prinzが使われています。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。

Signum
SIGCD-799(1CD)
C.シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲集
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.7
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
アレクサンドラ・ダリエスク(P)、
ルー・ティエンイー(指)、フィルハーモニアO

録音:2023年9月11日-12日、セント・ジュード教会(ロンドン)
コンセルトヘボウ、ロイヤル・アルバート・ホール、カーネギー・ホールへのデビューを果たし、アンドラーシュ・シフから高く評価されたルーマニア出身の女流ピアニスト、アレクサンドラ・ダリエスクのSignum Classics第3弾。大胆不敵な好奇心と画期的な革新性を示す先駆的なピアニストであるダリエスクは、彼女の芸術の旅の一環として、3シーズン連続で「男女両方の作曲家の重要な作品を再演・初演する」というプログラミングで包摂性と多様性を擁護しており、このアルバムでもクララ・シューマンとエドヴァルド・グリーグという新しい協奏曲の組み合わせを提示しています。
クララ・シューマンが10代前半に作曲したこの協奏曲を知り、その夢と驚異的な妙技に溢れた音楽に惚れ込んだダリエスクは、今回のレコーディングを通して、「見過ごされがちな女性作曲家の才能に光を当てる責任があることに改めて気付かされた」と述べています。
名門フィルハーモニア管を指揮するのは、中国出身のニュージーランド人指揮者、ルー・ティエンイー(? 天?)。2020年には、インバル、ムーティ、井上道義、A.フィッシャー、スダーンらの巨匠を排出してきたイタリアのグイード・カンテルリ国際指揮者コンクールで見事優勝を果たし、同年のゲオルグ・ショルティ国際指揮者コンクールでも優勝するという快挙を達成。センセーショナルなデビューを果たし、ノルウェーのスタヴァンゲルSOの常任指揮者に任命されました。2020/21シーズンからは、英セント・ウーロス・シンフォニアの首席指揮者も務めています。

Glossa
GCD-924703(1CD)

XGCD-924703(1CD)
日本語解説付き国内盤
税込定価

SE4SONS〜ヴィヴァルディ&ピアソラ:四季
1-12. ヴィヴァルディ:四季 Op.8Nos.1-4
13-16. ピアソラ:ブエノスアイレスの四季
リナ・トゥール・ボネ(バロックVn、指)、
ムジカ・アルケミカ(tr.1-12)、
クアルテート・アルケミコ(tr.13-16)

録音:2023年11月27日ー29日、ヴィラセカ音楽院(スペイン)
同世代でもっともエキサイティングなヴァイオリニストの一人と評されるスペインのバロック・ヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネと、彼女が結成したバロック・アンサンブル「ムジカ・アルケミカ」!
スペインの古楽レーベルGlossaからリリースされる第3弾は、ヴィヴァルディ、ピアソラによる「四季」をカップリングした注目盤。ビーバーの大作「ロザリオのソナタ集」の全曲録音でも批評家や聴衆から高い評価を得、2018年の来日公演を含むヨーロッパ各地でも全曲演奏を行ってきたスペシャリストであるリナ・トゥール・ボネ。
本アルバムでは、ヴィヴァルディの 「四季」 とピアソラの 「四季」を見事に対比させています。ヴィヴァルディの名作 「四季」 では、その感情豊かな解釈で新たな側面を引き出し、ピアソラの 「四季」 では、独自の四重奏編成(Vn、バンドネオン、コントラバス、ピアノ)で、アルゼンチン・タンゴの名手たちと共に甘美でいて悲しく、そして、リズミカルでいて自由なタンゴを奏でています。これまでに多くのヴァイオリニストたちが取り上げてきたこれら名作の新たな解釈にご注目ください。

DUX
DUX-2013(1CD)
アダム・ヴェソウォフスキ:エンジェルズ
アダム・ヴェソウォフスキ
(b.1980):天体の踊り(シンフォニック・オーケストラのための)
天使たちの歌(弦楽オーケストラのための)
2本のフルートとシンフォニック・オーケストラのための協奏曲「大天使」*
天使たちと悪魔たち(シンフォニック・オーケストラのための)
シレジアPO、ヤロスラフ・シェメト(指)、
アガタ・キエラル=ドゥウゴシュ(Fl)*、
ウカシュ・ドゥウゴシュ(Fl)*

録音:2023年8月29日-9月2日、シレジア・フィルハーモニック(ポーランド)
このレコーディングに参加しているシレジアPOのディレクターも務めるポーランドの音楽家、アダム・ヴェソウォフスキの管弦楽作品集。「天使」という共通のテーマを持った作品がまとめられています。ヴェソウォフスキは作曲家としてチェコのドヴォルザーク国際作曲コンクールで第1位を獲得、さらにアダム・ディドゥル記念全ポーランド・コンクールでは2度の優勝に輝くなど輝かしい実績を誇り、彼が作曲した50以上の作品はポーランド国内外のコンサートや音楽祭で演奏されています。

Eudora
EUDSACD-2406(1SACD)
神秘
フリアン・オルボーン
(1925-1991):パルティータ第4番(Pと管弦楽のための交響的楽章)
マヌエル・マルティネス・ブルゴス(b.1970):鐘(Pと管弦楽のための協奏曲)(世界初録音)
ノエリア・ロディレス(P)、
ルーカス・マシアス(指)、オビエド・フィラルモニア

録音:2023年8月23日-25日&2024年1月31日-2月2日(スペイン)
スペインの高音質レーベルEudoraによるSACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、スペイン出身の現代作曲家たちの作品集がリリース!
ノエリア・ロディレスは、スペインのアルバセーテ国際ピアノ・コンクールで第1位と3つの特別賞を受賞し、同国内でセンセーションを巻き起こした女流ピアニスト。
フリアン・オルボーンは、スペインで生まれ、キューバ、メキシコ、アメリカで活躍したキューバを代表する作曲家の一人でした。師事したコープランドからの信頼も厚く、オルボーン自体も多大なる影響を受けました。
マヌエル・マルティネス・ブルゴスは、スペインを代表する現代作曲家の一人で、このアルバムでは彼のピアノ協奏曲「鐘」が世界初録音されています。

BIS
BISSA-2617(1SACD)
プロコフィエフ:チェロ作品集
(1)チェロと管弦楽のための交響的協奏曲 ホ短調 Op.125
(2)無伴奏チェロ・ソナタ 嬰ハ短調 Op.134第1楽章「アンダンテ」(ヴラディーミル・ブロク補完)
(3)チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119
クリスチャン・ポルテラ(Vc)
(1)ラハティSO、
アニヤ・ビールマイアー(指)
(3)ユホ・ポホヨネン(P)

録音:(1)2021年3月12&13日シベリウスホール、ラハティ(フィンランド)
(2)(3)2023年5月26〜28日ライツターデル、ノイマルクト(ドイツ)
ソリストとしてだけなく、トリオ・ツィンマーマンのチェリストとしても活躍する名手クリスチャン・ポルテラ。BISレーベルから多彩なレパー トリーを録音していますが、当アルバムではオール・プロコフィエフ・プログラムに挑みました。
クリスチャン・ポルテラは1977年チューリヒ生まれ。ザルツブルクとウィーンでハインリヒ・シフに師事し、これまでギドン・クレーメル、ヘンニング・クラッゲルー ド、内田光子ら世界的アーティストとの共演を重ねております。
近年の代表的な録音として「ブラームス:チェロ・ソナタ第1&2番、シューマン:民謡風の5つの小品集」(BIS SA-2427)、「メンデルスゾーン:チェロとピ アノのための作品集」(BIS SA-2187)、「ハイドン:チェロ協奏曲第1番&第2番、ヒンデミット:葬送音楽」(BIS SA-2507)、「シューマン&ブラームス:ソ ナタと歌曲」(BIS SA-2167)、「ショスタコーヴィチ&マルティヌー:チェロ協奏曲第2番」(BIS SA-2257)など、数多くのディスクをリリースしております。
当アルバムに収録された3篇はいずれもプロコフィエフの晩年の作品。健康状態は悪化し圧制的な政治情勢のなかでも、プロコフィエフは偉大な音楽家たち、と りわけチェリストのムスティスラフ・ロストロポーヴィチの存在に支えられたことにより、晩年にチェロのための作品が多く存在します。
チェロと管弦楽のための交響的協奏曲は、チェロ協奏曲第1番 Op58の改作。プロコフィエフの協奏曲らしい、独奏とオーケストラとの掛け合いが魅力です。無 伴奏チェロ・ソナタはもともと4楽章構成で作曲を始めたものの、第1楽章の冒頭「アンダンテ」を書き上げたところでこの世を去ってしまったため未完となって しまいました。ヴラディーミル・ブロクによる補完版では雄弁なアンダンテを聴くことができます。チェロ・ソナタは厳粛で詩的な作品。終始豊かな旋律であらわれ るプロコフィエフの最高傑作です。 (Ki)

ONDINE
ODE-1442(1CD)
NX-B10
ガブリエル・エルコレカ(1969-):チェロ協奏曲、他
チェロ協奏曲「Ekaitza 嵐」(2012)
3つのミケランジェロのソネット(2009)
ピアノ協奏曲「Piscis 魚」(2021-22)
アシエル・ポロ(Vc)
カルロス・メナ(C.T)
フランソワ・カーディ(コルネット)
ヌリア・サンロマ(コルネット)
アルフォンソ・ゴメス(P)
バスク国立O
ファンホ・メナ(指)

録音:2023年9月4-8日
1969年、スペインのバスク地方ビルバオで生まれたガブリエル・エルコレカは、地元で作曲を学んだ後ロンドンに留学し、王立音楽院でマイケル・フィニッシー に師事しました。彼の作品はスペインをはじめ、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、北京、日本で演奏され好評を博すとともに、数多くの賞も受賞しています。この アルバムに収録された3つの作品は、不穏で荒々しい音響がもたらす緊張感が特徴。チェロ協奏曲「Ekaitza」はバスク国立Oの創立30周年記念 の作品で、チェロの不気味な下降音型が際立つ、まさに嵐(バスク語でEkaitza)のような音楽。第3楽章では民俗舞曲的な旋律も聴こえてきます。ピアノ 協奏曲のタイトル「Piscis」はバスク語で魚。エルコレカ自身が魚座であることにちなみ、海を流れる水をイメージして書かれたといいますが、第1楽章冒頭か ら混沌としたオーケストラの響きと沸き立つような激しいピアノが強烈な印象を与えます。「3つのミケランジェロのソネット」は2つのコルネット(金管楽器ではなく 古楽器)が独特の効果をあげています。古楽分野で特に名高いカウンターテナーのカルロス・メナがソリストを務めています。 ファンホ・メナはマドリードで学んだ後ミュンヘンでチェリビダッケに指揮を学びました。これまでにビルバオSO、カルロ・フェリーチェ劇場、ベルゲン・フィル、ス ペイン国立O、BBCフィルなどで指揮者のポストを持ち、近年は日本も定期的に訪れています。

TOCCATA
TOCC-0708
NX-B06
マシュー・テイラー(1964-):管弦楽作品集 第2集
交響曲第6番Op.62(2021)
オーボエ協奏曲 Op.60(2020-21)
クラリネット協奏曲 Op.63(2021)
ヴァイオリン小協奏曲 Op.52(2016)
ジェイムズ・ターンブル(Ob)
ポピー・ベドー(Cl)
ミラ・マルトン(Vn)
BBCウェールズ・ナショナルO
マシュー・テイラー(指)

録音:2022年12月17-18日
※全て世界初録音
英国の作曲家マシュー・テイラー。彼の音楽は「現代に語りかける言葉と伝統的な形式を組み合わせた」もので、 ベートーヴェンやハイドンから連なる古典派の伝統を踏まえ、そこにシベリウスやニールセンの影響を感じさせる現代 的な装いの響きを描き出します。このアルバムには2021年に生誕100年を迎えたマルコム・アーノルドの追悼とし て作曲された交響曲第6番の他、3つの協奏的作品を収録。オーボエ協奏曲は、2つのコールアングレと弦楽器 が伴奏を務めるというユニークな編成で書かれ、クラリネット協奏曲の冒頭では、ブラームスの五重奏と似た旋律が 聴こえてきます。ジャズのリズムが用いられたヴァイオリン小協奏曲は、短いながらもまとまりのある曲。全ての作品 はテイラー自身が指揮を行い、彼が信頼する奏者たちが独奏を務めています。

NoMadMusic
NMM-119(1CD)
スパーク・ライト
マリー・ジャエル:ピアノ協奏曲第1番ニ短調
リスト:メフィスト・ワルツ第3番
 ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
セリア・オヌト・ベンサイド(P)、
デボラ・ワルドマン(指)
アヴィニョン=プロヴァンスO

録音:2023年/アヴィニョン
マリー・ジャエル(1846-1925)は近年再評価著しいフランスの女性作曲家。1866年に名ピアニスト、アルフレッド・ジャエルと結婚し、リスト、ブラームス。 サン=サーンスらの知己を得ました。その所産を集めたユニークなアルバム。ジャエルはピアニストとしてリストのピアノ協奏曲第1番をおはことしていました。リス トの「メフィスト・ワルツ第3番」はジャエルに捧げられています。彼女のピアノ協奏曲第1番は1877年頃の作で、フランスの女性が作曲家による最も古いもの とされます。サン=サーンスに献呈されました。
ベンサイドはパリ音楽院でヌーブルジェほかに師事。高度な技巧に加え華があるうえ、独特な美学によるコンセプトが興味深く、今後目が離せません (Ki)

Naive
V-7957(1CD)
バッハ:鍵盤協奏曲集
第1番ニ短調 BWV1052
第4番イ長調 BWV1055
曲第3番ニ長調 BWV1054
第5番ヘ短調 BWV1056
ティエンチ・ドゥ(P)
ジョナサン・ブロックスハム(指)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(アカデミー室内O)

録音:2023年4月28-30日/LSO・セントルークス、イズリントン(ロンドン)
「グレン・グールドを思わせる」などと世界中で絶賛され、レコード芸術2023年6月号でも特選を獲得した『ゴルトベルク変奏曲』の録音(KKC-6619 / V-7566)でCDデビューし、2023年の来日公演も話題を呼んだ新進気鋭の中国のピアニスト、ティエンチ・ドゥのCD第2弾はバッハの鍵盤協奏曲集!
『ゴルトベルク変奏曲』の次の録音として鍵盤協奏曲を選んだ理由は、「芸術家としての直観」だと語るティエンチ・ドゥ。子供の時にBWV1052の第1楽章に 深い感銘を受け、一音一音が頭に刻まれるほど聴き込み、また数年前にもBWV1054の第2楽章に涙するほど深く感動したという、個人的な体験が今回の録音 の選曲に繋がったそうです。また彼は、カフェ・ツィンンマーマンでのコンサートのレパートリーとして、ライプツィヒの音楽好きの聴衆のために演奏されたバッハの 鍵盤協奏曲の数々には、〈ゴルトベルク変奏曲〉や〈フーガの技法〉など晩年の傑作群とはまた異なる、「生き生きとした一人の人間としてのバッハの本質」が感じ られ、イタリア音楽の様式が活かされた鍵盤協奏曲では、「劇的で豊かな感情」が表現されていると捉えています。
こうした姿勢は、学究的な側面よりもひらめきを重視していると思われるこの演奏に示されています。特に緩やかなテンポの第2楽章での、思い入れたっぷりの 詩的で情感あふれる表現は、現代では珍しいほどロマンティック!一方、右手と左手のバランスやフレージング、即興的装飾などでは歴史的奏法を取り入れている 点も聴かれ、その異なる様式の融合具合がティエンチ・ドゥの演奏の大きな魅力となっています。
共演は、イギリスの新鋭ジョナサン・ブロックスハムが指揮する、巨匠ネヴィル・マリナーが創設した名室内Oアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ ザ・フィールズ(日本ではアカデミー室内Oの名で有名)。ブロックスハムは指揮をパーヴォ・ヤルヴィに学び、バーミンガム市SOではミルガ・グラジ ニーテ=ティーラのアシスタントも務めた、今注目の俊英指揮者で、2023/24シーズンからルツェルン劇場の音楽監督に就任するなど活躍の場を広げています。 ここではアカデミーのすばらしい演奏家とともに、ティエンチ・ドゥとの豊かな?音楽的対話“を聴かせてくれています。
たくさんの思いを込めて、現代の聴衆に訴える、ティエンチ・ドゥのエモーショナルなバッハ演奏をお楽しみください! (Ki)

EUROARTS
30-73908(2DVD)

30-73904(Bluray)
ドキュメンタリー:マルタ・アルゲリッチ『Bloody Daughter』


【ボーナス】
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
ショパン:マズルカ ハ長調Op.24-2
シューマン:幻想小曲集Op.12-7『夢のもつれ』
【本編】(94分)
マルタ・アルゲリッチ、リダ・チェン、アニー・デュトワ、ステファニー・アルゲリッチ、スティーヴン・コヴァセヴィッチ、ロバート・チェン、シャルル・デュトワ、ほか
監督:ステファニー・アルゲリッチ
製作:ピエール・オリヴィエ・バルデ、リュック・ピーター

【ボーナス】(54分)
マルタ・アルゲリッチ(P)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤツェク・カスプシク(指)

収録:2010年8月27日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
映像監督:ピエール=マルタン・ユバン

■DVD
画面:Full HD,16:9
音声:PCMステレオ、DD5.1、
DTS-HD MA5.1
リージョン:A l l
BD50
字幕:英 仏 独 波 西
148分
■Bluray
画面:N T S C ,16:9
音声:PCMステレオ、DD5.1、
DTS5.1
リージョン:A l l
DVD9
字幕:英 仏 独 波 西
148分
2021年6月に80歳を迎えたアルゲリッチ。それを記念して」EURO ARTSからアルゲリッチの映像集6枚組がリリースされました。当セットは、ドキュメンタリー 『Bloody Daughter』を収録したインターナショナル・バージョン。(※すでにご案内している品番:20-68485は廃盤となります。)
DVD1には、娘たちの視点で捉えたアルゲリッチの日常、音楽家として母としての葛藤と苦悩が綴られたドキュメンタリー映像『Bloody Daughter』。 DVD2は、2010年のショパン・イヤーにワルシャワでおこなわれたコンサートを収録したもの。カスプシク指揮するシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演した記念 演奏会にふさわしい豪華なコンサート映像。 そしてDVD3には、1977年にBBCが制作した貴重な映像。当時35歳のアルゲリッチが得意のチャイコフスキーとプロコフィエフの第3協奏曲を弾くという魅力 的な内容です。何より若いアルゲリッチの輝くような姿に目を奪われます。唖然とする指回りと速いテンポ、強靭なのになめらかな打鍵の美しさ、とてつもないエネ ルギーとオーラの発散に息もつけぬ1時間を満喫できます。 さらにDVD4は、2014年マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイム、お互いの故郷であるブエノスアイレスのテアトロ・コロンで初めて2人揃ってのコンサー トが行われました。ダニエル・バレンボイムによって創設されたウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラを率いて行われたコンサートは、ブエノスアイレス の人々の熱烈な拍手と歓声で迎えられました。当初2枚組でリリースされていた商品ですが、今回収録しているのは、アルゲリッチ、バレンボイムによるピアノ・デュ オ・ライヴ。 続いてDVD5には、2020年2月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコンサー トマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像。 最後は、クラウディオ・アバドが、ベルリン・フィルの定期演奏会で取り上げた「プロメテウス」神話に基づく様々な作曲家による作品が収録されたライヴ。「プロ メテウス神話」とは、ギリシア神話の神プロメテウスが人間に火を与えたとして、ゼウスの怒りをかい、不死身のプロメテウスは永遠にハゲ鷹に腹を割かれて処刑 された、それを勇敢なヘラクレスがハゲ鷹を殺しプロメテウスを救うという内容。映像監督のクリストファー・スワンは、照明等を駆使した視覚的効果を巧みに使い、 「火」「炎」を表現。ベルリンのフィルハーモニーホールが、赤、黄色、緑、青と変幻自在に染まっていく様子は必見です。 スクリャービンの交響曲第5番『プロメテウス』では、アルゲリッチがピアノ・ソロとして登場。神秘主義に影響され、色彩への強い関心をもち、音楽に色彩をも取 り込もうとしたスクリャービンの作風が最も色濃く投影された曲。大編成のオーケストラとヴォカリーズによる混声合唱、そして独奏ピアノのために作曲されました アルゲリッチの神秘的で魅惑的な演奏にも注目です。 (Ki)
EUROARTS
20-68488(6DVD)
マルタ・アルゲリッチBOX
■DVD1(94分)
ドキュメンタリー:マルタ・アルゲリッチ『Bloody Daughter』
■DVD2(54分)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
ショパン:マズルカ ハ長調Op.24-2
シューマン:幻想小曲集Op.12-7『夢のもつれ』
■DVD3(62分)
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
■DVD4(120分)
アルゲリッチ&バレンボイム/テアトロ・コロン凱旋公演
モーツァルト:2台ピアノのためのソナタ ニ長調K.448
シューベルト:創作主題による8つの変奏曲変イ長調D813
ストラヴィンスキー:春の祭典(2台ピアノ版)
シューマン:2台ピアノのためのアンダンテと変奏Op.46
ラフマニノフ:組曲第2番Op.17〜ワルツ
カルロス・グアスタビーノ:バイレシート
ミヨー:スカラムーシュ〜ブラジレイラ
■DVD5(85分)
シューマン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 イ短調 Op.105
プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調 Op.94
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
クライスラー:愛の悲しみ、美しきロスマリン
■DVD6(57分)
『プロメテウス』神話の様々な変奏〜火の詩
監督:クリストファー・スワン
ベートーヴェン:『プロメテウスの創造物』 Op.43より(導入部『嵐』/第1番/第9番/パストラーレ第10番)
リスト:交響詩『プロメテウス』
スクリャービン:交響曲第5番『プロメテウス』
ノーノ:『プロメテオ』組曲 (1992)〜ヘルダーリン
マルタ・アルゲリッチ(P)

■DVD1(94分)
監督:ステファニー・アルゲリッチ
■DVD2(54分)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤツェク・カスプシク(指)
収録:2010年8月27日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
映像監督:ピエール=マルタン・ユバン
■DVD3(62分)
(1)マルタ・アルゲリッチ(P)
ロイヤル・リヴァプールPO
サー・チャールズ・グローヴス(指)
収録:1977年2月6日、プレストン、ギルド・ホール(ライヴ)
(2)LSO
アンドレ・プレヴィン(指)
収録:1977年5月3日、クロイドン、フェアフィールド・ホール(ライヴ)
■DVD4(120分)
ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ
マルタ・アルゲリッチ(P)
ダニエル・バレンボイム((指)ピアノ)
収録:2014年8月コロン劇場、ブエノスアイレス(ライヴ)
■DVD5(85分)
ガイ・ブラウンシュタイン(Vn)
マルタ・アルゲリッチ(P)
収録:2020年2月22日、ピエール・ブーレーズ・ホール、ベルリン(ライヴ)
■DVD6(57分)
ベルリン・ジングアカデミー、
フライブルク・ゾリステンcho
BPO、
クラウディオ・アバド(指)
収録:1992年5月23-25日、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)

画面:NTSC,16:9(DVD3/4:3)
音声:PCM Stereo,DD5.1,DTS5.1
リージョン:All  DVD9
字幕:英仏独波西
472分
2021年6月に80歳を迎えたアルゲリッチ。それを記念して」EUROARTSからアルゲリッチの映像集6枚組がリリースされました。当セットは、ドキュメンタリー『BloodyDaughter』を収録したインターナショナル・バージョン。(※すでにご案内している品番:20-68485は廃盤となります。)
DVD1には、娘たちの視点で捉えたアルゲリッチの日常、音楽家として母としての葛藤と苦悩が綴られたドキュメンタリー映像『BloodyDaughter』。DVD2は、2010年のショパン・イヤーにワルシャワでおこなわれたコンサートを収録したもの。カスプシク指揮するシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演した記念演奏会にふさわしい豪華なコンサート映像。そしてDVD3には、1977年にBBCが制作した貴重な映像。当時35歳のアルゲリッチが得意のチャイコフスキーとプロコフィエフの第3協奏曲を弾くという魅力的な内容です。何より若いアルゲリッチの輝くような姿に目を奪われます。唖然とする指回りと速いテンポ、強靭なのになめらかな打鍵の美しさ、とてつもないエネルギーとオーラの発散に息もつけぬ1時間を満喫できます。さらにDVD4は、2014年マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイム、お互いの故郷であるブエノスアイレスのテアトロ・コロンで初めて2人揃ってのコンサートが行われました。ダニエル・バレンボイムによって創設されたウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラを率いて行われたコンサートは、ブエノスアイレスの人々の熱烈な拍手と歓声で迎えられました。当初2枚組でリリースされていた商品ですが、今回収録しているのは、アルゲリッチ、バレンボイムによるピアノ・デュオ・ライヴ。続いてDVD5には、2020年2月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコンサートマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像。最後は、クラウディオ・アバドが、ベルリン・フィルの定期演奏会で取り上げた「プロメテウス」神話に基づく様々な作曲家による作品が収録されたライヴ。「プロメテウス神話」とは、ギリシア神話の神プロメテウスが人間に火を与えたとして、ゼウスの怒りをかい、不死身のプロメテウスは永遠にハゲ鷹に腹を割かれて処刑された、それを勇敢なヘラクレスがハゲ鷹を殺しプロメテウスを救うという内容。映像監督のクリストファー・スワンは、照明等を駆使した視覚的効果を巧みに使い、「火」「炎」を表現。ベルリンのフィルハーモニーホールが、赤、黄色、緑、青と変幻自在に染まっていく様子は必見です。スクリャービンの交響曲第5番『プロメテウス』では、アルゲリッチがピアノ・ソロとして登場。神秘主義に影響され、色彩への強い関心をもち、音楽に色彩をも取り込もうとしたスクリャービンの作風が最も色濃く投影された曲。大編成のオーケストラとヴォカリーズによる混声合唱、そして独奏ピ

Goodies
78CDR-3941(1CDR)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104 ガスパール・カサド(Vc)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)
BPO

日TELEFUNKEN13622/26(独TELEFUNKEN1893/7 と同一録音)
1935年11月14日ベルリン録音
チェロのガスパール・カサド(1897-1966)はスペインのバルセロナ生まれ。7歳 でチェロを学び始めた。9歳でリサイタルを開いたとき、聴衆中に居たパブロ・ カザルス(1876-1973)に認められ、以来カザルスの薫陶を得た。バルセロナでは 街をあげて、カサド少年がパリのカザルスのもとで音楽修行を続けられるよう 奨学金を集めた。職業演奏家としての活動は第一次世界大戦(1914-1918)中に始 め、欧米各地で演奏活動やレコード録音活動を繰り広げた。1959年に日本人ピ アニストの原智恵子(1914-2001)と結婚した。指揮者のハンス・シュミット= イッセルシュテット(1900-1973)はベルリン生まれのドイツの名指揮者。第2次 世界大戦中も非ナチス党員をつらぬいた。当シリーズではヴァイオリニストの ゲオルク・クーレンカンプとのシューマン:ヴァイオリン協奏曲(1932年録音) (78CDR-3923)が出ていた。大戦後のLP時代にDECCA, PHILIPS, Deutsche Grammophon, TELEFUNKEN に多くの名録音を残しています。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3943(1CDR)
ストラヴィンスキー:ピアノと管楽器のための協奏曲ニ長調(1923/4) スリマ・ストラヴィンキー(P)
フェルナン・ウーブラドゥ(指)
パリ管楽器協会O

仏 DISQUES "GRAMOPHONE" DB11.105/6
1943年11月17日パリ、アルベール・スタジオ録音
ピアノのスリマ・ストラヴィンスキー(1910-1994)は作曲家イーゴリ・ストラ ヴィンスキーの次男で、父親が「火の鳥」を発表した1910年にローザンヌで生 まれた。スリマはパリ音楽院でピアノをイシドール・フィリップ(1863-1958)、 作曲をナディア・ブーランジェ(1887-1979)に師事した。1934年にパリでデビュ ーし、父親の作品を共に演奏・録音した。1939年父親はアメリカに亡命したが、 スリマはフランス陸軍に籍を置いていた。1948年父の招きで渡米し、以降アメ リカで活動した。1950年から1978年までイリノイ大学でピアノを教えた。スリ マの作品は父の没後に出版された。大部分はピアノ曲で演奏会用の作品の他に 教育用作品があった。レコード録音は父のピアノ曲がこの他にもあった。指揮 者のフェルナン・ウーブラドゥ(1903-1986)はパリ生まれ。パリ音楽院出身。 パリ音楽院O、パリ・オペラ座Oの首席ファゴット奏者を勤めた 後、1939年フェルナン・ウーブラドゥ室内Oを立ち上げ演奏会やレコー ド録音で活躍した。1941年から母校パリ音楽院教授をつとめた。(グッディーズ)

PARNASSUS
PACL-95014(1CD)
ウィリアム・プリムローズ〜ヴィオラ・トレジャーズ
(1)バルトーク:ヴィオラ協奏曲
(2)メンデルスゾーン:八重奏曲 変ホ長調 Op.20
(3)ウォルトン:ヴィオラ協奏曲
(4)パガニーニ(クライスラー編):「ヴァイオリン協奏曲第2番 ロ短調 Op.7第3楽章」より「カンパネラ」(プリムローズ編ヴィオラ版)
(5)フォスター(ハイフェッツ編):金髪のジェニー(プリムローズ編ヴィオラ版)
ウィリアム・プリムローズ(Va)

(1)シェルイ・ティボール(指)、ニュー・シンフォニー・オーケストラ/録音:1951年
(2)ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)、イスラエル・ベイカー(Vn)、アーノルド・ベルニック(Vn)、ジョゼフ・ステパンスキー(Vn)、ヴァージニア・マジェフスキ(Va)、 グレゴール・ピアティゴルスキー(Vc)、ガーボル・レイト(Vc)/録音:1961年
(3)ウィリアム・ウォルトン(指)、フィルハーモニアO/録音:1946年
(4)ハリー・アイザックス(P)/録音:1937年
(5)不明(P)
20世紀を代表するヴィオラ奏者ウィリアム・プリムローズ。彼はヴィオラを独奏楽器として世に知らしめた先駆者と言ってよいでしょう。このアルバムはプリムローズのために書かれたバルトークの「ヴィオラ協奏曲」を始めとして、ヤッシャ・ハイフェッツや、グレゴール・ピアティゴルスキーといったこちらも20世紀を代表する演奏者たちが参加したメンデルスゾーンの「八重奏曲」。作曲者自身が指揮をしたウォルトンの「ヴィオラ協奏曲」など充実の収録内容となっています。また「カンパネラ」といった小品ではプリムローズの至芸をたっぷりとご堪能いただけます。

Chandos
CHSA-5346(1SACD)
ブリッジ、フランシス=ホード、ウォルトン:チェロ協奏曲集
ブリッジ:悲歌的協奏曲 「祈り」
シェリル・フランシス=ホード(b.1980):チェロ協奏曲 「Earth, Sea, Air」(世界初録音)
ウォルトン:チェロ協奏曲
ラウラ・ファン・デル・ハイデン(Vc)
BBCスコティッシュSO、
ライアン・ウィグルスワース(指)

録音:2023年5月22日-24日、シティ・ホール(グラスゴー、スコットランド)
2012年に15歳でBBCヤング・ミュージシャン・コンクール優勝を果たし、その後も2018年にオランダのエディソン・クラシック賞、2019年にBBCミュージック・マガジン賞を受賞するなど、若手チェリストの中でも最注目株の一人とされるイギリス出身のチェリスト、ラウラ・ファン・デル・ハイデンのChandosレーベルからの3枚目となるアルバムは、イギリスのチェロ協奏曲集。
戦争の非人道性に対する抗議と、第一次世界大戦の犠牲者への哀悼の意が込められたブリッジの協奏曲「祈り」、ファン・デル・ハイデンのために書かれ、このレコーディングの1週間前にグラスゴーで初演が行われたシェリル・フランシス=ホードの新作「Earth, Sea, Air」、そして優勝を果たした2012年のBBCヤング・ミュージシャン・コンクールで演奏した彼女にとって思い出深い1曲、ウォルトンの協奏曲を収録しています。

ALTO
ALC-1483(1CD)
クラシックス・フォー・クラリネット〜クラリネット協奏曲集
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K622*
フランツ・クロンマー(1759-1831):クラリネット協奏曲変ホ長調 Op.36
ウェーバー:クラリネット小協奏曲ハ短調/変ホ長調
ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847):クラリネットと弦楽のためのアダージョ
ドビュッシー:第1狂詩曲
ジャック・ブライマー(Cl)、
ロイヤルPO*、
トーマス・ビーチャム(指)*、
ウィーン国立歌劇場O、
フェリックス・プロハスカ(指)

録音:1958年-1959年*&1966年
タイムズ紙が「彼の世代、そしておそらく今世紀を代表するクラリネット奏者である」と評した20世紀の偉大なクラリネット奏者、ジャック・ブライマーの協奏曲録音集。モーツァルト&クロンマーの協奏曲に加えウェーバー、ベールマン、ドビュッシーと盛りだくさんの内容です。モーツァルトは彼の3度の録音のうちの最初の録音にあたるビーチャム&RPOとの名演が選ばれています。

ALPHA
ALPHA-869(1CD)
アビイ・ロード・コンチェルト
ガイ・ブラウンシュタイン(1971-)作・編曲:アビイ・ロード・コンチェルト
ヴォーン・ウィリアムズ: 揚げひばり
ディーリアス:ヴァイオリン協奏曲
ガイ・ブラウンシュタイン(Vn)
ベルギー王立リエージュPO
アロンドラ・デ・ラ・パーラ(指)

録音:2021年11月 サル・フィラルモニーク、リエージュ、ベルギー
ビートルズ最後のスタジオ録音アルバムである『アビイ・ロード』。これをベルリン・フィルの第一コンサートマスターを2000年から約14年務めた ガイ・ブラウンシュタインが編曲し、クラシカルな楽曲に仕立てて自ら奏でるアルバムが登場。「アイ・ウォント・ユー」のリフによる序曲、「ストロベ リー・フィールズ・フォーエバー」のフレーズを挿入したカデンツァなどビートルズへの愛が全編に詰まっており、技巧的なアクセントも随所に散りば められた聴き応えたっぷりの35分間です。 併せて同じく英国由来の名曲2作、ヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」とディーリアスの協奏曲を収録。どちらもゆったりとした作品ですが、 ブラウンシュタインの歌心が冴えわたり、作品の美しさを満喫することが出来ます。特にひばりの描写は天国的。 2024年からマドリード州立Oの首席指揮者兼芸術監督への就任が決まっているアロンドラ・デ・ラ・パーラによる、隅々まで行き届き 抑制の効いたコントロールも素晴らしいものです。
ALPHA
ALPHA-1051(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol. 9
(1)協奏交響曲 変ホ長調 K.364(カデンツァ…モーツァルト)
(2)ホルン協奏曲 第2番変ホ長調 K.417
(3) ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K. 386(カデンツァ…アリエル・ラニ)
(4) ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K. 382(カデンツァ…モーツァルト)
(1)ユーハン・ダーレネ(Vn/ストラディヴァリウス1736年製「スペンサー・ダイク」)
(1)アイヴィンド・リングスタッド(ヴィオラ/アンドレア・グァルネリ1676年製「コンテ・ヴィターレ」)
(2)アレクサンドル・ザネッタ(ナチュラル・ホルン)
(3)(4)アリエル・ラニ(P/ベーゼンドルファー)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2021-2023年 オーストリア
2000年ノルウェー生まれのユーハン・ダーレネは、スウェーデンBISより2019年からこれまで4枚のアルバムをリリース、2度の来日公演を通じ て日本の聴衆にも大きなインパクトを与えている俊英。2012年のユーロビジョン・ヤング・ミュージシャンズの覇者であるアイヴィンド・リングス タッドと共に、切れ味のよい演奏を聴かせています。ホルンのアレクサンドル・ザネッタは1990年生まれのフランス出身、ベルリンでマリー=ル イーズ・ノイネッカーに師事するなど研鑽を積んだ後、バーゼル・スコラ・カントルムでナチュラル・ホルンを習得しました。ここでも細やかなトリル や装飾音など見事な技巧とセンスを聴かせ、作曲家が本来想定したホルンの音色で作品を楽しませてくれます。1997年イスラエル生まれ のアリエル・ラニは2023年、ルドルフ・ブッフビンダーが選出する若いアーティストのためのピアノ賞プリ・セルダンに選出された新鋭で、粒のそ ろった音色で安定した美しい演奏を聴かせます。


APARTE
AP-363(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲【全楽章のカデンツァ:アンリ・ヴュータン】
ベートーヴェン(リスト編曲による管弦楽版):アンダンテ・カンタービレ(原曲:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97の第3楽章)*
ベンヤミン・シュミット(Vn)
マルティン・ハーゼルベック(指)、
ウィーン・アカデミーO

ライヴ録音:2020年8月8日ブルックナーハウス、リンツ(オーストリア)
2022年10月24日ライディング・リスト音楽祭(オーストリア)*
マルティン・ハーゼルベック率いるウィーン・アカデミーOの最新盤は、天才ヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミットを独奏に迎えたベートーヴェンの ヴァイオリン協奏曲とリストがオーケストラ用に編曲したベートーヴェンのアンダンテ・カンタービレです!
1968年ウィーン生まれのシュミットは、数多くの国際コンクールで優勝。なかでも1992年に開催されたカール・フレッシュ国際ヴァイオリンコンクールでは、 第1位、最優秀モーツァルトおよびベートーヴェン協奏曲賞、そして観客賞を受賞するなど、若くして圧倒的な存在感を示しました。
積極的な演奏活動に並行して多くのレコーディングでも知られるシュミットは、バッハから現代、そしてジャズ・即興まで、クラシック・ヴァイオリニストとして 最も豊かなレパートリーで聴衆を魅了しております。そのシュミットがついにベートーヴェンの協奏曲を録音!ハーゼルベックの的確な解釈の元、名門ウィーン・ア カデミーOと奏でるベートーヴェンは格別で、流麗なヴァイオリンの音色は当代随一の演奏家だからこその表現といえます。
さらに注目は全楽章ヴュータン作のカデンツァで演奏していること!フランスで活躍したベルギーのヴァイオリニスト・作曲家アンリ・ヴュータン は、1830年代にシューマンやシュポアと親交を結び、のちにヴァイオリニスト、作曲家として活躍。晩年はイザイなどのヴァイオリニスト、作曲家を輩出しています。 ヴュータンといえば美しい旋律と演奏効果が見事にあらわれた華やかな作品で知られますが、ベートーヴェンのカデンツァでもヴュータンらしさが随所に現れます。 敬愛するベートーヴェンへのオマージュともいえる名カデンツァ。当演奏を聴けば、全楽章ヴュータンのカデンツァを採用したシュミットの意図がよくわかります。 大歓迎の録音といえましょう!
カップリングのアンダンテ・カンタービレについてハーゼルベックは「すでにヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして活躍していたリストは、1837年から1864 年にかけて、ベートーヴェンの交響曲全曲をピアノ独奏用に編曲。また『大公』の名で知られるベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97の第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」を管弦楽版に編曲しています。シューベルトのさすらい人幻想曲(Pとオーケストラ版)と並んで、このアンダンテ・ カンタービレの編曲は、作曲家リストが独自にして優れた管弦楽法を習得していることを証明しています」と語っています。

Pentatone
PTC-5187237(1CD)
ベル・エポック
ドビュッシー:第1狂詩曲
マンフレート・トロヤーン(1949-):ラプソディ〜クラリネットとオーケストラのための(2002)【世界初録音】
ピエルネ:カンツォネッタ【イェーレ・タジンズ(1979-)編曲】
ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.120【ルチアーノ・ベリオ編曲】
ヴィドール:序奏とロンド Op.72【タジンズ編曲】
アンネリエン・ファン・ヴァウヴェ(Cl)
アレクサンドル・ブロック(指)、
リール国立O

録音:2018年12月/ヌーヴォー・シエクル(リール)
若手実力派クラリネット奏者アンネリエン・ファン・ヴァウヴェのデビュー盤『ベル・エポック』がCDフォーマットで再発売されます!
収録作品はドビュッシーの第1狂詩曲、パリを拠点に活躍するマンフレート・トロヤーン(1949-)のラプソディ(世界初録音)、タジンズ編曲によるピエルネの カンツォネッタとヴィドールの序奏とロンド、そしてベリオ編曲のブラームスのクラリネット・ソナタ第1番です。
最難関のコンクールとして知られるミュンヘン国際音楽コンクールで優勝(2012年)後、英BBC選出の"新生代アーティスト"やボルレッティ=ブイトーニ財団 アワード2018を受賞するなど、今最も期待のされる新進気鋭のクラリネット奏者ヴァウヴェ。ザビーネ・マイヤー、ヴェンツェル・フックス、アレッサンドロ・カル ボナーレ、パスカル・モラゲスといった錚々たるクラリネット奏者に師事してきたヴァウヴェは、2017年夏のプロムスのデビュー後、2018年にはロイヤル・アル バート・ホールやカドガン・ホールにてトーマス・ダウスゴー(指)BBCスコティッシュSOとの共演でモーツァルトのクラリネット協奏曲を披露するなど、イ ギリスを中心に全ヨーロッパで注目を集めております。当録音ではアレクサンドル・ブロック(指)リール国立Oの好サポートのもと、圧倒的なテクニックと 豊かな感性で「ベル・エポック」の世界を表現しております。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(PTC-5186808)は廃盤となります。 (Ki)「

CLAVES
50-307(1CD)
フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(1791-1844):ピアノ協奏曲第1番(第3楽章のカデンツァ:アンドリー・ドラガン)
ピアノ協奏曲第2番
アンドリー・ドラガン(P)
ボグダン・ボジョヴィッチ(コンサートマスター)、
ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム

録音:2023年10月/ヴィンタートゥール・シュタットハウス(スイス)
2021年に生誕230周年を迎えたモーツァルトの末子フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(1791-1844)。彼の作品に魅了されたピア ニスト、アンドリー・ドラガンが変奏曲ばかりを集めたピアノ独奏曲のアルバム(50-3033)を同年にリリースし好評を博しました。あれから3年。フランツ・クサー ヴァーは今年(2024年)に歿後180年を迎えました。それを記念しドラガンが第2弾をリリース!収録作品は2つのピアノ協奏曲です。
フンメル、サリエリらに師事したフランツ・クサーヴァーはピアニストとしてヨーロッパ各地での演奏旅行を成功させた一方、作曲家としてはピアノ曲、声楽曲を残 しております。ピアニストとして成功したフランツ・クサーヴァーは非常に効果的な技巧が散りばめられたピアノ作品を書き上げました。ドラガンがボグダン・ボジョ ヴィッチ率いるヴィンタートゥール・ムジークコレギウムと華麗な演奏を披露しております。 (Ki)


Spectrum Sound
CDSMBA-010(1CD)
マウリツィオ・ポリーニ追悼再発売
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 Op.90
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
マウリツィオ・ポリーニ(P)
フランス国立放送O、
パウル・クレツキ(指)

ライヴ録音:1960年5月3日/シャンゼリゼ劇場(パリ)
長らく入手困難が続いていたSpectrum Soundの名盤が再発売。
ポリーニのショパン、それもピアノ協奏曲第1番1960年ステレオ・ライヴの世界初出。ポリーニは同年の2月から3月にかけて行われた第6回ショパン国際ピ アノコンクールにわずか18歳で優勝、クラシック音楽界最大の注目を集めていました。
ポリーニのショパンのピアノ協奏曲第1番といえば、1960年3月13日のショパン・コンクールにおけるライヴと、同年4月20-21日にクレツキ指揮フィルハー モニアOとのベストセラー盤が存在していますが、当アルバムはその1カ月半後の5月3日にパリのシャンゼリゼ劇場でフランス国立放送管と行われたコン サートのライヴ。フランス放送所蔵のオリジナル・ステレオマスターから192kHz、24bit高音質でデジタル・リマスタリングを行い、鮮やかな姿で蘇った正規盤で す。
何よりポリーニの独奏が唖然とする凄さ。明快なテクニックと早いデンポ、絹のようなタッチと透明な音色はフィルハーモニア管との盤と同質ですが、ライヴなら ではの高揚と熱気で、曲が進むにしたがって音楽に没入していくさまが危険ささえ感じさせるほど。奇跡の演奏が残されていたと申せましょう。老練なクレツキの バックも注目で、才気煥発名ポリーニの独奏にピッタリあわせているだけでなく、各所にちりばめられたポーランドの民族色の表出も見事。
カップリングのブラームスの交響曲第3番も、クレツキならではの考え抜かれた知的アプローチ光る名演。フランス国立放送管の音色も魅力です。 ※再発売に伴い日本語帯は付属いたしません。
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

BMOP SOUND
BMOP-1095(1SACD)
サミュエル・ジョーンズ(b.1935):協奏曲集
(1)フルート協奏曲(2018)
(2)ヴァイオリン協奏曲(2014)
(3)トロンボーン協奏曲「ヴィタ・アカデミカ」(2009)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)ジェフリー・ケーナー(Fl)
(2)マイケル・リュドヴィッグ(Vn)
(3)ジョセフ・アレッシ(Trb)

録音:(1)2021年11月29日、(2)(3)2020年1月12日
サミュエル・ジョーンズはイーストマン音楽院でハワード・ハンソン(交響曲第 1番「ノルディ ックと第2番「ロマンティック」で有名)に作曲を、指揮をウィリアム・スタインバーグに学んだ。 シアトルSOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めたこともある。彼の作風は師匠ハ ワード・ハンソンの系譜に連なる新古典主義もしくは新ロマン主義的なもので堅固な様式の 上にロマンティックな旋律や劇的な展開が行われるもの。管弦楽の機能を存分にいかした 3つの協奏曲は聴きごたえ充分の秀作ぞろい。 ソリストも豪華でフィラデルフィア首席のフルート奏者ジェフリー・ケーナー、ソリストとして NAXOS にレコーディングが多数あるマイケル・リュドヴィッグ、ニューヨーク・フィル首席で名 人として知られるジョセフ・アレッシが参加!
BMOP SOUND
BMOP-1096(1SACD)
ナンシー・ガルブレイス(b.1951):協奏曲集
(1)フルート協奏曲(2019)
(2)ヴァイオリン協奏曲第1番(2016)
(3)打楽器協奏曲「万物は流れる」(2019)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)リンゼイ・グッドマン(Fl)
(2)アリッサ・ワン(Vn)
(3)アビー・ラングホースト(Perc)

録音:(1)2021年6月16日、(2)2021年11月29日、(3)2022年8月25日
ナンシー・ガルブレイスはペンシルヴェニア出身の作曲家。オハイオ大学、カーネギーメ ロン大学で作曲を学び、現在はカーネギーメロン大学の教授の地位にある。彼女の作風は 基本的に調性で書かれ、新ロマン主義的な様式とミニマリズムを折衷したダイナミックなもの です。ここには3つの楽器のための協奏曲が収められているがいずれも楽器の特性を活 かした聴きごたえのある作品。

Orchid Classics
ORC-100304(1CD)
NX-B06
ベーラ・バルトーク:作品集
ヴィオラ協奏曲 Op. post(T. シェルイによる補筆完成版)
ヴァイオリン協奏曲第1番Op. post
ルーマニア民俗舞曲 Sz56、BB68(Y. ジスリンによるヴァイオリンと弦楽オーケストラ編)
ユーリ・ジスリン(Vn/Va)
ロシア国立シンフォニー・カペラ
ヴァレリー・ポリャンスキー(指)

録音:2021年6月
ロンドンを拠点に演奏家・教育者として活躍するユーリ・ジスリンがヴァイオリンとヴィオラの「二刀流」でバルトークの 傑作協奏曲2篇を演奏。更にジスリンが独奏ヴァイオリンとオーケストラの協奏曲風にアレンジしたルーマニア民俗 舞曲も収録しています。名匠ポリャンスキー指揮の重厚なオーケストラ・サウンドにも注目です。

DUX
DUX-2026(1CD)
ペンデレツキ:協奏曲集 Vol.10
1. ヴァイオリン、ヴィオラ(Vc)と管弦楽のための二重協奏曲(ミシェル・ルティエクによるフルートとクラリネット版)
2. ホルン協奏曲 「冬の旅」(エヴァ・イェリンスカによるトロンボーン版)
3-8. フルート(Cl)と室内オーケストラのための協奏曲
パトリック・ガロワ(フルート/tr.1)、
ミシェル・ルティエク(クラリネット/tr.1)、
ヴォイチェフ・イェリンスキ(トロンボーン/tr.2)、
クシシュトフ・グジボフスキ(クラリネット/tr.3-8)、
イェジー・セムコフ・ポーランド・シンフォニア・ユヴェントゥスO、
マチェイ・トヴォレク(指)

録音:2023年12月9日ー10日&29日ー30日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
2020年3月29日に86歳でこの世を去った現代のポーランド楽壇を代表する巨匠クシシュトフ・ペンデレツキ。ペンデレツキが作曲した数々の「協奏曲」を網羅するために、ポーランドのレーベル「DUX-(ドゥクス)」が進めてきた協奏曲シリーズの最終巻では、フランス、ポーランドを代表する管楽器の名手達によるトランスクリプション作品を取り上げています。ペンデレツキの作品は、他の楽器のためのトランスクリプションや編曲に対する並外れた感受性の高さが特徴的で、本アルバムでも原曲が持つ特徴を損なうことなく、各楽器のソリスト達が作品の魅力を存分に引き出しています。
ソリストには、2016年にDUX-からシンフォニア・ユヴェントゥスとの共演で、ペンデレツキのクラリネット協奏曲の録音で権威あるICMA賞を受賞したミシェル・ルティエク。1977年に21歳でフランス国立Oの首席フルート奏者を務め、近年は指揮者としても国際的に活躍する、フランスの名手パトリック・ガロワ。パデレフスキ音楽院でマチェイ・ワコミに、ハンス・アイスラー音楽大学でクリストハルト・ゲスリング(元ベルリン・フィル首席)に、ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーではオラフ・オット(ベルリン・フィル首席)に師事し、2019年からポズナンPOで第1トロンボーン奏者を務めるヴォイチェフ・イェリンスキ。リューベック音楽大学でドイツの伝説的クラリネット奏者、ザビーネ・マイヤーのもとで研鑽を積み、カールスルーエ音楽大学ではヴォルフガング・マイヤーとエドゥアルト・ブルンナーに室内楽を師事。定期的にヨーロッパ中の著名な音楽祭でのソリストとして、また、モーツァルト生誕225周年を記念して結成されたアマデウス・ウィンド・アンサンブル(メンバーは、LSOの奏者や著名なポーランドの楽器奏者、ソリストなど)のメンバーとして室内楽奏者としても国際的に活躍するクシシュトフ・グジボフスキという傑出した名手たちが名を連ねています。

DUX
DUX-20342035(2CD)
マイ・ライフ...ショパン:ピアノ協奏曲集
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
※ユゼフ・ドムジャウ&ラドスワフ・ソプチャクによるオーケストレーション(2023)
ラドスワフ・ソプチャク(P)、
ポドラシェ室内O、
カジミェシュ・ドンブロフスキ(指)

録音:2023年8月21日ー22日、イグナツィ・ヤン・パデレフスキ音楽学校コンサートホール、スタニスワフ・モニューシュコ・ポドラシェ歌劇場(ポーランド)
ピアニストとリスナーに広く愛されているショパンの2つのピアノ協奏曲を新たなオーケストレーションで描いた注目盤が、ポーランドのレーベル「DUX-(ドゥクス)」から登場。
過去には、アルフレッド・コルトーやミハイル・プレトニョフといった偉大なピアニストたちが、ショパンが残した両名曲の大規模なオーケストレーションを試みてきました。これら偉大な名曲に新たな可能性を見出したのは、2000年に開催された第14回ショパン国際ピアノ・コンクールで、ポーランド人最高位を果たしたラドスワフ・ソプチャクと、ポーランド国内外の多くのコンクールで受賞歴を持つユゼフ・ドムジャウ。
この新たなオーケストレーションでは、通常過小評価されがちなオーケストラ・パートの価値を示し、楽譜の副次的要素や楽器間の対話の役割を強調。
第14回ショパン国際ピアノコンクールから23年という時を経て成熟した音楽家が、ロマン派の名曲の詩的な側面を並外れた方法で示し、これら協奏曲の新たな魅力を見事に見出した今作にご注目下さい。

DUX
DUX-2039(1CD)
ポーリッシュ・ロマンティック・ワークス 〜 ヴィエニャフスキ&ノスコフスキ
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.14(1853)
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):交響曲第2番ハ短調 「哀歌的」(1875-1879)
ヴォイチェフ・ニェジュウカ(Vn)、
パヴェウ・プシトツキ(指)、
アルトゥール・ルービンシュタインPO

録音:2023年9月、クシシュトフ・ペンデレツキ・ヨーロッパ音楽センター・コンサート・ホール(ルスワヴィツェ、ポーランド)
前作「ポーリッシュ・ロマンティック・シンフォニーズ」(DUX-1901)では、フランチシェク・ミレツキとユゼフ・ヴィエニャフスキの交響曲を披露したパヴェウ・プシトツキと、彼が2017年から芸術監督を務めるアルトゥール・ルービンシュタイン・フィル(ウッチ・フィルハーモニック)。「ポーリッシュ・ロマンティック・ワークス」と題された続編では、兄ヘンリク・ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第1番と、ポーランド後期ロマン派を代表する作曲家であり、シマノフスキやフィテルベルクらを指導した名教師でもあったジグムント・ノスコフスキの交響曲第2番「哀歌的(Elegiac)」を収録。
協奏曲でソロを務めるポーランドのヴァイオリニスト、ヴォイチェフ・ニェジウカは、弱冠20歳の若き俊英。現在はウッチのバツェヴィチ音楽アカデミーで研鑚を積みながら、既に国内外の多くの音楽コンクールで優勝し、ポーランドの主要なオーケストラと共演しています。濃密なポーランド・ロマンティシズムを感じさせるオーケストラ作品を、ポーランド実力派たちの演奏でどうぞ。

NIFC
NIFCCD-155156(2CD)
ラスト・コンサート・イン・ポーランド
ショパン:ピアノ協奏曲ヘ短調 Op.21
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53「英雄」
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、
ウッチPO、ヘンリク・チシ(指)

録音:1975年5月30日、ウッチ・フィルハーモニック(ウッチ、ポーランド)
※レコーディング・スーパーヴィジョン:ポーランド放送(Polskie Radio)
ポーランド中央部に位置する都市ウッチでユダヤ人の家庭に生まれ、ポーランド、そして20世紀を代表するピアニストの1人として音楽史に大きな足跡を残すアルトゥール・ルービンシュタイン(1887-1982)。
80年にも及ぶキャリアを築いた後、飛蚊症を原因とする視力悪化により1976年に引退したルービンシュタインでしたが、その前年の1975年5月30日に生まれ故郷であるポーランドのウッチにおいて、同地のウッチPO(現アルトゥール・ルービンシュタインPO)との共演で自身のポーランドにおける「最後」のコンサートに臨んでいました。
今回、ルービンシュタインの家族であるエヴァ、アリーナ、そしてジョンから許諾を得て、このウッチ、そしてポーランドでのルービンシュタインの最後のコンサートの演奏が「NIFC(Chopin Institute/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)」からリリースされることになりました!
ウッチPOの創立60周年記念のコンサートにソリストとして招かれたルービンシュタインは、ショパン「ピアノ協奏曲ヘ短調」とベートーヴェンの「皇帝」を披露。そのキャリアの最晩年において故郷に錦を飾ると共に、その存在の偉大さを改めてポーランド内外に示す記念碑的なコンサートとなりました。
ポーランドにおけるルービンシュタインの最後の共演オーケストラとなったウッチPO(現アルトゥール・ルービンシュタイン・フィル)は2015年に創立100周年を迎え、ワルシャワ・フィルに次ぐ同国における2番目の常設オーケストラでもある由緒ある楽団。
また、ルービンシュタインの故郷ウッチも、第二次世界大戦でワルシャワが壊滅的な被害を受けた際、ワルシャワ再建が始まる1948年までは事実上の首都としての役割を担ったことでも知られています。

ALIA VOX
AVSA-9958(2SACD)
ヴィヴァルディ:四季
[CD1]
・「四季」op.8〜ソネットの朗読とともに〔協奏曲第1番「春」 ホ長調 RV269/協奏曲第2番「夏」 ト短調 RV 315
/協奏曲第3番「秋」 ヘ長調 RV293/協奏曲第4番「冬」 ヘ短調 RV297〕
・ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ヘ長調「プロメテウス、あるいは逆さまの世界」 RV544
・海の嵐 RV253
[CD2]
・調和の霊感〜4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 RV580
・ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV583より アンダンテ(第2楽章)
・「四季」 op.8〜器楽のみ〔協奏曲第1番「春」 ホ長調 RV269/協奏曲第2番「夏」 ト短調 RV 315/協奏曲第3番
「秋」 ヘ長調 RV293/協奏曲第4番「冬」 ヘ短調 RV297〕
レ・ミュジシャン・デュ・コンセール・デ・ナシオン
ジョルディ・サヴァール(指)
アルフィア・バキエヴァ(コンサートマスター/ヴァイオリン)
オリヴィア・マネスカルキ(語り)

録音:2024年1月3-7日、カルドナ修道院
ヴィヴァルディは、1703-1717年頃、ヴェネツィアのピエタ慈善院(オスペダーレ=孤児院)で、音楽監督を務めていました。ここでは孤児の少女達が養 育されており、修道院のような生活をしながら音楽の修行にはげみ、彼女たちによる演奏会はヴェネツィアで最も優れた音楽が聴ける場所、とされていました。 21世紀の今、このヴィヴァルディが音楽監督を務めていたオスペダーレをモデルとしたプロジェクトが動き出します。ピリオド楽器を専門とする優秀な女性音楽 家をヨーロッパ各国および世界各国から迎え入れ、ヴィヴァルディ以前からロマン派初期(1600-1830年)までの管弦楽と声楽のレパートリーについて、研 究、演奏するための女性たちによるプロジェクトです。ル・コンセール・デ・ナシオンが中心になって2019年から毎年開催しているオーディションで選ばれた 優秀な奏者たちの中の、女性によって結成されています。タタール出身の傑出したヴァイオリン奏者でありヴィルトゥオーゾ、アルフィア・バキエヴァにも注目の オーケストラです。「四季」では朗読ありヴァージョンとなしヴァージョンを収録。非常に細やかな、解像度の高い演奏。ほかの作品でも、室内楽のような趣で、 名手たちが互いを尊重しながらアンサンブルしているのが感じられます。 (Ki)

EUROARTS
20-47347(2SACD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集、他
ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲
ミハイル・プレトニョフ(P)
※使用楽器:Shigeru Kawai Grand Piano, SK-EX
ケント・ナガノ(指)
ラフマニノフ国際O
アシスタント・コンダクター:ウラディスラ

録音:2023年10月、ロゼ・コンサート・ホール、ロール、スイス(ライヴ)
ミハイル・プレトニョフが新たに創設したラフマニノフ国際O(RIO)による第2弾アルバムの登場。第1弾は、『チャイコフスキー:組曲「白鳥の湖」&シチェ ドリン:カルメン組曲』というオーケストラ作品をプレトニョフによる指揮で録音したものでしたが、今回は、2023年に生誕150年を迎えたラフマニノフのピ アノと管弦楽のための作品全曲(4つのピアノ協奏曲、パガニーニの主題による狂詩曲)。ピアノはもちろんプレトニョフ、そして指揮にはケント・ナガノを迎え、 スイスの新ホール『ロゼ・コンサート・ホール』でライヴ録音されました。
オーケストラが結成されて、はじめての公の場での演奏となりました。 ロシアを代表する作曲家、セルゲイ・ラフマニノフは、優れたピアニストであり、多くのピアノ作品を作曲しています。ピアノのための協奏作品 は全部で5つ。それらは様々な時代に書かれ、独自の個性を放っています。当盤にはそれらすべてが収められており、ラフマニノフという作曲家の書法の変遷を たどることのできる内容です。さらにプレトニョフの演奏によって、それぞれの作品の個性が存分に引き出されていると言えるでしょう。モスクワ音楽院在学中に 卒業試験のために書かれた瑞々しいピアニズムをもつ第1番。ラフマニノフの代表作でありピアノ音楽全体の中でも屈指の名曲第2番。技術、表現力ともに最 高難度を誇る作品第3番。これまでの作品とは違った厳粛な雰囲気、そして成熟したロマンティシズムをもつ第4番。パガニーニの「24の奇想曲」の第24番〈主 題と変奏〉の主題が用いられた、ラフマニノフらしい甘美で繊細な雰囲気の「パガニーニの主題による狂詩曲」。
ラフマニノフを深く敬愛するプレトニョフは、指揮者としてもピアニストとしてもその作品に熱心に取り組み、コンサートでも録音でもその実績は認められ、さら に今回はオーケストラにその名を冠するほど。2023年には東フィルと全曲演奏会を開催するなど、いまラフマニノフを聴くならプレトニョフと言わしめる最高 の演奏を堪能することができます。 (Ki)

Profil
PH-20055(4CD)
エディション・シュターツカペレ・ドレスデンVol.48 カール・ベーム協奏曲集1938〜1940
■Disc1
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
■Disc2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
(2)同:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
■Disc3
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
■Disc4
(1)モーツァルト:ホルン協奏曲第3番変ホ長調K.447
(2)ブラームス:アノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83
カール・ベーム(指)
シュターツカペレ・ドレスデン

■Disc1
ヤン・ダーメン(Vn)(1)、
エドウィン・フィッシャー(P)(2)
■Disc2
ヴァルター・ギーゼキング(P)(1) 、
マックス・シュトループ(Vn)(2)
■Disc3
ヴォルフガング・シュナイダーハン(Vn)(1)、
リュプカ・コレッサ(P)(2)
■Disc4
マックス・ツィモロング(Hrn)(1)、
ヴィルヘルム・バックハウス(P)(2)
録音:Disc1:1938年6-7月(1)、1939年7-8月(2)、Disc2: 1939年(1)、1939年7-8月(2)、Disc3:1939年、Disc4: 1940年12月(1)、1939年5-6月(2)/ドレスデン・シュターツオーパー
人気のエディション・シュターツカペレ・ドレスデン・シリーズ第48弾は戦前のベームの協奏曲録音。彼らの交響曲や管弦楽曲は同シリーズで復刻されましたが、 協奏曲も興味津々。何より独奏者が魅力的。ギーゼキング、バックハウス、シュナイダーハンら巨匠の若々しい時代の演奏が貴重。同団のトップメンバーだったダー メンやシュトループなどの名演も味わえます。
いずれも「カール・ベーム独EMI録音集」に収録されていたものと同音源ですが、同Boxが現在入手困難となっているため大歓迎のリリースと申せましょう。 またエディション・シュターツカペレ・ドレスデン・シリーズの楽しみであるフルカラー豪華解説書も今回は92ページ、貴重な写真もふんだんに用いて価値をあげ ています。 (Ki)

H.M.F
HMM-932075(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
弦楽六重奏曲 第2番op.36
イザベル・ファウスト(Vn/'スリーピング・ビューティ'1704年ストラディヴァリウス)
[協奏曲]ダニエル・ハーディング(指)マーラー・チェンバー・オーケストラ
[六重奏曲]イザベル・ファウスト、ユリア=マリア・クレッツ(Vn) ステファン・フェーラント、ポーリーヌ・ザクセ(Va)、クリストフ・リヒター 、シェニア・ヤンコビチ (Vc)

録音:[協奏曲]2010年2月(Sociedad Filarmonica(ビルバオ))、[六重奏曲]2010年9月(テルデックス・スタジオ(ベルリン))
2010年録音の、イザベル・ファウストの名盤、ブラームスのヴァイオリン協奏曲が再登場。ハーディング指揮によるマーラー・チェンバー・オーケストラとの共 演ということでも注目された名演です。ヴァイオリン・ソロの冒頭から、ファウストの高度の集中としなやかさに耳を奪われます。第2楽章での高音による旋律では、 ファウストの繊細かつ芯のある美音が冴えわたります。第3楽章で見せるエネルギー、それでいてどこか可憐な風合いもある表情はファウストの魅力全開です。全 体を通してハーディングの巧みな造形が光る音楽運びも見事です。
なお、ファウストは、ブゾーニのカデンツァを採用。「表情豊かで、作品への畏敬の念に満ち、構 造的には単純ながらオリジナリティに溢れ、ブラームスらしさを保ちつつも、ヴァイオリニストの技量の見せどころもちりばめられている」とファウスト自身が熱く語 るブゾーニのカデンツァ、注目です。カップリングの弦楽六重奏曲は、繊細な冒頭から見事なアンサンブル。マーラー・チェンバーの若手奏者のほか、ナヴァラやフ ルニエに師事したクリストフ・リヒターなど世代を超えたメンバーによる演奏で、親密でロマンティックな名曲をたっぷりと聴かせます。

Capriccio
C-5510(1CD)
NX-B10
マリア・ヘルツ(1878-1950):ピアノ協奏曲/チェロ協奏曲/管弦楽作品集
ピアノ協奏曲 Op.4
大管弦楽のための4つの短い小品 Op.8
チェロ協奏曲 Op.10
管弦楽のための組曲 Op.13
オリヴァー・トリンドル(P)
コンスタンツェ・フォン・グートツァイト(Vc)
ベルリンRSO
クリスティアーネ・ジルバー(指)

録音:2022年11月15-18日、2023年6月12-13日
全て世界初録音
1878年、ケルンの裕福なユダヤ系の家庭に生まれたマリアは、幼少期から音楽の才能を開花させました。1901年に化学者のアルベルト・ヘルツと結婚し てイギリスに移住しましたが、1914年に義理の弟の結婚式に参加するため一家でドイツを訪れた時に第1世界大戦が勃発。イギリス帰国が許可されず、 一家でケルンに留まることを余儀なくされます。更に1920年に夫が「スペイン風邪」で病死。苦境に瀕したマリアですが、その人柄と音楽的才能を慕ってケル ン歌劇場の第1カペルマイスターだったクレンペラーをはじめ、ブダペストSQ、ピアティゴルスキー、フォイアマン、アーベントロート、ロスバウトらが親 交を結び、作品の演奏回数が増えてゆきます。しかしナチスが台頭するとユダヤ人作品の演奏が禁じられてしまい、彼女の一家もドイツを離れて欧州各国 を転々。1935年を最後に作曲することはなく、1950年にニューヨークで亡くなりました。 男性優位の当時の社会で認められるために、彼女は夫が亡くなるとその名を借りてアルベルト・マリア・ヘルツと名乗って作曲していました。生前に出版された のは「5つの歌曲」と弦楽四重奏に編曲したバッハのシャコンヌだけでしたが、1995年に遺族が持っていた楽譜をチューリヒ中央図書館に寄贈し、2015年 からはそれらの作品へのアクセスが可能になりました。このアルバムに収められたのもその一部です。響きにも様式にも後期ロマン派の佇まいが濃厚な彼女の 作品は、演奏者には高度な技量を求めており、当時の社会情勢に翻弄され続けたこの作曲家の才能とセンスを今に伝えてくれます。

Channel Classics
CCS-46624(1CD)
NX-C04
ペルト、バッハ 作品集
バッハ:シンフォニア 〜教会カンタータ「わが心に憂い多かりき」 BWV21
ペルト:タブラ・ラサ(1977)
ペルト:B-A-C-Hの主題によるコラージュ(1964)
バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 BWV1060R  (2台のヴァイオリンによる)
ペルト:シルーアンの歌(1991)
シモーネ・ラムスマ(Vn)
カンディダ・トンプソン(Vn、指)
アムステルダム・シンフォニエッタ

録音:2020年-2023年 オランダ
オランダに生まれイギリスで学んだヴァイオリニスト、シモーネ・ラムスマと、イギリス生まれのカンディダ・トンプ ソンによる、ペルトとバッハの作品を集めたアルバム。その強いつながりを示す「コラージュ」では、ペルト初 期の動きのある作風でBACH主題が変容されてゆきます。そしてティンティナブリ様式による2つの作品と バッハの作品では、どちらも根底に祈りが流れているのを感じることが出来るでしょう。ラストの余韻まで非 常に美しい一枚。

Orchid Classics
ORC-100291(1CD)
NX-B06
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ブレット・ディーン(1961-):ピアノ協奏曲「グナイクセンドルフの音楽 - ある冬の旅」
ジョナサン・ビス(P)
スウェーデンRSO
ダーフィト・アフカム(指)

録音:2020年2月13-15日(ライヴ)
1980年生まれのジョナサン・ビスは若いうちから脚光を浴び、共演した音楽家たちからも篤い信頼を得てきました。35歳になる2015年にはセントポール室 内管と合同で、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲それぞれにインスパイアされた新作を5人の作曲家に委嘱し、両曲をペアで演奏するBeethoven/5と いうプロジェクトを立ち上げました。ORCHID CLASSICSは、それら5組の協奏曲の録音を順次リリースしてゆく予定です。第1弾として「皇帝」とブレット・ ディーンの「グナイクセンドルフの音楽 - ある冬の旅」が登場。「皇帝」はスケールが大きく、正攻法の堂々たる演奏。ベートーヴェンのソナタ全集の録音も 完成させたビスの円熟を示す演奏となっています。ディーンの作品名にあるグナイクセンドルフはベートーヴェンの弟ヨハンの家があった街。自殺未遂を起こし た甥のカールを連れたベートーヴェンが1826年の秋から初冬にかけて滞在した後、ウィーンに戻る旅の途中で体調を崩し、それから4カ月足らずで世を去り ました。作品は急緩急の3楽章構成で演奏時間約25分。熱にうなされて乱れがちな意識の中に「皇帝」のフレーズが浮かんでは消えるといった趣きで、全 編を通じてピアノにはヴィルトゥオーゾ的なテクニックが求められます。 Beethoven/5は発起人役のセントポール室内管に続いて15のオーケストラ・団体が賛同する大プロジェクトとなり、ディーンの作品はセントポール室内管 に加えてドレスデン・フィル、リヨン国立管、ヴロツワフ・フィル、メルボルン響、スウェーデン放送響が共同で委嘱。当録音は初演時のライヴ録音です。他の作 品は初演順にTimo Andres, The Blind Banister(第2番とのペア)、SALLY BEAMISH City Stanzas(第1番)、SALVATORE SCIARRINO Il sogno di Stradella(第4番)、CAROLINE SHAW Watermark(第3番)。これらの作品がレパートリーに定着し、自分が世を去った後も末永く演奏 されつつけるよう願っています」と語っています。今後のリリースが楽しみなシリーズです。

Pentatone
PTC-5187202(1SACD)
モーツァルト&プーランク:2台&3台ピアノのための協奏曲集
(1)モーツァルト:3台のピアノのための協奏曲ヘ長調K.242「ロードロン」
(2)モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲変ホ長調K.365
(3)プーランク:2台のピアノのための協奏曲ニ短調
児玉麻里(第2ピアノ(1)(2)、第1ピアノ(3))
児玉桃(第3ピアノ(1)、第1ピアノ(2)、第2ピアノ(3))
カリン・ケイ・ナガノ(第1ピアノ(1))
ケント・ナガノ(指)スイス・ロマンドO

録音:2023年3月/ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)
児玉麻里&桃姉妹のピアノ・デュオ、待望の最新録音が登場します。それもモーツァルトとプーランクの協奏曲、なんと児玉麻里の 夫君ケント・ナガノ指揮のスイス・ロマンドOという豪華すぎる共演。さらに注目はモーツァルトの3台のピアノのための協奏曲をケント・ナガノと児玉 麻里の愛娘カリン・ケイ・ナガノが加わり、まさに凄すぎる家族のアルバムとなっています。奏者たちは「夢が実現した」と記しています。
仲の良さは息のあい方から伝わりますが、3台のピアノのための協奏曲は主役の第1ピアノを若きカリンに担わせ、懸命に弾くのを両親と叔母が温かくも見 守り、美しいアンサンブルにしているのが胸を打ちます。モーツァルトはこの曲をロードロン伯爵夫人とその二人の娘のために作ったとされますが、その初演時 の様子を彷彿させる思いがします。
聴きものはプーランク初期の傑作協奏曲。バリ島のガムラン音楽やフランスのシャンソンをはじめ盛りだくさんな内容の曲ですが、「戴冠式」協奏曲のパロディ や引用も含めモーツァルトの精神に回帰しているとプーランク自身が認めており、カップリング的にも自然。速いパッセージなど技術面に加え、両奏者およびオー ケストラとのアンサンブルが非常に難しい作品ですが、3名が一体化した奇跡的な完成度を示しています。
技術的完璧さはもちろんながら、モーツァルトの輝きやプーランクならではのオシャレさなど児玉麻里&桃姉妹の薫り高きあでやかなピアニズムを存分に堪能 できます。 (Ki)

DOREMI
DHR-8231(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第6集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
(3)バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第22番変ロ短調 BWV867
(4)モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調 K.310
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ショパン:夜想曲 変ニ長調 Op.27-2
ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 Op.27-1
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ガリー・ベルティーニ(指)ケルンRSO
 録音:1976年5月ケルン
(2)ガリー・ベルティーニ(指)北ドイツSO
 録音:1977年1月17日ハンブルク
(3)録音:1967年ブカレスト、エネスコ国際コンクール
(4)録音:1987年10月16日東京
ルプーの貴重なライヴ音源集、第6弾です。ベルティーニとの協奏曲2種に、優勝した67年エネスコ国際コンクールからの音源と87年の東京リサイタルを収録。

Spectrum Sound
CDSMBA-156(1CD)
ORTFのステレオ技術
(1)サン=サーンス:ハバネラ Op.83
 サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(2)ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
(3)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
(1)ドゥヴィ・エルリー(Vn)
ピエール・キャプドヴィエル(指)、フランス国立放送室内O
録音:1966年12月29日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104【公開収録/ステレオ】
(2)ピエール・フルニエ(Vc)、ジャン・フォンダ(P)
録音:1980年3月17日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ124【セッション/ステレオ】
(3)ジャック・フェヴリエ(P)
マニュエル・ロザンタール(指)、フランス国立放送O
録音:1960年1月26日/シャンゼリゼ劇場【ライヴ/ステレオ】
ORTF(フランス放送協会)は1959年にステレオ録音の技術を確立。ラジオ放送では世界初でした。当アルバムにはORTFの技術の結晶といえる貴重な音源 からジャック・フェヴリエのラヴェルの左手のための協奏曲(1960年1月)、ドゥヴィ・エルリーのサン=サーンスの「ハバネラ」「序奏とロンド・カプリチオーソ」 (1966年12月)、そしてピエール・フルニエのラフマニノフのチェロ・ソナタ(1980年3月)を収録。フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディ スク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」からの注目リリースです!
ドゥヴィ・エルリーのサン=サーンスは超絶技巧をものともせず、自由に歌いあげています。艶やかな美音はエルリーならでは。
ピエール・フルニエが息子ジャン・フォンダと共演したラフマニノフはじっくりと聴かせます。巨匠フルニエが1980年に演奏した貴重な記録といえます。
ジャック・フェヴリエはラヴェル作品を得意としたピアニスト。左手のためのピアノ協奏曲のフランス初演はラヴェルに抜擢され演奏している作曲家お墨付きの 十八番です。マニュエル・ロザンタール率いるフランス国立放送Oと名演を聴かせてくれます。
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Signum Classics
SIGCD-791(1CD)
シーズンズ・インタラプテッド
シューベルト:4つの歌曲(トレイ・リー編曲/チェロとピアノ版)〔春に D.882、夏の夜 D.289、秋 D.945、凍った涙(冬の旅 D.911より)〕
ピアソラ:ブエノスアイレスの四季(トレイ・リー編曲/チェロと弦楽オーケストラ版)
キルモ・リンティネン:チェロ協奏曲
トレイ・リー(Vc)、
ゲオルギー・チャイゼ(P)、
エミリア・ホーヴィング(指)、
イギリス室内O

録音:2023年5月、ロンドン&2023年8月、ベルリン
トレイ・リーは香港の音楽一家に生まれ、北京の中央音楽院、ニューヨークのジュリアード音楽院、ハーバード大学(経済学)、ニューイングランド音楽院、マドリッドのソフィア王妃芸術学校、ケルン音楽大学など幅広い場で学び、現在はベルリンを拠点にアメリカ、ヨーロッパ、中国など世界中で活躍するチェリスト。英グラモフォン誌からは「奇跡」と称賛され、故ロリン・マゼールからは、フィルハーモニアOとハイドンのチェロ協奏曲で共演した後に「素晴しい主人公... 素晴しいチェリスト」と称えられています。
Signum Classicsからリリースされるトレイ・リーのアルバム「シーズンズ・インタラプテッド(中断された季節)」は、シューベルトの膨大な歌曲の中から「春、夏、秋、冬」にまつわる4曲を選び抜いてチェロ版に編曲したものと、ピアソラの傑作「ブエノスアイレスの四季」をチェロと弦楽オーケストラ版へと編曲した意欲的なレパートリーに、フィンランドの現代作曲家キルモ・リンティネンのチェロ協奏曲(トレイ・リーに献呈され、リーが初演)をカップリング。リンティネンのチェロ協奏曲は、季節がなくなった気候変動、環境危機の影響から生じる未来が描かれており、シューベルトの「四季」とピアソラの「四季」と合わせて、季節と気候変動の物語が綴られています。
シューベルトのピアノ伴奏はラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019などでも来日しているゲオルギー・チャイゼ。「チェロ協奏曲」の指揮は、2022年に読響で日本デビューし三浦文彰と共演したフィンランドの女性指揮者、エミリア・ホーヴィングです。

Hyperion
CDA-68429(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.87〜ライネッケ&ザウアー:ピアノ協奏曲集
ライネッケ(1824-1910):ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.144、コンツェルトシュテュック Op.33
エミール・フォン・ザウアー(1862-1942):ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.254
サイモン・キャラハン(P)、
ザンクト・ガレンSO、
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2023年5月22日-25日、トーンハレ・ザンクト・ガレン(スイス)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第87巻となる今作はレアなレパートリーを多数発掘しているピアニスト、サイモン・キャラハンがシリーズ4度目の登場!ライネッケ&ザウアーの珍しいピアノ協奏曲を取り上げます。
2024年に生誕200年を迎えるカール・ライネッケのピアノ協奏曲はシリーズ第85巻(CDA68339)でサイモン・キャラハンによる第1番、第2番、第4番がリリースされていましたが、残る第3番が今作に収録。ピアノと管弦楽のための「コンツェルトシュテュック」も併せて収録されています。ライネッケと同じくドイツの作曲家で一世代若いエミール・フォン・ザウアーは最晩年のフランツ・リストに教わった作曲家であり、楽譜の校訂者としても名が知られています。その作品はライネッケ以上に録音に恵まれているとは言い難く、ピアノ協奏曲第1番は同シリーズよりスティーヴン・ハフの演奏で1996年のグラモフォン賞を受賞したディスク(CDA66790)がありましたが、第2番がこの度待望のリリースとなります。

Avie
AV-2662(1CD)
イン・イヴニング・ライト
ペーテリス・ヴァスクス(b.1946):ヴァイオリン協奏曲第2番「夕暮れの光の中で(イン・イヴニング・ライト)」(世界初録音)
シューベルト(ポール・スーツ編):華麗なるロンド ロ短調 Op.70, D.895(Vnと弦楽版)
ペーテリス・ヴァスクス:孤独な天使
セバスティアン・ボーレン(Vn)、
ミュンヘン室内O、
セルゲイ・ボルクホヴェツ(指)

録音:2023年9月27日-29日、昇天教会(ゼンドリンク、ミュンヘン)
ギドン・クレーメルが初演、録音し1997年のラトビア音楽大賞に輝いた近年のヴァイオリン協奏曲の中でも指折りの傑作、ペーテリス・ヴァスクスの「遠き光」からおよそ25年、二作目のヴァイオリン協奏曲となる「夕暮れの光の中で」がセバスティアン・ボーレンによって世界初録音されました!
ラトビアに生まれ、自国の音楽の要素も取り入れ抒情的で明快な作風が高い人気を誇るヴァスクスが2020年に完成させた「ヴァイオリン協奏曲第2番「夕暮れの光の中で」」は3つの楽章からなる38分ほどの作品。全体的にゆったりと流れる音楽は瞑想的で、深い陰影とドラマチックなコントラストが美しい薄暮の世界を想起させる感動的な作品です。またヴァイオリンと弦楽版のアレンジによるシューベルト「華麗なるロンド」を挟んで最後に収録された「孤独な天使」は、ヴァスクスが20世紀のほとんどを生き抜いた亡き母へ捧げるオマージュ。こちらもまた聴き手の心を揺さぶる耽美な作品です。
セバスティアン・ボーレンは1987年スイス生まれの若手実力派ヴァイオリニスト。ザハール・ブロン、ジュリアーノ・カルミニョーラ、ドミトリー・シトコヴェツキーといった名教師たちに鍛えられた技術と表現力は見事の一言で、このアルバムでもヴァスクスの音楽が持つ魅力を余すところなく伝えています。

Halle
CDHLL-7562(1CDR)
タバコヴァ:協奏曲集
ドブリンカ・タバコヴァ(b.1980):オルフェウスの彗星
ヴィオラと弦楽のための協奏曲*
組曲「地球」
チェロと弦楽のための協奏曲**
デルヤナ・ラザロワ(指)ハレO、
マキシム・リザノフ(Va)*、
ガイ・ジョンストン(Vc)**

録音:2022年9月
デルヤナ・ラザロワ(2020-23年、ハレ副指揮者)と作曲家ドブリンカ・タバコヴァ(2022-23年、ハレ・アーティスト・イン・レジデンス)は、同じブルガリアのプロブディフで生まれました。このアルバムはその二人が同じオーケストラに在籍して行った初めての仕事となりますが、同郷ということもあり、タバコヴァの音楽言語をラザロワが見事に解釈しています。協奏曲の他にタバコヴァにとって重要な作品のひとつである組曲「地球」も収録されており、英BBCミュージック・マガジン誌において「レコーディング・オヴ・ザ・マンス」に選ばれています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Lyrita
SRCD-416(1CDR)
イギリスのピアノ協奏曲集
ゴードン・ジェイコブ:ピアノ協奏曲第2番 変ホ長調(1957)
ジョン・アディソン:ピアノと管弦楽のための変奏曲(1948)
エドマンド・ラッブラ:ピアノ協奏曲 Op.30(1932)*
サイモン・キャラハン(P)、
BBCウェールズ・ナショナルO、
スティーヴン・ベル(指)、ジョージ・ヴァス(指)*

録音:2022年4月&11月
これまでにも知られざる作曲家たちによる素晴らしい作品を世に広めてきたサイモン・キャラハン。このアルバムではこれまで演奏機会のあまりなかったイギリスのピアノ協奏曲を取り上げています。作曲当時ゴードン・ジェイコブの「ピアノ協奏曲第2番 変ホ長調」はプロムスでも取り上げられ、好評価で迎えられています。また、ジョン・アディソンの「ピアノと管弦楽のための変奏曲」は、管楽器を木管2本、ホルン4本、トランペットとトロンボーン各1組ずつ、そしてバストロンボーンだけという比較的小さなオーケストラのために書かれました。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Ars Produktion
ARS-38654(1CD)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6*
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 Op.7「ラ・カンパネラ」**
(3)ヴァイグルの主題による変奏つきソナタ ホ長調 M.S.47***
マンリコ・パドヴァーニ(Vn)
(1)オルテニアPO、ボリス・ペルノー(指)
(2)ソウル・ギュリPO、ボリス・ペルノー(指)
(3)スイス・イタリアーナO、ハワード・グリフィス(指)

録音(ライヴ):2012年10月(ルーマニア)*、2014年9月(韓国)**、録音日不詳(スイス)***
12歳の頃にパガニーニの生涯を描いた映画を観てヴァイオリンに目覚め、以来パガニーニを理想の音楽家とするイタリア出身のスイス人ヴァイオリニスト、マンリコ・パドヴァーニ。音楽的な激しさと技術的な敏捷性、コンサートで聴衆に与える印象から「ヴァイオリンの魔術師」「悪魔的なヴァイオリニスト」などと評されるパドヴァーニがパガニーニのコンチェルトを弾いたライヴ・レコーディング集がついに登場しました。ボリス・ペルノーと共演した2つのヴァイオリン協奏曲もライヴの熱気が伝わる秀演ですが、特に「ヴァイグルの主題による変奏つきソナタ」はピアノ伴奏版の録音が多く、今回のオーケストラ伴奏によるライヴ録音は貴重なものといえるでしょう。

ALPHA
ALPHA-993(2CD)
NX-E05
リゲティ作品集
【CD1】
1-5. ヴァイオリン協奏曲(1990-1992)
6-7. チェロ協奏曲(1966)
8-12. ピアノ協奏曲(1985)
【CD2】
1-4. 室内協奏曲 -13人の奏者のための(1969-1970)
5-6.2つの奇想曲 - ピアノのための(1947)
7-15.5つの小品 -4手ピアノのための(1942-1950)
16-21. 無伴奏ヴィオラのためのソナタ(1991-1994)
22-25. ホルン三重奏曲(1982)
カン・ヘスン(Vn)…CD1/1-5
ルノー・デジャルダン(Vc)…CD1/6-7
ディミトリ・ヴァッシラキス(P)…CD1/8-12、CD 2/5-15
セバスティアン・ヴィシャール(P)…CD 2/7-15、22-25
ジョン・ストゥルツ(Va)…CD2/16-21
デイエゴ・トージ(Vn)…CD2/22-25
ジャン=クリストフ・ヴェルヴォワット(Hrn)…CD 2/22-25
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
ピエール・ブリューズ(指)

録音:2023年2月、6月 フィラルモニ・ド・パリ
アンサンブル・アンテルコンタンポランと、2023/24年のシーズンからその音楽監督を務めるピエール・ブリューズによるリゲティの作品集が2枚 組で登場。1枚目にはメンバーが務めるソリストと20-30人規模のアンサンブルによる3つの協奏曲を収録。これらはアンサンブル・アンテルコ ンタンポランにとって約10年ぶりの再録音となります。2枚目には小規模な編成のための作品を収録。1940年代から1990年代までリゲティ の活動期間をほぼカバーしており、様々な新しい手法を取り入れ発展させた作風の変転を俯瞰することが出来る、有意義な作品集となっ ています。

ARCANA
A-542(1CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(アントニオ・ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
ルイジ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はルイジ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にのみ、 ルイジ・ピヴァーノの父で作曲家であったアントニオ・ピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なも の。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲 を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わり に、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに組み込まれています。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0083(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲集
第2番変ホ長調 K.417
第4番変ホ長調 K.495
第3番変ホ長調 K.447
第1番ニ長調 K.412
ジビュレ・マーニ(Hrn)
アンドレアス・シュペリング(指)
ブランデンブルクSO

録音:2023年
モーツァルトのホルン協奏曲は、ホルンの名手でありモーツァルトと冗談をとばしあいふざけあう間柄だったヨーゼフ・ロイトゲープ(1732-1811)のために 書かれました。どれも美しく整った音楽でありながらユーモアのある名品で、ホルン奏者にとって欠かせない重要レパートリーになっています
ジビュレ・マーニはマリー=ルイーズ・ノイネッカーに師事したホルン奏者。1997年から2016年までフランクフルト歌劇場のOで首席ホルン奏者を務 めました。ソリストとしても数多のオーケストラと共演、2020年からはベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学のホルン科教授を務めています。
指揮は古楽ファンになじみのあるシュペリング。ブランデンブルクSOは1810年創設の長い歴史を持つオーケストラです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72985(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第11〜13番
協奏曲第11番ヘ長調 K.413
協奏曲第12番イ長調 K.414
協奏曲第13番ハ長調 K.415
ベン・キム(P;D584307)
コンセルトヘボウ室内O

録音:2022年4月2日、2023年4月22-23日/ヒルフェルスム、MCO第1スタジオ
ミュンヘン国際コンクール覇者のベン・キムとコンセルトヘボウ室内Oによるモーツァルトの協奏曲、第3弾。モーツァルトがザルツブルクからウィーンに 移って最初に書いたピアノ協奏曲である第11番〜13番を収録しています。父レオポルドへの手紙では「簡単すぎず難しすぎず、幸福な中庸である」と表現され、 控えめながら自信作であることがうかがえます。崇高さと親密さが混じりあったスタイリッシュな好演。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187325(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn/1716年製ストラディヴァリウス「ブース」)
シャルル・デュトワ(指)
スイス・ロマンドO

録音:2014年9月22〜24日/ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)
世界的ヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハーの名盤の中でも特に高い評価を得ているメンデルスゾーン、チャイコフスキーのアルバムがCDフォー マットで再発売いたします!
メンデルスゾーンは一貫して落ち着いたテンポで一音一音雄弁に歌い上げます。カデンツァでは美しさと力強さを兼ね備えた演奏を披露。第2楽章では女王の 風格を感じる語り口で一度聴いたら忘れがたき熱演を繰り広げます。そして第3楽章はオーケストラとの対話も見事でデュトワとの相性のよさもさることながら、 歯切れのよいメロディが立体的に聴こえる快演を聴かせてくれます。
一方、チャイコフスキーは朗々と歌い上げ、テンポのコントロールや豊かな音楽表情など、シュタインバッハーでしか表現できない世界が広がります。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5439およびPTC-5186504)は廃盤となります。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMBA-148(1CD)
レジェンド・オブ・ザ・チェロ〜フルニエ、シュタルケル、レヴィ
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191
(2)ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2
(3)チェレプニン:歌と踊り Op.74
(1)ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)、シャルル・ブリュック(指)、フランス国立放送PO
(2)ピエール・フルニエ(Vc)、ジャン・フォンダ(P)
(3) アンドレ・レヴィ(Vc)、エレーヌ・ボスキ(P)

録音:(1)1966年11月25日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104【ステレオ/公開収録】
(2)1980年3月17日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ124【ステレオ/公開収録】
(3)1963年10月24日ブルダン・センター内スタジオ51【モノラル/セッション】
スペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。当アルバムはina&Radio Franceからのライセンスで20世紀を代表する3人のチェリストの正規初出音源集!!ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)が1966年に演奏したドヴォルザークのチェロ協奏曲、ピエール・ フルニエ(1906-1986)が1980年に演奏したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番、そしてアンドレ・レヴィ(1894-1982)が1963年に演奏したチェレ プニンの「歌と踊り」という充実の内容です。スペクトラム・サウンドの復刻には定評があり、その中でもチェロの復刻は最も高く評価されています。
シュタルケルのドヴォルザークは絶品の一言!最も充実した演奏を披露していた40代、まさにその時期の演奏で、テクニックはもちろんのことシュタルケルらしい 「語る」演奏で聴衆を魅了しております。フルニエのベートーヴェンは70代半ば、円熟の至芸といえる演奏で非常に温かい音色を奏でています。そして70歳を目 前にしたレヴィのチェレプニンは自由に歌い上げており、個性の違う3人の名手の演奏をこの1枚で堪能できます!
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-147(1CD)
ドゥヴィ・エルリー〜ザ・ライヴ・アーカイヴス・イン・フランス
(1)ラロ:スペイン交響曲(第3楽章カット)
(2)バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
ドゥヴィ・エ ルリー(Vn )

(1)マニュエル・ロザンタール(指)、フランス国立放送O
(2)ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(Cemb)
(3)ブリジット・エンゲラー(P)

録音:(1)1956年5月10日、(2)1961年12月18日フランス国立放送局内スタジオ(パリ)【モノラル/公開収録】
(3)1981年3月5日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ106【ステレオ/公開収録】
Previously unissued recordings
Licensed by INA
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。当アルバムはフランスの名ヴァ イオリニスト、ドゥヴィ・エルリーの正規初出音源でラロのスペイン交響曲、バッハのヴァイオリン・ソナタ ホ短調 BWV1023、そしてベートーヴェンのスプリ ング・ソナタです!
1955年にロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝し、ソリストとしての活動を始めたエルリー。同年初来日を果たし、日本の聴衆にも情熱的な演奏を届けま した。ヨーロッパを中心とした演奏活動の傍ら、1960年代後半にはマルセイユ音楽院の教授に、また1982年にはパリ音楽院の教授に就任し、後進の育成にも 力を注ぎました。
商業録音が極めて少ないエルリー。そのため、INAに保管されている放送用の公開収録音源は非常に貴重です。ラロのスペイン交響曲はロン=ティボー優勝の 翌年、1956年の演奏。完璧といえるテクニックと自由な歌いまわしはエルリーならでは。名指揮者マニュエル・ロザンタールの好サポートを得て堂々たる演奏を 聴かせます。最終楽章の最後の一音を待たずに熱狂的な聴衆の拍手からも熱演であることが感じられます。
チェンバロ奏者ロベール・ヴェイロン=ラクロワとのバッハのホ短調のソナタでは抒情的な歌わせ方で弾き、ブリジット・エンゲラーとのスプリング・ソナタでは 音楽的対話を楽しむように演奏しております。今では聴くことのできない20世紀の大ヴァイオリニスト、エルリーが奏でる美音をご堪能ください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Alba
ABCD-477((1CD)
フィンランドのアコーディオン協奏曲
ミンナ・レイノネン(1977-):Vyory(雪崩)(2021)(アコーディオンと弦楽オーケストラのための)*
アウリス・サッリネン(1935-):協奏曲 Op.115(2つのアコーディオン、弦楽オーケストラと打楽器のための協奏曲)(2018-19)**
ヴェリ・クヤラ(1976-):シェイプ=シフター(Shape-Shifter)(2018)(アコーディオンと弦楽オーケストラのための協奏曲)***
アンッティ・レイノネン(アコーディオン)*
ソニヤ・ヴェルタイネン(アコーディオン)**
ヤンネ・ヴァルケアヨキ(アコーディオン)**
ペッテリ・ヴァリス(アコーディオン)***
オストロボスニア室内O
トマス・ユープシェーバカ(指)
フィンランドの中部ポホヤンマー(スウェーデン名「オストロボスニア」)にあるコッコラ市は、文化活動に力を注いでいることで知られます。コッコラ市が本拠の オストロボスニア室内Oは活動のひとつとして毎年2月に「コッコラ冬のアコーディオン」を開催。この音楽際では一週間にわたってアコーディオンの多様な 音楽が演奏されています。オストロボスニア室内Oの新しいアルバムでは、このフェスティヴァルの委嘱作が3曲演奏されます。  ミンナ・レイノネン(1977?)は、シベリウス・アカデミーでヨウニ・カイパイネンに学び、修士号を取得。博士課程のヴェリ=マッティ・プーマラの下で研究を続 けています。自然現象、文学、文化遺産といった音楽外のものからインスピレーションを得た作品が多く、そのことが作品のタイトルにも反映されます。このアルバ ムの「Vyory(雪崩)」は、2021年という「落ち着かない社会情勢」の時代を映したとされ、アンッティ・レイノネンに献呈されました。  アウリス・サッリネン(1935?)は、「騎馬兵卒」「赤い線」「クッレルヴォ」「英国王フランスへ行く」といったオペラや交響曲で名高い作曲家です。モダニズム の手法から出発し、『カレヴァラ』に基づくテレビ映画『鉄の時代』の音楽などを手がけながら、新古典的とみなされる独自のスタイルを確立してきました。「2つ のアコーディオン、弦楽オーケストラと打楽器のための協奏曲」は、コッコラ文化ディレクターのサンポ・プロンタウスとフェスティヴァルの共同委嘱で作曲されまし た。2楽章の作品。オストロボスニアの風景をベースに、2楽章にはコッコラ地方の民謡が素材に使われています。2020年のフェスティヴァルでソニヤ・ヴェルタ イネン とヤンネ・ヴァルケアヨキ により初演されました。  アコーディオン・ヴィルトゥオーゾのヴェリ・クヤラ(1976?)は、作曲家としても評価され、フィンランドのほか、ニューヨーク、東京、ロンドン、パリ、ベルリン で彼の作品が演奏されてきました。作曲家のサンポ・ハーパマキと共同で四分音アコーディオンを開発したことでも知られます。「シェイプ=シフター」は、「音色の カメレオン」アコーディオンの特性を活かした「レント・アフェットゥオーゾ」「アレグロ・コン・ブリオ」「ラルヴォ・インテンシヴォ」「アレグロ・コン・フォーコ」の 4つの部分で「姿形を変えるもの」を表現する音楽です。フェスティヴァルとオストロボスニア室内Oの共同委嘱作。2019年の「第10回コッコラ冬のアコー ディオン」でペッテリ・ヴァリス のソロで初演されました。 (Ki)

BIS
BISSA-2715(1SACD)
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889):ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.16
ハンス・ブロンサルト・フォン・シェレンドルフ(1830-1913):ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.10
ポール・ウェー(P/Steinway D)
スウェーデン室内O、
マイケル・コリンズ(指)

録音:2022年10月/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)
ロンドンの敏腕弁護士にして高名なポール・ウェー。BISレーベルから超絶技巧作品を多くリリースし注目されています。
当アルバムはマイケル・コリンズ(指)スウェーデン室内Oとの共演で、ロマン派時代に生まれた2つのピアノ協奏曲を録音しました。
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889)は現ニュルンベルク近郊出身でのちにロシア帝国に渡りロシア・ピアノ楽派の基礎を築いたピアニスト、作曲家。 ヘンゼルトのピアノ協奏曲の初演はクララ・シューマン独奏、メンデルスゾーン指揮で成功を収め、その後偉大なヴィルトゥオーゾたちによって演奏されました。全 3楽章に渡り、ドラマティックな激しさ、高鳴るメロディと優しい叙情性、色彩豊かなオーケストレーション、そして光り輝くピアノなど魅力に満ちた作品です。
ハンス・ブロンサルト・フォン・シェレンドルフ(1830-1913)はベルリン大学で学んだのち、ヴァイマルでリストに師事したピアニスト、作曲家。リストのピア ノ協奏曲第2番のヴァイマル初演はブロンサルト独奏、リスト指揮で行われました。ブロンサルトのピアノ協奏曲は、後期ロマン派の息吹を感じさせ、技巧的なピア ノ独奏と豊かなオーケストレーションが魅力。類まれな才能の持ち主ウェーが雄弁に語りかける演奏を披露しております。 (Ki)

DOREMI
DHR-8227(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第5集
(1)ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調
 ラプソディ・イン・ブルー
(2)アンドレ・チャイコフスキ:ピアノ協奏曲第2番 Op.4
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19
(4)ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番ニ長調 Hob XVI:37
(5)ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番へ短調 Op.5
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D.664〜第3楽章 アンダンテ
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ディーン・ディクソン(指)フランクフルトRSO.
 録音:1973年3月2日フランクフルト
(2)ウリ・セガル(指)ロイヤルPO
 録音:1975年10月28日ロンドン
(3)エーリヒ・ラインスドルフ(指)CSO
 録音:1978年1月12日シカゴ
(4)録音:1988年9月ロンドン
(5)録音:1980年10月新宿文化センター
ルプーの貴重なライヴ音源集、第5弾です。ルプーに捧げられた、ポーランドの作曲家アンドレ・チャイコフスキー(アンジェイ・チャイコフスキ)のピアノ協奏曲 第2番、初演時の音源も収録。 (Ki)

MSR
MS-1839(1CD)
カゼッラ:ピアノと管弦楽のためのパルティータ
レスピーギ:ピアノと管弦楽のためのトッカータ
ラフマニノフ:パガニーニの主題によるラプソディ
ジョシュア・ピアース(P)
アントン・ナヌート(指)
スロヴェニアRSO

録音:1991年4月9-11日 スロヴェニア
1990年代初頭に米国のPHOENIX レーベルから発売されたカゼッラ、レスピーギ、ラフマニ ノフの新古典主義的なピアノと管弦楽のための作品集がMSR CLASSICS から再発売。ラフマ ニノフのパガニーニの主題によるラプソディは極めて有名だが、カゼッラとレスピーギのそれぞ れ管弦楽のためのパルティータはわりと珍しいでしょう。カゼッラのパルティータ(1925 年)は、シ ンフォニア、、パッサカリア、ブルレスカの3 楽章から成る新古典主義の作品。特に第3楽章が イタリア古典的でカラッと明るい味が利いていて面白い。レスピーギのトッカータ(1928 年)は、1928年11月28日にレスピーギのピアノ、ヴィレム・メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィルの 演奏で初演された。バロック音楽を下地にしているものの暗くダイナミックな力作。 後にMSR CLASSICSの看板ピアニストになるジョシュア・ピアースが40歳の時の録音。ラフマニ ノフは緊張感の高い熱演、カゼッラは軽妙に、レスピーギは重厚にと、それぞれの作風をピタ リと当てた素晴らしい演奏を聞かせてくれます。また伴奏指揮がスロヴェニアの巨匠アントン・ナ ヌートというのが嬉しい。ラフマニノフのラプソディはナヌートの指揮も非常に充実しています。

CPO
CPO-555631(1CD)
NX-C04
ウォルター・カウフマン(1907-1984):管弦楽作品集 第1集
ピアノ協奏曲第3番(1950)…第3楽章のカデンツァ:エリザヴェータ・ブルーミナ作
交響曲第3番(1936)
インド交響曲(1943)
6つのインドの小品(1965)
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)
ベルリンRSO
デイヴィッド・ロバート・コールマン(指)

録音:2023年10月18-19日、2023年3月14-16日5
※全て世界初録音
ボヘミアのカールスバート(当時オーストリア=ハンガリー帝国の一部)で生まれたウォルター・カウフマンの作品集。 ベルリンではフランツ・シュレーカーに学び、学生時代には相対性理論で知られるアルベルト・アインシュタインと親 交を結んでいます。卒業時にはマーラーに関する学位論文を提出するも、ナチス支持者の教授に抗議し学位取 得を拒否、その後は指揮者ブルーノ・ワルターのアシスタントを務めながら自身の作品の演奏にも携わっています。 フランツ・カフカの姪と結婚し、ナチスの迫害から逃れ1934年には家族で亡命、インドのボンベイに移住します。同 地ではインドとアジア音楽の研究をする傍らオール・インディア・ラジオのディレクターを務め、同局が放送開始前に 流す音楽(インターバル・シグナル)を作曲。またスービン・メータの父メーリ・メータらと共にボンベイ室内楽協会を設 立し、一時期はズービンを教えていました。その後イギリス、カナダを経てアメリカに渡り、ダリウス・ミヨーの紹介でイ ンディアナ大学に職を得て、亡くなるまで音楽学を教えました。 彼は80曲を超えるオーケストラ曲や、10曲以上の歌劇などを残しましたが、それらは現在ほとんど知られていませ ん。このアルバムでは4つの作品をフィーチャー。インドの旋律を用いたエキゾチックな小品や、ブルーミナが独奏を務 めるピアノ協奏曲など、全てが世界初録音です。

Polskie Radio
PRCD-22342235(2CD)
初紹介旧譜
ミェチスワフ・ホルショフスキ・イン・ポーランド
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 KV466*
バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調 KV570
シマノフスキ:20のマズルカ Op.50より 第13番〜第16番
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
シューマン:子供の情景 より 「トロイメライ」 Op.15-7
メンデルスゾーン:無言歌集第6巻 より 「紡ぎ歌」 Op.67-4
アンナ・スクルスカによるミェチスワフ・ホルショフスキへのインタビュー**
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)、
ポーランド国立RSO*、
ヤン・クレンツ(指)*

録音:1963年10月18日(カトヴィツェ)*、1984年5月6日/5月7日**(ワルシャワ)
ポーランドの公共放送局『ポーランド放送(Polskie Radio/Polish Radio)』の自主レーベル「Polskie Radio」が制作する、同局のアーカイヴに眠る貴重な録音をCD化する「FROM THE POLISH RADIO ARCHIVES」シリーズから、テオドール・レシェティツキの弟子であり、99歳までステージに立ち続けたポーランドの伝説的ピアニスト、ミェチスワフ・ホルショフスキ(1892-1993)の2枚組ディスクが登場!ヤン・クレンツと共演した1963年のモーツァルト録音に加え、最後のワルシャワ・リサイタルとなった1984年、91歳のホルショフスキが紡いだ聴く者の心を揺さぶる入魂の演奏を聴くことができます。最終トラックにはそのリサイタルの翌日に行われたホルショフスキへのインタビューを収録。

NIFC
NIFCCD-660(1CD)
エリック・グオ〜第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール・ライヴ
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*
3つのマズルカ Op.59*
ワルツ変イ長調 Op.42*
エリック・グオ(ピリオド・ピアノ)
{oh!} Orkiestra(オルキェストラ・ヒストリチナ)*
ヴァーツラフ・ルクス(指)*

※使用楽器:プレイエル(1842年製)
※録音(ライヴ):2023年10月13日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(/ファイナルステージ)、
2023年10月10日、ワルシャワ・フィルハーモニー・チェンバー・ホール(/第2ステージ)*
ポーランドのフレデリク・ショパン研究所(NIFC/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)が創設から現在まで取り組み続けているショパンの作品をショパンが生きた時代の楽器(オリジナル、復元)で演奏する「リアル・ショパン(The Real Chopin)」プロジェクト。ショパンの時代の響きを現代に蘇らせるというこの画期的な取り組みをさらに活性化させるためにショパン研究所はもちろんのこと、ポーランドの国家としての一大事業として立ち上げられた「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」。日本が世界に誇る歴史的ピアノの名手、川口成彦の第2位受賞が大きな話題となった2018年の第1回大会から5年。2023年に開催された「第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」には予備予選を通過した35名のピアニストたちがワルシャワに集まり、約2週間という期間中「ショパンの時代の響き」が奏でられ続けました。
ファイナル進出者6名全員が「ピアノ協奏曲第1番」を選択する中、見事、第1位とマズルカ賞に輝いたエリック・グオのコンクールでのライヴ録音がいよいよ登場します!
自ら「(ピリオドピアノを含む)古楽器の演奏経験はほとんどない」と語っていたエリック・グオでしたが、コンクール期間中に驚異的な速さでピリオド楽器、ピリオド奏法に順応。第1、第2、そしてファイナルの全てのステージで「ショパンの時代」を感じさせてくれました。今回のライヴ録音のリリースにあたり、ショパン研究所が選出したエリック・グオの演奏は「ピアノ協奏曲第1番」、「3つのマズルカOp.59」、そして「ワルツOp.42」。第1位、マズルカ賞に輝いた俊英エリック・グオのコンクールでの足跡、そして魅力が凝縮された素晴らしいプログラムにご注目下さい!

H.M.F
HMM-902668(1CD)
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲&室内楽作品集
ヴァイオリン協奏曲 op.15(1939年、1958年改訂)*
Reveille(起床ラッパ)(Vnとピアノ伴奏のためのコンサート・スタディ)(1937年)
組曲(1936年)#
ヴァイオリン、ヴィオラとピアノのための2つの小品(1929年)【世界初録音】**
全て、イザベル・ファウスト(Vn)
ヤクブ・フルシャ(指)*
バイエルンRSO*
アレクサンドル・メルニコフ(P)#,**
ボリス・ファウスト(Va)**

録音:2021年10月28-29日ライヴ*、
2022年4月、テルデックス・スタジオ(*以外)
イザベル・ファウストがブリテンのヴァイオリン協奏曲を録音しました!管弦楽はフルシャ率いるバイエルン放送響という最高の布陣。ファウストの聴き手の心を 射抜くようなまばゆい音色は冴え渡り、オケも全員が全身全霊の超絶名演です。ブリテンのヴァイオリン協奏曲は、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲に多 大な影響を受けて書かれましたが、ブリテン渾身の魅力的なメロディも満載の名曲。壮絶な場面から作品終盤の神がかり的な美しさまで、驚異の名演の登場です。 カップリングはメルニコフがピアノを担当している室内楽というこれまた豪華な内容で、世界初録音のブリテン16歳の時の「二つの小品」も収録されており、 大注目の1枚です!
ブリテンがヴァイオリン協奏曲の作曲に着手したのは1938年。1936年の国際現代音楽協会フェスティバルで初演を聴いたアルバン・ ベルクのヴァイオリン協奏曲に触発されてのことだったといわれます。ヴァイオリン協奏曲はスペインのヴァイオリン奏者(1914年よりロンドンに定住)のアン トニオ・ブロサの為に書かれました。1940年3月、バルビローリ指揮ニューヨーク・フィルによりカーネギー・ホールで初演されました。同時代の政治的激動 に対するブリテンの心情がシリアスな器楽群に現れているような作品です。冒頭はティンパニの柔らかな響きとそれに呼応するシンバルという行進曲風で印象的 な出だしで、ヴァイオリンが登場しエレジー風かつ非常にかっこいい旋律を奏でます。ここからしてファウストの輝かしい音色が炸裂しており、ファウスト節全開。 歌いまくり弾きまくっている様子に驚かされるほど。フルシャ率いるバイエルン放響もソリストとオーケストラの間で交わされる様々な対話のひとつひとつが実に 丁寧です。第2楽章はヴィヴァーチェで非常に暴力的で獰猛。そのまま第3楽章では様々な感情の起伏を経て、最後は壮絶ながらも神がかり的な美しさで曲が閉 じます。終始ファウストのソロの鬼気迫るまでの表情と音色が際立っており、それに呼応するフルシャとオケも全身全霊。稀有の名演が誕生しました。
続く収録楽曲はピアノを含む室内楽作品。「組曲」はブリテンがベルクのヴァイオリン協奏曲を聴いた直後に作曲された作品で、ヴァイオリン協奏曲に先立って アントニオ・ブロサとブリテン自身によって初演されました。ヴァイオリン・パートには容赦ないヴィルトゥオジティが要求されるだけでなく、モダニズムの語法 やストラヴィンスキーの新古典主義を思わせる部分など、ブリテンの才気に満ちた作品です。 Reveilleもアントニオ・ブロサのために書かれ、1937年4月12日にフランツ・ライゼンシュタインのピアノによりウィグモア・ホールで初演されました。ピ アノが時計のような規則的な動きをやわらかく繰り返す上で、ヴァイオリニストがゆっくりと目覚め、次第に旋律を奏で狂詩曲的な華やかさへ、そして最後には 楽器の名人芸をより激しく披露していくような作品です。世界初録音となる「二つの小品」は1929年12月12および24日、ブリテンの16歳の誕生日 直後に完成されました。2013年にようやく出版された作品で、ファウスト、ボリス・ファウスト、メルニコフという最高のメンバーによる世界初録音の登場と なりました。スクリャービン、シェーンベルク、ベルクらの革新性を驚くほど理解しており、神秘的で集中した2曲。ピアノ・パートの驚異的な美しさ(書法 も美しいし、メルニコフの演奏も素晴らしい)も印象的です。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0090(2CD)
スイスの夢
■CD1
ヨーゼフ・フランツ・クサーヴァー・ドミニク・スタルダー(1725-1765):交響曲 変ホ長調
ジャン・バティスト・エドゥアルド・デュピュイ(1770-1822):歌劇『若さと愚かさ』序曲
フランツ・クサヴァー・シュニーダー・フォン・ヴァルテンゼー(1786-1868):序曲 ハ短調
ハンス・フーバー(1852-1921):セレナード第2番『冬の夜』
ジョージ・テンプルトン・ストロング(1856-1948):組曲第3番『絵本』
■CD2
ヘルマン・ズーター(1870-1926):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.23
パウル・フーバー(1918-2001):ダルシマーと弦楽合奏のための協奏曲
マイケル・バレンボイム(Vn)
クリストフ・プフェンドラー(ダルシマー)
レナ=リザ・ヴュステンドルファー(指)
スイスO

録音:2019-2023年
18世紀から20世紀にかけてのスイスの管弦楽作品集。スイス国内でも知名度が高いとはいいがたい作品群を積極的に取り上げている、2018年設立のスイ スO(Swiss Orchestra)による演奏ですべてライヴ録音。ダニエル・バレンボイムの息子、マイケル・バレンボイムも協奏曲のソロで参加しています。 (Ki)


MELO CLASSIC
MC-1076(9CD)
ヴィルヘルム・ケンプ/ライヴ・コンサート・エディション
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
7つのバガテル―第1番変ホ長調Op.33-1
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
シューベルト:即興曲変イ長調D.899-4,Op.90-41
(3)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:間奏曲変ホ長調Op.117-1
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
(5)モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番
(6)バッハ:フランス組曲第5番ト長調BWV816
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
シューマン:交響的練習曲
シューベルト:4つの即興曲D.899,Op.90
ブラームス:ラプソディ第2番ト短調Op.79-2
ブラームス:カプリッチョロ短調Op.76-2
(7)モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番
(8)モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478
(9)ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
6つのバガテルOp.126
(10)バッハ(ケンプ編):来なさい、異教徒の救い主よBWV659
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8
全て、ヴィルヘルム・ケンプ(P)


(1)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1965年3月26日東ドイツベルリン(ステレオ)
(2)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1965年3月28日東ドイツベルリン(ステレオ)
(3)ーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
録音:1962年1月24日スイスビール
(4)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1966年9月25日東ドイツベルリン(ステレオ)
(5)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO
録音:1955年7月21日西ドイツコスタンツ
(6)カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・クラシッシェ・フィルハーモニー
録音:1969年11月21日西ドイツシュトゥットガルト(ステレオ)
(7)録音:1963年10月7日東ドイツポツダム
(8)オイゲン・ヨッフム(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO
録音:1963年3月17日オランダアムステルダム
(9)アマデウスQ
録音:フランスプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏マントン
(10)録音:1958年7月16日フランスピレネー=オリアンタル県プラド
(11)シャンドール・ヴェーグ(Vn,Op.96,Op.8)
パブロ・カザルス(Vc,Op.8)
録音:1958年7月17日フランスピレネー=オリアンタル県プラド
※ステレオ表記以外はモノラル 630'10
MELO CLASSICS が凄いセット物を出してきた!20 世紀ドイツの偉大なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプのライヴ録音集、 9CD、10 時間半!どれもこれもお宝音源ばかり! まずは何と言っても 1965 年 3 月 26、28 日に催された、ハインツ・レーグナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンと共演のベ ートーヴェンのピアノ協奏曲全曲。この5 曲のためにこのセットを勝っても損はしないというくらいの充実した演奏。69 歳のケ ンプのピアノはベテランの味わい深さがありつつも、ライヴでは意外なくらい思い切った表情もあり、改めて超一流のベート ーヴェン弾きだと唸らされるもの。そして若くしてドイツの伝統を背負った当時36 歳のレーグナーがドレスデンのオーケストラ から渋く重厚なしかし柔軟な音楽を引き出している。皇帝協奏曲の第 3 楽章はもう圧巻、大喝采。全曲ステレオ録音で音質 も十分。両日のアンコールまで収録。 オイゲン・ヨッフム指揮コンセルトヘボウ管弦楽団とのモーツァルトのピアノ協奏曲第 15 番もとても良い演奏。ケンプとヨッフ ムとコンセルトヘボウ管弦楽団の共演はおそらくこれが初めてで、なんともリラックスした和やかで味わい深いモーツァルトが 聞ける。テープ保存が悪く年代にしては音質が今一つなのが惜しいが、それでも価値のある名演だろう。 リサイタルでは、1963 年 10 月のポツダムでの演奏が素晴らしい。4 曲はいずれもケンプのお得意で商業録音も残されてい るが、ライヴで興が乗った時のケンプの、堅固でありながらふつふつと湧き上がる音楽がしっかり収められている。 ケンプが伴奏に回ったお宝が、プラド音楽祭で81 歳のカザルスと共演したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第5 番。カザルス とケンプは1961 年のチェロ・ソナタ第1 番の録音が知られているが、この第 5 番は1958 年のライヴ録音。この世紀の共演 はもはや普通の物差しでは測れないだろう、途轍もないものを体験した充実感を得られるだろう。 ケンプ・ファンはもちろん、ドイツ伝統のピアノ弾きが好きな人に広くお勧めしたい9CD だ。
ベートーヴェンの全集を始め、およそ半数の録音がステレオ!(各ディスクが収容されているペーパー・スリーヴに STEREO or MONO の記載があります)。 またブックレットには1936 年の最初の来日の時の写真など貴重な写真も数点掲載されている。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-340(1CD)
シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42(ライスによる室内オーケストラ伴奏編)
4つの歌曲 Op.22(グリースルによるピアノ五重奏伴奏編)
「グレの歌」―山鳩の歌(作曲者による室内オーケストラ伴奏編)
室内交響曲第1番Op.9
ミヒャエル・ツラビンガー(指)
ヴィーナー・コンツェルト=フェライン
ピーナ・ナポリターノ(P)
イダ・アルドリアン(S)、クリストフ・フィラー(Br)

録音:2021年9月24-27日、2022年6月16-17 日、ウィーン
シェーンベルクの室内オーケストラ作品を集めた CD。といってもオリジナルは有名な室 内交響曲第1 番で、他はシェーンベルク自身のものも含めた編曲。近代の大編成オーケス トラ作品を縮小編曲すると作品の斬新さが際立つというのはよくあることで、ここでも百数十 年前のシェーンベルクの前衛っぷりが気持ち良い刺激で伝わって来る。 ツラビンガーは1984年、ウィーン生まれの若手指揮者。インゴ・メッツマッハーの助手を長 く務め、彼自身20世紀の音楽を得意としています。2018 年、マドリッドのレアル劇場でツィン マーマンの「軍人たち」を指揮して大評判となり、以来欧州各地の歌劇場で活躍しています。 ヴィーナー・コンツェルト=フェラインは1987 年結成の若い音楽家によるオーケストラ。

Orchid Classics
ORC-100287(1CD)
NX-B06
モーツァルト/ライネッケ/ニールセン:協奏曲集
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
ライネッケ(1824-1910):フルート協奏曲 ニ長調 Op.283
ニールセン:フルート協奏曲 FS 119
アルベルト・ナヴァーラ(Fl)
クラウディア・ルチア・ラマンナ(Hp)
オーデンセSO
ホリー・ヒョン・チェ(指)

録音:2023年1月16-20日
2022年にデンマークで開催された「カール・ニールセン国際音楽コンクール」で優勝、一躍注目を浴びたフルート 奏者アルベルト・ナヴァーラのデビュー・アルバム。2022/23年のシーズンからベルリン・フィルハーモニーのカラヤン・ アカデミーのメンバーに加わるとともに、ソリストとしてオーフスSO、オーデンセSOと共演、各地の音楽 祭で演奏するなど着々と活動の場を広げています。アルバムではフルーティスト定番のレパートリー、ニールセンとラ イネッケの協奏曲に加えて、ハープ奏者ラマンナとともにモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」を披露。 巧みな技術から生まれる輝かしい音色と卓越した音楽性で聴き手を魅了します。

Gramola
GRAM-99287(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲全集
ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412(386b)…第2楽章:フランツ・バイヤー編
ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417

※K.495第1楽章&K.447第1楽章のカデンツァ…パウル・アンゲラー
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
使用楽器…1800年頃ボヘミア製 作者不詳
ザルツブルク・ホーフムジーク(古楽器オーケストラ)
ヴォルフガング・ブルンナー(指)

録音:2006年4月10-12日
モーツァルトの4つのホルン協奏曲をナチュラルホルンで演奏した1枚。使用した楽器は1800年頃にボヘミアで製 作されたもので、バルブを持たないシンプルな構造から生まれる音色は、現代の楽器とは大きく異なり、自然倍音 の美しさがより味わえます。演奏するハンスイェルク・アンゲラーはチロル出身。ザルツブルクのモーツァルテウムで学 び、インスブルックSOのホルン奏者を務めた後、ソリスト、教授として活躍しています。ドイツ・グラモフォンに は「モーツァルト:管楽作品全集」を指揮者、ホルン奏者として録音。こちらも高い評価を受けています。

ONDINE
ODE-1429(1CD)
NX-B10
ロルフ・ヴァリーン(1957-):作品集
Stride - オーケストラのために(2023)
2?5. Whirld - ヴァイオリンとオーケストラのために(2018)
Spirit - エレクトリック・ベースギターと管弦楽のために(2017)
.5つの季節 - 笙と管弦楽のために(2022)
ウー・ウェイ(中国笙)
エルドビョルク・ヘムシング(Vn)
イダ・ニールセン(エレクトリック・ベースギター)
スタヴァンゲルSO
アンドリス・ポーガ(指)

録音:2022年6月15-17、2023年6月5-9日
現在のスカンジナビアで「最もエキサイティングな作品を書く作曲家」として評判の高いノルウェーのロルフ・ヴァリーンの4つの近作を収録した1枚。 アルバムでは、「世界は一つの渦であり、あらゆる渦は一つの世界である」と考えるヴァリーンが錬金術師になったような気分で書き上げたというヴァイオリン協 奏曲(独奏は若きヴァイオリニスト、エルドビョルク・ヘムシング)、古代中国における5つの要素「木、火、土、金属、水」を季節に例え、ウー・ウェイが奏でる笙 とオーケストラのための作品に仕立てた「5つの季節」、プリンスとの共演経験を持つベーシスト、イダ・ニールセンをフィーチャーした「Spirit」の協奏的作品3曲 と、ウイルスや天候、戦争などの恐怖から精神的に抜け出すためのポジティヴなエネルギーを込めたというオーケストラ作品「Stride」、これらの4曲をスタヴァ ンゲルSOの首席指揮者を務めるアンドリス・ポーガの演奏でお聞きいただけます。

VOX
VOXNX-3036CD(1CD)
NX-B06
ショパン:ピアノと管弦楽のための作品全集 第2巻
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 変ロ長調 Op.2
演奏会用ロンド「クラコヴィアク」 Op.14
アビー・サイモン(P)
ヘリベルト・バイセル(指)
ハンブルクSO

録音:1972年ハンブルク(ドイツ)
ニューヨーク生まれのピアニスト、アビー・サイモン(1920-2019)によるショパンのピアノと管弦楽のための作品全集。1972年に録音され、1973年に3枚組 LPとして発売された全集を新リマスターでCD2枚に復刻、これはその第2巻です(第1巻:VOXNX3032CD)。ヨーゼフ・ホフマンに師事したサイモンは、 録音当時52歳。定評のあったロマンティックな詩情漂う演奏を聞かせます。日本の音楽ファンには懐かしいヘリベルト・バイセルが格調高い指揮で共演して います。 優秀録音で名高いエリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。ピアノがクローズアップ気味 に録られ、オーケストラが奥行きと広がりを持って展開する録音パターンになっています。ブックレットには初出時のLPのジャケット写真と解説が転載されてい ます。

BMOP SOUND
BMOP-1093(1CD)
ジョーン・タワー(b.1938):管弦楽作品集
@ピアノ協奏曲「ベートーヴェンへのオマージュ」(1986)
A「ライジング」(2010)〜フルートと管弦楽のための
B「赤いカエデ」(2013)〜ファゴットと弦楽のための
Cフルート協奏曲(1989)
ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
@マルク=アンドレ・アムラン(Pf)
ACキャロル・ウィンセンク(Fl)
Bエイドリアン・モアジョン(Fg)

録音:@2021年9月10日、A2018年2月7日マサチューセッツ州
ジョーン・タワーはアメリカの作曲家、ピアニスト、教育者として活動しており、エマーソン弦 楽四重奏団、東京弦楽四重奏団、マリンバ奏者エヴリン・グレニーなど著名な団体、演奏家 から作品の委嘱を受けている。このアルバムは20 世紀後半から21 世紀初頭までの協奏的 作品が収められている。「ベートーヴェンへのオマージュ」と題されたピアノ協奏曲は新古典 主義、ミニマル・ミュージックの要素が折衷された佳作でヴィルトゥオーゾ、マルク=アンドレ・ アムランのピアノの妙技が聴きもの。フルート協奏曲は呪文のようなフルートのメリスマティッ クな旋律が美しい秀作。

Ars Produktion
ARS-38647(1CD)
ファビアン・ミュラー:協奏曲集
パン・フルート協奏曲(2017)
ヘッケルフォーン協奏曲(2020)/大オーケストラのための「タラニス」
カスパール・ツェーンダー(指)、
ロイヤル・チェコ・シンフォニア・フラデツ・クラーロヴェー、
ハンスペーター・オジエ(パン・フルート)、
マルティン・フルティガー(ヘッケルフォーン)

録音:2023年2月
スイスの作曲家ファビアン・ミュラー(b.1964)の作曲による珍しい楽器のための協奏曲集。特にヘッケルフォーンは使用されることが少ない楽器で、オーボエの1オクターヴ低い音域を持ちます。R.シュトラウスのオペラで用いられたり、「アルプス交響曲」で用いられていますが、協奏曲のソロ楽器として使用されるのは特に珍しいケースです。マルティン・フルティガーによる演奏でその魅力をたっぷりとご堪能ください。

Diapason
DIAP-166(1CD)
ヴァイオリン協奏曲集/ヤッシャ・ハイフェッツ

(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
(3)ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46
(4)サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)

(1)シャルル・ミュンシュ(指)、ボストンSO
録音:1959年2月23日&25日
(2)マルコム・サージェント(指)、LSO
録音:1951年5月18日
(3)マルコム・サージェント(指)、オシアン・エリ録音:1961年5月15日&22日
(4)ウィリアム・スタインバーグ(指)、RCAビクターO
録音:1951年1月16日
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第166巻として登場するのは、ヤッシャ・ハイフェッツ。ハイフェッツと言えば20世紀最高のヴァイオリニストの一人と言えるでしょう。そのハイフェッツによるヴァイオリン協奏曲集は、珠玉の名曲であり続けているメンデルスゾーンから始まり、ブルッフを2曲、そして難曲で知られるサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」を収録しました。新たなマスタリングによって蘇る、ハイフェッツの超絶技巧は聴きものです!
Danacord
DACOCD-975(2CDR)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲集、他

(1)ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046

(2)ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047

(3)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048 より 第1楽章、第3楽章

(4)ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049

(5)ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050

(6)ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051

(7)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048

(8)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048

(9)トッカータとフーガ ニ短調 BWV565(アロイス・メリヒャル編)
(1)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、シモン・ゴールドベルク(Vn)、グスタフ・カーン(Ob)
録音:1932年
(2)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、パウル・シュペッリ(Tp)、アルベルト・ハルツァー(Fl)、グスタフ・カーン(Ob)、シモン・ゴールドベルク(Vn)、ハンス・ボッタームント(Vc)
録音:1932年
(3)BPO、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
録音:1930年
(4)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ハインリヒ・ブライデン(Fl)、アルベルト・ハルツァー(Fl)
録音:1933年
(5)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ジークフリート・ボリース(Vn)、フリードリヒ・トーマス(Fl)、フランツ・ルップ(Cemb)
録音:1934年
(6)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ラインハルト・ヴォルフ(Va)、クルト・オーバーレンダー(Va)、パウル・グリュンマー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、シルヴィア・グリュンマー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ヴォルフガング・クレーバー(Vc)、ヘルマン・メンツェル(Cb)、エータ・ハーリヒ=シュナイダー(Cemb)
録音:1934年
(7)ロイヤル・アルバート・ホールO、ユージン・グーセンス(指)
録音:1922or1923年
(8)ベルリン国立歌劇場O、ゲーオー・フベア(指)
録音:1924年
(9)BPO、アロイス・メリヒ
バッハの「ブランデンブルク協奏曲」をバロックの伝統に従って演奏した1920〜30年代の貴重な記録。今日ほとんど忘れられてしまったオーストリアの名指揮者アロイス・メリヒャル(1896-1976)によるこの草分け的なベルリンでの録音は、活力にあふれた高雅な演奏が録音史上の貴重な存在として記憶されています。このアルバムには、メリヒャル指揮の5曲と、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮の「第3番」(2つの楽章のみ)を収録。さらにボーナス・トラックとして、イギリスのユージン・グーセンスとデンマークのゲーオー・フベアが録音した「第3番」が収められました。コレクターでもあるエンジニアのクラウス・ビューリトのコレクションの音源を使い、可能な限り最良のデジタル技術により復刻され鮮明に甦りました。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002691(1CD)
初回生産限定
チャイコフスキー国際コンクールの優勝者たち 〜諏訪内晶子、セルゲイ・スタドレル
1-3. パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
4. ラヴェル:ツィガーヌ M.76
5. ショーソン:詩曲 Op.25
6. サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
諏訪内晶子(Vn/1-3)
モスクワ国立SO(1-3)
パヴェル・コーガン(指揮/1-3)
セルゲイ・スタドレル(Vn/4-6)
レニングラードPO(4-6)
ウラディーミル・ポンキン(指揮/4-6)

録音:1-3.1990年7月4日、モスクワ音楽院大ホール(ライヴ録音/ADD/ステレオ)
4-6.1987年7月、レニングラード・フィルハーモニー協会大ホール(ADD/ステレオ)
旧ソ連時代の1958年に創設され、1966年には、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽の4部門を同時に演奏する世界初にして唯一のコンクールとなった「チャイコフスキー国際コンクール」。今回、同コンクールの優勝者の歴史的演奏を振り返るためメロディア(Melodiya)に保管されている膨大な音源の中から選ばれたのは、ヴァイオリン部門の2人の優勝者、第7回(1982年)のセルゲイ・スタドレル、そして第9回(1990年)の諏訪内晶子!
当時、第9回大会において史上最年少、18歳で優勝を果たしセンセーションを巻き起こした諏訪内晶子。1990年のコンクール期間中に聴衆、審査員を熱狂させた鮮烈かつ圧倒的なパガニーニの協奏曲第1番です。
1982年の第7回大会において、ヴィクトリア・ムローヴァと並び第1位を受賞したセルゲイ・スタドレル(1962-)。指揮活動にも精力的に取り組み、教育面においてはサンクトペテルブルク音楽院(レニングラード音楽院)の院長を務めるなど多大な功績を残しているスタドレルですが、ヴァイオリニストとしての録音の数はその実績と比べて決して恵まれているとは言えないだけに、今回の協奏的作品3曲の演奏の復刻は歓迎されることでしょう。※バックインレイには現地に保管されているマスターテープに記載の情報に基づき、「Recorded live on July4th,1990at Grand Hall Moscow Conservatory (Winners concert of the IX International Tchaikovsky Competition)」との表記がありますが、共演者・演奏曲などを様々な情報と照らし合わせたところ、正しくは「優勝記念コンサート」ではなく、「コンクールのファイナル」のライヴであると思われます。予めご了承下さい。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Obsession
CHSA-10078(2SACD)
初回生産限定
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集&パガニーニの主題による狂詩曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1/ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
アール・ワイルド(P)、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)、
ロイヤルPO

録音:1965年
過去の名録音を高音質化して復刻しているObsessionレーベルよりまた大注目のリリース。アメリカが生んだ20世紀の大ピアニスト、アール・ワイルドが遺した名録音の一つ、ヤッシャ・ホーレンシュタインとのラフマニノフのピアノ協奏曲全集が初めてSACD化されました!
LP盤を含めいくつかのレーベルからリリースされていた同音源ですが、Chandosからリリースされていた全集盤(2003年発売)をSACDハイブリッド化。名盤ひしめく同曲集の中でも最高傑作とする声も多く、突出して高い評価を得ているワイルド&ホーレンシュタインの超名演。1965年の収録とは思えぬ鮮明な録音もポイントで、今回のSACD化によってさらなる音質の向上が期待されます。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Stradivarius
STR-37258(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲第1番ニ長調Op.99(1039)
モーゼス・イブン・エズラの詩集 Op.207〜声とギターのためのソング・サイクル*
ピエトロ・ロカット(G)
ナディール・ガロファロ(指)
エステSO
ローニャ・ヴェイヘンマイヤー(S) *

録音:2023年2月8日フェラーラ、2022年3月12-13日ナポリ*
カステルヌーヴォ=テデスコはユダヤ系イタリア人として生まれ、ムッソリーニのファシスト政権樹 立後はアメリカに亡命、ハリウッドで映画音楽の作曲家としても活躍した。ギターと朗読のための 「プラテーロと私」が特に日本では有名だが、このディスクではセゴビアのために書かれた代表作 ギター協奏曲を収録。新古典主義的で端正に書き込まれたこの作品は美しいメロディに溢れた傑 作です。また中世スペインの詩人イブン・エズラの詩に曲をつけた「モーゼスの寝椅子」はロン ヤ・ウェイヘンマイヤーの美しいソプラノの歌声が聴きもの。

スロヴェニア放送
ZKP-118548(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ロマンス第1番ト長調 Op.40
ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
ジガ・ブランク(Vn)
スラヴェン・クレノヴィチ(指)
スロヴェニアRSO

録音:2023年9月
スロヴェニアからたいへんに素敵なベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とロマンスの CD が出た。ジガ・ブランクは1982年生まれ、今やスロヴェニアを代表するヴァイオリニストの一 人です。ZKP RTV SLOVENIJA からはこれまでにイザイの6 つの無伴奏ヴァイオリン・ソナ タ(ZKP113192)やパガニーニの24 のカプリッチョ(ZKP114304)、モーツァルトのヴァイオリ ン・ソナタ K.301とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10 番(ZKP111839)が発売され ています。 久々の新録音であるこのベートーヴェン集はジガ・ブランクの充実ぶりを伝えてくれます。まず 柔らかく透明感のある美音が素晴らしく、しかも丁寧かつ端正で伸びやかで柔らかい音楽。 第2楽章のラルゲットは、まるで良い味のでただし汁のように旨味がじんわりと広がる。第 3楽章も丁寧に弾きながら様々な情感を醸して見事。こうしたブランクの魅力は 2つのロマン ス、特に有名な第2番でも発揮されています。 そしてもう一人注目すべきが指揮者のスラヴェン・クレノヴィチ。ブランクと同世代のこの若い 指揮者は、2023年にサラエヴォPOの首席指揮者に就任したばか りで、CD もおそらくこれが初めて。ここでのベートーヴェンの、骨太で剛毅で、しかし必要な 時には十分に抑えも効かせられる音楽には、彼の可能性が大いに感じられます。クレノヴィチ は20年後、いや10年後には西側で大活躍しているかもしれない。

CLAVES
50-3079(1CD)
(1)ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
(2)ブルッフ:コル・ニドライ Op.47
(3)ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ニ長調 Op.12
ティム・ポズナー(Vc)
ベルンSO、カタリーナ・ミュルナー(指)

録音:2023年9月ディアコニアス教会(ベルン)
2023年に開催したグシュタード音楽祭の「ティエリー・シェルツ賞」に受賞したチェロ奏者ティム・ポズナーがブロッホ、ブルッフ、ドホナーニを録音しました。
グシュタード音楽祭はスイスのグシュタード(スイスを横断する絶景パノラマ鉄道「ゴールンデパス・ライン」が走ることでも有名な山村)で開催される、世界各 国から才能豊かな若手音楽家が集まることで知られるフェスティヴァル。「ティエリー・シェルツ賞」は当音楽祭の創設者の一人ティエリー・シェルツへのオマージュ として設けられました。参加者のうち毎回1名がclavesレーベルからレコーディングの機会を与えられCDリリースできるという副賞がついており、これまでにヴァ イオリンのアンナ・アガフィア(2022年受賞)、ピアノのジャン=ポール・ガスパリアン(2020年受賞)、ヴィオラのティモシー・リダウト(2019年受賞)、チェ ロのアナスタシヤ・コベキナ(2018年受賞)、ハープのアナイス・ゴドゥマール(2015年受賞)、ピアノのヨゼフ・モーク(2006年受賞)、ハープのエマニュエル・ セイソン(2005年受賞)など現在世界的に活躍するアーティストを輩出しております。
1995年生まれのポズナーはカール・ダヴィドフ国際チェロ・コンクールに入賞した初の英国人。これまでにロイヤルPO、ロンドン・モー ツァルト・プレイヤーズなどのオーケストラと共演。現在、アムステルダム・シンフォニエッタの首席チェロ奏者を務めています。今後の活躍に期待が高まります! (Ki)

King International
KKC-4341(1SACD)
シングルレイヤー
日本語解説付国内盤
税込定価
プロムシュテット・ドレスデン・エテルナ・モーツァルト集成〜モーツァルト:ホルン、フルート、オーボエ協奏曲集&ディヴェルティメント集
ホルン協奏曲第1番ニ長調 KV412(386b)
ホルン協奏曲第2番変ホ長調KV417
ホルン協奏曲第3番変ホ長調KV447
ホルン協奏曲第4番変ホ長調KV495
ホルンと管弦楽のためのロンド変ホ長調KV371
フルート協奏曲第1番KV313(285c)
フルート協奏曲第2番ニ長調KV314(285d)
フルートと管弦楽のためのアンダンテハ長調KV315(285e)
オーボエ協奏曲ハ長調KV314
ディヴェルティメント ニ長調KV136(125a)
ディヴェルティメント 変ロ長調KV137(125b)
ディヴェルティメント ヘ長調KV138(125c)
アダージョとフーガ KV546
ペーター・ダム(Hrn)
ヨハ ネス・ヴァルター(Fl)
クルト・マーン(Ob)
シュターツカペレ・ドレスデン
ヘルベルト・ブロムシュテット(指)

録音日:[ホルン]1974年3月 [フルート&オーボエ]1973年2月、12月 [ディヴェルティメント]1976年11月
録音場所:ドレスデン・ルカ教会
全盛期のエテルナのアナログ・レコードの音を限りなく再現すべく、オリジナル音源から新規デジタル・マスタリングした、キングインターナショナルのシリーズ「ドイツ・シャルプラッテンETERNAの芸術」。第6弾は、シュターツカペレ・ドレスデンの名管楽器奏者たちによるモーツァルトの協奏曲集。指揮は当時まだ40代半ばであったヘルベルト・ブロムシュテット。さらにブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンとの蜜月に刻まれたモーツァルトの名録音で有名なディヴェルティメント集を含んだ充実の内容を1枚のSACDに収めました。モーツァルトがホルンのために書いた作品は、協奏曲が4つ、コンサート・ロンドが1つ、さらにホルン五重奏曲(KV407)を残しています。これらの多くはザルツブルク宮廷楽団のホルン奏者を務めていたヨーゼフ・ロイトゲープ(1732〜1811)のために書かれたと言われています。名作の影に名手あり、といったところですが、今回ソリストとして登場するホルン奏者も時代を代表する名匠ペーター・ダム(1937〜)。1969年から2002年までシュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルン奏者として同団の栄光を支えたひとり。そして同録のフルート協奏曲、オーボエ協奏曲でも、この名門オーケストラの首席奏者二人が登場しています。ドレスデン生まれの名フルート奏者、ヨハネス・ヴァルター(1937〜)と旧東ドイツを代表するオーボエ奏者クルト・マーン(1923〜2015)。いつも同じ呼吸している奏者がソロを担当することにより、自然で気負いのない伸びやかな協奏曲に仕上がっています。続いてディヴェルティメント集では、1970年代後半のブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンの息吹を感じさせる演奏。ディヴェルティメントの軽妙で優雅な音楽に見事に当てはまる名演と言えるでしょう。引き続き企画監修は、ヴィンテージレコードショップ「エテルナトレーディング」の店主で、日本にETERNAのレコードを流布させた“仕掛け人”でもある高荷洋一氏。今回の解説には、ソリストたちの個性、そして楽器に焦点を当てた興味深い内容となっています。 (Ki)

H.M.F
HMX-2904104(2CD)
ロト&レ・シエクルのラヴェル
■CD1
(1)ピアノ協奏曲ト長調
(2)ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(全3曲) 
(3)2つのヘブライの歌
(4)なき王女のためのパヴァーヌ(P版)
(5)マラルメの3つの詩
(6)左手のためのピアノ協奏曲
(7)聖女
■CD2
(1)ムソルグスキー(ラヴェル編):展覧会の絵
(2)ラヴェル:ラ・ヴァルス
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

■CD1(HMM902612)
セドリック・ティベルギアン(P;1892年製プレイエル・グランパトロン)、
ステファーヌ・ドゥグー(Br)
録音:2020年12月/ピエール・ブーレーズ大ホール(1)(6)、2021年9月/フィラルモニ・ド・パリ(2)(3)(5)(7)、スタジオ(4)
■CD2(HMM905282)
録音:2019年11月フィルハーモニー・ド・パリ(ライヴ)
ロトのベストセラー、ラヴェルの「展覧会の絵」と、ピアノ協奏曲などを収録した2タイトルが限定2枚組セットで登場!

ALTO
ALC-1488(1CD)
ロージャ・ミクローシュ:ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 Op.24
主題、変奏とフィナーレ Op.13A
ハンガリー夜想曲 Op.28
ワイン醸造家の娘 Op.23A
イゴール・グルップマン(Vn)、
ジェームズ・セダレス(指)、
ニュージーランドSO
ロージャ・ミクローシュは、映画音楽の世界で特に有名で「ベン・ハー」などのサウンドトラックを担当し、アカデミー賞に17回ノミネート、そして3度受賞しています。このCDに収められている「ヴァイオリン協奏曲」は、ハイフェッツの委嘱により作られたもので、ロージャが作曲した芸術音楽の中でも評価の高い作品の一つに数えられています。

ALPHA
ALPHA-1005(1CD)

NYCX-10456(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ヴィヴァルディ:四季、ラ・フォリア
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Op.8-3RV293「秋」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 Op.8-4RV297 「冬」
アリア 「太陽の強い輝きは」 〜歌劇「救われたアンドロメダ」 RV Anh.117*
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 Op.8-1RV269 「春」
ァイオリン協奏曲 ト短調 Op.8-2RV315「夏」
トリオ・ソナタ ニ短調 Op.1-12RV63「ラ・フォリア」
ポール=アントワーヌ・ベノス=ディアン(C.T)*
ジュリアン・ショーヴァン(Vn)
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ

録音:2023年2月 在仏イタリア大使館シチリア劇場、パリ
※国内仕様盤日本語解説…坂本龍右
モーツアルトの後期交響曲や「レクイエム」のような有名作をこれまでにない視点からの新解釈で披露し、世界中の音楽ファンを新鮮な驚き と共に楽しませてくれているジュリアン・ショーヴァンによる『四季』が登場。子供たちや俳優など様々な人々とこの作品で共演してきたという彼 ら。特に、パリ五輪の公式ダンスでも話題のフランスの振付師ムラッド・メルズキのダンサー達からは大きな影響を受けたと言い、極端な独創 性や誇張されたダイナミクスなどに頼ることなく、自然な身体的バランスと呼吸、自発性から今回の演奏が生まれたということです。とはいえ、 ここに聴く演奏は十分に刺激的。曲順は通常の「春」からではなく「秋」から始められており、間に近年発見されたヴァイオリンのオブリガート付 きアリアを挟み、最後にはフォリアを置くという構成となっています。弦楽を各パート一人ずつに絞った緊密なやり取りの中で映えるショーヴァン の緩急織り交ぜた妙技のほか、テオルボとバロック・ギターには名手キート・ガートも参加してアンサンブルを支え、時には煽るように先導するこ とも。名盤あまたの『四季』ですが、異彩を放つ注目盤がまた一つ加わりました。

SWR music
SWR-19141CD(1CD)
NX-B09
ブゾーニ:ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.39(1904) - ピアノと管弦楽、男声合唱のために デイヴィッド・ライヴリー(P)
バーデン=バーデン・フライブルクSWRSO
フライブルク・ヴォーカルアンサンブル男声cho
ミヒャエル・ギーレン(指)

録音:1990年2月13日ハンス・ロスバウト・スタジオ SWR、バーデン=バーデン(ドイツ)
フェルッチョ・ブゾーニの没後100年記念リリース。1902年から1904年に作曲された彼唯一のピアノ協奏曲は、全5楽章、演奏時間は約80分近く、そして 終楽章には男声合唱が入るという長大で大規模な曲。ピアノ・パートの難度は高いものの、決して派手な技巧を追うわけではなく、ブラームスの協奏曲のよ うにオーケストラの一部として機能します。 終楽章の男声合唱はデンマークの劇作家アダム・エーレンスレーヤーの戯曲「アラジン」の終幕の部分をブゾーニ自身がドイツ語に翻訳したものを高らかに歌 いますが、こちらも決して劇内容を表現しているわけではありません。破天荒な内容の上、合唱も必要とする編成のためか、それほど実演の機会が多い作 品ではありませんが、20世紀音楽と大編成作品を得意とするミヒャエル・ギーレンが見事な演奏を聴かせます(ギーレンによるこの作品の録音は、これが唯 一のものとなります) ピアノを演奏するフランス系アメリカ人のデイヴィッド・ライヴリーは、過去にエリザベート王妃コンクール、ジュネーブ国際音楽コンクール、チャイコフスキー国際コ ンクールなどの入賞歴を誇るピアニスト。現代作品も積極的に手掛け、多くの作曲家たちの新作の演奏も行い高い評価を受けています。

ARCANA
A-542(2CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(A.ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
アントニオ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
 リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
 収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はアントニオ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にの みピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なもの。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに 伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと 引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わりに、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに 組み込まれています。

CPO
CPO-555613(1CD)
NX-C04
C. P. E. バッハ/J. G. グラウン:ヴィオラ協奏曲集
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171(マティス・ロシャによるヴィオラ編)
ヨハン・ゴットリープ・グラウン(1703-1771):コンチェルタンテ ハ短調 Graun WV A:XIII:3- ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のために
グラウン:協奏曲 変ホ長調 Graun WV A:XIII:3- ヴィオラ、弦楽合奏と通奏低音のために
マティス・ロシャ(Va)
ステファン・ワーツ(Vn)
カメラータ・シュヴァイツ
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年7月7-9日
ヨーロッパで注目されている若手ヴィオラ奏者マティス・ロシャが宿願だったというC.P.E.バッハのチェロ協奏曲に挑んだアルバム。 ロシャはケルンでアントワン・タメスティに、ライプツィヒでタチヤナ・マスレンコに師事、現在はミゲル・ダ・シルバと共にベルギーのエリザベート王妃音楽院でアー ティスト・イン・レジデンスを務めつつ、ベルギー、ドイツ、フランス、スイスなどで演奏活動を行っています。2021年にはラフマニノフのチェロ・ソナタや歌曲をヴィ オラで演奏したアルバムをリリースして、そのテクニックと歌心あふれる演奏が注目されました。 ここでは彼がかねてからの夢だったと語るC.P.E.バッハのチェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171のソロをヴィオラで演奏。原盤解説(英語・独語)では「この曲の 軽やかなヴィルトゥオジティはヴィオラに向いている」と語る一方、10代の頃からの相談役であった指揮者ハワード・グリフィスに賛同してもらうためにアレンジに は周到な工夫を凝らしたとも語っています。他にはヴァイオリンの名手だったグラウンの作品を2曲収録。コンチェルタンテで共演しているのは2014年メニュー イン国際コンクールの覇者、オランダのステファン・ワーツ。グリフィス率いるカメラータ・シュヴァイツが見事なサポートを聴かせます。
CPO
CPO-777975(1CD)
NX-C04
フリードリヒ・エック(1767-1838):3つのヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調
ヴァイオリン協奏曲第2番ト長調
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調
ターニャ・ベッカー=ベンダー(Vn)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O
ヨハネス・シュレーフリ(指)

録音:2016年11月15-18日
ドイツのヴァイオリニスト、作曲家フリードリヒ・エックは、モーツァルトより11歳年下、ベートーヴェンより3歳年上の音 楽家。1778年、マンハイムOのヴァイオリニストに就任し、ミュンヘンではペーター・ヴィンターに作曲を師 事、その卓越した演奏と作品は18世紀末ヨーロッパの音楽界でセンセーションを巻き起こしました。しかし、当時 の批評家に大絶賛されたにもかかわらず、1800年に突然引退、妻とともにフランスに移住してしまいます。その引 退の理由はわかっていませんが、彼の協奏曲が著名な出版社から出版されたにもかかわらず、ほぼ忘れられてし まったからと推測されています。現在、彼の名が知られているのは、モーツァルトの作品とされていた「ヴァイオリン協 奏曲第6番」の真の作者としてのみでしょう。 このアルバムに収録されている3つの協奏曲は、高い演奏技術を要し、モーツァルトを思わせる美しい旋律を持って います。来日経験もあるターニャ・ベッカー=ベンダーのヴァイオリンでこの魅力的な作品をお聴きください。

AAM Records
AAM-44(1CD)
NX-B10
モーツァルト:ピアノ協奏曲第6番 変ロ長調K.238
3台のピアノと管弦楽のための協奏曲第7番ヘ長調 K.242*
ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246

※K.238とK.246のカデンツァはロバート・レヴィン作
ロバート・レヴィン(タンジェント・ピアノ)
ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)*
ローレンス・カミングズ(Cemb/指)*
ボヤン・チチッチ(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
ボヤン・チチッチ(リーダー)

録音:2022年5月3-7日 All Hallows, Gospel Oak
2022年7月2日 St Giles’ Cripplegate

タンジェント・ピアノ:レーゲンスブルクのシュパート&シュマール1794年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2008年製作
フォルテピアノ:アウグスブルクのアントン・シュタイン1786年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2021年製作
チェンバロ:パリのパスカル・タスカン1769年製作をモデルとするマンチェスターのキース・ヒルの再現楽器。2010年製作
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第4集は1776年にザルツブ ルクで作曲された協奏曲を集めています。注目は鍵盤楽器の選択。当時のザルツブルクではチェンバロまたはクラヴィコードという言葉が鍵盤楽器全 般を指して使われていました。モーツァルトが「チェンバロ」と書いた曲に強弱記号があるのもそうした背景によります。レヴィンはこれらの作品に取り組む にあたり「チェンバロとフォルテピアノの中間的な存在でクラヴィコード的な性格もある」タンジェント・ピアノ(タンゲンテンフリューゲル)を使用。フォルテピア ノに比べると音質は軽くて音量も小さめですが、4/3/2/2/1の弦の編成とうまくマッチして俊敏な音楽を透明なテクスチュアで奏でています。3台の鍵 盤楽器のための協奏曲ではフォルテピアノとチェンバロを加えることで3種の音色が生み出す華麗な効果が生まれ、各パートの音の動きを追いやすくな りました。 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、製作ス タッフの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が 使われています。

オクタヴィア
OVCL-00842(1SACD)
税込定価
2024年2月21日発売
アンサンブルof トウキョウ ライヴ2023秋
(1)モーツァルト:セレナーデニ長調「セレナータ・ノットゥルナ」
(2)R.シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調
(3)ウェーバー:ファゴット協奏曲ヘ長調 (Fg ダーク・イェンセン)
アンサンブルof トウキョウ(指揮者無し)【青山聖樹(Ob)、ダーク・イェンセン (Fg)、玉井菜採、戸原直(Vn)、大野かおる(Va)、渡邉玲雄(Cb)】
(1)玉井菜採(Vn)、戸原直(Vn)、大野かおる(Va)、渡邉玲雄(Cb)
(2))青山聖樹(Ob)
(3)ダーク・イェンセン(Fg)

録音:2023年10月27日東京、紀尾井ホール・ライヴ
ダブルリードファン待望の協奏曲ライヴのCD化!ゲスト出演した ノルウェー出身のファゴット奏者ダーク・イェンセンは、バンベル クSOやケルンRSOで首席を務め、日本ではサイト ウ・キネン・オーケストラや水戸室内Oの客演でも知られて います。ドラマティックなウェーバー協奏曲での美しいカンタービ レは必聴。青山聖樹は長年研究を重ねたR.シュトラウスで、伸びや かに歌い上げ、艶やかな音色を聴かせます。 また、セレナータ・ノットゥルナでは、アンサンブルofトウキョウ の名ソリストが率いる美しい音楽的対話が展開されていきます。カ デンツァはトルコ行進曲などの有名なメロディが顔を出し、一味違 う楽しみも。 指揮者なしのアンサンブルの自発性、アルバム全体を彩る瑞々しい 響きなどで名曲の数々をお楽しみください。(オクタヴィア)

Chandos
CHAN-20286(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.9
モーツァルト:「後宮からの誘拐」序曲
ピアノ協奏曲 第11番ヘ長調 KV413*
ピアノ協奏曲 第12番イ長調 KV414*
ピアノ協奏曲 第13番 ハ長調 KV415*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*、
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2023年4月4日-6日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN-10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第9弾には、モーツァルトがザルツブルクのパトロンを離れ、ウィーンでフリーの作曲家・演奏家としての地位を確立した直後の1782年〜1783年にまとめて作曲された3つのピアノ協奏曲が収録されています。これらの協奏曲はモーツァルトがウィーンで開いた一連の定期演奏会で演奏されたもので、ソナタ形式ではじまり、三部形式の緩徐楽章を挟んで、明るいロンド形式のフィナーレで締め括られる形式が共通しています。また、アルバムの冒頭に収録されている歌劇「後宮からの誘拐」の序曲も、これらの協奏曲と同時期に作曲されたものとなっています。

Chandos
CHSA-5333(1SACD)
ブラームス&ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲集
ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35a, K243
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op77
フランチェスカ・デゴ(Vn)、
ダリア・スタセフスカ(指)BBC響

録音:2023年7月4日-5日、フェニックス・コンサート・ホール(フェアフィールド・ホールズ、クロイドン、イギリス)
1989年生まれ、朗々たる響き、説得力のある解釈、隙のないテクニックを誇り、国際的なシーンでもっとも人気を集めるイタリアの若きヴァイオリニスト、フランチェスカ・デゴ。日本でも既にNHKSOをはじめ様々なオーケストラと共演し多くのファンを獲得しています。パガニーニ自身が所有し愛奏したヴァイオリンを弾いた「イル・カノーネ」(PCHAN-20223/CHAN-20223)で華麗なChandosデビューを果たすと、英BBCミュージック・マガジンで「レコーディング・オヴ・ザ・マンス(2021年11月)」に選出されたロジャー・ノリントンとの共演によるヴァイオリン協奏曲集第1巻(PCHAN-20234/CHAN-20234)を含む4つのモーツァルト・アルバムをリリースし、安定した評価を得てきました。
モーツァルトの協奏曲で共演したロジャー・ノリントンに「私はフランチェスカ・デゴと仕事をするのが好きです。彼女は非の打ち所のないテクニックを持っているだけでなく、協奏曲の様式上の問題に対応するための印象的な方法も備えています。」と讃えられたデゴが次に挑んだのはブラームスとブゾーニ、2つのニ長調協奏曲。「ブラームスのヴァイオリン協奏曲を録音できることは、すべてのヴァイオリニストにとって夢でありマイルストーン」とし、世にある多くの名演と競争するのではなく、自分自身の演奏を示したいというデゴがどのような音楽性を披露してくれるのか大いに注目です。伴奏には2度目の開催となったBBC Proms JAPAN2022でBBC響と来日しプロムスの熱気を日本に届けてくれたことも記憶に新しいウクライナ生まれの若き指揮者、ダリア・スタセフスカ(b.1984)がChandos初登場。2019年にBBC響史上初の女性首席客演指揮者に抜擢、さらに2021/22シーズンからはラハティSOの首席指揮者を務めるなど大躍進を遂げ、世界中から熱視線を浴びている注目株です。今回はSACDハイブリッド盤でのリリースとなり音質面でもより一層期待を持てるでしょう。

Spectrum Sound
CDSMBA-149(1CD)
完全限定盤
ジャンヌ・ゴーティエ〜フランス国営放送、未発表アーカイヴ
(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)クライスラー:パヴァーヌ
(3)クライスラー:プニャーニのスタイルによる前奏曲とアレグロ
(4)ヴィターリ:シャコンヌ
(5)シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 Op.100より第1&2楽章
ジャンヌ・ゴーティエ(Vn)
(1)ピエール=ミシェル・ル・コント(指)リリック放送O
(2)-(4)ユゲット・ドレフュス(Cemb)
(5)フランス三重奏団【ジャンヌ・ゴーティエ(Vn)、アンドレ・レヴィ(Vc)、ジュヌヴィエーヴ・ジョワ(P)】

ライヴ録音:(1)1958年6月22日エラール・スタジオ31
(2)-(4)1956年7月7日モアザン・センター
(5)1960年3月6日フランス・ラジオ・テレビ放送局内スタジオ(公開収録)
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。当アルバムはフランスが生ん だ天才ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエの未発表音源です!神童として注目されたゴーティエ。パリ音楽院卒業後、1910年代半ばには国際的な演奏活動を 展開し絶大な人気を得ました。
戦後、1950年代にはピアノのジュヌヴィエーヴ・ジョワ、チェロのアンドレ・レヴィとフランス三重奏団を結成し、ソロだけでなく室内楽も積極的に演奏してきま した。
ピエール=ミシェル・ル・コント(指)リリック放送Oとのメンデルスゾーン。ダイナミックで堂々たる当ライヴは必聴!第1楽章、第3楽章のテンポは同時 代の演奏家としては速く、また第2楽章はこの上なく美しい演奏を披露。ゴーティエならではの歌いまわしに聴き惚れてしまいます。
巨匠ユゲット・ドレフュスと共演したクライスラーとヴィターリも必聴。これらの作品をチェンバロで演奏していること自体稀ですが、ドレフュスとの演奏は二つの 楽器が対等に存在し、丁々発止のやり取りが終始展開されます。
そして、シューベルトのピアノ三重奏曲第2番より第1、2楽章。当時のフランスが誇る名手が揃った当団の演奏は格別で、どこまでも美しく、極上のシューベルト を堪能することができます。
長い演奏活動の割に録音の少ないゴーティエだけに当アルバムのリリースは大注目といえましょう。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-161(1CD)
完全限定盤
フェリックス・アーヨに捧ぐ
(1)ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』
(2)ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210Op.8-11
(3)ロッシーニ:6つの四重奏のソナタより第3番 ハ長調
(4)バルトーク:ルーマニア民族舞曲
(1)(2)フェリックス・アーヨ(Vn独奏&コンサートマスター)、イ・ムジチ合奏団
(3)(4)フェリックス・アーヨ(コンサートマスター)、
イ・ムジチ合奏団

ライヴ録音:(1)1959年8月13日マントン【マントン音楽祭】
(2)(3)1958年7月9日ディボンヌ・レ・バン
(4)1961年12月4日フランス・ラジオ・テレビ放送局内スタジオ(公開収録)
20世紀を代表する大ヴァイオリニスト、フェリックス・アーヨが2023年9月24日に90歳でこの世を去りました。アーヨの追悼盤としてSpectrum Soundレーベルから完全初出音源の登場です。
イ・ムジチ合奏団の創設メンバーの一人であるアーヨ。当団は1951年にサンタ・チェチーリア国立アカデミアの卒業生12人により結成。1952年にデビュー し以後現在も活動する名団体です。アーヨは当団デビューから16年間、初代コンサートマスターとして活躍。団の顔としてだけでなく、名ヴァイオリニストとして聴 衆を魅了しました。
イ・ムジチ合奏団の名が知られたのは『四季』の録音。50年代に2度録音しておりますが、当初出音源は1959年8月13日、マントン音楽祭におけるライヴ 音源です。アーヨの誠実で気品のある演奏が当演奏でも光っており、優美でふくよかな『四季』を堪能できます。
この他、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210Op.8-11も非常に貴重。また、アーヨがコンサートマスターを務めたロッシーニのソナタ第3番 ハ長調、そしてバルトークのルーマニア民族舞曲では非常に表現豊かな演奏をお楽しみいただけます。
長いキャリアの割に録音の少ないアーヨの貴重音源。ついに日の目を見ました。(Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

GRAND SLAM
GS-2312(1CD)
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)マーラー:「さすらう若人の歌」
(1)エドウィン・フィッシャー(P)
(2)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)、
フィルハーモニアO

録音:(1)1951年2月19、20日アビーロード第1スタジオ(ロンドン)
(2)1952年6月24、25日キングズウェイ・ホール(ロンドン)
使用音源:(1)Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(2)Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(セッション録音)
■制作者より  
フィッシャーとの「皇帝」、F=ディースカウとの「さすらう若人の歌」、これらはフルトヴェングラーが偉大なソリストを迎えての貴重なセッション録音でした。当 シリーズでは2曲ともLP復刻(「皇帝」:GS-2008、2005年、ALP1051使用/マーラー:GS-2015〜6、2006年、ALP1270使用)を発売していますが、 今回、初めてテープ復刻を行いました。「皇帝」は2トラック、38センチ、オープンリール・テープを使用、望みうる最上の得音質を獲得しました。マーラーは2トラッ ク、19センチのテープですが、全体の音質は「皇帝」と何ら遜色ありません。(平林直哉)

VOX
VOXNX-3034CD(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、他
チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104B.191
森の静けさ Op.68No.5B.182)*
ロンド ト短調 Op.94B.181*
ロマンス ヘ短調 Op.11B.39#
マズルカ ホ短調 Op.49B.90#
ザラ・ネルソヴァ(Vc)
ルッジェーロ・リッチ(Vn)
セントルイスSO
ヴァルター・ジュスキント(指)

録音:1974年5月15日、1974年5月*、1974年8月#
ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場! VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、その演奏・録音両面で高い評価を得、形態を変えつつ再 発売を重ねて来ました。このCDには、LP1枚目に収録されていたチェロ作品すべてとLP2枚目のヴァイオリン作品からロマンスとマズルカを収録しています。 チェロ作品のソロを務めるのは1918年カナダ生まれのザラ・ネルソヴァ。12歳の時にはサージェント指揮LSOとラロのチェロ協奏曲を演奏。ピア ティゴルスキー、フォイアマン、カザルスらに師事して世界的に活躍し、バーバーのチェロ協奏曲やブロッホのシェロモを作曲者自身の指揮で録音する際にはソ リストに指名されています。ここでのチェロ協奏曲の演奏時間は36分台と同曲録音の中ではかなり速いテンポによるもので、淀みのない流れに乗った豊かな 歌が印象的です。「森の静けさ」も深沈とした瞑想よりも緩やかな足取りによる散策を思わせ、音楽が停滞することがありません。 ヴァイオリン小品2曲は演奏・録音される機会が少ない曲ですが、ネルソヴァと同年生まれのルッジェーロ・リッチの独奏は、艶やかなサウンドと民族舞曲風の テンポ処理など見事な出来。アルバムを通じてチェコ生まれのジュスキントがセントルイス響から深みのある響きを引き出し、ドヴォルザークらしいリズムやフ レーズをしっかりと聞かせているのも当アルバムの聴きどころ。録音当時は首席指揮者として6シーズン目で、オーケストラを完全に掌握していたようです。 録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と 語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わ りましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に潤いが加わり ました。 ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。
VOX
VOXNX-3035CD(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53B. 108
ピアノ協奏曲 ト短調 Op.33B.63*
ルッジェーロ・リッチ(Vn)
ルドルフ・フィルクシュニー(P)
セントルイスSO
ヴァルター・ジュスキント(指)

録音:ミズーリ州セントルイス(USA)
1974年8月13日、1975年1月24日*
ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場! VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、 その演奏・録音両面で高い評価を得、 形態を変えつつ再 発売を重ねて来ました。 このCDには、LP2枚目からヴァイオリン協奏曲とLP3枚目のピアノ協奏曲を収録しています。前者のソリストは1918年生まれのルッジェーロ・リッチ。11歳で カーネギーホール・デビューを成功させ、1947年にはパガニーニの24のカプリースを世界で初めて録音したことでも知られます。ここではロマン派ヴァイオリン協 奏曲の王道を行く、朗々とした歌い回しと明るく美しい音が印象的。リッチ自身の1961年Decca録音よりも第1楽章と第2楽章はやや速めのテンポを取 り、前者の演奏時間32分余りに対して当盤は29分余り。音質も含めて、聴き比べも大いに楽しめることでしょう。 ピアノ協奏曲のソリストはチェコ生まれで生前は来日も多かったフィルクシュニー。「外連味が無い」と評されることから地味という先入観を持たれがちですが、 曲本来のブリリアントな聞かせどころはしっかりと決め、民俗舞曲風のリズムの弾みは自然体、高揚感も穏やかな抒情もオケと一体化して見事です。フィルク シュニーと1歳違いでやはりチェコ生まれのジュスキントが、首席指揮者として6シーズン目を迎えていたセントルイス響から深みのある響きを引き出し、個性の 異なる各ソリストに当意即妙に付けているのも聴きどころ。 録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と 語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わ りましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に伸びと潤いが 加わって硬さが取れているのが収穫です。 尚、ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。

BIS
BISSA-2665(1SACD)
ヘンリク・ヘルステニウス(1963-):Public Behaviour(公的行動)(2020)(打楽器、6人の歌手と管弦楽のための協奏曲)*
Together(ともに)(2021)(6人の歌手、ピアノ、サンプラーと打楽器のための)**
ノルディック・ヴォイセズ
トーネ・エリサベト・ブローテン(S)、イングリ・ハンケン(S)、エッバ・リュード(Ms)、ペール・クリスチャン・アムンドロー(T)、フランク・ハーヴロイ(Br)、ロルフ・マグネ・アッセル(Bs)、ハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン(打楽器、ヴォイス)*
エレン・ウゲルヴィーク(P)**
ジェニファー・トレンス(打楽器、ヴォイス)**
スタヴァンゲルSO *
イラン・ヴォルコフ(指)*
カイ・グリンデ・ミュラン(指)**
ヘンリク・ヘルステニウス Henrik Hellstenius は、ノルウェーのバールム生まれ。ラッセ・トーレセン、オラヴ・アントン・トンメセン、ビョ ルン・クルーセ、ジェラール・グリゼーの下で、「古典」の手法をマスターするに止まらない作曲を学びました。「自身の時代」の表現方法からインスピレーションを得な がら、サウンド、動き、リズム、静寂といった要素を重視。オペラ、室内楽と管弦楽の作品、エレクトロ=アコースティック音楽、劇場の音楽など、幅広いジャンルの作曲家 として活動しています。「Like Objects in a Dark Room(暗い部屋にある物体のように)」「ヴァイオリン協奏曲第2番」(BISSA--2152)、ヴァイオリン協奏曲 「By the voice a faint light is shed(声のするところから微かな光が)」(Aurora ACD-5047)といった作品がCDリリースされています。
新しいアルバムでは、彼の代表作のひとつ、室内オペラ「セラ(Sera)」(ACD-5024)に参加した6声のアカペラ・グループ「ノルディック・ヴォイセズ Nordic Voices」をフィーチャーした2つの作品が演奏されます。
「Public Behaviour(公的行動)」は、「極度の個人主義」の時代に「公の空間」でわれわれが一緒にどう行動するかということをテーマに「打楽器、6人の歌手 と管弦楽のための協奏曲」として作曲されました。ヘルステニウス自身が歌詞を書き、第2曲〈No Matter〉にはアメリカの社会学者リチャード・セネット Richard Sennett(1943?)の講義から採った一節も使われています。打楽器のハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン Hans-Kristian Kjos Sorensen(1965?) とイラン・ヴォルコフ IlanVolkov 指揮スタヴァンゲルSOが共演しています。
「Together(ともに)」は、「わたしと他人(me and the other)」の関係を深く考察する作品です。われわれが出会い、ともに働き、ともに住む人々とどう関わ るかという課題。この作品のテクストもヘルステニウスが作りました。現代音楽のスペシャリスト、ピアニストのエレン・ウゲルヴィーク Ellen Ugelvik(1971?)とオ スロを拠点とする実験的音楽家のジェニファー・トレンス Jennifer Torrence が加わった「6人の歌手、ピアノ、サンプラーと打楽器」のアンサンブルをカイ・グリン デ・ミュラン Kai Grnde Myrann が指揮して演奏されます。

SUPRAPHON
SU-4337(1CD)
チェコのピアノ協奏曲3篇
(1)コヴァルジョヴィツ:ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.6(1887)
(2)カプラーロヴァー:ピアノ協奏曲 ニ短調 Op.7(1935)
(3)ボシュコヴェツ:ピアノ協奏曲第2番(1949)
マレク・コザーク(P)
プラハRSO、
ロベルト・インドラ(指)

録音:/(1)2022年1月4〜6日、(2)2020年10月5&6日、(3)2022年11月9〜11日/プラハ放送第1スタジオ
19世紀から20世紀にかけてのチェコのピアノ協奏曲といえば、ドヴォルザークとマルティヌーが有名ですが、当アルバムでは同時代の知られざる傑作3篇を 紹介します。
カレル・コヴァルジョヴィツ(1862〜1920)はプラハ音楽院にて(指)作曲、クラリネット、ピアノを学び、スデニェク・フィビフから声楽と作曲の個人指導を 受けました。指揮者として1896年から1898年までチェコPOの初期のコンサートに出演。また、1900年には国民劇場のオペラの監 督に就任。国民劇場での仕事はチェコの音楽界に最も貢献し、同劇場ではドヴォルザークの歌劇『ルサルカ』の初演を含む数多くの演奏を行っています。作曲家と しては指揮者になる前から名声を得ており、歌劇『花婿たち』やバレエ『ハシシュ』で成功を収めました。コヴァルジョヴィツのピアノ協奏曲は、技巧的なピアノ独 奏が散りばめられた難曲です。
ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915〜1940)のピアノ協奏曲は、プラハ音楽院の卒業作品として作曲。豪華な楽器編成と華麗なピアノ・パートが魅 力で、1935年、自身の指揮で初演が行われ、批評家の絶賛を浴びました。カプラーロヴァーは1937年にパリに移りマルティヌーに師事。その翌年、ロンドンで 開催された国際現代音楽協会フェスティバルで賞賛を浴び、同フェスティバルのオープニングコンサートではBBCOを指揮し、自作「軍隊シンフォニエッタ」 を演奏。しかし、1940年、25歳のとき結核でこの世を去っております。
ヨゼフ・スークの弟子であったパヴェル・ボシュコヴェツ(1894〜1972)は、1946年から1967年までプラハ芸術アカデミーで教職に就き、イルジー・パ ウエル、ヤン・ノヴァーク、ペトル・エベンなどを育てました。ピアノ協奏曲第2番は第二次世界大戦後の1949年作曲。この協奏曲はボシュコヴェツの代表曲の一 つです。
ピアノ独奏はチェコ出身のマレク・コザークです。コザークはプラハ芸術アカデミーでイヴァン・クラスキーに師事。2018年開催のブレーメン国際ピアノ・コンクー ルで優勝し注目されました。母国の作曲家の作品を心を込めて演奏しております。 (Ki)

King International
KKC-2717(1CD)
税込定価
外山雄三自作自演集Vol.2
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番
(3)管弦楽のためのラプソディ
森下幸路(Vn)
外山雄三(指)大阪SO

録音:2018年2月22日(1)、2019年11月21日(2)、2019年8月31日(3)/ザ・シンフォニーホール(すべてライヴ)
2023年7月11日に92歳で歿した巨匠指揮者・外山雄三の追悼盤。作曲家でもある彼の自作自演集第2弾待望の登場となります。
メインは2篇のヴァイオリン協奏曲。2018年2月と19年11月にザ・シンフォニーホールで行われたコンサートのライヴで、独奏は大阪SO首席ソロ コンサートマスターの森下幸路。森下と外山は仙台フィルのコンサートマスターを務めていた1994年来の仲で、外山のヴァイオリン・ソナタの録音を作曲者が 絶賛するなど信頼厚く、2篇の協奏曲も彼をおいてほかには考えられない演奏者といえます。
ヴァイオリン協奏曲第1番は1963年尾高賞受賞作で、「ラプソディ」と同様に日本の素材が豊富に用いられ民族色に満ちています。第2番1966年作で、 2年前に作ったヴァイオリン・ソナタに基づいて生まれました。日本の伝統音楽と西洋音楽の融合と対立が興味深い内容です。どちらもディスクに恵まれておらず、 待望のリリースとなります。
外山作品としては欠かすことのできない「ラプソディ」も、しっかりフィルアップでプレゼント。「自作自演集Vol.1 (KKC-2710)」とは別音源2019年8月31日ザ・シンフォニーホールでのライヴで、大阪SOも乗りに乗った快演を聴かせてくれます。永久保存すべき外山雄三晩年の貴重な記録です。 (Ki)

Avie
AV-2650(1CD)
夢〜イザイ:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的詩曲(オーケストレーション:エリカ・ベガ/世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲ホ短調(第3楽章のオーケストレーション:グザヴィエ・ファルケス/全曲版世界初録音)
ヴァイオリンとピアノのための2つのサロンのマズルカ Op.10
ヴァイオリンとピアノのための子供の夢 Op.14
フィリップ・グラファン(Vn)、
ロイヤル・リヴァプールPO、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)、
マリサ・グプタ(P)

録音:2023年6月20日&21日、ザ・フライアリー(協奏曲)/2023年10月9日、ブリュッセル王立音楽院(デュオ)
フランスの名手フィリップ・グラファンのAvie新録音は、ベルギーの名ヴァイオリニスト、作曲家として活躍したウジェーヌ・イザイが残した2つのヴァイオリン協奏的作品を世界初録音。
グラファンは、イザイの弟子であるヨーゼフ・ギンゴルドに師事。オーストリアのフリッツ・クライスラー・コンクールで優勝後は、メニューインの指揮で初のレコーディングを行い、フランス系レパートリーにおいて特に高い評価を確立しています。2018年にはパリ国立高等音楽院とブリュッセル王立音楽院の教授を務め、2017年には、イザイが過ごしたベルギーの避暑地クノッケにて「Ysaye’sKnokke」国際音楽祭を創立、芸術監督に就任しています。
本アルバムに収められたイザイのヴァイオリン協奏曲は、最近、第1楽章が発見されたのに続き、作品を完成させるうえで必要なさらなる写本が発見されました。グラファンは、イザイ愛好家であるグザヴィエ・ファルケスとの緊密な共同作業により、ページごとに分析し、音楽のパズルのピースを丹念に再構築。その結果、イザイのトレードマークである熱意、激しさ、独創性を示す3楽章からなる協奏曲全編録音プロジェクトが成し遂げられました。もう一方の初録音となる協奏的詩曲(ポエム・コンチェルタント)も最近になって写本形式で発見され、イザイが弟子イルマ・セテに感じた情熱と愛情が込められています。この作品は、一世紀以上発見されずに残されていましたが、この世界初となる録音で見事に甦りました。グラファンは、これら初録音作品に加え、イザイが生涯に頻繁に演奏し、ヨーロッパ中で人気を博した 「2つのマズルカ」 。そして、末息子アントワーヌに捧げた 「子供の夢」 というヴァイオリンとピアノのための珠玉の3曲をカップリングしています。これまでも、多くの知られざる作品や珍しい版、初稿版、編曲版などのレア・レパートリーを開拓・録音してきたグラファンが新たなイザイ作品の魅力を見出した注目盤の登場です。

Diapason
DIAP-165(1CD)
ラロ:チェロ協奏曲/スペイン交響曲
(1)チェロ協奏曲 ニ短調

(2)「ナムーナ」組曲第1番

(3)スペイン交響曲
(1)ピエール・フルニエ(Vc)、
ジャン・マルティノン(指)、ラムルーO
録音:1960年
(2)ポール・パレ―(指)デトロイトSO
録音:1958年
(3)レオニード・コーガン(Vn)、
キリル・コンドラシン(指)フィルハーモニアO
録音:1959年
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第165巻として登場するのは、フランス人作曲家のエドゥアール・ラロによる作品集。サン=サーンスの「チェロ協奏曲第1番」に触発されて作曲されたというラロの「チェロ協奏曲」を弾くのは、ピエール・フルニエ。チェロの貴公子と称されたその美しさと格調の高さを感じさせる音色で奏でます。「ナムーナ」は元々バレエ作品として生まれたもので、初演後作曲者自身の手で編曲され組曲版が生まれました。こちらはフランスの指揮者ポール・パレーが手兵デトロイトSOを率いて収録。そして、ラロの代表作ともいえる「スペイン交響曲」では伝説のヴァイオリニスト、レオニード・コーガンとキリル・コンドラシンによる豪華な組み合わせとなっており、往年のラロ作品の名演奏をたっぷりとご堪能いただけます。

SUPRAPHON
SU-4334(1CD)
作曲家&指揮者ヴィクトル・カラビス
(1)序曲「青春」 Op.7(1950)〜大オーケストラのための
(2)協奏曲「ストラヴィンスキーへのオマージュ」 Op.3(1948)〜室内オーケストラのための
(3)チェロ協奏曲 Op.8(1951/1956)
(3)ミロスラフ・ペトラーシュ(Vc))
(1)(3)ヤナーチェクPO
(2)ヤナーチェク室内O
ヴィクトル・カラビス(指)

録音:(1)1984年1月16日、(2)1980年3月20&21日、(3)1979年2月23&24日/プラハ放送第1スタジオ
スプラフォン・レーベルが力を注いで録音を進めている20世紀チェコを代表する作曲家ヴィクトル・カラビスが、昨年(2023年)に生誕 100周年を迎えました。生誕90周年を記念してリリースした『交響曲&協奏曲集』(SU-4109)はカラビス後期の作品が中心でしたが、この度リリース当アルバ ムには1948年から1951年にかけての3つの作品を収録しており、すべてカラビス指揮による自作自演集です。
室内オーケストラための協奏曲 Op.3(1948年)はカラビス憧れの作曲家ストラヴィンスキーへのオマージュとして作曲。協奏曲の形式と楽器編成はストラヴィ ンスキーの室内オーケストラのための協奏曲「ダンバートン・オークス」を模しています。
序曲「青春」 Op.7(1950年)は、大編成のオーケストラ用に作曲した印象的な作品。暗い色彩は、共産党独裁政権が台頭していた困難な時代を反映しています。
チェロ協奏曲 Op.8(1951年)は、ドヴォルザーク、バルトーク、ヒンデミット、マルティヌーらの影響を感じさせる作品。若々しくダイナミックな力強さがカラビ ス初期の音楽を特徴づけています。これらの作品を作曲家自身による指揮で聴けるのもアニバーサリー・イヤーにふさわしいリリースと言えましょう。 (Ki)

DOREMI
DHR-8217(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第3集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
(3)ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80
(4)ショパン:夜想曲第7番嬰ハ短調 Op.27-1、夜想曲第8番 変ニ長調 Op.27-2、スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
(5)ブラームス:間奏曲 変ロ短調 Op.117-2、イ短調 Op.118-1、イ長調 Op.118-2、変ホ短調Op.118-6
(6)ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57
(7)シチェドリン:フモレスケ
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ルドルフ・ケンペ(指)ミュンヘンPO
 録音:1974年3月6日ロンドン
(2)ウリ・セガル(指)イギリス室内O
 録音:1974年3月25日ロンドン
(3)ローレンス・フォスター(指)ロイヤルPO
 録音:1971年9月2日ロンドン
(4)録音:1970年4月19日リーズ
(5)録音:1973年3月5日ロンドン
(6)ガブリエリSQ
 録音:1973年3月5日ロンドン
(7)録音:1974年12月9日ロンドン
DOREMIレーベルのラドゥ・ルプーの秘蔵ライヴ・シリーズ第3集。70年代のイギリス・ライヴを収録。聴き応えある2枚組です。

King International
KKC-116(1CD)
税込定価
菊池洋子&大阪SOのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集Vol.1
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37(第1楽章カデンツァ=ライネッケ作)
ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58(第1楽章カデンツァ=ベートーヴェン作、第3楽章カデンツァ=ブラームス作)
菊池洋子(P)
山下一史(指)大阪SO

録音:2023年9月9日/ザ・シンフォニーホール(ライヴ)
菊池洋子が2023年から3年かけてベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲のシリーズを開始しました。山下一史指揮大阪SOとの共演で毎夏2曲ずつコン サートを行い、キングインターナショナルがライヴ録音します。全 5曲のピアノ協奏曲に加え、ベートーヴェン自身がヴァイオリン協奏曲をピアノ協奏曲に直した ものまで披露予定。ご期待ください。
第1弾は2023年9月9日、ザ・シンフォニー・ホールでのライヴ。短調でベートーヴェンならではのアレグロを味わえる第 3番と穏やかで明るい第4番を 堪能できます。確かな技巧、香り立つピアニズムは菊池ならではの魅力。さらに菊池はカデンツァにも凝り、3番(第1楽章)は凄まじい効果を示しているライネッ ケ、第4番第1楽章はベートーヴェン自身、第 3楽章はブラームス作を使用しているのも興味津々。
山下一史指揮の大阪SOは、ベートーヴェンならではの緊張感と重厚な響きを繰り広げ風格満点。高揚感とフレッシュさも万全で交響的音世界を繰り広 げます。
菊池洋子は2023年3月よりウィーン国立音楽大学のアシスタント・プロフェッサーに任命され後進の指導も始め、ますます情熱的かつ優しい音楽性が深み を増しています。 (Ki)

ALBANY
TROY-1948(1CD)
「深淵の響き」〜ジェフリー・マムフォード(b.1955):作品集
(1)「フィールドの展開・・・共鳴する光の深淵に響く」〜チェロと管弦楽のための
(2)「ビカミング・・・」〜ピアノと管弦楽のための
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番「深まる春の青々とした斑点」
(1)クリスティーン・ランプレア(Vc)
カゼム・アブドラ(指)デトロイトSO
(2)ウィンストン・チョイ(P)
マイケル・レワンスキー(指)
アンサンブル・ダル・ニエンテ
(3)クリスティーン・ウー(Vn)
アレン・ティンカム(指)
シカゴ・コンポーザーズ・オーケストラ

録音:(1)2017年3月4日デトロイト、(2)2021年6月
14日シカゴ、(3)2022年8月6日シカゴ
作曲者ジェフリー・マムフォードはアフリカ系アメリカ人の作曲家で、米国内で既に数々の賞を受 賞、作品はアトランタSOを始め、多くのオーケストラ、アンサンブルによって演奏されています。 ここに収められた3つの協奏曲的な作品はいずれも激しいウェーベルン、シェーンベルクの影響を はっきりと受けた、点描的、表現主義的な様式で書かれており、聴き手を圧倒する。特にチェロと管 弦楽のための「フィールドの展開・・・共鳴する光の深淵に響く」では基本的に終始、チェロの嘆くよ うなモノローグにオーケストラが合いの手をいれたり、激しく、呼応、共鳴する力作。


Polskie Radio
PRCD-1721(7CD)
カヤ・ダンチョフスカ〜アーカイヴァル・レコーディングズ 1974-2007

【CD1】
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207*
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64*
(3)ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22*

【CD2】
(1)シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番Op.35
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.61
(2)カルウォヴィチ:ヴァイオリン協奏曲イ長調 Op.8

【CD3】
(1)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78
(2)ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2(Vn版)
(3)パヌフニク:ヴァイオリン協奏曲
(4)ウェーベルン:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7*

【CD4】
(1)シマノフスキ:前奏曲ロ短調 Op.1-1(バツェヴィチ編曲/ヴァイオリンとピアノ版)
シマノフスキ:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.9
(2)シマノフスキ:バレエ 「ハルナシェ」Op.55より 舞曲(パヴェウ・コハンスキ編曲/ヴァイオリンとピアノ版)
シマノフスキ:夜想曲とタランテッラ Op.28
シマノフスキ:アイタコ・エニアの子守歌 Op.52
(4)ショーソン:詩曲 Op.25(Vnとピアノ版)*
(5)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 「バラード」 Op.27-3*

【CD5】
(1)ヴィエニャフスキ:ポロネーズ イ長調 Op.21*
(2)ヴィエニャフスキ:伝説 Op.17*
(3)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調 Op.27-4*
(4)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番ト長調 Op.27-5
(5)ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.99*

【CD6】
(1)シューベルト:アヴェ・マリア D.839Op.52-6(ヴィルヘルミ編)
エデ・ポルディーニ(1869-1957):踊る人形(クライスラー編)
ブラームス:ワルツ 変イ長調 Op.39-15(デイヴィッド・ホクスタイン編)
(2)アレクサンデル・ザジツキ(1834-1895):マズルカ ト長調 Op.26*
(3)ラヴェル:ハバネラ形式の小品
(4)チャイコフスキー:「なつかしい土地の思い出」より メロディー変ホ長調 Op.42-3
(5)チャイコフスキー:ワルツ=スケルツォ ハ長調 Op.34*
(6)ドビュッシー:レントより遅く(レオン・ロケ編)
クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2
ドヴォルザーク:ユモレスク変ト長調 Op.101-7
フィビフ:詩曲 Op.41
(7)ヴィエニャフスキ:2つの性格的マズルカ Op.19*
(8)グルック:歌劇 「オルフェオとエウリディーチェ」第2幕より メロディー(クライスラー編)
(9)グラナドス:スペイン舞曲 ホ短調 Op.37-5(クライスラー編)*
クライスラー:愛の悲しみ*
クライスラー:美しきロスマリン*
(10)バツェヴィチ:オベレク第1番*
(11)ヴィエニャフスキ:クヤヴィアク イ短調*
(12)ヴィエニャフスキ:スケルツォ=タランテッラ ト短調 Op.16*

【CD7】
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
シマノフスキ:神話 Op.30
シマノフスキ:歌劇 「ロジェ王」Op.46より ロクサナの歌(パヴェウ・コハンスキ編)
シマノフスキ:クルピェの歌 Op.58
カヤ・ダンチョフスカ(Vn)

【CD1】
(1)カロル・テウチュ(指)、ワルシャワ国立フィルハーモニー室内O
録音:1974年4月7日、北ドイツ放送(ライヴ)
(2)タデウシュ・ストルガワ(指)、ポーランド国立RSO
録音:1982年12月22日、ラジオ音楽館(カトヴィツェ)
(3)アントニ・ヴィト(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1981年2月27日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD2】
(1)カジミエシュ・コルト(指)、ワルシャワ国立PO
録音:1996年2月21日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(2)アントニ・ヴィト(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年12月22日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD3】
(1)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1987年1月12日、ポーランド放送スタジオS-2(ワルシャワ)
(2)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1987年1月13日、ポーランド放送スタジオS-2(ワルシャワ)
(3)アグニェシュカ・ドゥチマル(指)、ポーランド放送ポズナン室内O(現ポーランド放送アマデウス室内O)
録音:1984年2月24日、アダム・ミツキェヴィチ大学講堂(ポズナン)
(4)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1978年1月15日、ポーランド放送スタジオM-2(ワルシャワ)
【CD4】
(1)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2007年7月11日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
(2)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2007年7月12日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
(4)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1984年3月16日、RIAS(ベルリン)
(5)録音:1975年12月13日、南ドイツ放送スタジオ(シュトゥットガルト)
【CD5】
(1)イェジ・サルヴァロフスキ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年1月24日、クラクフ・フィルハーモニー
(2)イェジ・サルヴァロフスキ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年1月23日、クラクフ・フィルハーモニー
(3)録音:1975年12月12日、南西ドイツ放送スタジオ(バーデン=バーデン)
(4)録音:1977年1月12日、ワルシャワ
(5)タデウシュ・ストルガワ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1981年1月12日-13日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD6】
(1)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(2)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
(3)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(4)(5)ローター・ブロダック(P)
録音:1974年11月11日、RIAS(ベルリン)
(6)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(7)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1978年1月15日、ポーランド放送スタジオM-1(ワルシャワ)
(8)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(9)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2006年12月19日、ジェシュフ大学(ライヴ)
(10)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
(11)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2006年12月19日、ジェシュフ大学(ライヴ)
(12)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
【CD7】
クリスチャン・ツィメルマン(P)
録音:1980年7月、ヘルクレス・ザール(ミュンヘン)

*=初出音源
ポーランドの傑出したヴァイオリニスト、カヤ・ダンチョフスカの素晴らしき芸術を集成した豪華7枚組BOX。2014年にリリースされ、その後も何度か日本で流通しながらも、即完売・入手困難が続いていたBOXセットです。22曲の初出(ワールド・プレミア・リリース)となる貴重な放送音源から、Deutsche Grammophon、CD Accord、Wifon等からリリースされていた商業録音まで、1974年〜2007年までの多くの録音作品全体からもっとも優れたパフォーマンスの音源がアーティスト自身によって選ばれおり、モーツァルト、メンデルスゾーン、ヴィエニャフスキ、シマノフスキ、ブラームス、ショスタコーヴィチ、イザイ、フランクらの傑作からカルウォヴィチ、パヌフニク、ザジツキなどポーランドの稀少なレパートリーも収録。ツィメルマン、オレイニチャクらポーランドの名ピアニストやポーランドの主要オーケストラとの共演によって、多くのファンを虜にしたカヤ・ダンチョフスカの魅力の全貌をお届けします。
50ページのブックレット(英語、ポーランド語)には、ダンチョフスカ本人による曲目解説に加え、オイストラフ、ツィメルマン、ペンデレツキ、シェリングら偉大なアーティストたちとの写真も掲載。
カヤ・ダンチョフスカは1949年クラクフ生まれ。1967年ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール(ポズナン)第3位、1969年アルベルト・クルチ国際ヴァイオリン・コンクール(ナポリ)第2位、1970年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位、1975年ARDミュンヘン国際音楽コンクール第3位、1976年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)第6位などの多くの国際コンクールで上位入賞。日本を含む各国の国際コンクールで審査員を務めるほか、クラクフ音楽アカデミーのヴァイオリン教授としても活躍しています。

Chandos
CHSA-5340(1SACD)
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 K053(1931)*/ロシア風スケルツォ K070(1945)/組曲第1番 K045(1925)/組曲第2番K038(1921)/ミューズを率いるアポロ K048(1927-28, revised1947)
ジェームズ・エーネス(Vn)*、アンドルー・デイヴィス(指)、BBCフィルハーモニック

録音:2023年2月9日&13日、メディア・シティUK(サルフォード)
驚異的な超絶技巧と澄み渡る抒情性で世界に名を馳せ、グラミー賞、グラモフォン賞、ジュノー賞などの栄誉ある音楽賞を多数受賞してきたカナダの天才ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス。現在はソロ・アルバムやエーネス・クヮルテットの録音をONYX-(オニックス)からリリースしていますが、Chandos(シャンドス)でも協奏曲を中心にバルトーク、プロコフィエフ、ウォルトン、チャイコフスキー、ベルリオーズ、ヤナーチェク、ドヴォルザークなど多くの名盤でN.ヤルヴィ、A.デイヴィス、ガードナー、ノセダらと共演してきました。
今回のアルバムではストラヴィンスキーがアメリカのヴァイオリニスト、サミュエル・ドゥシュキンの依頼によって作曲したヴァイオリン協奏曲を熱演!バッハの影響も受けているこの作品を、持ち前の超絶技巧を活かして圧倒的な演奏で聴かせています。その他にもアンドルー・デイヴィスの指揮で「組曲第1番」などのフランス時代の作品など管弦楽作品も収録されています。

APR
APRCD-5639(1CD)
エリー・ナイ:プレイズ・ブラームス・アンド・シューベルト

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
(2)シューベルト:さすらい人幻想曲 D760
(3)シューベルト(エリー・ナイ編):「シューベルトの舞曲」より、
ドイツ舞曲 D783-1、ドイツ舞曲 D783-7、ドイツ舞曲 D783-10、グラーツのワルツ D924-6、感傷的なワルツ D779-13、ドイツ舞曲 D790-3、ワルツ D365-29、レントラー D734-14、ワルツ D365-36、ワルツ D365-33
エリー・ナイ(P) 

(1)マックス・フィードラー(指)、
アロイス・メリヒャル(指)*、BPO
録音:1939年6月1日-2日&5日&1940年4月29日*

(2)録音:1942年5月21日

(3)録音:1942年5月21日
伝説的なドイツの女流ピアニスト、エリー・ナイによるブラームスとシューベルトのカップリング!エリー・ナイと言えば、戦時中ナチスに協力したことでその復権まで時間がかかりましたが、現在では疑いようのない名ピアニストとして知られています。特にオーストリア、ドイツ圏の作品を弾かせると当時右に出るものがいないほど、稀有な存在であったといっても過言ではないでしょう。
ここに収められているブラームスは、女性として初めて同曲を録音した記念碑的演奏で、ベルリン・フィルと共演を果たしています。なお、指揮者はブラームスのスペシャリストであるマックス・フィードラーがクレジットされていますが、彼の急死後アロイス・メリヒャルの指揮によって完成されているということです。また、シューベルトは「さすらい人幻想曲」の他に、今回初CD化となる非常に貴重なエリー・ナイ本人編曲による「舞曲集」が収録されています。

Musikmuseum
MMCD-13037(1CD)
表彰台に立つ若きソリストたち〜北チロルと南チロルの現代音楽作品集
マルティン・パチャイダー(b.1973):トランペットと管弦楽のための協奏曲(P無し)
ミヒャエル・F.P.フーバー(b.1971): パーカッションと室内オーケストラのための小協奏曲 Op.56
ハンネス・ケルシュバウマー(b.1981):バセットホルンと室内オーケストラのための 「メラノキシロン」
フェリックス・レッシュ(b.1957):弦楽、パーカッションと独奏ツィターのための 「ラッジ」
マルティン・オアヴァルダー(b.1972):ゴー・ブロウ!4本のトランペットと室内オーケストラのための協奏曲
パトリック・ホーファー(Tp)、
ユリアン・グルーバー(パーカッション)、
ルカ・モランドゥッツォ(バセットホルン)、
アンドレアス・ヴェルクマイスター(ツィター)、
ガブリエル・グリッチュ(Tp)、
クレメンス・ネウ(Tp)、
ユリアン・リッチュ(Tp)、
マルクス・シュタイクスナー(Tp)、
チロル室内O、
ゲルハルト・ザマー(指)

録音:2012年-2015年
チロルの若き優れた才能がチロルの作曲家の作品を演奏する好企画。本アルバムでは、チロル室内Oと若き音楽家たちとの共演、そして、チロルの作曲家シーンを促進するための集中的な努力を記録し、チロルの新しい音楽シーンの多様性を証明しています。カラヤン・アカデミーでガボール・タルケヴィ(元BPO首席トランペット奏者)に師事し、現在はベルリンRSOで活躍するトランペット奏者、パトリック・ホーファーの妙技にも注目です。
Musikmuseum
MMCD-13035(1CD)
アル・カプリッチョ〜ヤン・ツァハ:協奏曲&シンフォニア集
序曲ト短調/ハープシコード協奏曲ハ長調/フルート協奏曲ト長調/「主イエス・キリストの受難」 へのイントロドゥツィオーネ ホ長調/フルート協奏曲ニ長調/ハープシコード協奏曲ヘ長調/シンフォニア ト長調
ミュンヘン・バロックゾリステン、
ドロテア・ゼール(指)

録音:2016年
フルート奏者ドロテア・ゼールが率いるミュンヘン・バロックゾリステン。本アルバムでは、マインツで宮廷指揮者を務め、晩年の17年間は定職を持たずにドイツ、オーストリア、イタリアを旅したボヘミア人ヤン・ツァハの極めて特異な音楽世界を掘り下げています。プログラムには、フルートとチェンバロの協奏曲、チロルのシュタムス修道院に保存されているシンフォニア、壮大な序奏曲などが含まれています。18世紀音楽の華麗で魅惑的な解釈を聴衆に見事に伝えています。
Musikmuseum
MMCD-13048(1CD)
表彰台に立つ若きソリストたち Vol.2
マヌ・デラゴ(b.1984):Of Puppeteers and Marionettes(ジャズ・カルテットとオーケストラのための)
ヨハンナ・ドーデラー(b.1969):アコーディオン協奏曲「大洋」
エリック・イウェイゼン(b.1954):Visions of Light(トロンボーンと室内オーケストラのための)
マルティン・ライナー(b.1987):ハンガリー風変奏曲「Blickwinkel」(フルート、クラリネット、サクソフォンと室内オーケストラのための)
アンドレア・オベルパーライター(b.1979):Egallopade(室内オーケストラのための)
チロル室内O、
ゲルハルト・ザマー(指)、
HI5・ミニマル・ジャズ・チェンバー・ミュージック、
二コラ・ジョリチ(アコーディオン)、
ペーター・シュタイナー(Tb)、
サラ・ブブレグ(Fl)、
マルトン・ブブレグ(Sax)、
ベンセ・ブブレグ(Cl)

録音:2015年-2018年
チロル室内Oとソリストたちによる現代音楽集。10代〜20代の非常に若い世代を中心としたソリスト陣によるフレッシュな演奏をお楽しみいただけます。ウィーン・フィルの奏者やコロラドSOの首席奏者も務めた南チロル(イタリア)出身の名トロンボーン奏者、ペーター・シュタイナーの参加も注目です。
Musikmuseum
MMCD-13047(1CD)
ミヒャエル・F.P.フーバー:ピアノ協奏曲/交響曲第4番
ピアノ協奏曲 Op.61(ミヒャエル・ショッホに捧ぐ)*
交響曲第4番 Op.64**
ミヒャエル・ショッホ(P)*、
マリア・ラドゥルナー(S)**、
カールハインツ・ジースル(指)、
聖ブラシウス・アカデミーO

録音:2016年&2017年、インスブルック
1971年チロル出身の作曲家、ミヒャエル・F.P.フーバーのピアノ協奏曲と交響曲。フーバーはチロル州の州都インスブルックに生まれ、インスブルックの音楽高校でピアノ、ヴァイオリン、トロンボーンを学び、作曲の個人レッスンも受けながら、インスブルック大学で音楽楽と教育学を、ウィーン音楽舞台芸術大学で作曲と音楽理論を学びました。ウィーンSO図書館やピアノと作曲の個人教師として働いた後、チロル音楽学校でも教え、ピアノ、音楽理論、室内楽の講師や伴奏者、演奏家として活動しています。
2011年ARDミュンヘン国際音楽コンクールで40年ぶりとなるオルガン部門第1位を受賞し、2015年からはチロル州立音楽院でオルガンの教授を務めるミヒャエル・ショッホに捧げられたピアノ協奏曲は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を髣髴とさせるフレーズから始まり、モーツァルト、ベートーヴェン、ラヴェルなどのコンチェルトの旋律が顔を見せるユニークな作品です。

Obsession
SMHQ-003(1CD)
HQCD
完全限定生産
ヴィヴァルディ:リュート協奏曲&ソナタ集
リュート協奏曲ニ長調 RV93
ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調 RV540
トリオ・ソナタ ト短調 RV85
トリオ・ソナタ ハ長調 RV82
ダーニエル・ベンケー(Lute)、ラースロー・バールソニ(ヴィオラ・ダモーレ)、ジュジャ・ペルティシュ(ハープシコード)、マリア・フランク(Vc)、ヤーノシュ・ロッラ(Vn)、ブダペスト・フランツ・リスト室内O
フリジェシュ・シャーンドル(指)

録音:1978年/ADD
バクファルク・コンソートの設立者であり、ハンガリー国内におけるルネサンス、バロック時代のリュート作品の普及に重要な役割を果たしたリュート&ギター奏者、ダーニエル・ベンケー(1947-2019)がHungarotonレーベルに遺したヴィヴァルディの作品集がHQCD仕様で復刻。ベンケーのリュート録音は現在入手可能なものがほとんど無く大変貴重なリリースとなります。

※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

ALPHA
ALPHA-1039(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456
ピアノ協奏曲 第21番ハ長調 K.467(カデンツァ…ディヌ・リパッティ)
ジョナタン・フルネル(P/ベーゼンドルファー)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2023年2月22-24日アンジェラ・フェルストル・ザール、オルケスターハウス、ザルツブルク
若手から中堅までの注目ソリストが登場するモーツァルトの協奏曲シリーズ第8弾に、2021年エリザベート王妃コンクールの覇者ジョナタン・ フルネルが登場。2021年にALPHAから発売されたブラームスはコンクール直前のセッション録音だったということもあり、彼にとって待望の新 録音でもあります。曲は、そのエリザベート王妃コンクールのセミ・ファイナルでも素晴らしい演奏を披露した第18番と、人気曲第21番という 絶好の組み合わせ。CPOでのリース交響曲全集など古典派や初期ロマン派の解釈に秀でたハワード・グリフィス率いるモーツァルテウム管弦 楽団と共に、隅々までよく歌いつつたいへん伸びやかなモーツァルトを聴かせおり、持ち前の高い表現力を存分に発揮しています。第21番で リパッティのカデンツァを弾いているのも嬉しいところ。

Linn
CKD742(1CD)
イタリア組曲 〜ヴィヴァルディ、ソッリマ、ストラヴィンスキー
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 「ムガール大帝」 RV208
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962-):ヴァイオリン、弦楽、リュートと打楽器のための協奏曲 「テュケー(運命の神)」 *
ストラヴィンスキー(1882?1971):イタリア組曲(アンドレアス・フレックによる弦楽合奏、チェンバロ、ヴァイオリンのための編曲版)
ヨニアン・イリアス・カデシャ(Vn)
チャーツ・チェンバー・アーティスツ

録音:2022年12月8-11日 ボスヴィル旧教会、スイス
アテネ出身のヴァイオリンの名手ヨニアン・イリアス・カデシャ、LINNへの第2弾は様々な時代の協奏的作品集で、イタリアへのオマージュが テーマとなっています。オケとソロとの一体感が高く勢いのあるヴィヴァルディに始まり、カデシャの委嘱によって書かれたソッリマの作品では超絶 技巧を絡めた聴かせどころが随所に。イタリア組曲はチャーツ・チェンバー・アーティスツのチェリスト兼マネージャーであるアンドレアス・フレックの 編曲により、原曲の「プルチネッラ」に近い風合いで楽しむことが出来ます。
Linn
CKD-736(1CD)
トランペットによるヘンデル 〜協奏曲とアリアによるトランペットのための再構成
ヘンデル/ジョナサン・フリーマン=アットウッド、ティモシー・ジョーンズ編曲:アリア「帰ってきて、私の愛しい大切な宝物」 〜歌劇「ロデリンダ」 HWV19
ソナタ 第1番ヘ長調 - 合奏協奏曲 ヘ長調 Op. 3-4HWV315による
アリア「Nel passar da un laccio all’altro 罠から罠へ」〜歌劇「アルゴスのジョーヴェ」 HWV A14
前奏曲、アルマンドとフーガ - クラヴサン組曲第1巻第3番 ニ短調 HWV428による
ソナタ 第3番変ホ長調 - オルガン協奏曲 第13番 ヘ長調「カッコーとナイチンゲール」 HWV295 による
アリア「あなたがどこを歩くとも」 〜オラトリオ『セメレ』 HWV58
アリア「愛らしさ、媚び、そして快活さ」 〜歌劇「アリオダンテ」 HWV33
二重唱「私の愛があなたの罪であるならば」〜歌劇「エジプト王妃ベレニーチェ」 HWV38
ソナタ 第2番ヘ短調 - 合奏協奏曲 イ短調 Op. 6-4HWV322による
アリア「あなたと一緒に、私は荒野を歩くだろう」 〜オラトリオ『ソロモン』 HMV67
二重唱「なにかしら、まだわからない」 〜歌劇「アレッサンドロ」 HWV21
ソナタ 第4番イ長調 - 二重協奏曲 HMV332 による
二重唱「汝、栄光に満ちた全能の息子よ」〜オラトリオ『テオドーラ』 HWV68より
アリア「なんてすてきな喜び」 〜歌劇「アグリッピーナ」 HWV6
ジョナサン・フリーマン=アットウッド(Tp)
アンナ・シャウツカ(P)
トム・フリーマン=アットウッド(Tp)

録音:2022年10月、2023年2月 英国王立音楽院、ロンドン
ヴァイオリンのレイチェル・ポッジャーなどを手掛けた名音楽プロデューサーであり、2008年から英国王立 音楽院の学長も務めるトランペット奏者フリーマン=アットウッドによる、トランペットとピアノのためのレパー トリー集。今回は自身とティモシー・ジョーンズの編曲によるヘンデルの作品集。中でも協奏曲から編曲 された4つのソナタに注目です。ヘンデルの輝かしい作品をトランペットの音色が引き立てる魅力的なアレ ンジとなっています。

CD ACCORD
ACD-329(1CD)
NX-C09
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番-第3番
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
※カデンツァは全てロベルト・クヴィアトコフスキ作
ロベルト・クヴィアトコフスキ(Vn/指揮)
ポーランド・バルトPO

録音:2023年8月
ポーランド・バルト・フィルのコンサートマスターを務める他、各地のオーケストラと共演、高く評価されているヴァイオリ ニスト、ロベルト・クヴィアトコウスキが演奏するモーツァルトの3曲のヴァイオリン協奏曲。長年、これらを演奏してき たというクヴィアトコウスキは、熟考の末、自ら書いたカデンツァを演奏しています。 これまでモーツァルトの協奏曲を演奏する際、既存のカデンツァは「過度にロマンティックで手強い技術的問題が満 載されているうえ、その表現が重すぎる」と感じていたというクヴィアトコウスキが熟考の上に書き上げたカデンツァは 「主旋律から始めるのではなく、比較的簡潔で、その時代に用いられていたボウイングや旋律、リズムに基づいてい る」というものです。 彼自身が指揮し、のびのびと演奏するモーツァルトをぜひお楽しみください。

ORFEO
C-220021(1CD)
NX-C03
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲/二重協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.15
二重協奏曲 ロ短調− ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のための(1932)(C.マシューズによる完成版)
バイバ・スクリデ(Vn)
イヴァン・ヴクチェヴィチ(Va)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2021年10月9-10日、2022年5月23日
ラトヴィア出身のヴァイオリニスト、バイバ・スクリデと名指揮者マリン・オルソップが共演。 曲目はブリテンの「ヴァイオリン協奏曲」と、あまり演奏されることのない「二重協奏曲」という興味深いものです。 ヴァイオリン協奏曲は1939年、ブリテン25歳の作品。高度な技巧が要求される、激しく創意に富んだ第2楽章を、内省的な第1楽章とパッサカリア形式に よる荘重な第3楽章で挟んだ構成となっており、第二次世界大戦の開戦による不安な心情と反戦意思が反映された曲と言われています。ブリテンは1950 年に作品をハイフェッツが演奏することをきっかけに、最終楽章のヴァイオリン・パートを書き直すなどの改訂を行い、その後も小さな改訂を加え、現在の形に 落ち着いています。 かたや二重協奏曲は、ブリテンが王立音楽大学に在学していた時期の作品。克明に書き込まれたスケッチがあるものの、なぜか総譜としては完成しておら ず、彼の生前に演奏されることもありませんでした。ブリテンの死後、コリン・マシューズがスケッチに基づいてオーケストレーションを補筆完成、1997年6月15 日にようやく初演されたという作品です。 スクリデの演奏は、どちらの曲でもブリテン作品の持つ内省的、神秘的な雰囲気を大切にしながら、技巧的な部分では鮮やかに楽器を駆使し、最後まで緊 張感をゆるめることなく一気に弾き切っています。 二重協奏曲でヴィオラを弾くのはスイス・イタリア語放送Oのソロ・ヴィオラ奏者を務めるイヴァン・ヴクチェヴィチ。スクリデと息のあった演奏を聴かせま す。

Capriccio
C-5521(1CD)
NX-B10
ヨーゼフ・ラーボア(1842-1924):左手のためのピアノ協奏曲集
小協奏曲 第1番(1915) - 左手ピアノとオーケストラのために
小協奏曲 第2番(1917) - 左手ピアノとオーケストラのために
小協奏曲 第3番(1923) - 左手ピアノとオーケストラのために
オリヴァー・トリンドル(P)
ラインラント=プファルツ州立PO
ユージン・ツィガーン(指)

録音:2023年1月9-13日
ドイツ生まれのピアニスト、オリヴァー・トリンドルとCAPRICCIOレーベルが取り組むヨーゼフ・ラーボア・プロジェクトに、待望の左手のためのピアノ協奏曲が登 場。オーストリア生まれの作曲家ラーボアは3歳の時に失明しましたが、優れた音楽の才能を発揮して教師として大成しました。その門下にはシェーンベル ク、アルマ・マーラー、パウル・ヴィトゲンシュタインらがいます。ウィーンの名家に生まれたヴィトゲンシュタインはピアニストとしての未来を嘱望されながら第1次 世界大戦でのけががもとで右手を失いますが、左手で演奏を継続することに挑み、家の資産を生かして名だたる作曲家に左手のためのピアノ協奏曲を委 嘱、多くを自ら初演しました。それらは今日この分野の大きな財産となっています。その端緒を開いたのがここに収められた作品群。それぞれKonzertstu ck 小協奏曲と題されていますが、演奏時間20分から25分の規模があります。第1番は主題と変奏、第2番と第3番は緩-急-フィナーレの3楽章構成。 いずれも後期ロマン派らしい楽想と楽器法で彩られて時にR・シュトラウスの初期作品に通じる趣きがあり、ピアノ・パートは十分に聴き映えがするよ う書かれていて、これまで録音が無かったのが不思議に思えます。左手のためのピアノ音楽の歴史に関心のある人のみならず、後期ロマン派の音楽に興味 のある人にお勧めしたい1枚です。

Solo Musica
SM-425(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*
マルガリータ・ヘーエンリーダー(P…プレイエル 1848年製)
ラ・シンティッラO
リッカルド・ミナージ(指)
ウィーン・アカデミーO*
マルティン・ハーゼルベック(指)*

録音:2022年10月4-7日、2022年11月21-22日*
※SMLP431(LP)と同内容
マルガリータ・ヘーエンリーダーによるショパンの協奏曲集。彼女の深いショパン理解から生まれたアルバムです。 長年にわたりショパンの音楽を奏でるための楽器を探していたという彼女は、1831年にショパンが語ったという「プレイエルのピアノは最上のものである」という 言葉をもとに、クリストフ・ケルンの楽器コレクションの中から、1848年頃にパリで製作されたプレイエルを、歴史的な資料を元に修復した楽器でこの録音に 臨みました。この楽器はショパンが所有していたものと構造が同じであり、オーケストラの現代のピッチ(440Hz)に対応しつつ音量のバランスも取れるような、 力強いサウンドとフランス風のエレガンスを併せ持っています。彼女はタッチにも細心の注意を払い、ショパンの弟子であるカロル・ミクリによる指使いを取り入 れています。共演は、第1番ではリッカルド・ミナージが指揮するラ・シンティッラO、第2番ではマルティン・ハーゼルベックが指揮するウィーン・アカデミー O。どちらも当時の楽器を使用、ショパンの時代の音にとことんこだわった企画です。

VOX
VOXNX-3032CD(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ポーランドの歌による幻想曲 Op.13
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.2
アビー・サイモン(P)
ハンブルクSO
ヘリベルト・バイセル(指)

録音:1972年ハンブルク(ドイツ)
1920年ニューヨーク生まれのピアニスト、アビー・サイモン(1920-2019)によるショパンのピアノと管弦楽のための作品全集。1972年に録音され、1973年 に3枚組LPとして発売された全集から3曲が新リマスターで復刻されました。残る3曲も近日発売予定となっています。 サイモンは幼いうちから音楽の才能を発揮し、カーティス音楽院でヨーゼフ・ホフマンに師事。自身を「19世紀のピアニスト」と呼び、ヴィルトゥオーゾ・ピアニス トでもあった作曲家の作品に強い親近感を持っていました。華麗な技巧を持ちながらも前面に出すことを避け、繊細な詩情を漂わせた演奏が高く評価さ れ、辛口評論家として知られたハロルド・ショーンバーグにも絶賛されました。ここに収められたのはサイモン52歳のもの。ピアノの響きは輝かしく、演奏はロマ ンティックな詩情を漂わせ、協奏曲のクライマックスでは十分な迫力も聴かせます。 指揮は日本の音楽ファンには懐かしいヘリベルト・バイセル。ケルンでギュンター・ヴァントに指揮を、フランク・マルタンに作曲を学び、ボン歌劇場のコレペティー トルを振り出しにキャリアを築き、ハンブルクSOの首席指揮者を15年にわたって務めました。ここでは格調高い響きと柔軟な「付け」を披露していま す。 優秀録音で名高いエリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。ピアノがクローズアップ気味 に録られ、オーケストラが奥行きと広がりを持って展開する録音パターンになっています。ブックレットには初出時のLPのジャケット写真と解説が転載されてい ます。

CPO
CPO-555576(1CD)
NX-B10
ウェーバー/クルーセル/ベルク:ファゴット協奏曲集
ウェーバー:ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75
クルーセル(1775-1838):ファゴット協奏曲 変ロ長調
ウェーバー:アンダンテとハンガリー風ロンド Op.35
オラヴ・ベルク(1949-):ファゴット協奏曲
ダーグ・イェンセン(ファゴツト)
カンマーアカデミー・ポツダム
ダーグ・イェンセン(指)
グレゴール・ビュール(指)

録音:2023年1月18-20日
オーケストラの低音から中音部を担当するファゴット。独特な音色を持つ楽器のための協奏曲はそれほど多くありま せん。このアルバムには3曲のファゴット協奏曲を収録。1811年、ミュンヘン宮廷楽団のファゴット奏者を務めてい たG. F. ブラントのために書かれたウェーバーの作品は、第2楽章の美しい旋律が魅力。1829年のクルーセルの 作品はファゴット奏者F. C. プロマイユのために書かれたものです。最後のオラヴ・ベルクの作品はこのアルバムのソリ スト、ダーグ・イェンセンのために書かれた曲で、ブックレットには曲に関する2人の対話(ドイツ語、英語)が掲載され ています。 ダーグ・イェンセンはノルウェー出身の奏者。名だたるオーケストラとの共演経験を持ち、とりわけ水戸室内管弦楽 団、サイトウ・キネン・オーケストラの奏者として日本でもお馴染みです。

Gramola
GRAM-99307(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番-第5番
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
※カデンツァ…ベンヤミン・シュミット
(K.216第2楽章のみダヴィッド・オイストラフ作)
ベンヤミン・シュミット(指揮・ヴァイオリン)
ムシカ・ヴィーテ室内O

録音:2022年8月31日-9月3日
ウィーンとザルツブルクで育ち、モーツァルトは最も大切な作曲家の一人という彼は、1990年にハンス・グラーフが 指揮するザルツブルク・モーツァルテウムOとともにモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番と第2番を録音、 これは評論家たちから高く評価されました。その後、モーツァルトの協奏曲を数えきれないほど演奏してたシュミット ですが、32年の歳月を経て、第3番-第5番の録音を実現させました。今回バックを務めるのはシュミットが率いる ムシカ・ヴィーテ室内O。「モーツァルト解釈の鍵は、歌うことと話すこと」と語るシュミットらしく、持前の美音 を生かしながら、オーケストラと一体となり、確固たる意志がみなぎる演奏を繰り広げています。第3番第2楽章の カデンツァを除き、他のカデンツァはシュミット自身のものです。

カメラータ
CAMP-8022(1CD)
税込定価
2024年1月25日発売
パリとハープ〜ハープ協奏曲集/シュース
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c)(カデンツァ:アンドレ・プレヴィン)*
ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ボイエルデュー:ハープ協奏曲 ハ長調[シングル・アクション・ハープ使用]
サン=サーンス:演奏会用小品 作品154
マルギット=アナ・シュース(Hp)
※シングル・アクション・ハープ使用*
カール=ハインツ・シュッツ(Fl)a
ハンスイェルク・シェレンベルガー(指)
ベルリンSO

録音:2021年9月 ほかベルリン(ドイツ)
 カラヤンやアバド指揮のベルリン・フィルとの共演をはじめ、ソリス ト・教育者としても世界で活躍するハープの第一人者、マルギット= アナ・シュースが、ハープが愛された地=パリで生まれたハープとオー ケストラのための名作を集めたアルバムをリリース。モーツァルトでは ウィーン・フィル首席のシュッツがフルートで共演しています。  なお、2024年1月21日から2月9日まで、シュースとシェレンベルガー による来日公演が、名古屋、東京、浜松、京都、岡山、兵庫で行われる 予定です。(カメラータ)

GRAND SLAM
GS-2309(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
「レオノーレ」序曲第2番*
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1961年1月23、26日、1960年7月1日*/ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
日本側の要望で実現したと言われるフランチェスカッティとワルターとの夢の共演、録音されて以来60年以上が経過していますが、今もなお定番としての地位 は揺るいでいません。当シリーズでは2012年9月にGS-2083として発売しましたが、今回、約12年ぶりにリマスターしました。全工程をプロ用の機器を使用 し、情報量は大幅に増えています。余白には「レオノーレ」序曲第2番を収録しましたが、こちらは2016年6月発売のGS-2147以来の約7年半ぶりのリマスター となります。序曲は新規のテープを使用、最善を尽くしました。(平林 直哉)

H.M.F
HMX-2904095
(3CD+1BluRay)
THE SCHUMANN TRILOGY〜協奏曲&ピアノ三重奏全曲
■CD
シューマン
[CD1]ヴァイオリン協奏曲 WoO1ニ短調
 ピアノ三重奏曲 第3番ト短調 op.110
[CD2]ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ピアノ三重奏曲 第2番ヘ長調 op.80
[CD3]チェロ協奏曲 イ短調 op.12
 ピアノ三重奏曲第1番ニ短調op.63

■Blu-Ray VIDEO〜(120:41)
シューマン:序奏、スケルツォと終曲 ホ長調 op.52
 ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ヴァイオリン協奏曲 WoO1ニ短調
 チェロ協奏曲 イ短調 op.12
イザベル・ファウスト(Vn/1704年製ストラディヴァリウス[スリーピング・ビューティー])
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/ジョフレド・カッパ[1696年])
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ/【協奏曲】1837年製エラール、
【ピアノ三重奏曲】ジャン=バティスト・シュトライヒャー(ウィーン,1847年)/いずれもエドヴィン・ボインク・コレクション)
パブロ・エラス=カサド(指)
フライブルク・バロック・オーケストラ(コンサートマスター:アンナ・カタリーナ・シュライバー)

録音:2014年5,8,9月、テルデックス・スタジオ・ベルリン/映像収録:2014年3月25日、ベルリン・フィルハーモニー
ファウスト、ケラス、メルニコフというスーパースターたちによる、シューマンの協奏曲+ピアノ三重奏曲プロジェクトがボックスで登場します!映像は再登場にあ わせてブルーレイ化、さらに単独で発売されていた時には含まれなかった管弦楽曲「序曲、スケルツォと終曲」が収録されております!
イザベル・ファウスト(Vn)、ジャン=ギアン・ケラス(Vc)、アレクサンドル・メルニコフ(P)という、いまや世界が認める存在となった三人に よる、シューマン・プロジェクトが始動します。シューマンの協奏曲3曲(P・ヴァイオリン・チェロ協奏曲)+ピアノ三重奏曲3曲のレコーディングをするという このプロジェクトは、3人が、ヨーロッパでシューマンのピアノ三重奏曲を演奏するツアーを行った際に持ち上がったといいます。楽器は、ガット弦の弓を張った弦 楽器、そしてフォルテピアノで、ということになり、オーケストラもソロ楽器に合った編成のフライブルク・バロック・オーケストラに決定。指揮はパブロ・エラス=カ サド。オケとソロ楽器の素晴らしいバランス、自然なアーティキュレーションで作品に対する既成概念を払拭するような、まさにこの顔ぶれでしか為し得ない水準で の、新しいシューマン像が完成しました。
各独奏者に特化してリリースされていたHMC902196, 902197,902198およびKKC5477,5618,5617は廃盤となります。

Hanssler
HC-23057(1CD)
ドヴォルザーク:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53
ロマンス ヘ短調 Op.11〜ヴァイオリンとオーケストラのための
マズルカ ホ短調 Op.49〜ヴァイオリンとオーケストラのための
ミハイル・ポチェキン(Vn)
スロヴァキアPO、
ダニエル・ライスキン(指)

録音:2023年5月2〜5日/ブラチスラバ(スロヴァキア)
ミハイル・ポチェキンがドヴォルザークのヴァイオリンと管弦楽のための作品を録音。共演は2023年7月の来日公演も話題となったダニエル・ライスキン率い るスロヴァキアPOです。ポチェキンは2009年にリトアニア、ヴィリニュスのヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞。 以後ロシア・ナショナルOをはじめとする名だたるオーケストラとの共演を誇り、ヴァイオリニストの兄イヴァンとともに、多くの録音でも知られます。
チェロ協奏曲の影に隠れてしまいがちなドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲ですが、豊かな旋律と技巧的な独奏が実に魅力的な作品です。カップリングには「ロ マンス」と「マズルカ」を収録。とても切ない旋律が印象的な「ロマンス」は弦楽四重奏曲第5番 ヘ短調より編曲された、非常にドラマティックな作品。一方「マズ ルカ」は名ヴァイオリニスト、サラサーテに献呈された作品。ともにオリジナルのヴァイオリン独奏とオーケストラ版で演奏されているのが嬉しい限りです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72983(1CD)
ハイドン兄弟の協奏曲集
(1)ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ト長調 Hob.VIIIa/4
(2)M・ハイドン:ヴィオラとチェンバロのための協奏曲 ハ長調 P55, MH41

※カデンツァ作:寺神戸亮
寺神戸亮((1)Vn、(2)Va)
天野乃里子(Cemb、指)
「バロックの真珠たち」室内合奏団【[山縣さゆり(Vn)、迫間 野百合(Vn)、森田芳子(Va)、ルシア・スヴァルツ(Vc)、ロベルト・フラネンベルク(Cb)】

録音:2022年9月19-21日ハールレム、ドープスゲジンデ教会
ハイドン兄弟の協奏曲集。2曲ともあまり録音されませんが珠玉の名品です。オランダで活動する天野乃里子が設立した古楽アンサンブル「バロックの真珠た ち」による演奏で、寺神戸亮も参加。柔らかな抑揚をもつ演奏が特徴的で、古楽器のすっきりとした響きと音楽のあたたかさが融合した、新たな次元のピリオ ド演奏を提示。教会の残響を絶妙にとり入れた録音もすばらしく、贅沢なほどに心地よい響きに包まれます。
兄ヨーゼフの『ヴァイオリン協奏曲第4番(1769)』は現存する最後のヴァイオリン協奏曲。エステルハージの宮廷楽団コンサートマスター、ルイジ・トマジー ニのために書かれたとされています。シンプルにして含蓄あるハイドンならではの磨きぬかれた音楽。急ぐことなくあたたかな音色でしなやかに弾きすすむ寺神 戸の独奏が曲の魅力を十二分に伝えてくれます。通奏低音チェンバロが美しく溶け込む全体の音響バランスもすばらしいです。
弟ミヒャエルの『ヴィオラとチェンバロ(オルガンでも可)のための二重協奏曲(1762)』は、その編成からしてとても珍しいもの。ヴィオラ特有の音域と 音色がチェンバロとじつに好ましく絡みあい、楽器の選び方からして一本取れられたという感じの秘曲です。各楽器の持ち味を生かした書法が耳をおおいに愉し ませ、終楽章では天野がきらびやかな独奏を披露。落ち着き払ってたっぷりと歌われる緩徐楽章の合奏体としての美しさも絶品です。 (Ki)

EDITION ABSEITS
EDA-48(1CD)
エコール・ド・パリ
イベール:チェロと木管のための協奏曲(1925)
マルセル・ミハロヴィチ:ピアノ、木管、チェレスタと打楽器のための2部のエチュード (1951)
アンタイル:室内オーケストラのための協奏曲(1932)
シモン・ラクス:ピアノ、木管と打楽器のための室内協奏曲(1963)
アデ ル・ビッター(Vc)
ホルガー・グロショップ(P)
ヨハネス・ズール(指)
ベルリン・ドイツSOのメンバー

録音:2021年4月3日/ベルリン放送
美術史における「エコール・ド・パリ」、すなわち20世紀の最初の数十年間にパリで活動した非フランス系(多くは東欧系やユダヤ系)の芸術家たちは、その後 の芸術に大きな影響を及ぼします。これに対し音楽の分野では似た事象が見受けられるものの、「エコール・ド・パリ」と結びつけてこの時代を認識するというこ とはあまりありません。この録音は1920年代のパリに集まった人々の膨大な様式的多様性と、1939年から1945年までの「断絶」を超えた影響力を背景に、 より明確に「エコール・ド・パリ」という言葉を音楽史に刻み付けるものです。
パリ生まれのイベールと、パリに移り住んだ3人の作曲家ミハロヴィチ(ルーマニア)、アンタイル(アメリカ)、シモン・ラスク(ポーランド)の作品を収録。どれ も木管楽器が活躍する協奏的な楽曲で色彩豊か、かつ陰影の深い複雑な表情も。単にフランス風と言うだけでは表しきれない、アヴァンギャルドな響きが滅法おも しろいプログラム。
ミハロヴィチはモニク・アースの夫としても知られています。『エチュード』も彼女が演奏に参加したのでしょう。前衛的でメカニックなパッセージが各楽器に受け 継がれていくカッコイイ作品です。知らぬは惜しい1曲。 (Ki)

Goodies
78CDR-3926(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482 エトヴィン・フィッシャー(P)
ジョン・バルビローリ(指)管弦楽団

英HIS MASTER'S VOICE DB2681/4
1935年6月6日ロンドン、アビー・ロード EMI第1スタジオ録音
エトヴィン・フィッシャー(1886-1960)はスイス生まれのピアニスト、指揮者、 教育者。ベルリンでリストの最後の弟子だったマルティン・クラウゼ(1853- 1918)に師事し、1933年にEMIのアーティストになりバッハの「平均律クラ ヴィーア曲集」全曲(78CDR-1142/6)の世界初録音を行った。ジョン・バルビロ ーリ(1899-1970)はロンドン生まれ。最初チェロ奏者(78CDR-3443 バッハ:チェロ・ソナタBWV.1027、1929年録音)として音楽活動を始め、1925年室内管 弦楽団を組織して指揮者にに転向。1936年ニューヨーク・フィルハーモニーの 首席指揮者になり1943年までつとめた。1943年からイギリスのハレOの 音楽監督を1958年までつとめ、その後ヒューストンSOの常任指揮者(1961 -1967)もつとめた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3927(1CDR)
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 作品33 ピエール・フルニエ(Vc)
ワルター・ジュスキン(指)
フィルハーモニアO

英 HIS MASTER'S VOICE DB6602/03
1947年9月29&30日ロンドン、アビーロード EMI第1スタジオ録音
ピエール・フルニエ(1906-1986)はパリ生まれ。最初ピアノを学んだが6歳の時 小児麻痺による右足障害のためにチェロに転向した。1923年パリ音楽院一等賞 を得て楽壇にデビュー、ヴァイオリンのガブリエル・ブイヨン、ピアノのヴラ ド・ペルルミュテールとのトリオで注目された。1937年エコール・ノルマル教 授、1941年から49年までパリ音楽院教授をつとめた。1942年ヴァイオリンのシ ゲティ、ピアノのシュナーベルとのピアノ・トリオ、ヴィオラのプリムローズ を加えての四重奏で活躍、さらに1945年にはヴァイオリンのティボー、ピアノ のコルトーと演奏活動をした。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1980) はプラハ生まれ。1934年にプラハのドイツ歌劇場でセルのアシスタントとして 活躍、1938年にナチスの迫害をのがれてイギリスに移住。以降スコットランド O、メルボルンSO、トロントSO、セントルイスSO、 シンシナティSOの指揮者を歴任した。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3928(1CDR)
R.シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調(1945-6) レオン・グーセンス(Ob)
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

英 COLUMBIA DX1444/6
1947年9月15&23日ロンドン、アビー・ロード EMI第1スタジオ録音
レオン・グーセンス(1897-1988)は20世紀前半を代表するイギリスの優れたオー ボエ奏者。指揮者のアルチェオ・ガリエラ(1910-1996)はミラノ生まれのイオタ リアの指揮者。パルマ音楽院の教授だった父親から音楽の手ほどきを受けた後、 生地のミラノ音楽院でピアノ、オルガン、作曲を学んだ。1932年から母校で教 鞭をとっていたが、1941年に指揮者に転向し、ローマ聖チェチーリア音楽院管 弦楽団を指揮してデビューした。第二次世界大戦中にスイスに亡命し、1945年 にルツェルン音楽祭に出演した。以降レコード録音を含め活躍した。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル〔ゼロSP 78rpm〕(3mil 針)とコルグの [DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)


Hanssler
HC-23065(1CD)
グレーテ・フォン・ツィーリッツ作品集
(1)日本の歌(1919)(全10曲)
(2)死のヴァイオリン(死の舞踏)(1953/7)〜ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための
(3)2本のトランペットのための二重協奏曲(1975)
ゾフィー・クルスマン(S)(1)、
ニーナ・カーモン(Vn)(2)、
オリヴァー・トリンドル(P)(2)、
イエルーン・ベルワルツ、アンドレ・ショッホ(Tp)(3)
ヤーコプ・ブレンナー(指)
シューマンPOー

録音:2023年7月12-14日/ヘムニッツ・シュターツハレ
グレーテ・フォン・ツィーリッツは1899年に生まれ2001年に歿した女性作曲家。足かけ3世紀を生きた歴史の証人です。生まれはウィーンで、1917年以 降はベルリンに住みシュレーカーに師事。1919年の歌曲集「日本の歌」で注目され、作曲家になることを決意したといわれます。彼女の作品だけによるディスク はこれまで1つしかなく、大歓迎のリリースとなります。
長い人生ゆえ作風も変化しています。「日本の歌」はエンダーリング独訳による大伴家持、和泉式部から斎藤茂吉までの和歌に基づき、濃厚な後期ロマン派的作 風が興味津々。オリジナルはピアノ伴奏ですが、ここでは1980年代に作曲者自身が室内オーケストラ用にした版を使用。音楽は特に日本的でないものの、貴重な ドイツのジャポニスム芸術と申せましょう。
ヴァイオリン、ピアノとオーケストラのための「死のヴァイオリン」も、もとはヴァイオリンとピアノのための作品を後年編曲したもの。父が重病で死に瀕していた 際、山歩きしていた彼女が、木の上で死神がヴァイオリンを弾く幻覚にとらわれ、そのメロディを用いたとのこと。バレエとしてのシナリオも執筆したとされます。
「2本のトランペットのための二重協奏曲」はジャズ・トランペット奏者フリードリヒ・ケルナーと、当時ツィーリッツが注目していたキャロル ドーン ラインハルト のために作曲。カリオカ、チャチャチャなどラテン・アメリカのリズムやロックンロールの要素も採り入れた楽しい作品で、ツィーリッツの作風の幅広さと柔軟な感性 に驚かされます。このアルバムではもと北ドイツRSO首席イエルーン・ベルワルツとBPOの奏者でつい先頃2023年11 月の来日公演で妙技を披露したアンドレ・ショッホがキレッキレの演奏を繰り広げます。 (Ki)

BIS
BISSA-2657(1SACD)
ストラヴィンスキー、マルティヌー、バルトーク
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
バルトーク:狂詩曲第1番BB94b
 狂詩曲第2番BB96b
マルティヌー:ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲 H276a(第2稿版)
 瞑想曲〜ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲 H276(初稿版)より第2楽章
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn/ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」(1711年製))
バンベルクSO、
ヤクブ・フルシャ(指)

録音:(4)2021年6月30日〜7月1日、(2)(3)(5)2021年12月20〜22日、(1)2022年9月28&29日コンツェルトハレ・バンベルク(ヨーゼフ・カイルベルト・ザール)
1965年ドイツ、デュイスブルク生まれの正統派ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマン。BISレーベルより積極的な 録音が続いておりますが、当アルバムではヤクブ・フルシャ率いるバンベルクSOとの共演でストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲、バルトークの2つの 狂詩曲、マルティヌーの協奏的組曲を収録しました。これらの作品を書いたときにはそれぞれ国際的な地位を確立していたこの3人の作曲家は、政治的混乱と 文化的変遷期においても東欧のアイデンティティを捨てずに西側で活躍。ストラヴィンスキーは協奏曲で近代的なヴァイオリン技法の可能性を試し、マルティヌー は協奏組曲で祖国ボヘミアの響きとフランスの新古典主義の色彩を融合させ、バルトークは狂詩曲でハンガリーとルーマニアの民族音楽を取り入れました。
現代のヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストの必須レパートリーとなったストラヴィンスキーの協奏曲。ツィンマーマンは1990年にジャンルイジ・ジェルメッティ (指)シュトゥットガルトRSOと収録して以来、30年の時を経ての再録です。この作品のヴァイオリン・パートは献呈されたサミュエル・ドゥシュキン (1891〜1976)協力のもと作曲されました。超絶技巧を要し、ストラヴィンスキー独特の変拍子や、あっと驚く奏法など、ヴァイオリンの甘美さとは真逆 の世界を展開。終楽章「カプリッチョ」では連続スピッカート、フラジョレット、ピツィカートなど様々な奏法で奏でられます。ツィンマーマンの現在の充実ぶり があらわれた、同楽曲の新名盤登場です!
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、楽器にも注目。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この 楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビロードのような音色です。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でる演奏をご堪能ください。 (Ki)

DOREMI
DHR-82(2CD)
クリスチャン・フェラスLIVE 第3集

(1)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
(2)ロドリーゴ:ヴァイオリン協奏曲『夏の協奏曲』
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218
(4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 『クロイツェル』 Op.47
(5)エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ短調 Op.25
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.121
クリスチャン・フェラス(Vn)

(1)ズービン・メータ(指)フランス国立放送O
 録音:1965年5月26日パリ
(2)アタウルフォ・アルヘンタ(指)フランス国立O 
 録音:1951年4月4日パリ
(3)ピエトロ・アルジェント(指)スカルラッティO
 録音:1958年11月21日ナポリ(放送用ライヴ)
(4)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1961年5月24日パリ、シャンゼリゼ劇場
(5)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1959年9月25日エットリンゲン城
フランスの名ヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスによる貴重なライヴ録音集です。アルヘンタとのロドリーゴ、フランス・ライヴを含む協奏曲3曲と、バルビ ゼとのデュオによる『クロイツェル』他を収録。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85040(1CD)
ハイフェッツ コルンゴルト/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲 他
(1)コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(2)シンンディング:古風な様式の組曲 Op.10
(3)ブラームス:ハンガリー舞曲第7番(ヨアヒム編)
(4)チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
(5)ラヴェル:ツィガーヌ
(6)カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲第2番「予言者」 Op.66
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ロサンゼルスPO
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)

録音/初出レコード番号:
1953年1月10日 RCA Victor LM1782(1)
1953年12月9日 RCA Victor LM1832(2)
1953年12月9日 RCA Victor LSC3232(3)
1954年10月29日 RCA Victor LM2027(4)
1953年12月8日 RCA Victor LM1832(5)
1954年10月28&29日 RCA Victor LM2050(6)12
1917年にアメリカ・デビューをカーネギーホールで飾ったハイフェッツは、1925年にアメリカの市民権を取得。東海岸を拠点に活動を展開しましたが、 1940年にビヴァリー・ヒルズにスタジオ付きの住宅を建て、第2次大戦後はロサンゼルスに拠点を移します。このディスクには1953年から54年にかけ て、ウォーレンスタインの指揮するロス・フィルと行ったRCA録音を復刻しています。 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は1947年にハイフェッツが初演し、その後も繰り返し演奏しました。作曲者はこの曲について「終楽章こそ高度な技 巧が必要だが、美しい旋律や抒情的なエピソードがたくさんあるから、パガニーニよりはカルーソー向きの曲だ。カルーソーとパガニーニを兼ね備える人 物、すなわちハイフェッツに演奏してもらえるとは、なんと嬉しいことだろう」と語っています。当録音は大評判となり、作品を広める上で大きく貢献。 2008年には遂にグラミー賞の殿堂入りを果たしました(Vn協奏曲の録音としては、クライスラーのメンデルスゾーン、メニューインのエルガーに次 いで史上3番目の殿堂入り)。圧倒的なテクニックの冴えが注目されるハイフェッツですが、コルンゴルトがカルーソーにたとえたように、メロディアスな旋律 を時に朗々と時に甘美に歌いあげる歌心もたっぷりと味わえます。 カステルヌオーヴォ=テデスコのヴァイオリン協奏曲第2番は、ハイフェッツがトスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルと共に初演した作品。3つの楽章には旧 約聖書の3人の預言者の名前が充てられています。自身がヴァイオリニストだったシンディングの作品と、ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾたちにインスパイア された3曲も、ハイフェッツの緩急自在な技の冴えと歌い回しを堪能できます。

Gramola
GRAM-99308(1SACD)
NX-C01
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集/二重協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Hob.VIIa:1
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Hob.VIIa:4
ヴァイオリン、鍵盤楽器と弦楽オーケストラのための二重協奏曲 ヘ長調
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
バルバラ・モーザー(フォルテピアノ)
ミュンヘン・カンマーフィルハーモニー・ダカーポ
フランツ・ショットキー(指)

録音:2022年3月15-17日、2022年5月31日-6月1日
ザルツブルクを拠点に世界で活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー。今作で取り 組んだのはハイドンのヴァイオリン協奏曲です。ハイドンの器楽曲の多くは、どれもエステルハージ侯の宮廷楽 団のメンバーたちにソリストとして演奏する機会を与えるという目的があったと考えられています。イルンベルガー は華やかな技巧を駆使した作品をドラマティックに演奏。楽器の美音も優秀録音で余すことなく捉えられてい ます。二重協奏曲でフォルテピアノを演奏するのはオーストリア出身のバルバラ・モーザー。ウィーン・フィルとの 共演や室内楽の分野で高く評価される奏者です。

MPR
MPR-006(1CD)
ベンジャミン・エリン(1980-):トロンボーン作品集
パンドラ (トロンボーンと管弦楽のための)
ストー・スケッチ (3本のトロンボーンのための)
グレズリー(バス・トロンボーンと管弦楽のための)
ウィンドウズ (3本のトロンボーンと管弦楽のための)
ジョセフ・アレッシ(Tb)
クリスチャン・ジョーンズ(トロンボーン、バス・トロンボーン)
ブレア・シンクレア(Tb)
オペラ・ノースO
ベンジャミン・エリン(指)

録音:2022年11月22-24日 マントル・ミュージック・スタジオ、 ハワード・オペラ・センター、オペラ・ノース、リーズ、UK
英国の作曲家、指揮者ベンジャミン・エリンによるトロンボーンのための作品集。どの作品も現代的な響きですが前衛 に行きすぎることがなく、管楽器のファンには広く受け入れられるものでしょう。ニューヨーク・フィル首席のジョセフ・アレッ シの妙技が聴けるのがなんといっても魅力。共演のソリストはオペラ・ノースOのトロンボーン奏者たちで、この3 人とオーケストラの共演となる「ウィンドウズ」の華やかさは特に聴きものです。

Danacord
DACOCD-929(2CDR)
トマス・イェンセンの遺産 第19集

(1)ニールセン:フルート協奏曲 FS119CNW42
(2)ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 FS61(Op.33)
(3)ニールセン:サガの夢(Saga-Drom) FS46 CNW35(Op.39)
(4)ニールセン:愛の賛歌 FS21CNW100(Op.12)
(5)ヨハネス・フレゼリク・フレーリク(1806-1860):祝祭音楽「エーリク・メンヴェズの子供時代」
(6)ヨハン・ペーター・エミーリウス・ハートマン(1805-1900):序曲「ユルサ」 Op.78
(7)ニールセン:歌劇「仮面舞踏会」 FS39(抜粋)
(8)アイナー・ヤコブセン(1897-1970):交響曲第1番「今」
(9)スヴェン・エーリク・タープ(1908-1994):季節の変わり目 Op.46
(10)ポウル・シアベク(1888-1949):ユラン(男声合唱と管弦楽のための)
トマス・イェンセン(指)、デンマークRSO


(1)ポウル・ビアケロン(Fl)
 録音:1958年5月29日 ティボリ公園(コペンハーゲン)(ライヴ放送)
(2)アーネ・カレツキ(Vn)
 録音:1962年4月19日 (ライヴ放送)
(3)録音:1961年1月12日 (ライヴ放送)
(4)ルト・グルベク(S)、エレン・マグレーデ(Ms)、ニルス・ブリンカー(T)、ニルス・ムラー(T)、ホルガー・ヌアゴー(Bs)、ニルス・ユール・ボンド(Bs)、デンマーク放送児童cho、デンマーク放送cho
 録音:1958年5月29日 ティボリ公園(コペンハーゲン)(ライヴ放送)
(5)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(6)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(7)録音:1954年4月 スタジオ録音[Decca BR3111]
(8)録音:1960年8月13日 (ライヴ放送)
(9)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(10)録音:1961年8月18日 (ライヴ放送)
トマス・イェンセンの遺産シリーズの第19集。Disc1にはフルート奏者のポウル・ビアケロンとヴァイオリニストのアーネ・カレツキのソロによる協奏曲や、初期の傑作のひとつ、愛を壮大に歌いあげる「愛の賛歌」などニールセンの楽曲が盛り込まれ、Disc2には初期ロマンティシズムの作曲家ヨハネス・フレゼリク・フレーリクとヨハン・ペーター・エミーリウス・ハートマンから、イェンセンと同時代のアイナー・ヤコブセン、スヴェン・エーリク・タープとポウル・シアベクまで、めずらしいレパートリーのデンマークの管弦楽作品が収録されており、盛り沢山の内容となっています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Ars Produktion
ARS-38365(1SACD)
ラフマニノフ生誕150周年に捧ぐ〜ピアノ作品集
ラフマニノフ:楽興の時 Op.16
 リラの花 Op.21-5/ひなぎく Op.38-3
クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ
 前奏曲 Op.23-6
フランツ・べーア(ラフマニノフ編):W.R.のポルカ/前奏曲 Op.23-4
ピアノ協奏曲第2番Op.18
ショレナ・ツィンツァバーゼ(P)、
ヴァクタン・ジョルダニア(指)、
ロシア・フェデラル・オーケストラ

録音:2023年8月、インマヌエル教会(ヴッパータール、ドイツ)
モスクワで生まれ育ち、モスクワ音楽院を卒業後、ソリストとしての活動の幅を広げるショレナ・ツィンツァバーゼ。本アルバムでは、セルゲイ・ラフマニノフの生誕150周年と没後80周年に敬意を表し、卓越した不朽の作品を紹介しています。

Signum Classics
SIGCD-789(2CD)
アースサイクル
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Birds in the Spring
デヴィッド・ゴードン:Windigo (or Gradually then Suddenly)
ヴィヴァルディ:協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1, RV269「春」
伝承曲
(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Lark in the Morning
デヴィッド・ゴードン:The Elephant and the Moth
ヴィヴァルディ:協奏曲第2番ト短調 Op.8-2, RV315「夏」
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):Bright Phoebus
デヴィッド・ゴードン:Feeling the Chill
ヴィヴァルディ:協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3, RV293「秋」
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Robin’s Petition
デヴィッド・ゴードン:The Water’s Tears
ヴィヴァルディ:協奏曲第4番ヘ短調 Op.8-4, RV297「冬」
オーケストラ・オヴ・ザ・スワン、
デイヴィッド・ル・ページ(ディレクター、ヴァイオリン)、
デヴィッド・ゴードン(鍵盤楽器)、
ジャッキー・オーツ(ヴォーカル)

録音:2023年4月5日-7日、福音史家聖ヨハネ教会(オックスフォード、イギリス)
「タイムラプス」(SIGCD662)、「ラビリンス」(SIGCD694)とこれまでも古楽から現代音楽、ポップスを交えたジャンルレスなスタイルで幅広いリスナーに画期的な音楽を提供してきたオーケストラ・オヴ・ザ・スワン&デイヴィッド・ル・ページによる2024年の新作は、イギリスのハープシコード奏者兼ジャズ・ピアノ奏者、デヴィッド・ゴードンを迎えて行われたプロジェクト。ヴィヴァルディの《四季》を軸に、デヴィッド・ゴードンによるオリジナルの楽曲と季節のテーマに関連した伝承曲が組み合わされ、21世紀最大の関心事である私たちが自然に及ぼす影響や環境破壊について改めて考察します。


MIRARE
MIR-686(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番ニ短調 KV466
ピアノ協奏曲 第27番変ロ長調 KV595
アンヌ・ケフェレック(P)
リオ・クオクマン(指)パリ室内O

録音:2023年2月21-24日、フィルハーモニー・ド・パリ
現代を代表する名ピアニストの一人、国際的な舞台で活躍を続けるアンヌ・ケフェレックによる、モーツァルトのピアノ協奏曲の登場です。第20番では短調 での険しくも美しい表情。そして27番では、愛らしくもどこまでも気品に満ちた演奏。寸分の乱れもない、美しい真珠のような、恐るべき完璧さでととのった 粒立ちのタッチで、旋律が次々と美しく歌われてゆきます。円熟をきわめた先にある清澄の世界。クオクマン指揮のパリ室内管とのアンサンブルも、親密な対話 のよう。ケフェレック自身がライナーノートを執筆しており、そちらも注目です。
マカオO音楽監督・首席指揮者のほか、香港フィルの常任指揮者なども務めるリオ・クオクマン。2014年のスヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで 最高位を受賞。2016年まではフィラデルフィア管でネゼ=セガンの副指揮も任されていました。 (Ki)

CPO
CPO-555372(1CD)
NX-B10
フリードリヒ・フォン・フロトウ(1812-1883):ピアノ協奏曲集/序曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ短調(1830)
ピアノ協奏曲第2番イ短調(1831)
ウィリアム・シェイクスピアによる序曲「冬物語」
Fackeltanz たいまつの踊り(1853)
喜歌劇「未亡人グラパン」- 序曲
歌劇「リューベツァール」 序曲
歌劇「アレッサンドロ・ストラデッラ」 序曲
マティアス・キルシュネライト(P)
ミュンヘン放送O
ウルフ・シルマー(指)

録音:2020年3月2日-5日ミュンヘン BR第1スタジオ(ドイツ)
美しいアリア「夢のように」などを含む歌劇「マルタ」が知られるドイツの作曲家フリードリヒ・フォン・フロトウのピアノ協 奏曲の録音が登場。彼はパリでアントニーン・レイヒャから指導を受けるとともに、当時活躍していたオーベール、マ イアベーア、アレヴィと親交を深め、やがてグノー、オッフェンバックからも影響を受けました。1830年に勃発した七 月革命を避け、一時的にドイツに戻った彼は、フランスのオペラ・コミックのスタイルとドイツ伝統のジングシュピール を融合させた独自の作品を書き上げましたが、多くの批評家たちからは折衷的なスタイルは歓迎されませんでし た。しかし「アレッサンドロ・ストラデッラ」や「マルタ」が成功を収め、評価はうなぎ登りとなり、彼の作品はサンクトペ テルブルクやトリノでも上演されるなど人気を博しました。このアルバムには「アレッサンドロ・ストラデッラ」をはじめとし た序曲の他に、フロトウが18歳から19歳にかけて作曲した珍しい2曲のピアノ協奏曲を収録。当時の流行を反 映した超絶技巧を用いた魅力的な作品です。

GRAND SLAM
GS-2304(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」 クリフォード・カーゾン (P)
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)
VPO

録音:1957年6月10〜15日ゾフィエンザール(ウィーン)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
言うまでもなく、カーゾンとクナッパーツブッシュが共演した唯一のステレオ録音がこのベートーヴェンの「皇帝」でした。しかし、国内外の批評等には「クナッパー ツブッシュのしまりのない伴奏」、「ピアノが伴奏に押しまくられている」、「ミスキャスト」など、否定的な記述が意外に多く見られます。でも、本当にそうなんでしょ うか? 今回入手した2トラック、38センチのオープンリール・テープは、高貴な音色が漂うような新鮮な音質であり、改めて聴くと、まことに見事な「皇帝」のひ とつにしか思えません。総演奏時間は40分弱ですが、たとえば同じく顔合わせによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(モノラル)などを組ませることは不可 能ではありません。けれども、この「皇帝」の印象を大切にしたいため、あえて何も加えませんでした。(平林 直哉)

Naive
V-8120[NA](1CD)
オー・ソレ・ミオ
ヴィヴァルディ:2つのマンドリンのための協奏曲 ト長調 RV532
ディ・カプア(1865-1917)/マッツッキ(1878-1972)編)):オー・ソレ・ミオ
タリアフェッリ(1889-1937)/ヴァレンテ(1880-1946):受難(Passione)
カラーチェ(1863-1934):マンドリンとピアノのための協奏曲 ホ短調〔ティボー・ペリヌによるオーケストラ編曲版、世界初録音〕
パガニーニ:マンドリンとギターのための作品全曲
 ロヴェーネのためのソナタ ホ短調(マンドリンとギターのための)MS 14
 マンドリンとギターのためのソナタ ト短調 MS16
モーツァルト:カンツォネッタ〜歌劇「ドン・ジョヴァンニ」第2幕第3場
フンメル:マンドリンとオーケストラのための協奏曲 ト長調 S28(第3楽章カデンツァ:マルティノー)
ジュリアン・マルティノー(マンドリン)
フロリアン・センペイ(バリトン/4-5, 13) 
エリック・フランスリー(ギター/4-5, 13)
ヤン・ドゥボスト(コントラバス/4-5,13) 
アンナ・シヴァツァッパ(2ndマンドリン/1-3)
フィリップ・ムラトグル(ギター/9-12)
トゥールーズ・キャピトル国立O 
ウィルソン・ンー(指揮/1-3, 6-8&14-16)

録音:2022年9月1-4日
マンドリンの世界的名手、ジュリアン・マルティノーによる、ヴィヴァルディからフンメルまで、2世紀にまたがるマンドリンの名曲を集めた1枚が登場します。オー ケストラ、歌手など豪華共演陣との力のはいった内容です。
特に注目なのがカラーチェ。カラーチェは、マンドリンの歴史を語るうえで欠かせない存在。いわばマンドリンにとってのパガニーニ(といってもカラーチェはど ちらかというと奏者としてのキャリアを探求した)で、カラーチェによって、甘くチャーミングな作品ばかりになりがちだったマンドリンのレパートリーが一挙にヴィ ルトゥオーゾ的なものも可能となったのです。そのカラーチェの協奏曲第1番はカラーチェ自身はピアノとマンドリンのために作曲しました。この理由には、カラー チェ自身がオーケストラというものにそこまで近いところにいなかった、特に新曲を一緒につくりあげられるような関係がなかったことが考えられます。しかしオー ケストラと共演してもおかしくないスケールと内容を持っているため、このたびマルティノーがティボー・ペリーヌ(1979年生まれ)に依頼してオーケストラ版が 誕生、世界初録音となりました。今後のマンドリン界の大きな宝となることでしょう。ほかにもフンメルのエレガントな今協奏曲からオー・ソレ・ミオの歌まで、マン ドリンの魅力をとことん味わい尽くせる内容です!

DOREMI
DHR-8223(2CD)
クリスチャン・フェラスLIVE 第2集

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(3)ベルク:ヴァイオリン協奏曲『ある天使の思い出に』
(4)サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ Op.28
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
(5)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.526
全て、クリスチャン・フェラス(Vn)

(1)シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO
 録音:1959年3月7日ボストン
(2)オイゲン・ヨッフム(指)フランス国立放送O
 録音:1964年4月9日パリ
(3)パウル・クレツキ(指)ベルリンRSO
 録音:1956年4月23日ベルリン
(4)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1955年3月16日ハンブルク、NDR(放送用ライヴ)
(5)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1957年4月12日フランクフルト、ヘッセン放送(放送用ライヴ)
フランスの名ヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスによる貴重なライヴ録音集です。ボストン、パリ、ベルリンでの協奏曲ライヴに、盟友バルビゼとのデュオを 併録。

Da Vinci Classics
C-00793(1CD)
フィリッポ・デル・コルノ:作品集
フィリッポ・デル・コルノ(b.1970):ア・コーダ・ディ・ロンディーネ(オーケストラのための)
クラリネット協奏曲 「パッセージ」
6つのメモ(オーケストラのための)
ピアノ協奏曲 「ノット・イン・マイ・ネーム」
イ・ポメリッジ・ムジカーリO、
カルロ・ボッカドーロ(指)、
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
エマニュエレ・アルチウリ(P)

録音:2023年4月4日-6日
1970年生まれの作曲家フィリッポ・デル・コルノは、ミラノ音楽院で作曲を学びました。彼の作品はミラノ・スカラ座、サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、ルツェルン音楽祭などで演奏されています。現在は作曲活動の傍ら、ミラノ音楽院で教鞭をとっています。
イ・ポメリッジ・ムジカーリOは第二次世界大戦後まもなく1945年11月27日にデビューし、ファシズム時代に禁止された20世紀の偉大な芸術家たちの音楽の普及に大きく貢献しました。バロック、古典派、初期ロマン派の名曲に加え、近現代曲も幅広く取り上げるなど多彩なレパートリーを誇ります。このアルバムでは、ウラディーミル・アシュケナージの息子であるクラリネット奏者のディミトリ・アシュケナージや、ピアニストのエマニュエレ・アルチウリといった素晴らしいソリストを迎え、収録されました。

NovAntiqua Records
NA-87(1CD)
5つの季節
フランチェスコ・ヴェネルッチ(b.1968):オーボエ協奏曲
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」 Op.8
マリカ・ロンバルディ(Ob)、
ヴァディム・ツィジク(Vn&指揮)、
アンサンブル・レ・ヴィルトゥオーゼ

録音:2022年9月12日-14日(パリ、フランス)
ヴァイオリニストのヴァディム・チジクによって2011年に結成されたアンサンブル・レ・ヴィルトゥオーゼと、イタリアのオーボエ奏者マリカ・ロンバルディのコラボレーション。弦楽オーケストラのための伝統的なレパートリーと現代曲を結びつけることを目的に制作されたこのアルバムには、マリカ・ロンバルディのためにフランチェスコ・ヴェネルッチが作曲した、バロック音楽からジャズ、即興演奏まで様々な様式をもつオーボエ協奏曲と、ヴァディム・ツィジクのヴィルトゥオーゾ性が光るヴィヴァルディの 「四季」 が収録されています。

FONE
UHQ-190(1CD)
UHQCD
初回完全限定生産
fone 創立40周年記念
(1)ヴィヴァルディ:2つのチェロのための協奏曲ト短調 RV531より アレグロ
(2)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調 より アダージョ
(3)ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター:トマゾ・アルビノーニ氏によるオルガンのための協奏曲 ヘ長調(アルビノーニの協奏曲Op.2-4による) より アレグロ
(4)ビーバー:ソナタ第1番ニ短調「受胎告知」
(5)ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」 序曲
(6)プッチーニ:歌劇「トスカ」より テ・デウム
(7)ハロルド・アーレン/テッド・ケーラー:When The Sun Comes Out
(8)ジュール・スタイン:Time after time
(9)ファブリツィオ・デ・アンドレ/イヴァノ・フォッサーティ:Ho visto Nina volare
(10)マイケル・ジャクソン/ビル・ボットレル:Black or White
(11)ルー・リード:Perfect Day
(12)コネ・セイドゥ:Jerusalem
(1)イ・ムジチ合奏団
(2)サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)
(3)ステファノ・コンコルディア(Org)
(4)マルコ・フォルナチャーリ(Vn)、fone アンサンブル
(5)サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、チョン・ミョンフン(指)
(6)サンタ・チェチーリア国立アカデミーcho、チョン・ミョンフン(指)
(7)スコット・ハミルトン(Sax)、パオロ・ビッロ(P)、アルド・ズニーノ(ダブル・ベース)、アルフレッド・クラーマー(ドラムス)
(8)ジュリアン・オリヴァー・マッツァリエッロ(P)、エンツォ・ピエトロパオーリ(ダブル・ベース)
(9)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、フェルッチョ・スピネッティ(ダブル・ベース)
(10)ファウスト・メゾレッラ(G)
(11)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、イラリア・ファンティン(アーチリュート)
(12)ライズ&ラディカント(ヴォイス&インストゥルメンツ)
イタリアの老舗高音質レーベル、foneが2023年に創立40周年を迎え、レーベル初となるUHQCDをリリース!同レーベルが誇る豪華アーティストたちによるクラシック&ジャズの名録音集を最高峰の音質でお楽しみください。日本製の高品質UHQCDを採用しており、全世界496枚完全数量限定生産となります。
※重要:当タイトルは完全数量限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。

BMOP SOUND
BMOP-1092(1SACD)
アンソニー・ポール・デ・リティス(b.1968):作品集
(1)「中国ポップ(Zhongguo Pop)」(2021) 〜中国伝統楽器四重奏と弦楽のための
(2)琵琶協奏曲「ピン・ポン(卓球)」(2006)
(3)打楽器協奏曲「牛飼いと織姫の伝説」(2018)
(4)「梅の花」(2000)〜ピパ(中国琵琶)のための
(5)嫦娥と不老不死の薬(2022)
〜中国伝統楽器アンサンブルのための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)(2)(4)ミン・シャオフェン(琵琶[ピパ])
(1)(5)ヤジ・グオ(笛子[ディズー])
(1)ヘ・タオ(二胡[アルフー])
(1)シンイー・ヤン(古箏[グーチェン])
(3)ベイベイ・ワン(Perc)
(5)イーミン・ミャオ(笛子[ディズー])
ツジュイ・キャリー・チン(笙[シェン])
チェン・ジン・コー(揚琴[ヤンキン])
ジョウ・イー(琵琶[ピパ])
グオ・ジャオシュン(中阮[チョンルアン])
ウェイ・スン(古箏[グーチェン])

録音:2021年9月8日、2019年9月11日、2018年4月22日、2017年2月11日、2022年3月16日
アンソニー・ポール・リティスは中国系ではなく白系アメリカ人であるが、中国音楽に深い 造詣と愛を持っており、このアルバムは中国伝統楽器とオーケストラを共演させた作品が収 録されています。中国伝統音楽と西洋音楽のコラボレーションといえば中国人作曲家タン・ドゥ ン(最近あまり名前を聞かなくなってしまった)が有名だが、そのアプローチの仕方は真逆で ある。タン・ドゥンが中国伝統音楽をかなり攻撃的に西洋音楽に攻め入る形で作曲するのに 対し、リティスはアメリカ人が憧れるミステリアス・チャイナのイメージを大切にした抒情的なオ リエンタリズムの音楽に仕上げています。なんとなく坂本龍一みたいなところもあり、聴きどころ 満載。

Music&Arts
M&ACD-1308(1CD)
A.ルビンシテイン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.25
ピアノ協奏曲第2番へ町長 Op.35
6つの性格的小品 Op.50〜第3番「舟歌」,第5
番「子守歌」(レイトゥシュ編)
アンナ・シェレスト(P)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
エストニア国立SO

録音:2022年9月20,21,23日
エストニア タリン
Sorel Classics から、ピアノ協奏曲第4番,ロシア奇想曲(SCCD 013)、ピアノ協奏曲第3番,第5番(SCCD014)と発売されていた、 アンナ・シェレストとネーメ・ヤルヴィによるアント ン・ルビンシテインのピアノ協奏曲全集の完結編は、販売提携先だったMusic & Arts からの 発売。19世紀的ヴィルトゥオーソの色濃いことで人気のある第1 番も、その1年後の第2番も、シェレストの意欲的なピアノとヤルヴィ指揮の豊かなオーケストラで万全の演奏になって います。レーベルを跨いだバラ3枚とはいえ、シェレストとヤルヴィによるルビンシテインのピア ノ協奏曲全集はその決定盤というものになったでしょう。アルカディ・レイトゥシュのオーケスト ラ編の「舟歌」と「子守歌」もたいへんに素敵だ。日本ではチャイコフスキー絡みで名前ばか りが有名なアントン・ルビンシテインの芸術に改めて接するには打って付けだ。

VOX
VOXNX-3030CD(1CD)
NX-B03
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番(1890-91/1919改訂)
ピアノ協奏曲第4番(1926/1941改訂)*
パガニーニの主題による狂詩曲#
アビー・サイモン(P)
セントルイスSO
レナード・スラットキン(指)

録音:1977年9月30日、977年10月1日*、1976年8月13日#
ミズーリ州セントルイス、パウエル・ホール
ニューヨーク生まれのアピー・サイモン(1920-2019)は、3歳の時にラジオで聴いた音楽をピアノで完璧に再現できたといいます。ヨーゼフ・ホフマンに師事し、 ラフマニノフやプロコフィエフなどヴィルトゥオーゾ・ピアニストでもあった作曲家の作品に強い親近感を持っていました。超絶技巧を持ちながらもそれを前面に出 すことをせず、うつろいやすい繊細な詩情を漂わせた演奏を持ち味とした彼を、辛口評論家として知られたハロルド・ショーンバーグは「スーパーヴィルトゥオー ゾ」と絶賛しました。スラットキン&セントルイス響と共演したラフマニノフのピアノ協奏曲全集はサイモンの最良の遺産と言ってよいでしょう。 既にAudiophile Editionでリリースされている第2番&第3番(VOXNX3014CD)では旧盤に比べてピアノもオーケストラも硬さが取れ、高域は輝かしく 抜けが良く、低域は一層の重量感と歯切れよさも加わり、音場全体も立体感が増して、かなり大きな音質改善が見られました。今作でも同様の効果が期 待されます。

BRIDGE
BCD-9583(1CD)
ジャスティン・デロ・ジョイオ(b.1955):作品集
(1)ピアノ協奏曲「海を隔てて」(2022)
(2)「デュー・パー・デュー」(2011) 〜チェロとピアノのための
(3)「青と黄金の音楽」(2009)〜オルガンと金管五重奏のため
(1)ギャリック・オールソン(P)
アラン・ギルバート(指)
ボストンSO
(2)カーター・ブレイ(Vc)
クリストファー・オライリー(P)
(3)アメリカン・ブラス・クインテット

録音:(1)2023年1月12、14日、(2)2011年9
月4日、(3)2009年1月10日
ジャスティン・デロ・ジョイオはニューヨーク出身で高名な作曲家であるノーマン・デロ・ジョ イオを父に持つ。ジャスティンはパーシケッティ、ロジャー・セッションズらに作曲を師事した。 初期はルトスワフスキ、ジェイコブ・ドラッグマンの影響を受けたと本人は述べているが、ここ に収められた最近の作品はアメリカ東海岸流の手堅い書法と聴きごたえのある音のドラマ、 輝くばかりの見事な管弦楽法が聴き手を圧倒する。特にピアノ協奏曲「海を隔てて」はギャリ ック・オールソンのピアノ・ソロと巨匠アラン・ギルバートの見事な棒さばきの甲斐もあって大 いに聴きもの。現代音楽の主要な書法をとりつつ、その中にもロマンの香りが漂っており、21 世紀のピアノ協奏曲の代表作のひとつと言っても過言ではない秀作。最後に収められた金 管五重奏曲「青と黄金の音楽」はオルガンと金管五重奏のために書かれたもので教会のス テンドグラスを思わせる美しい作品。特にブラス関係者は必聴。

Goodies
78CDR-3923(1CDR)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006より
ガヴォットとロンド
ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテッ(指)BPO

日TELEFUNKEN23653/6(独TELEFUNKEN2395/8 と同一録音)
1937年12月20日ベルリン、ジングアカデミー録音
協奏曲は作曲者シューマンが死の3年前に名ヴァイオリン奏者ヨーゼフ・ヨアヒ ム(1831-1907)の依頼で作曲したが、ヨアヒムは楽譜を封印し演奏しなかった。 1937年にベルリン図書館のヨアヒムの蔵書から発見され、ナチス宣伝省の主導 で録音された。ヴァイオリンのクーレンカンプ(1898-1948)はドイツのブレーメ ン生まれ。第二次世界大戦中ソリストとして活躍する傍ら、ベルリン高等音楽 院教授を1943年までつとめた。指揮者のハンス・シュミット=イッセルシュテッ ト(1900-1973)は大戦中も非ナチス党員を保ち、戦後に北ドイツRSOの 創立に尽力した。(グッディーズ)


Treasures
TRE-313(1CDR)
ケンプ〜シューマン&リスト:ピアノ協奏曲集
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54*
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
 ピアノ協奏曲第2番イ長調
ウィルヘルム・ケンプ(P)
ヨーゼフ・クリップス(指)LSO*
アナトゥール・フィストラーリ(指)LSO

録音:1953年5月26-27日*、1964年6月2&4日(全てモノラル)
※音源:英DECCA LW-5337*、独DECCA MD-1043
◎収録時間:73:03
“芸術的表現に無関係なものを排斥するケンプのピアニズムを象徴!”
■音源について
シューマンは英国の10ンインチ盤、リストはドイツ盤LP(黒金ラベル)を採用。

リストのピアノ作品は、技巧的な切れ味をまず前面に立てないと成立しないという風潮があるようですが、ケンプにはそんな既成概念は通用しません。
 「第1番」第1楽章の冒頭テーマは叩きつけるような打鍵は存在せず、ひたすら端麗。一瞬肩透かしを食った感覚に陥りますが、そこに宿る精神力に全くブレがないので、すぐにその独特のモードに惹かれてしまいます。1:01からの上行音型の音の粒立ちを実感出来るような弾き方、最高音域に達した時の「カーン!」という響きの拡散のさせ方は、いかにもケンプ流で、その人間臭さと職人的なこだわりが滲みます。1:16からの流麗さ、艶やかさも、モノラルであることを忘れるほど魅惑的。それを更に痛感させるのが第2楽章。この楽章をこれほど深く、甘美に紡ぎ出した演奏を他に知りません。緩やかな楽想の中でもリズムをキリッと立てる箇所とぼかす箇所を明確に区分している点も、雰囲気に流された安易な演奏にはない説得力を生んでいます。
終楽章では、無機的なフォルティッシモを嫌い、高音をカーン!と響かせるケンプ独自のピアニズムが全開。勢いに任せた演奏では感じることではできない、しっかり心に根付く味わいを実感していただけると思います。
 「第2番」では、より詩的なニュアンスが横溢。何気ないアルペジオにも得も言われぬ幻想が敷き詰められ、聴き手の想像力を掻き立てます。第1部から第2部にかけては、めったに見せない渾身のフォルティッシモが登場しますが、ここぞという場面でのその輝き方は、通常が温和なニュアンスを湛えているだけに一層心に響きます。それでも、無慈悲で鋭利な響きとは無縁。第5部の前半はオケの音圧に埋没しそうでしないギリギリの線で、ケンプが孤高とも言えるピアニズムを貫徹。後半のカデンツァでも全くそのモードを崩さないことからも、ケンプがオケとの協調に拘泥しすぎず、楽譜に書かれているピアノ・パートをいかに繊細に感じ取り、丁寧にロマンの香気を放つことに専心しているかを思い知らせれます。第6部のグリサンド(0:26〜)に至っては、これほど表面的な効果に背を向けた演奏も稀ですし、アクロバット的なリストの演奏スタイルに対するアンチテーゼにも思えます。 
 このリストの録音は、音楽を再現する上で、マシンのような技巧のアピールが目的にも前提にもならないということを再認識させてくれる、かけがえのない財産です!ケンプの演奏に対し、技巧的な弱さを指摘する人は後を絶たないですが、ケンプ本人が技術を強みにすることをむしろ恥と感じ、最優先しなければならない「表現」を行なっているだけだということを感知できないのでしょう。そういう人には、AIによる演奏をお楽しみいただければと思います。
 一方のシューマンでもケンプは自身の矜持を曲げないので、ここでは作品の甘美なイメージとは距離をおいたストイックな演奏にも聞こえますが、聴けば聴くほど、表情を上塗りしたような下品さとは無縁の真摯な語り口が敷き詰められていることに気づきます。第1楽章展開部の前半はその典型。これぞ本物のロマンです!カデンツァも同様。第2楽章も媚びるような表情は見せないものの、克明なタッチを湛えつつ繊細な心情を丁寧に吐露。大きな展開を見せないこの楽章を飽きさせずに聴かせるのは、それこそ技巧を超えた人間力の賜物なのでしょう。終楽章の決してサクサクとスマートに進行しないフレージングには常に人間的な温かみが通っていますが、ケンプは技巧のみならずその優しささえアピールしないので音楽が説明調になることがなく、間延びしやすい遅めのテンポを取りつつも、確実にニュアンスが琴線に響くのです。
 最近は、音楽家がこだわるポイントや方向性が以前と変化しているようです。と言うより、そもそも「どうしても譲れないこだわり」なんて見いだせないことも少なくありません。器用さ、合理性、効率性、協調性は世間を渡る際には必要かもしれませんが、音楽を再現する際にそれを先に考えては、その本質を探り出すことも導き出すことも、ましてや人を感動させることなどできないのでは?などと、ケンプの演奏を聴く度に思う今日この頃です。【2023年10月・湧々堂】

Spectrum Sound
CDSMBA-1461CD)
ダヴィド・オイストラフ&シルヴィア・マルコヴィチ ― ライヴ・レコーディングス・イン・パリ

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

(2)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
(1)ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ピエール・デルヴォー(指)フランス国営放送PO/ライヴ録音:1961年3月21日サル・プレイエル(パリ)【ステレオ】

(2)シルヴィア・マルコヴィチ(Vn)
ジルベール・アミ(指)フランス放送新PO/ライヴ録音:1977年10月6日メゾン・ド・ラジオ・フランス、104スタジオ内大ホール(パリ)【ステレオ】
※正規初CD化!
スペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。期待の新譜はダヴィド・オイストラフのブラームスのヴァイオ リン協奏曲(1961年3月21日/パリ)とシルヴィア・マルコヴィチのシベリウスのヴァイオリン協奏曲(1977年10月6日/パリ)、ともにステレオの正規初 CD化です!
巨匠オイストラフが最も得意としたブラームス。数多くの録音同様、当ライヴでも非常に細かいヴィブラートとテヌートを多用し、これぞ「ヴァイオリンの美」とい える音色で奏でております。
ルーマニアを代表するヴァイオリニスト、シルヴィア・マルコヴィチ。10代後半でロン=ティボー国際コンクール最高位(1位なしの2位)、ジョルジェ・エネスコ 国際コンクール優勝し、一躍世界から注目される存在となりました。当ライヴはマルコヴィチ20代半ばの演奏。作曲家としても有名なジルベール・アミ(指)フラ ンス放送新POとの共演です。シベリウスは彼女が最も得意としたレパートリーで、1987年にネーメ・ヤルヴィ(指)エーテボリSOで 録音しておりBISレーベルからリリースされています(BIS-372)。マルコヴィチの魅力といえる一音一音クリアで艶やかな音色。シベリウスの雄大な世界を彼女 の演奏で存分に酔いしれることができます。演奏キャリアに対し録音が極端に少ないマルコヴィチだけに当初出音源は非常に貴重。ファン狂喜のリリースです! (Ki)

NIFC
NIFCCD-152(1CD)
ドゥラノフスキ&ヤニェヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集
アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキ(1770-1834):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.8
フェリクス・ヤニェヴィチ(1762-1848):ヴァイオリン協奏曲第3番イ長調
モーツァルト:交響曲第14番イ長調 K.114
シュシャーヌ・シラノシアン(Vn)、
マルティナ・パストゥシカ(指)
{oh!} オルキェストラ

録音:2022年6月2日-5日&2023年4月17日-20日(モーツァルト)、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
18世紀ポーランド生まれの作曲家、アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキとフェリクス・ヤニェヴィチのヴァイオリン協奏曲に同時代の作曲家モーツァルトの初期の交響曲を組み合わせた本アルバム。アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキはポーランド人の母とフランス移民の父の間に生まれました。作曲家としてでなく、ヴァイオリニストとしても活躍した彼は、17歳でヴィオッティに認められるほどの才能の持ち主で、パガニーニにも影響を与えるほどの演奏家でした。
フェリクス・ヤニェヴィチは、当時のポーランド連邦リトアニアに生まれ、若い時からヴァイオリンの才能を認められポーランド王立礼拝堂でヴァイオリニストを務めていました。その後、ハイドンやモーツァルトに出会うため1785年からウィーンに滞在しその影響を受けることとなりました。その後パリで認められ活躍していましたが、イギリスに渡りその生涯を終えています。
2002年からチューリッヒ音楽大学でザハール・ブロンに師事したシュシャーヌ・シラノシアンは、ザンクト・ガレンSO(スイス)のコンサートマスターに就任しその後ラインハルト・ゲーベルと出会うと、古楽器演奏に熱心に取り組み、レ・シエクルのツアーにソリストとして参加するなど、第一線で活躍しています。

Hyperion
CDA-68345(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.86〜テレフセン:ピアノ協奏曲集
トマス・テレフセン(1823-1874):ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.8、
 ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.15
フリードリヒ・カルクブレンナー:嵐によって中断されポロネーズが後に続く大行進 Op.93
ハワード・シェリー(P&指揮)、
ニュルンベルクSO

録音:2022年12月14日-16日(ニュルンベルク、ドイツ)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第86巻で取り上げられたのは、ノルウェー生まれのピアニストで作曲家の、トマス・テレフセン(1823-1874)のピアノ協奏曲。
10代の終わりからパリに移ったテレフセンは、このシリーズにも度々登場し今作にも長大な演奏会用作品「嵐によって中断されポロネーズが後に続く大行進」が収録されている、フリードリヒ・カルクブレンナーから幾度か学んでいます。また、1844年から1847年にかけては、定期的にショパンに師事し、交友関係を持ちました。ショパンとの関係は、テレフセンの作曲様式にも大きく影響しています。

ES-DUR
ES-2091(1CD)

JES-2091(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

CORE〜トランペット協奏曲集
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲第1番変ホ長調
レオポルト・モーツァルト:トランペット、2本のホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター:トランペット、2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 MWV6.32
ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:トランペット、2本のフルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲第2番ハ長調 MH60
テレマン:トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 TWV51:D7
アンドレ・ショッホ(Tp)、
スザンネ・フォン・グートツァイト(指)、
シュトゥットガルト室内O

録音:2023年2月3日&6月3日、シュトゥットガルト記念教会(ドイツ)
名門ベルリン・フィルが誇る名手、アンドレ・ショッホによるソロ・アルバムがドイツのEs-Durから登場。アンドレ・ショッホは、これまでにマティアス・ヘフス、ラインホルト・フリードリヒ、クラウス・ブレーカー、ガボール・タルケヴィといった世界屈指の名手達のもとで研鑽を積み、ベルリン・ドイツ・オペラ、ハンブルク国立フィルの首席トランペット奏者として活躍後、2017年からはベルリン・フィルに移籍。室内楽奏者としても活躍の場が目覚ましく、金管アンサンブル「10 for Brass」、デュオ・ショッホ/ホーリッケのメンバーとして活動。また、ドイツを代表する世界的金管アンサンブル「ジャーマン・ブラス」にも定期的に参加しています。教育者としては、カラヤン・アカデミーやマンハイム音楽大学において後進の指導にも力を注いでいます。
本アルバムでは、自身が子供の頃からお気に入りと語る18世紀に書かれた5つの協奏曲を集成。タイトル「CORE(核)」には、ショッホが楽器で表現したい音の魂、レパートリーの中心であり、「核」となる作品の意味が込められています。名手達のもとで学んだ豊かな音楽的解釈を、ドイツの名工タイン社製のピッコロトランペットで見事に発揮しています。

DUX
DUX-1788(1CD)
ブコフスキ:作品集
リシャルト・ブコフスキ
(1916-1987):2台ピアノ、パーカッションと弦楽のための協奏曲
トランペット、ジャズ・リズム・セクションとオーケストラのための協奏曲
ピアノ協奏曲第1番
バリトンと13の楽器のための歌曲
キエルツェSO、
ヤツェク・ロガラ(指)、
マリア・マグダレナ・ヤノフスカ=ブコフスカ(P)、トマシュ・ルパ(P)、トマシュ・ヴォジニャク(Tp)、アダム・クルシェフスキ(Br)

録音:2022年6月20日-24日&8月24日-26日、キエルツェSOコンサート・ホール(ポーランド)
20世紀のポーランドの作曲家リシャルト・ブコフスキは、オーケストラ作品をはじめ、室内楽曲や合唱曲、さらには舞台音楽など、さまざまな楽曲を作曲しました。このアルバムには協奏曲を中心に収録されており、冒頭の「2台ピアノ、パーカッションと弦楽のための協奏曲」ではブコフスキの未亡人であるマリア・マグダレナ・ヤノフスカ=ブコフスカがピアニストのひとりとして参加しています。

CAvi music
85-53539(1CD)
ベルリン1923〜ベートーヴェン&シュルホフ:ピアノ協奏曲集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
シュルホフ(1849-1942):ピアノ協奏曲 Op.43 「ジャズ風に」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15より第1楽章(カデンツァ:シュルホフ)
ヘルベルト・シュフ(P)、
ケルンWDRSO、
トンチエ・ツァン(指)

録音:2021年12月21日-23日、ケルン・フィルハーモニー(ドイツ)
1894年生まれのチェコの作曲家でピアニストのエルヴィン・シュルホフは第一次世界大戦の後、ジャズとの出会い、ヨーロッパの作曲家で最初にジャズを取り入れた作曲家のひとりとなりました。ピアノ曲を中心に、ジャズの影響を受けた作品を数多く残しており、このアルバムに収録されたピアノ協奏曲もそのひとつです。
シュルホフは1923年にベルリンで「ピアノ協奏曲 Op.43「ジャズ風に」」を作曲しましたが、同じく1923年に練り上げたのが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番〜第4番までの4つのカデンツァでした。その中から今回は第1番に焦点を当て、収録されています。
1979年にルーマニアで生まれたピアニストのヘルベルト・シュフは、1988年にドイツへ移り、モーツァルテウム音楽大学で学びました。2005年にはウィーン・ベートーヴェン国際ピアノ・コンクールで優勝しています。斬新で強いこだわりのあるプログラムでのCD録音は、常に注目の的となっています。

ALTO
ALC-1493(1CD)
サクソフォン協奏曲&四重奏曲集
グラズノフ:アルト・サクソフォン協奏曲 Op.109
ヴィラ=ロボス:ソプラノ・サクソフォン、3本のホルンと弦楽のためのファンタジア
マルタン:テナー・サクソフォンとオーケストラのためのバラード
ジャン・リヴィエ:アルト・サクソフォンとトランペット協奏曲
グラズノフ:Canzona Variee(四重奏曲 変ロ長調 Op.109より)
フランセ
:小四重奏曲
ニコラウス・ショイブレ:デューク・エリントン・メドレー
デトレフ・ベンスマン(Sax)、
デイヴィッド・シャローン(指)、
ベルリンRIASシンフォニエッタ、
ベルリン・サクソフォン四重奏団

録音:1984年、1991年
ベルリン・サクソフォン四重奏団のメンバーでもあるデトレフ・ベンスマンのサクソフォン協奏曲&四重奏曲集。ソプラノやアルトなど作品に合わせて持ち替えを行いながら見事なソロと、四重奏曲では息の合った演奏を繰り広げており、グラズノフを中心として様々な作曲家の作品を収録しています。

Harp&Company
CD-505051(1CD)
オン・ザ・ルーフ〜ハープとバスーンのための作品集
アンナ・シーガル:ユダヤ協奏曲/憧れ/バスーンとハープのための聖書のモザイク/フォークソングT.キャラバン/フォークソングU.恩赦-祈り/イエメンの愛の歌
ラシェル・タリトマン(Hp)、
マヴロウデス・トロウロス(Fg)
ドロン・サロモン(指)、
イスラエル弦楽アンサンブル
イスラエル、テルアビブ出身の世界的ハーピスト、ラシェル・タリトマンが設立した「ハープ音楽に特化」した世界でも珍しい自主レーベル、「ハープ・アンド・カンパニー(Harp & Company)」からリリースされる新録音は、イスラエルの作曲家、アンナ・シーガルによるハープとバスーンのための作品集。
ウクライナ出身のイスラエルの女流作曲家、アンナ・シーガルは、ウクライナのキエフ音楽院、イスラエルのエルサレム音楽アカデミーで作曲を学び、その作品はリオール・シャンバダール&ベルリンSOをはじめとする世界各地のオーケストラやソリストによって取り上げられています。本アルバムでは、東洋と西洋の色彩を混ぜ合わせ、9つの楽章からなる組曲の形式で書かれたソロ・ハープのための作品「大地に捧げる歌」、バスーンとハープのための「ユダヤの歌」、ハープ、バスーンと弦楽のための「ユダヤ協奏曲」の世界初録音作品で構成され、ユダヤ協奏曲では、現代的な拡張奏法を用いて、バスーンによるグリッサンドやトレモロ、ハープにはパーカッションのような効果など、東洋的な色彩を聴き手に感じさせます。各楽章名は、アレグロやアンダンテといったクラシック音楽の用語にちなんだものではなく、作曲家がインスピレーションを受けた歌、神話、物語、絵画、祈り、踊りなどにちなんで付けられています。

Spectrum Sound
CDSMBA-145(1CD)
ヘンリク・シェリング・ライヴ・イン・パリ(バッハ、モーツァルト、ポンセ)
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043*
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216(カデンツァ:サム・フランコ)
ポンセ:ヴァイオリン協奏曲#
ヘンリク・シェリング(Vn)
エルメロ・ノヴェロ(Vn2)*
ヘンリク・シェリング(Vn&指)、
フランス公共放送室内O
フランス国営放送PO#、
カルロス・チャベス(指)#

ライヴ録音:1971年12月24日メゾン・ド・ラジオ・フランス、104スタジオ内大ホール(パリ)【ステレオ】
1960年10月4日シャンゼリゼ劇場(パリ)【ステレオ】#
スペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。フランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規初出CD化、期待の新譜は、シェリングがパリで演奏 したバッハ&モーツァルト(1971年録音)、ポンセ(1960年録音)の協奏曲です!ポーランドに生まれ、1946年にメキシコ市民権を取得し以後世界的に活躍し た正統派ヴァイオリニト、ヘンリク・シェリング(1918-1988)。
バッハのドッペル・コンチェルトはPhilipsレーベルで1965年、1976年に2度セッション収録していますが、当演奏はちょうど中間にあたる1971年12月 のライヴ。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番とともにシェリング弾き振りでの演奏です。
ドッペル・コンチェルトの共演は20世紀メキシコを代表するヴァイオリニスト、指揮者のエルメロ・ノヴェロ(1930-1983)です。幼いころに父を亡くすも ヴァイオリンの才能を見出したノヴェロの母が、子供たちとともにメキシコ・シティに移り住んだ苦労人。奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院で学び、 ルイス・パーシンガー(1887-1966)、イヴァン・ガラミアン(1903-1981)ら、高名なヴァイオリン教育者たちに師事。また指揮をセルジュ・チェリビダッケ (1912-1996)、レオン・バルザン(1900-1999)に師事しています。自由に歌うノヴェロのヴァイオリン。時にテンポを揺らしながらシェリングとのバッハを 楽しみながら奏でています。
モーツァルトの第3番は1969年にPhilipsレーベルにセッション収録しておりますが、その2年後の演奏が当ライヴです。69年同様サム・フランコ作のカデン ツァを演奏。正確無比にして気品があるモーツァルトは流石!シェリングといえます。
そして、シェリングに献呈されたマヌエル・ポンセのヴァイオリン協奏曲。Philips、Mercury、DGには録音はしなかったものの生涯演奏してきたシェリングの 愛奏曲にしてポンセの代表作。ポンセはイタリア、ドイツに遊学、フランスではポール・デュカスに師事し、近代フランス音楽の影響を受けながら 独自のスタイルを確立しました。シマノフスキを思わせる、E線の高音域と重音を多用したヴァイオリン独奏と、色彩豊かなオーケストラとの掛け合いが実に魅力的。 メキシコの名指揮者カルロス・チャベスの好サポートを得て堂々たる演奏を聴かせてくれます。ライヴ演奏こそシェリングの凄みが伝わってくる熱演です! ※日本語帯・解説は付きません。 (Ki
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。)

IDIS
IDIS-6751(1CD)
カラヤン・スペクタキュラーVol.12
(1)
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
(1)トリノRAI響
 ライヴ録音:1953年4月10日
(2)ルツェルン祝祭O
 ライヴ録音:1955年8月27日
50年代から70年代にかけてのライヴ録音をリリースしているIDISの「カラヤン・スペクタキュラー」シリーズ。今回のベートーヴェンの第2はたいへん珍しい 貴重音源。シュナイダーハンとの協奏曲も名演。 (Ki)

Solo Musica
SM-441(2CD)
NX-C07
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番/第2番
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
6つの小品 Op. 118
アンドレア・カウテン(P)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
ティモ・ハンドシュー(指)

録音:2022年12月12-14日、2023年6月22-25日
ハンガリーに生まれ、スイスのバーゼルで学んだピアニスト、アンドレア・カウテン。「ブラームスの2つのピアノ協奏曲を録音することは長年の夢でした」と語る彼 女がその夢をかなえたアルバムです。彼女は、すでに第1番を2017年に地元のハンガリーで録音していますが、今作では2曲ともドイツで演奏。共感溢れる 素晴らしい演奏を聴かせます。またアルバムにはブラームス晩年の小品も収録。
Solo Musica
SM-428(1CD)
NX-B03
タイムトラベル〜シッダールタ、マルコ・ポーロからバッハ&バードまで
シルクロード - マルコ・ポーロ、東方へ - 笙と管弦楽のための協奏曲
シッダールタ- サクソフォンと管弦楽のための協奏曲
鐘-A Tribute to William Byrd
ウィリアム・バード へのトリビュート- 管弦楽のために
ブランデンブルガー・リミックスド(J.S. バッハのブランデンブルク協奏曲第2番作曲300年 バッハへのオマージュ)- トランペット、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、弦楽とチェンバロのために
ボーデン湖にて- 管弦楽のために
ウー・ウェイ(笙)
クリストフ・エンツェル(Sax)
ラインホルト・フリードリヒ(ピッコロ・トランペット)
コンスタンス・サニエ(Fl)
ミヒャエル・キュッテンバウム(Ob)
谷野響子(Vn)
クリスティアン・ナーゲル(Cemb)
南西ドイツPO
ガブリエル・ヴェンツァーゴ(指)

録音:2023年3月9-15日、6月26-27日
1950年生まれのエンヨット・シュナイダーは、オペラや交響曲をはじめとした多くの作品を世に送るとともに、なんと 600本以上もの映画のための音楽も作っているドイツの作曲家です。 このアルバムには、700年ほど前にこの世を去ったマルコ・ポーロの『東方見聞録』に思いを馳せた"笙のための協奏 曲"をはじめ、2023年に没後400年を迎えたウィリアム・バードへのトリビュート作品や、バッハの「ブランデンブ ルク協奏曲」完成300年の記念作品、2022年に出版100周年を迎えたヘッセの『シッダールタ』に基づく作品な ど、過去の時代を振り返る作品が並べられています。 長い歴史を持つ南西ドイツ・フィルが作品を演奏。ブランデンブルガー・リミックスドでは、トランペットの名手ラインホ ルト・フリードリヒや、オーケストラの首席ヴァイオリニストを務める谷野響子らがソリストを務めています。シュナイダー の素晴らしいオーケストレーションによる色彩豊かな音楽を楽しむことができる1枚です。

Linn
CKD-732(2CD)
NX-D09
ブラームス:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.8*
シモン・トルプチェスキ(P)
ケルンWDRSO
クリスティアン・マチェラル(指)

録音:2023年2月13-15、2023年3月7、8、10、11日(ライヴ)*  ケルン・フィルハーモニー、ドイツ
1979年マケドニア生まれのピアニスト、トルプチェスキのLINN第4弾は、ブラームスの大作協奏曲を全2 曲収録した意欲作です。彼持ち前の力強さを兼ね揃えた高いテクニックがいかんなく発揮され、作曲家 の若き日に書かれた第1番での深く情熱的なアプローチや、充実期に書かれた第2番でのリリカルな歌 心とダイナミックな表現が見事。マチェラルもWDR響を雄大に鳴らし、巨大な協奏曲の中でソリストを しっかりと支えています。

ALPHA
ALPHA-1001(1CD)
モーツァルト:協奏曲集
ピアノ協奏曲 第19番ヘ長調 K.459(カデンツァ…モーツァルト)
ホルン協奏曲 第1番ニ長調 K.412/514(386b)*
フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315(カデンツァ…ディレン・ドゥラン)
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299(カデンツァ…ハインツ・ホリガー)
アーロン・ピルザン(P/ベーゼンドルファー)
ニコラ・ラメズ(Hrn)
ディレン・ドゥラン(Fl)
エリーザベト・プランク(Hp)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指)
トマス・ツェートマイヤー(指)*

録音:2021年3月、12月、2022年9月、2023年3月  オーストリア放送スタジオ6/大ホール、ウィーン
無名の若き名手から中堅まで幅広いソリストの登場が話題を呼んでいる<次世代ソリストたちによるモーツァルト>の第7弾。今回は ALPHAからリリースした2タイトルのソロ・アルバムが既に高い評価を得ているアーロン・ピルザンが登場。リリカルでよく澄んだピアノを聴かせま す。フランスの若きホルン奏者ニコラ・ラメズはストラスブール・フィルの首席を2021年から務めるほか、アンサンブルやソリストとして国内外で活 躍して高く評価されており、ここでも安定感抜群のテクニックと伸びやかな音色で素晴らしい演奏を聴かせます。ドイツのフルート奏者ディレ ン・ドゥランは、Gramolaなどで既にソロ・アルバムをリリースして活躍しているハープ奏者エリーザベト・プランクと共に、溌溂とした演奏で楽し ませてくれます。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-138(1CD)
ヴィヴァルディ:『四季』、 オーボエ協奏曲
協奏曲集『四季』〜『和声と創意への試み』Op.8より
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調「春」Op.8-1/RV 269
ヴァイオリン協奏曲 ト短調「夏」Op.8-2/RV 315
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調「秋」Op.8-3/RV 293
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調「冬」Op.8-1/RV 297
オーボエ協奏曲 ハ長調 RV450
ヴェルサイユ王室歌劇場O(古楽器使用)
ステファン・プレヴニャク(Vn、指)
ミハエラ・フラバーンコヴァー(Ob)

録音:2023年7月14-16日 ヴェルサイユ宮殿王室歌劇場
ずば抜けたヴァイオリン演奏能力と作曲センスを誇り、聖職者でありながら礼拝よりも音楽活動で国際的に注目を集め「赤毛の司祭」の綽 名とともに音楽史の1ページを飾ったヴェネツィアの作曲家ヴィヴァルディ。生前からその人気はパリにも及んでおり、20世紀に彼の名が再び 有名になるきっかけとなった傑作曲集『四季』は特に大きな関心を集めたばかりか、「春」に至っては作曲者の歿後何十年も公に演奏され 続けたほどでした。そうしたヴィヴァルディ受容を語る上で見過ごせないフランスの古楽シーン最前線を代表する拠点のひとつヴェルサイユ宮殿 から古楽器オーケストラによる『四季』最新録音が登場。近年オペラ上演でも活況をみせている王室歌劇場を舞台に、知られざる18世紀 以前のオペラの指揮でも実績をあげつつヴィヴァルディの「パリ協奏曲集」(CVS065)やハイドンの「朝・昼・晩」(CVS094)など器楽録音で も注目を集めているステファン・プレヴニャクを中心に、フランス、ポーランド、チェコなど欧州各地から俊才が集うヴェルサイユ王室歌劇場管弦 楽団が、傑作の内から湧き上がる興奮を絶妙の一体感の中で鮮やかにドライヴしてゆく精緻な解釈がたまりません。劇音楽の指揮経験が 如実にあらわれるプレヴニャクの芸達者ぶりと妙技にも目を見張るばかり。ヨーロッパ最前線の古楽器演奏の面白さを隅々まで堪能できる 『四季』に加え、浮き立つ愉悦と躍動感に貫かれたオーボエ協奏曲ではチェコの俊才ミハエラ・フラバーンコヴァーがバロック楽器の美音とニュア ンスの豊かさを存分に楽しませてくれます。

Orchid Classics
ORC-100261(1CD)
NX-B03
上岡敏之のR・シュトラウス
オーボエ協