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湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


協奏曲・新譜速報1


※発売済のアイテムも含めて、約3ヶ月間掲載しています。
※新しい情報ほど上の段に記載しています。
※表示価格は全て税込みです。




ALPHA
ALPHA-993(2CD)
NX-E05
リゲティ作品集
【CD1】
1-5. ヴァイオリン協奏曲(1990-1992)
6-7. チェロ協奏曲(1966)
8-12. ピアノ協奏曲(1985)
【CD2】
1-4. 室内協奏曲 -13人の奏者のための(1969-1970)
5-6.2つの奇想曲 - ピアノのための(1947)
7-15.5つの小品 -4手ピアノのための(1942-1950)
16-21. 無伴奏ヴィオラのためのソナタ(1991-1994)
22-25. ホルン三重奏曲(1982)
カン・ヘスン(Vn)…CD1/1-5
ルノー・デジャルダン(Vc)…CD1/6-7
ディミトリ・ヴァッシラキス(P)…CD1/8-12、CD 2/5-15
セバスティアン・ヴィシャール(P)…CD 2/7-15、22-25
ジョン・ストゥルツ(Va)…CD2/16-21
デイエゴ・トージ(Vn)…CD2/22-25
ジャン=クリストフ・ヴェルヴォワット(Hrn)…CD 2/22-25
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
ピエール・ブリューズ(指)

録音:2023年2月、6月 フィラルモニ・ド・パリ
アンサンブル・アンテルコンタンポランと、2023/24年のシーズンからその音楽監督を務めるピエール・ブリューズによるリゲティの作品集が2枚 組で登場。1枚目にはメンバーが務めるソリストと20-30人規模のアンサンブルによる3つの協奏曲を収録。これらはアンサンブル・アンテルコ ンタンポランにとって約10年ぶりの再録音となります。2枚目には小規模な編成のための作品を収録。1940年代から1990年代までリゲティ の活動期間をほぼカバーしており、様々な新しい手法を取り入れ発展させた作風の変転を俯瞰することが出来る、有意義な作品集となっ ています。

ARCANA
A-542(1CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(A.ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
アントニオ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はアントニオ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にの みピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なもの。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに 伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと 引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わりに、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに 組み込まれています。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0083(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲集
第2番変ホ長調 K.417
第4番変ホ長調 K.495
第3番変ホ長調 K.447
第1番ニ長調 K.412
ジビュレ・マーニ(Hrn)
アンドレアス・シュペリング(指)
ブランデンブルクSO

録音:2023年
モーツァルトのホルン協奏曲は、ホルンの名手でありモーツァルトと冗談をとばしあいふざけあう間柄だったヨーゼフ・ロイトゲープ(1732-1811)のために 書かれました。どれも美しく整った音楽でありながらユーモアのある名品で、ホルン奏者にとって欠かせない重要レパートリーになっています
ジビュレ・マーニはマリー=ルイーズ・ノイネッカーに師事したホルン奏者。1997年から2016年までフランクフルト歌劇場のOで首席ホルン奏者を務 めました。ソリストとしても数多のオーケストラと共演、2020年からはベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学のホルン科教授を務めています。
指揮は古楽ファンになじみのあるシュペリング。ブランデンブルクSOは1810年創設の長い歴史を持つオーケストラです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72985(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第11〜13番
協奏曲第11番ヘ長調 K.413
協奏曲第12番イ長調 K.414
協奏曲第13番ハ長調 K.415
ベン・キム(P;D584307)
コンセルトヘボウ室内O

録音:2022年4月2日、2023年4月22-23日/ヒルフェルスム、MCO第1スタジオ
ミュンヘン国際コンクール覇者のベン・キムとコンセルトヘボウ室内Oによるモーツァルトの協奏曲、第3弾。モーツァルトがザルツブルクからウィーンに 移って最初に書いたピアノ協奏曲である第11番〜13番を収録しています。父レオポルドへの手紙では「簡単すぎず難しすぎず、幸福な中庸である」と表現され、 控えめながら自信作であることがうかがえます。崇高さと親密さが混じりあったスタイリッシュな好演。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187325(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn/1716年製ストラディヴァリウス「ブース」)
シャルル・デュトワ(指)
スイス・ロマンドO

録音:2014年9月22〜24日/ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)
世界的ヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハーの名盤の中でも特に高い評価を得ているメンデルスゾーン、チャイコフスキーのアルバムがCDフォー マットで再発売いたします!
メンデルスゾーンは一貫して落ち着いたテンポで一音一音雄弁に歌い上げます。カデンツァでは美しさと力強さを兼ね備えた演奏を披露。第2楽章では女王の 風格を感じる語り口で一度聴いたら忘れがたき熱演を繰り広げます。そして第3楽章はオーケストラとの対話も見事でデュトワとの相性のよさもさることながら、 歯切れのよいメロディが立体的に聴こえる快演を聴かせてくれます。
一方、チャイコフスキーは朗々と歌い上げ、テンポのコントロールや豊かな音楽表情など、シュタインバッハーでしか表現できない世界が広がります。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5439およびPTC-5186504)は廃盤となります。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMBA-148(1CD)
レジェンド・オブ・ザ・チェロ〜フルニエ、シュタルケル、レヴィ
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191
(2)ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2
(3)チェレプニン:歌と踊り Op.74
(1)ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)、シャルル・ブリュック(指)、フランス国立放送PO
(2)ピエール・フルニエ(Vc)、ジャン・フォンダ(P)
(3) アンドレ・レヴィ(Vc)、エレーヌ・ボスキ(P)

録音:(1)1966年11月25日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104【ステレオ/公開収録】
(2)1980年3月17日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ124【ステレオ/公開収録】
(3)1963年10月24日ブルダン・センター内スタジオ51【モノラル/セッション】
スペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。当アルバムはina&Radio Franceからのライセンスで20世紀を代表する3人のチェリストの正規初出音源集!!ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)が1966年に演奏したドヴォルザークのチェロ協奏曲、ピエール・ フルニエ(1906-1986)が1980年に演奏したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番、そしてアンドレ・レヴィ(1894-1982)が1963年に演奏したチェレ プニンの「歌と踊り」という充実の内容です。スペクトラム・サウンドの復刻には定評があり、その中でもチェロの復刻は最も高く評価されています。
シュタルケルのドヴォルザークは絶品の一言!最も充実した演奏を披露していた40代、まさにその時期の演奏で、テクニックはもちろんのことシュタルケルらしい 「語る」演奏で聴衆を魅了しております。フルニエのベートーヴェンは70代半ば、円熟の至芸といえる演奏で非常に温かい音色を奏でています。そして70歳を目 前にしたレヴィのチェレプニンは自由に歌い上げており、個性の違う3人の名手の演奏をこの1枚で堪能できます!
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-147(1CD)
ドゥヴィ・エルリー〜ザ・ライヴ・アーカイヴス・イン・フランス
(1)ラロ:スペイン交響曲(第3楽章カット)
(2)バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
ドゥヴィ・エ ルリー(Vn )

(1)マニュエル・ロザンタール(指)、フランス国立放送O
(2)ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(Cemb)
(3)ブリジット・エンゲラー(P)

録音:(1)1956年5月10日、(2)1961年12月18日フランス国立放送局内スタジオ(パリ)【モノラル/公開収録】
(3)1981年3月5日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ106【ステレオ/公開収録】
Previously unissued recordings
Licensed by INA
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。当アルバムはフランスの名ヴァ イオリニスト、ドゥヴィ・エルリーの正規初出音源でラロのスペイン交響曲、バッハのヴァイオリン・ソナタ ホ短調 BWV1023、そしてベートーヴェンのスプリ ング・ソナタです!
1955年にロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝し、ソリストとしての活動を始めたエルリー。同年初来日を果たし、日本の聴衆にも情熱的な演奏を届けま した。ヨーロッパを中心とした演奏活動の傍ら、1960年代後半にはマルセイユ音楽院の教授に、また1982年にはパリ音楽院の教授に就任し、後進の育成にも 力を注ぎました。
商業録音が極めて少ないエルリー。そのため、INAに保管されている放送用の公開収録音源は非常に貴重です。ラロのスペイン交響曲はロン=ティボー優勝の 翌年、1956年の演奏。完璧といえるテクニックと自由な歌いまわしはエルリーならでは。名指揮者マニュエル・ロザンタールの好サポートを得て堂々たる演奏を 聴かせます。最終楽章の最後の一音を待たずに熱狂的な聴衆の拍手からも熱演であることが感じられます。
チェンバロ奏者ロベール・ヴェイロン=ラクロワとのバッハのホ短調のソナタでは抒情的な歌わせ方で弾き、ブリジット・エンゲラーとのスプリング・ソナタでは 音楽的対話を楽しむように演奏しております。今では聴くことのできない20世紀の大ヴァイオリニスト、エルリーが奏でる美音をご堪能ください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Alba
ABCD-477((1CD)
フィンランドのアコーディオン協奏曲
ミンナ・レイノネン(1977-):Vyory(雪崩)(2021)(アコーディオンと弦楽オーケストラのための)*
アウリス・サッリネン(1935-):協奏曲 Op.115(2つのアコーディオン、弦楽オーケストラと打楽器のための協奏曲)(2018-19)**
ヴェリ・クヤラ(1976-):シェイプ=シフター(Shape-Shifter)(2018)(アコーディオンと弦楽オーケストラのための協奏曲)***
アンッティ・レイノネン(アコーディオン)*
ソニヤ・ヴェルタイネン(アコーディオン)**
ヤンネ・ヴァルケアヨキ(アコーディオン)**
ペッテリ・ヴァリス(アコーディオン)***
オストロボスニア室内O
トマス・ユープシェーバカ(指)
フィンランドの中部ポホヤンマー(スウェーデン名「オストロボスニア」)にあるコッコラ市は、文化活動に力を注いでいることで知られます。コッコラ市が本拠の オストロボスニア室内Oは活動のひとつとして毎年2月に「コッコラ冬のアコーディオン」を開催。この音楽際では一週間にわたってアコーディオンの多様な 音楽が演奏されています。オストロボスニア室内Oの新しいアルバムでは、このフェスティヴァルの委嘱作が3曲演奏されます。  ミンナ・レイノネン(1977?)は、シベリウス・アカデミーでヨウニ・カイパイネンに学び、修士号を取得。博士課程のヴェリ=マッティ・プーマラの下で研究を続 けています。自然現象、文学、文化遺産といった音楽外のものからインスピレーションを得た作品が多く、そのことが作品のタイトルにも反映されます。このアルバ ムの「Vyory(雪崩)」は、2021年という「落ち着かない社会情勢」の時代を映したとされ、アンッティ・レイノネンに献呈されました。  アウリス・サッリネン(1935?)は、「騎馬兵卒」「赤い線」「クッレルヴォ」「英国王フランスへ行く」といったオペラや交響曲で名高い作曲家です。モダニズム の手法から出発し、『カレヴァラ』に基づくテレビ映画『鉄の時代』の音楽などを手がけながら、新古典的とみなされる独自のスタイルを確立してきました。「2つ のアコーディオン、弦楽オーケストラと打楽器のための協奏曲」は、コッコラ文化ディレクターのサンポ・プロンタウスとフェスティヴァルの共同委嘱で作曲されまし た。2楽章の作品。オストロボスニアの風景をベースに、2楽章にはコッコラ地方の民謡が素材に使われています。2020年のフェスティヴァルでソニヤ・ヴェルタ イネン とヤンネ・ヴァルケアヨキ により初演されました。  アコーディオン・ヴィルトゥオーゾのヴェリ・クヤラ(1976?)は、作曲家としても評価され、フィンランドのほか、ニューヨーク、東京、ロンドン、パリ、ベルリン で彼の作品が演奏されてきました。作曲家のサンポ・ハーパマキと共同で四分音アコーディオンを開発したことでも知られます。「シェイプ=シフター」は、「音色の カメレオン」アコーディオンの特性を活かした「レント・アフェットゥオーゾ」「アレグロ・コン・ブリオ」「ラルヴォ・インテンシヴォ」「アレグロ・コン・フォーコ」の 4つの部分で「姿形を変えるもの」を表現する音楽です。フェスティヴァルとオストロボスニア室内Oの共同委嘱作。2019年の「第10回コッコラ冬のアコー ディオン」でペッテリ・ヴァリス のソロで初演されました。 (Ki)

BIS
BISSA-2715(1SACD)
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889):ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.16
ハンス・ブロンサルト・フォン・シェレンドルフ(1830-1913):ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.10
ポール・ウェー(P/Steinway D)
スウェーデン室内O、
マイケル・コリンズ(指)

録音:2022年10月/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)
ロンドンの敏腕弁護士にして高名なポール・ウェー。BISレーベルから超絶技巧作品を多くリリースし注目されています。
当アルバムはマイケル・コリンズ(指)スウェーデン室内Oとの共演で、ロマン派時代に生まれた2つのピアノ協奏曲を録音しました。
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889)は現ニュルンベルク近郊出身でのちにロシア帝国に渡りロシア・ピアノ楽派の基礎を築いたピアニスト、作曲家。 ヘンゼルトのピアノ協奏曲の初演はクララ・シューマン独奏、メンデルスゾーン指揮で成功を収め、その後偉大なヴィルトゥオーゾたちによって演奏されました。全 3楽章に渡り、ドラマティックな激しさ、高鳴るメロディと優しい叙情性、色彩豊かなオーケストレーション、そして光り輝くピアノなど魅力に満ちた作品です。
ハンス・ブロンサルト・フォン・シェレンドルフ(1830-1913)はベルリン大学で学んだのち、ヴァイマルでリストに師事したピアニスト、作曲家。リストのピア ノ協奏曲第2番のヴァイマル初演はブロンサルト独奏、リスト指揮で行われました。ブロンサルトのピアノ協奏曲は、後期ロマン派の息吹を感じさせ、技巧的なピア ノ独奏と豊かなオーケストレーションが魅力。類まれな才能の持ち主ウェーが雄弁に語りかける演奏を披露しております。 (Ki)

DOREMI
DHR-8227(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第5集
(1)ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調
 ラプソディ・イン・ブルー
(2)アンドレ・チャイコフスキ:ピアノ協奏曲第2番 Op.4
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19
(4)ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番ニ長調 Hob XVI:37
(5)ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番へ短調 Op.5
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D.664〜第3楽章 アンダンテ
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ディーン・ディクソン(指)フランクフルトRSO.
 録音:1973年3月2日フランクフルト
(2)ウリ・セガル(指)ロイヤルPO
 録音:1975年10月28日ロンドン
(3)エーリヒ・ラインスドルフ(指)CSO
 録音:1978年1月12日シカゴ
(4)録音:1988年9月ロンドン
(5)録音:1980年10月新宿文化センター
ルプーの貴重なライヴ音源集、第5弾です。ルプーに捧げられた、ポーランドの作曲家アンドレ・チャイコフスキー(アンジェイ・チャイコフスキ)のピアノ協奏曲 第2番、初演時の音源も収録。 (Ki)

MSR
MS-1839(1CD)
カゼッラ:ピアノと管弦楽のためのパルティータ
レスピーギ:ピアノと管弦楽のためのトッカータ
ラフマニノフ:パガニーニの主題によるラプソディ
ジョシュア・ピアース(P)
アントン・ナヌート(指)
スロヴェニアRSO

録音:1991年4月9-11日 スロヴェニア
1990年代初頭に米国のPHOENIX レーベルから発売されたカゼッラ、レスピーギ、ラフマニ ノフの新古典主義的なピアノと管弦楽のための作品集がMSR CLASSICS から再発売。ラフマ ニノフのパガニーニの主題によるラプソディは極めて有名だが、カゼッラとレスピーギのそれぞ れ管弦楽のためのパルティータはわりと珍しいでしょう。カゼッラのパルティータ(1925 年)は、シ ンフォニア、、パッサカリア、ブルレスカの3 楽章から成る新古典主義の作品。特に第3楽章が イタリア古典的でカラッと明るい味が利いていて面白い。レスピーギのトッカータ(1928 年)は、1928年11月28日にレスピーギのピアノ、ヴィレム・メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィルの 演奏で初演された。バロック音楽を下地にしているものの暗くダイナミックな力作。 後にMSR CLASSICSの看板ピアニストになるジョシュア・ピアースが40歳の時の録音。ラフマニ ノフは緊張感の高い熱演、カゼッラは軽妙に、レスピーギは重厚にと、それぞれの作風をピタ リと当てた素晴らしい演奏を聞かせてくれます。また伴奏指揮がスロヴェニアの巨匠アントン・ナ ヌートというのが嬉しい。ラフマニノフのラプソディはナヌートの指揮も非常に充実しています。

CPO
CPO-555631(1CD)
NX-C04
ウォルター・カウフマン(1907-1984):管弦楽作品集 第1集
ピアノ協奏曲第3番(1950)…第3楽章のカデンツァ:エリザヴェータ・ブルーミナ作
交響曲第3番(1936)
インド交響曲(1943)
6つのインドの小品(1965)
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)
ベルリンRSO
デイヴィッド・ロバート・コールマン(指)

録音:2023年10月18-19日、2023年3月14-16日5
※全て世界初録音
ボヘミアのカールスバート(当時オーストリア=ハンガリー帝国の一部)で生まれたウォルター・カウフマンの作品集。 ベルリンではフランツ・シュレーカーに学び、学生時代には相対性理論で知られるアルベルト・アインシュタインと親 交を結んでいます。卒業時にはマーラーに関する学位論文を提出するも、ナチス支持者の教授に抗議し学位取 得を拒否、その後は指揮者ブルーノ・ワルターのアシスタントを務めながら自身の作品の演奏にも携わっています。 フランツ・カフカの姪と結婚し、ナチスの迫害から逃れ1934年には家族で亡命、インドのボンベイに移住します。同 地ではインドとアジア音楽の研究をする傍らオール・インディア・ラジオのディレクターを務め、同局が放送開始前に 流す音楽(インターバル・シグナル)を作曲。またスービン・メータの父メーリ・メータらと共にボンベイ室内楽協会を設 立し、一時期はズービンを教えていました。その後イギリス、カナダを経てアメリカに渡り、ダリウス・ミヨーの紹介でイ ンディアナ大学に職を得て、亡くなるまで音楽学を教えました。 彼は80曲を超えるオーケストラ曲や、10曲以上の歌劇などを残しましたが、それらは現在ほとんど知られていませ ん。このアルバムでは4つの作品をフィーチャー。インドの旋律を用いたエキゾチックな小品や、ブルーミナが独奏を務 めるピアノ協奏曲など、全てが世界初録音です。

Polskie Radio
PRCD-22342235(2CD)
初紹介旧譜
ミェチスワフ・ホルショフスキ・イン・ポーランド
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 KV466*
バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調 KV570
シマノフスキ:20のマズルカ Op.50より 第13番〜第16番
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
シューマン:子供の情景 より 「トロイメライ」 Op.15-7
メンデルスゾーン:無言歌集第6巻 より 「紡ぎ歌」 Op.67-4
アンナ・スクルスカによるミェチスワフ・ホルショフスキへのインタビュー**
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)、
ポーランド国立RSO*、
ヤン・クレンツ(指)*

録音:1963年10月18日(カトヴィツェ)*、1984年5月6日/5月7日**(ワルシャワ)
ポーランドの公共放送局『ポーランド放送(Polskie Radio/Polish Radio)』の自主レーベル「Polskie Radio」が制作する、同局のアーカイヴに眠る貴重な録音をCD化する「FROM THE POLISH RADIO ARCHIVES」シリーズから、テオドール・レシェティツキの弟子であり、99歳までステージに立ち続けたポーランドの伝説的ピアニスト、ミェチスワフ・ホルショフスキ(1892-1993)の2枚組ディスクが登場!ヤン・クレンツと共演した1963年のモーツァルト録音に加え、最後のワルシャワ・リサイタルとなった1984年、91歳のホルショフスキが紡いだ聴く者の心を揺さぶる入魂の演奏を聴くことができます。最終トラックにはそのリサイタルの翌日に行われたホルショフスキへのインタビューを収録。

NIFC
NIFCCD-660(1CD)
エリック・グオ〜第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール・ライヴ
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*
3つのマズルカ Op.59*
ワルツ変イ長調 Op.42*
エリック・グオ(ピリオド・ピアノ)
{oh!} Orkiestra(オルキェストラ・ヒストリチナ)*
ヴァーツラフ・ルクス(指)*

※使用楽器:プレイエル(1842年製)
※録音(ライヴ):2023年10月13日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(/ファイナルステージ)、
2023年10月10日、ワルシャワ・フィルハーモニー・チェンバー・ホール(/第2ステージ)*
ポーランドのフレデリク・ショパン研究所(NIFC/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)が創設から現在まで取り組み続けているショパンの作品をショパンが生きた時代の楽器(オリジナル、復元)で演奏する「リアル・ショパン(The Real Chopin)」プロジェクト。ショパンの時代の響きを現代に蘇らせるというこの画期的な取り組みをさらに活性化させるためにショパン研究所はもちろんのこと、ポーランドの国家としての一大事業として立ち上げられた「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」。日本が世界に誇る歴史的ピアノの名手、川口成彦の第2位受賞が大きな話題となった2018年の第1回大会から5年。2023年に開催された「第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」には予備予選を通過した35名のピアニストたちがワルシャワに集まり、約2週間という期間中「ショパンの時代の響き」が奏でられ続けました。
ファイナル進出者6名全員が「ピアノ協奏曲第1番」を選択する中、見事、第1位とマズルカ賞に輝いたエリック・グオのコンクールでのライヴ録音がいよいよ登場します!
自ら「(ピリオドピアノを含む)古楽器の演奏経験はほとんどない」と語っていたエリック・グオでしたが、コンクール期間中に驚異的な速さでピリオド楽器、ピリオド奏法に順応。第1、第2、そしてファイナルの全てのステージで「ショパンの時代」を感じさせてくれました。今回のライヴ録音のリリースにあたり、ショパン研究所が選出したエリック・グオの演奏は「ピアノ協奏曲第1番」、「3つのマズルカOp.59」、そして「ワルツOp.42」。第1位、マズルカ賞に輝いた俊英エリック・グオのコンクールでの足跡、そして魅力が凝縮された素晴らしいプログラムにご注目下さい!

H.M.F
HMM-902668(1CD)
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲&室内楽作品集
ヴァイオリン協奏曲 op.15(1939年、1958年改訂)*
Reveille(起床ラッパ)(Vnとピアノ伴奏のためのコンサート・スタディ)(1937年)
組曲(1936年)#
ヴァイオリン、ヴィオラとピアノのための2つの小品(1929年)【世界初録音】**
全て、イザベル・ファウスト(Vn)
ヤクブ・フルシャ(指)*
バイエルンRSO*
アレクサンドル・メルニコフ(P)#,**
ボリス・ファウスト(Va)**

録音:2021年10月28-29日ライヴ*、
2022年4月、テルデックス・スタジオ(*以外)
イザベル・ファウストがブリテンのヴァイオリン協奏曲を録音しました!管弦楽はフルシャ率いるバイエルン放送響という最高の布陣。ファウストの聴き手の心を 射抜くようなまばゆい音色は冴え渡り、オケも全員が全身全霊の超絶名演です。ブリテンのヴァイオリン協奏曲は、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲に多 大な影響を受けて書かれましたが、ブリテン渾身の魅力的なメロディも満載の名曲。壮絶な場面から作品終盤の神がかり的な美しさまで、驚異の名演の登場です。 カップリングはメルニコフがピアノを担当している室内楽というこれまた豪華な内容で、世界初録音のブリテン16歳の時の「二つの小品」も収録されており、 大注目の1枚です!
ブリテンがヴァイオリン協奏曲の作曲に着手したのは1938年。1936年の国際現代音楽協会フェスティバルで初演を聴いたアルバン・ ベルクのヴァイオリン協奏曲に触発されてのことだったといわれます。ヴァイオリン協奏曲はスペインのヴァイオリン奏者(1914年よりロンドンに定住)のアン トニオ・ブロサの為に書かれました。1940年3月、バルビローリ指揮ニューヨーク・フィルによりカーネギー・ホールで初演されました。同時代の政治的激動 に対するブリテンの心情がシリアスな器楽群に現れているような作品です。冒頭はティンパニの柔らかな響きとそれに呼応するシンバルという行進曲風で印象的 な出だしで、ヴァイオリンが登場しエレジー風かつ非常にかっこいい旋律を奏でます。ここからしてファウストの輝かしい音色が炸裂しており、ファウスト節全開。 歌いまくり弾きまくっている様子に驚かされるほど。フルシャ率いるバイエルン放響もソリストとオーケストラの間で交わされる様々な対話のひとつひとつが実に 丁寧です。第2楽章はヴィヴァーチェで非常に暴力的で獰猛。そのまま第3楽章では様々な感情の起伏を経て、最後は壮絶ながらも神がかり的な美しさで曲が閉 じます。終始ファウストのソロの鬼気迫るまでの表情と音色が際立っており、それに呼応するフルシャとオケも全身全霊。稀有の名演が誕生しました。
続く収録楽曲はピアノを含む室内楽作品。「組曲」はブリテンがベルクのヴァイオリン協奏曲を聴いた直後に作曲された作品で、ヴァイオリン協奏曲に先立って アントニオ・ブロサとブリテン自身によって初演されました。ヴァイオリン・パートには容赦ないヴィルトゥオジティが要求されるだけでなく、モダニズムの語法 やストラヴィンスキーの新古典主義を思わせる部分など、ブリテンの才気に満ちた作品です。 Reveilleもアントニオ・ブロサのために書かれ、1937年4月12日にフランツ・ライゼンシュタインのピアノによりウィグモア・ホールで初演されました。ピ アノが時計のような規則的な動きをやわらかく繰り返す上で、ヴァイオリニストがゆっくりと目覚め、次第に旋律を奏で狂詩曲的な華やかさへ、そして最後には 楽器の名人芸をより激しく披露していくような作品です。世界初録音となる「二つの小品」は1929年12月12および24日、ブリテンの16歳の誕生日 直後に完成されました。2013年にようやく出版された作品で、ファウスト、ボリス・ファウスト、メルニコフという最高のメンバーによる世界初録音の登場と なりました。スクリャービン、シェーンベルク、ベルクらの革新性を驚くほど理解しており、神秘的で集中した2曲。ピアノ・パートの驚異的な美しさ(書法 も美しいし、メルニコフの演奏も素晴らしい)も印象的です。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0090(2CD)
スイスの夢
■CD1
ヨーゼフ・フランツ・クサーヴァー・ドミニク・スタルダー(1725-1765):交響曲 変ホ長調
ジャン・バティスト・エドゥアルド・デュピュイ(1770-1822):歌劇『若さと愚かさ』序曲
フランツ・クサヴァー・シュニーダー・フォン・ヴァルテンゼー(1786-1868):序曲 ハ短調
ハンス・フーバー(1852-1921):セレナード第2番『冬の夜』
ジョージ・テンプルトン・ストロング(1856-1948):組曲第3番『絵本』
■CD2
ヘルマン・ズーター(1870-1926):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.23
パウル・フーバー(1918-2001):ダルシマーと弦楽合奏のための協奏曲
マイケル・バレンボイム(Vn)
クリストフ・プフェンドラー(ダルシマー)
レナ=リザ・ヴュステンドルファー(指)
スイスO

録音:2019-2023年
18世紀から20世紀にかけてのスイスの管弦楽作品集。スイス国内でも知名度が高いとはいいがたい作品群を積極的に取り上げている、2018年設立のスイ スO(Swiss Orchestra)による演奏ですべてライヴ録音。ダニエル・バレンボイムの息子、マイケル・バレンボイムも協奏曲のソロで参加しています。 (Ki)


MELO CLASSIC
MC-1076(9CD)
ヴィルヘルム・ケンプ/ライヴ・コンサート・エディション
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
7つのバガテル―第1番変ホ長調Op.33-1
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
シューベルト:即興曲変イ長調D.899-4,Op.90-41
(3)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:間奏曲変ホ長調Op.117-1
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
(5)モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番
(6)バッハ:フランス組曲第5番ト長調BWV816
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
シューマン:交響的練習曲
シューベルト:4つの即興曲D.899,Op.90
ブラームス:ラプソディ第2番ト短調Op.79-2
ブラームス:カプリッチョロ短調Op.76-2
(7)モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番
(8)モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478
(9)ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
6つのバガテルOp.126
(10)バッハ(ケンプ編):来なさい、異教徒の救い主よBWV659
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8
全て、ヴィルヘルム・ケンプ(P)


(1)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1965年3月26日東ドイツベルリン(ステレオ)
(2)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1965年3月28日東ドイツベルリン(ステレオ)
(3)ーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
録音:1962年1月24日スイスビール
(4)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1966年9月25日東ドイツベルリン(ステレオ)
(5)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO
録音:1955年7月21日西ドイツコスタンツ
(6)カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・クラシッシェ・フィルハーモニー
録音:1969年11月21日西ドイツシュトゥットガルト(ステレオ)
(7)録音:1963年10月7日東ドイツポツダム
(8)オイゲン・ヨッフム(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO
録音:1963年3月17日オランダアムステルダム
(9)アマデウスQ
録音:フランスプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏マントン
(10)録音:1958年7月16日フランスピレネー=オリアンタル県プラド
(11)シャンドール・ヴェーグ(Vn,Op.96,Op.8)
パブロ・カザルス(Vc,Op.8)
録音:1958年7月17日フランスピレネー=オリアンタル県プラド
※ステレオ表記以外はモノラル 630'10
MELO CLASSICS が凄いセット物を出してきた!20 世紀ドイツの偉大なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプのライヴ録音集、 9CD、10 時間半!どれもこれもお宝音源ばかり! まずは何と言っても 1965 年 3 月 26、28 日に催された、ハインツ・レーグナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンと共演のベ ートーヴェンのピアノ協奏曲全曲。この5 曲のためにこのセットを勝っても損はしないというくらいの充実した演奏。69 歳のケ ンプのピアノはベテランの味わい深さがありつつも、ライヴでは意外なくらい思い切った表情もあり、改めて超一流のベート ーヴェン弾きだと唸らされるもの。そして若くしてドイツの伝統を背負った当時36 歳のレーグナーがドレスデンのオーケストラ から渋く重厚なしかし柔軟な音楽を引き出している。皇帝協奏曲の第 3 楽章はもう圧巻、大喝采。全曲ステレオ録音で音質 も十分。両日のアンコールまで収録。 オイゲン・ヨッフム指揮コンセルトヘボウ管弦楽団とのモーツァルトのピアノ協奏曲第 15 番もとても良い演奏。ケンプとヨッフ ムとコンセルトヘボウ管弦楽団の共演はおそらくこれが初めてで、なんともリラックスした和やかで味わい深いモーツァルトが 聞ける。テープ保存が悪く年代にしては音質が今一つなのが惜しいが、それでも価値のある名演だろう。 リサイタルでは、1963 年 10 月のポツダムでの演奏が素晴らしい。4 曲はいずれもケンプのお得意で商業録音も残されてい るが、ライヴで興が乗った時のケンプの、堅固でありながらふつふつと湧き上がる音楽がしっかり収められている。 ケンプが伴奏に回ったお宝が、プラド音楽祭で81 歳のカザルスと共演したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第5 番。カザルス とケンプは1961 年のチェロ・ソナタ第1 番の録音が知られているが、この第 5 番は1958 年のライヴ録音。この世紀の共演 はもはや普通の物差しでは測れないだろう、途轍もないものを体験した充実感を得られるだろう。 ケンプ・ファンはもちろん、ドイツ伝統のピアノ弾きが好きな人に広くお勧めしたい9CD だ。
ベートーヴェンの全集を始め、およそ半数の録音がステレオ!(各ディスクが収容されているペーパー・スリーヴに STEREO or MONO の記載があります)。 またブックレットには1936 年の最初の来日の時の写真など貴重な写真も数点掲載されている。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-340(1CD)
シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42(ライスによる室内オーケストラ伴奏編)
4つの歌曲 Op.22(グリースルによるピアノ五重奏伴奏編)
「グレの歌」―山鳩の歌(作曲者による室内オーケストラ伴奏編)
室内交響曲第1番Op.9
ミヒャエル・ツラビンガー(指)
ヴィーナー・コンツェルト=フェライン
ピーナ・ナポリターノ(P)
イダ・アルドリアン(S)、クリストフ・フィラー(Br)

録音:2021年9月24-27日、2022年6月16-17 日、ウィーン
シェーンベルクの室内オーケストラ作品を集めた CD。といってもオリジナルは有名な室 内交響曲第1 番で、他はシェーンベルク自身のものも含めた編曲。近代の大編成オーケス トラ作品を縮小編曲すると作品の斬新さが際立つというのはよくあることで、ここでも百数十 年前のシェーンベルクの前衛っぷりが気持ち良い刺激で伝わって来る。 ツラビンガーは1984年、ウィーン生まれの若手指揮者。インゴ・メッツマッハーの助手を長 く務め、彼自身20世紀の音楽を得意としています。2018 年、マドリッドのレアル劇場でツィン マーマンの「軍人たち」を指揮して大評判となり、以来欧州各地の歌劇場で活躍しています。 ヴィーナー・コンツェルト=フェラインは1987 年結成の若い音楽家によるオーケストラ。

Orchid Classics
ORC-100287(1CD)
NX-B06
モーツァルト/ライネッケ/ニールセン:協奏曲集
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
ライネッケ(1824-1910):フルート協奏曲 ニ長調 Op.283
ニールセン:フルート協奏曲 FS 119
アルベルト・ナヴァーラ(Fl)
クラウディア・ルチア・ラマンナ(Hp)
オーデンセSO
ホリー・ヒョン・チェ(指)

録音:2023年1月16-20日
2022年にデンマークで開催された「カール・ニールセン国際音楽コンクール」で優勝、一躍注目を浴びたフルート 奏者アルベルト・ナヴァーラのデビュー・アルバム。2022/23年のシーズンからベルリン・フィルハーモニーのカラヤン・ アカデミーのメンバーに加わるとともに、ソリストとしてオーフスSO、オーデンセSOと共演、各地の音楽 祭で演奏するなど着々と活動の場を広げています。アルバムではフルーティスト定番のレパートリー、ニールセンとラ イネッケの協奏曲に加えて、ハープ奏者ラマンナとともにモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」を披露。 巧みな技術から生まれる輝かしい音色と卓越した音楽性で聴き手を魅了します。

Gramola
GRAM-99287(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲全集
ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412(386b)…第2楽章:フランツ・バイヤー編
ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417

※K.495第1楽章&K.447第1楽章のカデンツァ…パウル・アンゲラー
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
使用楽器…1800年頃ボヘミア製 作者不詳
ザルツブルク・ホーフムジーク(古楽器オーケストラ)
ヴォルフガング・ブルンナー(指)

録音:2006年4月10-12日
モーツァルトの4つのホルン協奏曲をナチュラルホルンで演奏した1枚。使用した楽器は1800年頃にボヘミアで製 作されたもので、バルブを持たないシンプルな構造から生まれる音色は、現代の楽器とは大きく異なり、自然倍音 の美しさがより味わえます。演奏するハンスイェルク・アンゲラーはチロル出身。ザルツブルクのモーツァルテウムで学 び、インスブルックSOのホルン奏者を務めた後、ソリスト、教授として活躍しています。ドイツ・グラモフォンに は「モーツァルト:管楽作品全集」を指揮者、ホルン奏者として録音。こちらも高い評価を受けています。

ONDINE
ODE-1429(1CD)
NX-B10
ロルフ・ヴァリーン(1957-):作品集
Stride - オーケストラのために(2023)
2?5. Whirld - ヴァイオリンとオーケストラのために(2018)
Spirit - エレクトリック・ベースギターと管弦楽のために(2017)
.5つの季節 - 笙と管弦楽のために(2022)
ウー・ウェイ(中国笙)
エルドビョルク・ヘムシング(Vn)
イダ・ニールセン(エレクトリック・ベースギター)
スタヴァンゲルSO
アンドリス・ポーガ(指)

録音:2022年6月15-17、2023年6月5-9日
現在のスカンジナビアで「最もエキサイティングな作品を書く作曲家」として評判の高いノルウェーのロルフ・ヴァリーンの4つの近作を収録した1枚。 アルバムでは、「世界は一つの渦であり、あらゆる渦は一つの世界である」と考えるヴァリーンが錬金術師になったような気分で書き上げたというヴァイオリン協 奏曲(独奏は若きヴァイオリニスト、エルドビョルク・ヘムシング)、古代中国における5つの要素「木、火、土、金属、水」を季節に例え、ウー・ウェイが奏でる笙 とオーケストラのための作品に仕立てた「5つの季節」、プリンスとの共演経験を持つベーシスト、イダ・ニールセンをフィーチャーした「Spirit」の協奏的作品3曲 と、ウイルスや天候、戦争などの恐怖から精神的に抜け出すためのポジティヴなエネルギーを込めたというオーケストラ作品「Stride」、これらの4曲をスタヴァ ンゲルSOの首席指揮者を務めるアンドリス・ポーガの演奏でお聞きいただけます。

VOX
VOXNX-3036CD(1CD)
NX-B06
ショパン:ピアノと管弦楽のための作品全集 第2巻
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 変ロ長調 Op.2
演奏会用ロンド「クラコヴィアク」 Op.14
アビー・サイモン(P)
ヘリベルト・バイセル(指)
ハンブルクSO

録音:1972年ハンブルク(ドイツ)
ニューヨーク生まれのピアニスト、アビー・サイモン(1920-2019)によるショパンのピアノと管弦楽のための作品全集。1972年に録音され、1973年に3枚組 LPとして発売された全集を新リマスターでCD2枚に復刻、これはその第2巻です(第1巻:VOXNX3032CD)。ヨーゼフ・ホフマンに師事したサイモンは、 録音当時52歳。定評のあったロマンティックな詩情漂う演奏を聞かせます。日本の音楽ファンには懐かしいヘリベルト・バイセルが格調高い指揮で共演して います。 優秀録音で名高いエリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。ピアノがクローズアップ気味 に録られ、オーケストラが奥行きと広がりを持って展開する録音パターンになっています。ブックレットには初出時のLPのジャケット写真と解説が転載されてい ます。

BMOP SOUND
BMOP-1093(1CD)
ジョーン・タワー(b.1938):管弦楽作品集
@ピアノ協奏曲「ベートーヴェンへのオマージュ」(1986)
A「ライジング」(2010)〜フルートと管弦楽のための
B「赤いカエデ」(2013)〜ファゴットと弦楽のための
Cフルート協奏曲(1989)
ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
@マルク=アンドレ・アムラン(Pf)
ACキャロル・ウィンセンク(Fl)
Bエイドリアン・モアジョン(Fg)

録音:@2021年9月10日、A2018年2月7日マサチューセッツ州
ジョーン・タワーはアメリカの作曲家、ピアニスト、教育者として活動しており、エマーソン弦 楽四重奏団、東京弦楽四重奏団、マリンバ奏者エヴリン・グレニーなど著名な団体、演奏家 から作品の委嘱を受けている。このアルバムは20 世紀後半から21 世紀初頭までの協奏的 作品が収められている。「ベートーヴェンへのオマージュ」と題されたピアノ協奏曲は新古典 主義、ミニマル・ミュージックの要素が折衷された佳作でヴィルトゥオーゾ、マルク=アンドレ・ アムランのピアノの妙技が聴きもの。フルート協奏曲は呪文のようなフルートのメリスマティッ クな旋律が美しい秀作。

Ars Produktion
ARS-38647(1CD)
ファビアン・ミュラー:協奏曲集
パン・フルート協奏曲(2017)
ヘッケルフォーン協奏曲(2020)/大オーケストラのための「タラニス」
カスパール・ツェーンダー(指)、
ロイヤル・チェコ・シンフォニア・フラデツ・クラーロヴェー、
ハンスペーター・オジエ(パン・フルート)、
マルティン・フルティガー(ヘッケルフォーン)

録音:2023年2月
スイスの作曲家ファビアン・ミュラー(b.1964)の作曲による珍しい楽器のための協奏曲集。特にヘッケルフォーンは使用されることが少ない楽器で、オーボエの1オクターヴ低い音域を持ちます。R.シュトラウスのオペラで用いられたり、「アルプス交響曲」で用いられていますが、協奏曲のソロ楽器として使用されるのは特に珍しいケースです。マルティン・フルティガーによる演奏でその魅力をたっぷりとご堪能ください。

Diapason
DIAP-166(1CD)
ヴァイオリン協奏曲集/ヤッシャ・ハイフェッツ

(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
(3)ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46
(4)サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)

(1)シャルル・ミュンシュ(指)、ボストンSO
録音:1959年2月23日&25日
(2)マルコム・サージェント(指)、LSO
録音:1951年5月18日
(3)マルコム・サージェント(指)、オシアン・エリ録音:1961年5月15日&22日
(4)ウィリアム・スタインバーグ(指)、RCAビクターO
録音:1951年1月16日
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第166巻として登場するのは、ヤッシャ・ハイフェッツ。ハイフェッツと言えば20世紀最高のヴァイオリニストの一人と言えるでしょう。そのハイフェッツによるヴァイオリン協奏曲集は、珠玉の名曲であり続けているメンデルスゾーンから始まり、ブルッフを2曲、そして難曲で知られるサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」を収録しました。新たなマスタリングによって蘇る、ハイフェッツの超絶技巧は聴きものです!
Danacord
DACOCD-975(2CDR)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲集、他

(1)ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046

(2)ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047

(3)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048 より 第1楽章、第3楽章

(4)ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049

(5)ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050

(6)ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051

(7)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048

(8)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048

(9)トッカータとフーガ ニ短調 BWV565(アロイス・メリヒャル編)
(1)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、シモン・ゴールドベルク(Vn)、グスタフ・カーン(Ob)
録音:1932年
(2)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、パウル・シュペッリ(Tp)、アルベルト・ハルツァー(Fl)、グスタフ・カーン(Ob)、シモン・ゴールドベルク(Vn)、ハンス・ボッタームント(Vc)
録音:1932年
(3)BPO、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
録音:1930年
(4)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ハインリヒ・ブライデン(Fl)、アルベルト・ハルツァー(Fl)
録音:1933年
(5)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ジークフリート・ボリース(Vn)、フリードリヒ・トーマス(Fl)、フランツ・ルップ(Cemb)
録音:1934年
(6)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ラインハルト・ヴォルフ(Va)、クルト・オーバーレンダー(Va)、パウル・グリュンマー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、シルヴィア・グリュンマー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ヴォルフガング・クレーバー(Vc)、ヘルマン・メンツェル(Cb)、エータ・ハーリヒ=シュナイダー(Cemb)
録音:1934年
(7)ロイヤル・アルバート・ホールO、ユージン・グーセンス(指)
録音:1922or1923年
(8)ベルリン国立歌劇場O、ゲーオー・フベア(指)
録音:1924年
(9)BPO、アロイス・メリヒ
バッハの「ブランデンブルク協奏曲」をバロックの伝統に従って演奏した1920〜30年代の貴重な記録。今日ほとんど忘れられてしまったオーストリアの名指揮者アロイス・メリヒャル(1896-1976)によるこの草分け的なベルリンでの録音は、活力にあふれた高雅な演奏が録音史上の貴重な存在として記憶されています。このアルバムには、メリヒャル指揮の5曲と、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮の「第3番」(2つの楽章のみ)を収録。さらにボーナス・トラックとして、イギリスのユージン・グーセンスとデンマークのゲーオー・フベアが録音した「第3番」が収められました。コレクターでもあるエンジニアのクラウス・ビューリトのコレクションの音源を使い、可能な限り最良のデジタル技術により復刻され鮮明に甦りました。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002691(1CD)
初回生産限定
チャイコフスキー国際コンクールの優勝者たち 〜諏訪内晶子、セルゲイ・スタドレル
1-3. パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
4. ラヴェル:ツィガーヌ M.76
5. ショーソン:詩曲 Op.25
6. サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
諏訪内晶子(Vn/1-3)
モスクワ国立SO(1-3)
パヴェル・コーガン(指揮/1-3)
セルゲイ・スタドレル(Vn/4-6)
レニングラードPO(4-6)
ウラディーミル・ポンキン(指揮/4-6)

録音:1-3.1990年7月4日、モスクワ音楽院大ホール(ライヴ録音/ADD/ステレオ)
4-6.1987年7月、レニングラード・フィルハーモニー協会大ホール(ADD/ステレオ)
旧ソ連時代の1958年に創設され、1966年には、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽の4部門を同時に演奏する世界初にして唯一のコンクールとなった「チャイコフスキー国際コンクール」。今回、同コンクールの優勝者の歴史的演奏を振り返るためメロディア(Melodiya)に保管されている膨大な音源の中から選ばれたのは、ヴァイオリン部門の2人の優勝者、第7回(1982年)のセルゲイ・スタドレル、そして第9回(1990年)の諏訪内晶子!
当時、第9回大会において史上最年少、18歳で優勝を果たしセンセーションを巻き起こした諏訪内晶子。1990年のコンクール期間中に聴衆、審査員を熱狂させた鮮烈かつ圧倒的なパガニーニの協奏曲第1番です。
1982年の第7回大会において、ヴィクトリア・ムローヴァと並び第1位を受賞したセルゲイ・スタドレル(1962-)。指揮活動にも精力的に取り組み、教育面においてはサンクトペテルブルク音楽院(レニングラード音楽院)の院長を務めるなど多大な功績を残しているスタドレルですが、ヴァイオリニストとしての録音の数はその実績と比べて決して恵まれているとは言えないだけに、今回の協奏的作品3曲の演奏の復刻は歓迎されることでしょう。※バックインレイには現地に保管されているマスターテープに記載の情報に基づき、「Recorded live on July4th,1990at Grand Hall Moscow Conservatory (Winners concert of the IX International Tchaikovsky Competition)」との表記がありますが、共演者・演奏曲などを様々な情報と照らし合わせたところ、正しくは「優勝記念コンサート」ではなく、「コンクールのファイナル」のライヴであると思われます。予めご了承下さい。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Obsession
CHSA-10078(2SACD)
初回生産限定
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集&パガニーニの主題による狂詩曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1/ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
アール・ワイルド(P)、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)、
ロイヤルPO

録音:1965年
過去の名録音を高音質化して復刻しているObsessionレーベルよりまた大注目のリリース。アメリカが生んだ20世紀の大ピアニスト、アール・ワイルドが遺した名録音の一つ、ヤッシャ・ホーレンシュタインとのラフマニノフのピアノ協奏曲全集が初めてSACD化されました!
LP盤を含めいくつかのレーベルからリリースされていた同音源ですが、Chandosからリリースされていた全集盤(2003年発売)をSACDハイブリッド化。名盤ひしめく同曲集の中でも最高傑作とする声も多く、突出して高い評価を得ているワイルド&ホーレンシュタインの超名演。1965年の収録とは思えぬ鮮明な録音もポイントで、今回のSACD化によってさらなる音質の向上が期待されます。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Stradivarius
STR-37258(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲第1番ニ長調Op.99(1039)
モーゼス・イブン・エズラの詩集 Op.207〜声とギターのためのソング・サイクル*
ピエトロ・ロカット(G)
ナディール・ガロファロ(指)
エステSO
ローニャ・ヴェイヘンマイヤー(S) *

録音:2023年2月8日フェラーラ、2022年3月12-13日ナポリ*
カステルヌーヴォ=テデスコはユダヤ系イタリア人として生まれ、ムッソリーニのファシスト政権樹 立後はアメリカに亡命、ハリウッドで映画音楽の作曲家としても活躍した。ギターと朗読のための 「プラテーロと私」が特に日本では有名だが、このディスクではセゴビアのために書かれた代表作 ギター協奏曲を収録。新古典主義的で端正に書き込まれたこの作品は美しいメロディに溢れた傑 作です。また中世スペインの詩人イブン・エズラの詩に曲をつけた「モーゼスの寝椅子」はロン ヤ・ウェイヘンマイヤーの美しいソプラノの歌声が聴きもの。

スロヴェニア放送
ZKP-118548(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ロマンス第1番ト長調 Op.40
ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
ジガ・ブランク(Vn)
スラヴェン・クレノヴィチ(指)
スロヴェニアRSO

録音:2023年9月
スロヴェニアからたいへんに素敵なベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とロマンスの CD が出た。ジガ・ブランクは1982年生まれ、今やスロヴェニアを代表するヴァイオリニストの一 人です。ZKP RTV SLOVENIJA からはこれまでにイザイの6 つの無伴奏ヴァイオリン・ソナ タ(ZKP113192)やパガニーニの24 のカプリッチョ(ZKP114304)、モーツァルトのヴァイオリ ン・ソナタ K.301とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10 番(ZKP111839)が発売され ています。 久々の新録音であるこのベートーヴェン集はジガ・ブランクの充実ぶりを伝えてくれます。まず 柔らかく透明感のある美音が素晴らしく、しかも丁寧かつ端正で伸びやかで柔らかい音楽。 第2楽章のラルゲットは、まるで良い味のでただし汁のように旨味がじんわりと広がる。第 3楽章も丁寧に弾きながら様々な情感を醸して見事。こうしたブランクの魅力は 2つのロマン ス、特に有名な第2番でも発揮されています。 そしてもう一人注目すべきが指揮者のスラヴェン・クレノヴィチ。ブランクと同世代のこの若い 指揮者は、2023年にサラエヴォPOの首席指揮者に就任したばか りで、CD もおそらくこれが初めて。ここでのベートーヴェンの、骨太で剛毅で、しかし必要な 時には十分に抑えも効かせられる音楽には、彼の可能性が大いに感じられます。クレノヴィチ は20年後、いや10年後には西側で大活躍しているかもしれない。

CLAVES
50-3079(1CD)
(1)ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
(2)ブルッフ:コル・ニドライ Op.47
(3)ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ニ長調 Op.12
ティム・ポズナー(Vc)
ベルンSO、カタリーナ・ミュルナー(指)

録音:2023年9月ディアコニアス教会(ベルン)
2023年に開催したグシュタード音楽祭の「ティエリー・シェルツ賞」に受賞したチェロ奏者ティム・ポズナーがブロッホ、ブルッフ、ドホナーニを録音しました。
グシュタード音楽祭はスイスのグシュタード(スイスを横断する絶景パノラマ鉄道「ゴールンデパス・ライン」が走ることでも有名な山村)で開催される、世界各 国から才能豊かな若手音楽家が集まることで知られるフェスティヴァル。「ティエリー・シェルツ賞」は当音楽祭の創設者の一人ティエリー・シェルツへのオマージュ として設けられました。参加者のうち毎回1名がclavesレーベルからレコーディングの機会を与えられCDリリースできるという副賞がついており、これまでにヴァ イオリンのアンナ・アガフィア(2022年受賞)、ピアノのジャン=ポール・ガスパリアン(2020年受賞)、ヴィオラのティモシー・リダウト(2019年受賞)、チェ ロのアナスタシヤ・コベキナ(2018年受賞)、ハープのアナイス・ゴドゥマール(2015年受賞)、ピアノのヨゼフ・モーク(2006年受賞)、ハープのエマニュエル・ セイソン(2005年受賞)など現在世界的に活躍するアーティストを輩出しております。
1995年生まれのポズナーはカール・ダヴィドフ国際チェロ・コンクールに入賞した初の英国人。これまでにロイヤルPO、ロンドン・モー ツァルト・プレイヤーズなどのオーケストラと共演。現在、アムステルダム・シンフォニエッタの首席チェロ奏者を務めています。今後の活躍に期待が高まります! (Ki)

King International
KKC-4341(1SACD)
シングルレイヤー
日本語解説付国内盤
税込定価
プロムシュテット・ドレスデン・エテルナ・モーツァルト集成〜モーツァルト:ホルン、フルート、オーボエ協奏曲集&ディヴェルティメント集
ホルン協奏曲第1番ニ長調 KV412(386b)
ホルン協奏曲第2番変ホ長調KV417
ホルン協奏曲第3番変ホ長調KV447
ホルン協奏曲第4番変ホ長調KV495
ホルンと管弦楽のためのロンド変ホ長調KV371
フルート協奏曲第1番KV313(285c)
フルート協奏曲第2番ニ長調KV314(285d)
フルートと管弦楽のためのアンダンテハ長調KV315(285e)
オーボエ協奏曲ハ長調KV314
ディヴェルティメント ニ長調KV136(125a)
ディヴェルティメント 変ロ長調KV137(125b)
ディヴェルティメント ヘ長調KV138(125c)
アダージョとフーガ KV546
ペーター・ダム(Hrn)
ヨハ ネス・ヴァルター(Fl)
クルト・マーン(Ob)
シュターツカペレ・ドレスデン
ヘルベルト・ブロムシュテット(指)

録音日:[ホルン]1974年3月 [フルート&オーボエ]1973年2月、12月 [ディヴェルティメント]1976年11月
録音場所:ドレスデン・ルカ教会
全盛期のエテルナのアナログ・レコードの音を限りなく再現すべく、オリジナル音源から新規デジタル・マスタリングした、キングインターナショナルのシリーズ「ドイツ・シャルプラッテンETERNAの芸術」。第6弾は、シュターツカペレ・ドレスデンの名管楽器奏者たちによるモーツァルトの協奏曲集。指揮は当時まだ40代半ばであったヘルベルト・ブロムシュテット。さらにブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンとの蜜月に刻まれたモーツァルトの名録音で有名なディヴェルティメント集を含んだ充実の内容を1枚のSACDに収めました。モーツァルトがホルンのために書いた作品は、協奏曲が4つ、コンサート・ロンドが1つ、さらにホルン五重奏曲(KV407)を残しています。これらの多くはザルツブルク宮廷楽団のホルン奏者を務めていたヨーゼフ・ロイトゲープ(1732〜1811)のために書かれたと言われています。名作の影に名手あり、といったところですが、今回ソリストとして登場するホルン奏者も時代を代表する名匠ペーター・ダム(1937〜)。1969年から2002年までシュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルン奏者として同団の栄光を支えたひとり。そして同録のフルート協奏曲、オーボエ協奏曲でも、この名門オーケストラの首席奏者二人が登場しています。ドレスデン生まれの名フルート奏者、ヨハネス・ヴァルター(1937〜)と旧東ドイツを代表するオーボエ奏者クルト・マーン(1923〜2015)。いつも同じ呼吸している奏者がソロを担当することにより、自然で気負いのない伸びやかな協奏曲に仕上がっています。続いてディヴェルティメント集では、1970年代後半のブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンの息吹を感じさせる演奏。ディヴェルティメントの軽妙で優雅な音楽に見事に当てはまる名演と言えるでしょう。引き続き企画監修は、ヴィンテージレコードショップ「エテルナトレーディング」の店主で、日本にETERNAのレコードを流布させた“仕掛け人”でもある高荷洋一氏。今回の解説には、ソリストたちの個性、そして楽器に焦点を当てた興味深い内容となっています。 (Ki)

H.M.F
HMX-2904104(2CD)
ロト&レ・シエクルのラヴェル
■CD1
(1)ピアノ協奏曲ト長調
(2)ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(全3曲) 
(3)2つのヘブライの歌
(4)なき王女のためのパヴァーヌ(P版)
(5)マラルメの3つの詩
(6)左手のためのピアノ協奏曲
(7)聖女
■CD2
(1)ムソルグスキー(ラヴェル編):展覧会の絵
(2)ラヴェル:ラ・ヴァルス
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

■CD1(HMM902612)
セドリック・ティベルギアン(P;1892年製プレイエル・グランパトロン)、
ステファーヌ・ドゥグー(Br)
録音:2020年12月/ピエール・ブーレーズ大ホール(1)(6)、2021年9月/フィラルモニ・ド・パリ(2)(3)(5)(7)、スタジオ(4)
■CD2(HMM905282)
録音:2019年11月フィルハーモニー・ド・パリ(ライヴ)
ロトのベストセラー、ラヴェルの「展覧会の絵」と、ピアノ協奏曲などを収録した2タイトルが限定2枚組セットで登場!

ALTO
ALC-1488(1CD)
ロージャ・ミクローシュ:ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 Op.24
主題、変奏とフィナーレ Op.13A
ハンガリー夜想曲 Op.28
ワイン醸造家の娘 Op.23A
イゴール・グルップマン(Vn)、
ジェームズ・セダレス(指)、
ニュージーランドSO
ロージャ・ミクローシュは、映画音楽の世界で特に有名で「ベン・ハー」などのサウンドトラックを担当し、アカデミー賞に17回ノミネート、そして3度受賞しています。このCDに収められている「ヴァイオリン協奏曲」は、ハイフェッツの委嘱により作られたもので、ロージャが作曲した芸術音楽の中でも評価の高い作品の一つに数えられています。

ALPHA
ALPHA-1005(1CD)

NYCX-10456(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ヴィヴァルディ:四季、ラ・フォリア
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Op.8-3RV293「秋」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 Op.8-4RV297 「冬」
アリア 「太陽の強い輝きは」 〜歌劇「救われたアンドロメダ」 RV Anh.117*
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 Op.8-1RV269 「春」
ァイオリン協奏曲 ト短調 Op.8-2RV315「夏」
トリオ・ソナタ ニ短調 Op.1-12RV63「ラ・フォリア」
ポール=アントワーヌ・ベノス=ディアン(C.T)*
ジュリアン・ショーヴァン(Vn)
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ

録音:2023年2月 在仏イタリア大使館シチリア劇場、パリ
※国内仕様盤日本語解説…坂本龍右
モーツアルトの後期交響曲や「レクイエム」のような有名作をこれまでにない視点からの新解釈で披露し、世界中の音楽ファンを新鮮な驚き と共に楽しませてくれているジュリアン・ショーヴァンによる『四季』が登場。子供たちや俳優など様々な人々とこの作品で共演してきたという彼 ら。特に、パリ五輪の公式ダンスでも話題のフランスの振付師ムラッド・メルズキのダンサー達からは大きな影響を受けたと言い、極端な独創 性や誇張されたダイナミクスなどに頼ることなく、自然な身体的バランスと呼吸、自発性から今回の演奏が生まれたということです。とはいえ、 ここに聴く演奏は十分に刺激的。曲順は通常の「春」からではなく「秋」から始められており、間に近年発見されたヴァイオリンのオブリガート付 きアリアを挟み、最後にはフォリアを置くという構成となっています。弦楽を各パート一人ずつに絞った緊密なやり取りの中で映えるショーヴァン の緩急織り交ぜた妙技のほか、テオルボとバロック・ギターには名手キート・ガートも参加してアンサンブルを支え、時には煽るように先導するこ とも。名盤あまたの『四季』ですが、異彩を放つ注目盤がまた一つ加わりました。

SWR music
SWR-19141CD(1CD)
NX-B09
ブゾーニ:ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.39(1904) - ピアノと管弦楽、男声合唱のために デイヴィッド・ライヴリー(P)
バーデン=バーデン・フライブルクSWRSO
フライブルク・ヴォーカルアンサンブル男声cho
ミヒャエル・ギーレン(指)

録音:1990年2月13日ハンス・ロスバウト・スタジオ SWR、バーデン=バーデン(ドイツ)
フェルッチョ・ブゾーニの没後100年記念リリース。1902年から1904年に作曲された彼唯一のピアノ協奏曲は、全5楽章、演奏時間は約80分近く、そして 終楽章には男声合唱が入るという長大で大規模な曲。ピアノ・パートの難度は高いものの、決して派手な技巧を追うわけではなく、ブラームスの協奏曲のよ うにオーケストラの一部として機能します。 終楽章の男声合唱はデンマークの劇作家アダム・エーレンスレーヤーの戯曲「アラジン」の終幕の部分をブゾーニ自身がドイツ語に翻訳したものを高らかに歌 いますが、こちらも決して劇内容を表現しているわけではありません。破天荒な内容の上、合唱も必要とする編成のためか、それほど実演の機会が多い作 品ではありませんが、20世紀音楽と大編成作品を得意とするミヒャエル・ギーレンが見事な演奏を聴かせます(ギーレンによるこの作品の録音は、これが唯 一のものとなります) ピアノを演奏するフランス系アメリカ人のデイヴィッド・ライヴリーは、過去にエリザベート王妃コンクール、ジュネーブ国際音楽コンクール、チャイコフスキー国際コ ンクールなどの入賞歴を誇るピアニスト。現代作品も積極的に手掛け、多くの作曲家たちの新作の演奏も行い高い評価を受けています。

ARCANA
A-542(2CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(A.ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
アントニオ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
 リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
 収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はアントニオ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にの みピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なもの。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに 伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと 引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わりに、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに 組み込まれています。

CPO
CPO-555613(1CD)
NX-C04
C. P. E. バッハ/J. G. グラウン:ヴィオラ協奏曲集
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171(マティス・ロシャによるヴィオラ編)
ヨハン・ゴットリープ・グラウン(1703-1771):コンチェルタンテ ハ短調 Graun WV A:XIII:3- ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のために
グラウン:協奏曲 変ホ長調 Graun WV A:XIII:3- ヴィオラ、弦楽合奏と通奏低音のために
マティス・ロシャ(Va)
ステファン・ワーツ(Vn)
カメラータ・シュヴァイツ
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年7月7-9日
ヨーロッパで注目されている若手ヴィオラ奏者マティス・ロシャが宿願だったというC.P.E.バッハのチェロ協奏曲に挑んだアルバム。 ロシャはケルンでアントワン・タメスティに、ライプツィヒでタチヤナ・マスレンコに師事、現在はミゲル・ダ・シルバと共にベルギーのエリザベート王妃音楽院でアー ティスト・イン・レジデンスを務めつつ、ベルギー、ドイツ、フランス、スイスなどで演奏活動を行っています。2021年にはラフマニノフのチェロ・ソナタや歌曲をヴィ オラで演奏したアルバムをリリースして、そのテクニックと歌心あふれる演奏が注目されました。 ここでは彼がかねてからの夢だったと語るC.P.E.バッハのチェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171のソロをヴィオラで演奏。原盤解説(英語・独語)では「この曲の 軽やかなヴィルトゥオジティはヴィオラに向いている」と語る一方、10代の頃からの相談役であった指揮者ハワード・グリフィスに賛同してもらうためにアレンジに は周到な工夫を凝らしたとも語っています。他にはヴァイオリンの名手だったグラウンの作品を2曲収録。コンチェルタンテで共演しているのは2014年メニュー イン国際コンクールの覇者、オランダのステファン・ワーツ。グリフィス率いるカメラータ・シュヴァイツが見事なサポートを聴かせます。
CPO
CPO-777975(1CD)
NX-C04
フリードリヒ・エック(1767-1838):3つのヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調
ヴァイオリン協奏曲第2番ト長調
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調
ターニャ・ベッカー=ベンダー(Vn)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O
ヨハネス・シュレーフリ(指)

録音:2016年11月15-18日
ドイツのヴァイオリニスト、作曲家フリードリヒ・エックは、モーツァルトより11歳年下、ベートーヴェンより3歳年上の音 楽家。1778年、マンハイムOのヴァイオリニストに就任し、ミュンヘンではペーター・ヴィンターに作曲を師 事、その卓越した演奏と作品は18世紀末ヨーロッパの音楽界でセンセーションを巻き起こしました。しかし、当時 の批評家に大絶賛されたにもかかわらず、1800年に突然引退、妻とともにフランスに移住してしまいます。その引 退の理由はわかっていませんが、彼の協奏曲が著名な出版社から出版されたにもかかわらず、ほぼ忘れられてし まったからと推測されています。現在、彼の名が知られているのは、モーツァルトの作品とされていた「ヴァイオリン協 奏曲第6番」の真の作者としてのみでしょう。 このアルバムに収録されている3つの協奏曲は、高い演奏技術を要し、モーツァルトを思わせる美しい旋律を持って います。来日経験もあるターニャ・ベッカー=ベンダーのヴァイオリンでこの魅力的な作品をお聴きください。

AAM Records
AAM-44(1CD)
NX-B10
モーツァルト:ピアノ協奏曲第6番 変ロ長調K.238
3台のピアノと管弦楽のための協奏曲第7番ヘ長調 K.242*
ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246

※K.238とK.246のカデンツァはロバート・レヴィン作
ロバート・レヴィン(タンジェント・ピアノ)
ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)*
ローレンス・カミングズ(Cemb/指)*
ボヤン・チチッチ(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
ボヤン・チチッチ(リーダー)

録音:2022年5月3-7日 All Hallows, Gospel Oak
2022年7月2日 St Giles’ Cripplegate

タンジェント・ピアノ:レーゲンスブルクのシュパート&シュマール1794年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2008年製作
フォルテピアノ:アウグスブルクのアントン・シュタイン1786年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2021年製作
チェンバロ:パリのパスカル・タスカン1769年製作をモデルとするマンチェスターのキース・ヒルの再現楽器。2010年製作
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第4集は1776年にザルツブ ルクで作曲された協奏曲を集めています。注目は鍵盤楽器の選択。当時のザルツブルクではチェンバロまたはクラヴィコードという言葉が鍵盤楽器全 般を指して使われていました。モーツァルトが「チェンバロ」と書いた曲に強弱記号があるのもそうした背景によります。レヴィンはこれらの作品に取り組む にあたり「チェンバロとフォルテピアノの中間的な存在でクラヴィコード的な性格もある」タンジェント・ピアノ(タンゲンテンフリューゲル)を使用。フォルテピア ノに比べると音質は軽くて音量も小さめですが、4/3/2/2/1の弦の編成とうまくマッチして俊敏な音楽を透明なテクスチュアで奏でています。3台の鍵 盤楽器のための協奏曲ではフォルテピアノとチェンバロを加えることで3種の音色が生み出す華麗な効果が生まれ、各パートの音の動きを追いやすくな りました。 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、製作ス タッフの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が 使われています。

オクタヴィア
OVCL-00842(1SACD)
税込定価
2024年2月21日発売
アンサンブルof トウキョウ ライヴ2023秋
(1)モーツァルト:セレナーデニ長調「セレナータ・ノットゥルナ」
(2)R.シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調
(3)ウェーバー:ファゴット協奏曲ヘ長調 (Fg ダーク・イェンセン)
アンサンブルof トウキョウ(指揮者無し)【青山聖樹(Ob)、ダーク・イェンセン (Fg)、玉井菜採、戸原直(Vn)、大野かおる(Va)、渡邉玲雄(Cb)】
(1)玉井菜採(Vn)、戸原直(Vn)、大野かおる(Va)、渡邉玲雄(Cb)
(2))青山聖樹(Ob)
(3)ダーク・イェンセン(Fg)

録音:2023年10月27日東京、紀尾井ホール・ライヴ
ダブルリードファン待望の協奏曲ライヴのCD化!ゲスト出演した ノルウェー出身のファゴット奏者ダーク・イェンセンは、バンベル クSOやケルンRSOで首席を務め、日本ではサイト ウ・キネン・オーケストラや水戸室内Oの客演でも知られて います。ドラマティックなウェーバー協奏曲での美しいカンタービ レは必聴。青山聖樹は長年研究を重ねたR.シュトラウスで、伸びや かに歌い上げ、艶やかな音色を聴かせます。 また、セレナータ・ノットゥルナでは、アンサンブルofトウキョウ の名ソリストが率いる美しい音楽的対話が展開されていきます。カ デンツァはトルコ行進曲などの有名なメロディが顔を出し、一味違 う楽しみも。 指揮者なしのアンサンブルの自発性、アルバム全体を彩る瑞々しい 響きなどで名曲の数々をお楽しみください。(オクタヴィア)

Chandos
CHAN-20286(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.9
モーツァルト:「後宮からの誘拐」序曲
ピアノ協奏曲 第11番ヘ長調 KV413*
ピアノ協奏曲 第12番イ長調 KV414*
ピアノ協奏曲 第13番 ハ長調 KV415*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*、
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2023年4月4日-6日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN-10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第9弾には、モーツァルトがザルツブルクのパトロンを離れ、ウィーンでフリーの作曲家・演奏家としての地位を確立した直後の1782年〜1783年にまとめて作曲された3つのピアノ協奏曲が収録されています。これらの協奏曲はモーツァルトがウィーンで開いた一連の定期演奏会で演奏されたもので、ソナタ形式ではじまり、三部形式の緩徐楽章を挟んで、明るいロンド形式のフィナーレで締め括られる形式が共通しています。また、アルバムの冒頭に収録されている歌劇「後宮からの誘拐」の序曲も、これらの協奏曲と同時期に作曲されたものとなっています。

Chandos
CHSA-5333(1SACD)
ブラームス&ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲集
ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35a, K243
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op77
フランチェスカ・デゴ(Vn)、
ダリア・スタセフスカ(指)BBC響

録音:2023年7月4日-5日、フェニックス・コンサート・ホール(フェアフィールド・ホールズ、クロイドン、イギリス)
1989年生まれ、朗々たる響き、説得力のある解釈、隙のないテクニックを誇り、国際的なシーンでもっとも人気を集めるイタリアの若きヴァイオリニスト、フランチェスカ・デゴ。日本でも既にNHKSOをはじめ様々なオーケストラと共演し多くのファンを獲得しています。パガニーニ自身が所有し愛奏したヴァイオリンを弾いた「イル・カノーネ」(PCHAN-20223/CHAN-20223)で華麗なChandosデビューを果たすと、英BBCミュージック・マガジンで「レコーディング・オヴ・ザ・マンス(2021年11月)」に選出されたロジャー・ノリントンとの共演によるヴァイオリン協奏曲集第1巻(PCHAN-20234/CHAN-20234)を含む4つのモーツァルト・アルバムをリリースし、安定した評価を得てきました。
モーツァルトの協奏曲で共演したロジャー・ノリントンに「私はフランチェスカ・デゴと仕事をするのが好きです。彼女は非の打ち所のないテクニックを持っているだけでなく、協奏曲の様式上の問題に対応するための印象的な方法も備えています。」と讃えられたデゴが次に挑んだのはブラームスとブゾーニ、2つのニ長調協奏曲。「ブラームスのヴァイオリン協奏曲を録音できることは、すべてのヴァイオリニストにとって夢でありマイルストーン」とし、世にある多くの名演と競争するのではなく、自分自身の演奏を示したいというデゴがどのような音楽性を披露してくれるのか大いに注目です。伴奏には2度目の開催となったBBC Proms JAPAN2022でBBC響と来日しプロムスの熱気を日本に届けてくれたことも記憶に新しいウクライナ生まれの若き指揮者、ダリア・スタセフスカ(b.1984)がChandos初登場。2019年にBBC響史上初の女性首席客演指揮者に抜擢、さらに2021/22シーズンからはラハティSOの首席指揮者を務めるなど大躍進を遂げ、世界中から熱視線を浴びている注目株です。今回はSACDハイブリッド盤でのリリースとなり音質面でもより一層期待を持てるでしょう。

Spectrum Sound
CDSMBA-149(1CD)
完全限定盤
ジャンヌ・ゴーティエ〜フランス国営放送、未発表アーカイヴ
(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)クライスラー:パヴァーヌ
(3)クライスラー:プニャーニのスタイルによる前奏曲とアレグロ
(4)ヴィターリ:シャコンヌ
(5)シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 Op.100より第1&2楽章
ジャンヌ・ゴーティエ(Vn)
(1)ピエール=ミシェル・ル・コント(指)リリック放送O
(2)-(4)ユゲット・ドレフュス(Cemb)
(5)フランス三重奏団【ジャンヌ・ゴーティエ(Vn)、アンドレ・レヴィ(Vc)、ジュヌヴィエーヴ・ジョワ(P)】

ライヴ録音:(1)1958年6月22日エラール・スタジオ31
(2)-(4)1956年7月7日モアザン・センター
(5)1960年3月6日フランス・ラジオ・テレビ放送局内スタジオ(公開収録)
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。当アルバムはフランスが生ん だ天才ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエの未発表音源です!神童として注目されたゴーティエ。パリ音楽院卒業後、1910年代半ばには国際的な演奏活動を 展開し絶大な人気を得ました。
戦後、1950年代にはピアノのジュヌヴィエーヴ・ジョワ、チェロのアンドレ・レヴィとフランス三重奏団を結成し、ソロだけでなく室内楽も積極的に演奏してきま した。
ピエール=ミシェル・ル・コント(指)リリック放送Oとのメンデルスゾーン。ダイナミックで堂々たる当ライヴは必聴!第1楽章、第3楽章のテンポは同時 代の演奏家としては速く、また第2楽章はこの上なく美しい演奏を披露。ゴーティエならではの歌いまわしに聴き惚れてしまいます。
巨匠ユゲット・ドレフュスと共演したクライスラーとヴィターリも必聴。これらの作品をチェンバロで演奏していること自体稀ですが、ドレフュスとの演奏は二つの 楽器が対等に存在し、丁々発止のやり取りが終始展開されます。
そして、シューベルトのピアノ三重奏曲第2番より第1、2楽章。当時のフランスが誇る名手が揃った当団の演奏は格別で、どこまでも美しく、極上のシューベルト を堪能することができます。
長い演奏活動の割に録音の少ないゴーティエだけに当アルバムのリリースは大注目といえましょう。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-161(1CD)
完全限定盤
フェリックス・アーヨに捧ぐ
(1)ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』
(2)ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210Op.8-11
(3)ロッシーニ:6つの四重奏のソナタより第3番 ハ長調
(4)バルトーク:ルーマニア民族舞曲
(1)(2)フェリックス・アーヨ(Vn独奏&コンサートマスター)、イ・ムジチ合奏団
(3)(4)フェリックス・アーヨ(コンサートマスター)、
イ・ムジチ合奏団

ライヴ録音:(1)1959年8月13日マントン【マントン音楽祭】
(2)(3)1958年7月9日ディボンヌ・レ・バン
(4)1961年12月4日フランス・ラジオ・テレビ放送局内スタジオ(公開収録)
20世紀を代表する大ヴァイオリニスト、フェリックス・アーヨが2023年9月24日に90歳でこの世を去りました。アーヨの追悼盤としてSpectrum Soundレーベルから完全初出音源の登場です。
イ・ムジチ合奏団の創設メンバーの一人であるアーヨ。当団は1951年にサンタ・チェチーリア国立アカデミアの卒業生12人により結成。1952年にデビュー し以後現在も活動する名団体です。アーヨは当団デビューから16年間、初代コンサートマスターとして活躍。団の顔としてだけでなく、名ヴァイオリニストとして聴 衆を魅了しました。
イ・ムジチ合奏団の名が知られたのは『四季』の録音。50年代に2度録音しておりますが、当初出音源は1959年8月13日、マントン音楽祭におけるライヴ 音源です。アーヨの誠実で気品のある演奏が当演奏でも光っており、優美でふくよかな『四季』を堪能できます。
この他、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210Op.8-11も非常に貴重。また、アーヨがコンサートマスターを務めたロッシーニのソナタ第3番 ハ長調、そしてバルトークのルーマニア民族舞曲では非常に表現豊かな演奏をお楽しみいただけます。
長いキャリアの割に録音の少ないアーヨの貴重音源。ついに日の目を見ました。(Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

GRAND SLAM
GS-2312(1CD)
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)マーラー:「さすらう若人の歌」
(1)エドウィン・フィッシャー(P)
(2)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)、
フィルハーモニアO

録音:(1)1951年2月19、20日アビーロード第1スタジオ(ロンドン)
(2)1952年6月24、25日キングズウェイ・ホール(ロンドン)
使用音源:(1)Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(2)Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(セッション録音)
■制作者より  
フィッシャーとの「皇帝」、F=ディースカウとの「さすらう若人の歌」、これらはフルトヴェングラーが偉大なソリストを迎えての貴重なセッション録音でした。当 シリーズでは2曲ともLP復刻(「皇帝」:GS-2008、2005年、ALP1051使用/マーラー:GS-2015〜6、2006年、ALP1270使用)を発売していますが、 今回、初めてテープ復刻を行いました。「皇帝」は2トラック、38センチ、オープンリール・テープを使用、望みうる最上の得音質を獲得しました。マーラーは2トラッ ク、19センチのテープですが、全体の音質は「皇帝」と何ら遜色ありません。(平林直哉)

VOX
VOXNX-3034CD(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、他
チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104B.191
森の静けさ Op.68No.5B.182)*
ロンド ト短調 Op.94B.181*
ロマンス ヘ短調 Op.11B.39#
マズルカ ホ短調 Op.49B.90#
ザラ・ネルソヴァ(Vc)
ルッジェーロ・リッチ(Vn)
セントルイスSO
ヴァルター・ジュスキント(指)

録音:1974年5月15日、1974年5月*、1974年8月#
ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場! VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、その演奏・録音両面で高い評価を得、形態を変えつつ再 発売を重ねて来ました。このCDには、LP1枚目に収録されていたチェロ作品すべてとLP2枚目のヴァイオリン作品からロマンスとマズルカを収録しています。 チェロ作品のソロを務めるのは1918年カナダ生まれのザラ・ネルソヴァ。12歳の時にはサージェント指揮LSOとラロのチェロ協奏曲を演奏。ピア ティゴルスキー、フォイアマン、カザルスらに師事して世界的に活躍し、バーバーのチェロ協奏曲やブロッホのシェロモを作曲者自身の指揮で録音する際にはソ リストに指名されています。ここでのチェロ協奏曲の演奏時間は36分台と同曲録音の中ではかなり速いテンポによるもので、淀みのない流れに乗った豊かな 歌が印象的です。「森の静けさ」も深沈とした瞑想よりも緩やかな足取りによる散策を思わせ、音楽が停滞することがありません。 ヴァイオリン小品2曲は演奏・録音される機会が少ない曲ですが、ネルソヴァと同年生まれのルッジェーロ・リッチの独奏は、艶やかなサウンドと民族舞曲風の テンポ処理など見事な出来。アルバムを通じてチェコ生まれのジュスキントがセントルイス響から深みのある響きを引き出し、ドヴォルザークらしいリズムやフ レーズをしっかりと聞かせているのも当アルバムの聴きどころ。録音当時は首席指揮者として6シーズン目で、オーケストラを完全に掌握していたようです。 録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と 語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わ りましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に潤いが加わり ました。 ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。
VOX
VOXNX-3035CD(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53B. 108
ピアノ協奏曲 ト短調 Op.33B.63*
ルッジェーロ・リッチ(Vn)
ルドルフ・フィルクシュニー(P)
セントルイスSO
ヴァルター・ジュスキント(指)

録音:ミズーリ州セントルイス(USA)
1974年8月13日、1975年1月24日*
ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場! VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、 その演奏・録音両面で高い評価を得、 形態を変えつつ再 発売を重ねて来ました。 このCDには、LP2枚目からヴァイオリン協奏曲とLP3枚目のピアノ協奏曲を収録しています。前者のソリストは1918年生まれのルッジェーロ・リッチ。11歳で カーネギーホール・デビューを成功させ、1947年にはパガニーニの24のカプリースを世界で初めて録音したことでも知られます。ここではロマン派ヴァイオリン協 奏曲の王道を行く、朗々とした歌い回しと明るく美しい音が印象的。リッチ自身の1961年Decca録音よりも第1楽章と第2楽章はやや速めのテンポを取 り、前者の演奏時間32分余りに対して当盤は29分余り。音質も含めて、聴き比べも大いに楽しめることでしょう。 ピアノ協奏曲のソリストはチェコ生まれで生前は来日も多かったフィルクシュニー。「外連味が無い」と評されることから地味という先入観を持たれがちですが、 曲本来のブリリアントな聞かせどころはしっかりと決め、民俗舞曲風のリズムの弾みは自然体、高揚感も穏やかな抒情もオケと一体化して見事です。フィルク シュニーと1歳違いでやはりチェコ生まれのジュスキントが、首席指揮者として6シーズン目を迎えていたセントルイス響から深みのある響きを引き出し、個性の 異なる各ソリストに当意即妙に付けているのも聴きどころ。 録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と 語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わ りましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に伸びと潤いが 加わって硬さが取れているのが収穫です。 尚、ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。

BIS
BISSA-2665(1SACD)
ヘンリク・ヘルステニウス(1963-):Public Behaviour(公的行動)(2020)(打楽器、6人の歌手と管弦楽のための協奏曲)*
Together(ともに)(2021)(6人の歌手、ピアノ、サンプラーと打楽器のための)**
ノルディック・ヴォイセズ
トーネ・エリサベト・ブローテン(S)、イングリ・ハンケン(S)、エッバ・リュード(Ms)、ペール・クリスチャン・アムンドロー(T)、フランク・ハーヴロイ(Br)、ロルフ・マグネ・アッセル(Bs)、ハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン(打楽器、ヴォイス)*
エレン・ウゲルヴィーク(P)**
ジェニファー・トレンス(打楽器、ヴォイス)**
スタヴァンゲルSO *
イラン・ヴォルコフ(指)*
カイ・グリンデ・ミュラン(指)**
ヘンリク・ヘルステニウス Henrik Hellstenius は、ノルウェーのバールム生まれ。ラッセ・トーレセン、オラヴ・アントン・トンメセン、ビョ ルン・クルーセ、ジェラール・グリゼーの下で、「古典」の手法をマスターするに止まらない作曲を学びました。「自身の時代」の表現方法からインスピレーションを得な がら、サウンド、動き、リズム、静寂といった要素を重視。オペラ、室内楽と管弦楽の作品、エレクトロ=アコースティック音楽、劇場の音楽など、幅広いジャンルの作曲家 として活動しています。「Like Objects in a Dark Room(暗い部屋にある物体のように)」「ヴァイオリン協奏曲第2番」(BISSA--2152)、ヴァイオリン協奏曲 「By the voice a faint light is shed(声のするところから微かな光が)」(Aurora ACD-5047)といった作品がCDリリースされています。
新しいアルバムでは、彼の代表作のひとつ、室内オペラ「セラ(Sera)」(ACD-5024)に参加した6声のアカペラ・グループ「ノルディック・ヴォイセズ Nordic Voices」をフィーチャーした2つの作品が演奏されます。
「Public Behaviour(公的行動)」は、「極度の個人主義」の時代に「公の空間」でわれわれが一緒にどう行動するかということをテーマに「打楽器、6人の歌手 と管弦楽のための協奏曲」として作曲されました。ヘルステニウス自身が歌詞を書き、第2曲〈No Matter〉にはアメリカの社会学者リチャード・セネット Richard Sennett(1943?)の講義から採った一節も使われています。打楽器のハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン Hans-Kristian Kjos Sorensen(1965?) とイラン・ヴォルコフ IlanVolkov 指揮スタヴァンゲルSOが共演しています。
「Together(ともに)」は、「わたしと他人(me and the other)」の関係を深く考察する作品です。われわれが出会い、ともに働き、ともに住む人々とどう関わ るかという課題。この作品のテクストもヘルステニウスが作りました。現代音楽のスペシャリスト、ピアニストのエレン・ウゲルヴィーク Ellen Ugelvik(1971?)とオ スロを拠点とする実験的音楽家のジェニファー・トレンス Jennifer Torrence が加わった「6人の歌手、ピアノ、サンプラーと打楽器」のアンサンブルをカイ・グリン デ・ミュラン Kai Grnde Myrann が指揮して演奏されます。

SUPRAPHON
SU-4337(1CD)
チェコのピアノ協奏曲3篇
(1)コヴァルジョヴィツ:ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.6(1887)
(2)カプラーロヴァー:ピアノ協奏曲 ニ短調 Op.7(1935)
(3)ボシュコヴェツ:ピアノ協奏曲第2番(1949)
マレク・コザーク(P)
プラハRSO、
ロベルト・インドラ(指)

録音:/(1)2022年1月4〜6日、(2)2020年10月5&6日、(3)2022年11月9〜11日/プラハ放送第1スタジオ
19世紀から20世紀にかけてのチェコのピアノ協奏曲といえば、ドヴォルザークとマルティヌーが有名ですが、当アルバムでは同時代の知られざる傑作3篇を 紹介します。
カレル・コヴァルジョヴィツ(1862〜1920)はプラハ音楽院にて(指)作曲、クラリネット、ピアノを学び、スデニェク・フィビフから声楽と作曲の個人指導を 受けました。指揮者として1896年から1898年までチェコPOの初期のコンサートに出演。また、1900年には国民劇場のオペラの監 督に就任。国民劇場での仕事はチェコの音楽界に最も貢献し、同劇場ではドヴォルザークの歌劇『ルサルカ』の初演を含む数多くの演奏を行っています。作曲家と しては指揮者になる前から名声を得ており、歌劇『花婿たち』やバレエ『ハシシュ』で成功を収めました。コヴァルジョヴィツのピアノ協奏曲は、技巧的なピアノ独 奏が散りばめられた難曲です。
ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915〜1940)のピアノ協奏曲は、プラハ音楽院の卒業作品として作曲。豪華な楽器編成と華麗なピアノ・パートが魅 力で、1935年、自身の指揮で初演が行われ、批評家の絶賛を浴びました。カプラーロヴァーは1937年にパリに移りマルティヌーに師事。その翌年、ロンドンで 開催された国際現代音楽協会フェスティバルで賞賛を浴び、同フェスティバルのオープニングコンサートではBBCOを指揮し、自作「軍隊シンフォニエッタ」 を演奏。しかし、1940年、25歳のとき結核でこの世を去っております。
ヨゼフ・スークの弟子であったパヴェル・ボシュコヴェツ(1894〜1972)は、1946年から1967年までプラハ芸術アカデミーで教職に就き、イルジー・パ ウエル、ヤン・ノヴァーク、ペトル・エベンなどを育てました。ピアノ協奏曲第2番は第二次世界大戦後の1949年作曲。この協奏曲はボシュコヴェツの代表曲の一 つです。
ピアノ独奏はチェコ出身のマレク・コザークです。コザークはプラハ芸術アカデミーでイヴァン・クラスキーに師事。2018年開催のブレーメン国際ピアノ・コンクー ルで優勝し注目されました。母国の作曲家の作品を心を込めて演奏しております。 (Ki)

King International
KKC-2717(1CD)
税込定価
外山雄三自作自演集Vol.2
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番
(3)管弦楽のためのラプソディ
森下幸路(Vn)
外山雄三(指)大阪SO

録音:2018年2月22日(1)、2019年11月21日(2)、2019年8月31日(3)/ザ・シンフォニーホール(すべてライヴ)
2023年7月11日に92歳で歿した巨匠指揮者・外山雄三の追悼盤。作曲家でもある彼の自作自演集第2弾待望の登場となります。
メインは2篇のヴァイオリン協奏曲。2018年2月と19年11月にザ・シンフォニーホールで行われたコンサートのライヴで、独奏は大阪SO首席ソロ コンサートマスターの森下幸路。森下と外山は仙台フィルのコンサートマスターを務めていた1994年来の仲で、外山のヴァイオリン・ソナタの録音を作曲者が 絶賛するなど信頼厚く、2篇の協奏曲も彼をおいてほかには考えられない演奏者といえます。
ヴァイオリン協奏曲第1番は1963年尾高賞受賞作で、「ラプソディ」と同様に日本の素材が豊富に用いられ民族色に満ちています。第2番1966年作で、 2年前に作ったヴァイオリン・ソナタに基づいて生まれました。日本の伝統音楽と西洋音楽の融合と対立が興味深い内容です。どちらもディスクに恵まれておらず、 待望のリリースとなります。
外山作品としては欠かすことのできない「ラプソディ」も、しっかりフィルアップでプレゼント。「自作自演集Vol.1 (KKC-2710)」とは別音源2019年8月31日ザ・シンフォニーホールでのライヴで、大阪SOも乗りに乗った快演を聴かせてくれます。永久保存すべき外山雄三晩年の貴重な記録です。 (Ki)

Avie
AV-2650(1CD)
夢〜イザイ:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的詩曲(オーケストレーション:エリカ・ベガ/世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲ホ短調(第3楽章のオーケストレーション:グザヴィエ・ファルケス/全曲版世界初録音)
ヴァイオリンとピアノのための2つのサロンのマズルカ Op.10
ヴァイオリンとピアノのための子供の夢 Op.14
フィリップ・グラファン(Vn)、
ロイヤル・リヴァプールPO、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)、
マリサ・グプタ(P)

録音:2023年6月20日&21日、ザ・フライアリー(協奏曲)/2023年10月9日、ブリュッセル王立音楽院(デュオ)
フランスの名手フィリップ・グラファンのAvie新録音は、ベルギーの名ヴァイオリニスト、作曲家として活躍したウジェーヌ・イザイが残した2つのヴァイオリン協奏的作品を世界初録音。
グラファンは、イザイの弟子であるヨーゼフ・ギンゴルドに師事。オーストリアのフリッツ・クライスラー・コンクールで優勝後は、メニューインの指揮で初のレコーディングを行い、フランス系レパートリーにおいて特に高い評価を確立しています。2018年にはパリ国立高等音楽院とブリュッセル王立音楽院の教授を務め、2017年には、イザイが過ごしたベルギーの避暑地クノッケにて「Ysaye’sKnokke」国際音楽祭を創立、芸術監督に就任しています。
本アルバムに収められたイザイのヴァイオリン協奏曲は、最近、第1楽章が発見されたのに続き、作品を完成させるうえで必要なさらなる写本が発見されました。グラファンは、イザイ愛好家であるグザヴィエ・ファルケスとの緊密な共同作業により、ページごとに分析し、音楽のパズルのピースを丹念に再構築。その結果、イザイのトレードマークである熱意、激しさ、独創性を示す3楽章からなる協奏曲全編録音プロジェクトが成し遂げられました。もう一方の初録音となる協奏的詩曲(ポエム・コンチェルタント)も最近になって写本形式で発見され、イザイが弟子イルマ・セテに感じた情熱と愛情が込められています。この作品は、一世紀以上発見されずに残されていましたが、この世界初となる録音で見事に甦りました。グラファンは、これら初録音作品に加え、イザイが生涯に頻繁に演奏し、ヨーロッパ中で人気を博した 「2つのマズルカ」 。そして、末息子アントワーヌに捧げた 「子供の夢」 というヴァイオリンとピアノのための珠玉の3曲をカップリングしています。これまでも、多くの知られざる作品や珍しい版、初稿版、編曲版などのレア・レパートリーを開拓・録音してきたグラファンが新たなイザイ作品の魅力を見出した注目盤の登場です。

Diapason
DIAP-165(1CD)
ラロ:チェロ協奏曲/スペイン交響曲
(1)チェロ協奏曲 ニ短調

(2)「ナムーナ」組曲第1番

(3)スペイン交響曲
(1)ピエール・フルニエ(Vc)、
ジャン・マルティノン(指)、ラムルーO
録音:1960年
(2)ポール・パレ―(指)デトロイトSO
録音:1958年
(3)レオニード・コーガン(Vn)、
キリル・コンドラシン(指)フィルハーモニアO
録音:1959年
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第165巻として登場するのは、フランス人作曲家のエドゥアール・ラロによる作品集。サン=サーンスの「チェロ協奏曲第1番」に触発されて作曲されたというラロの「チェロ協奏曲」を弾くのは、ピエール・フルニエ。チェロの貴公子と称されたその美しさと格調の高さを感じさせる音色で奏でます。「ナムーナ」は元々バレエ作品として生まれたもので、初演後作曲者自身の手で編曲され組曲版が生まれました。こちらはフランスの指揮者ポール・パレーが手兵デトロイトSOを率いて収録。そして、ラロの代表作ともいえる「スペイン交響曲」では伝説のヴァイオリニスト、レオニード・コーガンとキリル・コンドラシンによる豪華な組み合わせとなっており、往年のラロ作品の名演奏をたっぷりとご堪能いただけます。

SUPRAPHON
SU-4334(1CD)
作曲家&指揮者ヴィクトル・カラビス
(1)序曲「青春」 Op.7(1950)〜大オーケストラのための
(2)協奏曲「ストラヴィンスキーへのオマージュ」 Op.3(1948)〜室内オーケストラのための
(3)チェロ協奏曲 Op.8(1951/1956)
(3)ミロスラフ・ペトラーシュ(Vc))
(1)(3)ヤナーチェクPO
(2)ヤナーチェク室内O
ヴィクトル・カラビス(指)

録音:(1)1984年1月16日、(2)1980年3月20&21日、(3)1979年2月23&24日/プラハ放送第1スタジオ
スプラフォン・レーベルが力を注いで録音を進めている20世紀チェコを代表する作曲家ヴィクトル・カラビスが、昨年(2023年)に生誕 100周年を迎えました。生誕90周年を記念してリリースした『交響曲&協奏曲集』(SU-4109)はカラビス後期の作品が中心でしたが、この度リリース当アルバ ムには1948年から1951年にかけての3つの作品を収録しており、すべてカラビス指揮による自作自演集です。
室内オーケストラための協奏曲 Op.3(1948年)はカラビス憧れの作曲家ストラヴィンスキーへのオマージュとして作曲。協奏曲の形式と楽器編成はストラヴィ ンスキーの室内オーケストラのための協奏曲「ダンバートン・オークス」を模しています。
序曲「青春」 Op.7(1950年)は、大編成のオーケストラ用に作曲した印象的な作品。暗い色彩は、共産党独裁政権が台頭していた困難な時代を反映しています。
チェロ協奏曲 Op.8(1951年)は、ドヴォルザーク、バルトーク、ヒンデミット、マルティヌーらの影響を感じさせる作品。若々しくダイナミックな力強さがカラビ ス初期の音楽を特徴づけています。これらの作品を作曲家自身による指揮で聴けるのもアニバーサリー・イヤーにふさわしいリリースと言えましょう。 (Ki)

DOREMI
DHR-8217(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第3集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
(3)ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80
(4)ショパン:夜想曲第7番嬰ハ短調 Op.27-1、夜想曲第8番 変ニ長調 Op.27-2、スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
(5)ブラームス:間奏曲 変ロ短調 Op.117-2、イ短調 Op.118-1、イ長調 Op.118-2、変ホ短調Op.118-6
(6)ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57
(7)シチェドリン:フモレスケ
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ルドルフ・ケンペ(指)ミュンヘンPO
 録音:1974年3月6日ロンドン
(2)ウリ・セガル(指)イギリス室内O
 録音:1974年3月25日ロンドン
(3)ローレンス・フォスター(指)ロイヤルPO
 録音:1971年9月2日ロンドン
(4)録音:1970年4月19日リーズ
(5)録音:1973年3月5日ロンドン
(6)ガブリエリSQ
 録音:1973年3月5日ロンドン
(7)録音:1974年12月9日ロンドン
DOREMIレーベルのラドゥ・ルプーの秘蔵ライヴ・シリーズ第3集。70年代のイギリス・ライヴを収録。聴き応えある2枚組です。

King International
KKC-116(1CD)
税込定価
菊池洋子&大阪SOのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集Vol.1
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37(第1楽章カデンツァ=ライネッケ作)
ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58(第1楽章カデンツァ=ベートーヴェン作、第3楽章カデンツァ=ブラームス作)
菊池洋子(P)
山下一史(指)大阪SO

録音:2023年9月9日/ザ・シンフォニーホール(ライヴ)
菊池洋子が2023年から3年かけてベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲のシリーズを開始しました。山下一史指揮大阪SOとの共演で毎夏2曲ずつコン サートを行い、キングインターナショナルがライヴ録音します。全 5曲のピアノ協奏曲に加え、ベートーヴェン自身がヴァイオリン協奏曲をピアノ協奏曲に直した ものまで披露予定。ご期待ください。
第1弾は2023年9月9日、ザ・シンフォニー・ホールでのライヴ。短調でベートーヴェンならではのアレグロを味わえる第 3番と穏やかで明るい第4番を 堪能できます。確かな技巧、香り立つピアニズムは菊池ならではの魅力。さらに菊池はカデンツァにも凝り、3番(第1楽章)は凄まじい効果を示しているライネッ ケ、第4番第1楽章はベートーヴェン自身、第 3楽章はブラームス作を使用しているのも興味津々。
山下一史指揮の大阪SOは、ベートーヴェンならではの緊張感と重厚な響きを繰り広げ風格満点。高揚感とフレッシュさも万全で交響的音世界を繰り広 げます。
菊池洋子は2023年3月よりウィーン国立音楽大学のアシスタント・プロフェッサーに任命され後進の指導も始め、ますます情熱的かつ優しい音楽性が深み を増しています。 (Ki)

ALBANY
TROY-1948(1CD)
「深淵の響き」〜ジェフリー・マムフォード(b.1955):作品集
(1)「フィールドの展開・・・共鳴する光の深淵に響く」〜チェロと管弦楽のための
(2)「ビカミング・・・」〜ピアノと管弦楽のための
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番「深まる春の青々とした斑点」
(1)クリスティーン・ランプレア(Vc)
カゼム・アブドラ(指)デトロイトSO
(2)ウィンストン・チョイ(P)
マイケル・レワンスキー(指)
アンサンブル・ダル・ニエンテ
(3)クリスティーン・ウー(Vn)
アレン・ティンカム(指)
シカゴ・コンポーザーズ・オーケストラ

録音:(1)2017年3月4日デトロイト、(2)2021年6月
14日シカゴ、(3)2022年8月6日シカゴ
作曲者ジェフリー・マムフォードはアフリカ系アメリカ人の作曲家で、米国内で既に数々の賞を受 賞、作品はアトランタSOを始め、多くのオーケストラ、アンサンブルによって演奏されています。 ここに収められた3つの協奏曲的な作品はいずれも激しいウェーベルン、シェーンベルクの影響を はっきりと受けた、点描的、表現主義的な様式で書かれており、聴き手を圧倒する。特にチェロと管 弦楽のための「フィールドの展開・・・共鳴する光の深淵に響く」では基本的に終始、チェロの嘆くよ うなモノローグにオーケストラが合いの手をいれたり、激しく、呼応、共鳴する力作。


Polskie Radio
PRCD-1721(7CD)
カヤ・ダンチョフスカ〜アーカイヴァル・レコーディングズ 1974-2007

【CD1】
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207*
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64*
(3)ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22*

【CD2】
(1)シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番Op.35
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.61
(2)カルウォヴィチ:ヴァイオリン協奏曲イ長調 Op.8

【CD3】
(1)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78
(2)ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2(Vn版)
(3)パヌフニク:ヴァイオリン協奏曲
(4)ウェーベルン:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7*

【CD4】
(1)シマノフスキ:前奏曲ロ短調 Op.1-1(バツェヴィチ編曲/ヴァイオリンとピアノ版)
シマノフスキ:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.9
(2)シマノフスキ:バレエ 「ハルナシェ」Op.55より 舞曲(パヴェウ・コハンスキ編曲/ヴァイオリンとピアノ版)
シマノフスキ:夜想曲とタランテッラ Op.28
シマノフスキ:アイタコ・エニアの子守歌 Op.52
(4)ショーソン:詩曲 Op.25(Vnとピアノ版)*
(5)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 「バラード」 Op.27-3*

【CD5】
(1)ヴィエニャフスキ:ポロネーズ イ長調 Op.21*
(2)ヴィエニャフスキ:伝説 Op.17*
(3)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調 Op.27-4*
(4)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番ト長調 Op.27-5
(5)ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.99*

【CD6】
(1)シューベルト:アヴェ・マリア D.839Op.52-6(ヴィルヘルミ編)
エデ・ポルディーニ(1869-1957):踊る人形(クライスラー編)
ブラームス:ワルツ 変イ長調 Op.39-15(デイヴィッド・ホクスタイン編)
(2)アレクサンデル・ザジツキ(1834-1895):マズルカ ト長調 Op.26*
(3)ラヴェル:ハバネラ形式の小品
(4)チャイコフスキー:「なつかしい土地の思い出」より メロディー変ホ長調 Op.42-3
(5)チャイコフスキー:ワルツ=スケルツォ ハ長調 Op.34*
(6)ドビュッシー:レントより遅く(レオン・ロケ編)
クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2
ドヴォルザーク:ユモレスク変ト長調 Op.101-7
フィビフ:詩曲 Op.41
(7)ヴィエニャフスキ:2つの性格的マズルカ Op.19*
(8)グルック:歌劇 「オルフェオとエウリディーチェ」第2幕より メロディー(クライスラー編)
(9)グラナドス:スペイン舞曲 ホ短調 Op.37-5(クライスラー編)*
クライスラー:愛の悲しみ*
クライスラー:美しきロスマリン*
(10)バツェヴィチ:オベレク第1番*
(11)ヴィエニャフスキ:クヤヴィアク イ短調*
(12)ヴィエニャフスキ:スケルツォ=タランテッラ ト短調 Op.16*

【CD7】
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
シマノフスキ:神話 Op.30
シマノフスキ:歌劇 「ロジェ王」Op.46より ロクサナの歌(パヴェウ・コハンスキ編)
シマノフスキ:クルピェの歌 Op.58
カヤ・ダンチョフスカ(Vn)

【CD1】
(1)カロル・テウチュ(指)、ワルシャワ国立フィルハーモニー室内O
録音:1974年4月7日、北ドイツ放送(ライヴ)
(2)タデウシュ・ストルガワ(指)、ポーランド国立RSO
録音:1982年12月22日、ラジオ音楽館(カトヴィツェ)
(3)アントニ・ヴィト(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1981年2月27日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD2】
(1)カジミエシュ・コルト(指)、ワルシャワ国立PO
録音:1996年2月21日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(2)アントニ・ヴィト(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年12月22日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD3】
(1)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1987年1月12日、ポーランド放送スタジオS-2(ワルシャワ)
(2)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1987年1月13日、ポーランド放送スタジオS-2(ワルシャワ)
(3)アグニェシュカ・ドゥチマル(指)、ポーランド放送ポズナン室内O(現ポーランド放送アマデウス室内O)
録音:1984年2月24日、アダム・ミツキェヴィチ大学講堂(ポズナン)
(4)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1978年1月15日、ポーランド放送スタジオM-2(ワルシャワ)
【CD4】
(1)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2007年7月11日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
(2)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2007年7月12日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
(4)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1984年3月16日、RIAS(ベルリン)
(5)録音:1975年12月13日、南ドイツ放送スタジオ(シュトゥットガルト)
【CD5】
(1)イェジ・サルヴァロフスキ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年1月24日、クラクフ・フィルハーモニー
(2)イェジ・サルヴァロフスキ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年1月23日、クラクフ・フィルハーモニー
(3)録音:1975年12月12日、南西ドイツ放送スタジオ(バーデン=バーデン)
(4)録音:1977年1月12日、ワルシャワ
(5)タデウシュ・ストルガワ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1981年1月12日-13日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD6】
(1)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(2)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
(3)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(4)(5)ローター・ブロダック(P)
録音:1974年11月11日、RIAS(ベルリン)
(6)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(7)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1978年1月15日、ポーランド放送スタジオM-1(ワルシャワ)
(8)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(9)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2006年12月19日、ジェシュフ大学(ライヴ)
(10)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
(11)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2006年12月19日、ジェシュフ大学(ライヴ)
(12)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
【CD7】
クリスチャン・ツィメルマン(P)
録音:1980年7月、ヘルクレス・ザール(ミュンヘン)

*=初出音源
ポーランドの傑出したヴァイオリニスト、カヤ・ダンチョフスカの素晴らしき芸術を集成した豪華7枚組BOX。2014年にリリースされ、その後も何度か日本で流通しながらも、即完売・入手困難が続いていたBOXセットです。22曲の初出(ワールド・プレミア・リリース)となる貴重な放送音源から、Deutsche Grammophon、CD Accord、Wifon等からリリースされていた商業録音まで、1974年〜2007年までの多くの録音作品全体からもっとも優れたパフォーマンスの音源がアーティスト自身によって選ばれおり、モーツァルト、メンデルスゾーン、ヴィエニャフスキ、シマノフスキ、ブラームス、ショスタコーヴィチ、イザイ、フランクらの傑作からカルウォヴィチ、パヌフニク、ザジツキなどポーランドの稀少なレパートリーも収録。ツィメルマン、オレイニチャクらポーランドの名ピアニストやポーランドの主要オーケストラとの共演によって、多くのファンを虜にしたカヤ・ダンチョフスカの魅力の全貌をお届けします。
50ページのブックレット(英語、ポーランド語)には、ダンチョフスカ本人による曲目解説に加え、オイストラフ、ツィメルマン、ペンデレツキ、シェリングら偉大なアーティストたちとの写真も掲載。
カヤ・ダンチョフスカは1949年クラクフ生まれ。1967年ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール(ポズナン)第3位、1969年アルベルト・クルチ国際ヴァイオリン・コンクール(ナポリ)第2位、1970年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位、1975年ARDミュンヘン国際音楽コンクール第3位、1976年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)第6位などの多くの国際コンクールで上位入賞。日本を含む各国の国際コンクールで審査員を務めるほか、クラクフ音楽アカデミーのヴァイオリン教授としても活躍しています。

Chandos
CHSA-5340(1SACD)
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 K053(1931)*/ロシア風スケルツォ K070(1945)/組曲第1番 K045(1925)/組曲第2番K038(1921)/ミューズを率いるアポロ K048(1927-28, revised1947)
ジェームズ・エーネス(Vn)*、アンドルー・デイヴィス(指)、BBCフィルハーモニック

録音:2023年2月9日&13日、メディア・シティUK(サルフォード)
驚異的な超絶技巧と澄み渡る抒情性で世界に名を馳せ、グラミー賞、グラモフォン賞、ジュノー賞などの栄誉ある音楽賞を多数受賞してきたカナダの天才ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス。現在はソロ・アルバムやエーネス・クヮルテットの録音をONYX-(オニックス)からリリースしていますが、Chandos(シャンドス)でも協奏曲を中心にバルトーク、プロコフィエフ、ウォルトン、チャイコフスキー、ベルリオーズ、ヤナーチェク、ドヴォルザークなど多くの名盤でN.ヤルヴィ、A.デイヴィス、ガードナー、ノセダらと共演してきました。
今回のアルバムではストラヴィンスキーがアメリカのヴァイオリニスト、サミュエル・ドゥシュキンの依頼によって作曲したヴァイオリン協奏曲を熱演!バッハの影響も受けているこの作品を、持ち前の超絶技巧を活かして圧倒的な演奏で聴かせています。その他にもアンドルー・デイヴィスの指揮で「組曲第1番」などのフランス時代の作品など管弦楽作品も収録されています。

APR
APRCD-5639(1CD)
エリー・ナイ:プレイズ・ブラームス・アンド・シューベルト

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
(2)シューベルト:さすらい人幻想曲 D760
(3)シューベルト(エリー・ナイ編):「シューベルトの舞曲」より、
ドイツ舞曲 D783-1、ドイツ舞曲 D783-7、ドイツ舞曲 D783-10、グラーツのワルツ D924-6、感傷的なワルツ D779-13、ドイツ舞曲 D790-3、ワルツ D365-29、レントラー D734-14、ワルツ D365-36、ワルツ D365-33
エリー・ナイ(P) 

(1)マックス・フィードラー(指)、
アロイス・メリヒャル(指)*、BPO
録音:1939年6月1日-2日&5日&1940年4月29日*

(2)録音:1942年5月21日

(3)録音:1942年5月21日
伝説的なドイツの女流ピアニスト、エリー・ナイによるブラームスとシューベルトのカップリング!エリー・ナイと言えば、戦時中ナチスに協力したことでその復権まで時間がかかりましたが、現在では疑いようのない名ピアニストとして知られています。特にオーストリア、ドイツ圏の作品を弾かせると当時右に出るものがいないほど、稀有な存在であったといっても過言ではないでしょう。
ここに収められているブラームスは、女性として初めて同曲を録音した記念碑的演奏で、ベルリン・フィルと共演を果たしています。なお、指揮者はブラームスのスペシャリストであるマックス・フィードラーがクレジットされていますが、彼の急死後アロイス・メリヒャルの指揮によって完成されているということです。また、シューベルトは「さすらい人幻想曲」の他に、今回初CD化となる非常に貴重なエリー・ナイ本人編曲による「舞曲集」が収録されています。

Musikmuseum
MMCD-13037(1CD)
表彰台に立つ若きソリストたち〜北チロルと南チロルの現代音楽作品集
マルティン・パチャイダー(b.1973):トランペットと管弦楽のための協奏曲(P無し)
ミヒャエル・F.P.フーバー(b.1971): パーカッションと室内オーケストラのための小協奏曲 Op.56
ハンネス・ケルシュバウマー(b.1981):バセットホルンと室内オーケストラのための 「メラノキシロン」
フェリックス・レッシュ(b.1957):弦楽、パーカッションと独奏ツィターのための 「ラッジ」
マルティン・オアヴァルダー(b.1972):ゴー・ブロウ!4本のトランペットと室内オーケストラのための協奏曲
パトリック・ホーファー(Tp)、
ユリアン・グルーバー(パーカッション)、
ルカ・モランドゥッツォ(バセットホルン)、
アンドレアス・ヴェルクマイスター(ツィター)、
ガブリエル・グリッチュ(Tp)、
クレメンス・ネウ(Tp)、
ユリアン・リッチュ(Tp)、
マルクス・シュタイクスナー(Tp)、
チロル室内O、
ゲルハルト・ザマー(指)

録音:2012年-2015年
チロルの若き優れた才能がチロルの作曲家の作品を演奏する好企画。本アルバムでは、チロル室内Oと若き音楽家たちとの共演、そして、チロルの作曲家シーンを促進するための集中的な努力を記録し、チロルの新しい音楽シーンの多様性を証明しています。カラヤン・アカデミーでガボール・タルケヴィ(元BPO首席トランペット奏者)に師事し、現在はベルリンRSOで活躍するトランペット奏者、パトリック・ホーファーの妙技にも注目です。
Musikmuseum
MMCD-13035(1CD)
アル・カプリッチョ〜ヤン・ツァハ:協奏曲&シンフォニア集
序曲ト短調/ハープシコード協奏曲ハ長調/フルート協奏曲ト長調/「主イエス・キリストの受難」 へのイントロドゥツィオーネ ホ長調/フルート協奏曲ニ長調/ハープシコード協奏曲ヘ長調/シンフォニア ト長調
ミュンヘン・バロックゾリステン、
ドロテア・ゼール(指)

録音:2016年
フルート奏者ドロテア・ゼールが率いるミュンヘン・バロックゾリステン。本アルバムでは、マインツで宮廷指揮者を務め、晩年の17年間は定職を持たずにドイツ、オーストリア、イタリアを旅したボヘミア人ヤン・ツァハの極めて特異な音楽世界を掘り下げています。プログラムには、フルートとチェンバロの協奏曲、チロルのシュタムス修道院に保存されているシンフォニア、壮大な序奏曲などが含まれています。18世紀音楽の華麗で魅惑的な解釈を聴衆に見事に伝えています。
Musikmuseum
MMCD-13048(1CD)
表彰台に立つ若きソリストたち Vol.2
マヌ・デラゴ(b.1984):Of Puppeteers and Marionettes(ジャズ・カルテットとオーケストラのための)
ヨハンナ・ドーデラー(b.1969):アコーディオン協奏曲「大洋」
エリック・イウェイゼン(b.1954):Visions of Light(トロンボーンと室内オーケストラのための)
マルティン・ライナー(b.1987):ハンガリー風変奏曲「Blickwinkel」(フルート、クラリネット、サクソフォンと室内オーケストラのための)
アンドレア・オベルパーライター(b.1979):Egallopade(室内オーケストラのための)
チロル室内O、
ゲルハルト・ザマー(指)、
HI5・ミニマル・ジャズ・チェンバー・ミュージック、
二コラ・ジョリチ(アコーディオン)、
ペーター・シュタイナー(Tb)、
サラ・ブブレグ(Fl)、
マルトン・ブブレグ(Sax)、
ベンセ・ブブレグ(Cl)

録音:2015年-2018年
チロル室内Oとソリストたちによる現代音楽集。10代〜20代の非常に若い世代を中心としたソリスト陣によるフレッシュな演奏をお楽しみいただけます。ウィーン・フィルの奏者やコロラドSOの首席奏者も務めた南チロル(イタリア)出身の名トロンボーン奏者、ペーター・シュタイナーの参加も注目です。
Musikmuseum
MMCD-13047(1CD)
ミヒャエル・F.P.フーバー:ピアノ協奏曲/交響曲第4番
ピアノ協奏曲 Op.61(ミヒャエル・ショッホに捧ぐ)*
交響曲第4番 Op.64**
ミヒャエル・ショッホ(P)*、
マリア・ラドゥルナー(S)**、
カールハインツ・ジースル(指)、
聖ブラシウス・アカデミーO

録音:2016年&2017年、インスブルック
1971年チロル出身の作曲家、ミヒャエル・F.P.フーバーのピアノ協奏曲と交響曲。フーバーはチロル州の州都インスブルックに生まれ、インスブルックの音楽高校でピアノ、ヴァイオリン、トロンボーンを学び、作曲の個人レッスンも受けながら、インスブルック大学で音楽楽と教育学を、ウィーン音楽舞台芸術大学で作曲と音楽理論を学びました。ウィーンSO図書館やピアノと作曲の個人教師として働いた後、チロル音楽学校でも教え、ピアノ、音楽理論、室内楽の講師や伴奏者、演奏家として活動しています。
2011年ARDミュンヘン国際音楽コンクールで40年ぶりとなるオルガン部門第1位を受賞し、2015年からはチロル州立音楽院でオルガンの教授を務めるミヒャエル・ショッホに捧げられたピアノ協奏曲は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を髣髴とさせるフレーズから始まり、モーツァルト、ベートーヴェン、ラヴェルなどのコンチェルトの旋律が顔を見せるユニークな作品です。

Obsession
SMHQ-003(1CD)
HQCD
完全限定生産
ヴィヴァルディ:リュート協奏曲&ソナタ集
リュート協奏曲ニ長調 RV93
ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調 RV540
トリオ・ソナタ ト短調 RV85
トリオ・ソナタ ハ長調 RV82
ダーニエル・ベンケー(Lute)、ラースロー・バールソニ(ヴィオラ・ダモーレ)、ジュジャ・ペルティシュ(ハープシコード)、マリア・フランク(Vc)、ヤーノシュ・ロッラ(Vn)、ブダペスト・フランツ・リスト室内O
フリジェシュ・シャーンドル(指)

録音:1978年/ADD
バクファルク・コンソートの設立者であり、ハンガリー国内におけるルネサンス、バロック時代のリュート作品の普及に重要な役割を果たしたリュート&ギター奏者、ダーニエル・ベンケー(1947-2019)がHungarotonレーベルに遺したヴィヴァルディの作品集がHQCD仕様で復刻。ベンケーのリュート録音は現在入手可能なものがほとんど無く大変貴重なリリースとなります。

※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

ALPHA
ALPHA-1039(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456
ピアノ協奏曲 第21番ハ長調 K.467(カデンツァ…ディヌ・リパッティ)
ジョナタン・フルネル(P/ベーゼンドルファー)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2023年2月22-24日アンジェラ・フェルストル・ザール、オルケスターハウス、ザルツブルク
若手から中堅までの注目ソリストが登場するモーツァルトの協奏曲シリーズ第8弾に、2021年エリザベート王妃コンクールの覇者ジョナタン・ フルネルが登場。2021年にALPHAから発売されたブラームスはコンクール直前のセッション録音だったということもあり、彼にとって待望の新 録音でもあります。曲は、そのエリザベート王妃コンクールのセミ・ファイナルでも素晴らしい演奏を披露した第18番と、人気曲第21番という 絶好の組み合わせ。CPOでのリース交響曲全集など古典派や初期ロマン派の解釈に秀でたハワード・グリフィス率いるモーツァルテウム管弦 楽団と共に、隅々までよく歌いつつたいへん伸びやかなモーツァルトを聴かせおり、持ち前の高い表現力を存分に発揮しています。第21番で リパッティのカデンツァを弾いているのも嬉しいところ。

Linn
CKD742(1CD)
イタリア組曲 〜ヴィヴァルディ、ソッリマ、ストラヴィンスキー
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 「ムガール大帝」 RV208
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962-):ヴァイオリン、弦楽、リュートと打楽器のための協奏曲 「テュケー(運命の神)」 *
ストラヴィンスキー(1882?1971):イタリア組曲(アンドレアス・フレックによる弦楽合奏、チェンバロ、ヴァイオリンのための編曲版)
ヨニアン・イリアス・カデシャ(Vn)
チャーツ・チェンバー・アーティスツ

録音:2022年12月8-11日 ボスヴィル旧教会、スイス
アテネ出身のヴァイオリンの名手ヨニアン・イリアス・カデシャ、LINNへの第2弾は様々な時代の協奏的作品集で、イタリアへのオマージュが テーマとなっています。オケとソロとの一体感が高く勢いのあるヴィヴァルディに始まり、カデシャの委嘱によって書かれたソッリマの作品では超絶 技巧を絡めた聴かせどころが随所に。イタリア組曲はチャーツ・チェンバー・アーティスツのチェリスト兼マネージャーであるアンドレアス・フレックの 編曲により、原曲の「プルチネッラ」に近い風合いで楽しむことが出来ます。
Linn
CKD-736(1CD)
トランペットによるヘンデル 〜協奏曲とアリアによるトランペットのための再構成
ヘンデル/ジョナサン・フリーマン=アットウッド、ティモシー・ジョーンズ編曲:アリア「帰ってきて、私の愛しい大切な宝物」 〜歌劇「ロデリンダ」 HWV19
ソナタ 第1番ヘ長調 - 合奏協奏曲 ヘ長調 Op. 3-4HWV315による
アリア「Nel passar da un laccio all’altro 罠から罠へ」〜歌劇「アルゴスのジョーヴェ」 HWV A14
前奏曲、アルマンドとフーガ - クラヴサン組曲第1巻第3番 ニ短調 HWV428による
ソナタ 第3番変ホ長調 - オルガン協奏曲 第13番 ヘ長調「カッコーとナイチンゲール」 HWV295 による
アリア「あなたがどこを歩くとも」 〜オラトリオ『セメレ』 HWV58
アリア「愛らしさ、媚び、そして快活さ」 〜歌劇「アリオダンテ」 HWV33
二重唱「私の愛があなたの罪であるならば」〜歌劇「エジプト王妃ベレニーチェ」 HWV38
ソナタ 第2番ヘ短調 - 合奏協奏曲 イ短調 Op. 6-4HWV322による
アリア「あなたと一緒に、私は荒野を歩くだろう」 〜オラトリオ『ソロモン』 HMV67
二重唱「なにかしら、まだわからない」 〜歌劇「アレッサンドロ」 HWV21
ソナタ 第4番イ長調 - 二重協奏曲 HMV332 による
二重唱「汝、栄光に満ちた全能の息子よ」〜オラトリオ『テオドーラ』 HWV68より
アリア「なんてすてきな喜び」 〜歌劇「アグリッピーナ」 HWV6
ジョナサン・フリーマン=アットウッド(Tp)
アンナ・シャウツカ(P)
トム・フリーマン=アットウッド(Tp)

録音:2022年10月、2023年2月 英国王立音楽院、ロンドン
ヴァイオリンのレイチェル・ポッジャーなどを手掛けた名音楽プロデューサーであり、2008年から英国王立 音楽院の学長も務めるトランペット奏者フリーマン=アットウッドによる、トランペットとピアノのためのレパー トリー集。今回は自身とティモシー・ジョーンズの編曲によるヘンデルの作品集。中でも協奏曲から編曲 された4つのソナタに注目です。ヘンデルの輝かしい作品をトランペットの音色が引き立てる魅力的なアレ ンジとなっています。

CD ACCORD
ACD-329(1CD)
NX-C09
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番-第3番
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
※カデンツァは全てロベルト・クヴィアトコフスキ作
ロベルト・クヴィアトコフスキ(Vn/指揮)
ポーランド・バルトPO

録音:2023年8月
ポーランド・バルト・フィルのコンサートマスターを務める他、各地のオーケストラと共演、高く評価されているヴァイオリ ニスト、ロベルト・クヴィアトコウスキが演奏するモーツァルトの3曲のヴァイオリン協奏曲。長年、これらを演奏してき たというクヴィアトコウスキは、熟考の末、自ら書いたカデンツァを演奏しています。 これまでモーツァルトの協奏曲を演奏する際、既存のカデンツァは「過度にロマンティックで手強い技術的問題が満 載されているうえ、その表現が重すぎる」と感じていたというクヴィアトコウスキが熟考の上に書き上げたカデンツァは 「主旋律から始めるのではなく、比較的簡潔で、その時代に用いられていたボウイングや旋律、リズムに基づいてい る」というものです。 彼自身が指揮し、のびのびと演奏するモーツァルトをぜひお楽しみください。

ORFEO
C-220021(1CD)
NX-C03
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲/二重協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.15
二重協奏曲 ロ短調− ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のための(1932)(C.マシューズによる完成版)
バイバ・スクリデ(Vn)
イヴァン・ヴクチェヴィチ(Va)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2021年10月9-10日、2022年5月23日
ラトヴィア出身のヴァイオリニスト、バイバ・スクリデと名指揮者マリン・オルソップが共演。 曲目はブリテンの「ヴァイオリン協奏曲」と、あまり演奏されることのない「二重協奏曲」という興味深いものです。 ヴァイオリン協奏曲は1939年、ブリテン25歳の作品。高度な技巧が要求される、激しく創意に富んだ第2楽章を、内省的な第1楽章とパッサカリア形式に よる荘重な第3楽章で挟んだ構成となっており、第二次世界大戦の開戦による不安な心情と反戦意思が反映された曲と言われています。ブリテンは1950 年に作品をハイフェッツが演奏することをきっかけに、最終楽章のヴァイオリン・パートを書き直すなどの改訂を行い、その後も小さな改訂を加え、現在の形に 落ち着いています。 かたや二重協奏曲は、ブリテンが王立音楽大学に在学していた時期の作品。克明に書き込まれたスケッチがあるものの、なぜか総譜としては完成しておら ず、彼の生前に演奏されることもありませんでした。ブリテンの死後、コリン・マシューズがスケッチに基づいてオーケストレーションを補筆完成、1997年6月15 日にようやく初演されたという作品です。 スクリデの演奏は、どちらの曲でもブリテン作品の持つ内省的、神秘的な雰囲気を大切にしながら、技巧的な部分では鮮やかに楽器を駆使し、最後まで緊 張感をゆるめることなく一気に弾き切っています。 二重協奏曲でヴィオラを弾くのはスイス・イタリア語放送Oのソロ・ヴィオラ奏者を務めるイヴァン・ヴクチェヴィチ。スクリデと息のあった演奏を聴かせま す。

Capriccio
C-5521(1CD)
NX-B10
ヨーゼフ・ラーボア(1842-1924):左手のためのピアノ協奏曲集
小協奏曲 第1番(1915) - 左手ピアノとオーケストラのために
小協奏曲 第2番(1917) - 左手ピアノとオーケストラのために
小協奏曲 第3番(1923) - 左手ピアノとオーケストラのために
オリヴァー・トリンドル(P)
ラインラント=プファルツ州立PO
ユージン・ツィガーン(指)

録音:2023年1月9-13日
ドイツ生まれのピアニスト、オリヴァー・トリンドルとCAPRICCIOレーベルが取り組むヨーゼフ・ラーボア・プロジェクトに、待望の左手のためのピアノ協奏曲が登 場。オーストリア生まれの作曲家ラーボアは3歳の時に失明しましたが、優れた音楽の才能を発揮して教師として大成しました。その門下にはシェーンベル ク、アルマ・マーラー、パウル・ヴィトゲンシュタインらがいます。ウィーンの名家に生まれたヴィトゲンシュタインはピアニストとしての未来を嘱望されながら第1次 世界大戦でのけががもとで右手を失いますが、左手で演奏を継続することに挑み、家の資産を生かして名だたる作曲家に左手のためのピアノ協奏曲を委 嘱、多くを自ら初演しました。それらは今日この分野の大きな財産となっています。その端緒を開いたのがここに収められた作品群。それぞれKonzertstu ck 小協奏曲と題されていますが、演奏時間20分から25分の規模があります。第1番は主題と変奏、第2番と第3番は緩-急-フィナーレの3楽章構成。 いずれも後期ロマン派らしい楽想と楽器法で彩られて時にR・シュトラウスの初期作品に通じる趣きがあり、ピアノ・パートは十分に聴き映えがするよ う書かれていて、これまで録音が無かったのが不思議に思えます。左手のためのピアノ音楽の歴史に関心のある人のみならず、後期ロマン派の音楽に興味 のある人にお勧めしたい1枚です。

Solo Musica
SM-425(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*
マルガリータ・ヘーエンリーダー(P…プレイエル 1848年製)
ラ・シンティッラO
リッカルド・ミナージ(指)
ウィーン・アカデミーO*
マルティン・ハーゼルベック(指)*

録音:2022年10月4-7日、2022年11月21-22日*
※SMLP431(LP)と同内容
マルガリータ・ヘーエンリーダーによるショパンの協奏曲集。彼女の深いショパン理解から生まれたアルバムです。 長年にわたりショパンの音楽を奏でるための楽器を探していたという彼女は、1831年にショパンが語ったという「プレイエルのピアノは最上のものである」という 言葉をもとに、クリストフ・ケルンの楽器コレクションの中から、1848年頃にパリで製作されたプレイエルを、歴史的な資料を元に修復した楽器でこの録音に 臨みました。この楽器はショパンが所有していたものと構造が同じであり、オーケストラの現代のピッチ(440Hz)に対応しつつ音量のバランスも取れるような、 力強いサウンドとフランス風のエレガンスを併せ持っています。彼女はタッチにも細心の注意を払い、ショパンの弟子であるカロル・ミクリによる指使いを取り入 れています。共演は、第1番ではリッカルド・ミナージが指揮するラ・シンティッラO、第2番ではマルティン・ハーゼルベックが指揮するウィーン・アカデミー O。どちらも当時の楽器を使用、ショパンの時代の音にとことんこだわった企画です。

VOX
VOXNX-3032CD(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ポーランドの歌による幻想曲 Op.13
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.2
アビー・サイモン(P)
ハンブルクSO
ヘリベルト・バイセル(指)

録音:1972年ハンブルク(ドイツ)
1920年ニューヨーク生まれのピアニスト、アビー・サイモン(1920-2019)によるショパンのピアノと管弦楽のための作品全集。1972年に録音され、1973年 に3枚組LPとして発売された全集から3曲が新リマスターで復刻されました。残る3曲も近日発売予定となっています。 サイモンは幼いうちから音楽の才能を発揮し、カーティス音楽院でヨーゼフ・ホフマンに師事。自身を「19世紀のピアニスト」と呼び、ヴィルトゥオーゾ・ピアニス トでもあった作曲家の作品に強い親近感を持っていました。華麗な技巧を持ちながらも前面に出すことを避け、繊細な詩情を漂わせた演奏が高く評価さ れ、辛口評論家として知られたハロルド・ショーンバーグにも絶賛されました。ここに収められたのはサイモン52歳のもの。ピアノの響きは輝かしく、演奏はロマ ンティックな詩情を漂わせ、協奏曲のクライマックスでは十分な迫力も聴かせます。 指揮は日本の音楽ファンには懐かしいヘリベルト・バイセル。ケルンでギュンター・ヴァントに指揮を、フランク・マルタンに作曲を学び、ボン歌劇場のコレペティー トルを振り出しにキャリアを築き、ハンブルクSOの首席指揮者を15年にわたって務めました。ここでは格調高い響きと柔軟な「付け」を披露していま す。 優秀録音で名高いエリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。ピアノがクローズアップ気味 に録られ、オーケストラが奥行きと広がりを持って展開する録音パターンになっています。ブックレットには初出時のLPのジャケット写真と解説が転載されてい ます。

CPO
CPO-555576(1CD)
NX-B10
ウェーバー/クルーセル/ベルク:ファゴット協奏曲集
ウェーバー:ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75
クルーセル(1775-1838):ファゴット協奏曲 変ロ長調
ウェーバー:アンダンテとハンガリー風ロンド Op.35
オラヴ・ベルク(1949-):ファゴット協奏曲
ダーグ・イェンセン(ファゴツト)
カンマーアカデミー・ポツダム
ダーグ・イェンセン(指)
グレゴール・ビュール(指)

録音:2023年1月18-20日
オーケストラの低音から中音部を担当するファゴット。独特な音色を持つ楽器のための協奏曲はそれほど多くありま せん。このアルバムには3曲のファゴット協奏曲を収録。1811年、ミュンヘン宮廷楽団のファゴット奏者を務めてい たG. F. ブラントのために書かれたウェーバーの作品は、第2楽章の美しい旋律が魅力。1829年のクルーセルの 作品はファゴット奏者F. C. プロマイユのために書かれたものです。最後のオラヴ・ベルクの作品はこのアルバムのソリ スト、ダーグ・イェンセンのために書かれた曲で、ブックレットには曲に関する2人の対話(ドイツ語、英語)が掲載され ています。 ダーグ・イェンセンはノルウェー出身の奏者。名だたるオーケストラとの共演経験を持ち、とりわけ水戸室内管弦楽 団、サイトウ・キネン・オーケストラの奏者として日本でもお馴染みです。

Gramola
GRAM-99307(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番-第5番
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
※カデンツァ…ベンヤミン・シュミット
(K.216第2楽章のみダヴィッド・オイストラフ作)
ベンヤミン・シュミット(指揮・ヴァイオリン)
ムシカ・ヴィーテ室内O

録音:2022年8月31日-9月3日
ウィーンとザルツブルクで育ち、モーツァルトは最も大切な作曲家の一人という彼は、1990年にハンス・グラーフが 指揮するザルツブルク・モーツァルテウムOとともにモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番と第2番を録音、 これは評論家たちから高く評価されました。その後、モーツァルトの協奏曲を数えきれないほど演奏してたシュミット ですが、32年の歳月を経て、第3番-第5番の録音を実現させました。今回バックを務めるのはシュミットが率いる ムシカ・ヴィーテ室内O。「モーツァルト解釈の鍵は、歌うことと話すこと」と語るシュミットらしく、持前の美音 を生かしながら、オーケストラと一体となり、確固たる意志がみなぎる演奏を繰り広げています。第3番第2楽章の カデンツァを除き、他のカデンツァはシュミット自身のものです。

カメラータ
CAMP-8022(1CD)
税込定価
2024年1月25日発売
パリとハープ〜ハープ協奏曲集/シュース
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c)(カデンツァ:アンドレ・プレヴィン)*
ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ボイエルデュー:ハープ協奏曲 ハ長調[シングル・アクション・ハープ使用]
サン=サーンス:演奏会用小品 作品154
マルギット=アナ・シュース(Hp)
※シングル・アクション・ハープ使用*
カール=ハインツ・シュッツ(Fl)a
ハンスイェルク・シェレンベルガー(指)
ベルリンSO

録音:2021年9月 ほかベルリン(ドイツ)
 カラヤンやアバド指揮のベルリン・フィルとの共演をはじめ、ソリス ト・教育者としても世界で活躍するハープの第一人者、マルギット= アナ・シュースが、ハープが愛された地=パリで生まれたハープとオー ケストラのための名作を集めたアルバムをリリース。モーツァルトでは ウィーン・フィル首席のシュッツがフルートで共演しています。  なお、2024年1月21日から2月9日まで、シュースとシェレンベルガー による来日公演が、名古屋、東京、浜松、京都、岡山、兵庫で行われる 予定です。(カメラータ)

GRAND SLAM
GS-2309(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
「レオノーレ」序曲第2番*
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1961年1月23、26日、1960年7月1日*/ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
日本側の要望で実現したと言われるフランチェスカッティとワルターとの夢の共演、録音されて以来60年以上が経過していますが、今もなお定番としての地位 は揺るいでいません。当シリーズでは2012年9月にGS-2083として発売しましたが、今回、約12年ぶりにリマスターしました。全工程をプロ用の機器を使用 し、情報量は大幅に増えています。余白には「レオノーレ」序曲第2番を収録しましたが、こちらは2016年6月発売のGS-2147以来の約7年半ぶりのリマスター となります。序曲は新規のテープを使用、最善を尽くしました。(平林 直哉)

H.M.F
HMX-2904095
(3CD+1BluRay)
THE SCHUMANN TRILOGY〜協奏曲&ピアノ三重奏全曲
■CD
シューマン
[CD1]ヴァイオリン協奏曲 WoO1ニ短調
 ピアノ三重奏曲 第3番ト短調 op.110
[CD2]ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ピアノ三重奏曲 第2番ヘ長調 op.80
[CD3]チェロ協奏曲 イ短調 op.12
 ピアノ三重奏曲第1番ニ短調op.63

■Blu-Ray VIDEO〜(120:41)
シューマン:序奏、スケルツォと終曲 ホ長調 op.52
 ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ヴァイオリン協奏曲 WoO1ニ短調
 チェロ協奏曲 イ短調 op.12
イザベル・ファウスト(Vn/1704年製ストラディヴァリウス[スリーピング・ビューティー])
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/ジョフレド・カッパ[1696年])
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ/【協奏曲】1837年製エラール、
【ピアノ三重奏曲】ジャン=バティスト・シュトライヒャー(ウィーン,1847年)/いずれもエドヴィン・ボインク・コレクション)
パブロ・エラス=カサド(指)
フライブルク・バロック・オーケストラ(コンサートマスター:アンナ・カタリーナ・シュライバー)

録音:2014年5,8,9月、テルデックス・スタジオ・ベルリン/映像収録:2014年3月25日、ベルリン・フィルハーモニー
ファウスト、ケラス、メルニコフというスーパースターたちによる、シューマンの協奏曲+ピアノ三重奏曲プロジェクトがボックスで登場します!映像は再登場にあ わせてブルーレイ化、さらに単独で発売されていた時には含まれなかった管弦楽曲「序曲、スケルツォと終曲」が収録されております!
イザベル・ファウスト(Vn)、ジャン=ギアン・ケラス(Vc)、アレクサンドル・メルニコフ(P)という、いまや世界が認める存在となった三人に よる、シューマン・プロジェクトが始動します。シューマンの協奏曲3曲(P・ヴァイオリン・チェロ協奏曲)+ピアノ三重奏曲3曲のレコーディングをするという このプロジェクトは、3人が、ヨーロッパでシューマンのピアノ三重奏曲を演奏するツアーを行った際に持ち上がったといいます。楽器は、ガット弦の弓を張った弦 楽器、そしてフォルテピアノで、ということになり、オーケストラもソロ楽器に合った編成のフライブルク・バロック・オーケストラに決定。指揮はパブロ・エラス=カ サド。オケとソロ楽器の素晴らしいバランス、自然なアーティキュレーションで作品に対する既成概念を払拭するような、まさにこの顔ぶれでしか為し得ない水準で の、新しいシューマン像が完成しました。
各独奏者に特化してリリースされていたHMC902196, 902197,902198およびKKC5477,5618,5617は廃盤となります。

Hanssler
HC-23057(1CD)
ドヴォルザーク:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53
ロマンス ヘ短調 Op.11〜ヴァイオリンとオーケストラのための
マズルカ ホ短調 Op.49〜ヴァイオリンとオーケストラのための
ミハイル・ポチェキン(Vn)
スロヴァキアPO、
ダニエル・ライスキン(指)

録音:2023年5月2〜5日/ブラチスラバ(スロヴァキア)
ミハイル・ポチェキンがドヴォルザークのヴァイオリンと管弦楽のための作品を録音。共演は2023年7月の来日公演も話題となったダニエル・ライスキン率い るスロヴァキアPOです。ポチェキンは2009年にリトアニア、ヴィリニュスのヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞。 以後ロシア・ナショナルOをはじめとする名だたるオーケストラとの共演を誇り、ヴァイオリニストの兄イヴァンとともに、多くの録音でも知られます。
チェロ協奏曲の影に隠れてしまいがちなドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲ですが、豊かな旋律と技巧的な独奏が実に魅力的な作品です。カップリングには「ロ マンス」と「マズルカ」を収録。とても切ない旋律が印象的な「ロマンス」は弦楽四重奏曲第5番 ヘ短調より編曲された、非常にドラマティックな作品。一方「マズ ルカ」は名ヴァイオリニスト、サラサーテに献呈された作品。ともにオリジナルのヴァイオリン独奏とオーケストラ版で演奏されているのが嬉しい限りです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72983(1CD)
ハイドン兄弟の協奏曲集
(1)ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ト長調 Hob.VIIIa/4
(2)M・ハイドン:ヴィオラとチェンバロのための協奏曲 ハ長調 P55, MH41

※カデンツァ作:寺神戸亮
寺神戸亮((1)Vn、(2)Va)
天野乃里子(Cemb、指)
「バロックの真珠たち」室内合奏団【[山縣さゆり(Vn)、迫間 野百合(Vn)、森田芳子(Va)、ルシア・スヴァルツ(Vc)、ロベルト・フラネンベルク(Cb)】

録音:2022年9月19-21日ハールレム、ドープスゲジンデ教会
ハイドン兄弟の協奏曲集。2曲ともあまり録音されませんが珠玉の名品です。オランダで活動する天野乃里子が設立した古楽アンサンブル「バロックの真珠た ち」による演奏で、寺神戸亮も参加。柔らかな抑揚をもつ演奏が特徴的で、古楽器のすっきりとした響きと音楽のあたたかさが融合した、新たな次元のピリオ ド演奏を提示。教会の残響を絶妙にとり入れた録音もすばらしく、贅沢なほどに心地よい響きに包まれます。
兄ヨーゼフの『ヴァイオリン協奏曲第4番(1769)』は現存する最後のヴァイオリン協奏曲。エステルハージの宮廷楽団コンサートマスター、ルイジ・トマジー ニのために書かれたとされています。シンプルにして含蓄あるハイドンならではの磨きぬかれた音楽。急ぐことなくあたたかな音色でしなやかに弾きすすむ寺神 戸の独奏が曲の魅力を十二分に伝えてくれます。通奏低音チェンバロが美しく溶け込む全体の音響バランスもすばらしいです。
弟ミヒャエルの『ヴィオラとチェンバロ(オルガンでも可)のための二重協奏曲(1762)』は、その編成からしてとても珍しいもの。ヴィオラ特有の音域と 音色がチェンバロとじつに好ましく絡みあい、楽器の選び方からして一本取れられたという感じの秘曲です。各楽器の持ち味を生かした書法が耳をおおいに愉し ませ、終楽章では天野がきらびやかな独奏を披露。落ち着き払ってたっぷりと歌われる緩徐楽章の合奏体としての美しさも絶品です。 (Ki)

EDITION ABSEITS
EDA-48(1CD)
エコール・ド・パリ
イベール:チェロと木管のための協奏曲(1925)
マルセル・ミハロヴィチ:ピアノ、木管、チェレスタと打楽器のための2部のエチュード (1951)
アンタイル:室内オーケストラのための協奏曲(1932)
シモン・ラクス:ピアノ、木管と打楽器のための室内協奏曲(1963)
アデ ル・ビッター(Vc)
ホルガー・グロショップ(P)
ヨハネス・ズール(指)
ベルリン・ドイツSOのメンバー

録音:2021年4月3日/ベルリン放送
美術史における「エコール・ド・パリ」、すなわち20世紀の最初の数十年間にパリで活動した非フランス系(多くは東欧系やユダヤ系)の芸術家たちは、その後 の芸術に大きな影響を及ぼします。これに対し音楽の分野では似た事象が見受けられるものの、「エコール・ド・パリ」と結びつけてこの時代を認識するというこ とはあまりありません。この録音は1920年代のパリに集まった人々の膨大な様式的多様性と、1939年から1945年までの「断絶」を超えた影響力を背景に、 より明確に「エコール・ド・パリ」という言葉を音楽史に刻み付けるものです。
パリ生まれのイベールと、パリに移り住んだ3人の作曲家ミハロヴィチ(ルーマニア)、アンタイル(アメリカ)、シモン・ラスク(ポーランド)の作品を収録。どれ も木管楽器が活躍する協奏的な楽曲で色彩豊か、かつ陰影の深い複雑な表情も。単にフランス風と言うだけでは表しきれない、アヴァンギャルドな響きが滅法おも しろいプログラム。
ミハロヴィチはモニク・アースの夫としても知られています。『エチュード』も彼女が演奏に参加したのでしょう。前衛的でメカニックなパッセージが各楽器に受け 継がれていくカッコイイ作品です。知らぬは惜しい1曲。 (Ki)

Goodies
78CDR-3926(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482 エトヴィン・フィッシャー(P)
ジョン・バルビローリ(指)管弦楽団

英HIS MASTER'S VOICE DB2681/4
1935年6月6日ロンドン、アビー・ロード EMI第1スタジオ録音
エトヴィン・フィッシャー(1886-1960)はスイス生まれのピアニスト、指揮者、 教育者。ベルリンでリストの最後の弟子だったマルティン・クラウゼ(1853- 1918)に師事し、1933年にEMIのアーティストになりバッハの「平均律クラ ヴィーア曲集」全曲(78CDR-1142/6)の世界初録音を行った。ジョン・バルビロ ーリ(1899-1970)はロンドン生まれ。最初チェロ奏者(78CDR-3443 バッハ:チェロ・ソナタBWV.1027、1929年録音)として音楽活動を始め、1925年室内管 弦楽団を組織して指揮者にに転向。1936年ニューヨーク・フィルハーモニーの 首席指揮者になり1943年までつとめた。1943年からイギリスのハレOの 音楽監督を1958年までつとめ、その後ヒューストンSOの常任指揮者(1961 -1967)もつとめた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3927(1CDR)
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 作品33 ピエール・フルニエ(Vc)
ワルター・ジュスキン(指)
フィルハーモニアO

英 HIS MASTER'S VOICE DB6602/03
1947年9月29&30日ロンドン、アビーロード EMI第1スタジオ録音
ピエール・フルニエ(1906-1986)はパリ生まれ。最初ピアノを学んだが6歳の時 小児麻痺による右足障害のためにチェロに転向した。1923年パリ音楽院一等賞 を得て楽壇にデビュー、ヴァイオリンのガブリエル・ブイヨン、ピアノのヴラ ド・ペルルミュテールとのトリオで注目された。1937年エコール・ノルマル教 授、1941年から49年までパリ音楽院教授をつとめた。1942年ヴァイオリンのシ ゲティ、ピアノのシュナーベルとのピアノ・トリオ、ヴィオラのプリムローズ を加えての四重奏で活躍、さらに1945年にはヴァイオリンのティボー、ピアノ のコルトーと演奏活動をした。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1980) はプラハ生まれ。1934年にプラハのドイツ歌劇場でセルのアシスタントとして 活躍、1938年にナチスの迫害をのがれてイギリスに移住。以降スコットランド O、メルボルンSO、トロントSO、セントルイスSO、 シンシナティSOの指揮者を歴任した。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3928(1CDR)
R.シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調(1945-6) レオン・グーセンス(Ob)
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

英 COLUMBIA DX1444/6
1947年9月15&23日ロンドン、アビー・ロード EMI第1スタジオ録音
レオン・グーセンス(1897-1988)は20世紀前半を代表するイギリスの優れたオー ボエ奏者。指揮者のアルチェオ・ガリエラ(1910-1996)はミラノ生まれのイオタ リアの指揮者。パルマ音楽院の教授だった父親から音楽の手ほどきを受けた後、 生地のミラノ音楽院でピアノ、オルガン、作曲を学んだ。1932年から母校で教 鞭をとっていたが、1941年に指揮者に転向し、ローマ聖チェチーリア音楽院管 弦楽団を指揮してデビューした。第二次世界大戦中にスイスに亡命し、1945年 にルツェルン音楽祭に出演した。以降レコード録音を含め活躍した。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル〔ゼロSP 78rpm〕(3mil 針)とコルグの [DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)


Hanssler
HC-23065(1CD)
グレーテ・フォン・ツィーリッツ作品集
(1)日本の歌(1919)(全10曲)
(2)死のヴァイオリン(死の舞踏)(1953/7)〜ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための
(3)2本のトランペットのための二重協奏曲(1975)
ゾフィー・クルスマン(S)(1)、
ニーナ・カーモン(Vn)(2)、
オリヴァー・トリンドル(P)(2)、
イエルーン・ベルワルツ、アンドレ・ショッホ(Tp)(3)
ヤーコプ・ブレンナー(指)
シューマンPOー

録音:2023年7月12-14日/ヘムニッツ・シュターツハレ
グレーテ・フォン・ツィーリッツは1899年に生まれ2001年に歿した女性作曲家。足かけ3世紀を生きた歴史の証人です。生まれはウィーンで、1917年以 降はベルリンに住みシュレーカーに師事。1919年の歌曲集「日本の歌」で注目され、作曲家になることを決意したといわれます。彼女の作品だけによるディスク はこれまで1つしかなく、大歓迎のリリースとなります。
長い人生ゆえ作風も変化しています。「日本の歌」はエンダーリング独訳による大伴家持、和泉式部から斎藤茂吉までの和歌に基づき、濃厚な後期ロマン派的作 風が興味津々。オリジナルはピアノ伴奏ですが、ここでは1980年代に作曲者自身が室内オーケストラ用にした版を使用。音楽は特に日本的でないものの、貴重な ドイツのジャポニスム芸術と申せましょう。
ヴァイオリン、ピアノとオーケストラのための「死のヴァイオリン」も、もとはヴァイオリンとピアノのための作品を後年編曲したもの。父が重病で死に瀕していた 際、山歩きしていた彼女が、木の上で死神がヴァイオリンを弾く幻覚にとらわれ、そのメロディを用いたとのこと。バレエとしてのシナリオも執筆したとされます。
「2本のトランペットのための二重協奏曲」はジャズ・トランペット奏者フリードリヒ・ケルナーと、当時ツィーリッツが注目していたキャロル ドーン ラインハルト のために作曲。カリオカ、チャチャチャなどラテン・アメリカのリズムやロックンロールの要素も採り入れた楽しい作品で、ツィーリッツの作風の幅広さと柔軟な感性 に驚かされます。このアルバムではもと北ドイツRSO首席イエルーン・ベルワルツとBPOの奏者でつい先頃2023年11 月の来日公演で妙技を披露したアンドレ・ショッホがキレッキレの演奏を繰り広げます。 (Ki)

BIS
BISSA-2657(1SACD)
ストラヴィンスキー、マルティヌー、バルトーク
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
バルトーク:狂詩曲第1番BB94b
 狂詩曲第2番BB96b
マルティヌー:ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲 H276a(第2稿版)
 瞑想曲〜ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲 H276(初稿版)より第2楽章
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn/ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」(1711年製))
バンベルクSO、
ヤクブ・フルシャ(指)

録音:(4)2021年6月30日〜7月1日、(2)(3)(5)2021年12月20〜22日、(1)2022年9月28&29日コンツェルトハレ・バンベルク(ヨーゼフ・カイルベルト・ザール)
1965年ドイツ、デュイスブルク生まれの正統派ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマン。BISレーベルより積極的な 録音が続いておりますが、当アルバムではヤクブ・フルシャ率いるバンベルクSOとの共演でストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲、バルトークの2つの 狂詩曲、マルティヌーの協奏的組曲を収録しました。これらの作品を書いたときにはそれぞれ国際的な地位を確立していたこの3人の作曲家は、政治的混乱と 文化的変遷期においても東欧のアイデンティティを捨てずに西側で活躍。ストラヴィンスキーは協奏曲で近代的なヴァイオリン技法の可能性を試し、マルティヌー は協奏組曲で祖国ボヘミアの響きとフランスの新古典主義の色彩を融合させ、バルトークは狂詩曲でハンガリーとルーマニアの民族音楽を取り入れました。
現代のヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストの必須レパートリーとなったストラヴィンスキーの協奏曲。ツィンマーマンは1990年にジャンルイジ・ジェルメッティ (指)シュトゥットガルトRSOと収録して以来、30年の時を経ての再録です。この作品のヴァイオリン・パートは献呈されたサミュエル・ドゥシュキン (1891〜1976)協力のもと作曲されました。超絶技巧を要し、ストラヴィンスキー独特の変拍子や、あっと驚く奏法など、ヴァイオリンの甘美さとは真逆 の世界を展開。終楽章「カプリッチョ」では連続スピッカート、フラジョレット、ピツィカートなど様々な奏法で奏でられます。ツィンマーマンの現在の充実ぶり があらわれた、同楽曲の新名盤登場です!
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、楽器にも注目。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この 楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビロードのような音色です。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でる演奏をご堪能ください。 (Ki)

DOREMI
DHR-82(2CD)
クリスチャン・フェラスLIVE 第3集

(1)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
(2)ロドリーゴ:ヴァイオリン協奏曲『夏の協奏曲』
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218
(4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 『クロイツェル』 Op.47
(5)エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ短調 Op.25
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.121
クリスチャン・フェラス(Vn)

(1)ズービン・メータ(指)フランス国立放送O
 録音:1965年5月26日パリ
(2)アタウルフォ・アルヘンタ(指)フランス国立O 
 録音:1951年4月4日パリ
(3)ピエトロ・アルジェント(指)スカルラッティO
 録音:1958年11月21日ナポリ(放送用ライヴ)
(4)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1961年5月24日パリ、シャンゼリゼ劇場
(5)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1959年9月25日エットリンゲン城
フランスの名ヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスによる貴重なライヴ録音集です。アルヘンタとのロドリーゴ、フランス・ライヴを含む協奏曲3曲と、バルビ ゼとのデュオによる『クロイツェル』他を収録。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85040(1CD)
ハイフェッツ コルンゴルト/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲 他
(1)コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(2)シンンディング:古風な様式の組曲 Op.10
(3)ブラームス:ハンガリー舞曲第7番(ヨアヒム編)
(4)チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
(5)ラヴェル:ツィガーヌ
(6)カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲第2番「予言者」 Op.66
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ロサンゼルスPO
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)

録音/初出レコード番号:
1953年1月10日 RCA Victor LM1782(1)
1953年12月9日 RCA Victor LM1832(2)
1953年12月9日 RCA Victor LSC3232(3)
1954年10月29日 RCA Victor LM2027(4)
1953年12月8日 RCA Victor LM1832(5)
1954年10月28&29日 RCA Victor LM2050(6)12
1917年にアメリカ・デビューをカーネギーホールで飾ったハイフェッツは、1925年にアメリカの市民権を取得。東海岸を拠点に活動を展開しましたが、 1940年にビヴァリー・ヒルズにスタジオ付きの住宅を建て、第2次大戦後はロサンゼルスに拠点を移します。このディスクには1953年から54年にかけ て、ウォーレンスタインの指揮するロス・フィルと行ったRCA録音を復刻しています。 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は1947年にハイフェッツが初演し、その後も繰り返し演奏しました。作曲者はこの曲について「終楽章こそ高度な技 巧が必要だが、美しい旋律や抒情的なエピソードがたくさんあるから、パガニーニよりはカルーソー向きの曲だ。カルーソーとパガニーニを兼ね備える人 物、すなわちハイフェッツに演奏してもらえるとは、なんと嬉しいことだろう」と語っています。当録音は大評判となり、作品を広める上で大きく貢献。 2008年には遂にグラミー賞の殿堂入りを果たしました(Vn協奏曲の録音としては、クライスラーのメンデルスゾーン、メニューインのエルガーに次 いで史上3番目の殿堂入り)。圧倒的なテクニックの冴えが注目されるハイフェッツですが、コルンゴルトがカルーソーにたとえたように、メロディアスな旋律 を時に朗々と時に甘美に歌いあげる歌心もたっぷりと味わえます。 カステルヌオーヴォ=テデスコのヴァイオリン協奏曲第2番は、ハイフェッツがトスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルと共に初演した作品。3つの楽章には旧 約聖書の3人の預言者の名前が充てられています。自身がヴァイオリニストだったシンディングの作品と、ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾたちにインスパイア された3曲も、ハイフェッツの緩急自在な技の冴えと歌い回しを堪能できます。

Gramola
GRAM-99308(1SACD)
NX-C01
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集/二重協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Hob.VIIa:1
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Hob.VIIa:4
ヴァイオリン、鍵盤楽器と弦楽オーケストラのための二重協奏曲 ヘ長調
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
バルバラ・モーザー(フォルテピアノ)
ミュンヘン・カンマーフィルハーモニー・ダカーポ
フランツ・ショットキー(指)

録音:2022年3月15-17日、2022年5月31日-6月1日
ザルツブルクを拠点に世界で活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー。今作で取り 組んだのはハイドンのヴァイオリン協奏曲です。ハイドンの器楽曲の多くは、どれもエステルハージ侯の宮廷楽 団のメンバーたちにソリストとして演奏する機会を与えるという目的があったと考えられています。イルンベルガー は華やかな技巧を駆使した作品をドラマティックに演奏。楽器の美音も優秀録音で余すことなく捉えられてい ます。二重協奏曲でフォルテピアノを演奏するのはオーストリア出身のバルバラ・モーザー。ウィーン・フィルとの 共演や室内楽の分野で高く評価される奏者です。

MPR
MPR-006(1CD)
ベンジャミン・エリン(1980-):トロンボーン作品集
パンドラ (トロンボーンと管弦楽のための)
ストー・スケッチ (3本のトロンボーンのための)
グレズリー(バス・トロンボーンと管弦楽のための)
ウィンドウズ (3本のトロンボーンと管弦楽のための)
ジョセフ・アレッシ(Tb)
クリスチャン・ジョーンズ(トロンボーン、バス・トロンボーン)
ブレア・シンクレア(Tb)
オペラ・ノースO
ベンジャミン・エリン(指)

録音:2022年11月22-24日 マントル・ミュージック・スタジオ、 ハワード・オペラ・センター、オペラ・ノース、リーズ、UK
英国の作曲家、指揮者ベンジャミン・エリンによるトロンボーンのための作品集。どの作品も現代的な響きですが前衛 に行きすぎることがなく、管楽器のファンには広く受け入れられるものでしょう。ニューヨーク・フィル首席のジョセフ・アレッ シの妙技が聴けるのがなんといっても魅力。共演のソリストはオペラ・ノースOのトロンボーン奏者たちで、この3 人とオーケストラの共演となる「ウィンドウズ」の華やかさは特に聴きものです。

Danacord
DACOCD-929(2CDR)
トマス・イェンセンの遺産 第19集

(1)ニールセン:フルート協奏曲 FS119CNW42
(2)ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 FS61(Op.33)
(3)ニールセン:サガの夢(Saga-Drom) FS46 CNW35(Op.39)
(4)ニールセン:愛の賛歌 FS21CNW100(Op.12)
(5)ヨハネス・フレゼリク・フレーリク(1806-1860):祝祭音楽「エーリク・メンヴェズの子供時代」
(6)ヨハン・ペーター・エミーリウス・ハートマン(1805-1900):序曲「ユルサ」 Op.78
(7)ニールセン:歌劇「仮面舞踏会」 FS39(抜粋)
(8)アイナー・ヤコブセン(1897-1970):交響曲第1番「今」
(9)スヴェン・エーリク・タープ(1908-1994):季節の変わり目 Op.46
(10)ポウル・シアベク(1888-1949):ユラン(男声合唱と管弦楽のための)
トマス・イェンセン(指)、デンマークRSO


(1)ポウル・ビアケロン(Fl)
 録音:1958年5月29日 ティボリ公園(コペンハーゲン)(ライヴ放送)
(2)アーネ・カレツキ(Vn)
 録音:1962年4月19日 (ライヴ放送)
(3)録音:1961年1月12日 (ライヴ放送)
(4)ルト・グルベク(S)、エレン・マグレーデ(Ms)、ニルス・ブリンカー(T)、ニルス・ムラー(T)、ホルガー・ヌアゴー(Bs)、ニルス・ユール・ボンド(Bs)、デンマーク放送児童cho、デンマーク放送cho
 録音:1958年5月29日 ティボリ公園(コペンハーゲン)(ライヴ放送)
(5)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(6)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(7)録音:1954年4月 スタジオ録音[Decca BR3111]
(8)録音:1960年8月13日 (ライヴ放送)
(9)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(10)録音:1961年8月18日 (ライヴ放送)
トマス・イェンセンの遺産シリーズの第19集。Disc1にはフルート奏者のポウル・ビアケロンとヴァイオリニストのアーネ・カレツキのソロによる協奏曲や、初期の傑作のひとつ、愛を壮大に歌いあげる「愛の賛歌」などニールセンの楽曲が盛り込まれ、Disc2には初期ロマンティシズムの作曲家ヨハネス・フレゼリク・フレーリクとヨハン・ペーター・エミーリウス・ハートマンから、イェンセンと同時代のアイナー・ヤコブセン、スヴェン・エーリク・タープとポウル・シアベクまで、めずらしいレパートリーのデンマークの管弦楽作品が収録されており、盛り沢山の内容となっています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Ars Produktion
ARS-38365(1SACD)
ラフマニノフ生誕150周年に捧ぐ〜ピアノ作品集
ラフマニノフ:楽興の時 Op.16
 リラの花 Op.21-5/ひなぎく Op.38-3
クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ
 前奏曲 Op.23-6
フランツ・べーア(ラフマニノフ編):W.R.のポルカ/前奏曲 Op.23-4
ピアノ協奏曲第2番Op.18
ショレナ・ツィンツァバーゼ(P)、
ヴァクタン・ジョルダニア(指)、
ロシア・フェデラル・オーケストラ

録音:2023年8月、インマヌエル教会(ヴッパータール、ドイツ)
モスクワで生まれ育ち、モスクワ音楽院を卒業後、ソリストとしての活動の幅を広げるショレナ・ツィンツァバーゼ。本アルバムでは、セルゲイ・ラフマニノフの生誕150周年と没後80周年に敬意を表し、卓越した不朽の作品を紹介しています。

Signum Classics
SIGCD-789(2CD)
アースサイクル
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Birds in the Spring
デヴィッド・ゴードン:Windigo (or Gradually then Suddenly)
ヴィヴァルディ:協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1, RV269「春」
伝承曲
(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Lark in the Morning
デヴィッド・ゴードン:The Elephant and the Moth
ヴィヴァルディ:協奏曲第2番ト短調 Op.8-2, RV315「夏」
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):Bright Phoebus
デヴィッド・ゴードン:Feeling the Chill
ヴィヴァルディ:協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3, RV293「秋」
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Robin’s Petition
デヴィッド・ゴードン:The Water’s Tears
ヴィヴァルディ:協奏曲第4番ヘ短調 Op.8-4, RV297「冬」
オーケストラ・オヴ・ザ・スワン、
デイヴィッド・ル・ページ(ディレクター、ヴァイオリン)、
デヴィッド・ゴードン(鍵盤楽器)、
ジャッキー・オーツ(ヴォーカル)

録音:2023年4月5日-7日、福音史家聖ヨハネ教会(オックスフォード、イギリス)
「タイムラプス」(SIGCD662)、「ラビリンス」(SIGCD694)とこれまでも古楽から現代音楽、ポップスを交えたジャンルレスなスタイルで幅広いリスナーに画期的な音楽を提供してきたオーケストラ・オヴ・ザ・スワン&デイヴィッド・ル・ページによる2024年の新作は、イギリスのハープシコード奏者兼ジャズ・ピアノ奏者、デヴィッド・ゴードンを迎えて行われたプロジェクト。ヴィヴァルディの《四季》を軸に、デヴィッド・ゴードンによるオリジナルの楽曲と季節のテーマに関連した伝承曲が組み合わされ、21世紀最大の関心事である私たちが自然に及ぼす影響や環境破壊について改めて考察します。


MIRARE
MIR-686(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番ニ短調 KV466
ピアノ協奏曲 第27番変ロ長調 KV595
アンヌ・ケフェレック(P)
リオ・クオクマン(指)パリ室内O

録音:2023年2月21-24日、フィルハーモニー・ド・パリ
現代を代表する名ピアニストの一人、国際的な舞台で活躍を続けるアンヌ・ケフェレックによる、モーツァルトのピアノ協奏曲の登場です。第20番では短調 での険しくも美しい表情。そして27番では、愛らしくもどこまでも気品に満ちた演奏。寸分の乱れもない、美しい真珠のような、恐るべき完璧さでととのった 粒立ちのタッチで、旋律が次々と美しく歌われてゆきます。円熟をきわめた先にある清澄の世界。クオクマン指揮のパリ室内管とのアンサンブルも、親密な対話 のよう。ケフェレック自身がライナーノートを執筆しており、そちらも注目です。
マカオO音楽監督・首席指揮者のほか、香港フィルの常任指揮者なども務めるリオ・クオクマン。2014年のスヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで 最高位を受賞。2016年まではフィラデルフィア管でネゼ=セガンの副指揮も任されていました。 (Ki)

CPO
CPO-555372(1CD)
NX-B10
フリードリヒ・フォン・フロトウ(1812-1883):ピアノ協奏曲集/序曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ短調(1830)
ピアノ協奏曲第2番イ短調(1831)
ウィリアム・シェイクスピアによる序曲「冬物語」
Fackeltanz たいまつの踊り(1853)
喜歌劇「未亡人グラパン」- 序曲
歌劇「リューベツァール」 序曲
歌劇「アレッサンドロ・ストラデッラ」 序曲
マティアス・キルシュネライト(P)
ミュンヘン放送O
ウルフ・シルマー(指)

録音:2020年3月2日-5日ミュンヘン BR第1スタジオ(ドイツ)
美しいアリア「夢のように」などを含む歌劇「マルタ」が知られるドイツの作曲家フリードリヒ・フォン・フロトウのピアノ協 奏曲の録音が登場。彼はパリでアントニーン・レイヒャから指導を受けるとともに、当時活躍していたオーベール、マ イアベーア、アレヴィと親交を深め、やがてグノー、オッフェンバックからも影響を受けました。1830年に勃発した七 月革命を避け、一時的にドイツに戻った彼は、フランスのオペラ・コミックのスタイルとドイツ伝統のジングシュピール を融合させた独自の作品を書き上げましたが、多くの批評家たちからは折衷的なスタイルは歓迎されませんでし た。しかし「アレッサンドロ・ストラデッラ」や「マルタ」が成功を収め、評価はうなぎ登りとなり、彼の作品はサンクトペ テルブルクやトリノでも上演されるなど人気を博しました。このアルバムには「アレッサンドロ・ストラデッラ」をはじめとし た序曲の他に、フロトウが18歳から19歳にかけて作曲した珍しい2曲のピアノ協奏曲を収録。当時の流行を反 映した超絶技巧を用いた魅力的な作品です。

GRAND SLAM
GS-2304(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」 クリフォード・カーゾン (P)
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)
VPO

録音:1957年6月10〜15日ゾフィエンザール(ウィーン)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
言うまでもなく、カーゾンとクナッパーツブッシュが共演した唯一のステレオ録音がこのベートーヴェンの「皇帝」でした。しかし、国内外の批評等には「クナッパー ツブッシュのしまりのない伴奏」、「ピアノが伴奏に押しまくられている」、「ミスキャスト」など、否定的な記述が意外に多く見られます。でも、本当にそうなんでしょ うか? 今回入手した2トラック、38センチのオープンリール・テープは、高貴な音色が漂うような新鮮な音質であり、改めて聴くと、まことに見事な「皇帝」のひ とつにしか思えません。総演奏時間は40分弱ですが、たとえば同じく顔合わせによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(モノラル)などを組ませることは不可 能ではありません。けれども、この「皇帝」の印象を大切にしたいため、あえて何も加えませんでした。(平林 直哉)

Naive
V-8120[NA](1CD)
オー・ソレ・ミオ
ヴィヴァルディ:2つのマンドリンのための協奏曲 ト長調 RV532
ディ・カプア(1865-1917)/マッツッキ(1878-1972)編)):オー・ソレ・ミオ
タリアフェッリ(1889-1937)/ヴァレンテ(1880-1946):受難(Passione)
カラーチェ(1863-1934):マンドリンとピアノのための協奏曲 ホ短調〔ティボー・ペリヌによるオーケストラ編曲版、世界初録音〕
パガニーニ:マンドリンとギターのための作品全曲
 ロヴェーネのためのソナタ ホ短調(マンドリンとギターのための)MS 14
 マンドリンとギターのためのソナタ ト短調 MS16
モーツァルト:カンツォネッタ〜歌劇「ドン・ジョヴァンニ」第2幕第3場
フンメル:マンドリンとオーケストラのための協奏曲 ト長調 S28(第3楽章カデンツァ:マルティノー)
ジュリアン・マルティノー(マンドリン)
フロリアン・センペイ(バリトン/4-5, 13) 
エリック・フランスリー(ギター/4-5, 13)
ヤン・ドゥボスト(コントラバス/4-5,13) 
アンナ・シヴァツァッパ(2ndマンドリン/1-3)
フィリップ・ムラトグル(ギター/9-12)
トゥールーズ・キャピトル国立O 
ウィルソン・ンー(指揮/1-3, 6-8&14-16)

録音:2022年9月1-4日
マンドリンの世界的名手、ジュリアン・マルティノーによる、ヴィヴァルディからフンメルまで、2世紀にまたがるマンドリンの名曲を集めた1枚が登場します。オー ケストラ、歌手など豪華共演陣との力のはいった内容です。
特に注目なのがカラーチェ。カラーチェは、マンドリンの歴史を語るうえで欠かせない存在。いわばマンドリンにとってのパガニーニ(といってもカラーチェはど ちらかというと奏者としてのキャリアを探求した)で、カラーチェによって、甘くチャーミングな作品ばかりになりがちだったマンドリンのレパートリーが一挙にヴィ ルトゥオーゾ的なものも可能となったのです。そのカラーチェの協奏曲第1番はカラーチェ自身はピアノとマンドリンのために作曲しました。この理由には、カラー チェ自身がオーケストラというものにそこまで近いところにいなかった、特に新曲を一緒につくりあげられるような関係がなかったことが考えられます。しかしオー ケストラと共演してもおかしくないスケールと内容を持っているため、このたびマルティノーがティボー・ペリーヌ(1979年生まれ)に依頼してオーケストラ版が 誕生、世界初録音となりました。今後のマンドリン界の大きな宝となることでしょう。ほかにもフンメルのエレガントな今協奏曲からオー・ソレ・ミオの歌まで、マン ドリンの魅力をとことん味わい尽くせる内容です!

DOREMI
DHR-8223(2CD)
クリスチャン・フェラスLIVE 第2集

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(3)ベルク:ヴァイオリン協奏曲『ある天使の思い出に』
(4)サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ Op.28
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
(5)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.526
全て、クリスチャン・フェラス(Vn)

(1)シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO
 録音:1959年3月7日ボストン
(2)オイゲン・ヨッフム(指)フランス国立放送O
 録音:1964年4月9日パリ
(3)パウル・クレツキ(指)ベルリンRSO
 録音:1956年4月23日ベルリン
(4)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1955年3月16日ハンブルク、NDR(放送用ライヴ)
(5)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1957年4月12日フランクフルト、ヘッセン放送(放送用ライヴ)
フランスの名ヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスによる貴重なライヴ録音集です。ボストン、パリ、ベルリンでの協奏曲ライヴに、盟友バルビゼとのデュオを 併録。

Da Vinci Classics
C-00793(1CD)
フィリッポ・デル・コルノ:作品集
フィリッポ・デル・コルノ(b.1970):ア・コーダ・ディ・ロンディーネ(オーケストラのための)
クラリネット協奏曲 「パッセージ」
6つのメモ(オーケストラのための)
ピアノ協奏曲 「ノット・イン・マイ・ネーム」
イ・ポメリッジ・ムジカーリO、
カルロ・ボッカドーロ(指)、
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
エマニュエレ・アルチウリ(P)

録音:2023年4月4日-6日
1970年生まれの作曲家フィリッポ・デル・コルノは、ミラノ音楽院で作曲を学びました。彼の作品はミラノ・スカラ座、サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、ルツェルン音楽祭などで演奏されています。現在は作曲活動の傍ら、ミラノ音楽院で教鞭をとっています。
イ・ポメリッジ・ムジカーリOは第二次世界大戦後まもなく1945年11月27日にデビューし、ファシズム時代に禁止された20世紀の偉大な芸術家たちの音楽の普及に大きく貢献しました。バロック、古典派、初期ロマン派の名曲に加え、近現代曲も幅広く取り上げるなど多彩なレパートリーを誇ります。このアルバムでは、ウラディーミル・アシュケナージの息子であるクラリネット奏者のディミトリ・アシュケナージや、ピアニストのエマニュエレ・アルチウリといった素晴らしいソリストを迎え、収録されました。

NovAntiqua Records
NA-87(1CD)
5つの季節
フランチェスコ・ヴェネルッチ(b.1968):オーボエ協奏曲
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」 Op.8
マリカ・ロンバルディ(Ob)、
ヴァディム・ツィジク(Vn&指揮)、
アンサンブル・レ・ヴィルトゥオーゼ

録音:2022年9月12日-14日(パリ、フランス)
ヴァイオリニストのヴァディム・チジクによって2011年に結成されたアンサンブル・レ・ヴィルトゥオーゼと、イタリアのオーボエ奏者マリカ・ロンバルディのコラボレーション。弦楽オーケストラのための伝統的なレパートリーと現代曲を結びつけることを目的に制作されたこのアルバムには、マリカ・ロンバルディのためにフランチェスコ・ヴェネルッチが作曲した、バロック音楽からジャズ、即興演奏まで様々な様式をもつオーボエ協奏曲と、ヴァディム・ツィジクのヴィルトゥオーゾ性が光るヴィヴァルディの 「四季」 が収録されています。

FONE
UHQ-190(1CD)
UHQCD
初回完全限定生産
fone 創立40周年記念
(1)ヴィヴァルディ:2つのチェロのための協奏曲ト短調 RV531より アレグロ
(2)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調 より アダージョ
(3)ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター:トマゾ・アルビノーニ氏によるオルガンのための協奏曲 ヘ長調(アルビノーニの協奏曲Op.2-4による) より アレグロ
(4)ビーバー:ソナタ第1番ニ短調「受胎告知」
(5)ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」 序曲
(6)プッチーニ:歌劇「トスカ」より テ・デウム
(7)ハロルド・アーレン/テッド・ケーラー:When The Sun Comes Out
(8)ジュール・スタイン:Time after time
(9)ファブリツィオ・デ・アンドレ/イヴァノ・フォッサーティ:Ho visto Nina volare
(10)マイケル・ジャクソン/ビル・ボットレル:Black or White
(11)ルー・リード:Perfect Day
(12)コネ・セイドゥ:Jerusalem
(1)イ・ムジチ合奏団
(2)サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)
(3)ステファノ・コンコルディア(Org)
(4)マルコ・フォルナチャーリ(Vn)、fone アンサンブル
(5)サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、チョン・ミョンフン(指)
(6)サンタ・チェチーリア国立アカデミーcho、チョン・ミョンフン(指)
(7)スコット・ハミルトン(Sax)、パオロ・ビッロ(P)、アルド・ズニーノ(ダブル・ベース)、アルフレッド・クラーマー(ドラムス)
(8)ジュリアン・オリヴァー・マッツァリエッロ(P)、エンツォ・ピエトロパオーリ(ダブル・ベース)
(9)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、フェルッチョ・スピネッティ(ダブル・ベース)
(10)ファウスト・メゾレッラ(G)
(11)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、イラリア・ファンティン(アーチリュート)
(12)ライズ&ラディカント(ヴォイス&インストゥルメンツ)
イタリアの老舗高音質レーベル、foneが2023年に創立40周年を迎え、レーベル初となるUHQCDをリリース!同レーベルが誇る豪華アーティストたちによるクラシック&ジャズの名録音集を最高峰の音質でお楽しみください。日本製の高品質UHQCDを採用しており、全世界496枚完全数量限定生産となります。
※重要:当タイトルは完全数量限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。

BMOP SOUND
BMOP-1092(1SACD)
アンソニー・ポール・デ・リティス(b.1968):作品集
(1)「中国ポップ(Zhongguo Pop)」(2021) 〜中国伝統楽器四重奏と弦楽のための
(2)琵琶協奏曲「ピン・ポン(卓球)」(2006)
(3)打楽器協奏曲「牛飼いと織姫の伝説」(2018)
(4)「梅の花」(2000)〜ピパ(中国琵琶)のための
(5)嫦娥と不老不死の薬(2022)
〜中国伝統楽器アンサンブルのための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)(2)(4)ミン・シャオフェン(琵琶[ピパ])
(1)(5)ヤジ・グオ(笛子[ディズー])
(1)ヘ・タオ(二胡[アルフー])
(1)シンイー・ヤン(古箏[グーチェン])
(3)ベイベイ・ワン(Perc)
(5)イーミン・ミャオ(笛子[ディズー])
ツジュイ・キャリー・チン(笙[シェン])
チェン・ジン・コー(揚琴[ヤンキン])
ジョウ・イー(琵琶[ピパ])
グオ・ジャオシュン(中阮[チョンルアン])
ウェイ・スン(古箏[グーチェン])

録音:2021年9月8日、2019年9月11日、2018年4月22日、2017年2月11日、2022年3月16日
アンソニー・ポール・リティスは中国系ではなく白系アメリカ人であるが、中国音楽に深い 造詣と愛を持っており、このアルバムは中国伝統楽器とオーケストラを共演させた作品が収 録されています。中国伝統音楽と西洋音楽のコラボレーションといえば中国人作曲家タン・ドゥ ン(最近あまり名前を聞かなくなってしまった)が有名だが、そのアプローチの仕方は真逆で ある。タン・ドゥンが中国伝統音楽をかなり攻撃的に西洋音楽に攻め入る形で作曲するのに 対し、リティスはアメリカ人が憧れるミステリアス・チャイナのイメージを大切にした抒情的なオ リエンタリズムの音楽に仕上げています。なんとなく坂本龍一みたいなところもあり、聴きどころ 満載。

Music&Arts
M&ACD-1308(1CD)
A.ルビンシテイン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.25
ピアノ協奏曲第2番へ町長 Op.35
6つの性格的小品 Op.50〜第3番「舟歌」,第5
番「子守歌」(レイトゥシュ編)
アンナ・シェレスト(P)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
エストニア国立SO

録音:2022年9月20,21,23日
エストニア タリン
Sorel Classics から、ピアノ協奏曲第4番,ロシア奇想曲(SCCD 013)、ピアノ協奏曲第3番,第5番(SCCD014)と発売されていた、 アンナ・シェレストとネーメ・ヤルヴィによるアント ン・ルビンシテインのピアノ協奏曲全集の完結編は、販売提携先だったMusic & Arts からの 発売。19世紀的ヴィルトゥオーソの色濃いことで人気のある第1 番も、その1年後の第2番も、シェレストの意欲的なピアノとヤルヴィ指揮の豊かなオーケストラで万全の演奏になって います。レーベルを跨いだバラ3枚とはいえ、シェレストとヤルヴィによるルビンシテインのピア ノ協奏曲全集はその決定盤というものになったでしょう。アルカディ・レイトゥシュのオーケスト ラ編の「舟歌」と「子守歌」もたいへんに素敵だ。日本ではチャイコフスキー絡みで名前ばか りが有名なアントン・ルビンシテインの芸術に改めて接するには打って付けだ。

VOX
VOXNX-3030CD(1CD)
NX-B03
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番(1890-91/1919改訂)
ピアノ協奏曲第4番(1926/1941改訂)*
パガニーニの主題による狂詩曲#
アビー・サイモン(P)
セントルイスSO
レナード・スラットキン(指)

録音:1977年9月30日、977年10月1日*、1976年8月13日#
ミズーリ州セントルイス、パウエル・ホール
ニューヨーク生まれのアピー・サイモン(1920-2019)は、3歳の時にラジオで聴いた音楽をピアノで完璧に再現できたといいます。ヨーゼフ・ホフマンに師事し、 ラフマニノフやプロコフィエフなどヴィルトゥオーゾ・ピアニストでもあった作曲家の作品に強い親近感を持っていました。超絶技巧を持ちながらもそれを前面に出 すことをせず、うつろいやすい繊細な詩情を漂わせた演奏を持ち味とした彼を、辛口評論家として知られたハロルド・ショーンバーグは「スーパーヴィルトゥオー ゾ」と絶賛しました。スラットキン&セントルイス響と共演したラフマニノフのピアノ協奏曲全集はサイモンの最良の遺産と言ってよいでしょう。 既にAudiophile Editionでリリースされている第2番&第3番(VOXNX3014CD)では旧盤に比べてピアノもオーケストラも硬さが取れ、高域は輝かしく 抜けが良く、低域は一層の重量感と歯切れよさも加わり、音場全体も立体感が増して、かなり大きな音質改善が見られました。今作でも同様の効果が期 待されます。

BRIDGE
BCD-9583(1CD)
ジャスティン・デロ・ジョイオ(b.1955):作品集
(1)ピアノ協奏曲「海を隔てて」(2022)
(2)「デュー・パー・デュー」(2011) 〜チェロとピアノのための
(3)「青と黄金の音楽」(2009)〜オルガンと金管五重奏のため
(1)ギャリック・オールソン(P)
アラン・ギルバート(指)
ボストンSO
(2)カーター・ブレイ(Vc)
クリストファー・オライリー(P)
(3)アメリカン・ブラス・クインテット

録音:(1)2023年1月12、14日、(2)2011年9
月4日、(3)2009年1月10日
ジャスティン・デロ・ジョイオはニューヨーク出身で高名な作曲家であるノーマン・デロ・ジョ イオを父に持つ。ジャスティンはパーシケッティ、ロジャー・セッションズらに作曲を師事した。 初期はルトスワフスキ、ジェイコブ・ドラッグマンの影響を受けたと本人は述べているが、ここ に収められた最近の作品はアメリカ東海岸流の手堅い書法と聴きごたえのある音のドラマ、 輝くばかりの見事な管弦楽法が聴き手を圧倒する。特にピアノ協奏曲「海を隔てて」はギャリ ック・オールソンのピアノ・ソロと巨匠アラン・ギルバートの見事な棒さばきの甲斐もあって大 いに聴きもの。現代音楽の主要な書法をとりつつ、その中にもロマンの香りが漂っており、21 世紀のピアノ協奏曲の代表作のひとつと言っても過言ではない秀作。最後に収められた金 管五重奏曲「青と黄金の音楽」はオルガンと金管五重奏のために書かれたもので教会のス テンドグラスを思わせる美しい作品。特にブラス関係者は必聴。

Goodies
78CDR-3923(1CDR)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006より
ガヴォットとロンド
ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテッ(指)BPO

日TELEFUNKEN23653/6(独TELEFUNKEN2395/8 と同一録音)
1937年12月20日ベルリン、ジングアカデミー録音
協奏曲は作曲者シューマンが死の3年前に名ヴァイオリン奏者ヨーゼフ・ヨアヒ ム(1831-1907)の依頼で作曲したが、ヨアヒムは楽譜を封印し演奏しなかった。 1937年にベルリン図書館のヨアヒムの蔵書から発見され、ナチス宣伝省の主導 で録音された。ヴァイオリンのクーレンカンプ(1898-1948)はドイツのブレーメ ン生まれ。第二次世界大戦中ソリストとして活躍する傍ら、ベルリン高等音楽 院教授を1943年までつとめた。指揮者のハンス・シュミット=イッセルシュテッ ト(1900-1973)は大戦中も非ナチス党員を保ち、戦後に北ドイツRSOの 創立に尽力した。(グッディーズ)


Treasures
TRE-313(1CDR)
ケンプ〜シューマン&リスト:ピアノ協奏曲集
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54*
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
 ピアノ協奏曲第2番イ長調
ウィルヘルム・ケンプ(P)
ヨーゼフ・クリップス(指)LSO*
アナトゥール・フィストラーリ(指)LSO

録音:1953年5月26-27日*、1964年6月2&4日(全てモノラル)
※音源:英DECCA LW-5337*、独DECCA MD-1043
◎収録時間:73:03
“芸術的表現に無関係なものを排斥するケンプのピアニズムを象徴!”
■音源について
シューマンは英国の10ンインチ盤、リストはドイツ盤LP(黒金ラベル)を採用。

リストのピアノ作品は、技巧的な切れ味をまず前面に立てないと成立しないという風潮があるようですが、ケンプにはそんな既成概念は通用しません。
 「第1番」第1楽章の冒頭テーマは叩きつけるような打鍵は存在せず、ひたすら端麗。一瞬肩透かしを食った感覚に陥りますが、そこに宿る精神力に全くブレがないので、すぐにその独特のモードに惹かれてしまいます。1:01からの上行音型の音の粒立ちを実感出来るような弾き方、最高音域に達した時の「カーン!」という響きの拡散のさせ方は、いかにもケンプ流で、その人間臭さと職人的なこだわりが滲みます。1:16からの流麗さ、艶やかさも、モノラルであることを忘れるほど魅惑的。それを更に痛感させるのが第2楽章。この楽章をこれほど深く、甘美に紡ぎ出した演奏を他に知りません。緩やかな楽想の中でもリズムをキリッと立てる箇所とぼかす箇所を明確に区分している点も、雰囲気に流された安易な演奏にはない説得力を生んでいます。
終楽章では、無機的なフォルティッシモを嫌い、高音をカーン!と響かせるケンプ独自のピアニズムが全開。勢いに任せた演奏では感じることではできない、しっかり心に根付く味わいを実感していただけると思います。
 「第2番」では、より詩的なニュアンスが横溢。何気ないアルペジオにも得も言われぬ幻想が敷き詰められ、聴き手の想像力を掻き立てます。第1部から第2部にかけては、めったに見せない渾身のフォルティッシモが登場しますが、ここぞという場面でのその輝き方は、通常が温和なニュアンスを湛えているだけに一層心に響きます。それでも、無慈悲で鋭利な響きとは無縁。第5部の前半はオケの音圧に埋没しそうでしないギリギリの線で、ケンプが孤高とも言えるピアニズムを貫徹。後半のカデンツァでも全くそのモードを崩さないことからも、ケンプがオケとの協調に拘泥しすぎず、楽譜に書かれているピアノ・パートをいかに繊細に感じ取り、丁寧にロマンの香気を放つことに専心しているかを思い知らせれます。第6部のグリサンド(0:26〜)に至っては、これほど表面的な効果に背を向けた演奏も稀ですし、アクロバット的なリストの演奏スタイルに対するアンチテーゼにも思えます。 
 このリストの録音は、音楽を再現する上で、マシンのような技巧のアピールが目的にも前提にもならないということを再認識させてくれる、かけがえのない財産です!ケンプの演奏に対し、技巧的な弱さを指摘する人は後を絶たないですが、ケンプ本人が技術を強みにすることをむしろ恥と感じ、最優先しなければならない「表現」を行なっているだけだということを感知できないのでしょう。そういう人には、AIによる演奏をお楽しみいただければと思います。
 一方のシューマンでもケンプは自身の矜持を曲げないので、ここでは作品の甘美なイメージとは距離をおいたストイックな演奏にも聞こえますが、聴けば聴くほど、表情を上塗りしたような下品さとは無縁の真摯な語り口が敷き詰められていることに気づきます。第1楽章展開部の前半はその典型。これぞ本物のロマンです!カデンツァも同様。第2楽章も媚びるような表情は見せないものの、克明なタッチを湛えつつ繊細な心情を丁寧に吐露。大きな展開を見せないこの楽章を飽きさせずに聴かせるのは、それこそ技巧を超えた人間力の賜物なのでしょう。終楽章の決してサクサクとスマートに進行しないフレージングには常に人間的な温かみが通っていますが、ケンプは技巧のみならずその優しささえアピールしないので音楽が説明調になることがなく、間延びしやすい遅めのテンポを取りつつも、確実にニュアンスが琴線に響くのです。
 最近は、音楽家がこだわるポイントや方向性が以前と変化しているようです。と言うより、そもそも「どうしても譲れないこだわり」なんて見いだせないことも少なくありません。器用さ、合理性、効率性、協調性は世間を渡る際には必要かもしれませんが、音楽を再現する際にそれを先に考えては、その本質を探り出すことも導き出すことも、ましてや人を感動させることなどできないのでは?などと、ケンプの演奏を聴く度に思う今日この頃です。【2023年10月・湧々堂】

Spectrum Sound
CDSMBA-1461CD)
ダヴィド・オイストラフ&シルヴィア・マルコヴィチ ― ライヴ・レコーディングス・イン・パリ

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

(2)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
(1)ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ピエール・デルヴォー(指)フランス国営放送PO/ライヴ録音:1961年3月21日サル・プレイエル(パリ)【ステレオ】

(2)シルヴィア・マルコヴィチ(Vn)
ジルベール・アミ(指)フランス放送新PO/ライヴ録音:1977年10月6日メゾン・ド・ラジオ・フランス、104スタジオ内大ホール(パリ)【ステレオ】
※正規初CD化!
スペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。期待の新譜はダヴィド・オイストラフのブラームスのヴァイオ リン協奏曲(1961年3月21日/パリ)とシルヴィア・マルコヴィチのシベリウスのヴァイオリン協奏曲(1977年10月6日/パリ)、ともにステレオの正規初 CD化です!
巨匠オイストラフが最も得意としたブラームス。数多くの録音同様、当ライヴでも非常に細かいヴィブラートとテヌートを多用し、これぞ「ヴァイオリンの美」とい える音色で奏でております。
ルーマニアを代表するヴァイオリニスト、シルヴィア・マルコヴィチ。10代後半でロン=ティボー国際コンクール最高位(1位なしの2位)、ジョルジェ・エネスコ 国際コンクール優勝し、一躍世界から注目される存在となりました。当ライヴはマルコヴィチ20代半ばの演奏。作曲家としても有名なジルベール・アミ(指)フラ ンス放送新POとの共演です。シベリウスは彼女が最も得意としたレパートリーで、1987年にネーメ・ヤルヴィ(指)エーテボリSOで 録音しておりBISレーベルからリリースされています(BIS-372)。マルコヴィチの魅力といえる一音一音クリアで艶やかな音色。シベリウスの雄大な世界を彼女 の演奏で存分に酔いしれることができます。演奏キャリアに対し録音が極端に少ないマルコヴィチだけに当初出音源は非常に貴重。ファン狂喜のリリースです! (Ki)

NIFC
NIFCCD-152(1CD)
ドゥラノフスキ&ヤニェヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集
アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキ(1770-1834):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.8
フェリクス・ヤニェヴィチ(1762-1848):ヴァイオリン協奏曲第3番イ長調
モーツァルト:交響曲第14番イ長調 K.114
シュシャーヌ・シラノシアン(Vn)、
マルティナ・パストゥシカ(指)
{oh!} オルキェストラ

録音:2022年6月2日-5日&2023年4月17日-20日(モーツァルト)、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
18世紀ポーランド生まれの作曲家、アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキとフェリクス・ヤニェヴィチのヴァイオリン協奏曲に同時代の作曲家モーツァルトの初期の交響曲を組み合わせた本アルバム。アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキはポーランド人の母とフランス移民の父の間に生まれました。作曲家としてでなく、ヴァイオリニストとしても活躍した彼は、17歳でヴィオッティに認められるほどの才能の持ち主で、パガニーニにも影響を与えるほどの演奏家でした。
フェリクス・ヤニェヴィチは、当時のポーランド連邦リトアニアに生まれ、若い時からヴァイオリンの才能を認められポーランド王立礼拝堂でヴァイオリニストを務めていました。その後、ハイドンやモーツァルトに出会うため1785年からウィーンに滞在しその影響を受けることとなりました。その後パリで認められ活躍していましたが、イギリスに渡りその生涯を終えています。
2002年からチューリッヒ音楽大学でザハール・ブロンに師事したシュシャーヌ・シラノシアンは、ザンクト・ガレンSO(スイス)のコンサートマスターに就任しその後ラインハルト・ゲーベルと出会うと、古楽器演奏に熱心に取り組み、レ・シエクルのツアーにソリストとして参加するなど、第一線で活躍しています。

Hyperion
CDA-68345(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.86〜テレフセン:ピアノ協奏曲集
トマス・テレフセン(1823-1874):ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.8、
 ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.15
フリードリヒ・カルクブレンナー:嵐によって中断されポロネーズが後に続く大行進 Op.93
ハワード・シェリー(P&指揮)、
ニュルンベルクSO

録音:2022年12月14日-16日(ニュルンベルク、ドイツ)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第86巻で取り上げられたのは、ノルウェー生まれのピアニストで作曲家の、トマス・テレフセン(1823-1874)のピアノ協奏曲。
10代の終わりからパリに移ったテレフセンは、このシリーズにも度々登場し今作にも長大な演奏会用作品「嵐によって中断されポロネーズが後に続く大行進」が収録されている、フリードリヒ・カルクブレンナーから幾度か学んでいます。また、1844年から1847年にかけては、定期的にショパンに師事し、交友関係を持ちました。ショパンとの関係は、テレフセンの作曲様式にも大きく影響しています。

ES-DUR
ES-2091(1CD)

JES-2091(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

CORE〜トランペット協奏曲集
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲第1番変ホ長調
レオポルト・モーツァルト:トランペット、2本のホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター:トランペット、2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 MWV6.32
ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:トランペット、2本のフルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲第2番ハ長調 MH60
テレマン:トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 TWV51:D7
アンドレ・ショッホ(Tp)、
スザンネ・フォン・グートツァイト(指)、
シュトゥットガルト室内O

録音:2023年2月3日&6月3日、シュトゥットガルト記念教会(ドイツ)
名門ベルリン・フィルが誇る名手、アンドレ・ショッホによるソロ・アルバムがドイツのEs-Durから登場。アンドレ・ショッホは、これまでにマティアス・ヘフス、ラインホルト・フリードリヒ、クラウス・ブレーカー、ガボール・タルケヴィといった世界屈指の名手達のもとで研鑽を積み、ベルリン・ドイツ・オペラ、ハンブルク国立フィルの首席トランペット奏者として活躍後、2017年からはベルリン・フィルに移籍。室内楽奏者としても活躍の場が目覚ましく、金管アンサンブル「10 for Brass」、デュオ・ショッホ/ホーリッケのメンバーとして活動。また、ドイツを代表する世界的金管アンサンブル「ジャーマン・ブラス」にも定期的に参加しています。教育者としては、カラヤン・アカデミーやマンハイム音楽大学において後進の指導にも力を注いでいます。
本アルバムでは、自身が子供の頃からお気に入りと語る18世紀に書かれた5つの協奏曲を集成。タイトル「CORE(核)」には、ショッホが楽器で表現したい音の魂、レパートリーの中心であり、「核」となる作品の意味が込められています。名手達のもとで学んだ豊かな音楽的解釈を、ドイツの名工タイン社製のピッコロトランペットで見事に発揮しています。

DUX
DUX-1788(1CD)
ブコフスキ:作品集
リシャルト・ブコフスキ
(1916-1987):2台ピアノ、パーカッションと弦楽のための協奏曲
トランペット、ジャズ・リズム・セクションとオーケストラのための協奏曲
ピアノ協奏曲第1番
バリトンと13の楽器のための歌曲
キエルツェSO、
ヤツェク・ロガラ(指)、
マリア・マグダレナ・ヤノフスカ=ブコフスカ(P)、トマシュ・ルパ(P)、トマシュ・ヴォジニャク(Tp)、アダム・クルシェフスキ(Br)

録音:2022年6月20日-24日&8月24日-26日、キエルツェSOコンサート・ホール(ポーランド)
20世紀のポーランドの作曲家リシャルト・ブコフスキは、オーケストラ作品をはじめ、室内楽曲や合唱曲、さらには舞台音楽など、さまざまな楽曲を作曲しました。このアルバムには協奏曲を中心に収録されており、冒頭の「2台ピアノ、パーカッションと弦楽のための協奏曲」ではブコフスキの未亡人であるマリア・マグダレナ・ヤノフスカ=ブコフスカがピアニストのひとりとして参加しています。

CAvi music
85-53539(1CD)
ベルリン1923〜ベートーヴェン&シュルホフ:ピアノ協奏曲集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
シュルホフ(1849-1942):ピアノ協奏曲 Op.43 「ジャズ風に」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15より第1楽章(カデンツァ:シュルホフ)
ヘルベルト・シュフ(P)、
ケルンWDRSO、
トンチエ・ツァン(指)

録音:2021年12月21日-23日、ケルン・フィルハーモニー(ドイツ)
1894年生まれのチェコの作曲家でピアニストのエルヴィン・シュルホフは第一次世界大戦の後、ジャズとの出会い、ヨーロッパの作曲家で最初にジャズを取り入れた作曲家のひとりとなりました。ピアノ曲を中心に、ジャズの影響を受けた作品を数多く残しており、このアルバムに収録されたピアノ協奏曲もそのひとつです。
シュルホフは1923年にベルリンで「ピアノ協奏曲 Op.43「ジャズ風に」」を作曲しましたが、同じく1923年に練り上げたのが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番〜第4番までの4つのカデンツァでした。その中から今回は第1番に焦点を当て、収録されています。
1979年にルーマニアで生まれたピアニストのヘルベルト・シュフは、1988年にドイツへ移り、モーツァルテウム音楽大学で学びました。2005年にはウィーン・ベートーヴェン国際ピアノ・コンクールで優勝しています。斬新で強いこだわりのあるプログラムでのCD録音は、常に注目の的となっています。

ALTO
ALC-1493(1CD)
サクソフォン協奏曲&四重奏曲集
グラズノフ:アルト・サクソフォン協奏曲 Op.109
ヴィラ=ロボス:ソプラノ・サクソフォン、3本のホルンと弦楽のためのファンタジア
マルタン:テナー・サクソフォンとオーケストラのためのバラード
ジャン・リヴィエ:アルト・サクソフォンとトランペット協奏曲
グラズノフ:Canzona Variee(四重奏曲 変ロ長調 Op.109より)
フランセ
:小四重奏曲
ニコラウス・ショイブレ:デューク・エリントン・メドレー
デトレフ・ベンスマン(Sax)、
デイヴィッド・シャローン(指)、
ベルリンRIASシンフォニエッタ、
ベルリン・サクソフォン四重奏団

録音:1984年、1991年
ベルリン・サクソフォン四重奏団のメンバーでもあるデトレフ・ベンスマンのサクソフォン協奏曲&四重奏曲集。ソプラノやアルトなど作品に合わせて持ち替えを行いながら見事なソロと、四重奏曲では息の合った演奏を繰り広げており、グラズノフを中心として様々な作曲家の作品を収録しています。

Harp&Company
CD-505051(1CD)
オン・ザ・ルーフ〜ハープとバスーンのための作品集
アンナ・シーガル:ユダヤ協奏曲/憧れ/バスーンとハープのための聖書のモザイク/フォークソングT.キャラバン/フォークソングU.恩赦-祈り/イエメンの愛の歌
ラシェル・タリトマン(Hp)、
マヴロウデス・トロウロス(Fg)
ドロン・サロモン(指)、
イスラエル弦楽アンサンブル
イスラエル、テルアビブ出身の世界的ハーピスト、ラシェル・タリトマンが設立した「ハープ音楽に特化」した世界でも珍しい自主レーベル、「ハープ・アンド・カンパニー(Harp & Company)」からリリースされる新録音は、イスラエルの作曲家、アンナ・シーガルによるハープとバスーンのための作品集。
ウクライナ出身のイスラエルの女流作曲家、アンナ・シーガルは、ウクライナのキエフ音楽院、イスラエルのエルサレム音楽アカデミーで作曲を学び、その作品はリオール・シャンバダール&ベルリンSOをはじめとする世界各地のオーケストラやソリストによって取り上げられています。本アルバムでは、東洋と西洋の色彩を混ぜ合わせ、9つの楽章からなる組曲の形式で書かれたソロ・ハープのための作品「大地に捧げる歌」、バスーンとハープのための「ユダヤの歌」、ハープ、バスーンと弦楽のための「ユダヤ協奏曲」の世界初録音作品で構成され、ユダヤ協奏曲では、現代的な拡張奏法を用いて、バスーンによるグリッサンドやトレモロ、ハープにはパーカッションのような効果など、東洋的な色彩を聴き手に感じさせます。各楽章名は、アレグロやアンダンテといったクラシック音楽の用語にちなんだものではなく、作曲家がインスピレーションを受けた歌、神話、物語、絵画、祈り、踊りなどにちなんで付けられています。

Spectrum Sound
CDSMBA-145(1CD)
ヘンリク・シェリング・ライヴ・イン・パリ(バッハ、モーツァルト、ポンセ)
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043*
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216(カデンツァ:サム・フランコ)
ポンセ:ヴァイオリン協奏曲#
ヘンリク・シェリング(Vn)
エルメロ・ノヴェロ(Vn2)*
ヘンリク・シェリング(Vn&指)、
フランス公共放送室内O
フランス国営放送PO#、
カルロス・チャベス(指)#

ライヴ録音:1971年12月24日メゾン・ド・ラジオ・フランス、104スタジオ内大ホール(パリ)【ステレオ】
1960年10月4日シャンゼリゼ劇場(パリ)【ステレオ】#
スペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。フランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規初出CD化、期待の新譜は、シェリングがパリで演奏 したバッハ&モーツァルト(1971年録音)、ポンセ(1960年録音)の協奏曲です!ポーランドに生まれ、1946年にメキシコ市民権を取得し以後世界的に活躍し た正統派ヴァイオリニト、ヘンリク・シェリング(1918-1988)。
バッハのドッペル・コンチェルトはPhilipsレーベルで1965年、1976年に2度セッション収録していますが、当演奏はちょうど中間にあたる1971年12月 のライヴ。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番とともにシェリング弾き振りでの演奏です。
ドッペル・コンチェルトの共演は20世紀メキシコを代表するヴァイオリニスト、指揮者のエルメロ・ノヴェロ(1930-1983)です。幼いころに父を亡くすも ヴァイオリンの才能を見出したノヴェロの母が、子供たちとともにメキシコ・シティに移り住んだ苦労人。奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院で学び、 ルイス・パーシンガー(1887-1966)、イヴァン・ガラミアン(1903-1981)ら、高名なヴァイオリン教育者たちに師事。また指揮をセルジュ・チェリビダッケ (1912-1996)、レオン・バルザン(1900-1999)に師事しています。自由に歌うノヴェロのヴァイオリン。時にテンポを揺らしながらシェリングとのバッハを 楽しみながら奏でています。
モーツァルトの第3番は1969年にPhilipsレーベルにセッション収録しておりますが、その2年後の演奏が当ライヴです。69年同様サム・フランコ作のカデン ツァを演奏。正確無比にして気品があるモーツァルトは流石!シェリングといえます。
そして、シェリングに献呈されたマヌエル・ポンセのヴァイオリン協奏曲。Philips、Mercury、DGには録音はしなかったものの生涯演奏してきたシェリングの 愛奏曲にしてポンセの代表作。ポンセはイタリア、ドイツに遊学、フランスではポール・デュカスに師事し、近代フランス音楽の影響を受けながら 独自のスタイルを確立しました。シマノフスキを思わせる、E線の高音域と重音を多用したヴァイオリン独奏と、色彩豊かなオーケストラとの掛け合いが実に魅力的。 メキシコの名指揮者カルロス・チャベスの好サポートを得て堂々たる演奏を聴かせてくれます。ライヴ演奏こそシェリングの凄みが伝わってくる熱演です! ※日本語帯・解説は付きません。 (Ki
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。)

IDIS
IDIS-6751(1CD)
カラヤン・スペクタキュラーVol.12
(1)
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
(1)トリノRAI響
 ライヴ録音:1953年4月10日
(2)ルツェルン祝祭O
 ライヴ録音:1955年8月27日
50年代から70年代にかけてのライヴ録音をリリースしているIDISの「カラヤン・スペクタキュラー」シリーズ。今回のベートーヴェンの第2はたいへん珍しい 貴重音源。シュナイダーハンとの協奏曲も名演。 (Ki)

Solo Musica
SM-441(2CD)
NX-C07
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番/第2番
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
6つの小品 Op. 118
アンドレア・カウテン(P)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
ティモ・ハンドシュー(指)

録音:2022年12月12-14日、2023年6月22-25日
ハンガリーに生まれ、スイスのバーゼルで学んだピアニスト、アンドレア・カウテン。「ブラームスの2つのピアノ協奏曲を録音することは長年の夢でした」と語る彼 女がその夢をかなえたアルバムです。彼女は、すでに第1番を2017年に地元のハンガリーで録音していますが、今作では2曲ともドイツで演奏。共感溢れる 素晴らしい演奏を聴かせます。またアルバムにはブラームス晩年の小品も収録。
Solo Musica
SM-428(1CD)
NX-B03
タイムトラベル〜シッダールタ、マルコ・ポーロからバッハ&バードまで
シルクロード - マルコ・ポーロ、東方へ - 笙と管弦楽のための協奏曲
シッダールタ- サクソフォンと管弦楽のための協奏曲
鐘-A Tribute to William Byrd
ウィリアム・バード へのトリビュート- 管弦楽のために
ブランデンブルガー・リミックスド(J.S. バッハのブランデンブルク協奏曲第2番作曲300年 バッハへのオマージュ)- トランペット、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、弦楽とチェンバロのために
ボーデン湖にて- 管弦楽のために
ウー・ウェイ(笙)
クリストフ・エンツェル(Sax)
ラインホルト・フリードリヒ(ピッコロ・トランペット)
コンスタンス・サニエ(Fl)
ミヒャエル・キュッテンバウム(Ob)
谷野響子(Vn)
クリスティアン・ナーゲル(Cemb)
南西ドイツPO
ガブリエル・ヴェンツァーゴ(指)

録音:2023年3月9-15日、6月26-27日
1950年生まれのエンヨット・シュナイダーは、オペラや交響曲をはじめとした多くの作品を世に送るとともに、なんと 600本以上もの映画のための音楽も作っているドイツの作曲家です。 このアルバムには、700年ほど前にこの世を去ったマルコ・ポーロの『東方見聞録』に思いを馳せた"笙のための協奏 曲"をはじめ、2023年に没後400年を迎えたウィリアム・バードへのトリビュート作品や、バッハの「ブランデンブ ルク協奏曲」完成300年の記念作品、2022年に出版100周年を迎えたヘッセの『シッダールタ』に基づく作品な ど、過去の時代を振り返る作品が並べられています。 長い歴史を持つ南西ドイツ・フィルが作品を演奏。ブランデンブルガー・リミックスドでは、トランペットの名手ラインホ ルト・フリードリヒや、オーケストラの首席ヴァイオリニストを務める谷野響子らがソリストを務めています。シュナイダー の素晴らしいオーケストレーションによる色彩豊かな音楽を楽しむことができる1枚です。

Linn
CKD-732(2CD)
NX-D09
ブラームス:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.8*
シモン・トルプチェスキ(P)
ケルンWDRSO
クリスティアン・マチェラル(指)

録音:2023年2月13-15、2023年3月7、8、10、11日(ライヴ)*  ケルン・フィルハーモニー、ドイツ
1979年マケドニア生まれのピアニスト、トルプチェスキのLINN第4弾は、ブラームスの大作協奏曲を全2 曲収録した意欲作です。彼持ち前の力強さを兼ね揃えた高いテクニックがいかんなく発揮され、作曲家 の若き日に書かれた第1番での深く情熱的なアプローチや、充実期に書かれた第2番でのリリカルな歌 心とダイナミックな表現が見事。マチェラルもWDR響を雄大に鳴らし、巨大な協奏曲の中でソリストを しっかりと支えています。

ALPHA
ALPHA-1001(1CD)
モーツァルト:協奏曲集
ピアノ協奏曲 第19番ヘ長調 K.459(カデンツァ…モーツァルト)
ホルン協奏曲 第1番ニ長調 K.412/514(386b)*
フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315(カデンツァ…ディレン・ドゥラン)
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299(カデンツァ…ハインツ・ホリガー)
アーロン・ピルザン(P/ベーゼンドルファー)
ニコラ・ラメズ(Hrn)
ディレン・ドゥラン(Fl)
エリーザベト・プランク(Hp)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指)
トマス・ツェートマイヤー(指)*

録音:2021年3月、12月、2022年9月、2023年3月  オーストリア放送スタジオ6/大ホール、ウィーン
無名の若き名手から中堅まで幅広いソリストの登場が話題を呼んでいる<次世代ソリストたちによるモーツァルト>の第7弾。今回は ALPHAからリリースした2タイトルのソロ・アルバムが既に高い評価を得ているアーロン・ピルザンが登場。リリカルでよく澄んだピアノを聴かせま す。フランスの若きホルン奏者ニコラ・ラメズはストラスブール・フィルの首席を2021年から務めるほか、アンサンブルやソリストとして国内外で活 躍して高く評価されており、ここでも安定感抜群のテクニックと伸びやかな音色で素晴らしい演奏を聴かせます。ドイツのフルート奏者ディレ ン・ドゥランは、Gramolaなどで既にソロ・アルバムをリリースして活躍しているハープ奏者エリーザベト・プランクと共に、溌溂とした演奏で楽し ませてくれます。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-138(1CD)
ヴィヴァルディ:『四季』、 オーボエ協奏曲
協奏曲集『四季』〜『和声と創意への試み』Op.8より
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調「春」Op.8-1/RV 269
ヴァイオリン協奏曲 ト短調「夏」Op.8-2/RV 315
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調「秋」Op.8-3/RV 293
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調「冬」Op.8-1/RV 297
オーボエ協奏曲 ハ長調 RV450
ヴェルサイユ王室歌劇場O(古楽器使用)
ステファン・プレヴニャク(Vn、指)
ミハエラ・フラバーンコヴァー(Ob)

録音:2023年7月14-16日 ヴェルサイユ宮殿王室歌劇場
ずば抜けたヴァイオリン演奏能力と作曲センスを誇り、聖職者でありながら礼拝よりも音楽活動で国際的に注目を集め「赤毛の司祭」の綽 名とともに音楽史の1ページを飾ったヴェネツィアの作曲家ヴィヴァルディ。生前からその人気はパリにも及んでおり、20世紀に彼の名が再び 有名になるきっかけとなった傑作曲集『四季』は特に大きな関心を集めたばかりか、「春」に至っては作曲者の歿後何十年も公に演奏され 続けたほどでした。そうしたヴィヴァルディ受容を語る上で見過ごせないフランスの古楽シーン最前線を代表する拠点のひとつヴェルサイユ宮殿 から古楽器オーケストラによる『四季』最新録音が登場。近年オペラ上演でも活況をみせている王室歌劇場を舞台に、知られざる18世紀 以前のオペラの指揮でも実績をあげつつヴィヴァルディの「パリ協奏曲集」(CVS065)やハイドンの「朝・昼・晩」(CVS094)など器楽録音で も注目を集めているステファン・プレヴニャクを中心に、フランス、ポーランド、チェコなど欧州各地から俊才が集うヴェルサイユ王室歌劇場管弦 楽団が、傑作の内から湧き上がる興奮を絶妙の一体感の中で鮮やかにドライヴしてゆく精緻な解釈がたまりません。劇音楽の指揮経験が 如実にあらわれるプレヴニャクの芸達者ぶりと妙技にも目を見張るばかり。ヨーロッパ最前線の古楽器演奏の面白さを隅々まで堪能できる 『四季』に加え、浮き立つ愉悦と躍動感に貫かれたオーボエ協奏曲ではチェコの俊才ミハエラ・フラバーンコヴァーがバロック楽器の美音とニュア ンスの豊かさを存分に楽しませてくれます。

Orchid Classics
ORC-100261(1CD)
NX-B03
上岡敏之のR・シュトラウス
オーボエ協奏曲 Trv292
ホルン協奏曲第1番 Op.11
組曲『町人貴族』
アンドレアス・フォスダル(Ob)
ヤコブ・カイディング(Hrn)
コペンハーゲンPO
上岡敏之(指)

録音:2019年2月18-21日、2021年3月23-27日
上岡敏之が2016年から首席指揮者を務めるコペンハーゲン・フィルとの初CDが登場。洒落た選曲と演奏者の劇場的センスも活きた、粋で魅力的なアル バムです。 ドイツ各地の劇場とオーケストラのポストを歴任してきた上岡にとってR・シュトラウスは自家薬籠中のレパートリーの一つ。ここに収録されているのは、 楽団の首席奏者をソリストに立てた協奏曲を2篇と、各パートにソリスティックな見せ場が多く、室内楽的なアンサンブル能力を要する組曲『町人貴族』とい う、楽団の規模に合わせ、その能力を活かした巧みな選曲です。 コペンハーゲン・フィルはコペンハーゲンの名所チボリ公園のホールで演奏するために、作曲家ハンス・クリスチャン・ロンビが主導して1843年に創設された楽 団を起源とし、現在は65名の楽団員を擁して年間120回ほどの公演を行っています。管弦楽のレパートリーに加え、国立歌劇場や王立劇場の舞台上演 でも定期的に演奏。また夏の間は創設以来の伝統でチボリ公園のホールでの演奏会も行っています(その際は「チボリSO」の別名を使用)。ホルンの カイディングは1993年から、オーボエのフォスダルは2003年から、楽団の首席奏者(ソロ奏者)を務めています。

CD ACCORD
ACD-324(1CD)
NX-C09
ミコワイ・グレツキ(1971-):作品集
序曲 Op.16-弦楽オーケストラのために(2000/2012)
3つの断片 Op.6- 弦楽オーケストラとチェレスタ(任意で)のために(1998)
コンチェルト=ノットゥルノ Op.13- ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために(2000)
Concerto-Notturno, Op.13
アコーディオンと弦楽合奏のための協奏曲 Op. 61(2022)*
ディヴェルティメント Op.32- 弦楽オーケストラのために(2009)
ヤクブ・ヤコヴィツツ(Vn)
マチェイ・フロンツキエヴィチ(アコーディオン)
ワルシャワ・フィルハーモニー室内O
ヤン・レウタク(音楽監督)

録音:2023年4月30日、5月1-2日ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
*=世界初録音
20世紀ポーランドを代表する作曲家ヘンリク・グレツキを父に持つミコワイ・グレツキの作品集。現在アメリカに在住するミコワイは、父の音楽的遺産を継承 しながら、独自の美的感覚に裏打ちされた耳なじみのよい作品を多数発表しています。このアルバムには1998年から2022年までに書かれた5作品を収 録。快活な曲想を持つ「序曲」以外は、どの曲も冒頭にゆったりとしたLento楽章が置かれていますが、これらはどれも、どこか彼の父の名作「悲歌のシンフォ ニー」を彷彿させる美しい曲です。民謡風の旋律とヴァイオリンの妙技が楽しめる「コンチェルト=ノットゥルノ」、90曲近くの作品の初演を行ったマチェイ・フロン ツキエヴィチに捧げられた、郷愁溢れる旋律が印象的な「アコーディオン協奏曲」。そして静かな楽章と激しい楽章の対比が素晴らしい「ディヴェルティメント」 を楽しめます。創立者ヤン・レウタクが芸術監督を務めるワルシャワ・フィルハーモニー室内Oは、注目すべきポーランドの室内楽作品の紹介を積極 的に行っています。

DOREMI
DHR-8213(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第1集

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(2)フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
(4)シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番イ短調 D.784
シューベルト:4つの即興曲 Op.90D.899
ラドゥ・ルプー(P)

(1)エド・デ・ワールト(指)BBC響
 録音:1970年8月25日ロンドン
(2)ストイカ・ミラノヴァ(Vn)
 録音:1972年2月21日セント・ジョンズ、スミス・スクエア
(3)アンドレ・プレヴィン(指)LSO
 録音:1970年9月17日ブカレスト
(4)録音:1969年9月19日リーズ
数々の秘蔵ライヴ音源をCD化しているDOREMIレーベルより、ラドゥ・ルプーのシリーズが始まりました。第1集はエド・デ・ワールトとのブラームス、プレヴィ ンとのベートーヴェンや、オイストラフに師事したブルガリアの女流ヴァイオリニスト・ミラノヴァとのフランクなど驚きの内容。レーベル情報ではすべて初CD化と のこと。 (Ki)

Goodies
78CDR-3921(1CDR)
R・シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調作品11 デニス・ブレイン(Hrn)
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

英 COLUMBIA D.X.1397/8
1947年5月21日録音
デニス・ブレイン(1921-1957)はイギリスのホルン奏者。父親で名ホルン奏者の オーブリー・ブレイン(1893-1955)の指導を受けた。デニス・ブレインは1957年 9月1日、エディンバラからロンドンに戻る途中、自身が運転するスポーツカー (トライアンフ)の事故で命を落とした。享年36。デニス・ブレインはこのシリー ズでモーツァルト:ホルン協奏曲第2番&第4番(78CDR-3291)、モーツァルト ホル ン、ヴァイオリン、2つのヴォラとチェロのための五重奏曲(78CDR-3386)、チャ イコフスキー交響曲第5番(第2楽章のホルン・ソロ)(78CDR-3158)が出ています。 指揮者のアルチェオ・ガリエラ(1910-1996)はイタリア、ミラノ生まれ。ミラノ 音楽院出身。1941年に指揮者デビュー。第二次世界大戦勃発でスイスに亡命。 1945年にルツェルン音楽祭に出演後、演奏活動を再開した。シャルル・デュト ワの師。(グッディーズ)

H.M.F
HMM-902333(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第6番変ロ長調 KV238〔カデンツァ:モーツァルト/アインガング:ベザイデンホウト〕
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 KV503〔カデンツァ:ベザイデンホウト〕*
クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ/2008年ポール・マクナルティ、1805年製ワルター&ゾーン・モデル)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2021年5月、2022年3月 *
アンサンブルハウス・フライブルク
ベザイデンホウトとFBOによるモーツァルトの協奏曲集、第4弾の登場です!若き日の協奏曲第6番(1776年)と、大作協奏曲第25番(1786年) という組み合わせ。
第25番の終楽章は、「イドメネオ」の主題が引用されておりますが、楽章全体がさながらオペラの序曲のようなワクワク感に満ちてい演奏されています。鮮 やかで大満足の終結を迎えると同時に、さらにそこから新たな世界が始まりそうで、ディスクが終わってしまって肩透かしを食ったような気分にさえなってしまう ほどに心が愉悦で膨らみます。何度も聴いたことがあるはずの作品がすべて「今、その場で」生まれたように聴こえてきます。ベザイデンホウトは自身、ソロと は違って、オーケストラとの共演は「パーティーのように楽しい」と話していましたが、まさにベザイデンホウトもオケも瞬間瞬間を楽しんでいることが感じられ ます。そして、重力を全く感じさせないように自在に翔けるベザイデンホウトのパッセージは至上の美しさ。モーツァルトの再来、と称されるベザイデンホウトの 神髄を見るようです。 (Ki)


Melodiya x Obsession
SMELCD-1000740(1CD)
完全限定生産
ダヴィド・オイストラフ・エディション Vol.1
チャイコフスキー
:ヴィオリン協奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 *、
 2つのユモレスク Op.87*
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮、
モスクワPO、モスクワRSO*

録音:1968年(チャイコフスキー)、1965年(シベリウス) ステレオ
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ほどダヴィド・オイストラフが頻繁に弾いた協奏曲はないでしょう。そう思われるほどこの作品は彼の節目に必ず弾かれていた作品で、どれだけ大切にされていたレパートリーなのかといううことがよくわかります。オイストラフが17歳でソリスト・デビューする際もこの作品を弾きました。また国際的に認められるきっかけとなったウジェーヌ・イザイ・コンクール(現在のエリザベート王妃国際音楽コンクール)の第1位を受賞した際もこの作品が重要な役割を果たしました。この「ダヴィド・オイストラフ・エディション Vol.1」に収められている演奏は、オイストラフが60歳を迎えた時のものでまさに油が乗り切った時の演奏と言ってもよいでしょう。技術面と表現力のバランスが非常に取れた演奏であり、若き日のゲンナジー・ロジェストヴェンスキーのサポートも絶妙です。
1965年にモスクワ放送交響楽団をオーケストラに迎えたシベリウスではスケールの大きな演奏を繰り広げています。

※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Gutman Records
GUTMANCD-172(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 KV415
ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 KV449
ピアノ協奏曲第23番イ長調 KV488
トーマス・ベイエル(P)、カメラータRCO

ライヴ録音:2017年5月31日(アムステルダム、オランダ)
1988年生まれのオランダのピアニスト、トーマス・ベイエルは2019年からヤング・ピアニスト・ファウンデーションの芸術監督を務め、2022年にオランダの教育・文化・科学省からクラシック音楽家に与えられる最高の国家賞「オランダ音楽賞(Nederlandse Muziekprijs)」を受賞しました。今回のモーツァルトのピアノ協奏曲集では、ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで構成されるカメラータRCOと共演です。カメラータRCOは編成をぎりぎりまで絞ったヴァイオリン2人、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネットの総勢7人で臨んでおり、上質な室内楽のような仕上がりになっています。
Gutman Records
GUTMANCD-162(1CD)
二つの月
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 Op.3-8
ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための4つの小品
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
モシュコフスキ:2つのヴァイオリンとピアノのための組曲 ト短調 Op.71
アナベス・ウェブ(Vn)、
ジョアンナ・ウェスターズ(Vn)、
カメラータRCO、他

録音:2015年2月22日-25日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで組織された室内楽団、カメラータRCOと、そのメンバーであるアナベス・ウェブ、ジョアンナ・ウェスターズの二人をソリストに迎えた2つのヴァイオリンのための作品集。長年培われた息の合った演奏を披露しており、カメラータRCOのメンバーにはヴィオラの小熊佐絵子も参加しています。

Forgotten Records
fr-1895(1CDR)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1#
アレクシ・ギャルペリーヌ(Vn)
マニュエル・ロザンタール(指)
パリ国立高等音楽・舞踊学校O*
ジゼル・マニャン(P)#

録音:1970年12月13日* 、1978年4月14日、サル・ロッシーニ#
※初出
Forgotten Records
fr-1905(1CDR)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
フランク:交響的変奏曲
サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」+
ベラ・シキ(P)、ゲザ・アンダ(P)+
ユージン・グーセンス(指)プロ・アルテO
イーゴリ・マルケヴィチ(指)フィルハーモニアO+

録音:1959年、1954年1月8日+
※音源:Pye Records CCT31008、Columbia CX1175他
Forgotten Records
fr-1907(1CDR)
ジャン・マルティノン:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.51*
ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.11-1#
ラヴェル:ツィガーヌ
ヘンリク・シェリング(Vn)
タッソ・ヤノプーロ(P)
ジャン・マルティノン(指)フランス放送PO*

録音:1961年9月8日ブザンソン音楽祭、1962年6月1日*(全て放送用ライヴ)
Forgotten Records
fr-1914(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
第1番変ロ長調 K.207/第4番ニ長調 K.218
ヴィリー・ボスコフスキー(Vn,指)
ウィーン・コンツェルトハウス室内O

録音:1955年
※音源:Les Discophiles Français DF85

AAM Records
AAM-43(1CD)

NYCX-10436(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第7番&第10番 他
ピアノ協奏曲 第7番ヘ長調 K.242-2台のピアノと管弦楽のための*
ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章 ニ長調 K. Anh56(315f)- 補筆完成:ロバート・レヴィン**
ピアノ協奏曲 第10番変ホ長調 K.365-2台のピアノと管弦楽のための#
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)*,#
ボヤン・チチッチ(Vn)**
ローレンス・カミングズ(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
ボヤン・チチッチ(リーダー)

録音:2022年7月5-10日
ロンドン、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会

使用楽器:フォルテピアノ:アウグスブルクのアントン・シュタイン1786年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2016年製作及び2021年製作。
ヴァイオリン:ミラノのジョヴァンニ・グランチーノ1703年製作のオリジナル楽器。
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて突如再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第3集は複数楽器のための 協奏曲がテーマで、2台ピアノのための協奏曲2篇に加え、レヴィンが補筆完成した協奏曲楽章を収録しています(K.242は3台ピアノ用の協奏曲をモー ツァルトが2台ピアノ用に編曲したもの)。2台ピアノのための協奏曲ではロバート・レヴィンとヤ=フェイ・チュアンの夫妻が息の合ったダイナミックな演奏を聴かせます。チュアンはブレンデルが高く評価し ており、レヴィンとのデュオでは古典派から現代に至るレパートリーをピリオド楽器とモダン楽器で演奏、録音でもグリーグ、デュティユー、それにレーガーによる ワーグナー作品の編曲などがあります。ここではモーツァルト=レヴィンのスタイルによる音の会話を楽しませてくれます。 ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章は1778年のマンハイム滞在中に協奏曲の第1楽章として構想されたとされるもの。かつてモーツァルト研究 の大家アルフレート・アインシュタインは「これが未完に終わったことはモーツァルトの芸術にとって最大の損失」と語ったそうです。120小節が遺されています が、ファンファーレ風の最初のトゥッティこそ完全にオーケストレーションがなされているものの、ソロ楽器(モーツァルトの自筆譜では「チェンバロとヴァイオリン」。 チェンバロは当時、鍵盤楽器全般の呼称でもありました)の登場後のオーケストラは、第1ヴァイオリンと低音パートしか書かれていません。レヴィンはここでも、 モーツァルトの語法に則った、明るく躍動感のある楽章に仕上げています。 このシリーズは録音も魅力的。デッカ・サウンドの継承者ニール・ハッチンソン(グラミー賞4回受賞)と、歌手でプロ・カンツィオーネ・アンティカの音楽監督も務 めたエイドリアン・ピーコックのコンビは、4/3/2/2/1の弦と管楽器とのアンサンブルが生み出す透明度の高いテクスチャーと、この編成ならではの繊細さとダイ ナミズムを見事にとらえています。 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、録音プロデュー サーの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が使われて います。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。

ARCANA
A-555(3CD)
NX-E02
バッハ:作品集
【CD1】
ブランデンブルク協奏曲 第1番ヘ長調 BWV 1046
ブランデンブルク協奏曲 第2番ヘ長調 BWV 1047
ブランデンブルク協奏曲 第3番ト長調 BWV 1048
ブランデンブルク協奏曲 第4番ト長調 BWV1049
【CD2】
ブランデンブルク協奏曲 第5番ニ長調 BWV 1050
ブランデンブルク協奏曲 第6番変ロ長調 BWV1051
序曲(管弦楽組曲)第2番ロ短調 BWV1067
ピッチ:A=398Hz
【CD3】
序曲 ハ長調 BWV119R
序曲(管弦楽組曲)第1番ハ長調 BWV1066
序曲(管弦楽組曲)第3番ニ長調 BWV1068
序曲 変ロ長調 BWV194R
序曲(管弦楽組曲)第4番ニ長調 BWV1069
ピッチ:A=415Hz
ゼフィーロ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)
アルフレード・ベルナルディーニ(指)
「独奏」
ガブリエーレ・カッソーネ(Tp)
ディレーノ・バルディン、フランチェスコ・メウッチ(Hrn)
ドロテー・オーバーリンガー、ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)
マルチェロ・ガッティ(フラウト・トラヴェルソ)
アルフレード・ベルナルディーニ、パオロ・グラッツィ、
エミリアーノ・ルドルフィ(Ob)
アルベルト・グラッツィ(Fg)
チェチーリア・ベルナルディーニ(ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴァイオリン)
フランチェスコ・コルティ(Cemb)

録音:2017年9月27日-10月5日リストーリ歌劇場、ヴェローナ[CD 1-2]
2015年11月6-9日 マーラー・ホール(エウレジオ文化センター)、ドッビアーコ[CD 3]
1989年、古楽器演奏の先進国オランダや英国で研鑽を積んだ気鋭イタリア人奏者たちが故郷で結成した古楽器アンサンブルのゼフィーロ は、徐々にさまざまな名手と信頼関係を重ね、やがてゼフィーロ・バロック・オーケストラ名義で大規模な作品の演奏にも乗り出し、丁寧な作 品解釈と地中海的パッションを宿した演奏の瑞々しさで世界中から喝采を浴びてきました。21世紀に同国のレーベルとして再出発した ARCANAでも広範なレパートリーの録音を続け、バロック秘曲群のみならず王道レパートリーでも群を抜く解釈で話題を呼んでいます。今 回は2017〜18年に相次いでリリースされ、古楽器の味わいを活かしながら安定感を失わず鮮烈な演奏に仕上げたことで注目されたバッハ の傑作管弦楽作品群が待望のBOX化!フランス宮廷音楽の流儀を意識した低いピッチが独特の味わいをもたらす『ブランデンブルク協奏 曲集』、ゼフィーロならではの緊密なアンサンブルを活かしつつもダイナミックな音響対比が痛快な管弦楽組曲群や教会カンタータから復元さ れた序曲楽章、いずれも作品像をみずみずしく問い直す名演の連続です。リコーダーのオーバーリンガーやカヴァサンティ、チェンバロのコル ティ、トランペットのカッソーネなど圧巻のテクニックで存在感を発揮するソリストたちにもはっとさせられること必至。古楽器演奏世界の進展と 深まりを強く実感できるバッハ解釈と言ってよいでしょう。

ANALEKTA
AN-29026(1CD)
モーツァルト(1756-1791):ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466(カデンツァ…シャルル・リシャール=アムラン)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488(カデンツァ…モーツァルト)
アダージョとフーガ ハ短調 K.546
シャルル・リシャール=アムラン(P)
レ・ヴィオロン・デュ・ロワ
ジョナサン・コーエン(指)

録音:2022年10月31日-11月2日ラウル・ジョバン・ホール、パレ・モンカルム、ケベック
シャルル・リシャール=アムランとジョナサン・コーエン率いるケベックの室内Oレ・ヴィオロン・デュ・ロ ワとのモーツァルトの協奏曲。2020年にリリースされた第22番、第24番に続く第2弾が登場です。第 20番冒頭の管弦楽から気合十分で、バロック・オペラを得意とするコーエンの面目躍如といったところ。リ シャール=アムランはここにすっと入ったかと思うと、豊かなフレーズ感で音楽をごく自然にリードしていきま す。第20番のカデンツァは自作で、第1楽章では二重フーガ風に始まり劇的な展開を聴かせ、第3楽 章では色彩感豊かに鮮やかな技巧を散りばめ、その多才ぶりを発揮しています。

ONDINE
ODE-1423(1CD)
NX-B07

NYCX-10424(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番 イ短調
ドヴォルザーク:森の静けさ Op. 68No.5
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ターニャ・テツラフ(Vc)
ベルリン・ドイツSO
パーヴォ・ヤルヴィ(指)

録音:2022年12月21-23日
このアルバムはラルス・フォークト(1970-2022)と共演を重ねてきたクリスティアン・テツラフとターニャ・テツラフが、フォークトとの友情を記念すべく企画したも の。フォークトが敬愛していたブラームスと、彼を取り巻く友情をヒントに組まれたプログラムです。 ブラームスの「二重協奏曲」は彼の最後の管弦楽作品であり、ブラームスが"8本の弦のために書いた"というこの曲は、一度は友情が途切れてしまった彼の 親友ヨーゼフ・ヨアヒムとの和解のきっかけを作った作品でもあったことから、ラルスとの不変の友情を記念して今回の録音曲に決定したというもの。テツラフ兄 妹による親密な対話が聴きどころです。2曲目は、そのブラームスが高く評価していたというヴィオッティのヴァイオリン協奏曲。ブラームスはヨアヒムが演奏するこのイ短調協奏曲に心を奪われ、クララ・ シューマンに熱狂的な手紙を書き送り、二重協奏曲の中にも旋律を引用しており、テツラフはやはり友情の証としてこの曲を演奏したといいます。 最後の「森の静けさ」はターニャからの友情の証。ドヴォルザークとブラームスの友情に加え、この曲を「チェロのための最も素晴らしく美しい小さな宝石」と語る ターニャが、自らの悲しみ、喪失感と愛を表現するのにふさわしい曲として選んだということです。ベルリン・ドイツSOを指揮するのは、ラルス・フォークト の親友でもあったパーヴォ・ヤルヴィ。万全の演奏でテツラフ兄妹を支えています。
※国内仕様盤には、フレデリーケ・ヴェスターハウスによるテツラフ兄妹へのインタビューの日本語訳が付属いたします。

GENUIN
GEN-23809(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(室内アンサンブル版)&第2番(室内アンサンブル版)
ベートーヴェン:ピアノと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 WoO6(室内アンサンブル版)
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19(室内アンサンブル版)
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルク(P、(指)編)、
ミュンヘン室内オペラO

録音:2023年4月12日-15日
ハンス・フォン・ビューロー国際ピアノ・コンクール第1位、ウィーン国際ベートーヴェン・ピアノ・コンクール第1位の受賞歴を持つ多才なピアニスト、アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルクによるベートーヴェンのピアノ協奏曲の室内アンサンブル版!C'Avi Musicからリリースした前作(8553529)でもベートーヴェンの交響曲第7番のリスト編曲版を披露するなど並々ならぬベートーヴェンへの想いを表現してきたブレッテンベルク。今作では全作ブレッテンベルク自身の編曲で挑むという力の入れようです。オーケストラの輝きを失うことなく、ベートーヴェンの若き日の作品を透明感のある音楽で表現しています。

Gutman Records
GUTMANCD-152(1CD)
モーツァルト&メンデルスゾーン:協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
メンデルスゾーン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲 ニ短調
ウェイイン・チェン(P)、
マルク・ダニエル・ファン・ビーメン(Vn)、
カメラータRCO

録音:2015年3月16日-18日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
台湾系アメリカ人ピアニスト、ウェイイン・チェンがロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで組織されるアンサンブル、カメラータRCOとの共演でモーツァルトとメンデルスゾーンの作品を披露。メンデルスゾーンではカメラータRCOのリーダーであるマルク・ダニエル・ファン・ビーメンと共演します。彼女の音楽の核心に迫る洞察力の高さは師であるレオン・フライシャーも賛辞を惜しみません。

MDG
MDG-10222942(4CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲、管弦楽組曲、ほか(レーガー編)): ピアノ連弾版)
■CD1(47’54)
ブランデンブルク協奏曲
・第1番ヘ長調 BWV1046
・第2番ヘ長調 BWV1047
・第3番ト長調 BWV1048
■CD2(56’42)
ブランデンブルク協奏曲
・第4番ト長調 BWV1049
・第5番ニ長調 BWV1050
・第6番変ロ長調 BWV1051
■CD3(73’27)
・パッサカリア ハ短調 BWV582
管弦楽組曲
・第1番ハ長調 BWV1066
・第2番ロ短調 BWV1067
■CD4(74’46)
トッカータとフーガ ニ短調BWV565
管弦楽組曲
・第3番ニ長調 BWVB1068
・第4番ニ長調 BWV1069
・前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552
トレンクナー&シュパイデ ル・ピアノ・デュオ【エフェリン デ・トレンクナー(P)、ゾントラウト・シュパイデル(P)】

録音:1995年6月(CD1&2),2000年3月27-29日(CD3&4),Furstliche Reitbahn Bad Arolsen
MDGレーベルの"貴重な"録音を再リリースする「プレツィオーザ」シリーズ。今回はMDGレーベルを代表するアーティストである、ドイツのベテラン・ピアノ・デュ オ、トレンクナー&シュパイデルによるレーガー編曲によるバッハのブランデンブルク協奏曲と管弦楽組曲の全曲が4枚組セットとなって登場します。トレンクナー& シュパイデルは、これまで、『パシフィック231』『シェエラザード』『ボレロ』『ペール・ギュント』などのほか、マーラー編曲によるブルックナーの交響曲第3番、 ワルター編曲のマーラーの『巨人』『復活』といった作品を録音してきた実績があります。中でも『ブランデンブルク協奏曲』と『管弦楽組曲』の演奏で話題とな りました。ピアノ連弾版の編曲を行なったレーガーは、バッハを大変尊敬し、彼の作品を熱心に研究し、ブランデンブルク協奏曲、管弦楽組曲やオルガン 作品などの作品の編曲を行いました。レーガーの編曲は非常に理論的で、バッハの錯綜する声部をあますことなく4手に振り分けられているため、難易度が高く演 奏機会は多くはありませんでした。本作は、多彩な楽器編成からなる各曲をピアノ一台で聴くことができ、レーガーによる名人技の編曲が原曲の旋律や書法の見事 さを際立たせ、見事なピアノ・デュオの演奏とともに楽しむことができます。 (Ki)

SWR music
SWR-19140CD(1CD)
NX-B06
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op. 16
シューベルト:幻想曲「さすらい人」 Op.15D760*
オレグ・マイセンベルク(P)
バーデン=バーデン・フライブルクSWR響
アダム・フィッシャー(指)

録音:2004年5月8日 ウィーン、コンツェルトハウス、大ホール(オーストリア)、1990年3月6日 Sparkassensaal Lorrach(ドイツ)*
オレグ・マイセンベルクは、ソ連時代の1945年にオデッサ(現ウクライナのオデーサ)に生まれ、モスクワのグ ネーシン音楽学校で学びました。1967年ウィーンで開催された国際シューベルト・コンクールで第2位、同 年同地で行われた「20世紀の音楽」コンクールに優勝。ソ連国内で活躍した後、1981年にウィーンに移住 しました。それ以降はソリストのみならず、特に室内楽や歌曲のピアニストとして一流演奏家たちの信頼を得 て活躍しました。そのためか、マイセンベルクにはソロの録音が非常に少なく、 シューベルトの「さすらい人幻 想曲」には1982年のORFEO盤があるものの、グリーグのピアノ協奏曲は正規盤初出レパートリーとなりま す。また21世紀に入ってからの録音も非常に少ないので、この2004年のグリーグはその点でも貴重。ソリス トとしてのマイセンベルクの芸術を伝える重要なリリースです。

CPO
CPO-555467(1CD)
NX-B10
カール・シュターミッツ(1745-1801):協奏交響曲集
協奏交響曲第9番ハ長調
協奏交響曲第12番変ロ長調
協奏交響曲 ニ長調 Op.2-2
ハンス=ペーター・ホフマン(Vn)
ロベルト・コルン(Vn)
クリストフ・エーベルル(Vc)
ポール・メイエ(Cl)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O
ポール・メイエ(指)

録音:2021年2月18-20日
18世紀ドイツ、プファルツ選帝侯カール4世フィリップ・テオドールの宮廷楽団で活躍した作曲家たちによる"マンハ イム楽派"。この中心人物の一人であったカール・シュターミッツ(マンハイム楽派の創始者とされるヨハンの息子)は 多数の交響曲や協奏曲を残しましたが、バロックの合奏協奏曲に倣った「協奏交響曲」も40曲近く残していま す。これらは少なくとも2人のソリストがオーケストラと対峙するのが特徴で、トゥッティ(総奏)とソロのセクションが並 置されているものの、通常の協奏曲よりはトゥッティの部分が大きな割合を占めています。カール・シュターミッツの 作品はたいてい3楽章で構成されており、ヴァイオリンとチェロが独奏を務めるものが多いのですが、中には7つの楽 器をソロとしている曲もあります。これらのほとんどは1770年代にパリで書かれ、印刷されました。前2作のクラリ ネット協奏曲集(555053、555415)に引き続き、ポール・メイエが2019/20シーズンより首席指揮者を務める マンハイム・プファルツ選帝候室内Oとともに他の独奏者を交え伸びやかな演奏を聴かせます。また協奏 曲第9番では第2楽章のヴァイオリン・ソロ・パートを代替え可能とされているクラリネットで演奏。名技を披露して います。

N-crafts Sound
NC-0002(1CD)
税込定価
Sixties Dialogue
E. ボザ(1905-1991):2本のトランペットの為の「DIALOGUE」
W. ペリー(1930-):トランペットとオーケストラの為の協奏曲
J. ホロヴィッツ(1926-2022):コンチェルティーノ・クラシコ
ヒンデミット:トランペットとピアノの為のソナタ Op.137
E. モラレス(1966-):2本のトランペットの為の協奏曲
井川明彦(Tp).
栃本浩規(Tp).
下田望(P)
大倉里美(パーカッション).
小林雅文(パーカッション).
小林奏人(パーカッション).
柳原正人(パーカッション).

録音:2023年5月3-4日 飛騨芸術堂
60歳のオジサンが魂を込めて作ったCDです。指もうまくまわってないし、舌 も追い付いていないかもしれない。音程もどうか ... 。でも、若い人たちに は「お前らも60歳で吹けるかー ?!」って投げかけたいです。(栃本) 同世代には「60歳でCD出したぞ、あいつら」ってね。自分たちには同世代 が沢山いて、いつも彼らからいい刺激をもらっていたから、今度はこちらから も刺激を送りたいです。(井川)

CPO
CPO-555523(1CD)
NX-B10
ヴァイオリンと室内管弦楽の為の作品集
シモン・ラクス(1901-1983):詩曲- ヴァイオリンと室内Oの為の(E. ノヴィツカ編)
 弦楽の為の交響曲
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):3つの小品 - ヴァイオリンと室内Oの為の(E. ノヴィツカ編)
エヴェリナ・ノヴィツカ(1982-):カディッシュ1944- ヴァイオリンと室内Oの為の
エヴェリナ・ノヴィツカ(Vn)
ポーランド放送アマデウス室内O
アニエスカ・ドゥチマル(指)
アンナ・ドゥチマル=ムローズ(指)
録音:2012年2月8日、2013年1月18日
シモン・ラクスはフランスで活動したポーランドの作曲家。地元で学びパリに留学、タンスマンと親交を結びました。 1942年にナチス・ドイツによりアウシュヴィッツに送られるも、奇跡的に生き延びパリに帰還。その後も作曲活動を 続け、1967年頃からは作家に転身しました。一方ヴァインベルクは同じくポーランド出身、ロシアで活動しショスタ コーヴィチと親交を結びました。やはり戦争によって苦難の人生を送ったことで知られています。 このアルバムの演奏者エヴェリナ・ノヴィツカも、自身の大叔母が戦争中に辛い経験をしたことを知り、2人の作曲 家に強い親近感を抱くとともに、自身の芸術活動を2人の作品に捧げたいと思うようになったと語ります。 彼女の「カディッシュ1944」は1944年8月に解体されたウッチ・ゲットーの犠牲者たちに捧げる詩篇曲であり、ラ クスの「詩曲」はノヴィツカによるヴァイオリンと室内管弦楽の為の編曲。イザイの伝統を継承するヴァイオリンの技 巧が際立つ作品です。ヴァインベルクの「3つの小品」は16歳の時の作品で、こちらもノヴィツカが編曲を行ってい ます。

Channel Classics
CCSBOX-7723(3CD)
NX-E02
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲(全4曲)
パガニーニの主題による狂詩曲
前奏曲 嬰へ短調 Op.23-1
前奏曲 嬰ト短調 Op.32-12
前奏曲 ト長調 Op.32-5
前奏曲 変ロ?調 Op.23-2
交響曲 ニ短調 「ユース・シンフォニー」
アンナ・フェドロヴァ(P)
ザンクト・ガレンSO
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2019年11月、2021年11月、2022年11月トーンハレ・シアター、ザンクト・ガレン、スイス
ウクライナのキーウ出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍し数度の来日 公演でも素晴らしい演奏を聴かせているアンナ・フェドロヴァ。彼女が完成させたラフマニノフのピアノ協奏曲全集がBOXで登場します。フェド ロヴァのラフマニノフといえば、YouTubeにアップされている2013年9月アムステルダム・コンセルトヘボウでの協奏曲第2番のライヴ映像が、 10年間で4000万回近く再生されているというから驚きです。今回の一連の録音では比較的ゆったりとしたテンポを取っており、表情をダイナ ミックに付けていくピアノと大きくうねるようなオーケストラとの絡みが、作品の持つ叙情性と力強さを十二分に引き出しています。2023年現 在、ロシアの侵攻による母国の現状に深く心を痛めるフェドロヴァは「今は多くの人がロシア音楽の演奏を控えようとしていますが、ラフマニノフ を演奏することは私にとって重要なのです。それはその音楽が美しさと力強さ、感動に満ちたものであるとともに、彼自身がロシアという国家に 圧力を受けた被害者であったからです」と語ります。セット化にあたり組替えが行われており、第1番からパガニーニ狂詩曲までが作曲順に収 められているのも嬉しいところ。組み合わせて収録されていた前奏曲と「ユース・シンフォニー」も収録されておりますが、第3番と一緒に収録さ れていたシルヴェストロフの「使者」は、今回収録されておりません。

Willowhayne Records
WHR-068(1CD)
ホルン協奏曲集
アーノルド:ホルン協奏曲第2番Op.58
クリストフ・シェーンベルガー(1961-):ホルン協奏曲 ヘ長調 …世界初録音
ルース・ギップス(1921-1999):ホルン協奏曲 Op.58
ベン・ゴルトシャイダー(Hrn)
フィルハーモニアO
リー・レイノルズ(指)

録音:2021年3-5月 ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン
ブーレーズ・アンサンブルのメンバーで、ウエスト=イースタン・ディヴァンOの首席ホルン 奏者、ベン・ゴルトシャイダーによるWillowhayneレーベルからの2枚目のアルバム。1921年に生まれた 2人の作曲家、当時の前衛的実験的な音楽の流れに背を向けて旋律的な作品を書き続けたアーノル ドとギップス、そして同様の流れを汲む新古典派的作風のシェーンベルガーによる協奏曲を収録していま す。高く安定した技術と滑らかによく歌う表現力が素晴らしく、それぞれの作品の魅力を十二分に引き 出しています。

Glossa
GCD-924702(1CD)
ヒンメルスブルク〜バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
ヴァイオリン協奏曲ニ短調 BWV.1052R〔復元版〕
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
ヴァイオリン協奏曲ト短調 BWV.1056R〔復元版〕
リナ・トゥール・ボネ(バロック・Vn、指)
ムジカ・アルケミカ

録音:2022年11月15日-17日、ヴィラセカ音楽院(スペイン)
同世代でもっともエキサイティングなヴァイオリニストの一人と評されるスペインのバロック・ヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネと、彼女が結成したバロック・アンサンブル「ムジカ・アルケミカ」! スペインの古楽レーベルGlossaからリリースされる第2弾は、大バッハが残したヴァイオリン協奏曲集。
ビーバーの大作「ロザリオのソナタ集」の全曲録音でも批評家や聴衆から高い評価を得、2018年の来日公演を含むヨーロッパ各地でも全曲演奏を行ってきたスペシャリストであるリナ・トゥール・ボネ。本アルバムでは、バッハが残した協奏曲のうち、ヴィヴァルディから影響を受けたとされるオリジナルの2つの協奏曲(BWV1041、1042)と、チェンバロ協奏曲としても知られる2曲をカップリングしています。古楽から現代まで400年にわたる幅広いレパートリーを誇り、常に各時代の適切な楽器を使用して演奏に臨むボネが挑む、大バッハが残した偉大なるヴァイオリン芸術に注目ください。

Challenge Classics
CC-72945(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 第1集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
モーツァルト(ラツィック編):「ロンド・コンチェルタンテ」-アレグレット・グラツィオーソ(P・ソナタ第13番 変ロ長調 K.333/315c 第3楽章からの編曲/世界初録音)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
デヤン・ラツィック(P)
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(指)
ベルゲンPO

録音:2022年2月14-17日/ノルウェー、ベルゲン、グリーグホール
ピアニスト・作曲家として活躍する才気あふれる音楽家、ラツィックによるモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ第1弾。シリーズ全3枚で6曲の協奏曲を収 録予定です。異なる創作時期・編成・スタイルを並置させることでモーツァルトのゆたかな秘儀をあらわにし、またカデンツァやアインガングをラツィック作で統 一することで各曲を密接に結び付けていく、というコンセプトが掲げられています。
ラツィックは現代ピアノで演奏するにあたって、発音・フレージング・アーティキュレーションなどあらゆる事象を注意深く検討・調整し、オーケストラとのバ ランスも徹底的に吟味しました。和声進行のグラデーションに即したテンポ変化、軽やかにして理路整然とした物言い、知的な奔放さといった頭脳派ならではの 見事な解釈が結晶化しています。フリエンドのバックも機敏な反応を見せ、ピアノと共に動きのある音楽を作っていくさまが大いに刺激的。こまかい作り込みな がら響きは小型にならず、たっぷりとモーツァルトの音楽を鳴らしているのも好印象。23番アダージョの深淵とフィナーレの嬉々とした輝きは当ディスクのハイ ライトと言えます。
ソナタ(K.333/315c)からのラツィック編曲版は「独奏ピアノ、オーボエ2、ホルン2、ファゴット、弦五部」という完全な協奏曲編成。もともとこのロ ンドはモーツァルト自身がカデンツァを書き込んでいる珍しい楽章で協奏曲に親和性があるため、面白い試みです。ここからさらにラツィックが手を加えた「ピア ノ四重奏版」は既に録音があるものの、この管弦楽伴奏版は初録音。カデンツァはモーツァルトの書いた通りに弾かれますがピアノ・パート全体は原曲そのまま ではなく、オーケストラにも旋律が託されます。ハ短調で提示されるテーマにはオーボエがあてがわれたりと管楽器の用法もじつに多彩で本当のモーツァルトの 協奏曲のよう。ラツィックの高い作曲センスにうたれます。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72972(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番『皇帝』 Op.73
※カデンツァ:すべてベートーヴェン作
ハンネス・ミンナール(P)
ヤン・ヴィレム・デ ・フリエンド(指)
ネザーランドSO

録音:[CD1]2015年2月2-4日、[CD2]2016年9月23・27日、[CD3]2014年5月26-28日/オランダ、エンスヘデ、音楽センター
CHALLENGE CLASSICSのベストセラー、ミンナールとフリエンドのベートーヴェンがお求めやすい価格で再発売。当レーベルから多数の録音を発表してい るピアニスト、ミンナールのあざやかな快演が堪能できるセットです。神経の行き届いたタッチと落ち着き払ったテンポ感、そして明るく澄みきった音色が実に好印 象。フリエンドのバックも申し分なく、目の覚めるような素晴らしいベートーヴェンがお聴き頂けます。 (Ki)

C Major
76-4908(DVD)

76-5004(Bluray)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466*
 交響曲第40番ト短調K.550
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54*
シルヴェストロフ:『使者』(Pと弦楽の為の)*
エレーヌ・グリモー(P)*
カメラータ・ザルツブルク
ジョヴァンニ ・グッツォ(コンサートマスター)

収録:2022年3月、エルプフィルハーモニー・ハンブルク(ライヴ)
◆DVD
画面:NTSC16:9
音声:PCMステレオ、DTS5.1
リージョン:All
DVD9、104分
◆Bluray
画面:1080i16:9FullHD
音声:PCMステレオ、DTS-HD
MA5.1
リージョン:All
BD50、104分
グリモーが今回選んだ作品はモーツァルト、シューマンともに短調の協奏曲で、二人の作曲家として最も創造的な時期に作曲されたもの。グリモーは選曲理由を 「モーツァルトの短調の作品は少ないですが、彼の有名作を取り囲む陽気さに潜む裏側の顔を垣間見ることができる」と述べています。 モーツァルトのピアノ協奏曲第20番は彼のピアノ協奏曲の中で最も有名な曲のひとつで、モーツァルトが初めて作曲した短調の楽曲でもあります。親しみやすい 旋律、充実した音楽、そしてグリモーが言うようにモーツァルトの人間味を感じる作品です。グリモーの軽やかで繊細ありながら、揺るぎない芯のあるタッチでしっ かり聴かせます。またカメラータ・ザルツブルクの伴奏も柔らかく小気味良い演奏で、推進力のある演奏。 シューマンが唯一完成させたピアノ協奏曲は、妻クララによって初演されています。冒頭のドラマティックなピアノ、哀愁を帯びたオーボエが主題を奏で、それをピ アノが引き継ぐ。何度聴いても魅力的な作品です。グリモーのシューマンの協奏曲は、ベルリン・ドイツSO&ジンマン指揮(1995年録音)、シュターツカペ レ・ドレスデン&サロネン指揮(2005年録音)がありますが、いずれもロマンティシズム溢れる名演。グリモーの清新かつ情感溢れる美しい演奏とカメラータ・ザ ルツブルクとの絶妙な絡みも聴かせどころです。 アンコールに演奏したのは、グリモーが近年力を入れているウクライナの偉大な現役作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフの『使者』。ピアノと弦楽の為の作 品で、シルヴェストロフの亡くなった妻のラリッサ・ボンダレンコに捧げられています。

ALTO
ALC-1480(1CD)
レスピーギ:ヴァイオリン協奏曲集&組曲
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「グレゴリオ風協奏曲」
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「古風な協奏曲」
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「秋の詩」
アンドレア・カッペレッティ(Vn)、
マティアス・バーメルト(指)、
フィルハーモニアO、
イゴール・グルップマン(Vn)*、
ドナルド・バッラ(指)*、
サン・ディエゴ室内O*

録音:1993年
レスピーギの古楽研究が発揮された『グレゴリオ風協奏曲』と『古風な協奏曲』を、ナポリ音楽院を当時史上最年少の首席でディプロマ取得したというスイス出身のヴァイオリニスト、アンドレア・カッペレッティが弾いたレスピーギのヴァイオリン協奏曲の名盤の1つ(しかもオケはバーメルト指揮のフィルハーモニア管!)に、ウクライナのヴァイオリニストイゴール・グルップマンによる『秋の詩』もカップリングして復刻。

NORTHERN FLOWERS
NFPM-A99151(1CD)
ホルンの為のロシア音楽〜協奏曲&四重奏曲集
グリエール:ホルン協奏曲変ロ長調 Op.91、
 ホルンとピアノの為の4つの小品
グラズノフ:夢 Op.24、
 セレナーデ Op.11-2、牧歌
シェバリーン(1902-1963):ホルンと管弦楽の為のコンチェルティーノ Op.14-2
ニコライ・ニコラエヴィチ・チェレプニン:6つのホルン四重奏曲 ヘ長調
マリー=ルイーズ・ノイネッカー(Hrn)、
バンベルクSO、
ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト(指)、
ザルツブルク・モーツァルテウム・ホルン・アンサンブル、
パウル・リヴィニウス(P)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチが優勝した1983年のARDミュンヘン国際音楽コンクールで第2位に入賞し、バンベルクSOとフランクフルトRSOで首席ホルン奏者を務めたドイツの名ホルン奏者、マリー=ルイーズ・ノイネッカーによるロシア音楽アルバムが復刻。その魅力が喧伝されてこなかったためにこれまであまり知られていなかった隠れた名録音です。Koch internationalより1994年にリリースされていた音源。

MUSICAL CONCEPTS
MC-3111(1CDR)
女性作曲家による管弦楽作品集
ファニー・メンデルスゾーン:序曲
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.7
タイユフェール:ハープ・コンチェルティーノ
リリ・ブーランジェ:哀しみの夜に、春の朝に
ジョアン・ファレッタ(指)、
ウィメンズPO、
アンジェラ・チェン(P)、
ジリアン・ベネット(Hp)
グラモフォン誌の「過去と現在の偉大な指揮者50人」のひとりに選ばれ、グラミー賞も受賞している指揮者ジョアン・ファレッタが、ウィメンズPOを率いて贈る女性作曲家の管弦楽作品集。彼女の指揮は「トスカニーニのアンサンブルに対する厳格なコントロール、ワルターの内声部の愛情に満ちたバランス、ストコフスキの度肝を抜くショーマンシップ、そしてバーンスタインのように統制のとれた熱狂を持ち合わせている」と称賛されています。聴く機会の少ないファニー・メンデルスゾーンの序曲や、室内楽曲として聴くことが多いリリ・ブーランジェ作品のオーケストラ版に注目です。

PARNASSUS
PACD-96089(1CD)
エマヌエル・フォイアマン・イン・コンサート
(1)ドヴォルザーク:森の静けさOp.68、
 ロンド ト短調 Op.94
ブロッホ:ヘブライ狂詩曲 「シェロモ」 B.39
(2)ダルベール:チェロ協奏曲ハ長調 Op.20
(3)ヨーゼフ・ライヒャ(レイハ):チェロ協奏曲イ長調 Op.4-1
エマヌエル・フォイアマン(Vc)、
レオン・バージン(指)、
ナショナル・オーケストラル・アソシエーション

(1)録音:1941年11月10日
(2)録音:1940年4月22日
(3)録音:1940年1月27日
カザルスとともに20世紀前半を代表する名手の一人、エマヌエル・フォイアマンの貴重録音が新リマスターで登場!
フォイアマンはドヴォルザークのチェロ協奏曲の名盤も遺していますが、今回は敢えてライヒャとダルベールというレア・レパートリーが選ばれているところも注目でしょう。

Goodies
78CDR-3919(1CDR)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61 イゾルデ・メンゲス(Vn)
サー・ランドン・ロナルド(指)
ロイヤル・アルバート・ホールO

英HMV D767/71
1923年9月4、7&21日ロンドン録音
※復刻に使用したSP盤のキズによるノイズがあります。
イゾルデ・メンゲス(1892-1976)は20世紀前半に活躍した英国の女流ヴァイオリ ン奏者。1917年17歳で名ヴァイオリン教授レオポルド・アウアー(1845-1930)に 師事するためにロシアのザンクトペテルブルグに向かった。アウアーの元には 3年間逗留し教授の最もお気に入りの弟子だった。1913年、20歳でロンドンにデ ビューした。その時のプログラムはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、 ラロのスペイン交響曲に加えて、ベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン 協奏曲の縮小版だった。1916年から1919年には北米公演を行いアメリカのメジャ ー・オーケストラのほとんどと共演し名声を高めた。メンゲスはこのシリーズ でバッハ:「シャコンヌ」(78CDR-3020)、ブラームス:ヴァイオリン・ソナ タ第3番(78CDR-3497)、ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番(78CDR-3497)、 シューベルト:ソナチネ第3番(78CDR-3206)が出ています。指揮者のランドン・ロ ナルド(1873-1938)はロンドン生まれ。LSO、ロンドン新SO (ロイヤル・アルバート・ホールO)、スコティッシュ・ナショナル管弦 楽団の首席指揮者を歴任。機械式録音時代からレコード録音が多数あった。(グッディーズ)

オクタヴィア
OVCL-00828(1SACD)
税込定価
2023年9月27日発売
スメタナ:交響詩「モルダウ」
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 B.191
 歌劇《ルサルカ》より「月に寄せる歌」
笹沼樹(チェロ)
ダニエル・ライスキン(指揮)
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団

録音:2023年6月25日 東京・サントリーホール・ライヴ
ソリスト、室内楽奏者、東京交響楽団 の客演首席奏者として、国内外にて広 く活動を展開している新進気鋭のチェ リスト笹沼樹によるEXTON第1弾です。 当盤は23年7月6日、サントリーホール で行われたスロヴァキア・フィル来日 公演のライヴ・レコーディング。チェ ロ協奏曲ほか、スメタナの名作「わが 祖国」よりヴルタヴァ(モルダウ)、 笹沼とスロヴァキア・フィルによるア ンコールをカップリングし、チェコの 音楽を存分にお楽しみいただける1枚と なりました。日本人離れした情熱迸る 演奏で、聴く者を魅了する笹沼のチェ ロをはじめ、ライヴならではの気迫溢 れる演奏をご堪能ください。(オクタヴィア)

Evil Penguin Records
EPRC-0055(1CD)
サンバ=バッハ
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
ヴィラ=ロボス:Villa Cantilena & Melodia Sentimental
アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994):Desafinado / Garota de Ipanema
同:Samba de uma Nota So
マルコス・ヴァーリ(1943-):Samba de Verao
ノエル・ホーザ(1910-1937):Gago Apaixonado
アリ・バホーゾ(1903-1964):Aquarela do Brasil
アシス・ヴァレンテ(1911-1958):Brasil Pandeiro
ヴァルジール・アゼヴェード(1923-1980)/ジャコー・ド・バンドリン(1918-1969):Brasileirinho / Assanhado
ゼキーニャ・ジ・アブレウ(1880-1935):Tico-tico no Fuba
ジョルジ・ベンジョール(1939-):Mas que nada
ピシンギーニャ(1897-1973)&ベネヂート・ラセルダ(1903-1958):Um a zero
リナス・ロス(Vn )
オルケストラ・ヨハン・セバスティアン・リオ

録音:2023年3月24・25・27・28日リオデジャネイロ、セシリア・メイレレス・ホール
ドイツのヴァイオリニスト、リナス・ロスとブラジルのオーケストラによるユニークなプロジェクト。バッハのヴァイオリン協奏曲に始まり、『ブラジル風バッハ』 でもおなじみのヴィラ=ロボスを経て、有名なサンバのメロディをヴァイオリン独奏、弦楽合奏、チェンバロ、ギター、パーカッションの為のアレンジで演奏。ドイツ の作曲家・ブラジルの作曲家・ブラジルの民族音楽と移り変わっていく音の景色をお楽しみください。 (Ki)

Chandos
CHAN-20246(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.8
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」序曲
歌劇「魔笛」序曲
歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲
ピアノ協奏曲第26番KV537「戴冠式」*
ピアノ協奏曲第27番 KV595*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2022年9月24日-26日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN-10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第8弾となる本アルバムでは、ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」とピアノ協奏曲第27番が収録されました。「戴冠式」は左手のパートの大部分が作曲者自身によっては書き込まれておらず、出版時に別の人物によって補完されています。今回の録音のためにジャン=エフラム・バヴゼは独自のバージョンを作り演奏しています。

CEDILLE
CDR-90000221(1CD)
NX-B04
リカルド・カストロ/マヌエル・ポンセ:ピアノ協奏曲
リカルド・カストロ(1864-1907):ピアノ協奏曲 Op. 22
 子守歌 Op.36-1/愛の歌
 嘆き Op.38-2
ポンセ:ピアノ協奏曲第1番「ロマンティコ」
 メキシコの子守唄「ラ・ランチェリータ」
 ガヴォット
 愛のロマンス/間奏曲
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(P)
ミネリアSO
カルロス・ミゲル・プリエト(指)

録音:2022年8月1、8日
19世紀末のメキシコにおけるクラシック音楽の発展に寄与した2人の作曲家、カストロとポンセのピアノ協奏曲を中心に収録したアルバム。 カストロはメキシコシティの国立音楽院でピアノと和声、作曲を学び、1883年5月にはベネズエラで開かれたシモン・ボリバル生誕百年祭に彼の作品 が送られるなど高い評価を受けるとともに、ピアニストとして活躍。1900年には音楽院の作曲家教授に就任し、後進の指導にも力を尽くしました。彼 のピアノ協奏曲は、メキシコ人作曲家として初めてのもので、華麗なピアノ・パートと、それを支える壮大なオーケストラの響きが魅力的です。 ポンセはカストロの次世代を代表する作曲家の一人。10代でサンディエゴ教会のオルガニストを務めた後、イタリアとドイツに留学、帰国後はカストロ の後任としてメキシコ国立音楽院のピアノ科教授に就任するなど活躍します。後年、アンドレス・セゴビアと交流し、数多くのギター曲を書いたことでも 知られています。このピアノ協奏曲は「ロマンティコ」のタイトル通り、リスト作品を思わせる妙技と美しさを兼ね備えています。 メキシコ生まれのホルヘ・フェデリコ・オソリオが自国の偉大な作曲家への共感を込めた熱い演奏を披露しています。
CEDILLE
CDR-90000223(1CD)
NX-B04
ショスタコーヴィチ/メニーアン:ヴァイオリン協奏曲集
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
アール・メニーアン(1976-):ヴァイオリンと管弦楽の為の協奏曲
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ティート・ムニョス(指)

録音:2022年1月7-8日
シカゴ生まれのレイチェル・バートン・パインの新作は挑発的な内容に注目です。ライプツィヒのバッハ・コンクー ルに優勝し、シゲティやクライスラー・コンクールにも入賞してキャリアを築いてきたパインですが、10代でヘヴィ メタルに目覚めたという一面も持っており、ヘヴメタ・スピリットに通じる闘争や反抗の精神の感じられる2曲を カップリングしました。メニーアンはヴァイオリニスト、アレンジャーとしても活躍する作曲家。メタル、ハードコア、 クラシックの要素を融合した彼の音楽は、メタリカのベーシスト、ロバート・トゥルヒーヨも称賛しています。アル バム・タイトルの「Dependent Arising」は仏教用語の「縁起」の英訳です。

SUPRAPHON
SU-4331(1CD)
ヤン・ノヴァーク(1921-1984):作品集
(1)4手ピアノと弦楽オーケストラのための「Concentus biiugis」(1977)【改訂版】
(2)フルート、弦楽オーケストラ、ハープとチェレスタのための「Choreae vernales」(1980)
(3)2台のピアノとオーケストラのための協奏曲(1955)
(1)(3)ドラ・ノヴァク=ウィルミントン(P)、
(1)(3)カレル・コシャーレク(P)
(2)クララ・ノヴァーコヴァーー(Fl)
プラハRSO、
トマーシュ・ネトピル(指)

録音:(1)(3)2022年3月7〜12日、(2)2022年12月6&7日/チェコ放送第1スタジオ(プラハ)
モラヴィア出身の作曲家ヤン・ノヴァーク(1921-1984)の協奏曲アルバム。1940年代後半、アメリカでマルティヌーに師事し、50年代から映画音楽など数多くの作品で人気を博しました。しかし、母国の共産主義体制に反発しデンマーク、イタリア、ドイツに亡命。晩年はバイエルンに居を構え活動しました。
母国では長らく発禁処分扱いの作曲家であったノヴァークの作品ですが、作曲者歿後30周年にあたる2014年にスプラフォン・レーベルからリリースしたのが「ヤン・ノヴァークの合唱作品集」(SU-4159)でした。このリリースによってノヴァークの再評価が進み、現在チェコをはじめ演奏機会が徐々に増えつつあります。
当アルバムは来年(2024年)の歿後40周年を前に協奏曲3篇を録音。当録音の注目はノヴァークの愛娘がソリストを務めていること。フルートのクララ・ノヴァーコヴァーは、15歳のときに父親から「Choreaevernales」の初稿を献呈されたときの思い出とともに、父への感謝の思いを込めて演奏。またドラ・ノヴァク=ウィルミントンはピアノの名手であった母エリシュカを思い出しながら偉大な父の作品に挑みました。当アルバムの録音は、ある意味「時を超えた家族の再会」ともいえます。
ノヴァークの音楽は、軽快で優雅、ユーモアのセンス、そしてわずかに挑発的でもあることで知られ、ニューヨークでマルティヌーに師事したときの印象や一緒にジャズクラブを訪れた時の思いなどが詰まった「2台のピアノとオーケストラのための協奏曲」は、師から認められたいという願望が反映されているともいえます。
またノヴァークは、日常生活においても使い、完璧にマスターしていたラテン語にインスパイアされた作品も数多くあります。4手ピアノのための「Concentusbiiugis」は、作曲者がドイツに亡命していた年に母国の反体制運動である「憲章77」に賛同していることをあらわした作品。その3年後、ノヴァークはこの作品に弦楽オーケストラをつけ、非常にカラフルな作品に仕上げました。今回録音されたのはほとんど知られていない改訂稿で、当バージョンでは世界初録音となります。
指揮はトマーシュ・ネトピルです。ネトピルは1975年チェコ共和国東部のクロメルジーシュ生まれ。ザルツブルク音楽祭やベルリン・フィル、ドレスデン・シュターツカペレの公演に出演、2013/14年のシーズンよりエッセン歌劇場の音楽総監督に就任すると同時に、ドレスデン国立歌劇場、パリ国立オペラ座、ウィーン国立歌劇場、またベルリン・フィル、パリ管、ロンドン・フィルといった、欧州各地のオーケストラや劇場へ出演するなど、オペラ、コンサートの両面で活躍を続けています。日本では2019年11月、読売日本SOとの演奏会も話題となりました。 (Ki)

CORO
COR-16200(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集 Vol.2
ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
アイスリン・ノスキー(Vn)、
ヘンデル&ハイドン・ソサエティ

録音(ライヴ):2023年1月6日&8日(K.211)、2022年1月28日&30日(K.207)、2019年1月25日&27日(K.219)、シンフォニー・ホール(ボストン、アメリカ)
ハリー・クリストファーズが2022年まで音楽監督を、そして現在は桂冠指揮者を務めるアメリカ最古のピリオド・オーケストラ、「ヘンデル&ハイドン・ソサエティ(HHS)」のコンサートマスターとして、またアイブラーSQのメンバーとしてもCoroレーベルのディスコグラフィーを華麗に彩ってきたカナダのヴァイオリニスト、アイスリン・ノスキーをフィーチャーしたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集の第2弾。前作(COR16183)同様、全曲ボストンのシンフォニー・ホールでのライヴ・レコーディングとなっています。
ニューヨーク・タイムズ紙でも絶賛され、バロック・ヴァイオリニストとして躍進を続けるアイスリン・ノスキーのダイナミックな弾き振りを是非、ご堪能下さい。

Goodies
78CDR-3915(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595(カデンツァ:モーツァルト) アルトゥール・シュナーベル(P)
サー・ジョン・バルビローリ(指)LSO

米 VICTOR17053/56(英 HMV DB2249/52と同一録音)
1934年5月2日ロンドン、アビー・ロードEMI 第1スタジオ録音
今でこそ幾多の録音が存在するこの曲だが、1934年にウィーンでシュナーベル によって演奏されたのは、なんとモーツァルトがこの地で初演して以来の二度 目の演奏会だったことはあまり知られていない。この曲の世界初録音。アルトゥ ール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オーストリア領)生 まれ。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に名教授テオドー ル・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・デビュー、1933 年までこの地を本拠にした。その後1932年から1934年にロンドンに居を構え、 1939年にアメリカに移住した。指揮者のサー・ジョン・バルビローリはロンド ン生まれ。1916年ヘンリー・ウッドの率いるクイーンズ・ホールOに入 りチェリストとして活躍を始めた。1925年室内Oを組織して指揮者に転 向。1936年ニューヨーク・フィルの首席指揮者になった。
Goodies
78CDR-3916(1CDR)
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調作品16 モウラ・リンパニー(P)
シドニー・ビーア(指)ナショナルSO

英 DECCA AK1134/37
1945年5月14日ロンドン、キングスウェイ・ホール録音
モウラ・リンパニー(1916-2005)はイギリスのコーンウォール生まれの女流ピア ニスト。幼少時にベルギーの修道院に送られ、そこで音楽才能が開花し、リエ ージュで勉強を続けた。その後ロンドンの王立アカデミーでも学んだ。さらに ウィーンでパウル・ヴァインガルテンに師事し、1938年ブリュッセルで開催さ れたイザイ・ピアノ・コンクールでソ連のエミール・ギレリス(1916-1985)に 次いで2位に入賞した。第2次世界大戦後はイギリスで最も名前の通ったピアニ ストになった。指揮者のシドニー・ビーアはナショナルSOの創立者。こ のシリーズでチャイコフスキー交響曲第5番(78CDR-3158)が出ています。第2楽章 のホルン・ソロはデニス・ブレインが吹いています。

Gramola
GRAM-99284(1CD)
ジャズ・ヴァイオリン・コンチェルト - メイド・イン・オーストリア
ヘルベルト・ベルガー(1969-):メトロポール組曲(Vnと弦楽オーケストラの為の協奏曲)
フリードリヒ・グルダ(1930-2000):Wings ウィングス(独奏ヴァイオリン、弦楽オーケストラとパーカッション(リズム・セクション)の為の小協奏曲)
ザビーナ・ハンク(1976-):見捨てられた天使の為の3つの歌(独奏ヴァイオリン、弦楽オーケストラとパーカッション(ドラムス)の為の協奏曲)
ベンヤミン・シュミット(Vn&指揮)
ムジカ・ヴィーテO
クリスティアン・レットナー(ドラムス)

録音:2020年10月24-25日、2021年8月15-19日、2021年9月14日
ベンヤミン・シュミットはクラシックだけでなく、ジャズや即興演奏にも強い関心を抱き、以前にも少年時代から憧れていたというステファン・グラッペリにイ ンスパイアされたアルバムを出すなど、幅広い活動をしています。このアルバムでは、スウェーデンの室内オーケストラ「ムジカ・ヴィーテ」と共に、オーストリ アの3人の作曲家のジャズ・コンチェルトを演奏。ヘルベルト・ベルガーの「メトロポール組曲」は、本来のクロマティック・ハーモニカの独奏部を今回の録 音のためにヴァイオリンへとアレンジ。ジャズ・ピアニスト、ザビーナ・ハンクの「見捨てられた天使の為の3つの歌」はシュミットのために書かれた作品で す。また、フリードリヒ・グルダの「ウィングス=翼」は4つのセクションから成る18分ほどの曲で、シュミットによればツィガーヌ風、バロック風、グルーヴ風の セクションがあり、最後にリディア旋法(リディアンスケール)を強く意識した即興的な部分があり、彼はここでオリジナルの即興演奏を加えているそうで す。


ARCANA
A-550(3CD)
NX-E02
ヴィヴァルディの三つの季節 〜ヴァイオリン協奏曲集〜
【Disc1】 春
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV343「さまざまに異なる調弦のヴァイオリンを集めて」〜アンナ・マリアの為の協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 RV240
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV230(協奏曲集『調和の霊感』Op.3-9)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV332(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8-8)
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV265(協奏曲集『調和の霊感』Op.3-12)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8-11)
【Disc2】 夏
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV189〜神聖ローマ皇帝カール6世の依頼による
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV333
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV289(世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV197
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV330
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV380
【Disc3】 秋
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV201
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV371
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV353
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV367(初期稿による世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV327
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV390
ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
使用楽器:ピエトロ・グヮルネリ1733年製作のオリジナル楽器
アッカデーミア・デラヌンチアータ(古楽器使用)
リッカルド・ドーニ(チェンバロ、ポジティフオルガン、指揮)

録音:2023年1月13-16日、2月1-4日、3月13-16日サン・ベルナルディーノ教会、アッビアーテグラッソ(イタリア北部ロンバルディア州ミラノ県)
水の都ヴェネツィアで聖職につきながら礼拝には加わらず、むしろ他の追従を許さないヴァイオリン演奏の妙技や作曲、歌劇興行手配などで 名声を博した「赤毛の司祭」ヴィヴァルディ。その膨大な作品群は今や数々の歌劇や声楽曲、珍しい室内楽曲に至るまで無数の名盤に刻 まれていますが、その本領はやはり独奏協奏曲、とりわけ当人が名演奏家だったヴァイオリン協奏曲の数々にあったと言ってよいでしょう。名 手ジュリアーノ・カルミニョーラはこれまでも数々の録音でこの作曲家と向き合ってきましたが、同じイタリアの最前線をゆく古楽器楽団アッカ デーミア・デラヌンチアータと満を持して3枚組で世に問う今回のアルバムは、そんなヴィヴァルディの活動歴を、初期から後年まで全てヴァイオ リン協奏曲だけで辿ってゆく意欲作! CD1枚ごと春(最初の躍進期)、夏(全盛期)、秋(名声安定期)と作曲年代で作品を集め、変則 調弦(スコルダトゥーラ)の活用やスリリングな超絶技巧、歌劇にも通じる歌心、細やかな音響表現の妙と、多岐にわたるヴィヴァルディ語法 の魅力を隅々まで徹底分解してゆきます。カルミニョーラならではの圧巻のソロは今回もダイナミックでありながら気品に満ち、弦楽と通奏低 音だけの編成にもかかわらず作品の機微をよく読み解き、驚くほど多彩な響きを繰り出してゆくアッカデーミア・デラヌンチアータの才人たちと味 わい深くも興奮を誘う対話を続けてゆきます。世界初録音も含むプログラム構成は、ヴィヴァルディ研究の最前線で見過ごしがたい実績をみ せている音楽学者オリヴィエ・フレが全面協力、ライナーノートも執筆しています(英・仏・伊語)。

Resonus
RES-10319(1CD)
NX-B05
マーク・デイヴィッド・ボーデン(1986-):クラリネット協奏曲(2017)
ヒュー・ワトキンス(1976-):Four Fables4つの寓話 - クラリネットとピアノ・トリオのために(2018)
ダイアナ・バレル(1948-):クラリネット協奏曲(1996)
サラ・フランシス・ジェンキンス(1998-):木漏れ日(2020)
ロバート・プレーン(Cl)
グールド・ピアノ・トリオ【ルーシー・グールド(Vn)、リチャード・レスター(Vc)、ベンジャミン・フリス(P)】
BBCPO
ジェフリー・パターソン(指)

録音:2022年12月13-14日
BBCウェールズ・ナショナルOの首席クラリネット奏者を20年余りにわたって務めた他、バーミンガ ム市SOとロイヤル ノーザン シンフォニアでも首席奏者をつとめたロバート・プレーンは、その長い キャリアを通じて、彼のために特別に書かれた数多くの作品の初演を行ったことで「現代音楽の擁護者」 として知られています。 このアルバムでは4人の現代作曲家の作品を紹介。プレーンの活動の初期に委嘱したというバレルの 「クラリネット協奏曲」、マラソンにインスパイアされたボーデンの協奏曲、シューマンの作品に倣ったワトキ ンスの「4つの寓話」、プレーンに師事したこともあるジェンキンスが自然からインスパイアされて書いた「木 漏れ日」。どれもプレーンのために書かれたものです。演奏にはピアニスト、ベンジャミン・フリスが参加する グールド・ピアノ・トリオと、ジェフリー・パターソンが指揮するBBCフィルハーモニックが参加しています。

Biddulph
BIDD-85035(1CD)
ナタン・ミルシテイン 1953年の協奏曲録音集
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲*
ナタン・ミルシテイン(Vn)
ピッツバーグSO
ウィリアム・スタインバーグ(指)
ボストンSO*
シャルル・ミュンシュ(指)*

録音:1953年11月28日 ボストン、シンフォニー・ホール、1953年3月23日 ピッツバーグ、シリア・モスク*
初出盤:Capitol P8243(1-6)、RCA LM1760(7-9)
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:David Hermann
マスタリング:Rick Torres
帝政ロシア(現ウクライナ)のオデーサに生まれたナタン・ミルシテインは、一度も来日しなかったにもかかわらず、卓越した技巧と美音、品格を感じさせる演奏 により日本でも多くのファンを持っています。ここに収められた3曲に関して、ミルシテインにはSP、モノラル、ステレオと3から4種類の録音があり、加えていくつか のライヴ録音がCD化されています。Biddulphが今回CD化したのは、いずれもミルシテインにとって2度目にあたるモノラルLP時代の録音。1904年1月13 日(ユリウス暦では1903年12月31日)生まれのミルシテインは録音時には49歳。「脂が乗り切った」と形容したくなる推進力に富んだ快演が繰り広げら れています。メンデルスゾーンとブルッフの2曲をわずか1日のセッションで録り終えているのは、演奏の完成度の高さあればこそでしょう。しかし、その後間もなく ステレオ録音の時代となって、ミルシテインも1959年にはこれら3曲をステレオで録音し直しました。更にチャイコフスキーとメンデルスゾーンについては、1972 年にアバド指揮ウィーン・フィルと録音したDG盤が代表盤とされてきたことから、1953年のモノラル盤が注目されることはありませんでした。 Biddulphレーベルは、これらの演奏が聴かれないのは余りにも惜しいと考えて復刻に取り組みました。同じ1953年の録音ですが、チャイコフスキーはミルシ テインのRCAレッドシール時代最後の録音で、メンデルスゾーンとブルッフはキャピトルに看板アーティストとして迎えられてからの録音。彼の録音キャリアにとっ ての節目が刻まれたCDになります。また原盤解説によれば、メンデルスゾーンとブルッフの第1番という定番のカップリングを初めて採用したのがこのミルシテイ ン盤だったとのことです。ブックレットには、ミルシテインが使っていた1716年製ストラディヴァリウスの胴体部分の写真と、メンデルスゾーン&ブルッフの初出LP のジャケット写真がカラーで掲載されており、スタインバーグとの録音セッションの写真が2点モノクロで掲載されています。

BONGIOVANNI
GB-5639(1CD)
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲全集 第1集
協奏曲 ト短調 RV495
協奏曲 ヘ長調 RV486
協奏曲 変ロ長調 RV502
協奏曲 ホ短調 RV484
協奏曲 ハ長調 RV476
協奏曲 ト短調 RV496
協奏曲 変ホ長調 RV483
協奏曲 ト長調 RV493
マウロ・モングッツィ(Fg)
スカラ座の弦楽奏者たち
ジョヴァン ニ・ブロッロ(Cemb)

録音:2021年11月12日、2022年5月30日イタリア、ブリオスコ
今や貴重なモダン楽器によるヴィヴァルディのファゴット協奏曲。ソリストはミラノRAISO、フェニーチェ歌劇場Oなどでファゴット奏者を務めるイ タリアの名手マウロ・モングッツィ。弦楽はスカラ座の奏者たちが各パート一人ずつの弦五部で演奏し、そこにチェンバロが加わる編成です。豊かな響きを含ませ た録音で、モダン楽器の美質が思いきり打ち出されているのが印象的。またコントラバスがいるため低音の存在感がすさまじく、どっしりとしたバスが何とも贅沢。 きびきびとしたテンポ感を取りながらも各奏者が良く歌いこんだ演奏で、ファゴットの技巧も十二分に堪能できます。
様々な楽器のために協奏曲を大量に書いたヴィヴァルディ。約40曲残されているファゴット協奏曲はどれも楽曲の完成度が高く、ファゴットの限界に挑む超絶 技巧や弦楽の驚くような動きなど、時代の最先端を行ったヴィヴァルディ節が炸裂しています。RV484は美しい旋律をもつ名作。 (Ki)

MELO CLASSIC
MC-1071(2CD)
ゲザ・アンダ/楽旅1951-1961

(1)シューマン:ピアノ協奏曲
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(4)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
ゲザ・アンダ(P)

(1)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1951年12月20日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1961年10月2日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(3)ルドルフ・ミヒル(指)ザールブリュッケンRSO
録音:1956年5月26日 西ドイツ ザールラント州 ザールブリュッケン (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)フェレンツ・フリッチャイ(指)バイエルン国立O
録音:1958年5月12日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・ライヴ)
ハンガリー出身のスイスの名ピアニスト、ゲザ・アンダの 4つの演奏会での協奏曲を集めて います。アンダはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1 番を若い頃に録音していたが、このルクセ ンブルクでの放送スタジオ録音はとても白熱した演奏、特に第 3楽章終盤は、名匠ルイ・ド・フ ロマンの伴奏もあって実にスリリング。ブラームスのピアノ協奏曲第2 番はDG に2度商業録音:をしているほどのアンダのお得意曲。ここでも説得力の強い名演を聞かせてくれます。指揮は DG1回目と同じくフェレンツ・フリッチャイ。オーケストラがバイエルン国立Oなのでより 大らかさが強く感じられます。もちろんシューマン、ラフマニノフも素晴らしい。
MELO CLASSIC
MC-1073(2CD)
ジュリアス・カッチェン/楽旅1960-1968
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(3)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番
(4)ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
(5)バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
(6)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ジュリアス・カッチェン(P)

(1)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1964年3月25日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO
録音:1964年4月3日 西ドイツ シュトゥットガルト (モノラル・放送スタジオ録音)
(3)カール・ランドルフ(指)NDR SO
録音:1960年1月6日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1964年9月30日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・ライヴ)
(5)ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(指)南ドイツRSO
録音:1967年12月8日 西ドイツ シュトゥットガルト (ステレオ・ライヴ)
(6)シャルル・ブリュック(指)ORTF PO
録音:1968年12月10日 フランス パリ (ステレオ・ライヴ)
米国のピアニスト、ジュリアス・カッチェン(1926―1969)の協奏曲の録音集。ジュリアス・カッチェンは第二次世界大戦後間 もなく欧州に渡って大活躍した米国人音楽家の代表的存在だが、僅か 42歳で亡くなってしまった。この2CD の中では、商 業録音を残さなかったプロコフィエフのピアノ協奏曲第 1番が特に貴重。ブリュッセルでのブラームスのピアノ協奏曲第 2番は燃焼度が高く、商業録音だけでカッチェンを聞いてはいけないことが分かる。カッチェンお得意のラフマニノフのパガニー ニの主題によるラプソディは名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテットの伴奏でこれもスリリング。バルトークのピアノ協奏曲 第3番は、あまり広がらないとはいえステレオ録音なのがありがたい。そしてラヴェルの左手のための協奏曲では、ピエール・ モントゥの高弟シャルル・ブリュックがパリの色彩豊かな伴奏で、カッチェンのピアノを引き立てています。どれもカッチェンの素 晴らしい音楽を楽しみつつ、早世してしまったことに残念に思わざるを得ない2CD です。
MELO CLASSIC
MC-1074(2CD)
ニキタ・マガロフ/演奏会楽旅1955-1973

(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
(3)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(4)ラヴェル:ピアノ協奏曲
(5)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
ニキタ・マガロフ(P)

(1)モーリス・ル・ルー(指)フランス国立放送O
録音:1964年10月6日 フランス パリ (モノラル・ライヴ)
(2)アンジェイ・マルコフスキ(指)ハノーファーNDRO
録音:1969年12月12日 西ドイツ ニーダーザクセン州 ハノーファー(ステレオ・ライヴ)
(3)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1955年10月20日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1963年10月23日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・ライヴ)
(5)ズデニェク・マーツァル(指)フランス国立放送O
録音:1973年11月28日 フランス パリ (ステレオ・ライヴ)
20世紀の名ピアニストの一人、ニキタ・マガロフの協奏曲録音集。マガロフは1912 年、ロシアのサンクトペテルブルクの生 まれ。父親はジョージア、トビリシの上流階級の生まれ。母は地元サンクトペテルブルクの人。ロシア革命の後にフィンランド のヘルシンキに脱出、一旦米国へ移る物の、フランスに渡りパリ音楽院で学ぶ。1930 年代にはパリで人気のピアニストとな り、戦後は巨匠として大いに活躍、またジュネーヴ音楽院での教職でも重きを置いた。マガロフのピアノはロマンティシズムと は一線を画した端正な音楽を基礎としつつも、しかし古き良き時代のピアノ美学も感じさせるもので、非常に独特です。マ ガロフの録音は多いものの、独奏曲(特にショパン)が主で、協奏曲の録音は限られています。ニューヨーク時代に接点のあっ たラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は彼の初めての録音かもしれない。しかもステレオ録音。ラヴェルのピアノ協奏曲は名 匠ハンス・シュミット=イッセルシュテットの伴奏。マガロフのピアノにも指揮にも、この作品が生まれた時のモダンな新鮮さが 良く表れています。あまりベートーヴェンを弾かなかったマガロフだが、ピアノ協奏曲第 4番は得意曲だった。彼も伴奏指揮の モーリス・ル・ルーも伝統的ドイツ的なベートーヴェンとは一線を画し、自由な発想で充実した演奏を繰り広げています。
MELO CLASSIC
MC-1075(2CD)
ジョン・オグドン/演奏会楽旅1965-1970

(1)シューマン:ピアノ協奏曲
(2)リスト;ピアノ協奏曲第2番
(3)ブゾーニ:インディアン幻想曲 Op.44
(4)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
(5)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
(6)ヒンデミット:ピアノ協奏曲
ジョン・オグドン(P)

(1)ヴァーツラフ・ノイマン(指)南ドイツRSO
録音:1967年3月10日 西ドイツ シュトゥットガルト (ステレオ・ライヴ)
(2)アンドレアス・フォン・ルカーチ(指)南西ドイツRSO
録音:1970年3月6日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 バーデン=バーデン (ステレオ・放送スタジオ)
(3ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1965年10月27日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1965年10月25日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(5)ラファエル・クーベリック(指)バイエルンRSO
録音:1968年5月24日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (ステレオ・放送スタジオ録音)
(6)フェルディナント・ライトナー(指)バイエルンRSO
録音:1970年12月11日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (ステレオ・放送スタジオ)
英国のピアニスト、ジョン・オグドンの欧州各地での協奏曲の録音。ジョン・オグドンは1937 年、イングランド、ノッティンガム シャーのマンスフィールド・ウッドハウスの生まれ。1962 年、モスクワでのチャイコフスキー国際コンクールでウラディーミル・ア シュケナージと共に優勝を分け合ったことで名高い。以来精力的に演奏活動を行ったオグドンだが、1973 年に躁うつ病(双 極性障害)を患い、さらに健康を害して1989 年に52歳の若さで亡くなってしまった。全盛期は僅か十年強。 この2CD のうち、ブゾーニのインディアン幻想曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第 3番、ラヴェルの左手のための協奏曲、 そしてヒンデミットの協奏曲はオグドンが商業録音を残さなかった曲です。最も重要なものはブゾーニの「インディアン幻想 曲」でしょう。オグドンはブゾーニを強く敬愛していたが、残された録音は少なく、「インディアン幻想曲」もこれが始めて世に出 るもの。ヒンデミットに至っては彼は1曲も商業録音を残しておらず、なおのこと貴重だ。アメリカ時代の1945 年作のピアノ協 奏曲は、オグドンの個性にピタリと合った音楽で、これがフェルディナント・ライトナーの指揮でステレオ録音で残されていた のは非常に幸運です。同様にラファエル・クーベリックの伴奏指揮によるラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲もステレオ 録音。オグドンのラヴェルは鮮やかな技巧で弾き切った充実感の残るものだ。
MELO CLASSIC
MC-2052(2CD)
ヘンリク・シェリング/演奏会楽旅1952-1976

(1)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
(3)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
(4)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2 番
(5)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
(6)ラロ:スペイン交響曲
ヘンリク・シェリング(Vn)

(1)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1952年1月17日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)カール・フォン・ガラグリ(指)ハルモニエン音楽協会(現 ベルゲン・フィル)
録音:1955年5月26日 ノルウェーベルゲン (モノラル・ライヴ)
(3)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1962年9月24日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ヴィルヘルム・シュヒター(指)NDR響
録音:1957年10月16日 西ドイツ ハンブルク (モノラル)
(5)アンヘル・サウチェ(指)ヴェネズエラSO
録音:1958年4月11日 ヴェネズエラ カラカス(モノラル)
(6)オイゲン・ヨッフム(指)ケルンRSO
録音:1976年9月7日 スイス ルツェルン (ステレオ・ライヴ)
20世紀半ばの偉大なヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリング(1918-1988)の様々な協奏 曲、オーケストラ伴奏の作品の録音を集めています。シェリングは多くの商業録音を残し、そこ から端正で美しいヴァイオリンという印象が広まった。ベルゲンでのメンデルスゾーンの協奏 曲ではそのイメージ通りのキリリと美しい演奏だ。ところが同じ時のラヴェルのツィガーヌで は、猛烈な緩急をつけてしばしばオーケストラを振り切らんばかりになり、14 年後の商業録 音とは別人のようだ。我々の知っている整ったシェリングの中には、激しい情熱が燃えてい ることを分からせる演奏だ。シェリングと名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテット音楽作り の方向性が一致していて、ここに収録されているシベリウスの協奏曲でも非常に完成度が 高い。グラズノフのヴァイオリン協奏曲はシェリングが商業録音を残さなかった曲。彼はこの 曲とは相性が良かったようで、素敵に仕上がっています。ルツェルンでオイゲン・ヨッフムが伴 奏指揮したラロのスペイン交響曲はステレオ録音。
MELO CLASSIC
MC-3017(2CD)
ジャクリーヌ・デュ・プレ/演奏会ライヴ1965-1969
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
(2)シューマン:チェロ協奏曲 イ短調
(3)バッハ:チェロとピアノのためのソナタ第3 番ト短調 BWV1029
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2
シューマン:幻想曲集 Op.73
ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op 65
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)

(1)ズビン・メータ(指)BPO
録音:1968年8月4日 オーストリア ザルツブルク州 ザルツブルク (モノラル・ライヴ)
(2)マルティン・トゥルノフスキー(指)NDR響
録音:1969年1月24日 西ドイツ ニーダーザクセン州 ハノーファー(モノラル・ライヴ)
(3)スティーヴン・ビショップ(スティーヴン・コヴァセヴィッチ)(P)
録音:1965年6月11日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 エトリンゲン(モノラル・ライヴ録音)
MELOCLASSIC がなんとジャクリーヌ・デュ・プレのライヴ録音を発掘!彼女の唯一のザルツブルク音楽祭出演となった1968 年8月4日のドヴォルザークのチェロ協奏曲は伝説的名演。デュ・プレもメータも燃えまくり、終演後は大喝采。もう一つのお宝はブリ テンのチェロ・ソナタ。これまで1965年2月の部分的な録音があったものの、全曲はこれが初登場かも。もう一つのお宝はバッハ のヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ BWV1029をチェロとピアノで弾いた演奏。そもそもデュ・プレはバッハの録音が 少ないので、1曲丸ごと出て来るだけで待望のもの。シューマンは協奏曲も幻想曲集も情感豊かで、デュ・プレに打って付け。エト リンゲンのリサイタルは本名時代の名ピアニスト、スティーヴン・コヴァセヴィッチが伴奏ピアノというのもありがたい。 MELOCLASSIC は一度品切れするとそのまま再プレスがないことがしばしばなので、デュ・プレ・マニアの方はくれぐれもお早め に。

Goodies
33CDR-3911(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
アルトゥール・シュナーベル(P)
ウォルター・ジュスキント(指)
フィルハーモニアO

米 VICTOR LHMV-1012
1948年6月17-18(K.466)&6月18-19日
ロンドン、アビー・ロードEMI第1スタジオ録音
アルトゥール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オースト リア領)に生まれた。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に 名教授テオドール・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・ デビュー、1933年までこの地を本拠にした。その後1932年から34年にロンドン に居を構え、1939にアメリカに移住した。このモーツァルトは大戦後の1948年 に録音されたが、SPレコードでは発売されずに、初レコードはこのRCA盤だっ た。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1890)はプラハ生まれ。1938年ナチ スの迫害を嫌ってイギリスに逃れた。EMIのハウス・コンダクターとして、巨匠 達の録音伴奏指揮者を務めた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3913(1CDR)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129 ルートヴィヒ・ヘルシャー(Vc)
ヨーゼフ・カイルベルト(指)
ベルリン国立歌劇場O

日VICTOR JD-1599/601(英HMV DB4550/52と同一録音)
1938年6月8日ベルリン録音
※一部に使用ディスクの傷によるノイズが入ります
ルートヴィヒ・ヘルシャー(1907-1996)はドイツのチェリスト。6歳でチェロを 始め、ライプツィヒでユリウス・クレンゲル(1859-1933)に、ベルリンでフーゴ ・ベッカー(1864-1941)に師事し、1930年にメンデルスゾーン賞を受賞し、1936 年フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏会でソリストとしてデビュ ーした。その後ピアノのエリー・ナイ(1882-1968)、ヴァイオリンのマックス・ シュトループ(1900-1968)とピアノ三重奏団を組んだ。ヨーゼフ・カイルベルト (1908-1968)はドイツの指揮者。これは大戦中に録音されたこの指揮者の最初期 の録音。LP時代になって多くの名録音を残しています。(グッディーズ)


Pentatone
PTC-5187029(1CD)
バルトーク:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第1番イ長調 Sz.83
ピアノ協奏曲第2番ト長調 Sz.95
ピアノ協奏曲第3番ホ長調 Sz.119
ピエール=ロラン・エマール(P)
サンフランシスコSO、
エサ=ペッカ・サロネン(指)

ライヴ録音:2022年6月16〜19日&2023年2月17〜19日デービス・シンフォニーホール(サンフランシスコ)
PENTATONEレーベルから積極的なリリースが続いているピエール=ロラン・エマールが、エサ=ペッカ・サロネン率いるサンフランシスコSOとバルトー クのピアノ協奏曲全曲録音をリリース!
ハンガリーを代表する大作曲家バルトーク。民俗的語法による現代的手法の開拓者として、20世紀のクラシック音楽に絶大な影響を残しました。ピアノとオー ケストラの為の作品は「ラプソディ」などを作曲していますが、ピアノ協奏曲は3篇作曲。ピアノを打楽器的に扱う手法を取り入れた、複雑で革新的な第1 番(1926年作曲)、ピアノのどっしりとした音がエネルギッシュで高揚感あふれる第2番(1930〜31年作曲)、そして最晩年の傑作第3番(1945年作曲)と、 作曲家バルトークとのさまざまな側面がそれぞれのピアノ協奏曲にあらわれております。各作品に真摯に向き合い、そのすべての演奏で非常に高い評価を受けて いる現代最高峰のピアニスト、エマールがサロネンの好サポートを得て、サンフランシスコSOと熱演を披露しております。当曲集の新名盤誕生と申せましょう。 (Ki)

Linn
CKD-729(1CD)
ブリテン:歌劇「ピーター・グライムス」〜4つの海の間奏曲 Op.33a
エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
ミヒャエル・バレンボイム(Vn)
フィルハーモニアO
アレッサンドロ・クルデーレ(指)

録音:2022年9月7-8日 ブラックヒース・ホール、ロンドン、UK
レスピーギ作品によるLINNデビュー盤が好評をもって迎えられたアレッサンドロ・クルデーレ。第2弾となる今回はフィルハーモニアOを 指揮して2つの対照的なイギリスの作品を収録しました。ブリテンの「4つの海の間奏曲」ではオーケストラを隅々までコントロールし、モダンな 響きと多彩な曲想を見透し良くスタイリッシュに描いています。抒情的な曲想で一貫されるエルガーの協奏曲では、ウェスト=イースタン・ディ ヴィアンOなどで活躍するミヒャエル・バレンボイムが登場。その高い技術力に裏打ちされた、父ダニエル・バレンボイム譲りのリリカルな 表現を存分に聴かせており、クルデーレの伸びやかなサポートも光っています。


ONDINE
ODE-1414(1CD)
NX-B07

NYCX-10416(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノーム」 K.271…カデンツァ:W.A.モーツァルト
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ラルス・フォークト(P&指)
パリ室内O

録音:2021年4月25-28日
ドイツの中堅世代を代表するピアニストとして敬愛されてきたラルス・フォークト(1970.9.8-2022.9.5)が世を去ると、多くの演奏家から痛切な感情を伴っ た追悼メッセージが発信されました。そこで異口同音に讃えられていたのは、その真摯で虚飾の無い音楽性とあたたかな人柄。フォークトが生前に遺していた 録音としては、先にテツラフ兄妹とのシューベルト:ピアノ三重奏曲集が発売されて大きな反響を呼んでいます。彼の53回目の誕生日となる2023年9月 8日にリリースされる当モーツァルト・アルバムも、フォークトの音楽を愛する人にとってかけがえのないものとなることでしょう。 フォークトは2020年にパリ室内Oの音楽監督に着任すると、次々と意欲的なプログラムに取り組みましたが、期せずして病が進行し、このコンビの 録音としてはメンデルスゾーンのピアノ協奏曲集(ODE-1400として発売済)とここに収録されたモーツァルトの2曲だけとなってしまいました。原盤解説書(英 語と独語)には当録音のプロデューサーであるクリストフ・フランケ氏が7ページ余りにおよぶ回想を寄せています。それによればフォークトは録音期間中も闘病 という現実に向き合いつつも常にものごとを前向きに考え、相反する感情の中を生きていたと言います。ここに聴かれる演奏も、決して自らの死を予感した人 の悲しみ一色の演奏というようなものではなく、第9番の若々しい華やぎと中間楽章の悲嘆、第24番の暗く力強いドラマにはさまれた中間楽章の無垢な音 の戯れなど、フォークトの円熟が自然体で伝わるものとなっています。フォークトの遺産としてのみならず、現代にふさわしい美感と様式感を備えた両曲の名 演奏の一つとして聴き継がれるに値する1枚と言えるでしょう。 第24番のカデンツァはラルス・フォークトの自作。マルティン・ヘルムヒェンもPENTATONE盤でこのカデンツァを演奏しています。
※国内仕様盤には原盤解説の全訳に加え、 大津聡氏による解説が付属します 。

Da Vinci Classics
C-00755(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番&第14番(作曲者編曲によるピアノ五重奏版)
ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
ピエロ・バルバレスキ(P)、
トリオ・ヘーゲル 〔ダヴィド・スカローニ(Vn1)、ダヴィデ・ブラーヴォ(Va)、アンドレア・マルコリーニ(Vc)、ジュリア・セッラ(Vn2)〕

録音:2022年5月、チーゴレ(イタリア)
チアーニの同門ピエロ・バルバレスキによるモーツァルトのピアノ協奏曲!モーツァルトが愛した2つのピアノ協奏曲、第12番と第14番の作曲家自身による「ピアノ+弦楽四重奏」のバージョンを収録!オペラの作曲技術をピアノ協奏曲にも適用させたモーツァルトは、これらの協奏曲の楽器編成を小編成の室内アンサンブルにすることで、オペラの場面を室内楽の文脈の中に取り込み、ソリスト同士の対話を実現しました。ディノ・チアーニの師でもあるマルタ・デル・ヴェッキオからピアノを学んだ実力派、ピエロ・バルバレスキが牽引するアンサンブルによる生き生きとした演奏をお楽しみください。同じメンバーによる第11番と第13番の演奏(C00336)もリリースされています。

Chopin University Press
UMFCCD-126(1CD)
21世紀のアコーディオン協奏曲集
ラファウ・ヤニャク(1986-):バンドネオンと室内オーケストラのための協奏曲「過去の追憶」(2015)
ニコラ・コウォジェイチク(1986-):サクソフォン、バンドネオンと弦楽オーケストラのための協奏曲(2018)
トマシュ・オパウカ(1983-):アコーディオンと弦楽オーケストラのための協奏曲「ブラック・ストリームズ」(2017
ラファウ・グジョンカ(バンドネオン、アコーディオン)、
パヴェウ・グスナル(Sax)、
ショパン音楽大学室内O、
ラファウ・ヤニャク(指)
1980年代生まれの3人の作曲家によるバンドネオン/アコーディオンのための協奏曲集を世界初録音で収録。それぞれの作品はタンゴからの強い影響を受けつつ、ヨーロッパ音楽やジャズなど、さまざまなイディオムが織り交ざっています。ソリストの芸術性を披露する特別な機会であるヴィルトゥオジックなカデンツァにも注目です。

DUX
DUX-1873(1CD)
ガスマン:ハープ協奏曲&トランペット協奏曲
ゲイリー・ガスマン
(1952-):ロマンティックな協奏曲(ハープ協奏曲)(2018)
トランペット協奏曲(2020)/マルガリータ(2022)
マウゴジャタ・ザレフスカ(Hp)、
ゲイリー・ガスマン(Tp)、
ミロスワフ・ヤツェク・ブワシュチク(指)、
ポドラシェ歌劇場フィルハーモニーO

録音:2022年6月
アメリカの作曲家、ジャズミュージシャン、トランペット奏者のゲイリー・ガスマン(1952-)が作曲した、ジャズとクラシックのフュージョン、あるいは映画音楽のような美しい協奏曲集。ハープ奏者の妻、マウゴジャタ・ザレフスカのために書かれた「ロマンティックな協奏曲」と、ガスマン自身がソロを務める「トランペット協奏曲」、そしてハープとトランペット、オーケストラのために書かれた「マルガリータ」を収録しています。魅力的なメロディーラインに満ちた、驚きと発見のある1枚です。

FONE
99F-16CD(1CD)
完全数量限定盤
マダーマ宮殿のコンサート
バッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060
モーツァルト
:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
プロコフィエフ:ピーターと狼 Op.67*
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、
ルカ・ヴィニャーリ(Ob)、イタリア室内O、
アルノルド・フォア(ナレーション)*

録音:1999年、マダーマ宮殿(ローマ)
イタリアの偉大なヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドが1999年にローマのマダーマ宮殿で行ったコンサートのライヴ録音盤が、イタリアのレコーディング・エンジニア、ジュリオ・チェーザレ・リッチによって設立され、40年の歴史を持つ高音質レーベル、Foneの倉庫から発掘されました。
このコンサートは前年に指揮活動を引退したイタリアの世界的指揮者、カルロ・マリア・ジュリーニの85歳を祝して、また彼の50年以上にわたる音楽文化の発展への貢献に捧げる賛辞として開かれたもの。ローマ歌劇場の首席オーボエ奏者、ルカ・ヴィニャーリとのバッハ「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」やモーツァルトのヴァイオリン協奏曲でアッカルド50代の頃の至芸を聴くことができます。このディスクは近年ほとんど出回っていませんでしたが、この度レーベル倉庫から若干数のみ発掘されたため、完全数量限定で発売されることになりました。在庫がなくなり次第次回の入荷は未定です。

BERLINER PHILHARMONIKER
KKC-6741(1SACD)
税込定価
ラフマニノフ150
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
「メロディー」〜幻想的ピアノ小品集op.3より 3番
愛の悲しみ[クライスラー原曲]
コレルリの主題による変奏曲 ニ短調 Op.42
「夜の静けさに」6つの歌 op.4ニ長調[ゲルシュタイン編曲]
キリル・ゲルシュタイン(P)
キリル・ペトレンコ(指)BPO*

録音:2022年6月25日、ヴァルトビューネ、ベルリン(協奏曲)
2023年2月6日、フィルハーモニー、ベルリン(独奏曲)
ラフマニノフ生誕150周年を記念して「ベルリン・フィル・レコーディングス」から特別なアルバムがリリースされます。第1弾はピアニスト、キリル・ゲルシュタ インをフィーチャーした内容。これまでにもフランク・ペーター・ツィンマーマンなどソリストに焦点を当てたディスクがリリースされていますが、今回はゲルシュタ インの独奏を含む構成となっています。 まずは、ベルリン・フィルが毎年シーズンの最後に野外で行うヴァルトビューネ・コンサートの2022年ライヴ録音。急病のダニール・トリフォノフに代わってキリル・ ゲルシュタインが登場。2016年のベルリン・フィル・デビューと同じ演目ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏しました。ゲルシュタインは出演が決まった際に、 指揮者キリル・ペトレンコと2時間半のミーティングを行ったといいます。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のような有名な楽曲では、普通はそれほど打合せをす ることはないそうですが、今回ペトレンコとゲルシュタインは互いの音楽観について徹底的に話し合ったそう。
ゲルシュタインは、ペトレンコのどんなときも作品に敬 意を払い、真摯に音楽作品と向き合い、再考する姿勢に感銘を受けたといいます。2022年のヴァルトビューネはオール・ロシアプログラムで組まれており、シー ズンを鮮やかに締めくくるコンサートでもありながら、ペトレンコの世界情勢に対するメッセージ性も含んだ内容と言えるでしょう。そして本番は、冒頭の鐘の音を 模したピアノの和音。言わずと知れた10度の音程は、ゲルシュタインの大きな手で難なく弾きこなし、第2楽章の夢見るような美しい旋律、繊細なカデンツァ、第 3楽章ではピアノの華麗な走句を展開しながら、ドラマティックなクライマックスへと突き進んでいきます。心の奥底まで響くラフマニノフの美しさ溢れる演奏となっ ています。 ゲルシュタインはこのアルバムに収録するソロ作品を考える際に、ピアノ協奏曲第2番という中期の傑作を核としながらも、初期から後期の作品を網羅した生誕 150周年にふさわしい内容となるように選曲したといいます。まず、ポスト・チャイコフスキーを思わせる初期の傑作、幻想的小品集から「メロディ」。そして非常 に親交の深かった20世紀前半を代表するヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーに関わる2曲を収録。クライスラーの名作『愛の悲しみ』のラフマニノフによる ピアノ編曲版と、クライスラーに献呈した「コレッリの主題による変奏曲」です。最後は歌曲「6つの歌」より第3曲「夜の静けさに」をゲルシュタインによるピアノ 編曲で収録しています。これらのソロ作品は、ベルリンのフィルハーモニー大ホールで特別に録音され、消え入るようなピアニッシモに至るまで美しく音を捉えてい ます。

BIS
BISSA-2646(1SACD)
カレヴィ・アホ(1949-):協奏作品集
(1)リコーダーと室内管弦楽のための協奏曲(2020)
(2)テナー・サクソフォーンと小管弦楽のための協奏曲(2015)
(3)アコーディオンと弦楽のための協奏的ソナタ(1984/2019)
(1)エーロ・サウナマキ(リコーダー)
(2)エサ・ピエティラ(テナー・サクソフォーン)
(3)ヤンネ・ヴァルケアヨキ(アコーディオン)
サイマー・シンフォニエッタ、エルッキ・ラソンパロ(指)

[楽器:Sopranino recorder in F:Kung (model: Superio), Eagle alto recorder in F:Adriana Breukink, Alto recorder in F:Thomas M. Prescott/Nikolaj Ronimus, Bass recorder in F:Yamaha moder YRB-61/Tenor saxophone:Selmer MK VI1958/Accordion: Pigini Nova, No.97]

録音:2022年4月19〜22日、9月19&20日/ミカエリ・コンサート&コングレス・ホール(ミッケリ、フィンランド)
リコーダー、テナー・サクソフォーン、アコーディオンを主役にした協奏的作品は、ほとんどなく、ごくまれにしか作られていないようです。 フィンランドの作曲家カレヴィ・アホは、大胆なことに挑む器楽奏者たちと出会う機会が多く、彼らの楽器と演奏から刺激を受け、「まれ」な楽器の協奏曲をさまざ まに手がけてきました。
「リコーダーと室内管弦楽のための協奏曲」は、1楽章の作品です。「ミステリオーゾ」に始まり最後の〈コーダ〉まで、テンポがさまざまに変化。バス・リコーダー からソプラニーノまで、ソリストが4種類のリコーダーを持ち替え、「リコーダーの黄金時代へのフラッシュバック」といわれるヴィルトゥオーゾ的要素のある音楽を 展開していきます。2021年9月3日、エーロ・サウナマキのソロ、エルッキ・ラソンパロ指揮のサイマー・シンフォニエッタによって初演されました。
「テナー・サクソフォーンと小管弦楽のための協奏曲」も1楽章で書かれています。「メスト(悲しげに)- 間奏I - ヴィヴァチッシモ、レッジェーロ(勢いよく、 軽く)- 間奏II - アンダンテ、ドレンテ(歩くような速さで、痛ましげに)- アレグロ・リトミコ(やや速くリズミカルに)- カデンツァ - エピローグ」。テナー・サ クソフォーンの潜在能力がフルに探られ、オーケストラには東洋のゴブレット・ドラム「ダラブッカ」も使われています。2016年3月10日に行われた初演のソリ スト、エサ・ピエティラが、この録音セッションに参加しました。
「アコーディオンと弦楽のための協奏的ソナタ(Sonata concertante)」は、ヤンネ・ヴァルケアヨキの提案により、1984年の「アコーディオン・ソナタ第 1番」を改作した作品です。「(モルト・ルバートの)前奏曲-パッサカリア」と「(レッジェーロの)前奏曲-(アンダンテ-ピウ・モッソ-レッジェーロの)フーガ」 の2つの楽章で構成され、フランツ・リストの超絶技巧的作品に劣らない驚異的技巧が求められています。2021年7月8日、ヴァルケアヨキがソロを弾き、ラソ ンパロが聖ミケル弦楽オーケストラを指揮してミッケリで初演されました。

Goodies
33CDR-3911(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
アルトゥール・シュナーベル(P)
ウォルター・ジュスキント(指)
フィルハーモニアO

米 VCTOR LHMV-1012
1948年6月17-18(K.466)&6月18-19日
ロンドン、アビー・ロードEMI第1スタジオ録音
アルトゥール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オースト リア領)に生まれた。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に 名教授テオドール・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・ デビュー、1933年までこの地を本拠にした。その後1932年から34年にロンドン に居を構え、1939にアメリカに移住した。このモーツァルトは大戦後の1948年 に録音されたが、SPレコードでは発売されずに、初レコードはこのRCA盤だっ た。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1890)はプラハ生まれ。1938年ナチ スの迫害を嫌ってイギリスに逃れた。EMIのハウス・コンダターとして、巨匠達 の録音伴奏指揮者を務めた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3913(1CDR)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129 ルートヴィヒ・ヘルシャー(Vc)
ヨーゼフ・カイルベルト(指)
ベルリン国立歌劇場O

日VICTOR JD-1599/601(英HMV DB4550/52と同一録音)
1938年6月8日ベルリン録音
ルートヴィヒ・ヘルシャー(1907-1996)はドイツのチェリスト。6歳でチェロを 始め、ライプツィヒでユリウス・クレンゲル(1859-1933)に、ベルリンでフーゴ ・ベッカー(1864-1941)に師事し、1930年にメンデルスゾーン賞を受賞し、1936 年フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏会でソリストとしてデビュ ーした。その後ピアノのエリー・ナイ(1882-1968)、ヴァイオリンのマックス・ シュトループ(1900-1968)とピアノ三重奏団を組んだ。ヨーゼフ・カイルベルト (1908-1968)はドイツの指揮者。これは大戦中に録音されたこの指揮者の最初期 の録音。LP時代になって多くの名録音を残しています。(グッディーズ)

Aulicus Classics
FAB-0001(2CD)
ヴィヴァルディ:「調和の霊感」 Op.3 ロベルト・ジーニ(指)
アンサンブル・コンチェルト

録音:1991年8月 イタリア ヴェネツィア
ロベルト・ジーニが指揮した1991年録音のヴィヴァルディ「調和の霊感」の久々の再 発。AULICUS CLASSICSが少し前の録音を復刻するAmadeus Bestのシリーズ。ロベ ルト・ジーニとアンサンブル・コンチェルトは、1990年前後はイタリアで最も注目された バロック音楽の牽引者だった。その後イタリアでは欧州でも特に刺激の強いバロック 音楽団体がいくつも台頭し、穏健なジーニの演奏は陰に隠れてしまった。しかし現代 から顧みると彼らの力みなく滑らかな音楽の素晴らしさが改めて実感できるでしょう。ヴ ェネツィアのサンタ・マリア・デッラ・ピエタ教会での収録。

Resonus
RES-10318(1CD)
NX-B05
バッハ:チェンバロ協奏曲集
協奏曲 ニ短調 BWV1052
協奏曲 イ長調 BWV1055
協奏曲 ニ長調 BWV1054
協奏曲 ニ短調 BWV1059 (スティーヴン・デヴァインによる再構築版)
スティーヴン・デヴァイン(チェンバロ&指揮)
使用楽器=ハンス・クリストフ・フライシャー(ハンブルク)が1710年に製作し
た1段鍵盤のチェンバロを参考に、コリン・ブースが2000年に製作した2段
鍵盤チェンバロ
エイジ・オブ・インライトゥメントO(古楽器使用)【Margaret Faultless(Vn)、Kati Debretzeni(Vn)、Max Mandel(Va)、Andrew Skidmore(Vc)、Christine Sticher(Cb)、Katharina Spreckelsen(Ob)(BWV 1059のみ)】
ピッチ a'=415Hz

録音:2022年3月1-3日
エイジ・オブ・インラントゥメントO及びゴンザーガ・バンドの首席チェンバロ奏者スティーヴン・デヴァイン。2009年からは指揮活動も始めました。 今作ではバッハのチェンバロ協奏曲の中から4曲を演奏。BWV1059はオーボエ協奏曲として冒頭の8小節半のみが遺されていますが、この録 音でデヴァインはカンタータ第35番『心も魂も乱れはて』の素材を用いて「復元」を試みています。 アリアの声楽パートをオーボエに割り当てるなどのデヴァインならではの工夫をお楽しみください。エイジ・オブ・インラントゥメントOは弦楽5部で 各パート1人の編成(BWV1059ではオーボエも参加)、精妙緻密なアンサンブルで聴かせます。

ALPHA
ALPHA-937(1CD)

NYCX-10412(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
モーツァルトとマンボ3〜美しきキューバ娘
モーツァルト:ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495
エドガー・オリヴェロ(1985-):ルンバ風ロンド
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
ホセ・ホワイト・ラフィット(ホルヘ・アラゴン編):美しきキューバ娘
ホセイト・フェルナンデス(アラゴン編):グァンタナメラ
サラ・ウィリス(Hrn)
ジョナサン・ケリー(Ob)
ヴェンツェル・フックス(Cl)
シュテファン・シュヴァイゲルト(Fg)
ハロルド・マドリガル・フリアス(Tp)
サラバンダ【サラ・ウィリス(Hrn)、ジュニエト・ロンビーダ(Sax)、ジャネル・ラスコン(P)、レオ・A. ルナ(ベース)、アレハンドロ・アギアル(カホン、マラカス)、アデル・ゴンサレス(コンガ)、エドゥアルド・ラモス(ティンバレス)】
ハバナ・リセウム・オーケストラ
 アデル・ゴンサレス(パーカッション/スペシャル・ゲスト)
ホセ・アントニオ・メンデス・パドロン(指)

録音:2022年4月 ハバナ、キューバ
国内仕様盤日本語解説…今泉晃一
ベルリン・フィルの人気ホルン奏者サラ・ウィリスがキューバのミュージシャンたちと録音し、世界的な大ヒットとなった2020年のアルバム「モーツァルトとマンボ」 (ALPHA578/NYCX-10151)、2022年の「キューバン・ダンス」(ALPHA878/NYCX-10336)に続く三部作の完結編が登場。「モーツァルトはきっと 素晴らしいキューバ人になったはず」という現地の友人の一言がきっかけとなり、彼女自身が大好きなキューバの音楽とモーツァルトを取り合わせるというなんと も不思議な企画が立ち上がりましたが、これが非常に面白い相乗効果を生みました。 3つのアルバムを合わせてサラ・ウィリスとハバナ・リセウム・オーケストラによるモーツアルトのホルン協奏曲全4曲が揃いますが、ここにもう1曲モーツアルトを加え たいという彼女の熱意に応えて、ベルリン・フィルから3人の首席奏者たちがハバナへ駆けつけ協奏交響曲の録音が実現しました。彼らはアンコールとして19 世紀にフランスで活躍したキューバ出身の作曲家・ヴァイオリニスト、ホセ・ホワイト・ラフィットが作曲した「美しきキューバ娘」も演奏。4人のソリストもオーケスト ラも肩の力を抜いて、音楽を心から楽しんでいるのが伝わる素晴らしい演奏を聴かせています。最後はキューバ国内はもとより世界中で親しまれている名曲 「グァンタナメラ(グァンタナモの娘)」のライヴ感覚溢れるパフォーマンスで、コロナ禍を乗り越えて完結したこのシリーズを締めくくります。

ALPHA
ALPHA-985(1CD)
バッハ・ミニマリスト 〜バッハ、グレツキ、アダムズ
バッハ:チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052
1. I. Allegro
 ヘンリク・グレツキ:チェンバロ協奏曲 Op.40
2. I. Allegro molto
 クヌート・ニーステッド(1915-2014)/シモン=ピエール・ベスティオン編曲:
3. 不滅のバッハ(弦楽合奏)
 ジョン・アダムズ(1947-):シェーカー・ループス
4. I. Shaking and Trembling
 ジャン・アラン(1911-1940)/ベスティオン編曲:
5. リタニ
 アダムズ:シェーカー・ループス
6. II. Hymning Slews
 バッハ//ベスティオン編曲:
7. パッサカリア ハ短調 BWV582
 ニーステッド/ベスティオン編曲:
8. 不滅のバッハ(無伴奏合唱)
 バッハ:チェンバロ協奏曲 第1番ニ短調 BWV 1052
9. III. Allegro
 グレツキ:チェンバロ協奏曲 Op.40
10. II. Vivace marcatissimo
 アダムズ:シェーカー・ループス
11. III. Loops and Verses
12. IV. A Final Shaking
 バッハ
13. コラール「汝の御座の前に、われ進み出で」 BWV668(弦楽合奏)
ルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブラ(Cemb)
ラ・タンペート(弦楽合奏、合唱…8)
シモン=ピエール・ベスティオン((指)編)

録音:2022年4月 サン=ピエール・ルーテル教会、パリ
シモン=ピエール・ベスティオンが2015年に結成したラ・タンペート。これまで主に声楽アンサンブルとしてCDをリリースしてきましたが、器楽アン サンブルにも力を入れている彼らならではの、目の覚めるような弦楽合奏によるアルバムが届けられました。ベスティオンが「まるで現代の曲の ように聴こえる」という大バッハのチェンバロ協奏曲第1番第1楽章から、同じニ短調で書かれたグレツキの協奏曲になだれ込むというオープニ ングからたいへんスリリング。チェンバロは、指揮者ベスティオンの弟でアンサンブル・レ・シュルプリーズの共同主宰者でもあるルイ=ノエル・ベス ティオン・ド・カンブラが担当しています。またガット弦を用いているため、ジョン・アダムズなどはたいへん新鮮な響き。現代ノルウェーの作曲家ク ヌート・ニーステッドが、バッハのコラール「甘き死よ来たれ」BWV 478を元にゆったりとしたインプロヴィゼーションの要素を加えて作曲した合唱 曲「不滅のバッハ」は、弦楽合奏版とラ・タンペートの為のア・カペラ版と2回収録しており、トーンクラスターが美しく響くこの作品で、今回た だ1曲だけ彼らの高度な合唱(メンバーはアンサンブルと兼任)を聴くことが出来ます。最後は、視力を失った死の床のバッハが口伝で譜面を 起こさせたという伝説を持つ美しいコラールを小編成で収録。これまでのアルバムでも古楽と現代を行き来する先鋭的なプログラムを得意と してきた彼らですが、今回はより刺激的な構成になっているといえるでしょう。

DACAPO
MAR-8.224753(1CD)
NX-B08
アウゴスト・エナ(1859-1939):ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(1896)
交響曲第2番ホ長調(1907)
アンナ・アガフィア(Vn)
ボゴタPO
ヨアキム・グスタフソン(指)

録音:2022年9月26-29日
デンマークでシチリア系の家庭に生まれ、19世紀後半から20世紀前半を生きたアウゴスト・エナの大作2編を収めたアルバム。メロディアスで分厚いサウンド が魅力です。 ワーグナーとフランス近代音楽に影響を受けた重厚なサウンドと次々と湧き出る親しみやすい楽想を持ち、国際的・普遍的なスタイルを目指したエナの作品 は、民族色が希薄なこともあって、デンマークよりもアメリカやオーストラリアで好評を博しました。このアルバムに収められた2曲ともエナ作品の特徴である美し いメロディが特徴です。 エナ自身がヴァイオリニストだったこともあり、高度な技巧と情感豊かな表現を結び付けたヴァイオリン協奏曲は彼の代表作とされることの多い充実した出来 栄え。急緩急の3楽章構成で、第2楽章アンダンテが悲劇的な和音で始まるのが強い印象を残します。アレグロ・スケルツァンドの終楽章にシベリウス作品 に通じるものを感じる人もいることでしょう。交響曲第2番は伝統的な4楽章構成で、ブルックナーのようにもワーグナーのようにも聞こえるところがあります。こ の「初めて聴くのに既視感がある」というのはエナ作品の特徴かもしれません。後期ロマン派のオーケストラ作品を開拓したい人にお勧めです。コロンビアのボ ゴタ・フィルがホットな演奏を展開しています。


Treasures
TRE-297(1CDR)
エッシュバッハーのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第17番Op.31-2「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第26番Op.81a「告別」*
ロンド・ア・カプリッチョ「なくした小銭への怒り」Op.129
ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15#
アドリアン・エッシュバッハー(P)
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)#
ルツェルン祝祭O#

録音:1950年9月19日、1951年5月22日*、1947年8月27日#
※音源:独DG LPM-18220、米Discocorp RR-438#
◎収録時間:79:15
“大指揮者と対等に音楽を紡ぎ合った美しき協奏!”
■音源について
ピアノ協奏曲は廉価CDでも発売されていましたが、音の生々しさはこのDiscocorp盤に遠く及びません。エッシュバッハーお得意のベートーヴェンですが、ピアノ・ソナタの録音はこの2曲のみ。協奏曲もこの1曲しか遺していません。

「テンペスト」は、ライヴかと勘違いするほどの凄い気迫!特に提示部の第2主題からの切迫感が強烈で、リピート時の第1主題のミスタッチもなんのその。再現部では、ラルゴの走句に追加されるレチタティーヴォが実に幻想的で、第2主題は一層熱を帯びて再現されます。第2楽章は、短い音価の音符の扱いに細心の配慮を払いつつ、フレージングの淀みを回避。終楽章は主題の全貌をぼかして開始し、遠近感を与えつつ推移。展開部以降は構築感と集中力がピークに達し、4:52以降の強弱の入れ替えにおける自然なドラマ性は流石です。
 更に素晴らしいのが「告別」。第1楽章序奏の、小さな部屋にぽつんと佇む風情からハッとさせられます。主部以降は「テンペスト」とは別人のようにペダルを抑制して噛んで含めるように進行。バックハウスのような威厳とは一線を画す内省的なニュアンスが心を捉えます。展開部では、少ない音符の隙間にそこはかとない悲しみが印象的。第2楽章は不安な空気感を煽らず、楽譜をサラリと忠実に再現することで常に希望の光を滲ませませながら、終楽章の喜びへの自然な流れを築きます。
 協奏曲は、まずは冒頭、フルトヴェングラーの指揮の充実ぶりに心打たれますが、エッシュバッハーはこれと互角に渡り合えるの?という心配は御無用。端正な造形美を湛えながら可憐な表情を紡ぎます。第2主題の澄み切った音色と微笑みの表情は、この楽章にこれ以上望めないほど魅力的で、偉大な指揮者に萎縮する素振りなど見せません。構えの大きな第2楽章も素晴らしく、3:24からのふくよかな呼吸感や3:50以降の華麗なタッチは必聴。終楽章は決して疾走に傾かず、音の跳躍の愉しさが伝わるテンポをフルトヴェングラーと共有しながら確実にニュアンスを紡ぎます。特にノリだけでで進行しやすい第2副主題(2:44〜)にも丁寧に表情が刻印されていおり、その入念なアプローチが大きく功を奏しています。一方で、推進力も盤石。コーダの追い込みが高圧的な熱狂ではなく素直な歓喜として響くのも、この作品に相応しいニュアンスと言えましょう。【2023年7月・湧々堂】

DOREMI
DHR-8207(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第16集
(1)ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVII:11
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.26
(3)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
(4)ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲 Op.2-2
スカルラッティ:ソナタ ニ短調 L.422, K.141
(5)ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60、夜想曲 ヘ長調 Op.15-1、マズルカ ハ長調 Op.24-2、マズルカ イ短調 Op.59-1、マズルカ 変
イ長調 Op.59-2、夜想曲 変ホ長調 Op.55-2、スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39、練習曲 嬰ハ短調 Op.10-4
(6)バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ Sz.110
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ロンドン・シンフォニエッタ
 録音:1980年6月6日ミラノ
(2)クラウディオ・アバド(指)、フランス国立O
 録音:1969年11月12日パリ
(3)シャルル・デュトワ(指)、ローザンヌ室内O
 録音:1959年1月19日ローザンヌ
(4)録音:1979年4月22日アムステルダム・リサイタル
(5)録音:1967年6月5日ベルガモ・リサイタル
(6)スティーヴン・コヴァセヴィチ(P)、ウィリー・ハウドスワールト&ミカエル・デ・ルー(打楽器)
 録音:1977年5月8日/アムステルダム・リサイタル
アルゲリッチの貴重ライヴ音源集第16弾。協奏曲とソロ、そしてバルトークの『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』のライヴ演奏が聴けます。
Naive
OP-7368(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集XI〜アンナ・マリアに捧ぐ〜
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV229、変ロ長調 RV363(Il corneto da posta/ポストホルン)、ニ長調 RV207、
変ホ長調 RV260、ハ長調 RV179a、変ホ長調 RV261、ラルゴ(RV179aより〜オリジナルの装飾音で演奏)
ファビオ・ビオンディ(Vn、指)
エウローパ・ガランテ

録音:2020年10月9-13日、イタリア
ヴィヴァルディ・エディション最新刊は、ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテによるヴァイオリン協奏曲集!ヴィヴァルディ・エディション全体としては 第71巻目となり、シリーズ中のヴァイオリン協奏曲としては11枚目となります。今回の演目は、18世紀初頭の最も有名な演奏家の一人、アンナ・マリアの名 を冠したヴァイオリン協奏曲集。ヴィヴァルディが 40年間教鞭を執ったピエタ教会出身の神童であり、卓越した演奏家であったアンナ・マリア(1696-1782)は、 優れたヴァイオリニストであると同時に、ヴィオラ・ダモーレ、テオルボ、チェンバロ、チェロ、リュート、マンドリンにも長けていました。彼女の名声はヨーロッ パ中にとどろいており、ヴィヴァルディが彼女に献呈した作品はRV 286(聖ロレンツォの祝日のために)やRV581, 582(聖母被昇天の祝日のために)など、 数多くの作品を献呈、ないし彼女のために書いたと考えられています。ここでは1710年から1720年代にかけて作曲された6曲を収録。独奏ヴァイオリン+ 弦楽(Vn、ヴィオラ・チェロ、ヴィオローネ)にアーチリュートとクラヴィチェンバロという編成で、時に茶目っ気たっぷりに、時に重厚な雰囲気でと、 自由自在に表情や雰囲気を変えて演奏しています。協奏曲RV179aのラルゴでは、アンナ・マリア自身による豊かな装飾が施されたヴァージョンも収録してい ます。ヴィヴァルディを熟知しているビオンディと、エウローパ・ガランテが、真骨頂を発揮しています。 (Ki)

H.M.F
HMM-931833(1CD)
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調op. 53
ピアノ三重奏曲 第3番ヘ短調 op.65*
イザ ベ ル・ファウスト(Vn)
ジャン=ギアン・ケラス(Vc)
アレクサンドル・メルニコフ(P))
イルジー・ビエロフラーヴェク(指)
プラハ・フィルハーモニア

録音:2003年9月ルドルフィヌム、プラハ
2003年12月テルデックス・スタジオ、ベルリン*
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は、チェロ協奏曲の陰に隠れがちですが、他の有名協奏曲に劣らない名曲です。またファウストの演奏は細やかな感性を 絶妙に表現し、透明感を失わず、詩情を大切にした音楽で、聴き手に爽やかな後味を残してくれます。 そしてピアノ三重奏曲では、ファウスト、ケラス、メルニコフという黄金トリオによる演奏で、ドヴォルザークのスラヴ的な哀愁と陰影を見事に描き出しています。 (Ki)
H.M.F
HMM-931816(1CD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb-1
 チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb-2
モン(1717〜50):チェロ協奏曲 ト短調
ジャン=ギアン・ケラス(Vc)
ペトラ・ミュレ ヤンス (指&Vn)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2003年3月、テルデックス・スタジオ・ベルリン
チェロ奏者ならだれもが演奏するレパートリーのハイドンのチェロ協奏曲をケラスとフライブルク・バロック・オーケストラという最高の布陣の演奏で。カップ リングのモンの協奏曲も、ハイドン以前(バロックから古典派への移行期に生きた)に書かれた傑作です。ハ長調の協奏曲で聴かせる活きのよい音楽(とくに終 楽章のアグレッシヴさは快感です)、ニ長調の協奏曲で聴かせる優しい明るさ。ケラスの縦横無尽の才を堪能できる1枚です。フライブルク・バロック・オーケ ストラの巧さも一聴に値します。 (Ki)

DUX
DUX-1958(1CD)
ポーランドの協奏曲集 Vol.1
マルセロ・ニシンマン(1970-):ポーランドの旋律による13の変奏曲(2018)〜ヴァイオリン、チェロと室内オーケストラのための
ミコワイ・グレツキ(1971-):セカンド・スペース(2010)〜弦楽四重奏と弦楽オーケストラのための
パヴェウ・ウカシェフスキ(1968-):ネオポリス・コンチェルト(2017)〜ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための
エヴァ・ファビアンスカ=イェリンスカ(1989-):ヴィオラ協奏曲(2015)〜ヴィオラと弦楽オーケストラのための*
エマヌエル・サルヴァドール(Vn、指)、
アンドリー・ヴィトヴィッチ(Va)、
エミリア・ゴフ・サルヴァドール(Va)*、
コンスタンティン・ハイドリッヒ(Vc)、
バルティック・ネオポリスO

録音:2022年
ポーランドの現代音楽作曲家による協奏的作品の世界初録音を集めた1枚。ヘンリク・グレツキの息子であるミコワイ・ピオトル・グレツキ(1971-)の弦楽四重奏と弦楽オーケストラの自由な対話を描いた作品や、日本では合唱関係者・愛好家に知られるパヴェウ・ウカシェフスキ(1968-)の深く瞑想的な雰囲気を湛えたヴァイオリン協奏曲など、21世紀の興味深い作品が集められています。

ANTARCTICA
ANTAR-046(1CD)
ロベール・グロスロ(1951-):ヴァイオリン協奏曲第2番Op.129
Now, Voyager, sail...(交響曲第1番) Op.130*
リナス・ロス(Vn)
ロベール・グロスロ(指)
ブリュッセル・フィルハーモニック

録音:2020年4月19日、9月3日、2021年6月14・15日*
ベルギーの作曲家ロベール・グロスロによる調性感をもった現代作品集。ヴァイオリン協奏曲第2番は「好きな作曲家であるシベリウスに近い」とグロスロ が語っており、透明感がありつつも暗く重い雰囲気がただよう独特な美しさを持っています。またアメリカの作家ウォルト・ホイットマンの詩にちなんだ『Now, Voyager, sail...』はグロスロの最初の交響曲で、そのスケルツォ楽章にはビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収録さ れている「ゲッティング・ベター」が素材として用いられています。

SWR music
SWR-19129CD(1CD)
NX-B02
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(カデンツァ=ベートーヴェン)
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
シュトゥットガルトRSO
アントワーヌ・ド・バヴィエ(指)

録音:1956年7月11日(モノラル・ライヴ)
20世紀を代表するピアニストの一人、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920-1995)、36歳のライヴがリマスターされて登場。 完璧主義者のミケランジェリは、共演者やレパートリーを厳選し、録音には滅多にOKを出しませんでしたが、放送には同意していたため、Pianist Discography.comによれば、モーツァルトの第15番には7種、第20番には9種もの録音が存在します。 モーツァルト生誕200年にあたる1956年7月11日、ルートヴィヒスブルク音楽祭でライヴ録音されたこの演奏は、壮年期のミケランジェリらしく理知的 で力強く、推進力漲る演奏。2013年にSWR(南西ドイツ放送)からライセンスされたマスターを使ってICA CLASSICSからリリースされたのと同一音 源ですが、今回は本家SWRで新たにマスタリングしたとのことです。 指揮者のアントワーヌ・ド・バヴィエ(アントン・フォン・バヴィエルとも)はスイス出身のクラリネット奏者。フルトヴェングラーの勧めで指揮をはじめ、ビルバオ SOを指揮した後、ザルツブルク・モーツァルテウムで室内楽を教え、1990年代にはプラハのスーク室内Oの指揮者を務めました。

Acte Prealable
AP-0560(1CD)
アルトゥル・チェシラク(b.1968):協奏曲集
クラリネット協奏曲
左手のためのピアノ協奏曲
管楽器と打楽器のための音楽(2人のドラマーと指揮者を伴うヴァージョン)
クラリネット・ソナタ
バルバラ・ハレツ(指)、
ミレナ・パルカイ(P)、
ボグスワフ・ヤクボフスキ(Cl)、
マルタ・ミクリンスカ(パーカッション)、
シモン・ガツェク(パーカッション)、
クシシュトフ・ソヴィンスキ(P)、
フィールハーモニー・クインテット(木管五重奏団)、
シュチェチン芸術アカデミーの器楽奏者たち
アルトゥル・チェシラク(b.1968)の協奏曲作品集。チェシラクはワルシャワのショパン音楽院と、ポズナンのパデレフスキ音楽院で学びました。当初はピアニストとして精力的に活動し、1990年代半ばから作曲家としても活躍し始めました。チェシラクは独自の様式と音響技法の開発に努めながらも、ヨーロッパの伝統的な手法も取り入れています。現在は教育者、音楽評論家としても活躍しています。

Chandos
CHAN-20168(1CD)

XCHAN-20168(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
シュトラウス、シューマン、ウェーバー:ホルン協奏曲集
シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック Op.86*
ウェーバー:ホルン小協奏曲 ホ短調 Op.45, J188
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調 Op.11, Trv117、
 ホルン協奏曲第2番変ホ長調 Trv283
マーティン・オーウェン(Hrn)
クリストファー・パークス(Hrn)*
アレック・フランク=ゲミル(Hrn)*
サラ・ウィリス(Hrn)*
ジョン・ウィルソン(指)、
BBCフィルハーモニック

録音:2022年4月25日(コンツェルトシュテュック)、9月30日&10月10日(その他の作品)、メディア・シティUK(サルフォード、イギリス)
ヨーロッパを代表するホルン奏者の一人、マーティン・オーウェンがChandosから登場。オーウェンは、ソリスト、室内楽奏者として世界各地で活躍。1998年から2008年までロイヤルPOの首席ホルン奏者を務め、現在はBBC響の首席ホルン奏者の地位に就いています。また、ロンドンの主要なオーケストラをはじめ、BPOやヨーロッパ室内Oなどでソロ・ホルン奏者も務めています。
本アルバムでは、ナチュラル・ホルンのために作曲され、重音奏法など、様々な技巧を要するウェーバーの小協奏曲。ホルン奏者でもあった父フランツの影響により、R・シュトラウスが18歳という若さで作曲し、今もなおホルンのための重要レパートリーのひとつにあげられる協奏曲第1番。そして、第1番誕生から60年後に作曲された、モーツァルト的作風の協奏曲第2番に加え、シューマンの4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックでは、オーウェンを筆頭に、クリストファー・パークス(スウェーデンRSO、シンフォニア・オヴ・ロンドン)、アレック・フランク=ゲミル(ヨーテボリSO)、そして、サラ・ウィリス(BPO)という、卓越した豪華ソリスト陣が織り成す圧倒的黄金のサウンドを堪能することができる、まさにホルンのための傑作選と呼ぶべき好企画。2022年度レコード・アカデミー賞&グラモフォン賞受賞など、評価を高め続けるジョン・ウィルソンと、BBCフィルという万全のサポートも注目すべきポイント。ホルン関係者はもとより、管楽器愛好家にもおすすめの注目盤が堂々の登場です。

Signum Classics
SIGCD-764(1CD)
バッハ:ハープシコード協奏曲集 Vol.2
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV1050
ハープシコード協奏曲 ホ長調 BWV1053
ハープシコード協奏曲 ヘ短調 BWV 1056
ハープシコード協奏曲 ヘ長調 BWV 1057
ハノーヴァー・バンド、
アンドルー・アーサー(指&ハープシコード)

録音:2019年5月&2022年3月、セント・ニコラス教会(アランデル、イギリス)
H.I.P(歴史的情報に基づく演奏)の分野でよく知られており、鍵盤楽器のソリストや通奏低音奏者、指揮者としてイギリスの主要なピリオド楽器オーケストラや合唱団と共演しているアンドルー・アーサーが指揮とハープシコードを務めた、ハノーヴァー・バンドとのバッハのハープシコード協奏曲集の第2弾!前作(PSIGCD-710、SIGCD-710)は『レコード芸術』準特選盤に選ばれるなど話題となりました。
今作では「ブランデンブルク協奏曲第5番」を取り上げており、さらに「ブランデンブルク協奏曲第4番」を編曲した「ハープシコード協奏曲 ヘ長調 BWV1057」などを収録。バッハのハープシコード協奏曲は、ソリストにかなりの技量を求めますが、その一方でソリストだけが目立つのではなくアンサンブル全体の中の一部として存在しており、全ての楽器が平等かつ補完された形で音楽を担っています。アンドルー・アーサーとハノーヴァー・バンドの演奏はそれを見事に体現して見せています。
ハノーヴァー・バンドは1980年にキャロライン・ブラウンによって創設されたイギリスを代表する古楽器オーケストラのひとつです。歴代の指揮者にはバロック・ヴァイオリンの名手としても知られるロイ・グッドマンや、チャールズ・マッケラスなどが名を連ねています。

Chopin University Press
UMFCCD-137(1CD)
ル・クラヴサン・モデルヌ・プラス・パーカッション Vol.1
ミコワイ・ヘルテル(b.1948):ハープシコード、弦楽と打楽器のための組曲「スペインの踊り子」*
グラント・マクラクラン(b.1956):「アフリカの祝祭」 (ハープシコードとアフリカン・パーカッションのための)
アンジェイ・カラウォフ(b.1991):「フェイタル・ミラーズ」 (打楽器とハープシコードのための)
ミコワイ・ヘルテル:「アウト・オヴ・タイム」 (フルート、打楽器とハープシコードのための)*
アリナ・ラトコフスカ(ハープシコード)、
レシェク・ロレント(パーカッション)、
アガタ・イグラス(Fl)、
ヤン・グララ(パーカッション)、
ショパン音楽大学室内O、
ラファウ・ヤニャク(指)

録音:2021年4月14日、6月28日、8月5日‐6日(ポーランド、ワルシャワ)
*世界初録音
ハープシコード奏者アリナ・ラトコフスカの発案により、ハープシコードとさまざまな楽器の組み合わせを、現代のレパートリーにのせて紹介するシリーズが始動。その第1弾は、ハープシコードとパーカッションの組み合わせで、ヨーロッパやアフリカ、ブラジルの伝統的な音楽に触れることができます。本アルバムの最初と最後を担うミコワイ・ヘルテルの楽曲はいずれも世界初録音。

NEOS
NEOS-1231314(2CD)
現代のヴィオラ協奏曲集
1. クリスティアン・ヨースト(b.1963):Mozarts 13097. Tag(2005)〜ヴァイオリン、ヴィオラとオーケストラのための協奏交響曲*
2. ハンス・ウルリヒ・レーマン(1937-2013):Contradictions(2008)〜独奏ヴィオラと室内オーケストラのための*
3. ナディア・ヴァッセナ(b.1970):D’oltremare(2012)〜ヴィオラと小オーケストラのための*
4. ダーフィト・フィリップ・ヘフティ(b.1975):Cantabile(1975)〜ヴィオラとオーケストラのための協奏曲*
5. モートン・フェルドマン(1926-1987):The Viola in My Life IV(1971)〜ヴィオラとオーケストラのための
6. ギヤ・カンチェリ(1935-2019):Styx(1999)〜ヴィオラ、混声合唱とオーケストラのためののための
7. ハインツ・ホリガー(b.1939):Recicanto(2001)〜ヴィオラと小オーケストラのための
ユルク・デーラー(Va)、
ウィリ・ツィンマーマン(Vn)、
コレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥール、スイス室内cho
ヤック・ファン・ステーン(指/1,6)、
ハインツ・ホリガー(指/2,7)、
ダグラス・ボイド(指/3)、
ダーフィト・フィリップ・ヘフティ(指揮/4)、ベアート・フラー(指/5)

録音:1999年〜2021年(2を除きライヴ録音)
*世界初録音
シャーンドル・ヴェーグやフョードル・ドルジーニン、ピンカス・ズーカーマン、キム・カシュカシャンらに師事したスイス出身のヴァイオリニスト/ヴィオリスト、ユルク・デーラーによる現代のヴィオラ協奏曲集。彼が現代音楽に奉仕してきた30年間の記録ともいえる2枚組のアルバムで、CD1には世界初録音の4作品、CD2には今回のレコーディングがスイス初演となる3作品が収録されています。デーラーはチューリッヒ・トーンハレでダニエル・シュナイダーのヴィオラ協奏曲を世界初演してデビューし、その後多くの有名なオーケストラに客演しているほか、1993年以降はコレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥールの首席ヴィオラ奏者を務めています。

Challenge Classics
CC-72951(1CD)
サン・サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調 Op.61
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82
ルドルフ・コエルマン(Vn)
パウル・K・ハウク(指)
シンフォニエッタ・シャフハウゼン

録音:2021年11月18・19日シャフハウゼン、聖ヨハネ教会
ヤッシャ・ハイフェッツに学び、ロイヤル・コンセルトヘボウOのコンサートマスターも務めたルドルフ・コエルマンによる、後期ロマン派の美しいヴァイオリ ン協奏曲集。コエルマンが師ハイフェッツに捧げるアルバムとして選曲したプログラムです。
グラズノフの協奏曲は名ヴァイオリニスト、レオポルド・アウアーのために書かれたもので、ハイフェッツは10代の頃アウアーから直接この曲について学んでいま す。またサン=サーンスの第3協奏曲は、ハイフェッツ自身が録音したかったが、実現できなかった曲だとコエルマンに語っていたそうです。コエルマンの演奏は師 を思いながらも自身の音楽を力強く展開するもので、両曲の持ち味を存分に堪能いただけます。 (Ki)


Treasures
TRE-312(1CDR)
ヘブラー〜ステレオ初期の協奏曲録音集
ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調Hob.18-11*
モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番変ロ長調K.456
 ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
シモン・ゴールドベルク(指)オランダ室内O*
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)ウィーンSO

録音:1960年7月1-3日*、1959年5月9-11日
※音源:蘭PHILIPS 802737DXY*、日Victor SFON-7508
◎収録時間:79:52
“穏やかなだけではないヘブラーの頑なにブレないピアニズム!”
■音源について
★ヘブラーにとってハイドンの協奏曲はN響とも共演(1983年)した大切なレパートリーですが、これが唯一の録音。モーツァルの2曲はそれぞれ3種のセッション録音があり、最も有名なのは60年代にLSOと録音した選集ですが、ここに収録したのはそれとは別のフィリップスに移籍直後の録音。

ハイドンは、ヘブラー特有の可憐さと気品を兼ね備えたタッチが活ききった名演奏。「女性らしさ」の範疇を超える芯の確かなタッチがものを言い、リズムが生き生きと湧き立ち、夢のような空間を現出。第1楽章再現部5:16からの体全体で飛び込む勢いは、ヘブラーの一般的なイメージを覆すのに十分で、心躍ること請け合い!もちろん終楽章も同様。1:54からの装飾音から弾ける愉しさはひとしお。第2楽章も十分にリリシズムを湛えながらも安易な柔和なトーンでやり過ごさず、古典的様式の範疇で凛としたタッチを確実に配置。指揮のゴールドベルクとの一体感も、これ以上のものは考えられないほどです。
 指揮とのコンビネーションの良さは、モーツァルトも同じ。メジャー・デビュー直後のドホナーニの瑞々しくも配慮の行き届いた指揮に、ヘブラーは心おきなく自身のピアニズムを羽ばたかせます。「第18番」第1楽章2:38からの音型の粒立ちの良さとよく通る響き、均整の取れたフォルムは、これまたヘブラーのピアニズムが決して柔和さ一辺倒でないことの証明。展開部では、ウィーン響の素朴な木管との掛け合いの何と愉しいことでしょう。第2楽章はピアノの入りに要注目!この楽想にこれ以上のタッチのニュアンスがあり得るでしょうか?伏し目がちでありながら決して暗く沈むこまない絶妙な表情は、まさにモーツァルトをライフワークとするヘブラーの面目躍如!
同じ音を連打する際に均衡を保って響かせる手腕もヘブラーの武器の一つで、終楽章冒頭もその好例。その何でもない行為が音楽を魅力的にさせるのに欠かせないことを体で知っているのです。フレージングからだけでなく、リズムからも語りかけのニュアンスが零れ出るのもヘブラーの魅力。テンポの速い楽章でもその姿勢にブレはなく、足場を固めながらそれを実践する様をこの終楽章でご堪能下さい。
 「第27番」は、第1楽章の冒頭を極めて内省的なタッチで開始するのが意外ですが、それが楽章全体で一貫していることからも、それがただの気まぐれではないのはもちろんのこと、展開部の陰影に飛んだニュアンスへ繋げるための布石であることに気付かされます。
 第2楽章冒頭では、先述のヘブラーの「リズムで語る」魅力を痛感。それを受けるドホナーニの指揮がまた絶妙で、強弱ニュアンスへの繊細な配慮は見事。その両者が、余分なものを全て排除した少ない音符を丹念に紡ぐ8分間は、浮世の雑念とは完全に隔絶した世界です。
終楽章は、菩薩のような笑みを浮かべた表情がたまりません!「癒やし」などという安直な意味ではなく、自信をなくしている全ての人の心を一旦リセットし、「何とかなりそうだ」と思わせるような不思議な光とパワーを感じるのは私だけでしょうか?そう思わせるのも、一見温和でありながら背後では頑として譲れないピアニズムを貫くブラーの意志の強さの賜物だと思うのです。【2023年6月・湧々堂】

Indesens Calliope Records
IC-013(1CD)
シャモー:協奏曲集
フィリップ・シャモー:ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲
バスーンと管弦楽のための協
奏曲
トランペットと管弦楽のための夜想協奏曲
エリック・オービエ(Tp)、
スヴェトリン・ルセフ(Vn)、
ジョルジオ・マンドレージ(バスーン)、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)ドゥエO

録音:2023年2月6日-7日(ドゥエ、フランス)
ギャルド・レピュブリケーヌOの首席指揮者として活躍したロジェ・ブートリーの門下生であり、ナディア・ブーランジェの孫弟子にあたるフランス人作曲家フィリップ・シャモー(1952-)。瞑想的、神秘的な作風を特徴とするシャモーが書いた、ヴァイオリン、バスーン、トランペットのための協奏曲集が登場。
メルボルン国際室内楽コンクール、ロン=ティボー国際コンクール、2001年には第1回仙台国際音楽コンクールで優勝を果たし、フランス国立放送POのコンサートマスターを務めるブルガリア出身のヴァイオリニスト、スヴェトリン・ルセフ。
名門パリOの首席バスーン奏者のジョルジオ・マンドレージ。モーリス・アンドレの高弟であり、その流派を受け継ぐフランスの名トランペット奏者、エリック・オービエという豪華ソリスト陣が名を連ねています。

Chopin University Press
UMFCCD-143(1CD)
ニュー・ダブル・アコーディオン・コンチェルトズ
バッハ:2台のハープシコード協奏曲 ハ短調 BWV1060/2台のハープシコード協奏曲 ハ長調 BWV1061/2台のハープシコード協奏曲 ハ短調 BWV1062
デュオアコスフィア〔グジェゴシュ・パルス(第1アコーディオン)、アレナ・ブジニャーコヴァー(第2アコーディオン)〕、カペラ・クラコヴィエンシス弦楽五重奏団

録音:2019年
国際的アコーディオン・デュオのデュオアコスフィアは、それぞれの国でアコーディオン奏者として傑出した地位を築いているポーランドのグジェゴシュ・パルスとスロヴァキアのアレナ・ブジニャーコヴァーの2人によって2011年に結成され、この編成では類を見ないほど世界各地で音楽祭への出演や多くのコンサートを開催し圧倒的な評価を得ています。このアルバムではカペラ・クラコヴィエンシス弦楽五重奏団を迎えてバッハの2台のハープシコード協奏曲をアコーディオンとピリオド楽器で演奏するとどうなるかという試みがなされており、アコーディオンの新たな可能性を感じさせてくれています。

MIRARE
MIR-670(1CD)
Momentum1
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲(ロ短調)
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ(ロ短調)
リヤ・ペトロワ(Vn/Helios、1735年カルロ・ベルゴンツィ製)
ロイヤルPO
ダンカン・ウォード(指)
アダム・ラルーム(P)

録音:[ウォルトン]2022年9月5日、ロンドン/[レスピーギ]2023年1月28-29日
2016年のカール・ニールセン・コンクールで優勝し一躍世界の注目を集めたペトロワ。最新盤となる本盤は、[Momentum(運動量、推進力、勢い)]シリー ズの第1弾。ウォルトンの協奏曲とレスピーギのソナタを収録。続編(2024年リリース予定)にはコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲とR.シュトラウスのソナタを 収録する、ウォルトンとコルンゴルトという2つの作品を軸に構成した意欲的なプロジェクトです。ウォルトンの協奏曲は1938年、続編に収録のコルンゴルトは 1945年という、激動の時代に作曲され、どちらもハイフェッツによって初演されました。今回収録のウォルトンとレスピーギのソナタはどちらもロ短調、さらにウォ ルトン作品にはイタリアを意識した楽章が含まれるといった共通点があります。
ウォルトンのヴァイオリン協奏曲は美しく抒情的に歌うヴァイオリンと、ゆらぎが美しいハーモニーの管弦楽のアンサンブルで始まります。第2楽章は「アッラ・ナ ポリターナ」でタランテラ風の超絶技巧な楽章。カラフルで活気に満ちたヴィヴァーチェの終楽章でのヴァイオリンとオケの丁々発止のやりとりも聴きものです。
レスピーギのソナタは非常にオペラティックで、ピアノがフル・オーケストラのように奏でる上で、ヴァイオリンが何か実際に歌詞のある歌を歌っているような旋 律を奏でます。
ペトロワの次の新譜は2024年リリース予定の[Momentun 2]、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲とR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタが予定されていま す。指揮と管弦楽はウォードとロイヤル・フィル、ピアノはアレクサンドル・カントロフです。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0071(1CD)
旅へのいざない 〜ラロの「ロシア協奏曲」とその原曲ほか
(1)デュパルク:旅へのいざない(Vnと管弦楽のための編曲版)
(2)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第1番ヘ長調 Op.20
(3)サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(4)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第4番ト短調 『ロシア協奏曲』
(5)リムスキー=コルサコフ:『100のロシア民謡』 Op.24より 「エヴラシェヴォ村の鐘が鳴る」(弦楽合奏のための編曲版)
(6)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第4番ト短調 『ロシア協奏曲』 Op.29第2〜4楽章
(7)リムスキー=コルサコフ:『100のロシア民謡』 Op.24より 「ノヴゴロドに鳴り響く鐘」(Vn、バセットホルン、チェレスタ、ハープ、チェロのための編曲版)
(8)ムソルグスキー:愛しいサーヴィシナ(Vn、チェロ、コントラバス、クラリネット、ホルン、ファゴットのための編曲版)
ドミトリー・スミルノフ(Vn、編曲(5)(7)(8))
ハインツ・ホリガー(指)
バーゼル室内O

録音:2022年2月23-25日/スイス、ドン・ボスコ・バーゼル
ラロのヴァイオリン協奏曲第4番『ロシア協奏曲』と、この曲でロシアの旋律を使うにあたってラロが参照したR=コルサコフ編纂の『100のロシア民謡』 を中心にして、19世紀末における東西の音楽の橋渡しをテーマに、絶妙な選曲でこまやかに作りこまれたアルバムです。歌や民謡をヴァイオリン編曲版で演奏し、 ヴァイオリンの協奏作品と組み合わせることで、音色の統一感もありつつ様々な音楽言語が織り込まれた幻想的な世界を生み出しています。
アルバムの扉を開く1曲目、『旅へのいざない』は、東方の地を幻想的に描いたボードレールのたいへん美しい韻文詩に基づく歌曲。もともとはピアノ伴奏 ですがデュパルク自身が管弦楽伴奏版も書いており、当盤ではそれをもとに歌のパートをヴァイオリンで演奏しています。原曲がピアノとは思えない繊細なオーケ ストレーションと夢みるような歌の旋律が、聴く者を彼の地へといざないます。
スペインの血を引くラロは、有名な『スペイン交響曲』(Vn協奏曲第2番)以外でもスペインの色彩をもつ音楽を書いていて、協奏曲第1番もそ のひとつ。この作品と響き合うものとして、同じくスペインの名手サラサーテのために書かれスペインの響きをもつ、サン= サーンスの 『序奏とロンド・カプリ チオーソ』が選ばれています。そして『ロシア協奏曲』は、印象的に使われたロシア民謡の原曲を大胆に挟み込むかたちで演奏。各々の作品が繋がっていくこ とで、音楽の味わいがぐっと深まっていきます。 ★最後を締めくくるのはムソルグスキーの歌曲『愛しいサーヴィシナ』。ロシア的な5拍子による物悲しくも美しい歌を、低音中心の印象的な編曲で奏でています。
ドミトリー・スミルノフは古楽から現代まで幅広くこなす若き俊英ヴァイオリニスト。2018年にバーゼルで自ら設立した室内アンサンブル「カメラータ・ライン」 では実験音楽や映画音楽まで手掛けるという多彩な音楽家です。今作ではロマン派作品のガット弦での演奏に挑戦、また巧妙なプログラミングと鮮やかな編曲も 彼によるもの。フランス・ロマン派の色彩に負けず、しかも編成にまでこだわった編曲はアルバムのハイライトとも言え、自身で演奏することによりさらに迫真の 表情が生まれています。巨匠ホリガーにとっても刺激的で新鮮なプロジェクトだったようで、非常にレベルの高い、真に交響的な演奏が繰り広げられています。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187110(1CD)
ロシアン・コンチェルト集
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82
ユリア・フィッシャー(Vn)
ヤコフ・クライツベルク(指)、
ロシア・ナショナルO

録音:2004年5月12&13日DZZ第5スタジオ(モスクワ)
ユリア・フィッシャーの衝撃のデビュー盤、ハチャトゥリアン、プロコフィエフ(第1番)、グラズノフのヴァイオリン協奏曲を収録したアルバム「ロシアン・コンチェ ルト集」がCDフォーマットで再発売いたします!
録音当時21歳だったユリア・フィッシャーですが、既に独自のスタイルを確立しており、彼女の最大の魅力と言える情熱的で表情豊かな演奏を披露しており ます。冒頭のハチャトゥリアン。一度聴いたらその旋律が耳に残る第1楽章の提示部から凄まじい存在感を示し、圧倒的なテクニックで雄大に演奏します。第2 楽章の歌謡的で抒情的な主題ではフィッシャーの美音が冴えわたり、聴き手の心を鷲掴みにします。そして、民族舞踏を想わせる無窮動とも言える終楽章は超ド 級の名演で、終結部の強烈な同音連続によって豪快に終わります。この作品はレコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤プラス100」で第1位に輝いており ます。
次に収録されたプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番では、「夢みるような」と作曲者自身が述べた第1主題を絶妙な歌い回しで弾きはじめ、緩-急-緩と配列された全3楽章構成の中で、非常に豊かな表現力を披露しております。
最後のグラズノフは終始フィッシャーの美音が冴えわたります。ヴァイオリンの様々な奏法を用い、高度な技術が要求されるこの協奏曲ですが、余裕すら感じ させる演奏には脱帽です。故ヤコフ・クライツベルク率いるロシア・ナショナルOとの熱演をお楽しみください。  (Ki)
※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5942およびPTC-5186591)は廃盤となります。

Goodies
78CDR-3909(1CDR)
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26 ユーディ・メニューイン(Vn)
ピエール・モントゥー(指)サンフランシスコSO

米 VICTOR11-8951/53
1945年1月27日サンフランシスコ録音
ユーディ・メニューイン(1916-1999)はニューヨーク生まれのユダヤ系ヴァイオ リニスト。4歳からヴァイオリン教育を受け、7歳でサンフランシスコSO と共演して初舞台を踏んだ。ルッジェロ・リッチ(1918-2012)の師でもあったル イス・パーシンガー(1887-1966)が最初のヴァイオリン教師。その後パリでジョ ルジュ・エネスコに、ベルリンでアドルフ・ブッシュ(1891-1952) に師事した。このブルッフはメニューインの2回目の録音。ピエール・モントゥ ー(1875-1964)はパリ生まれのフランスの大指揮者。1935年から1953年アメリカ のサンフランシスコSOの指揮者をつとめ、同楽団の黄金時代を築いた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3910(1CDR)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21
ワルツ第7番嬰ハ短調作品64-2
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
ジョン・バルビローリ(指)LSO

英 HMV DB1494/7
1931年1月8-9日ロンドン、キングズウェイ・ホール(協奏曲)
1930年12月17日ロンドン、小クイーンズ・ホール内スタジオC録音
アルトゥール・ルービンシュタイン(1887-1982)はポーランド生まれの大ピアニ スト。そのレパートリーは古典派から現代音楽と幅広く、電気録音の初期から レコード録音を始めた。生涯の前半をヨーロッパで過ごし、1937年にアメリカ に移住した。このショパンはルービンシュタインの初期の録音で、ここに収め られた「ワルツ嬰ハ短調」はなんとテイク8(八回やり直してOKを出した)だった。 これは限られたアーティストにのみ許されたことで、ヴァイオリンの巨匠フリッ ツ・クライスラーにテイク7(ベートーヴェン「スプリング・ソナタ」の第3楽 章-78CDR-3014)というのがあった。ルービンシュタインは後年ショパンのほぼ 全作品のレコード録音を完成しています。指揮者のジョン・バルビローリ(1899- 1970)は1916年にヘンリー・ウッドの率いるクイーンズ・ホールOにチェ リストとして入団(バッハ:チェロとピアノのためのソナタが78CDR-3443で 出ている)。1925年には自らの室内Oを組織して指揮をはじめた。1936- 43年にニューヨーク・フィルハーモニーSOの首席指揮者をつとめた。 SPレコード時代シュナーベルやクライスラーらの巨匠との録音があった。(グッディーズ)

MDG
MDG-92622816(1SACD)
ヴィルトゥオーゾの芸術 Vol.2〜ソロ・コンチェルト集
モーツァルト:3つのピアノ協奏曲〜第3番変ホ長調KV107(J.C. バッハのソナタ編)
マルティン・ザイフェルト(1681-1745):オーボエ協奏曲ハ短調
ヨハン・ジギスムント・ヴァイス(1690-1737):リュートと弦楽のための協奏曲ト短調
フランティシェク・イラーネク(1698-1778):ヴァイオリン協奏曲イ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター(1696-1765):ソナタ・グロッサ(3トランペット、2オーボエ、ティンパニ、弦楽、通奏低音))
ヨゼフ・ヘフナー(19世紀前半):キートランペットのための序奏とポロネーズ
ソリスト;
アダ・タニール(Cemb)
ハンス・ハインリヒ・クリーゲル(Ob)
佐々木勇一(Lute)
エルケ・ファブリ(Vn)
ペドロ・H・デ・ソウザ・ローサ(キートランペット)
カテルヴァ・ムジカ

録音:2022年6月2日、9月2,4日、10月27-29日、、マリエンミュンスター修道院コンツェルト
ドイツのルール地方の西部に位置するヴェストファーレンで活動する古楽アンサンブル、カテルヴァ・ムジカ。同団は、1998年にエルケ・ファブリ、ヴォルフガン グ・ファブリ夫妻によって設立。オリジナル楽器による演奏で、歴史的な音楽をただ蘇らせるだけではなく、現代的なアプローチを取り込んだ生き生きとした演奏 で定評があります。18世紀のソロ協奏曲を集めた「ヴィルトゥオーゾの芸術」第2弾 は、14歳のモーツァルトがロンドンを訪れた際に、J.C.バッハのソナタをピアノ協奏曲に編曲し た作品からはじまります。ピアノ・パートはそのままに、若き天才の驚くべき才能でロココの宝石のような魅力的な作品に仕上げています。モルターの「ソナタ・グ ロッサ」は、トランペット、ティンパニ、オーボエ、弦楽器と様々な楽器を使用した祝祭感溢れる作品。イラーネクの非常に技巧的な「ヴァイオリン協奏曲」や美しいハー モニーが印象的なザイフェルトの「オーボエ協奏曲」。そしてドイツで活躍しているリュート奏者佐々木勇一がソリストとして参加するヨハン・ジギスムント・ヴァイス の協奏曲。兄シルヴィウス・レオポルトの陰に隠れて忘れられていますが、このヨハン・ジギスムントのリュート協奏曲は、マンハイム楽派に先立つ音楽を聴くことが できます。またヨゼフ・ヘフナーの、19世紀前半には画期的だったキートランペットをソロ楽器とした序奏とポロネーズなど多彩なプログラムが収録されています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72942(1CD)
『オルフェウスの降下』 〜ロビン・デ・ラーフ(1968-):作品集
(1)ピアノ協奏曲第2番『キルクルス』(2021-2022)
(2)室内管弦楽のための『オルフェウスの降下』(2002-2003)
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番『北大西洋の光』(2002-2003)
(1)ラルフ・ファン・ラート(P)、マティアス・ピンチャー(指)、ネーデルラント放送PO
(2)ローレンス・レネス(指)、ネーデルラント放送PO
(3)トスカ・オプダム(Vn)、マルク・アルブレヒト(指)、ネーデルラントPO
録音:(1)2022年6月10日/アムステルダム、ヴェスターガスファブリーク
(2)2020年11月21日アムステルダム、コンセルトヘボウ、
(3)2019年5月20日アムステルダム、コンセルトヘボウ"
Challengeレーベルが力を入れて紹介しているオランダ現代音楽を代表する作曲家、デ・ラーフの管弦楽作品集。循環する時間をテーマとしたピアノ協奏曲『キ ルクルス(円)』、決して戻ってくることのない下降を描いた『オルフェウスの降下』、まばゆい光と水の煌めきに焦点を当てたヴァイオリン協奏曲『北大西洋の光』 を収録しています。どれも複雑・精巧でありながら、耳馴染みの良いサウンドを持っています。大編成のオーケストラをたっぷり鳴らし、華麗なソロも聴かせる、抜 群の聴き応え。 (Ki)

Hanssler
HC-23013(1CD)
ライネッケ:フルート協奏曲 ニ長調 Op.283
ペンデレツキ:フルートと室内オーケストラのための協奏曲*
クシシュトフ・カチカ(Fl)
ヤナーチェクPO、
フェリペ・トリスタン(指)

録音:2022年6月21&22日、2022年6月30日〜7月1日*/オストラバ(チェコ)
独ヘンスラー・レーベルから積極的なリリースが続いているポーランド出身のフルーティスト、クシシュトフ・カチカ。当アルバムではライネッケとペンデレツキの 協奏曲を収録しました。
ポーランドを代表する作曲家の一人ペンデレツキ。フルート協奏曲は当時第一線から退いていたジャン=ピエール・ランパル(1922-2000) に捧げた作品。初演は1993年、創立50周年を迎えたローザンヌ室内Oと作曲者自身による指揮で行われました。この作品は95年に改訂され、翌96年 にはクラリネット協奏曲にも編曲されています。
カチカは2009年から2012年まで広州SOの首席フルート奏者を務めたのち、現在はソリストとして活動の幅を広げており、これまでにラン・ラン、ヨー ヨ・マ、五嶋みどり、サラ・チャンといった世界的アーティストとの共演を果たしております。ヘンスラー・レーベルからメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(フ ルート版)(HC-21034)、バッハのヴァイオリンとフルートのための協奏曲集(HC-21020)、母国ポーランドの作曲家「ヴォシの作品集」(HC-20001)、 「ルーマニアのフルート音楽」(HC-21060)など、積極的なリリースが続いております。 (Ki)


King International
KKC-4336(1SACD)
限定発売
フルトヴェングラー&メニューイン
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
交響曲第1番ハ長調 作品21*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO、VPO*
ユーディ・メニューイン(Vn)

録音:1947年9月28日ティタニア・パラスト、ベルリン(ライヴ)、1952年11月30日ムジークフェラインザール、ウィーン(ライヴ)*
解説:宇野功芳
メニューインがフルトヴェングラーと組んで録音したベートーヴェンは3種ありますがが、「彼等のベストを尽くした名演」(宇野功芳)がこれです! 「手兵のベルリン・フィルを指揮し、本拠地のベルリンにおける定期公演ということで、フルトヴェングラーの気持ちがまるで異なります。その心の張りがメニューインに 乗り移り、スランプにあえぐ彼から実力以上のものを引き出したのがこのCDなのです。第1楽章ではアインガングから魂が高く羽ばたくような音と表現が聴か れます。音色には溢れるような艶があり、歌に満ちているが、そこに人為的なものはいっさいなく、自然界の一つの現象のように聴こえます。とても人間が弾くヴァイオ リンとは思えず、崇高な感じさえするのです。録音のせいか、最弱音が強くなっているが、充分に繊細な表現が伝わって来、哀しくなるほどのディミヌエンドが印 象的だ。展開部が良い例で、決してセンチメンタルな演奏ではないのに、あまりの美しさと心のこめ方の一途さに、聴いている方が哀しくなってしまうのです。そ れは常に高みに向おうとする心なのだ。どの一部をとっても魂の音楽であり、その真実が音楽美として表われ出てくる。  カデンツァ(クライスラー作)がまたすばらしい。この情熱、この気迫、メニューインは完全に昔の天才少年時代に戻っており、クライマックスへの激しい登頂には 聴いているわれわれも思わず夢中になってしまう。」(宇野功芳、ライナー・ノーツより) 「ヴァイオリン協奏曲」は日本ではキングレコードからLP:K17C-9423(1984.10.21)で発売されました。これは伊チェトラ社が1980年に世界初出音源とし て発売したLP(FE-1)の国内初発売になり、『レコード芸術』誌(84年12月号)で特選を獲得しております。
カップリングの「第1交響曲」は有名な旧EMIセッション録音の直後のライヴ。伊チェトラ社が1982年に世界初出音源として発売したLP(FE-33)の国内初 発売として、翌年K19C-287〜8(83.12.1)で登場。「ウィーンの第九(1951)」とのカップリングでLP2枚組の第4面に収録されておりました。 「(旧EMIセッション録音の)名演に実演ならではの生命力をあたえられた完璧な表現で、しかも踏みはずしが見られない。ここにはまろやかな響きの代りに、切 れば血の出るような生々しさがあり、終楽章のコーダに僅かなアッチェレランドが出現するが、他の部分はいかにもきっちりとしています。とくにオーケストラのリズ ムやアンサンブルが整然としており、ダイナミックスや楽器のバランスも古典曲として模範的だ。まるで1954年、死の年のライヴ演奏を思わせるのです。」(宇 野功芳、ライナー・ノーツより)
この2曲のカップリングでキングレコードから1986年に初CD化発売(K33Y-194)。今回、世界初のSACDHybrid化!ミラノ・ディスコスが制作したアナ ログ・テープ(1/4インチ幅、秒速38cm)の非常に良好な音質をキング関口台スタジオで最新デジタル・リマスタリングによりさらに改善して発売します。ライ ナー・ノーツは宇野功芳氏の“熱烈”解説を転載。

DOREMI
DHR-8205(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第15集

(1)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
(2)ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.21
(3)シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
(4)モーツァルト:アンダンテと変奏曲 ト長調 K.501
(5)ドビュッシー:白と黒で
(6)シューマン:アンダンテと変奏曲 Op.46a
(7)リスト:3つの演奏会用練習曲 S.144より 第2番「軽やかさ」
ドビュッシー:『版画』より 第3曲 「雨の庭」
ラヴェル:水の戯れ
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ルイ・マルタン(指)、スイス・ロマンドO
 ライヴ録音:1959年9月25日/ジェノヴァ
(2)クラウス・テンシュテット(指)、北ドイツRSO
 ライヴ録音:1979年6月18日/キール
(3)クラウス・テンシュテット(指)、北ドイツRSO
 ライヴ録音:1980年5月12日/シュトゥットガルト
(4)(5)スティーヴン・コヴァセヴィチ(P)]
(6)アレクサンドル・ラビノヴィチ(P)、フリードリヒ・ドレシャル(Vc)、ミッシャ・マイスキー(Vc)、マリー=ルイーズ・ノイネッカー(Hrn)]
 ライヴ録音:1977年5月8日/アムステルダム
(7)ライヴ録音:1973年4月17日/ニューヨーク
DOREMIのアルゲリッチ貴重音源集第15弾。テンシュテットとの協奏曲やニューヨークでのリサイタルなどを収録。


Spectrum Sound
CDSMBA-140(2CD)
ダヴィド・オイストラフ・ライヴ・イン・パリ1958
(1)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041
(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:ヨアヒム)
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:クライスラー)
(4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
(1)-(3)アンドレ・クリュイタンス(指)、
 フランス国立放送O
(4)レフ・オボーリン(P)

録音:(1)-(3)1958年10月27日シャイヨー国立劇場、パリ(ライヴ)(モノラル)
(4)1962年6月18日フランス国営放送局内スタジオ(放送用収録)(モノラル)
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規復刻、巨匠オイストラフがクリュイタンス &フランス国立放送管と共演した「3大B」の協奏曲を収めたアルバムで、1958年10月27日、パリにおける一夜のライヴが蘇ります。
非常に細かいヴィブラートとテヌートを多用し、まるで歌手のように歌い上げるオイストラフのヴァイオリン。それでいて推進力の高い演奏なので聴き手もオイス トラフの音色に没頭してしまいます。これほど艶やかな演奏は20世紀の巨匠でしか聴くことはできないでしょう。クリュイタンスとの息もばっちり!50歳になった オイストラフの、演奏家として円熟期のバッハ(第1番)、ブラームス、ベートーヴェンを聴けるのは至福と時といえましょう。
ボーナストラックとして、1962年6月18日、フランス国営放送局内のスタジオで収録した、レフ・オボーリンとのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10 番を収録。同コンビはベートーヴェンの全曲を同時期に録音しておりますが、これとは別音源の6月18日の放送用に収録されたものです。芳醇な香りのする名演 奏をお楽しみください!

Goodies
78CDR-3905(1CDR)
牧神の午後への前奏曲-マルセル・モイーズの芸術
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
フェルー: 無伴奏フルートのための3つの小品
(1)恋する羊飼い
(2)硬玉
(3)端陽
イベール:フルート協奏曲
マルセル・モイーズ(Fl)
ワルテル・ストララム(指)ストララムO(ドビュッシー)
ウジェーヌ・ビゴー(指)交響楽団(イベール)

仏COLUMBIA LFX30 1930年2月24日録音(ドビュッシー)、 仏COLUMBIA DFX194 1933年パリ録音(フェルー)、 仏DISQUE GRAMOPHONE L1013/4 1934年パリ録音(イベール)
フルートのマルセル・モイーズ(1889-1984)はパリ音楽院でポール・タファネル (1844-1908)、フィリップ・ゴーベール(1879-1941)に師事し、1906年に一等賞 を得て1908年にソロ・デビューした。1913年から32年にオペラ・コミック、 1922年から32年にはストララム管弦楽団に席を置き、1932年から49年にパリ音 楽院の教授をつとめた。指揮者のウジェーヌ・ビゴー(1888-1965)はパリ音楽院 出身。シャンゼリゼ劇場の指揮者を経てパリ音楽院管弦楽団、フランス国立放 送管弦楽団、ラムルー管弦楽団、オペラ・コミックの指揮者を歴任、母校の指 揮科の教授もつとめた。2曲目の作曲者フェルーは現代音楽推進団体(トリトン) の創立者の一人。モイーズはこのシリーズで殆どの録音が復刻されている。(グッディーズ)

Gramola
GRAM-99268(1CD)
リヒテンタール博士のモーツァルト
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(Pと弦楽四重奏版)
幻想曲第4番ハ短調 K.475(Pとチェロ版)*
ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457(Pとチェロ版)*

※全てペーター・リヒテンタール(1779/80-1853)による編曲版
アウレリア・ヴィショヴァン(ハンマークラヴィーア)
Johann Frenzel製作(1828年頃)
パンドルフィス・コンソート(古楽器使用)
ピッチ a=436Hz

録音:2022年5月5-7日
*…世界初録音
アルバム・タイトルにある「リヒテンタール博士」とは、ブラチスラヴァ生まれの医師・作曲家ペーター・リヒテンタール(本名:ヴォルフガング・マイヤー)のこと。彼 はモーツァルトの熱烈な信奉者で、モーツァルトの妻コンスタンツェや2人の息子とも親交があり、彼らからの厚い信頼も受けていました。リヒテンタールはレクイエ ム?GRAM99188)をはじめとした数多くのモーツァルト作品の編曲版を遺しています。 このアルバムの前半にはリヒテンタールがオーケストラ・パートを弦楽四重奏に編曲したピアノ協奏曲第20番を収録。こちらはアウレリア・ヴィショヴァンが歴史的 なハンマークヴィーアを演奏、パンドルフィス・コンソートと共に密度の濃いアンサンブルを奏でます。後半にはリヒテンタールがチェロ・パートを追加したハ短調のピ アノ・ソナタや幻想曲が収録されており、ここではパンドルフィス・コンソートのチェリスト、ギュンター・シャーゲルがヴィショヴァンと息のあった演奏を披露していま す。

Christophorus
CHR-77471(1CD)
ヴィヴァルディのサルテリオ
ヴィヴァルディ:協奏曲 ハ長調 RV186、
協奏曲 ホ短調 RV275、
協奏曲 ヘ長調 RV294aよりアンダンテ、
協奏曲 ニ長調 RV84、
協奏曲 ト短調 RV156、
ソナタ ト長調 RV820、
ソナタ ロ短調 RV35a, RV37a、
協奏曲 ロ短調 RV388、
協奏曲 ニ長調 RV220、歌劇「ジュスティーノ」のアリア「Ho nel petto un cor si forte」による幻想曲
作曲家不詳(18世紀ヴェネツィア):ソナタホ短調よりアダージョ
フランツィスカ・フライシャンデール(サルテリオ&指揮)、
イル・ドルチェ・コンフォルト

録音:2022年10月&11月、グレンザッハ=ヴィーレン福音教会(ドイツ)
18世紀のイタリアで広く普及し、特に女性貴族や女子修道院の間で人気を博していたハンマーダルシマー型の楽器、サルテリオ。現在サルテリオの名手として、また研究者として活躍しているオーストリア出身のフランツィスカ・フライシャンデールは、本作でヴィヴァルディとサルテリオの関係を探求します。ヴィヴァルディがヴェネツィアの有名な孤児学校 Ospedale della Pieta(ピエタ院)にいたとき、2つのサルテリオが購入され、さらにサルテリオのための教師が特別に雇われたことが判明しています。つまりヴィヴァルディがこの楽器に直接曲を捧げていなかったとしても、「どんな楽器も恐れない」ヴィルトゥオーゾの少女たちはサルテリオでマエストロの作品を解釈したと考えることができるのです。フライシャンデルルは本作のために、ヴィヴァルディの作品の中から特に彼女の楽器に適した協奏曲を探し出しました。名手によってさまざまな技法で奏でられるサルテリオと、イル・ドルチェ・コンフォルトが生み出す至福のサウンドをお楽しみください。

Glossa
GCD-P-31910(1CD)
バッハ:リコーダー協奏曲集
協奏曲ニ長調 BWV1053(R)
カンタータ第76番 「天は神の栄光を語る」 BWV.76より シンフォニア
協奏曲ト短調 BWV1056(R)
協奏曲イ長調 BWV1055(R)
カンタータ第182番「天の王よ、ようこそ来ませ」 BWV.182よりソナタ
協奏曲ハ短調 BWV1060(R)
ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)、リアナ・モスカ(Vn・ソロ/tr.5-7、11-14)ジュゼッペ・マレット(ディレクター)、カンティカ・シンフォニア〔リアナ・モスカ(Vn、ヴィオラ/BWV76)、エフィクス・プレオ(Vn、ヴィオラ/BWV182)、アレッサンドロ・コンラド(Vn/BWV1055&1060)、エレナ・サッコマンディ(Va)、二コラ・ブロヴェッリ(Vc)、フェデリコ・バニャスコ(ヴィオローネ)、キアラ・カッターニ(ハープシコード、オルガン)〕

録音:2021年1月2日-5日&2022年11月21日、サルッツォ(イタリア)
「デュファイ・トリロジー(三部作)」やビュノワ、イザークのミサ曲など、数多くの名唱を生み出してきた、名匠ジュゼッペ・マレットが率いるイタリアの声楽と器楽によるピリオド・アンサンブル、カンティカ・シンフォニア。2017年度のレコード・アカデミー賞を受賞したラ・コンパーニャ・デル・マドリガーレのモンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」(OGCD-922807)にも参加していた「カンティカ・シンフォニア」の新録音は、大バッハの名作のリコーダー協奏曲版。
バッハは、リコーダー独奏のための協奏曲は残していませんが、ブランデンブルク協奏曲やいくつかのカンタータなどの重要な作品にリコーダーを多用してきました。本アルバムでは、ケース・ブッケ、フランス・ブリュッヘンといった名手達のもとでリコーダーとフルートを学んだロレンツォ・カヴァサンティが、バッハが愛した楽器の魅力を色彩感溢れる音色で奏でます。

LAWO Classics
LWC-1255(1CD)

PLWC-1255(1CD)
国内盤仕様
税込定価
忍耐
フィリップ・グラス(b.1937):ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」〔プロローグ、第1楽章、ソング第1番、第2楽章、ソング第2番、第3楽章、ソング第3番、第4楽章〕
シェティル・ビェルケストラン(b.1955):ヴァイオリン協奏曲第1番「忍耐」〔命知らず、1と20、下りと上り、セブン、浮き沈み、忍耐〕
サラ・オーヴィンゲ(Vn)、
ノルウェー室内O、
エドワード・ガードナー(指)

録音:2021年8月2日-6日、ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
※国内盤:解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き
ノルウェー出身の才能溢れるヴァイオリニスト、サラ・オーヴィンゲがエドワード・ガードナーとの共演でプログラムに選んだのはフィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」とノルウェーの作曲家、シェティル・ビェルケストランのヴァイオリン協奏曲という好奇心に溢れたプログラム。「アメリカの四季」はグラスが2009年にヴァイオリニストのロバート・マクダフィーのために書いた作品。ヴィヴァルディの「四季」を意識して書かれた作品ではありますが、ヴィヴァルディとは違い各楽章にどの季節が該当するのかは明示されておらず演奏者やリスナーに自由な解釈が委ねられています。また通常の協奏曲のようなカデンツァを置かず、第1楽章の前に「プロローグ」、他の3つの楽章の前にはそれぞれ「ソング」というソリストのための無伴奏の楽章が置かれている点でもグラスのユニークさが光る作品です。シンセサイザー・パートは一般的にバロック・ハープシコードのような音色で演奏されますが、オーヴィンゲはより電子音響的な音を作り、一味違ったサウンドを創り出しています。
シェティル・ビェルケストランはクラシックはもとよりロック、ポップスからフォークや映画音楽、コンテンポラリーまで幅広い音楽スタイルで活動するノルウェーの音楽家。レイ・チャールズやキース・エマーソンのアレンジャーとしても知られています。オーヴィンゲは2019年にビェルケストランと出会い自分が探し求めていたものを見つけたと話します。このアルバムでは「電子的なものと有機的なものの共存」というテーマを追求しています。
サラ・オーヴィンゲは4歳でヴァイオリンを始め、9歳で地元ノルショーピングのオーケストラに初めてソリストとして登場。16歳でストックホルムの王立音楽大学で学士号を取得後、オスロのノルウェー音楽アカデミーとロンドンの王立音楽大学でソロ・ディプロマを取得しました。ノルウェー音楽アカデミーではディプロマを史上最年少で修了したほか、スウェーデン・ソリスト賞の「リスナー賞」をはじめ数々の賞を受賞しています。これまでにソリストとしてヨーテボリSO、ベルゲンPO、ノルウェー放送O、トロンハイムSOなど、スカンジナビアを代表する多くのオーケストラと共演を重ね、着実に評価を高めているヴァイオリニストです。

GENUIN
GEN-23842(1CD)
ブローウェル、レムケ、モラ、ドックス:ギターとアコーディオンのための作品集
ブローウェル(1939-):ベートーヴェンによる協奏的変奏曲(2020)、Bomarzos Tales(2022)
サーシャ・リノ・レムケ(1976-):Atemschaukel(2021)*
エディー・モラ(1965-):ルクス・ノヴァ(2021)
ヘクター・ドックス(1993-):3つの変容(2022)
ルクス・ノヴァ・デュオ 〔リディア・シュミードル(アコーディオン)、ホルヘ・パス・ベラステギ(G)〕、
マルチア・レムケ=ケルン(S)*、
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O、
エディー・モラ(指)

全て世界初録音
ギターの巨匠レオ・ブローウェルからも絶賛されたギターとアコーディオンのデュオ、ルクス・ノヴァ・デュオのGeniuin3枚目のアルバムは、全曲世界初録音!ルクス・ノヴァ・デュオは、ペルーのギター奏者ホルヘ・パス・ベラステギと、ドイツのアコーディオン奏者リディア・シュミードルによって2012年にバルセロナで結成されました。本作の収録曲はすべて彼らのために書かれた2020年以降の作品で、ブローウェルのラテンアメリカ的な色彩からドックスの沈黙の深さを追求した「変容」まで、広大なカラーパレットを楽しめます。

Forgotten Records
fr-1879(1CDR)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
幻想序曲「ロメオとジュリエット」#
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 +
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)*
ロリン・マゼール(指)
フランス国立RSO*、BPO

録音:1959年9月22日モントルー音楽祭(ライヴ)*、1957年6月24日#、1958年12月10日+
※音源:DG LPM 18382#、SLPM 138033 +
Forgotten Records
fr-1887(1CDR)
ヤコブ・ギンペル/シューマン&グリーグ
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調
ヤコブ・ギンペル(P)
アルトゥール・ローター指揮
ベルリンSO

録音:1960年(ステレオ)
※音源: Opera 1184
Forgotten Records
fr-1889(1CDR)
ヘブラー/モーツァルト:ピアノ協奏曲Vox録音集2
ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415 #
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
イングリッド・ヘブラー(P)
パウル・ヴァルター(指)
ウィーン・プロ・ムジカO

録音:1956年、1956年5月7日-8日#
※音源: Vox PL 9830、PL 10080

ALPHA
ALPHA-991(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol.6
ピアノ協奏曲 第11番ヘ長調 K.413(カデンツァ…モーツァルト)
ピアノ協奏曲 第13番ハ長調 K.415(カデンツァ…モーツァルト)
オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314(カデンツァ…ガブリエル・ピドー)*
ロマン・ボリソフ(P/ベーゼンドルファーVC280)
ガブリエル・ピドー(Ob)*
ウィーンRSO
ザルツブルク・モーツァルテウムO*
ハワード・グリフィス(指)*

録音:2022年9月 オーストリア放送スタジオ6/大ホール、ウィーン
2022年3月 オルケスターハウス、ザルツブルク*
無名の若き名手から中堅まで幅広いソリストの登場が話題を呼んでいる<次世代ソリストたちによるモーツァルト>の第6弾。数々の受賞 歴と古楽器での活躍、YouTubeでのパフォーマンスと話題を振りまきながら、2022年にALPHAからデビュー・アルバム「ロマンス」 (ALPHA789)を発売したオーボエのガブリエル・ピドーと、2021年のルール・ピアノ・フェスティバルに参加しラフマニノフの素晴らしいパフォーマ ンスで聴衆を圧倒したロマン・ボリソフが登場。両者とも、明朗ながら細やかな歌いまわしで、作品の素晴らしさをごくシンプルかつ効果的に打 ち出す才は、まさに新世代の俊英だといえるでしょう。

DIVOX
CDX-72201(1CD)
NX-B03
ヴェニスのバッハ
バッハ:協奏曲 ニ長調 BWV972(原曲:ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV230)
協奏曲 ト長調 BWV973(原曲 ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV299)
協奏曲 ハ長調 BWV976(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV265)
協奏曲 ニ短調 BWV974(原曲:A. マルチェッロのオーボエ協奏曲)
協奏曲 ト長調 BWV980(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV381)
協奏曲 ヘ長調 BWV978(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV310)

※全てジューリオ・デ・ナルドによるチェンバロと室内アンサンブル編
ジューリオ・デ・ナルド(Cemb)
セスティエール・アルモニコ(古楽器使用)

録音:2021年8月18-21日
全て世界初録音
バッハは生前イタリアに旅行することはありませんでしたが、ザクセン公ヨハン・エルンストがイタリアの器楽レパー トリーに関心を抱いていたため、ヴィヴァルディ、アルビノーニ、トレッリらの作品に触れることができました。バッハはこ れらを研究し、何曲かの作品をチェンバロ独奏用に編曲しています。このアルバムでは、その中から6曲を選び、鍵 盤楽器奏者ジューリオ・デ・ナルドがオーケストラとチェンバロのための協奏曲に編曲。デ・ナルドは各々の作品の チェンバロ・パートに改変を加えることなく、弦楽パートを付け加えています。 ジューリオ・デ・ナルドは1994年、トレヴィーゾ生まれ。アンドレア・マルコンに師事し、数多くの国際コンクールに入 賞。マルコンの楽団とともに演奏を重ねてきた俊英で、これがソリストとしての初アルバムになります。

SOUPIR EDITIONS
S-256(1CD)
アルフレード・ダンブロージョ(1871-1914):ヴァイオリン作品集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番ロ短調 Op.29
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.51
(3)カンツォネッタ ト長調 Op.28
(4)ロマンス ニ長調 Op.9
(5)導入とユモレスク イ短調 Op.25
(6)セレナード ニ長調 Op.4
(7)カンツォネッタ ト短調 Op.6
ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)
(1)(2)アリー・ファン・ベーク(指)
オー・デ・フランス地域圏ドゥエーO
(3)-(7)上田晴子(P)

録音:2021年10月22,24日,2022年7月27日 フランス オー・デ・フランス地域圏 ドゥエー
偉大なヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフが、今日ではすっかり忘れ去 られてしまったイタリアのヴァイオリニスト、作曲家、アルフレード・ダンブロージョ (1871-1914)のヴァイオリン協奏曲2曲と小品を録音。ダンブロージョはナポリの生ま れ。生地で学んだ後、1889年から90年にマドリードでパブロ・デ・サラサーテに、 1891年から92年にロンドンでアウグスト・ヴィルヘルミに学んだ。その後はパリやニー スを拠点にして、演奏、作曲、教育と活躍した。43歳で亡くなってしまったため本人 の録音はごく僅かで、そして作品も忘れ去られてしまった。 大演奏家が埋もれた作曲家の作品を取り上げる時は意気込みが強いのが常。ここ でもカントロフは特に協奏曲では力の入っており、後期ロマン派的充実感をしっかり 聞かせてくれます。オランダの指揮者、アリー・ファン・ベークにも熱が入り、2曲の協奏 曲は手本にして至高の演奏です。一方、上田晴子の伴奏で弾く小品はかつての サロンでの愉悦を蘇らせた素敵なものばかり。この1枚でダンブロージョの概要は掴 めるでしょう。埋もれた素晴らしい芸術を蘇らせたカントロフの偉業だ。

AAM Records
AAM-42(1CD)
NX-B08

NYCX-10404(1CD)「
国内盤仕様
税込定価
モーツァルト:ピアノ協奏曲第5番/教会ソナタ 他
協奏曲の楽章 ト長調-『ナンネルの音楽帳』より(R. レヴィン復元)
ピアノ協奏曲第5番ト長調 K.175*
ピアノ協奏曲 ニ長調 K.107No.1
ピアノ協奏曲 ト長調 K.107No.2
ピアノ協奏曲 変ホ長調 K.107No.3
教会ソナタ第17番ハ長調 K.336*
(カデンツァ:ロバート・レヴィンの即興演奏)
ロバート・レヴィン(チェンバロ&オルガン*)
使用楽器
チェンバロ:ストラスブールのヨハン=ハインリヒ・ジルバーマン、1770年頃製モデルによる再現楽器、アラン・ゴット2013年製作
オルガン:ジョージ・イングランド1760年建造、 ウィリアム・ドレイク2009年レストア
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(古楽器使用)
ボヤン・チチッチ(指)
ローレンス・カミングス(指)*

録音:2021年12月8-9日、2022年8月18-20日
※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。
注目の1曲目は、モーツァルトの父レオポルトがモーツァルトの姉ナンネルの学習用に始めた『ナンネルの音楽帳』に書かれていた曲による「復元」。この曲は協 奏曲の第1楽章のスタイルで書かれていますが、オーケストラ・パートがありません。書法に未熟さが見られることからレオポルトの作ではないとされたものの作 者は特定されていませんでした。しかし2009年にモーツァルトの作と判定され、オーケストラ・パートを付けて協奏曲として復元する作業をロバート・レヴィンが 担当しました。晴朗で快活な5分余りの曲です。 ピアノ協奏曲第5番として知られるK.175は、若きモーツァルトが旅先で好んで演奏したため改訂が重ねられ、最初のバージョンを完全な形で復元すること はできません。ロバート・レヴィンは残された資料を基に、初稿にはピアノ曲に当然あるべき強弱記号が全く無く、当時のピアノやチェンバロの音域に照らすと 不自然な点があることから、モーツァルトはこの曲をザルツブルク大学の付属教会のオルガンで初演したものと推定。それに近い環境を求めて、モーツァルト在 世中の1760年に作られたオルガンで演奏・録音しました。レヴィンの演奏は俊敏で明快、AAMのサウンドと相まって、時にヘンデルのオルガン協奏曲を思わ せます。 アルバムにはこのほかに、モーツァルトがヨハン・クリスティアン・バッハのソナタ3曲を鍵盤楽器のための協奏曲に編曲したK.107(ここでのソロ楽器はチェンバロ) と、ザルツブルク時代に完成した教会ソナタの最後の作品K.336(ソロ楽器はオルガン)が収録されています。 64ページのブックレット(英語のみ)は、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、録音エンジニアの回想 と現場レポート等を掲載し、充実した内容となっています。

CD ACCORD
ACD-319(1CD)
NX-C03
プーランク/ジョンゲン:オルガンとオーケストラのための協奏曲
プーランク:オルガンと弦楽合奏、ティンパニのための協奏曲
ジョンゲン:協奏交響曲 Op.81
カロル・モサコウスキ (Org)
NFMヴロツワフPO
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)

録音:2021年6月8日、2022年10月21-24日
使用されているオルガンはドイツのクライス社によって製作されたもの。18世紀から21世紀の音楽に対応するようにというホールの要望に応えつつ、バロック音 楽とフランスのオルガン・シンフォニーの演奏を二つの基準として設計されました。本CDでこのオルガンの本領発揮を聞くことができます。 オルガンを演奏するカロル・モサコウスキは2020年に開催された"プラハの春国際音楽コンクール"のオルガン部門で第1位を獲得。現在カトヴィツェのポーラン ド国立RSOのアーティスト・イン・レジデンスとパリのサン・シュルピス教会のオルガニストを務める注目の奏者です。

GEGA NEW
GD-418(1CD)
「砂川晴彦の思い出に」〜ヤッセン・ヴォデニチャロフ(b.1964):作品集
(1)ルバイヤット(ウマル・ハイヤームの詩による5つのワインの歌)
(2)ピアノ協奏曲「水晶の森からの響きとささやき」
(3)アポクリファ(A.タルコフスキーに捧ぐ)
(4)サクソフォン協奏曲「砂の歌」
(5)シンフォニア(リュドミラ・ヴィデニチャロフの詩による)
(1)エメリ・ルフェーブル(Br)
レオ・マルグ(指)アンサンブル・ラティネレール
(2)デシスラヴァ・シュテレヴァ(P)
イワン・ストヤノフ(指)ガヴロボ室内O
(3)エレクトロアコースティック作品
(4)ニコラス・ケープランド(A.Sax)
ヴセヴォロド・シュムイレヴィッチ(指)
パリ・サクソフォーン・アンサンブル
(5)テオドラ・ペトロヴァ(S)
ナディヤ・パヴロヴァ(Ms)
イワン・ストヤノフ(指)ブルガリア国立RSO
ヤッセン・ヴォデニチャロフ作品集第7弾。日本にも縁の多い作曲家で今回も「砂川晴彦の 思い出に」というアルバム・タイトルがついています。砂川晴彦(1946-2022)は福岡出身でフラン ス在住の画家・彫刻家で抽象的な作品で高い評価を得ていた。 ヴォデニチャロフはソフィア国立音楽院で学んだ後、パリ音楽院でポール・メファノに師事、 IRCAM でも研鑽を積んだ。現在はパリを拠点に活動しています。どの作品が砂川氏に捧げられ ているということではないようで、作風は不協和音の不気味な静けさ、クラスターの炸裂など駆 使した硬派な現代音楽だ。


Spectrum Sound
CDSMBA-137(1CD)
フルノー&ケンプ
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(31'29)
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(29'25)
(1)マリー=テレーズ・フルノー(P)、
ルネ・ジラール(指)フランス国立放送O
(2)ヴィルヘルム・ケンプ(P)、
ゲオルク・ショルティ(指)パリ音楽院O

録音:(1)1967年5月22日メゾン・ド・ラジオ・フランス、105スタジオ(パリ)(モノラル)【初出音源】
(2)1959年9月3日/ブザンソン市民劇場(モノラル)【初出音源】
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規初出復刻。当アルバムは20世紀に活躍 したフランスのピアニスト、マリー=テレーズ・フルノー(1927-2000)、そしてドイツ正統派ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプ(1895-1991)がそれぞれ弾い たモーツァルトのピアノ協奏曲第20番を収録しております。
マルグリット・ロン(1874-1966)の愛弟子であるフルノーは1943年、16歳で挑んだロン=ティボー国際コンクールで第2位を受賞。その後ピアニストとし てのキャリアを本格的にスタートさせましたが難病のため演奏家人生は短く、ここに収めた放送用音源は彼女の演奏を聴く非常に貴重な記録といえます。 フルノーとケンプという20世紀の名ピアニストによるモーツァルトは絶品の一言。聴き比べもお楽しみいただけます。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文下をおすすめします。

REFERENCE
FR-751SACD
(3SACD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲 第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲 第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲 第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲 第5番『皇帝』
「プロメテウスの創造物」序曲
ギャリック・オールソン(P)
サ-・ドナルド・ラニクルズ(指)
グランド・ティトン音楽祭祝祭O

録音:2022年7月5日〜9日 ウォーク・フェスティヴァル・ホール、ワイオミング州、アメリカ(グランドティトン音楽祭)
1970年第8回ショパン国際ピアノコンクールで優勝(2位:内田光子)したギャリック・オールソン(1948-)によるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲録 音がリリースされます。
アメリカのワイオミング州にあるグランドティトン国立公園の麓の街ジャクソンを中心に毎年夏に行われるグランドティトン音楽祭での演奏で、同音楽祭の音楽監 督を務める名指揮者ドナルド・ラニクルズ(1954-)との共演盤です。オールソンは、1998年アメリカのベリングハム・フェスティバルに出演した際にピアノ 協奏曲全曲(マイケル・パーマー指揮)をライヴ録音しており、今回24年ぶりの再録音となります。
ギャリック・オールソン:「60年前にベートーヴェンのピアノ協奏曲をはじめて勉強して以来、これら5曲を世界中のオーケストラと100回以上演奏してきまし た。
今回、尊敬する音楽家ドナルド・ラニクルズ率いるスーパー・オーケストラとの共演を打診された時は、とても感激しました。ジャクソンの標高にも負けな いエキサイティングな一週間の成果を存分にお楽しみください。」
ドナルド・ラニクルズ:「ギャリック・オールソンは音楽界の至宝であり、私の長年の友人でもあります。今回この音楽祭に出演してくれたことを心から感謝して います。ギャリックが60年間にわたるこの作品へのたゆまぬ努力と研鑽により培われた音楽性は、我々を大いに刺激し、現在はもちろん未来の音楽愛好家へ の素晴らしいギフトとなりました。」 (Ki)

BIS
BISSA-2532(1SACD)
ラウタヴァーラ:ピアノ協奏曲第3番「夢の贈り物(Gift of Dreams)」(1998)
マルティヌー:ピアノ協奏曲第3番(1947-48)
オッリ・ムストネン(P/スタインウェイD )
ラハティSO、
ダリア・スタセフスカ(指)

録音:2022年1月3-8日/シベリウスホール(ラハティ、フィンランド)
フィンランドのラウタヴァーラとチェコ生まれのマルティヌー。一見共通するところのなさそうなふたりは、インスピレーションの新たな源 をみつけようと絶えず探求し、音楽の「ピューリタニズム」から解放される姿勢を保ちつづけたことで繋がっています。フィンランドのピアニスト、オッリ・ムストネ ンが、新たに首席指揮者に就任したダリア・スタセフスカの指揮するラハティSOと共演したアルバムでは、このふたりの作曲家の「ピアノ協奏曲第3番」が演 奏されます。
ラウタヴァーラの「ピアノ協奏曲第3番」は、1994年の交響曲「光の天使」で彼が国際的に成功を収めた後、1998年の作品です。ネオロマンティックなスタ イルをさらに押し進めた1969年の「第1番」とも、雑多な要素を合成した1989年の「第2番」とも異なる、ソリストがピアノを弾きながらオーケストラを指揮 することのできる、ピアノ・オブリガート付き交響詩とでもいったスタイルで書かれています。「トランクィッロ」「アダージョ・アッサイ」「エネルジーコ」の3楽章の 作品。男声合唱のために書かれた1978年の「4つのセレナード」の一曲、ボードレールの詩による〈貧しき者らの死〉に初めて現れた「le dons des reves(夢 の贈り物)」の言葉による音型がモチーフとして使われていることから「夢の贈り物」の副題がつけられました。
折衷的で多作のマルティヌーの「ピアノ協奏曲第3番」は、ロマンティシズム時代の協奏曲に共通する特徴を備えた作品です。ブラームスを思わせる交響的構造 をモデルにした、ストラヴィンスキーの新古典主義の「余韻」の聞こえる第1楽章「アレグロ」。色彩的な第2楽章「アンダンテ・ポコ・モデラート」。「モデラート- アレグロ」の第3楽章には、チェコスロヴァキアに政変が起き共産党政権が成立した1948年という時代が反映され、カデンツァの後、好戦的ともいえる姿勢で曲 が閉じられます。1949年11月20日、作品を献呈されたルドルフ・フィルクシュニーのソロ、ウォルター・ヘンドル指揮ダラスSOによりテキサス州ダラス で初演されました。
ピアニストのムストネン(1967-)は、作曲家と指揮者としての活動でも知られ、内省と深い洞察による演奏は「再創造」とも呼べる新鮮な響きをもたらします。 スティーヴン・イッサーリスと共演した3つの「チェロ・ソナタ」(BIS SA-2042)に次ぐマルティヌー作品の録音です。
指揮者のダリア・スタセフスカ(1984-)は、ウクライナのキーウ生まれ。エストニアのタリンを経て、5歳の時、フィンランドに移住しました。ヘルシンキに一年 住んだ後、タンペレに移り、タンペレ音楽院でヴァイオリンと作曲を正式に学び始めました。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでヴァイオリンとヴィオラを学び、 指揮に興味をもった20代、ストックホルム王立音楽大学でヨルマ・パヌラ、シベリウス・アカデミーでレイフ・セーゲルスタムたちに師事。2012年にシベリウス・ アカデミーのディプロマを取得しました。BBC響の首席客演指揮者に就任した2019年7月、「BBCプロムス」で初めてロンドンの聴衆を前に(指)翌年 の「プロムス最終夜」の指揮者を務めました。2021/22年のシーズンにラハティSOの首席指揮者に就任しました。 (Ki)

ANTARCTICA
ANTAR-050(1CD)
Overtones
細川俊夫:2つの日本民謡より さくら、散る(2008-2009)
ケージ:イン・ア・ランドスケープ(1948)
ジェフリー・ゴードン:ハープと管弦楽のための協奏曲『エオリアン』(2022)*
マクミラン:ハープ独奏のための『ノックルーン・ワルツ』(2015)*
細川俊夫:2つの日本民謡より 五木の子守唄(2008-2009)
エリーネ・グロスロ(Hp)
カレン・カメンシェク(指)、
ブリュッセル・フィルハーモニック

*=世界初録音
アメリカの作曲家ジェフリー・ゴードンが2022年に作曲した壮大な協奏曲をメインに、前後に独奏曲を配置したアルバム。ハープ・ファンと現代音楽好きの両 方に響く内容です。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72949(1CD)
サン=サーンス&ラロ:チェロ協奏曲集
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
 『動物の謝肉祭』 R.125より 「白鳥」
 アレグロ・アパッショナート Op.43
ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調
マヤ・ボグダノヴィッチ(Vc)
ボヤン・スジッチ(指)RTS響

録音:2022年3月-6月/ベオグラード、コララク・コンサートホール
ふたりのフランス・ロマン派の大家によるチェロ協奏曲を収録。マヤ・ボグダノヴィッチはパリを拠点に活動するセルビア人チェリストでアルド・パリソ・チェロ・ コンクール第1位の実績を持っています。セルビアを代表するオーケストラ、RTSSOとの共演。
サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番は、楽器の可能性を研究しつくした演奏効果の高い独奏パートが魅力的。また3つの楽章が切れ目なく続けて演奏されるな ど、形式の上でも非常に練られたものになっています。『アレグロ・アパッショナート』はアンコールピースとして書かれた短い楽曲ですが、これまた美しいもので、 楽器の扱いが巧み。
『スペイン交響曲』で有名なラロ。チェロ協奏曲でも、スペイン民謡こそ登場しませんが、スペイン風味を感じさせる特徴的なリズムや旋律に彩られた音楽が展開 されます。 (Ki)
Challenge Classics
CC-72960(1CD)
もっとバッハを
C.P.E.バッハ:シンフォニア ハ長調 H.659Wq.182-3
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV1048/ 同第5番ニ長調 BWV1050
W.F.バッハ(1710-1784):シンフォニア ヘ長調『不協和音』 Fk67
ユルゲン・グロス(Vn 、指)
エルビポリス・バロックオーケストラ

録音:2022年10月2-5日/ブレーメン、ゼンデザール
バッハと息子ふたりの作品を並べた1枚。ハンブルクに居を構える「エルビポリス・バロックオーケストラ」はケルン・フィルハーモニーやNDRのシリーズ 「Das Alte Werk」で演奏し、ハレとゲッティンゲンのヘンデル音楽祭やシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭の常連としても活躍する古楽のスペシャリスト集 団です。
W.F.バッハの弦楽合奏のためのシンフォニア(Fk67)は、付点リズムを伴う優雅で伝統的なフランス風序曲にギャラント様式の和声やダイナミックなコントラス トを混ぜ合わせた冒頭楽章に始まり、ニ短調の穏やかな第2楽章、活発でフィナーレ的な第3楽章を経て、2部構成のメヌエットである第4楽章で締め括られます。 作曲家の自信作だったようで、チェンバロ版も残されています。
C.P.E.バッハの弦楽のためのシンフォニア(Wq.182-3)は、演奏者の技術を気にせず自由に書くことのできた「ハンブルク交響曲」と呼ばれる6曲からの1 曲。作曲家の創意が炸裂し、奇妙なほどの楽想がダイナミックに展開されます。息もつかせぬ3つの楽章からなり、冒頭のアレグロはヴァイオリンの技巧的な扱いが 特徴的。 (Ki)

Chandos
CHSA-5281(1SACD)
イシュムラトフ:ピアノ協奏曲&ヴィオラ協奏曲第1番
アイラット・イシュムラトフ(1973-):ピアノ協奏曲 Op.40
ヴィオラ協奏曲第1番Op.7
ジャン=フィリップ・シルヴェストル(P)、
エルヴィラ・ミスバホヴァ(Va)、
アイラット・イシュムラトフ(指)LSO

録音:2022年4月&5月、LSOセント・ルークス(イギリス、ロンドン)
イシュムラトフがLSOを指揮した自作協奏曲集!アイラット・イシュムラトフ(1973-)は、タタールスタン共和国出身の若きロシア系カナダ人作曲家。モントリオールのクレズマー・バンド「Kleztory」のクラリネット奏者や指揮者、教育者としても活動しています。 ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ムソルグスキー、ラフマニノフ、チャイコフスキーらの影響を受け、その豊かな音楽遺産を進化させてきたというイシュムラトフ。Chandosから3枚目となる作品集では、彼の代表作である2つの協奏曲を収録。どちらも作品の被献呈者であり、初演を行ったソリストが録音しています。

ヴィオラ協奏曲第1番は2004年、イシュムラトフのモントリオール大学指揮科在学中に構想されたもので、叙情的な衝動とヴィルトゥオーゾ的な挑戦を組み合わせた協奏曲の新作を望んでいたヴィオラ奏者のエルヴィラ・ミスバホヴァ(同大学の博士課程に在籍)の求めに応じ、最終的に3つの楽章からなる大規模な作品へと結実しました。この作品ではヴィオラ本来の愁いを帯びた性格が活かされ、また讃えられています。ピアノ協奏曲は2012年から13年にかけて書かれた後、ソロパートを正しく演奏し、仕上げることができるソリストが現れるのを10年もの間待っていました。この作品はヴィルトゥオーゾの伝統を愛し、新たな協奏曲を求めていたモントリオール出身のピアニスト、ジャン=フィリップ・シルヴェストルとの出会いによってようやく日の目を見ることになったのです。

Danacord
DACOCD-962963
(2CDR)
デンマークの偉大なピアニスト〜ヴィクト・シューラー 第6集
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
(3)メンデルスゾーン:無言歌 アレグレット・グラツィオーソ 「春の歌」 Op.62no.2
 無言歌 アンダンテ・コン・モート 「甘い思い出」 Op.19b no.1
(4)リスト:愛の夢 S541no.3
(5)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(6)ヒンデミット:クラリネット・ソナタ変ロ長調
(7)サン=サーンス:ベートーヴェンの主題による変奏曲 Op.35(2台のピアノのための)
ヴィクト・シューラー(P) 

(1)デンマークRSO、アルベール・ヴォルフ(指)
録音:1966年5月29日(ライヴ放送)]
(2)デンマークRSO、エーリク・トゥクセン(指)
録音:1949年5月10日(ライヴ放送)]
(3)録音:1957年][HMV7EGK1083]
(4)ヴィクト・シューラー(P)
録音:1954年[TONO EP43025]
(5)デンマークRSO、カール・フォン・ガラグリ(指)
録音:1952年3月14日(ライヴ放送)
(6)イプ・エーリクソン(Cl)
ラジオ放送プロダクション:1964年4月15日
(7)ペーター・ヴェステンホルス(P)
テレビ放送:1966年2月6日、ヴィクト・シューラー宅(コペンハーゲン)
1960年代のデンマークではテレビという新しいメディアがクラシカル音楽を普及させるツールのひとつとして音楽家から注目されました。ピアニストのヴィクト・シューラー(1899-1967)も「一般大衆」に近づく手段としてテレビ放送を活用し、彼がテレビのために収録したューベルトの 「さすらい人幻想曲」 が、シリーズの第4集(DACOCD-867868)に収録されています。この第6集で紹介されるサン=サーンスの 「ベートーヴェンの主題による変奏曲」もテレビ放送の音源です。ベートーヴェンの 「ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調」 の第3楽章「メヌエット」のトリオの旋律を主題に使ったこの作品は、2台のピアノのために書かれており、2人のピアニストが音楽を同期させることが求められます。シューラーは、生徒のペーター・ヴェステンホルス(1937-2008)を共演者に選び、「ホアノング&ムラーコンサート・グランドが2台あるコペンハーゲンのシューラー宅で収録が行われました。ラジオ放送されたベートーヴェンとブラームスの協奏曲はすべて、初めて商用リリースされるアーカイヴ録音です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Avie
AV-2598(1CD)
エキゾチックな航海 〜クリストフ・クロワゼによる新しい音楽
クリストフ・クロワゼ(b.1993):1-4. チェロ協奏曲第1番Op.6
2本のチェロのための大二重奏曲 「エキゾチックな航海」 Op.2
クラリネット三重奏曲 Op.4
チェロ・ソナタ第1番Op.9
クリストフ・クロワゼ(Vc)、
ニーダーレンツ音楽祭室内O
アネット・ヤコヴチッチ(Vc)、
ダミアン・バッハマン(Cl)、
オクサナ・シェフチェンコ(P)

録音:2022年4月&11月、スイス
1993年生まれ、17歳でニューヨークのカーネギー・ホール・デビューを果たし、国際的に活動するスイスの注目チェリスト、クリストフ・クロワゼの才気煥発な自作自演録音集が登場! クロワゼは現代から過去数世紀を含む様々な音楽からインスピレーションを得ており、ポピュラーなスタイルと融合させたクラシック音楽の悠久の進化に敬意を表しています。ソナタや協奏曲などの伝統的な形式に、ジャズ、ブルース、ボサノヴァ、即興演奏などを取り入れ「音楽と文化のメルティング・ポット(るつぼ)」を創り上げました。
これらの作品は、パンデミックとロックダウンによって駆り立てられた創作意欲から生み出されており、いずれも2020年から2022年の間に書かれました。クロワゼの能力をフルに活用したヴィルトゥオージティに溢れるチェロ協奏曲、クラリネット三重奏の形をした銀河の旅、物悲しく、激昂し、切望しながらも最終的には希望を感じさせるチェロ・ソナタ、様々な特殊奏法も駆使しチェロの表現力を開放させて異国の音楽文化を巡る「エキゾチックな航海(Voyage Exotique)」など、喜びと発見に満ち溢れたアルバムとなっています。

Nimbus Alliance
NI-6436(1CDR)
ソーヤーズ:協奏曲集
フィリップ・ソーヤーズ(b.1951):ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
弦楽のための回想
ヴィオラ協奏曲/ 八重奏曲
ケネス・ウッズ(指)イギリスSO
ダニエル・ローランド(Vn、Va)、
マーヤ・ボグダノヴィチ(Vc)、
イングリッシュ・シンフォニー・オーケストラ・ソロイツ

録音:2022年3月2日-3日(1-3&5-7)、2021年4月7日-8日(4,8)
ヴォーン=ウィリアムズとバルトークの孫弟子にあたるイギリスの作曲家であり、1973年から97年まで王立歌劇場管のヴァイオリニストとしても活躍したフィリップ・ソーヤーズ(1951-)。このアルバムでは協奏曲とイギリスSOの首席奏者たちによる「八重奏曲」を収録しています。「二重協奏曲」では、フランソワ=グザヴィエ・ロトやハインツ・ホリガーなどと協奏曲で共演しているダニエル・ローランドや、カーネギーホールでのリサイタルや来日公演も果たしているマーヤ・ボグダノヴィチという注目のアーティストを迎えています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

CPO
CPO-555597(1CD)
NX-B10
フランツ・クロンマー(1759-1831):2つのクラリネットの為の協奏曲 Op.35
コンチェルティーノ Op.38
パオロ・ベルトラミーニ(Cl)
コッラド・ジュフレディ(Cl)
ブルーノ・グロッシ(Fl)
マルコ・スキアヴォン(Ob)
ロベルト・コヴァルスキ(Vn)
スイス・イタリア語放送O
ハワード・グリフィス(指)

録音:2017年1月30日、2018年11月13-14日
モラヴィア出身、ウィーンで活躍したフランツ・クロンマー(チェコ名フランティシェック・クラマーシュ)は、100曲以上の 弦楽四重奏を含む300作以上の作品を遺しました。彼の作品の詳細な目録がチェコの音楽学者カレル・パドル タによって作成、発表されたのは1997年になってからでしたが、それ以前からクラリネットの為の作品は多くの 人々に愛されてきました。このアルバムに収録された「2つのクラリネットの為の協奏曲」は1803年の作品で、行 進曲風の第1楽章、メランコリックな第2楽章、ロンド形式の終楽章の3楽章で構成。全曲を通じてクラリネットの 妙技が存分に発揮されており、とりわけ第3楽章の軽やかな旋律が魅力的。当時の批評家たちにも絶賛されま した。またクロンマーは多くの管楽器の為のパルティータやセレナードを書いており、この「コンチェルティーノ」もその 流れにあるもので、各奏者の名人芸を際立たせることよりも、調和のとれたアンサンブルを楽しむように書かれてい ます。演奏は各々がソリストとして活躍する名手たち。

DACAPO
MAR-8.224744(1CD)
NX-B07
パウル・フォン・クレナウ(1883-1946):ヴァイオリン協奏曲(1941)
ピアノ協奏曲(1944)
交響曲第8番(1942) - 古風な形式による
ヘ・ジユ(Vn)
セーアン・ラストギ(P)…
シンガポールSO
ハンス・グラーフ(指)

録音:2021年10月14-15日、2022年3月1-3日
ワーグナー、ブルックナー、R・シュトラウスなど後期ロマン派のイディオムを用いた大編成の楽曲を好んだクレ ナウ。このアルバムでは第二次世界大戦中に書かれた3作品を紹介しています。無調と調性の間を揺れ動きなが らも、時に美しい旋律が見え隠れするヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲。まるで古典派に戻ったかのような清明な 主題が発展していく「交響曲第8番」と聴きごたえある作品です。ヴァイオリン協奏曲のソリストを務めるのは2016 年ユーディ・メニューイン国際コンクールの覇者、中国のヘ・ジユ。ピアノ協奏曲のソリストは北欧歌曲の伴奏で定 評のあるセーアン・ラストギ。ハンス・グラーフが全曲を手堅くまとめています。

BR KLASSIK
BR-900332(1CD)
NX-B07
イストリアン・ラプソディ
デヤン・ラツィック(1977-):イストリアの様式によるピアノ協奏曲 Op.18(2014/2021)
ナトゥコ・デヴシッチ(1914-1997):イストリア組曲(1948)
イヴァン・マテティッチ・ロンジロフ(1880-1960):イストリア民族賛歌
 2つのソピラによる演奏
 重唱と合唱による演奏*
デヤン・ラツィック:イストリア民族賛歌のオルタレーション Op. 29(2022)…世界初録音
デヤン・ラツィック(P)
シュチェパン・ヴェチュコヴィッチ(ソピラ)
クロアチア・ラジオ・テレビcho
トミスラフ・ファチニ(指)*
ミュンヘン放送O
イヴァン・レプシッチ(指)

録音:2022年11月14-18日、2022年12月8日、2022年12月21日
CHANNEL CLASSICSやONYXに多くの録音がある人気ピアニスト、デヤン・ラツィックと、ミュンヘン室内Oの首席指揮者イヴァン・レプシッチは1 歳違いでともにクロアチアの生まれ。このアルバムは、クロアチア西部のイストラ(イタリア名イストリア)半島の音楽文化に彼らが捧げるオマージュです。 イタリア、スロヴェニアと国境を接するイストラ半島は豊かな民俗音楽の宝庫で、五音音階の独特な使用、個性的な和声とリズムは、合唱や民族舞踏に よって伝承されてきました。ラツィックは早くから作曲にも取り組んでいて、このアルバム冒頭に収められた「イストリアの様式によるピアノ協奏曲」は5楽章から 成る演奏時間36分余りの堂々たる作品。エキゾチックなサウンドとピアノのヴィルトゥオジティを堪能できます。続く「イストリア組曲」はクロアチア音楽界の重 鎮だったデヴシッチによる民俗音楽を素材とした作品。バルトークを思わせる箇所もあれば異なる風合いもあり、興味深い音楽です。トラック10で使われて いるソピラはリードを持つ民族楽器で、その個性的な音色は地域のシンボルとされています。最後を締めくくる「イストリア民族賛歌のオルタレーション」はイス トリア民族賛歌の旋律を主題とした12の変奏曲。

ALPHA
ALPHA-886(1CD)
デュティユー、デュサパン:チェロ協奏曲
デュティユー:チェロ協奏曲「遙かなる遠い国へ」
パスカル・デュサパン(1955-):チェロ協奏曲「アウトスケイプ」(改訂版)*
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(Vc)
フランス国立O
デイヴィッド・ロバートソン(指)
クリスティーナ・ポスカ(指)*

録音2022年2月17日 オーディトリアム、:2021年2月4日* ラジオ・フランス、パリ (いずれもライヴ)
*…世界初録音
1990年フランス生まれのジュリアン=ラフェリエール。2017年に新設されたエリザベート王妃国際音楽 コンクール・チェロ部門の初代覇者となり、ALPHAからは既に2枚のアルバムをリリース、高い評価を得て います。今回のアルバムは現代のチェロ協奏曲を2曲収録。1970年にロストロポーヴィチによって初演さ れたデュティユーの「遥かなる遠い国へ」は、ボードレールの『悪の華』をモチーフにした5楽章からなる作 品。2015年に作曲されたデュサパンの「アウトスケイプ」は、今回が世界初録音となっています。高度な テクニックと鋭い感性で、近現代作品にこれまでも高い親和性をみせてきたジュリアン=ラフェリエールらし く、ここでも冴えわたる演奏で作品の世界観を表現しきっています。

ALPHA
ALPHA-928(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol. 5
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第16番 ニ長調 K.451
ピアノ協奏曲 第15番変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲 第17番ト長調 K.453
※カデンツァは全てモーツァルト作
クレア・フアンチ(P/スタインウェイ)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2021年5月 オルケスターハウス、ザルツブルク
2006年浜松国際ピアノコンクール奨励賞、2011年ミュンヘン国際音楽コンクールに最年少で出場して第2位、2018年にゲザ・アンダ国 際ピアノコンクール優勝など多くの入賞歴を持つクレア・フアンチ。既に様々なレーベルからCDを発売し来日公演も成功させている彼女が、 次世代アーティストによるモーツァルトの協奏曲のシリーズに登場します。モーツァルトが独自のピアノ協奏曲を確立した1784年作曲の3曲 を収録していますが、フアンチは作品を自己のものとして完全に消化し、溌溂として瑞々しい音楽を繰り広げています。彼女との共演も多く、 このシリーズではお馴染みのハワード・グリフィス率いるモーツァルテウムOのサポートも素晴らしく、ピアノと丁々発止のやり取りを展開 しスリリングで躍動的な音楽づくりに貢献しました。
ALPHA
ALPHA-946(1CD)
ブリテン、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.15
ブルッフ:イン・メモリアム Op. 65
 ヴァイオリン協奏曲 第1番ト短調 Op.26
カーソン・レオン(Vn)
フィルハーモニアO
パトリック・ハーン(指)

録音:2022年1月 フェアフィールド・ホール、クロイドン、UK
ALPHA第1弾「イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」(ALPHA455)も高い評価を得ているカーソン・レオンが弾く協奏曲集。ブリテンが第2次 世界大戦が始まった1939年にレオンの祖国カナダで書き上げた協奏曲と、高い人気を誇るブルッフの協奏曲第1番、そして演奏機会が多 くは無いもののその美しさに魅了されるファンが多い「イン・メモリアム」を収録しています。レオンの目の覚めるようなテクニック、切れ味鋭い表 現力などが随所で発揮されるほか、その音色の美しさも素晴らしく、それぞれの作品が持つ魅力を十二分に引き出しています。

CEDILLE
CDR-90000220(1CD)
NX-B04
マレク・ジャンダリ(1972-):Concertos 協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲
クラリネット協奏曲
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
アンソニー・マクギル(Cl)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2022年5月27-29日
マレク・ジャンダリはシリア系アメリカ人のピアニスト・作曲家。1972年にドイツに生まれ、アメリカに移住し音楽を本 格的に学びました。これまで6曲の交響曲やいくつもの管弦楽曲と協奏曲を書いています。ジャンダリの作品は伝 統的な西洋音楽の構成と調性を土台にシリア及びアラブ系の旋律を主要モチーフとして加えたもので、ドラマティッ クな起伏や民族舞踏的な要素もあり、『シェエラザード』に惹かれる人には受け入れ易いでしょう。ここに収められた 2曲においてもシリアのモチーフは重要な役割を果たしているとのこと。ジャンダリは「ピアノで平和を Pianos for Peace」という財団を創設してシリアにおける人権状況の発信とその擁護に務めています。マリン・オルソップはジャ ンダリの活動と音楽に共感して同団体のアンバサダーを務め、これまでに交響曲第4番と第6番を録音しています。

ONDINE
ODE-1427(1CD)
NX-B07

NYCX-10398(1CD)
国内盤仕様
税込定価
グラジナ・バツェヴィチ:序曲、ピアノ協奏曲、2台のピアノとオーケストラのための協奏曲 他
序曲(1943)
ピアノ協奏曲(1949)
2台のピアノとオーケストラのための協奏曲(1966)
弦楽,トランペットと打楽器のための音楽(1958)
ペーテル・ヤブロンスキー(P)
エリーザベト・ブラウス(第2ピアノ)
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2022年4月、2022年12月
演奏家として、作曲家として、20世紀ポーランド楽壇を席巻したグラジナ・バツェヴィチ。彼女自身が極めて優れたヴァイオリニストであったことからヴァイオリン奏 者は早くから彼女の作品に注目して来ましたが、近年はクリスティアン・ツィメルマンらが演奏するようになってピアノ作品も広く注目されています。当CDはポーラ ンドの独立回復100周年(2018年)を記念する国際文化プログラムの一環として、アダム・ミツキエヴィチ協会と共同で制作されたもので、バツェヴィチの協奏 的作品を3曲収録。いずれも録音が極めて少ないものばかりで貴重です。 バツェヴィチは次のような言葉を残しています。「私は[ポーランドの同世代の作曲家からは]孤立しています。なぜなら私は作品における形式を重視してい るからです。もし物を乱雑に置いたり、物が積み重なっているところに石を投げたりすれば、崩れるに決まっています。同様に、音楽においても構造的な法則が 必要で、自立できるようにしなければならないのです。もちろんその法則は古いものである必要は決してありません」 その言葉通り、2曲の協奏曲と「弦楽、トランペットと打楽器のための音楽」はいずれも伝統的な急-緩-急の3楽章形式をとっていますが、その語法は桁外れ の情熱家だったと伝えられるバツェヴィチらしく、両端楽章はエネルギッシュでヴィルトゥオーゾ的、中間楽章は沈思や深い祈りや畏怖の念を感じさせて、コントラ ストが鮮やかです。技術的要求は高度ですが、当盤ではソリストもオーケストラも万全の対応を見せています。冒頭に序曲を置いて一晩のコンサートのように 仕上げています。
※国内仕様盤には原盤解説の日本語訳が付属します。

Sono Luminus
DSL-92265
(1CD+BD-A)
NX-B09
ボルダー・バッハ音楽祭
バッハ:2つのヴァイオリンと弦楽、通奏低音のための協奏曲 ニ短調 BWV1043
ヨハン・クリストフ・バッハ(1642-1703):ラメント「ああ、私の頭が水で満ちていたなら」
バッハ:チェンバロと弦楽のための協奏曲 ニ短調 BWV1052
J. C. バッハ:モテット「わが命、今やつき」
クレア・マッカハン (Ms)
ジョゼフィーン・ストップレンバーグ(S)
ダニエル・ハッチング(T)
アダム・ ユーイング(Br)
ザカリー・キャレッティン (Vn)
キム・ユウン(Vn)
ブルーン・マッカリー(Vn)
マイケル・ローレンス・スミス(Vn)
ポール・ミラー(Va)
ヴィジャイ・チャラサニ(Va)
コールマン・イツコフ(Vc)
ジョセフ・ホー(Vc)
ニコラス・レクバー(Cb)
クリストファー・ホルマン(チェンバロ・オルガン)
ミナ・ガイッチ(Cemb)

録音:2022年5月16-20日ボルダー・バッハ音楽祭, Boulder Colorado(USA)
2022年、コロラド州ボルダーで開催された「ボルダー・バッハ音楽祭」。このアルバムには公開コンサートの終了直 後に録音された4曲の演奏が収録されています。世界中から集まった才能ある音楽家たちが、ボルダーの雄大な 自然をバックに演奏。音楽監督ザカリー・キャレッティンとミナ・ガイッチを中心とした多彩な演奏家たちはそれぞれ古 楽器、モダン楽器を用いながら、作品に対して新しい解釈を採り入れています。
※アルバムには高音質フォーマットの音源を収録したBlu-ray Audio盤が同梱されています。

Forgotten Records
fr-1867(1CDR)
ショパン&モーツァルト:協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449*
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11#
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)
ルドルフ・バウムガルトナー(指)*
ルツェルン祝祭弦楽合奏団*
ハンス・スワロフフスキー(指)#
ウィーン国立歌劇場O#

録音:1958年9月14日(ステレオ)*、1953年2月(モノラル)#
※音源: DG 133217*、 Vox PL 7870#
Forgotten Records
fr-1868(1CDR)
フランチェスカッティ&ライナーのブラームス
ブラームス
:ヴァイオリン協奏曲*
交響曲第3番ヘ長調 Op.90#
ジノ・ フランチェスカッティ(Vn)*
フリッツ・ライナー(指)CSO

録音:1957年12月12日、ライヴ*、1957年12月14日#
※音源:RCA LSC-2209#、 VICTROLA VICS 2043#
Forgotten Records
fr-1870(1CDR)
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番*
 ピアノ協奏曲第3番Sz.119#
ギュンター・コーハン(1930-2009): ピアノ協奏曲 Op.16
ジョルジ・ガライ(Vn)*
ディーター・ツェヒリン(P)#
ヘルベルト・ケーゲル(指)ライプツィヒRSO

録音:1961年3月27日-29日#、6月26日-28日*(全てステレオ)
※音源: Eterna 825278、 825268他
Forgotten Records
fr-1873(1CDR)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58*
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」#
ヤコブ・ギンペル(P)
アルトゥール・ローター(指)ベルリンSO*
ルドルフ・ケンペ(指)BPO #

録音:1960年*、1957年6月27日-28日#、(共にステレオ)
※音源: Opera 1183*、HMV SXLP 20004#

オクタヴィア
OVCL-00810(1SACD)
税込定価
ラロ:スペイン交響曲作品21
ロシア協奏曲作品29
堀米ゆず子(Vn)
マルコ・グイダリーニ(指)
ニースPO

録音:2008年4月
1980年のエリザベート王妃国際音楽コンクール 優勝から、世界的に活躍を続ける堀米ゆず子に よる、ラロのヴァイオリン協奏曲として有名な 「スペイン交響曲」と、演奏機会の少ない「ロ シア協奏曲」をカップリングしたアルバム。 2010年にベルギーのTALENTレーベルから発売 された録音が、EXTONで新リマスタリング、 SACDハイブリッド盤で再発売いたします。 グイダリーニとニース・フィルの好サポートを 得て、堂々としたソロが輝く名演奏。 情熱的なラロの傑作を、どうぞお楽しみくださ い。(オクタヴィア)

BIS
BISSA-2655(1SACD)
武満徹:ギターのためのコンチェルタンテ作品集
(1)スペクトラル・カンティクル(1995)〜ヴァイオリン、ギター、オーケストラのための
(2)夢の縁へ(1983)〜ギターとオーケストラのための
(3)虹へ向かって、パルマ(1984)〜オーボエ・ダモーレ、ギターとオーケストラのための
(4)トゥイル・バイ・トワイライト(1988)〜オーケストラのための
ヤコブ・ケッレルマン(G)
ヴィヴィアン・ハグナー(Vn)
ユリアナ・コッホ(オーボエ・ダモーレ)
BBCフィルハーモニック、ゾエ・バイヤーズ(コンサートマスター)
クリスチャン・カールセン(指)

録音:2022年3月7-9日/フィルハーモニック・スタジオ、メディア・シティUK(サルフォード)
ヤコブ・ケッレルマンが武満徹のギターのためのコンチェルタンテ作品を録音しました。ほとんど独学で作曲を学び、ドビュッシーやベル クの音楽に影響を受け、ジョン・ケージやモートン・フェルドマンなど20世紀半ばにうまれた実験音楽にも傾倒、若手芸術家集団「実験工房」に所属した武満徹は、 世界的に知られた最も有名な日本人作曲家の一人です。
当アルバムには武満の晩年に当たる80〜90年代に作曲された有名な4篇を収録。ギター、ヴァイオリン、オーボエ・ダモーレという独奏楽器が活躍する武満の 独特の世界が広がります。現在ヨーロッパを中心に活躍するギタリスト、ヤコブ・ケッレルマンが端正な演奏を聴かせます。 (Ki)
BIS
BISSA-2639(1SACD)
『テラル』
セバスチャン・ファーゲルルンド(1972-):
(1)テラル(Terral)(フルート協奏曲)(2020-21)*
(2)骨の髄まで弦(Strings to the Bone)(2014-15)〜弦楽オーケストラのための
(3)室内交響曲(2020-21)〜管弦楽のための
タピオラ・シンフォニエッタ
ヨン・ストゥールゴールズ(指)
シャロン・ベザリー(フルート、アルトフルート)*

録音:2022年3月14-18日/タピオラホール(エスポー、フィンランド)
[楽器 Flute:Muramatsu24carat gold with B foot joint/Alto flute:Muramatsu]
フィンランドの作曲家セバスチャン・ファーゲルルンドの室内楽と器楽の作品の『海洋(Oceano)』(BIS SA-2324)につづくアルバ ム。フルートと管弦楽のための「テラル」、弦楽オーケストラのための「Strings to the Bone」、管弦楽のための「室内交響曲」の3曲が演奏されます。
ファーゲルルンドは、2012年の「ヴァイオリン協奏曲」「光の中の暗黒」(BIS SA-2093)の後、すべての協奏曲に「音楽のイメージ」を映す曲名を与えるよ うになりました。シャロン・ベザリーから依頼された「フルート協奏曲」のタイトルには、作品の「音世界」の表すイメージから、ラテン語の “terra”(大地、陸地) から派生した、地中海岸で陸から吹く風を意味するスペイン語「テラル(terral)」の曲名がつけられました。アルトフルートによるゆったりしたフレーズの絵のよう な風情に始まる「レント、リベラメンテ・ウン・ポコ」、スケルツォ風の華麗な「プレスト、ヴェローチェ」、伝統のパッサカリア構造を背景にうかがわせながら、それ までの素材を結合して展開してゆく「エスパンシーヴォ、ソノーレ」の3楽章で書かれた作品です。 補遺「Strings to the Bone」(骨の髄まで弦)は、表現豊かで密度の濃い弦楽のテクスチュアが脈動する作品です。オストロボスニア室内Oの委嘱作。 2016年2月にコッコラで初演されました。
ファーゲルルンドのレパートリーで中心的な役割を担っている管弦楽の作品は、2009年の「パルティータ」(BIS SA-1707)をのぞき、内容を示唆する曲名 がつけられていますが、「室内交響曲」は、作品の形式と素材の扱い方から、簡素なこの曲名が選ばれました。「カルモ、ミステロオーゾ」「エネルジーコ・エ・ブリ ランテ」「エスパンシーヴォ」の3楽章。タピオラ・シンフォニエッタとオタワの国立芸術センターOの共同委嘱で作曲されました。 (Ki)


ACCENTUS Music
ACC-10583BD
(Bluray)

ACC-20583DVD(DVD)
ルツェルン音楽祭2022〜ラフマニノフ/藤田真央&リッカルド・シャイー
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
交響曲第2番ホ短調Op.27
バッハ(ラフマニノフ編):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番〜ガヴォット*
藤田真央(P)*
リッカルド・シャイー(指)
ルツェルン祝祭O

収録:2022年8月13日、ルツェルン・カルチャー・コングレスセンター、コンサート・ホール(ルツェルン音楽祭ライヴ)
◆DVD
画面:16:9、Full HD
音声:DTS HD MA5.1、
PCM STEREO
BD25
リージョン:All
111’03
◆Bluray
画面:16:9、NTSC
音声:DTS5.1、PCM STEREO
DVD9
リージョン:All
111’03
今、飛ぶ鳥を落とす勢いのピアニスト藤田真央。2022年ルツェルン音楽祭でのデビュー公演が遂に映像化!藤田真央にとって大きな飛躍を遂げた2022年の ハイライトでもあったルツェルン音楽祭、そのデビュー公演とあってクラシックファンの注目を大いに集めていただけに見逃せないリリースとなります。さらに、現代 の楽壇を代表する巨匠リッカルド・シャイーと、世界の名だたる名手達が集うヴィルトゥオーゾ・オーケストラ、ルツェルン祝祭Oとの共演とあってファン垂 涎のコンサート映像です。 藤田真央とリッカルド・シャイーは2022年3月に初共演、その後すぐにシャイーのオファーにより2022年8月ルツェルン音楽祭でのコンサートが実現。ルツェル ン音楽祭は、1938年トスカニーニ指揮で始まり、2003年にクラウディオ・アバドがルツェルン祝祭Oを創設するなど、ヨーロッパ屈指の伝統と格式を誇る 音楽祭。藤田真央は当時23歳の若きピアニストとして巨匠指揮者シャイーから大抜擢され、見事な演奏で聴衆を魅了、音楽祭の輝かしい歴史に新たな1ページを 刻み込みました。
演目は、2023年に生誕150年を迎えた作曲家ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。映画やドラマなどで多く使われており、クラシック音楽ファンだけではなく 広く知られる名曲。ラフマニノフは、4つのピアノ協奏曲を作曲しましたが、この第2番は最も人気が高く演奏機会も多い作品です。重厚な第1楽章、甘く切ない美 しい旋律が印象的な第2楽章、圧巻の盛り上がりをみせる第3楽章と聴きどころが満載。オーケストラの豊かな抒情性と重厚な響き、そして何と言っても藤田真央 の自在な表現力そして煌めく音色は、ルツェルンの聴衆から熱狂的に受け入れられました。 後半は同じくラフマニノフの交響曲第2番。濃厚な響きに甘美で切ないメロディーに彩られたラフマニノフらしい楽曲で、特に第3楽章のアダージョの旋律は白 眉。シャイーは、最高レベルのテクニックをもつルツェルン祝祭管から余すところなく豊かな表現力を引き出し見事にまとめあげています。 (Ki)
ACCENTUS Music
ACC-70569DVD
(4DVD)
リッカルド・シャイー/ コンサート、オペラ、ドキュメンタリー映像集


■DVD1
【ドキュメンタリー】
「音楽」~人生行路 / リッカルド・シャイー
【コンサート】
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
■DVD2
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
バッハ:パルティータ第1番〜サラバンド
 パルティータ第2番〜サラバンド

■DVD3
プッチーニ:歌劇「ボエーム」
+特典映像 メイキング

■DVD4
ラヴェル:優雅で感傷的なワルツ
ラ・ヴァルス
「ダフニスとクロエ」組曲 第1番&第2番
ボレロ
全て、リッカルド・シャイー(指)

■DVD1
監督:パウル・スマチヌイ
制作:2013年4&5月
【コンサート】
ラルス・フォークト(P)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO
収録:2013年2月、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス(ライヴ)
■DVD2
ニコライ・ズナイダー(Vn)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO
収録:2012年9月、2014年10月、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス(ライヴ)
■DVD3
ガル・ジェイムズ(ソプラノ/ミミ)
アキレス・マチャド(テノール/ロドルフォ)
マッシモ・カヴァッレッティ(バリトン/マルチェッロ)
カルメン・ロメウ(メゾソプラノ/ムゼッタ)
ジャンルカ・ブラット(バス/コッリーネ)
マッティア・オリヴィエーリ(バリトン/ショナール)他
バレンシア州立O
バレンシア自治州cho
演出:ダヴィデ・リヴェルモーレ
収録:2012年12月12、15日、ソフィア王妃芸術宮殿(ライヴ)
■DVD4
ルツェルン祝祭O
収録:2018年8月、ルツェルン文化会議センター・コンサートホール、ライヴ

画面:NTSC,16:9
音声:PCM STEREO,
DD5.1,DTS5.1
リージョン:ALL
DVD9
字幕:独英伊仏韓,日本語
399'09
2023年に70歳を迎えたリッカルド・シャイー(1953年2月20日ミラノ生まれ)。それを記念してACCENTUS MUSICは、シャイーの幅広い活動を示す かのような、ドキュメンタリー、コンサート、オペラの映像をまとめたDVDボックスをリリスします。 リッカルド・シャイーは、作曲家のルチアーノ・シャイーを父親にもち、14歳で指揮者デビュー、19歳で「ウェルテル」を(指)オペラ指揮者としてもデビューを飾る。 そして1974年にはシカゴで「蝶々夫人」を指揮し、米デビューを果たし、その後は順調に欧米の主要歌劇場で成功を収め、1984年にはザルツブルク音楽祭の オープニングに登場。一方、ベルリン放送響の首席指揮者(1982〜88)を皮切りに、ロイヤル・コンセルトヘボウ管の常任指揮者(1988〜2004)、ミラノ・ジュ ゼッペ・ヴェルディ響の音楽監督(1999〜2005/現在は桂冠指揮者)に就任。そしてライプツィヒ・ゲヴァントハウスOの第19代カペルマイスターを務め (2005〜16)、現在はルツェルン祝祭Oの音楽監督(2016〜)、ミラノ・スカラ座の音楽監督(2017〜)を務め、オペラ、コンサートともに常に第一線 で活躍しています。
本ボックスに収録されているのは、シャイーの指揮者生活、プライベートを収録したドキュメンタリー映像や、故・ラルス・フォークト、ニコライ・ズナイダーといっ た一流のソリストたちとの協奏曲、実力派歌手が集結したヴァレンシアでの「ボエーム」の上演。2018年のルツェルン音楽祭でのオール・ラヴェル・プログラムな ど、シャイーの多彩な音楽活動を網羅した充実の映像集です。 (Ki)

CPO
CPO-555415(1CD)
NX-B10
C.シュターミッツ:クラリネット協奏曲集 第2集
クラリネット協奏曲第1番ヘ長調
クラリネット協奏曲第6番変ホ長調
クラリネット協奏曲第8番変ロ長調
ポール・メイエ(指・クラリネット)
マンハイム・プファルツ選帝候室内O

録音:2020年9月2-5日
ポール・メイエのソロによるカール・シュターミッツのクラリネット協奏曲集。海外の音楽誌で高く評価された第1集 (555053)では指揮者を別に立てていましたが、今作ではメイエ自身が指揮も担当。更なる柔軟な解釈で、 オーケストラとともに、18世紀に最盛期を迎えたマンハイム楽派を代表するシュターミッツの音楽を伸び伸び演奏 しています。今アルバムに収録されているのは協奏曲第1番、第6番、第8番の3曲、とりわけ第1番はシュターミッ ツ作品の中でも最も人気の高い曲です。この録音でも前作と同じく研究者フリードリヒ・カール・カイザーによる比 較校訂版が用いられています。

Challenge Classics
CC-72935(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K491(カデンツァ:ベン・キム)
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K503(カデンツァ:ユージン・イストミン / ベン・キム)
ベン・キム(P;Steinway D584307)
コンセルトヘボウ室内O

録音:2022年3月21-24日
ベン・キムによるモーツァルトの協奏曲集第2弾。第17番・第23番を収録した第1弾(CC-72816)に続き、今作では第24番と第25番を収録しています。 どちらも1786年にウィーンで作曲された規模の大きな作品で、悲劇的なハ短調と明朗なハ長調という、対照的な性格を持っています。ベン・キムは軽やかなタッ チでモーツァルトを奏で、作曲家特有のよろこびとかなしみの両面性をふわりと香らせます。 (Ki)

Evil Penguin Records
EPRC-0053(1CD)
クラリネットが主役のウェーバー作品集
クラリネット協奏曲第1番Op.73(カデンツァ:アンドレアス・タルクマン)
歌劇『魔弾の射手』より アリア「静かに、静かに、敬虔な調べよ」(アンドレアス・タルクマン編)
クラリネット協奏曲第2番Op.74
歌劇『シルヴァーナ』の主題による変奏曲 Op.33(ライナー・ショットシュテット編)
ルーラント・ヘンドリックス(Cl)
ミシェル・ティルキン(指)
ライン州立PO
オペラの大家として知られるウェーバーがクラリネットに与えた旋律を、プリマドンナが演じるが如く歌う、というイメージのアルバムです。2つの協奏曲に加え、 自らのオペラの旋律を基にピアノとクラリネットのために書いた変奏曲Op.33と、『魔弾の射手』からの名アリアを、クラリネットとオーケストラの版で聴くことが できます。
ウェーバーは同時代のクラリネットの名手ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847)に感化されて、ここに収録された協奏曲や変奏曲を作曲しました。 楽器そのものが近代化し自由度が高まっていた時期でもあり、その音楽語法は非常に豊かなものとなっています。
ソロを吹くルーラント・ヘンドリックスはベルギー出身の名クラリネット奏者。ベルギー国立Oで長きにわたり首席奏者を務め、2017年からソリストとし て活動しています。 (Ki)

KLANGLOGO
KL-1521(1CD)
ベートーヴェン・レアリティーズ
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a
騎士バレエのための音楽 WoO.1
ウェリントンの勝利(戦争交響曲) Op.91
クレア・フアンチ(P)、
ハワード・グリフィス(指)、
ブランデンブルク州立フランクフルトO

録音:2017年8月21日-23日、コンサートホール・“ C.P.E.バッハ”・フランクフルト(オーダー、ドイツ)
ハワード・グリフィス&ブランデンブルク州立フランクフルトOによるベートーヴェンの比較的珍しいレパートリーを集めたアルバム。注目すべきはクレア・フアンチが独奏を務める「ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a」でしょう。原曲はよく知られているヴァイオリン協奏曲で、クレメンティの勧めによってベートーヴェン自身の手でピアノ協奏曲に編曲された“6番目のピアノ協奏曲”です。ヴァイオリン協奏曲のときには書かれなかったカデンツァが書かれており、特に第1楽章ではティンパニを伴った大規模なカデンツァが用意されています。このカデンツァはヴァイオリン協奏曲に転用されることは多いものの、ピアノ協奏曲としての録音はあまり多くなく貴重なものと言えるでしょう。「騎士バレエのための音楽」はベートーヴェンが20歳の頃に書かれた1分前後の小曲集で、明るい曲調の作品が並べられています。アルバムを締めくくるのは「ウェリントンの勝利」。戦争交響曲とも呼ばれるこの作品はイギリス軍がフランス軍に勝利したビトリアの戦いを題材に書かれ、ベートーヴェンが書いた管弦楽作品の中では最大の編成を誇っています。
クレア・フアンチは中国出身の両親の下ニューヨークに生まれたピアニスト。ピアノを習い始めたのは7歳と比較的遅かったもののすぐさま才能を発揮し、9歳で早くもカーネギー・ホール・デビュー、10歳の時にはホワイトハウスで演奏し、神童として注目を浴びます。カーティス音楽院でエレノア・ソコロフ氏とゲイリー・グラフマン氏に師事。16歳で参加し人生の転機になったという浜松国際ピアノコンクールでアリエ・ヴァルディ氏に出会い、翌年にはヴァルディ氏に師事するためにハノーファー音楽演劇大学へ入学。2011年のARDミュンヘン国際音楽コンクールに最年少で出場し第2位を獲得すると、2018年のゲザ・アンダ・コンクールでは優勝を果たし、他にも多くのコンクールで好成績を残しています。現在はヴァルディ氏のアシスタントを務める傍ら、ドイツやアメリカを中心に、コンサートやレコーディングを精力的に行っています。

RUBICON
RCD-1109(2CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K466
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K467
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K488
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K595
エリーザベト・ソンバール(P)、
ピエール・ヴァレー(指)、
ロイヤルPO
モーツァルトのピアノ協奏曲集の中でも、それぞれが性格の違う四曲を収録しました。作曲時期はモーツァルトの晩年にあたる1785年から1791年にかけてのもので、第20番はその情熱的な曲調から当時の聴衆を震撼させたといいます。一方で、第21番は晴れやかで楽観主義に満ちており、第23番は温かみのある満足感に包まれていて特にアダージョは心に響くものがあります。そして1791年に作曲された第27番は、モーツァルト自身が人生の終わりを感じていたかのような深い悲しみに満ちた作品です。そのような印象的な四曲をエリーザベト・ソンバール(エリザベス・ソンバート)は見事に表現しています。
エリーザベト・ソンバールは、1988年にクラシック音楽を多様な聴衆と共有するため「レゾナンス財団」を立ち上げ、現在は世界7カ国の病院、孤児院、刑務所など様々な場所で年間500を超えるコンサートを行っており、それらの功績が認められ2006年にはフランスの国家功労勲章を、2008年には芸術文化勲章を受賞しています。ロイヤル・フィルとも強固な関係を築いており、Signum Classicsからピエール・ヴァレーの指揮の下、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(SIGCD-657)をリリースするなど、その信頼関係から生み出される演奏は高い評価を受けています。

CAvi music
85-53524(1LP)
レーガー:ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.114
綴じていないページ Op.13より 第7曲「コラール」
マルクス・ベッカー(P)、
ジョシュア・ワイラースタイン(指)、
ハノーファー北ドイツ放送PO

録音:2017年1月(協奏曲)ライヴ録音、2017年12月スタジオ録音(ドイツ、ハノーファー)
「レーガーのピアノ曲は、もうずいぶん長い間、弾いたり勉強したりしています」と語るドイツのピアニスト、マルクス・ベッカーによるレーガーのピアノ協奏曲がLP盤で登場!マルクス・ベッカーは、ハノーファー音楽院でカール・ハインツ・ケンマーリングに師事し、アルフレート・ブレンデルと親交を深めるなど研鑽を積み、1987年にはハンブルクのブラームス国際コンクールで第1位を獲得しています。録音にはレーガーのピアノ独奏録音全集があり、またリサイタルや室内楽の演奏会でも積極的にレーガーの作品を取り上げるなど、生粋のレーガー弾きとして高い評価を受けています。

Channel Classics
CCS-45023(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
 交響曲 ニ短調 「ユース・シンフォニー」*
シルヴェストロフ(1937-):使者(P独奏版)
アンナ・フェドロヴァ(P)
ザンクト・ガレンSO
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2022年11月 トーンハレ・シアター、ザンクト・ガレン、スイス
ウクライナのキーウ出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍するアンナ・ フェドロヴァによるラフマニノフの協奏曲第3番が登場。第1番と「パガニーニ狂詩曲」を収録した第1弾(CCS42620)、第2番と第4番を収 録した第2弾(CCS42522/NYCX-10338)に続き、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集がこれで完結となります。併せて、若きラフマニノフに よる交響曲の断章と、ウクライナの巨匠シルヴェストロフによる「使者」を収録。共演はこれまでと同様、リトアニアの指揮者モデスタス・ピトレ ナスと、彼が首席指揮者を務めるスイスのザンクト・ガレンSOとなっています。ロシアの侵攻による母国の現状に深く心を痛めるフェドロ ヴァは「今は多くの人がロシア音楽の演奏を控えようとしていますが、ラフマニノフを演奏することは私にとって重要なのです。それはその音楽が 美しさと力強さ、感動に満ちたものであるとともに、彼自身がロシアという国家に圧力を受けた被害者であったからです」と語ります。今回も ゆったりとしたテンポを採用し、作品が持つ抒情性と力強さをオーケストラと共に、美しくもダイナミックに歌い上げています。シルヴェストロフによ る「使者」は弦楽とピアノのため版も存在しますが、ここにはピアノ独奏の為の版を収録。憧憬を湛えた美しいメロディが終始静かに続くこの 作品を、フェドロヴァは慈しむように奏で、祈るように終えています。


Biddulph
BIDD-85025(1CD)
NX-B04
アート・オヴ・ユーディス・シャピロ
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調「トルコ風」 K.219#
メンデルスゾーン:スケルツォ -弦楽四重奏曲 第4番ホ短調より
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ〜 弦楽四重奏曲第1番ニ長調より
ヴォルフ:イタリア風セレナード
フォーレ:夢のあとに(ペーター・ヤッフェ編)
トゥリーナ:la Oracion del Torero 闘牛士の祈り
ラフマニノフ:セレナード -幻想的小品集 Op.3-5(ハルトマン編)
ショスタコーヴィチ:ポルカ- バレエ組曲『黄金時代』より
ブリッジ:ロンドンデリーの歌
グレインジャー:Molly on the Shore 岸辺のモリー
ヴィクター・ヤング:Je vous adore*
ヴィクター・ヤング:Stella by Starlight*
ユーディス・シャピロ(Vn)
NBC響#
フランク・ブラック(指)#
アメリカン・アートQ【ユーディス・シャピロ(Vn1)、ロバート・スーシェル(Vn2)、ヴァージニア・マジェフスキ(Va)、ヴィクター・ゴットリープ(Vc)】
ポール・ウェストン・アンド・ヒズ・オーケストラ*

録音及び初出盤:1944年8月20日 originally released on16-inch LP discs issued by the Armed Forces Radio Service(AFRS34)…1-3
1953年9月8日、14日 first released on an LP entitled “String Quartet Melodies” on RCA Victor Bluebird LBC1086…4-12
1958年 first appeared on an LP entitled “Hollywood” issued on Columbia CS8042*
ニューヨーク州バッファローに生まれたユーディス・シャピロ(1914-2007)は、ソリスト、コンサートマスター、室内楽奏者として、また古典から現代音楽、更に はポップスや映画音楽まで、多彩な分野で高い評価を得、多くの人々を魅了しました。12歳でバッファロー・フィルと共演。イーストマン音楽学校を経て、 カーティス音楽院ではエフレム・ジンバリストに学びました(クラスでただ一人の女子生徒だったそうです)。1941年にロサンゼルスに移ると、当時ハリウッドのビッ グ5と呼ばれていた映画会社RKOのスタジオ・オーケストラに招かれ、ハリウッド史上初の女性コンサートマスターとなります。後にパラマウントに移って1965年 までコンサートマスターを務める一方、ポップスの分野でもナット・キング・コール、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルドらのバンドのリーダーを何度も務めまし た。 クラシック音楽の分野では、1943年に結成したアメリカン・アート四重奏団の第1ヴァイオリンとして東海岸のジュリアードSQに匹敵する評価を 得、1950年代にはRCAビクターSOのコンサートマスターとして、ヤッシャ・ハイフェッツのラロ:スペイン交響曲、ツィゴイネルワイゼン、ヴィエニャフスキや ブルッフの録音に参加。更にロサンゼルス室内管のメンバーとして現代音楽の演奏に意欲的に取り組み、特にストラヴィンスキーはシャピロを非常に高く評価 しました。ソリストとしては、フリッツ・ライナー、ユージン・グーセンス、ウィリアム・スタインバーグらの指揮で演奏、またアルトゥール・シュナーベル、リリー・クラウス、 ルドルフ・フィルクシュニー、そしてブルーノ・ワルターのピアノと共演しています。1956年からは南カリフォルニア大学のヴァイオリン科教授も務め、後にハイフェッ ツやグレゴール・ピアティゴルスキーが同僚となると、彼らと度重ね共演しました。 現代では信じられないような多面的な活躍をしたシャピロをしのぶ第1弾にBiddulphが選んだのは、ソリストとして唯一の協奏曲録音となったモーツァルト、 室内楽奏者としては弦楽四重奏の名曲小品集、そしてポップスの分野でヴィクター・ヤングの名曲2曲です。

Pentatone
PTC-5187088(1CD)
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ショーソン:詩曲 Op.25
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn)
ローレンス・フォスター(指)、
グルベンキアンO

録音:2012年7月/カルースト・グルベキアン財団大講堂(リスボン)
人気と実力を兼ね備えた麗しきヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハー。「叙情と情熱のバランスのよさ―彼女の長所は、とりわけ磨き抜かれ たテクニックと美しく多彩な音色にある」(ニューヨーク・タイムズ)など、世界で高く評価されています。この度シュタインバッハーの数々の名盤の中でも高い 評価を得ているブルッフ、ショーソン、コルンゴルトのアルバムがCDフォーマットで再発売いたします!
ここに収録された3作品はヴァイオリンの音域を最大限に生かした名作。今やヴァイオリニストの必須レパートリーといえるコルンゴルトの協奏曲。映画音楽 を思わせる雄大な音楽を見事に奏でております。ショーソンの詩曲はすすり泣くような表現と、この上なく美しい音色を披露。そしてブルッフの協奏曲では美感 に訴える名演奏を聴かせます。演奏のすばらしさはもちろんのことPENTATONEが誇る技術チームによる極上の録音をお楽しみいただけます! (Ki)

Hanssler
HC-23008(1CD)
C.P.E.バッハ:作品集
ピアノ協奏曲 ニ長調 Wq.43/2H.472
ソナチネ ニ長調 Wq.96H.449
ピアノ協奏曲 ホ長調 Wq.14H.417(1楽章、第2楽章のカデンツァ(即興):オラツィオ・ショルティーノ)
ファンタジア第2番ハ長調 Wq.61/6
ラ・グライム、ロンドーWq.117/19
オラツィオ・ショルティーノ(P)
パドヴァ・ヴェネトO

録音:2019年3月13&15日/オーディトリウム・ポリーニ、パドヴァ(イタリア)
ピアニスト、作曲家として活躍するシチリア島シラクサ生まれのオラツィオ・ショルティーノがC.P.Eバッハの協奏曲とピアノ独奏作品を収録しました。ショルティー ノはペトルシャンスキー、ダルベルト、ロルティら名ピアニストに師事。また、ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で作曲を学びました。
弾き振りで演奏した協奏曲。ホ長調のピアノ協奏曲のカデンツァはショルティーノが即興的なカデンツァを披露。マルチな才能の持ち主ならではの快演を聴かせ ます。

BIS
BISSA-2648(1SACD)
アルメニアのチェロ協奏曲
ハチャトゥリヤンチェロ協奏曲ホ短調
ババジャニヤン:チェロ協奏曲
ペトロシヤン:チェロ協奏曲「8.4」*
アレクサンドル・シャウシヤン(Vc)
エドゥアルド・トプチヤン(指)
アルメニア国立PO

録音:2022年1月24-27日、3月19-20日*/アラム・ハチャトゥリヤン・ホール(エレヴァン、アルメニア)
三世代にわたるアルメニア人作曲家のチェロ協奏曲を、すべて同郷の演奏家が披露した熱い思いあふれるアルバム。ハチャトゥリヤンは第2次世界大戦後1946 年の作で、辛い時代を反映してか内省的で、ヴァイオリンやピアノの協奏曲のような強烈さには欠けるものの、真摯な情熱が心を打ちます。
もともとハチャトゥリヤンはチェロを学んでいたこともあり、チェロの機能と効果を熟知していたため、非常に難しいテクニックが要求されます。シャウシヤンは歌 心も満点で曲の魅力を再認識させてくれます。
ロストロポーヴィチに捧げられたババジャニヤンの協奏曲は1962年の作ですが、実際は1950年代後半に巨匠と会ったときから発想していたとされます。ハ チャトゥリヤン以上にアルメニアの民族色が直接的で魅力的です。
同地で活動するペトロシヤンは1973年生まれ。パリで教育を受け、考古学者としても活躍しています。タイトルの「8.4」は創世記第8章4節、ノアの箱舟がア ルメニアのアララト山にたどり着く場を表しています。ビザンツおよびアルメニアの典礼音楽を素材に第1楽章で大アララト山を、第2楽章は小アララト山を描いて いるとされます。
2000年以来エドゥアルド・トプチヤンが音楽監督を務めるアルメニア国立フィル。技術はもとよりアルメニア独特のリズムとエネルギーに惹きつけされます。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0064(1CD)
ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲とアリア集
ソプラニーノリコーダー協奏曲 ハ長調 RV443
アルトリコーダー協奏曲 ハ短調 RV441
歌劇『救われたアンドロメダ』RV Anh.117より アリア「いつも太陽が」
ソプラニーノリコーダー協奏曲 ニ長調 『ごしきひわ』 Op.10-3, RV428
アルトリコーダー協奏曲 ト短調 『夜』 Op.10-2, RV439
歌劇『ジュスティーノ』 RV177より アリア「喜びをもって見よう」(アルトリコーダー編)
ソプラニーノリコーダー協奏曲 イ短調 RV445
協奏曲 へ短調 『冬』 RV297より 第2楽章(ソプラノリコーダー編)
イサーク・マクドゥーミ(リコーダー、編)
アルノー・グルック(C.T)
アンサンブル・ピッカンテ

録音:2022年7月/スイス、ゼーヴェン、聖ドイツ教会
スイスのリコーダー奏者イサーク・マクドゥーミによるヴィヴァルディの協奏曲集。技巧的なヴァイオリン協奏曲で知られるヴィヴァルディですが、リコーダー協奏 曲もまた、驚くような技術が求められる難曲ぞろいです。時にあきれるほどのヴィルトゥオジティがほとばしり、かと思えば美しいカンティレーナが現れる、この音 楽構造はまさにオペラ・アリア。実際のアリアを挿入することによって、協奏曲との近似性が証明されています。
「いつも太陽が」では原曲のヴァイオリン・オブリガートをリコーダーが担当。「喜びをもって見よう」では歌そのものをリコーダーが担当。めくるめく装飾音がま ばゆい輝きを放ちます。また最後にはヴィヴァルディの残した旋律の中で特に人気の高い、『冬』第2楽章のリコーダー版を収録しています。

SCALA MUSIC
SMU-007(1CD)
BACH STAGE
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 ト短調 BWV1058(第3楽章カデンツァ:小倉美春)
ピアノ(Cemb)協奏曲 イ長調 BWV1055(第2楽章カデンツァ:ルドルフ・ブリュノー=ブルミエ)
ピアノ(Cemb)協奏曲 ニ短調 BWV1052(第3楽章カデンツァ:フランチェスコ・トリスターノ)
フラン チェスコ・トリスターノ(P)
バッハ・ステージ・アンサンブル
レオ・マルグ(指)

録音:2022年9月28-30日
フランチェスコ・トリスターノの新録音がScala Musicレーベルから登場!フランスの気鋭指揮者レオ・マルグと組んだ、バッハの協奏曲集です。バッハ・ステー ジ・アンサンブルは、このプロジェクトのために結成されたアンサンブルです。トリスターノはピアノを立って演奏し、豊かなエネルギーと抜群のリズム感を演奏にも たらしています。トリスターノは、2001年にバッハを演奏する室内オーケストラ(自らソリスト、指揮者を務める)を設立して活動したりとバッハに対して並々なら ぬ思い入れがあります。カデンツァも、トリスターノ自身および気鋭の作曲家たちが手掛けており、注目です! (Ki)

DUX
DUX-1700(1CD)
カジミェシュ・セロツキ(1922-1981):トロンボーンのための作品集
1-4. トロンボーン協奏曲
5-7. ソナチネ(管弦楽伴奏版)
8. スウィンギング・ミュージック(クラリネット、トロンボーン、チェロとピアノのための)
9-15. 組曲(トロンボーン四重奏のための)
16-18. ソナチネ(P伴奏版)
ヴォイチェフ・イェリンスキ(Tb)
ウカシュ・ボロヴィチ(指揮/tr.1-7)
ポズナンPO(tr.1-7)
セピア・アンサンブル・コンテンポラリー・ミュージシャンズ(tr.8)
〔シモン・ジュズヴィアク(Cl)、ヴォイチェフ・イェリンスキ(Tb)、アンナ・シュマトワ(Vc)、トマシュ・ソシニャク(P/tr,8, 16-18)〕
トロンブクァルテット(TROMBQUARTET/tr.9-15)〔ヴォイチェフ・イェリンスキ(Tb)、ピオトル・バニシ(Tb)、マルク・カチョル(Tb)、トマシュ・カチョル(バス・トロンボーン)〕

録音:2022年6月22日-23日&9月1日-2日、アダム・ミツキェヴィチ大学音楽堂、ポズナン・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ポズナン、ポーランド)
ポーランド最大級のインディペンデント・レーベル、【DUX-(ドゥクス)】より、ポーランド現代音楽の黎明期を代表する作曲家、カジミェシュ・セロツキが残したトロンボーンのための作品集が登場。20世紀後半のポーランド音楽において、セロツキの作品は、バイルト、バツェヴィチ、ルトスワフスキ等の作品と並び、ポーランド楽派の最も優れた例のひとつとみなされています。作曲家としての遺産は、作曲家の存命中からすでにその価値が認められており、受賞した数々のポーランドおよび国際的な芸術賞や、セロツキが発起人となった「ワルシャワの秋」をはじめとするポーランドおよび国際的な現代音楽祭のレパートリーに、常にこの作曲家の作品が含まれていることからも明らかと言えます。
ソリストを務めるヴォイチェフ・イェリンスキは、パデレフスキ音楽院でマチェイ・ワコミに、ハンス・アイスラー音楽大学でクリストハルト・ゲスリング(ベルリン・フィル首席)の下で研鑽を積み、優等で卒業。ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーではオラフ・オット(ベルリン・フィル首席)に師事し、2019年からはポズナンPOで第1トロンボーン奏者の地位に就いています。「ワルシャワの秋」、「ポズナン音楽の春」をはじめとするポーランド国内の著名な音楽祭やイベントに招聘され、多くの現代作曲家の作品を初演するなど、特に20〜21世紀の音楽をレパートリーとしています。
セロツキの作品の中でも、重要レパートリーに数えられるソナチネ(本アルバムでは、管弦楽伴奏とピアノ伴奏の2つの版を収録!)や、トロンボーン協奏曲は勿論のこと、テクニックとスタミナを要する組曲(トロンボーン四重奏)など、セロツキのトロンボーン作品の魅力を1枚に凝縮した本家ポーランドが誇るレーベルだからこその好企画。ソナチネは、2023年の日本管打楽器コンクールの課題曲(トロンボーン部門第2次予選)にも選ばれていますので、参考音源としてもおすすめの1枚です。
DUX
DUX-1883(1CD)
ノヴォヴィエイスキ:ピアノ協奏曲&チェロ協奏曲
フェリクス・ノヴォヴィエイスキ(1877-1946):ピアノ協奏曲ニ短調 Op.60「スラヴ風」
チェロ協奏曲 Op.55
ヤツェク・コルトゥス(P)、
バルトシュ・コジャク(Vc)、
ウカシュ・ボロヴィチ(指)、ポズナンPO

録音:2022年9月、ポズナン・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ポズナン、ポーランド)
ベルリンでブルッフに作曲を学び、クラクフ芸術協会の芸術監督を務め、ポーランド独立後はポズナンに定住し第二次世界大戦後まで生きたポーランド後期ロマン主義の作曲家、指揮者、教師、オルガン奏者、フェリクス・ノヴォヴィエイスキの2つの協奏曲。軽快なスラヴ風の素材が使われ、後期ロマン派のヴィルトゥオージティが悠然と披露されるピアノ協奏曲 「スラヴ風(原題:S?owia?ski/英題:Slavic)」。ポーランドの名チェロ奏者デジデリウシュ・ダンチョフスキ(1891-1950)のために捧げられ、戦間期のポーランド音楽では珍しい大規模な3楽章形式で作られたチェロ協奏曲。
1930年代の新古典派の作曲家でも人気を博した協奏交響曲(シンフォニア・コンチェルタンテ)に近いスタイルによるソリストとオーケストラの濃密な対話では、名匠ウカシュ・ボロヴィチ&ポズナン・フィルの好サポートも十分に発揮されています。チェロ協奏曲の終楽章は初版と第2版(改訂版)の両方の演奏を収録。
ピアノ協奏曲のソロを務めるヤツェク・コルトゥスは、ブレハッチが優勝した2005年のショパン国際ピアノ・コンクールでファイナルに進出したピアニスト。チェロ協奏曲で初演者デジデリウシュ・ダンチョフスキが所有していた楽器を操るバルトシュ・コジャクは、ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第1位(2001年)、プラハの春国際音楽コンクール(2006年)特別賞などを受賞してきたポーランドの名手です。

SOREL CLASSICS
SCCD-006(1CD)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.16
ピアノ協奏曲第2番ハ長調 Op.26
アンナ・シェレスト(P)
ニルス・ムース(指)
ヤナーチェクPO

録音:2014年12月 チェコ オストラヴァ
アンナ・シェレストの弾くプロコフィエフのピアノ協奏曲2 曲。アンナ・シェレストは ウクライナ生まれのピアニスト。ハルキウ音楽院で学んだ後、米国のジュリーアド音 楽院で名教師ジェローム・ローウェンタールに学んだ。シェレストの弾くプロコフィ エフは、持ち前の透明で繊細な美音を生かしたもので、プロコフィエフ独特の刺々 しさを抑えながら、近代的な抒情性を巧みに打ち出したもの。彼女の卓越した力 量が窺えます。米国生まれのデンマークの指揮者、ニルス・ムースの指揮も見事。

Capriccio
C-5469(1CD)
NX-B07

NYCX-10393(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ゲオルク・ゴルターマン(1824-1898):チェロ協奏曲第1番、他
チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.14
ロマンス イ短調 Op.60No.1
バラード ト長調 Op.81
交響曲 イ短調 Op.20…世界初録音
ジャマル・アリエフ(Vc)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年6月7-10日
※国内仕様盤には本田裕暉氏による日本語解説が付属
チェロ奏者の間では知らぬ人はいないとも言われるゲオルク・ゴルターマン。北ドイツのハノーファーに生まれ、ベルンハルト・ロンベルクの弟子クリスティアン・プレ ルにチェロを学んでいち早く頭角を現し、23歳でミュンヘンに移った時にはすでにチェロのヴィルオゥオーゾとしてよく知られる存在だったそうです。ミュンヘンでは ヨーゼフ・メンターにチェロを、イグナーツ・ラハナーに作曲を学びました。その後、ヴュルツブルク劇場の第1チェロ奏者兼指揮者を経てフランクフルト歌劇場のカ ペルマイスターとなり、亡くなるまでの40年間を同地で過ごしました。 ゴルターマンは作曲にも勤しみ、作品番号が付いたものは133曲を数えます。彼のチェロ協奏曲は全部で5曲とも8曲とも言われますが、演奏の難度と楽曲 の充実度で最もハイレベルとみなされるのがここに収録された第1番。第2楽章アンダンテは「カンティレーナ」の名前でカザルスがアンコール・ピールとして録音 していますが、全曲盤は久しくなかっただけに貴重な録音です。シューマンやメンデルスゾーンを思わせる、馥郁としたハーモニーと胸を高鳴らせるような旋律に 満ち、ヴィルトゥオーゾ的なソロの見せ場にも事欠きません。今日のコンサート・レパートリーに定着していないのが不思議です。2曲の小品も美しいメロディの 宝庫。ソロを弾くジャマル・アリエフは1993年アゼルバイジャン生まれで、その才能に目をとめたモスクワ音楽院とメニューイン音楽学校(ロンドン)が競って招い たという逸材。ロンドンを選んだアリエフは、2017年のBBCプロムス「ジョン・ウィリアムズ85歳記念プログラム」のソリストに起用されるなど注目を浴び続けてい ます。 世界初録音となる交響曲は32分ほどの作品で、こちらも耳と心にすっと入って来るメロディがたくさんあります。例えるならば、メンデルスゾーンの「夏の夜の 夢」のような交響曲といったところ。

Channel Classics
CCSBOX-7423(7CD)
NX-E07
ヴィヴァルディ協奏曲BOX
【DISC1&2】
協奏曲集 Op.4『ラ・ストラヴァガンツァ』(全12曲)
【DISC3&4】
協奏曲集 Op.9『ラ・チェトラ』(全12曲)
【DISC5&6】
協奏曲集 Op.3『調和の霊感』(全12曲)
【DISC7】
協奏曲集「四季」 〜『和声と創意への試み』 Op.8より
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV269Op.8-1「春」
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV315Op.8-2「夏」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV293Op.8-3「秋」
2. ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 RV297Op.8-4「冬」
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV270「聖夜の休息」
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV271「恋人」
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV208「ムガール大帝」
レイチェル・ポッジャー(Vn)

【DISC1&2】
アルテ・デイ・スオナトーリ(古楽器使用)
録音:2002年9月 ゴシツィコヴォ=パラディシ・カトリック教会大学(ポーランド)
【DISC3&4】
オランダ・バロック(古楽器使用)
ユディト・ステーンブリンク(第2ソロ・ヴァイオリン)…RV 530
録音:2011年9月 2012年1月、ワロン教会(Waalse Kerk)、アムステルダム
【DISC5&6】
ブレコン・バロック(古楽器使用)
ボヤン・チチッチ、ヨハネス・プラムゾーラー(Vn)
録音:2014年2月&9月 セント・ジョン・エヴァンジェリスト教会、アッパー・ノーウッド、ロンドン
【DISC7】
ブレコン・バロック(古楽器使用)
録音:2017年10月 セント・ジュード教会、ロンドン
20世紀末における古楽器演奏の活況を早くからリードしてきた英国で、さまざまなアンサンブルの一員として活躍した後、ソリストとして世界 をまたにかける存在となったバロック・ヴァイオリン奏者レイチェル・ポッジャー。今やベートーヴェンやモーツァルトなど古典派以降のソナタでも古 楽器による魅力的な演奏を聴かせていますが、当初その本領を存分に発揮してシーンの注目を集め躍進のきっかけとなったのは、当時まだ 今ほど知られていなかったポーランドの実力派古楽器団体アルテ・デイ・スオナトーリと録音したヴィヴァルディ『ラ・ストラヴァガンツァ』の全曲盤 (2002)でした。隅々まで高度な音楽性に貫かれた演奏解釈は、CHAN-NEL CLASSICSレーベルならではの感触確かなエンジニアリング で克明に伝えられ、知られざるアンサンブルの卓越した演奏技量とともにバロック・ファンに留まらない人気を集めたものですが、その後も同 レーベルでポッジャーはオランダ・バロックやブレコン・バロックなどの気鋭団体とヴィヴァルディの傑作を相次いで録音。いずれ劣らぬ仕上がりは 世界各地で高い評価を博しています。出版譜で必要とされている最少人数に近い編成で録音された『調和の霊感』、ヴィヴァルディの作風 の充実が見られる隠れた傑作『ラ・チェトラ』、そして鮮烈な作品の魅力を十全に引き出した『四季』……お手頃価格のBOXでその秀逸な 成果をじっくり聴き確かめられる嬉しいリリース、ここに登場です。

CONCERTO CLASSICS
CC777-750(1CD)
ヴィオラ・ダモーレ〜ヴィヴァルディ&シュターミツ:3つの協奏曲とソナタ
ヴィヴァルディ:ヴィオラ・ダモーレとオーケストラの為の3つの協奏曲(ニ短調 RV395、ニ短調 RV393、ニ短調 RV394)
シュターミツ(1745-1801):ヴィオラ・ダモーレとヴァイオリンの為のソナタ イ長調
ピエール=アンリ・ゼレブ(ヴィオラ・ダモーレ)
クリストフ・ジョヴァニネッティ(Vn)
アカデミー・ド・マンドリン・エ・ギタール・ド・マル セイユ(マンドリン&ギター・オーケストラ)
ヴァンサン・ベール・ドゥマンデ(マンドリン・ソロ)

録音:2021年/マルセイユ、サン・ジョセフ教会(ヴィヴァルディ)、2022年/エポー=ベズ、シャトー・ド・リジエール(シュターミツ)
ヴィヴァルディのヴィオラ・ダモーレ協奏曲をヴィオラ・ダモーレとマンドリン&ギター・オーケストラで演奏した珍しい企画です。
ヴィヴァルディはピエタ音楽院の生徒のためにヴィオラ・ダモーレを独奏とする協奏曲をいくつか作曲しました。また、マンドリンの為の協奏曲も作曲していま す。ヴィヴァルディが独奏に選んだ、倍音の響きが特徴的なこの二つの楽器を組み合わせることで、魅力の相乗効果が発揮されるのではないかという意図が、この アルバムにはあるようです。美しいヴェールをまとったようなヴィオラ・ダモーレの独奏と、マンドリン&ギター・オーケストラの包み込むような柔らかな空気をま とった音色が見事に融合し、独特の美しい音響を聴かせています。
またカップリングは、マンハイム楽派の作曲家カール・シュターミツのヴィオラ・ダモーレとヴァイオリンの為のソナタ。カール・シュターミツは、ヴィオラ・ダモー レの名手としても知られ、この楽器のために少なくとも3曲の協奏曲を残しています。この作品は珍しい組み合わせのソナタで、第3楽章では、あのベートーヴェン がウェリントンの勝利(戦争交響曲)で用いたことで有名なフランス民謡「マールボロは戦場に行った」の旋律を使用しています。同じような形態を持ちながら異な る響きを持つヴィオラ・ダモーレとヴァイオリンの対比と融合が美しい隠れた名品です。
ヴィオラ・ダモーレを演奏するピエール=アンリ・ゼレブは、アヴィニョンの音楽院を13歳で卒業し、ジュリアード音楽院で学んだ、プリムローズ最後の弟子であ るヴィオラ奏者。ブーレーズの下、アンサンブル・アンテルコンタンポランのヴィオラ奏者も務め、シュトックハウゼンやホリガーら著名な現代作曲家から作品を捧げ られている名手です。ヴィオラ・ダモーレの名手としても活躍し、いくつかのアルバムを発売しています。ヴァイオリンのクリストフ・ジョヴァニネッティは、イザイ四 重奏団、エリゼ四重奏団という名SQを結成し、第1ヴァイオリン奏者として活躍した名手で、現在はパリ高等音楽院の教授として後進の指導にもあたっ ています。日本では学生時代からの盟友、青柳いづみことのデュオでも知られています。アカデミー・ド・マンドリネ・エ・ギタールはマンドリン奏者、作曲家、マル セイユ国立音楽院の教授でもあるヴァンサン・ベール・ドゥマンデが中心となって結成されたマルセイユのマンドリンとギターによるオーケストラで、総勢30名の 撥弦楽器のオーケストラの響きが圧巻です。


Naive
V-7259[NA]
Legacyレガシー
(1)ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob. VIIb:1
(2)ポルポラ:ラルゴ〜チェロ協奏曲 ト長調より
(3)モーツァルト:協奏交響曲 イ長調 〜ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの為の協奏曲 K320e / K.Anh.104(断片)〔ロバート・レヴィンによる補完版〕
(4)グルック(ラ・マルカ編):精霊の踊り(『オルフェオとエウリディーチェ』より)
(5)ポルポラ:正しい愛、私を燃え上がらせた(『ヘスペロデスの園』より)
(6)ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb:2
クリスティアン=ピエール・ラ・マルカ(Vc)
ジュリアン・ショヴァン((指)ヴァイオリン)
アドリアン・ラ・マルカ(ヴィオラ((3)))
ル・コンセール・ド・ラ・ローグ
フィリップ・ジャルスキ(カウンターテナー((5)))

録音:2021年2月27-30日、パリ
フランスの俊英チェリスト、クリスティアン=ピエール・ラ・マルカ。「チェロ360」(V7260)や、「ワンダフル・ワールド」(V7362)など、コンセプトから参 加メンバーまで研ぎ澄まされた感性のアルバムで話題を呼んできましたが、今回は「レガシー」と題し、ハイドンのチェロ協奏曲を中心としたプログラムのアルバム を発表します。管弦楽はル・コンセール・ド・ラ・ローグ、まさにハイドンを演奏するために誕生したアンサンブルを迎え、同団音楽監督のショヴァンの指揮のもと、 実にエレガントなハイドンを展開しています。モーツァルトの協奏交響曲(レヴィンによる補完版)では、同じくフランスの俊英ヴィオラ奏者にして弟でもあるアドリ アン・ラ・マルカ、そしてショヴァンのヴァイオリンという注目の顔合わせの演奏です。ポルポラといえば声楽の印象がありますが、チェロにも非常に深い見識を持っ た作曲家でした。ポルポラはウィーンにイタリアの声楽伝統を根付かせた立役者で、ハイドンもグルックもウィーンで活躍しました。そうした作曲家たち同士の生き た交流までもが感じられる内容です。レコーディング(ディレクションから音のことまですべて)は吉田研氏が担当。素晴らしい録音音質も特筆に値します。
クリスティアン=ピエール・ラ・マルカは1983年生まれ。エクス=アン=プロヴァンス音楽祭でデビュー後、ジャン=マリ・ガマール、フィリップ・ミュレルに、 さらにフランス・ヘルメルソンやスティーヴン・イッサーリスにも師事。ロストロポーヴィチやハインリヒ・シフらのマスタークラス受講。アルバム「チェロ360」は 2021年ベスト・コンセプト・アルバム賞(グラモフォン)受賞。弟のアドリアン・ラ・マルカとフォレス音楽祭(フランス)の共同音楽監督をつとめる。 (Ki)


King International
KKC-095(2CD)
野島稔〜ベートーヴェン・ライヴ
(1)ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)ピアノ・ソナタ第19番ト短調Op.49の1
(3)ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22
(4)ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.27の1
(5)ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
野島稔(P)
山田一雄(指)札幌SO

録音:1989年11月20日北海道厚生年金会館大ホール(1)、2008年11月1日厚木文化会館(2)-(5)(ライヴ)
野島稔は1966年からモスクワ音楽院に留学してオボーリンに師事、69年の第3回ヴァン・クライバーン・コンクールで2位入賞など驚嘆すべき経歴ながら、 録音嫌いだったこともありその偉業が広く伝わっているとは言い難いと申せましょう。晩年は東京音大の学長を務め、藤田真央らを育てるなど教育面でも日本の 音楽文化に貢献しました。2022年5月に76歳で逝去された彼の芸術を堪能できる追悼アルバムがようやく登場します。曲は十八番のベートーヴェン。
「皇帝」は巨匠・山田一雄との共演。野島の水晶のようにクリアなピアノとゆるぎない構成力に山田一雄の熱い推進力があいまって見事な世界を作り上げてい ます。約20年後のソナタはより深みを湛え、何の奇も衒わずに滋味あふれる語りで感動させてくれます。いずれもライヴながら、永久に留めておくべき日本のピア ノの宝というべき演奏です。 (Ki)

Dynamic
CDS-7978(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.22
ピエトロ・デ・マリア(P)
トスカーナO
ダニエーレ・ルスティオーニ(指)

録音:2021年4月8-10日
ピエトロ・デ・マリアは1967年ヴェネツィア生まれ。ヴェネツィア国立音楽院で学んだ後、ジュネーヴ音楽院に留学。 マリア・ティーボの下で研鑽を積みました。1990年にモスクワで開催されたチャイコフスキー国際ピアノ・コンクールで 批評家賞を受賞した他、チューリヒのゲザ・アンダ国際ピアノ・コンクールで優勝、1997年にはハンブルクのメンデル スゾーン賞を授与されるなど国際的に認められ、チョン・ミョンフン、ジャナンドレア・ノセダ、シャーンドル・ヴェーグ、佐 渡裕ら多くの著名指揮者と共演しています。バッハからリゲティまで幅広いレパートリーを持ち、イタリア人としては 初めて、6回のコンサートでショパンの独奏作品を全て演奏、イタリアDeccaにはショパンの独奏作品全曲の録音 のほか、バッハの平均律クラヴィーア曲集、ゴルトベルク変奏曲などを録音。どれも高く評価されました。 このアルバムでは、得意とするショパンのピアノ協奏曲を、ダニエーレ・ルスティオーニが指揮するトスカーナO をバックに演奏。抒情的な旋律をじっくりと歌い上げています。


Avanti Classic
AVA-10662(1CD)
NX-B10
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第2番
ラヴェル:ピアノ協奏曲*
マルタ・アルゲリッチ(P)
イスラエルPO
ラハフ・シャニ(指)

録音:2019年12月22日、24-27日* チャールズ・ブロンフマン・オーディトリアム、テルアビブ、イスラエル
今回登場するのは2019年のライヴで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番とラヴェルのピアノ協奏曲です。アルゲリッチにとってはいずれの作 品もすでに5種類ほどの録音が出ていますが、音圧ではなく音色で表現される押しと引き、冴えわたるタッチで瑞々しくも情感豊かな表現を 聴かせ、今なお新鮮に聴かせてくれることに驚きを禁じ得ません。共演のラハフ・シャニは、2018年からロッテルダム・フィルの首席指揮者、 2021年のシーズンからイスラエル・フィルの音楽監督、そして2026年からは解任されたゲルギエフの後を受けてミュンヘン・フィルの首席指揮 者に就くことが決まったという、現在最も目の離せない指揮者の一人。そしてイスラエル・フィルは意外にも、アルゲリッチとの共演CDは初めて とのことです。推進力のある彼らのサポートがアルゲリッチのピアノをしっかりと支え、活き活きとした音楽を作り上げている素晴らしい記録です。 ラヴェルの後に収められた歓声も熱狂的。

SOMM
SOMMCD-281(1CD)
NX-B04
ニムロッド・ボーレンシュタイン(1969-):ピアノ協奏曲/光と闇/シリム
ピアノ協奏曲 Op.91
光と闇 Op.80/シリム Op.94
クレリア・イルズン(P)
ロイヤルPO
ニムロッド・ボーレンシュタイン(指)
イ・ムジカンティ(アンサンブル)【タマーシュ・アンドラーシュ(Vn)、ロベルト・スミセン(Va)、アーシュラ・スミス(Vc)、レオン・ボッシュ(Cb)】

録音:2022年5月9-10日 ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン(UK)
2022年6月26-27日 メニューイン・ホール、ストーク・ダバノン(UK)
作曲家・指揮者、ニムロット・ボーレンシュタインのSOMM Recordingsレーベルへの初録音。 テルアヴィヴで生まれ、パリで初期の音楽教育を受けた後、1984年にシフ財団の奨学生となりロンドンに移住。 王立音楽大学で作曲とヴァイオリンを学び、作曲家、指揮者として活躍。彼の作品は数多くのオーケストラによっ て演奏されています。このアルバムにはピアノをフィーチャーした3つの作品を収録。ピアノ協奏曲はブラジル出身の ピアニスト、クレリア・イルズンのために書かれたラフマニノフを思わせる技巧的な作品。ボーレンシュタイン自身がタク トを執り熱演を披露します。2018年に初演された「光と闇」はシュテファン・ツヴァイクの著書「昨日の世界」の最 後の一節から採られたタイトルを持つピアノ五重奏曲。単一楽章で構成されたタイトル通りのメリハリある内容を持 つ作品です。「シリム」は子供のためのピアノ組曲。タイトルはヘブライ語の「詩」や「歌」の意味で、さまざまな雰囲 気を持つ18の小品で構成されています。


Biddulph
BIDD-85024(2CD)
NX-C03
ブロニスワフ・ギンペル〜ヴァイオリン協奏曲集
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:フリッツ・クライスラー。第2楽章から第3楽章への移行部のみ:カール・フレッシュ)
(2)ラロ:スペイン交響曲 (全5楽章)
(3)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(4)ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
(5)パガニーニ:1楽章の協奏曲 (原曲:ヴァイオリン協奏曲第1番 第1楽章:ヴィルヘルミ編)
ブロニスワフ・ギンペル(Vn)

(1)バンベルクSO
ハインリヒ・ホルライザー(指)
録音:1955年2月18日/音源:Vox PL9340(MONO)
(2)ミュンヘンSO
フリッツ・リーガー(指)
録音:1956年4月4-6日/DGG19071(MONO)
(3)バンベルクSO
ヨハネス・シューラー(指)
録音:1960年/Opera1187(STEREO)
(4)(5)バーデン=バーデン南西ドイツRSO
ロルフ・ラインハルト(指)
録音:1956年/Vox PL10.450(MONO)

復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:David Hermann
マスタリング:Dennis Patterson
弦のBiddulph」からブロニスワフ・ギンペルの協奏曲集が登場。ステレオのチャイコフスキーは特に注目。ブロニスワフ・ギンペルは1911年にオーストリア=ハンガリー帝国のレンベルク(現在のウクライナ西部リヴィウ)でポーランド系ユダヤ人の音楽一家に生まれまし た。父親は劇場の指揮者で、かつてマーラーの指揮の下でクラリネットを演奏していたことがあるそうです。父が5歳のブロニスワフにピアノとヴァイオリン を教え始めたところヴァイオリンの上達が目覚ましく、8歳で地元の音楽院に入学し、同年メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏。11歳の年にはウィー ン音楽院に移り、14歳でゴルトマルクのヴァイオリン協奏曲を演奏しました。15歳の年にはピアニストの兄ヤコブとイタリアに招かれ、ジェノヴァでパガニーニが 使っていたグヮルネリ・デル・ジェズで演奏、ローマではイタリア国王とローマ教皇の前で演奏する栄に浴しました。 その後1928年にベルリンでカール・フレッシュのクラスに入学したギンペルは、1年学んだ後にフレッシュのアドバイスでヘルマン・シェルヘンが指揮者を務めてい たケーニヒスベルク(現ロシア領カリーニングラード)の放送オーケストラのコンサートマスターに就任。その後イェーテボリSOを経て、クレンペラーの招きで ロサンジェルス・フィルのコンマスを務め、第2次大戦が勃発するとアメリカ空軍所属のオーケストラで演奏しました。戦後はアメリカの放送局ABCのオーケスト ラや自ら組織したSQなどでも演奏。1950年にはロンドン・デビューが大成功となってヨーロッパでの活動を再開し、英独を中心に数多くの演奏を 行いました。1962年に訪れたワルシャワで旧友ウワディスワフ・シュピルマン(映画『戦場のピアニスト』の主人公)と再会すると意気投合し、デュオとピアノ五 重奏団を結成してコンサート・ツアーを行い、録音も残しています。 原盤解説によればここに収められた5曲は初CD化とのこと。ノイズの少なさと音の鮮度が両立しているのは復刻素材の状況が良かったことを想像させます。 ベートーヴェンではモノラルながら音の奥行きまで感じさせます。第2楽章と第3楽章をつなぐ小カデンツァにフレッシュ作のものを弾いているのは師へのオマー ジュでしょう。チャイコフスキーは当セット唯一のステレオ録音。ここでギンペルが弾いているヴァイオリンは、作曲者がこの曲に取り組んでいた時に助言したヴァ イオリニスト、イオシフ・コテックが使っていた楽器で、ギンペルは「チャイコフスキーが聞いたのと同じ音だ」と自慢していたそうです。彼の演奏は5曲を通じて明 晰さと力強さが前面に出ており、きびきびとした推進力のある楷書体の音楽と言うことができるでしょう。 ブックレットには歴史的ヴァイオリニストの演奏に詳しいタリー・ポッター氏による7ページの解説(英語のみ)に加え、15歳のギンペルや、1955年に撮られたヒ ンデミットとのツーショットなど、貴重な写真が掲載されています。

SWR music
SWR-19433CD(10CD)
NX-G09
偉大なピアニストたち


■CD1
(1)ハイドン:ピアノと弦楽のための協奏曲第11番 ニ長調Hob. XVIII
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K488

■CD2
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノーム」 K271
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K459

■CD3
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K491

■CD4
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番

■CD5
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5「皇帝」

■CD6 
(1)ショパン:ピアノ協奏曲第1番
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

■CD7
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(2)シューマン:ピアノ協奏曲
■CD8
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
(2)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

■CD9
(1)バルトーク:ピアノ協奏曲第2番
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:間奏曲 変ホ長調 Op.117 No.1

■CD10
(1)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 「エジプト風」
(2)ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 へ調
■CD1 
フリードリヒ・グルダ(P)
※2020年初出時のSWR19088CDにおいて、こちらの録音はMONOとご案内をいたしましたが、実際はSTEREOであることが判明いたしました。
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)
(2)バーデン=バーデン南西ドイツRSO
(2)ハンス・ロスバウト(指)
録音:(1)1962年1月10日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)
(2)1962年1月15日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)
■CD2 
クララ・ハスキル(P)
シュトゥットガルトRSO
カール・シューリヒト(指)
録音:(1)1952年5月23日 Stuttgart-Degerloch,Waldheim(ドイツ)(MONO)
(2)1956年4月7日(ライヴ) Schloss Ludwigsburg,Barock-Theater(ドイツ)(MONO)
■CD3
(1)イェルク・デームス(P)
(2)パウル・バドゥラ=スコダ(P)
シュトゥットガルトRSO
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)
(2)カール・シューリヒト(指)
録音:(1)1961年9月28日 ヴィラ・ベルク、シュトゥットガルト(MONO)
(2)1962年10月18日(ライヴ) リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)(MONO)
■CD4 
アリシア・デ・ラローチャ(P)
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)ガルシア・ナバロ(指)
(2)バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツRSO
(2)エルネスト・ブール(指)
録音:(1)1986年1月15日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)
(2)1977年1月17日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)
■CD5
(1)ヴィルヘルム・ケンプ(P)
(2)ヴィルヘルム・バックハウス(P)
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)
(2)シュトゥットガルトRSO
(2)ヨーゼフ・カイルベルト(指)
録音:(1)1957年11月7日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)(MONO)
(2)1962年3月15日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)(MONO)
■CD6
ゲザ・アンダ(P)
(1)エルネスト・ブール(指)
(2)ハンス・ロスバウト(指)
録音:(1)1952年3月18日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)(MONO)
(2)1953年3月3日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)(MONO)
■CD7
(1)ヴィルヘルム・バックハウス(P)
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)
(2)アニー・フィッシャー(P)
(2)バーデン=バーデン南西ドイツRSO
(2)ハンス・ロスバウト(指)
録音:(1)1959年12月2日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)(MONO)、(2)1959年2月25日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)(MONO)
■CD8
(1)クラウディオ・アラウ(P)
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)エリアフ・インバル(指)
(2)ゲザ・アンダ(P)
(2)バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツRSO
(2)ハンス・ロスバウト(指)
録音:(1)1972年3月23日(ライヴ) リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)
(2)1952年3月15日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)(MONO)
■CD9
ゲザ・アンダ(P)
シュトゥットガルトRSO
ハンス・ミュラー=クライ(指)
フェルディナント・ライトナー(指)
録音:(1)1950年11月14日 Krone,Stuttgart Unterturkheim(ドイツ)(MONO)
(2)1973年3月13日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)
■CD10
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
シュトゥットガルトRSO
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
録音:1993年5月30日(ライヴ) Rokokotheather,Schwetzingen(ドイツ)
南西ドイツ放送交響楽団(ドイツ語: SWR Sinfonieorchester)は、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州 にある南西ドイツ放送所属のオーケストラ。その歴史の中で何度も名称を変更しながら、2016年に合併し、現 在ではSWR南西ドイツ放送交響楽団として活動しています。オーケストラは長年にわたり、多くの伝説的な演奏 家と共演し名演を繰り広げてきました。この10枚組に登場するのは、ヴィルヘルム・バックハウス、ヴィルヘルム・ケン プ、クララ・ハスキルやアニー・フィッシャーをはじめ、"ウィーンの三羽烏"と称されたフリードリヒ・グルダ、イェルク・デー ムス、パウル・バドゥラ=スコダ、スペインを代表するアリシア・デ・ラローチャやハンガリーの名手ゲザ・アンダ、チリ出身 のクラウディオ・アラウなど国籍も様々なピアニストたち。各々が得意とする演目を、これまた時代に名だたる指揮者 たちが率いるオーケストラをバックに演奏を聴かせます。10枚目のシュヴェツィンゲン音楽祭1993年コンサートにお けるリヒテルの演奏も初出時大変な話題となったものです。 いずれも、オリジナルマスターテープからの良質な復刻でお楽しみいただけます。

BIS
BISSA-2554(1SACD)
ニコス・スカルコッタス:協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲 A/K22(1937/38)
(2)ヴァイオリン、ヴィオラとウィンドオーケストラのための協奏曲 A/K25(?1939-40)
ジョージ・ザ カリアス(Vn )
(2)アレクサンドロス・コウスタス(Va)
ロンドン・フィルハーモニックO、マーティン・ブラビンズ(指)
録音:(1)2022年4月19&20日、(2)2020年1月5&6日/ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン、イングランド)
[楽器 Violin:‘Georgina Joshi’ by Sanctus Seraphin1719/Viola:Bohemian School, early 1900s]
制作:(1)マシュー・ベネット、(2)アレグザンダー・ヴァン・インゲン
録音エンジニア:(1)デーヴ・ローウェル、(2)アンドルー・メラー
シェーンベルクに学んだ「エリート」弟子のひとり、ギリシャの作曲家ニコス・スカルコッタスのシリーズ。「ヴァイオリン協奏曲」は、「シェー ンベルクの限界」にとらわれまいとする大胆なアイデアも導入されたとされる作品。シリーズ第1作として制作されたゲオルギオス・デメルツィスの演奏(BIS-904)に次ぐ録音。エヴァ・マンツォーラニによる新校訂版を使った演奏です。
「ヴァイオリン、ヴィオラとウィンドオーケストラのための協奏曲」は、スカルコッタスがアテネ国立Oでヴァイオリンを弾いていた時の同僚、ヴィオラのジョ ン・パパドプロスのために書いたのではないかと推測される作品です。「アレグロ」「アンダンティーノ」「アレグロ・ヴィーヴォ」。クラシカル音楽で初めてソプラノ、 アルト、テナーというサクソフォーン属の楽器を揃って使った作品のひとつです。世界初録音。ジョージ・ザカリアスが編纂した校訂版による演奏です。
ヴァイオリンのジョージ・ザカリアスは、アテネ生まれ。アテネ音楽院で学び、1997年の卒業後、ロンドンの王立音楽アカデミーでヨッシ・ツィヴォーニの下で学 びました。「ヴァイオリニスト、作曲家スカルコッタス」をテーマとする論文で王立音楽アカデミーの博士号を取得。イギリスを本拠に活動しています。ヴィオラのアレ クサンドロス・コウスタスもギリシャ生まれ。イギリス・ナショナル・バレエ・フィルハーモニックの首席ヴィオラ奏者を務め、アカデミー室内Oでも団員とし て演奏しています。 (Ki)

DOREMI
DHR-8201(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第13集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
(3)バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
シューマン:ピアノ・ソナタ第2番ト短調 Op.22
ショパン:夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
 スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
ラヴェル:夜のガスパール
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ラファエル・クーベリック(指)NYO
 録音:1978年2月7日/ニューヨーク、リンカーン・センター、エイブリー・フィッシャー・ホール
(2)ベルンハルト・クレー(指)ハノーファーRSO
 録音:1979年6月14日/ハノーファー
(3)録音:1972年4月14日/ザールブリュッケン・リサイタル
DOREMIのアルゲリッチ貴重音源集第13弾。クーベリックとのモーツァルト、クレーとのラフマニノフという2つの協奏曲ライヴに加え、72年のザールブリュッケン・リサイタルを収録。ショパンのノクターン第8番の録音はめずらしく、他では聴くことのできないレパートリーです。 (Ki)

CLAVES
50-3057(1CD)
ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 Op.33FS.61
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.61
アンナ・アガフィア(Vn/グァルネリウス「スフィンクス」(1730-33年製作))
アレクサンドル・マルコヴィチ(指)、シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2022年11月/ポーランド放送、第2スタジオ(ワルシャワ)
2022年に開催したグシュタード音楽祭の「ティエリー・シェルツ賞」に受賞したヴァイオリニストのアンナ・アガフィアがニールセンのヴァイオリン協奏曲とシマ ノフスキのヴァイオリン協奏曲第2番を録音しました!
グシュタード音楽祭はスイスのグシュタード(スイスを横断する絶景パノラマ鉄道「ゴールンデパス・ライン」が走ることでも有名な山村)にて世界各国から才能 豊かな若手音楽家が集まることで知られるフェスティヴァル。「ティエリー・シェルツ賞」は当音楽祭の創設者の一人ティエリー・シェルツへのオマージュとして設け られました。参加者のうち1名がClavesレーベルからレコーディングの機会を与えられCDリリースできるという副賞がついており、これまでにピアノのジャン= ポール・ガスパリアン(2020年受賞)、ヴィオラのティモシー・リダウト(2019年受賞)、チェロのアナスタシヤ・コベキナ(2018年受賞)、ハープのアナイス・ ゴドゥマール(2015年受賞)、ピアノのヨゼフ・モーク(2006年受賞)、ハープのエマニュエル・セイソン(2005年受賞)など現在世界的な演奏者として活躍 しているアーティストたちが受賞しています。
コペンハーゲンでアレクサンドル・ザポルスキに師事したアンナ・アガフィアは、学生時代に受けたデンマークの音楽コンクールの数々で優勝。2016年にスイス に移住し、ローザンヌ高等音楽院ではスヴェトラーナ・マカロワやパヴェル・ヴェルニコフに師事し研鑽を積みました。その後、2017年にはジネット・ヌヴー・コ ンクールで優勝、2018年にはウジェーヌ・イザイ国際音楽コンクールで第2位、2019年にはカール・ニールセン国際コンクールで第3位など、輝かしいコンクー ル受賞歴を誇ります。艶やかで表情豊かな語り口が魅力のアガフィアがニールセン、シマノフスキを全身全霊で演奏。ニールセンでは雄弁に、シマノフスキは大迫力 の演奏を聴かせてくれます。 (Ki)

Goodies
78CDR-3898(1CDR)
プーランク:オーバード(Pと18の楽器のための舞踊協奏曲) フランシス・プーランク(P)
ワルテル・ストララム(指)
コンセール・ストララム

仏 COLUMBIA LF33/35
1930年1月20&22日パリ、シャンゼリゼ劇場録音
フランシス・プーランクはスペイン出身のリカルド・ビネス(1875 -1943)にピアノを、作曲はシャルル・ケクラン)に学んだ。フランス 「6人組」の一人としてエリック・サティやモーリス・ラヴェル (1872-1937)から影響をうけ、フランス風エスプリに富んだ作品を残した。プー ランクのピアノの師ビネスの演奏は「リカルド・ビネスの芸術」(78CDR-3895) で聞ける。この曲はプーランクが1929年に作曲した舞踏を伴う鍵盤楽器のため に作曲した5曲の協奏曲の第2作目にあたる。作曲者自身のピアノで初演された。 バレエのあらすじは、森に住む、純潔と貞節の女神ディアーヌ(ギリシャ神話 のアルテミス、ローマ神話のディアナ)は自らの定めた神の掟によって恋をす ることができず、夜明けのたびに悲しい思いをするという幻想的な筋書き。 指揮者のワルテル・ストララム(1876-1933)は1926年にパリのオーケストラの 中から名手を募り、コンセール・ストララムを結成した。1928年にラヴェルの 「ボレロ」の初演の指揮をした。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル〔ゼロSP78rpm〕(3mil 針)とコルグの [DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。

SOREL CLASSICS
SCCD-013(1CD)
2023年2月10日までのご注文分は
税込¥2050!!
ルビンシテイン:ピアノ協奏曲第4番ニ短調 Op.70
ロシア奇想曲 Op.102
アンナ・シェレスト(P)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
ザ・オーケストラ・ナウ

録音:2017年10月15日ニューヨーク州 ニューヨーク・シティ(ライヴ)
ロシアの大ピアニスト、アントン・ルビンシテインの代表作の一つ、 ピアノ協奏曲第4番ニ短調は、充実した傑作であるにもかかわらず20世紀後半に はあまり注目を浴びなくなってしまい、近年の録音も限られて来た。ここではウクラ イナ生まれのピアニスト、アンナ・シェレストが、ルビンシテインの豊潤な音楽から清 らかな響きを引き出しています。そして伴奏がなんと巨匠ネーメ・ヤルヴィ。しばしば 冗長と評されるこの協奏曲が、然るべき名作になっています。哀愁に満ちたロシア奇 想曲も名演。アントン・ルビンシテインのCDを1枚買うならまずこれを。
SOREL CLASSICS
SCCD-014(1CD)
2023年2月10日までのご注文分は
税込¥2050!!
ルビンシテイン:ピアノ協奏曲第3番ト長調 Op.45
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.94
アンナ・シェレスト(P)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
エストニア国立SO

録音:2018年5月7日 エストニア・タリン
アントン・ルビンシテインのピアノ協奏曲第3番と第5番の録音。ル ビンシテインのピアノ協奏曲では第4番が比較的よく知られているが、それはこの 作品がルビンシテインにしてはロシア情緒が濃いからで、一方でルビンシテインの 西欧趣味、洗練された自由な作風は、これら第3番 ト長調や第5番変ホ長調の 方がより良く出ています。20世紀にはその自由さがまとまりがないと受け止められ評 価が低かったのかもしれないが、21世紀の耳はインターナショナルに活躍した大 ピアニストの徒然な豊かな音楽こそルビンシテインの本領と受け止められるだろ う。元より録音が少ないので新録音というだけでありがたいが、ウクライナ出身でニ ューヨークで活躍するピアニスト、アンナ・シェレストの清新なピアノと、巨匠ネーメ・ ヤルヴィの極めて立派な伴奏が不当に埋もれた名作に光を当てています。

Anaklasis
ANA-024(1CD)

PANA-024(1CD)
国内盤仕様
税込定価
エルジュビエタ・シコラ:協奏曲集

(1)ピアノ協奏曲 「フレデリック・ショパンへのオマージュ」(2000)
(2)ヴァイオリン協奏曲(2018)
(3)オルガンと管弦楽のための 「オリヴァ協奏曲」(2007, rev.2020)
(1)アダム・コシミェヤ(P)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、バッセム・アキキ(指)
(2)リヌス・ロート(Vn)、ポーランド国立放送O、ホセ・マリア・フロレンシオ(指)
(3)福本茉莉(Org)、NFMヴロツワフPO、パスカル・ロフェ(指)

録音:2018年(P協奏曲)、2019年(Vn協奏曲)、2021年(オルガン協奏曲)
国内盤=解説の日本語訳:山根悟郎
1945年にクラクフで設立されたポーランド最大級の音楽出版社「ポーランド音楽出版社(PWM Edition)」が運営するレーベル「Anaklasis(アナクラシス)」。20世紀と21世紀のポーランドの作曲家の業績を紹介する「PORTRAITS」シリーズ最新作は、電子音楽と伝統的な音楽、前衛音楽と新古典主義を共存させた作風などで多くの功績を残してきたポーランドの作曲家、エルジュビエタ・シコラ(b.1943)の3つの協奏曲。
エルジュビエタ・シコラは1943年(文献によっては1944年〜1945年)に現ウクライナのリヴィウ(当時はポーランド領で、戦時中にソ連やドイツに占領され、戦後はウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国となった)に生まれ、ワルシャワやパリで音響工学、電気音響音楽、コンピュータ音楽、作曲などを学び、多くの作曲賞や勲章を受賞しています。ポーランドのアダム・コシミェヤ、ドイツのリヌス・ロート、日本の福本茉莉といった、次代を担う気鋭のソリストたちの参加にも注目です。

DUX
DUX-1909(1CD)
マルティヌー:チェロ協奏曲第2番H.304
チェロ・ソナタ第2番 H.286*
バルトシュ・コジャク(Vc)、
ヤナーチェクPO、ペトル・ポペルカ(指)、
ラドスワフ・クレク(P)*

録音:2021年6月2日ー4日&2022年6月26日
ポーランド出身のチェロ奏者バルトシュ・コジャクは、ショパン音楽院でカジミエシュ・ミハリク、アンジェイ・バウアーに、パリ国立高等音楽院ではフィリップ・ミュレールに師事。これまでにヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第1位(2001年)、プラハの春国際音楽コンクール(2006年)で特別賞を受賞するなど、多くのコンクールで入賞。ワルシャワの秋、ヤング・ユーロ・クラシックなどの著名な音楽祭にも招聘されています。
本アルバムでは、400もの作品を残したチェコの大作曲家マルティヌーが、創作活動の頂点にあたる1940年代にアメリカで完成させた2つの作品を取り上げています。
DUX
DUX-1907(1CD)
ポーランドの作曲家たちによるフルート作品集
ベネディクト・コノヴァウスキ(1928-2021):フルート協奏曲
フェリクス・リュビツキ(1899-1978):フルート協奏曲(小協奏曲)へ長調 Op.51
タデウシュ・シェリゴフスキ(1896-1963):フルート・ソナタ
パヴェウ・シマンスキ(b.1954):アペンディックス
ヤロスワフ・シヴィンスキ(b.1964):ミスティ・アイ・オヴ・ザ・アースワーム*
グジェゴシュ・オルキエヴィチ(フルート、ピッコロ*)、
ポーランド放送アマデウス室内O、
アグニエシュカ・ドゥチマル(指)、他

録音:1987年-1990年(ポーランド)
ルネサンスから現代作品まで幅広いレパートリーを誇り、ポーランドで最も優れたフルート奏者の1人であったグジェゴシュ・オルキエヴィチ。1982年から88年にかけてはチェリストのアンジェイ・バウアー、ピアニストのヴァルデマール・マリツキとともにポーランド・トリオのメンバーとして、コンサートやポーランド放送の録音を行い、1997年からはポーランド室内Oの芸術監督に就任し、ポーランド国内外での公演を行うなど、指揮者としても活躍しました。
本アルバムは、2021年に惜しくもこの世を去った名手が、母国ポーランドの作曲家たちがフルートのために書いた作品を厳選し収録しています。

H.M.F
HMM-902618(1CD)
エルガー:ヴィオラ協奏曲(原曲:チェロ協奏曲/ライオネル・ターティス (1876-1975)によるヴィオラ編曲版に基づく)
ブロッホ:ヴィオラとオーケストラのための組曲 B.41
ティモシー・リダウト(Va)
BBC響、
マーティン・ブラビンス(指)

録音:2022年4月、ロンドン
『詩人の恋』ヴィオラ編曲版で、その溢れるロマンスを存分に発揮し一挙に注目を集めたイギリスの俊英ヴィオラ奏者、ティモシー・リダウト。待望の新譜はエル ガーです!指揮者も英国出身のブラビンス、オケもBBC響ということで、英国勢による演奏が実現、エルガーの暗くしかし抒情に満ちた世界が濃厚な熱量で展開 されています。エルガーのヴィオラ協奏曲は、20世紀に活躍した英国のヴィオラ奏者ターティスのたっての希望で実現した、チェロ協奏曲のヴィオラ編曲版です。 この編曲は作曲者にも認められ、1930年にエルガーの(指)ターティスのソロにより初演、チェロ協奏曲の初演よりも熱烈に迎え入れられたそうです。リダウトは ターティスの編曲にさらに手を加え、完璧に作品を手中におさめています。カップリングのブロッホは、演奏機会が少ないものの、東洋趣味の作品で、こちらもリダ ウトの巧みな歌いまわしが炸裂しています。
ティモシー・リダウトは1995年生まれ、王立音楽院で学んだのち、2014年セシル・アロノヴィッツ国際コンクール優勝、2016年ライオネル・ターティス国際 ヴィオラコンクール優勝。ヴィオラ界の若手の中では最注目の演奏者で、オーケストラとも共演多数、2021年6月には王子ホールでトランジット・シリーズに登場、 絶賛されました。 (Ki)

H.M.F
HMM-902718(1CD)
ファウスト&ロトのストラヴィンスキー
バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」〜アポロのヴァリアシオン(1927-8)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調(1931)
弦楽四重奏のための3つの小品(1914)
弦楽四重奏のためのコンチェルティーノ(1920)
パストラール〜ヴァイオリン、オーボエ、イングリッシュホルン、クラリネット、バソンのための(1923)
弦楽四重奏のための二重カノン(1959)
イザベル・ファウスト(Vn)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

録音:2021年9月、2022年3月、4月/セーヌ・ミュジカルRIFFXスタジオ1(ブローニュ・ビリヤンクール
ハルモニア・ムンディを代表するファウストとロト&レ・シエクル奇跡の共演。それもロトとシエクルの名を世に広めるきっかけとなったストラヴィンスキー作 品だけに眼が離せません。
メインはヴァイオリン協奏曲ですが、収録曲すべてのヴァイオリン・パートをファウストが担当しているのが超豪華な驚き。彼女は「兵士の物語」をメインとす るアルバムもリリースし、ストラヴィンスキーのヴァイオリン作品に熱を入れていますが、ガット弦による弦楽四重奏作品も興味津々です。
ヴァイオリン協奏曲は1931年、新古典主義時代の作。ストラヴィンスキーはヴァイオリンの情緒や甘美さを嫌悪していましたが、同じ感性の奏者ドゥシュキン との出会いで信念を変えず協奏曲を実現させることが出来ました。ファウスト自身その非ヴァイオリン性を指摘しつつも、誰も考えつかなかった音楽表現と激賞し ています。
演奏は期待以上、ファウストの厳しいまでの表現とシエクルのカラフルな音色、ロトならではの切れ味良いリズムがあいまり、生命感あふれる世界を繰り広げ ます。終楽章でバッハのヴァイオリン二重協奏曲をパロディにした箇所も含め、メンバーが楽しみながら音楽作りをしているのも伝わってきます。
カップリングには新古典主義時代のバレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」中の、ヴァイオリン独奏と弦楽合奏による「アポロのヴァリアシオン」をファウスト とロトが披露。さらに「春の祭典」直後の「3つの小品」、かなり現代的な「コンチェルティーノ」、画家ラウル・デュフイ追悼の沈鬱な「二重カノン」という ストラヴィンスキーの全弦楽四重奏作品を、ファウストが第1ヴァイオリンを担い、シエクルの弦のトップ奏者たちと共演しています。緊張感に満ちた音世界なが ら決して無味乾燥でなく、ストラヴィンスキーならではのユーモアと生命力が伝わります。ストラヴィンスキー観が変わること間違いなしのアルバムと申せましょう。 (Ki)

SUPRAPHON
SU-4323(2CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集
(1)ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
(2)ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.401926/rev.1928, 1941)
(3)パガニーニの主題による狂詩曲
(4)ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
(5)ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ルカーシュ・ヴォンドラーチェク(P)
トマーシュ・ブラウネル(指)、
プラハSO

録音:(1)2021年4月22-24日、(2)2021年2月16-19日、(3)2021年6月14-16日、(4)2021年2月22&23日、(5)2021年10月18-20日/スメタナ・ホール(プラハ)
2023年、ラフマニノフ生誕150年を記念してチェコの俊英ルカーシュ・ヴォンドラーチェクがピアノと管弦楽のための作品全曲(4つのピアノ協奏曲、パガニー ニの主題による狂詩曲)を録音しました!
1986年チェコのオパヴァ生まれのヴォンドラーチェクは、ピアニストの両親から手ほどきを受けその後すぐに才能を開花させた神童。15歳でウラディーミル・ アシュケナージ(指)チェコPOとラフマニノフのピアノ協奏曲第1番を演奏したことでプロとして本格的な演奏活動を始動し、翌年16 歳でアメリカ・ツアーを行いカーネギーホールでのリサイタル・デビューを大成功させています。
演奏活動の傍ら数多くの国際コンクールに出場し、2016年、29歳のときに挑んだエリザベート王妃国際音楽コンクールで見事優勝!この時本選で弾いたラ フマニノフのピアノ協奏曲第3番が「テクニックだけではない情感あふれる豊かな歌心」として高く評価されました。以後、ヴォンドラーチェクの代名詞となった “ラフマニノフ”ですが、2020年3月、新型コロナウィルス感染拡大により演奏活動は停止。しかしその出来事がラフマニノフと対峙する貴重な時間となり、 翌2021年に全曲録音実現へと結びつきました。
共演はトマーシュ・ブラウネル(指)プラハSOで、ラフマニノフの世界を情熱的に色彩感豊かに演奏しております。同一演奏家による全曲録音は意外に も少なくラフマニノフ弾きヴォンドラーチェクによる新録音はラフマニノフ・イヤーにふさわしい最も注目すべきリリースと申せましょう! (Ki)


AAM Records
AAM-41(1CD)

NYCX-10383(1CD)
国内盤仕様
税込定価
プロジェクト再開!
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K 467
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K 491

(共にカデンツァ:ロバート・レヴィン作)
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
ウィーンのアントン・ヴァルター1795年頃製モデルによるフォルテピアノ
(ベルギーのクリス・マーネによる再現楽器、2018年製作)
ピッチ:A=430Hz/ヴァロッティ音律による調律
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(古楽器使用)
リチャード・エガー(指)

録音:2021年8月25-26日、28-29日
ロンドン、セント・ジョンズ・スミス・スクエア
※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。
モーツァルトのピアノ協奏曲には15,000種類もの録音があるそうだ。今さら新しい録音を出す意味があるのかと問 う人がいるならば、この1枚については「ある」と断言する。 ――ジョン・マクマン(アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック総裁)
モーツァルトの演奏史に革命を起こしたクリストファー・ホグウッドとアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックが、モー ツァルト研究家でピアニストのロバート・レヴィンを迎えて1993年に開始したピアノ協奏曲全集の録音。8枚をリ リースして2001年を最後に途絶えていたプロジェクトが再開します。指揮者はホグウッドからリチャード・エガーに代 わり、レヴィンの演奏は溌剌とした即興の精神に満ち溢れ、モーツァルトの神髄に迫るサウンドは一層の磨きをかけ ています。 2024年6月の完結を目指す全5枚の旅路は大注目です。
◎デッカ・サウンドを引き継ぐ好録音
録音セッションは数多くの名録音を生み出したセント・ジョンズ・スミス・スクエアで行われ、写真からはコロナ対策として各奏者が距離を置いていたことがうかがわれます。録音はデッカで数多くの録音を制作したニール・ハッチンソン。オーケストラの量感と透明感を両立させ、ソロ楽器の質感と存在感をさりげなく引き立てる絶妙なバランスで仕上がりました。
◎ジャケットについて
AAMレーベルの5作ではジャケットにパウル・クレーの絵を使用。AAM総裁のジョン・マクマンによればホグウッドはクレーの作品を愛好し、オワゾリール・レーベルから出したピアノ協奏曲の最初の4枚にはクレーの絵が使われていました。その後「商売上の理由で変えられた」そうですが、シリーズ完結へ向けて原点に回帰しました。
◎充実した解説書
原盤解説書は英語のみで50ページあり、前述のジョン・マクマンによる当プロジェクト再開の経緯とコロナ禍での録音現場の回想、モーツァルト学者クリフ・アイゼンによる作品解説、ロバート・レヴィンのモーツァルトに寄せる思い、首席フルート奏者レイチェル・ブラウンへのインタビュー、ソロ楽器のみならずメンバー全員の使用楽器の詳細、そしてオワゾリール及びデッカ・レーベルでの8枚とAAMレーベルで予定される5枚の計13枚のジャケット写真などを掲載するなど、大変充実した作りとなっており、制作者がこのプロジェクトにかける思いが伝わってきます。

CD ACCORD
ACD-313(1CD)
NX-C09
チェロとオーケストラのためのポーランドの音楽集
タンスマン:幻想曲- チェロとピアノのために
グラジナ・バツェヴィチ:チェロ協奏曲第1番
ヘンリク・フベルトゥス・ヤブウォンスキ(1915-1989):C-67
ミウォシュ・マギン(1929-1999):チェロ協奏曲
マルチン・ズドゥニク(Vc)
ワルシャワPO
アンドレイ・ボレイコ(指)

録音:2021年9月1-3日、2021年6月2、4日
2019/20のシーズンよりワルシャワPOの音楽監督を務めるアンドイ・ボレイコ。サンクトペ テルブルク生まれですが父方はポーランド系で、ポーランドの音楽には深い愛着を抱いています。 このアルバムでは、チェリスト、マルチン・ズドゥニクを迎え、20世紀に活躍したポーランドの4人の作曲家、タンスマ ン、バツェヴィチ、H.H.ヤブウォンスキとマギンの4作品を演奏しました。これらの作品はどれも違ったスタイルをもって いますが、ポーランドの民俗音楽からインスピレーションを受けるとともに、伝統に則って書かれていることが共通で す。ソリストのズドゥニクは即興演奏やアレンジでも好評を博すチェリスト。現在はワルシャワのフレデリック・ショパン 音楽大学とスタニスワフ・モニュシュコ音楽院で教鞭を執っています。

Dynamic
CDS-7977(1CD)
NX-B03
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 他
チェロ協奏曲 ロ短調 Op. 104
森の静けさ Op. 68No. 5
ロンド ト短調 Op. 94
4つの歌 第1番「私にかまわないで」 Op. 82 No. 1 (エンリコ・ディンドによるチェロと弦楽合奏編)
エンリコ・ディンド(Vc)
トスカーナO
ダニエーレ・ルスティオーニ(指)

録音:2021年2月3-6日
DeccaからCDを出しているチェリストのエンリコ・ディンドがDYNAMICに登場、曲はドヴォルザークのチェロ協奏曲! エンリコ・ディンドは1965年トリノ生まれ。同地のジュゼッペ・ヴェルディ音楽院でアントニオ・ヤニグロらに学び、22歳の時にミラノのスカラ・フィル第一チェ ロ奏者に抜擢され、1998/99シーズンまで務めました。1997年にはパリで開催された"ロストロポーヴィチ国際チェロコンクール"で優勝。これまでにロ ストロポーヴィチをはじめ、リカルド・シャイー、ジャナンドレア・ノセダ、チョン・ミョンフン、パーヴォ・ヤルヴィらが指揮するオーケストラと共演、また各地の音 楽祭でも演奏を重ねてきました。指揮にも情熱を注ぎ、2001年にはイ・ソリスティ・ディ・パヴィアを設立して音楽監督を務めています。 イタリアDeccaにはバッハの無伴奏チェロ組曲や弾き振りによるヴィヴァルディ、C.P.E.バッハ、ハイドンのチェロ協奏曲などの録音がありますが、この度 チェリストにとって大本命のレパートリーの1つドヴォルザークをDYNAMICからリリースします。ダニエーレ・ルスティオーニが指揮するトスカーナO をバックに、協奏曲では朗々と歌う演奏を聴かせ、余白には定番曲の「森の静けさ」と「ロンド」に加え、ディンド自身がチェロ用に編曲した「私にかまわ ないで」を収録。美しい旋律をじっくりと聴かせます。

CPO
CPO-555420(1CD)
NX-B10
ニコライ・ミャスコフスキー:チェロ協奏曲とソナタ集
ミャスコフスキー:チェロ協奏曲 ハ短調 Op. 66
チェロ・ソナタ第1番ニ長調 Op. 12
リャードフ:前奏曲 Op. 11No. 1
 マズルカ Op. 11No. 3
リムスキー=コルサコフ:セレナード Op. 37
ミャスコフスキー:チェロ・ソナタ第2番イ短調 Op. 81
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
サイモン・キャラハン(P)
ヤナーチェクPO
ウカシュ・ボロヴィチ(指)

録音:2020年9月14-16日、2020年10月29-30日
近年注目が高まる作曲家、ニコライ・ミャスコフスキーのチェロ作品を中心に収録した1枚。 主に20世紀前半に活動し、27曲もの交響曲を書き上げたミャスコフスキーの音楽は、生涯にわたり親交を結んだプロコフィエフからの影響も感じさせ ながらも、後期ロマン派の作風に実験的な要素を融合させたものです。彼のチェロ協奏曲は1945年の作品。ソビエトの若いヴィルトゥオーゾ世代のた めのレパートリー拡充という目的のために書かれており、瞑想的なLento ma non troppoで始まり、展開部の代わりに短いソロのカデンツァが置か れるというユニークな構成で、憂鬱な雰囲気の第1主題と、明るく情熱的な第2主題が絶妙なバランスを保っています。続く第2楽章はロンド形式で、 3連符の躍動する主旋律と2つの緩やかなエピソードが特徴。華やかなカデンツァの後、冒頭の主題が再び登場し、瞑想的なコーダへと導かれます。 他にはミャスコフスキーの2曲のチェロ・ソナタと、彼がオーケストレーションの技術を学んだリムスキー=コルサコフに、和声と対位法を学んだリャードフの 作品が配されています。幅広いレパートリーを持つことで知られるチェリスト、ラファエル・ウォルフィッシュの演奏で。


Pentatone
PTC-5187062(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8より
 ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1 RV 269「春」
 ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.8-2RV 315「夏」
 ヴァイオリン協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3RV 293「秋」
 ヴァイオリン協奏曲第4番ヘ短調 Op.8-4RV 297「冬」
ロカテッリ:独奏ヴァイオリン、弦楽器と通奏低音のための『ヴァイオリンの技法』Op.3〜ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3-12「和声の迷宮」
クロエ・チュア(Vn/グァダニーニ製作)
シンガポールSO、
チャン・ユーン・ハン(コンサートマスター)

録音:2022年4月23&24日/エスパラネード・ホール(シンガポール)
2007年生まれのシンガポールの天才ヴァイオリニスト、クロエ・チュア(蔡珂宜)がオランダ名門レーベル「PENTATONE」から堂々のCDデビュー!収録作 品はヴィヴァルディの『四季』とロカテッリの『ヴァイオリンの技法』からヴァイオリン協奏曲 ニ長調「和声の迷宮」で、シンガポールSOのアーティスト・イン・ レジデンスとして共演したレコーディング・デビューになります。
2018年、ユーディ・メニューイン国際コンクールのジュニア部門で優勝したクロエ。11歳での優勝は世界的に話題となりinstagramなどのSNSで彼女の演 奏動画が拡散されました。『四季』の「冬」は同コンクールのガラ・コンサートでも弾いたクロエにとって思い出深い作品。ステージを離れたらあどけなさが残る チャーミングなクロエですが、舞台では10半ばとは思えないほどの堂々たる演奏を披露。『四季』をひとつの物語として息を呑むようなテクニックと抜群の集中 力で奏でております。
1733年に出版されたピエトロ・ロカテッリの代表作、独奏ヴァイオリン、弦楽器と通奏低音のための『ヴァイオリンの技法』。美しい旋律と独奏ヴァイオリンの 華麗な技巧が最大の魅力の作品集ですが、クロエはヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3-12「和声の迷宮」を演奏しており、ヴァイオリンの技巧を余すところなく堪 能できる名演を聴かせてくれます。今後、日本でもブレイク間違いなしの注目ヴァイオリニストです!


Danacord
DACOCD-887(2CDR)
ラウニ・グランデールの遺産 第7集

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61

(2)リムスキー=コルサコフ
(デンマーク語版:テューイェ・テューイェセン):歌劇 「モーツァルトとサリエリ」

(3)ニールセン:歌劇 「仮面舞踏会」 序曲

(4)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23

(5)シューベルト:交響曲第9番(第8番)ハ長調 D.944「ザ・グレート」 - 第1楽章、第2楽章
(1)アドルフ・ブッシュ(Vn)、デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1949年3月17日、デンマーク放送第1スタジオ(コペンハーゲン)(「木曜コンサート」ライヴ)
(2)クリスチャン・ブランケ(テノール/モーツァルト)、ヘンリュ・スケーア(バリトン/サリエリ)、デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1954年11月25日、デンマーク放送第1スタジオ(コペンハーゲン)(「ラジオ・オペラ」)
(3)デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1950年8月11日、フォーラム(コペンハーゲン)(「ラジオ・フェア」実況)
(4)ヴィクト・シューラー(P)、デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1951年9月24日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ロンドン)(ライヴ)
(5)デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1952年12月11日 デンマーク放送第1スタジオ(コペンハーゲン)(「木曜コンサート」ライヴ)
ラウニ・グランデール(1886-1960)の「遺産」シリーズの第7作。デンマーク放送のアーカイブに埋もれていた音源をオリジナル・テープから復元した、1949年3月17日の「デンマーク放送木曜コンサート」から、アドルフ・ブッシュがソロを弾いたベートーヴェンの 「ヴァイオリン協奏曲」、1952年12月11日の「木曜コンサート」のシューベルト 「ザ・グレート」 の第1楽章と第2楽章、デンマーク語版による「ラジオ・オペラ」のリムスキー=コルサコフの 「モーツァルトとサリエリ」。ヴィクト・シューラー(1899-1967)がソリストのチャイコフスキーの 「ピアノ協奏曲第1番」 は、1951年9月、グランデールがイギリス・デビューした時の録音です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

RUBICON
RCD-1106(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ラロ:スペイン交響曲 ニ長調 Op.21
エリノア・ディメロン(Vn)、
アイルランド国立SO、
ハイメ・マルティン(指)
キューバとジャマイカにルーツを持つ注目すべき若手ヴァイオリスト、エリノア・ディメロンのデビューアルバム!わずか2歳でヴァイオリンを習い始め、名教師ザハール・ブロンに師事。彼女は弱冠20歳ながら、技術的にも音楽的にも完璧なコントロールを感じさせる稀有な奏者の一人だと高く評価されており(アイリッシュ・タイムズ紙)、リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクールを含む複数の国際コンクールで第1位を獲得しています。


Urania Records
WS-121407(2CD)
アシュケナージ・プレイズ・ピアノ・コンチェルト・ライヴ

(1)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
(2)ショパン:ピアノ協奏協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
(4)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16
ウラディーミル・アシュケナージ(P)

(1)ベルゲンPO、カルステン・アンデルセン(指)
(2)レニングラード・アカデミーSO、アルヴィド・ヤンソンス(指)
(3)ロサンゼルスPO、ウィリアム・スタインバーグ(指)
(4)ソビエト国立SO、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)

録音:1970年、ベルゲン(グリーグ)、1960年2月21日、レニングラード(ショパン)、1968年7月、ロサンゼルス(ラフマニノフ)、1961年、モスクワ(プロコフィエフ)/STEREO/ADD
1998年にコモ湖近郊で創設されたイタリアのインディペンデント・レーベル【ウラニア・レコーズ(Urania Records)】の歴史的音源の復刻シリーズ(WS規格)より、ウラディーミル・アシュケナージが登場!
本アルバムは、得意のロシアものやショパンをカップリング。ラフマニノフはロサンゼルスで演奏された非常に珍しい録音です。レコーディングが行われた当時は、ジョン・オグドンと優勝を分け合ったチャイコフスキー国際コンクールや、指揮者としての活動も取り組み始めるなど、国際的な名声を確立した時期でもあり、円熟味溢れる演奏とはひと味違う巨匠の若き日の作品への解釈をお楽しみいただけます。

GWK
GWK-157(1CD)
人間性〜チェロと弦楽オーケストラのための作品集
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008):チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲第1番 Op.50
バッハ:アリア(Vcと弦楽のための)(「パストラーレ ヘ長調」 BWV590より)
ペーテリス・ヴァスクス(b.1946):チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲第2番「存在すること」
バッハ:われを憐れみたまえ、おお主なる神よ BWV721(Vcと弦楽のための)
ジモーネ・ドレッシャー(Vc)、
シンフォニエッタ・リガ、
ヤーニス・リエピンシュ(指)

録音:2022年1月11日-13日、改革派教会(リガ、ラトビア)
チェロ界の新星ジモーネ・ドレッシャーのデビュー・アルバム。ドレッシャーはドイツのヘルデッケ市生まれ。デュッセルドルフのシューマン音楽院でゴットハルト・ポップ、ヴァイマル・フランツ・リスト音楽大学でヴォルフガング・エマヌエル・シュミットに学び、ハンス・アイスラー音楽大学でデンマークのトローオルス・スヴァーネの修士課程を修了しました。2021年にコンサート・ディプロマ取得のためのコンサートを終了。バーデン=バーデン・フィルハーモニー、エッセンのフォルクヴァング室内O、ケルン・シンフォニエッタなどのオーケストラと共演、「ハイデルベルク春」をはじめとする欧米の音楽祭とリサイタルに出演しています。
デビュー・アルバムは「Humanity(人間性)」を音楽で示すコンセプトによるプログラム。フィンランドのペール・ヘンリク・ノルドグレンの「チェロ協奏曲第1番」は、アダージョの〈前奏曲 I〉、アレグロの〈前奏曲 II〉、曲の「重心」となるアンダンテの〈讃美歌〉の3楽章の作品。ペーテリス・ヴァスクスの「チェロ協奏曲第2番」は「存在すること」という副題をもち、ソル・ガベッタのために作曲されました。真理を見出す人の一生と再生をイメージして書かれ、「カデンツァ-アンダンテ・カンタービレ」「アレグロ・モデラート」「アダージョ」の3楽章で構成されています。ドレッシャーのこの演奏が、ラトビアのオーケストラによる初めての録音です。
バッハのコラール「われを憐れみたまえ、おお主なる神よ」と「パストラーレ へ長調」の第3曲〈アリア〉は、このアルバムのためにドレッシャーが委嘱、ヴァスクスの協奏曲の話法をモデルに作られた新しい編曲による演奏です。

Avie
AV-2601(1CD)
ミステリウム
バッハ(サミュエル・アドラー編):主よ、人の望みの喜びよ
バッハ(レン・ローズ編):羊は安らかに草を食み、目覚めよと呼ぶ声あり
モーテン・ローリゼン(b.1943)(ガーション&ローリゼン編):おお、大いなる神秘
アン・アキコ・マイヤース(Vn)、
グラント・ガーション(指)、
ロサンゼルス・マスター・コラール

録音:2022年3月21日、ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール(ロサンゼルス)/※収録時間:約18分(4曲)
※全曲世界初録音
40枚目のアルバム「シャイニング・ナイト」がレコード芸術「特選盤」に選ばれるなど、独自の音楽世界を華麗に突き進んでいるアメリカのスーパースター・ヴァイオリニスト、アン・アキコ・マイヤースのAV-ie最新盤。ロサンゼルス・マスター・コラール、指揮者グラント・ガーション、作曲家モーテン・ローリゼン(モートン・ローリゼン)とともに、ローリゼンの合唱曲の傑作「おお、大いなる神秘(オー・マニュム・ミステリウム)」新ヴァージョン(Vnと合唱版)を製作! そして、バッハの3つの人気曲「主よ、人の望みの喜びよ」、「羊は安らかに草を食み」、「目覚めよと呼ぶ声あり」のヴァイオリンと合唱版(いずれも世界初録音となるニュー・アレンジ)の計4曲をカップリングしたミニ・アルバムが登場。神秘的でどこまでも美しく、心洗われるローリゼンとバッハの響きをご堪能ください。
ドイツ系アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれたアン・アキコ・マイヤースは、11歳でロサンゼルス・フィルと共演し以降世界中のトップ・オーケストラと共演。複数のアルバムが米ビルボードのクラシカル・チャートで第1位に輝き、2014年にはビルボードのもっとも売れているクラシック器楽奏者にも選ばれています。2021年にはドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルとの共演でアルトゥーロ・マルケスの『ファンダンゴ』のセンセーショナルな世界初演を成功させ、2022-23年シーズンにウォルト・ディズニー・ホール、カーネギー・ホール、国際セルバンティーノ音楽祭50周年でこの作品の演奏を行う他、デトロイト、ナッシュビル、プリンストン、サン・ディエゴ、サン・ホセ、ツーソンのSOと共演するなど充実したスケジュールを予定しています。

Urania Records
WS-121408(2CD)
ミルシテイン・プレイズ・ヴァイオリン・コンチェルト

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61

(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77

(3)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64

(5)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35

(6)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26
ナタン・ミルシテイン(Vn)
(1) ピッツバーグSO
  ウィリアム・スタインバーグ(指)
  録音:1955年1月10日(モノラル)
(2)フィルハーモニアO
  アナトール・フィストゥラーリ(指)
  録音:1960年6月23日-24日(ステレオ)
(3)フィルハーモニアO
  レオン・バージン(指)
  録音:1959年10月1日-3日(ステレオ)
(5)ピッツバーグSO
  ウィリアム・スタインバーグ(指)
  録音:1959年4月6日(ステレオ)
(6)フィルハーモニアO
  レオン・バージン(指)
  録音:1959年10月1日-3日(ステレオ)

STEREO/MONAURAL(ベートーヴェンのみ)/ADD
1998年にコモ湖近郊で創設され今年創立25周年を迎えたイタリアのインディペンデント・レーベル【ウラニア・レコーズ(Urania Records)】の歴史的音源の復刻シリーズ(WS規格)より、名ヴァイオリニスト、ナタン・ミルシテインの協奏曲集が登場!
ウクライナ(当時はロシア)・オデッサ出身のユダヤ系であるナタン・ミルシテインは、ハイフェッツなどと並び20世紀を代表するヴァイオリニストの一人として数多くの名録音を後世に遺してくれました。ここに収録されるのは一部ではミルシテインの絶頂期ともいわれている1950年代後半から60年にかけてEMIなどにレコーディングした協奏曲集。これは2016年にも一度当レーベルから復刻されたもののわずか数ヶ月で完売し廃盤となっていましたので、パッケージングも新たにした今回の再発売は待望のニュースと言えるでしょう。ミルシテインの美音に酔いしれる“5大ヴァイオリン協奏曲”とでも呼ぶべき珠玉の名曲集を、ウラニア・レコーズの高品質な復刻で余すところなくお楽しみください。

Indesens Calliope Records
IC-004(2CD)

OIC-004(2CD)
国内盤仕様
日本語解説&日本語曲目表記オビ付き
税込定価
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV.1046
ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV.1047
ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV.1048
ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV.1049
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050
ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV.1051カンタータ第174番 「われ、いと高き者を心を尽くして愛しまつる」 BWV.174
ヴァンサン・ベルナール(ハープシコード、指揮)
クライペダ室内O

録音:2021年、クライペダ・コンサートホール(リトアニア)
※国内盤:解説:ヴァンサン・ベルナール(日本語訳:白沢達生)
フランスのレーベル、IndesensとCalliopeがIndesens Calliope Records(アンデサンス・カリオペ・レコーズ)としてリニューアル。国際的に活躍する古楽演奏家、音楽学者のヴァンサン・ベルナールと、彼が指揮するリトアニアの気鋭のオーケストラ、クライペダ室内Oによる大バッハの名作、「ブランデンブルク協奏曲」 全曲録音が登場。
ヴァンサン・ベルナールは、メス、リヨンからシュトゥットガルト音楽大学、バーゼル・スコラ・カントルムへと渡り、オルガン、チェンバロ、通奏低音、ヒストリカル・オルガンの演奏法の研鑽を積み、多くの国際コンクールで入賞。自身が創設したフランスのピリオド・アンサンブル、イル・デリリオ・ファンタスティコとのヴィヴァルディ作品集に続き、2020年にCalliope(カリオペ)からリリースされたバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻(CAL2070)でも国際的に高い評価を得ています。
本アルバムでも、アンドレア・マルコンやイェスパー・クリステンセン、イヴ・レヒシュタイナー、ベルンハルト・ハースといった世界的名手たちから授けられたバッハの解釈をもとに、この偉大な作品の神髄に迫ります。

GRAND SLAM
GS-2285(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 パブロ・カザルス(Vc)、
アレクサンダー・シュナイダー(指)、
プエルト・リコ・カザルス音楽祭O

録音:1960年6月14日/サン・フアン、プエルト・リコ大学講堂
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(放送用録音)
■制作者より  
カザルスが1960年のプエルト・リコ・カザルス音楽祭で弾いたドヴォルザークのチェロ協奏曲は、LP復刻を含め、いくつかの復刻盤が存在します。しかしなが ら、今回入手した2トラック、38センチのオープンリール・テープは間違いなく最上の内容であり、1960年のステレオ・ライヴとしては上々の音質です。初出と されるエヴェレストのLP(SDBR 3083)と比較しても、全体の情報量は3割り増しと言って良いでしょう。80代前半のカザルスの演奏は異形な熱演であり、初 めて聴くと、曲想を逸脱しているのではないかと思うほどです。しかし、そのあとで他のチェリストの演奏を聴くと、彼らの演奏がいかにも平坦に聴こえるのも事実 です。はやり、看過出来ぬ偉大な記録でしょう。  なお、解説書にはHMVのプロデューサーだったF・W・ガイズバーグの「パブロ・カザルスの思い出」を掲載しています。こちらも、大変に興味深い読み物です。 (平林直哉)


Treasures
TRE-284(1CDR)
超厳選!赤盤名演集Vol.9〜_メニューイン/バルトーク&ベートーヴェン
バルトーク(シェルイ編):ヴィオラ協奏曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ユ−ディ・メニューイン(Vn)
アンタル・ドラティ(指)
オットー・クレンペラー(指)*
ニュー フィルハーモニアO

録音:1966年9月28-29日、1966年1月22,22,24,25日*(共にステレオ)
※音源:TOSHIBA AA-8257、HA-1186*
◎収録時間:66:24
“弱音のニュアンスに逃げず呼吸の持久力で作品の精神を徹底音化!”
■音源について
「東芝の赤盤」は、音にしっかり芯が宿り、音場は豊かに広がり、音を発した瞬間に音の粒子まで感じさせる手応は格別です。英国EMIから技術者を招いて始動し、英仏メタルを用いてプレスしていた当時の川口工場(1955年発足)の優秀な技術が結果的に赤盤に集約されたのではないでしょうか。事実、1971年に御殿場に大工場を新設して以降、音質は下降の一途を辿り、赤盤もなくなりました。
 ただし、初期の盤はビニールの素材が関係しているのか微妙なチリチリノイズの混入率が高く、CD-R復刻に際してはそれが回避された第二版以降にも耳を通すことが不可欠となります。採用した2枚の赤盤は、音質も盤質も極めて優秀です。。

バルトークは、希望と不安が入り混じったような冒頭テーマの微妙なニュアンスの全てを可能な限り炙り出そうと専心。その決して陰鬱に傾くまいとするメニューインの意思の強さに先ず打たれます。第1楽章5:12付近からのリズムの湧き立ち方はまさに希望の象徴として響き、不遇な最晩年のバルトークが、必死に光を見出そうとしている姿とも重なります。後半8:22からは諦めと慰めが交錯し、まるで自問自答しているかのような語り掛けが印象的。しかもフレージングの息がとても長く、その間に緊張がしっかり保たれています。第2主題(2:44〜)では、ニュアンスを後から上乗せするのではなく、あくまでも内面から抉り出す姿勢をはっきり確認でき、それがまた音楽の淀みのなさに繋がっていると思われます。
第2楽章の清らかな空間表出は、暗く埋没しないメニューインの音作りの特徴とも合致して、これまた説得力大。終楽章は、ヴィヴァーチェを技巧重視で突っ走るだけでやり過ごす演奏が多い中、メニューインはここでも「語り」を忘れません。とかく技術的な弱さを指摘されることの多いメニューインですが、技巧の完璧さよりも譲れないものがあるからこそ編集等の細工をせず世に問うているのです。第一、音楽を破綻させるような不備など他の録音も含めて聴いたことがありませんし、ここでは生命力漲る真の技巧を披露しています。特に最後の追い込み方!感情に任せることなく音楽の芯のみを加熱させていくので、痛快さとは違う余韻が漂うのです。
そして忘れてならないのは、初演も努めたドラティの確信的な指揮。録音の良さも踏まえると同曲最高峰の名演あることは間違いないでしょう。
 メニューインによるベートーヴェンの協奏曲は、フルトヴェングラーとの共演盤ばかりが注目されがちですが、ステレオ録音の全てが高い説得力を誇ることは疑いようもありません。特にシルヴェストリ盤とクレンペラー盤では、微細なニュアンスまでそっくりの演奏であることから、この作品のアプローチはこの時期に完全に固まり絶対的な確信を持っていたことが窺えますが、それでもマンネリに陥らずに瑞々しい表情を保っているのですから驚きです。もちろん、両者に甲乙など付けられませんが、あえて言うなら全体の一体感はシルヴェストリ盤、個々の芸の深みを味わうならクレンペラー盤でしょうか。今回はバルトークとの録音の質感の近さからクレンペラー盤を紹介させていただく次第です。
 「平和で楽しく仕事を終える」ことを最優先させる指揮者などほとんどいなかった時代に、唯我独尊を貫き通した最後の大指揮者はクレンペラーではないでしょうか?第1楽章冒頭のティンパニから孤高感全開!低弦の張り出しも強靭。決して枯れた芸ではありません。9:23からの緊張は、思わず腰が引けるほど。
メニューインはどこまでも自然体を貫き、神妙さな雰囲気を繕う素振りなど微塵もなく、こちらも自身の信じる芸を貫徹。11:25以降に見られるように、これみよがしの弱音を用いずに旋律線を克明に描いて末端まで血を通わせるスタイルも盤石。12:44からの旋律への移行時にほとんどリテヌートせずに淡々と進行。必要以上のコントラスト付加を避けて呼吸の長さと緊張の持続が図られています。カデンツァは感覚的な美しさやスマートさとは無縁。恐るべき集中を見せながら人間的な温もりも決して蔑ろにしない芸は、まさに人間力の為せる技としか言いようがありません。その後のテーマ再現も弱音に埋没せずにくっきりと旋律を引き出すことの重要さを思い知らされます。
 弱音に逃げないと言えば第2楽章。特に高音の上行音型の結尾は媚びたような表情に陥りがちですが、それをしないのがメニューイン。終楽章はまずクレンペラーの指揮が最高次元に昇華!と同時にメニューインも内燃力をマックスに引き上げ、その相乗効果で破格の名演奏を実現させています。第2副主題(8:32〜)がこれほどハリツヤを保持して飛翔する例も珍しく、その神々しさはクレンペラーの美学とも絶妙な化学反応を起こして感動的ですし、カデンツァ以降は全てが渾然一体となって押し寄せる音楽の力に言葉を失うばかりです。【湧々堂・2023年1月】

H.M.F
HMSA-0064(2SACD)
シングルレイヤー
日本語帯・解説付
国内盤仕様
税込定価
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全6曲) ベルリン古楽アカデミー
イザベル・ファウスト(Vn/ヤコブス・シュタイナー(1658年製))、
アントワン・タメスティ(ヴィオラ/1672年製ストラディヴァリウス「マーラー」)

録音:2021年3,5月 録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
ハルモニアムンディ・レーベルの名盤をSACDでお届けする日本限定企画、限定盤。ハルモニアムンディから、ハイレゾマスターをライセンスし、キング関口台スタ ジオで角田郁雄氏技術監修のもと、入念なリマスタリングを施しました。
ベルリン古楽アカデミーのブランデンブルク協奏曲!これだけでも心躍るのに、なんとイザベル・ファウストとアントワン・タメスティという世界的名手がゲストに 登場しているという、前代未聞のスケールの録音の登場です。ベルリン古楽アカデミーは1998年にブランデンブルク協奏曲を録音(HMM 931634)、以降幾度 となく演奏会でも取り上げており、まさにかれらの手中に完全に収められたもの。自由自在、余裕たっぷりにあそびのあるアンサンブルが展開されております。ま た、ファウストとはバッハのヴァイオリン協奏曲集(KKC 6219/ HMM 902335)で素晴らしい録音を成し遂げ、タメスティともテレマンの協奏曲プロジェクトで お互いをよく知り尽くした上でのレコーディングとなっております。 
ファウスト、タメスティ両名が参加している第3番では終楽章の目もくらむようなスピード 感で展開されるパッセージが圧巻!ファウストが参加している第4番はリコーダーが活躍する楽曲ですが、ファウストの攻めに攻めた、典雅で超絶技巧のパッセージ もまた聴きもの。第6番はヴァイオリンが含まれない少し珍しい編成の作品ですが、ヴィオラのタメスティの存在感が際立っています。ほかにもアルパーマンの雄弁 すぎるチェンバロや、管楽器の面々のうまさ!語りつくせぬ聴きどころの連続ですが、まるで6曲全体がひとつの大きな組曲であるように感じるくらい、ひといきに 聴いてしまいます。作品当時の奏者たちも高い技巧の持ち主だったことは夙に知られるところですが、あらためてその史実に驚きとともに思いをはせると同時に、 当時の演奏の現場の熱気と活気、そして聴衆たちの興奮までもが再現されているよう。即興感と心地よい疾走感に満ちた、尋常ならざる熱気とエネルギーと気魄 にみなぎった演奏です。 (Ki)

CANARY CLASSICS
CC-22(1CD)
スティーヴン・マッキー(1956-):作品集
「美しき終わり」〜ヴァイオリンとオーケストラのための
「ムネーモシュネーの泉」〜オーケストラのための*
アントニー・マーウッド(Vn )
デイヴィッド・ロバートソン(指)シドニーSO

録音:2015年6月1-6日、2017年8月21-26日*/シドニー・オペラハウス・コンサートホール
アメリカの作曲家、ギタリスト、スティーヴン・マッキーのオーケストラ作品2篇。シドニーSOの新作委嘱作です。
ヴァイオリンとオーケストラのための「Beautiful Passing〜美しき終わり(死)」は、2004年食道がんで亡くなった母を看病した経験を思い出し書き上げた 作品。死期が迫る中、「スティーヴン、悲しまないで。私は素晴らしい人生を歩んだから。私は美しき終わり(死)を迎えたと、みんなに伝えてね」という、忘れられ し母との会話を思い出し、悲しみを乗り越え、生命力に満ちた作品を書き上げました。ピアノを含む音響効果抜群の打楽器と、終始演奏されるヴァイオリン独奏が 織りなす単一楽章約25分の作品。2度あらわれるヴァイオリンのカデンツァも非常に印象的です。現代音楽を得意とするイギリスのヴァイオリニスト、アンソニー・ マーウッドが非常に美しく、時に荒々しく演奏しております。
オーケストラのための「Mnemosyne’s Pool〜ムネーモシュネーの泉」は全5楽章、演奏時間約42分の作品。ギリシア神話に登場する記憶を神格化した女神 であるムネーモシュネー。そのムネーモシュネーの泉を探してその水を飲み、転生に伴う忘却を免れなければならないとした、神話に基づくマッキーの意欲作です。 (Ki)

DOREMI
DHR-8195(2CD)
アルトゥール・ルービンシュタインLIVE 第1集

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(2)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
(3)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
(4)ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53
(5)ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
ショパン:マズルカ ハ短調 Op.56-3
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)

(1)ヘンリク・チシ(指)フランス国立O
 録音:1974年3月13日パリ
(2)クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)、ケルンRSO
 録音:1966年5月23日チューリッヒ
(3)ポール・パレー(指)デトロイトSO
 録音:1960年1月7日デトロイト
(4)録音:1974年3月13日パリ
(5)録音:1959年10月6日ロンドン
ルービンシュタインの珍しいライヴ音源集。聴き応えある協奏曲3曲と、ショパンの独奏曲を収録しています。ブラームスの1番で共演しているヘンリク・チシは ポーランドの指揮者で、アントニ・ヴィトの師匠。 (Ki)

Chandos
CHAN20192(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.7
歌劇「フィガロの結婚」序曲
ピアノ協奏曲第24番 ニ短調 KV 491*
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 KV 503*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*、
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2022年3月27日-28日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第7弾では、モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも「第20番」と「第24番」しかない短調の作品から「第24番」を収録。またモーツァルトのピアノ協奏曲の中では最大の編成を持っており、その情熱的な協奏曲は今でも多くの聴衆に深い感動を与えています。1786年という同じ年に作曲されたモーツァルトらしい華やかな曲想に溢れた「第25番」とガボル・タカーチ=ナジ指揮マンチェスター・カメラータによる歌劇「フィガロの結婚」への序曲も聴き逃せません。これまでも名演奏を繰り広げてきたジャン=エフラム・バヴゼの至芸をたっぷりとお楽しみください。

Etcetra
KTC-1697(1CD)
テナー・トリビュート〜テナーサックス、ピアノとオーケストラのための作品集
リチャード・ロドニー・ベネット:スタン・ゲッツのための協奏曲(1990)、
 バラード - シャーリー・ホーンの追憶に(2005)
デイヴ・ヒース:コルトレーン(1965)
ヤコプ・テル・フェルトハウス(JacobTV):May This Bliss Never End(1996)
アダム・ケアード:Out of Line(2007)
イェロン・ファンベイファー(テナーサックス)、
ルーカス・ヘイテンス(P)、
カスコ・フィル
コンサートホールでもジャズクラブでも、ジャンルの垣根を越えて活躍するベルギーの若きサックス奏者、イェロン・ファンベイファーのデビュー・アルバム。クラシックの作曲技術とジャズ、ポップス、ワールドミュージックの要素をうまく組み合わせた、革新的で美しいクロスオーバー作品を収録した本作は、テナーサックスだけでなく、スタン・ゲッツ、ジョン・コルトレーン、チェット・ベイカー、シャーリー・ホーンといったジャズのレジェンドや、クロスオーバーレパートリー全般に捧げる賛歌となっています。

Goodies
78CDR-3893(1CDR)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 BWV1052 ヨーゼフ・シゲティ(Vn)
フリッツ・シュティードリー(指)
ニュー・フレンズ・オブ・ミュージックO

米 COLUMBIA 11379/81-D
1940年4月24日ニューヨーク、リーダークランツ・ホール録音
バッハのチェンバロ協奏曲第1番ニ短調 BWV1052の原曲。ヨーゼフ・シゲ ティ(1892-1973)はハンガリーのブダペスト生まれ。ブダペスト音楽院でイェノ ・フバイ(1850-1937)に師事した。1905年、13歳でベルリン・デビュー、大ヴァ イオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)に認められた。1917年から24年 にスイスのジュネーヴ音楽院で教え、1940年にアメリカに移住した。指揮者の フリッツ・シュティードリー(1883-1968)はウィーン生まれ。ウィーン大学で法 学を学んでいた時、マーラーに楽才を見いだされマーラ ーの助手としてウィーン宮廷歌劇場より任命された。1933年ヒトラーへの反撥 からドイツを去り、1934年から37年までレニングラード・フィルハーモニー管 弦楽団の首席指揮者をつとめた。1937年にアメリカに移住し、ニューヨークの ニュー・フレンズ・オブ・ミュージックOの指揮者になった。(グッディーズ)

Capriccio
NYCX-10375(1CD)
国内盤仕様
ニコライ・カプースチン(1937-2020):ピアノ協奏曲第4番 Op. 56(1989)
ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 Op. 105(2002)
室内交響曲 Op. 57(1990)
フランク・デュプレー(P)
ロザンネ・フィリッペンス(Vn)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O
カーセ・スカリョーネ(指)

録音:2020年10月26-31日 Erlenbach, Sulmtalhalle(スイス)、2020年12月3、4日 Heilbronn, Harmonie(ドイツ)
同内容の既発輸入盤…C5437
ニコライ・カプースチン(1937-2020)は現ウクライナのドンバス地方(当時はソ連の一部)に生まれました。アメリカ発の短波放送Voice of Americaで聴い たジャズに魅了され、名門モスクワ音楽院で学ぶ間にジャズ・ピアニスト及び作曲家として評判を得ます。近年日本でも人気急上昇中のカプースチンの曲は 「ジャズっぽいクラシック」というよりもジャズそのもの。しかしホットなアドリブが展開しているような箇所でもすべてが音符として書きこまれていることに驚かされま す。音楽院卒業後はジャズとクラシック双方のオーケストラに加わり、放送局のオーケストラでは当時の最先端の音楽から映画音楽まで非常に広いレパート リーを演奏し、この経験がオーケストレーションのセンスを磨くのに役立ちました。 ここに収められた3曲はいずれも演奏時間20分前後の曲。ピアノ協奏曲第4番は冒頭からノリの良いリズミカルな音楽が展開し、ジャズ・パーカッショニストの 経歴を持つピアニスト、フランク・デュプレーが切れの良い演奏を聞かせます。ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲は古き良きアメリカン・ポッ プスを思わせるテイストで、歌とスイング感にあふれたヴァイオリンのカンタービレが更なる魅力を加えます。室内交響曲はカプースチンとしてはモダンな作風。カ プースチンの三つの顔を味わえるアルバムです。
※国内仕様盤には音楽全般(クラシック、ジャズ、映画音楽など)を深く掘り下げて、分かりやすく伝えることで定評の小室敬幸氏の解説が付属します。
Capriccio
C-5495(1CD)
NX-B07
ニコライ・カプースチン(1937-2020):1. ピアノ協奏曲第5番 Op. 72(1993)
2台のピアノとパーカッションのための協奏曲 Op. 104(2002)
シンフォニエッタ Op. 49- 4手ピアノのために(1986)
フランク・デュプレー(P)
アドリアン・ブレンドル(P)
マインハルト・OBI・イェンネ(ドラムセット)
フランツ・バッハ(パーカッション)
ベルリンRSO
ドミニク・ベイキルヒ(指)

録音:2022年1月5-7日、2022年8月4-5日
ジャズ・パーカッショニストの経歴を持つ異色のピアニスト、フランク・デュプレーによるカプースチン・プロジェクト。 ピアノの名手だったカプースチンはピアノと管弦楽のためにも数多くの曲を書いており、番号付きのピアノ協奏曲だけでも6曲あります。第5番は演奏時間20 分ほどの単一楽章の曲。カプースチンはモスクワ音楽院在学中からジャズ・ピアニスト及び作曲家として評判になっており、卒業後もジャズ・バンドに参加して 活動しました。同時にモスクワRSOのピアニストとして演奏会に参加。当時の首席指揮者ゲンナジ・ロジェストヴェンスキーの意向で現代曲や西側 作品にも参加しました。こうした経験はピアノ協奏曲第5番のオーケストレーションにも反映され、一聴完全にジャズでありながらシンフォニックな緻密さは現代 音楽の場数を踏んだ練達の域に達しています。ニコライ・ペトロフに献呈され、ピアノ・パートは超絶技巧を要します。2018年には日本初演が行われて話題 になりました。 他の2曲も20分弱の曲で、2台のピアノや4手連弾によるジャズ風のインタープレイが見事です。即興と思わせる音楽の全てが楽譜に書きこまれているという ことにも驚かされます。

ONDINE
ODE-1420(1CD)
NX-B07
ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):ハープ協奏曲「Sigla」 他
Flounce(2017)
Sigla(2022) - ハープと管弦楽のための
Sedecim(2016)
シヴァン・マゲン(Hp)
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2021年12月、2022年5月、2022年10月
ニコラス・コロンとフィンランド放送響のONDINE第3弾は、ロッタ・ヴェンナコスキの作品集。 アルバム冒頭の「Flounce」はBBCプロムスの委嘱作で、フィンランド独立100周年にあたる2017年のラスト・ナイト冒頭を飾りました。「5分以内で、祝祭 的な雰囲気を持つこと」という条件で書かれたこの作品は、 リズミカルな部分と落ち着いた中間部を持ち、聴衆と批評家の双方から高い評価を受けまし た。実質的なハープ協奏曲である「Sigla」は、イスラ エル出身で2017年からフィンランド放送響の首席ハープ奏者を務めるシヴァン・マゲンのために書かれ た作品。ハープ特有の美しく幻想的な音色を最大に生かすとともに、時には荒々しいサウンドも引き出し、この楽器に新たな表現を切り開いています。最後 の「Sedecim」はラテン語で「16」。1916年に創設されたシベリウス・アカデミーSOの100周年を記念する委嘱作で、ヴェンナコスキはオーケストラ創 立当時を想像し、その雰囲気を描いています。

WERGO
WER-7389(1CD)
SAX〜現代サクソフォン協奏曲集
(1)ペーテル・エトヴェシュ(1944-):フォーカス 〜サクソフォンと管弦楽のための協奏曲(2021)
(2)ゲオルク・フリードリヒ・ハース(1953-):協奏曲 〜バリトンサックスと管弦楽のための(2008)
(3)ヴィキンタス・バルタカス(1972-):サクソルディオンフォニクス 〜ソプラノサックス、アコーディオンと室内オーケストラのための(2013)
(4)ヨハネス・マリア・シュタウト(1974-):暴力的なできごと ブルース・ナウマンを讃えて 〜サクソフォン、木管アンサンブルと打楽器のための(2005/06)
マルクス・ヴァイス(各種サクソフォン)
テオドロ・アンゼロッティ(アコーディオン(3))
ケルンWDRSO((1)-(3))
エレナ・シュヴァルツ(指揮(1))
エミリオ・ポメリコ(指揮(2)(3))
ウィンドクラフト・チロル((4))
カスパー・デ・ロー(指揮(4))

録音:(1)2022年1月15日、(2)2008年4月21-30日、(3)2013年4月28日、(4)2007年2月8-10日
(1)(2)世界初録音
サクソフォンが発明されて約180年、クラシカルな楽器の中で比較的新しいこの楽器は、近年、その地位が確立され大いに活躍する「協奏曲」という形で輝かし く発展しています。
マルクス・ヴァイスは最も成功したクラシック・サクソフォン奏者と称され、数多くの新作を初演し、サクソフォンの可能性を開拓し続けている名手。ここに収録さ れた4曲はすべて彼が初演を務め、うち3曲は彼にささげられています。アルバムを通してソプラノ、アルト、テナー、バリトンと各種サクソフォンが登場。非常に技 巧的なエトヴェシュの『フォーカス』、クリスタルなサウンドが個性的なバルタカスの『サクソルディオンフォニクス』など、音色と表現の限りない幅広さに驚かされ る注目作です。 (Ki)

APARTE
AP-299(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(Vn)
クリスティアン・ベザイデンホウト((指)フォルテピアノ)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2021年8月20-24日 フライブルク・アンサンブルハウス
フライブルク・バロックオーケストラがゴルツの独奏でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲に挑戦しました。なんと名フォルテピアノ奏者クリスティアン・ベザイ デンホウトも通奏低音のみならず指揮にまで挑戦。そこではモーツァルト時代の慣習に従い即興を見せているのも興味津々で、贅沢の極みの通奏低音となって います。
ゴルツは1720年カルト・アントニオ・テストーレ製作のバロック・ヴァイオリンを使用。驚くべきパワーと生気に富む演奏で、初めて聴くかのように新鮮な魅 力に満ちています。 (Ki)

PAN CLASSICS
PC-10445(1CD)
バッハ:復元版室内協奏曲集
6声の室内協奏曲 ニ短調 BWV1063R(原曲:3台のチェンバロのための協奏曲)〜リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、通奏低音
協奏曲 変ロ長調 BWV525&1032による(原曲:オルガン独奏のためのトリオ・ソナタ、フルート・ソナタ)〜リコーダー、オーボエ、ファゴット
室内協奏曲 ニ長調 BWV1064R(原曲:3台のチェンバロのための協奏曲)〜3つのヴァイオリン、ヴィオラ、ファゴット
5声の室内協奏曲 ト長調 BWV592&592aによる(原曲:エルンスト公の作品を編曲したオルガン協奏曲)〜リコーダー、ヴァイオリン、ヴィオラ、ファゴット、通奏低音
パッサカリア BWV78による(カンタータ『イエスよ、汝わが魂を』)〜リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音
6声の協奏曲 BWV1059R(原曲:チェンバロ協奏曲)〜リコーダー、3つのヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音
5声の室内協奏曲 ヘ長調 BWV1047R(原曲:ブランデンブルク協奏曲第2番)〜リコーダー、オーボエ、ホルン、ヴァイオリン、通奏低音
ミヒャエル・フォルム(リコーダー、指)
オゥ・ピエ・ドゥ・ロワ

録音:2022年7月11-14日/スイス、聖パンタレオン教会
テレマンから引き継いだ合奏団「コレギウム・ムジクム」を率いてカフェ・ツィンマーマンで毎週コンサートを開催していたライプツィヒ時代のバッハ。いくつもの 器楽曲を用意する必要があり、またカフェでは複数台のチェンバロを使うことができたため、過去の自作協奏曲をチェンバロ協奏曲に編曲しています。その中には 編曲前の譜面が失われている曲があり、今ではオリジナルの形を復元した版による演奏も広く行われています。
リコーダー奏者のミヒャエル・フォルムは、自らの楽器を活躍させつつ、ソロと伴奏の区別のない「室内協奏曲」の形でチェンバロ協奏曲から独自の復元版を作 り演奏しています。さらにオルガン作品やカンタータ、ブランデンブルク2番なども同様に編曲して収録。バッハの音楽が新鮮なサウンドに生まれ変わっています。 (Ki)


Profil
PH-22080(6CD)
ヨハンナ・マルツィ〜協奏曲とソナタ集
■Disc1
(1) ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
(2) ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
■Disc2
(1) モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
(2) 同:ヴァイオリン・ソナタ第24番ヘ長調K.376
(3) シューベルト:幻想曲ハ長調Op.159, D934
■Disc3
(1) メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
(2) ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調Op.30の3
(3) シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ(二重奏曲)イ長調D574
■Disc4
シューベルト
(1) ソナチネ第1番ニ長調D384
(2) ソナチネ第2番イ短調D385
(3) ソナチネ第3番ト短調D408
(4) 華麗なるロンド ロ短調
■Disc5
バッハ
(1) 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調BWV1001
(2) 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番ロ短調BWV1002
(3) 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調BWV1003
■Disc6
(1) 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004
(2) 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005
(3) 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調BWV1006
ヨハンナ・マルツィ(Vn)

■Disc1
フェレンツ・フリッチャイ(指)RIASSO(1)、
パウル・クレツキ(指)フィルハーモニアO(2)
■Disc2
オイゲン・ヨッフム(指)バイエルン放送室内O(1)、
ジャン・アントニエッティ(P)(2)(3)
■Disc3
パウル・クレツキ(指)フィルハーモニアO(1)、
ジャン・アントニエッティ(P)(2)(3)
■Disc4
ジャン・アントニエッティ(P)

録音:Disc1:1953年6月10-12日イエス・キリスト教会(ベルリン)(1)、1954年2月15-17日キングズウェイ・ホール(ロンドン)(2)
Disc2:1952年11月ミュンヘン(1)、
1952年7月9-10日ハノーファー、ベートーヴェン・ザール(2)、
1955年11月9-12日ベルリン(3)
Disc3:1955年12月20-21日キングズウェイ・ホール(ロンドン)(1)、
1952年7月7-8日ハノーファー、ベートーヴェン・ザール(2)、
1955年9月26日、11月13日ベルリン(3)
Disc4:1955年11月9-12日ベルリン
Disc5:1955年3月26-27日(1)、
4月27-30日(2)、3月27-31、4月1-2日(3)アビーロード・スタジオ(ロンドン)
Disc6:1954年7月24-26日(1)、
5月1、6月1-3日(2)、
1955年5月15-18日(3)アビーロード・スタジオ(ロンドン)
ヨハンナ・マルツィ(1924-1979)はハンガリー出身の名女流ですが、東西冷戦やセクハラのあおりを受け録音に恵まれていません。しかしフリッチャイとのド ヴォルザークの協奏曲などは今日でも同曲を代表する名演と評されています。
そのマルツィの名演を集め6枚のセットにした好企画。前述ドヴォルザークや彼女のトレードマークとなっているバッハの「無伴奏ヴァイオリンのソナタとパル ティータ」ももちろん収録。マルツィの至芸をお手頃価格で堪能できる稀有なBoxと申せましょう。 (Ki)

Forgotten Records
fr-1854(1CDR)
ブロニスワフ・ギンペル〜ブラームス&クライスラー
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
クルト・クレーメル編曲:クライスラー・トランスクリプションズ#[愛の喜び/愛の悲しみ/美しきロスマリン/セレナード「ポリシネル」/R=コルサコフ:「アラブの踊り」(「シェヘラザード」より)/ウィーン奇想曲/中国の太鼓/ラフマニノフ:「ひなぎく」 /ファリャ:「スペイン舞曲」]
ブロニスワフ・ギンペル(Vn)
アルトゥール・グリューバー(指)ベルリンSO*
クルト・クレーメル(指)シュトゥットガルト・プロ・ムジカO#

録音:1958年頃#、1960年頃*
※音源:Opera 3238*、St-1932* 他
Forgotten Records
fr-1860(1CDR)
ワーナー・ジャンセン
カスキ:「ショウ・ボート」の主題によるオーケストラの為のシナリオ
バーバー:演奏会用序曲「悪口学校」 Op.5
バーナード・ハーマン:ピアノ協奏曲(映画「戦慄の調べ」」より)
デイヴィッド・ラクシン:映画「ローラ殺人事件」 〜ローラのテーマ
タンスマン:映画「肉体と幻想」 〜スケルツォ
マックス・ラビノヴィチ(P)*
ワーナー・ジャンセン(指)ロサンゼルス・ジャンセンSO

録音:1942〜1945年
※音源:Camden CAL-205

Channel Classics
CCS-45223(1CD)
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番ニ長調 Op. 19
ヴァイオリン協奏曲 第2番ト短調 Op. 63
マリア・ミルシテイン(Vn)
フィオン(ヘルダーラント&オーファーアイセルO
オットー・タウスク(指)

録音:2022年5月 エンスヘデ音楽センターMCO、オランダ
モスクワで音楽一家に生まれ、ベルギーでオーギュスタン・デュメイに師事したというフランス系ロシア人のヴァイオリニスト、マリア・ミルシテイン。 MIRAREレーベルから、妹でピアニストのナタリア・ミルシテインとのデュオ・アルバムを2枚リリースしているほか、ブッシュ三重奏団によるドヴォル ザークのピアノ五重奏曲(ALPHA403)にゲストで参加するなど、幅広いアーティストから信頼を得ている実力派がCHANNEL CLASSICS に登場します。プロコフィエフが二十代で書いた、瞑想的な曲想と動きのある曲想の交錯がモダンな印象を与える第1番、四十代に書かれ、 やや古典に回帰しつつ打楽器の用法やリズムが特徴的な第2番という、2つのヴァイオリン協奏曲を収録。両親ともにプロコフィエフを好んで いたというミルシテインは、ダヴィッド・オイストラフの録音で第1番を初めて聴いた時の強烈な印象、数年後に第2番を聴いた時に感じた美し さと奥深さを忘れられない思い出として、いつかは自分でこの作品を録音してみたいと強く願っていたとのこと。念願の叶ったこのアルバムで彼 女は、思い入れの深さを聴く者にひしひしと感じさせる伸びやかなカンタービレ、持ち前の高い技術と表現力を存分に発揮した躍動的なパッ セージなどをたっぷりと聴かせています。

CPO
CPO-555151(2CD)
NX-D11
ルイ・シュポア(1784-1859):クラリネットと管弦楽のための作品全集
クラリネット協奏曲第1番ハ短調 Op. 26
クラリネット協奏曲第2番変ホ長調 Op. 57
アルルーナの主題による変奏曲 WoO 15
ペーター・フォン・ヴィンターの歌劇「妨げられた奉献祭」の2つの主題によるポプリ Op. 80
ダンツィの主題による幻想曲と変奏曲 Op. 81-クラリネットと弦楽四重奏のために
. クラリネット協奏曲第3番ヘ短調 WoO 19
クラリネット協奏曲第4番ホ短調 WoO 20
クリストファー・スンドクヴィスト(Cl)
ハノーファー北ドイツ放送PO
ジモン・ガウデンツ(指)

録音
2017年1月24-27日、2019年6月24-28日
ルイ・シュポアのクラリネットのための作品全集。アルバムには4曲の協奏曲をはじめ、当時活躍したドイツの名手ヨ ハン・ジモン・ヘルムシュテット(1778-1846)のために作曲されたクラリネットとオーケストラのための作品が収録さ れています。ヘルムシュテットはその卓越した技巧と、多彩な音色で人気を博し、ゲーテも彼の演奏を称賛したと いわれます。演奏はフィンランド放送響の首席クラリネット奏者クリストファー・スンドクヴィスト。

ONDINE
ODE-1419(1CD)
NX-B07
アルトゥルス・マスカツ(1957-):アコーディオン協奏曲/タンゴ 他
タンゴ(2002)
アコーディオン協奏曲「What the Wind Told Over the Sea 海を渡る風が語るもの」(2021)
カントゥス・ディアトニクス(1982)
” わたしの川はあなたへと流れる
 エミリー・ディキンソンへのオマージュ(2019)
アルトゥルス・ノヴィクス(アコーディオン)
クセーニャ・シドロワ(アコーディオン)
ラトヴィア国立SO
アンドリス・ポーガ(指)

録音:2022年3月11-12日、2022年9月2-3日
アルトゥルス・マスカツはラトヴィアの作曲家。1996年からラトヴィア国立歌劇場の芸術監督を務め、主として歌劇や演劇の分野で活躍、ラトヴィアの文化 向上の一端を担っています。彼の多くの作品は調性感があり、聴きやすく時にロマンティックな味わいを持っています。このアルバムに収録された「タンゴ」は 2003年に開催された「第3回マスタープライズ国際作曲コンクール(英国)」のファイナリスト作品の一つとして国際的に注目され、以来、マスカツの代表作 に数えられています。ピアソラを思わせるパッションをアコーディオンとオーケストラに落とし込んだ見事な作品です。 かたや2021年の「アコーディオン協奏曲」は、以前リリースされた『ピアソラ・リフレクションズ』(国内仕様盤NYCX-10190/輸入盤ALPHA664)で情熱的 なパフォーマンスを披露したラトヴィア出身の奏者クセーニャ・シドロワに捧げられており、創作にあたってもシドロワのさまざまな意見が反映されたというノスタ ルジックな雰囲気を持つ美しい作品です。「カントゥス・ディアトニクス」は、マスカツの名付け親で子供時代に大きな影響を受けた女性を念頭に書いた作 品。この女性は当時重い病気にかかっており、マスカツは彼女への感謝、回復への希望と祈りを込めて作曲しました。彼女は後に奇跡的に回復したそうで す。曲の最後にチェレスタで奏される有名なラトヴィア民謡「Saul?t tec?j ec?dama」が印象を深めます。「わたしの川はあなたへと流れる」はエミリー・ディ キンソンの詩にインスパイアされた交響詩であり、アンドリス・ネルソンス率いるボストンSOの委嘱作。ネルソンスの親友であった故アンドレイ・ヤガルズ に捧げられています。

FUGA LIBERA
FUG-798(1CD)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op. 16
交響曲第2番ニ短調 Op. 40
アンドレイ・コロベイニコフ(P)
ウラルPO
ドミトリー・リス(指)

録音:2021年7月 スヴェルドロフスク・フィルハーモニック大ホール、エカテリンブルク、ロシア
ラ・フォル・ジュルネほかの来日で日本でも馴染みの深いアンドレイ・コロベイニコフ、ドミトリー・リス、ウラル・フィルという組み合わせによるプロコ フィエフ。ロシア、イギリス、アメリカなど各国で高い評価を得ているコロベイニコフの技量を堪能することの出来るピアノ協奏曲第2番と、硬質 なサウンドが作品の特性と魅力を十二分に表出している交響曲第2番を収録。

Rondeau
ROP-6219(1CD)
コンチェルト・セッション
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル(1727-1789):トランペット協奏曲 ニ長調
ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:トランペット協奏曲 ニ長調
フランツ・クエルフルト(1715/1720-ca.1751):トランペット協奏曲 変ホ長調
ヨーゼフ・リーペル:トランペット協奏曲 ニ長調
ミヒャエル・ハイドン:トランペット協奏曲 ハ長調
フランツ・クサヴァー・リヒター:トランペット協奏曲 ニ長調
ヘルムート・フックス(Tp)、
マティアス・グリュナート(Org)

録音:2021年2月10日-12日
本来オーケストラによる伴奏をオルガンを伴うトランペット協奏曲として録音したこのアルバム。ドレスデン・ザクセン州立歌劇場の首席トランペット奏者であるヘルムート・フックスと、ドレスデン聖母教会のカントルであるマティアス・グルナートがタッグを組んで完成させました。本来あまり演奏されることのない作品を選びながらも、オルガンの伴奏がつくことによりトランペットがより鮮明になりつつも、お互いの響きが絶妙にブレンドされています。まるで二人がジャムセッションを行っているかのような演奏も注目です。

Nimbus
NI-8109(1CDR)
ドリーム・キャッチャー〜クラリッサ・ベヴィラックア・プレイズ・オーガスタ・リード・トーマス
オーガスタ・リード・トーマス(b.1964):ラッシュ
リア・エンチャンテッド/カプリス
カプリシャス・トッカータ 「ダンデライオン・スカイ」
ドリーム・キャッチャー
インカンテイション/パルサー
ヴィーナス・エンチャンテッド
レインボウ・ブリッジ・トゥ・パラダイス
ヴァイオリン協奏曲第3番「ジャグラー・イン・パラダイス」
クラリッサ・ベヴィラックア(Vn)、
ヴィンバイイ・カズィボニ(指)、
BBCウェールズ・ナショナルO

録音:2021年9月1日-2日、シカゴ大学(ソロ作品)&、2022年4月25日、BBCホディノット・ホール(協奏曲)
そのまばゆいばかりの技巧と感銘を与える音楽性で聴衆を魅了している天才ヴァイオリニスト、クラリッサ・ベヴィラックアがNimbusからファースト・アルバムをリリース! シカゴ大学で作曲の教授も務める現代アメリカを代表する女流作曲家の一人、オーガスタ・リード・トーマスの無伴奏ヴァイオリン作品全曲(編曲作品も含む)と、世界初録音となるヴァイオリン協奏曲第3番でアルバムを構成するという意欲的なプログラムで華麗なデビューを飾ります。二人は5年前にシカゴで「カプリシャス・トッカータ(気まぐれなトッカータ)」を演奏したときに出会い、それから彼女の他の作品も何度も取り上げるようになりました。一曲一曲が異なるキャラクターとそれぞれの物語を持つリード・トーマスの作品が、アルバムの中でひとつにまとまり夢のような旅を作り出します。
クラリッサ・ベヴィラックアはミラノ出身、シカゴで育ち、5歳でヴァイオリンを始め、9歳の時にシカゴで1万人以上の聴衆の前でデビュー。それ以来北米とヨーロッパの各地でソロ・リサイタルや協奏曲を演奏。数々の国際コンクールに入賞し、ザルツブルク国際モーツァルト・コンクールでは第1位、聴衆賞、ベーレンライター特別賞を受賞。ケープSO国際ヴァイオリン・コンクールではグランプリを受賞しています。ザルツブルクのモーツァルテウム大学でピエール・アモイヤルに師事し2021年に音楽修士課程を修了。現在はベルリンのハンス・アイスラー音楽大学でアンティエ・ヴァイトハースに学んでいます。歴史的な楽器にも情熱を注いでおり、14歳のときにクレモナのヴァイオリン博物館の貴重なストラディヴァリ・コレクションと定期的に演奏する最年少ヴァイオリニストに選ばれ、現在は1748年頃クレモナで製作されたZosimo Bergonziのヴァイオリンを演奏しています。

Hyperion
CDA-68397(1CD)
ハープシコード協奏曲集
マルティヌー:ハープシコードと小オーケストラのための協奏曲 H246
ハンス・クラーサ:ハープシコードと7つの楽器のための室内楽曲
ヴィクトル・カラビス:ハープシコードと弦楽オーケストラのための協奏曲 Op.42
マハン・エスファハニ(ハープシコード)、
プラハRSO、
アレクサンダー・リープライヒ(指)

録音:2021年9月21日-22日&10月13日-14日、スタジオ・S1、チェコ放送(プラハ、チェコ)
マハン・エスファハニは、1984年テヘラン生まれのイラン系アメリカ人ハープシコード奏者。ハープシコード奏者として初めてBBCラジオ3の「ニュー・ジェネレーション・アーティスト」に選ばれた他、ボルレッティ=ブイトーニ財団賞受賞、2014年ロイヤル・フィルハーモニック協会賞の「インストゥルメンタリスト・オヴ・ジ・イヤー」と2014年グラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」にノミネートするという栄誉を、それぞれハープシコード奏者として初めて達成。2015年にはBBCミュージック・マガジンの「ニューカマー・オヴ・ジ・イヤー」に選ばれ、2015年と2017年にもグラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」にノミネートしています。これまでにリリースしてきたバッハの作品集も、レコード芸術「特選盤」、BBCミュージック・マガジン「インストゥルメンタル・チョイス」、グラモフォン誌「エディターズ・チョイス」に選ばれ、ICMA(国際クラシック音楽賞)2019にもノミネートするなど、絶大な評価を得てきました。
そのマハン・エスファハニによる協奏曲録音第1弾(伴奏はハイペリオン初登場のプラハRSOとアレクサンダー・リープライヒ。リープライヒは2022年10月に来日したばかりです。)は、前世紀のチェコの巨匠たちに注目した、エスファハニのレパートリーの広さを存分に活かしたものと言えるでしょう。演奏者自身がハープシコードの協奏曲の中で最高の作品のひとつというマルティヌーの演奏には要注目です。

Pentatone
PTC-5187017(1CD)
「バッハとペルト」
(1)ペルト:フラトレス〜ヴァイオリン、弦楽オーケストラと打楽器のための
(2)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042
(3)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041
(4)バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
(5)ペルト:鏡の中の鏡
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn/グァルネリ・デル・ジェス(1744年製作))
(1)-(5)シュトゥットガルト室内O、ラヴァー・スコウ・ラーセン(コンサートマスター)
(4)クリストフ・コンツ(Vn)
(5)ピーター・フォン・ヴァイン ハ ルト(P)

録音:2022年6月21-24日聖ペーター&パウル教会、ロイトリンゲン・ゲニンゲン(ドイツ)
人気と実力を兼ね備えた麗しきヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハー。ニューヨーク・タイムズは、「叙情と情熱のバランスのよさ―彼女の長所は、 とりわけ磨き抜かれたテクニックと美しく多彩な音色にある」と評しています。
当アルバムはシュトゥットガルト室内Oをバックにバッハのヴァイオリン協奏曲とペルトの2作という好プログラムです!
4歳のときにバッハのヴァイオリン協奏曲第1番の第2楽章を聴いて以来虜になったというシュタインバッハー。バッハの音楽の美しさと深さに圧倒され、導 かれるようにヴァイオリニストになったといいます。これまで自身の最重要レパートリーとして頻繁に取り上げてきたバッハの協奏曲、ついに録音を実現しました。
ドッペル・コンチェルトの共演はクリストフ・コンツです。コンツといえばアカデミー賞を受賞したカナダ映画「レッド・ヴァイオリン」の神童カスパー・ワイス 役(当時9歳)を演じたことでも知られるヴァイオリニスト。現在はVPOの第2ヴァイオリン首席奏者をつとめる傍ら、ソロ活動 も積極的に展開しております。二人の名手による音楽の対話も魅力で終始心地よいテンポで演奏しております。
このアルバムのもうひとつの魅力はペルト。冒頭に「フラトレス」を、最後に「鏡の中の鏡」を、まるでプロローグとエピローグのように据えており、シュタ インバッハーのセンスの高さもうかがえます。ペルトの2作は現代のヴァイオリニストの必須レパートリーといえる作品。ことに「フラトレス」は頻繁に演奏され、 シュタインバッハーは2021年6月の来日時に島田綾乃との共演でテレビ収録しNHKのクラシック倶楽部で放映されております。
「バッハとペルトの音楽は異なっていても、神聖な原点は共通しています。彼らの音楽は、聴くたび、弾くたびに、私らしさを思い出させ、安らぎを与えてくれます」 (アラベラ・美歩・シュタインバッハー)

BIS
BIS-2625(1CD)
『織られた光』〜ヴィート・パルンボ(1972-):作品集
(1)ヴァイオリン協奏曲(2015)
(2)シャコンヌ(「織られた光」、「闇の中の輝き」)〜エレクトリック・ヴァイオリンとエレクトロニクスのための(2019-20)
フランチェスコ・ドラツィオ((1)ヴァイオリン 、
(2)エレクトリック・ヴァイオリン)
LSO、
リー・レイノルズ(指)
(2)フランチェスコ・アブレシア(ライヴ・エレクトロニクス)
[楽器:ヴァイオリン:Giuseppe Guarneri, Cremona 1711、エレクトリック・ヴァイオリン(5弦):Alter Ego (2007)、
エレクトロニクス:Csound, Cycling ’74MaxMSP]

録音:(1)2016年9月17日/アビーロード・スタジオ 第1スタジオ(ロンドン)、(2)2021年1月19-20日/モーラ・ディ・バーリ(イタリア)
イタリアの作曲家ヴィート・パルンボは、シエナのキジアーナ音楽院を卒業、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアの大学院でアツィオ・コルギに学びまし た。特別奨学生としてルチアーノ・ベリオに師事。ポストモダンの実験的作品からキャリアをスタートさせ、高評価を獲得するとともに数々の賞を受けました。室内 楽の作品、イタロ・カルヴィーノの『木のぼり男爵』によるオペラ=モノローグ「Sinforosa」やエミリ・ディキンソンの詩に基づく室内オペラ「Comuni-canti」 といった声楽作品を発表。近年は、大編成の管弦楽作品やソロ楽器とオーケストラの協奏曲などを数多く手がけ、RAI国立SO、LSO、スウェー デンのヤヴレSOによって演奏されています。パルンボは天文学に関心を寄せ、「無限の宇宙エネルギーにくらべれば、われわれは小さな孤立する点でしかな い」ことを示すように、単一の長大な楽章の内に抽象的な「コア・サウンド」を見出すことに狙いを定めていると言われます。
このアルバムには、イタリアのバーリ生まれのヴァイオリニスト、フランチェスコ・ドラツィオのソロによるパルンボのヴァイオリン作品が2曲、収録されています。 「ヴァイオリン協奏曲」は、単一楽章で書かれた演奏時間約31分の作品です。「ベルクの名残」(ヴィート・パルンボ)のある「ほろ苦いリリシズム」の音楽。「『無』 に始まり『無』に帰る」循環構造のスタイルがとられています。LSOがリー・レイノルズの指揮で共演しています。
「シャコンヌ」は、パルンボが緻密で正確な作曲技術とともに師コルギから受け継いだ、作曲の中心に音楽的「歴史の記憶」を置くという考えが、「過去の余韻」 を思い起こさせる曲名に反映されています。〈Woven Lights(織られた光)〉と〈The Glows in the Dark(闇の中の輝き)〉の2楽章で書かれ、5弦エレク トリック・ヴァイオリンとエレクトロニクスにより演奏されます。バーリのニコロ・ピッチンニ音楽院で作曲と電子音楽を学んだフランチェスコ・アブレシアがライヴ・ エレクトロニクスを担当しています。
2010年に「イタリア音楽評論家協会」の最優秀ソリストに授与されるアッビアーティ賞(Premio Abbiati)を受賞したドラツィオの初めてのBIS 録音です。 (Ki)

Stradivarius
STR-37221(1CD)
モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
ハイドン:オーボエ協奏曲 ハ長調 Hob.VIIg:C1
クロンマー:オーボエ協奏曲第1番ヘ長調 Op.37
クリスティアン・シュミット(Ob)
ペルージャ室内O

録音:2021年11月16,17,18日 イタリア ウンブリア州 チッタ・デッラ・ピエーヴェ
オーボエ奏者のクリスティアン・シュミットが古典派のオーボエ協奏曲 3曲を録音。モーツァルトのオーボエ協奏曲は言うまでもない人気作。ハイドンのオーボエ協奏曲は偽 作扱いだがこれも人気がある。モラヴィア出身でウィーンで活躍したフランティシェク・ヴ ィンツェンツ・クラマーシュ(ドイツ名フランツ・クロンマー,1759-1831)はヘ長調のオー ボエ協奏曲を 2曲残しており、ここに収録されているのは第 1番。優美な中にも力強さ のある素敵な曲。 クリスティアン・シュミットは 1965年生まれのオーボエ奏者。リヨン国立高等音楽院、カ ールスルーエ州立音楽大学で学ぶ。1992年から 2012年までバーゼルSOのオーボエ奏者。その後は独奏者として活躍する一方で、指導者としても高名。シュミットの オーボエは明るく温かみがありしかも知性的。3 曲とも素晴らしいがやはり傑作モーツァ ルトの協奏曲にうっとりさせられます。なお指揮者はおらずシュミットの吹き振りと思われ る。またペルージャ室内Oのコンサートマスターである大西梓が参加しています。

BIS
BISSA-2466(1SACD)
カレヴィ・アホ(1949-):協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第2番(2015)
(2)チェロ協奏曲第2番(2013)
(1)エリナ・ヴァハラ(Vn)、
(2)ヨナタン・ローゼマン(Vc)
キュミ・シンフォニエッタ、
オラリ・エルツ(指)

録音:(1)2019年4月24-26日、(2)2021年12月2-4日/クーサンコスキ・ホール、コウヴォラ(フィンランド)
フィンランドを代表する作曲家カレヴィ・アホ。当アルバムにはヴァイオリン協奏曲第2番、チェロ協奏曲第2番を収録しております。アホ は1980年代前半にヴァイオリン、チェロそれぞれの協奏曲を書いていますが、20年ほどの歳月を経て、ついに新作の登場です。
長年ヴァイオリン協奏曲を書いていなかったアホがエリナ・ヴァハラの依頼により作曲した第2番は、アホ独特の美しい旋律が魅力。ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオ リニストのヴァハラへ捧げた注目作です。
一方、チェロ協奏曲第2番はナーンタリ音楽祭とラハティSOとの共同企画で生まれた新作委嘱。初演は2014年6月5日、ナーンタリでアルト・ノラスのチェ ロ独奏、オスモ・ヴァンスカ(指)ラハティSOによって行われました。5つの楽章からなるこの作品はシンフォニエッタのように書かれており、楽章間がとぎ れることなく演奏され、終楽章の非常に印象的なカデンツァも聴きものです。当録音では2015年にはチャイコフスキー国際コンクールのチェロ部門で第6位に入 賞した1997年生まれのフィンランド系オランダ人ヨナタン・ローゼマンがチェロ独奏をつとめています。 (Ki)

Altus
ALTSA-503(1SACD)
シングルレイヤー
INA秘蔵音源・ハスキル&クリュイタンス・フランス国立管ライヴ
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
クララ・ハスキル(P)
アンドレ・クリュイタンス(指)
フランス国立放送O

ライヴ録音:1955年12月8日(モノラル)
INA(フランス国立視聴覚研究所)所有の貴重音源を新規マスタリングでSACD化!クリュイタンス&フランス国立放送管とクララ・ハスキルによって同日に演 奏された協奏曲2題が高音質で楽しめます。
1曲目はモーツァルト。クリュイタンスの伴奏は激情と熱気がありながらも品格を損なわず、壮麗なハ短調の音響を打ち立てます。ハスキルは深みのある音色で 美しく飛翔、その豊かな表現はどれも確固たる意志に裏打ちされたもので、実に論理的に音楽が展開されていきます。香り立つ木管とのアンサンブルも絶品です。 2曲目ベートーヴェンも同様の特徴が挙げられますが、古典様式が拡大されていく楽曲のため更に自由な広がりと大胆さがプラスされます。それでいて芯のある 高貴さに貫かれており、まさにこのコンビにしか成しえない堂々たる演奏となっています。
〈ハスキルの高貴で透明な音色が、ざわついた心をさっと静めてくれるような魅力に溢れている〉〈クリュイタンスの素晴らしい伴奏―悲劇的な響きと貴族的な 色彩の万全なバランス―ともあいまった、有機的なコラボレーションも忘れがたい〉〜平林直哉氏の解説より (Ki)

DOREMI
DHR-8193(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第12集
(1)ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.21
(2)シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
(3)リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
(4)バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83
シューマン:幻想小曲集 Op.12
ショパン:スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
D.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.141, L.422
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)クラウス・テンシュテット(指)デトロイトSO
 ライヴ録音:1978年2月9日デトロイト
(2)シャルル・デュトワ(指)フランス国立O
 ライヴ録音:1973年9月6日パリ
(3)ノーマン・デル・マー(指)エーテボリSO
 ライヴ録音:1971年3月18日エーテボリ
(4)ライヴ録音:1978年11月3日トロント・リサイタル
DOREMIのアルゲリッチ貴重音源集第12弾。テンシュテットとのアメリカ・ライヴなどこれまた凄い内容です。 (Ki)

Treasures
TRE-283(1CDR)
カークパトリック/フォルテピアノによるモーツァルト
ピアノ・ソナタ第17番 変ロ長調 KV 570
組曲 ハ長調 KV 399
幻想曲とフーガ ハ長調 KV 394
ピアノ協奏曲第17番 ト長調 KV 453*
ラルフ・カークパトリック(フォルテピアノ)
アレクサンダー・シュナイダー(指)*
ダンバートン・オークスCO*

録音:1952年、1951年3月*
※音源:W.R.C CM-30、日Victor LH-25*
◎収録時間:71:33
“楽器へのこだわりが音楽表現と不可分であることを証明する最高の実例!”
■音源について
バッハ、スカルラッティの権威者カークパトリックの貴重なモーツァルト録音。ソロ作品はバルトーク・レコード音源で、作曲家バルトークの息子ピーターが録音を担当。協奏曲はハイドン・ソサエティ(ロビンズ・ランドンが1949年に設立)音源。カークパトリックのモーツァルトはモダン・ピアノによる録音もありますが、ここに収録した作品は、全てジョン・チャリスが復元したフォルテピアノを使用しています。

★カークパトリックは若き日にランドフスカに学んでいますが、その奔放な表現方法をそっくり踏襲するのではなく、基調をなすのはあくまでも端正な造形力と温かなフレージング。
 ソナタの第1楽章は、大型の現代ピアノでは表出困難な小気味良いリズムとチャーミングなニュアンスが魅力で、展開部へ滑り込む際の心のときめきの明確な音化ぶりには息を呑みますし、第2楽章の慈愛溢れるタッチから引き出されるピュアな歌心には、ハ短調の中間部の悲哀を頂点として愛が充満!終楽章の推進力も、その原動力はあくまでも歌!
 「組曲」の“アルマンド”以降における呼吸の深さと長さは、控えめなルバートと絶妙なバランスで共存。理屈に固執してニュアンスの薄い昨今のピリオド・アプローチとは、そもそも音楽の愛し方が違うのでしょう。そのことを更に意識させ、心揺さぶるのが協奏曲
 まず、シュナイダーの指揮が醸し出す纏綿たる空気!いきなり心がとろけること必至。このゆったりとしたテンポでなければ浮かび上がらないニュアンスの豊穣さは盟友カザルスを思わせますが、その濃厚な進行にカークパトリックが完全に歩調を合わせて作品への愛を注入し尽くすのですから、涙を禁じえません。第1楽章は、展開部の後ろ髪引かれるようなルバートの妙味にはもう涙腺崩壊!第2楽章では、特に休止部分で顕著なように、余韻を存分に噛み締め尽くした上でニュアンスを絞り出し、丁寧に音楽の明暗を描き分けます。終楽章は、究極のアレグレット。そのたおやかなテンポで大切に育んだ音のみを表出。中間の悲しみと後半の幸せの絶頂感とのコントラストと連動も見事。間違いなく同曲トップクラスの名演であることはもちろんのこと、モーツァルトの天才的な筆致を楽譜の表面上で解析ではなく、音符の裏側の意味まで掘り下げ、感じ取ったまさに歴史的名解釈と言える逸品です。【2022年11月・湧々堂】

フォンテック
FOCD-9875(1CD)
2022年12月7日発売
第8回仙台国際音楽コンクール ヴァイオリン部門優勝 〜中野りな
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」K219
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
中野りな(Vn)
広上淳一(指)仙台PO

録音:2022年6月2・5日日立システムズホール仙台 ライヴ(コンクールのセミファイナルとファイナルの模様を収録)
仙台市が2001年に創設した仙台国際音楽コンクールは、コンチェルトを課題曲の中心に 据えるという特色を持っており、セミファイナルとファイナルでは仙台フィルハーモニー Oと共演します。 2022年5〜6月におこなわれた第8回仙台国際音楽コンクール ヴァイオリン部門では、中 野りな(日本)が優勝しました。 日本が世界に発信する若き才能の登場です。 (フォンテック)
フォンテック
FOCD-9876(1CD)
2022年12月7日発売
第8回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門優勝〜ルゥォ・ジャチン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 K503
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番
ルゥォ・ジャチン(P)
高関健(指)仙台PO

録音:2022年6月23・26日日立システムズホール仙台 ライヴ(コンクールのセミファイナルとファイナルの模様を収録 )
仙台市が2001年に創設した仙台国際音楽コンクールは、コンチェルトを課題曲の中心に据えると いう特色を持っており、セミファイナルとファイナルでは仙台POと共演し ます。 2022年6月におこなわれた第8回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門では、ルゥォ・ジャチン(中 国)が優勝しました。 日本が世界に発信する若き才能の登場です。 (フォンテック)

Goodies
78CDR-3885(1CDR)
バッハ:ハープシコード協奏曲第1番ニ短調 BWV 1052 ワンダ・ランドフスカ(ハープシコード)
ウジェーヌ・ビゴー(指)O

仏 LA VOIX DE SON MAITRE DB 11229/31
1938年12月1日パリ、アルベール・スタジオ録音
ワンダ・ランドフスカ(1879-1959)はポーランドのワルソー生まれ。20世紀最高 のハープシコード&ピアノ奏者。彼女は演奏家、音楽学者、教授で1900年から 13年間パリのスコラ・カントルムで教鞭をとった。二列の鍵盤と七個のペダル を有する自分のハープシコードをパリのプレイエル社に特注し、生涯この楽器 を使用した。1940年フランス国籍を得たが、1941年ドイツ軍のフランス侵攻に よりアメリカにのがれた。パリに残したハープシコードは後にアメリカ軍に よって彼女の手元に届けられた。指揮者のウジェーヌ・ビゴー(1886-1985)は パリ音楽院出身。シャンゼリゼ劇場の指揮者を経て1923年パリ音楽院O、 1928年にフランス国立放送O、1935年にラムルーO、オペラ・コ ミックの指揮者を歴任。パリ音楽院の指揮科教授もつとめた。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル「ゼロSP 78rpm」(3mil 針)とコルグのNu 1DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

EUROARTS
20-56773F(Bluray)

20-56777F(2DVD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 作品15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58
ピアノ協奏曲第5番『皇帝』
シュターツカペレ・ベルリン
ダニエル・バレンボイム(P、指 )

収録:2007年5月、ルール・ピアノフェスティヴァル(ライヴ)
◆Bluray
画面:16:9、Full HD
音声:PCMステレオ、
DD 5.1、DTS-HD MA5.1
リージョン:A l l、198分
◆DVD
画画面:16:9、NTSC
音声:PCMステレオ、DD 5.1、DTS5.1
リージョン:A l l
2022年11月15日に80歳を迎えるダニエル・バレンボイム(1942〜)。現在は体調不良で音楽活動を一時休止していますが、現代クラシック界を代表 する世界最高の巨匠として君臨しています。 本作は、2007年5月21日から23日にかけてボッフムのヤールフンデルトハレおこなわれた「ルール・ピアノフェスティヴァル」でのコンサートのライヴ映像。 「ルール」といえば、ドイツ屈指の工業地帯として知られていますが, そのルール地方で毎年行われるこのピアノ・フェスティヴァルはドイツでも最大級の音楽祭。 世界のピアニストが定期的に集まる出会いの場です。第1回の開催セレモニーではポリーニが登場、すでに有名になったプロだけでなく、豊かな才能を持った 若手の登竜門にもなっており、今年の目玉は、バレンボイムとシュターツカペレ・ベルリンによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲サイクルでした。バレンボイム は若い頃にクレンペラーの指揮で全集を録音しており、その後、自身は指揮をしてルービンシュタインのソロで全集を録音、さらに後年、ベルリン・フィルを弾 き振りして全集を録音といった具合ですでに3度全集に関わっています。当録音では手兵シュターツカペレ・ベルリンを弾き振りということで、パワフルかつ、味 わい深い演奏を聴かせてくれています。 (Ki)

Hyperion
CDA-68339(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.85〜カール・ライネッケ:ピアノ協奏曲集
ライネッケ(1824-1910):ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op.72(1860)
ピアノ協奏曲第2番 ホ短調 Op.120(1872)
ピアノ協奏曲第4番 ロ短調 Op.254(1900)
サイモン・キャラハン(P)、
ザンクト・ガレンSO、
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2021年11月15日-18日、トーンハレ・ザンクト・ガレン(スイス)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第85巻は、これまでにも様々な知られざる音楽に陽の目を当ててきたピアニスト、サイモン・キャラハンによるカール・ライネッケ(1824-1910)のピアノ協奏曲集です。
カール・ライネッケは幼い時からその才能を発揮し、12歳の時にはすでに公開演奏会を行っていました。その後ライプツィヒでメンデルスゾーンやシューマンに師事し、1860年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウスOの楽長を務め、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」の初演を指揮しています。また教育者としても優秀であったライネッケは、ライプツィヒ音楽院の院長も務めており、グリーグやブルッフ、ヤナーチェクなどの門下生がいました。現在では「フルート協奏曲」以外あまり演奏されないライネッケですが、彼が作曲したバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンなどのピアノ協奏曲のカデンツァが知られています。

Goodies
78CDR-3888(1CDR)
マリユス・カザドシュ:モーツァルトのヴァイオリン協奏曲ニ長調 K.Anh.294a 「アデライデ」 ユーディ・メニューイン(Vn)
ピエール・モントゥー(指)
パリSO

英 HMV DB 2268/70
1934年5月14日パリ、アルベール・スタジオ録音
この曲は作曲者モーツァルトによるヴァイオリン独奏部と低音楽譜の自筆譜が あるとされ、1933年に新発見のモーツァルトの作品としてマリユス・カザド シュ(1892-1981)によって出版された。ルイ15世の王女アデライドに捧げられ た曲ということからこの名があるが、後にカザドシュの偽作であることが判明 した。SPレコード時代に評判だった作品で、再発売の要望が高かった。ユー ディ・メニューイン(1916-1999)はアメリカ生まれのユダヤ系ヴァイオリン奏 者。パリでジョルジュ・エネスコに、ベルリンでアドルフ・ブッ シュ(1891-1952)に師事した。ピエール・モントゥー(1875-1964)はフランスの 大指揮者。ここで指揮をしているパリSOの初代指揮者(1929-1935)だっ た。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル「ゼロSP 78rpm」(3mil 針)とコルグのNu 1DSD 録音機を使用した。
Goodies
78CDR-3889(1CDR)
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 エミール・フォン・ザウアー(P)
フェリックス・ワインガルトナー(指)
パリ音楽院O

英 COLUMBIA LX789/91
1938年12月1日パリ録音
ピアノのエミール・フォン・ザウアー(1862-1942)は大作曲家フランツ・リスト の最晩年の弟子の一人。モスクワ音楽院卒業後1884年から85年に ヴァイマルでリストの薫陶を得た。その後ウィーン音楽院のピアノ科でマスタ ークラスを持つ傍ら、1880年代から1930年代まで演奏家としてヨーロッパから アメリカと国際的に活躍した。リストのピアノ協奏曲第2番もSPに録音して いた。指揮者のフェリックス・ワインガルトナー(1863-1942)はオーストリアの 大指揮者。ライプツィヒ音楽院出身。1882年、ヴァイマールでリストに師事、 1884年に指揮者デビュー。1887年にマーラーの後任としてウィーン 宮廷歌劇場とVPOの音楽監督に就任した。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル「ゼロSP 78rpm」(3mil 針)とコルグのNu 1DSD 録音機を使用した。

Forgotten Records
fr-1852(1CDR)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
チャベス:ピアノ協奏曲#
ダニエル・ワイエンベルク(P)*
ユージン・リスト(P)#
ディミトリ・ミトロプーロス(指)NYO

録音:1953年11月22日*、1942年1月2日#放送用録音
Forgotten Records
fr-1853(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491*
ピアノ・ソナタ第18番二長調 K.576 #
ルイス・ケントナー(P)
ハリー・ブレック(指)フィルハーモニアO*

録音:1959年5月23日-24日*、1959年6月8日#
※音源: HMV XLP-20035
Forgotten Records
fr-1855(1CDR)
フリードリヒ・ヴューラー/ウェーバー&メンデルスゾーン
ウェーバー:ピアノ協奏曲(全2曲)*
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第2番#
フリードリヒ・ヴューラー(P)
ハンス・スワロフスキー(指)ウィーン・プロ・ムジカO*
ルドルフ・モラルト(指)ウィーンSO#

録音:1950年8月31日#、9月2日#、1953年*、すべてウィーン
※音源: Vox PL 8140* 、PL 6570 #

ARCANA
A-535(1CD)

NYCX-10364(1CD)
国内盤仕様
税込定価
バッハ:チェロ・ピッコロによる協奏曲 6編
バッハ:チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ長調〔チェンバロ協奏曲 第3番ニ長調 BWV 1054(Vn協奏曲 第2番ホ長調 BWV 1042による)からの編曲〕
ェロ・ピッコロと通奏低音のための協奏曲 ニ長調〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ニ長調 BWV 972(アントニオ・ヴィヴァルディ[1678-1741]:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3-9RV 230による)からの編曲〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調〔ヴァイオリンあるいはオーボエ協奏曲 ト短調 BWV 1056R(チェンバロ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV 1056から復元)からの編曲〕
チェロ・ピッコロと通奏低音のための協奏曲 ニ短調〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ニ短調 BWV 974(アレッサンドロ・マルチェッロ[1678-1741]:オーボエ協奏曲 ニ短調 による)からの編曲〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ長調〔オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV 1055R(チェンバロ協奏曲 第4番イ長調 BWV 1055 から復元)による〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための「イタリア協奏曲」 ヘ長調チェンバロ独奏のための協奏曲 ヘ長調 BWV 971「イタリア協奏曲」 から リッカルド・ドーニによるオーケストレーション〕
マリオ・ブルネロ(Vc・ピッコロ)
アカデミア・デッラヌンチアータ(古楽器使用)
〔コンサートマスター:カルロ・ラッザローニ(Vn)〕
リッカルド・ドーニ((指)チェンバロ、ポジティフ・オルガン)

録音:2021年7月1-5日 サン・ベルナルディーノ教会、 アッビアーテグラッソ(イタリア北部ミラノ県)
※国内仕様盤解説日本語訳…白沢達生
通常のチェロ演奏でも世界的な活躍を続けてきたイタリアの名手マリオ・ブルネロ。近年はバロック期に使われていたという小型のチェロ(4弦 チェロ・ピッコロ=ヴァイオリンと丁度1オクターヴ低い調弦となる楽器)をピリオド奏法で弾きこなし、ARCANAでのバッハの無伴奏曲集や二 重奏ソナタ6曲の全曲録音など、当時の習慣に従ってヴァイオリン作品を演奏する機会も増えています。今回は同じイタリアの古楽器シーン 最前線をゆくアカデミア・デッラヌンチアータとともに、バッハの協奏曲6曲をチェロ・ピッコロで演奏。収録曲の大半は当初別の独奏楽器のため に書かれていた作品をバッハがチェンバロ向けに編曲したもので、原曲の特定や復元の試みも多くの専門家たちによってなされてきました。 18世紀当時は演奏環境に合わせた編成のために楽譜を調えることまでが音楽家の仕事でもあり、バッハ自身も多くの教会カンタータに使 用したチェロ・ピッコロでこれらの協奏曲を演奏する試みは、当時流の正当なアプローチであるといえるでしょう。ブルネロが繰り出す中低音で 綴られる旋律は、室内協奏曲型の編曲でも弦楽合奏ありの編曲でも過去の観賞体験を一新する瑞々しさ。合奏向け協奏曲を二段鍵 盤チェンバロひとつで再現した独奏曲「イタリア協奏曲」も合奏向けに逆編曲。抜群のピリオド奏法とあいまって作品の意外な一面に驚かさ れるのではないでしょうか。なおライナーにはブルネロ自身のコメントの他、ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフ館長ペーター・ヴォルニーによる解説が 添えられています(英・仏・伊語/国内仕様盤は日本語訳付)。

TUDOR
TUD-7211(1CD)
ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K. 466
ルティーニ:ピアノ協奏曲 ト長調
ヨハン・フランツ・クサヴァー・シュテルケル(1750-1817):ピアノ協奏曲 ニ長調 Op. 26No. 2
※カデンツァ:ヨルク・クローネンベルク
ヨルク・クローネンベルク(フォルテピアノ)
Walter & Sohn 1805頃製作の楽器に基づく
Paul McNultyによる復元楽器
カプリッチョ・バロックO
ドミニク・キーファー(指)

録音:2021年10月5-7日
古典派の3曲のピアノ協奏曲をピリオド楽器の演奏で収録した1枚。 18世紀に優れた音楽理論家として活躍したジョヴァンニ・バッティスタ・マルティーニはJ.C.バッハやミスリヴェチェク、 モーツァルトらに厳格対位法を指導したことで歴史に名を残しており、彼の作品も当時高く評価されました。ここで 聴ける彼のピアノ協奏曲は歌心に溢れています。このアルバムに登場するヨハン・フランツ・クサーヴァー・シュテルケ ルもマルティーニの弟子の一人。ベートーヴェンやウェーバーと親交があったというシュテルケルの作品は当時高い人 気を誇り、このピアノ協奏曲もベートーヴェンを思わせるエネルギーに満ちています。そしてモーツァルトの協奏曲は ベートーヴェンが愛奏したことでも知られるドラマティックな名作です。 名鍵盤奏者ヨルク・クローネンベルクの闊達なフォルテピアノ演奏とバーゼル在住のファゴット奏者、福井美穂が参 加するカプリッチョ・バロックOの演奏で。

Solo Musica
SM-400(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番/マズルカ集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op. 11*
マズルカ ト短調 Op. 24No. 1
マズルカ ハ長調 Op. 24No. 2
マズルカ イ短調 Op. 17No. 4
マズルカ ロ短調 Op. 33No. 4
マズルカ 嬰ハ短調 Op. 50No. 3
マズルカ ロ短調 Op. 30No. 2
マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 6No. 1
マズルカ 変ロ長調 Op. 7No. 1
マズルカ ト短調 Op. 67No. 2
マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 59No. 3
マルガリータ・ヘーエンリーダー(フォルテピアノ)
プレイエル(19世紀半ば 制作年不詳)*
プレイエル(1855年頃制作)の修復楽器
ラ・シンティッラO(ピリオド楽器使用)
リッカルド・ミナージ(指)
マルガリータ・ヘーエンリーダーによるショパン・アルバムには、彼女の深いショパン理解から生まれたこだわりが随所に うかがわれます。1831年にショパンが「理想の楽器」と書いたプレイエルの歴史的楽器を2台使用。マズルカでは 19世紀のサロン風の場所で、プレイエルが可能にする繊細極まるタッチの妙を披露します。一方協奏曲では、オ ケの高めのピッチ(440Hz)に対応しつつ音量のバランスも取れるように、同じプレイエルでもより力強いサウンドを 持つ楽器を使用して、教会の大きな空間で演奏。協奏曲では最新の楽譜(エキエルの版歴史的ヴァージョン)に 基づきつつ、ショパンの弟子の一人カール(カロル)・ミクリの指使いを多くの箇所で採り入れました。ショパン自身が 書いたものと、ショパンと関わりの深い同時代の人々が遺したものにこだわった企画です。 ヘーエンリーダーはミュンヘンでルートヴィヒ・ホフマンに、ボルティモアでレオン・フライシャーに学んだピアニスト。キリ ル・ペトレンコ、ロリン・マゼール、クラウディオ・アバド、リッカルド・シャイーらの指揮でバイエルン放送響、ミュンヘン・ フィル、ドレスデン・シュターツカペレ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管などと共演しています。 ラ・シンティッラOは1970年にニコラウス・アーノンクールとジャン=ピエール・ポネルがモンテヴェルディのオペ ラ上演を企画した際にチューリヒ歌劇場のメンバーによって組織したピリオド楽器のオーケストラ。リッカルド・ミナージ は特にピリオド楽器によるバロックから古典派の演奏で高い評価を得て来たヴァイオリニスト・指揮者。近年はロマ ン派の交響楽やオペラにも活躍の場を広げています。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-404(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 + ピアノ小品集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」
ロマンス第1番ト長調 Op.40(ピサロ編 独奏ピアノ)
ロマンス第2番ヘ長調 Op.50(ピサロ編 独奏ピアノ)
アンダンテ ヘ長調「アンダンテ・ファヴォリ」WoO.57
ロンド ハ長調 Op.51-1
ロンド ト長調 Op.51-2
アルトゥール・ピサロ(P)
ジュリア・ジョーンズ(指)ヴッパータルSO

録音:2021年1月20,21,22,23日(Op.15,Op.19,Op.37) ドイツ ヴッパータル
2021年3月21,25,26日(Op.58,Op.73) ドイツ ヴッパータル
2021年8月10-12日 イタリア アブルッツォ州 モンテシルヴァーノ
今やODRADEK の主軸アーティストである、ポルトガルが生んだ名ピアニス ト、アルトゥール・ピサロ、そのピサロがベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を録 音。これが近年では出色の出来栄え。アルトゥール・ピサロは1968 年生まれ。 1990年にリーズ国際ピアノ・コンクールで第1 位となり、国際的に名を馳せた。 録音は少なからずあるのだが、どういうわけか得意とするベートーヴェンの録 音は散発的で、協奏曲は3番4番5番だけだった。ついに待望の全集が登 場。ピサロの高度な技術と明晰な音色でピアノが一音一音クッキリと輝いてい る。表現は細部まで練りに練られていうるのだがしかし思慮と節度があり、常に 音楽の素晴らしさが引き立つよう注意が払われています。どの曲においてもたっ ぷりと充足感の味わえる演奏だ。ちなみに第 4番の有名な冒頭のピアノ独奏 による主題提示で、ピサロはちょっとした仕掛けをしています。 ピサロのピアノに加えて、ジュリア・ジョーンズの指揮も素晴らしい。1961 年、イ ングランド、ウスター近郊のドロイトウィッチ生まれの英国の中堅指揮者。2016 年から2021年まで ヴッパータルSOおよびヴッパータル歌劇場の音楽 総監督を務めた。この録音は任期末期の仕事で、ヴッパータルSOがジ ョーンズの意をしっかり汲んで演奏していることが音だけでもよく分かる。キリリ と引き締まって足取りが軽く、細部まで神経を通わせながら優しい愛を感じさ せる音楽はこれまた素晴らしい。とりわけ 5 曲とも緩徐楽章での情感豊かな美 しさが素晴らしい。 長めの余白に収録された小品もすばらしい。2 曲のロマンスはピサロ自身がピ アノ独奏用に編曲したもの。 ベートーヴェン好き、ピアノ協奏曲好きにぜひ聞いてもらいたい全集+αだ。

Gramola
GRAM-99267(1CD)
ヴィヴァルディ:モテットと協奏曲集
弦楽のための協奏曲 ト短調 RV 157
4-7. モテット「いと公正なる怒りの激しさに」 RV 626
モテット「おお、天にても地にても清きもの」 RV 631
チェロ協奏曲 ニ短調 RV 405
モテット「まことの安らぎはこの世にはなく」 RV630
弦楽のための協奏曲 ハ短調 RV 119
モテット「色は紅」 RV 642
アレクサンドラ・ザモイスカ(S)
ミハル・スターヘル(Vc)
パンドルフィス・コンソート(古楽器アンサンブル)【マキシミリアン・ブラット(Vn1)、カタジナ・プジョザ(Vn2)、ルジュビエタ・サイカ=バフレル(Va)、ゲオルク・クロナイス(ヴィオローネ)、フーベルト・ホフマン(テオルボ)、マティアス・クランペ(Org)】

録音:2021年10月
2004年にクラクフ音楽アカデミー出身のヴァイオリニスト、エルジュビエタ・サイカ=バフレルによって設立されたオー ストリアのオリジナル楽器アンサンブル、パンドルフィス・コンソート。ルネサンス、バロックの作品から現代作品まで 幅広いレパートリーを誇ります。前作「スターバト・マーテル」(GRAM99244)では独唱者にニコラス・スパノス を迎え、見事な演奏を披露した実力派アンサンブル、ヴィヴァルディ2作目となるこのアルバムにはモテットと協奏 曲を集めています。ソプラノ歌手ザモイスカが歌う表現力豊かな4曲のモテットと、弦楽器のための協奏曲を織り 交ぜたプログラムをお楽しみください。

BIS
BISSA-2576(1SACD)
スウェーデンのピアノ協奏曲
ラウラ・ネーツェル(1839-1927):ピアノ協奏曲 Op.84 
スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム(1942-2019):ピアノと管弦楽のための5つの小品(2016)
アンドレーア・タッロディ(1981-):ピアノ協奏曲第1番「星の雲(Stellar Clouds)(2015)
ペーテル・フリース・ユーハンソン(P)、
ヨーテボリSO、
ライアン・バンクロフト(指)

録音:2021年10月4-7日/ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ、スウェーデン)
「偉大な作曲家の音楽と素晴らしい解釈」(BR Klassik)と評されたアルバム『ヘレーナ・ムンクテルの音楽』(BIS SA-2204)のセッ ションに参加したアーティストのひとり、スウェーデン放送 P2のアーティスト・イン・レジデンスを務めたピアニスト、ペーテル・フリース・ユーハンソン Peter Friis Johansson(1983-)の新作。彼が近年、一層の興味をもつようになったという「わが国スウェーデン」の初録音のピアノ協奏曲を3篇、ライアン・バンク ロフト Ryan Bancroft 指揮のヨーテボリSOの共演で録音しました。
ラウラ・ネーツェル Laura Netzel(1839-1927)は、フィンランドのランタサルミで生まれ、1歳の時にストックホルムに移住しました。「女性作曲家」に対す る偏見をきらい、「N・ラーゴ(N. Lago)」のペンネームで作品を発表。スウェーデンでもっとも国際的に認められた作曲家のひとりとして、特にドイツとベルギー とフランスで頻繁に作品が演奏されました。「ピアノ協奏曲」は、そのころに作曲された、彼女の書いたもっとも規模の大きい、ロマンティックな作品です。手書きに よる版がいくつか、しかも不完全な状態でしか残されていないため、過去に全曲演奏されたことがなかったとされます。今回の録音は「スウェーデン音楽遺産」のク ラース・ガッゲ Klas Gagge の校訂版に基づいて行われ、さらに、第3楽章「プレスト」の終結に向けて欠けた部分をユーハンソンが補筆完成して演奏されました。
スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム Sven-David Sandstrom(1942-2019)の「ピアノと管弦楽のための5つの小品」は、アンデシュ・ヴァール・ファ ウンデーションの委嘱により2016年に作曲されました。彼が、初期の前衛的な手法から離れ、ネオロマンティックないしネオバロックな語法をめざすようになった 1980年代以降のスタイルの最良の例のひとつです。独奏ピアノが「ずっと高いところ、天の高みにあるといってもいい何か」(サンドストレム)を追い求め、美と 調和をとりもどす……。「5つの小品」というさりげない曲名がつけられながら、作曲者がイマジネーションを自由に羽ばたかせた音楽です。2017年3月22日に ヨーテボリで初演され、ペーテル・フリース・ユーハンソンに献呈されました。
アンドレーア・タッロディ Andrea Tarrodi(1981?)の「Stellar Clouds(星の雲)」は、彼女が初めて作曲した「ピアノ協奏曲」です。〈Introduction(序 奏〉〈Star Formation(星形成)〉〈Constellations(星座)〉〈Cosmic Nursery(宇宙の育児室)〉〈Hpernova(極超新星)〉〈Solo Cadenza(ソロ・ カデンツァ)〉〈Recapitulation(要約)〉の7楽章で書かれた「天の旅」は、「爆発」や「スターダスト」といった宇宙のさまざまな事象が音楽に織りこまれ、SF 映画のサウンドトラックを連想させる作品です。ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニックOの委嘱で書かれ、2018年4月12日、ユーハンソンがソロ を弾いてストックホルムで初演されました。
指揮者のバンクロフトは、ロサンジェルスで育ち、2021年からBBCウェールズ・ナショナルOの首席指揮者を務めています。 (Ki)

DOREMI
DHR-8187(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第10集

(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
(3)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調『ワルトシュタイン』 Op.53
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ドビュッシー:『版画』より 第3曲「雨の庭」
(4)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
(5)シューマン:ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 Op.22
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ロリン・マゼール(指)ベルリンRSO/録音:1972年ベルリン
(2)クラウディオ・アバド(指)フランス国立放送O/録音:1967年12月7日フランス
(3)録音:1970年2月4日東京厚生年金会館
(4)ペーター・マーク(指)シュトゥットガルトRSO/録音:1969年10月10日シュトゥットガルト
(5)録音:1973年4月7日ニューヨーク
1970年の東京公演で弾かれた「ワルトシュタイン」は知る人ぞ知る珍しいプログラムで、現状唯一の録音と思われます。 (Ki)

Da Vinci Classics
C-00623(1CD)
ヴィオラとオーケストラのための作品集
ブルッフ:クラリネット,ヴィオラとオーケストラのための協奏曲ホ短調 Op.88、
 ロマンス Op.85、コル・ニドライ Op.47
ヒンデミット:葬送音楽
ロータ(ストラッキ編):インテルメッツォ
ヴィットーリオ・ベナグリア(Va)、
ダニスタ・ラフキエヴァ(Cl)、
パザルジクSO、
アレクサンドル・ゴードン(指)

録音:2021年6月15日、パザルジク(ブルガリア)
ブルッフ、ヒンデミット、そしてロータに至る19世紀〜20世紀の3人の作曲家たちが書いたヴィオラとオーケストラのための秀作の数々を集めたヴィオラ関係者要注目のプログラム。
ブルッフの珍しいコンチェルト、ヒンデミットの名作と並び、ロマン派的な要素を持つロータの「インテルメッツォ」のヴィオラ&弦楽オーケストラ編曲版が収められています。
主役のヴィオラを担当するのは1999年生まれの俊英ヴィットーリオ・ベナグリア。すでにカーネギー・ホールへのデビューを果たし、ダヴィド・ゲリンガスなどの世界的名手とも共演を重ねています。
指揮者アレクサンドル・ゴードンは、ロシアの侵略とプーチン政権の象徴としての「ZOV」の文字の使用に抗議するため、2022年にゼムツォフからゴードンへと姓を変えています。

DUX
DUX-1834(1CD)
ガリアーノ:オパール協奏曲〜アコーディオン協奏曲集
リシャール・ガリアーノ(b.1950):オパール協奏曲(1994)
ブロニスワフ・カジミエシュ・プシビルスキ(1941-2011):コンチェルト・クラシコ(1986)
クシシュトフ・オルチャク (b.1956):協奏曲(1989)
ミハウ・ガイダ(アコーディオン)、
コーオペラO、
アダム・ドムラット(指)

録音:2017年8月
イタリアのアコーディオン奏者の巨匠リシャール・ガリアーノの「オパール協奏曲」は、ジャズやタンゴの要素を用いて非常にエネルギッシュな曲調に仕上がっています。
アコーディオン奏者のミハウ・ガイダは7歳からアコーディオンを始めました。2019年にウィーン国際コンクールで1位、マンハッタン国際音楽コンクールで金賞を受賞しているガイダは、アメリカのカーネギーホールやベルリンのフィルハーモニーでも演奏経験があり、ポーランドを中心にニューヨーク、バージニア、アーカンソー、韓国、日本など世界中で演奏活動を行っています。

ALPHA
ALPHA-883(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K. 488
 カデンツァ…ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ピアノ協奏曲 第24番ハ短調 K. 491
 カデンツァ(第1楽章)…ヨハン・ネポムク・フンメル
 カデンツァ(第3楽章)…ジュリアン・トレヴェリアン
ジュリアン・トレヴェリアン(P/ベーゼンドルファーVC 280)
ウィーンRSO
クリスティアン・ツァハリアス(指)

録音:2022年1月オーストリア放送スタジオ6/大ホール、ウィーン
1998年英国生まれの若きピアニスト、ジュリアン・トレヴェリアンが弾くモーツァルトを2曲収録。2015年のロン=ティボー国際コンクールにお いて1位なしの2位に史上最年少の16歳で入賞して以降、様々なコンクールで入賞を繰り返している俊才です。今回はモーツァルトを得意 としてきた名ピアニスト、クリスティアン・ツァハリアスによる絶好のサポートを得て、自作カデンツァを含むプログラムを披露。柔らかいタッチと多彩 な表現が大きな魅力です。

CEDILLE
CDR-90000214(1CD)
NX-B04
黒人作曲家によるヴァイオリン協奏曲集
サン=ジョルジュ(1745-1799):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op. 5No. 2
ホセ・ホワイト・ラフィット(1836-1918):ヴァイオリン協奏曲 嬰ヘ短調
コールリッジ=テイラー(1875-1912):ロマンス ト長調 Op. 39
フローレンス・ベアトリス・プライス(1887-1953):ヴァイオリン協奏曲第2番*
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
アンコール室内O
ダニエル・ヘギー(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO*
ジョナサン・ヘイウォード(指)*

録音:1997年6月3-5日、2022年1月7日*
アメリカのヴァイオリニスト、レイチェル・バートン・パインが1997年に録音した「18世紀と19世紀に活躍した黒人 作曲家のヴァイオリン協奏曲集」。今作は、ここに2022年新録音の、近年注目を集める女性作曲家フローレン ス・プライスのヴァイオリン協奏曲第2番を加えたものです。最初のアルバムが発表された際、パインはアフリカ系作 曲家の熱心な擁護者としての評価を確立していますが、この新しいアルバムでは更なる彼女の挑戦が評価され ることでしょう。 ペア・ノアゴーとヨーン・ストルゴーズ

オクタヴィア
OVCC-00167(1SACD)
税込定価
2022年10月19日発売
R・シュトラウス:ホルン協奏曲 第1番*
F・シュトラウス:ノクターンOp.7*
R・シュトラウス:ホルン協奏曲 第2番
 アンダンテ 遺作
日高剛 (Hrn)
粟辻聡(指)*
カーチュン・ウォン(指)
日本センチュリーSO

録音:2021年1月7日 豊中市立文化芸術センター*、6月10日 大阪 ザ・シンフォニーホール・ライヴ
日本屈指のホルン奏者・日剛による、R・シュトラウスのホルン協奏曲CDがついに発売。首席 客演奏者を務める日本センチュリーSOとの演奏会が収められています。 華やかな名曲を仲間たちと奏でる、晴れやかで美しい演奏。コンサートのアンコールとして選曲されたフラン ツ・シュトラウスとR・シュトラウスの珠玉の小品も聴きものです。 生命力にあふれるサウンドと、美しいハーモニーをお楽しみください。(オクタヴィア)

ATMA
ACD2-2853(1CD)
バッハ:協奏曲集
(1)2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
(2)オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV1055R
(3)ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041
(4)チェンバロ協奏曲 ニ長調 BWV1054
(5)ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV1060R
ジュリア・ウェドマン(Vn(1) (3)(5))
ジェシー・デュベ(Vn(2) )
マシュー・ジェンジョン(オーボエ・ダモーレ(2)、オーボエ(5))
エリック・ミルンズ(指、Cemb(4) )
アルモニー・デ・セゾン

録音:2021年10月21、22日ケベック
カナダにおけるグラミー賞、「ジュノー賞」を2度受賞するなど北米で高い評価を受けているピリオド楽器アンサンブル、アルモニー・デ・セゾンによるバッハの 協奏曲集。復元版とオリジナルを絡めて様々な編成の楽曲を収録しており、耳に楽しい世界が広がります。録音の質も良く、ソリストの華やかなパッセージはもちろ んのこと低音の重厚な存在感もたっぷりと感じられるサウンドです。 (Ki)

Profil
PH-22053(6CD)
クララ・ハスキル/協奏曲とソナタ
■Disc1 
モーツァルト
(1)ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466
(2)ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
(3)ピアノと管弦楽のためのロンドイ長調K.386
■Disc2 
モーツァルト
(1)ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」
(2)ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調K.454
(3)ヴァイオリン・ソナタイ長調K.526
■Disc3
モーツァルト
(1)ピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415
(2)ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
■Disc4 
ベートーヴェン
(1)ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(2)ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96
■Disc5
ベートーヴェン
(1)ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
(2)ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
(3)ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調Op.31
■Disc6 
シューマン
(1)色とりどりの小品Op.99〜3つの小品
(2)色とりどりの小品Op.99〜5つのアルバムの綴り
(3)子供の情景Op.15
(4)森の情景Op.82
(5)アベッグ変奏曲Op.1
クララ・ハスキル(P)

■Disc1 
イーゴリ・マルケヴィチ(指)ラムルーO(1)(2)
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)ウィーンSO(3)
録音:1960年11月パリ(1)(2)、1954年10月ウィーン(3)
■Disc2 
パウル・ザッハー(指)ウィーンSO(1)、アルテュール・グリュミオー(Vn)(2)(3)
録音:1954年10月ウィーン(1)、1956年1月2-5日アムステルダム(2)(3)
■Disc3 
ルドルフ・バウムガルトナー(指)ルツェルン音楽祭弦楽合奏団(1)
フェレンツ・フリッチャイ(指)バイエルン国立O(2)
録音:1960年5月ルツェルン(1)、1957年9月7日ミュンヘン(2)
■Disc4 
イーゴリ・マルケヴィチ(指)ラムルーO(1)、アルテュール・グリュミオー(Vn)(2)
録音:1960年10月パリ(1)、1956年12月28-30日アムステルダム(2)
■Disc5
アルテュール・グリュミオー(Vn)(1)
録音:1957年1月2-5日(1)、1955年5月(2)(3)アムステルダム
■Disc6 
録音:1952年4月9日(1)(2)、1955年5月(3)、1954年5月(4)、1951年10月(5)ヒルフェルスム(オランダ)
歿して60年以上を経ながら非常に人気の高いピアニスト、クララ・ハスキル。彼女の名演が6枚組でお求めやすく登場となりました。それも名盤の誉れ高いマ ルケヴィチ&ラムルーOとのモーツァルトとベートーヴェンの協奏曲、グリュミオーとのソナタが入っているのが目玉。
モーツァルトのピアノ協奏曲のカデンツァは、第20番と第24番ともに第1楽章がハスキル作、第24番第楽章と第13番がマガロフ作というのも聴きものです。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-882(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol.3
ヴァイオリン協奏曲 第4番ニ長調 K. 218(カデンツァ…ヨーゼフ・ヨアヒム)
フルート協奏曲 第1番ト長調 K. 313(カデンツァ…ジョセフィーヌ・オレック)
ピアノ協奏曲 第6番変ロ長調 K. 238(カデンツァ…スリマ・ストラヴィンスキー[第1楽章]、モーツァルト[第3楽章])
ルズヴィ・グディム(Vn)
ジョセフィーヌ・オレック(Fl)
ジェネバ・カネー=メイソン(P)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年3月
30年以上にわたり若いアーティストたちを支援しているスイスのオルフェウム財団とALPHAが協力し、次世代の若いソリストたちによるモー ツァルトの協奏曲をリリースするシリーズ第3弾。ルズヴィ・グディムはオスロ出身でジュリアード音楽院に学び、ユーディ・メニューイン国際コン クールなど数多くのコンクールに入賞、イツァーク・パールマン、クリスティアン・テツラフを始め数多くの巨匠たちと共演を重ねている俊英。ジョゼ フィーヌ・オレックはフランス出身で2017年よりロッテルダム・フィルの首席フルート奏者を務め、2019年にはカール・ニールセン国際音楽コン クールで優勝し、Es-durやORCHIDといったレーベルから既にソロ・アルバムもリリースしています。ジェネバ・カネー=メイソンはイギリス出身 で音楽一家に育ち(チェリストのシェク・カネー=メイソンは兄)、数多くのコンクールに入賞しヨーロッパ各地で活躍している2003年生まれの 若きピアニスト。才能豊かな3人による演奏が楽しめます。

REFERENCE
FR-749(1CD)
侵略〜ウクライナへの音楽と美術
ルイス・スプラットランの作品

(1)侵略(2022)
(2)ピアノ組曲第1番(2021)
(3)6つのラグ(2018)
(4)2つのソナタ(2021)
(5)さすらい人(2005)
ナージャ・シュパチェンコ(P)
アンソニー・パーンサー(指)、パット・ポージー(Sax)、アイジャ・マットソン=ジョヴェル(Hrn)、フィル・キーン(Tb)、稲生由里(パーカッション)、ジョティ・ロックウェル(マンドリン)(以上(1))

録音:2022年5月29日、6月22日-23日/サイレント・ズー・スタジオ(グレンデール、カリフォルニア)
「ウクライナへの音楽と美術」と題されたアルバム。ハリキウ出身で現在アメリカにて活躍するピアニスト、ナージャ・シュパチェンコが7年来交友のある作曲家ル イス・スプラットランの作品5篇を通じ、その感情を伝えます。
1曲目の「侵略」は2022年3月に作られたばかりの最新作。もちろんロシア軍のウクライナ侵攻を題材とし、アメリカの地から故郷ハリキウが破壊されるのを 恐怖で見守ったシュパチェンコの絶望と怒りが込められています。ピアノのほかサクソフォン、ホルン、トロンボーン、パーカッション、マンドリンが加わり、戦争の残 酷さを表します。他の作品は戦争前のもので、「さすらい人」は17年前に書かれていますが戦争のトラウマを予見、具現化していると見ています。
このアルバムの特徴は、音のみならずシュパチェンコがウクライナの美術家にアートワークを依頼、フルカラーで多数掲載しています。さらにハリキウの絵画スタ ジオの10歳から12歳の子供が描いた今回の惨事の衝撃的な作品も含まれます。ディスクの収益はウクライナ人道支援団体へ寄付されることになっています。 (Ki)

PAN CLASSICS
PC-10441(1CD)
バッハ一族とフルート
バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ:フルート・ソナタ ホ短調 IWB58
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲 ト長調 Wq169
ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ:フルート、ヴィオラと通奏低音のための三重奏曲 ホ短調 BR B4
ヨハ ン・クリスティアン・バッハ:フルート、オーボ エ 、ヴァイオリン、ヴィオラ、通 奏 低 音 の ため の五 重 奏曲 ニ長調Op.11-6
ベニャミーノ・パガニーニフラウト・トラヴェルソ、指)
ムジカ・グローリア

録音:2021年5月5-7日/ベルギー、ヘクス教会
西洋音楽における「音楽一家」と言えば真っ先に名前が挙がるバッハ一族。そこにフルートというテーマ楽器を与えて、バッハと4人の息子たちの作品を集 めたアルバムです。
ベニャミーノ・パガニーニは1994年生まれのトラヴェルソ奏者、チェンバロ奏者。トラヴェルソをバルトルド・クイケン、ヤン・デ・ヴィンネらに師事しました。オー ボエ奏者のネール・ヴェルトメンと共に設立した「ムジカ・グローリア」の芸術監督を務めており、2020年にベルギーの音楽専門誌上で「ヤング・ミュージシャン・ オブ・ザ・イヤー」に選ばれた逸材です。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85019(1CD)
フリッツ・クライスラー/ベル・テレフォン・アワー録音集 第1集
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K. 216- I. Allegro
(2)モーツァルト:2. ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K. 218- I. Allegro
(3)ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番(F. クライスラー編)
(4)メンデルスゾーン
6. ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op. 64- I. Allegro molto appassionato
(5)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲- II. Adagio
(6)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番-I. Vorspiel:Allegro moderato/ II. Adagio
フリッツ・クライスラー(Vn)
ベル・テレフォン・アワー・オーケストラ
ドナルド・ヴォーヒーズ(指)

(1)録音:1950年3月6日
(2)録音:1945年1月1日
(3)録音:1945年2月19日&1945年10月29日
(4)録音:1944年7月17日
(5)録音:1945年12月31日
(6)録音:1944年10月9日

復刻プロデューサー:Eric Wen
マスタリング:Dennis Patterson
ベル・テレフォン・アワーは電話の実用化で大成功を収めたベル電話会社がスポンサーとなって、1940年から1958年まで放送されたアメリカのラジオ 番組(1959年から68年はテレビで放送)。出演者はヤッシャ・ハイフェッツ、ヨーゼフ・ホフマン、エツィオ・ピンツァ、リリー・ポンスといったクラシック音楽の スターから、ベニーグッドマン、ビング・クロスビーといったジャズやポップスのスターを揃え、聴取者は8百万人から9百万人に達したという人気番組でし た。クライスラーも1944年から1950年にかけて出演しましたが、その演奏はごく一部を除いて録音の形で世に出ることはありませんでした。 Biddulphは「個人所蔵の、望みうる最上のコンディションの素材」をもとにベル・テレフォン・アワーでのクライスラーの演奏をCD3枚に復刻予定で、そ の第1弾となる当CDには、同番組で収録された協奏曲の演奏がすべて収められています。モーツァルトの第3番はクライスラーのディスコグラフィに無い ので、第1楽章だけとはいえ貴重。そしてこのアルバム最大の聴きものは、クライスラーが愛奏したのに録音が無かったヴィオッティの第22番の全楽章が 収録されていること。クライスラーはこの曲を深く研究し、カデンツァを作曲したのみならず、ピアノ伴奏版の楽譜を作成して出版したほど。この録音では 彼によるオーケストレーション(オリジナル編成を拡大)が採用されており、様々な面で極めて貴重な音源です。 クライスラーは1941年にニューヨークで交通事故に遭い、再起不能と見られた時期もありましたが1943年に「奇跡の復活」を遂げました。ここに収め られた演奏はいずれも堂々たるもの。Biddulphの復刻もソロ・ヴァイオリンの張りのある艶を伝えます。聴衆を入れたライヴ収録だったようで、各曲の 終わりには最後の音が消えるのを待ちきれないほど興奮した聴衆の喝采と歓声が収められています。 「奇跡の復活」直後から1950年の引退までのクライスラーの姿を伝えるベル・テレフォン・アワーの録音集は、ファンにとって大きな驚きと喜びになりそう です。

Piano21
P-21050N(1CD)
ハイドン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob. XVIII:11
ヴァイオリンとピアノのための協奏曲 ヘ長調 Hob. XVIII:6*
ピアノ協奏曲 ト長調 Hob. XVIII:9
シプリアン・カツァリス(P)、
ステファニー・ゴンリー(Vn)*、
アカデミー室内O、
サー・ネヴィル・マリナー(指)

録音:2013年4月29日-30日、セント・ジョンズ・スミス・スクエア/使用楽器:ヤマハ CFX
超絶技巧の化身、鍵盤の魔術師シプリアン・カツァリスの自主レーベル「Piano21」より、ハイドンのピアノ協奏曲集が登場! 古典派の巨匠ハイドンが残した最も良く知られているニ長調のピアノ協奏曲を始めとして、ナッシュ・アンサンブルの第1ヴァイオリンで、イギリス室内Oとスコットランド室内Oのコンサート・マスターであるステファニー・ゴンリーを迎えてのヴァイオリンとピアノのための協奏曲を同時収録。さらにはモーツァルトが生まれた年に作曲され、現在ではあまり演奏される機会のない作品ですが、叙情的で感動的な美しさを持ったト長調のピアノ協奏曲も収録されています。この曲の第2楽章にはカデンツァがないため、シプリアン・カツァリスによるハイドンの作風に倣ったカデンツァが導入されており、聴きどころのひとつとなっています。指揮者には2016年亡くなったイギリスの巨匠ネヴィル・マリナーを迎え、手兵であるアカデミー室内Oと共に気品あふれる響きでカツァリスの演奏に花を添えます。

La Dolce Volta
LDV-106(1CD)
オペラ作曲家モーツァルト
幻想曲 ハ短調 K.475
ピアノ協奏曲 変ホ長調 K.482
演奏会用アリア「どうしてあなたを忘れられよう」 K.505
4手のためのピアノ・ソナタ ヘ長調 K.497
フィリップ・カッサール(P&指)
ナタリー・ドゥセ(S)
セドリック・ ペ シ ャ(P)
ブルターニュ国立O

録音:2022年4月16-20日、レンヌ
フランスの名手フィリップ・カッサールによる新譜は、モーツァルトが『フィガロの結婚』を作曲していたのと同時期に書かれた作品から注意深くセレクトしてプ ログラムされた1枚。モーツァルトの音楽にはオペラ・声楽的要素(アリアのような美しい旋律、声部間の親密な、あるいは喧嘩のような対話・・・)がいつも存在 しています。ここでも、ソナタ、あるいは協奏曲では、さながらオペラのようにさまざまな対話やささやきが展開されます。また、実際に歌われる演奏会用アリア(ピ アノ伴奏)では、ピアノがオーケストラのように豊かに声とからみます。全体をとおしてオペラのように豪華で楽しく聴きごたえのある、大満足の1枚です。 フィリップ・カッサール---1962年生まれ。シューベルトやドビュッシーをレパートリーの中心に据えている、フランスの名手。マガロフらに師事した。 (Ki)

Hanssler
HC-220651CD)
「ヤン・クベリークへのオマージュ」
(1)ヤン・クベリーク:ヴァイオリン協奏曲第1番 ハ長調【世界初録音】
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
パヴェル・シュポルツル(Vn)
トマーシュ・ブラウネル(指)プラハSO

録音:(1)2022年1月8、10&11日、(2)2022年3月8&9日/スメタナ・ホール(プラハ)
カリスマ的な人気を誇るチェコのパヴェル・シュポルツル。ヴァイオリンを自由自在に操り、世界の聴衆を魅了しています。「パガニーニアーナ〜無伴奏ヴァイオリ ン作品集」(HC-20069)に続くヘンスラー・レーベル第2弾は「ヤン・クベリークへのオマージュ」で、世界初録音となるクベリークのヴァイオリン協奏曲第1番、 そしてメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です!
シュポルツルはジュリアード音楽院でイツァーク・パールマン、ドロシー・ディレイに師事し、世界各国のコンクールでの受賞歴を誇る実力派。アシュケナージ指揮 のチェコ・フィルのシーズン開幕公演に出演し「100年に1人の逸材」と絶賛された名手としても知られています。派手な見た目とは裏腹な折り目正しい演奏と 抒情性豊かな表現が最大の魅力で、これまでスプラフォン・レーベルをはじめ主要レパートリーを録音しています。
プラハ近郊ミフレ区生まれのヤン・クベリーク(1880-1940)(ラファエル・クーベリックの父)は、ヴァイオリンの教本でも知られるオタカール・シェフチーク (セヴチック)に師事。神童として10代の頃からずば抜けた才能を発揮し、ウィーンやロンドンなどの都市で「第2のパガニーニ」と称賛された技巧派ヴァイオリ ニストです。
ヴァイオリン協奏曲を6曲、交響曲を1曲、ヴァイオリンとピアノのための作品など、作曲家としての才能も持ち合わせました。ヴァイオリン協奏曲第1番は、 1917年1月、ウィーンの楽友協会で自身の独奏、オスカル・ネドバル(指)トーンキュンストラーOが初演した作品。後期ロマン派のメロディアスな作品で、 シュポルツルは「非常に技巧的ながら音楽的に実に興味深い」と語っています。ヴァイオリニストとして第一線で活躍したクベリークらしい実に魅力的な協奏曲で す。
カップリングは名曲メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です!チェコ初演は1900年1月4日、クベリーク独奏、ネドバル(指)チェコ・フィルハーモニー管弦 楽団が演奏しており、「ヤン・クベリークへのオマージュ」にふさわしいカップリングといえます。シュポルツルは90年代半ばに録音していますが、この度待望の再 録が実現しました! ★使用楽器はシュポルツルが愛奏する青いヴァイオリンです。このヴァイオリンはチェコを代表するヴァイオリン製作者ヤン・シュピドレンが2005年に製作した楽 器。シュポルツルはこの楽器に魅了され2006年に所有し、以後愛器として演奏しております。 (Ki)

CLAVES
50-3050(1CD)
モーツァルト:管楽器のための協奏曲集 Vol.1
(1)フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
(2)フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
(3)フルート協奏曲第2番ハ長調 K.314
(4)アンダンテ ハ長調 K.315
カデンツァ:
(1)(3)(4)レイチェル・ブラウンとコンラート・ヒュンテラーを基にアレクシス・コセンコが即興演奏、(2)シルヴァン・ブラッセル
アレクシス・コセンコ(フルート)
(2)ヴァレリア・カフェルニコフ(Hp)
ステファン・マクラウド(指)、
リ・アンジェリ・ジュネーヴ(古楽器)

ン録音:2021年6月/ランドガストホフ、リーエン(スイス)
実力派バス歌手ステファン・マクラウドが2005年に結成したリ・アンジェリ・ジュネーヴ。声楽陣と器楽陣の配置、パートごとの人数など、演奏を通じバランス を決めていくという独自の解釈で録音した「マタイ受難曲」(50-3012/13)と「ロ短調ミサ」(50-3014/15)で注目を集めました。
当アルバムは近年指揮でも名高いフルート奏者アレクシス・コセンコを迎えてモーツァルトのフルート協奏曲を録音しました!生き生きとしたアンサンブルは当団 ならでは。細部にわたるニュアンスも大事にするマクラウド率いるリ・アンジェリ・ジュネーヴは当録音でも立奏で演奏しており、ソリストとともに躍動感に満ちた 演奏を披露しております。古楽団体によるモーツァルトのフルート協奏曲の最新盤としても大注目です! (Ki)

BIS
BISSA-2524(1SACD)
ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847):ピアノ協奏曲集 Vol.2
協奏曲 ヘ長調 Op.32〜ピアノとオーケストラのための
協奏曲 変ホ長調 Op.55〜ピアノとオーケストラのための
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
マイケル・アレクサンダー・ウィレンス(指)、ケルン・アカデミー

録音:2021年8月/イムマヌエル教会、ヴッパータール(ドイツ)
ベートーヴェンと同時代を生きた作曲家ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847)が2022年に生誕250年、歿後175年 を迎えました!
ライン川中流部右岸のベルギッシェスラント地方の小さな村に生まれ父や兄からピアノと作曲の手ほどきを受け、フルートを独学で学んだヴィルムスは19歳の ときにアムステルダムに渡り、フルート奏者、ピアニスト、オルガニストそして興行師としても活躍。その後、アムステルダムの裕福な美術収集家の娘と結婚し、彼も 大きな恩恵を受けます。
当時彼の作品はアムステルダムをはじめライプツィヒなどでも頻繁に演奏されていました。ヴィルムスはオランダ国歌も作ったことでも知られますが、交響曲、室 内楽曲、協奏曲を中心に、のどかで心地よい作品を残しています。
生誕250周年を記念してロナルド・ブラウティハムとマイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーが“オランダのベートーヴェン”ヴィルム スの現存する5つのピアノ協奏曲を録音。当アルバムはその第2集で2篇を収録しております。当演奏では現存する楽譜からウィレンスの助言をとともにブラウティ ハムが再構築しており、軽やかで優美な旋律を充分にご堪能いただけます。第1集(BIS SA-2504)と併せてお楽しみください! (Ki)

BAM International
BAM-21603(1CD)
黒のリスト 〜ライヴ・レコーディング
リスト:ピアノ協奏曲第1番S.124
哀しみのゴンドラ S.200/1
諦め S.187
メフィスト・ワルツ第4番S.216b
暗い雲 S.199
われらの主イエス・キリストの変容の祝日に S.188
死の舞踏 〜「怒りの日」によるパラフレーズ S.525
忘れられたロマンス S.132
ア ルド・シジッロ(指 )
ブラショフPO
マルチェッロ・マッツォーニ(P)
ライヴ録音:2020年1月(協奏曲)、2019年8月(独奏曲)

発売:2021年
リストの後期作品に意欲的に取り組むイタリアのピアニスト、マルチェッロ・マッツォーニのライヴ・アルバム。リストは年を経るにつれ「指と演奏効果」のヴィルトゥ オーゾから「和声と音色」のヴィルトゥオーゾへと変わっていき、増4度のような(減7和音の先にある)革新的な響きから音楽を紡ぐようになっていきます。マッ ツォーニはその響きをじっくりと聴かせ、リストの神髄に迫っていきます。

B RECORDS
LBM0-451(1CD)
ヴィヴァルディ:海の嵐、およびその他の室内協奏曲集
協奏曲 ニ長調 RV 95「羊飼いの娘」
協奏曲 ニ長調 RV 90「ごしきひわ」
協奏曲 ト短調 RV 107
リュート、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ハ長調 RV 82
協奏曲 ニ長調 RV 94
協奏曲 ヘ長調 RV 98「海の嵐」
レ・パラダン(古楽器使用)【フランソワーズ・ニコレ(リコーダー、フラウト・トラヴェルソ)、ティモテー・ウディノ(Ob)、ニルス・コッパル(バスーン)、クレール・ソッティヴィア(Vn)、ニコラ・クルニャンスキ(Vc)、バンジャマン・ナルヴェ(テオルボ、バロックギター)】
ジェローム・コレアス(チェンバロ、指揮)

録音:2021年5月25-28日 サントル・デュ・ボール・ド・マルヌ、ル・ペルー=シュル=マルヌ(パリ郊外)(ライヴ/最終トラックに拍手入り)
「ライヴでの収録は、スタジオ録音に打ち込んでいる時とは全く違った集中力が問われます。聴き手がそこにいるからこその興奮をもって音楽 に臨めるのです。演奏者たちはヴィヴァルディの音楽が語りかけてくるのを受けて、それをできるだけそのまま聴き手に伝える必要があります。ラ イヴで客席に人がいて反応があるということは、それだけで然るべき勢いを、精力を音楽にもたらす要因になるのです」(ジェローム・コレアス/ 解説より) 自身も古楽歌手としての豊かな経験を誇る一方、チェンバロを弾きながら欧州シーンの第一線で大小のバロック作品を指揮してきた実力派 ジェローム・コレアス率いるレ・パラダン。これまで主に声楽主体で活動してきた彼らが、今回はなんと器楽奏者だけで、ヴィヴァルディの室内 協奏曲を集めたアルバムをライヴ収録。「そこに言葉を感じる音楽がある」とコレアスが語るのも頷ける、奏者同士のバロックらしい音使いでの 対話に聴こえる阿吽の呼吸はやはり声楽作品演奏の豊かな経験あればこそのものと言えるでしょう。コロナ禍の自主隔離中ずっとこれらの 楽譜と向き合ってきたコレアスは、実演の場で奏者たちと音を交わしながら、ヴェネツィアを離れ一時マントヴァ宮廷で小規模編成の名手集 団と仕事をしていた頃のヴィヴァルディのように、互いの意見を聞きあい音楽を作ってゆく面白さを実感したとのこと。室内楽と協奏曲の間をゆ くヴィヴァルディ作品中でもユニークな一連の室内協奏曲の数々、そのスリリングで奥深い味わいに最前線の名手たちの演奏で出会える1枚 です。


ICA CLASSICS
ICAC-5168(1CD)
NX-B03
サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番
リスト:ピアノ協奏曲 第1番*
ベートーヴェン:15の変奏曲とフーガ 「エロイカ変奏曲」#
パデレフスキ:6つの演奏会用ユモレスク Op. 14〜I. メヌエット ト長調#
ショパン:ワルツ 第14番ホ短調 「遺作」#
シューラ・チェルカスキー(P)
サイモン・ラトル(指)バーミンガム市SO
ノーマン・デル・マー(指)BBC響*

録音:1983年9月3日 アッシャー・ホール、エディンバラ
1983年10月5日 ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロンドン*
1979年11月22日 クイーン#
全てステレオ・ライヴ録音:拍手入り
初CD化
ウクライナのオデーサ(オデッサ)に生まれた後アメリカへ移住、後半生はイギリスを拠点としたシューラ・チェルカスキー(1909-1995)。彼が74 歳を迎える直前に行った2つの協奏曲のライヴ録音が登場します。サン=サーンスの協奏曲第2番はチェルカスキーにとって初出レパートリー ですが、その洒脱な曲想は彼にぴったりといえ、冴えわたる技巧はもちろん、作品の華やかさを十二分に引き立てる弾きぶりは、ファンにとって たいへん嬉しいものでしょう。エディンバラ音楽祭でのラトルとの共演というのも聴きどころです。またリストの協奏曲第1番では、生涯現役を貫 いた彼ならではの衰えぬヴィルトゥオジティを堪能することが出来ます。後半には70歳の時のソロ・リサイタルから3曲が収められており、ベー トーヴェンでの力強いタッチと、小品を慈しむように奏でる一面を楽しむことが出来ます。いずれもクリアでピアノの質感をよく捉えたステレオ録 音。

BIS
BISSA-2586(1SACD)
ハチャトゥリヤンピアノ協奏曲変ニ長調
「仮面舞踏会」組曲(ドルハニアン編ピアノ独奏版)
ピアノと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ
イヤード・スギャエル(P)
アンドルー・リットン(指)
BBCウェールズSO

録音:2021年10月20-22日/BBCホディノット・ホール(カーディフ)
ハチャトゥリヤンは旧ソ連を代表する作曲家ですが、近年ロシアでは以前ほど演奏されないとされます。しかしその反面、中近東系の演奏家たちが積極的に採 り上げ重要なレパートリーとなりつつあります。ハチャトゥリヤンの音楽はロシア伝統の手法によりながらも精神は東方的なため、彼らにとり近しい音楽として演 奏欲求を刺激されるようです。
1993年ヨルダン出身のピアニスト、イヤード・スギャエルはこれまでハチャトゥリヤンのピアノ・ソナタと「子供のアルバム第1集」を中心としたソロ・ア ルバム(BISSA-2436)をリリースし高い評価を受けました。今回は2篇の協奏作品をアンドルー・リットン指揮BBCウェールズSOと共演。BISなら ではの高音質録音でハチャトゥリヤンのオーケストレーションの妙をあますところなく再現。ピアノ協奏曲の第2楽章で指定されたフレクサト-ンは韓国出身のチェ ロ奏者リ・スアがミュージカルソーで効果的に彩りをそえています。
さらに嬉しいのは、ハチャトゥリヤンの作品中でも特に人気の高いワルツを含む「仮面舞踏会」組曲のドルハニアン編によるピアノ独奏版も収録されていること。 スギャエルの爽快な解釈がフレッシュ。
イヤード・スギャエルはヨルダン系パレスチナ人としてアンマンに生まれ。生地の音楽院で学んだ後、15歳からマンチェスターのチェタム音楽学校、王立ノー ザン音楽大学でマレー・マクラクラン、マルティーノ・ティリモほかに師事。今後が期待される注目の若手です。 (Ki)


TRE-257
ノーマン・デロ=ジョイオ(1913-2008):ピアノと管弦楽のための幻想曲と変奏曲*
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第5番ト長調 Op.55#
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調 M.83
ロリン・ホランダー(P)
エーリヒ・ラインスドルフ(指)ボストSO

録音:1963年2月17日(世界初録音)*、1964年3月28日#、1963年1月16日、ボストン、シンフォニー・ホール(全てステレオ)
※音源:米RCA_LSC-2667、日VICTOR_SHP-2370#
◎収録時間:65:55
“洗練を極めたタッチから紡ぎ出される作品の本質!”
音源について
ホラダーの初録音は1958年のピアノ小品集で、その時何と14歳!デロ=ジョイオとラヴェルを収録したレコードは、ホランダーにとって3枚目にして初の協奏曲録音で、当時18歳のピアニストの驚くべき才能は、世界各国で賞賛されました。
ノーマン・デロ=ジョイオ(1913-2008)は、ワーヘナールやヒンデミットらに師事したアメリカの作曲家。1957年にはピューリッツァー賞を受賞。「幻想曲と変奏曲」はこれが世界初録音。

★ホランダー(1944-)は、ニューヨークに生まれ。11歳でカーネギーホール・デビューを果たすなど早くから神童として知られ、レオン・フライシャー、ルドルフ・ゼルキンらに師事。RCAへの録音は1960年代に途切れ、その後は教育活動に移行したようです。その数少ない録音はどれも逸品揃いで、この3曲の協奏作品も例外ではありません。
 デロ=ジョイオは日本では殆ど知られていませんが、「幻想曲と変奏曲」のどこかノスタルジックで親しみやすい楽想とリズムの躍動との対比が素晴らしい佳曲。クールで洗練されたホランダーのタッチは、叙情的なフレーズでも決して溺れずに曲の美しさを際立たせ、速いパッセージでダイナミズムを炸裂させる曲の最後は、淀みを知らない打鍵の威力で圧倒します。
 ホランダーのピアノの最大の魅力は、高い洗練度を誇るタッチを貫きながら作品の持ち味は消し去らず、むしろリアルに楽想を浮かび上がらせる点。プロコフィエフの第1楽章の土俗性が、厚塗りの表情を盛ることなくキリッとしたテクスチュアで迫り、強打鍵でも一定の品位を保つバランス感覚は特筆もの。
第2楽章冒頭のグリッサンドの切れ味は尋常ではなく、しかも血の通った温もりとさりげない語り口も併せ持ち、それらの魅力が強固に凝縮された形で迫る魅力は比類なし。
第4楽章は、ほぼ同時期に書かれたラヴェルの協奏曲の第2楽章を思わせますが、そのニュアンスをホランダーの濡れたタッチが余すことなく引き出します。中間部でのオケの高密度の響にもご注目を。
 オケが優秀でないと話しにならないのは続くラヴェルも同様。これほどオケの技量で唸らされる演奏は稀ですし、ホランダーも持ち前の洗練タッチの魅力を遂に大全開させます!
最初の衝撃は、第1楽章のコデッタ動機(1:45〜)で8分音符を連打するシーン。これがまるで別のピアニストが弾いているかと錯覚するほど木霊のようは雰囲気を湛えているのです。
4:20からの下降音型に象徴されるようにリズムの打ち込みとテンポの柔軟性にも徹底配慮。快速テンポで逃げ切るような演奏とは一線を画します。5:33から連続するトリルも刃こぼれ知らずで、その均整美に息を呑みます。
 第2楽章では、ホランダーの天才性を更に確信。右手の一音ごとのニュアンスの感じ方、閃きはこれ以上望めないほど豊か。後半のコーラングレとの寄り添い方も涙を誘います。
 終楽章は、テクニックも推進力ももちろん盤石。決してタッチが上滑りしないので、感覚的な痛快さ以上の手応えを感じさせるのです。
 ステレオ初期は腕の立つ若手ピアニストが花盛りでしたが、次第にテクニックの衰えが音楽家としての存在意義も失わせたかのように消えていくのが常でした。ホランダーも表舞台の活躍は短かったものの、このディスクで明らかなように音楽を感じるセンスがあまりにも高次元で息づいているので、他のピアニストとは同列視などできません。短期間に全てを出し切ったために指よりも精神が疲弊してしまったのかもしれませんが、ホランダーの録音の少なさは、返す返すも悔やまれます。 【2022年7月・湧々堂】

MSR
MS-1789(1CD)
マルティン・マタロン(b.1958):ピアノ作品集
(1)トレイムIV(2001)〜ピアノと11楽器のための協奏曲
(2)策略(2014)〜ピアノ独奏のための
(3)二つの時間(2000)〜ピアノ独奏のための
(4)機械(2007)〜2台のピアノ、二人の打楽器奏者とエレクトロニクスのための
エレーナ・クリオンスキー(P)
(1)ジョエル・サックス(指)
ニュー・ジュリアード・アンサンブル
(4)サロメ・ジョルダニア(P)
イヴ・ペイヤー(Perc)
ジュリアン・マセド(Perc)
デイヴィッド・アダムシック(エレクトロニクス)
マタロンはブエノスアイレス出身のアルゼンチンの作曲家で現在ニューヨークを拠点に活動 しています。パリのIRCAM で電子音楽とコンピュータ音楽の研究と制作に励み、その成果はアコ ースティックな楽器の作曲に表れています。ピアノと室内アンサンブルのための協奏曲「トレイム IV」ではリゲティばりの細かく動き回る音型がキラキラした鉱物質の光彩を放つリリカルな音楽。 スペクトル楽派の影響が感じられます。2台ピアノと打楽器、エレクトロニクスのための「機械」はピ アノの細かく動き回る高音のキラキラした音色に打楽器やエレクトロニクスの音響が絡む大作。 星のまたたきや宝石の輝きを思わせる明るい響きがこの作曲家の好み、個性のようで、フラン ス現代音楽(ブーレーズなど)の影響を思わせる。


Treasures
TRE-271(1CDR)
ハンゼン〜ベルリンでの協奏曲録音

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
コンラート・ハンゼン(P)
ウィレム・メンゲルベルク(指)BPO*
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:、1940年7月11日ベルリン*、1943年10月30(31)日(ライヴ)、 共にベルリン、フィルハーモニーホール
※音源:PAST MASTERS_PM-18*、Melodiya M10-460067
◎収録時間:65:56
“ハンゼンとフルトヴェングラー、双方の強烈なシンパシーが完全融合!”
■音源について
ベートーヴェンはフルトヴェングラー・ファンの間でも名演として知られている録音。初出は1969年の英UNICORN盤ですが、1楽章冒頭の咳払いが不自然に消されていおり、「運命も」もカップリングされており詰め込み感が拭えませんでした。ここで使用したのは後発のメロディア盤ですが、収録はこの1曲のみで、咳払い(元々大音量ではない)の処理もなく、ピアノのタッチも明瞭。DGのLPと似たような音質に思えます。なお、他の多くの例と同様に、この録音日も30日か31日が、戦火で資料が消失して厳密には確定できないようです。チャイコフスキーは、TELEFUNKEN音源の復刻。ハンゼンは、同曲を後にサヴァリッシュとの録音も遺しています。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中でもこの4番は「女性的」と形容されることが多いですが、この演奏はそんな一面的な捉え方で収まるはずがなく、ベートーヴェンならではの精神的な深みと広がり、この作品ならではの静と動の対比の妙味など、全ての要素がそうあるべきだと確信できる形で内包されている点で傑出した名演です。しかも、作品の真価を知り尽くした上で自身の表現力ぶつけるという次元を遥かに超え、人生の全てを捧げて何の代償も求めない尋常ならざる魂の表現は、音楽家のセンスのみならず、時代背景も無関係ではないことを考えると、同様の緊張感を持つ演奏が今後聴けるとは思えません、故・宇野功芳氏も「この<第4>に関するかぎりバックハウスよりも遥かに見事だ」(フルトヴェングラーの全名演名盤』)と称賛しています。
 第1楽章冒頭のピアノ・ソロで、希望と不安が入り混じった詩情が見事に結晶化されていることに先ず息を呑み、その全てを優しく大きな懐で受け止めるフルトヴェングラーの指揮!とは言っても、フルトヴェングラーが受け身に徹しているのではなく、ハンゼンとフルトヴェングラー双方が互いの只ならぬ表現に触発され、主導権の優劣など発生し得ない程の一体感溢れる演奏が最後まで続くのですから、その素晴らしさは例えようもありません。9:05から超低速で深々と歌うハンゼンが次第にテンポを上げる箇所の互いの寄り添い方!10:58から、音量を弱めることなく堅固なタッチ貫徹し、曖昧な雰囲気に流れるのを回避しているのも印象的。カデンツァがこれまた聴きもの。ベートーヴェンの自作で開始し、途中からこの直前に書かれた「熱情ソナタ」の断片を含むハンゼンの自作に移行するという、4分に及ぶ大作です。
 第2楽章はピアノとオケの掛け合いにおいて、これ以上に含蓄を湛えた演奏など実現可能でしょうか?ハンゼンのピアノはルバートとの究極形ともいうべき迫真の表情に満ち、タッチが極美ながら旋律の美しさに陶酔しているだけの演奏ではないのです。フルトヴェングラーの気力もいかにも全盛期のそれで、次第に消沈する過程の中にもリアルなドラマを感じさせます。
 終楽章はどこにも「女性的」な部分など存在せず、内燃エネルギーで精神を極限まで昇華し尽くします。そして。奇跡的なコーダの追い込み!
 チャイコフスキーはピアノも指揮も、この曲の技巧的な側面を曲芸的に披露することなく、自然な感情のうねりを大切にしたアプーロチ。ペダルの使用もテンポの揺らぎも抑制し、一点一画を丁寧に打鍵するハンゼンに対し、メンゲルベルクがしびれを切らしたようにまくし立てるような場面(特に終楽章)もありますが、結果的に互いの協調がうまく達成されています。あの辺りのフルトヴェングラーの場合の化学反応との違いにもご注目を。なお、サヴァリッシュとの再録音は、これよりもっと禁欲的に聞こえます。【湧々堂・2022年8月】

ACCENT
ACC-24385(1CD)
バッハ:チェンバロ協奏曲集 第1集

チェンバロ協奏曲第4番イ長調 BWV1055
チェンバロ協奏曲第2番ホ長調 BWV1053
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041
2台のチェンバロのための協奏曲第3番ハ短調 BWV1062
【独奏者】マリオ・セラッチャ(Cemb) BWV1055/ 1053/ 1062(第2)
バルト・ナセンス(Cemb) BWV1062(第1)
サラ・クイケン(Vn) BWV1041
【ラ・プティット・バンド】シギスヴァルト・クイケン((指)ヴァイオリン、BWV1062のみヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ)
サラ・クイケン、ユン・キム(Vn)
マルレ ーン・ティー ルス(Va)
エドゥアルド・カタラン(バスヴァイオリン) BWV1053/ 1041/ 1055
バルト・ナセンス(通奏低音チェンバロ)

録音:2021年10月2-5日/ベルギー、ティールト、ペーター教会
2022年に結成50周年を迎えるもまったく勢いの衰えないラ・プティット・バンド。最重要作曲家として器楽曲にカンタータと多くの録音を重ねてきた バッハに、いま改めて正面から対峙。録音レパートリーの穴になっていた「チェンバロ協奏曲」についに取り組みます!全3巻からなる予定で、1台と2 台用のチェンバロ協奏曲に、ヴァイオリン協奏曲2曲とヴァイオリンの二重協奏曲を組み合わせて構成されていきます。 メインでソロを弾くマリオ・セラッチャは1988年生まれ。これまでもラ・プティット・バンドの奏者としてチェンバロを弾いてきた人物であり、勝手知ったる アンサンブルの間合いと、霊感ほとばしるパッセージによる攻守のバランスが抜群。ヴァイオリン独奏はシギスヴァルトの息女サラ・クイケンで、こちらもシギスヴァ ルト自らソロを弾いたなつかしのDHM盤とは違った新時代の演奏。進化していくラ・プティット・バンドの演奏をお聴き逃しなく! (Ki)

DOREMI
DHR-8181(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第8集
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)シューマン:ピアノ協奏曲
(3)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10-3
バルトーク:ピアノ・ソナタ Sz.80
ショパン:24の前奏曲 Op.28
スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.141, L.422
ショパン:マズルカ第40番へ短調 Op.63-2
マルタ・アルゲリッチ(P)
(1)シャルル・デュトワ(指)エーテボリSO
ライヴ録音:1972年10月27日エーテボリ
(2)ヴァーツラフ・ノイマン(指)チェコPO
放送ライヴ録音:1971年3月29日ミュンヘン
(3)ライヴ録音:1976年6月8日東京文化会館
ふたつの協奏曲と、東京でのリサイタルを合わせた凄まじい内容。十八番のレパートリーで聴き応え十分。

H.M.F
HMM-902332(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第9番変ホ長調 K.271「ジュノーム」
ピアノ協奏曲 第18番変ロ長調 K.456
クリスティアン・ベザイデンホウト
(フォルテピアノ/ヴァルター&ゾーン・ピアノ(ウィーン、1805年頃)のコピー(ポール・マクナルティ製、2008年))
フライブルク・バロック・オーケストラ(コンサートマスター:ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ)

録音:2021年5月、アンサンブルハウス、フライブルク
クリスティアン・ベザイデンホウトとFBOによるモーツァルトの協奏曲集シリーズ第3弾の登場!これまでにHMC 902147/ KKC 5273(第17番、ロ ンド K 386、第22番/2012年録音)、HMC 902218/ KKC 5664(第11, 12, 13番/2014年)がリリースされており、その後はベートーヴェ ンのピアノ協奏曲や、イザベル・ファウストとのバッハのソナタ集などでも素晴らしい演奏を聴かせてくれていましたが、「モーツァルトの再来」とも称されるベ ザイデンホウトによる、待望のモーツァルト続編の誕生、ということになります!第9番「ジュノーム」と第18番という組み合わせは、女性に捧げられた2作、 という点で共通しています。
1777年1月に完成された「ジュノーム」は、第1楽章の冒頭からアレグロでオーケストラが短い問いかけをし、それにピアノが応える、という斬新な幕開け。 ジュノーム(Jeunehomme)として知られていますが、当時プロのピアニストとしても活躍していたルイーズ・ヴィクトワール・ジュナミ(Jenamy)(モーツァ ルトの大の友人の娘)に捧げられたもの。終楽章のロンドでのベザイデンホウトの小気味よい指さばきと、ベザイデンホウトが展開する世界に一糸乱れず絶妙に からんで色を添えるオーケストラのうまさは格別です。
第18番は、1784年9月30日、モーツァルトの二人目の子供であるカール・トーマスの誕生日に完成されました。ウィーンに定住し始めて3年目のころで、 音楽家(演奏・作曲)として認められ、生計を立てていく重要な手段として、ピアノ協奏曲を多く書いた時期でした。この1784年に完成したピアノ協奏曲は 6作あるほどです(14-19番)。さらに、『後宮』とダ・ポンテ三部作の間の時期という、まさに神がかった時期の作品といえます。こちらも当時ピアニスト、 そしてオルガン奏者、作曲家などとして活躍していたマリア・テレジア・フォン・パラディス(1759-1824)のために書かれたといわれています。第2楽章 の、フィガロの結婚のバルバリーナの有名なアリアを思わせる雰囲気の前奏につづいてベザイデンホウトが奏でる歌は実に雄弁。パッセージの間の取り方や、休 符に漂う豊かな香りも絶妙で、ひきつけられます。終楽章での、FBOの面々が奏でる豊かな響きに包まれる喜びもまた格別なものがあります。 (Ki)

Chandos
CHAN-20263(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集 Vol.2
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219「トルコ風」
フランチェスカ・デゴ(Vn)、
ロジャー・ノリントン(指)、
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2021年9月10日-12日、ロイヤル・コンサート・ホール(RSNOセンター、グラスゴー)
1989年イタリア出身、朗々たる響き、説得力のある解釈、隙のないテクニックを誇り、国際的なシーンでもっとも人気を集める若きヴァイオリニストの一人、フランチェスカ・デゴ。2021年11月には待望の再来日が実現し、NHKSOと見事なパガニーニを聴かせてくれました。パガニーニ自身が所有し愛奏したヴァイオリンを使用した「イル・カノーネ」(PCHAN-20223/CHAN-20223)で華麗なChandosデビューを果たし、ロジャー・ノリントンとの共演によるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集第1弾(PCHAN-20234/CHAN-20234)が英BBCミュージック・マガジンで「レコーディング・オヴ・ザ・マンス(2021年11月)」に選ばれるなど好評を博したフランチェスカ・デゴが、ヴァイオリン協奏曲集第2弾をリリース!
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲サイクル完成版となるこのアルバムがマエストロ、ロジャー・ノリントンの最後のレコーディングとなる点にも注目です。長いレコーディング・キャリアの締めくくりに選ばれたフランチェスカ・デゴとの迫真のモーツァルト。第1弾でもみせてくれた息の合った共演で新たな発見を生む、新鮮かつ丁寧な音作りが大きな感動を呼びます。


ONDINE
ODE-1410(1CD)
NX-B07
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
(ある天使の思い出に)*
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ベルリン・ドイツSO
ロビン・ティチアーティ(指)

録音:2022年3月25-26日(ライヴ)
2021年9月28-29日*
ソロに、室内楽に、コンチェルトに。近年ヨーロッパで最も盛んな活動を繰り広げているヴァイオリニストの一人がクリスティアン・テツラフです。かつて冴え た技巧で理知的な演奏を聞かせていたテツラフですが、近年は曲を細部まで深く読み込み、より多彩で繊細な表現、より強く深い情感を聞かせるよ うになりました。ロビン・ティチアーティ指揮ベルリン・ドイツSOと組んた独創的かつ説得力に富んだベートーヴェンとシベリウスのヴァイオリン協奏曲 もそうした成果の一つ。同じコンビによる当盤も出来栄えが期待されます。テツラフによれば、ブラームスもベルクも40年以上にわたり演奏を重ねてお り、両曲を合わせた演奏回数は実に300回を超え、この録音にはその経験を傾注したとのことです。 ブラームスはテツラフにとって再録音。ダウスゴー(指)デンマーク国立響との最初の録音(2006/7年、タイムは21:27/08:59/07:45)に対して当 盤のタイムは(20:35/07:52/07:23)となってり、全般的に速いテンポ設定がうかがわれます。テツラフは海外盤解説の中でこの曲を以前は田園 的で牧歌的なものと捉えていたが、今では随所に書かれた弱音の指示や短調の多用に、ブラームスの孤独や不安などの深い人間味を感じると書い ています。悲劇的な出来事から生まれたベルクの協奏曲では随所で激しい慟哭を聴かせながらも、最後に置かれたコラールで全てを浄化するかのよ うな美しい響きに導きます。 テツラフは、2020年2月末に来日し、読売日本SOとベルクの協奏曲を共演する予定でしたが、リハーサルを終えたところで新型コロナ感染症 の拡大により中止となり、無念の帰国となりました。それ以来となる2023年3月の来日では新日本フィルとの共演にベルクを選んでおり、この曲に寄 せるひとかたならぬ思いがうかがわれます。

BIS
BISSA-2581(3SACD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲(全5曲)
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ハオチェン・チャン(P/Steinway D, No. 989)
ナタリー・シュトゥッツマン(指)
フィラデルフィアO

録音:2021年10月26-29日/キンメル舞台芸術センター内ベライゾンホール(フィラデルフィア)
「まるで巨匠の様な演奏だ!」と激賞した故ロリン・マゼールをはじめ、多くの名指揮者もうならせてきたピアニスト、ハオチェン・チャ ン。2009年、第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて史上最年少優勝(当時)して以来、世界各地で積極的な演奏活動を展開している、人 気・実力を兼ね備えた若手ピアニストです。
録音ではこれまでBISレーベルから「シューマン、リスト、ヤナーチェク、ブラームス」(KKC-5712 / BIS SA-2238)、「プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番」(KKC-6046 / BIS SA-2381)をリリースし好評を博しております。
2021年10月に収録した当アルバムはナタリー・シュトゥッツマン(指)フィラデルフィアOとの共演で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲集(カデンツァ: ベートーヴェン)です! チャンは2019年11月にヤニック・ネゼ=セガン指揮で同団と来日し、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を披露しましたが、その劇 的な演奏は聴衆を虜にし、割れんばかりの拍手で大熱狂となりました。
期待の高まるベートーヴェンではクリスタルに輝く美音と極めて発音のよいタッチで演奏。まるでオーケストラとの対話を楽しむように自由に奏でていますが、 強靭なテクニックだけではなく繊細な叙情性を表現できるチャンの唯一無二の魅力に満ち満ちています。また、フィラデルフィアOの演奏の素晴らしさに も注目。歌うようなフレージングと情感豊かな表現はコントラルト歌手でもあるシュトゥッツマンの指揮ならではといえます。コロナ禍に生きる私たちへの希望と 祈りに満ちた注目のアルバムが完成しました! (Ki)

Naive
OP-7546[NA]

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集〜ピゼンデルとその周辺
ト長調 RV 314、ニ長調 RV 226、変ロ長調 RV 369、ニ短調 RV 237、ニ長調 RV 225、イ長調 RV 340
ジュリアン・ショヴァン(Vn、指揮)
コンセー ル・ド・ラ・ローグ

録音:2021年3月11-14日、フランス
ヴィヴァルディ・エディションの最新盤は、ヴァイオリン協奏曲第10巻目となる「ピゼンデルとその周辺」。タイトルが示すとおり、ヴィヴァルディと同時代にドレ スデンで活躍した当時最高峰のヴァイオリン奏者、ピゼンデルに捧げられた、あるいは彼にまつわる作品が収録されています。
ヨハン・ゲオルグ・ピゼンデル(1687-1755)は、クヴァンツやハッセにも賞賛され、アルビノーニやテレマンにも作品を献呈されています。バッハがピゼ ンデルのために無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータを書いた可能性も否定できないという説もあるほどの大家です。そんなピゼンデルは、ドレスデン王室 のオーケストラのアシスタント・コンサート・マスター(1728年より音楽監督)を務めていた時期の1716-17年にかけて、王たちの旅に同行しヴェネツィアを訪 れます。そこでヴィヴァルディと知己を得、ヴィヴァルディの弟子にして友人となりました。ピゼンデルは、作品の楽譜(写本や手稿譜も含む)を多数ドレスデンへ と持ち帰り、ドレスデンにおけるヴィヴァルディの音楽の成功の立役者にもなっています。場合によってはヴィヴァルディの原曲に手を加え、ドレスデンのオーケス トラが活きるように管楽器を多用したりといった変更も施しました。
ヴィヴァルディは、ソナタ(RV 2, 6, 19, 25, 29)および協奏曲(RV 172, 205, 237, 242, 314, 340,ひょっとしたらRV 328も)をピゼンデルに献 呈しました。収録曲の中では、RV 237, 314と340が明確にピゼンデルのための作品、そしてそのほかは当時のドイツのヴァイオリン奏者によって作られた写本 によるもの。ところどころにピゼンデルのスケッチも書かれています。名手のために、ヴィヴァルディが腕によりをかけて書いた協奏曲を、ヨーロッパの古楽界が注 目するショヴァン率いるコンセール・ド・ラ・ローグがこれ以上なく鮮やかに演奏しています! (Ki)

GRAND SLAM
GS-2274(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77 ダヴィッド・オイストラフ(Vn)
オットー・クレンペラー(指)
フランス国立放送O

録音:1960年6月17-19日/パリ、サル・ワグラム
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
オイストラフとクレンペラー、この2大巨匠が共演したブラームスのヴァイオリン協奏曲は、今もなお巨塔のようにそびえ立つ名演です。その演奏が信じがたいほ どの広がりと、柔らかく暖かい雰囲気の音質で蘇りました。ステレオ初期で、ここまでの情報が入っていたとは、全くの驚きです。両者のただ一度の共演であり、か けがえのない演奏内容なので、この偉大な印象を大切にするために、あえて何も組み合わせませんでした。ご了承下さい。  なお、オイストラフ、クレンペラー、フランス国立Oという共演が実現した背景については伝えられていませんが、わかりうる範囲で周辺事情を記しておき ました。(平林 直哉)

H.M.F
HMX-2904032
(8CD+1DVD)
(NTSC)
イザベル・ファウスト・プレイズ・バッハ
■CD1]
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV 1052R
カンタータ第174番「われいと高き者を心を尽して愛しまつる」 BWV
174よりシンフォニア(hrn2, ob2, オーボエ・ダ・カッチャ, vn3, vla3, vc3, 通奏低音)
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV
1042 ・カンタータ第21番「わがうちに憂いは満ちぬ」BWV 21よりシンフォニア(ob, 弦, 通奏低音)
トリオ・ソナタ ハ
長調 BWV 529(vn2と通奏低音)
オーボエ、ヴァイオリン、弦と通奏低音のための協奏曲 ハ短調 BWV 1060R
■CD2]
管弦楽組曲第2番BWV 1067〜ヴァイオリンと弦楽合奏、通奏低音の編成による(イ短調で演奏)
トリオ・ソナタ ニ短調 BWV 527(ob, vn, 通奏低音)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 BWV 1056R 
カンタータ第182番「天の王よ、汝
を迎えまつらん」BWV 182より 第1曲 ソナタ(rec, vn, 弦と通奏低音)
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV 1041
シンフォニア BWV 1045(vn;trp3, tim, ob2, 弦、通低)
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043
■CD3]
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ集
パルティータ第2番BWV 1004ニ短調 ・ソナタ第3番 BWV 1005ハ長調
パルティータ第3番BWV 1006ホ長調
■CD4]
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ集
ソナタ 第1番ト短調 BWV 1001パルティータ 第1番ロ短調 BWV 1002
ソナタ 第2番イ短調 BWV 1003
■CD5]
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集(オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ集)
第1番ロ短調 BWV 1014/第2番イ長調 BWV 1015/第3番 ホ長調 BWV 1016
■CD6]
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集(オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ集)
第4番ハ短調 BWV 1017/第5番ヘ短調 BWV 1018/第6番 ト長調 BWV 1019
■CD7]
ブランデンブルク協奏曲
第1番ヘ長調 BWV1046/第2番ヘ長調 BWV1047/第3番 ト長調 BWV1048
■CD8]
ブランデンブルク協奏曲
・第4番ト長調 BWV1049 ・第5番ニ長調 BWV1050 ・第6番 変ロ長調 BWV1051
■DVD
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調 BWV 1005、パルティータ第2番ニ短調 BWV 1004
収録:トーマス教会(ライプツィヒ)/映像監督:ウテ・フォイデル、プロデューサー:ポール・スマチヌィ
[CD1-2]イザベル・ファウスト(Vn/ヤコブ・シュタイナー)
ベルンハルト・フォルク(Vn/制作者不明(1725年))、クセニア・レフラー(オーボエ、リコーダー)、ヤン・フライハイト(Vc)、ラファエル・アルパーマン(Cemb)、ベルリン古楽アカデミー(コンサートマスター:ベルンハルト・フォルク)
録音:2017年12月、2018年9月/テルデックス・スタジオ・ベルリン

[CD3]イザベル・ファウスト(Vn/1704年製ストラディヴァリウス「スリーピング・ビューティ」)
録音:2009年9月

[CD4]イザベル・ファウスト(Vn/1704年製ストラディヴァリウス「スリーピング・ビューティ」)
録音:2011年8,9月

[CD5-6]イザベル・ファウスト(Vn/ヤコブ・シュタイナー 1658年製)、クリスティアン・ベザイデンホウト(チェンバロ/ジョン・フィリップス、バークレー 2008年製(ヨハン・ハインリヒ・グレープナー(ジ・エルダー)
ドレスデン 1722年製モデル/トレヴァー・ピノックより貸与)
録音時期:2016年8月18-24日

[CD7-8]ベルリン古楽アカデミー、イザベル・ファウスト(Vn/ヤコブス・シュタイナー(1658年製)/BWV1048、 1049)
アントワン・タメスティ(ヴィオラ/1672年製ストラディヴァリウス「マーラー」/BWV 1048、1051)
録音:2021年3,5月


DVD 57'56
音声:PCM 2.0& 5.1
NTSC
世界中の聴衆、そして音楽家たちをも魅了してやまないヴァイオリン奏者、イザベル・ファウスト。近年その芸術の深みと迫真性はますます際立っています。そん なファウストがこれまで収録してきたバッハが、ボックスで登場!大注目なのが、バッハの無伴奏パルティータ第2番とソナタ第3番を、ライプツィヒのトーマス教会 で、バッハの墓前で演奏した映像も入っていること(DVD/ NTSC)(2020年4月5日収録)。今回がDVD初登場の映像です(こちらの演奏会は、ライヴ 配信され、期間限定でオンラインで視聴できたものですが、現在は見ることができません)。 〜ファウストが内面で求めているものは、受け継がれている美というものの研究から得られるものだけでなく、生きること、いのちと真摯に向き合うことから生ま れる真実です。(ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング紙)〜過度に熱狂したり独走したりすることは決してなく、揺るがぬ確信をもって演奏しており、あらためて ファウストの音楽にうたれる内容です。
H.M.F
HMSA-0058
(2SACD)
日本独自企画
税込定価
バッハ:チェンバロ協奏曲集
[Disc1]協奏曲第1番ニ短調 BWV 1052、第2番 ホ長調 BWV 1053、第7番ト短調 BWV 1058
[Disc2]協奏曲第3番ニ長調 BWV 1054、第4番 イ長調 BWV 1055、第5番へ短調 BWV 1056、第6番 ヘ長調 BWV 1057
アンドレアス・シュタイアー(Cemb)、フライブルク・バロック・オーケストラ(音楽監督&ヴァイオリン:ペトラ・ミュレヤンス)

録音:2013年7月
SACDハイブリッド盤(2022年リマスタリング)。現代最高峰の鍵盤奏者、アンドレアス・シュタイアーがソロを務めるバッハのチェンバロ協奏曲集。オーケスト ラは古楽器オーケストラの雄、フライブルク・バロック・オーケストラという最高の布陣。ペトラ・ミュレヤンスがリーダーとなってのレコーディングです。ハルモニア・ ムンディ・フランス・レーベルからハイレゾ音源をライセンスして、SACDリマスタリングを施した、日本独自企画盤です。※HMC 902181(2CD)は廃盤です。 今回が国内仕様初登場となります)。
レコード芸術「新時代の名曲名盤500」(2020年5月号)でもベスト・ワン・ディスクに選ばれた大名盤(国内盤としてはこの盤が初出となります)。全篇を とおしてシュタイアーのソロがとにかく際立っています。さらにオーケストラとのアンサンブルも見事。シュタイアーとオーケストラが常に最高のバランスで聴こえて きます。緩徐楽章では絶品のラルゴを堪能、シュタイアーが時折混ぜ込んでくる刺激的なパッセージ、そしてシュタイアーの超絶技巧ぶりに圧倒されます。期待を裏 切らないバッハのチェンバロ協奏曲集です。
このディスクはSACDハイブリッドです。SACDプレーヤーでSACDディスクとして再生できるほか、SACDの再生に対応していない通常プレーヤーでも、CD 層を読み取ることで、通常のCDと同様に再生をお楽しみいただけます。 (Ki)
H.M.F
HMSA-0057(1SACD)
シングルレイヤー
日本独自企画
税込定価
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第2番ヘ長調 作品102
ヴァイオリン・ソナタ op.134
ピアノ協奏曲 第1番ハ短調 op.35
アレクサンドル・メルニコフ(P)
イザベル・ファウスト(Vn)
イエルーン・ベルワルツ(Tp)
マーラー・チェンバー・オーケストラ
テオドール・クルレンツィス(指)

録音:2010年10,11月&2011年3月
メルニコフが弾く、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲。ハルモニア・ムンディ・フランス・レーベルからハイレゾ音源の提供を受けて、SACDリマスタリングを施 した、日本独自企画のリリースです。カップリングにはイザベル・ファウストと共演したヴァイオリン・ソナタも収録された、決定的名盤です。
こだわり派のメルニコフはショスタコーヴィチの自作自演盤を研究し、独奏・オーケストラともにテンポ、フレージング、表現にいたるまで、似ているところが随所 にあるほど影響を受けています。とは言っても、単なるコピーではなく、独自性は横溢し、新鮮さも欠けていません。ヴァイオリン・ソナタでも、共演のファウストと ともに、オイストラフがショスタコーヴィチのピアノで1968年にプライヴェート録音した音源を聴き、目から鱗が落ちたとのこと。たしかに背筋の凍るような緊張 感と不思議な美しさは自演にそっくりですが、セッション録音ゆえ、そしてこのたびのSACD化により、その凄みは倍増され、ちょっと人間業とは思えません。 このディスクはSACDシングルレイヤーです。対応プレーヤーでSACD再生モードにしてお楽しみください。通常のCDプレーヤーでは再生できません。 (Ki)

DOREMI
DHR-8183(2CD)
レオン・フライシャーLIVE 第4集

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
(4)フランク:ピアノと管弦楽のための交響的変奏曲
(5)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19より 第1楽章
レオン・フライシャー(P)
(1)ピエール・モントゥー(指揮NYO
  ライヴ録音:1944年11月4日/カーネギーホール
(2)エルネスト・ブール(指)南西ドイツRSO
  放送用ライヴ録音:1960年3月19日
(3)ヘンリー・ソプキン(指)アトランタSO
  ライヴ録音:1963年頃
(4)エンリケ・ホルダ(指)サンフランシスコSO
  録音:1955年2月6日
(5)フェレンツ・フリッチャイ(指)サンフランシスコSO
  録音:1953年11月29日
アメリカの名ピアニスト、レオン・フライシャー(1928-2020)の貴重ライヴ音源集。モントゥーとのブラームスは、若干16歳のときの演奏というから驚きです。 (Ki)

GENUIN
GEN-22774(1CD)
「深い高み」
ドニゼッティ:「ドン・パスクワーレ」〜天使のように美しく
ブージョワ:バス・トロンボーンとバンドのための協奏曲Op.239a
チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」〜誰でも一度は恋をして
レベデフ:チューバ/バス・トロンボーンと管弦楽のための協奏曲第1 番
ヴェルディ:「ドン・カルロ」〜彼女は私を愛してはいなかった
ブルーベック:プラハ協奏曲〜バス・トロンボーンと管弦楽のための
ワーグナー:「タンホイザー」〜ああお前よ、私の優しい夕星よ
リザ・ホッホヴィンマー(Tb)
ベンヤミン・ライナース(指)
キールPO

録音:2021年3月24―26日 ドイツ キール
トロンボーンのオリジナルの協奏曲とトロンボーンで吹いた有名オペラ・アリア(いずれもバリ トンもしくはバスのアリア)を並べた面白い試みのCD。どちらの曲においてもドイツのトロンボー ン奏者、リザ・ホッホヴィンマーが見事な腕前を披露してくれます。リザ・ホッホヴィンマーはミュン ヘンとウィーンで学んだ後、2020年まではまだ就学中だったにもかかわらず、2017 年にキー ルPOのバス・トロンボーンとコントラバス・トロンボーンの奏者に就任 したほどの実力の持ち主。修了後はソリストとしてもドイツ各地で活躍しています。


ALPHA
ALPHA-878(1CD)

NYCX-10336(1CD)
国内盤仕様
税込定価
『モーツァルトとマンボ 2- キューバン・ダンス』
モーツァルト:ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K. 417
『キューバン・ダンス』 ソロ・ホルン、弦楽合奏とパーカッションのための
ペペ・ガビロンド(1989-)/ヤセル・ムニョス(1996-):I. Tamarindo Scherz-son
ユニエト・ロンビーダ(1989-):II. Danzon de la Medianoche
ウィルマ・アルバ・カール(1988-):III. Guaguanco Sencillo
ホルヘ・アラゴン(1988-):IV. Un Bolero para Sarah
ユニエト・ロンビーダ/エルネスト・オリバ(1988-):V. Sarahcha
エルネスト・オリバ:VI. !Ay Comay! Un Changui pa´Sari
モーツァルト:ホルン協奏曲 第1番ニ長調 K. 412
マリーア・テレーサ・ベラ(1895-1965)/ホルヘ・アラゴン編曲:20年
リチャード・エグエス(1924-2006)/ホルヘ・アラゴン編曲:エル・ボデゲーロ
エドガー・オリヴェロ(1985-):パ・パ・パ (モーツァルト:「魔笛」パパゲーナとパパゲーノのデュエットによる)
サラ・ウィリス(Hrn)
カルロス・カルンガ(歌)
エンリケ・ラサガ(ギロ)
サラバンダ【サラ・ウィリス(Hrn)、ユニエト・ロンビーダ(Sax)、ジャネル・ラスコン(P)、レオ・A. ルナ(ベース)、アレハンドロ・アギアル(カホン、マラカス)、アデル・ゴンサレス(コンガ)、エドゥアルド・ラモス(ティンバレス)】

ハバナ・リセウム・オーケストラ
アデル・ゴンサレス(パーカッション/スペシャル・ゲスト)、
セ・アントニオ・メンデス・パドロン(指)

録音:2022年1月、4月 オラトリオ・サン・フェリペ・ネリ教会、ハバナ、キューバ

※ 国内仕様盤 日本語解説…今泉晃一、歌詞日本語訳…原口昇平
ベルリン・フィルの人気ホルン奏者サラ・ウィリスがキューバのミュージシャンたちと録音し、世界的な大ヒットとなった2020年のアルバム「モーツァルトとマンボ」 (ALPHA578/NYCX-10151)。「モーツァルトはきっと素晴らしいキューバ人になったはず」という現地の友人の一言がきっかけとなり、彼女自身が大好きな キューバの音楽とモーツァルトを取り合わせるというなんとも不思議な企画が立ち上がりましたが、これが非常に面白い相乗効果を生みました。コロナ禍を乗り 越え、満を持してその第2弾が登場します。モーツァルトのホルン協奏曲2曲と共に今回メインとなるのは、キューバの若い作曲家たちに委嘱した「ホルンと弦 楽とパーカッションのためのキューバン・ダンス」6曲。ベルリン・フィルではあまり聴くことの出来ないサラ・ウィリスの伸びのあるソロと、陽気で熱気あふれるキューバ 音楽の魅力をたっぷりと味わうことが出来ます。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンドのツアーにも参加したカルロス・カルンガの張りのある歌声、今回の録音 中に83歳の誕生日を迎えたというギロ(グイロ)の名手エンリケ・ラサガの妙技、そしてハバナ・リセウム・オーケストラの素晴らしい演奏も大きな聴きどころです。


Channel Classics
CCS-42522(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 Op. 40
ピアノ協奏曲 第2番ハ短調 Op. 18
アンナ・フェドロヴァ(P)
ザンクト・ガレンSO
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2021年11月 トーンハレ・シアター、ザンクト・ガレン、スイス
ウクライナのキーウ(キエフ)出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍するア ンナ・フェドロヴァによるラフマニノフの協奏曲第2番、第4番が登場。第1番と「パガニーニ狂詩曲」を収録した第1弾(CCS42620)に続く、ラ フマニノフのピアノ協奏曲全集第2弾です。フェドロヴァが弾く第2番は、2013年のアムステルダム・コンセルトヘボウでのライヴ映像がYou Tubeで再生回数3500万回近くに及んでおり、CDとしては2014年(PIANO CLASSICS)以来の再録音となります。交響曲第1番の酷 評から精神的危機に陥ったラフマニノフが、大きな成功を得て立ち直るきっかけとなったピアノ協奏曲第2番。ここではややゆったりとしたテンポ の中、表情をダイナミックに付けていくフェドロヴァのピアノと、大きくうねるオーケストラとの絡みが作品の魅力を十二分に引き出しています。ラ フマニノフが1917年に祖国ロシアを離れて9年後に完成させ、その後さらに2回の大きな改訂が行われた第4番は、スクリャービンなどの影響 も指摘されるやや複雑な作品。ここでも、力強さと繊細さを併せ持つフェドロヴァのテクニックと表現力が生きています。フェドロヴァによると、第 4番は「時代の大きな変わり目、過去との別れと恐ろしい未来への突入」、第2番は「不死鳥のような生まれ変わりと精神の復活、希望と 光、それこそが今この時に必要なこと」という解釈から第4番、第2番という収録順にしたとのことで、彼女の今の思いが強く入った、聴く者の 心を揺さぶるアルバムとなりました。

CD ACCORD
ACD-293(1CD)
NX-C09
アンジェイ・チャイコフスキ/ギヤ・カンチェリ: 作品集
アンジェイ・チャイコフスキ(1935-1982):協奏曲「古典」 - ヴァイオリンと管弦楽のために
ギヤ・カンチェリ(1935-2019):リベラ・メ(レクイエム風)
イリア・グリンゴルツ(Vn)
マグダレーナ・シャボフスカ(S)
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団男声セクション
ワルシャワPO
アンドレイ・ボレイコ(指)

録音:2021年2月5日、2021年4月2日…4
アンジェイ・チャイコフスキ(ロシア風にはアンドレ・チャイコフスキー)は本名をロベルト・アンジェイ・クラウトハメルといい、ユダヤの家系に生まれました。第 二次世界大戦中に身分を隠すために潜伏、この時に使った偽名「チャイコフスキ」をそのまま芸名としました。1955年に開催された第5回ショパン国 際コンクールにおいて8位入賞後、ブリュッセルに留学、翌年のエリザベート王妃国際音楽コンクールではラザール・ベルマンやタマーシュ・ヴァーシャリら の上を行く3位入賞を果たし、ピアニストとして活躍をはじめました。作曲家としても数多くの作品を遺し、本人はピアニストとしてよりも作曲家として 評価されることを望んでいたようです。 このヴァイオリンのための協奏曲「古典」は、大編成のオーケストラを用いているにもかかわらず、室内楽的な性格を持った作品。イリヤ・グリンゴルツが 弾くヴァイオリンとオーケストラは絶妙のバランスをとり、バロックの合奏協奏曲のような楽器間のやりとりを繰り広げます。 ギヤ・カンチェリはグルジア生まれの作曲家。この「リベラ・メ」はレクイエム風と副題を持つ声楽曲で、通常のレクイエムのようなラテン語を用いるのでは なく、グルジアの偉大な2人の詩人ヴァジャ・プシャヴェラとガラクティオン・タビッツェの言葉を引用した自由なテキストとして用いています。 演奏はアンドレイ・ボレイコが指揮するワルシャワPO。ボレイコはサンクトペテルブルク生まれですが父方はポーランド系で、 2019/20のシーズンよりワルシャワPOの音楽監督を務めています。
CD ACCORD
ACD-295(1CD)
NX-C05
サン=サーンス:ミューズと詩人たち Op. 132
マルティヌー:協奏曲 H.252
ヘンリク・クシェショヴィエツ(1946-):トリオ・コン・ブリオ(2017)
シモン・クシェショヴィエツ(Vn)
アダム・クシェショヴィエツ(Vc)
ヤン・クシェショヴィエツ(Fl)
イェジー・マクシミウク(指)
NFMヴロツワフPO

録音:2021年3月19日(ライヴ)
「このアルバムを、私たちに音楽を愛すること、そして音楽が私たちの生活の中に日々存在することの喜びを教え てくれた両親、アンナとヘンリクに捧げたいと思います。そして、私たちは長年にわたって誠実な音楽表現でインス ピレーションを与えてくれたマエストロ、イェジー・マクシミウクにも格別な感謝の気持ちを捧げます」 アルバムに寄せてこのように語る、ポーランドを代表する演奏家であるクシェショヴィエツ3兄弟。各々が操る楽器 は違うものの、音楽にかける情熱は皆同じです。 このCDは、2021年3月19日、ルトスワフスキ国立音楽フォーラムの大ホールで、NFMヴロツワフ・フィ ル75周年シーズンの一環として行われたコンサートを収録したものです。

MDG
MDG-90122166
(1SACD)
ベートーヴェン:献堂式序曲
ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80

●ボーナスCD:ペーター・ギュルケによるアルフレッド・ブレンデルの対談集の朗読
ラウマ・スクリデ(P)
ブランデンブルクSO
ペーター・ギュルケ(指)

録音:2020年11月10-14日、ブランデンブルク劇場
ラトヴィア出身のピアニスト、ラウマ・スクリデをソリストに迎えたペーター・ギュルケ(指)ブランデンブルクSOによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4 番。ベートーヴェンの人生の中で最も充実していたいわゆる「傑作の森」と呼ばれる時期に書かれた本作。第1楽章の冒頭からピアノ・ソロで開始されるなど、ベー トーヴェンらしい革新的な作品となっています。ラウマ・スクリデの説得力のあるピアノ、そしてオケの好サポートにより、楽曲の魅力が存分に伝わる演奏となって います。またラウマ・スクリデはソロで「創作主題による32の変奏曲」も録音。この作品も同じくベートーヴェンの中期に属し、「傑作の森」の数々の名作とともに 演奏され続けています。古典的な作曲法と巧みな変奏技法とが見事に一体となった画期的な変奏曲で難易度も高い作品ですが、ラウマ・スクリデの卓越した構築 力で見事に聴かせます。またカップリングには、晩年の作品ですがあまり演奏機会のない「献堂式」序曲が含まれています。1822年に、ウィーンに新築されたヨー ゼフシュタット劇場のこけら落としに上演されたC.マイルズの劇「献堂式」のために作曲された祝典劇のための音楽。ミサ・ソレムニスや「第9」と同時期に書かれ ており、簡潔ながらも総作意欲が垣間見れる充実した作品です。

MDG
MDG-90322646
(1SACD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」(Vnとオルガン版)
協奏曲第1番ホ長調 RV 269「春」
協奏曲第2番ト短調 RV 315「夏」
協奏曲第3番ヘ長調 RV 293「秋」
協奏曲第4番ヘ短調 RV 297「冬」
ヴァイオリン協奏曲 イ短調
(すべてテオフィル・ハインケによるオルガン編)
デヴィッド・ゴロル(Vn)
テオフィル・ハインケ(Org)使用楽器:ヴァルタースハウゼン市教会、トロスト・オルガン

録音:2021年11月2-4日、ヴァルタースハウゼン市教会
ヴィヴァルディの最も有名な作品である「四季」。4つのヴァイオリン協奏曲は、季節の移り変わりを標題的に表現し、技術的にも革新的であり、新境地を開拓 した楽曲です。本盤では、なんとヴァイオリンとオルガンによる編曲で録音。オルガンによる編曲は、ヴァイオリンの豊かな音色を生かしつつ、ヴィヴァルディの幅広 い音楽表現に新たな1ページを加えるような画期的な演奏となっています。オルガンは、ヴァルタースハウゼン市教会にある名工トロスト作のオルガン。ブックレッ トにはオルガンのストップ表も記載するこだわりです。夏の雷鳴と閃光、春の鳥のさえずりなど多彩な音響を楽しむことができます。またカップリングには、バッハ 自身はオルガン用に編曲していたイ短調のヴァイオリン協奏曲も収録しています。

Etcetra
KTC-1749(1CD)
ピッコロ協奏曲集
レヴェンテ・ジェンジェシ(b.1975):ピッコロ協奏曲(2022)
エリク・デシンペラーレ(b.1990):ピッコロ協奏曲(2016)
ロベール・グロロー(b.1951):ピッコロ協奏曲(2012/2021)
バート・ワッテ(b.1979):ピッコロ協奏曲(2016/2021)
ペーター・フェルホーエン(ピッコロ)、
アタネレス・アンサンブル、他
アントワープSO(元ロイヤル・フランダースO)の首席ピッコロ奏者を務めるベルギーの名手、ペーター・フェルホーエンによる、ベルギーの現代作曲家の作品を中心にしたピッコロ協奏曲集です。ベートーヴェンの活躍した時代では特殊効果のように使われていたピッコロですが、現在のオーケストラ曲では欠かせない楽器となりました。とはいえソロ楽器としてはまだまだ馴染みの薄いピッコロのために作られたこの協奏曲集は、この楽器の持つ特性をさらに教えてくれるアルバムとなっています。

Avie
AV-2555(1CD)
クロイツェル・プロジェクト
ベートーヴェン(コリン・ジェイコブセン編):クロイツェル協奏曲(Vn・ソナタ第9番 イ長調 Op.47より)*
コリン・ジェイコブセン(b.1978):Kreutzings
アンナ・クライン(b.1980):速記**
ヤナーチェク(エリック・ジェイコブセン編、マイケル・P・アトキンソンによるオーケストレーション):クロイツェル・ソナタ(弦楽四重奏曲第1番 JW 7/8より)
ザ・ナイツ、エリック・ジェイコブセン(指)、
コリン・ジェイコブセン(Vn)*、
カレン・ウズニアン(Vc)**

録音:2020年2月8日-10日&7月21日-23日
ベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ第9番」、通称「クロイツェル」から触発されてロシアの小説家トルストイは『クロイツェル・ソナタ』を書き、そしてその『クロイツェル・ソナタ』からインスピレーションを受けたヤナーチェクは「弦楽四重奏第1番「クロイツェル・ソナタ」」を作曲しました。それらの作品に、トルストイの「音楽は感情の速記である」という言葉からタイトルを付けたアンナ・クラインの作品を加えたクロイツェル・プロジェクト。「クロイツェル」を合言葉に制作されたこのアルバムは、ベートーヴェンとヤナーチェクの作品は新たなアレンジにより、より新鮮な印象を与えてくれるものに仕上がっています。
ザ・ナイツは、エリック・ジェイコブセンとコリン・ジェイコブセン兄弟らによって創設された室内オーケストラです。彼らは聴衆と音楽の壁を取り払うことを目指しており、コンサートホールだけでなく、公園、広場やバーといった場所でも演奏を行っています。またヨーヨー・マやギル・シャハム、ユジャ・ワンなどと共演する他、クラシックにこだわらず様々なジャンルのアーティストやパフォーマーとのコラボレーションも行っています。

Pentatone
PTC-5187016(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261(カデンツァ:ユリア・フィッシャー)
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 K.269(カデンツァ:ユリア・フィッシャー)
ユリア・フィッシャー(Vn/1750年製グァダニーニ)
ヤコフ・クライツベルク(指)、
オランダ室内O
ゴルタン・ニコリッチ(コンサートマスター)

録音:2005年ヴァールゼ教会(アムステルダム)
類稀な才能の持ち主の天才ヴァイオリニスト、ユリア・フィッシャーが20代前半に録音した名盤「モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番&第4番、アダー ジョ K.261、ロンド K.269」がCDフォーマットで再発売いたします!
ミュンヘン生まれのユリア・フィッシャーは、3歳でヴァイオリンを、その後ピアノも習いはじめ、すぐにその才能を開花させヴァイオリン、ピアノそれぞれで 国際的なコンクールに複数回優勝しているという逸材。その後順調にキャリアを重ね、PENTATONEレーベルからのデビュー盤となったロシアン・アルバムで、 一躍世界のひのき舞台に躍り出ました。確かな技術と情熱的な語り口が魅力のフィッシャーですが、モーツァルトでは艶やかな美音を披露し、ふくよかな音色は 唯一無二の至芸といえます。当録音では多くのカデンツァをユリア・フィッシャー自身が書いており、モーツァルトの作品に対する強い思いも表れ、さらに当時 使用していた名器グァダニーニの音色を存分に味わえます。演奏のすばらしさはもちろんのことPENTATONEが誇る技術チームによる極上の録音をお楽しみい ただけます! (Ki)

Hanssler
HC-22039(1CD)
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲集 Vol.7
(1)協奏曲 ハ短調 Wq.5(1739)(第2楽章のカデンツァ;C.P.E.バッハ)
(2)協奏曲 イ長調 Wq.8(1741)(第2&3楽章のカデンツァ;リシェ)
(3)協奏曲 ロ短調 Wq.30(1753)(第1&2楽章のカデンツァ;C.P.E.バッハ)
ミヒャエル・リシェ(P&指揮)
ベルリン・バロック・ゾリステン
【マルティン・フンダ(Vn/コンサートマスター)
町田琴和、ハンデ・キューデン、ドリアン・ジョジ(1)(2)、ヨハンナ・ステムラー(3)(Vn1)
アンナ・ルイーザ・メーリン、アレクサンダー・キッシュ、ライマー・オルロフスキー、ジョナサン・マサキ・シュワルツ(Vn2)
ヴァルター・クシュナー、ユリア・ガルテマン(Va)
クレメンス・ヴァイゲル、サヤカ・セリーナ・シュトゥーダー(Vc)
ウルリッヒ・ウォルフ(1)(2)、エスコ・ライン(3)(ヴィオローネ)】
A'=442Hz

録音:2022年3月/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
好評を博しているドイツ知性派ピアニスト、ミヒャエル・リシェによるC.P.E.バッハの鍵盤協奏曲シリーズの第7集が登場します。C.P.E.バッハはフリードリヒ大 王の宮廷で活躍し"ベルリンの大バッハ"として当時絶大な人気を誇ったことでその名が知られました。当ディスクには協奏曲 ハ短調 Wq.5、イ長調 Wq.8、そし てロ短調 Wq.30が収録されております。共演はBPOの首席奏者たちを中心にして1995年に結成されたベルリン・バロック・ ゾリステンです。世界最高峰の名手たちが奏でる極上のC.P.E.バッハをお楽しみください!
毅然としたリシェの演奏は圧巻でC.P.E.バッハの鮮烈な世界をセンセーショナルに表現しており、明晰で理知的なリシェの演奏はオーケストラと絶妙なアンサン ブルを作り上げております。
リシェによるC.P.E.バッハのピアノ協奏曲集はこれまでに第1集【Wq.22、Wq.43-5、Wq.46】(98-027)、第2集【Wq.17、Wq.43-4、Wq.14】 (98-653)、第3集【Wq.23、Wq.31、Wq.112-1】(98-639)、第4集【Wq.26、Wq.44、Wq.20】(HC-15046)、第5集【Wq.1、Wq.15、 Wq.45】(HC-17034)、第6集【Wq.11、Wq.43-4、Wq.24】(HC-19041)がリリースされております。 (Ki)

BRAVO RECORDS
BRAVO-10009(1CD)
税込)定価
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21(ケヴィン・ケナー、クシシュトフ・ドンベク 室内楽版編)
マズルカ第31番変イ長調 Op.50-2
實川風(P)
(1)ハマのJACKメンバー(弦楽五重奏)【三又治彦(Vn)、白井篤(Vn)、村松龍(Va)、海野幹雄(Vc)、松井理史(Cb)】

ライヴ録音:2022年3月1日/横浜市港南区民文化センターひまわりの郷
横浜みなとみらいホールの休館期間中(2021年1月?22年10月)、横浜市内各区のホールや公会堂などの文化施設を巡り、室内楽編成による協奏曲をお届けするシリーズ「横浜18区コンサート」が開催されています。
このCDは、2022年1月に開催され、既にCDリリースされている福間洸太朗と日本フィルのメンバーによるショパン/ピアノ協奏曲第1番(BRAVO-10008)に引きつづき、2022年3月1日に横浜市港南区民文化センターひまわりの郷で開催された、實川風とハマのJACKメンバーによるショパン/ピアノ協奏曲第2番の演奏をライヴ収録したものです。
ソリストの實川風は、2015年パリ・シャンゼリゼ劇場で開催されたロン・ティボー・クレスパン国際コンクールにて第3位(第1位なし)、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞を受賞、翌16年にはイタリアで行われたカラーリョ国際ピアノコンクールにて第1位、聴衆賞を受賞するなど、世界的に評価の高い俊英ピアニストです。
今回、實川風と共演したハマのJACKは、NHKSOメンバーを中心に結成され、一般の音楽ファンばかりでなく、子どもやお年寄り、障がいのある方々などに質の高い演奏を提供する活動をつづけている特定非営利活動法人のクラシック音楽集団で、演奏の質の高さに定評があります。
長引くコロナ禍により、生の演奏会に触れる機会が減っていた時期、多くの関係者の努力により実現した「横浜18区コンサート」は、横浜市内に点在する音楽ホールを中心に、上質な室内楽を届ける企画として、多くのファンを楽しませています。今回実現した、若手ピアニストとベテラン演奏家たちによるライヴ・レコーディングは、「横浜18区コンサート」の貴重なドキュメントとして、長くクラシック・ファンの心に残る名演奏となりました。 (Ki)

ORFEO DOR
C-220081(1CD)
NX-A13
ドヴォルザーク:序曲「フス教徒」
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ヘンリク・シェリング(Vn)
ラファエル・クーベリック(指)
バイエルンRSO

録音:1967年6月11日(ライヴ)
Konzerthaus Wien(オーストリア)
STEREO
※C719071DRの再発盤
シェリングのブラームス:ヴァイオリン協奏曲と言えば、ドラティ指揮ロンドン響と共演した1961年録音とハイティンク 指揮コンセルトヘボウと共演した1973年録音が高く評価され、特に後者は専門誌の名盤選びでしばしばトップに 選ばれてきました。その両者のほぼ中間となる1967年にウィーン芸術週間でライヴ収録された当盤は、シェリング の持ち味である美音と格調高い解釈に燃焼度や高揚感が加味された「ライヴの醍醐味」を伝えるものとなっていま す。 第1楽章冒頭から推進力があって流れが良く、その流れの良さは全曲を一貫していますが、逡巡するようなフレー ズにはたっぷりと時間をかけ、息の長い旋律を歌い上げる時の緩急や強弱のダイナミズムは「至芸」と言いたくなりま す。4歳違いのクーベリックの指揮も感興豊かにシェリングに合わせ、時に丁々発止のやり取りも繰り広げる終楽章 は迫力満点。聴衆の喝采がその場の興奮度を物語っています。全曲に41分余りをかけてじっくりと取り組んだ 1973年盤に対して、こちらは39分を切っていますが、聴感上の印象はタイム差から想像する以上に異なることで しょう。 冒頭にはクーベリックが得意としていたドヴォルザークの序曲「フス教徒」が演奏されており、こちらもセッション録音盤 よりも引き締まったテンポによるダイナミックな演奏となっています。 ※良好な音質によるステレオ録音です。

H.M.F
HMM-902688(1CD)
ヴィヴァルディ:作品集
協奏曲 ニ長調 RV 562「聖ロレンツォの祝日のために」
フルート協奏曲 ホ短調 RV 432
協奏曲 ハ長調 RV 556「聖ロレンツォの祝日のために」(1720年半ば)
協奏曲 ヘ長調 RV 571
ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ト短調 RV 576
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV 344
2つのオーボエのための協奏曲 イ短調 RV 536
協奏曲 ヘ長調「プロテウス、あるいは逆さまの世界」RV 572
アマンディーヌ・ベイエ(Vn&指)
「リ・インコーニティ」
トラヴェルソ&リコーダー:エレオノーラ・ビシェビチ、マニュエル・グラナティエロ(ソロ:RV432)
オーボエ:ネヴェン・ルサージュ(ソロ:RV 576)、ガブリエル・ピドゥ
クラリネット:ロベ ル タ・クリスティ、ル ノー・ギィ= ルソ ー
ファゴット:アレ ハンドロ・ペレス= マラン
ホルン:テオ・スカネク、シリル・ヴィトコク
ヴァイオリン:川久保洋子、フラヴィオ・ロスコ、ヴァディム・マカレンコ、アルバ・ロカ、カティア・ヴィエル、エレナ・ズマノヴァ
ヴィオラ:マルタ・マラモ 、リカルド・ジ ル・サンチェス
チェロ:レベカ・フェリ、カルラ・ロヴィロサ
ヴィオローネ:バルドメロ・バルシエラ
テオルボ&バロックギター:フランチェスコ・ロマノ
チェンバロ&オルガン:アンナ・フォンタナ
ティンパニ:クレ マン・ロスコ

録音:2021年4月、スペイン
フランス古楽界の新時代の担い手、ベイエ率いるリ・インコーニティ(名もなき者たち、の意。2006年結成)。待望の新譜は、ヴィヴァルディによる、もは や「交響曲」ともいえるようなスケールの協奏曲集。ベイエの奏でるヴァイオリンの明るく輝く音色は、生まれ故郷でもある南仏の太陽を思わせるよう。そして 奏でる音符やパッセージが微笑んでいるかのよう。そしてクラリネットのユニゾン、リコーダーのトリル、官能的なオーボエの二重奏、燃え上がるようなホルンの 響きが加わって、交響曲のようなサウンドながら、親密かつ軽やかなアンサンブルは必聴です。
ティンパニも登場する「聖ロレンツォの祝日のために」RV 556は、1720年代中頃に作曲されたと考えられますが、クラリネットが使用されているのも注 目ポイントです。クラリネットは、ヴィヴァルディ当時はまだ新しい楽器でした(18世紀初めに登場)が、ヴィヴァルディは、ヴェネツィアにこの楽器が存在し ていたことに敬意を表してこれを作曲したと思われます(のちに、クラリネットを含まないヴァージョンも作曲している)。
アルバムのタイトルにもなっている「プロテウス、あるいは逆さまの世界」と題されたRV 572は、ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲に、フルート、オーボエ、チェ ンバロという編成の作品。入れ替えて演奏可能なヴァイオリンとチェロ双方のソロ・パートに相当な技術が要求される作品です。さらに、他の楽器も、ソロ楽器 と同じ旋律をオクターブのユニゾンで演奏するという、ソリストだけでなくメンバーの腕も要求される作品。そこにヴィオラがドローンのように長い音符を奏で、 なんともいえない厚みのあるサウンドが生まれる歯ごたえのある作品。ベイエ率いるリ・インコーニティの面々は、パッセージのひとつひとつを愉悦に満ちた表情 で奏でています。 (Ki)

DOREMI
DHR-8168(2CD)
ルドルフ・ゼルキンLIVE 第3集〜モーツァルト

(1)ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
(2)ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
(3)ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
(4)ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
(5)ピアノとヴァイオリンのためのソナタ K.12 & K.13(任意のチェロつき)
(6)前奏曲とフーガ ハ長調 K.394
ルドルフ・ゼルキン(P)

(1)ユージン・オーマンディ(指)、VPO
ライヴ録音:1963年6月9日ウィーン
(2)ミシェル・シンガー(指)、オーバリン室内O
ライヴ録音:1985年10月17日オーバリン
(3)グイード・カンテッリ(指)、ニューヨーク・フィルハーモニック
ライヴ録音:1953年3月26日カーネギーホール
(4)アレクサンダー・シュナイダー(指)、カザルス祝祭O
ライヴ録音:1963年カザルス音楽祭
(5)ピーナ・カルミレッリ(Vn)、ダヴィド・コール(Vc)
ライヴ録音:1974年頃マールボロ
(6)ライヴ録音:1968年5月13日ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール
ルドルフ・ゼルキンの貴重音源集第3弾。モーツァルトを集めた2枚組。
DOREMI
DHR-8177(2CD)
ルドルフ・ゼルキンLIVE 第4集

(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 『皇帝』 Op.73
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
(3)モーツァルト:ピアノ協奏曲第16番ニ長調 K.451、第25番ハ長調 K.503
(4)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番 へ短調 Op.2-1
ルドルフ・ゼルキン(P)

(1)ギュンター・ヴィッヒ(指)、NHKSO
ライヴ録音:1979年10月4日東京
(2)ジェームズ・レヴァイン(指)セントルークスO
ライヴ録音:1986年4月20日メトロポリタン美術館
(3)ディミトリ・ミトロプーロス(指)NYO
ライヴ録音:1955年10月23日カーネギーホール
(4)ライヴ録音:1977年6月6日トロント大学
ルドルフ・ゼルキンの貴重音源集第4弾。べートーヴェンとモーツァルトを収録。

LAWO Classics
LWC-1234(1CD)
嘆きの跡
ギンゲ・アンヴィーク(b.1970):オスティナート(Vcと管弦楽のための)*
ガウテ・ストロース(b.1959):別の側から(Vcと弦楽オーケストラのための)
ヘンリク・スクラム(b.1973):晩餐(Vcと管弦楽のための)*、創発(Vcと管弦楽のための)*
ガウテ・ストロース:北欧の年(Vcと弦楽オーケストラのための)
アウドゥン・サンヴィーク(Vc)、
ノルウェー放送O *、トマス・クルーグ(指)*、ノルウェー室内O、
ペール・クリスチャン・スカルスタード(指)

2018年1月17日-19日、ノルウェー放送(NRK)コンサートホール(オスロ)*&2020年6月11日-12日、オスロ・コンサートホール「小ホール」(オスロ)
ノルウェーのチェリスト、アウドゥン・サンヴィークは、若い音楽家に与えられる「リンデマン賞」を受賞、ノルウェー放送Oの副首席チェロ奏者を2005年から2019年まで務めた後、ノルウェー室内Oにチェロ奏者として所属、ソロと室内楽の活動を行っています。『嘆きの跡』と題した新しいアルバムは、ラフマニノフとショスタコーヴィチの「チェロ・ソナタ」(LWC1131)に次ぐ LAWO Classics の第2作。映画やテレビなどオーディオ・ヴィジュアルのジャンルで活動する作曲家たちが、彼のために作曲あるいは編曲した「物語、音楽表現、環境、感情」を出発点とする音楽を演奏しています。
ギンゲ・アンヴィーク(b.1970)が2015年の映画『De narmeste』のために書いた音楽に基づく「オスティナート」。ジャズ畑のガウテ・ストロース(b.1959)がチェロの「3つの主要音域」を主役にした3楽章の音楽に書いた「別の側から」と、スウェーデンの田舎を舞台にしたコリン・ナトリーのテレビ・シリーズ「北欧の年」のために書いたニッケルハルパと弦楽の作品の「チェロ版」。ヘンリク・スクラム(b.1973)が、家庭内暴力と自殺を題材にした暗く痛ましい映画のために作曲した「晩餐」と、「調性」と「重力」の関係を探求したという「創発」を収録。

Nimbus Alliance
NI-6429(1CDR)
トーマス・ド・ハルトマン:管弦楽作品集
ピアノ協奏曲 Op.61(1939)
交響詩第3番Op.85(1953)
幻想的スケルツォ Op.25(1929)
ウクライナ・リヴィウ国立フィルハーモニックO、
ティアン・ホイ・ウン(指)、
エラン・シクロフ(P)

録音:2021年9月18日-19日、国立フィルハーモニックホール、リヴィウ(ウクライナ)
ウクライナに生まれたロシア人作曲家トーマス・ド・ハルトマンの作品を紹介していくプロジェクトの管弦楽作品集。
作曲をアレンスキーやタネーエフに師事し、ピアノをリムスキー=コルサコフに師事したド・ハルトマン。1928年から1935年の間に50以上の映画音楽を作製していた時期の彼のピアノ協奏曲は、ドラマチックで壮大なオーケストレーションが特徴的で、晩年に作られた交響詩第3番ではド・ハルトマンの集大成ともいえるような多彩な表現を聴くことが出来ます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Signum Classics
SIGCD-704(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ロマンス第1番ト長調 Op.40
ロマンス第2番 ヘ長調 Op.50
チャーリー・シーム(Vn)、
オレグ・カエターニ(指)フィルハーモニアO

録音:2021年11月22日-23日、オール・ハロウズ・ゴスペル・オーク(ロンドン、イギリス)
若きヴァイオリニスト、チャーリー・シームは1986年にロンドンで生まれ3歳からヴァイオリンを始めました。1998年から2004年までロンドンの王立音楽大学でイツァーク・ラシュコフスキに、2004年からはシュロモ・ミンツに師事し研鑽を積みました。LSO、ロッテルダム・フィル、ロイヤル・フィルといった主要なオーケストラと共に、シャルル・デュトワ、エドワード・ガードナー、ズービン・メータ、ヤニック・ネゼ=セガン、ロジャー・ノリントンらの巨匠たちと共演しています。これまでに、名手イタマール・ゴランとともにSignumからヴァイオリン作品集(SIGCD652)をリリースしており、WarnerやSonyからもアルバムをリリースし好評を博しています。
Signum2枚目となる今回のアルバムは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。指揮はイーゴリ・マルケヴィチを父に持ち、カラヤン指揮者コンクールで優勝、メルボルンSOの音楽監督などを歴任し、東京都SOなどに客演のため、たびたび来日し日本のファンにも馴染み深いオレグ・カエターニが務め、フィルハーモニアOを率います。万全なサポートを受け、チャーリー・シームが表現力豊かな演奏を披露します。


BRAVO RECORDS
BRAVO-10008(1CD)
税込定価
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11(ケヴィン・ケナー、クシシュトフ・ドンベク 室内楽版編)
夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
福間洸太朗(P)
(1)日本フィル団員(弦楽五重奏)【田野倉雅秋(Vn)、竹歳夏鈴(Vn)、安達真理(Va)、石崎美雨(Vc)、高山智仁(Cb)】

ライヴ録音:2022年1月27日横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール
横浜みなとみらいホールの休館期間中(2021年1月〜22年10月)、横浜市内各区のホールや公会堂などの文化施設を巡り、室内楽編成による協奏曲をお 届けするシリーズ「横浜18区コンサート」が開催されています。
この CD は、同コンサート・シリーズの中から、2022 年 1月 27日に鶴見区民文化センター サルビアホールで開催された、福間洸太朗と日本フィルハーモニー SOメンバーによる演奏をライヴ収録したものです。
ソリストの福間洸太朗は、多岐にわたるジャンルのCDをリリースするかたわら、国内外の著名オーケストラとの共演も多く、今日まで、たくさんのファンを魅 了してきました。今回、日本フィルハーモニーSOの俊英メンバーによる弦楽五重奏との共演による、待望の「ショパン:ピアノ協奏曲第1番」の録音が完 成しました。
コロナ禍により、客席数が制限されるなどの影響を受ける中で行われた演奏会、ソリストと弦楽五重奏メンバーたちが心を通わせ、豊かな共感をもって表現し たショパンの抒情的な世界は、聴衆に深い感動を与えました。 (Ki)


CPO
CPO-555447(4CD)
NX-G11
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集(第0番-第7番)
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op. 15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op. 19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op. 37
4-6. ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op. 58
ピアノ協奏曲(第7番) ニ長調 Op. 61a(原曲: ヴァイオリン協奏曲)
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op. 73
ピアノ協奏曲第0番変ホ長調 WoO 4(オーケストレーション:ヘルマン・デヒャント)
ロンド 変ロ長調 WoO 6
ピアノ協奏曲(第6番) ニ長調(1814/15) H15(ニコラス・クックによる補筆完成版に基づく)
ミヒャエル・コルスティック(P)
ウィーンRSO
コンスタンティン・トリンクス(指)

録音:2020年12月21-23日、2021年1月4-5、7-8日、3月18-19、21-22日
1998年から2007年にかけてOEHMSレーベルに録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集が高い評価を得たドイツのピアニスト、ミヒャエル・コルス ティック。ベートーヴェン生誕250周年を機に満を持して取り組んだピアノ協奏曲の全曲セットが登場します。 ベートーヴェンのピアノ協奏曲は通常、第1番から第5番までを全集としますが、このコルスティックの全集は、第2番の初稿フィナーレであるロンド変ロ 長調 WoO 6や、ヴァイオリン協奏曲のピアノ版(このCDでは第7番と表記)に加え、ベートーヴェンが1814年から15年頃に作曲したとされるニ長調 の協奏曲断章(このCDでは第6番と表記)、14歳頃に作曲した変ホ長調の協奏曲までも収録していることが大きな特徴。 若書きの「第0番」変ホ長調 WoO 4はオーケストラ・パートが失われてピアノ・パートだけが伝えられています。この曲にオーケストレーションを施した例 としてはスイスの作曲家ヴィリー・ヘスによるものがありますが、ここではコルスティックの発案で指揮者・音楽学者のヘルマン・デヒャントに依頼した新たな オーケストレーションを採用。第4番を参考に、ヘス版に無かったファゴット2本を追加。更に終楽章ではトランペット2本とティンパニを追加して、壮麗な 響き持つ演奏時間約26分の協奏曲となりました。カデンツァはデヒャント作のものを参考にコルスティックが手を加えています。 ニ長調H15は未完成ながら258小節あり、ベートーヴェンが残した断章の中でも最大規模です。1986年にイギリスの音楽学者ニコラス・クックが他 のスケッチなども参照しつつ独立した楽章として補筆完成させました。ここではクック版にヘルマン・デヒャントがカデンツァとコーダを加え、更にコルスティッ クが独自に手を加えた楽譜を演奏しています(演奏時間13’57”)。 本命と言うべき第1番から第5番では、ピアノもオーケストラもピリオド・スタイルを取り入れてペダルやヴィブラートを控え目にしつつ、モダン楽器らしいシ ンフォニックなサウンドの魅力もしっかりと表現しています。引き締まったテンポでドラマティックに展開してゆく速い楽章と、柔らかな響きで旋律をしっとりと 歌う緩徐楽章が好対照です。

MClassics
MYCL-00030(1CD)
税込定価
松村禎三:交響作品集
ピアノ協奏曲 第1番
ゲッセマネの夜に
交響曲第1番
渡邉康雄(P).
野平一郎(指)
オーケストラ・ニッポニカ

録音:2021年7月18日 東京、紀尾井ホール
昭和の巨匠、松村禎三の精神を蘇らせたライヴレコーディング! 日本人の埋もれたオーケストラ作品に光を当て紹介する活動が高い 評価を受けるオーケストラ・ニッポニカ。2021年7月に行われた演奏会 「松村禎三 交響作品展」が優れた企画と演奏が評価され第21回佐 治敬三賞を受賞しました。当盤はそのライヴレコーディングとなります。 独自の音楽性、世界観をもとに圧倒的なエネルギーを内包させた松 村禎三の3つの作品を収録。小さな生命が群れとなり巨大建築物を 想起させるスケールの大きな交響曲第1番。ソリストの渡邉康雄の気 品ある音色と妙技が、音楽に彩を加えるピアノ協奏曲第1番。松村 禎三の晩年の作品となる「ゲッセマネの夜に」。野平一郎の明晰な指 揮のもとオーケストラ・ニッポニカが松村禎三の密度の濃い音楽を現代 に蘇らせ、作品に新たな価値を与えました。松村禎三の溢れ出る音の 生命エネルギーをぜひお受け取り下さい。

Forgotten Records
fr-1836(1CDR)
プレスラー&グリーンハウス
ハイドン:協奏曲集

ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11* /
チェロ協奏曲 ニ長調 Hob.VIIB:2#
メナヘム・プレスラー(P)*
バーナード・ グリーンハウス(Vc)#
アイズラー・ソロモン(指)MGM管

録音:1950年代末
音源:MGM Records GC-30008
Forgotten Records
fr-1843(1CDR)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調*
バーバー:チェロ協奏曲 Op.22#
エドマンド・クルツ(Vc)*
ラヤー・ガールブゾヴァ(Vc)#
ディミトリ・ミトロプーロス(指)NYO

録音:1950年11月12日*、1947年12月7日# カーネギーホール 、ライヴ
Forgotten Records
fr-1845(1CDR)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23*
交響曲第4番ヘ短調 Op.36#
マリーナ・ムディヴァニ(P)*
ウジェーヌ・ビゴー(指)*
フランス放送リリクO*
ルドルフ・アルベルト(指)#
セント・ソリO#

録音:1961年6月26日、ロン=ティボー国際コンクール、ライヴ
1958年5月10日(ステレオ)#
※音源:Le Club Français du Disque CFD 133#他

Indesens
INDE-018(1CD)
バロックと古典派のトランペット協奏曲集
フンメル:トランペット協奏曲ホ長調
テレマン:トランペット協奏曲ニ長調
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番ニ長調 BWV1047*
L・モーツァルト:トランペット、2本のホルンと弦楽のための協奏曲ニ長調
フランツ・ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調 Hob.VIIe-1
エリック・オービエ(Tp)
ヴァンサン・バルト(指)、
ブルターニュO、
トゥルーズ室内O*
、フランソワ・ルルー(Ob)*、
ブノワ・フロマンジェ(Fl)*、
アラン・モリア((指)ヴァイオリン)*
レジェンド、モーリス・アンドレの系譜を継ぐ現代のフランスを代表するトランペット奏者、エリック・オービエ。本アルバムでは、トランペット奏者にとってバイブル的作品の数々を、師匠譲りの美しい音色と磨き上げられた豊かな音楽性で奏でます。

DUX
DUX-1773(1CD)
ジグムント・ストヨフスキ:ピアノ協奏曲集
ストヨフスキ(1870-1946):ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.3
ピアノ協奏曲第2番変イ長調 Op.32「プロローグ、スケルツォと変奏曲」*
マレク・シュレゼル(P)、
ヴィトルト・ヴィルチェク(P)*、ポーランド・シンフォニア・ユヴェントスO、マレク・ヴロニシェフスキ(指)、ゾフィア・グス((指)第1番第2楽章のみ)

録音:2021年5月17日-20日(ワルシャワ)
ポーランドに生まれ、20世紀初頭のアメリカでも活躍した作曲家、ジグムント・ストヨフスキのピアノ協奏曲集。クラクフでパデレフスキに、パリでサン=サーンスで学んだストヨフスキは、渡米後も偉大な音楽家として称賛され、アメリカにポーランド音楽を広めた重要な人物の一人です。1891年にパリで初演され、メロディアスなフレーズが印象的なピアノ協奏曲第1番と、アメリカで作曲され、交響詩のような曲想を持ったピアノ協奏曲第2番を、ポーランドの才能あふれる2人の若手ピアニストの演奏でお聴きいただけます。

Signum Classics
SIGCD-710(1CD)
バッハ:ハープシコード協奏曲集
ハープシコード協奏曲 ニ短調 BWV 1052
ハープシコード協奏曲 ト短調 BWV 1058
ハープシコード協奏曲 ニ長調 BWV 1054
ハープシコード協奏曲 イ長調 BWV 1055
ハノーヴァー・バンド、
アンドルー・アーサー(指&ハープシコード)

録音:2019年5月、セント・ニコラス教会(アランデル、イギリス)
これまでにもHyperion(Helios)レーベルやNimbusレーベルから多数の録音をリリースし、18世紀から19世紀の音楽をピリオド楽器で演奏することで国際的な評価を得てきたハノーヴァー・バンド。彼らの久しぶりの発売となる新録音は、Signumレーベル第1弾となるバッハによるハープシコード協奏曲集です。バッハのハープシコード協奏曲は音楽史の中でも重要な位置を占めており、その後の鍵盤楽器のための協奏曲に与えた影響は計り知れません。その中から4曲を選んで、ハノーヴァー・バンドのアソシエイト・ディレクターであるアンドルー・アーサーと共に収録しました。
アンドルー・アーサーは、H.I.P(歴史的情報に基づく演奏)の分野でよく知られており、鍵盤楽器のソリストや通奏低音奏者、指揮者としてイギリスの主要なピリオド楽器オーケストラや合唱団と共演しています。また、カリフォルニアのカーメン・バッハ・フェスティヴァルの首席オルガン奏者、ハープシコード奏者としても活躍しています。
ハノーヴァー・バンドは1980年にキャロライン・ブラウンによって創設されたイギリスを代表する古楽器オーケストラのひとつです。歴代の指揮者にはバロック・ヴァイオリンの名手としても知られるロイ・グッドマンや、チャールズ・マッケラスなどが名を連ねています。

KLARTHE
KLA-020(1CD)
「Rencontre(S)〜出会い(の数々)」
ジャン=セバスティアン・ベロー:「ジャイス」〜ピアノとフルート・オーケストラのための(2003)
「黒人保護区」〜フルートとピアノのための(1969)
「葉脈」〜ピアノのための(1969)
「再生」〜フルートとピアノのための(2011)
ピエール=イヴ・アルトー (Fl)、
アナ・テレス(P)
オルケストル・ド・フルート・フランセ、
ジャン=セバスチャン・ベロー(指)

録音:2011年9月13&14日/オーディトリアム・ヴィアナ・ダ・モッタ
高名なフルート奏者として知られるジャン=セバスチャン・ベロー。作曲家としての顔はあまり知られていませんが、フルートの作品を中心に作曲しております。 フルートの特性を知り尽くしたベローならではの奏法が随所に現れ、時に尺八のような音で演奏されます。当演奏では自身が指揮をし弟子のピエール=イヴ・アル トーがフルート独奏を務めております。
「今から半世紀以上前、12歳の学生だった私はジャン=セバスチャン・ベローと出会い、フルーティストを志すことを決め猛勉強しました。それから数十年、気 がつけば師と私はパリ国立高等音楽・舞踊学校の同僚になりました。師ベローは指揮者、教育者として高い評価を得ていたものの、作曲家としてはあまり知られて いません。この録音を通じて作曲家ベローがいかに才能豊かな作曲家であることを知っていただければ幸いです。」(ピエール=イヴ・アルトー)

BRIDGE
BCD-9562(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503(カデンツァ:クリス・ロジャーソン)
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466(カデンツァ:ベートーヴェン)
アン=マリー・マクダーモット(P)
セバスチャン・ラング=レッシング(指)
オーデンセSO

録音:2020年8月25-29日 デンマーク
アン=マリー・マグダーモットによるモーツァルトのピアノ協奏曲、第4 集が発売。マグ ダーモットの清流のように心地よいモーツァルトはここでも素晴らしく、マクダーモットの モーツァルトへの愛情がたっぷり感じられます。加えて第3 集から参加した1966年生まれ のドイツの指揮者、セバスチャン・ラング=レッシングの指揮が素晴らしく、マクダーモッ トのピアノを大いに引き立てています。ことに短調の傑作、第 20番ニ短調 K.466は、し ばしば過度にロマンティックに劇的に表情付けされて演奏されるこの曲を、あくまで古 典派の節度ある演奏を心掛け、そこから気高い感情の迸りを引き出しています。マクダー モットとラング=レッシングの会心の演奏だ。

BIS
BISSA-2507(1SACD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb:1
 チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb:2
 「アダージョ」〜交響曲第13番ニ長調 Hob.I:13より第2楽章
ヒンデミット:『葬送音楽』〜チェロと弦楽オーケストラのための(1936)
クリスチャン・ポルテラ(Vc&指)
ミュンヘン室内O

録音:2021年4月6-9日/昇天教会、ゼンドリング(ミュンヘン)
トリオ・ツィンマーマンのチェリストとしても活躍する名手ポルテラが弾き振りで挑むハイドンのチェロ協奏曲とヒンデミットの「葬送 音楽」!
クリスチャン・ポルテラは1977年チューリヒ生まれ。ザルツブルクとウィーンでハインリヒ・シフに師事しました。これまでギドン・クレーメル、ヘンニング・クラッ ゲルード、内田光子ら世界的アーティストとの共演を重ねる室内楽の名手として知られる一方、ソリストとして数多くのディスクをリリースしている実力派です。
ハイドンのチェロ協奏曲は全部で6曲作曲されたといわれていますが、紛失、偽作疑惑などで、現在残っているのは2曲。1761〜65年ころに作曲したとされ る第1番は長きに渡り楽譜は失われていましたが、1961年にプラハで筆写譜が発見され翌1962年に蘇演。現在ではチェロ協奏曲の必須レパートリーの一つに 数えられます。一方、第2番はチェロの魅力が十分に引き出された優雅な雰囲気をもつ名作。そして交響曲第13番の第2楽章「アダージョ」は独奏チェロが大活 躍の美しい楽章。ハイドンが書いた魅力的な旋律をポルテラが伸びやかに演奏しております。
カップリングはヒンデミットの「葬送音楽」です。イギリス国王ジョージ5世の訃報を知ったヒンデミットが追悼のために急遽書いた作品。悲しくも凛とした魂を感 じるこの名曲を歌心に満ちたポルテラの演奏でお届けします! (Ki)

CLAVES
50-3045(1CD)
ヴィスメール:協奏曲と管弦楽曲集
(1)交響曲『子供とバラ』(サン=テグジュペリ原作『星の王子さま』に基づく)
(2)オーボエ協奏曲
(3)ヴァイオリン協奏曲第3番
(4)交響的三部作『クラマヴィ』
ノラ・シスモンディ(Ob)
オレグ・カスキフ(Vn)
スイス・ロマンドO、
ジョン・フィオーレ(指)

録音:2021年6月ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)
(1)(2)(4)=世界初録音
Clavesレーベルが力を注いでリリースしているジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ピエール・ヴィスメールの作品。当アルバムには世界初録音多数の協奏曲 と管弦楽曲計4篇を収録しております。
1915年、スイス、ジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ヴィスメール。ジュネーヴの音楽院で作曲を学んだ後、1935年から三年間パリ音楽院にてロジェ=デュ カスに師事、またエコール・ノルマル・ド・ミュジックではミュンシュに指揮を学びました。第2次世界大戦でスイスに帰国するも49年にはパリに戻り、58年にフ ランス国籍を取得しております。フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、ルーセルからの影響を受けながら、その後はストラヴィンスキーの音楽からも影響を受けていき ました。
ヴィスメールはジョリヴェやトマジのように協奏曲のジャンルを開拓し、様々な楽器のために作品を残しました。
1957年サン=テグジュペリの『星の王子さま』をモチーフにした交響曲『子供とバラ』を作曲しました。この作品は原題をあえて使わず『星の王子さま』の詩 的な世界を再現しています。同じく1957年に作曲され、同年、世界赤十字デーの一環としジュネーヴ放送で初演した交響的三部作『クラマヴィ』は、ヴィスメー ルの作品中で最も「オネゲル的」な作品。ルター派のコラール「主よ、安らかにお眠りください」に基づき、3つのパートが途切れることなく演奏されます。
ヴィスメールの「交響的音楽と協奏曲集(クラリネット協奏曲、ギター協奏曲、他)」(50-3018/19)、「協奏曲集(Vn協奏曲第2番、トランペット協 奏曲、コンチェルティーノ・クルーズ、他)」(50-1811)も好評発売中です。 (Ki)

KLARTHE
KLA-151(1CD)
オデット・ガルテンロープ:生誕百年記念アルバム
(1)フルート協奏曲
(2)ピアノ協奏曲
(3)交響的楽章
(1)レイモン・ギヨー(Fl)、マニュエル・ロザンタール(指)フランス放送フィル
(2)オデット・ガルテンロープ(P)、デジレ=エミール・アンゲルブレシュト(指)フランス放送フィル
(3)デジレ=エミール・アンゲルブレシュト(指)フランス放送フィル 


録音:(1)1967年7月3日/パリ放送局104スタジオ
(2)1958年6月19日シャンゼリゼ劇場(世界初演時ライヴ)
(3)1955年7月17日シャンゼリゼ劇場(世界初演時ライヴ)
オデット・ガルテンロープ(1922-2014)はフランスの女性作曲家でピアニスト。今年が生誕百年にあたるため力作INA(フランス視聴覚研究所)所蔵の貴重 音源3篇をCD化。
9歳でパリ音楽院に入学、ピアノをマルグリット・ロンとラザール・レヴィに師事し15歳でガブリエル・フォーレ国際コンクール優勝。ユダヤ系ゆえ第2次世界 大戦中の1941年に放校されたものの終戦後復学、ビュセール、ノエル・ガロン、ミヨーに師事しました。20世紀後半はパリ音楽院で多くの後進を指導するかた わら、ピアニストとしてコンサートや録音も行いました。
収録された3篇はロザンタール、アンゲルブレシュトらが振っているのに注目。ピアノ協奏曲ではガルテンロープのヴィルトゥオーゾぶりが堪能できます。彼女の 作風は暴力的なまでにエネルギッシュで色彩的なオーケストレーションが興味津々です。 (Ki)

Goodies
78CDR-3874(1CDR)
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番(単一楽章) グレゴール・ピアティゴルスキー(Vc)
フレデリック・ストック(指)CSO

米 COLUMBIA 11440/41
1940年3月6日シカゴ、シンフォニー・ホール録音
グレゴール・ピアティゴルスキー(1903-1976)はウクライナのドニプロペトロウシ ク生まれのチェロ奏者。モスクワ音楽院に学び、15歳でボリショイ劇場の首席チェ リスト。18歳の時、短期間ベルリン・フィルの首席チェリストをつとめた。1929年 に渡米、1942年アメリカの市民権を得た。1941年から1949年までフィラデルフィア のカーティス音楽院チェロ科の主任教授をつとめた後、晩年はカリフォルニアで暮 らした。指揮者のフレデリック・ストック(1872-1942)はドイツ生まれ。1895年ア メリカのシカゴ交響楽団入った。1911年にシカゴ交響楽団の終身音楽監督。(グッディーズ)


ALPHA
ALPHA-866(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第24番ハ短調 K. 491(第1楽章カデンツァ…ガブリエル・フォーレ)
ピアノ協奏曲 第17番ト長調 K. 453
エリック・ル・サージュ(P)
イェヴレSO
フランソワ・ルルー(指)

録音:2021年9月 イェヴレ、スウェーデン
フランス音楽のスペシャリストとしてはもちろん、ドイツ音楽の解釈でも定評があり、シューマンやブラームスの体系的録音で高く評価されている エリック・ル・サージュ。意外にもモーツァルトに関しては、これまでフランク・ブラレイとのデュオやアンサンブルでしか録音を行ってきませんでした が、今回ついに、盟友フランソワ・ルルーのサポートを得た2つの協奏曲が登場します。古典派における短調協奏曲の傑作第24番では、 フォーレによるカデンツァを使用しているのがル・サージュらしいところ。演奏はピリオド・アプローチとは言えませんが巨匠風の重たいものでもな い、様々な解釈を越えて全くのオリジナルにまとめ上げた、まさにル・サージュならではのもの。軽やかさと伸びやかさ、力強さと抒情性の絶妙 なバランスが素晴らしい、聴き応えたっぷりで後味の良い演奏に仕上がっています。

QUEEN ELISABETH COMPETITION
QECDUO-22(4CD)
NX-E02
エリザベート王妃国際コンクール2017・チェロ部門
■ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール (仏/第1位)
(1)バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008より プレリュード/ アルマンド/ジーグ
(2)ボッケリーニ:2つのチェロのためのソナタ ハ短調 G. 2
(3)ブラームス:チェロ・ソナタ 第2番ヘ長調 Op. 99
(4)ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 Op.107
■岡本侑也 (日本/第2位)
(5)ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2
(6)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
(7)ドヴォルザーク:ロンド ト短調 Op.94
■サンティアゴ・カニョン=バレンシア (コロンビア/第3位)
(8)ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op. 40
(9)エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op. 85
(10)ハンス・ボッタームント(1892-1949)/ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013):パガニーニの主題による変奏曲
■イヴァン・カリズナ (ベラルーシ/第5位)
(11)ハイドン:チェロ協奏曲 第1番ハ長調 Hob.VIIb:1
(12)ボッケリーニ:2つのチェロのためのソナタ ハ長調 G. 17
(13)プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op. 119
(14)チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲
エリザベート王妃国際コンクール2017・チェロ部門
■(2)リディ・ブライドルプ(Vc)
(3)テオ・フシェンネレ(P)
(4)ブリュッセル・フィルハーモニック、ステファヌ・ドゥネーヴ(指)

(5)(6)ブリュッセル・フィルハーモニック、ステファヌ・ドゥネーヴ(指)
(7)トマス・ホップ(P)

(8)薗田奈緒子(P)
(9)アントワープSO ムハイ・タン(湯沐海)(指)

(11)ワロニー王立室内O、フランク・ブラレイ(指)
(12)リディ・ブライドルプ(Vc)
(13佐藤卓史(P)
(14)ベルギー王立リエージュPO、クリスティアン・アルミンク(指)


録音(ライヴ):2017年5-6月フラジェ、スタジオ4/ファイン・アーツ・センター (ブリュッセル)
2022年5月から6月にかけて開催されているエリザベート王妃国際コンクールのチェロ部門を記念し、前回2017年のライヴを4人の入賞者 に絞って再編集した4枚組が登場。岡本侑也が弾くハイドンなど、以前に発売されたライヴ盤(QEC2017)未収録曲を多数含むたいへん 嬉しい内容です。

ARCANA
A-530(2CD)
NX-D09
『16シーズンズ』
ヴィヴァルディ:『四季』
ピアソラ(デシャトニコフ編):ブエノスアイレスの四季
マックス・リヒター(1966-):リコンポーズド:ヴィヴァルディ - フォー・シーズンズ
フィリップ・グラス(1937-):ヴァイオリン協奏曲 第2番「アメリカの四季」
アレッサンドロ・クアルタ (Vn)
ディーノ・デ・パルマ(Vn)
コンチェルト・メディテラネオ
ジャンナ・フラッタ(指)

録音:2021年5月21-29日 サンタ・キアーラ教会オーディトリアム、フォッジャ、イタリア
バロック時代にヴィヴァルディの「四季」がヨーロッパ中で大ヒットして以降、標題的な音楽にとって四季は格好の題材であり続けていますが、そ の作品を4つも集めた興味深いアルバムが登場しました。ソロを担当するヴァイオリニストも、曲想に合わせて2人が参加しています。DISC1 でソロを担当するのは、ジャズ・ミュージシャンなどとのコラボレーションを積極的に行っており、ピアソラ作品によるアルバムと世界ツアーも成功さ せているアレッサンドロ・クアルタ。ヴィヴァルディはピリオド・アプローチに現代的な躍動感を掛け合わせたインパクトのある表現。彼が得意とす るピアソラによる「ブエノスアイレスの四季」は元々バンドネオンが活躍する作品ですが、ここではギドン・クレーメルも録音したデシャトコフ編曲 によるソロ・ヴァイオリンと室内楽版を使用、切れ味の鋭いパフォーマンスで楽しませます。DISC2のソロは、世界各地でソリストとして活躍 し、イタリアで後進の指導にもあたっているディーノ・デ・パルマ。ポスト・クラシカル界のカリスマと呼ばれるドイツの作曲家マックス・リヒターが、 ヴィヴァルディの「四季」から25%の素材を用いて再構成(リコンポーズド)した作品では、お馴染みのフレーズが現代的なコード進行で奏でら れ、聴く者の感覚に心地良い歪みをもたらします。映画音楽からポピュラー・ミュージックへの影響まで、幅広い活動を行うアメリカ現代音楽 の大御所フィリップ・グラスによるヴァイオリン協奏曲第2番は、ヴィヴァルディにインスパイアされながらも、独自の音楽言語でアメリカの自然と 心象風景を描いたもの。デ・パルマのヴァイオリンはこれらの美しい作品を愛おしむように歌い上げています。


CZECH RADIOSERVIS
CR-1141(2CD)
プラハの春音楽祭ゴールド・エディション Vol.3

(1)ドヴォルザーク:劇的カンタータ「幽霊の花嫁」 Op. 69

(2)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
(1)チェコPO
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指)
ガブリエラ・ベニャチコヴァー(S)
リハルト・ノヴァーク(Bs)
ズデニェク・ヤンコフスキー(T)
プラハ・フィルハーモニーcho
録音:1980年5月23日プラハ、スメタナ・ホール(ステレオ・ライヴ)

(2)カルロス・クライバー(指)
クリストフ・エッシェンバッハ(P)
録音:1968年5月25日プラハ、スメタナ・ホール(ステレオ・ライヴ)
チェコ放送の自主レーベル「ラジオサーヴィス」のシリーズ『プラハの春音楽祭ゴールド・エディション』の第3弾。
遂に!カルロス・クライバー指揮クリストフ・エッシェンバッハをソリストに迎えたシューマンのピアノ協奏曲の録音が登場しました!
カルロス・クライバーは、カリスマ的な名声を誇った指揮者でありながら、そのディスコグラフィは非常に限られたものしか残っていません。この録音も、チェコ 放送に残されてはいましたが、正式なリリースはされていない貴重な音源。1968年5月25日の演奏会は、ここに収録されている「シューマン:ピアノ協奏曲」 の他に、「ドヴォルザーク:演奏会用序曲「謝肉祭」」「ベートーヴェン:交響曲第7番」が演奏されていますが、大変残念ながら他の2曲は現在アーカイヴには残っ ていません。
取り上げるレパートリーを極端に絞り込み、少ない演奏会、多くはない録音。それらはクライバーが理想とする音楽を実現するために、常にこだわってきた証とも いえるでしょう。その背景には父エーリヒとの間柄も大きく影響したとも言われています。そうした中、ウィーンに次ぐ、父エーリヒの第2の故郷ともいえるプラハ での演奏というのは、クライバー自身特別な心境があったと想像できます。
そして、1968年はチェコ・スロヴァキア(当時)において重要な年でもありました。同年4月に始まった「人間の顔をした社会主義」を掲げるドプチェクの指導 の下で展開された民主化運動「プラハの春」。その8月にソ連、ワルシャワ条約機構軍が軍事侵攻したことで鎮圧された「チェコ事件」。と激動の年に行われた本演 奏会は聴衆の熱狂と共に成功をおさめました。エッシェンバッハは28歳でピアニストとして絶頂期を迎えようとし、クライバーもバイエルン国立歌劇場の指揮者と なり世界的指揮者へと名声を確立するなど、当時二人はすでに一流の音楽家。そんな両者に引っ張られ、オケは超一流の音楽家を前に見事な演奏を聴かせ、エッ シェンバッハもクライバーの猛烈な指揮に引っ張られ、圧巻のピアノ演奏を披露しています。
また、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮チェコ・フィルによるドヴォルザークの劇的カンタータ「幽霊の花嫁」も収録。ミュンヘンに生まれたドイツの名指揮者 ヴォルフガング・サヴァリッシュ (1923-2013)。1957年に当時最年少の33歳という若さでバイロイト音楽祭にデビューを果たし、バイエルン国立歌劇場音楽 監督 (1971-92) の20年に及ぶ活動もサヴァリッシュの重要な功績と言えます。ちょうど1970〜1980年代は、サヴァリッシュがチェコ・フィルに頻繁に登場 してひときわ高い人気を博していた時期でもあります。ドヴォルザークの「幽霊の花嫁」はあまり多く演奏される演目ではありませんが、サヴァリッシュとチェコ・ フィルは、1977年、1980年と続けて同演目を演奏しており、両者の良好な関係がよく伝わる充実の内容となっています。1884年に作曲されたこのカンター タは、チェコの詩人ヤロミール・エルベンの台本を用い、随所にチェコの民謡風の美しい旋律が使われた魅力的な作品。ドヴォルザークの充実した作曲技巧が伺わ れる中期の傑作です。
当シリーズは、チェコの名エンジニア、ミロスラフ・マレシュのチームによって、オリジナルマスターテープから入念にリマスタリングされ、当時の音源を緻密に再 現しています。 (Ki)

SUPRAPHON
SU-4298(1CD)
ヨゼフ・ミスリヴェチェク:ヴァイオリン協奏曲全集
(1)ヴァイオリン協奏曲 ハ長調
(2)ヴァイオリン協奏曲 ホ長調
(3)ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調
(4)ヴァイオリン協奏曲 イ長調
(5)ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
(6)ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調
(7)ヴァイオリン協奏曲 ト長調「田園」
(8)ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
石川静(Vn)
ドヴォルザーク室内O、
リボル・ペシェク(指)

録音:(1)(2)(3)(5)1983年9月8-10日、
(4)(6)(7)(8)1986年3月1-8日
ドヴォルザークホール、ルドルフィヌム(プラハ)
入手困難が続いていた石川静の名盤、ミスリヴェチェクのヴァイオリン協奏曲全集がセットになって待望の復活です! 1763年にプラハからイタリアに渡り ジョヴァンニ・ペシェッティに作曲を師事。その後最初のオペラ『メデア』で大成功し、トリノ、ローマ、ヴェネツィア、ボローニャ、ミラノ、フィレンツェなどイタリア 各地の大劇場からも作曲の依頼を受け、イタリアにおいて重要な地位を築きました。
1760年代後半にはパドヴァで「悪魔のトリル」で有名なタルティーニの音楽に触れ、おそらくその影響からヴァイオリン協奏曲を次々と作曲しています。また若 きモーツァルトと親交も深かったとのこと。作風はタルティーニの影響が見られ、ヴァイオリン独奏の美しい旋律とオーケストラの掛け合いが実に魅力的。古典派の 形式のなかにも豊かな旋律を生み出したミスリヴェチェクらしい特徴が凝縮されており、石川静が実に雄弁に奏でています! (Ki)

CLAVES
50-3046(1CD)
フェルナンド・デュリュック(1896-1954):協奏的作品集
(1)サクソフォンとオーケストラのためのソナタ
(2)「英雄の詩」〜トランペット、ホルンとオーケストラのための*
(3)ハープとオーケストラのための協奏曲
(1)キャリー・コフマン(Sax)
(2) エ イミー・マッケイブ(トラン ペット)、リーラン エ・ステレット(Hrn)
(3)チェンユー・ファン(Hp)
ジャクソンSO、
マシュー・オービン(指)

録音:2022年1月ジョージ・E・ポッター・センター内ハロルド・シェファー音楽ホール、ジャクソン(ミシガン州)
*=世界初録音
フランスの女性作曲家フェルナンド・デュリュック(1896-1954)。六人組と同世代に生きたデュリュックはその存在に隠れあまり知られていませんが、近年再 評価され未出版だった楽譜が近年刊行されるなど、演奏機会も増えつつあります。
パリ音楽院でオルガンと作曲を学んだデュリュック。夫がサクソフォン奏者だったため、同楽器への作品が多く、サクソフォンの作品を集めたアルバム (NOMADMUSIC / NMM-088)がエリプソス四重奏団による演奏で発売されたことも話題に。作品は独奏パートのメロディが実に美しく技巧的なパッセージ が魅力的です。
古典的なソナタ形式と印象派的な和声が特徴のサクソフォン・ソナタは代表作です。
1946年に書かれたトランペット、ホルンとオーケストラのための「英雄の詩」はデュリュックの成熟したスタイルを示す素晴らしい産物。夫がニューヨーク・フィ ルの団員だった関係でアメリカにも住んだことのあるデュリュックらしく、この作品はフランス的というよりもアメリカ的、ネオ・ロマンティック的な響きを持つ3つ の対照的な楽章からなる協奏曲でこの度世界初録音が実現しました。
そしてピエール・ジャメのために書かれたハープ協奏曲は、同時代を生きたジェルメーヌ・タイユフェールのハープのためのソナタを思わせる 爽快なスタイルが魅力です。
当録音のソリストは全員女性演奏家。デュリュックの素晴らしき作品を流麗に奏でます。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72915(1SACD)
ヨハネス・マティアス・シュペルガー(1750-1812):コントラバス協奏曲集
協奏曲第2番ニ長調(1778)
協奏曲第3番変ロ長調(1778)*
協奏曲第4番ヘ長調(1779)*
ヤン・クリゴフスキー(Cb)[使用楽器]第2番:アントン・ポッシュ製、1736年、ウィーン
第3番:ヨハン・ヤコブス・エルトル製、1789年、プレスブルグ
第4番:制作者不明、1810年頃、ウィーン
コレギウム・ヴァルトベルク430

録音:2021年10月29-31日/スロバキア、ブラスチヴァ宮殿、鏡の間
*=世界初録音
作曲家であり、18世紀を代表するコントラバス奏者でもあったヨハン・マティアス・シュペルガーによるコントラバス協奏曲集。彼は18曲ほどのコントラバス協 奏曲を書いたとされ、その中から初期の第2〜4番が収録されています。これらの作品は、シュペルガーがコントラバス奏者としてプレスブルグのハンガリー大司教 ヨーゼフ・グラーフ・フォン・バティヤーニ公爵の宮廷楽団に雇われていた時代に生まれたもの。コントラバスを当時としてはまったく新しい方法で扱っており、広 い音域とカンタービレな旋律はまるでハイドンのチェロ協奏曲を彷彿とさせます。今まで忘れ去られていたのが不思議なくらい素晴らしい音楽です。
オーケストラは弦楽のほかオーボエ、ホルン、ティンパニ、トランペットなども使われ勇壮な響き。第4番ではダルシマーも登場します。かつ中間楽章では弦楽の みの伴奏でソロの歌を際立たせたりと手の込んだ書法です。
このアルバムの録音は、シュペルガーがこれらの協奏曲を初めて演奏したのと同じホール、ブラティスラヴァ宮殿の「鏡の間」で行われました。初演時の驚きがよ みがえる快演! (Ki)

BIS
BISSA-2481(1CD)
バッハ:チェンバロと弦楽のための協奏曲集 Vol.2
協奏曲第6番ヘ長調 BWV1057
協奏曲第4番イ長調 BWV1055
協奏曲第7番ト短調 BWV1058
協奏曲第3番ニ長調 BWV1054
鈴木優人(チェンバロ&指揮)
バッハ・コレギウム・ジャパン
【オーケストラ】
アンドレアス・ベーレン、水内謙一(リコーダー)、若松夏美(Vn/コンサートマスター)、高田あずみ(Vn)、山口幸恵(Va)
【コンティヌオ】
山本徹(Vc)、西澤誠治(ヴィオローネ)、鈴木優人(Cemb)

録音:2019年7月22-26日ヤマハホール(銀座)
【チェンバロ:Willem Kroesbergen, Utrecht 1987after J. Couchet, 2manuals, 8', 8', 4', FF?f'''】
2018年9月よりバッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者に就任した鈴木優人がバッハのチェンバロと弦楽のための協奏曲全集録 音を開始!バッハの独奏チェンバロと弦楽オーケストラのための協奏曲集はその大半がバッハや他者の作曲家による他の楽器のための協奏曲を編曲したものです が、チェンバロという楽器を通奏低音から独奏楽器へと引き上げた注目すべき作品群です。
チェンバロ協奏曲第1、2、5、8番を収めた第1弾(KKC-6266 / BIS SA-2401)はレコード芸術「特選盤」、毎日新聞「特薦盤」、読売新聞「推薦盤」 など各誌・各紙で高く評価されました。
第2弾となる当アルバムにはブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV1049のヴァイオリンがチェンバロに置き換えられたチェンバロ協奏曲第6番 BWV1057、原曲がオーボエ・ダモーレをソロとした協奏曲と考えられるチェンバロ協奏曲第4番 BWV1055、ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041 が原曲のチェンバロ協奏曲第7番ト短調 BWV1058、そしてヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042が原曲のチェンバロ協奏曲第3番 ニ長調 BWV1054の4篇を収録しております。おなじみのヴァイオリン協奏曲などがチェンバロ編曲によりまた違った魅力を放っており、鈴木優人の雄弁なチェンバ ロとBCJの弦楽メンバーとの音楽的対話が実に見事な演奏を展開しております!鈴木雅明と演奏した2台のチェンバロのための協奏曲集(KKC-5496 / BIS SA-2051)も大好評発売中です。 (Ki)


Altus
ALT-518(1CD)
ケンプ&ミルシテイン、1956年モントルー音楽祭ライヴ

(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(カデンツァ:ヴィルヘルム・ケンプ)
(2)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
(1)ヴィルヘルム・ケンプ(P)、ヨーゼフ・カイルベルト(指)
(2)ナタン・ミルシテイン(Vn)、パウル・クレツキ(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:(1)1956年9月12日、(2)1956年9月14日(共にモノラル)
共に、モントルー音楽祭でのライヴ
しばらく入手困難が続いていた1956年のモントルー音楽祭のライヴ音源をALTUSが復刻。この年は豪華にも2日違いでケンプとミルシテインが登場し、協奏 曲を披露していました。オーケストラはどちらもケルン・ギュルツェニヒ管で、指揮者はカイルベルトとクレツキ。指揮者・独奏者の組み合わせで変わる雰囲気の聴 き比べもおもしろい、ライヴの熱気をたたえた2つの名演奏です。 (Ki)
「ケンプの弾くベートーヴェンの第4協奏曲。言うまでもなく、全体の解釈は冒頭のソロに集約されています。ここをケンプは柔軟で落ち着いた表情で歌い始める。 その後も古典的な均整美をきちんと保持しつつ打鍵しているのだが、意外に大胆であり、工夫が凝らされているところが散見されるのに驚いてしまった」「ミルシ テインのドヴォルザークは妖気が色濃く漂う、まことに吸引力の強い演奏です。特に両端楽章のリズムの切れ味と自在な表情は、さすがとしか言いようがない。 最も流麗で鮮やかな色彩による演奏です。第2楽章はジプシー・ヴァイオリンのような粘り気と、むせかえるような妖艶な音色がこれでもかと迫ってくる」(平林 直哉氏の解説より)

Skani
SKANI-091(2CD)
クリスツ・アウズニエクス(b.1992):ギターを伴う作品集

■Disc 1
心の大聖堂(2019)(サクソフォーン、エレクトリック・ギターと打楽器のための)

■Disc 2
エレクトリック・ギターと管弦楽のための協奏曲 「らせん巻きの地平線」(2020)
■Disc 1
アウズィンシュ・チュダルス・アルチュニアン・トリオ〔カールリス・アウズィンシュ(サクソフォーン)、マティース・チュダルス(エレ クトリック・ギター)、イヴァルス・アルチュニアン(打楽器)〕
■Disc 2
JIJI(エレクトリック・ギター)
シンフォニエッタ・リガ、
ノルムンス・シュネー(指)

録音:2020年5月、ラトビア放送第1スタジオ(リガ)(Disc1)、2021年12月11日、GOR コンサートホール(レーゼクネ、ラトビア)(Disc2)
ニューヨーク・シティを拠点に活動するラトビアの作曲家クリスツ・アウズニエクスのデビュー・アルバム。アウズニエクスは、イェール大学音楽学部の修士号と博士号を取得、ハーグ王立音楽院でも学びました。2021年の「第67回インターナショナル・ロストラム・オブ・コンポーザーズ」の「若手作曲家部門」の第1位に選出され、もっとも将来を期待されるラトビア出身の作曲家のひとりと目されています。
サクソフォーン、エレクトリック・ギターと打楽器のための 「心の大聖堂」 は、ジャズに強く影響されながらもアドリブの部分を含まない、すべて記譜による作品です。個々の楽器に「メロディ、ハーモニー、リズム」の機能が委ねられる「ジャズのトリオ」ではなく、3つの楽器がダイナミックな「アンサンブル」として機能するブラームス、シューベルト、メンデルスゾーンたちの古典的ピアノ・トリオのイメージで作曲されました。〈心の大聖堂 I〉から〈心の大聖堂 IV〉まで、4つの部分で構成された作品です。デンマーク・ジャズを学んだカールリス・アウズィンシュ、アムステルダムの音楽院で学んだマティース・チュダルス、パリでキャリアを積んだイヴァルス・アルチュニアンのジャズ・トリオがラトビア放送のスタジオで行ったセッションの録音です。
アウズニエクスが2020年に作曲した「エレクトリック・ギターと管弦楽のための協奏曲」には、「らせん巻きの地平線」 の副題がつけられました。「モチーフ」のひとつに使われた音型と、ラトビアの神話に登場する「運命のもつれを解く織り手」と「もつれ、縛り」に根ざすラトビア語の「地平線」を重ねたタイトルです。韓国系アメリカのギタリスト、JIJI のために作曲され、彼女がノルムンス・シュネー指揮のシンフォニエッタ・リガと共演して、2021年12月11日、ラトビア、レーゼクネの「GOR コンサートホール」で世界初演されました。そのライヴ録音がこのアルバムに収録されています。


Hanssler
HC-22021(6CD)
「イン・メモリアム」


■CD1
(1)エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85
(2)ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番変ホ長調 Op.107
(3)ブルッフ:コル・ニドライ Op.47

■CD2
(4)サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.33
(5)チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 Op.33
(6)マルティヌー:チェロ協奏曲第1番H.196
(7)ダンツィ:チェロ協奏曲第1番イ長調

■CD3
(8)ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob VIIb.1
(9)ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob VIIb.2
(10)ボッケリーニ:チェロ協奏曲第2番ニ長調 G 479

■CD4
(11)シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821
(12)ドヴォルザーク(アンドレーアス・N・タルクマン編):ロンド Op.94【編曲版・世界初録音】
(13)アレクサンダー・ミュレンバッハ(1949-):チェロ協奏曲「光と影の連祷」【世界初録音】
(14)エリセンダ・ファブレガス(1955-):アンダルシアの色彩

■CD5
(15)ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
(16)グリーグ:チェロ・ソナタ イ短調 Op.36
(17)ブゾーニ:セレナータ〜チェロとピアノための ト短調 Op.34
(18)ヒラリー・タン(1947-):ザ・クレセット・ストーン(1993)〜チェロ独奏のための

■CD6
(19)ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ短調 Op.8
(20)シューマン:弦楽四重奏曲第3番イ長調 Op.41
(21)タン:ガーデンズ・オブ・アンナ・マリア・ルイザ・デ・メディチ(2004)〜フルート、チェロ、ピアノのための
全て、フランソワーズ・グローベン(Vc)


(1)(2)RTLSO、レオポルド・ハーゲル(指) 
(3)(6)ルクセンブルク室内O、ニコラ・ブロシュ(指)
(4)(5)ルクセンブルクPO、デヴィッド・シャローン(指)
(7)コレギウム・ムジクム・デア・ウニヴェルズィテート・カールスルーエ、フーベルト・ハイツ(指)
(8)(10)ソロイスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク、ヤック・マルティン・ヘンドラー(指)
(9)ハイデルベルクSO、トーマス・ファイ(指)
(11)レ・ミュジシャン、ピエール・カオ(指) (12)PRISMA木管八重奏団
(13)ベルリン・フィル弦楽合奏団、アレクサンダー・ミュレンバッハ(指)
(14)イヴァン・ガヤン(P)
(15)(16)アルフレッド・パール(P)
(17)マリア・ヴィトシンスキ(P)
(19)グラフ・ムリャ(Vn)、ペーター・ラウル(P)
(20)ツェートマイアー・クァルテット【トーマス・ツェートマイアー(Vn)、マティアス・メッツァー(Vn)、ルース・キリウス(Va)、フランソワーズ・グローベン(Vc)】
(21)マイニンガー・トリオ【クリストファー・マイニンガー(Fl)、フランソワーズ・グローベン(Vc)、ライナー・ゲップ(P)】

録音:(1)1994年5月2&5日(セッション)、(2)1994年7月12&13日(セッション)/ヴィラ・ルヴィニー、ルクセンブルク【原盤:BGL(1994)】
(3)2011年3月11日(ライヴ)、(6)2009年5月31日(ライヴ)/聖ジャン・バプティスト教会ルーヴェン、ルクセンブルク
(4)1999年7月(セッション)、(5)1999年9月(セッション)/コンセルヴァトワール・ド・ルクセンブルク【原盤:BGL(1999)】
(7)2002年2月3日(ライヴ)/カールスルーエ音楽大学、ドイツ
(8)1990年(セッション)/エッシュシュルアルゼット劇場、ルクセンブルク【原盤:SEL(1990)】
(9)2001年5月11日(ライヴ)、(13)1995年4月23日(ライヴ)/エヒテルナハ聖堂、ルクセンブルク
(10)1993年(セッション)/ベットボーン、ルクセンブルク【原盤:SEL(1993)】
(11)1997年1月26日(ライヴ)/マルベルク、ルクセンブルク (12)2003年6月1日(ライヴ)/ハーゲンオーセン、ドイツ
(14)2007年11月11日(ライヴ)/キューブ521、マルナッハ、ルクセンブルク
(15)(16)1993年(セッション)/コンサート・スタジオ、ケルン、ドイツ【原盤:AUROPHON (1993)】
(17)1998年9月&12月(セッション)/ケルン・クントハウス、ドイツ【原盤:CAPRICCIO 10794】
(18)(21)2005年(セッション)/ドイチュラントラジオ・クルトゥーア、ベルリン、ドイツ【Profil PH-05019(2005)】
(19)2005年8月(ライヴ)/カンブレー劇場、フランス
(20)2001年8月(セッション)/チューリヒ放送、スイス【原盤:ECM 1793】
ルクセンブルクが生んだ名チェリスト、フランソワーズ・グローベン。2011年5月28日、40代半ばで急逝し、その訃報は世界のクラシック・ファンを悲しませ ました。これまでサンクトペテルブルグ・フィルハーモニーSO、エルサレムSO、グルジア室内O、チューリッヒ室内O、ルクセンブルク・フィ ルハーモニーOなどのオーケストラと、ダニエル・ハーディング、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、エフゲニー・スヴェトラーノフといった名指揮者と共 演し、ソリストとして活躍。また1997年から2003年までトーマス・ツェートマイアーが第1ヴァイオリンをつとめるツェートマイアー・クァルテットのチェロ奏者と して活躍するなど、室内楽の名手としても知られます。
「イン・メモリアム」と題した6枚組ボックスにはライヴの初出音源を数多く収録。20世紀の協奏曲を中心に、いかにレパートリーが広いかを示すような充実の 内容をおさめております。
またグローベンは自国の作曲家の作品を積極的に演奏したことでも知られ、ことに女性作曲家の作品演奏には力を入れていました。歿後10年が過ぎた今もな お愛され続けるグローベンの情熱的な演奏。多くのファンを魅了し続ける音楽がこのボックスに収められております。 ※ライヴ録音の一部は音質のばらつきがあるものの、グローベンの貴重なドキュメンタリーとしてCD化を決定したとのことです。 (Ki)

DOREMI
DHR-8173(2CDR)
マルタ・アルゲリッチLIVE第6集
(1)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
(2)ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.21
(3)モーツァルト:ピアノ・ソナタ ニ長調 K.576
(4)バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
 シューマン:ピアノ・ソナタ第2番ト短調 Op.22
 ラヴェル:夜のガスパール
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)岩城宏之(指)オランダ放送PO
 録音:1968年10月19日アムステルダム
(2)ヴァーツラフ・ノイマン(指)北ドイツRSO
 録音:1969年3月3日ハンブルク
(3)録音:1960年1月30日ミュンヘン
(4)録音:1971年10月13日ブダペスト
ルゲリッチの貴重ライヴ音源。ショパンの協奏曲、バッハのパルティータ、プロコフィエフの7番など、実にアルゲリッチらしいプログラムがご堪能いただける驚 きのリリースです。
※当DOREMIレーベルの商品はCD-Rで入荷する可能性がございます。ご了承の上お求め頂きますようお願いいたします。 (Ki)

MDG
MDG-90122306(1SACD)
エゴン・ガブラー(1876-1959):コンチェルト集
ホルン協奏曲変ロ長調(22'50)
クラリネットのための演奏会用小品(14'33)
クラリネット協奏曲第3番ニ短調(24'01)
ロベルト・ラング バイン(Hrn)
フリーデリケ・ロート(Cl)
バーデン=バーデンPO
パヴェル・バレフ(指)

録音:2021年3月16-20日、クアハウス・バーデン・バーデン、ヴァインブレナーホール
1876年ドレスデン生まれのエゴン・ガブラー。ドレスデン音楽院でクラリネットを学び、またピアニストとしての才能も開花させる。1898年頃ライプツィヒの 歩兵隊のクラリネット奏者となり、1901年に引退するまでソロ・クラリネット奏者として活躍。その後ハノーファーの宮廷劇場でクラリネット奏者となり、1902年 には宮廷奏者として名誉ある称号を授与。1910年から1935年まで管楽協会のリーダーとなります。またハノーファーとその近郊で250以上のコンサートを開催。 ヴァルター・ギーゼキングとも共演。作曲家としてはトロンボーンとピアノのための「メタモルフォーゼ」、ピアノ曲、クラリネット協奏曲、ホルン協奏曲などを作曲。 1957年4月30日にハノーファー郊外のレーアテで死去。
エゴン・ガブラーは、リストとワーグナーの音楽をこよなく愛しており、このホルン協奏曲は二人の作曲家の様式的特徴を先進的に展開した作品として近年注目 をあつめています。オーケストラ・パートを含めたスコアが出版されたのもほんの数年前です。またクラリネット協奏曲第3番は、ティンパニが鳴り響く不穏な雰囲 気の冒頭。そして荒野で叫ぶ孤独な声のようにクラリネットのソロが登場する様は劇的な展開を予感させるものです。
演奏は、ドレスデン・シュターツカペレ首席ホルン奏者ロベルト・ラングバイン。そしてドイツ期待の若手奏者として注目され、ベロリーナ・アンサンブルの音楽監 督を務めるフリーデリケ・ロート。そしてパヴェル・バレフ率いるバーデン=バーデン・フィルハーモニー。 (Ki)

DOREMI
DHR-8171(2CDR)
レオン・フライシャーLIVE 第3集
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
(4)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
(5)レオン・キルヒナー:ピアノ協奏曲第2番
レオン・フライシャー(P)

(1)ジョージ・セル(指)NYO
 ライヴ録音:1963年3月14日リンカーン・センター、フィルハーモニックホール
(2)ハンス・ロスバウト(指)ケルンRSO
 放送用ライヴ録音:1957年11月18日
(3)フレデリック・ワルトマン(指)ムジカ・エテルナO
 ライヴ録音:1964年11月22日ニューヨーク
(4)オットー・クレンペラー(指)ケルンRSO
 放送用ライヴ録音:1956年2月27日
(5)レオン・キルヒナー(指)NYO
 ライヴ録音:1964年12月3日リンカーン・センター、フィルハーモニックホール
アメリカの名ピアニスト、レオン・フライシャー(1928-2020)の貴重ライヴ音源集。様々な指揮者との共演によるベートーヴェンの協奏曲4曲と、めずらしい キルヒナーの協奏曲を収録。レーベルからの情報ではベートーヴェン1・3番およびキルヒナーは初登場音源とのこと。
※DOREMIレーベルの商品はCD-Rで入荷する可能性がございます。ご了承の上お求め頂きますようお願いいたします。き

APARTE
AP-291(1CD)
18世紀ヴァイオリン協奏曲集
ベンダ:ヴァイオリン協奏曲イ長調L2.13
グラウン:ヴァイオリン協奏曲ハ短調GraunWV Av:]U:18
サン=ジョルジュ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
マッダレーナ・ロンバルディーニ=ジルメン:ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調Op.3
モーツァルト:ロンド ハ長調K.373
ゼフィーラ・ヴァロヴァ(Vnと指)
イル・ポモドーロ

録音:2021年2月/ヴィラ・サン=フェルモ(ロニーゴ)
ブルガリア出身のゼフィーラ・ヴァロヴァはストイカ・ミラノヴァ門下の女性ヴァイオリニスト。2015年以来イル・ポモドーロのコンミスを務めて名演を支えてき ました。
今回は彼女が指揮も務め、18世紀のヴァイオリン協奏曲を披露。ヨハン・ゴットリープ・グラウン(1702頃-1871)のハ短調とヨゼフ・ブローニュ・サン=ジョ ルジュのニ長調は世界初録音。またタルティーニ門下のヴァイオリニストで女性作曲家でもあったマッダレーナ・ロンバルディーニ=ジルメンの第 1番も興味津々。いずれも生き生きとしたエネルギーに満ち、光り輝くような音色が魅力。モーツァルト以外は珍しい作品と言えますが、宝を発見したような喜びを 感じられるはずです。 (Ki)

Pentatone
PTC-5186949
(1SACD)
(1)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(1932)
(2)メシアン:「異国の鳥たち」(1956)
(3)シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42(1942)
フランチェスコ・ピエモンテージ(P)
スイス・ロマンドO、
ジョナサン・ノット(指)

録音:(1)2020年11月、(2)2020年12月、(3)2021年2月
ヴィクトリア・ホ ー ル(ジュネーヴ )
ジョナサン・ノット率いるスイス・ロマンドOによる20世紀傑作シリーズ。前作ドビュッシー(ノット編)&シェーンベルクの『ペ レアスとメリザンド』(KKC-6429/30/ PTC-5186782)はレコード芸術誌「特選盤」など高い評価を得ました。
期待の新作はピアノとオーケストラのための傑作3篇。ラヴェルとシェーンベルクのピアノ協奏曲、メシアンの「異国の鳥たち」を、フランチェスコ・ピエモンテー ジをピアノ独奏に迎えて演奏しています。20世紀の協奏曲のジャンルにおいて最も独創的な作品を残したラヴェルとシェーンベルク。ラヴェルのピアノ協奏曲 ト 長調は、むちの一打ちではじめる開始が意表をついており、それだけでも聴き手をひきこみます。ジャズから借りた要素、小刻みなリズム、そしてラヴェルなら ではのキラキラとしたメロディが最大の魅力です。
シェーンベルクのピアノ協奏曲はアメリカ時代の産物で十二音の技巧を用いた作品。単一楽章形式ながら内容的には4つの部分に分けられます。
2つの協奏曲の間に配置されたメシアンの「異国の鳥たち」は、メシアン独特の音響効果が計算された作品。ピアノの独奏パートには3つの小カデンツァと2 つの大カデンツァを含みます。小規模のオーケストラには弦楽器が全く入らず、打楽器が沢山加わっているところも異彩を放ちます。ノット率いるスイス・ロマン ドOがピエモンテージと色彩感豊かに演奏しております! (Ki)

Pentatone
PTC-5186966(1CD)
バッハ:チェンバロ協奏曲集第3集
(1)2台のチェンバロのための協奏曲第3番ハ短調 BWV1062
(2)2台のチェンバロのための協奏曲第2番ハ長調 BWV1061
(3)チェンバロ、オーボエと弦楽のための協奏曲 ニ短調 BWV1059(フランチェスコ・コルティによる再構成版)
(4)2台のチェンバロのための協奏曲第1番ハ短調 BWV1060
フランチェスコ・コルティ(Cemb独奏:BWV1059、第1チェンバロ:BWV1060-1062)
(1)(2)(4)アンドレア・ブッカレッラ(第2チェンバロ)
(3)エマニュエル・ラポルト(Ob)

イル・ポモ・ドーロ【エフゲニー・スヴィリドフ(Vn1)、アンナ・ドミトリエヴァ(Vn2)、ステファノ・マルコッキ(Va)、キャサリン・ジョーンズ(Vc)、パオロ・ズッケリ(ヴィオローネ)】

録音:2021年4月17-21日/ヴィッラ・サン・フェルモ、ロニゴ(イタリア)
フランチェスコ・コルティとイル・ポモ・ドーロによるバッハのチェンバロ協奏曲集第3 集。今作では 2台のチェンバロのための協奏曲 BWV1060-1062の 3曲に加え、冒頭の断片だけが残されているチェンバロ協奏曲BWV1059をコルティ自身による再構成版で収録しています。2台のチェンバロのための協奏 曲では、第2チェンバロにイタリアの独奏者やアンサンブル・リーダーとしても頭角を現しているイタリアの若きチェンバロ奏者アンドレア・ブッカレッラを抜擢。 またBWV1059では、カンタータ第35番を基にコルティ自身が音楽学者と議論を重ねながら数年かけてアイディアを練ったという再構成版で、チェンバロ、オー ボエと弦楽のための協奏曲として復元しています。弦楽は各パート一人の小編成を選択しています。第1集(KKC-6240 / PTC-5186837)、第2集(KKC-6323/ PTC-5186889)で、コルティのひらめきに満ちた鮮やかな独奏とイル・ポモ・ドーロの自発的なアンサンブル、そして最新の研究成果が活かされた演奏が 世界的に高い評価を受け、日本でもレコード芸術特選を獲得するなど、大きな話題を呼んだだけに、この第 3集も大いに期待できます。コルティとイル・ポモ・ドー ロによる新時代のバッハ演奏をお楽しみに! (Ki)

Ars Produktion
ARS-38329(1SACD)
モザイク
ギィ=クロード・ルイパルツ:二重協奏曲第4番(フルートとハープのための)#、
ほおずき(ナサニエル・キャレ編/ピアノと管弦楽版)+、
古典協奏曲(Pと管弦楽のための)*、
ゴレ(P・ソロのための)$、
アダージョ(弦楽オーケストラのための)Ψ
ギィ=クロード・ルイパルツ(Fl、指)#+*Ψ、
アンヌ=ソフィー・ベルトラン(Hp)#、
パスカル・ジャンドロ(指)#、
ナサニエル・キャレ(指)+、
ジャン・デュベ(P)*$、
フォクトラントPO

録音:2021年7月5日-8日
フルート奏者であり作曲家でもあるギィ=クロード・ルイパルツは、作曲家兼指揮者であるギィ・ルイパルツを父に持ちます。彼はフランスの名フルート奏者ジャン=ピエール・ランパルに師事し、フランス放送でフルート奏者として6年間働き、その後は教育者としても活躍しています。東京でも公演を行っており、東京フィルハーモニーSOとピッコロの作品で共演しています。

ONDINE
ODE-1403(1CD)
NX-B07
ジブオクレ・マルティナイティーテ(1973-): 作品集
ぎ行く今、残る今(2020)- パーカッションと弦楽オーケストラのための
闇から光へ(2021)- 弦楽オーケストラのための
心の原風景(2019)- チェロと弦楽オーケストラのための
パヴェル・ギュンテル(パーカッション)
ロカス・ヴァイトケヴィチウス(Vc)
リトアニア室内O
カロリス・ヴァリアコイス(指)

録音:2021年6月8-12日
1973年、ロシア生まれのリトアニア人でニューヨークを拠点としている作曲家、ジブオクレ・マルティナイティーテの作品集。 前作(ODE-1386)に収録された「郷愁」が2022年2月にニューヨーク・フィルの定期演奏会のプログラムに載るなど、注目度が高まっています。 ONDINEへ2作目の録音となるこのアルバムは、過去3年間に書かれた弦楽オーケストラのための3作品を収録、第1曲の「Nunc fluens. Nunc stans」は古代ローマの哲学者ボエティウスの言葉「過ぎゆく今が時間となり、残る今が永遠となる」から採られています。新型コロナウィルス感染症の拡大 が世界を不安と恐怖に巻き込んでいた2020年4〜5月に書かれた作品で、ゆっくりと展開していく音楽が当時の世情を写しつつも、それを越えた「永遠」を 求める心を表現するかのようです。効果的に用いられているパーカッションも聴きどころの一つです。 2020年11月から2021年3月にかけて作曲された「Ex Tenebris Lux 闇から光へ」はヴァイオリン8、ヴィオラ4、チェロ4、コントラバス2の編成による作 品。抑制された挽歌で始まり、様々な奏法を駆使しながら、最後は輝かしい弦の響きが希望を感じさせます。 「Sielunmaisema」(フィンランド語で「心の原風景」といった意味)は独奏チェロと最低21人の奏者を必要とする弦楽オーケストラのための作品。リトアニア とアメリカという大きく異なる文化的アイデンティティを持つ作曲家自身が「どこに住もうとも変わらずに心の中にある風景」を描いたものです。ヴィヴァルディ作 品のように四季をモティーフにしていますが、曲ごとに4つの季節の特徴を表現しているのではなく、楽章は相互に関連性が持たされています。またチェロが主 役であるため、よりまろやかな響きが得られることも特徴です。

PREISER
PRCD-91557(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲集(室内楽版)
変ホ長調 K.417
変ホ長調 K.495
変ホ長調 K.447
ニ長調 K.412(2021年補完版)
ペーター・ドルフマイヤ ー(Hrn)
ウィーンSOのメンバー
ウィーンのホルン奏者、ペーター・ドルフマイヤーとウィーンSOのメンバーによるモーツァルトの4つのホルン協奏曲。オーケストラ・パートは弦楽五重奏 にアレンジされ、通奏低音チェンバロも加わった編成です。
ペーター・ドルフマイヤーはザルツブルク・モーツァルテウムO、ウィーン国立歌劇場Oでホルン奏者を務め、2014年から2016年までウィーン・ フォルクスオーパー首席奏者、それ以降はウィーンSOで首席奏者を務める名手です。

DOREMI
DHR-8163(2CDR)
ブロニスラフ・ギンペルLive 第1集
(1)ラロ:スペイン交響曲〜第1楽章
サラサーテ:マラゲーニャ イ長調 Op.21-1
(2)ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ Op.16
サラサーテ:ホタ・ナバーラ Op.22-2
パガニーニ(アウアー編):カプリース第24番イ短調
(3)サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
(4)クライスラー:中国の太鼓
 プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
(5)ディニク:ホラ・スタッカート
(6)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
(7)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
(8)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
ブロニスラフ・ギンペル(Vn)

(1)ブロニスラフ・ギンペル(指)ABCコンサート・オーケストラ
 録音:1949年頃(放送用ライヴ)
(2)リチャード・ベックマン(P)
 録音:1953年8月29日(放送用ライヴ)
(3)マルティン・クラウゼ(P)
 録音:1955年2月13日(放送用ライヴ)
(4)カロル・ギンペル(P)
 録音:1930年代(放送用ライヴ)
(5)ピアニスト不明
 録音:1930年代(放送用ライヴ)
(6)オイゲン・ヨッフム(指)、BPO
 録音:1956年4月21日(放送用ライヴ)
(7)ロベルト・ベンツィ(指)西ドイツRSO
 録音:1967年頃(放送用ライヴ)
(8)ジョセフ・ステパル(指)ABCコンサート・オーケストラ
 録音:1949年頃(放送用ライヴ)
「戦場のピアニスト」ウワディスワフ・シュピルマンとデュオを組み世界中で2500回以上のコンサートを開いたことでも知られるヴァイオリニスト、ブロニスワフ・ ギンペルの貴重音源集です。ヨッフムBPOとのシベリウスも収録。
※当DOREMIレーベルの商品はCD-Rで入荷する可能性がございます。ご了承の上お求め頂きますようお願いいたします。 (Ki)

NIFC
NIFCCD-078(1CD)

PNIFCCD-078(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番#
ドブジンスキ:演奏会用序曲 Op.1
クルピンスキ:クラリネット協奏曲 変ロ長調(1823)+
ドブジンスキ:交響曲第2番 ハ短調 「性格的」 Op.15(1831)
18世紀オーケストラ、
アリョーナ・バーエワ(Vn)#、
エリック・ホープリッチ(Cl)+、
ホセ・マリア・フロレンシオ(指)

録音:2018年9月7日-9日、コンサート・ホール、クシシュトフ・ペンデレツキ・ヨーロッパ音楽センター(ルスワビツェ、ポーランド)
ポーランド国立ショパン研究所の自主レーベル「NIFC」による『ショパンの時代の音楽』シリーズから、イグナツィ・フェリクス・ドブジンスキ(1807-1867)の交響曲第2番「性格的」をメインにしたアルバムが登場です。ドブジンスキは、帝政ロシアの圧政下にあったポーランドのショパンと同世代の作曲家で、ワルシャワでは同時期にユゼフ・エルスネルに師事していたというショパンと繋がりの深い作曲家です。同時収録されたロマン派ヴァイオリン協奏曲の傑作、ヘンリク・ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番では、ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール(2001)、パガニーニ・モスクワ国際コンクール(2004)、仙台国際音楽コンクール(2007)で優勝、そしてNHKSOとの共演で度々来日している(2022年5月にもN響と共演予定!)アリョーナ・バーエワをソリストに迎えています。また、カロル・クルピンスキ(1785-1857)のクラリネット協奏曲では、18世紀オーケストラの首席クラリネット奏者でありヒストリカル・クラリネットの名手エリック・ホープリッチをソリストに迎えています。ホープリッチは2019年にも18世紀オーケストラとの共演でクルピンスキの協奏曲を録音(GCD921128)していますが、こちらはその約1年前に録音されていたもの。指揮は、ブラジル出身のホセ・マリア・フロレンシオ(Jr.)で、彼はワルシャワ音楽院で指揮を学んだ後1985年以降はポーランドに定住し、ウッチ大劇場の指揮者、ヴロツワフ歌劇場やモニューシュコ大劇場の音楽監督、ポーランド放送合唱団やポズナン・フィルの芸術監督、ポーランド国立歌劇場(ワルシャワ大劇場)の常任指揮者など、ポーランドの主要なポストを歴任してきました。その豊富な経験とポーランド音楽に寄せる情熱を活かし、18世紀オーケストラと共に『ショパンの時代の音楽』を再現します。

Diapason
DIAP-144(1CD)
グリーグ:作品集
(1)ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
(2)管弦楽伴奏付き歌曲集(最初の出会い Op.21-1
 春 Op.33-2/若者 Op.33-1
 ルンダルネにて Op.33-9
 到着点 Op.33-12
 モンテ・ピンチョから Op.39-1
 希望 Op.26-1/白鳥 Op.25-2
 エロス Op.70-1/君を愛す Op.5-3
(3)ピアノのための3つの小品(恋の曲 Op.43-5
ヨルスターの踊り Op.17-5
ゆりかごの歌 Op.68-5)
(1)クリフォード・カーゾン(P)、LSO、エイフィン・フィエルスター(指)
録音:1959年
(2)キルステン・フラグスタート(S)、BBC響、マルコム・サージェント(指)
録音:1957年
(3)アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
録音:1940年-1941年
「フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜 ディアパゾンが選んだ決定盤』。第144巻は、グリーグの作品集!
ノルウェー出身の指揮者フィエルスターとイギリスの名ピアニスト、クリフォード・カーゾンによるグリーグの傑作のひとつ「ピアノ協奏曲」と、ノルウェー出身の世界的ソプラノ歌手キルステン・フラグスタートによる「歌曲集」、最後に巨匠アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリによる「小品集」を収録した充実の内容です。

CALLIOPE
CAL-2197(1CD)
ショスタコーヴィチ&チャイコフスキー
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番(Vc・アンサンブル版)
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲(Vc・アンサンブル版)
クセニア・ヤンコヴィチ(Vc)、
アンサンブル・インスピリムス

録音:2021年7月8日-10日、マルティン・ルター教会(デトモルト、ドイツ)
ショスタコーヴィチの「チェロ協奏曲第1番」とチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」をチェロだけで演奏するという非常に珍しい編曲版の登場です。コロナ禍に行われたこのプロジェクトは、クセニア・ヤンコヴィチとその教え子たちである若い8人のチェリストたちによって行われ、ショスタコーヴィチの未亡人であるイリーナ・ショスタコーヴィチとDSCH出版の許可を得てのリリースとなりました。その演奏は、同一楽器で演奏されていることもあり音色の纏まりは見事で、チェロという楽器の表現力に改めて驚かされるものです。鬼気迫るショスタコーヴィチと、ロマンティックなチャイコフスキーをお楽しみいただけます。
セルビアに生まれたクセニア・ヤンコヴィチは、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチに師事した後、ピエール・フルニエ、アンドレ・ナヴァラの下で研鑽を積んだ経歴を持っています。ガスパール・カサド国際チェロ・コンクールでの優勝後、ハムレット・ピアノ・トリオのメンバーとして活躍するなど、ソリスト、室内楽奏者として幅広い活動し、ドイツのデトモルト音楽大学で教鞭も執っています。


MELO CLASSIC
MC-1058(2CD)
アレグザンダー・ユニンスキー/ピアノ欧州楽旅1951-1962年

(1)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
(2)ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
(3)ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35
(4)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調Op.26
(5)バッハ:パルティータ第2番ハ短調BWV826
(6)シューマン:謝肉祭Op.9
ラヴェル:夜のガスパール〜オンディーヌ
アレグザンダー・ユニンスキー(P)

(1)カール・メレス(指)RTL響
録音:1958年11月19日ベルギールクセンブルク放送スタジオ(モノラル)
(2)ヴィリ・シュタイナー(指)NDRハノーファーSO
録音:1961年4月11日西ドイツハノーファー放送スタジオ(モノラル)
(3)録音:1961年4月10日西ドイツハノーファー放送スタジオ(モノラル)
(4)アンドレ・リュー・シニア(指)リンブルフSO
録音:1951年6月29日オランダマーストリヒト放送スタジオ(モノラル)
(5)録音:1961年4月16日西ドイツミュンヘン放送スタジオ(モノラル)
(6)録音:1962年2月15日フランスパリ放送スタジオ(モノラル)
アレグザンダー・ユニンスキー(日本ではウニンスキーの表記も多いがユニンスキーが本来に近い1910-1972)はキーウ/キエフ(当時はロシア帝国領)の生まれ。幼くして才能を発揮し、キエフ音楽院の名教師、ホロヴィッツの恩師セルゲイ・タルノフスキーに学ぶ。ロシア革命に巻き込まれ一家は1923年にパリに移住、パリ音楽院でラザール=レヴィ門下生となります。1932年、第2回ショパン国際ピアノ・コンクールで優勝。ドイツのフランス侵攻後に新大陸に移り、1943年から米国を拠点にし、第二次世界大戦後はフランスを中心とした欧州でも活躍した。ユニンスキーは、19世紀の伝統に連なるヴィルトゥオーソ・ピアニストの豊かな音楽性と、近代的な高い技術とやや硬質で繊細な響きで音楽を紡ぐ現代的ピアニストの性格が両立しており、21世紀の今聞いても実に素晴らしい。かつてPHILPSにショパンなどを録音しCDにもなったが今はすべて廃盤。このドイツ、オランダ、ベルギーでの放送録音はユニンスキーの素晴らしい芸術を伝えてくれる貴重なものだ。
MELO CLASSIC
MC-1060(2CD)
ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ/ドイツでの楽旅1958-1971年

(1)リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
(2)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
(3)メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番ト短調Op.25
(4)ショパン:夜想曲ホ短調Op.72-1/ワルツロ短調Op.69-2/前奏曲変イ長調Op.28-17
(5)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
(6)ラモー:サラバンド/ガヴォット/タンブーラン/鳥の囀り/優しい訴え/メヌエット/雌鶏
D.スカルラッティ:ソナタニ短調K.9/ソナタニ長調K.430/ソナタハ長調K.159
マチェイェフスキ:三連作
ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(P)

(1)ハインツ・フリッケ(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1964年6月3日東ドイツベルリン放送スタジオ(モノラル)
(2)オタカール・トルフリク(指)ベルリンRSO
録音:1962年4月7-8日東ドイツベルリン放送スタジオ(モノラル)
(3)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDRSO
録音:1963年2月24-25日西ドイツハンブルク放送スタジオ(モノラル)
(4)録音:1958年9月25日西ドイツハノーファー放送スタジオ(モノラル)
(5)ロルフ・クライネルト(指)ベルリンRSO
録音:1971年2月4-5日東ドイツベルリン放送スタジオ(モノラル)
(6)録音:1963年2月27日西ドイツハンブルク放送スタジオ(モノラル)
偉大なポーランド人ショパン弾き、ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(1922-2001)のドイツでの放送録音集。ハリーナ・チェルニー=ステファンスカはポーランドのクラクフの生まれ。戦後初となった1949年の第4回ショパン国際コンクールで第1位(ベラ・ダヴィドヴィチと同位)、以来20世紀半ばのポーランド人ショパン弾きとして大活躍をした。一方で、たしかに彼女はショパンを中心に弾いていたのだが、他の作曲家の作品の録音が極端に少ない。この2CDには、ピアノ協奏曲第1番を含めたショパン4曲の他に、リスト、グリーグ、メンデルスゾーン、ラモー、スカルラッティ、マチェイェフスキと、今まで知らなかったチェルニー=ステファンスカの姿が多々。そしてどの演奏も彼女ならではの気高くも激しい情熱で満ちています。グリーグのピアノ協奏曲のあの有名な冒頭の見事な捌き一つをとっても彼女のファンにはたまらないでしょう。加えてチェルニー=ステファンスカの弾くラモーとスカルラッティ、これもまたたいへんに見事な出来栄えだ。
MELO CLASSIC
MC-1063(2CD)
伝説的なポーランドのピアニストたち/ドイツでの演奏会1949-1959年

(1)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11

(2)ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21

(3)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23

(4)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調Op.26
(1)バルバラ・ヘッセ=ブコフスカ(P)
ヘルマン・アーベントロート(指)ベルリンRSO
録音:1955年2月20日東ドイツベルリン放送スタジオ(モノラル)
(2ヘンリク・シュトンプカ(P)
ヘルマン・アーベントロート(指)ライプツィヒRSO
録音:1952年5月5日東ドイツライプツィヒ放送スタジオ(モノラル)
(3)マリアン・フィラー(P)
ヴィンフリート・ツィリヒ(指)フランクフルトRSO
録音:1949年2月16日西ドイツフランクフルト放送スタジオ(モノラル)
(4)レギナ・スメンジャンカ(P)
ヘルベルト・ケーゲル(指)ライプツィヒRSO
録音:1959年4月20日東ドイツライプツィヒ放送スタジオ(モノラル)
題名の通りポーランド出身の4人のピアニストの演奏が収録されています。ヘンリク・シュトンプカ(1901-1964)はワルシャワ音楽院で学んだ後、1927年の第1回ショパン国際ピアノ・コンクールに参加。直後にパリに移り、ここで偉大なピアニスト、イグナツィ・ヤン・パデレフスキの指導を受ける。1930年代に大活躍するも、第二次世界大戦中はワルシャワで身を潜めざるを得なかった。戦後国際的活動を再開、またクラクフ音楽院のピアノ教授を亡くなるまで務めた。録音は少なくCDでは無いに等しかったところに、今回ショパンのピアノ協奏曲第2番の録音が発掘、しかも巨匠ヘルマン・アーベントロートの指揮。今回のMELOCLASSICのリリースでも特にお宝度の高いもの。バルバラ・ヘッセ=ブコフスカ(1930-2013)は中央ポーランドのウッチの生まれ。戦後初となった1949年の第4回ショパン国際ピアノ・コンクールで第2位を受賞(第1位はハリーナ・チェルニー=ステファンスカとベラ・ダヴィドヴィチ)、これで一気に国際的に名を知られるようになった。1953年、パリでのロン=ティボー国際コンクールのピアノ部門では第5位だったが、審査員のアルトゥール・ルービンシュタインから絶賛されこれも彼女の名を知らしめた。1950、60年代には世界的に活躍したが、1970年代以降は教職に重きを置き、ワルシャワ高等音楽院の名教師として知られた。マリアン・フィラー(1917-2012)はワルシャワ生まれのピアニスト(男性である)。第二次世界大戦では強制収容所から命からがら生還した。終戦後ドイツで活動したのち、1950年に米国デビュー、そして移住。1958年にテンプル大学の音楽部門のピアノ主任に就任、長く指導者として活躍した。94歳と長命したが商業録音とはあまり縁がなく、MELOCLASSICが2015年にショパン集のCDを出すまではほとんど忘れ去られていた。ここではドイツ時代の見事なチャイコフスキーの協奏曲が聞ける。レギナ・スメンジャンカ(1924-2011)は年9月15日)はトルンの生まれ。天才少女として名を馳せ、1936年からトルン音楽院で前述のヘンリク・シュトンプカから教えを受ける。十代後半は第二次世界大戦に巻き込まれ、戦後になってようやくクラクフ音楽院で十分に学ぶことができた。戦後初となった1949年の第4回ショパン国際ピアノ・コンクールで第11位入賞。彼女が国際的に有名になるのは1950年代末以降のことで、1961年には北米楽旅で成功しています。教育者としても高名な彼女は、日本では「ショパンをどのように弾きますか?」という著作でも知られているでしょう。録音は少なくなかったものの、現在CDはほとんど入手難。若き日のヘルベルト・ケーゲルが伴奏指揮を務めたこのプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番の録音は嬉しいもの。
MELO CLASSIC
MC-2049(2CD)
クリスティアン・フェラス/ヨーロッパでの楽旅1961-1974年


(1)ラロ:スペイン交響曲ニ短調Op.21(第3楽章省略)

(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64

(3)ショーソン:詩曲

(4)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218

(5)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番〜ガヴォット・アン・ロンドー

(6)ロベール・ド・フラニ:ダヌビアナ

(7)ラヴェル:ツィガーヌ

(8)シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲Op.36
クリスティアン・フェラス(Vn)

(1)ルイ・ド・フロマン(指)RTLO(ルクセンブルクRSO)
録音:1961年3月22日ベルギールクセンブルク放送スタジオ(モノラル)
(2)ボゴ・レスコヴィチ(指)WDRSO放送スタジオ録音
録音:1964年4月29日西ドイツケルン放送スタジオ(モノラル)
(3)ジャン・クロード・アルトマン(指)ORTFリリックO
録音:1969年5月9日フランスパリ放送スタジオ(ステレオ)
(4)ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルン室内O
(5)録音:1968年8月3日フランスマントンライヴ(モノラル)
(6)ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指)ORTF国立O
録音:1964年9月9日フランスブザンソンライヴ(モノラル)
(7)ジャン・クロード・アルトマン(指)ORTFリリックO
録音:1969年5月16日フランスパリ放送スタジオ(ステレオ)
(8)ミルティアデス・カリディス(指)ORFSO
録音:1974年オーストリアグラーツライヴ(モノラル)
クリスティアン・フェラスの協奏曲を中心とした録音を集めています。1960年代からフェラスが第一線を退く直前の1974年まで。目玉はシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲だろう、フェラスは商業録音を残していないし、ライヴ録音でも初めてではないだろうか。ロベール・ド・フラニはリヨンの作家、政治家であるロベール・プロトン・ド・ラ・シャペル(1894―1982)の芸名。ダヌビアナは「ドナウ風の」といった意味あいの言葉で、曲中何度かワルツが用いられています。世界初演でのライヴ録音。ルクセンブルクでのラロのスペイン交響曲はフランスの名匠でルクセンブルクRSOを長く率いたルイ・ド・フロマンの指揮と相まって濃厚な味わいを広げています。一方ケルンでのメンデルスゾーンは端正な味わいの演奏。ショーソンの詩曲とラヴェルのツィガーヌはステレオ。
MELO CLASSIC
MC-2050(2CD)
伝説的なソヴィエト連邦のヴァイオリニストたちヨーロッパでの楽旅1961-1974年


(1)ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番嬰ヘ短調Op.14
(2)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調Op.63
(3)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op.108
ハチャトゥリアン:詩曲
ハチャトゥリアン(ハイフェッツ編):アイシャの踊り,剣の舞(「ガイーヌ」から)
(4)ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタホ長調Op.1-15HWV373
(5)カバレフスキー:ヴァイオリン協奏曲ハ長調Op.48
(6)パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.7
(1)ボリス・ゴリトシテイン(Vn)
ズデネク・マーツァル(指)NDRハノーファー放送O
録音:1975年6月6日西ドイツハノーファーライヴ(ステレオ)
(2)ボリス・ゴリトシテイン(Vn)
ユーリ・アーロノヴィチ(指)NDR響
録音:1976年10月8日西ドイツハノーファーライヴ(ステレオ)
(3)ボリス・ゴリトシテイン(Vn)、シシュティ・ヨルト(P)
録音:1977年6月3日西ドイツハノーファー放送スタジオ(ステレオ)
(4イーゴリ・ベズロドニー(Vn)、フセヴォロド・ペトルシャンスキー(P)
録音:1968年6月8日東ドイツライプツィヒライヴ(モノラル)
(5)イーゴリ・ベズロドニー(Vn)
キリル・コンドラシン(指)ベルリンRSO
録音:1950年7月24日東ドイツベルリンライヴ(モノラル)
(6)ユリアン・シトコヴェツキー(Vn)
フランツ・ユング(指)ライプツィヒRSO
録音:1955年12月17日東ドイツライプツィヒ放送スタジオ(モノラル)
ソヴィエト連邦出身のヴァイオリニストの録音を集めています。CD1枚以上を占めるボリス・ゴリトシテイン(ドイツ語読みではゴルトシュタイン、しかし日本では英独語折衷のゴールドシュタインの表記が多い1922-1987)はウクライナのオデッサの生まれ。父親はライプツィヒ生まれのドイツ人。5歳でヴァイオリンを習うとすぐに才能を発揮し、一家はモスクワに移住してボリスに本格的な音楽教育を受けさせる。1933年の全連邦音楽演奏コンクールで特別賞を受賞。そして1935年、伝説的な第1回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで、第1位ジネット・ヌヴー、第2位ダヴィド・オイストラフ、第3位ヘンリ・テミアンカに次いで第4にに入賞。さらに1937年のウジェーヌ・イザイ・コンクール(後のエリザベート王妃国際音楽コンクール)のヴァイオリン部門でも第4位を受賞。いずれもまだ十代のこと。このまま国際的人気ヴァイオリニストになって当然だったが、ソ連政府は彼の国外出国をほとんど認めず、また録音も僅かで、ソ連に封じ込められてしまい、西側では幻のヴァイオリニストになってしまった。1974年にドイツに亡命、残りの人生は教職が主だった。ここに収録されている録音はいずれもドイツ亡命後のもの。残念ながら既に技術的な衰えが目立つが、ブラームスのニ短調のソナタでの味わい深い演奏は偉大なヴァイオリニストならではのものだ。イーゴリ・ベズロドニー(1930-1997)は、ソ連時代のグルジア(ジョージア)の首都トビリシの生まれ。父はトビリシのオーケストラのリーダーで音楽院の教授、母もヴァイオリン教師。1937年に一家はモスクワに移り、レオニード・コーガンら多くの名ヴァイオリニストを育て上げた名教師アブラム・ヤンポルスキー(レオポルト・アウアーの高弟)に学ぶ。1949年、プラハでのヤン・クベリーク国際コンクールで第1位。1950年、第1回ヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクールのヴァイオリン部門で第1位。同じ年に初めてフィンランドを訪れ、以降フィンランドでの活動が多くなる(ヘルシンキで亡くなっている)。ヴァイオリニストとして活動する一方で、後年は指揮活動も行う。ソ連を代表するヴァイオリニストとして録音も多く残していたものの、CDになったものは僅かで、しかもCDはLPから採録されたものだったりと、ここ数十年は冷遇されてきた。このCDに聞ける1950年のカバレフスキーのヴァイオリン協奏曲は、前述のバッハ国際コンクールに参加した時期の東ベルリンでの演奏会のライヴ録音。15分強の短い作品だが、ベズロドニーの凛とした美音と卓越した技術、果敢な踏み込みを大いに楽しめる。伴奏指揮がキリル・コンドラシンというのも嬉しい。ユリアン・シトコヴェツキー(1925-1958)は伝説的なソ連のヴァイオリニストだが、今日ではドミトリー・シトコヴェツキーの父として知られているでしょう。ウクライナのキーウ/キエフの生まれ。彼もアブラム・ヤンポルスキーに学んでいます。1952年、第2回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位。1955年のエリザベート王妃国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で第2位、しかしこれはソ連からの参加者を冷遇した結果だったとも伝えられています。瑞々しくも切れ味の良い音色、高度な技術、そして新鮮な現代的感性と、20世紀後半を代表するヴァイオリニストになるはずだったが、病に倒れ僅か32歳で亡くなった。それでもシトコヴェツキーの素晴らしい演奏は残された録音を通じて人々を魅了し、1970年代には日本で愛好家によるLPが発売され、21世紀に入ると秘蔵音源が何枚もCDになったりしていた。ここでのライプツィヒでのパガニーニは全盛期のシトコヴェツキーの姿を伝える素晴らしい記録です。
MELO CLASSIC
MC-2051(2CD)
ミハイル・ヴァイマン東ドイツでの演奏会1951-1963年


(1)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219
(3)バッハ:ヴァイオリン協奏曲ホ長調BWV1042
(4)マチャヴァリアニ:ヴァイオリン協奏曲
(5)プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ短調Op.80
バルトーク(Szekely編):ルーマニア民俗舞曲
ヴィヴァルディ:前奏曲ハ短調
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調BWV1001
ミハイル・ヴァイマン(Vn)

(1)ロルフ・クライネルト(指)ベルリンRSO
録音:1957年5月20日東ドイツベルリン放送スタジオ(モノラル)
(2)ヘルマン・アーベントロート(指)ベルリンRSO
録音:1955年5月15日東ドイツベルリンライヴ(モノラル)
(3)カール・エリアスベルク(指)ライプツィヒRSO
録音:1950年7月29日東ドイツライプツィヒライヴ(モノラル)
(4)フランツ・コンヴィチュニー(指)ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO
録音:1951年11月27日東ドイツライプツィヒライヴ(モノラル)
(5)マリア・カランダショヴァ(P)
録音:1963年10月30日東ドイツベルリンライヴ(モノラル)
ミハイル・ヴァイマン(1926-1977)はソ連時代のウクライナ、ムィコラーイウ州ノヴィイ・ブーフの生まれ。父親は町の吹奏楽団の指揮者だった。1933年にオデッサに移住し、ミハイル少年はヴァイオリンを学び始める。順調に腕前を上げるが、第二次世界大戦の勃発で音楽院ごとウズベキスタンのタシュケントに疎開。戦後、モスクワで名教師アブラム・ヤンポルスキーの前で試演して認められ、音楽院ごとレニングラードに移る。1949年、プラハでのヤン・クベリーク国際コンクールで第4位。1950年、第1回ヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクールのヴァイオリン部門で第2位。1951年、エリザベート王妃国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で第2位(第1位はレオニード・コーガン)。1950、60年代にヴァイマンは東欧圏で精力的に演奏活動を行い、並行して指導者としても多くの優秀な弟子を輩出した。1977年、心臓発作で51歳で亡くなった。長命すれば西側での活動も広がったろう。2005年にMelodiyaからまとまった量の録音がCDになっていた。この2CDには1950年代を中心とした東ドイツでの放送録音を収録。チャイコフスキーの協奏曲はヴァイマンが絶好調で、軽快で歯切れ良い第3楽章もロシア的哀愁が漂う第2楽章も絶品だ。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番は、ヴァイマンの洗練された美音と粋な歌いまわしを、大指揮者ヘルマン・アーベントロートが大きく支えた素晴らしい名演。グルジア/ジョージアの作曲家、アレクシ・マチャヴァリアニ(1913―1995)のヴァイオリン協奏曲は、ヴァイマンはモスクワで商業録音もしており得意曲だったのかもしれない。伴奏がフランツ・コンヴィチュニー指揮のゲヴァントハウスOというのも凄い。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-413(1CD)
ブラームス・ザ・プログレッシヴVol.2
ウェーベルン:9楽器のための協奏曲Op.24(1934)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
ピナ・ナポリターノ(P)
モデスタス・ピトレナス(指)リトアニア国立SO

録音:2021年6月10-11日リトアニア・ナショナル・フィルハーモニック・ホール、ヴィリニス
※日本語オビ・解説付き
ピナ・ナポリターノの「ブラームス・ザ・プログレッシヴ」シリーズの第 2弾。第1弾「ブ ラームス、ウェーベルン、ベルク:ピアノ作品集」(ODRCD330)はレコード芸術特選! ブラームスは一般に思われているような頑迷な保守主義者では決してなく、実は新ウ ィーン楽派の 3人が深く傾倒、影響を受けるほど先進的な作曲家でした。この企画は ブラームスの作品を新ウィーン楽派の作品と対比させることで彼のそうした側面を浮き 彫りにしようというものです。今回はブラームスの交響曲並みの規模を持つ大作、ピア ノ協奏曲第 2番にウェーベルンの 9楽器のための協奏曲を対峙させます。9 楽器の ための協奏は伝統的な意味でのピアノ協奏曲ではなく、極めて室内楽的な作品です が、ナポリターノは厳しい様式で書かれたこの作品をみずからリードし峻厳なリリシズ ムを表出しています。ブラームスの第 2ピアノ協奏曲では甘いロマンティシズムを惜し げもなく出す一方、作品に内在する堅牢な論理性と構造を凛とした態度で演奏。同 作品の新しい名演の誕生といってよいでしょう。聴き手はこのアルバムでウェーベルン の作品の中にあるロマンティシズムとブラームスの作品の中にある前衛性を再発見す ることでしょう。

Forgotten Records
fr-1823(1CDR)
カンポーリ〜協奏曲録音集
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲#
アルフレッド・カンポーリ(Vn)
ジョン・プリッチャード(指)ロイヤルPO
アタウルフォ・アルヘンタ(指)LSO #

録音:1961年8月10日-12日、 EMI アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン/1956年12月27日-28日、キングズウェイ・ホール#、ともにロンドン、ステレオ
※音源:HMV SXLP 20043、、 Decca SXL 2029 #他
Forgotten Records
fr-1822(1CDR)
サイエ、パウムガルトナー〜モーツァルト
オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314*
ディヴェルティメント集【第12番変ホ長調 K.252/第13番ヘ長調 K.253/第14番変ホ長調 K.270/第16番変ホ長調 K.289]#
マルセル・サイエ(Ob)*
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)
ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ*、
ウィーンSO
木管アンサンブル#

録音:1950年*、953年12月10日-13日、ウィーン#
※音源:Period SPLP 519*、 Philips A 00211 L #
Forgotten Records
fr-1824(1CDR)
ブロニスワフ・ギンペル〜協奏曲録音集
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53+
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26*
ブロニスワフ・ギンペル(Vn)
ロルフ・ラインハルト(指)
バーデン=バーデン南西ドイツ放送O

録音:1957年1月
※音源:Opera Pantheon XP 2930+、XP 3060*
Forgotten Records
fr-1827(1CDR)
ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番*
ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75#、
ピアノとクラリネットの為の変奏曲 Op.33+
ジャック・ランスロ(Cl)
ポール・オンニュ(Fg)#
ルイ・ド・フロマン(指)
オワゾリール・アンサンブルO*
アニー・ダルコ(P)+

録音:1955年
※音源:L'Oiseau-Lyre OL-LD 69、OL 50105
Forgotten Records
fr-1835(1CDR)
ラロ:スペイン交響曲 (4楽章版)*
フランク(ピエルネ編):前奏曲,コラールとフーガ#
ラヴェル:道化師の朝の歌
 「マ・メール・ロワ」組曲
ベティ=ジーン・ヘイガン(Vn)*
ディミトリ・ミトロプーロス(指) NYO

録音:1950年11月26日、1951年10月28日#、1956年11月4日*、すべてカーネギー・ホール(放送用録音)

Indesens
INDE-160(1CD)
ローラン・ルフランソワ(b.1974):木管楽器のための協奏曲集
クラリネットと管弦楽のための協奏曲*
シギリージャ〜フルートと弦楽オーケストラのための
Le nouveau Balneaire〜管弦楽のための
E♭クラリネットと弦楽オーケストラのための協奏曲**
ポール・メイエ(Cl)*、
マガリ・モニエ(Fl)、
ピエール・ジェニソン(Cl)**、
ジャン=フランソワ・ヴェルディエ(指)、
ヴィクトル・ユーゴ・フランシュ=コンテO

録音:2020年12月17日-19日(フランス)
エコール・ノルマル音楽院でステファーヌ・デルプラス、ギヨーム・コネソンに師事したフランスの作曲家、ローラン・ルフランソワは、2006年ブローニュ市若手作曲家コンクールで聴衆賞を、2016年にSACEMからクロード・アリュー賞を受賞。これまでに「マリンバとクラリネットのためのパドゥク・ファンタスティクス」(出田りあ、ポール・メイエのための委嘱作品)など、多くの著名なアーティストのための作品を手掛けるなど、フランスのクラシック音楽専門誌ディアパゾンからも絶賛されている気鋭の作曲家です。
本アルバムでは、木管楽器(クラリネット、フルート)のための協奏曲を中心に収録。その完璧なテクニックと群を抜く音楽性、豊かな音色で世界トップクラスの名手のひとりに数えられ、ここ日本では、東京フィルハーモニーSO、東京佼成ウインドオーケストラの首席指揮者(2010年〜2012年)としても活躍するポール・メイエ(Cl)を筆頭に、マガリ・モニエ(Fl)、ピエール・ジェニソン(Cl)という管楽器王国フランスが誇る豪華ソリスト陣が、刺激的で詩的なローラン・ルフランソワの世界を描いていきます。
Indesens
INDE-159(1CD)
プロクラメーション〜近現代のトランペット協奏曲集
ブロッホ:プロクラメーション
アルチュニアン(1920-2012):トランペット協奏曲変イ長調
ジャック・エテュ(1938-2010):トランペット協奏曲 Op.45
ジョン・エスタシオ(b.1966):トランペット協奏曲(世界初録音)
マルク・グージョン(Tp)
ミュルーズSO、
ジャック・ラコンブ(指)
※使用楽器:Schilke SC4-MG(ブロッホ、エテュ、エスタシオ)、Schilke SB4-MG(アルチュニアン)

録音:2020年9月、ラ・フィラチュール(ミュルーズ、フランス)
ギャルド・レピュブリケーヌO(吹奏楽団)やミュルーズSO、ピカルディO、パリ室内Oの首席奏者を歴任し、現在は、パリ国立歌劇場Oのスーパー・ソリスト(第1首席奏者)を務め、パリ国立高等音楽院の教授としても活躍する現在のフランスを代表するトランペット奏者の1人、マルク・グージョン。古典派のトランペット協奏曲集(INDE-145)に続く、Indesens(アンデサンス)第2弾は近現代の協奏曲集。
前作の古典派のトランペット協奏曲集では、トランペット奏者にとってのバイブルであるハイドン、フンメル、ネルーダ、そして、モーツァルトのスタイルを踏襲して書かれた、現代フランスの作曲家ガングネの協奏曲を取り上げるなど、自身の初ソロ録音として申し分のないプログラムで好スタートを切りました。
本アルバムでは、1950年代から現代にかけて作曲された作品を収録。トランペット奏者にとって欠かすことの出来ないレパートリーのひとつに数えられる、アルチュニアンの協奏曲に加え、カナダ連邦結成150周年を記念して2017年に作曲された、カナダの作曲家、ジョン・エスタシオによる映画音楽から
室内楽、交響曲、オペラなど、多くの要素が盛り込まれた世界初録音となる協奏曲では、色彩感溢れるオーケストラのサウンドと、グージョンの表現力豊かな音楽性が見事にマッチし、一つの壮大な物語を描くかのように奏でていきます。

Hyperion
CDA-68389(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.84〜アロイス・シュミット(1788-1866)::ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ短調 Op.14
ピアノ協奏曲第2番ニ短調 Op.34
華麗なるロンド Op.101
ハワード・シェリー(P&指)、
アルスターO

録音:2021年6月15日-17日、ウォーターフロント・ホール(ベルファスト)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第84巻は、19世紀に活躍したアロイス・シュミット(1788-1866)のピアノ協奏曲集です。彼は教育者として非常に優れていて、その指導法や、練習曲は評判がよく広く知れ渡っており、当時フランツ・リストなどからも高く評価されていました。
ドイツで生まれたアロイス・シュミットは、最初オルガン奏者であった父親から音楽を学びました。その後、オッフェンバッハで、モーツァルト研究で知られた作曲家兼音楽出版者であるヨハン・アントン・アンドレに師事しました。1810年にはフランクフルトでピアニストとしてデビューし、この頃から彼はピアノ教師としても評判を高めていきました。作曲家としては、4曲のオペラや2曲のオラトリオ、その他にも交響曲や弦楽四重奏曲、4曲のピアノ協奏曲、そして歌曲やカンタータと幅広いジャンルで100曲以上の作曲しましたが、現在ではあまり知られておらず、今回収録された2つのピアノ協奏曲と「華麗なるロンド」は世界初録音となります。これらのピアノ協奏曲はベートーヴェンやモーツァルトのような響きも感じられ、随所に優れた教育者であったアロイス・シュミットの工夫がみられます。

Forgotten Records
fr-1811(1CDR)
ハイドン、ヴィヴァルディ、テレマン:協奏曲集
ハイドン:チェロ協奏曲 二長調 Op.101Hob.VIIb:2*
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ハ短調 RV.401*
テレマン:オーボエ協奏曲 ヘ短調#
C.P.E.バッハ:オーボエ・ソナタ ト短調+
エアリング・ブロンダール・ベンクトソン(Vc)*
ヴァルデマ・ヴォルシング(Ob;#/+) アルベルト・メディチ(Vc)+
モーエンス・ヴェルディケ(Cemb+,指)
デンマーク放送室内O

録音:1956年5月12日-14日*、1956年10月12日#、1957年2月15日+
※音源:HMV ALP 1501* XLP 30039* 他
Forgotten Records
fr-1812(1CDR)
ヴィヴァルディ:協奏曲集
室内協奏曲 ト短調 RV.104「夜」
協奏曲 変ロ長調 RV.579「葬送」
合奏協奏曲 ハ長調 RV.555
合奏協奏曲 ハ長調 RV.569
2つのヴァイオリンの為の協奏曲 ハ短調 RV.510 #
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV.155#
グイード・ノヴェッロ(Fl)
レーノ・ファントゥッツィ(Vn)
アンジェロ・エフリキアン(指)
ヴェネツィア楽派室内O

録音:1950年#、1952年(#以外)
※音源:Stradivari Records STR-621他
Forgotten Records
fr-1815(1CDR)
マシューズ&ジュスキントのベートーヴェン
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」#
デニス・マシューズ(P)
ウォルター・ジュスキント(指)*
フィルハーモニアO*

録音:1947年4月24日* 、1955年6月2日-3日#
※音源:Columbia RL-3037(US) * SX 10470 #
Forgotten Records
fr-1818(1CDR)
エドワード・キレニー
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番*
リスト:ピアノ協奏曲第1番#
ハンガリー幻想曲 +
死の舞踏 S.126#
エドワード・キレニー(P)
パウル・ワルター(指)ザルツブルク・モーツァルテウムO*
ヨネル・ペルレア(指)ベルリン RIAS 響#
フェリクス・プロハスカ(指)オーストリアSO+

録音:1951年* 、1951年4月10日-11日、30日#、1953年8月、10月+
※音源:Remington R-199-61、R-199-166
Forgotten Records
fr-1819(1CDR)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番二短調 Op.15 フリードリヒ・ヴューラー(P)
ジョルジュ・セバスティアン(指)
フランス国立放送O

録音:1961年2月26日、パリ(放送用録音)

ICA CLASSICS
ICAC-5166(1CD)
NX-B03
ハスキル、カラヤンのモーツァルト
ピアノ協奏曲 第20番ニ短調 K. 466
交響曲第39番変ホ長調 K. 543
デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 K. 573*
クララ・ハスキル(P)
フィルハーモニアO
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)

録音(ライヴ/モノラル/拍手入り):1956年1月28日 モーツァルテウム大ホール、ザルツブルク
1956年9月7日 ブザンソン音楽祭*
1956年1月、モーツァルトの生誕200年を祝う第1回モーツァルト週間音楽祭2日目に行われた、ハスキルとカラヤンによる公演のライヴ録 音。短い期間の共演ながら理想的なパートナーシップを感じていたという二人ですが、当時は契約レコード会社の違いで一緒の録音がかな わなかったため、残されたわずかなライヴがその相性の良さを示す限られた記録となっています。ここで聴くハスキルの美しい弱音ときびきびとし た表情、それを支えるカラヤンのサポートも見事なものです。交響曲も冒頭からスケールが大きく、カラヤンとフィルハーモニア管との信頼の篤さ を感じさせる演奏です。ボーナス・トラックとして収録されたモーツァルトの変奏曲は同年9月のブザンソンでのライヴ。一つ一つの音に込められ た表情の豊かさはハスキルならではといえるでしょう。協奏曲と交響曲はbelvedereレーベルからも発売されているもの(BELVED10152)と 同音源ですが、今回のリマスターでさらに1枚ヴェールが除かれたようにクリアさを増しており、特にピアノの音色の粒立ちが一層引き立ってい ます。

ALBANY
TROY-1889(1CD)
ダニエル・パルコフスキの音楽
(1)「夏の組曲」〜ピアノのための
(2)「さやえんどう」〜中国琵琶のための
(3)カノン的ベクトル
(4)ピアノと室内管弦楽のためのコンチェルティーノ
(1)(3)シリン・シー(P)
(2)ウ・マン(中国琵琶)
(4)エレーナ・アタナソフスカ(P)
オレグ・コントラテンコ(指)
F.A.M.E.スタジオO
ダニエル・パルコフスキの生年は公表されていないが、ネット上の写真から中堅以上の世代 と思われます。「夏の組曲」は 4つの小品からなる無調の作品でクルシェネクあたりの作品を思わ せる。「さやえんどう」は中国琵琶が特殊奏法を含む超絶技巧で聴かせ、ハード・ロックを思わ せる激しい作品。ピアノと室内管弦楽のためのコンチェルティーノは自由な無調で書かれたエ ネルギッシュな音楽。

CPO
CPO-555461(1CD)
NX-B10
ヴィヴァルディ:四季 Op.8(カルロス・ピノ=キンタナによる編曲)
リュート,2つのヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲 ニ長調 RV 93
アンドレーア・チラ(パンフルート)
プフォルツハイム南西ドイツ室内O
ダグラス・ボストック(指)

録音:2020年10月28-31日
誰もが知っているヴィヴァルディの『四季』に新風を吹き込む1枚が登場。このアルバムでは独奏ヴァイオリンのパートをパンフルートで演奏し、アルカイッ クな音色と文字通り息つく間もない驚愕のヴィルトゥオジティを披露しています。アンドレーア・チラは、ルーマニアのブカレストで生まれ、母国では「ナイ」 と呼ばれるパンフルートの演奏に才能を発揮。ルーマニアの伝統音楽からオペラ・アリアやポップスに至るレパートリーを持ち、この楽器のスター的存在と してウィーンを拠点にヨーロッパで活躍しています。 パンフルート用のアレンジは現代作曲家として活躍するカルロス・ピノ=キンタナによるもので、原曲のソロ・パートのポリフォニックな側面を強調し、パン フルートに適した調に移し、弦楽アンサンブルとのバランスに配慮することで、違和感のない仕上がりになっています。

Profil
PH-21039(2CD)
グリーグとエネスコ
■Disc1
(1)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
(2)エネスコ:ピアノ協奏曲ニ短調(未完)
(3)グリーグ:叙情小曲集〜アリエッタOp.12の1/ノルウェーの旋律Op.12の6/民謡Op.38の2/蝶々Op.43の1/愛の歌Op.43の5/ハリングOp.47の4/跳びはね踊りOp.47の6/ノルウェーの農民行進曲Op.54の2/トロールの行進Op.54の3
■Disc2
(1)グリーグ:叙情小曲集〜夜想曲Op.54の4/過ぎ去った日々Op.57の1/郷愁Op.57の6/サロンOp.65の4/トロルドハウゲンの婚礼の日Op.65の6/あなたのおそばでOp.68の3/小妖精Op.71の3/ハリング Op.71の5
(2)エネスコ:ピアノ・ソナタ第3番ニ長調Op.24の3
(3)同:即興小品集Op.18〜コラール/カリヨン・ノクチュルヌ
ルイザ・ボラク(P)
ニコラエ・モルドヴェアヌ(指)ブカレスト国立放送O(Disc1(1)(2))

録音:2019年6月25-27日ブカレスト放送(Disc1(1)(2))、
2007年1月11日、6月29日ブレーメン放送(ライヴ)(Disc1(3), Disc2(1)(2))、
2003年6月1日ヴァイセナウ修道院広間(ライヴ)(Disc2(3))、
2004年10月25日シュタットシアター・リンダウ(ライヴ)(Disc2(1)の夜想曲のみ)
ルーマニア出身の女性ピアニスト、ルイザ・ボラクは高度な技巧で意欲的なレパートリーに挑戦し、ピアノ音楽マニアの好奇心を満足させています。最新アルバム はグリーグとエネスコ。約40年違いで活動したふたりの作曲家に焦点を当てています。
ボラクは何よりリズム感抜群で民俗的な作品に輝きを見せるため、グリーグとエネスコはうってつけのレパートリー。エネスコはボラクにとり最も大切な作曲家で すが、2002年にグリーグ国際ピアノ・コンクールで優勝したこともあり、グリーグも得意な作曲家のひとり。
2019年6月にニコラエ・モルドヴェアヌ指揮ブカレスト国立放送Oとグリーグの名作協奏曲と、彼女が復活蘇演させたエネスコの協奏曲を披露。どちら も鮮烈な演奏を繰り広げています。さらにグリーグの「叙情小曲集」から17篇を選びしっとりと聴かせてくれます。有名な「蝶々」「夜想曲」「トロルドハウゲンの婚礼の日」も収録。エネスコのピ アノ曲中もっとも知られるピアノ・ソナタ第3番も充実の演奏。 (Ki)

Hanssler
HC-21042(1CD)
シュルホフ:作品集
(1)ピアノ協奏曲 Op.11
(2)「町人貴族
ミヒャエル・リシェ(P)
(1)イスラエル・イノン(指) ケルンWDRSO、
(2)ゲルト・アルブレヒト(指)ベルリン・ドイツSO、

録音:(1)1998年10月20-22日ケルン・フィルハーモニー
(2)1999年11月21&22日イエス・キリスト教会(ベルリン)
チェコの作曲家エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)のピアノ協奏曲 Op.11と「町人貴族」の録音。シュルホフはドヴォルザークの推薦でプラハ音楽院に 入学。その後14歳でライプツィヒに移りレーガーに作曲を師事し、その間ピアノをロベルト・タイヒミュラーから薫陶を得ています。生涯200曲もの作品を残した シュルホフですがナチス・ドイツによって「退廃音楽」という烙印を押され、1942年に強制収容所で命を落としています。
ピアノ独奏はドイツ知性派ピアニスト、ミヒャエル・リシェです。リシェはピアノ協奏曲「ジャズ風に」Op.43(HC-16065)を録音しておりますが、当アルバムで はピアノ協奏曲 Op. 11を演奏しております。カップリングはゲルト・アルブレヒト指揮ベルリン・ドイツSOによる「町人貴族」です。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85014(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K. 216(カデンツァ:オスカー・シュムスキー)
協奏交響曲 変ホ長調 K. 364
オスカー・シュムスキー(Vn)
エリック・シュムスキー(Va)
スコットランド室内O
ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指)

録音:1985年1月13日&14日エジンバラ、クイーンズホール(UK)
オスカー・シュムスキーの復刻に力を入れているBiddulphから、また一つ注目の復刻が登場。 7歳でストコフスキー指揮のフィラデルフィアOをバックにデビューを飾ったシュムスキーですが、第2次大戦後は長期にわたってヨーロッパで演奏せず、 その名声はアメリカ国内に留まっていました。それが一気に変わったのが1981年のロンドン・デビュー・リサイタルで、そのセンセーショナルな成功によって公演 と録音の依頼が殺到し、イギリスのレーベルを中心に数点の録音が制作されました。このモーツァルトは1985年に収録され、EMIからEL2703554として LPで発売されたもの。その後CD化されることなく長らくカタログから消えていましたが、ここに待望の初CD化となります。 録音は後に英国録音界の大御所となるアンドルー・キーナー&マイク・クレメンツによるもので、シュムスキーが原盤権を持っていましたが、オリジナル・マス ターがライセンス先で見つからなかったため、息子エリック・シュムスキーの手許にあったLPを素材に、Biddulphの復刻を数多く手掛けるデニス・パターソンが キーナー監修の下でデジタル・リマスターしました。 ブックレット(英文12ページ)には、エリック提供の写真と曲目解説、演奏者プロフィールに加え、キーナーの回想が掲載され、この録音セッションの思い出や デジタル録音初期ならではの編集・マスタリングに関する苦労話が書かれています。セッションはリラックスした雰囲気ながら、解釈におけるシュムスキーの要 求は高く、自分の望むフレージングを示しながら「モーツァルトはオペラ作曲家なんだ」と強調していたといいます。ここでのシュムスキーの演奏は中庸で落ち着 いたテンポによる造形、安定した技巧、美音といった持ち味に加え、第3番では自作のカデンツァを披露しているのが注目です。

Lyrita
SRCD.407(1CDR)
イギリスのピアノ協奏曲集
ジョン・アディスン(1920-98):ウェリントン組曲(1959)
アーサー・ベンジャミン(1893-1960):ピアノとオーケストラのためのコンチェルティーノ(1927)
エリザベス・マコンキー(1907-94):ピアノと弦楽合奏のためのコンチェルティーノ(1949)
ハンフリー・サール(1915-82):ピアノ、パーカッションと弦楽のためのコンチェルタンテ(1954)
エドマンド・ラッブラ(1901-86):自然の歌(1920)
ジェフリー・ブッシュ(1920-98):トマス・アーンの主題によるピアノと弦楽のための小協奏曲(1939)
サイモン・キャラハン(P)
BBCウェールズ・ナショナルO、
マーティン・ブラビンズ(指)

録音:2021年6月29日-30日、ホディノット・ホール、カーディフ(イギリス)
これまでにも知られざる音楽を多数録音し、日の目を当ててきたピアノ奏者サイモン・キャラハンによるイギリスの作曲家たちのピアノ協奏曲集。映画音楽の作曲家として著名でアカデミー賞やグラミー賞を受賞、さらにはエミー賞までも獲得しているジョン・アディスンの「ウェリントン組曲」や、ヴォーン・ウィリアムズに師事し、管弦楽曲だけでなくオペラも残した女性作曲家エリザベス・マコンキーの作品など、アーサー・ベンジャミン以外の作品は全てファースト・レコーディングという貴重な録音です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

RUBICON
RCD-1057(1CD)
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
ピアノ協奏曲第2番イ長調 S.125
ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
アレグザンダー・ウルマン(P)
、アンドルー・リットン(指)、
BBC響
リスト国際コンクール2017優勝のアレグザンダー・ウルマンによる、オール・リスト・プログラム!
リストの2曲のピアノ協奏曲に、大作のピアノ・ソナタをカップリングした、リスト・ファン、ピアノ・ファン必聴の1枚です。1991年ロンドン生まれのアレグザンダー・ウルマンは、レオン・フライシャーやドミトリ・アレクセーエフに師事し、2011年ブダペストで行われたフランツ・リスト国際ピアノ・コンクール(ブダペスト国際音楽コンクール)で優勝。2014年から2017年まではヤング・クラシカル・アーティスツ・トラスト(YCAT)の代表として活動。2017年にはオランダ、ユトレヒトで行われたフランツ・リスト国際ピアノ・コンクールでも見事優勝を勝ち取りました。協奏曲の録音は本作が初となります。ウルマンの並外れたテクニックと優れた音楽性を存分にお楽しみいただけます。

TRPTK
TTK-0088(1SACD)
レンブラント・フレリフス:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番
ピアノ協奏曲第2番 「エターナル・ヴァリエイティング・オルタネイションズ」
レンブラント・フレリフス(P)、マルク・ダニエル・ファン・ビーメン(Vn1)、ベンジャミン・ペレド(Vn2)、イェルン・ヴァウトストラ(Va)、クレモン・ペニエ(Vc)、ドミニク・セルディス(Cb)、フィンセント・プラニエル(パーカッション)

録音:2021年12月10日-11日、ベツレヘム教会スタジオ150(アムステルダム)
オランダの高音質レーベル「TRPTK」の最新盤は、オランダのジャズ・ピアニスト&コンポーザー、レンブラント・フレリフスの自作自演ピアノ協奏曲集! 1977年ロッテルダム生まれのフレリフスは、ジャズ・ピアニストとして自身のグループを含む様々なアンサンブルに参加し、ユトレヒト音楽院でジャズ・ピアノを教える他、パドヴァ、ロッテルダム、フローニンゲン、アムステルダム、デン・ハーグの音楽院でゲスト講師を務めています。作曲家としては、リザ・フェルシュトマンやアムステルダム・シンフォニエッタなど一流の音楽家から作曲を依頼され、テレビのドキュメンタリーや劇場でもその音楽が使われています。
アムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウO(RCO)の音楽家たちから委嘱され、2021年にフレリフス自身をソリストとして初演されたまったく新しいピアノ協奏曲。「クラシックとジャズは、一般的に考えられているほどかけ離れていない」と語るフレリフスの作品は、ジャズの自由な即興や独特のテンションとリズム、クラシック音楽の語法や流麗なサウンドが自然に融合しています。バックは、カメラータRCOのリーダーでもあるマルク・ダニエル・ファン・ビーメンや、シュターツカペレ・ベルリンのゲスト・コンサートマスターも務めるベンジャミン・ペレドらが主導するアルマ・カルテット(全員がRCOのメンバー)に、RCOの首席コントラバス奏者ドミニク・セルディスといった超一流ストリング・セクションで、ジャズ・ピアノとクラシック音楽の境界を優雅に漂います。

BISCOITO FINO
BC-251(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番*
アントニオ・メネセス(Vc)
クラウディオ・クルス(Vn)
ジョン・ネシリング(指)サンパウロSO

録音:2008年6月、 2008年10月*/文化芸術劇場(サンパウロ)
ジョン・ネシリングがサンパウロSOの音楽監督を務めていた2008年の協奏曲録音。アントニオ・メネセス独奏のドヴォルザークのチェロ協奏曲とクラウ ディオ・クルス独奏のブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番という名曲カップリングです!
メネセスは1957年ブラジル、レシフェ生まれ。10歳のときにリオデジャネイロ市立劇場SOの首席ホルン奏者であった父のすすめでチェロをはじめ、 14歳のときにはリオデジャネイロのSOに入団した逸材。16歳のときに南米演奏ツアー中のアントニオ・ヤニグロと出会いドイツへの留学を決意しました。 1977年ミュンヘン国際音楽コンクール、1982年チャイコフスキー国際コンクールで優勝しその名が世界的に知られるようになり以後第一線で活躍しています。 協奏曲の録音が少ないだけに当アルバムのリリースは大歓迎と申せましょう。
一方、父がヴァイオリニストだったクルスはヴァイオリニストとしてプロ・デビュー。南北のアメリカで活躍し、その後1991年にベルリン室内Oのソリストと してヨーロッパデビューを果たしました。近年は指揮者としてのキャリアを主軸とし、新日本フィルハーモニーSO、広島SO、名古屋フィルハーモニー交響 楽団など国内オーケストラも振っています。クルスが奏でるヴァイオリンといえばなんといっても艶やかな美音が魅力。ブルッフを情感豊かに演奏しております。 協奏曲の演奏にも定評のあるネシリングがソリストを引き立てながらドラマティックなオーケストラ・サウンドを作り上げています! (Ki)
BISCOITO FINO
BC-249(1CD)
(1)ハイミ:ギター協奏曲
(2)アイレス:パーカッション協奏曲
(1)ファビオ・ザノン(G)、
アロンドラ・デ・ラ・パーラ(指)サンパウロSO
(2)エリザベス・デル・グランデ、リカルド・ボローニャ、リカルド・リギーニ、アルフレド・リマ、アルマンド・ヤマダ、エドゥアルド・ヒアネセッラ(パーカッション)、ジョン・ネシリング(指)、サンパウロSO

録音:(2)2008年12月、(2) 2009年11月/文化芸術劇場(サンパウロ)
半世紀以上のキャリアを誇るブラジルを代表するシンガー・ソングライター、ピアニスト、作曲家のフランシス・ハイミ(1939-)とブラジルのジャズシーンを牽 引してきたマエストロ、ネルソン・アイレス(1947-)がそれぞれ作曲した協奏曲アルバムの登場!
熱心なブラジル音楽ファンの間で評価され続けている巨匠ハイミ。「モディーニャ」「イベリア」「ポンテイオ」からなる3楽章構成のギター協奏曲は無窮動のギター のアルペジオが非常に心地よい作品。各楽章がドラマティックに展開し音響効果抜群のオーケストラとの掛け合いがクセになります。
一方、アイレスのパーカッション協奏曲は万華鏡のごとく変容するヴィブラフォンにブラジルならではのリズミカルなドラムス、そしてアイレスらしいビックバンド を思わせる、ミステリアスな雰囲気を持った興味深い作品。3つのパートをヴィブラフォン、ティンパニのカデンツァでつなぎ切れ目なく演奏されます。ブラジルの 熱き魂炸裂の注目アルバム登場です! (Ki)

BIS
BIS-2303(1CD)
イェ・シャオガン(1955-):作品集
(1)交響的絵画「四川の映像(Sichuan Image)」Op.70〜オーケストラのための(2013-14)
(2)「命の協奏曲(Concerto of Life)」Op.23c〜ピアノとオーケストラのための (2000)
(1)シュエ・ヤン【楊雪】(二胡&中胡)、ユエ・リー【李楽】(笛&簫(ショウ))、ヤン・ジン【楊静】(中国琵琶)、レイ・ワン【王磊】(笙)
(2)小川典子(P)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ホセ・セレブリエール(指)

録音:2018年8月21-25日/RSNOセンター(グラスゴー、イギリス)
1955年生まれの中国を代表する作曲家イェ・シャオガン【葉小鋼】。中央音楽院で学んだのち、1987年からはニューヨークに留学し研鑽を積みました。その シャオガンの名が世界に知られることとなったのは2008年の北京オリンピック開会式に使用されたピアノ協奏曲「Starring Sky(星空)」で、ラン・ランが演奏 したことにより話題となりました。この作品はアルバム『Winter(冬)』(BIS-2113)で小川典子演奏の録音でも知られます。
期待の当アルバムでは「四川の映像」と「命の協奏曲」の2篇を収録しました!四川POの委嘱により作曲された交響的絵画「四川の映像」 は、中国西部の風光明媚な地方の旅行記をまとめた映画のために作られた、29からなる短い曲をまとめたオーケストラのための作品。作曲の依頼を受けたイェ・ シャオガンは四川の山、川、村、町、少数民族の住む地域を実際に訪れ、中国西部特有の自然の風景や千年の歴史を持つ史跡を「音」にしました。大編成のオーケ ストラには打楽器の独奏パートに加えて中国の伝統楽器群も加わり、作品に独特の色彩を添えています。
「命の協奏曲」は2000年に同名の映画のために作曲した音楽をもとに再構成した7楽章からなるピアノとオーケストラのための組曲。生徒を指導するために 病気との苦難を乗り越えてきたピアニストとこの映画の感動的な瞬間がこの音楽に凝縮されており、ソロをつとめる小川典子が情感を込めて美しい演奏を披露し ております。
BIS
BISSA-2523(1SACD)
フランスのトランペット協奏曲集
トマジ:トランペット協奏曲(1944)(フランク・ヴィラール復元によるオリジナル版)【世界初録音】
ジョリヴェ:トランペット、弦楽とピアノのコンチェルティーノ(1948)
シュミット:ランペットとオーケストラのための組曲 Op.133(1955)
ジョラス:11の歌(1977)【カデンツァ:ホーカン・ハーデンベルガー】
ジョリヴェ:トランペット協奏曲第2番(1954)
ホーカン・ハーデンベルガー(Tp)
ロイヤル・ストックホルムPO、
ファビアン・ガベル(指)

録音:2021年8月23-27日/ストックホルム・コンサートホール(スウェーデン)
スウェーデンのトランペット奏者、ホーカン・ハーデンベルガーがフランスの20世紀のトランペット協奏曲集をリリース!
1944年作曲のトマジのトランペット協奏曲はオリジナル版の復元で演奏されました。これはピアノ・リダクションとしてのみ残されていた欠落部分のオーケスト レーションを含む復元で、ハーデンベルガー、ガベルそしてトマジの作品を研究するフランク・ヴィラールが共同で完成しました。ハーデンベルガーの卓越した演奏 で聴く世界初録音です!
1977年に作曲、初演されたベッツィ・ジョラス(1926-)の「11の歌」は当アルバムでは一番新しい作品。タイトルはジョラスの作風の基本にある“音楽の声 楽的な性質”を想起させます。トランペットによって“歌われる”この作品は、室内オーケストラがまるで万華鏡のごとく変化し、ジャズやポピュラーあるいは感傷的 な音楽を思い起こさせます。当作品の初演者で献呈されたピエール・ティボーはハーデンベルガーの師であり、指揮者ファビアン・ガベルはトランペット奏者でも あることから並々ならぬ思いで演奏しております!
BIS
BISSA-2504(1SACD)
ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847):ピアノ協奏曲集 Vol.1
(1)協奏曲 ホ長調 Op.3〜ピアノ(またはチェンバロ)とオーケストラのための
(2)協奏曲 ハ長調 Op.12〜ピアノとオーケストラのための
(3)協奏曲 ニ長調 Op.26〜ピアノとオーケストラのための
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
マイケル・アレクサンダー・ウィレンス(指)
ケルン・アカデミー

録音:(1)(3)2021年4月&5月、(2)2021年8月/イムマヌエル教会、ヴッパータール(ドイツ)
ベートーヴェンと同時代を生きた作曲家ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772?1847)が2022年に生誕250年、歿後175年 を迎えました!
ライン川中流部右岸のベルギッシェスラント地方の小さな村に生まれ父や兄からピアノと作曲の手ほどきを受け、フルートを独学で学んだヴィルムスは19歳の ときにアムステルダムに渡り、フルート奏者、ピアニスト、オルガニストそして興行師としても活躍。その後、アムステルダムの裕福な美術収集家の娘と結婚し、彼も 大きな恩恵を受けます。
当時彼の作品はアムステルダムをはじめライプツィヒなどでも頻繁に演奏されていました。ヴィルムスはオランダ国歌も作ったことでも知られますが、交響曲、室 内楽曲、協奏曲を中心に、のどかで心地よい作品を残しています。
生誕250周年を記念してロナルド・ブラウティハムとマイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーが“オランダのベートーヴェン”ヴィルム スの現存する5つのピアノ協奏曲を録音。当アルバムはその第1集で3篇を収録しております。当演奏では現存する楽譜からウィレンスの助言をとともにブラウティ ハムが再構築しており、軽やかで優美な旋律を充分にご堪能いただけます。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187005(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
憂鬱なセレナード Op.26
ワルツ=スケルツォ Op.34
なつかしい土地の思い出 Op.42
ユリア・フィッシャー(Vn)
ロシア・ナショナルO、
ヤコフ・クライツベルク(指、P)

録音:2006年4月
類稀な才能の持ち主の天才ヴァイオリニスト、ユリア・フィッシャーが20代前半に収録した名盤、チャイコフスキー・アルバムがCDフォーマットで再発売い たします。ミュンヘン生まれのユリア・フィッシャーは、3歳でヴァイオリンを、その後ピアノも習いはじめ、すぐにその才能を開花させヴァイオリン、ピアノそれ ぞれで国際的なコンクールに複数回優勝しているという逸材。その後順調にキャリアを重ね、PENTATONEレーベルからのデビュー盤となったロシアン・アル バムで、一躍世界のひのき舞台に躍り出ました。確かな技術と情熱的な語り口が魅力のフィッシャーですが、このチャイコフスキーでも彼女の才が光ります。協 奏曲では、雄大に歌い上げる第1楽章、泣きの第2楽章、攻めの第3楽章と、溌剌とした演奏の中にも豊かなニュアンスで表現しております。また、なつかし い土地の思い出では故ヤコフ・クライツベルクと息の合ったアンサンブルを披露しております。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5987およびPTC-5186610)は廃盤となります。 (Ki)

H.M.F
HMM-902612(1CD)
ラヴェル:ピアノ協奏曲と歌曲
(1)ピアノ協奏曲ト長調
(2)ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(全3曲)
(3)2つのヘブライの歌
(4)なき王女のためのパヴァーヌ(P版)
(5)マラルメの3つの詩
(6)左手のためのピアノ協奏曲
(7)聖女
セドリック・ティベルギアン(P;1892年製プレイエル・グランパトロン)
ステファーヌ・ドグー(Br)(2)(3)(5)(7)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

録音:2020年12月ピエール・ブーレーズ大ホール(1)(6)、
2021年9月フィラルモニ・ド・パリ(2)(3)(5)(7)、スタジオ(4)
ロトと手兵レ・シエクルはラヴェル作品とことさら相性が良く、次々と録音を実現していますが、ついにピアノ協奏曲に挑戦。それもティベルギアンを独奏に迎 えているのが注目です。
ピアノは1892年製プレイエル・グランパトロンを使用。楽器はもちろん、楽譜にもこだわりを見せています。「左手のためのピアノ協奏曲」は第1次世界大 戦で右手を失ったパウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱で作曲されましたが、1932年1月5日にウィーンでの初演の際、能力的に無理のあったヴィトゲンシュ タインが楽譜を許可なく変更し、スコアに意図的な付加をしたためラヴェルの怒りを買い、絶交状態となったと伝えられています。デュラン社より出版されたの はラヴェル死の年で、当時不治の神経疾患で校正など判断のできぬ状態でした。ヴィトゲンシュタインが初演時に自腹で浄書、印刷したスコアとパート譜は彼 の独占権満了まで変更と付加のままオーケストラからオーケストラに貸し出されました。
それらの楽譜に加え、リュシアン・ガルバンによる校正と訂正の資料、1933年パリ初演時の1分50秒ほどの映像までも検証したクリティカル版を作成して いるのも注目で、今後この作品の最重要盤になること間違いなしと申せましょう。
演奏も最上等。ティベルギアンの正確でニュアンスに富むピアノ、ラヴェルならではの透明で極彩色のオーケストラ・サウンドを楽しめます。リズム感も秀逸です。
人気作「なき王女のためのパヴァーヌ」も収録されていますが、オーケストラ版ではなくティベルギアン独奏のオリジナル・ピアノ版。味わい深い一幅の絵を観 るようなひとときを楽しめます。さらにステファーヌ・ドグーと歌曲を披露。最初期の「聖女」からラヴェル最後の作「ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホー テ」が収録されているのも大歓迎。さらに元祖ワールド・ミュージックの「2つのヘブライの歌」やラヴェルらしさ満載の「マラルメの3つの詩」も真似のできぬ 美しさで聴かせてくれます。 (Ki)

KLARTHE
KLA-012(1CD)
『四季』の創世記
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8より
ヴァイオリン協奏曲第1番〜第4番『四季』
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1 RV 269「春」*
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.8-2RV 315「夏」*
(3)ヴァイオリン協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3RV 293「秋」*
(4)ヴァイオリン協奏曲第4番ヘ短調 Op.8-4RV 297「冬」*
(5)ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1 RV 269「春」
(6)ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.8-2RV 315「夏」
(7)ヴァイオリン協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3RV 293「秋」
(8)ヴァイオリン協奏曲第4番ヘ短調 Op.8-4RV 297「冬」            *=朗読付
(1)-(4)ネルソン・モンフォー(朗読)
ジル・コリャール(Vn&指揮)、
バルセロナ・バロックO

録音:2015年5月サン=エスプリ教会(バルセロナ)
ジル・コリャールはアンサンブル・バーバロックと共演した『四季』の録音(2002年)でも知られるバロック・ヴァイオリンの名手。この度バルセロナ・バロッ クOとの共演で待望の再録音を果たしました。当録音では通常の演奏版とネルソン・モンフォーの朗読付き版の2種を組み合わせた意欲作。その研ぎ澄ま された解釈で名盤ひしめく『四季』にまた一つ注目盤が加わりました。

Naive
OP-7367(2CD)
VIVALDI BACH「調和の霊感」全曲&バッハによる編曲6作
[CD1]
1-3. ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 RV 549(「調和の霊感」第1番)
[4つのヴァイオリン・ソロ:アンドレア・ロニョーニ、ステファノ・バルネスキ、ボリス・ベゲルマン、エリザ・チッテリオ]
4-7. ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV 578(「調和の霊感」第2番)
[2つのヴァイオリン・ソロ:ステファノ・バルネスキ、ボリス・ベゲルマン]
8-10. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV 310(「調和の霊感」第3番)
[ヴァイオリン・ソロ:ステファノ・バルネスキ]
11-13. バッハ:チェンバロ協奏曲 ヘ長調BWV 978(原曲:RV 310)
[チェンバロ:リナルド・アレッサンドリーニ]
14-16. ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 RV 580(「調和の霊感」第10番)
[4つのヴァイオリン:ボリス・ベゲルマン、エリザ・チッテリオ、アンドレア・ロニョーニ、ステファノ・バルネスキ]
17-19. バッハ:4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV 1065(原曲:RV 580)
[チェンバロ:リナルド・アレッサンドリーニ、アンドレア・ブッカレッラ、イグナツィオ・シファーニ、サルヴァトーレ・カル
キオーロ]
20-23. ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ニ短調 RV 565(「調和の霊感」第11番)
[ヴァイオリン・ソロ:ボリス・ベゲルマン、エリザ・チッテリオ チェロ:マルコ・フレッツァート]
24-26. バッハ:オルガン協奏曲 ニ短調 BWV 596(原曲:RV 565)
[オルガン・ソロ:ロレンツォ・ギエルミ]
27-29. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ホ長調 RV 265(「調和の霊感」第12番)
[ヴァイオリン・ソロ:エリザ・チッテリオ]
[CD2]
1-3. バッハ:チェンバロ協奏曲 ハ長調 BWV 976(原曲:RV 265)
[チェンバロ:リナルド・アレッサンドリーニ]
4-7. ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ホ短調 RV 550(「調和の霊感」第4番)
[ヴァイオリン・ソロ:ステファノ・バルネスキ、ボリス・ベゲルマン、エリザ・チッテリオ、アンドレア・ロニョーニ]
8-10. ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ長調 RV 519(「調和の霊感」第5番)
[ヴァイオリン・ソロ:アンドレア・ロニョーニ、ステファノ・バルネスキ]
11-13. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 RV 356(≪調和の霊感≫第6番)
[ヴァイオリン・ソロ:アンドレア・ロニョーニ]
14-18. ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ヘ長調 RV 567(「調和の霊感」第7番)
[ヴァイオリン・ソロ:エリザ・チッテリオ、アンドレア・ロニョーニ、ステファノ・バルネスキ、ボリス・ベゲルマン]
19-21. ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 RV 522(「調和の霊感」第8番)
[ヴァイオリン・ソロ:エリザ・チッテリオ、アンドレア・ロニョーニ]
22-24. バッハ:オルガン協奏曲 イ短調 BWV 593(原曲:RV 522)
[オルガン:ロレンツォ・ギエルミ]
25-27. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV 230(「調和の霊感」第9番)
[ヴァイオリン・ソロ:ボリス・ベゲルマン]
28-30. バッハ:チェンバロ協奏曲 ニ長調 BWV 972(原曲:RV 230)
[チェンバロ:リナルド・アレッサンドリーニ]
オルガン:ロレンツォ・ギエルミ【使用楽器:マショーニ・オルガン(2001年)、サンタ・マリア奇跡の教区教会、モルビオ・インフェリオーレ州(スイス)】
ヴァイオリン:ステファノ・バルネスキ、ボリス・ベゲルマン、エリザ・チッテリオ、アンドレア・ロニョーニ
チェンバロ:アンドレア・ブッカレッラ、サルヴァトーレ・カルキオーロ、イグナツィオ・シファニ

コンチェルト・イタリアーノ
リナルド・アレッサンドリーニ(チェンバロ、指揮 )

録音:2020年12月14-20日ローマ(調和の霊感&チェンバロ編曲)
2021年7月スイス、モルビオ・インフェリオーレ(オルガン編曲)
アレッサンドリーニとコンチェルト・イタリアーノ、そして豪華ゲスト奏者たちによる、ヴィヴァルディの調和の霊感全曲+そのバッハ編曲という好企画盤の登場!!
バッハは、ヴィヴァルディの調和の霊感を、チェンバロ協奏曲、およびオルガン独奏の「協奏曲」に編曲しています。チェンバロ協奏曲編曲版は、アレッサンドリー ニをはじめとする名手たちによる演奏、そしてオルガンはなんとギエルミが演奏しています!
ヴァイマルの主君ヴィルヘルム・エルンスト公の甥、ヨーハン・エルンストがオランダ留学から持ち帰った楽譜にヴィヴァルディの調和の霊感の楽譜もあり、これ をソロの鍵盤作品に編曲するようにバッハに依頼しました。こうして生まれた593や596は、協奏曲を1台のオルガンに凝縮しながらもバッハの対位法的手法が 盛り込まれたバッハ色も濃厚な作品。名手ギエルミの品格ただよう至芸に期待が高まります。
ヴィヴァルディの「調和の霊感」の演奏もどれもたまらなく素晴らしい仕上がり。そしてバッハ編曲によるチェンバロ協奏曲では、アレッサンドリーニの軽やかで やわらかなチェンバロが歌いまくっています。豪華メンバーによる超注目の美録音です!! (Ki)

BIS
BISSA-2559(1SACD)
イェスペル・ヌーディン(1971-):Emerging from Currents and Wave(潮流と波浪の間から出現する)〜クラリネット、管弦楽とライヴ・エレクトロニクスのための(2018)
(1)Currents(潮流)(第1部)
(2)Emergng(出現する)(第2部)(クラリネット、管弦楽とジェストルメントのための)
(3)Waves(波浪)(第3部)*
マルティン・フレスト(クラリネット、ジェストルメント)
スウェーデンRSO、
エサ=ペッカ・サロネン((指)ジェストルメント)
マグヌス・ホルマンデル(Clソロ)*

ライヴ録音:2018年8月31日/ベールヴァルドホール(ストックホルム、スウェーデン)
スウェーデンの音楽シーンでは、ロック、即興音楽、民俗音楽といったジャンルを背景にもち、情感に強く訴えかける音楽を作る「バーバ ンクの変わり者」(BIS SA-2483)のアルベット・シュネルツェルに代表される1970年代生まれの作曲家たちが注目を集めています。イェスペル・ヌーディン もそのひとり。スウェーデンRSOが初演した「Roster: trilogy for orchestra(声:管弦楽のための三部作)」(2015)のような北欧のアンサンブル のための作品のほか、ストラスブールの「フェスティヴァル・ムジカ」で初演された「Visual exfor-mation」(2016)など、海外の音楽祭やオーケストラの委 嘱作も手がけています。2010年には「独創性と不屈の好奇心をもち、アコースティック空間を探求し拡大する音の魔術師」として王立スウェーデン音楽アカデミー の賞も受けました。
ヌーディンの「Emerging from Currents and Wave(潮流と波浪の間から出現する)」は鬼才クラリネット奏者のマルティン・フレスト(マッティン・フロー スト)、指揮者エサ=ペッカ・サロネンのコラボレーションから生まれた作品。「ソーシャル・メディア、バーチャル・リアリティ、AI の出現は、われわれの文化にか ぎらず社会の全体に変化をもたらしている……そうした変化の真っただ中にいるわれわれは、どんなやり方をすれば、芸術と芸術表現とその実践に新しいテクノロ ジーの力を利用することができるのか……」とヌーディンは語っております。大編成の管弦楽、ソロ・クラリネット、指揮者とライヴ・エレクトロニクスのために書か れた本作は、コンサートではリアルタイムのヴィジュアル効果も用いられました。サロネンに献呈された〈Currents(潮流)〉と〈Waves(波浪)〉の間にフレスト に献呈された〈Emerging(出現する)〉をはさむ3つの部分による構成。「クラリネット協奏曲」の〈Emerging(出現する)〉では、作曲者のデザインした対話式 (インタラクティブ)音楽ツール「Gestrument(ジェストルメント)」(「gesture instrument(ジェスチュア・インストルメント)」)をクラリネット奏者と指揮 者が「演奏」するようスコアに指定されています。
2018年8月31日にストックホルムのベールヴァルドホールで行われた初演には IRCAM のサウンド・マネージャーとしてカイヤ・サーリアホたちのコンサー トに協力したマルタン・アンティフォンと作曲家のセバスチャン・リヴァスの技術チームが参加。「無限の可能性をもつように見えるテクノロジーが、伝統への架け 橋としても使えるのか」という問いへの答えが探られました。 (Ki)

CPO
CPO-555390(1CD)
NX-B10
ゲオルグ・アブラハム・シュナイダー(1770-1839): 3つのフルート協奏曲
フルート協奏曲 イ短調 Op. 53
フルート協奏曲 ト長調 Op. 12
フルート協奏曲 ホ短調 Op. 63
ギャビー・パス=ファン・リエ(Fl)
ハイルブロン・ヴュルテンベルクCO
ヨハネス・メーズス(指)

録音:2020年7月1-4日
ベートーヴェンと同じ年にダルムシュタットで生まれた作曲家、ゲオルク・アブラハム・シュナイダー。幼い頃から 音楽の才能を発揮し、ラインスベルクへ留学の後、プロイセン公ハインリヒにラインスベルク礼拝堂のホルン奏 者として雇われました。作曲家としてはハイドンやモーツァルトの様式に連なる存在です。 彼が得意としたホルンのための作品を多く遺していますが、フルートのためにも、協奏曲4曲、二重奏曲を約 90曲、フルートと弦楽三重奏のための四重奏曲を約60曲など、驚くほど多くの作品を書いています。このア ルバムには3曲のフルート協奏曲を収録。モーツァルトの影響が強く感じられる「ト長調 Op.12」は軽快な 楽想が魅力的。フルートの妙技が生かされた「イ短調 Op.53」ではパス=ファン・リエの優れた演奏が楽しめ ます。また1812年にライプツィヒで出版された「ホ短調 Op.63」は各々2つのオーボエ、ファゴット、ホルンに 加え、トランペット2本とティンパニが加わることで増強されたオーケストラが力強い響きを奏でます。管楽器奏 者だったシュナイダーの素晴らしい才能が発揮されています。

Forgotten Records
fr-1754(1CDR)
バルヒェットのバッハ
ヴァイオリン協奏曲[第1番イ短調 BWV.1041
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
2つのヴァイオリンの為の協奏曲 ニ短調 BWV.1043 #
ラインホルト・バルヒェット(Vn)
グイド・ファン・デア・ミューレン(Vn)#
フリードリヒ・ティーレガント(指)
南西ドイツCO

録音:1959年
※音源:Berstelmann 11362 他
Forgotten Records
fr-1755(1CDR)
ヘルムート・ロロフ/モーツァルト&ベートーヴェン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15 #
ヘルムート・ロロフ(P) 
レオポルト・ルートヴィヒ(指)*
ヴォルフガング・マルティン(指)#
ベルリン RIAS響

録音:1953年-1954年* 、1954年# 、
※音源:Bertelsmann 8019* 7008 #
Forgotten Records
fr-1757(1CDR)
コーガン&コンドラシン
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
バレエ「仮面舞踏会」組曲+
レオニード・コーガン(Vn)
キリル・コンドラシン(指)ソヴィエト国立SO*
アラム・ハチャトゥリアン(指)ソヴィエト国立RSO#
サムイル・サモスード(指)ソヴィエト国立RSO+

録音:1956年* /1952年# /1953年+
※音源:Melodiya D 3190/1* D 0548/9 #
Forgotten Records
fr-1758(1CDR)
ヴィクトー・ショアラー〜ピアノ協奏曲録音集
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
グリーグ:ピアノ協奏曲#
ヴィクトー・ショアラー(P)
エーリク・トゥクセン(指)
デンマーク国立RSO

録音:1950年9月-10月* 、1948年11月26日-27日#
※音源:Mercury MG 10094* MG 15012 #
Forgotten Records
fr-1763(1CDR)
カルロ・ヴァンヌッツィ&エンリコ・マイナルディ
モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調 K.313*
ポコルニー:フルート協奏曲 二調調*
ボッケリーニ:メヌエット 二調調#
チェロ協奏曲第9番変ロ長調 G.482 +
ラルゴ++
カルロ・ヴァンヌッツィ(Fl)*
エスネスト・マティソン(指)ウィーン楽友協会O*
フリードリヒ・ティレガント(指)南西ドイツCO#
エンリコ・マイナルディ(Vc)
ウィーン・フォルクスオーパー歌劇場CO+
パウル・アンゲラー(Cemb)

録音:1958年(*/#) 、1961年、#以外はステレオ
※音源:Bertelsmann 1104、14133他
Forgotten Records
fr-1765(1CDR)
ブライロフスキー〜ピアノ協奏曲集
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
リスト:死の舞踏#
フランク:交響的変奏曲+
アレグザンダー・ブライロフスキー(P)
アンドレ・クリュイタンス(指)フランス国立放送O*
フリッツ・ライナー(指)RCA ビクターSO# 
ジャン・モレル(指)RCA ビクターSO

録音:1951年2月20日+、1951年3月6日#
1961年9月21日、ルツェルン音楽祭ライヴ
※音源:RCA LM-1195、 LA VOIX DE SON MAITRE FALP 172他
Forgotten Records
fr-1766(1CDR)
タンスマン:弦楽オーケストラの為のパルティータ
ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲 *
リヴィエ:弦楽オーケストラの為のアダージョ
ダマーズ:ハープと弦楽オーケストラの為のコンチェルティーノ #
リリー・ラスキーヌ(Hp)
ピエール=ミシェル・ル・コント(指)
フランス放送CO

録音:1958年12月24日放送用録音
Forgotten Records
fr-1768B(2CDR)
ランパル&リステンパルト/フルート協奏曲集
ヴィヴァルディ:フルート協奏曲集 [第1番ヘ長調 RV.433 「海の嵐」/第2番 ト短調 RV.439 「夜」/第3番ニ長調 RV.428 「ごしきひわ」/第4番ト長調 RV.435 /第5番ヘ長調 RV.434 /第6番ト長調 RV.437]*
フルート協奏曲集(第2集)#[ニ長調 RV.429 /ハ短調 RV.441 /ト長調 RV.436 /ニ長調 RV.427 /イ短調 RV.440 /ト長調 RV.438]#
テレマン:フルート協奏曲[ト長調 TWV Anh.51:G1
ニ長調 TWV.51:F1 (D2?)]/
組曲 イ短調 TWV.55:a2
ジャン=ピエール・ランパル(Fl)
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(Cemb)
カール・リステンパルト(指)ザールCO

録音:1954年*、1956年
※音源:Les Discophiles Francais DF 129* DF 201 #
Forgotten Records
fr-1771(1CDR)
ブルショルリ〜モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第20番二短調 K.466
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
モニク・ド・ラ・ブルショルリ(P)
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)
ザルツブルク・モーツァルテウムO

録音:1961年、1959年+、全てステレオ
※音源:Bertelsmann 14 383、Opera L 12430 他
Forgotten Records
fr-1774(1CDR)
チェロ協奏曲集
ハイドン:チェロ協奏曲 ニ長調 Op.101 Hob.VII:B2
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 #
サシャ・ヴェチトモフ(Vc)
ボフシュ・ヘラン(Vc)#
ヴァーツラフ・スメターチェク(指)
プラハSO

録音:1953年3月11日、1953年4月7日#
※音源:Supraphon DM 5156 DM 5154 #. D LPM-106 D-20107 #
Forgotten Records
fr-1781(1CDR)
ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調 Op.97 *
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83 #
イェフディ・メニューイン(Vn)*
ルイス・ケントナー(P)#
ディミトリ・ミトロプーロス(指)NYO

録音:1953年10月18日*、1957年4月28日#、ともにカーネギー・ホール、ライヴ、放送用録音
Forgotten Records
fr-1783(2CDR)
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ全集
第1番ロ短調 BWV.1014
第2番イ長調 BWV.1015
第3番ホ長調 BWV.1016
第4番ハ短調 BWV.1017
第5番ヘ短調 BWV.1018
第6番ト長調 BWV.1019
ポール・マカノヴィツキー(Vn)
ノエル・リー(P)

録音:1958年、パリ
※音源:Lumen LD 3.437-438、 JALONS DE LA MUSIQUE SACREE JM 901
Forgotten Records
fr-1789(1CDR)
ワレリー・クリモフ
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲*
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調#
ワレリー・クリモフ(Vn)
カール・エリアスベルク(指)モスクワPO*
ヴラジーミル・ヤンポリスキー(P)#

録音:1958年*、1959年#
※音源:Melodiya D 04302/3* D 05600/1 #
Forgotten Records
fr-1801(2CDR)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲集(全6曲) ギュンター・ケール(指)
マインツCO

録音:1958年12月
※音源:Vox STPL 516.430
Forgotten Records
fr-1803(1CDR)
ラウテンバッハー/バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV.1042
2つのヴァイオリンの為の協奏曲 ニ短調 BWV.1043*
ズザーネ・ラウテンバッハー(Vn)
ディーター・フォアホルツ(Vn)*
ギュンター・ケール(指)マインツCO

録音:1960年頃(ステレオ)
※音源:Vox STPL-511.540 PL 11540


Altus
ALT-506(1CD)
INA秘蔵音源・クリュイタンス&フランス国立管ライヴ
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
アイザック・スターン(Vn(1))
ヘンリク・シェリング(Vn(2) )
アンドレ・クリュイタンス(指)
フランス国立放送O

ライヴ録音:(1)1954年11月11日パリ、シャンゼリゼ劇場(モノラル)
(2)1959年9月20日モントルー音楽祭(モノラル)
INA(フランス国立視聴覚研究所)所有音源をライセンスし入魂のマスタリングでCD化。クリュイタンス&フランス国立放送管がスターンとシェリングを迎えた協 奏曲。両巨匠の音色の違いが曲の味わいにも絶妙にマッチし、類まれな名演が生み出されています。
スターンのブラームスは同じ組合わせでモントルー・ライヴ(1956)が過去に出ていましたが、それとは別の初出音源。演奏の完成度はこちらが上か、驚くほど 素晴らしい内容です。ソロは力強くキレがありつつも柔らかな表情とのバランスが実にみごと。オーケストラもたまらなく魅力的で、2楽章のオーボエなどため息が 出るような最上級の美しさ。冴えわたる名技性と交響的構築性の完璧なる同居、大変な高まりを見せる必聴の大演奏です!
シェリングのメンデルスゾーンもひさびさの復活。つややかな音色で美しいメロディを存分に歌い上げるソロ。それが伝播したか、オケものびのびと麗らかに歌 い劇的な盛り上がり。さらに締めるところは締めるクリュイタンスの棒が音楽に大きな推進力を与え、フィナーレの痛快さたるや特筆もの!ぐいぐいと音楽に引きこ まれます。
〈(スターンは)トップ・クラスの内容です。ジネット・ヌヴーに匹敵すると言っても過言ではない。安定感は抜群であり、しなやかさと力強さ、ほのかな甘美さ と上品な味わい、それらが全く理想的にバランスされている〉〈(シェリングは)非常に古典的で流麗です。まことに感動的だ。クリュイタンスの棒も実に生き生き とした温かい空気に満ちており、気持ちが良い〉〜平林直哉氏の解説より (Ki)

Skani
SKANI-134(1CD)
ヴェスタルズ・シムクス(b.1984):ピアノ作品集
ピアノ協奏曲第1番 「扱いにくい人に捧げる」(Pと弦楽オーケストラのための)
夢の情景(Pのための9つのエチュード) 〜 水門、蛇、Silverdark Trees、浮かぶ星、津波、忘れてしまった夢-ヨハン・ゼバスティアン・バッハに捧ぐ、平行する夢の時間、現実、弾丸
運命の門(PとSOのための)
ヴェスタルズ・シムクス(P)、
アトヴァルス・ラクスティーガラ(指)、
リエパーヤSO
ヴェスタルズ・シムクスは、ラトビアの独立後に活動を始めた演奏家のひとりです。彼らの世代は、ソ連の時代にはむずかしかった海外留学、演奏活動、欧米の著名なレコードレーベルとの契約といったことが自由に行え、キャリアの最初から将来を明るく展望することができるようになりました。
シムクスは、リガの音楽学校や南カリフォルニア大学などでピアニストとしての教育を受け、ペーテリス・ヴァスクスの下で作曲法を学びました。彼の作曲家としての活動は、学生のころに手がけた、パラフレーズ、変奏曲、幻想曲といった技巧的なソロ・ピアノの作品に始まり、近年は、管弦楽をともなう規模の大きな作品も手がけるようになっています。自身をロマンティックな思考と感覚のアーティストとみなし、ベートーヴェン、ショパン、シューマン、リスト、ラフマニノフのようにピアノと作曲を両立させながら活動した音楽家たちの「ヴィルトゥオージティと内面の精神性」を併せもった音楽を追求していると言います。オーケストラ共演のピアノ協奏曲第1番「扱いにくい人に捧げる」 と 「運命の門」、ソロ・ピアノのための 「夢の情景」 。すべて初録音の作品です。

KAIROS
0015090KAI(1CD)
ユン・イサン(尹 伊桑):チェロ協奏曲&チェロとピアノのための作品集
チェロ協奏曲(1976)/ピアノのための5つの小品(1958)/ノレ(Vcとピアノのための)(1964)/インテルルディウム A(Pのための)(1982)/エスパス I(Vcとピアノのための)(1992)
ルイージ・ピオヴァーノ(Vc)、
アルド・オルヴィエート(P)、
日本フィルハーモニーSO、
下野竜也(指)

録音:チェロ協奏曲…2018年3月2日(ライヴ)、サントリーホール(東京)
チェロとピアノのための作品…2021年3月28-29日(イタリア、トリノ)
サンタ・チェチーリア音楽院Oの首席チェロ奏者、ルイージ・ピオヴァーノとチッコリーニの薫陶を受けたピアニスト、アルド・オルヴィエートがユン・イサンの悲劇の生涯にオマージュを捧げる1枚!協奏曲は下野竜也&日本フィルとの共演!
南北朝鮮の間の冷戦や東西文化の間の緊張という文脈の中で、小説や映画の主題にもふさわしい冒険的で悲劇的な生涯を送ったユン・イサン。1967年、西ベルリンで韓国諜報部員によって拉致されソウルへと連行されたユンは、北朝鮮のスパイとして無期懲役の判決を受けます。その後再審で減刑となりましたが、最終的に世界の著名な文化人の署名による嘆願書とドイツ外務省の支援によって釈放されたのは1969年のことでした。その後彼はドイツ国籍を取得し、ドイツで生涯を終えています。投獄された数年間の悪夢、恐怖、拷問は、当然ながらユンの作品に影響を与えており、彼の最も美しく感動的な作品のひとつ「チェロ協奏曲」にもその痕跡が見られます。一方、1964年に書かれた「ノレ」(「歌」の意味)では、美しさの中にドビュッシーのチェロ・ソナタを思わせる強烈な叙情性を見出すことができます。

チェロ協奏曲のフィナーレについて彼はインタビューで次のように語っています。「終盤へと向かうオクターブの跳躍を考えてみてください。この跳躍は、自由、純粋さ、絶対的なものへの必要性と欲求を意味しています。オーケストラでは、オーボエがGシャープからAにグリッサンドし、そのAをトランペットが引き継ぎますが、私にとってこの音域には常に神々しい魅力があります。(中略)チェロはAに到達しようとしますが、できない。グリッサンドでなんとかGシャープの4分の1音上まで届くのですが、それ以上は上がらない。あきらめる。無限で想像を絶する天頂、絶対的なものを示すトランペットのAは最後まで続きます。」

Danacord
DACOCD-920(2CDR)
トマス・イェンセンの遺産 第10集
(1)ニルス・ヴィゴ・ベンソン
(1919-2000):ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.70(c.1952)*
(2)フランス・シベア(1904-1955):交響曲(1940)
(3)クヌーズオーウ・リスエーヤ(1897-1974):演奏会序曲 「春」 Op.31(1934)
(4)弦楽のための小序曲(1934)
(5)シークフリト・セーロモン(1885-1962):チェロ協奏曲 二短調 Op.34(1922)**
(6)ライフ・テューボ(1922-2001):チェロ協奏曲(1959)**
(7)ニルス・ヴィゴ・ベンソン:チェロ協奏曲第1番 Op.106(1956)**
トマス・イェンセン(指)、
デンマークRSO、
チャーレス・センデローヴィツ(Vn)*
エアリング・ブレンダール・ベンクトソン(Vc)**

(1)録音:1957年9月26日、デンマーク放送コンサートホール(コペンハーゲン)(放送コンサート)
(2)録音:1961年5月27日、デンマーク放送コンサートホール(コペンハーゲン)(スタジオ放送)
(3)録音:1960年、スタジオ録音(コペンハーゲン)][Odeon MOAK 10
(4)録音:1949年1月27日-28日、スタジオ録音(コペンハーゲン)[Tono X 25146/DACOCD 523-524]
(5)録音:1959年6月16日、スタジオ放送(コペンハーゲン)[DACOCD 727]
(6)録音:1962年5月40日、デンマーク放送コンサートホール(コペンハーゲン)(放送コンサート)[DACOCD 846]
(7)録音:1957年8月16日、ティヴォリ・コンサートホール(コペンハーゲン)(放送コンサート)[DACOCD 727]
トマス・イェンセン(1898-1963)の「遺産」シリーズの第10集は、イェンセンが、友人として支援者として、積極的に取り上げた20世紀中期デンマークの作曲家たちの作品を収録。それぞれの「主観的モダニズム」と「伝統」との対話を行いながら創作活動をつづけた5人の作品にイェンセンは他の人たち以上の熱意と信念をもって取り組み、デンマーク音楽の発展に寄与しました。
「交響曲」 を作曲したフランス・シベアは、フューンのケアテミネに生まれ、ライプツィヒのジークフリート・カルク=エーレルトに作曲と音楽理論、コペンハーゲンのペーター・トムセンにオルガンを学びました。1932年にケアテミネのオルガニストに任命され、1955年に没するまで故郷の音楽文化に貢献しました。この 「交響曲」 は、「木管五重奏曲」 ともに彼の作曲活動の最後の作品のひとつです。王立デンマークOの作曲コンペティションのために書かれ、ホルムボーの作品に次ぐ第2位に選ばれました。ヒンデミットやカール・ニルセンの影響も指摘されているこの交響曲は、1940年1月19日の初演後も、何度となく演奏され、このアルバムの作曲家のひとり、ベンソンが、ニルセンの交響曲よりも優れた作品とまで言って評価した、という話が伝わっています。
ベンソンの 「ヴァイオリン協奏曲第1番」 のソロを弾くチャーレス・センデローヴィツは、マルセル・ダリューやヴォルフガング・シュナイダーハンたちに学び、この録音の当時、デンマークRSOのコンサートマスターを務めていました。エアリング・ブレンダール・ベンクトソンがソロを弾いた 「チェロ協奏曲」 は、シークフリト・セーロモンとニルス・ヴィゴ・ベンソンが『初期デンマーク録音(1955-59)』(DACOCD727)、ライフ・テューボ が『デンマーク放送録音:第3集』(DACOCD846)と、ベンクトソンのトリビュート・アルバムに収録されたものと同じ音源です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

CALLIOPE
CAL-22100(1CD)
モーツァルト、レイシェル:ピアノ協奏曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
ベルナール・レイシェル:ピアノ協奏曲(1949)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
クリスチャン・シャモレル(P)、
オーケストラ・ネクサス、
ギヨーム・バーニー(指)

録音:2021年8月16日-19日(スイス)
1786年頃ほぼ同時期に完成したモーツァルトのピアノ協奏曲第23番と第24番は、同じ作曲家が作ったとは思えないほど対照的で、作曲年が離れているか、同等の実力を持った天才の二人が書いたかのようです。そのようなモーツァルトの優れたピアノ協奏曲2曲の間に、スイスで生まれ、ジュネーブで作曲活動を行っていたベルナール・レイシェル(1901-1992)の作品を同時収録。レイシェルはモーツァルトの協奏交響曲の伝統を引き継いでおり、モーツァルトの作品と並んでも違和感なく、同等の作品として聴衆に思わせる優れた作品を残しています。演奏は、ヴィオッティ国際音楽コンクール(ヴェルチェリ、イタリア)、ベートーヴェン国際ピアノ・コンクール(ウィーン、オーストリア)などでの入賞歴を持つ、クリスチャン・シャモレルです。

Signum Classics
SIGCD-700(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲集(室内楽版)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11(弦楽五重奏とピアノ版)
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21(弦楽五重奏とピアノ版)
エマニュエル・デスパ(P/ファツィオリ)、チネケ!・チェンバー・アンサンブル

録音:2021年5月7日-9日、メニューイン・ホール(サリー、イギリス)
※使用楽器:Fazioli model 278
英国王立音楽カレッジで名教師ルース・ナイにピアノを学び、クラウディオ・アラウの孫弟子にあたるファツィオリ・プレイヤー、エマニュエル・デスパ(フランス出身、現在はロンドンを拠点に活動)。ロマン派とポスト・ロマン派作品の優れたパフォーマーとして高い評価を築き、昨年リリースされたブラームスのピアノ協奏曲第1番(SIGCD-666)でさらにその名声を確固たるものとしたデスパの新録音は、弦楽五重奏との共演による“室内楽版”ショパンのピアノ協奏曲!
デスパとチネケ!・チェンバー・アンサンブルはこの「スリム化」された協奏曲を、ほとんど叙事詩のような壮大さを持って修辞的に演奏し、室内楽的でありながらも原曲のスケール感を失うことなく仕上げています。デスパは2013年に録音したショパンの「24の前奏曲」(SIGCD-482)でも楽譜の徹底的研究に基づいてあらゆるディテールを詩的に表現し、仏Diapason誌にも絶賛されていただけに、今回のショパン演奏にも大きな期待が持てるでしょう。
チネケ!・チェンバー・アンサンブルはヨーロッパ初の黒人と少数民族によるオーケストラとして2015年に設立された「チネケ!・オーケストラ(Chineke! Orchestra)」の首席奏者で構成されたアンサンブル。エイジ・オヴ・インライトゥメントOの創設メンバーであり、首席コントラバス奏者を30年以上に渡って務めたコントラバス奏者、チチ・ワノクをはじめとした名手揃いのアンサンブルで、2018年にはウィグモア・ホールへのデビューも果たしています。

Anaklasis
ANA-018(3CD)
ショパン:ピアノ協奏曲集、練習曲集、室内楽作品集
CD1〜ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*
CD2〜12の練習曲 Op.10+
12の練習曲 Op.25+
CD3〜ピアノ三重奏曲ト短調 Op.8$
序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調 Op.3#
マイアベーアの歌劇「悪魔のロベール」の主題による協奏的大二重奏曲ホ長調#
ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(P)*、
レギナ・スメンジャンカ(P)*、
ヴィトルト・ロヴィツキ(指)ワルシャワPO**、
ボレスワフ・ヴォイトヴィチ(P)+、
ウワディスワフ・シュピルマン(P)$#、
タデウシュ・ヴロンスキ(Vn)$、
アレクサンデル・チエチャンスキ(Vc)$、
ハリナ・コヴァルスカ(Vc)#

録音:1959年*+、1960年$、1961年#、ワルシャワ・フィルハーモニック
※サウンド・レストレーション&マスタリング:エヴァ・グジョウェク=トゥベレヴィチ(2021)
1945年にクラクフで設立されたポーランド最大級の音楽出版社「ポーランド音楽出版社(PWM Edition)」が新たに設立したレーベル「Anaklasis(アナクラシス)」によるHERITAGE(遺産)シリーズから、20世紀半ばのポーランドを代表する名ピアニストたちが弾いたショパンの協奏曲、練習曲、室内楽曲という貴重なショパン・ボックスが登場!
第4回ショパン国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したハリーナ・チェルニー=ステファンスカを始め、ワルシャワのフレデリク・ショパン音楽院(現ショパン音楽大学)の楽長も務め、ショパン・コンクールの審査員も度々務めたレギナ・スメンジャンカ、第1回ショパン・コンクールで特別賞を受賞し、その後定期的に審査員も務めたボレスワフ・ヴォイトヴィチ、『戦場のピアニスト』の原作となった回想録を書き、同作の主人公のモデルとしても知られるウワディスワフ・シュピルマン、シュピルマンとともに、ワルシャワ・ピアノ五重奏団として活動したタデウシュ・ヴロンスキやアレクサンデル・チエチャンスキなど、戦後のポーランド楽壇で活躍した名手たちの貴重な録音が、ポーランドの国立公文書館であるナショナル・デジタル・アーカイヴ(NAC/Narodowego Archiwum Cyfrowego)から復刻されています。

Urania Records
WS-121386(2CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲集(全6曲) イ・ムジチ合奏団、
エーリヒ・ペンツェル(Hrn)、ゲルト・ハウケ(Hrn)、ハインツ・ホリガー(Ob)、モーリス・ブルグ(Ob)、ハンス・クル(Ob)、カール・ヴァイス(Fg)、モーリス・アンドレ(Tp)、セヴェリーノ・ガッゼローニ(Fl)、マクサンス・ラリュー(Fl)、フランス・ブリュッヘン(Fl)、ジャネット・ファン・ビンゲルデン(Fl)、ヤーノシュ・ショルツ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、マリア・テレサ・ガラッティ(ハープシコード)

録音:1963年
※STEREO/ADD
イタリア古楽界の至宝、イ・ムジチ合奏団がPHILIPSに録音したバッハのブランデンブルク協奏曲全曲録音が、ウラニア・レコーズから復刻。
イ・ムジチの演奏の素晴らしさはもちろんのこと、モーリス・アンドレやハインツ・ホリガー、モーリス・ブルグ、そしてフランス・ブリュッヘンに代表される共演者陣の豪華さに改めて圧倒されます。

Hyperion
CDA-68357(1CD)
ヴィヴァルディ&ピアソラ:四季(マンドリン版)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ヘ短調「冬」 RV297
ピアソラ:ブエノスアイレスの冬
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ホ長調「春」 RV269
ピアソラ:ブエノスアイレスの春
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ト短調「夏」 RV315
ピアソラ:ブエノスアイレスの夏
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ヘ長調「秋」 RV293
ピアソラ
:ブエノスアイレスの秋
ディオン、ハープシコード、指揮)、
シンフォニエッタ・ライプツィヒ

録音:2021年3月24日-26日、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス 大ホール(ドイツ)
イスラエル出身のマンドリン奏者、ジェイコブ・ルーヴェンがヴィヴァルディの「四季」と、タンゴの語法にヴィヴァルディの引用を巧みに織り込んだピアソラの「四季」を組み合わせたアルバムでHyperionデビュー!ベエルシェバ音楽院とエルサレム音楽舞踊アカデミーで学んだルーヴェンはバロックから現代音楽まで幅広い音楽的視野を持ち、圧倒的な技巧と妥協を許さない演奏で聴衆を魅了。既に多くの国際音楽祭に出演し、ズービン・メータ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチといった著名な指揮者やオーケストラと共演しているほか、イスラエル・マンドリン・ソロイスツやケルマン・クヮルテットのメンバーとしてトッププレイヤーの地位を確立。現在最も人気のあるヴィルトゥオーゾの一人として高く評価されています。
この「四季」アルバムでルーヴェンの演奏を好サポートしているのは同じくイスラエル出身で、ファンホ・メナに代わり2019/2020シーズンからBBCフィルハーモニックの首席指揮者に就任した若きホープ、オマー・メイア・ウェルバー。シンフォニエッタ・ライプツィヒの指揮に加え、アコーディオン、ハープシコードの演奏でも参加。主役のマンドリンを引き立てます。
ルーヴェンが使用する楽器は世界的に有名なイスラエルのマンドリン職人、アリク・ケルマン氏に特注したもの。ケルマン氏の作るマンドリンは世界中に模倣品が出回るほど画期的で完成度の高い楽器といわれ、ルーヴェンも「長年にわたり、多くのマンドリン奏者や製作者に出会い、世界各地の数多くのマンドリンで演奏してきました。しかし、アリク・ケルマン氏のマンドリンが生み出す可能性や音の陰影に匹敵する楽器には出会ったことがない。」と絶賛します。
他の弦楽器に比べ注目されることの少ないマンドリンが秘めた魅力を、ルーヴェンがHyperionの大舞台で解き明かします。

Centaur
CRC-3904(1CDR)
フレデリック・レセマン:歌曲&小協奏曲集


(1)フルートと混合五重奏のための小協奏曲

(2)アレルヤ...イン・ドーモ・ペル・セクラ

(3)オーボエと6つの楽器のための小協奏曲

(4)李Uの3つの歌

(5)ファゴットと6つの楽器のための小協奏曲
(1)ジュリー・ロング(ソロ・フルート)
エリック・ジェイコブス(Cl)、クララ・キム(Vn)、マイケル・カウ フマン(Vc)、イーサン・アーマッド(マリンバ)、サラ・ギブソン(P)
(2)ハイデン・エバーハート(S)、ジョセフ・モリス(Cl)、マルコ・デ・アルメイダ(Hrn)、アンジェラ・ロメロ(Tp)、ブレント・アンダーソン(Tb)
(3)ラシェル・ファン・アンバース(ソロ・オーボエ)、アシュリー・ハリス(Fl)、エリック・ジェイコブス(Cl)、カイル・ギルナー(Vn)、マイケル・カウフマン(Vc)、トーマス・コッチェフ(P)
(4)ティムール・ベクボスノフ(T)、チャン・ルー(Fl)、エリッサ・ブラウン  (Fl)、ミシェル・フアン(Fl)、ケルシ・ドゥーリトル(バスクラリネット)、 キャサリン・レドルス(Hp)、ケヴィン・シュー(Va)
(5)
ブリタニー・セイツ(ソロ・ファゴット)、キャサリン・スタンデファー(アルトフルート)、エリック・ジェイコブス(バスクラリネット)、カイル・ギルナー(Vn)、ディン・スン(Va)、ステラ・チョ(Vc)、タイラー・ステル(パーカッション)

USCソーントンエッジ、ドナルド・クロケット(音楽監督)

録音:2012年-2015年(アメリカ)
1976年にロベルト・ヴォイチャクによって創設され、1984年からはドナルド・クロケットが音楽監督を務める現代音楽アンサンブル、USCソーントンエッジのメンバーによる、南カリフォルニア大学音楽学部で名誉教授を務めるフレデリック・レセマンの作品集。USCソーントンエッジは、ロサンゼルス・フィルハーモニックのイブニングコンサートやグリーンアンブレラシリーズに、ゲストとしても長年にわたり参加しています。
※当タイトルはレーベルオフィシャルのCD-R盤となります。CentaurレーベルのCDをプレスしている製造工場、アメリカ合衆国テネシー州チャタヌーガのWTSmedia社で製作されています。


Treasures
TRE-258(1CDR)
バックハウス〜珠玉の協奏曲録音
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」
 ピアノ協奏曲第27番変ロ長調Op.83*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番#
ウィルヘルム・バックハウス(P)
カール・ベーム(指)VPO*
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)VPO#

録音:1955年5月-6月、1955年5月*、1959年6月29-30日#(全てステレオ)
※音源:日KING_SL-1029、SLC-1620#
◎収録時間:71:19
“バックハウスによる協奏曲の二大筆頭名演!”
■音源について
とかく軽視されがちな日本プレス盤を採用。但し、60年代中頃までは盤の材質のせいか微妙なチリチリノイズが混入している場合が殆どなので、それが解消される1960年代後半の英メタル使用盤であることが必須。音楽を堪能するためなら英国初出盤を絶対視する必要などないと思います。

★バックハウスといえばベートーヴェンを第一に思い浮かべますが、モーツァルトも忘れるわけにはいきません。そのモーツァルトの天才性への全幅の共感をペダルを抑制したタッチから滲ませた音楽は、ベーゼンドルファーの魅力とも相まって、かけがえのない財産です。
 ピアノ・ソナタの第1楽章のテーマの温かな語り掛けや、後半のリズムの愛くるしさは、ベートーヴェンのソナタにおける剛直さからは想像できないほど。第2楽章中間部は、ルバートを抑えたスッキリとしたフレージングが洗練美を生み、加えて珠を転がすようなタッチでも魅了。第3楽章は単純な軍隊マーチの模倣に目もくれず、純粋なモーツァルトの再現だけに集中していることは、25小節からのフォルテの勇ましい楽想をあえて弱音で開始していることでも明らかです。
 ピアノ協奏曲第27番は、同曲のまさに不滅の名演!第1楽章序奏は徹底的にウィーン情緒で通したベームの指揮に、淡々となんの変哲もないフレージングで通すバックハウスのピアノが加味すると、得も言われぬ気品が生まれるのです。カデンツァでは音色の魅力が全開で、タッチのコントロール能力の高さも絶妙。そして白眉の第2楽章!この楽章のアプローチが聴けるだけでもだけでも、この録音の価値は絶大です。何と言っても冒頭主題のリズムのニュアンスの活かし方!緩やかなテンポに引っ張られてリズムを平板化させてしまう演奏が多い中、楽譜の忠実な再現こそが最良のニュアンスを生むということを証明であり、中間部のなんの邪念もない無垢な響きも比類なし。6:21からのアルペジオ風フレーズの幻想性に至っては、奇跡としか言いようがなく、「モーツァルトとは何か?」の答えがここに集約されていると言っても過言ではありません。終楽章は第2主題が全てを削ぎ落とした後の浮遊感にご注目を。
 「バックハウスはベートーヴェン弾きであってモーツァルト弾きではない」と言い切る人がいますが、こういう無垢のモーツァルトに触れた後で、どうしてそんな選別など出来ましょうか?
 一方ベートーヴェンの協奏曲は、全集の中では特に「第4番」が名演として紹介される例が多いですが、同等かそれ以上に賞賛したいのが「第2番」。バックハウスにとってもウィーン・フィルにとっても演奏回数が少ない作品であるせいか、どこを取っても瑞々しく、音楽する喜びに溢れています。
第1楽章のピアノの入りから、真珠を散りばめたような艶やかさ!バックハウスとベーゼンドルファーの相思相愛ぶりを思い知らせれます。その音色美は第2楽章で最大に開花すると共に、バックハウスの人間性と精神力によって、音楽が深く大きく押し広げている様がひしひしとと感じ取れます。宇野功芳氏がこれを大絶賛していたのも大いに頷ける超名演。 【湧々堂 2022年3月】

H.M.F
HMM-902412(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 vol.3
ピアノ協奏曲第3番〔I. アレグロ・コン・ブリオ【カデンツァ:ベザイデンホウト/ベートーヴェン】 -II. ラルゴ-III. ロンド、アレグロ【ロンド主題への導入:ベザイデンホウト/ベートーヴェン】〕 
ピアノ協奏曲第1番〔I. アレグロ・コン・ブリオ【カデンツァ:ベザイデンホウト/ベートーヴェン】-II. ラルゴ-III. ロンド.アレグロ・スケルツァンド〕
クリスティアン・ベザイデンホウト
(フォルテピアノ/1824年コンラート・グラーフのコピー、1989年ロドニー・レジエ製作(フリーポート、メイン州、アメリカ)、
2002年エドウィン・ボインク&ホハン・ヴェンニクによる修復、エドウィン・ボインク・コレクション)
パブロ・エラス=カサド(指)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2017年12月、アンサンブルハウス・フライブルク
世界が注目するシリーズ、ベザイデンホウト、エラス=カサドとFBOによるベートーヴェンのピアノ協奏曲シリーズ、待望にして衝撃の完結編の登場です!作 品の初演に立ち会っているような感覚になる、神々しくもスリリングな演奏です!
今回はベートーヴェンのピアノ協奏曲唯一の短調の第3番と、第1番という組み合わせ。今回も、ベザイデンホウトのひらめきと才能にハっとさせられる衝 撃の瞬間の連続!カデンツァはいずれもベートーヴェンのものに基づきながら、ベザイデンホウトによるパッセージも盛り込まれたもの。さらに、第3番の第3 楽章では、ロンド形式の主題が回帰するときのリード・イン(つなぎ)を、ベザイデンホウトがベートーヴェンのものを参考にしながら独自のものにしたてて演奏。 これがまた絶妙な即興を聴いているようで、この協奏曲の初演に立ち会っているようなスリリングさを生み出しています!エラス=カサド率いるFBOの管弦楽も、 ひとつひとつの音符を、今生まれたかのうように鳴り響かせております。もちろんピアノと管弦楽のアンサンブルが素晴らしいことはいうまでもありません。一瞬 一瞬が過ぎ去ってしまうのが惜しくなるような、かみしめたくなる演奏です。
同じ顔合わせでのベートーヴェン:ピアノ協奏曲は、第2番&第5番[HMM-902411&KKC-6143]、第4番[HMM-902413&KKC-6264]は大絶賛 されており、さらに第九&合唱幻想曲を収録した同じ顔合わせのディスク[HMM-902431&KKC-6234]が2020年度アカデミー賞大賞を受賞しています。 (Ki)
H.M.F
HMSA-0045(1SACD)
シングルレイヤー
日本独自企画
限定盤
税込定価
シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲 op.36 [1936年]
浄夜 op.4(弦楽六重奏曲版)[1899年]
ヴァイオリン協奏曲:イザベル・ファウスト(Vn) 
スウェーデンRSO、
ダニエル・ハーディング(指)

浄夜:イザベル・ファウスト(Vn)、アンネ・カタリーナ・シュライバ ー(Vn)、アントワン・タメスティ(Va)、ダヌーシャ・ヴァスキエヴィチ(Va)、クリスティアン・ポルテラ(Vc)、ジャン=ギアン・ケラス(Vc)

録音:【ヴァイオリン協奏曲】2019年1月/ベルワルト・ホール(ストックホルム)、
【浄夜】2018年9月/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
現代最高のヴァイオリン奏者、イザベル・ファウストの演奏するシェーンベルクの作品集がSACDシングルレイヤーで登場。ハルモニア・ムンディ からハイレゾ・マスターの提供を受け、オーディオ評論家角田郁雄氏の技術監修のもと、関口台スタジオでリマスタリングを施しました。このたびのSACD化によ り、ヴァイオリン協奏曲の精緻さがやわかに際立ち、「浄夜」の世界もよりなまめかしく響きます。日本独自企画・限定盤です。
シェーンベルクの20代中頃の作品「浄夜」の弦楽六重奏版と、それから40年弱という時を隔てて書かれたヴァイオリン協奏曲という組み合わせです。「浄夜」 はブラームスやワーグナーの影響が色濃く見られる欄熟のロマンティシズムが魅力の作品ですが、ここではファウストが心から信頼を寄せる奏者たちが集った最 強のメンバーでの演奏で、注目です。ファウストのまっすぐな音色が中心となったアンサンブルが却って作品の欄熟した空気を際だたせており、ドロドロの世界が展 開されております。そしてヴァイオリン協奏曲は12音技法を探求していた時期の作品ですが、ソナタ形式で書かれており、楽章構成も第1楽章―急(アレグロ)、第 2楽章―緩(アンダンテ)、第3楽章―ロンド・フィナーレという形をとっています。シェーンベルクが12音技法の内に込めた様々な旋律を、ファウストが1ミリの狂 いもない技術をもって奏でており、厳格かつ厳密な12音の世界の中にもシェーベルクが織り込んだ美しい旋律がこの上なく魅力的に引き出されています。それを サポートするハーディング率いるオーケストラとのアンサンブルも、ぴたりとあった見事なもの。欄熟のロマン、そして厳格な「古典」の書法の間にたって、ファウス トと、彼女が心から信頼を寄せる音楽家たちが、20世紀の音楽史の中でも屈指の傑作であるこれらの作品を、これ以上なく生き生きと表現しています。 
「浄夜」の共演者には信じがたいメンバーが顔をそろえています。ヴァイオリンのアンネ・カタリーナ・シュライバーは、フライブルク・バロック・オーケストラで リーダーも務める奏者。アントワン・タメスティは言わずとしれた世界的奏者(トリオ・ツィンマーマンのメンバー)。ダヌーシャ・ヴァスキエヴィチはアバド指揮モー ツァルト管、カルミニョーラのモーツァルト全集で協奏交響曲のヴィオラを務めていました。クリスティアン・ポルテラはトリオ・ツィンマーマンのメンバー。ジャン =ギアン・ケラスも来日も多い世界的奏者です。どの奏者も広い時代の作品を手がけており、そうしたメンバーがこの「浄夜」を演奏する、というのはまた格別なも のがあります。 (Ki)

MDG
MDG-90122296
(1SACD)
ディミトリス・パパディミトリウ(1959-):作品集
ピアノ協奏曲第1番/不完全性
ポロック(Painting Soundtracksより抜粋)
ミニチュア組曲
ティトス ・クベリス(P)
アテネ国立O
ジョージ・ペトロウ(指)
幅広いジャンルの音楽を手掛けるギリシャの作曲家ディミトリス・パパディミトリウ。今回、ギリシャ国内外で活躍する指揮者ジョージ・ペトロウ率いるアテネ国立 Oによる演奏で、パパディミトリウによるオーケストラのための作品を録音しました。パパディミトリウの音楽は、地中海一帯、古代ギリシャの音楽とヨーロッ パの伝統が出会い、現代音楽として融合した、力強さと輝きに満ちた音楽です。また本盤のメイン・プログラムである「ピアノ協奏曲」は、本来独奏楽器とオーケス トラによるアンサンブルの妙を楽しむものですが、この作品の第3楽章では、巨大なオーケストラの脅威が時折支配的にソリストを飲み込んでしまうような、圧巻の オケの響きがMDGの高音質録音によって鮮明に刻み込まれています。 (Ki)

ATMA
ACD2-2811(1CD)
極光のヴィオラ
ヴァスクス(1946-):ヴィオラ協奏曲
メロディ・マッキバー(1988-):Ningodwaaswi / Niizh
テレマン:ヴィオラ協奏曲 ト長調 TWV51:G9
マリーナ・ティボ ー(Va)
ニコラス・エリス(指)
アゴラO

録音:2021年10月16-19日/ケベック)
ヴィオラ奏者マリーナ・ティボーによる、北方文化の音楽のつながりを探求したアルバム。三者三様の音楽がヴィオラを通してオーロラのように鮮やかに響きます。
リトアニアの作曲家ヴァスクスのヴィオラ協奏曲は2016年に書かれました。ゆっくりとたゆたう響きを基調とし、長いカデンツァも登場、最後は美しく浄化され ていきます。
アニシナアベ族の作曲家メロディ・マッキバーの無伴奏作品『Ningodwaaswi』と『Niizh』は、レジデンシャルスクールの生存者である祖母の思い出に捧げ られた『復讐』の第6曲と第2曲です。タイトルはそれぞれオジブウェー語で「6」と「2」を意味します。技巧の中から孤独感がにじみ出た音楽。
テレマンのヴィオラ協奏曲は1716年頃に書かれたものでこのジャンルの最初期の作品。瑞々しく快活な音楽が幸福感いっぱいに駆け抜けます。 (Ki)

スロヴェニア放送
ZKP-117152(2CD)
イゴール・オジムが弾く名協奏曲集
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第2 番 ニ長調 K.211
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4 番 ニ長調 K.218
(3)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(4)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(5)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
イゴール・オジム(Vn)
(1)(2)サモ・フバド(指)スロヴェニアPO
録音:(1)1972年9月20日、(2)1972年9月21日スロヴェニア リュブリャナ(ライヴ)
(3)ユーリ・シモノフ(指)リュブリャナRSO
録音:1993 年3 月19 日 スロヴェニア リュブリャナ(ライヴ)
(4)ネーメ・ヤルヴィ(指)スロヴェニアPO
録音:1978 年4 月12 日 スロヴェニア リュブリャナ(ライヴ)
(5)ニコライ・アレクセーエフ(指)リュブリャナRSO
録音:1992 年1 月10 日 スロヴェニア リュブリャナ(ライヴ)
146'31
スロヴェニアが誇る偉大なヴァイオリニスト、イゴール・オジムの弾く有名協奏曲 5 曲。いずれもライヴ録音。イゴール・オジムは1931 年、スロヴェニア(当時はユー ゴスラビア王国の一部)のリュブリャナの生まれ。ロンドンに留学し、1951 年にはカ ール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。その後独奏者として広く活 躍しつつ、ケルン高等音楽院、ベルン芸術大学、ザルツブルクのモーツァルテウ ムなどで名教師として名を馳せた。ベルンでの教え子にパトリツィア・コパチンスカ ヤがいます。独奏者、指導者として高名なオジムだが、残された録音はあまり多くな い上に有名協奏曲が少ない。ZKP-RTV SLOVENIJA からもいくつか発掘音源の CD が出ていたものの、これだけの名曲揃いのものはなかった。オジムのヴァイオリ ンは音色が魅力的な上に歌い回しが柔軟で優しく、オジムを知らなかい人でも聞 けばすぐさま気に入ることでしょう。しかも伴奏指揮はユーリ・シモノフやネーメ・ヤル ヴィ、ニコライ・アレクセーエフら。放送局の録音で音質もまずまず。 簡易収納紙ケース。
スロヴェニア放送
ZKP-115752(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1 番ト短調 Op.26
ステファン・ミレンコヴィッチ(Vn)
ヴラディミル・クレノヴィッチ(指)
スロヴェニアRSO

録音:2019年5月 スロヴェニア リュブリャナ 68'47
近年特に注目を浴びているヴァイオリニストの一人、ステファン・ミレンコヴィッチ。新 録音はベートーヴェンとブルッフの第1 番という名曲2 曲。ステファン・ミレンコヴィッチ はユーゴスラヴィア時代のセルビア、ベオグラードの生まれ。生地で学んだ後、渡米し てジュリアード音楽学校でさらに学んだ。1993 年、パガニーニ国際コンクールとティボ ール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクールでどちらも 2 位、翌 1994 年には両コンク ールで 4 位と 2 位を受賞して注目を浴びるようになった。現在では米国とセルビアを 拠点に欧米で幅広く活躍しており、日本でも既に人気が高い。高度な技術力を持ち つつそれをひけらかす様なことなく、音楽にじっくりと深く入り込む集中力が魅力であ る。ここでもベートーヴェンは力強く鮮やかに弾き切るのではなく、静かにじっくりと音 楽の核を求めて弾き込んでおり、詩情と風格の豊かさは類を見ないほどだ。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0025(1CD)
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
イリーナ・ゲオルギエヴァ(P)
サッシャ・ゲッツェル(指)
パブロ・ゴンザレス(指)*
バーゼルSO

録音:2020年12月21・28日スイス、スタッドカジノ・バーゼル
ルドルフ・ブッフビンダーに多くを学んだピアニスト、イリーナ・ゲオルギエヴァによるラフマニノフの協奏曲。確かな技巧と高い音楽性で難曲を鮮やかに弾き切っ てます。2人の指揮者とバーゼル響の繰り出すサウンドにもただならぬキレがあり、協奏的な音の応酬がまばゆく火花を散らします。心地よい刺激が耳を満たす素 晴らしい演奏。ラフマニノフ財団の協力により企画されたアルバムで、ブックレットには作曲家の貴重な写真が掲載されています。
■イリーナ・ゲオルギエヴァ(P) プロフィール
1978年ブルガリアのソフィア生まれ。幼少からピアノに親しみ6歳で初めてコンサートを開く。2年後、初のソロコンサートで国際的な賞を獲得。さらに1年後、ベー トーヴェンのピアノ協奏曲第1番をオーケストラと共演。ソフィア音楽院に進み、在学中からピアニストとしてブルガリアの主要オーケストラと共演を行い、ラザール・ ベルマンやドミトリー・バシュキロフなどのマスタークラスに参加。2001年にブルガリアを離れバーゼル音楽院に入学。ルドルフ・ブッフビンダーのマスタークラ スへの参加がピアニストとしての重要な契機に。コンサートとソリストのディプロマを優秀な成績で取得。数々の国際コンクールに入賞し、ヨーロッパ、南米、アジア などで演奏活動を行っています。

Evil Penguin Records
EPRC-0045(1CD)
ヴァインベルク(1919-1996):チェロ・コンチェルティーノ Op.43bis
チェロとオーケストラのための幻想曲 Op.52
室内交響曲第4番Op.153
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)
ジャン=ミシェル・シャルリエ(Cl)
ラファエル・ファイユ(指)
レ・メタモルフォーゼス

録音:2021年6月28日-7月1日ベルギー
ポーランドのユダヤ人家庭に生まれ、波乱の人生の大半をソビエト・ロシアで過ごし、多くの作品を残したヴァインベルク。生前に国際的な名声を得ることは なかったものの、近年一気に評価が高まっている作曲家です。このアルバムには協奏的作品を3 曲収録。チェロ独奏で参加しているピーター・ウィスペルウェイ の名技に注目です。
『チェロ・コンチェルティーノ』はチェロ協奏曲 Op.43 の基となった作品で近年再発見されました。1948 年に僅か 4 日間で書かれた、緻密な構成力で聴か せる音楽です。
『チェロとオーケストラのための幻想曲』は1953年、表現の自由を制限された時代に書かれた作品。親しみやすい民謡風の楽想を用いつつも洗練された巧 みな書法が光ります。
『室内交響曲第 4 番』はヴァインベルク最後の作品。1992年 4月から5月にかけて、死の病に侵されながら作曲されました。編成はとクラリネット独奏と 弦楽オーケストラ、トライアングル。自作の引用が多く含まれ、これが遺作になることを当人も意識していたのではと思わせる内容です。ヴァインベルクの友人で あり作曲家のグレゴリー・フリードはこの作品を聴いて「ヴァインベルクの音楽は長調が悲しく、短調が明るい。この不安定な世界のすべては悲しみと幸福、恐 れと希望から織り成されているのだ」と語りました。
「『コンチェルティーノ』の両端楽章のアダージョは、感傷に流されない真に抑制された表現が求められ、荒涼とした雰囲気さえ漂っています。中間楽章はいじら しいナイーヴさと力強いエネルギーが感じられます。演奏してみると実に素晴らしい(ピーター・ウィスペルウェイ)」

FIRST HAND RECORDS
FHR-82(1CD)
初期ステレオ録音集 第5集
(1)ヴィヴァルディ:オーボエ協奏曲 イ短調 RV461
(2)チマローザ(アーサー・ベンジャミン編):オーボエ協奏曲 ハ長調
(3)ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb:2, Op.101
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番ハ長調 K453
(1)(2)レナート・ザンフィーニ(Ob)、レナート・ファザーノ(指)、ローマ合奏団
(3)アメデオ・バルドヴィーノ(Vc)、フェルナンド・プレヴィターリ(指)、プロ・アルテO
(4)ジーナ・バッカウアー(P)、アレック・シャーマン(指))、ザ・ロンドン・オーケストラ

録音:(1)(2)1956年10月3-4日、(3)1956年10月17・19・25日、(4)1956年5月9-10日
すべてステレオ初出
ARS(Archive of Recorded Sound)との共同制作によるEMIの初期ステレオ録音集第5弾。EMIがステレオ録音を開始したのは1954年で、最初期の ステレオ音源が聴ける注目のシリーズとなっています。今作は地中海文化の暖かさとしなやかさを演奏にもたらした3人の素晴らしいヴィルトゥオーゾたちによる 協奏曲集。いずれもステレオでは初めて世に出る音源です。丁寧なリマスタリングがなされており、貴重な名演奏を存分に堪能いただけます。ジーナ・バッカウアー とアレック・シャーマンの夫婦共演によるモーツァルトは特に絶品。 (Ki)

DOREMI
DHR-8165(3CD)
ルドルフ・ゼルキンLIVE 第2集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集(全5曲)
合唱幻想曲 Op.80
ピアノ・ソナタ第21番『ワルトシュタイン』*
ルドルフ・ゼルキン(P)
マックス・ルドルフ(指)ボストンSO

ライヴ録音:1970年4月8-10日ボストン、シンフォニーホール
1974年トロント、マッセイ・ホール*
ルドルフ・ゼルキン第2集は得意としたベートーヴェンの超貴重ライヴ音源。なんとボストン響とのピアノ協奏曲全曲が登場、しっかりと合唱幻想曲つき!1970 年ベートーヴェン・フェスティバルでの演奏とされており、ディスコグラフィ上にこれまで無かった音源と思われます。カップリングの74年の『ワルトシュタイン』 も初出か。カナダの老舗マニアックレーベルDOREMIから驚きのリリースです!! (Ki)

KLARTHE
KLA-017(1CD)
『四季』
ニコラ・バクリ(1962-):『四季』
(1)闇の協奏曲「冬」Op.80-3〜オーボエ、ヴィオラとオーケストラのための協奏曲(2009)
(2)愛の協奏曲「春」Op.80-2〜オーボエ、ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲(2004-05)
(3)光の協奏曲「夏」Op.80-4〜オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとオーケストラのための協奏曲(2010-11)
(4)郷愁の協奏曲「秋」Op.80-1〜オーボエ、チェロとオーケストラのための協奏曲(2000-02)
(1)(3)アドリアン・ラ・マルカ(Va)、
(1)(2)(3)(4)フランソワ・ルルー(Ob)、
(2)(3)ヴァレリー・ソコロフ(Vn)、
(3)(4)セバスティアン・ヴァン・カイック(Vc)
ヴィクトル・ユーゴー・フランシュ=コンテO、
ジャン=フランソワ・ヴェルディエ(指)

録音:2015年2月/ブザンソン地方音楽院、フランシュ=コンテ地域圏(フランス)
現代フランスを代表する作曲家ニコラ・バクリの『四季』を豪華独奏者による演奏で録音が実現しました!
「「季節」は常に人々の生活と密接な関わりを持っており、恐怖、希望、喜び、郷愁などの様々な感情を生み出します」と語るバクリ。バクリは季節ごとにその感情 をテーマとした作品に仕上げ(「冬」は闇、「春」は愛、「夏」は光、「秋」は郷愁)、自由で叙情的な旋律と独特なリズムが魅力の『四季』を完成させました。
当録音の注目はフランソワ・ルルー、アドリアン・ラ・マルカ、ヴァレリー・ソコロフなどの豪華独奏陣が演奏していること。彼らの演奏が当作品のすばらしさを 一層輝かせております。 (Ki)
KLARTHE
KLA-087(1CD)
モダニズム
(1)リャトシンスキー(チェスノコフ編):バラードOp.24
(2)ドミートリー・チェスノコフ:ヴァイオリン協奏曲Op.87「天地創造」
(3)ショスタコーヴィチ:交響曲第1番ヘ短調Op.10
サラ・ネムタヌ(Vn)(2)、
バスティアン・スティル(指)
ウクライナ国立SO

録音:2016年12月4-5日/ウクライナ国営放送大コンサート・スタジオ
ウクライナのオーケストラが同国最大の作曲家のひとりリャトシンスキーと、同国生まれながら現在フランス在住のドミートリー・チェスノコフをとりあげた意欲的 なアルバム。ことにチェスノコフのヴァイオリン協奏曲は人気奏者サラ・ネムタヌが独奏を務めているのが注目です。 ボリス・リャトシンスキーは旧ソ連ウクライナ共和国を代表する作曲家。後半生は社会主義リアリズムに則した民族的作風となりましたが初期は アヴァンギャルドの洗礼を受け、ここに収められた1929年作の「バラード」(オリジナルはピアノ曲)など先鋭的な作品を残しました。彼の歿後弟子ドミートリー・ チェスノコフ(1982-)が見事にオーケストラ曲に仕立てました。
メインはショスタコーヴィチの交響曲第1番。ショスタコーヴィチが書きたいものをかけた時代の貴重な遺産で、その才気煥発ぶりに驚かされます。ウクライナ国 立SOが力演を見せています。

Hanssler
HC-21058(1CD)
(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.44
ミハイル・ポチェキン(Vn)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO、
セバスチャン・テウィンケル(指)

録音:2021年5月27-29日/ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー・スタジオ(ドイツ)
ロシア俊英ミハイル・ポチェキンがメンデルスゾーンとブルッフを録音しました!ポチェキンは2009年にリトアニア、ヴィリニュスのヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァ イオリン・コンクールに入賞。以後ロシア・ナショナルOをはじめとする名だたるオーケストラとの共演してきました。
ブルッフは有名な第1番ではなく第2番です!第1番の影に隠れている第2番は1877年に作曲。「ツィゴイネルワイゼン」で知られるサラサーテのヴァイオリン 独奏、ブルッフの指揮により初演され、同曲はサラサーテに献呈されております。近年日本でも演奏機会が増え、再評価が進んでおります。もの悲しくも優美な旋 律は第1番と同様に実に魅力的。ポチェキンの甘い語り口はこの作品にぴったりと合っており、歓迎すべき新録音といえましょう。一方メンデルスゾーンはポチェ キンの十八番の作品。清潔感のある好演を聴かせてくれます! (Ki)

Capriccio
C-5438(1CD)
NX-B05
イェネー・タカーチ(1902-2005):作品集
セレナード - 古いグラーツのコントルダンスより Op. 83b(1966) - 弦楽のために
ラプソディ「ハンガリーの旋律」 Op. 49a(1941)- ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために
協奏曲 - ピアノと弦楽オーケストラ、パーカッションのために Op. 60(1947-2000)
パッサカリア Op. 73 - 弦楽オーケストラのために(1960)
3つの小品 - 弦楽オーケストラのために(1993)
ニナ・カルモン(Vn)
オリヴァー・トリンドル(P)
インゴルシュタット・ジョージア室内O
エヴァン・アレクシス・クリスト(指)

録音:2020年10月13-16日
ハンガリー系オーストリアの作曲家イェネー・タカーチ(タカーチュ・イェネー)の作品集。ウィーン国立音楽大学でヨー ゼフ・マルクスに作曲を学び、ウィーン大学ではハンス・ガルに対位法を、グイード・アードラーに音楽学を学んだ 後、1920年からピアニストとしてドイツ、ハンガリー、ユーゴスラビアでコンサート・ツアーを開催、絶賛されました。 1926年にバルトークと知り合ったことで、作品に自身のルーツであるハンガリーの要素を取り入れるとともに、彼が 訪れたエジプト、アラブの音楽の影響も反映するなど、コスモポリタンな作風による作品を多数発表します。このア ルバムには5つの作品を収録。耳なじみのよい旋律に終始する「セレナード」、ヴァイオリンが哀愁たっぷりの旋律を 歌い上げるラプソディ「ハンガリーの旋律」、オーケストラとパーカッション、ピアノが競い合うように激しい演奏を繰り 広げ、バルトークを思わせる「ピアノ協奏曲」、うなるような低弦の旋律が様々に変容していく前衛的な作風を持 つ「パッサカリア」、それぞれケルト、ハンガリー、アメリカの民謡をもとにした「3つの小品」と、タカーチの広範囲な作 風を楽しめます。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-065(1CD)
ヴィヴァルディ:弦楽と通奏低音のための12の協奏曲(「パリ協奏曲集」)
協奏曲 第5番ハ長調 RV 114
協奏曲 第4番ヘ長調 RV 136
協奏曲 第11番ト長調 RV 150
協奏曲 第1番ト短調 RV 157
協奏曲 第12番イ長調 RV 159
協奏曲 第10番二長調 RV 121
協奏曲 第6番ト短調 RV 154
協奏曲 第7番イ長調 RV 160
協奏曲 第3番ハ短調 RV 119
協奏曲 第9番変ロ長調 RV 164
協奏曲 第8番ニ短調 RV 127
協奏曲 第2番ホ短調 RV 133
ステファン・プレフニャク(Vn&指揮)
ヴェルサイユ王室歌劇場O(古楽器使用)

録音:2020年12月2-6日、ヴェルサイユ宮殿「十字軍の広間」
水の都ヴェネツィアを拠点に、イタリア後期バロックの栄華を支えたヴァイオリンの名手アントニオ・ヴィヴァルディ。その業績はイタリア半島に留ま らず、遠くアルプス以南の諸外国にまで及びましたが、本拠ヴェネツィアは貿易経路の変化やオスマン帝国の脅威など困難続きで不安要素 が絶えず、加えて音楽の本場ならではの流行の変化の速さは大作曲家にとっても悩みの種でした。ヴィヴァルディは齢50を過ぎた頃から楽 譜出版より一点物の自筆譜をクローズドで高額販売する路線に変更、外国の顧客向けに「合奏(リピエーノ)のための協奏曲」を12曲まと めて浄書しており、これらは今日パリのフランス国立図書館に収蔵されていることから「パリ協奏曲集」と呼ばれています。バルトークの「弦楽 のためのディヴェルティメント」の遠い源流とも言うべきこれらの作品は、ソロがないにもかかわらずヴィヴァルディならではの周到・精巧な音運び で極めて精彩に富み、聴けば聴くほどその魅力の虜になる名曲揃い!後に神聖ローマ皇帝にもなったロレーヌ公が買い上げたと言われるこ の曲集を、ヴェルサイユに集う俊才古楽器奏者たちによる起伏鮮やかな最新録音で聴けるのは大きな喜びと言えましょう。弦楽編成は 3/3/2/2/1とコンパクトながら、通奏低音にはハープやバロックギター、リュートなどの撥弦楽器も加わり、たった4パートで長調・短調とも変 幻自在の音を紡ぎ出してゆくヴィヴァルディ随一のセンスに改めて唸らざるを得ません。最新研究を踏まえたライナーノート(仏・英・独語)も 充実しています。

ONDINE
ODE-1405(1CD)
NX-B04
ラウタヴァーラ:『Lost Landscapes 失われた風景』
ファンタジア(2015) - ヴァイオリンと管弦楽のための
イン・ザ・ビギニング(2015)- 管弦楽のための…世界初録音
2つのセレナード(2016/18)- ヴァイオリンと管弦楽のための(カレヴィ・アホによる補筆完成)
愛する人へのセレナード
人生のセレナード
失われた風景(2005/15)- ヴァイオリンと管弦楽のための…管弦楽伴奏版による世界初録音
シモーネ・ラムスマ(Vn)
マルメSO
ロバート・トレヴィーノ(指)

録音 2021年6月21日-23日マルメ・ライヴ・コンサートホール、マルメ(スウェーデン)
20世紀後半から21世紀にかけてフィンランドを代表する作曲家として国際的な評価を確立したラウタヴァーラ。さまざまな作風の変遷を経た後に、21世紀に なると神秘的・瞑想的な作品を多く遺し、2016年にこの世を去りました。このアルバムでは、その晩年の作品群を、注目の指揮者ロバート・トレヴィーノとマルメ SOが、ヴァイオリニストのシモーネ・ラムスマを独奏者に迎えて収録しています。 晩年のラウタヴァーラは、世界的なヴァイオリニストたちから「作品を書いてほしい」という依頼を何度も受け、大規模な作品を数曲書き上げました。アルバムの 冒頭の「ファンタジア」は柔らかい響きを纏ったネオ・ロマンティック風の作品で、牧歌的な雰囲気と静けさに満ちています。 「2つのセレナード」は、2014年に依 頼されながら未完に終わったヴァイオリン協奏曲から生まれた曲。ラウタヴァーラによる第2楽章のスケッチを弟子のカレヴィ・アホが補筆完成したものです。師の 作風を尊重したアホの絶妙なオーケストレーションが楽しめます。 「Lost Landscapes 失われた風景」は五嶋みどりのために書かれた作品。当初ヴァイオリン・ソナタとして作曲されましたが、2013年にラウタヴァーラ自身が オーケストレーションを施し、まず最初の部分が2015年7月のタングルウッド現代音楽祭で初演され、その後マルメにて全曲がシモーネ・ラムスマの独奏で初演 されました。 管弦楽のための「In the Beginning イン・ザ・ビギニング」は日本フィルが共同委嘱した6分ほどの作品で、2019年のインキネン&日本フィルのヨーロッパ・ツ アー・プログラムの冒頭を飾りました。コンサートだけではなく、さまざまな「始まり」の時を暗示する美しい作品です。 *国内仕様盤には北欧音楽に造詣の深い津田忠亮氏の日本語解説が付属します。

Challenge Classics
CC-72820(1CD)
「復活」 〜ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a
ニーノ・グヴェタッゼ(P)
バンジャマン・レヴィ(指)
フィオンO

録音:2021年6月15-18日オランダ、エンスヘデ音楽センター
ニーノ・グヴェタッゼはトビリシ生まれでアムステルダムを拠点に活躍するピアニストです。これまでショパン(CC-72768)、シリル・スコット(CC-72819)、 シューマン(CC-72855)と独奏曲をリリースしてきましたが、今作はベートーヴェンの協奏曲を収録。鮮やかな音色で華麗に弾き切っています。アルバムのテー マは復活、再生、再出発。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番とヴァイオリン協奏曲は同時期に筆が進められた作品です。これらの音楽はいちど世に忘れられてしまいますが、メンデルス ゾーンの指揮によってピアノ協奏曲第4番が1836年に、ヴァイオリン協奏曲が1844年に演奏されて以来、名曲と見做されるようになりました。ヴァイオリン協 奏曲は名手ヨアヒムの功績も有名です。
ヴァイオリン協奏曲は初演を聴いたクレメンティの勧めで、ピアノ編曲版(Op.61a)が作られました。第1楽章のカデンツァにティンパニが入るなどピアノ版な らではの面白さがあります。 (Ki)
Challenge Classics
CC-72908(1CD)
告げ口心臓 〜ヴィレム・イェツ(1959-):作品集
(1)永遠の死 Mors aeterna
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番『二連板の肖像』 Diptych portrait
(3)告げ口心臓 The Tell-Tale Heart
(1)ジェイムズ・ガフィガン(指)
(2)タスミン・リトル(Vn)、ラインベルト・デ・レーウ(指)
(3)ユリアーネ・バンゼ(S)、
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指)
オランダ放送PO

録音:(1)2015年11月14日、(2)2010年5月22日、(3)2018年4月14日
1959年生まれのオランダの作曲家、ヴィレム・イェツによる管弦楽作品集。交響曲第1番(CC-72693)、オペラ『リトラット』(CC-72849)、『レクイエム』 (CC-72874)に続く管弦楽物のリリースです。ロマン派の響きを思わせるきれいな和声と、オーケストラの効果的な鳴らしっぷりが魅力。タスミン・リトル、ユリ ア―ネ・バンゼの活躍にも注目です。
『永遠の死』は暗がりのなかで静寂を探求し、時に激しく炸裂しながら、来世の予感をはらみつつ進行していく純器楽のためのレクイエム。
ヴァイオリン協奏曲『二連板の肖像』では、ソリストとオーケストラが対話をするのでなく対立。これは引き裂かれた一人の人間の肖像であり、内面がばらばらに 分裂した苦しみを描いています。最後に果たして救いはあるのか。
エドガー・アラン・ポーの物語に基づく『告げ口心臓』は、バルトークの『青ひげ公の城』を補完する目的で書かれたもう1つの恐怖物語。死と安らぎ、内的な 独白で綴られる劇音楽です。 (Ki)

DOREMI
DHR-8160(1CD)
レオン・フライシャーLIVE 第2集
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
レオン・フライシャー(P)
(1)ピエール・モントゥー(指)コンセルトヘボウO
(2)ブルーノ・ワルター(指)ロサンゼルスPO

ライヴ録音:(1)1962年5月14日アムステルダム、
(2)1959年6月12日ロサンゼルス、ハリウッド・ボウル
アメリカの名ピアニスト、レオン・フライシャー(1928-2020)の貴重ライヴ音源集。モントゥー、ワルターとの共演です。 (Ki)

KLARTHE
KLA-050(1CD)
「啓蒙時代」
ヴァーゲンザイル:トロンボーン協奏曲(カデンツァ:B.ガルツィア=ガプドヴィル)
ベゾッツィ:トロンボーン・ソナタ 変ロ長調
アルブレヒツベルガー:トロンボーン協奏曲 変ロ長調(カデンツァ:B.ガルツィア=ガプドヴィル)
ヘンデル:トロンボーン協奏曲 ヘ短調
エーベルリン:「イエス、流れよ、熱きトラネンバッハよ」
(5)ヴァンニーナ・サントーニ(S)
アンリ=ミシェル・ガルツィア(Tb)
アンサンブル・ネオフォニア 、
バンジャマン・ガルツィア(指)

録音:2016年10月13-16日/サン=ルイ (フランス)
啓蒙思想が主流となっていた17世紀後半から18世紀にかけての作品を集めたトロンボーン奏者アンリ=ミシェル・ガルツィアのアルバム「啓蒙時代」。ゲオル ク・クリストフ・ヴァーゲンザイル(1715-1777)、アレッサンドロ・ベゾッツィ(1702-1793)、ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガー(1736-1809)、 ヨハン・エルンスト・エーベルリン(1702-1762)、そしてヘンデルと同時代を生きた作曲家の華麗な音楽がこのアルバムに収められました。 (Ki)

フォンテック
FOCD-9865(1SACD)
税込定価
2022年3月9日発売
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77 矢部達哉(Vn)
朝比奈隆(指) 新日本フィルハーモニーSO

録音:1996 年5 月3 日 サントリーホール・ライヴ
1995 年1 月22 日、朝比奈隆は14 年ぶりにシューベルトの交響曲『グレイト』(FOCD9359)を 演奏します。オーケストラは、コンサートマスター矢部達哉が率いる東京都SO。朝比奈はこの5 日前に神戸の自宅で大震災に遭遇するものの、予定通り20 日からのリハーサルに臨みました。『未完 成』との組み合わせによる公演への情熱は、87 歳の巨匠を多くの聴衆が待つ東京へと向かわせたのです。 リハーサル時から強烈なオーラを放つ朝比奈の(指)それに呼応した矢部をはじめとする都響メンバー のひたむきな演奏は、奇跡的ともいえる演奏会を成功裡へ導きます。無感量の朝比奈は、公演後翌年の <ブラームス チクルス>のソリストに矢部を指名、その後計4 回の共演を果たすのでした。 記念すべき1996 年の演奏---交響曲以上にシンフォニックな重厚感あふれる朝比奈/新日本フィルの響 き、そしてこの上ない美音に彩られたロマン溢れる矢部の妙技は、この作品の演奏に堂々たる足跡を刻 むものと申せましょう。 歴史的名演の登場です。 (フォンテック)

EUROARTS
20-56733(Bluray)

20-56739(DVD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全6曲)
第1番ヘ長調 BWV.1046
第3番ト長調 BWV.1048
第5番ニ長調 BWV.1050
第6番変ロ長調 BWV.1051
第4番ト長調 BWV.1049
第2番ヘ長調 BWV.1047

アンコール:
第2番ヘ長調 BWV.1047より第3楽章アレグロ・アッサイ
クラウディオ・アバド(指)モーツァルトO
コンサートマスター:ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
チェンバロ:オッターヴィオ・ダントーネ
第1&2ヴァイオリン:ラファエル・クリスト、ロレンツァ・ボッラーニ、ユナ・シェフチェンコ、ティモティ・フレグニ、
エティエンヌ・アブラン 、マヌエル・カストル 、ヤナ・クールマン
ヴィオラ:ダニューシャ・ヴァスキエヴィチ、シモーネ・ヤンドル、ベーランク・ラシュキ、ラファエル・ザックス
ヴィオラ・ダ・ガンバ:ライナー・ツィパーリング、サビナ・コロンナ・プレティ
チェロ:マリオ・ブルネロ、エンリコ・ブロンツィ 、ブノワ・グルネ
コントラバス:アロイス・ポッシュ
フルート:ジャック・ズーン
リコーダー:ミカラ・ペトリ、ニコライ・タラソフ
オーボエ:ヴィクトール・アヴィアット、ルーカス・マシアス・ナヴァロ、グイド・グアランディ
ファゴット:ギヨーム・サンタナ
ホルン:アレッシオ・アレグリーニ、ジョナサン・ウィリアムズ
トラン ペット:ラインホ ルト・フリードリヒ

収録:2007年4月21日 イタリア、レッジョ・エミリア、ヴァーリ市立劇場
◆Bluray
★★
画面:カラー 、16:9 、1080i Full HD
音声:PCMステレオ、
DTS-HD MA5.1
リージョン:All、100分
◆DVD
画面:カラ ー 、16:9 、
1080i Full HD
音声:PCMステレオ、
DTS-HD MA5.1
リージョン:All、100分
クラウディオ・アバドが音楽監督を務めていたモーツァルトOの演奏によるブランデンブルク協奏曲全曲を収録した名映像が再発売されます。 モーツァルトOは、2004年にアバド自身が設立した若きオーケストラで、400年にわたる歴史と伝統に支えられた音楽組織、アッカデミア・フィラル モニカの中心的存在といえる団体です。かつてモーツァルトがボローニャを訪れ、音楽家マルティーニ神父に教えを請うた来歴を由来としモーツァルトOと 名づけられました。
今回の演奏メンバーは若手演奏家から、コンサートマスターのジュリアーノ・カルミニョーラ、チェロにマリオ・ブルネロ、コントラバスはアロイス・ポッシュ、リコー ダーはミカラ・ペトリなどのベテランまで顔を揃えます。チェンバロのオッターヴィオ・ダントーネの上手さにも感服。これまでに聴いた事のないような、不思議 な魅力を持った演奏です。 なお20.56734(Blu-ray),20.56738(DVD)は廃盤となります。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-825(1CD)
18世紀ファゴット協奏曲集
バッハ(マティス・シュティーア編):1-3. ファゴット協奏曲 ト長調 BWV 1055R(オーボエ・ダモーレ協奏曲〔原曲: チェンバロ協奏曲第4番BWV 1055〕)
ヘルテル(1727-1789):ファゴット協奏曲 イ短調
モーツァルト:ファゴット協奏曲 変ロ長調 K. 191
マティス・シュティーア(Fg)
アンサンブル・レフレクトーア

録音:2021年8月、西部ドイツ放送(WDR)放送局、ケルン
20代でケルンWDRSOの首席奏者となり、2019年にはARDミュンヘン国際音楽コンクールのファゴット部門で1位なし2位(アンドレ ア・チェッラッキと同位)に輝いた新世代の俊才マティス・シュティーアが、18世紀の前半・中盤・後半から1作ずつ名作を選んだプログラムで協 奏曲アルバムをリリース。共演のアンサンブル・レフレクトーアは、ベートーヴェンの交響曲第5番にラモーとテュールの作品を加えたアルバムで CDデビューしたのち、近年はバッハをテーマにした音楽祭をリューネブルクで立ち上げ、古典的名作からジャンル越境型の現代作品まで幅広 く手掛ける異才集団。彼らの相乗効果で、「穏当なバロック&古典派の協奏曲アルバム」という印象を良い意味で裏切る聴き応えに仕上 がっています。古楽器奏者としても知られるリンドン・ウォッツ門下に学んだシュティーアは隅々まで歌心に満ちていながら甘すぎない、確かな 様式感ある演奏を披露。室内楽のように緊密な連携でオーケストラと共に音楽を作り上げてゆきます。疾風怒濤期の陰影鮮やかなヘルテ ルの短調の作品では古楽器風とも言える音作りが際立つ一方、オーボエ・ダモーレ独奏版として復元されることの多いバッハの協奏曲では ファゴットの美音が驚くほど自然に馴染み、普遍的な編曲作品としての価値さえ感じさせます。味わい充分のモーツァルト作品まで含め、新 世代の活躍にますます期待が高まるアルバムと言えるでしょう。

ALPHA
ALPHA-794(1CD)
『次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol.1』
ヴァイオリン協奏曲 第1番変ロ長調 K. 207 (カデンツァ: ステファン・ワーツ)
ピアノ協奏曲 第8番ハ長調 K. 246 「リュッツォウ」(カデンツァ: ジャン・チャクムル)
ホルン協奏曲 第4番変ホ長調 K. 495(カデンツァ: イヴォ・ドゥドラー)
ステファン・ワーツ(Vn)
ジャン・チャクムル(P)
イヴォ・ドゥドラー(Hrn)
カメラータ・シュヴァイツ
ハワード・グリフィス(指)

録音:2021年3月 オーバーシュトラース教会、チューリヒ
30年以上にわたり若いアーティストたちを支援しているスイスのオルフェウム財団とALPHAが協力し、次 世代の若いソリストたちによるモーツァルトの協奏曲をリリースするシリーズ。第1弾には、2014年メニュー イン国際コンクールの覇者、オランダのステファン・ワーツ、2018年浜松国際ピアノコンクールの覇者、ト ルコのジャン・チャクムル、ハノーファー北ドイツ放送POのソロ・ホルン奏者、スイス 出身のイヴォ・ドゥドラーが登場。若手とはいえ既に国際的な評価を得ている彼らならではの高い技術 力と個性的な表現を聴かせてくれます。カデンツァもそれぞれ自作を披露。
ALPHA
ALPHA-795(1CD)
『次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol.2』
ヴァイオリン協奏曲 第3番ト長調 K. 216(カデンツァ: サム・フランコ)
ファゴット協奏曲 変ロ長調 K. 191(カデンツァ: テオ・プラート)
ピアノ協奏曲 第5番ニ長調 K. 175(カデンツァ: メロディ・チャオ)
ジユ・ヘ(何子毓) (Vn)
テオ・プラート(Fg)
メロディ・チャオ(趙梅笛) (P)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2021年6月 オルケスターハウス、ザルツブルク
30年以上にわたり若いアーティストたちを支援しているスイスのオルフェウム財団とALPHAが協力し、次 世代の若いソリストたちによるモーツァルトの協奏曲をリリースするシリーズ。第2弾には、2016年ユー ディ・メニューイン国際コンクールの覇者、中国のジユ・ヘ、hrSO(フランクフルトRSO) 首席ファゴット奏者で既にソロ・アルバムの発売もある、ドイツのテオ・プラート、こちらもCD発売歴は既に 長く、2021年にはハイドンのピアノ協奏曲全集(CPO 555400)もリリースした中国系でスイス出身の メロディ・チャオらが登場。若手とはいえ既に国際的な評価を得ている彼らならではの高い技術力と個性 的な表現を聴かせてくれます。カデンツァはジユ・ヘがサム・フランコ作のもの、プラートとチャオはそれぞれ 自作を披露しています。

Centaur
CRC-3844(1CD)
ピアソラ〜百年
ピアソラ:バンドネオン協奏曲「アコンカグア」
モサリーニ:トマ,トカ*、百年*
ピアソラ(モサリーニ編):ブエノスアイレスの四季*、リベルタンゴ* (世界初録音*)
ジゼル・ベン=ドール(指)、
フアンホ・モサリーニ(バンドネオン)、
ボストン・プロアルテ室内O、
クリスティーナ・ニルソン(Vn)、
アン・ブラック(Va)、
スティーヴン・レヴァン(Vc)

録音:2020年1月13日、サンダー・テアトル(アメリカ)
1972年にブエノスアイレスで生まれたバンドネオン奏者であり編曲者であるフアンホ・モサリーニは、アルゼンチンを代表するミュージシャンとして30年以上活躍しています。今作は、タンゴの偉大なアルゼンチンの作曲家、アストル・ピアソラの100年を祝うアルバムで、バンドネオン奏者モサリーニによる素晴らしい演奏と4つの世界初録音が聴きどころです。
Centaur
CRC-3879(1CD)
ヴァーレーズ、ルトスワフスキ、リゲティ、バルディーニ
クリスティアン・バルディーニ(b.1978):Elapsing Twilight Shades(2008,rev.2012)#
ルトスワフスキ:チェーン2(1985)+
リゲティ:ヴァイオリン協奏曲(1989,rev.1993)*
ヴァーレーズ:アメリカ(1918-21,rev.1927)$
クリスティアン・バルディーニ(指)、
マクシミリアン・ハフト(Vn)+、
ミランダ・クックソン(Vn)*、
ミュンヘン放送O#、UC・デイヴィスSO+*$

録音:2012年4月29日(バルディーニ)、2019年11月23日(ルトスワフスキ)、2018年5月5日(リゲティ)、2015年5月2日(ヴァーレーズ)
1978年アルゼンチンに生まれた指揮者兼作曲家のクリスティアン・バルディーニによる20世紀および21世紀の作曲家たちの作品集です。バルディーニは、指揮者としてクルト・マズア、マイケル・ティルソン・トーマス、ペーテル・エトヴェシュ、レナード・スラットキンらから学びました。BBCSOのアシスタント・コンダクターや、サンフランシスコSOでティルソン・トーマスの代役を務めました。このアルバムでは音楽監督を務めているUC・デイヴィスSOを指揮しています。

Chandos
CHAN-20166(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.6
モーツァルト:歌劇「劇場支配人」序曲
ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 KV 482*
ピアノ協奏曲第23番ホ長調 KV 488*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*、
ガボル・タカーチ=ナジ(指)
マンチェスター・カメラータ

録音:2020年10月9日-10日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN-10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第6弾では、古典派のピアノ協奏曲の中でも傑作と名高い「第23番」と同時期に書かれた「第22番」という魅力的なカップリングに、タカーチSQの創設メンバーでもあり、近年は指揮者として活躍しているガボル・タカーチ=ナジとイギリス有数の室内O"マンチェスター・カメラータ"による歌劇「劇場支配人」への序曲が収録されています。「第23番」では、ジャン=エフラム・バヴゼの軽やかなタッチから生み出される多彩な音色と生命力あふれる鮮烈な演奏が聴きどころで、数ある同曲の名盤に肩を並べる名演に仕上がっています。

APR
APRCD-5519(1CD)
ホロヴィッツ〜チャイコフスキー&ラフマニノフ
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ヴラディーミル・ホロヴィッツ(P)、
ジョン・バルビローリ(指)NYO

(1)録音:1940年3月31日、カーネギー・ホール
(2)録音:1941年5月4日、カーネギー・ホール
往年のピアノの名演の非常に優れた復刻を続々と世に送り出しているイギリスの「APR」。
レーベル在庫完売状態が続いていた初期の名盤、ホロヴィッツ、バルビローリ&ニューヨーク・フィルのコンビによるカーネギー・ホールでのチャイコフスキー&ラフマニノフが再生産されました!
初発売時には演奏の素晴らしさ、初出音源、そして復刻の質の高さで大きな話題を呼んだホロヴィッツの名演。
復刻は1996年にイギリス、ウォークのAPRのスタジオで同レーベルの創業者ブライアン・クランプによって行われました。

DACAPO
MAR-6.220702(1SACD)
NX-C05
オーレ・シュミット(1928-2010):金管楽器のための協奏曲集
協奏的小品 Op. 19(1964) - トランペットとトロンボーン、弦楽、ハープ、パーカッションとチェレスタのために
テューバ協奏曲(1975)
ホルンと室内オーケストラのための協奏曲(1966)
ガボール・タルケヴィ(Tp)
イェスパー・ブスク・ソレンセン(Tb)
イェンス・ビョルン=ラーセン(Tub)
シュテファン・ドール(Hrn)
オルボアSO
ジョルダーノ・ベッリンカンピ(指)

録音:2021年5月17-21日
オーレ・シュミットは、ピアニスト・指揮者・作曲家として活躍し、現代北欧を代表する音楽家の一人に数えられます。彼の音楽は、バルトーク、ストラ ヴィンスキー、フランス近現代音楽の影響と共に北欧的な明快さも備え、躍動感漲るリズムから生まれるエネルギーに、ユーモアのセンスも兼ね備えた ものです。 このアルバムに収録されている3つの協奏曲は彼の重要な作品群であり、オーレ・シュミットの洗練された感覚がよく表れています。「協奏的小品」で はトランペットとトロンボーンが大活躍、賑やかなコンチェルト・グロッソの雰囲気と、一貫したユーモアが感じられます。また、テューバの表現力を最大限 に引き出した「テューバ協奏曲」でのテューバの超絶技巧、夢想的な楽章と遊び心のある軽快な楽章で構成された「ホルンと室内オーケストラのため の協奏曲」も聴き応えのある作品です。 ベルリン・フィルの首席奏者、シュテファン・ドールをはじめとした名手たちをソリストに据え、ベッリンカンピが指揮するオルボアSOが素晴らしい演 奏を聴かせます。

CLAVES
50-3004(1CD)
「原点回帰」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ババジャニャン:「英雄のバラード」(1950)
ジャン=ポール・ガスパリアン(P)
ベルンSO、
ステファン・ブルニエ(指)

録音:2021年9月ダイアコニス教会、ベルン(スイス)
2020年のグシュタード音楽祭のティエリー・シェルツ賞に受賞したジャン=ポール・ガスパリアンがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とババジャニャンの「英 雄のバラード」を録音しました!仏EVIDENCEレーベルよりラフマニノフやショパンのピアノ独奏のディスクを3枚リリースしておりますが、協奏曲録音はこれがは じめてです!
グシュタード音楽祭はスイスのグシュタード(スイスを横断する絶景パノラマ鉄道「ゴールンデパス・ライン」が走ることでも有名な山村)にて世界各国から才能 豊かな若手音楽家が集まることで知られるフェスティヴァル。「ティエリー・シェルツ賞」は当音楽祭の創設者の一人ティエリー・シェルツへのオマージュとして設 けられました。参加者のうち1名がClavesレーベルからレコーディングの機会を与えられCDリリースできるという副賞がついており、これまでにヴィオラのティ モシー・リダウト(2019年受賞)、チェロのアナスタシヤ・コベキナ(2018年受賞)、ハープのアナイス・ゴドゥマール(2015年受賞)、ピアノのヨゼフ・モーク (2006年受賞)、ハープのエマニュエル・セイソン(2005年受賞)など、現在世界的な演奏者として活躍しているアーティストたちが受賞しています。
1995年フランス生まれのガスパリアンはパリ音楽院でジャック・ルヴィエのクラスに入る前からラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏してきたという逸材。 これまでにアルド・チッコリーニ、ミシェル・ベロフ、ミシェル・ダルベルトなどの世界的ピアニストに師事しております。
ラフマニノフは圧倒的なスケールで展開。どっしりとした打鍵とハッとさせられる旋律の奏で方など、フランス・ピアニズムを継承しつつも自身のルーツに流れる 熱い音楽が存在します。いうまでもなく優れたテクニックの持ち主ですが、その個性はこの演奏をちょっと聴いただけでもわかる唯一無二の解釈です。カップリン グはアルメニアの作曲家ババジャニャンの「英雄のバラード」を収録しました。ババジャニャンらしい民族的語法によるこの作品は魅惑的なピアノの旋律と雄大に広 がるオーケストラがなんともいえない魅力を放ちます。フランスからまた一人、才能豊かなピアニストが世界へと羽ばたきます!
「父は作曲家でピアニスト、母は教師です。父はアルメニアで生まれ14歳のときに祖父母とフランスに渡りました。私は父の影響で幼少のころからロシア音楽に 親しんでおり、リヒテル、ギレリス、ムラヴィンスキーの録音を何度も聴いてきました。オーケストラとの最初の録音にラフマニノフとババジャニャンを選んだのはア ルバム・タイトル通りの「原点回帰」で、私自身のルーツから選曲しました。」(ジャン=ポール・ガスパリアン)

Audite
AU-97802(1CD)
フレンチ・チェロ
ボエルマン:交響的変奏曲 Op.23
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.33
フォーレ:悲歌 Op.24
ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調
サン=サーンス:白鳥
マ ル ク・コッペイ(Vc)
ジョン・ネルソン(指)、
ストラスブールPO、
本田早美花(コンサートマスター)

録音:2021年4月20-23日サル・エラスム、パレ・ド・ラ・ミュジク・エ・デ・コングレ(ストラスブール)
丁寧な音楽づくりと気品に満ちた語り口が魅力のフランスのチェリスト、マルク・コッペイ。近年は独auditeレーベルから積極的なリリースが続いております。 当アルバムは19世紀後半のフランス人作曲家に焦点を当てたチェロとオーケストラのための作品集で、コッペイの故郷ストラスブールのオーケストラ、ストラスブー ルPO、指揮はジョン・ネルソンとの共演です!
「幼少のころからサル・エラスム(エラスムス・ホール)でストラスブールPOの演奏を聴いて育った私にとって、このレパートリーを当 団と一緒に弾けることはこの上ない喜びです」と語るコッペイ。オルガニスト、作曲家のレオン・ボエルマン(1862-1897)のチェロと管弦楽のための交響的 変奏曲にはじまり、フランスのチェロ協奏曲の最重要レパートリー、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番、フォーレの名曲「悲歌」、スペイン情緒も魅力のラロ のチェロ協奏曲、そしてサン=サーンスの「白鳥」という充実のプログラム!コッペイは大切に育んできたこれらの作品に思いを込め雄弁に演奏しております。な お当団のコンサートマスターは本田早美花です。本田は 2016年より当団のコンサートマスターをつとめる傍らソリストとしても活躍。さまざまな「思い出」を美 しく謳い上げたアルバム「Souvenirs〜スーヴェニール」(KKC-056)がレコード芸術特選盤となるなど今注目のヴァイオリニストです。
コッペイはストラスブール生まれ。パリ国立高等音楽院で学んだ後、18 歳で . バッハ国際コンクールにおいて優勝し一躍世界から注目を集めることになり ました。その後のキャリアは華々しく、ソリストとしてはエリアフ・インバル、エマニュエル・クリヴィヌ、アラン・ギルバート、佐渡裕などの指揮者と共演。室 内楽奏者としてのキャリアも充実しており、ミシェル・ベロフ、オーギュスタン・デュメイ、ヴィクトリア・ムローヴァ、エマニュエル・パユなどから厚い信頼を得 ております。またイザイSQ(1995 年から2000 年)のメンバーとして数多くの録音を残しております。現在はパリの国立高等音楽院で教鞭を執るほ か、ザグレブ・ソロイスツ合奏団の芸術監督として活躍の幅をさらに広げております。 (Ki)

Goodies
78CDR-3859(1CDR)
税込定価
パガニーニ(ウィルヘルミ編):ヴァイオリン協奏曲第1番(単一楽章) ラースロ・セントジェルジ(Vn)
クレメンス・シュマルシュティッヒ(指)
ベルリン国立歌劇場O

独 HMV EH418/19
1929年10月録音
ラースロ・セントジェルジ(1910- ?)はハンガリーのヴァイオリニスト。ブダペ スト音楽院でオスカル・ステューデルとイエノ・フバイ(1858-1937)に師事した。 1927年フランクフルトで開催された世界博覧会でブダペストSOのソリスト として登場した。1930年にはイエノ・フバイによって開かれたパリでの演奏会で 輝かしい技巧を披露し大喝采を浴びた。SPレコードには十数枚の録音があるが、 その後の消息は不明。クレメンス・シュマルシュティッヒ(1880-1960)はドイツ の指揮者、作曲家。1927年ドイツのELECTROLA 社の音楽監督を務めたことがあり、 この録音はその時期のもの。(グッディーズ)

BIS
BISSA-2400(1SACD)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲集
(1)ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.22(1868)
(2)「ウェディング・ケーキ」(カプリース・ワルツ)Op.76(1886)
(3)アレグロ・アパショナート 嬰ハ短調 Op.70(1884)
(4)ピアノ協奏曲第1番ニ長調 Op.17(1858)
(5)「オーベルニュ狂詩曲」Op.73(1884)
(6)幻想曲「アフリカ」Op.89(1891)
アレクサンドル・カントロフ(P;Steinway D)
ジャン=ジャック・カントロフ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:(2)(5)2018年1月28日-2月2日、(3)(4)(6)2020年1月13-17日、(1)2021年9月6-8日/タピオラ・コンサートホール(フィンランド)
。2021年11月の来日リサイタルも記憶に新しいアレクサンドル・カントロフ。ブラームスの「4つのバラード」、リストの「ダンテを読 んで-ソナタ風幻想曲」、そしてブラームスの「ピアノ・ソナタ第3番」という重量級プログラムに挑んだ日本初リサイタルでしたが、異次元の集中力と情熱的な 演奏で聴衆を魅了させました。
まさに天才降臨といえるカントロフ!当アルバムはサン=サーンスのピアノとオーケストラのための作品第2集で、ピアノ協奏曲第1番&第2番、「ウェディング・ ケーキ」、「アレグロ・アパショナート」、「オーベルニュ狂詩曲」、そして幻想曲「アフリカ」を収録。共演は父ジャン=ジャック・カントロフ(指)タピオラ・シンフォ ニエッタです!
2 歳でピアノをはじめ、3 歳でかなりのレベルでピアノを弾きこなし、5 歳で作曲をはじめたという神童サン=サーンス。ピアノ協奏曲は生涯 5 つを作曲しました。 いずれもサン=サーンスらしい華麗なテクニックときらめく旋律が魅力です。驚くべき才能の持ち主アレクサンドル・カントロフが母国の天才作曲家の難曲を、余 裕綽々ともいえるテクニックを武器に雄弁な語り口で華麗に歌い上げます!!
1997年生まれのアレクサンドルは父親譲りの音楽的才能の持ち主。16歳のときにはナントおよびワルシャワでのラ・フォルジュルネでシンフォニア・ヴァル ソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露。抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させました。そして、2019 年に開 催された16回チャイコフスキー国際コンクールでフランス人としてはじめて優勝。本選ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を演奏し、有名な第1番を 上回る高度なテクニックを要する難曲をコンクールの場で見事に披露したことでも話題となりました。現在フランスの英雄として全世界から注目される気鋭のピ アニストの活躍が大いに期待されます! (Ki)
BIS
BISSA-2647
(1SACD)
クラリネット協奏曲集
(1)モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
(2)モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
(3)リチャード・バーチャル(1984-):バセット・クラリネット協奏曲“マイケル・コリンズのために”(2020)
マイケル・コリンズ(バセット・クラリネット、(1)指揮)
(1)(3)フィルハーモニアO、
(3)ロビン・オニール(指)
(2)ウィグモア・ソロイスツ【アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn1)、アナベル・メアー(Vn2)、イザベル・ファン・クーレン(Va)、アドリアン・ブレンデル(Vc)】

録音:(1)(3)2021年4月8&9日ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)
(2)2021年8月21日メニューイン・ホール、メニューイン音楽学校(ストーク・ダバノン)
クラリネットの鬼才マイケル・コリンズがモーツァルトのクラリネット協奏曲とクラリネット五重奏曲を録音!カップリングはイギリスの 作曲家リチャード・バーチャルの協奏曲です。
モーツァルトは当時の名手アントン・シュタードラー(1753-1812)のために、バーチャルはコリンズのために作曲。それぞれ名手のために捧げられた曲を組 み合わせた注目作です。楽器は全曲バセット・クラリネットを用いて演奏しております。この楽器はA管クラリネットよりも4つの低音(Es、D、Des、C)ま での音域を出せるのが特徴。バセット・ホルンの名手だったシュタードラーが同じ音域を出せるバセット・クラリネットを演奏したことで名曲が誕生しました。
クラリネット五重奏曲はコリンズ、イザベル・ファン・クーレンが中心となり2020年に結成した可変アンサンブル「ウィグモア・ソロイスツ」が演奏しております。 当演奏ではイザベル・ファン・クーレンがヴィオラを、アレクサンドル・シトコヴェツキーが第 1ヴァイオリンを、アルフレート・ブレンデルの息子アドリアンがチェ ロを務めるなど、名手が揃ったアンサンブルの演奏でお楽しみいただけます。
1984年生まれのリチャード・バーチャルはケンブリッジ大学とギルドホール音楽演劇学校で学んだ音楽家。2010年までPOのチェリ ストとして活躍し、現在は作曲家、編曲家としての活動を中心に多彩なキャリアを築いており、チェロ協奏曲「ラビリンス」、語りとチェロ八重奏のための「不思 議の国のアリス」などで評価されております。
バセット・クラリネットと管弦楽のための協奏曲はコリンズに捧げた2020年の作品。3楽章構成(I. Metamorphosis/II. Still Life/III. Impossible Construction)、演奏時間約20分のこの作品は非常にドラマティックに展開し、バセット・クラリネットとオーケストラとの絡みがなんとも魅 力的です。当楽器にしか出せない音域が随所に現れ、コリンズが情感豊かに演奏いたします。 (Ki)

DOREMI
DHR-8161(2CD)
ルドルフ・ゼルキンLIVE 第1集
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
(2)ブラームス:アノ協奏曲第2番
(3)ブラームス:4つのピアノ小品 Op.119
(4)シューベルト:さすらい人幻想曲
ルドルフ・ゼルキン(P)
(1)ジョージ・セル(指)クリーヴランドO
(2)レナード・バーンスタイン(指)NYO、
  ローン・マンロー(Vc独奏)

ライヴ録音:(1)1968年4月18日セヴェランス・ホール
(2)1966年1月25日リンカーンセンター、フィルハーモニックホール
(3)(4)1974年トロント、マッセイホール
ルドルフ・ゼルキンの貴重ライヴ音源。レーベルからのデータによれば、ブラームスの協奏曲1番は同じセル&クリーヴランドとのSONY録音の前日。第2番は セルとのSONY録音の数日後でバーンスタイン&ニューヨーク・フィルとの共演という音源。74年のトロント・リサイタルも珍しく「さすらい人」は超貴重。

Pentatone
PTC-5186973(1CD)
『フロー』
モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
ヘンデリクス:協奏曲『経典(SUTRA)』〜(バセット)クラリネット、オーケストラとエレクトロニクスのための【世界初録音】*
アン ネリエン・ヴァン・ヴァウヴェ(バセット・クラリネット)
アンドルー・マンゼ(指)
ハノーファー北ドイツ放送PO

録音:2021年4月13&14日、2021年11月16-18日*/ NDRハノーファー、放送局スタジオ大ホール
ベルギー期待のクラリネット奏者アンネリエン・ヴァン・ヴァウヴェ、PENTATONEレーベル第2弾『フロー』はモーツァルトとヴィム・ヘンデリクス(1962-) のクラリネット協奏曲集です!
ザビーネ・マイヤー、ヴェンツェル・フックス、アレッサンドロ・カルボナーレ、パスカル・モラゲスといった錚々たるクラリネット奏者に師事してきたヴァウヴェは 2012年、最難関のコンクールとして知られるミュンヘン国際音楽コンクールで優勝した逸材。2017年夏のプロムスのデビュー後、2018年にはロイヤル・アル バート・ホールやカドガン・ホールにてトーマス・ダウスゴー(指)BBCスコティッシュSOとの共演でモーツァルトのクラリネット協奏曲を披露するなどヨー ロッパ中心に活躍の場を拡げております。PENTATONEレーベルからのデビュー盤『ベル・エポック』(PTC-5186808)では感性豊かな演奏で高く評価され ました。
アルバム・タイトルの『フロー(Flow)』はヴァウヴェが愛する「ヨガ」からインスピレーションを得て構想。ヘンデリクスに委嘱しクラリネット協奏曲『経典 (SUTRA)』の世界初録音が実現しました。
アントワープを拠点に活動を続けるベルギーの作曲家ヘンデリクス。電子楽器(エレクトロニクス)を多用することでも知られ、Antarcticaレーベルからリリース されているソプラノ独唱、5パートの女声合唱、アンサンブル、エレクトロニクスのための作品『Revelations(天啓)』(ANTAR-025)などでも知られます。作 風はインスピレーションを与えるヒーリング・ミュージックのようで、管弦楽に寄り添う形でエレクトロニクスが加わっているのが特徴です。協奏曲『経典』はヨガの 呼吸、哲学、瞑想に基づいた4楽章構成の作品。即興性も交えつつ、バセット・クラリネットにしか出せない音域を生かしたメロディが魅力です
楽器は全曲バセット・クラリネットを用いて演奏しております。この楽器はA管クラリネットよりも4つの低音(Es、D、Des、C)までの音域を出せるのが特徴。 モーツァルトはバセット・ホルンの名手だったシュタードラーが同じ音域を出せるバセット・クラリネットを演奏したことでこの作品を彼のために書きました。近年当 楽器での演奏、録音も増えておりますが、ヴァウヴェの卓越した演奏は聴き逃せません!アンドルー・マンゼ率いるハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦 楽団がバックを務めていることも非常に注目です。 (Ki)

Solo Musica
SM-394(1CD)
NX-B03
アルベーナ・ペトロヴィチ:サクソフォンのための音楽
バリトン・サクソフォンのための協奏曲 Op. 204(2018)
ポエム-マスク Op. 236(2021)
夢の恋人 Op. 189(2017)
2つの小品(2018)
Gebet zum Nichterscheinen Op.102(2006)
ジョアン=マルティ・フラスキエ(バリトン・サクソフォン,サクソフォン/アルト・サクソフォン)
ロマン・ノスバウム(P)
シンシア・ノック(ヴォーカル)
ケビヤール・エンサンブレ

録音:2021年10月20-22日
ブルガリア出身、ルクセンブルクで活躍する作曲家アルベーナ・ペトロヴィチのサクソフォンのための作品から、ソロと 室内楽アレンジを集めたコンセプト・アルバム。ここにはピアノ伴奏にアレンジされた協奏曲をはじめ、このアルバム のために書かれたという仮面や化粧に隠された内面を探る連作歌曲「ポエム-マスク」、そしてアルバム・タイトルで もある孤独と孤立をテーマにした「夢の恋人」、歌劇「Love & Jealousy」の序曲として書かれた「2つの小品」が 収録されており、どれもバリトン・サクソフォンのスペシャリストであるジョアン・マルティ=フラスキエのために書かれて います。楽器の持つ音色の豊かさ、優れた柔軟性を活かした演奏をお楽しみください。 また、最後に置かれた2006年から2007年の作品「Gebet zum Nichterscheinen」はサクソフォン四重奏の ための曲。バリトン・サクソフォンがソロを担当し、強い存在感を発揮します。この作品は出版されなかったため、初 演後は忘れられてしまいましたが、このアルバムでケビヤール・エンサンブレが採り上げたことで再度注目を集めるこ とでしょう。

Linn
CKD-680(1CD)
NX-B09
モーツァルト:ファゴット協奏曲 変ロ長調 K. 191
ファゴットとチェロ(低音部)のためのソナタ 変ロ長調 K. 292 *
セレナード 第12番ハ短調 「ナハトムジーク」 K. 388 **
ピーター・ウィラン(Fg)
使用楽器:ペーテル・デ・コニング2004年製作、J.H.グレンザーのモデルによる再現楽器
アンサンブル・マルシュアス(古楽器使用)
クリスティアン・ベザイテンホウト(フォルテピアノ)
エマニュエル・ラポルト、ロドリーゴ・グティエレス(Ob)
ニコラ・ボウド、キャサリン・スペンサー(Cl)
アレック・フランク=ジェミル、ジョゼフ・ウォルターズ(Hrn)
ピーター・ウィラン、ジュリアン・ドボルド(Fg)
クリスティーネ・シュティヒャー(Cb)

録音:2021年5月31日 サフロン・ホール、サフロン・ウォールデン(イングランド南東部エセックス州)、2014年7月4日 聖モナン教会、イースト・ニューク、スコットランド、2019年6月27日 ノース・リース教区教会、エディンバラ、スコットランド
* 音源初出…CKD546
** 音源初出…CKD654
ヨーロッパ各地の一流古楽器オーケストラのメンバーでありながら、ソリストとしても注目すべき活躍を続ける一流管楽器プレイヤーが集うアン サンブル・マルシュアス。その創設メンバーの一人で芸術監督でもあるピーター・ウィランは、近年モーツァルトがファゴットのために作曲した音楽 とじっくり向き合い、数年おきに瑞々しい新録音をリリースし続けてきました。今回はアンサンブルに弦楽器も加え、ついにモーツァルトの傑作 協奏曲を録音。ザルツブルクの楽器注文歴や同時代の史料に見る証言などから多角的な検証を経て、作曲家が知っていたであろうドレス デンのグレンザー・モデルを再現した楽器で味わい豊かな解釈を伝えます。さらに既存の録音盤から、管楽合奏にしては珍しい短調によるセ レナードK. 388と、チェロで演奏されることの多い低音部を通奏低音のように鍵盤(フォルテピアノ)で解釈した珍しい二重奏ソナタK. 292も 収録。モーツァルトがファゴットという楽器を通じてどんな音を紡いだか、多角的に聴き深められる構成になっているのも嬉しいポイントと言える でしょう。

BR KLASSIK
BR-900202(1CD)
NX-B05
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番*
交響曲第9番 変ホ長調 Op. 70
イェフィム・ブロンフマン(P)*
ハンネス・ロイビン(Tp)*
バイエルンRSO
マリス・ヤンソンス(指)

録音:2012年10月15-19日ミュンヘン、ヘルクレスザール(ライヴ)*
2011年3月21日ウィーン、ムジークフェラインザール(ライヴ)
2021年に発売された『マリス・ヤンソンス・エディション』(900200)からの分売。 「ショスタコーヴィチの音楽に心を奪われ、心の一番奥深いところまで揺さぶられる人が世界中で増えています。ショスタコーヴィチの音楽は独特だ。それ は政治がもたらした痛ましい時代の証言であると同時に、人間存在にかかわる根本的な感覚と経験が生み出す、時代を越えた表現となっています。 私にとっては特に。」と語った名指揮者マリス・ヤンソンス。 このアルバムには2011年と2012年に開催されたコンサートから、2曲のショスタコーヴィチ作品のライヴ録音が収録されています。 ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」は、正式には「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲」といい、トランペットにもソリストとしてのテク ニックが要求される作品。ショスタコーヴィチは、歌劇「ムツェンスクのマクベス夫人」の完成からわずか数週間後の1933年夏にこの作品を書き上げて おり、26歳の若き作曲家の計り知れないほどの優れた才能が存分に感じられる逸品です。ピアノを卓越した技巧で知られるイェフィム・ブロンフマン、ト ランペットをNDRエルプ・フィル(旧名称ハンブルク北ドイツRSO)の首席奏者を務め、現在もソリストとして活躍するベテラン、ハンネス・ロイビ ンが演奏、さまざまな風刺や引用なども含め、ヤンソンスの機敏な指揮が全体をまとめています。 交響曲第9番は1945年11月3日にエフゲニー・ムラヴィンスキー(指)レニングラード・フィルハーモニーSOによって初演された「戦争三部作」 の最後の作品。勝利の交響曲と期待されましたが、実際には風刺と皮肉に満ちており、この軽妙な作品はベートーヴェンの第九のような作品を求め ていた政府関係者の意向に沿うことはありませんでした。ヤンソンスは機知と皮肉に満ちたこの作品をスタイリッシュに仕上げています。

Da Vinci Classics
C-00527(1CD)
ダヴィド・フォンタネージ(b.1969):4つの金管楽器のための協奏曲集
B♭管トランペット,弦楽とパーカッションのための協奏曲
トロンボーン,弦楽とパーカッションのための協奏曲
F管ホルン,弦楽とパーカッションのための協奏曲
テューバ,弦楽とパーカッションのための協奏曲
マルコ・ピエロボン(Tp)、
ジャンルカ・スキピオ-ニ(Tb)、
ニロ・カラクリスティ(Hrn)、
ステファノ・アンマンナーティ(テューバ)、
イ・ヴィルトゥオージ・イタリアーニ、
アルベルト・マルティーニ(指)

録音:2021年2月28日-3月3日、テアトロ・リスト―リ(ヴェローナ、イタリア)
パドヴァ大学で中世哲学の歴史を学んだ経歴を持つイタリアの作曲家、ダヴィド・フォンタネージによる4種類の金管楽器(トランペット、トロンボーン、ホルン、テューバ)のための協奏曲集。
ソリストを務めるのは、ミラノ・スカラ座POをはじめとする世界の名立たるオーケストラで活躍する一流奏者たちによって、1999年に結成された金管五重奏団、「ゴマラン・ブラス」のメンバーたち。巨匠ズービン・メータからも絶賛された、イタリア・ブラス界を代表する名手達の磨き上げられたテクニックと溢れ出る素晴らしい音楽性は、金管楽器関係者は勿論のこと、管楽器ファン注目のアルバムです。

fra bernardo
FB-2271745(1CD)
ドン・アントニオ〜ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲集
フラウティーノ協奏曲ハ長調 RV.443/室内協奏曲ト短調 RV.107(リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、ファゴット、通奏低音)/室内協奏曲ト長調 RV.101(リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、ファゴット、通奏低音)/フルート協奏曲ト短調 RV.439 「夜」/室内協奏曲ト短調 RV.103(リコーダー、オーボエ、ファゴット)/フルート協奏曲ニ長調 RV.428 「ごしきひわ」
ミヒャエル・オマン(リコーダー、ディレクター)、アマンディーヌ・ベイエ(バロック・ヴァイオリン)、パオロ・グラッツィ(バロック・オーボエ)、アルベルト・グラッツィ(バロック・ファゴット)、オーストリアン・バロック・カンパニー
オーストリアのバロック・リコーダー奏者兼ディレクター、ミヒャエル・オマンが2001年に設立したバロック・アンサンブル、オーストリアン・バロック・カンパニー(ABC)。マッテイスやヘンデル、パーセル等様々な17世紀〜18世紀イギリスの作品を集めて高い評価を得た「ロンドンの呼び声」(FB2001111)に続く、Fra Bernardoレーベルからのリリース第2弾は、ミヒャエル・オマンの華麗な技巧が存分に発揮されたヴィヴァルディの協奏曲集!
赤毛の司祭がヴェネツィアのピエタ院の優れた孤児の少女たちのために書いた夥しい数の協奏曲から、有名な「夜(ラ・ノッテ)」や「ごしきひわ(イル・ガルデリーノ)」を含む、6つのソロ協奏曲、室内協奏曲をセレクト。バーゼル・スコラ・カントルムでキアラ・バンキーニに学んだフランス古楽界の新世代を代表するバロック・ヴァイオリン奏者、アマンディーヌ・ベイエを始め、ヴェニス・バロック・オーケストラのチェロ奏者(創設メンバー)として活躍したフランチェスコ・ガッリジョーニ、アルフレード・ベルナルディーニとともにアンサンブル・ゼフィロを創設したパオロ&アルベルト・グラッツィ兄弟など、古楽器の精鋭たちと追究する"ドン・アントニオ"・ヴィヴァルディの鮮烈な協奏曲をどうぞ。

DUX
DUX-1805(1CD)
フルーティッシマ〜協奏曲集
ベンダ:フルート協奏曲ホ短調(カデンツァ:ミラン・ムンツリンゲル)
メルカダンテ:フルート協奏曲ホ短調(カデンツァ:シルヴィア・クビアク=ドゥブロフスカ)
シルヴィア・クビアク=ドゥブロフスカ(Fl)、
ウカシュ・ヴォヤコフスキ(指)、
シンフォニア・ノーヴァ・オーケストラ

録音:ヘンリク・デビク・コンサート・スタジオ(ヘンリク・デビク、ポーランド)
世界初録音を含む珍しいフルート作品を取り上げる「フルーティッシマ」シリーズの第1弾。
フランツ・ベンダ(1709-1786)の「フルート協奏曲」は歌からインスピレーションを得て作曲され、C.P.E.バッハの作風を連想させる作品であり、後のロマン派の作品に影響を与えたとされています。
60曲近いオペラを作曲したサヴェリオ・メルカダンテが1814年に作曲した「フルート協奏曲」は、色彩と感情の面で非常に変化に富んだ知られざる秀作です。
シルヴィア・クビアク=ドゥブロフスカはランパルの指導も受けたポーランドの女流フルート奏者。シチェチン城の歌劇場Oやシンフォニア・ノーヴァ・オーケストラでソリストを務めるなどポーランド内外で活躍中の若手奏者です。

Phil.harmonie
PHIL-06017(1CD)
【初紹介旧譜】
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番&第19番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 KV 271
ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 KV 459
クララ・ハスキル(P)、
カール・シューリヒト(指)
シュトゥットガルトRSO

録音:1952年、1956年
1895年にブカレストで生まれたクララ・ハスキルは、9歳で最初のコンサートを行い、すぐに世間の注目を集めました。その後パリ音楽院で学び、14歳で「最優秀賞」を受賞し卒業しました。1950年代に入ると、彼女の人気はヨーロッパで絶大なものになり、特にモーツァルトの演奏では絶対的な評価を得ています。シューリヒトとのモーツァルトは特に定評が高く、このアルバムに収録された第9番と第19番も現在の演奏と比べても色あせることはありません。当代きってのモーツァルト弾きによる不朽の名演をご堪能ください。

RUBICON
RCD-1081(1CD)
シンディング&メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
シンディング:ヴァイオリン協奏曲第1番イ長調 Op.45、
 ロマンス ニ長調 Op.100
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
レア・ビリンガー(Vn)、
ヘルマン・ボイマー(指)ホーフSO
ピアニストのエスター・ビリンガーとともに姉妹デュオ(デュオ・ビリンガー)としても華々しい活躍を見せるドイツ期待のヴァイオリニスト、レア・ビリンガーが、Rubicon(ルビコン)より初のコンチェルト・アルバムをリリース!ピアノ曲「春のささやき」で有名なクリスティアン・シンディングは、グリーグ以降のノルウェーを代表する作曲家。交響曲は4曲あり、ノルウェーのシンフォニストとしても重要です。もともとヴァイオリニストを志していたこともあり、ヴァイオリンのための協奏的な作品は、3つのヴァイオリン協奏曲のほか「ロマンス」「伝説」「夕べの風景」など、彼の管弦楽作品の中で大きな割合を占めています。

1898年に作曲された「ヴァイオリン協奏曲第1番」は、当時は大成功を収めつつも、その後レパートリーから消えてしまった作品で、録音も多くはありません。ソリストを引きたたせるよう巧妙に構成され、印象的な旋律に溢れ、管弦楽の扱いも見事な本作は、もっと多くの人に知られてよいはずです。1910年にハープを含む管弦楽とヴァイオリンのための作曲された「ロマンス」も、ブルッフやドヴォルザークの作品に似た、優しくてロマンチックな楽想が素晴らしい作品。メンデルスゾーンの傑作と合わせてお楽しみください。

14歳の時にベルリンのフィルハーモニーでのソロ・デビューを飾り、国際的なキャリアをスタートしたヴァイオリニストのレア・ビリンガーは、ザルツブルク音楽祭やMDRムジークゾマー(MDR音楽の夏)、ダヴォス国際音楽祭など世界各地の国際音楽祭で活躍。2008年にはブラームス国際コンクールで最高位を受賞しています。

Goodies
78CDR-3858(1CDR)
税込定価
モーツァルト:ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
グラズノフ:夢 作品24
オーブリー・ブレイン(Hrn)
ジョゼフ・バッテン(指)
ロイヤルSO(モーツァルト)
マリオン・ブレイン(P)(グラズノフ)

英 EDISON BELL X508/9
1926年頃録音
オーブリー・ブレイン(1893-1955)は20世紀前半に活躍したイギリスの名ホル ン奏者、デニス・ブレイン(1921-1957)の父親。1911年王立アカデミーで奨学 金を受け、同年新SOの首席奏者に就任。翌1912年には大指揮者アルトゥ ール・ニキシュ指揮ロンドンSOの北米楽旅に参加した。1923年から母校 の王立アカデミーでホルンを教えはじめた。その生徒の一人が息子のデニス・ ブレインだった。指揮者のジョゼフ・バッテン(1885-1955)は初期の英国レコ ード界で活躍した人物。音楽はほぼ独学。蝋管レコード時代から活躍し、1914 年EDISON BELL社に入り、後に英国COLUMBIAに移った。レコード会社専属のハ ウス・コンダクターの一人だった。ピアノのマリオン・ブレインはオーブリ ー・ブレイン夫人。デニス・ブレインの演奏するモーツァルト:ホルン協奏曲 第2番&第4番はこのシリーズで78CDR-3291、オーブリー・ブレインの演奏する ホルン協奏曲第3番は78CDR-3272が出ています。(グッディーズ)

Lyrita
SRCD.405(1CDR)
エレノア・アルベルガ(b.1949):ヴァイオリン協奏曲集
:ヴァイオリン協奏曲第2番「水仙」(2020)#
ザ・ソウルズ・エクスプレッション(バリトンと弦楽オーケストラのための)(2017)*
ヴァイオリン協奏曲第1番(2001)#
BBCウェールズ・ナショナルO、
トーマス・ボウズ(Vn)#、
モーガン・パース(Br)*、
ジョセフ・スウェンセン(指)

録音:2021年2月19日-21日、ホディノット・ホール(イギリス)
1949年ジャマイカのキングストン生まれの作曲家、エレノア・アルベルガは幼い頃から音楽に興味を示し、クラシック音楽のコンサートに通うのと同時に、ラジオで放送されるフォーク・ソング、ジャズそしてジャマイカのポップスなど多種多様な音楽を吸収していきました。その後学生時代はロンドンの王立音楽院で歌とピアノを学びました。1978年にはロンドン・コンテンポラリー・ダンス・シアターにピアニストとして参加していました。彼女の作品にはその両方の面が活かされており「調性とリズムにはカリブ海の影響があり、その他はヨーロッパの現代音楽の影響がある」と話しています。※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

DUX
DUX-1690(1CD)
モーツァルト:交響曲&二重奏曲集
協奏交響曲変ホ長調 K.364(Vc・パート編曲:マルチン・ズドゥニク)
二重奏曲第1番ト長調 K.423(Vc・パート編曲:マルチン・ズドゥニク)
交響曲第29番イ長調 K.201
マルチン・ズドゥニク(Vc)、
カロリナ・ノヴォトチンスカ(Vn)、
エルブロンク室内O、
マレク・モシュ(指)

録音:2020年10月3日-4日&2021年1月8日-10日、カジミエージュ・ヴィウコミルスキ国立音楽院コンサート・ホール(エルブロンク、ポーランド)
第6回ルトスワフスキ国際チェロ・コンクールでグランプリを受賞した実績を持ち、ポーランドの次代の牽引するチェリストの筆頭格として大きな注目を集めている1987年生まれの名手マルチン・ズドゥニクと、第17回大阪国際室内楽コンクール特別賞(文部科学大臣賞)の受賞歴を持ち、2013年からはエルブロンク室内Oのリーダー、2019年からはディレクターを務めている才女カロリナ・ノヴォトチンスカが大活躍するモーツァルト・プログラム!
「協奏交響曲」と「二重奏曲第1番」ではヴィオラ・パートをズドゥニクがチェロ・パートへと編曲。オリジナルとは一味違った味わい深い響きを披露してくれています。

Signum Classics
SIGCD-580(1CD)
ガニング:協奏曲集
フルートとスモール・オーケストラのためのコンチェルティーノ
クラリネットと弦楽オーケストラのための協奏曲
ギター協奏曲 「マヨルカの思い出」
クレイグ・オグデン(G)、
マイケル・ホワイト(Cl)、
キャスリン・ハンドリー(Fl)、
クリストファー・ガニング(指)ロイヤルPO

録音:2011年6月&2012年5月、イギリス
「名探偵ポワロ」の音楽など、映画やテレビの音楽の作曲者として有名なイギリスの人気作曲家、クリストファー・ガニング(1944-)がロイヤル・フィルと贈る自作自演シリーズより、2011〜2012年に録音された3つの協奏曲集アルバムがSignum Classicsより登場!
イギリスの名手クレイグ・オグデンが弾く、休日にインスピレーションを得た「ギター協奏曲」。RPO首席奏者のマイケル・ホワイトが吹く、抒情的で優雅な「クラリネット協奏曲」。イギリスSOのキャスリン・ハンドリーが華麗に舞う気楽な「フルート小協奏曲」など、実力者たちの技巧や特徴が見事に引き出された3つのコンチェルト。
映画&テレビの音楽の作曲家として名を馳せるクリストファー・ガニングの"クラシックの作曲家"としての手腕。ラッブラやR.R.ベネットから学んだ作曲法はホンモノです。

ONDINE
ODE-1400(1CD)
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op. 25
ピアノ協奏曲第2番ニ短調 Op. 40
華麗なカプリッチョ ロ短調 Op. 22
ラルス・フォークト(P&指)パリ室内O

録音:2021年11月2-5日
2020年7月にパリ室内Oの音楽監督に就任したラルス・フォークト。これまでにもロイヤル・ノーザン・シンフォニアを弾き振りし、ブラームスの2 つのピアノ協奏曲とベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲、三重協奏曲で素晴らしい演奏を披露してきましたが、今作でのパリ室内Oとのアル バムでは、メンデルスゾーンのピアノ協奏曲を弾き振りしました。収録曲はメンデルスゾーン22歳の時に書かれた、冒頭の激しいパッセージが印象的な 第1番、28歳の作品でバーミンガムで初演された第2番。ともにメンデルスゾーンらしい優雅な旋律と、技巧的なパッセージが多用されたピアノ・パート と、力強いオーケストラ・パートが特徴。フォークトは双方を手堅くまとめ、一体感を生み出すことに成功しています。添えられた「華麗なカプリッチョ ロ 短調」は1825年の作品。ゆったりとしたピアノの独奏に先導され、オーケストラが巧みな伴奏を付けていきますが、突然激しい曲調に変わるなど、カ プリッチョ(奇想曲)のタイトルにふさわしい華やかな作品です。フォークトが奏する目の覚めるようなパッセージに耳を奪われることでしょう。フォークトに とっても新しい世界の開拓となる記念碑的な1枚です。

ORFEO
C-220011(1CD)
NX-B08

NYCX-10281(1CD)
日本語訳付国内盤
税込定価
トランペットとピアノのための協奏曲集
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番ハ短調 Op. 35
ヴァインベルク:トランペット協奏曲 変ロ長調 Op. 94(1966-67)
ジョリヴェ:トランペット、ピアノと弦楽のためのコンチェルティーノ
ラフマニノフ:歌うなかれ、美しい人よ Op. 4 No. 4(トランペットとピアノ編)
セリーナ・オット(Tp)
マリア・ラドゥトゥ(P)
ウィーンRSO
ディルク・カフタン(指)

録音:2020年11月26-29日
2018年「ミュンヘン国際音楽コンクール」トランペット部門の覇者、セリーナ・オットの3枚目のアルバム。オーケス トラをバックに超絶技巧と溢れる歌心を披露したデビューアルバムは2021年の「OPUS KLASSIK」賞を獲得し た彼女、今作では近現代の3作品を伸びやかに演奏しています。ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」は、 正式には「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲」といい、トランペットにもソリストとしてのテクニックが求 められ、ショスタコーヴィチ自身や他の作曲家、民謡まで様々な作品から引用された旋律を演奏して作品にシニ カルかつコミカルな味わいをもたらします。ジョリヴェのコンチェルティーノはノリの良いリズムが印象的なジャズのテイ ストが感じられる10分程度の作品。ここでもトランペットはコミカルな旋律を吹き、ピアノとオーケストラの対話に割 り込んできます。ピアノを演奏するのはオーストリア=ルーマニア出身のマリア・ ラドゥトゥ。クラシック音楽と現代美 術のコラボに熱心に取り組み、エキサイティングなコンサートを開催する気鋭の演奏家です。ヴァインベルクの協奏 曲にはピアノは登場せず、ショスタコーヴィチに通じる音楽世界をトランペットの妙技で聞かせます。3曲を通じてド イツの指揮者ディルク・カフタンが巧みな指揮でサポート。アルバム末尾にアンコールのように置かれたラフマニノフ ではピアノとのデュオで歌心を存分に聞かせます。 *国内仕様盤には増田良介氏の日本語解説が付属します。

Altus
ALT-503(1CD)
INA秘蔵音源・ハスキル&クリュイタンス
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
クララ・ハスキル(P)
アンドレ・クリュイタンス(指)
フランス国立放送O

録音:1955年12月8日(モノラル・ライヴ)
INA(フランス国立視聴覚研究所)所有音源をライセンスしてALTUS入魂のマスタリングでCD化。クリュイタンス&フランス国立放送管とクララ・ハスキルに よって同日に演奏された協奏曲2題。長らく入手困難だった音源だけに嬉しい発売です。
1曲目はモーツァルト。クリュイタンスの伴奏は激情と熱気がありながらも品格を損なわず、壮麗なハ短調の音響を打ち立てます。ハスキルは深みのある音色で 美しく飛翔、その豊かな表現はどれも確固たる意志に裏打ちされたもので、実に論理的に音楽が展開されていきます。香り立つ木管とのアンサンブルも絶品です。 2曲目ベートーヴェンも同様の特徴が挙げられますが、古典様式が拡大されていく楽曲のため更に自由な広がりと大胆さがプラスされます。それでいて芯のある高 貴さに貫かれており、まさにこのコンビにしか成しえない堂々たる演奏となっています。
◆〈ハスキルの高貴で透明な音色が、ざわついた心をさっと静めてくれるような魅力に溢れている〉〈クリュイタンスの素晴らしい伴奏―悲劇的な響きと貴族的な色 彩の万全なバランス―ともあいまった、有機的なコラボレーションも忘れがたい〉〜平林直哉氏の解説より

DOREMI
DHR-8158(2CD)
レオン・フライシャーLIVE 第1集
ブラームスの協奏曲
(1)ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(2)ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
モーツァルトの協奏曲
(3)ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(4)ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
レオン・フライシャー(P)
(1)82ピエール・モントゥー(指)ボストンSO
(3)フレデリック・ワルトマン(指)ムジカ・エテルナO
(4)ジョージ・セル(指)ベルリンPO


ライヴ録音:(1)1958年7月20日タングルウッド
(2)1962年8月11日タングルウッド
(3)1964年11月22日ニューヨーク
(4)1957年8月3日ザルツブルク音楽祭
アメリカの名ピアニスト、レオン・フライシャー(1928-2020)の貴重ライヴ音源集。お得意のブラームスはモントゥー指揮。しばらく入手難だった1番と、おそ らく初CD化と思われる2番を収録。モーツァルト23番で伴奏を務めるフレデリック・ワルトマンはセルに指揮を学び、アメリカで自らの室内オーケストラ「ムジカ・ エテルナ」を結成した指揮者です。 (Ki)

CPO
CPO-555403(1CD)
NX-B10
アウグスト・エベルハルト・ミュラー(1767-1817): フルート協奏曲集 第2集
フルート協奏曲第5番ホ短調 Op. 19
フルート協奏曲第7番ニ短調 Op. 22
フルート協奏曲第8番ヘ長調 Op. 24
タチアーナ・ルーラント(Fl)
南西ドイツ・プフォルツハイム室内O
ティーモ・ハンドシュ(指)

録音:2020年10月28-31日
ドイツ、ノルトハイムでオルガニストの父のもとに生まれたミュラー。8歳でオルガンの公開演奏を行い、多くの 同時代の先人たちの薫陶を受けながら、マグデブルク、ライプツィヒ他、各地のオルガニストを務めました。演 奏者としてはバッハ作品を得意としていましたが、作品はドイツ古典派の様式に則った端正で美しいも のばかりです。 フルート協奏曲は11曲遺されており、モーツァルトやハイドンを思わせる巧みな筆致で描かれています。とり わけ第7番にはティンパニとトランペットが用いられるなど、音色も多彩です。 第1集に引き続きフルートを演奏するルーラントは「Opus Classic2018」賞を受賞した"フルートのパガ ニーニ"と称される名手。伸びやかな音色が持ち味です。

Channel Classics
CCS-41222(1CD)
『オランダ人の秘密の宝石』 〜20世紀オランダのヴィオラ作品
ヘンク・バディングス:ヴィオラ協奏曲
アルネ・ヴェークマン(1960-):パヴァーヌ 〜ヴィオラと弦楽合奏のための
ヤン・クーツィール(1911-2006):ヴィオラ協奏曲
バディングス:ヴィオラ・ソナタ
ヘンリエッテ・ボスマンス(1895-1952):アリエッタ - ラルゴ
ダナ・ゼムツォフ(Va)
アンナ・フェドロヴァ(P)
フィオンO(ヘルダーラント&オーファーアイセル)
シズオ・Z・クワハラ(指)

録音:2021年3月エンスヘデ音楽センター&ヒルフェルスムMCO、オランダ
メキシコ・シティ生まれ、アメリカで活躍するヴィオラ奏者ダナ・ゼムツォフの、CHANNEL CLASSICSからのアルバム第 5弾。20世紀オランダ生まれのヴィオラ作品を集めています。前回同様アンナ・フェドロヴァとの共演のほか、やはりアメ リカで活躍している日本出身の指揮者シズオ・Z・クワハラとの共演も興味深いところ。張り詰めた緊張感から伸びや かな歌まで、ヴィオラの持つ表現力の幅広さを存分に味わうことが出来るアルバムです。

Coviello
COV-92201(1CD)
出発 〜モーツァルト作品集
歌劇『ルーチョ・シッラ』 序曲 K.135
ピアノ協奏曲第9番変ホ長調『ジュナミ』 K.271
交響曲第34番ハ長調 K.338
ヴァスコ・ダンタス(P)
ダ グラス・ボ ストック(指)
プフォルツハイム南西ドイツ室内O

録音:2021年
「出発」と題されたモーツァルトの作品集。父と共に3度イタリアを訪れ音楽修行を重ねたモーツァルト、最後の旅行中にミラノで発表した『ルーチョ・シッラ』は イタリア体験に一区切りつけた作品です。また『ジュナミ』と交響曲第34番は、モーツァルトが生涯かけて書き連ねたふたつの重要ジャンルにおける、故郷ザルツ ブルク時代の最後の作品で、この後モーツァルトはウィーンに定住し、最後の10年間を過ごします。このように関連付けて聴いてみると、明るく希望に満ちた3曲 の中に、新しい地平へ進みゆく予感まで香ってくるから不思議です。
イギリスの名指揮者ボストックのあたたかくもきびきびした指揮ぶりが音楽の魅力をより高めています。ポルトガルの俊英ピアニスト、ヴァスコ・ダンタスのみず みずしく煌びやかな音色にも注目。 (Ki)

Naive
V-7422[NA]
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
ハバネラ Op.83
ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調 Op.61
ヴァイオリン協奏曲第1番イ長調 Op.20
ロマンス Op.48
「あなたの声にわが心は開く」〜歌劇『サムソンとデリラ』より(ヘルツォーク編曲によるヴァイオリン、ヴィオラとオーケストラ版)
チョ・ジンジョ(Vn)、
マテュー・ヘルツォーク(指)
アパッショナ ート( オーケストラ)
カロリーヌ・ドニン(Va)

ン録音:2021年3月8-10日/RIFFXスタジオ、ブローニュ=ビヤンクール(フランス)
現代の韓国ヴァイオリン界を担うチョ・ジンジョがオール・サン=サーンス・プログラムのCDをリリース。録音は歿後100周年となった2021年です!
「光と輝きに満ちたメロディとリズミカルな技巧的パッセージとの対比が好きなのです」と語るチョ・ジンジョ。記念すべき年に並々ならぬ思いをこめて録音に 挑みました。
チョは第5回モントリオール国際音楽コンクール第1位(2006年)、第9回インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクール 第1位(2014年)など、世界的 なコンクールでの華々しい受賞歴を誇ります。
これまでにクリーヴランドO、モントリオールSO、ドイツ放送PO、ソウル・フィルハーモニックなどのオーケストラと共演。ま たジェイムズ・ガフィガン、マイケル・スターン、ケント・ナガノ、ハイメ・ラレード、マテュー・ヘルツォークなど、世界の名だたる指揮者とも共演しています。
圧倒的な技巧と情感豊かな表現力を持ち合わせるチョとサン=サーンスの音楽は完全にマッチし、そのダイナミックな演奏には感動せずにはいられません。マ テュー・ヘルツォーク(指)アパッショナートとの共演で充実のアルバムが完成しました。 (Ki)

MIRARE
MIR-590(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調K.449
ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調K.382
ピアノ協奏曲第12番イ長調K.414
セリム・マザリ(P)
ポール・メイエ(指)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O(マンハイム・チェンバー・オーケストラ)

録音:2021年3月16-19日/マンハイム・エピファニー教会
1992年生まれのセリム・マザリ、ベートーヴェンの変奏曲CD(MIR488)で注目された彼の最新盤はモーツァルトの協奏曲。パリ音楽院でエンゲラーに師事し、 2012年にエンゲラー没後はクレール・デゼールからさらなる研鑽を積みました。その後ロンドン王立音楽大学でアレクセーエフにも学んでいます。古典派作品に 熱意を示す彼だけに、モーツァルトはうってつけの選曲と申せましょう。
バックを務めるのは名クラリネット奏者でもあるポーツ・メイエ率いるマンハイム・プファルツ選帝侯室内O(マンハイム・チェンバー・オーケストラ)。 1952年創立でマンハイム楽派のレパートリーの再発見と普及で知られる団体。マザリの格調高いピアノと相まって典雅極まりない世界を作り上げています。 (Ki)

DUX
DUX-1791(1CD)
シュテファン・ボレスワフ・ポラドフスキ(1902-1967):ヴァイオリン協奏曲 Op.70
コントラバス協奏曲 Op.26
交響曲第3番 Op.29
マルチン・スシツキ(Vn)、
ピオトル・チェルヴィンスキ(Cb)、
ウカシュ・ボロヴィチ(指)ポズナンPO
ポーランド楽壇の次代を担う若き名匠ウカシュ・ボロヴィチが推し進めている知られざるポーランドの音楽家が遺した作品の発掘シリーズに加わるのは、シュテファン・ボレスワフ・ポラドフスキの協奏曲&交響曲集!
故郷のブウォツワベクで音楽を学び始めた後、ビドゴシュチュ音楽院、ポズナン国立音楽院でヘンリク・オピエンスキに作曲法と音楽理論を師事。その後、留学先のドイツ、ベルリンではエミール・レズニチェクに作曲を学んだ経歴の持ち主です。
1930年からはポズナン国立音楽院の作曲法と音楽理論の教授、室内オーケストラのディレクターを務めたものの第二次世界大戦の勃発で環境が一変。1939年のナチス・ドイツのポーランド侵攻により逮捕されてしまいオパトゥフに強制送還。戦争終結まで同地でオルガニスト、合唱指揮者として活躍するなど苦難の時期を過ごしています。
戦後はポズナンへと帰還し、ポズナン国立音楽院に復職。音楽家としてだけでなく写真家としても知られ、ポーランド芸術写真家連盟のポズナン支部の会長を長く務めました。
その作風は新古典主義的、後期ロマン派的、そしてアヴァンギャルドの先取り的な響きも感じさせる独特のスタイル。
新古典主義と現代的な響きを併せ持つ「ヴァイオリン協奏曲」、後期ロマン派のスタイルを踏襲した「コントラバス協奏曲」、シマノフスキからの影響を感じさせる「交響曲第3番」など、3作品すべてが激動の20世紀ポーランドで誕生した秀作です。
ウカシュ・ボロヴィチとポズナン・フィルの熱演も、ポラドフスキの作品紹介に大きな役割を果たしています。

Etcetra
KTC-1719(2CD)
ユップ・フランセンス(b.1955):ピアノ作品集
CD1〜ピアノ協奏曲 「ジャーニー・アンダー・ブリリアント・スカイズ(輝かしい空の下の旅)」(2020年版)*
CD2 〜 3つの練習曲(2019)、オールド・ソングズ, ニュー・ソングズ(1988)
ラルフ・ファン・ラート(P)、
オットー・タウスク(指)*、
ヘルダーラント&オーファーアイセル・フィオン・オーケストラ*
オランダの作曲家ユップ・フランセンスは、1955年フローニンゲン生まれ、ハーグ王立音楽院ではルイ・アンドリーセンに作曲を師事し、2015年にはオランダの文化賞「Het Gouden Viooltje(ゴールデン・ヴァイオリン賞)」を受賞。現代音楽の手法にとらわれない自由な作風が評価を高めており、ヤコブ・クライツベルクやルーカス・フォス、ゲルト・アルブレヒト、ワシリー・ペトレンコなどにもその作品を取り上げられています。
アダムス、ジェフスキ、ダヴナーなど多くの現代ピアノ作品を録音してきた名手ラウラ・ファン・ラートは、Et'ceteraレーベルではバート・スパーン、ロビン・デ・ラーフなどの現代オランダの作曲家も精力的に取り上げており、ユップ・フランセンスのアルバムは『ザ・ギフト・オブ・ソング』と『ウィンター・チャイルド』を収録したKTC1533以来2枚目となります。

ORFEO DOR
C-220043(3CD)
NX-C05
値下げ再発売!
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集/合唱幻想曲
【CD1】
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op. 15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op. 9
【CD2】
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op. 37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op. 58
【CD3】
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 Op. 73
合唱幻想曲 ハ短調 Op. 80
ルドルフ・ゼルキン(P)
バイエルンRSO
バイエルン放送cho
ラファエル・クーベリック(指)

録音:ミュンヘン、ヘルクレスザール(ドイツ)…全てライヴ
1977年10月5日…CD1
1977年11月4日…CD2
1977年10月30日…CD3
※旧品番:ORFEOR-647053
2005年に初CD化されたルドルフ・ゼルキンとラファエル・クーベリックによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集が再登場。 ゼルキンには1960年代にオーマンディ/フィラデルフィアO&バーンスタイン/ニューヨーク・フィルとの録音と、1980年代の小澤/ボストンSOとの 録音によるベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集がありますが、こちらは全てライヴ。ゼルキンは演奏当時74歳だったにもかかわらず、第1番から第5番までまっ たくテクニックには綻びがなく、気迫のこもった演奏で全体をきっちりとまとめています。クーベリックが率いるバイエルンRSOも、ゼルキンのパワフルな 演奏を重厚な響きで丁寧にサポート。細やかな表情付けはベートーヴェンを知り尽くしたクーベリックならではのものといえるでしょう。 最後に添えられた「合唱幻想曲」も聴きもの。曲が進むにつれて合唱もオーケストラも高揚感を帯び、ゼルキンのピアノも交えた全体が混然一体となって壮 麗なクライマックスを迎えます。 初発売当時、ヨーロッパをはじめ日本でも各誌で絶賛を浴びたという名演をこの機会にお聴きください。

Gramola
GRAM-99245(1CD)
ラプソディ・イン・ブルー
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
ピアノ協奏曲 へ調
ダニエル・ムック(1990-):ピアノ協奏曲(2020)…世界初録音
カール・アイヒンガー(P)
ブルノPO
ルーカス・ダンヘル(Cl)
ヤン・ブローダ(Tp)
カスパー・リヒター(指)

録音:2021年5月4-7日
ガーシュウィンの名作「ラプソディ・イン・ブルー」と「ピアノ協奏曲 へ調」、そしてこれらにインスパイアされたダニエ ル・ムックの新作「ピアノ協奏曲」を収録した1枚。ダニエル・ムックは1990年ウィーンに生まれた作曲家。2015 年にウィーン国立音楽大学で学位を取得、数々の賞を受賞し、オーストリアのユース・オーケストラを中心に活 動。指揮者としてだけでなくヴァイオリン、コントラバス、ユーフォニアム、パーカッションも巧みにこなす多才なミュー ジシャンです。このムックのピアノ協奏曲はニーダーエスターライヒ州政府からの委嘱作。ピアニスト、カール・アイヒ ンガーのために作曲した作品で、この曲ではロマン派時代のヴィルオーゾ・コンチェルトの様式と現代のポップ ミュージックという大きく隔たる二つの間に位置するような独自の創作に挑んでいます。

ALPHA
ALPHA-627(1CD)

NYCX-10279(1CD)
国内盤仕様
税込定価
エサ=ペッカ・サロネン(1958-):チェロ協奏曲
ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ*
ニコラ・アルトシュテット(Vc)
ペッカ・クーシスト(Vn)
ロッテルダムPO
ディーマ・スロボデニューク(指)

録音:2018年12月、2019年10月*
ロッテルダム・フィルハーモニック
※国内盤日本語解説…片桐卓也
ヨーヨー・マのために書かれ、2017年、彼をソリストにシカゴで初演されたサロネンのチェロ協奏曲でしたが、作曲者の母国フィンランド初演の ために、指揮も担当したサロネンが招いたのがアルトシュテットでした。カオスを表現する冒頭の響きからチェロの音が立ち上がってくる神秘的 な冒頭、コンガやボンゴによるリズミカルなマントラとチェロとの対話、チェロが弾く音型をエレクトロニクスでループさせて作られた鳥の鳴き声のよ うな効果。12音をはじめ現代的な技法が用いられながらも、エスニックな味わいもありたいへん面白く聴ける作品です。これを独自の感性で 練り上げたアルトシュテットの手腕も素晴らしいもの。カップリングはサロネンと同じフィンランドのヴァイオリニスト、クーシストとの共演によるラヴェ ルのソナタ。こちらの切れ味鋭い表現にも注目です。

DB Productions
DBCD-202(1CD)
ブラームス/レントヘン/アマンダ・レントヘン=マイエル: ヴァイオリン協奏曲集
アマンダ・レントヘン=マイエル(1853-1894):ヴァイオリン協奏曲 ニ短調*
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 77
ユリウス・レントヘン:ヴァイオリン協奏曲 嬰ヘ短調
セシリア・シリアクス(Vn)
ヴェステロース・シンフォニエッタ*
マルメSO
クリスティーナ・ポスカ(指)

録音:2018年8月14-17日、2021年9月30日、10月1日
スウェーデン出身のヴァイオリニスト・作曲家アマンダ・レントヘン=マイエルは、グリーグやブラームスと親交を結び、 ロマンティックな美しい作品を生み出しました。このアルバムには、彼女とその夫となったユリウス・レントヘン、そして 2人の友人ブラームスのヴァイオリン協奏曲が収録されています。演奏はこれまでにもdB Productionsのアルバ ムでアマンダ・レントヘン=マイエル作品を演奏しているセシリア・シリアクス。ブラームスの協奏曲ではスウェーデン の現代作曲家マッツ・ラーション・ゴーテ(1965-)のカデンツァを採用するなどアイデアも満載。レーベルによれば、 ブラームスのヴァイオリン協奏曲がスウェーデンでセッション録音されたのはこれが初とのことです。

BIS
BISSA-2620(1SACD)
ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 Op.33 FS 61
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
ユーハン・ダーレネ(Vn)、
ヨーン・ストルゴーズ(指)、
ロイヤル・ストックホルムPO

録音:2021年6月7-10日/ストックホルム・コンサートホール(スウェーデン)
スウェーデンのBISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏大推薦のヴァイオリニスト、ユーハン・ダーレネ。バール氏はダーレネ が9歳の時からその才能を見出し、高く評価してきました。また「ここ10年の間でもっとも素晴らしいヴァイオリニストのデビュー作のひとつ」(「BBC Music Magazine」)、「ダーレネの演奏には、彼が特別な感受性をもった音楽家だとわかる『存在』が感じられる」(「Gramophone」)など、各国のメディアからも 高く評価されています。
BISレーベルからはチャイコフスキーとバーバーのヴァイオリン協奏曲(BIS SA-2440)と北欧の19世紀から20世紀を代表する作曲家のヴァイオリンとピア ノのための作品を集めた『北欧ラプソディ』(BIS SA-2560)をリリースしております。
期待の高まる第3弾では北欧を代表するニールセンとシベリウスのヴァイオリン協奏曲を録音しました!ダーレネは2019年に開かれたカール・ニールセン国際 音楽コンクールで優勝。同年11月には初来日を果たし、ニコライ・スナイダー(指)日本フィルハーモニーSOとの共演で、ニールセンを披露。その圧倒的な 演奏で聴衆を沸かせており、日本のファンも待望の録音といえます。カップリングのシベリウスも圧巻。こちらもダーレネお得意の作品で、天性の音程感とブリリア ントな音色で驚くべき演奏を聴かせてくれます。
ダーレネは2000年スウェーデンのノルショーピング生まれ。4歳からヴァイオリンを習い、3年後、初めてプロのSOと共演しました。王立ストックホルム音 楽大学でペール・エーノクソンに学び、ドラ・シュヴァルツベルク、パメラ・フランク、ゲルハルト・シュルツ、デトレフ・ハーン、ヘンニング・クラッゲルードのマスター クラスに参加しています。ヨーロッパ、中国、南アフリカのオーケストラにソリストとして客演、ローランド・ペンティネン、イングリ・アンスネスたちの共演でリサイタ ルに出演。また、2018年には「ノルウェー・クレッシェンド」プログラムでジャニーヌ・ヤンセン、レイフ・オヴェ・アンスネス、ギドン・クレーメルに教わりました。 新時代、クラシック界を牽引する逸材、要注目です!
彼の弾くヴァイオリンは、1736年製のアントニオ・ストラディヴァリウス。オスロの「アンデシュ・スヴェオース公益基金」から貸与された楽器です。 (Ki)

Glossa
GCD-923530(1CD)
ヴィヴァルディ:フルート協奏曲集
協奏曲第2番ト短調 RV.439 「夜」/協奏曲第3番ニ長調 RV.428 「ごしきひわ(イル・ガルデッリーノ)」/協奏曲第1番ヘ長調 RV.433 「海の嵐」/協奏曲第6番ト長調 RV.437/協奏曲第5番ヘ長調 RV.434/協奏曲第4番ト長調 RV.435
カルロ・イパタ(Fl&指揮)、
アウセル・ムジチ

録音:2020年11月13日-17日、サン・ドメニコ教会(ピサ、イタリア)
カルロ・イパタは、バンフ芸術創造センター(カナダ)、ハーグ王立音楽院、パリ国立音楽院でバロック・フルートや室内楽を修め、現在も古楽の研究と演奏に専念しているバロック・フルートの名手。1997年にイタリアとヨーロッパの優れた音楽家から選抜した古楽アンサンブル「アウセル・ムジチ」を創設し、ルネサンスとバロック時代の膨大な未発表の演劇と器楽のレパートリーを探求。歴史的考証に基づいた選択を行い、アントニオ・チェスティの「愛の不幸」、フランチェスコ・ガスパリーニの「バヤゼット」、ヘンデルの「カトーネ」、アントニオ・メラーニの「不信心な処罰」などの歌劇を現代初演してきました。ソリストとしては、Hyperionに録音した「ナポリのフルート協奏曲集 Vol.1」(CDA67784)が、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」に選ばれているカルロ・イパタの新たなソロ・レコーディングは、待望のヴィヴァルディ!
アムステルダムのル・セーヌ社から「フラウト・トラヴェルソ、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、アルト・ヴィオラ、オルガンとチェロの為の6つの協奏曲集」とのタイトルで1729年に出版された、ヴィヴァルディのフルート協奏曲集 Op.10。6曲のうち5曲は過去の作品(リコーダーやファゴットの為の作品、室内楽曲等)から再構成されたもので、印刷の矛盾や間違いが多いことから、恐らく作曲者本人による校訂はされず急いで出版されたことを物語っており、カルロ・イパタは以前の版の手稿譜なども参照しながら、印刷譜の多くの問題を解決してレコーディングに臨んでいます。

CLAVES
50-3039(2CD)
ベートーヴェン:「シュテファン王」序曲
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
シチェドリン:カルメン組曲(ビゼーの原曲による)
ミハイル・プレトニョフ(P)
※ Kawai SK-EX使用
ガーボル・タカーチ=ナジ(指)
ジュネーヴ室内O

録音:2021年3月2日/ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)(ライヴ)
ピアニスト、プレトニョフの健在ぶりを示す2021年3月最新録音の登場です。近年は指揮者としての活躍が目覚しいですが、1987年の第6回チャイコフスキー 国際コンクール優勝者でもあり、もっとピアノ演奏を聴きたいと思われている向きも多いことでしょう。
プレトニョフは2006年にガンシュ指揮ロシア・ナショナル管とベートーヴェンのピアノ協奏曲全集をリリースしていますが、その直後にピアニスト引退宣言を行 いました。現在は復活しましたが、やはり指揮に比重が高くピアノの新録音は久々と申せましょう。
プレトニョフのピアノはますます自由かつ自然となり、ベートーヴェンならではの堅苦しさや威圧感がまったくなく、チャイコフスキーさえ思わせるきらめきに満ち ていて面白さ満点。63歳の円熟芸を堪能できる超貴重な記録と申せましょう。 タカーチ=ナジのサポートも絶妙。カップリングにプレトニョフとも親交のあるシチェドリンがビゼーの「カルメン」を愛妻プリセツカヤのためにバレエ音楽化した ものを新録音しているのも大歓迎です。

Alba
ABCD-463(1CD)
ペーテリス・ヴァスクス(1946-):チェロ協奏曲第2番「存在すること」(2011-12)
ヴィオラと弦楽オーケストラの為の協奏曲(2014-15)
マルコ・ユロネン(Vc)
リッリ・マイヤラ(Va)
タリン室内O
ユハ・カンガス(指)

録音:2020年1月17日?22日 ブラックヘッド会館ホワイト・ホール(Mustapeade Maja, Valge saal)(タリン、エストニア)
ペーテリス・ヴァスクス は、母国に古くから伝わる民謡や宗教歌の要素を現代音楽の語法と組み合わせたダイナミックな作風を数多く手がけ、ラ トビアでもっとも国際的に人気の高い作曲家と言われます。「存在すること」の副題をもつ「チェロ協奏曲第2番」は、ソル・ガベッタのために作曲された作品で す。真理を見出す人の一生と再生をイメージして書かれ、「カデンツァ-アンダンテ・カンタービレ」「アレグロ・モデラート」「アダージョ」の3楽章で構成されてい ます。フィンランドのチェリスト、タピオラ・シンフォニエッタやフィンランドRSOの首席奏者を務め、ソリストと室内楽奏者として多くのコンサートや録音に 参加するマルコ・ユロネン Marko Ylonen のソロ。フィナーレの「新たな命として戻ってきた魂に寄せる『子守歌』」のメロディは、作曲家レポ・スメラの子、タ リン室内Oのヴァイオリン奏者のエヴァ=マリア・スメラの声で歌われます。
「ヴィオラと弦楽オーケストラの為の協奏曲(Concerto per viola ed orchestra d’archi)」は、4楽章の作品です。ヴィオラの「ビロードのようなカン ティレーナ」が美しい「アンダンテ」、農民の踊りとフィドルの演奏、そしてバロックの趣ももった「アレグロ・モデラート」、「アンダンテ」と「アダージョ」。ヴァスク スは、ヴィオラを借り、いろいろなテクニックを試し可能性を探りながら作曲を進めていきました。ソリストのリッリ・マイヤラ Lilli Maijala は、フィンランド、ドイ ツとスウェーデンでヴィオラを学び、ペッカ・クーシスト、コパチンスカヤとウィスペルウェイと組んだ四重奏団など、室内楽とソロの活動をしながらシベリウス・ア カデミーで教えています。
1993年にトヌ・カリユステにより創設されたタリン室内Oを「良き友人、卓越した解釈の演奏を聴かせ、私の音楽にインスピレーションを与えてくれる」 とヴァスクスが語る、ユハ・カンガス Juha Kangas が指揮しています。

TCO
TCO-0003(1CD)
シュニトケ:ピアノと弦楽の為の協奏曲(1979)
プロコフィエフ:交響曲第2番ニ短調 op.40
フランツ・ウェルザー=メスト(指)
クリーヴランドO、
イェフィム・ブロンフマン(P)

録音:2020年10月15-17日クリーヴランド・セヴェランス・ホール(無観客ライヴ配信用録音)
2020年1月17,18日マイアミ・ナイト・コンサート・ホール*/
エイドリアン・アルシュト・センター・フォー・ザ・パフィーミング・アーツ(ライヴ録音)
ウェルザー=メスト率いるクリーヴランドO自主レーベル第3弾は、コロナ「前」(プロコフィエフは2020年1月録音)とコロナ「後」(シュニトケは 2020年10月録音)に行われた音楽活動の記録となります。
プロコフィエフの交響曲第2番は、20世紀初頭の機械や産業への大きな期待、そして刻々と変化成長する時代に触発され、きわめて精巧に作曲されています。 ヴェルザー=メストは、この作品について「世界大戦そのものと、それが人々のものの考え方をどのように変えたか、の双方についてのきわめて魅力的な考察であ る。これは近代化、そして現在に対する非常なる先見の明であり、今日でも私たちに深い感動をあたえ、同時に我々を不安に陥れるような、ひとりの表現主義者の 精神を見せてくれている」と述べています。サイレンが鳴り響くような管楽器による第1楽章冒頭から、オーケストラのうまさが炸裂。つづく第2楽章の変奏も、緻 密なアンサンブルで隙の無い展開。メストの統率の確かさと、オーケストラのうまさがないと成立しない演奏となっています。
シュニトケのピアノ協奏曲は2020年10月、まさにコロナの厳戒態勢の中、以降のデジタルコンサートのライヴ・シリーズの先駆けとして行われた録音。オケに とって初レパートリーとなります。ソーシャルディスタンスをとった弦楽のメンバーたちによるアンサンブルはしかし、メストの統率と、こうした厳しい状況を乗り越 えようとする楽団員とブロンフマンとの強い思いによって、抜群の集中で響きます。ブロンフマンがピアノから繰り出す、鋼鉄のように冷淡で強烈に締め付けるよ うな和音の演奏は、恐怖をおぼえるほど。異常なまでの緊迫感と迫力です。

SWR music
SWR-19113CD(2CD)
NX-C09
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
【CD1】
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K. 207
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K. 216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K. 218
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K. 211
アダージョ ホ長調 K. 261
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K. 219
ロンド ハ長調 K. 373
ギル・シャハム(Vn)
南西ドイツRSO
ニコラス・マギーガン(指)

録音:2018年5月14、15日、2019年5月6-10日
名手ギル・シャハムが弾くモーツァルトのヴァイオリン協奏曲。5曲とも10代のうちに書かれたにもかかわらず、その完成度の高いことで知られています。 シャハムにとってモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全曲の録音は初めてであり、即興的な装飾を絡めながらモーツァルトの流麗な旋律を心ゆくまで歌い上げまし た。とりわけ高音のハーモニクスでの鳥がさえずるような美しい響きはシャハムの持ち味と言えるでしょう。バックを務めるのはイギリスの名指揮者ニコラス・マギーガ ン。バロック作品の優れた解釈で知られ、ここでもピリオド奏法を採り入れた闊達な響きをオーケストラから紡ぎ出し、速めのテンポで軽やかなシャハムのヴァイオ リンと対話を繰り広げています。シャハムが奏する1699年製のストラディヴァリウス「Countess Polignac=ポリニャック伯爵夫人」の息をのむような艶やかな 美音も存分にお楽しみください。

Capriccio
C-5463(1CD)
NX-B05
エルンスト・フォン・ドホナーニ: 童謡の主題による変奏曲 Op. 25 他
童謡の主題による変奏曲 Op. 25(1913/14)
ハープと室内オーケストラのための小協奏曲Op. 45(1952)
コンツェルトシュテュック Op. 12 - チェロとオーケストラのための(1903/04)
ソフィア・ギュリバダモヴァ(P)
シルケ・アイヒホルン(Hp)
アンドレイ・イオニーツァ(Vc)
ラインラント=プファルツ州立PO
モデスタス・ピトレナス(指)

録音 2021年5月31日-6月2日、6月4日
名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父で作曲家、指揮者として活動したエルンスト・フォン・ドホナーニ(ハンガ リー名エルネー・ドホナーニ)の3曲の協奏的作品を集めた1枚。ドホナーニはピアノ協奏曲を2曲作曲していますが、 この「童謡の主題による変奏曲」は1914年の作品で、荘厳かつ重々しい序奏のあとに登場する旋律は、誰もが 知っている「きらきら星」。ピアノが技巧的に華々しく活躍しながらオーケストラと対話を繰り広げ、最後は圧倒的な フーガで終わる聴きごたえのある作品です。ハープと室内オーケストラのための協奏曲は晩年1952年に書かれた小 さな曲。全編を漂うように流れるハープの響きが神秘的な雰囲気をかもしだします。 名手シュタルケルが愛奏したことで知られる「コンツェルトシュテュック」もチェロの伸びやかな旋律と半音階的なハーモ ニーが印象的なオーケストラとのやりとりが美しい1曲。 このアルバムでは、3人の奏者たちが思い思いの演奏を繰り広げています。

BR KLASSIK
BR-900638(1CD)
NX-B05
オンドレイ・アダーメク作品集
Follow me(2016/17) - ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲*
バイエルン放送とヘルシンキPO、musica vivaの委嘱作品

WHERE ARE YOU?(2020) - メゾ・ソプラノとオーケストラのために
バイエルン放送とロンドンSO、musica vivaの委嘱作品
イザベル・ファウスト(Vn)*
バイエルンRSO*
ペーター・ルンデル(指)*
マグダレーナ・コジェナー(Ms)
バイエルンRSO
サイモン・ラトル(指)

録音(ライヴ):2017年12月15日ミュンヘン、ヘルクレスザール(ドイツ)*、2021年3月6日ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ドイツ)
共に、世界初演
1979年、プラハ出身の作曲家オンドレイ・アダーメク。チェコとパリで学び、指揮者として活躍する傍ら、オーケストラから室内楽、歌、エレクトロアコースティッ クなど多彩なジャンルの作品を発表。権威ある賞も数多く受賞しています。彼の作品には声と動作、身振りや演劇性が組み合わされており、時には特別に 開発した楽器を用いることで、作品に独自性が与えられています。このアルバムには世界初演となる2つの作品を収録。メゾ・ソプラノとオーケストラのための 「WHERE ARE YOU?」は「人間はどこから来てどこへ行くのか」の問いを探求、マグダレーナ・コジェナー、サイモン・ラトルのビッグ・スターが演奏を担当してい ます。11部で構成された35分の作品には、エキサイティングなオーケストラのサウンドをバックに語りを交えたリズミカルな歌が披露されます。イザベル・ファウス トがソリストを務める「Follow me」では中世後期のホケット技法(複数の奏者がそれぞれ単独で発する言葉が繋がり、一つのリズムやメロディーを形成して ゆく奏法))に沿って、ソリストとオーケストラの間でメロディが分割されていくというもの。印象的な冒頭のソロの旋律が少しずつ形を変えながらオーケストラ全 体に広がっていく不思議な音楽です。

CD ACCORD
ACD-281(1CD)
NX-D01
パヴェウ・ミキェティン(1971-):チェロ協奏曲第2番
オスカル・ダヴィツキへのオマージュ
マルチン・ズドゥニク(Vc)
バセム・アキキ(指)
ベンヤミン・シュヴァルツ(指)

録音:2020年8月19-20日、2016年4月13-14日
ポーランドの作曲家パヴェウ・ミキェティンの作品集。映画音楽作曲家としても活躍する彼は、これまでにも新進 演出家クシシュトフ・ヴァルリコフスキをはじめとする映画監督のために数多くの作品を書き、ポーランド映画賞など を獲得しています。このアルバムに収録された「チェロ協奏曲第2番」はもともと「無声映画のためのエチュード」とし て書かれた作品。うごめくようなオーケストラのバックにチェロが不思議な旋律を歌い上げます。ルトスワフスキのチェ ロ協奏曲に匹敵すると評される傑作です。「オスカル・ダヴィツキへのオマージュ」は緻密な数学的計算をもとに書 かれた作品。ミキェティンと同世代のポーランドのマルチアーティスト、オルカス・ダヴィツキへの敬意が表明されてお り、アタッカでつながれた3つの楽章で構成された大規模な編成を持つ曲です。

ACCENTUS Music
ACC-10555BD(Bluray)


ACC-0555DVD(DVD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全6曲)BWV 1046-1051 ヴァーツラフ・ルクス(指)
コレギウム1704

収録:2021年6月、ケーテン城「鏡の間」
◆Bluray
画面:16:9、Full HD
音声:DTS HD MA5.1、PCM STEREO
BD25
リージョン:All、96'28
◆DVD
画面:16:9、NTSC
音声:DTS 5.1、DD5.1、PCM STEREO
DVD9
リージョン:All、96'28
2021年は「ブランデンブルク協奏曲」がブランデンブルク辺境伯に献呈されてから300年という節目の年でした。本映像は、その記念すべき年に、バッハが宮 廷楽長を務めたケーテン城の「鏡の間」で、ヴァーツラフ・ルクス率いるコレギウム1704が「ブランデンブルク協奏曲」全曲収録した映像。この「鏡の間」は、バッ ハが御前演奏を繰り広げた場所であり、「ブランデンブルク協奏曲」を作曲したのもこのケーテンの地でした。バッハは、1717年から1723年にかけてケーテンの 宮廷楽長を務めており、バッハはこのケーテン時代に素晴らしいオーケストラを従えて、高水準の器楽作品を数多く生み出しています。「平均律クラヴィーア曲集」 「フランス組曲」「イギリス組曲」、様々なヴァイオリン協奏曲などの作品がここで作曲され、「ブランデンブルク協奏曲」はその最も著名なもののひとつです。
「ブランデンブルク協奏曲」は、バッハ自身の献辞に「様々な楽器の為の協奏曲」と付けられていることがわかるように、6曲とも異なる楽器編成、様式で書 かれています。6曲の中で最も編成が大きく、独奏楽器としてホルン、オーボエ、ファゴット、ピッコロが活躍する第1番。トランペット、リコーダー、オーボエ、ヴァイ オリンの独奏楽器という輝かしい編成の第2番。独奏楽器をおかない第3番は、各楽器の掛け合いが面白い。リコーダーとヴァイオリンが奏でる美しい旋律が印象 的な第4番。チェンバロが大活躍する第5番。そしてヴァイオリンを欠いたヴィオラ、ガンバ、チェロ、通奏低音という小さな編成の第6番。6曲それぞれの多様な編 成で、演奏者の個性を楽しむことのできる作品群です。演奏するコレギウム1704は、チェコ・バロック最大の作曲家ゼレンカの作品を積極的に取り上げるなど、 世界有数のバロック・アンサンブルとして注目されています。様式と構造の多様性に富んだ「ブランデンブルク協奏曲」を、様々な楽器の名手、個性豊かなメンバー が集まったコレギウム1704ならではの演奏で聴かせます。 (Ki)

DOREMI
DHR-8156(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第11集

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
(3)「1985年トロント・リサイタル」
ブラームス:F.A.E.ソナタ 第3楽章 スケルツォ
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 K.304
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 Op.13
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
シマノフスキ:詩曲『神話』〜「アレトゥーサの泉」 Op.30-1
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調より 第3楽章「無窮動」
アイザック・スターン(Vn)


(1)ヴィトルト・ロヴィツキ(指)
◇ワルシャワPO
◇ライヴ録音:1966年6月3日

(2)ウィリアム・スタインバーグ(指)
◇フランス国立放送O
◇ライヴ録音:1960年6月28日シャンゼリゼ劇場
(3)ポール・オストロフスキー(P)
◇ライヴ録音:1985年3月5日トロント、ロイ・トムソン・ホール
スターンの貴重音源、第11集。ロヴィツキとのベートーヴェン、スタインバーグとのブラームスで協奏曲を堪能。トロントでのリサイタルは幅広い選曲であまり聴 けない楽曲も。

NIFC
NIFCCD-638(1CD)
ブルース・リウ〜第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ
ショパン:バラード第2番ヘ長調 Op.38
マズルカ風ロンド Op.5
ピアノ・ソナタ第2番「葬送」
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*
ブルース・リウ(P)、
アンドレイ・ボレイコ(指)ワルシャワPO*

録音(ライヴ):2021年10月3日-20日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)
2021年10月に開催された第18回ショパン国際ピアノ・コンクール。新型コロナの影響で1年延期されながらも、極めてレベルの高い才能が各国から集結し、日本人コンテスタントの活躍や全世界オンライン配信などによりかつてない盛り上がりを見せたコンクールのライヴ録音シリーズが、コンクールを主催するポーランド国立ショパン研究所(NIFC)の自主レーベルより遂に登場!
第1弾は、激戦を勝ち抜いて見事優勝を勝ち取ったカナダ出身の24歳、ブルース(シャオユー)・リウのコンクール・ライヴから、ファイナル・ステージのピアノ協奏曲、サード・ステージのピアノ・ソナタ、セカンド・ステージのバラードとマズルカ風ロンドの4曲を収録。常に新しいアイデアや新鮮さを求めるというクリエイティブな姿勢を持ち、上品ながらも即興性に溢れインスピレーションに満ちたショパンを演奏し、審査員と多くの聴衆を魅了した感動のパフォーマンスをお届けします。特にファイナルでのオーケストラとの一体感や聴衆の熱狂は随一です!

RUBICON
RCD-1075(1CD)
ベートーヴェン:三重協奏曲
ピアノ、ヴァイオリン、チェロの為の三重協奏曲 ハ長調 Op.56、「私は仕立屋カカドゥ」によるピアノ三重奏の為の変奏曲 Op.121a
ヴォジーシェク:ピアノ、ヴァイオリン、チェロの為のグランド・ロンド・コンチェルタンテ Op.25
ロプコヴィッツ・トリオ〔ヤン・ムラーチェク(Vn)、イヴァン・ヴォカッチ(Vc)、ルーカス・クランスキー(P)〕、ヤナーチェクPO、ペトル・ポペルカ(指)
2011年にプラハRSOのコンサートマスターに史上最年少で就任し、その後指揮者イルジー・ビエロフラーヴェクに招かれチェコPOのコンマスを務めた天才ヴァイオリニスト、ヤン・ムラーチェクと、チェコ・フィルのチェロ奏者イヴァン・ヴォカッチ、そしてピアノのルーカス・クランスキーの3名からなるロプコヴィッツ・トリオのベートーヴェン&ヴォジーシェク!
ピアノを含むシンフォニア・コンチェルタンテの歴史の中でもとりわけユニークなベートーヴェンの三重協奏曲は、3人のソリストがオーケストラに対抗するだけでなく、真のピアノ・トリオとしても機能しており、3つの楽器間やオーケストラとの音色の対比に作曲者の天才性が表れた名作です。ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェク(1791-1825)はベートーヴェンの同時代人で、ピアノをフンメルに師事。ベートーヴェンとの付き合いもあり、シューベルトとは友人関係にありました。もっとも有名な作品は傑作とされる交響曲 ニ長調 Op.23で、初めて「即興曲」と題するピアノ曲を作曲したことでも知られています。本作に収録されている優雅な「グランド・ロンド・コンチェルタンテ」 含め、作風はシューベルトに近い淡いロマンティシズムが特徴となっています。



Altus
ALT-507(1CD)
INA秘蔵音源・ギレリス&クリュイタンス・フランス国立管ライヴ
リール(ベルリオーズ編):ラ・マルセイエーズ
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
【アンコール】バッハ(シロティ編):前奏曲 ロ短調 BWV855a
エミー ル・ギレリス(P)
フランス放送cho
アンドレ・クリュイタンス(指)
フランス国立放送O

ライヴ録音:1959年6月19日/パリ、シャンゼリゼ劇場(ステレオ)
INA(フランス国立視聴覚研究所)所有音源をライセンスしてALTUS入魂のマスタリングでCD化。クリュイタンス&フランス国立放送管が鋼鉄のピアニスト・ギ レリスを迎えたチャイコフスキー・ライヴです。今までモノラルでしか発売されたことがなく嬉しいことにステレオ初出!くっきりと音楽をとらえ飛翔するピアニズム と、ふくよかで流麗なオーケストラとの立体的な交錯がおおいに楽しめます。
同日に演奏されたふたつの編曲モノも面白い!合唱付き大迫力のベルリオーズ編「ラ・マルセイエーズ」に度肝を抜かれ、アンコールでのギレリスお得意シロティ 編「前奏曲」の浮かびあがる内声に涙。オーケストラとピアノの魅力をとことん味わえる1枚です。
〈「大熱演」だと予想するかもしれない。しかし〉〈繊細な透明感や、つま弾くように弾いた時のなんとも言えない詩情に、いっそう心を奪われます。言い換えれば、 非常に真摯であり、気品と凜々しさを湛えた演奏とも言えます。〉〜平林直哉氏の解説より

Profil
PH-21052(1CD)
(1)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
(2)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.82
イワン・ポチェーキン(Vn)
ミハイル・プレトニョフ(指)ロシア・ナショナルO

録音:2020年8月29、30日/チャイコフスキー・コンサートホール(モスクワ)
1987年モスクワ生まれのヴァイオリニスト、イワン・ポチェーキン。父はヴァイオリン職人、母がヴァイオリン教師、弟ミハイルもヴァイオリニストというサラブレッ ド。彼がチャイコフスキーとグラズノフというロシアの2大ヴァイオリン協奏曲に挑戦しました。
両作品も大家レポルド・アウアーのために書かれ、献呈と初演を拒否された前者と快諾された後者というユニークなカップリングなのも興味津々。どちらもヴァ イオリンは高度な技巧が要求されるのみならず、オーケストラも交響曲のように充実しているのが特徴です。
プレトニョフとロシア・ナショナルOがバックを務めているのも魅力。彼らはチャイコフスキーをデーヴィッド・ギャレットとユーチン・ツェン、グラズノフを ギル・シャハムと名盤をすでにリリースしていて、まさに手の内に入った見事なサポートを聴かせてくれます。 (Ki)


Audite
AU-95650(1CD)
正規初出!ルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第17弾
(1)バッハ:2台のチェンバロの為の協奏曲第2番 ハ長調 BWV 1061
(2)バルトーク:ピアノ協奏曲第2番BB 101
(3)バルトーク:ピアノ協奏曲第3番BB 127
全て、ゲザ・アンダ(P)、ルツェルン祝祭O
(1)クララ・ハスキル(P)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
(2)フェレンツ・フリッチャイ(指)
(3)エルネスト・アンセルメ(指)

ライヴ録音:(1)1955年8月、(2)1956年8月22日、(3)1965年8月25日/クンストハウス、ルツェルン(モノラル)
20世紀ハンガリーが生んだピアニスト、ゲザ・アンダは今年(2021年)に生誕100周年を迎えました。それを記念し、定評あるauditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第17弾として正規初出音源が登場します!
1955年から1969年までゲザ・アンダはルツェルン・フェスティヴァルに定期的に出演していたものの録音は3つしか残っておらず、今回初めてリリースされます。収録作品はバッハの2台のチェンバロの為の協奏曲第2番ハ長調BWV1061(1955年)、バルトークのピアノ協奏曲第2番(1956年)、そしてバルトークのピアノ協奏曲第3番(1965年)です。
バッハではカラヤン(指)クララ・ハスキルとの豪華共演が実現!バルトークの第2番ではフリッチャイが、そしてバルトークの第3番ではルツェルン・フェスティヴァルの最後の出演となったアンセルメが指揮をつとめております。アンダのレパートリーの白熱の演奏は必聴!演奏の素晴らしさに加えてauditeレーベルの見事な復刻にも注目。同レーベル社主のルトガー・ベッケンホーフ氏が丁寧にリマスタリングしております。 (Ki)

ANIMAL MUSIC
ANI-102(1CD)
パウエル:ホルン協奏曲(1957)
グリエール:ホルン協奏曲 変ロ長調 Op.91
ラデク・バボラーク(Hrn)
トマーシュ・ブラウネル(指)プラハSO

録音:2021年4月14&15日/スメタナホール(プラハ市民会館)
非常に積極的なリリースが続いている鬼才ホルン奏者ラデク・バボラークがグリエールとパウエルのホルン協奏曲を録音しました!グリエールはバボラークの 十八番としてこれまで何度も披露されてきた作品だけにその期待が高まります。
イジー・パウエル(1919-2007)とレインゴリト・グリエールのホルン協奏曲は1950年代の産物。それぞれチェコスロバキアとソビエト連 邦の共産主義体制下に活動しながら後進の育成にも力をいれた作曲家として知られます。
ともに優れた作品を残しておりますが、ホルン協奏曲は彼らの代表作。メロディアスかつ技巧的なパッセージを盛り込んだ華麗な作品で、ドラマティックなオーケ ストラとの掛け合いもまた魅力です。今回の共演は首席指揮者トマーシュ・ブラウネル率いるプラハSO。同コンビはプラウネルはフサの交響曲第2番「リフレ クションズ」の録音(SU-4294)でも高く評価されております。バボラークが母国を代表する名門オケと実に見事な演奏を展開しており、同曲の新たな名盤がこ こに誕生しました! (Ki)

スリーシェルズ
3SCD-0067(1CD)
税込定価
伊福部昭:ヴァイオリン協奏曲第2番
(1)初演
(2)試演
(3)ピアノリダクション版

【ボーナス・トラック】
(4)伊福部昭の完売の挨拶〜第43 回芸術祭(文化庁芸術祭)賞(音楽部門)の受賞を祝う会より
小林武史(Vn)
(1)ズデニェック・コシュラー(指)チェコ国立ブルノPO
(2)三石精一(指)オーケストラ不詳
(3)ピアニスト不詳

録音:(1)1979 年3 月8 日Besedni dum ホー
ル(チェコ)
(2)1979 年初頭(?)東京音楽大学内
(3)1979 年初頭(?)
(4)1989 年2 月5 日高輪クラブ
2021 年で90 歳を迎えた巨匠ヴァイオリニスト・小林武史のために伊福部昭が作曲したヴァイオリン協奏曲第2 番の世界 初演をついに初音盤化!1979 年、チェコでの世界初演、初演の前に国内で行われていた試演、そしてピアノリダクション のリハーサルという3 種類の録音をCD 化。すべて小林武史所有のテープからCD 化を敢行した。 ボーナス・トラックとして、小林武史芸術祭賞受賞記念祝賀会における伊福部昭の乾杯の挨拶(1989 年のもの)を収録。

ALBANY
TROY-1880(1CD)
「イルミネーション」〜ヴィクトリア・ボンド(b.1945):ピアノ作品集
(1)「ビザンチンの歌による幻影」(2021)
(2)「古代の鍵」(2002)〜ピアノと管弦楽の為の
(3)「黒い光」(1997)〜ピアノと管弦楽の為の
(4)「ビザンチンの歌」(伝承歌)〜独唱
ポール・バーンズ(Pf、歌)
(2)(3)カーク・トレバー指揮
(2)スロヴァキアRSO
(3)ボフスラフ・マルティヌー・フィル

録音:(1)(4)2021年5月ネブラスカ、(2)1997年、(3)2003年
ヴィクトリア・ボンドは8 つの歌劇、6 つのバレエをはじめ管弦楽曲、室内楽、器楽曲を発表する 多作家。作品はシカゴ響、ニューヨーク・フィルなどで演奏されています。このアルバムには古代ビ ザンチン(東ローマ帝国)の歌にインスパイアされた作品が収められています。彼女の作風はグルジ ェフ、コミタスあるいはハチャトゥリアン、はたまたホヴァネスといった作曲家を彷彿とさせるエキゾ チックで民族的な旋律とリズムに彩られており、親しみ易い。この手の音楽が好きな人にお薦め。

Urania Records
WS-121387(2CD)
リヒテル〜モーツァルト:ピアノ協奏曲集
(1)ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271「ジュノム」
(2)ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
(3)ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
スヴャトスラフ・リヒテル(P)、

(1)フランス国立放送O、ロリン・マゼール(指)
録音:1966年7月3日
(2)ソヴィエト国立SO、カルル・エリアスベルク(指)
録音:1950年
(3)イギリス室内O、ブリテン
録音:1967年6月13日&1965年6月16日
※STEREO録音/ADD
※リマスタリング:ノエミ・マンゾーニ&ウラニア・レコーズ
リヒテルが1950年から67年にかけて録音を行ったモーツァルトのピアノ協奏曲4曲を収録。
「第9番「ジュノム」」ではマゼールとフランス国立放送O、「第20番」ではエリアスベルクとソヴィエト国立SO、「第22番」と「第27番」ではブリテンとイギリス室内Oとの共演であり、フランス、ロシア(旧ソ連)、イギリスそれぞれのオーケストラとのコンビを楽しめるという興味深い組み合わせとなっています。
Urania Records
LDV-14067(1CD)
ヴィヴァルディ:協奏曲とソプラノのためのアリア集
ヴァイオリン協奏曲ニ長調 RV.208「ムガール大帝」
ヴァイオリン協奏曲ニ長調 RV.234「不安」
リュート協奏曲ニ長調 RV.93
ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ長調 RV.392
ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調 RV.394
オラトリオ「勝利のユディタ」RV.644より
歌劇「ユスティヌス」RV.717より
トゥリア・ペデルソリ(S)、
ダヴィデ・ベロシオ(Vn)、
マウロ・リギーニ(ヴィオラ・ダモーレ)、
マッシモ・マルケーゼ(Lute)、
イ・ソリスティ・アンブロジアーニ

録音:2020年7月8日-10日、ブスト・アルシツィオ(イタリア)
ヴィヴァルディの器楽独奏を伴う協奏曲とソプラノのためのアリア集というイタリアのレーベルならではのコレクション。
イタリアのピリオド・アンサンブル、イ・ソリスティ・アンブロジアーニの創設者ダヴィデ・ベロシオ、イタリア青年Oを経てモディ四重奏団の創設したマウロ・リギーニ、タクトゥス(Tactus)などでもお馴染みの名リューティスト、マッシモ・マルケーゼ、そしてルネサンスとバロックのレパートリーを得意とする麗しき古楽系ソプラノ、トゥリア・ペデルソリの4人のソリストたちが躍動しています。

フォンテック
FOCD-9863(1CD)
FOCD9863
税込定価
2021年12月22日発売
モーツァルト:ホルン協奏曲集
ホルン協奏曲第1番 ニ長調 K.412+K.51(386b)
(ジュスマイヤー補筆版)
ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495
ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K.417
ホルン協奏曲 第3番 変ホ長調 K.447
協奏風ロンド 変ホ長調 K.371(レヴィン補筆・校訂版)
M地宗(Hrn)
鈴木秀美(指)群馬SO

録音:2021 年7 月30 日 高崎芸術劇場 ライヴ
息によって鳴り渡るのは角笛ではなく《歌》そのもの---楽器を超えるホルン奏者 M地 宗の登 場です。 第10 回 JEJU International Brass Competition で、日本人ホルン奏者初となる国際コンク ール優勝を果たしたM地は、現在 群馬交響楽団の首席奏者を務め、国内外で目覚ましい活躍を 続けています。ソリストとしては、2021 年6 月に行われたリサイタル<第233 回 B→C> では「金管楽器のリサイタルでは過去最高」と絶賛されました。 M地が心の師と仰ぐ、オーセンティック演奏の第一人者 鈴木秀美との幸福な共演は、群響の優 美な響きと相俟って、天才モーツァルトが友人のホルン奏者ロイトゲープのために書いたコンチ ェルトの愉悦溢れる魅力を余すことなく伝えます。 (フィンテック)

CPO
CPO-555509(3CD)
NX-D03
ブルッフ:ヴァイオリンとオーケストラの為の作品全集
【CD1】
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op. 44
スコットランド幻想曲 Op. 46
アダージョ・アパッショナート Op. 57
【CD2】
ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op. 26
セレナード イ短調 Op. 75
イン・メモリアム Op. 65
【CD3】
ヴァイオリン協奏曲第3番ニ短調 Op. 58
コンツェルトシュテュック 嬰ヘ短調 Op. 84
ロマンス イ短調 Op. 42
アンチェ・ヴァイトハース(Vn)
北ドイツ放送PO
ヘルマン・ボイマー(指)

録音:2013年6月24-28日…CD1
2014年3月31日-4月4日…CD2
2015年2月24-27日…CD3
ブルッフのヴァイオリン協奏曲と言えば、誰もが美しい第1番を思い浮かべることでしょう。また郷愁に満ちた旋律で知られる「スコットランド幻想曲」も演奏頻 度の高い名作です。しかし他の作品はあまり耳にする機会がありません。このcpoのプロジェクトではブルッフのヴァイオリンとオーケストラの為の全ての作品を 録音。これまであまり知られていなかった曲も紹介されています。作曲当時親交を結んでいたサラサーテに献呈されたヴァイオリン協奏曲第2番や、ブルッフが 尊敬していたヨーゼフ・ヨアヒムの助言が取り入れられた第3番をはじめ、当初協奏曲第2番の楽章として構想されたという「ロマンス」、緊張感溢れる晩年の 作品「コンツェルトシュテュック」、美しい「イン・メモリアム」など、ブルッフならではの素晴らしい作品が目白押しです。

オクタヴィア
OVCL-00768(1SACD)
税込定価
2021年12月22日発売
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲 第1番ニ長調 BB48a、Sz.36
ヴァイオリン協奏曲 第2番BB117、Sz.112*
豊嶋 泰嗣 (Vn)
井上 道義(指)、
上岡敏之(指)*
新日本フィルハーモニーSO

録音:2021年4月16-17日、2018年3月30-31日*、東京・すみだトリフォニーホール ・ライヴ
2021年にデビュー35周年を迎えたヴァイオリニスト豊嶋泰嗣は、1986年大学卒業と同時 に新日本フィルのコンサートマスターに就任。楽壇デビューから音楽生活を共にしてきた オーケストラとのバルトーク協奏曲ライヴが、ついにCD化となりました。 個性的なリズムや和声が特徴のバルトーク音楽を、揺るぎないアンサンブルで支える オーケストラのキャンバスに、深く抒情的に歌い上げる豊嶋のゆたかな音色が鮮やかな 旋律を彩り描いていきます。(オクタヴィア)

KKE Records
KKE-001(1CD)
クルト・アルブレヒト(1895-1971):作品集
ヴァイオリンとピアノの為のシャコンヌ Op.33#(Dr. K. Kremersのモティーフに基づく)、
弦楽とティンパニの為の交響曲、
室内オーケストラの為のパルティータ(シュッツの「ルカ受難曲」のモティーフに基づく)
グスタフ・フリーリングハウス(Vn#、指揮)、
ヤーン・オッツ(P)#、
ハンブルク・カメラータ

録音:2017年〜2019年、ドイツ
バッハ、ベートーヴェン、ブラームスといったドイツの作曲家の伝統を引き継ぐクルト・アルブレヒトの作品の多くは第二次世界大戦の時に焼失してしまい、ほとんどの作品は失われてしまいました。現存している貴重な作品を、アマリリスSQの創設者、そして2009年からハンブルク・カメラータのコンサートマスターを務めるグスタフ・フリーリングハウスの演奏でお聴きいただけます。

La Dolce Volta
LDV-94(1CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15
バッハ/ブラームス編)):左手のためのシャコンヌ(原曲/ バッハ:ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004〜「シャコンヌ」)
ジョフロワ・クトー(P)
ダヴィド・レイラン(指)メス国立O

録音:2020年12月2-5日(協奏曲)、2021年1月2-3日(シャコンヌ)
日本語帯・解説付
ブラームス愛に生きるピアニスト、ジョフロワ・クトー。独奏曲全曲、そしてピアノを伴う室内楽の全曲録音につづき、協奏曲プロジェクトも始動。独奏曲、そして 室内楽も完全に手中におさめたクトーによる協奏曲は、作品のもつ雄大さを、オーケストラに負けることなく描ききっております。さらに、カップリングはブラーム ス編曲によるシャコンヌ。バッハを崇拝していたブラームスが、バッハと心を通わせ、さらに自身にとって近い存在であったクララ・シューマン、そして当時の大ヴァ イオリン奏者であるヨーゼフ・ヨアヒムらを思いながら編曲したこのシャコンヌを、クトーは熱き音色で弾ききっています。メス国立O(旧称:フランス国立 ロレーヌO)は、ラ・ドルチェ・ヴォルタ・レーベルがレコーディングの拠点としているアルスナル・ホールのレジデント・オーケストラで、2018年よりダヴィ ド・レイランが音楽監督兼芸術監督を務め、その存在感をさらに大きなものとしています。

LSO Live
LSO-0855(2SACD)
モーツァルト:管楽のための作品集
ホルン協奏曲 変ホ長調 K417
オーボエ協奏曲 ハ長調 K314
クラリネット協奏曲 イ長調 K622
協奏交響曲 変ホ長調 K297b
セレナード第10番「グラン・パルティータ」
ハイメ・マルティン(指)
ティモシー・ジョーンズ(Hrn)、
オリヴィエ・スタンキエヴィチ(Ob)、
アンドルー・マリナー(Cl)、
ジュリアナ・コッホ(Ob)、
クリス・リチャーズ(Cl)、
レイチェル・ゴフ(Fg)、
LSO木管アンサンブル、LSO

録音:2019年10月12-13日(K417,314,622,297b)、2015年10月31日(K361)/ジャーウッド・ホール(セント・ルークス)
ピアニストでありヴァイオリン奏者でもあったモーツァルトですが、管楽器にもまたその音楽が存分に発揮された作品をのこしています。このたびLSOの首席奏 者たちが、モーツァルトの管楽器をソロにした協奏曲および協奏交響曲、そしてグラン・パルティータを録音しました。すみずみまで行き届いた自然な音楽、そして 非の打ち所がないテクニックと、どのソリストをとってもまさに完璧の出来栄え。同じオーケストラで奏でる仲間を支えるオーケストラも、まるで室内楽のように濃 密な空気でアンサンブルしています。指揮を務めるのは自身フルート奏者としてもロイヤル・フィルやロンドン・フィルなど名だたるオーケストラで首席奏者として も活躍、2013年より指揮活動に専念し、イェヴレSO、ロサンゼルス室内SOの首席指揮者を務め、2022年からはメルボルンSOの首席指揮者 に就任するハイメ・マルティン。LSOの結束力と底力をあらためて実感する内容です。 (Ki)
●ティモシー・ジョーンズ(Hrn)---ロンドン生まれ。15歳でホルンをはじめ、17歳でミュンヘン・フィルに入団、その後バーミンガム市響などを経て、1986年よりLSOで首席を務める。
アンドルー・マリナー(Cl)---1986年より2019年まで、LSO首席奏者を務める。オーケストラおよびソリスト、そして室内楽奏者として、そして教師としても世界的に活躍しています。
オリヴィエ・スタンキエヴィチ(Ob)---ニース生まれ。2015年、LSO首席奏者、そして王立音楽院教授に就任。2012年オーボエ国際コンクール(日本)第1位。現代音楽にも積極的に取り組んでいます。
ジュリアナ・コッホ(Ob)---LSO首席奏者。2017年ミュンヘン国際コンクール入賞。王立音楽院教授。ソリストとしてもベルリン・ドイツ響、バイエルン放送響などと共演。客演首席奏者としてバイエルン放送響、フィラデルフィア響などに登場しています。
クリス・リチャーズ(Cl)---2010年LSO首席奏者に就任。ほか英国内の主要オーケストラで客演首席奏者として活躍しています。
レイチェル・ガフ(Fg)---1999年よりLSO首席奏者を務める。ケンブリッジ・キングス・カレッジで学ぶ。現代作品のいくつかは彼女に献呈されています。ミュンヘン国際コンクールの審査員を務めています。

GRAND SLAM
GS-2252(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 ダヴィッド・オイストラフ(Vn)
アンドレ・クリュイタンス(指)、
フランス国立放送局O

録音:1958年11月8-10日サル・ワグラム(パリ)【ステレオ】
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
オイストラフとクリュイタンスによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、定番中の定番としてあまりにも有名です。当シリーズでも2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用して復刻(GS-2181、2018年【廃盤】)しましたが、早期に完売してしまいました。 今回は心残りにならないようにマスタリングの全行程をプロ用の機器で行い、現状での最善を尽くしました。それにともない、解説書も珍しいLPジャケットの写真を掲載するなど、見ごたえのあるものに作り変えました。(平林 直哉)

Da Vinci Classics
C-00462(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30*
舟歌ト短調 Op.10-3
クライスラーの「愛の悲しみ」に基づくパラフレーズ
ピエトロ・ベルトラーニ(P)、
センツァスピーネO*、
トンマーゾ・ウッサルディ(指)*

録音:2019年12月5日(ライヴ)、テアトロ・アウディトリウム・マンゾーニ(ボローニャ、イタリア)*、2020年5月、ファビオ・アンジェレッティ・スタジオ(イモラ、イタリア)
ジャズとクラシックのマルチ・ピアニストでありマルチ・インストゥルメンタリスト。さらにはコンポーザー、アレンジャーとしても活躍する1989年生まれのイタリアの奇才、ピエトロ・ベルトラーニにとっての本格的なデビューアルバムとなるラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」が堂々の登場!
既にヴェネツィアのフェニーチェ劇場、ローマのパルコ・デッラ・ムジカ音楽堂、フィレンツェのコムナーレ劇場などイタリアの主要なコンサートホールや劇場へのデビューを果たし、フィレンツェ五月音楽祭やMITOミラノ・トリノ音楽祭などでも活躍。カーネギーホールやトビリシ国立音楽院コンサートホールなどでの演奏経験も持つイタリア期待のピアニストです。
2019年12月5日にボローニャのテアトロ・アウディトリウム・マンゾーニで演奏されたラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」では、多くの聴衆が慣れ親しんだ一般的な解釈とは一線を画す極めて個性的な演奏を展開。
オーケストラの力強いサポートを得て、技術的な観点はもちろんのこと、新鮮かつ斬新な演奏で確固たるメッセージを打ち出してくれています。
ジャンルの壁を打ち破りながら活躍を続けるイタリア新世代の奇才が繰り広げるラフマニノフにどうぞご注目下さい。

Chandos
CHSA-5298(1SACD)
マリウス・ネセット(b.1985):マンメイド(人工の)(2019) 〜 サクソフォンとシンフォニー・オーケストラの為の協奏曲*〔1. 創造、2. エジソン、3. アポロ、4. ノーベル、5. 新しい創造〕
ウインドレス(風がなくなる)(2017) 〜 サクソフォンとオーケストラの為の#
エヴリ・リトル・ステップ(すべての小さな一歩)(2020-21) 〜 オーケストラの為の〔7. 認識する、8. 動き、9. 高く高く〕
ア・デイ・イン・ザ・スパロウズ・ライフ(スズメの一生における一日)(2016-17) 〜 サクソフォンとオーケストラの為の+
マリウス・ネセット(ソプラノ・サクソフォン*+、テナー・サクソフォン*#+)、
エドワード・ガードナー(指)ベルゲンPO

録音:2021年6月14日-17日、グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
※「ア・デイ・イン・ザ・スパロウズ・ライフ」はオーケストラ版世界初録音。残り3曲はすべて世界初録音。
1985年ベルゲン生まれのノルウェーのサクソフォン奏者兼作曲家マリウス・ネセットが、エドワード・ガードナー&ベルゲン・フィルとの共演でChandosに初登場!
「ノルウェーのグラミー賞」と呼ばれる「Spellemannprisen」受賞や、米ダウンビート誌の「25 for the Future(未来を担う25人)」などに選ばれてきたマリウス・ネセット。ジャズ・サクソフォン奏者として、挾間美帆を始めとする世界中の著名なジャズ・ミュージシャンと共演してきた他、コンサートホール向けの音楽の作曲家として注目を浴びており、このアルバムでは彼が作曲したオーケストラ向けの4つの新作を収録。そのうち3作品はサクソフォンがフィーチャーされた協奏的作品であり、マリウス・ネセット自身がソリストとして華麗な技術と音楽性を披露します。
メインとなる協奏曲「マンメイド」は、エジソン、アポロ、ノーベルなど人類が辿ってきた創造の歴史を描きながら、現在直面する気候変動の課題をテーマとする、5楽章、約30分の力作。ジャンルを超えた多様な表現を、サクソフォンがまるで自身の身体の一部であるかのように自在に操るネセットのプレイでお贈りします。
エドワード・ガードナーと、2023年まで首席指揮者のポストを延長して良好な関係を続けるノルウェーの名門ベルゲンPOは、レコード芸術「特選盤」に選ばれた「シベリウス:「ペレアスとメリザンド」」(RCHSA5217)がロング・セラーを記録するほか、スチュアート・スケルトンをタイトルロールに据えた「ブリテン:「ピーター・グライムズ」」(CHSA5250)が英グラモフォン賞2021の「Recording of the Year(年間最優秀レコード賞)」を獲得するという快挙を達成しています。

Paladino Music
PMR-0089(1CD)
ウェーバー&ブルッフ:クラリネット、ヴィオラと管弦楽の為の作品集
ウェーバー:クラリネット小協奏曲 Op.26、
 ヴィオラと管弦楽の為の「アンダンテとハンガリー風ロンド」 Op.35
ブルッフ:クラリネット.ヴィオラと弦楽オーケストラの為の「ルーマニアの旋律とスケルツォ」 Op.83(「8つの小品」より、セルゲイ・エフトゥシェンコ編)、
 ヴィオラと管弦楽の為のロマンス Op.85、
 クラリネット,ヴィオラと管弦楽の為の二重協奏曲 Op.88
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
アントン・ホロデンコ(Va)、
ロイヤル・バルテイック祝祭O、
マッツ・リリエフォシュ(指)

録音:1995年6月&8月、スウェーデン王立音楽大学コンサート・ホール(スウェーデン、ストックホルム)
名匠ウラディーミル・アシュケナージの息子で世界的クラリネット奏者であるディミトリ・アシュケナージ参加の、クラリネットとヴィオラの為のロマンティックなコンチェルト・アルバム。初期ロマン派の重要人物、ウェーバーには2つの協奏曲や五重奏などクラリネットの名作がいろいろありますが、Op.26の小協奏曲(コンチェルティーノ)は最初に書かれたもので、短いながらも魅力あふれる作品です。ピアノ伴奏で演奏されることも多いですが、ここではクラリネットと管弦楽によるオリジナル版を聴くことができます。ブルッフの「クラリネットとヴィオラの為の二重協奏曲」は、晩年の作らしい温かみのある感動的なメロディが印象深い作品で、いくつかの主題にスウェーデンの旋律が用いられています。ヴィオラと管弦楽の為のロマンス含め、ブルッフの協奏的作品はもっと演奏されるべきでしょう。


NIFC
NIFCCD-637(1CD)
第7回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ 〜 ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21**
マルタ・アルゲリッチ(P)*、
アルトゥール・モレイラ・リマ(P)**
ヴィトルト・ロヴィツキ(指)、ワルシャワPO

録音:1965年3月13日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ポーランド)
女王マルタ・アルゲリッチの80歳を記念して、ポーランド国立ショパン研究所(NIFC)から、アルゲリッチの秘蔵音源が登場! 1965年、第7回ショパン国際ピアノ・コンクールで第1位に輝いたマルタ・アルゲリッチと、第2位となったアルトゥール・モレイラ・リマがファイナル・ステージで披露したコンチェルトのライヴ録音が復刻となります!
アルゼンチンのアルゲリッチ、ブラジルのモレイラ・リマと、ともに南米大陸出身となる2人の偉大な芸術家によってワルシャワのフィルハーモニック・ホールが占拠され、第7回ショパン国際ピアノ・コンクールは、歴史に残る名勝負となりました。第1ステージでは、並外れたピアニズムと繊細で精妙なショパンのリリシズムを披露したモレイラ・リマが優勝候補となりました。その姿はショパンそのもので、まるでタイムマシンでやってきた幻のようだったとのこと。一方、アルゲリッチは第2ステージの最初の音で観客を魅了し、その後もずっと君臨しました。彼女の演奏は、優しさと繊細さに満ちていますが、何よりも並外れたエネルギーと自発性に支配されていました。
アルゲリッチが80歳となった2021年のショパン・コンクールでは、病気により審査員を辞退したネルソン・フレイレとともにアルゲリッチも共に辞退することとなり、フレイレの代役としてモレイラ・リマが審査員に加わりました。そんな数奇な運命辿ることとなったアルゲリッチとモレイラ・リマが、半世紀以上前に繰り広げた白熱のショパン・コンチェルト対決をお楽しみください。

Goodies
78CDR-3853(1CDR)
税込定価
モーツァルト:フルートとハープの為の協奏曲ハ長調 K.299(297c) リリー・ラスキーヌ(Hp)
ルネ・ル・ロワ(Fl)
サー・トーマス・ビーチャム(指)
ロイヤルPO

英 HMV DB6485/7
(1947年3月11-12日録音)
ハープのリリー・ラスキーヌ(1893-1988) は12歳の時パリ音楽院で一等賞を得 て、コンセール・ラムルーのハーピスト、ソリストとして活躍し、1948年から 1958年まで母校の教授をつとめた。フルートのルネ・ル・ロワ(1898-1985)は 1916年パリ音楽院に入り1920年に卒業した。その後も名フルーティスト、フィ リップ・ゴーベールの指導を受けた。彼は主に室内楽奏者として 活躍、フォンテーヌブローのアメリカ音楽院(1932-1950)、カナダのモントリ オール音楽院(1943-1950) 、パリ音楽院(1952-1968)の教授をつとめた。サー ・トーマス・ビーチャム(1879-1961)はイギリスの指揮者。裕福な家庭に生ま れ音楽はほとんど独学。1932年のロンドンPOを作り、 戦後の1947年にはロイヤルPOを組織した。ビーチャ ムの指揮するモーツァルトはSPレコード時代最も権威のあるものとして欧米 では受け入れられた。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジ(3mil針)とコルグのNu 1DSD録音機を使用した。

Ars Produktion
ARS-38167(1SACD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番 イ長調 KV414
ホルツバウアー(1711-1783):交響曲 変ホ長調 Op.4-3
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 KV488
マテア・レコ(P)、
プファルツ選帝候室内O、
ヨハネス・シュレーフリ(指)

録音:2014年3月3日-5日
クロアチアのピアニスト、マテア・レコのモーツァルト協奏曲集です。マテア・レコの高音の美しい透明感のある音色はまさにモーツァルトにぴったり!特に23番は聴きどころ満載です。軽やかなタッチで奏されながらも音楽の深化を失わない彼女のバランス感覚の溢れた演奏をご堪能ください。各協奏曲の合間にはウィーンで活躍したホルツバウアーの代表作のひとつである、変ホ長調の交響曲も収録されています。

Aulicus Classics
ALC-0011(1CD)
フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲集第1番ハ長調 Op.14
ピアノ協奏曲第2番変ホ長調 Op.25
オルガ・ズドレンコ(P)、
コレギウム・ムジクム室内O、
イヴァン・オスタポヴィチ(指)

録音:2017年2月25日、レオポリー・ナショナル・フィラルモニア(ウクライナ)
モーツァルトの末子(第4子)として生まれ、「モーツァルト2世」として生きるという宿命の大きすぎる重圧に抗い続けた悲運の天才フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(1791-1844)。
父とは生後4か月で死別しているものの、ハイドン、サリエリ、フンメル、さらにはフォーグラーやアルブレヒツベルガーから音楽を学び、ジュスマイヤーから「クサーヴァー」の名を貰い受けたと伝わるなど、絵に書いたようなエリート街道を約束されていたフランツ・クサーヴァー・モーツァルト。
ハイドンからもその才能を称賛されながらも、母コンスタンツェからの大きすぎる期待、モーツァルト2世というあまりにも大きな重圧が常に壁として立ちふさがり、その豊かな才能を如何なく発揮することの出来る活躍の場を見つけることなく53歳でこの世を去ってしまいます。
ここに収録されている2つのピアノ協奏曲は父親譲りの音楽的才能が随所に見られ、ウィーン古典派の伝統に則って作曲された秀作。
父親が余りにも偉大過ぎたゆえ、その真価を発揮することが出来なかった悲運の天才の確かな足跡をピアニストのオルガ・ズドレンコを筆頭とするウクライナ勢の演奏で。

Simax
PSC-1371(1CD)
チャイコフスキー:弦楽セレナードOp.48ハ長調
クラッゲルード:ラグナロク〜太陽の娘
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲Op.35ニ長調
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
アークティック・フィルハーモニック
クリスチャン・クルクセン(指)
ルウェーを代表するヴァイオリニスト、ヘンニング・クラッゲルード。ソリストだけでなく、アークティック・フィルハーモニー室内Oの音楽監督も務め、さ らには作曲家としても活躍している彼が、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をメインに、自作の北欧の神話を基にした作品「ラグナロク〜太陽の娘」、そして アークティック・フィルハーモニックによる「弦楽セレナード」を収録したアルバムをリリースしました。
美しい旋律と詩情あふれる音楽で人気を博しているヴァイオリン協奏曲。クラッゲルードの演奏は、テクニックはもちろんのこと、端正な演奏と美しいフレージン グで、隙のない音楽的に高い完成度で聴かせてくれます。「弦楽セレナード」は、クリスチャン・クルクセン指揮によるアークティック・フィルハーモニックの小気味 良いアンサンブルとハリのある響きで、弦楽オーケストラの魅力を堪能出来る演奏となっています。
アークティック・フィルハーモニックは、ノルウェーの北極圏に2009年に設立されました。小編成のシンフォニエッタと室内Oからフル編成のSOと、 異なる大きさのアンサンブルで活動、「アークティック・オペラ」のピットにも入ります。2019年1月、カナダのヴィクトリアSOの音楽監督、コペンハーゲン 生まれのクリスチャン・クルクセン(1981?)が、クリスチャン・リンドベリの後任として首席指揮者に就任。ヘンニング・クラッゲルード(1973?)が、室内管弦 楽団の音楽監督を務めています。 (Ki)
Simax
PSC-1363(1CD)
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲(オリジナル版)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104
サンドラ・リード・ハーガ(Vc)
使用楽器:Joannes Florenus Guidantus, Bologna, 1730(Dextra Musicaより貸与)
ロシア国立SO(スヴェトラーノフ・オーケストラ)
テリエ・ミケルセン(指)

録音:2019年2月20.21日、3月1日、モスクワ音楽院大ホール
1994年生まれのノルウェー出身のチェリスト、サンドラ・リード・ハーガのデビュー・アルバム。 12歳でウィグモア・ホールにデビューして以来、国際的なコンクールでの優勝を重ね、有名音楽祭にも招待されヨーヨー・マ、ジャニーヌ・ヤンセン、ポール・ルイ ス、レイフ・オヴェ・アンスネスらと共演、さらにはダニエル・バレンボイムやアンネ=ゾフィー・ムターをはじめ世界的なアーティストにも認められ、現在音楽家とし てのキャリアの重要な入口にいる注目の奏者です。
本作は、19世紀に書かれたチェロ協奏曲の名作2曲が収録されています。チャイコフスキーの親友であったヴィルヘルム・フィッツェンハーゲンのために作曲さ れた「ロココの主題による変奏曲」。初演の際にフィッツェンハーゲンがオリジナルの楽譜に大胆に改訂を加えましたが、1955年に科学技術によって本来の姿に 復元され、現在はオリジナル版での演奏が普及しています。18世紀中頃に流行したロココ様式に従って書かれた主題をもとに、チェロの歌心と名人芸が繰り広げ られ、サンドラ・リード・ハーガの勢いのある演奏を堪能することができます。そして故郷ボヘミアの民謡や黒人霊歌などに触発され、美しい旋律を惜しげもなく 披露したドヴォルザークの名作チェロ協奏曲。、サンドラ・リード・ハーガは、伸びやかな歌いまわしで、生命力あふれる演奏を繰り広げています。 2019年2,3月に、テリエ・ミケルセン(指)ロシア国立SO(スヴェトラーノフ・オーケストラ)との共演でモスクワ音楽院の大ホールで録音されました。

GWK
CLCL-129(1CD)
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲 イ長調 Wq172、
チェロ協奏曲 イ短調 Wq170、
チェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171
コンスタンチン・マナーエフ(Vc)、
ベルリン・カメラータ

録音:2014年4月28日-5月1日
1983年ロシア生まれのコンスタンチン・マナーエフは6歳からチェロを始め、最初はモスクワにて学びました。その後若いころから数々の音楽コンクールにて優勝または入賞し、2014年にはベルリン・フィルハーモニーに、今CDでも共演しているベルリン・カメラータとともにその舞台に出演しています。その情熱的で活気に満ちた演奏で世界を魅了しています。

Ars Produktion
ARS-38158(1SACD)
フルートとハープの為の協奏曲集
ヘンツェ:C.P.E.バッハへの想い(1982)
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲 ニ短調 Wq.22(1747)
モーツァルト:フルートとハープの為の協奏曲 ハ長調 K.299(1778)
マリア・セシリア・ムニョス(Fl)、
サラ・オブライエン(Hp)、
バーゼル室内O

録音:2014年3月7日-9日
アルゼンチン生まれのフルート奏者マリア・セシリア・ムニョスは、2010年の「北京オーレル・ニコレ国際フルート・コンクール」にて優勝をするなどこれまでも数々のコンクールで優秀な成績をおさめてきました。これまでブーレーズやペーテル・エトヴェシュなどと共演していることからも現代音楽への注力へも並々ならぬものを感じさせます。今回のアルバムでは、C.P.E.バッハの作品を基因として古典と現代音楽を吹き分けます。ロイヤル・コンセルトヘボウ管とミュンヘン・フィルの首席ハープ奏者であるサラ・オブライエンと見事な演奏を聞かせてくれています。
Ars Produktion
ARS-38301(1SACD)
チェロと管弦楽の為の作品集
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
カプレ:悟り Op.22
ナデージュ・ロシャ(Vc)、
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO、
バンジャマン・レヴィ(指)

録音:2019年11月14日-16日
1991年生まれのチェリスト、ナデージュ・ロシャは学生時代にはハインリヒ・シフやアンナー・ビルスマのマスタークラスで学ぶ傍ら、フラメンコやベリーダンスなどほかのジャンルの文化にも幅広い興味を示してきました。そんな彼女が今回はいよいよドヴォルザークのチェロ協奏曲を録音しました。繊細で美しい高音の響きを存分に活かしたその演奏は、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルOの音とも相まってドヴォルザーク独特の哀愁をたっぷりと漂わせるものとなっています。また、カプレではクラシックのみならず他ジャンルにも取り組んできた彼女の実力がいかんなく発揮されたものとなっておりこちらもおすすめです。

RUBICON
RCD-1053(1CD)
インフィニット・バッハ〜バッハ・リコンポーズド・バイ・ユーハン・ウッレン
原曲=バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
チェンバロ協奏曲ニ短調 BWV.1052
チェンバロ協奏曲ト短調 BWV.1056
クリスチャン・スヴァルヴァール(Vn)
ユーハン・ウッレン(指)LPO
スウェーデンの現代作曲家、ユーハン・ウッレンがバッハの協奏曲を再作曲!後のすべてのクラシック作曲家、さらにはジャズ、ロック、ポップスのミュージシャンにいたるまで、何世紀にもわたり多くの音楽家に影響を与え続けているバッハの音楽。リコンポーズ(recompose 再作曲、再構築)によって、すでに完璧な作品からも新たな発見と魅力が引き出せることは、ドイツ・グラモフォンからリリースされたマックス・リヒターの『Recomposed by Max Richter:Vivaldi's Four Seasons』(邦題:25%のヴィヴァルディ Recomposed By マックス・リヒター)の大ヒットでも証明済みです。
演奏はスウェーデンを代表するヴァイオリニスト、クリスチャン・スヴァルヴァールのソロと、作曲者自身が率いるロンドン・フィル。高音域で舞う大胆かつ挑戦的なソロと、オーケストラの充実した低弦とのコントラストが印象的なサウンドを作り出し、クラシックとニューエイジ、どちらのファンにも訴えかける作品に仕上がっています。

PHIL.harmonie
PHIL-06003(1CD)
ヴィヴァルディ:協奏曲集
オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲 変ロ長調 RV548、
チェロ協奏曲 ロ短調 RV424、
ヴィオラ・ダモーレの為の協奏曲 イ短調 RV397、
協奏曲集「四季」Op.8
ヨナタン・ケリー(Ob)、
ライナー・クスマウル(Vn)、
ゲオルク・ファウスト(Vc)、
ヴォルフラム・クリスト(ヴィオラ・ダモーレ)、
ベルリン・バロック・ゾリステン

録音:1998年9月、2004年6月、2009年9月
名手揃いの「ベルリン・バロック・ゾリステン」によるヴィヴァルディの協奏曲集。他にこれ以上豪華なメンバーを望むことが出来るでしょうか。ソリストはもちろんのこと彼らを支えるアンサンブルの素晴らしさは一聴の価値ありです。世界最高峰レベルの演奏をこの一枚でご堪能いただけます。
PHIL.harmonie
PHIL-06008(1CD)
コントラバス協奏曲集
ディッタースドルフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番変ホ長調(コントラバス版)
ホフマイスター:ヴァイオリン協奏曲 第1番変ホ長調(コントラバス版)
ヴァンハル:コントラバス協奏曲 変ホ長調
エディクソン・ルイス(Cb)、
クリスティアン・ヴァスケス(指)、
シモン・ボリバルSO

録音:2009年10月
1985年ベネズエラ生まれ、「エル・システマ」出身のベルリン・フィルのコントラバス奏者エディクソン・ルイスによるコントラバス協奏曲集。ディッタースドルフとホフマイスターはヴァイオリン協奏曲をコントラバス版に編曲して、伴奏には同じく「エル・システマ」で学んだシモン・ボリバルSOを迎えて挑みます。

LAWO Classics
LWC-1222(1CD)
ブルッフ、ヴォーン・ウィリアムズ、バーバー
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト#
ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり#
バーバー:ヴァイオリン協奏曲 Op.14*
園子ミリアム・ヴェルデ(Vn)、
タビタ・ベルグルンド(指)#、
ジョシュア・ワイラースタイン(指)*、
オスロPO

録音:2019年2月14日-15日*&2020年10月26日-28日#、オスロ・コンサート・ホール(ノルウェー)
ノルウェーのLAWO Classicsとオスロ・フィルのコラボレーション録音最新作。ノルウェー
日本の注目女流ヴァイオリニスト、園子ミリアム・ヴェルデが登場! ロマン派を代表する名曲であるブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を皮切りに、ヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」、バーバーのヴァイオリン協奏曲と、麗しく甘美なヴァイオリンと管弦楽の為の傑作を組み合わせた魅惑のプログラムで堂々のCDデビューを果たします。
園子ミリアム・ヴェルデは、近年ノルウェーから現れた、もっともエキサイティングな若いヴァイオリニストの一人。ノルウェー人の父と日本人の母の間にベルゲンで生まれ、9歳でベルゲンPOと共演。2014年には、ヴィルトゥオース・コンクールで優勝し、ユーロビジョン・ヤング・ミュージシャンズでノルウェーの代表に選ばれました。ノルウェーの新しいクラシック音楽家の為の指導プログラム「クレッシェンド・プログラム」では、ジャニーヌ・ヤンセンとレイフ・オヴェ・アンスネスから指導を受け、エクイノール・タレント・スカラーシップを受賞しています。
指揮は、ニューヨーク・フィルのアシスタントやローザンヌ室内管の芸術監督を務め、2021年シーズンからはボストンのフェニックスOの音楽監督に就任したアメリカのヴァイオリニスト兼指揮者ジョシュア・ワイラースタイン。そして、2020年にデビューし、2021年からノルウェーのクリスチャンサンSOの首席客演指揮者に就任したノルウェーの女流指揮者、タビタ・ベルグルンドという若き才能たちが、名門オスロ・フィルの伝統のサウンドを引き出しています。

ACCENTUS Music
ACC-70551DVD(3DVD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番〜第5番

(1)ピアノ協奏曲第1番ハ長調op.15
(2)ピアノ協奏曲第2番変ロ長調op.19
(3)ピアノ協奏曲第3番ハ短調op.37
(4)ピアノ協奏曲第4番ト長調op.58
(5)ピアノ協奏曲第5番変ホ長調op.73「皇帝」
マルガリータ・ヘーエンリーダー(ピアノ)

(1)ファビオ・ルイージ(指)シュターツカペレ・ドレスデン/収録:2008年、ミュンヘン、フィルハーモニー・ガスタイク
(2)レオン・フライシャー(指)アマデ室内フィルハーモニー/収録:2014年9月9日、エッセン、ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群
(3)レオン・フライシャー(指)ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O/収録:2015年10月14日、バート・キッシンゲン、マックス・リットマン・ザール
(4)マルティン・ハーゼルベック(指)バンベルクSO/収録:2018年、コンツェルトハレ、バンベルク
(5)ブルーノ・ヴァイル(指)バイエルン国立O/収録:2020年プリンツレーゲンテン劇場、ミュンヘン

画面:NTSC,16:9
音声:PCMステレオ、DD5.1、DTS5.1
字幕:独英仏西韓,日本語
ベートーヴェンは5曲のコンチェルトを遺していますが、どれも異なる性格をもった魅力的な作品であり、ピアニストにとっても実力を試される大事な楽曲です。 このDVDは、ドイツの名ピアニスト、マルガリータ・ヘーエンリーダーがベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を、それぞれ異なる指揮者とオーケストラと共演し たコンサート映像です。
音楽史上ベートーヴェンはもちろん重要な作曲家でありますが、ヘーエンリーダーにとっても特に重要な作曲家であると言えます。彼女の師レオン・フライシャー は、アルトゥル・シュナーベルのもとで研鑽を積んでいます。そのシュナーベルは、チェルニーの弟子でもあるテオドル・レシェティツキに学んでいるというベートー ヴェンへとつながる系譜があります。
マルガリータ・ヘーエンリーダーは、5歳の時アンナ・シュタードゥラー女史に最初のレッスンを受け、その後ルートヴィヒ・ホフマン氏、レオン・フライシャー 氏らのもと研鑽を積んでいます。1981年ブゾーニ国際ピアノ・コンクールで優勝を果たし、世界の著名な指揮者らと共演を続け、現在はミュンヘン音楽大学で 教鞭をとっています。
ライヴ映像のほかに、ボーナス映像にはヘーエンリーダーのポートレートを収録。彼女の示唆に富んだベートーヴェンの音楽に対する言葉を聞くことができます。
ピアノ協奏曲第1番は、2008年ミュンヘンで行われたファビオ・ルイージ指揮シュターツカペレ・ドレスデンとのライヴ映像。オケの音の美しさ、流麗なフレー ジング、ルイージの集中力、そして彼女の情熱とアイディアに満ちた見通しの良い演奏を聴かせてくれます。
ピアノ協奏曲第2,3番は、師フライシャー指揮による演奏。第2番の協奏曲は、ベートーヴェン最初に取り組んだピアノ協奏曲。第1番よりも先に作曲され ましたが出版順が逆になったため第2番とされています。古典的な形式をとり、軽快なオーケストラと爽やかなピアノが印象的で、ピアノの繊細で優しい音色を 存分に引き出した曲。そして第3番は5曲の協奏曲の中で唯一短調の作品。前の2作品とはとはやや間隔が空き、交響曲第3番『英雄』と同時期に作曲され、 ベートーヴェンならではのシンフォニックでスケールの大きいオケ部分と、きめ細かい豊かなニュアンスのピアノ・パートという充実した作品。フライシャーは、こ の第3番の協奏曲を「第3番の協奏曲は私にとって、とても大切な作品です。ベートーヴェンはこの作品で新たな道を切り開きました。とても敬虔な作品です。」 と評しています。収録されたのは、第2番はかつて重工業地帯としてドイツの産業を牽引したルール地方にあるツォルフェアアイン炭鉱業遺産群の建物内、そし て第3番はドイツの保養都市バート・キッシンゲンにある建築家マックス・リットマンによって設計されたホールで演奏され、趣のある映像とともに楽しむことが できます。
ピアノ協奏曲第4番は、交響曲の全曲録音にも取り組み、新時代のベートーヴェン解釈を開拓している指揮者マルティン・ハーゼルベックとバンベルク交響楽 団との演奏。ピアノ・ソロで始まる第1楽章の冒頭は当時としては革新的であり、ヘーエンリーダーは、当時の聴衆が求める前衛的な雰囲気をベートーヴェン自 身が反映したものと捉えています。
そして2020年収録のピアノ協奏曲第5番「皇帝」。ブルーノ・ヴァイル指揮バイエルン国立Oでの演奏。ヘーエンリーダーは、2020年8月2日に死去 した師フライシャーへこの演奏を捧げたといいます。

NAXOS
NYCX-57416(1CD)
税込定価
大澤壽人(1906-1953):ピアノ協奏曲「神風協奏曲」
交響曲第3番
エカテリーナ・サランツェヴァ(P)
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)ロシアPO

録音:2003年10月モスクワ、TV&ラジオ・カンパニー「カルチャー」大コンサート・スタジオ第5
戦前、戦中期に於いて、日本人作曲家として突出した才能を示したにもかかわらず、日本楽壇の同時代的理解を得られず、早すぎた死の あとには、その存在すらほとんど忘れ去られてしまった作曲家、大澤壽人。技術者の父とクリスチャンの母のもとに生まれ、少年時代にはオル ガンや合唱に親しみ、教会に通う外国人たちからピアノを学んだ大澤は、関西学院高等商業学部卒業後すぐにアメリカに留学。ボストン大 学およびニューイングランド音楽院に入学して研鑽を積みました。1934年にはフランスに渡り、エコールノルマル音楽院に入学、ポール・デュカ スやナディア・ブーランジェに師事した後、1936年に帰国、作曲家として活動をはじめます。 1937年に書かれた交響曲第3番は1940年の「皇紀2600年」を見据えた作品で、初演時には「建国の交響楽」と副題が付されていまし た。前作交響曲第2番の先鋭さは幾分薄まり、後期ロマン派風の雰囲気を感じさせる音楽に仕上がっています。また、東京からロンドンまで の100時間を切る記録飛行に成功した朝日新聞社の航空機「神風号」をタイトルに付したピアノ協奏曲「神風協奏曲」は、1938年に作 曲、初演されるも、モダン過ぎる作風は聴衆の理解を存分に得ることはできず、初演後は忘れられていました。作曲家の没後半世紀を経て 登場したこの録音は、平成16年度文化庁芸術祭のレコード部門優秀賞を受賞。片山杜秀氏によるオリジナル解説も読みごたえ充分で す。 ※解説、演奏者プロフィールは既発売商品[8.557416J]のブックレットから転載となります。

GRAND SLAM
GS-2250(1CD)
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
(1)ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)ウィーンSO
(2)スタニスワフ・ヴィスロツキ(指)ワルシャワPO

録音:(1)1962年9月24-26日ムジークエラインザール(ウィーン)
(2)1959年4月26-28日フィルハーモニー(ワルシャワ)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より 
リヒテルの定番中の定番、チャイコフスキー(カラヤン指揮)とラフマニノフ(ヴィスロツキ指揮)のピアノ協奏曲はGS-2168(2017年)【廃盤】で復刻して以 来の再登場となります。GS-2168も優秀な音質でしたが、カタログから消えることのないように、全行程をプロ用の機器でリマスターし、現時点での最善を尽く しました。GS-2168と同じく2トラック、38センチのオープンリール・テープからの復刻です。(平林 直哉)

H.M.F
HMM-902422(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58〔ウィーン楽友協会所有、手稿譜 A 82 b, 1808年〕
ピアノ協奏曲「第6番」 ニ長調 op.61a〔ベートーヴェン自身による、ヴァイオリン協奏曲 op.61のピアノ編曲版〕
ジャンルカ・カシオーリ(P)
アンサンブル・レゾナンツ、リッカルド・ミナージ(指)

録音:2019年11月
ベートーヴェン・イヤー・シーズンにまた注目すべき1枚が誕生しました!カシオーリと、ミナージ率いるアンサンブル・レゾナンツによるベートーヴェンのピアノ協奏曲です!!カシオーリは、ベートーヴェンが書き残した様々なヴァリアントを自身でさらに磨き上げて完成させたヴァージョンによるピアノ協奏曲を、1990年代終わりから2000年代はじめにかけて、BBC響とロイヤル・アルバート・ホールで演奏しておりました。それから時をかさね、研究者たちによる研究もさらに進み、カシオーリはあらためてベートーヴェンのオリジナル資料を検証、より変化に富み、ヴィルトゥオーゾ的なピアノ・パートの第4番を導き出しました。第1楽章ではベートーヴェンによるカデンツァを採用、終楽章での創意に満ちた装飾もチャーミングです。そして、ベートーヴェン自身にが書いた「ヴァイオリン協奏曲のピアノ版」といえば、”ティンパニが入っていて、多くのヴァイオリン奏者たちが、ベートーヴェン自身が書いたピアノ版の為のカデンツァをもとに演奏する”(ベートーヴェンによる”ヴァイオリン協奏曲”の為のカデンツァは残されていない)ことは大変有名ですが、なかなか実演に接する機会はないといえます。この豪華な顔ぶれの録音は大歓迎といえましょう!カシオーリによる演奏は、実に創意に満ちており、特に「ベートーヴェンが書いた」ピアノ版のカデンツァでは、時に悲愴ソナタか月光ソナタを思わせるような、幻想的かつヴィルトゥオジックな面もあり、ベートーヴェンの気配を色濃く感じるとともに、カシオーリの雄弁にして切れ味鋭い音楽がさえわたっています。もちろんミナージ率いるアンサンブル・レゾナンツのサウンドが実に充実していることはいうまでもありません。ミナージもまた楽譜を徹底的に検証し、弦楽器にベートーヴェンが書き込んだアーティキュレーションを管楽器にも転用することにより、ハッとするような分厚い圧巻のレガート・サウンドがオーケストラからも聴こえてきます。ツェルニーが残したこの協奏曲のメトロノーム記号も参考にしながらテンポを検討するといった検証もまた、演奏の魅力と説得力をさらに確かなものとしています。 (Ki)

Avie
AV-2485(1CD)
ヴィヴァルディ:四季
協奏曲ホ長調 Op.8-1 「春」/協奏曲ト短調 Op.8-2 「夏」/協奏曲ヘ長調 Op.8-3 「秋」/協奏曲ヘ短調 Op.8-4 「冬」/合奏協奏曲 「ラ・フォリア」*(ジャネット・ソレル編曲/原曲:ソナタ ニ短調 RV.63)
アポロズ・ファイア、ジャネット・ソレル(指)、
フランシスコ・フラナ(Vn)、
アラン・チュー(Vn)*

録音:2021年4月15日-17日、エイボン・レイク・キリスト合同教会(アメリカ
アムステルダムでグスタフ・レオンハルト、アメリカでロジャー・ノリントン、レナード・バーンスタインに師事した才女ジャネット・ソレルが創設したアメリカ、クリーヴランドのピリオド・オーケストラ、アポロズ・ファイア。ヨーロッパでのコンサート・ツアーを企画すればチケットが完売し、CDをリリースすればビルボード・チャートを騒がせ、グラミー賞を受賞するなど話題にことかかないこのアメリカ古楽界注目のオーケストラがいよいよ創設30周年を迎えます。
30周年を記念した4つのリリースのうち最初のアルバムは、(意外にも?)アポロズ・ファイアにとって初めての録音となるヴィヴァルディの「四季」! ソリストには、スペイン生まれのヴァイオリニスト、フランシスコ・フラナ(フランシスコ・フリャーナ)を迎え、優雅な独奏と荒々しく力強い合奏、激しく燃え上がるようなヴィルトゥオージティがぶつかり合う情熱の「四季」を贈ります。
フランシスコ・フラナは「宗次エンジェルヴァイオリンコンクール」他、4つの国際コンクールで優勝し、グスターボ・ドゥダメルから「素晴らしい才能」と絶賛され、BBCミュージック・マガジンでも「新星」と高い評価を受けている期待のアーティスト。五嶋みどりが主宰するミュージック・シェアリングでも、ICEP(International Community Engagement Program)の活動に参加し、五嶋みどりと共演しています。

KAIROS
0013242KAI(1CD)
チェルハ:打楽器協奏曲/インパルス* マルティン・グルービンガー(打楽器)、
ペーター・エトヴェシュ(指)、
ピエール・ブーレーズ(指)*
VPO

録音(ライヴ):2011年11月25日、ウィーン・コンツェルト・ハウス&1996年8月15日、ザルツブルク祝祭大劇場音楽祭
未完成に終わったベルクの「ルル」の補筆完成者としてもその名を知られるオーストリアの作曲家、フリードリヒ・チェルハ(1926-)の大迫力の協奏曲&管弦楽作品は、なんと2曲ともウィーン・フィルの演奏!
冒頭から名手グルービンガーの圧倒的な打楽器と、金管楽器セクションが圧巻の音圧を放つ「打楽器協奏曲」はペーター・エトヴェシュ、新ウィーン楽派の響き、影響を感じさせる「インパルス」は親交が深いブーレーズの指揮によるもの。ウィーン・フィルの巧さも相まって素晴らしい完成度に仕上がっているカイロス(KAIROS)の代表盤の1つです。

Biddulph
BIDD-85007(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77 オスカー・シュムスキー(Vn)
フィルハーモニア・フンガリカ
ウリ・セガル(指)

録音:1984年、マール(ドイツ) デジタル録音
1917年、フィラデルフィアに生まれたオスカー・シュムスキー。ヨーロッパで名を成してから移民した演奏家が席巻していた20世紀半ばのアメリカ楽 壇にあって、数少ないアメリカ生まれのスター・ヴァイオリニストでした。7歳でストコフスキー指揮のフィラデルフィアOと共演、名門カーティス音 楽院でレオポルト・アウアーに学び、トスカニーニに請われてNBCSOに加わったこともあります。欧州では知る人ぞ知る存在だったシュムス キーですが、1981年に行ったロンドン・デビュー・リサイタルが大評判となり、欧州でのコンサートの依頼が殺到、録音もNimbus、ASV、 Chandosなどから相次いでリリースされました。 この録音は、1984年秋にドイツのマールで行った演奏会の2日後にセッション収録したものですが、なぜかその存在が知られぬままになっていまし た。近年、シュムスキーの子息エリックが父の遺産整理中に未編集のテープを発見。かつて父のロンドン・デビューをお膳立てしたエリック・ウェン(現 Biddulph)と共に編集と関係者の承諾を進め、ここにリリースされます。シュムスキーにはブラームスの室内楽やハンガリー舞曲の録音があります が、ヴァイオリン協奏曲の全曲録音はこれが唯一。ディスコグラフィの空白を埋める貴重なリリースです。

DOREMI
DHR-8120(1CD)
オレク・カガン&ナターリヤ・グートマン ライヴ集
(1)ブラームス:ヴァイオリンとチェロの為の二重協奏曲
(2)ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番
(1)オレク・カガン(Vn)、ナターリヤ・グートマン(Vc)、
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)ロシア国立SO
(2)ナターリヤ・グートマン(Vc)、
アレクサンドル・ラザレフ(指)オランダ放送PO

録音:(1)1986年10月12日トロント、ロイ・トムソン・ホール、
(2)1980年1月26日アムステルダム
DOREMIのレジェンダリー・トレジャーズ・シリーズ。カガンとグートマンの夫婦デュオでのブラームスのドッペルに、グートマンのショスタコーヴィチ協奏曲第1 番。二人の重要レパートリーにして、どちらもCD初登場となるライヴ音源です。 (Ki)

BIS
BISSA-2426
(1SACD)
カレヴィ・アホ(1949-):コールアングレ、ハープと管弦楽の為の二重協奏曲(2014)
ヴァイオリン、チェロ、ピアノと室内管弦楽の為の三重協奏曲(2018)*
(1)ディミトリー・メストダグ(コールアングレ)
(1)アンネレーン・レナエルツ(Hp)
(2)ストリオーニ三重奏団*【ヴァウテル・フォッセン(Vn)、マルク・フォッセン(Vc)、バルト・ファン・デア・ルール(P)】
アントワープSO、オラリ・エルツ(指)

録音:2019年6月25?28日エリザベートホール(アントワープ、ベルギー)

[使用楽器:Cor anglais:Buffet Crampon, semi-automatic,-12547/Harp:Camac, type Oriane/
コールアングレがソロの協奏曲はほとんどなく、ハープの協奏曲も、たくさん作られているとはいえません。カレヴィ・アホの「コールア ングレ、ハープと管弦楽の為の二重協奏曲」は、このふたつの楽器をソロとする、おそらく唯一の作品です。アントワープSOが、ソロ・プレーヤーふたり、ディ ミトリー・メストダグ とアンネレーン・レナエルツのために委嘱。2014年に作曲されました。「タイトルのない」楽章、ハープの為の〈カデンツァ〉、コールアング レの技巧を際立たせた「アレグロ」、「アダージョ」の終楽章と、5つの部分が切れ目なく演奏されます。「空(くう)」に始まり「沈黙」に終わる音楽。アホがこれま でに書いた30を超す協奏曲と同様、ソロ楽器のコールアングレとハープの「音」の可能性を最大限に引き出し、オーケストラの色彩パレットをいっぱいに使う、さ まざまな要素を含む音楽に作られています。
アントワープSOがアホの作品を録音するのは、ヨルゲン・ファン・ライエンとアラン・ド・リュデがそれぞれソロを担当した「トロンボーン協奏曲」「トランペッ ト協奏曲」(BIS SA-2196)につづいて、これが2作目。「ヴァイオリン、チェロ、ピアノと室内管弦楽の為の三重協奏曲」は、アントワープSOとオランダ のアンサンブル「ストリオーニ三重奏団」の共同委嘱で作曲された作品です。アホが作曲に取りかかったころ、彼の孫娘が生まれ、そのとき彼女のために書いた「子 守歌」が、この協奏曲のメロディ素材の核として使われています。「調性のある、夢のような」アンダンテの〈子守歌〉に始まり、「プレスト」「トランクィッロ・ミス テリオーソ」「アンダンテ - アレグロ・モルト」とつづく4楽章の作品。「全体の雰囲気は喜びと(時には、かなりヴィルトォーゾ的な)前向きなエネルギーにあふれ、 それでいてメランコリックな瞬間もある」(カレヴィ・アホ)。2019年5月11日にアントワープでマーティン・ブラビンズの指揮で初演された後、「二重協奏曲」 と一緒にエリザベートホールでセッション録音されました。 (Ki)

FUGA LIBERA
FUG-790(1CD)
ピアソラ:バンドネオン協奏曲 「アコンカグア」
タンガーソ 「ブエノスアイレス変奏曲」(ウィリアム・サバティエ編)
バンドネオンとピアノの為の二重協奏曲 「リェージュに捧ぐ」 (エミリアーノ・グレコ ピアノ・パート編)
オブリビオン(忘却)
ウィリアム・サバティエ(バンドネオン)
エミリー・アリドン=コチョウェク(P)
ディジョン・ブルゴーニュO
レオナルド・ガルシア・アラルコン(指)

録音:2021年5月17-20日 オーディトリアム・ド・ディジョン、フランス
アルゼンチン出身のチェンバロ奏者・指揮者アラルコンがモダン・オケを振ったピアソラが登場。ソリストに多方面で活躍するフランス出身のバン ドネオン奏者サバティエを迎え、ブルゴーニュのオーケストラと共に有名なバンドネオン協奏曲を聴かせますが、この冒頭からソリストとオケが一 体となった凄まじい熱量の演奏を繰り広げています。またバンドネオンとギターを独奏とする、こちらも人気の「リエージュに捧ぐ」ですが、ここで はギターの代わりにピアノを用いた版を収録しているのがポイント。ピアノを弾くのはポーランド出身で、フランスを中心に活動するタンゴ・グルー プ「キンテート・レスピロ」のメンバーでもあるアリドン=コチョウェク。アラルコンやサバティエと互角に渡り合っており、内に秘めた情熱を少しずつ 押し出してくるような表情がたいへん印象的。併せて収録されたタンガーソの高まりや、オブリビオンのメランコリーも素晴らしいものです。

ORFEO
C-210041(1CD)
NX-B08
ヒンデミット:クラリネットの為の作品集 クラリネット協奏曲(1947)
クラリネット四重奏曲(1938)
クラリネット・ソナタ(1939)
シャロン・カム(Cl)
アンチェ・ヴァイトハース(Vn)
ユリアン・シュテッケル(Vc)
エンリコ・パーチェ(P)
フランクフルトRSO
ダニエル・コーエン(指)

録音:2021年3月1-3日、2020年10月25-27日
シャロン・カムのORFEOレーベルにおける3枚目のアルバムは、ヒンデミットの作品集です。R・シュトラウスの次世代として名を馳せたドイツの作曲家ヒ ンデミットは、さまざまな楽器を弾きこなすことで知られ、クラリネットの演奏にも秀でていました。ここでカムは協奏曲と四重奏曲、ソナタの3曲を演奏。異なる 編成による作品を見事に歌い上げています。四重奏曲はヒンデミットがスイスへ移住した1938年の作品。まず第2楽章が作曲され、チューリヒでの歌劇「画 家マティス」の初演が終わった後、残りの楽章が作曲されました。4つの楽器の旋律が複雑に絡み合う技巧的な音楽です。その翌年には遊び心にあふれた 旋律を持つクラリネット・ソナタが作曲されています。1947年作曲の協奏曲は名手ベニー・グッドマンに捧げられた、新古典派の形式を持つ軽妙な作品。厚 みのあるオーケストラの伴奏も魅力的です。

DACAPO
MAR-6.220665
(1SACD)
イブ・グリンデマン(1934-2019):協奏曲集
コンチェルト - トランペットとオーケストラの為の(1962)
コンチェルト- トロンボーンとオーケストラの為の(2017)…世界初録音
メドレー(2020)…世界初録音
Stroget / The Little Mermaid / Adam’s Theme / Take Off
(イブ・グリンデマン&ヴォルフガング・ケファー編)
ペア・モーテン・ビー(Tp)
ロベルト・ホルムステッド(Tb)
オーデンセSO
ジョルダーノ・ベッリンカンピ(指)

録音:2019年5月20-23日
1950年以降のデンマークにおける、スウィング・ジャズの第1人者として知られるイブ・グリンデマン。しかし彼はク ラシックの作曲家、トランペット奏者としての1面も持っていました。 このアルバムでは、そんなグリンデマンのクラシック作品を初めて紹介いたします。1962年に作曲された技巧的な トランペット協奏曲と2017年のトロンボーン協奏曲、これらはどちらも親しみやすく、ノリの良い祝祭的な気分に あふれた快活な作品です。また、グリンデマンの4つの代表作をつなげた「メドレー」はコペンハーゲンの日常的な 風景を想起させる描写的な音楽です。豊かな響きが存分に捉えられた素晴らしい録音も聴きどころです。

GRAND SLAM
GS-2248(1CD)
リスト:ピアノ協奏曲第1番
 ピアノ協奏曲第2番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番*
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
キリル・コンドラシン(指)LSO
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO*

録音:1961年7月19-21日ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール(ロンドン)
1960年11月2&3日シンフォニーホール(ボストン) *
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者〜 
リストのピアノ協奏曲第1番&第2番はリヒテルがイギリス・デビューを果たしたあとに収録されたもので、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番はリヒテルがア メリカ・デビュー後に録音されたものです。双方ともに歴史的名盤として有名であり、今さら説明の必要はないと思われます。その3曲を2トラック、38センチ、オー プンリール・テープより復刻、かつてないほど鮮明な音で蘇ります。とにかく、約60年もの前の録音から、これほどピアノの音像がくっきりと浮かび上がるのは驚 異的でしょう。  なお、解説書にはリヒテルの師ゲンリヒ・ネイガウスが、リヒテルについて記した貴重な文献を掲載しています。リヒテルとの最初の出会いから、レッスンにおけ るリヒテルの様子、師から見たリヒテルの素晴らしさなどが描かれています。(平林 直哉)

MELODIYA
MEL-1002662(2CD)
NX-C01
マリス・ヤンソンス モスクワでのラスト・コンサート
アレクサンドル・チャイコフスキー(1946-):ヴィオラ、独奏ピアノと管弦楽の為の協奏曲第2番
「シンプル・トーンによるエチュード」(ユーリ・バシュメットに捧げる)
2台ピアノと管弦楽の為の協奏曲 op.70
交響曲第4番- オーケストラ、合唱と独奏ヴィオラのために
ティホン・フレンニコフの思い出の為のエレジー
ワルツ
ユーリ・バシュメット(Va)
クセニア・バシュメット(P)
ボリス・ベレゾフスキー(P)
ダリア・チャイコフスカヤ(P)
ユルロフ・カペラcho
モスクワPO
マリス・ヤンソンス(指)

録音:2016年3月29日 ライヴ収録
チャイコフスキー・コンサート・ホール(ロシア)
2016年3月29日にチャイコフスキー・コンサートホールで開催されたマリス・ヤンソンスとモスクワPOとのコンサート。このコンサートの模 様は、すでに前半の2曲のみ2017年7月にリリース(MEL1002497)され大きな注目を集めましたが、結果的にこれがヤンソンスのモスクワでの最後のコン サートになってしまいました。今回は後半の3曲も加えた新装版としてのリリースとなります。 この日の演目はボリス・チャイコフスキーの甥である作曲家アレクサンドル・チャイコフスキー(ピョートル・イリイチとは血縁関係なし)の生誕70周年を祝すもの で、プログラムは全て彼の作品です。作曲家と音楽的信頼関係を築いてきたユーリ・バシュメットを迎えたこの演奏会は、ながらくアレクサンドル・チャイコフス キー作品を愛奏してきたヤンソンスにとっても、とりわけ記念すべきものであったことでしょう。 1993年に初演された「シンプル・トーンによるエチュード」は、バシュメットに献呈された作品で、ロマン派、印象主義、ジャズ、ミニマリズム、ロックンロールに至 るまでの様々な時代のイディオムが使われています。「2台のピアノと管弦楽の為の協奏曲」はネイガウス門下のアレクサンドル・スロボジャニクと彼の息子の ために書かれた作品。最初は独奏ピアノの協奏曲でしたが、初演の終了後に第2ピアノのパートが付け加えられたもので、このヴァージョンでの初演では作曲 家自身がこの第2パートを演奏したということです。 今回登場する交響曲第4番は、ヤンソンスが得意とするレパートリー。2009年にバイエルンRSOと行った演奏もリリースされており(BR KLASSIK 900107)、作品への深い愛着が感じられます。第二次世界大戦の終戦60年を記念しバシュメットの依頼により作曲されたこの曲は、大編成のオーケスト ラと合唱を要する大作。時折登場するヴィオラ・ソロがひときわ印象的です。全体的に激しい曲調ですが、最後に置かれた瞑想的な祈りの旋律が耳に残り ます。アンコールとして演奏された「ティホン・フレンニコフの思い出の為のエレジー」とワルツも貴重な記録です。

CPO
CPO-555421(1CD)
NX B02
ルドミル・ルジツキ:ヴァイオリン協奏曲 他
ヴァイオリン協奏曲 Op. 70(1944)
2つのメロディ Op. 5? ヴァイオリンとピアノの為の
2つの夜想曲 Op. 30 ? ヴァイオリンとピアノの為の
バレエ「パン・トファルドフスキ」 Op. 45からのトランスクリプション集-ヴァイオリンとピアノの為の
エヴェリナ・ノヴィツカ(Vn)
ポーラ・ラザール(P)
ミハウ・クレンジレフスキ(P)
ポーランド国立RSOカトヴィツェ
ジグムント・リヒェルト(指)

録音:2001年2月、2010年7月
ポーランドの作曲家・指揮者ルドミル・ルジツキ。カロル・シマノフスキ、グジェゴシュ・フィテルベルクらとともに 「若きポーランド」を組織し、近代ポーランドの音楽文化の活性化に努めた功績で知られました。今では、そ の作品を耳にすることはあまりありませんが、生前の彼は間違いなくモニューシュコに続くポーランドを代表す る歌劇・バレエ作曲家の一人としてみなされていました。なかでも『パン・トファルドフスキ(トファルドフスキ 氏)』は、ポーランド最初の大規模なバレエで、伝説に登場する貴族で錬金術師のトファルドフスキが、悪 魔に魂を売り荒唐無稽な旅を繰り返すという物語。ポーランド民謡を採り入れたわかりやすい旋律が人気 を獲得、ワルシャワだけでも800回以上の上演記録が残っています。器楽作品もいくつか書いており、この アルバムに収録されたヴァイオリン協奏曲は演奏者に高い技巧を要求する作品で、第2楽章まで完結して いるものの、未完成なのが惜しまれます。また『パン・トファルドフスキ』からの旋律を用いたトランスクリプション 集も聴きどころ。ポーランド出身の若き奏者エヴェリナ・ノヴィツカが巧みに弾きこなしています。

NCA
NCA-9601815(1CD)
【初紹介旧譜】
ヘンツェ:ギター作品集
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012):王宮の冬の音楽(1979)、
カリヨン,レシタティーフ,マスク(1974)、
An eine Aolsharfe(1985/86)
ザビーネ・エーリング(G)、
ブラッハー・アンサンブル、
フリードリヒ・ゴルトマン(指)

録音:1995年9月21日、11月16日-17日、SFBホールV
ドイツの現代作曲家ヘンツェの作品集。ギター奏者のザビーネ・エーリングは、ハンス・アイスラー音楽アカデミーと、ベルリン芸術大学で学びました。その後ソリストとして、ベルリン・フィルやベルリン・ドイツSOなど主要なオーケストラと共演しており、アバドやブーレーズとも定期的に共演しました。演奏会では、クルターグや、細川俊夫など現代作曲家の作品も多く取り上げています。

Solo Musica
SM-366(1CD)
NX-B03
ピアソラとマッサのヌエボタンゴ協奏曲集
オマール・マッサ(1981-):バンドネオン協奏曲「ブエノスアイレス=ベルリン」
 ブエノスアイレス・レゾナンス…世界初録音
 ネグロ・リソ
 タンゴ・レガシー
ピアソラ:バンドネオン協奏曲「アコンカグア」
 Tangazo:Variations on Buenos Aires
タンガーソ: ブエノスアイレス変奏曲
オマール・マッサ(バンドネオン)
ベルリンSO
マーク・レイコック(指)

録音:2021年2月15-19日
ブエノスアイレス出身の作曲家・バンドネオン奏者のオマール・マッサ。2009年からベルリンで演奏活動を行っています。アルゼンチンのタンゴとクラシック 音楽の融合をはかる彼は音楽評論家たちから「アストル・ピアソラの後継者」とみなされています。 このアルバムでマッサは、2019年のベルリンとブエノスアイレス姉妹都市提携25周年を記念し、アルゼンチン大使館から委嘱されたバンドネオン協奏 曲「ブエノスアイレス=ベルリン」を含む4つの作品と、ピアソラがバンドネオンとオーケストラのために書いた大作二つを収録。ピアソラ の切り開いたシン フォニックなヌエボタンゴの伝統を20世紀から21世紀へと見事に繋くことに成功しています。

アールアンフィニ
MECO-1065(1SACD)
税込定価
新倉 瞳/11 月の夜想曲
ファジル・サイ:11月の夜想曲〜チェロと管弦楽の為の
藤倉大:スパークラー〜チェロの為の
挾間美帆:組曲「イントゥー・ジ・アイズ」
佐藤芳明:2つの楽器の為の2つのカノン
和田薫:巫〜チェロと和太鼓の為の
ニーグン(伝承曲)
新倉 瞳(Vc)
飯森範親(指)東京SO
塚越慎子(マリンバ)
佐藤芳明(アコーディオン)
林 英哲(太鼓)

録音:2020年3月21日 東京歌劇シティ(ライブレコーディング)
2021年1月23日 ハクジュホール(ライブレコーディング
ファジル・サイ、藤倉大、挾間美帆、佐藤芳明、和田 薫の5人の気鋭の作曲家に新倉自身が作品を委嘱、全曲世界初演という記念碑 的アルバムです。 フルオーケストラによるサイの壮大な作品に始まり、塚越のマリンバ、佐藤のアコーディオン、そして林の大太鼓とチェロのデュオといったレコー ディングの限界に挑んだともいえる、心震える渾身のアルバムです。 (アールアンフィニ)

DIVINE ART
DDA-25222(1CD)
NX-B07
イザイ〜ヴァイオリン・ディスカヴァリーズ
感傷的な情景(1885)〜第3番/第5番
悲歌(1912頃)
3つのエチュード=ポエム(1924)
ロマンティックな小幻想曲(1901頃)*
ヴァイオリン協奏曲 ト短調(1910)(サビン・パウツァによる管弦楽編 2017)
シェルバン・ルプー(Vn)
アンリ・ボナミ(P)
リエパーヤSO
ポール・マン(指)

録音:2019年3月16日 ブラショフ(ルーマニア)、2020年3月29日 リエパーヤ(ラトヴィア
※*以外=世界初録音
ベルギーのヴァイオリニスト、指揮者、作曲家のイザイ。ナタン・ミルシテインが「ヴァイオリンの王」と呼ん だイザイの演奏は、何世代にもわたる音楽家たちに影響を与えてきました。作曲家としてもヴァイオリンの為の 作品を数多く残し、そのどれもが高い音楽性と、独自の作風による超絶技巧を駆使したものですが、あまりにも 演奏が難しいためか、その全てが知られているわけではありません。このアルバムには1885年から1924年までに 書かれたヴァイオリンとピアノの為の作品と、近年、ルーマニアの作曲家サビン・パウツァによってオーケストラ・ パートが補筆された「ヴァイオリン協奏曲イ短調」を収録。「ロマンティックな小幻想曲」を除き世界初録音となり ます。 演奏するのは、ルーマニアを拠点に活躍するシェルバン・ルプー。イリノイ大学で25年間教職に就くとともに、サン フランシスコ・歌劇のアソシエイト・コンサートマスターを務めるなど各方面で活躍。TOCCATA CLASSICSレー ベルでのハインリヒ・ウィルヘルム・エルンストやエネスコの録音が高く評価されています。

RUBICON
RCD-1053(1CD)
インフィニット・バッハ〜バッハ・リコンポーズド・バイ・ユーハン・ウッレン
原曲=バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042/ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041/チェンバロ協奏曲ニ短調 BWV.1052/チェンバロ協奏曲ト短調 BWV.1056
クリスチャン・スヴァルヴァール(Vn)、
ユーハン・ウッレン(指)LPO
スウェーデンの現代作曲家、ユーハン・ウッレンがバッハの協奏曲を再作曲!後のすべてのクラシック作曲家、さらにはジャズ、ロック、ポップスのミュージシャンにいたるまで、何世紀にもわたり多くの音楽家に影響を与え続けているバッハの音楽。リコンポーズ(recompose 再作曲、再構築)によって、すでに完璧な作品からも新たな発見と魅力が引き出せることは、ドイツ・グラモフォンからリリースされたマックス・リヒターの『Recomposed by Max Richter:Vivaldi's Four Seasons』(邦題:25%のヴィヴァルディ Recomposed By マックス・リヒター)の大ヒットでも証明済みです。
演奏はスウェーデンを代表するヴァイオリニスト、クリスチャン・スヴァルヴァールのソロと、作曲者自身が率いるロンドン・フィル。高音域で舞う大胆かつ挑戦的なソロと、オーケストラの充実した低弦とのコントラストが印象的なサウンドを作り出し、クラシックとニューエイジ、どちらのファンにも訴えかける作品に仕上がっています。

Onyx
ONYX-4235(1CD)
レーガー:ピアノ協奏曲 へ短調 Op.114
 6つの間奏曲 Op.45a
ヨーゼフ・モーグ(P)、
ニコラス・ミルトン(指)、
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO
1987年生まれ、2015年に英グラモフォン賞の「ヤング・アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」を受賞、2016年に「グリーグ&モシュコフスキ:ピアノ協奏曲集(ONYX4144)」が第58回グラミー賞にノミネートしたドイツのヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ヨーゼフ・モーグ。ショパン、リスト、ルビンシテイン、ブラームス、チャイコフスキー、グリーグ、シャルヴェンカ、モシュコフスキ、ラフマニノフなど、ロマン派のピアノ協奏曲やピアノ作品の録音で次々と成功を収めている彼が次に向かったのは、古今のピアノ協奏曲の中で最も要求が高く、人を寄せ付けないレーガーのピアノ協奏曲!1910年に書かれたこの巨大な協奏曲には、大規模なオーケストラを明瞭に用い、ピアノをオーケストラの一部にするという、レーガーの恐るべき技術がすべて示されています。一方、カップリング曲の「6つの間奏曲」は優しくロマンティックで詩情豊かな作品であり、レーガーという複雑な作曲家の異なる側面を見ることができます。

EGEA
SCA-172(1CD)
タヴナー:チェロと弦楽オーケストラの為の「奇跡のヴェール」
ジュディス・ウィアー(1954−):無伴奏チェロの為の「アンロックト」
マリオ・ブルネロ(Vc)、
クレメラータ・バルティカ、
アイナルス・ルビキス(指)

録音(ライヴ):2010年7月16日、聖ニコラウス教会(ロッケンハウス、オーストリア)
チェロ界の巨匠アントニオ・ヤニグロに師事した後、1986年に26歳で第8回チャイコフスキー国際コンクールで優勝を果たし、世界トップクラスのチェリストとしての地位を確立したイタリアの名匠マリオ・ブルネロ。
ブルネロが2010年のロッケンハウス音楽祭で披露した近現代プログラムは、ジョン・タヴナーの「神秘のヴェール」と"女王陛下の音楽師範"としてその名を知られるイギリスのジュディス・ウィアーの「アンロックト」の2作品!
イギリスの神秘主義作曲家タヴナーの代表作である傑作と、アメリカ南部、黒人の囚人の歌を題材として5曲で構成されるウィアー1999年の無伴奏作品のカップリングは、近現代の英国楽壇におけるチェロ作品の魅力、神秘主義音楽と幻想曲風の作品とのコントラストなどを聴かせてくれる好プログラムです。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-049(1CD)
ヘンデル:オルガン協奏曲とモテット
オルガン協奏曲 ヘ長調 Op. 4-4 HWV 292
サルヴェ・レジーナ」 HWV 241
オルガン協奏曲 ニ短調 Op. 7-4 HWV 309
「たとえ暴虐の中に地は荒れ狂おうとも」 HWV 240
オルガン協奏曲 ト短調 Op. 4-1 HWV 289
キアラ・スケラート(S)
ガエタン・ジャリ(独奏オルガン、指)
アンサンブル・マルグリット・ルイーズ(古楽器使用)

録音:2020年6月11-14日ヴェルサイユ宮殿、王室礼拝堂、フランス
オルガンの名手であり、アンサンブル・マルグリット・ルイーズを率いてのフランス・バロック声楽作品演奏の数々で高く評価されるガエタン・ジャリ が、ヴェルサイユ宮殿の礼拝堂でヘンデルのオルガン協奏曲を演奏したアルバム。しかし礼拝堂が誇る1710年建造の有名な大オルガンで はなく、新たに据えられたカンタン・ブリューメンレーダー製造の大ぶりなポジティフ・オルガンを敢えて用いているのが特徴で、劇場での大規模 な声楽作品の幕間にヘンデル自身がソロを担当して演奏されたという、これらの作品本来の親密な表情を上手く伝えています。協奏曲の 間には、オラトリオの代わりに小規模な独唱モテットを収録。ソロを担当するキアラ・スケラートはスイス出身でパリ国立高等音楽院に学んだ ソプラノで、バロックから現代まで幅広いレパートリーを持ち、近年ヨーロッパを中心に注目されています。ボルドー国立歌劇場の「ペレアスとメ リザンド」(ALPHA752/NYCX-10240)のメリザンド役でも大きな注目を浴びました。ここでも高い技術に裏打ちされた奥深い表現を聴く ことが出来ます。これらの作品が英国で生まれたことに由来すると思われるジャケットも、遊び心が効いたもの。

Goodies
78CDR-3846(1CDR)
税込定価
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
ヨーゼフ・カイルベルト(指)BPO

独 TELEFUNKEN SK3712/4(1941年ベルリン録音)
クーレンカンプのこの曲の第1回目の録音。第2回目は1947年のシューリヒト指 揮で本シリーズ78CDR-3123で出ています。ゲオルク・クーレンカンプ(1898-1948) はドイツのブレーメン生まれ。第2次世界大戦中ソリストとして活躍する傍ら、 ベルリン高等音楽院ヴァイオリン科の教授を1943年まで務めた。1944年にスイ スのルツェルン音楽院教授となり、ピアノのエトヴィン・フィッシャー(1886- 1960)、チェロのエンリコ・マイナルディ(1897-1976)とのトリオでも活躍した。 1948年50歳を迎えて間もなく急逝した。指揮者のヨーゼフ・カイルベルト(1908 -1968)はカールスルーエ生まれ。1935年カールスルーエ国立歌劇場の音楽監督、 1940年にプラハのドイツ・フィルハーモニーの指揮者に転任。さらに終戦まで ドレスデン・シュターツカペレの首席指揮者を務めた。その後バンベルク交響 楽団、ベルリン国立歌劇場、ハンブルク・フィル、バイロイト音楽祭(1952-56) の指揮をした。1965年、1955年、1968年に来日しNHKSOを指揮した。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジ(3mil針)とコルグのNu 1DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

HUNGAROTON
HCD-32799(1CD)
ホフマイスター:ヴィオラ協奏曲 ニ長調
シュターミッツ:ヴィオラ協奏曲第1番ニ長調
モーツァルト:ヴィオラ協奏曲イ長調 K.622(原曲:クラリネット協奏曲)
アニマ・ムジケ室内O、
マテ・スーチュ(Va)

録音:2021年フンガロトン・スタジオ(ハンガリー)
2011年よりベルリン・フィルの第1ソロ・ヴィオラ奏者を務めるハンガリー出身のマテ・スーチュがアニマ・ムジケ室内Oとの共演でウィーン古典派のヴィ オラ協奏曲を録音しました。同時代、ヴァイオリンやチェロに比べてヴィオラの協奏曲は極端に少なく、それはヴィルトゥオーゾがいなかったと考えられます。当アル バムではその数少ない作品の中からフランツ・アントン・ホフマイスターとカール・シュターミッツ(1745-1801)の2つの代表的なヴィオラ 協奏曲に加えて、モーツァルトのクラリネット協奏曲 イ長調をヴィオラ用に編曲したもの(編曲者不詳/1802年ヨハン・アンドレ出版)を収録しました。
スーチュは、ハンガリーとベルギーで学び、国際的な様々なコンクールに入賞。その後、バンベルクSO、ドレスデン・シュターツカペレで活躍し、2011年に ベルリン・フィルに第1ソロ・ヴィオラ奏者として入団した逸材です。美音が魅力のスーチュは音の立ち上がりが素晴らしく、一音一音、活気にあふれたエネルギッ シュな演奏を披露しております。
アニマ・ムジケ室内Oは古楽から現代まで、ジャンルはハンガリーの伝統音楽からクラシックの室内楽の主要なレパートリーを網羅し、定期演奏会をはじ め各地での音楽祭に参加し国内では定評のあるユース・オーケストラです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72871(1CD)
シューマン:チェロ作品全集
(1)アダージョとアレグロ 変イ長調 Op.70
(2)幻想曲集 Op.73
(3)民謡風の5つの小品 Op.102
(4)チェロ協奏曲 イ短調 Op.129
エッラ・ファン・ポウケ(Vc)
ジャン=クロード・ヴァンデン・エインデン(P(1)(2)(3))
ギュンター・ノイホルト(指(4))
フィオンO((4))

録音:(1)-(3)2021年6月11-13日、(4)2021年1月26-29日
チェリストのエッラ・ファン・ポウケは1994年アムステルダム生まれ。2015年イサン・ユン国際コンクール第1位などの受賞歴を誇る逸材です。もともと管 楽器の為の作品であるなどして他の楽器で演奏されることも多い室内楽と、高い音楽性が求められる協奏曲、チェロの響きを通して描かれるシューマンの世界 をお楽しみください。
ヘルダーラント州とオーバーアイセル州のオーケストラであるフィオンO(Phion, Orchestra of Gelderland & Overijssel)は、オランダで長い歴 史を持つ2つのオーケストラ、アーネム・フィル(Gelders Orkest, 1889-)とオランダSO(Orkest van het Oosten, 1933-)が2019年に合併 して誕生したオーケストラです。 (Ki)

DOREMI
DHR-8153(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第10集
(1)バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
(2)ベルク:ヴァイオリン協奏曲
(3)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番
シューベルト:ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ第1番 ト短調 Op.137
ファーガソン:ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.10
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96
アイザック・スターン(Vn)

(1)エルネスト・アンセルメ(指)、ルツェルン祝祭O
ライヴ録音:1956年8月18日
(2)ジョン・プリッチャード(指)、ロイヤル・リヴァプールPO
ライヴ録音:1960年/第14回エディンバラ国際フェスティバル
(3)マイラ・ヘス(P)
ライヴ録音:1960年8月28日/第14回エディンバラ国際フェスティバル
スターンの貴重音源、第10集。1960年エディンバラでのライヴは協奏曲と室内楽を収録。マイラ・ヘスとの共演ではイギリスの作曲家ハワード・ファーガソン (1908-1999)のソナタといった珍しい作品も聴けます。 (Ki)

TOCCATA
TOCN-0010(1CD)
NX-B03
カタロニアの小協奏曲集と幻想曲集
マルク・ミゴ(1993-):Fantasia popular 人気の幻想曲(2016/2017改訂)
フアン・マネン(1883-1971):ヴァイオリン小協奏曲 Op. A-49(作曲年不詳)
ミゴ:ピアノ小協奏曲(2016)
 ハンス・ロットの墓碑銘 - 弦楽の為の(2015)
マネン:Rapsodia catalana カタロニア・ラプソディ Op. A-50(1954)
カリーナ・マクタ(Vn)
セルジ・パチェコ(P)
ダニエル・ブランチ(P)
ウクライナ国立SO
ヴォロディミール・シレンコ(指)

録音:2018年10月7-11日
Concert Hall of Ukrainian Radio,
キエフ(ウクライナ)
世界初録音
近代カタロニアで活躍した作曲家、フアン・マネンと1993年生まれのマルク・ミゴの作品集。二人とも作品にカタ ロニアの伝統音楽を採り入れており、その作風はマヌエル・デ・ファリャを思わせる斬新さを特長としています。フア ン・マネンは管弦楽曲から歌曲まで数多くの作品を残しましたが、マネン自身が優れたヴァイオリニストであったた め、このアルバムに収録されたヴァイオリン協奏曲でもロマンティックな情緒を湛えた美しい旋律を聴くことができま す。マルク・ミゴは16歳の誕生日に祖父からCDコレクションを贈られクラシック音楽に開眼したという若き作曲 家。カタロニアで学んだ後、ニューヨークに移住。ジュリアード音楽院で学び、2018年にオーケストラ作曲賞を受 賞するなど注目の逸材です。このアルバムには3作品が収録されており、「ハンス・ロットの墓碑銘」は彼が敬愛 するウィーンの作曲家へのオマージュとして作曲されています。

Gramola
GRAM-98025(1CD)
エルキン&ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲集
ウルヴィ・ジェマル・エルキン(1906-1972):ピアノ協奏曲(1942)
ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲 変ニ長調 Op. 38(1936)
ギュルスィン・オナイ(P)
ビルケントSO
ホセ・セレブリエール(指)

録音:2011年1月10-14日
※アルバムの別品番Aldila Records ARCD025
アルメニア民謡の素材を採り入れたハチャトゥリアン、トルコの伝統音楽を採り入れたエルキン。この2人のピアノ 協奏曲は、どちらも魅力的な旋律と華やかな演奏効果を持つ、難度の高い作品です。ハチャトゥリアンの曲は 名手ヴァン・クライバーンが紹介したことで広く知られました。エルキンの作品はトルコ以外ではほとんど知られてお らず、このアルバムが初の商業録音となります。ピアニストのギュルスィン・オナイはトルコを代表する女性ピアニス トの一人。ソリストとして世界的に活躍しており、このアルバムでも見事な技巧と、幅広い音楽表現を聴かせま す。指揮を務めるのはダイナミックな演奏で知られるウルグアイ出身のホセ・セレブリエール。作曲家としての活動 も知られるマルチな音楽家です。

NIFC
NIFCCD-201(1CD)
ショパン:ピアノと管弦楽の為の作品集
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲変ロ長調 Op.2
ポーランドの歌による幻想曲 イ長調 Op.13
ロンド・クラコヴィアク ヘ長調 Op.14
アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ 変ホ長調 Op.22
ピオトル・アレクセヴィチ(P/スタインウェイ D,578221)、
ハワード・シェリー(指)、
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2019年11月25日−28日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・ホール(ポーランド、ワルシャワ)
2000年生まれのポーランドの若き才能、ピオトル・アレクセヴィチと、ハワード・シェリー率いるシンフォニア・ヴァルソヴィアによる、ショパンのピアノと管弦楽の為の作品集!有望な若いアーティストを紹介するポーランド国立ショパン研究所(NIFC)自主レーベルの「デビュー/ヤング・タレント」シリーズより2019年にリリースされたデビュー・アルバム(NIFCCD704 ショパンやリスト、ラヴェルの作品を収録)でも名演を聞かせたアレクセヴィチは、ダン・タイ・ソン、ジャック・ルヴィエ、ドミトリ・アレクセーエフらのマスター・クラスを受け、フランスの権威あるガニー国際ピアノ・コンクール2017でグランプリと聴衆賞を獲得した逸材。そのほかポーランドのグダニスクで行われたナショナル・ショパン・ピアノ・コンクール2017で第1位と協奏曲賞、ポーランドのサノクで行われた第8回国際ピアノ・フォーラムで「ゴールデン・パルナッソス2018賞」なども受賞し、2018年と2019年の「ショパンと彼のヨーロッパ国際音楽祭」にも出演しているという、ポーランドの若い世代のもっとも才能あるピアニストの一人です。

MUSICAPHON
M-56866(1SACD)
ウィーンの室内セレナーデ
シューベルト(アンドレアス・N・タルクマン編):イタリア風序曲第1番ニ長調 D.590
ハイドン(ウルフ=グイド・シェーファー編):交響曲第45番嬰ヘ短調 Hob.I:45「告別」
モーツァルト(アンドレアス・N・タルクマン編):セレナーデ第9番ニ長調 K.320 「ポストホルン」
エムスラント・アンサンブル

録音:2005年7月(ドイツ)
各1本の弦五部にクラリネット、ファゴット、ホルンという八重奏で奏でるシューベルト、ハイドン、モーツァルトの作品群。アンドレアス・N・タルクマンは名アレンジャーとして有名なハノーファー生まれの作編曲家で、管弦楽作品から歌劇やワーグナーの楽劇、映画音楽や舞台音楽に至るまで数多くの名編曲を世に送り出しています。ハイドンの交響曲第45番は、ハノーファー北ドイツ放送POのクラリネット奏者であるウルフ=グイド・シェーファーによって、彼らのために新たに編曲されました。
MUSICAPHON
M-51809(1CD)
ミヨー&ラダノヴィチ:管弦楽作品集
ミヨー:マリンバ、ヴィブラフォンと管弦楽の為の協奏曲、葬送の行列
ミヒャエル・ラダノヴィチ(b.1958):イントロヴァージョン
ミヨー:シンフォニエッタ
ネボシャ・ヨヴァン・ジヴコヴィッチ(マリンバ、ヴィブラフォン)、
オーストリア室内SO、
エルンスト・タイス(指)

録音:1995年6月(ウィーン)
ネボシャ・ヨヴァン・ジヴコヴィッチは1962年旧ユーゴスラヴィア生まれの打楽器奏者、作曲家。10代でドイツへ渡り、マンハイムとシュトゥットガルトで打楽器や作曲を学びました。ヨーロッパをはじめアメリカや日本を含むアジアなど各地で幅広い演奏活動を行っています。本アルバムではミヨーの協奏曲のソリストとしてでなく「葬送の行列」、またオーストリアの作曲家ミヒャエル・ラダノヴィチによるシンフォニックジャズ調の組曲「イントロヴァージョン」にもマリンバで参加しています。
MUSICAPHON
M-56821(1CD)
マルティヌー&シュタインメッツ:協奏曲集
マルティヌー:室内協奏曲(独奏ヴァイオリン、ピアノ、ティンパニ、打楽器、弦楽オーケストラの為の)
ヴェルナー・シュタインメッツ(b.1959):ソロと室内楽(独奏ヴァイオリン、ピアノ、ティンパニ、弦楽オーケストラの為の)
マルティヌー:チェロの為のコンチェルティーノ
ザビーネ・ヴィントバッヒャー(Vn)、
マルティン・ランメル(Vc)、
オーストリア室内SO、
エルンスト・タイス(指)

録音:1994年5月(ウィーン
マルティヌーとオーストリア出身の作曲家、指揮者、トランペット奏者であるヴェルナー・シュタインメッツの小編成の協奏曲集。オーストリア・リンツ出身のヴァイオリニスト、ザビーネ・ヴィントバッヒャーは、オーストリアの主要なオーケストラの一つであるリンツ・ブルックナーOでコンサートミストレスを務めた名手。チェロのマルティン・ランメルもロンドンでロバート・コーエンに学び、数々のコンクールで入賞している実力者です。

Biddulph
BIDD-85006(1CD)
オスカー・シュムスキー/モーツァルト他



(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調「トルコ風」 K. 219
(2) バッハ:ミサ曲 ロ短調 - ラウダムス・テ
(4)バッハ:ミサ曲 ロ短調 ? ベネディクトゥス
(5)モーツァルト:歌劇「羊飼いの王様」 - 彼女を愛そう
(6)ラフマニノフ:夜の静けさに Op. 4 No. 3
(7)ラフマニノフ:子供たちに Op. 26 No. 7
(8)ラフマニノフ:美しいひとよ、私のために歌わないで Op. 4 No. 4
(8). ラフマニノフ:私の窓辺に Op. 26 No. 10
(9)チャイコフスキー:『白鳥の湖』より第2幕-パ・ド・ドゥ
(10)マスネ:歌劇「タイス」より「瞑想曲」
(11)ファイアストーン:Do You Recall?
(12)シューマン:トロイメライ(グッドマン編)
オスカー・シュムスキー(Vn)

(1)録音:1955年 Music Appreciation Records 5613
リトル・オーケストラ・ソサエティ/トーマス・シェルマン(指)
(2) 録音:1947年1月30日/RCA Victor 11-9712 in set M-1145(matrix D7-RC7228/29)
(4)録音:1947年1月31日/RCA Victor 11-9725 in set M-1146(matrix D7-RC7255)
ジューン・ガードナー(S)
ルシウス・メッツ(T)
RCAビクターO/ロバート・ショウ(指)
(5)録音:1950年3月24日/RCA Victor 12-1317 in set DM-1423(matrix EO-RC830)
エレナ・ベルガー(S)/ゲオルゲ・シック(P)
(6)録音:1947年8月12日/RCA Victor 12-0499 in set MO-1251(matrix D7-RC8332)
(7)録音:1947年8月12日/RCA Victor 12-0499 in set MO-1251(matrix D7-RC8334)
(8)録音:1947年8月12日/RCA Victor 12-0500 in set MO-1251(matrix D7-RC8333)
(8)録音:1947年8月12日/RCA Victor 12-0500 in set MO-1251(matrix D7-RC8335)
ジェームズ・メルトン(T)/キャロル・ホリスター(P)…7-10
(9)録音:1953年プライヴェート録音
コロンビアSO/ヨゼフ・レヴィン(指)
(10)録音:1950年 ART111
アメリカ放送O/アルフォンソ・ダルテガ(指)
(11)録音:1947年以前 (matrix D7-CC7932)
ヴォイス・オブ・ファイアストーン・オーケストラ
ハワード・バルロウ(指)
(12)録音:ーマン:トロイメライ(グッドマン編)
1947年1月6日 RCA Victor 46-0008
アル・グッドマンと彼のオーケストラ

復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:David Hermann
マスタリング:Dennis Patterson
オスカー・シュムスキー(1917-2000)にとってモーツァルトのK.219は特別な曲。7歳の時にストコフスキー指揮のフィラデルフィアOに招か れて演奏し、神童として注目を集めたのがこの曲でした。このCDに収められたのは、シュムスキーにとって同曲の初録音。当時の音楽ファンの間で は待望の1枚だったことでしょう。楽譜に無い音を加えるなど、当時の演奏スタイルの記録としても興味深いものがあります。 4から10はRCAへの録音で、当時流行していた人気歌手と著名ヴァイオリストの組み合わせ。ラフマニノフの4曲は英語歌唱です。11から14はオ ケをバックにしたソロの録音。11-13は過去の発売歴が不明ですが、シュムスキーの関係者の提供により復刻となりました。 変わり種は13。往年のタイヤメーカー、米ファイアストーン社はかつてラジオとテレビで音楽番組を提供しており、シュムスキーは一時期、番組所属 のオーケストラのコンサートマスターでした。この曲はファイアストーン創業者の夫人が作曲した抒情的なポップス。 14のやや甘口なアレンジともに、 20世紀半ばのアメリカの空気を伝えます。

SWR music
SWR-19427CD(3CD)
NX-B06
イダ・ヘンデル SWR録音集 1953-1967

【CD1】
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
(2)メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
【CD2】
(1)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(2)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
【CD3】
(1)ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
(2)バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番*
イダ・ヘンデル(Vn)
シュトゥットガルトRSO
ハンス・ミュラー=クライ(指)

録音(全てライヴ)
(1)1955年9月20日 ゼンデザール、ヴィラ・ベルク、シュトゥットガルト
(2)1953年1月10日 ゼンデザール、ヴィラ・ベルク、シュトゥットガルト
(31960年1月8日 リーダーハレ、シュトゥットガルト
(4)1965年9月21日 リーダーハレ、シュトゥットガルト
(5)1962年2月5日 ゼンデザール、ヴィラ・ベルク、シュトゥットガルト
(6)1967年11月23日 リーダーハレ、シュトゥットガルト
*のみステレオ
ポーランド出身のヴァイオリニスト、イダ・ヘンデル(1928-2020)が弾く名ヴァイオリン協奏曲集。 ベルリンでカール・フレッシュに、またパリでジョルジュ・エネスコに師事、情熱的な感情表現と、巧みな演奏技術 によって「ヨハンナ・マルツィやジネット・ヌヴーと並ぶ伝説のヴァイオリニスト」と呼ばれ、デビューから70年にわたり 聴衆を魅了してきたヘンデル。録音の少ないことでも知られ、この1950年代から60年代の一連の録音はとて も貴重なものです。バックを務めるシュトゥットガルトRSOを指揮するのは当時首席指揮者のハンス・ ミュラー=クライ。ニュアンスに富んだ彼女の演奏を支えています。

SUPRAPHON
SU-4303(1CD)
イングリッシュホルンの芸術
(1)バッハ(レンツ編):協奏曲 ト長調 (復活祭オラトリオ BWV249からの再構築)
(2)ドヴォルザーク(レンツ編):「ラルゴ」より抜粋〜交響曲第9番「新世界から」より
(3)シューベルト(ブランドシュテッター編):即興曲第3番変ト長調 Op.90
(4)シベリウス:「トゥオネラの白鳥」 Op.22
(5)ジャン・フランセ:コール・アングレ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロの為の四重奏曲
(6)ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」第3幕前奏曲「嘆きの調べ」
ドミニク・ヴォレンウェーバー(イングリッシュホルン)
(4)サー・サイモン・ラトル(指)BPO
(1)(2)(5)BPOのメンバー、
(3)(6)アンナ・キリチェンコ(P)

録音:(1)(2)2021年3月16日、(3)(6)2021年5月28日カンマームジークザール、フルハーモニー・ベルリン(セッション)
(5)2020年6月5日、
(4)2014年12月14日グローサー・ザール(大ホール)、フルハーモニー・ベルリン(ライヴ)
ベルリン・フィルの首席イングリッシュホルン奏者ドミニク・ヴォレンウェーバーのアルバム「イングリッシュホルンの芸術」が登場!イングリッシュホルン(コール・ アングレ)は柔らかく抒情的な音色が魅力。それ故にオーケストラの中でも印象的な場面で使用されることが多く、名曲には欠かせない楽器といえます。その筆頭 はやはりドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章「ラルゴ」。楽器の名前こそ知らなくも誰もが耳にしたことがあるあの哀愁漂うメロディは、イン グリッシュホルンでしか表現することのできない世界でしょう。
ヴォレンウェーバーは1993年からベルリンPOに入団し、以後当団の顔として第一線で活躍する名手で、クラウディオ・アバドは「史 上最高のプレーヤー」と激賞しています。今回の録音でも当団のメンバーと息の合った演奏を聴かせます。シベリウスの「トゥオネラの白鳥」ではラトル(指)ベル リン・フィルの透き通るような美しい演奏をお届け。ここでもやはり印象的な場面で登場するイングリッシュホルンの音色に酔いしれることができます。
この他、バッハの「復活祭オラトリオ」からの再構築にとるイングリッシュホルン協奏曲やシューベルトの即興曲第3番の編曲作品、さらにはジャン・フランセのオ リジナルの四重奏曲、そしてワーグナーの「嘆きの調べ」と、イングリッシュホルンの独特の独特な音色の魅力に満ちた「イングリッシュホルンの芸術」、必聴です! (Ki)

MSR
MS-1746(1CD)
「クイックシルヴァー」〜吹奏楽伴奏の協奏曲集
(1)ステーシー・ギャロップ(b.1969):クイックシルヴァー(2017)
(2)デイヴィッド・マスランカ(1943-2017):ピアノとウィンド・アンサンブルの為の協奏曲第3 番(2016)
(3)デイヴィッド・ビーデンベンダー(b.1984):葉の上に書かれたもの(2019)
マシュー・ウェストゲイト(指)
UMASSウィンド・アンサンブル
(1)ジョナサン・ハルティング=コー
エン(Sax)
(2)ナディーン・シャンク(P)

録音:(1)(2)2018年4月18-19日、(3)2019年4月28日マサチューセッツ大学ファイン・アーツ・センター
ウィンド・アンサンブル(いわゆる吹奏楽)をバックにした協奏曲を中心にした作品集。ガロッ プの「クイックシルヴァー」はサックスの抒情的で息の長い旋律にアンサンブルが時に豪快 に、時に室内楽的に繊細に色彩をつける秀作。ウィンド・アンサンブルの新作として一聴に値 する佳品。吹奏楽界の帝王マスランカの協奏曲はピアノとウィンドアンサンブという組み合わ せが珍しく、近代イギリスの作曲家の作品を思わせるメランコリックなハーモニーと旋律が美し い。ビーデンベルダーの「葉の上に書かれたもの」は、ややミニマル風に書かれた奇知に富 んだ3 楽章からなる作品。

BERLINER PHILHARMONIKER
KKC-9695
(2CD+1Bluray)
税込定価
ベルリン・フィル&F.P.ツィンマーマン


■CD1
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 (カデンツァ=クライスラー)
(2)ベルク:ヴァイオリン協奏曲

■CD2
(1)バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番
(2)バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番

■Bluray
・上記全曲のコンサート映像(すべてHD映像)
・インタビュー映像〜F.P.ツィンマーマンとベルリン・フィル(45分)
フランク・ペ ーター・ツィンマーマン(Vn)
BPO

■CD1
(1)ダニエル・ハーディング(指)
録音:2019年12月21日、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
(2)キリル・ペトレンコ(指)
録音:2020年9月19日、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
■CD2
(1)アラン・ギルバート(指)
録音:2016年11月29日、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
(2)アラン・ギルバート(指)
録音:2016年12月4日、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
■Blu ray
画面:Full HD 1080/60i − 16:9
音声:2.0 PCMステレオ/5.1DTS-HD MA
リージョン:ABC(worldwide)
総収録時間:135分
字幕:独、英、日本語
Audio:2.0PCM Stereo 24 bit/48kHz 5.1DTS-HD MA 24 bit/48kHz
■ダウンロード・コード
この商品には、上記全曲のハイレゾ音源(24bit/192kHz)をダウンロードするためのURLとそのパスワードが封入されています。
■デジタル・コンサートホール
ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」を7日間無料視聴できるチケット・コードが封入されています。
ベルリン・フィル・レコーディングスからソリストに焦点を当てたディスクがリリースされます。 常に世界的指揮者たちとの演奏で注目されるベルリン・フィルですが、一流のソリストたちとの共演も見逃すことはできません。今回登場するのは36年間にわたっ て実りある関係を築き上げてきたヴァイオリニストのフランク・ペーター・ツィンマーマン。
1985年にヴァルトビューネでの初共演以来、ツィンマーマンとベルリン・フィルは密接な関係にあります。彼の演奏は世代を超えて受け継がれており、近年の オーケストラ界を形成する指揮者の中で、この優れたヴァイオリニストと共同作業をしていない人はほとんどいないといえるほどです。
まず、ツィンマーマン自ら「ヴァイオリン協奏曲のエベレスト」と呼ぶベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。この作品をベルリン・フィルと30年ぶりに共演し、完 璧無比な演奏を聴かせています。ダニエル・ハーディングは、ソリストとオケの緊密な連携をとり、作品に寄り添った指揮ぶりをもせています。
続いては、1936年に初演されたベルクのヴァイオリン協奏曲。ベルクは、若くして亡くなったマノン・グロピウスへのレクイエムとして「ある天使の思い出に」と いう献辞が付けられたヴァイオリン協奏曲を作曲しました。ツィンマーマンの解釈はこの十二音技法の作品の深いロマンティックな側面を明らかにしたもので、彼 はキリル・ペトレンコと共演した時間を忘れがたい「素晴らしい瞬間」と振り返っています。
最後に、バルトークの2つのヴァイオリン協奏曲。ツィンマーマンは、ディテールやニュアンスが非常に豊かなバルトークの音楽に、最大の敬意をもって取り組ん でいます。彼がこの2つの作品に取り組み始めたのは、芸術家としてのキャリアの中でも比較的遅い時期でしたが、即座に彼を魅了しました。ツィンマーマンは、 2016年にこの2つのヴァイオリン協奏曲を、20年以上の親交があるベルリン・フィルとアラン・ギルバートとの共演で録音しました。歓喜に満ちた第1番は、若き ヴァイオリニスト、シュテフィ・ゲイエルへの愛に捧げられており、第2番は官能的な旋律と独創的な形式で魅了します。ツィンマーマンは、後者を「もっとも偉大な ヴァイオリン協奏曲の3曲中の1つに数えられる」と称賛しています。
2枚のCDとBlu-rayに収録された音源に加え、高品質なハードカバー装丁の当エディションには、多数の写真を掲載した充実したブックレットが付いています。 カバー・アートは、ドイツの現代アーティスト、ヨリンデ・フォークトの作品です。


Treasures
TRE-268(1CDR)
ワイエンベルク/R.シュトラウス&ガーシュイン
R・シュトラウス:ブルレスケ*
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
 ピアノ協奏曲ヘ調
ダニエル・ワイエンベルク(P)
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)*
フィルハーモニアO*
ジョルジュ・プレートル(指)
パリ音楽院O

録音:1963年6月16&19日*、1960年頃(全てステレオ)
※音源:蘭CNR SKLP-4145*、蘭EMI 5C045-11656
◎収録時間:69:03
“リズムと色彩が常に共存する驚異のガーシュウィン!”
■音源について
ワイエンベルク(1929-2019)の父はオランダ人で、幼少期もオランダで過ごしていたせいか、オランダ盤のレコードの流通が目立ちます。R・シュトラウスはW.R.C、ガーシュウィンはDucretet-Thomson原盤。

★ガーシュウィンの2曲は、ジャズ寄りかクラシック寄りかといった単純な区別に収まらない強烈な説得力を誇る名演としてお薦め!その最大の魅力は、色彩の豊かさと作品への愛の深さ!とにかく「そこそこの表現」などどこにもありません。
 「ラプソディ・イン・ブルー」は、まずはプレートルのいつもながらのやる気全開の指揮に釘付け!冒頭クララリネットの繊細さと洒脱さ!0:44からの濃厚でクリーミーなサックスなど、パリ音楽院の技術とセンスの高さは言うまでもないですが、それに加え、全ての表現が「多くの選択肢の中からの選りすぐり」感が尋常ではなく、プレートルという指揮者が音楽への愛の実現に向けて死ぬまで体を張っていた指揮者だったことを思い知らされます。そして、10:58からの陶酔的なメランコリー!こんな深い呼吸を見せた演奏が他にあるでしょうか?
 ワイエンベルクのピアノは、ジャズの真似事に傾かず、これまた痛快。6:02からのカデンツァなど、スウィングというよりクラシカルなルバートとフレージングを基調としていますが、全ての間合いが絶妙。タッチも硬軟織り交ぜ、チャーミング囁きから強靭なフォルテまでニュアンスの幅も広く、プレートル同様にセンスの塊。このような両者ががっぷり四つに組んだ演奏がワククァクさせるか、容易に想像いただけると思います。
 ピアノ協奏曲も、指揮・ソロ共々、作品への共感の熱さとベストと確信した表現を臆せず敢行する意思力が尋常ではなく、これほどの名曲だったかと認識を新たにするばかり。
 第1楽章では、4:02からの狂おしい熱情が聴きもの!6:55からのキラキラした色彩からの幸福感溢れる空気には、涙を禁じえません。8:24からのリズムの応酬にも悪乗りせず、ワイエンベルクはタッチの粒立ちの良さを全開にさせ、音楽の軸を保持しながら確固としたフォルムを形成。「ジャズの真似事」に逃げない姿勢はここにも色濃く反映させています。
 第2楽章は、冒頭オケによる気だるいブルースと決然と打ち鳴らされるピアノ・ソロのコンロラストが絶妙。終楽章では、この演奏の凄さを更に痛感!速い走句でも混濁しないワイエンベルクのタッチの魅力はここでも大発揮され、リズムだけに乗っかることのないように響き全体を凝縮しようとする意志が全体に漲っているので、痛快さ以上の圧倒的な手応えをもたらしてくれるのです。
 ここでもプレートルのオケの鳴らしっぷりは見事!特に終楽章コーダは、ガーシュウィンが初めて自力で全て行ったオーケストレーションの天才芸を余すことなく引き出しています。
 「ブルレスケ」は、ワイエンべレクの硬質に煌めくタッチを武器として感覚的な美しさを絶やさない一方で、厳格なアーティキュレーションで音楽の立体的に再現することで、とりとめのない演奏になりがちなこの作品の魅力を再認識させてくれ、そこには洗練されたニュアンスがぎっしり凝縮されています。
 若きドホナーニの指揮も堂に入っており、壮大さと繊細さを兼備。ティンパニの巧さも特筆もの。この作品をティンパニ協奏曲にさせない配慮にもご注目を。【2021年8月・湧々堂】

Signum Classics
SIGCD-675(1CD)
グリーグ&ラフマニノフ:ピアノ協奏曲集
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16*
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番#
テッド・ヨセルソン(P)、
アーサー・フェイゲン(指)、
ロイヤルPO*、
フィルハーモニアO#

録音:2019年11月25日(ラフマニノフ)&26日(グリーグ)、アビー・ロード・スタジオ(ロンドン)
ベルギー系アメリカ人の伝説的ピアニスト、テッド・ヨセルソン(テッド・ジョセルソン)が弾く、グリーグとラフマニノフの名曲コンチェルト・アルバムが登場!
テッド・ヨセルソンは1954年アントワープ生まれ。17歳でフィラデルフィアOの音楽監督ユージン・オーマンディのオーディションを受け、「君が望むものなら何でも一緒に演奏するよ」と言われたというエピソードで知られています。そして、ジュリアード音楽院の学生時代にRCAとレコーディング契約を結び、オーマンディ&フィラデルフィア管を始めとする多くの重要なオーケストラや指揮者と共演。当時「ホロヴィッツの再来」と謳われた彼のアルバムは、グラミー賞ノミネートを含む数々の賞を受賞しています。
今回の録音は、ヨセルソンのお気に入りでもある、グリーグとラフマニノフの超名曲協奏曲を、ロイヤル・フィル、フィルハーモニア管と共演。前作「リム・ファンタジー・オヴ・コンパニオンシップ」(SIGCD-670)とも「コンパニオンシップ」を築く三部作の1つになっているとのこと。1999年に一度引退した名手が再びその芸術を世に問います。

DIVINE ART
DDA-25223(1CD)
NX-B07
クラリネットとオーケストラの為の音楽集
ムソルグスキー:歌劇「ソロチンスクの定期市」より*【序曲/3幕 ゴパーク】
リムスキー=コルサコフ:クラリネット小協奏曲 変ホ長調
ロビン・ホワイト(1945-):ロシア組曲
チャイコフスキー):弦楽四重奏曲第1番ニ長調 Op. 1-第2楽章 アンダンテ・カンタービレ*
 2つの小品 Op. 10 - 第2番ユモレスク*
 6つのロマンス Op. 6 - 第6番ただあこがれを知る者だけが*
 子供のアルバム Op. 39 - 第9番ワルツ*
モンティ:チャールダーシュ*
※*=ロビン・ホワイトによるクラリネットとオーケストラ編
イアン・スコット(Cl)
ロイヤル・バレエ・シンフォニア
ロビン・ホワイト(指)

録音:2021年3月10-12日、2020年9月
世界初録音
イギリスを拠点に活躍するアレンジャー・指揮者ロビン・ホワイトによるクラリネットとオーケストラの為のロシアにまつわる音楽集。チャイコフスキーの「アンダン テ・カンタービレ」や歌曲、ムソルグスキーの歌劇から有名な「ゴパーク」などの名曲が、クラリネット独奏を伴う斬新なオーケストラ作品に生まれ変わっていま す。もともとは吹奏楽とクラリネットで奏でられるリムスキー=コルサコフの「クラリネット協奏曲」の伴奏部も見事な変身を遂げています。ホワイトのオリジナル 「ロシア組曲」もクラリネットが縦横無尽に活躍する活気ある曲。使われている旋律はいかにもロシア風であり、ロシア民謡の特長が良く捉えられた楽しい作 品です。最後に置かれたモンティの「チャールダーシュ」では、ひねりの加えられたオーケストラの伴奏に乗って歌われるクラリネットの超絶技巧が聴きどころ。ここ でクラリネットを吹いているのはロイヤル・バレエ・シンフォニアの首席奏者イアン・スコット。フリーランスの奏者としても忙しい毎日を送っています。


ORFEO
C-988211(1CD)
NX-B08
フランスの4つの情景
サン=サーン:チェロ協奏曲第1番
フォーレ:エレジー ハ短調 Op.24
オネゲル:チェロ協奏曲(1929)
ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調
サン=サーンス:ロマンス ヘ長調 Op. 36(Vcとオーケストラ版)
ダニエル・ミュラー=ショット(Vc)
ベルリン・ドイツSO
アレクサンドル・ブロック(指)

録音:2019年8月27-30日イエス=キリスト教会、ダーレム、ベルリン(ドイツ)
2019年にドイツの権威ある音楽賞「Opus Klassik オーパス・クラシック」を受賞、ますます注目が高まるドイツのチェリスト、ダニエル・ミュラー=ショッ ト。ハインリヒ・シフ、スティーヴン・イッサーリス、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの3巨匠から薫陶を受けたミュラー=ショットは高い音楽性と表現力、そ して幅広いレパートリーを持ち世界中で活躍しています。今作はフランス作品に焦点を当て、4人の作曲家が描いた音の世界を探求しました。 一人目は初期ロマン派から20世紀初頭までの長い時代を生き抜いたサン=サーンス。彼は生涯を通じて古典的な作風を貫き、決して調性を捨て ることはありませんでした。1872年に書かれたチェロ協奏曲第1番もロマンティックな情緒あふれる名作として多くの名奏者たちが手掛けることで知られ ます。ラロのチェロ協奏曲は、前述のサン=サーンスの協奏曲に触発されて書かれた作品。精力的な楽想を持ち「スペイン交響曲」に連なるスペイン 的な雰囲気も感じられます。フォーレはチェロ協奏曲を遺しませんでしたが、この「エレジー」は自身がオーケストラとチェロ用に編曲したもの。物悲しい 旋律がクライマックスに向けて盛り上がる美しい作品です。20世紀になって書かれたオネゲルのチェロ協奏曲は、刻々と移り変わる楽想が魅力的。時 にはジャズ風の旋律が聴こえてくるのも、「狂乱の時代」と呼ばれた当時のパリの雰囲気を感じさせます。 ミュラー=ショットは作曲家の個性を余すことなく引き出し、アレクサンドル・ブロックの絶妙なサポートを受け、細かい陰影を付けながら丁寧に音を紡い でいます。

ALPHA
ALPHA-764(1CD)
サン=サーンス:チェロ協奏曲 第1番、他
チェロ協奏曲 第1番イ短調 Op. 33
交響曲第1番変ホ長調 Op. 2
歌劇「サムソンとデリラ」 Op. 47 より 「バッカナール」
アストリグ・シラノシアン(Vc)
南ヴェストファーレンPO
ナビル・シェハタ(指)

録音:2021年1月 レオンハルト=グレーザー=ザール、ジーゲン、ドイツ
ベルリン・フィルの首席を務めたコントラバス奏者でもあるナビル・シェハタによるタクトと、彼が2006年から首席指揮者を務める南ヴェスト ファーレンPOによるサン=サーンス。チェロ協奏曲でソロをとるのはラ・フォル・ジュルネでの来日で日本でも人気のチェリ スト、アストリグ・シラノシアンで、その艶やかな音色と隅々にまで行きわたる豊かな歌心で、壮年期のサン=サーンスらしい東洋趣味も感じさ せるこの作品の魅力を最大限引き出しています。続く交響曲第1番は作曲者18歳の作品で、早熟を感じさせる巧みなオーケストレーション と若さ漲る爽快な曲想が特徴ですが、シェハタはこれを瑞々しく、また力強く歌い上げました。最後を飾る「バッカナール」の熱いクライマックス も実に見事。聴き応えたっぷりのアルバムです。

ONDINE
ODE-1390(1CD)
NX-B04
エリック・タンギー(1968-):管弦楽作品集
クラリネット協奏曲(2017)
旅 - オーケストラのために(2015)
ヴァイオリン協奏曲第2番(1997/2003改訂)
ピエール・ジェニソン(Cl)
ユーリア・プシュケル(Vn)
シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ
ヴィッレ・マトヴェイェフ(指)

録音:2019年1月10-11日、2019年1月12日、2021年2月4-5日
フランスの作曲家エリック・タンギーの作品集。パリ国立音楽院でイヴォ・マレクと ジェラール・グリゼーに師事したタンギーは、数多くの賞や奨学金を受 賞するなど才能を発揮、1999年にはロストロポーヴィチからチェロ協奏曲を委嘱されるなど活躍の場を広げ、現在では数多くのオーケストラ、アンサン ブルによって作品が演奏されています。 このアルバムには3作品を収録。クラリネット協奏曲はピエール・ジェニソンがモーツァルトの同名曲を演奏する際に、併せて演奏するために依頼した作 品で、現代的な音でありながらも、どこかモーツァルトの抒情性に連なる雰囲気を有しています。ヴァイオリン協奏曲第2番は1997年に作曲され 2003年に改訂が施された作品で、古典的な3楽章形式を採り、第1楽章と第3楽章には技巧的なカデンツァが置かれています。この曲は2019年 に開催された"エリザベート王妃国際コンクール"の入賞者ユーリア・プシュケルがメリハリのある曲調をよく捉えた演奏を聴かせます。 Matka(フィンラ ンド語で「旅」)と題されたオーケストラ曲は、シベリウスの生誕150周年を祝して書かれた一種の交響曲。シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ の委嘱作であり、長年にわたりタンギーに影響を与えてきたというシベリウスへの情熱的なオマージュです。

Sono Luminus
DSL-92243
NX-B05
アイスランドの近代音楽集
ダニエル・ビャルナソン(1980-):ヴァイオリン協奏曲
ヴェロニク・ヴァカ(1986-):土地
ヘイクル・トウマソン(1960-):第七の天国にて
ソルディス・ゲルズル・ヨンスドッティル:フラッター
マグヌス・ブロンダル・ヨハンソン(1925-2005):アダージョ
ペッカ・クーシスト(Vn)
マリオ・カローリ(Fl)
アイスランドSO
ダニエル・ビャルナソン(指)

録音:2019年12月17-20日、2020年3月4-8日、2018年2月19-22日
70年の歴史を持つアイスランドSOによる、アイスランドの近代作曲家たちの作品集。プロジェクトの最 後を飾るこの第3弾には、指揮者ビャルナソン自身のヴァイオリン協奏曲を含む5人の作曲家の作品が収録 されています。ダニエル・ビャルナソンは2015年から2018年までオーケストラのアーティスト・イン・レジデンスを 務めた後、2019年には首席客演指揮者に任命され、2021年8月からはアーティスト・イン・アソシエーショ ンの地位に就くことで、更にオーケストラとの関係を深めています。このヴァイオリン協奏曲はハリウッド・ボウル で2017年に初演を飾り、以降、優れた作品として高く評価されています。若き女性作曲家ヴェロニク・ヴァカ の「Lendh」は2020年アイスランド音楽賞にノミネートされた注目作。トウマソンの「第七の天国にて」はハル パ・コンサート・ホールのオープニング記念の作品。ハープの音色が効果的に用いられています。ヨンスドッティ ルの「フラッター」はオリヴィエ・メシアンの生誕100周年を記念する作品。鳥の声、コオロギ、バッタの鳴き声が 楽器によって模倣されています。ヨハンソンはアイスランドで最初に十二音音楽を書いた作曲家の一人です が、この「アダージョ」では調性感のある美しい旋律が用いられています。


H.M.F
HMM-902686(2CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全6曲) ベルリン古楽アカデミー
イザベル・ファウスト(Vn/ヤコブス・シュタイナー(1658年製))
アントワン・タメスティ(ヴィオラ/1672年製ストラディヴァリウス「マーラー」)

録音:2021年3,5月
ベルリン古楽アカデミーのブランデンブルク協奏曲の登場!これだけでも心躍るのに、なんとイザベル・ファウストとアントワン・タメスティという世界的 名手がゲストに登場しているという、前代未聞のスケールの録音の登場です。ベルリン古楽アカデミーは1998年にブランデンブルク協奏曲を録音(HMM 931634)、以降幾度となく演奏会でも取り上げており、まさにかれらの手中に完全に収められたもの。自由自在、余裕たっぷりにあそびのあるアンサンブルが 展開されております。また、ファウストとはバッハのヴァイオリン協奏曲集(KKC 6219/ HMM 902335)で素晴らしい録音を成し遂げ、タメスティともテレマ ンの協奏曲プロジェクトでお互いをよく知り尽くした上でのレコーディングとなっております。
ファウスト、タメスティ両名が参加している第 3 番では終楽章の目もくらむようなスピード感で展開されるパッセージが圧巻!ファウストが参加している第 4 番はリコーダーが活躍する楽曲ですが、ファウストの攻めに攻めた、典雅で超絶技巧のパッセージもまた聴きもの。第6番はヴァイオリンが含まれない少し珍しい 編成の作品ですが、ヴィオラのタメスティの存在感が際立っています。ほかにもアルパーマンの雄弁すぎるチェンバロや、管楽器の面々のうまさ!語りつくせぬ聴 きどころの連続ですが、まるで6曲全体がひとつの大きな組曲であるように感じるくらい、ひといきに聴いてしまいます。作品当時の奏者たちも高い技巧の持ち 主だったことは夙に知られるところですが、あらためてその史実に驚きとともに思いをはせると同時に、当時の演奏の現場の熱気と活気、そして聴衆たちの興奮 までもが再現されているよう。即興感と心地よい疾走感に満ちた、尋常ならざる熱気とエネルギーと気魄にみなぎった演奏です。 (Ki)

Pentatone
PTC-5186952(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207(カデンツァ:シュナイダーハン)
ヴァイオリンとオーケストラのためのアダージョ ホ長調 K.261
ヴァイオリンとオーケストラのためのロンド ハ長調 K.373
ヴァイオリンとオーケストラのためのロンド 変ロ長調 K.269/261a
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211(カデンツァ:シュナイダーハン)
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn/ストラディヴァリウス Ex Benno Walter 1716年製))
ルツェルン祝祭弦楽合奏団
、ダニエル・ドッズ(指)【音楽監督】

録音:2021年2月パウル・ザッハー・ザール、バーゼル(スイス)
人気と実力を兼ね備えた麗しきヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハー。ニューヨーク・タイムズは、「叙情と情熱のバランスのよさ―彼女の長 所は、とりわけ磨き抜かれたテクニックと美しく多彩な音色にある」と評しています。
当アルバムはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲の第2弾で、ヴァイオリン協奏曲第3-5番を収めた2013年録音の第1弾(PTC-5186479)以来、実に 8年ぶりのモーツァルトの録音です。共演は第1弾同様、ダニエル・ドッズ率いるルツェルン祝祭弦楽合奏団(ルツェルン弦楽合奏団、ルツェルン音楽祭弦楽 合奏団)です!
第2弾はヴァイオリン協奏曲第1番、第2番に加えてヴァイオリンとオーケストラのためのアダージョそしてロンドも収録しております。優美で艶やかなシュ タインバッハーのモーツァルトは極上の一言。協奏曲では当団の創設者でもあるヴォルフガング・シュナイダーハン作曲のカデンツァを採用。当団との絶大なる信 頼関係のもと、ふくよかなモーツァルトをご堪能いただけます。また、当録音では1716年製のストラディヴァリウス?Ex Benno Walter“を用いて演奏。ベ ンノ・ヴァルター(1847-1901)はR・シュトラウスのヴァイオリン協奏曲を献呈されたヴァイオリニストで、シュタインバッハーが敬愛する作曲家と深く 関わる演奏家が所有していた楽器で喜びに満ちた演奏を聴かせます。
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、エルド・グルート、ジャン=マリー・ヘイセンなどPENTATONE レーベルが誇る技術陣による録音です。 (Ki)

SONARE
SONARE-1053(1CD)
税込定価
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26
磯崎陽一(Vn)
新通英洋(指)東京シティPO

録音:2021年4月20&21日/所沢ミューズ、アークホール
元・新日本フィル コンサートマスター磯崎陽一の2021年の最新録音は東京シティ・フィルハーモニックOとの共演でメンデルスゾーンとブルッフの協 奏曲録音!磯崎の艶やかな音色が十分に堪能できる内容です。
「(磯崎の)オーケストラ経験がこの録音にも見事に反映され、すべてに齟齬のない一体感のある音楽がつくりあげられています。」(萩谷由喜子 ライナーノーツ より)

KLARTHE
KLA-111 (1CD)
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129(コリャール編曲によるチェロと弦楽アンサンブル版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 遺作(コリャール編曲によるヴァイオリンと弦楽アンサンブル版)
ジル・コリャール(指、Vn)、
ナデージュ・ロシャ(Vc)
トゥールーズ室内O

録音:2020年8月26-29日/トゥルヌフイユ(フランス)
トゥールーズ室内Oの芸術監督でヴァイオリストのジル・コリャールがシューマンのチェロ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲をそれぞれ独奏楽器と弦楽アンサン ブル版に編曲。ヴァイオリン協奏曲では弾き振りを披露しております。
コリャールはピリオド楽器の演奏も学んでおり、その自然な運弓とともに官能的な美音で聴かせます。チェロのナデージュ・ロシャはハインリヒ・シフやアンナー・ ビルスマのマスタークラスを受講するなど、自身の中心に据えるジャンルはクラシックながら現在は民族音楽など幅広いレパートリーを披露し注目を集めています。 このシューマンでも雄弁に語りかけます。 (Ki)

2L
2L-166SABD
(Blu-ray Disc Audio+SACD Hybrid)
ストーレ・クライベルグ(1958-):ヴァイオリン協奏曲第2番(2017)
Dopo(1993)(Vcと弦楽オーケストラのための)
ヴィオラ協奏曲(2019)
ストーレ・クライベルグの協奏曲
マリアン ネ・トーシェン(Vn)
フレードリク・シェーリン(Vc)
アイヴィン・リングスタード(Va)
トロンハイムSO
ペーテル・シルヴァイ(指)
[楽器 Violin:G. B. Guadagnini, 1745/Viola: “ex-Vieuxtemps” G. B. Guadagnini, 1768/Cello: F. Ruggieri, 1688]

録音:2020年6月、8月 オラヴホール(トロンハイム、ノルウェー)
ストーレ・クライベルグ Stale Kleiberg(1958?)は、ノルウェーでもっとも国際的な知名度の高い作曲家のひとりです。芸術性を損なうことなく聴き手との コミュニケーションを図るというスタイルの音楽は、広く支持され、各国のオーケストラやアンサンブルからの委嘱がつづいていると言います。歌劇「ダビデとバト・ シェバ」(2L 084SABD)や「現代人のためのミサ曲」(2L 136SABD)を制作した 2L レーベルがリリースするクライベルグの新作は、グラミー賞にノミネー トされた『Treble and Bass』(2L 59SACD)に次ぐ「協奏曲」アルバムです。新旧3つの作品が、ペーテル・シルヴァイ Peter Szilvay(指)トロンハイム SOの演奏で収録されています。
「ヴァイオリン協奏曲第2番」は、画家シェル・パール=イーヴェシェン Kjell Pahr-Iversen(1937?)の80歳誕の生日を記念してスタヴァンゲルのコン サートホールで行われたコンサートのために作曲されました。第1楽章「イコン(Ikon)」第2楽章「ドン・キホーテの軍隊(Don Quixote’s Army/Don Quijotes arme)」第3楽章「門が開く(The Gates Unfold/Portene apner seg)」。イーヴェシェンの絵の題名をつけた3楽章の作品です。
「Dopo」は、1993年、当時バルカン半島で進行中だった戦争から強い影響を受けて作られた作品です。「『ホロコースト』からわずか50年しか経っていない にもかかわらず『民族浄化』の単語がわれわれの日常の辞書にふたたび現れた」痛ましい事実を示すため、「後に」を意味するイタリア語の曲名がつけられました。 「ホロコースト三部作」の一作として、「嘆き:シッシ・クライン追悼(Lamento: Cissi Klein in Memoriam)」(Aurora ACD 5032)と「ナチ迫害の犠牲 者のためのレクイエム(Requiem for the Victims of Nazi Persecution)」(Simax PSC 1257)に先立って作曲され、ポーランドのペンデレツキも指 揮者として取り上げるなど、多くの国で演奏されてきました。
「ヴィオラ協奏曲」は、アイヴィン・リングスタードとトロンハイムSOのための作品です。エドヴァルド・ムンクの連作絵画『生命のダンス』からインスピレー ションを得たといい、「同じ種子」から成長した、対照的な性格の3つの楽章から構成されています。
このアルバムも、COVID-19 の影響の下で企画され、2020年3月のロックダウンといったさまざまな障害を乗り越えて録音セッションが実現しました。ロン ドンのナッシュ・アンサンブルのリーダーを務めたマリアンネ・トーシェン Marianne Thorsen(1972?)、デンマークSQのチェリストのフレードリク・ スコイエン・シェーリン Fredrik Schoyen Sjolin(1982?)、オスロ・フィルハーモニックと共演してウォルトンの「ヴィオラ協奏曲」を録音するなど、これから の活躍を期待されているヴィオラ奏者のアイヴィン・ホルツマルク・リングスタード Eivind Holts-mark Ringstad(1994?)。作曲者のクライベルグも制作に 関わり、プログラムノーツも執筆しています。

[Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu?ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu?ray プレーヤーもしくは Blu?ray 対応のPCをお使いください。][Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu?ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu?ray プレーヤーもしくは Blu?ray 対応のPCをお使いください。]

BRIDGE
BCD-9538(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集Vol.3
ピアノ協奏曲第14番変ホ長調K.449
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
アン=マリー・マグダーモット(P)
セバスティアン・ラング=レッシング(指)オーデンセSO

録音:2019年8月デンマーク・オーデンセ、カール・ニールセン・ホール
使用楽器:ヤマハCFX
※アン=マリー・マグダーモットのモーツァルト;ピアノ協奏曲集Vol.3。これまでリリースされた第1集(第13番、6番:BRIDGE9518)、第2集(第16、15、5番:BRIDGE9523)はいずれも彼女のクリアなタッチ、スマートで清潔感のある演奏で好評を得ました。本盤では、いよいよモーツァルト最晩年の傑作、第27番が登場。マグダーモットのピアノはここでもクリスタルのようなきらめくタッチで天上の音楽を奏でます。緩徐楽章の第2楽章ではチャーミングな中にも静かな祈りを感じさせる演奏になっています。全てのモーツァルティアン必携の一枚です。

GALLO
GALLO-1640(1CD)
ウルス・ヨゼフ・フルーリー(b.1941):協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲ニ長調(1971/72)
(2)ロマンティックなピアノ協奏曲 イ短調(2010/11)
ウルス・ヨゼフ・フルーリー(指)
ビールSO
(1)アレクサンドル・ドゥバッハ(Vn)
(2)マーガレット・ジンガー(P)

録音:(1)2001年8月24日、(2)2011年8月25-26日、ともにスイス・ゾロトゥルン・コンサート・ホール(Live)
※ウルス・ヨゼフ・フルーリーはスイスの作曲家。ヴァイオリニストでもあり、バーゼル室内Oのメンバーでもあった。彼の作風は一貫してロマン的なもので後期ロマン派から20世紀前半の諸傾向である(12音主義、無調をのぞく)印象主義、新古典主義などから影響を受けています。無調、前衛主義を固く拒否し美しいハーモニーとメロディをひたすら追求する。ヴァイオリン協奏曲は自身がヴァイオリニストということもあり、ベルク、コルンゴルトの協奏曲を彷彿とさせる華麗な名品。果敢にも(?)「ロマンティックな」と銘打たれたピアノ協奏曲は2011年の作品にも関わらずシューマン(シューマンのピアノ協奏曲と同じイ短調である)、ブラームス、また時にチャイコフスキーさえ思わせる重厚で叙情的な力作。今どき、何もそこまでしなくても、と思いつつ、つい聴き込んでしまう、なかなかの作品です。フルーリーは、さながらスイスの別宮貞雄とでも言うべきか。

King International
KKC-2531(1CD)
(UHQCD)
田中希代子のベートーヴェン他
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37〜第1楽章
(2)スカルラッティ:ソナタ ニ短調K.9 (L.413)
(3)平尾貴四男:ピアノ・ソナタ〜第1、第3楽章
(4)宍戸睦郎:ピアノと打楽器群と管弦楽のためのピアノ協奏曲(1960)
田中希代子(P)
サミュエル・ボー=ボヴィ(指)スイス・ロマンドO(1)、
森正(指)ビューネン・グルッペ(4)

録音:1952年11月10日ヴィクトリアホール(第8回ジュネーヴ国際コンクール、ガラコンサート。ライヴ)(1)、
1957年2月11日フランス放送スタジオ(パリ)(2)(3)、
1960年11月13日杉並公会堂(セッション)(4)
[INA&ニッポン放送音源]
全てモノラル
驚愕の録音がフランス国立視聴覚研究所(INA)に残っていました。1952年に行われた第14回ジュネーヴ国際コンクールのピアノ部門で田中希代子が日本人 初の最高位(1位なしの2位)に入賞、そのガラコンサートのライヴ。
田中希代子はベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の第1楽章のみを披露していますが、オーケストラの序奏が終わり、ピアノが最初の音を放った瞬間から魔術 にひきこまれてしまいます。輝かしい音、壮絶なまでに激しい演奏で、聴衆の熱狂ぶりが凄まじいのも納得。珍しいライネッケのカデンツァも聴きものです。
ジュネーヴの5年後、フランスの放送用に収録されたスカルラッティのニ短調のソナタと平尾貴四男のピアノ・ソナタの第1、3楽章も非常に貴重。スカルラッティ はニッポン放送音源にはなかったニ短調K.9 (L.413)で、さりげなくも主張の強い芸風が表れています。また平尾のソナタは非常な難曲ながらよく弾かれる名作 ですが、田中希代子の演奏は火のような情念と超絶技巧で蒼然とさせられます。
ニッポン放送所蔵の超お宝音源は、かつて田中希代子の夫君だった宍戸睦郎のピアノ協奏曲。ニッポン放送が昭和35年の文化庁芸術祭に参加させるため宍戸 に委嘱し、同年11月13日に杉並公会堂で収録されたもの。田中希代子の協奏曲セッションは極めて珍しく、また同曲唯一の録音でもあり、その価値は計り知れ ません。宍戸睦郎はこの曲でピアノの打楽器的な面を強調したと述べていますが、田中希代子の強靭な打鍵とボルテージの高さで作品をさらに高い次元に引き上 げています。 (Ki)

Ars Produktion
ARS-38322(1SACD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 KV.459
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 Op.21
アレッサンドロ・デリャヴァン(P)、
アドリヤ・チェパイテ(指)、
北西ドイツPO
ショパンやアルカンの録音で知られる1987年生まれのイタリアのピアニスト、アレッサンドロ・デリャヴァンによるモーツァルトのピアノ協奏曲。デリャヴァンは辻井伸行が優勝した2009年のヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールでジョン・ジョルダーノ審査委員長特別賞を受賞しており、その個性的な演奏が専門家、音楽愛好家の双方から高く評価されています。オーケストラはドイツ、オストヴェストファーレン=リッペ地域のコンサート・ライフに欠かせない存在であり、この地域の魅力的な文化大使となっている北西ドイツPO。指揮は声楽にも精通したリトアニア出身の女性指揮者アドリヤ・チェパイテです。

Hyperion
CDA-68361(1CD)
クラシカル・ピアノ・コンチェルト・シリーズVol.8 〜 ゲオルク・ベンダ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲ヘ短調
ピアノ協奏曲ト短調
ピアノ協奏曲ト長調/ピアノ協奏曲ロ短調
ハワード・シェリー(P&指)、
ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズ

録音:2020年9月15日−16日、福音史家聖ヨハネ教会(アッパー・ノーウッド、ロンドン)
ハイペリオンの大人気シリーズ「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト(RPC)」の姉妹シリーズとしてスタートした、古典派の知られざるピアノ協奏曲を発掘していく"クラシカル・ピアノ・コンチェルト(CPC)" シリーズ。第8弾では、モーツァルトにも影響を与えたという前古典派の音楽家ゲオルク・ベンダの4つのピアノ協奏曲が登場。
モーツァルトの父やバッハの子供たちと同世代であるゲオルク・アントン・ベンダ(1722−1795)は、ボヘミア起源の有名な音楽一家に生まれ、作曲家、ヴァイオリニスト、カペルマイスターとして活動したチェコ系ドイツ人音楽家。ヴァイオリニストのフランツ・ベンダは兄。ゲオルク・ベンダが作曲したメロ・ドラマはモーツァルトにも影響を与えるなど、当時から高い評価を得ており、ここでは、18世紀の優雅さと冷静さを内包したベンダの知られざる魅力を、お馴染みハワード・シェリーとロンドン・モーツァルト・プレーヤーズの上質な演奏で蘇らせます。

DUX
DUX-1316(1CD)
パチョルキエヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲
2本のヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲*
シモン・テレツキ(Vn)、
タデウシュ・ゴジナ(Vn)*、
フーベルマン・フィルハーモニー・チェンストホヴァ、
アダム・クロチェク(指)

録音:2016年、チェンストホヴァ(ポーランド)
20世紀ポーランドのコンポーザー=オルガニスト、タデウシュ・パチョルキエヴィチ(1916−1998)が作曲した2つのヴァイオリンのための協奏曲の貴重なレコ―ディング。
ワルシャワ音楽院でオルガンを学んだ後、カジミェシュ・シコルスキに作曲法を師事したパチョルキエヴィチ。その後、1945年にはプウォツクにカロル・シマノフスキ音楽学校を設立し、現在のショパン音楽大学でも作曲家の教授として後進の育成に携わるなど、ポーランド楽壇の発展に尽力した音楽家の1人として知られています。

Channel Classics
CCS-43921(1CD)
ハイドン&ストラヴィンスキー
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番ト長調 Hob.VIIa:4(カデンツァ:ロザンネ・フィリッペンス)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽 「妖精の接吻」〜ディヴェルティメント(ジェイムズ・レジャー編曲/ヴァイオリンと弦楽オーケストラ版)
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIa:1(カデンツァ:アンナー・ビルスマ)
ロザンネ・フィリッペンス(Vn&指)
、ザ・フォンデル・ストリングス

録音:2021年4月、アムステルダム・コンセルトヘボウ(オランダ)
ロザンネ・フィリッペンスは、オランダのハーグ王立音楽院、ドイツのハンス・アイスラー音楽大学でヴァイオリンを学び、2009年のオランダ国際ヴァイオリン・コンクール(オスカー・バック・コンクール)で第1位、2014年のフライブルク国際ヴァイオリン・コンクールで最優秀賞に輝いたオランダの華麗なる才女。2015年には歴史あるエリザベート王妃国際音楽コンクールでも入賞。現在は、ジャニーヌ・ヤンセンが15年に渡り愛用してきた銘器、1727年製のストラディヴァリウス「Barrere(バレール)」をエリーゼ・マティルデド財団から貸与されるなど、オランダでもっとも注目を浴びる若手奏者の一人として活躍しています。
Channel Classicss第6弾となるアルバムでは、コロナ危機において、オランダのトップミュージシャンによるアンサンブルを結成し、ハイドンのヴァイオリン協奏曲とストラヴィンスキーのディヴェルティメントの編曲版を「プレイ&ダイレクト」で録音するという夢が実現。フィリッペンスはハイドンとストラヴィンスキーという一見あまり結びつかないように思えるユニークな組み合わせを演奏することが多く、それぞれの音楽が持つ率直さ、軽快さ、知性、そして特に小さな終楽章で聴かれるユーモアなどの点が素晴しいペアであると語っています。
2020年12月、コロナ・パンデミックの最中で誕生した「ザ・フォンデル・ストリングス(The Vondel Strings)」は、多くのメンバーがオランダの二人の名教師、コーシエ・ヴァイゼンベークとヴェラ・ベスの元生徒から成り立っています(フィリッペンス自身もヴァイゼンベークとベスの教え子の1人)。ヴェラ・ベスの個性的な演奏への意欲を受け継いでおり、彼女が夫のアンナー・ビルスマとともに最近まで暮らし、授業を行ってきたアムステルダムのフォンデルストラートにある家の愛称「The Vondel」からアンサンブルの名前が取られています。

Chandos
CHAN-20234(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集 Vol.1
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216*
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218*
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.1-4, K.304†
フランチェスカ・デゴ(Vn)、
ロジャー・ノリントン(指)*、
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO*、フ
ランチェスカ・レオナルディ(P)†

録音:2019年8月1日−2日、ロイヤル・コンサート・ホール(RSNOセンター、グラスゴー)(協奏曲)、2021年3月25日、ファツィオリ・コンサート・ホール(サチレ、イタリア)(ソナタ)
1989年イタリア出身、朗々たる響き、説得力のある解釈、隙のないテクニックを誇り、国際的なシーンでもっとも人気を集める若きヴァイオリニストの一人、フランチェスカ・デゴ。CHAN-dos専属契約第1弾としてリリースされ、パガニーニ自身が所有し愛奏したヴァイオリンを使用して話題を呼んだ「イル・カノーネ」(PCHAN-20223/CHAN-20223)に続く待望のシャンドス第2弾は、伝説的な指揮者であり、ピリオド・パフォーマンスのパイオニア、サー・ロジャー・ノリントンと共演したモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集がスタート!
伴奏はスコットランドの名門、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO(RSNO)。作品が初演されたザルツブルクの宮廷楽団の規模や配置を再現するため、RSNOの弦楽器の数を減らし、ヴァイオリンを対向配置にしており、ノリントンの細部へのこだわりとスタイルがフランチェスカ・デゴの音楽性と見事に響き合い、モーツァルトの名作の美しく新鮮で魅惑的な解釈を生み出しています。
アルバムの最後には、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ K.304も収録。前作でも共演したデゴのリサイタル・パートナー、フランチェスカ・レオナルディとの共演です。

H.M.F
HMM-902602(1CD)
ブラームス:悲劇的序曲Op.81
 ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15
ケルビーニ:歌劇「エリザまたはモン・サン・ベルナール氷河への旅」序曲
アレクサンドル・メルニコフ(P/1859年頃ブリュトナー製)
アイヴァー・ボルトン(指)
バーゼルSO

録音:2020年6月/ランドガストホフ・リーエン(スイス)
好調のメルニコフがブラームスの協奏曲に挑戦。それも師リヒテルが得意とした2番ではなく、彼が弾かなかった第1番をあえて選んでいます。
注目はこの曲が発表された1859年頃に製作されたブリュトナー・ピアノを用いていること。オーケストラはモダンのバーゼルSOですが、バロック・オ ペラや古楽器に精通するアイヴァー・ボルトンが指揮を務めているため、一種独特な音世界にひたれます。
カップリングはブラームスの「悲劇的序曲」とケルビーニの歌劇「エリザまたはモン・サン・ベルナール氷河への旅」序曲。後者はスイスを舞台にした作品で、 オペラ指揮者でもあるボルトンの真骨頂とも言えますが、実はブラームスのピアノ協奏曲が世界初演の5日後にライプツィヒで作曲者独奏のもと行われた際、最 初に演奏された曲とのこと。この時の協奏曲は大失敗に終わり、ブーイングの嵐にブラームスは傷ついたとされます。
もちろん当アルバムのメルニコフは充実の名演。ブリュトナーの深みのある音色、じっくり解きほぐしていく語り口、クライマックスでの圧倒的な音楽と音量の 大きさなど、成熟ぶり著しい姿を伝えてくれます。 (Ki)

MELODIYA
MEL-1002599(2CD)
NX-C01
バッハ&モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
【CD1】
バッハ
1-3. ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV 1041
4-6. ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV 1042
7-9. 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043
【CD2】
モーツァルト
1-3. ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K. 207
4-6. ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K. 219
7-9. ヴァイオリン協奏曲(第7番) ニ長調 K. 271a
ダヴィッド・オイストラフ(Vn)
イーゴリ・オイストラフ(Vn)…CD1:7-9
モスクワ室内O…CD1
ルドルフ・バルシャイ(指)…CD1
モスクワPO…CD2:1-3
モスクワRSO…CD2:4-6
ソビエト国立SO…CD2:7-9
キリル・コンドラシン(指)…CD2

録音:1959年…CD1:1-6
不明…CD1:7-9
1963年…CD2:1-3
1947年…CD2:4-6
1950年…CD2:7-9 ※全てモノラル
ダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)の演奏によるバッハとモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集。 ブラームスやチャイコフスキーを得意としたオイストラフですが、バッハも彼の大切なレパートリーでした。なかで も「2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043」は1923年にオデッサで行われた演奏会で演奏して以 来、1946年から1972年にかけて10回以上の録音を行うほど愛した作品であり、その中には彼の息子、 イーゴリとの演奏が少なからず存在します。 この2枚組に収録されたバッハはバルシャイが指揮するモスクワ室内Oとの演奏。イーゴリとの「2つの ヴァイオリンのための協奏曲」と、「ヴァイオリン協奏曲第1番 BWV1041」そして、これまでMelodiyaレーベ ルからはLPのみが発売されていた「ヴァイオリン協奏曲第2番 BWV1042」をまとめて聴くことができます。 オイストラフはモーツァルトも得意としており、晩年には弾き振りでの演奏も披露しましたが、ここでは長年にわ たり共演を続けたコンドラシンとの録音が収録されています。オイストラフの美しい音色と情感豊かな音楽を 存分に楽しめます。

MELODIYA
MEL-1002639(1CD)
NX-C07
メンデルスゾーン/シューマン:ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op. 64(1844年版)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO 23
アリョーナ・バーエワ(Vn)
ペルシムファンス(ファースト・シンフォニー・アンサンブル)

録音:2019年
自身の作品を改訂することが多かったメンデルスゾーン、有名なホ短調のヴァイオリン協奏曲もその例にもれること はありませんでした。現在、演奏されているのは、1845年3月にこの曲を初演したフェルディナンド・ダヴィッドに献 呈された版ですが、最近になって発見され2018年に出版されたのは「1844年版」と呼ばれる改訂前のもの。 第1楽章から、一聴しただけでわかるほどの旋律の違いなどが数多くあり、メンデルスゾーンの創作過程を窺いし ることができる貴重な資料でもあります。このアルバムでバーエワは、まだ広くは知られているとは言えないこの 1844年版を演奏。新しいアプローチを聴かせます。 また、シューマン最後のオーケストラ作品となったヴァイオリン協奏曲は、彼の遺族の意向により長い間封印されて いた曲であり、初演は1937年になってからのことでした。しかし20世紀後半になってから採り上げる奏者が多く なり、今では人気作品の一つとなっています。 ヴァイオリニストのアリョーナ・バーエワは2001年の「ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール」、2007 年「仙台国際音楽コンクール」などの主要コンクールで優勝を飾り、世界的に活躍している演奏家。今作では指 揮者を持たないアンサンブル「ペルシムファンス」と共演し、息のあった演奏を披露しています。

CPO
CPO-555356(1CD)
NX-B10
ベルンハルト・ロンベルク(1767-1841):チェロ協奏曲第4番&第6番 他
チェロ協奏曲第4番ホ短調 Op. 7
チェロ協奏曲第6番ヘ長調 Op. 31
ロンド・カプリチョーソ ヘ長調 Op. 69 - チェロと弦楽四重奏のために
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc・指)
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ

録音:2020年3月2-3日、2020年9月19日
ベートーヴェンと同時代にドイツで活躍したチェリスト、ベルンハルト・ロンベルク。彼は同い年の従兄弟アンド レアスとともにヨーロッパを演奏旅行し、1790年にはボンの選帝侯宮廷オーケストラに参加、ベートーヴェン とも出会ったことでも知られています。彼のチェロの腕前は広く知られており、ライプツィヒでは「現在存命中の チェリストの中で最も完成度の高い作曲技術を持っている」と作曲家としても高く評価されています。このア ルバムに収録されている第4番のチェロ協奏曲は、最も愛されているロンベルクの作品であり、やはり名奏者 として知られたフリードリヒ・ドッツァウアーやマックス・ボーラーもこの曲を大切なレパートリーにしていました。ま た1812年にサンクトペテルブルクで初演された第6番も聴衆たちに熱狂的に迎えられ、地元の批評家も 高く評価するなど、多くの人を魅了しました。 今回、これらの曲を演奏するのは名手ラファエル・ウォルフィッシュ。ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズを指揮 しながらチェロも担当、作品を完全に掌握した見事な演奏を聴かせます。

CPO
CPO-555209(1CD)
NX-B10
フランツ・アントン・ディムラー(1753-1827): クラリネット協奏曲集
クラリネット協奏曲 ホ長調(1795)
クラリネット協奏曲 変ロ長調(1796)
クラリネット協奏曲 変ロ長調
ニコラウス・フリードリヒ(Cl)
マンハイム・プファルツ選帝候室内O
ヨハネス・ヴィリッヒ(指)

録音:2018年2月13-16日
世界初録音
マンハイムに宮廷を置いたプファルツ選帝侯カール4世フィリップ・テオドール(1724-1799)おかかえの楽団 は、当時最高の楽器の名手たちを集めていただけではなく、彼らが優れた作曲家であったことでも際立って いました。メンバーには宮廷楽長を務めたヨハン・シュターミッツと彼の息子カール、ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグ ラー、クリスティアン・カンナビヒなどが在籍しており、彼らは後に「マンハイム楽派」と呼ばれ一世を風靡しまし た。もちろんメンバーの中には、優れた才能を持っていながらも、名前が忘れられてしまった人もいます。 このアルバムに登場するフランツ・アントン・ディムラーもそんな一人。マンハイムではホルン奏者を務め、後に コントラバスに転向した彼は、存命中は高く評価されミュンヘンでも活躍しましたが、現在ではかろうじて、何 曲かのクラリネット協奏曲の存在がごく一部の専門家に知られるのみ。このアルバムには、今回初録音とな る3曲のクラリネット協奏曲を収録。どれも巧妙に書かれたソロ・パートが特徴で、クラリネットはオーケストラ の伴奏に乗ってあらゆる技巧を披露、楽器の魅力を存分に見せてくれます。今回ソロを務めるのは、ドイツ 出身のニコラウス・フリードリヒ。マンハイム国立劇場Oの首席奏者であり、また現代音楽の紹介に も尽力する名手です。

ALPHA
ALPHA-749(1CD)
サン・サーンス:動物の謝肉祭 ほか
サン・サーンス:動物の謝肉祭*
プーランク:2台のピアノのための協奏曲*
アンリ・カザリス(1840-1909)詩:死の舞踏
サン・サーンス:死の舞踏 Op. 40
デュオ・ヤテコック(P・デュオ)
アレックス・ヴィゾレク(語り)
リール国立O
リュシー・ルゲ(指)*

録音:2020年9月 ヌーヴォー・シエクル、オーディトリアム、リール
現代音楽を中心としたパフォーマンスが人気を呼び、フランスで大いに受けているデュオ・ヤテコック。名前の由来はハンガリー語で「遊び」を意 味し、クルターグが同名のピアノ曲を書いています。彼女たちと、ラジオ・フランスで人気のパーソナリティー、アレックス・ヴィゾレクが手を組んだ 『動物の謝肉祭』が登場。ヴィゾレク自身が新たに書いたテキストを用いており、演奏との親密さがたいへん好感の持てる出来栄えです。「ピ アニスト」で聴かせるデュオ・ヤテコックの”外しぶり”もさすが。そして同時収録されたプーランクの協奏曲では、彼女たちの本領発揮ともいえる 鋭い演奏と、抒情性とクールさのバランスが絶妙な緩徐楽章も楽しむことが出来ます。「死の舞踏」の前には、ヴィゾレクの朗読によって作品 の元になったアンリ・カザリスの詩も収録。サン=サーンス歿後100年記念リリースです。ブックレットはフランス語のみ。

NAR Classical
NAR-10919(1CD)
クララ&ロベルト・シューマン:ピアノ協奏曲集
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.7
シューマン
:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54、
 序曲「メッシーナの花嫁」Op.100
エンリカ・チッカレッリ(P)、
フリーデマン・レイヤー(指)、
モンペリエ・ラングドック=ルシヨン地域圏PO

録音:1995年6月14日−16日、歌劇・ベルリオーズ(モンペリエ、フランス)
ロベルトとクララのシューマン夫妻が書いた「2つのイ短調のピアノ協奏曲」をカップリングした好プログラムでソリストを務めたのは、イタリアの女流ピアニスト、エンリカ・チッカレッリ。
旧AGORA音源のこの演奏が初めてリリースされた頃、そのピアニストとしての実力だけでなく、その美貌から「天は二物を与えた」、「美人ピアニスト」など話題となったチッカレッリ。
シューマンのピアノ協奏曲はチッカレッリの十八番の1つでもあるだけに、今回の復刻はファンにとって朗報と言えるでしょう。
NAR Classical
NAR-130182(1CD)
ヴィヴァルディ:弦楽器の為の協奏曲とシンフォニア集 Vol.1
シンフォニア ト長調 RV.149/協奏曲ハ短調 RV.120/協奏曲ヘ長調 RV.140/協奏曲変ロ長調 RV.167/協奏曲ホ短調 RV.134/協奏曲イ長調 RV.160/協奏曲ニ長調 RV.126/協奏曲ト長調 RV.150/協奏曲ハ短調 RV.118/協奏曲ト短調 RV.152/協奏曲イ長調 RV.158
ニコラオス・ヴェリシオティス(指)、モスクワ=モンペリエ・ソリステO

録音:1992年3月14月−16日、サル・アレグリア・ドゥ・ベラカーサ(モンペリエ、フランス)
1986年にフランスのモンペリエを拠点としてロシアの弦楽器奏者たちによって結成されたモスクワ=モンペリエ・ソリステOのヴィヴァルディ・シリーズの第1集。
モスクワ=モンペリエ・ソリステOをコンサートマスターとしてリードするのはレオニード・ソロコフ。
ユーリ・バシュメットのモスクワ・ソロイスツで第1コンサートマスターを務め、ウィーン国立音楽大やザグレブ音楽アカデミーの教授を務めるロシアの重鎮です。
NAR Classical
NAR-11219(1CD)
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K.622
ロッシーニ:アンダンテ、主題と変奏変ロ長調、変奏曲ハ長調
アレッサンドロ・カルボナーレ(Cl)、
ヴラディスラフ・チャルネツキ(指)、
プフォルツハイム南西ドイツ室内O

録音:1997年3月2日−4日、ニーフェルン=エーシェルブロン(ドイツ)
フランス国立O首席を15年間務めた後、2003年からは母国イタリア、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミーOの首席奏者として活躍する同国を代表するクラリネット奏者アレッサンドロ・カルボナーレがアゴラ(Agora)レーベルにレコーディングしたモーツァルトのクラリネット協奏曲が復活!
録音当時は30歳前後だったカルボナーレ。高度なテクニックを求められるパッセージを軽々と吹きこなし、モーツァルトの第2楽章での弱奏部分の音色、表現力の豊かさは流石の一言に尽きます。
若き日のカルボナーレが躍動する名演です。
NAR Classical
NAR-131182(1CD)
ヴィヴァルディ:弦楽器の為の協奏曲とシンフォニア集 Vol.2
協奏曲ニ長調 RV.123/協奏曲ト短調 RV.156/協奏曲ハ短調 RV.119/協奏曲ヘ短調 RV.143/協奏曲イ長調 RV.159/協奏曲ニ短調 RV.129「マドリガーレ風」/協奏曲ト短調 RV.156/協奏曲イ短調 RV.161/協奏曲ト長調 RV.151「アラ・ルスティカ」/協奏曲ヘ長調 RV.138
ニコラオス・ヴェリシオティス(指)、モスクワ=モンペリエ・ソリステO

録音:1992年4月10月−12日、サル・アレグリア・ドゥ・ベラカーサ(モンペリエ、フランス)
1986年にフランスのモンペリエを拠点としてロシアの弦楽器奏者たちによって結成されたモスクワ=モンペリエ・ソリステOのヴィヴァルディ・シリーズの第2集には、「マドリガーレ風」RV.129など11曲の弦楽の為の協奏曲を収録。
ユーリ・バシュメットのモスクワ・ソロイスツで第1コンサートマスターを務め、ウィーン国立音楽大やザグレブ音楽アカデミーの教授を務めるロシアの重鎮、レオニード・ソロコフがここでもコンサートマスターとしてオーケストラを牽引しています。

KLARTHE
KLA-112(1CD)
ダミアン・ヴェントゥーラ〜サン=サーンス他
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.33
ティエリー・ユイレ:チェロ協奏曲 Op.99
ラヴェル(ジャン・ステファン編):ハバネラ形式の小品(Vcとオーケストラ編)
サン=サーンス(ダミアン・ヴェントゥーラ編):ロマンス Op.36
サン=サーンス(飯吉真子編):白鳥
ダミア ン・ヴ ェントゥーラ(Vc)
トゥールーズ室内O、
ジル・コリャール(指)

録音:2020年8月/トゥルヌフイユ(フランス)
フォーレのアルバム(KLA-008)で高い評価を得たダミアン・ヴェントゥーラが、トゥールーズ室内Oとの共演で初の協奏曲アルバムをリリース。今年 (2021年)に歿後100周年を迎えたサン=サーンスを主軸にコンポーザー・ピアニストのティエリー・ユイレのチェロ協奏曲、ラヴェルのハバネラ形式の小品を 収録。フランスのエスプリ漂う演奏を展開しております。 (Ki)

Hanssler
HC-21034(1CD)
ヴァイオリン&フルートによるメンデルスゾーン
(1)ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 遺作 MWV.O3
(2)ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64【ヴィルヘルム・ポップ/ヤクブ・コヴァレフスキ編曲によるフルート協奏曲版】
(3)無言歌集より【クリスチャン・ヴォルフ編曲によるヴァイオリンとフルート版】
第1巻第6曲 ト短調「ヴェネツィアの舟歌 第1」Op.19-6
第1巻第1曲 ホ長調 「甘い思い出」Op.19-1
第6巻第6曲 ホ長調「子守歌」Op.67-6
第5巻第6曲 イ長調「春の歌」Op.62-6
(1)(3)ヤロスラフ・ナドジツキ(Vn)、
(2)(3)クシシュトフ・カチカ(Fl)
ヤナーチェクPO、
ヤクブ・チェルノホルスキー(指)

録音:2020年8月17-19日/オストラバ(チェコ)
ヴァイオリンとフルートによるバッハのドッペル・コンチェルト(HC-21020)でも好演を聴かせたヴァイオリンのヤロスラフ・ナドジツキとフルートのクシシュト フ・カチカ。当アルバムではメンデルスゾーンに挑戦。なんとヴァイオリン協奏曲 ホ短調をフルート版で録音しました!驚くべきはカチカがヴァイオリンの奏法をフ ルートで再現していること。第1楽章のカデンツァから再現部にかけて、ヴァイオリンでは弓を跳ねさせるスピッカート奏法で演奏しますが、カチカは一音一音タン ギングしフルートで見事に表現。この驚異的な演奏は必聴です!
ニ短調のヴァイオリン協奏曲はメンデルスゾーン13歳のときに作曲した作品で、ユーディ・メニューインが1951年に蘇演した遺作です。当作品はムローヴァな どの名盤がありますが、演奏・録音がそれほどないだけに貴重。ナドジツキのしなやかな演奏で天才メンデルスゾーンの作品をお楽しみいただけます。最後にヴァ イオリンとフルートによる無言歌集から有名作品を収録。こちらも聴き逃せません!
ナドジツキはハチャトゥリアン国際音楽コンクール(2010)、ヤッシャ・ハイフェッツ国際コンクール(2000)などで上位入賞を果たしている逸材。一方、カチ カは2009年から2012年まで広州SOの首席フルート奏者を務めたのち、現在はソリストとして活動の幅を広げており、これまでにラン・ラン、ヨーヨ・マ、 五嶋みどり、サラ・チャンといった世界的アーティストとの共演を果たしております。


RHINE CLASSICS
RH-018(9CD)
「フバイ最後の弟子〜ガブリエラ・レンゲル(1920-1993)」


■CD1
(1)フバイ:ヴァイオリン協奏曲第3番ト短調Op.99(1906/07)
レスピーギ:ヴァイオリンと管弦楽の為の「秋の詩」
(2)ラロ:スペイン交響曲
■CD2
(1)ブラームス:ヴァイリン協奏曲
(2)ハイドン:二重奏曲ヘ長調Hob.XVIII:6
(3)メンデルスゾーン:ヴァイオリン・ソナタへ短調Op.4
■CD3
(1)シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番、第2番
(2)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番
■CD4
「シューベルト:ヴァオリン作品全集(1)」
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.162,D.574/「しぼめる花」による変奏曲Op.160,D.802/華麗なロンドロ短調Op.70,D.895/幻想曲ハ長調Op.159,D.934
■CD5
(1)「シューベルト:ヴァオリン作品全集(2)」
ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ)集
(ニ長調D.384/イ短調Op.137,NO2,D.385/ト短調Op.137,NO3,D.408)
(2)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第36番ヘ長調K.547
(3)ジャルディーニ(1716-1796):ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調(c.1756)
■CD6
(1)パーセル:歌劇「妖精の女王」組曲(Vn版)
(2)ラロ:ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.12
(3)ブリテン:ヴァイオリンとピアノの為の組曲Op.6(1934/35)
(4)レノックス・バークリー:(1903-1989):ヴァイオリンソナチネOp.17
(5)リヒャルト・フルーリー(1896-1967):ヴァイオリン・ソナタ第10番ニ短調(1960)「ガブリエラとアッティラのために」
■CD7
(1)バルトーク:ヴァイオリン二重奏曲より(Nos.25-27,29-36a,38,41-44)
(2)E.ドホナーニ:ヴァイオリン・ソナタ嬰ハ短調Op.21(1911)
T.ハルシャーニ(1898-1954):ヴァイオリン・ソナタ嬰ハ短調
バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第2番Sz.76
■CD8
(1)バルトーク:ルーマニア民俗舞曲(1914年)Sz.56(ゾルターン・セーケイ編)
(2)フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000):ヴァイオリン・ソナチネ第2番(初演)(1931)
(3)レオ・ヴェイネル:「婚礼の踊り」より「Verbunkos」
(4)ナンドール・ゾルト(1887-1936):「おとぎ話」より「SatyrandDryads」(1922)
(5)シャンドール・ヴェレシュ:ヴァイオリン・ソナタ第2番(1939)
(6)フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000):ヴァイオリン・ソナチネ第2番
(7)アンドル・コヴァーフ(1915-2005):ヴァイオリン・ソナタ
■CD9
(1)ポール・アルマ(1905-1987):ディヴェルティメント・コンサート第1番(1957)
(2)ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調
(3)プーランク:ヴァイオリン・ソナタFP.119
(4)フバイ:ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.22「ロマンティック」
ガブリエラ・レンゲル(Vn)

■CD1(71:40)
(1)ヤン・クーツィール(指)バンベルクSO
録音:1954年8月23日BRスタジオ、バンベルク(ライヴ)
(2)マックス・シュトゥルツェネッガー(指)ルツェルン音楽協会O
録音:1960年3月24日ルツェルン・クンストハウス(ライヴ)
■CD2(78:35)
(1)エルネスト・アンセルメ(指)スイス・ロマンドO
録音:1958年10月15日ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(ライヴ)
(2)アッティ・レンゲル(P)
録音:1972年3月11ヴェルクホテル、ゲルラフィンゲン,スイス(ライヴ)
(3)アッティ・レンゲル(P)
録音:1960年3月29日スイス放送、バーゼル(スタジオ録音)
■CD3(73:09)
(1)アッティ・レンゲル(P)
録音:1956年2月10日スイス放送、バーゼル(スタジオ録音)
(2)マックス・ガイガー(P)
録音:1951年パリ(スタジオ録音)VoxigraveレーベルLP
■CD4(77:23)
アッティ・レンゲル(P)
録音:1953年1月21-22日スイス放送、バーゼル(スタジオ録音)
■CD5(78:12)
アッティ・レンゲル(P)
(1)録音:1953年1月13日スイス放送、バーゼル(スタジオ録音)
(2)録音:1960年3月29日スイス放送、バーゼル(スタジオ録音)
(3)録音:1958年2月10日スイス・ロマンド放送、ローザンヌ(スタジオ録音)
■CD6(77:23)
アッティ・レンゲル(P)
(1)録音:1956年12月5日スイス・ロマンド放送、ローザンヌ(スタジオ録音)
(2)録音:1964年3月31日OTF、パリ(スタジオ録音)
(3)録音:1954年8月13日スイス・ロマンド放送、ローザンヌ(スタジオ録音)
(4)録音:1966年3月29日ヘッセン放送、フランクフルト(スタジオ録音)
(5)録音:1961年スイス放送、バーゼル(スタジオ録音)
■CD7(78:36)
(1)アン=マリー・グルンダー(VnU)
録音:1953年パリ、Ducretet-ThomsonレーベルEP(スタジオ録音)
(2)アッティ・レンゲル(P)
録音:1952年1月25日スイス・ロマンド放送、ローザンヌ(スタジオ録音)
■CD8(72:43)
アッティ・レンゲル(P)
(1)録音:1952年ゾロトゥルン、スイス(スタジオ録音)
(2)-(4)録音:1954年3月15日、RTF、パリ(スタジオ録音)
(5)録音:1954年9月13日スイス・ロマンド放送、ローザンヌ(スタジオ録音)
(6)録音:1958年2月10日スイス・ロマンド放送、ローザンヌ(スタジオ録音)
(7)録音:1960年3月16日スイス・ロマンド放送、ローザンヌ(スタジオ録音)
■CD9(77:24)
アッティ・レンゲル(P)
(1)-(3)録音:10月18日ダルムシュタット(ライヴ録音)
(4)録音:1958年2月6日、スイス放送、バ^ゼル(スタジオ録音)
ガブリエラ・レンゲルGabriella Lengyel(1920-1993)、イェネー・フバイの最後の生徒。 ブダペストで生まれたレンゲルは、フランツ・リスト音楽院で学び、15 歳ですべてのコースを修了した後、フバイに師事。1937 年にはウィーンで開催された第 6 回国際ヴァイオリン・コンクールで 2 位を獲得しています。その後本格的にソロ活動を開 始、オーストリア、イタリア、フランス、オランダ、バルト三国、ユーゴスラビアなどでもコンサートを行います。 戦後の1946 年には、ロン・ティボー・コンクールで2 位を獲得、2 年後にはロンドンのカール・フレッシュ・コンクールでグラ ンプリを獲得。しかし同年、ハンガリー共産主義政権から逃れ、パリに定住し、そこで音楽院で教職に就任します。 パリでは、兄弟のアッティラ(またはアッティ)、アンドレたちとデュオ/トリオを組んでいたようです。もちろんソロとしての活動も 盛んで、アンセルメ、フリッチャイ、ベイヌム、ヨッフム、ショルティ、エネスコ、メンゲルベルクなどと共演、カザルスのもとで最 前列で弾いている写真も残っています。 レンゲルは 1993 年にパリで亡くなりましたが、その録音はきわめて限られていて、1951 年の Voxigrave のプライベートリリ ース2 つ、1953 年のデュクレテ・トムソンのプライベートリリースの3 つの商業録音のみ。しかし今回のボックスには遺族たち の協力もあって貴重なものが数多く収録されています。ラロ、ブラームスの協奏曲録音がまず最高のお宝でしょうか。しかも ブラームスの指揮はアンセルメです。そしてシューベルトのヴァオリン作品全集を初めとして、モーツァルト、メンデルスゾー ン、シューマン、ブラームス、ラヴェルのヴァイオリン・ソナタも注目。 さらにハンガリー生まれの彼女らしい、故郷の作曲家たちの佳曲も聴けます。そんななか最大の聴きものは、師匠フバイの 珍しいコンチェルトとソナタかもしれません。

BIS
BIS-2602(1CD)
「忘れない」
(1)ペア・ヌアゴー(1932-):「ふたつの間で」(Vc協奏曲第1番)(1985)
(2)カイヤ・サーリアホ(1952-):「光についての覚書」(Vcと管弦楽の為の)(2006)
(3)ヌアゴー(ヤコブ・クルベア(1976-)編):「子供を忘れない」(ヴィオラ協奏曲第1番)(Vcと管弦楽の為の)(1986 adap.2013)
ヤコブ・クルベア(Vc)
(1)(2)BBC フィルハーモニック 、
(1)マイケル・フランシス(指)、
(2)ヨン・ストゥールゴールズ(指)
(3)シンフォニア・ヴァルソヴィア、シモン・ビヴァレツ(指)

録音:(1)2015年12月17日、(2)2016年11月6日/フィルハーモニック・スタジオ(MediaCityUK、ソルフォード、イングランド)、
(3)2015年8月31日&9月1日/ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートスタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
『ノルドセンディング(Nordsending)』(BIS-2269)の「トリオ・アリストス」のチェリスト、ヤコブ・クルベアの BISレーベル第2弾。彼がコラボレーショ ンをつづけるふたりの作曲家、デンマークのペア・ヌアゴーとフィンランドのサーリアホの「チェロ協奏曲」を「ソリスト」として演奏したアルバムです。ヤコブ・クル ベアは、1976年、デンマークのオーフス生まれ。オーフス王立音楽アカデミーのハッロ・ラウセナールスに学んだ後、ドミートリー・フェルシュトマン、ヴァルター・ デシュパリ、マッツ・リードストレム、コリン・カーに師事、コペンハーゲンの王立デンマーク音楽アカデミーのモーテン・ソイテンの指導を受けてソリスト・ディプロ マを取得しました。ヨーロッパ各地のオーケストラとの共演、音楽祭への出演とつづき、2016年からはロンドンの王立音楽大学の教授も務めています。
ヌアゴーの「チェロ協奏曲第1番」「Between(ふたつの間で)」は、3楽章の作品です。「内に秘めた感情の表現」(Vc)と「外部要因」(オーケストラ)が 対立、そこにソリストが巻き込まれる〈In Between(間にはさまれ)〉、ソリストが優位に立つ〈Turning Point(転換点)〉、ソリストとオーケストラが対等の関 係になる〈Among(囲まれて〉。「人の成長」になぞらえた音楽ともみなされ、最後の楽章ではチェロが、ガムランの「スレンドロ」によるメロディを弾き、「ヒュー マンタッチ」を加えます。クルベアが教わったソイテンも録音した作品です。
「Remembering Child(子供を忘れない)」は、東西冷戦の時代、核戦争に反対し、1985年に飛行機事故で亡くなった13歳のアメリカの少女、サマンサ・ スミスへの「祈り」、そして、大人の愚行と戦っている「子供異端者」への「トリビュート」として書かれた作品です。2つの楽章で構成され、2曲のグレゴリオ聖歌 も引用して書かれています。ミネソタ州のセントポール室内Oの委嘱で作曲されピンカス・ズッカーマンに献呈されました。クルベアは、この「ヴィオラ協奏 曲第1番」をチェロのために編曲、作曲者の考えを求めながら「カデンツァ」も作曲しました。
フィンランドのサーリアホもクルベアが共同作業を行う作曲家のひとりです。「Notes on Light(光についての覚書)」は、ボストンSOが委嘱、アンシ・ カルットゥネンがソロを弾いてボストンとヘルシンキで初演した作品です。〈Translucent, secret(半透明、秘密)〉〈On fire(白熱して)〉〈Awakening(目 覚め)〉〈Eclipse(蝕)〉〈Heart of Light(光の核心)〉の5楽章。「ソリストが重要なことを語ろうとすると、オーケストラは彼にスペースを開ける」。チェロの 「技巧」を発揮させる書法で作曲され、スコアの最後、T. S. エリオットの詩『荒地』が引用されています。 (Ki)

DOREMI
DHR-8147(2CD)
アイザック・スターン LIVE 第9集


(1)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.47
(2)ジョージ・ロックバーグ:ヴァイオリン協奏曲(1974)
(3)バーバー:ヴァイオリン協奏曲 Op.14(1939)
(4)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 Op.63
(5)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26
アイザック・スターン(Vn)

(1)アンドルー・デイヴィス(指)
フランス国立O
録音:1980年6月26日
(2)ヴェルナー・トルカノフスキー(指)
フランス国立放送O
録音:1977年3月14日/シャンゼリゼ劇場
(3)キリル・コンドラシン(指)
フランス国立O
録音:1980年5月13日/シャンゼリゼ劇場
(4)シャルル・ミュンシュ(指)
フランス国立放送O
録音:1958年6月13日/ストラスブール
(5)レナード・スラットキン(指)
フランス放送PO
録音:1980年6月23日
スターンの知られざる音源を発掘するシリーズ、第9集はフランスのオーケストラとの協奏曲録音集です。5人の指揮者と繰り広げるスターンの至芸をお楽しみ ください。アメリカの作曲家を含む近現代寄りの選曲もスターンならでは。
ロックバーグはスターンと親交のあった作曲家。スターンのために書かれたヴァイオリン協奏曲は1974年に初演され、その後もスターンのレパートリーとして演奏され続けた楽曲です。 (Ki)

NovAntiqua Records
NA-31(1CD)
ヴィオリーノ・ダモーレ〜ヴァイオリン協奏曲集
マリア・サルデッリ:ヴァイオリンの為のバロック協奏曲ト短調(世界初録音)
ヴィヴァルディ
:ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調 RV.393
ベルサネッティ:ヴァイオリンの為のバロック協奏曲イ長調(世界初録音)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ロ短調 RV.387
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 RV.248
マルティノフ:ヴァイオリンの為のバロック協奏曲ト長調(世界初録音)
クレメナ・ニコロワ(Vn/カルロ・アントニオ・テストーレ1735年製)、
ヴィヴァルディ・ソサエティ(ピリオド楽器使用

録音:2017年7月、ヴィチェンツァ(イタリア)
モダンとピリオドの両方のスタイルを使い分けるブルガリア出身の才女、クレメナ・ニコロワが繰り広げる、ヴィヴァルディとアンナ・マリアの親交から生まれた3つの協奏曲と、ヴィヴァルディのスタイルからインスピレーションを得て作曲された3つの協奏曲が織り成す「バロック」の世界!
ピエタ院の神童でキアーラと共にヴィヴァルディの愛弟子だったアンナ・マリアのために書かれた協奏曲(RV.393、RV.248、RV.387)の演奏を通じて、ニコロワは活動的で、才能のある女性、まさにミューズのような多くの人々にインスピレーションを与えてくれる女性の姿に敬意を表したいと述べています。
また、ニコロワのために作曲された3曲の委嘱作品はいずれも一聴に値する秀作揃い。
モード・アンティクォの創設者である鬼才フェデリコ・マリア・サルデッリ(1963−)、ロシアの著名なコンポーザー=ヴァイオリニストであるアントン・マルティノフ(1969−)、フェデリコ・グリエルモ&ラルテ・デラルコやロベルト・ロレジャン、ミケーレ・バルキなどによってその作品が演奏、録音されているジャンルカ・ベルサネッティ(1964−)が、バロック時代、そしてヴィヴァルディのスタイルに則って作曲した3つの協奏曲が、ヴィヴァルディのアンナ・マリアの為の協奏曲と共に、溌剌としたバロックの世界を愉しませてくれる魅力的なプログラムです。

Onyx
ONYX-4230(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、他
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64、
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 MWV Q26、無言歌集(デイヴィッド・ウォルター編
ヴァイオリンとピアノ版)〔Op.19b/1, Op.19b/5, Op.85/4, Op.30/4, Op.67/2, Op.67/4, Op.62/1, Op.19b/4, Op.62/6〕
オーギュスタン・デュメイ(Vn)、
オルフェウス室内O、
ジョナタン・フルネル(P)

録音:2018年12月18日-19日(協奏曲)、2020年10月6日-7日(Vn・ソナタ、無言歌集)
近年は指揮者としても活躍している巨匠オーギュスタン・デュメイが、なんと約30年振りにメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を再録音! 14歳からキャリアをスタートし、ミルシテイン、グリュミオーに師事してから半世紀以上ものキャリアを重ねてきたデュメイにとって、まさに集大成のひとつとなる録音と言っても過言ではないでしょう。
「楽譜は書かれた時点で物理的な進化は止まってしまうが、演奏者の想像力でより発展させていかなくてはならない」と語るデュメイ。協奏曲を録音する際には、指揮者を置かないオルフェウス室内Oとの共同作業において、デュメイが長年親しんできた室内楽を演奏することに近い状態で、作業を進められたことに満足していたようです。同時収録のヴァイオリン・ソナタ、無言歌集(Vnとピアノ版)では、2021年5月に行われたばかりのエリザベート王妃国際音楽コンクールで見事優勝を果たし話題となっているフランスの若きピアニストのジョナタン・フルネルとの共演!こちらも注目です!

Indesens
INDE-038(1CD)
トマジ:トランペットの為の作品全集


(1)トランペット協奏曲
(2)3本のトランペットの為の組曲
(3)グレゴリオ聖歌「サルヴェ・レジーナ」の旋律による変奏曲
(4)クスコの聖週間
(5)トリプティク(三部作)
(6)無伴奏トランペットの為の三つの練習曲
(7)礼拝のファンファーレ
(8)クスコの聖週間(オルガン伴奏版)
(1)エリック・オービエ(Tp)、マリユス・コンスタン(指)、パリ・歌劇座O
(2)エリック・オービエ(Tp)、アレクサンドル・バティ(Tp)、フレデリク・メヤルディ(Tp)
(3)エリック・オービエ(Tp)、ティエリー・エスケシュ(Org)
(4)エリック・オービエ(Tp)、フランソワ=グザヴィエ・ヴィルジェ(指)、ブルターニュO
(5)エリック・オービエ(Tp)、ニコラオス・サマルタノス(P)
(6)エリック・オービエ(Tp)
(7)エリック・オービエ(Tp)、ジャン=フィリップ・ダンブルヴィル(指)、ルーアン金管アンサンブル、オート=ノルマンディcho、アンナ・ステファニアク(S)
(8エリック・オービエ(Tp)、ティエリー・エスケシュ(Org)

録音:1988年−2011年
ローマ賞の作曲部門第2位の実績を持ち、20世紀のフランスにおける管楽器のレパートリーの発展に大きく寄与したコンポーザー=コンダクター、アンリ・トマジ(1901−1971)の「トランペットの為の作品」を網羅したこのレーベルならではの見事な企画。
代表作である「トランペット協奏曲」や「トリプティク」など、トマジのトランペット・ワールドの全容を明らかにするのはエリック・オービエ。モーリス・アンドレの系譜を継ぐ名手が、トマジのトランペット作品の重要度を余すことなく伝えてくれます。

Signum Classics
SIGCD-666(1CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
4手ピアノの為の16のワルツ Op.39*
エマニュエル・デスパ(P)、ア
ンドルー・リットン(指)、BBC響、
ミホ・カワシマP*
※使用楽器:Fazioli model 278

録音:2020年2月10日−11日、BBCスタジオ1(ロンドン)(Op.15)/2020年7月24日、ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)(Op.39)
英国王立音楽カレッジで名教師ルース・ナイにピアノを学び、クラウディオ・アラウの孫弟子にあたるファツィオリ・プレイヤー、エマニュエル・デスパ(フランス出身、現在はロンドンを拠点に活動)。ロマン派とポスト・ロマン派作品の優れたパフォーマーとして高い評価を築き、前作ではバッハのピアノ・トランスクリプション集(SIGCD-665)でも反響を呼んだデスパのニュー・アルバムは、彼のもっとも大切なピアノ協奏曲であり、「録音するのが子どもの頃からの夢だった」と語る、ブラームスの「ピアノ協奏曲第1番」をレコーディング。名匠アンドルー・リットン&BBC響という豪華なサポートを得て、勇壮で華やかなブラームスを演出しています。
カップリングには、デスパの妻でもある日本人ピアニスト、ミホ・カワシマとの4手連弾による「16のワルツ Op.39」も収録。ブラームスのより親密で魅力的な側面を、心の通い合ったピアノ・デュオでお届けします。
ロンドンで名教師ルース・ナイに学んだ(つまりデスパとは兄弟弟子でもある)ミホ・カワシマは、ロンドンの主要ホールの他、日本、オランダ、トルコ、エストニア、フランス、ベルギーなど世界的なコンサート活動を行い、ソロ&室内楽奏者としても広く活躍するピアニスト。2019年からは母校ユーディ・メニューイン・スクールのスタッフ・ピアニストに就任しています。

Glossa
Glossa Cabinet
GCDC-81129(1CD)
モーツァルト:管楽器の為の協奏曲集
クラリネット協奏曲イ長調 K.622
オーボエ協奏曲ハ長調 K.314*
ホルン協奏曲変ホ長調 K.447
エリック・ホープリッチ(Cl)、
フランク・デ・ブライネ(Ob)、
トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト(ナチュラル)、
フランス・ブリュッヘン(指)、
ケネス・モンゴメリー(指)*、
18世紀オーケストラ

録音:2001年2月(K.622)、2015年10月(K.314)、2006年6月(K.447)
巨匠フランス・ブリュッヘンが創設し、古楽オーケストラのパイオニアとして世界の古楽シーンをリードしてきた18世紀オーケストラ。18世紀オーケストラがGlossaに残した数々のモーツァルト名録音の中から、3つの管楽器協奏曲をセレクトしたスペシャル・プログラムが、Glossa Cabinetシリーズより登場。
首席クラリネット奏者エリック・ホープリッチが、当時の新資料に基づいて復元した楽器(バセット・クラリネット)を用いた録音で話題を呼んだ「クラリネット協奏曲」を筆頭に、長年18世紀オーケストラのオーボエ奏者を務め、エンシェント室内Oの首席奏者としても活躍する名手フランク・デ・ブライネが艶やかな音色を響かせる「オーボエ協奏曲」、18世紀オーケストラとフライブルク・バロック・オーケストラの首席奏者を兼務するなど古楽大国オランダが誇るナチュラルホルンの世界的名手トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールトが圧巻のテクニックと音楽性を披露する「ホルン協奏曲」といった、モーツァルトの魅力あふれる3曲を収録しています。

Ars Produktion
ARS-38590(1CD)
ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948):作品集
ヴァイオリン協奏曲 Op.26、
ディヴェルティメント Op.20、
組曲「マドンナの宝石」
アルバン・バイキルヒャー(Vn)、
岩崎宙平(指)、ピルゼンPO

録音:2020年12月14日-20日、ピルゼン(チェコ)
イタリアの作曲家ヴォルフ=フェラーリは歌劇「マドンナの宝石」はよく知られていますが、それ以外の曲はなかなか知られていません。1930年代までは頻繁に演奏される作曲家の一人でしたが大戦時ファシズムの影響を受けて演奏機会が減ってしまったことが要因の一つとなっています。しかし、その作品は素晴らしいものが多く今回収録されているヴァイオリン協奏曲もその一つです。1968年南チロル生まれのバイキルヒャーは、非常にロマンティックな冒頭から見事な表現で美しく仕上げています。カップリングの管弦楽曲もチェコで活躍中で、常任指揮者(2021年シーズンに首席指揮者に就任予定)である岩崎宙平が手兵ピルゼン・フィルを細部までコントロールし、非常に丁寧な演奏を聴かせてくれます。

FONE
SACD-065(1SACD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」
2本のヴァイオリン、弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ短調 F.1-100(RV.514)
ヴァイオリン、チェロ、弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ロ長調 F.4-2(RV.547)
サルヴァトーレ・アッカルド (Vn独奏&指)、
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ、
ラウラ・ゴーナ(Vn)、
チェチーリア・ラディック(Vc)
、ラウラ・マンツィーニ(Cemb)

録音:2009年5月30日−31日、ローディ(イタリア)
1983年にイタリアのレコーディング・エンジニア、ジュリオ・チェーザレ・リッチによって設立され35年以上の歴史を持つイタリアのオーディオファイル・レーベル「Fone」より、イタリア・ヴァイオリン界の巨匠、サルヴァトーレ・アッカルドが手兵オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナを弾き振りしたヴィヴァルディの「四季」の名録音が再生産されました。日本語解説付きの国内仕様盤は新規リリースとなります!
「赤毛の司祭」のもっとも親しまれる名曲「四季」(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8からの最初の4曲)に、四季に比べると余り演奏される機会の少ない2つの二重協奏曲 RV.514とRV.547を収録し、アッカルドの艶のある高貴なヴァイオリンの音色と、時に荒々しいまでに豊かな表現力で心を揺さぶる「四季」を、FONEのテクノロジーが生々しく捉えています。

Capriccio
C-5437(1CD)
NX-B05
ニコライ・カプースチン(1937-2020):ピアノ協奏曲第4番/二重協奏曲 他
ピアノ協奏曲第4番Op. 56(1989)
ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラの為の二重協奏曲 Op. 105(2002)
室内交響曲 Op. 57(1990)
フランク・デュプレー(P)
ロザンネ・フィリッペンス(Vn)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O
カーセ・スカリョーネ(指)

録音:2020年10月26-31日、2020年12月3,4日
クラシックの作曲家としてだけではなく、シンフォニック・ジャズの作曲家としても知られるニコライ・カプースチンは、しばしば「ガーシュウィンの服を着たロシ ア人」と呼ばれます。彼の作品のほとんどはジャズの影響を受けており、その作風はバッハからプロコフィエフ、ストラヴィンスキーまでの伝統的な要素を ジャズのスタイルに融合させた独自のものです。生涯に160曲を超える作品を残しましたが、作曲家として認められたのは21世紀近くになってからのこ と。カプースチン自身は脚光を浴びることは望んでおらず、世間の目から遠く離れたアパートで作品を書いているときが一番幸せだったそうです。 このアルバムに含まれる3つの作品も、どれもジャズのテイストを持ち、とりわけピアノ協奏曲では高度なテクニックを駆使した華麗な旋律が溢れていま すが、実は音の全てが譜面に記されており、インプロヴィゼーションの入る余地はありません。ここでは、もともとジャズのパーカッションを学び、ピアニスト に転向した経歴を持つフランク・デュプレーによる、鋭敏なリズム感に支えられた見事な演奏を楽しめます。他にも妖艶なヴァイオリンの旋律と溶け合う ピアノの音色が魅力的なヴァイオリン協奏曲、ハイテンションのパーカッションが全体を支える室内交響曲が収録されており、カプースチンの持ち味が じっくり堪能できる1枚です。


Treasures
TRE-255(1CDR)
モイセイヴィチの十八番協奏曲集
ディーリアス:ピアノ協奏曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ベンノ・モイセイヴィチ(P)
マルコム・サージェント(指)BBC響

録音:1955年9月13日プロムス(モノラル・ライヴ)、1963年3月6日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(モノラル・ライヴ)*
※音源:米Discocorp BWS-725
◎収録時間:56:09
“死の影なし!溢れる生命力を惜しげもなく放射した輝かしい「皇帝」!”
■音源について
「皇帝」は、1963年4月9日に亡くなったモイセイヴィチのラスト・コンサート。イギリスで人生の大半を過ごしたモイセイヴィチにとって、ディーリアスも大切なレパートリー。ランバートと組んだセッション録音(1946年)もありました。なお、J.ハントのディスコグラフィには録音日が「1955年8月」とありますが、となっていますが、ここではGuild HistoricalのCDに記載されている日付を記しておきます。

★モイセイヴィチは一般的には「ラフマニノフ弾き」と言われますが、師のレシェティツキ譲りと思われるベートーヴェン演奏における説得力の高さも決して忘れてはなりません。
 「皇帝」第1楽章、モイセイヴィチの最初のソロは、有り余るパワーをようやく放出できる喜びで一杯!入念なアゴーギク、強弱対比が絶妙なバランスで迫って一気に魅了されます。その勢いを受けて立つサージェントの指揮もいつになく燃え盛り、早くも大名演を確信させますが、その期待を最後まで裏切りません。
 モイセイヴィチの最晩年のセッション録音ではミスタッチが散見されますが、録り直しや発売差し止めもせずに発売されていることでも、モイセイヴィチにとって重要なのは技巧よりも作品の生命力だったことは明らか。ここでも微細なミスこそあれ、音楽を歪めるどことかどこを取ってもベートーヴェンの精神を感じさせ、そこに長年の経験による自信と確信が加味されたフレージングが、熱い奔流となって迫るのです。
 第1楽章9:01からのトリルはただの細かい指の運動ではなく、確実に息遣いが感じられ、硬質のタッチも保持して凛とした佇まいを貫徹、9:52からは敢えて弱音で通して幻想味を加え、6:48からのカデンツァでの生きる喜びを映すリズムの冴えなど、ゾクゾクする瞬間の連続です。第2楽章は、夜露の光を思わせるタッチの美しさを敷き詰めながらも弱音に逃げず、次第にくっきりと音色の明暗を浮き上がらせ、その軟弱さとは皆無のバンカラな一途さにしびれます。終楽章は最後の締めまでピアノを掻き鳴らし続けるのも大納得!綺麗事のベートーヴェンなどもうたくさん!とお嘆きの方、「皇帝の中の皇帝」を追い求めている方、必聴です!
 ディーリアスは、深い親交のあったグリーグの協奏曲からの影響を強く感じさせる甘美な佳曲。【2021年6月・・湧々堂】

Hanssler
HC-21021(1CD)
ベートーヴェンとメンデルスゾーンのピアノ協奏曲
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15【ヴィンツェンツ・ラハナーによるピアノと弦楽五重奏編】
(2)メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第2番ニ短調 Op.40【パウル・ヴァルダーゼーによるピアノと弦楽合奏編】
ギュンター・フランツ・カーセカルト(1958-2007):(3)「Nachtkrapp」/(4)「Marschierende waldameisen」/(5)「Ring der Dunkelheit」/(6)「Graf Puckler-Limpurg-Walzer」/(7)「Feuertanz」
ゲルリント・ベッチャー(P)
(1)(2)ティモ・ハンドシュー(指)
南西ドイツ・プフォルツハイム室内O

ライヴ録音:(1)(2)2014年&2015年/ケーニヒス・ヴスターハウゼン、(3)2020年/バート・ザーロー、(4)-(7)2016年/ドイツ
驚くべき表現力と輝き」「心の奥底まで響く共感」とヨーロッパで高い評価を集めるゲルリント・ベッチャーがベートーヴェンとメンデルスゾーンのピアノ協奏 曲を弦楽合奏の伴奏版で録音しました!ラハナーによる弦楽五重奏版のベートーヴェンとヴァルダーゼーによる弦楽合奏版のメンデルスゾーンは実に爽快。ベッ チャーが雄弁に語る好演です!
最後に収録されたのは心理学者で作曲家のギュンター・フランツ・カーセカルト(1958-2007)のピアノ作品です。彼は森や自然への深い愛情を示した一方、 “人間の精神”を生涯かけて音楽の形にしたいと取り組んできました。「Nachtkrapp」は空想上の鳥「ナイトレイヴン」で、この化け物のような鳥に脅かされた子 供を恐怖心から就寝させるために読まれる童話に出てきます。また「Feuertanz」は火花を散らす炎の踊りで、炎の破壊力とすべてが燃やされたときの終わりを 暗示しています。ベッチャーはこの様相を見事に表現しております。 (Ki)

EVIDENCE
EVCD-071(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
チョ・ジェ=ヒョク(P)
ハンス・グラーフ(指)
ロシア国立SO

録音:2019年6月/ザリャーディエ・ホール(モスクワ)
チョ・ジェ=ヒョクは韓流ピアニスト。ジュリアード音楽院に学び、1993年プロピアノ社のオーディションで優勝、カーネギーホール・デビューを果たしました。 20代半ばスランプに陥り、ピアノから離れて法律を勉強したという変わり種。またオルガニストとしても優れ、四半世紀にわたりニューヨークの教会で奉仕してい ます。
ピアノから離れた時期がありながら彼のテクニックは完成されていて、ピアノ協奏曲中でも最難曲のラフマニノフの2番と3番を本家モスクワのオーケストラ相 手に見事に渡り合っています。高度な技巧に恵まれながらも、演奏は冷静で細部まで曖昧さがありません。テンポは比較的遅めで落ち着いていますが、その説得力 の強さに驚かされます。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85001(1CD)
ジノ・フランチェスカッティ・プレイズ・ラロ&ヴュータン
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番*
ラロ:スペイン交響曲 **
サン=サーンス:ハバネラ#
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン+
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ユージン・オーマンディ(指)フィラデルフィアO*
ドミトリ・ミトロプーロス(指)ニューヨーク・フィルハーモニック**
ウィリアム・スミス(指)コロンビアSO#,+

録音:1957年4月14日(ステレオ)*
1957年4月22日(ステレオ)#
1957年11月10日(ステレオ)#,+
音源:Columbia ML 5184*,**
Columbia ML 5253#,+
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:David Hermann
マスタリング:Dennis Patterson
20世紀中葉に活躍したヴァイオリニスト、ジノ・フラン チェスカッティ(1902-1991)。パガニーニ唯一の弟子とされるカミッロ・シ ヴォリに学んだ父の薫陶を受けて育ったフランチェスカッティは、5歳でリサイタルを開き、10歳でベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 を演奏。のちにジャック・ティボーの目に留まり指導を受け、ラヴェルとのデュオでツアーを行うなど、若くしてフランスを代表するヴァイ オリニストとなります。しかし、第2次世界大戦を契機にアメリカに移住。1972年に引退するまで同地に留まり、戦後のアメリカで ハイフェッツと人気を二分するスターとして活躍しました。遂に来日することの無かったフランチェスカッティですが、パガニーニ直系と される超絶技巧と輝かしいサウンドに加え、イザイやクライスラーの影響を受けたとされる優雅な演奏は、米コロンビアへの録音を 通じて日本でも人気を博しました。 このアルバムに収録されているのは1957年のステレオ録音集。1950年代に人気が高かったラロの 「スペイン交響曲」は、当時 活躍していたハイフェッツ、ミルシテイン、メニューイン、シェリング、グリュミオー、コーガン、オイストラフ、スターンなどの巨匠たちがこ ぞって録音していますが、フランチェスカッティの再録音となる当盤の華麗な演奏はそれらの中でも際立つ仕上がりを見せていま す。当時はモノラルからステレオへの移行期にあたり、このフランチェスカッティ盤は「スペイン交響曲」初のステレオ録音でした(初 出時はモノラル。当CDはステレオ音源から復刻)。今回のCD化に際しては、初出時と同じくヴュータンのヴァイオリン協奏曲第 4番をカップリング。併せてフランチェスカッティの超絶技巧と輝かしい美音を楽しめるサン=サーンスの「ハバネラ」とサラサーテの 「ツィゴイネルワイゼン」も収録されています。ラロ以外は左右の広がりが若干狭いですが、全てステレオでの復刻です。

Orchid Classics
ORC-100168(1CD)
NX-B03
クラリネット作品集
ドビュッシー:第1狂詩曲(管弦楽伴奏版)
ニールセン:クラリネット協奏曲 Op. 57
ルトスワフスキ:舞踏前奏曲- 独奏クラリネット、パーカッション、ハープ、ピアノと弦楽合奏のために
コープランド:クラリネット協奏曲
ブラージュ・シュパロヴェツ(Cl)
オーデンセSO
アンナ・スクリレヴァ(指)
ヴィンチェンツォ・ミレターリ(指)

録音:2020年6月15-18日、2020年9月16-17日(ライヴ)
2019年に開催された「カール・ニールセン国際音楽コンクール」の受賞記念アルバム。こちらはクラリネット・コンクールの優勝者ブラージュ・シュパロヴェ ツのリサイタル・アルバム。2015年からケルン・ギュルツェニヒOの首席奏者に加えて、ベルリン芸術大学の准教授を務めているシュパロヴェツ。 このコンクールに優勝したことで更なる知名度を獲得しました。 審査員を務めたマイケル・コリンズが「1位が当然と思えます。最初から抜きんでていたし、聴衆と音楽の喜びを分かち合うことが出来ます。テクニックとあた たかなサウンドは、彼の個性となるでしょう。」とコメントしています。このアルバムではオーデンセSOと4つの作品を演奏。ドビュッシーがパリ音楽院 の卒業試験作品として書いた第1狂詩曲、ニールセンのクラリネット協奏曲、民謡風のテイストを持つルトスワフスキの「舞踏前奏曲」、どれも息を呑 むような見事な演奏です。そしてコープランドの協奏曲は、ベニー・グッドマンが提案したカデンツァと終結部のパッセージを簡略化した短縮版ではなく、 演奏至難な初稿版にて演奏されています。
Orchid Classics
ORC-100169(1CD)
NX-B03
フルート協奏曲集
ニールセン:フルート協奏曲(1926)
テオドール・フェルヘイ(1848-1929):フルート協奏曲 Op. 43 No. 1(1902)
ジャン・フランセ(1912-1997):フルート協奏曲(1966)
ジョセフィーヌ・オレック(Fl)
オーデンセSO
アンナ・スクリエヴァ(指)

録音:2020年6月19-24日オーデンセ・コンサート・ホール(デンマーク)
2019年に開催された「カール・ニールセン国際音楽コンクール」の受賞記念アルバム。こちらにはフルート・コン クールの優勝者ジョセフィーヌ・オレックの演奏が収録されています。2017年からロッテルダム・フィルハーモニ管弦 楽団の首席フルート奏者を務めるオレック、コンクールでもエレガントな演奏と輝かしい音色が絶賛されました。こ のアルバムでは彼女が個人的なシンパシーを感じているという3人の20世紀作曲家たちの作品を選曲。美しく ウイットに富んだニールセンのフルート協奏曲、オランダの作曲家フェルヘイの技巧的な協奏曲、そして緻密な書 法によるオーケストラ・パートに乗って、フルートが軽やかな旋律を歌うフランセの協奏曲、この3曲を彼女は鮮や かに吹きこなしています。

Centaur
CRC-3742(1CD)
ハイドン&フンメル:ヴァイオリンとピアノのための協奏曲集
ハイドン:ヴァイオリンとピアノのための協奏曲 ヘ長調 Hob.XVIII:6
フンメル
:ヴァイオリンとピアノのための協奏曲 ト長調 Op,17
ソロミヤ・イワヒフ(Vn)、
アントニオ・ポンパ=バルディ(P)、
テオドレ・クチャル(指)、
スロヴァキア国立SO

録音:2017年11月(スロヴァキア)
ハイドンが残した2つの独奏楽器を用いた協奏曲と、そのハイドンにオルガンを学んだフンメルによる同形態の作品を並べたアルバム。独奏は音楽誌で「透き通った高貴な音」、「独特の魅力と繊細な深み」などと評され各地でソリストや室内楽奏者として活躍するヴァイオリニスト、ソロミヤ・イワヒフと、1999年クリーヴランド国際ピアノ・コンクール第1位、1998年ロン=ティボー国際コンクール最高位、2001年ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール銀メダルという輝かしい実績を持つイタリアのピアニスト、アントニオ・ポンパ=バルディ。伴奏はイワヒフと同郷ウクライナを代表する名指揮者、テオドレ・クチャルが務めています。

Phil.harmonie
PHIL-06027(1CD)
ヴィヴァルディ:協奏曲集〜四季
ヴァイオリン協奏曲ヘ長調 RV.293 「秋」 Op.8-3(「四季」より)/ヴァイオリン協奏曲ヘ短調 RV.297 「冬」 Op.8-4(「四季」より)/チェロ協奏曲ロ短調 RV.424/ヴィオラ・ダモーレ協奏曲イ短調 RV.397/ヴァイオリン協奏曲ホ長調 RV.269 「春」(「四季」より)/ヴァイオリン協奏曲ト短調 RV.315 「夏」(「四季」より)
ベルリン・バロック・ゾリステン、
ライナー・クスマウル(Vn、指)、
ゲオルク・ファウスト(Vc)、
ヴォルフラム・クリスト(ヴィオラ・ダモーレ)

録音:1998年9月(四季)、2004年6月(Vc協奏曲、ヴィオラ・ダモーレ協奏曲)、ベルリン
1995年にベルリン・フィルの第1コンサートマスターだったライナー・クスマウルとベルリン・フィルの首席奏者達により創設されたベルリン・バロック・ゾリステン。彼らの十八番のレパートリーでもあるヴィヴァルディの、1998年に録音されていた「四季」と、2004年に録音された「チェロ協奏曲」、「ヴィオラ・ダモーレ協奏曲」を収録。

Nimbus Alliance
NI-6419(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集(P五重奏版)
ピアノ協奏曲第11番ヘ長調 K.413、
ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414、
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415
マティアーシュ・ノヴァーク(P)、
ウィハンSQ

録音:2020年8月26日-27日、マルティヌー・ホール、プラハ(チェコ)
モーツァルトの時代、協奏曲のオーケストラ部分を弦楽四重奏に編曲することは決して珍しいことではなく、オーケストラを集めて披露することが難しいような場合を想定し、少しでも演奏機会を増やし収入を得るため小規模なアンサンブルで演奏できるようになされたものでした。とはいえ原曲を簡略化したようなものではなく、ピアノ五重奏の編成で元々編成されたかのように自然に、そして美しい音楽を聴かせてくれるところは、さすがはモーツァルト!
マティアーシュ・ノヴァークは、5歳からピアノを始め、2018年ノルウェーで行われたグリーグ国際ピアノコンクールにおいて第2位、並びにスタインウェイ賞を受賞するなど数々のコンクールで上位に入賞しており、国内外で演奏活動を行っています。ウィハンSQは2015年に結成30周年を迎えたチェコを代表するSQのひとつ。マティアーシュ・ノヴァークのピアノをその経験と実力で裏付けられた演奏で見事に盛り立てていきます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。


Hanssler
HC-21000(1CD)
バッハの「ホルン協奏曲」
(1)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 変ホ長調 BWV1053
(2)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ短調 BWV1059R(BWV974、BWV35からの再構築版)
(3)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 変ロ長調 BWV1055R
ラデク・バボラーク(Hrn)
ベルリン・バロック・ゾリステン【 マルティン・フンダ、ドリアン・ジョジ、ハンデ・コデン、ヘレーナ・オッテンリップス( 第 1 ヴァイオリン)、ライマー・オルロフスキー、アンナ・ルイーザ・メーリン、クリストフ・シュトロイリ(第 2ヴァイオリン)、ヴァルター・キュスナー、マシュー・ハンター(Va)、クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、ジョアン・バシュ(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)、ラファエル・アルパーマン(Cemb)】

録音:2020年10月17-19日/ブラックバード音楽スタジオ、シャルロッテンブルク(ベルリン)
ヘンスラー・レーベルより積極的なリリースが続いているベルリン・バロック・ゾリステン。コロナ禍の2020年10月に録音した当アルバムは鬼才ホルン奏者 ラデク・バボラークを迎えてJ.S. バッハの“ホルン”協奏曲です!ホルン協奏曲と言ってもバッハはホルンのための協奏曲は残しておらず、バボラークがホルンに 合わせて移調し編み直した再構築版で演奏しております。
ブランデンブルク協奏曲第1番、ミサ曲 ロ短調、カンタータなど、ナチュラルホルンに素晴らしい旋律を書いているバッハ。バボラークはこれまで無伴奏チェ ロ組曲やヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタなど数多くの作品に触れてきましたが、バッハの音楽の一つの結論としてこの“ホルン”協奏曲の録音を実現させました。
ベルリン・バロック・ゾリステンとの録音は実にチャレンジングであったと語るバボラークは「本物のバロックに忠実であること」を念頭にこの魅力的なアルバ ムを完成させました。超人的ともいえる技巧を駆使しこの上なく柔らかく美しい旋律を吹くバボラークが屈指の名団体と音楽の喜びに満ちて演奏しております。
ここに収録された3篇はいずれもチェンバロと弦楽オーケストラのための協奏曲ながらその原曲はバッハおよび他者の旧作を編曲したもので、オーボエ、フルー ト、オーボエ・ダモーレをソロとした協奏曲と考えられております。また協奏曲 ニ短調 BWV1059は第1楽章の冒頭9小節しか現存しておらず、カンタータ第 35番の導入シンフォニアが同一音楽であることから同カンタータから復元されています。当演奏の第2楽章にはマルチェッロのオーボエ協奏曲を原曲とする協 奏曲 ニ短調 BWV974を挿入しております。 (Ki)
Hanssler
HC-20078(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調「トルコ風」 K.219(カデンツァ:ロバート・レヴィン)
協奏交響曲 変ホ長調 K.364
ミハイル・ポチェキン(Vn)、
イヴァン・ポチェキン(Va)、
シュトゥットガルト室内O

録音:2020年12月9&10日/ムジークハレ、ルートヴィヒスブルク
ロシア俊英ミハイル・ポチェキンがシュトゥットガルト室内Oとの共演でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」と協奏交響曲を録音しました! ミハイル・ポチェキンは2009年にリトアニア、ヴィリニュスのヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞。以後ロシア・ナショナルOをはじ めとする名だたるオーケストラとの共演を誇ります。清らかに奏でる「トルコ風」は絶品の一言。また、カデンツァは著名なピアニストにして音楽学者、作曲家のロ バート・レヴィンによるもの。レヴィンはモーツァルトをはじめとする18世紀の作曲家の未完の作品の校訂、および補筆を行なっており、モーツァルトのレクイエム ではモーツァルト自身のスケッチに基づいて改訂を行うなど、その功績は高く評価されておりこのカデンツァも実に注目です。
カップリングは協奏交響曲で兄イヴァン・ポチェキンの共演です!イヴァンは1987年生まれ。2005年にモスクワのパガニーニ・コンクールで優勝しており、 Profilレーベルからショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲集(PH-19073)をリリースしています。弟ミハイルと阿吽の呼吸で協奏交響曲を演奏しております。 (Ki)
Hanssler
HC-21020(1CD)
バッハ:協奏曲集
(1)ヴァイオリンとフルートのための協奏曲 ハ短調 BWV1060
(2)フルート協奏曲 ト短調 BWV1056
(3)ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041
(4)ヴァイオリンとフルートのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
(1)(3)(4)ヤロスラフ・ナドジツキ(Vn)、(1)(2)(4)クシシュトフ・カチカ(Fl)
ラ・パッショナータ、ロレンツォ・グゴーレ(指)

録音:2020年7月29&30日/トレニャーゴ(ヴェローナ)
名手ヴァイオリンのヤロスラフ・ナドジツキとフルートのクシシュトフ・カチカがバッハのドッペル・コンチェルトを録音しました!ナドジツキはハチャトゥリアン国 際音楽コンクール(2010)、ヤッシャ・ハイフェッツ国際コンクール(2000)などで上位入賞を果たしている逸材。一方、カチカは2009年から2012年まで広 州SOの首席フルート奏者を務めたのち、現在はソリストとして活動の幅を広げており、これまでにラン・ラン、ヨーヨ・マ、五嶋みどり、サラ・チャンといった 世界的アーティストとの共演を果たしております。
通常、ヴァイオリンとオーボエで演奏される協奏曲 ハ短調 BWV1060、そして2つのヴァイオリンで演奏される協奏曲 ニ短調 BWV1043ですが、ヴァイオリ ンとフルートとの相性も抜群。二人のかけあいでこの傑作の新たな一面をのぞかせてくれます。 (Ki)

BRIDGE
BCD-9547(1CD)
「PIANO PROTAGONISTS」〜ピアノと管弦楽のための作品集
コルンゴルト:左手のためのピアノ協奏曲嬰ハ長調Op.17
ショパン:モーツァルトのドン・ジョヴァンニの「お手をどうぞ」による変奏曲Op.2
リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30
オライオン・ワイス(P)
レオン・ボットスタイン(指)
ザ・オーケストラ・ナウ

録音:2020年1月バード大学フィッシャー・センター・フォー・パフォーミング・アーツ
上演機会は少ないものの 19〜20 世紀に書かれた美しいピアノ協奏曲を収録。コルン ゴルト(1897-1957)の左手のためのピアノ協奏曲はラヴェルのそれと同じく、第一次大戦で 右手を失ったピアニスト、パウル・ウィトゲンシュタインのために作曲。ウィトゲンシュタイン は他のどれよりもこの作品を好んでいたという。後期ロマン派の色濃い影響とオペラ、映 画音楽で培った華麗なメロディとハーモニーが溢れる一方、後期ロマン派から派生した半 音階的手法は時に無調音楽に至る、野心的作品。ショパン初期の作品、モ ーツァルトの「お手をどうぞ」の主題による変奏曲はシューマンに「天才の登場」と言わしめ た逸品。R.コルサコフのピアノ協奏曲はロシア民謡の主題に基づく華麗な作 品でラフマニノフ、アレンスキーに強い影響を与えた。作曲者を知らされずに初めて聴い たらラフマニノフの未発見のピアノ協奏曲かと勘違いするかもしれない。 いずれも他にCD を見つけにくい曲目だけにこの機会に手に入れておくのが賢明!


Profil
PH-19061(13CD)
リヒテル・プレイズ・ロシアン・コンポザーズ
■Disc1
チャイコフスキー:協奏曲集
(1)ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23
(2)ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23
■Disc2
チャイコフスキー:ピアノ・ソナタ集
(1)ピアノ・ソナタ ト長調Op.37【初出】
(2)ピアノ・ソナタ ト長調Op.37
■Disc3
(1)チャイコフスキー:四季Op.37b〜1月「炉端で」/6月「舟歌」/11月「トロイカ」
(2)ボロディン:小組曲〜僧院で/マズルカT/セレナード
(3)リャードフ:オルゴールOp.32/練習曲Op.48の1/カンツォネッタOp.48の2
(4)グラズノフ:ノクターン 変ニ長調Op.37
■Disc4
ムソルグスキー:作品集
(1)展覧会の絵
(2)子供部屋(全7曲)【初出】
■Disc5
(1)グラズノフ:ピアノ協奏曲第1番ヘ短調Op.92
(2)リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30【初出】
(3)グラズノフ:ピアノ協奏曲第1番ヘ短調Op.92【初出】
■Disc6
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲集
(1)ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調Op.1(改訂版)
(2)ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
■Disc7
ラフマニノフ:ピアノ曲集
(1)前奏曲〜嬰ヘ短調Op.23の1/イ長調Op.32の9/変ロ短調Op.32の2/嬰ト短調Op.32の12/変イ長調Op.23の8/ハ長調Op.32の1/ロ短調Op.32の10/ヘ短調Op.32の6/ヘ長調Op.32の7/変ロ長調Op.23の2/ニ長調Op.23の4/ト短調Op.23の5/ハ短調Op.23の7
(2)練習曲「音の絵」〜変ホ短調Op.33の6/嬰ハ短調Op.33の8/嬰ヘ短調Op.39の3
ボーナス・トラック:前奏曲ニ長調Op.23の4【初出】
■Disc8
スクリャービン:ピアノ・ソナタ集
(1)ピアノ・ソナタ第2番Op.19「幻想ソナタ」
(2)ピアノ・ソナタ第5番Op.53
(3)ピアノ・ソナタ第6番Op.62
ボーナス・トラック:ピアノ・ソナタ第5番Op.53
■Disc9
スクリャービン:ピアノ曲集
(1)練習曲〜嬰ハ短調Op.2の1/ホ長調Op.8の5/嬰ヘ短調Op.42の2/嬰ヘ長調Op.42の3/嬰ヘ長調Op.42の4/嬰ハ短調Op.42の5/変ニ長調Op.42の6/変ロ短調Op.8の11/変ホ長調Op.42の8/変ロ長調Op.65の1/嬰ハ長調Op.65の2/ト長調Op.65の3
(2)前奏曲Op.11〜第2番イ短調/第3番ト長調/第5番ニ長調/第24番ニ短調/第9番ホ長調/第10番嬰ハ短調/第11番ロ長調/第12番嬰ト短調/第17番変イ長調/第18番ヘ短調/第15番変ニ長調/第16番変ロ短調
(3)マズルカOp.25の3/詩曲Op.52の1/焔に向かってOp.72
■Disc10
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ集
(1)ピアノ・ソナタ第6番イ長調Op.82
(2)ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83
(3)ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調Op.84
■Disc11
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ集
(1)ピアノ協奏曲第5番ト長調Op.55
(2)束の間の幻影Op.22〜第3,4,5,6,8,9,11,14,15,18,20番
(3)悪魔的暗示Op.4の4
(4)舞曲Op.32の1
(5)バレエ「シンデレラ」〜ガヴォット/秋の精/東洋風/ワルツ/争い
ボーナス・トラック:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83
■Disc12 
ショスタコーヴィチ:前奏曲とフーガOp.87より
(1)第3番ト長調/第6番ロ短調/第7番イ長調/第2番イ短調/第18番ヘ短調
(2)第4番ホ短調/第12番嬰ト短調/第23番ヘ長調/第14番変ホ短調/第17番変イ長調/第15番変ニ長調/第8番嬰ヘ短調
■Disc13
(1)グリンカ:かわいい女/応えてよ、わが問いに/ヴェネツィアの夜/天上の聖女と呼ぶなかれ/忘れがたき、かのひととき/おまえのそばにいると/おお、おまえ、うるわしき処女よ/アデーリよ/フィンランドの入り江にて/子守歌/旅の歌/舟歌
(2)ダルゴムイシスキー:私にはどちらでも同じこと/ヴェルトグラード/お前はすぐに忘れるだろう
スヴャトスラフ・リヒテ ル( ピアノ)

■Disc1
(1)コンスタンチン・イワノフ(指)ブルノRSO/録音:1950年5月25日ライヴ
(2)ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)ウィーンSO/録音:1962年9月24-26日セッション
■Disc2
録音:(1)1949年3月29日モスクワ・ライヴ、(2)1956年モスクワ・セッション
■Disc3
録音:(1)1950年6月23日、(2)(3)(4)1952年4月4日すべてモスクワ・ライヴ
■Disc4
録音:(1)1958年11月14日キエフ・ライヴ
(2)ニーナ・ドルリアク(S)/録音:1953年11月モスクワ・ライヴ
■Disc5
(1)カルル・エリアスベルク(指)レニングラードSO/録音:1952年3月17日レニングラード・ライヴ
(2)キリル・コンドラシン(指)モスクワ青年SO/録音:1951年4月16日モスクワ・ライヴ
(3)ヴェニヤミン・トルバ(指)ウクライナ国立RSO/録音:1952年11月15日キエフ・ライヴ
■Disc6
(1)クルト・ザンデルリンク(指)モスクワRSO/録音:1955年2月16日モスクワ・ライヴ
(2)キリル・コンドラシン(指)モスクワ青年SO/録音:1951年4月16日モスクワ・ライヴ
■Disc7
録音:(1)1960年3月3日キエフ・セッション、
:(2)1954年4月21日、1952年4月4日、1950年6月23日すべてモスクワ・ライヴ
ボーナス・トラック/録音:1955年2月9日モスクワ・ライヴ
■Disc8
録音:(1)(3)1955年6月20日、(2)1961年6月8日すべてモスクワ・ライヴ
ボーナス・トラック/録音:1962年7月11日キエフ・ライヴ
■Disc9
録音:(1)1952年1月10日、(2)1955年6月20日、(3)1952年1月10日、1955年6月20日すべてモスクワ・ライヴ
■Disc10
録音:(1)1960年7月16日キエフ・ライヴ、(2)1958年4月16日モスクワ・ライヴ、(3)1961年4月17日モスクワ・ライヴ
■Disc11
(1)コンスタンティン・シルヴェストリ(指)モスクワRSO
録音:1958年10月22日セッション
(2)1962年7月10日キエフ・ライヴ、1961年10月14日パリ・ライヴ、
(4)1961年4月27日モスクワ・ライヴ、(5)1952年4月4日モスクワ・ライヴ
ボーナス・トラック/録音:1954年11月24日ワルシャワ・ライヴ
■Disc12 
録音:(1)1956年12月2、3日プラハ・セッション、(2)1963年6月9日キエフ・ライヴ
■Disc13
ニーナ・ドルリアク(S)
録音:1953年11月21日モスクワ・ライヴ
Profilレーベルの人気シリーズ、リヒテルBoxの第6弾登場。今回はロシア作品を集めていますが、仰天のお宝も含まれるファン興奮の内容となっています。
十八番のチャイコフスキーのピアノ協奏曲はコンスタンチン・イワノフと名盤中の名盤カラヤン&ウィーン響の2種。何故か若い頃に愛奏した大作ピアノ・ソナタ も2種を収録していますが、1949年のモスクワ・ライヴは初出音源とされています。またグラズノフの「ノクターン」やリャードフの「オルゴール」のさりげなさも 絶品。
グラズノフのピアノ協奏曲第1番はコンドラシンとの録音がLP、CDで発売されていましたが、ここではエリアスベルク&レニングラード響、トルバ&ウクライナ 国立放送響の2種を収録、ことに後者は貴重な初出音源。リムスキー=コルサコフの協奏曲はコンドラシン&モスクワ青年響との共演ですが、こちらも初出ライヴと いうのが興味津々。
ムソルグスキーの「展覧会の絵」はキエフでのライヴ。世界の音楽界を震撼させたソフィア・ライヴと同じ1958年で、その凄まじさに圧倒されます。ドルリアク 夫人との「子供部屋」全曲は貴重な初出音源。ドルリアク夫人とはグリンカとダルゴムイシスキーの歌曲も存分に味わえます。
ラフマニノフ、スクリャービン、プロコフィエフは他の追随を許さぬ大きさで、曲の素晴らしさに浸れます。
いずれの音源も現在入手困難。この価格でお届けできるのはまさに奇跡、お買い逃がしなく! (Ki)

Stradivarius
STR-37144(1CD)
ネイ・ロサウロ(b.1952):作品集
(1)ティンパニと弦楽のための協奏曲
(2)マリンバと弦楽のための協奏曲第1番
(3)マリンバ、ティンパニと管弦楽のための二重協奏曲
イヴァン・マンチネッリ(マリンバ)
ドメニコ・カニャッチ(ティンパニ)
(1)(2)ロベルト・モリネッリ(指)
(3)ジョージ・ぺーリヴァニアン(指)
ボルツァーノ・トレント・ハイドンO

録音:2018年
ネイ・ロサウロはブラジル、リオ・デジャネイロ出身のマリンバ、打楽器奏者で自らも作曲を盛 んに行っており、このアルバムは彼の主要な協奏曲を収録しています。難解な現代音楽臭は皆 無でいずれもロマンティックで新古典主義的あるいはブラジルの民族音楽の影響を受けた親し み易い作風。マリンバ、打楽器奏者の作曲だけあって演奏効果の高いグルーヴィでノリのよい ラテン音楽が耳に心地よい。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-042(2CD+DVD)
NX-D11
『四季』
【CD 1】
ヴィヴァルディ:『四季』
【CD 2】
ジョヴァンニ・アントニオ・グイード(1675頃-1729):『四季』〜「四季」によるスケルツォ・アルモニコ
【DVD】
CD1、CD2と同内容
アンドレス・ガベッタ(ソロVn、指)
ヴェルサイユ王室歌劇場O(古楽器使用)

収録:2020年12月18-23日ヴェルサイユ宮殿 (CD)
2020年12月21日ヴェルサイユ宮殿「鏡の間」 (DVD)
【DVD】 (93分28秒)
画像:16:9 NTSC All Regions
音声:2ch Stereo
ヴィヴァルディの『四季』は18世紀フランスでも大きな人気を博し、モーツァルト父子がパリを訪問した1763年頃まで「春」が現役レパートリーと して演奏されていたほど。チェリストのソル・ガベッタの兄でバロック・ヴァイオリンの名手アンドレス・ガベッタを中心に、フランス古楽界の俊才がヴェ ルサイユ宮殿に集って録音されたこのアルバムは、そうした18世紀フランスの人々の感覚そのままに、「四季の移ろい」という題材を音楽で辿る 好企画です。ユニークな解釈のヴィヴァルディに加え、彼と同世代でナポリでの修業の後フランスに来たヴァイオリン奏者・作曲家グイードの”も うひとつの”『四季』も収録。グイードの作品はヴィヴァルディの翌年ないし数年内に楽譜出版がなされていますが、これはルイ14世が推奨した フランス音楽絶対主義に反して王の存命時からイタリア音楽を支持し、数多くのイタリア人音楽家の活動を後援したオルレアン公フィリップの 宮廷で発表された合奏曲で、ヴィヴァルディ作品と同じく作者不詳の詩を音楽化したもの。ルベルやラモーを思わせる舞踏音楽劇のような構 成と、ヴィヴァルディにも通じるイタリア趣味で、変幻自在のダイナミックな音楽が繰り広げられる逸品。対するヴィヴァルディ『四季』もここでは 18世紀の習慣に従い、管楽器を加えた編成で色彩感豊かなサウンドに。「春」での牧歌的なリコーダー(実力派セバスティアン・マルクの演 奏)、「秋」での狩猟ホルンやのどかなオーボエの響きがたまりません。演奏陣にはハーディ・ガーディに俊才ステファーヌ・フュジェ、リュートの一人 にアンドレ・アンリクなど名手たちの名も。フィリップ・ジャルスキーのアンサンブル・アルタセルセで活躍するクラヴサンの中村葉子、ラ・ムジカ・コッ ラーナのメンバーでもあるヴァイオリンの依田幸司が加わるなど、欧州を拠点に活躍する日本出身の新世代古楽プレイヤーの存在も光ります。

Goodies
78CDR-3838(1CDR)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041 マックス・シュトループ(Vn)
フリッツ・シュタイン(指)
ベルリン大学器楽合奏団

独 ELECTROLA DB5527/8
1939年ベルリン録音
マックス・シュトループ(1900-1966)はドイツのヴァイオリン奏者。1922年、 当時ザクセン国立歌劇場の音楽監督だったフリッツ・ブッシュ(1890-1951)の 招きでコンサート・マスターに就任。1924年から1928年にはワイマール音楽学 校のヴァイオリン教授になり、一方オットー・クレンペラーの要請でベルリン 国立歌劇場Oのコンサート・マスターも務めた。大戦後の1947年からは デトモルト音楽アカデミーでヴァイオリンと室内楽の指導にあたった。指揮者 のフリッツ・シュタイン(1879-1961)は神学者で教会のオルガン奏者でもあっ た。1919年から1933年の長期にわたりキール大学で教鞭をとり、ナチス政権の 下ではユダヤ人関連音楽の排斥に尽力した。そのため大戦後はは失職し1961年 に世を去った。このレコードはドイツ国内だけで発売され、英HMVや米VICTOR では出なかった。原盤番号の末尾の「T」は、演奏会場から電話回線で音声信 号を録音室に送り原盤を作成したという記号。フルトヴェングラー指揮ベート ーヴェンの「運命」(78CDR-3521)のドイツ盤SPレコードにもこの記号がある。 ドイツ以外で発売された盤ではこの記号は削り取られていた。 (グッディーズ)

IBS CLASSICAL
IBS-82021(1CD)
ファリャ、プーランク、バカリッセ:チェンバロ協奏曲集
ファリャ:チェンバロ協奏曲- チェンバロ、フルート、オーボエ、クラリネット、ヴァイオリンとチェロのために
プーランク:田園のコンセール FP49
サルバドル・バカリッセ(1898-1963):チェンバロと小オーケストラのための協奏曲Op. 124
シルビア・マルケス・チュリリャ(Cemb)
ハビエル・カスティブランケ(Fl)
ロベルト・シリャ(Ob)
ホセ・ルイス・エステリェス(Cl)
アイツォル・イトゥリアガゴイティア(Vn)
ダビド・アペリャーニス(Vc)
ムルシア地方SO
ビルヒニア・マルティネス(指)

録音:2020年7月20-25日、2020年10月19-20日
このアルバムには20世紀に作曲された3つのチェンバロ協奏曲が収録されています。 バロック時代に全盛期を迎えたチェンバロですが、ピアノの出現によって衰退し、19世紀中頃まではほとんど演奏されることがありませんでした。しかし 19世紀末に、古楽演奏のためにチェンバロの復興が試みられ、何人かの奏者たちが楽器の改良に取り組み、大きなコンサートホールでの演奏に耐え 得る強靭な音を生み出す「モダン・チェンバロ」と呼ばれる楽器が生まれます。中でも、モダン・チェンバロの開発に熱心だったのが、ポーランドの女性鍵 盤楽器奏者ワンダ・ランドフスカ(1879-1959)で、彼女はプレイエル社の協力のもと、鉄製のフレームに太い弦を張った楽器を開発するとともに、 1926年には面識のあったフャリャにチェンバロ協奏曲の作曲を依頼、その翌年にはプーランクにも作品を委嘱、2曲のチェンバロ協奏曲が生まれまし た。このディスクではその2曲に加えて、スペインのバカリッセの協奏曲を収録。古典的な枠組みの中にモダンな響きが聴かれる曲で、チェンバロの響きも 効果的に使われています。 スペイン、サラゴサ出身のシルビア・マルケス・チュリリャ(近年は名前からチュリリャを省略)は、ピアノ、オルガン、フォルテピアノなどの鍵盤楽器の奏者。 古楽器奏者としては、自身のアンサンブル「ラ・テンペスタード」を率い17世紀から18世紀の作品を演奏するとともに、独奏者としても数多くの指揮 者、オーケストラと共演することで知られます。近代作品にも積極的に取り組み、とりわけスペインの知られざる作品の紹介にも尽力する彼女、このア ルバムではモダン・チェンバロを堂々と弾きこなし、オーケストラとの対話を繰り広げています。

TOCCATA
TOCC-0612(1CD)
NX-B03
ジョエル・フェイギン(1951-):室内オーケストラのための作品集
アヴィヴ - ピアノと室内オーケストラのための協奏曲(2009)
押し寄せる海 - 弦楽オーケストラのために(2012)
歌劇「十二夜」からの2つの歌曲(2013)
2枚のパネルのモザイク(1997)…世界初録音
ヤエル・ウェイス(P)
ジョン・サヴォーニン(Br)
スロヴァキア国立SO
カーク・トレヴァー(指)
クレムリン室内O
ミーシャ・ラフレフスキー(指)

録音:1999年1月14日(ライヴ)、2019年10月3日、2019年10月3-4日、2019年10月4-5日
ニューヨーク生まれ、ロシアの血を引く作曲家ジョエル・フェイギン。ジュリアード音楽院で作曲をロジャー・セッションから学んだ他、ピアノをロジーナ・レ ヴィーンに学び、優れたピアニスト、伴奏者としても活躍しています。1986年にはコーネル大学から委嘱を受けた歌劇「エレウシスの秘儀」を作曲し初 演。この作品はロシアでもたびたび上演され高く評価されました。その後、2005年に作曲したシェイクスピアの喜劇に基づく歌劇「十二夜」も評判を 呼び、何度も再演を繰り返し歌劇作曲家として名を上げました。 このアルバムには彼の小規模なオーケストラ作品を収録。冒頭の「アヴィヴ」は、このアルバムで演奏しているヤエル・ウェイスのために書かれたピアノ協 奏曲。モーツァルトへのオマージュであり、モダン、かつ明るい旋律に満ちた作品です。「押し寄せる海」は2004年のインドネシアと2011年の日本で起 きた津波から触発された曲。破壊的な海の力と、大自然の脅威になすすべもない人間の畏怖と恐怖が描かれています。他には、彼の代表作「十二 夜」からの2つの歌曲と、遊び心のある「2枚のパネルのモザイク」を聴くことができます。

GRAND SLAM
GS-2239(2CD)
バックハウス〜ベートーヴェン&ブラームス
ベートーヴェン
(1)ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
(2)ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
(4)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
ヴィルヘルム・バックハウス(P)
(1)-(3)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)VPO
(4)カール・ベーム(指)VPO

録音:(1)1958年4月16-22日、(2)1958年10月22-26日、(3)1959年6月29&30日、(4)1967年4月14、15、17-19日ゾフィエンザ ー ル( ウィーン)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
当シリーズの2021年前半の目玉盤は、バックハウスのベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番、第2番、第3番(シュミット=イッセルシュテット(指)ウィーン・ フィル)と、ブラームスのピアノ協奏曲第2番(ベーム(指)ウィーン・フィル)の組み合わせです。しかも、2枚組ながら1枚価格! ベートーヴェンは第4番+ 第5番「皇帝」(GS-2224)も揃えればピアノ協奏曲全集になります。 復刻の素材は2トラック、38センチのオープンリール・テープで、その瑞々しく見通しの良い音は感涙ものです。特にブラームスは、卒倒するような素晴らし さです。2枚組ゆえに、品切れた場合の再プレスは非常に難しいので、予約されることをお勧めします。(平林直哉)


EUROARTS
20-68485(6DVD)
マルタ・アルゲリッチBOX
■DVD1
ドキュメンタリー『マルタ・アルゲリッチの音楽夜話』
■DVD2
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
ショパン:マズルカ ハ長調Op.24-2
シューマン:幻想小曲集Op.12-7『夢のもつれ』
■DVD3
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
■DVD4
◎アルゲリッチ&バレンボイム/テアトロ・コロン凱旋公演
モーツァルト:2台ピアノのためのソナタ ニ長調K.448
シューベルト:創作主題による8つの変奏曲変イ長調D813
ストラヴィンスキー:春の祭典(2台ピアノ版)
シューマン:2台ピアノのためのアンダンテと変奏Op.46
ラフマニノフ:組曲第2番Op.17〜ワルツ
カルロス・グアスタビーノ:バイレシート
ミヨー:スカラムーシュ〜ブラジレイラ
■DVD5
シューマン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 イ短調 Op.105
プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調 Op.94a
フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調
(アンコール)
クライスラー:愛の悲しみ、美しきロスマリン
■DVD6
『プロメテウス』神話の様々な変奏〜火の詩*
ベートーヴェン:『プロメテウスの創造物』 Op.43より(導入部『嵐』/第1番/第9番/パストラーレ第10番)
リスト:交響詩『プロメテウス』
スクリャービン:交響曲第5番『プロメテウス』
ノーノ:『プロメテオ』組曲 (1992)〜ヘルダーリン
全て、マルタ・アルゲリッチ(P)

■DVD1(63分)
ジョルジュ・ガショ監督
制作:2002年
(日本語字幕付)
■DVD2(54分)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤツェク・カスプシク(指)
収録:2010年8月27日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
映像監督:ピエール=マルタン・ユバン
■DVD3(62分)
(1)ロイヤル・リヴァプールPO
サー・チャールズ・グローヴス(指)
収録:1977年2月6日、プレストン、ギルド・ホール(ライヴ)
(2)アンドレ・プレヴィン(指)LSO
収録:1977年5月3日、クロイドン、フェアフィールド・ホール(ライヴ)
■DVD4(120分)
ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ
ダニエル・バレンボイム(指、P)
収録:2014年8月コロン劇場、ブエノスアイレス(ライヴ)
■DVD5(85分)
ガイ・ブラウンシュタイン(Vn)
収録:2020年2月22日、ピエール・ブーレーズ・ホール、ベルリン(ライヴ)
■DVD6(57分)
監督:クリストファー・スワン*
ベルリン・ジングアカデミー、
フライブルク・ゾリステンcho
クラウディオ・アバド(指)BPO
収録:1992年5月23-25日、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
2021年6月に80歳を迎えるアルゲリッチ。それを記念して」EURO ARTSからアルゲリッチの映像集6枚組がリリースされます。 まずDVD1は、ジョルジュ・ガショ監督による『マルタ・アルゲリッチの音楽夜話』。アルゲリッチがインタビューに応じ、自らについて語るというもの。作曲家 や演奏、室内楽についての示唆に富む言葉の数々に、過去の映像や演奏風景が散りばめられるという印象的な構成になっており、ヨーロッパとアメリカでいく つもの賞を受賞しています。子供のころのベートーヴェンの協奏曲での出演前の恐怖の記憶や、グルダへの尊敬の念、バッハやベートーヴェン初期作品での ユーモアの感覚、シューマンやリストへの共感、ソロ演奏での孤独感など、アルゲリッチの音楽に興味のある方なら見逃せない話がたくさん含まれています。 DVD2は、2010年のショパン・イヤーにワルシャワでおこなわれたコンサートを収録したもの。カスプシク指揮するシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演した 記念演奏会にふさわしい豪華なコンサート映像。 そしてDVD3には、1977年にBBCが制作した貴重な映像。当時35歳のアルゲリッチが得意のチャイコフスキーとプロコフィエフの第3協奏曲を弾くという 魅力的な内容です。何より若いアルゲリッチの輝くような姿に目を奪われます。唖然とする指回りと速いテンポ、強靭なのになめらかな打鍵の美しさ、とてつも ないエネルギーとオーラの発散に息もつけぬ1時間を満喫できます。 さらにDVD4は、2014年マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイム、お互いの故郷であるブエノスアイレスのテアトロ・コロンで初めて2人揃ってのコン サートが行われました。ダニエル・バレンボイムによって創設されたウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラを率いて行われたコンサートは、ブエノス アイレスの人々の熱烈な拍手と歓声で迎えられました。当初2枚組でリリースされていた商品ですが、今回収録しているのは、アルゲリッチ、バレンボイムによる ピアノ・デュオ・ライヴ。 続いてDVD5には、2020年2月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコン サートマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像。 最後は、クラウディオ・アバドが、ベルリン・フィルの定期演奏会で取り上げた「プロメテウス」神話に基づく様々な作曲家による作品が収録されたライヴ。「プ ロメテウス神話」とは、ギリシア神話の神プロメテウスが人間に火を与えたとして、ゼウスの怒りをかい、不死身のプロメテウスは永遠にハゲ鷹に腹を割かれて 処刑された、それを勇敢なヘラクレスがハゲ鷹を殺しプロメテウスを救うという内容。映像監督のクリストファー・スワンは、照明等を駆使した視覚的効果を巧 みに使い、「火」「炎」を表現。ベルリンのフィルハーモニーホールが、赤、黄色、緑、青と変幻自在に染まっていく様子は必見です。 スクリャービンの交響曲第5番『プロメテウス』では、アルゲリッチがピアノ・ソロとして登場。神秘主義に影響され、色彩への強い関心をもち、音楽に色彩をも 取り込もうとしたスクリャービンの作風が最も色濃く投影された曲。大編成のオーケストラとヴォカリーズによる混声合唱、そして独奏ピアノのために作曲され ましたアルゲリッチの神秘的で魅惑的な演奏にも注目です。 (なお、インターナショナル・バージョンにはDVD1に「BLOODY DAUGHTER」が収録されていますが、権利の関係で日本版には「音楽夜話」を収録してい ます 。)

Hanssler
HC-20083(3CD)
チャイコフスキー:ピアノと管弦楽のための作品全集
■Disc1
(1) ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23(第3楽章ノーカット版)
(2) 協奏幻想曲Op.56
■Disc2
(1) ピアノ協奏曲第2番ト長調Op.44(ノーカット版)
(2) アレグロ ハ短調(1864)
■Disc3
(1) ピアノ協奏曲第3番変ホ長調(タネーエフ補筆完成3楽章版)
(2) ゾフィー・メンター(リスト?):ハンガリーのジプシーの歌(チャイコフスキーのオーケストレーション)
ボーナス:チャイコフスキーの肉声(1890)
アンドレイ・ホテーエフ(P)
ウラジーミル・フェドセーエフ(指)
チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ

録音:Disc1:1998年2月(1)、1996年9月(2)/モスクワ(セッション)
Disc2:1996年11月(1)、1997年8月(2)/モスクワ(セッション)
Disc3:1998年2月/モスクワ(セッション)
1998年にKoch Schwannレーベルからリリースされ話題となったBoxが2011年にリマスタリングを施されヘンスラーから再登場。チャイコフスキーに執 念を燃やすホテーエフとフェドセーエフがタッグを組んだ企画で、ピアノとオーケストラのための作品を完全に収めています。
有名なピアノ協奏曲第1番は第1、第2楽章こそ現行版ですが、第3楽章はカットされた箇所を自筆譜に基づき復元。通常より2分ほど長くなっています。同 様にピアノ協奏曲第2番と協奏幻想曲もたいていカットされる個所をきちんと演奏しているのが貴重。
ピアノ協奏曲第3番はチャイコフスキー自身が第1楽章のみ完成させていますが、のこされたアンダンテとフィナーレを、草稿から愛弟子タネーエフがピアノ と管弦楽のための作品に仕上げたものを付けて全3楽章46分の大作で再現。
またチャイコフスキー学生時代に課題で書かされた「ピアノと弦楽のためのアレグロ」と、最晩年の不思議な「ハンガリーのジプシーの歌」も貴重。「ハンガ リーのジプシーの歌」はリストが弟子のピアニスト、ゾフィー・メンターのために作曲しながらオーケストレーションする力が残っておらず、「チャコフスキー氏 に頼みなさい」と遺言したと伝えられています。ただ、リスト嫌いを公言していたチャコフスキーなので、断られることを恐れたメンターは自分の曲と偽り頼んだ とされますが、まだリストの真作とは確定されていません。
ボーナス・トラックに有名なチャイコフスキーの肉声が収められています。ちょうど同盤収録曲を作曲中の1890年の録音なので、雰囲気を感じられるでしょう。
アンドレイ・ホテーエフは1946年生まれ。モスクワ音楽院でナウモフに師事しますが、リヒテルに認められて強い影響を受けました。フェドセーエフのチャイ コフスキー愛ともに旧ソ連派の底力を見せつけてくれます。 (Ki)

Solo Musica
SM-345(1CD)
NX-B03
ジュネーヴへの旅
フランク・マルタン(1890-1974):チェロ協奏曲(1965-66)
 バラード(1949) - チェロと室内オーケストラのために
クサヴァー・ダイヤー(1972-):Lignes d’Est(2020) - チェロとオーケストラのために…世界初録音
エステレ・レヴァーツ(Vc)
ジュネーヴ室内O
アリー・ファン・ベーク(指)

録音:2020年7月9日-7月11日
ジュネーヴ室内Oがこれまでも熱心に取り上げてきた、ジュネーヴ出身の作曲家の作品集。今回は 2017年から2018年までオーケストラのアーティスト・イン・レジデンスを務めた女性チェリスト、エステレ・レヴァー ツとともに、フランク・マルタンのチェロ協奏曲とバラード、そしてクサヴァー・ダイヤーに依頼した新作「Lignes d’ Est」を演奏しています。レヴァーツはスイス出身、パリ国立高等音楽院でジェローム・ペルノーに、ケルン音楽舞 踊大学ではマリア・クリーゲルに師事、研鑽を積みました。これまでにバッハやベートーヴェン、ブラームス、リ ヒャルト・シュトラウスの録音で高く評価されています。

Audite
AU-97790(1CD)
「ヴィルトゥオージ」
(1)バッハ:3つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 BWB1064R
(2)ヴァルター:オルガン協奏曲 ニ短調(原曲:ジュゼッペ・トレッリ作の断片)
(3)バッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 BWV1060R
(4)オルガン協奏曲 ハ長調 BWV595(原曲:ヨハン・エルンスト公のヴァイオリン協奏曲)
(5)バッハ:ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 BWV983(原曲:ヨハン・エルンスト公のヴァイオリン協奏曲)【ゲルノート・ジュスムートによる復元】
(6)バッハ:オルガン協奏曲 ト長調 BWV595(原曲:ヨハン・エルンスト公のヴァイオリン協奏曲)
(7)バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
チューリンゲン・バッハ・コレギウム
ゲルノート・ジュスムート((1)(3)(5)(7)ヴァイオリン、指揮)、(1)(7)ダーヴィット・カストロ=バルビー(Vn2)、
(1)ラファエル・ヘーヴィケ(第3ヴァイオリン)、(3)クララ・ブレッシング(バロック・オーボエ)、(2)(4)(6)イェルク・レディン(Org)

録音:2020年10月5-8日/オーバー教会(アルンシュタット)
エグゼクティヴ・プロデューサー:ルトガー・ベッケンホーフ
1714年、ヴァイマールの宮廷オルガニストであったバッハは、ヴィヴァルディの「調和の霊感」 Op.3に出会い、ヴェネツィアの“モダン”な協奏曲のスタ イルを熱心に取り入れ、オルガン独奏曲をはじめとする編曲作品を残しました。それらの作品はトゥッティのリトルネロ形式を散りばめ、バッハ独特のポリフォ ニー・スタイルで原曲を勝るとも劣らない作品に仕上げました。
当アルバムではバッハに加えてバッハの同時代の作曲家ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター(1684-1748)とザクセン=ヴァイマール公ヨハン・エルンスト W世(1696-1715)のオルガン作品を収録。当時のオルガン文化の繁栄を思わせる色彩豊かな選曲です。
チューリンゲン・バッハ・コレギウムは貴重なオリジナルの弦楽器、またレプリカを用いて演奏する団体。バッハと同時代の作品を主要レパートリーとし、 auditeレーベルからヨハン・エルンスト公の協奏曲集(AU-97769)、ヨハン・ベルンハルト・バッハ(1676-1749)の管弦楽組曲(AU-97770)をリリースして おります。ゲルノート・ジュスムート率いる名手が揃った当団が好演を聴かせてくれます。

Naive
OP-7258(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集第9集
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV283、変ロ長調 RV365、ハ長調 RV194、ニ長調RV211、イ長調RV346、ホ短調RV281
ボリス・ベゲルマン(Vn)
コンチェルト・イタリアーノ、
リナルド・アレッサンドリーニ(指)

録音:2020年8月
コンチェルト・イタリアーノの若きリーダー、ボリス・ベゲルマンによるヴィヴァルディのヴァイオリン曲集の登場。アレッサンドリーニとコンチェルト・イタリ アーノによるやわらかなエネルギーに満ちたアンサンブルも魅力の演奏です。即興性に満ち溢れた生き生きとしたアレグロ、時には夢のように典雅な旋律など、 ヴィヴァルディが腕によりをかけてちりばめた魅力的な楽想が、やわらかさと品格をもって奏でられています。
ボリス・ベゲルマンは1983年生まれ、モスクワ音楽院でゴルトシュタイナー(Vn)、シンコフスキ(バロック・ヴァイオリン)および同大学院でリュビ モフの薫陶を受けました。その後パレルモのベッリーニ音楽院でオノフリ(Vn)、ミナージ(室内楽)に学んでいます。新世代のバロック・ヴァイオリン 奏者として活躍、若くしてコンチェルト・イタリアーノのリーダーを務めています。 (Ki)


RHINE CLASSICS
RH-016(5CD)
「ヴァイオリンの魂」〜ジャン・テル=メルゲリアン録音集
■CD1
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲Op.77(カデンツァ:クライスラー)
(2)ベートーヴェン:三重協奏曲Op.56
■CD2(73:05)
ブラームス:ヴァイリン・ソナタ第1番Op.78
バッハ:シャコンヌ
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第26番変ロ長調K.378
サン=サーンス:ハバネラOp.83
■CD3
(1)サラサーテ:スペイン舞曲集Op.23〜第1番「祈り」/バスク奇想曲Op.24
(2)ジャン・テル=メルゲリアンのアナウンス
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調「バラード」Op.27-3
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調Op.12-1
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調Op.30-2
■CD4
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」Op.47
(アンコール)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」〜第2楽章
(2)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第17番ハ長調K.296
(3)ジェラール・ガスパリアン:ヴァイオリン・ソナタ「テル=メルゲリアンに捧ぐ」
■CD5
(1)「1961年ロン・ディボー・コンクール優勝ライヴ」
審査員長シェリングの紹介
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲〜第3楽章
(2)「1964/71年アルメニア・レコーディング」
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
(3)ハチャトゥリアン:舞曲変ロ長調Op.1/「ガイーヌ」より「アイシャの踊り」
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」より「仮面」(ハイフェッツ編)
サラサーテ:スペイン舞曲集Op.21-2「ハバネラ」
サラサーテ:スペイン舞曲集Op.22-1「アンダルシアのロマンス」
コミタス:「ああ、愛しのマラル」/「私は行きました、私は輝きました」/「鶴」*
ジャン・テル=メルゲリアン(Vn)

■CD1(74:14)
(1)アーサー・フィードラー(指)ボストンSO
録音:1975年6月13日シンフォニー・ホール、ボストン(ライヴ)
(2)ピエール・バルビゼ(P)、イヴァン・シフォロー(Vc)
フィリップ・ベンダー(指)カンヌ・プロヴァンス・コートダジュールO
録音:1983年7月30日コンセルヴァトワール、マルセイユ(ライヴ)

■CD2(73:05)
モニク・オーバーデルファー(P)
録音:1982年1月20日カルカソンヌ市立劇場(ライヴ)

■CD3(67:27)
(1)モニク・オーバーデルファー(P)
録音:1982年1月20日カルカソンヌ市立劇場(ライヴ)
(2)録音:1998年頃マルセイユ(ライヴ)
(3)ピエール・バルビゼ(P)
録音:1985年6月28日サクレクール教会、マルセイユ(ライヴ)

■CD4(79:12)
(1)ピエール・バルビゼ(P)
録音:1985年6月28日サクレクール教会、マルセイユ(ライヴ)
(2)ジェラール・ガスパリアン(P)
録音:1998年11月19日ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(生放送ライヴ)
(3)ジェラール・ガスパリアン(P)
録音:1999年パリ(スタジオ録音)

■CD5(74:35)
(1)ルイ・フレスティエ(指)フランス国立放送O
録音:1961年6月27日パリ(ライヴ)
(2)ミハイル・マルンツィアン(指)アルメニアPO
録音:1964年アルメニア・フィルハーモニー大ホール、エレヴァン(ライヴ)
(3)ネリー・ダニエル=ベック(P)
録音:1968/71年頃エレヴァン(スタジオ/*ライヴ)
ジャン・テル=メルゲリアン(1935-2015)はマルセイユ生まれ。わずか11歳でマルセイユ音楽院のヴァイオリン最優秀賞を受賞、その年にはもうリサイタルを開いています。1947年にアルメニアに移住、首都のエレヴァンで音楽の勉強を続け、モスクワ音楽院ではダヴィッド・オイストラフの教えを受けた。プラハの春国際音楽コンクール第2位(1956)、エリザベート王妃国際音楽コンクール第9位(1963)、そしてロン・ティボー・コンクールでついに優勝を果たしている(1961年)。その後「アルメニア人民芸術家」の称号を得たが、1981年に故郷マルセイユに戻る。その美しいヴァイオリンの音色が流れるだけで部屋の空気が変わってしまう、聴く人の心を清らかにしてくれる、そういう数少ない演奏家。今まで録音が世に出ることはほとんど無かったが、今回遺族の厚意により発売されることとなった。

DOREMI
DHR-8143(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第8集

(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 第1楽章
(3)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 第2・3楽章
(4)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調Op.19
(5)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 77
(6)W.シューマン:ヴァイオリン協奏曲(1947)
アイザック・スターン(Vn)
(1)ピエール・モントゥー(指)フィラデルフィアO
録音:1945年1月13日
(2)エリック・デラマルター(指)ロサンジェルス・フィルハーモニック
録音:1946年2月3日(NBC - “The Standard Hour” broadcast)
(3)ピエール・モントゥー(指)サンフランシスコSO
録音:1946年2月10日(NBC - “The Standard Hour” broadcast)
(4)ディミトリ・ミトロプーロス(指)NYO
録音:1956年2月26日
(5)エーリヒ・ラインスドルフ(指)フランス国立放送O
録音:1973年6月16日/ローザンヌ
(6)ピエール・モントゥー(指)ボストンSO
録音:1950年2月10日
スターンの貴重音源集、第8集。協奏曲でまとめられています。いつもながら豪華な共演陣との見事な名演集です。 (Ki)

TOCCATA
TOCC-0604(1CD)
NX-B03
ヨゼフ・シェルプ(1894-1977):管弦楽作品集第2集
ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲(1949)…世界初録音
ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲(1956)…世界初録音
コールアングレと弦楽オーケストラのための協奏曲(1970)
タチアーナ・ブローメ(P)
サリーナ・ツィックグラーフ(Va)…
ドミニク・ウォレンウェーバー(コールアングレ)

ベルリン室内SO
ユルゲン・ブルーンス(指)

録音:2021年1月5-7日ベルリン、イエス=キリスト教会(ドイツ)
20世紀に活躍したドイツ人作曲家の中では、ほとんどその名が知られていないヨーゼフ・シェルプ。 「リストの弟子」として活躍した才能あるピアニストであり、フライブルク音楽院の教師としても活躍、 第二次世界大戦中には作曲家としての名声も勝ち得ていましたが、1942年に爆撃によってそれ まで書いた作品のほとんどが消失、またNSDAP(国家社会主義ドイツ労働者党)のメンバーであっ たこともあり仕事も失いました。その後、不屈の精神で立ち直り、ヒンデミットを思わせる新古典的 な作品や、バルトーク風の力強い曲を次々発表、82歳で亡くなるまでその創作意欲が衰えること はありませんでした。このアルバムには世界初録音の2作を含む3曲の協奏曲を収録。彼の特長が 際立つ荒々しいピアノ協奏曲、不安気な旋律で始まるヴァイオリン協奏曲、楽器の音色が存分に 活かされたコールアングレ協奏曲を3人の奏者が見事に奏でています。

CLAVES
50-3017(1CD)
フランク・マルタン:ヴァイオリン協奏曲(1950-51)
管弦楽のためのスケッチ(1920)
スヴェトリン・ルセフ(Vn/ストラディヴァリウス1710年製「カンポセリーチェ」)
アリー・ファン・ベーク(指)、
ジュネーヴ室内O

録音:2020年1月/エルネスト・アンセルメ・スタジオ(ジュネーヴ)
スイスを代表する作曲家フランク・マルタン(1890-1974)はチューリヒ、ローマ、パリで学び、セザール・フランクや印象派の影響を受けたのち、現代的響き の中にも抒情性をもった独自の作風を作り上げました。
マルタンの特徴といえばオーケストラ作品でも室内楽的なアンサンブルが随所に現れ、フルートやピアノを多用すること。ここに収録したヴァイオリン協奏曲、管 弦楽のためのスケッチでもその特徴があらわれ、豊かな響きと色彩豊かな管弦楽を楽しめます。
ヴァイオリン独奏のスヴェトリン・ルセフ1976年ブルガリア生まれ。パリ国立高等音楽院及びパリ・エコール・ノルマルでジェラール・プーレ、ドゥヴィ・エルリー、 ジャン= ジャック・カントロフなどに師事。第1回仙台国際音楽コンクール(2001年)に優勝し、日本でも人気のヴァイオリニストとして活躍しております。録音で は師カントロフの指揮のもと収録したラロのスペイン交響曲(ARC-16006)をリリースしており、ストラディヴァリウス1710年製「カンポセリーチェ」で美音を 奏でております。

REFERENCE
FR-743(1CD)
ホセ・セレブリエール:作品集〜夜明けのラスト・タンゴ

(1)打楽器のための交響曲
(2)ピアノ・ソナタ
(3)フルート協奏曲、タンゴとともにより「ダンツァ」
(4)タンゴ・イン・ブルー
(5)カンドンベ
(6)ほとんどタンゴ
(7)夜明けのラスト・タンゴ
(8)サムソンとブッダ
(9)魔法の色
(1)モスクワ・グネーシン・パーカッション・アンサンブル、イリヤ・メリクホフ(指)
(2)ナディア・シュパチェンコ(P)
(3)マラガPO、ホセ・セレブリエール(指)、ネスター・トーレス(Fl)
(4)マラガPO、ホセ・セレブリエール(指)
(5)マラガPO、ホセ・セレブリエール(指)、ネスター・トーレス(Fl)
(6)マラガPO、ホセ・セレブリエール(指)、ネスター・トーレス(Fl)
(7)マラガPO、ホセ・セレブリエール(指)
(8)ガブリエル・ゴーニ(Fl)、ネスター・トーレス(Fl)
(9)マラガPO、ホセ・セレブリエール(指)、サラ・カトラー(Hp)、ソレーヌ・ル・ヴァン(S)

録音:(1)2019年4月20日グネーシン・ロシア・アカデミー
(2)2020年2月16日カリフォルニア
(3)(4)(5)(6)(7)2019年10月1-3日スペイン
(9)2019年10月23日ニューヨーク
ウルグアイの指揮者で作曲家のホセ・セレブリエールの作品集。ホセ・セレブリエールは、ロシア系とポーランド系の両親のもと、1938年にウルグアイで生まれ ました。幼少期から才能を発揮し、10代の頃にはウルグアイで最初の青年オーケストラを作り、自ら指揮をしています。18歳になるとアメリカ合衆国国務省特別 研究員の資格を得て、米カーティス音楽院で作曲を学びます。1956年のタングルウッド音楽祭でクーセヴィツキー財団賞を、そして同じ年に BMI若手作曲家賞 を相次いで受賞、新進気鋭の作曲家として注目を集めました。後年、名指揮者ジョージ・セルの指名でクリーヴランドOのレジデント・コンポーザーとなる など、作曲家としてもその才能が認められ、100曲以上の作品を出版しています。 このアルバムは、セレブリエールのその長いキャリアで書かれたタンゴやフルート協奏曲、ハープ協奏曲、ピアノ独奏から打楽器アンサンブルまで幅広い作品を収録 しています。 (Ki)

ACCENTUS Music
ACC-30552CD(1CD)
ピアソラ:「アコンカグア」と「四季」
(1)バンドネオン協奏曲「アコンカグア」(アコーディオン演奏)
(2)ブエノスアイレスの四季
マ ル ティナ ス・レヴィキ ス( アコ ー ディオン )
(1)モデスタス・ピトレナス(指)リトアニア国立SO
(2)ミクロオーケストラ

録音:(1)2020年11月リトアニア国立フィルハーモニー(ライヴ)、(2)2019年1月リトアニア文化センターレコーディング・スタジオ
2021年はアルゼンチン・タンゴに革命を起こした鬼才アストル・ピアソラの生誕100年。 リトアニア生まれのスター、アコーディオン奏者マルティナス・レヴィキスによる、ピアソラのバンドネオン協奏曲「アコンカグア」とブエノスアイレスの四季のア ルバムがリリースされます。 アンデス山脈最高峰の山の名前を取ったバンドネオン協奏曲。アコンカグアとは、ピアソラの故郷・アルゼンチンとチリとの国境付近にそびえたつ南米最高峰 の山。今回は、マルティナス・レヴィキスのアコーディオンによる演奏。彼の卓越したテクニックで、作品の情熱と哀愁を表現しています。モデスタス・ピトレナ ス指揮リトアニア国立SOと2020年11月にリトアニア行ったライヴ収録。 そして「ブエノスアイレスの四季」。1965年に第1曲目の「ブエノスアイレスの夏」を書いた際には、「四季」とする予定はなかったそうですが、1969年に「秋」「冬」 が書かれ,最後に「春」が書かれて4部作となりました。ブエノスアイレスに訪れる季節の雰囲気を見事に表現したピアソラの不朽の名作。マルティナス・レヴィ キスも度々共演している室内オーケストラのミクロオーケストラとの演奏で、2019年1月にリトアニアのレコーディング・スタジオでセッション録音。 (Ki)

Avie
AV-2459(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216、交響曲第29番 イ長調 K.201、
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
セバスティアン・ボーレン(Vn)、
チャーツ・チェンバー・アーティスツ、
ガーボル・タカーチ=ナジ(指)

録音:2018年10月12日-13日(交響曲)、2020年6月11日-13日(協奏曲)、オーバーシュトラース教会、チューリッヒ(スイス)
※使用楽器:グァダニーニ1761 "Ex-Wanamaker-Hart
スイスの若手実力派ヴァイオリニスト、セバスティアン・ボーレンによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集。ザハール・ブロン、ジュリアーノ・カルミニョーラ、ドミトリー・シトコヴェツキーなどに師事したことからもわかるように、知性派の演奏でまたその演奏技術は見事の一言。とはいえもちろん淡々と弾いていくのではなく、その多彩な音色のバリエーションは素晴らしく、特にアダージョでの柔らかで甘美な演奏は必聴です。
今回はヴァイオリン協奏曲の他に、交響曲第29番も併せて収録されていますが、これらの曲は全てモーツァルトが10代の頃に書かれたもので、モーツァルトの若々しい音楽をスイスのソリスト、SQ、またはベルリンやウィーン・フィルのプレイヤーなどを集めたチャーツ・チェンバー・アーティスツと共に収録。ヴァイオリン協奏曲は、一度目の録音では納得のいく出来栄えにならなかったため、二度の録音が行われたというほどセバスティアン・ボーレン渾身の演奏になっています。

Diapason
DIAP-136(1CD)
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番&協奏交響曲
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番Op.35
(2)神話 Op.30
(3)協奏交響曲 Op.60(交響曲第4番)
(4)「マズルカ集」Op.60より 第1番、第2番、第3番、第6番
(1)ワンダ・ウィウコミルスカ(Vn)、ワルシャワ国立PO、ヴィトルド・ロヴィツキ(指)
録音:1961年
(2)ダヴィド・オイストラフ(Vn)、ウラディーミル・ヤンポルスキ(P)
録音:1958年
(3)アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、ロサンゼルスPO、アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)
録音:1953年
(4)アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリング施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜 ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズに第136集として加わるのは、ワンダ・ウィウコミルスカ、ダヴィド・オイストラフ、そしてアルトゥール・ルービンシュタインがソリストを務めるカロル・シマノフスキ(1882−1937)の名演集!
プログラムのメインとなるのはポーランドの名女流ワンダ・ウィウコミルスカがソリストを務めた「ヴァイオリン協奏曲第1番」。
この1961年の録音は、同世代のポーランドの作品を数多く初演したウィウコミルスカにとって、そしてシマノフスキの「ヴァイオリン協奏曲第1番」の代表的名盤として知られてきた名演です。
またシマノフスキと旧知の仲だったルービンシュタインに献呈された「協奏交響曲」は、そのルービンシュタインが戦後、ロサンゼルス・フィルとの共演で録音した演奏が選ばれています。
フランスのマスタリング・スタジオ「Circe」のリマスタリングによるリマスタリングによる音質の向上も楽しみなポイントです。

ALPHA
ALPHA-726(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K. 271「ジュノム」
ピアノ協奏曲第17番ト長調 K. 453
オルガ・パシチェンコ(フォルテピアノ)
J.A.シュタイン1788年製作モデルに基づく再現楽器(製作: ポール・マクナルティ)…1-3
アントン・ヴァルター1792年頃製作のオリジナル楽器 …4-6
イル・ガルデリーノ(古楽器使用)
主宰:ヤン・デ・ヴィンネ(フラウト・トラヴェルソ)
マルセル・ポンセール(Ob)

録音:2020年10月 アウグスティヌス音楽センター(AMUZ)、アントウェルペン、ベルギー
モーツァルトが知っていた当時のピアノ(フォルテピアノ)を、当時流儀の古楽器を使ったオーケストラと弾いてこそ、彼が企図したとおりの作品像 に近づける……そうした考え方のもとで録音される機会も少なくないモーツァルトのピアノ協奏曲の数々。今や単に「古楽器で弾いた」という だけでは注目されにくいとすれば、オルガ・パシチェンコとイル・ガルデリーノの演奏は、その解釈の確かさと卓越した演奏クオリティ、どちらにおい ても出色の仕上がりとなっており、古楽に実績ありのAlphaレーベルが、この競合盤多き演目であえて今、新たな録音を世に問うたのも頷け る内容です。 古楽活況の地オランダやベルギーを活動拠点にしているロシア出身の才人パシチェンコの師は、ゲンリヒ・ネイガウスの系譜を汲むロシア・ピア ニズムを出発点に、現代音楽から古楽まで幅広いフィールドで活躍してきた名匠アレクセイ・リュビモフ。パシチェンコがその指導のもと培った、 歴史的検証と音楽性のどちらでも強い探究心を発揮してきた成果が、満を持してこの録音に結実しています。細部に至るまでタッチの妙が 際立つ緩徐楽章、スリリングな推進力と確たる音楽展開が同居するアレグロ……AccentやPassacailleに名盤の多いイル・ガルデリーノ は、ヘレヴェッヘやミンコフスキ、ピエルロら古楽器演奏の立役者たちの楽団で実績を積んできたバロック・オーボエの名手マルセル・ポンセール が、多忙なトラヴェルソ奏者兼プロデューサーのヤン・デ・ヴィンネと共同主宰する俊才集団(Vnに中丸まどか、近藤倫代らが参加)。 管楽器の痛快な活躍といい、弦楽器の巧みなチームワークといい、まさに絶好調と言えるでしょう。欧州古楽シーンの最前線から届いた Alphaならではのモーツァルト録音、見逃せません!

FUGA LIBERA
FUG-774(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリンと管弦楽による作品集
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 35
『白鳥の湖』〜パ・ド・ドゥ (第1幕 No. 5)/パ・ダクション (第2幕 No. 3)/「ロシアの踊り」
感傷的なワルツ Op. 51-6*
サテニィク・クールドイアン(Vn)
モネSO
アラン・アルティノグル(指、P*)

録音:2020年2月15、19-21日 モネ劇場 ブリュッセル
2008年のロン=ティボー国際ヴァイオリンコンクールに入賞、併せて「聴衆賞」を獲得し一躍注目を浴びたヴァイオリニスト、クールドイアン。フ ランスを中心に活躍し、現在モネSOのコンサート・マスターを務める彼女にとって初めての、管弦楽との共演アルバム。名作ヴァイオリン 協奏曲と、「白鳥の湖」からヴァイオリンの活躍する曲、そしてピアノとの共演で「感傷的なワルツ」を収めています。彼女のキレのあるテクニックと 歌心を存分に味わえる一枚。指揮とピアノのアルティノグルは2016年からモネ劇場の音楽監督を務めています。

Passacaille
PAS-1060(1CD)
ヘンデル:クラヴィオルガヌムのための協奏曲とソナタ集
オルガン協奏曲 ヘ長調 HWV292, Op.4-4
フルート協奏曲 イ短調 HWV287(原曲:オーボエ協奏曲 ト短調)
オルガン協奏曲 ヘ長調 HWV293, Op.4-5
チェンバロ組曲 ヘ長調 HWV427
合奏協奏曲 ニ長調 HWV317, Op.3-6
トリオ・ソナタ ロ短調 HWV386b, Op.2-1
オルガン協奏曲 変ロ長調 HWV306, Op.7-1
バルト・ナセンス(クラヴィオルガヌム)
イル・ガルデリーノ

録音:2015年1月6-8日/アントワープ、AMUZ
チェンバロとオルガンが合体した珍しい楽器「クラヴィオルガヌム(クラヴィオルガンとも)」を使用したアルバムです。もしヘンデルがこの楽器を使っていたらと いうアイデアに基づき、いくつかの作品を選んで演奏。1台でオルガン・ソロも通奏低音チェンバロも賄える魅力的な楽器を取り入れることで、アンサンブルの生き 生きとした愉しみがより強化されているよう。ベルギー古楽界の名団体イル・ガルデリーノによる創意あふれる1枚。

オクタヴィア
OVCL-00749(1SACD)
税込定価
2021年5月26日発売
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
周防亮介(Vn)
飯森範親(指)
日本センチュリーSO

録音:2020年8月10日大阪、センチュリー・オーケストラハウス
注目を集める若手実力派ヴァイオリニスト周防亮介による、待望のコンチェルトアルバ ム。 これまでも評価されてきた、本質に迫る音楽解釈、朗々と歌いあげる歌心とドラマティック な表現力が、この華やかな名曲の中で存分に発揮されています。 好サポートで支える飯森と日本センチュリー響のアンサンブルも重厚かつ鮮やかで、周防 の艶やかな音色と美しく溶け合います。 さらなる飛躍を遂げる周防亮介の「今」を感じられるアルバムとなりました。(オクタヴィア)

Ars Produktion
ARS-38585(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61、
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番 ヘ長調 Op.50、
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1*
マンリコ・パドヴァーニ(Vn)、
ボリス・ペルノー(指)、
プラハPO、
イゴール・ロンガート(P)*

録音:2018年10月(Op.61&Op.50)、2016年9月(Op.12)ライヴ録音
若いころからパガニーニを理想の音楽家とし、音楽的な激しさと技術的な敏捷性、コンサートで聴衆に与える印象から「ヴァイオリンの魔術師」「悪魔的なヴァイオリニスト」などと評される、イタリア出身のスイス人ヴァイオリニスト、マンリコ・パドヴァーニのベートーヴェン。プラハ・フィルの味わい深いオーケストラ・サウンドをバックに、聴きどころの多い見事な演奏を聞かせます。パドヴァーニはウィーン楽友協会の大ホール、フランクフルトのアルテ・オーパー、東京の王子ホール、大阪のザ・フェニックスホール、プラハのスメタナ・ホール、ブカレストの国立劇場など世界各国で演奏を行っており、2011年春にはアンネ・ゾフィー・ムターの招きに応じて「ムターズ・ヴィルトゥオージ」に参加、若手音楽家たちとともにヨーロッパの主要11都市でのコンサートを成功させています。

Cala Signum
SIGCD-656(1CD)
再発見〜イギリスのクラリネット協奏曲集
スーザン・スペイン・ダンク(1880-1962):クラリネットと管弦楽のためのカンティレーナ Op.51(世界初録音)
エリザベス・マコンキー(1907-1994):クラリネットと弦楽合奏のためのコンチェルティーノ
ルドルフ・ドルメッチ(1906-1942):クラリネット、ハープと管弦楽のための協奏曲(世界初録音)
ピーター・ウィシャート(1921-1984):クラリネットと小オーケストラのためのセレナータ・コンチェルタンテ(世界初録音)
ピーター・シグレリス (Cl)、
デイアン・ローランズ(Hp)、
ベン・パーマー(指)、
BBCウェールズ・ナショナルO

録音:2019年11月28日−30日、BBCホディノット・ホール(イギリス)
このアルバムの企画はピーター・シグレリスが、スタンフォードの原稿を英国王立音楽アカデミーへ探しに行った際に、偶然見つけたいくつかの楽譜から始まりました。その中から特に彼の興味を引いたのは20世紀前半にイギリス人作曲家によって作られた4曲でした。第二次世界大戦時に作られたその4曲は、イギリスの音楽がその頃を境に後期ロマン派やナショナリズムの影響を感じさせたものから、モダニズム様式へと変化していく様を感じさせます。その移り変わりをこのアルバムでは、「再発見」された4曲で描いています。
イギリス人クラリネット奏者ののピーター・シグレリスは、インドSOの首席奏者としてシャルル・デュトワとの共演をはじめとして、ソリストや室内楽の奏者としてもイギリスを中心として活躍しています。

Paladino Music
PMR-0118(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第12番(室内楽版)
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(カール・チェルニーによる室内楽版、カデンツァ:ベートーヴェン)
ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414(室内楽版)
ピアノと管弦楽のためのロンド K.386(リサ・スミルノヴァによる室内楽版)
リサ・スミルノヴァ(P)、
ベルンハルト・クラバッチュ(Fl)、
ニュー・クラシック・アンサンブル・ウィーン

録音:2017年5月、ゴルデック城 リッターザール(騎士の間)(オーストリア)
ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学の著名なピアノ教育者カール・ハインツ・ケマーリングや、マリア・クルシオ、ロバート・レヴィンらに師事したモーツァルトのエキスパート、リサ・スミルノヴァと、彼女が2007年に設立したニュー・クラシック・アンサンブル・ウィーンによる、室内楽版のモーツァルト:ピアノ協奏曲集!
注目は第20番K.466で、この作品の室内楽版というとフンメルの編曲(P、フルート、ヴァイオリン、チェロ)が有名ですが、ここではカール・チェルニーによるコントラバスが加わった版(P、フルート、2本のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)を採用しています。チェルニーの編曲は非常に良く出来ており、モーツァルトの原曲のエッセンスはそのままに、豊かな倍音と低音を強調したオーケストラ・サウンドを作り出しています。もともと弦楽四重奏での伴奏が可能な第12番 K.414でもコントラバスはチェロ・パートを増強する形で参加し、さらにK.414の終楽章の代替として作曲されたという説のあるK.386を、第2楽章と第3楽章の間に配置して演奏しています。

Linn
CKD-659(1CD)
NX-B09
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番ハ短調 Op. 35
ピアノ三重奏曲 第2番ホ短調 Op. 67
ピアノ協奏曲 第2番ヘ長調 Op. 102
シモン・トルプチェスキ(P)
アンドレイ・カヴァリンスキ(Tp)
アレクサンドル・クラポフスキ(Vn)
アレクサンドル・ソモフ(Vc)
ヤナーチェクPO
クリスティアン・マチェラル(指)

録音:2020年8月12-14日オストラヴァ市文化センター、チェコ、2020年7月11-12日ブルガリア国立音楽院「パンチョ・ヴラディゲロフ」、ソフィア
2019年のNHKSOとの共演も記憶に新しい、マケドニア出身のピアニスト、トルプチェスキによるショスタコーヴィチ。室内楽的な手法、 様々な引用、諧謔に皮肉といった曲想を巧みに弾き分け、生き生きとした音楽性で定評のあるマチェラルと共に、作品の魅力を最大限引き 出しました。三重奏曲で共演する旧知のクラポフスキ始め、ほかのソリストの妙技も光っています。

OEHMS
OC-1901(2CD)
NX-C09
ガーシュウィン&ラヴェル:ピアノ協奏曲集
【CD1】
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
【CD2】
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
 パリのアメリカ人
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
パスカル・ロジェ(P)
ウィーンRSO
ベルトラント・ド・ビリー(指)

録音:2004年2月…ORF ウィーン(オーストリア)…CD1
2006年5月、2007年3月…Radiokulturhaus
ウィーン(オーストリア)…CD2
フランスのピアニズムを代表する演奏家として確固たる地位を確立しているパスカル・ロジェ。洗練されたタッチ から生まれる美しく繊細な響きや、生き生きとした表情は他の演奏家の追随を許しません。この2枚組は 2004年と2006年に相次いで録音されたラヴェルとガーシュウィンのピアノ協奏曲集を組み合わせたもの。 1928年に初めてアメリカを訪れたラヴェルが「ガーシュウィンの演奏を聴きたい」と希望し、その後、今度はパリ でガーシュウィンがラヴェルに弟子入りを希望するなど、接点の多かった2人の作曲家のピアノのための協奏的 作品を並べて演奏することで、2人の共通性を探りながら20世紀前半の音楽を描いていくという好企画を味 わえる2枚組。ベルトラン・ド・ビリーの、絶妙なサポートも聴きどころです。

DOREMI
DHR-8145(2CD)
デネシュ・コヴァーチ 第4集〜ヴィヴァルディ
(1)12のヴァイオリン・ソナタ Op.2(全曲)
(2)ヴァイオリン協奏曲集『四季』 Op.8-1〜4
(1)ヤーノシュ・シェベスティエン(Cemb)、
 マリア・フランク(Vc)
(2)ランベルト・ガルデルリ(指)ハンガリー放送室内O
デネシュ・コヴァーチ(Vn)

録音:(1)1968年、(2)1967年
ヴィヴァルディの録音集2枚組。デネシュ・コヴァーチは1930年生まれのハンガリーのヴァイオリニスト。 ブダペストのリスト音楽院でフバイの弟子エデ・ザトゥレツキーに学び、1955年にカール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクール優勝。レパートリーはバロッ クから同時代までの協奏曲、室内楽、ソロと幅広く、ベートーヴェンやバルトークを得意としました。1957年よりリスト音楽院で教鞭をとり5年後に教授となり、 1968年には音楽院の学長となりました。

GRAND SLAM
GS-2236(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
(2)ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 Op.24「春」
ミシェル・オークレール(Vn)
(1)(2)マルセル・クーロー(指)シュトゥットガルトPO
(3) ジュヌヴィエーヴ・ジョワ(P)

録音:(1)(2)1961年12月シュトゥットガルト、リーダーハレ、(3)1964年頃
使用音源:(1)(2)Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(3)MUSIQUE et CULTURE MC 3003 GU (LP)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より
オークレールが弾いた2曲のモーツァルトについては、説明不要かと思います。2トラック、38センチのオープンリール・テープから最忠実にマスタリングを施した 音質は驚くほど新鮮で、オークレールのしたたるような美音がこれでもかと迫って来ます。ボーナス・トラックにはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」を加 えました。この演奏も恐ろしく生き生きとして明るく、しなやかであり、「春」の屈指の名演と言えます(ジョワのピアノも素晴らしい!)。しかも、LP復刻ながらテー プ復刻のようにノイズレスであるのも嬉しいところです。今年の上半期、制作者の一押しです。(平林直哉)

Danacord
DACOCD-870(1CDR)
エアリング・ブレンダール・ベンクトソンへの「オールドバラ」の捧げ物
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調 Op.102
ベートーヴェン:ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲ハ長調 Op.56
エアリング・ブレンダール・ベンクトソン(Vc)
マヌーグ・パリキアン(Vn)、
ジョージ・マルコム(P)、
イギリス室内O、
ノーマン・デル・マー(指)

※デジタル・サウンド修復:デイヴィッド・ロード/MONO ADD
デンマークのチェリスト、エアリング・ブレンダール・ベンクトソン(1932-2013)の「トリビュート」シリーズ。最終リリースの一枚は、1973年のオールドバラ音楽祭、6月21日にスネイプ・モールティングズで行われたコンサートからブラームスの「二重協奏曲」とベートーヴェンの「三重協奏曲」。どちらも、初めて紹介される録音です。ベンクトソンのブラームスは、エンドレ・ヴォルフと共演したストックホルムのライヴ録音が紹介(DACOCD763768)されており、一方、ベートーヴェンは、オールドバラのこの演奏が彼の知られている唯一の録音です。
共演のヴァイオリニスト、マヌーグ・パリキアン(1920-1987)は、アルメニア人を両親に南トルコのメルシンで生まれました。ロンドンで学び、1947年にソリストとしてデビュー。ヘルベルト・フォン・カラヤンが常任指揮者だった時代、1948年から1957年にかけてフィルハーモニアOの第1首席奏者を務めました。王立音楽アカデミーで教え、オールドバラ音楽祭には室内楽奏者としてたびたび参加しています。ピアノのジョージ・マルコム(1917-1997)は、チェンバロ奏者、オルガニスト、合唱とオーケストラの指揮者として主に知られています。1958年のクリスマス、ブリテンが、マルコムの指揮するウェストミンスター大聖堂聖歌隊が歌った「キャロルの祭典」を聴いて深い印象を受け、ブリテンが合唱のための新作を書くことにつながったと言われます。
このディスクの音源には、BBCのスネイプ・モールティングズからの放送をアマチュアがエアチェックした録音とロンドンの大英図書館の所蔵するコピー録音が、正式の許可を得て使われています。オリジナルのモノラル録音には、エアチェックにつきものの雑音、ドロップアウト、テープレコーダーの不安定な動作に起因する音の揺れなど、完全ではない箇所があったため、デイヴィッド・ロードがデジタル技術を使い、ベンクトソンたちの音楽を楽しめる状態にまで修復しました。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

DUX
DUX-1715(1CD)
ポーランドの新しいハーモニー
ウカシェフスキ:アコーディオンと弦楽オーケストラのための協奏曲
プシビルスキ:2台のポジティヴ・オルガンと室内オーケストラのための祝祭協奏曲
ヘルヂン:ハーモニカと弦楽オーケストラのための協奏曲
クラウディウシュ・バラン(アコーディオン)、
ロマン・ペルツキ(ポジティヴ・オルガン)、
ハンナ・ディス(ポジティヴ・オルガン)、
カツペル・スモリンスキ(ハーモニカ)、
ヴィトルト・ルトスワフスキ室内O、
ヤン・ミウォシュ・ザジツキ(指)

録音:2019年11月20日−21日&2020年10月16日、ポーランド
合唱曲の作曲家としても有名なパヴェウ・ウカシェフスキ(1968−)をはじめとした現在も活躍中の3人のポーランド人作曲家たちが生み出す「ポーランドの新しいハーモニー」を収めた協奏曲集。
3作品とも全て2000年代に入ってから作曲されたものであり、最も新しいものでヘルヂンの作品は2019年作曲。まさにポーランドの"現在"を知ることのできるプログラムです。
アコーディオン、ポジティヴ・オルガン、そしてハーモニカがソロ楽器として選ばれているところも要注目のポイントでしょう。
DUX
DUX-1702(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
トゥビン:ピアノとオーケストラのためのコンチェルティーノ
ミーケル・ポル(P)、
エストニア国立SO、
ミハイル・ゲルツ(指)

録音(ライヴ):2019年1月10日−12日&2020年2月27日−29日、エストニア・コンサート・ホール(タリン、エストニア)
祖国を代表するオーケストラ、エストニア国立SOのアーティスト・イン・レジデンスに任命されるなど、同国屈指の実力派ピアニストとして活躍中のミーケル・ポル(1986−)がラフマニノフとトゥビンをレコ―ディング!
エストニア音楽アカデミーでイヴァリ・イルヤ、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校でローナン・オホラに学び、ウィグモア・ホールやバービカン・センター、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー、ワルシャワ国立歌劇場などへのデビューを果たしているミーケル・ポルが今回共演したのは縁の深いエストニア国立SOと、同じくエストニア生まれでドイツのハーゲン歌劇場のカペルマイスター兼次席音楽総監督、エストニア国立歌劇場の常任指揮者を歴任するなど世界各国から注目を集めるミハイル・ゲルツ。
ラフマニノフは10月革命によりアメリカへ、トゥビンは1944年の旧ソ連によるエストニア侵攻によりスウェーデンへ。
世代は異なるものの混乱から逃れるため祖国を離れて他国へ亡命するなど、人生を取り巻く環境に共通点があるラフマニノフとトゥビンが作曲したピアノとオーケストラのための傑作の魅力とコントラストを、現代のエストニアを代表する演奏家たちが丁寧に描いた好演です。

FONE
SACD-066(1SACD)
ペルゴレージの時代の協奏曲とフォリア
ジェミニアーニ:弦楽とチェンバロのための合奏協奏曲第12番 「ラ・フォリア」
ペルゴレージ:ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ロ長調
ヴィヴァルディ:2本のチェロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ト短調 RV.531
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 「ムガール大帝」 RV.208
ドゥランテ:弦楽のための協奏曲第8番イ長調 「錯乱」
イ・ムジチ合奏団

録音:2009年8月12日−14日、カプラローラ(イタリア)
1983年にイタリアのレコーディング・エンジニア、ジュリオ・チェーザレ・リッチによって設立され35年以上の歴史を持つイタリアのオーディオファイル・レーベル「Fone」より、イタリアが世界に誇るバロック・アンサンブル、「イ・ムジチ合奏団」の名盤が再生産。国内仕様盤は新規リリースです。
オペラ・ブッファの礎を築き、『奥様女中』などの優れたオペラを生み出しながらも、26歳の若さでこの世を去ったナポリ楽派の作曲家、ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ(1710−1736)の生誕300周年を記念して企画されたアルバム。ペルゴレージの珍しいヴァイオリン協奏曲とともに、ジェミニアーニ、ヴィヴァルディ、フランチェスコ・ドゥランテの協奏曲を組み合わせ、煌びやかなバロック・コンチェルトの宴を演出しています。
FONE
SACD-074(1SACD)
ヴィヴァルディ:弦楽と通奏低音のための協奏曲集
協奏曲ニ長調 RV.123/協奏曲ニ短調 RV.127/シンフォニア ハ長調 RV.717 「ジュスティーノ」/協奏曲ハ短調 RV.119/シンフォニア ト長調 RV.149 「ミューズの合唱」/協奏曲 ハ長調 RV.114/協奏曲 ト短調 RV.156/協奏曲 イ長調 RV.158/協奏曲 ト短調 RV.157/協奏曲 変ロ長調 RV.163 「コンカ」/協奏曲 ト長調 RV.151 「田園風」
イ・ムジチ合奏団

録音:2011年3月12日−14日、ヴォルテッラ(イタリア)
1951年にサンタ・チェチーリア国立アカデミーの卒業生を中心とする12人の若く有望なイタリア人ミュージシャン達によって結成され、ヴィヴァルディの「四季」の爆発的なヒットによって当時のバロック・ブームを牽引したイ・ムジチ合奏団の結成60周年記念アルバムも嬉しい復刻となります。2021年は結成70周年。アニヴァーサリー・プログラムに選ばれたのは、彼らの音楽を代表する『赤毛の司祭』アントニオ・ヴィヴァルディの弦楽と通奏低音のための協奏曲集。ジュリオ・チェーザレ・リッチは「フィールド・エフェクト」という技術を用いて、イコライザーを使わず、音の拡張や圧縮無しの自然な音で録音。フレッシュでモダンなスタイルながら、伝統的な温かい音の響きを備えたイ・ムジチのヴィヴァルディを、あたかも演奏に立ち会っているかのようなライブ効果を得られるように収録しています。

Forgotten Records
fr-1877(1CDR)
サン・サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」*
イダ・ヘンデル(Vn)
ベルナルト・ハイティンク(指)
オランダ放送O

録音:1961年12月19日、1959年4月27日*、(共に放送音源)

Pentatone
PTC-5186745(1CD)
『夜明け』
ニコ・ミューリー(1981-):『Shrink(縮小)』〜ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲のための【世界初録音】
フィリップ・グラス(1937-):『The Orchard(果樹園)』(「The Screens(画面)」(1989)から)〜ヴァイオリンとピアノのための*
グラス(ペッカ・クーシスト編):弦楽四重奏曲第3番「Mishima(ミシマ)」〜弦楽オーケストラのための
ペッカ・クーシスト(Vn)、
ノルウェー室内O
ニコ・ミューリー(P)*

録音:2020年10月/ヤール教会(バールム、ノルウェー)、Reservoire(ニューヨーク)(ミューリー)*/Sonic Pump(ヘルシンキ)(クーシスト)*
ペッカ・クーシスト(1976-)が、フィンランドのプレーヤーとして初めてシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールの第1位に選ばれたのは1995年でした。こ れをきっかけに彼の活躍が始まり、各国のオーケストラへの客演や器楽奏者と共演を重ね、フィンランドを代表するヴァイオリニストのひとりとして人気を集めまし た。その間、彼は、兄ヤーコと共同で芸術監督として室内楽音楽祭を運営、ジャズ・ピアニストのイーロ・ランタラやフォークミュージシャンのアンナ=マリ・カハラ をはじめとする他ジャンルの音楽家たちと交流。自身の「芸術」の幅と奥行きを広げる活動を積極的に行いました。アメリカの作曲家ニコ・ミューリー(1981-) と彼のコラボレーションは、2010年ごろ、ミューリーがテノールとヴァイオリンと弦楽のために書いた「Impossible Things」から始まりました。「まれに見る芸 術的技法をもったクリエーターという世評を耳にしていた彼との仕事は、心を揺り動かす、楽しい経験だった」とクーシストは言い、その後の継続的な共同作業に つながっていきました。
ペッカ・クーシストが2021年から芸術監督を務めるノルウェー室内Oとの初めての録音『夜明け(First Light)』では、彼とミューリーとのコラボレー ションの成果が示されます。このアルバムで演奏されるのは、「アメリカのミニマリズムが、イギリスの合唱の伝統、フランスの色彩とテクスチュアの美の強調、長い 息遣いと空気のような感覚と融合した」(アンドルー・メラー)ミューリーの作品と、彼がジュリアード音楽院でアシスタントを務めたことのあるフィリップ・グラス (1937-)の作品です。ミューリーの「Shrink(縮小)」は、2019年の遅い時期、「この10年の音楽といたずら心が頂点に達した」(クーシスト)ころに「ヴァイ オリンと弦楽のための協奏曲」として作られました。「居場所のない、追い払われた」感覚の「音程」〈Ninths(9度)〉、「遅く、張り詰めた」〈Sixths(6度)〉と「速 く、神経質、散発的な」〈Turns(ターン)〉の3楽章の音楽です。
フィリップ・グラスの2曲は、いずれも「ポストミニマル」の作品です。弦楽四重奏曲第3番「Mishima(ミシマ)」は、ポール・シュレーダー監督が三島由紀夫 を題材にして撮った1985年の映画『Mishima: A Life in Four Chap-ters』のために書いた音楽に基づいて作曲されました。〈1957: Award Montage (1957年:アウォード・モンタージュ)〉〈November 25:Ichigaya(11月25日:市ヶ谷)〉〈Grandmother and Kimitake(祖母と公威)〉〈1962:Body Building(1962年:ボディビル)〉〈Blood Oath(血の盟約)〉〈Mishima - Closing(三島 ? 終結)〉。作曲家でもあるクーシストが、ミューリーを 通じて出会ったフィリップ・グラスの音楽に敬意を払いながら手がけた「弦楽オーケストラの版」による録音です。
ヴァイオリンとピアノのための「The Orchard(果樹園)」は、ジャン・ジュネの劇『The Screens(画面)』(原題 “Les Paravents”)が、1989年、ミネ アポリスのガスリー劇場でジョアン・アカライティスの演出で上演された際、グラスがガンビアのフォダイ・ムサ・ストと共同で作曲した音楽の1曲です。ミューリー とクーシストのグラスへの感謝の印として選ばれ、「COVID-19 の2010年の習慣」にしたがい、二人が、ニューヨークとヘルシンキの間で長距離録音して収録 されました。 (Ki)

FIRST HAND RECORDS
FHR-118(1CD)
プロコフィエフ:チェロ作品集
(1)チェロ協奏曲第1番Op.58
(2)チェロとピアノのためのバラード Op.15
(3)チェロとピアノのためのソナタ Op.119
ロハン・デ・サラム(Vc)
(1)アナトール・フィストゥラーリ(指)オランダ放送PO
(2)(3)ドゥルヴィ・デ・サラム(P)

録音:(1)1972年4月26日、(2)1972年4月27日、(3)1971年4月14日NCRV、放送用ライヴ
現代音楽を得意としアルディッティ四重奏団のメンバーとしても知られる名チェリスト、ロハン・デ・サラムによるプロコフィエフ集。1971年と1972年にオラ ンダのラジオ放送のために行われたスタジオ・ライヴ音源をハイレゾ・リマスターして初CD化!チェロ協奏曲第1番はあまりの難しさゆえに後年ロストロポーヴィ チの助言によって大幅に改変され『交響的協奏曲』になったというプロコフィエフの意欲みなぎる野心作で、独奏チェロの張りのある高音が強烈。ロハン・デ・サ ラムのエネルギーに満ちた演奏は作品の真価に迫っており一聴の価値あり。ロシア生まれの名指揮者フィストラーリがバックを務めているのも注目です。カップリン グはロハンの弟ドゥルヴィが伴奏する室内楽。プロコフィエフ21歳のときに書かれたバラードと死の数年前に書かれたソナタを収録し、プロコフィエフの生涯にわ たるチェロ音楽を俯瞰する内容となっています。 (Ki)

Passacaille
PAS-1100(1CD)
特別なコンチェルト 〜ヴィヴァルディ:弦楽のための協奏曲集
シンフォニア.ト長調 『ミューズたちの合唱』 RV149
協奏曲 変ロ長調 『コンカ』 RV163
協奏曲 ニ短調 『マドリガレスコ』 RV129
協奏曲 ト長調 『アラ・ルスティカ』 RV151
協奏曲 ロ短調 『聖墓にて』 RV169
協奏曲 イ長調 RV159
協奏曲 ニ短調 RV127
協奏曲 イ長調 RV158
協奏曲 ト短調 RV155
協奏曲 ホ短調 RV134
協奏曲 ハ長調 RV114
エンリコ・オノフリ(指)
アカデミア・モンティス・レガリス

録音:2020年7月28-31日
古楽界きっての名ヴァイオリニスト、エンリコ・オノフリが放つヴィヴァルディ最新録音!2019 年から音楽監督を務めているアカデミア・モンティス・レガリス との共演です。過去にnaiveのヴィヴァルディ・エディションでも共演していましたが、音楽監督になってからは初のアルバム。アレッサンドロ・デ・マルキとの 録音で名をあげた名門古楽オケとの、今注目の組み合わせをお聴きのがしなく!
独奏を伴わない編成で書かれた「弦楽のための協奏曲」はヴィヴァルディの残した大量の協奏曲の中でも異彩を放つ存在。ソロ協奏曲でお馴染みのリトルネッ ロ形式は影を潜め、弦楽合奏による様々な音響実験が試みられており、ある時にはソナタ形式や弦楽四重奏を思わせる世界にさえ近づいています。50曲ほど ある中からオノフリの選んだ楽曲はどれも通好みの名品ばかり。ヴィヴァルディには珍しいフーガ楽章を含む宗教的な 『マドリガレスコ』RV129や『聖墓にて』 RV169、素朴にして和声の彩が巧妙な『アラ・ルスティカ』RV151、いびつな小節構造で駆け回るRV127、抜けるような青空が広がるRV158、これまた半 音階的なフーガが印象的なRV134など、どれもユニークな筆致でありながら正にヴィヴァルディらしい創意にあふれています。一見単純なスコアから幾らでも 面白い音響を引き出せるのがヴィヴァルディの醍醐味であり、オノフリの研ぎ澄まされたセンスが光ります。 (Ki)

Signum Classics
SIGCDSC-670(1CD)
マニュ・マルタン:ピアノと管弦楽のための 「リム・ファンタジー・オヴ・コンパニオンシップ」 テッド・ジョセルソン(P)、
LSO、ロンドン・ヴォイセズ、
アーサー・フェイゲン(指)
マチュー・エイマール(ソロ・ヴォイス)

録音:2019年11月、アビー・ロード・スタジオ(ロンドン)
シンガポールの外科医、スーザン・リムとクリスティーナ・ティーンズ・タンの共作によるストーリーを基にしたアニメーション映画「Alan The Musical」の音楽からインスピレーションを得て、フランスの作曲家&オーケストレイター、マニュ・マルタンが作曲、アレンジ、オーケストレーションを行ったピアノと管弦楽のための「リム・ファンタジー・オヴ・コンパニオンシップ」。
ロボットや人工知能(AI)、生命とは何かという現代的なテーマを持つ作品で、医師だけでなく、芸術家、音楽家、科学者、社会学者、哲学者、工学者、政治家など様々な分野が絡み合うトピックにおいて、生命と非生命の間の未来的な交流を想像するファンタジックな作品。

Hyperion
CDA-68323(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.83
イェジ・ガブレンツ(1888−1937):ピアノ協奏曲 変ニ長調 Op.25
パデレフスキ(1860−1941):ポーランド幻想曲 Op.19
ジョナサン・プロウライト(P)、
ウカシュ・ボロヴィチ(指)、
BBCスコティッシュSO

録音:2019年9月11日−12日、シティ・ホール(スコットランド、グラスゴー)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ」。第83巻は、知名度の点で全く正反対な2人のポーランドの作曲家、イェジ・ガブレンツ(1888-1937)とイグナツィ・ヤン・パデレフスキ(1860-1941)のカップリング。イェジ・ガブレンツがほとんど知られていないのに対し、パデレフスキは20世紀の最初の40年間、世界で最も有名な人物のひとりでした。ソリストは、これまでもパデレフスキ、ストヨフスキ、ジェレンスキ、ザジツキなど、数々のポーランド音楽を世に広めてきたスペシャリスト、ジョナサン・プロウライト。指揮は、ポーランド指揮界の次代を担う存在であり、同じく、知られざるポーランド音楽を紹介し続けてきたウカシュ・ボロヴィチです。
ガブレンツはポーランドのクラクフで生まれ、音楽の才能に恵まれながらも、大学では法学を学び、のちに父親から工場を経営を任されるなど、学問や仕事と創作活動の両立に悩まされた作曲家でした。彼は手紙の中でこう書き残しています。 「即興や作曲をしたいのですが、頭が自由にならず、うまくいきません。時折、ピアノの前に座ることはありますが、頭の中は常に無意識に本や勉強のことに戻っているので、とても難しいのです。」 未完成や未演奏のままの作品が多いことも、ガブレンツが無名であることの原因のひとつだと考えられます。「ピアノ協奏曲 変ニ長調」は1926年の9月に完成した作品ですが、1977年まで実演を聴くことはできませんでした。このピアノ協奏曲は演奏時間約45分の大作で、うち約半分を第1楽章が占めています。モシュコフスキからの影響やショパンのバラードの引用、魅力的なメロディーと充実のオーケストレーションで満たされた、まさにポーランドのロマンティック・ピアノ・コンチェルトの王道を行くような作品です。グロッケンシュピールの印象的な5つの音で導入され、1930年代のハリウッドのようなテーマがロマンティックな雰囲気を高める第2楽章〜第3楽章の流れも非常に魅力的です。
パデレフスキの「ポーランド幻想曲」は、パデレフスキがピアノとオーケストラのために書いた最後の作品。テーマはパデレフスキのオリジナルで、エルガーが交響的前奏曲「ポローニア」の中でポーランド国歌やショパンの主題とともに引用したことでも知られています。オーケストラの編成には、トライアングル、グロッケンシュピール、タンバリン、ハープが加えられ、演奏効果を高めています。アメリカの代表的な批評家・音楽学者ヘンリー・エドワード・クレビエル(パデレフスキーのリサイタルのプログラムの多くに注釈をつけている)は、この作品について分析ノートの中で「大いなる華やかさと誇りの宣言、最も自由な歓喜のほとばしり、優しい嘆き、夢のような思索、そして荒々しい情熱の発露が見られる」と書いています。

GRAND SLAM
GS-2235(1CD)
デ・ヴィート唯一のステレオ〜バッハとモーツァルト
(1)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ジョコンダ・デ・ヴィート(Vn)
ラファエル・クーベリック(指)
(1)LSO、(2)ロイヤルPO

録音:(1)1959年6月24、25日/ロンドン、アビーロード・スタジオ
(2)1959年1月21、22日、11月6日/ロンドン、キングズウェイ・ホール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
早くに引退したヴァイオリンの女王、ジョコンダ・デ・ヴィート。彼女はまた録音嫌いでも知られていましたが、幸いなことに2曲の協奏曲がステレオで収録され ました。これらの演奏は過去に様々な形で復刻されてきましたが、恐らく当盤は鮮度では群を抜いていると思われます。全く新鮮な感動を与えてくれるでしょう。
**おことわり**
この録音は楽章ごと、あるいは楽章の途中で音質が変わる個所があります。これは当時の技術上の制約からくるもので、現代の技術でも修復は不可能でした。 その点をご了承下さい。(平林 直哉)

DOREMI
DHR-8141(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第7集

(1)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 Op.63
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(3)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26
(4)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
(5)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K. 219
(6)モーツァルト:ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261
モーツァルト:ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド ハ長調 K.373
アイザック・スターン(Vn)

(1)レナード・バーンスタイン(指)ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1957年1月20日カーネギーホール(ライヴ)
(2)ネヴィル・マリナー(指)フランス国立O
録音:1980年5月20日パリ(ライヴ)
(3)ガブリエル・フムラ(指)、フランス国立O
録音:1975年5月30日パリ(ライヴ)
(4)アレクサンダー・シュナイダー(指)フランス公共放送室内O
録音:1973年1月26日パリ(ライヴ)
(5)アレクサンダー・シュナイダー(指)フランス公共放送室内O
録音:1973年2月1日パリ(ライヴ)
(6)ロリン・マゼール(指)フランス国立O
録音:1983年10月26日パリ(ライヴ)
DOREMIのスターンの貴重音源集第7弾!知られざる協奏曲録音の数々を収録しています。
DOREMI
DHR-8137(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第6集
(1)ラロ:スペイン交響曲 Op.21
(2)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.19
(3)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(4)ヴィターリ:ヴァイオリンとピアノのためのシャコンヌ ト短調
ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2(作曲家本人によるヴァイオリン編曲
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94b
(5)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 Op.12-1
アイザック・スターン(Vn)

(1)レオポルド・ストコフスキー(指)ハリウッド・ボウルO
 録音:1945年
(2)ロリン・マゼール(指)フランス国立O
 録音:1983年10月26日
(3)キリル・コンドラシン(指)フランス国立O
 録音:1980年5月13日パリ
(4)アレクサンダー・ザーキン(P)
 録音:1967年11月5日ブザンソン音楽祭
(5)アレクサンダー・ザーキン(P)
録音:1960年6月27日パリ
DOREMIのスターンの貴重音源集第6弾!幅広い年代から協奏曲と室内楽を収録。どれも知られざる音源です。

ACCENT
ACC-24379(2CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲 BWV1046-1051 シギスヴァルト・クイケン(指、ヴィオロンチェロ・ダ・スパラ)
ラ・プ ティット・バンド

録音:2009年10月19-23日/ベルギー、ギャラクシー・スタジオ
※旧品番:ACC-24224
同曲演奏に一石を投じる革命的なものとなったシギスヴァルト・クイケンとラ・プティット・バンドによるブランデンブルク協奏曲の2009 年再録音が復活。「肩 のチェロ」ヴィオロンチェロ・ダ・スパラを用い、管楽器はバルブなしのナチュラル楽器、オーケストラはバロック時代の形態通り1パート1人という編成。そこ から生まれる響きは純正きわまりないもので、天上の音楽のようです。

TOCCATA
TOCC-0569(1CD)
NX-B03
コレンタン・ボワシエ(1995-):2つのピアノ協奏曲とソナタ
「グラマー」協奏曲(2012/2016改訂)
ピアノ・ソナタ 第2番熱情(2015)
「フィリップ・マーロウ」協奏曲(2013/2018改訂)
ヴァレンティナ・セフェリノヴァ(P)
ウクライナ祝祭O
ジョン・マクローリン・ウィリアムズ(指)

録音:2019年2月28日,3月1日、2019年4月10日
世界初録音
20世紀の終わり頃に台頭してきたのが、ヒーリング系の音楽やクロスオーヴァー系の音楽でした。美しい旋律に 回帰したこれらの音楽は、人々の耳を引き付けるのに十分な魅力を備えており、21世紀の今ではすっかり馴染 み深いものとして受け入れられています。このアルバムの作曲家コレンタン・ボワシエもそんな美しい音楽を愛する 作曲家の一人。1995年生まれの彼は、1940年代から50年代に世間を席捲したハリウッド風の音楽を愛し、 自作にもゴージャスな音をふんだんに盛り込むことで"Unashamed Romantic 恥知らずなロマンティック"な音 楽を書き続けています。ラフマニノフやアディンセルのワルソー・コンチェルトの潮流を受け継ぐ彼の音楽は、一度 聴いたら忘れられないほどの余韻を残します。
TOCCATA
TOCC-0600(1CD)
NX-B03
ウィリアム・ワーズワース(1908-1988):管弦楽作品集 第3集
チェロ協奏曲 Op. 73(1963)
交響曲第5番イ短調 Op. 68(1957-1960)
フローリアン・アルニカンス(Vc)
リエパーヤSO
ジョン・ギボンズ(指)

録音:2021年2月1-5日
世界初録音
ヴォーン・ウィリアムズとシベリウスのエッセンスを受け継ぐウィリアム・ワーズワースの音楽は、溢れる抒情性と自然 な旋律の流れを持っています。この管弦楽作品集第3集には、円熟期の2つの作品、チェロ協奏曲と交響曲第 5番を収録。チェロ協奏曲は、ショスタコーヴィチやブロッホを思わせるどこか荒々しさを備えた作品。第2楽章の 神秘的な美しさが印象的です。3つの楽章で構成された交響曲第5番は、壮大な第1楽章、ユーモラスな表 情を持つ第2楽章、圧倒的な迫力を持つ終楽章と、まさにロマン派交響曲の見本のような作品です。 ジョン・ギボンズは、知られざる作品を積極的に紹介する指揮者。これまでにもワーズワース作品をはじめ、数多 くの作曲家の作品の世界初演を行っています。

CPO
CPO-555404(1CD)
NX-B10
ヨハネス・マティアス・シュペルガー(1750-1812): コントラバス協奏曲 第2集
コントラバス協奏曲第1番ニ長調
シンフォニア第15番イ長調
コントラバス協奏曲第8番ニ長調
ロマン・パトコロ(Cb)
南西ドイツ・プフォルツハイム室内O
ダグラス・ボストック(指)

録音:2020年7月14-16日
モラヴィア出身、オーストリアで活躍したコントラバス奏者、作曲家シュペルガーのコントラバス協奏曲集第2 集。ウィーンで音楽教育を受け、1777年にプレスブルク(現ブラチスラヴァ)大司教の宮廷楽師に就 任。コントラバスのヴィルトゥオーゾとして1778年にウィーン音楽家協会に入会し、自作のコントラバス協奏 曲を演奏し名をあげました。40曲以上の交響曲(シンフォニア)と18曲のコントラバス協奏曲の他、数多く の作品を残し、ウィーン楽派の重要な作曲家として名を残しています。この第2集には第1番と第8番の協 奏曲に加え、ハイドンを思わせるシンフォニア第15番を収録。コントラバスの妙技を存分に味わうことができ ます。ソロを務めるロマン・パトコロは1982年、スロヴァキア生まれのコントラバス奏者。アンネ=ゾフィー・ム ターとの数々の共演で知られる若き名手です。

DREYER-GAIDO
CD-21126(1CD)
グルダ:チェロと吹奏楽のための協奏曲*
カプースチン
:ワルツのように Op.98+、エレジー Op.96+、ブルレスク Op.97+

フリードリヒ・グルダ・プレイズ・ジャズ#〔チュニジアの夜、デローネイのジレンマ、ブルー・ン・ブギ、ドゥーイン・ザ・シング〕
オリヴァー・マスカレーニャス(Vc)*+、
ゲルト・ミュラー=ロレンツ(指)*、
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー金管アンサンブル*、
ヨハネス・ニース(P)+、
フリードリヒ・グルダ(P、リコーダー)#、
ハンス・ラスト(ベース)#、
カール・ザンナー(ドラム)#

録音:2020年2月15日−16日*&2020年6月19日+、NDR小ホール(ハノーファー)/1958年1月19日、ロルフ・リーバーマン・スタジオ(ハンブルク/NDRスタジオ10)#
23歳でハノーファー北ドイツ放送フィル(NDRフィル)のチェリスト(その後数年間は最年少メンバー)となり、クラシックにジャズ、ポップ、ヒップホップなどが出会う情熱的なプロジェクトを作ってきた奇才、オリヴァー・マスカレーニャスのデビュー・レコーディング。グルダの没後20周年記念として2020年に録音されたこのアルバムは、ロマンティックな旋律や牧歌的なサウンドからジャズ、ロック、マーチ、民俗音楽など様々な表情が飛び出すフリードリヒ・グルダの「チェロ協奏曲」に、「クラシックとジャズの融合」の象徴的存在、ニコライ・カプースチンが1999年に書いたチェロとピアノのための作品3つを収録した意欲作です。
更に、NDRが保有する音源より、フリードリヒ・グルダがジャズ・ピアノ・トリオの編成でジャズ・スタンダードを弾いた1958年録音という貴重な録音も収録。このバンドでベースを務めるハンス・ラストは、別名ジェームス・ラストの名前でも活動した作曲家、ビッグバンド指揮者。TV番組『プロ野球ニュース』の「今日のホームラン」で使われた音楽の作曲者でもあります。
ドイツの奇才チェリスト、オリヴァー・マスカレーニャスが圧倒的なパフォーマンスを魅せるグルダ&カプースチン。グルダのファンやジャズ・クロスオーヴァー作品の愛好家は必聴です!

Perfect Noise
PN-2009(1CD)
ヴィッラ・ヴィヴァルディ
マルク・シャイベ(1968-):ヴィッラ・ヴィヴァルディ
ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲 ハ長調 RV.443、
 ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV.343、協奏曲 ト短調「夜」RV.439
モーリッツ・エッゲルト(1965-):情念論(Traite des passions)
エリザベス・シャンポリン(リコーダー、指)、
ダニエル・ゼペック(Vn)、
アンサンブル・ヴォルカニア

録音:2020年5月、ゼンデザール(ドイツ、ブレーメン)
ドイツ・カンマーフィルのコンマス、ダニエル・ゼペック参加!「全身から魅力的な音を出す」リコーダー奏者、エリザベス・シャンポリオン率いるアンサンブル・ヴォルカニアのデビューCD!国際的なメンバーで構成されたアンサンブル・ヴォルカニアは、ヴィヴァルディやバッハなど過去の巨匠たちの楽譜に魅力や輝き、生きる喜びを見出し、一方で現役の作曲家たちにバロック時代の感情の深みと結びつくような、効果的な新作委嘱を行っています。デビュー・アルバム『Villa Vivaldi』でも、ヴィヴァルディのヴィルトゥオジックな協奏曲と、このプログラムのために書かれた2つの委嘱作品を組み合わせ、それらをはっきりと、感動的に結びつけています。音楽家と聴衆のつながり、ライブでの一期一会のパフォーマンスを大切にする彼ららしい、生き生きとした演奏にご期待ください。

DUX
DUX-1683(1CD)
ブコフスキ:協奏的作品集
ピアノとオーケストラのための「3つの夜想曲」
ピアノ、弦楽オーケストラと打楽器のための「コンチェルティーノ」
ピアノ協奏曲第2番
トランペット、ティンパニ、ピアノとオーケストラのための「三重協奏曲」
マリア・マグダレーナ・ヤノフスカ=ブコフスカ(P)、
トマシュ・ボズニアク(Tp)、
ピオトル・ロバク(ティンパニ)、
キェルツェSO、ヤチェク・ロガラ(指)

録音:2020年7月6日−9日&9月21日−25日、キェルツェ(ポーランド)
存命時にはその作曲、教育活動の貢献度の高さから20世紀のポーランドにおける最も重要な音楽家の1人として認識されていたものの、没後約30年が経過した現在ではその音楽や功績が忘れられてきてしまっているリシャルト・ブコフスキ(1916−1987)。
その作曲家としての功績、作品の再発見を目的とした再評価の一環として製作されたのは、晩年の「ピアノ協奏曲第2番」、「3つの夜想曲」を含む4曲の協奏的作品集。
ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」と同じくトランペット・ソロが重要や役割を担う「三重協奏曲」など、新古典派主義的、12音技法、そして前衛的な手法などが用いられ、その多彩な作曲技法が駆使された作品はいずれも高い完成度を誇ります。

FONE
CD-153(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」 Op.8
(シェフ、フルビオ・ピエランジェリーニが語る四季のレシピ付き)
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn&指)
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ
フルビオ・ピエランジェリーニ(語り)
イタリアの偉大なヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドとオルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナによるヴィヴァルディの 「四季」 の名演に、イタリアの天才シェフ、フルビオ・ピエランジェリーニによる、四季にインスパイアされた独自の料理レシピを融合させた、極めてユニークな1枚。各協奏曲の第3楽章の後に、ピエランジェリーニが語る料理レシピが収録されています。Foneの設立者ジュリオ・チェーザレ・リッチのユニークなアイデア、イタリアが誇る芸術のマリアージュをお楽しみください。

ALPHA
ALPHA-731(1CD)
ドヴォルザーク、マルティヌー:チェロ協奏曲
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op. 104 (1895)
マルティヌー:チェロ協奏曲 第1番H196 (1955改訂版)
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(Vc)
ベルギー王立リエージュPO
ゲルゲイ・マダラシュ(指)

録音:2020年9月 サル・フィラルモニーク、リエージュ
2017年に新設されたエリーザベト王妃国際音楽コンクール・チェロ部門の初代覇者となった、1990年フランス生まれのジュリアン=ラフェリ エール。ブラームス、フランクとドビュッシーを収録したアルバムはディアパソン・ドール2017に選ばれており、ALPHAからは2019年にショスタコー ヴィチ、ラフマニノフ、デニソフのチェロ作品集(ALPHA547)をリリースし、高い評価を得ています。今回のアルバムはチェロ協奏曲の王道と言 えるドヴォルザークと、同じくチェコの大作曲家で民族性にジャズなど新時代のイディオムも盛り込んだマルティヌーの傑作。指揮を務めるのは 2019年9月からリエージュ・フィルの音楽監督となった1984年ブタペスト生まれのゲルゲイ・マダラシュ。若い二人が卓越したテクニックと瑞々 しい感性で、チェロ協奏曲の名曲2作に新しい風を吹き込みます。

IBS CLASSICAL
IBS-202020(1CD)
コルタサルの世代
パブロ・オルティス(1956-):ロカマドゥール- 室内オーケストラのために
マルセロ・ニシンマン(1970-):第三世代- バンドネオンと室内オーケストラのために
フリオ・ビエラ(1943-):夜、あおむけにされて- ナレーターと室内オーケストラのために
マルセロ・ニシンマン(バンドネオン)
リサンドロ・アバディエ(ナレーター)
ファクンド・アグディン(指)
オルケストル・ムジケ・デ・リュミエール

録音:2019年5月1-4日
アルゼンチンの作家フリオ・コルタサルの小説からインスパイアされた作品が収録されたアルバム。アルゼンチンで生まれ、現在カリフォルニアを拠点として 活躍する作曲家パブロ・オルティスの神秘的な「ロカマドゥール」、タンゴのリズムの中にマーラーの重厚な音楽を彷彿させるニシンマンの「第三世帯」、 コルタサルの代表作『夜、あおむけにされて』に触発されたフリオ・ビエラの豊かな色彩を持つナレーター付きの同名曲、これらの南米の音楽要素をもと に新しい響きが模索された3作品を聴くことができます。バンドネオン奏者でもあるニシンマンとアグディンは以前にも"Nuevo Tango Nuevo"(OEHMS OC895)でも共演しており、今回も息のあった演奏を披露しています。

BR KLASSIK
BR-900336(1CD)
NX-B05
ペトリス・ヴァスクス(1946-):弦楽オーケストラのための作品集
ムジカ・セレナ(2015)
2. Musica dolorosa ムジカ・ドロローサ(1983)
ムジカ・アパッショナータ(2002)
チェロ協奏曲第2番「Kl?tb?tne 来臨」- チェロと弦楽オーケストラのために(2011-12)
ウラジーミル・シンケヴィッチ(Vc)
アンナ=マリア・パリ(S)
ミュンヘン放送O
イヴァン・レプシッチ(指)

録音:2020年10月,11月BR放送 第1スタジオ、ミュンヘン(ドイツ)
2021年4月16日に75歳の誕生日を迎えるラトヴィア生まれの作曲家ペトリス・ヴァスクス。クロアチア出身の指揮者レプシッチはヴァスクスの良き解 釈者として作品を積極的に紹介することで知られ、このアルバムには弦楽オーケストラのための3つの作品とチェロ協奏曲が収録されています。弦楽 オーケストラのための3つの作品は、それぞれ1983年、2002年、2015年とほぼ30年間にわたって作曲されており、その間に起きた1983年の妹の 死や、ラトヴィアの不安な政治情勢が反映された悲劇的、かつ情熱的なヴァスクスの作風の変遷がうかがえる作品です。またソル・ガベッタとアムステ ルダム・シンフォニエッタによって初演された「協奏曲第2番」は、中間楽章こそ激しい楽想が聴かれるものの全体的にゆったりとした瞑想的な旋律が 歌われる作品。深いチェロの音色が存分に生かされた2つのカデンツァ、またバーバーのアダージョやグレツキの「悲歌のシンフォニー」を彷彿させる楽想 を持つ最終楽章の終わりには、天上的な美しさを帯びたソプラノのヴォカリーズが添えられ、すすり泣くようなチェロの旋律で幕を閉じるといった、ヴァス クスが作品に込めた平和への祈りと希望が感じられる印象的な曲です。ここでチェロを演奏するシンケヴィチはベラルーシ生まれ。2012年に開催さ れた「ユン・イサン国際コンクール」で優勝を飾り、世界的なソリストとして活躍を始めた俊英で、2011年からミュンヘン放送Oの首席チェリス トを務めています。

CLAVES
50-3018(2CD)
ヴィスメール:交響的音楽と協奏曲集

■CD 1(新録音)
(1)ディヴェルティメント
(2)クラリネット協奏曲
(3)ギター協奏曲

■CD 2(アーカイヴ録音)
(4)ピアノ協奏曲第3番
(5)バレエ「アレルト、ピュイ21!」による交響組曲 
(2)ポール・メイエ(Cl)、
(3)ティボー・コーヴァン(G)
(1)-(3)ジャン=ジャック・カントロフ(指)、
オルケストラ・ド・ドゥエ・レジョン・オー=ド=フランス
(4)ユーリ・ブーコフ(P)、ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
(5)ピエール・ヴィスメール(指)ルクセンブルクRSO

録音:(1)-(3)2020年10月アンリ・デュティユー・ホール(ドゥエ)
(4)1976年、(5)1965年ラジオ・テレビジョン・ルクセンブルク内スタジオ(ルクセンブルク)
Clavesレーベルが力を注いでリリースしているジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ピエール・ヴィスメールの作品。当アルバムではカントロフ(指)オルケス トラ・ド・ドゥエ・レジョン・オー=ド=フランスによる新録音とルクセンブルク放送からのアーカイヴ録音の2枚組です。
1915年、スイス、ジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ピエール・ヴィスメール。ジュネーヴの音楽院で作曲を学んだ後、1935年から三年間パリ音楽院にて ロジェ=デュカスに師事、またエコール・ノルマル・ド・ミュジックではミュンシュに指揮を学びました。第2次世界大戦でスイスに帰国するも49年にはパリに戻り、 58年にフランス国籍を取得しております。フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、ルーセルからの影響を受けながら、その後はストラヴィンスキーの音楽からも影響を 受けていきました。
ヴィスメールはジョリヴェやトマジのように協奏曲のジャンルを開拓し、様々な楽器のために作品を残しました。当アルバムではクラリネット協奏曲、ギター協奏曲 (世界初録音)を収録。ポール・メイエ、ティボー・コーヴァンという当代きっての名手をソリストに迎えており、充実の演奏を堪能できます。
アーカイヴではユーリ・ブーコフ独奏のピアノ協奏曲第3番を収録。この作品の初演は1974年9月10日、小泉和裕(指)フランス国立Oによる演奏で ピアノはユーリ・ブーコフでした。当録音は初演から2年後となります。最後に作曲家自身の指揮によるバレエ「アレルト、ピュイ21!」(「21個の井戸に気を付け て!」)による交響組曲も収録しております。
ヴィスメールの協奏曲集(ヴァイオリン協奏曲第2番、トランペット協奏曲、コンチェルティーノ・クルーズ、他)(50-1811)も好評発売 (Ki)

BIS
BISSA-2392
(1SACD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61(カデンツァ:シュニトケ)*
シュニトケ:ヴァイオリン協奏曲第3番(1978)
ワジム・グルズマン(ヴァイオリン/1690年製ストラディヴァリウス「ex-Leopold Auer」)、
ジェイムズ・ガフィガン(指)、ルツェルンSO

録音:2017年11月、2019年12月&2020年1月*/ルツェルン文化・会議センター(ルツェルン)
N響との共演でも知られるグルズマンがベートーヴェンとシュニトケのヴァイオリン協奏曲を録音。ベートーヴェンのカデンツァはシュニト ケ版を演奏しております。クレーメルの依頼で書かれたこのカデンツァではブラームス、ベルク、バッハ、バルトーク、ショスタコーヴィチの作品とベートーヴェンの 協奏曲の旋律がコラージュのように編まれている力作。非常に技巧的なカデンツァであるため、クレーメル以外ではなかなか聴くことができず、グルズマンによる 新録音は大歓迎といえましょう。
シュニトケのヴァイオリン協奏曲第3番はオレグ・カガンのために1978年に書かれ、翌1979年モスクワで初演された作品。13の管楽器と弦楽四重奏という 極めて特異な編成のこの作品は、2重のコントラストからなる緩?急―緩の3楽章構成で、休みなく演奏されます。シュニトケ自身が「オープニング・カデンツァ」 と呼んだように冒頭からヴァイオリンのソロで始まり、また、第1楽章と第3楽章終わりのコラールにはロシア正教の教会音楽の面影が見られるのが特徴。グルズ マンの愛器、アウアーが使用していた1690年製のストラディヴァリウスの美音とともにガフィガン率いるルツェルンSOの好サポートも得て熱演を聴かせて くれます。ki

DOREMI
DHR-8135(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第5集
(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
(3)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102
(4)ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調 Op.22
ショーソン:ヴァイオリンと管弦楽のための詩曲 Op.25
(5)ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番 ヘ長調 Op.50
アイザック・スターン(Vn)
(1)ラファエル・クーベリック(指)コンセルトヘボウO/録音:1951年6月21日
(2)ヨーゼフ・クリップス(指)フランス国立O/録音:1958年9月18日
(3)レナード・ローズ(Vc)、ユージン・オーマンディ(指)フランス国立O/1972年1月21日
(4)エマニュエル・クリヴィヌ(指)フランス放送PO/録音:1980年6月14日
(5)クラウディオ・アバド(指)フランス国立O/録音:1980年6月28日
DOREMIからどんどん出てくるスターンの貴重音源集。はやくも第5弾が登場です。協奏曲の音源を集めており指揮者はクーベリック、クリップス、オーマンディ、 クリヴィヌ、アバドと豪華かつ多彩な顔ぶれ。初CD化も含まれるとのこと。 (Ki)

TOCCATA
TOCC-0443(1CD)
NX-B03
パール・ヘルマン(1902-1944):現存する作品全集 第1集
チェロ協奏曲(1925)〜ファビオ・コンティによる再構築版(2016-17)
室内ソナタ - ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために(1930)
序曲 - 2台ピアノのために(1921)
組曲 - ピアノのために(1924頃)*
オフェーリア(ランボーによる:1939頃)〜ファビオ・コンティによるオーケストラ編(2018)
クライヴ・グリーンスミス(Vc)
カテリーナ・ポテリアイエヴァ(Vn)
アリーナ・シェフチェンコ(P)
ローマン・マルチェンコ(P)
ソフィア・ソロヴィ(S)
リヴィウ国際SO
テオドレ・クチャル(指)

録音:2018年5月21-23日、2020年10月14日
*以外=世界初録音
1902年にブダペストでユダヤ系の家庭に生まれたパール・ヘルマン。幼い頃の記録はほとんど残っていませ んが、1915年から1919年にフランツ・リスト音楽院でバルトークとコダーイから作曲を学び、室内楽の教 師であったレオ・ヴァイネルの元で最初の作品を書いています。チェロは名教師アドルフ・シッファーに指導を 受け、学生時代から頻繁に演奏を行い、16歳の時にはチェロ奏者として世界的な活動を始めました。 1929年から1934年にかけてノイケルンの音楽学校(現パウル・ヒンデミット音楽学校)でチェロと作曲を 教えましたが、ベルリンの政治情勢が悪化したためブリュッセルからパリへと移住。その後1944年にドラン シー収容所に強制収監されバルト三国へと移送、その後の消息は分かっていません。1944年、ナチス 統治下で2作のみが出版されましたが、他の作品のほとんどは失われてしまっており、ヘルマンが作曲家と して評価されることもありませんでした。このシリーズでは彼の現存する作品を全て録音(欠損している作 品はイタリアの作曲家ファビオ・コンティが補筆)。第1集は、テオドレ・クチャルの指揮による、コルンゴルト とバルトークを思わせる「チェロ協奏曲」を中心とした選曲がなされています。

BIS
BISSA-2229
(1SACD)
リシャール・デュビュニョン(1968-):作品集
(1)室内交響曲第1番 Op.63(2013)
(2)ピアノ協奏曲「クラヴィアリアーナ(Klavieriana)」〜ピアノ、オーケストラとオブリガート・チェレスタ付きのための Op.70(2015)
(3)室内交響曲第2番Op.77(2017)
(2)小川典子(P/スタインウェイD)、ラファエル・リュッティ(チェレスタ)
トーマス・ツェートマイアー(指)
ヴィンタートゥーア・ムジークコレギウム、ロベルト・ゴンザレス=モンハス(コンサートマスター)

録音:2019年9月/シュタットハウス、ヴィンタートゥール(スイス)
プロデューサー:イェンス・ブラウン(Take5 Music Production)
1968年、ローザンヌ生まれの作曲家リシャール・デュビュニョンによる2つの室内交響曲とピアノ協奏曲「クラヴィアリアーナ(Klavieriana)」を収録したアルバムの登場。演奏はトーマス・ツェートマイアー率いるヴィンタートゥーア・ムジークコレギウム、ピアノ独奏は世界的ピアニスト小川典子です。
現在最も注目を集めている現代作曲家デュビュニョンは、パリ音楽院とロンドンの王立音楽院で作曲を学び修士号を取得。その後2002年にはパリの美術アカデミーよりピエール・カルダン賞、2014年にはスイスのヴォードワ文化財団賞を受賞。その活躍が評価され2015年にはSACEMグランプリを受賞しています。ニューヨーク・タイムズ紙が「遊び心のある現代的感覚に牽引されている」と評するなど、その音楽は現代作曲家の作品の中でも異彩を放ちます。これまでに80を超える作品を発表し、ゴーティエ・カピュソン、ジャニーヌ・ヤンセン、レオニダス・カヴァコス、ジュリアン・ラクリン、ラベック姉妹、ジャン=イヴ・ティボーデなどのソリスト、パーヴォ・ヤルヴィ、ケント・ナガノ、アントニオ・パッパーノ、エサ=ペッカ・サロネンなどの指揮者によって演奏されてきました。
デュビュニョンの代表作といえば「神秘交響曲」(2001-07)、「ヘルヴェティア交響曲」(2013-19)など、大規模で豊かなオーケストレーションで知られますが、当アルバムではそれらにくらべれば小規模ながら独特の響きと色彩感が際立つ作品でまさに唯一無二。ここに収められた作品でもドイツ音楽の複雑な構造ながらバルトークやメシアンを連想させる独特な手法で書かれております。
「室内交響曲」といえばシェーンベルク、フランツ・シュレーカー、ミヨーがこのジャンルに取り組みましたが、デュビュニョンもその存在を意識しながらもカラフルなオーケストレーションで仕上げました。第1番は1楽章構成、第2番は4楽章構成の作品です。
注目は小川典子独奏の「クラヴィアリアーナ(Klavieriana)」です!シューマンの「クライスレリアーナ」を想起させるこの作品は3楽章構成のピアノ協奏曲で超絶技巧作品。ピアノのパーカッシヴな性質を織り交ぜながらもリストを思わせるようなテクニックが散りばめられた第1楽章、叙情的で色彩豊かなピアノとその鏡のような役割で登場するチェレスタが魅力の第2楽章、1970年代のファンクを彷彿とさせるリズムに乗って、遊び心のあるバーレスク的なテーマが展開される第3楽章と、実に個性的なピアノ協奏曲です。世界初演は2016年2月26日、小川典子ピアノ独奏、ファビアン・ガベル(指)BBCSOにより行われました。その小川典子が2019年9月にツェートマイアー率いるヴィンタートゥーア・ムジークコレギウムとともに渾身の演奏を披露してくれました。様々な顔を見せてくれる唯一無二のピアノ協奏曲、ご期待ください! (Ki)

ONDINE
ODE-1358(1CD)
NX-B04
エドゥアルダス・バルシス(1919-1984):ヴァイオリン協奏曲第1番 他
ヴァイオリン協奏曲第1番(1954)
弦楽オーケストラのための詩「Reflections of the Sea 海の反映」(1981)
劇的なフレスゴ画 - ヴァイオリン、ピアノとシンフォニー・オーケストラのために(1965)
ジェラルダス・ビドヴァ(Vn)
インドレ・バイクシュタイテ(P)
リトアニア国立SO
モデスタス・ピトレナス(指)
1919年、ウクライナで生まれたエドゥアルダス・バルシス。2歳の時に父の故郷リトアニアに移住し、音楽とサッカーを始めます。合唱団で歌い、吹奏楽 団ではヴィオラとテューバを演奏。同時にサッカー選手としても才能を発揮、1938年にはリトアニア代表チームとしてプレーするなど大活躍しました。 1940年に陸軍士官学校に入学、作曲に興味を覚えた彼は、レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク国立音楽院)の大学院に進み研鑽を 積みます。1960年から1984年にかけてリトアニア国立音楽院で作曲を指導、数多くの弟子を育てるとともに、作曲も続け「蛇の女王エグレ」などの 歌劇や、オーケストラ、室内楽作品をはじめ、映画音楽まで幅広いジャンルの作品を生み出しました。 このアルバムには1950年代から1984年に亡くなるまでのバルシスの3作品を収録。音楽院で研究を終えたばかりの時期に書かれた「ヴァイオリン協 奏曲」は伝統的な様式を用いたハチャトゥリアン風の作品。その後、12音技法を用いるようになり作風は変化、「劇的なフレスコ画」は印象派風の 「音で絵を表現する」方式で書かれており、独奏を担当するピアノとヴァイオリンに、オーケストラのさまざまな楽器が絡み合うことで、不安な時代の劇 的な対立を表現しています。「海の反映」はバルシスの晩年の作品の一つ。オーケストラの楽器を響きによって細分化し、まとめていくという方式で、ダ イナミックに移り変わるな海の様子を表情豊かに描いています。

BIS
BISSA-2199(3SACD)


KKC-6359(3SACD)
日本語帯・解説付
国内盤仕様
税込定価
「ザ・ブランデンブルク・プロジェクト」

■Disc1
(1)バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
(2)マーク=アンソニー・ターネジ(1960-):「マヤMaya」(2016)〜独奏チェロ、2つのオーボエ、コーラングレ、コントラファゴット、2つのホルンと弦楽のための
(3)バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047
(4)スティーヴン・マッキー(1956-):「トリケロスTriceros」(2015)〜ピッコロ・トランペット、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェンバロと弦楽オーケストラのための

■Disc2
(5)バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
(6)アンデシュ・ヒルボリ(1954-):「バッハ・マテリアBach Materia」(2017)〜ヴァイオリンと弦楽のための
(7)バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
(8)オルガ・ノイヴィルト(1968-):「アエローAello」(2016-17)【ハインリヒ・シフの思い出に】〜フルート、2つのトランペット、弦楽アンサンブル、キーボードとタイプライターのための

■Disc3 79’24
(9)バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
(10)ウリ・ケイン(1956-):「ハムサHamsa」(2015)〜フルート、ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための
(11)ブレット・ディーン(1961-):「アプローチApproach」(2017)〜2つのヴィオラ、3つのチェロ、コントラバスとチェンバロのための
(12)バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調BWV1051
スウェーデン室内O、
トーマス・ダウスゴー(指)
■Disc1 62’16
(1)モッテン・ラーション(オーボエT)、リサ・アルムベリ(オーボエU)、ダニエル・ビューシュテット(オーボエV)、ミケール・リンドストレム(Fg)、テレーセ・ラーション(ホルンT)、ヨーラン・ヒュルフェシュ(ホルンU)、アンティエ・ヴァイトハース(Vn)、マハン・エスファハニ(Cemb)
(2)マヤ・ベイザー(Vc)
(3)ホーカン・ハーデンベルガー(Tp)、フィオーナ・ケリー(Fl)、モッテン・ラーション(Ob)、アンティエ・ヴァイトハース(Vn)、ビョーン・イェーヴェット(Cemb)
(4)ホーカン・ハーデンベルガー(Tp)、フィオーナ・ケリー(Fl)、モッテン・ラーション(Ob)、アンティエ・ヴァイトハース(Vn)、ビョーン・イェーヴェット(Cemb)
■Disc2 65’38
(5)ペッカ・クーシスト(ヴァイオリンT)、ウルバン・スヴェンソン(ヴァイオリンU)、ローゲル・オールソン(ヴァイオリンV)、ヨーラン・フロースト(ヴィオラT)、リン・エルヴキュル(ヴィオラU)、ケート・ペリー(ヴィオラV)、マッツ・レヴィン(チェロT)、アンドレーアス・テングベリ(チェロU)、ライムンド・フォルマン(チェロV)、セバスティアン・デュベ(Cb)、マハン・エスファハニ(Cemb)
(6)ペッカ・クーシスト(Vn)、セバスティアン・デュベ(Cb)
(7)ペッカ・クーシスト(Vn)、ペール・グロス(リコーダーT)、カタリーナ・ヴィーデル(リコーダーU)、ビョーン・イェーヴェット(Cemb)
(8)クレア・チェイス(Fl)、アンデシュ・ヘムストレム(トランペットT)、マルギット・チェクメイ(トランペットU)、オスカル・エークベリ(キーボード)、ラーシュ・ファーゲル(パーカッション)
■Disc3 79’24
(9)フィオーナ・ケリー(Fl)、アンティエ・ヴァイトハース(Vn)、マハン・エスファハニ(Vc)
(10)フィオーナ・ケリー(Fl)、アンティエ・ヴァイトハース(Vn)、ウリ・ケイン(P)
(11)タベア・ツィンマーマン(ヴィオラT)、ブレット・ディーン(ヴィオラU)、ビョーン・イェーヴェット(Cemb)
(12)タベア・ツィンマーマン(ヴィオラT)、ブレット・ディーン(ヴィオラU)、ハンナ・トレル(チェロ(ヴィオラ・ダ・ガンバT))、
アンドレーアス・テングベリ(チェロ(ヴィオラ・ダ・ガンバU))、マッツ・レヴィン(Vc)、ペーテル・ニッチェ(Cb)、ビョーン・イェーヴェット(Cemb)

録音:(6)2017年5月/オルブレー・コンサートホール(スウェーデン)
(4)(10)2017年8月、(8)(11)(12)2018年3月、(1)の一部、(2)(9)2018年7月、(1)の一部、
(3)(5)(7)2018年9月/「オレブルー大学音楽劇場芸術学部」コンサートホール
プロデューサー:マルティン・ナゴルニ(Arcantus Musikproduktion)
トーマス・ダウスゴー率いるスウェーデン室内Oがブランデンブルク協奏曲全曲と6人の作曲家による新作委嘱を交えた大注 目盤をリリースします!
このアイディアの構想は 2001年にさかのぼります。ダウスゴーが同団のアーティスティック・マネージャーのグレゴール・ズビッキーとの会話で「ヴィヴァルディ の『四季』、ベートーヴェンの『運命』、バッハのブランデンブルク協奏曲などの有名な作品は、私たちが日々の生活を送る中で単に心地よい“仲間”となってし まう危険性があり、それらを当たり前のものと捉えてしまう傾向すらある。」という問いからはじまります。そこでバッハのブランデンブルク協奏曲と現代の作曲 家たちの委嘱作品を交えたプログラムで構成した「ザ・ブランデンブルク・プロジェクト」のアイディアがうまれました。このプロジェクトは2018年にロイヤル・ アルバート・ホールで開催されるBBCプロムスでこれらの全作品を1日で上演することによってクライマックスを迎えるという予定で進められました。
このプロジェクトではそれぞれのブランデンブルク協奏曲の対になるように個性異なる6人の作曲家(マーク=アンソニー・ターネジ(1960-)、スティーヴン・マッ キー(1956-)、アンデシュ・ヒルボリ(1954-)、オルガ・ノイヴィルト(1968-)、ウリ・ケイン(1956-)、ブレット・ディーン(1961-))の新作を収録。名曲 の魅力再発見とともに全12篇が非常に大きな宇宙を描きます。構想から17年後の2018年、このプロジェクトは大成功を収めました。
当演奏ではなんといっても超豪華ソリスト陣に注目!ヴァイオリンのアンティエ・ヴァイトハースとペッカ・クーシスト、ヴィオラのタベア・ツィンマーマン、チェ ンバロのマハン・エスファハニ、トランペットのホーカン・ハーデンベルガーなどの名手が集い、これ以上ないほどの極上の演奏を堪能することができます。今世 紀にうまれたブランデンブルク協奏曲全曲録音の必聴盤になること間違いなしの注目盤です!
国内仕様盤(KKC 6359/61)にはトーマス・ダウスゴー著「ザ・ブランデンブルク・プロジェクト」の寺西肇による翻訳の日本語解説書付。相当な読み応えの楽曲解説は十分な価値を持つ内容です。
BIS
BISSA-2079
(1SACD)
ヘンデル:6つの合奏協奏曲 Op.3
合奏協奏曲第2番変ロ長調 Op.3-2 HWV 313
合奏協奏曲第3番ト長調 Op.3-3 HWV 314
合奏協奏曲第5番ニ短調 Op.3-5 HWV 316
合奏協奏曲第6番ニ長調 Op.3-6 HWV 317
合奏協奏曲第4番ヘ長調 Op.3-4 HWV 315
合奏協奏曲第1番変ロ長調 Op.3-1 HWV 312*
ヴァン・ディーメンズ・バンド、
マルタン・ジェステル((指)オルガン*)

録音:2019年10月29日-11月2日聖カニス教会、サンディ・ベイ(タスマニア島、オーストラリア)
オーストラリア最南端のタスマニア島を拠点とする古楽アンサンブル「ヴァン・ディーメンズ・バンド(VDB)」がヘンデルの6つの合奏 協奏曲(コンチェルト・グロッソ)Op.3を録音しました。VDBのメンバーはこれまでにレザール・フロリサン、アンサンブル・ピグマリオン、イル・ポモ・ドーロ、イ ングリッシュ・コンサート、18世紀オーケストラ、アムステルダム・バロックOなど、世界の主要な古楽アンサンブルとの共演またメンバーとして演奏したこ とのある名手が揃った団体で、メルボルン出身のヴァイオリニストのジュリア・フレダースドルフによって2016年に結成されました。これまでにニコラ・フィオレ ンツァのチェロ協奏曲、バッハのカンタータ集の録音はありますが、当盤はVDBの本格的なデビュー・アルバムといえ、その注目が集まります。
指揮は鍵盤奏者にしてVDBの客演指揮者も務めるマルタン・ジェステルです。ジェステルはポーランドの古楽アンサンブル「アルテ・デイ・スオナトーリ」とヘン デルの12の合奏協奏曲 Op.6(BIS SA-1705)を録音しており、フレッシュな演奏で高評価を得ました。VDBとの当演奏でも現代におけるHIPを十分に堪能 できる楽しい1枚です。
合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)とはバロック時代特有の協奏曲で、複数の独奏者によって編成される独奏楽器群と、オーケストラ全員による大合奏群と の間の音量的、技巧的対比を楽しむ音楽です。1734年頃に作曲された6つの合奏協奏曲 Op.3は、小規模ながら管楽器を効果的に取り入れた編成をとりヘン デルらしい豊かな旋律に加えて合奏協奏曲ならではの華やかな響きが魅力といえます。 (Ki)

CPO
CPO-555352(1CD)
NX-B10
アントン・ルビンシテイン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op. 35
ピアノ協奏曲第4番ニ短調 Op. 70
シャガイェグ・ノスラティ(P)
ロベルト・ファルカス(指)
ベルリンRSO

録音:2019年10月7-11日
ロシアの作曲家アントン・ルビンシテインは、6曲の交響曲を始め、管弦楽曲から歌曲まで幅広いジャンル に及ぶ作品を残しただけではなく、優れたピアニストとして精力的に演奏会を行い、その名声を世界的に 広めていました。そんな彼の作品は、やはりピアノを用いた作品に素晴らしいものが多く、この2つのピアノ協 奏曲も、自身の名人芸を遺憾なく披露するために、分厚い和音やオクターヴの連打など華々しい技巧が 駆使されています。とりわけ1864年に作曲された第4番は、パデレフスキやラフマニノフが愛奏していた作 品で、ルビンシテインの代表作の一つとして知られています。ピアノを演奏するシャガイェグ・ノスラティは 1989年ドイツ生まれ。バッハの巧みな演奏で知られますが、アルカンなどの技巧的な作品も好む期待の 俊英です。
CPO
CPO-555149(1CD)
NX-B10
ヨーゼフ・ヴェルフル(1773-1812):ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第2番ホ長調 Op. 26
室内協奏曲 変ホ長調 WoO 97
ピアノ協奏曲第3番ヘ長調 Op. 32
ナターシャ・ヴェリコヴィチ(P)
ヨハネス・メーズス(指)
プフォルツハイム南西ドイツ室内O

録音:2016年12月6-8日
2008年にリリースされた第1集(777374)に続く、ヨーゼフ・ヴェルフルのピアノ協奏曲集。ザルツブルクに 生まれ、レオポルト・モーツァルトとミヒャエル・ハイドンの下で音楽を学んだヴェルフルはピアノの名手として活 躍。ウィーンではベートーヴェンとその技巧を競い、また、パリ、ロンドンでも自作を演奏、好評を博したことで 知られています。このアルバムではモーツァルトを思わせる端正な作風で書かれた第2番と第3番の協奏曲 と、ロンドンのコンサートで演奏するために作曲された室内協奏曲の3曲を収録。室内協奏曲は小振りの アンサンブルをバックに、ピアノとフルートが活躍する意欲的な作品です。ナターシャ・ヴェリコヴィチはセルヴィ ア出身。ロマン派作品を得意とするピアニストです。
CPO
CPO-555320(1CD)
NX-B10
エドゥアルド・フランク(1817-1893):ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op. 13
ピアノ協奏曲第2番ハ長調…世界初録音
ゲオルク・ミヒャエル・グラウ(P)
ファウジ・ヘイモア(指)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO

録音:2018年5月30日-6月2日
19世紀当時、プロイセン、シレジアのブレスラフに生まれたエドゥアルド・フランク。裕福な家に生まれた彼 は、幼い頃からドイツの著名人らと交流を持ち、とりわけメンデルスゾーンからは私的な指導を受けることが でき、強い影響を受けました。1845年から1851年にケルンに拠点を移した後、ケルン音楽院で教鞭を 執り、教育者として高く評価されましたが、容易に作品の出版を承認しなかったため、作曲家としての高い 名声を獲得することができませんでした。このアルバムに収録された2曲のピアノ協奏曲の中で、第1番は、 1849年頃に作曲された彼の初の大規模なオーケストラ作品であり、嵐を思わせる激しい主題が印象的 です。第2番は手稿譜のみが残された1879年の作品で、このアルバムが初録音となります。

Hanssler
HC-20016(1CD)
世界初録音のスペインのピアノ協奏曲集
マヌエル・ナーロ(1729-1776):協奏曲ト長調〜チェンバロとオーケストラのための
マリアナ・マルティネス(1744-1812):奏曲 イ長調〜ピアノとオーケストラのための
ホセ・パロミノ(1755-1810):協奏曲ト長調〜ピアノとオーケストラのための
パロミノ:協奏曲ト長調〜ヴァイオリンとオーケストラのための*
メラーニ・メストレ(P&指 )、
イベリカ・フィルハーモニア・オーケストラ
ナタリア・ボリシウク(Vn)*

録音:2016年11月6日/アウディトリオ・カン・ロイグ・イ・トーレス(バルセロナ)
スペインの作曲家の非常に珍しい協奏曲レパートリーを誇るスペインのピアニスト、メラーニ・メストレがヘンスラー・レーベルからも登場!今回は18世紀から 19世紀初頭にかけて活躍したスペインの3人の作曲家がのこしたピアノ協奏曲3篇とヴァイオリン協奏曲を世界初録音しました!全てメラーニ・メストレによるそ れぞれの作品のマヌスクリプトからの再構築版です。
バレンシアに生まれたマヌエル・ナーロ(1729-1776)は、幼少期に地元の聖歌隊のメンバーとして活躍し、9歳の時に教会学校に入学。その後、フランシスコ・ ビセンテ神父の教えを受け、師の死後はその地位を継ぎました。1761年には、バレンシアの大聖堂のオルガニストの職に就いたものの、数ヶ月後に体調不良を理 由に辞職しています。チェンバロ(クラヴィーア)とオーケストラのためにかかれた協奏曲 ト長調は3つの楽章(急?緩?急)からなる非常にリズミカルな作品です。
マリアナ・マルティネス(1744-1812)はウィーンで生まれ、その後スペインに移住、戦後はナポリに亡命した女流作曲家。幼少期に住んでいたウィーンでは あのフランツ・ヨーゼフ・ハイドンが隣人だったともいわれます。彼女のピアノ協奏曲はオーストリアの特徴を持ちつつも形式はイタリアを感じさせ、どこかカール・ フィリップ・エマニュエル・バッハを思わせる作品です。
アントニオ・ロドリゲス・デ・イタ(1722-1787)に師事し、1770年にはマドリードのオーケストラのヴァイオリン奏者として活躍した作曲家ホセ・パロミノ (1755-1810)。カナリア島のラス・パルマス大聖堂で長らく活躍しました。ピアノ協奏曲 ト長調(もともとピアノフォルテ(またはチェンバロ)と弦楽合奏(ま たは五重奏)のための作品)は、スペインとポルトガルの古典主義が全盛の1785年に書かれました。モーツァルトの初期の作品を思わせます。

FIRST HAND RECORDS
FHR-88 (1CD)
メイヤー父子:協奏曲集
ジョン・メイヤー:ヴァイオリン協奏曲第2番(1978)#
ジョナサン・メイヤー:シタール協奏曲第2番(2019)
ジョン・メイヤー:管弦楽のための協奏曲(1975)
ジョナサン・メイヤー:プラナム(2019)*
サーシャ・ロジェストヴェンスキー(Vn)#
ジョナサン・メイヤー(シタール)
シェバーズ・ホセイン(タブラ)*
デバシシュ・チャウドゥーリー(指)
BBCウェールズ・ナショナルO
名指揮者ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーとピアニストのポストニコワの息子でヴァイオリニストのサーシャ・ロジェストヴェンスキーがエキゾチックな協奏曲 に挑戦。インド系作曲家ジョン&ジョナサン・メイヤー(マイヤー)父子の協奏曲を集めたアルバムで、彼は父ジョン・メイヤーのヴァイオリン協奏曲第2番を披露し ています。
ジョン・メイヤーは1930年カルカッタ生まれ。インドでメーリ・メータ(ズービンの父)に師事した後ロンドンで学び、ロンドン・フィルやロイヤル・フィルのヴァ イオリン奏者を務めました。同時にジャマイカ出身のサックス奏者ジョー・ハリオットと組んでジャズとインドの伝統音楽とのフュージョンを展開させました。
1978年作のヴァイオリン協奏曲第2番はエリック・グリューエンバーグの委嘱で書かれたもので、この楽器の機能を発揮した作品となっています。オーケストラ にシタールも参加し、独特なインド風味が新鮮です。
ジョンの息子ジョナサンは1975年生まれのシタールの名手。プラナムはインドのカタック・ダンスにインスパイアされたもので、インドの太鼓タブラも活躍します。
全曲ともにインド出身の指揮者デバシシュ・チャウドゥーリーが指揮しているのも興味津々。1975年生まれでプラハに学び、現在もチェコを本拠に活動する注 目株です。 (Ki)

H.M.F
HMSA-0025(1SACD)
シングルレイヤー
税込定価
Isabelle Faust - GREAT CONCERTOS Vol.3
ジョリヴェヴァイオリン協奏曲
ショーソン:詩曲 op.25*
イザベル・ファウスト(Vn)
ベルリン・ドイツSO
マルコ・レトーニャ(指)
クリストフ・リヒター、シェニア・ヤンコヴィチ(Vc)*

録音:2005年12月テルデックス・スタジオ(ベルリン)、:2010年9月テルデックス・スタジオ(ベルリン)*
※日本語帯・解説付
ショーソン生誕150 年、ジョリヴェ生誕100 年というアニバーサリー・イヤーである2005 年に録音されたアルバム。ジョリヴェのヴァイオリン協奏曲は、 オーケストラ、ヴァイオリンの両者にものすごいエネルギーと技巧を要求する難曲。ファウストは、このマグマのような熱い作品に、自身のもつしなやかさ、強さ、 そして優しさ、すべてのパワーを全開にして立ち向かっています。エネルギーと叙情の核融合的作曲家、ジョリヴェのヴァイオリン協奏曲の決定盤といってもよ い名演奏の誕生です。続くショーソンの「詩曲」は、ただならぬ雰囲気を持つオケの前奏から入り、絶妙な間の取り方でファウストのヴァイオリンのソロが奏 でられる瞬間など、背中がゾクゾクするような美しさです。 (Ki)

Naive
OP-30573[NA]
ヴィヴァルディ・エディション Vol.66〜ファゴット協奏曲集 第5集
イ短調 RV497/ハ長調 RV476
ヘ長調 RV486/ニ短調 RV481
ハ長調 RV467/ヘ長調 RV489
ハ長調 RV479
セルジオ・アッツォリーニ(Fg、指)
ロンダ・アルモニカ

録音:2018年8月/イタリア、ソレジーナ、アリアデッロ教会
超絶技巧と熱狂、前衛性に満ちたヒリヒリするヴィヴァルディ!凄腕ファゴット奏者アッツォリーニのソロが唸りまくるファゴット協奏曲集、第5弾です。バックは 第4集から共演しているロンダ・アルモニカで、木管楽器、テオルボ、リュート、ギター、ハープ、オルガン、チェンバロなどを駆使した大き目の編成をとっています。 木管楽器の追加は当時ヴェネツィアで一般的に行われていたもので音響に刺激と彩りを与え、かつ独奏ファゴットとの親和性も獲得。オルガンやリュートのあっと 驚く用法にも注目です。
ファゴットのために異例なほど多くの協奏曲を見事な完成度で書いたヴィヴァルディ。どの曲もヴァイオリン協奏曲と同じように多分に技巧的でありながら霊感 にあふれ、鮮烈なイメージを想起させるドラマ性を内包した楽想を持ち、演奏如何によってはどこまでも面白くなる底なしの魅力を持った音楽です。音響デザイン の前衛作品のごときオーケストラと、その中から飛翔する史上最高に輝かしいファゴットが織り成す迫真のドラマ。アッツォリーニの創意あふれる作りこみ、研ぎ澄 まされたアイデアの数々がこれらの作品に新たな命を吹き込みます。
いくつか挿入された大胆不敵なカデンツァは、アッツォリーニがヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲の楽譜を研究して編み出したもの。ピゼンデルが筆写したと 思われるヴィヴァルディ本人の手によるRV202のカデンツァなどを基にしたこだわりのカデンツァです。またRV497ではオーケストラを「安らぎ」と「憂鬱」を 対比させる2重合奏として編成、特殊な効果を上げています。
「ヴィヴァルディは非常にシンプルでありながら、同時に非常に奥深い音楽を書き、私たちを感動させることができます。誰の心をも震わせることができ、不滅 の希望を与えることができる、計り知れない天才だと確信しています」(セルジオ・アッツォリーニ)

arcantus
ARC-20021(1CD)
『バッハをルーツに!』
(1)管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067
(2)ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050
(3)ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052R(N.F.コルテス・ガルソンによる復元)
(1)(2)フェリペ・マクリミリアノ・エガーニャ・ラブリン(トラヴェルソ)
(2)ナディーヌ・レンメルト(Cemb)、(2)(3)バディアロヴァ朋絵(バロック・ヴァイオリン)
ブレーメン・バロックオーケストラ、ネストル・ファビアン・コルテス・ガルソン(指揮&バロック・チェロ)

録音:2019年7月/聖パウリ教会(ブレーメン)
ロック・チェロのネストル・ファビアン・コルテス・ガルソンが芸術監督を務めるブレーメン・バロックオーケストラは2015年に結成。世界各国の若手の名手 が揃った古楽オーケストラとして注目されております。その彼らがバッハへのオマージュとしてリリースしたアルバム『バッハをルーツに!』では管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067、ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV1050、そしてヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052Rを録音。バッハへの敬愛を感じる充実 の演奏です。 消失したヴァイオリン協奏曲のチェンバロ編曲として自筆総譜が存在するチェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052。当録音ではN.F.コルテス・ガルソンに よる復元で失われたヴァイオリン協奏曲を見事によみがえらせました。入り組んだ起伏をもつユニゾンの主題が印象的なこの協奏曲は主題の直後から颯爽とした ヴァイオリン独奏があらわれます。独奏パートの幻想的で豊かな発展が印象的な当作品は、1832年にメンデルスゾーンがピアノ協奏曲として演奏した記録が残っ ているほか、シューマンは「最大の傑作のひとつ」と讃えております。ここでヴァイオリン独奏をつとめたのは団結成当初からコンサートマスター、そしてソリストと して招かれている名手バディアロヴァ朋絵です。その美しく気品に満ちた演奏をご堪能いただけます。


RHINE CLASSICS
RH-014(2CD)
「ピエトロ・スカルピーニ・エディション」
モーツァルト作品集〜新発見テープからの復刻

■CD1(65:28)
(1)ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503 (カデンツァ:ブゾーニ)
(2)ピアノ協奏曲第.27番変ホ長調K..595
■CD2(72:30)
(1)ピアノ・ソナタ第12 番ヘ長調 K.332/300k
(2)ピアノ・ソナタ第14 番ハ短調 K.457
(3)ロンド第1 番ニ長調K.485
(4)アダージョ ロ短調K.540
(5)「女ほどすばらしいものはない」による8 つの変奏曲ヘ長調K.613 (1791)
(6)アンダンテ(小さな自動オルガンのための)ヘ長調K.616 (1791) 2種の演奏
ピエトロ・スカルピーニ(P)

■CD1(65:28)
アルトゥール・ロジンスキ(指)
フィレンツェ市立歌劇場O
録音:1953 年3 月1 日ペルゴラ劇場、フィレンツェ(ライヴ録音)
(2)ヴィットリ・グイ(指)
ナポリ・イタリア放送アレッサンドロ・スカルラッティO
録音:1961 年11 月21 日サン・ピエトロ・ア・マジェラ音楽院、ナポリ(ライヴ録音)

■CD2(72:30)
録音:1974/75 年スカルピーニ・ホーム・スタジオ
フルトヴェングラーとの共演で知られるイタリアの名ピアニスト、ピエトロ・スカルピーニ(1911-1997)。1枚目はオリジナル・ マスターからの復刻。2枚目はスカルピーニの自宅でのプライヴェート録音。

Signum Classics
SIGCD-674(1CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83*
カプリッチョ 嬰ヘ短調 Op.76-1
間奏曲 変ホ長調 Op.117-1
カプリッチョ ロ短調 Op.76-2
間奏曲 イ長調 Op.118-2
カプリッチョ ハ長調 Op.76-8
アンナ・ツィブレヴァ(P)、
ルート・ラインハルト(指)*、
ベルリン・ドイツSO*

録音:2020年1月8日−9日、ベルリン・ラジオハウス・ゼンデザール
2012年浜松国際ピアノ・コンクール第4位、2013年エミール・ギレリス記念国際ピアノ・コンクール(オデッサ)優勝、2014年高松国際ピアノ・コンクール第4位と着実にキャリアを重ね、2015年ついに世界最高峰のピアノ・コンクールの1つ、リーズ国際ピアノ・コンクールで優勝を果たしたロシアの女流ピアニスト、アンナ・ツィブレヴァ(ツィブラエワ)。1990年にロシア(ジョージア国境に面したカラチャイ・チェルケス共和国の小さな町)に生まれ育ち、ボルゴドンスクのショスタコーヴィチ音楽学校を卒業後、モスクワ音楽院、バーゼル音楽院で研鑽を積み、2015年のリーズ・コンクール優勝後は国際的な注目を集め、Champs Hill Recordsから、デビュー・ソロ・アルバム「ファンタージエン」(CHRCD131)をリリース。待望のセカンド・アルバムであり、初のコンチェルト・レコーディングとなるこのアルバムは、ブラームス成熟期の傑作であり屈指の難曲としてそびえ立つピアノ協奏曲第2番を中心に、ブラームスの円熟した小品を収録。
「ピアノ協奏曲第2番」は、リーズ国際ピアノ・コンクールのファイナルでマーク・エルダー&ハレOと共演し見事優勝を勝ち取った曲であり、その鮮やかな技巧と表現力にご期待ください!
指揮はロサンゼルス・フィルのドゥダメル・フェロー、ダラスSOのアシスタント・コンダクターなどを務めたドイツの若き女流指揮者、ルート・ラインハルトです。

RUBICON
RCD-1051(1CD)
シチリアン・トラヴェラー
スルハン・ツィンツァーゼ(1925−1991):ジョージア民謡の主題による7つの小品
コミタス(1869−1935):アルメニアの民謡と舞曲集
サミュエル・コールリッジ=テイラー(1875−1912):24の黒人の旋律集 Op.59より 第20曲「巡礼歌」、第10曲「ディープ・リヴァー」
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲集 Sz.68
スカルコッタス:36のギリシャ舞曲集 AK11より シリーズ1第3曲「イピロティコス」、シリーズ1第2曲「クリティコス」、シリーズ3第3曲「クレフティコス」
アレッシオ・ピアネッリ(b.1989):シチリア民謡の主題による変奏曲

(チェロと弦楽のための編曲:アレッシオ・ピアネッリ)
アレッシオ・ピアネッリ(Vc&ディレクター)、
アヴォス室内O

録音:2019年11月28日−12月1日、テアトロ・ドン・ボスコ(ローマ)
イタリア、シチリア等出身の若き注目チェリスト&作曲家、アレッシオ・ピアネッリがRubicon(ルビコン)から登場!
ピアネッリはパレルモでジョヴァンニ・ソッリマニ、バーゼルでトーマス・デメンガに師事し、アントニオ・ヤニグロ国際チェロ・コンクールなど複数の国際コンクールで入賞、作曲家としてはイタリアのラヴェンナ音楽祭と「100チェロ」が主催する国際作曲コンクールで最優秀賞も獲得しています。2018年にはボルレッティ=ブイトーニ財団賞のフェロウシップも受賞し、「アヴォス・ピアノ・カルテット」のメンバーとして2018年、2020年などに来日経験のあるアレッシオ・ピアネッリが、ジョージア、アルメニア、ルーマニア、ギリシャからシチリア島へ、様々な文化を旅する音楽旅行。地中海の中心に位置するため、何世紀にもわたって多くの文明が横断し、多様で豊かな文化を育んできたシチリアのアイデンティティを探るプロジェクト。各地の民謡・民俗舞曲をテーマにした作品をピアネッリがチェロと弦楽のための編曲を施し、才気煥発なアレンジとヴィルトゥオージティを披露しています。

Ars Produktion
ARS-38318S(1SACD)
私たちの叫びに耳を傾けて下さい〜トランペットとオーケストラのための作品集
ユスポフ:私たちの叫びに耳を傾けて下さい(世界初録音)
イヴァン・フィッシャー:ドイツ=イディッシュのカンタータ
カンチェリ:夜の祈り(世界初録音)
ホヴァネス:復活 Op.71より アリア(世界初録音)
ロンバルディ:告別〜クラウディオ・アバドの追憶に(世界初録音)
ラインホルト・フリードリヒ(トランペット、ピッコロ・トランペット、
フリューゲルホルン、ショファー)、
ドロテー・ミールズ(S)、
竹沢絵里子(P)、
インゴルシュタット・ジョージア室内O、
ルーベン・ガザリアン(指)

※使用楽器:ショファー(製作者不詳/贈ベンジャミン・ユスポフ)、B♭管トランペット(トルステン・ミッターク)、C管トランペット(ヨーゼフ・モンケ)、B♭管トランペット(ヤマハ/YTR 6345 HGS)、C管トランペット(ヴィンセント・バック/ストラディヴァリウス、モデル229)、E/F/G管トランペット(シルキー)、G管トランペット(ハンス・クロマト)、ピッコロ・トランペット(ハンス・クロマト)、フリューゲルホルン(ハンス・クロマト)
※使用マウスピース:ヴィンセント・バック1Cマウント・ヴァーノン、JKヨーゼフ・クリアー1D3.8

録音:2020年11月17日−19日、インゴルシュタット国立劇場祝祭ホール(ドイツ)
1983年に24歳でフランクフルトRSO(hrSO)の首席奏者に就任し、1986年のミュンヘン国際音楽コンクールで優勝。クラウディオ・アバドからの厚い信頼を受け、2003年からはヨーロッパのオールスター・オーケストラであるルツェルン祝祭Oでも首席奏者を務めているドイツのトランペット界におけるレジェンド、ラインホルト・フリードリヒ。
新型コロナウイルスの世界的な大流行の真っ只中、2020年11月に収録されたフリードリヒが奏でるトランペット作品集には、今を生きる音楽家たち、そして現在の作曲家たちにバトンを渡して天へと昇った作曲家たちの5つの作品を収録。
タジキスタンの首都ドゥシャンベ出身の作曲家、ベンジャミン・ユスポフ(1962−)の「私たちの叫びに耳を傾けて下さい」は3大一神教の全ての典礼の統合を試みた意欲作。増2度や半音を使用し、東欧のユダヤ人の音楽の旋法を感じさせる作品です。
言わずと知れたハンガリーの巨匠イヴァン・フィッシャーの作曲家としてのハイライトの1つである「ドイツ=イディッシュのカンタータ」には、名ソプラノ、ドロテー・ミールズが参加。フリードリヒのトランペットとの豪華共演は、間違いなくこのアルバムの最大の魅力の1つでしょう。
フリードリヒによるトランペット版のカンチェリの「夜の祈り」、ホヴァネスの「アリア」を経て、アルバムの掉尾を飾るのは、ローマ出身のルカ・ロンバルディ(1945−)の「告別」。フリードリヒがルツェルン祝祭Oで数多くのステージを共にした今は亡きマエストロ、クラウディオ・アバドに捧げられたトランペット独奏曲です。

Pentatone
PTC-5186893(1CD)
『バッハ・アンボタンド』
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050(フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための)
ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049(Vn、フルートとオーボエのための)
ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047(トランペット、フルートとオーボエのための)
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043(オーボエとフルートのための)
「バディヌリー」〜管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067より第7曲(フルートと通奏低音のための)
アナ・デ・ラ・ヴェガ(Fl)
ラモン・オルテガ・ケロ(Ob)、
アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn)、
ヨハネス・ベルガー(Cemb)、サイラス・アーヤル(Tp)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O

録音:2020年11月/ハイルブロン(バーデン=ヴュルテンベルク州)
PENTATONEレーベルからリリースしたモーツァルトとミスリヴェチェクのフルート協奏曲集(PTC-5186723)で高い評価を得たフルート界の新星アナ・デ・ ラ・ヴェガ。その後、同レーベル第2弾でリリースしたヨーゼフ・ハイドンとカール・シュターミッツの協奏曲集(PTC-5186823)では若手オーボエ奏者ラモン・ オルテガ・ケロとの共演でも優れた演奏を披露しました。期待の高まる第3弾『バッハ・アンボタンド』では「人間として、また作曲家としてのバッハの新しい視点」 をテーマに選曲。名門ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内Oとの共演で、ブランデンブルク協奏曲第2、4、5番に加えて2つのヴァイオリンのための 協奏曲のフルート&オーボエ版、そして技巧的なパッセージが魅力の管弦楽組曲第2番の終曲「バディヌリー」を収録しており、ヴェガが敬愛するバッハの作品を 心を込めて演奏しております。
イギリス人とアルゼンチン人の両親の間にオーストラリアで生まれたヴェガはシドニー大学でマーガレット・クロフォードに師事。その後パリにてレイモンド・ギ オの最後の弟子として研鑽を積みました。現在、ヨーロッパを中心に精力的な演奏活動を展開しており、“傑出した才能”(ウィグモアホール)、“真の芸術家”(カ ドガンホール)、“ファースト・クラス”(ベルリン・フィルハーモニー)など、各演奏会で絶賛されています。
当録音では若手の名手がソリストを務めていることにも注目!オーボエ奏者ラモン・オルテガ・ケロはグラナダ音楽院でミゲル・キロスに師事。2003年にはダ ニエル・バレンボイムが設立したウェスト=イースト・ディヴァン・オーケストラに入団するなど若くして才能を開花させて逸材。2007年には ARDミュンヘン国 際音楽コンクールで優勝し、以後ソロ活動を中心に世界各国で活躍しております。この他、ドミトリー・シトコヴェツキーの甥でソリストとして世界的に活躍してい るヴァイオリンのアレクサンドル・シトコヴェツキー、数々の国際コンクールで優勝している鍵盤奏者ヨハネス・ベルガー、プロのカメラマンとしても成功しているア メリカ出身のトランペット奏者、サイラス・アーヤルと充実のソリスト陣の巧みな演奏をお楽しみいただけます。 (Ki)

BONGIOVANNI
GB-5213(1CD)
アルフレート・フーバー(1962-):作品集
『エニグマ(謎)』 Op.23 〜ヴァイオリンと室内オーケストラのための協奏曲
組曲第1番『ハフナー』Op.37 〜ヴァイオリン独奏と打楽器グループのための
『ディオスクロイ』Op.27 〜ピアノと弦楽オーケストラのための
エスター・ハフナー(Vn)
マルティン・ケルシュバウム、チェチーリア・マルテルッチ、ドミニク・プリーラー、フェレンク・シンシ(パーカッション)
アンドレア・ルクリ(P)
マッシモ・ベッリ(指)
フェルッチョ・ブゾーニ室内O
1983年の医学生時代に作曲を学び、それを自分のライフワークにしようと決意したアルフレート・フーバー。医者で化学者でもあったボロディンや保険屋に務 めたアイヴズ、精神医学を学んだシノーポリのように、2つの職業のキャリアを積んだ人物による作品集です。 (Ki)

NXN RECORDINGS
NXN-4003(1CD)
エレキ・ギターと管弦楽のための作品集
1. Undying-Dying
2. Entirety for Guitar, Electronics and Orchestra
3. Entirety for Piano and Electronics
4. Germinal
5. Beneath the Lilac
6. Time and Mass
7. The Always Juvenilia
8. State of Fruition
ビョルン・チャールズ・ドレイヤー(エレキ・ギター、エレクトロニクス、作曲)
クリスティアンサンSO
ペール・クリスチャン・スカルスタード(指)
1968年アメリカに生まれ、1975年からノルウェーに暮らすフリーランスのギタリスト、ビョルン・チャールズ・ドレイヤーによる初のソロ・アルバム。最 愛の妻が末期癌と診断された時からの人生で最も辛い日々、家族との絆、揺れ動く感情、そして深い悲しみの中からこのアルバムの構想が 生まれ、作品を作り上げていくことは彼にとって癒しとなったと語っています。エレキ・ギターの他にシンセサイザーやエレクトロニクス、そして管弦 楽団との共演で作り上げられた音楽は、開始からほとんどが長く伸ばされる音で構成され、ゆったりとした癒しに満たされています。終盤近くに は心の奥の不安や不穏を掻き立てる曲想に覆われてしまうものの、ラストは再生を約束する美しいハーモニーで締めくくられます。

BIS
BISSA-2482(1SACD)

KKC-6348(1SACD)
国内盤仕様
税込定価
ミカエル・ジャレル(1958-):作品集
(1)「緊急対応 Emergences-Resurgences」〜ヴィオラと管弦楽のための協奏曲(2016)
(2)「…大空は今なお、とても澄み渡っているのに、急に不安がこみ上げて来る… 
…Le ciel, tout a l’heure encore si limpide, soudain se trouble horriblement…」〜管弦楽のための(2009)
(3)「4つの印象 4 Eindrucke」〜ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲(2019)
(1)タベア・ツィンマーマン(Va)、
(3)ルノー・カピュソン(Vn)
パスカル・ロフェ(指)、フランス国立ロワールO

録音:(1)(2)2019年7月、(3)2019年12月/コンベンションセンター、アンジェ(フランス)
現代最高峰のスイスの作曲家ミカエル・ジャレルの作品3篇を収録したアルバムの登場!ジャレルは歴史あるサントリーホール国際作 曲家委嘱シリーズの2019年の〈テーマ作曲家〉としても登場しており、日本でも注目度が増しております。ここに収められた作品ではタベア・ツィンマーマンとルノー・ カピュソンという豪華ソリストが登場した2つの協奏曲、そして管弦楽のための作品が収録されております。
「緊急対応」〜ヴィオラと管弦楽のための協奏曲は2016年10月に開かれたストラスブールの音楽祭において、献呈されたタベア・ツィンマーマンとパスカル・ ロフェ(指)フランス国立ロワールOによって初演された作品で、アンリ・ミショーの絵画からインスピレーションを得て書かれております。
「…大空は今なお、とても澄み渡っているのに、急に不安がこみ上げて来る…」は、2009年ジュネーヴでマレク・ヤノフスキ指揮のスイス・ロマンドO によって世界初演された作品。同曲は先に記したサントリーホール サマーフェスティバル2019でロフェ(指)東京SOによって日本初演されております。
「4つの印象」〜ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲はサントリーホール、フランス国立ロワールOそして、ケルン・ギュルニッヒOからの委嘱 を受けルノー・カピュソンに献呈された、ジャレル4作目となるヴァイオリン協奏曲で、2019年8月30日、サントリーホールにてカピュソン独奏、ロフェ(指) 東京SOにて世界初演されております。「協奏曲の作曲とは、特定のアーティストのために作品を書くことを意味し、その人物を知ることでもあります。つま り、作品は一種の肖像画となるのです。」と語るジャレル。ヴァイオリニスト、ルノー・カピョソンの存在から生まれた4楽章構成の当作品は音色と響きを追求し たジャレルの独自の世界が広がります。

Goodies
78CDR-3825(1CDR)
税込定価
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第5番イ短調作品37 ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
サー・マルコム・サージェント指揮
ロンドンSO
米RCA VICTOR 12-0381/2

1947年11月8日ロンドン録音
ヤッシャ・ハイフェッツ(1901-1987)はこの曲を2度録音しています。これは第1回 目の録音。ハイフェッツはロシア生まれ。ペテルブルグ音楽院でレオポルド・ アウアー(1845-1939)に師事し10歳でデビューした。ロシア革命を機にアメリカ に移住し、青年期、壮年期から引退するまで世界最高のヴァイオリン奏者とし て崇められた。このシリーズでヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番(78CDR- 3791)も出ています。指揮者のサー・マルコム・サージェント(1895-1967)はイギ リスの指揮者。SPレコード時代に多くの録音を残した。1954年に来日し、NHK交 響楽団を指揮しています。 (グッディーズ)
Goodies
78CDR-3826(1CDR)
税込定価
バッハ:二つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV1043 ハンス・ヘルマン・ディーナー(Vn)
シャルロッテ・ハンペ(Vn)
コレギウム・ムジクム(ノイペルト製チェンバロ)
独 ELECTROLA EH1217/8

1938年5月20日ベルリン録音
ハンス・ヘルマン・ディーナー(1897-1955)はドイツのヴァイオリニスト。ベル リン高等音楽院教授で、古楽器奏法の草分け的存在。シャルロッテ・ハンペ (1910-1983)はディーナーの弟子の女流奏者。ディーナーはバッハ時代の演奏ス タイルを探究するためにコレギウム・ムジクムを設立した。この曲の第1楽章 (ヴィヴァーチェ)の快速調演奏は耳を奪われます。ディーナーはこの録音に先立っ てバッハ:フーガの技法 BWV1080を独 ELECTROLA EH1007/16のSPレコード 10枚セットを出していた。こちらはシェルマンSH-1016 のCD復刻が出ています。

CANARY CLASSICS
CC-20(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ/第1楽章:クライスラー、第2楽章:クライスラー〜シャハム編、第3楽章:クライスラー)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ/ヨアヒム)
ギル・シャハム(Vn)
エリック・ジェイコブセン(指)
ザ・ナイツ、コリン・ジェイコブセン(コンサートマスター)

録音:2019年8月17-19日レフラック・ホール、ニューヨーク市立大学クイーンズカレッジアーロン・コープランド音楽学校(ニューヨーク)
1971年生まれのシャハムは10代よりDGから数多の録音を発表。その後、2003年には自身が立ち上げたCanary Classicsレーベルからも積極的な リリースが続いており、そのディスコグラフィはヴァイオリンの主要レパートリーを網羅しているともいえます。ベートーヴェンは2つのロマンス、三重協奏曲、 七重奏曲の録音はありましたが、ヴァイオリン協奏曲は録音がなく、レコーディングのキャリアだけでも30年を超えるシャハムが最後まで残していた名曲です。 その演奏はシャハムらしい極上の美しさで奏でており、ここに聴けることはファンならずとも喜びといえましょう。
カップリングはブラームスです。当作品は 2002年5月にアバド(指)ベルリンPOとのライヴの名盤がリリースされておりますが、 この度待望の再録音が実現しました!その卓越した技術とともに優雅な演奏は絶美の一言です。
今回の共演は「ザ・ナイツ(騎士)」です。当団はチェリストで指揮者のエリック・ジェイコブセン、ヴァイオリンのコリン・ジェイコブセン兄弟によって2007年 に結成された室内オーケストラでニューヨークを拠点に活躍しております。クラシックから民族音楽まで幅広いジャンルを演奏する当団ですが、ベートーヴェンは その中心レパートリーといえます。当録音ではアンサンブルを楽しむかのような演奏が特徴。その室内オーケストラらしい密度の濃い演奏です!
録音はPHILIPS時代のブレンデルのレコーディングも務めたマルタ・デ フランシスコがプロデューサーを、エマーソンSQの録音でもおなじみのダー =ホン・シートーがポスト・プロダクション、エディティング、マスタリングを担当。万全のメンバーで録音されました。 (Ki)

Pentatone
PTC-5186875(2CD)
『ヴィヴァルディの四季』
『春』
(1)協奏曲 変ホ長調 RV 257
(2)協奏曲 イ長調 「イル・ロッシニョーロ」RV 335a
(3)協奏曲 ホ長調 「恋人」RV 271
(4)協奏曲 ホ長調 「春」Op.8-1 RV 269
『夏』
(5)協奏曲 ニ短調 Op.8-9 RV 236
(6)協奏曲 ハ長調 Op.4-7 RV 185
(7)協奏曲 ニ短調 Op.4-8 RV 249
(8)協奏曲 ト短調 「夏」Op.8-2 RV 315
『秋』
(9)協奏曲 ハ長調 Op.8-12 RV 449
(10)協奏曲 ト短調 Op.4-6 RV 316a
(11)協奏曲 イ短調 Op.4-4 RV 357
(12)協奏曲 ヘ長調 「秋」Op.8-3 RV 293
『冬』
(13)協奏曲 ト短調 Op.9-3 RV 334
(14)協奏曲 ロ短調 RV 389
(15)協奏曲 ハ短調 Op.4-10 RV 196
(16)協奏曲 ヘ短調 「冬」Op.8-4 RV 297
ボレッテ・ロズ(リコーダー)、
アルテ・デイ・スオナトーリ(古楽器使用)

録音:(5)-(7)(9)(10)2017年7月、
(1)-(4)(12)(16)2018年7月、
(8)(11)(13)-(15)2018年8月
聖ヨハネ福音教会(ミコウフ)
デンマーク出身のリコーダーの名手ボレッテ・ロズが、今村泰典もメンバーとして参加しているポーランドの古楽アンサンブル、アルテ・デイ・スオナトーリとと もにヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をリコーダー版で演奏しました。当アルバムでは名曲『四季』をテーマに「春」「夏」「秋」「冬」の4つのセクションにそれ ぞれ4篇、計12篇の協奏曲を録音しました。この選曲についてロズは、「『四季』を通じて演奏機会の少ない作品も積極的に選曲しました。」と語っており、卓越 したリコーダーの演奏で聴くヴィヴァルディは新たな魅力に気づかされることでしょう。
ロズはバロック音楽のスペシャリストが集結した古楽アンサンブル、エレファント・ハウス・クァルテットとしても活躍。PENTATONEレーベルより『テレマンの庭』 (PTC-5186749)をリリースしており、その卓越した演奏で高い評価を得ております。 (Ki)

Orchid Classics
ORC-100155(1CD)
NX-B03
コープランド/バーンスタイン/ロージャ
コープランドクラリネットとハープ、ピアノ、弦楽オーケストラのための協奏曲
バーンスタイン:クラリネットとピアノのためのソナタ
ロージャ(1907-1995):無伴奏クラリネットのためのソナチネ Op. 27
コープランド クラリネットとピアノのためのソナタ
アレクンサンダー・フィタースタイン(Cl)
クリス・ホプキンズ(指)
イギリス室内O

録音:2019年2月8日、2020年1月17,18日
クラリネットの哀愁を帯びた音色は、20世紀アメリカの作曲家たちにも愛好され、さまざまな作品が生まれました。1941年から42年にかけて作曲さ れたバーンスタインのソナタは、ラテンアメリカ音楽の影響が感じられる若き彼の出世作。映画音楽で知られるロージャのソナチネは2楽章形式、10分 程度の短い作品。第1楽章の民謡風の主題は彼の故郷、ハンガリーの音楽に由来しています。第2楽章はダイナミックな展開と、クラリネットの超絶 技巧に耳が惹きつけられます。そしてコープランドに強い影響を与えたのがジャズ、クラシックの両面で活躍した名奏者ベニー・グッドマン(1909- 1986)です。彼の出現はコープランドの創作意欲をかきたて、ジャズのスタイルを巧みに取り入れた協奏曲やソナタが生まれました。このアルバムで 見事な演奏を聴かせるのは、カール・ニールセン国際コンクールの優勝経験を持つベラルーシ出身のアレクサンダー・フィタースタイン。チャールズ・ナイ ディックらに師事。アメリカ、フランス、イスラエル、日本などの主要ホールで演奏し、ダニエル・バレンボイム、内田光子、リチャード・グード、エマニュエル・ アックスらと共演している名手です。


Ermitage
BM-6100(5CD)
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ生誕100年記念BOX 〜 ザ・センチュリー・コレクション
■CD1
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415
(2)ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
(3)ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
■CD2
(1)シューマン:謝肉祭 Op.9
(2)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
■CD3
(1)リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
(2)リスト:死の舞踏 S.126
(3)フランク:交響的変奏曲
(4)アルベニス:マラゲーニャ「入江のざわめき」Op.71-6
(5)グラナドス:アンダルーサ
(6)マレスコッティ:幻想曲
■CD4
(1)ヴィヴァルディ:協奏曲ロ短調 RV.580より アレグロ
(2)クレメンティ:ピアノ・ソナタ変ロ長調 Op.12-1
(3)スカルラッティ:ソナタ イ長調 K.322
(4)スカルラッティ:ソナタ ロ短調 K.27
 ソナタ ニ短調 K.9/ソナタ ハ短調 K.11
(5)トメオーニ:アレグロ ト長調
(6)バッハ:イタリア協奏曲ヘ長調 BWV.971
(7)ガルッピ:プレスト 変ロ短調、
 ソナタ ハ長調
■CD5
(1)ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35「葬送」
(2)スケルツォ第2番変ロ長調 Op.31
 マズルカ第49番イ短調 Op.68-2
 ワルツ第9番変イ長調 Op.69-1「告別」
(3)子守歌変ニ長調 Op.57
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調 Op.22
 マズルカ第25番ロ短調 Op.33-4
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)

■CD1
(1)フランコ・カラッチオーロ(指)アレッサンドロ・スカルラッティO
録音:1953年、ナポリ
(2)ディミトリ・ミトロプーロス(指)フィレンツェ五月祭O
録音:1953年、フィレンツェ
(3)カルロ・マリア・ジュリーニ(指) RAI国立SO
録音:1951年、ミラノ
■CD2
(1)録音:1957年、ロンドン
(2)ディミトリ・ミトロプーロス(指)NYO
録音:1948年、ニューヨーク
■CD3
(1)ディミトリ・ミトロプーロス(指)フィレンツェ五月祭O
録音:1953年、フィレンツェ
(2)ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ(指)RAI国立SO
録音:1962年、ヴァチカン
(3)アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)ロサンゼルス・フィルハーモニック
録音:1949年、ロサンゼルス
(4)録音:1942年、ミラノ
(5)録音:1939年、ミラノ
(6)マレスコッティ:幻想曲
録音:1939年、ミラノ
■CD4
(1)エルネスト・アンセルメ(指)スイス・ロマンドO
録音:1942年、ジュネーヴ
(2)録音:1959年、ロンドン
(3)録音:1961年、ロンドン
(4)録音:1955年、トリノ
(5)トメオーニ:アレグロ ト長調
録音:1943年、ミラノ
(6)録音:1943年、ミラノ
(7)録音:1941年、ミラノ
■CD5
(1)録音:1952年、アレッツォ
(2)録音:1941年、ミラノ
(3)録音:1962年、ミラノ
2020年に生誕100周年を迎えた20世紀イタリアのレジェンド・ピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920−1995)の「生誕100年」を記念してイタリアのレーベル「Ermitage(エルミタージュ)」が企画したアニヴァーサリー・ボックス!
録音嫌いの伝説的ピアニストとして知られるミケランジェリが1970年代にドイツ・グラモフォンにレコーディングを開始する前に、イタリアをはじめとした欧米各地で収録された演奏を5枚のCDに収録。
ミケランジェリのピアニストとしてキャリアの前半のハイライトとも言うべき演奏の数々がリマスタリングを施されて「100周年」を祝うセットとして登場します!

Diapason
DIAP-132(2CD)
モーツァルト:木管楽器のための協奏曲集

(1)クラリネット協奏曲イ長調 K.622

(2)フルート協奏曲第1番ト長調 K.313

(3)ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495

(4)オーボエ協奏曲ハ長調 K.314

(5)ファゴット協奏曲変ロ長調K.191
(1)ロバート・マーセラス(Cl)、クリーヴランドO、ジョージ・セル(指)
録音:1961年
(2)オーレル・ニコレ(Fl)、ミュンヘン・バッハO、カール・リヒター(指)
録音:1960年
(3)デニス・ブレイン(Hrn)、フィルハーモニアO、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
録音:1953年
(4)レオン・グーセンス(Ob)、シンフォニア・オヴ・ロンドン、コリン・デイヴィス(指)
録音:1960年
(5)グウィディオン・ブルック(Fg)、ロイヤルPO、トーマス・ビーチャム(指)
録音:1960年

※リマスタリング:Circe(フランス)
ディアパゾン・レーベルの『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜 ディアパゾンが選んだ決定盤』シリーズの第132集は、天才モーツァルトの「木管楽器のための協奏曲集」。
そのソリストたちは、クリーヴランド管首席のロバート・マーセラス、ベルリン・フィルでも活躍したスイスの巨匠オーレル・ニコレ、夭折の天才ホルニスト、デニス・ブレイン、ユージン・グーセンスを父に持つレオン・グーセンス、そしてホルブルックの息子でロイヤル・フィルの首席を務めたグウィディオン・ブルックの5人!
20世紀の管楽器シーンを代表する往年の名手たちの妙技が光る豪華、充実のモーツァルトのコンチェルト集は、管楽器関係者必携のアイテムです!
Diapason
DIAP-131(1CD)
チャイコフスキー:作品集

(1)ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35

(3)弦楽六重奏曲ニ短調 Op.70「フィレンツェの思い出」
(1)ダヴィド・オイストラフ(Vn)、フィラデルフィアO、ユージン・オーマンディ(指)
録音:1959年
(2)レオニード・コーガン(Vn)、エリーザベト・ギレリス(Vn)、ルドルフ・バルシャイ(Va)、ゲンリフ・タラリアン(Va)、スヴャトスラフ・クヌシェヴィツキ(Vc)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
録音:1956年

※リマスタリング:Circe(フランス)
フランスのクラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリング施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜 ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第131集は、ロシアのレジェンド・アーティストたちの共演によるチャイコフスキー・プログラム!
オイストラフがアメリカ・ツアーの際にオーマンディ&フィラデルフィア管と録音した名演の誉れが高い「ヴァイオリン協奏曲」はもちろんのこと、コーガン、ギレリス、バルシャイ、タラリアン、クヌシェヴィツキ、そしてロストロポーヴィチが集った「フィレンツェの思い出」の豪華さも特筆もの。
新たなリマスタリングを施され、ロシアの巨匠たちによるチャイコフスキーの名演がさらにその輝きを増します。

Hyperion
CDA-68367(1CD)
モーツァルト:複数台ピアノのための協奏曲全集
3台のピアノと管弦楽のための協奏曲 ヘ長調 K.242
2台のピアノと管弦楽のためのラルゲットとアレグロ 変ホ長調(補筆完成:トメル・レフ/世界初録音)
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 変ホ長調 K.365
マルチピアノ・アンサンブル〔トメル・レフ(P)、ダニエル・ボロヴィツキー(P)、ベレニカ・グリックスマン(P)、アーロン・カリフ(P、イギリス室内O

録音:2014年9月13日−14日、ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)
マルチピアノ・アンサンブル」は、テル・アビブ大学とイスラエル・フィルが共同運営するブッフマン=メータ音楽学校(BM-SM)傘下のプロジェクトとして2011年に発足した、イスラエルの注目アンサンブル。4手連弾から複数台の鍵盤楽器、あるいは複数台ピアノと別の楽器の組み合わせなど、とにかく「マルチピアノ」に特化したユニークな編成のアンサンブルで、マルチピアノのためのオリジナル作品から様々なアレンジ作品、新発見の作品や補筆完成させた作品などに取り組み、イスラエルの著名なピアニスト、トメル・レフ(BM-SM学長)をフィーチャーしたパフォーマンスで、国際的な注目を集めてきました。
期待のレコーディング第1弾は、モーツァルトの「複数台ピアノ」のための協奏曲全集。注目は、1781年ころに書かれたとされ、未完の断片のみが残された「ラルゲットとアレグロ」。世代を超えて多くのピアニスト、作曲家、音楽学者らがこの作品に魅了され、古くはマクシミリアン・シュタードラー(1748−1833)から、20世紀後半にはパウル・バドゥラ=スコダやロバーロ・レヴィンなどによって「2台のピアノのため」の完成版が作られてきましたが、このアルバムではトメル・レフが「オーケストラを伴う2台のピアノを対象としていた可能性」を探り、「2台のピアノと管弦楽のため」として、補筆・完成させたバージョン(世界初録音)が収録されています。

Indesens
INDE-145(1CD)
マルク・グージョン〜古典派のトランペット協奏曲集
ネルーダ:トランペット協奏曲変ホ長調(カデンツァ:マックス・ゾンマーハルダー)
グァングネ:トランペット協奏曲ハ長調(世界初録音)
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調 Hob.VIIe-1
フンメル:トランペット協奏曲ホ長調(カデンツァ:ピエール・カンブーリアン)
マルク・グージョン(Tp)、
ミュルーズSO、
ジャック・ラコンブ(指)

録音:2020年9月、ラ・フィラチュール(ミュルーズ、フランス)
パリ国立歌劇場Oのスーパー・ソリスト(第1首席奏者)を務め、パリ国立高等音楽院の教授としても活躍する現在のフランスを代表するトランペット奏者の1人、マルク・グージョンが満を持して古典派のトランペット協奏曲集をレコーディング!
パリ国立歌劇場Oのスーパーソリストに就任する前は、ギャルド・レピュブリケーヌO(吹奏楽団)やミュルーズSO、ピカルディO、パリ室内Oの首席奏者を歴任するなど、フランスの第一線で活躍し続けているマルク・グージョン。
シルキーのトランペットを愛用するマルク・グージョンが自身にとって初のソロ録音のために選んだのは18世紀末から19世紀初頭にかけて、古典派のためのトランペット協奏曲の数々。
トランペット奏者にとってのバイブルであるハイドン、フンメル、そしてネルーダの名作3曲にマルク・グージョンが加えたのは、フランスの現代作曲家クリスティアン・グァングネ(1941−)の世界初録音となるハ長調の協奏曲。
難解な現代音楽ではなく、純粋なモーツァルトのスタイルで書かれた協奏曲であり、ソロ・トランペット、弦楽オーケストラ、2本のオーボエ、2本のホルンという編成で演奏される3楽章形式の秀作。
トランペット協奏曲を書かなかったモーツァルトが"もし"トランペット協奏曲を作曲していたら・・・という想像を膨らませてくれる要注目の作品です!

LSO Live
CCR-0004(1CD)

KKC-6342(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ハインツ・カール・グルーバー:打楽器協奏曲集
(1)ROUGH MUSIC
(2)INTO THE OPEN...
コリン・カリー(打楽器独奏)
(1)ファンホ・メナ(指)
(2)ヨン・ストゥールゴールズ(指)
BBCフィルハーモニック

録音:(1)2013年12月6日マンチェスター、ブリッジ・ウォーター・ホール
(2)2015年7月20日ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(BBCプロムスでの世界初演)
ライヒも認める凄腕パーカッショニスト、コリン・カリーによる自主レーベル「コリン・カリー・レコーズ」から初の協奏曲アルバムが登場!ウィーン少年合唱団 出身でコントラバス奏者でもあるウィーンの作曲家ハインツ・カール・グルーバー(1943-)の2作品を収録。いずれも打楽器協奏曲の可能性を極めに極めた目 の回るような超絶技巧が満載、いったい何種類の打楽器を叩いているんだという怒涛のパーカッショニズムが炸裂します。対するオーケストラも細かく書き込ま れていて大迫力の音響。使われる響きはポップな和声あり、おどろどろしい不協和音あり。格好よくエネルギッシュな展開も魅力です。ライヒはもちろん、吉松 隆あたりが好きな人なら一発で気に入るでしょう。
「ROUGH MUSIC」(1982-83)は打楽器協奏曲というジャンルを決定的に塗り替えた快作。高度にして大胆な作曲技法を駆使し、伝統的なしがらみから 解放された真に自由で創造的なソロが興奮を煽ります。タイトル通りの「荒々しさ」を持つ「どんちゃん騒ぎ」ながら入念に書き込まれコントロールされたスコア。 第1楽章はリズミカルで刺激的で、またポップな美しさも兼ね備えています。第2楽章はコリン・カリーが「カーチェイス。運転席にはアイヴズの亡霊。副操縦 士のベルクがヴィブラフォンの歌に合わせて誘導する」と表現する興奮の音楽。第3楽章はしっかりと曲全体をまとめ上げる見事なフィナーレで、同時にシンセ サイザーが鳴ったりサティやアンリ・ソーゲが暗喩的に用いられたりと興味の尽きないアイデアの饗宴。
「INTO THE OPEN...」(2015)は単一楽章の協奏曲。2009年に亡くなった音楽評論家でクルト・ワイルの研究者であるデイヴィッド・ドリューへの追悼 作品であり、暗く薄い響きが支配的です。この曲想にして現代打楽器書法最新の試みがなされ、また管弦楽も表情豊かにシンフォニックに書かれているのはあ る意味挑戦的。不穏な序奏から次第にゆっくりと時間をかけて、悲しみを乗り越えようとエネルギッシュで闘争的な音楽が沸き上がりますが、古典的なわかりや すい解決はなく悲しみを抱えたままで終止。しかし絶望に対峙せんとする人間的な力強さを描いた音楽が偽りなく感動的で、技巧においてもより一層の冴えを 見せています。
「コリン・カリー・レコーズ」はLSO Liveが世界的にディストリビューションを行っています。

ACCENTUS Music
ACC-30518CD(1CD)
ヴァインベルク:ヴァイオリン協奏曲Op.67
2つのヴァイオリンのためのソナタOp.69*
ギドン・クレーメル(Vn)
ダニエレ・ガッティ(指)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO
マダラ・ペーテルソネ*

録音:2020年2月/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス、2019年12月/パリャシアス・ドヴァラス(リトアニア)*(ともにライヴ)
ヴァインベルク作品の開拓と普及に情熱を注ぐギドン・クレーメルの真打ち、ヴァイオリン協奏曲のディスクが登場します。2017年9月の読売日本SOとの日本初演を含め、各国のオーケストラと数多く演奏してきましたが、ダニエレ・ガッティ指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウスOと2020年2月に行ったコンサートのライヴが商品化されました。2019年12月に生誕100周年を迎えたヴァインベルクを祝うゲヴァントハウスのシリーズの一環として行なわれたコンサートで、クレーメルにとっても特別なものでした。
アルバムに収録された2篇はともに1959年作曲で、レオニード・コーガンが(ソナタは妻エリザヴェータと)初演しています。ヴァイオリン協奏曲はハープやチェレスタを含む大編成ですが、オーケストラとの掛け合いは少なく、終始技巧的なパッセージを弾き続ける大作。73歳のクレーメルは、かつてのような鋭さよりもじっくりと伝えていくような語り口で進め、浄化されたpppの終止は神々しいほどです。この思い入れの強さは情念のようで、聴く者の心を掴みます。
2つのヴァイオリンのためのソナタは、ヴァインベルク自身の楽器であるピアノの助けを借りず、容赦ないスタミナを要求される難曲。ヴァイオリン協奏曲と似た雰囲気を持ち、アクの強さとユダヤ的風味はとても魅力的です。
共演のマダラ・ペーテルソネはクレーメルと同郷のラトビア出身。2013年よりクレメラータ・バルティカに加わり、現在コンサートミストレスを務めるクレーメルの信任厚い若手です。

BMOP SOUND
BMOP-1074(1SACD)
ジョン・ハービソン(b.1939):作品集
(1)ヴィオラ協奏曲(1988)
(2)ヴァイオリン、チェロのための二重協
奏曲(2009)
(3)バス・ヴィオール協奏曲(2005)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)マーカス・トンプソン(Va)
(2)エミリー・バスキン(Vn)
(2)ジュリア・バスキン(Vc)
(3)エドウィン・バーカー(バス・ヴィオール)

録音:2019/2017/2015年
ジョン・ハービソンはアメリカ東海岸流の無調音楽を代表する作曲家。ハーバード大 学、プリンストン大学でロジャー・セッションズとウォルター・ピストンに学んだ。ハービソン はメトロポリタン・オペラでジェームス・レヴァインの指揮により初演されたオペラ「華麗な るギャッツビー」の成功で名声を不動のものにした。このアルバムでは弦楽器のための 協奏曲が集められています。そのうち二重協奏曲とバス・ヴィオール協奏曲は2000 年代に 入ってからの作品。いずれも自由な無調あるいは一部セリーによって書かれており、アメ リカ東海岸流のアカデミックな無調音楽の伝統は健在です。表現主義風の堅固な様 式による硬派のロマンティシズム(ベルク流の)で貫かれています。

NEOS
NEOS-12017(1CD)
グンナル・ガイセ(b.1962):作品集
(1)ピアノ協奏曲(2019)〜複数の独奏楽器のための 2 楽章からなるデジタ
ル・プレ・ストラクチャード・インプロヴィゼーション
(2)リズム・チェンジス(2020)〜ラップトップ・ギターのためのソナタ
グンナル・ガイセ(ラップトップ・ギター&コンピューター)

録音:2019/2020年
「ピアノ協奏曲」といっても普通のピアノ独奏とオーケストラのための協奏曲ではなく、ラフマ ニノフのピアノ協奏曲第 3 番のピアノ・パートが引用またはコンピューターで変調、デフォルメさ れ、後はジョン・ゾーン張りの激しいノイズがひたすら果てしなく続く。「リズム・チェンジス」はコン ピューターに接続されたエレクトリック・ギターがパリパリ、ギシギシ、ビョンビョンとこれまたノイズ の嵐を繰り広げる。アメリカのハードロックを遥かに上回る実験的プログレシヴ・ロックの極北。グ ンナル・ガイセはドイツの実験音楽、即興音楽の旗手でオーネット・コールマンら先進的ジャズ に強い影響を受けた他、物理学の複雑性の理論にも影響を受けていることが混沌としたノイズ に拍車をかけています。即興音楽が彼の活動の中心だが、ハンス・ツェンダーは彼の音楽を高く 評価しています。フリー・ジャズ、ノイズ系ロックの好きな人は必聴。

Hortus
HORTUS-175(1CD)
ジルベール・アミ(1936-):協奏曲集
(1)ピアノとオーケストラのための協奏曲
(2)チェロとオーケストラのための協奏曲
(1)ジャン=フランソワ・エッセール(P)、ヌーヴェル=アキテーヌ室内O、ジュリアン・ルロワ(指)
(2)ジャン・ギアン・ケラス(Vc)、パリO、ジルベール・アミ(指)

ライヴ録音:(1)2019年1月18日/ボルドー・ホール(フランス)、(2)2006年9月27日/サル・プレイエル、パリ(フランス)
1936年生まれのフランスの作曲家、ジルベール・アミの協奏曲アルバム。アミはパリ国立高等音楽院在学時にメシアンとミヨーに作曲を師事しました。 1957年にはブーレーズ監修のもとでピアノ・ソナタを書き上げ、翌1958年にはブーレーズからの委嘱作品『躍動』で注目されました。1967年から1973 年までドメーヌ・ミュジカルを監督。また、1984年にはリヨン国立高等音楽院の学院長に就任し、後任の育成とともに作曲も手掛けていきました。
ここに収録された2つの協奏曲は5年の時を経て構想され、作風もさることながら有機的なつながりも感じさせます。ピアノとオーケストラのための協奏曲の ソリストをつとめたのはフランスを代表するピアニスト、ジャン=フランソワ・エッセールです。アミの描く世界を見事にあらわした注目演奏です。一方、チェロと オーケストラのための協奏曲は現代最高のチェリスト、ジャン・ギアン・ケラスが担当(この作品はハルモニアムンディより同一録音がリリースされております)。 この作品は武満徹の思い出に捧げられており、2000年にケラスによってサントリーホールで初演されております。技巧的なパッセージとともに武満を思わせ るような、静寂を聴かせる協奏曲です。ともにアミが絶大な信頼を寄せる名手により初演されたことも注目といえましょう。 (Ki)

MIRARE
MIR-552(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第7番ニ長調(K.271a(271i))(カデンツァ:ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ)
リヤ・ペトロワ(Vn)
使用楽器:1735年カルロ・ベルゴンツィ‘Helios’
ジャン=ジャック・カントロフ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2020年9月14−18日、ワルシャワ
ブルガリア出身の俊英、リヤ・ペトロワとカントロフ率いるシンフォニア・ヴァルソヴィアによるベートーヴェンとモーツァルトのヴァイオリン協奏曲。リヤ・ペト ロワは、「今この困難な時にこそ、この二つの音楽的力が強い名曲を録音したいと思い取り組んだ」といいます。そして「名ヴァイオリニストでもあるカントロフ は、この2作を知り尽くしており私の音楽を素晴らしくサポートしてくれました」と。ソリスト、オーケストラ、指揮者の様々な個性が融合し、生命力あふれる音楽 を披露しています。 ベートーヴェン唯一のヴァイオリン協奏曲であり、ベートーヴェンが「ハイリゲンシュタットの遺書」の頃の絶望的状態から蘇り、名作を次々と生み出した「傑作の 森」と言われる時期に書かれています。雄大なスケールの中に気品ある旋律が特徴的な音楽ですが、ソリストには高度なテクニックというより総合的な音楽作り が要求され、ヴァイオリニストが演奏する協奏曲の中では特に難しいといわれています。カントロフの好サポートを受け、リヤ・ペトロワは伸び伸びとした演奏を 聴かせてくれています。 さらには、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第7番では、ピアニストとしての才能はもちろん作曲家としても異才を放つジャン=フレデリック・ヌーブルジェのカ デンツァを使用しています。あふれ出る若き才能とカントロフの円熟の指揮により新たな名演が登場しました。 (Ki)

H.M.F
HMM-902419(1CD)
ベートーヴェン:三重協奏曲 ハ長調 Op.56
交響曲第2番ニ長調 Op.36(作曲者自身の編曲によるピアノ三重奏曲版)*
イザベル・ファウスト(Vn/ストラディヴァリウス「スリーピング・ビューティ」)
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/ジョフレド・カッパ1696年)
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ/Lagrassa 1815年頃、エドウィン・ボインクのコレクションより
クリストフ・ケルン、2014年製/1795年製アントン・ヴァルター(ウィーン)・モデル、メルニコフ・コレクション)*
フライブルク・バロック・オーケストラ
パブロ・エラス=カサド(指)

録音:2020年2&6月、テルデックス・スタジオ・ベルリン
ファウスト、ケラス、メルニコフ、そして2020年度のレコード・アカデミー賞大賞受賞したエラス=カサド、フライブルク・バロック・オーケストラによるベートー ヴェンの三重協奏曲。シューマンの協奏曲プロジェクトも成功させた彼らの演奏に大きな期待がかかります。
三重協奏曲は、弟子のルドルフ大公がピアノで知人たちと演奏するために書かれたといわれています。ですのでピアノ・パートは技巧的ではありませんが効 果的に書かれ、ヴァイオリンとチェロは各々楽器の響きを生かした主題が現れ、ピアノとオーケストラが調和します。オケとソロ楽器の素晴らしいバランス、自然 なアーティキュレーションで作品に対する既成概念を払拭するような、まさにこの顔ぶれでしか為し得ない水準での、名盤が誕生しました。
そして、ベートーヴェン自身の編曲による響曲第2番のピアノ三重奏曲版。オーケストラ作品を少人数の室内楽で楽しむための編曲で、原曲とは違った魅力が あります。ファウスト、ケラス、メルニコフの3人はベートーヴェンのピアノ三重奏曲集 [HMC 902125/ KKC 5385]をリリースしており、細やかな表情づけ、 息ののむような美しい演奏を聴かせてくれているだけあって、お互いに自由に羽ばたいているのに、息はピタリと合っており、この版の決定版と言えるでしょう。 (Ki)

Pentatone
PTC-5186271(3CD)
ヘンデル:6つの合奏協奏曲 Op.3、12の合奏協奏曲 Op.6
【CD 1】
6つの合奏協奏曲 Op.3
(1)合奏協奏曲第1番変ロ長調 Op.3-1 HWV 312
(2)合奏協奏曲第2番変ロ長調 Op.3-2 HWV 313
(3)合奏協奏曲第3番ト長調 Op.3-3 HWV 314
(4)合奏協奏曲第4番ヘ長調 Op.3-4 HWV 315
(5)合奏協奏曲第5番ニ短調 Op.3-5 HWV 316
(6)合奏協奏曲第6番ニ長調 Op.3-6 HWV 317
【CD 2】
12の合奏協奏曲Op.6より第1番〜第6番
(7)合奏協奏曲第1番ト長調 Op.6-1 HWV 319
(8)合奏協奏曲第2番ヘ長調 Op.6-2 HWV 320
(9)合奏協奏曲第3番ホ短調 Op.6-3 HWV 321
(10)合奏協奏曲第4番イ短調 Op.6-4 HWV 322
(11)合奏協奏曲第5番ニ長調 Op.6-5 HWV 323
(12)合奏協奏曲第6番ト短調 Op.6-6 HWV 324
【CD 3】
12の合奏協奏曲Op.6より第7番〜第12番
(13)合奏協奏曲第7番変ロ長調 Op.6-7 HWV 325
(14)合奏協奏曲第8番ハ短調 Op.6-8 HWV 326
(15)合奏協奏曲第9番ヘ長調 Op.6-9 HWV 327
(16)合奏協奏曲第10番ニ短調 Op.6-10 HWV 328
(17)合奏協奏曲第11番イ長調 Op.6-11 HWV 329
合奏協奏曲第12番ロ短調 Op.6-12 HWV 330
【CD 1】ゲオルク・カルヴァイト(Vn/コンサートマスター)
【CD 2&3】ベルンハルト・フォルク(Vn/コンサートマスター)
ベルリン古楽アカデミー

録音:【CD 1】2019年5月、【CD 2】2018年9月&2019年2月、【CD 3】2019年2月/ニコデマス教会(ベルリン)
エグゼクティヴ・プロデューサー:ルノー・ロランジェ(ペンタトーン)
レコーディング・プロデューサー&編集:カレル・ブリュッゲマン(ポリヒムニア・インターナショナル)
バランス&レコーディング・エンジニア:ジャン=マリー・ヘイセン(ポリヒムニア・インターナショナル)
名人集団ベルリン古楽アカデミー(Akamus)によるヘンデルの6つの合奏協奏曲 Op.3と12の合奏協奏曲Op.6が3枚組のセットになって登場です!
合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)とはバロック時代特有の協奏曲で、複数の独奏者によって編成される独奏楽器群と、オーケストラ全員による大合奏群 との間の音量的、技巧的対比を楽しむ音楽です。
1734年頃に作曲された6つの合奏協奏曲 Op.3は、小規模ながら管楽器を効果的に取り入れた編成をとりヘンデルらしい豊かな旋律に加えて合奏協奏曲 ならではの華やかな響きが魅力といえます。一方、12の合奏協奏曲は1739年に作曲された作品群。コレッリの協奏曲の形式に基づいたこれらの作品はヘン デルの作品中、もっとも密度の高い協奏曲として知られます。数々の名録音でも知られるベルリン古楽アカデミーが聴き手の感性に直接訴えかけてくるような刺 激的な音楽を聴かせます! ※当セットではフォーマットは通常 CD となります。

BIS
BISSA-2384(1SACD)
ウェーバー:ピアノと管弦楽のための作品全集
(1)ピアノ協奏曲第1番ハ長調 WeVN.9(Op.11)(1810)
(2)ピアノ協奏曲第2番変ホ長調 WeVN.15(Op.32)(1811?12)
(3)コンツェルトシュテュック(P小協奏曲) へ短調 WeVN.17(Op.79)(1821)
ロナルド・ブラウティハム (フォルテピアノ/コンラート・グラーフ(1819年製作)のレプリカ、ポール・マクナルティ(2007年製作))、
ケルン・アカデミー、
マイケル・アレクサンダー・ウィレンス(指)

録音:2018年11月/ドイツ放送室内楽ホール(ケルン、ドイツ)
鬼才フォルテピアノ奏者ブラウティハムがウェーバーのピアノと管弦楽のための作品全集を録音しました!ロナルド・ブラウティハムは、2019年、マイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーと共演したベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(BISSA-2274)をリリース。ドイツやフランスのメディアから最高の評価を与えられ、イギリスの「Gramophone」誌から「素晴らしい演奏と、それを捉えたBISのエンジニアたちの洗練された感覚が、新鮮で爽快な気分をもたらした」と評されました。
モーツァルトの協奏曲をモデルにしたと思われる「ピアノ協奏曲第1番」は、ヴィオラ、チェロ、ホルン、ティンパニという小さな編成のオーケストレーションから繊細さとロマンティックな温もりが生まれる第2楽章「アダージョ」と、舞曲の性格をもった「プレスト」の終曲にウェーバーの個性が見られると言われます。「ピアノ協奏曲第2番」は、ウェーバーが楽譜を入手したベートーヴェンの「皇帝」と同じ変ホ長調で書かれた作品です。最初の協奏曲を超えた完成度と輝かしさをもち、とりわけ精細なオーケストレーションで書かれた「アダージョ」の第2楽章は、ウェーバーの作曲したもっとも美しい楽章に数えられ、終曲〈ロンド〉には「魔弾の射手」を予感させるページも見られます。3曲のうちもっともよく知られる「コンツェルトシュテュック」(P小協奏曲)は、「魔弾の射手」が初演される1821年6月18日に完成した作品です。約16分の「演奏会の小品」は、大きく4つの部分に分かれ、十字軍で出征した騎士の帰還を待つ貴婦人をイメージして作曲されたと言われます。
このアルバムでブラウティハムは、明確な音の輪郭と美しく豊かな響きをあわせもった、マクナルティ製作のコンラート・グラーフによるレプリカ楽器を弾いています。ピリオド楽器のオーケストラと共演してウェーバーを弾くブラウティハムの微笑む姿を想像できる、チャーミングな演奏。ベートーヴェンの協奏曲全集と同じインゴー・ペトリの制作、ケルンのドイツ放送室内楽ホールでのセッション録音です。 (Ki)

NIFC
NIFCCD-072(1CD)
チェロ協奏曲集
シューマン:チェロ協奏曲イ短調 Op.129
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲
ルトスワフスキ:チェロ協奏曲
アンジェイ・バウアー(Vc)、
ヤツェク・カスプシク(指)、
ポーランド国立RSO

録音:2017年11月&2018年2月、ポーランド国立RSOコンサート・ホール(カトヴィツェ、ポーランド)
1992年のミュンヘン国際音楽コンクール第1位、1989年のプラハの春国際音楽コンクール第3位という華々しい受賞歴を持ち、ワルシャワのフレデリック・ショパン音楽大学とビドゴシュチのフェリクス・ノヴォヴィエイスキ音楽アカデミーで教授を務め、ワルシャワ・チェロネット・グループの創設者兼芸術監督としても活躍するポーランドを代表するチェリストの一人、アンジェイ・バウアー。
シューマンのチェロ協奏曲、チャイコフスキーのロココ変奏曲といった19世紀の偉大なチェロ協奏曲・協奏的作品に、ポーランドが誇る20世紀チェロ協奏曲の傑作、ルトスワフスキのチェロ協奏曲をカップリング。アンジェイ・バウアーはルトスワフスキ自身の指揮でチェロ協奏曲を演奏したことや、約20年前にも同曲を録音した経験があり、2003年から2006年にはルトスワフスキ協会の副会長に就任、ヴィトルト・ルトスワフスキ・チェイン音楽祭の芸術監督、ルトスワフスキ国際チェロ・コンクールの審査員なども務めた、ルトスワフスキ作品の演奏・研究・編曲のスペシャリストとしても知られています。
NIFC
NIFCCD-115(1CD)
ゴウォンベク:交響曲集&クルピンスキ:クラリネット協奏曲
カロル・クルピンスキ(1785−1857):クラリネット協奏曲変ロ長調*
ヤクブ・ゴウォンベク(c.1739−1789):交響曲ハ長調、
 交響曲ニ長調第2番、交響曲変ロ長調、
 交響曲ニ長調第1番(1773)、
 管楽アンサンブルのためのパルティータ ハ長調(1770)
ロレンツォ・コッポラ(指)
ピリオド・クラリネット*)、
{oh!} オルキェストラ・ヒストリチナ

録音:2019年9月26日−30日、シレジア・フィルハーモニック・コンサート・ホール(カトヴィツェ、ポーランド)
ヤクブ・ゴウォンベクは1739年頃のシレジア(現在のポーランド南西部からチェコ北東部にかけての地域)出身、クラクフの聖マリア教会やヴァヴェル大聖堂で歌手(T)や作曲家として活動しヴァツワヴァ・シェラコフスキ音楽学校で歌の教師を務めました。ゴウォンベクの交響曲(シンフォニア)と宗教音楽は当時はクラクフ地域だけではなく広く知られており、ポーランド古典派音楽を形作る上で重要な役割を果たしましたが、現在では(特にポーランド国外では)ほとんど知られていない作曲家。ここでは、3楽章で演奏時間約10分前後の小規模な4つの交響曲と、「2本のクラリネット、2本のホルン、2本のファゴットのためのパルティータ」を収録。
ポーランド・ロマン派やショパンの登場を予感させるようなクルピンスキのクラリネット協奏曲でソロを務め、ゴウォンベクの交響曲で指揮を執るのは、ハーグ王立音楽院でエリック・ホープリッチに学び、2004年からはバルセロナのカタルーニャ音楽院(ESMUC)で自身もヒストリカル・クラリネットを教えているイタリアの名手、ロレンツォ・コッポラ。コンサートマスターのマルティナ・パストゥシュカとマネージャーのアルトゥル・マルケが中心になり2012年にカトヴィツェで設立されたポーランドの古楽器オーケストラ「{oh!} オルキェストラ・ヒストリチナ」(ヒストリカル・オーケストラ 「oh!」)の歴史的情報に基づいたヒストリカル楽器の艶やかな響きで、ポーランド古典派の知られざるシンフォニアを紐解きます。

A Flock Ascending
AFACD-001(1CD)
ジョン・タヴナー:ピアノと管弦楽のための 「パリントロポス」(PALINTROPOS)(世界初録音)*
マイケル・スチュワート:ピアノ、エレクトロニクスとキーボードのための 「ビヨンド・タイム・アンド・スペース」(イン・メモリアム・ジョン・タヴナー)**
ARUHI(原綾佳)(P)、
ロナルド・コープ(指)*、
ニュー・ロンドン・オーケストラ*、
マイケル・スチュワート(キーボード、エレクトロニクス、プログラミング)**

録音(パリントロポス):2020年1月21日、セント・ジュード教会(ハムステッド、ロンドン)
イギリス、フランスなど国際的に活躍し、2020年7月にはTV番組「幸せ!ボンビーガール」にも出演して注目を浴びた日本人ピアニスト&作曲家、原綾佳(アーティスト名:ARUHI)が、デビュー・アルバムでジョン・タヴナーのピアノ協奏曲「パリントロポス」をレコーディング!
1978年に作曲されたこの驚くべきスコアは、41年以上にわたって商業録音されておらず、世界初録音となるこのアルバムが、ジョン・タヴナーの初期の傑作の1つを発見する良い機会となるでしょう。タヴナー自身が「ドビュッシー風のトーン・ポエムに近づいた唯一の私の作品」、「私が書いたなかでもっとも印象派的な作品」などと表現しており、爽快で荒々しいピアノ、美しく抒情的なアラベスクなどが繰り返されるダイナミックな作品を、多彩なジャンルを弾きこなすARUHIが才能溢れる見事なピアニズムで披露しています。
カップリングでは、A Flock Ascendingレーベルの創設者であり、ロンドンのトリニティ・カレッジ・オヴ・ミュージックでジョン・タヴナーに作曲を学んだ作曲家、ピアニスト、作家、マイケル・スチュワート(b.1958)が2020年に作曲したジョン・タヴナー追悼作品「ビヨンド・タイム・アンド・スペース」も収録。

Da Vinci Classics
C-00310(1CD)
フォンタネージ:4つの協奏曲
ヴァイオリンとオーケストラのための「悲劇的な協奏曲」
ェロとオーケストラのための「田園風の協奏曲」
フルートとオーケストラのための「学術的な協奏曲」
ピアノとオーケストラのための「質素な協奏曲」
ヴィンェンツォ・ボロネーゼ(Vn)、
フランチェスコ・ステファネッリ(Vc)、
ジネーヴラ・ペトルッチ(Fl)、
ミケランジェロ・カルボナーラ(P)、
イ・ヴィルトゥオージ・イタリアーニ
、アルベルト・マルティーニ(指)

録音:2019年7月7日−10日、テアトロ・リスト―リ(ヴェローナ、イタリア)
パドヴァ大学で中世哲学の歴史を学んだ経歴を持つイタリアの作曲家、ダヴィド・フォンタネージ(1969−)の協奏曲集。
フォンタネージは協奏曲などを作曲するに際し、マリピエロの「チマロジアーナ」やカゼッラの「スカルラッティアーナ」などのように、イタリアの古典的な作曲家たちの音楽から主題や旋律をソースとして引用するのではなく、形式の統一性や対位法の複雑性などのインスピレーションを得て、自らの作品に反映するという手法を採っています。

Indesens
INDE-066(1CD)
リベルテ!
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 Op.35/ドラル編)):西部戦線の歌*
ミラー(ドラル編):ムーンライト・セレナーデ
ピアフ(ドラル編):バラ色の人生
トレネ(ドラル編):残されし恋には
ルステム・サイトクロフ(P)、
エリック・オービエ(Tp)、
ニコラ・シャルヴァン(指)、
サヴォワ地方O、ソリスト・ド・リヨン

録音:2014年4月、スタジオ・アンセルメ(ジュネーヴ、スイス)
ナチス・ドイツによるフランス占領に対して行われたフランスのレジスタンス運動、解放から70周年を記念して企画されたプログラム。
フランス国内でも特にレジスタンス運動が活発だったサヴォアのオーケストラ、サヴォワ地方Oによって、第二次世界大戦中、そして大戦後に作曲された様々なスタイルの作品が選曲、録音されました。
Indesens
INDE-071(1CD)
フランスにおける近現代のトランペット協奏曲集
ベッファ:トランペットとオーケストラのための協奏曲*
マタロン:トランペットと管弦楽のための「トラム5」+
バクリ:トランペットとオーケストラのための協奏曲**
グレツェール:アウラ 〜 響きの向こうに++
エリック・オービエ(Tp)、
セバスティアン・ビヤール(指)*、
ギャルド・レピュブリケーヌ弦楽合奏団*、
ジャック・メルシエ(指)+、ロレーヌO +、
フランソワ・ビルジェ(指)**、
ブルターニュSO**、ホアン・イミン(指)++、
フランス放送PO++

録音:1996年−2014年
モーリス・アンドレの系譜に連なり、その流派を受け継ぐフランスを代表するトランペット奏者エリック・オービエが、母国フランスのいわゆる「現代音楽」のトランペット協奏曲4作品を録音。
近現代音楽という括りの中でも「調性音楽的」なバクリとベッファ、「アヴァンギャルド」なマタロンとグレツェールの作品のコントラストを1枚のアルバムの中で見事に表現してる点もさすがはオービエ。
20世紀末の1996年から21世初頭の2005年の間に作曲された4作品は全て世界初録音です。
Indesens
INDE-068(1CD)
偉大なるトランペット協奏曲の数々
プログ:トランペット、金管アンサンブルと打楽器のための協奏曲*
ネステロフ:トランペット協奏曲 Op.42+
ルシュール:トランペットとクラリネット六重奏のための小協奏曲**
タシジヤン:さなぎ(世界初録音)++
ズウィリッチ:クラリーノ・カルテット
ティエリー・ジェルヴェ(Tp)、
ダヴィド・リーヴァ(指)*、
パリ・ソロイスツ金管・打楽器アンサンブル*
バスティアン・スティル(指)+、
モスクワSO+、
パリ・クラリネット六重奏団**、
アンサンブル・ユートピア++

録音:2013年−2014年
パリ・ギャルド・レピュブリケーヌO(吹奏楽団)と並びフランスを代表するプロの吹奏楽団として高名なパリ警視庁吹奏楽団で活躍するフランスのトランペット奏者、ティエリー・ジェルヴェが繰り出す世界各国の近現代トランペット協奏曲集!
フランスのルシュールとタシジャン、アメリカのプログとズウィリッチ、ロシアのネステロフの作品を選んだジェルヴェ。プログの協奏曲では、チューバ奏者のステファーヌ・ラベリなどフランスの名手たちと共演。圧巻のアンサンブルを繰り広げてくれています。
アルバムの掉尾を飾るズウィリッチの「クラリーノ・カルテット」は、ジェルヴェが1人で演奏。ピッコロ・トランペット、C管トランペット、B♭管トランペットを駆使して見事な「1人四重奏」を聴かせてくれています。
Indesens
INDE-067(1CD)
ロマン派初期の協奏曲集
ウェーバー:クラリネット協奏曲第2番変ホ長調 Op.74(カデンツァ:シリル・ローズ&ルイ・カユザック)、
 クラリネット協奏曲第1番ヘ短調 Op.73(カデンツァ:ハインリッヒ&カール・ベールマン)、
 クラリネット小協奏曲変ホ長調 Op.26(カデンツァ:ハインリッヒ・ベールマン)
フンメル:トランペット協奏曲変ホ長調(カデンツァ:ティエリー・エスケシュ)*
フィリップ・キュペ(Cl)、
エリック・オービエ(Tp)、
ロード・シュニツレール(指)、
ヴァンサン・バルト(指)*、
ブルターニュO

録音1990年&1998年*、レンヌ(フランス)
19歳でパリ国立歌劇場Oの首席奏者に就任し、1995年からはソリスト、教育者として世界各地で活躍するモーリス・アンドレの系譜の継承者エリック・オービエ。
そして同じくパリ国立歌劇場Oの首席奏者を務め、プラハの春国際音楽コンクール第1位、ミュンヘンARD国際音楽コンクール第2位という輝かしい経歴を持つクラリネット奏者フィリップ・キュペ(キュペール)が奏でる独墺系の初期ロマン派の協奏曲4作品をカップリング!
ロマンティシズムとヴィルトゥオージティが同居する初期ロマン派の傑作群を名手たちの好演奏で。
Indesens
INDE-058(1CD)
ラプソディ・イン・ブルー〜トランペットと吹奏楽のための作品集
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(ヤン=エデルン・ゴアス&ティモフェイ・ドクシツェル編/トランペット&吹奏楽版)*
アルチュニアン:トランペット協奏曲(ルネ・カストラン編/吹奏楽伴奏版)*
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」(フランソワ・ブーランジェ編/吹奏楽版)
エリック・オービエ(Tp)*、
フランソワ・ブーランジェ(指)、
ギャルド・レピュブリケーヌO(吹奏楽団)

録音:2013年5月、ラ・ギャルド・レピュブリケーヌ・ホール(フランス、パリ)
14歳という若さでパリ音楽院のモーリス・アンドレのクラスに入学し、若干16歳でプルミエ・プリ(卒業試験の最高位)を獲得してしまったフランスの天才エリック・オービエが、同じくフランスが誇る世界最高峰の吹奏楽団、ギャルド・レピュブリケーヌO(吹奏楽団)とのコンビで贈るガーシュウィンとアルチュニアン!
ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」はレジェンド、ドクシツェルのソロ編曲をベースにヤン=エデルン・ゴアスの吹奏楽編曲伴奏を組み合わせたヴァージョン。トランペット奏者のバイブルの1つであるアルチュニアンの協奏曲とあわせて、オービエとパリ・ギャルドという豪華な組み合わせによる華やかかつ驚異的な演奏が繰り広げられています。
そして吹奏楽版の「シェエラザード」。パリ・ギャルドの編成、特色を知り尽くしたブーランジェ隊長のアレンジが冴え渡る秀演です。

CORO
COR-16183(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集 Vol.1
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
協奏交響曲変ホ長調 K.364
アイスリン・ノスキー(Vn)、
マックス・マンデル(Va)、
ヘンデル&ハイドン・ソサエティ

録音(ライヴ):2017年1月27日&29日(K.216)、2020年1月24日&26日(K.218)、2018年1月26日&28日(K.364)、シンフォニー・ホ
現在ハリー・クリストファーズが音楽監督を務めるアメリカ最古のピリオド・オーケストラ、「ヘンデル&ハイドン・ソサエティ(HHS)」のコンサートマスターとして、またアイブラーSQのメンバーとしてもCoroレーベルのディスコグラフィーを華麗に彩ってきたカナダのヴァイオリニスト、アイスリン・ノスキーをフィーチャーしたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集がスタート。
すべてボストン・シンフォニー・ホールでのライヴ・レコーディングで、第1巻は2017年録音の「第3番」(COR16158より)、2018年録音の「協奏交響曲」(COR16168より)、そして今回初出となる2019年録音の「第4番」を収録。協奏交響曲のヴィオラ独奏は、エイジ・オヴ・インライトゥンメントOの首席ヴィオラ奏者を担いながら、オーストラリア室内管、スコットランド室内管、エンシェント室内管、ヘンデル&ハイドン・ソサエティなどの主要オーケストラでゲスト・プリンシパルも務めてきたカナダ出身のヴィオリスト、マックス・マンデル。2016年まではカナダの名門ターフェルムジーク・バロック・オーケストラのメンバーも務め、北米を代表するバロック・ヴァイオリニストの1人として注目を集めるアイスリン・ノスキーの、スタイリッシュで生命感にあふれたモーツァルト・プロジェクトにご期待ください!

ALPHA
ALPHA-452(1CD)
アンドレアス・ロンベルク(1767-1821):ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 第4番ハ長調
ヴァイオリン協奏曲 第12番ト短調
ヴァイオリン協奏曲 第9番イ長調
シュシャーヌ・シラノシアン(Vn)
カプリッチョ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)

録音:2018年4月 チューリヒ=ブルネンホフ放送スタジオ、スイス
「知られざる昔日の巨匠」の世界に当時の楽器と奏法で触れることの出来る一枚。バーゼル・スコラ・カントルムで学んだ俊才たちが集うカプ リッチョ・バロック・オーケストラは、ベートーヴェンやその世代の音楽の発掘に余念がありませんが、現代楽器でさえ録音の少ないアンドレアス・ ロンベルクの協奏曲群を初期から後期までバランスよく収めたこの新録音は、その意味できわめて貴重といえます。ラインハルト・ゲーベル門 下の才人シラノシアンの惚れ惚れするようなガット弦演奏とともに、ベートーヴェンの3歳年上で天才少年としてデビューしたこの作曲家の音 世界を堪能することの出来るアルバム。古典派流儀のしっかりした曲構成のなか、トランペットなしティンパニありの編成のために綴られたオー ケストラ・パートが充実した音響で「生のままの200年前」に聴き手を誘う3曲。ロマン派にぐっと近づく世代の音楽らしい緩急自在で劇的な 展開が、古楽器演奏のコントラストでひときわ映える聴きどころの連続です。cpoにいくつか録音のある、いとこのチェロ奏者=作曲家ベルンハ ルト・ロンベルクとともに、ベートーヴェン・イヤーを経て今こそ知りたくなる音世界が詰まっています。

ALPHA
ALPHA-667(1CD)

NYCX-10200(1CD)
国内盤仕様
税込定価
『カデンツァ』〜ボッケリーニのチェロ協奏曲による自由な編曲とカデンツァ
ボッケリーニ(/ソニア・ヴィーダー=アサートン & フランソワーズ・リヴァラン 編):チェロ協奏曲 ニ長調 G.479
1. I. ALLEGRO
2. カデンツァ:エリック・ドルフィー「ゴット・ブレス・ザ・チャイルド」
3. II. ADAGIO
4. カデンツァ:ヴィーダー=アサートン「マイルス・デイヴィスの足跡」
5. III. ALLEGRO

チェロ協奏曲 ハ長調 G.477
6. I. ALLEGRO
7. カデンツァ:マイケル・リーズマン
8. II. LARGO
9. カデンツァ:ヴィーダー=アサートン
10. III. ALLEGRO
11. カデンツァ:ヴィーダー=アサートン&リヴァラン

チェロ協奏曲 ニ長調 G.476
12. I. ALLEGRO
13. カデンツァ:イーゴリ・ストラヴィンスキー「イタリア組曲」
14. II. LARGO
15. カデンツァ:ジェルジ・クルターグ「ヴィトルト・ルトスワフスキの思い出に」
16. III. ALLEGRO PIACERE
17. カデンツァ:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル「アルチーナ」抜粋
(ヴィーダー=アサートン編)
ソニア・ヴィーダー=アサートン(Vc)
フランソワーズ・リヴァラン(ツィンバロム)
アマリリス・ビレ(Vn)
ロバン・ビレ(Fg)…12-17
レミ・マニャン(Cb)…12-17

録音:2020年2月 ミディライヴ・スタジオ、フランス
【国内盤】日本語解説付き
25歳でロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールの入賞を果たした、フランス系アメリカ人チェリスト、ソニア・ヴィーダー=アサートン。Valois、 RCAやNaiveなど数々のレーベルで録音を行い高い評価を得てきた彼女が、「バッハ: 無伴奏」のLP盤(ALPHA-599)に続いてALPHA- レーベルからリリースするのはボッケリーニの協奏曲、と思いきや、原曲を元に自由な編曲(改曲)を行ったという個性的なアルバムとなりまし た。まずは楽器編成からユニークで、自身が弾くチェロのほか、舞曲的な性格を強調したかったという理由で選ばれたツィンバロムと、対旋律と の絡みを描くためのヴァイオリンという三重奏によるもの。さらに、よりポリフォニックなテクスチャを持つG.476にはファゴットとコントラバスを加えて います。各楽章は原曲のチェロ独奏部を中心に自由に再構成されており、さらにその間に、様々な作品の編曲からなる「カデンツァ」が挿入さ れています。その原曲もジャズあり現代音楽ありバロックありと実に多彩。これらがたいへんスリリングな音楽を作り上げますが、違和感なく実に 面白く聴けることが驚きです。ヴィーダー=アサートン自身と、トラディショナルはもちろん実験音楽にも積極的なフランスのツィンバロム奏者フラ ンソワーズ・リヴァランが鋭い感性でまとめ上げた作品構成、そして奏者たちの親密さが伺える息の合った温かいアンサンブルが作り上げた、素 晴らしい一枚です。
ALPHA
ALPHA-666(1CD)
『ユダヤの歌』
伝承曲:コル・ニドレ/問い/詩篇/会話
ジャン=フランソワ・ジジェル(1960-):ニーグン
伝承曲:祈り/ 歌/ カディッシュ
ジジェル:詩編誦/シェマ
伝承曲:疑念/ 踊り/ハシディズムの歌/ 悲歌
ラヴェル:ヘブライの歌(マイエルケ) - 民謡集より
2つのヘブライの歌【 カディッシュ/ 永遠の謎】
ソニア・ヴィーダー=アサートン(Vc)
ダリア・オヴォラ(P)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤーノシュ・フュルスト(指)

録音:1989年1月 ロワイモヨン修道院
2006年4月 ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ、ワルシャワ
25歳でロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールの入賞を果たした、フランス系アメリカ人チェリスト、ソニア・ヴィーダー=アサートン。1989年 ADDAレーベルから発売され、彼女のターニングポイントとなった名盤『ユダヤの歌』(14曲/「コル・ニドレ」の別ヴァージョンが最後に入った15 トラック)は、その後レーベルを変えて何度か再発売されておりますが、2006年RCAに録音されたラヴェルの歌曲3曲を組み合わせた形で、 今回ALPHA-レーベルから登場します。ヴィーダー=アサートンの彫りの深いフレージング、2017年に亡くなったダリア・オヴォラの優しく寄り添う ようなピアノが大きな魅力。ブックレットには、ヴィーダー=アサートンと交流があり、中国の水墨画から大きな影響を受けたフランスの画家、コ レット・ブランシュウィグの作品が掲載されています。
ALPHA
ALPHA-664(1CD)
『ピアソラ・リフレクションズ』
アストル・ピアソラ(1クラウディオ・コンスタンティーニ編):さよなら、パリ
セルゲイ・ヴォイテンコ(1973-):リヴェレーション
ピアソラ:カフェ 1930 (『タンゴの歴史』より)
ピエトロ・ロッフィ(1992-):ノクターン 私たちがまだ過ごしていない時間の子守唄のように
ピアソラ:バンドネオン協奏曲「アコンカグア」-バンドネオン(アコーディオンで演奏)、弦楽と打楽器のための
 孤独(組曲『リュミエール』より)
 私はマリア(『ブエノスアイレスのマリア』より)
フランク・アンジェリス(1962-):ピアソラの主題による幻想曲「チキリン・デ・バチン(バチンの少年)」
ピアソラ:悪魔のロマンス
バッハ:アダージョ (チェンバロ協奏曲 ニ短調 BWV 974 マルチェロのオーボエ協奏曲による より)
セルゲイ・アフノフ(1967-):ヨシフ・ブロツキーの1つの詩への2つの鍵
ピアソラ(ジョン・レネハン編):リベルタンゴ
クセーニャ・シドロワ(アコーディオン)

アレクサンダー・シトコヴェツキー(Vn)
クラウディオ・コンスタンティーニ(P)
ロベルト・コッホ(ダブルベース)
レーントコ・ディルクス(G)
ゴルトムントSQ
BBCウェールズ・ナショナルO
クラーク・ランデル(指)
NDRエルプPO
トーマス・ヘンゲルブロック(指)

録音:2020年9-10月 シュロス・エルマウ、ドイツ
2018年6月 エルプフィルハーモニー、ハンブルク
2012年9月24日 BBCホディノット・ホール、カーディフ
ラトヴィア出身のクラシカル・アコーディオン奏者、クセーニャ・シドロワ。名門ドイツ・グラモフォンから「カルメン」の編曲版をリリースし、世界中を 虜にした彼女が、ALPHAレーベルより待望のピアソラをリリースします。バンドネオン奏者としても著名なコンスタンティーニによるピアノ、名手ア レクサンダー・シトコヴェツキーのヴァイオリン、そして協奏曲の指揮はヘンゲルブロックが務めるなどバックも強力で、ピアソラと、その影響を受け た作品を収録しています。名曲「リベルタンゴ」「孤独」などのほか、ソリストとして登場した2017年のN響公演に於いてアンコールで披露した 「リヴェレーション」なども収録。情熱的なパフォーマンスを聴かせます。

Gramola
GRAM-99204(1CD)
NX-B05
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンのための作品集
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
イタリア組曲(ヴァイオリンとピアノ編)
『ペトルーシュカ』 - ロシアの踊り(ストラヴィンスキー/サムエル・ドゥシュキンによるヴァイオリンとピアノ編)
歌劇「マヴラ」 - ロシアの娘の歌(ストラヴィンスキー/サムエル・ドゥシュキンによるヴァイオリンとピアノ編)
協奏的二重奏曲 - ヴァイオリンとピアノのために
リムスキー=コルサコフ:ロシアの主題による協奏的幻想曲 ロ短調 Op.33
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
ウィーンRSO
ドロン・ザロモン(指)
パヴェル・カシュパル(P)

録音:2018年6月25-26日 Grosser Sendesaal、 ORFオーストリア放送協会
2019年11月4-10日 Mozartsaal Salzburg
ザルツブルクを拠点に活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー。モーツァルト、ベー トーヴェンやシューベルトなど古典派の作品からコルンゴルト、ゴルトマルク、エルガーなど近代の作品までを目 の覚めるようなテクニックと美音で弾きこなしています。今回は、彼のレパートリーとしては珍しいストラヴィンス キーのヴァイオリン作品を演奏。サミュエル・ドゥシュキンのために作曲された唯一の協奏曲を中心に、『プルチ ネルラ』の中の曲をヴァイオリンとピアノ用に編纂した『イタリア組曲』とドゥシュキンが編曲した2作品が収録さ れています。アルバムにはストラヴィンスキーの師であったリムスキー=コルサコフの「ロシアの主題による協奏的 幻想曲」も添えられており、ロシアのヴァイオリン音楽の伝統を辿ることができます。ピアノはイルンベルガーと長 く共演を続けているパヴェル・カシュパル。協奏曲ではザロモンが指揮するウィーンRSOがバックを務 めています。

Capriccio
C-8064(2CD)
NX-B05
パンチョ・ヴラディゲロフ(1899-1978):弦楽器のための協奏曲集
【CD1】
ヴァイオリン協奏曲 第1番ヘ短調 Op.11(1920)
ヴァイオリン協奏曲 第2番ト短調 Op.61(1968)
【CD2】
ブルレスケ Op.14(1922) - ヴァイオリンとオーケストラのために
ブルガリア・パラフレーズ Op.11-1「ホロ」(1925)- ヴァイオリンとオーケストラのために
ブルガリア狂詩曲 Op.16「ヴァルダール」(1922/1958改訂)- ヴァイオリンとオーケストラのために
ブルガリア組曲 Op.21(1927) - ヴァイオリンとオーケストラのための歌
ブルガリア舞曲(1931)- 2つのヴァイオリンと弦楽オーケストラのために
悲歌的ロマンス(1917) - チェロとオーケストラのために
演奏会用幻想曲 Op.35(1941) - チェロとオーケストラのために
ゲオルギー・バデフ(Vn)
ディナ・シュナイダーマン(Vn)
エミール・カルミラロフ(Vn)
ヴァレンチェスラフ・ニコロフ(Vc)
パンチョ・ヴラディゲロフ(指)
ブルガリア室内O
アレクサンドル・ヴラディゲロフ(指)
ブルガリア国立RSO

録音:1970-1975年
20世紀ブルガリアにおける「最も卓越し、影響力のある作曲家」の一人に数えられるヴラディゲロフ。 1933年にはブルガリア現代音楽協会(ブルガリア作曲家同盟の前身)にも創立メンバーとして名を連ね、ブ ルガリアの音楽発展に貢献しただけではなく、教師としても優れた才能を見せ、数多くの後進を育てました。この Capriccioのシリーズは1970年代に録音されたCD18枚分の音源の復刻で、今作はヴァイオリンとオーケストラ のための作品が中心となっています。ブルガリアの旋律を用いた一連の曲は、ヴラディゲロフ作品の中でもとりわけ 人気が高いジャンルで、なかでも自作自演となる「ブルガリア舞曲」でのおおらかな表現は魅力的です。また、自 由なヴァイオリンのパッセージと古典的な様式を備えた2曲のヴァイオリン協奏曲も聴き応えのある大作です。作 品のほとんどは作曲家の息子、アレクサンドルの指揮による演奏です。

HITASURA PRODUCTIONS
HSP-001(1CD)
バッハ:二つのヴァイオリン協奏曲と二つのチェンバロ協奏曲
チェンバロ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ヴァイオリン協奏曲 第2番ホ長調 BWV1042
チェンバロ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ヴァイオリン協奏曲 第1番イ短調 BWV1041
オーゾニア(古楽器使用)
ミラ・グロデアヌ(ヴァイオリン独奏)
フレデリク・ハース(チェンバロ・総指揮)
タミ・トロマン、ベネディクト・ペルネ(Vn)
バンジャマン・レスコア(Va)
ジュヌヴィエーヴ・クルフェル(Vc)
ジェイムズ・マンロー(Cb)

録音:2015年10月16-18日サン=ミシェル修道院、ティエラシュ(フランス北東部アルデンヌ地方)
2016年、ベルギーから突如リリースされるや日本でも高い評価を得たバッハ。通奏低音以外はすべて1パート1人ずつ(通奏低音もチェロ・コ ントラバス・チェンバロそれぞれ1人)の、経験ゆたかな古楽器の名手たちによる極小編成。じっくり確かめるように綴られる音のひとつひとつが味 わい深く響くのは、独奏者グロデアヌの弾く1604年ポーランド製のユニークなヴァイオリンをはじめ、使われている弦楽器の大半が18世紀以 前のオリジナルであることと、古楽器の録音に通暁した技師ユーグ・デショーによる、空気感まで的確に収めた誠実なエンジニアリングによるとこ ろも見すごません。チェンバロはパリのエムシュ・モデルによる再現古楽器ですが、豊富な古楽器コレクションを持つハースがあえてオリジナル現 存楽器にこだわらなかったのは、「弦楽器の響きがくぐもってしまう低めのピッチはバッハの合奏曲に適切ではない」との認識から。昨今の鋭角 的なピリオド演奏への違和感から、徹底して独自の音作りを探ってきた彼らならではの、妥協のない解釈の結晶とも言うべき名演です。 「レコード芸術2016年10月号特選盤」

Pentatone
PTC-5186889(1CD)
バッハ:チェンバロ協奏曲集第2集
(1)チェンバロ協奏曲第3番ニ長調 BWV1054
(2)チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調 BWV1056
(3)チェンバロ協奏曲第6番ヘ長調 BWV1057*
(4)フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための三重協奏曲 イ短調 BWV1044**
フランチェスコ・コルティ(Cemb/1738年製作のクリスティアン・ファーターの楽器に基づく、アンドレア・レステッリによる1998年製作の楽器)
イル・ポモ・ドーロ
ヴァイオリン:エフゲニ・スヴィリドフ**、アンナ・ドミトリエヴァ、ロセッラ・クローチェ
ヴィオラ:ステファノ・ロッシ
チェロ:ルドヴィコ・ミナージ
ダブルベース:パオロ・ズッケリ
バスーン:アレッサンドロ・ノゼッロ
リコーダー:アンドレス・ロカテッリ*、アレッサンドロ・ノゼッロ*
トラヴェルソ:マルチェッロ・ガッティ**

録音:2020年3月2-8日/ヴィッラ・サン・フェルモ、ロニゴ(イタリア)
1984年イタリア生まれの鍵盤奏者フランチェスコ・コルティ。当代きっての名手が2018年よりゲスト常任指揮者をつとめるピリオド楽器オーケストラ『イル・ ポモ・ドーロ』との共演によるバッハのチェンバロ協奏曲集の第2弾がリリースされます。第1集(KKC-6240 / PTC-5186837)ではフルオーケス トラで演奏することでより効果の得られる4つの協奏曲(第1番 ニ短調 BWV1052、第2番ホ長調 BWV1053、第4番 イ長調 BWV1055、第7番ト 短調 BWV1057)を録音し、レコード芸術の特選盤など高い評価を得ました。期待の第2集では室内楽編成でより効果の得られる作品として、第3番 ニ長調 BWV1054、第5番ヘ短調 BWV1056、第6番 ヘ長調 BWV1057、そしてフルート、ヴァイオリンとチェンバロのための三重協奏曲 イ短調 BWV1044を 収録しました。
コルティは2006年ライプツィヒにて第15回国際ヨハン・セバスチャン・バッハ・コンクールのチェンバロ部門で第1位を受賞。翌2007年にはマルク・ミ ンコフスキからのアプローチでルーヴル宮音楽隊のメンバーとなり、以後チェンバロ、フォルテピアノ、オルガン奏者として活躍しております。ソリストとしては世 界各国で活躍し、2017年6月に調布国際音楽祭に出演し注目を集めました。
当アルバムにはコルティがバッハの自筆譜を丹念に研究した結果が結実しており、「室内楽のような親密さがあり、極小編成で演奏すべき」という結論に至っ た作品が収録されております。それは基本的に各パート一人ずつでの編成とし、その結果、バッハのテクスチャの妙が音として明確に伝わってきます。コルティ の魅力である雄弁な語り口は当録音でも冴えわたり、イル・ポモ・ドーロとともに息の合ったアンサンブルでこれらの作品の新たな魅力に出会うことができま す。まさに新時代の名盤登場と申せましょう。
録音は2020年3月。レコーディングを終えた翌日にイタリアはロックダウンに入ったという緊迫した状態でしたが、バッハの音楽に没入しその喜びを分かち 合おうとする当演奏は、人々に力を与えてくれるようなパワーを携えております。 (Ki)

Hanssler
HC-20046(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36
アレクサンダー・コルサンティア(P)
ダン・エッティンガー(指)、
シュトゥットガルトPO

録音:2020年9月24-26日/シュタットハレ(ジンデルフィンゲン)
ダン・エッティンガー率いるシュトゥットガルトPOとのチャイコフスキーの交響曲と実力派ピアニストがソロをつとめるラフマニノフの協奏曲をカップリングとする好評のシリーズ第2弾は、チャイコフスキーの交響曲第4番とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番です!
人気・実力を兼ね備えた指揮者エッティンガーは2015年よりシュトゥットガルトPOの首席指揮者をつとめ、同団と精力的な演奏活動を展開してきました。しかし、新型コロナウィルスのロックダウンにより演奏活動ができない状況の中、2020年9月に本拠地シュタットハレ、ジンデルフィンゲンにて録音が実現。当録音では団員のソーシャルディスタンスを保ち行われました。
エッティンガーが最も得意とし、録音したかった作品と語るチャイコフスキーの交響曲。自身の構想では全集録音も視野に入れているとのこと。オペラとシンフォニーの両輪で活躍するマエストロだからこその解釈で創造性あふれたドラマティックな表現で聴き手を魅了します。ことにコロナ禍で表現することのできなかった音楽への思いがこの録音で爆発しており、エッティンガーらしい熱演は感動せずにはいられません。
カップリングは実力派ピアニスト、アレクサンダー・コルサンティアをソリストに迎えたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番です。1965年生まれ、ジョージア出身のコルサンティアはシドニー国際ピアノ・コンクール(1988年)、ルービンシュタイン国際コンクール(1995年)で優勝している実力派。エッティンガーの好サポートを得てラフマニノフの情熱的かつ官能的な美しい旋律を歌わせながら奏でます。実に感動的なラフマニノフも聴き逃せません。 (Ki)

C Major
75-7108(DVD)

75-7204(Bluray)
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調Op.102
シュルホフヴァイオリンとチェロのための二重奏曲より第2楽章『ジンガレスカ』
チャイコフスキー:幻想的序曲『ロメオとジュリエット』(1880年第3稿)
リスト:交響詩第3番『前奏曲』
クリスティアン・ティーレマン(指)
シュターツカペレ・ドレスデン
リサ・バティアシュヴィリ(Vn)
ゴーティエ・カプソン(Vc)

収録:2016年11月11日〜13日ゼンパーオーパー(ドレスデン)
◆DVD
画面:NTSC,16:9
音声:PCM ステレオ DTS5.0
リージョン:All
DVD9、86分
◆Bluray
75-7204bl
画面:HD,1080i,16:9
音声:PCMステレオ、DTS-HD MA5.1
リージョン:All
BD:50、86分
シュターツカペレ・ドレスデンと首席指揮者クリスティアン・ティーレマンによる2016年11月に行われた、本拠地ゼンパーオーパーでの公演のライヴ映像。前半 は「ブラームスの二重協奏曲」。世界トップクラスの豪華ソリストが登場。ヴァイオリンはリサ・バティアシュヴィリ、チェロはゴーティエ・カプソン。この「ブラーム スの二重協奏曲」は、ブラームスが親友ヨアヒムとの関係悪化中で「和解の協奏曲」として作曲されたとも言われています。2つのソロ楽器の絡みの非常な美しさ は、ブラームスらしい重厚さ、ノスタルジックな歌心を堪能できます。ここではソリストふたりと指揮のティーレマンの3人は頻繁にアイコンタクトを取り、生き生き とした音楽が作り上げられている臨場感が伝わるライヴ映像です。アンコールはふたりのデュオで、「シュルホフヴァイオリンとチェロのための二重奏曲〜第2楽 章」を披露。シュルホフはプラハ出身の作曲家。第一次大戦で従軍後、ダダイズムとジャズに傾倒し、ベルリンを経てプラハに戻り精力的に活動。この二重奏曲は 1925年プラハで書かれた作品。晩年親交があったヤナーチェクに捧げられています。 後半はチャイコフスキー幻想序曲『ロメオとジュリエット』とリスト『前奏曲』。チャイコフスキー幻想序曲『ロメオとジュリエット』は、シェークスピアの戯曲「ロメ オとジュリエット」を題材としたオーケストラ曲。2度の改訂を経て1880年に完成された最終稿(第3稿)が現在演奏されており、ロマンティックな旋律に彩られ た魅力的な作品です。そしてリストの『前奏曲』は、リストが作曲した13曲の交響詩のなかで最も演奏される機会の多い作品で、自身の男声合唱組曲「四大元素」 を基に作曲されたもの。管弦楽の豊かな色彩を用いて描かれており、ドレスデンの絹のようにきめ細やかな響きを存分に聴かせてくれます。

H.M.F
HMSA-0034(1SACD)
シングルレイヤー
国内プレス
限定盤
税込定価
ベルク:ヴァイオリン協奏曲(ある天使の思い出に)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン/スリーピング・ビューティ Stradivarius, 1704)
モーツァルトO
クラウディオ・アバド(指)

録音:2010 年11月ボローニャ、Auditorio Manzoni
2012年度レコード・アカデミー大賞受賞盤。ファウストがアバドと初共演。神の域に達した世界。 ファウストにとって満を持しての2度目のベートーヴェン、そして、初登場となるベルクという充実のプログラム。クラウディオ・アバドが是非に、と申し 出るかたちで実現したレコーディングです。アバドとオケが全身全霊でファウストの音楽を支えているのがよく感じられ、ベルクでは爛熟したハーモニーを オケが醸す上で、ファウストが変幻自在な音で飛翔します。ヴァイオリン界の新女王、という一言だけでは表現しきれない音楽と魅力的な表情、そして衝 撃的に美しい音。ファウストとアバド、モーツァルト管が、神に許された人にしか立ち入ることのできない領域の音楽を展開しています。 (Ki)

GENUIN
GEN-20702(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
イフォンネ・スムーラース(Vn)
ペーター・クーン(指)
フランクフルト・ブランデンブルク市立O

録音:2028年8月28日 フランクフルト(オーダー)
オランダのヴァイオリニスト、イフォンネ・スムーラースが弾くベートーヴェンとベルクのヴァイオ リン協奏曲。イフォンネ・スムーラースは 10 歳の時にはアムステルダムでチャイコフスキーのヴ ァイオリン協奏曲を弾くという天才少女だった。様々なコンクールで優勝、入賞をしており、オラ ンダの中堅のヴァイオリニストでとりわけ注目されています。彼女の音楽はとても優しく安らぎがあ る。とかく力強く演奏されがちなベートーヴェンも、彼女の手にかかると柔らかく温かい微笑み の音楽になります。ベルクのヴァイオリン協奏曲では彼女の卓越した技巧が発揮されている一方 で、ヴァイオリンは常に可憐な美しさを持ち、若くして亡くなったマノンへのベルクの想いが際立 っています。

GALLO
GALLO-1627(1CD)
カロリーヌ・ボワシエ=ビュティーニ (1786-1836)作品集
(1)ピアノ協奏曲第5番「アイルランド」
(2)ピアノ協奏曲第6番「スイス」〜ピアノ、オ ブリガート・フルートと弦楽のための
(3)ピアノ、クラリネットとファゴットのためのディ ヴェルティスマン
アダルベルト・マリア・リーヴァ(P)
(1)(2)ジョナタン・ニュベル(指)アンサン ブル・ル・モマン・バロック
(2)サラ・ファン・コルネヴァル(トラヴェルソ)
(3)ピエール=アンドレ・タイヤール(クラリ ネット)
(3)ロジェリオ・ゴンサルヴェス(Fg)

録音:(1)(2)2019年3月16、17日 ジュネーヴ、2019年6月24日 スイス,ヴィック
スイスのピアニスト、作曲家、カロリーヌ・ボワシエ=ビュティニ(1786―1836)の作品を集めた CD。しかもピリオド楽器演奏です。 カロリーヌ・ボワシエ=ビュティーニはジュネーヴに生まれ育ち、少女時代からピアノ演奏に音楽 に大きな才能を示した。ちなみにボワシエは夫の姓。作風は概ね初期ロマン派。ボワシエ=ビュテ ィーニの作品の録音はまだ少ない。アイルランド協奏曲は世界初録音。スイス協奏曲とディヴェル ティメントはGALLOからモダン楽器演奏のCDが出ていたが(GALLO-1277)、今回はピリオド楽器 演奏での初録音。1835年頃のアントニン・トマシェク製作のフォルテピアノを使用。

CASCAVELLE
VEL-1607(5CD)
アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー〜作品と演奏集

■CD1(78:51)
(1)ラビノヴィチ=バラコフスキー:呪文(1996)
(2)ラビノヴィチ=バラコフスキー:愛らしい歌(1980)
(3)ラビノヴィチ=バラコフスキー:ジアオ(2004)
(4)ラビノヴィチ=バラコフスキー:アポロの白鳥の歌(1996)
■CD2(78:12)
(5)ラビノヴィチ=バラコフスキー:三幅対(1998)
(6)ラビノヴィチ=バラコフスキー:美しい音楽第3 番(1977)
(7)ラビノヴィチ=バラコフスキー:時(2000)
■CD3(74:05)
(8)ラビノヴィチ=バラコフスキー:6 つの中間状態(1998)
(9)ラビノヴィチ=バラコフスキー:大衆音楽(1980)
■CD4(71:00)
(10)ラビノヴィチ=バラコフスキー:旅の物語(1976)
(11)ラビノヴィチ=バラコフスキー:常動曲(1975)
(12)ラビノヴィチ=バラコフスキー:気楽なモチーフとそれに続く謎解きなど(1976)
(13)C.P.E.バッハ(ラビノヴィチ=バラコフスキー編):チェロと室内オーケストラのための協奏曲変ロ長調(1972 編)
■CD5(74:28)
(14)C.P.E.バッハ:幻想曲 イ長調 Wq.58/7
(15)G.ガブリエリ:3 つのリチェルカーレ/2 つのトッカータ/幻想曲 ヘ長調
(16)C.P.E.バッハ:鍵盤ソナタ イ短調 Wq.57/2 H.247
(17)フロベルガー:パルティータ/組曲 イ短調 FB WV601
(18)メシアン:幼子イエスに注ぐ20 の眼差し―第13 番,第18 番
(19)ウストヴォリスカヤ:12 の前奏曲―第2 番,第4 番,第5 番,第6 番,第7 番,第8 番,第9 番,第10 番
(20)ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27
(21)ブラームス:16 のワルツ Op.39―第1 番,第4 番,第5 番,第6 番,第11 番,第12 番
■CD1(78:51)
(1)マルタ・アルゲリッチ(増幅ピアノとチェレスタ)
アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(指)ストリング・オーケストラ響
1998年5月28日東京ライヴ録音
(2)
マルタ・アルゲリッチ(P)、アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(P)
1993年11月24日ベルン放送用録音
(3)アンドルー・ルッソ(チェレスタ)、アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(クラヴィノヴァ)
ジャン=ポール・ドゥシ(指)アンサンブル・ミュジク・ヌヴェル
2004年2月8日ベルギー,モン
(4)戸田弥生(増幅ヴァイオリン)、マルタ・アルゲリッチ(増幅チェレスタ)
1997年7月12日東京ライヴ録音
■CD2(78:12)
(5)戸田弥生(増幅ヴァイオリン)
アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(指)パドヴァ・エ・ヴェネトO
1999年5月10日パドヴァライヴ録音
(6)ジェルジ・レヘル(指)ブダペストRSO
1977年グラーツライヴ録音
(7)マルタ・アルゲリッチ(増幅チェレスタ)、アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(増幅ピアノ)、ルチア・ホール(増幅ヴァイオリン)、マルク・ドロビンスキー(増幅チェロ)
2020年12月20日、ケルン・フィルハーモニー・ホールライヴ録音
■CD3(74:05)
(8)アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(指)ベオグラード・フィルハーモニー
2002年10月5日ベオグラードライヴ録音
(9)マルタ・アルゲリッチ(P)、アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(P)
1992年4月2日ワルシャワ
■CD4(71:00)
(10)ジャン・ピグ(増幅ヴァイオリン)、マルク・ドロビンスキー(増幅チェロ)、フレデリック・マカレズ(増幅マリンバ,増幅ヴィブラフォン)、アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(増幅ピアノ,増幅チェレスタ)
1984年(ジュネーヴ)放送録音
(11)マルク・ドロビンスキー(増幅チェロ)
アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(増幅ピアノ)
(12)アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(増幅ピアノ)
(11)(12)1995年5月パリ
(13)マルク・ドロビンスキー(Vc)、ディミトリ・リス(指)エカテリンブルグO
1998年1月エカテリンブルグ
■CD5(74:28)
アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(P)
(14)(16)(17)(19)(20)(21)1969年タリン放送用録音、(15)(18)1970年モスクワ放送用録音
アルゲリッチもいくつも参加、ラビノヴィチ=バラコフスキーの作品集。 ロシア出身でスイスを拠点としている作曲家、アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキーの作品集+ラビノヴィチ=バラコ フスキーのピアノ演奏集。アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキーは1945年、ソ連のアゼルバイジャン(アゼルバイジャ ン・ソビエト社会主義共和国)の首都バクーの生まれ。モスクワ音楽院で学び、冷戦下でありながら西側の20世紀の作曲家 に強い関心を示し影響を受けた。1980年にフランスに移住、さらにスイスに拠点を移しています。彼はたいへんに個性的な作 曲家で、一般的にミニマム・ミュージックと片付けられがちなその作風はしかし米国のミニマム音楽作曲家たちとはかなり異 なっていて、豊かで幻想的で楽しい。残念ながら日本ではラビノヴィチ=バラコフスキーはマルタ・アルゲリッチと度々共演し たピアニストと思われがちだろうが、アルゲリッチも多々参加しているこのCDでラビノヴィチ=バラコフスキーの音楽の素晴ら しい魅力を実感してほしいものです。 CD5 はラビノヴィチ=バラコフスキーの弾く他人の作品。ソ連での古い時期の録音なので音質は冴えないが、バロック音楽、 ブラームス、ウェーベルン、メシアン、そしてソ連の隠れた名作曲家として知られるガリーナ・ウストヴォリスカヤ(1919―2006) の作品を披露しています。

Signum Classics
SIGCD-657(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73 「皇帝」
ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲ハ長調 Op.56
エリーザベト・ソンバール(P)、
ピエール・ヴァレー(指)、ロイヤルPO、
ダンカン・リデル(Vn)*、
リチャード・ハーウッド(Vc)*

録音:2019年7月14日−15日(第1番)、16日−17日(第2番)、7月17日−18日(第3番)、24日−25日(第4番)、7月22日−23日(第5番)、2020年1月5日−6日(三重協奏曲)、カドガン・ホール(ロンドン)
※SIGCD614、SIGCD620、SIGCD637のセット化
ロイヤルPOが盛大に祝うベートーヴェンの生誕250周年記念プロジェクト。フランス、ストラスブール出身の名女流ピアニスト、エリーザベト・ソンバール(エリザベス・ソンバート)と、小澤征爾との長期的なパートナーシップでも知られるフランスの指揮者ピエール・ヴァレーによるベートーヴェンのピアノ協奏曲集&三重協奏曲のレコーディングが、3枚組全集セットになってリリース!
エリーザベト・ソンバールは、1988年にクラシック音楽を多様な聴衆と共有するため「レゾナンス財団」を立ち上げ、現在は世界7カ国の病院、孤児院、刑務所など様々な場所で年間500を超えるコンサートを行っており、それらの功績が認められ2006年にはフランスの国家功労勲章を、2008年には芸術文化勲章を受賞しています。ロイヤル・フィルとも強固な関係を築いており、これまでショパンのピアノ協奏曲や、名ピアノ協奏曲の「アダージョ」楽章だけを集めたというユニークなアルバムなどを録音してきたソンバールが、各協奏曲の繊細なディテールを描き分け、優美で洗練されたベートーヴェンを披露しています。

Da Vinci Classics
C-00336(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集(作曲者編曲によるピアノ五重奏版)
ピアノ協奏曲第11番ヘ長調 K.413
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415
ピエロ・バルバレスキ(P)、トリオ・ヘーゲル〔ダヴィド・スカローニ(Vn1)、ダヴィデ・ブラーヴォ(Va)、アンドレア・マルコリーニ(Vc)〕、ジュリア・セッラ(Vn2)

録音:2019年9月20日−22日、カステッロ・ディ・モラサスコ(アレッサンドリア、イタリア)
1781年にウィーンに到着したモーツァルトは同地を「ピアノの故郷」と定め、自らのピアノ協奏曲の出版を決断。このウィーンで出版された協奏曲の中の2作品、「第11番 K.413」と「第13番K.415」の「ピアノ五重奏版」をイタリア勢が披露!
モーツァルト自身の手で室内楽版へと生まれ変わった2曲の18世紀の宝石が、ディノ・チアーニの師でもあるマルタ・デル・ヴェッキオからピアノを学んだ実力派、ピエロ・バルバレスキが牽引するアンサンブルによってさらなる輝きを放ちます。
Da Vinci Classics
C-00342(1CD)
ラ・ストラヴァガンツァ〜ヴィヴァルディ:協奏曲&宗教的モテット集
ソナタ ニ短調 Op.1-12, RV.63「ラ・フォリア」
モテット「いと公正なる怒りの激しさに」ハ短調 RV.626
リュート協奏曲ニ長調 RV.93
弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ短調 RV.129「マドリガーレ風」
モテット「この世に真の平和なく」RV.630
アンサンブル・リ・インヴァギーティ〔ジェニファー・スキッティーノ(S)、高橋亜季(Vn1)、ブルーノ・ラスピーニ(Vn2)、ナタリア・ドゥアルテ・イェレミアス(Va)、マッシモ・サルトーリ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、マッシモ・ロンバルディ(バロック・ギター、アーチリュート、テオルボ)、カルメロ・ルカ・サンバターロ(スピネット、ポルタティーフ・オルガン)〕、ファビオ・フルナリ(指)

録音:2020年6月19日−21日、サン・マルティーノ教会(ブスカ、イタリア)
アラン・カーティスとペドロ・メメルスドルフに古楽を師事したイタリアのテノール、ファビオ・フルナリが2008年に創設した古楽演奏団体、アンサンブル・リ・インヴァギーティのデビュー・アルバムとなるヴィヴァルディの協奏曲とモテット集!
ファビオ・フルナリはデビューアルバムのプログラムとして、リュート協奏曲(G協奏曲)RV.93や、モテットの中でも名作として知られる「RV.626」と「RV.630」の2曲、「フォリア風」のソナタ、「マドリガーレ風」の協奏曲などを選曲。
アンサンブル・リ・インヴァギーティの躍動感にあふれ、表情豊かな演奏が、ヴィヴァルディの高貴で天才的な世界に聴衆を引き込んでくれます。
アンサンブル・リ・インヴァギーティには、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院でバロック・ヴァイオリンを学んだ日本人奏者である高橋亜季が第1ヴァイオリンとして参加。伸びやかな音色でアンサンブルを牽引しています。

NAR Classical
NAR-115182(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
ジェフリー・スワン(P)、
クリストフ・エーベルレ(指)、
ボルツァーノ・トレント・ハイドンO

録音:2000年12月3日−6日、オーディトリアム・ヨーゼフ・ハイドン(ボルツァーノ、イタリア)
ギャリック・オールソンが優勝した1970年の第8回ショパン国際ピアノ・コンクールでまさかの予選落ちとなり大騒動勃発するなど、アメリカを代表するショパン弾きとして高い評価を受けていたジェフリー・スワン。
録音の機会に恵まれなかったこともあり正当な評価を受けているとは言い難いスワンが、得意とするショパン、しかも2曲のピアノ協奏曲を弾いた貴重な記録。不遇のショパン弾きの実力が発揮されています。
NAR Classical
NAR-117182(1CD)
リスト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
ピアノ協奏曲第2番イ長調
ピアノ協奏曲第3番変ホ長調/死の舞踏
ジェフリー・スワン(P)、
カール・マルティン(指)、ボルツァーノ・トレント・ハイドンO

録音(ライヴ):2000年2月15日−20日、パラッツォ・パッラヴィチーノ(クレモナ、イタリア)
アメリカ有数のショパン弾きであると同時に膨大なレパートリーを誇り、マルトゥッチの協奏曲集などもリリースしているジェフリー・スワン。
ボルツァーノ・トレント・ハイドンOとの共演では、ロマン派時代のヴィルトゥオージックなピアノ協奏曲の代表格であるリストの「3曲+死の舞踏」を披露。
スワンのヴィルトゥオーゾとしての一面にスポットライトをあてたライヴ録音です。
NAR Classical
NAR-120182(1CD)
マルトゥッチ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ニ短調
ピアノ協奏曲第2番変ロ短調 Op.66
ジェフリー・スワン(P)、
マッシモ・デ・ベルナール(指)、モンペリエPO

録音:1991年、サル・ベルリオーズ(モンペリエ、フランス)
ディノ・チアーニ国際ピアノ・コンクール第1位、エリザベート王妃国際音楽コンクール金メダルという輝かしい実績を持ちながら、1970年の第8回ショパン国際ピアノ・コンクールでまさかの予選落ちとなり聴衆の暴動に発展するなどセンセーションを巻き起こしたアメリカのピアニスト、ジェフリー・スワン(1951―)。
奇しくも第8回ショパン・コンクールの優勝者であるギャリック・オールソンと同じくアメリカにおける現代有数のショパン弾きの1人として知られているスワンだが、そのレパートリーの広さは膨大。
決して録音に恵まれているとは言えないためその実力に相応しい評価を受けているとは言い難いスワンだが、このマルトゥッチの協奏曲集でも、幅広いダイナミクスレンジ、多彩な音色と表情の変化が見事。嬉しい復刻です。
NAR Classical
NAR-121182(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲ニ短調
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
セルゲイ・クリロフ(Vn)、
ステファニア・モルモーネ(P)、
ヴラディスラフ・チャルネツキ(指)、
プフォルツハイム南西ドイツ室内O

録音:1996年5月20日−24日、ニーフェルン=エーシェルブロン(ドイツ)
コーガンやアッカルドの門下生であるモスクワ出身のヴァイオリニスト、セルゲイ・クリロフと、チッコリーニとマガロフ門下でナポリ出身の女流ピアニスト、ステファニア・モルモーネのコンビによる「二重協奏曲」シリーズ。
ハイドン、フンメル、ヴィオッティの「古典派時代」から歴史の針が進み、クリロフとモルモーネが取り組んだのは「ロマン派時代」のメンデルスゾーン。2人の見事なコンビネーションが「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」以外のメンデルスゾーンによるヴァイオリンを伴う協奏曲の魅力を伝えてくれています。
NAR Classical
NAR-129182(1CD)
フンメル、ハイドン&ヴィオッティ:二重協奏曲集
フンメル:ピアノとヴァイオリンのための協奏曲ト長調 Op.17
ハイドン:ヴァイオリンとピアんのための協奏曲ヘ長調 Hob.XVIII:6
ヴィオッティ:ピアノとヴァイオリンのための協奏曲イ長調 G.51
セルゲイ・クリロフ(Vn)、
ステファニア・モルモーネ(P)、
ヴラディスラフ・チャルネツキ(指)、
プフォルツハイム南西ドイツ室内O

録音:1999年、ニーフェルン=エーシェルブロン(ドイツ)
レオニード・コーガンやサルヴァトーレ・アッカルドに師事し、ユーリ・バシュメットやアンヌ・ガスティネルなどの名手たちとの共演を重ねてきた1970年モスクワ生まれのヴァイオリニスト、セルゲイ・クリコフと、
アルド・チッコリーニやニキタ・マガロフからの教えも受け、ウート・ウーギやスタニスラフ・ブーニンとの共演、特にブーニンとは1989年にモーツァルトとの2台ピアノのための協奏曲でも共演したステファニア・モルモーネの2人が活躍する「二重協奏曲集」。
古典派を代表する3人の作曲家たち、ハイドン、フンメル、そしてヴィオッティの協奏曲で、クリロフとモルモーネが妙技が光ります。
NAR Classical
NAR-132182(1CD)
ヴィヴァルディ:弦楽器のための協奏曲とシンフォニア集 Vol.3
協奏曲ハ長調 RV.117「フランス風」/協奏曲ヘ長調 RV.136/協奏曲変ロ長調 RV.163「コンカ」/シンフォニア ホ長調 RV.131/協奏曲イ短調 RV.161/協奏曲ニ長調 RV.121/協奏曲ト短調 RV.153/協奏曲ハ長調 RV.109/協奏曲ヘ長調 RV.142/協奏曲変ロ長調 RV.164/協奏曲ニ短調 RV.127/協奏曲ハ長調 RV.110/協奏曲変ロ長調RV.166
ニコラオス・ヴェリシオティス(指)、
モスクワ=モンペリエ・ソリステO

録音:1993年9月14日−16日、サル・アレグリア・ドゥ・ベラカーサ(モンペリエ、フランス)
1986年にフランスのモンペリエを拠点としてロシアの弦楽器奏者たちによって結成されたモスクワ=モンペリエ・ソリステOのヴィヴァルディ・シリーズの第3集。
ユーリ・バシュメットのモスクワ・ソロイスツの第1コンサートマスターを務め、ウィーン国立音楽大やザグレブ音楽アカデミーの教授を務めるロシアの重鎮、レオニード・ソロコフがここでもコンサートマスターとしてオーケストラを牽引しています。

Champs Hill Records
CHRCD-160(1CD)
リアウェイクンド〜ハミルトン、ギップス、ウォルシュー、アイアランド:クラリネット協奏曲集
イアン・ハミルトン(1922−2000):クラリネット協奏曲 Op.7(1950)
リチャード・ヘンリー・ウォルシュー(1872−1951):クラリネット協奏曲(1902)(オーケストレーション:アルフィー・ピュー)
ルース・ギップス(1921−1999):クラリネット協奏曲 ト短調 Op.9(1940)
ジョン・アイランド(1879−1962):幻想的ソナタ(1943)(オーケストレーション:グレアム・パーレット)
ロバート・プレーン(Cl)、
マーティン・ブラビンズ(指)、
BBCスコティッシュSO


録音:2019年6月11日−13日、シティ・ホール(グラスゴー、イギリス
(全曲世界初録音)
バーミンガム市SO、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアの首席クラリネット奏者を歴任し、現在BBCウェールズ・ナショナルO(BBC NOW)の首席奏者を務める英国の名手、ロバート・プレーン。ソリスト、室内楽奏者としての活動も多彩で、25年間に及ぶレコーディング・キャリアの中では、バックス、ホルブルック、ミルフォードなどの作品を含む、驚くべき新しい発見を行い、英国クラリネット音楽へのとめどなき情熱を昇華してきました。
そんなロバート・プレーンが更なる高みに達するのが、新たに発見された、20世紀英国のクラリネット協奏曲集。
長らく忘れ去られていたイアン・ハミルトン、リチャード・H.ウォルシュー、ルース・ギップスのクラリネット協奏曲に、クラリネットとピアノのための作品からオーケストレーションが施されたアイアランドの幻想的ソナタが全曲世界初録音となります。
同じく英国音楽の名手でもある名匠マーティン・ブラビンズとBBCスコティッシュSOという充実したバックも頼もしい限りです。

Danacord
DACOCD-897898
(2CD)
デンマークの偉大なピアニスト、フランス・エレゴー
■Disc 1
セリム・パルムグレン(1878−1951):作品集
(1)ピアノ協奏曲第2番Op.33 「川」
(2)ピアノ協奏曲第4番Op.85「四月(Huhtikuu/April)」
(3)ピアノ・ソナタ ニ短調 Op.11
(4)組曲「青春(Youth)」 Op.28より第2曲「影の島」
(5)2台のピアノのための仮面舞踏会 Op.36(即興詩人、踊り子、黒のドミノ、ユモレスク)
(6)カール・フローディン(1858−1925):4つのピアノの小品「夏」より第2曲「エクローグ(牧歌)」

■Disc 2
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番(カデンツァ:フランス・エレゴー)
(2)トマス・ビューストレム(1773−1839):鍵盤楽器とヴァイオリンのためのソナタ ト短調 Op.1 No.2
(3)タネリ・クーシスト(1905−1988):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ロ短調 Op.36
(4)カール・フローディン(1858−1925):かわいい組曲
フランス・エレゴー(P)

■Disc 1
(1)フィンランドRSO 
ニルス=エーリク・フォウグステット(指)
 録音:1955年9月9日、ヘルシンキ
(2)フィンランドRSO 
パーヴォ・ベリルンド(ベルグルンド)(指)
 録音:1966年、ヘルシンキ
(3)録音:1964年、ヘルシンキ
(4)録音:1964年、ヘルシンキ
(5)2録音:1957年3月16日、シベリウス・アカデミー(ヘルシンキ)
(6)録音:1964年、ヘルシンキ
■Disc 2
(1)フィンランドRSO、
 ニルス=エーリク・フォウグステット(指)
 録音:1954年、ヘルシンキ
(2)アニヤ・イグナティウス(Vn)
 録音:1966年、ヘルシンキ
(3)アニヤ・イグナティウス(Vn)
 録音:1966年、ヘルシンキ
(4)録音:1964年、ヘルシンキ

※復刻/デジタルマスタリング:クラウス・ビューリト
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
フランス・エレゴーは、パリ出身のデンマーク人で、パリ音楽院で学びました。1927年にコペンハーゲンでコンサート・デビューし、スカンディナヴィアとヨーロッパの都市でプロピアニストとして活動しました。1943年、ドイツ軍に占領されたデンマークからスウェーデンに政治亡命。1949年にフィンランドの画家ビリエル・カールステットと結婚してフィンランドの市民権を獲得しました。ソリストや室内楽の奏者として活躍し、1969年から1975年までヘルシンキのシベリウス・アカデミーで教えました。「デンマークの偉大なピアニスト」のシリーズでリリースされる新しいアルバムには、「3人の偉大なデンマーク女性ピアニスト(DACOCD442-443)」と「3人の偉大なデンマーク女性ピアニスト 第2集(DACOCD481-482)」には未収録の1950年代と1960年代にフィンランド国営放送(YLE)がラジオ放送したフィンランドの作品を中心とするレパートリーが初めて紹介されます。
「後期ロマンティシズムの印象主義者」セリム・パルムグレン(1878−1951)は、コンサート・ピアニストとして名を馳せ、ピアノのための作品を多く手がけました。「人生の流れ」を重ねる「川」の副題がつけられた単一楽章の「ピアノ協奏曲第2番」。「四月」の副題をもち、彼の5曲のピアノ協奏曲のうち印象主義の色彩がもっとも濃い単一楽章の「ピアノ協奏曲第5番」。リストやラフマニノフの身振りの大きなスタイルを思わせる「ピアノ・ソナタ ニ短調」。ドビュッシーの作品に倣い小節線を省いて書かれた〈影の島〉。「仮面舞踏会」は、パルムグレンが2台のピアノのために作曲した唯一の曲です。
抒情的、ロマンティックな作風の作曲家、カール・フローディン(1858−1925)は、批評家としても活動、シベリウスの「レンミンカイネン」を酷評したことで知られます。シューマンやグリーグのロマンティックなスタイルに倣った4つのピアノの小品「夏」から、カール・ニルセンを思わせる手法も使われた第2曲〈エクローグ(牧歌)〉。「かわいい組曲」は、5曲のロマンティックな作品集です。
このアルバムの演奏はすべて、ステレオ録音です。フィンランド放送のスタッフが「実験的」にステレオで録音した1950年代の音源は、クラウス・ビューリトがオリジナル録音のチャンネル・バランスなどを調整、1960年代の録音と同様、慎重なデジタル・リマスタリングを施して収録されています。広いダイナミック・レンジ、洞察と抒情で知られたエレゴーの全盛期を捉えたといわれる録音。フィンランド放送の正式ライセンスによるリリースです。

Urtext
JBCC-306(2CD)
アレクシス・アランダ:協奏曲集
フルート協奏曲 「アクア」(コンシエルト・アクア)
フルート、ギターと管弦楽のための協奏曲
ピアノ協奏曲
マリサ・カナレス(Fl)、
ハイメ・マルケス(G)、
アレクシス・アランダ(P)、
ラモン・シャデ(指)、
カメラータ・コアウイラ

録音:2018年12月&2019年3月、コアウイラ(メキシコ)
2004年に最年少でメキシコ国立SOのレジデント・コンポーザーに任命され、世界中の30以上のオーケストラによって作品が演奏されているというメキシコの若き作曲家&ピアニスト、アレクシス・アランダ(b.1974)の3つの協奏曲。フルート協奏曲 「アクア」と、フルート&ギター協奏曲でソロを吹くのは、ラテン・グラミー賞にノミネートした音楽プロデューサーとして、メキシコを代表するクラシック・レーベル「Urtext(ウアテクスト)」の芸術監督&プロデューサーも務めるメキシコのフルート奏者、マリサ・カナレス。ピアノ協奏曲は作曲者自身の演奏で収録。

Musicaphon
M-59005(1CD)
ヴァイオリン文献のマイルストーン
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216、
 交響曲第29番イ長調 K.201
アロイス・コットマン(Vn、指)、
コレギウム・インストゥルメンターレ・アロイス・コットマン
アロイス・コットマン(1929-)はヴァイオリンのための国際コンクール「アロイス・コットマン賞」の創設者としても知られるドイツの名ヴァイオリニスト。本アルバムでは自身が1968年に設立した弦楽オーケストラ「コレギウム・インストゥルメンターレ・アロイス・コットマン」とともに、古典派ヴァイオリン協奏曲の名作を披露します。このオーケストラは「倍音が豊かで透明感のある明快なオーケストラサウンドを創造すること」を目的として設立されました。アルバムの最後にはコットマンが指揮するモーツァルトの交響曲が収録されています。
※当タイトルは旧譜のためレーベル在庫が僅少となっております。ご注文数量に対して十分な枚数をご用意できない可能性がございます(発売中止の可能性もございます)。入荷数不足の場合は、先着順、または弊社での数量配分にてご対応させていただきます。予めご了承下さい。

DOREMI
DHR-8128(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第2集
(1)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.305
(2)ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調『調和の霊感』 Op.3-10 RV580
(3)バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番Sz.112
(4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.12-2
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV1001
パガニーニ(クライスラー編):ラ・カンパネッラ
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.80
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 Op.31
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調 Hob:VIIa-1 〜第2楽章
スークブルレスケ Op.17-4
クライスラー:フランクールの様式によるシチリアーノとリゴードン
アイザック・スターン(Vn)
(1) レナ ード・バ ーンスタイン( ピアノ )
(2)ミリアム・フリード、ピンカス・ズーカーマン、セルジウ・ルカ(Vn)
アレクサンダー・シュナイダー(指)マールボロ祝祭O
(3)ベルナルド・ハイティンク(指)ロイヤル・コンセルトヘボウO
(4)アレクサンダー・ザー キン(P)

録音:(1)(2)1966年1月16日カーネギーホール、(3)1968年10月3日、(4)1953年2月13日パリ、サル・ガヴォー
バーンスタインやハイティンクとの共演や、古楽器でバッハの無伴奏を世界初録音したセルジウ・ルカが参加しているヴィヴァルディの4重協奏曲など貴重
な音源がたくさん。
DOREMI
DHR-8131(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第3集
(1)シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調 Op.99
(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
(3)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
(4)ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番
アイザック・スターン(Vn)
(1)ポール・トルトゥリエ(Vc)、アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
(2)エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)ロシア国立SO
(3)ドミトリ・ミトロプーロス(指)ニューヨーク・フィルハーモニック
(4)レオポルド・ストコフスキ(指)ニューヨーク・フィルハーモニック

録音:(1)1967年/イスラエル・サマー・フェスティバル (2)1960年5月26日/モスクワ
(3)1951年3月4日カーネギーホール 、(4)1949年12月4日カーネギーホール
トルトゥリエ、ルービンシュタインとのシューベルトのピアノ・トリオに、協奏曲4曲を収録。指揮者陣も豪華な貴重音源! 
DOREMI
DHR-8133(2CD)
アイザック・スターンLIVE 第4集
(1)ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番 イ短調
バルトーク:狂詩曲第1番Sz.26
(2)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
(3)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
(4)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
アイザック・スターン(Vn)
(1)(3)ピエール・モントゥー(指)ボストンSO
(2)エーリヒ・ラインスドルフ(指)ボストンSO
(4)ロリン・マゼール(指)ルツェルン祝祭O

録音:(1)1961年7月23日、(2)1965年、(3)1959年7月24日、(4)1958年8月23日
モントゥー、ラインスドルフ、マゼールとの共演、スターンの至芸炸裂の協奏曲集!

la musica
LMU-023(1CD)
フーガと神秘〜バッハとピアソラ
(1)バッハ:トッカータとフーガ ニ短調BWV565
(2)ピアソラ:ブエノスアイレスの夏
(3)同:忘却
(4)バッハ:シャコンヌ〜無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番BWV1004
(5)ピアソラ:フーガと神秘
(6)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
(7)テルッジ:スズメバチ
シモーネ・ルビーノ(ヴィブラフォン)、
エドゥアルド・エグエス(指)
ラ・キメラ
バッハとピアソラの名作を、ヴィブラフォンとヴィオラ・ダ・ガンバ合奏の独特な音響で楽しむ一枚。「トッカータとフーガ」や「シャコンヌ」は、ヴィブラフォ ンのモダンで神秘的な音で奏されてもバッハ像が崩れないのはさすが。むしろ今日風の色彩にたっぷり浸れます。反対にピアソラ作品はヴィオラ・ダ・ガン バの深い音色に何の違和感もなく、むしろ神々しささえ漂わせています。シモーネ・ルビーノは1993年生まれのイタリアの打楽器奏者。 (Ki)

CPO
CPO-555400(2CD)
NX-D11
ハイドン:ピアノ協奏曲全集
【CD1】
ピアノ(Cemb)協奏曲 ヘ長調 Hob.XVIII:3
ピアノ(Cemb)協奏曲 ト長調 Hob.XVIII:4
ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11
コンチェルティーノ ハ長調 Hob.XVIII:10
【CD2】
ピアノ(Org)協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:5
ピアノ(Org)協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:8
ピアノ(Org)協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:1
ピアノ(Org)協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:2
ヴァイオリンとピアノ(Cemb)のための協奏曲ヘ長調 Hob.XVIII-6
メロディー・ツァオ(P)
ダヴィッド・ネーベル(Vn)
カメラータ・シュヴァイツ
ハワード・グリフィス(指)

録音:2020年7月6-8日…CD1:1-3
2020年8月24-28日…CD1:4,CD2
スイス出身の中国系ピアニスト、メロディー・ツァオが弾くハイドンの鍵盤のための協奏曲全集。ハイドンは チェンバロまたはピアノのための協奏曲を、よく知られる第11番 Hob. XVIII:11 を含め3曲しか書いてい ませんが、この曲集でツァオは、チェンバロ、フォルテピアノ、オルガンのための協奏曲を含めた9曲(偽作とさ れる作品を除く)全てをモダン・ピアノで演奏。ロココ趣味の初期作品から、モーツァルトのピアノ協奏曲に比 肩する大規模な作品までを華麗に演奏しています。また、オルガン協奏曲は2020年に発表された新エ ディションによる楽譜が用いられており、この譜面による録音は初のものとなります。

CPO
CPO-555391(1LP)
(180g)
NX-B10
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ロマンス 第2番
レーナ・ノイダウアー(Vn)
カペッラ・アクイレイア
マルクス・ボッシュ(指)

録音:2018年5月11-13日
cpoレーベルの『2020年ベートーヴェン生誕250年記念アルバム』としてリリースされたレーナ・ノイダウアーが演奏するヴァイオリン協奏曲(777559) がLP盤として登場。2006年、15歳の時にアウグスブルクで開催された『レオポルト・モーツァルト国際コンクール』で第1位を受賞した後、ソリスト、室 内楽奏者として活躍するノイダウアーと、マルクス・ボッシュが指揮する、名手たちのアンサンブル「カペッラ・アクイレイア」による伸びやかな演奏をお楽し みください。 (収録時間の関係で、ロマンスは第2番のみの収録となります)

TOCCATA
TOCC-0590(1CD)
NX-B03
アーノルド・グリラー(1937-):管弦楽作品集 第3集
Dances under an Autumn Sky 秋空の下でのダンス(2017)
ヴァイオリン協奏曲 - ヨディット・テクレへの音楽(2017)
合奏協奏曲(1955)
トランペット協奏曲(2018)
カミラ・ビドロフスカ(Vn)
マティルダ・ロイド(Tp)
ポール・マン(指)
リエパーヤSO

録音:2020年1月30日、2020年10月5-9日グレート・アンバー・コンサート・ホール、リエパーヤ、ラトヴィア
世界初録音
イギリスの世界的名ヴァイオリニスト、シドニー・グリラーを父に持つ作曲家アーノルド・グリラーの管弦楽作 品集。第3集となるこのアルバムでは2017年から2018年に書かれた3曲の最近の作品と、最も初期の 1955年に書かれた「合奏協奏曲」を収録。エキサイティングな楽想と情緒豊かな楽想がバランス良く配 置された個性的な作品が並びます。「ヴァイオリン協奏曲」はTOCCATAレーベルの主宰者マーティン・ア ンダーソンの亡き妻ヨディットのために書かれた作品。ベルクのヴァイオリン協奏曲を思わせる深い哀悼の意 に満ちています。他には、活気ある「トランペット協奏曲」、ストラヴィンスキー風のリズミカルな「秋空の下で のダンス」が収録されています。

Epitagraph
EPITA-016(1CD)
(UHQCD)
ヨハンナ・マルツィ/モーツァルト4番&メンデルスゾーン【UHQCD】
(1) モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218 
(2) メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64  
(3) ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 作品1の12
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
(1)エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO
(2)オットー・クレンペラー(指)ハーグ・レジデンティO
(3)エディット・ピヒト=アクセンフェルト(P)

録音:(1) 1951年1月16日 コンセルトヘボウ、アムステルダム(ライヴ)
(2) 1954年6月23日 ハーグ(ライヴ)
(3) 1955年(放送用スタジオ録音)
Produced by Epitagraph(原盤:エピタグラフ)
そのナイーヴな感性でファンの心をとらえて離さないマルツィ。遺された録音が少ないことから、各社でライヴ音源の掘り起しが活発な状況となっておりま す。今回のモーツァルト4番は(1952年に独DGGにヨッフム&バイエルン放送室内Oとともにスタジオ録音、1962年にシュトゥットガルトでのライヴ もありますが)51年にコンセルトヘボウO(ACO)の定期演奏会に迎えられたマルツィのライヴ記録。これは初出音源ではないかと思われます。音は放 送原盤から復刻した際のスクラッチノイズがあるものの良好で、マルツィの美音はしっかりとらえられています。演奏もマルツィのテンペラメント燃え盛り、生き 生きと表現、曲との相性は抜群。常任指揮者ベイヌム&ACOも堅実なバックで支えています。
メンデルスゾーン協奏曲はマルツィのメイン・レパートリーのひとつ。英Columbia/EMI/WMへのサヴァリッシュ指揮(1954)とクレツキ指揮(1955)の録 音と同じころのライヴで、クレンペラー指揮というのが最大の魅力!1954年ハーグで行われたオランダ音楽祭でのライヴ。クレンペラーにとってハーグ・レジ デンティOに客演した最後の公演となりました。これまで数種のLP, CDが出回っていましたが、ピッチが高かったのを、今回初めて修正しています。名 盤「スコットランド」「真夏の夜の夢」(EMI録音)でおなじみ、メンデルスゾーンを得意としていたクレンペラーのロマンあふれる濃厚な指揮に、マルツィは繊細 な精神の発露!正常ピッチで聴くこの演奏はすこぶる魅力的。清冽でいて、エネルギーの高さも感じられる名演!マルツィの琴線は聴く者の心の琴線に触れて きます。音はノイズが残っていますが、関口台スタジオでのリマスタリング技術で改善、UHQCDによりさらに音質UPになります。 ただし残念なことに、原盤損傷のため第2楽章冒頭のオケ前奏部分(ソロが始まる前)25-30秒が欠落しています。予めご了承ください。
余白にはヘンデルのヴァイオリン・ソナタ作品1の12、1955 年の放 送用録音を収録。ハープシコードの名手ピヒト=アクセンフェルトがここではピアノを 弾いています。こちらはノイズもほとんどなくいい音。演奏もしみじみ聴かせます!この曲については、マルツィは(ほかに2種のライヴCDがありますが)ス タジオ録音を残しておらず貴重です。 以上、ヨハンナ・マルツィの貴重な3曲、ファンならずとも垂涎のCDといえるでしょう。 (Ki)
Epitagraph
EPITA-015(1CD)
(UHQCD)
イダ・ヘンデル/サン=サーンス3番&モーツァルト5番「トルコ風」 [UHQCD]
(1)サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 作品61 
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219 「トルコ風」
(3)ブラームス:ハンガリー舞曲第17番嬰ヘ短調 (クライスラー編)
(4)ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ 第1番ニ長調
イダ・ヘンデル(Vn)
(1) ベルナルト・ハイティンク(指)オランダ放送PO
(2) フェルッチョ・スカーリア(指)ローマ・イタリアRSO
(3,4) ジェラルド・ムーア(P)

録音:(1) 1961年12月19日 コンセルトヘボウ、アムステルダム(ライヴ)
(2) 1958年1月11日 RAIオーディトリウム(ホール) 、ローマ(ライヴ)
(3,4) 1948年9月21日 HMV SP録音:(SP No.=C.3818)(Matrix No.= 2EA13271/2)
Produced by Epitagraph(原盤:エピタグラフ)
2020年)6月末に亡くなったイダ・ヘンデル追悼盤。サン=サーンス3番の秘蔵ライヴ登場、唯一の録音、世界初出の音源! イダ・ヘンデルは1928年12月15日生まれのユダヤ系ポーランド人。3歳でヴァイオリンをはじめ、7歳でワルシャワの音楽院入学、同郷のフーベルマンに認 められ、フレッシュ、エネスコに師事。60-80年代の録音が少なかったこともあり、「幻のヴァイオリニスト」と呼ばれてきましたが、98年のラトルとの来日以降 はたびたび来日。日本に多くのファンをつくってきたのはおなじみのところです。1699年製の愛器ストラディヴァリウスから繰り出される知的センスと卓越した 技巧、そして何と言っても情熱みなぎる官能的な美音が魅力的。このサン=サーンスは彼女33歳のときの録音です。第2楽章は抒情性豊かに歌い、第3楽章は 緊張感あふれる出だしから情熱が一直線!この名曲をヘンデルが商業録音で遺さなかったのは不思議でありません。バックをつとめるのは1957年に首席指 揮者となったハイティンクとオランダ放送フィル。この録音は放送用ライヴで、音はテープヒス・ノイズ等あるものの、オケの音を含めしっかりとらえられています。
カップリングのモーツァルト5番の協奏曲もイダ・ヘンデル唯一の録音。こちらは2009年にターラからTAH670「ストラディヴァリウスの饗宴」(2CD)のな かで発売されたことがあります(現在廃盤)。もちろん音源出所は別、音の傾向も違います(ターラ盤はレンジを広くとっているのに対し、本盤は中音、ヴァイオ リンの“肉声”を重視しています)。ノイズもほとんどなくしっかりした音質で、ヴァイオリンの音色は豊か。第2楽章ではヘンデルの吸引力強い美音に引き寄せ られてしまいます。
余白の小品2曲はイダ・ヘンデルが19歳のときに、ジェラルド・ムーア(P)とともにHMVに入れたSPから復刻(初復刻!)。2曲とも62年にスプラフォ ンへスタジオ録音しており、同年のプラハの春音楽祭ライヴもあります。ブラームスにおける憂愁の表情、母国の大作曲家ヴィエニャフスキによせる情熱の発 露、いずれもすばらしく、後年のレパートリーとして定着しただけのことはあります。

ALBANY
TROY-1816(1CD)
クリストファー・テオファニディス(b.1967):ヴァイオリン協奏曲(2008)
ヴィオラと室内オーケストラのための協奏曲(2002)
デイヴィッド・アラン・ミラー(指)
オルバニーSO
チー・ユン(Vn)
リチャード・オニール(Va)

録音:2017/2018年
テオファニディスはイェール大学とイーストマン音楽院、ヒューストン大学で学んだ後、アメリ カ・ローマ大賞を受賞、2007 年にはグラミー賞現代音楽部門にノミネートされています。ヴァイオリ ン協奏曲はダイナミックなオーケストラと書法も華麗なヴァイオリンがぶつかり合う力作でアメリカ の新ロマン主義の真骨頂ともいえる秀作。艶やかなメロディと演奏効果の高いヴァイオリンの技 巧が聴きもの。ヴァイオリン独奏は以前DENON から多数のアルバムを発表していたアイドル的 ヴァイオリニスト、チー・ユンです。 ヴィオラ協奏曲はヴァイオリン協奏曲よりこぶりのオーケストラを相手に室内楽的書法で細やか に書かれており、ヴィオラ・ソロとオーケストラの間で交わされる親密なコミュニケーションが印象 的な佳品。

Delphian
DCD-34250(1CD)
ニールセン、コープランド、マクミラン:クラリネット協奏曲集
コープランドクラリネット協奏曲
ニールセン:クラリネット協奏曲 Op.57
ジェイムズ・マクミラン(1959-):Tuireadh(嘆き)(クラリネットと弦楽オーケストラのための編曲版)
マキシミリアーノ・マルティン(Cl)、
ルーカス・マシアス・ナバロ(指)、
テネリフェSO

録音:2020年1月
ソリストとしても国際的に活躍するスコットランド室内Oの首席クラリネット奏者、マキシミリアーノ・マルティンが、スペインで最高のSOのひとつとされる故郷テネリフェ島のSOと共演し、クラリネットの幅広い表現力を最大限に活かした近現代の3作品を演奏した1枚。
ニールセンのクラリネット協奏曲は、作曲者の死の3年前に完成したニールセン最後の主要オーケストラ曲であり、極めて独創的な、不可解ともいえる面を持つ不思議な作品。コープランドのクラリネット協奏曲は、ベニー・グッドマンのジャンル横断的な専門知識を念頭に置いて作曲された、アメリカとブラジルのポピュラーなイディオムの力強さと叙情的な悲しみを感じさせる作品で、独奏クラリネットと、ピアノとハープを含む弦楽オーケストラのために書かれています。ジェイムズ・マクミラン(1959-)の「Tuireadh」(ゲール語でラメント、レクイエムの意味)は、北海の石油生産プラットフォーム、パイパー・アルファで起こった海上油田史上最悪の事故(1988年)の犠牲者に対する哀悼の意を込め作曲された作品。クラリネットの用法を声楽的なレベルにまで高め、一途な悲しみを表現しています。

DACAPO
MAR-6.220652
(1SACD)
NX-B06
後期ロマン派デンマークのヴァイオリン秘曲集
オットー・マリング(1848-1915):Koncertfantasi 幻想的協奏曲 Op.20(1885)
P.E.ランゲ=ミュラー(1850-1926):ロマンスOp.63(1899)
ルドルフ・ニールセン(1876-1939):ロマンス Op.20(1908)
L.ニールセン:子守歌 Op.9(1905)
アウゴスト・エナ(1859-1939):ロマンス(1898) …世界初録音
エナ:舟歌(1898) …世界初録音
カール・ニールセン(1864-1931):  Fantasistykker 幻想的小品 Op.2-No.1 ロマンス(1889) …世界初録音
ルイ・グラス(1864-1936):ヴァイオリン・ソナタ 第2番Op.29-第2楽章 ロマンス(1904) …世界初録音( ハンス・ジットによるヴァイオリンとオーケストラ編)
ニルス W.ゲーゼ(1817-1890):カプリッチョ(1878)( カール・ライネッケによるヴァイオリンとオーケストラ編)
ヨハン・スヴェンセン(1840-1911):ロマンス Op.26(1881)
クリスティーナ・オストラン(Vn)
ユッカ・イーサッキラ(指)トゥルクPO

録音:2019年10月14-16日トゥルク・コンサート・ホール フィンランド
19世紀後半から20世紀初頭にデンマークの作曲家によって書かれた“ロマンス”を集めたアルバム。未出版など の理由でほとんど知られていない曲ばかりですが、どれも北欧の民謡を思わせる美しい旋律をヴァイオリンがロマン ティックに歌い上げていて印象的です。デンマーク国立図書館が所蔵していた楽譜などを発掘し、世界初録音:を4曲含んでいます。 演奏はデンマーク出身の女性ヴァイオリニスト、クリスティーナ・オストラン。4歳よりスズキメソードでヴァイオリンを 学び、24歳の若さでデンマーク国立SOのリーダーに就任、現在もその地位で活躍を続けるほか、夫でピ アニスト、パー・サロとの室内楽の演奏でも広く知られています。
DACAPO
MAR-8.226586
(1CD)
NX-B06
トマス・エーヤフェルト・オレセン(1969-):風が吹く場所(2011)〜オーケストラのために(単一楽章)
チェロ協奏曲-わが母の思い出に(2014/2016改訂)〜チェロとオーケストラのために(単一楽章)
ヨハネス・モーザー(Vc)
オットー・タウスク(指)
デンマーク国立SO

録音:2017年11月9-10日、2019年8月5-7日
世界初録音
デンマーク出身、ポール・ルーダースとカール・ラスムッセンに師事した作曲家トマス・エーヤフェルト・オレセンの作 品集。DACAPOレーベルより3作目のリリースとなるこのアルバムには、2010年代に書かれたオーケストラ作品 が2曲収録されています。さまざまな楽器が思い思いに歌い交わしながら、荒涼とした風景が刻々と変化してい く情景を描く「風が吹く場所」と、名手ヨハネス・モーザーがソリストを務めた、オレセンの亡き母の思いに捧げる チェロ協奏曲。どちらの曲にも彼がモットーにしている「人生を音楽で語ること」が明確に打ち出されています。

CPO
CPO-555381(1CD)
NX-B10
ロゼッティ(1750-1792):3つのヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Murray C5
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Murray C7
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Murray C11
レーナ・ノイダウアー(Vn)
ヨハネス・メーズス(指)
南西ドイツ・プフォルツハイム室内O

録音:2019年5月20-22日
ドイツ、ミュンヘン出身のヴァイオリニスト、レーナ・ノイダウアー。2020年に発売されたベートーヴェンのヴァイ オリン協奏曲(777559)を始め、メンデルスゾーンやモーツァルト、シューマンなどドイツ古典派からロマン派 作品を得意とする彼女の演奏は、明快さ、力強さ、感情的な深さで国際的に高く評価されています。今 作で彼女が挑んだのは北ボヘミアの作曲家ロゼッティ(フランツ・アントン・レスラー)の3つのヴァイオリン協奏 曲。彼の代表作である「ホルン協奏曲」と同じく、モーツァルトを思わせる流麗かつ魅力あふれる作品で、ノ イダウアーは伸び伸びと美しい旋律を奏でています。

NoMadMusic
NMM-073(1CD)
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
コリリアーノ:レッド・バイオリン
アマンダ・ファヴィエ(Vn)
アドリアン・ペルション(指)
リエージュ王立PO

録音:2019年3月/サル・フィルラルモニク(リエージュ)
アマンダ・ファヴィエは1979年生まれのフランスのヴァイオリニスト。ジェラール・プーレ、ジャン=ジャック・カントロフに師事しヨーロッパを中心に活動、 CDも数多くリリースしています。コリリアーノの「レッド・バイオリン」は1998年の映画音楽に基づく協奏作品。ジョシュア・ベルの演奏で知られますが、 アマンダ・ファヴィエの1723年マッテオ・ゴッフリレール製の愛器がまさに赤いヴァイオリンで、彼女のたっての希望で録音されました。 (Ki)

Skani
SKANI-088(1CD)
ターリヴァルディス・ケニンシュ(1919−2008):作品集
ヴァイオリン協奏曲
5人の打楽器奏者と管弦楽のための協奏曲
Beatae voces tenebrae(SOのための)
ラトビア国立SO、
アンドリス・ポガ(指)
エヴァ・ビンデレ(Vn)、
グンタルス・フレイベルグス(打楽器)、
エルネスツ・メディンシュ(打楽器)、
エルヴィイス・エンデリス(打楽器)、
ミクス・バリンシュ(打楽器)、
エリナ・エンゼレ(打楽器)
ターリヴァルディス・ケニンシュは、ラトビアの20世紀を代表する作曲家のひとり。ラトビアのアーベレ・ヴィートリスとヤーゼプス・ヴィートリス、フランスのトニー・オーバンとオリヴィエ・メシアンに学び、1951年からはカナダのトロントで作曲家、指揮者、オルガニストとして活動しました。管弦楽曲から室内楽曲、声楽曲、各国の民謡の編曲と、幅広く手がけ、カナダの音楽生活に大きな影響を及ぼしました。
ケニンシュの作品にはモダニズム、表現主義、ジャズの要素も垣間見えることから、「多様性」が、彼のトレードマークといわれます。「彼の音楽にはさまざまなスタイルとの関連がある。ストラヴィンスキー、新ウィーン楽派、メシアン、ネオクラシシズム。ケニンシュの音楽からは、こうしたすべてが聞こえてくる」と指揮者のアンドリス・ポガは語っています。
このアルバムには、カナダ以外で紹介されることが少なかったケニンシュの知られざる作品集です。協奏的な組み立てをしっかり展開しながら、きわめて力強い語り口が特徴の「ヴァイオリン協奏曲」は、クレーメルの「クレメラータ・バルティカ」のコンサートマスターを経験したエヴァ・ビンデレ(Vn)がソロを弾いています。「ラトビア音楽大賞」の2010年最優秀ヤング・アーティスト賞を受けたグンタルス・フレイベルグスやラトビア国立SOのメンバーなど5人の打楽器奏者が共演し晴れやかで魅力的に演奏される「5人の打楽器奏者と管弦楽のための協奏曲」。「Beatae voces tenebrae」は、瞑想の詩のように響き、最大の天才のひとり、バッハへのケニンシュの忠誠を裏づける。管弦楽のための3つの作品が収録されています。

Cameo Classics
CC-9127(1CDR)
ヘンデル:作品集

(1)ハープ協奏曲変ロ長調 Op.4-6, HWV.294

(2)カンタータ 「アポロとダフネ」 HWV.122

(3)合奏協奏曲第1番変ロ長調 Op.3-1, HWV.312

(4)歌劇 「メディア王ソザルメ」 HWV.30 より第2幕 第13場
(1)オシアン・エリス(Hp)、ボイド・ニールO、サーストン・ダート(音楽監督)(BBC放送日:1957年2月26日)
(2)トマス・ヘムズリー(Br)、アルダ・マンディキアン(S)、ジェレイント・ジョーンズO、ジェレイント・ジョーンズ(指)(BBCライヴコンサート放送日:1955年1月10日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール)
(3)ボイド・ニールO、サーストン・ダート(音楽監督、ハープシコード)(BBCスタジオ放送日:1957年2月26日)
(4)アルフレッド・デラー(C.T)、マーガレット・リッチー(S)、聖セシリアO、サーストン・ダート(ハープシコード)、アンソニー・ルイス(指)(BBCスタジオ放送からの抜粋:1955年2月1日)
「リリタ(Lyrita)」の創設者、リチャード・イッターが蒐集していたBBC放送のコレクションから、音楽学者、指揮者、鍵盤楽器奏者として活躍し、クリストファー・ホグウッド、デイヴィッド・マンロウ、ジョン・エリオット・ガーディナーなど、多くの著名な音楽家に影響を与えたサーストン・ダートが関わったヘンデルの貴重な音源を復刻。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。/ADD

VMS
VMS-213(1CD)
レーガー&プフィッツナー:ピアノ協奏曲集
レーガー:ピアノ協奏曲 へ短調 Op.114
プフィッツナー:ピアノ協奏曲 変ホ長調 Op.31*
ウルリヒ・ウルバン(P)、
ヴォルフ=ディーター・ハウシルト(指)ライプツィヒRSO、
ハインツ・レーグナー(指)ベルリンRSO*

録音:1984年1月、7月
ドイツ・ロマン派最後の記念碑的コンチェルトといっても過言ではない、レーガーとプフィッツナーの重量級ピアノ協奏曲。自らを“ドイツ三大B”の後継者と位置付け、卓越した対位法による膨大な数の作品を生み出したレーガーの大作「ピアノ協奏曲 へ短調」(1910)は、その重厚さばかりに目が行きがちですが、プロテスタントのコラールが引用される印象的な第2楽章にも注目。R・シュトラウス同様、ドイツの現代音楽をリードする作曲家として当時高く評価されていたプフィッツナーの「ピアノ協奏曲 変ホ長調」(1922)は、第2楽章にスケルツォ風の楽章を持つ4楽章制の作品で、ブラームスのピアノ協奏曲の伝統を踏襲した交響的スケールの大きさが特徴。充実のサウンドが楽しめます。

KAIROS
0015068KAI(1CD)
アガタ・ズベル(1970-):クレオパトラの歌
クレオパトラの歌(2017)、
ダブル・バッテリー(2016)、
ヴァイオリン協奏曲(2014)
アガタ・ズベル(S)、
ヨハネス・カリツケ(指)
クラングフォルム・ウィーン、
アンサンブル・アンテルコンタンポラン、他

録音:2014年、2016年、2018年
「音楽をくれ!」 「クレオパトラの歌」の冒頭にあるシェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』からのこの言葉は、音楽は必要不可欠なもの、渇きであると同時に、与えるものでもあるという、アガタ・ズベルの音楽との関わり方を特徴づけるのに、特に適しているように思われます。アガタ・ズベルはアンジェイ・パヌフニク国際作曲コンクール第1位をはじめ、数々の現代音楽作曲コンクールでの受賞歴をもつポーランドの作曲家、声楽家。クラングフォルム・ウィーンやアンサンブル・アンテルコンタンポランなどの主要なアンサンブルが演奏する3つの大作を収録したこのポートレート・アルバムは、彼女のErste Bank Kompositionspreis 2018受賞に続いてのリリースとなります。

MELO CLASSIC
MC-1049(2CD)
東ドイツにおける伝説的ソ連のピアニスト1953-1960

(1)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K.482
(1)ニーナ・エメリヤノヴァ(P)
ヘルマン・アーベントロート(指)ベルリンRSO/録音:1953年11月15日東ベルリン放送用スタジオ録音
(2)タチアナ・ゴルドファルブ(P)
フランツ・コンヴィチュニー(指)ベルリンRSO/録音:1955年4月21日東ベルリン放送用スタジオ録音
(3)レフ・オボーリン(P)
ヘルベルト・ケーゲル(指)ベルリンRSO/録音:1960年10月23日東ベルリン放送用スタジオ録音
(4)タチアナ・ニコラーエワ(P)
オトマール・スウィトナー(指)シュターツカペレ・ドレスデン/録音:1960年10月30日ドレスデン放送用スタジオ録音
ソ連のピアニスト好きのみならずピアノが好きな人たちに全員にたまらない2CD。モスクワ音楽院の門下生である4人のピアニストが東ドイツで行った録音が収録されています。圧巻はニーナ・エメリヤノヴァ(1912―1998)。彼女は、1915年生まれのスヴャトスラフ・リヒテル、1916年生まれのエミール・ギレリスと並んでソ連の1910年代生まれのピアニストを代表する一人だが、極めて卓越したピアニストでありながら国際的活躍をせず、録音もほとんど知られておらず、専ら名教師(母校モスクワ音楽院の教授を長年務めた)としてばかり知られていた。したがってこのベルリンでのラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の録音は大変貴重。ややピアノの遠い録音でも彼女の高度な技術と女性的な情熱溢れる強い表現意欲が良く伝わってくる。伴奏が巨匠ヘルマン・アーベントロートというのがまた凄い。タチアナ・ゴルドファルブ(1914―1964)も強烈だ。ウクライナのオデッサ生まれ。モスクワでゲンリフ・ネイガウスに学び大きな影響を受けた。1937年のショパン・コンクールで第9位入賞。しかし程なくして第二次世界大戦が勃発。戦後も西側に出ることはなかった。1958年からジョージア(グルジア)のトビリシ音楽院で指導にあたり、さらに49歳の若さで亡くなってしまったため、幻の名ピアニストになってしまった。この1955年のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は実にスリリング。これぞソ連のピアニストと言うべき強靭なゴルドファルブのピアノが、じっくり腰を据えたフランツ・コンヴィチュニー指揮のオーケストラと何度もぶつかり合う。こうした競争タイプの協奏曲も実に楽しい。そしてこの録音を聞くだけでゴルドファルブの名前は確実に頭に刻み込まれるでしょう。レフ・オボーリンとタチアナ・ニコラーエワについては多くを語る必要はないでしょう。オボーリンがヘルベルト・ケーゲルと共演したベートーヴェンの皇帝協奏曲、ニコラーエワがオトマール・スウィトナー指揮のシュターツカペレ・ドレスデンと共演したモーツァルトのピアノ協奏曲第22番は、どちらもそれぞれだけで大きな話題にとなるお宝音源だ。

MELO CLASSIC
MC-1052(2CD)
伝説的フランスのピアニス

(1)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.22
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノム」
(3)フランク:交響的変奏曲
(4)モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478
 ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調K.493
(5)モーツァルト:ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調K.452
(6)ラモー:ガヴォットと6つのドゥーブル
クープラン:神秘の障壁,ティク・トク・ショク
(1)マドレヌ・ド・ヴァルマレート(P)、アンドレ・オードリ(指)フランスSO/録音:1959年7月11日マルセイユ・ライヴ
(2)マドレヌ・ド・ヴァルマレート(P)
エリック・ポール・ステクル(指)RTFPO/録音:1962年8月20日パリ・ライヴ
(3)モニク・アース(P)、アントン・ケルシェス(指)アムステルダム芸術月間O/録音:1964年1月5日アムステルダム・ライヴ
(4)モクニ・アース(P)、パスキエ三重奏団【ジャン・パスキエ(Vn)、ピエール・パスキエ(Va)、エティエンヌ・パスキエ(Vc)】
(5)モクニ・アース(P)、フリッツ・フィッシャー(Ob)、ヴァルター・トリープスコルン(Cl)、ヴェルナー・ビュットナー(Hr)、ヘルベルト・アントン(Fg)/録音:1956年7月2日ルートヴィヒスブルク・ライヴ
(6)モニク・アース(P)/録音:1950年5月13日シュトゥットガルト放送用スタジオ録音
フランスのピアニスト、マドレヌ・ド・ヴァルマレート(1899-1999)とモニク・アース(1909-1987)の1960年前後の録音を収録。特にド・ヴァルマレートの録音が貴重。ヴァルマレートはパリ近郊モントルイユの生まれ。1907年(つまり8歳くらい)からパリ音楽院で徹底した英才教育を受け、1911年にはイシドール・フィリップの門下生となります。1913年には音楽院の一等賞を受けています。両大戦間には国際的に華々しく活躍していた。第二次世界大戦中はフランス国内に留まらざるを得なかったし、第二次世界大戦後はエコール・ノルマルやグルノーブル音楽院などで教職に就いたとはいえ、あまりにも録音が少なく幻の中の幻のピアニストだった。ちなみに彼女はマルセイユに住み、100歳の誕生日を迎えた5日後に亡くなった。粋で洒落たサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番も素晴らしいが、ド・ヴァルマレートの美質はモーツァルトのジュナミ協奏曲の方がよく表れています。これほどに柔らかく夢見心地のモーツァルトのピアノは他にない。モニク・アースは、パリ生まれでラザール・レヴィ門下の名高いピアニスト。ERATO録音のドビュッシートラヴェルの網羅的な録音は今日でも名盤として親しまれています。フランス音楽を得意とする一方、アースはモーツァルトも素晴らしく、Meloclassicから発売された過去のCD(MC-1006,MC-1024)でも洗練されたモーツァルトを聞かせてくれたが、室内楽の録音は珍しい。パスキエ三重奏団と共演したピアノ四重奏曲は今一つ冴えない録音にもかかわらずパリ流モーツァルトの洗練美を堪能できます。そして彼女がおそらく商業録音を残さなかったフランクの交響的変奏曲も貴重。
MELO CLASSIC
MC-2042(2CD)
クリスティアン・フェラス/ドイツでの楽旅1954-1961

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲

(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

(3)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

(4)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
クリスティアン・フェラス(Vn)

(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO/録音:1954年3月22日シュトゥットガルト放送用スタジオ録音
(2)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO/録音:1957年3月28日シュトゥットガルト放送用スタジオ録音
(3)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDRSO/録音:1959年2月9日ハンブルク・ライヴ録音
(4)ディーン・ディクソン(指)ヘッセンRSO/録音:1961年3月10日フランクフルト・アム・マイン放送用スタジオ録音
クリスティアン・フェラス(1933-1982)の20代の頃のヴァイオリン協奏曲が4曲。いずれも若きフェラスならではの瑞々しい美音と勢いのある弾きっぷりが堪能できます。カール・ベームやヘルベルト・フォン・カラヤンといった大御所からも重用されたフェラスたが、シュトゥットガルトの名匠ミュラー=クライとの相性がとても良い。1954年のベートーヴェンでも1957年でのチャイコフスキーでもフェラスは気持ちよく伸び伸びと演奏して本領を発揮しています。ことにチャイコフスキーの第3楽章ではフェラスの自由自在なヴァイオリンをミュラー=クライが絶妙に受け止めスリリングにまとめています。一方1959年のハンブルクでのブラームスは、ハンブルクの巨匠シュミット=イッセルシュテットの指揮する端正なオーケストラに乗ってフェラスもじっくりとスケールの大きな演奏を繰り広げています。第2楽章でのフェラスの美音は絶品だ。フェラスはプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番は商業録音を残していないでしょう。このフランクフルトでの演奏は海賊CDで1度出たことがあるだけで、フェラス・マニアにはお宝的録音です。パリ時代のプロコフィエフのモダニズムを鮮やかに引き立てつつ、フェラスの瑞々しい音色が作品に潤いを与えています。
MELO CLASSIC
MC-2044(1CD)
ピーナ・カルミレッリ/協奏曲録音1963-1967

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
(2)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ピーナ・カルミレッリ(Vn)

(1)エーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
録音:1963年1月27日チューリヒ放送用スタジオ録音
(2)エルネスト・ブール(指)バーデン=バーデン南西ドイツRSO
録音:1967年1月17―18日バーデン=バーデン放送用スタジオ録音(ステレオ)
イ・ムジチのトップだったことで知られるピーナ・カルミレッリ(1914-1993)のブラームスとプロコフィエフの協奏曲。2016年にMeloclasscが発売した2枚組CD(MC-2031)が、イ・ムジチのカルミレッリとは異なる彼女の素晴らしい魅力を明らかにしてヴァイオリン・マニアの話題になった。今回のCDでは彼女の協奏曲を聞くことができます。ブラームスでは細めながらニュアンス豊かなヴァイオリンが魅力的。そしてまさかのカルミレッリの弾くプロコフィエフの第1番。何と柔らかく温かいプロコフィエフだろうか。近現代音楽を得意にしたエルネスト・ブールの色彩豊かな伴奏も見事。しかもプロコフィエフはステレオ録音というのが嬉しい。
MELO CLASSIC
MC-2047(1CD)
伝説のヴァイオリニストたち/演奏会ライヴ録音
(1)パガニーニ(ヴィルヘルミ編):ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調Op.6
(2)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
ラヴェル:ツィガーヌ
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219
(1)グィラ・ブスターボ(Vn)
オトマール・ヌッショ(指)ORTF室内O
録音:1966年5月19日パリ・ライヴ
(2)ミシェル・オークレール(Vn)
ハインツ・レーグナー(指)ライプツィヒRSO
録音:1960年1月31日ライプツィヒ・ライヴ
(3)ローラ・ボベスコ(Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDRSO
録音:1965年5月2日ハンブルク・ライヴ
伝説的女性ヴァイオリニスト3人のライヴ録音を収録。いずれもお宝録音です。このCDで一番注目すべきはミシェル・オークレール(1924-2005)。パリ生まれのオークレールのズバッとした気っ風のいいボーイングと妖しいまでに艶やかな音色の絡み合った音楽にはカリスマがあり、ことに日本では今でも根強い人気がある。彼女が弾いたサン=サーンスとラヴェルは、どちらの曲も録音は初めてではないだろうか。この1960年のライプツィヒでのライヴ録音は音がやや遠めなものの2曲とも素晴らしい演奏。導入とロンド・カプリチオーソは自信に漲り溢れた快演。しばしば技巧的にバリバリ弾かれるツィガーヌも彼女の手にかかるとクラクラするような香り高さに包まれます。指揮者は31歳になったばかりのハインツ・レークナーです。やはり日本で根強い人気があるローラ・ボベスコ(1921―2003)はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番を得意にして録音も数種残しているが、ここではモーツァルトで高い評価を得たハンブルクの巨匠シュミット=イッセルシュテットとの共演というのが嬉しい。ボベスコの優雅で気品のあるヴァイオリンと、シュミット=イッセルシュテットの指揮する折り目正しく格調高いオーケストラがピタリと合い、この上ない調和が生まれています。ブスターボ(1919-2002)は米国、ウィスコンシン州のマニトワックに生まれ。天才ヴァイオリン少女と注目を浴び、ニューヨークでも成功、欧州ではヴィレム・メンゲルベルクをはじめとする大指揮者たちと共演、さらにヴォルフ=フェラーリからはヴァイオリン協奏曲を献呈された。しかし第二次世界大戦後はナチへの協力の嫌疑で米国で活動できなくなり、欧州で活動を続けたものの、比較的早期に第一線を退いた。パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番はブスターボの十八番で、Meloclasscからは1959年ミュンヘンでの録音がCDになっていた(MC-2029)。この1966年パリでのライヴ録音も絶好調、彼女の可憐で繊細な魅力が楽しめる。
MELO CLASSIC
MC-3015(2CD)
ダニール・シャフラン/ドイツでの楽旅1957-1973
(1)フランク(デルサール編):ソナタイ長調(原曲ヴァイオリン・ソナタイ長調)
プロコフィエフ:チェロ・ソナタハ長調Op.119
ストラヴィンスキー(ピアティゴルスキー編):イタリア組曲
ブリテン:チェロ・ソナタOp.65
(2)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104
(3)カバレフスキー:チェロ協奏曲第1番ト短調Op.49
ダニール・シャフラン(Vc)

(1)アントン・ギンスブルグ(P)
ロック1973年5月24日ドイツ,シュヴェツィンゲン・ライヴ
(2)カール・フォン・ガラグリ(指)ベルリンRSO
録音:1957年11月10日(東)ベルリン放送用スタジオ録音
(3)ディミトリ・カバレフスキー(指)ベルリンRSO
録音:1963年3月16日(東)ベルリン放送用スタジオ録音
繊細で洗練された美しさと高度な技術で今なお人気の高いソ連の名チェリスト、ダニール・シャフラン(1923―1997)のドイツ目玉はブリテンのチェロ・ソナタ。この作品はブリテンと交流の深いムスティスラフ・ロストロポーヴィチのために書かれ彼が初演したもので、シャフランの演奏した録音は今回初めて世に出るでしょう。シャフランの美学に貫かれたブリテンはこれまた絶品。その他はシャフランの得意とする作品ばかりで、いずれもロシアでの録音もあるが、ドイツの放送局の優秀な録音で聞くシャフランは彼の美質がより明瞭に聞いてとれます。協奏曲2曲は東ベルリンでの放送用録音。シャフランの弾くドヴォルザークのチェロ協奏曲は1978年の録音が出ているが、ここでの30代のシャフランの演奏は颯爽とスマートで気品に満ちています。ハンガリー生まれの指揮者カール・フォン・ガラグリの伴奏とも相性が良く、名盤あまたのドヴォルザークのチェロ協奏曲の中でも傑出した演奏でしょう。カバレフスキーのチェロ協奏曲第1番は作曲者自身の指揮。シャフランとカバレフスキーは1954年にこの曲を録音(最初の録音だった)しており、後にカバレフスキーは協奏曲第2番をシャフランのために書き、彼が初演した。簡易収納紙ケースを使用。

Goodies
78CDR-3817(1CDR)
税込定価
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11 モーリツ・ローゼンタール(P)
フリーデル・ヴァイスマン(指)SO
英 Parlophone E 5307/9 & E 15184/5

1930年5月1日&11月26日ベルリン録音
ピアノのモーリツ・ロゼンタール(1862-1946)はポーランドのリヴィウ生まれ。 1872年にカール・ミクリ(1821-1897)に師事した。ミクリはショパンの弟子で 助手をつとめたピアニスト。1878年フランツ・リストの門下に入り 欧州各地で演奏した。一時ウィーン大学の哲学科で学んだこともある。1888年 にボストンでアメリカ・デビュー。1895年にライプツィヒ、ロンドンでも大成 功を収めた。1926年から28年にはフィラデルフィアのカーティス音楽院で教鞭 をとり、1939年からはニューヨークで自らのピアノ学校を開いて多くの弟子が 居た。指揮者のフリーデル・ヴァイスマン(1893-1984)はパーロフォン/オデ オン等のレコード会社やヨーロッパの名門オーケストラのハウスコンダクター を務めた人物。上記2回の録音日には音質の違いが聞き取れます。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジ(3mil針)とコルグのNu 1DSD録音機を使用した。

REFERENCE
FR-739SACD
(1SACD)
ジョナサン・レシュノフ(1973−):ピアノ協奏曲
交響曲第3番
カンザスシティSO
マイケル・スターン(指)
ジョイス・ヤン(P)
ステファン・パウエル(Br)
アメリカ、ニュージャージー出身の作曲家ジョナサン・レシュノフ(1973-)。ジョンズ・ホプキンズ大学で人類学、ピーボディ音楽院、メリーランド大学 で音楽を学び、その作品は65を超えるオーケストラで演奏され、成功を収めています。4曲の交響曲、10曲を超える協奏曲など、その新ロマン的な作風 が多くの聴衆を魅了しています。 カンザスシティSO委嘱による「ピアノ協奏曲」。演奏は、この作品を初演したジョイス・ヤン。彼女は韓国出身のピアニストで、2005年のヴァン・クライバー ン国際ピアノコンクール第2位受賞した実力の持ち主。そしてメインプログラムは「交響曲第3番」。バリトンのステファン・パウエルによって歌われるテキ ストは、第一次世界大戦時の手紙。この作品はその手紙に触発されて作曲されました。 (Ki)

Audite
AU-97777(1CD)
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲第1番変ホ長調 Op.107
チェロ協奏曲第2番ト短調 Op.126
マルク・コッペイ(Vc)
ローレンス・フォスター(指)、
ポーランド国立RSO

録音:2019年12月18&20日(セッション)、2019年12月19日(ライヴ)/NOSPR コンサートホール(カトヴィツェ)
コッペイはストラスブール生まれ。パリ国立高等音楽院で学んだ後、18歳でバッハ国際コンクールにおいて優勝し一躍世界から注目を集めることに なりました。その後のキャリアは華々しく、ソリストとしてはインバル、クリヴィヌ、ギルバート、佐渡裕などの指揮者と共演。また室内楽奏者としてのキャリ アも充実しており、ピリス、ベロフ、デュメイ、ムローヴァ、パユなどから厚い信頼を得ております。またイザイSQ(1995年から2000年)のメ ンバーとして数多くの録音を残しております。現在はパリの国立高等音楽院で教鞭を執るほか、ザグレブ・ソロイスツ合奏団の芸術監督として活躍の幅をさ らに広げており、手兵と共演したハイドン&C.P.E バッハのチェロ協奏曲集(AU 97716)では高い評価を得ております。また、キリル・カラビツ(指)ベ ルリン・ドイツSOとの共演でドヴォルザークのチェロ協奏曲(AU 97734)もリリースしております。
ロストロポーヴィチに捧げられたショスタコーヴィチの2つのチェロ協奏曲は今やチェリストの必須レパートリーに数えられる名作。ショスタコーヴィチの もつ独特な世界が広がる渾身作に真っ向から挑んだコッペイの演奏は、新たな名盤呼び声高い充実の内容。ローレンス・フォスター率いるポーランド国立 RSOの演奏も実に味わい深いです。 (Ki)

APARTE
AP-242(1CD)
ヴィヴァルディ:四季 アレクサンドラ・コヌノヴァ(Vn)
フランソワ・ソシャール、ドミートリー・セレブレンニコフ、アンナ・ヴァシリエヴァ、マルク・ダニエル・ヴァン・ビーメン、フィリップ・ジョンソン、カーチャ・トラーベ(Vn)、ブリーゼ・テウ・エングストレム、イザベル・マルコワ(Va)、アナスタシア・コベキナ、エリック・ゾルニョッティ(Vc)、アイヴィ・ウォン(Cb)、パオロ・コルシ(Cemb)

録音:2020年8月11-15日/ドメーヌ・ド・ブジー(スイス)
2018年のフォルジュルネ音楽祭にも来日して注目されたアレクサンドラ・コヌノヴァ。1988年モルドヴァ出身で、2012年ヨアヒム国際コンクール優勝、 2015年第15回チャイコフスキー国際コンクール3位の経歴を持つ注目株。今回ヴィヴァルディの名曲「四季」に挑戦しましたが、何と「秋」「冬」「春」「夏」 の順に演奏。
コヌノヴァにとりヴィヴァルディの「四季」は幼時から特別な曲だったとのことで、新型コロナウィルス蔓延期に何か前向きなことができないかと思案の末、 ロックダウン中のスイスでもベランダで隣人たちのために演奏したとのこと。困難な時代でも創造的であり続けるため、生きている証としてこれを録音するに 至りました。 2020年の夏、困難ななかチェロのコベキナを含む仲間たちと録音を決行。久しぶりに音楽をできる若者たちの喜びと生命力がメッセージとして伝わってきます。 (Ki)

Ars Produktion
ARS-38552(1CD)
TABULA RASA〜2台のヴァイオリンのための二重協奏曲集
バッハ:2台のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV.1043
アルヴォ・ペルト:タブラ・ラサ
ヴィヴァルディ:2台のヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 Op. 3, No.8, RV522
シュニトケ:合奏協奏曲 第3番
ナターシャ・コルサコワ (Vn)、
マンリーコ・パドヴァーニ(Vn)

録音:2016年6月20日−22日、チェコ
ナターシャ・コルサコワは、モスクワ放送響の元コンサートマスターを務めた祖父のボリス・コルサコフに最初のヴァイオリンのレッスンを受け、ロシアの名ヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾであった、父アンドレイ・コルサコフに大きな影響を受け、ロシアの偉大なヴァイオリン・スクールの系譜を継ぐヴァイオリニスト。スイスを拠点に国際的なオーケストラ、音楽祭、コンサートで活動し、また5ヶ国語を話し、2つの小説を出版する作家としての顔も持つ才女です。
マンリーコ・パドヴァーニは、その華麗で驚異的なテクニックから「ヴァイオリンの魔法使い(Wizard of the Violin)」とも呼ばれる、イタリア出身スイスのヴァイオリニスト。バチカンのパウロ6世記念ホールでは、ローマ教皇ベネディクト16世の前で演奏したというコルサコワとパドヴァーニのデュオで、バッハからペルトまで2台のヴァイオリンのための二重協奏曲の歴史を辿ります。

Diapason
DIAP-128(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 Op.104
ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 Op.90「ドゥムキー」
ピエール・フルニエ(Vc)、
ジョージ・セル(指)BPO
スーク・トリオ〔ヨゼフ・スーク(Vn)、ミロシュ・サードロ(Vc)、ヤン・パネンカ(P)〕*
録音:1961年、1958年*

※リマスタリング:Circe(フランス)
フランスのクラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリング施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜 ディアパゾンが選んだ決定盤』。
同シリーズの第128集は、数ある「ドヴォコン」の録音の中でも決定盤の1つとして名高いフルニエ、セル&ベルリン・フィルのコンビによる1961年の録音をメインとした「ドヴォルザーク」!
カップリングにディアパゾン誌が選んだのは、スーク・トリオのこれまた名演である「ドゥムキー」。チェロはレギュラーメンバーのヨゼフ・フッフロではなく、その師であるミロシュ・サードロが担当しているところもポイントです。

Hyperion
"The Romantic Piano Concerto"
CDA-68319(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.82
ステファン・エルマス(1862−1937):ピアノ協奏曲第1番ト短調
ピアノ協奏曲第2番ニ短調
ハワード・シェリー(P&指揮)、
タスマニアSO
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第82巻は、19世紀後半から20世紀前半に活動したアルメニアのコンポーザー=ピアニスト、ステファン・エルマスのピアノ協奏曲。ステファン・エルマス(1862−1937)はオスマン帝国スミュルナ(現在のイズミル)の裕福な家庭の下に生まれ、13歳でリストのすべての作品を演奏するなど神童として育ちました。17歳で憧れのリストにも出会い、リストの薦めでウィーン国立音楽大学へ留学。1885年にはウィーンでデビューし、その後フランス、イギリス、ドイツ、オーストリア、イタリアなどで演奏旅行を行うコンサート・ピアニストとして活躍。旅行中にアントン・ルビンシテインやジュール・マスネらとも親交を深め、1912年以降はスイスのジュネーヴに永住し、演奏、作曲とともに教師としても活動しました。
1988年にはアルメニアの作曲家の遺産を世界に広めるため、ステファン・エルマス財団が設立され、エルマスの作品も再評価が進められています。このアルバムでは、エルマスが書いた3つのピアノ協奏曲のうち、どちらも1880年代に書かれた第1番(1882)と第2番(1887)の2曲を収録。新しい世紀になってもロマン派のスタイルを保ち、優雅で上質なサロン音楽を生み出してきたエルマスの、勇壮でロマンティックなピアノ協奏曲をどうぞ。

Daphne
DAPHNE-1065(1CD)
北欧コネクション
ヨースタ・ニューストレム:ヴィオラ協奏曲「フランスへのオマージュ」
ルードヴィーグ・ノルマン:ヴィオラとピアノのためのソナタ ト短調 Op.32
グリーグ:ヴィオラとピアノのためのソナタ ハ短調 Op.45(原曲:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 Op.45)
ヨーラン・フロースト(Va)、
オスカル・エークベリ(P)、
スウェーデン室内O、
クレメンス・シュルト(指)

録音:2018年10月4日(ライヴ)(協奏曲)、2019年8月30日−9月1日、(ソナタ)、オレブルー・コンサートホール(オレブルー、スウェーデン)
スウェーデンのヴィオラ奏者、ヨーラン・フローストのデビュー・アルバム。ヨーラン・フローストは、2011年から2014年までBBCウェールズ・ナショナルOの首席ヴィオラ奏者を務め、2016年にスウェーデン室内Oの首席ヴィオラ奏者に就任しました。めざましい活動をするスウェーデンの現代音楽グループ「室内アンサンブルN(KammarensembleN)」に所属。作曲家、編曲者としても活動しています。
20世紀スウェーデンを代表する作曲家のひとり、ヨースタ・ニューストレムのヴィオラ協奏曲「フランスへのオマージュ」は、第二次世界大戦が始まってまもない1940年に作曲されました。「(レント・モルト・トランクィッロの)緩徐楽章は、北欧メランコリーにみちた、スウェーデンの作曲家がヴィオラのために書いたもっとも美しい曲のひとつ」と、フローストが語る音楽です。ルードヴィーグ・ノルマン(1831−1885)は、19世紀スウェーデンのロマンティシズム時代に幅広いジャンルの作曲を手がけ、交響曲第2番(Musica Sveciae MSCD512)、ピアノ四重奏曲と弦楽四重奏曲(MSCD518)、「森の歌」などの歌曲集(MSCD525)といったアルバムが「スウェーデン音楽アンソロジー」に収められました。「ヴィオラとピアノのためのソナタ ト短調」は、初録音の作品です。ノルマンと、著名なヴァイオリニストだったヴィルマ・ネルダの結婚生活が破綻、妻が家を出た後に書かれた作品です。グリーグの「ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調」は、ノルマンのソナタと「ちょっとしたつながり(コネクション)」のある作品です。1886年夏から1887年暮れの間に書かれ、ライプツィヒでの初演の後、デンマークで演奏して大きな成功を収めました。「愛すべき作品」と語るフロースト自身が「ヴィオラとピアノ」のために編曲した版による演奏です。

ANALEKTA
AN-28920(1CD)
ヒナステラ、バーンスタイン、ムーサ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
ヒナステラ(1916−1983):ヴァイオリン協奏曲 Op.30
レナード・バーンスタイン(1918−1990):ヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器のためのセレナード(プラトンの「饗宴」による)
サミー・ムーサ(b.1984):ヴァイオリン協奏曲 「アドラーノ」(2019/世界初録音)
アンドルー・ワン(Vn)、
ケント・ナガノ(指)モントリオールSO

録音(ライヴ):2019年2月〜11月、メゾン・サンフォニク・ド・モンレアル(カナダ)
カナダ、ケベック州の名門オーケストラ、モントリオールSO(OSM)と、2006年から音楽監督を務める名匠ケント・ナガノ。カナダの名手アラン・ルフェーヴルとの「ラフマニノフ&スクリャービン」(AN-29288)、OSMの首席トランペット奏者ポール・メルケロとの「フランスのトランペット協奏曲集」(AN-29847)、コンサートマスター、アンドルー・ワンが躍動する「サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲全集」(AN-28770)に続く、ケント・ナガノ&OSMによる新たなコンチェルト・レコーディング。ケント・ナガノ体制を支える若きキーパーソン、アンドルー・ワンが再びソリストに立ち、ヒナステラ、バーンスタイン、そしてモントリオール出身の若き作曲家サミー・ムーサ(b.1984)の委嘱作という鮮烈なプログラムです。
ニューヨーク・フィルの委嘱によって作曲され、ルッジェーロ・リッチの独奏、バーンスタインの指揮で1963年に初演されたヒナステラのヴァイオリン協奏曲は、通常のラージ・オーケストラ編成に加えて、4ダースの楽器を扱う7人以上の打楽器奏者が必要という作品。
プラトンの「饗宴」にインスピレーションを得て作曲され、1954年にアイザック・スターン独奏、作曲者自身の指揮で初演されたバーンスタインの「セレナード」は、五嶋みどりが弦を2回切りながらも弾き切った「タングルウッドの奇跡」のエピソードでも有名な作品です。
最後は、OSMの委嘱によって書かれたサミー・ムーサのヴァイオリン協奏曲。古代の火の神「アドラーノ(Adrano)」(日本ではアドラヌスとも)をサブタイトルとした神秘的な作品で、2019年11月の初演コンサートの模様が収録されています。
アンドルー・ワンは、ジュリアード音楽院を卒業し、現在はマギル大学のシューリック音楽スクールでヴァイオリンの助教授を務めるとともに、OSMチェンバー・ソロイスツの芸術監督、プリンス・エドワード・カウンティ室内楽音楽祭の芸術監督も務めています。カナダの名門オーケストラ、モントリオールSOでは2008年よりコンサートマスターに任命され、世界的な指揮者、独奏者たちと共演してきました。1744年ミケランジェロ・ベルゴンツィ製のヴァイオリンを使用。


Treasures
TRE-233(1CDR)
ヘブラー&ホルライザー/モーツァルト:ピアノ協奏曲集Vol.1
ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K. 246
ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K. 450*
ピアノ協奏曲第18番変ロ長調 K. 456#
イングリット・ヘブラー(P)
ハインリヒ・ホルライザー(指)
ウィーン・プロ・ムジカSO(ウィーンSO)

録音:1955年4月28.30日、1953年*,#(全てモノラル)
※音源:英VOX PL-9290、 PL-8300*,#
◎収録時間:76:48
“「ヘブラーのモーツァルトは甘ったるい」というのは明らかに誤解です!”
■音源について
ヘブラーは生涯に「第8番」「第15番」を各2回づつ、「第18番」を計3回録音していますが、ここに収めたのはそれぞれ初回録音。VOXへのモーツァルト:ピアノ協奏曲集のうち、ホルライザーとは8曲共演しています。使用音源は、良質な英国盤(RIAA)。

第8番の第1楽章出だしを聴けば、ヘブラーの出す音がいかに純度が高いかわかるはず。ただ弾いているだけのようでいて、タッチの一つ一つに鋭敏な感性が息づいています。展開部の転調においても、その妙味を強調することなくクールに進行。無機質に陥る寸前まで余分な表情を排除するセンスこそ、モーツァルトには不可欠だとおいもい知るばかりです。 汚れを知らぬタッチは第2楽章で一層意味を持ち、音楽を炙り出そうとしなくても、そのタッチが全てを語ってくれます。
 第15番では、タッチの純度の高さはそのままに、明らかに自己表現を上乗せしているのが興味深いところ。特に、第1楽章の前のめりなほどのテンポ選択においてそれが顕著。ニュアンスが上滑りするどころか、手放しの幸福感を表すのにはこれしかないと唸らされます。そのテンポを指揮者とピアニストのどちらが主導したのかがわからないところがまたミソで、これこそ音楽観をしっかり共有できている証し。因みに、ステレオ再録音ではより落ち着いたテンポを採用しており、その安定感と内省味も捨てがたいのですが…。第2楽章では、少ない音符の隙間に虚しい空気など入り込むことなく音楽が充満。そこには、共感の深さ以上の大きな力が作用しているとしか思えません。終楽章は音の跳躍の何という楽しさ!これぞ「ザ・モーツァルト!」と叫びたいほど。この作品は、ケンプ&ミュンヒンガー盤の素晴らしさが忘れが忘れがたいですが、少なくともこの楽章はヘブラーに軍配を上げざるを得ません。
 第18番になると、作品の充実度が高まるのに伴い、ヘブラーはタッチもフレージングも深淵さと意思の注入度を高めます。へブラーのモーツァルトに「模範的」とか「甘ったるい」というイメージを持つ人が多いようですが、それが明らかに誤解であることは、この第1楽章だけでも明らか。第2楽章は白眉中の白眉!モーツァルトの悲しみが最も高次元に昇華しているのは、この第2楽章では?と思えてなりませんが、それは、ヘブラーのみならず、同様の純度を誇るホルライザーの指揮があまりにも素晴らしいため。もし、モーツァルトの交響曲の録音を遺していたなら彼の名は稀代のモーツァルト指揮者として記憶されたことでしょう。ヘブラーはVOXにモーツァルトの協奏曲を他の指揮者とも録音していますが、もちろんホルライザーの含蓄には遠く及びません。 【2020年10月・湧々堂】

BIS
BISSA-2418
(1SACD)
2017−クリスチャン・リンドベルイ:管弦楽のための作品集
クリスチャン・リンドベルイ(1958-):ウロンゴンの波(The Waves of Wollongong)(2006-09)〜9本のトロンボーンと管弦楽のための*
リヴァプールの子守歌(Liverpool Lullabies)(2015-16)〜トロンボーン、打楽器と管弦楽のための**
2017〜管弦楽のための
アントワープSO、クリスチャン・リンドベルイ(指)トロンボーン**)
ニュー・トロンボーン・コレクティヴ【アレクサンデル・フェルベーク(アルト・トロンボーン)、アレックス・ガルシア(アルト・トロンボーン)、
ダニ・キエレス・カスカント(アルト・トロンボーン)、セバスティアン・ケムネル(テナー・トロンボーン)、
ホセ・ルナ・アグード(テナー・トロンボーン)、バネッサ・バイレーン(テナー・トロンボーン)、ブラント・アッテマ(バス・トロンボーン)、
マルク・ボーンストラ(バス・トロンボーン)、ロエル・アーフォンズ(バス・トロンボーン)】*
エヴェリン・グレニー(打楽器)**

録音:2018年9月/エリザベートホール(アントワープ、ベルギー)
スウェーデンのトロンボーン奏者、クリスチャン・リンドベルイ Christian Lindberg は、近年、「作曲家」として注目されるこ とが多くなり、各国のオーケストラやプレーヤーから委嘱される音楽の作曲に意欲的に取り組んでいると言います。彼がアントワープSOを指揮して 2018 年に録音した新しいアルバムでは、10 年以内に作曲された 3 つの管弦楽曲が演奏されます。「ウロンゴンの波」は、オランダの若いプレーヤーたち が 2001 年に結成した「ニュー・トロンボーン・コレクティヴ」と共演するための作品としてロッテルダム・フィルハーモニックから委嘱を受け、作曲されま した。作曲のヒントとなったのは、オーストラリア南東部沿岸の都市ウロンゴンで実際に目にした、ニュージーランドのホークス・ベイからタスマン海を越え て押し寄せる波。その大小さまざまな波の姿をニュー・トロンボーン・コレクティヴの 9 本のトロンボーンに変える音楽が生まれます。「祝いの花火」に終わ る音楽をリンドベルイは、BIS Records の CEO、フォン・バールに献呈しました。
「リヴァプールの子守歌」は、デイムの称号を授かった打楽器奏者エヴェリン・グレニー Evelyn Glennie とリンドベルイ自身のトロンボーンの「二重協奏 曲」として指揮者ジョン・ラボックから依頼を受けた作品です。クリスチャンが 6 歳の時、ビートルズの大ファンだった母親が子守歌に歌ってくれた歌の「胚芽」 をベースに作曲。名高い音楽祭のひとつ「チェルトナム・フェスティヴァル」で、グレニーとリンドベルイが、ラボックのオーケストラ、セント・ジョンズ・ス ミス・スクエアOと共演して初演しました。
「2017」は、2013 年、フランダース・フィルハーモニック(現、アントワープSO)のヘールト・リームとハンス・フェルブークトからストラヴィンスキー の「春の祭典」をモデルにした同規模の管弦楽曲について打診され、さまざまな状況から作曲が延び延びになってしまっていた作品です。作曲のきっかけは、 2016 年 11月のアメリカ大統領選挙だったと言います。「世界が、突然ひっくりかえり……2016 年 11月8日から2017 年 1月1日までの間、あまりのショッ クに心理的に麻痺してしまった」。そして「2017 年」の最初の日にアイデアが浮かび、一年かけて作品を完成させます。〈The World Upside Down(ひっ くりかえった世界)〉〈Lonely Creatures(孤独な生き物)〉〈Fake News(フェークニュース)〉〈Inner Soul(内なる魂)〉〈The Bragger(自慢屋)〉〈Reflection (反響)〉〈Train from Hell(地獄発の列車)〉の 7 曲で構成した約 33 分の作品。アメリカ、MSNBC のテレビ番組のキャスターを務めるジャーナリスト のレイチェル・マドウ(マドー)に献呈されました。 (Ki)


BERLINER PHILHARMONIKER
KKC-6311(3SACD)
税込定価
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
(1)ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
(2)ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
(3)ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(4)ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
(5)ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」
ベルリンPO
サー・サイモン・ラトル(指)
内田光子(P)

(1)録音:2010年2月4日
(2)録音:2010年2月10日
(3)録音:2010年2月10日
(4)録音:2010年2月20日
(5)録音:2010年2月14日
録音場所:ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)

輸入盤・日本語帯・解説付
内田光子をソリストに迎え2010年2月に行われたベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲録音のSACD Hybridをご案内いたします。 ラトルがベルリン・フィルの首席指揮者を務めていた16年間に、およそ30公演をともにした内田光子。この共演回数は、他のソリストと比べても多く、モー ツァルト、ラヴェル、シューマン、メシアン、そして今回のベートーヴェンと定期的にかつ集中的に共演しています。内田光子は1984年にベルリン・フィル・ デビューをして以来、オーケストラとも良好な関係を築き、2008/09年シーズンのアーティスト・イン・レジデンスをはじめ、2013年にはフィルハーモニー の開館 50 周年を祝うガラ・コンサートでゲスト・ソリストとしても招かれています。 本盤は、2010年2月に行われたベートーヴェンのピアノ協奏曲ツィクルス。演奏会は4回にわけて行われ、同時にシベリウスの交響曲、リゲティ、クルター クと興味深いプログラムで構成されました。ベルリン・フィルによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲というと、カラヤン時代以来、首席指揮者がお気に入 りのピアニストを起用して演奏しています。すなわちカラヤンは、アレクシス・ワイセンベルク、アバドはマウリツィオ・ポリーニと取り上げ、録音も行われま した。内田は、ラトル時代に彼と最も多く共演したピアニスト、器楽奏者であり(約30公演)、その成果は、モーツァルト、ラヴェル、メシアン、シューマン、 そしてこのベートーヴェンに結実しています。今回のリリースは、内田がベルリン・フィルにとって、最も重要なソリストであることの証左であり、彼女へのオマー ジュとなっています。内田光子はインタビューで「イギリス人は、ベートーヴェンを “所有” したことがない。だから寛容なのです。それが、私がロンドンに 住んでいる理由なのです。」と述べています。自由な表現を許すイギリスに住む内田光子、イギリス人であるラトル、そしてベートーヴェンを “所有” し偉大 なる伝統をもつベルリン・フィルという3者の一流のぶつかり合いは間違いなく素晴らしいものです。 さらに内田光子は、この録音のリリースに際して、「この演奏には説得力があります。本番にしかない本物の生気があります。」と語っているように、この録 音には演奏会の生の熱気が凝縮されています。 (Ki)

BIS
BISSA-2485
(1SACD)
アランフェス協奏曲
(1)ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
(2)フランシスコ・コル(1985-):「トゥリア」〜ギターとアンサンブルのための協奏曲
(3)ファリャ:「クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌」〜ギターのための
(4)アルベニス:「エヴォカシオン」〜『イベリア』より(クリスチャン・カールセン編)
(5)ピート・ハーデン(1979-):「慰めと煌めき」〜ギターとアンサンブルのための
ヤコブ・ケッレルマン(G/マティアス・ダマン製)、
クリスチャン・カールセン(指)
(1)ロンドンPO
(2)(4)(5)ノルボッテンNEO

録音:(1)2019年10月/ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)、(2)(5)2017年12月/スタジオ・アクーティクム(ピテオー、スウェーデン)、
(3)(4)2019年9月/スウェーデン・ラジオ内スタジオ3(ストックホルム、スウェーデン)
現在ヨーロッパを中心に活躍するギタリスト、ヤコブ・ケッレルマンがロドリーゴのアランフェス協奏曲を録音しました!
ストックホルム生まれのケッレルマンは母国スウェーデンをはじめスペイン、オランダ、ドイツで研鑽を積み、BISレーベルでもおなじみの名手フランツ・ハラー スのマスタークラスのディプロマも取得した実力派ギタリスト。ヴァイオリンのダニエル・ミグダールとのデュオ「デュオ KeMi」とても活躍し、BISレーベル から「シューベルトのアルペジョーネ・ソナタ」(BIS SA 2375)をリリースしております。期待のソロ・アルバムでは情熱あふれるアランフェス協奏曲をはじめ、 現代作曲家コル、ハーデンの作品も収録。ケッレルマンの巧みな演奏をお楽しみください! (Ki)

WERGO
WER-5127(1CD)
エンヨット・シュナイダー(1950-):フルート・ストーリーズ
(1)水、限りなき元素 〜2つのフルートと管弦楽のための協奏曲(2019)
(2)樹の国〜フルート、弦楽とハープのための (2019)
(3)楊貴妃の絵 〜フルートと交響管弦楽のための(2015)
ルーカス・ドゥゴシュ (フルート(1)(2)(3))
アガタ・キーラー=ドゥゴシュ(フルート(1))
アグニェスカ・カツマレク=ビアリッツ ( ハープ(2) )
ダリウシュ・ズボフ(ヴァイオリン(2))
ミロスラフ・ヤチェク・ブワシュチク(指)
シレジア・フィルハーモニーSO((1)(3))
シレジア室内O((2))

録音:2020年1月11-14日
全曲世界初録音
大量の映画音楽を書き、国際的な名声を得ているドイツの作曲家シュナイダー。WERGOレーベルからリリースされている管弦楽作品のシリーズも、ロマ ン派的な聴きやすさと豊穣なオーケストレーションが魅力の人気シリーズです。
今作ではフルート独奏を伴う協奏作品が並んでいます。中国の道教や楊貴妃を題材としていて、中国の音階を取り入れた響きが特徴的。「水」は道教を表 す重要なテーマであり、自由に形を変えながら流れていく旋律はフルートにぴったり。様々な木々を描く『樹の国』でも、フルートとハープが自然の生命力を 美しく表現。『楊貴妃の絵』では妖艶な美と劇的な破滅が、大迫力をもって描かれます。 (Ki)

Stradivarius
STR-37158(1CD)
チェロとギターのための二重協奏曲集
マルコ・ノダーリ(b.1969):二重協奏曲「ロマンティック」もしくは「可能なバランス」(2018) 〜ギターとチェロと管弦楽のための協奏曲
ピアソラ:二重協奏曲「リエージュに捧ぐ」(1985) 〜ギターとバンドネオンと弦楽のための(ブッカレッラ編チェロとギター版)
ミゲル・バレイレス:「ブエノスアイレスの秘密」(2017) 〜ギターとチェロと管弦楽のための
ジョヴァンナ・ブッカレッラ(Vc)
フランチェスコ・ディドヴィチ(G)
ジョヴァンニ・ミナフラ(指)
プリエーゼPO

録音:2019年6 月
20〜21 世紀に書かれたギターとチェロ、オーケストラのための協奏曲を収録。い ずれもいわゆる現代音楽とは一線を画したロマンティックで美しい作品。ノダーリは イギリスの現代作曲家 P.M.デイヴィスに師事したものの映画の仕事を数多く手が け、その作風は極めて抒情的。二重協奏曲「ロマンティック」はその名の通り、映画 音楽のように美しいメロディに溢れた佳品。ピアソラの「リエージュに捧ぐ」は名作「バ ンドネオン協奏曲」に隠れて目立たないが晩年のピアソラの円熟を感じさせる傑作。 このディスクではバンドネオンのパートをチェロで弾いています。アルゼンチンの作曲 家バレイレスの「ブエノスアイレスの秘密」はピアソラへのオマージュを込めたメランコ リックな秀作。

CPO
CPO-555413(3SACD)
NX-D03
ヘンデル:ピアノ協奏曲全集(オルガン版より編)
【SACD1】
ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.4, No.1, HWV 289
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.4, No.2, HWV 290
ピアノ協奏曲第3番ト短調 Op.4, No.3, HWV 291
ピアノ協奏曲第4番ヘ長調 Op.4, No.4, HWV 292
ピアノ協奏曲第5番ヘ長調 Op.4, No.5, HWV 293
ピアノ協奏曲第6番変ロ長調 Op.4, No.6, HWV 294
【SACD2】
ピアノ協奏曲第7番変ロ長調 Op.7, No.1, HWV 306
ピアノ協奏曲第8番イ長調 Op.7, No.2, HWV 307
ピアノ協奏曲第9番変ロ長調 Op.7 No.3, HWV 308
ピアノ協奏曲第10番ニ短調 Op.7, No.4, HWV 309
ピアノ協奏曲第11番ト短調 Op.7, No.5, HWV 310
ピアノ協奏曲第12番変ロ長調 Op.7, No.6, HWV 311
【SACD3】
ピアノ協奏曲第13番ヘ長調 「カッコーとナイチンゲール」 HWV 295
ピアノ協奏曲第14番イ長調 HWV 296a
ピアノ協奏曲第15番ニ短調 HWV 304
ピアノ協奏曲第16番ヘ長調 HWV 305a
マティアス・キルシュネライト(P)
ラヴァー・スコウ・ラーセン(指)
ノイス・ドイツ・チェンバー・アカデミー

録音:2013年5月9-12日…SACD1
2015年3月20-22日…SACD2
2013年11月2-4日…SACD3
ヘンデルのオルガン協奏曲を、ドイツのピアニスト、マティアス・キルシュネライトが現代ピアノで演奏するシ リーズをまとめたBOXの登場。バッハのハープシコード協奏曲は、すでに現代のピアニストたちの標準的なレ パートリーになっているのに対し、ヘンデルの一連の作品はほとんどコンサートで取り上げられることがなく、こ の録音はバロック期の協奏曲の新しい可能性を拓くものとして高く評価されました。キルシュネライトの演 奏は、ヘンデルの即興性を活かしながら、現代的な響きがもたらされるように絶妙なアレンジが施されてい ます。高音質の録音も魅力的。

Brana Records
BR-0037(3CD)
ブラーナ・レコーズ・コレクションVol.4 〜 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73 「皇帝」
ピアノ協奏曲変ホ長調(1784)
フェリシア・ブルメンタール(P)
ロベルト・ワーグナー(指)、ウィーンSO

録音年月日不詳/ADD
生まれ故郷のポーランド、ワルシャワからブラジルへと渡り、欧州各国のバロック音楽から、ブラジルの近現代作品、知られざる協奏曲作品など膨大なレパートリーを誇った知る人ぞ知る幻の女流ピアニスト、フェリシア・ブルメンタール(1908−1991)。
ブルメンタールの遺産を復刻し続けているブラーナ・レコーズのコレクションBOX第4弾として、BR0034、BR0035、BR0036の3枚をセット化した、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。ベートーヴェンへの深い愛情や尊敬を感じさせる、じっくりと丁寧なベートーヴェンで、幻の女流ピアニストの芸術を後世に伝えます。
Brana Records
BR-0036(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 Vol.3
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73 「皇帝」
ピアノ協奏曲変ホ長調(1784)
フェリシア・ブルメンタール(P)、
ロベルト・ワーグナー(指)ウィーンSO

録音年月日不詳/ADD
幻の女流ピアニスト、フェリシア・ブルメンタールの知られざる芸術を伝えるブラーナ・レコーズ・コレクションVol.4(ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集/BR0037)の分売の1つ。最高傑作「皇帝」に、通称「ピアノ協奏曲第0番」とも呼ばれる、若きベートーヴェンが書いた「ピアノ協奏曲変ホ長調」も収録。
Brana Records
BR-0035(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 Vol.2
ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
フェリシア・ブルメンタール(P)、
ロベルト・ワーグナー(指)ウィーンSO

録音年月日不詳/ADD
幻の女流ピアニスト、フェリシア・ブルメンタールの知られざる芸術を伝えるブラーナ・レコーズ・コレクションVol.4(ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集/BR0037)の分売の1つ。第3番と第4番のピアノ協奏曲を真摯に紡ぎます。

FUGA LIBERA
FUG-766(1CD)
エリザベート王妃音楽大学ライヴ〜モーツァルト:二重協奏曲と演奏会用アリア
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 変ホ長調 K. 365
演奏会用アリア 「どうしてあなたを忘れられよう…恐れないで、愛する人よ」-ソプラノ、オブリガート・ピアノと管弦楽のための K. 505
ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための協奏曲 ニ長調 K. Anh. 56 (フィリップ・ウィルビー補筆完成版)
ルイ・ロルティ(P)
ヴィクトリア・ヴァシレンコ(P)
イリス・ファン・ウェイネン(Ms)
フランク・ブラレイ(P)*
ウラディスラヴァ・ルチェンコ(Vn)
ビール・ゾロトゥルンSO
カスパール・ツェーンダー(指)

録音:2019年3月20日、2020年3月11日 パレ・デ・コングレ、ビエンヌ(ビール)、ライヴ・拍手入り
エリザベート王妃音楽大学主催の公演より、同校で教鞭をとるロルティと、ブラレイなどエリーザベト王妃 国際音楽コンクール成績優秀者によるモーツァルトを集めたアルバム。ソリストを2人必要とする作品が集 められているのが特徴です。ロルティの滑らかで美しいピアノがたっぷり聴けるのが嬉しいところ。演奏会用 アリアでソロを取るウェイネンは、メゾながらソプラノ音域もこなします。第1楽章の途中までしか書かれな かったヴァイオリンとピアノのための協奏曲は、ウィルビーによるヴァイオリン・ソナタK. 306を流用した定評 の完成版を使用しています。


Treasures
TRE-234(1CDR)
ヴァルガ〜ブルッフ&チャイコフスキー
チャイコフスキー:「懐かしい土地の思い出」Op.42〜瞑想曲(グラズノフ編)*
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.35
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番Op.26#
ティボール・ヴァルガ(Vn)
ジャン=マリー・オーバーソン(指)
ボリス・マーソン(指)*
ウィーン祝祭O

録音:1965年(ステレオ)
※音源:Comcert Hall SMS-24110、SMS-2587(TU)#
◎収録時間:74:10
“潔癖かつ鉄壁!造形美への並々ならぬ執着がもたらす凛然たるニュアンス!”
■音源について
★何度も繰り返しているとおり、コンサートホール・レーベル特有のステレオ・サウンドですが、最も条件の整ったスイス盤とフランス盤を使用。

★ティボール・ヴァルガ(1921-2003)は、フバイ、フレッシュ等の薫陶を受けたハンガリーの名手。メジャー・レーベルにほとんど録音がないので知名度は低いですが、品格溢れるその演奏は異彩を放っています。
その最大の特徴は、岩盤のように厳しいフォルムの決め方でしょう。そのフォルム内に濃密なフレージングを刻印し続けるスタイルは情に流れされることがなく、聴き手にも一定の緊張をもたらすほど。しかし、ロマン溢れる2つの協奏曲にはそれは禁欲的過ぎるのでは?という心配は御無用。むしろその緊張こそが感動の源であり、その凛とした佇まいを前にして居住まいを正して聴き入るばかりです。
 チャイコフスキーの協奏曲は、冒頭からヴァルガのスタイルを強烈に刻印。丹念な音の置き方に共感の限りを尽くし、品位の高い美音も心に染みます。第2主題以降もテンポを急がず、これ以上不可能なほど音を噛み締めつつ進行しますが、持ち前の緊張感によって音楽が淀むこともありません。カデンツァなどまるでバッハです。第2楽章の呼吸の深みと持久力も素晴らしく、しかも音程が極めて正確なのでフレーズの美しさが一層際立ちます。第2主題はもっと髪を振り乱すほど情感をぶつけることも可能でしょうが、心の内面の高揚に徹しているのがかえって涙を誘います。
 造形美の保持に対するヴァルガの執念は、より古典的な形式を持つブルッフでは更に大きく開花。楷書スタイルの一点一画が強固な意志で充満しており、この作品を一般的なイメージ以上の高次元へと昇華させています。
まず第1楽章冒頭のフレーズの結尾(0:36〜,1:05〜)にご注目。音の消え入り方のなんという儚さ!
ヴァルガの楷書芸術の最高の結晶と言えるのが終楽章。特に主題の奏で方は鳥肌必至!浮足立たず、弾き飛ばしも崩しも許さない厳しい姿勢が精神の燃焼に完全直結!このテーマがこんなに光り輝いた例を他に知りません。媚びとは無縁の第2主題も潔癖かつ鉄壁。この作品の価値を極限まで押し上げるために、全ての音に魂を込め尽くす内燃エネルギーの凄まじさは、最後まで途絶えることがありません。【湧々堂】

JAN KUBELIK SOCIETY
SJK-010(1CD)
18世紀のヴァイオリン協奏曲
ジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン・ジョルジュ (1745-1799):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.5-2
ルイジ・ボルギ(1745?-1806?):ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Op.3-4
フランチシェク・ベンダ(1709-1786):ヴァイオリン協奏曲 変ホ長調
ヤン・クーベリック(1880-1940):古い歌 (弦楽合奏の為の編曲版)*
ミロスラフ・ヴィリーメツ(Vn*以外))
ハルモニア・プラーガ(管弦楽)
シュテファン・ブリトヴィーク(指)

録音:2016-2017年、新市街市庁舎ホール、プラハ、チェコ

Velut Luna
CVLD-292(1CD)
モーツァルト:管楽器の為の協奏曲集
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622*
フルート協奏曲 第2番ニ長調 K.314 +
ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191 #
ルーカ・ルケッタ(クラリネット*)
マリオ・フォレーナ(フルート+)
パドヴァ・ヴェネトO(*/+)
ジョルト・ハマル(指(*/+))
アリージ・ヴォルタン(ファゴット#)
イ・ソリスティ・デロリンピコ#
ジョヴァンニ・バッティスタ・リゴン(指揮#)

録音:2006年10月4日、ライヴ、ヴェルディ劇場、パドヴァ、イタリア(*/+)
2004年6月12日、ライヴ、オリンピコ劇場、ヴィチェンツァ、イタリア#
パドヴァ・ヴェネトOの首席奏者がソリストを務めた演奏。
Velut Luna
CVLD-293(1CD)
フルート協奏曲集
サヴェリーノ・メルカダンテ(1795-1870):フルートと弦楽合奏の為の協奏曲 ホ短調 (アゴスティーノ・ジラール校訂版)
ヨハン・ヨハヒム・クヴァンツ(1697-1773):フルート協奏曲 ト長調
カレル・シュターミッツ [カール・シュターミッツ] (1745-1801):フルート協奏曲 ト長調 Op.29
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ :フルート、弦楽と通奏低音の為の協奏曲 ト長調
エンツォ・カローリ(Fl)
オーケストラ GAV [ジョヴァーニ・アルキ・ヴェネティ]
ルチア・ヴィゼンティン(第1ヴァイオリン & 指揮)

録音:2017年8月、アレア・マジステル・スタジオ、プレガンツィオル、イタリア


Treasures
TRE-228(1CDR)
ブライロフスキー/ショパン&サン・サーンス:ピアノ協奏曲、他
リスト:メフィスト・ワルツ第1番
 愛の夢第3番
 2つの演奏会用練習曲〜小人の踊り
サン・サーンス:ピアノ協奏曲第4番*
ショパン:ピアノ協奏曲第2番#
アレクサンダー・ブライロフスキー(P)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

録音:1953年4月18日、1954年11月24日*、1954年11月29日#
※音源:HMV ALP-1110、米RCA LM-1871*,#
◎収録時間:71:56
“華麗な技巧だけで煽らないインスピレーション優先の芸の極み!”
■音源について
最初の3曲は、全9曲収録の「リスト・リサイタル」からの抜粋。メフィスト・ワルツはブライロフスキー唯一の録音と思われます。2つの協奏曲も、共に唯一の録音。ショパンの「第1番」は計4回録音していますが、「第2番」はなぜかこれのみです。使用したのはその初出盤。なお、全て一発録りに近いと思われますので、それを窺わせるトラック9-10間は、あえてフェード処理を行っておりません。

★ブライロフスキーの閃き芸をたっぷり堪能できる一枚。まずは名刺代わりに「メフィスト・ワルツ」。楽譜は楽譜でしかなく、演奏家がそこに命を吹き込んで初めて音楽となる、という当たり前のことを成し遂げている人がどれだけいるでしょうか?特にこの曲などは、ここまで魂をぶちまけてくれないと困ります。古今通じてヴィルトゥオーゾと呼ばれる人は多くいますが、技巧が音楽表現のためだけに注がれていることを感じさせる例も稀。「小人の踊り」は完熟を極めたブライロフスキーのテクニックがキラキラと放射され、それが感覚的な痛快さを超えて訴えかけてくるのは、常に熱い表現意欲と「語り」が寄り添っているためでしょう。
サン・サーンス&ショパンは、ミュンシュとの唯一の共演盤にして、ブライロフスキーの協奏曲録音の最高峰と言えるでしょう。2人のコンビネーションの絶妙さを思うと、他に共演録音がないのが残念でなりません。
2曲とも、ネチネチとした表現を嫌う2人のコンビだからこそ実現した快活でダイナミックなアプローチ。サン・サーンスは、冒頭の神妙な楽想を健康的に変換し、純粋な詩的なイメージのみを注入。2楽章後半アレグロ部の凝縮度の高いフレージングと華麗なダイナミズムはこの曲にこそ相応しく、3:50のティンパニ一撃以降の豪放な進行は痛快この上なし!
男性的なアプローチが更に際立つのがショパン。第1楽章序奏でミュンシュが甘美さを寄せ付けない枠組みをガチッと固め、ブライロフスキーはまずそれに従うしかないといという趣で開始しますが、かなりペダルを抑制してタッチの明瞭さを確保している点からも、ミュンシュのスタイルに無理に従っているのではなく、むしろ完全に協調していることが窺えます。第2番だけは録音を避けてきたブライロフスキーも、「このスタイルならやれる!」と録音を決断したのかも知れません。かと言って進軍あるのみではなく、第2主題ではテンポを落とし、最小限ながら心からのアゴーギクを駆使して愛の香気を放つことも忘れません。第2楽章では別人のようにウェットなタッチを敷き詰め、濃厚な歌を披露しますが、大柄で健康的な音楽作りは不変。4:12からも悲しみよりも、熱い決意表明のように響きます。そしてコーダ。8:29からの単音の連なりをフォルテ寄りの決然とした音で締めくくるのがなんとも粋!終楽章は冒頭が正三角形の3拍子ではないことからも、マズルカを意識していることは明らかですが、民俗色の再現に専心するのではなく、リズムのスウィング感のみを拝借し、あくまでも自身の直感による正直な音楽に邁進。その潔さが演奏のニュアンスに結びついていると言えましょう。【湧々堂】

SONOGRAFIC
SG-15007(1CD)
グスタボ・ベセラへのオマージュ〜マルセロ・デ・ラ・プエブラ(1966-):ギターの為の作品集
ギターと打楽器アンサンブルの為の協奏曲 *
ギター・ソナタ 第4番
3つの歌(声とギターの為の)+
子守歌/労働者の手/汗と鞭
ギター・ソナタ 第2番
ギターとピアノの為のディヴェルティメント #
マルセロ・デ・ラ・プエブラ(G)
ドラマー・ドリーマー(打楽器アンサンブル*)
イニャキ・マルティン(指*)
カルメン・セラノ(ソプラノ+)
イグナシオ・トルネル(P)#

録音:データ記載無し(2015年以前)


Treasures
TRE-218(2CDR)
クルト・レーデルのバッハ
バッハ:ブランデンブルク協奏曲BWV1046-1051(全6曲)
クルト・レーデル
ミュンヘン・プロ・アルテ室内O
ラインホルト・バルヒェット(Vn)
ピエール・ピエルロ、レオンハルト・ザイフェルト、ヴィルヘルム・グリム(Ob)
クルト・リヒター、ヴィ・ベック(Hrn)
カール・コルビンガー(Fg)
モーリス・アンドレ(Tp)
クルト・レーデル、パウル・マイゼン(Fl)
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(クラヴサン)
ゲオルク・シュミット、フランツ・ツェッスル(Va)
イルミンギルト・ゼーマン、ロルフ・アレクザンダー(gmb)
ヴィルヘルム・シュネッラー(Vc)
ゲオルク・フェルトナーゲル(Cb)

録音:1962年5月1-6日(ステレオ)
※音源:日COLUMBIA OS-472、OS-473
◎収録時間:101:20
“親和的なアンサンブルから浮かび上がるバッハの温もり!”
■音源について
レーデルはブランデンブルク協奏曲6曲をエラートに2回を録音していますが、これは錚々たるメンバーによる2回目の録音。バッハの音楽の骨格の堅固さを伝える、60年代コロンビアの優秀プレス盤を採用。

★一切の衒いを寄せ付けない、誠実・堅実路線の代表的名盤。ピリオド的アプローチとは無縁の従来型のスタイルをひとくくりにして「旧スタイル」と片付けられることもありますが、厳格な鎧が見え隠れするリヒターやミュンヒンガーとは明らかに違う温かな手作り感覚は、時代を問わず色褪せることのない魅力です。
 「第1番」第2楽章2:21からの弦のヴィブラートは、全ての音をノン・ヴィブラートにしてしまうことがいかに乱暴なことか、痛感するばかり。終楽章の第1トリオでのオーボエとファゴットのハーモニーも、5:48以降の第2トリオも、何の変哲もないイン・テンポですが、感覚的な美しさ以上の息遣いに魅了されます。特に後者の美しいハーモニーは奇跡的と言いたいほど!「美しいハーモニー」とは、単に縦の線を揃えればいいということではないと再認識させられます。
 「第2番」のトランペットをアンドレが務める録音は他にもありますが、最も興が乗り、かつ他の声部との対話も絶やさない点で、この録音の魅力はダントツでしょう。
 「第4番」冒頭のフルートが醸し出す雰囲気は、従来型の同曲の演奏の典型のように聞こえますが、リズムの方向性は下方へ暗く沈みがちなリヒターやクレンペラー、ティーレガント等とは明らかに異なり、ここにはバッハの音楽が持つ人間味と香りがあるのです。
 「暗く沈む」といえば、「第5番」第1楽章の3:17以降にもご注目。決して沈鬱に傾かず、微かに影が差す程度。それがかえって心に染みるのです。【湧々堂】


BERLIN CLASSICS
BC-0301304(4CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
■CD 1
ピアノ協奏曲 第0番変ホ長調 WoO4
ピアノと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 WoO6
創作主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調(「エロイカ変奏曲」) Op.35
■CD2
ピアノ協奏曲 第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.19
■CD3
ピアノ協奏曲 第3番ハ短調 Op.37
ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための三重協奏曲 ハ長調 Op56
■CD4
ピアノ協奏曲 第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲 第5番変ホ長調Op.73『皇帝』
児玉麻里(P)
ケント・ナガノ(指)
ベルリン・ドイツSO

■CD 1
録音:2019年5月9,10日、ベルリン、イエス・キリスト教会
■CD2
録音:2006年6月23-24日、テルデックス・スタジオ・ベルリン
■CD3
コーリャ・ブラッハー(Vn)
ヨハネス・モーザー(Vc)
録音:2006年11月9,10日、ベルリン、シーメンスヴィラ
■CD4
録音:2013 年3月5,6日(第4番)、2013年3月8,9日(第5番)、ベルリン、イエス・キリスト教会
当録音は、2006年から2019年にかけて録音された力作。正統的で緻密な解釈のなかにも豊かな表情を示す児玉麻里は、ベートーヴェンのスペシャリスト。 すでに録音されているピアノ・ソナタ全集も各国で高い評価を得ており、当盤でもその研ぎ澄まされた音色でフレーズのすみずみまで磨きあげられた世界 が広がります。ベルリン・ドイツSOの奏でる親密な室内楽的なサウンドと、ケント・ナガノの丁寧な仕事ぶりも光るベートーヴェンです。また本セッ トには、「ピアノ協奏曲第0番」と「ピアノと管弦楽のためのロンド」も収録されており、若きベートーヴェンの挑戦と充実した音楽性が示されています。児 玉とナガノは、ベルリン州立図書館に所蔵されていた0番の自筆譜にもあたり、緻密なリサーチを経て、両者で丁寧に解釈を深めていった演奏は、新たなベー トーヴェン像を浮かび上がらせてくるものです。 BCSA-0001/4とは異なり、当セットは直輸入盤通常CDに帯解説が付属しています。 (Ki)

2L
2L-159SABD
(Blu-ray disc audio
+ SACD Hybrid)
オーレ・ブル〜人生の諸段階
オーレ・ブル(1810-1880):ラルゴ・ポザート・エ・ロンド・カプリッチョーソ(1841)(ヴァイオリンと管弦楽のための)
ノルウェーの山々(ヴァイオリンと管弦楽のための)(ヴォルフガング・プラッゲ(1960-)
『リリー・デール』による幻想曲(1872)(ヴァイオリンとピアノのための)
リオのヴィルスペル(1842 rev.1860)(ヴァイオリンと管弦楽のための)
最後のロマンス(1872)(ヴァイオリンとピアノのための)
アンナル・フォレソー(Vn)
ノルウェー放送O 
キム・ウンサン(指)
ヴォルフガング・プラッゲ(P)

[使用楽器:Violin: Enrico Rocca, 1870s/Piano: C. Bechstein Concert C234]
録音:2018年6月 ヤール教会(バールム、ノルウェー)
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Blu-ray: 5.1 DTS-HD MA(24bit/192kHz), 7.1.4. Auro-3D(96kHz), 7.1.4. Dolby Atmos(48kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region ABC]
[SACD hybrid(5.1 surround DSD/2.0 stereo DSD), MQA CD]
ノルウェーのレーベル 2L で制作と録音を担当するモッテン・リンドベルグは、2020年、アルバム『LUX』(2L150SABD)で第62回グラミー賞「最 優秀イマーシブオーディオ・アルバム」を受賞しました。「クラシカル部門最優秀プロデューサー」をはじめとする部門に2006年から36回ノミネートさ れた末の受賞です。 受賞後の初めてのアルバムは、ヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾとして国際的にも人気の高かったオーレ・ブル(1810-1880)の作品集。ノルウェーのヴァ イオリニスト、アンナル・フォレソー(1972-)がブルの生誕200年にあたる2010年にリリースした『ヴァイオリンと管弦楽のための作品集』(2L067SABD) につづくアルバムとして制作され、ブルがキャリアのさまざまな時代に作曲した、彼しか演奏したことのない5曲によるプログラムが組まれています。 「ラルゴ・ポザート・エ・ロンド・カプリッチョーソ」は、ニ短調の暗い和音に始まりユモレスクに終わる、「豊かな宗教心のある音楽」と作曲家のハルフダン・シェ ルルフが評した作品です。作曲者のオリジナルに基づきニコライ・リーセがオーケストレーションを施した、不完全な個所のある手稿譜による演奏。欠落 したヴァイオリンのパッセージとカデンツァをフォレソーが作曲して演奏しています。 「ノルウェーの山々」は、ノルウェーの舞曲とメロディによる「ポプリ」。完全なスコアが残されていないため、ヴォルフガング・プラッゲが「ポルスカ」や 民謡を加え、ベルゲンのアンセム「ベルゲンシアーナ」で閉じるよう、補筆完成しています。ノルウェーの自然を音で描写したもうひとつの作品「リオのヴィ ルスペル」は、フォーク・ミュージシャンが楽譜を見ずに想像や記憶を頼りに演奏する言葉「ヴィルスペル」を曲名に使っています。ブルの演奏をクリスチャ ニア(現、オスロ)で聴いたシェルルフは、この曲を「山々の春の歌」と呼びました。共演のピアニスト、作曲家ヴォルフガング・プラッゲが再構築した 版による演奏です。 「『リリー・デール』による幻想曲」は、アメリカの H.S. トンプソンが作詞、作曲したバラードを素材に作曲されました。「穏やかな、静かな夜だった 月 の青白い光が 丘と谷を柔らかく照らし……」。ノルウェーでは「神の愛(Kjarligheten fra Gud)」の曲名で親しまれ、結婚式の賛歌としてしばしば使 われています。「最後のロマンス」は、ブルがビョルンスチェーネ・ビョルンソンに献呈した「合唱(コラール)編曲」の手稿譜を基にプラッゲがヴァイオ リンとピアノの曲にアレンジした作品です。 ノルウェー放送Oの共演。ソウルの延世大学とシュトゥットガルト音楽演劇芸術大学で学び、2021年-2022年のシーズンからサンフランシスコ・ オペラの音楽監督に就任するキム・ウンサン(1980-)指揮。オスロに近いバールムのヤール教会でセッション録音され、アルバム・タイトルになったドイツ・ ロマンティシズムの画家フリードリヒの『人生の諸段階』がアートワークに使われました。

Printemps des Arts de Monaco
PRI-034(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
(1)ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
(2)ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
[CD 2]
(3)ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
(4)ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
(5)ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
※カデンツァ:(1)(2)(3)(5)ベートーヴェン、(4)ブラームス
フランソワ=フレデリック・ギィ(P&指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2019年3月14-17日/ヤコフ・クライツベルク・ホール(モナコ)
名手フランソワ=フレデリック・ギィが2020年のベートーヴェン生誕250周年を記念してベートーヴェンのピアノ協奏曲を再録音しました! ギィといえば生粋のベートーヴェン弾きと知られ、2019年11月、12月に武蔵野市民文化会館にて行われたピアノ・ソナタ全曲演奏会も大成功をお さめ話題となりました。コンサート活動と共に録音も積極的で、ベートーヴェンの作品ではピアノ・ソナタ全集はもちろんのこと、テディ・パパヴラミとの ヴァイオリン・ソナタ全集(EVCD 037)、グザヴィエ・フィリップスとのチェロ・ソナタ全集(EVCD 015)など数多くの録音で高い評価を得ております。 ピアノ協奏曲はフィリップ・ジョルダン(指)ラジオ・フランスOで全5曲を録音(naive / 現在廃盤)しておりますが、待望の再録音ではシンフォ ニア・ヴァルソヴィアとの共演でなんと指揮振りでの演奏です!ベートーヴェンに真摯に向き合うギィが奏でる演奏は音楽に寄り添った精妙な語り口が実に 聴きもの。オーケストラと対話するかのように一音一音大切にした極上の演奏を聴くことができます。ベートーヴェンの記念イヤーにふさわしい話題盤の 登場です。 (Ki)


Treasures
TRE-214(1CDR)
バルサム〜モーツァルト&ベートーヴェン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第5番ニ長調K.175*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲ニ長調Op.61(原曲:ヴァイオリン協奏曲)
アルトゥール・バルサム(P)
ブロニスラフ・ギンペル(指)交響楽団*
クレメンス・ダヒンデン(指)ヴィンタートゥールSO

録音:1951年*、1950年代初頭
※音源:英NIXA PLP-229*、仏Guilde Internationale Du Disque MMS-3002
◎収録時間:65:09
“没入しないのに芯は熱い!2つのニ長調の名曲で見せるバルサムの凄い感性!”
■音源について
全てコンサートホール音源。モーツァルトのオケは、レコードには「交響楽団」と表記されていますが、マイケル・グレイ氏のディスコグラフィではヴィンタートゥール市立管とされています。モーツァルトの終楽章のカデンツァは、バルサムの自作。

K.175はモーツァルトの初のオリジナルのピアノ協奏曲(それまでは編曲もの)で、天才的閃きが満載の名作ですが、その持ち味をこれほど漏れなく引き出した演奏が他にあるでしょうか?堅実でありながら華のあるバルサムのピアニズムはこの名曲を再現するのに不可欠!自分を前面に立てず、モーツァルトの筆致のみを炙り出すことに成功した最高の実例がここにあります!第1楽章後半のカデンツァの曲想は多彩な表情を孕んでいますが、そこでも自己顕示をせず、その多様なニュアンスを取り零しなく再現。第2楽章は、情緒たっぷりに歌い出す例が多い中、バルサムの朴訥なタッチはかえって涙を誘います。終楽章はスケールが大きく、確信あふれる進行。ベートーヴェンのような威厳さえ見せ、作品の偉大さを更に印象づけます。ギンペルの指揮も立派。
 ベートーヴェンは、聴いている途中で一度は元のヴァイオリン版が頭をよぎるものですが、バルサムの演奏は、そんな暇を与えないほど、オリジナルのピアノ協奏曲としての魅力を徹底的に聴き手に突きつけます。第1楽章のピアノの開始部からそれを実感していただけるはず。ヴァイオリンの持続音をピアノに置き替える際に不可欠なのはトリルは、この作品でも当然頻出しますが、4:56〜に象徴されるように、バルサムの鈴を転がすようなトリルは、全編に渡ってこの作品に華やぎを与えています。第1楽章展開部はクールさの極み!ポーカーフェイスを通しながら、唯一20:25からはテンポを落として纏綿と歌うと思わせておいて没入はせず、妖しいオーラのみを表出。結果的に陶酔的な空気を敷き詰めており、一音たりとも聴き逃し厳禁!
 終楽章に至ると、むしろピアノ版の方が作品としての訴求力が高いのでは?と思わせる魅力にますます惹きつけられるばかり。特にハーモニーの俊敏な移ろいの妙味!1:22からのピアノの左右のパートが怒涛の融合を見せるなど、ヴァイオリンではありえない現象です。前のめりなほどアグレッシブな進行を続けながらも自己をひけらかさない矜持はモーツァルトと同様ですが、2:25からはまさに男泣き!ダヒンデンの深い呼吸(3:24からの強弱振幅!)に満ちた指揮とともに感動的なシーンです。
 最近はこの作品の録音も珍しくないですが、その多くが「ヴァイオリン曲をピアノで弾いてみました」という説明調か、スケール感に欠ける物が多いことを考えると、バルサム盤はこの作品の録音の魁としてというより、作品解釈の指針として認識すべきではないでしょうか。 【湧々堂】 

TAFELMUSIK
TMK-1039(1CD)
NX-B07
ヴィヴァルディに愛を込めて
.歌劇「離宮のオットー大帝」RV729-シンフォニア
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 「アマート・ベネ」RV761
ファゴット協奏曲 ニ短調 RV481
2台のオーボエのための協奏曲 ハ長調 RV534
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV271「恋人」
室内協奏曲 ニ長調 RV93
4台のヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調 RV553
2台のヴァイオリンと2台のオーボエ、ファゴットのための協奏曲 ニ長調 RV564a
エリサ・チッテリオ(Vn)
ドミニク・テレシ(Fg)
ジョン・アッベーガー(Ob)
マルコ・チェラ(Ob)
ルーカス・ハリス(Lute)
クリスティーナ・ツァハリアス(Vn)
パトリシア・エイハン(Vn)
ジェネヴィエーヴ・ジラルドー(Vn)
ジョン・マルコ(Ob)
ジュリア・ウェドマン(Vn)
エリサ・チッテリオ(指)
ターフェルムジーク・バロックO(ピリオド楽器使用)

録音:2018年10月30日-11月2日
カナダの古楽器アンサンブル「ターフェルムジーク・バロックO」。1979年に設立、トロントを拠点に幅広い活動を 行っています。1981年からはジーン・ラモンが音楽監督兼コンサートマスターを務めていましたが、2017年からはヴァイ オリニスト、エリサ・チッテリオが新しい音楽監督に就任。このヴィヴァルディ・アルバムが彼女初の音楽監督としてのリリー スとなります。ヴィヴァルディの膨大な作品の中から「愛」を主題にした曲を選び、ヴァイオリン・ソロを伴う曲では独奏を務 めるとともに、オーケストラから美しい響きを紡ぎ出す彼女、21世紀におけるこのアンサンブルの優れた牽引役として注 目されています。

ヴァデメクム
VMMM-1604(1CD)
税込定価
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
懐かしい土地の想い出 Op.42
ステファニー=マリー・デガン(Vn)
ヴァハン・マルディロシアン(指、P)
カーンO

録音:(1)2012 年 6 月 21 日カエン(ライヴ録音)
(2)2012 年8 月ジャン=ピエール・ドテール・オーディトリウム
このCD では2010 年より音楽監督・首席指揮 者を務めるノルマンディーのカーンOを指揮してチャイコフスキーのヴァイ オリンコンチェルトと、このコンチェルトのために最初に書かれたアンダンテが転用 されたピアノとヴァイオリンのための「懐かしい土地の思い出」をピアニストして演奏 しています。自らのオーケストラを自在に操り、美音を引き出してチャイコフスキー の有名なコンチェルトに新たな音の世界を創造・展開しています。ヴァイオリニスト はノルマンディーのカーン出身のステファニー・マリー・デガン。彼女は 2 挺のヴァ イオリンで古楽とロマン派以降の曲を自在に弾きわけ、同郷の作曲家エリック・タン ギィからはソナタを献呈されるほどの優れた才能の持ち主です。

Aurora
ACD-5104(1CD)
『Just for You(あなただけのために)』
ヤン・エーリク・ミカルセン(1979-):ヴァイオリン協奏曲(2017)
Just for You(2017)(ソロ・ピアノと管弦楽のための)
インゲリーネ・ダール(Vn)
エレン・ウゲルヴィーク(P)
スタヴァンゲルSO
アイヴィン・グルベルグ・イェンセン(指)

録音:2018年8月13日-17日 スタヴァンゲル・コンサートホール(スタヴァンゲル、ノルウェー)
ヤン・エーリク・ミカルセンは、豊かで大胆なテクスチュアの管弦楽作品で知られる、ノルウェー現代音楽シーンの作曲家です。2017年にリリースさ れた「ポートレート」アルバム『サン(Saan)』(ACD5092)につづくアルバムでは、彼の新作の協奏曲が2曲、紹介されます。「ヴァイオリン協奏曲」は、 ほっそりした楽器ヴァイオリンの明るい音色と密度の高い管弦楽テクスチュアの交わりを主体に構築された作品です。第1楽章〈ロンターノ〉第2楽章〈カ デンツァ〉第3楽章〈ロンターノ〉第4楽章〈テネブレ〉。終楽章の終わり近く、「現代ヨーロッパのヴァイオリン音楽のランドマーク」への敬意の印とし てアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲の開始部分が演奏されます。 「Just for You(あなただけのために)」は、「エンタテイナー」ピアニストとして一世を風靡したアメリカのリベラーチェをテーマに「ソロ・ピアノと管弦 楽のための協奏曲」として作曲されました。「アフェトゥオーゾ」(愛情をこめて)の第1楽章〈序奏〉(左手のための)。「ロンターノ」(遠くに)の第2 楽章〈誕生〉(羊膜腔のもろく透明な膜の中に誕生。双子のひとりは死ぬ)。「ミステリオーソ」(神秘的に)の第3楽章〈リベラーチェとママ〉(露のしず くで真珠の首飾りを作ろう、あなただけのために、あなたのために。この世にあることならあなたのために何だってしよう、あなたのために)。リベラーチェ の「パートナー」名をタイトルにした「ラルガメンテ」(寛大に)の第4楽章〈スコット〉(じゃあまた、素敵な夏の日にはいつも。明るく陽気なことなら なんでも。いつもそんな風にあなたのことを思っている)。リベラーチェが必ずといってよいほどショーで演奏した「For You」「When Liberace Winks at Me」「I’ ll Be Seeing You」の3つの曲を素材にした作品です。 ヴァイオリニストのインゲリーネ・ダール(1980-)は、故郷のスタヴァンゲル、コペンハーゲン、ローザンヌ、ザルツブルクの「モーツァルテウム」で学 び、ノルウェー国立音楽大学で二つ目の修士号を取得、2018年、オスロ大学講堂でデビュー・コンサートを行いました。楽器は、Dextra Musica から 貸与されたJ・B・ヴィヨム(1848-1850年)のヴァイオリンを弾いています。エレン・ウゲルヴィーク(1971-)は、ドナウエッシンゲンやダルムシュタッ トなど各地の現代音楽シーンで活躍するピアニストです。ノルウェーを中心に現代音楽アンサンブルに参加、ジョージ・クラムの「マクロコスモス」(Simax PSC1263)やラッヘンマンたちの曲を演奏した『サリナーデ』(ACD5061)の録音があります。指揮者のアイヴィン・グルベルグ・イェンセン(1972-) は、ノルウェー国立歌劇場の新演出による「ラ・ボエーム」などで注目され、2021年からベルゲン国際フェスティヴァルの芸術監督と総合監督を務める ことが決まっています。 (Ki)

REDDRESS
RED-34011906(1CD)
NX-C07
ヴィヴァルディ:「調和の霊感」Op.3 (全曲) アルモニオーザ(古楽器使用)
ミケーレ・バルキ(Cemb)
ダニエレ・フェレッティ(ポジティフ・オルガン)
フランチェスコ・チェラート(Vn)
ステファノ・チェラート(5弦チェロ・ピッコロ)
マルコ・デマリア(Vc)

ピッチ:a=415Hz 不等分律
録音:2018年5月 ゴヴォーネ城、イタリア
24bit-96kHz
録音と編集にはアドヴァンスド・マルチトラック・プロセス(AMP)を採用。クリアでリアルな音を追求し、音楽の奥行きを自然な形で再現できる よう、各プロセスを見直しています。 フランチェスコとステファノのチェラート兄弟を中心に2012年に結成された、ヴァイオリン、5弦チェロ・ピッコロ、チェロ、オルガン、チェンバロという 編成の「アルモニオーザ」。これまで、コレッリの協奏曲集、プラッティのトリオ・ソナタ、グラツィアーニのチェロ・ソナタの3枚をリリースしてきた彼ら が、新レーベルREDDRESSの第一弾として世に放つのは「調和の霊感」全曲という意欲作です。チェンバロ担当のバルキが、バッハなどヴィ ヴァルディと同時代の巨匠たちが鍵盤楽器のために行った編曲を元に、この編成のために特別に編曲しています。小編成ならではの生き生 きとした音楽と、中低音の厚みが生み出す編成以上の広がりある響きがたいへん魅力的な快演に仕上がっています。

Aurora
ACD-5093(1CD)
ヘルゲ・イーベルグ(1954-):生命の惑星の歌(管弦楽、5人のソリスト、朗読のための合奏協奏曲) エリセ・ボートネス(Vn)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)
マリアンネ・ベアーテ・シェラン(Ms)
フランク・ハーヴロイ(Br)
トム・オッタル・アンドレーアセン(アルトフルート)
リウ・ティエガン(朗読)
シセル・エンドレーセン(朗読)
イングリ・ブライエ・ニュフース(ピアノ・ソロ)
ビョルン・ローケン(ゴング、クリスタル・サウンドボウル、クリスタル・サウンドピラミッド)
ノルウェー放送O
カイ・グリンデ・ミューラン(指)

録音:2018年3月19日-20日、5月7日-9日 NRK大スタジオ(オスロ)
録音(北京語朗読):首都師範大学音楽学院、中央戯劇学院(北京)
録音(打楽器、英語朗読):UrbanSoundStudios(オスロ)
制作:ハルドル・クローグ、ヘルゲ・イーベルグ
録音:オイスタイン・ハルヴォシェン、テリエ・へレム
ヘルゲ・イーベルグの「生命の惑星の歌」は、「唐詩を素材に使い、現在の生態学的状況に光をあてる」をコンセプトに作られた作品です。マーラーの「大地の歌」 のテクストに採られたのと同じ詩の原詩と英訳詩を使い、ヴァイオリン、ピアノ、メゾソプラノとバリトン、アルトフルートの加わる「管弦楽、5 人のソリスト、朗 読のための合奏協奏曲」のスタイルで書かれた 9 つの楽章で構成されています。〈前奏曲〉(王維「送別」)、Part 1 と Part 2 に分かれた〈悲歌の話〉(李白「悲 歌行」)、道化と楽士たちの〈パレード〉、〈大宴会〉(李白「宴陶家亭子」)、〈蓮の踊り〉(李白「採蓮曲」)、〈長い秋の夜〉(銭起「效古秋月長」)、〈生が夢に過 ぎぬなら〉(李白「春日酔起言志」)、〈告別〉(王維「山中送別」)。各楽章は、中国国家大劇院で活躍した俳優のリウ・ティエガンとヴォーカル・アーティストの シセル・エンドレーセンによる原詩と英訳詩の朗読に始まり、ソリストが「ソロ」あるいは「アンサンブル」で合奏する音楽が続きます。この作品は、2011 年の 「ウルティマ現代音楽祭」のためにノルウェー室内Oの委嘱で作られ、初演に接したノルウェーの新聞「Aftenposten」は「われわれの忘れることので きない夜になった」という賛辞を呈し「グスタフ・マーラーの象徴的芸術作品にインスパイアされた新たな『大地の歌』」と呼びました。 このアルバムの録音セッションは、2018 年、ノルウェー放送のオスロの大スタジオで行われました。オスロ・フィルハーモニックの第 1 コンサートマスター、ヴァ イオリニストのエリセ・ボートネス、ピアニストのクリスチャン・イーレ・ハドラン、メゾソプラノのマリアンネ・ベアーテ・シェラン、バリトンのフランク・ハーヴロイ、 オスロ・フィルハーモニックのフルート奏者、トム・オッタル・アンドレーアセンが、カイ・グリンデ・ミューラン(1987-)指揮のノルウェー放送Oと共演。 別録音の北京語朗読と英語朗読を加えてアルバムに作られました。作曲者イーベルグの寄せたノーツ『気象危機に脅かされ』(「春の草は翌年も緑になるだろうか」) がブックレットに掲載されています。 (Ki)


SWR music

SWR-19076CD(1CD)
NX-B02
ショパン:ピアノ協奏曲集

.ピアノ協奏曲 第2番ヘ短調 Op.21
ピアノ協奏曲 第1番ホ短調 Op.11*
ニキタ・マガロフ(P)
ハンス・リヒター=ハーザー(P)*
ハンス・ロスバウト(指)
南西ドイツRSO

録音:1951年10月10日バーデンバーデン音楽スタジオ(ハンス・ロスバウト・スタジオ)(モノラル)、
1961年4月28日バーデンバーデン音楽スタジオ(ハンス・ロスバウト・スタジオ)(モノラル)*
“自己の美学を貫徹しながら偏狭なショパンのイメージを一蹴!”
 とにかくリヒター=ハーザーの「第1番」が超絶品!このピアニストのディスコグラフィがドイツ物に偏っているのは、本人の意思ではなくレコード会社の意向だったことが、この只ならぬ名演だけでも十分窺えます。
 ピアノの出だしから、リヒター=ハーザー特有の粒立ちの良い美音で魅了。第1主題はアゴーギクとペダリングの妙味が全開で、第2主題は少しも媚びることなく切なさの限りを尽くといぅ奥義を披露。しかもフレージングは生まれたてのような瑞々しさ!そこに宿る即興性閃きは、若き日のルービンシュタインを彷彿とさせ、展開部に入るとその魅力は更に倍加するのですからたまりません!14:07からの歌いまわしなどまさに奇跡的としか言いようがありません。15:26からのリズムのときめきにもご注目を!
 第2楽章は、決して音楽を貧弱なものに貶めない結晶化仕切った弱音に唖然、明らかにロシア・ピアニズムのそれとは異なる独特のまろやかさを湛えているのです。7/14からは次第にテンポを落とし、直後の7:44からの下降音型では一部分だけペダルを外すというこの一連の粋な流れには感涙を禁じえません!
 終楽章はやる気満々のロスバウトの希薄に乗じてか、リヒター=ハーザーのピアノも至高の輝きを放ちます。3:44辺りから第1主題が再現されるまでの鳥肌の連続で、特に高音域の煌めきは例えようもありません。第2主題もテンポ運びが極めてハイセンス!
 こういう圧倒的な名演に接すると、演奏スタイルを男性的、女性的などと分類されている程度では甘いと言わざるを得ません。音質はモノラルながらとても明瞭。【湧々堂】

Tonar
TONAR-31015(1CD)
メデア〜スペインのギター作品集
アルベニス:「スペイン」より 前奏曲、入江のざわめき、コルドバ、朱色の塔、タンゴ、マジョルカ
グラナドス:ゴヤのマハ
サンルーカル:ギターとオーケストラのための「メデア」
マヌエル・バルエコ(G)、
ビクトル・パブロ・ペレス(指)、
テネリフェSO
クラシック・ギターのバイブル的存在であるスペイン音楽、フラメンコ・ギターの世界的名手が書き上げた協奏的作品「メデア」をカップリングしたマヌエル・バルエコのスパニッシュ・プログラム。2014年のラテン・グラミー賞の最優秀クラシック・アルバム部門にノミネートされるなど、高評価を受けた演奏です。

DOUBLE MOON
BTLCHR-71246(1CD)
イツハク・イエディッド(1971-):初演録音集
(1)祝福と呪い
(2)ちいさなヤギ
(3)ピアノと弦楽のための協奏曲
(4)ピアノのためのシャコンヌ『天使の反乱』
(1)クリスチャン・リンドベルイ(指)、イスラエル・ネタニヤ・キブツ・オーケストラ
(2)ウィリアム・スタッフォード(Cl)、レイチェル・スミス(Vn)、ルイーズ・キング(Vc)、エイシャ・ゴーフ(P)
(3)グレアム・ジェニングス(指)、マイケル・キーラン・ハーヴィ(P)、ディヴェルティメンティ・ストリング・アンサンブル
(4)レイチェル・シパード(P)

録音:2016、2017年(すべて初演時の録音)
1971年生まれのイスラエルの作曲家による衝撃的・個性的な作品集です。アラビアのハーモニー、ユダヤの歌、フリー・ジャズ、ヨーロッパのクラシック音 楽など多種多様の要素が混然一体となり生み出される混沌とした騒音世界。それはエネルギーに満ちあふれた非常に力強いサウンドで、一見カオティックですが 有機的に各要素が組み合わされ、独特な手法と感性でもって音楽が組み立てられていきます。(1)はエルサレムの神殿の丘にインスピレーションを受けた作品です。 指揮はクリスチャン・リンドベルイ。(3)は特殊奏法も駆使したピアノと弦が破壊的な音楽を奏でますが、第3楽章でバロック音楽風のセンテンスが登場するシュ ニトケ的ごった煮感のある強烈な音楽です。

PAU
KIYO-101(3CD)
税込定価
岡山潔の軌跡〜第1巻

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
(2)シューマン:ヴァイオリン協奏曲
(3)バルトーク:2 つのヴァイオリンのための44 の二重奏曲 Sz.98 全曲
(4)モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲(第1 番ト長調 K.423 & 第2 番変ロ長調 K.424)
(5)ドヴォルザーク:テルツェット ハ長調 Op.74 B.148
(6)コダーイ:セレナード ヘ長調 Op.12
岡山 潔(Vn)
(1)ゲルハルト・ボッセ(指)神戸市室内O
(2)フォルカー・ヴァンゲンハイム(指)ボン・ベートーヴェンハレO
(3)(5)(6)服部芳子(Vn)、
(4)(5)(6)深井硯章(Va)

録音:(1)2002 年10 月27 日東京藝術大学奏楽堂(ライヴ)
(2)1975 年9 月ベートーヴェンハレ、ボン
(3)1989 年10 月2、3、7 日バリオホール、東京
(4)1992 年9 月7〜10 日府中の森芸術劇場
(5)(6)1990 年11 月22、23 日バリオホール、東京
2018年10 月に惜しくも世を去ったヴァイオリニスト岡山潔が自分の病の進行を知って生前から過去の録音から選曲に 携わり完成させた。まさしく彼の音楽的遺言といえる作品集です。

Willowhayne Records
WHR-057(1CD)
ロビン・A.スミス:LE WEEKEND (pour les amants)
組曲 「LE WEEKEND」
ロビン・A.スミス (P&指)
チェコ国立SO

録音:2017年10月
王立音楽大学で作曲を学んだスミスは、アンドレア・ボチェッリ、ルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラスから、エルヴィ ス・プレスリー、アレサ・フランクリン、バート・バカラックなどと共に仕事をしている作曲家・編曲家。近年では2Cellosと も共演しており、2012年ロンドン・オリンピックの開会式の指揮も行っている大御所です。この「恋人たちの週末」と題 された作品は、フランスに暮らす、あまり裕福とはいえない恋人たちを想定し、それぞれがお互いを想う気持ちが音楽で 表現されています。甘く切ない、上質のイージーリスニング・ミュージックです。

Aurora
ACD-5091(1CD)
『アクロスティック(Akrostikon)』
ビョルン・クルーセ(1946-):アクロスティック(2012)(オルガン、打楽器と弦楽オーケストラのための協奏曲)
シェル・サムコフ(1952-):ヴィブラフォーンと弦楽のための協奏曲第2番(2008)
シェル・ハッベスタ(1955-):アヴェ・マリアOp.11(1984)(オルガンと弦楽オーケストラのための協奏曲)
ラーシュ・ノットー・ビルケラン(Org)
アイリク・ラウデ(打楽器)
ヴォクス・クラマンティス
ノルウェー放送O
カイ・グリンデ・ミューラン(指)

録音:2017年10月23日-24日 ファーゲルボルグ教会(オスロ)
ノルウェーのオルガニスト、ラーシュ・ノットー・ビルケランと打楽器奏者アイリク・ラウデは、オルガンと打楽器のためのプロジェクトを共同で進めて きました。ノルウェー作曲家協会のレーベル Aurora の新しいアルバム『アクロスティック』には、同世代に属し、ノルウェー国立音楽大学のフィン・モッ テンセンの作曲法クラスで学び、演奏家としての教育を受けた3人の作曲家が彼らのために作曲した協奏曲が収録されています。 ビョルン・クルーセ(1946-)は、クラリネットとサクソフォーンを学んだ後、ノルウェー国立音楽大学で作曲法を修めました。オルガン、打楽器と弦楽オー ケストラのための協奏曲「アクロスティック」は、2007年に予定されたファーゲルボルグ教会の新しいオルガンの奉献式のために委嘱され、作曲の遅れ から、2012年になって初演された作品です。「アクロスティック(折句)」(行頭、行末、あるいは中間の文字から「語」ができる詩や韻文)の曲名は、「行 を横にたどるだけでなく音を立体として聴く」ことを示唆するためつけられました。 シェル・サムコフ(1952-)は、作曲家、打楽器奏者として活動しながら、ノルウェー国立音楽大学の打楽器科の教授を長年務めました。「ヴィブラフォー ンと弦楽のための協奏曲第2番」は、彼のクラスで学んだラウデから委嘱を受けた作品です。数秘学に関心を寄せるというサムコフは、ラウデのファース トネーム “Eirik” に因む「5-9-9-9-2」の数列に基づいて構成とリズムなどの要素を決めて作曲。演奏者ラウデは「直感」で作品と向き合い、サムコフ が書いた5楽章の音楽が、数列を脱した「ゲーム(遊び)」だということを示してみせます。 シェル・ハッベスタ(1955-)は、教会音楽家の教育を受け、その後、作曲の学位を取得しました。「アヴェ・マリア」は、グレゴリオ聖歌の「受胎告知」 のセクエンツァをベースに書かれた協奏曲です。〈アヴェ・マリア〉〈ベネティクタ・トゥー(Benedicta tu)(祝福は女のあなたと)〉〈アレルヤ(Alleluia)〉 の3曲。終曲の天使の言伝のセクエンツァは、この録音では「ヴォクス・クラマンティス」が受け持っています。2017年10月、カイ・グリンデ・ミュー ラン指揮のノルウェー放送Oが共演、ファーゲルボルグ教会でのセッション録音です。 (Ki)

DACAPO
MAR-8.206004(6CD)
NX-F01
ホルンボー(1909-1996):室内協奏曲とシンフォニア集
【CD1】…8.224038
1-2.室内協奏曲 第1番 Op.17(1939)
3-6.室内協奏曲 第2番 Op.20(1940)
7-8.室内協奏曲 第3番 Op.21(1940-1942)
【CD2】…8.224063
1-3.室内協奏曲 第4番 Op.30(1942-1945)
4-6.室内協奏曲 第5番 Op.31(1943)
7-9.室内協奏曲 第6番 Op.33(1943)
【CD3】…8.224086
1-2.室内協奏曲 第7番 Op.37(1944-1945)
3-4.室内協奏曲 第8番「シンフォニア・コンチェルタン
テ」Op.38(1945)
5-7.室内協奏曲 第9番 Op.39(1945-1946)
【CD4】…8.224087
1-9.室内協奏曲 第10番 Op.40(1945-1946)
10-12.室内協奏曲 第11番 Op.44(1948)
13-15.室内協奏曲 第12番 Op.52(1950)
16-18.室内協奏曲 第13番 Op.67(1955-
1956)
【CD5】…8.226017-18
1.シンフォニア 第1番 Op.73a(1957)
2.シンフォニア 第2番 Op.73b(1957)
3.シンフォニア 第3番 Op.73c(1958-1959)
4-7.シンフォニア 第4番 Op.73d(1962)
【CD6】…8.226017-18
カイロス(時間) Op.73“シンフォニア 第1番-第4
番”
1.前奏曲(シンフォニア 第4番 Op.73dより)
2.シンフォニア 第1番 Op.73a
3.間奏曲 I(シンフォニア 第4番 Op.73dより)
4.シンフォニア 第2番 Op.73b
5.間奏曲 II(シンフォニア 第4番 Op.73dより)
6.シンフォニア 第3番 Op.73c
7.後奏曲(シンフォニア 第4番 Op.73dより)
ハンヌ・コイヴラ(指)
デンマーク国立室内O(デンマーク放送シンフォニエッタ)

【CD1】…8.224038
アンネ・エランド(P)…1-2
スタファン・ボルセマン(Vn)
エヴァ・エステルゴー(Fl)…3-6
ミッケル・フットルプ(Vn)…3-6
ニルス・トムセン(Cl)…7-8
録音:1996年6月8-12日
Danish Radio Studio 2, Denmark
【CD2】…8.224063
アンネ・エランド(P)…1-3
ミッケル・フットルプ(Vn)…1-3.7-9
ニルス・ウルナー(Vc)…1-3
ティム・フレデリクセン(Va)…4-6
録音:1996年8月,10月
Danish Radio, Studio 2, Denmark
【CD3】…8.224086
マックス・アートヴェズ(Ob)…1-2
ミッケル・フットルプ(Vn)…5-7
ティム・フレデリクセン(Va)…5-7
録音:1997年1月6-11日,2月4-6日
Danish Radio, Studio 2, Denmark
【CD4】…8.224087
オーレ・エドヴァルド・アントンセン(Tp)
ジャック・モージェ(トロンボーン)…13-15
ティム・フレデリクセン(Va)…16-18
マックス・アルトヴェド(Ob)…16-18
録音:1997年6月3-4日,8月20-21日,
         11月5-6日
Danish Radio Studio 2, Denmark
【CD5】…8.226017-18
【CD6】…8.226017-18
セアン・エルビーク(Vn)・・・CD5.6
トレルス・スヴァネ(Vc)・・・CD5.6
録音:1997年
Danmarks Radio, Studio 2, Denmark
ユトランド半島のホーセンスで、音楽を愛する商人の家に生まれたホルンボーは、14歳から正式な音楽の勉強を始めてすぐ に頭角を顕し、16歳の時にはニールセンの推薦で王立デンマーク音楽院に入学を果たしました。生涯に渡って様々なジャン ルによる370点の作品を残し、その中には13曲の交響曲や、20曲の弦楽四重奏曲も含まれています。このコレクションは、 ホルンボーの13曲の室内管弦楽のための作品と、4曲のシンフォニアが収録されており、これらは一人、もしくは複数の独奏 者を必要とする新古典派の様式で書かれた作品。東欧の民謡からの影響も感じられる落ち着いた雰囲気と明確な旋律 線を持っています。4つのシンフォニアは各々別々の作品でありながら、第4番を解体して、第1番から第3番に組み込んだ 「一つの作品」としても成立しています。ハンヌ・コイブラは1960年生まれのフィンランドの指揮者。名教師ヨルマ・パヌラに学 び、1995年から1999年までデンマーク放送シンフォニエッタの首席指揮者として活躍しました。

DACAPO
MAR-8.226591(1CD)
NX-A14
ペーター・ナバロ=アロンソ:作品集
合奏協奏曲「Le quattro stagioni 四季」(2014)
協奏曲 ロ短調(2017)
アルファ(アンサンブル)
【メンバー】
ボレッテ・リード(リコーダー)
ペーター・ナバロ=アロンソ(Sax)
ダヴィッド・ヒルデブラント(パーカッション&ヴィヴラフォン)

エッコゾーン(アンサンブル)
マティアス・ロイメルト(指)

録音:コペンハーゲン
2015年12月14日、2017年6月19-20日
世界初録音
タイトルからわかる通り、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集にインスパイアされたナバロ=アロンソの「四季」。演奏している 「アルファ」は2003年に結成されたリコーダーを中心としたアンサンブルですが、サクソフォンやパーカッションを交えることで、幅 広い音の可能性を探求、この「四季」でも闊達な演奏を繰り広げています。サクソフォンは作曲家自身が担当しています。 「四季」で共演するエッコゾーンは2013年に設立、アヴァンギャルド、ミニマル音楽、クロスオーヴァーなどボーダーレスな音作り を目指し、すぐにコペンハーゲン・ジャズ・ハウスで名を挙げたアンサンブルです。「協奏曲 ロ短調」はアルファのために作曲され た作品で、ヴィヴァルディの協奏曲を基にしつつも、単純化された音の動きとテープの逆回しのみで表現されるという実験的な 手法が用いられています。


Treasures
TRE-198(1CDR)
アラウ/ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21*
クラウディオ・アラウ(P)
オットー・クレンペラー(指)ケルンRSO
マッシモ・プラデッラ(指)バイエルンRSO*

録音:1954年10月25日ケルン放送第1ホール、1960年4月12日ミュンヘン・ライヴ*(共にモノラル)
※音源:日KING SLF-5002、伊MOVIMENT MUSICA 01.064*
◎収録時間:73:08
“甘美さ優先のショパンではに満足しない方は必聴!”
■音源について
アラウの「1番」のライヴでレコード化されたのは、これが唯一と思われます。1978年にチェトラから発売され、翌年日本でもキングが発売。一方の「2番」のライブは5種類も存在。そのうちプラデッラとの共演が2種類あり、その1960年3月の録音はWHRA- 6050でCD化されていますが、ここに収録したのはその翌月の録音です。2曲とも会場ノイズは殆ど聞こえないので、放送用音源だと思われます。

★技巧面でも盤石を誇っていた円熟期に入る前のアラウが繰り広げる、凛々しいショパン。アラウにとって、甘美さにふけるショパン像は生涯無縁のものでしたが、ここではライヴ特有の熱気とも相まって強い表現意志を漲らせ緊張感溢れる演奏を展開。特にショパンとは縁遠いクレンペラーが指揮する「第1番」は、ショパンの何たるかをアラウが大先輩に教え諭すかのような空気が独特の緊張感を生み、そのせいかベートーヴェン風のクレンペラーの指揮にも停滞感はなく、結果的に見事に共同作業を貫徹させています。ちなみにアラウとクレンペラーは、戦前にシューマンの協奏曲で共演していますが、若いアラウにクレンペラーが自分の解釈を押し付けたので、アラウはひどく不快に思ったそうですが、ここではそんな不穏な空気は微塵も感じさせません。
第1楽章の第1主題後半部の強弱対比とアゴーギクは、アラウのショパン解釈を象徴しており、決して女々しくないその語り口は聴き手に勇気を与えるかのよう。展開部冒頭では、タッチの微妙な間合い、ペダリングのセンスが光ります。第2楽章は十分に陶酔美を敷き詰めつつも、その根底には作品の造形を見据えた強靭な精神が息づいています。終楽章は10年後のインバルとの共演盤よりも快適なテンポで瑞々しく、冒頭主題の付点リズムの生かし方もずっと自然。副主題(2:57〜)も、チャーミングと言うより粋!
「第2番」も、雰囲気に流されず音楽の輪郭を明確に示すアラウの姿勢に揺るぎなし。第1楽章の主題の後半(3:49〜)のトリルを長く引き伸ばすのは後年の録音と同じですが、求心力は断然こちらが上。第2楽章冒頭のピアノの滑り出し方は、余り語られることのないアラウのタッチの美しさと気が遠くなるほどの呼吸の深さが一体となり、格別の味わい。終楽章は、嘘くさいマズルカ風を演じず、3拍子の拍節を実直に刻むのがなんともクール!こういう点を捉えて「ショパンの心を理解していない」とぼやく人には、とにかく「音楽を聴きましょうと!」と言いたいです。【湧々堂】

KLANGLOGO
KL-1521(1CD)
NX-B03
ベートーヴェン:秘曲作品集
ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a
騎士のバレエ WoO1
交響曲「ウェリントンの勝利またはビトリアの戦い」(戦争交響曲)
クレア・フアンチ(P)
ハワード・グリフィス(指)
フランクフルト・ブランデンブルク州立O

録音:2017年8月21-23日
ベートーヴェンの比較的珍しい作品を3曲収録。ヴァイオリン協奏曲をベートーヴェン自身がクレメンティの勧めに従って編曲し た「ピアノ協奏曲」には、ヴァイオリン協奏曲の時にはなかった長大なカデンツァが付されていることで知られます。「騎士のバレ エ」は作品番号なしの小さな曲集。恐らく20歳頃に書かれた作品であろうと推測されており、どの曲も単純ながら、楽しさと 明るさに満ちています。 「ウェリントンの勝利」は1813年6月21日、スペインにおけるビトリアの戦いで初代ウェリントン侯爵アーサー・ウェルズリー率い るイギリス軍が、フランス軍に勝利したことを受け、ベートーヴェンがウェリントン侯を讃えるために作った曲。本来は当時開発さ れた児童楽器「パンハルモニコン」のために書かれましたが、後に大編成の管弦楽のために編曲。実演では大砲が用いられ るなど、チャイコフスキーの「1812年」にも匹敵する迫力を持つ作品です。ピアノ協奏曲では、若手ピアニスト、フアンチが流 麗な演奏を披露、グリフィスも新鮮でエネルギッシュなアプローチで作品を構築しています。

DACAPO
MAR-8.226149(1CD)
NX-B06
ポウル・ルーザス(1949-):ヴィオラ協奏曲/ヘンデル・ヴァリエーションズ
ヴィオラ協奏曲(1993-1994/2013改訂)
ヘンデル・ヴァリエーションズ(2009)
ヘンデルの8小節の主題による90のシンフォニック・リフレクション*
ラーシュ・アネルス・トムテル(Va)…1-3
マルク・スーストロ(指)
アンドレアス・デルフス(指)*
オーフスSO

録音:2015年12月11-12日、2017年3月18-20日*
世界初録音
新古典的な作品から前衛的な作品まで、幅広い作風で知られるポール・ルーザス。このアルバムには、1995年のBBCプロ ムスで初演された「ヴィオラ協奏曲」(ここでは2013年にルーザスが改訂したヴァージョンを収録)と、ヘンデルの「水上の音 楽」のブーレを主題に90の変奏を施した「ヘンデル・ヴァリエーションズ」を聴くことができます。 前衛的でありながらも、ロマンティックさを失うことのない協奏曲、ヘンデルの軽快なメロディが全く原型をとどめないまでに変容 していく変奏曲。どちらもルーザスの豊かな個性が提示されています。

H.WIENIAWSKI MUSICAL SOCIETY
(ヘンリク・ヴィエニャフスキ音楽協会)
DUX-1395(2CD)
第15回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール(2016)実況録音!
[CD 1]
シマノフスキ:ロマンス ニ長調 Op.23*
ミルシテイン:パガニーニアーナ
ヴィエニャフスキ:新しい手法Op.10 から レ・スタッカート(No.4)
 スケルツォ=タランテッレ ト短調 Op.16*
ヨアヒム:ロマンス変ロ長調 Op.2*
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調*
クライスラー:ジプシー奇想曲*
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV 1001 から アダージョ
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219 から 第1楽章+
[CD 2]
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調 K.364(324d) から 第1楽章#
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22**
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77++
ヴェリコ・チュムブリーゼ(Vn)
ハンナ・ホレスカ(P)*
カタジナ・ブドニク=ガウォンツカ(Va)#
ポーランド放送アマデウス室内O(+/#)
アグニェシュカ・ドゥチマル(指)+
ポズナンPO(**/++)
マレク・ピヤロフスキ(指)**
ウーカシュ・ボロヴィチ(指)++

録音:2016年10月8-23日、ポズナン、ポーランド
20歳にして第15回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール優勝を果たしたヴェリコ・チュムブリーゼのコンクール実況録音。ヴェリコ・チュムブリーゼは1996年トルコのアダナに生まれたジョージア(グルジア)のヴァイオリン奏者。ウィーン音楽大学でドーラ・シュヴァルツベルクに、ミュンヘン音楽大学でアナ・チュマチェンコに師事。
DUXレーベルの製品ですがヘンリク・ヴィエニャフスキ音楽協会が発売元となっております。特別仕様(185mm四方の外装)の高価格商品です。早々に完売・供給終了となる可能性が高いのでお早目のオーダーをお願いいたします。


Treasures
TRE-176(1CDR)
若き日のオスカー・シュムスキー
ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ第1番 ニ長調 Op. 4*
シューベルト:華麗なるロンドOp.70**
サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ#
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第22番(ピアノ伴奏版)##
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」+
オスカー・シュムスキー(Vn)
ピアニスト不明*
レオニード・ハンブロ(P)**
ミルトン・カティムズ(指)NBC響#
ウラディミール・ソコロフ(P)##
トーマス・シェルマン(指)小管弦楽協会O+

録音:1940年8月15日*、1951年6月23日**、1950年4月22日#、1950年##、1956年頃+ (全てモノラル)
※音源:DISCOPEDIA MB-1040、Music Appreciation Records MAR-5613+
◎収録時間:78:53
“音楽を弄ばず、奉仕者に徹する信念が強固なニュアンスを形成!”
■音源について
モーツァルト以外は、SP音源からの復刻LPですので、特有のノイズがあります、あらかじめご了承下さい。

★オスカー・シュムスキー(1917年-2000)は、フィラデルフィア生まれ。7歳でフィラデルフィア管と共演し、ストコフスキーから「いまだかつてない神童」と絶賛され、後にカーティス音楽院で学び、晩年のレオポルト・アウアーのもとで研鑽積みました。教育活動に熱心だったため、録音数は極めて少なく、広く認知されるようになったのは、晩年になってからのニンバス等への録音からでしょう。
ヴィエニャフスキは軽妙に躍動し、多彩な表情を交えて雄弁に語りる付けますが、聴き手に媚びるような嫌らしさがなく、すすり泣くフレーズでも背筋のピンと伸びた意志の強さが宿り、音楽を女々しくさせません。サン・サーンスも同様で、決して流れが停滞せず、呼吸の求心力の高さに思わず惹き込まれます。
ヴュータンの第2楽章は可憐な囁きが心に染みますが、安易なポルタメントに逃げず、ここでも折り目正しい造形力が際立ちます。
その造形力が古典的なフォルム維持に生かされ、独特の手応えを与えてくれるのが、モーツァルトの協奏曲。
第1楽章主題は陽の光をたっぷり浴びたハリのある音色美を放射。第2主題のリズムは、気分に任せる素振りも見せず、ニュアンスが凝縮。このシーンに限らず、ショーマンシップを見せつける箇所がほとんど存在せず、カデンツァでさえ決して大道芸的な立ち回りとは無縁。それこそまさに、シュムスキーの教育者、作曲家に奉仕する芸術家としての象徴と言えましょう。終楽章も実にニヒル。微笑みを振りまくのではなく、フレージングの微妙な陰影と呼吸の妙味で多彩な表情をしっかり引き出し、作品の核心に肉薄しようとする意思が音楽全体を引き締めているので、決して堅苦しさを与えずに音楽の全体像をしっかり実感することができるのです。
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲はどんな名盤を聴いても、どこか食い足りないものを感じるという方には、特に傾聴していただきたいと思います。【湧々堂】

Treasures
TRE-177(1CDR)
ロベール・カサドシュ/ベートーヴェン:「皇帝」他
ウェーバー:コンツェルトシュテュック ヘ短調 Op. 79
フランク:交響的変奏曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ロベール・カサドシュ(P)
キリル・コンドラシン(指)トリノ放送SO
ハンス・ロスバウト(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO*

録音:1960年5月6日ライヴ、1961年2月3日* (全てステレオ)
※音源:伊FONIT CETRA LAR-18、独FONO-RING SFGLP-77699*
◎収録時間:66:12
“本質追求ヘの強い意志を分かち合ったカサドシュとロスバウトの強力タッグ!”
■音源について
FONIT CETRAは、“ARCHIVIO RAI”シリーズでチェリビダッケ、バルビローリ等の1960年頃のステレオ・ライヴ録音をリリースしていますが、これもその一環。この時期のステレオとしては極めて優秀。「皇帝」はPHILIPS音源ですが、ここではシャキッとした音が演奏の性質とマッチしているFONO-RING盤を採用。今までどのCDを聴いても表現が中途半端に聞こえましたが、これで聴くと音の意味が手に取るように分かります。

★カサドシュの協奏曲録音で共演する指揮者は、フランス風のエレガンスを湛えた人よりも、セルをはじめとして硬派な指揮者との共演が多いですが、これは単にレコード会社の都合ではなく、カサドシュの意向が作用していことを強く窺わせるのがここに収録した3曲(全てカサドシュの十八番)です。コンドラシンもロスバウトも、ワルターのような柔和さとは対極的な引き締まった音像を志向する指揮者。一方のカサドシュも、清明なタッチによるしなやかなフレージングを見せながらも、特に独墺の古典作品(特にバッハの素晴らしさ!!)においては、無駄を排して造形力を際立たせ、意志の強さを感じることが多いので、シェイプアップ型指揮者との相性が抜群なのです。
中でも、ベートーヴェンの「皇帝」は、指揮者とピアニストの共通認識の強固さという点で、多くの同曲名盤の中でもトップクラス!カサドシュが、ロスバウト化して言えるほど、互いの方向性が同じ一点に完全一致しているのです。
第1楽章冒頭からイン・テンポを基調とした高潔美が横溢。決して音像を肥大化させず、毅然とした意思をもって造形する姿勢をここまで貫かれると、重戦車型の演奏は場違いとさえ思えてきます。白眉は第2楽章!何度聴いてもこの楽章の史上最高峰の演奏という確信は揺らぎません。カサドシュの結晶化しきったタッチそのものが詩情を醸し出し、それ以上のことは何せず、澄み切った空気感を表出。それに比べ、テンポを落としてしっとりと歌おうとするほど本質から逸れてしまう演奏の如何に多いことか…。
終楽章は、引き締まった音像の中の強烈な意志力がさらに高次元で燃焼し、これ以上ない凝縮しきった音楽を展開。安直な人間味など寄せ付けないほどの本質追求型の演奏の場合、指揮者とソリストは「融合」より「緊張」が際立つものですが、ここではその両方を同時に体感できるのです!【湧々堂】

Treasures
TRE-173(1CDR)
フランティシェク・ラウフ/リスト&ショパン他
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番
 アンダンテ・ファヴォリ
リスト:ピアノ協奏曲第2番*
ショパン:ピアノ協奏曲第2番*
フランティシェク・ラウフ(P)
ヴァーツラフ・スメターチェク(指)プラハSO

録音:1965年11月15,18-19日、1964年6月17-18,20,22日&9月3日*(全てステレオ)
※音源:SUPRAPHON SUAST-50743、SUAST-50603*
◎収録時間:76:16
“真心から紡ぎ出されるタッチに宿る幽玄のニュアンス!!!”
■音源について
ラウフによるスプラフォンのステレオ録音集。特に協奏曲のレコードは、盤によってオケの響きが違って聞こえますが、ここでは数種聴き比べの上、最良のもの(青盤)を選択しました。

★フランティシェク・ラウフ(1910〜1996)は、チェコを代表するピアニスト。プラハ芸術アカデミーでの教育活動が中心だったので、フィルクスニーやモラヴィッツ等のような知名度はありませんが、その配慮の行き届いたピアニズムは教育者らしい堅実さにとどまらず、独特の閃きと奥ゆかしさを湛えています。
ベートーヴェンの「30番」冒頭は媚びた表情などどこにもなく、それでいて聴き手に優しく寄り添う独特の語り口が心をくすぐります。楽想の変化に器用に対処するというよりも丹念にその意味を刻印しながら進行。したがって、第2楽章などは無骨にも聞こえますが、そこに流れる精神は至純そのもの。その純粋さがタッチにもフレージングにも反映し尽くされた終楽章は涙を禁じ得ず、これほど各変奏曲が優しく連動しながら語りかける演奏には、そうそう出会えません。
リストの協奏曲は、派手な作品の影に隠れがちなリストの繊細な筆致に焦点を当てた演奏。中だるみしがちなモデラート以降([07]〜)でも丹念なニュアンスが光ります。最後のアレグロ・アニマート([09])に入る前のカデンツァが、ここでは省略されています。
ショパンは更に聴きもので、同曲屈指の名演!第1楽章でピアノが第1主題を奏でただけでも、行き届いたペダリングとフレージングによって、レガート偏重のムーディさとは違う別次元に誘われます。特に2:59からの明確な分散和音化処理は一歩間違えれば安易な感傷に傾きますが、ラウフが弾くと芳しい空気が流れるのです!第2楽章最初にトリルは、慎ましさの中に魂の育みが感じられ、「真心のタッチ」の真髄を知る思いです。テーマが繰り返される2:34からは、そこに瞬間的に威厳が加わり、神々しいニュアンスを一気に敷き詰めるのですから息を呑むばかり。タッチの強弱操作だけで引き出されたニュアンスではないだけに、感銘もひとしおです。そして、最後の一音の密やかな置き方!絶対お聴き逃しなく!終楽章冒頭の装飾音が纏わりつく主題は、ポーランド風に仕立てるのに多くのピアニストが苦心していますが、ラウフは完全ストレート直球。それでいて少しも淡白にならないのは、音符の背後にある本質を感じきっている証しでしょう。第2主題(2:15〜)も同様。作品を過度に肥大化させず、音符の意味を丁寧に炙り出すことに終止するラウフの美学が完全に結実した逸品です!【湧々堂】


Treasures
TRE-172(1CDR)
マイラ・ヘス〜モーツァルト&ベートーヴェン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番**
ショパン:ワルツOp.18#
ブラームス:間奏曲Op.119-3#
スカルラッティ:ソナタL.387#
マイラ・ヘス(P)
ブルーノ・ワルター(指)NYO*
エイドリアン・ボールト(指)BBC響**

録音:1956年カーネギーホール* 、1953年1月ロンドン**、1949年3月17,18日イリノイ大学# (全てライヴ)
※音源:米 Bruno Walter Society PR-36*、加ROCOCO RR-2041**,#
◎収録時間:74:13
“懐の深さをもって作品を捉えるヘスのピアニズムの大きさ!”
■音源について
ROCOCOのLP1枚分と、ワルター協会LPの反面分を収録しています。

★まずモーツァルトが、TRE-141で紹介したK.449と並ぶ歴史的名演!ヘスは、第1楽章の滑り出しを後ろ髪を引かれるように開始しますが、少しも大袈裟ではなく、むしろ恥じらいの表情を湛えます。第2主題は、いかにもモーツァルトらしい屈託のない微笑みの表情で魅了。それが再現部で短調に転じると、提示部の微笑みと表裏一体であることを実感させる、得も言われぬ悲哀の表情を浮かべるのです。カデンツァも必聴。ヘスのピアノが決して感覚的な繊細さを目指すものではなく、いかに豊かで深いものか、思い知らせれます。第2楽章に至っては、奇跡と呼びたい素晴らしさ!かなり大胆にアゴーギクを投入していますが、常に「心からの語り」と一体なので、少しも時代掛かった印象を与えません。どんな弱音でも音が痩せることはなく、慈愛を込めぬいたタッチの最高の実例がここにあります!第2楽章が終わった途端に、会場からパラっと拍手が起きますが、その気持は実によくわかります。そして忘れてならないのは、ワルターの指揮。これは、この曲の指揮としてはもちろんのこと、誰もが認めるモーツァルト指揮者でありながら、全ての要素の調和が取れた演奏が意外と少ないワルターにとって、最高の出来栄えと言えましょう。特に終楽章は充実の極みです。
一方、ベートーヴェンは指揮がボールトなので、全体的に折り目正しく進行しますが、芯のぶれない確固たる表現とタッチは、ヘスそのもの。第2楽章の2:47の些細なタッチをアルペジョ風にして、独特の幻想味を醸し出していますが、こんなことを嫌味なくできるピアニストなど、もういなくなってしまいました。
その点では3つの小品も同様。アンコール演奏ですの表現は奔放ですが、全てのフレーズが、聴き手の心を芯から溶かすようなニュアンスで一杯!こんな芸当は、単に腕が立つだけでは不可能でしょう。【湧々堂】


Treasures
TRE-170(1CDR)
オドノポゾフ〜メンデルスゾーン&パガニーニ他
ショーソン:詩曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
リカルド・オドノポゾフ(Vn)
ジャンフランコ・リヴォリ(指)
ジュネーヴRSO

録音:1955年頃*、1962年(全てステレオ)
※音源:日Concert Hall SM-2250*、英SMS-2205
◎収録時間:72:19
“オドノポゾフの「美音の底力」をたっぷり堪能!”
■音源について
★ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(TRE-156)に続くオドノポゾフのステレオ・バージョン録音の復刻。コンサート・ホールのレコードは、スイス盤かドイツ盤を使用することが多いですが、協奏曲では英盤を採用しています。

★オドノポゾフの「美音の底力」をここでもたっぷり堪能。ショーソンは、その音色が持つ温かい情感によって、作品に流れる陰鬱な空気を和らげ、透徹しきった演奏にはない魅力を発揮。この作品の新たな側面に光を当てています。 メンデルスゾーンでは、その美音は旋律に気品を与え、切々と語ることで曲想の魅力が膨らみます。何とか他者との差別化を図ろうと、意図的に豪快に演奏されることもありますが、この作品には何よりも「慈しみ」が不可欠であることをオドノポゾフは教えてくれます。10:35からの音の置き方に象徴されるように、「弾き飛ばし感」がゼロなのです!その音作りは、第2楽章で更に開花。多くの人がこの曲に期待する全ての要素が盛り込まれていると言っても良いでしょう。名盤ひしめく超名曲とはいえ、この演奏を度外視する理由などどこにもありません!
このメンデルスゾーンとパガニーニは、オドノポゾフ40代の最充実期に行われいることも、重要なポイントですが、特にパガニーニでは、それを実感。グリュミオーが遺したステレオ録音は、持ち前の音色美に技巧の衰えが影を落としていたことが残念だったことを思うと、オドノポゾフがこの時期に録音できたことは実に幸運でした。しかも演奏の魅力が破格!この曲の理想を実現した数少ない名演だと思います。御存知の通り、この曲はベートーヴェンとは違い、技巧が命。とは言え、技巧ばかり押し付けられると虚しいばかり。そういう危うさとは全く無縁のところで、技巧と表現を見事に調和せさせ、自己の美学を徹底貫徹したこのがこ演奏です。パガニーニだからといって変な魂胆を持たず、7:48からのトリルに表れている通り、メンデルスゾーンと何ら変わりない慈愛の心でフレーズを積み上げていることが伝わります。この曲を聴いて痛快さは何度も味わったけれど、「いい音楽を聴いた!」と痛感したことがないという方、必聴です!なお、オーケストラ・パートは短縮版が採用されています。【湧々堂】


Treasures
TRE-166(1CDR)
リンパニー/リスト&プロコフィエフ
リスト:ピアノ協奏曲第2番*
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番
 ピアノ協奏曲第3番
モーラ・リンパニー(P)
マルコム・サージェント(指)ロイヤルPO*
ワルター・ジュスキント(指)フィルハーモニアO

録音:1962年10月*、1956年5月2-3日(共にステレオ)
※音源:伊RCA GL-32526*、英WRC T-735
◎収録時間:61:09
“リンパニーの飾らない気品を堪能する協奏曲集!”
■音源について
★プロコフィエフは、迷わずW.R.C盤を採用しました。ステレオ最初期とは思えぬ高音質で、ホールの空間に音がしっとりと浸透する様子を感じていただけると思います。リストは、リーダーズ・ダイジェスト音源。

★濃厚な色彩や激情を狙わず、ひたすら音符の意味の丁寧な表出に専念するリンパニーの特徴がはっきりと示された協奏曲録音。3曲とも華麗なヴィルトゥオジティを前提とした作品ながら、そこに照準を合わせないのがリンパニー。特にプロコフィエフでは、土俗趣味を排し、独墺系作品と何ら変わない堅実なアプローチに終止しているので、アクロバット的なスリルではなく、じっくり音楽を味わいたい方に納得していただけると思います。
「第1番」は、使用音盤の質の良さも手伝って、第1楽章冒頭から、ホールのトーンと見事に溶け合ったタッチが豊かに広がり、一気に心奪われます。プロコフィエフ特有の打楽器的筆致とリンパニーならではの気品溢れるタッチが絶妙に融合したニュアンスも魅惑的。終楽章では、打鍵の力感だけで押し通す演奏では味わえない、楽想自体が持つ表情がひしひしと伝わります。第1楽章主題が回帰するコーダの高貴な響きも、とくと御堪能下さい。
有名な「第3番」は、近年はテンポが高速化の一途を辿っているようですが、聴き手を驚かす手法とは無縁のリンパニーは、ごく標準的なテンポによる誠実な演奏で一貫。すぐに分かる刺激に訴えることなく、噛めば噛むほど染みてくる演奏とはまさにこのこと。第1楽章展開部の都会風のオシャレな空気感や、終楽章冒頭で、打鍵のエッジを立てずに穏やかに語るような仕草が、特に忘れられません。ロシア音楽に定評のあるジュスキントの指揮も、ツボを決して外しません。
リストも、リンパニー生来の気品が息づく名演。作り込んだ上品さとは違うことを実感していただけるでしょう。この曲はどうしても派手なパッセージに注目しがちですが、アレグロ・モデラート([03])で、リストの音楽の純真さ、リリシズムが確実に引き出すリンパニーのアプローチは無視できません。最後のグリッサンドも、、見世物的なパフォーマンスとは無縁。どのピアニストも大向こうを唸らせるようなアプローチばかりで飽き飽きしている方は、是非ご一聴を!【湧々堂】

Treasures
TRE-163(1CDR)
リシャルト・バクスト〜ベートーヴェン
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ピアノ・ソナタ第14番「月光」
ピアノ協奏曲第3番ハ短調*
リシャルト・バクスト(P)
スタニスワフ・ヴィスロッキ(指)
ワルシャワ国立PO

録音:1963年頃(ステレオ)
※音源:MUZA SXL-0166、SX-0167*
◎収録時間:77:44
“ベートーヴェン弾きとしてのバクストの芸術性を思い知るい一枚!”
■音源について
ポーランドのピアニスト、リシャルト・バクスト(1926-1999)の録音は少ないのですが、こんな至高のベートーヴェンを遺してくれたことは嬉しい限り。もちろんショパンの録音もありますが、それ以上に高次元に昇華した芸術がここにはあります!

★あまりにも有名なこれらの全ての作品において、バクストは独自の美学に裏打ちされた名演を展開!特にピアノ協奏曲第3番は、作品の質までも数段引き上げたとさえ思えるほど感動的な演奏で、精神と技巧の美しい調和を貫徹した例も他に知りません。タッチそのものが美しい上に、ニュアンスには奥行きを感じさせ、第1楽楽章展開部では、それが独特の憂いを帯びて流れ、カデンツァでは高潔な精神を輝かしい音像に注入し、打鍵の強さに頼らずに威厳を引き出します。第2楽章の瞑想感はリヒテルを思わせ、終楽章はやや遅めのテンポを着実に感じながらの進行が、孤高の空気を醸し出します。ここでも乱暴な強打とは無縁。美しいタッチは美しい精神から生まれることを実感するばかりです。コーダ前の7:46からの何気ない音型の説得力はどうでしょう。オケの有機的な絡みもご注目。
「悲愴」も、あからさまな激情とは無縁。あくまでも心の奥底の悲しみと詩情に焦点を当て続け、「ありがちな名演」とは一線を画します。
詩情といえば、「月光」!あざとさを感じさせない幻想性の徹底表出ぶりとテンポの安定感は、あまたの名演の中でも軍を抜いていることは明らか。第1楽章中間部、旋律線が消えて3連音の音型だけで進行する楽想が、緩やかに美しい弧を描きつつニュアンスを醸成する様は感動の極み!これを聴かずして「月光」を安易に語ってほしくないものです。 【湧々堂】

ELOQUENTIA
EL-0815(2CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ短調 RV.Anh.10
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ロ長調 RV.381
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ長調 RV.220
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ヘ長調 RV.291
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ハ長調 RV.175
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲イ短調 RV.355
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲イ長調 RV.338
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ホ短調 RV.274
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ハ長調 RV.176
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ホ短調 RV.275
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ロ長調 RV.377
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ヘ長調 RV Anh.130
フロリアン・ドイター(Vn)
アルモニー・ウニヴェルセル

録音:2007年10月、西部ドイツ放送室内楽ホール、ケルン、ドイツ

DACAPO
MAR-8.226134(1CD)
NX-B06
セアンセン(1958-):ピアノと弦楽のための「ミニョン」(2013-2014)
セレニッシマ(2014)
深い歌(1997-1998)
シャロットの女(1987/1992改編)
セレナード(2006)
The Weeping White Room-嘆く白い部屋(2002)
カトリーネ・ギスリンジェ(P)
ジョン・ストゥールゴールズ(Vn)
ラップランド室内O
ジョン・ストゥールゴールズ(指)

録音:2014年12月16-17日
「静寂」に重きを置く現代作曲家の一人、ベント・セアンセンの作品集。この「ミニョン」は2013年から2014年に作曲された“三部 作”の一つ。ピアノが奏でる漣のような音に、幽玄な弦の響きが融合。バッハ、モーツァルトの旋律の断片を含む音の渦は、セアンセ ンが求める静寂の風景を丁寧にトレースしています。初期の作品であるW.ウォーターハウスの絵画からインスパイアされた「シャロット の女」、実験的な要素が大きい「罪深い歌」、他にもセアンセンの内的世界を垣間見る神秘的な曲集です。


Treasures
TRE-142-143(2CDR)
ジャンヌ=マリー・ダルレ/サン・サーンス:ピアノ協奏曲全集&七重奏曲
TRE-142とTRE-143をセット化したもの
ジャンヌ=マリー・ダルレ(P)
ルイ・フレスティエ(指)
フランス国立放送局O
ロジェ・デルモット(Tp)*
ガストン・ロジェ(Cb)*
パスカルQ団員*

録音:1955-1957年
※音源:仏PATHE DTX-252、DTX-176、英HMV ALP-1593
◎収録時間:68:14+74:45

Treasures
TRE-143(1CDR)
ジャンヌ=マリー・ダルレ/サン・サーンス:ピアノ協奏曲集2
ピアノ協奏曲第1番
ピアノ協奏曲第3番
ピアノ協奏曲第4番##
ジャンヌ=マリー・ダルレ(P)
ルイ・フレスティエ(指)
フランス国立放送局O

録音:1956年5月、1955年4月##(全てモノラル)
※音源:英HMV ALP-1593、仏PATHE DTX-176##
◎収録時間:74:45
■音源について
「第1番」と「第3番」はイギリス盤を使用。LPでは、現在最も演奏頻度の低いこの2曲をカップリングして発売していたのです!この2曲を1枚に収めたCDを見たことがなく、それどころか、ここ数年はサン・サーンスのピアノ協奏曲のCD自体が激減しているのは、危機的状況です!

「第1番」は、サン・サーンス23歳時の作品ながら、サン・サーンス独自の屈託のない音楽性と発想力、巧みな構成を表面化させない天才的な筆致力はこの頃既に完全に備わっていたことを痛感させる演奏にはなかなか出会いません。その理由はただ一つ。作品に入れ込んでいないためです。ダルレが両端楽章で見せる無邪気な弾け方!ベートーヴェンやブラームスばかり勉強していてはこうはいかず、人生の粋を体現していなければ、第2楽章も陳腐なムード音楽に成り下がってしまうでしょう。
更に難物が「第3番」。第1楽章冒頭で、ピアノはアルペジョを繰り返すだけで、主題を提示するのはオケなので、指揮者のビジョンまで問われます。ダルレとフレスティエが完全に同じ方向を向き、展開部で熾烈な緊張の渦に本気で身を投じていることを知った瞬間から、これを「地味な曲」などと言えなくなるはず。全集録音のための急場しのぎの演奏では得られない手応えを感じていただけることでしょう。
「第4番」の素晴らしさも今さら申すまでもありませんが、終楽章での「このスタイル以外は有り得ない!」という強烈な主張を持った打鍵の連続技に接すると、単に腕が達者なだけでは太刀打ちできないことを思い知るばかりです。【湧々堂】


Treasures
TRE-156(1CDR)
オドノポゾフ〜ブラームス、サン・サーンス他
サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
 ハバネラOp.83
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
リカルド・オドノポゾフ(Vn)
ジャンフランコ・リヴォリ(指)ジュネーヴRSO
カール・バンベルガー(指)フランクフルト歌劇場O*

録音:1955年頃、1954年頃*(全てステレオ)
※音源:日Concert Hall SM-2250、仏Prestige de la Musique SR-9653*
◎収録時間:65:49
“甘美な音色と厳しい造形力を駆使した「語り」の妙味!!”
■音源について
コンサート・ホールのステレオ・バージョンは、特に協奏曲においてソロとオケが溶け合わないことが多いですが、これらは合格。特にブラームスは全体のブレンド感に違和感が無く、同レーベルの協奏曲録音の最高峰と言えます。このステレオ盤は、日本の名曲全集の中の一枚と、アメリカ盤、この70年代のフランス盤しか発見できませんでした。ここでは、オドノポゾフの音色美を最大限に引き出している70年代のフランス盤を採用しました。ジャケ写は独盤。

★リカルド・オドノポソフ(1914-2004)は、アルゼンチン出身。13歳でベルリン音楽大学ヘ入学し、後にカール・フレッシュのもとでで研鑽を積みました。1932年にはウィーン国際音楽コンクールで優勝。同時期に、ウィーンフィルのコンサートマスターに迎えられました。戦時中はアメリカを拠点に活動しましたが、戦後再びウィーンへ戻り、ウィーンアカデミーの教授に就任し、後進の指導にあたりました。
まず、最初の3つの小品でで、オドノポゾフの魅惑的な美音をたっぷりご堪能ください。音の端々まで愛情を注入し、人柄を映したような温かな歌が、音楽のフォルムを逸脱することなく切々と表出され、技巧が表面化することもないので、聴き手の心への浸透力が破格です。特に、ツィゴイネルワイゼン!後半の急速なアレグロに転じる前の「泣き」の凄さ。しかもオドノポゾフが鼻をすするような音まで聞こえ、それほど感極まったのかもしれません。それでも音楽を崩さずに気品を貫く心意気が、また泣かせるではありませんか!
そしてブラームスの究極芸!第1楽章の入り方は、今まで聴いた演奏の殆どは野放図な切込みで誤魔化していたのでは?と思えるほど、音楽を「語る」ことしか念頭にありません。トリルがこれほど心のときめきと直結しているのも珍しいでしょう。第1主題(4:16〜)はオドノポゾフの美音の真骨頂。決して感覚的な美しさにとどまらない慈愛一筋に流れるフレーズに涙を禁じえません。ブラームスにシゲティのような厳しさを求める向きでも、楽章ラストのカデンツァを聴けば、音の意味を一滴も漏らすまいとする集中力と息の長い呼吸に支えられて、芸術的昇華の極地を見せていることを認めざるをえないでしょう。オケが再び加わってから主題が少しづつ上昇するシーンに至っては、オケとの溶け合い方も含めて、これ以上に美しいのものを知りません。ブラームスらしい滋味を象徴する第2楽章でさえ、その真の美しさを湛えた語り口によって、決して音楽が低迷することがありません。終楽章も、切れ味とパワーで押し切る演奏では味わえない、入魂の語り芸!強烈な弓圧で圧倒する瞬間などどこにも存在しません。
このディスクによって、オドノポゾフの芸術性はもちろんのこと、このブラームスの協奏曲の魅力も再発見していただけるものと確信しています。【湧々堂】

Lydia Music
LYD-001(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番
ピアノ協奏曲 第2番
エリザベス・ゾンバルト(P・・・Fazioli 278)
ロイヤルPO
ピエール・ヴァレー(指)

録音 2014年5月アビー・ロード・スタジオ
ショパンの青春時代を彩る2つのピアノ協奏曲は、管弦楽法の弱さなどを指摘されはするも、多くのピアニストの憧れの作品として、現代 でも強い存在感を放っています。今回、この曲に挑んだのはストラスブール生まれのベテラン女性ピアニスト、エリザベス・ゾンバルト。7歳 でピアノを始め、ストラスブール高等音楽院に入学、11歳のときに初の公式コンサートに出演し注目を浴びました。以降、16歳で室内 楽とピアノで一等賞を受賞、他、数多くの賞を受賞、一時期はブエノスアイレスでブルーノ・ゲルバーに師事、マインツではセルジュ・チェリ ビダッケの元で、10年間にわたって音楽現象について学んだという経歴も持っています。 現在は教師として活躍する傍ら、可能な限り、多くの人々にクラシック音楽を聴いてもらいたいという思いから1998年に「レゾナンス財 団」を設立、7カ国でアウトリーチ・プログラムとピアノ・スクールを開催しています。この演奏で彼女は、曲が書かれた時代の背景やポーラ ンドの伝統舞曲を研究し、夢のような優しい旋律に隠されたショパンの悲惨な感情までも掘り起こしています。指揮者のピエール・ヴァ レーは小澤征爾とも親しく、サイトウキネンで何度も合唱指揮を務め、また、小澤征爾音楽塾で若手音楽家の育成に携わるなど、日 本でも良く知られた存在です。


Treasures
TRE-146(1CDR)
カンポーリ〜ブルッフ、サン・サーンス&ラロ
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
サン・サーンス:ハバネラ*
 序奏とロンド・カプリチオーソ*
ラロ:スペイン交響曲#
アルフレッド・カンポーリ(Vn)
ロイヤルトン・キッシュ(指)新交響楽団
アナトール・フィストラーリ(指)LSO*
エドゥアルド・ヴァン・ベイヌム(指)LPO#

録音:1951年4月17日、1953年11月10日*、1953年3月3-4日#
※音源:英DECCA ACL-124、ACL-64#
◎収録時間:77:08
“作品の様式美を踏み外さないカンポーリの芳しい歌心!”
■音源について
全てACL(溝)盤を使用。ACLは時折音がざらつき気味のものにも出会いますが、これらは問題なく良い音で鳴ってくれました。なお、ブルッフの1〜2楽章間は一瞬音が途切れますが、元々そのように収録されています。

★アルフレッド・カンポーリ(1906-1991)はイタリア生まれですが、少年期にロンドンへ移住。イタリア的な明るさを持つ美音と英国風の折り目正しいフレージングを融合したを魅力は、かけがえのないもの。ここでは、そんなカンポーリの魅力を端的に示す名演として、濃厚な味を持つ作品ばかりを集めていますが、特にご注目いただきたいのは、作品の濃厚さを逆手に取って聴衆に媚びるような表現はせず、気品溢れる音楽に結実させている点。
例えば、サン・サーンスの「序奏とロンド〜」の冒頭は、リズムを立てず、しっとりと歌われるのが常ですが、カンポーリはそんなお約束とは無縁。5小節目の下降音の32分音符にカラッとした軽みを与えているように、この作品の魅力は決して演歌風の表情付けではなく、各楽想を丁寧に描くことで自然に滲み出るということを教えてくれます。それでいて、多くの人が期待する「お涙」も過不足なく湛えているのですから、なんという芸の奥深さ!
そういう常套手段に甘んじない気品溢れる芸風は、スペイン交響曲で最大に開花しています。第1楽章の最初のソロに、カンポーリのアプローチの魅力のすべてが凝縮されています。情緒たっぷりのアゴーギクも、血を滾らせたような上げ弓も用いずに切々と歌われるフレーズは、音の勢いで蹴散らしてはもったいないと言わんばかり。天下の美音を誇りながら感覚美を志向せず、熱い音ではなく、熱い共感こそが説得力を生むのだということを思い知らされます。第2楽書の可憐さも、あくまでも自然体だからこそ聴き手の心をくすぐるのです。第3楽章の主題で、音の高低差を大げさに対比するような真似も、カンポーリの美意識が許しません。したがって終楽章も、力任せの演奏では聴こえてこない香り高いニュアンスの連続!美しい歌とは何か…、その答えが3:34から導き出されます。安易なエキゾチシズムに依存しないという演奏は他にもあるかもしれませんが、それを綺麗事で終わらせず、慎ましさの中に華のある表現で聴き手を酔わす演奏となると、他に思い当たりません。そして忘れてならないのは、ベイヌムの指揮の凄さ!カンポーリとは対照的に、高凝縮力を誇る迫力満点の音楽を展開していますが、内面から確信するニュアンスを貫徹させる信念は共通しており、両者が反発し合うことなく見事にブレンドされている点も特筆ものです。【湧々堂】

Treasures
TRE-145(1CDR)
J・B・ポミエ/チャイコフスキー&ベートーヴェン
チャイコフスキー:ピアノ・ソナタ.ト長調Op.37
 「ドゥムカ」-ロシアの農村風景Op.59*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」#
ジャン=ベルナール・ポミエ(P)
ディミトリ・コラファス(指)
ラムルーO

録音:1964年6月18-25日&10月20-22日&11月4日、1964年10月20-24日&11月4日*、1962年#(全てステレオ)
※音源:東芝 AA-8022、仏Club Francais 2300#
◎収録時間:79:53
“10代から備わっていたポミエの美麗タッチと造形力!”
■音源について
イヴ・ナット、サンカン門下のポミエが、1962年のチャイコフスキー・コンクール4位入賞(1位はアシュケナージ&オグドン)直後に行った録音。チャイコフスキーは、国内初期の赤盤を採用。赤盤は音質に定評があるものの、チリチリ音が混入していることが多いのが悩ましいところですが、ここでの使用盤は、ノイズ類がほぼゼロです!

★ロシア人以外のピアニストによるチャイコフスキーのソロ作品の録音で、まず筆頭にあげたいのがこのポミエ盤。「ソナタ」は30分を要する大曲ながら、ベートーヴェンのような堅固な構造を期待する向きには敬遠されがち。しかし、ポミエの瑞々しい切れ味と感性を誇るピアニズムに掛れば、そんな心配はご無用。チャイコフスキー特有のロマンチシズムと郷愁がストレートに胸に迫り続けます。特に第2楽章で、冒頭の瞑想的な主題のみならず、中間部の活気ある主題にも満遍なく情感を宿しているのは、作品への共感が本物であることの証しでしょう。
チャイコフスキー・コンクール入賞直後に録られた「皇帝」がまた凄い!この時ポミエはなんと18歳!この大曲を前にして一切気負うことなく、無理に背伸びした感を一切与えず、正直な音楽性を余すことなく注入。ハッタリとは無縁で、瑞々しい音色とタッチが作品に見事な推進力を与えており、いかにも皇帝風の威厳というよりも、人生の喜びを全身で表現したような清々しさ、一途さに心奪われます。第1楽章で頻出する音階風のフレーズにも常に歌が通っており、第2楽章は、気品と温もりのあるタッチで魅了。ホールの響きと溶け合って導かれる空気感が、更に雰囲気を倍増させています。終楽章の素晴らしさに至っては、史上屈指!若々しい感性を発散しながらも決して青臭さを感じさせず、テンポも先走りせず、安定感抜群。後年のソナタ全集(Erato)で見せた造形力の確かさが、この頃既に備わっていたことに驚きを禁じえません。
史上屈指と言えば、コラファスの指揮も同様。伴奏以外の録音が見つからず、詳細な経歴も不明ですが、このダイナミックな音作りと呼吸の深さに絶対的な自信と確信が横溢。第1楽章後半、16:59からのクレッシェンドの効かせ方!只者ではありません。【湧々堂】


PODIUM
POL-1053(1CD)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲集
シューマン:(1)ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(2)ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.127(原曲:チェロ協奏曲)
(3)12 のピアノ小品〜「夕べの歌」(ヴァイオリン版)
(4)ブラームス:ハンガリー舞曲第1、2番
ヨアヒム:ロマンス
全て、ゲオルグ・クーレンカンプ(Vn)

(1)ゲオルグ・クーレンカンプ(Vn)
 カール・ベーム(指)BPO
 録音:1937 年11 月26 日初演ライヴ
(2)サシュコ・ガヴリロフ(Vn)
 ヴァルター・ギレッセン(指)
 ヴェストファーレンSO
 録音:1987 年11 月29 日(ゲネプロ)
(3)ゲオルグ・クーレンカンプ(Vn)
 ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)BPO
 録音:1935 年
(4)ヨーゼフ・ヨアヒム(Vn)
 録音:1903 年8 月27日
シューマンのヴァイオリン協奏曲はヨアヒム(1831-1907)に献呈され、手稿譜もヨアヒムに渡されましたが、ヨアヒムの息子 からベルリンの図書館に売り渡された後なぜかシューマンの没後100 年まで演奏禁止とされていました。ところがナチスが権 力誇示のため100 年が経過していないにもかかわらず1937 年に初演させました。初演者のクーレンカンプは初演直後にシ ュミット=イッセルシュテットとの共演でTELEFUNKEN にこの作品をセッション録音していますが、この録音は何と初演のライ ヴをPODIUM 社主宰者のヴォルフガング・ヴェンデル氏が放送録音が存在するはず、という推測の元執念で探しだしたもの です。当時のドイツの録音技術も素晴らしく、音質も鑑賞に問題はありません。特殊な状況の初演ライヴということで異様な 緊張感をたたえており、セッション録音とは一味も二味も違った演奏となっています。 カップリングもかなりマニアックです。まずシューマンのチェロ協奏曲のヴァイオリン版。これも楽譜が1987 年に新発見された ものでサシュコ・ガヴリロフによって初演されました。この録音はなんとその初演時のゲネプロ(総練習)のものです。ゲネプロ の音源のため、途中関係者(指揮者?)の声が聞こえたりしますが、初演の緊張感がかえって伝わってきます。 続いてクーレンカンプによるシューマンの珍しい小品でシュミット=イッセルシュテットとの共演です。 最後はシューマンのヴァイオリン協奏曲初演者で手稿譜も持っていたヨアヒムによるハンガリー舞曲の演奏です。ブラームス やシューマンと直接親交のあったヨアヒムの貴重な録音。1903 年とかなり古い録音ですが、リマスタリングにより意外と聴ける 音質になっています。 ※PODIUM 社主宰者ヴォルフガング・ヴェンデル氏による99 ページにも及ぶ解説付き(但し全編ドイツ語)。そのため1枚も のですが、豪華BOX に収納されています。
※継続的に供給されるか不明ですので、お早めのご注文をおすすめします。


Treasures
TRE-142(1CDR)
ジャンヌ=マリー・ダルレ/サン・サーンス:ピアノ協奏曲集1
サン・サーンス:七重奏曲Op.65*
 ピアノ協奏曲第2番**
 ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」#
ジャンヌ=マリー・ダルレ(P)
ルイ・フレスティエ(指)
フランス国立放送局O
ロジェ・デルモット(Tp)*
ガストン・ロジェ(Cb)*
パスカルQ団員*

録音:1957年6月*、1957年4月27-28日**、1957年4月15-17日#
※音源:仏PATHE DTX-252*、DTX-176
◎収録時間:68:14
“作曲家直伝という箔を超越したダルレの恐るべき色彩力!”
■音源について
2枚の良質なパテ盤を使用。既存CDでは感じにくい打鍵の衝撃と、ダルレが愛奏したピアノ、ガヴォーのが放つ香気を十分引き出していると思います。

★サン・サーンスのピアノ協奏曲は、技巧の切れ味で押し切ることも可能でしょうが、だからといって、ベートーヴェンのように深刻に弾かれるとシラケることも多々あります。サン・サーンスの音楽の醍醐味を、プーランクの皮肉っぽさとも違う「優雅なウィット」だとすると、それを最も自然に満たしている名演として筆頭にあげたいのは、やはりダルレ女史の演奏。ダルレはサン・サーンス自身に師事したこともあるので、様々なアドバイスを受けたと思いますが、この演奏に流れるニュンアンスの魅力は、ダルレ自信が地道に育んだセンスの結晶と言えましょう。ダルレが愛奏したピアノ、ガヴォーのブリリアントな響きも格別。
「第2番」第2楽章で上下降するパッセージにおける、単なる粒立ちの良さだけでない洒脱さ、同第2主題で一切媚びずにイン・テンポを保持する洗練美は、何度聴いても唸らせます。終楽章は、軽いタッチに高い求心力を与えるという滅多に耳にできないピアニズムの勝利!
「第5番」は、まず第1楽章のソナタ形式の堅固さを際立たせた造形力の何と素晴らしいこと!展開部の表情の濃密な抉り方も聴きもの。第2楽章はダルレのタッチのコントロールの絶妙さに舌を巻くばかりで、一音も聴き逃せません。ピアノが入る冒頭、高音で連打する箇所で異国情緒を一気に印象づける演奏はそう多くはないはず。1:50からの木片を叩いているような風合いも、他とは違う説得力。この楽章は、ダルレの想像を絶する色彩力の全てを投入した名演と言っても過言ではありません。エキゾチシズム満点のこの楽章をショパンかラフマニノフのように流すピアニストのいかに多いことか!ただ、そのエキゾチシズム、鼻をつくような土臭さとは一線を画し、お洒落な衣を纏っている点が、他に代えがたい魅力なのです。フレスティエの指揮も申し分なし!
七重奏曲は、弦5部+ピアノ+トランペットという独特の編成による色彩を活かした楽しい佳曲。その華麗さの中核を成すのはトランペット(デルモットはパリ・オペラ座管の主席)ですが、全体に独特のエレガンスを与えているのはピアノ。第3楽章には哀愁が漂うものの、決して深刻にならないのはいかにもサン・サーンス。ピアノは単純明快な伴奏音型を繰り返しますが、そこへダルレはさり気なくウィットを滑り込ませているのがニクイところ。弦のユニゾンの甘美な色彩にもご注目を。【湧々堂】


Treasures
TRE-141(1CDR)
マイラ・ヘス〜モーツァルト&ブラームス
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番K.449
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番Op.83*
マイラ・ヘス(P)
ブルーノ・ワルター(指)NYO

録音:1954年1月7日、1951年2月11日*(共にライヴ
※音源:米 Bruno Walter Society PR-36、BWS-736*
◎収録時間:70:21
“ヘスとワルターの親和性が最大に発揮された2大名演!”
■音源について
ワルター協会LPの1枚半分を収録。録音状態は年代相応ですが、ヘスの芸術性を実感するのに何ら不足はないと思います。

★英国の代表的ピアニスト、マイラ・ヘス(1990-1965)はワルターのお気に入りのピアニストの一人。派手なヴィルトゥオジティと無縁なのは他の英国ピアニストと同様ですが、常にヴィジョンを明確に携え、気品を持って音楽を飛翔させるピアニズムはかけがえのないものです。
モーツァルトの「第14番」では、まず曲の素晴らしさをつくづく実感。まろやかでありながら芯を絶やさないヘスのタッチは、最後まで心を捉えて離しません。第2楽章の説明調に陥らない語り口の妙と余韻は、特に格別。ワルターの伴奏は重厚な響きながら決して大味ではなく、全ての音に迷いがなく至純そのもの。ワルターが奏でたモーツァルトの中でも出色の名演ではないでしょうか。終楽章の1:28からの低音タッチの呟きとワルターとの掛け合いのシーンは、ニュアンスの自然発生的な一体感が筆舌に尽くし難いく、こういうのを「神が降リてきた瞬間」というのでしょう。
ブラームスは、ヘス、ワルター共々、大きな構えによる重厚な響きを志向し、最後まで造形的な崩れを見ず、ブラームスの音楽の醍醐味をとことん堪能させてくれます。第1楽章の15:44以降の、響きの熱い凝縮と決して華美に走らない高揚感は、これぞブラームス!第3楽章は、冒頭のチェロのソロから感涙もので、これほど肩肘を張らずに切ないロマンが零れる演奏は他に思い当たりません。それに続くヘスのピアノはたっぷりと潤いを湛えたタッチで陰影の限りを尽くし、6:25からの静謐美は比類なし!ヘスの破格の芸術性を象徴するシーンです。終楽章の終結は、ライヴともなれば白熱的に突進することも珍しくないですが、ここでは安易な熱狂とは違い、一定の矜持を持って精神を一途に高揚させることで、希望の光を放射するかのよう。
マイラ・ヘス自体、日本ではなかなか注目されませんが、この2つのライヴから、彼女固有のの芸術性を少しでも認識していただければ幸いです。【湧々堂】

KOKORO RECORDS
KKR-009(1CD)
税込定価
GOLD−三味線協奏曲集
(1)川崎絵都夫:三味線協奏曲(2015)
(2)江原大介:『魂の絃』 - 三味線と吹奏楽のための協奏曲(2010)
(3)コリーン・シュムコー:『When the Waves Clash』 - 三味線協奏曲(2016)
(4)三木稔:『三味線協奏曲』(2008)
(5)杵屋正邦:『九重』-三絃九重奏曲-(1973)
野澤徹也(三味線)

(2)澤田由香(篠笛)、阿部大輔(尺八I)、本間豊堂(尺八 II)、大上茜(琵琶)、野澤佐保子(箏I)、吉澤延隆(箏 II)、松坂典子(十七絃筝)、吉川玄一郎(打楽器)、冨田晋平(打楽器)
(3)野上博幸(指)ミュゼ・ダール吹奏楽団
(4)邦楽創造集団オーラJ
(5)野澤徹也(三味線全9パート重ね録り)
この CD のタイトルにもある「三味線協奏曲」というのは、三味線演奏家にとっての華で あり憧れです。幸いにも私は現時点で、4つの三味線協奏曲を初演するチャンスに恵まれ ました。そこで、この機会にそれらをまとめて聴いていただこうと思い、CD 化を企画。三味 線をはじめ、様々な邦楽器や吹奏楽の音がキラキラとしていて、「金色の音色」というイメ ージがわいてきたため、タイトルを「GOLD」と名付けました。 唯一の吹奏楽との三味線協奏曲と和楽器による3つの三味線協奏曲を収録。ボーナスト ラックとして、1人で9パートを重ね撮りした三味線九重奏も収録。(野澤徹也)

AGLAE MUSICA
AMC-104(1CD)
ベートーヴェン:三重協奏曲ハ長調 Op.56*
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ルートヴィヒ三重奏団
[イム・ヒョスン(P)
アベル・トマス(Vn)*
アルナウ・トマス(Vc)*]

ガリシアSO
ビクトル・パブロ・ペレス(指)

録音:2013年3月22-23、25-26日、歌劇劇場、ア・コルーニャ、スペイン
イム・ヒョスンは1981年韓国の全州に生まれたピアニスト。カーティス音楽院(フィラデルフィア、アメリカ合衆国)でゲイリー・グラフマンに師事。室内楽演奏家として頭角を現し、ミーシャ・マイスキー、ヒラリー・ハーンらと共演、2009年にはトマス兄弟とともにルートヴィヒ三重奏団を結成しました。

Sono Luminus
DSL-92204B05
Re:Imagined
シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129(チェロと弦楽四重奏版)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」Op.47(チェロと弦楽四重奏版)
ズィル・ベイリー(Vc)
インSQ

録音:2014年10月12-16日
ヴァージニアボイス,ソノ・ルミナス・スタジオ
チェロ奏者と弦楽四重奏団の共演というと、大抵の人はボッケリーニの五重奏か、シューベルトのハ長調の弦楽 五重奏曲を思い起こすことでしょう。しかしチェリスト、ズィル・ベイリーは既存の曲を編曲することで、新し いレパートリーを生み出すことに成功しました。このアルバムでもシューマンとベートーヴェンという意表をつ く作品を取り上げ、納得の行く演奏を行っています。シューマンのチェロ協奏曲は作曲家であるフィリップ・ラ ッサーに助言を求めつつ、自身らで編曲を行うことで、シューマンの複雑な響きを余すことなくサイズダウン、 緊密なアンサンブルを繰り広げています。かたやベートーヴェンの「クロイツェル」は1832年にアレンジされ た(編曲者は不明)、いわばベートーヴェンと同時代の作品。こちらは原曲を拡大したもので、緊張が張り巡ら された原曲が幾分緩やかな曲調になっているところが面白いものです。

Sono Luminus
SM-234(1CD)
トランペット協奏曲集
アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012):トランペット協奏曲
ロベール・プラネル(1908-1994):トランペット協奏曲
トレッリ(1658-1709):トランペット協奏曲ニ長調G.28
ヨハン・バプティスト・ゲオルク・ネルーダ(1711-1776):トランペット協奏曲変ホ長調
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調Hob.VIIe:1
ピアソラ:リベル・タンゴ(G.マンクーシによるトランペットと管弦楽編)
エンニオ・モリコーネ(1928-):ミッション-ガブリエルのオーボエ(トランペットと管弦楽編)*
ヨーゼフ・ホーフバウアー(Tp)
クリスティーナ・ホイメッサー(Vc)*
シェーンブルン祝祭O
グイド・マンクーシ(指)

録音:2015年9月9日…1-3.13-17,2015年7月12日…4-12オーストリアウィーン,ヤマハ・コンサート・ホール
ウィーンで活躍するトランペット奏者ヨーゼフ・ホーフバウアー。彼はウィーンで生まれ、ウィーン音楽大学で学び、名手キャロル・ドーン・ラインハルトのディプロマを受け、その後はモーリス・アンドレにも師事しています。ソロ・デビューは1986年、ウィーンの楽友協会でのコンサートで、その後は1992年まではヴィンドボナ・バロックアンサンブルの首席奏者を務め、現在はウィーン・クラシカル・プレイヤーズのメンバーとしても活動しています。また彼は、これまでにも数多くのアルバムをリリース、バロックから現代作品、ジャズ、サウンド・トラックと多岐に渡り、そのどれもが高く評価されています。このsolomusicaレーベルへのデビュー盤は、アルチュニアンをはじめとした「彼のお気に入り」のトランペット協奏曲集で、どれも伸びやかで輝く音色が印象的です。指揮者のマンクーシとは2004年の顔合わせ以来、長年に渡って共演を続けているという気心の知れた仲です。


Treasures
TRE-129(1CDR)
リンパニー〜モーツァルト:ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番(カデンツァ=第1楽章:モーツァルト第2作、第2,3楽章:モーツァルト第1作)
 ピアノ協奏曲第21番(カデンツァ=第1楽章:ウィンディング作、第3楽章:クレンゲル作)*
ブラームス:間奏曲Op.117-2**
 パガニーニの主題による変奏曲第2巻Op.35-2#
ショパン:幻想即興曲Op.66##
モーラ・リンパニー(P)
ハーバート・メンゲス(指)
フィルハーモニアO

録音:1954年4月28日、1953年2月17日*、1952年11月3日**、1947年12月19日#、1949年4月26日##
※音源:日Angel HC-1006(モーツァルト)、英Cambridge Records DIMP-2
◎収録時間:73:33
“英国風の端正さの中に光るリンパニー独自の華やぎ!”
■音源について
モーツァルトの協奏曲は、録音データでも明らかなように、ほとんど一発録りされたものと思われ、楽章間にも会場ノイズのようなものが微かに聞こえます。そのため楽章間のフェード処理はあえて行なっておりません。良質な日本プレス盤を採用。

★このモーツァルトも、リンパニーの全盛期の素晴らしさを知るのに不可欠な名演。闊達なタッチを活かしながら、入念に楽音の意味を紡ぎ出し、カーゾン、ヘス、ソロモン、マシューズ等と共通する英国流の端正美が息づいています。強烈な自己主張で迫らないのも共通。「第12番」終楽章冒頭のリズムも健康的でありながら開放的に振る舞うことなく、慈愛を持って内省的な美しさを表出。より規模の大きな「第21番」では、端正な構成感に加え、フレージングに一歩踏み込んだ主張が感じられ、第1楽章展開部で顕著なように、ニュアンスの陰影も一段と濃くなっています。リンパニー独自のヴィルトゥオジティの片鱗が見え隠れするのも印象的で、それは採用したカデンツァにも反映。第1楽章のカデンツァは、デンマークのピアニスト、アウグスト・ウィンディング(1835-1899)の作で、短い中にも可憐な華が散りばめられた逸品。終楽章では、ディナーミクの幅を抑制したまま珠を転がすようなタッチに魅力が心を捉えます。ここでのカデンツァは、ドイツで活躍したピアニストで、チェリストのユリウス・クレンゲルの兄でもあるパウル・クレンゲル(1854-1935)の作で、これがまた絶品!ここでは、リンパニーのピアニズムの華やぎが際立ちますが、わずか十数秒でコーダに移ってしまうのが何とも粋!、
カップリングしたショパン、ブラームスでは、リンパにーのその技巧の冴えと、そこに通底する詩的なニュアンスをとことんご堪能下さい。【湧々堂】


Treasures
TRE-126(1CDR)
デニス・マシューズ〜モーツァルト
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番K.310*
ピアノ協奏曲第24番(カデンツァ=マシューズ作)
ピアノ協奏曲第20番(カデンツァ=ベートーヴェン作)
デニス・マシューズ(P)
ハンス・スワロフスキー(指)
ウィーン国立歌劇場O

録音:1959年頃*、1958年(全てステレオ)
※音源:米VANGUARD SRV-196SD*、SRV-142SD
◎収録時間:74:42
“天国のモーツァルトに聴かせることだけを考えた唯一無二の感動作!”
■音源について
デニス・マシューズ (1919〜88)は、デニス・ブレインの共演者としても知られるイギリスのピアニストですが、ソロ録音は少なく、英コロンビアと米ヴァンガードに少し遺している程度。中でもステレオ録音はごくわずか。

★「モーツァルト弾き」ピアニストとして、リリー・クラウスやヘブラー、シフ等と共に位置づけたいのが、このデニス・マシューズ。その演奏は、クラウスのような人間味を全面に押し出すスタイルとは対照的で、淡々と進行するだけで、聴き手に積極的に語り掛けて来ません。しかし、冷たく突き放したものでもなく、模範解答的でもない、不思議な閃きが確実に宿っているのです。「モーツァルト自身が弾いているかのような」という例えもちょっと違う。ではその根底に何があるのか、どこに向かって音楽を発信しているのか…、長年分からなかった答えが、ソナタ第8番を聴いた瞬間に頭をよぎりました。聴衆のためでも自分の為でもない、ただただ天国のモーツァルトに向けて奏でていると考えれば全て納得できるのです。
第1楽章では、これ以上細工を排しては音楽にならないという寸前での、無垢な音楽との向き合い方!第2楽章は、更にその純度を極め、和声の陰影感が自然発生的に滲み出ます。終楽章も、マシューズの視線は、聴き手をよそに遠くを見つめているかのよう。
「モーツァルトのためだけに奏でるモーツァルト」という印象は、協奏曲ではさらに強固なものとなります。堅実なスワロフスキーの指揮と見事な調和を保っているのですが、互いに視線を送り合いながら協調して作り上げるというよりも、マシューズの意識は更に上を行っており、周りが存在していないかのよに孤高の光を放ち続け、現出する音楽には、例えようもない美しさが立ち昇っているのです。いわゆる「内省的な表現」とも違う、もちろん言葉だけの「作曲家への忠誠」とも次元の違う、もはや別格のモーツァルトと呼ぶしかありません。「第24番」第2楽章、2:24以降の現実離れした美しさは、カーゾンをも凌ぐかも…。【湧々堂】


Treasures
TRE-122(1CDR)
レギーナ・スメンジャンカ/ピアノ協奏曲集
バッハ:ピアノ協奏曲イ長調BWV.1055
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番
ショパン:ピアノ協奏曲第2番*
レギーナ・スメンジャンカ(P)
スタニスラフ・ヴィスロッキ(指)
ヴィトルド・ロヴィツキ(指)*
ワルシャワ国立PO

録音:1960年頃、1959年*(全てステレオ)
※音源:独CNR FA-402、独TELEFUNKEN NT-459*
◎収録時間:77:28
“タッチの変化の背後にドラマを添える独自のセンス!”
■音源について
全て、ポーランドMUZA音源。ショパンの第2協奏曲は、ショパン生誕150年(1960年)を記念して制作されたショパン全集の中の音源。ちなみに、第1協奏曲は、チェルニー=ステファニスカが受け持っていました。全3曲とも、ここではプレス良好な独盤を使用。

★レギーナ・スメンジャンカ(1924-2011)は、ショパン音楽アカデミーの教授を務め、多くの門下生を世に送り出したポーランドを代表するピアニストで、まさにショパン演奏の権威者。これらの録音は、まだ教育活動に本格的に乗り出す前のものですが、師のズビグニェフ・ジェヴィエツキをはじめ、ポーランド独自のアカデミズムによって彼女の音楽性が育まれたのは明らか。にもかかわらず、変に凝り固また演奏に陥らず、アカデミズムによって培われたであろう作品の構成を見通す能力を土台としつつ、生来の楽想を感じるセンスが同時に生きているのは、音楽ファンとして嬉しい限りです。
まずは、国の威信を掛けたショパン全集の中の重要な1曲、ピアノ協奏曲第2番。最初に飛び込むのが、苦悩に喘ぐようなロヴィツキの指揮。それに対し、スメンジャンカは、情緒過多を避けた、音楽の骨格の大切にした音楽作りを貫徹。そのニュアンスは後付ではなく、あくまでもタッチのコントロールによって生み出しており、それが実に心に染み入るのです。第2楽章のトリルは、まさに心の震えの投影。息の長いレガートの美しさの中に毅然とコントラストを盛り込むセンスにも思わず唸らされます。
そういったスメンジャンカのセンスは、ショパンに限ったことではありません。バッハは、この曲のピアノによる演奏として決して無視できない名演。作品の構造美を感じ取りながら、一定の緊張感を持って引き締まった音像を築く手腕!もちろん、スタイルの古さなど微塵も感じさせません。
更に感動的なのが、モーツァルト!これを聴いて、スメンジャンカの才能を遂に確信する方も多いことでしょう。イン・テンポと明確なタッチを基調に進行しますが、各タッチの背後に確固としたドラマが注入されており、ニュアンスの多様さも、むしろショパン以上。特に第1楽章展開部の内面からの高揚、第2楽章の自然発生的なニュアンスの微妙な変化は、モーツァルトの真の理解者だけに可能な技と言えましょう。【湧々堂】

Velut Luna
CVLD-241(1SACD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
 瞑想曲 Op.42-1(懐かしい土地の思い出 より、ジョヴァンニ・アンジェレーリ編曲)
ジョヴァンニ・アンジェレーリ(Vn、指)
ヴェネツィアO
ジョヴァンニ・アンジェレーリはイタリアのパドゥア生まれのヴァイオリニスト・指揮者。1997年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール第1位。1998年以来2016年現在ヴェネツィアO常任指揮者。
Velut Luna
CVLD-246(1CD)
ジョルジョ・ガスリーニ(1929-):シンフォニコ 4
クラリネット協奏曲変ロ長調(2010)*
管弦楽の為のラルゴ(2010)+
永遠なるベロセットのオートバイ [Moto Velocetto perpetuo](管弦楽の為の;2006)#
ビッグバン・ポエム [Big Bang Poema] (管弦楽の為の;1999)**
アンジェロ・テオーラ(Cl)*
ユピテルSO(*/+)
キエーティ・マッルチーノ劇場O#
フェデーレ・フェナローリ国際青年SO**
ジョルジョ・ガスリーニ(指)

録音:2011年2月17日、ライヴ、エクセルシオール劇場、チェザーノ・マデルノ、イタリア(*/+)
    2007年2月6日、ライヴ、マッルチーノ劇場、キエーティ、イタリア#
    1999年8月22日、ライヴ、ランチアーノ、イタリア**
ジャズと映画音楽の分野で高名なイタリアの作曲家・指揮者・ピアニスト、ジョルジョ・ガスリーニのクラシカル作品集。

Hush Collection
HUSH-011(1CD)
ルミナス〜インスパイアード・バイ・モーツァルト
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K.622より 第2楽章〔p〕
交響曲第40番ト短調 K.550より 第1楽章〔p, vn, vc, b, ds〕
アイネ・クライネ・ナハトムジークより 第1楽章〔p〕、第2楽章〔vc, p〕、第3楽章〔p, vn, vc〕、第4楽章〔p, vn, string quartet〕
ピアノ協奏曲変ロ長調 K.595より 第2楽章〔p, string quartet〕、第3楽章〔p〕
歌劇「魔笛」 より序曲〔p, b, ds, strings〕
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467より 第2楽章〔p, b, ds〕
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調 K.454より 第2楽章〔vn, p〕
ピアノ・ソナタイ長調 K.331より 第1楽章〔accordion, vn〕、第1楽章〔p〕
ジョー・チンダモ
(ピアノ、アコーディオン)、ゾーイ・ブラック(Vn)、サラ・キュロー(Vn)、キャロライン・ヘンベスト(Va)、ジョセフィン・ヴェインズ(Vc)、ダニエル・ファルジア(パーカッション)、フィリップ・レックス(Cb)
メルボルンのジャズ・ピアニスト、作曲家のジョー・チンダモを迎えたモーツァルト・アルバム。すべてチンダモのジャジーなアレンジで、ピアノ・ソロから室内楽まで様々な編成によるモーツァルトの名曲が楽しめます。


Treasures
TRE-104(1CDR)
ホロヴィッツ〜2大激烈ライヴ集
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
ウラディミール・ホロヴィッツ(P)
ブルーノ・ワルター(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO
ジョージ・セル(指)NYO*

録音:1936年2月20日アムステルダム・コンセルトヘボウ、1953年1月12日カーネギー・ホール(共にモノラル・ライヴ)
※音源:米BRUNO WALTER SOCIETY BWS-728 、Private EV-5007*
◎収録時間:68:53
“似ているようで意味が異なる2つの激烈ライヴ!”
■音源について
ブラームスの第1楽章の201-310小節にマスター欠落による空白があります。M&AのCDでは、トスカニーニ盤で穴埋めしていました。チャイコフスキーは、ホロヴィッツのカーネギー・ホール・デビュー25周年記念公演。OTAKENのCDと同じ音源を使用。

ブラームスは、宇野功芳氏も激賞。31歳のホロヴィッツと59歳のワルターが壮絶な火花を散らした凄演です。感情を剥き出しにすると造形が破綻することが多いワルターも、ここでは、ホロヴィッツのパワーに負けじと確固たる凝縮力を堅持。両者のパッションは常に同じ方向に向かって放射されるので、まさに一丸となったエネルギー量は尋常ではなく、音の古さを超えて、猛烈な説得力で迫り続けます。第2楽章では、ホロヴィッツがスクリャービンを思わせる官能美を見せる点も聴き逃せません。
しかし、それ以上に「奇跡的な燃焼」を成し遂げているのがチャイコフスキー!本番前にホロヴィッツとセルは大喧嘩したとの噂の真偽はともかく、どう考えても両者の個性は正反対。実際の音も、両者が別々の理想に向かって意地になって猛進しているようで、ワルターとの競演時とはハイテンションの意味が違って聴こえます。セルが最後まで芸術的フォルムの貫徹を目指すのに対し、ホロヴィッツがそれをガンガンぶち壊し続けるスリルは最後まで途絶えることなく、終楽章コーダでは、遂に崩壊寸前に!とにかく、この曲でピアニズムの限界、燃焼の極限を体感するには、これ以上の演奏は考えられません。理屈抜きでご堪能ください。2曲とも、生々しい音質。【湧々堂】

Resonus
RES-10157(1CD)
忘れられたウィーン
ディッタースドルフ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ハ長調
ヴァンハル:交響曲イ短調
オルドネツ:シンフォニア ハ長調
ヴァンハル:ヴァイオリン協奏曲変ロ長調、
 レクイエム・ミサ.変ホ長調
アマデ・プレイヤーズ、
ニコラス・ニューランド(指)
ジョージ・クリフォード(Vn)、
ドミニカ・フェヘール(Vn)、
ケンブリッジ・シドニー・サセックス・カレッジCho

録音:2015年1月26日、9月7日−10日、セント・ジョンズ・スミス・スクエア(ロンドン)
ロンドンをベースとするピリオド・アンサンブル、アマデ・プレイヤーズ(音楽監督:ニコラス・ニューランド)のデビュー・アルバムは、モーツァルトやハイドンなど偉大な音楽家の影に隠れ忘れ去られてしまった、カール・ディッタース・フォン・ディッタースドルフ、ヨハン・バプティスト・ヴァンハル、カール・オルドネツら18世紀ウィーンの音楽。

DACAPO
MAR-6.220628(1SACD)
ラース・グラウゴー:作品集
1.ヴィーナス(2013)
2.BookofThrows(2013)
3.レイヤーズ・オブ・アース(2011-2013)
4.3つの場所(2011)
パッティ・キルロイ(Vn)…1
パトリック・スウォポダ(Cb)…1
ジャン=ミシェル・ピルク(P)…2
イアン・シェーファー(Ob)…3
ラーシュ・グラウゴー(コンピューター)…3
ニューヨーク大学SO…1
ニューヨーク大学現代音楽アンサンブル…2.4
ニューヨーク大学パーカッション・アンサンブル…3
イェンス・ゲオルク・バッハマン(指)…1.3
ジョナサン・ハース(指)…2.4

録音:2013年1月…1,2013年11-12月…2,2012年5月…3,2011年10月…4ニューヨーク
デンマークを代表する現代作曲家、ラース・グラウゴー(1957-)の4つの新作を収録したアルバムです。これらはニューヨーク大学のスタインハート(教育、文化、芸術に特化hした学部)のアンサンブルのために作曲されたもので、知覚と感情の複雑な関係を示唆した面白い作品が並んでいます。弦の音から電子音まで多彩な音を駆使し、出来上がった緻密で繊細なテクスチュアを完璧に捉えた見事な録音にも驚愕です。不可解で不定形な音の海に揉まれる快感をどうぞ。
DACAPO
MAR-8.226117(2CD)
ラーシュ・メラー:春のリライト
<CD1.春のリライト(スタジオ・ヴァージョン)>1.第1部:エヴォケーション/2.間奏曲/3.第2部:春の広場/4.第3部:プロセッション/<CD2.春のリライト(ライヴ・ヴァージョン)>1.第1部:エヴォケーション/2.間奏曲/3.第2部:春の広場/4.第3部:プロセッション
デイヴィッド・リーブマン(Sax)
マリリン・マズール(パーカッション)
オーフス・ジャズ・オーケストラ
ラーシュ・メラー(指)

録音:2013年9月26-27日デンマークオーフス,フィンランドスタジオ、2013年9月25日デンマークコペンハーゲン、ジャズハウスライヴ
このタイトルはいわば「言葉遊び」であり、もともとの題材は誰もが知っているストラヴィンスキーの「春の祭典-The rite of spring 」です。メラー(1966-)はこの作品へのオマージュとして、リープマンのサックスを中心としたビッグジャズバンドを起用し、いかにも北欧のジャズらしい作品を作り上げました。ヨーロッパのクラシック音楽の伝統に根ざしながら、新しいものを模索するという試みです。スタジオ・ヴァージョンとライヴ・ヴァージョンのノリの違いを聴くのも興味深いものです。

Les Dissonances
LD-006
(2CD+PAL-DVD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集(全曲)
[CD1]
ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
[CD2]
ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219
[DVD]
ヴァイオリン協奏曲第1〜5番
ダヴィド・グリマル(Vn&コンサートマスター)、レ・ディソナンス

収録:2014年3月1日/シテ・ド・ラ・ミュジーク(ライヴ)
■ダヴィド・グリマル(ヴァイオリン)
フランスの第一線で活躍するヴァイオリン奏者。パリ国立高等音楽院にて、レジス・パスキエに師事、さらにシュロモ・ミンツやアイザック・スターン、さ らにフィリップ・ヒルシュホーンらからも薫陶をうけました。ソロ・ヴァイオリン奏者として様々なオーケストラと共演するほか、様々な作曲家から作品を 献呈されています(ダルバヴィー、エスケシュ、ジジェル、イヴァン・フェデーレ他)。長年にわたり名ピアニスト、プルーデルマッハーとコンビを組み室 内楽の活動も展開。指揮者なしで演奏するオーケストラ「レ・ディソナンス」を結成。ソロ、室内楽、さらにオーケストラ活動を展開している。使用楽器 は「ex Roederer」(ストラディヴァリウス、1710年)と「ドン・キショット(ジャック・フスティエ製)」の2つ。
Les Dissonances
LD-005
(1CD+PAL-DVD)
70ページブックレット付
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
交響曲第4番 ホ短調 op.98
[DVD]
ブラームス:交響曲第4番(全曲)
ダヴィド・グリマル(Vnン&コンサートマスター)、レ・ディソナンス

収録:2012年10月27日(協奏曲)、2013年2月12日(交響曲)
リマルによるブラームス。指揮者なしのオーケストラ、レ・ディソナンスのアンサンブルの底力を観るような映像です。
Les Dissonances
LD-004
(1CD+PAL-DVD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
交響曲第4番 ホ短調 op.98
[DVD]
ブラームス:交響曲第4番(全曲)
ダヴィド・グリマル(Vn&コンサートマスター)、レ・ディソナンス

収録:2012年10月27日(協奏曲)、2013年2月12日(交響曲)
LD 005の豪華ブックレットが付属しないヴァージョン。

Aurora
ACD-5080(1CD)
レーネ・グレナーゲル(1969-):3つの協奏曲
手術(2012)(打楽器とシンフォニエッタのための)
スミロドン(2012)(コントラバスクラリネットとシンフォニエッタのための)
チェロ協奏曲(2006)(チェロと17人のミュージシャンのための)
ホーコン・ステーネ(打楽器)
 ロルフ・ボルク(コントラバスCl)
ターニャ・オルニング(Vc)
アークティック・フィルハーモニック・シンフォニエッタ
ペーテル・シルヴァイ(指)

録音:2014年1月13日-17日 ストーレ・スタジオ(ボードー、ノルウェー)
《スミロドン》のオープニング。不器用な動作というより、穴だらけの思考といったほうが近い。バスクラリネットの暗い響きのどこともわからない深み から、打楽器と高いピッチの木管楽器に勢いを得た狼煙が上がる。音楽がいつ爆発してもおかしくない」(ボレアリス・フェスティヴァル、ヒル・ボルクグレー ヴィンク)。最後の氷河期、北アメリカ大陸に生息したというサーベルタイガーの一種「スミロドン」の名を採った作品は、ノルウェーの音楽家グレナーゲ ルの作曲スタイルを示す、うってつけの一作です。コントラバスクラリネットとシンフォニエッタのためのこの作品は、ベルゲンの BIT20 の委嘱で作曲され、 楽器に潜在する「音」と「表現」が、さまざまな角度から追求されます。
レーネ・グレナーゲルは、ノルウェー南部、エストフェル県のハルデンで育ちノルウェー音楽アカデミーでチェロと作曲を学びました。オスロ・フィルハー モニック、トロンハイム交響楽団、チカーダや BIT20 といった現代音楽アンサンブルのために作曲。イギリスのハッダスフィールド現代音楽フェスティヴァ ルやスウェーデンの「サウンド・オブ・ストックホルム」が彼女の作品を取り上げ、オスロの「ウルティマ」や実験音楽の「ボレアリス」フェスティヴァル は彼女の「ポートレート」コンサートを企画しました。ロルフ・ボルク、ホーコン・ステーネ、アンサンブル asamisi-masa のチェリストのターニャ・オ ルニングといったプレーヤーたちと緊密なコラボレーションを行い、モルデジャズをはじめとするジャズフェスティヴァル、トロンハイム・ジャズオーケスト ラとのコラボレーションもつづけています。
《手術》は、打楽器奏者ホーコン・ステーネの委嘱から委嘱を受けて作曲されました。ステーネとグレナーゲルが「弦を張った木箱」チェロを「手術台」 に載せ、「打楽器」として演奏します。チェロ協奏曲は、1996年創設のノルウェーの現代音楽グループ、アンサンブル・エルンストの委嘱作です。ノルウェー の舞曲のステップとリズムが「歪め」られ、特殊奏法も交えた「幅広い語彙の響き」をもつチェロと、ヴォーカルを加えたシンフォニエッタの中に再生されます。 初演は2006年10月。このアルバムには、2014年1月、ターニャ・オルニングが2009年創設のアークティック・フィルハーモニックの「シンフォニエッ タ」と共演した、ボードーのスタジオでのセッション録音が収録されています。 (Ki)

カール・エンゲル karl Emgel
Treasures
TRE-081(1CDR)
カール・エンゲル〜モーツァルト:ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番
 ピアノ協奏曲第25番(カデンツァ:K.エンゲル)
シューマン:子供の情景〜トロイメライ*
カール・エンゲル(P)
フェリックス・プロハスカ(指)
バイエルンRSO

録音:1963年、1963年頃*(全てステレオ)
※音源:独ELECTROLA STE-91-261、日KING RECORD SH-5043*
◎収録時間:62:35
“モーツァルトの真心を伝える絶妙なタッチ!”
■製作メモ
モーツァルトの独エレクトローラのステレオ盤は極めて入手困難。シューマンはARIORA原盤。本来は全曲を収録したかったのですが、盤の傷みが目立つため、ここではギリギリ復刻の許容範囲内の「トロイメライ」をアンコール代わりに収録。国内初出盤の音の瑞々しさは、お分かりいただけると思います。

★一貫して自然体を貫きながら、タッチへの配慮、均整の取れた造形への心配りも欠かさないエンゲルのピアニズムは、モーツァルトの音楽の純粋さを引き出すのに不可欠だということを強く確信させる名演です。
「第18番」第1楽章展開部で見せる、全身で幸福を感じたリズムの躍動にも誇張は一切なし。第2楽章でハッとさせられるのが、悲しみと幸わせを絶妙にブレンドしたニュアンスを引き出す、プロハスカの指揮。そのテイストを引き継いで滑り込むエンゲルのソロがこれまた絶品!珠のようなタッチの魅力だけでなく、音符の奥底まで育み尽くしたことが手に取るように分かり、中でも3:14からのアルペジオ風の変奏の、純粋な共感を反映美しさは忘れられません。
「第25番」は、セル&フライシャーによる高度な凝縮力を誇る名演とは対照的。エンゲルもプロハスカも、モーツァルトの純朴な息吹を大切にした温かみのある演奏を目指しており、それが見事に結実。ぬるま湯的な演奏になりかねないスタイルですが、第2楽章に象徴されるように、音の吟味と慈しみの深さによって少しも音楽が停滞せずに聴き手の心に染み入るのです。エンゲル自作のカデンツァも聴き物で、意外なほどの華麗さが印象的。
先鋭的なモーツァルトが一般的になりつつある昨今ですが、一切の理論武装とは無縁の真の共感力に勝るものはないと、改めて再認識させられるばかりです。【湧々堂】

CANTABILE
CCD-0019(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽合奏の為の協奏曲ニ短調(1823)
ハイドン:ヴァイオリン,ピアノと弦楽合奏の為の協奏曲ヘ長調(1766)
セルゲイ・テスリア(Vn)
エレーナ・ノガエヴァ(P)
ムジカ・ヴィーヴァ室内O
アレクサンドル・ルージン(指)

発売:1998年


Treasures
TRE-088(1CDR)
マルクジンスキ〜チャイコフスキー&ラフマニノフ
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ヴィトルド・マルクジンスキ(P)
ヴィトルド・ロヴィツキ(指)
ワルシャワ国立SO

録音:1961年(共にステレオ)
※音源:MUZA SX-0123、SX-0124*
◎収録時間:69:54
“謙虚な燃焼が大きく羽ばたく、ラフマニノフの世紀の名演!”
製作メモ
かつてCD化されたものの、すぐに入手困難となってしまった名演。とにかく演奏はもちろんのこと、音質の点でもこれは驚異的!特に協奏曲の録音でソロ楽器とオケのバランスを取るのに各社苦心していたステレオ初期に、ホール・トーンと楽音がこれほど美しく溶け合った録音が東欧ポーランドで実現していたことに驚きを禁じえません。
この復刻を終えた後、久々に以前のCDを聴いてみましたが、高域がキンキンして、1分と聴いていられませんでした。

★感情に溺れることを避けなが熱い共感をタッチに漲らせ、盤石の技巧を誇りつつ決して誇示しない、これぞまさに芸術的昇華の極地!しかも、その理想像が自己満足で終わらず、それこそが作品に命を与える唯一の手段だという信念が尋常ではないので、説得力も並の名演とは次元が違います。マルクジンスキは、2曲ともモノラル期にも素晴らしい名演を遺していますが、この1961年盤は録音の良さ、指揮者との阿吽の呼吸も含め、明らかにそれを上回る大名演です。
チャイコフスキーの第1楽章の主題は、大きな構えの中で凝縮しきったタッチが絶妙なルバートを伴い、どこまでも格調高く飛翔。上辺のパフォーマンスなど微塵も感じさせず、音楽本来の姿を余すことなく再現。2楽章は、中間部の愉悦が過ぎ去った後、その余韻を十分に感じながら冒頭主題に戻る際の間合いのなんと素晴らしいこと!終楽章は、多くのピアニストがリズムなどに趣向を凝らしてロシア的な熱狂を引き出そうとしますが、マルクジンスキには一切無関係。それでも作品の魅力は十分に伝わるという強い確信が、これほどの説得力を生んだのでしょう。
ラフマニノフは、更に世紀の名演!音楽評論家ならばこの録音を知らないことも罪ですが、知りながらあえてこれを推薦盤から外すのなら、今すぐ廃業していただきたい…、と言ったらきりがありませんが、この演奏ばかりはそう言わずに居れません!チャイコフスキーで見せた風格美は更に曲想と固く融合し、マルクジンスキのこの作品への愛情と探求が尋常でないことは、どの一部を取っても明らかです。特に各変奏に克明なコントラストと陰影を与えて音楽の大きさ再認識させる第2楽章、心の根底から搾り出す郷愁を品格をもって凝縮し、表面的な盛り上げで終わらせない終楽章コーダ!これ以上のものを望めましょうか?【湧々堂】


SAKURA
SAKURA-5(1CD)
久成+功芳〜宇和島ライヴ2015
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
佐藤久成(Vn)
宇野功芳(指)仙台PO

ライヴ収録:2015年4月11日宇和島市立南予文化会館
“これ以上は不可能!命を削って奏で尽くすチャイコフスキー”
宇野氏の「ベト7」は、これが5回目の録音。今回は、第1楽章冒頭で、独特の溜め見せずに決然とイン・テンポで推進力を優先さるなどの新解釈もありますが、近衛版のド派手アレンジの一部採用も含めて、例によって世間の常識とは無縁の激演を展開。
しかし、それよりも大きなインパクトを与えるのがチャイコフスキー!佐藤久成の初の協奏曲録音で、宇野氏のチャイコフスキーもこれが初。
佐藤久成の今まで発売された小品集を少しでも聴いたことがある人なら、ここでの独特のロマンの注入ぶりは容易に想像できると思いますが、実際にはその10倍は凄いことを覚悟してお聴きいただきたいと思います。
小品集では、佐藤氏の感性の豊かさが作品の容量を超えすぎていると感じた方もいたかもしれませんが、協奏曲ではその懸念は一切無用です。
極限まで身を焦がしながら愛を語る第1楽章冒頭の滑り出しからして、佐藤氏だけに許される濃密な世界。その濃密なニュアンスは、決して部分的な特徴にとどまらいので、その全てをここで紹介することなど、到底不可能です。
この作品の入魂の名演には事欠きませんが、古今を通じてこれほどまでに全身で表現し尽くした演奏は皆無でしょう。
また、超絶的な技巧の冴えを駆使し、作品造形の崩壊寸前までパッションを発散し、感覚的な美観など二の次となれば、単に行儀の悪いだけの演奏になりかねませんが、ここには技巧だけが浮き立つ瞬間など存在しないばかりか、音楽を不潔なものに貶めていないというのは、奇跡という他ありません。
もちろん宇野氏の指揮も、単なる伴奏の域を超えたこだわりの連続。中でも終楽章6:31からの弦のピチカートの、鋼のような強靭さは忘れられません。
それにしても、なんと罪作りなCDでしょう。おかげで、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の他の演奏など考えられなくなってしまいました。【湧々堂】

バルワーザー
Treasures
TRE-076(1CDR)
バルワーザー〜バッハ&モーツァルト
バッハ:管弦楽組曲第2番BWV.1067*
モーツァルト:アンダンテ.ハ長調K.315#
 フルート協奏曲第1番ト長調K.313
 フルート協奏曲第2番ニ長調K.314
フーベルト・バルワーザー(Fl)
エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO*
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)ウィーンSO#
ジョン・プリッチャード(指)ウィーンSO

録音:1955年5月31日-6月9日*、1954年2月21-22日#、1953年2月28-29日(全てモノラル)
※音源:仏PHILIPS 700064-700055*、仏FONTANA 698094FL
◎収録時間:69:07
“音色美だけではない!愛で語るバルワーザーのフルートの魅力!”
■製作メモ
ベイヌム指揮による管弦楽組曲は、TRE-004と併せ、これで全4曲が揃います。バルワーザーはモーツァルトの2つのフルート協奏曲を3回録音しており、これはメンゲルベルクとの共演盤に続く2度目の録音。表紙のジャケは、イギリス盤。

★バルワーザーは、1937年から1971までアムステルダム・コンセルトヘボウ管の主席を務めた名手。木製フルートを愛用していたことでも知られ、バッハではその音色の魅力を十分に生かした味わい深い妙技を聴かせます。ベイヌムが敷き詰める気品溢れる空気の中、ソロとして目立つことなく、美しい一体感を形成。「ポロネーズ」など、意識して聴かなければ存在に気づかないほどの立ち位置を守りぬき、かくも香り高い演奏となったのです。終曲の技巧のひけらかしなど欠片も見せない無垢な音楽には、何度聴いても涙を禁じえません。その余韻を抱えたまま、いきなり協奏曲ヘは進めませんので、次にあえてモーツァルトの「アンダンテ」を置きましたが、これがまた夢のような名演!これほどモーツァルトの哀愁と憧れ、希望の光に包まれた演奏を他に知りません。パウムガルトナーの指揮もいちいちツボにはまり、泣かせます。
協奏曲では、バルワーザーが、決して田舎風の鄙びた音楽を志向していたのではないことが分かります。音色はもちろん金属臭とは無線の温かみに溢れていますが、第1番第1楽章展開部やカデンツァのように、機敏なレスポンスによって現代的な洗練美も生命感も自然に引出されています。バルワーザーの導き出す音楽は、音色が温かいだけでなく、音楽の接し方そのものが嘘のない慈愛の表れなのです。こちらの指揮はプリッチャード。後年になるほど地味なスタイルへ移った印象が強い指揮者ですが、ここではそつのない伴奏にとどまらず、作品の生き生きとした持ち味を積極的に引き出し、絶妙な効果を上げています。【湧々堂】

CUBE BOHEMIA
CBCD-2740(1CD)
ベートーヴェン三重協奏曲Op.56(1804)
ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェク(1791-1825):ピアノ,ヴァイオリン,チェロと管弦楽の為の協奏的大ロンド Op.25(1825)
スメタナ三重奏団
[イトカ・チェホヴァー(P) 
ヤナ・ヴォナーシコヴァー=ノヴァーコヴァー(Vn)
ヤン・パーレニーチェク(Vc)]
オロモウツ・モラヴィアPO
スタニスラフ・ヴァヴジーネク(指)

録音:2007年9月、オロモウツ、チェコ 
ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェクはウィーンで活躍したチェコの作曲家。ベートーヴェンと知り合いその影響を強く受け、将来を嘱望されましたが34歳の若さで結核のため亡くなりました。

TRIART
TR-009(1CD)
R・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
C・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.7
イトカ・チェホヴァー(P)
オロノウツ・モラヴィアPO
ペトル・ヴロンスキー(指)

録音:2009年11月5日、2010年11月18日、モラヴィアPOホール、オロモウツ、チェコ

Altus Records
ALU-0002(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴィルトゥオーゾ・リコーダー協奏曲集
ヴィヴァルディ:協奏曲ハ長調 RV.443、
 協奏曲ハ短調 RV.441、
 協奏曲ヘ長調 RV.442、
 協奏曲ハ長調 RV.444、
 協奏曲イ短調 RV.108
サンマルティーニ:協奏曲ヘ長調
ノード:協奏曲ト長調
A・スカルラッティ:合奏協奏曲ニ短調
リチャード・ハーヴェイ(リコーダー)、
ロンドン・ヴィヴァルディ・オーケストラ
英Altus Recordsは、BAFTA賞の受賞経験を持つ作曲家、イギリスのプログレ・バンド、グリフォンのオリジナル・メンバーなど、様々な分野で活躍するマルチ・ミュージシャン、リチャード・ハーヴェイ(1953−)の作品や演奏を中心とするレーベル。ハーヴェイがリコーダー・ソロを務めるヴィヴァルディは、モニカ・ハジェットやロイ・グッドマン、デイヴィッド・ウッドコックなど古楽界の名手たちとの共演。ハーヴェイはリコーダーのテクニックも抜群。その多才ぶりに驚かされます。


Treasures
TRE-063(1CDR)
エッシュバッハー/グリーグ&ブラームス
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番Op.83*
アドリアン・エッシュバッハー(P)
レオポルド・ルートヴィヒ(指)BPO
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO*
ティボール・デ・マヒュラ(Vcソロ)*

録音:1953年3月2-3日、1943年12月12-15日ベルリン・フィル定期公演ライヴ*
※音源:DGG LPE-17143、Melodiya M10-45921-009*
◎収録時間:74:22
“爆撃の危機を乗り切った決死のブラームス!”
■製作メモ
グリーグは、後発のヘリオドール盤が片面に全曲を収録しているので、グリーグだけでたっぷり両面を使っているこの10インチ盤の方が当然有利。ブラームスは、日本の協会盤と80年代のメロディア盤は、後半で音のピッチが高くなるのが難点。1990年に発売されたメロディア盤は修正されているようですが、若干音が柔らかく感じます。ここでは音質を優先して80年代のメロディア盤を採用し、勿論ピッチは修正しました。

★エッシュバッハーは、1912年生まれのスイスのピアニスト。ケンプやバックハウスの影に隠れてなかなか評価されませんが、師のシュナーベル譲りのタッチの美しさとハイセンスな感情表現の魅力は無視できません。
グリーグは、かなり濃厚なロマンを湛えるルートヴィヒの指揮(特に第1楽章コーダ直前!!)に対し、エッシュバッハーは情に溺れず、作品の構成感を踏まえたアプローチに徹しているので、感覚的にはストイックに聞こえますが、第1楽章カデンツァに象徴されるように、最弱音から最強音まで結晶化されたタッチには内面から溢れる共感が確実に宿っていることが分かります。終楽章の第2主題も、もっと分かりやすく甘美な雰囲気を出した演奏はいくらでもありますが、タッチの陰影だけで余韻を引き出すエッシュバッハーのピアニズムは安易さとは無縁で、かえって音楽に奥行きを与えます。そして、4:53からのアルペジオを一音も漏らさず響かせる意思!
それが、ブラームスでは全く違う形相で感情を爆発させます。大巨匠との共演という高揚感だけでなく、公演3日前にエッシュバッハーの住居が地雷によって爆破され、公演当日も米軍の爆撃の危機にさらされるという異常な緊張感に、30代の若手ピアニストが淡々と演奏することなど不可能でしょう。
まず衝撃的なのが、希望と不安が交錯したような妙なる響きを発する冒頭のホルン!その空気を全身で受けてたっぷり呼吸するエッシュバッハーのピアノの清らかさ!その後も、フルトヴェングラーが敷き詰める濃密な雰囲気と完全に一体化した起伏の大きな音楽を展開します。第3楽章がこれほどの多彩で深遠なニュアンスで迫る例も稀で、エッシュバッハーの潜在能力の全てを出し尽くした瞬間と言え、フルトヴェングラーが指揮した多くのブラームスの中でも、屈指の感動作!しかも、マヒュラのチェロがまた泣かせます!終楽章では、エッシュバッハーの極限の強打鍵も惜しげもなく大放出して完全燃焼。もちろん勢いに任せただけの単純な演奏ではなく、芸術的な昇華力が尋常ではないのです。終結部では、人間のしての尊厳を誇示するかのような音楽の羽ばたきに言葉を失います。
なお、この演奏の翌月には、会場の旧フィルハーモニー・ホールは爆撃され、焼失してしまいました。【湧々堂】

MUSEU DE VILAFRANCA
BLF-005(1CD)
前衛の声、記憶の声
パブロ・カザルス(1876-1973):チェロ・オーケストラの為のサルダーナ、または、ビラフランカの聖フェリクスの行列*
エンリク・カザルス(1892-1986):不安(コブラの為の)+
バルセロナSO*
フランツ・パウル・デッカー(指)*
カタルーニャ室内コブラ+
マルセル・サバテ(指)+

録音:1996年5月3日、カタルーニャ音楽堂、バルセロナ、スペイン*
2002年+
当商品はすでに入手困難になっている可能性がございます。収録時間が13分25秒と短いシングルCD仕様ですがあまり安くありません。外装に規格品番表示がございません。なにとぞご了承ください。

Treasures
TRE-056(1CDR)
コンラート・ハンゼン/モーツァルト&ブラームス
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第6番ニ長調K.284*
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
コンラート・ハンゼン(ハンマークラヴィア*、P)
フェレンツ・フリッチャイ(指)
ベルリンRIAS響

録音:1956〜1957年*、1953年4月19日
※音源:GRAMMOPHON LGM-1136(JP)*、LONGANESI PERIODICI GCL-50
◎※収録時間:72:29
“ブラームスの第2楽章は、同曲空前の大名演!”
■製作メモ
モーツァルトは、日本初出盤。ブラームスは、拍手のない放送録音。ANDROMEDAからCD化されましたが、音の差は歴然。

★ハンゼンのモーツァルトは、演奏者の解釈の痕跡を感じさせない素直さと瑞々しさで魅了。ハンマークラヴィアを使用していますが、通常のピアノで聴きたいと願うファンも、最初の数秒を聴いただけでその魅力に引き寄せられ、その選択が正しかったと実感されることでしょう。
ハンゼンの音楽性は、よく知られるフルトヴェングラーやケルテスとの共演盤だけでイメージされがちですが、モーツァルトのソナタ・プロジェクトと共にハンゼンの魅力を語るに不可欠なのが、次のブラームス!勇壮なフリッチャイの伴奏に身を委ねつつ、聴後には、ドイツ流儀のピアニズムを孤高に貫き通したハンゼンの姿が印象づけられるのです。第1楽章冒頭主題のフレージングの伸縮力から一気に惹きつけられ、その後の強靭なトリルの決して技巧過多ではない輝き方!白眉は第2楽章で、冒頭のオケに続くピアノの滑り出しは、まさにドイツの音色美で魅了。陶酔的な空気に言葉も出ません。3:26からの最弱音は決して痩せず、全てのタッチから余情が滲み、涙を誘うこと必至。終楽章はスピード感に任せることなく、大地に根を張った堅牢な構築力が絶大な説得力!曲が進むにつれて単に激情を放射するのではなく、むしろそれを内面に封じ込める意志を貫き、それが作品の造形維持にも大きく貢献。最後には圧倒的な手応えと感銘を与えてくれるのです。音質も良好。全身でブラームスらしさを感じたい方は、特に必聴の名演です!【湧々堂】


Treasures
TRE-049(1CDR)
メンデルスゾーン:華麗なるロンド
 ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.25*
トゥリーナ:交響的狂詩曲Op.66**
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16#
モーラ・リンパニー(P)
ハーバート・メンゲス(指)LSO
ラファエル・クーベリック(指)フィルハーモニアO*
ワルター・ジュスキント(指)フィルハーモニアO**
ハーバート・メンゲス(指)フィルハーモニアO#

録音:1952年6月3日、1948年10月3日*、1949年6月20日**、1954年11月4日#
※音源:RCA.HMV LHMV-1025、HMV CLP-1037#
◎※収録時間:64:34
“リンパニーの十八番、グリーグにおける結晶化されたタッチ!”
■製作メモ
メンデルスゾーン&トゥリーナは、米初出LP。グリーグはリンパニーにとって、1945年、1952年に続く3度目の録音で、この後にステレオ録音も行うほどの十八番作品。

★これを聴くと、1950年前後がリンパニーの絶頂期であったことを痛感します。トゥリーナのなんという艶やかさ!オケは弦楽器のみの編成ですが、リンパニーの確固とした芯を湛えたタッチと気品溢れるフレージングの融合によって、管楽器を欠く編成であることを忘れるほど豊かな色彩が広がります。
グリーグの協奏曲をメジャー作品に引き上げたピアニストとしてはルービンシュタインが有名ですが、リンパニーの存在も決して無視できません。その解釈は、実に直截。もったいぶったアゴーギクなど必要としない決然とした推進力が魅力です。第1楽章第2主題(2:32〜)からのタッチの粒立ちの美しさ、何もしていないようでいて音楽を淀みなく呼吸させるセンス、第2楽章の下降音型で強拍にしっかりとアクセントを配置し、ムードに流されない配慮、常に張りを保持した弱音の魅力などは、まさにリンパニー節!
更に忘れてならないのは、メンゲス&フィルハーモニア管の伴奏の見事さ!同じグリーグでソロモンの伴奏も担当していたコンビですが、随所で聴かれるデニス・ブレインのホルンも含め、ピアニストを縁の下で支えるスタンスと音楽表現の両立、アンサンブルの結晶度の高さにおいて傑出しています。【湧々堂】

Treasures
TRE-048(1CDR)
ベートーヴェン:三重協奏曲Op.56*
ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ;ヨアヒム作)
マヌーグ・パリキアン(Vn)
マッシモ・アンフィテアロフ(Vc)*
オルネラ・サントリクイド(P)*
ワルター・ゲール(指)ローマPO*
アレキサンダー・クランハルス(指)フランクフルトRSO

録音:1950年代後半(モノラル)
※音源:Concert Hall MMS-2159*、MMS-2124
◎※収録時間:79:57
“個性をひけらかさない表現から漂う作品の魅力!”
■製作メモ
採用した2枚のレコードは共にチューリカフォン(TU)盤で、これ以上にハリとコシのある音質はまず望めません。ヴァイオリン協奏曲はステレオ盤も存在しますが、例によって音が溶け合わずに違和感が拭えません。サントリクイド・トリオは、C.H.Sにベートーヴェンのピアノ三重奏曲全集を録音していますが、この三重協奏曲では、そのメンバーをそのまま起用せず、あえてヴァイオリンはパリキアンが受け持っています。なんとかギリギリ1枚のディスクに収録できました。

★三重協奏曲でのソロ奏者3人は、清潔な音色と自己顕示欲を見せない真摯なアプローチで共通しており、この作品の純朴さをありのままに届けてくれます。終楽章に至っても謙虚さを維持。派手なパフォーマンス合戦に陥っていない分、何度でも聴きたくなる魅力がここには宿っています。
ヴァイオリン協奏曲は、既に復刻したバッハやモーツァルトと同様に、パリキアン自身がその存在をいかに消せるかに挑んだような、全面的な音楽への奉仕ぶり。音色の点でも技巧面でもドキッとするようなインパクトを与えることがないので、感覚的には至って地味で、クライスラーよりも技巧的なヨアヒム作のカデンツァも燻銀のような風合いを醸し出します。そんな姿勢が最大に功を奏したのが、終楽章第2副主題(3:10〜)。一切媚びずにイン・テンポを守りつつ、心の襞に優しく語りかけるのです。ハイフェッツのような誰が聴いても凄いとわかる演奏とは対極に位置しますが、決して見捨ててよい演奏ではないことを実感していただければ幸いです。【湧々堂】

ENCELADE
ECL-1302(1CD)
バッハ:シンフォニア&コンチェルト
2つのヴァイオリンの為の協奏曲ト長調(オルガン・ソナタ BWV530より復元)+
組曲ホ短調 BWV996〜サラバンド(チェンバロ独奏)**
カンタータ「キリストは死の絆につきたまえり」BWV4〜シンフォニア
カンタータ「泣き、嘆き、憂い、怯え」BWV12〜シンフォニア
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041*
カンタータ「主はわれらを思いたもう」BWV196〜シンフォニア
3つのヴァイオリンの為の協奏曲ハ長調(3台のチェンバロの為の協奏曲 BWV1064より復元)#
ダイアナ・リー(Vn)+
アリクス・ボワヴェール、シモン・ピエール(Vn)#
ジャン=リュック・オー(Cemb)**
アンサンブル・バロック・アトランティーク
ギヨーム・ルバンゲ=シュドル(ヴァイオリン(*/+/#)、指揮)

録音:2013年11月18-23日、旧アノンシアード修道院礼拝堂、ボルドー、フランス
アンサンブル・バロック・アトランティークは2013年、ギヨーム・ルバンゲ=シュドルによりフランスのボルドーに創設されたピリオド楽器演奏団体。当盤のソリストはすべてメンバーが務めています。

ARCO DIVA
UP-0160-2(1CD)
現代チェコのオーボエ音楽
イジー・テムル(1935-):オーボエと弦楽の為のコンチェルティーノ−ヴィヴァルディへのオマージュ*
ヤロスラフ・クルチェク(1939-):オーボエと室内管弦楽の為の組曲+
 三重協奏曲 [Concerti per tre] #
オーボエ・ダモーレと弦楽の為のコンチェルティーノ**
ズデニェク・シェスタク(1925-):エウテルペ、アウレティカ [Euterpe, Auletica](イングリッシュホルンとピアノの為の)++
ヤン・マーレク(1938-):G.A.B.によるオーボエと弦楽の為のパストラーレとダンス##

■ボーナス・トラック
リムスキー=コルサコフ(ヤロスラフ・クルチェク編):くまばちの飛行+
ガブリエラ・クルチコヴァー(Ob(**/++以外)、オーボエ・ダモーレ**、イングリッシュホルン++)
カテジナ・ヤンソヴァー(Fl)#
ハナ・ヨウゾヴァー(Hp)#
ダニエル・ヴィエスネル(P)++
ムジカ・ボヘミカ・プラハ(++以外)
ヤロスラフ・クルチェク(指(++以外))

録音:1996年、チェコ放送*,1998年、チェコ放送##,2011年、聖ヴァヴジネツ教会++,2014年、福音教会(+/#/**),プラハ、チェコ
ガブリエラ・クルチコヴァーはプラハ音楽院、プラハ音楽アカデミーで学び、ムジカ・ボヘミカ・プラハに所属するチェコのオーボエ奏者。スロヴァキア室内Oおよびカペッラ・イストロポリターナのソリストも務めていました。

MILAN BLAHA
新規扱い
BLAHA-6002036(1CD)
アコーディオン協奏曲集
アントン・ライヒャ (1770-1836):グラスハーモニカと管弦楽の為の大独奏曲ヘ長調
 +ヴァーツラフ・トロヤン(1907-1983):幻想曲風カデンツァ*
エミル・フランチシェク・ブリアン(1904-1959):アコーディオン協奏曲+
ダリボル・ツィリル・ヴァーチカーシュ(1906-1984):ソプラノサクソフォン、アコーディオン、ギターと管弦楽の為の協奏曲#
ヤン・トルフラーシュ(1928-2007):
アコーディオンと弦楽合奏の為のスケルツォ**
ミロシュ・ヴァツェク(1928-2012):年老いた道化師の思い出++
ミラン・ブラーハ(アコーディオン)
ミロシュ・マヘク(指)ブルノ放送O*
アントニーン・デ・ヴァーティー(指)プルゼニュ放送O+
ミロスラフ・ヤンダ(ソプラノサクソフォン#)
ミラン・ゼレンカ(ギター#)
イジー・スターレク(指)プラハRSO#
ヴラディジミール・ヴァーレク(指)プラハSO**
ヨセフ・フルンチーシュ(指)スメタナ劇場O++

録音:1975年ステレオ*/1961年モノラル+/1968年モノラル#/1972年ステレオ**/1971年ステレオ++
チェコのアコーディオン奏者ミラン・ブラーハ(1927年生まれ)がオーケストラと共演した際の録音を集成。本体・外装に規格品番表記がございません。ご了承ください。

STUDIO MATOUS
MK-0808-2(1CD)
高価格帯
ベートーヴェン:三重協奏曲ハ長調 Op.56*
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 Op.1-3+
マルティヌー三重奏団
[ペトル・イジーコフスキー(P)
パヴェル・シャーファジーク(Vn)
ヤロスラフ・マチェイカ(Vc)]
ムハイ・タン(指)プラハSO*

録音:2012年12月13-14日*、 2008年12月8日+
マルティヌー三重奏団は1990年プラハ音楽院生により結成。


Capriccio
C-5210D(2CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15*
バラード第1番ニ短調Op.10-1
バラード第2番ニ長調Op.10-2
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83#
バラード第3番ロ短調Op.10-3
バラード第4番ロ長調Op.10-4
ツィモン・バルト(P)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
ベルリン・ドイツSO

録音:2012年*、2013年#、2014年
“55分を超える低速で歌い抜く2つの協奏曲!”
外面的な華やかさを避けて、極端なまでに本質に踏み込むバルトの志向がここでも徹底して盛り込まれています。「第1番」では、激烈に怒りをぶつけるような演奏に対抗して、どこまでのリリカルにしっとり歌いあげ、内省的な表現。第1楽章のオケの長い序奏とは無関係のような低速で滑りだすピアノ・ソロから、バルトの独壇場。憂いの限りを尽くして歌い上げつつも、決して陰鬱に沈まず、シューベルトのようなテイストを漂わせます。第2主題は、バルトのアプローチを最も象徴するシーン。霧が晴れたような大らかさとは無縁の密やかな慈愛が滲みます。展開部でようやくバルト持ち前の強打鍵を発揮しますが、終楽章までこの強烈な威容は封印。気が遠くなるほど瞑想的な第2楽章を経て、終楽章においても、基本的に男性的な風格美に傾かず、歌心を徹底的に盛り込みます。コーダでは最後の小節までピアノの和音を響かせています。
この、チャイコフスキーのような技巧の応酬を退けた独特の解釈は、「第2番」でも変わりませんが、ここでは作品のスケール感表出も考慮し、強靭な打鍵を解禁。
協奏曲の解釈は好き嫌いも別れましょうが、4つの「バラード」は、誰をも唸らせる大名演!苦渋に満ちたかつてのブラームス像との決別を目指している点では協奏曲と共通していますが、作品の内省的な美しさを徹底的に掘り下げるアプローチは、ソロ作品において最大にそのその魅力が開花され、ピタリとハマります。「バラード第4番」など、バルトの磨きぬかれたタッチの美しさとも相まって、これ以上考えられない瞑想世界を現出しています。【湧々堂】

AD VITAM
AV-140315(1CD)
左手のための作品集 VOL.4
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第4番 変ロ長調 op.53
ブリテン:ディヴァーションズ(左手のピアノと管弦楽のための協奏曲)
マキシム・ゼッキーニ(P)
ヤン・モリッツ・オンケン(指)ケープPO

録音:2013 年10月
マキシム・ゼッキーニによる注目の左手シリーズ第4弾、ついに協奏曲の登場です。 これらはすべて、第一次世界大戦で負傷し右腕を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインのために書かれたもの。ヴィトゲンシュタインが作 品を理解不能とし、演奏することはありませんでしたが、これはあまりに高度な技術を要するため、彼が演奏できなかったのでは、とする説もあります。 この作品はプロコフィエフの死後、やはり戦争で右手を失ったジークフリート・ラップによって初演されました。トッカータ風の第1楽章などプロコフィ エフらしさが随所にみられる作品です。ブリテン作品は、ラヴェルやプロコフィエフの超絶技巧作品に比べると平易な書法ですが、旋律が様々に美し く転換(divertson)されていく作品です。 (Ki)

Sheva Collection
SH-107(1CDR)
モーツァルト&サリエリ:ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
サリエリ:ピアノ協奏曲ハ長調
ウィリアム・グラント・ナボレ(P)、
クリストフ・マイスター(指)ブリクシ室内O
コモ湖国際ピアノアカデミーの理事を務め、緻密なアナリーゼや広範な知識に定評があるピアニスト、ウィリアム・グラント・ナボレによるモーツァルトのピアノ協奏曲第22番とサリエリのピアノ協奏曲ハ長調。2つの協奏曲を、スイスのチェリスト=コンポーザーのクリストフ・マイスターと、プラハの優秀な演奏家で構成されているブリクシ室内Oとの共演で。2006年の録音。
※Sheva Collectionはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

OBSIDIAN
OBSCD-713(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調RV124
ヴァイオリン協奏曲集『四季』 Op.8-1〜4
 第1番ホ長調 Op.8-1, RV.269『春』
 第2番ト短調 Op.8-2, RV.315『夏』
 第3番ヘ長調 Op.8-3, RV.293『秋』
 第4番ヘ短調 Op.8-4, RV.297『冬』
 弦楽のための協奏曲ト短調RV157
ラース・ウルリク・モルテンセン(指&Cemb)
ヨーロッパ・ユニオン・バロックO
ヒュー・ダニエル(Vn:春)
ボージャン・クルキッチ(Vn:夏)
ヨハネス・プラムゾーラー(Vn:秋)
ゼフィラ・ヴァロヴァー(Vn:冬)
アントニ オ・デ・サルロ( 語り)

録音:2014年6月22、24日トリフォリオン・アトリウム、エヒタナハ、ルクセンブルク
才能溢れる若手を集結させたヨーロッパ・ユニオン・バロック管弦楽団を、チェンバロの魔術師の異名をもつラース・ウルリク・モルテンセンが率いてのヴィ ヴァルディの「四季」。春・夏・秋・冬、すべてソリストを変えて演奏しています。曲により、それぞれのソリストとアンサンブルが一体化した親密な演奏で、 生き生きとした音楽を作り上げており、数ある同曲盤の中でも聴き応えのある1枚となっています。 (Ki)


Treasures
TRE-037(1CDR)
パリキアン〜バッハ&モーツァルト
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調
 ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
 ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 BWV 1023#
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」*
マヌーグ・パリキアン(Vn)
アレクサンダー・クランハルス(指)バーデン室内O
ワルター・ゲール(指)アムステルダム・フィルハーモニー協会O*
アレクサンダー・モルツァン(Vc)#、
ヘルベルト・ホフマン(Cemb)#

録音:1959年頃(全てモノラル)
※音源:独CONNCERT HALL MMS-2148、MMS-2206*、
◎※収録時間:77:30
“地味な佇まいから引き出される作品の様式美!”
■製作メモ
TRE-016で記したとおり、ここでもあえて楽器が美しく融け合うモノラルの独盤を採用し、ハリ艶のある音を再現。バッハは、同じモノラルでも、流通量の多い米盤は、音がシャリシャリして趣きを欠きます。モーツァルトは、TRE-016に収録した3曲と合わせて、これでパリキアンがC.H.Sに録音したモーツァルトの全てが揃います。

★バッハは、理知に傾いたり、エキセントリックな刺激を突きつける演奏にはない安心感の中から、バッハ本来の佇まいがじんわりと迫り、何と良い作品かと感慨を新たにするばかり。特に協奏曲第1番は、イ短調という調性が持つ悲痛さを強調せず、歌い込み過ぎず、作品と一定の距離を置いたアプローチが完全にプラスに働き、バッハの息吹が直に伝わります。その魅力は、第2楽章で最も顕著に花開。これほど煩悩を感じさせず、無私に徹し、結果的に美しいフォルムを確立した演奏も珍しいでしょう。
モーツァルトも、喜びを発散するような演奏に比べると地味に聞こえますが、その要因は強拍が目立ちすぎることを避けているせいだとも思われます。これは、ややもすると平板に流れがちなスタイルですが、作品への敬意だけを頼りに愚直に奏でる「嘘のなさ」が、音楽に独特の説得力をもたらしています。杓子定規に楽譜を追っているだけではないことは、展開部を聴けば明らか。一弾強い意志を投入して、更にグッと踏み込んだ表現に変化しており、全体的に自然なメリハリを音楽に与えているのです。終楽章ももっと露骨に楽しさを演出したり、美音を武器とした演奏はいくらでもあります。パリキアンにとっとは、それら全てが無縁。なのに、何度も繰り返し聴きたくなるのです。【湧々堂】


Treasures
TRE-035(1CDR)
モーラ・リンパニー〜ベートーヴェン&フランク
フランク:交響的変奏曲*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
モーラ・リンパニー(P)
ワルター・ジュスキント(指)フィルハーモニアO*
トーマス・シャーマン(指)スタジアム・コンサートSO

録音:1947年*、1957年ニューヨーク(全てモノラル)
※音源:RCA LHMV-1013*、Music Appreciation Record MAR-5713
◎※収録時間:69:42
“気高い推進力!、リンパニー絶頂期の貴重なベートーヴェン!”
■製作メモ
米Music Appreciation Record は、1960年代にアメリカの出版社Book of the Month社が会員に頒布していた教育用のレコードで、同社の社長でもあるトーマス・シャーマンによる楽曲解説を収録した10インチ盤とのセットでの発売がウリでしたが、このベートーヴェンは、12インチのみの発売。LHMV-1013(フラット)は、英国ではCLP-1002(CLP規格の第2号)で発売されましたが、両者に音質的な差は殆どないので、盤質良好な方を選択しました。

★リンパニーのベートーヴェンの録音は、他にはデジタル録音で小品が2曲ほどあったのみ。少なくともベートーヴェンの全協奏曲をレパートリーにしていたようですが、協奏曲もソナタもこれが唯一の正規録音です。その「皇帝」の素晴らしさには、絶句するしかありませんし!リンパニーに対して清楚なイメージを持たれている方には、構築を歪めることなく、速目のテンポで敢然と突き進む姿勢に驚かれることでしょう。気品に溢れながら、決して上品に仕上げることを目的とせず。まさにジャケット写真のイメージそのもののニュアンスが広がります。この作品の命とも言えるトリルの輝きとその放射力、第1楽章展開部でもほとんどテンポを伸縮させず、息の長い呼吸で高い集中力を堅持。その呼吸力を生かして、艶やかなタッチを敷き詰める第2楽章からは、得も言われぬ余韻を引き出し、終楽章に至ると、オケと熱い協調は最高潮に達し、まるでライヴ一発録りのような気迫と閃きで溢れかえるのです。ツボを押さえて頑強な造形力を示すシャーマンの指揮と、オケの技量の高さも特筆もの。
「悲愴」も、大変な名演奏!第1楽章主部に入る直前の休符から立ち昇る豊かなニュアンス、芯を湛えたタッチが全声部に渡って淀みなく配置された主部には過剰な力みはなく、内面から溢れる揺るぎない共感が、作品に凛とした佇まいを与えます。その声部のバランス感覚は、第2楽章でさらに際立ち、ベートーヴェンに相応しい歌を確保。もしもソナタ曲録音を遺していたなら、後世への絶大な宝となったとことでしょう。【湧々堂】

Treasures
TRE-034(1CDR)
ユージン・リスト〜ショスタコーヴィチ&チャベス
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番*
 ピアノ協奏曲第2番**
チャベス:ピアノ協奏曲(1940)#
ユージン・リスト(P)
フリッツ・ヴェゼニック(Tpソロ)*
ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(指)ベルリン歌劇場O*
ヴィクトール・デザルツェンス(指)ウィーン国立歌劇場O**
カルロス・チャベス(指)ウィーン国立歌劇場O#

録音:1960年、1962年#(全てステレオ)、
※音源:Westminster WST-14141、WST-17030#
◎※収録時間:76:41
“クールなピアニズムが冴え渡る、初演者ユージン・リストによる快演!”
■製作メモ
ユージン・リスト(1918-1985)は、1934年にショスタコーヴィチの第1協奏曲をアメリカ初演。チャベスの協奏曲は、ユージン・リストによって、1942年にニューヨークで初演された作品です。ショスタコーヴィチは、世界初のステレオ録音。

★これら3つの作品を語るときに欠かせないのが、ユージン・リストの存在。ショスタコーヴィチ一切気負わず、クールに作品と距離をおいて接しているようでいて、その背後にはショスタコーヴィチ特有のアイロニーを感じさせるのは、モーツァルトの作品でも、一見淡白でありながら、作品の内面的な意味合いをスッと拾い上げていたことでも明らかなように、単に腕の立つヴィルトゥオーゾというだけではない感性の高さの賜物です。第1番の第1楽章第2主題は、E・リストの明快なタッチが存分に生きて、素っ頓狂な楽しさが放射する一方で、第2楽章では、タッチの余韻を大切しながら煌く色彩を表出。終楽章はとかく高速打鍵の痛快さに気を取られがちですが、その目まぐるしいテンポ変動の中に込められたニュアンスが溢れ出す瞬間を目の当たりにします。後にベルリン・フィルの首席トランペット奏者となるヴェゼニックの巧さも特筆もの。第2協奏曲は、特に第2楽章が聴きもの。過剰な演出を持ち込まずに、ラフマニノフ的な甘美さと色彩の陰影をサラッと引き出す手腕に感服するばかり。
色彩といえば、メキシコの作曲家チャベスの協奏曲(日本初演は2014年4月!)で見せる、艶やかさとエキゾチシズム!特に終楽章は、最近のオーケストラとの共演ならもっと機能的な、あるいはバルトーク的な響きで圧倒することも可能でしょうが、ウィーンのオケの人間味満点の表情も含めて、この説得力は今後も色褪せることはないでしょう。【湧々堂】

UNIVERSAL MUSIC ITALY
476-5048(1CD)
ヴィオッティ:祈りならがの瞑想(ヴァイオリンと管弦楽の為の)
ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調 W.I-22
ヴァイオリン協奏曲第24番ロ短調 W.I-24
グイード・リモンダ(Vn、指)
カメラータ・ドゥカーレ
グイード・リモンダ(1969年生まれ)はコッラード・ロマーノ、ウート・ウーギに師事したイタリアのヴァイオリン奏者・指揮者。1992年トリノPOおよびカメラータ・ドゥカーレを創設。2014年現在トリノ・G・ヴェルディ音楽院教授。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0343(1CD)
ヴィオッティ:ヴァイオリンと管弦楽の為の主題と変奏曲*
ヴァイオリン協奏曲第25番イ短調 W.I-25 G.124
ヴァイオリン協奏曲第12番変ロ長調 W.I-12 G.64
グイード・リモンダ(Vn、指)
カメラータ・ドゥカーレ
*は世界初録音、他2曲はオリジナル・カデンツァによる世界初録音。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-1083(1CD)
ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第30番イ短調 W.I-30(遺作)*
ヴァイオリン協奏曲第4番イ短調 W.I-4 G.33
ヴァイオリン協奏曲第20番変ロ長調 W.I-20 G.92
グイード・リモンダ(Vn,指)
カメラータ・ドゥカーレ

*=世界初録音
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0070(1CD)
C・P・E・バッハ:チェロ協奏曲イ短調 Wq.170
チェロ協奏曲変ロ長調 Wq.171
チェロ協奏曲イ長調 Wq.172
エンリコ・ディンド(Vc、指)
イ・ソリスティ・ディ・パヴィア

UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0313(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
アイマン・ムサハジャエヴァ(Vn)
ウィーンSO
マヌエル・エルナンデス・シルヴァ(指)
アイマン・ムサハジャエヴァはカザフスタン(旧ソヴィエト)のヴァイオリン奏者。第8回チャイコフスキー国際コンクール第7位。カザフスタン共和国国民芸術家として同国の文化交流の場でも活躍しています。

EM Records
EMRCD-023(1CD)
ミルフォード&スタンフォード:ヴァイオリン協奏曲集
ホルスト:ウォルト・ホイットマン序曲
スタンフォード:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.162(世界初録音)
ミルフォード:ヴァイオリン協奏曲ト短調 Op.47(世界初録音)
ルパート・マーシャル=ラック(Vn)、
オウェイン・アーウェル・ヒューズ(指)
BBCコンサート・オーケストラ

録音:2014年1月7日−9日
共に世界初録音となる、スタンフォードの「ヴァイオリン協奏曲第2番」、ミルフォードの「ヴァイオリン協奏曲」をカップリング。王立音楽大学の教授として、ホルストやヴォーン・ウィリアムズ、アイアランド、ブリスなど、次世代の大作曲家たちを育成し、イギリスの音楽史において重要な役割を果たしたスタンフォード。キャリアの後期となる1918年に作曲された「ヴァイオリン協奏曲第2番」は、緩徐楽章である第2楽章の旋律の美しさに心惹かれます。第2次世界大戦後は苦難が続き、1959年に自らの人生に幕を引いたミルフォードの「ヴァイオリン協奏曲」。フィンジに通ずるとも言われるその作風を「ヴァイオリン協奏曲」でじっくりと――。

Intergroove
IGC-009-2(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
ロココ風の主題による変奏曲Op.33
リュドミラ・マリアン(Vn)、
スタニスラフ・ゴルコヴェンコ(指)
サンクトペテルブルクRSO
1990年代後半に録音されたがほとんど発売されることのなかった、サンクトペテルブルクのミュージシャンたちによるロシア名曲シリーズ、「サンクトペテルブルク・クラシックス・シリーズ」が、高度なリマスターを施され現代に復活!西本智実との共演による来日などで知られるロシアの指揮者、スタニスラフ・ゴルコヴェンコ指揮、サンクトペテルブルクRSO(St. Petersburg Radio and TV Symphony Orchestra)によるチャイコフスキー!


Treasures
TRE-024(1CDR)
デニス・ブレイン/モーツァルト&R・シュトラウス(ブライトクランク版)
モーツァルト:ホルン協奏曲第1番〜第4番
R・シュトラウス:ホルン協奏曲第1番*
デニス・ブレイン(Hrn)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
ウォルフガング・サヴァリッシュ(指)*
フィルハーモニアO

録音:1953年11月12-23日、1956年9月22日*
※音源:Electrola 1C 0663 00414、HMV HLS-7001*(以上,ブライトクランク擬似ステレオ盤)

◎※収録時間:69:50
“ブライトクランク版で再認識する、D・ブレインの奇跡のニュアンス!”
■製作メモ
「疑似ステレオなんて邪道」と見る向きが多い中で、独エレクトローラが開発したブライトクランクだけは別格扱いされているのは、その質の高さというより、フルトヴェングラーの存在ゆえでしょう。しかし、ブライトクランク処理がなされたのは、フルトヴェングラーの録音だけではありません。ホルンの響きは、自然な空間的な広がりを持つブライトクランクの特質と見事にマッチ。不世出の音楽家の魅力を再認識させてくれます。なお、このモーツァルトは、SMC品番(ジャケ写に使用)も存在しますが、やや音が遠くマイルドでしたので、上記品番レコードを採用しました。

今さら説明不要の名演中の名演ですが、このモーツァルトを聴くたびに痛感するのは、ブレインの一途な音楽への奉仕ぶり。何の気負いもなく楽々と吹きこなしていながら、巧さを誇示する素振りが皆無。オケの団員として吹いているならまだしも、堂々とソロを務める協奏曲であるにもかかわらず、まるで自身の存在を消すことが至上命題であるかのよう。そんな融通無碍な佇まいから無限とも思えるニュアンスが繰り出されるというのは、本当に信じ難いことです。「第3番」第2楽章に象徴されるように、自身の解釈のあり方を聴き手に全く悟らせない中から浮上する音楽の無垢の美しさ!この感動に匹敵するのは、リパッティが弾くショパンのワルツくらいしか思い当たりません。
そして忘れてならないのが、カラヤンのカラヤンらしからぬ指揮。ブレインの突き抜けた天才技に自然に触発されたのか、これほど心からリズムを感じ、純粋な歌を投影し尽くした例を他に知りません。【湧々堂】

DACAPO
MAR-6.220595(1SACD)
アナス・コッペル:マリンバ協奏曲集
マリンバとオーケストラのための協奏曲第1番(1995)*
マリンバと弦楽オーケストラのための協奏曲第2番(2000)
マリンバとオーケストラのための協奏曲第3番「リンツ」(2002/2003改訂)
マリンバとオーケストラのための協奏曲第4番「変わり行く事象への思い出」(2006)
マリンバ・ソロのための「P.S.toaConcerto−協奏曲への追伸」(1995)*
マリアンナ・ベドナルスカ(マリンバ)
オルボアSO
ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指)

録音:2012年6月26-29日.2013年6月24-28日アルボア・シンフォニエン
*以外=世界初録音
作曲家アナス・コッペル(1947-)は現代デンマークの作曲家の中でも特異な位置にいる人です。彼はその作品にロックやジャズのテイストを取り入れつつも、実はその足は、しっかりと古典的なヨーロッパ音楽の伝統に根差しており、これらを統合するために作品を描き続けていると言っても過言ではありません。彼はピアニストの父を持つ、極めて音楽的な家庭に育ちました。幼い頃からピアノとクラリネットを演奏し、自然に音楽家への道を歩みました。1960年代から70年代は実験音楽の世界で活躍しつつも、デンマークの著名なロックグループ「SavageRose」のメンバーとしても注目を浴びていたのです。この4つの作品はシンフォニックであり、奔放なもの。複雑な音を処理しながら、目の前を駆け抜けていくマリンバの音は快感をもたらします。


Altus
ALT-300(1CD)
アルゲリッチとチェリビダッケ
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第2 番Op.64よりモンタギュー家とキャピュレット家/少女ジュリエット/別れの前のロメオとジュリエット/アンティーユ諸島から来た娘たちの踊り/ジュリエットの墓の前のロメオ/タイボルトの死
マルタ・アルゲリッチ(P)
セルジュ・チェリビダッケ(指)
フランス国立放送O

録音:1974年5月19日/シャンゼリゼ劇場(ステレオ・ライヴ)
“強烈な個性を尊重し合った協調芸術の極み!”
アルゲリッチとチェリビダッケ。この組み合わせを目にすれば、多くの人が「比類なき個性の対決」とまず捉えることでしょう。しかし、予断は禁物です!他の演奏者の場合は、そのようなフィルターを通さずに聴いているわけですし、第一「ここはどちらが主導権を?」などを考えながら聴いていては、音楽的な味わいなど掴めません。また、チェリビダッケがアルゲリッチの暴走を押さえつけている図式も、聴き手の勝手な想像でしかないので無意味。つい余計な前置きをしてしまいましたが、日本語解説文を読んでいて、まずどうしても書かずにはいられなくなりましたのでご容赦の程を。
以上を踏まえた上でのこのシューマンはというと、実に素晴らしい演奏として結実しています。ここでのアルゲリッチは、感情の赴くまま突き進むスタイルは見せません。しかし、アルゲリッチというピアニストは、そもそもただの暴走ピアニストではなく、ショパンの前奏曲集での歴史的名演でも明らかなように、知的なコントロールと感情の絶妙なバランスを誇るピアニストです。ましてや、チャイコフスキーではないのです。シューマンの音楽のイディオムの本質をチェリビダッケと共に追求した結果、このような内省的なアプローチで、安定感のある名演奏として実を結んだのでしょう。
その両者の協調と尊重の最大の成果として印象的なのが、第1楽章の展開部。この透明なテクスチュアをベースとしたロマン性(チェリビダッケ)と、打鍵をマイルドにすることなく音楽の輪郭と生命感をあぶり出す(アルゲリッチ)姿勢が融合した得も言われぬニュアンスは必聴です。
第1楽章の後半や終楽章においては、アルゲリッチが音楽のリズムと推進性を特徴付けていますが、それに華を添えるように、チェリビダッケがパステル調の柔らかい色彩をブレンドさせるのです。対決でも足の引っ張り合いでもない、この双方刺激し合いながらの協調による音楽の豊かさは、めったに体感できるものではないでしょう。
なお、演奏が終わる前から客席でチラホラと拍手が沸き起こります。お国柄も差し引かなければなりませんが、この演奏から真剣な意気込みが聴衆に伝わっていたということではないでしょうか。  【湧々堂】

LORELEY PRODUCTION
LY-053(1CD)
ヴィヴァルディ:四季
クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
パッヘルベル:カノン
フレデリック・ラロック(Vnソロ、指)
ドリアーヌ・ギャーブル(Vn)、
セドリック・ラロック(Vn)、
ダニエル・ヴァグナー(Va)、
ジャン・フェリ(Vc)、アクセル・サル(Cb)、
ジル・ハーレ(Cemb)

録音:2013年5月4,6日(ライヴ)/サント・シャペル(パリ
パリ・オペラ座の特別ソロヴァイオリン奏者、フレデリック・ラロック率いるアンサンブルによる、四季。ラロックは、パリ・オペラ座でのバレエ公演でヴァ イオリン、指揮で活躍しています。美しいステンドグラスで有名な、世界遺産にも登録されているパリのサント・シャペルでのライヴ録音です。 (Ki)

PUREMUSIC
5414706-10432(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
1. アレグロ・モデラート(カデンツァ:チャイコフスキー)
2. カンツォネッタ。アンダンテ
3. フィナーレ/アレグロ・ヴィヴァチッシモ(カデンツァ:チャイコフスキー)
4. フィナーレ/アレグロ・ヴィヴァチッシモ(カデンツァ:レオポルト・アウアー)
アレンスキー:弦楽四重奏曲第2番 イ短調 op.35*
フィリップ・クイント(Vn)
マルティン・パンテレーエフ(指)
ソフィアPO
リリー・フランシス(Va)

クラウディオ・ボルケス(Vc1)*
ニコラ・アルトシュテット(Vc2)*
録音:2013 年 1 月 14‐17 日ブルガリア・ホール(ソフィア)
2013 年9月4-5日シーメンスヴィラ(ベルリン)*
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、ヴィルトゥオーゾでも鳴らすクイントの直球勝負の熱い演奏。フィナーレは、2パターン収録されており、チャ イコフスキーによるカデンツァと、この協奏曲の献呈を拒絶したエピソードで有名なアウアーによるカデンツァの聴き比べが出来るのも興味深いところです。
カップリングのアレンスキーの弦楽四重奏曲第2番は、深い叙情漂う絶美の楽曲。ヴァイオリン1、ヴィオラ1、チェロ2という編成です。チャイコフスキー が亡くなった年に作曲が開始されたもので、第2楽章は「チャイコフスキーの主題による変奏曲」と題されており、主題は歌曲「16の子供のための歌」 op.54の「伝説(聖史曲)」。チャイコフスキー自身もこの曲を他編成に編曲しています。アレンスキーもこの弦楽四重奏曲第2楽章を弦楽オーケストラ版 に編曲するなど、非常に深い思い入れを感じる内容です。クイント率いるアンサンブルのメンバーも豪華で、パブロ・カザルス・コンクール優勝のクラウディオ・ ボルケス、BBCニュー・ジェネレーション・アーティストのアルトシュテット、そしてヴィオラはボルレッティ=ブイトーニ優勝のリリー・フランシス。若き エネルギーがそのまま抒情に注ぎこまれたアンサンブルで聴くアレンスキー、こちらも絶品です。
フィリップ・クイントは1974年生まれのロシア出身のヴァイオリニスト。モスクワ音楽院でアンドレイ・コルサコフに学び、9 歳にしてコルサコフのオー ケストラでソロ・ヴァイリニストとしてデビュー。その後ジュリアード音楽院へ進学。ドロシー・ディレイ、チョーリャン・リン、川崎雅夫に師事した他、I. パー ルマンやA. スタインハートにも師事。2001 年に発売したデビューCD がグラミー賞にノミネートされ、一躍注目を集めます。2010 年よりストラディヴァ リウス協会より貸与された"ルビー" を使用。現在はアメリカを中心に世界的活動の幅を広げています。近年はシカゴ響、ベルリン・フィルなど著名なオー ケストラと数々共演し、今後ますます期待されるヴィルトゥオーゾです。 (Ki)

スロヴァキア音楽財団
SF-0073-2(1CD)
スロヴァキアのヴァイオリン協奏曲集
アレクサンデル・モイゼス(1906-1984):ヴァイオリン協奏曲 Op.53(1957-1958)
アンドレイ・オチナーシュ(1911-1995):ヴァイオリン協奏曲 Op.47(1974-1975)
デジデル・カルドシュ(1914-1991):ヴァイオリン協奏曲 Op.51(1980)
ミラン・パリャ(Vn)
マリオ・コシク(指)スロヴァキアRSO

録音:2009-2011年、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ、スロヴァキア
ライセンサー:スロヴァキア放送
20世紀後半、チェコスロヴァキア時代のスロヴァキアの作曲家によるヴァイオリン協奏曲3作品を取り上げた好企画。スロヴァキアのヴァイオリニスト、ミラン・パリャ(1982年生まれ)はこの数年20−21世紀スロヴァキアのヴァイオリン音楽の録音を一手に引き受けている感があります。
スロヴァキア音楽財団
SF-0072-2(1CD)
エフゲニー・イルシャイ(1951-):愛の場所で
消滅 [Uangamizi] (ヴァイオリン、チェロと管弦楽の為の協奏曲;2006)(*/+)
サウンドクエイク・ゼロ [Soundquake Zero] (管弦楽の為の;2009)
引用 [Quotations] (ピアノと管弦楽の為の協奏曲;2005/2006)#
愛の場所で [In the Space of Love]
 (ヴァイオリン、ピアノと管弦楽の為の協奏曲;2004/2005)(*/**)
ミラン・パリャ(Vn)*
ヨゼフ・ルプターク(Vc)+
ラジスラフ・ファンチョヴィチ(P)#
エフゲニー・イルシャイ(P)**
マリオ・コシク(指)スロヴァキアRSO

録音:2009-2011年、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ、スロヴァキア
ライセンサー:スロヴァキア放送
エフゲニー(イェヴゲニー)・イルシャイはロシアのレーニングラード(現サンクトペテルブルク)に生まれたスロヴァキアの作曲家。マリオ・コシク(1969年生まれ)はブラチスラヴァ音楽院および音楽演劇アカデミーで学んだスロヴァキアの指揮者。2007年以来2014年現在スロヴァキアRSO首席指揮者を務めています。

HEVHETIA
HC-10025(1CD)
ヴァイオリン/ヴィオラと管弦楽の為の音楽
ユライ・ベネシュ(1940-2004):
冬の音楽 [Musica d'inverno] (ヴァイオリンと管弦楽の為の;1992)*
エフゲニー・イルシャイ(1951-):アシラの歌 [Ashira Songs]*
フランチシェク・グレゴル・エンメルト(1940-):ヤコブの戦い [Jacob's Fight] (ヴィオラと室内弦楽合奏の為の;2009)+
シュニトケ:モノローグ [Monologue] (ヴィオラと室内管弦楽の為の;1989)+
ミラン・パリャ(Vn*、Va+)
チェコ・ヴィルトゥオージ
オンドレイ・オロス(指)

録音:2009年10月18日、11月28日、スタディオン・ブルノ、ブルノ、チェコ
代音楽を得意とするスロヴァキアのヴァイオン&ヴィオラ奏者ミラン・パリャ(1982年生まれ)と同じくスロヴァキアの指揮者オンドレイ・オロス(1983年生まれ)がチェコのオーケストラと共演。ベネシュはスロヴァキア、イルシャイはロシア生まれのスロヴァキア、エンメルトはチェコの作曲家。


Treasures
TRE-011(1CD)
モートン・グールド・プレイズ・ガーシュウィン
3つのプレリュード〜第1番
ラプソディ・イン・ブルー
3つのプレリュード〜第2番
ピアノ協奏曲へ調
「ポーギーとベス」組曲(M.グールド編)
モートン・グールド(指,P)
モートン・グールドO

録音:1955年(モノラル)
※音源:RCA LM-6033
◎収録時間:79:04
“ジャズ・テイストとクラシック様式との完全な調和!!”
■製作メモ
2枚組LPのガーシュウィン。アルバム作品集から、「パリのアメリカ人」と「プレリュード第2番」以外の全てを収録。ステレオ移行直前の実にクリアなモノラル録音です。使用ジャケは、1枚もののLM-2017。

★クラシック、ジャズ両面に精通するアーチストの中で、M・グールドは、その両者を単に器用にこなすだけでなく、どちらの面においても高い説得力を誇るという点で貴重な存在です。「プレリュード」は、いかにもゴキゲンなピアノ・ソロ・ピースですが、安易に弾き崩すことなく聴き手をウキウキさせるニュアンスをふんだんにまき散らします。「ラプソディ・イン・ブルー」も、もっと露骨に面白さを演出した演奏はいくらでもあります。クラシック的な構成感と、ジャズのイディオムのどちらにも比重が傾くことなく、音楽の魅力を確実に届けてくれる演奏となると、意外と少ないのではないでしょうか。
その高いプロ意識とピュアな音楽センスを最も強く感じさせるのが、ピアノ協奏曲!クラシックの有名協奏曲の延長線上で聴くと何か物足りず、ジャズ的なノリを期待し過ぎるとどこか居心地が悪い…、そんな演奏が多い気がしてならない中、気が付くと全3楽章を通して聴き入ってしまった演奏は、これだけです。「ポーギーとベス」は、有名なD.R=デイヴィス版とは一味違う、華麗なアレンジ。オケの巧さにも脱帽です。【湧々堂】

Treasures
TRE-018(1CDR)
ハンス・リヒター=ハーザー/グリーグ&シューマン他
グリーグ:ピアノ協奏曲*
シューマン:ピアノ協奏曲#
リスト:愛の夢第3番#
グリーグ:抒情小品集第6集〜「過ぎ去った日々」Op.57-1
 抒情小品集第8集〜「トロールハウゲンの婚礼の日」Op.65-6
メンデルスゾーン:無言歌集〜「春の歌」Op.62-6
シューマン:子供の情景〜トロイメライ
ハンス・リヒター=ハーザー(P)
ルドルフ・モラルト(指)ウィーンSO

録音:1958年1月18-21日*,#(ステレオ)、1958年頃(モノラル)
※音源:蘭PHILIPS 835063*、fontana SFL-14093#、EPIC LC-3620
◎※収録時間:79:25
“楽想に応じてタッチを無限に変化させる奥義を凝縮!”
■製作メモ
グリーグ&シューマンのピアノ協奏曲は、なかなかCD化されませんが、LPでは繰り返し再発売されました。それらを聴き比べた結果、グリーグ冒頭で最も彫琢豊かに響いたのは、断然このオランダ盤でした。他の盤では、音が一歩下がって鳴っているように聞こえます。小品集も、リヒター=ハーザーのハイセンスな歌心を知る上で欠かせない逸品。

★特にグリーグの協奏曲が大推薦!リヒター=ハーザーのピアニズムは、ベートーヴェンやブラームスといったドイツの王道作品でも、決してドイツ的な厳格さを売りにしていたのではないことは明らかですが、これを聴くと、タッチの艶やかさ、歌のセンス、音楽を伸びやかに飛翔させながら全体に安定感をもたらす構築力が並外れていたことを痛感します。
第1楽章冒頭で低音から駆け上がる音型の、なんとブリリアントなこと!そして、第1主題の慈しみ抜いた歌。展開部での強弱の微妙な陰影感は、リヒター=ハーザーの感性の鋭敏さをいかんなく証明。甘美に流れがちな第2楽章で、多彩にタッチを変えつつ、音楽の多様な側面を余すことなく再現した演奏も稀なら、終わり近くの4:59で、突如別の曲が迷い込んだような効果をもたらすなど、誰にも真似できない奥義!終楽章は、この楽章に期待する華麗なピアニズムの全てを注入。どんなフォルティッシモでも艶やかさを保持したタッチと、大きな包容力の魅力が全開です。
アンコール代わりに収録した小品では、各音を克明に打鍵することと全体をレガートで歌うこの両立、バランス感覚の絶妙さに是非ご注目を。「トロールハウゲンの婚礼の日」など、最初の数秒で唸らせます!可憐にリズムを弾ませながら、ほのかな幻想性まで滲ませるこんな演奏は、他で聴いたことはありません。こんな多彩なニュアンスを内包する作品だったのかと驚かれる方もいいでしょう。【湧々堂】

Treasures
TRE-002(1CDR)
メンデルスゾーン:華麗なカプリッチョ.ロ短調Op.22
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調Op.1*
 ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
モーラ・リンパニー(P)
ニコライ・マルコ(指)
フィルハーモニアO

録音:1953年2月2-3日、1954年4月30日* (全てモノラル)
※音源:MFP 2035、HMV CLP-1037*
◎収録時間:66:48
“ラフマニノフの甘美さと一定の距離を保つことで生まれる気品!”
■製作メモ
ラフマニノフの「1番」は、最も音のニュアンスが良く出ている初期盤、ラフマニノフの「2番」とメンデルスゾーンは、良質なMFP盤を使用。ジャケット表紙には、その初期盤であるCLP-1007をベースにしています。

★ラフマニノフの「第1番」は、冒頭のホルンのファンファーレから釘付け!デニス・ブレインを含む名手達が放つ確信に満ちた響きは、この名演を象徴するかのようです。そこへ阿吽の呼吸で峻厳なリンパニーのピアノが飛び込みますが、そこまでの間合いの良さは古今を通じて屈指の絶妙さ。
広いレパートリーを誇るリンパニーにとって、特にラフマニノフはその中核を成す存在ですが、強固なフォルムと闊達な打鍵を崩さないリンパニーのピアニズムは、ラフマニノフ特有の抒情性にキリッとした品格を注入していることを、この「1番」で特に痛感させられます。第1楽章後半のカデンツァなど、ロシア的な民族色に拘泥せず、まるでリンパニーのために書かれたように高い求心力で迫ります。
「第2番」は、ステレオでサージェントとステレオで再録音していますが、オケの表現力も含めて、断然このモノラル盤が素晴らしい!そのオケのニュアンスを引き出しているのは、ニコライ・マルコ。フィルハーモニア管と多くの録音を残していますが、マルコ自身のアグレッシブなニュアンス注入力とオケの反応の良さという点で、この伴奏指揮はトップクラスの出来栄えと言えましょう。【湧々堂】

CLA XL
HCD-0909(1CD)
メーカー在庫限り
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
シューマン:花の曲Op.19*
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
ピエトロ・アルジェント(指)
イタリア放送A.スカルラッティO

録音:1958年1月21日イタリア放送ナポリ
1955年2月26日イタリア放送*
何れもステレオ、ライヴ録音(ライセンス:RAI TRADE)
ケンプはブラームスを得意としておりましたが、録音では独奏曲が中心で、ピアノ協奏曲はライヴを含めても第1番しか残されていませんでした。ということでここに収録されている第2番は大変貴重な演奏で、ライヴらしい白熱した演奏となっています。オーケストラは小編成でブラームスにしてはちょっと苦しそうですが、頑張っています。録音は時代を感じさせるもののステレオ録音で十分に鑑賞に耐えうるものです。

DACAPO
8.226577(1CD)
アナス・ノーエントフト:囚われた光
1-3.囚われた光-チェロと小管弦楽のための(1996/1998)
4.ダンス・オブ・セパレーション-弦楽六重奏のための(1998)
5.大聖堂-独奏チェロのための(1986)
6-11.ポインテッド・アウト-クラリネット,ヴァイオリン,チェロ,ピアノのための(2006)
12.アトラーニ-独奏ヴァイオリンのための(1991)
13.Hill Shapes-Wind Stillness-ヴィオラとピアノのための(2000)
14.その瞬間-クラリネット,ヴァイオリン,チェロとピアノのための(1989)
ヘンリク・ブレンドシュロルプ(Vc)
ヨハネス・セー・ハンセン(Vn)
クラウス・ミルプ(Va)
ジョン・クルーズ(Cl)
クリスティーナ・ビェルケ(P)
コペンハーゲン・クラシック・オーフス・シンフォニエッタ
セアン.k.ハンセン(指)

録音:2008年6月14日オーフスロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック,室内楽ホール…1-3
2011年11月26日オーフス・ムジーク・フセットシンフォニック・ホール…5.14.6-11
2011年4月26日コペンハーゲン国立デンマーク歌劇場,リハーサル・ホール…4
2011年9月23日オーフス・ムジーク・フセットシンフォニック・ホール…12
2011年8月12日オーフス・ムジーク・フセットシンフォニック・ホール…13
※世界初録音(5.12を除く)
作曲家のノーエントフト(1957-)は、コペンハーゲン王立音楽アカデミーでネアホルムとアブラハムセンに作曲を学び、活動の初期は、「相対する要素を併置することで生まれる響き」を追求していたと言います。しかし1990年代には自らの作風を省みて、「穏やかさをもったメロディ」を用いて多面的な表現する方向を模索しているといいます。このアルバムにはそんな彼の様々な年代の作品を収録。確かに「大聖堂」での茫洋たるメロディと、「囚われた光」でのメロディには大きな違いが感じられます。今世紀に入ってからの作風の変化もとても面白いもの。これは何も考えることなく、この音のシャワーに身を委ねるのがよいのかも知れません。


Spectrum Sound
CDSMLE-SIK004(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104

■ボーナス・トラック
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第41番 変ホ長調 KV.481
ティボール・デ・マヒュラ(Vc)
ルドルフ・モラルト(指)ウィーンSO

録音:1953年9 月13-15日、ウィーン
使用音源:独Philips A 00687 R ED 1 LP

■ボーナス・トラック
ナップ・デ・クリーン(Vn)、
アリス・ヘクシュ(P)
録音:1951年7月、アムステルダム
使用音源:独Philips A 00691 R ED 1 LP
“甘美な囁きと決別した、男気満点のドヴォルザーク!”
ベルリン・フィル、コンセルトヘボウのチェリストとして活躍していたとマヒュラの代表的な録音で、後年のステレオ再録音と甲乙つけがたい逸品です、オケの奏者出身者には、個性をを強烈に発揮するよりも、全体との調和を重んじる人が多いですが、マヒュラは例外で、直感を信じた豪放な表現力で魅了します。可憐に囁くようなシーンは皆無に近く、第1楽章第2主題でも、とことん歌いぬくことだけに専心。意地でも弱音に頼りません。その弱音は第2楽章では顔を覗かせはするものの、決して悲嘆に暮れることなく、根底に静かな闘志すら感じさせます。男気満点のマヒュラのテンションは、終楽章で最大に開花。テンポのもたつきを許さず直進を続けますが、第2副主題ではガクッとテンポを落としてノスタルージに耽り、魅惑のコントラストを織り成します。
モラルの指揮がまた絶品で、高潔を旨としながらも、熱いマヒュラのニュアンスと完全に歩調を合わせた一体感が、感動に拍車をかけます。復刻状態もなかなか上質。
カップリングのモーツァルトを弾くナップ・デ・クリーンは、その妻アリス・ヘクシュとともにアムステルダム・デュオ” として活躍していました。デ・クリーンの明確なフレージング力もさることながら、ヘクシュのピアノがしっかりとした主張を感じさせます。彼女うはモーツァルト時代のピアノを制作依頼したこともあり、ここでもそれを用いているものと思われます。【湧々堂】

TRIART
TR-005(2CD)
ブラームス:ヴァイオリンとチェロの為の二重協奏曲イ短調 Op.102*
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15+
イジー・ヴォディチカv*
ヤン・パーレニーチェク(Vc)*
イトカ・チェホヴァー(P)+
フラデツ・クラーロヴェーPO
オンドジェイ・クカル(指)

録音:2013年11月、フラデツ・クラーロヴェーPOホール、
フラデツ・クラーロヴェー、チェコ
スメタナ三重奏団をソリストに迎えた録音。ヤン・パーレニーチェク(1957年生まれ)はスメタナ三重奏団の創始者であるヨセフ・パーレニーチェク(ピアニスト;1914-1991)の息子で新生スメタナ三重奏団の創設者。イジー・ヴォディチカ(1988年生まれ)は2014年現在ヤナーチェクPOソリスト。イトカ・チェホヴァー(1971年生まれ)はスプラフォンにスメタナのピアノ作品全集を録音しています。

Capriccio
C-5155D(1CD)
ゴッフレード・ペトラッシ:ピアノ協奏曲他
ピアノ協奏曲(1936/1939)
ピアノのためのパルティータ(1924)
トッカータ(1933)
ピアノのためのインベルツィオーニ(1942/1944)
ピエトロ・マッサ(P)
ゲッティンゲンSO
クリストフ=マティアス・ミュラー(指)

録音:2011年11月1-2日ゲッティンゲンスタッドハレ
2012年3月31日-4月1日ベルリン,ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ
最近注目を浴びている、イタリア近代派に属する作曲家たち。すでにダラピッコラやカゼッラ、マリピエロの音楽は耳にする機会も多くなっていますが、このペトラッシ(1904-2003)はその次の世代の作曲家であり、まだまだ存分に知られているとは言い難いところ。しかし、レスピーギなどの流れを汲む「旋法」の使い手であり、またストラヴィンスキーなどの影響を強く感じさせる「新古典派」の手法も取り入れた色彩的な作品は、聴けば聴くほどに面白いという異色の作曲家であることは間違いありません。彼は指揮者としても才能があり。1937年から1940年まではフェニーチェ劇場のディレクターを務め、また聖チェチーリア音楽院の教授としても活躍するなど、後進の指導も行っていました。この2枚組に収録された様々なピアノ作品は、彼の作品像を端的に表すものであり、とりわけ、エネルギッシュなピアノ協奏曲は何の予備知識なしに聴いても、実に面白いものです。この時代の音楽を得意とするピエトロ・マッサの申し分ない演奏で。
Capriccio
C-5197D(1CD)
エルヴィン・シュルホフ:協奏曲集
ピアノと小管弦楽のための協奏曲Op.43WV66(1923)
フルートとピアノ,弦楽合奏,2台のホルンのための二重協奏曲
弦楽四重奏と管楽アンサンブルのための協奏曲WV97(1930)
ベートーヴェン:失われた小銭への怒り(シ
ュルホフ編)
フランク=インモ・ツィヒナー(P)
ジャック・ズーン(Fl)
ライプツィヒSQ
ローランド・クルティヒ(指)ドイツSO

録音:2007年11月21-22日
2007年11月28-29日
エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)はプラハの裕福な商人の息子として1894年に誕生。音楽の大切さを良く知っていた彼の母は、幼い彼のためにヨーロッパ中から有名な教師を呼び寄せ、また、たくさんの演奏会に出かけ、その音楽的素養を育んだのでした。やがて、家族はライプツィヒに移り、14歳の彼はライプツィヒ音楽院に入学、レーガーに師事したことで彼は作曲にも興味を持つようになります。若きピアニスト、作曲家として活躍を始めた彼ですが、第1次世界大戦で従軍し、戦争への嫌悪感を募らせることになります。この頃からダダイズムに傾倒し、自身の音楽にも無力感や虚無感を漂わせることや、当時流行のジャズの形式を取り入れることで、その時代に対しての反感を示したのでした。ここで聞ける音楽も、その傾向は顕著であり、たとえばピアノ協奏曲は、印象派と後期ロマン派、そしてジャズ風のサウンドと激しいリズムが絶妙なバランスで同居している不思議な音楽として仕上がっています。

Cello Classics
CC-1031(1CD)
モール・ダブルス・ブラームス
ブラームス:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏曲イ短調Op.102
モール:2つのチェロのための協奏曲ニ長調Op.69
キン・リー・ウェイ(Vc)、
チェン・ジョウ(Vn)、
セバスチャン・コンベルティ(Vc)、
ジェイソン・ライ(指)
ヨン・シュウトウ音楽院O

録音:2012年3月10日、2013年1月22日−24日
1998年第11回チャイコフスキー国際コンクールのチェロ部門で第2位、2001年ニューヨークで行われたナウムブルクコンクールにおいて最優秀賞を受賞した上海生まれのキン・リー・ウェイが演奏するブラームスとモール。モールでは、OAEなどで活躍する名手コンベルティと共演。中国、英国のチェリストの共演は興味深い。


DORON
DRC-3065(1CD)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22
ピアノ協奏曲第5番ヘ長調 Op.103「エジプト風」*
ムーザ・ルバツキーテ(P)
ハンス=マルティン・シュナイト(指)
アラン・パリ(指)*
リトアニア国立PO

録音:2001年12月1日、2013年3月16日*、ヴィリニュス、国立フィルハーモニック・ホール、ライヴ
“近年稀に見る、怖いもの知らずのスケール感と色彩の渦!”
リトアニア出身の名ピアニスト、ムーザ・ルバツキーテの会心録音!サン・サーンスらしい華やかさとメロディの美しさ、スケール感を遺憾なく再現した演奏には久しく出会えませんでした。
ルバルキーテの音楽作りは、とにかく壮大で確信満点。第2番の第1楽章、5:15からの追い込みなど、思わずのけぞるド迫力!この後の主題の再現まで、ヴォルテージを高めきれないピアニストがいかに多いことか。この第1楽章だけでも凄い聴き応えですが、2楽章のドスの聴いた語り口がまた強烈!今まで聴いてきたものは一体何だったのでしょう?終楽章はテンポが前のめり寸前になるほどエキサイティング。打鍵は、常にダイヤモンドのように純度の高い輝きを放ち、音色的な美感を常に携えたピアニズムであるからこそここまでの説得力を生むのです。ライヴならではの雰囲気も手伝っていると思いますが、ここまで綺麗事を寄せ付けない快演は、近年稀でしょう。この曲を愛する人は、ダルレ盤とともに必聴です。
「エジプト風」は、第2番から10年以上後の録音ですが、タッチの質感は全く不変で、こちらも素晴らしい演奏。この作品のエキゾチシズムとルバツキーテの打鍵の原色の色彩感は相性抜群。終楽章など、「胸がすく」とはまさにことのこと!全てを出し切っています!こんな凄い作品だったかと思わずにいられません。【湧々堂】

BOMBA
BOMB-033-854(1CD)
ヤコフ・スロボトキン(1920-2009)
ウェーバー:チェロ・ソナタ.イ長調*
メンデルスゾーン:チェロとピアノの為の協奏的変奏曲ニ長調 Op.17+
グリーグ:チェロ・ソナタ.イ短調 Op.36#
ハイドン::チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VII:b**
ヤコフ・スロボトキン(Vc)
ヤコフ・フリエール(P)*
ナウム・ヴァリテル(P)+
グリゴリー・ギンズブルク(P)#
ソヴィエト国立SO弦楽パート**
アレクサンドル・ガウク(指)**

録音:データ記載なし、モノラル
20世紀後半のソヴィエト・ロシアを代表するチェロ奏者の一人であるヤコフ・スロボトキン(1920-2009)。1932年に音楽天才児の為のプロジェクトで選抜され、1935年に演奏活動を開始。1936年モスクワ音楽院に入学、1941年に卒業しモスクワ・フィルハモニーのソリストとなりました。1943年ドヴォルザークのチェロ協奏曲のソヴィエト初演を務め、1947年にはフィンランドを訪れ作曲家シベリウスと共演、以後も親交を保ちチェロ曲の献呈も受けました。いわゆる「西側」ではスロボトキンの名声はあまり知られていませんでしたが、没後の2011年にMelodiyaから彼の協奏作品録音のCDが発売されると大いに注目を集め、さらなる音源のCD化が待たれていました。


ORFEO
ORFER-855141(1CD)
ダニエル・ミュラー=ショット/ドヴォルザーク作品集
4つのロマンティックな小品Op.75*
チェロ協奏曲ロ短調Op.104
森の静けさOp.68-5
ロンド.ト短調Op.94
スラヴ舞曲第8番ト短調Op.46-8*
わが母の教え給いし歌Op.55-4*
ダニエル・ミュラー=ショット(Vc;1727年製マッテオ・ゴッフリラー)
ミヒャエル・ザンデルリング(指)
北ドイツRSO
ロベルト・クーレック(P)*

録音:2011年6月27日-7月1日ハンブルク、NDR、ロルフ・リーバーマン・スタジオ
“現代が誇る、最高に男前な「ドボチェロ」!”
協奏曲は、予想をはるかに上回る超名演!第1楽章序奏部で、ザンデルリンクは近年には珍しいほど細部に渡ってきめ細かいニュアンスを注入していますが、それを受けるミュラー=ショットは、予想に反してかなり主情的な切り込みを見せてを再びビックリ。第2主題に至って完全に全体が美しくブレンドし、弱音だけに頼らないその馥郁たる佇まい、フレージングの息の長さが心を捉えます。そのフレージングの魅力と美音の魅力をたっぷり伝えるのが展開部。コーダの盛り上がりでの音程の確実さも当代随一と言えましょう。第2楽章はスケール感豊かで、各楽想の意味を常に明確に刻印。ノスタルジーに浸り過ぎでその意味合いが掻き消されることがないように、独自の求心力を持って連綿と音楽を構成。この楽章にはこれほどの音楽が詰まっていたのかと、驚ろかされることばかりです。そして絶品の終楽章!冒頭テーマの何とカッコいいこと!こんな“男前”な演奏は聴いたことがありません。ミュラー=ショットの持ち前の美音とポジションの正確さ、確信に満ちた推進力を総動員したするのですから、もうイチコロです。第1副主題(2:45〜)や第2副主題(6:06〜)を慎ましく演奏してコントラストを付ける演奏が多い中で、ミュラー=ショットは、あくまでもそのダンディさを崩さず、光り輝いているのです。ヴァイオリン・ソロとの掛け合いも意思が強固で説得絶大。ボヘミア風を取り繕うことなく直感一本で勝負したかのようなこの潔さの背後では、全体を見通す緻密な設計が生きていることは言うまでもありません。
カップリング曲も聴き逃せません。「4つのロマンティックな小品」は、音楽を過度に肥大化させることなく、切々と歌い抜き、心打たれます。特に第4曲の深い静謐美は格別。「森の静けさ」は、メロディーの美しさを最大に引き出しつつ、透明度の高い響きをオケと一体となっている点にご注目を。「ロンド」のとことん入念に語りかける冒頭テーマの説得力にも唖然。【湧々堂】


CRQ Editions
CRQCD-107(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番K.453
ピアノ協奏曲第25番K.503
デニス・マシューズ(P)
ハリー・ブレック(指)
ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズ

録音:1955年頃
※音源:英Columbia 33SX1044
デニス・マシューズは、デニス・ブレインによるベートーヴェン:ホルンソナタの伴奏者として、またジョン・オグドンの幼少期の先生として有名。モーツァルトの協奏曲は、後年にスワロフスキーとも「20番&24番」を録音していますが、それらに共通するのは、理想的な「軽み」。表面的にパラパラと過ぎ去るそれではなく、きちんと内省味を湛えながら、自然な流れのうちにモーツァルトの無垢な音楽性を滲ませるセンスは絶品です。清々しいい空気に満ちた「第17番」においては、その「軽さ」の魅力が特に際立ちます。
一方、ぐっと構成感の強固な「第25番」は、まずブレックの厳格な指揮が見事。マシューズのデュナミークの幅を抑えた繊細なピアニズと絶妙なコントラストを織りなしている点聴きもの。第1楽章の主題が短調で奏でられる箇所のまろやかさは、例えようもない味!【湧々堂】


Altus
ALT-294(1CD)
シューベルト:『ロザムンデ』序曲D.797
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104*
デュティユー:メタボール
ピエール・フルニエ(Vc)*
セルジュ・チェリビダッケ(指)
フランス国立放送O

録音:1974年10月2日、シャンゼリゼ劇場(ステレオ・ライヴ)
音源提供:フランス国立視聴覚研究所 
“チェリの冷静さをよそに、なぜか燃え盛るフルニエ!”
チェリビダッケの晩年に差し掛かる前の、室内楽的な響きヘのこだわりが色濃く反映されています。
「ロザムンデ」は、序奏の短調がこれほど物悲しく響いたのは稀で、主部はリズムは沸き立つものの、どこかその暗さを引きずるような風情。そこへ光をもたらしているのがオケの透明で明るい響き。ドヴォルザークの伴奏でも、チェリの透徹モードは変わらず、いつも端正なフルニエのチェロが、これほど男性的で抉りの効いた演奏に感じることも珍しいでしょう。しかし聴き進むうちに、このフルニエのアグレッシブさは、チェリビダッケの音楽作りとの対比から来るのではなく、フルニエ自身がいつになく燃えていることに気付かされます。終楽章冒頭など、いきなりたたみ掛けるような推進力を見せ、フレージングは常に切迫しており、表情はどこを取っても濃密。理性は二の次といった没入ぶりが感動を誘います。何種類もあるフルニエの同曲録音の中でも、これは明らかに異色の名演奏です。
「メタボール」は、チェリが許容できるぎりぎりの現代音楽なのでしょう。響きを徹底的に制御し、「軋み」を整理し尽くすことで、単なる放射的な音の塊ではなく、独特の澄んだ色彩感を生み出している点ている点にご注目を。【湧々堂】


ALTO
ALC-1255(1CD)
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調*
ピアノ協奏曲変ニ長調+
ボリス・グートニコフ((Vn)*
コンスタンチン・イヴァーノフ(指)ソヴィエト国立SO*
アンネッテ・セルヴァデイ(P)+
ジョゼフ・ジュンタ(指)LPO+

録音:1981年*/1987年10月+
原盤:Melodiya* / Hyperion+
ライセンサー:A Tempo Prague, Aquarius Music* 
前出:Regis, RRC 1300(廃盤)
“それぞれの個性が曲の魅力を倍加させた、好対照な2つの名演!”
2曲とも心に食い入る名演奏!ボリス・グートニコフ(1931-1986)は1962年の第2回チャイコフスキー・コンクールの優勝者。60年代にロジェストヴェンスキーと共演したチャイコフスキーの協奏曲等の録音も存在しますが、ソ連崩壊前に亡くなってしまったのは痛恨の極みです。その音色は伸びやかで艷やか。コーガンにも似た強靭な精神を湛えながら、確信に満ちた表現を繰り広げます。第1楽章のカデンツァで見せる辺りを払う集中力には息を呑むばかりですが、音の明快さを保ちつつ孤独の情感を惜しげもなく注入した第2楽章は、まるでショスタコーヴィチの音楽ように切実な苦悩を滲ませ、心を突き刺します。終楽章も音の張り出しが強いですが、少しも煩くならず、指揮のイワーノフが醸し出すダイナミズムと土俗性を背景にして、多彩なニュアンスを放射し尽くし、最後まで聴き手の意識を釘付けにします。
一方のセルヴァデイのピアノ協奏曲も同曲屈指の名演!演奏のテイストはヴァイオリン協奏曲とは対照的に、ロシア的な土臭さから離れた純音楽的アプローチ。それでこれだけの説得力を生むのですから、セルヴァデイの感性が尋常では無いことは明らか。第1楽章はやや遅めのテンポを採用していますが、間延びせず、心からの歌が心に染みます。第1楽章カデンツァのなんとリリカルなこと。第2楽章はもちろんフレクサトーン入り。この特殊な楽器の必要性をこれほど痛感させる演奏も少ないでしょう。露骨にクローズアップするのではなく、ホールトーンに自然に溶け込ませたその響きと、セルヴァデイのリリシズムとの融合の妙に是非ご注目を。そして終楽章の拡張の高さ!是非ともセルヴァデイのラフマニノフを聴いてみたいものです。【湧々堂】


DORON
DRC-3064(1CD)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第4番(第1楽章カデンツァ:マリオ・ホッセン)
ヴァイオリン協奏曲第2番(第1楽章カデンツァ:フランソワ・ピエール・デカン)
マリオ・ホッセン(Vn)、
ヴァレリー・ヴァチェフ(指)
ブルガリアRSO

録音:2007年9 月、2008 年10 月、
ブルガリア生まれの中堅ヴァイオリニスト、ホッセンによる快演!いわゆる「仕掛け」満載の作品においてその面白さを際立たせようとすると、説明調のシラケた演奏になりがちですが、この演奏にはそんな心配は全く不要。作品の有り様を真摯に再現することに徹し、遊びや悪ノリとは無縁。テクニックはもちろん万全。筆致は常に克明で、曖昧さが皆無。ブラームスの協奏曲を弾くのと同じようなスタンスで音楽と向き合うことで、音楽のフォルムがくっきりと浮かび上がているのです。
最大の聴きものは、ホッセンの技巧力を惜しみなく注入した「第4番」第1楽章の自作カデンツァ。奇想曲の一節も交えながら強烈なジプシー音楽を聴かせます。ここまでのストイックな演奏とは掛け離れていると思いきや、演奏自体はここでも厳しさを貫徹。第2楽章でも甘美さ雰囲気に流されず、丹念なフレージングを保持するあたりに、ホッセンの非凡な音楽センスを感じさせます。【湧々堂】


Hanssler(SWR)
94-226(1CD)
ヨハンナ・マルツィ/メンデルスゾーン&ブラームス
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77*
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
ハンス・ミュラー=クライ(指)
ギュンター・ヴァント(指)*
SWRシュトゥットガルトRSO

録音:1959年2月5日、1964年2月6日*、リーダーハレ・シュトゥットガルト(共にモノラル)
“無限に溢れる豊穣なニュアンス!EMIのセッション録音と並ぶ大名演!”
ヨハンナ・マルツィの熱心なファンのみならず、全ての音楽ファン必聴の名演!2曲ともEMIのセッション録音の名演が既に存在していますが、モノラルながら極めて高音質である点も含めて、とても甲乙など付けられません。
メンデルスゾーンはマルツィ特有の語り掛けの強いフレージングの魅力が満載。第1音から、その呪縛に進んで飛び込みたくなる衝動を抑えることができません。第2楽章は、「美音」とはこういうものであると強く認識させられます。音が単に綺麗なのではなく、人間の汚れた部分まで全て併せ飲んだ人間だけが発することができる、豊か過ぎる音楽的情報量!ミュラー=クライの閃きに富んだ指揮が。これまた絶品!
52歳だったギュンター・ヴァントが伴奏を務めるブラームスも月並みの名演ではありません。まず冒頭の音の跳躍に漲るパッションの凄まじいこと!第2主題はフレージングの確実さと含蓄に富んだ美音がビリビリと心の琴線を刺激。この日のマルツィはいつも以上にハイテンションだったのか、感情表現をかなり露骨にぶちまけており、それをまた音楽的に制御しようとする意思も加味され、演奏全体に独特の緊張感を醸し出しているのが特徴的です。
中古LP市場では、特に女流ヴァイオリニスト、ピアニストの初期盤だというだけで、その演奏内容に関わらず、数十万円もする高値で取引されることがありますが、これほどの感動が保証されているマルツィに関しては、一概に法外な値段とは思えなくなります。【湧々堂】

Hanssler(SWR)
94-225(1CD)
ゲザ・アンダ〜SWR放送録音集第5集
バルトーク:ピアノ協奏曲第2番*
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:間奏曲 ホ長調Op.117-1(アンコール)
ゲザ・アンダ(P)
ハンス・ミュラー=クライ(指)*
フェルディナント・ライトナー(指)
SWR シュトゥットガルトRSO

録音:1950年11月14日(モノラル)*、1973年3月13日(ステレオ)、リーダーハレ、シュトゥットガルト
チャイコフスキーはアンダ追悼盤としてかつてLPでオイロディスクで発売されたもので、これが初CD化。禁欲的なアンダのピアニズムによって、派手なパフォーマンスに傾きがちなこの作品に、品格と重厚さが付与され、他では味わい得ない感動をもたらしてくれます。先ごろ、1958年にショルティと共演した熱演ライヴも発売されましたが、ここではライトナーの堅実なサポートを得て、アンダの理念を伸び伸びと飛翔させているのが特徴的で、この演奏が最もアンダの理想に近いものではないでしょうか。高速暴走を避けて音の吟味しながら音楽を構築する姿勢は、ガリエラと組んだEMI盤から一貫しており、特に終楽章においてそれが顕著。熱狂でごまかさずに打鍵の意味を最後まで聴き手に意識させるコーダの追い込みは、まさにアンダのピアニズムの象徴。
そのチャイコフスキーと比べると明らかなように、バルトークにおいては、より肉感的なタッチ。【湧々堂】

King International
KKC-2085(1CD)
ケンプ〜1965年のモーツァルト
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ウィル ヘルム・ケンプ(P)
アレクサンダー・ルンプフ(指)
外山雄三(指)
共に、NHK響*

録音:1965年6月8日東京文化会館、1967年11月3日(共に東京文化会館/ステレオ・ライヴ)
ウィルヘルム・ケンプ3度目の1965年の来日公演で、アレクサンダー・ルンプフ指揮NHK交響楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第24番を演奏し ました。それが当時のNHKラジオ番組「立体音楽堂」用にステレオ収録された音源が残されていました。これがケンプの息遣いまで生々しく伝わってく るような鮮明さ。緊迫感と激しさに満ちた短調のモーツァルトの世界を描くケンプの音色が見事の一言に尽きる至芸。技術、音楽性ともに当時絶頂にあっ たケンプの神業を真に味わえます。1967年、4度目の来日の際に、外山雄三指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏を行ないましたが、「皇帝」 の音源が残っていました。これも堂々とした名演で、全曲を一気に聴かせてしまう魔力に満ちています。 (Ki)

King International
KKC-2086(1CD)
最晩年のボレット
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
ショパン:夜想曲第5番嬰ヘ長調Op.15-2
ホルヘ・ボレット((P)
デーヴィッド・アサートン(指)NHK響

録音:1988年11月9日NHKホール(デジタル・ライヴ)
“至上の歌とまろやかな音色に彩られた、感動必至のラフマニノフ!”
ラフマニノフもショパンも、以前にNHKの放映されましたが、その時の衝撃がリアルに蘇りました!
ラフマニノフは、ボレットの最晩年、演奏活動から離れる直前の貴重な記録であるだけでなく、彼のラフマニノフへの崇拝ぶりが演奏に完全投影され、技巧偏重ではない温かい情感を漂わせた不朽の名演である点で、忘れるわけには行きません。ボレットが遺した最高の協奏曲録音であるとともに、この演奏を抜きにしてこの作品が語れれるはずがありません!
第1楽章のテーマから、その深いリリシズムと甘美な音色は、他の誰とも異なる魅力を放ちます。その内面的な深さは、第2楽章でさらに開花。全てのタッチが愛で塗り固められており、中間の山場では叩き付ける打鍵をも持ち込まず、心を極限まで焦がして憧れのニュアンスを飛翔させる様は言葉も出ません!終楽章はかなりの低速ですが、そのテンポ以外は考えられない比類なき説得力!開始直後、耳元で囁くような弱音でのグリッサンドが奏でられると、もうモロメロ!展開部でも一切弛緩しないどころか、この夢の空間が永遠に続いて欲しいと願わずにはいられない魅力が連綿と流れ、再現部以降はもう涙が止まりません!
亡き名匠アサートンの、含蓄に富んだ棒も安定感抜群。
なお、ボレットのこの曲の録音は他にも2種存在しますが、録音の自然な臨場感は、他の録音を引き離しています。
ショパンも、奇跡としか言いようのない美しさ!「歌う」とは、こういうことなのです!ボレットが不世出のピアニストであったか改めて思い知ります。【湧々堂】
King International
KKC-2088(2CD)
アニー・フィッシャー〜生誕100年
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番**
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番#
アニー・フィッシャー(P)
クリストフ・ペリック(指)*
ミルディアス・カリーディス(指)**
フェルディナント・ライトナー(指)#
NHK響

録音:1985年10月18*、1987年10月16日**、1983年6月22日*、 (全てNHKホール/デジタル・ライヴ)
2014年に生誕百年を迎えるハンガリー出身の名女流アニー・フィッシャー。彼女は1980年以来、亡くなる前年の1994年まで数回日本を訪れ ています。ここではNHK交響楽団と共演した協奏曲4篇を初リリース。いずれも70歳頃の演奏ですが、エネルギーと気迫に満ちた演奏ぶりに感動させ られます。クレンペラーとの名盤で知られるシューマン、フリッチャイとの名盤で知られるベートーヴェンの第3番も違いを味わえます。かのリヒテルも尊敬したというアニー・フィッシャーの芸術を存分に味わ えます。 (Ki)


Altus
ALTSA-285(1SACD)
シングルレイヤー
ALT-285(1CD)
ブラームス:悲劇的序曲 Op.81
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調『皇帝』 Op.73*
セルジュ・チェリビダッケ(指)
フランス国立放送O,
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)*

録音:1974年10月16日、シャンゼリゼ劇場(ステレオ・ライヴ)
“終楽章必聴!ミケランジェリだけが可能な驚異の「皇帝」!”
フランス国立放送管の創立40周年特別公演のライヴ録音。ブラームスでは、Alutsから発売されているシューリヒトの名演奏と同様、透明感と色彩を湛えたオケの特性が最大に発揮され、パリ音楽院管の影に隠れて見落とされがちな個性的な響きの魅力を改めて痛感させられます。ここでのチェリビダッケの芸風は、晩年のミュンヘン時代の大伽藍モードに入る前なので、物々しいサウンドを排除して、極限まで室内楽的な精緻さを追求しており、その点でもオケの特性が功を奏しています。特に中間部の木管のフレーズの明るく抜ける響きと弦の至純さが織りなすハーモニーの美しさは格別。9:23からの弦のピアニッシモの透徹ぶりも、1970〜1980年代チェリビダッケを象徴するもの。
そして、驚愕の「皇帝」!ミケランジェリは例によって第1楽章冒頭からアーティキュレーションが明確で、推進力を湛えつつも勢い任せの感は皆無。6:33からの左手声部の刃こぼれのなさも驚異的ですが、再現部冒頭の一瞬にして大理石の塔を打ち立てるような堅牢な凄みは比類なし!第2楽章は透徹美の極みですが、ミケランジェリのタッチは常に光に満ちながら毅然と立ち、そこから厳かな品格が放たれます。3:21以降をこれほど確信を持ってフォルテで通した演奏も稀でしょう。その内的なヴォルテージが更に開花するのが終楽章。これこそ「皇帝の中の皇帝」!冷徹なイメージが強いミケランジェリですが、聞こえない音符などどこにもないこの演奏に触れると、完璧な技巧と一体化した音楽への熱い没入ぶりに戦慄さえ覚えます。【湧々堂】


Spectrum Sound
CDSMBA-002(2CD)
スヴェトラーノフ&スタニスラフ・ネイガウス
スヴィリドフ:「トリプティク」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)
フランス国立放送O
スタニスラフ・ネイガウス(P)

録音:1973年2月7日、シャンゼリゼ劇場 (ステレオ・ライヴ)
ここでのスヴェトラーノフは、壮年期ならではの直截なダイナミズムを発揮するだけでなく、オケのふんわりとしたフランス的な色彩を徹底的に土臭いロシア色に染め直し、手兵のソビエト国立響と変わらぬサウンドを築き上げている点に、改めて指揮者としての牽引力の強さを再認識させられます。
「悲愴」では、第1楽章展開部が、スタジオ録音を超える猛烈なスピード感で突進。しかもスヴェトラーノフは徹底して縦割りで強靭なリズムを求めるているので、そのスタイルに慣れていないオケは泡を食っているのが目に浮かぶようですが、完全にその棒に喰らいつき、手に汗握る熱演を展開。コーダのホルンには完全にヴィブラートを禁じ、ロシアン・サウンドを叩き込んだ跡が伺えます。第3楽章も、もちろん大迫力。
録音の少ないスタニスラフ・ネイガウス(スタニスラフ・ブーニンの父)のソロが良質なステレオで聴けるのも貴重。誇張を避け、洗練されたスタイルを持っていたS・ネイガウスの芸術性は、土臭さ満点のスヴェトラーノフの指揮を得て更に際立ちます。鍵盤を決して叩きつけず、紡ぎ出すことに徹したそのスタイルの魅力は、第2楽章で最大に開花。終楽章では、第2主題の内省的な歌わせ方が心を捉えます。【湧々堂】


Altus
ALT-285(1CD)
ブラームス:悲劇的序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
セルジュ・チェリビダッケ(指)
フランス国立放送O
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)

録音:1974年10月16日、シャンゼリゼ劇場(ステレオ・ライヴ)
※正規初出
フランス国立放送管の創立40周年特別公演のライヴ録音。ブラームスでは、Alutsから発売されているシューリヒトの名演奏と同様、透明感と色彩を湛えたオケの特性が最大に発揮され、パリ音楽院管の影に隠れて見落とされがちな個性的な響きの魅力を改めて痛感させられます。ここでのチェリビダッケの芸風は、晩年のミュンヘン時代の大伽藍モードに入る前なので、物々しいサウンドを排除して、極限まで室内楽的な精緻さを追求しており、その点でもオケの特性が功を奏しています。特に中間部の木管のフレーズの明るく抜ける響きと弦の至純さが織りなすハーモニーの美しさは格別。9:23からの弦のピアニッシモの透徹ぶりも、1970〜1980年代チェリビダッケを象徴するもの。
そして、驚愕の「皇帝」!ミケランジェリは例によって第1楽章冒頭からアーティキュレーションが明確で、推進力を湛えつつも勢い任せの感は皆無。6:33からの左手声部の刃こぼれのなさも驚異的ですが、再現部冒頭の一瞬にして大理石の塔を打ち立てるような堅牢な凄みは比類なし!第2楽章は透徹美の極みですが、ミケランジェリのタッチは常に光に満ちながら毅然と立ち、そこから厳かな品格が放たれます。3:21以降をこれほど確信を持ってフォルテで通した演奏も稀でしょう。その内的なヴォルテージが更に開花するのが終楽章。これこそ「皇帝の中の皇帝」!冷徹なイメージが強いミケランジェリですが、聞こえない音符などどこにもないこの演奏に触れると、完璧な技巧と一体化した音楽への熱い没入ぶりに戦慄さえ覚えます。【湧々堂】


Guild Historical
GHCD-2405(1CD)
ストコフスキーのモーツァルト1949-1969
(1)歌劇「フィガロの結婚」序曲
(2)ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466*
(3)そりすべり(ドイツ舞曲第3番 K.605)**
(4)ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491+
(5)トルコ行進曲(ストコフスキー編)++
レオポルド・ストコフスキー(指)
フィラデルフィアO
マリア・イザベラ・デ・カルリ(P)*、
インターナショナル・フェスティヴァル・ユースO*、
ヒズSO**、
エズラ・ラクリン(P)+、
ヒューストンSO+、NBC響++

録音:(1)1960年12月12日(ステレオ)
(2)1969年8月31日(ステレオ)
(3)1949年3月2日、(4)1960年10月24日
(5)1955年2月9日(RCA音源)
※リマスタリング:ピーター・レイノルズ&レイノルズ・マスタリング
※マスター・ソーズ:エンノ・リエケーナ・コレクション
ピアノ協奏曲第20番は、イタリアの作曲家F.ドナトーニの愛人としても知られるマリア・イザベラ・デ・カルリの独奏。可憐で慎ましいタッチで誠実に音楽を紡ぎだし、大柄なストコフスキーの伴奏と好対照。独特の色彩美を持つカデンツァは、.ドナトーニの作かもしれません(ライナーに記載なし)。
ピアノ協奏曲第24番の独奏は、エズラ・ラクリン(1915-1995)。彼の師はゴドフスキー、J.レヴィン、ホフマンと錚々たるもので、ストコフスキーはフィラデルフィア管の青少年コンサートの最初のソリストとして彼を招いています。カーティス音楽院ではバーンスタイン等とともに指揮も学び、後年は主に指揮者として活躍しました。ここでの演奏はヴィルトゥオージティ全開!第1楽章はまるでラフマニノフのような華麗さで駆け抜け、第2楽章でもかなり強烈に悲嘆のニュアンスを刻印。それが少しも煩わしくなく、聴き手を惹きつける不思議な求心力が有ります。終楽章は、速めのテンポで更に攻撃的とさえ言えるほど音楽に深く食い入ります。タッチの粒立ちの良さにも必聴。
「そり滑り」はケレン味たっぷり。完全に描写音楽と化し、遠近感を出した強弱の演出が楽しさ満点。
トルコ行進曲はRCAのセッション録音。NBC響の一糸乱れぬアンサンブルが最大に功を奏した華麗さに胸が踊ります!【湧々堂】


Signum Classics
SIGCD-345(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲全集
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
断章ホ長調 K.494a
ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412/K.514
ホルン協奏曲楽章変ホ長調 K.370b & K.371
ロジャー・モンゴメリー(ナチュラルHrn)、
マーガレット・フォートレス(指&Vn)
エイジ・オヴ・インライトゥメントO

録音:2012年10月25日、クイーン・エリザベス・ホール・ライヴ
※使用楽器:プラハのフランツ・シュトールのレプリカ・モデル
“遂に出た!ナチュラル・ホルンによるモーツァルトの最高峰!”
ロジャー・モンゴメリーは、エイジ・オヴ・インライトゥメント管の首席ホルン奏者、英国王立歌劇場管のホルン奏者として活躍する"モダン"、"ピリオド"の両方に精通する栄光が誇るホルニスト。ここには、モーツァルトの全ホルン協奏曲を一晩で演奏した模様が収めれており、それだけでも演奏に掛ける意気込みの高さを伺わせますが、演奏自体が驚異的な素晴らしさ!
オケ共々理に走った冷たさは皆無で、あくまでも「語り」を重視。音程の正確はナチュラルンとは思えぬ程で、ゲシュトップ挿入も実に自然。もちろん技巧をひけらかす素振りなどなく、人間的な温もりを感じさせます。
第4番第1楽章展開部などは、モダンホルンと錯覚するほどニュアンスの陰影がきっちり浮かび上がり、同終楽章は快速テンポながらリズムが確実に着死し、速いパッセージでも音楽の表情が素通りしてしまうことがありません。
第3番は、第2楽章のテンポ設定が絶妙!その微妙に速めの設定がモーツァルトらしい微笑みの表情を伝えます。中間部ではゲシュトップ効果の魅力をさり気なく披露。
第1番のロンド楽章は、改訂版(ジュスマイヤー版)と初稿(ティーヴン・ロバーツによる完成版)の2種類を続けて収録。
K.370冒頭の音の跳躍が、大げさにならずに苦笑を誘うセンスにもご注目。K.371(コンサート・ロンド)のニュアンスの豊かさも、過去の名演を大きく上回るもの。
モンゴメリーのホルンを優しく引き立てるフォートレスの指揮もこれらの名演には不可欠な存在で、特に第2番終楽章中間部の嘲笑うような弦の表情は必聴!
なお、他のSignamのライヴ録音同様、ライヴ録音ながらノイズはほぼ皆無。【湧々堂】


韓国Warner Classics
PWC13D-0011(13CD)
クリスチャン・フェラス〜The Art of Violin
■CD 1
フランク:ヴァイオリン・ソナタ.イ長調
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 Op.13

■CD 2
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
■CD 3
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ラロ:スペイン交響曲
■CD 4
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.12-2
ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調 Op.12-3
ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 Op.23
■CD 5
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24 '春'
ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調 Op.30-1
ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調 Op.30-2
■CD 6
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調 Op.30-3
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47「クロイツェル」
ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調 Op.96
■CD 7
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV.1043
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:クライスラー)*
■CD 8
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219 「トルコ風」
■CD 9
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ.ト短調
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調 Op.25*
ラヴェル:ツィガーヌ_9.05
■CD 10
ブラームス:二重協奏曲Op.102
■CD 11
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
パリ音楽院O
バンドー:ハンガリー風協奏曲 (1958)*
■CD 12
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番イ長調 Op.13
ヴァイオリン・ソナタ 第2番ロ短調 Op.108

■CD 13
ショーソン:終わりなき歌 Op.37 (Charles Cros)*_7.05
ピアノ,ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲ニ長調 Op.21+
全て、クリスチャン・フェラス(Vn)

■CD 1
ピエール・バルビゼ(P)
録音:1957年5月15-19日(モノラル)

■CD 2
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)
フィルハーモニアO
録音:1957年6月26-28日(ステレオ)

■CD 3
ワルター・ジェスキント(指)
フィルハーモニアO
録音:1958年5月25〜27日(ステレオ)

■CD 4〜CD 6
ピエール・バルビゼ(P)
録音:1958年11月17-24日(モノラル)

■CD 7
ユーディ・メニューイン(Vn)、
バース・フェスティバルO
マルコム・サージェント(指)*
ロイヤルPO*
録音:1959年7月8日、1959年10月8-10日*(共にステレオ)

■CD 8
アンドレ・ヴァンデルノート(指)
パリ音楽院O
録音:1960年9月20日(ステレオ)

■CD 9
ピエール・バルビゼ(P)
録音:1962年5月30日
1962年6月5日*(全てステレオ)

■CD 10
ポール・トルトゥリエ(Vc)
パウル・クレツキ(指)
フィルハーモニアO
録音:1962年6月22-23日(ステレオ)

■CD 11
ジョルジュ・プレートル(指)
アラン・ロンバール(指)*
パリ音楽院O
録音:1963年)(ステレオ)

■CD 12
ピエール・バルビゼ(P)
録音:1964年9月21-25(ステレオ)

■CD 13
アンドレ・エスポジート(S)+
ピエール・バルビゼ(P)
パレナンSQ
録音:1966年、1968年+(ステレオ)
美麗紙ボックス仕様(サイズ:縦130mm×横130mm×奥行50mm)、ブックレット(韓国&英語併記)、内袋入りの各ディスクは紙ジャケットに収納されてます。

MUSIC VARS
VA-0165(1CD)
未案内旧譜
ポッパー(1843-1913):チェロと管弦楽の為のヴィルトゥオーゾ作品集
小ロシアの歌による幻想曲 Op.43
スコットランド幻想曲 Op.71
スペイン舞曲集 Op.54
演奏会用ポロネーズ Op.14
ドミニカ・ホシュコヴァー(Vc)
イジー・マラート(指)
プルゼニュRSO

録音:2007年5月9-10日、11月5-6日、2008年2月11-13日
ドミニカ・ホシュコヴァーは1982年生まれのチェロ奏者。4歳から父であるチェコの名チェロ奏者イジー・ホシェクの指導を受け、プラハ音楽院でヴァーツラフ・イーロヴェツ、ウラダン・コチーに師事するとともに巨匠ミロシュ・サードロに個人教授を受けた後、プラハ芸術アカデミーで再びイジー・ホシェクに学び、さらに2007年パリ音楽院のジャン=マリー・ガマールのもとで研修を受けました。


BARTOK RECORDS
BR-1928[BR](1CD)
バルトーク:ピアノ協奏曲第1番
ロバート・マン:物語(TALES)
〜アンデルセンとキプリングによる(ナイチンゲール/エンドウ豆の王女/クジラはどうして喉を持つようになったか/サイはどうして皮がシワシワか)
レオニード・ハンブロ(P)
ロバート・マン(Vn、指)
ジンブラー・シンフォニエッタ
ルーシー・ローワン(語り)

録音年不詳,モノラル(1950年代)
※ピーター・バルトークによるハイファイ録音
バルトークの「ピアノ協奏曲第1番」のピアノはレオニード・ハンブロ。1920年シカゴ生れ。ジュリアード音楽院で学び、1946年ニュルベルグ・コンクールで入賞。LP初期に多くの録音を遺しました。ソリッドな打鍵を縦横に張り巡らせ、推進力抜群。それでいてそのタッチにはどこか温かみがあり、独自の求心力を持って迫ります。
最大の聴きものは終楽章。リズムに宿るニュアンスの豊かさは尋常ではなく、単に器用なだけの打鍵とは違う、体の芯から噴き出るようなエネルギーに手に汗握ります。
録音の素晴らしさににも驚愕。モノラル録音のまさに頂点をなす名録音。未熟な初期ステレオ録音などお呼びではありません。第1楽章締めくくりの打楽器の衝撃、第2楽章冒頭の小太鼓の微かな振動までリアルに捕らえている例は、後のステレオ録音でもそうそう出会えません。シュタルケルのコダーイ:無伴奏チェロ・ソナタで有名な録音技師ペーテル・バルトークの凄さを再認識させられます。
「物語(TALES) 」は、ジュリアード四重奏団のリーダーとしても著名で指揮者でもあるロバート・マンの作品。ヴァイオリンとピアノの演奏とナレーションで童話が進行します。【湧々堂】

Capriccio
C-7172E(5CD)
オルガン協奏曲集
<CD1.ヘンデル:作品集>
オルガン協奏曲 第6 番 変ロ長調 Op.4-6 HWV294
オルガン協奏曲 第3番 ト長調 Op.4-3 HWV291
オルガン協奏曲 第4 番 ヘ長調 Op.4-4 HWV292
オルガン協奏曲 第2 番 変ロ長調 Op.4-2 HWV290
オルガン協奏曲 第5 番 ヘ長調 Op.4-5 HWV293
オルガン協奏曲 ヘ長調 HWV295「カッコウとナイチンゲール」
<CD2.J.S.バッハ&C.P.E.バッハ:作品集>
バッハ:オルガン協奏曲 ニ短調 (BWV146 とBWV188 より)
C.P.E.バッハ:オルガン協奏曲 ト長調 Wq.34 H444
C.P.E.バッハ:オルガン協奏曲 変ホ長調 Wq.35 H446
<CD3.J.ハイドン:作品集>
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:1
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:5
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:8
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XIV:11
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XIV:12
<CD4.M.ハイドン&J.ハイドン&モーツァルト:作品集>
M.ハイドン:オルガンとヴィオラと弦楽のための協奏曲 ハ長調 P.55
ハイドン:オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:10
モーツァルト:教会コンチェルト 第17 番 ハ長調 K336
 教会コンチェルト 第8 番 ヘ長調 K224
 教会コンチェルト 第1 番 変ホ長調 K67
 教会コンチェルト 第15 番 ハ長調 K328
<CD5.J.G.ラインベルガー:作品集>
オルガン協奏曲 第1 番 ヘ長調 Op.137
オルガン協奏曲 第2 番 ト短調 Op.177
ヴァイオリンとオルガンのための組曲 ハ短調 Op.166
アキム・エルザベット(Org)
クリスティーネ・ショルンスハイム(Org)
マルティン・ハーゼルベック(Org)
ローランド・ミュンヒ(Org)
フランツ・レーンドルファー(Org)
アンドレアス・ユフィンガー(Org) 他
ウィーン・アカデミー
新バッハ・コレギウム・ムジクム
「カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ」CO 他
CAPRICCIO の膨大な音源の中から「オルガンのための協奏曲」を選び出し、年代別にまとめた5 枚組です。バロック時代の最も重要な作品はヘンデルの一連の協奏曲でしょう。彼は1733 年、自作のオラトリオ「デボラ」の初演時に「間奏曲」としてペダルなしの小さなオルガンで自作の協奏曲を演奏したと記録に残っているほど、オルガン協奏曲の重要性を世に知らしめた人です。他にはハイドン兄弟、バッハ親子らバロックから古典派の作曲家たち、モーツァルトのレアな作品「教会コンチェルト」ロマン派のオルガン作曲家ラインベルガーの作品と、オルガン好きにはたまらないセットとなっています。

Aurora
ACD-5069(1CD)
ヨン・オイヴィン・ネス(1968?):獰猛なケンタッキーの運命の母たち
ピアノ協奏曲《強烈な日の光(サンバースト)》 (2005?07)
増幅したギターと管弦楽のための協奏曲《私の心をカトノサに埋めてくれ》(2005)
2つのトロンボーンと2つのアンサンブルのための協奏曲《獰猛なケンタッキーの運命の母たち》(ロングバージョン)(2006)
マグヌス・ロドガール(P)
トマス・ヒェクスタ(G)
スヴェッレ・リス(Tb)
マリウス・ヘスビ(Tb)
ノルウェー放送O
トマス・リームル(指)

録音:2011年3月10日、14日-15日、21日-23日 ノルウェー放送 (NRK) 大スタジオ(オスロ)
ヨン・オイヴィン・ネスは、今日のノルウェー音楽シーンでもっともユニークな音楽家のひとり。イギリスやアメリカのポピュラーミュージックとポップカ ルチャーに関心をもち、独自の着想による作品を発表してきました。オスロを本拠とする現代音楽のグループ、アンサンブル・エルンストを共同創設した 指揮者トマス・リームルとノルウェー放送管弦楽団の新しいアルバム『獰猛なケンタッキーの運命の母たち』。オスロ・フィルハーモニックが録音したヴァ イオリン協奏曲《マッド・キャップ・トゥートリング》とチェロ協奏曲《ウェット・ブラバー・スープ》(Simax PSC1278)、ノルウェー軍西部音楽隊(ベ ルゲン)によるクラリネット協奏曲《砂漠から届いた悪い知らせ》(Aurora ACD5053) とチェロ協奏曲《軌道に乗ったズヴェズドフカ》(ACD5063) に つづき、ネスの協奏曲が3曲紹介されます。
2007年に完成したピアノ協奏曲は、ピアニストのロドガールとクリスチャンサン交響楽団の委嘱による作品です。メシアンを連想させる「にぎやかな」 音楽でソロピアノが登場し、3台の木琴やピッコロも絡み、雲間から突然現れる「強烈な日の光」のタイトルを映すように、明るく輝かしい響きの音楽が 展開します。マグヌス・ロドガール (1979?) は、ノルウェー音楽アカデミーでシーグル・スロッテブレックにピアノ、オーレ・クリスチャン・ルードに指揮 を学びました。ベルリンの芸術大学のルッツ・ケーラーにも指揮を教わり、現在、トロンハイムに近い故郷のメルフースの「フョスフェスティヴァル」の監 督をはじめ、多彩な活動をしています。
《私の心をカトノサに埋めてくれ》は、電気的に音を増幅したギターと管弦楽のために作曲されました。アメリカ先住民と白人の戦争の象徴とされる「ウー ンデッド・ニーの虐殺」に題材を採ったディー・ブラウンの著作『わが心をウーンデッド・ニーに埋めてくれ』(わが魂を聖地に埋めよ)とバフィ・セント=マリー の同名の歌に、オスロの北にある森を中心とする自然保護区のカトノサ湖の名を重ね、曲名としています。ギタリストのトマス・ヒェクスタ (1971?) は、 オスロのアカデミーで学び、ラーシュ=エーリク・エル・ユングのヴァイオリンとのデュオ「ツイッター・マシン」としての活動で知られます。この作品は、ヒェ クスタとノルウェー放送管弦楽団の委嘱により作曲されました。
2つのトロンボーンと2つのアンサンブルのための協奏曲はエンディングの異なるショートバージョンとロングバージョンの2つの版が作られています。 ショートバージョンが《獰猛なケンタッキーの母たち》、ロングバージョンが《獰猛なケンタッキーの運命の母たち》と、曲名も少し違っています。このア ルバムのロングバージョンは、クエンティン・タランティーノが脚本を書いたバンパイア・ホラー『フロム・ダスク・ティル・ドーン』、ギターとバンジョー が掛け合うブルーグラス《デュエリング・バンジョー》の場面で知られるジョン・ブアマン監督の『脱出』、そして、SF/ホラー・ビデオゲーム『DOOM 3(ドゥーム 3)』に影響を受けたと作曲者のネスは語っています。トロンボーンのスヴェッレ・リセはノルウェー放送管弦楽団、マリウス・ヘスビは王立ノ ルウェー海軍音楽隊のメンバー。2008年の初演のソリストです。 (Ki)


Pavane
ADW-7550(5CD)
オマージュ・トゥ・カルロ・ヴァン・ネスト 〜ベルギーのヴァイオリン・スクール
ド・ベリオ:ヴァイオリン協奏曲第7番ト長調Op.76、ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.32
ブルギニョン:ヴァイオリン協奏曲Op.86(世界初録音)
デヴリーゼ:ヴァイオリン協奏曲(世界初録音)
ド・クロス:協奏曲第7番ハ短調
フェルブッシュ:ヴァイオリン協奏曲Op.37(世界初録音)
ユイブレシュト:ヴァイオリン・ソナタ
ブラームス:ワルツ変イ長調Op.39-15
フランツ・アントン・シューベルト:ミツバチOp.13-9
クライスラー:コレッリの主題による変奏曲
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ヘ短調Op.19
イザイ:ヴァイオリンと管弦楽のための「悲劇的な詩」 Op.12
シュヴルイユ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.56
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8、
 ピアノ三重奏曲第2番ハ長調Op.87、
 ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.101、
 ピアノ三重奏曲第4番イ長調Op.posth.
カルロ・ヴァン・ネスト(Vn)、
エドガール・ドヌー(指)RTB室内O
フランツ・アンドレ(指)INRSO、
ダニエル・スターンフェルド(指)INR大SO、
ルネ・ドフォッセ(指)ナウム・スルスニー(P)、
エリック・フェルブッシュ(Vc)

録音:1928年−1977年
神童としてキャリアを開始したヴァン・ネストが14歳でColumbiaに残したデビュー録音と、ベルギーの放送局RTBFに残したライヴ音源、そしてEMI音源からは、ベルギーのエリザベート王妃の名を冠されたTrio Reine Elisabeth de Belgique(ベルギー・エリザベート王妃トリオ)によるブラームスのピアノ三重奏曲集全曲(作品番号なしの遺作「第4番イ長調」含む)を収録。RTBF音源の協奏曲集では、アンリ・ヴュータン(1820−1881)やウジェーヌ・イザイ(1858−1931)を始め、シャルル=オーギュスト・ド・ベリオ(1802−1870)、フランシス・ド・ブルギニョン(1890−1961)、フレデリック・デヴリーゼ(1929−)、アンリ=ジャック・ド・クロス(1705−1786)、そしてトリオのメンバーでもあるエリック・フェルブッシュ(1922−2007)と、世界初録音を含む知られざる作品まで、ベルギーのヴァイオリン協奏曲を一望できます。

WERGO
WER-6755
(1SACD)
ロルフ・リーム:作品集
Hamamuth-天使の街
この子供たちは誰だ?*
ニコラス・ホッジ(P)
ビート・フラー(指)
バーデンバーデン&フライブルクSWR響

録音:2012、2009*
※2作品とも世界初録音
ロルフ・リームは、1937年ドイツ生まれの作曲家。作曲家のツィンマーマンに認められ、ツェンダーと共にフランクフルト音楽大学の作曲家の教授を 務めました。天使の街は、TVなどで放送されていたイラク戦争で破壊された街のこと。鋭いアクセントや、軍隊を思わせるような機械的なリズムなど、 暴力的ともいえるエネルギーに満ちた作品です。戦争に対してのアーティストとしての反対表明ともいえる作品です。「この子供たちは誰だ?」も政治的色 合いのある作品。2作品ともドナウエッシンゲン音楽祭で初演されています。 (Ki)


Alba
ABCD-356
(1SACD)
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
ヤンネ・メルタネン(P)
ハンヌ・コイヴラ(指)イェヴレSO

録音:2012年
“豪放かつ繊細!!名手メルタネンのグリーグ&シューマン”
ショパンの協奏曲でも絶妙なコンビネーションを見せたメルタネン&コイヴラが,ここでも心に迫る名演を展開!特にグリーグは、細部に至るまで溢れかえる共感をギュッと閉じ込めて、メルタネンの周到なピアニズムが余すことなく飛翔。
第1楽章冒頭から、メルタネンの豪放かつ繊細なタッチに魅了されます。第2主題の美音には浸透力のあるロマンティシズムに溢れ、後半カデンツァでは改めてニュアンスの幅の広さに驚愕。テーマ再現以降の神秘性を伴う盛り上がりは特に聴きものです。第2楽章の内省的な美しさが、ピアニストとピアノとの対話にとどまらず、確実に聴き手へ向かって語り語り掛けてくるというのも他にあまり例を見ません。終楽章は玉を転がすようなタッチの流麗さとダイナミズムが完全融合!
シューマンも同様の傾向を示しますが、中でも終楽章の独特のリズムの弾ませ方にご注目を。
そして、単なる伴奏の域を超えたコイヴラの指揮の入念なニュアンス表出も忘れられません。 【湧々堂】


Hyperion
CDA-67917(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 Op.104
私にかまわないで Op.82-1(レオポルド編)
チェロ協奏曲ロ短調 Op.104のオリジナル・エンディング
チェロ協奏曲イ長調 B.10(ギュンター・ラファエル校訂)
スティーヴン・イッサーリス(Vc)
ダニエル・ハーディング(指)
マーラー室内O

録音:2012年10月20日−21日、テアトロ・コムナーレ・ディ・フェラーラ(イタリア)
“民族色に頼らず、熱きロマンを爆発させた感動作!”
名手イッサーリスが満を持して録音に踏み切った「ドヴォコン」。構えが大きく、男性的な力感を全面に出した怪演です!一方で詩のセンスも抜群で、第1楽章第2主題は、極端に音量を落としてすすり泣く演奏とは対照的。ガット弦の魅力の相俟って懐の大きさを感じさせる愛に溢れ、一瞬のポルタメントも媚びたものではなく、粋な微笑みとして伝わります。とにかくニュアンスに曖昧さが一切付きまとわないのです。
第2楽章でも音楽への没入の熱さは変わらず、今まで溜め込んでいた情念を惜しげもなく放出。しかし、圧巻は終楽章!冒頭のテーマを完璧なイン・テンポで貫き通すカッコ良さにノックアウト!その決然とした闘志と、カンタービレのコントラストは何度聴いても絶妙。音楽全体がローカル色以外の抑えがたいロマンの爆発として迫る演奏には滅多に出会えません。
「私にかまわないで Op.82-1」は、チェロ協奏曲第2楽章中間部のテーマに引用された歌曲。ドヴォルザークが若き日に想いを寄せていたヨセフィーナ・カウニッツ伯爵夫人(ドヴォルザークの妻の姉)が重病であると聞いて引用を決意したと言われています。曲の完成後に彼女は亡くなり、第3楽章コーダを改定。それが、その歌曲の再現を含む現在演奏されているバージョンですが、トラック5には改定前のヴァージョンを収録(かなり唐突な締めくくり)。
チェロ協奏曲イ長調 B.10は、1865年の習作で、オーケストレーションも未完成。ここでは、ギュンター・ラファエル校訂による完成版が演奏されています。【湧々堂】


東武レコーディングズ
TBRCD-0020(1CD)
ゲルハルト・ヘッツェル/日本ライヴ
ブラームス:ヴァオリン協奏曲*
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
ゲルハルト・ヘッツェル(Vn)
渡邉曉雄(指)東京都SO*
ハインツ・レークナー(指)読売日本SO

録音:1988年3月16日サントリーホール(デジタル・ライヴ)* 、1988年3月14日東京文化会館(ステレオ・ライヴ )
サウンド・マスタリング:WEITBLICK
“遂に出現!ヘッツェル極めつけのソロ録音!”
ヘッツェル未亡人の快諾を得てのこのリリースは、その人気に反してソロ録音が極端に少ない中でまさにファン垂涎の一枚ですが、出てくる音は期待を大きく上回る感動の連続です!
ブラームスは粘着質にうねりを利かせる重苦しさとは無縁で、すっきりと洗練されたフォルムを携え、一途に気迫を漲らせます。テクニックは万全で、ヴィブラートの美しさも格別。第1楽章カデンツァ後は、渡邉曉雄が築く深遠な響きに身を委ねつつ、凛とした居住まいを崩さずに、音楽を聴き手にしっかり根付かせようとする意思を最後まで貫徹させるのです。終楽章は弓圧に頼らず、あくまでも熱い共感から発する気力とオケとの一体感の素晴らしいこと!
迫に心打たれます。
モーツァルトは一層伸び伸びと音楽を羽ばたかせますが、持ち前の「媚びない美音」はここでも格別な魅力を放ちます。第1楽章開部の陰影は深さに触れると、これほどの名曲だったかと認識を新たにし、第2楽章の弱音に頼らない克明な旋律表出には憧れが一杯。終楽章では、いよいよこの演奏が同曲の最高峰に位置する名演奏であることを確信!どのフレーズをとっても思慮深い裏付けが感じられ、音楽自体は終始瑞々しく息づき、オケとの協調にも幸せな空気が流れる、そんな演奏はめったに聴けません。しかも優秀録音。 【湧々堂】


LAWO Classics
LWC-1039(1CD)
ミュージック・フォー・ブルー・デイズ〜チューバのための作品集
フォン・コック:チューバ協奏曲
ヴォーン・ウィリアムズ:チューバ協奏曲
オーゴール=ニルセン:チューバ協奏曲「フェンリルの叫び」、
 チューバとハープのための「ミュージック・フォー・ブルー・デイズ」
アイリク・イェルデヴィーク(Tub)
ビョルン・ブライスタイン(指)プレヴェンPO
アンネケ・ホドネット(Hp)

録音:2011年9月&2012年4月
PJBE、LSOで活躍したイギリスの世界的名手ジョン・フレッチャーの薫陶を受けたノルウェーのチュービスト、アイリク・イェルデヴィークのコンチェルト・アルバム!
1996年からノルウェー軍西部音楽隊(FMKV)に所属するイェルデヴィークの伸びやかなハイトーン、見事なテクニック、そして低音金管の魅力である頼りになる分厚い音色は、まさに北欧の名手と呼ぶに相応しい。リンドベルイやアントンセン、ボズヴィクなど、世界トップレベルの金管奏者を生み出してきた北欧から届くチューバ・コンチェルト・アルバム。低音の魅力にハマって下さい!

THE MASTERCLASS MEDIA FOUNDATION
MMF4-044(DVD)
ボリス・クシュニール/ヴェルビエ音楽祭アカデミー
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番K218(第1&2楽章)
生徒:マイア・カベサ(Vn)
アルブレヒト・メンツェル(Vn)
1948年キエフ生まれのヴァイオリニスト、ボリス・クシュニール。モスクワ音楽院でボリス・ベレンキー、室内楽をボロディン弦楽四重奏団のワレンチン・ ベルリンスキーに師事。数々の世界的コンクールで受賞し、ショスタコーヴィチやオイストラフとも親交があり彼の音楽性に大きな影響を与えています。ソ リストとしてはもちろん室内楽奏者としても活躍し、モスクワ弦楽四重奏団(1970)、ウィーン・シューベルト・トリオ(1984)、ウィーン・ブラームス・ トリオ(1993)、コペルマン弦楽四重奏団(2002)を創設しています。また指導者としても高く評価され現在はウィーン音楽院の教授を務め、彼の弟子 としてジュリアン・ラクリン、ニコライ・スナイダーなどがいます。また世界中でマスタークラスを開催しており、この映像に収められているヴェルビエ音楽 祭アカデミーでも毎年行っています。 ここではモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番の第1&第2楽章を取り上げています。技巧的なカデンツァを有した楽曲で、充実した内容のレッス ンを展開しています。生徒は日本生まれのトロント育ち、ブエノス・アイレス国際ヴァイオリン・コンクール優勝など数々の受賞歴を持つマイア・カベサ。 2010年モスクワのオイストラフ国際ヴァイオリン・コンクールで第3位を獲得したアルブレヒト・メンツェル。 (Ki)

DACAPO
MAR-6.220567(1SACD)
アンディ・ペイプ:デンマークのアメリカ人
デンマークのアメリカ人(2003)
郊外のナイトメア(2006)
失われた時間の痕跡(1998/2011)
カール・ボイエ・ハンセン(Tub)
モルテン・エステルゴー(Fg)
ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指)
オーデンセSO

録音:2011年10月3-7日オーデンセ・コンサート・ホール
ハリウッド生まれの作曲家アンディ・ペイプ(1955-)の作品集です。彼は1971年から北欧の小さな田舎町に住み、デンマークで学んでいます。このアルバムのタイトル「デンマークのアメリカ人」はまさに彼自身の事ですが(勿論ガーシュウインも意識しているのは間違いありません)、作品はユーモアをたたえた華麗な管弦楽法を駆使した素晴らしいものとなっています。世界初録音となるテューバ協奏曲「郊外のナイトメア」とファゴット協奏曲「失われた時間の痕跡」を併録しています。活発な音の動きを素晴らしい録音で。
DACAPO
MAR-8.226076(1CD)
マグヌス・リンドベルイ:オーケストラのための「EXPO」(2009)
ピアノ協奏曲第2番(2011-2012)*
オーケストラのための「アル・ラルゴ」
(2009-2010)
イェフィム・ブロンフマン(P)*
アラン・ギルバート(指)NYO

録音:2009年9月16日
2012年5月3日
2010年6月23日
このアルバムは、ニューヨーク・フィルの音楽監督であるアラン・ギルバートのために、現代北欧の最強作曲家リンドベルイ(1958-)が曲を書いたものです。どれもが世界初録音であり、とりわけ「EXPO」はギルバートが、2009年に音楽監督としての最初のコンサートで演奏した作品です。ピアノ協奏曲第2番は、華麗な技巧を駆使した作品で、ロシア系イスラエルのピアニスト、ブロンフマンが独奏を担当、素晴らしい効果をあげています。もう一つの「アラ・ラルゴ」はリンドベルイのオーケストレーションの才能を示す色彩豊かな作品です。

Laborie
LC-07(1CD)
リラ・オルガニザータ第2弾
ハイドン:ノットゥルノ第1番 Hob.II:25 ハ長調〔2 リラ、2Cl、2Hrn、2Vla、bc〕(1790)
作曲者不詳 ( 伝:モーツァルト):ふたつのリラ・オルガニザータのための協奏曲 ヘ長調〔2Hrn、弦〕
ハイドン:ノットゥルノ第2番 Hob.II: 26 ヘ長調〔2 リラ、2Cl、2Hrn、2Vla、BC〕(1788/90?)
ヴィンチェンツォ・オルジターノ:シンフォニア第3番 ニ長調〔2Vn, 2Vla, 2Vc, Cb, Cem, Fg, 2リラ、2Ob, 2Cl, 2Hrn, BC〕(1786)
ハイドン:リラ・オルガニザータのための協奏曲第3番 ト長調 Hob.VIIh:03〔2 リラ、2Vn, 2Vla, BC, 2Hrn〕(1786)
プレイエル:2つのリラ・オルガニザータのためのノットゥルノ.ハ長調 B.202.5〔2 リラ, 2Cl, 2Hrn, 2Vla, BC〕(1785)
クリストフ・コワン(Vc,指)
リモージュ・バロック・アンサンブル
マティアス・ロイプナー、
ティエリー・ヌア、トビーミラー

録音:2009年9月
コワン率いるリモージュ・バロック・アンサンブル、待望の新譜の登場。好評だったLC 03に続き、ハイドンが愛した楽器リラ・オルガニザータ作品集 です!「ナポリのリラ」とタイトルにあるのは、ナポリの王、フェルディナント4 世がこの楽器を愛していたから。ハイドンもまたリラ・オルガニザータを愛し、 この楽器を含む5曲の協奏曲と8つのノットゥルノを書いたほど。第2作となる本アルバムでは、ハイドンの作品のほか、伝モーツァルトの愛らしい作品 を収録するなど、さらに興味深いプログラミングとなっています。リモージュ・バロック・アンサンブルの奏でる典雅な音色のアンサンブルにのって、ホコ ホコした独特の音色を出す不思議な楽器、リラ・オルガニザータが華麗に活躍します。 ≪リラ・オルガニザータ≫ ハーディ・ガーディとオルガン、二つの楽器のあいのこのような楽器。L 字型ハンドルを回して、弦を動かし、同時にパイプを鳴らすフイゴも動かします。 鍵盤は、張ってある弦に対してはヴァイオリンの弓のような役割をします(音を出し、音程を変える。しかし、実際に動くのはハンドル動力による弦)。同 時に鍵盤は木製パイプに通じていて、オルガンのような要素もあります。その音色は、ポコポコしたオルガンのような、木管楽器と弦楽器の中間のような、 不思議な魅力に満ちています。現代でいうマルトノのような、テルミンのような、奏法をマスターするのがかなり困難な楽器であることは間違いありません。 (Ki)

Capriccio
C-5156D(2CD)
カステルヌォーヴォ=テデスコ:ピアノ協奏曲・ピアノ作品集
ピアノ協奏曲第1番ト長調Op.46(1927)
ピアノ協奏曲第2番ヘ長調Op.92(1936/37)
マーメイドと脂っこい魚Op.18
仙人草と西洋山査子Op.21
船乗りOp.13/海藻Op.12
ダビデ王の舞曲Op.37/楽しみOp.54
2つの映像のための習作Op.67
波Op.86
パデレフスキーへのオマージュ
ピエトロ・マッサ(P)
シュテファン・マルツェフ(指)
ノイブランデンブルクPO

録音:2010年11月11日ノイブランデンブルクコンチェルトキルヒェライブ
日本では、どうしても「ギター音楽」の作曲家としか認識されていないカステルヌオーヴォ=テデスコ。しかし彼が目指したものは、偉大な文学との融合であったり、自らのルーツであるユダヤ音楽へのオマージュであったりと、多種多様なものだったのです。映画音楽家としても目覚ましい活躍をした彼、この作品集のなかの「2つの映像のための習作」で、その輝きを知ることが可能でしょう。そして2曲のピアノ協奏曲の素晴らしいこと!華麗な響きもさることながら、全体に横溢する親しみやすさと、底抜けの明るさと超絶技巧。これを聴いてしまったらもう「ギターの作曲家」とは言えなくなること間違いなしです。

ELOQUENTIA
EL-1340(1CD)
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲op.15
ヨナタン・ベルゲル(b.1954):Liyeh
(ヴァイオリン、ツィンバロン、打楽器と弦楽オーケストラのための)*
リヴィア・ゾーン(Vn)
ルイジ・ピオヴァノ(指)マッルチーノ・ディ・キエーティ劇場O
リヴィア・ゾーン(Vn)*、
ヤン・ロキタ(ツィンバロン)*
ヘンク・ギッタルト(指)バンフ・センターCO*

録音:2010年5月(ライヴ、イタリア)
2007年2月(ライヴ、バンフ)*
ブリテンの協奏曲は、ブリテンの作品の中でも屈指の名曲。1938年頃から書き始められ、1939年に完成しました。スペイン内戦や、ナチが台頭して いた頃で、平和を愛し、ファシズムをきらったブリテンが、反戦の思いを込めて作曲したと言われています。
第1楽章は、調性感のない冒頭にはじまり、その後も調と無調の間をさまようように書かれており、不安な感じが表されています。曲がすすむにつれて 現れる激しいパッセージが印象的です。第2楽章は拍子が安定せず、律動的ではありますが、やはり聴き手は常に不安感をおぼえてしまいます。第3楽 章はパッサカリアの部分(繰り返されるバス定形は常に同じかたちではありません)を経て、やはり長調なのか短調なのかあいまいなまま曲が閉じられます。 この作品は1940年に初演(バルビローリ指揮、フィルハーモニア管)されました。その初演ヴァイオリニストはアントニオ・ブローサ、フランコ政権か ら逃れた音楽化の一人でした(1936年、スペイン内線が起こる直前、ブリテンは彼と共演したこともありました)。チェロ奏者として来日も多いピオヴァ ノが指揮をつとめます。
2曲目に収録されているのは、1954年生まれの作曲家ベルゲルによって作曲されたものですが、今なお諍いの続く世界を危惧し、ブリテンと同様、ベ ルゲルが反戦と平和への願いを込めて書いたものです。ベルゲルはニューヨークに育ち、イスラエルで音楽教育を受けました。Jiyehとはレバノンの海岸 ぞいの町で、イスラエルの戦火の影響でロケットが街の石油タンクを直撃、20000トンの原油が海に流出したという事故があった町。ベルゲルはこの事 件当時エルサレムにいて、この報道を聞き、この作品を書きました。原油が海に流出する様が描かれる様子から始まり、悲劇的な終末をむかえます。
リヴィア・ゾーン(ヴァイオリン) 13歳でメニューイン国際ヴァイオリンコンクールに優勝(聴衆賞受賞)。ジュリアードのプレ・カレッジに7歳から参加、ドロシー・ディレイ、ヒョー・カ ンに師事。その後ジュリアード音楽院に入学、室内楽をフェリックス・ガリミールに師事。2005年から、スタンフォード大学の音楽部門で後進の指導にあたっ ている。

MN RECORDS
MNRCD-205(3CD)
マイケル・ナイマン〜COLLABORATIONS
■CD1(MNRCD 116)
「The Glare」
デイヴィッド・マッカルモン&マイケル・ナイマンによるSongs
1. Take the Money and Run
2. Secrets, Accusations and Charges
3. City of Turin
4. Friendly Fire 
5. In Rai Don Giovanni 6. In Laos
7. Going to America
8. Fever Stick and Bones
9. A Great Day in Kathmandu
10. Underneath the Hessian Bags
11. The Glare

■CD2 (MNRCD 117)
(1)イン・Re ドン・ジョヴァンニ(+ナイジェル・バール)
(2)Knowing the Ropes(+マイケル・ナイマン、ナイジェル・バール)
(3)Trysting Fields (「数に溺れて」より)
(4)ウェディング・タンゴ(+マイケル・ナイマン、ナイジェル・バール)
(5)Come Unto These Yellow Sands
(6)If(+マイケル・ナイマン)
(7)羊飼いにまかせとけ(+マイケル・ナイマン)
(8)悲しみを希う心(マイケル・ナイマン・ピアノソロ)
(9)ミランダ(+マイケル・ナイマン、ナイジェル・バール)
(10)サイレンス

■CD3(原盤:MNRCD 119)
マイケル・ナイマン:サンガム
(1)「雨を描写する3つの方法」〜Sawant(ファースト・レイン)、Rang(自然の色)、Dhyant(瞑想)
(2)Samhitha(色を集める)
■CD1(MNRCD 116)
マイケル・ナイマン・バンド&デイヴィッド・マッカルモン
録音:2008年

■CD2 (MNRCD 117)
モーション・トリオ,マイケル・ナイマン、ナイジェル・バール,録音:2009年9月

■CD3(原盤:MNRCD 119)
マイケル・ナイマン(指)、
マイケル・ナイマン・バンド,声/ラヤン・ミスラ、サヤン・ミスラ他,電子マンドリン/U.シュリニヴァス
録音:2002年
ナイマンが、マッカルモン、モーション・トリオ、ミスラ一族とコラボレーションしたディスクをまとめたボックス。ナイマンの果てしない創造性に驚嘆さ せられる内容です。

ココロ・レコード
KKR-005(1CD)
三木稔:三味線協奏曲(2008) 野澤徹也(三味線)
澤田由香(篠笛)、高橋聡子(笙)
山口賢治(尺八T)、
阿部大輔(尺八U)、
櫻木亜木子(琵琶)、
松村エリナ(二十絃筝T)、
桑子裕子(二十絃筝U)、
小林導恵(十七絃筝U)、
若月宣宏(打楽器T)、
片岡寛晶(打楽器U)
「三味線協奏曲」は11 番目の協奏曲になる。オーラJ に飛び込んできた野澤徹也という、若く、無限の将来性を宿した、スケールの大きなソリストを身近に得、彼が弾き CD 化した私のすべての三味線作品への真摯なアプローチに感動して、はじめて三味線の協奏曲を書く意欲をかき立てられていた、自分でも待望の作品である。(中略)このコンチェルトは他の協奏曲とはやや趣を異にし、一気呵成の感覚を繰り返すイメージを当初から大事にして書き進めた。速いテンポの「三下り」で始まる曲は、途中十七絃と鼓の掛け合うあたりで一旦落ち着くが、やがて一気のムードに立ち返り、諧謔のふざけととられそうな断片をテンポに乗せて見せる。笙が入ると再び落ち着いて三味線は「二上り」に転じ、各楽器の掛け合いを楽しみながら、とどまること無く階段を上っていく。(三木稔)

DACAPO
MAR-6.220599
(1SACD)
ヴァーフン・ホルンボー:協奏曲集
ヴィオラ協奏曲Op.189(1992)
管弦楽のための協奏曲(1929)*
ヴァイオリン協奏曲第2番Op.139(1979)
エーリク・ヘイド(Vn)
ラーシュ・アネルス・トムテル(Va)
デマ・スロボデニューク(指)
ノールショッピングSO

録音:2011年6月13-17日スウェーデンノールショッピングデ・ゲールハレン

※世界初録音(*は世界初演)
ホルンボーの作風はあまりにも多岐に渡っているため、全てを一言で語ることは難しく、時として、その作品が不当に見過ごされてしまっていることもあるようです。ソロ楽器を伴う協奏曲もそんなジャンルの一つであり、この3つの作品の中の「管弦楽のための協奏曲」は今まで演奏されたことすらありません。ヴィオラ協奏曲は彼の晩年の作品で、イスラエルの名手リヴカ・ゴラーニのために書かれています。管弦楽のための協奏曲は、ヒンデミットとルトスワフスキの同名曲にも勝るとも劣らない見事な音楽。そして古典的な形式で書かれたヴァイオリン協奏曲も傑作です。

Discovery
DMV-104(1CD)
ガニング:協奏曲集
ギター協奏曲「マヨルカの思い出」
クラリネット協奏曲/フルート小協奏曲
クレイグ・オグデン(G)、
マイケル・ホワイト(Cl)、
キャスリン・ハンドリー(Fl)、
クリストファー・ガニング(指)ロイヤルPO

録音:2011年6月&2012年5月
「ギター協奏曲」ではクレイグ・オグデン、「クラリネット協奏曲」ではRPO首席のマイケル・ホワイト、「フルート協奏曲」ではイギリスSOのキャスリン・ハンドリーなど、実力者たちをソリストに起用。映画&テレビの音楽の作曲家として名を馳せるクリストファー・ガニングの"クラシックの作曲家"としての手腕。ラッブラやR.R.ベネットから学んだ作曲法はホンモノです。


オクタヴィア
DGY-001(1CD)
ディーリアス:春初めてのカッコウの声を聴いて
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
ショパン:ピアノ協奏曲第1番〜第2楽章
ドヴォルザーク:チェコ組曲Op.39

■特典DVD
メイキング オブCD(スペイン)
イングリット・フジコ・ヘミング(P)
トビアス・ゴスマン(指)
スペイン・カメラータ21オーケストラ

録音:2012年/スペイン
※アーティストの希望により解説書は英文のみの掲載。
フジコ・ヘミングの飄々とした居住まいの中に温かな慈愛を感じさせるピアニズムはここでも健在!音楽に対するスタンスはショパンでもモーツァルトでも同じ。自己顕示など眼中に無く、先を急がず、ただ一途に楽音を紡ぎことだけ専心する姿勢にモーツァルトの音楽が全面的に味方して得も言われぬ味わいを醸し出します。厳格な拍節感からすれば微妙に遅れ気味に打鍵されることによる味わいは誰にも真似のできない芸当。第1楽章第2主題以降の一音一音を噛み締めるようなタッチを聴くと、これ以上何も望めなくなります。第2楽章もゆったりテンポを貫徹し瞑想的雰囲気。呼吸が本物なので音の隙間に虚しい風が吹き抜けるなど一切なし。白眉は終楽章!更に標準的テンポよりもかなり遅めですが、これこそがミソ!フジコ・ヘミングが感じるテンポとモーツァルトが最も生きるテンポが見事に合致していという奇跡的な現象と言うしかありません。頑固さを内に秘めたこの一途な音の紡ぎ出しに心惹かれない人などいるでしょうか?
アンコール風に挿入されたショパンも涙モノ!全曲録音を熱望さずにはいられません。
忘れてならないのは、盟友トビアス・ゴスマン率いるスペイン・カメラータ21オーケストラの素晴らしさ!フジコ・ヘミングの音楽と同じ音の質感、呼吸感を完全に共有しており、モーツァルトの第2楽章など、決してムーディに陥らず陰影に飛んだニュアンスを醸し出すとは驚きです。
ディーリアスも聴きもの。英国系オケによる無色透明な響きとは異なる程よい厚みが心に染みます。【湧々堂】

Goodies
78CDR-3422(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
(カデンツァ: モーツァルト)
キャスリーン・ロング(P)
ボイド・ニール(指)ナショナルSO

(1944年12月14日ロンドン、キングスウェイ・ホール録音)
キャスリーン・ロング(1896-1968)はロンドン郊外のベントフォードに生まれたイギリスのピアニスト。神童として名を馳せ8歳で公開演奏会で弾いた。1915にロンドンのエオリアン・ホールでデビューした。1920年から1964年まで母校の王立音楽カレッジで教鞭をとった。モーツァルト、ハイドン、ハッハなどの作品を得意とし、英DECCA にレコードを残している。指揮者のボイド・ニール(1905-1981)はイギリス生まれ。外科医師から音楽家に転向し、1932年自らの名を冠した室内オーケストラを指揮してエオリアン・ホールでデビューし、その後DECCAと契約して活躍した。ナショナル交響楽団は指揮者のシドニー・ビーアが創立したオーケストラで、DECCAに多くの録音があった。このシリーズではDECCAのffrr録音の第1号になったビーア指揮のチャイコフスキー:交響曲第5番(第2楽章のソロホルンがデニス・ブレイン)(1944年6月8日キングスウェイ・ホール録音)(78CDR-3158)が出ている。(Goodies)
ロングのピアノは実に端正で内省的。優しい母性を感じずにはいられません。誇張は一切無く、殆ど何もしていないようでいて終始微笑みかける音楽性はこの作品との相性も抜群。ニール率いいるオケのシルキーな響きも心がとろけます!【湧々堂】

Phono Suecia
PSCD-188(1CD)
スウェーデンのソプラノ・サクソフォン協奏曲集
マッティンソン:ソプラノ・サクソフォン協奏曲第1番「ゴールデン・ハーモニー」
スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム:ソプラノ・サクソフォンとシンフォニック・バンドのための「4つの小品」*
エリーアソン:ソプラノ・サクソフォンと弦楽オーケストラのための協奏曲**
アンデシュ・パウルソン(ソプラノSax)
クリストフ・アルトシュテット(指)ノールランド歌劇場SO、
トビアス・リングボリ(指)ヘルシンボリSO*
ユハンネス・グスタフソン(指)ノールショピングSO**

録音:2011年−2012年
アンデシュ・パウルソンは、フランスでジャン=マリー・ロンデックスに、アメリカでジョセフ・アラードとボブ・ミンツァーに師事し、クラシック、ジャズ、コンテンポラリー、ワールド・ミュージックなど、幅広いジャンルで活躍するスウェーデンのソプラノ・サクソフォニスト。スウェーデン作曲界の中心的存在、ロルフ・マッティンソン、スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム、アンデシュ・エリアソンの「ソプラノ・サクソフォン協奏曲」を、磨き抜かれた音色、限界を感じさせないハイトーン、高度な即興力で奏でます。


オクタヴィア
OVCL-00491
(1SACD)
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調Op.26
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調Op.18*
小林美樹(Vn)
宮本文昭(指)東京シティPO
松本和将(P)*

録音 2012年5月26日 東京・ティアラこうとう・ライヴ
2012年12月12-13日 東京・稲城iプラザ*
“名作、R・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタに新たな光!”
小林美樹第2弾アルバム。ブルッフでは、些細な装飾音も丁寧に音化するなど弾き崩を廃した楷書風の進行を基調ととしながらも、ふと顔を出すポルタメントには品位が漂い、単に教科書的再現にとどまらない安定的なニュアンス表出に唸らされます。特に音程の正確さも特筆もので、ライヴ録音であることなど忘れるほどですが、技巧に任せる素振りは一切なし。終楽章後半ではスタッカートの強靭さに見られるようにヴォルテージは次第に高まり宮本文昭の指揮とともに手応え十分!
しかしそれ以上に素晴らしいのがR・シュトラウス!ハイフェッツ、シュナイダーハンなどの名手も手掛けながら一向にメジャーにならない、ヴァイオリンソナタの最高傑作の一つです。「ドン・ファン」を発表する直前に書かれたこの力作には、ブラームス的な佇まい後期ロマン派の爛熟味が渾然一体となっていますが、小林美樹はその持ち味を余すところなく再現。ピアノも単なる添え物ではない表現を貫徹することで、確信に満ちた名演奏に結実しています。特に、一度聴いたら誰でも心奪われるであろう第2楽章の可憐な歌、中間部の心底湧き上がる高揚感の対比ぶり、終楽章コーダでの火花散る燃焼の何と見事なこと!【湧々堂】

Capriccio
C-5139D(1CD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.VIIb:1
チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VIIb:2
ハリエット・クリーフ(Vc)
クラウディウス・トラウンフェルナー(指)
ウィーン室内PO

録音:2012年3-4月ライディングリスト・コンチェルト・ホール
ハイドンのチェロ協奏曲は、全部で6曲あるとされていますが、現在「真作」と認定されているのは、この1番と2番の作品だけで、あとは偽作であるか、紛失してしまっているのが現状です。この2曲はスコアが発見されたのは1950年代以降ですが、真作、偽作に拘わらずとも、多くの演奏家が取り上げる人気曲であり、溌剌とした曲想が素晴らしい意欲的な名作として知られています。デビュー盤であるフランスの作品集(C5131)での、高い音楽性と技術が評判となっている若手チェリスト、ハリエット・クリーフの2枚目のアルバムは、ハイドンの協奏曲です。1991年オランダ生まれのクリーフは、まだウィーンで勉学に励んでいるのですが、既に確立された芸術家として認められている逸材です。このハイドンの協奏曲も揺るぎない信念に裏打ちされた表現力と、滴り落ちるような美音に満たされた魅力的な演奏であり、これからの彼女の将来を予見させる見事なアルバムです。

DUTTON
CDLX-7284(1CD)
ライオネル・センズベリー(1958-):チェロ協奏曲 Op.27(1999)*
ジョン・フォウルズ(1880-1939):チェロ協奏曲ト長調 Op.17(1908-1909)+
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
マーティン・イェーツ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO*
ボーンマスSO+

録音:2011年5月25日RSNOセンター・ヘンリー・ウッド・ホール・グラスゴー、イギリス*
2011年6月30日ライトハウス・プール、ドーセット、イギリス+

世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7286(1CD)
クリストファー・ライト(1954-):モメントゥム(2008)*
 ヴァイリン協奏曲「そして静寂が訪れた…」(2010)+
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番(ピーター・ホートン校訂新版;2008)#
フェネッラ・ハンフリーズ(Vn)+
クリストファー・ワトソン(T)+
マーティン・イェーツ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO(*/+)
ボーンマスSO#

録音:2011年5月24日RSNOセンター、ヘンリー・ウッド・ホール &2011年8月2日ロイヤル・コンサートホール、グラスゴー、イギリス(*/+)
2011年7月1日ライトハウス、プール、ドーセット、イギリス#

(*/+)世界初録音、#新版による世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7287(1CD)
ゲオルギー・カトゥアール(1861-1926):ピアノ協奏曲 Op.21(1909)
パーシー・シャーウッド(1866-1939):ピアノ協奏曲第2番変ホ長調(1932-1933)
竹之内博明(P)
マーティン・イェーツ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2011年8月3-4日、ロイヤル・コンサートホール、グラスゴー、イギリス

世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7290(1CD)
ジョン・マッケイブ:あまつばめ(2つのヴァイオリンと弦楽合奏の為の協奏曲(2003)
多雨林 II(トランペットと弦楽の為の;1987)*
多雨林 I(室内アンサンブルの為の;1984)+
キャラバン(弦楽合奏の為の;1987-1988/改訂:2011)
レトリカ*
ハリエット・マッケンジー、フィリッパ・モー(Vn)
アンジェラ・ウェラン(Tp)*
オーケストラ・ノーヴァ(+以外)
オーケストラ・ノーヴァ・アンサンブル+
ジョージ・ヴァス(指)

録音:2012年2月22-23日、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン、イギリス

世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7291(1CD)
バンジャマン・ゴダール(1849-1882):ピアノ協奏曲第2番 Op.148(1893)
ペルシャ幻想曲 Op.152(1893)
歌劇「ジョスラン」Op.100(1887)〜組曲第1番[前奏曲,間奏曲「山の中で」,カリヨン]
組曲第2番[ 鷲の洞窟の前奏曲,子守歌+,舞踏会の場面]
ヴィクター・サンジョルジョ(P)*
アレクセイ・キセリョフ(Vc)+
マーティン・イェーツ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2012年5月17-18日、ロイヤル・コンサートホール、グラスゴー、イギリス

+以外世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7292(1CD)
セシリア・マクドウォール(1951-):グレート・ヒルズ(ヴァイオリン、2つのフルートと弦楽合奏の為のコンチェルタント;2007)*
橋を渡って(弦楽合奏の為の;2011)+
海上予報(混声合唱、朗読と弦楽合奏の為の;2011)#
パヴァーヌ(室内管弦楽の為の;1999/管弦楽版;2004)**
雨、蒸気、速度(室内管弦楽の為の;2006)**
タンゴの劇場(バリトン、ヴァイオリンと室内管弦楽の為の;2011)++
マデリーン・イーストン(Vn)*
キャスリン・トマス、ジョアンナ・ショー(Fl)*
アンドルー・ホブデイ(朗読#)
オックスフォード・マートン・カレッジ聖歌隊#
オーケストラ・ノーヴァ(*/+/#)
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムズ(Br)++
タマーシュ・コチシュ(Vn)++
アルスターO(**/++)
ジョージ・ヴァス(指)

録音:2011年9月15日、アルスター・ホール、ベルファスト、北アイルランド、イギリス(**/++)
2012年2月4日、殉教者聖サイラス教会、ケンティッシュ・タウン、ロンドン、イギリス(*/+/#)

世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7296(1CD)
ブライアン(1876-1972):ヴァイオリン協奏曲ハ長調(1934-1935)*
交響曲第13番ハ長調(1959)+
イギリス組曲第4番「幼稚園」(1921)#
ロレイン・マクアスラン(Vn)*
マーティン・ブラビンズ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2012年5月31日、6月1日、RNSOセンター、ヘンリー・ウッド・ホール、グラスゴー、イギリス

+世界初録音、#初デジタル録音と表示されています。

SWEDISH SOCIETY
SSACD-1145(2SACD)
トビアス・ブルーストレム(1978-):管弦楽作品集
ピアノ協奏曲「ベル・エポック」(ピアノと弦楽合奏ための;2010-2011)*
万華鏡(管弦楽の為の;2008)
ヴァイオリン協奏曲(2008)+
地下鉄(管弦楽の為の;2007)
ルチェルナリス(トランペット、ライヴエレクトロニクスと管弦楽の為の協奏曲;2009)#
ペール・テングストランド(P)*
五明カレン(Vn)+
ホーカン・ハーデンベルガー(Tp)#
ユハンネス・グスタフソン(指)イェヴレSO

録音:2010年10月18日-22日、2011年6月7日-10日、イェヴレ・ホール、イェヴレ、スウェーデン


ELECT
ERT-1009(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番
 シャコンヌ(BWV.1004より)*
ヘンリク・シェリング(Vn)
ヨシフ・コンタ(指)ルーマニア国立RSO

録音:1961年9月18日、1961年9月13日(共にジョルジュ・エネスコ国際音楽祭・ステレオ・ライヴ)
※CD日本プレス。英語、日本語によるライナーノート付。
“途絶えない緊張と集中力!絶頂期のシェリングのステレオ・ライヴ!”
ベートーヴェンは、S=イッセルシュテットとの録音(1965年)とほぼ同時期の録音だけあって気力十分。シェリングは「美音を売りにしない」と言われますが、これを聴くとその音色自体も音楽的な魅力に溢れ、端正な構築力と共に気品に満ちたニュアンスの土台を形成していることを再認識させられます。展開部11:02からの切ないフレーズでは安易なピアニッシモは用いず、続く12:21からやっと深く甘い感傷を伝えますが、音楽の芯はあくまでも強靭に保持。第2楽章も十分に哀愁を湛えながら曖昧さを許さず、全ての音符が克明に描かれますが、音楽は豊かで伸びやか。終楽章は、オケの導入に続く1:03からのシェリングの音の跳躍のさせ方に象徴されるように、気合をひけらかすような痛快さとは無縁の凝縮度の高い音楽の炙り出しに御注目を。
バッハももちろん名演奏。とにかくイン・テンポからこれだけ豊かなニュアンスが放たれることに驚きを禁じえませんが、その佇まいを維持するための緊張と集中、体内の深部での呼吸の深さによって、音楽が一貫して瑞々しく響き続けるのです。
録音も、1960年代の東欧のライヴ録音ということを考えると、この明瞭な音質は奇跡的と言えましょう。

RPR
RP-008(2CDR)
ヴィヴァルディ&ヘンデル
ヴィヴァルディ:協奏曲ヘ長調RV.433「海の嵐」
 協奏曲イ短調RV.445、
 協奏曲ハ短調RV.441、
 奏曲ニ長調RV.428「ごしきひわ」、
 協奏曲ト短調RV.439「夜」、
 協奏曲ハ長調RV.443
ヘンデル:ソナタ.ト長調Op.1-5*、
 ソナタ.ト短調Op.1-2*、
 ソナタ.ハ長調Op.1-7*、
 調子のよい鍛冶屋*、
 ソナタ.ニ長調HWV.378*、
 ソナタ.ニ短調Op.1-1*、
 ソナタ.ヘ長調Op.1-11*、
 ソナタ.ニ短調HWV.367a「フィッツウィリアム」*
ピアーズ・アダムズ(リコーダー)、
ロバート・キング(指&Cemb)、
ムジカ・ダ・カメラ、
ハワード・ビーチ(Cemb&Org )*、
デイヴィッド・ワトキン(Vc)*

録音:1988年11月&1989年11月*
レッド・プリーストのリコーダー、ピアーズ・アダムズが1980年代後半にレコーディングを行ったヴィヴァルディ&ヘンデル。ロイ・グッドマンやロバート・キングたちとの共演による「ヴィヴァルディ」、レッド・プリーストの鍵盤奏者ハワード・ビーチとの「ヘンデル」は、ピアーズ・アダムズが正統派レパートリーに正面から挑んだ好演。
※RPRはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。


LORELEY PRODUCTION
LY-050(1CD)
ロドリーゴ:アランフエス協奏曲
ある紳士のための幻想曲
エマニュエル・ロスフェルデル(G)
アリー・ヴァン・ビーク(指)
オーヴェルニュO

録音:2012年5月4-5日、ヴィシー・オペラ座
今は亡き世界的ギタリスト、アレクサンドル・ラゴヤが絶賛した注目の若手、エマニュエル・ロスフェルデルによるホアキン・ロドリーゴのギター協奏曲集。 2008年に来日も果たし、近年ますます活躍の幅を広げているロスフェルデルの注目の新譜になります。生涯のうちに優れたギター作品を多く残したロド リーゴですが、本アルバムでは彼のギター作品の中でも特に知られた2つの協奏曲、「アランフエス協奏曲」と「ある紳士のための幻想曲」が収録されて います。「アランフエス協奏曲」は彼の初期の協奏曲にして、20世紀ギター音楽の嚆矢とも称される作品。軽妙なギター・ソロから木管楽器、ついで弦 楽器へと渡されていく旋律は、さっと吹き抜ける風を感じさせるような爽やかさです。2曲目の「ある紳士のための幻想曲」は、「クラシック・ギター奏法 の父」と名高い名手A.セゴビアに献呈された協奏曲。スペイン・バロックの大家ガスパル・サンスの4つのリュート曲を各楽章のモチーフとしているため、 古風な響きが随所に垣間見える作品です。いずれの作品も技巧の粋に満ちたギター・ソロはもちろん、オーケストラとの軽妙洒脱な掛け合いも聴きどころ のひとつでしょう。フランスでデュカースに学んだロドリーゴですが、その作風はスペインの民族音楽の響きを多く取り入れたもの。ファリャやグラナドス といったスペイン近代音楽がお好きな方は逃せないアルバムといえましょう! (Ki)

IVM
PMV-ACTUAL007
(1CD)
ミゲル・ガルベス=タロンチェル(1974-):ヴァイオリン協奏曲「生ける愛の炎」*
管弦楽の為の協奏曲+
バスクラリネット協奏曲#
アーヴィン・アルデッティ(Vn)*
バレンシア自治州立青年O(*/+)
マヌエル・ガルドゥフ(指(*/+))
カルロス・ガルベス=タロンチェル(バスCl)#
ボロ・ガルシア(指)アンサンブル・エスパイ・ソノル#

録音:2008年3月26-28日、ビラ・ホヨサ劇場ホール、アリカンテ県、スペイン*
2008年7月17-19日、プリンシパル劇場、カステリョン、スペイン+
2009年1月16-17日、リリア専門音楽院、バレンシア県、スペイン#
ミゲル・ガルベス=タロンチェルはバレンシアに生まれウィーンで学んだスペインの作曲家。2007年から2008年までバレンシア自治州立青年Oのレジデント・コンポーザーを務めました。

ARCO DIVA
UP-0145-2(1CD)
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
 ロココ風の主題によるチェロと管弦楽の為の変奏曲 Op.33*
 弦楽合奏の為の悲歌
 チェロと管弦楽の為の奇想的小品 Op.62*
プロコフィエフ:シンフォニエッタ.イ長調 Op.48
イジー・バールタ(Vc)*
レオシュ・スヴァーロフスキー(指)
パルドゥビツェ・チェコ室内PO
ARCO DIVA
UP-0147-2(1CD)
クラリネットと弦楽の為のクロスオーヴァー作品集
シルヴィエ・ボドロヴァー(1954-):Babadag(クラリネットと弦楽四重奏の為の)
オンドジェイ・クカル(1964-):Clarinettino(クラリネットと弦楽の為の協奏曲)*
ヤン・ドゥシェク(1985-):Meanwhile(クラリネットと弦楽の為の)
トマーシュ・パールカ(1978-):Metafolkphoses(クラリネットと弦楽四重奏の為の)
ヤン・クチェラ(1977-):Birth
アラン・シュルマン(1915-2002):Rendezvous(クラリネットと弦楽の為の)
ピアソラ:Oblivion*
オリヴァー・エドワード・ネルソン(1932-):StolEN-Moments
イルヴィン・ヴェニシュ(Cl)
エポックSQ
【ダヴィド・ポコルニー、
ヴラディミール・クラーンスキー(Vn)
ヴラディミール・クロウパ(Va)
ヴィート・ペトラーシェク(Vc)】
ダヴィト・パヴェルカ(Cb)*

録音:2011年12月、プラハ音楽アカデミー、マルティヌー・ホール
イルヴィン・ヴェニシュはブルノ音楽院、プラハ音楽アカデミー、パリ音楽院で学んだチェコのクラリネット奏者。


Simax
PSC-1323(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K467(カデンツァ:ハドランの自作)
ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K482 (カデンツァ:ベンジャミン・ブリテン)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)
アルヴィド・エンゲゴール(指)
オスロPO

録音:2011年5月18-20日
“神の手”が導き出す、さり気なくも感動的なモーツァルト!
ショパン&シューマンのアルバムで多彩なタッチの魅力で聴き手を魅了したハドランのモーツァルト。ここでもその魅力をいかんなく発揮しています。小気味良いテンポの中でも声高に自己顕示を突きつけることなく、内省的なニュアンスを一層大切にしながら、ひたむきにモーツァルトの音楽と一体化する姿勢が見事に結実した名演となっています。
まず「第21番」のなんという愛らしさ!特に第2主題がこれほど優しく微笑みかける演奏には久しく接していなかった気がします。展開部も感傷的な側面を強調することなく、音楽の軽妙さを維持。そこからふと顔を覗かせる悲しみをさり気なく表出するのです。この「さり気なさ」こそが、モーツァルトを奏でる上での必須条件であることを改めて痛感させます。更に心奪われるのが第2楽章!指揮のエンゲゴールが敷き詰める洗練された空気感をそのまま受け継いで、一点の曇もないピュアなテクスチュアを一貫させますが、これ程ムーディに流れる瞬間が皆無で、音楽の輪郭がキリッと立ち上がり続ける演奏は初めてです。個人的にこの楽章は本当にモーツァルトが書いた曲?と疑ってしまうほど表面的な音楽だと思っていただけに目からウロコです!
「第22番」は、21番でも只者ではないと感じた、指揮者エンゲゴール(オルランド四重奏団のリーダーと務めた)のニュアンスの凝縮力にまず惹きつけられます。溢れる表現意欲を自然体で音楽に注入する姿勢はハドランのピアノと全く共通する特徴なので、両者が融合して築く音楽が素晴らしいのも自明の理と言えましょう。
ハドランは、そのタッチの美しさとイン・テンポを基調としたさりげない進行はそのままに、明らかに作品の性質に添って表現の構えを大きく取ることで、懐の深さと広さを感じせる音楽を展開しています。急に音楽が劇的になる第1楽章3:42からの呼吸の持続力は必聴!そして、これ以上何も望みようのないほど感動的な第2楽章!まさにニュアンスの宝石箱で、五感の全てを優しく刺激し続けるのですからたまりません。随所に挟まれるオケだけによるアンサンブルの妙味もお聴き逃しなく。【湧々堂】


ABC Classics
ABC-4764836(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11*
エヴァ・クピーク(P)、
セバスティアン・ラング=レッシング(指)タスマニアSO、
クリストファー・シーマン(指)メルボルンSO*

録音:2005年5月アーツ・センター(メルボルン)*
2011年3月10日−11日フェデレーション・コンサート・ホール(ホバート)
“ローカル色に安住せず、ショパンの内面に深く問い掛ける真摯さ!”
スクロヴァチェフスキとの共演盤に続く再録音。可憐なタッチと自然に歌わせながらもきちんと音楽のフォルムを形成するセンスはそのままに、以前にも増して開放的で伸びやかに音楽をが飛翔させているのが特徴的。
「第1番」第2楽章は、クピークが引き出す美音が決して表面的でも平板でもないことを実証。音色に最大限の配慮を払いながら、心の奥底から音楽を呼吸させていることが伝わります。終楽章はやや速めのテンポを取りながらも冒頭の付点音符を蔑ろにしないのも流石。
この約6年後に録音された「第2番」は更に感動的!十分に繊細でありながら音楽への構え方は大きく、内面への抉りも一層深まっています。第1楽章はアゴーギクが濃厚。各主題は常に孤独の色を帯び、心に響きます。終楽章は冒頭から陰りのニュアンスを湛えたフレーズの微妙な陰影をお聴き逃しなく。更に特筆すべきは、ラング=レッシングの指揮。第2楽章中間部の楽想が変化する場面で呼吸を溜めるセンス、終楽章で顕著な「語り口」の巧みさなど、ピアノを邪魔しない範囲内で自身の音楽を着実に息づかせている伴奏というのは実に希少。それだからこそ、クピークのソロが一層の説得力を持って迫るのでしょう。【湧々堂】


ORFEO DOR
ORFEOR-867121(1CD)
ロッシーニ:「セミラーミデ」序曲
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調K 364*
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
ゲルハルト・ヘッツェル(Vn)
ルドルフ・シュトレング(Va)
リッカルド・ムーティ(指)VPO

録音:1972年8月17日ザルツブルク・祝祭大劇場(ライヴ・ステレオ)
1974年7月27日ザルツブルク・祝祭小劇場(ライヴ・ステレオ)*
“気品のヘッツェルと奥ゆかしさのシュトレングによる含蓄に富んだニュアンス!”
これは実に様々な感動を呼ぶ贅沢な一枚です!
まずは1曲目のロッシーニ。当時のムーティは、クレンペラーの後任としてニュー・フィルハーモニア管の主席に着任したばかり。その超アグレッシブな快演に胸がすく思いです。とにかくダイナミズムの炸裂ぶりが尋常ではなく、テンポも前のめり寸前ですが、造型は決して破綻せず、今日のムーティの牽引力を痛感させられます。VPOも「そう来るならとことん付きあおう!という意気込みで最後まで火花を散らせます。
シューマンはリヒテルの十八番だけに、極めて彫琢豊かな名演奏。濃密なリヒテルのニュアンスに対しムーティは臆することなく自身の感性を確信を持って重ね合わせ、その相乗効果で多彩な音彩を導いています。
それ以上に感動的なのがモーツァルトの協奏交響曲!ソロ奏者もオケも指揮者も、この曲を演奏するために誕生したかのような錯覚を覚える程の安定感!!ヘッツェル、シュトレング両主席奏者は、当然のことながらオケの中に融け合って響かせる術も、ソロとして音楽を先導させる術も全て心得ており、何と言っても音色美、テクスチュアを共有し合っている者同志がハーモニーを繰り広げるのですから、その馥郁たるニュアンスにの魅力はまさに破格のも。その空気感の中ではさすがのムーティも自己主張を全面には出さずに全体の協調を重視しすることで、更に至福のニュアンスに拍車が掛かります。第1楽章第2主題を奏するヘッツェルのソロ(3:03)のなんという気品!それに応えるシュトレングは控えめながら、ヴィオラ奏者としての分を弁えた静かな自己主張に思わず居住まいを正したくなります。
第2楽章では、ヘッツェルがソロを弾き出した途端に涙を禁じえません!過度な感傷を排しながらも切々と紡がれるトーンは一瞬シェリングを思わせますが、一本芯の通った精神が全体を貫き、聴く者を惹きつけて止みません。シュトレングはここでも静かな存在感が光ります。決して出しゃばらず、かと言って影に徹するのでもなく、意味深い下支え役の任務を全うしているのです。8:58からのヴァイオリンとヴィオラのバランス比重の絶妙さ、繊細さも比類なし!
終楽章はオケのソロも作品自体に全てを語らせるということを体で知り尽くしている者同士でなければ築きようもない音楽の流動性、リズムの湧き上がり!これ以上何を望めましょう。ただただ理屈抜きで今生きてる幸せを噛み締めていただきたいと願うばかりです。【湧々堂】

SUBITON
SUB-0027-2(1CD)
バッハ、ヴィヴァルディ:2つ&3つのヴァイオリンの為の協奏曲集
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲イ短調 Op.8-3 RV522+
バッハ:2つのヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ短調 BWV1060R+
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリン、弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ロ長調 RV524*
バッハ:3つのヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ヘ長調 RV551(*/+)
ヤロスラフ・スヴィエチェニー(Vn)
ダナ・ブラホヴァー(Vn)*
ユリエ・スヴィエツェナー(Vn+)
ヴィルトゥオージ・プラジェンセス(室内O)
イトカ・ナヴラーチロヴァー(Cemb)
トマーシュ・ストラシル(Vc)
ミラン・ライチーク(アーティスティック・ディレクター)

録音:2010年、Fermata a.s.、チェコ
スニーティル父娘とユリエの師ダナ・ブラホヴァーの共演。ダナ・ブラホヴァー(1957年生まれ)はヴラフSQの創設者で第1ヴァイオリン奏者のヨセフ・ヴラフ(1923-1988)の娘。プラハ音楽院、プラハ音楽アカデミーで学び、1984年にアルス三重奏団(ピアノ三重奏団)の創設メンバーとなり、1992年のチェコ三重奏団への改称を経て現在に至っています。また1994年以来プラハ音楽院で教えており、2009年にはヴァイオリン科長に就任しました。

THURI
THR-0001(1CD)
【未案内旧譜】
フランチシェク・クサヴェル・トゥリ(1939-):オーボエ協奏曲集
オーボエ,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ短調
オーボエ,弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ホ長調
オーボエ,2つのホルンと弦楽と通奏低音の為の協奏曲ヘ長調
オーボエ,オーボエ・ダモーレ,イングリッシュホルン,弦楽と通奏低音の為の三重協奏曲ニ長調
ヤン・トゥリ(Ob、オーボエ・ダモーレ、イングリッシュホルン)
フランチシェク・クサヴェル・トゥリ(指) トゥリ室内O

録音:2005年3月5-13日、プラハ
現代にありながら多くの作品をバロック様式で書くチェコのユニークな作曲家であり、プラハ音楽院オーボエ科教授でもあるフランチシェク・クサヴェル・トゥリの作品集。ヤン・トゥリ(1975年生まれ)は彼の息子。2005年よりプラハ音楽院オーボエ科教授を務めています。「三重協奏曲」では多重録音により3つのソロ・パートを演奏。全曲が世界初録音。


DORON
DRC-4020(1CD)
〜Legendary Artistsシリーズ〜
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番*
メナヘム・プレスナー(P)
ジャン=マリー・オーベルソン(指)ウィーン祝祭O
ハンス・スワロフスキー(指)ウィーン国立歌劇場O*

録音:1965年11月11日,1966年6月6日*,ADD(共にステレオ)
※コンサートホール原盤
グリーグは一途な表現意欲をいかんなく発揮した演奏。特に第2楽章のリリカルな弱音の美しさが印象的。終楽章では玉を転がすような美音を強打鍵においても絶やさず、彫琢豊かな音楽作りを披露。オケもウィーン特有の甘美さを持ちながらもきめ細かいニュアンス表出と芯のある構築力を見せ、プレスナーの堅実な演奏と絶妙に融合。メンデルスゾーンでも持ち前の美音は変わりないですが、グリーグ以上に作品へののめり込みが強く、ストイックな集中力が最後まで途切れずに、単なるエレガント路線とは一線を画す手応えを感じさせます。終楽章では華麗なヴィルトゥオジティが容赦なく炸裂。とにかくすごい気迫です!この演奏で初めてこの曲の虜になる方も多いのではないでしょうか?【湧々堂】

ORFEUS MUSIC
OMCD-03(1CD)
ヴィラ=ロボス:ギターの為の5つの前奏曲
ギター協奏曲+
感傷的なメロディ(ギター、ヴァイオリンと管弦楽の為の)(*/+)
クシシュトフ・メイシンゲル(G)
アンドルー・ハヴァロン(Vn)*
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
ジョゼ・マリア・フロレンシオ(指)

録音:2011年11月、アビー・ロード・スタジオ1、ロンドン、イギリス
ポーランドのギタリスト、クシシュトフ・メイシンゲルの自主レーベルオルフェウス・ミュージックの2年ぶりの新譜はブラジルのヴィラ・ロボス。ブラジル系ポーランドの指揮者ジョゼ・マリア・フロレンシオ、名門アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズとの共演です。

DACAPO
MAR-558.226569(1CD)
カスリーネ・リング:ハンド・フォー・ホルンボー
すてきなお茶をください!(室内協奏曲第4番第2楽章)
笑うウサギ(室内協奏曲第4番第1楽章
ハリ、ハリ(室内協奏曲第1番第2楽章)
ヘリコプター(室内協奏曲第8番第1楽章)
鳥たち(室内協奏曲第2番第1楽章)
道すがら(室内協奏曲第7番第2楽章)
熊が来るぞ(室内協奏曲第6番第1楽章)
な、な、な、な、な(室内協奏曲第9番第3楽章)
ヴァンとグンナーのパイプの煙
ヴァンとグンナーのパイプの煙(Basicjumpstyle)
〈ボーナスCD(ホルンボーのオリジナル)〉
1.室内協奏曲第4番Op.30第2楽章
2.室内協奏曲第4番Op.30第1楽章
3.室内協奏曲第1番Op.17第1楽章
4.室内協奏曲第8番Op.38第1楽章
5.室内協奏曲第2番Op.20第1楽章
6.室内協奏曲第7番Op.37第2楽章
7.室内協奏曲第6番Op.33第1楽章
8.室内協奏曲第9番Op.39第3楽章
ハンヌ・コイヴラ(指)
デンマーク国立室内O

2011年8月マスタリング
デンマークの人気DJで作曲家でもあるカスリーネ・リング(1960-)。彼女はクラシック音楽のDJとして国際的に知られる有名人です。このアルバムは、デンマークの大作曲家ホルンボーの作品(室内協奏曲)に自由な味付けを施し、全く新しい音楽ドラマとして見せてくれます。ユニークかつ独創的。原曲を聴いてみたい人のためにボーナスCDも用意されています。

Sono Luminus
DSL-92161(1CD)
ヴァイル、イベール、ベルク
クルト・ヴァイル:ヴァイオリンと管楽オーケストラのための協奏曲Op.12
イベール:チェロと10の管楽器のための協奏曲
ベルク:ピアノとヴァイオリン,13の管楽器のための協奏曲
バトン・ルージュ・シンフォニー・チャンバー・プレイヤーズ
3人の近代作曲家の室内楽作品集です。この3曲はどれも1825年前後に書かれていますが、それぞれ作風は全く違うところが興味深いものです。とは言え最初のヴァイルの作品は、彼が演劇やオペラに関心が向く前のものであり、シェーンベルクやストラヴィンスキーの影響を感じさせるシリアスな雰囲気で始まります(第2楽章のノットゥルノは、マーラーの「夜の歌」をもう少し下世話にした感じが面白いところです)。一転、イベールの作品はのどかな中にも不安な要素を秘めた曲。あの名チェリスト、デュ・プレがレパートリーにしていたことでも知られています。ベルクの作品は、シェーンベルクの誕生日に献呈するべく作曲されたもの。結局間に合わなかったのですが、主題のメロディの中には、シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクの3人の名前が織り込まれるという凝りに凝ったもの。全体に漂う無調のとりとめない響きの中に、時折はっとするような魅惑的なメロディが浮かぶのがベルクらしい作品です。バトン・リュージュSOのメンバーたちによる精緻なアンサンブルでお聴きください。

IVM
PMV-010(1CD)
マヌエル・パラウ(1893-1967):レバンテ協奏曲(ギターと管弦楽の為の;1947)*
劇的協奏曲(ピアノと管弦楽の為の;1946/1954頃改訂)+
ラファエル・セリャレト(G)*
バルトメウ・ジャウメ(P)+
マヌエル・ガルドゥフ(指)
バレンシア自治州立青年O

録音:2007年7月18日、ライヴ、アリカンテ大学講堂、スペイン*
2008年7月19日、ライヴ、プリンシパル劇場、カステリョン、スペイン*
マヌエル・パラウはバレンシア音楽院長を務めた作曲家。パリ音楽院でシャルル・ケクランに師事し、ラヴェルからも助言て印象派的な作風も獲得していました。「レバンテ」はスペインのバレンシア、アリカンテ地方を指す言葉です。


Hanssler(SWR)
HISTORIC Archive

94-219(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op. 77
セレナード第2番イ長調Op. 16*
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
エルネスト・ブール(指)南西ドイツRSO

録音:1974年4月27日、1978年5月16日*
バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ(放送用セッション・ステレオ)
“トロける美音と知的な造型制御バランスが完全融合!”
フランチェスカッティの魅力は、何と言ってもその類まれな甘美な美音と明朗な響き。しかしそれは、ブラームスの音楽が持つ渋みやゴツゴツした造型感とは対極にあるように思われがちです。確かに第1楽章の出だしは、いきなり太陽が降り注いだような眩さと直截なフレージングで切り出すので思わずのけぞりますが、一貫した作品の様式を厳格に守る知性的な制御と、ボルタメント等をほとんど用いない品格溢れるフレージングに、フランチェスカッティの音楽に対する真摯な愛情注入を早々に感じ気づいたら最後、その独特の佇まいに酔いしれます。
響きは明るくても外面的な低俗趣味とは無縁。決して安っぽいお菓子のような感覚美には陥っていないのです。展開部10:56からのでも明らかなように内面から精神をたぎらせ、作品のフォルムをしっかり表出する意志の力に揺るぎはありません。
第2楽章も安易にノスタルジーにふけるのではく、老いの影など微塵も感じさせない伸びやかさ。そこには凛とした気品が常に宿っており、弱音を多様せずに克明に旋律線を描く一途さがその佇まいに拍車をかけます。最大の聴きものははやはり終楽章!ハリのあるリズムの躍動とテンポ運び、持ち前の美音が渾然一体となることで広がる楽想ニュアンスの豊かさは比類がありません。伴奏を務めるブールの極めて堅実な指揮も安定感抜群。
カップリングはそのブールによる「セレナード」ですが、これがまた聴き逃せない名演奏!
協奏曲ではあくまでも伴奏に徹していた感がありますが、ここでは作品の持つ鄙びた味わいが美しい隈取を湛えて浮かび上がり、ボールトの演奏にも似た木目の風合いが得も言われぬ魅力を放ちます。あまり人気のある作品とはいえませんが、この演奏でこんな良い作品だったかと気づかれる方も多いことでしょう。録音も極めて優秀なステレオ。【湧々堂】

Hanssler(SWR)
HISTORIC Archive

94-216(1CD)
ゲザ・アンダSWR録音集Vol.3
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番ト長調KV 453
 ピアノ協奏曲第23番イ長調KV 488*
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ゲザ・アンダ(P)
ハンス・ロスバウト(指)、
エルネスト・ブール(指)*、南西ドイツRSO

録音:1952年3月15日、1963年3月13日*
バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ(放送用セッション・モノラル)
ロスバウトとの相乗効果が生きた、モーツァルト「第17番」の驚愕の名演奏!
媚びた表現とは一切無縁のゲザ・アンダのピアニズムの魅力を存分に堪能できる一枚。モーツァルトは後年にステレオによるスタジオ録音の存在しますが、ここでは指揮者の音楽性との相乗効果でより一層ニュアンスに奥行きを持ち、聴後のしっかりと余韻の残す演奏を展開しています。
特に「第17番」は現時点でトップクラスと断言できるほど名演で、作品自体が持つ表情の表出に徹するアプローチが、同じく硬派のロスバウトと完全に調和することで、作品の魅力を何倍にも押し広げるという偉業に成功しているといっても過言でありません。
まず第1楽章のオケの出だしで、ロスバウトの頑丈な音作りによる、単に陽気で明るいモーツァルト像とは異なる緊張が漂います。続くアンダのピアノはルンルン気分などまるでないクールさ。つまり、明るい主題の性格に安易に乗らず、一音ごとの意味を追求しながらフレーズを有機的に紡ぎ出しているのです。展開部6:26決然としたタッチの深みはどうでしょう!それとロスバウトの合の手が絡んだ絶妙なニュアンス!
第2楽章は弱音に頼らず、明確な粒立ちを旨とするタッチに最後まで緊張感を保持。そのなめんから滲み出る深い哀愁は、まさにアンダの真骨頂と言えましょう。
終楽章がこれまた感動的!各バリエーションがこれほど思慮に富んだニュアンスを明確に浮かび上がらせる演奏が他にあったでしょうか?しかもそれらが説明調ではなく連綿と有機的に連鎖するのですからたまりません!
「第23番」も月並みの演奏ではありません。第1楽章はゆったりとしたテンポを採用し、明るい光をあえて遮り、第2楽章を予感させるような涙を早くも滲ませています。その第2楽章は、悲哀に満ちた楽想に埋没しないのは言うまでもありませんが、一音ごとのニュアンスを漏らさず表出しようとする一途さが、全体に荘厳な空気ももたらしています。
ラヴェルでは、アンダの厳格な造形力を発揮。弾き崩すようなシーンでもその崩し方には常に知的な統制が行き渡り、それがまた独特の緊張感を生んでいます。硬質で強靭なタッチの魅力も横溢。特に低音域の荘厳さには心奪われます。6:26からのクールな詩情と怪しく光るタッチの妙も聴きのの。各楽想の色彩の変化を徹底的に炙りだしたアンダならではの演奏です。
全体的にマスター・テープの状態がかなり良いとみえ、モノラルながら聴きやすい音質なのも嬉しい限りです。 【湧々堂】


Hyperion
CDA-67795(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
序曲「フィンガルの洞窟」Op.26
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
アリーナ・イブラギモヴァ(Vn)、
ウラディミール・ユロフスキ(指)
エイジ・オヴ・インライトゥメントO

録音:2011年9月2日−4日、ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)
日本語の帯には「可憐妖精のピリオド・アプローチ…」という文言がありますが、実際の演奏は、ヴィブラートの抑制もなく全くのモダン・アプローチ。ピッチは437Hzと明記されていますが、これも現代ピッチとほぼ同じ。オケはもちろんピリオド系ですが、少なくとも指揮者のユロフスキは歴史的な裏付けに拘泥することなく自身の音楽性を発揮しており、イブラギモヴァ共々瑞々しい演奏を展開しており、純粋にメンデルスゾーンの音楽を堪能させてくれている点がポイントです。イブラギモヴァのソロは情熱的でありながら凛とした美しさを湛えて、特にホ短調協奏曲の第2楽章は、ユロフスキが築く豊かな背景との調和が心を捉えて離しません。
しかし、秀作のニ短調はホ短調以上に説得力絶大!終楽章の表現意欲の旺盛さに接すれば、ご納得いただけることでしょう。【湧々堂】

Capriccio
C-5118D(1CD)
ヨスト:ヴァイオリン協奏曲「深き陶酔」
コクーンシンフォニー〜大オーケストラによる“中央への旅”の5楽章
ヴィヴィアン・ハグナー(Vn)
クリスティアン・ヨスト(指)
エッセン・フィルハーモニカー
「私はいつも、形と音、構造の間に差別化と複雑な相互接続が実現する魔法の時を探しています」と語る作曲家ヨスト(1963-)。彼はドイツ連邦共和国ラインラント=プファルツ州の都市トリーアで生まれ、ケルンとサンフランシスコで学んだ現在最高の作曲家の一人です。彼のオペラはヨーロッパ各地の歌劇場で上演され、作品は世界中で演奏されています。2003年にはジーメンス財団から「進歩賞」を授与され、2009年には彼のオペラ「ハムレット」がドイツでの「最優秀パフォーマンス」に選ばれるなど、その活躍はとどまるところを知りません。彼の協奏曲といえば、トランペットと管弦楽による「ピエタ」が知られていますが、こちらのヴァイオリン協奏曲も、しばし時を忘れるほどの不思議な印象を残します。

Avanti Classics
5414706-10332
(1SACD+DVD)
ピアソラ:ミケランジェロ70(F.フシド編)
レヴィラド(P.シーグレル編)
P.シーグレル:エル・エンペドラド
 サンドゥンガ/アスファルト?
F.フシド:タンゴ・ラプソディー(2台のピアノとオーケストラのための)*
シーグレル:ミロンゲータ
ピアソラ(P.シーグレル編):天使の死
 アディオス・ノニーノ
フシド/コーデラー:「瞳の奥の秘密」
デュオ・レヒナー・ティエンポ
【カリン・レヒナー(P)&セルジオ・ティエンポ(P)】、
ヤシェク・カスプシク(指)スイス・イタリアーナO

録音:2011年1月オーディトリアム・ステリオ・モロ(ルガーノ、スイス)
2010年6月22-24日パラッツオ・デイ・コングレッシ(ルガーノ)* ライブ録音
デュオ・レヒナー・ティエンポは、カリン・レヒナー&セルジオ・ティエンポの姉弟から成るピアノ・デュオ。かのアルゲリッチにも 認められた名コンビが今回収録したのは、ピアソラ、シーグレル、フシド、とまさにアルゼンチン・タンゴ尽くしのプログラム!ピアソラの名曲の数々をピ アノ連弾で演奏していることも注目されますが、本アルバム最大の聴き所はフェデリコ・フシドの「タンゴ・ラプソディー」!映画音楽などでも活躍するフ シドがこのデュオのために作曲した作品で、2010年ルガーノ音楽祭で行われた世界初演のライブ音源となります。2台のピアノとオーケストラのための本 作は、一つの男女の恋愛劇を見ているようなドラマティックな展開が魅力的。艶やかで流麗な旋律もあれば、感情をぶつけ合うような激しい掛け合いもあ ります。名匠カスプシク惹き入るスイス・イタリアーナ管弦楽団の鮮烈な演奏も見事ですが、やはり聴きどころはレヒナー&ティエンポ姉弟の息を呑む熱演。 これでもかと連発する超絶技巧の掛け合いと多彩な表現力に圧倒されます。ボーナスDVDではこの演奏風景を収録。演劇のようなパフォーマンスもあり、 タンゴ・ラプソディーを情熱的に “演じる” 姉弟の演奏模様は必見です!
※ボーナスDVDはPAL方式で記録されており、通常のNTSC方式のDVDプレーヤーやTVでは再生することができません。DVD再生が可能な Windows PCやMacのほか、マルチシステム対応AV機器などで再生することが可能です。ご了承のうえお求めくださるようお願いいたします。 (Ki)

DACAPO
MAR-8.226092(1CD)
ペア・ノアゴー:パーカッションとアンサンブルのための「風景」
破壊への前奏曲(1986)
O.サーヴィングの詩「この年」による4つのメディテーション(2010)
パーカッション・ソロのための「アラベスク」(2010)
パーカッションと6楽器のための「3つの情景」(2009)
エスビェア・アンサンブル
クリスティアン・マルツィネス(Perc)
ペッテル・スンドクヴィスト(指)
ノアゴーによるパーカッションを中心とした音楽集です。東洋的神秘主義と、エキゾチックなリズムによる、まさに自然を超越したかのような不思議な響きがたまりません。パーカッションと一口に言っても、その音色は様々で、ヴィヴラフォンやミュージック・ソウ(音楽のこぎり)など、メロディックなものも含まれます。アラベスクと3つの情景は、才能あるパーカッション奏者、マルツィネスのために書かれています。

Slovak Radio
RB-0338-2(1CD)
ミルコ・クライチ(1968-):ピエタ(2005)
ヴァイオリン,チェロと室内管弦楽の為の二重協奏曲(2009)*
命の道(混声合唱と弦楽合奏の為の;2008)+
タンギッシモ(弦楽合奏の為の;2008)*
フランチシェク・テレク(Vn)*
オルソリャ・コヴァーチ(Vc)*
テクニック混声cho+
イヴェタ・ヴィスクポヴァー(合唱指揮+)
テクニック室内O
ミルコ・クライチ(指)

スロヴァキア音楽財団
SF-0069-2(1CD)
ミロ・バーズリク(1931-):ピアノ協奏曲(2003-2006)*
オラトリオ「十二」(アレクサンドル・ブロークの詩による、6人の独唱者、朗読、合唱と管弦楽の為の;1967)+
ダニエル・ブラノフスキー(P)*
マリオ・コシク(指)スロヴァキアRSO*
フランチシェク・フサーク(朗読+)
セルゲイ・コプチャーク(Bs)+
カタリーナ・ブラフシアコヴァー(S)+
ダグマル・ペツコヴァー(アルト+)
リュドヴィート・ブフタ(T)+
マリアーン・ブッラ(Bs)+
スロヴァキア・フィルハーモニーcho+
ペテル・フラディル(合唱指揮+)
ガブリエル・パトーチ(指)スロヴァキアPO+
ミロ・バーズリクはブラチスラヴァ音楽院を卒業後、プラハのカレル大学で数学を学ぶかたわらフランチシェク・ラウフとイヴァン・モラヴェツにピアノ、イジー・エリアーシュに作曲を師事、その後大学で数学の講師をしながらブラチスラヴァ音楽大学でヤン・ツィッケルに作曲を学んだという異色の経歴を持つ作曲家・ピアニスト・数学者・教師。

THE MASTERCLASS MEDIA FOUNDATION
MMF3-042(DVD)
ザハール・ブロン/ヴェルビエ音楽祭アカデミー
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
生徒:ヴィルデ・フラング、
ノア・ベンディックス=バルグレイ
ヴェルビエ音楽祭アカデミー

NTSC/16:9
音声:ステレオ/リージョン:All
162mm
言語:ドイツ語
字幕:英語
レーピン、ヴェンゲロフ、樫本大進、庄司紗矢香らを育てた稀代の名教師ザハール・ブロン。彼のレッスン風景が映像化されました。それも2時 間半に及ぶ充実した内容で、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の第1、第2楽章についての秘義を披露してくれます。ヴェルビエ音楽祭に於けるマ スタークラスで、生徒は何と今をときめくヴィルデ・フラングと、2011年にピッツバーグ響のコンサートマスターに就任したノア・ベンディック ス=バルグレイ。フラングのブラームスの協奏曲は興味津々ですが、ブロンの指導で見違えるほど良くなっていく様は感動的。ヴァイオリンを学ぶ 方すべてが見るべきDVDと申せましょう。DVD9(片面2層)仕様。 (Ki)

Aurora
ACD-5075(1CD)
現代北欧協奏曲集
ネアゴー
:チェロ協奏曲第2番《モーメンタム》 (2009)
ヌールハイム:テネブレ(チェロと室内管弦楽のための協奏曲) (1982)
サーリアホ:アメール (チェロ協奏曲第1番) (1992)
ヤコブ・クルベア(Vc)、
シモン・ビヴァレツ(指)
ニューミュージック・オーケストラ
コブ・クルベアは1976年オーフスに生まれ、オーフスの王立音楽アカデミー、アムステルダム、ロンドン、ウィーン、ザグレブで学んだ後、コペンハー ゲンの王立音楽アカデミーでモーテン・ソイテンに師事。現代デンマークを代表する作曲家のひとり、ペーア・ネアゴーとの共同作業でも知られ、ネアゴー がクルベアのために作曲したチェロソナタ第4番《根茎》は、オルードバラ・フェスティヴァルで初演され、高い評価を得ました。チェロ協奏曲第2番《モー メンタム》もグルベアのために書かれ、タイトルの「モーメンタム」は「勢い、はずみ」を意味し、「ゆっくりと瞑想する孤独感から、新たに生まれる人間 の連帯感を経て、最後には『無限』の感情を呼び起こす」という音楽全体の物語を示しています。アルネ・ヌールハイムの代表作のひとつ《テネブレ》 (復 活祭の前週、聖週間の最後の3日間の洗足木曜日、聖金曜日、聖土曜日の朝課と賛歌) は、ロストロポーヴィチが1982年に初演し、トルルス・モルク の録音で知られるようになったチェロ協奏曲。フィンランドの作曲家カイヤ・サーリアホの《アメール》は、彼女が住むパリの IRCAM と、ロンドンのバー ビカンセンターから共同委嘱され、アンシ・カルットゥネンのために作曲されました。「航路標識」を意味するタイトルは、ノーベル文学賞を受けたフラン スの詩人サン=ジョン・ペルス (アレクシ・レジェ)(1887-1975)の著作から借用されました。作曲者は独奏チェロを「音の海を航行する船乗り」にな ぞらえています。
ニューミュージック・オーケストラは、ポーランドのカトヴィツェの室内アンサンブル。1996年にシマノフスキ音楽アカデミーの学生をメンバーにより「今 日の音楽」を演奏することを目的として創設されました。 (Ki)

Guild
GMCD-7386(1CD)
火の手
プーランク:オルガン,ティンパニと弦楽のための協奏曲ト短調
リュッティ:オルガン,弦楽と打楽器のための協奏曲、火の手
アレンスキー:チャイコフスキーの主題による変奏曲Op.35a
マーティン・ヘイニ(Org)、
マリオ・シュービガー(打楽器&ティンパニ)、
ライナー・ヘルド(指)
ノヴォシビルスク国立フィルハーモニー室内O
"フランス"のプーランクと現代"スイス"の作曲家カール・リュッティの「オルガン協奏曲」に"ロシア"のアレンスキーの「変奏曲Op.35a」をカップリング。


Inedita
PI-2366(1SACD)
ベートーヴェン・レアリティーズ Vol.7
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19(未出版の改訂版/カデンツァ:カフカ・スケッチブック所収、未出版)
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58(未出版の改訂版;1808)
マウリツィオ・パチャリエッロ(P)
ロベルト・ディエム・ティガーニ(指)
サッサリSO

録音:2009年6月9-13日、ヴェルディ劇場、サッサリ、サルデーニャ、イタリア
好評のシリーズ第7弾は、指揮者・作曲家でベートーヴェン研究家でもあるロベルト・ディエム・ティガーニ(1954年生まれ)による批判校訂版(2010年出版)を使用した2つのピアノ協奏曲の世界初録音。ピアノは当シリーズの責任者的ピアニスト、マウリツィオ・パチャリエッロ。
ピアノ協奏曲は1795年にウィーンのブルク劇場で初演、その後たび重なる改訂を経て1801年に出版されました。ベートーヴェンはその後も重ねて改訂に取り組みましたが、出版には至りませんでした。ディエム・ティガーニは残された資料から、考えられるかぎり最終形に近い版を完成させました。ここではベートーヴェンの自筆譜資料として名高い「カフカ・スケッチブック」(1786頃-1799;大英博物館所蔵)に収められたカデンツァを採用しています。
ピアノ協奏曲第4番は1806年に出版され、1807年3月にウィーンのロプコヴィツ侯爵邸でベートーヴェン自身がピアノを弾き非公開初演されました。その後ピアノの音域が急速に拡大されたため、ベートーヴェンは第1楽章と第3楽章に手を加え、1808年12月のアン・デア・ウィーン劇場における公開初演ではそのヴァージョンを弾きました。この改訂は未出版に終わったのですが、自筆資料がウィーン楽友教会に保管されており、ディエム・ティガーニはそれを基に復元を行いました。

WERGO
WER-6750(1CD)
ペトリス・ヴァスクス(b.1946):ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための作品集
愛の声(ヴァイオリンと弦のためのファンタジア)
遠き光(ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲)
孤独な天使(ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための瞑想曲)
アリーナ・ポゴストキナ(Vn)、
ユハ・カンガス(指)シンフォニエッタ・リガ

録音:2011年 6月
ラトヴィアが生んだ作曲家ヴァスクスによる、人間と社会への愛に満ちたサウンドを、ポゴストキナの奏でる美しくも悲しき音色で堪能する1枚。
「愛の声」は、「これを聴いた人が、少しでもよりフレンドリーで愛に対してよりオープンになるように」という願いが込められた作品。ヴァイオリンがタ イトルの通りの優しくも悲しい愛の旋律を奏でます。(2)の「遠き光」は1996-97年に書かれたもので、ヴァスクスの作品の中でもとても激しい作風の曲。 コントラストに満ちた様々な短い部分の連なりで、時にラトヴィアの民謡を思わせます。2006年頃に書かれた(3)の「孤独な天使」は、世界の状況を見 ている天使の悲しい目と、天使の羽の愛に満ちたはばたきが人々の心に平安や慰めをもたらしている様子を描いたとヴァスクスは語ります。
ヴァスクスの愛に満ちた旋律のヴァイオリンを奏でる、ポゴストキナは、ロシア生まれのドイツ人。2005年第9回シベリウス国際ヴァイオリンコクール でドイツ人として初めて優勝、これまでに何度か来日も果たしています。 (Ki)

Classic Concert Records
CCR-62020(1CD)
ロベルト・ディ・マリノ(1956*):エレジア
ピアノ協奏曲/オルガン協奏曲
ギター協奏曲/ロンド・ミロンガ
ジェリカ・ヴォイヴォーダ(P)、
シモーネ・ヴェベル(Org)、
ロベルト・ベリニチ(G)、
ミラン・ヴァウポティチ((指)
ロシアン・シンフォニー・オーケストラ・プロコフィエフ
1956年生まれのイタリア人作曲家、ロベルト・ディ・マリノの近年の作品を収録した注目のアルバム。現在もなおクラシック、ジャズ、吹奏楽と幅広いジャ ンルで作曲・編曲活動を行っているロベルト・ディ・マリノ。ラテン情緒あふれる抒情的な旋律や疾走感のある心地好いリズムが印象的な彼の音楽は音楽ジャ ンルの垣根を超えた魅力にあふれています。本アルバムでは彼がオーケストラ用に作曲した初めての作品「エレジア」を始め、5つの作品が収録されています。 「ロンド・ミロンガ」はバレエの舞台音楽として、モーツァルトの人生を描いた興味深い作品。幾度も反復されるミロンガの単純な音型の合間に、ピアノ 協奏曲第23番第2楽章のメロディなどモーツァルトが作曲した美しい旋律が現れ、ドラマティックな盛り上がりを見せます。一方、過度な装飾のない素 朴な旋律と5拍子のリズムが心地よいピアノ協奏曲は、ピアノだけでなく各楽器が複雑に絡み合って織りなす美しいアンサンブルが聴き所。西ヨーロッパ の民俗音楽に喚起されて作曲されたギター協奏曲では、波のうねりのように押し寄せるオーケストラとギターとのハーモニーが絶妙です。近年めきめきと 活躍の場を広げている若手演奏家たちの卓越したソロにも注目。ドラマティックな演奏で、ディ・マリノの音楽を活き活きと聴かせてくれます。 (Ki)

Aurora
ACD-5063(1CD)
軌道に乗ったズヴェズドフカ〜チェロとウィンドバンドのための作品集
ヨン・オイヴィン・ネス:軌道に乗ったズヴェズドフカ (2009)*
フリードリヒ・グルダ:チェロとウィンドオーケストラのための協奏曲 (1980)#
イベール:チェロとウィンドオーケストラのための協奏曲 (1925)
オラヴ・アントン・トンメセン:チェロと2組の木管五重奏のための小協奏曲《光の幻影 (1990)
エルンスト・シモン・グラーセル(Vc)、
ペーテル・シルヴァイ(指)
ノルウェー軍西部音楽隊( ベルゲン)

録音:2010年4月/2010年11月* ライヴ/2011年12月#/(ベルゲン、ノルウェー)
《軌道に乗ったズヴェズドフカ》は、ポピュラー音楽で育った世代のノルウェー作曲家のひとり、ヨン・オイヴィン・ネス(1968-)がグラーセルの委嘱 により作曲。芸術音楽をポップスと対話させることに関心をもち、聴き手と自然なコミュニケーションのとれる作品を発表するネスの特色がはっきりと表れ ています。「ズヴェズドフカ」は「小さな星」を意味するロシア語で、旧ソ連が人工衛星スプートニク5号に乗せた犬の名。
ピアニストとして高名なフリードリヒ・グルダが1980年に作曲したチェロ協奏曲は、「趣味の良さ」はそっちのけで「自分の音楽」に徹したとされる作品。 ロック調の〈序曲〉、レントラーの〈牧歌〉、シュールなムードの〈メヌエット〉、街のバンドがスーザのマーチでも演奏しながらパレードする雰囲気の〈行 進曲風フィナーレ〉。〈牧歌〉と〈メヌエット〉の間にチェロが名人芸を披露するカデンツァが挟まれます。クラシカル・ベースとジャズ・ベース各1本、ギ ター、ドラムを加えた編成のウィンドオーケストラがチェロと共演します。
ノルウェーの「今日」を代表する作曲家のひとり、オラヴ・アントン・トンメセン(1946-)の小協奏曲《光の幻影》は、チェロと2組の木管五重奏の ためのもので、木管五重奏の1組は通常の編成、もう1組はオーボエの代りにコールアングレを加えた五重奏です。チェロは全音域を使い、「決して捕ら えることのできない光」を追い求めます。
エルンスト・シモン・グラーセル(1975-)は、トロンハイム響とノルウェー国立オペラ管の首席奏者を経て、現在、エーテボリ響の首席を務めています。 ベルゲンに本拠を置くノルウェー軍西部音楽隊 (FMKV) は、ノルウェー国軍に所属する5つのプロフェッショナルバンドのひとつ。奏者たちの演奏と表現 の技術水準は高く、オスロ、ベルゲン、スタヴァンゲル、トロンハイムのオーケストラとならぶ優れたアンサンブルと評価されています。マリス・ヤンソン スのアシスタント指揮者を3年務め、2010年にはノルウェー作曲家協会から「最優秀演奏家」に選ばれた、ヴィオラ奏者でもあるペーテル・シルヴァイ (1971-)が首席指揮者。ノルウェー海軍がベルゲンに移ってからは海軍の音楽隊となり、ノルウェー海軍軍楽隊 (NNB) の名称も持ち、海軍の軍服姿で 演奏するようになりました。 (Ki)

写影
SHHP-C008(DVD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83

■特典映像
インタビュー「実相寺昭雄監督と朝比奈隆先生の思い出
出演:寺田農(俳優)
交響曲第4番ホ短調Op.98*
園田高弘(P)
朝比奈 隆(指)新日本フィル

収録:1990年6月1日オーチャードホール(ライヴ)、1990年6月1日オーチャードホール(ライヴ)*
リニアPCMステレオ
133’
カラーNTSC 4 : 3
Region All
日本が世界に誇る巨匠指揮者、朝比奈隆(1908−2001)が1990年に新日本フィルを指揮したブラームス・チクルスの映像が分売リリース。2011 年の歿後10年のアニヴァーサリーに向けて2010年に先行リリースされた「ブルックナー:交響曲選集」に引き続いて、「映像の巨匠」実相寺昭雄が映像演出を手掛けたもので、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲2曲や二重協奏曲のほか、特典映像もあらたに追加されたたいへん豪華な内容となっています。 なお、収録内容の一部曲目については、交響曲第1番と第4番の2曲が過去にソフト化されたことがありますが(『交響的肖像』[廃盤])、こうして完全 な形で交響曲全曲が揃うのはきわめて意義深いものがあるといえます。 すべての音源制作は朝比奈、新日本フィル両者とゆかりの深いフォンテックが担当。同一音源によるCDはフォンテックより、ほとんどすべてがリリースさ れていますが、ピアノ協奏曲第2番とヴァイオリン協奏曲については映像のみならず、いずれの音源自体が初出というのも注目すべきポイントとなっています。 さらに、特典映像も見どころ満載で、朝比奈、実相寺両巨匠と親交のあった名優、寺田農(東海大文学部特任教授)が語るご両人の思い出話が出色。 監督については、いわゆる「TBS実相寺事件」をユーモアを交えて明かしており、映像ファンもたいへん興味深い内容。 また、朝比奈については、ブラヴォーとブーイングが相半ばした有名公演「フィデリオ」のエピソードと、その貴重なハイライト映像も収められております。 朝比奈隆と実相寺昭雄、巨匠同士の顔合わせが生んだブラームス・チクルス。ぜひとも、末長くお手元に置いていただきたい、手ごたえたっぷりの内容 といえるでしょう。

DACAPO
MAR-6.220592
(1SACD)
アコーディオン協奏曲集
オーレ・シュミット(1928-2010):交響的幻想曲とアレグロOp.20
アナス・コッペル(1947-):アコーディオンと弦楽の為の「コンチェルト・ピッコロ」*
マルティン・ローゼ(1971-):アコーディオンと管弦楽の為の「液体の中に」*
ペア・ノアゴー(1932-):アコーディオンと管弦楽の為の「リコール」*
ビャルケ・モーゲンセン(アコーディオン)
ロルフ・グプタ(指)デンマーク国立室内O

録音:2011年4月12-15日コンチェルト・ハウス・スタジオ
*=世界初録音
デンマーク生まれの若きアコーディオン奏者ビャルケ・モーゲンセンによるアコーディオンのための協奏曲集です。彼は1985年生まれで、7歳からアコーディオンを演奏し始め、瞬く間に名手と呼ばれるようになりました。彼自身も編曲、作曲を行い、既に何枚かのCDもリリースするなど、その将来を嘱望されています。このアルバムでは4人の作曲家の作品を収録、コッペルとローゼの2つの曲はモーゲンセンのために作曲されたものです。古典的な曲、タンゴ風、ジャズ風と様々な表情を見せる音色に注目してください。アコーディオンの持つ可能性の限界に挑戦するかのような、挑発的でエキサイティングな演奏がたまりません。


ORFEO
ORFEO-815121(1CD)
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調
ノルウェー舞曲集/抒情組曲Op.54
ミロフラフ・クルティシェフ(P)
アイヴィン・グッルベルグ・イェンセン(指)
ハノーファー北ドイツ放送PO

録音:2009年11月、2010年1月
“アイヴィン・グッルベルグ・イェンセンの音楽性と統率力に唖然!”
このアルバムのメインは、ジャケット写真にも写っているミロフラフ・クルティシェフが奏でるピアノ協奏曲。2007年第13回チャイコフスキー国際コンクール最高位受賞のクルティシェフのピアノはいわゆるロシア・ピアニズムを意識させない繊細さが特徴的で、この作品の繊細な抒情を堪能するにはうってつけ。日本の代理店のインフォメーションには“グリーグの協奏曲を語る上で避けて通れないアルバム”という珍しく熱いコメントがあったので、そもそもそれにつられて視聴したのですが、むしろ強烈なインパクトを残すのはイェンセンの指揮の素晴らしさ!
アイヴィン・グッルベルグ・イェンセンは、1972年ノルウェー生まれ。トロンハイムでヴァイオリンと音楽理論を学んだ後、レオポルド・ハーガーとヨルマ・パヌラに師事。その後ウィーンで研鑽を積みました。2010/11年のシーズンにはベルリン・フィルにもデビュー。2011年からハノーファー北ドイツ放送フィルの首席指揮者に着任しています。
とにかく「ノルウェー舞曲集」という曲にこれ程聴き入ってしまった経験は皆無でした。第1曲の強靭なリズムの弾力からして訴求力満点で、響きの凝縮の徹底ぶり、テンポの安定感に並々ならぬ才能が溢れています。0:16から低弦がテヌート気味に下降する箇所の切迫感!これが少しもあざとくなくニュアンスとしてにも刻印できる才能だけでも只者ではありません。中間部の歌心にも嘘がなく、何となく素朴に歌い上げただけとは異なる響きの制御力がここでも生きています。第2曲のユーモラスな表情が克明な音像を伴って迫るのにもびっくり。オーボエの巧さにも舌を巻くばかり。中間部の切り込みの激しさも、その唐突さがユーモアを誘うというのは、いかに間合いのセンスが並外れていることの証し。第4曲ではいよいよイェンセンの閃きに満ちた表現力に「天才」と叫ばずにはいられなくなります。この曲、こんなに含蓄に富んだ曲だったでしょうか?
「抒情組曲」も聴き応え満点。ローカルな味わいに甘んじず、真に世界に通用する芸術作品に押し上げたと言っても過言ではありません。
忘れてならないのは、オケの尋常ではない巧さ!どのオケも技術が向上した代わりに個性がなくなったと言われて久しいですが、ここで聴くような技量とセンスを兼ね備えた進化であれば、まさにそれこそ理想ではないでしょうか?【湧々堂 140417】


DOREMI
DHR-7984(1CD)
ユリアン・フォン・カーロイの芸術
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
シューマン:ピアノ協奏曲*
リスト:ハンガリー幻想曲#
ユリアン・フォン・カーロイ(P)

ギカ・ズドラフコヴィチ(指)バイエルンRSO
ロベルト・ヘーガー(指)バイエルンRSO*
エドムント・ニック(指)ミュンヘンPO#

録音:1956年頃(ステレオ)、1948年頃#
原盤:独ELECTROLA、独DGG#
“まろやかなタッチから引き出される心あたたまる詩情!”
ハンガリー出身でコルトー門下のユリアン・フォン・カーロイの貴重な協奏曲集。外面的な効果を狙わず楽譜に真摯に対峙する姿勢は同じハンガリー出身のゲザ・アンダなどにも共通していますが、カーロイの最大の特徴はなんといってもそのタッチのまろやかさ。それをもって「感覚的で水っぽい演奏」と捉える向きもあるようですが、このCDを聞けばそれが決して的を得ていないと思われることでしょう。
チャイコフスキーは高速でガンガン攻める演奏ではなく、じっくり音楽を味わい方は必聴!冒頭のホルンがメロウな響きで穏やかな雰囲気で開始しますが、続くカーロイのピアノがこれまた肩肘を張らない優雅さ!鍵盤を叩きつけることなく奏でることに徹した独特のピアニズムは、バリバリ弾きまくる推進力とは完全に逆行していますが、このまろやかな感触にハマる方はきっと多いはず。6:04からの短いカデンツァは、全く媚びることなくインテンポで淡々と進みますが一音一音が慈愛に溢れ、まるでモーツァルトの至高の名演を聴くかのよう。第2楽章も作為のない自然体の美しさ。チェロ・ソロの伴奏(2:14〜)に回っている時でさえほんのりと夢が広がり、奥ゆかしい存在感を示します。なお冒頭のフルートは、ピアノが奏する主題と同じ音型に変更。終楽章も落ち着いたテンポで丹念に音を紡ぎ、決して興奮を煽りません。クライマックスに達してもペダルを極力抑え、訥々とした語り口を変えませんが、それが野暮ったい印象を与えず、聴後には、この曲から感じることが滅多にない安らぎと余韻に浸ることができます。
しかし、次のシューマンは更なる名演奏。チャイコフスキー以上にカーロイの音楽性に合致してていることは冒頭の和音からも明らか。タッチのまろやかさはそのままに、音楽の表情は構えが大きくなり、ぐっとアグレッシブになります。1:39からの同じ音型を繰り返す箇所は実に息の長いフレージングで、たおやかな中にも緊張感が持続。強弱のコントラストを大きく取らないのはカーロイのピアノの特徴の一つですが、展開部ではその特徴を堅持しながら、ニュアンスの陰影は更に濃くなるのが印象的。コーダ直前のトリル(13:39)は美しさは比類なし!アゴーギクを最小に抑えて端正な造形から自然に音楽を滲ませるカーロイのピアニズムが最高に生きているのが第2楽章。「こんなに素敵な曲ですよ」という説明めいたフレーズなど一切無いので一見淡白に聞こえますが、空虚な音など一つもないのです。ヘーガーの伴奏は地味ながら芯は堅牢。カーロイと完全に同じ歩調をとり、頭で考えた主張先行ではなく、作品に全幅の信頼を置いてさえいれば自ずと味わいが生まれるという信念を共有することで生まれた稀有な名演と言えましょう。ロマン派作品に対する姿勢とは、本来こう有るべきなのではと思わせるこのシックな佇まいを是非ご堪能下さい。しかもチャイコフスキーとシューマンは良質なステレオ録音! 【湧々堂】


Lipkind Productions
LP005-H01NE(1CD)
チェロ・ヒロイックスT
シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129
ガブリエル・リプキン(Vc)
ミシャ・カッツ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月21日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
GLP-0300054と同演奏

Lipkind Productions
LP008-H02NE1CD)
チェロ・ヒロイックスU
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番
ガブリエル・リプキン(Vc)
ヴォイチェフ・ロデク(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月17日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
GLP-0300055と同演奏

Lipkind Productions
LP011-H03NE(1CD)
チェロ・ヒロイックスV
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
ガブリエル・リプキン(Vc)
アントニー・ヘルムス(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月18日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
GLP-0300056と同演奏

Lipkind Productions
LP014-H04NE(1CD)
チェロ・ヒロイックスW
ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックニ長調Op.12
ガブリエル・リプキン(Vc)
イヴァン・メイレマンス(指)アーネムPO

録音:2009年11月25日ズットフェン市立劇場
GLP-0300057と同演奏

Lipkind Productions
LP006-H01ED(1CD+)
チェロ・ヒロイックスT
シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129
ガブリエル・リプキン(Vc)
ミシャ・カッツ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月21日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
※チェロ・パート譜付き
Lipkind Productions
LP009-H02ED(1CD+)
チェロ・ヒロイックスU
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番変ホ長調Op.107
ガブリエル・リプキン(Vc)
ヴォイチェフ・ロデク(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月17日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
※チェロ・パート譜付き
Lipkind Productions
LP012-H03ED(1CD+)
チェロ・ヒロイックスV
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調Op.33
ガブリエル・リプキン(Vc)
アントニー・ヘルムス(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月18日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
※チェロ・パート譜付き

Lipkind Productions
LP015-H04ED(1CD+)
チェロ・ヒロイックスW
ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックニ長調Op.12
ガブリエル・リプキン(Vc)
イヴァン・メイレマンス(指)アーネムPO

録音:2009年11月25日ズットフェン市立劇場
※チェロ・パート譜付き
極限まで自らを研ぎ澄まして一音一音に魂を込める、イスラエル出身のチェリスト、ガブリエル・リプキン。自ら率いるレーベル「Lipkind Productions」から、自ら校訂し、自らの演奏の秘密を全て記したチェロ・パート譜本つきの協奏曲CDが発売されます(CD内容はチェロ・ヒロイックスと同内容、盤は通常CDレイヤーのみの仕様となります)。演奏を聴いているだけでも、その究極まで集中した音色に圧倒される力演ですが、こうして横長に配されたチェロ・パート譜を見ながら聴くことにより、より深い世界へと誘い込まれるような気分になります。細かなフレージングやブレス、指の開き具合など、チェロを弾く方にはヒントが満載なので、チェロを弾く方にはまたとない資料となることは言うまでもありません。教育的な面はもちろんのこと、リプキンという音楽家の秘密、さらに、音楽の世界の深さを知ることができる貴重なシリーズです! (Ki)

Smekkleysa
ISO-1(2CD)
グヴズムンスドウッティル/ヴァイオリン協奏曲集
エルガー:ヴァイオリン協奏曲ロ短調*
アウグーストソン(1926-):構造 II(1978-1979)+
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 Op.15#
パウトル・P・パウルソン(1928-):ヴァイオリン協奏曲**
グヴズニー・グヴズムンスドウッティル(Vn)
ジェイムズ・ロッホラン(指)*
リチャード・バーナス(指)+
シドニー・ハース(指)#
ペトリ・サカリ(指)**
アイスランドSO

録音:1992年11月10日*、
1994年10月28日+、1996年12月6日#
2001年6月12日**、
ハウスコウラビーオウ(大学映画館)、レイキャヴィーク、アイスランド
1974年から2010年にかけてアイスランドSOのコンサートマスターを務めたグヴズニー・グヴズムンスドウッティルが独奏者として演奏した協奏曲録音集。ヘルベルト・H・アウグーストソンとパウトル・P・パウルソンはオーストリアに生まれアイスランドの音楽に大きな貢献をした作曲家。
※アイスランドSOの自主製作盤ですが、代理店ではは配給元であるSMEKKLEYSAレーベルとして管理いたします。


CLAVES
50-1010(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲ニ長調Op.61a(ヴァイオリン協奏曲のピアノ編曲版)
C.P.E.バッハ:協奏曲ハ短調Wq.43No.4
ドミトリー・バシキーロフ(P)
(Steinway&Sons D-274)、
ペーテル・チャバ(指)ローザンヌCO

録音:2010年4月30日-5月2日、ローザンヌ
ベートーヴェンのこの作品やブラームスノ協奏曲のようにオケの導入部分が長い作品では、まず指揮者が味わい深い音楽を繰り広げてくれないと聴く気を削がれてしまいがちですが、チャバの指揮は実に丁寧で愛情に満ち、これから素晴らしい演奏が開花するという期待を抱かせるのに十分なもの。そしてバシキーロフの透明感のある美音が入ると一気に花園に舞い降りたような雰囲気に。フレージングに常に内省的な歌が滲み、第1楽章展開部11:44からはまるでバッハのような格調と奥深さが漂い、12:21からはバシキーロフのロマンティックな感性とタッチの制御力が利いたレガートの素晴らしさに息を呑みます。この録音時にはバシキーロフは80歳目前でしたが、第1楽章のカデンツァで明らかなように、音色は常に冴え、リズムの弾力にも老いの影など皆無。終始ゆとりを感じさせる緊張感をベースに、豊かな歌心を通わせた第2楽章も心に染みます。【湧々堂】


Altus
ALT-227(2CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047
ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調BWV1051
ゲルハルト・ボッセ(指)
神戸市室内合奏団
[客演奏者:コンサートマスター:白井圭(vn)、平尾雅子&瀬田麗(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、花崎薫(vc)、北谷直樹(チェンバロ)、白尾彰(fl)、古部賢一、森枝繭子&多田敦美(ob)、岩佐雅美(fg)、
太田光子&宇治川朝政(ブロックフレーテ)、垣本昌芳&永武靖子(hr)、高橋敦(tr)]

録音:2011年3月10日神戸文化ホール中ホール(ライヴ)
“先鋭的なバッハとは発する波動が全く別物!心に優しく宿るこの余韻!”
なんと人間味に溢れたバッハでしょう!いわゆる古楽器派と現代楽器派の混成チームによる演奏ですが、「個人プレーの競演」といった派手さは皆無。異質な響きを無理やり凝縮したような印象も与えず、ただただ心を込めた音楽のエッセンスだけが連綿と流れ、ヴィブラートの有無や楽器の種類などの演奏手段を云々することはあまりにも無粋というものでしょう。
第1番第1楽章のリズムの弾力もひたひたと慈愛がフレージングも、落ち着くべきところの落ち着いたという安堵感、風合いには何物にも変えがたい魅力です。同第2楽章の作為の全くない情感も、人間本来の感性にぴったりと寄り添うもの。第2番第2楽章の各奏者の互いを優しく包み込みような風情、特にブロックフレーテのニュアンスが絶品!同終楽章のテンポの小気味よさは、決してリズムだけが際立つことなく、まさに音楽全体が軽妙洒脱。第4番もブロックフレーテが実に可憐。その響きが中心となった音像はまさに花園。中間部のヴァイオリンの早急な走句も自己顕示の欠片もなく、全員が緊張と緩和のさじ加減を阿吽の呼吸で理解し合っているこれぞ融和の妙。現代楽器が主体の場合、大時代的な演奏になりがちな第5番も、響きの厚みが程よく、音価の保ち方も粘着質にならず、あくまでも軽い浮遊感を表出し、バッハの音楽の素の部分しか感じさせません。
演奏スタイルの学究的な考察に関わらず、一途にバッハの音楽を堪能したい方には待望の録音といえましょう。
なお、この録音は東日本大震災前日の3月10日に行われ、この録音に対するボッセ氏の熱い思いを記したライナー(そのインタビューから1ヶ月後に90歳で逝去)からも、この演奏に如何に満足していたかが痛感できます。【湧々堂】

プリマコフ
BRIDGE
BCD-9339(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集Vol.2
ピアノ協奏曲第11番ヘ長調K.413(カデンツァ:モーツァルト作)
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466(カデンツァ:第1楽章=ベートーヴェン作、第3楽章=クリスティアン・ツァハリス作)
ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467(カデンツァ:ディヌ・リパッティ作)
ヴァシリー・プリマコフ(P)
ジモン・ガウデンツ(指)オーデンセSO

録音:2010年
前回の第24-27番(BCD-9328)に続く、プリマコフのモーツァルト:ピアノ協奏曲シリーズ第2弾。プリマコフのタッチはまさに珠を転がすような軽やかさがあり、内面から引き出される繊細な語り口はどれを取っても閃きに満ち、一音たりとも聴き逃せません。カデンツァへのこだわりと、ピリオド奏法も取り入れた濃密なオケの響きとのブレンドぶりも聴きものです。
「第11番」は、特に第2楽章の古典的フォルムの中でひっそりとロマンの情感を漂わせる風情が忘れられません。雑念の一切ないまさに音楽の結晶がここにあります。
「第21番」は、オケの伴奏が闊達に発言力をもって開始するので、内省的なプリマコフのピアノとどうやって協調を図るのかワクワクさせますが、プリマコフは推進力は帯びても音を外に放射せず、内面から育んだ語りの優しさと、自分の立ち位置から一歩も外れないクールな強靭さは保持し、オケとの響きとの絶妙な相乗効果を生んでいます。第1楽章第2主題はメインのフレーズのみならず、アルペジョ風の楽想まで涙に濡れています。
「第20番」は、第1楽章をオケが高速テンポで攻撃的に開始するので、21番以上にプリマコフとの連携ぶりに期待が高まりますが、ここでもピアノの第1音から、何事もなかったかのように一気にプリマコフ・ワールドを敷き詰めます!軽く触れただけでも汚れそうな至純のタッチの内面には強靭な核が内包されているので、音楽自体が脆弱になることなく、聴き手の心に確実に届くのです。第2楽章は罪作りなくらい美しく、スタッカートの弾力ひとつ取ってもプリマコフの並外れた感性の高さを窺い知ることができます。終楽章は究極とも言える名演で、オケのの連携の固さは比類なし!特に3:51から木管との対話で、互いにニュアンスを投げかけ合う強固な結びつきとその緊張はお聴き逃しなく。ベートーヴェンへの接近を思わせるツァハリス作の勇壮なカデンツァも説得力満点。【湧々堂】

Aurora
ACD-5066(1CD)
ペーテル・ヘレスタール〜キャッチ・ライト
(1)ヨン・オイヴィン・ネス(1968-):マッド・キャップ・トゥートリング(ヴァイオリン協奏曲)(2003)

(2)ヘンリク・ヘルステニウス(1963-):ヴァイオリン協奏曲「声のするところから微かな光が」(2001)

(3)ギスレ・クヴェルンドク(1967-):イニシエーション(1992)(ヴァイオリンと管弦楽のための)

(4)ニルス・ヘンリク・アスハイム(1960-):キャッチ・ライト(2009)(ヴァイオリン、打楽器と管弦楽のための)
ペーテル・ヘレスタール(Vn)
(1)ロルフ・グプタ(指)オスロPO
 録音:2008年4月28日-30日オスロ・コンサートホール
(2)ピエール=アンドレ・ヴァラード(指)
BIT20アンサンブル
 録音:2007年1月15日-17日グリーグ・ホール(ベルゲン、ノルウェー)
(3)ペーテル・シルヴァイ(指)オスロPO
 録音:2009年11月12日オスロ・コンサートホール(ライヴ)
(4)ピーター・ケイツ(Perc)
 ペーテル・シルヴァイ(指)ベルゲンPO
 録音:2009年3月28日グリーグ・ホール(ベルゲン、ノルウェー)(ライヴ)
優れた演奏家がいてはじめて、自分たちの作品は「可能性」から「実体」になる。そのことを知るノルウェーの作曲家たちは、現代の音楽に深い理解を示しヌールハイムのヴァイオリン協奏曲(BISCD1212)でノルウェー・グラミー賞、トンメセンのBull'sEye》(BISSA1512)で2002年のノルウェー音楽批評家賞を受けたペーテル・ヘレスタールに厚い信頼を寄せています。ノルウェー作曲家協会が主宰するレーベル、Auroraの最新アルバム『キャッチ・ライト』は、そのヘレスタールのポートレート・アルバムです。このアルバムでは、ヘレスタールが委嘱もしくは初演した「ヴァイオリン協奏曲」4曲が紹介されます。ヨン・オイヴィン・ネス、ヘンリク・ヘルステニウス、ギスレ・クヴェルンドクは、彼と同じ時期にオスロのノルウェー国立音楽アカデミーで学んだ作曲家たち。ニルス・ヘンリク・アスハイムは、一足早くプロの音楽家として出発し、オルガニスト、ピアニスト、作曲家として活躍しています。 音楽のスタイルと表現する内容の大きく異なる4人の作品。ヴァイオリンのソロに始まるネスの《マッド・キャップ・トゥートリング》は、メディアを前にイラクへの侵攻をぶち上げ、「われらの時代でもっとも馬鹿げた悲劇的戦争のひとつ」を引き起こしたアメリカ合衆国第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ(ペラペラしゃべる無鉄砲者)へのあてこすりです。ヘルステニウスの《声のするところから微かな光が》は、同じ和声が循環する4つの部分から構成されています。ヴァイオリンのソロとアンサンブルが「距離」を置かず、ともに音のテクスチュアを微細に変化させていきます。この2曲は、オスロとベルゲンでセッション録音され、SimaxとAuroraのアルバムに収録された音源が再び使われています。 クヴェルンドクの《イニシエーション》ではソロとオーケストラは、伝統のヴァイオリン協奏曲に見られる「距離」を保ちながら音楽を展開します。アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲をほのめかす旋律が開始早々現れます。「肖像写真に撮られた人物の目に映りこむもの」がイメージされたという、アスハイムの《キャッチ・ライト》。電気的に増幅されたヴァイオリンと打楽器の音が音楽の空間に加わります。クヴェルンドクとアスハイムの作品は、オスロとベルゲンのコンサートがライヴ録音されました。 アスハイムの曲の打楽器ソロを担当するピーター・ケイツはアメリカ出身。ベルゲン・フィルハーモニックのソロ首席打楽器奏者とグリーグ・アカデミー打楽器科の科長を務め、ベルゲンに本拠を置く現代音楽アンサンブル、BIT20にも参加しています。 (Ki)

Fabra
FBRCD-04(1CD)
ビョルン・H・クルーセ(1946-):Nostros(ヴァイオリンと弦楽の為の協奏曲;2002)*
ギスレ・クヴェルンドク(1967-):Omriss(9人の弦楽器奏者と合唱の為の)+
ヘンリク・オーデゴール(1955-):Nyslatt(2つのハリングフェレと弦楽合奏の為の;2000)#
ペール・アンデシュ・ビューエン・ガルノース、
トルゲイル・ストロン(ハリングフェレ)#
Cor声楽アンサンブル+
テレマルク室内O
ラーシュ=エーリク・テル・ユング(Vn*、指)

録音:2003年1月20-22日*、2005年2月8-11日(+/#)、ボー教会(ノルウェー)

KNS Classical
KNS-A/009(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
マルコ・スキアヴォ(P)
ワレーリー・ポリャンスキー(指)
ロシア国立SO(ロシア国立シンフォニー・カペラ)


録音:1996年4月1-3日、モスクワ、モスフィルム・スタジオ

Tallpoppies
TP-042(1CD)
【未案内旧譜】
ハイドン:ホルン協奏曲ニ長調HobVIId:3
クリストフ・フェルスター(1693-1745):ホルン協奏曲変ホ長調
テレマン:ホルン協奏曲ニ長調
アントン・タイバー:ホルン協奏曲変ホ長調
ヘクトル・マクドナルド(Hrn)
ブレット・ケリー(指)
アカデミー・オヴ・メルボルン
ヘクトル・マクドナルドは、ウィーン響の首席ホルン奏者。

ELOQUENTIA
EL-1024(2CD)
サン=サーンス:チェロのための作品全集
[CD1]@チェロ協奏曲第1番op.33イ短調*
  Aチェロ協奏曲第2番op.119ニ短調
  Bチェロ・ソナタ第2番op.123ヘ長調
[CD2「]白鳥」(1挺のチェロと2台ピアノ版)*、チェロ・ソナタ第1番ハ短調Op.32、チェロとピアノのための組曲
Op.16、ロマンスヘ長調Op.36、ロマンスニ長調Op.51、アレグロ・アッパシオナートOp.43、サッフォー風の歌Op.91、
ガヴォット(遺作)(ピアノ伴奏版世界初録音)
ルイジ・ピオヴァーノ(Vc)
使用楽器:[CD1]@Aマッテオ・ゴフリラー(1730頃)、Bアレッサンドロ・ガリアーノ(1710頃)

[CD2]アルトゥーロ・フラカッシ(1935年)
ピエロ・ベッルーギ(指)テアトロ・マッルチーノO
ピアノ:ナッツァレーノ・カルージ([CD1]/ヤマハ)、
ルイザ・プレイエル([CD2]/使用楽器:1883年製スタインウェイ・コンサート・グランド・Dモデル(ローズウッド材)、
1999年復元/「白鳥」はセカンド・ピアノ・パートを多重録音)
*はライヴ録音
いぶし銀のような音色を奏でる現代の名手、ピオヴァーノによるサン=サーンスのチェロ作品全集(CD2は以前EL.0401として単独で発売)。協奏曲第2番の超絶技巧から、ピアノとの親密な室内楽まで、チェロの魅力を堪能できます。ピオヴァーノは、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の首席ソロ奏者。 (Ki)

Classic Concert Records
CCR-62003(1CD)
人生のリズム
(1)ジョン・スローワー:2つのマリンバとソプラノのための「一つの世界」
(2)2つのマリンバとソプラノのための「ラヴ・ソングズ」
(3)独奏マリンバと管弦楽のための「人生のリズム」
ボグダン・バカヌ、神谷百子(Marimba) 
カッサンドラ・ディミポウロウ(Sp)
ジョン・スロウワー(指)
ザルツブルク・ゾリステン
(1)は神谷百子に(2)は神谷とボグダン・バカヌに(3)はバカヌに献呈されている。
Classic Concert Records
CCR-62004(1CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番BWV1004〜シャコンヌ
ジョン・スローワー:真実の色彩、
 人生のリズム(マリンバ独奏版)
エマヌエル・セジュルネ:マリンバ協奏曲
ボグダン・バカヌ(Marimba)
エヴァルド・ダンホッファー(指)
ザルツブルク・ゾリステン
バッハのシャコンヌはボグダン・バカヌによる編曲。

Classic Concert Records
CCR-62006(1CD)
バッハ:マリンバ協奏曲ハ短調BWV1060
マリンバ協奏曲ハ長調BWV1061
マリンバ協奏曲ハ短調BWV1062
ペーター・ザードロ(指)
ウェイヴ・カルテット(ボグダン・バカヌ、内山詠美子、ヴラディーミル・ペトロフ、クリストフ・ズィーツェン〜マリンバ)
Classic Concert Records
CCR-62002(1CD)
バッハ:マリンバ協奏曲ニ短調BWV1052
マリンバ協奏曲ニ長調BWV1054
マリンバ協奏曲ヘ短調BWV1056
ボグダン・バカヌ、
カテジナ・ミツカ(マリンバ)
ブカレスト国立RSO

Classic Concert Records
CCR-62006(1CD)
バッハ:マリンバ協奏曲ハ短調BWV1060
マリンバ協奏曲ハ長調BWV1061
マリンバ協奏曲ハ短調BWV1062
ペーター・ザードロ(指)
ウェイヴ・カルテット(ボグダン・バカヌ、内山詠美子、ヴラディーミル・ペトロフ、クリストフ・ズィーツェン〜マリンバ)
Classic Concert Records
CCR-62002(1CD)
バッハ:マリンバ協奏曲ニ短調BWV1052
マリンバ協奏曲ニ長調BWV1054
マリンバ協奏曲ヘ短調BWV1056
ボグダン・バカヌ、
カテジナ・ミツカ(マリンバ)
ブカレスト国立RSO


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