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湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


協奏曲・新譜速報1


※発売済のアイテムも含めて、約3ヶ月間掲載しています。
※新しい情報ほど上の段に記載しています。
※表示価格は全て税込みです。




IBS CLASSICAL
IBS-22025(1CD)
ハイパークラヴィーア - ヤナーチェク、フェーベル:ピアノとアンサンブルのための作品集
ヤナーチェク:コンチェルティーノ JW7/11
 カプリッチョ JW7/12
ラインハルト・フェーベル(1952-):ハイパークラヴィーア
オスカル・マルティン(P)
サイール・エンセンブレ
フアン・ガルシア・ロドリゲス(指)

録音:2020年11月、2021年11月
19世紀のチェコに生まれたヤナーチェクと20世紀のドイツ生まれのフェーベル、ほぼ100歳違いの2人の作品 を合わせて収録したアルバム。いずれもピアノ(カプリッチョは左手ピアノ)とやや大きめのアンサンブルのために 書かれた作品です。「ハイパークラヴィーア」は独奏ピアノと弦楽四重奏にコントラバスに、フルート、オーボエ、 クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、パーカッション各1という編成。独創的な楽器の組 み合わせや即興的な要素が盛り込まれています。

Orchid Classics

ORC-100374(1CD)
ポートレート・オヴ・ショパン
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.22
ララ・メルダ(P)
カルドゥッチSQ

録音:2024年11月14日-15日、25-26日
2010年のBBCヤング・ミュージシャン・コンクール優勝者のララ・メルダが、念願だったというピアノ五重奏版の ショパンのピアノ協奏曲を録音。メルダはこれら2曲のピアノとオーケストラとの繊細な対話のような特質に強く 惹かれ、その美質をもっともよく引き出すために弦楽四重奏との演奏を選びました。彼女が目指したのは、 ショパン自身が演奏していたサロンのような親密な空間でのニュアンスに富んだ演奏。録音に使われた Shigeru Kawaiのピアノの音も効果を発揮したと語っています。
Orchid Classics
ORC-100380(1CD)
ブルッフ、トゥール:ヴァイオリン協奏曲
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26
エリッキ=スヴェン・トゥール(1959-):ヴァイオリン協奏曲第2番「Angel’s Share 天使の分け前」
ハンス・クリスティアン・アーヴィク(Vn)
オーデンセSO
ジェンマ ・ニュー(指)

録音:2024年1月22-26日
2022年のカール・ニールセン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で第1位とオーケストラ賞を獲得した、エ ストニア出身のハンス・クリスティアン・アーヴィク(1998年生まれ)のアルバム。既にグラモフォン誌の「注目の アーティスト」として評価される彼は、エストニア国立SOやタリン室内Oなどでソリストとして活 躍、室内楽奏者としても高く評価されています。このアルバムではブルッフと母国エストニアの作曲家トゥール の作品を演奏。ブルッフでは持前の伸びやかな音色で旋律を美しく歌わせ、ウイスキーの熟成過程で蒸発 する分を表す「天使の分け前」のタイトルを持つトゥールでは、倍音や不安定なリズムを用いた浮遊感ある 音楽から美しさを引き出し、作品の特色を最大限に生かし切っています。オーデンセ響を指揮するジェンマ・ ニューは2021年にサー・ゲオルク・ショルティ賞を受賞、現在ニュージーランドSOの首席指揮者を務 める俊英。

RAMEE
RAM-2403(1CD)
バッハ:3-4台のチェンバロのための協奏曲 BWV1063-1065
3台のチェンバロ、弦と通奏低音のための協奏曲 ハ長調 BWV1064〜vc/pg/jh
3台のチェンバロ、弦と通奏低音のための協奏曲 ニ短調 BWV1063〜bc/jh/pg
4台のチェンバロ、弦と通奏低音のための協奏曲 イ短調 BWV1065〜pg/vc/dk/bc
バッハ/ベルトラン・キュイエ編曲:ブランデンブルク協奏曲 第3番ト長調 BWV1048(4台のチェンバロのための編曲版) 〜jh/vc/bc/of
ヴィオレーヌ・コシャール[vc](Cemb)
ベルトラン・キュイエ[bc](チェンバロ、指揮)
オリヴィエ・フォルタン[of](Cemb)
ピエール・ガロン[pg](Cemb)
ジャン=リュク・オー[jh](Cemb)
ダヴォル・クルクリュス[dk](Cemb)
ル・カラヴァンセラーユ(古楽器使用)
ルイ・クレアック(Vn1)
川久保洋子(Vn2)
ジェローム・ヴァン・ワールベーケ(Va)
ブリュノ・コクセ(Vc)
リチャード・マイロン(Cb)

録音:2024年2月19-22日イェズス会教会、ヘーフェルレー(ベルギー中部フラームス・ブラバント州)
活況が続くヨーロッパの古楽器演奏シーンでも最前線をゆく、古楽器大国ベルギーとフランスを中心に活躍する錚々たる名手たちが集結し てのバッハ作品集。ライプツィヒ聖トーマス教会の聖歌隊監督となって以降、鍵盤音楽家として自身の作曲世界を追求してゆく傍ら数多くの 後進を育てたバッハは、既存の自作や先人の作品をもとに、複数のチェンバロで門弟たちが共演できる協奏曲を何作も残しており、ここでは 3台以上の鍵盤を必要とする現存作品3作が全て集められています。さらに、編曲を通じたバッハの鍵盤語法模索の過程を模す形で、彼 がケーテン宮廷楽長時代に書いた9つの弦楽器と通奏低音のための「ブランデンブルク協奏曲 第3番」を、4台のチェンバロで共演する形に 編曲したヴァージョンも収録。編曲を手がけたベルトラン・キュイエやharmonia mundi franceに名盤の多いジャン=リュク・オーらソロ活 動が目立つ名手の傍ら、ピグマリオンやカフェ・ツィマーマン、ネヴァーマインドなど第一線のアンサンブルを支える俊才弦楽器奏者たちが参 加、少数精鋭で聴かせる緊密なバッハ世界は実にスリリング!ALPHAレーベル初期盤群で頭角を現したユーグ・デショーがエンジニアを務 め、繊細な撥弦音の重なりとガット弦の響きが交錯する妙味を余さず収めてくれています。


Dynamic
CDS-8071(10CD)
ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲全集
【CD1】
協奏曲第8番ニ長調 W8/ G47
協奏曲第11番イ長調 W11/ G63
協奏曲第12番変ロ長調 W12/ G64
【CD2】
協奏曲第19番ト短調 W19
協奏曲第1番ハ長調 W1/ G32
協奏曲第2番ホ長調 W2/ G44
【CD3】
協奏曲第7番変ロ長調 W7/ G46
協奏曲第13番イ長調 W13/ G65
協奏曲第16番ホ短調 W16/ G85
【CD4】
協奏曲第18番ホ短調 W18/ G90
協奏曲第14番イ短調 W14/ G66
協奏曲第3番イ長調 W3/ G25
【CD5】
協奏曲第20番ニ長調 W20/ G92
協奏曲第27番ハ長調 W27/ G142
協奏曲第4番ニ長調 W4/ G33
【CD6】
協奏曲第23番ト長調 W23/ G98
協奏曲第5番ハ長調 W5/ G45
協奏曲第6番ホ長調 W6/ G34
【CD7】
協奏曲第17番ニ短調 W17/ G86
協奏曲第15番変ロ長調 W15/ G84
協奏曲第9番イ長調 W9/ G51
【CD8】
協奏曲第25番イ長調 W25/ G124
協奏曲第26番変ロ長調 W26/ G121
協奏曲第10番変ロ長調 W10/ G56
【CD9】
協奏曲第22番イ短調 W22/ G97
協奏曲第24番ロ短調 W24/ G105
協奏曲第28番イ短調 W28/ G143
【CD10】
協奏曲第29番ホ短調 W29/ G144
協奏曲第21番ホ長調 W21/ G96

※W:チャペル・ホワイトによる作品目録番号 / G:レモ・ジャゾットによる作品目録番号
フランコ・メッツェーナ(Vn…CD1-2/ヴァイオリン&指揮…CD3-10)
ヴィオッティ室内O…CD1-2
ルチアーノ・ボリン(指)…CD1-2
シンフォニア・ペルジナ…CD3-9
ミラノ・クラシカ室内O…CD10

録音:1990年5月 S. Silvestro’s Church, Costa di Conegliano Veneto…CD1
1991年5月 Conegliano Veneto…CD2
1996年5月 Sala S. Antonio, Perugia…CD3
1997年5月 Sala S. Antonio, Perugia…CD4
1998年5月 Sala S. Antonio, Perugia…CD5
1999年3月 Sala S. Antonio, Perugia…CD6-7
2000年6月 Sala S. Antonio, Perugia…CD8
2002年10月 Sala S. Antonio, Perugia…CD9
2004年10月 Lissone, Milan…CD10
※CDS-498の再発売盤
18-19世紀のイタリアでは、オペラの隆盛と対照的に、器楽作曲家たちは苦労し、多くは国外で成功を求 めざるを得ませんでした。この時代に活躍したヴァイオリニスト・作曲家ヴィオッティもその一人。トリノの宮廷に 仕え、イタリア国内で演奏旅行を行いましたが、1782年のパリでのコンセール・スピリチュエルでの衝撃的な デビューが彼を一躍有名にし、ヴェルサイユ宮殿に仕えたり歌劇場を設立するなど大活躍しました。しかし、 フランス革命が勃発。彼は1792年にイギリスへ亡命し一旦はパリに戻るも最期はロンドンで生涯を終えまし た。ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲は、フランス・ヴァイオリン楽派に強い影響を与えただけではなく、パガニー ニら後世のヴァイオリニストたちにも大きなインスピレーションを与えました。このBOXに収録されたのは29曲の ヴァイオリン協奏曲で、その作風はギャラント様式から初期ロマン派までと時代とともに変遷しています。特に ロンドン時代の作品は、彼の音楽的な成熟と変化を示すものと言えるでしょう。 演奏するフランコ・メッツェーナは、1953年イタリア・トレント生まれのヴァイオリニスト。サルヴァトーレ・アッカル ドに10年間師事し、研鑽を積みました。ヨーロッパ、日本、アメリカ、南米など世界各地のコンサートホール や音楽祭で演奏し、「イ・ムジチ」や「イ・ヴィルトゥオージ・ディ・ローマ」とともにツアーを行い好評を博していま す。この1990年から2004年に収録されたヴィオッティのヴァイオリン協奏曲全集は、世界初の企画として高 く評価されたものです。

CPO
CPO-555559(1CD)
ラウタヴァーラ:ヴァイオリン協奏曲(1977)
秋の庭(1999)
ウルフ・ヴァリン(Vn)
トゥルクPO
アリ・ラシライネン(指)

録音:2022年3月3-5日、2022年10月26-29日
自然や神秘主義の傾倒など、個性的な作風で知られたエイノユハニ・ラウタヴァーラの作品集。ヴァイオリン協奏曲 は1969年に構想され、1977年に完成しました。第1楽章は幻想的、第2楽章は情熱的な性格を持っていま す。彼が国際的な名声を得たのは1990年代後半で、1999年の「秋の庭」はBBCプロムスのための管弦楽曲。 第1楽章はオペラ「太陽の家」のテーマを基にした自然の景観美を追求した庭園を思わせる音楽、第2楽章はシ ベリウスの交響曲第6番を思わせる荘厳な響き、終楽章はサラバンドの調べで締めくくられます。最後の完成作品 「愛する人へのセレナード」は、ヒラリー・ハーンのために作曲されました。ヴォーン・ウィリアムズやシベリウスの後期作 品に通じる、美しく親密な趣のある作品です。

Cypres
CYP-4667(1CD)
Bleu Ardent 鬼火 〜アポリーヌ・ジェジュプレ作品集
アポリーヌ・ジェジュプレ(1995-):.ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲 (2023)
ヴァイオリン独奏のための (2024)
ピアノのための (2022)
ピアノのための (2024)
交響的絵画 (2023)*
マヤ・レヴィ(Vn)
アポリーヌ・ジェジュプレ(P)
ミュジーク・ヌーヴェル(弦楽オーケストラ)、ジャン=ポール・デシー(指)
ベルギー国立O*、
ジャック・ファン・ステーン(指)*

録音:2023-2024年 ベルギー
ベルギーの作曲家アポリーヌ・ジェジュプレのCypresからのアルバム第2弾。彼女はクロード・ルドゥの下 で研鑽を積み様々な賞を受賞、現在は多くのアーティストや音楽祭などから作品を委嘱されています。 その音楽は表現力と内面性、繊細さと高揚感の絶妙なバランスの上に成り立つ美しいもので、楽器の 音色の追及や洗練されたテクスチャーにより、大編成のアンサンブルからソロに至るまで精緻な曲作りが 追求されています。

Orchid Classics
ORC-100375(1CD)
Beethoven/5Vol.3
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19
ティモ・アンドレス(1985-):ブラインド・バニスタ
ジョナサン・ビス(P)
スウェーデンRSO
ペッカ・クーシスト(指)

録音:2024年9月10-12日(ライヴ)
1980年生まれのジョナサン・ビスは、2015年にセントポール室内Oと共同で、ベートーヴェンの5曲 のピアノ協奏曲それぞれにインスパイアされた新作を5人の作曲家に委嘱し、両曲をペアで演奏する 「Beethoven/5」というプロジェクトを立ち上げました。この第3集には、ペッカ・クーシストの指揮するスウェー デンRSOとともに演奏した、ベートーヴェンの協奏曲第2番とティモ・アンドレスの「ブラインド・バニス ター」を収録。アンドレスは、ベートーヴェンの第2協奏曲のカデンツァに着目し、旋律の要素(アルペジオや下 降音型)を出発点として発展させ、新しい音楽を構築しました。第1楽章では、ピアノが主要テーマを奏で、 オーケストラがそれを発展させながら、不協和音の層を積み重ね、第2楽章では、オーケストラのリズミックな 下降音型が楽章を先導、ピアノが半音階的な旋律を連ねていきます。この作品は2016年のピューリッ ツァー賞の最終候補となり、その後、ニューヨーク・フィルハーモニックなどによって演奏されています。

Music&Arts
M&ACD-1310(1CD)
「ドナ・ヴォーチェ 第3集」〜クララ・シューマン&シャミナード:ピアノ協奏曲&ピアノ作品集
クララ・シューマン
(1)ピアノ協奏曲イ短調 Op.7
(2)4つの束の間の小品 Op.15
(3)即興曲ホ長調
シャミナード(1857-1944):
(4)コンチェルトシュトゥック Op.40
(5)アラベスク第1番Op.61
(6)昔:6つのユーモラスな小品 Op.87-4
(7)アルルカン Op.53
(8)スカーフの踊り:6つのバレエの調べ Op. 37-3
(9)ソリチュード:プロヴァンスの詩 Op.127-2
(10)ル・パセ:プロヴァンスの詩 Op.127-3
(11)6つのロマンティックな小品 Op.55〜4手ピアノのための
アンナ・シェレスト(P
(1)(4)ネーメ・ヤルヴィ(指)エストニアSO
(11)ドミトリ・シェレスト(P)

録音:(1)(4)2023年6月1-21日エストニア・コンサートホールにてライヴ収録、
(2)(3)(4)-(11)2024年6月24日クロスウェイ・スタジオ
アンナ・シェレストの女性作曲家ピアノ作品集第3弾。今回は比較的著名なクララ・シュー マンとシャミナードの協奏曲を中心としたアルバム(第1 集はSOREL CLASSICS SCCD015、 第2集はM&ACD1309)。 アンナ・シェレストは1983年、ウクライナ出身。ハルキウ音楽院、ジュリアード音楽院で学ぶ。 ジェローム・ローウェンタールに師事。2012 年にハルキウSOと、ラフマニノフのピアノ 協奏曲第1番を共演してオーケストラ・デビュー。アントン・ルービンシュタインのピアノ協奏 曲全集をネーメ・ヤルヴィの指揮で行う。夫でピアニストのドミトリ・シェレストとデュオを結成し て積極的に演奏活動を行なっています。 名指揮者ネーメ・ヤルヴィ(b.1937)は長年に渡りエストニアSOの芸術監督と首席指揮 者を務め現在は名誉芸術監督に就任しています。収録当時86歳であるが、流石の指揮ぶり で音楽をまとめています。ライヴ収録の協奏曲とコンチェルトシュトゥックは録音も含めて非常 に良い仕上がりです。 スタジオ収録のソロと連弾も、収録日が1年ほど離れているにも拘らず演奏の集中力がライ ヴに劣る事なくアルバムの価値を更に高めています。

オクタヴィア
OVCT-00214(1SACD)
税込定価
2025年4月16日発売
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番
ブラームス:6つのピアノ小品Op.118〜第2番 間奏曲 イ長調
ジョージ・ハリオノ(P)
渡邊一正(指)
東京フィルハーモニーSO

録音:2024年11月28日 東京・サントリーホール・ライヴ
第17回チャイコフスキーコンクールで第2位を受賞した イギリス人ピアニスト、ジョージ・ハリオノ。当盤は 2024年11月に行われた彼のピアノ協奏曲日本デビュー 公演の記録です。(オクタヴィア)
「このライブ録音には、彼の瑞々しい輝きと細やかな 抒情性も持ち合わせた演奏、そして鮮やかに包容力を もって呼応してゆく渡邊一正指揮・東京フィルハーモ ニー交響楽団との、豪奢なアンサンブルが息づいてい る。」 ??飯田有抄(ライナーノーツより)

Ars Produktion
ARS-38514(1CD)
ウクライナのピアノ協奏曲集
ヴァシル・バルヴィンスキー(1888-1963):ピアノ協奏曲ヘ短調
ヴィクトル・コセンコ(1896-1938):ピアノ協奏曲ハ短調 Op.23
ヴィオリーナ・ペトリチェンコ(P)
リヴィウ国立PO
ヴォロディミール・シヴォヒプ(指)

録音:2024年2月-6月、リヴィウ・フィルハーモニー(リヴィウ、ウクライナ)
※全曲世界初録音
ウクライナに対する残忍な戦争の真っ只中、ウクライナの作曲家による記念碑的な作品の演奏と再発見は文化的な宣言となりつつあります。120年以上の歴史を持つウクライナ最古のオーケストラの一つであるリヴィウ国立PO(リヴィウ国立フィルハーモニーSO)は、この使命を誇りを持って担っています。その指揮者には、R・シュトラウス、マーラー、ラヴェル、バルトークなどの巨匠たちが名を連ねています。現在、指揮者で音楽学者のヴォロディミール・シヴォヒプの下、ミロスラフ・スコリク、アルヴォ・ペルト、ボダナ・フロリャクなどの重要な作品の初演が数多く行われました。
ウクライナのザポリージャ出身のピアニスト、ヴィオリーナ・ペトリチェンコは、ウクライナ国立チャイコフスキー音楽アカデミーで学んだ後、ドイツでヴァイマールのフランツ・リスト音楽大学、ケルン音楽大学でヤコブ・ロイシュナーに、エッセンのフォルクヴァング音楽大学ではエフゲニー・シナイスキーに師事。彼女は、母国ウクライナの音楽と文化の促進に尽力しており、彼女の取り組みにより、故郷の数多くの作品がより広く国際的に知られるようになりました。
本アルバムでペトリチェンコは、母国ウクライナの2人の作曲家、ヴァシル・バルヴィンスキーとヴィクトール・コセンコによる世界初録音となるピアノ協奏曲を取り上げています。いずれもこれまでほとんど注目されていなかったウクライナ音楽史における重要な作品であり、このアルバムを通して、これら作品が持つ魅力を聴衆に伝えています。

APR
APRCD-7319(3CD)
フレンチ・スクールのピアニスト達が弾いたフランスの協奏曲集

■CD1
(1)ジャンヌ=マリー・ダルレ(1905-1999)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22
(2)アルフレッド・コルトー(1877-1962)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番 ハ短調 Op.44
(3)草間加壽子(安川加壽子)(1922-1996)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 「エジプト風」 ヘ長調 Op.103
■CD2
(1)マルセル・エーレンシュミット(1895-1974)
ヴィドール:幻想曲 変イ長調 Op.62
(2)ルシアン・ヴルムザー(1877-1967)
アルベール・ペリルー:ピアノと管弦楽のための幻想曲
(3)ジャン・ドワイアン(1907-1982)
フォーレ:幻想曲 ト長調 Op.111
(4)フランシス・プーランク
プーランク:「オーバード」ピアノと18の楽器のための舞踏付き協奏曲
(5)マルゲリーテ・レスゲン=シャンピオン(1894-1976)
マルゲリーテ・レスゲン=シャンピオン:Idylle(Pと弦楽オーケストラのための3つの小品より)
マルゲリーテ・レスゲン=シャンピオン:Passepied(Pと弦楽オーケストラのための3つの小品より)
(6)ジャン・フランセ
フランセ:ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ(1932)
■CD3
(1)ジャン・フランセ
フランセ:ピアノ協奏曲(1936)
(2)アルノー・ド・ゴントー=ビロン(1897-1985)
アンリ・ソーゲ:ピアノ協奏曲第1番イ短調(1936)
(3)ジャック・フェヴリエ(1900-1979)
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
(4)エミール・パッサーニ(1905-1974)
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
■CD1
(1)コンセール・コロンヌO、ポール・パレ―(指)
録音:1948年2月24日、シャンゼリゼ劇場(パリ)(Pathe PTD167/9)
(2)オーケストラ名不詳、シャルル・ミュンシュ(指)
録音:1935年7月9日、アビー・ロード・スタジオ1(ロンドン)(HMV DB2577/9)
(3)東京SO(現・東京フィルハーモニーSO)、尾高尚忠(指)
録音:1943年、東京(Japanese Victor VH4080/3)
■CD2
(1)パリO、シャルル・ミュンシュ(指)
録音:1938年10月、パリ(French Polydor566.205/6)
(2)コンセール・コロンヌO、ヴィクトル・ガロワ(指)
録音:1939年、パリ(Boite a Musique:no catalogue number - this appears to be a private release)
(3)ラムルーO、ジャン・フルネ(指)
録音:1949年12月12日、シャンゼリゼ劇場(パリ)(La Voix de son Maitre DB11233/4)
(4)コンセール・ストララムO、ヴァルター・ストララム(指)
録音:1930年1月20日&22日、シャンゼリゼ劇場(パリ)(French Colimbia LF33/5)
(5)コンセール・マリウス=フランソワ・ガイヤールO、マリウス=フランソワ・ガイヤール(指)
録音:1941年5月30日、スタジオ・アルベール(パリ)(La Voix de son Maitre DA4996)
(6)BPO、レオ・ボルヒャルト(指)
録音:1937年2月26日、ベートーヴェン・ザール(ベルリン)(Telefunken E2175)
■CD3
(1)パリPO、ナディア・ブーランジェ(指)
録音:1937年2月9日、スタジオ・アルベール(パリ)(La Voix de son Maitre DA5034/5)
(2)パリ音楽院O、ロジェ・デゾルミエール(指)
録音:1943年6月29日、スタジオ・アルベール(パリ)(French Columbia LFX648/9)
(3)パリ音楽院O、シャルル・ミュンシュ(指)
録音:1942年10月8日、スタジオ・アルベール(パリ)(French Columbia LFX631/3)
(4)コンセール・コロンヌO、ジャン・フルネ(指)
録音:1947年10月28日、シャンゼリゼ劇場(パリ)(Pathe PDT155/7)
約150年間に渡りパリ音楽院での教えを中心として独特のピアニズムの育んできたフランス。その全盛期となる20世紀の最初の50年間に録音された貴重な録音の数々を掘り下げている「AP-R」の「フレンチ・ピアノ・スクール」シリーズ。最新作では、フレンチ・ピアノ・スクールの12人のピアニストの録音が集められ、ピアノと管弦楽のためのフランス作品13曲が収録されました。サン=サーンスの第2番とラヴェルの2つの協奏曲を除く10曲は、当時世界初録音されたもので、4曲は作曲家自身のソロによる演奏、それ以外の演奏者の殆ども作曲家をよく知っており一緒に仕事をしてきたピアニストたちで、フランス・ピアノ楽派が非常に特徴的な個性を持っていた時代に録音された、これらのレパートリーの決定的な音源となるものです。
特に、安川加壽子(当時・草間加壽子)が尾高尚忠の指揮で録音したサン=サーンスの「エジプト風」を始め、アルフレッド・コルトーのサン=サーンス、プーランクやフランセの自作自演といった貴重な録音の新たなリマスタリングにもご期待ください。

FONE
SACD-268(1SACD)
アッカルドのモーツァルト録音集

1. ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207より アレグロ・モデラート
2. ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261
3. ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364より プレスト
4. アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525より アレグロ
5. 弦楽五重奏曲 ハ短調 K.406より アンダンテ
6. 弦楽五重奏曲 変ホ長調 K.614より アレグロ
7. オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370より ロンドー(アレグロ)
8. 弦楽のためのアダージョとフーガ ハ短調 K.546
9. ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563より アレグロ
10. ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 K.403より アレグロ・モデラート
11. ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 K.376より アンダンテ
12. ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 K.296より ロンド - アレグロ
1. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn&指揮)、プラハ室内O(原盤:SACD056)
2. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn&指揮)、プラハ室内O(原盤:SACD088)
3. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn&指揮)、トビー・ホフマン(Va)、プラハ室内O(原盤:SACD090)
4. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)、フランコ・ペトラッチ(Cb)(原盤:SACD235)
5. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、シンシア・フェルプス(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)(原盤:SACD091)
6. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、シンシア・フェルプス(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)(原盤:SACD222)
7. アウグスト・ロッピ(Ob)、サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)(原盤:SACD229)
8. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)、フランコ・ペトラッチ(Cb)(原盤:SACD133)
9. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)(原盤:SACD133)
10. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、ブルーノ・カニーノ(P)(原盤:SACD231)
11. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、ブルーノ・カニーノ(P)(原盤:SACD234)
12. サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、ブルーノ・カニーノ(P)(原盤:SACD237)

録音:1988年&1990年
イタリアのオーディオファイル・レーベル【Fone(フォネ)】との30年以上にわたるコラボレーションで、多くの録音を遺してきたイタリア・ヴァイオリン界の巨匠、サルヴァトーレ・アッカルド。そんなFoneの音源からアッカルドが弾いたモーツァルト録音のベスト・トラックを選りすぐったコンピレーション・アルバム。
ヴァイオリン協奏曲から協奏交響曲、四重奏曲、三重奏曲、五重奏曲、ヴァイオリンとピアノのデュオまで、様々な編成でモーツァルトの並外れた音楽とアッカルドのパフォーマンス、そしてFoneの優秀録音を体験できる1枚です。

RUBICON
RCD-1193(1CD)
シベリウス、シマノフスキ&ヤルネフェルト
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
アルマス・ヤルネフェルト:子守歌 ト短調
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.61
レア・ビリンガー(Vn)、
ベンジャミン・シュウォーツ(指)
ライン州立PO
シベリウスが自宅から見た湖の景色にインスピレーションを得て作曲をしたというヴァイオリン協奏曲。この作品は2つの大きなカデンツァがあり、演奏者にとって最大の挑戦となっていますが、ここではレア・ビリンガーが見事にフィンランドの情景を想像させるように奏でています。シベリウスと義兄弟であり仲の良かったアルマス・ヤルネフェルトの子守歌は、シベリウスの2歳の娘にインスピレーションを受け作られた感動的な作品です。
ショパンと同じくポーランドを代表する作曲家の一人であるシマノフスキ。彼の作品はR・シュトラウスのようなロマン主義、ストラヴィンスキーの初期のバレエ、そしてもちろんポーランドの伝統音楽を取り入れています。彼はこのヴァイオリン協奏曲を「ひどく感傷的」と評しています。
14歳の時にベルリンのフィルハーモニーでのソロ・デビューを飾り、国際的なキャリアをスタートしたヴァイオリニストのレア・ビリンガーは、ザルツブルク音楽祭やMDRムジークゾマー(MDR音楽の夏)、ダヴォス国際音楽祭など世界各地の国際音楽祭で活躍。クロスター・シェーンタール、ロドルフォ・リピツァー、シュポア、ヤンポルスキーの各国際コンクールで入賞を果たし、2008年にはブラームス国際コンクールで最高位を受賞するなど、華々しい活躍を見せるドイツの才女です。

Lyrita
SRCD-444(1CDR)
イギリスのピアノ協奏曲集 Vol.3(キャノン、アディソン、シャグラン)
フィリップ・キャノン(1929-2016):ピアノと弦楽のためのコンチェルティーノ(1951)
ジョン・アディソン(1920-1998):ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ(1958)、
 カンバセーション・ピース(1958)
フランシス・シャグラン(1905-1973):ピアノと管弦楽のための協奏曲(1943、1969改訂)
サイモン・キャラハン(P)、
BBCウェールズ国立O、
ウィリアム・ボートン(指)

録音:2023年10月、ホディノット・ホール(イギリス、カーディフ)
数多くの知られざる作品を取り上げてきたピアニスト、サイモン・キャラハンによる20世紀英国の知られざるピアノ協奏曲集の第3弾(第1弾:SRCD-407、第2弾:SRCD-416)。フィリップ・キャノンの「コンチェルティーノ」は、ピーターズフィールド音楽祭のために書かれた新古典主義的な作品。ジョン・アディソンの「コンチェルティーノ」は、軽妙ながらも「本格的な協奏曲」として作曲者自身が自負した作品です。フランシス・シャグランの「コンチェルト」は、1944年に作曲家自身の指揮するLSOとともに初演されましたが、本人は「私の音楽は初演のためのものではなく、ただ演奏されるためのものだ」と述べています。アルバムは軽妙なユーモアを交えたアディソンの「カンヴァセーション・ピース」で締めくくられます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

DUX
DUX-2133(1CD)
パデレフスキ:ピアノ協奏曲、他
イグナツィ・ヤン・パデレフスキ(1860-1941):ピアノ協奏曲 イ短調 Op.17
ポーランド幻想曲 嬰ト短調 Op.19
イヴァン・シェムチュク(P)
ミハウ・K.シマノフスキ(指)
ポーランド・パデレフスキSO

録音:2024年10月28日−31日、クシシュトフ・ペンデレツキ・ヨーロピアン音楽センター(ルスワビツェ、ポーランド)
政治家・外交官としても活躍したポーランドの偉大なコンポーザー=ピアニスト、イグナツィ・ヤン・パデレフスキのピアノ協奏曲。ソリストは、1994年ウクライナ出身のイヴァン・シェムチュク。ウクライナでピアノを学んだ後、ポーランドへと渡ったシュムチェクは同地で頭角を現し、ポーランドのサノクで開催された第10回国際ピアノ・フォーラムを皮切りにデンマーク、ロシア、リトアニア、チェコ、ポーランドなどでのコンクールで優秀な成績を収めてきました。2020年にはラフマニノフのトランスクリプション・アルバム(DUX1670)で華麗なレコーディング・レビューを飾っています。
伴奏するポーランド・パデレフスキ交響楽団は、国立音楽舞踊研究所のサポートとヤロスワフ・ジェヴィエツキ教授の主導の元、2023年12月に設立されたばかりのオーケストラで、ブィドゴシュチュのフェリクス・ノヴォヴィエイスキ音楽アカデミーを中心としたポーランドの音楽アカデミーの優秀な卒業生たちで構成されています。イヴァン・シェムチュクも同音楽院でジェヴィエツキ教授に教わっていました。

Biddulph
BIDD-85057(1CD)
アーサー・カテラル〜アコースティック録音集
(1) モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調K.219(カデンツァ…第1楽章&第3楽章:ヨーゼフ・ヨアヒム)
(2)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.108
(3)フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
アーサー・カテラル(Vn)
ハミルトン・ハーティ(指)オーケストラ
ウィリアム・マードック(P)

録音(すべてMONO):音源(初出盤を使用)
(1)1924年4月/Columbia L1592/95(matrices AX400/407)
(2)1923年11月18日/Columbia L1535/37(matrices AX223/28)
(3)1923年11月18日、1924年4月11日/Columbia 67164/67[set M-33]
(matrices AX229/34and AX413/14)
アーサー・カテラルは履歴を見てもわかるように、20世紀前半のイギリス音楽界を代表する存在です。従って、彼が残した録音は、その当時の空気を知ろ うと思った時、どんな文献よりも重要な記録であることがわかる。彼の録音の大半がラッパ吹き込み(アコースティック)であったためか、彼の特質は一部の愛好 家に知られていただけだが、今回初めて単体のCDにまとめられたのは大きな喜びです。 カテラルの演奏の良いところは、誰にもたちどころにその個性が聴き取れること。まず耳につくのは、この時代の奏者に共通するポルタメントです。これを彼は 非常に多用しているのだが、いかにも英国紳士のように、あくまで上品、典雅です。そして、そのテンポの配分や表情の変え方も、実に特徴的で、他の奏 者とは全く異なっています。それはたとえば、モーツァルトの協奏曲に顕著であろう。これだけまろやかで個性的な演奏は他にはないと思う。 ブラームスのソナタも、冒頭部分を聴いただけで、従来の演奏にはない雰囲気であることが明らかだ。このように濡れた情感こそ、ブラームスの本質ではなかろ うか。フランクのソナタはティボーのそれと並び、ラッパ吹き込みされた2大全曲録音であある(部分的な録音はこれら以前にも存在する)。このフランクも非常 に美しく、カテラルの音楽性が十全に発揮されています。品格と内容という点では、ティボーになんらひけをとるものではない。ラッパ吹き込みゆえにピアノの立体 感に難はあるものの、このソナタを好きな人は、ぜひ聴いて欲しい。 3曲の中でモーツァルトとブラームスはともに世界初録音であり、録音史上でも重要です。【平林直哉】
アーサー・カテラルは、アルバート・サモンズと共に20世紀前半の英国楽壇を代表するヴァイオリニストで、英コロンビア等に録音も行いましたが、なぜか LP,CDを通じて復刻盤が非常に少なく、当盤は貴重なものです。1883年に音楽家の家庭に生まれたカテラルは早熟の才能を発揮し、9歳でメンデルス ゾーンのヴァイオリン協奏曲を公開の場で演奏。10歳前にハレOのコンサートマスター、ウィリー・ヘスの指導を受けた後、チャイコフスキーのヴァイオリ ン協奏曲を初演したアドルフ・ブロツキーに学び、強い影響を受けました。1902年からハレ管の指揮者を務めていたハンス・リヒターがカテラルにほれ込み、バ イロイト音楽祭に招いて祝祭Oと共演。二人はその後何度も共演しています。カテラルの名声はアメリカにも及び、1913年から25年にかけてハレ管 のコンサートマスターを務めていた間、1920年にピエール・モントゥー率いるボストン響からコンサートマスターに招かれましたが、英国に残ることを選んで辞退 しました。1929年にはエイドリアン・ボールトの下に新設されたBBC響のコンサートマスターに招かれ、36年まで務めました。カテラルはソロ、室内楽、 更には指揮者としても活動し、彼によって初演・英国初演された同時代作品も多数あります。ここに復刻されたモーツァルトとブラームスは史上初の全曲盤 だったとのこと。ただしモーツァルトの第2楽章と第3楽章に少しカットがあります。ブックレットには歴史的録音の研究家Jonathan Woolf氏による8ページの 解説(英語のみ)とカテラルの写真3点が掲載されています。

CPO
CPO-555379(1CD)
ヴィヴァルディ:ピゼンデルのためのヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 RV237
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV314
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV205(第3楽章のカデンツァ:アントニオ・ヴィヴァルディに基づくフェデリコ・グリエルモ作)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV328
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV340(第3楽章のカデンツァ:アントニオ・ヴィヴァルディ)
フェデリコ・グリエルモ(Vn)
ラルテ・デラルコ(古楽器アンサンブル)

録音:2021年9月1ー3日イタリア、パドヴァ県カリチェリ(現サンタ・カテリーナ・デステ)、聖マリア修道院
ヴィヴァルディに霊感を与えたヴァイオリン奏者といえば、最近ではアンナ・マリアやキアーラといったピエタ慈善院の女性ヴァイオリン奏者に注目が集まっています が、もう一人忘れてはならない人物がピゼンデルでしょう。ヨハン・ゲオルグ・ピゼンデル(1687?1755) は、18世紀ヨーロッパで最高の楽団と謳われたドレス デンの宮廷楽団で、長年コンサートマスターを務めた天才ヴァイオリン奏者として知られ、あのバッハの無伴奏ヴァイオリン作品は彼を想定して書かれたとされ ています。1716年には、ヴェネツィアでヴィヴァルディの教えを受け、ドレスデンにヴィヴァルディの作品を持ち帰ったことでも知られています。最近では作曲家と しての側面にも注目を浴び、ピゼンデルの技巧的な協奏曲やソナタ等をCDで聴けるようになりました。ヴァイオリンに対する天賦の才を持っていたピゼンデル のために、ヴィヴァルディはいくつかの作品を献呈しました。ピゼンデルがドレスデンに持ち帰ったヴィヴァルディの作品の中には、そうした作品も含まれていたよう です。このCDには、ヴィヴァルディがピゼンデルのために書いたとされる技巧的なヴァイオリン協奏曲が集められています。 当代随一と言われたピゼンデルの圧倒的な技巧を想定して書かれたヴァイオリン協奏曲というだけあり、各協奏曲には、様々なヴァイオリン技法が散りばめら れています。特に、重音奏法や超高音でのパッセージなど、火の出るような超絶技巧が連続するニ長調の協奏曲RV 205は、その最たるものでしょう。また RV205とRV 340の第3楽章に登場するカデンツァも聴きものです。 演奏は、ラルテ・デラルコ。卓越した技巧を持つヴァイオリニスト、フェデリコ・グリエルモ率いる1994年創設のイタリアのピリオド楽器アンサンブルで、音楽学者 と密接な連携を図り、最新の学説を取り入れた演奏に定評があります。主にヴェネツィアのバロック音楽を有名作品から世界初録音作品まで幅広く録音 し、高く評価されています。ヴィヴァルディ作品の録音では「アンナ・マリアのための6つのヴァイオリン協奏曲」(cpo 777078)、ドレスデン宮廷での演奏を想定 した管楽器を伴う「四季」(cpo 777037)などが話題を呼びました。この録音では、フェデリコ・グリエルモが、ピゼンデルもかくやという超絶技巧で、ヴィヴァル ディがピゼンデルに寄せた協奏曲を一気に聴かせてくれます。グリエルモのヴァイオリンに牽引されるように推進力あるオーケストラの演奏も魅力的です。

Solo Musica
SM-476(1CD)
ハンス・ショイブレ(1906-1988):管弦楽作品集
クラリネット協奏曲 Op.46(1961/69改訂)
交響的協奏曲− 弦楽オーケストラとオブリガート・ピアノのための Op.33(1949/73改訂)
2つの独奏ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための音楽 Op.18(1935-50/78改訂)
ポール・メイエ(Cl)
オリヴァー・トリンドル(P)
マティアス・リンゲンフェルダー(Vn)
ニナ・カルモン(Vn)
シンフォニエッタ・リーガ
アレクサンダー・メルツィン(指)

録音:2024年6月5-7日
スイスの作曲家ハンス・ショイブレの作品集。ドイツ人の両親の下に生まれたショイブレは、幼い頃から音楽に接し作曲も行っていました。20歳を過ぎた頃か らライプツィヒに留学、ピアノと作曲を学び、歌劇場ではマーラーとヒンデミットの作品に魅了されたといいます。1930年からはフリーの作曲家として活躍。生 涯に50作以上を作曲、その中には26作の歌劇も含まれています。このアルバムには協奏的作品を3作収録。「クラリネット協奏曲」は1959年から62年の 作品で、翌年63年に初演されました。多拍子の技法や旋法和声を駆使しながら、軽快な旋律が溢れています。単一楽章3部構成の「交響的協奏曲」 は、1949年の作品。数度の改訂を経て1977年にチューリッヒ・トーンハレで初演されました。「2つのヴァイオリンと弦楽オーケストラのための音楽」は彼の初 のヴァイオリン協奏曲でしたが、戦時中に自筆譜やオーケストラ・パートが失われ、1950年にショイブレ自身が草稿から再構成し、1978年までに3度改訂 を加えられています。新古典的な様式の中にバロックのコンチェルト・グロッソの影響が感じられる技巧的な作品です。ポール・メイエやオリヴァー・トリンドルら 名手たちが顔を揃えた見事な演奏も聴きどころ。
Solo Musica
SM-475(1CD)
エンヨット・シュナイダー(1950-):作品集
ヴァイオリン協奏曲「鳥たち- 知識と魔術」
ヴィオラ協奏曲
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクシア・アイヒホルン(Va)
ユリア・ゾフィー・ヴァグナー(S)
クラングフェルヴァルトゥングcho
ボーデンPO
ガブリエル・ヴェンツァーゴ(指)

録音:2024年7月1-5日
※全て世界初録音
1950年生まれのエンヨット・シュナイダーは、オペラや交響曲をはじめとした多くの作品を世に送るとともに、なんと600本以上もの映画のための音楽も作って いるドイツの作曲家。このアルバムに収録された3つの作品は、「無限」という視点を通じて解放と transcendence(超越)を表現したものです。ヴァイオリン 協奏曲「鳥たち - 知識と魔術」は、鳥の象徴性を通じて、進化・神・自由とのつながりが描かれています。第3楽章の「白鳥」は、カザルスが愛奏したカタロ ニア民謡の「鳥の歌」の旋律に基づいた、シュナイダーによる平和へのメッセージ。ヴィオラ協奏曲はカルロ・ジェズアルドの音楽を基に、存在の矛盾と光と影の 対比を主題とした作品です。「交響曲第8番」は、2015年に出版された「鐘の文化史を巡る旅」にインスパイアされたソプラノ・ソロと合唱を伴う大規模な 作品で、鐘の音を通じて人々の目覚めと無限への導きが表現されています。鐘にまつわる古代中国の詩人張継やルーミーの詩が紹介され、鐘の音が持つ 悪魔的な響きの描写が続き、第4楽章ではウィリアム・バードへの賛辞が描かれます。第5楽章はドイツの詩人、オットー・ユリウス・ビーアバウムの詩「憧れ」 で鐘の神秘性が歌われ、最後はフリードリヒ・シラーの詩「鐘」でクライマックスを迎えます。

Capriccio
C-5535(1CD)
ミクローシュ・ロージャ(1907-1995):協奏交響曲 - ヴァイオリンとチェロ、オーケストラのための Op.29(1958)
ハンガリー風夜想曲 Op.28
ラプソディ- チェロとオーケストラのための Op.3(1929)
ハリエット・クライフ (Vc)
ニキータ・ボリソ=グレブスキー(Vn)
ラインラント=プファルツ州立PO
グレゴール・ビュール(指)

録音:2024年2月19-23日
ハンガリー出身のミクローシュ・ロージャのチェロ作品集。1929年の「ラプソディ」では当時ゲヴァントハウスOの首席チェロ奏者クラウス・ミュンヒ=ホラ ントに助言を求め、魅力的なチェロ・パートが生まれました。作品はピエール・モントゥーの指揮で初演され好評を博しています。その後、ロージャはパリに移 住し、作曲家として成功を収めましたが、少しずつ映画音楽作曲家としての手腕が認められ、1939年にはハリウッドに渡航、そのままアメリカに定住するこ ととなります。ハリウッドでは17回のアカデミー賞ノミネートを受けるなど評価された彼は、コンサート音楽の作曲も続け様々な作品を生み出しました。1958 年にグレゴール・ピアティゴルスキーとヤッシャ・ハイフェッツのためにヴァイオリンとチェロの二重協奏曲を作曲。ソリスト同士のバランス調整で苦労し、第2楽章 の削除や改訂が繰り返され、ジャン・マルティノンが指揮するシカゴSOによって初演されたものの「長すぎる」と判断され、短縮版が出版されるなど紆 余曲折を経た作品です。1963年には休暇先のローマ滞在中で「ハンガリー風夜想曲」を作曲。この作品は、ハンガリーの田舎の夜を表現したもので、 1964年にオーマンディ指揮フィラデルフィアOによって初演されました。 ドヴォルザークやハイドンの協奏曲などで知られるハリエット・クライフの確かな技巧が作品を引き立たせています。ヴァイオリンのボリソ=グレブスキーは2007 年に第13回チャイコフスキー国際コンクールで2位、2010年のジャン・シベリウス国際ヴァイオリン・コンクールで優勝した実力者です。

ALPHA
ALPHA-1124(1CD)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.16
アレクセイ・ショール(1970-):ピアノ協奏曲 第1番
ベフゾド・アブドゥライモフ(P)
ロイヤルPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2024年8月 ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン
2009年のロンドン国際ピアノ・コンクールで優勝して以降、着実に演奏経験を重ねてきたウズベキスタン出身のピアニスト、ベフゾド・アブドゥラ イモフ。ALPHAからのアルバム第3弾は協奏曲を収めたもので、プロコフィエフ第2番とショール第1番という待望の内容となっています。プロコ フィエフがサンクトペテルブルク音楽院在学中に完成させ、1913年に作曲者自身がソリストを務めて初演されたピアノ協奏曲第2番は、先鋭 的な内容が大きな反響を呼んだもののその手稿はロシア革命を挟む混乱の中で行方不明となり、現行版は1923年に記憶を基に復元のう え改訂された版となっています。力強く野性的、かつモダンでロマン性も高いこの作品をアブドゥライモフは得意としており、2023年6月のNHK SO定期公演でも披露し、圧巻の演奏を聴かせてくれたことも記憶に新しいところ。ここでもペトレンコ率いるロイヤル・フィルの力演もあ り、ダイナミックで歌心に溢れる期待以上の演奏となっています。カップリングはウクライナ出身で現在ではニューヨークを拠点に活動するアレク セイ・ショールのピアノ協奏曲。ショールは近年注目を集めていますが、アブドゥライモフは2024年12月の来日公演でここに収められたピアノ協 奏曲第1番の日本初演を行い、NAXOSにもショールの協奏作品を録音(8.579140)するなど、その作品を高く評価しています。多分にロ マンティックで美しく聴きやすいショールの作品は、プロコフィエフの野性味と好対照をなしながら反発することはなく、むしろお互いに共鳴してい ると感じられるほど自然な組み合わせとなっていることに驚かされます。アブドゥライモフはここでも作品に深く寄り添い、その美しさを十二分に引 き出し色彩感を際立たせた伸びやかな演奏を聴かせています。

OUR recordings
OU-8.226926(1CD)
カバレフスキー、シューマン:チェロ協奏曲
カバレフスキー:チェロ協奏曲第2番 ハ短調 Op.77
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129
テオドール・リングスタット(Vc)
コペンハーゲン・フィル
エヴァ・オッリカイネン(指)

録音:2021年4月8-9日
デンマーク王立音楽アカデミー、コンサート・ホール(デンマーク)
1993年生まれ、25歳の若さでコペンハーゲン・フィルの首席奏者に抜擢されたリングスタットのデビュー・アルバム。カバレフスキーの協奏曲第2番は ショスタコーヴィチの影響を受けながらも独自の魅力を持ち、晩年に作曲されたシューマンの協奏曲は憂愁に溢れた響きが美しい傑作で、リングスタッ トは持前の感性とテクニックで聴き手をひきつけます。 テオドール・リングスタットはデンマーク王立音楽アカデミーとマンハッタン音楽学校で学び、数々の賞を受賞。この録音ではデンマーク王立音楽アカデ ミーが所有する“テストーレ“のチェロを演奏。数多くの受賞歴を持つ録音プロデューサー、ダニエル・ダヴィドセンが銘器のつややかな美音を余すことなく 捉えています。

ANALEKTA
AN-28893(2CD)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲全集
【CD1】
1-3. ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV1042
4-6. フルート、ヴァイオリン、チェンバロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ短調BWV1044
7-9. オーボエとヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ハ短調 BWV1060R (2つのチェンバロと弦楽のための協奏曲 ハ短調 BWV1060より復元)
10-12. ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052R(チェンバロ協奏曲 ニ短調 BWV1052より復元)
【CD2】
1-3. ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041
4-6.2つのヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ短調 BWV1044
7-9. ヴァイオリン協奏曲 ト短調 BWV1056R(チェンバロ協奏曲 ヘ短調 BWV1056より復元)
10-12.3つのヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ長調 BWV1064R(3つのチェンバロと弦楽のための協奏曲 ハ長調 BWV1064より復元)
ジェイムズ・エーネス(Vn)
ジョアンナ・ゴフエラー(Fl)[CD1:4-6]
リュック・ボーセジュール(Cemb)[CD1: 4-6]
チャールズ・ヘイマン(Ob)[CD1:7-9]
川崎洋介(Vn)[CD2:4-6,10-12]
ジェシカ・リネバッハ(Vn「CD2: 10-12]
ナショナル・アーツ・センターO
アレクサンダー・シェリー(指)

録音:2023年7月7日、2024年1月11-12日サウザム・ホール、カナダ・ナショナル・アーツ・センター、オタワ
現代カナダを代表するヴァイオリニストの一人ジェイムズ・エーネス。近年ではCHANDOSやONYXなど英国のレーベルでの活躍も目覚ましい ところ、今回は久々にフランス語圏カナダのANALEKTAからのリリースです。同レーベルでは21世紀初頭に無伴奏曲やチェンバロ奏者リュッ ク・ボーセジュールとのソナタ群などバッハ作品を録音し好評を博していますが、今回は満を持してのバッハの協奏曲録音。「志を同じくする パートナーがいなくては録音できないと思っていた、30年にわたる共演歴を通じ、その理想を満たす存在と思い当たり録音に臨んだ」とエーネ ス自身がライナーノートで語るオタワのナショナル・アーツ・センターOとのアンサンブルはまさに一心同体、エーネスならではの端正かつ 誠実なアプローチを受けてカナダの演奏陣も意欲充分にバッハの世界へと分け入ってゆきます。18世紀当時の解釈スタイルを志す古楽器演 奏やピリオド・アプローチが身近になって以降ならではの、作品の造形をよく捉えながら隅々まで生気が漲ったアンサンブルの妙は、何度でも? み締めたくなる味わい深さ。失われたヴァイオリンのためのソロ・パートを鍵盤向けに移したと言われるチェンバロ協奏曲群からの原曲復元は エーネス自ら「可能な限り原作を崩さず、原作の様式内と思われる補筆に留め」行っており、一貫性ある解釈のこだわりあればこその比類な い音楽美を味わえます。

Goodies
78CDR-3970(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.364 アルバート・サモンズ(Vn)
ライオネル・ターティス(Va)
サー・ハミルトン・ハーティ(指)LSO

英 COLUMBIA DX478/81
1933年4月30日ロンドン録音
この名曲の世界初録音。ヴァイオリンのアルバート・サモンズはロ ンドン生まれ。指揮者のトーマス・ビーチャムに見いだされ、ビーチャムが設立 したオーケストラのコンサート・マスターに迎えられた。その後ロンドン弦楽四 重奏団を立ち上げ、その後ジョージ5世の御前演奏家に選ばれた。ヴィオラのラ イオネル・ターティス(1876-1975)はライプツィヒ音楽院とロンドン王立音楽院 でヴァイオリンを学んだが、在学中に弦楽四重奏でヴィオラを弾いたのがきっか けで転向した。パウル・ヒンデミットやウィリアム・プリムローズらと共にヴィ オラの独奏楽器としての地位を確立した。指揮者のハミルトン・ハーティ(1879- 1941)は1920年にハレOの指揮者に就任し、1933年までその地位にあった。 1935年にナイトに叙せられた。録音はヨーゼフ・シゲティのソロによるブラーム スのヴァイオリン協奏曲(78CDR-3220)が出ていた。 復刻には「音のエジソン」http://www.otono-edison.com./ のSPレコード専用 MC型カートリッジ(3mil針)とコルグのNu 1DSD録音機を使用した。(グッディーズ)


MELO CLASSIC
MC-1082(2CD)
ジュリアス・カッチェン/コンサート・ツアー 1951-65
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15
(2)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番Op.57
(3)リスト:ハンガリー狂詩曲第12番嬰ハ短調HS.244
(4)ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ホ長調、ラプソディ・イン・ブルー
(5)ハジキタス:小さな白い貝殻のためにOp.1
(6)ブラームス:4つの小品Op.119
ジュリアス・カッチェン(P)
(1)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルク放送O
(4)カーメン・ドラゴン(指)ミュンヘン放送O

録音:(1)1965年10月8日ルクセンブルク、RTL大劇場(放送用スタジオ録音)、
(2)&(5)1951年11月4日ミュンヘン放送フンクハウス(放送用スタジオ録音)、
(3)1963年11月20日ミュンヘン放送フンクハウス(放送用スタジオ録音)、
(4)1961年3月16日ミュンヘン、コングレスザール ドイツ博物館(ライヴ)、
(6)1963年9月15日ミュンヘン、フライマン・スタジオ(放送用スタジオ録音)
※特記無いものはモノラル
ジュリアス・カッチェン(1926-69)は、これまでMELOCLASSIC でも度々リリースされ再評価されています。今回の歴史的な コレクションは、これまで未発表だったミュンヘンの放送録音を中心に、ブラームスのピアノ協奏曲第1 番のルクセンブルクの 素晴らしい録音が追加されています。初期のミュンヘンの録音は特に注目に値します。ギリシャの作曲家マノス・ハジダキス の「小さな白い貝殻のために」のカッチェンによる唯一の録音が含まれており、彼の録音されたレパートリーを理解する上で 貴重な情報を提供します。ガーシュウィンのピアノ協奏曲とラプソディ・イン・ブルーの魅惑的なライヴ演奏も収録。さまざまな音 楽スタイルにわたるカッチェンの多才さを堪能できます。
MELO CLASSIC
MC-1084(2CD)
サンソン・フランソワ/コンサート・ツアー 1956-1962
(1)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
(2)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
(3)リスト:ロシアの2つの旋律〜アリャビエフの「夜鳴き鶯」
(4)リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調HS.124
(5)ドビュッシー:前奏曲集〜デルフィの舞姫、アナカプリの丘、亜麻色の髪の乙女、沈める寺、パックの踊り、花火
(6)フォーレ:即興曲第2番ヘ短調Op.31、夜想曲第2番 ロ長調Op.33-2、夜想曲第3番変イ長調Op.33-3、夜想曲第4番 変ホ長調Op.36
(7)ドビュッシー:12の練習曲〜装飾音のための練習曲、組み合わされたアルペッジョのための練習曲
サンソン・フランソワ(P)
(1)ルドルフ・ミヒル(指)ザールブリュッケンRSO
(2)カール・メレス(指)ルクセンブルク放送O
(3)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)(指)スイス・ロマンドO

録音:(1)1956年2月19日ザールブリュッケン、ヴァルトブルク(ライヴ録音)、
(2)(3)1962年4月4日ルクセンブルク、オーディトリアム・ヴィラ・ルヴィニー(ライヴ録音)、
(4)1962年3月28日ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール(ライヴ録音)、
(5)1962年2月8日ミュンヘン、ヘラクレスザール(ライヴ録音)、
(6)(7)1962年2月9日ハンブルク、NDRフンクハウス(放送スタジオ録音)
※特記無いものはモノラル
サンソン・フランソワ(1924-70)のこれまで未発表だった放送録音を収録。3つのドイツでの放送録音はハンブルクのスタジ オ・セッションにミュンヘンのコンサートで演奏されたドビュッシーの前奏曲選集、ザールブリュッケンでのシューマンのピアノ 協奏曲と魅力的なライヴ演奏が収録されています。他にルクセンブルクでのショパン:ピアノ協奏曲第 1番とジュネーヴで 録音されたリストのピアノ協奏曲第1 番という、2つの注目すべき協奏曲を収録し充実しています。これらの貴重なアーカイブ は、サンソン・フランソワの並外れた解釈の芸術性を明らかにし、ヨーロッパの複数の会場での彼の卓越した技量を記録して います。
MELO CLASSIC
MC-2060(2CD)
伝説的なイタリアのヴァイオリニスト

■ワンダ・ルッザート
(1)ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調KV218

アルド・フェラレージ
(3)フバイ:花の生命Op.30-5、
(4)フィビヒ:詩曲Op.41-6、
(5)デュンシェーデ:ワルツ・カプリッチョOp.15

ワンダ・ルッザート
(6)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.82

レナート・デ・バルビエリ
(7)パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ短調Op.6〜第1楽章
(8)パガニーニ:うつろな心(バルビエリ編)
(9)パガニーニ:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調Op.3-6
(10)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナア変ロ長調KV.454
(1)(2)(6)ワンダ・ルッザート(Vn)
(1)(2)オトマール・ヌッシオ(指)スイス・イタリアーナ放送O
(6)リヒャルト・ミュラー=ランペルツ(指)スイス・イタリアーナ放送O
(3)(4)(5)アルド・フェラレージ(Vn)、レオ・リーバー(P)
(7)-(10)レナート・デ・バルビエリ(Vn)
(7)ルドルフ・ケンペ(指)ヘッセンRSO
(8)-(10)ハンス・プリークニッツ(P)

録音:(1)1952年10月1日ルガーノ、カンポ・マルツィオ(放送用スタジオ録音)、
(2)1968年2月3日ルガーノ・ベッソ、スタジオ・オーディトリオ(放送用スタジオ録音、ステレオ)、
(6)1973年2月14日リーエン、ランドガストホフ(放送用スタジオ録音、ステレオ)
(3)(4)(5)1939年6月29日ザールブリュッケン・フンクハウス(放送用スタジオ録音)
(7)1954年2月25日フランクフルト、アルテス・フランクフルト(放送用スタジオ録音)
(8)-(10)1953年1月19日シュトゥットガルト・ウンターテュルクハイム(放送用スタジオ録音)
※特記無いものはモノラル
20世紀の3人の著名なイタリアのヴァイオリニストを収録。ワンダ・ルッザート(1919-2002)は 2016年に MELOCLASSIC からドイツ放送録音がリリース(MC2026)されるまで、その並外れた才能はほとんど知られていませんでした。スイスの未発表 放送録音から3つの重要なヴァイオリン協奏曲を収録。特に歴史的に重要なのは 1948年にイタリアで初演されたばかりの ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲です。また、1939 年にドイツのザールブリュッケン帝国司令官のために行われたアルド・ フェラレージ(1902-78)の3つの初期の放送録音も貴重。戦前のドイツでフェラレージが絶賛されていたことがわかります。 最後はヨーロッパ中で大きな評価を得ていたレナート・デ・バルビエリ(1920-91)の未発表のドイツの放送録音です。
MELO CLASSIC
MC-2061(2CD)
ティボール・ヴァルガ/初期放送録音集

(1)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
(2)サラサーテ:ツィゴイネルワイゼンOp.20/(3)ラヴェル:ツィガーヌ/
(4)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソOp.28/
(5)サン=サーンス:ハバネラOp.83/
(6)シューベルト:ロンド イ長調D.438/(7)ベルク:ヴァイオリン協奏曲Op.35
(8)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(9)クライスラー:コレッリの主題による変奏曲(アンコール)
ティボール・ヴァルガ(Vn)
(1)カール・ガラグリー(指)バンベルクSO
(2)ヤン・クーツィール(指)バンベルクSO
(3)(4)(5)ヴィンフリート・ツィリヒ(指)ヘッセンRSO
(6)ティボール・ヴァルガ室内O
(7)ゲオルク・ショルティ(指)ケルンRSO
(8)エリアフ・インバル(指)ブダペストPO

録音:(1)1954年6月18日バンベルク、クルトゥルラウム、
(2)1954年8月24日バンベルク、クルトゥルラウム、
(3)1951年6月5日フランクフルト、アルテス・フンクハウス、
(4)1953年8月3日フランクフルト、アルテス・フンクハウス、
(5)1953年9月28日フランクフルト、アルテス・フンクハウス、(6)1957年12月
12日ミュンヘン、フンクハウス・スタジオ1、
(7)1957年1月17日ケルン、放送大ホール、
(1)〜(7)放送用スタジオ録音、
(8)(9)1970年8月27日シオン、サル・デラ・マッツェ(ライヴ録音、ステレオ)
※特記無いものはモノラル
ハンガリー出身のティボール・ヴァルガ(1921-2003)は20 世紀を代表するヴァイオリニストで、指揮者・教育者としても地位を 確立しています。このアルバムは、ハンガリーからの移住後のヴァルガの芸術的発展の極めて重要な時期を明らかにする、ド イツの放送録音から細心の注意を払って復元したものです。特に重要なのは、ハンガリーの出身の指揮者との 2つの共演で す。カール・ガラグリーとのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲 (1954) の魅力的な演奏と、ゲオルク・ショルティの指揮によ るベルクのヴァイオリン協奏曲 (1957) の歴史的に重要な解釈です。またヴァルガとベルクの協奏曲とのつながりは特別な歴 史的意義を持ち、1946年にヘルマン・シェルヘンの指揮でウィーンSOとともにウィーン初演を果たしています。
MELO CLASSIC
MC-2062(2CD)
ハインツ・シュタンスケ
(1)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op.47
(2)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.82
(3)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調Op.63
(4)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
(5)モハウプト:ヴァイオリン協奏曲
(6)ミヨー:「屋根の上の牛」シネマ幻想曲Op.58b
(7)サラサーテ:グノーのファウストによる演奏会用幻想曲Op.13
ハインツ・シュタンスケ(Vn)
(1)フランツ・コンヴィチュニー(指)ベルリンRSO
(2)クルト・シュレーダー(指)ヘッセンRSO
(3)ハンス・ミュラー=クライ(指)シュトゥットガルトRSO
(4)エドゥアール・ヴァン・ルモーテル(指)南西ドイツRSO
(5)リヒャルト・モハウプト(指)南西ドイツRSO
(6)オトマール・ヌッシオ(指)南ドイツウンターハルトゥングO
(7)ヴェルナー・シュミット=ベルケ(指)ミュンヘン放送O

録音:(1)1951年1月14日ベルリン、放送会館(ライヴ録音)、
(2)1953年6月17日フランクフルト、ドルンブッシュ・ゼンデザール(放送用スタジオ録音)
(3)1956年11月19日シュトゥットガルト、ヴィラ・ベルク(放送用スタジオ録音)
(4)1963年3月6日バーデン=バーデン、スタジオ5(放送用スタジオ録音)
(5)1957年1月28日バーデン=バーデン、スタジオ5(放送用スタジオ録音)
(6)1957年10月22日シュトゥットガルト、ヴィラ・ベルク(ライヴ録音)
(7)1957年6月13日ミュンヘン、フンクハウス・スタジオ1(放送用スタジオ録音)
※特記無いものはモノラル
ハインツ・シュタンスケは、ヴァイオリン愛好家の間でも比較的無名の人物です。ベルリンのシュテルン音楽院でマキシ ム・ヤコブセンに師事した彼は、1932年にUFA トーンフィルムOのコンサートマスターとしてキャリアを開始し、その10 年間ミュージカル映画やスペクタクル映画に貢献した。1937 年6月にウィーンで行われた国際コンクールで金メダルを獲得、 翌年、ベルリンのベートーヴェン・ザールで公式デビューを果たし、これが批評家の間で広く認知されるきっかけとなり、指揮 者のカール・シューリヒトは彼を同世代の最も傑出したドイツ人ヴァイオリニストと称賛した。シュタンスケの初期のキャリアのハ イライトには、1940年にカール・ベーム指揮のシュターツカペレ・ドレスデンと共演したプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第 2番のドイツ初演、VPO(シューリヒト指揮)とのシベリウスのヴァイオリン協奏曲、ベルリン・フ ィルハーモニーO(やはりベーム指揮)とのプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第 2番の演奏などがある。第二次世 界大戦中はスペインやイタリアでもコンサート活動を行っていたが、ユダヤ系のヴァイオリニストと結婚していたため、ナチスの 人種政策下では不安定な立場に置かれていた。この結婚によりドイツのラジオ放送から排除され、この制限は第二次世界大 戦の終結まで続いた。戦後、シュタンスケはキャリアを再開し、1950 年にハンス・ロスバウトによって、バーデン=バーデン南 西放送Oの特別ソリスト担当の第一コンサートマスターに任命され、1971 年に引退するまでその職を務めました。この アルバムは、これまで未発表だった放送録音で構成されており、彼のレパートリーの広さを紹介するとともに、彼の芸術的遺 産に対するより深い理解を促すことを目的としています。
MELO CLASSIC
MS-3019(2CD)
スパール・カサド/コンサート・ツアー1944-1961
(1)シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調D 821(カサド編)
(2)ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VIIb:2
(3)ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調
(4)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104
(5)カサド:緑色の悪魔の踊り、
(6)カサド:愛の言葉、
(7)ショパン:チェロ・ソナタOp.65、
(8)グラナドス:「ゴイェスカス」〜間奏曲(カサド編)古い様式の組曲
(9)アルフテル:ハバネラ(カサド編)
ガスパール・カサド(Vc)
(1)ハンス・ロスバウト(指)ハンブルク帝国RSO
(2)(3)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルク放送O
(4)カール・ベーム(指)ヘッセンRSO
(5)(6)ヴォルフガング・ルドルフ(P)、
(7)(8)(9)ヘルムート・バルト(P)

録音:(1)1944年6月8日ハンブルク、帝国放送フンクハウス(ライヴ録音)、(2)1960年12月8日ルク
センブルク市立劇場(ライヴ録音)、(3)1961年12月8日ルクセンブルク、ヴィラ・ルヴィニー(放送
用スタジオ録音)、
(4)1954年2月8日フランクフルト、アルテス・フンクハウス(ライヴ録音)、
(5)(6)1952年4月26日フランクフルト、アルテス・フンクハウス(放送用スタジオ録音)、
(7)(8)(9)1955年4月29日ハンブルク・フンクハウス(放送用スタジオ録音)
※特記無いものはモノラル
20世紀で最も傑出したチェロ奏者の一人として広く認められているスペインのチェロ奏者ガスパール・カサド(1897-1966) による、1944年から1961年の未発表放送録音集成です。カサドは日本ではピアニストである原智恵子の夫としても知られて います。このアルバムにはカサドがハンス・ロスバウトとともに1944 年6月にハンブルク帝国放送で行った最後の放送録音も 収録されています。この録音は、同年8月にカサドがフィレンツェに移住する直前の、第三帝国の最後の数か月間に録音さ れました。また、ルイ・ド・フロマンが指揮したルクセンブルクの放送録音で2 曲、フランクフルトでのカール・ベームとの共演を 含むドイツの放送シリーズ、チェロとピアノのための作品も収録されています。

Stradivarius
STR-37293(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第19 番KV.459
ピアノ協奏曲第9番KV.271
アレッサンドラ・ジェンティーレ(P)
クリスティアン・シュミット(指)
ペルージャ室内O

録音:2022年3月5-7日イタリア、ピエーヴ市
モーツァルトの後期と前期のピアノ協奏曲を収録。ピアノのアレッサンドラ・ジェンティーレはイ タリアの中堅ピアニスト。ゲルハルト・オピッツらに師事し、ソリスト、室内楽の分野で活躍してい る。端正なスタイルと透き通った音色がモーツァルトの美しさを際立たせる。STRADIVARIUSの録 音技術も優秀。

IBS CLASSICAL
IBS-212024(1CD)
モーツァルト、プーランク:2台ピアノのための協奏曲 他
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365
モーツァルト:アンダンテと5つの変奏 ト長調 K.501
プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調 FP61
 カプリース FP155
 シテール島への船出 FP150
デュオ・デ・バレ(P・デュオ)
カスティーリャ・イ・レオンSO
パブロ・ゴンザレス(指)

録音:2022年12月29日
ビクトルとルイス兄弟による「デュオ・デル・バレ」はソフィア王妃高等音楽院で学び、2005年に開催されたARDミュ ンヘン国際音楽コンクールで最高賞と聴衆賞を受賞。以来、ヨーロッパを中心に活躍するスペインのピアノ・デュオ です。このアルバムではモーツァルトとプーランクの2台ピアノのための協奏曲を演奏。流麗なモーツァルトと美しい旋 律に溢れたプーランクを聴かせます。他にはピアノ・デュオのみの演奏でプーランクの2つの小品を収録。カプリースは 1932年に作曲された「仮面舞踏会」に基づく曲で、彼は作品にジャズの雰囲気を盛り込み、シンコペーションが 際立つ遊び心溢れる作品に仕上げました。「シテール島への船出」は、アントワーヌ・ヴァトーのロココ調の絵画から インスパイアされた曲で、キャバレー風のワルツに仕上げられています。

LAWO Classics
LWC-1346(1CD)
ヘルマン・ヴォークト:チェロ&ピアノ協奏曲
ヘルマン・ヴォークト
(b.1976):チェロ協奏曲(2014rev.2022)*
ピアノ協奏曲(2017-21)**
アウドゥン・サンヴィーク(Vc)*、
スヴァイング・ビェラン(P)**
ノルウェー放送O、
アンナ=マリア・ヘルシング(指)

録音:2023年4月24日-28日、ノルウェー放送(NRK)大スタジオ(コンサートホール)(オスロ)/Recorded in DXD24bit/352.8kHz
ノルウェーの作曲家ヘルマン・ヴォークトのチェロとピアノの協奏曲。ヘルマン・ヴォークトは、1976年にドランメンで生まれ、ノルウェー国立音楽大学でラッセ・トーレセン、オラヴ・アントン・トンメセン、ヘンリク・ヘルステニウス、ビョルン・クルーセに作曲を学びました。ハーグ王立音楽院のマルテイン・パディングとルイ・アンドリーセンの下で研究をつづけ、サルヴァトーレ・シャリーノたちのマスタークラスとセッションにも参加してきました。管弦楽曲、器楽曲、室内楽曲を中心に作曲、ノルウェー放送Oのほか、オスロ・シンフォニエッタ、「BIT20」、オスロ・フィルハーモニックなどが彼の作品を演奏しています。
「チェロ協奏曲」 は、アウドゥン・サンヴィークが委嘱した作品です。〈ファンタジア〉〈カンツォーナ〉〈ソナタ〉の3楽章で書かれた、豊かな表現と深い抒情をもつ、感情の振幅の大きい作品です。2022年に改訂版が作られ、サンヴィークとノルウェー放送Oが初演しました。サンヴィーク(b.1979)は、スヴァイング・ビェランと共演したラフマニノフとショスタコーヴィチの 「チェロ・ソナタ」(LWC1131)、ギンゲ・アンヴィークたちの作品をノルウェー放送Oと共演した『嘆きの跡』(LWC1234)といったアルバムが、 LAWO Classics からリリースされています。
「ピアノ協奏曲」 は、モーツァルトのピアノ協奏曲をモデルに、打楽器奏者2人を加えて新たなスタイルを探った作品です。「ラルゴ-アレグロ・コン・モート」「アダージョ・セリーノ、センプレ・トランクィッロ」「ヴィヴァーチェ-アダージョ・ラルガメンテ-ヴィヴァーチェ」の3楽章には、ピアノのヴィルトゥオーゾ的パッセージも織りこまれています。ソリストのスヴァイング・ビェラン(b.1970)は、彼の世代を代表するピアニストのひとり。ザルツブルクのモーツァルテウムでハンス・レイグラーフに学び、1999年にノルウェー・コンサート協会の「最優秀ヤング・ミュージシャン」に選ばれました。スカルラッティとメンデルスゾーンのソナタのアルバムがスペルマン賞(ノルウェー・グラミー賞)にノミネートされ、ノルウェー放送Oと共演したショパンとシューマンの協奏曲(LWC1149)も注目されました。
アンナ=マリア・ヘルシング(b.1971)は、フィンランド系スウェーデンの指揮者です。シベリウス・アカデミーでレイフ・セーゲルスタム、アッツォ・アルミラ、ヨルマ・パヌラに学び、オウルSOとBBCコンサート・オーケストラの首席指揮者を務めました。2025年から2028年のシーズンにヴァーサ市Oの首席指揮者に就任することが決まっています。

ES-DUR
ES-2095(1CD)
パースペクティヴズ〜ハープ協奏曲集
グリエール:ハープと管弦楽のための協奏曲ホ長調 Op.74
エルンスト・フォン・ドホナーニ:ハープと室内オーケストラのための協奏曲 Op.45*
ドビュッシー:ハープと弦楽伴奏のための2つの舞曲 「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」*
アナエル・トゥレ(Hp)
ワシリー・ペトレンコ(指)NDRエルプPO
バル・アヴニ(指)シュトゥットガルト室内O*

録音:2024年3月6日-10日&10月21日-23日(ドイツ)
2015年にイスラエルで開催された第19回国際ハープ・コンクールで優勝して以来大きな注目を浴び続け、2018年からはNDRエルプフィルの首席ハープ奏者としてますます充実したハーピスト人生を贈るフランス出身のアナエル・トゥレ。2023年の国際クラシック音楽賞(ICMA賞)にノミネートされたデビュー作「20世紀のソロ作品集」(ES2085)に続く第2弾は、3つの協奏的作品を取り上げています。
この世代を代表するハープ・ソリストの一人であるアナエル・トゥレは、ギレーヌ・プティ=ヴォルタ、ニコラ・テュリエ、アンドレアス・ミルトナー、グザヴィエ・ドゥ・メストレに師事。これまでにバイエルンRSO、パリO、バンベルクSO、エストニア祝祭O、イスラエルPOなど、一流のオーケストラとの共演や、ルツェルン音楽祭、ベルリン・フィルハーモニー、東京のサントリーホールなど、名だたる音楽祭やコンサートホールに招かれ、その卓越した音楽性で聴衆を魅了してきました。
19世紀半ば以降、ハープはオーケストラの伴奏とともに、コンサートホールでのソロ楽器としても定着しました。本アルバムでは、20世紀初頭のフランス音楽の近代性を洗練させたドビュッシーの 「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」 と、スラヴの魂とロマン主義への活気に満ちた賛辞であるグリエールの 「ハープ協奏曲」 という2つの傑作に、ハープ協奏曲のレパートリーの大胆な再解釈への道を開き、夢のような質感とダイナミックなコントラストが魅力的なドホナーニの 「ハープ協奏曲」 をカップリングし、ハープ協奏曲のレパートリーの3つの主要な作品に光を当てています。

Indesens Calliope Records
IC-062(1CD)
ヴィヴァルディ:協奏曲第1番ホ長調 RV.269 「春」 Op.8-1*
協奏曲第2番ト短調 RV.315 「夏」 Op.8-2**
協奏曲第3番ヘ長調 RV.293 「秋」 Op.8-3***
協奏曲第4番ヘ短調 RV.297 「冬」 Op.8-4****
クライペダ室内O、
ミンダウガス・バチュクス(指)、
ユスティナ・ザヤンツァウスカイテ(Vn)*、
ルータ・リピナイティーテ(Vn)**、
エグレ・ヴァルテ(Vn)***、
ユリヤ・アンデルソン(Vn)****

録音:2023年12月31日、クライペダ・コンサートホール(リトアニア)
リトアニア・ヴァイオリン界をリードする4人のソリストがそれぞれ1曲ずつソロを担当しヴィヴァルディの「四季」をレコーディング。バッハの「ブランデンブルク協奏曲集」(OIC004/IC004)で美しいアンサンブルを聴かせた同じくリトアニアのクライペダ室内Oとの演奏です。なお、このヴィヴァルディの「四季」を再創造したマックス・リヒターの人気作「ニュー・フォー・シーズンズ 〜ヴィヴァルディ・リコンポーズド」(IC049)も同日にレコーディングしており、同時にリリースとなります。

Nimbus
NIFCCD-661(1CD)
ピオトル・パヴラク〜第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール・ライヴ
ショパン
1-3. ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
4-7.4つのマズルカ Op.17
8-11. ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35 「葬送」
ピオトル・パヴラク(ピリオド・ピアノ)、
ヴァーツラフ・ルクス(指)、{oh!} オルキェストラ
※使用楽器:エラール1838年製(1-3, 8-11)、プレイエル1842年製(4-7)

録音(ライヴ):2023年10月14日(1-3、ファイナル・ステージ)、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール/2023年10月11日(4-11、第2ステージ)、ワルシャワ・フィルハーモニー・チェンバー・ホール
ポーランドのフレデリク・ショパン研究所(NIFC/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)が創設から現在まで取り組み続けている、ショパンの作品をショパンが生きた時代の楽器(オリジナル、復元)で演奏する「リアル・ショパン(The Real Chopin)」プロジェクト。当時の響きを現代に蘇らせるというこの画期的な取り組みをさらに活性化させるために、ショパン研究所はもちろんのこと、ポーランドの国家としての一大事業として立ち上げられた「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」。日本が世界に誇るフォルテピアノの名手、川口成彦の第2位入賞が大きな話題となった2018年の第1回大会から5年、2023年に開催された「第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」には予備予選を通過した35名のピアニストたちがワルシャワに集まり、約2週間もの期間中「ショパンの時代の響き」が奏でられ続けました。
その第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位に入賞したのは、1998年グダニスク出身のポーランドのピアニスト、ピオトル・パヴラク(ピョートル・パヴラク)。第5回マイ・リンド国際ピアノ・コンクール(ヘルシンキ)や第6回ダルムシュタット国際ショパン・コンクールでの優勝を始め、北京国際ショパン・コンクール第2位、モニューシュコ国際ポーランド音楽コンクール第2位など多くの国際コンクールで入賞し、ヨーロッパ、アメリカ、中国で幅広く活動。モダン・ピアノとピリオド・ピアノの両立はもちろんのこと、オルガン、(指)即興演奏も勉強し、更には「数学」の分野でも複数のメダルを受賞しているという才人です。

Orchid Classics
ORC-100369(1CD)
ドヴォルザーク:ロマンス ヘ短調 Op.11
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」(第1楽章、第3楽章のカデンツァ:ヨーゼフ・ヨアヒム)
ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品(A. フォルテス編)
グレース・パク(Vn)
プラハ・フィルハーモニア
エマニュエル・ヴィヨーム(指)

録音:2021年6月
2018年、ナウムバーグ国際ヴァイオリン・コンクールの優勝者グレース・パクのソロ・デビュー・アルバム。ドヴォルザー クとモーツァルトを収録したこの1枚からは、彼女の実力と音楽性、美音を存分に味わえます。 グレース・パクはロサンゼルス生まれ。コルバーン音楽院とニューイングランド音楽院で学び、ミリアム・フリード、ロ バート・リプセットらに師事しました。ニューヨーク・ユース管のソリストとしてカーネギーホールに出演、プラハ・フィル ハーモニアとルドルフィヌムで演奏、ソウルではミンコフスキ指揮するグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊のソリストを務 めました。米国各地でマスタークラスを開催し、後進の指導にもあたっています。 使用楽器は1717年製ジュゼッペ・フィリウス・アンドレア・グァルネリ。

Chandos
CHSA-5366(1SACD)
SHIFT 〜トロンボーンとブラスバンドのための作品集
アーサー・プライヤー(1869-1942):アニー・ローリー(1895)- アリシア・アン・スコット(1810-1900)原曲/キース・M.ウィルキンソン(1945-)編曲
ゴードン・ラングフォード(1930-2017):トロンボーンのための狂詩曲(1975)
フィービー・パルマー・ナップ(1839-1908)/サイモン・ウッド編曲:罪咎を赦され(1873)
エリック・ウィリアム・グスタフ・ライゼン(1894-1962):トロンボーンとブラスバンドのための小協奏曲(1952)
ジョージ・バスマン(1914-1997)/ビル・ゲルダード(1929-2023)編曲:センチになって(1932)
サイモン・ドブソン(1981-):トロンボーン協奏曲 第1番「シフト」(2012頃)*
黒人霊歌/ラングフォード編曲:誰も知らない私の悩み
フィリップ・スパーク(1951-):サンベージ(2007頃)
ピーター・ムーア(Tb)
トレデガー・バンド
イアン・ポートハウス(指)


録音:2024年9月26-29日ジャック・ウィリアムズ・ホール、エブブ・ベール、モンマスシャー
*…世界初録音
ベルファストに生まれ、グレーター・マンチェスターで育ったトロンボーン奏者ピーター・ムーア。2008年12歳にしてBBCヤング・ミュージシャン・コ ンペティションで最年少優勝、CHANDOSレーベルには2010年にグレグソンの協奏曲のソリストとして初登場(14歳!)、2014年には18歳 にしてLSO最年少楽団員として副首席奏者に迎えられるなど、輝かしい経歴を持ちます。2018年には初のソロ・アルバム「ライ フ・フォース」(RUBICON)をリリース、首席奏者としても活躍したLSOを現在は退きソロ活動に専念する彼が、今回初の協奏 曲集をリリースすることになりました。共演が英国式ブラスバンドの雄トレデガー・バンド(トレデガー・タウン・バンド)というのもたいへん豪華。 「口笛吹きと子犬」の作者としても知られる当時の有名トロンボーン奏者でスーザ・バンドでも活躍したアーサー・プライヤーが、スコットランド民 謡「アニー・ローリー」を基に書き上げた華麗な変奏曲に始まり、ブラスバンド作品で知られる英国の作曲家サイモン・ドブソンがムーアのために 書いた協奏曲の世界初録音、フィリップ・スパークがトロンボーンと吹奏楽のための書いた協奏曲の終楽章を作曲者自ら編曲した「サンベー ジ」などのほか、讃美歌や黒人霊歌、スタンダード・ジャズの編曲も収録しています。ムーアならではの目の覚めるような超絶技巧から、幅広い 音域もムラなく歌い上げる伸びやかなカンタービレまでを堪能でき、トロンボーンが持つ魅力を極限まで楽しませてくれる素晴らしいアルバムで す。

Chandos
CHAN-20333(1CD)
ラロ:スペイン交響曲 ニ短調
サン=サーンス
:ヴァイオリン協奏曲第3番
サラサーテ:カルメン幻想曲
ジェイムズ・エーネス(Vn)
BBCフィルハーモニック
ファンホ・メナ(指)

録音:2024年4月10,11日メディアシティUK, サルフォード,マンチェスター
前作のシベリウスのヴァイオリン作品全集(CHSA5267)がガーディアン誌ほか各誌で絶賛されたジェイムズ・エーネス。今作ではスペインの指揮者ファ ンホ・メナ率いるBBCフィルハーモニックを従えて、サラサーテにまつわる3つの作品を演奏。スペイン生まれのサラサーテは、幼少期にパリ音楽院で学 び、その後の一生をパリで過ごしました。多くの作曲家が彼に協奏曲を献呈、このアルバムに収録されたラロの「スペイン交響曲」とやサン=サーンスの 第3ヴァイオリン協奏曲もサラサーテのために書かれた作品です。加えてサラサーテ自作の「カルメン幻想曲」も収録。どれもソリストの技巧の見せ場が ふんだんに用意された華麗な曲で、エーネスは旋律を情熱的に歌い上げており、とりわけ「カルメン幻想曲」では様々な奏法を駆使した躍動的な演 奏が楽しめます。

Gramola
GRAM-99340(1CD)
フリードリヒ・グルダ(1930-2000):ヴァイオリンとウインド・オーケストラのための協奏曲(原曲:チェロとウインド・オーケストラのための協奏曲)(セリム・ギライによる編)
ベンヤミン・シュミット(1968-):フリッツへ −無伴奏ヴァイオリンのための(フリッツ・クライスラーとフリードリヒ・グルダに捧げる)
クルト・ヴァイル:ヴァイオリンとウインド・オーケストラのための協奏曲 Op.12
 ユーカリ(B.シュミットによる無伴奏ヴァイオリン編)
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ザルツブルク・ウインド・フィルハーモニー
ハンスイェルク・アンゲラー(指)

録音:2016年
「ベニ・シュミット」の名前でジャズ・ヴァイオリニストとしても活躍するベンヤミン・シュミット。今作ではハンスイェ ルク・アンゲラーが指揮するザルツブルク・ウインド・フィルハーモニーとともにフリードリヒ・グルダとクルト・ヴァイル の協奏曲に挑みます。グルダの曲はもともとチェロのために書かれたもので、独奏楽器にはマイクを用いること が指定されていますが、この録音ではエレクトリック・ヴァイオリンを使用。作品にふさわしい響きを得ています。 技巧的なカデンツァや終楽章での祝祭的な盛り上がりが聴きどころ。クルト・ヴァイルのヴァイオリン協奏曲の 伴奏は、管楽器、打楽器、コントラバスのみで構成されており、特にユーモラスな第2楽章では、この編成な らではの独創的な響きが生み出されています。アルバムにはクルト・ヴァイルの「ユーカリ」と、ベンヤミン・シュ ミット自身の「フリッツへ」も収録されています。

Capriccio
C-5511(1CD)
エミール・フォン・ザウアー(1862-1942):ピアノ協奏曲 第1番ホ短調
コンラート・アンゾルゲ(1862-1930):ピアノ協奏曲 ヘ長調 Op.28
オリヴァー・トリンドル(P)
ベルリンRSO
ローランド・クルティヒ(指)

録音:2019年12月12-13日、2022年7月4-6日
19世紀の偉大なピアニスト、フランツ・リストは、多くの弟子たちにピアノの演奏技術や作曲法を指導しました。このアルバムに登場するエミール・フォン・ザウ アーとコンラート・アンゾルゲは、リストの弟子の最後の世代に属し、それぞれ独自の方法でリストの伝統を20世紀に伝えました。 エミール・フォン・ザウアーは、母親からピアノの手ほどきを受け、リストとニコライ・ルビンシテインに師事しました。若くしてピアニストとして成功し、ザクセンの宮 廷ピアニストやウィーン音楽院での教育活動を通じて影響力を広げるとともに、主としてピアノ曲の作曲に専念し、高度な技巧を要する作品を残しました。 このピアノ協奏曲第1番ホ短調は、師のニコライ・ルビンシテインに捧げられ、1900年に初演。批評家の評価は控えめで「時代遅れの作品」と見做されてし まいましたが、聴衆からは絶大な人気を得ました。華麗な旋律と超絶技巧を駆使した後期ロマン派の特徴を備えた美しい作品です。 コンラート・アンゾルゲは、サウアーと同時代のピアニスト。ライプツィヒ音楽院でピアノを学んだ後、ヴァイマルでフランツ・リストに師事しました。師の影響を強く 受け、演奏家としても作曲家としても活動、1887年に渡米し、アメリカ各地で演奏活動を行いましたが、大成功を収めることはできず、1891年にヨーロッ パへ戻りました。以降ベルリンやプラハで教育者として活躍し、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーなどの著名な弟子を育てました。ピアニストとしては「鍵盤上の 哲学者」と称され、限られたレパートリーのみを掘り下げました。作曲家としては、現代美術や表現主義的な影響を受けつつ、リスト晩年の実験的作風と 当時の文学的要素を融合させた作品を創作。これらはベルリン分離派や前衛的な芸術コミュニティで評価され、小規模な出版社から発表されましたが、 一般には広く知られることはありませんでした。このピアノ協奏曲は、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」をモデルとしたもので1914年に第1楽章が完成 し、1924年に全楽章が完成。ミュンヘンで初演され、その緻密な構成と抒情性が評価されました。 ロマン派作品を得意とするオリヴァー・トリンドルが見事な演奏を聴かせます。

Orchid Classics
ORC-100365(1CD)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
スチュワート・グッドイヤー(1978-):ラプソディ(2021)…世界初録音
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op.25
グッドイヤー:序奏とロンド・カプリチオーソ(2022)…世界初録音
スチュワート・グッドイヤー(P)
BBCスコティッシュSO
アンドルー・コンスタンティン(指)

録音:2024年6月10-12日
ピアニスト・作曲家のスチュワート・グッドイヤー。このアルバムではシューマンとメンデルスゾーンの2曲の名作ピ アノ協奏曲と、自身のオリジナル作品2曲「ラプソディ」と「序奏とロンド・カプリチオーソ」を組み合わせていま す。グッドイヤーの作品はどちらも世界初録音で、前者は愛と喪失をテーマにした抒情的な作品、後者はア フリカのリズムにインスパイアされた情熱的な作品です。グッドイヤーは今作でも確かな技巧を駆使し、コンス タンティンが指揮するBBCスコティッシュSOとともに各々の作品の魅力を存分に伝えています。

RUBICON
RCD-1192(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.2
ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271「ジュノム」
ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
エリーザベト・ソンバール(P)、
ピエール・ヴァレー(指)ロイヤルPO
フランス、ストラスブール出身の名女流ピアニスト、エリーザベト・ソンバール(エリザベス・ソンバート)が、フランスの名指揮者ピエール・ヴァレーと名門ロイヤルPOとのコラボレーションで録音を続けている協奏曲集。Signum Classicsからリリースされたベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(SIGCD657)に続いて始動したモーツァルトのピアノ協奏曲集の第2巻では、「ジュノム(ジュナミ)」の愛称で広く愛される傑作「第9番」と、1782年に作曲された大衆的な3つのセットのうちの1つ「第12番」の協奏曲をカップリングしています。
エリーザベト・ソンバールは、1988年にクラシック音楽を多様な聴衆と共有するため「レゾナンス財団」を立ち上げ、現在は世界7カ国の病院、孤児院、刑務所など様々な場所で年間500を超えるコンサートを行っており、それらの功績が認められ2006年にはフランスの国家功労勲章を、2008年には芸術文化勲章を受賞しています。

Lyrita
SRCD-440(2CDR)
ギャヴィン・ヒギンズ:作品集
【CD1】
1-3. ホルンと管弦楽のための協奏曲
4-6. 独奏ホルンのためのファンファーレ、エアとフラリッシュ
【CD2】
1-7. 妖精の花嫁(女声、男声、合唱、管弦楽のための)
ベン・ゴールドシャイダー(Hrn /CD1)
マルタ・フォンタナルス=シモンズ
(Ms/CD2)
ロデリック・ウィリアムズ(Br/CD2)
ハイメ・マルティン(指揮/CD1:tr.1-3)
マーティン・ブラビンズ(指/CD2)
BBCウェールズ・ナショナルO
(CD1:tr1-3, CD2)
スリー・クワイア・フェスティバル合唱団(CD2)

音:2024年1月11日、ホディノット・ホール(カーディフ/ホルン協奏曲)/ライヴ録音:2023年7月23日、スリー・クワイア・フェスティバル(グロスターシャー/妖精の花嫁)
イギリスで最も刺激的で才能に恵まれた作曲家の1人、ギャヴィン・ヒギンズの作品集がLyritaから登場。ヒギンズは、チェサム音楽学校、王立ノーザン音楽大学、英国王立音楽カレッジでホルンと作曲を学び、現在は主にオーケストラとオペラの世界で活躍しています。ヒギンズの作品は、ロイヤル・フィルハーモニック協会賞とサウス・バンク・スカイ・アーツ賞を受賞した「ブラスバンドとオーケストラのためのコンチェルト・グロッソ」(2022年)など、BBCプロムスをはじめとするイギリスを代表する音楽祭から委嘱されています。
本アルバムでは、自身が学んだホルンをフィーチャーした作品としては初となる「ホルン協奏曲」、独奏ホルンのための組曲「ファンファーレ、エアとフラリッシュ」、そして、ウェールズの神話に着想を得た2人の歌手とオーケストラのためのカンタータ「妖精の花嫁」を収録。「ホルン協奏曲」は、モーツァルトとシュトラウスの有名なホルン協奏曲の調である変ホ調で書かれています。また、オーケストラのホルン4重奏との関係を際立たせることで、独奏ホルンの響きを増幅・拡大させており、19世紀半ばに書かれたシューマンのコンツェルトシュトゥックや、19世紀後半に書かれたリゲティのハンブルク協奏曲を思い起こさせる作品です。「ファンファーレ、エアとフラリッシュ」は、2020年から2021年にかけて書かれた3つの曲から作られた独奏ホルンのための組曲です。
ソリストを務めるベン・ゴールドシャイダーは、1997年ロンドン生まれの若き名手で、これまでに、協奏曲、ソロ、室内楽作品をはじめとするホルンのための50以上の作品を初演してきました。英国王立音楽カレッジでスーザン・デントに、2020年にはベルリンのバレンボイム・サイード・アカデミーでラデク・バボラークに師事。2019年YCAT国際オーディション入賞、2016年BBCヤング・ミュージシャン・コンクール協奏曲ファイナリストに選ばれています。2025年7月には、師でもあるバボラークをはじめとする世界のスター奏者達、そして、日本が誇る名ホルン奏者、福川伸陽との豪華共演を控えています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Challenge Classics
CC-72946(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.2
ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467(カデンツァ&リード・イン:デヤン・ラジッチ)
ピアノとオーケストラのためのロンド ニ長調 K.382
ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271「ジュノム」(カデンツァ&リード・イン:デヤン・ラジッチ)
デヤン・ラジッチ(P)、
ヤン・ヴィレム・デ・フリーント(指)、
ベルゲンPO

録音:2023年2月1日-3日(K.467、K.382)&2024年5月6日-8日(K.271)、グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
バルカン半島、クロアチアが生んだ天才コンポーザー=ピアニスト、デヤン・ラジッチ(ラツィック)と、京都市SOの首席客演指揮者に就任するなど、日本での活躍も目覚ましいオランダの名匠ヤン・ヴィレム・デ・フリーント。この強力コンビによって全3巻を予定しているモーツァルトのピアノ協奏曲集、第2巻では第21番と第9番「ジュノム」の2つの名曲をロンドで繋ぐプログラム。そして、”作曲家”デヤン・ラジッチがモーツァルトの時代の一般的な慣習に触発されて作曲したカデンツァとリード・イン(アインガング)が、このプロジェクトの強烈な個性を際立てています。
Challenge Classics
CC-72945(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.1
ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488(カデンツァ:デヤン・ラジッチ)/「ロンド・コンチェルタンテ」 - アレグレット・グラツィオーソ(デヤン・ラジッチ編曲/ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K.333/315c 第3楽章の協奏曲版/世界初録音)/ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 K.449「ジュノム」(カデンツァ&リード・イン:デヤン・ラジッチ)
デヤン・ラジッチ(P)、
ヤン・ヴィレム・デ・フリーント(指)、
ベルゲンPO

録音:2022年2月14日-17日、グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
バルカン半島、クロアチアが生んだ天才コンポーザー=ピアニスト、デヤン・ラジッチ(ラツィック)と、京都市SOの首席客演指揮者に就任するなど、日本での活躍も目覚ましいオランダの名匠ヤン・ヴィレム・デ・フリーント。この強力コンビによって全3巻を予定しているモーツァルトのピアノ協奏曲集、第1巻は第23番と第14番の協奏曲をラジッチ編曲の『ロンド・コンチェルタンテ』で繋ぐ興味深い試みでスタートしています。この『ロンド・コンチェルタンテ』は、協奏曲風のカデンツァ・パッセージを持つピアノ・ソナタ第13番の第3楽章からのアレンジで、「ピアノ五重奏」バージョンはモーツァルトのピアノ四重奏曲集のアルバム(ONYX4207)に収録されていましたが、今回の「ピアノと管弦楽」のためのバージョンは世界初録音となります。
また、ラジッチがモーツァルトの時代の一般的な慣習に触発されて作曲したカデンツァとリード・イン(アインガング)も、このプロジェクトの強烈な個性を際立てています。

Goodies
33CDR-3965(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番ニ長調 KV.537 「戴冠式」
アダージヨ ロ短調 KV,540
リリー・クラウス(P)
ルドルフ・モラルト(指)ウィーンSO

米 VOX PL7300
1950年ウィーン録音
LP最初期の録音。リリー・クラウス(1905-1988)はハンガリー生まれの女流ピ アニスト。17歳でブダペスト音楽院に入学、ベラ・バルトーク、ゾ ルタン・コダーイ(1882-1987)らに師事した。1922年にウィーンに赴きウィーン 音楽アカデミーでアルトゥール・シュナーベル(1882-1951)とエドゥアル・シュ トイアマン(1892-1964)についてさらに研鑽を積んだ。1930年代からモーツァル トやベートーヴェンの演奏家として名声をあげ、ヴァイオリンのシモン・ゴール ドベルク(1909-1993)と共演して各国で評判をとった。1942年インドネシアのジャ ワで公演中、ゴールドベルクと共に日本軍によって軟禁され大戦終結まで現地で 過ごした。指揮者のルドルフ・モラルト(1902-1958)はミュンヘン生まれ、リヒャ ルト・シュトラウスの遠縁にあたる。(グッディーズ)
Goodies
33CDR-3966(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 KV.219(カデンツァ: ヨアヒム) エヴァ・ヒッツカー(Vn)
フリッツ・ヴァイトリッヒ(指)
ザルツブルク祝祭O

米 REMINGTON RLP-149-37(25cm 盤)
1951年発売
エヴァ・ヒッツカー(1921-2016)はオーストリア生まれの女流ヴァイオリン奏者。 この録音の他にハイドン:ヴァイオリン協奏曲第3番イ長調 H.VIIa, No.3(1765) "Melk"(Amadeo AVRS6355)があった。指揮者のフリッツ・ヴァイトリッヒ(1898- 1952)はウィーン生まれ。インスブルック楽友協会の指揮者をつとめた。

カメラータ
CMCD-28393(1CD)
税込定価
2025年1月24日発売
西村 朗 作品集20
(1) 華開世界〜オーケストラのための(2020)
(2) 三重協奏曲〈胡蝶夢〉〜ヴァイオリン、ハープ、クラリネットと管弦楽のための(2023)
(3) ピアノとオーケストラのための〈神秘的合一〉(2023)
NHKSO (1)/杉山洋一(指)(1)
小栗まち絵(Vn)(2)/篠ア和子(Hp)(2)/上田希(Cl)(2)
いずみシンフォニエッタ大阪 (2)
小菅優(P)(3)
パシフィックフィルハーモニア東京 (3)
飯森範親(指)(2)(3)

録音:2024年1月/東京(ライヴ録音)ほか
 2023年9月に急逝した西村朗が、逝去の約1か月前、自ら「最後の CD」としてタイトルと収録作品を記し、制作を託したこの管弦楽作品 集は、近作3曲を収録。  「華開世界」(尾高賞受賞)は、NHKSOの委嘱作品で2021年の 初演を収録。  「胡蝶夢」は、西村が音楽監督を務めたいずみシンフォニエッタ大阪 と、数々の委嘱作を初演してきた東京シンフォニエッタの共同委嘱作品 で、西村自身も立ち会った2023年7月の大阪での初演を収録。  「神秘的合一」は、パシフィックフィルハーモニア東京の委嘱作品で、 西村朗の絶筆となった。小菅優をソリストに迎えた2024年の初演を収録。(カメラータ)

Goodies
33CDR-3964(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第7番ニ長調 KV,271a
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調作品30-3
クルト・ヴェス(指)
オーストリアSO(モーツァルト)
セレニ・シャイエ=リシェ(P)(ベートーヴェン)

米 REMINGTON R-199-46(モーツァルト)1953年発売
米 REMINGTON R-199-93(ベートーヴェン)1952年11月発売
ヴァイオリンのヘレン・エアロフ(1916-1987)はロシア生まれ(ニューヨーク生 まれ説あり)。9歳のとき神童としてサンフランシスコでデビュー。ヨーロッパ に渡りアドルフ・ブッシュ(1891-1952)とジョルジュ・エネスコに 師事した。多くの演奏会で成功をしたが、特に第2次世界大戦中は米軍兵士 (G.I.)の慰問コンサートでアフリカ、ヨーロッパ、中近東で演奏した。エアロ フの最大の功績は、師のエネスコに録音プロデューサーのドン・ガボール (1912-1980)を紹介し、エネスコが録音していなかったバッハの無伴奏 ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲(33CDR-3385&33CDR-3385)の録音完 成を後押ししたことです。協奏曲を指揮するクルト・ヴェス(1914-1987)は オーストリアのリンツ生まれ。大指揮者フェリックス・ワインガルトナー (1863-1942)の個人教授で指揮法を学んだ。1951年から1954年までNHKSO の常任指揮者を務めたこともある。ピアノのセレニ・シャイエ=リシェはフラ ンスのリール生まれ。1898年にパリ音楽院で一等賞を得た。エネスコの没後ル ーマニアのブカレストでエネスコ資料館を立ち上げ参加した。(グッディーズ)

CPO
CPO-555152(1CD)
フリードリヒ・ゲルンスハイム(1839-1916):ピアノ協奏曲 ハ短調 Op.16
交響詩「あるドラマのために」 Op.82
チェロ協奏曲 ホ短調 Op.78
オリヴァー・トリンドル(P)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
マインツ州立PO
ヘルマン・ボイマー(指)

録音:2017年7月3-6日
ユダヤ人医師を父としてヴォルムスに生まれたゲルンスハイム。1848年、革命を避けて一家が移住したライプツィヒでモシェレ スにピアノを学び、やがてパリに留学。ロッシーニ、ラロ、サン=サーンスらと親交を結び作曲家、ピアニストとして活躍を始め るとともに、指揮者として同世代の作品を積極的に演奏するなど活躍しました。このアルバムには、ゲルンスハイムの3つの作 品を収録。ピアノ協奏曲は初期の傑作で、ブラームスやシューマンの影響が感じられる技巧的かつ豊かな旋律が特徴で す。1870年にブラームスの支援でウィーン楽友協会で初演され、ゲルンスハイム自身がピアノを演奏しました。円熟期に書 かれたチェロ協奏曲は、ラプソディックな自由形式による単一楽章の作品です。チェロが主導的役割を果たし、美しい旋律 と巧みなカデンツァが特徴で、響きは保守的ながら実験的な要素も含まれ、ドホナーニの同時代の作品と通じるものがあり ます。交響詩「あるドラマのために」はチェロ協奏曲以前の1902年頃の作曲とされ、1910年にベルリン・フィルによる初演、 1911年にはアメリカ初演も行われました。後期ロマン派らしい劇的な性格を持ちながらも明確なテーマは示されていない 謎めいた作品です。指揮者のボイマーは、これまでにゲルンスハイムの4つの交響曲(777758、777848)を録音。いずれ も高く評価されています。
CPO
CPO-555574(1CD)
アドルフ・ブッシュ:ピアノ協奏曲とピアノ作品集
アドルフ・ブッシュ(1891-1952):
ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.31(1924)*
アジタート BoO30(1909)
4つの間奏曲 - 間奏曲 イ短調 BoO102(1916)
主題と変奏 変ロ長調 Op.63(1920) - 変奏*
組曲 Op.60b
古い様式による小カノン風スケルツォ(1942)*
アンダンテ・アフェットゥオーソ BoO36(1945)
アレグロ・ヴェーメンテ BoO32(1946)
アンダンテ・エスプレッシーヴォ BoO37(1952)
フローレンス・ミレー(P)
グライツ=ライヒェンバッハ・フォクトラントPO
デイヴィッド・マーロウ(指)

録音:2022年3月29-31日、2022年7月5-9日、11月29日
*…世界初録音
アドルフ・ブッシュは、ドイツを代表するヴァイオリニストの一人で、ソリスト、SQのリーダー、教育者として 活躍しました。当時のドイツの伝統的な音楽家として演奏と作曲の両立を志向し、交響曲から器楽曲、歌劇に 至るジャンルで作品を遺しています。このアルバムに収録されたピアノ協奏曲は、1922年に出会い意気投合した ルドルフ・ゼルキン(後に娘婿となった)のために作曲し、1924年12月19日に兄フリッツの(指)ゼルキンの独奏に より、ドレスデンのゼンパーオーパーで初演が行われました。全体的にブラームスやレーガーの影響が感じられる調 性的で明確な構造を持ち、独奏パートには高度な技巧を要求するとともに、オーケストラの伴奏は対位法を駆使 した豊かな響きを持っています。この曲を大切にしていたルドルフの息子、ピーター・ゼルキンが病床で当盤のピアニ スト、ミレーに作品を紹介するように勧めたということです。他のピアノ曲は、ブッシュの家族や友人のために書かれ たもので、最晩年の作品「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」はピーターがアンコール曲として愛奏していたことでも知ら れています。

Channel Classics
CCS-48725(1CD)
エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
愛の挨拶 Op.12
ディーリアス(フレデリック・シャスラン編):ヴァイオリンと管弦楽のための組曲(Vn、ピアノと弦楽四重奏版)*
ニコラ・ドートリクール(Vn)
フレデリック・シャスラン((指)ピアノ)
BBCウェールズ・ナショナルO4
カプリチオSQ

録音:2021年10月12-13日 BBCホッディノット・ホール、2022年10月30日アトンシャテル・シティ・ホール*
高い技術力と幅広い音楽性で世界中から高く評価されているフランスのヴァイオリニスト、ニコラ・ドートリ クールのCHANNEL CLASSICSへの初録音。エルガーの大作ヴァイオリン協奏曲と、彼が婚約者のた めに名作「愛の挨拶」を書いたのと同じ年、ディーリアスが書き上げた組曲を収録。ドートリクールの張り のある音色と表現力が冴えわたります。

Linn
CKD-752(1CD)
秘めた想い 〜バッハ、ブラームス、ブゾーニ、レーガー
ブラームス(ブゾーニ編):11のコラール前奏曲 Op.122より
 X. わが心の切なる願い/VIII. 一輪のばらが咲いて
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24
ブラームス(ブゾーニ編):11のコラール前奏曲 Op.122より
30. IV. 心より喜びに満ちて
バッハ(ブラームス編):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番ニ短調 BWV1004より
 V. シャコンヌ(左手のための)
ブラームス(ブゾーニ編):11のコラール前奏曲 Op.122より
 V. おお愛する魂よ、汝を飾れ
 IX. わが心の切なる願い
ブラームス(レーガー編):4つの厳粛な歌 Op. 121
ブラームス(ブゾーニ編):11のコラール前奏曲 Op.122より
 XI. おお世よ、私は汝を去らねばならない
サムソン・ツォイ(P/Steinway D-274)

録音:2023年6月24-26日 アイ湾音楽堂、アムステルダム
カザフスタン出身のサムソン・ツォイ、パヴェル・コレスニコフとのデュオで既にアルバムをリリースしている彼による初のソロ・アルバムが登場。ブ ラームスが大バッハを手本として書き上げたオルガンのための「11のコラール前奏曲集」からブゾーニがピアノ用に編曲した6曲の間に、若き日 のブラームスがヘンデルのクラヴサン組曲HWV 434に含まれる8小節のアリアを元に書き上げた大曲、ブラームスが左手のみのために編曲し た大バッハの「シャコンヌ」、レーガーがピアノ独奏用に編曲した「4つの厳粛な歌」などを配した意欲的な内容です。ツォイは持ち前の高い技 術力と内省的とも言える感性で、これらの作品のピアニスティックな魅力を十二分に引き出しつつ、その精神的な繋がりを明らかにする見事 な演奏を聴かせています。

FUGA LIBERA
FUG-836(1CD)
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲集
フルート協奏曲 イ短調 Wq166H.431
フルート協奏曲 ト長調 Wq169H.445
フルート協奏曲 ニ短調 Wq22H.425
アリエル・ズッカーマン(フルート、指揮)
インゴルシュタット・ジョージア室内O

録音:2021年6月5-6日 インゴルシュタット祝祭ホール、ドイツ
イスラエル出身のフルート奏者、指揮者アリエル・ズッカーマンによるC.P.E.バッハ。多感様式の王道とも 言える激しさや穏やかさを幅広い表現力と確かな技術で聴かせながら、中でも作曲家が大切にしたとい われる「優しい感情」を前面に感じ取ることの出来る美しい演奏に仕上げています。

IBS CLASSICAL
IBS-162024(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16
ホス・デ・ソラウン(P)
カスティーリャ・イ・レオンSO
イサベル・ルビオ(指)

録音:2023年8月28-31日
ラフマニノフとプロコフィエフのそれぞれ異なる性格を持つピアノ協奏曲。どちらも技術と感情表現の頂点を目指す重要な作品です。ホス・デ・ソラウンはブカレ ストで開催された第13回ジョルジェ・エネスコ国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得。スペインのフルダ誌にて「詩的な音感、大胆なビジョン、卓越した技巧」 と評され、ICMA(国際クラシック音楽賞)を2度受賞する他、作曲家、詩人としても作品を発表するなど幅広い活動を繰り広げています。これまでに GRAND PIANOでのエネスコ作品全集や、シューマン、ハイドン作品の録音も高く評価されています。ムルシア出身のイサベル・ルビオは、オルケスタ・ビー ゴ430の副指揮者などを務める注目の若手。アスペ、ビリェナ、ビルバオでの指揮コンクールで優勝した他、多くの国際コンクールに出場、優秀な成績を収 めています。

Orchid Classics
ORC-100358(1CD)
ブゾーニ:コンチェルティーノ Op. 48
ジャン・フランセ:主題と変奏
ミヨー:スカラムーシュ Op.165d
ニールセン:クラリネット協奏曲 Op.57
オレグ・シェベタ=ラガン(Cl)
オーデンセSO
アンナ・スクリレヴァ(指)

録音:2023年8月28日-9月1日
2022年に開催されたカール・ニールセン国際コンクール、クラリネット部門の優勝者オレグ・シェベタ=ドラガ ンのデビュー・アルバム。シェベタ?ドラガンはウクライナ出身、キーウ国立チャイコフスキー音楽学校とリュー ベック音楽大学で学びました。コンクールでは、安定した技巧とスケールの大きさでオーケストラの特別賞と Junior Jury Prizeも受賞、注目を集めました。このアルバムで再度オーデンセSOと共演。ニールセ ンのクラリネット協奏曲ほかブゾーニ、ミヨー、フランセの作品を堂々と演奏しています。


Treasures
TRE-018r(1CDR)
ハンス・リヒター=ハーザー/グリーグ&シューマン他
グリーグ:ピアノ協奏曲*
シューマン:ピアノ協奏曲#
リスト:愛の夢第3番
グリーグ:抒情小品集第6集〜「過ぎ去った日々」Op.57-1
 抒情小品集第8集〜「トロールハウゲンの婚礼の日」Op.65-6
メンデルスゾーン:無言歌集〜「春の歌」Op.62-6
シューマン:子供の情景〜トロイメライ
ハンス・リヒター=ハーザー(P)
ルドルフ・モラルト(指)ウィーンSO

録音:1958年1月18-21日*,#(ステレオ)、1958年5月27日-6月1日(モノラル)
※音源:英PHILIPS_SABL-180*,#、EPIC LC-3620
◎※収録時間:79:18
"構築力だけではない!リヒター=ハーザーの知られざるリリシズム!”
■音源について
グリーグ&シューマンのピアノ協奏曲はなかなかCD化されませんが、LPでは繰り返し再発売されました。それらを聴き比べた結果、最初はグリーグ冒頭で最も彫琢豊かに響いたオランダの初期盤(蘭PHILIPS 835063)を採用しましたが、2024年末にそれよりも良質な英盤を入手したので、復刻し直しました。とにかく後発盤とは音の飛び出る勢いと重みがまるで違います。なお、ジャケ写は雰囲気のあるオランダ盤のデザインのままとしました。
※旧盤と区別するために、新盤の品番結尾に"r"の一文字を付します。

★特にグリーグの協奏曲が大推薦!リヒター=ハーザーのピアニズムは、ベートーヴェンやブラームスといったドイツの王道作品でも決してドイツ的な厳格さを売りにしていたのではないことは明らかですが、これを聴くと、タッチの艶やかさ、歌のセンス、音楽を伸びやかに飛翔させながら全体に安定感をもたらす構築力が並外れていたことを痛感します。
 第1楽章冒頭で低音から駆け上がる音型の、なんとブリリアントなこと!そして、第1主題の慈しみ抜いた歌。展開部での強弱の微妙な陰影感は、リヒター=ハーザーの感性の鋭敏さをいかんなく証明。甘美に流れがちな第2楽章で、多彩にタッチを変えつつ、音楽の多様な側面を余すことなく再現した演奏も稀なら、終わり近くの4:58で当然子供時代にタイムスリップしたかのような雰囲気を生むなどなど、誰にも真似できない奥義!終楽章は、この楽章に期待する華麗なピアニズムの全てを注入。どんなフォルティッシモでも艶やかさを保持したタッチと、大きな包容力の魅力が全開です。
 アンコール代わりに収録した小品では、各音を克明に打鍵することと全体をレガートで歌うこの両立、バランス感覚の絶妙さに是非ご注目を。「トロールハウゲンの婚礼の日」など、最初の数秒で唸らせます!可憐にリズムを弾ませながら、ほのかな幻想性まで滲ませるこんな演奏は、他で聴いたことはありません。こんな多彩なニュアンスを内包する作品だったのかと驚かれる方もいいでしょう。【湧々堂】


Melodiya x Obsession
SMELCD-1002708(2CD)
完全限定生産
シューマン&ショパン
■CD1
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
■CD2
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
ショパン:幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
エリソ・ヴィルサラーゼ(P)
ドミトリー・キタエンコ(指)、
モスクワPO

録音:CD1:1977年3月11日、モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)、CD2:1984年/ADD
廃盤・入手困難となったMelodiyaの名盤や貴重なMelodiya音源等を復刻する「Melodiya x Obsession」シリーズから、ジョージア出身の20世紀を代表する大ピアニスト、エリソ・ヴィルサラーゼのシューマン&ショパン録音が復刻!
キタエンコ&モスクワ・フィルと共演した1977年録音のシューマンとショパンのピアノ協奏曲集(MELCD1001819)に、恐らく初CD化となる(これまでLPと配信でリリースされていた)シューマンとショパンのソロ録音をセットにした2枚組。
ヴィルサラーゼが世界中のコンサートでもっとも頻繁に演奏してきたシューマンとショパンの演奏で、その並外れた精神性、誠実さ、感受性を改めて聴衆に届けます。
日本の主要なオーケストラとの共演やソロ・リサイタル、マスタークラス、コンクール審査員などで長年来日も続けているエリソ・ヴィルサラーゼ。2025年は11月に尾高忠明&愛知室内オーケストラとの共演も予定しています。

RUBICON
RCD-1120(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
スーク:幻想曲 ト短調 Op.24
リザ・フェルシュトマン(Vn)、
ブリュッセル・フィルハーモニック、
エリアス・グランディ(指)
1979年オランダ出身の人気ヴァイオリニスト、リザ・フェルシュトマンがRubiconレーベルに初登場!フェルシュトマンは情熱的な演奏スタイルや興味深いプログラミング、個性的なパフォーマンスで人気を博し、2006年に権威ある「オランダ音楽賞」を受賞。Challenge Classicsレーベルから多数のアルバムをリリースしています。ベートーヴェンやメンデルスゾーンなど主要なヴァイオリン協奏曲を録音してきた彼女が今回ついにブラームスの協奏曲をレコーディング。豊かな表現力が要求されるスークの幻想曲をカップリングしています。
伴奏を務めるのはエリアス・グランディ率いるブリュッセル・フィル。エリアス・グランディは日本人の母を持ち、2025年4月よりマティアス・バーメルトの後任として札幌SOの新首席指揮者に就任することが決定しています。またブリュッセル・フィルは大野和士が首席指揮者を務めるベルギーの名門オーケストラ。フェルシュトマンがブラームスへどのようなアプローチを聴かせてくれるのか、そしてそれにグランディ&ブリュッセル・フィルがどう呼応するのか。期待せずにはいられない1枚です。

Musikmuseum
MMCD-13027(1CD)
ネッツァー、シュグラッファー、ゴラー、アイスナー:19世紀の協奏曲集
ヨーゼフ・ネッツァー(1808-1864):歌劇「奇妙な結婚」序曲(1839/1846)、
 クラリネットと管弦楽のためのアダージョとロンド(1854)、
 歌劇「マーラ」序曲(1841)
ヤーコプ・シュグラッファー(1799-1859):フルートと管弦楽のためのディヴェルティメント(1830頃)、
 演奏会用序曲 ニ長調(1827)、
 ファゴットと管弦楽のためのディヴェルティメント(1830頃)
カール・クリスティアン・アイスナー(1802-1874):ホルンと管弦楽のためのメユールの歌劇「ジョゼフ」の主題による変奏曲(1840頃)
マルティン・ゴラー(1764-1836):クラリネットと管弦楽のための協奏曲 変ロ長調(1800頃)
聖ブラシウス・アカデミーO、
カールハインツ・ジースル(指)
ドロテア・ゼール(Fl)、
マックス・ツィーヘスベルガー(Cl)、
ルーカス・グルーバー(Fg)、
ヴィクトル・プラクスマーラー(Hrn)

録音:2014年10月(オーストリア)
チロル州立博物館の自主レーベルMusikmuseumによる、19世紀の華やかな協奏的作品を集めた一枚。イタリアのボルツァーノ出身の作曲家シュグラッファーによる優美なディヴェルティメントや、オーストリアのグラーツで作曲されたネッツァーの見事な「クラリネットと管弦楽のためのアダージョとロンド」、さらにインスブルック楽友協会のアーカイヴから発掘されたアイスナーの技巧的な変奏曲や、協会創設者の一人であるゴラーのクラリネット協奏曲が収録されています。2014年に上演されて大成功を収めたネッツァーの歌劇「マーラ」からの序曲にもご注目ください。
Musikmuseum
MMCD-13022(1CD)
クラリネットと管弦楽のための作品集
トスワフスキ:ダンス・プレリュード
ヨハン・バプティスト・ゲンスバッハー(1778-1844):クラリネットと管弦楽のための協奏曲 変ホ長調
ポール・リード(1943-1997):「ヴィクトリア朝のキッチン・ガーデン」組曲
ミヒャエル・F・P・フーバー(1971-):Veitstanze Op.22
ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847):クラリネットと弦楽のためのアダージョ
エドゥアルド・デメッツ(1958-):UE1〜クラリネット、バスクラリネットとエレクトロニクスのための
ペーター・ゴルザー(Cl)、
カーチャ・レヒナー(Hp)、
ユルゲン・フェーダラー(バスCl)、
聖ブラジウス・アカデミーO、
カールハインツ・ジースル(指)
南チロル出身のクラリネット奏者ペーター・ゴルザーが、ソリストとしての輝かしい技巧を披露する1枚です。本作では、南チロルのシュテルツィング出身の作曲家ゲンスバッハーによる初期ロマン派の珍しい協奏曲をはじめ、フーバーやデメッツによる現代作品、ルトスワフスキの「ダンス・プレリュード」や、ベールマンの夢幻的な「アダージョ」といったクラリネットの名作も取り上げられています。クラリネットの多彩な表現と、伝統と現代が交錯する魅力的なプログラムをお楽しみください。

Signum Classics
SIGCD-886(1CD)
ヴィヴァルディ:「和声と創意の試み」 Op.8 Vol.1〜四季とその他の協奏曲集
協奏曲第1番ホ長調 RV.269「春」
協奏曲第2番ト短調 RV.315「夏」
協奏曲第3番ヘ長調 RV.293「秋」
協奏曲第4番ヘ短調 RV.297「冬」
協奏曲第5番変ホ長調 RV.253「海の嵐」
協奏曲第6番ハ長調 RV.180「喜び」
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV.170
2本のヴァイオリンのための協奏曲 変ホ長調 RV.515
ラ・セレニッシマ、
エイドリアン・チャンドラー(指,Vn)

録音:2024年2月11日-14日、イギリス
英国屈指のバロック・ヴァイオリニスト、エイドリアン・チャンドラーによって1994年に創設されたピリオド・アンサンブル、ラ・セレニッシマ。”赤毛の司祭”ヴィヴァルディを中心とする18世紀ヴェネツィアとその周辺の作曲家たちの知られざる作品や、再発見された作品の世界初録音を続々と世に送り出し、これまで2度のグラモフォン賞に輝いています(「セレニッシマ」は、「晴朗きわまるところ」という意味の、ヴェネツィアの別称)。
ヴィヴァルディのスペシャリストとして、これまでヴィヴァルディの知られざる作品や、同世代の知られざる作曲家を多数録音してきたエイドリアン・チャンドラー&ラ・セレニッシマが、ついにヴィヴァルディの大作『和声と創意の試み』Op.8全曲をレコーディング! ヴィヴァルディのもっとも有名でもっとも愛される傑作『四季』は、2015年にも「マンチェスター手稿譜に基づくチャンドラー版」として録音していましたが、今回は『和声と創意の試み』Op.8の第1弾として12の協奏曲のうち『四季』を含む協奏曲第1番〜第6番と、Op.8には含まれない2つの協奏曲をカップリングした形で、新たに録音されています。

NIFC
NIFCCD-159(1CD)

XNIFCCD-159(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
モーツァルト&ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集ウィズ・ジャズ・インプロヴァイジング
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19**
アンコール
ショパン(小曽根真編):ワルツ嬰ハ短調 Op.64-2によるインプロヴィゼーション
小曽根真(P)、
アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(指)*、
尾高忠明(指)**、
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2006年8月27日*&2007年8月15日**、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)(「ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭ライヴ)
2024年の8月〜9月に開催された「ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭2024でモーツァルトのピアノ協奏曲第9番 「ジュノム」の独自の解釈とジャジーなカデンツァを披露し大絶賛を浴びた小曽根真。同音楽祭を主宰するポーランド国立ショパン研究所の自主レーベルNIFCから、なんと小曽根真の2006年と2007年の貴重なライヴ・レコーディングが登場!
日本を代表するジャズ・ピアニストであり、クラシック音楽の演奏やジャンルを超えたクロスオーヴァー的プロジェクト等でも世界的な活躍を続ける小曽根真。2006年のショパン音楽祭でもアレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー&シンフォニア・ヴァルソヴィアとの共演でモーツァルトのピアノ協奏曲第9番を披露しており、2024年の同曲はヒストリカル・オーケストラとの共演でフォルテピアノを弾きましたが、こちらはスタインウェイでの演奏です。そして、2007年のショパン音楽祭ライヴでは、尾高忠明の指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番も披露。アンコールで弾いたショパンのワルツによる即興も合わせて、大注目のライヴ録音リリースとなります。

IBS CLASSICAL
IBS-162024(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16
ホス・デ・ソラウン(P)
カスティーリャ・イ・レオンSO
イサベル・ルビオ(指)

録音:2023年8月28-31日
ラフマニノフとプロコフィエフのそれぞれ異なる性格を持つピアノ協奏曲。どちらも技術と感情表現の頂点を目指す重要な作品です。ホス・デ・ソラウンはブカレ ストで開催された第13回ジョルジェ・エネスコ国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得。スペインのフルダ誌にて「詩的な音感、大胆なビジョン、卓越した技巧」 と評され、ICMA(国際クラシック音楽賞)を2度受賞する他、作曲家、詩人としても作品を発表するなど幅広い活動を繰り広げています。これまでに GRAND PIANOでのエネスコ作品全集や、シューマン、ハイドン作品の録音も高く評価されています。ムルシア出身のイサベル・ルビオは、オルケスタ・ビー ゴ430の副指揮者などを務める注目の若手。アスペ、ビリェナ、ビルバオでの指揮コンクールで優勝した他、多くの国際コンクールに出場、優秀な成績を収 めています。

Spectrum Sound
CDSMAC-032(1CD)
500枚完全限定プレス
ミルシテイン、モリーニ
(1)バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
(2)ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリン、チェロのための協奏曲 ニ短調 Op.3-11RV565
(3)バッハ:2つのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ハ長調 BWV1037
(4)フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ナタン・ミルシテイン(Vn)
エリカ・モリーニ(Vn)
(2)ハーヴェイ・シャピロ(Vc)
(3)ベリー・フィッシャー(P)
(1)(2)室内O
(4)マリー=テレーズ・イボ(Vn)、イーナ・マリカ(P)

録音:(1)-(3)1964年3月26〜28日キャピトル・スタジオ、ニューヨーク(ステレオ)
Source - U.K EMI Columbia SAX2579Half Moon ED1STEREO LP (Ultra Mega rare LP Record)
(4)ライヴ録音:1971年6月28日/メゾン・ド・ラジオ・フランス内第105スタジオ(ステレオ)
スペクトラム・サウンド・レーベルが保有する貴重なレコード・コレクションから見事なリマスタリングを続けているアナログ・コレクター・シリーズ。当盤はナタン・ ミルシテインとエリカ・モリーニが共演したドッペル・コンチェルトのCD復刻です。言わずと知れた大名演。オリジナルのLPは高値で取引されていますが、この度 スペクトラム・サウンドが保有するLPから高い技術で復刻されました。この芳醇な音をお楽しみください。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMAC-028(1CD)
ナタン・ミルシテイン

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61(カデンツァ:ミルシテイン)

(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」
(1)ナタン・ミルシテイン(Vn)
フィルハーモニアO、エーリッヒ・ラインスドルフ(指)
U.K EMI Columbia SAX2508Blue silver ED 1LP Record + private open reel tape restoration (STEREO)

(2)ナタン・ミルシテイン(Vn)、アルトゥール・バルサム(P)
* U.K Capitol EMI P-8430ED1LP Record restoration (MONO)
スペクトラム・サウンド・レーベルが保有する貴重なレコード・コレクション(+オープンリール・テープ)から見事なリマスタリングを続けているアナログ・コレ クター・シリーズ。当盤はナタン・ミルシテイン世紀の大名演、1961年にラインスドルフ指揮フィルハーモニアOと演奏したベートーヴェンの協奏曲、カップ リングはバルサムとの「クロイツェル・ソナタ」です。
82歳のラスト・リサイタルまで、常に世界の第一線で活躍したミルシテイン。驚くべきテクニックとこの上なく美しい音色で聴衆を魅了した、まさにヴァイオリン の美を象徴するヴィルトゥオーゾです。艶やかなミルシテインの演奏をスペクトラム・サウンドの高い技術でCD化された音をお楽しみください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。


Spectrum Sound
CDSMAB-182(1CD)

オイストラフ・イン・パリ1962&1973

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61(カデンツァ:クライスラー)
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ短調 Op.23
ダヴィッド・オイストラフ(Vn)

(1)フランス国立放送O、フランチェスコ・マンデル(指)
録音:1973年2月7日シャンゼリゼ劇場、パリ(ライヴ)(ステレオ)

(2)レフ・オボーリン(P)
録音:1962年6月18日フランス国営放送局内スタジオ(放送用収録)(モノラル)
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規復刻シリーズから巨匠オイストラフが 1973年2月7日、シャンゼリゼ劇場で演奏したベートーヴェンの協奏曲が正規初出音源で登場します。
オイストラフが生涯最も多く演奏した作品のひとつ、ベートーヴェンの協奏曲。非常に細かいヴィブラートとテヌートを多用し、まるで歌手のように歌い上げるオイ ストラフのヴァイオリンの音色はひと際輝かしく、聴衆を魅了しました。INAの保管状態もよく、ステレオで収録されていること嬉しい限り。これほど艶やかな音色 は巨匠オイストラフの演奏でしか聴くことはできないでしょう。
ボーナストラックには、1962年6月18日、フランス国営放送局内のスタジオで収録した、レフ・オボーリンとのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第4番を 収録。同コンビはベートーヴェンの全曲を同時期に録音しておりますが、これとは別音源の6月18日の放送用に収録されたものです。芳醇な香りのする名演奏を お楽しみください!  (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

LPO
LPO-0130(2CD)
ブレット・ディーン(b.1961):作品集
(1) Amphitheatre(円形劇場)
(2)ヴィオラ協奏曲
(3) In spe contra spem*
(4)チェロ協奏曲
(5)3つのメモリアル〔Dispersal*-Ceremonial*-Komarov’s Fall〕
(6)ノットゥルノ・インクィエト*
(7)ザ・プレイヤーズ
全てLPO

(1) Aエンリケ・マッツォーラ(指)/録音:2023年1月18日(ライヴ)
(2)ハンヌ・リントゥ(指)、ローレンス・パワー(Va)/録音:2022年2月9日(ライヴ)
(3) エドワード・ガードナー(指)、エマ・ベル(ソプラノ/エリザベス・チューダー)、エルサ・ドライシヒ(ソプラノ/メアリー・スチュワート)/録音:2023年4月26日(世界初演、ライヴ)
(4)エドワード・ガードナー(指)、アルバン・ゲルハルト(Vc)/録音:2022年4月27日(英国初演)
(5)カリーナ・カネラキス(指)/録音:2022年10月
19日
(6)ユロフスキ(指)/録音:2021年12月8日(ライヴ)
(7)フロフスキ(指)、バルトシュ・グロヴァキ(アコーディオン)/録音:2020年12月5日(英国初演、ライヴ)

*=世界初録音
オーストラリアの作曲家ブレット・ディーンは、2020年9月から2023年7月までの3シーズン、LPOのコンポーザー・イン・ レジデンスとして過ごしました。このリリースには、彼が同Oと過ごした実り多い期間に、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでライブ録音された7作品が 収録されています。ロンドン・フィルは、ディーンのオペラ「ハムレット」でディーンと緊密に仕事をし、この作品は2017年のグラインドボーン音楽祭で、当時の LPO首席指揮者ユロフスキのもとで初演され、2018年サウスバンク・スカイ・アーツ賞と国際オペラ賞の最優秀新人オペラ賞を受賞し、現在もMETで上演され るなど、現代オペラの最高傑作のひとつとなっています。2020年9月にLPOのレジデンスに就任するにあたり、ディーンは「2017年のグラインドボーン音楽祭 で、ユロフスキ率いるLPOと、作曲家として初めて出会って以来、私はこの素晴らしい音楽家たちとの特別な絆を感じ、共感しあってきました』述べています。作 品の献呈者であるアルバン・ゲルハルトとのチェロ協奏曲や、アコーディオン協奏曲『ザ・プレイヤーズ』の英国初演も含まれており、大変価値のある2枚組となっ ております。 (Ki)

Hyperion
CDA-68458(1CD)
イタリアの希少ピアノ協奏曲集
グイド・アルベルト・ファーノ(1875-1961):アンダンテとアレグロ・コン・フオーコ(1900)
ルイージ・ダラピッコラ:ミュリエル・クーヴルーのための小協奏曲(1939-41)
シルヴィオ・オミッツォロ(1905-1991):ピアノとオーケストラのための協奏曲(1960)*
クリスティアン・カッラーラ(1977-):戦争の静寂(2015)*
ロベルト・プロッセダ(P)、
LPO、
ニール・カバレッティ(指)

録音:2022年3月、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス、ロンドン)
*=世界初録音
20世紀から21世紀のイタリアの珍しいピアノ協奏曲を集めた貴重な一枚。ロマン派的な叙情性と、スクリャービンを思わせるピアノ書法を兼ね備えたファーノの「アンダンテとアレグロ・コン・フオーコ」、新古典主義的な簡潔さが際立つダラピッコラの「小協奏曲」、豊かな音色と印象主義的な響きが特徴のオミッツォロの協奏曲、戦争の持つ二面性を描いたカッラーラの「戦争の静寂」と、この時代のイタリアのピアノ協奏曲を概観できる多彩な作品を収録。演奏するロベルト・プロッセダは、イタリアの現代音楽と埋もれたピアノ作品の擁護者として知られ、その卓越した技巧が楽曲の魅力を最大限に引き出しています。
ロベルト・プロッセダは、イタリア・ラツィオ州ラティーナ生まれのピアニストで、現代国際音楽界で最も活動的で多才な音楽家の一人です。彼は2005年から2014年にかけて録音したメンデルスゾーンのピアノ作品全集のリリースで国際的な名声を得ました。また、モーツァルト、シューベルト、ショパン、シューマンの解釈でも高く評価されています。2011年以降、ペダルピアノの復興に取り組み、アルカンやグノーの作品を現代に蘇らせ、数多くのコンサートで演奏しています。

GENUIN
GEN-25896(1CD)
ドリヴン〜ヴィヴァルディ&ラフマニノフ
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ロ短調 RV424
ラフマニノフ:東洋風舞曲 Op.2-2
ヴィヴァルディ
:チェロ協奏曲 イ短調 RV418(カデンツァ:フィリップ・シュペリウス作曲「ヴィヴァルディとラフマニノフの出会い」)
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
ラフマニノフ:悲歌 Op.3-1
フィリップ・シュペリウス(Vc)、開原由紀乃(P)、メタモルフォーゼン・ベルリン、ヴォルフガング・エマヌエル・シュミット(指)

録音:2024年5月エールベルク教会(ドイツ、ベルリン)
ドイツ音楽コンクール2023のチェロ部門優勝者、フィリップ・シュペリウス(2003-)による、ヴィヴァルディとラフマニノフを組み合わせた注目アルバム。クラシックFMによって「世界で最も注目すべき若手音楽家30人」の一人に選ばれたシュペリウスは、ベルリン芸術大学でヴォルフガング・エマヌエル・シュミットに師事し、2022年にはニューヨークのカーネギー・ホールでデビュー。ヴィヴァルディのチェロ協奏曲 RV418では自作のカデンツァ「Vivaldi meets Rachmaninov」(2024)を披露し、ヴィヴァルディの繊細かつ華やかなバロック音楽と、ラフマニノフの情熱的で壮大なロマン派音楽を見事に橋渡ししています。

MSR
MS-1860(2CD)
リスト:ピアノ協奏曲全集+ピアノと管弦楽のための作品集
(1)ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
(2)ピアノ協奏曲第2番イ長調
(3)ピアノ協奏曲第3番変ホ長調
(4)悲愴協奏曲(ロイス編曲・リスト修正編)
(5)スペイン狂詩曲(ブゾーニ編)
(6)呪い
(7)死の舞踏(1849年初版)
(8)ハンガリー民謡のテーマによる幻想曲
(9)さすらい人幻想曲(シューベルト作曲・リスト編)
ジョシュア・ピアース(P)
(1)-(3)(5)-(9)ポール・フリーマン(指)
(1)(8)ロシア国立SO
(2)(3)(5)(6)(9)モスクワ国立PO
(7)スロヴェニアRSO
(4)カーク・トレヴァー(指)
(4)ボフスラフ・マルティヌーPO

録音:(1)-(3)(5)-(9)1993年-1996年 モスクワ放送協会第ホール&モスクワ・フィルム・
スタジオ・コンサート・ホール、(4)1999年12月10-11日ズリーンBMFコンサート・ホール、(7)1990年1月3日スロヴェニア・フィルハーモニック・ホール
リストのピアノと管弦楽の為の作品集であるが編曲された作品も含まれています。「悲愴協奏曲」は、先ずピアノ・ソロから2台 ピアノに編曲され、そこから弟子のエドゥアルド・ロイスが編曲したものにリストが修正したもの。「スペイン狂詩曲」は、ピアノ・ ソロをブゾーニが編曲したもの。「さすらい人幻想曲」は、シューベルトのピアノ作品をリストが編曲したもの。 ジョシュア・ピアースはニューヨーク出身。ジョン・ケージをはじめとする現代音楽に造詣が深い実力派のピアニスト。多くのレ ーベルからCDが発売されレパートリーも幅広く、バッハ、モーツァルト、ショパン、レスピーギ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、 プロコフィエフ、ブロッホ、ヒンデミットetcと数え切れない。ポール・フリーマンはヴァージニア州リッチモンド出身。イーストマン 音楽学校、ベルリン高等音楽院で学ぶ。30国以上の国で100を超えるオーケストラを指揮してきた。録音されたアルバムは200 以上にも及ぶ。カーク・トレヴァーはロンドン出身。ギルドホール音楽演劇学校でチェロを学ぶ。一方で、ボールト、タウスキー に指揮を学んだ。ボフスラフ・マルチヌー・フィルの首席指揮者を務めた。バーンスタイン指揮者コンクールで優勝しています。 このCDは様々な機会に収録されたものを纏めたもの。録音された年代や場所による音の響きの違いも殆ど無く、リストの迫 力のある音楽が楽しめる。

H.M.F
HMM-902757(2CD)
ヴィヴァルディ:「四季」ほか/テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ
[CD1]
ヴィヴァルディ
1. プレリュード〜ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV268のカデンツァに基づく
2-4ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV269「春」
5-7ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV315「夏」
8-10ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 RV293「秋」
11-13ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 RV297「冬」
14アリア(モテット「まことの安らぎはこの世にはなく」RV630より)
[CD2]
1-3ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV264
4-7弦と独奏ヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV155
8-17グレゴリオ・ランプランツィ(1700以前-1750):「新しく珍しい流派の踊りDanze da Nuova e curiosa scuola de' balli teatral」世界初録音(O.フレ&ド・スワルテによるデュオ、トリオ編曲版/原曲は2つの旋律楽器と通奏低音のためのもの)*
18-21ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV292
22ラルゴ(ファゴット協奏曲 ヘ短調 RV491より〜ヴァイオリン編)
23ラルゴ(Vn協奏曲 ヘ短調 RV202より)
24ジョルジョ・ジェンティーリ(1669頃-1730頃):アダージョ(トリオ・ソナタ イ長調 op.1-1より)
テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ(指 、Vn)
ル・コンソール
ジュリー・ロゼ(ソプラノ/CD1-14)

ゾフィー・ド・バルドネッシュ(Vn)*
ハンナ・ザルツェンシュタイン(Vc)*
マリー=アンジュ・プティ(打楽器)*
ジュスタン・テイラー(Cem)*

録音:2024年7月、アルセナル・ド・メス、大ホール
フランスの(バロック・)ヴァイオリン界の注目すべき新星、ド・スワルテが、「四季」を録音しました!アンサンブルはル・コンソール。チェンバロのジュスタン・ テイラーの音色もそこかしこで冴え渡っています。ヴィヴァルディの生涯を描いた「Antonio Vivaldi, Concerti per una vita〜協奏曲で描くヴィヴァルディ の生涯」で、バロック・ヴァイオリンの新しき旗手であることを世界に印象付けたテオティム・ラングロワ・ド・スワルテは、ヴィヴァルディの「四季」によってヴァ イオリンにあこがれ、バロック音楽に興味をもつようになったといいます。ここでは「四季」を中心に、ヴィヴァルディのほかの作品や、同時代の作曲家たちの作品 で調性などで親和性がある作品をあわせたプログラムで、「春」、すなわちあたらしい出発(再出発)、新しい誕生の喜びを祝っています。永遠に聴いていたくなる ような2枚組です。
ヴィヴァルディの作品は3世紀も昔に書かれていても、たとえば春のそよ風、木の葉のざわめき、ゆっくりとした雪解けなど、当時もあったであろう実体験を彷 彿とさせ、音を通して過去、ヴィヴァルディ、当時の音楽家やこれを聴いていた人たちと対話できるようです。また、特にバロック音楽においては調性がそれぞれ 象徴するイメージがあり(たとえばホ長調は「誕生」、ヘ短調は「死」や「受難」、変ホ長調は献身や祈り、神(あるいは死)との対話)、スワルテはここで調性や、イ メージ的に関連ある楽曲を間に挟み込み、作品のイメージをより豊かに膨らませます。プログラム最後には、サン・マルコ教会のヴァイオリン奏者で、ヴィヴァルディ の憧れの存在であったジェンティーリのイ長調のトリオ・ソナタのアダージョ楽章(ホ長調)を演奏、弦楽器の美しさにうっとりさせられます。また、「四季」の骨格 となる民族舞曲に敬意を表し、。1716年にグレゴリオ・ランブランツィがアンソロジした、バッカスなどを称えるヴェネチア舞曲の組曲を世界初録音。「四季」だ けでなく、ほかの作品も盛り込んで、季節のめぐりを寿ぎます。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-1112(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第3番 ニ長調 K.40
※カデンツァ…モーツァルト(原曲…レオンツィ・ホーナウアー、ヨハン・ゴットフリート・エッカルト、 C.P.E.バッハ)
ピアノ協奏曲 第14番変ホ長調 K.449
※カデンツァ…モーツァルト
ヴァイオリン協奏曲 第5番イ長調 K.219 「トルコ風」
※カデンツァ…エルネスト・ヘス、ダヴィド・カストロ=バルビ
テオ・ゲオルギュー(P/ベーゼンドルファー VC280)
ダヴィド・カストロ=バルビ(Vn/ジャック・フュスティエ)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2017年8月、2023年5月30日-6月2日 ザルツブルク
ルーマニアの両親のもとスイスに生まれ、SonyやClavesから個性的なアルバムをリリースしてきたピアニスト、テオ・ゲオルギューと、cpoからリ リースしたシュターミッツの協奏曲が話題となったヴァイオリニスト、ダヴィド・カストロ=バルビが次世代ソリストによるモーツァルトのシリーズに登 場。どちらもモダンの銘器を用い、その機能性と艶のある音色を軽やかな感性で自在に操る、美しいモーツァルト像を描いています。

ONDINE
ODE-1481(1CD)
ファゴット協奏曲集
クルーセル(1775-1838):ファゴット協奏曲 変ロ長調(1829)
エドゥアール・デュ・ピュイ(1770-1822):ファゴット協奏曲 ハ短調(1812頃)
ベルワルド:コンチェルトシュトゥック ヘ長調 Op.2(1827)
エドゥアルド・ブレンドラー(1800-1831):ディヴェルティスマン 変ロ長調(1831頃)
ヤーッコ・ルオマ(Fg)
タピオラ・シンフォニエッタ
ヤンネ・ニソネン(指)

録音:2023年1月30日 ?2月3日
ヤーッコ・ルオマとタピオラ・シンフォニエッタによるファゴット協奏曲のアルバム。前作(ODE-1324)はモーツァル トやフンメルの作品が中心でしたが、今作では、19世紀前半にスウェーデンで活躍したファゴット奏者、フラン ス・カール・プロイマイヤーのために書かれた4作のファゴット協奏曲に焦点を当てています。アルバムには、プロ イマイヤーの義父クルーセルやベルワルドなど著名な作曲家に加え、エドゥアール・デュ・ピュイやエドゥアルト・ブ レンドラーといった、あまり知られていない作曲家の作品も含まれています。これらの協奏曲はどれも技巧的 で、当時の北欧音楽界の水準の高さを垣間見せる見事な仕上がりです。 ルオマはシベリウス音楽院やパリ音楽院で学び、国際的なコンクールでの受賞歴を持つ経験豊富なファゴット 奏者。現在はタピオラ・シンフォニエッタのメンバーとして活躍しています。タピオラ・シンフォニエッタは、フィンラン ドを代表する室内オーケストラで、幅広いレパートリーと高い表現力で国際的に高い評価を得ており、指揮 者なしでの演奏にも力を入れていますが、今作ではヤンネ・ニソネンが指揮を執り、伸びやかなアンサンブルを 披露しています。

H.M.F
HMM-902334(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K459
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K488
クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ/Walter&Sohn(1805頃)のコピー、ポール・マクナルティ製作(2008))
フライブルク・バロック・オーケストラ
〔コンサートマスター:ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ〕

録音:2022年3月、フライブルク・アンサンブルハウス
天才ベザイデンホウト&FBOによるますます好調のモーツァルト、第5弾の登場。音も目覚ましいフレッシュさで、当コンビが共演を重ねても毎度魅力的なセッショ ンを繰り広げていることが感じられる内容です。
K459は、モーツァルトがウィーンに移って、ピアニストとしての名声を確かなものにした1784年の12月に完成されました。オーケストラはオペラの序曲を思 わせるワクワクした雰囲気に満ち、そこに加わるように始まるベザインデンホウトの溌剌としたソロは絶品。全体を通して流麗にして楽し気な雰囲気に満ちていま す。K488は鍵盤協奏曲としては珍しくテンポのゆったりとした楽章(アダージョ)の、シチリアーノ風の第2楽章をもつ作品。ベザイデンホウトのソロは切々と、し かし美しい流れのある歌で、続く管弦楽で涙腺が崩壊するような、ロマンティックな演奏です。終楽章のアレグロ・アッサイではベザイデンホウトが天衣無縫にあそ んでいます。 (Ki)

APARTE
AP-343(1CD)
ロマン派を探し求めて
(1)ロセッティ:2本のホルンのための協奏曲変ホ長調
(2)モーツァルト:ホルン二重奏曲K.487(496a)〜第11番、第3番、第12番
(3)レオポルト・モーツァルト:2本のホルンのための協奏曲変ホ長調
(4)ハインリヒ・ジムロック:ホルン二重奏曲Op.2
(5)ベートーヴェン:六重奏曲Op.81b
バート・アールベイト、ハイス・ラシュール(Hrn)
ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(指) 
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2023年3月4-8日/フライブルク・バロック・オーケストラ・アンサンブルハウス(ドイツ)
ホルンは広々とした空間や深い森を想起させるところがあるためか、ドイツの作曲家の想像力を刺激してやまぬ楽器でした。18世紀には上流階級で狩りが流行 したため、ホルンが盛んに用いられ発展しました。このアルバムは、フライブルク・バロック・オーケストラのホルン奏者バート・アールベイトとハイス・ラシュールが モーツァルト父子、ベートーヴェン、ジムロック、ロゼッティの作品に挑戦。ロマン主義の萌芽を協奏曲と室内楽の間で探求し、やがて花開くホルン王国の予感を感 じさせてくれます。深々とした音色は、まさにドイツの森を、軽やかなファンファーレは楽しい狩猟を思わせます。

Initiale
INL-25(1CD)
当惑〜シューマンの作品
ピアノ協奏曲イ短調Op.54
ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調(管弦楽なしの協奏曲)
フィオ ナ・マト(P)
ジョナサン・ダーリントン(指)
パリ音楽院卒業生オーケストラ

録音:2021年11月/パリ音楽院
アルバニア系ギリシャ人ピアニスト、フィオナ・マトはトリオ・ディヒターのピアニストとして昨年ハルモニア・ムンディからシューマンがらみの作品集をリリースし て注目されました。今回もシューマン・アルバムで、名作のピアノ協奏曲と非常に技巧的なピアノ・ソナタ第3番という魅力的なラインナップ。
マト本人によれば、音楽家としての人生に20年来寄り添ってくれた作曲家と作品で、アテネの音楽学校時代の集大成たる協奏曲とパリ音楽院でのソナタ第3番 を録音することが長年の夢だったとのこと。アルバム・タイトルの「当惑」はシューマンの二面性、オーケストラの中にピアノがある前者とピアノの中にオーケストラ がある後者というスタイルの対立で、演奏にもはっきり主張されていて聴き応え満点です。 (Ki)

ATMA
ACD2-2829(1CD)
革命のいぶき 〜アンリ=ジョゼフ・リジェル作品集
アンリ=ジョゼフ・リジェル(1741-1799):牧歌喜劇『ブランシュとヴェルメイユ』(1781)より 序曲 / “Ruisseau charmant” / “Ici pour la premiere fois” / “Je vous entends, infidele”
ピアノ協奏曲 ヘ長調(ca.1770-1775)[カデンツァ:メリザンド・マクナブニー]
音楽歴史譚『ポーリーヌとアンリ』(1793)より “Au fond, pourtant il n’a pas tort”
叙情劇『アリックス・ド・ボーケール』(1791)より “C’est la premiere fois que j’aime”
交響曲第2番ト長調 Op.12
『アリックス・ド・ボーケール』より “Quel caprice guide mes traits ?”
チェンバロまたはピアノのための3つの交響曲より ソナタ ニ短調 Op.16-2
『アリックス・ド・ボーケール』より “O mon Alix, toi qui m’es chere” / “O mon ami, c’est ton amour”
マガリ・シマール・ガルデス(S)
ニコラス・スコット(T)
メリザンド・マクナブニー(フォルテピアノ)
マチュー・ルシエ(指)
アリオン・バロックO

録音:2022年11月7-9日
ドイツに生まれ生涯のほとんどをフランスで過ごした知られざる古典派作曲家、アンリ=ジョゼフ・リジェル(1741-1799)の声楽・器楽作品を収録。ヴェル サイユ・バロック音楽センター(CMBV)との共同プロジェクトで珍しい作品がよみがえります。 (Ki)


Treasures
TRE-322(1CDR)
ブランカール〜ラヴェル&モーツァルト
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 変ロ長調、K.570
ラヴェル:左手のための協奏曲*
 ピアノ協奏曲*
ジャクリーヌ・ブランカール(P)
エルネスト・アンセルメ(指)スイス・ロマンドO*

録音:1951年10月、1953年6月*
※音源:日KING LY-34、日KING LY-13*
◎収録時間:54:18
“表面的な雰囲気作りを必要としない明確な音の粒立ちと丁寧な語り口!”
■音源について
ブランカールは、ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲を1938年にミュンシュ指揮パリ・フィルと世界初録音。このアンセルメ盤は再録音となります。全て良質な日本の初期盤を使用。

★ジャクリーヌ・ブランカール(1909-1979)はパリ出身の女流ピアニスト。パリ音楽院でイジドール・フィリップに師事。モーツァルトは、デヴュー当時から大切にしていたレパートリー。その演奏は、エレガントでありながら脆弱なタッチは皆無。インテンポを基本としながらも楽想に応じて柔軟にテンポを変化させ、音楽に独特の気品と活力を与えています。第1楽章第2主題が一気に別次元へ飛んだような可憐なニュアンスを漂わせるのは、まさに天賦の才能。その16分音分も粒立ちの良さにもブランカーのピアニズムの特徴が現れています。展開部の後半での左右の声部の緊密な対話から生まれる幸福感も必聴。第2楽章は、過度な情感表出に傾かないことで抒情性が気高く飛翔。天才モーツァルト特有の悲哀が余す所なく現出されるという点で史上屈指の名演と言えましょう。終楽章では、確固たる造形とタッチの美しさが相俟って生まれる凛とした推進力gさこれまた見事。特に1:18からコーダに掛けてはまるで一息で呼吸しているかのうようフレーズが雄弁に語り続け、その求心力の高さは比類なし!
 ラヴェル左手の協奏曲は、第1部冒頭カデンツァのエキゾチックな和声を十分に余韻を感じながら描き出し、モーツァルト同様に楽想のニュアンスを具に表出。そこには気負いや見栄などないので、実に清潔な音像が繰り広げられます。アレグロに転じる第2部はそのジャズ的な側面をこれみよがし発散する演奏が多い中、ブランカールは浮かれることなく確実な語りに徹し、見落とされがちなラヴェルの繊細な筆致が炙り出されます。中盤のファゴット・ソロ登場後の高音域での打鍵のなんと端正なことでしょう!
 一方のピアノ協奏曲は多くの達者な録音が存在する中、ブランカールの端正で軸のブレないピアニズムで再現されると感覚的には地味に聴こえるかもしれませんが、派手な衣装を纏っていては気づきにくいニュアンスの多さに気付かされます。ジャズ的なイディオムに拘泥しないのは左手協奏曲と同様。第2楽章では何のスパイスも甘味料も用いない素朴なフレージング一本で勝負。もっと分かりやすく感傷的な演奏により大きな魅力を感じる向きも多いことでしょう。しかし、ラヴェルの筆致だけを信じ、ひたすら理想のタッチを連動させることで自然体の音楽を生まれると信じる一途さに揺らぎも嘘もなく、結果的に芸術な高みに達している演奏の魅力は蔑ろに出来ません。終楽章も技巧の乱射とは無縁。勢いで誤魔化さないので、作品の魅力がしっかりと聴き手に伝わるのです。【2024年11月・湧々堂】


MClassics
MC-2059(9CD)
エディト・パイネマン/ラジオ・アーカイヴ・エディション



■CD1
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲Op.61
(2)ベートーヴェン:ロマンス第2番Op.50
(3)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲Op.47

■CD2
(1)バッハ:ヴァイオリン協奏曲ホ長調BWV1042
(2)タルティーニ(マックス・ロスタル編):ヴァイオリン弦楽と通奏低音のための協奏曲ト短調D.86
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番KV219
(4)モーツァルト:ロンド ハ長調KV.373

■CD3
(1)モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調KV.364/320d
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲Op.35
(3)ラヴェル:ツィガーヌ

■CD4
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲Op.77
(2)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータよりガヴォット・エン・ロンド(アンコール)
(3)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲Op.10

■CD5
(1)ハイドン:ヴァイオリン協奏曲ハ長調Hob,VIIa:1
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲OP.64
(3)シューマン:ヴァイオリン協奏曲WoO23

■CD6
(1)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.78
(2)プロコフィエフ(マックス・ロスタル編):「冬の妖精〜シンデレラより
(3)ブロッホ:ニーグン、バール・シェムB.47
(4)スーク:4つの小品Op.17
(5)モーツァルト:ロンド ハ長調KV.373
(6)ラヴェル(G.カトリーヌ編):ハバネラ形式による小品
(7)バルトーク:ラプソディ第1番Sz.86

■CD7
モーツァルト
(1)ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調KV.380/374f
(2)ヴァイオリン・ソナタ ト長調KV.379/373a
シューベルト
(3)ヴァイオリン・ソナタ ト短調D.408
(4)ヴァイオリン・ソナタ イ長調D.574

■CD8
(1)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調KV.304/300c
(2)シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.105
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番Op.96
(4)モーツァルト
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調KV.454

■CD9
(1)シューベルト:ピアノ五重奏曲「鱒」D.667
(2)ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第2番Op.77
エディト・パイネマン(Vn)
■CD1
(1)カール・メレス(指)ルクセンブルク放送O
録音:1958年11月14日ヴィラ・ルヴィニーRTL放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)ヘルマン・ヒルデブラント(指) ベルリンRSO
録音:1965年9月5日ベルリンSFB放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルク放送O
録音:1957年10月31日ヴィラ・ルヴィニーRTL放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD2
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)シュトゥットガルトRSO
録音:1960年10月11日シュトゥットガルト ヴィラ・ベルク 放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)フランコ・カラッチオーロ(指)ヘッセンRSO
録音:1958年4月20日フランクフルト センデザールHR放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)(4)レート・チュップ(指)カメラータ・チューリヒ
録音:1969年5月1日チューリヒ、トーンハレDRSライヴ(モノラル)
■CD3
(1)ブルーノ・ジュランナ(Va) 、カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルトRSO
録音:1971年10月13日シュトゥットガルト リーダー・ハレSDRライヴ(ステレオ)
(2)ヴィリー・シュタイナー(指)NDRハノーファー放送O
録音:1966年9月9日ハノーファー、国営放送センターNDRライヴ(モノラル)
(3)ヘルマン・ヒルデブラント(指)ベルリンRSO
録音:1968年6月23日ベルリン・フィルハーモニーSFBライヴ(モノラル)
■CD4
(1)(2)モーシェ・アツモン(指)北ドイツRSO
録音:1976年3月26日ハノーヴァー、国営放送センターNDRライヴ(ステレオ)
(3)マリア・クリーゲル(Vc)、ハンス・ツェンダー(指)ユンゲ・ドイチュ・フィルハーモニー
録音:1979年3月16日ベルリン ザール1SFB放送用スタジオ(ステレオ)
■CD5
(1)エドモン・ド・シュトウツ(指)チューリヒ室内O
録音:1981年2月11日カールスルーエ ゼンデザールSDRライヴ(ステレオ)
(2)ゲルト・アルブレヒト(指)フランス国立放送O
録音:1974年11月22日パリ プレイエル・ホールORTFライヴ録音(ステレオ)
(3)マルク・アンドレーエ(指)スイス・イタリア語放送IO
録音:1987年1月29日ルガーノ・ベッソ スタジオ・オーディトリオ、RSIライヴ録音(ステレオ)
■CD6
(1)(2)(3)マグダ・ルシー(P)
録音:1959年11月2日ハンブルク、ラジオ会館NDR放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)-(7)ヘルムート・バルト(P)
録音:1963年2月15日ハンブルク ラジオ会館NDR放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD7
(1)ドリー・リッチャルド(P)
録音:1958年2月17日ベルンスタジオDRS放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)(3)イェルク・デムス(P)
録音:1965年4月28日ハンブルク、ラジオ会館NDR放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)イェルク・デムス(P)
録音:1977年12月13日シュトゥットガルト ヴィラK SDR放送用スタジオ録音(ステレオ)
■CD8
(1)(2)(3)ヴァルター・クリーン(P)
録音:1980年5月30日チューリヒ、スタジオ1 DRSライヴ録音(ステレオ)
(4)レオナルド・ホカンソン(P)
録音:1985年3月20日アーレン、シュタットハレSDRライヴ録音(ステレオ)
■CD9
(1)ヘルムート・バルト(P)、エンリケ・サンティアゴ(Va)、 マルティン・オステルターク(Vc)、 ヴォルフガング・ギュトラー(Cb)
(2)町田琴和. (Vn)、エンリケ・サンティアゴ(Va) 、マルティン・オステルターク(Vc)
録音:1990年10月2日アスコーナ、キエザ・デル・コレジオ・パピオ、RSI ライヴ録音(ステレオ)
エディト・パイネマン(1937-2023)はドイツのヴァイオリニスト。マインツのオーケストラのコンサートマスターの娘として生まれ14歳まで父のもとでヴァイオリンを学んだ。その後、彼女はロンドンでマックス・ロスタルに師事し19歳の彼女の演奏を聴いたユーディ・メニューインに激賞される。1956年、ミュンヘンで開催されたドイツ放送の国際コンクールで優勝。1962年10月10日マックス・ルドルフ指揮の元シンシナティでアメリカ・デビュー。ジョージ・セルやウィリアム・スタインバーグに気に入られアメリカには何度も招聘された。1976年からはフランクフルト音楽・舞台芸術大学の教授となり後進の指導にも当たった。このセットには協奏曲、室内楽、器楽曲で活躍するソリストとしてのパイネマンの業績が収められており、大変貴重。共演陣もイェルク・デムス(Pf)、ヴァルター・クリーン(Pf)、モーシェ・アツモン(指揮)、カール・ミュンヒンガー(指揮)と往年の巨匠が勢揃いしており聴き応え充分。

MClassics
MC-1080(9CD)
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン/ ラジオ・アーカイヴ・エディション

■CD1
ベートーヴェン
(1)ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(2)ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58

■CD2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番Op.1
(3)ボロディン
小組曲第3番より「マズルカ」
小組曲第5番より「セレナード」
スケルツォ変イ長調

■CD3
(1)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23
(3)バラキレフ:東洋幻想曲「イスラメイ」
(4)ラヴェル:組曲「鏡」より「道化師の朝の歌」

■CD4
(1)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.22
(2)スクリャービン:ピアノ協奏曲嬰ヘ短調Op.20
(3)サン=サーンス:ワルツの様式によるエチュードOp.52,No.6
(4)シマノフスキ:「マスク」Op.34

■CD5
モーツァルト
(1)ピアノ・ソナタ第18番ニ長調KV576
(2)ピアノ・ソナタ第11番イ長調KV331/300i
ベートーヴェン
(3)ピアノ・ソナタ第5番ハ短調Op.10,No.1
(4)ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26
(5)ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲第1 集&第2集Op.35

■CD6
シューマン
(1)交響的練習曲Op.13
(2)「ウィーンの謝肉祭の道化」Op.26
(3)8つの幻想的小品集Op.12
(4)4つの夜曲Op.23

■CD7
ショパン
(1)幻想曲へ短調Op.49
(2)即興曲第3番変ト長調Op.51
(3)夜想曲嬰ハ短調Op.27.No.1
シャブリエ:「2つの絵画的小品」より
(4)「メランコリー」/(5)「スケルツォ・ヴァルス」
ラヴェル
(6)組曲「鏡」より「悲しき鳥」
(7)「道化師の朝の歌」
(8)「クープランの墓」より「トッカータ」
(9)「夜のガスパール」
(10)「優雅で感傷的なワルツ」

■CD8
ドビュッシー
(1)「映像」第1集より「水の反映」
(2)「映像」第2集より「黄金の魚」
(3)「映像」第1集より
帆/アナカプリの丘/亜麻色の髪の乙女/パックの踊り/ミンストレル
「映像」第2集より ヴィーノの門/ヒース/奇人ラヴィーヌ将軍/月の光が降り注ぐテラス/水の精/花火
(4)「2つのアラベスク」/(5)「版画」/
(6)「ピアノのために」
(7)プーランク:「3つの無窮動」

■CD9
ドビュッシー:前奏曲集第1集より
(1)「帆」/(2)「アナカプリの丘」
プロコフィエフ:10の小品Op.12より
(3)行進曲/(4)前奏曲
フォーレ
(5)即興曲第1番/(6)即興曲第2番
(7)即興曲第3番/(8)舟歌第6番
(9)モンポウ:「子供の情景」
ブラームス
(10)間奏曲変ホ長調Op.117,No.1
(11)ラプソディ ロ短調Op.79,No.1
ドビュッシー:前奏曲集第2集より
(12)「月の光が降り注ぐテラス」/(13)「花火」
ヴィラ=ロボス
(14)「ブラジルの魂」ショーロ第5番
(15)「赤ちゃんの一族」組曲第1番&第2番(抜粋)
プロコフィエフ:10の小品Op.12より
(16)行進曲/(17)前奏曲
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン(P)
■CD1
(1)ウジェーヌ・ビゴー(指)フランス国立放送O
録音:1963年2月25日パリ・シャンゼリゼ劇場RTF放送スタジオ録音(モノラル)
(2)レオポルド・カセッラ(指)スイス・イタリア語放送O
録音:1961年ルガーノ・カンポ・マルツィオ、RSIスタジオ録音(モノラル)
■CD2
(1)ルイ・フレモー(指)モンテ・カルロ国立歌劇場O
録音:1958年8月16日モンテ・カルロ国立歌劇場 モナコ放送 ライヴ録音(モノラル)
(2)レオポルド・カセッラ(指)スイス・イタリア語放送O
録音:1960年9月3日ルガーノ・クルサール・アポロ劇場、RSIライヴ録音(モノラル)
(3)1960年12月14日バーゼル・DRS スタジオM3 放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD3
(1)ホルヘ・メスター(指)ベロミュンスター放送O
録音:1966年1月3日チューリヒ、DRSスタジオ1、放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)エーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
録音:1961年9月18日チューリヒ、DRSスタジオ1放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)録音:1969年3月28日バーゼル、DRSスタジオM3、放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)録音:1967年3月23日ルガーノ・ベッソRSIスタジオ・オーディトリオ放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD4
(1)(2)レオポルド・カセッラ(指)スイス・イタリア語放送O
(1)録音:1960年8月27日ルガーノ、カンポ・マルツィオRSI放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)録音:1964年12月22日ルガーノ、ベッソ・スタジオ・オーディトリオ、RSI放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)(4)録音:1960年12月14日バーゼル、DRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD5
(1)録音:1961年9月21日バーゼル、DRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)(3)録音:1962年4月13日バーゼル、DRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)録音:1959年3月26日ルガーノ、カンポ・マルツィオDRSスタジオM3 放送用スタジオ録音(モノラル)
(5)録音:1965年12月21日バーゼル、DRSスタジオM3 放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD6
(1)録音:1964年12月16日バーゼル、DRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)録音:1956年7月14日ミュンヘン、フンクハウス、BRスタジオ1 放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)(4)録音:1956年7月13日ミュンヘン、セイドハウス・ザールBR放送用スタジオ録音(モノラル)
■CD7
(1)録音:1960年4月5日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(2)(3)録音:1964年12月16日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)(5)録音:1967年3月20日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(6)(7)録音:1959年6月6日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(8)録音1960年4月5日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(9)録音:1961年9月21日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(10)録音:1971年3月8日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(ステレオ)
■CD8
(1)(2)録音:1959年6月6日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(3)録音:1966年9月13日ルガーノ・ベッソ・スタジオ・オーディトリオRSI放送用スタジオ録音(モノラル)
(4)(5)録音:1971年3月8日バーゼルDRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
(6)録音:1972年2月22日バーゼルDRスタジオM3放送用スタジオ録音(ステレオ)
(7)録音:1967年3月23日ルガーノ・ベッソRSIスタジオ・オーディトリオ放送用スタジオ録音(ステレオ)
■CD9
(1)-(4)録音:1959年3月26日ルガーノ・カンポ・マルツィオ RSI放送用スタジオ録音(モノラル)
(5)-(9)録音:1972年2月22日バーゼルDRSスタジオM3放送用スタジオ録音(ステレオ)
(10)(11)録音:1974年3月25日ORTFスタジオ107放送用スタジオ録音(ステレオ)
(12)-(14)録音:1975年6月7日ORTFスタジオ107放送用ライヴ録音(ステレオ)
(15)録音:1967年3月23日ルガーノ・ベッソ・RSIスタジオ・オーディトリオ 放送用スタジオ録音(モノラル)
(16)(17)録音:1965年12月21日バーゼルDRSスタジオM3放送用スタジオ録音(モノラル)
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン(1897-1981)はアメリカ出身のフランスのピアニスト。マサチューセッツ州サマーヴィルに生まれ4才で初のコンサートを開いた。幼い頃、母親に連れられてパリに行き、ここで正式な音楽教育を受け、7才でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を弾き、9歳でパリ国立高等音楽院に入学、1909年にわずか11歳でパリ国立高等音楽院のピアノ・コンクールで第1位を獲得し、この最年少記録は現在も続いている。その後ベルリンでハインリッヒ・バルトとエルンスト・フォン・ドホナーニに師事し、若き日のアルトゥール・ルービンシュタインとヴィルヘルム・ケンフにも出会っている。また1914年にはウィーンで晩年のテオドール・レシェティツキーに一度指導を受け将来を嘱望された。最終的にはパリに定住し当時の著名な演奏家や作曲家に囲まれる。エネスコ、プーランク、メシアン、ルーセル、ヴィラ=ロボスらの作品を演奏した。1939年5月14日にアメリカ市民権を放棄し、フランス市民権を取得した。1954年、パリ音楽院ピアノ科教授に任命され、1967年までその職にあった。このセットは彼女が放送用のために録音した音源のほぼ全てが収められている。20世紀の知られざる巨匠の全貌を知る大変貴重な録音。1950年代末から1970年代半ばまでの録音で音質も秀逸。

Chopin University Press
UMFCCD-150(1CD)
ウカシェフスキ:協奏曲集
パヴェウ・ウカシェフスキ
(b.1968):アダージェット(弦楽オーケストラのための)/ネオポリス協奏曲(Vnと弦楽オーケストラのための)*/ウィングス協奏曲(2本のサクソフォンと室内オーケストラのための)*/ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲*/トリニティ協奏曲(オーボエと弦楽オーケストラのための)/クラロモンターナ(弦楽オーケストラのための)*
カミラ・ヴォンシク=ヤニャク(Vn)、
アグニェシュカ・プシェミク=ブリワ(P)
パヴェウ・グスナル、ミハウ・クノト(Sax)、
アルカディウシュ・クルパ(Ob)、
ショパン音楽大学室内O、
ラファウ・ヤニャク(指)


*世界初録音
現代ポーランドを代表する作曲家パヴェウ・ウカシェフスキ(b.1968)による、弦楽オーケストラと多彩なソリストたちが織りなす協奏曲の魅力を堪能できる1枚。収録作品のうち4曲は世界初録音です。ウカシェフスキの音楽は、予測できない転調を含む個性的な和声法、劇的な表現の対比、そして時を超えたような瞑想的な静けさに満ちており、聴く者を深い内面世界の探求へと誘います。

Tactus
TB-672262(1CD)
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲集
ファゴット協奏曲変ホ長調 RV.483/ファゴット協奏曲ヘ長調 RV.485/ファゴット協奏曲イ短調 RV.497/ファゴット協奏曲変ロ長調 RV.501「夜」/ファゴット協奏曲イ短調 RV.498/ファゴット協奏曲ホ短調 RV.484/ファゴット協奏曲変ロ長調 RV.502
パオロ・カルリーニ(Fg)
イ・ヴィルトォオージ・イタリアーニ、
アルベルト・マルティーニ(指、Vn)

録音:2002年10月
Tactusの名盤を復刻する「Serie Bianca(ホワイト・シリーズ)」から、イタリアの名ファゴット奏者、パオロ・カルリーニによるヴィヴァルディの協奏曲集が復活!
ヴィヴァルディのファゴットのための協奏曲は、ヴァイオリンのための協奏曲に次いで最大の作品群で、現存する曲は39曲以上、未完成の作品は2曲のみです。しかし、これらの詳細を越えて注目すべきは、ファゴットの技術的な可能性に対するヴィヴァルディの並外れた理解であり、それはソリストとしての完全で豪華な威厳を獲得したこの楽器の前衛的な扱いに反映されています。そして、音楽史上おそらく前例のない、その表現力に対する彼の直感です。
本アルバムでソリストを務めるのは、1987年からトスカーナOの首席ファゴット奏者として活躍したイタリアを代表する名手、パオロ・カルリーニ。1989年に結成され、国際的に著名なソリストや指揮者とのコラボレーションも数多く行っているイ・ヴィルトォオージ・イタリアーニとマエストロ、アルベルト・マルティーニとの共演で、ヴィヴァルディがファゴットに捧げた最も重要な作品の魅力を見事なテクニックと磨き抜かれた音色で奏でています。

EUROARTS
20-47344(Bluray)
プレトニョフ/ラフマニノフのピアノ協奏曲全曲演奏
ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集、パガニーニの主題による狂詩曲
ミハイル・プレトニョフ(P)
使用楽器:Shigeru Kawai Grand Piano, SK-EX(調律師:山本有宗)
ケント・ナガノ(指)
ラフマニノフ国際O

録音:2023年10月、ロゼ・コンサート・ホール、ロール、スイス(ライヴ)
画面:1080i,Full
HD,16:9
音声:PCMステレオ
リージョンALL
164分
ミハイル・プレトニョフが新たに創設したラフマニノフ国際O(RIO)。SACD Hybrid盤で『チャイコフスキー:組曲「白鳥の湖」&シチェドリン:カルメ ン組曲』(20-11067)、そしてケント・ナガノ(指)プレトニョフがピアノ演奏した『ラフマニノフのピアノと管弦楽のための作品全曲』(20-11067)と2枚の ディスクがリリースされていますが、今回そのうちラフマニノフのライヴ映像がブルーレイで発売されます。 ロシアを代表する作曲家、セルゲイ・ラフマニノフは、優れたピアニストであり、多くのピアノ作品を作曲しています。ピアノのための協奏作品は 全部で5つ。それらは様々な時代に書かれ、独自の個性を放っています。当盤にはそれらすべてが収められており、ラフマニノフという作曲家の書法の変遷をたど ることのできる内容です。さらにプレトニョフの演奏によって、それぞれの作品の個性が存分に引き出されていると言えるでしょう。モスクワ音楽院在学中に卒業 試験のために書かれた瑞々しいピアニズムをもつ第1番。ラフマニノフの代表作でありピアノ音楽全体の中でも屈指の名曲第2番。技術、表現力ともに最高難度を 誇る作品第3番。これまでの作品とは違った厳粛な雰囲気、そして成熟したロマンティシズムをもつ第4番。パガニーニの「24の奇想曲」の第24番〈主題と変奏〉 の主題が用いられた、ラフマニノフらしい甘美で繊細な雰囲気の「パガニーニの主題による狂詩曲」。 ラフマニノフを深く敬愛するプレトニョフは、指揮者としてもピアニストとしてもその作品に熱心に取り組み、コンサートでも録音でもその実績は認められ、さらに今 回はオーケストラにその名を冠するほど。2023年には東フィルと全曲演奏会を開催するなど、いまラフマニノフを聴くならプレトニョフと言わしめる最高の演奏を 堪能することができます。 このライヴ映像は、スイスの新ホール『ロゼ・コンサート・ホール』でのライヴ録音で、オーケストラが結成されて、はじめての公の場での演奏となりました。 (Ki)


Treasures
TRE-326(1CDR)
A.フィッシャー/モーツァルト&シューマン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K. 482*
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54#
メンデルスゾーン:ロンド・カプリッチョーソ ホ長調 Op.14##
アニー・フィッシャー(P)
オットー・クレンペラー(指)*
アムステルダム・コンセルトヘボウO*
ヨゼフ・カイルベルト(指)#
ケルンRSO#

録音:1956年7月12日コンセルトヘボウ*、1958年4月28日 ケルン放送 第1ホール#、1966年モスクワ## (全てモノラル・ライヴ)
※音源:Melodiya M10-44183#,##、Discocorp RR-527*
◎収録時間:70:15
“造形美を確保しつつ確信を持って邁進し続けるA.フィッシャーのピアニズム!”
■音源について
メンデルスゾーンはセッション録音なし。シューマンはレコードには1961年と表記されていますが、誤表記のようです。また、シューマンはピッチが高めなので正しく修正しています。Proifilレーベルからも復刻kされていますが、疑似ステレオのような加工が施されており、音楽的なニュアンスが半減していました。

★モーツァルトは、音楽を小さくまとめず、確信を持って前進し続ける姿勢が見事に結実。第1楽章第1主題は、可憐なだけではなく芯を湛えたタッチが印象的で、3:47からの短調の飛び込みも激烈。たちまち第2主題の清流へと溶け込んでいく流れにも息を呑みます。展開部前半の混沌世界で見せる求心力も見事。第2楽章はクレンペラーが引き出す敬虔な祈りの空気がまず心を捉えます。それに安心して身を委ねて同じ空気を湛えたフィッシャーのピアノは、サヴァリッシュとのセッション録音以上の内省美を湛えています。木管アンサンブルの入念な絡みも得も言われぬ素晴らしさ!その後のオケとピアノの慟哭の応酬は、クレンペラーとのコンビネーションならではの説得力。後半の微妙な陰影の移ろいも両者が渾然一体となって導き出し、コーダにおける長調へ転じると見せかけてすぐさま暗雲をに引き戻すモーツァルトの天才技をサラリと現出させるセンスにも脱帽です。終楽章では、クレンペラーが意外なほど愉悦に満ちたリズムの冴えを見せるなど柔軟な指揮ぶりを見せ、それに乗じてフィッシャーも伸び伸びと自身のピアニズムを羽ばたかせます。中間部後半の木管とピアノの織りなすまろやかで天国的なテクスチュアはどうでしょう!なお、カデンツカは、サヴァリッシュ盤ではフンメル版を使用していましたが、ここで使用しているのは、ドホナーニかフィッシャー自身のカデンツァかと思われます。
シューマンは後年のクレンペラーとセッション録音がありますが、こちらもそれを上回る名演奏。第1楽章、第1主題(0:27〜0:49)は、タッチの加減とルバートのセンスを凝縮させ、しかも自然に息づかせていることからして只事ではない美しさ!ロマン派音楽の真髄とも言える展開部は、その息吹を全身に感じ、体現し尽くしながら、気高い芸術性を築き上げます。第2楽章は全体的にニュアンのコントラストが強く、魂の入り方にムラがありません。冒頭は、単に美しく歌うというより、花の香りを全身で感じ、その幸福と感謝を花にそっと告げるような空気感!セッション録音も外見はそっくりですが、この囁きかけが明らかに弱いのです。2:24からで発作的に情感をむき出しにするシーンも、クレンペラー盤では普通に流れるのみ。第1楽章ではいつもの野武士モードを貫いていたカイルベルトが、ここでは大き呼吸の妙を見せ、フィッシャーと相乗的に見事なニュアンスを醸し出しています。終楽章では生命力が横溢。それでいて品格ある造形美もしっかり確保。1:59以降は相当の持久力を要する8分音符の連続。ここを勢いでやり過ごす演奏のなんと多いことか!その点フィッシャーはクレンペラー盤でも勢いとは無縁の真摯さで作品に対峙していますが、心のときめきを絶やすことなくタッチの隅々まで行き渡らせ、緊張の弛緩もなく、表情が冴え渡っているのは、このカイルベルト盤だと思うのです。【2024年11月・湧々堂】
【2024年11月・湧々堂】

Forgotten Records
fr-2308(1CDR)
モーツァルト:協奏交響曲K.364
ハイドン:協奏交響曲Hob. I/105
ズザンネ・ラウテンバッハー(Vn)
ウルリヒ・コッホ(Va)
ペータ・シュヴァルツ(Vc)
ヴィンフリート・リーベルマン(Ob)
ハンス・ベール(Fg)
イシュトヴァン・ケルテス(指)バンベルクSO

録音:1962年(ステレオ)
※音源:Opera ST1933
Forgotten Records
fr-2306(1CDR)
ムソルグスキー:展覧会の絵*
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ジーナ・バッカウアー(P)
ジョージ・セル(指)クリーヴランドO

録音:1957年*、1960年3月13日セヴェランスホール・ライヴ
※音源:His Master's Voice DLP1154*
Forgotten Records
fr-2296(1CDR)
ウェーバー:「オベロン」序曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
アイザック・スターン(Vn)*
ポール・パレー(指)デトロイトSO

録音:1961年11月24日放送録音、1961年2月9日放送録音*
Forgotten Records
fr-2285(1CDR)
パガニーニ(クライスラー編):ヴァイオリン協奏曲第1番〜第1楽章
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」*〜序曲/夜想曲/スケルツォ/結婚行進曲
イヴリー・ギトリス(Vn)
クルト・ヴェス(指)
ハイン・アーサー・ブラウン(指)*
ニーダーエースターライヒ・トーンキュンストラーO

録音:1950年9月26-28日、1951年9月10-12日*
※音源:Remington RLP-149-20, Remington R-199-67
Forgotten Records
fr-2282(1CDR)
リスト:ピアノ協奏曲第1番*
マスネ:ピアノ協奏曲変ホ長調
ブロッホ:ピアノとオーケストラのための「協奏バレエ」
ソンドラ・ビアンカ(P)
ジャン・マルティノン(指)ラムルーO*
ハンス=ユルゲン・ワルター(指)ハンブルク室内O

※音源:Plymouth P12-38, MGM E3178
※音源:Plymouth P12-38, MGM E3178
Forgotten Records
fr-2281(1CDR)
モーツァルト:協奏交響曲 K.Anh.9
モーツァルト:交響第41番「ジュピター」
ブルノ・デールシュミット(Ob)
オットカール・ドラパル(Cl)
エルンスト・ミュールバッハー(Hrn)
H・レルヒ(Fg)
クルト・ヴェス(指)
ニーダーエースターライヒ・トーンキュンストラーO

録音:1950年
※音源:Remington R-199-54, Remington R-149-16
Forgotten Records
fr-2278(1CDR)
ミルシテイン/チャイコフスキー&ドヴォルザーク
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲*
ナタン・ミルシテイン(Vn)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO
アンタル・ドラティ(指)ミネアポリスSO*

録音:1953年、1951年*
※音源:RCA LM-1760
Forgotten Records
fr-2277(1CDR)
ラロ:スペイン交響曲
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ポルムベスク (1853-1883):バラード(望郷のバラード)
イオン・ヴォイク(Vn)
イォシフ・コンタ(指)

録音:1956年
※音源:Electrecord ECD73, Electrecord ECD83
Forgotten Records
fr-2275(1CDR)
ブルメンタール/タヴァレス他
ヘケル・タヴァレス
(1896-1969):ピアノと管弦楽のための 「ブラジルの様式による協奏曲」 第2番Op.105
ヴィラ=ロボス:ピアノ協奏曲第5番*
パデレフスキ:幻想的ポロネーズ
フェリシア・ブルメンタール(P)
アナトール・フィストラーリ(指)LSO
エイトール・ヴィラ=ロボス(指)ウィーンSO*

録音:1954年、1955年5月25日ウィーン・ムジークフェライン・ライヴ*
※音源:Decca LXT2975, Columbia FCX438
Forgotten Records
fr-2086(1CDR)
アンセルメ&ジェルトレル
バッハ:管弦楽組曲第2番
ヒンデミット:ヴァイオリン協奏曲
リャードフ:8つのロシア民謡
チャイコフスキー:「眠れる森の美女」組曲
アンドレ・ジェルトレル(Vn)
エルネスト・アンセルメ(指)
スイス・ロマンドO

録音:1959年5月13日ヴィクトリア・ホール・ライヴ
Forgotten Records
fr-2083(1CDR)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番*
ヘンリク・シェリング(Vn)
ジャン・マルティノン(指)フランス放送PO
ヴィレム・ファン・オッテルロー(指)オランダ放送PO*

録音:1962年6月4日パリ、1962年6月25日アムステルダム(共に放送用ライヴ)
Forgotten Records
fr-2080(1CDR)
ヴューラー/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
第2番変ロ長調 Op.19
第3番ハ短調 Op.37
/フリードリヒ・ヴューラー(P)
ヴァルター・ダヴィソン(指)シュトゥットガルト・プロ・ムジカo

録音:1955年
※音源:Vox PL9570
Forgotten Records
fr-2079(1CDR)
ホルヴァート&オジム
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヤコヴ・ゴトヴァツ:交響的コロ Op.12**
 コレダOp.11#
イゴール・オジム(Vn)*
ミラン・ホルヴァー(指)ザグレブPO*,**
エミール・コッセット(指)男声合唱&器楽合奏#

録音:1961年*、1958年**,#
※音源:Fontana700154WGY, Jugoton LPY-33

Goodies
78CDR-3957(1CDR)
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 ダヴィッド・オイストラフ (Vn)
アレクサンドル・ガウク(指)
ロシア国立SO

米 MERCURY DM10(14000/14004)
1942年11月モスクワ録音
この曲の初演者ダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)による録音。オイストラフ はウクライナのオデーサ生まれ。1937年ブリュッセルで開催された「エリザベト 王妃音楽コンクール」で優勝。モスクワ音楽院で後進の指導をしていたが、ソビ エトの第2次大戦参戦で慰問演奏を行った。その後の活躍はめざましく、20世紀後 半に活躍した世界屈指のヴァイオリン奏者。この録音は戦後米マーキュリー社か ら発売された。指揮者のアレクサンドル・ガウク(1893-1963)はソ連の音楽界を支 えた偉大な人物。このシリーズでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(1950年モ スクワ録音)(78CDR-3358)も出ています。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3959(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 KV.449 キャスリーン・ロング(P)
ボイド・ニール(指)
ボイド・ニールO

英 DECCA K.784/6
1935年7月19日ロンドン録音
この曲の初録音。キャスリーン・ロング(1896-1968)はロンドン郊外のベントフォ ード生まれ。神童として名を馳せ8歳で演奏会を開いた。1915年にロンドンのエオ リアン・ホールでデビュー、1920年から1964年まで母校の王立音楽カレッジで教 鞭をとった。モーツァルト、ハイドン。バッハなどの作品を得意とし、英DECCAに 多く録音を残しています。指揮者のボイド・ニール(1905-1981)はイギリス生まれ。 外科医師から音楽家に転向し、1932年に自らの名を冠したオーケストラを指揮し てデビュー、DECCAと契約して活躍した。(グッディーズ)


PARNASSUS
PACD-96095(1CD)
マイケル・レビン 未公開録音:
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ポール・クレストン:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.78*
マイケル・レビン(Vn)、
ナショナル・オーケストラル・アソシエーション、
ジョン・バーネット(指)、
アトランタSO*、
ヘンリー・ソプキン(指)*

録音:1960年頃/1961年1月27日*
1972年に35歳の若さでこの世を去ったアメリカの天才ヴァイオリニスト、マイケル・レビンの初CD化音源という大注目盤が登場!「ザ・ベル・テレフォン・アワーでのマイケル・レビン」を2巻にわたりリリースし、第1巻(PACD960912)がレコード芸術ONLINEの「推薦盤」にも選ばれていたParnassusレーベルからの復刻です。
亡くなる半年前のインタビューで「もう一度レコーディングを始めるとしたら、ベートーヴェンとブラームスの協奏曲を演奏するだろう」と語っていたレビンのベートーヴェンをついに耳にすることができます。レビンが委嘱したクレストンのヴァイオリン協奏曲第2番についてはこれまで2種類の録音が出回っていましたが、それらとは別の録音が復刻されています。

SKARBO
DSK-1245(1CD)
モーツァルト:オーボエ協奏曲 ニ長調 K.314(原曲:ハ長調)
フルートと管弦楽のためのアンダンテ K.315
フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンドK.373
※すべてピッコロ版で演奏
ジャン=ルイ・ボーマディエ(ピッコロ)
ウィーン・クラシカル・プレイヤーズ
ヴァハン・マルディロシアン(指)

録音:2024年4月11〜13日/ペンツィング、ウィーン(オーストリア)
ピッコロ演奏の第一人者として当楽器のレパートリーの拡大と伝播に邁進するフランスの名手ジャン=ルイ・ボーマディエ。マルセイユ音楽院、パリ国立音楽院で 名教授達の下に学び、ピッコロの活躍度を上げるべく世界の名だたる指揮者との共演を果たす逸材で、澄んで生き生きした音色、軽快なリズム、豊かな表情が彼 の持ち味です。2024年2月、フルーティスト工藤重典プロデュース 東京チェンバー・ソロイスツとの共演も記憶に新しいところです。
注目の新譜はモーツァルトの協奏曲!オーボエ協奏曲、フルート協奏曲第1番に加えて、アンダンテ K.315、ロンド K.373をピッコロで演奏。共演はボーマディ エが絶大な信頼関係を築いているヴァハン・マルディロシアン(指)ウィーン・クラシカル・プレイヤーズです。ピッコロの高音域を軽やかな演奏するボーマディエ の現在の充実ぶりを証明する録音となりました。
ピッコロ・レパートリーを網羅すべく録音を進めている“ワールド・ピッコロ”シリーズではオリジナル作品の世界初録音はもちろんのこと、世界の作曲家が手 掛けた新作委嘱を数多く収録した唯一無二の企画で高く評価されております。これまでに同シリーズはVol.1「中央ヨーロッパ」(DSK-4132)、Vol.2「絵葉書」 (DSK-4149)、Vol.3「スウィート・ドリーム」(DSK-4165)、Vol.4「台風の目」(DSK-4193)が発売されております。 (Ki)


Gramola
GRAM-99286(9CD)
ハンスイェルク・アンゲラーの芸術 - モーツァルトから現代作品まで
【CD1】
モーツァルト:ホルン協奏曲集
1-3. ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
4-5. ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412
6-8. ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
9-11. ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
K.495第1楽章&K.447第1楽章のカデンツァ…パウル・アンゲラー
【CD2】
ナチュラル・ホルンとオーケストラのための狩りの協奏曲集
1. オンジェイ・アントン(1754-1817):シュヴァルツェンベルクの狩りのためのファンファーレ Bei Ankunft der Herrschaft
2-4. ジョヴァンニ・プント(1746-1803):ホルンとオーケストラのための協奏曲 第5番ヘ長調*
5. 不詳:Aria Sancti Huberti
6-7. アントン:シュヴァルツェンベルクの狩りのためのファンファーレ
8-10. プント:ホルンとオーケストラのための協奏曲 ホ長調*
*…カデンツァ:ハワード・アーマン
録音:1994年
【CD3】
ナチュラル・ホルンとフォルテピアノ
1-3. ベートーヴェン:ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17
4-6. ダンツィ(1763-1826):ホルン・ソナタ 変ホ長調 Op. 28
7-9. フェルディナント・リース(1784-1838):ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.34
【CD4】
ホルンとピアノ
1-2. シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
3. R・シュトラウス:序奏、主題と変奏TrV70
4. デュカス:ヴィラネル
5-8. ヴェルナー・ピルヒナー(1940-2001):Feld -, Wald - und Wiesen-Soli PWV53
9. ウジェーヌ・ボザ(1905-1991):森にて Op.40
10. ロッシーニ:前奏曲、主題と変奏
【CD5】
ホルンの哀歌
1. フランツ・シュトラウス(1822-1905):夜想曲 Op.7
2. R・シュトラウス:アンダンテ ハ長調 TrV 155
3. ボザ:森にて Op.40
4. オスカー・フランツ(1843-1886):無言歌 Op.2
5. シューベルト:流れにて D943
6. プーランク:エレジーFP168
【CD6】
クラシカル・ホルン
1-3. モーツァルト:五重奏曲 K.452
4-15. モーツァルト:2本のナチュラル・ホルンのための12の二重奏曲 K.487(K.496a)
16-18. テレマン:協奏曲 ヘ長調 TWV42/F14- リコーダー、バロック・ホルンと通奏低音のために
19-27. パウル・アンゲラー(1927-2017):17世紀の舞曲より「組曲」- リコーダー、バロック・ホルン、バロック・ファゴットとチェンバロのために
【CD7】
生まれついてのホルン吹き
1. ワーグナー:ジークフリートの角笛
2-7. ピルヒナー:ホルン四重奏曲「生まれついてのホルン吹き」
8-12. ピルヒナー:ホルンとトロンボーンのための二重奏曲
13. ヘルマン・バウマン(1934-):無伴奏ナチュラル・ホルンのための「哀歌」
14. リヒャルト・デュンサー(1959-):The Host of the Air - 無伴奏ホルンのために
15. パウル・アンゲラー:無伴奏狩猟ホルンのための「カプリッチョ」
16-22. パウル・アンゲラー:2本の狩猟ホルンのためのカノンによる「狩りの組曲」
23-27. パウル・アンゲラー:5つの狩りの歌 -4つの狩猟ホルンのために
28. パウル・アンゲラー:夜警の呼び声 -4つの狩猟ホルンのために
29. パウル・アンゲラー:葬送音楽 -4つの狩猟ホルンのために
30. ハンスイェルク・アンゲラー(1955-):DI Dieter Schramm Jagdfanfare
31. ハンスイェルク・アンゲラー:Klaus Stocker Jagdfanfare
32. ハンスイェルク・アンゲラー:Dr. Wolfgang Porsche Jagdfanfare
【CD8】
ホルン・コン・ブリオ&ロマンス
1. ベルンハルト・クロル(1920-2013):讃美 - 無伴奏ホルンのために
2-7. クロル:ホルン・ソナタ Op.1
8-10. クロル:3つの小品 Op.72
11. クロル:バーゼルのロマンス Op.114-4つのナチュラル・ホルンのために
12-14. パウル・ヴァルター・フュルスト(1926-2013):狩人の死 - アルメンラウシュ Op.80-4つの狩猟ホルンと4つのナチュラル・ホルンのための
15-17. フリッツ・ケル(1927-2018):4つのホルンのための小さなカッサシオン
18. ケル:ホルンとピアノのための「バルバラへのバラード」
19-22. ケル:ホルン・ソナタ
【CD9】
ザルツブルク・ウインド・フィルハーモニック
1-6. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」 K.492による13の楽器のためのハルモニームジーク(アルフレード・ベルナルディーニ編)
7. ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」 - ジークフリートの葬送行進曲*
8. エルンスト・ルートヴィヒ・ライトナー(1943-):交響曲第4番- 第4楽章「別れ」 …世界初演
9. ウェーバー:「魔弾の射手」 序曲*
10. フチーク(1872-1916):ワルツ「冬の嵐」 Op.184*
11. ホルスト:『惑星』 Op.32- 木星*
12. J・シュトラウス:ワルツ「美しく青きドナウ」 Op.314*
*…アルベルト・シュヴァルツマンによる吹奏楽版
【CD1】
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
ザルツブルク・ホーフムジーク(古楽器使用)
ヴォルフガング・ブルンナー(指)
録音:2006年4月10-12日
【CD2】
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
アンサンブル・ソ=ソ=ラ=ソハワード・アーマン(指)
録音:1994年
【CD3】
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
ノルベルト・リッカボナ(ハンマークラヴィーア)
録音:1991年
【CD4】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn)
ボジダル・ノエフ(P)
録音:1989年
【CD5】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn)
トーマス・ラルヒャー(P)…1-2
ボジダル・ノエフ(P)…3-4
ハンス・ゾーイエル(T)…5
ノルベルト・リッカボナ(ハンマークラヴィーア)…5
フローリアン・ポドゴレアヌ(P)…6
録音:オーストリア
1985年 ORF Innsbruck…3-4
1990年 ORF Innsbruck…1-2
1989年 Tiroler Landesmuseum -Ferdinandeum“,
Innsbruck…5
2015年 Solitar der Universitat Mozarteum
Salzburg…6
【CD6】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn/ナチュラルHrn、バロックHrn)
パヴェル・ギリロフ(P)…1-3
ホアン・カルロス・リヴァス・ペレッタ(Ob)…1-3
ダリオ・ジンガレス(Cl)…1-3
ミリアム・コフラー(Fg)…1-3
ダヴィッド・フリリ(ナチュラルHrn2)…4-7、12-15
スザンナ・ゲルトナー(ナチュラルHrn2)…8-11
イェレミアス・シュヴァルツァー(リコーダー)…16-27
エリザベート・カウフホールト(バロック・ファゴット)…19-27
ラルフ・ヴァルトナー(Cemb)…19-27
録音:
2017年 Solitar der Universitat Mozarteum Salzburg…
4-7、12-15
2018年 Solitar der Universitat Mozarteum Salzburg…
1-3、8-11
2002年 BR, Nurnberg…16-27
【CD7】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn/ナチュラルHrn/狩猟Hrn…16-22)
マルティン・ブラムベック(Hrn)…2-7
マルクス・プフェルシャー(Hrn)…2-7
クリストフ・ヴァルダー(Hrn)…2-7
リト・フォンタナ(Tb)…8-12
【狩猟ホルン】
クリストフ・ガップ…16-22、23-32
クラウス・デング…23-32
クリストフ・ヴァルダー…23-29
ガブリエル・クプジナー…30-32
アルベルト・シュヴァルツマン…30-32
エドゥアルド・ジュリアーニ…30-32
エリック・コシャク…30-32
トーマス・メヒトリンガー…23-32
トビアス・ツァンガール…30-32
ハンスイェルク・アンゲラー(指)
録音:1979年 Stadtsaal Innsbruck…1
2012年 Stadtsaal Innsbruck…15-32
1990年Konzertsaal ORF Tirol…14
1991年 Konzertsaal ORF Tirol…13
1999年 Konzertsaal ORF Tirol…2-12
【CD8】
ハンスイェルク・アンゲラー(Hrn/ナチュラルHrn)
ボジダル・ノエフ(P)
マルコ・トライアー(ナチュラルHrn…11)(狩猟Hrn…12-14)
クリストフ・ガップ(ナチュラルHrn…11)(ホルン…15-17)
クリストフ・ヴァルダー(ナチュラルHrn)…11
マルティン・ブラムベック(ナチュラルHrn)…12-14
マルクス・プフェルシャー(ナチュラルHrn)…12-14
クリストフ・ヴァルダー(ナチュラルHrn)…12-14
ヘルヴィヒ・モルシュアー(狩猟Hrn)…12-14
カリン・コラート(狩猟Hrn)…12-14
トーマス・メヒトリンガー(狩猟Hrn)…12-14
ミヒャエル・ペスコルデルング(Hrn)…15-17
ハンス・モーザー(Hrn)…15-17
録音:Stadtsaal Innsbruck
1994年…12-14
1999年…1-11
2003…15-22
【CD9】
ザルツブルク・ウインド・フィルハーモニック
ダニエル・ヨハンセン(T)
ハンスイェルク・アンゲラー(指)
録音:2016年 Grosser Saal der Stiftung Mozarteum
Salzburg…1-6
2014年 Grosser Saal der Stiftung Mozarteum
Salzburg…7
2009年 Saal Tirol des Congress Innsbruck…8
2018年Groses Festspielhaus Salzburg…9
2019年 Felsenreitschule Salzburg,2019…10、12
2023年 Groses Festspielhaus Salzburg…11
ハンスイェルク・アンゲラー(1955-)は、オーストリアを代表するホルン奏者および指揮者であり、ホルンとナチュラルホルンを中心に、狩猟ホルンなど幅広い楽 器で独自の解釈による演奏を聴かせます。 アンゲラーはチロル生まれ。インスブルックのチロル音楽院とザルツブルクのモーツァルテウム大学で学び、著名 なホルン奏者ヘルマン・バウマンにも師事しました。1976年から1980年までインスブルックSOのホル ン奏者を務め、その後チロル音楽院およびモーツァルテウム大学で教授として活躍。さらに、ニュルンベルク音 楽大学でも教鞭を執り、次世代のホルン奏者を育成するとともに、ウィーン・フィルやカメラータ・ザルツブルク など著名なオーケストラと共演し、ホルンとナチュラルホルンのソリストとして国際的な評価を受けています。ま た、現代作曲家エーダーやクロルなどが彼のために作品を書いており、これらの録音は高く評価されていま す。録音も数多く、特に2006年に録音したモーツァルトのホルン協奏曲は、オーストリア放送協会から「パス ティッチョ賞」を受賞しました。指揮者としても活躍する彼は、2002年にザルツブルク・ウインド・フィルハーモ ニックの首席指揮者に就任して以来、世界有数のシンフォニック・ウインド・オーケストラへと育て上げ、印象 的なコンサートと録音で成功を収めています。この『ハンスイェルク・アンゲラーの芸術』では、数多くの録音の 中から多彩なレパートリーを紹介。独奏からアンサンブルまで、ホルン演奏の芸術を極めて魅力的な方法で 体験させてくれます。

Biddulph
BIDD-85054(1CD)
エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.82#
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61(抜粋)*
アルバート・サモンズ(Vn)
ニュー・クイーンズホールO
サー・ヘンリー・ウッド(指)管弦楽団*
ウィリアム・マードック(P)#

録音/初出:1929年3月18日/Columbia L2346/50(Matrices WAX4785/94)
1935年2月2日/Columbia68392/94(Matrices CAX7421/26)#
1916年3月14日/ Columbia L107*
ヴァイオリニストとして音楽家のキャリアを始めたエルガーにとってヴァイオリン協奏曲の作曲は夢の一つ。最初の構想は1890年にさかのぼりますが、実現した のは1910年、フリッツ・クライスラーの求めに応じてでした。そのクライスラーは初演したものの、その後はさほど好んで弾いた形跡も見当たらず、録音もありま せん。代わってこの曲を広めるのに貢献したのがアルバート・サモンズでした。サモンズは1914年にこの曲を弾いて一躍英国音楽界の注目を集め、その後も 折に触れて演奏し、世界初の録音も行いました。またSQの一員としてエルガーの弦楽四重奏曲とピアノ五重奏曲を初演。ヴァイオリン・ソナタは 初演こそ逃したものの、繰り返し演奏しています。エルガーは感謝のしるしに自身が持っていたジェームズ・ダブスの弓をサモンズに進呈しました。 サモンズは1886年にロンドン西部の靴職人の家に生まれました。熱心なアマチュア・ヴァイオリニストだった父と兄の手ほどきにより7歳からヴァイオリンを始める とめきめきと頭角を現し、12歳の時には学校を卒業してアールズ・コートのオーケストラのリーダーに就任。その後も演奏を続けながらイザイの弟子アルフレー ド・フェルナンデスらにヴァイオリンを学び、カザルス、ティボー、シマノフスキらの知遇を得ました。後にイザイからはトゥルトの弓を贈られ、1911年には英国王 ジョージ5世の王室付き音楽家となります。1914年にヴァシリー・サフォノフ指揮LSOとエルガーのヴァイオリン協奏曲を演奏したサモンズを『サンデー・タイムズ』が「第一級のソリストが突然 姿を現した」と絶賛してブレイク。病を得て1948年に引退するまで英国楽壇を代表するヴァイオリニストとして活躍し、ディーリアスのヴァイオリン協奏曲やアイ アランドのヴァイオリン・ソナタ第2番を初演、バントックやグーセンスの第1ソナタを献呈されています。また彼がリーダーを務めていたロンドンSQには ヴォーン・ウィリアムズやブリッジが作品を献呈しています。 ここに収められたエルガーのヴァイオリン協奏曲は2種類。トラック7-10はSPレコード2枚(4面)に収めるためにカットされた短縮版で、これが同曲の最初のレ コードとなりました。トラック1-3は全曲盤でサモンズの代表盤と呼べるもの。43分台の演奏時間は歴代の同曲録音の中では短い方で、エルガー特有の憂 愁を漂わせつつもそれに溺れることなく、格調高く緊張感のある中に歌心と抒情を湛えた名演奏となっています。ヘンリー・ウッドの指揮も様々な楽想を描き 分けつつ音楽を大きな流れの中に収めていて見事。年代を考えると音質が良好なのも嬉しいところです。ハイフェッツが1949年に同曲を録音した際、それに 先立ってサモンズを尋ねて話し込んだと伝えられていますが、作曲家直伝の解釈を伝える歴史遺産という意義を越えて、同曲録音が増えた今聴いても価 値のある演奏と言えるでしょう。

Hanssler
HC-24047(1CD)
マスネとラヴェルのピアノ協奏曲
(1)マスネ:ピアノ協奏曲 変ホ長調(1903)
(2)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(1929-31)
エロイーズ・ベラ・コーン(P)
ベルリンRSO、
クリストフ・コンツ(指)

録音:(1)2022年12月13〜15日、(2)2023年4月4&5日/ハウス・デス・ルンドフンクス、RBB(ベルリン)
使用楽器:Yamaha CFX (2022)
ヘンスラー・レーベルよりリリースを続けるピアニスト、エロイーズ・ベラ・コーンがマスネとラヴェルのピアノ協奏曲を録音しました。1991年パリ生まれのコー ンは4歳よりヤマハ音楽教室にてピアノをはじめました。その後、パリ国立高等音楽・舞踊学校にてミシェル・ベロフ、エリック・ル・サージュ、デニス・パスカル、 ダヴィッド・フレイ、ピエール=ローラン・エマールに師事しております。ドビュッシー没後100周年には前奏曲集第1集&第2集(HC-18085)を、その後J.S.バッ ハの「フーガの技法」BWV1080【エスケシュ補完】(HC-21049)をリリースしています。
マスネといえば『タイス』『マノン』といったオペラで知られる作曲家。1903年に作曲されたピアノ協奏曲は演奏機会が非常に少ないものの、その美しさは一 聴の価値ありの作品です。マスネの作品から約30年後に書かれたラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調は言わずと知れたラヴェルの代表作のひとつ。20世紀前半のパ リでうまれたこの2作をコーンが愛情をこめて演奏します。

Forgotten Records
fr-1965(1CDR)
ジャノリ&ホルヴァート/メンデルスゾーン
メンデルスゾーン
:ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.25
ピアノ協奏曲第2番ニ短調 Op.40
レーヌ・ジャノリ(P)
ミラン・ホルヴァート(指)
ウィーン国立歌劇場O

録音:1952年10月21日-26日
※音源: Westminster XWN18043/
Forgotten Records
fr-1953(1CDR)
ヘルマ・エルスナー他/Vox 録音のバッハ
2台のチェンバロの為の協奏曲第1番ハ短調 BWV.1060*
ヴァイオリンとオーボエの為の協奏曲 ニ短調 BWV.1060#
2台のチェンバロの為の協奏曲第2番ハ長調 BWV.1061*
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903+ /イタリア協奏曲 BWV.971+
ヘルマ・エルスナー(Cemb)
ヴィル・べー(Vn)# 
フリードリヒ・ミルデ(Ob;#)
ロルフ・ラインハルト(Cemb;*,指)
シュトゥットガルト・プロ・ムジカO

録音:1955年3月、モノラル(+以外) /1958年1月、ステレオ+
※音源:Vox, PL9580(+以外), STPL-510.770+

Chandos
CHSA-5339(1SACD)
共鳴 - ヴァインベルク、シェーンベルガー:トランペット協奏曲 他
ヴァインベルク(1919-1996):トランペット協奏曲 Op.94(1966-67)*
クリストフ・シェーンベルガー(1961-):トランペット協奏曲Op.94 (2016/2021-22)*
ラフマニノフ:ヴォカリーズ 嬰ハ短調Op.34No.14(1915)**
アレクサンドル・ゲディケ(1877-1957):演奏会用練習曲 ト短調 Op.49* (リー・レイノルズによる管弦楽伴奏版)
マティルダ・ロイド(Tp)
*…B♭管トランペット
**…D管トランペット
LSO
岩淵麻弥(リーダー)
リー・レイノルズ(指)
SACD層:Stereo, Multi-Channel5.0

録音:2023年11月17-19日ロンドン、ヘンリーウッド・ホール
「Resonance=共鳴」のタイトルの通り、選曲と演奏において様々な響き合いを聴かせるアルバム。ヴァインベルクのトランペット協奏曲は、軍楽におけるト ランペットの歴史が反映されており、マーラーやメンデルスゾーン、ストラヴィンスキーの音楽を引用しながらも、それらを暗く歪めたグロテスクなものに変えてい ます。シェーンベルガーの協奏曲はネオロマンティックであり、ロマン派の作曲家たちの影響が見られます。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」は、音楽が呼び起こす 感情や記憶を表現し、トランペットがその抒情性を引き立てます。アルバムの最後の作品、ゲディケの「演奏会用練習曲」は、ロイドのお気に入りの作品。 もともとピアノとトランペットの曲で、彼女はしばしばアンコールで演奏していましたが、今作ではリー・レイノルズによる管弦楽伴奏版での演奏です。 マティルダ・ロイドは、ケンブリッジ大学、英国王立音楽アカデミーで研鑽を積み、マルメ音楽大学では、現代最高峰のトランペット奏者の一人であるホーカ ン・ハーデンベルガーに師事。2014年にBBC Young Musician of the Year Brass Finalを受賞し、2016年にはBBCプロムスでデビュー。翌年には フランスで開催されたエリック・オービエ国際トランペット・コンクールで第一位に輝くなど、大いに期待されている若手です。古典派から現代まで幅広いレパー トリーを持ち、委嘱作品の初演を積極的に行うなどトランペットのレパートリー拡大にも力を注いでいます。 このアルバムは、彼女の華麗な音色を高音質録音で伝えるSACDハイブリッド盤での発売です。

IBS CLASSICAL
IBS-132024(1CD)
ミニマリスト〜ピアノと管弦楽のための作品集
グラス(1937-):エチュード第4番
シモン・ネーリング(1995-):ブリッジ
ヘンリク・ミコワイ・グレツキ:ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 Op.40
シメオン・テン・ホルト(1923-2012):カント・オスティナート
ギヤ・カンチェリ(1935-2019):ワルツ・ボストン -ピアノと弦楽のために
ペルト(1935-):アリヌーシュカの癒しに基づく変奏曲
 アンナ・マリアのために
ヴォイチェフ・キラール(1932-2013):ピアノ協奏曲
シモン・ネーリング(P)
ポーランド放送O
ミハウ・クラウザ(指)

録音:2024年1月10、12日、31日、2月1日
1960年代後半、当時音楽評論家として活動していたマイケル・ナイマン(が、シンプルさを特徴とする新しい音楽 美学を「ミニマリズム」と呼びました。ラ・モンテ・ヤングやスティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラスといった作曲家の「反復 構造を持つ音楽」やシメオン・テン・ホルトやアルヴォ・ペルトの一部の音楽のような「催眠効果」をもたらす音楽もミ ニマルと表現されることもあります。雨の単調な音に耳を澄まし、曇った日の鈍い灰色を愛し、ある種の世界の停 止を楽しむことができるような音楽。このアルバムはそんなミニマル・ミュージックを集めた1枚。 ポーランド出身のピアニスト、シモン・ネーリンクは、2017年のアルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール でポーランド人として初めて優勝し、19歳でショパン国際ピアノコンクールのファイナリストにもなりました。彼は多くの 著名なオーケストラや指揮者と共演し、故クシシュトフ・ペンデレツキとの共演や録音も行っています。

Orchid Classics
ORC-100351(1CD)
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 他
1. 私はあなたに明かしたい、おお、神よ! K. 418(J=C.マルト&S.メノッツィ編)
2-4. フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
 2. I. Allegro
 カデンツァ…ハインツ・ホリガー
 3. II. Andantino
 カデンツァ…ハインツ・ホリガー&ロバート・レヴィン
 4. III. Rondeau
 カデンツァ…ハインツ・ホリガー
5. あなたは今は忠実ね K.217(J=C.マルト&S.メノッツィ編)
6-12. 「泉のほとりで」の主題による6つの変奏曲 ト短調 K360
13. アンダンテ ハ長調 K315
 カデンツァ…ジュリアン・ボーディモン
14. ロンド ハ長調 K.373…原調での世界初録音
 カデンツァ…ジュリアン・ボーディモン
ジュリアン・ボーディモン(Fl)
アナイス・ゴドゥマール(Hp)
マッテオ・トレンティン(Ob)
リヨン国立歌劇場O
フィリップ・ベルノルド(指)

録音:2023年7月10-12日リヨン国立歌劇場
1777年、若きモーツァルトは母親と共に、当時の音楽の中心地マンハイムを訪れました。この街で、彼は後に妻と なるコンスタンツェ・ウェーバーや彼女の姉妹と出会い、また、フルート奏者フェルディナント・デジャンとのコラボレー ションを通じて、フルート協奏曲や四重奏曲を作曲しました。さらに、パリでは象徴的なフルートとハープの協奏曲 K.299を完成させましたが、母親の死という悲劇も経験します。ジュリアン・ボーディモンの新しいアルバムは、モー ツァルトのこの重要な時期の作品に焦点を当て、その感情的な深さと技巧を見事に表現しています。リヨン国立 歌劇場Oとの共演によるアルバムは、モーツァルトの天才を見事に捉えています。ハープのゴドゥマールは 2012年、イスラエルで開催された国際ハープコンクールで第1位を獲得、2016年にはミュンヘンのARD国際音 楽コンクールで2位を受賞後、世界的に活躍する奏者です。

CPO
CPO-555563(2CD)
フォルケル:4つのピアノ協奏曲
ヨハン・ニコラウス・フォルケル(1749-1818):ピアノ協奏曲 ト長調
ピアノ協奏曲 変ロ長調
ピアノ協奏曲 イ長調
ピアノ協奏曲 ハ長調
トビアス・コッホ(フォルテピアノ)
アントン・ヴァルター製ハンマーフリューゲルによるフォルテピアノ
(シュタウフェン・イム・ブライスガウ、クリストフ・カーンのピアノワーク
ショップによる再現楽器、2007年製作)
ケルン・アカデミー(古楽器使用)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)

録音:2022年5月2-6日
※全て世界初録音
バッハの評伝の著者として知られるフォルケルのピアノ協奏曲をピリオド楽器で演奏したcpoらしい企画。全曲世界 初録音。フォルケルは1749年にコーブルク近郊に生まれ、地元のカントルから音楽を学びました。その後、ゲッティ ンゲン大学で法律を学ぶ傍ら、音楽理論や歴史の研究にも取り組み、音楽教育や学術的なコンサートの開催を 通じて音楽の発展に寄与しました。熱烈なバッハ信奉者であった彼は1802年にバッハの初の伝記を出版し、バッ ハの偉業をドイツの国民的遺産として称賛したことでも知られています。フォルケルの作品には22の協奏曲があ り、そのうち12曲の筆写譜が現存しています。このアルバムには世界初録音となる4曲のピアノ協奏曲を収録。彼 の作曲活動は1769年から1796年まで続き、初期の鍵盤楽曲ではチェンバロを想定していたようですが、後期に なるとフォルテピアノを指定することが増えてゆき、この録音でもフォルテピアノを使っています。

EVIDENCE
EVCD-109(1CD)
クリスティアン・シッテンヘルム:ピアノ協奏曲第4番「Air」
 Dawn(夜明け)(交響詩)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
スヴェトラーナ・アンドレーエワ(P)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
セルゲイ・ネラー(指)

録音:2023年1月5日、イギリス
シッテンヘルムは、ルーヴル美術館の支援で作った「ダ・ヴィンチの翼」をはじめ「マッチ売りの少女」「人魚姫」などのミュージカルで人気となったフランスの 作曲家。ピアノ協奏曲「Air」も交響詩「Dawn」も世界初録音。ピアノ協奏曲はテレビドラマなどの音楽のようで、軽やかかつミステリアスなメロディが魅力です。 (Ki)

CZECH RADIOSERVIS
CR-1229(2CD)
プラハの春音楽祭ゴールド・エディション Vol.5


■CD1
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調Op.104
(2)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102

■CD2
(1)ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調 Hob. VIIe:1
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
■CD1
(1)アントニオ・メネセス(Vc)、チェコPO、ズデニェク・コシュラー(指)
録音:1991年5月18日、プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ)
(2)ヨゼフ・スーク(Vn) 、インリヒ・シフ(Vc)、プラハSO、イルジー・ビエロフラーヴェク(指)
録音:1979年5月17日、プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ)
■CD2
(1)モーリス・アンドレ(Tp)
プラハSO、サー・チャールズ・マッケラス(指)
録音:1974年6月1日、プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ)
(2)ラドゥ・ルプー(P)
プラハSO、ヘスス・ロペス=コボス(指)
録音:1977年5月23日プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ)
チェコ放送の自主レーベル「ラジオサーヴィス」のシリーズ『プラハの春音楽祭ゴールド・エディション』の第5弾は、音楽祭を彩ったソリストたちの饗宴、協奏曲 に焦点を当てたプログラムです。 まずは、ブラジル出身の世界的チェロ奏者、アントニオ・メネセス(1957-2024)によるドヴォルザークのチェロ協奏曲。残念ながらメネセスは2024年8月3 日スイスのバーゼルで闘病の末亡くなりましたが、当録音は1991年ソリストとして世界の檜舞台で活躍していた頃の演奏。メネセスは音楽一家で育ち、10歳か らチェロを始め、16歳で渡欧。アントニオ・ヤニグロの門下生として学び、1977年にミュンヘン国際音楽コンクールで1位、1982年にモスクワのチャイコフスキー 国際コンクールで1位と輝かしい成績を残します。以降、ベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管、ウィーン・フィルなど世界の主要オーケストラ、カラヤン、ヤンソン ス、ヤルヴィ、アバドら名指揮者と共演。このプラハの春やザルツブルクなど世界的音楽祭にも数多く招かれていました。1998〜2008年にはピアノ三重奏団の ボザール・トリオのメンバーとしても活躍。録音も多く、時代を牽引するチェリストでした。 次は、弦楽王国と言われるチェコの名ヴァイオリニスト、ヨゼフ・スーク(1929-2011)とオーストリアのチェロ奏者で指揮者としても活躍したハインリヒ・シフ (1951-2016)によるブラームスの二重協奏曲。演奏は、プラハSO、ビエロフラーヴェクの指揮。ヨゼフ・スークは、祖母はドヴォルザークの娘、祖父は作 曲家でヴァイオリニストのヨゼフ・スークという恵まれた音楽環境の中で育ち、名ヴァイオリニスト、ヤロスラフ・コチアンから英才教育を受け、プラハ音楽院在学中 からトリオを組んで活動、卒業後は、プラハ四重奏団の第1ヴァイオリン奏者となり、さらに23歳の時には、親友のヤン・パネンカ、ヨゼフ・フッフロと共にスーク・ トリオを結成し、室内楽の世界で熱心な活動を展開していました。ハインリヒ・シフは、1972年、グラーツの国際現代音楽祭でロストロポーヴィチの代役としてル トスワスキのチェロ協奏曲を演奏して成功。以後、世界的な奏者として活躍しました。 CD2には、「キング・オブ・トランペット」として知られるモーリス・アンドレ(1933-2012)によるハイドンのトランペット協奏曲。マッケラスとプラハ響のサポー トも光りますが、とにかくモーリス・アンドレのトランペット超絶技巧を堪能することができます。最後はラドゥ・ルプー(1945-2022)によるベートーヴェンのピ アノ協奏曲第3番。ルーマニア出身で幼いころからその才能を開花させ、1966年のヴァン・クライバーン国際コンクールをはじめ、エネスコ、リーズの各国際コン クールで1位となり、1969年にロンドン・デビューし、本格的な活動を開始しました。ルプーのベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番といえば、彼の最初の商業録 音(1967年ブゲアヌ(指)シネマトグラフィ響)の演目でもあります。本録音は1977年ですので、デビューから10周年というタイミングでの再録音となります。

LSO Live
LSO-0886(1SACD)
ミクロス・ローザ(1907-1995):ヴァイオリン協奏曲 op.24
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番*
ロマン・シモヴィッチ(Vn)
サー・サイモン・ラトル(指)
ケヴィン・ジョン・エドゥセイ(指)*
LSO

録音:2022年6月17日、2022年10月26日*
LSOのコンサートマスターを長きにわたって務めている実力派、シモヴィッチをソロに迎えたヴァイオリン協奏曲集の登場。ローザとバルトークとい う、どちらも高いテンションと技術、そして高度な音楽性が要求される難曲です。
『ベン・ハー』などの映画音楽作曲家としても知られるローザのヴァイオリン協奏曲 op.24は、ハイフェッツの委嘱を受けて1956年に作曲されたもの。ハイ フェッツによって初演された、高い緊張と高い技術を要する難曲にして美しい旋律と魅力のリズム溢れる作品。ラトル率いるLSOは作品のもつエネルギーをフルに 引き出した演奏で、シモヴィッチも自由自在に熱く奏でています。
バルトークはエドゥセイ指揮。エドゥセイは1976年ドイツ生まれ。2015年からミュンヘンSOの首席指揮者を務めており、楽団の性能を飛躍的に向上させ たことでも知られています。現代音楽のスペシャリストとして、WERGOからも録音多数発売している注目株です。
シモヴィチはモンテネグロ出身。モスクワ音楽院でマリナ・ヤシュヴィリのもとで学ぶ。ロドルフォ・リピツァー賞国際ヴァイオリンコンクール第1位および12の 聴衆賞、ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位など多くのコンクールで優勝、入賞。2010年よりLSOのコンサートマスターを務めており、指揮者陣 から絶大な信頼を得ています。使用楽器は1709年製ストラディヴァリウス。 (Ki)

Goodies
78CDR-3957(1CDR)
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 ダヴィッド・オイストラフ (Vn)
アレクサンドル・ガウク指揮
ロシア国立SO

米 MERCURY DM10(14000/14004)1942年11月モスクワ録音
この曲の初演者ダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)による録音。オイストラフ はウクライナのオデーサ生まれ。1937年ブリュッセルで開催された「エリザベト 王妃音楽コンクール」で優勝。モスクワ音楽院で後進の指導をしていたが、ソビ エトの第2次大戦参戦で慰問演奏を行った。その後の活躍はめざましく、20世紀後 半に活躍した世界屈指のヴァイオリン奏者。この録音は戦後米マーキュリー社か ら発売された。指揮者のアレクサンドル・ガウク(1893-1963)はソ連の音楽界を支 えた偉大な人物。このシリーズでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(1950年モ スクワ録音)(78CDR-3358)も出ています。(グッディーズ)

SWR music
SWR-19159CD(1CD)
チェロのための作品集
カバレフスキー:チェロ協奏曲第2番 ハ短調 Op.77(1964)
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40(1934)
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲*
リオネル・マルティン(Vc)
南西ドイツRSO
ギエドレ・シュレキーテ(指)
デミアン・マルティン(P)
カメラータ・シュヴァイツ*
ハワード・グリフィス(指)*

録音:全てライヴ
2023年5月5日、6月30日、2024年7月9日
2013年に発足した、優れた若手アーティストがキャリアをスタートするためのサポート「SWR ニュー・タレント・プログラム」。2021年からこのプログラムに参加 しているチェリストのリオネル・マルティンの最新アルバムです。彼はテュービンゲン音楽学校でヨーゼフ・ハーステンに師事、2020年からはチューリヒ芸術大学 でトーマス・グロッセンバッハーに師事して研鑽を積んでいます。2017年にはダン・エッティンガーが指揮するシュトゥットガルトPOをバッ クにチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」でデビュー・コンサートを行い、以降、ヨーロッパから南米まで幅広く演奏活動を行うとともに、2017年には アンネ・ゾフィー・ムター財団の奨学生になり、ムターや他の奨学生とツアーを行うなど才能が高く評価されています。彼はこのアルバムで19世紀と20世紀の ロシアのレパートリーに挑戦。着実な成長を感じさせる見事な演奏です。

Channel Classics
CCS-45924(1CD)
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番ニ長調 Op.19
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番イ短調 Op.77
ニン・フェン(Vn)
ボーフムSO
トンチエ・ツァン(指)

録音:2023年10月 アンネリーゼ・ブロスト・ムジークフォルム・ルール、ボーフム、ドイツ
2006年パガニーニ国際コンクールの覇者で、中国出身で現在はベルリンを拠点に活動しているヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、ニン・フェン が弾くショスタコーヴィチとプロコフィエフの協奏曲二題。美しいメロディと瞑想的な側面を持つプロコフィエフと、シニカルで先鋭的なショスタコー ヴィチの大作を、切れ味鋭く高い技術力と歌心で見事に描き分けています。

Capriccio
C-5528(1CD)
ニコライ・カプースチン(1937-2020):変奏曲 Op.3ー ピアノ・ソロとビッグバンドのために(1961)
トッカータ Op.8ー ピアノ・ソロとビッグバンドのために(1964)
ピアノ協奏曲 第2番Op.14? ピアノと管弦楽のために(1972)
夜想曲 Op.16? ピアノと管弦楽のために(1972)
コンサート・ラプソディ Op.25? ピアノと管弦楽のために(1976)
ピアノ協奏曲 第6番Op.74- ピアノとビッグバンドのために(1993)
フランク・デュプレー(P)
ヤコブ・クルップ(ベース)
マインハルト・OBI・イェンネ(ドラムセット)
南西ドイツ放送ビッグバンド
南西ドイツRSO
ドミニク・ベイキルヒ(指)

録音:2023年7月12-14日、2024年2月14-16日
「ジャズを演奏し始めたとき、それが自分に合っていると理解しました。二つの音楽を融合させなければならな いと分かったのです。」(ニコライ・カプースチン)
カプースチンの音楽は、このアルバムに収録されている作品も含め、まるでオスカー・ピーターソンの即興演奏 のように聞こえますが、その楽譜には即興に聞こえる部分まですべて克明に記されています。1961年にモス クワ音楽院を卒業した後、カプースチンは11年間にわたりオレーク・ルントストレムのジャズ・オーケストラで演 奏し、この経験が作曲を始める弾みとなり、最初のピアノ協奏曲Op.2や変奏曲、ジャズのコードで始まる トッカータ(このアルバムが世界初録音)といった作品が生まれました。1970年代には夜想曲やコンサート・ラ プソディを作曲し、時代とともにそのスタイルを進化させました。その後、1980年に作品番号はようやくOp. 30に到達、この年はまた、モスクワで彼のピアノ協奏曲第2番が初演された年でもありました。以降も彼は ビッグバンド・ジャズの音楽を作品に反映し、音楽の素材やオーケストラとの関係にも柔軟に対応し続けまし た。とりわけ、1993年のピアノ協奏曲第6番は、ハーモニーがより複雑化し、ファンクの要素が取り入れられ ましたが、ソリストへの要求は依然として高く、演奏は更に困難を極めています。
Capriccio
C-5534(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85
ハリエット・クライフ(Vc)
トーンキュンストラーO
マルティン・ジークハルト(指)

録音:2024年5月6-11日
優雅さと確かな表現力で観客を魅了する注目のチェリスト、ハリエット・クライフ。彼女は過去6年間に Capriccioレーベルから6枚のディスクをリリースしており、いずれも高く評価されている他、最近はヴァイオリニ スト、バイバ・スクリデとの共演でも見事な演奏を披露しています。このアルバムでは、彼女が長い間録音を 望んでいたというドヴォルザークとエルガーの協奏曲を披露。一層磨きのかかった表現で、美しい旋律を歌い 上げています。

GRAND SLAM
GS-2329(2CD)
限定生産盤
アーヨ&イ・ムジチの「四季」〜ステレオ&モノラル2種セット
ヴィヴァルディ
(1)協奏曲集、作品8「四季」 
(2)協奏曲集、作品8「四季」
フェリックス・アーヨ(Vn)
イ・ムジチ合奏団

録音:(1)1959年4月29日-5月6日ウィーン
(2)1955年7月18日-21日アムステルダム、バッハザール

使用音源:(1) Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(2)フィリップスPhilips(オランダ) A00301 L (LPレコード)

録音方式:(1)ステレオ(録音セッション)
(2)モノラル(録音セッション)
■制作者より  
かのトスカニーニから絶賛されたイタリア屈指の合奏団イ・ムジチ(1952年設立)は、コンサートマスターが交替するたびにヴィヴァルディの「四季」を録音、そ のつど話題になっています。その録音史の中でもフェリックス・アーヨをソリストとした2種の録音(1955年モノラル、1959年ステレオ)は今なお歴史的名演と して記憶されています。まず、ステレオ録音は2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用し、空気感の再現に優れた瑞々しい音質を獲得しました。モノ ラル録音はオランダ・フィリップスのLPから復刻しましたが、これが思っていた以上に素晴らしい音質と演奏で、びっくり。ステレオは残響の多い、柔らかく豊かな 音ですが、モノラルの方はこぢんまりした空間で鳴り渡っているせいか、その暖かい音色に直に触れられるような魅力があります。一般的にはモノラル盤はあまり 取りざたされませんが、この2枚組で改めて比較すると、モノラルに軍配を上げる人が増えてくるかもしれません。また、約4年の間に彼らの解釈がかなり変わっ ているのも実感されます。なお、ステレオ録音のかすかなテープの傷み、モノラル録音にはLP特有のノイズ等、若干お聴き苦しい個所が含まれていることをご了承 下さい。2枚組1枚価格ゆえに限定プレスとなります。  解説書には12人のメンバーを紹介した「イ・ムジチ ローマの休日」を掲載しています。とてもユーモラスな内容で、演奏とともに楽しんでいただけると思いま す。(平林直哉)

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002698(2CD)
完全限定生産
ユリアン・シトコヴェツキー・コレクション
■CD1
1-3. シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.47
4. パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 「ラ・カンパネッラ」 Op.7より 第3楽章 ロンド
5. パガニーニ(クライスラー編):魔女たちの踊り(フランツ・ジェスマイアーのバレエ 「ベネヴェントのくるみの木」の主題による変奏曲 Op.8)
6. パガニーニ:モーゼ幻想曲(ロッシーニの歌劇 「エジプトのモーゼ」より「汝の星をちりばめた王座に」による変奏曲 MS.23)
7-9. タルティーニ(クライスラー編):ヴァイオリン・ソナタ ト短調 「悪魔のトリル」 Bg.5
■CD2
1-5. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004
6. エルンストアイルランド民謡「夏の名残のバラ」による変奏曲(無伴奏ヴァイオリンのための練習曲第6番)
7. バッツィーニ:妖精の踊り(幻想的スケルツォ Op.25)
8. バルトーク(ゲルトレル編):ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ニ長調 Sz.55より 第3楽章 フィナーレ
9. リピンスキ:無伴奏ヴァイオリンのためのカプリッチョ ニ長調 Op.29-3
10-11. サラサーテ:スペイン舞曲集 Op.21〔第1曲 マラゲーニャ、第2曲 ハバネラ〕
ユリアン・シトコヴェツキー(Vn)、ニコライ・アノーソフ(指揮/CD1:1-3)、チェコPO(CD1:1-3)、マルク・パヴェルマン(指揮/CD1:4)、モスクワRSO(CD1:4)、ベラ・ダヴィドヴィチ(P/CD1:5-6, CD2:7,8,10,11)、ウラディーミル・ヤンポルスキー(P/CD1:7-9)

録音:1953年(CD1:1-3,6)、1955年(CD1:5)、1952年(CD1:7-9)、1954年(CD2:1-5, 9)、1951年(CD2:6)、1952年(CD2:10,11)/ADD
廃盤・入手困難となったMelodiyaの名盤や貴重なMelodiya音源等を復刻する「Melodiya x Obsession」シリーズから、20世紀前半に活躍したロシアの名ヴァイオリニスト、ユリアン・シトコヴェツキー(1925-1958)の録音集がまずは2枚組で登場。ユリアン・シトコヴェツキーは1945年の全ソ連青少年コンクールで優勝し(同年のピアノ部門ではリヒテル、チェロ部門ではロストロポーヴィチが優勝)、1947年プラハ・ユース・フェスティヴァルのコンクールではコーガンと第1位を分け合い、その後も1952年ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位、1955年エリザベート王妃国際コンクール第2位など活躍しましたが、1956年に肺がんを発病し、1958年に32歳の若さでこの世を去りました。彼の芸術について人々が本格的に語り始めたのは、Melodiyaからレコードが発売された1970年代後半になってからで、このアルバムでは、アノーソフが指揮したシベリウスのヴァイオリン協奏曲、ベラ・ダヴィトヴィチ夫人が伴奏した小品集、無伴奏の傑作など1950年代頃の貴重な音源を2枚組のコレクションにまとめ、息子のドミトリー・シトコヴェツキーらにも継承されている瑞々しく優雅な音色と鋭い技巧を、Nadezhda Raduginaのリマスタリングでお届けします。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Bearton
CDB-052(1SACD)
ルトスワフスキ:チェロ協奏曲*
ピアノ協奏曲**
交響曲第4番
ロバート・コーエン(Vc)*、エヴァ・ポブウォツカ(P)**、イェジ・マクシミウク(指)、シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2013年1月、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
ポーランド音楽の偉大な遺産を紹介する「ポーランド音楽の真珠」シリーズよりヴィトルト・ルトスワフスキの第2弾が登場です。交響曲第4番にムスティスラフ・ロストロポーヴィチからインスピレーションを得たチェロ協奏曲、クリスティアン・ツィメルマンに献呈されたピアノ協奏曲のカップリングです。
Bearton
CDB-049(1SACD)
ショパン:ポーランド民謡による幻想曲イ長調 Op.13
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.2
ヤヌシュ・オレイニチャク(P)、
マレク・モシ(指)、ティヒ市室内O 「AUKSO」

録音:2010年1月、カトヴィツェ音楽アカデミー・コンサート・ホール
ヤン・エキエル校訂のショパン「ナショナル・エディション」譜に基づき、ショパンの作品を収めたシリーズ。
ポーランド・ピアノ界の重鎮にして現代最高のショパン弾きの1人、ヤヌシュ・オレイニチャクが弾くピアノ協奏曲第2番を中心とした協奏的作品集。

Avie
AV-2520(1CD)
バッハのコーヒーハウス〜バッハ、テレマン、ヴィヴァルディ
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049
テレマン:ドン・キホーテのブルレスク(ドン・キホーテ組曲) TWV55
バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068より エール(G線上のアリア)
バッハ:オーボエとヴァイオリンのための二重協奏曲ニ長調 BWV1060
ヴィヴァルディ:ラ・フォリア(ソナタ Op.1-12からのコンチェルト・グロッソ)
ジャネット・ソレル(ハープシコード、指揮)、
アポロズ・ファイア

録音:2023年11月(ブランデンブルク協奏曲第4番)、2002年10月(ドン・キホーテ組曲)、2021年4月(G線上のアリア)、2018年2月(オーボエとヴァイオリンのための協奏曲)、2021年4月(ラ・フォリア)
アムステルダムでグスタフ・レオンハルト、アメリカでロジャー・ノリントン、レナード・バーンスタインに師事した才女ジャネット・ソレルが創設したアメリカ、クリーヴランドのピリオド・オーケストラ、アポロズ・ファイア。ヨーロッパでのコンサート・ツアーを企画すればチケットが完売し、CDをリリースすればビルボード・チャートを騒がせ、グラミー賞を受賞するなど話題にことかかないアメリカ古楽界注目オーケストラによる好企画のニュー・アルバム「バッハのコーヒーハウス」。
1730年代のライプツィヒに実在した「ツィマーマンのコーヒーハウス(カフェ・ツィマーマン)」は、大バッハ他、テレマンやヘンデル、ロカテッリ、ポルポラなど当時の有力音楽家たちがこぞって音楽を提供し、演奏していたというライヴハウス的カフェ。当時このカフェは大流行し社交と音楽会の場となっていました。バッハは聖トーマス教会のカントルとしての正式な任務の合間を縫って、この繁盛するコーヒーハウスで非公式な企画を行い、息抜きをしていたことでしょう。
バッハの「ブランデンブルク協奏曲第4番」や「G線上のアリア」などの新録音に、過去のアルバムからテレマンの「ドン・キホーテ組曲」(AV2353)、ヴィヴァルディの「ラ・フォリア」(AV2485)の音源を組み合わせて、「バッハのコーヒーハウス」の優雅なサロンを再現しています。

Chandos
CHSA-5267(1SACD)
シベリウス:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1903-04/1905改訂)
2つのユモレ
4つのユモレスク Op.89(1917-18)
2つの小品(1914-15)
2つのセレナード Op.69(1912-13)
ヴァイオリンとオーケストラのための組曲 ニ短調 Op.117JS185(1928-29)
ジェイムズ・エーネス(Vn)
ベルゲンPO
メリナ・マンドッツィ(リーダー)
エドワード・ガードナー(指)

録音:2023年8月14-18日
CHANDOSレーベルを中心に数多くの作品を録音しているカナダのヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、ジェイムズ・エーネスによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲 と小品集。自らもヴァイオリニストを志したシベリウスの唯一のヴァイオリン協奏曲と、北欧民謡が巧みに織り込まれた「6つのユモレスク」などの作品を、国際的に 高く評価されているエーネスが情感豊かに演奏。バックを務めるのはこれまでにもバルトークやニールセン、ヤナーチェク作品で共演してきたエドワード・ガードナー とベルゲン・フィルです。楽器の美音を高音質録音で伝えるSACDハイブリッド盤での発売です。

TOCCATA
TOCC-0728(1CD)
NX-B06
モーセス・ペルガメント(1893-1977):作品集 第1集
1-3. ピアノ協奏曲(1951-52)
4. Sorrow 悲しみ Op.5- ピアノのために(1908-09)
5-7. 抒情的な舞曲集 - ピアノのために
8. 劇音楽『ソロモン王』:Sulamith’s Dance - ピアノのために(1915)
9. Chanson triste 悲しい歌-ヴァイオリン(オブリガートのヴィオリーノ)、チェロとピアノのために(1915)
10-11. 劇音楽『エステルの祝宴』(1936)よりI. Dance/ II. Adagio
12-14. 映画音楽『Med livet som insats』より 第1幕:The Mill (1939)(マルムグレン編)/. 第2幕:Minuet(1916)(マルムグレン編)/. 第3幕:ワルツ・レント(1939)
15. 祝祭ファンファーレ(ベルガメント編)(1961)
16. ニコルへ - ピアノのために(1974)
17. 瞑想曲 - チェロのために(1974)
18. 瞑想曲 - チェロとピアノのために(1969)
19. メロディア・ロマンティカ - チェロとピアノのために(1970)
20. ファンタジカ・ディフェレンテ「チェーロ・エ・テッラ」- チェロと弦楽九重奏のために(1969)
ルティン・マルムグレン(P)…1-16、18、19
セバスティアン・シレン(Vn)…9
レア・トゥーリ(ヴィオリーノ・オブリガート)…9
マティアス・ホルトリング(Vc)…9
トーマス・ヌニェス(Vc)…17-20
ヘルシンキ・メトロポリタンO…1-3
サーシャ・マキラ(指)…1-3
ヘルシンキ室内O…20
アク・ソレンセン(指)…20

録音:2021年8月7-8日…1-3
2022年11月30日…17-19
Jarvenpaatalo, Jarvenpaa(フィンランド)
2022年3月20日…20
Organo, Music Centre, Helsinki(フィンランド)
2023年6月12日、11月29日、2024年3月17日…4-16
※全て世界初録音
20世紀スウェーデンの個性的な作曲家モーセス・ペルガメントの録音プロジェクトがスタート。リトアニア系ユダヤ人の家系に連なるペルガメントは、フィンランド に生まれロシアで学んだ後、1919年にスウェーデンの市民権を得ました。民族主義的な表現と反ユダヤ主義が強まっていた当時、ペルガメントは複雑なア イデンティティゆえに苦悩し、ユダヤらしさとスウェーデンらしさを統合した表現を目指した結果、スウェーデン楽壇の反発を受けて黙殺同然の状態に置かれま したが、その作品は今、ダイバーシティの表現という観点から注目されつつあります。シリーズ第1集となるこのアルバムでは、ロマンティックな初期の作品からバ ルトークを思わせる攻撃的な響きを持つ後期の作品までを収め、その作風を概観します。大半は演奏時間3分前後の小品ですが、冒頭に収められたピア ノ協奏曲は急緩急の3楽章構成で演奏時間27分を要する堂々たる力作です。

ALPHA
ALPHA-1090(1CD)
バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲 ニ短調 BWV1052
セルゲイ・アフノフ(1967-):スケッチ III
協奏曲「シャコンヌ」
バッハ:われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV639
ドブリンカ・タバコヴァ(1980-):II. Horizons 地平線 〜「The Quest 冒険」
ガブリエラ・モンテーロ(1970-)/ジョージ・モートン&クセーニャ・シドロワ編): Beyond Bach バッハを越えて
クセーニャ・シドロワ(アコーディオン)
シンフォニエッタ・リガ
ノルムンズ・シュネー(指)

録音:2023年9月リガ・サウンド・レコーディング・スタジオ、ラトヴィア
DGレーベルからリリースされた「カルメン」や、前作のピアソラで情熱的かつ繊細なアコーディオンを聴かせ、クラシック音楽で決してメジャーとは 言えないこの楽器の素晴らしさを存分に知らしめてくれたクセーニャ・シドロワ。ALPHAから2枚目となるこのアルバムでは、大バッハの作品とそ の影響を受けた現代の作品を収録。冒頭の協奏曲では意外性を越えた抜群の相性にまず驚かされ、オルガンのためのコラール「われ汝に 呼ばわる」ではぐっと落としたテンポでの深い歌とアコーディオンならではの音遣いで新鮮な味わいをもたらしています。併せて収録された現代 作品はいずれもゆったりとした曲想を基調としており、クラシカル・アコーディオンならではの多彩な音色と、左右の鍵盤を超絶技巧的に駆使 しながらも豊かな表情で楽しませつつ、その美しさで魅了します。彼女の祖国ラトヴィアのオーケストラとの息の合った共演も魅力。アコーディ オンのまた別の一面を提示し、その幅広い魅力を堪能させてくれるアルバムです。
ALPHA
ALPHA-1047(1CD)
ヴィヴァルディ:『四季』と3つの協奏曲
2つのヴァイオリン、チェロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調RV578a(合奏協奏曲Op.3-2初期稿)
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV372「キアーラ夫人に」
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 Op.8-1/RV269「春」
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.8-2/RV315「夏」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Op.8-3/RV293「秋」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 Op.8-4/RV297「冬」
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV390
リ・インコーニティ(古楽器使用)
アマンディーヌ・ベイエ(Vn独奏、指揮)
アルバ・ロカ(Vn独奏2)
マルコ・チェッカート(Vc独奏)

録音:2008年1月14-18日 ドイツ教会、パリ
2008年にZig-Zag Territoiresレーベルで制作されリリース直後から熱烈な反響を巻き起こし、リ・インコーニティという古楽器合奏団の名 を世界に知らしめた名盤がALPHAで新装再登場!2015年にALPHA COLLECTIONシリーズの1枚として限定再発売され、そのプレス が切れて以来の待望のカタログ復活です。自身もバロック・ヴァイオリン奏者でバロック・ダンスの専門家でもある音楽学者オリヴィエ・フレの全 面協力により、『四季』のほか録音プロジェクト進行中に発見された曲も含め3曲の協奏曲を併録(RV 578a と372は当時世界初録 音)。弦楽は各パート1人ずつに絞った室内楽編成で、通奏低音にはチェンバロと撥弦奏者が加わり、南フランスやイタリア、スペイン、コロン ビアから集まったプレイヤーたちが緊密なアンサンブルで繰り広げる演奏はきわめてスリリング、それでいてヴィヴァルディ作品の魅力を隅々まで 精緻に捉えた充実度。カフェ・ツィマーマンやアンサンブル415でも活躍していた時代を経て、本格的にリ・インコーニティに活動の軸を移した 頃にあたる録音時を振り返って、ベイエ自身が内容を紹介する2015年再発売時のインタビュー(仏・英・独語)も、アルバムの面白さをよく 伝える内容になっています。
ALPHA
ALPHA-1087(1CD)
モーツァルト:協奏曲集
ピアノ協奏曲 第10番変ホ長調 K.365(2台のピアノのための)*※カデンツァ…モーツァルト
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 K.269※カデンツァ…ビラル・アルネムル、マーク・ナイクルグ
ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261※カデンツァ…ビラル・アルネムル
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド ハ長調 K.373※カデンツァ…ビラル・アルネムル、イツァーク・パールマン
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンのための)
坂本彩・リサ(P/ベーゼンドルファー)
ビラル・アルネムル(Vn)
ガブリエル・ピドー(Ob)
ブラーシュ・シュパロヴェツ(Cl)
テオ・プラト(Fg)
ニコラ・ラメズ(Hrn)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指) *
トマス・ツェートマイヤー(指)

録音:オーストリア放送大ホール
2021年12月27-29日、2022年9月13-15日*
<次世代ソリストたちによるモーツァルト>第10弾。第21回シューベルト国際ピアノ・デュオ・コンクール(チェコ)で第1位など数々の国際コン クールで入賞、Piano Duo Sakamotoとして活動してきた姉妹デュオの坂本彩・リサが弾く、2台のピアノのための協奏曲を収録していま す。名匠ハワード・グリフィスのサポートのもと、瑞々しく溌溂とした表情でぴったりと息の合ったパフォーマンスを聴かせている彼女たちは、ピア ノ・デュオとして4年半のドイツ留学から今年(2024年)帰国、今後の活躍が楽しみです。併せて、全員がALPHAほかからソリストとして既に デビューしている豪華メンバーの共演による管楽器のための協奏交響曲、シリア出身でウエスト=イースタン・ディヴァンOでも活躍す るヴァイオリニスト、ビラル・アルネムルによる協奏的作品を収録。

Linn
CKD-757(1CD)
クリスマスの季節のお楽しみ
リスト:『クリスマス・ツリー』(4手ピアノ版) S.613より
 III. 飼葉桶のそばの羊飼たち 甘き歓びのうちに(もろびと声あげ)
 VII. 子守唄
 IX. 夕べの鐘
ヘンデル(ツェルニー編):『メサイア』 HWV 56より
 ひとりのみどりごが我らのために生まれた
 ハレルヤ
J・シュトラウス(ルノー・ド・ヴィルバク)&デュオ・プレイエル編):美しく青きドナウ Op.314
ヨハン・シュトラウス1世):ラデツキー行進曲
チャイコフスキー(エドゥアルド・ランゲル&デュオ・プレイエル編):『くるみ割り人形』 Op.71a
デュオ・プレイエル
アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤ(第1ピアノ)
リチャード・エガー(第2ピアノ)
使用楽器…クリス・マーネ製 平行弦コンサート・グランド・ピアノ

録音:2024年4月24-26日ルター派教会、ハールレム、オランダ
鍵盤古楽器の演奏で高い評価を得てきたリチャード・エガーと、そのパートナーであるネポムニャシチャヤによるデュオ・プレイエル4枚目のアル バム。シューベルト、デュセック、J.C.バッハとモーツァルトといったレパートリーをフォルテピアノで演奏してきたこれまでのアルバムとは一味違い、 歴史的ピアノ修復家でもあるクリス・マーネによる、19世紀末の楽器構造を取り入れた平行弦モダンピアノを使用した連弾によるクリスマス・ アルバムとなっています。チャイコフスキー『くるみ割り人形』をメインにリスト『クリスマス・ツリー』とヘンデル『メサイア』からの抜粋、そしてニューイ ヤー・コンサートの定番2曲までを収録。サービス満点の選曲に加え演奏も肩の力の抜けたたいへん楽しいもので、良き家庭人としての2人 の姿を垣間見るような温かい1枚です。

CPO
CPO-555571(1CD)
シャルヴェンカ(1850-1924):ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.32
交響曲 ハ短調 Op.60
ジョナサン・パウエル(P)
ポズナ二PO
ウカシュ・ボロヴィチ(指)

録音:2022年6月4-6日、2022年9月27-30日
ベートーヴェンの交響曲の4手ピアノ編曲で知られるポーランド系ドイツ人作曲家フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカの 没後100年に合わせたリリース。彼の代表作の一つ、ピアノ協奏曲第1番と唯一の交響曲を収録。前者は当初2 部構成のピアノ独奏のための幻想曲として作曲されましたが、後に3楽章からなる協奏曲に改訂され、ました。 1877年に初演されて大成功を収め、フランツ・リストに献呈されています。チャイコフスキーを思わせる憂愁に満ちた 旋律と超絶技巧を要するパッセージを併せ持つ魅力的な作品を名手ジョナサン・パウエルが見事に演奏していま す。後者は1882年に完成した後期ロマン派の交響曲の典型とも言える作品で、ワーグナーの影響が感じられる半 音階的な和声進行を伴う美しい旋律を持っています。1885年にはロストックとニューヨークでドイツ人指揮者テオ ドール・トーマスが指揮して好評を博しました。ポーランドのオケと指揮者による素晴らしい演奏でお楽しみいただける アルバムです。

Orchid Classics
ORC-100339(1CD)
Beethoven/5Vol.2
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
サリー・ビーミッシュ(1956-):シティ・スタンザス(P協奏曲第3番)
ジョナサン・ビス(P)
スウェーデンRSO
オメル・メイール・ヴェルバー(指)

録音:2018年12月13-15日(ライヴ)
1980年生まれのジョナサン・ビスは、2015年にセントポール室内Oと共同で、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲それぞれにインスパイアされた新作 を5人の作曲家に委嘱し、両曲をペアで演奏する「Beethoven/5」というプロジェクトを立ち上げました。第5番を収めた第1巻に続く第2巻では、ピアノ協奏 曲第1番と、イギリスの作曲家サリー・ビーミッシュによる「シティ・スタンザス」をカップリング。この作品は、自然からインスピレーションを得ることが多かったビーミッ シュの以前の作品とは異なり、都市景観に焦点を当てています。当初は人間の創造性を礼賛することを意図していたこの協奏曲ですが、2015年のイギリス やアメリカにおける政治的不安により作品のトーンが変化し、作品は、権力の中心にある貪欲と格差、利益優先の技術、効率的な兵器、そして社会的不平 等などの問題に呼応するものとなりました。「シティ・スタンザス」のすべての音楽的素材は、何らかの形でベートーヴェンの協奏曲から派生しています。ビーミッ シュは、ジョナサン・ビスの個性的で表現力豊かかつヴィルトゥオーソ的な演奏に触発されましたが、この作品はまた、作曲家とアーティストの双方が共有する未 来への不安にも深く影響を受けています。 「Beethoven/5」は、発起人であるセントポール室内Oに続いて、15のオーケストラや団体が賛同する大プロジェクトとなりました。他の作品はティモ・ アンドレスの「The Blind Banister」(第2番とのペア)、サルヴァトーレ・シャリーノの「Il sogno di Stradella」(第4番)、キャロライン・ショウの 「Watermark」(第3番)です。ビスは、「これらの作品がレパートリーに定着し、自分が世を去った後も末永く演奏され続けることを願っています」と語っていま す。今後のリリースも楽しみです。

SWR music
SWR-19158CD(1CD)
ヨーク・ボーエン(1884-1961):ヴィオラ協奏曲 ハ短調 Op.25(1907)
ウォルトン:ヴィオラ協奏曲 イ短調(1929)
ディヤン・メイ(Va)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO
ブレット・ディーン(指)

録音:2024年2月27日-3月1日
ベルリン・フィルの第一ヴィオラ奏者、ディヤン・メイによる20世紀イギリスのヴィオラ協奏曲傑作2篇。1994年 生まれのメイはミュンヘンARD国際音楽コンクールで第1位、ミュンヘン・フィル首席奏者を経て2022年にベル リン・フィルに入団しました。ここではイギリスの名手ライオネル・ターティスのために書かれた2作を、作曲家として も人気のブレット・ディーンの指揮で生き生きと演奏しています。

Orchid Classics
ORC-100325(1CD)
モーツァルトとペルト
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K.207
 ロンド 変ロ長調(K.269)
 ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211
アルヴォ・ペルト(1935-):ピアノ三重奏曲「モーツァルト - アダージョ」
※モーツァルト作品のカデンツァ…リール・ヴァギンスキー
リール・ヴァギンスキー(Vn)
ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ
オハッド・ベン=アリ(P)
ヒラ・カルニ(Vc)

録音:2023年2月27-28日、3月1日、2022年11月16日
イスラエルのヴァイオリニスト、リール・ヴァギンスキーは7歳でヴァイオリンを始め、ベルリン芸術大学でラティ ツァ・ホンダ=ローゼンバーグ教授に師事。その後、クロンベルク・アカデミーでクリスティアン・テツラフに学びまし た。数々の国際コンクールで受賞し、世界中のコンサートホールで演奏を行うほか、世界20か国以上から 集まった13歳から23歳までの若き才能による弦楽アンサンブル、LGTヤング・ソロイスツのメンバーとしても活 動していました。19歳で録音した本アルバムでは、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲で自作のカデンツァを加 えた演奏を披露。また、モーツァルトのピアノ・ソナタK.280のアダージョにインスパイアされて書かれた、ペルト の「モーツァルト - アダージョ」も収録されています。
Orchid Classics
ORC-100329(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第23番
ピアノ協奏曲 第20番ニ短調 K.466(1楽章カデンツァ:ヨハン・ネポムク・フンメル/3楽章カデンツァ:ロベール・カサドシュ)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488
チョ・ジェヒョク(P)
ロイヤルPO
ハンス・グラーフ(指)

録音:2020年8月24-26日
韓国のピアニスト、チョ・ジェヒョクによるモーツァルトのピアノ協奏曲集。チョが選んだのは、モーツァルトがウィー ンでピアニストとして活躍し「フィガロの結婚」で成功を収めた時期の充実した2つの作品で、ニ短調の劇的 な傑作として知られる第20番と、クラリネットの響きが印象的な第23番です。 チョ・ジェヒョクは韓国の春川市で生まれ、5歳からピアノを始めました。国内のコンクールで多数の優勝を果 たした後、アメリカに留学し、ジュリアード音楽院で学士と修士号を取得し、マンハッタン音楽院で博士号を 取得。1993年にカーネギーホールでデビュー。平行してオルガンも学び、20年以上にわたりニューヨークと ニュージャージー地域の教会でオルガニスト兼音楽監督を務めました。現在は韓国に拠点を移し、ラジオ番 組やコンサートでクラシック音楽の解説を行い、その魅力を伝えています。


Treasures
TRE-311(1CDR)
ヘブラー〜ソ連ライヴを含む3つの協奏曲
ハイドン:ピアノ協奏曲第11番ニ長調Op.21 Hob.XVIII : 11
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K. 414
 ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K. 453*
イングリット・ヘブラー(P)
シモン・ゴールドベルク(指)オランダ室内O
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)ザルツブルク・モーツァルテウムO*

録音:1960年7月9&14-15日アムステルダム・コンセルトヘボウ、1965年モスクワ音楽院大ホール・ライヴ*(共にステレオ)
※音源:蘭PHILIPS 875-052FY、MELODIYA C90-13051-52*
◎収録時間:73:34
“30代のヘブラーが織りなす気品と生命力溢れる理想のモーツァルト像!”
■音源について
ミケランジェリ、アルゲリッチなど名演が多いハイドンのニ長調協奏曲はヘブラー唯一の録音。モーツァルトの「第12番」は計3回のセッション録音があり、これは2回目のもの。後の全集企画とは別の録音。アズキ/銀内溝/ザラザラ表面/full stereo盤。
「第17番」は、2種のセッション録音がありますが、これはヘブラーがソ連を訪問した際の貴重なライヴ。しかも良質ステレオ!日本でN響との共演時にも演奏した作品で、彼女にとってのいわば勝負曲だったのでしょう。なお、トラック6の5:42付近でに電波障害によるものと思われる人の声の混入があります。ご了承ください。

ハイドンは、もちろん珠を転がすようなタッチによる愉悦感が魅力的ではありますが、単に軽いタッチでパラパラと運指を続けているだけではなく、若き日のヘブラーの闊達さが鮮烈に迫る快演!第1楽章2:55からの程よい粘度を持つリズムはまさにその象徴。第2楽章でも、後年のたおやかさが際立つ演奏スタイルの片鱗が見えるものの、曖昧なタッチはどこにもなく前抜きな主張に満ちており、決して上品さだけを売りにしたピアニストではなかったことが明らか。終楽章0:44のリズムの弾力も古典的な様式の中で煌めいているので、アルゲリッチでは激しすぎると感じる方も納得されるること必定。
 ヘブラーといえばモーツァルト。この「12番」は、後年の全集録音におけるロヴィツキの指揮とのコンビネーションがちぐはぐでトーンがどこか暗かったのとは好対照、。指揮のゴールドベルク共々伸びやかな音楽作りに邁進します。第1楽章展開部では彼女特有の優しい語りの妙が如何なく発揮され、単に清潔なフレージングだけに執着していてはここまで聴き手の心に迫ることはないはずです。第2楽章の第2主題以降の一音ごとに託した切実な思いも、ロヴィツキ盤では聞けない魅力ですし。コーダの8:26からの息絶える直前のような間合いの絶妙さは奇跡的!今更ながら、協奏曲において共演指揮者との親和性が不可欠であると再認識させられます。
 その点、「第17番」のモーツァルトのスペシャリスト同士の共演は、両者ともPHILIPSに録音を遺しながら共演録音がなかったことも含め、モーツァルト・ファン垂涎と言えましょう。人間味溢れるニュアンスを大切に育みながら丁寧に紡ぎ出す手法は、ソリッドな感覚に傾きがちなソ連スタイルとは異なりますが、心ある多くの聴衆の心に魅了したことは終演後の熱い拍手からも窺えます。第1楽章第2主題の装飾音が込み入った楽想の処理の淀みのなさと細やかさには、並の共感以上の確信が漲っており、その素直な音楽の息づきにただただ酔いしれるばかり。4:48以降は生きる喜びを惜しげもなく謳歌。しかも独り善がり的なノリに興じないよう自身を律しながら常に作品を主役に立てるヘブラーのセンスは、もっと正当に評価されて然るべきではないでしょうか。そして、展開部の無限とも思える陰影の濃さ!モーツァルトの作品の中でも屈指の幻想性を誇る第2楽章は、その特質を余すことなく引き出しますが、パウムガルトナーの含蓄のある指揮なしにはこれほど音楽の本質が抉り出されることはなかったでしょう。終楽章では、速いテンポでも決して音楽が上滑りしない打鍵バランス感覚に脱帽。特にヘブラーの演奏に後年まで見られる、強拍のリズムの重心をわずかに下げるスタイルここでも功を奏し、音楽の造形に安定感と気品を与えていることにもご注目ください。【2024年9月・湧々堂】

299 MUSIC
NIKU-9064(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フィオリトゥーラ

(1)ヴィヴァルディ:「調和の霊感」作品 3(1711) より
ヴァイオリン協奏曲第9番ニ長調
ヴァイオリン協奏曲第6番イ短調
「ラ・ストラヴァガンツァ」作品4(1716) より
ヴァイオリン協奏曲第4番イ短調
(2)ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ニ短調 RV405(c.1720)
チェロ協奏曲 ト短調 RV417(c.1720)

(3)アルビノーニ:「6つのシンフォニアと 6つの五声の協奏曲」作品2(1700) より
5声のソナタ(シンフォニア)第1番ト長調op.2-1
5声のソナタ(シンフォニア)第2番 ハ長調op.2-3
古楽オーケストラ<ラ・ムジカ・コッラーナ La Musica Collana>

(1)丸山 韶(Vn・ソロ/T)、佐々木梨花(Vn T/U)、廣海史帆/勝森菜々(Vn U)、山本佳輝(Va)、島根朋史(Vc) 、諸岡典経(ヴィオローネ) 、石川友香理(チェンバロ/オルガン) 、西山まりえ(ハープ/チェンバロ/オルガン)

(2)島根朋史(Vc・ソロ)、丸山 韶(Vn 1)、廣海史帆(Vn2)、佐々木梨花(Va)、懸田貴嗣(Vc) 、諸岡典経(ヴィオローネ)、石川友香理(チェンバロ/オルガン)、西山まりえ(Hp)

(3)丸山 韶(Vn1)、廣海史帆(Vn 2) 、山本佳輝(アルト・ヴィオラ) 、佐々木梨花(テノール・ヴィオラ) 、島根朋史(Vc)、諸岡典経(ヴィオローネ)、石川友香理(Org)、西山まりえ(Hp)

録音:024年4月3-5日 五反田文化センター
新世代バロック・ヴァイオリニスト丸山韶が率いる古楽オーケストラ「ラ・ムジカ・コッラーナ(LMC)」待望のアルバムは、得 意とするイタリアン・バロックの中でも多く演奏してきたヴィヴァルディとアルビノーニの楽曲より、これまでにまで培ってきた調 和と精彩が発揮される作品集。結成10周年を迎える今、彼らの音楽への情熱はさらに開花し続けていく。

LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-038(1CD)
(1)グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
(2)ワーグナー=リスト:イゾルデの愛の死
(3)ショパン:夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
(4)ドビュッシー:12の練習曲より第1集第6曲「8本の指のための」
(5)プロコフィエフ:10の小品 Op.12より第7曲「前奏曲」
(6)スクリャービン:8つの練習曲 Op.42より第3曲 嬰へ長調
(7)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16
ミハイル・ルディ(P)
(1)(7)マリス・ヤンソンス(指)、
サンクトペテルブルクPO

録音:1990年代
ウズベキスタン出身で、亡命後フランスで活躍するミハイル・ルディ(1953〜)の貴重な音源初CD化!ルディは15歳でモスクワ音楽院に入学し、ヤコフ・フリ エールに師事。その後渡仏。1975年に開催されたロン=ティボー国際コンクールに優勝。この年はアブデル・ラーマン・エル=バシャや海老彰子などが参加した 非常にレヴェルの高い回でした。その後ソリストとして世界的に活躍しています。
長いキャリアに対して録音は少なく、当初CD化は大歓迎。今回のメインはサンクトペテルブルクPOの定期で演奏したグリーグとプロコ フィエフ(第2番)のピアノ協奏曲、指揮はマリス・ヤンソンスです。音源はオーケストラのアーカイブではなくルディが依頼し記録用に収録したものです。卓越した 技巧と情感溢れるルディの演奏はライヴでこそ花開き、このライヴ録音でもその凄みが伝わってきます。 (Ki)

NIFC
NIFCCD-157(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番(ギター版)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21(ギター版)
モーツァルト:交響曲第5番変ロ長調 K.22
カロル・クルピンスキ/ゼバスティアン・ゴットシック(b1959):クラリネット協奏曲変ロ長調
マテウシュ・コヴァルスキ(G)、ロレンツォ・コッポラ(ピリオド・クラリネット、指揮)、マルティナ・パストゥシュカ(指)、{oh!} オルキェストラ・ヒストリチナ

録音:2023年-2024年、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
ポーランド国立ショパン研究所の自主レーベルNIFC。本アルバムでは、ギター版にアレンジしたショパンのピアノ協奏曲第2番に、ポーランドのオペラ、ポーランドの代表的な舞曲である「ポロネーズ」や「マズルカ」など、民族舞踊の発展に貢献したポーランド古典派を代表する作曲家の1人、カロル・クルピンスキ(クルピニスキ)のクラリネット協奏曲を組み合わた好企画。
各協奏曲のソリストを務めるのは、ショパン音楽大学を首席で卒業し、23歳でウィーン楽友協会と上海大劇院でデビュー、2019年にEuroStrings国際ギター・コンクール(欧州各地のコンクール覇者による大会)で優勝したポーランドの若きヴィルトゥオーゾ・ギタリスト、マテウシュ・コヴァルスキと、ハーグ王立音楽院でエリック・ホープリッチに学び、フライブルク・バロック・オーケストラ、レ・ザール・フロリサン、ラ・プティット・バンドなど、現代古楽シーンを代表するオーケストラとも度々共演を重ね、2004年からはバルセロナのカタルーニャ音楽院(ESMUC)で自身もヒストリカル・クラリネットを教えているイタリアの名手、ロレンツォ・コッポラです。
クラシック・ギター・ファン、クラリネット愛好家はもとより、ショパン愛好家、ポーランド音楽愛好家にとっても注目のアルバムの登場です。

Nimbus Alliance
NI-6446(1CDR)
エルコック:交響曲第8番&ヴァイオリン協奏曲
スティーヴ・エルコック(b.1957):ヴァイオリン協奏曲(2006)*
交響曲第8番(1981/2021)
ゾーイ・ベイヤーズ(Vn)*、
ケネス・ウッズ(指)イギリスSO

録音:2021年7月28日(交響曲第8番)&2022年5月26日(Vn協奏曲)、ワイアストン・コンサート・ホール
イギリスSOの首席指揮者&芸術監督を務め、様々なレア作品・現代作品の録音に定評のあるケネス・ウッズが考案した「21世紀交響曲プロジェクト」(The 21st Century Symphony Project)から、イギリスの作曲家スティーヴ・エルコックの交響曲第8番が登場。このプロジェクトは9人の作曲家による9つの新しい交響曲を委嘱・初演・録音することを目標にスタートし、これまでデイヴィッド・マシューズ(NI6382)、フィリップ・ソーヤーズ(NI6353)、エイドリアン・ウィリアムズ(NI6432)、マシュー・テイラー(NI6406)などがリリースされてきました。
スティーヴ・エルコックはほとんど無名の作曲家でしたが、2017年にリリースされた交響曲第3番がBBCラジオ3で「CD of the Week」に選ばれて話題となり、現在は多くの音楽愛好家、指揮者、評論家から注目を集める存在となっています。
ヴァイオリン協奏曲でソロを担うゾーイ・ベイヤーズは、南アフリカ出身でイギリスを拠点に多才に活動するヴァイオリニスト。2017年からイギリスSOのコンサート・マスターとしてケネス・ウッズと緊密に連携している他、2020年にはBBCフィルハーモニックのコンサート・マスターにも就任し、その他ハレ管、フィルハーモニア管、ロイヤル・リヴァプール・フィル、BBC響、BBCスコティッシュ響、バーミンガム市響など、英国の主要オーケストラにゲスト・コンサート・マスターとして定期的に参加している名手です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Lyrita
SRCD-2421(2CDR)
ジョージ・ロイド:ピアノ協奏曲全集

(1)プゴート(P協奏曲第1番)
(2)ピアノ協奏曲第3番
(3)ピアノ協奏曲第2番
(4)ピアノ協奏曲第4番
(1)マーティン・ロスコー(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(2)キャスリン・ストット(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(3)マーティン・ロスコー(P)、
 BBCフィルハーモニック、ジョージ・ロイド(指)
(4)キャスリン・ストット(P)、LSO、ジョージ・ロイド(指)

録音:1984年〜1990年、BBCスタジオ7(イギリス)/ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)
イギリスの老舗レーベルLyritaが贈る、ブリテンと同年に生まれ、戦禍を乗り越えて20世紀のイギリスで活躍した作曲家ジョージ・ロイドの録音アーカイヴ集。このディスクにはロイドが作曲した全4曲のピアノ協奏曲が、マーティン・ロスコーとキャスリン・ストットというイギリス出身の名ピアニストの演奏で収録されています。すべて伴奏はロイド自身の指揮によるものです。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Lyrita
SRCD-2422(2CDR)
ジョージ・ロイド:ヴァイオリン&チェロ協奏曲集
(1)ヴァイオリンと管楽のための協奏曲
(2)ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲
(1)クリスティーナ・アンゲレスク(Vn)、フィルハーモニアO、デイヴィッド・パリー(指)
チェロ協奏曲
(2)アンソニー・ロス(Vc)、オールバニーSO、デイヴィッド・アラン・ミラー(指)

録音:1998年&2001年、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)/トロイ貯蓄銀行音楽ホール(アメリカ)録音:1998年&2001年、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)/トロイ貯蓄銀行音楽ホール(アメリカ)
イギリスの老舗レーベルLyritaが贈る、ブリテンと同年に生まれ、戦禍を乗り越えて20世紀のイギリスで活躍した作曲家ジョージ・ロイドの録音アーカイヴ集。このディスクには「独奏ヴァイオリンがオーケストラの厚いテクスチャーに圧倒されてはならない」という視点から1曲は管楽アンサンブルが、もう1曲は弦楽アンサンブルが伴奏を担う2つのヴァイオリン協奏曲と、最晩年に書かれた、どことなく物憂げで悲しい雰囲気の漂うチェロ協奏曲を収録しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Chandos
CHAN-20323(1CD)
NX-B09
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.10
1. 歌劇「アポロとヒュアキントゥス」序曲
2. 歌劇「バスティアンとバスティエンヌ」序曲
3-5. ピアノ協奏曲 第1番ヘ長調 K.37(1767)
 3. 第1楽章:Allegro
 4. 第2楽章:Andante -Cadenza -[Tempo I]
 5. 第3楽章:Rondo. [Allegro] -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…第2楽章:マレイ・ペライア/第3楽章:オリヴィエ・メシアン(?)
6-8. ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 K.39(1767)
 6. 第1楽章:Allegro spiritoso -Cadenza -[Tempo I]
 7. 第2楽章:Andante
 8. 第3楽章:Molto allegro -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…ウラディーミル・アシュケナージ
9-11. ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 K.40(1767)
 9. 第1楽章:Allegro maestoso -Cadenza -[Tempo I]
 10. 第2楽章:Andante
 11. 第3楽章:Presto
カデンツァ…モーツァルト
12-14. ピアノ協奏曲 第4番ト長調 K.41(1767)
 12. 第1楽章:Allegro -Cadenza -[Tempo I]
 13. 第2楽章:Andante
 14. 第3楽章:Molto allegro -Cadenza -[Tempo I]
カデンツァ…ウラディーミル・アシュケナージ
ジャン=エフラム・バヴゼ(P:Yamaha CFX)…3-14
マンチェスター・カメラータ
キャロライン・ペザー(リーダー)
ガボール・タカーチ=ナジ(指)

録音:2023年10月7-9日
フランスの名ピアニスト、ジャン=エフラム・バヴゼとガボール・タカーチ=ナジによるモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ。第10集となる本作では、天才作曲家の 幼少期の作品を演奏しています。この4つの協奏曲は、父レオポルトが11歳のモーツァルトに、当時の人気作曲家ホーナウアーやラウパッハらの鍵盤のための ソナタを与え、それにオーケストラのパートを加えて協奏曲に編曲するように練習させたものです。この「パスティーシュ(作風の模倣)」の技法は、特に後期バロッ クおよび初期古典派の時代において広く用いられていました。モーツァルトは原曲には一切手を加えず、オーケストラのパートのみを書き上げることで作品を完 成させています。今回、バヴゼは各曲にふさわしいと考えるカデンツァを用意。彼が尊敬するアシュケナージのカデンツァやモーツァルト自身の作、さらに第2番の 第2楽章ではマレイ・ペライア作、そして第3楽章では、バヴゼが慕うイヴォンヌ・ロリオが演奏したメシアン作と推測されるカデンツァを演奏するなど、趣向が凝らさ れています。アルバムの冒頭にはモーツァルトの初期の歌劇から2曲の序曲が演奏されています。


Spectrum Sound
CDSMBA-164(1CD)
(UHQCD)
完全限定盤
ミルシテイン/ブラームスとチャイコフスキー
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(カデンツァ:ミルシテイン)
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ナタン・ミルシテイン(Vn)
(1)フランス国立放送O、ルイ・フレモー(指)
(2)フランス国立放送O、ジャン・マルティノン(指)
ライヴ録音:(1)1967年6月13日(ステレオ)、(2)1969年6月4日/シャンゼリゼ劇場(ステレオ)
82歳のラスト・リサイタルまで、常に世界の第一線で活躍したミルシテイン。驚くべきテクニックとこの上なく美しい音色で聴衆を魅了した、まさにヴァイオリン の美を象徴するヴィルトゥオーゾです。ここに収録された2つの協奏曲は60代前半から中頃にかけて、表現の面で最も充実した、自由に歌い上げる演奏を聴かせ てくれます。
ブラームスは常にミルシテイン自作のカデンツァで演奏していますが、演奏年代、時期によって少しずつ改作しており、ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストが一期 一会の演奏を聴かせてくれます。このカデンツァを聴いただけでもミルシテインの凄みが伝わってきます。ルイ・フレモーの好サポートのもと雄大な演奏を聴かせて くれます。
70年以上の舞台のキャリアで最も多く演奏した作品のひとつチャイコフスキー。数多くの録音が残っていますが、ミルシテインの芸はライヴでこそひと際輝く魅 力をもちます。今年(2024年)に生誕120年を迎えたミルシテイン。独特の語り口は今もなお色褪せることなく光り輝いており、INA保有音源からの復刻は大 歓迎と申せましょう。日本プレスUHQCD。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

BIS
BISSA-2635(1SACD)
モーツァルト:ホルン協奏曲集
(1)ホルン協奏曲第1番ニ長調
 【第1楽章:アレグロ K.412(1791)、第2楽章:アダージョK.211(1775)*、第3楽章:ロンド.アレグロ K.514(1791)#】
(2)ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417(1783)
(3)ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447(1787)
(4)ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495(1786)
(5)ホルン協奏曲第0番変ホ長調【第1楽章:[アレグロ]K.370b$、第2楽章:ロンドー.アレグロ K.371#】(1781)

*= アレック・フランク=ゲミル&スティーヴン・ロバーツ編曲
#=スティーヴン・ロバーツ補筆完成版
$ = スティーヴン・ロバーツ復元版
アレック・フランク=ゲミル(Hrn)
スウェーデン室内O、ニコラス・マギーガン(指)

録音:2023年5月22〜26日/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)
世界的ホルン奏者アレック・フランク=ゲミルがモーツァルトの協奏曲のアルバムをリリースします。フランク=ゲミルはスコットランド室 内Oの首席ホルン奏者を務めながらソリストとしても活躍。2023年にはベルリンのフィルハーモニーでドイツSOのソリストに招かれるなど、トッププ レイヤーとして活躍しています。高度な技術を要するホルンですが、フランク=ゲミルは完璧ともいえる技術を武器に実に雄弁に歌い上げ、聴き手を魅了していま す。録音にも積極的に取り組んでおり、BISレーベルから『ノーブルでメランコリーな楽器』(BIS SA-2228)、『W.A.モーツァルト以前の初期ホルン協奏曲集』 (BIS SA-2315)、『ブラームス:室内楽曲集』(BIS SA-2478)をリリースしています。
モーツァルトの友人でホルンの名手であったヨーゼフ・ロイトゲープ(1732-1811)のために作曲されたホルン協奏曲。1781年からモーツァルトが亡くなる までの約10年の間に作曲された4つの協奏曲は、ダ・ポンテの台本による3大名作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』や、 最後の交響曲、ピアノ協奏曲と同時代の産物です。モーツァルトはホルンという楽器の独特の音色を生かした、エレガントで洗練された作品を書きました。当録音に は草稿の形で残されたK.370b、K.371をホルン奏者スティーヴン・ロバーツによって補筆完成・復元されたホルン協奏曲“第0番”も収録しています。 (Ki)

Naive
V-844[NA](1CD)
ピアノとオーケストラのための作品集
(1)リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.16
(3)ツファスマン:ジャズ組曲
ズラータ・チョチエヴァ(P)
カール=ハインツ・シュテフェンス(指)
BBCスコティッシュSO

録音:2024年1月9-11日/グラスゴー市ホール
1985年モスクワ生まれのピアニスト、ズラータ・チョチエヴァはこれまで10枚ほどのディスクをリリースしていますが、協奏曲に初挑戦しました。いずれも高 度な技巧が要求されるロシア作品です。
チョチエヴァは12歳からプレトニョフに師事していましたが、14歳の時に師の指揮でリムスキー=コルサコフの協奏曲を弾き大成功を収めました(youtubeで 抜粋を観ることができます)。このアルバムでも、その思い出の自信作を披露。切れ味のよい指さばきで説得力あふれる演奏を聴かせてくれます。
カップリングはリムスキー=コルサコフと師弟関係にあるプロコフィエフの難曲第2番。さらにツファスマンのジャズ組曲が大歓迎。アレクサンドル・ツファスマン は(1906-1971)はブルーメンフェルト門下のピアニストでソ連ジャズの創始。ショスタコーヴィチも認めた才能の持ち主で、カプースチンを先取りしたような超 絶技巧系ジャズが新鮮です。
リムスキー=コルサコフ作品とプロコフィエフ作品がちょうど30年、プロコフィエフ作品とツファスマン作品が32年間隔で作られていること、ツファスマン作品 はプレトニョフが愛奏していることなど師弟・世代を意識した内容となっています。 (Ki)

MSR
MS-1844(1CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番*
フランク:交響詩「鬼神」#
ウェーバー:コンチェルト・シュトゥック ヘ短調Op.79+
ジョシュア・ピアース(P)
カーク・トレヴァー(指)ボフスラフ・マルティヌーPO*,#
ビストリーク・レジュハ(指)スロヴァキア国立PO*

録音:1999年5月28-29日チェコ・BMFホール*
1999年12月10-11日、チェコ・BMFホール#
2003年9月18日スロヴァキア・ドム・ウメニア(コシツェ)+
*,#=MS1148で既発売
ジョシュア・ピアースはニューヨーク出身。1960年代にジュリアード音楽院で学んだ後、ウォ ルター・ピストン、ヴィンセント・パーシケッティ、カルロス・チャベス、ヘンリー・カウエルのマス タークラスにも参加し、現代音楽についても研鑽を積んだ(実際彼の演奏によるジョン・ケー ジのプリペアード・ピアノのための作品集の独WergoのCDは定評がある)。このディスクでは ブラームスの協奏曲にフランクのピアノ独奏つき交響詩とウェーバーの小協奏曲という重厚 なプログラム。ピアースのピアノは強靭な打鍵と繊細なタッチが融合した見事なもの。ブラー ムスのピアノ独奏つき交響曲ともいうべき第2協奏曲を圧倒的なパッションで弾き切り聴きごた え充分。カーク・トレヴァー指揮によるマルティヌー・フィル、レジュハ指揮によるスロヴァキア 国立フィルも熱演。

Capriccio
C-5537(2CD)
バルトーク:ピアノ協奏曲(全3曲) ツィモン・バルト(P)
ベルリン・ドイツSO
クリストフ・エッシェンバッハ(指)

録音:2018年12月8日、2019年5月27-29日イエス・キリスト教会、ベルリン(ドイツ)、2019年6月2日 ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)
アメリカのピアニストであり作家でもあるツィモン・バルトは、1989年にエッシェンバッハと共演して以来、長年 にわたる友好関係を築いてきました。これまでにCAPROCCIOレーベルからは、チャイコフスキーのピアノ協奏 曲(C5065)やブラームスのピアノ協奏曲(C5210)を収録したアルバムをリリースしています。 ここでのバルトは、バルトークの演奏にありがちな「ピアノを打楽器的に扱うアプローチ」ではなく、しなやかな タッチが必要だと考え、ゆったりしたテンポを取って旋律を伸びやかに歌わせています。通常はCD1枚に収ま る3曲ですが、87分を超える演奏時間のため2枚組でのリリースとなりました。

Biddulph
BIDD-85052(1CD)
HMVへの協奏曲録音全集 - チャイコフスキー、バッハ、ヴィヴァルディ 他
1-3. ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.12No.1RV317
4-6. バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
7-9. チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(アウアー校訂版)
10. ベートーヴェン:ロマンス第1番 ト長調
11. ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調
ミッシャ・エルマン(Vn)
新SO…1-3、室内O…4-6
LSO…7-11
ローレンス・コリングウッド(指)…1-3、10-11
ジョン・バルビローリ(指)…4-9

録音:1-3.931年9月29日 初出:DB1595/96 (matrices2B1490/93)
4-6.1932年12月2日 初出:DB1871/73(matrices 2B4088/92)
7-9.1929年12月19、20日 初出:DB1405/08 (matrices BR2471/78)
10.1932年11月30日 初出:DB1846(matrices 2B4341/42)
11.1932年11月30日 初出:DB1847(matrices 2B4343/44)
SP時代から録音の多いエルマンですが、SPでの協奏曲の全曲録音は意外にも少なく、第2次大戦前のものとなるとここに復刻されたHMV(His Master's Voice)のものがすべて。バッハとヴィヴァルディの両端楽章は当世の古楽スタイル(HIP)とは趣を異にする、拍をしっかりと刻んで歩を進めてゆく堂々たる演 奏。緩徐楽章では古典的な品格を保った中にエルマンらしいカンタービレが聞かれます。チャイコフスキーの協奏曲はエルマンの師アウアーが初演を頼まれた ものの「演奏不可能」として一旦は退けた作品。初演こそ他人に譲ったものの、後にアウアーはこの作品の価値を認め、自ら楽譜を校訂して演奏し、弟子た ちにも教えました。アウアーの弟子による同曲の録音はこのエルマン盤が最初。楽譜はアウアー版を使っています。約35分のゆったりめのテンポを採り、随所 にロマンティックで個性的な歌い回しが聞かれる点は、こんにちのスタイルとは一線を画しています。ベートーヴェンの2曲も甘美でロマンティックな演奏。

Forgotten Records
fr-1936(2CDR)
ステンパルトのヘンデル1
12の合奏協奏曲 Op.6〔第1番-第8番〕
カール・リステンパルト(指)
ザール室内O

録音:1953年-1955年
※音源:Les Discophiles Français DF 89, DF 112, DF 157
Forgotten Records
fr-1938(1CDR)
リステンパルトのヘンデル2
12の合奏協奏曲 Op.6,〔第9番-第12番〕
カール・リステンパルト(指)
ザール室内O

録音:1953年-1955年
※音源:Les Discophiles Français DF 89, DF 112, DF 157
Forgotten Records
fr-1946(1CDR)
ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲*
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番*
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」〜パゴダの女王レドロネット#
エネスコ:組曲第2番ニ長調〜#〔トッカータ Op.10-1/パヴァーヌ Op.10 -3/ブーレ Op.10-4〕
ミンドール・カッツ(P)
エイドリアン・ボールト(指) LPO*

録音:1958年(ステレオ)* 、1960年(モノラル)#
※音源: Pye GSGC 14013他

ALBANY
TROY-1979(1CD)
クリストファー・ラウズ(b.1949):協奏曲集
(1)ヘイムダールのトランペット
(2)オーボエ協奏曲
(3)バスーン協奏曲
デヴィッド・アラン・ミラー(指)
アルバニーSO
(1)エリック・バーリン(Tp)
(2)キャサリン・ニードルマン(Ob)
(3)ピーター・コルケイ(Fg)

録音:(1)(3)2021年12月12日、(2)2016年10月24日、トロイ貯蓄銀行ミュージックホール
クリストファー・ラウズは1949年ボルティモア生まれ。ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞して います。様々なジャンルの音楽を身に付けたラウズは、ニューヨークタイムズ誌で『周囲の記憶に最 も残る音楽を書く人物』と紹介された。1986〜89 年までボルティモアSOのコンポーザー・イ ン・レジデンスを、2012〜15年までニューヨーク・フィルのマリー=ジョゼ・クラヴィス記念コンポー ザー・イン・レジデンスを務めた。現在はジュリアード音楽院で教鞭を取っています。 「ヘイムダール」は北欧神話に登場する光の神。角笛ギャラルホルンの持ち主で、この角笛が 鳴らされた時にラグナロック(神々の滅亡)が起こる。タイトルはこれに由来しておりダイナミック な曲想。オーボエ協奏曲は2004年にミネソタOからの委嘱で作曲された。バスーン協 奏曲は伝統的な(急―緩―急)3つの楽章で構成され、オーケストラパートは控えめでシンプル になっています。2曲の木管楽器の協奏曲はソロを生かした楽しめるものになっています。

Albion Records
ALBCD-061(1CD)
グリンケ・レガシー〜ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン作品集
ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
 揚げひばり
 2つの讃美歌による前奏曲 より 第1番夕暮れ
アーサー・ベンジャミン:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ
ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン・ソナタ イ短調
フレデリック・グリンケ(Vn)、
ボイド・ニール(指)、
ボイド・ニールO、
アーサー・ベンジャミン(指)、
マイケル・マリナー(P)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの知られざる作品、埋もれていた作品、未発表作品などを取り上げてきた、ヴォーン・ウィリアムズ協会の自主レーベル「アルビオン・レコーズ(Albion Records)」。
ボイド・ニールOの首席ヴァイオリニストとして10年間活躍し、多くのレコーディングに参加したカナダの名ヴァイオリニスト、フレデリック・グリンケは、ブリテン、アイアランド、ブリッジ、ラッブラ、バークリー(、ヴォーン・ウィリアムズといったイギリスの作曲家による重要な作品の初演に携わってきました。本アルバムでは、グリンケのヴォーン・ウィリアムズ録音を一堂に集めたもので、1939年の「ヴァイオリン協奏曲」、1940年の「揚げひばり」、そしてグリンケがコンサートマスターを務めた2つの讃美歌による前奏曲より「夕暮れ」が収録されています。また、これら3曲はすべて、Ronald Gramesによる優れた新修復版となります。 「揚げひばり」以外はリリース時に初めて録音されたもので、協奏曲だけがデジタル形式で市販されています。
ヴォーン・ウィリアムズは、これらの録音の中でも特に「揚げひばり」に感銘を受け、1954年のヴァイオリン・ソナタ イ短調をグリンケのヴィルトゥオージックな技巧に合わせて作曲し彼に捧げました。グリンケが初演前にヴォーン・ウィリアムズの監督下で準備したこの作品の録音もここに収録されています。また、この作品のために作曲家と緊密に協力したピアニスト、マイケル・マリナーによる唯一の録音も収録されていることもポイントのひとつと言えるでしょう。加えてプログラムには、アーサー・ベンジャミン自身がピアノを演奏したヴァイオリンとピアノのためのソナチネの録音も含まれており、LP盤に収録されているヴォーン・ウィリアムズのソナタと同様、この権威ある録音はデジタル盤では初めての登場となります。

Avie
AV-2489(1CD)
バッハ:ハープシコード協奏曲集
ハープシコード協奏曲 ニ短調 BWV1052
ハープシコード協奏曲 ヘ短調 BWV1056
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050
ジャネット・ソレル(ハープシコード、指揮)、
アポロズ・ファイア

録音:1999年10月(BWV1050)、2002年10月(BWV1052)、2024年5月(BWV1056)、St. Paul’s Episcopal Church(クリーヴランド)
アムステルダムでグスタフ・レオンハルト、アメリカでロジャー・ノリントン、レナード・バーンスタインに師事した才女ジャネット・ソレルが創設したアメリカ、クリーヴランドのピリオド・オーケストラ、アポロズ・ファイア。ヨーロッパでのコンサート・ツアーを企画すればチケットが完売し、CDをリリースすればビルボード・チャートを騒がせ、グラミー賞を受賞するなど話題にことかかないアメリカ古楽界注目オーケストラの名録音がAvieから復刻!
ジャネット・ソレルが聴いて初めてハープシコードに魅了されたというバッハの3つの傑作、ニ短調 BWV1052とヘ短調 BWV1056のハープシコード協奏曲と、ハープシコード、フルート、ヴァイオリンが独奏を担うブランデンブルク協奏曲第5番。ソレルとアポロズ・ファイアは1999年から2004年の間にこれらの作品を録音し、2010年にリリースされたアルバムは、ビルボードのトラディショナル・クラシック・アルバム・チャートのトップ10に初登場しました。録音から25周年を記念して、アニヴァーサリー・エディションとしてこの名録音が新装再発売されました。
「輝かしき断固とした演奏」(アメリカン・レコード・ガイド)、「威風堂々としている」(サンデー・タイムズ - ロンドン)、「まさに壮観」(オーディオファイル・オーディション)などと批評家から絶賛されたソレルの素晴しきソロ・カデンツァをお楽しみください。

Channel Classics
CCS-46724(1CD)
NX-C04
シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO1
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 Op.26
ニーク・バール(Vn)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO
クリストフ・ポッペン(指)

録音:2023年5月30日-6月2日ザールラント放送ハルベルク放送局大スタジオ、ザールブリュッケン
オランダのヴァイオリニスト、ニーク・バールのCHANNEL CLASSICS3枚目のアルバム。デン・ハーグの王立音楽院でフィリップ・グラファン、 ペーター・ブラントらに学んだ後、ベルリンにてシュテファン・ピカールやクリストフ・ポッペンの元でさらなる研鑽を積んだ彼は、オランダ国内はもと より各国のコンクールで入賞を重ねています。今回は師ポッペンの指揮のもと、ドイツのヴァイオリン協奏曲2曲を録音。晩年のシューマンがヨ アヒムのために書いたものの、演奏されず封印され80年以上も陽の目を見なかった作品と、こちらもヨアヒムの助言により改訂された、あらゆ るヴァイオリン協奏曲の中でもトップクラスの人気を誇るブルッフの傑作をカップリングしています。バールはどちらの作品にも深く寄り添い、それ ぞれの美しさを伸び伸びと存分に引き出しました。

Orchid Classics
ORC-100335(1CD)
NX-B06
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.26
ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83*
スチュワート・グッドイヤー(P)
BBC響
アンドルー・リットン(指)

録音:2024年1月3-5日Maida Vale Studios、ロンドン(UK)、2024年1月7日Wyastone Concert Hall, Wyastone Leys(UK)*
2024年のBBCプロムス・デビューを目前に控えたカナダ人ピアニスト、スチュワート・グッドイヤーの最新アルバ ムは、アンドルー・リットン指揮のBBC響とのプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番&第3番、そしてピア ノ・ソナタ第7番という意欲的な選曲です。コロナ禍のパンデミックの頃から企画を温めてきたというこのアルバ ムで、彼はプロコフィエフの音楽に内在する若々しいダイナミズムと活力を引き出しています。

CASCAVELLE
VEL-1701(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第0番変ホ長調 WoO.4【ヴィリー・ヘス 復元版(1943)】
交響曲第10番変ホ長調 【バリー・クーパー版】
カメラータ・ド・レマン
フィリップ・ボアロン(P)
ジュネーヴで活躍するアンサンブルとピアニストによるベートーヴェンの少年期の協奏曲と 未完に終わった交響曲のアルバム。 ピアノ協奏曲はベートーヴェンが13 歳で作曲。残されたピアノ・パートをもとに、スイスのヴィリ ー・ヘスによる補筆完成されたスコア 爽やかな少年期の感性が迸る作品で、演奏 も作品に寄り添ったものです。 交響曲は元々第九と対をなす構想であったが2曲を統一してより高い完成度を目指すものに 方向転換されたので、未完のままスケッチだけが残された。このスケッチを元に、バリー・クー パーが1楽章のみを1988年に復元したものを2012 年に改訂したスコアで演奏した録音。 少年期と後期の2曲のカップリングは、資料的価値が高いだけでなく演奏内容も含めて楽しめ るものになっています。

Hanssler
HC-24035(1CD)
20世紀ハンガリーの作品3篇
(1)ドラティ:ピアノ協奏曲(1974)
(2)シェイベル:組曲「招待状」(1960)
(3)シェイベル:組曲「ルネサンス舞曲」(1959)
(1)オリヴァー・トリンドル(P)
シュターツカペレ・ワイマール、
ドモンコシュ・ヘーヤ(指)

録音:2024年4月10〜13日/オーケストラ練習ホール、ワイマール
ハンガリーが生んだ大指揮者アンタル・ドラティ(1906〜1988)。作曲家としても活躍し交響曲をはじめ多くの作品をのこしました。当アルバムにはドラティ の妻イルゼ・フォン・アルペンハイムに献呈されたピアノ協奏曲を収録。演奏は知られざる室内楽・協奏曲作品の録音に積極的なピアニスト、オリヴァー・トリンド ルです。
カップリングはマーチャーシュ・シェイベル(1905〜1960)の管弦楽作品2篇。シェイベルはナチスの迫害を避けるため1935年に渡英。その後モーリー大学 で後進の育成に力を注ぎながら作曲を続けてきました。1960年、講演のために南アフリカを旅行中に自動車事故で亡くなってしまった悲劇の作曲家。当アルバム にはシェイベル最晩年の作品、組曲「招待状」と組曲「ルネサンス舞曲」を収録しております。 (Ki)

Hanssler
HC-24036(2CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
CD1
(1)ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271「ジュノーム」
(2)ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415【ピアノと弦楽四重奏版】
CD2
(3)ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246「リュッツォウ」
(4)ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414【ピアノと弦楽四重奏版】
ダナ・チョカルリエ(P)
(1)(3)オープン・チェンバー・オーケストラ、ヤイール・ベナイム(指)
(2)(4)ヤイール・ベナイム(Vn1)、ビン・ファム(Vn2)、テオドール・コマン(Va)、ディアナ・リゲティ(Vc)

ライヴ録音:2022年9月29日&2023年3月13日/ベハーグ宮殿内ビザンティン・ホール(フランス)
リパッティ、クララ・ハスキルらの流れをくむルーマニア・ピアノ楽派のダナ・チョカルリエがモーツァルトのピアノ協奏曲をライヴ収録しました!チョカルリエは ルーマニアに生まれ、フランスでジョルジュ・プルーデルマッハー、ドミニク・メルレに師事。1996年のシューマン国際コンクールで第2位を受賞するな ど、輝かしいコンクール受賞歴を誇ります。
当アルバムにはモーツァルトのピアノ協奏曲4篇を収録。第8番「リュッツォウ」と第9番「ジュノーム」ではヤイール・ベナイム率いるオープン・チェンバー・オー ケストラとクリスタルの如く輝かしい音色で奏でます。第12・13番はピアノと弦楽四重奏版で演奏。チョカルリエは編成を考慮しアンサンブルを重視した室内楽 的演奏を披露。編成の違いも楽しめるチョカルリエのモーツァルト、要注目です。 (Ki)

Hanssler
HC-23082(2CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
ミヒャエル・コルスティック(P)
ベルリン・ドイツSO、
コンスタンティン・トリンクス(指)

録音:2023年9月13〜18日/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
ベートーヴェンの協奏曲・ソナタ全曲録音でも知られるドイツの名手ミヒャエル・コルスティックが遂にブラームスの協奏曲を録音しました!
1955年ケルンに生まれたコルスティック。9歳でピアノをはじめわずか2年後の11歳の時には地元ケルンで開かれたコンクールで優勝した神童。ハンス・ラ イグラフ、タチアナ・ニコラーエワら著名なピアニストに師事し、1983年よりドイツを拠点に本格的な演奏活動を開始。以後世界の第一線で活躍しています。演奏 活動40周年となった2023年、68歳のコルスティック満を持してのブラームス録音です。
丁寧な音楽づくりでも定評があるコルスティック。ブラームスの堂々たる重音では力強く、詩情溢れるフレーズでは光り輝く音色で奏でるなど、その演奏は流石 のひとことにつきます。多彩な音色とコルスティックの深い解釈で聴く充実の演奏をお楽しみください。

Hanssler
HC-24028(6CD)
ヘンデル、モーツァルト、バッハ、C.P.E.バッハ
■CD1
ヘンデル:6つの合奏協奏曲Op.3
(1)合奏協奏曲第1番変ロ長調Op.3-1HWV312
(2)合奏協奏曲第2番変ロ長調Op.3-2HWV313
(3)合奏協奏曲第3番ト長調Op.3-3HWV314
(4)合奏協奏曲第4番(b)ヘ長調Op.3-4HWV315
(5)合奏協奏曲第5番ニ短調Op.3-5HWV316
(6)合奏協奏曲第6番ニ長調Op.3-6HWV317
■CD2
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
(3)ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV1052
(4)オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060(2つのヴァイオリンのための協奏曲編)
■CD3
モーツァルト
(1)セレナード第6番「セレナータ・ノットゥルナ」
(2)自動オルガンのためのアダージョとアレグロヘ短調K.594
(3)アダージョとフーガハ短調K.546
(4)セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
■CD4
バッハ:ホルン協奏曲
(1)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ホ長調BWV1053
(2)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ短調BWV1059R(BWV974、BWV35からの再構築版)
(3)ホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ロ長調BWV1055R
■CD5
「バッハ・ファミリーの交響曲集」
(1)ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ニ長調BR-WFBCInc.1【世界初録音】
(2) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲変ホ長調Wq/Hdeest【世界初録音】
(3) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ハ長調Wq/Hdeest【世界初録音】
(4) C.P.E.バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ホ短調Wq177(1759)
(5)ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ:弦楽と通奏低音のための交響曲ニ短調
(6)ヨハン・エルンスト・バッハ:弦楽、2つのファゴットと通奏低音のための交響曲変ロ長調BR-JEBC1【世界初録音】
(7)ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ:2つのヴァイオリン、2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調
(8)バッハ:ヴァイオリン、2つのオーボエ、3つのトランペット、弦楽、ティンパニと通奏低音のためのシンフォニアBWV1045
■CD6
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲集
(1)協奏曲イ短調Wq.1【第1&2楽章のカデンツァ:ミヒャエル・リシェ】
(2)協奏曲ニ長調Wq.45【第1楽章のカデンツァ:C.P.E.バッハ】
(3)協奏曲ホ短調Wq.15
ベルリン・バロック・ゾリステン

■CD1
マルティン・フンダ、アルバロ・パラ、ドリアン・ジョジ、マリー・ラーダウアー=プランク(Vn1)、町田琴和、ライマー・オルロフスキー、クリストフ・シュトロイリ、ラヘル・シュミット(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、クレメンス・ヴァイゲル(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(Cb)、ラファエル・アルパーマン((1)-(5)チェンバロ、(6)オルガン)
(1)マリア・ホセ・ガルシア・サモラ(Fg)
(2)-(6)ギヨーム・サンタナ(Fg)
(3)マチュー・デュフォー(Fl)
クリストフ・ハルトマン、ヴィオラ・オルロフスキー(Ob)
(1)ザスキア・フィッケンッシャー(バロックフルート)
(1)ケルスティン・ファール(バロックフルート)
ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD2
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn)
(4)セルゲ・ツィンマーマン(Vn)
町田琴和、リューディガー・リーバーマン、アレッサンドロ・カッポーネ(Vn1)、ライマー・オルロフスキー、エーファ=マリア・トマジ、ラヘル・シュミット(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、クリストフ・シュトロイリ(Va)、ブリュノ・ドルプレール(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(Cb)、ラファエル・アルパーマン(Cemb)、ダニエル・ゲーデ(Vn、指揮)
■CD3
ロベルト・ゴンザレス=モンハス(コンサートマスター)、町田琴和、ゾルタン・アルマージ、ハンデ・コデン(Vn1)、ドリアン・ジョジ、アンナ・ルイーザ・メーリン、ライマー・オルロフスキー、コルネリア・ガルテマン(Vn2)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、ジョアン・バシュ(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)
(1)ライナー・ゼーガーズ(ティンパニ)
ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD4
ラデク・バボラーク(Hrn)
マルティン・フンダ、ドリアン・ジョジ、ハンデ・コデン、ヘレーナ・オッテンリップス(Vn1)
ライマー・オルロフスキー、アンナ・ルイーザ・メーリン、クリストフ・シュトロイリ(Vn2)
ヴァルター・キュスナー、マシュー・ハンター(Va)
クリスティン・フォン・デル・ゴルツ、ジョアン・バシュ(Vc)
ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)
ラファエル・アルパーマン(Cemb)
■CD5
クシシュトフ・ポロネク(コンサートマスター、(7)(8)独奏ヴァイオリン)
(7)町田琴和(第2独奏ヴァイオリン)、ドリアン・ジョジ、ヘレーナ・オッテンリップス、クリストフ・シュトロイリ、ライマー・オルロフスキー、アンナ・ルイーザ・メーリン、マリー・ラーダウアー=プランク(Vn)、ヴァルター・キュスナー、ユリア・ガルテマン(Va)、ジョアン・バシュ、ファビアン・ボレック(Vc)、ウルリヒ・ヴォルフ(ヴィオローネ)、ラファエル・アルパーマン(Cemb)
(7)(8)クリストフ・ハルトマン、アンドレーアス・ヴィットマン(Ob)
(6)マルクス・ヴァイトマン、ルイーザ・スローザル(Fg)
(8)ラインハルト・フリードリヒ、アンドレ・ショッホ、フェリックスビルデ(Tp)
(8)ライナー・ゼーガーズ(ティンパニ)、ラインハルト・ゲーベル(指)
■CD6
ミヒャエル・リシェ(P&指揮)、ダニエル・ゲーデ(コンサートマスター)、町田琴和、アレッサンドロ・カッポーネ、ヘレナ・マドカ・ベルク(Vn1)、ライマー・オルロフスキー、アンナ・メーリン、アンナ・マッツ(Vn2)
(1)(2)ヴァルター・キュスナー、(3)ウルリヒ・クネルツァー、クリストフ・シュトロイリ(Va)
(1)(2)シュテファン・フォルク、(3)ジョアン・バックス(Vc)
(3)クラウス・ヴァーレンドルフ、(3)アンドレイ・ジュースト(Hrn)

録音:(CD1)2019年1月8〜11日、(CD2)2017年4月、(CD6(1)(2))2017年6月20&21日、
(CD6(3))2017年7月11&12日/イエス・キリスト教会(ベルリン)
(CD3)2021年1月25〜28日、(CD5)2021年4月11〜15日/ベルリン・フィルハーモニー、カンマームジークザール(ベルリン)
(CD4)2020年10月17〜19日/ブラックバード音楽スタジオ、シャルロッテンブルク(ベルリン)
世界最高峰のメンバーが揃ったベルリン・バロック・ゾリステン。当セットは独ヘンスラー・レーベルからリリースされた「ヘンデル:6つの合奏協奏曲 Op.3」、 「バッハ:ヴァイオリン協奏曲」(独奏:フランク・ペーター・ツィンマーマン)、「モーツァルト:セレナード」、「バッハ:“ホルン”協奏曲」(独奏:ラデク・ バボラーク)、「バッハ・ファミリーの交響曲集」、「C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲」(独奏:ミヒャエル・リシェ)の6枚組です!
ヘンデルの6つの合奏協奏曲 Op.3は、小規模ながら管楽器を効果的に取り入れた編成をとり、ヘンデルらしい豊かな旋律に加えて合奏協奏曲ならではの華や かな響きが魅力です。
フランク・ペーター・ツィンマーマン独奏のバッハの協奏曲録音では、息子セルゲとの共演も話題に。有名な2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043ではなく、オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060を2つのヴァイオリン版で演奏したことでも注目されました。
モーツァルトのセレナードではラインハルト・ゲーベルが指揮を務めました。ゲーベルといえばムジカ・アンティクヮ・ケルン(MAK)と1986年から1987年 にかけて録音したブランデンブルク協奏曲の録音。ピリオド楽器演奏における新たな解釈でのアプローチで衝撃を与え、以後革新的な演奏で聴衆を魅了してきまし た。ゲーベルが描くモーツァルトは実に明快です。
ラデク・バボラークを迎えての協奏曲録音はコロナ禍2020年10月に行われました。ホルン協奏曲といってもバッハはホルンのための協奏曲は作曲しておら ず、バボラークがホルンに合わせて移調し編み直した再構築版で演奏しています。ブランデンブルク協奏曲第1番、ミサ曲 ロ短調、カンタータなど、ナチュラルホル ンに素晴らしい旋律を書いているバッハ。バボラークはこれまで無伴奏チェロ組曲やヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタなど数多くの作品に触れてきましたが、バッハ の音楽の一つの結論としてこの“ホルン”協奏曲の録音を実現させました。
大バッハの息子たちヴィルヘルム・フリーデマン(1710〜1784)、カール・フィリップ・エマヌエル(1714〜1788)、ヨハン・クリストフ・フリードリヒ(1732 〜1795)、大バッハの甥ヨハン・エルンスト(1722〜1777)、大バッハの再従兄ヨハン・ルートヴィヒ(1677〜1731)、そして大バッハ自身の作品を収録し た「バッハ・ファミリーの交響曲集」。このうち4曲が世界初録音という実に興味深い内容です。
C.P.E.バッハの鍵盤協奏曲ではミヒャエル・リシェが独奏を務めました。リシェは鮮烈な世界をセンセーショナルに表現しており、ベルリン・バロック・ゾリステ ンと絶妙なアンサンブルを作り上げております。

オクタヴィア
OVCL-00851(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価

2024年8月28日発売
モーツァルト&ハイドン:協奏交響曲
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K. 364
 コンサートアリア「ああ、やさしい星よ、もし天に」K.538
 ディヴェルティメント第11番ニ長調K.251より第3楽章
ハイドン:協奏交響曲変ロ長調Hob.I:105
アンサンブルof トウキョウ【青山聖樹(Ob)、ダーク・イェンセン (Fg)、玉井菜採(Vn)、大野かおる(Va)
河野文昭(Vc)】

2022年5月11日東京文化会館小ホール、2023年10月27日紀尾井ホール・ライヴ
ふたつの協奏交響曲は、玉井菜採と大野かおるの交歓が心地よい モーツァルトと、名手たちのソロが光るハイドン。 さらに「リュクスで高貴な協奏曲」と題された2022年5月のアンサン ブルofトウキョウの公演から、伸びやかに歌い上げる青山聖樹による コンサートアリア、アンコールとして演奏されたディベルティメン

Solo Musica
SM-398(1CD)
NX-B06
オーロラ - グリーグ:ピアノ協奏曲、ペール・ギュント組曲(4手ピアノ版) 他
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
ヒャウルマル・ヘルギ・ラグナルソン:スティッラ
グリーグ:ペール・ギュント組曲第1番Op.46 (4手ピアノ版)*
 ペール・ギュント組曲第2番Op.55(4手ピアノ版)*
マルガリータ・ヘーエンリーダー(P)
北西ドイツPO
ジョナサン・ヘイウォード(指)
アンティ・シーララ(P)*

録音:2022年1月 ドイツ・ヘルフォルト、2022年12月 ドイツ、ポリング
1981年ブゾーニ国際ピアノ・コンクールで優勝を果たし、世界の著名な指揮者らと共演、現在はミュンヘン音楽・演劇大学で教鞭を執るマルガリータ・ヘー エンリーダーのグリーグ・アルバム。メインのピアノ協奏曲では、ヘイウォードが指揮する北西ドイツPOをバックに雄大な旋律を存分に 歌い上げています。『ペール・ギュント組曲』はグリーグ自身の4手ピアノ編曲版を演奏。共演のアンティ・シーララは1997年のベートーヴェン(ウィーン)と 2003年リーズのコンクールの優勝者。現在はヘーエンリーダーと同じ大学で教える同僚でもあり、極めて息のあった演奏が楽しめます。 アルバムには、アイスランドの作曲家ヒャウルマル・ヘルギ・ラグナルソンの「スティッラ」も収録。これは以前、ヘーエンリーダーが左手のための曲を探していた時 に、彼女のために書かれた曲で、アイスランドの薄緑色の苔で覆われた火山の風景、氷河、そして広大で静かな風景からインスパイアされた魅力的な作品 です。

Etcetra
KTC-1809(1CD)
コンチェルト・グロッソ
エリク・デシンペラーレ(b.1990):ノルウェー民謡の旋律による組曲より 第2曲「Aa Lensmand」
ピアソラ:天使の協奏曲より 第1曲「天使への序奏」*
ピート・スヴェルツ(b.1960):Retro
ピアソラ:天使の協奏曲より 第2曲「天使のミロンガ」*
ピーテル・シュールマンス(b.1970):コンチェルト・エメルソ
ピアソラ:天使の協奏曲より 第3曲「天使の死」*
イェルン・ドー(b.1968):Prayer
ピアソラ:天使の協奏曲より 第4曲「天使の復活」*
(*=編曲:ロルフ・グプタ
バンドネオン・パートのサクソフォンへのトランスクリプション:クルト・ベルテルス)
アタネレス・アンサンブル、
クゴーニ・トリオ、
ピーテル・シュールマンス(指)
フランドルの弦楽オーケストラ「アタネレス・アンサンブル」と、ピアノ、ヴァイオリン、サクソフォンというユニークな編成で活動するベルギーの「クゴーニ・トリオ」が初のジョイント・アルバムをリリース。クゴーニ・トリオの独創的なサウンドとアタネレス・アンサンブルの弦楽器が刺激的な対話を繰り広げ、バロック時代の器楽ジャンルであるコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)の現代的な解釈を提供します。
クゴーニ・トリオのサクソフォニスト、クルト・ベルテルスによって、バンドネオンからサクソフォンへとトランスクリプションされたピアソラの「天使4部作」(天使の協奏曲)にも注目。

Ars Produktion
ARS-38660S(1CD)
モーツァルト&J.C.バッハ:OPUS V
モーツァルト:協奏曲T
K.107(21b)-1(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-2)
J.C.バッハ:ソナタ Op.5-1
モーツァルト:協奏曲V K.107(21b)-3(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-4)
J.C.バッハ:ソナタ Op.5-5、ソナタ Op.5-6
モーツァルト:協奏曲U K.107(21b)-2(原曲:J.C.バッハのソナタ Op.5-3)
イネス・モレノ・ウンシージャ(ハープシコード)、ミヌエ・アンサンブル〔吉田爽子(Vn)、阪永珠水(Vn)、ヨハネス・コフラー(Vc)〕

録音:2024年6月24日-28日、スイス
1995年マドリッド生まれの若きハープシコード奏者イネス・モレーノ・ウンシージャは、世界有数の古楽系撥弦楽器の名手であり音楽学者としても高名なホセ・ミゲル・モレーノ(Glossaレーベルの共同創設者)を親に持ち、バロック・ヴァイオリン&ヴィオラの名手エミリオ・モレーノ(18世紀オーケストラの首席ヴィオラ)を叔父に持つ音楽一家で幼少期から古楽や母国スペインの音楽に触れ、スイスのバーゼル・スコラ・カントルムでアンドレア・マルコンらの薫陶を受け、2018年にスペインの若手音楽家のコンクールで第1位を獲得するなど、様々な国際コンクールで入賞を続けています。
スペインの鍵盤音楽の300年をたどるという意欲的なアルバム(Opus Klassik Awards2024ヤング・タレント・オヴ・ザ・イヤー・ノミネート)で衝撃のデビューを果たした彼女がセカンド・アルバムに選んだのは、モーツァルトとJ.C.バッハ!
大バッハの末子であるヨハン・クリスティアン・バッハは、モーツァルトが心から評価し、崇拝さえした数少ない同時代の作曲家の一人でした。1766年に出版されたJ.C.バッハの「ソナタ集 Op.5」はモーツァルトに非常に気に入られたようで、数年後には6曲のうち3曲が協奏曲に編曲されました。
イネス・モレーノ・ウンシージャはモーツァルトが編曲した第2曲、第3曲、第4曲と、J.C.バッハのオリジナルであるソロ・ソナタの第1曲、第5曲、第6曲を組み合わせて、ユニークな「OPUS V」のアルバムを完成させました。協奏曲といっても伴奏はヴァイオリン2台とチェロだけのシンプルな編成で、吉田爽子、阪永珠水といった日本の名手と、アンサンブル・マティスやバッハ・コンソート・ウィーン等のメンバーとして活躍する南チロル出身のバロック・チェリスト、ヨハネス・コフラーが参加しています。
Ars Produktion
ARS-38374S(1SACD)
日本語解説付き
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲集 Vol.3
ファゴット協奏曲イ短調 RV.500/歌劇 「ティートゥス・マンリウス」 RV.738より アリア「ローマがこのルチオの目に」/シンフォニア ハ長調 RV.112/歌劇 「ダリオの戴冠」 RV.719 より アリア「恋するあなたの心に」/ファゴット協奏曲ト長調 RV.494/歌劇 「エジプトの戦場のアルミーダ」 RV.699より アリア「いちど悪行の道へ踏み出した者は」/歌劇 「セミラーミデ」 RV.733より アリア「メガーラの松明を掲げ」/弦楽と通奏低音のための協奏曲ト長調 RV.157/歌劇 「ファルナーチェ」 RV.711より アリア「氷のように冷たい血が」/歌劇 「ティト・マンリオ」 RV.738より アリア「戦功にはやる心に」
福井美穂(バロック・ファゴット)
ドミニク・ヴェルナー(Bs-Br)、アンサンブルF〔川原千真(Vn1)、三輪真樹(Vn2)、宮崎桃子(Va)、田崎瑞博(Vc)、菅間周子(ヴィオローネ)、タクミ・ヒラツカ(ヴィオローネ)、能登伊津子(Cemb)、佐藤亜希子(テオルボ)〕

録音:2022年11月8日-11日、三鷹市芸術文化センター(日本)
2014年、2018年にリリースされたヴィヴァルディ・アルバムに続く第3弾では、39曲ものファゴット協奏曲を書いたというヴィヴァルディのファゴット協奏曲からのセレクションと、ファゴットのレパートリーと関わりの深い、オペラからの抜粋によるバスのためのアリアなどを取り上げています。ライプツィヒの国際バッハ・コンクール声楽部門第1位(2002年)、および、ライプツィヒ・バッハOから特別賞を受賞し、ここ日本では、バッハ・コレギウム・ジャパンとも度々共演をしている世界的バス・バリトン歌手、ドミニク・ヴェルナーと日本古楽界を牽引する第一線級の演奏家たちによる力演を、SACDハイブリッド・マルチチャンネルによる高品質録音でお贈りします。

Anaklasis
ANA-030(1CD)
ヨアンナ・フヌク=ナザロワ:イル・テンポ・パッサ
ヨアンナ・フヌク=ナザロワ(b.1949):前奏曲と大フーガ 「カタストロフ」(大SO、ボーイ・ソプラノとフック・ハープのための)(2019)/Morze ?rodziemne, ?egnaj. Proba rekonstrukcji(2本のギターと室内オーケストラのための)(1986)/Nie odwracaj si?! Dyptyk(2本の独奏フルートと室内オーケストラのための)(2022)/イル・テンポ・パッサ. パッサカリア(大SOのための)(2020)/ひばり協奏曲(アンプリファイド・ハープシコードと室内オーケストラのための)(2023)
バルトウォミエイ・ドゥダ(Boy-S)、アグニエシュカ・カチマレク=ビアリツ(フック・ハープ)、ヤクブ・モロジンスキ(G)、マレク・ノサル(G)、アガタ・キエラル=ドゥゴシュ(Fl)、ウカシュ・ドゥゴシュ(Fl)、フゴ・ドゥゴシュ(Tp)、アレクサンドラ・ガイェツカ=アントシエヴィチ(ハープシコード)、シレジア室内O、ピオトル・プワフネル(指)、シレジア・フィルハーモニーSO、ヤロスラフ・シェメト(指)

録音:2023年11月〜2024年2月(カトヴィツェ、ポーランド)
1945年にクラクフで設立されたポーランド最大級の音楽出版社「ポーランド音楽出版社(PWM Edition)」が運営するレーベル「Anaklasis(アナクラシス)」。20世紀と21世紀のポーランドの作曲家の業績を紹介する「PORTRAITS」シリーズから、作曲家としてはもとより教育学、政治の分野でも多大な功績を挙げているポーランドの偉大な人物、ヨアンナ・フヌク=ナザロワ(b.1949)の管弦楽作品集が登場!2010年に亡くなった母国の偉大な作曲家、ヘンリク・ミコワイ・グレツキを偲んで捧げられた2023年の新作「ひばり協奏曲」をはじめ、クラクフ・フィルやカトヴィツェのポーランド国立放送響の指揮台にも立つなど優れた指揮者でもある彼女が作り上げた、大小様々な管弦楽のためのセレクションです。

Gramola
GRAM-99328(1CD)
NX-C05
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
 ヴァイオリンとピアノのための5つの小品 Op. 81
 田園舞曲 Op.106- 第1曲
 ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op. 115
 夜想曲 Op.51No.3
フランツ・フォン・ヴェチェイ(1893-1935):悲しきワルツ
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
ロイヤルPO
ドロン・サロモン(指)
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2022年7月7日、2023年2月27日
ザルツブルクを拠点に活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー。このアルバムでは、彼が長年にわたり録音を望んでいたというシベリウ スのヴァイオリン協奏曲を中心に構成。協奏曲ではドロン・サロモンが指揮するロイヤルPOとともに白熱した演奏を聴かせ、小品では 一転、作品の抒情的な美しさを表現しています。アルバムの最後には、シベリウスから「ヴァイオリン協奏曲」を献呈されたフランツ・フォン・ヴェチェイの「悲しき ワルツ」が収録されています。


Hanssler
HC-23015(6CD)
「イン・メモリアム Vo.2」

■CD1
(1)シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129
(2)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102
(3)チャイコフスキー:カプリッチョ風小品 ロ短調 Op.62
(4)ルトスワフスキ:チェロと弦楽オーケストラのためのメタモルフォーゼより「グラーヴェ」

■CD2
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191
(2)ブロッホ:ヘブライ狂詩曲『シェロモ』
グバイドゥーリナ:チェロ、バヤンと弦楽合奏のための『7つの言葉』より第7曲「今日、あなたは私と共に楽園に入る」、第8曲「わが神,なんぞわれを見棄てし?」

■CD3
(1)ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 Op.65
(2)ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40
シュニトケ:チェロ・ソナタ第1番

■CD4
(1)メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49
シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調 Op.100, D.929より第2楽章「アンダンテ・コン・モート」
(2)ツェムリンスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調
(3)ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
(4)ヤナーチェク:おとぎ話
(5)シェーンベルク:鉄の旅団

■CD5
(1)ベートーヴェン:モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
(2)シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
(3)ブラームス:6つのリート Op.86より第2曲「野の寂しさ」
ブラームス:5つのリート Op.94より第4曲「サッフォー風頌歌」
ブラームス:5つのリート Op.105より第1曲「調べのように私を通り抜ける」
(4)チャイコフスキー:6つの小品 Op.19より第4曲「夜想曲」
(5)ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 Op.65, B.130より第3楽章「ポーコ・アダージョ」
(6)ブルッフ:8つの小品 Op.83より第6曲 ト短調「夜想曲」
(7)フォーレ:悲歌 Op.24
(8)ドビュッシー:忘れられたアリエッタより第2曲「私の心に涙が落ちる」
エリセンダ・ファブレガス(1955〜):アルハンブラの夜
(10)ヒラリー・タン(1947〜):リーフ
(11)カザルス:鳥の歌

■CD6
(1)バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
(2)クープラン(バズレール編):コンセールのための5つの小品より第4曲「嘆き」
(3)ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番ニ長調「幽霊」 Op.70, No.1
(4)シューベルト:水の上で歌う Op.72D.774
シューベルト:白鳥の歌 D.957より第4曲「セレナード」
シューベルト:夜と夢 Op.43-2D.827
シューベルト:エレンの歌第3番「アヴェ・マリア」D.839 Op.52-6
(5)ポッパー:ハンガリー狂詩曲 Op.68
フランソワーズ・グローベン(Vc)

■CD1
(1)NHKSO、ウーヴェ・ムント(指)
録音:1996年8月26日(ライヴ)サントリーホール(東京)
(2)カリン・アダム(Vn)
ルクセンブルクRSO)、レオポルド・ハーガー(指)
録音:1995年11月9日(セッション)ルクセンブルク大劇場(ルクセンブルク)
(3)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2003年10月10日(ライヴ)ヒポ・フェラインス銀行内ホール(ルクセンブルク)
(4)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2011年3月12日(ライヴ)キューブ521、マルナッハ、クレルヴォー(ルクセンブルク)
■CD2
(1)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指)
録音:2005年5月4日(ライヴ)メッツ・アルナセル(フランス)
(2)ルクセンブルクPO、デヴィッド・シャローン(指)
【原盤:BGL(1999)】
●マウリツィオ・スピリディリオッツィ(バヤン)
ルクセンブルクPO、ヴェルナー・エールハルト(指)
録音:2006年4月2日(ライヴ)フィルハーモニー・ルクセンブルク(ルクセンブルク)
■CD3
(1)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2000年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
(2)イヴァン・ガヤン(P)
録音:1990年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
■CD4
(1)グラフ・ムーリャ(Vn)、ペーター・ラウル(P)
録音:2005年7月7日(ライヴ)カンブレー劇場(フランス)
(2)マヤ・コッホ(Vn)、イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:1998年11月26日(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)
(3)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2008年11月11日(ライヴ)キューブ521、マルナッハ、クレルヴォー(ルクセンブルク)
(4)ライナー・ゲップ(P)
録音:2007年(ライヴ)ボーデン湖音楽祭(ドイツ)
(5)トーマス・ブランディス(Vn)、マルコ・リッツィ(Vn)、ステファン・フェーラント(Va)、フリーデマン・リーガー(P)
録音:1999年7月29日(ライヴ)北ドイツ放送内スタジオ、ヒッツアッカー(ドイツ)
■CD5
(1)イヴァン・ガヤン(P)
録音:2000年10月8日(ライヴ)ヴィラ・ルヴィニー(ルクセンブルク)
(2)小川典子(P)
録音:1996年8月(ライヴ)シューベルティアーデ、フォアアールベルク(オーストリア)
(3)イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:2004年(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)【原盤:ARS Produktion38435.(2004)】
(4)ローザンヌ室内O、ニコラ・ブロシュ(指揮
録音:2003年10月10日(ライヴ)ヒポ・フェラインス銀行内ホール(ルクセンブルク)
(5)グラフ・ムーリャ(Vn)、ペーター・ラウル(P)
録音:2004年7月14日(ライヴ)カンブレー劇場、ユベントス(フランス)
(6)ロナルド・ファン・スパンドンク(Cl)、ペーター・ラウル(P)
録音:2006年3月26日(ライヴ)シルダール(ルクセンブルク)
(7)ライナー・ゲップ(P)
録音:2005年5月28日(ライヴ)マーブルタウン、ニューヨーク(アメリカ)
(8)イラ・マリア・ヴィトシンスキ(P)
録音:2004年(ライヴ)カールスルーエ音楽大学(ドイツ)
(9)マイニンガー・トリオ【クリストファー・マイニンガー(Fl)、フランソワーズ・グローベン(Vc)、ライナー・ゲップ(P)】
録音:2005年(セッション)ロンドン【原盤:Profil PH-05019】
(10)クリスティアーネ・マイニンガー(Fl)
録音:2005年(セッション)ロンドン【原盤:Profil PH-05019】
(11)小林由佳(P)
録音:1991年12月9日(ライヴ)カザルスホール(御茶ノ水)
■CD6
(1)録音:1991年12月9日(ライヴ)カザルスホール(御茶ノ水)
(2)小林由佳(P)
録音:1991年2月3日(ライヴ)ブールリンシュター(ルクセンブルク)
(3)グラフ・ムーリャ(Vn)
ペーター・ラウル(P)
録音:2006年8月(ライヴ)カンブレー劇場、ユベントス(フランス)
(4)小川典子(P)
録音:1996年8月28日(ライヴ)シューベルティアーデ、フォアアールベルク(オーストリア)
(5)小林由佳(P)
録音:1991年11月28日(ライヴ)いずみホール(大阪)
ルクセンブルクが生んだ名チェリスト、フランソワーズ・グローベン。2011年5月28日、40代半ばで急逝し、その訃報は世界のクラシック・ファンを悲しませ ました。
グローベンは、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーSO、エルサレムSO、グルジア室内O、チューリッヒ室内O、ルクセンブルク・フィ ルハーモニーOなどのオーケストラと、ダニエル・ハーディング、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、エフゲニー・スヴェトラーノフといった名指揮者と共 演し、ソリストとして活躍。また1997年から2003年までトーマス・ツェートマイアーが第1ヴァイオリンをつとめるツェートマイアー・クァルテットのチェロ奏者 を務めるなど、室内楽の名手としても活躍しました。
父ジョゼフ・グローベン(1935〜)が娘フランソワーズの貴重な録音を後世にのこしたいという強い思いから独ヘンスラー社と共同でCD化を実現(ジョゼフ・ グローベンはルクセンブルクの高名な作家で、娘をルクセンブルクから世界へ活躍する音楽家に育て上げた人物)。歿後10年を迎え、2022年に「イン・メモリアム」 (6CD / HC-22021)をリリースしました。「イン・メモリアム」のリリースから2年。貴重な初出音源を数多く含む第2弾「イン・メモリアム Vo.2」が6枚組で リリースされます。
「イン・メモリアム Vo.2」にはドヴォルザーク、シューマン、ブラームス(二重協奏曲)の協奏曲、ショパン、ショスタコーヴィチ、シュニトケのソナタなどを収録。 また、小川典子や小林由佳と共演した貴重な音源もこの度CD化されました。今もなお愛され続けるグローベンの情熱的な演奏。多くのファンを魅了し続ける音楽 をご堪能ください。 ※ここに収録されたライヴ音源の一部はプライベート・アーカイヴのため音質のばらつきがございます。予めご了承ください。

ACCENT
ACC-24403(1CD)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041(独奏:モニカ・ワイズマン)
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042(独奏:フロリアン・ドイター)
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 BWV1060R
フロリアン・ドイター(Vn 、指 揮 )
モニカ・ワイズマン(Vn 、指)
アルモニー・ウニベルセル

録音:2022年5月30日-6月2日/ドイツ、ホンラート教会
マラン・メルセンヌによる17世紀の音楽理論書「Harmonie Universelle 宇宙の調和」から名をとった古楽アンサンブル、アルモニー・ウニベルセル。フロリ アン・ドイターとモニカ・ワイズマン、ふたりのヴァイオリニストがリーダーを務める楽団です。そのポテンシャルを最大限に生かしたバッハのヴァイオリン協奏曲集 が登場。
モニカ・ワイズマンはアルゼンチン生まれで、アメリカで学びオランダへと渡り活動しました。一方フロリアン・ドイターはドイツの音楽一家に生まれ、ムジカ・ア ンティクヮ・ケルンに長年在籍。対照的なキャリアをもつ演奏家と言えます。さらにメンバーの出身もイタリア、ハンガリー、フランス、オーストリア、イギリス等々さ まざまで、異なるバックボーンを持つ人々が集い調和をつくりあげるというスタンスが大切にされています。
少人数の演奏ですが大変濃密なアンサンブル。ソロの技巧も全体の調和から離れすぎることなく、バッハが芸術的に織り込んだ対位法の綾がいきいきと輝きま す。通奏低音にはファゴットが加えられ、重心の深い、かつ潤いのある響きを創造。ヴァイオリンとオーボエで演奏されることの多いBWV1060Rもこのふたりの ヴァイオリンだと聴き応えあり!前半2曲では名手フランチェスコ・コルティがチェンバロを弾いているのも注目です。 (Ki)


Treasures
TRE-319(1CDR)


Branka Musulin
ブランカ・ムスリン/ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11*
ピアノ協奏曲第2番へ短調Op.21*#
練習曲Op.25-7/Op.25-3
ブランカ・ムスリン(P)
ハインツ・ワルベルク(指)バンベルクSO*
ウィルヘルム・シュヒター(指)ベルリンSO#

録音:1960年代初頭*、1963年7月4-5日#、1964年10月3日(全てステレオ)
※音源:日KING SH-5242*,#、日KING SR-5052#
◎収録時間:77:03
“成熟した精神の昇華力で甘美なショパン像を打破!”
■音源について
独Eurodisc録音。使用したのは60年代後半のキング盤。ムスリンは1953年にも2つの協奏曲を録音しており、これは再録音。

★ザグレブ出身の女流ピアニスト、ブランカ・ムスリン(1920-1975)の貴重なステレオ録音。地元のの音楽院で学んだ後に、パリではコルトーやルフェーブルの薫陶も受けていますが、1958年からはフランクフルト音楽院での教育活動にも力を注いだせいか、遺された録音はごく僅か。
ムスリンの2つのピアノ協奏曲の旧録音ではかなり奔放な表現を発散していましたが、ここではそのピアニズムは格段に成熟。情緒的な表現は師のコルトーを思わせる点もありますが、あくまでも作品の造形美を基調として旋律線の隈取を明確に出するタイプで、普遍的な価値を持つ逸品!
「第1番」のソロの出だしは何の思わせぶりな態度を取らず、単刀直入に打鍵。第1主題に移っても音像が霞むことなく、凛とした風情を保持。第2主題でやっと表情が和らぎますが、その微かな微笑みと語らいは心に染み入ります。展開部では、内面に精神的な強さを湛えたフレージングのセンスが活き、甘美な雰囲気に流されない輝かしい推進性に引き込まれます。第2楽章開始すぐ、1:22からの長い余韻にたっぷり詰まったロマンはどうでしょう!この感性こそロマン派作品を演奏する上での必須条件だと叫びたくなります。過剰なアゴーギクを避けたつつも微妙な感情の揺れに即応したテンポの揺れと色彩の選択も見事。6:53以降の風格美と装飾音を含む細かい走句の描き出しはまさに名人芸。終楽章冒頭テーマは、付点16分音符もしっかり弾き上げながら(旧録音は16分音符で弾いている)、窮屈感が皆無という理想形を実現!
 「第2番」も同様のスタイル。傑出しているのは第2楽章で、孤高の空気感の中での結晶化されたタッチが繊細に息づく様には言葉も出ません。暗雲立ち込める中間部での確信溢れるタッチは聴く者に勇気を与え、後半では「大丈夫!」と背中を押してくれるような不思議な力を感じます。終楽章の1:10からは細かい音符が連続しますが、音の粒を揃えようとすると途端に機械的に響いてしまう昨今のピアニストとの格の違いを痛感。
 演奏家の表現への意欲が少しづつ変な方向に向かってしまっている気がしてならないのですが、作品の魅力を説明調でもなく聴き手に媚びるわけでもなく丁寧にあぶり出すかつての真摯な演奏を今こそ意識的に掘り返して耳を傾けるべきではないでしょうか?【2024年7月・湧々堂】

ONDINE
ODE-1436(1CD)
NX-B10
マグヌス・リンドベルイ(1958-):ヴィオラ協奏曲、他
ヴィオラ協奏曲(2023-24)
不在(2020)
セレナード(2020)
ローレンス・パワー(Va)
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2023年9月、2023年12月、2024年2、3月
今や母国フィンランドにとどまらず世界の現代音楽シーンの重鎮的存在となっているマグヌス・リンドベルイの近作を集めたアルバム。 リンドベルイはパルシヴかつ激しく、時に爆発的なサウンドを用いた先鋭的な作風で知られてきましたが、近年は重厚なサウンドはそのままに調性感を持ちロマ ンティックな趣を加えたスタイルに変化しつつあり、その動向がますます注目されています。ヴィオラ協奏曲は7つの部分からなる演奏時間33分ほどの大作。ソ リストは分厚いオーケストラと渡り合いつつ、随所で高度なテクニックを求められます。ここではローレンス・パワーが見事に重責を果たしています。 ベートーヴェン生誕250年の記念にロッテルダム・フィルから委嘱された「不在」は、ベートーヴェンの楽曲のモチーフを随所に引用した演奏時間11分余りの作 品。特に「不在」をテーマにしたピアノ・ソナタ第26番「告別」の旋律が効果的に使われています。シカゴSOの委嘱作「セレナード」についてリンドベルイ は、ゆったりとした穏やかな音楽ではなく「ワイルドなセレナードだ」と語っています。マーラーの「夜の歌」のスケルツォを参照したとも語り、また曲の終わり近くには ベートーヴェン作品の引用も聞かれます。演奏時間17分余り、大規模で力強く起伏に富んだ異色のセレナード。 フィンランドRSOと2021年から楽団の首席指揮者を務めるニコラス・コロンがパワフルかつ切れ味の良い演奏を展開。優秀録音で評価の高いベテ ラン、エンノ・マエメツが録音とマスタリングを担当しており、オーディオ的にも楽しみな1枚です。

C Major
76-6508(DVD)

76-6604(Bluray)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調op.77
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV1002〜サラバンド(アンコール)
ニールセン:交響曲第5番op.50
ヘルベルト・ブロムシュテット(指)VPO
レオニダス・カヴァコス(Vn)

収録:2023年3月、ウィーン楽友協会大ホール(ライヴ)
◆DVD
画面:NTSC16:9
音声:PCMステレオ、DTS5、リージョン:All
DVD9、93分
◆Bluray
画面:1080i16:9FullHD 
音声:PCMステレオ、DTS-HD MA5.1
リージョン:All
BD25、93分
C-majorレーベルの注目の映像シリーズ「ウィーン・フィル定期演奏会(The Exclusive Subscription Concert Series)」第2弾がリリース!指揮はブロ ムシュテット、ソリストにカヴァコスを迎えブラームスのヴァイオリン協奏曲およびニールセンの交響曲第5番を演奏した2023年3月の映像です。 ウィーン・フィルの定期演奏会は、土曜と日曜とソワレ(平日)の3種類あり、すべて会員制ですので一般販売はありません(定期会員枠のチケットが余った場合の み、一般に向けて販売あり)。ウィーン・フィルの定期会員になるには、会員枠に空きが出ないと会員にはなれませんし、現在その待ち時間は10年以上といわれて います。さらに会員権を取得するには、ウィーン・フィルに手紙を書き入会の意思を伝える必要があります。ウェイティング・リストは毎年春に更新されるため、空き が出るまで手紙を書き続け、空きが出たときに晴れて定期会員となれるという、非常に特別なコンサートなのです。本作は、その入手困難のコンサートが映像で観ら れる、大変貴重な映像シリーズです。 今回は、ウィーン・フィルの名誉会員である大巨匠ヘルベルト・ブロムシュテットが登場。ブロムシュテットは、2011年1月にニコラウス・アーノンクールの代役で ウィーン・モーツァルト週間の演奏会で初共演以来、数々の名演を披露しています。プログラムはレオニダス・カヴァコスをソリストに迎えてのブラームスのヴァイオ リン協奏曲、そしてニールセンの交響曲第5番という内容。2021年10月にN響と共演した際にも同じ内容のプログラムであったことは記憶に新しいでしょう。研 ぎ澄まされたカヴァコスの美音、そして芳醇なオーケストラの響きは最高峰の演奏と言えるでしょう。またブロムシュテット得意のニールセン。第一次世界大戦の影 響が色濃く反映した交響曲第5番。緻密で複雑な構成をもつ作品でニールセンの最高傑作との呼び声高く、ブロムシュテットのさすがの手腕を発揮しています。 (Ki)

ATMA
ACD2-2885(1CD)
アマデウスと皇妃 〜モンジュルーとモーツァルト
エレーヌ・ド・モンジュルー(1764-1836):ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
 序曲『皇妃』(マテュー・ルシエによるモンジュルー作品の管弦楽編)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
エレーヌ・ド・モンジュルー:練習曲集『ピアノ教育のための完全教程』より 第19番ヘ長調 / 第107番ニ短調 / 第73番ニ長調 / 第26番ト長調 / 第111番ト短調
同曲集より 第26番『無言歌』(マテュー・ルシエによるピアノと弦楽合奏のための編曲版)
エリザベート・ピオン(フォルテピアノ;1826年製ブロードウッド)
マテュー・ルシエ(指)
アリオン・バロックオーケストラ

録音:2023年10月9・10日/ケベック、ミラベル、聖オーギュスタン教会
モーツァルトと同時代に活躍した女性作曲家エレーヌ・ド・モンジュルー。侯爵と結婚し「L'Imperatrice」(皇妃)と人々から呼ばれていた彼女はピアノを得意 とし、ロマン派を呼び込むような作品を残しました。
モンジュルーのピアノ協奏曲第1番は、面識のあったヴィオッティのヴァイオリン協奏曲をピアノ用に編曲したもの。第6番の第1・2楽章と第4番の第3楽章を、 調性を変えて並べています。ピアノの特徴を生かした音数と旋律に変更された独奏部はもちろん、オーケストレーションにも手を加え、まるでオリジナル作品のよう な完成度。併録されたモーツァルトの第24番とのバランスからも、モンジュルーの筆の凄さが分かるでしょう。
練習曲集『ピアノ教育のための完全教程』は完全にロマン派の世界。煌びやかな技巧とたっぷりの歌心に満ちています。モンジュルーの様々な作品から素材を とって編まれた序曲『皇妃』も音楽の豊かさに驚かされます。
ATMA
ACD2-2851(1CD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1&2番
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb:1
 チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob. VIIb:2
ジャック・エテュ(1938-2010):チェロと弦楽合奏のためのロンド Op.9
キャメロン・クロズマン(Vc)
ニコラス・エリス(指)
レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワ

録音:2023年6月13-15日/ケベック、パレ・モンカルム
カナダのチェリスト、キャメロン・クロズマンによるハイドンの協奏曲集。颯爽としていてのびやかな佳演です。カデンツァはクロズマン本人によるもの。カナダの 作曲家ジャック・エテュによる愉悦リズム炸裂の『ロンド』をカップリング。

Orlando Records
OR-0054(1CD)
コペル、シュミット、ベンソン:クラリネット協奏曲集
ヘアマン・D・コペル
(1908-1998):クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲 Op.35
オーレ・シュミット(1928-2010):クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲
ニルス・ヴィゴ・ベンソン(1919-2000):独奏クラリネットと小器楽アンサンブルのための室内協奏曲 Op.578
ジョン・クルーゼ(Cl)、オールボーSO、フリードリク・ビューシュテット(指)

録音:2023年6月12日-16日、ミュージック・ハウス(オールボー、デンマーク)
1989年からオーデンセSOの首席クラリネット奏者を務めた後、2005年の夏からはデンマーク王立Oの首席クラリネット奏者を務めるデンマークの名手ジョン・クルーゼが紹介する、デンマークの作曲家たちによるクラリネット協奏曲集。ジャズの影響も見られるコペルやO.シュミット、そして4つの楽章がユニークな音楽言語を提示するベンソンの作品は、それぞれがデンマークの豊かな音楽の伝統を強調する傑作といえるでしょう。

Avie
AV-2688(1CD)
ジ・アイリッシュ・シーズンズ〜マクドナー&ヴィヴァルディ
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」
アルバ・マクドナー(b.1982):アイルランドの四季(世界初デジタル録音)
リンダ・オコナー、
アナムス(オーケストラ)、
デイヴィッド・ブロフィー(指)

録音:2022年11月、ウィンドミル・レイン・スタジオ(ダブリン)
RIAM(アイルランド王立音楽アカデミー)でヴァイオリンを教えているリンダ・オコナーのデビュー・レコーディング。彼女の「音楽のソウルメイト」でもあるというアイルランドのコンポーザー=チェリスト、アルバ・マクドナーの「アイルランドの四季(The Irish Four Seasons)」を世界初デジタル録音し、ヴィヴァルディの傑作「四季」と組み合わせて世に放ちます。
2022年にリンダ・オコナーによって初演された「アイルランドの四季」は、バロック様式とアイルランド文化の巧みな融合が果たされた作品。ヴィヴァルディの印象的な旋律にインスピレーションを受けた新しいアイルランドのメロディーを導入し、バロックの不朽の名作と肩を並べる刺激的で感動的な音楽が生み出されています。
小編成のオーケストラ「アナムス(Anamus)」は、リンダ・オコナーによってこのアルバムのために結成されたアンサンブル。指揮は、RTEコンサート・オーケストラの首席指揮者も務めたアイルランドの指揮者、デイヴィッド・ブロフィーです。

Fineline
FL-72418(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
ニコライ・ルガンスキー(P)、
ロシア国立SO、
イワン・シュピレル(指)

録音:1995年、モスクワ音楽院大ホール(ロシア)
かつてChallenge Classicsレーベルよりリリースされていた、ニコライ・ルガンスキーが1995年に録音したラフマニノフのピアノ協奏曲第3番&第4番がFinelineレーベルからリイシュー!
チャイコフスキー国際コンクールで最高位(1位なしの2位)に輝いた翌年、波に乗るルガンスキーが臨んだこのレコーディングは、若きエネルギーを感じさせつつすでにラフマニノフを得意とする彼らしい端正な音楽性、きわめて高い技巧を兼ね備えた名演奏。イワン・シュピレル&ロシア国立SOのスケールの大きな好サポートも相まって、ルガンスキーの数あるレコーディングの中でも特筆すべき1枚といえるでしょう。

IBS CLASSICAL
IBS-72024(1CD)
NX-B10
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58

※全てヴィンツェンツ・ラハナーによる弦楽オーケストラ伴奏版
ツ・ユー・ヤン(フォルテピアノ)
ロバート A.ブラウンによる復元楽器
1806年 Michael Rosenberger製…第3番
1815年頃 Jacob Bertsche製…第4番
ヴァン・スヴィーテンス(古楽器使用)
ティボー・バック・ド・スラニ(指)

録音:2022年10月22-23日、2022年2月24-25日
ヴィンツェンツ・ラハナーの編曲によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番と第4番の弦楽オーケストラ伴奏版。この 編曲では管楽器や打楽器の音色が失われる代わりに、楽曲のテクスチャーが明瞭になり、室内楽のように楽器 間の対話が際立ちます。そして弦楽器の演奏において重要なアーティキュレーションやポルタメントなどの側面が強 調されます。 このアルバムではバロック作品の演奏でしばしば議論される音律にも関心が注がれており、第4協奏曲では「キル ンベルガー第3法」を用いています(第4協奏曲には音色がマッチせず他の音律を用いたとのこと)。フォルテピアノを 演奏するツ・ユー・ヤンはブルージュ国際古楽コンクールのファイナリストの一人。ヨーロッパやアジア各地で演奏活 動を行っています。ヴァン・スヴィーテンスはザルツブルクを拠点にバロック、古典派、ロマン派の音楽をピリオド楽器 で演奏するアンサンブル。近年はアンサンブルのために書かれた新作も演奏しています。


Hanssler
HC-24002(4CD)
F・P・ツィンマーマン/ヘンスラー録音集成
■CD1
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集Vol.1
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207(カデンツァ コンスタンチン・モストラス)
ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョホ長調K.261(カデンツァ フランツ・バイヤー)
ヴァイオリンと管弦楽のためのロンドハ長調K.373
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216(カデンツァ フランツ・バイヤー)
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218(カデンツァ ヨーゼフ・ヨアヒム)
■CD2
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集Vol.2
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調K.211(カデンツァ 第1楽章:ピンカス・ズッカーマン/第2楽章:ロバート・D・レヴィン/第3楽章:ダヴィッド・オイストラフ)
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」(カデンツァ 第1楽章:フランツ・バイヤー/第2楽章:ロバート・D・レヴィン/第3楽章:ヨーゼフ・ヨアヒム)
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364*(カデンツァ モーツァルト)
■CD3
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV1052
オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060*(2つのヴァイオリンのための協奏曲編)
■CD4
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61(カデンツァ 第1楽章:フランク・ペーター・ツィンマーマン/第2楽章:フリッツ・クライスラー/第3楽章:フリッツ・クライスラー)
■CD1
バイエルン放送室内O、ラドスラフ・スルク(指)
セッション録音:2014年3月6〜8日/ヘルクレスザール、ミュンヘン王宮内(ミュンヘン)
■CD2
アントワン・タメスティ(Va)*
バイエルン放送室内O、ラドスラフ・スルク(指)
セッション録音:2015年6月28〜30日/ヘルクレスザール、ミュンヘン王宮内(ミュンヘン)
■CD3
セルゲ・ツィンマーマン(Vn)*
ベルリン・バロック・ゾリステン
指揮&ヴァイオリン:ダニエル・ゲーデ
第1ヴァイオリン:町田琴和、リューディガー・リーバーマン、アレッサンドロ・カッポーネ
第2ヴァイオリン:ライマー・オルロフスキー、エーファ=マリア・トマジ、ラヘル・シュミット
ヴィオラ:ヴァルター・キュスナー、クリストフ・シュトロイリ
チェロ:ブリュノ・ドルプレール
コントラバス:ウルリヒ・ヴォルフ
チェンバロ:ラファエル・アルパーマン
セッション録音:2017年4月/イエス・キリスト教会(ベルリン)
■CD4
シュターツカペレ・ドレスデン、ベルナルト・ハイティンク(指)
ライヴ録音:2002年9月29日/ドレスデン文化宮殿(ドレスデン)
現代最高のヴァイオリニストの一人、フランク・ペーター・ツィンマーマンのヘンスラー録音集成4枚組がリリースされます!10代後半から世界の第一線で活躍 しているツィンマーマンはバロックから現代まで非常に幅広いレパートリーを演奏・録音していますが、なかでもバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンは最も得意に しているレパートリー。当セットでは今世紀に録音したベートーヴェン(2002年/ライヴ)、モーツァルト(2014&2015年/セッション)、J.S.バッハ(2017 年/セッション)の協奏曲を集めた名録音をお届けします。
ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビ ロードのような音色です。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でる演奏をご堪能ください。

【自身2度目のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲録音】
第1集には第1・3・4番、アダージョ ホ長調、ロンド ハ長調を、第2集には第2・5番「トルコ風」、協奏交響曲を収録。1986年、1度目の全曲録音から約四半世紀。 2014・2015年の2度目の録音はラドスラフ・スルク指揮、バイエルン放送室内管弦楽団との共演です。ポーランド生まれのヴァイオリニストで、バイエルン放送 交響楽団のコンサート・マスターのラドスラフ・スルクが指揮を担当しており、完璧なアンサンブルはもとより、特に弦楽の美しさを追求した演奏で、レコード芸術誌 「特選盤」など各誌で高く評価されています。 協奏交響曲のヴィオラ奏者はアントワン・タメスティ。長年ベストなアンサンブルができる演奏者を探していたツィンマーマンが、タメスティの演奏会に足を運んだ 際に感銘を受け、その音色に魅了されたツィンマーマンが終演後に直々にトリオ結成を懇願したほどの惚れこみよう。2007年に結成したトリオ・ツィンマーマンは 今では世界トップの弦楽三重奏団としても活躍しています。
【父子共演も話題に。自身2度目のJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲録音】
ジェフリー・テイト指揮、イギリス室内管弦楽団と1988年に録音してから約30年ぶりの2017年。自身2度目となったJ.S.バッハの協奏曲録音では、息子セル ゲとの共演も話題に。有名な2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043ではなく、オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060を2 つのヴァイオリン版で演奏したことでも注目されました。 また、消失したヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052はツィンマーマンにとって初録音でした。入り組んだ起伏をもつユニゾンの主題が印象的なこの協奏曲は、 チェンバロ編曲として自筆総譜が存在する名曲、鍵盤協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052の原曲とされる作品。主題の直後から颯爽としたヴァイオリン独奏があら われます。独奏パートの幻想的で豊かな発展が印象的な当作品は、1832年にメンデルスゾーンがピアノ協奏曲として演奏した記録が残っており、シューマンは「最 大の傑作のひとつ」と讃えております。 共演はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者たちを中心にして1995年に結成されたベルリン・バロック・ゾリステンです。
【ハイティンク指揮、ベートーヴェンのライヴ録音】
Profilレーベルの「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズ40作でリリースされた音源で、2002年9月、ベルナルト・ハイティンクがシュターツカ ペレ・ドレスデンの首席指揮者就任を記念したコンサートのライヴの初日を収録したものです。同年夏にドレスデンを襲った洪水のため、ゼンパーオーパーが浸水し て使用不可能でドレスデン文化宮殿にて開催され、コンサートは犠牲者に捧げられました。 フランク・ペーター・ツィンマーマンが最も得意とするベートーヴェン。録音ではジェフリー・テイト指揮、イギリス室内管弦楽団(1987年/セッション)、ダニエル・ ハーディング指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2019年/ライヴ)(KKC-9695/7)が有名ですが、2002年のライヴもまた素晴らしい演奏で聴衆 を沸かせました。ツィンマーマンはさまざまなカデンツァで演奏してきましたが、当ライヴでは第1楽章では自作で演奏。先人の名カデンツァからインスパイアされ たヴァイオリンの美が凝縮された技巧的な作品です。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85040(1CD)
NX-B06
ハイフェッツ コルンゴルト/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲 他
1-3. コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
4-6. シンンディング:古風な様式の組曲 Op.10
7. ブラームス:ハンガリー舞曲第7番 イ長調(ヨアヒム編)
8. チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
9. ラヴェル:ツィガーヌ
10-12. カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲第2番「予言者」 Op.66
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ロサンゼルスPO
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)

録音/初出レコード番号:
1953年1月10日 RCA Victor LM1782…1-3
1953年12月9日 RCA Victor LM1832…4-6
1953年12月9日 RCA Victor LSC3232…7
1954年10月29日 RCA Victor LM2027…8
1953年12月8日 RCA Victor LM1832…9
1954年10月28&29日 RCA Victor LM2050…10-12
1917年にアメリカ・デビューをカーネギーホールで飾ったハイフェッツは、1925年にアメリカの市民権を取得。東海岸を拠点に活動を展開しましたが、 1940年にビヴァリー・ヒルズにスタジオ付きの住宅を建て、第2次大戦後はロサンゼルスに拠点を移します。このディスクには1953年から54年にかけ て、ウォーレンスタインの指揮するロス・フィルと行ったRCA録音を復刻しています。 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は1947年にハイフェッツが初演し、その後も繰り返し演奏しました。作曲者はこの曲について「終楽章こそ高度な技 巧が必要だが、美しい旋律や抒情的なエピソードがたくさんあるから、パガニーニよりはカルーソー向きの曲だ。カルーソーとパガニーニを兼ね備える人 物、すなわちハイフェッツに演奏してもらえるとは、なんと嬉しいことだろう」と語っています。当録音は大評判となり、作品を広める上で大きく貢献。 2008年には遂にグラミー賞の殿堂入りを果たしました(Vn協奏曲の録音としては、クライスラーのメンデルスゾーン、メニューインのエルガーに次 いで史上3番目の殿堂入り)。圧倒的なテクニックの冴えが注目されるハイフェッツですが、コルンゴルトがカルーソーにたとえたように、メロディアスな旋律 を時に朗々と時に甘美に歌いあげる歌心もたっぷりと味わえます。 カステルヌオーヴォ=テデスコのヴァイオリン協奏曲第2番は、ハイフェッツがトスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルと共に初演した作品。3つの楽章には旧 約聖書の3人の預言者の名前が充てられています。自身がヴァイオリニストだったシンディングの作品と、ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾたちにインスパイア された3曲も、ハイフェッツの緩急自在な技の冴えと歌い回しを堪能できます。

Resonus
RES-10335(1CD)
NX-B08
フルート協奏曲集
イベール:フルート協奏曲(1934)
ジョリヴェ(1905-1974):フルートと弦楽オーケストラのための協奏曲(1949)
ロドリーゴ:田園協奏曲(1978)
サミ・ユンノネン(Fl)
ヘルシンキ室内O
ジャームズ・S・カハーン(指)

録音:2023年10月11-14日
2012年にフィンランドのヘルシンキ音楽センターでデビュー・リサイタルを行い、2018年にはヒューストンSO のソリストとして登場、以降コンサートや録音など幅広く活躍するサミ・ユンノネン。このアルバムでは、20世紀のフ ルート協奏曲の名品3曲を、カハーンが指揮するヘルシンキ室内Oとともに巧みに演奏しています。 イベールのフルート協奏曲は、ジャズや民謡の要素も用いられた彼の代表作の一つ。抒情的な雰囲気の中に軽 妙さも併せ持つ粋な作品です。ジョリヴェの協奏曲は、パリ音楽院のコンクール課題曲として第二次世界大戦後 に書かれた2楽章構成の作品。小規模ながら技巧的な見せ場が多く用意されています。ロドリーゴの「田園協奏 曲」はジェームズ・ゴールウェイの委嘱作。スペインの田園風景を想起させる優雅な楽想が広がる美しい作品で す。

H.M.F
HMM-902392(1CD)
アントニン・クラフト(1749-1820):チェロ協奏曲 ハ長調 op.4(1804)
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 変ロ長調 H436Wq171(1751)
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/Gioffredo Cappa,1696)
アンサンブル・レゾナンツ
リッカルド・ミナージ(指)

録音:2023年9月、ハンブルク、フリードリヒ=エーベルト・ホール
世界最高峰のチェロ奏者、ジャン=ギアン・ケラス。冴え渡った切れ味の技巧と知的頭脳的ひらめき、そしてそこに近年さらなる深みをました音楽性が加わり、 とどまるところを知らない活動を見せています。このたびのケラスの新譜は、18世紀半ば、そして19世紀の幕開けに誕生したチェロ協奏曲2篇。どちらも 超絶技巧が求められ、しかし軽やかに弾かねばならぬ難曲ですが、ケラスはらくらくと、自由に歌いあそぶ余裕も見せながらの演奏を展開しています。管弦楽は アンサンブル・レゾナンツ。こちらも過去の偉大な作品から現代音楽まで、切れのある解釈で聴き手を魅了するアンサンブルで、まさにケラスと絶好の相性の良 さ。2017年にはC.P.E.バッハのチエロ協奏曲(イ短調)のディスクを録音しております(HMM 902331/KKC5913)。指揮のミナージは、2018年 からアンサンブル・レゾナンツのアーティスト・イン・レジデンスを務め、現在までその関係は延長されています。ミナージにとって、特にC.P.E.バッハはこれ までにも頻繁にとりあげている作曲家。徹底した資料研究と明確な音楽ヴィジョンで、当時の熱気や喧騒までをも彷彿とさせるような「生きた」演奏を展開し ています。
クラフトはボヘミアの小さな町で生まれ、プラハ大学で学び、チェロの教本でも知られるウェルナーのレッスを受けます。ウィーンに移り、チェロの妙技で人々 を魅了。ニコラウスI世ヨーゼフ・エステルハージーのオーケストラの首席チェロ奏者を務め、J.ハイドンの指揮のもと様々な作品を演奏する傍ら、作曲も師事 しました。ハイドンのチェロ協奏曲ニ長調や、ベートーヴェンの三重協奏曲op.56のチェロ・パートはクラフトのために書かれたと言われており、彼がいかに優 れた奏者だったかということが窺われます。そしてクラフトのチェロ協奏曲は音域の広さと超絶技巧に驚かされますが、ケラスはそんなことを感じさせない軽や かな技巧で演奏、さらに2楽章ではおあそびも交えるほどの余裕ぶりです。 C.P.E.バッハのチェロ協奏曲は、彼がもっとも充実していたベルリン時代に書かれたもの。とある当時の大名手を念頭に書かれたと考えられ、エレガントな雄弁 さで貫かれており、わかりやすいコントラストなどは控えられています。喜びに満ちた終楽章まで、C.P.E.バッハの旋律の美しさをたのしめる作品。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187076(1CD)
再発見〜トーマス・ド・ハルトマン
トーマス・ド・ハルトマン(1884-1956):
(1)ヴァイオリン協奏曲 Op.66(1943)
(2)チェロ協奏曲 Op.57(1935)
(1)ジョシュア・ベル(Vn)、INSO-リヴィウSO、ダリア・スタセフスカ(指)
(2)マット・ハイモヴィッツ(Vc)、MDR響、デニス・ラッセル・デイヴィス(指)

録音:(1)2024年1月8〜10日/ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール(ポーランド)
(2)2022年5月22日/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス大ホール(ドイツ)
ウクライナに生まれたロシア人作曲家トーマス・ド・ハルトマン(1884-1956)の作品に魅了された、世界的名手が演奏した協奏曲2篇のアルバム。アレンス キー、タネーエフらに作曲を、リムスキー=コルサコフにピアノを師事したトーマス・ド・ハルトマン。眩いばかりに輝く旋律と効果的な技巧が散りばめられた協奏曲 作品を残しています。ヴァイオリン協奏曲は1943年に、チェロ協奏曲は1935年にそれぞれ作曲。雄大な管弦楽に、情感豊かな独奏が魅力であるこれらの作品 に魅了されたジョシュア・ベルとマット・ハイモヴィッツが満を持して録音しました。
画家ワシリー・カンディンスキーとの共同作品を書いたことでも知られるトーマス・ド・ハルトマン。当CDのジャケットにはカンディンスキーの代表作 「Transverse Line横線」(1925)が使用されています。 (Ki)

「私は数年前、トーマス・ド・ハルトマンの作品の普及に情熱を注いでいる『ザ・トーマス・ド・ハルトマン・プロジェクト』のエフレム・マルダー氏からヴァイオリ ン協奏曲の楽譜を受け取った。私はすぐにこの協奏曲の情感の深さに衝撃を受け、これほど力強く魅力的な作品が、これまで私を含む多くのクラシック音楽の聴衆 から忘れ去られていたことに驚いた。1943年に作曲された当時と同様に今日の現状と関連性のある作品です。ダリア・スタセフスカ率いるINSO-リヴィウ交 響楽団との演奏で、トーマス・ド・ハルトマンの音楽が、彼の祖国ウクライナだけでなく、世界中の多くの人々の心に響くことを願っている」(ジョシュア・ベル)

Goodies
33CDR-3947(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調 K.268(365b)
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
クリスチャン・フェラス(Vn)
カール・ミュンヒンガー(指)
シュトゥットガルト室内O

英DECCA LXT5044(FFRR録音)
1954年10月14日-11月11日、スイス、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール録音
ヴァイオリン協奏曲第6番K.268(365b)はモーツァルトの死後8年目の1799年に ヨハン・アントン・アンドレによって楽譜が出版された。モーツァルト時代に ミュンヘンで活躍したヴァイオリニスト、ヨハン・フリートリッヒ・エックが モーツァルトから手渡された楽譜にもとづいて自分で加筆し、さらにモーツァ ルトの弟子のフランツ・ジェスマイアー(1766-1830)が加筆したという。ジェ スマイヤーはモーツァルト最後の作品「レクイエム」を補筆完成させた人物。 学者間では第2楽章は疑わしいが、他の楽章はモーツァルトの作品であるとい う説だったが、現在ではモーツァルトの作品表から除外されています。ジャック ・ティボーの(1880-1953)の快心の名演がSPレコード(復刻CDR:78CDR-3080) にあったが、LP時代には録音はごく僅かだった。クリスチャン・フェラス (1933-1982)はパリ音楽院出身。49歳の若さで他界したが、DECCA、EMI、 DEUTCHE GRAMMOPHONに大量の録音を残した。これは21歳のフェラスが取り組ん だ最初期の録音。指揮者のカール・ミュンヒンガー(1915-1990)はドイツ生ま れ。ヘルマン・アーベントロート(1883-1956)に師事し、シュトゥットガルト 室内Oを主宰した。
復刻にはWESTREX10Aカートリッジの復製モデル「クラング・クンスト10A]をmono接続にし、コルグの[DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)
Goodies
33CDR-3948(1CDR)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35 ナタン・ミルシテイン(Vn)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

米 RCA VICTOR LM1760
1953年3月23日ボストン・シンフォニー・ホール録音
ナタン・ミルシテイン(1903-1952)はウクライナのオデッサ生まれ。11歳でペ テルブルク音楽院に入学し、名ヴァイオリン教師レオポルド・アウアー(1845- 1930)に師事した。後にピアニストのホロヴィッツと知り合い一緒に演奏旅行 をしたこともあった。1929年にストコフスキー指揮フィラデルフィアO のソリストとしてアメリカ・デビュー。1942年にアメリカ市民権を得た。ミル シテインは生涯に8回もチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をレコード録 音しています。これはその2番目で50歳の時のもの。指揮者のシャルル・ミュン シュ(1891-1968)はドイツのストラスブルク生まれ。ヴァイオリンを学び、 1926年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウスOのヴァイオリン奏者に なり、1932年まで楽長のフルトヴェングラーやワルターの下でコンサートマス ターを務めた。1929年にパリで指揮者デビュー。1937年にはパリ音楽院管弦楽 団の指揮者になり1946年まで在任した。1949年にボストンSOの常任指揮 者に就任、1962年までその地位にあった。1967年パリOが出来たとき、 初代の音楽監督に就任したが、同年アメリカを演奏旅行中に心臓発作で死去 した。享年77。 復刻にはWESTREX10Aカートリッジの復製モデル「クラング・クンスト10A]を mono接続にし、コルグの[DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002692(2CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全曲
ァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211*
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
アダージョ ホ長調 K.261*
ロンド ハ長調 K.373*
ロンド 変ロ長調 K.269*
オレグ・カガン(Vn)、

ダヴィッド・オイストラフ(指)モスクワPO、
トヴィス・リフシッツ(指)ラトヴィア・フィルハーモニー室内O*

録音:1970年、1972年
廃盤・入手困難となったMelodiyaの名盤を復刻するMelodiya x Obsessionシリーズに43歳の若さで亡くなってしまったソビエト連邦出身のヴァイオリニスト、オレグ・カガン(1946-1990)が登場。彼はダヴィッド・オイストラフにその実力を認められ師事し、シベリウス国際コンクールとバッハ国際コンクールで第1位を獲得するなど若き才能あふれる奏者でした。またスヴャトスラフ・リヒテルからも薫陶を受け室内楽で多数共演しました。このアルバムでは師であるダヴィッド・オイストラフのサポートを受けて、その実力をいかんなく発揮しています。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。
Melodiya x Obsession
SMELCD-1001994(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番他
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*/ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*/マズルカ ヘ短調 Op.63-2/マズルカ ヘ短調 Op.68-4/ワルツ ホ短調 Op.Posth
エフゲニー・キーシン(P)、
モスクワPO*、
ドミトリー・キタエンコ(指)*

録音(ライヴ):1984年3月27日、モスクワ音楽院大ホール
1984年3月27日、モスクワ音楽院の大ホールで行われたエフゲニー・キーシンとドミトリー・キタエンコ&モスクワ・フィルのコンサート。そこでわずか12歳の少年が弾いたショパンの2つのピアノ協奏曲がキーシンのデビュー・アルバムとしてMelodiyaからLP盤でリリースされると、瞬く間に名声が広まり神童として世界中から注目を集めることとなりました。数あるMelodiyaの録音の中でも突出した知名度を誇る録音でありながら近年は廃盤・入手困難状態が続いていましたが、この度Melodiya x Obsessionシリーズから待望の復刻となります。なお、初回生産分完売後の再生産は未定です。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-010(1CD)
ゲザ・アンダ&カール・ベーム完全初出!
(1)スイス放送(DRS)のアナウンス
(2)-(4)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(5)オーストリア放送(ORF)のアナウンス
(6)-(8)モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 K.456
ゲザ・アンダ(P)
カール・ベーム(指)
(2)-(4)フィルハーモニアO
(6)-(8)VPO

録音:(2)-(4)1963年9月14日/ルツェルン音楽祭(ライヴ・モノラル)
(6)-(8)1974年8月25日/ザルツブルク音楽祭(ライヴ・ステレオ)
アンダとベームとの共演、注目の完全初出音源です。63年ルツェルン音楽祭でのブラームス1番と74年ザルツブルク音楽祭でのモーツァルト18番。それぞれ の協奏曲の前には放送時のアナウンスも収録されています。
第2番の録音が複数知られているのに対し、第1番はあまり世に出ていないアンダのブラームス。ベームとの共演で聴けるとは僥倖です。深くじっくりと奏でら れるオーケストラに対し、熱っぽくもしっかり構築的に弾きあげるアンダ。卓越した技量と比類のない激しさがぶつかりあう白熱の演奏です。モノラル録音とはいえ 音楽の充実ぶりは十二分に堪能できます。
アンダは52年から毎年ザルツブルク音楽祭に出演し、この地と良好な関係を続けました。60年代に弾き振りでカメラータ・ザルツブルクと録音したモーツァル トの協奏曲全集は至高の名盤として聴き継がれています。そんなアンダの最後のザルツブルク音楽祭出演となったのがこの74年のモーツァルト。透明な音で軽や かに舞い上がり、かつ心の内をじっとみつめるような、確たる芯のある上質の戯れ。癌を患う1年前、死の2年前の演奏であり、緩徐楽章などまさにアンダの「白 鳥の歌」と言えましょう。たまらぬ響きを持つベームVPOとの対話も多角的に愉しめるステレオ録音。カデンツァは全集録音のものと同一です (Ki)

ALPHA
ALPHA-1065(1CD)
NX-C04
モーツァルト:フルート協奏曲集
フルート協奏曲 第2番ニ長調 K.314(カデンツァ:フランソワ・ラザレヴィチ)
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299*(カデンツァ:ピエール・シェペロフ[1979-])
フルート協奏曲 第1番ト長調 K.313(カデンツァ:フランソワ・ラザレヴィチ)
フランソワ・ラザレヴィチ(フラウト・トラヴェルソ、指揮)
使用楽器:1キーのバロック・モデル/ルドルフ・トゥッツ1790年代製作楽器に基づく8キー・モデル*
サンドリーヌ・シャルトン(Hp)
使用楽器:フランソワ=ジョゼフ・ナーデルマン(1781-1835)製作のオリジナル楽器
レ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアン(古楽器使用)

録音:2023年6月 サル・コロンヌ、パリ
レーベル創設者ジャン=ポール・コンベに希代のバグパイプ奏者として見出されて以来、ALPHAレーベルで録音を続けているフランソワ・ラザ レヴィチ。各種の民俗管楽器を驚くべき音楽性で吹きこなすだけでなく、古楽器奏者としても徹底した同時代史料の検証や音楽史研究の 成果を演奏に反映させ、信頼できる音楽仲間と結成したレ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアンと共に、16〜18世紀の宮廷音楽から民俗系 レパートリーまでその録音の幅広さは他に類をみません。その一貫した解釈姿勢を保ちつつ今回はなんと古典派に進出し、モーツァルトの協 奏曲3曲を自らソロに立ち録音。弦楽合奏だけでも過去のアルバムのどれよりも多い13名が居並ぶ17人編成ですが、培われた一体感は 見事というほかなく、きわめて滑らかでメロディアスかつ機知に富んだラザレヴィチの吹奏と絶妙のアンサンブルを展開してゆきます。両フルート 協奏曲では「モーツァルト自身のピアノ協奏曲のものも大いに参照した」(本人談、ライナーノートより)ラザレヴィチ自身による即興性に富んだ カデンツァを、近年ソロ活動でも注目されているサンドリーヌ・シャルトンとの「フルートとハープのための協奏曲」ではソロ楽器の二重奏を鮮や かに織り上げたピエール・シェペロフ作曲の18世紀室内楽風カデンツァを披露。充実したインタビューによる解説(仏、英、独語)も、参照した 同時代教本や音楽史研究書、使用楽器の根拠などがあげられており読み応えがあります。

Biddulph
BIDD-85049(1CD)
NX-B06
協奏曲集と小品集
1-3. 伝モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調 K.268
4-5. ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ短調 Op.37
6-9. ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調
10. ピエトロ・ナルディーニ(1722-1793):ヴァイオリン・ソナタ ニ長調〜アリア(イザイ編)
11. ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.9No.3-タンブーラン(ヘルマン編)
12. モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.334-メヌエット(ヘルマン編)
13. ヴュータン:アルバムの綴り Op.40〜 第1番 ロマンス
14. イザイ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調「バラード」
15. クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ
アルフレッド・デュボワ(Vn)
ブリュッセル王立音楽院O…1-5
デジレ・デファウ(指)…1-5
ジェラルド・ムーア(P)…6-9
フェルナン・フイエンス(P)…10-13
14,15は無伴奏

録音/音源
1931年6月12日/LF X201/03(matrices LBX 83/87)…1-3
1929年9月27,28日/LFX14/16(matrices W 52031/36)…4-5
1947年10月27日/LCX103(matrices CLBX160/61)…6-9
1929年9月26日/LF2(matrices W33029)…10
1929年9月26日/LF2(matrices W33030)…11
1931年6月13日/LFX203(matrices LBX90)…12
1929年12月19日/D15144(matrices WLX700)…13
1947年10月27日/LCX104(matrices CLBX162/63)…14
199年9月26日/LF3(matrices W33031/32)…15
グリュミオーらの師としてフランコ=ベルギー楽派を現代につないだアルフレッド・デュボワ。彼が遺した2つの協奏曲録音他を復刻。イザイの無伴奏ソナタ第3 番などの併録曲の数々も魅力的です。 アルフレッド・デュボワは12歳でブリュッセル音楽院に進んでアレクサンドル・コルネリスにヴァイオリンを学び、3年後にはプルミエ・プリを得ました。卒業後もコル ネリスに個人的に師事し続けましたが、イザイにレッスンを受けたこともあるのでデュボワをイザイの弟子とする説もあります。22歳の年にブリュッセル市から ヴュータン賞を授与されてソリストとして本格的な活動を始め、1927年にはイザイの後任としてブリュッセル王立音楽院の教授陣に迎えられました。門下にア ルテュール・グリュミオーがおり、現在では「グリュミオーの師」として言及されることの多いデュボワですが、第1次大戦と第2次大戦の間はベルギーを代表する ヴァイオリニストとして高い評価を得ていました。このディスクではデュボワが遺した2曲の協奏曲録音を復刻し、その余白に小品を収めています。1曲目は、かつてケッヘルが番号を与えて「モーツァルトの第6番」として親しまれていたもので、ティボーやフェラスといった名手も録音しています。エックの作と判定 されてからは録音が減ってしまったのが惜しまれる佳曲です。ヴュータンの第5番は第2楽章はじめのアダージョ部分にグレトリの歌劇「ルシール」の旋律が引用 されていることから「ル・グレトリ」のニックネームが付けられました。当初は課題曲として作曲されたものだけに、技巧的な見せ場の多い作品で、デュボワのテク ニックの冴えと歌謡的な旋律での豊かなヴィブラートを伴った歌わせ方が魅力を加えています。格調高く描かれたヘンデルや、ヴィルトゥオーゾ的なイザイとクラ イスラーなどの小品群も、この演奏家の様々な魅力を伝えてくれます。

Orchid Classics
ORC-100315(1CD)
NX-B06
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲とソナタ
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 第10番 変ホ長調 K.365/316a
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 第7番ヘ長調 K.242
2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448/375a*
フィアンメッタ・タルリ(P)
イーヴォ・ヴァルバノフ(P)
ムハイ・タン(指)
イギリス室内O

録音:2018年7月13ー14日 Henry Wood Hall(UK)
2022年9月2日 Menuhin Concert Hall(UK)*
ストラヴィンスキーの「春の祭典」や「ペトルーシュカ」、ブラームスのワルツ集での素晴らしいアンサンブルが高く評価さ れるフィアンメッタ・タルリとイーヴォ・ヴァルバノフによるピアノ・デュオ。 当盤ではモーツァルトの2台ピアノのための3作品を演奏しています。協奏曲ではムハイ・タンが指揮するイギリス室 内Oをバックに従え、バイロイトに本拠を置くドイツのピアノ製造会社、シュタイングレーバーの「フェニックス・モ デル」を使用。この楽器の特徴である「オーケストラを思わせる壮大かつ柔らかい音色」を存分に生かした華麗な演 奏を披露。ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホールの美しい響きも聴きどころです。 メニューイン・コンサートホールでスタインウェイを使用したソナタとの音色の違いもお楽しみいただけます。

Queen Elisabeth Competition
QEC-2024(4CD)
NX-F06
エリザベート王妃国際音楽コンクール ヴァイオリン部門2024
■CD1
 ショスタコーヴィチ
1-4. ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77
 ブラームス
5-7. ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
■CD2
 モーツァルト
1-3. ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K. 207
4-6. ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
 ベートーヴェン
7-10. ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調 Op. 30-2
■CD3
 チャイコフスキー
1-3. ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(1965-):
4. リタニー風変奏曲
 シューベルト
5. 幻想曲 D934
■CD4
 サン=サーンス
1. 序奏とロンド・カプリチオーソ
 チャイコフスキー
2. ワルツ・スケルツォ ハ長調 Op.34
 シャーロット・ブレイ(1982-):
3. 太陽と彼女の花々 The Sun and Her Flowers
 シェーンベルク
4. 幻想曲 Op.47
 ルトスワフスキ
5. スビト
 バルトーク
6-7. ヴァイオリン・ソナタ第2番Sz.76
 シュニトケ(1934-1998):
8-11ヴァイオリン・ソナタ第1番
■CD1
1-4. ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)
5-7. ジョシュア・ブラウン(Vn)
■CD2
1-3. 吉田南(MINAMI)(Vn)
4-6. ケヴィン・ジュー(Vn)
ジョシュア・ブラウン(Vn)

■CD3
1-3. ジュリアン・リー(Vn)
4. ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)
5. エリー・チョイ(Vn)
■CD4
1. ルスラン・タラス(Vn)
2. カレン・スー(Vn)
3. ハナ・チャン(Vn)
4. ターユン・ユー(Vn)
5. アナ・イム(Vn)
6-7. ソンハ・チョイ(Vn)
8-11ドミトロ・ウドヴィチェンコ(Vn)

ベルギー国立O
アントニー・ヘルムス(指)…CD1& CD3/1-4
ワロニー王立室内O
ヴァハン・マルディロシアン(指)…CD2/1-6
ピアノ:トマス・ホッペ…CD2/7-10& CD3/5
リーブレヒト・ファンベッケフォールト…CD4/1
クリスティア・フジー…CD4/2
ボリス・クズネツォフ…CD4/3
森川由佳子…CD4/4、6、7
エロディー・ヴィニョン…CD4/5
タティアナ・ビエリコヴァ…CD4/8-11

録音:2024年5月13-18日 フラジェ・スタジオ4、ブリュッセル
2024年5月27日-6月1日 ブリュッセル・ファイン・アーツ・センター、 全てライヴ
6月1日(日本時間2日)に閉幕したばかりのエリザベート王妃国際音楽コンクールから、熱演を収めたライヴ盤が早くも登場! エリザベート王妃国際音楽コンクールは、チャイコフスキー・コンクール、ショパン・コンクールと共に「世界三大コンクール」と呼ばれる屈指の名 門コンクール。前身のウジェーヌ・イザイ・コンクール時代を含めれば、ヴァイオリン部門の優勝者にはダヴィド・オイストラフ(1937)、レオニード・ コーガン(1951)、堀米ゆず子(1980)、ヴァディム・レーピン(1989)、戸田弥生(1993)、レイ・チェン(2009)など、錚々たる顔ぶれが並び ます。2024年のヴァイオリン部門は当初予定の2023年から1年延期されて開催され、5月6日から熱戦が繰り広げられました。日本でも 奈良県出身でボストンのニューイングランド音楽院修士課程を5月に修了したばかりのMINAMIこと吉田南が入賞し、メディアで紹介された ので、ご覧になった方も多いと思います。 このアルバムではCD1からCD3には入賞者6名による選りすぐりの演奏を収録し、CD4には順位が付かなかったファイナリストたちの演奏を収 めていますが、難関で知られるコンクールだけに、ファイナリスト12名の全員が非常に高水準であったことが伝わる内容となっています。中でも ウドヴィチェンコは力強い美音と造形力を持ちながら、時にグロテスクなサウンドを出すこともいとわず曲の核心をえぐり出そうとする、師のクリス ティアン・テツラフにも通じる演奏を展開しており、インターネット中継を見ていた人たちの多くが優勝候補筆頭に挙げたことも頷けます。ちなみ にウドヴィチェンコは6月1日生まれ。優勝を手にしたのは25歳の誕生日でした。CD2のモーツァルト2曲は演奏者がカデンツァも作曲していま す。吉田南はロマンティックな美感を前面に出したものを披露していて、これが実にモーツァルトの音楽とつながりが良く、全曲の造形の確かさ と相俟って聴きものとなっています。 CD3のトラック4はファイナルの、CD4のトラック3はセミ・ファイナルのための新作課題曲です。
Queen Elisabeth Competition
QECDUO-24(4CD)
NX-E10
エリザベート王妃国際音楽コンクール ヴァイオリン部門2009-2012


■CD1
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調*
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op.28*

■CD2
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.6
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番*
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調 Op.27-6*
サン=サーンス:ハバネラ Op.83*

■CD3
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」*
エルガー:ヴァイオリン協奏曲
ロ短調 Op.61*

■CD4
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216*
チャイコフスキー:懐かしい土地の思い出(瞑想曲) Op.42-1*
ワルツ・スケルツォ ハ長調 Op.34*
■CD1
レイ・チェン(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
トマス・ホッペ(P)
録音:2009年5月16日 ボザール(4-8)、5月30日 王立音楽院(1-3)
*初出音源
■CD2
ロレンツォ・ガット(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
エリアーヌ・レイエス(P)
録音:2009年5月12日 ボザール(4-8)、5月26日 王立音楽院(1-3)
*初出音源
■CD3
ヴィネタ・サレイカ(Vn)
ワロニー王立室内O、ポール・グッドウィン(指)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
録音:2009年5月14日 ボザール(1-3)、5月25日 王立音楽院(4-6)
*初出音源
■CD4
アンドレイ・バラノフ(Vn)
ベルギー国立O、ギルバート・ヴァルガ(指)
ワロニー王立室内O、ミヒャエル・ホフステッター(指)
ダナ・プロトポペスク(P)

録音:2012年5月8日(5-7)、5月11日(8、9) フラジェ、スタジオ4、5月
24日 ボザール (1-4)
*初出音源
録音場所:王立音楽院、フラジェ(スタジオ4)、ボザール(以上、ブリュッセル)
 全てライヴ
「世界三大コンクール」の一つに数えられるエリザベート王妃国際コンクールの記録音源より、こんにち世界的に活躍する4人のライヴをリリー ス。収録時間にして約3分の2が初出音源で構成されているのも魅力です。CD1のレイ・チェンは2009年の第1位。今や世界的なソリスト として活躍し、メジャー・レーベルからCDリリースしています。名作フランクのソナタやサン=サーンスのヴィルトゥオーゾ・ピースの初出音源が聴 けるのは嬉しいところ。CD2のロレンツォ・ガットは同2009年の第2位。母国ベルギーを代表する音楽家として国際的に活動し、ALPHA レーベルからリリースしたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集は高く評価されました。初出音源では彼のヴィルトゥオジティを堪能できます。 CD3のヴィネタ・サレイカ(現在の姓はサレイカ=フォルクナー)は2009年のファイナリスト(Laureate)。フランダースSOのコンサートマス ターやアルテミスSQの第1ヴァイオリンを経て、2023年にベルリン・フィルのコンサートマスターに就任し(女性として初)、同年の来 日公演にも参加しました。ここでは様式も規模も異なる2曲の協奏曲を聴かせます。CD4のバラノフは2012年の第1位。得意とするチャイ コフスキーの名曲2曲に加えてモーツァルトの協奏曲も初出という嬉しい内容です。

APARTE
AP-364(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
リード・テツロフ(P)
パヴェウ・カプワ(指)プラハ・フィル

録音:2023年3月/ドヴォルザーク・ホール(プラハ)
リード・テツラフは1992年ミネソタ生まれのアメリカ・ピアノ界期待の星。2015年の第15回チャイコフスキー国際コンクールや2018年の第10回浜松国 際コンクールで入賞こそ逃しましたが注目され、「魔法のような音色」「熱狂的な技巧」が評判となりました。
彼のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集シリーズ第1弾は第4番と「皇帝」。交響曲第3番「英雄」やラズモフスキー四重奏曲などと革命的作品と同時代の2篇 の完璧なイメージを提供し、カプワ指揮プラハ・フィルとともにドラマを作り上げています。 (Ki)

King International
KKC-6874(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フランス女性ピアニストたち〜ブルショルリ他
■CD1
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)ショパン:夜想曲集 第13番ハ短調、第7番ハ短調、第8番変ニ長調、第4番ヘ長調、第9番イ長調
■CD2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番+ラヴェルについて語る(日本語訳なし)
(2)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」+ショパンについて語る
■CD1
(1)モニク・ド・ラ・ブルショルリ(P)、レオポルト・ルートヴィッヒ(指)BPO
録音:1948年6月20-21日ベルリン・ティタニア・パラストLive
(2)ユーラ・ギュラー(P)
録音:1959年9月9日
■CD2
(1)イヴォンヌ・ルフェビュール(P)、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキー(指) フランス国立O
録音:1959年12月1日
(2)マグダ・タリアフェロ(P)、ポール・パレー(指) フランス国立O
録音:1958年4月21日Live
■ブルショルリ(1915-1972)のベートーヴェン。ブルショルリは1937年のショパン・コンクールでフランス人初の入賞(第7位)。1966年の自動車事故により ピアノが弾けなくなり、引退を余儀なくされまました。
■ユーラ・ギュラー(1895-1980)は、ロシア人の父、ルーマニア人の母を持ちマルセイユで生まれました。幼 いころから神童として活躍、パリ音楽院を首席で卒業した名手でありながらその美貌もすばらしく、映画女優にスカウトされたほど。エネスコ、フランチェスカッ ティ、シゲティらと共演し、アインシュタインのヴァイオリンとも演奏したことがある彼女の録音物は決して多くなく、残されたひとつひとつがたいへん貴重で、熱 烈な愛好家がいることで知られています。ここには大戦後に復帰した直後のショパンのマズルカが収録されています。ユーラ・ギュラーに関してのハスキルの興味 深い言葉があります:「ユーラ・ギュラー、なんと風変りで気まぐれな女性でしょう。彼女は本能のおもむくままに行動し、たいていの場合トラブルに見舞われま す。しかし本当に素晴らしい芸術家です!」。
■ルフェヴュール(1898-1986)はピアニスト、教師として名を成しました。9歳でコンセルヴァトワールに入学、コル トーとヴィドールに師事。13歳で初リサイタル、14歳でオーケストラと初共演。フォーレ、ラヴェルらと親交を結び、また、1936年からコルトーのアシスタントを務 め、サンソン・フランソワにもレッスンをしています。1952-67年、教授を務めました。ポリフォニックな演奏はバッハに向いていましたが、彼女はまたドビュッシー のスペシャリストでもありました。
■タリアフェロ(1893-1986)はフルトヴェングラー、ミュンシュ、モントゥ。パレー、アンセルメといった指揮者と共演、さらに ティボー、エネスコ、カザルスとも共演をした名手。コルトーの弟子のひとりです。アーン、ピエルネ、ヴィラ=ロボスらの作品の初演を手掛けてもいます。赤毛と大 胆なドレスもいつも注目の的でした。

MELO CLASSIC
MC-1078(2CD)
アレクサンダー・ブライロフスキー/ライヴ・コンサート・イン・ヨーロッパ
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)ショパン:ピアノ協奏曲第1番
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(4)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
(5)リスト:死の舞踏
アレクサンダー・ブライロフスキー(P)
(1)カール・ガラグリー(指)ストックホルム・コンサート協会O
(2)(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルク放送O
(3)ユージン・オーマンディ(指)フィラデルフィアO
(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルク放送O
(5)アンドレ・クリュイタンス(指)フランス国立放送O

録音:(1)1951年9月19日スウェーデン放送局ストックホルム・コンサート・ホール、
(2)(4)1962年4月4日ルクセンブルク - オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニーRTL、
(3)1958年6月30日ミュンヘン - コングレスホール ドイツ博物館、
(5)1958年10月16日パリ - シャンゼリゼ劇場
全てモノラル
アレクサンダー・ブライロフスキーは1896年ウクライナのキーウに生まれ、1976 年にニューヨークで没したウクライナのユダ ヤ系ピアニスト。キーウ音楽院に在学中ラフマニノフにその才能を見出され、その後ウィーンでテオドル・レシェティツキに師 事した。1926年にフランス国籍を取得するも最終的にアメリカに帰化した。彼の演奏スタイルは大音量で聴き手を圧倒する のではなく、透明な音色と洒落たエスプリで聴かせるものであった。恩師ラフマニノフ、チャイコフスキーのほかショパンを得 意としており、このアルバムでは彼の個性が存分に味わえます。まとまった録音が少ないだけに貴重なアルバム。
MELO CLASSIC
MC-2054(1CD)
ヨハンナ・マルツィ/ライヴ・コンサート・パフォーマンス
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8 番ト長調
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
(1)イシュトヴァン・ハイジュ(P)
(2)ルチアーノ・ロサーダ(指)RAIミラノSO
(3)ウルス・ヨーゼフ・フルーリー(指)ソロトゥルン室内O

録音:(1)1969年2月3日ヴェネツィア、フェニーチェ劇場(ライヴ・モノラル)、
(2)1961年6月6日ミラノ、スタジオRAI (ライヴ・モノラル)、
(3)1974年5月9日ソロトゥルン大ホール(ライヴ・モノラル)
ヨハンナ・マルツィ(1924-1979)はルーマニア出身のヴァイオリニスト。ブダペストのフランツ・リ スト音楽院でイェネー・フバイに師事し13歳でデビュー。1947 年にジュネーヴ国際音楽コンクールに入賞後はスイスを拠点に国際的に演奏活動を続けた。1960 年代からはピアノのイシュト ゥ・ヴァン・ハイドゥと組んでデュオ活動を盛んに行っています。このアルバムではハイドゥとのデュ オによるベートーヴェンのソナタのほか、得意のメンデルスゾーン、モーツァルトの協奏曲を披 露しています。
MELO CLASSIC
MC-2055(2CD)
マックス・ロスタル/コンサート・ツアー1956-1965
(1)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
(2)ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調KV219
(4)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
(5)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.82
マックス・ロスタル(Vn)
(1)(3)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルク放送O
(2)ヤン・クーツィール(指)バイエルンRSO
(4)カール・メレス(指)ルクセンブルク放送O
(5)エーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O

録音:(1)1957年11月23日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(2)1957年3月15日ミュンヘン、ヘラクレスザール(スタジオ録音・モノラル)
(3)1956年1月25日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(4)1960年11月5日ルクセンブルク、ヴィラ・ルーヴィニー(スタジオ録音・モノラル)
(5)1965年9月4日チューリッヒ、スタジオI-DRS(スタジオ録音・モノラル)
マックス・ロスタル(1905-1991)はオーストリア帝国のテシェン(現ポーランド領チェシン)に生ま れベルリン高等音楽院でカール・フレッシュに学び、後に同校で教鞭と執ったがナチスの台頭 によりイギリスに亡命。戦後はケルン音大、ベルン音楽院で後進の指導にあたり、イヴリー・ギト リス、ウート・ウーギら多くの優秀なヴァイオリニストを育てた。ドイツ、オーストリアの作曲家の作 品を得意としているが、同時代の作曲家の作品の擁護者としても知られ、このアルバムにも収 録されているハチャトゥリアンのほか、バルトーク、ベルク、ショスタコーヴィチなどもレパートリー にしていた。ロスタルの録音がこうしてまとまったアルバムがリリースされるのは珍しく大変貴重。
MELO CLASSIC
MC-2056(2CD)
アルテュール・グリュミオー/ライヴ・コンサート・パフォーマンス
(1)パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ短調MS60
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調KV219
(3)バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
(4)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調KV218
(5)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソOp.28
(6)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ短調「バラード」Op.27-3
(7)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
アルテュール・グリュミオー(Vn)
(1)フランコ・ガリーニ(指)ウィーンSO
(2)(4)(5)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルク放送O
(3)ヘンリー・メルケル(2nd Vn)、ルイ・マルタン(指)ストラスブールRSO
(7)カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・クラシッシェクPO

録音:(1)1954年12月9日ウィーン楽友協会ホールORF(ライヴ・モノラル)、
(2)1956年5月17日ルクセンブルク 、オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニー(ライヴ・モノラル)、
(3)1958年6月19日ストラスブール、パレ・デ・フェット(ライヴ・モノラル)、
(4)(5)(6)1955年5月26日ルクセンブルク、オーディトリアム・ヴィラ・ルーヴィニー(ライヴ・モノラル)、
(7)1971年11月22日シュトゥットガルト、リートハレSDR(ライヴ・ステレオ)
アルテュール・グリュミオー(1921-1986)はベルギーのヴァイオリニスト。パリでジョルジュ・エネ スコに師事、第二次大戦中はナチスに協力的でなかった為、活動の範囲は限定されていたが 戦後はソリストとして華々しい活動を開始した。彼のレパートリーはバロックから古典派、ロマン 派そして同時代の音楽と幅広かった。また、このアルバムにも収録されているように長い間行方 不明だったパガニーニのヴァイオリン協奏曲第 4番の楽譜を発見、復活初演し録音した(当録 音がそれである)功績も忘れがたい。艶やかな音色と気高い品位を持った彼のヴァイオリンは 20世紀前半のヴァイオリン演奏の頂点といっても過言ではない。
MELO CLASSIC
MC-2057(2CD)
ピーナ・カルミレッリ/コンサート・ツアー1964-1971
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調KV216
(4)ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1 番イ短調Op.77
ピーナ・カルミレッリ(Vn)
(1)(2)エーリッヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
(3)ウィレム・ファン・オッテルロー(指)NDRハノーファー放送O
(4)ウィリー・シュタイナー(指)NDRハノーファー放送O

録音:(1)1968年10月6日チューリッヒス、タジオ1-DRS(スタジオ録音・モノラル)、
(2)1964年2月2日チューリッヒ、スタジオ1-DRS(スタジオ録音・モノラル)、
(3)1971年2月12日ハノーファー、放送センターNDR(ライヴ・ステレオ)、
(4)1965年11月19日ゲッティンゲン、シュタットハレNDR(ライヴ・モノラル)
ピーナ・カルミレッリ(1914-1993)はイタリアのヴァイオリニスト。ミラノ音楽院でミケランジェロ・ アバド、ローマの聖チェチーリア音楽院でアリゴ・セラートに師事した。ボッケリーニ五重奏団、 カルミレッリ四重奏団を創設するなど、室内楽に力を入れる一方、ルドルフ・ゼルキンをパート ナーにベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲演奏を行うなど、ソロ活動も活発に行った。 1973年から1986年イ・ムジチ合奏団のコンサート・ミストレスを務めた。イ・ムジチのコンミスによ るショスタコーヴィチなど興味深い。
MELO CLASSIC
MC-2058(1CD)
グィラ・ブスターボ/発掘された放送音源集
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調KV268
(2)ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
グィラ・ブスターボ(Vn)
(1)オトマール・ヌシオ(指)スイス・イタリアーナO
(2)ヒューゴ・リグノルド(指)ラジオPO

録音:(1)1965年6月4日ルガーノ、テアトロ・クルサールRSI(スタジオ録音・モノラル)、
(2)1966年5月4日ヒルヴェルスム・スタジオAVRO(スタジオ録音・モノラル)
グィラ・ブスターボ(1916-2002)はアメリカのヴァイオリニスト。両親の手ほどきで2 才からヴァイ オリンを始め、既に4才でシカゴSOと共演、5 才の頃にはイザイ門下のレオン・ザメティーニに師事した。天才少女の名をほしいままにしてヨーロッパへ演奏旅行に出かけ、フルトヴェ ングラー、アーベントロート、メンゲルベルクらと共演、またパリではジョルジュ・エネスコの指導 を受けています。しかし戦時中、ナチスの息のかかったコンサートに出演したことが戦後問題にさ れ、アメリカ国内での演奏が事実上出来なくなり、1970 年に帰国するまでヨーロッパのみでの 活動を余儀なくされた。このアルバムは天才少女として世に出ながら不遇な人生を余儀なくさ れたブスターボの近年発見された珍しい放送録音集。ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲は 圧倒的な熱演で聴きごたえ充分。
MELO CLASSIC
MS-3018(2CD)
ダニール・シャフラン/コンサート・ツアー・イン・ヨーロッパ
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104B 191
(2)シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129
(3)シューマン:幻想小曲集Op.73
(4)シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調D 821
(5)バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012
(6)シュニトケ:古い様式の組曲
(7)ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調Op.40
ダニール・シャフラン(Vc)
(1)アルヴィド・ヤンソンス(指)モスクワPO
(2)ヤロスラフ・クロムホルツ(指)チェコRSO
(3)(4)ハンス・アルトマン(P)
(6)(7)アントン・ギンズブルグ(P)

録音:(1)1967年7月23日東ベルリン 、メトロポリタン・シアター、ドイツ放送協会(ライヴ・モノラル)、
(2)1973年5月22日プラハ、スメタナ・ホール(ライヴ・ステレオ)、
(3)(4)1959年11月09日ミュンヘン、スタジオBR(スタジオ録音・モノラル)、
(5)(6)(7)1982年5月20日プラハ、ドヴォルザーク・ホール(ライヴ・ステレオ)
ダニール・シャフラン(1923-1997)はソビエト・ロシアのユダヤ系チェリスト。チェリストであった 父の手ほどきで8才よりチェロを始め、10才で公開のコンサートで演奏、11 才の時にオーケス トラを共演した。ソビエト国内ではシャフランよりやや年少のロストロポーヴィチとともにチェロの 双璧と目された。ソリストとしてのキャリアを追求し、録音も盛んに行ったが、その活動がソビエト 国内、東欧諸国に限られていたため、彼の国際的な名声は非常に限られていた。アメリカ・デ ビューは1960年、その後日本でも数度来日してコンサートを行っています。彼の豊かな音色、ヴ ィブラートそして特に高音域での驚異的なテクニックは今日聴いても決して色褪せない。

Danacord
DACOCD-888(2CDR)
ラウニ・グランデールの遺産第8集

(1)ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53*

(2)ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容

(3)ペーザー・グラム(1881-1956):ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op20(1919-20)**

(4)グラム:序曲 ハ長調 Op.21(1935)

(5)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(第1楽章に一部欠落あり)***
(6)シベリウス:交響曲第1番- 第1楽章・第3楽章・第4楽章
ヤロスラフ・スヒー(Vn)*、
ヴィリ・ケーア(Vn)*、
マックス・ロスタル(Vn)***、
ラウニ・グランデール(指)、
デンマークRSO

(1)録音:952年12月11日 (ライヴ放送)
(2)録音:1954年11月25日 ラジオ・オペラ 1952年12月11日 (ライヴ放送)
(3)録音:1956年11月25日 (ライヴ放送)
(4)録音:1950年9月28日 (ライヴ放送)
(5)(6)録音:1950年12月7日 シベリウス85歳誕生日コンサート(ライヴ放送)
デンマーク放送のアーカイブ音源によるグランデール(1886-1960)の「遺産」シリーズ。第8作は「スタイリッシュ」と評された協奏曲を中心に構成されました。シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」は、オーストリア出身のイギリスのヴァイオリニスト、マックス・ロスタル (1905-1991)がソロを弾いた1950年12月7日の「シベリウス85歳誕生日コンサート」のライヴ放送録音。ドヴォルザークの協奏曲は、ウィーン国立歌劇場のヤロスラフ・スヒーと共演。グランデールと同時代に人気のあったデンマークのペーザー・グラムの曲は、デンマークのヴィリ・ケーアがソロを弾いています。シベリウスの「交響曲第1番」は、第2楽章をのぞく3楽章のみの収録です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Signum Classics
SIGCD-908(1CD)
ヴィヴァルディ×22〜フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロのための二重協奏曲集
ヴィヴァルディ:協奏曲ハ長調 RV.557(2本のヴァイオリン、2本のオーボエ、2本のリコーダー、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ト短調 RV.531(2本のチェロ、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ハ長調 RV.533(2本のフルート、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ト長調 RV.516(2本のヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ハ長調 RV.534(2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲変ロ長調 RV.524(2本のヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための)/協奏曲ヘ長調 RV.572「プロテウス、または、さかさまの世界」(Vn、チェロ、2本のフルート、2本のオーボエ、ハープシコード、弦楽と通奏低音のための
ラ・セレニッシマ、
エイドリアン・チャンドラー(指,Vn)
英国屈指のバロック・ヴァイオリニスト、エイドリアン・チャンドラーによって1994年に創設されたピリオド・アンサンブル、ラ・セレニッシマ。"赤毛の司祭"ヴィヴァルディを中心とする18世紀ヴェネツィアとその周辺の作曲家たちの知られざる作品や、再発見された作品の世界初録音を続々と世に送り出し、これまで2度のグラモフォン賞に輝いています(「セレニッシマ」は、「晴朗きわまるところ」という意味の、ヴェネツィアの別称)。
2018年にAvieからリリースされ、英BBCミュージック・マガジンでは2018年10月の『Recording of the Month』にも選ばれた「ヴィヴァルディ×2」(AV-2392)の続編となる、「ヴィヴァルディ×22」(ヴィヴァルディ 掛ける2の二乗)が、Signum Classicsから登場!
今作でも、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロなど様々な楽器・編成のためのダブル・コンチェルトが組み合わされ、エイドリアン・チャンドラーのダイナミックなアンサンブルで、ヴィヴァルディのもっとも色彩豊かで楽しい作品群と、更なるバロック音楽の素晴らしさをお届けします。
ケイティ・バーチャー(フルート&リコーダー)やレイチェル・チャップリン(Ob)などの一流古楽器奏者たちのソロにも注目!

BONGIOVANNI
GB-5640(1CD)
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲全集 第2集
協奏曲 イ短調 RV500
協奏曲 ハ長調 RV469
協奏曲 ヘ長調 RV489
協奏曲 ニ短調 RV481
協奏曲 ハ長調 RV467
協奏曲 イ短調 RV497
協奏曲 ヘ長調 RV487
協奏曲 ハ長調 RV471
マウロ・モングッツィ(Fg))
スカラ座の弦楽奏者たち
ジョヴァン ニ・ブロッロ(Cemb)

録音:2022年12月23日、2023年5月5日
ミラノRAISO、フェニーチェ歌劇場Oなどでファゴット奏者を務めるイタリアの名手マウロ・モングッツィによるヴィヴァルディの協奏曲集第2弾。 モダン楽器での演奏です。 (Ki)


Treasures
TRE-316(1CDR)
ハンゼン/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op. 15*
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op. 37
コンラート・ハンゼン(P)、
ハインツ・ワルベルク*、イシュトヴァン・ケルテス(指)
バンベルクSO、

録音:1960年頃(共にステレオ)
※音源:独OPERA St-3959*、St-3919
◎収録時間:69:16
“小手先の演出とは無縁のドイツ・ピアニズムの真髄!”
■音源について
2曲とも10インチの初期ステレオ盤を使用。

★1906年ドイツ生まれでE・フィッシャー門下、フルトヴェングラーとの競演でも知られるハンゼンの芸風をとことん堪能できる貴重なステレオ録音。珠を転がすようなタッチから深みとコクを湛えた風情が滲み、ピアニッシモでも音楽自体を脆弱にせず、一本芯の通った精神的な逞しさを絶やさないのは、リヒター・ハーザーなどとも共通する特質です。
 第1番、第1楽章は楽想の可憐さをと古典美を湛えた演奏。第3番と共にハンゼン自身の作によるカデンツァが使用されていますがこれが実に素晴らしく、他のピアニストにも是非採用して欲しい力作。第2楽章は情に溺れず、強弱対比も控えめに淡々と進行しているようでいて、そこにはモーツァルト的な柔和な光が常に付随。特に5:40以降の弦のピチカートと共に進行するフレーズの幸福感、6:42以降のトリルの慈しみ方は、例えようもない余韻を残します。近年ではまるで速さを競うかのような演奏が多い終楽章は、まずそのテンポに膝を打ちます!このテンポだからこそベヒシュタインと思われる楽器の馥郁とした雰囲気も十分に揮されたと言えましょう。
 第3番の第1楽章は、第2主題に入ると柔和な表情に転じる演奏が多いですが、ここでは明快なタッチを崩さず全く媚びるそぶりを見せず男っぽさ満点!第2楽章も強弱の振幅を意図的に操作する印象を与えない朴訥な進行がかえって心を打ちます。装飾音やトリルは決して軽く滑らすのではなく、音の粒の一つ一つが芯から響いているのです。終楽章はもっとスポーティな演奏はいくらでもありますが、この筋金入りとしかいいようなない頑丈な構築感は何度聴いても見事。一見ぶっきらぼうとも言える1:56〜1:58のフレーズの締めくくり方は、ドイツの心意気丸出し!更に感動的なのは5:01からのまろやかなタッチに彩られた夢のようなロマン性!全く力みがなく指が勝手に動いているような自然な音楽の律動感が美しさの極み!この箇所でこんなに心奪われたことはありません。メカニックな痛快さはどこにもありませんが、逆にその技巧を武器にしない渋いピアニズムの奥底のある息遣いを是非感じていただきたいと思います。
 2人の指揮者との競演も盤石。派手さとは対極にあるハンゼンのピアニズムを見事に引き立たせつつも、オケの持つ木目調の風合いとも相まって自然な構築美を築き上げています。【2024年6月・湧々堂】

CPO
CPO--555667(1CD)
NX-C04
17-18世紀のホルン協奏曲集
ファッシュ:協奏曲 ニ長調 FWV L:D16
ハイニヒェン:シンフォニア ヘ長調 Seibel209
シュテルツェル(1690-1749):シンフォニア 変ホ長調
メルヒオール・ホフマン(1679頃-1715):協奏曲 変ホ長調
バッハ:われ心より至高なるものを愛する BWV174- シンフォニア
グラウプナー(1683-1760):シンフォニア ニ長調 GWV511
ファッシュ:協奏曲 ニ長調 FWV L:D186番ニ短調 Op. 65No.6
シュテファン・カッテ(Hrn1/トロンバ・ダ・カッチャ)
ゼバスティアン・フィッシャー(Hrn2/トロンバ・ダ・カッチャ)
ラルパ・フェスタンテ(古楽器使用)
シュテファン・カッテ(指)
リーン・フォスカイレン(指)

録音:2021年1月11-13日
ボヘミアのフランツ・アントン(チェコ名フランティシェク・アントニン)・フォン・シュポルク伯爵が1680年にルイ14世の宮 廷を訪れた際、初めてホルンに出会いました。彼はこの楽器に魅了され、2人の召使をフランスに派遣、演奏法を 学ばせたと言われています。このときボヘミアにに導入された狩りのホルン(Corno de Chasse)は、その後改良さ れてヨーロッパ全体に広がったとされています。それに伴い奏者たちのテクニックも向上し、作品中には難度の高い パッセージも含まれるようになっていきます。このアルバムでは華麗なファッシュの協奏曲をはじめ、さまざまなホルン が活躍するオーケストラ作品を紹介。18世紀初頭には協奏曲の明確な区分がなかったためシンフォニアとされて いても、独奏楽器が活躍する協奏的作品も含まれます。独奏者シュテファン・カッテとゼバスティアン・フィッシャー は、ナチュラル・ホルンと指孔付きのトロンバ・ダ・カッチャを使い分け、ベル内の手の位置で音程を変化させるストッ プを用いない古い時代の奏法も曲によって駆使し、ラルパ・フェスタンテとともに驚異的なテクニックで作品を聴かせ ます。

ANTARCTICA
AR-057(1CD)
ロベール・グロロ:協奏曲集
ロベール・グロロ(b.1951):クラリネットと管弦楽のための協奏曲 Op.124
ピアノと管弦楽のための協奏曲 Op.35
ピアノと管弦楽のための協奏曲第2番 Op.125
ルーラント・ヘンドリックス(Cl)、
ヤン・ミヒールス(P)
ブリュッセル・フィルハーモニック、
ロベール・グロロ(指)

録音:2014年-2023年(ベルギー)
ベルギーの現代作曲家、ロベール・グロロは、ピアニストとして音楽家のキャリアをスタートし、1974年のカサグランデ国際ピアノ・コンクール、1978年のエリザベート王妃国際ピアノ・コンクールで入賞後、4大陸20か国以上での演奏旅行と、スタジオ、ラジオ、テレビで多数のレコーディングを行い、120枚を超えるCDをリリースしました。作曲技法は、ほとんど独学で習得したというグロローの作風は、西洋の伝統の偉大な作曲家の業績を基に、アングロサクソン、ゲルマン、ラテンの要素を融合し、柔軟な表現力と洗練されたフォルムから成っています。
本アルバムでは、ベルギー国立Oの首席奏者(1998年〜2017年)や、ベルギーが世界に誇る木管アンサンブル”イ・ソリスティ・デル・ヴェント”のメンバーを務め、オランダのマーストリヒト音楽院ほか世界各地で教鞭を取り、日本でのマスタークラスも度々行われているクラリネットの名手、ルーラント・ヘンドリックス。2018年1月に大野和士(指)&東京都SOとメシアンの大作「トゥーランガリラ交響曲」を披露したベルギーの名ピアニスト、ヤン・ミヒールスをソリストに迎え、指揮者としての面も持つグロロが、自らのタクトで優雅な旋律とヴィルトゥオーゾ要素溢れるこれら作品の魅力を十分に引き出しています。

DUX
DUX-1796(1CD)
アンビルド:ピアノ協奏曲
カロル・アンビルド
(1925-2008):ピアノ協奏曲*
ホーリークロス山脈のこだま
ピアノと管弦楽のための狂詩曲*
アルトゥル・ヤロン(P)*、
ヤツェク・ロガラ(指)、キエルツェSO
ポーランドの都市キエルツェでその生涯のほとんどを過ごし、キエルツェSOの指揮者を務めた作曲家カロル・アンビルドの作品集。彼の作品は簡潔なものでありつつもキエルツェ地方に伝わる美しい民謡を取り入れた作品や、ジャズを取り入れた作品など多様でした。

FONE
FONE-2053(2CD)
完全数量限定盤
マダーマ宮殿のコンサート〜クリスマス2000
ミケーレ・ノヴァーロ:イタリア国歌/
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番ヘ長調 Op.50
交響曲第2番ニ長調 Op.36
コリオラン序曲 Op.62
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn&指)、
イタリア室内O

録音:2000年12月、マダーマ宮殿(ローマ)
イタリアの偉大なヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドが2000年にローマのマダーマ宮殿で行ったコンサートのライヴ録音盤が発掘!
イタリア元老院の議事堂としても使われるローマのマダーマ宮殿で行われたクリスマス・コンサートは、アッカルドの指揮とヴァイオリンで、ベートーヴェンの交響曲と協奏曲の双方を堪能できる至福の機会となりました。このディスクは近年ほとんど出回っていませんでしたが、レーベル倉庫から若干数のみ発掘され、完全数量限定で発売されることになりました。在庫がなくなり次第次回の入荷は未定です。
※重要:レーベル在庫数僅少のため、ご注文数に対して十分な枚数をご用意できない可能性がございます。予めご了承下さい。
※重要:製造から長い時間が経過しているため、経年劣化等によりケースやブックレット、ディスク等に多少のスレ、汚れ、色褪せなどが見られる場合がございます。併せてご了承下さい。

Eudora
EUDSACD-2405(1SACD)
故郷
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」
ジュディット・ハウレギ(P)、
カスティーリャ・イ・レオンSO、
カスパール・ツェーンダー(指)

録音:2023年1月18日-20日、オーディトリオ・ミゲル・デリベス(バリャドリッド、スペイン)
スペインの高音質レーベル「Eudora」が誇るSACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、レーベルが大推薦する2024年の目玉盤、ジュディット・ハウレギのコンチェルト・アルバムが登場!
スペインのサンセバスチャン出身のピアニスト、ジュディット・ハウレギは、バスク地方、メキシコ、フランスに所縁があり、ピアノはヴァジム・スハーノフに師事しドイツのミュンヘンで学んだ国際派。そんなハウレギがただの「生まれた場所」というだけでなく、その土地、文化、自然との間に深い感情的な絆が生まれ、自身のアイデンティティに消えない痕跡を残すと語る“故郷”をテーマに掲げ、共に祖国への愛を音楽で表現した2人の作曲家、グリーグとファリャの協奏的作品を取り上げます。彼女が持つ祖国への愛着が真に反映された渾身の演奏をお楽しみください。

BMC
BMCCD-332(1CD)
ペーテル・エトヴェシュ:フェルマータ、レスポンド、シフラ・プソディア
ペーテル・エトヴェシュ(1944-2024):フェルマータ(アンサンブルのための)*
レスポンド(独奏ヴィオラと32人の音楽家のための)**
ピアノ協奏曲「シフラ・プソディア」***
ペーテル・エトヴェシュ(指)、
アンサンブル・コントルシャン*、
マーテー・スーチュ(Va)**、
コンチェルト・ブダペスト**、
ヤーノシュ・バラージュ(P)***、
ミクローシュ・ルカーチュ(ツィンバロム)***、
スイス・ロマンドO***

録音:2022年4月6日(ジュネーヴ)&2023年3月24-25日(ブダペスト)
2024年3月24日、作曲家や指揮者、教育者として現代の音楽界に多大な貢献を果たしたハンガリーを代表する巨匠、ペーテル・エトヴェシュが80歳で逝去。エトヴェシュと長年密接に関わってきたBMC Recordsが、2022年と2023年にエトヴェシュが自ら指揮した3つの作品を収録したアルバムをリリースし、この偉大な音楽家を追悼します。
Covid-19のパンデミックにインスピレーションを得た「フェルマータ」、1998年に作曲したヴィオラ協奏曲「レプリカ」を再想像した「レスポンド」、そしてエトヴェシュが幼少期から知っていたという同郷の大ピアニスト、ジョルジュ・シフラの生誕100周年を記念して作曲された「シフラ・プソディア」。改めてエトヴェシュという作曲家の存在の大きさを感じずにはいられない1枚です。

Audite
AU-97816(1CD)
バッハ・リコンストラクテッド
新ブランデンブルク協奏曲第1番〜ソプラノ・リコーダー、オーボエ、ファゴット、弦楽合奏と通奏低音のための
 1.Vivace(クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部 冒頭の合唱曲より)
 2-10.Aria with Variations1-8(イタリア風アリアと変奏 BWV989より)
 11.Adagio ad libitum(即興演奏)
 12.Presto(イタリア協奏曲 BWV971第3楽章より)
新ブランデンブルク協奏曲第2番〜3つの弦楽三重奏と通奏低音のための
 13.Allegro(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第1楽章より)
 14.Adagio(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第2楽章より)
 15.Allegro(3台のチェンバロのための協奏曲 BWV1064第3楽章より)
新ブランデンブルク協奏曲第3番〜フラウトトラヴェルソ、変則調弦のヴァイオリン、リュート、弦楽合奏と通奏低音のための
 16.Allegro(ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ BWV1029第1楽章より)
 17.Adagio ma non tanto e dolce
  (三重協奏曲 BWV1044第2楽章、またはオルガンのためのトリオ・ソナタ BWV527の第2楽章より)
 18.GavotteT-GavotteU(イギリス組曲第3番 第5楽章より)
 19.Aria(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳〜「我が魂よ、とくと思いみよ」BWV509より)
 20.Allegro(フランス風序曲 BWV831第8楽章より)
ラ・フェスタ・ムジカーレ(ピリオド楽器オーケストラ)

録音:2022年10月18〜21日/マリーエンミュンスター、シャフシュタール
エグゼクティヴ・プロデューサー、レコーディング・プロデューサー:ルトガー・ベッケンホーフ(audite)
高音質録音で人気のドイツのauditeレーベルから、3枚にわたるグレゴール・ヨーゼフ・ヴェルナーの宗教音楽集など注目を集めるアルバムをリリースしてい る2014年結成の北ドイツのピリオド楽器グループ、ラ・フェスタ・ムジカーレのニューアルバムは、バッハがテーマ。もちろん、毎回、凝った作りのアルバムを発表 するラ・フェスタ・ムジカーレのこと、ただのバッハ・アルバムではありません!
ラ・フェスタ・ムジカーレの主要メンバーでチェリストのクリストフ・ハラーが、「イタリア協奏曲」「イタリア風アリアと変奏」などの鍵盤独奏曲から、チェンバロ協 奏曲、ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ、そしてクリスマス・オラトリオの合唱曲やアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳のアリアという声楽曲まで、バッハの様々なジャ ンルの作品を素材として選び、ブランデンブルク協奏曲のように種々の楽器が組み合わさって活躍する協奏曲に仕上げました。
ソプラノ・リコーダー、オーボエ、ファゴットの独奏を持つ「新ブランデンブルク協奏曲第1番」は、「ブランデンブルク協奏曲」の第1番や第2番を、3群の弦楽 三重奏と通奏低音という編成の「新ブランデンブルク協奏曲第2番」は「ブランデンブルク協奏曲」の第3番や第6番を、フラウトトラヴェルソが活躍する第3番は 「管弦楽組曲第2番」を、それぞれ想起させる、とても興味深い協奏曲になっています。様々な楽器の組み合わせを行ったクリストフ・ハラーのアレンジは、バッハ の音楽から原曲とは異なる魅力を引き出すことに成功しているのです。総勢21人の技巧派集団ラ・フェスタ・ムジカーレによる演奏も躍動感に満ち、様々な楽器 が組み合わさった響きはプリズムのようにきらめく色彩感を生み出しています。バッハの「新しい協奏曲」を存分に楽しみください! (Ki)

CLAVES
50-3080(1CD)
ヴィスメール:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番(1942)
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番(1954)
(3)ヴァイオリン協奏曲第3番(1987)
オレグ・カスキフ(Vn/ジュゼッペ・グァルネリ・デル・ジェス製作)
シンフォニア・ヴァルソヴィア、アレクサンダー・マルコヴィチ(指)

録音:2023年9月/ポーランド放送局内第2スタジオ(ジュネーヴ)
Clavesレーベルが力を注いでリリースしているジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ピエール・ヴィスメールの作品集。当アルバムはオレグ・カスキフ独奏、ア レクサンダー・マルコヴィチ(指)シンフォニア・ヴァルソヴィアの演奏でヴァイオリン協奏曲3篇を収録しております。カスキフは過去に第3番を録音(50-3045) していますが、これとは別音源の2023年9月の新録音です。
1915年、スイス、ジュネーヴ生まれのフランス人作曲家ヴィスメール。ジュネーヴの音楽院で作曲を学んだ後、1935年から三年間パリ音楽院にてロジェ=デュ カスに師事、またエコール・ノルマル・ド・ミュジックではミュンシュに指揮を学びました。第2次世界大戦でスイスに帰国するも1949年にはパリに戻り、1958 年にフランス国籍を取得しております。フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、ルーセルからの影響を受けながら、その後はストラヴィンスキーの音楽からも影響を受け ていきました。交響曲、協奏曲、室内楽曲、声楽曲、バレエ音楽など様々なジャンルに作品を残しております。
ヴァイオリン協奏曲は、メロディアスなヴァイオンが魅力の第1番(1942年)、十二音技法を取り入れ、打楽器が活躍する第2番(1954年)、ヴァイオリンとオー ケストラの掛け合いが特徴的な第3番(1987年)と時代によって作風が変わっていきますが、大規模編成のオーケストラから生まれるドラマティックな音楽とい う点では全篇共通しており、交響曲ファンにもおすすめの楽曲です。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMBA-150(1CD)
パリ国立高等音楽院の名教師たち
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」
(2)パガニーニ:24のカプリス Op.1より第13〜18番(6曲)
(3)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(1)ローラン・シャルミー(Vn)、フランソワー ズ・ドロー(P)
(2)ドゥヴィ・エルリー(Vn)
(3)ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)、
フランス国立O、
ポール・パレー(指)

録音:(1)1962年11月27日/フランス国立放送局内スタジオ(パリ)【モノラル】
(2)1967年5月12日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ120(パリ)【モノラル】
(3)1973年10月2日/オペラ=コミック座(パリ)【ステレオ/ライヴ】
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。「パリ国立高等音楽院の名教 師たち」と題した当アルバムにはローラン・シャルミー(1908〜1987)、ドゥヴィ・エルリー(1928〜2012)、ジャン=ジャック・カントロフ(1945〜)とい う3名のヴァイオリニストの正規初出録音を収録。
パトリック・ビスマスなどを育てたローラン・シャルミー。妻は高名なハープ奏者リリー・ラスキーヌです。1955年にロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝し、 ソリストとしての活動を始めたドゥヴィ・エルリーは、同年初来日を果たし、日本の聴衆にも情熱的な演奏を届けました。今やアレクサンドル・カントロフの父として も有名なジャン=ジャック・カントロフはカール・フレッシュ国際コンクール、パガニーニ国際コンクールなどで優勝した天才ヴァイオリニスト。この3人はいずれも パリ国立高等音楽院で後進の育成にも力を注ぎました。貴重な音源で聴く名手の演奏をお楽しみください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Solo Musica
SM-458(1CD)
NX-B06
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
ツェン・ゼン(ピアン)
トーマス・レスナー(指)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O

録音:2023年7月21-22日
モーツァルト所縁の地マンハイムで録音された2曲のピアノ協奏曲集。ピアノを演奏するのは中国出身のツェ ン・ゼンで、北京の中央音楽院で学んだ後、ニューヨークで研鑽を重ね米国とヨーロッパで演奏活動を行う 実力派ピアニストです。ウィーン出身、バーデンのベートーヴェン・フィルハーモニーの創設者兼芸術監督でも あるトーマス・レスナーの指揮のもと、オーケストラとピアノが一体となって、2つの作品に取り組んでいます。

Orchid Classics
ORC-100301(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調
ニールセン(1845-1931):2つの幻想的小品 Op. 2FS8より - I. Andante con duolo
ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46
ボフダン・ルッツ(Vn)
オーデンセSO
アンナ・スクリレヴァ(指)

録音:2023年8月21-25日
2022年4月に開催されたカール・ニールセン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で優勝したウクライナのヴァイオ リニスト、ボフダン・ルッツ。リヴィウとキーウで学び、スイスのグシュタード国際メニューイン音楽アカデミーに留学、ル ノー・カピュソンからも指導を受けました。コンクール優勝時、わずか17歳ながらも高い音楽性と卓越した技巧で聴 衆を魅了し、同年の8月にはドイツの文化系ラジオ局DLF(DeutschLandFunk)から奨励賞も授与されるな ど、その才能に高い期待が寄せられています。 このアルバムはコンクールの翌年にデンマークで録音されたもの。ルッツは哀愁に満ちたドヴォルザークの協奏曲を中 心に、スコットランドの民謡を用いたブルッフと、豊かな旋律を持つニールセンの協奏的作品を情感たっぷりに歌い上 げており、今後の活躍が期待されます。
Orchid Classics
ORC-100292(1CD)
NX-B06
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 Op.33TH.57
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
ジョン=ヘンリー・クロフォード(Vc)
サンフランシスコ・バレエO
マーティン・ウェスト(指)

録音:2023年3月23-24日
アメリカ出身のチェリスト、ジョン=ヘンリー・クロフォードが演奏するチャイコフスキーとドヴォルザークの名作2曲。彼は スズキ・メソードの実践者であるヴァイオリニスト、ローラ・クロフォードを母に持つ期待の若手で、2019年「CRF=ク ラシカル・レコーディング財団」のヤングアーティスト・オブ・ザ・イヤーに選出されました。以降、これまでにピアニスト、ビ クトル・サンティアゴ・アスンシオンとデュオを組み3枚のアルバムを発売、これらは300万回以上もストリーミング再生 が行われるなど、幅広い人気を博しています。今回は初となるオーケストラとの共演アルバムで、彼が愛奏するとい う2作品をじっくりと聴かせています。

VOX
VOXNX-3040CD(1CD)
NX-B06
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(1868)*
2つの抒情的小品 Op.68(1898-99)
古いノルウェーの歌と変奏 Op.51(1890/1900-05管弦楽編)
秋に Op.11(1866)
グラント・ヨハネセン(P)
ユタSO
モーリス・アブラヴァネル(指)

録音:1975年2月-3月、1975年5月*
アブラヴァネルのグリーグ管弦楽作品集の復刻第3弾で完結編。シリーズを通じて演奏は過激な表現に走ることなく、それでいて旋律は十分に歌い、 ダイナミックな躍動感も備え、安心して曲の魅力に浸ることが出来ます。冒頭に収められたピアノ協奏曲で共演しているのはユタ響の本拠地ソルトレ イクシティ出身のグラント・ヨハネセン。ロベール・カサドシュ、エゴン・ペトリ、ナディア・ブーランジェらに学び、VOXにはフランス近代作品などの録音があり ます。ピアノの音の重心が低く、低音が良く響く録音ですが、音が団子にならずきちんと分離するのは録音エンジニアのマーク・オーボートの手腕による もの。新リマスターでS/Nが改善し硬さが取れました。ブックレットには初出時のジャケットと解説を転載しています。

Pentatone
PTC-5187230(1CD)
(1)チェン・ガン/ヘ・チェンハオ:ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台」(バタフライ・ラヴァーズ)(1959)
(2)チェン・ガン(ヤン・リ・チン編):タシュクルガンの陽光(1976)
(3)パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6(1815)【第1楽章のカデンツァ:エミール・ソー
クロエ・チュア(Vn/グァダニーニ1753年製作)
(1)ジン・タ(Fl)、ウン・ペイ・シアン(Vc)
(1)(2)ロドルフォ・バラーエツ(指)、(3)マリオ・ヴェンツァーゴ(指)
シンガポールSO

ライヴ録音:(1)(2)2023年9月9〜11日/ヴィクトリア・コンサートホール(シンガポール)、
(3)2023年9月2日/エスパラネード・ホール(シンガポール)
2007年生まれのシンガポールの天才ヴァイオリニスト、クロエ・チュア(蔡珂宜)。「ヴィヴァルディ&ロカテッリ」(PTC-5187062)に続くPENTATONEレー ベル第2弾は、バタフライ・ラヴァーズとパガニーニのヴァイオリン協奏曲のライヴ録音です!
2018年、ユーディ・メニューイン国際コンクールのジュニア部門で優勝したクロエ。11歳での優勝は世界中で話題となり、instagramなどのSNSで彼女の 演奏動画が拡散されたことで神童ヴァイオリニストとして有名になりました。2024年現在17歳のチュアは、シンガポールの国民的人気を博す若手実力派ヴァイオ リニストです。
作曲家チェン・ガンとヘ・チェンハオ共作のヴァイオリン協奏曲「バタフライ・ラヴァーズ」は、古代中国のロミオとジュリエットとも呼ばれる物語にインスパイア された作品。ヴァネッサ・メイが演奏したことで世界中で知られることとなり、今ではフィギュアスケートでもおなじみの楽曲となりました。西洋音楽と京劇の要素 を巧みに融合させた名作として多くのヴァイオリニストが演奏しております。技量の見せどころ満載のパガニーニの協奏曲では、チュアの実力を証明する驚きの演 奏を披露。今後ますますの活躍を期待せずにはいられないヴァイオリニストのひとりです! (Ki)
Pentatone
PTC-5187239(1CD)
モーツァルト:フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314
モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
ミスリヴェチェク:フルート協奏曲 ニ長調
アナ・デ・ラ・ヴェガ(Fl)
イギリス室内O、ステファニー・ゴンリー(リーダー)

録音:2016年9月/ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)
“傑出した才能”(ウィグモアホール)、“真の芸術家”(カドガンホール)、“ファースト・クラス”(ベルリン・フィルハーモニー)と各演奏会で絶賛されている注 目のフルート奏者、アナ・デ・ラ・ヴェガのよるモーツァルトとミスリヴェチェクの協奏曲アルバム。
イギリス人とアルゼンチン人の両親の間にオーストラリアで生まれたヴェガはシドニー大学でマーガレット・クロフォードに師事。その後パリにてレイモンド・ギオ の最後の弟子として研鑽を積みました。
イギリス室内Oとは2010年以来度々共演しており、当ディスクにも収録されている忘れられし名曲ミスリヴェチェクのフルート協奏曲の演奏はBBCラ ジオにて生放送され話題となりました。
チェコの作曲家、ヨゼフ・ミスリヴェチェクは自国の教会でヴァイオリニストを務めるなどし、その後はヴェネツィアに赴き、オペラの作曲をジョ ヴァンニ・ペシェッティに学びました。最初のオペラ〈メデア〉は1764年に上演され、大好評を博すなど、作曲家としての才能を開花させました。チェコの音楽性 とイタリアの影響を融合することで独自の作曲様式を生み出したミスリヴェチェクの作品はウィーン古典派の巨匠たちの先駆けとなり、軽快な声部書法と旋律面で の豊かな創意によって特にイタリアで圧倒的な成功をおさめました。このフルート協奏曲も華やかな旋律が魅力の作品です。モーツァルトのフルート協奏曲2篇と あわせてお楽しみください。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(PTC-5186723)は廃盤となります。

Linn
CKD713(1CD)
NX-C04
私たちの金継ぎ〜管弦楽のための英国現代作品集
ジェイ・カッパーロールド(1989-):私たちの金継ぎ
アンナ・クライン(1980-):彼女の腕の中で
ジェイムズ・マクミラン(1959-):ゾエに捧ぐ
 オスカーの死
マーティン・サックリング(1981-):瞑想(ジョン・ダンに倣って)
ピーター・マクスウェル・デイヴィス(1934-2016):ストロムネスへの別れ(ローズマリー・ファーニスによる弦楽合奏版)
キャサリン・ブライアン(Fl)
ヘンリー・クレイ(コーラングレ)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ロリー・マクドナルド(指)

録音:2022年1月18-20日、2024年2月9日スコットランド・スタジオ、UK
1980年代生まれの作曲家たちの作品を中心とした現代管弦楽曲集。合唱作品を中心に日本でもファンの多いマクミランとカッパーロール ド、サックリングはスコットランド出身で、作曲の傍ら絵画制作でも知られ本盤のジャケットも手がけたクラインはエディンバラ大学を出ており、マ クスウェル・デイヴィスの作品(原曲は1980年に書かれたピアノ独奏曲、ここでは弦楽版で演奏)はスコットランド北部オークニー諸島の町から 着想を得てているなど、レーベルとオーケストラの本拠であるスコットランドにゆかりの深い作品集になっています。日本の伝統的な金継ぎ技 術に感銘を受けて書かれたというカッパーロールドの表題作と、マクミランの「オスカーの死」、サックリングの「瞑想」は打楽器や金管も加わる 大管弦楽のための作品で、他の3作は弦楽を中心とした編成のためのもの。いずれも各楽器の音色をよく活かしたモダンな響きながら前衛 に寄り過ぎず聴きやすい作品で、じっくり親しんでゆきたくなる映画音楽のような起伏に富んだ曲想や、あるいは徹底して美しい音楽世界に 出会うことの出来るアルバムです。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-942(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466(カデンツァ:オルガ・パシチェンコ)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488(カデンツァ: モーツァルト)
オルガ・パシチェンコ(フォルテピアノ、リーダー)
使用楽器:ウィーンのアントン・ヴァルター1792年頃製作モデルに基づくポール・マクナルティ製作の再現楽器
イル・ガルデリーノ(古楽器使用)
コンサートマスター:エフゲニー・スヴィリドフ(Vn)

録音:2021年6月6-9日コンセルトヘボウ、ブリュッヘ(ベルギー)
アムステルダムとヘントの音楽院で教鞭をとりながら世界的な活躍を続けるフォルテピアノ奏者オルガ・パシチェンコと、ベルギーの実力派古楽 器集団イル・ガルデリーノによるモーツァルトのピアノ協奏曲録音シリーズに待望の第2弾が登場。『レクイエム』などと並ぶニ短調の傑作=第 20番と、オーボエの代わりに一対のクラリネットが印象的な響きを添える第23番、いずれもモーツァルトがウィーンで希代のピアニストとして活 躍しながら間もなく「フィガロの結婚」で新たな成功を掴む躍進期の充実作2曲が選ばれています。パシチェンコはもはや「アレクセイ・リュビモフ 門下」と紹介するまでもなく強い存在感を欧州第一線で発揮していますが、今作も冒頭総奏部分の通奏低音から絶妙の立ち回りで、経 験豊かな奏者たちと対話を続けながら各曲それぞれの物語を引き出してゆく演奏は抜群の瑞々しさ。緩徐楽章の息をのむようなカンティ レーナから説得力豊かなアレグロの音使いまで隅々まで聴きどころに事欠かず、ニ短調の協奏曲ではファンタジーに満ちた独自のカデンツァま で披露してくれます。他の奏者たちも古楽器の音ならではの玄妙なニュアンスや鮮烈なアクセントを大いに活かし、「これらの協奏曲をオペラ と同じと考え、加わる楽器全てを主人公たちと認識する」(パシチェンコ談、本盤解説より)という一貫した姿勢がありありと示された解釈を披 露。トラヴェルソのデ・ヴィンネやオーボエのポンセ―ル、クラリネットのボウドら管楽器奏者にも世界的名手が続々。同レーベルのHAYDN 2032シリーズでも活躍中の技師J-D.ノワールによる古楽器の機微をよく踏まえた録音でお楽しみください。
ALPHA
ALPHA-1043(1CD)
大家C.P.E.バッハと躍進期のモーツァルト
C.P.E.バッハ:交響曲 ニ長調 Wq183-1/H663
チェンバロとフォルテピアノ〔と管弦楽〕のための協奏曲変ホ長調 Wq47/H479
モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調 K.138(ザルツブルク交響曲第3番)
ピアノ協奏曲 第17番ト長調 K.453
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ)
セリーヌ・フリッシュ(チェンバロ、フォルテピアノ)

「使用楽器」
フォルテピアノ:ウィーンのアントン・ヴァルター1795年製作モデルに基づくシュタウフェン・イン・ブレイスガウ(ドイツ)のクリストフ・ケルン2007年製作の再現楽器
チェンバロ:ベルリンのミヒャエル・ミートケ1710年製作モデルに基づくシュタウフェン・イン・ブレイスガウのクリストフ・ケルン2013年製作の再現楽器
カフェ・ツィマーマン(古楽器使用)
パブロ・バレッティ(Vn&指揮)

録音:2023年1月 ベギン女子修道会教会、シント・トライデン(ベルギー東部リンブルフ州)
ALPHAレーベル創設直後から数々の名盤を世に送り出してきた古楽器楽団カフェ・ツィマーマン。高い評価を博した大バッハの協奏曲& 管弦楽組曲シリーズに象徴される通りバロック作品の録音が目立つ彼らが今回、ついに18世紀後半の古典派時代に充実編成で臨みまし た。同団創設以来の中心メンバーで独奏者としても活躍するセリーヌ・フリッシュがチェンバロ独奏を務め(通奏低音ではフォルテピアノも使 用)、ゲストはなんと来日公演でもおなじみの俊才アレクサンドル・メルニコフ!1770〜80年代には既に国際的な名声を誇る巨匠となった ハンブルク市の音楽監督C. P. E. バッハ(大バッハの次男)、かたやザルツブルクとウィーンで続々名曲を生みつつあった躍進期のモーツァル ト、同時期とは思えないほど対照的な作風の両者それぞれ2作品ずつ収録。C. P. E. バッハが最晩年に手がけた協奏曲はオーケストラの 傍ら二つの鍵盤楽器を対置させた異色作で、両独奏者それぞれに異なる才気煥発なソロが音色の違いと共に十全に味わえる一方、モー ツァルトのピアノ協奏曲では総奏部分からメルニコフがフォルテピアノで通奏低音も演奏。充実の管楽器セクションにはオーボエのボジローや ファゴットのル・シュナーデクらバッハ録音でも活躍をみせた名手たちも参加、どの曲でも各パートの自発性と楽団の一体感が不思議な共存 をみせながら、じっくり曲を聴かせる解釈の深みはまさにカフェ・ツィマーマンならでは。名技師アリーヌ・ブロンディオの丁寧な仕事やバーゼル出 身の作曲家テュリング・ブレムによる洞察に富んだ解説(国内仕様では全訳付)まで、示唆と音楽性に富んだ演奏を十全に堪能できる1枚 です。

Dynamic
CDS-8012(1CD)
NX-B06
モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K. 546
協奏交響曲 変ホ長調 K.364
交響曲第27番ト長調 K.199
アレッサンドロ・ミラーニ(Vn)
ルカ・ラニーエリ(Va)
新フェルッチョ・ブゾーニO
マッシモ・ベッリ(指)

録音:2022年2月 Trieste(イタリア)、2022年5月 Sacile(イタリア)*
1965年にトリエステのヴェルディ歌劇場のメンバーによって創設された新フェルッチョ・ブゾーニO。楽団 名はブゾーニの母親がトリエステ出身であることにちなんでいます。このアルバムでは、バロック音楽を思わせる厳 粛な雰囲気の「アダージョとフーガ」、RAI国立SOの第1奏者二人を迎えたフランス風の協奏交響曲、 急緩急の3楽章構成でフガートによるプレストの終楽章で締めくくられるユニークな交響曲第27番という、性格 の異なるモーツァルトの3作品を演奏しています。

AAM Records
AAM-45(1CD)
NX-B10

NYCX-10475(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K. 503
コンサートアリア「どうしてあなたを忘れられよう…心配しないで、愛する人よ」K. 505
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595

※K.503とK.595のカデンツァはロバート・レヴィンの即興による
ルイーズ・オルダー(S)
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
リチャード・エガー(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
※使用楽器:フォルテピアノ:ウィーンのアントン・ヴァルター1795年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2018年製作

録音:2022年1月4-8日 St John’s Smith Square(UK)
モーツァルトの演奏史に革命を起こしたクリストファー・ホグウッドとアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックが、モーツァルト研究家でピアニストのロバート・レ ヴィンを迎えて1993年に開始したピアノ協奏曲全集の録音。8枚をリリースして2001年を最後に途絶えていたプロジェクトが2023年に再開、当リリースを もって遂に完結します。収録曲は、モーツァルト後期作品の中でも壮麗な規模と楽想を持つ第25番K.503と当ジャンル最後の作品第27番K.595。間に 挟まれたコンサート・アリアK.505は、作曲年代が近くピアノが活躍するという点に加えて、その歌詞「どうしてあなたを忘れられよう...心配しないで、愛する人 よ」に、当プロジェクトに携わってきたすべての音楽家の気持ちを込めた採用と思われます。ピアノ協奏曲のカデンツァはここでもレヴィンの即興によるもの。全 体的に即興や装飾など「楽譜に書かれていない」音符の多さに注意が行きがちですが、それらがモーツァルトのスタイルに見事にフィットしているところが特徴 です。既存の録音との差別化を意図したものではなく、モーツァルトのスタイルを徹底的に尊重し、その細部にまで注意を払った結果生まれる「モーツァルトら しさ」の再発見にあると言えるでしょう。調律にはキルンベルガーから派生した調律法Prinzが使われています。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。

Signum
SIGCD-799(1CD)
C.シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲集
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.7
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
アレクサンドラ・ダリエスク(P)、
ルー・ティエンイー(指)、フィルハーモニアO

録音:2023年9月11日-12日、セント・ジュード教会(ロンドン)
コンセルトヘボウ、ロイヤル・アルバート・ホール、カーネギー・ホールへのデビューを果たし、アンドラーシュ・シフから高く評価されたルーマニア出身の女流ピアニスト、アレクサンドラ・ダリエスクのSignum Classics第3弾。大胆不敵な好奇心と画期的な革新性を示す先駆的なピアニストであるダリエスクは、彼女の芸術の旅の一環として、3シーズン連続で「男女両方の作曲家の重要な作品を再演・初演する」というプログラミングで包摂性と多様性を擁護しており、このアルバムでもクララ・シューマンとエドヴァルド・グリーグという新しい協奏曲の組み合わせを提示しています。
クララ・シューマンが10代前半に作曲したこの協奏曲を知り、その夢と驚異的な妙技に溢れた音楽に惚れ込んだダリエスクは、今回のレコーディングを通して、「見過ごされがちな女性作曲家の才能に光を当てる責任があることに改めて気付かされた」と述べています。
名門フィルハーモニア管を指揮するのは、中国出身のニュージーランド人指揮者、ルー・ティエンイー(? 天?)。2020年には、インバル、ムーティ、井上道義、A.フィッシャー、スダーンらの巨匠を排出してきたイタリアのグイード・カンテルリ国際指揮者コンクールで見事優勝を果たし、同年のゲオルグ・ショルティ国際指揮者コンクールでも優勝するという快挙を達成。センセーショナルなデビューを果たし、ノルウェーのスタヴァンゲルSOの常任指揮者に任命されました。2020/21シーズンからは、英セント・ウーロス・シンフォニアの首席指揮者も務めています。

Glossa
GCD-924703(1CD)

XGCD-924703(1CD)
日本語解説付き国内盤
税込定価

SE4SONS〜ヴィヴァルディ&ピアソラ:四季
1-12. ヴィヴァルディ:四季 Op.8Nos.1-4
13-16. ピアソラ:ブエノスアイレスの四季
リナ・トゥール・ボネ(バロックVn、指)、
ムジカ・アルケミカ(tr.1-12)、
クアルテート・アルケミコ(tr.13-16)

録音:2023年11月27日ー29日、ヴィラセカ音楽院(スペイン)
同世代でもっともエキサイティングなヴァイオリニストの一人と評されるスペインのバロック・ヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネと、彼女が結成したバロック・アンサンブル「ムジカ・アルケミカ」!
スペインの古楽レーベルGlossaからリリースされる第3弾は、ヴィヴァルディ、ピアソラによる「四季」をカップリングした注目盤。ビーバーの大作「ロザリオのソナタ集」の全曲録音でも批評家や聴衆から高い評価を得、2018年の来日公演を含むヨーロッパ各地でも全曲演奏を行ってきたスペシャリストであるリナ・トゥール・ボネ。
本アルバムでは、ヴィヴァルディの 「四季」 とピアソラの 「四季」を見事に対比させています。ヴィヴァルディの名作 「四季」 では、その感情豊かな解釈で新たな側面を引き出し、ピアソラの 「四季」 では、独自の四重奏編成(Vn、バンドネオン、コントラバス、ピアノ)で、アルゼンチン・タンゴの名手たちと共に甘美でいて悲しく、そして、リズミカルでいて自由なタンゴを奏でています。これまでに多くのヴァイオリニストたちが取り上げてきたこれら名作の新たな解釈にご注目ください。

DUX
DUX-2013(1CD)
アダム・ヴェソウォフスキ:エンジェルズ
アダム・ヴェソウォフスキ
(b.1980):天体の踊り(シンフォニック・オーケストラのための)
天使たちの歌(弦楽オーケストラのための)
2本のフルートとシンフォニック・オーケストラのための協奏曲「大天使」*
天使たちと悪魔たち(シンフォニック・オーケストラのための)
シレジアPO、ヤロスラフ・シェメト(指)、
アガタ・キエラル=ドゥウゴシュ(Fl)*、
ウカシュ・ドゥウゴシュ(Fl)*

録音:2023年8月29日-9月2日、シレジア・フィルハーモニック(ポーランド)
このレコーディングに参加しているシレジアPOのディレクターも務めるポーランドの音楽家、アダム・ヴェソウォフスキの管弦楽作品集。「天使」という共通のテーマを持った作品がまとめられています。ヴェソウォフスキは作曲家としてチェコのドヴォルザーク国際作曲コンクールで第1位を獲得、さらにアダム・ディドゥル記念全ポーランド・コンクールでは2度の優勝に輝くなど輝かしい実績を誇り、彼が作曲した50以上の作品はポーランド国内外のコンサートや音楽祭で演奏されています。

Eudora
EUDSACD-2406(1SACD)
神秘
フリアン・オルボーン
(1925-1991):パルティータ第4番(Pと管弦楽のための交響的楽章)
マヌエル・マルティネス・ブルゴス(b.1970):鐘(Pと管弦楽のための協奏曲)(世界初録音)
ノエリア・ロディレス(P)、
ルーカス・マシアス(指)、オビエド・フィラルモニア

録音:2023年8月23日-25日&2024年1月31日-2月2日(スペイン)
スペインの高音質レーベルEudoraによるSACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、スペイン出身の現代作曲家たちの作品集がリリース!
ノエリア・ロディレスは、スペインのアルバセーテ国際ピアノ・コンクールで第1位と3つの特別賞を受賞し、同国内でセンセーションを巻き起こした女流ピアニスト。
フリアン・オルボーンは、スペインで生まれ、キューバ、メキシコ、アメリカで活躍したキューバを代表する作曲家の一人でした。師事したコープランドからの信頼も厚く、オルボーン自体も多大なる影響を受けました。
マヌエル・マルティネス・ブルゴスは、スペインを代表する現代作曲家の一人で、このアルバムでは彼のピアノ協奏曲「鐘」が世界初録音されています。

BIS
BISSA-2617(1SACD)
プロコフィエフ:チェロ作品集
(1)チェロと管弦楽のための交響的協奏曲 ホ短調 Op.125
(2)無伴奏チェロ・ソナタ 嬰ハ短調 Op.134第1楽章「アンダンテ」(ヴラディーミル・ブロク補完)
(3)チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119
クリスチャン・ポルテラ(Vc)
(1)ラハティSO、
アニヤ・ビールマイアー(指)
(3)ユホ・ポホヨネン(P)

録音:(1)2021年3月12&13日シベリウスホール、ラハティ(フィンランド)
(2)(3)2023年5月26〜28日ライツターデル、ノイマルクト(ドイツ)
ソリストとしてだけなく、トリオ・ツィンマーマンのチェリストとしても活躍する名手クリスチャン・ポルテラ。BISレーベルから多彩なレパー トリーを録音していますが、当アルバムではオール・プロコフィエフ・プログラムに挑みました。
クリスチャン・ポルテラは1977年チューリヒ生まれ。ザルツブルクとウィーンでハインリヒ・シフに師事し、これまでギドン・クレーメル、ヘンニング・クラッゲルー ド、内田光子ら世界的アーティストとの共演を重ねております。
近年の代表的な録音として「ブラームス:チェロ・ソナタ第1&2番、シューマン:民謡風の5つの小品集」(BIS SA-2427)、「メンデルスゾーン:チェロとピ アノのための作品集」(BIS SA-2187)、「ハイドン:チェロ協奏曲第1番&第2番、ヒンデミット:葬送音楽」(BIS SA-2507)、「シューマン&ブラームス:ソ ナタと歌曲」(BIS SA-2167)、「ショスタコーヴィチ&マルティヌー:チェロ協奏曲第2番」(BIS SA-2257)など、数多くのディスクをリリースしております。
当アルバムに収録された3篇はいずれもプロコフィエフの晩年の作品。健康状態は悪化し圧制的な政治情勢のなかでも、プロコフィエフは偉大な音楽家たち、と りわけチェリストのムスティスラフ・ロストロポーヴィチの存在に支えられたことにより、晩年にチェロのための作品が多く存在します。
チェロと管弦楽のための交響的協奏曲は、チェロ協奏曲第1番 Op58の改作。プロコフィエフの協奏曲らしい、独奏とオーケストラとの掛け合いが魅力です。無 伴奏チェロ・ソナタはもともと4楽章構成で作曲を始めたものの、第1楽章の冒頭「アンダンテ」を書き上げたところでこの世を去ってしまったため未完となって しまいました。ヴラディーミル・ブロクによる補完版では雄弁なアンダンテを聴くことができます。チェロ・ソナタは厳粛で詩的な作品。終始豊かな旋律であらわれ るプロコフィエフの最高傑作です。 (Ki)

ONDINE
ODE-1442(1CD)
NX-B10
ガブリエル・エルコレカ(1969-):チェロ協奏曲、他
チェロ協奏曲「Ekaitza 嵐」(2012)
3つのミケランジェロのソネット(2009)
ピアノ協奏曲「Piscis 魚」(2021-22)
アシエル・ポロ(Vc)
カルロス・メナ(C.T)
フランソワ・カーディ(コルネット)
ヌリア・サンロマ(コルネット)
アルフォンソ・ゴメス(P)
バスク国立O
ファンホ・メナ(指)

録音:2023年9月4-8日
1969年、スペインのバスク地方ビルバオで生まれたガブリエル・エルコレカは、地元で作曲を学んだ後ロンドンに留学し、王立音楽院でマイケル・フィニッシー に師事しました。彼の作品はスペインをはじめ、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、北京、日本で演奏され好評を博すとともに、数多くの賞も受賞しています。この アルバムに収録された3つの作品は、不穏で荒々しい音響がもたらす緊張感が特徴。チェロ協奏曲「Ekaitza」はバスク国立Oの創立30周年記念 の作品で、チェロの不気味な下降音型が際立つ、まさに嵐(バスク語でEkaitza)のような音楽。第3楽章では民俗舞曲的な旋律も聴こえてきます。ピアノ 協奏曲のタイトル「Piscis」はバスク語で魚。エルコレカ自身が魚座であることにちなみ、海を流れる水をイメージして書かれたといいますが、第1楽章冒頭か ら混沌としたオーケストラの響きと沸き立つような激しいピアノが強烈な印象を与えます。「3つのミケランジェロのソネット」は2つのコルネット(金管楽器ではなく 古楽器)が独特の効果をあげています。古楽分野で特に名高いカウンターテナーのカルロス・メナがソリストを務めています。 ファンホ・メナはマドリードで学んだ後ミュンヘンでチェリビダッケに指揮を学びました。これまでにビルバオSO、カルロ・フェリーチェ劇場、ベルゲン・フィル、ス ペイン国立O、BBCフィルなどで指揮者のポストを持ち、近年は日本も定期的に訪れています。

TOCCATA
TOCC-0708
NX-B06
マシュー・テイラー(1964-):管弦楽作品集 第2集
交響曲第6番Op.62(2021)
オーボエ協奏曲 Op.60(2020-21)
クラリネット協奏曲 Op.63(2021)
ヴァイオリン小協奏曲 Op.52(2016)
ジェイムズ・ターンブル(Ob)
ポピー・ベドー(Cl)
ミラ・マルトン(Vn)
BBCウェールズ・ナショナルO
マシュー・テイラー(指)

録音:2022年12月17-18日
※全て世界初録音
英国の作曲家マシュー・テイラー。彼の音楽は「現代に語りかける言葉と伝統的な形式を組み合わせた」もので、 ベートーヴェンやハイドンから連なる古典派の伝統を踏まえ、そこにシベリウスやニールセンの影響を感じさせる現代 的な装いの響きを描き出します。このアルバムには2021年に生誕100年を迎えたマルコム・アーノルドの追悼とし て作曲された交響曲第6番の他、3つの協奏的作品を収録。オーボエ協奏曲は、2つのコールアングレと弦楽器 が伴奏を務めるというユニークな編成で書かれ、クラリネット協奏曲の冒頭では、ブラームスの五重奏と似た旋律が 聴こえてきます。ジャズのリズムが用いられたヴァイオリン小協奏曲は、短いながらもまとまりのある曲。全ての作品 はテイラー自身が指揮を行い、彼が信頼する奏者たちが独奏を務めています。

NoMadMusic
NMM-119(1CD)
スパーク・ライト
マリー・ジャエル:ピアノ協奏曲第1番ニ短調
リスト:メフィスト・ワルツ第3番
 ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
セリア・オヌト・ベンサイド(P)、
デボラ・ワルドマン(指)
アヴィニョン=プロヴァンスO

録音:2023年/アヴィニョン
マリー・ジャエル(1846-1925)は近年再評価著しいフランスの女性作曲家。1866年に名ピアニスト、アルフレッド・ジャエルと結婚し、リスト、ブラームス。 サン=サーンスらの知己を得ました。その所産を集めたユニークなアルバム。ジャエルはピアニストとしてリストのピアノ協奏曲第1番をおはことしていました。リス トの「メフィスト・ワルツ第3番」はジャエルに捧げられています。彼女のピアノ協奏曲第1番は1877年頃の作で、フランスの女性が作曲家による最も古いもの とされます。サン=サーンスに献呈されました。
ベンサイドはパリ音楽院でヌーブルジェほかに師事。高度な技巧に加え華があるうえ、独特な美学によるコンセプトが興味深く、今後目が離せません (Ki)

Naive
V-7957(1CD)
バッハ:鍵盤協奏曲集
第1番ニ短調 BWV1052
第4番イ長調 BWV1055
曲第3番ニ長調 BWV1054
第5番ヘ短調 BWV1056
ティエンチ・ドゥ(P)
ジョナサン・ブロックスハム(指)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(アカデミー室内O)

録音:2023年4月28-30日/LSO・セントルークス、イズリントン(ロンドン)
「グレン・グールドを思わせる」などと世界中で絶賛され、レコード芸術2023年6月号でも特選を獲得した『ゴルトベルク変奏曲』の録音(KKC-6619 / V-7566)でCDデビューし、2023年の来日公演も話題を呼んだ新進気鋭の中国のピアニスト、ティエンチ・ドゥのCD第2弾はバッハの鍵盤協奏曲集!
『ゴルトベルク変奏曲』の次の録音として鍵盤協奏曲を選んだ理由は、「芸術家としての直観」だと語るティエンチ・ドゥ。子供の時にBWV1052の第1楽章に 深い感銘を受け、一音一音が頭に刻まれるほど聴き込み、また数年前にもBWV1054の第2楽章に涙するほど深く感動したという、個人的な体験が今回の録音 の選曲に繋がったそうです。また彼は、カフェ・ツィンンマーマンでのコンサートのレパートリーとして、ライプツィヒの音楽好きの聴衆のために演奏されたバッハの 鍵盤協奏曲の数々には、〈ゴルトベルク変奏曲〉や〈フーガの技法〉など晩年の傑作群とはまた異なる、「生き生きとした一人の人間としてのバッハの本質」が感じ られ、イタリア音楽の様式が活かされた鍵盤協奏曲では、「劇的で豊かな感情」が表現されていると捉えています。
こうした姿勢は、学究的な側面よりもひらめきを重視していると思われるこの演奏に示されています。特に緩やかなテンポの第2楽章での、思い入れたっぷりの 詩的で情感あふれる表現は、現代では珍しいほどロマンティック!一方、右手と左手のバランスやフレージング、即興的装飾などでは歴史的奏法を取り入れている 点も聴かれ、その異なる様式の融合具合がティエンチ・ドゥの演奏の大きな魅力となっています。
共演は、イギリスの新鋭ジョナサン・ブロックスハムが指揮する、巨匠ネヴィル・マリナーが創設した名室内Oアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ ザ・フィールズ(日本ではアカデミー室内Oの名で有名)。ブロックスハムは指揮をパーヴォ・ヤルヴィに学び、バーミンガム市SOではミルガ・グラジ ニーテ=ティーラのアシスタントも務めた、今注目の俊英指揮者で、2023/24シーズンからルツェルン劇場の音楽監督に就任するなど活躍の場を広げています。 ここではアカデミーのすばらしい演奏家とともに、ティエンチ・ドゥとの豊かな?音楽的対話“を聴かせてくれています。
たくさんの思いを込めて、現代の聴衆に訴える、ティエンチ・ドゥのエモーショナルなバッハ演奏をお楽しみください! (Ki)

EUROARTS
30-73908(2DVD)

30-73904(Bluray)
ドキュメンタリー:マルタ・アルゲリッチ『Bloody Daughter』


【ボーナス】
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
ショパン:マズルカ ハ長調Op.24-2
シューマン:幻想小曲集Op.12-7『夢のもつれ』
【本編】(94分)
マルタ・アルゲリッチ、リダ・チェン、アニー・デュトワ、ステファニー・アルゲリッチ、スティーヴン・コヴァセヴィッチ、ロバート・チェン、シャルル・デュトワ、ほか
監督:ステファニー・アルゲリッチ
製作:ピエール・オリヴィエ・バルデ、リュック・ピーター

【ボーナス】(54分)
マルタ・アルゲリッチ(P)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤツェク・カスプシク(指)

収録:2010年8月27日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
映像監督:ピエール=マルタン・ユバン

■DVD
画面:Full HD,16:9
音声:PCMステレオ、DD5.1、
DTS-HD MA5.1
リージョン:A l l
BD50
字幕:英 仏 独 波 西
148分
■Bluray
画面:N T S C ,16:9
音声:PCMステレオ、DD5.1、
DTS5.1
リージョン:A l l
DVD9
字幕:英 仏 独 波 西
148分
2021年6月に80歳を迎えたアルゲリッチ。それを記念して」EURO ARTSからアルゲリッチの映像集6枚組がリリースされました。当セットは、ドキュメンタリー 『Bloody Daughter』を収録したインターナショナル・バージョン。(※すでにご案内している品番:20-68485は廃盤となります。)
DVD1には、娘たちの視点で捉えたアルゲリッチの日常、音楽家として母としての葛藤と苦悩が綴られたドキュメンタリー映像『Bloody Daughter』。 DVD2は、2010年のショパン・イヤーにワルシャワでおこなわれたコンサートを収録したもの。カスプシク指揮するシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演した記念 演奏会にふさわしい豪華なコンサート映像。 そしてDVD3には、1977年にBBCが制作した貴重な映像。当時35歳のアルゲリッチが得意のチャイコフスキーとプロコフィエフの第3協奏曲を弾くという魅力 的な内容です。何より若いアルゲリッチの輝くような姿に目を奪われます。唖然とする指回りと速いテンポ、強靭なのになめらかな打鍵の美しさ、とてつもないエネ ルギーとオーラの発散に息もつけぬ1時間を満喫できます。 さらにDVD4は、2014年マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイム、お互いの故郷であるブエノスアイレスのテアトロ・コロンで初めて2人揃ってのコンサー トが行われました。ダニエル・バレンボイムによって創設されたウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラを率いて行われたコンサートは、ブエノスアイレス の人々の熱烈な拍手と歓声で迎えられました。当初2枚組でリリースされていた商品ですが、今回収録しているのは、アルゲリッチ、バレンボイムによるピアノ・デュ オ・ライヴ。 続いてDVD5には、2020年2月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコンサー トマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像。 最後は、クラウディオ・アバドが、ベルリン・フィルの定期演奏会で取り上げた「プロメテウス」神話に基づく様々な作曲家による作品が収録されたライヴ。「プロ メテウス神話」とは、ギリシア神話の神プロメテウスが人間に火を与えたとして、ゼウスの怒りをかい、不死身のプロメテウスは永遠にハゲ鷹に腹を割かれて処刑 された、それを勇敢なヘラクレスがハゲ鷹を殺しプロメテウスを救うという内容。映像監督のクリストファー・スワンは、照明等を駆使した視覚的効果を巧みに使い、 「火」「炎」を表現。ベルリンのフィルハーモニーホールが、赤、黄色、緑、青と変幻自在に染まっていく様子は必見です。 スクリャービンの交響曲第5番『プロメテウス』では、アルゲリッチがピアノ・ソロとして登場。神秘主義に影響され、色彩への強い関心をもち、音楽に色彩をも取 り込もうとしたスクリャービンの作風が最も色濃く投影された曲。大編成のオーケストラとヴォカリーズによる混声合唱、そして独奏ピアノのために作曲されました アルゲリッチの神秘的で魅惑的な演奏にも注目です。 (Ki)
EUROARTS
20-68488(6DVD)
マルタ・アルゲリッチBOX
■DVD1(94分)
ドキュメンタリー:マルタ・アルゲリッチ『Bloody Daughter』
■DVD2(54分)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
ショパン:マズルカ ハ長調Op.24-2
シューマン:幻想小曲集Op.12-7『夢のもつれ』
■DVD3(62分)
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
■DVD4(120分)
アルゲリッチ&バレンボイム/テアトロ・コロン凱旋公演
モーツァルト:2台ピアノのためのソナタ ニ長調K.448
シューベルト:創作主題による8つの変奏曲変イ長調D813
ストラヴィンスキー:春の祭典(2台ピアノ版)
シューマン:2台ピアノのためのアンダンテと変奏Op.46
ラフマニノフ:組曲第2番Op.17〜ワルツ
カルロス・グアスタビーノ:バイレシート
ミヨー:スカラムーシュ〜ブラジレイラ
■DVD5(85分)
シューマン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 イ短調 Op.105
プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調 Op.94
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
クライスラー:愛の悲しみ、美しきロスマリン
■DVD6(57分)
『プロメテウス』神話の様々な変奏〜火の詩
監督:クリストファー・スワン
ベートーヴェン:『プロメテウスの創造物』 Op.43より(導入部『嵐』/第1番/第9番/パストラーレ第10番)
リスト:交響詩『プロメテウス』
スクリャービン:交響曲第5番『プロメテウス』
ノーノ:『プロメテオ』組曲 (1992)〜ヘルダーリン
マルタ・アルゲリッチ(P)

■DVD1(94分)
監督:ステファニー・アルゲリッチ
■DVD2(54分)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤツェク・カスプシク(指)
収録:2010年8月27日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
映像監督:ピエール=マルタン・ユバン
■DVD3(62分)
(1)マルタ・アルゲリッチ(P)
ロイヤル・リヴァプールPO
サー・チャールズ・グローヴス(指)
収録:1977年2月6日、プレストン、ギルド・ホール(ライヴ)
(2)LSO
アンドレ・プレヴィン(指)
収録:1977年5月3日、クロイドン、フェアフィールド・ホール(ライヴ)
■DVD4(120分)
ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ
マルタ・アルゲリッチ(P)
ダニエル・バレンボイム((指)ピアノ)
収録:2014年8月コロン劇場、ブエノスアイレス(ライヴ)
■DVD5(85分)
ガイ・ブラウンシュタイン(Vn)
マルタ・アルゲリッチ(P)
収録:2020年2月22日、ピエール・ブーレーズ・ホール、ベルリン(ライヴ)
■DVD6(57分)
ベルリン・ジングアカデミー、
フライブルク・ゾリステンcho
BPO、
クラウディオ・アバド(指)
収録:1992年5月23-25日、ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)

画面:NTSC,16:9(DVD3/4:3)
音声:PCM Stereo,DD5.1,DTS5.1
リージョン:All  DVD9
字幕:英仏独波西
472分
2021年6月に80歳を迎えたアルゲリッチ。それを記念して」EUROARTSからアルゲリッチの映像集6枚組がリリースされました。当セットは、ドキュメンタリー『BloodyDaughter』を収録したインターナショナル・バージョン。(※すでにご案内している品番:20-68485は廃盤となります。)
DVD1には、娘たちの視点で捉えたアルゲリッチの日常、音楽家として母としての葛藤と苦悩が綴られたドキュメンタリー映像『BloodyDaughter』。DVD2は、2010年のショパン・イヤーにワルシャワでおこなわれたコンサートを収録したもの。カスプシク指揮するシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演した記念演奏会にふさわしい豪華なコンサート映像。そしてDVD3には、1977年にBBCが制作した貴重な映像。当時35歳のアルゲリッチが得意のチャイコフスキーとプロコフィエフの第3協奏曲を弾くという魅力的な内容です。何より若いアルゲリッチの輝くような姿に目を奪われます。唖然とする指回りと速いテンポ、強靭なのになめらかな打鍵の美しさ、とてつもないエネルギーとオーラの発散に息もつけぬ1時間を満喫できます。さらにDVD4は、2014年マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイム、お互いの故郷であるブエノスアイレスのテアトロ・コロンで初めて2人揃ってのコンサートが行われました。ダニエル・バレンボイムによって創設されたウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラを率いて行われたコンサートは、ブエノスアイレスの人々の熱烈な拍手と歓声で迎えられました。当初2枚組でリリースされていた商品ですが、今回収録しているのは、アルゲリッチ、バレンボイムによるピアノ・デュオ・ライヴ。続いてDVD5には、2020年2月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコンサートマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像。最後は、クラウディオ・アバドが、ベルリン・フィルの定期演奏会で取り上げた「プロメテウス」神話に基づく様々な作曲家による作品が収録されたライヴ。「プロメテウス神話」とは、ギリシア神話の神プロメテウスが人間に火を与えたとして、ゼウスの怒りをかい、不死身のプロメテウスは永遠にハゲ鷹に腹を割かれて処刑された、それを勇敢なヘラクレスがハゲ鷹を殺しプロメテウスを救うという内容。映像監督のクリストファー・スワンは、照明等を駆使した視覚的効果を巧みに使い、「火」「炎」を表現。ベルリンのフィルハーモニーホールが、赤、黄色、緑、青と変幻自在に染まっていく様子は必見です。スクリャービンの交響曲第5番『プロメテウス』では、アルゲリッチがピアノ・ソロとして登場。神秘主義に影響され、色彩への強い関心をもち、音楽に色彩をも取り込もうとしたスクリャービンの作風が最も色濃く投影された曲。大編成のオーケストラとヴォカリーズによる混声合唱、そして独奏ピ

Goodies
78CDR-3941(1CDR)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104 ガスパール・カサド(Vc)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)
BPO

日TELEFUNKEN13622/26(独TELEFUNKEN1893/7 と同一録音)
1935年11月14日ベルリン録音
チェロのガスパール・カサド(1897-1966)はスペインのバルセロナ生まれ。7歳 でチェロを学び始めた。9歳でリサイタルを開いたとき、聴衆中に居たパブロ・ カザルス(1876-1973)に認められ、以来カザルスの薫陶を得た。バルセロナでは 街をあげて、カサド少年がパリのカザルスのもとで音楽修行を続けられるよう 奨学金を集めた。職業演奏家としての活動は第一次世界大戦(1914-1918)中に始 め、欧米各地で演奏活動やレコード録音活動を繰り広げた。1959年に日本人ピ アニストの原智恵子(1914-2001)と結婚した。指揮者のハンス・シュミット= イッセルシュテット(1900-1973)はベルリン生まれのドイツの名指揮者。第2次 世界大戦中も非ナチス党員をつらぬいた。当シリーズではヴァイオリニストの ゲオルク・クーレンカンプとのシューマン:ヴァイオリン協奏曲(1932年録音) (78CDR-3923)が出ていた。大戦後のLP時代にDECCA, PHILIPS, Deutsche Grammophon, TELEFUNKEN に多くの名録音を残しています。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3943(1CDR)
ストラヴィンスキー:ピアノと管楽器のための協奏曲ニ長調(1923/4) スリマ・ストラヴィンキー(P)
フェルナン・ウーブラドゥ(指)
パリ管楽器協会O

仏 DISQUES "GRAMOPHONE" DB11.105/6
1943年11月17日パリ、アルベール・スタジオ録音
ピアノのスリマ・ストラヴィンスキー(1910-1994)は作曲家イーゴリ・ストラ ヴィンスキーの次男で、父親が「火の鳥」を発表した1910年にローザンヌで生 まれた。スリマはパリ音楽院でピアノをイシドール・フィリップ(1863-1958)、 作曲をナディア・ブーランジェ(1887-1979)に師事した。1934年にパリでデビュ ーし、父親の作品を共に演奏・録音した。1939年父親はアメリカに亡命したが、 スリマはフランス陸軍に籍を置いていた。1948年父の招きで渡米し、以降アメ リカで活動した。1950年から1978年までイリノイ大学でピアノを教えた。スリ マの作品は父の没後に出版された。大部分はピアノ曲で演奏会用の作品の他に 教育用作品があった。レコード録音は父のピアノ曲がこの他にもあった。指揮 者のフェルナン・ウーブラドゥ(1903-1986)はパリ生まれ。パリ音楽院出身。 パリ音楽院O、パリ・オペラ座Oの首席ファゴット奏者を勤めた 後、1939年フェルナン・ウーブラドゥ室内Oを立ち上げ演奏会やレコー ド録音で活躍した。1941年から母校パリ音楽院教授をつとめた。(グッディーズ)

PARNASSUS
PACL-95014(1CD)
ウィリアム・プリムローズ〜ヴィオラ・トレジャーズ
(1)バルトーク:ヴィオラ協奏曲
(2)メンデルスゾーン:八重奏曲 変ホ長調 Op.20
(3)ウォルトン:ヴィオラ協奏曲
(4)パガニーニ(クライスラー編):「ヴァイオリン協奏曲第2番 ロ短調 Op.7第3楽章」より「カンパネラ」(プリムローズ編ヴィオラ版)
(5)フォスター(ハイフェッツ編):金髪のジェニー(プリムローズ編ヴィオラ版)
ウィリアム・プリムローズ(Va)

(1)シェルイ・ティボール(指)、ニュー・シンフォニー・オーケストラ/録音:1951年
(2)ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)、イスラエル・ベイカー(Vn)、アーノルド・ベルニック(Vn)、ジョゼフ・ステパンスキー(Vn)、ヴァージニア・マジェフスキ(Va)、 グレゴール・ピアティゴルスキー(Vc)、ガーボル・レイト(Vc)/録音:1961年
(3)ウィリアム・ウォルトン(指)、フィルハーモニアO/録音:1946年
(4)ハリー・アイザックス(P)/録音:1937年
(5)不明(P)
20世紀を代表するヴィオラ奏者ウィリアム・プリムローズ。彼はヴィオラを独奏楽器として世に知らしめた先駆者と言ってよいでしょう。このアルバムはプリムローズのために書かれたバルトークの「ヴィオラ協奏曲」を始めとして、ヤッシャ・ハイフェッツや、グレゴール・ピアティゴルスキーといったこちらも20世紀を代表する演奏者たちが参加したメンデルスゾーンの「八重奏曲」。作曲者自身が指揮をしたウォルトンの「ヴィオラ協奏曲」など充実の収録内容となっています。また「カンパネラ」といった小品ではプリムローズの至芸をたっぷりとご堪能いただけます。

Chandos
CHSA-5346(1SACD)
ブリッジ、フランシス=ホード、ウォルトン:チェロ協奏曲集
ブリッジ:悲歌的協奏曲 「祈り」
シェリル・フランシス=ホード(b.1980):チェロ協奏曲 「Earth, Sea, Air」(世界初録音)
ウォルトン:チェロ協奏曲
ラウラ・ファン・デル・ハイデン(Vc)
BBCスコティッシュSO、
ライアン・ウィグルスワース(指)

録音:2023年5月22日-24日、シティ・ホール(グラスゴー、スコットランド)
2012年に15歳でBBCヤング・ミュージシャン・コンクール優勝を果たし、その後も2018年にオランダのエディソン・クラシック賞、2019年にBBCミュージック・マガジン賞を受賞するなど、若手チェリストの中でも最注目株の一人とされるイギリス出身のチェリスト、ラウラ・ファン・デル・ハイデンのChandosレーベルからの3枚目となるアルバムは、イギリスのチェロ協奏曲集。
戦争の非人道性に対する抗議と、第一次世界大戦の犠牲者への哀悼の意が込められたブリッジの協奏曲「祈り」、ファン・デル・ハイデンのために書かれ、このレコーディングの1週間前にグラスゴーで初演が行われたシェリル・フランシス=ホードの新作「Earth, Sea, Air」、そして優勝を果たした2012年のBBCヤング・ミュージシャン・コンクールで演奏した彼女にとって思い出深い1曲、ウォルトンの協奏曲を収録しています。

ALTO
ALC-1483(1CD)
クラシックス・フォー・クラリネット〜クラリネット協奏曲集
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K622*
フランツ・クロンマー(1759-1831):クラリネット協奏曲変ホ長調 Op.36
ウェーバー:クラリネット小協奏曲ハ短調/変ホ長調
ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847):クラリネットと弦楽のためのアダージョ
ドビュッシー:第1狂詩曲
ジャック・ブライマー(Cl)、
ロイヤルPO*、
トーマス・ビーチャム(指)*、
ウィーン国立歌劇場O、
フェリックス・プロハスカ(指)

録音:1958年-1959年*&1966年
タイムズ紙が「彼の世代、そしておそらく今世紀を代表するクラリネット奏者である」と評した20世紀の偉大なクラリネット奏者、ジャック・ブライマーの協奏曲録音集。モーツァルト&クロンマーの協奏曲に加えウェーバー、ベールマン、ドビュッシーと盛りだくさんの内容です。モーツァルトは彼の3度の録音のうちの最初の録音にあたるビーチャム&RPOとの名演が選ばれています。

ALPHA
ALPHA-869(1CD)
アビイ・ロード・コンチェルト
ガイ・ブラウンシュタイン(1971-)作・編曲:アビイ・ロード・コンチェルト
ヴォーン・ウィリアムズ: 揚げひばり
ディーリアス:ヴァイオリン協奏曲
ガイ・ブラウンシュタイン(Vn)
ベルギー王立リエージュPO
アロンドラ・デ・ラ・パーラ(指)

録音:2021年11月 サル・フィラルモニーク、リエージュ、ベルギー
ビートルズ最後のスタジオ録音アルバムである『アビイ・ロード』。これをベルリン・フィルの第一コンサートマスターを2000年から約14年務めた ガイ・ブラウンシュタインが編曲し、クラシカルな楽曲に仕立てて自ら奏でるアルバムが登場。「アイ・ウォント・ユー」のリフによる序曲、「ストロベ リー・フィールズ・フォーエバー」のフレーズを挿入したカデンツァなどビートルズへの愛が全編に詰まっており、技巧的なアクセントも随所に散りば められた聴き応えたっぷりの35分間です。 併せて同じく英国由来の名曲2作、ヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」とディーリアスの協奏曲を収録。どちらもゆったりとした作品ですが、 ブラウンシュタインの歌心が冴えわたり、作品の美しさを満喫することが出来ます。特にひばりの描写は天国的。 2024年からマドリード州立Oの首席指揮者兼芸術監督への就任が決まっているアロンドラ・デ・ラ・パーラによる、隅々まで行き届き 抑制の効いたコントロールも素晴らしいものです。
ALPHA
ALPHA-1051(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol. 9
(1)協奏交響曲 変ホ長調 K.364(カデンツァ…モーツァルト)
(2)ホルン協奏曲 第2番変ホ長調 K.417
(3) ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K. 386(カデンツァ…アリエル・ラニ)
(4) ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K. 382(カデンツァ…モーツァルト)
(1)ユーハン・ダーレネ(Vn/ストラディヴァリウス1736年製「スペンサー・ダイク」)
(1)アイヴィンド・リングスタッド(ヴィオラ/アンドレア・グァルネリ1676年製「コンテ・ヴィターレ」)
(2)アレクサンドル・ザネッタ(ナチュラル・ホルン)
(3)(4)アリエル・ラニ(P/ベーゼンドルファー)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2021-2023年 オーストリア
2000年ノルウェー生まれのユーハン・ダーレネは、スウェーデンBISより2019年からこれまで4枚のアルバムをリリース、2度の来日公演を通じ て日本の聴衆にも大きなインパクトを与えている俊英。2012年のユーロビジョン・ヤング・ミュージシャンズの覇者であるアイヴィンド・リングス タッドと共に、切れ味のよい演奏を聴かせています。ホルンのアレクサンドル・ザネッタは1990年生まれのフランス出身、ベルリンでマリー=ル イーズ・ノイネッカーに師事するなど研鑽を積んだ後、バーゼル・スコラ・カントルムでナチュラル・ホルンを習得しました。ここでも細やかなトリル や装飾音など見事な技巧とセンスを聴かせ、作曲家が本来想定したホルンの音色で作品を楽しませてくれます。1997年イスラエル生まれ のアリエル・ラニは2023年、ルドルフ・ブッフビンダーが選出する若いアーティストのためのピアノ賞プリ・セルダンに選出された新鋭で、粒のそ ろった音色で安定した美しい演奏を聴かせます。


APARTE
AP-363(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲【全楽章のカデンツァ:アンリ・ヴュータン】
ベートーヴェン(リスト編曲による管弦楽版):アンダンテ・カンタービレ(原曲:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97の第3楽章)*
ベンヤミン・シュミット(Vn)
マルティン・ハーゼルベック(指)、
ウィーン・アカデミーO

ライヴ録音:2020年8月8日ブルックナーハウス、リンツ(オーストリア)
2022年10月24日ライディング・リスト音楽祭(オーストリア)*
マルティン・ハーゼルベック率いるウィーン・アカデミーOの最新盤は、天才ヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミットを独奏に迎えたベートーヴェンの ヴァイオリン協奏曲とリストがオーケストラ用に編曲したベートーヴェンのアンダンテ・カンタービレです!
1968年ウィーン生まれのシュミットは、数多くの国際コンクールで優勝。なかでも1992年に開催されたカール・フレッシュ国際ヴァイオリンコンクールでは、 第1位、最優秀モーツァルトおよびベートーヴェン協奏曲賞、そして観客賞を受賞するなど、若くして圧倒的な存在感を示しました。
積極的な演奏活動に並行して多くのレコーディングでも知られるシュミットは、バッハから現代、そしてジャズ・即興まで、クラシック・ヴァイオリニストとして 最も豊かなレパートリーで聴衆を魅了しております。そのシュミットがついにベートーヴェンの協奏曲を録音!ハーゼルベックの的確な解釈の元、名門ウィーン・ア カデミーOと奏でるベートーヴェンは格別で、流麗なヴァイオリンの音色は当代随一の演奏家だからこその表現といえます。
さらに注目は全楽章ヴュータン作のカデンツァで演奏していること!フランスで活躍したベルギーのヴァイオリニスト・作曲家アンリ・ヴュータン は、1830年代にシューマンやシュポアと親交を結び、のちにヴァイオリニスト、作曲家として活躍。晩年はイザイなどのヴァイオリニスト、作曲家を輩出しています。 ヴュータンといえば美しい旋律と演奏効果が見事にあらわれた華やかな作品で知られますが、ベートーヴェンのカデンツァでもヴュータンらしさが随所に現れます。 敬愛するベートーヴェンへのオマージュともいえる名カデンツァ。当演奏を聴けば、全楽章ヴュータンのカデンツァを採用したシュミットの意図がよくわかります。 大歓迎の録音といえましょう!
カップリングのアンダンテ・カンタービレについてハーゼルベックは「すでにヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして活躍していたリストは、1837年から1864 年にかけて、ベートーヴェンの交響曲全曲をピアノ独奏用に編曲。また『大公』の名で知られるベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97の第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」を管弦楽版に編曲しています。シューベルトのさすらい人幻想曲(Pとオーケストラ版)と並んで、このアンダンテ・ カンタービレの編曲は、作曲家リストが独自にして優れた管弦楽法を習得していることを証明しています」と語っています。

Pentatone
PTC-5187237(1CD)
ベル・エポック
ドビュッシー:第1狂詩曲
マンフレート・トロヤーン(1949-):ラプソディ〜クラリネットとオーケストラのための(2002)【世界初録音】
ピエルネ:カンツォネッタ【イェーレ・タジンズ(1979-)編曲】
ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.120【ルチアーノ・ベリオ編曲】
ヴィドール:序奏とロンド Op.72【タジンズ編曲】
アンネリエン・ファン・ヴァウヴェ(Cl)
アレクサンドル・ブロック(指)、
リール国立O

録音:2018年12月/ヌーヴォー・シエクル(リール)
若手実力派クラリネット奏者アンネリエン・ファン・ヴァウヴェのデビュー盤『ベル・エポック』がCDフォーマットで再発売されます!
収録作品はドビュッシーの第1狂詩曲、パリを拠点に活躍するマンフレート・トロヤーン(1949-)のラプソディ(世界初録音)、タジンズ編曲によるピエルネの カンツォネッタとヴィドールの序奏とロンド、そしてベリオ編曲のブラームスのクラリネット・ソナタ第1番です。
最難関のコンクールとして知られるミュンヘン国際音楽コンクールで優勝(2012年)後、英BBC選出の"新生代アーティスト"やボルレッティ=ブイトーニ財団 アワード2018を受賞するなど、今最も期待のされる新進気鋭のクラリネット奏者ヴァウヴェ。ザビーネ・マイヤー、ヴェンツェル・フックス、アレッサンドロ・カル ボナーレ、パスカル・モラゲスといった錚々たるクラリネット奏者に師事してきたヴァウヴェは、2017年夏のプロムスのデビュー後、2018年にはロイヤル・アル バート・ホールやカドガン・ホールにてトーマス・ダウスゴー(指)BBCスコティッシュSOとの共演でモーツァルトのクラリネット協奏曲を披露するなど、イ ギリスを中心に全ヨーロッパで注目を集めております。当録音ではアレクサンドル・ブロック(指)リール国立Oの好サポートのもと、圧倒的なテクニックと 豊かな感性で「ベル・エポック」の世界を表現しております。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(PTC-5186808)は廃盤となります。 (Ki)「

CLAVES
50-307(1CD)
フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(1791-1844):ピアノ協奏曲第1番(第3楽章のカデンツァ:アンドリー・ドラガン)
ピアノ協奏曲第2番
アンドリー・ドラガン(P)
ボグダン・ボジョヴィッチ(コンサートマスター)、
ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム

録音:2023年10月/ヴィンタートゥール・シュタットハウス(スイス)
2021年に生誕230周年を迎えたモーツァルトの末子フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(1791-1844)。彼の作品に魅了されたピア ニスト、アンドリー・ドラガンが変奏曲ばかりを集めたピアノ独奏曲のアルバム(50-3033)を同年にリリースし好評を博しました。あれから3年。フランツ・クサー ヴァーは今年(2024年)に歿後180年を迎えました。それを記念しドラガンが第2弾をリリース!収録作品は2つのピアノ協奏曲です。
フンメル、サリエリらに師事したフランツ・クサーヴァーはピアニストとしてヨーロッパ各地での演奏旅行を成功させた一方、作曲家としてはピアノ曲、声楽曲を残 しております。ピアニストとして成功したフランツ・クサーヴァーは非常に効果的な技巧が散りばめられたピアノ作品を書き上げました。ドラガンがボグダン・ボジョ ヴィッチ率いるヴィンタートゥール・ムジークコレギウムと華麗な演奏を披露しております。 (Ki)


Spectrum Sound
CDSMBA-010(1CD)
マウリツィオ・ポリーニ追悼再発売
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 Op.90
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
マウリツィオ・ポリーニ(P)
フランス国立放送O、
パウル・クレツキ(指)

ライヴ録音:1960年5月3日/シャンゼリゼ劇場(パリ)
長らく入手困難が続いていたSpectrum Soundの名盤が再発売。
ポリーニのショパン、それもピアノ協奏曲第1番1960年ステレオ・ライヴの世界初出。ポリーニは同年の2月から3月にかけて行われた第6回ショパン国際ピ アノコンクールにわずか18歳で優勝、クラシック音楽界最大の注目を集めていました。
ポリーニのショパンのピアノ協奏曲第1番といえば、1960年3月13日のショパン・コンクールにおけるライヴと、同年4月20-21日にクレツキ指揮フィルハー モニアOとのベストセラー盤が存在していますが、当アルバムはその1カ月半後の5月3日にパリのシャンゼリゼ劇場でフランス国立放送管と行われたコン サートのライヴ。フランス放送所蔵のオリジナル・ステレオマスターから192kHz、24bit高音質でデジタル・リマスタリングを行い、鮮やかな姿で蘇った正規盤で す。
何よりポリーニの独奏が唖然とする凄さ。明快なテクニックと早いデンポ、絹のようなタッチと透明な音色はフィルハーモニア管との盤と同質ですが、ライヴなら ではの高揚と熱気で、曲が進むにしたがって音楽に没入していくさまが危険ささえ感じさせるほど。奇跡の演奏が残されていたと申せましょう。老練なクレツキの バックも注目で、才気煥発名ポリーニの独奏にピッタリあわせているだけでなく、各所にちりばめられたポーランドの民族色の表出も見事。
カップリングのブラームスの交響曲第3番も、クレツキならではの考え抜かれた知的アプローチ光る名演。フランス国立放送管の音色も魅力です。 ※再発売に伴い日本語帯は付属いたしません。
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

BMOP SOUND
BMOP-1095(1SACD)
サミュエル・ジョーンズ(b.1935):協奏曲集
(1)フルート協奏曲(2018)
(2)ヴァイオリン協奏曲(2014)
(3)トロンボーン協奏曲「ヴィタ・アカデミカ」(2009)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)ジェフリー・ケーナー(Fl)
(2)マイケル・リュドヴィッグ(Vn)
(3)ジョセフ・アレッシ(Trb)

録音:(1)2021年11月29日、(2)(3)2020年1月12日
サミュエル・ジョーンズはイーストマン音楽院でハワード・ハンソン(交響曲第 1番「ノルディ ックと第2番「ロマンティック」で有名)に作曲を、指揮をウィリアム・スタインバーグに学んだ。 シアトルSOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めたこともある。彼の作風は師匠ハ ワード・ハンソンの系譜に連なる新古典主義もしくは新ロマン主義的なもので堅固な様式の 上にロマンティックな旋律や劇的な展開が行われるもの。管弦楽の機能を存分にいかした 3つの協奏曲は聴きごたえ充分の秀作ぞろい。 ソリストも豪華でフィラデルフィア首席のフルート奏者ジェフリー・ケーナー、ソリストとして NAXOS にレコーディングが多数あるマイケル・リュドヴィッグ、ニューヨーク・フィル首席で名 人として知られるジョセフ・アレッシが参加!
BMOP SOUND
BMOP-1096(1SACD)
ナンシー・ガルブレイス(b.1951):協奏曲集
(1)フルート協奏曲(2019)
(2)ヴァイオリン協奏曲第1番(2016)
(3)打楽器協奏曲「万物は流れる」(2019)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)リンゼイ・グッドマン(Fl)
(2)アリッサ・ワン(Vn)
(3)アビー・ラングホースト(Perc)

録音:(1)2021年6月16日、(2)2021年11月29日、(3)2022年8月25日
ナンシー・ガルブレイスはペンシルヴェニア出身の作曲家。オハイオ大学、カーネギーメ ロン大学で作曲を学び、現在はカーネギーメロン大学の教授の地位にある。彼女の作風は 基本的に調性で書かれ、新ロマン主義的な様式とミニマリズムを折衷したダイナミックなもの です。ここには3つの楽器のための協奏曲が収められているがいずれも楽器の特性を活 かした聴きごたえのある作品。

Orchid Classics
ORC-100304(1CD)
NX-B06
ベーラ・バルトーク:作品集
ヴィオラ協奏曲 Op. post(T. シェルイによる補筆完成版)
ヴァイオリン協奏曲第1番Op. post
ルーマニア民俗舞曲 Sz56、BB68(Y. ジスリンによるヴァイオリンと弦楽オーケストラ編)
ユーリ・ジスリン(Vn/Va)
ロシア国立シンフォニー・カペラ
ヴァレリー・ポリャンスキー(指)

録音:2021年6月
ロンドンを拠点に演奏家・教育者として活躍するユーリ・ジスリンがヴァイオリンとヴィオラの「二刀流」でバルトークの 傑作協奏曲2篇を演奏。更にジスリンが独奏ヴァイオリンとオーケストラの協奏曲風にアレンジしたルーマニア民俗 舞曲も収録しています。名匠ポリャンスキー指揮の重厚なオーケストラ・サウンドにも注目です。

DUX
DUX-2026(1CD)
ペンデレツキ:協奏曲集 Vol.10
1. ヴァイオリン、ヴィオラ(Vc)と管弦楽のための二重協奏曲(ミシェル・ルティエクによるフルートとクラリネット版)
2. ホルン協奏曲 「冬の旅」(エヴァ・イェリンスカによるトロンボーン版)
3-8. フルート(Cl)と室内オーケストラのための協奏曲
パトリック・ガロワ(フルート/tr.1)、
ミシェル・ルティエク(クラリネット/tr.1)、
ヴォイチェフ・イェリンスキ(トロンボーン/tr.2)、
クシシュトフ・グジボフスキ(クラリネット/tr.3-8)、
イェジー・セムコフ・ポーランド・シンフォニア・ユヴェントゥスO、
マチェイ・トヴォレク(指)

録音:2023年12月9日ー10日&29日ー30日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
2020年3月29日に86歳でこの世を去った現代のポーランド楽壇を代表する巨匠クシシュトフ・ペンデレツキ。ペンデレツキが作曲した数々の「協奏曲」を網羅するために、ポーランドのレーベル「DUX-(ドゥクス)」が進めてきた協奏曲シリーズの最終巻では、フランス、ポーランドを代表する管楽器の名手達によるトランスクリプション作品を取り上げています。ペンデレツキの作品は、他の楽器のためのトランスクリプションや編曲に対する並外れた感受性の高さが特徴的で、本アルバムでも原曲が持つ特徴を損なうことなく、各楽器のソリスト達が作品の魅力を存分に引き出しています。
ソリストには、2016年にDUX-からシンフォニア・ユヴェントゥスとの共演で、ペンデレツキのクラリネット協奏曲の録音で権威あるICMA賞を受賞したミシェル・ルティエク。1977年に21歳でフランス国立Oの首席フルート奏者を務め、近年は指揮者としても国際的に活躍する、フランスの名手パトリック・ガロワ。パデレフスキ音楽院でマチェイ・ワコミに、ハンス・アイスラー音楽大学でクリストハルト・ゲスリング(元ベルリン・フィル首席)に、ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーではオラフ・オット(ベルリン・フィル首席)に師事し、2019年からポズナンPOで第1トロンボーン奏者を務めるヴォイチェフ・イェリンスキ。リューベック音楽大学でドイツの伝説的クラリネット奏者、ザビーネ・マイヤーのもとで研鑽を積み、カールスルーエ音楽大学ではヴォルフガング・マイヤーとエドゥアルト・ブルンナーに室内楽を師事。定期的にヨーロッパ中の著名な音楽祭でのソリストとして、また、モーツァルト生誕225周年を記念して結成されたアマデウス・ウィンド・アンサンブル(メンバーは、LSOの奏者や著名なポーランドの楽器奏者、ソリストなど)のメンバーとして室内楽奏者としても国際的に活躍するクシシュトフ・グジボフスキという傑出した名手たちが名を連ねています。

DUX
DUX-20342035(2CD)
マイ・ライフ...ショパン:ピアノ協奏曲集
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
※ユゼフ・ドムジャウ&ラドスワフ・ソプチャクによるオーケストレーション(2023)
ラドスワフ・ソプチャク(P)、
ポドラシェ室内O、
カジミェシュ・ドンブロフスキ(指)

録音:2023年8月21日ー22日、イグナツィ・ヤン・パデレフスキ音楽学校コンサートホール、スタニスワフ・モニューシュコ・ポドラシェ歌劇場(ポーランド)
ピアニストとリスナーに広く愛されているショパンの2つのピアノ協奏曲を新たなオーケストレーションで描いた注目盤が、ポーランドのレーベル「DUX-(ドゥクス)」から登場。
過去には、アルフレッド・コルトーやミハイル・プレトニョフといった偉大なピアニストたちが、ショパンが残した両名曲の大規模なオーケストレーションを試みてきました。これら偉大な名曲に新たな可能性を見出したのは、2000年に開催された第14回ショパン国際ピアノ・コンクールで、ポーランド人最高位を果たしたラドスワフ・ソプチャクと、ポーランド国内外の多くのコンクールで受賞歴を持つユゼフ・ドムジャウ。
この新たなオーケストレーションでは、通常過小評価されがちなオーケストラ・パートの価値を示し、楽譜の副次的要素や楽器間の対話の役割を強調。
第14回ショパン国際ピアノコンクールから23年という時を経て成熟した音楽家が、ロマン派の名曲の詩的な側面を並外れた方法で示し、これら協奏曲の新たな魅力を見事に見出した今作にご注目下さい。

DUX
DUX-2039(1CD)
ポーリッシュ・ロマンティック・ワークス 〜 ヴィエニャフスキ&ノスコフスキ
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.14(1853)
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):交響曲第2番ハ短調 「哀歌的」(1875-1879)
ヴォイチェフ・ニェジュウカ(Vn)、
パヴェウ・プシトツキ(指)、
アルトゥール・ルービンシュタインPO

録音:2023年9月、クシシュトフ・ペンデレツキ・ヨーロッパ音楽センター・コンサート・ホール(ルスワヴィツェ、ポーランド)
前作「ポーリッシュ・ロマンティック・シンフォニーズ」(DUX-1901)では、フランチシェク・ミレツキとユゼフ・ヴィエニャフスキの交響曲を披露したパヴェウ・プシトツキと、彼が2017年から芸術監督を務めるアルトゥール・ルービンシュタイン・フィル(ウッチ・フィルハーモニック)。「ポーリッシュ・ロマンティック・ワークス」と題された続編では、兄ヘンリク・ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第1番と、ポーランド後期ロマン派を代表する作曲家であり、シマノフスキやフィテルベルクらを指導した名教師でもあったジグムント・ノスコフスキの交響曲第2番「哀歌的(Elegiac)」を収録。
協奏曲でソロを務めるポーランドのヴァイオリニスト、ヴォイチェフ・ニェジウカは、弱冠20歳の若き俊英。現在はウッチのバツェヴィチ音楽アカデミーで研鑚を積みながら、既に国内外の多くの音楽コンクールで優勝し、ポーランドの主要なオーケストラと共演しています。濃密なポーランド・ロマンティシズムを感じさせるオーケストラ作品を、ポーランド実力派たちの演奏でどうぞ。

NIFC
NIFCCD-155156(2CD)
ラスト・コンサート・イン・ポーランド
ショパン:ピアノ協奏曲ヘ短調 Op.21
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53「英雄」
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、
ウッチPO、ヘンリク・チシ(指)

録音:1975年5月30日、ウッチ・フィルハーモニック(ウッチ、ポーランド)
※レコーディング・スーパーヴィジョン:ポーランド放送(Polskie Radio)
ポーランド中央部に位置する都市ウッチでユダヤ人の家庭に生まれ、ポーランド、そして20世紀を代表するピアニストの1人として音楽史に大きな足跡を残すアルトゥール・ルービンシュタイン(1887-1982)。
80年にも及ぶキャリアを築いた後、飛蚊症を原因とする視力悪化により1976年に引退したルービンシュタインでしたが、その前年の1975年5月30日に生まれ故郷であるポーランドのウッチにおいて、同地のウッチPO(現アルトゥール・ルービンシュタインPO)との共演で自身のポーランドにおける「最後」のコンサートに臨んでいました。
今回、ルービンシュタインの家族であるエヴァ、アリーナ、そしてジョンから許諾を得て、このウッチ、そしてポーランドでのルービンシュタインの最後のコンサートの演奏が「NIFC(Chopin Institute/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)」からリリースされることになりました!
ウッチPOの創立60周年記念のコンサートにソリストとして招かれたルービンシュタインは、ショパン「ピアノ協奏曲ヘ短調」とベートーヴェンの「皇帝」を披露。そのキャリアの最晩年において故郷に錦を飾ると共に、その存在の偉大さを改めてポーランド内外に示す記念碑的なコンサートとなりました。
ポーランドにおけるルービンシュタインの最後の共演オーケストラとなったウッチPO(現アルトゥール・ルービンシュタイン・フィル)は2015年に創立100周年を迎え、ワルシャワ・フィルに次ぐ同国における2番目の常設オーケストラでもある由緒ある楽団。
また、ルービンシュタインの故郷ウッチも、第二次世界大戦でワルシャワが壊滅的な被害を受けた際、ワルシャワ再建が始まる1948年までは事実上の首都としての役割を担ったことでも知られています。

ALIA VOX
AVSA-9958(2SACD)
ヴィヴァルディ:四季
[CD1]
・「四季」op.8〜ソネットの朗読とともに〔協奏曲第1番「春」 ホ長調 RV269/協奏曲第2番「夏」 ト短調 RV 315
/協奏曲第3番「秋」 ヘ長調 RV293/協奏曲第4番「冬」 ヘ短調 RV297〕
・ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ヘ長調「プロメテウス、あるいは逆さまの世界」 RV544
・海の嵐 RV253
[CD2]
・調和の霊感〜4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 RV580
・ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV583より アンダンテ(第2楽章)
・「四季」 op.8〜器楽のみ〔協奏曲第1番「春」 ホ長調 RV269/協奏曲第2番「夏」 ト短調 RV 315/協奏曲第3番
「秋」 ヘ長調 RV293/協奏曲第4番「冬」 ヘ短調 RV297〕
レ・ミュジシャン・デュ・コンセール・デ・ナシオン
ジョルディ・サヴァール(指)
アルフィア・バキエヴァ(コンサートマスター/ヴァイオリン)
オリヴィア・マネスカルキ(語り)

録音:2024年1月3-7日、カルドナ修道院
ヴィヴァルディは、1703-1717年頃、ヴェネツィアのピエタ慈善院(オスペダーレ=孤児院)で、音楽監督を務めていました。ここでは孤児の少女達が養 育されており、修道院のような生活をしながら音楽の修行にはげみ、彼女たちによる演奏会はヴェネツィアで最も優れた音楽が聴ける場所、とされていました。 21世紀の今、このヴィヴァルディが音楽監督を務めていたオスペダーレをモデルとしたプロジェクトが動き出します。ピリオド楽器を専門とする優秀な女性音楽 家をヨーロッパ各国および世界各国から迎え入れ、ヴィヴァルディ以前からロマン派初期(1600-1830年)までの管弦楽と声楽のレパートリーについて、研 究、演奏するための女性たちによるプロジェクトです。ル・コンセール・デ・ナシオンが中心になって2019年から毎年開催しているオーディションで選ばれた 優秀な奏者たちの中の、女性によって結成されています。タタール出身の傑出したヴァイオリン奏者でありヴィルトゥオーゾ、アルフィア・バキエヴァにも注目の オーケストラです。「四季」では朗読ありヴァージョンとなしヴァージョンを収録。非常に細やかな、解像度の高い演奏。ほかの作品でも、室内楽のような趣で、 名手たちが互いを尊重しながらアンサンブルしているのが感じられます。 (Ki)

EUROARTS
20-47347(2SACD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集、他
ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲
ミハイル・プレトニョフ(P)
※使用楽器:Shigeru Kawai Grand Piano, SK-EX
ケント・ナガノ(指)
ラフマニノフ国際O
アシスタント・コンダクター:ウラディスラ

録音:2023年10月、ロゼ・コンサート・ホール、ロール、スイス(ライヴ)
ミハイル・プレトニョフが新たに創設したラフマニノフ国際O(RIO)による第2弾アルバムの登場。第1弾は、『チャイコフスキー:組曲「白鳥の湖」&シチェ ドリン:カルメン組曲』というオーケストラ作品をプレトニョフによる指揮で録音したものでしたが、今回は、2023年に生誕150年を迎えたラフマニノフのピ アノと管弦楽のための作品全曲(4つのピアノ協奏曲、パガニーニの主題による狂詩曲)。ピアノはもちろんプレトニョフ、そして指揮にはケント・ナガノを迎え、 スイスの新ホール『ロゼ・コンサート・ホール』でライヴ録音されました。
オーケストラが結成されて、はじめての公の場での演奏となりました。 ロシアを代表する作曲家、セルゲイ・ラフマニノフは、優れたピアニストであり、多くのピアノ作品を作曲しています。ピアノのための協奏作品 は全部で5つ。それらは様々な時代に書かれ、独自の個性を放っています。当盤にはそれらすべてが収められており、ラフマニノフという作曲家の書法の変遷を たどることのできる内容です。さらにプレトニョフの演奏によって、それぞれの作品の個性が存分に引き出されていると言えるでしょう。モスクワ音楽院在学中に 卒業試験のために書かれた瑞々しいピアニズムをもつ第1番。ラフマニノフの代表作でありピアノ音楽全体の中でも屈指の名曲第2番。技術、表現力ともに最 高難度を誇る作品第3番。これまでの作品とは違った厳粛な雰囲気、そして成熟したロマンティシズムをもつ第4番。パガニーニの「24の奇想曲」の第24番〈主 題と変奏〉の主題が用いられた、ラフマニノフらしい甘美で繊細な雰囲気の「パガニーニの主題による狂詩曲」。
ラフマニノフを深く敬愛するプレトニョフは、指揮者としてもピアニストとしてもその作品に熱心に取り組み、コンサートでも録音でもその実績は認められ、さら に今回はオーケストラにその名を冠するほど。2023年には東フィルと全曲演奏会を開催するなど、いまラフマニノフを聴くならプレトニョフと言わしめる最高 の演奏を堪能することができます。 (Ki)

Profil
PH-20055(4CD)
エディション・シュターツカペレ・ドレスデンVol.48 カール・ベーム協奏曲集1938〜1940
■Disc1
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
■Disc2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
(2)同:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
■Disc3
(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
■Disc4
(1)モーツァルト:ホルン協奏曲第3番変ホ長調K.447
(2)ブラームス:アノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83
カール・ベーム(指)
シュターツカペレ・ドレスデン

■Disc1
ヤン・ダーメン(Vn)(1)、
エドウィン・フィッシャー(P)(2)
■Disc2
ヴァルター・ギーゼキング(P)(1) 、
マックス・シュトループ(Vn)(2)
■Disc3
ヴォルフガング・シュナイダーハン(Vn)(1)、
リュプカ・コレッサ(P)(2)
■Disc4
マックス・ツィモロング(Hrn)(1)、
ヴィルヘルム・バックハウス(P)(2)
録音:Disc1:1938年6-7月(1)、1939年7-8月(2)、Disc2: 1939年(1)、1939年7-8月(2)、Disc3:1939年、Disc4: 1940年12月(1)、1939年5-6月(2)/ドレスデン・シュターツオーパー
人気のエディション・シュターツカペレ・ドレスデン・シリーズ第48弾は戦前のベームの協奏曲録音。彼らの交響曲や管弦楽曲は同シリーズで復刻されましたが、 協奏曲も興味津々。何より独奏者が魅力的。ギーゼキング、バックハウス、シュナイダーハンら巨匠の若々しい時代の演奏が貴重。同団のトップメンバーだったダー メンやシュトループなどの名演も味わえます。
いずれも「カール・ベーム独EMI録音集」に収録されていたものと同音源ですが、同Boxが現在入手困難となっているため大歓迎のリリースと申せましょう。 またエディション・シュターツカペレ・ドレスデン・シリーズの楽しみであるフルカラー豪華解説書も今回は92ページ、貴重な写真もふんだんに用いて価値をあげ ています。 (Ki)

H.M.F
HMM-932075(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
弦楽六重奏曲 第2番op.36
イザベル・ファウスト(Vn/'スリーピング・ビューティ'1704年ストラディヴァリウス)
[協奏曲]ダニエル・ハーディング(指)マーラー・チェンバー・オーケストラ
[六重奏曲]イザベル・ファウスト、ユリア=マリア・クレッツ(Vn) ステファン・フェーラント、ポーリーヌ・ザクセ(Va)、クリストフ・リヒター 、シェニア・ヤンコビチ (Vc)

録音:[協奏曲]2010年2月(Sociedad Filarmonica(ビルバオ))、[六重奏曲]2010年9月(テルデックス・スタジオ(ベルリン))
2010年録音の、イザベル・ファウストの名盤、ブラームスのヴァイオリン協奏曲が再登場。ハーディング指揮によるマーラー・チェンバー・オーケストラとの共 演ということでも注目された名演です。ヴァイオリン・ソロの冒頭から、ファウストの高度の集中としなやかさに耳を奪われます。第2楽章での高音による旋律では、 ファウストの繊細かつ芯のある美音が冴えわたります。第3楽章で見せるエネルギー、それでいてどこか可憐な風合いもある表情はファウストの魅力全開です。全 体を通してハーディングの巧みな造形が光る音楽運びも見事です。
なお、ファウストは、ブゾーニのカデンツァを採用。「表情豊かで、作品への畏敬の念に満ち、構 造的には単純ながらオリジナリティに溢れ、ブラームスらしさを保ちつつも、ヴァイオリニストの技量の見せどころもちりばめられている」とファウスト自身が熱く語 るブゾーニのカデンツァ、注目です。カップリングの弦楽六重奏曲は、繊細な冒頭から見事なアンサンブル。マーラー・チェンバーの若手奏者のほか、ナヴァラやフ ルニエに師事したクリストフ・リヒターなど世代を超えたメンバーによる演奏で、親密でロマンティックな名曲をたっぷりと聴かせます。

Capriccio
C-5510(1CD)
NX-B10
マリア・ヘルツ(1878-1950):ピアノ協奏曲/チェロ協奏曲/管弦楽作品集
ピアノ協奏曲 Op.4
大管弦楽のための4つの短い小品 Op.8
チェロ協奏曲 Op.10
管弦楽のための組曲 Op.13
オリヴァー・トリンドル(P)
コンスタンツェ・フォン・グートツァイト(Vc)
ベルリンRSO
クリスティアーネ・ジルバー(指)

録音:2022年11月15-18日、2023年6月12-13日
全て世界初録音
1878年、ケルンの裕福なユダヤ系の家庭に生まれたマリアは、幼少期から音楽の才能を開花させました。1901年に化学者のアルベルト・ヘルツと結婚し てイギリスに移住しましたが、1914年に義理の弟の結婚式に参加するため一家でドイツを訪れた時に第1世界大戦が勃発。イギリス帰国が許可されず、 一家でケルンに留まることを余儀なくされます。更に1920年に夫が「スペイン風邪」で病死。苦境に瀕したマリアですが、その人柄と音楽的才能を慕ってケル ン歌劇場の第1カペルマイスターだったクレンペラーをはじめ、ブダペストSQ、ピアティゴルスキー、フォイアマン、アーベントロート、ロスバウトらが親 交を結び、作品の演奏回数が増えてゆきます。しかしナチスが台頭するとユダヤ人作品の演奏が禁じられてしまい、彼女の一家もドイツを離れて欧州各国 を転々。1935年を最後に作曲することはなく、1950年にニューヨークで亡くなりました。 男性優位の当時の社会で認められるために、彼女は夫が亡くなるとその名を借りてアルベルト・マリア・ヘルツと名乗って作曲していました。生前に出版された のは「5つの歌曲」と弦楽四重奏に編曲したバッハのシャコンヌだけでしたが、1995年に遺族が持っていた楽譜をチューリヒ中央図書館に寄贈し、2015年 からはそれらの作品へのアクセスが可能になりました。このアルバムに収められたのもその一部です。響きにも様式にも後期ロマン派の佇まいが濃厚な彼女の 作品は、演奏者には高度な技量を求めており、当時の社会情勢に翻弄され続けたこの作曲家の才能とセンスを今に伝えてくれます。

Channel Classics
CCS-46624(1CD)
NX-C04
ペルト、バッハ 作品集
バッハ:シンフォニア 〜教会カンタータ「わが心に憂い多かりき」 BWV21
ペルト:タブラ・ラサ(1977)
ペルト:B-A-C-Hの主題によるコラージュ(1964)
バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 BWV1060R  (2台のヴァイオリンによる)
ペルト:シルーアンの歌(1991)
シモーネ・ラムスマ(Vn)
カンディダ・トンプソン(Vn、指)
アムステルダム・シンフォニエッタ

録音:2020年-2023年 オランダ
オランダに生まれイギリスで学んだヴァイオリニスト、シモーネ・ラムスマと、イギリス生まれのカンディダ・トンプ ソンによる、ペルトとバッハの作品を集めたアルバム。その強いつながりを示す「コラージュ」では、ペルト初 期の動きのある作風でBACH主題が変容されてゆきます。そしてティンティナブリ様式による2つの作品と バッハの作品では、どちらも根底に祈りが流れているのを感じることが出来るでしょう。ラストの余韻まで非 常に美しい一枚。

Orchid Classics
ORC-100291(1CD)
NX-B06
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ブレット・ディーン(1961-):ピアノ協奏曲「グナイクセンドルフの音楽 - ある冬の旅」
ジョナサン・ビス(P)
スウェーデンRSO
ダーフィト・アフカム(指)

録音:2020年2月13-15日(ライヴ)
1980年生まれのジョナサン・ビスは若いうちから脚光を浴び、共演した音楽家たちからも篤い信頼を得てきました。35歳になる2015年にはセントポール室 内管と合同で、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲それぞれにインスパイアされた新作を5人の作曲家に委嘱し、両曲をペアで演奏するBeethoven/5と いうプロジェクトを立ち上げました。ORCHID CLASSICSは、それら5組の協奏曲の録音を順次リリースしてゆく予定です。第1弾として「皇帝」とブレット・ ディーンの「グナイクセンドルフの音楽 - ある冬の旅」が登場。「皇帝」はスケールが大きく、正攻法の堂々たる演奏。ベートーヴェンのソナタ全集の録音も 完成させたビスの円熟を示す演奏となっています。ディーンの作品名にあるグナイクセンドルフはベートーヴェンの弟ヨハンの家があった街。自殺未遂を起こし た甥のカールを連れたベートーヴェンが1826年の秋から初冬にかけて滞在した後、ウィーンに戻る旅の途中で体調を崩し、それから4カ月足らずで世を去り ました。作品は急緩急の3楽章構成で演奏時間約25分。熱にうなされて乱れがちな意識の中に「皇帝」のフレーズが浮かんでは消えるといった趣きで、全 編を通じてピアノにはヴィルトゥオーゾ的なテクニックが求められます。 Beethoven/5は発起人役のセントポール室内管に続いて15のオーケストラ・団体が賛同する大プロジェクトとなり、ディーンの作品はセントポール室内管 に加えてドレスデン・フィル、リヨン国立管、ヴロツワフ・フィル、メルボルン響、スウェーデン放送響が共同で委嘱。当録音は初演時のライヴ録音です。他の作 品は初演順にTimo Andres, The Blind Banister(第2番とのペア)、SALLY BEAMISH City Stanzas(第1番)、SALVATORE SCIARRINO Il sogno di Stradella(第4番)、CAROLINE SHAW Watermark(第3番)。これらの作品がレパートリーに定着し、自分が世を去った後も末永く演奏 されつつけるよう願っています」と語っています。今後のリリースが楽しみなシリーズです。

Pentatone
PTC-5187202(1SACD)
モーツァルト&プーランク:2台&3台ピアノのための協奏曲集
(1)モーツァルト:3台のピアノのための協奏曲ヘ長調K.242「ロードロン」
(2)モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲変ホ長調K.365
(3)プーランク:2台のピアノのための協奏曲ニ短調
児玉麻里(第2ピアノ(1)(2)、第1ピアノ(3))
児玉桃(第3ピアノ(1)、第1ピアノ(2)、第2ピアノ(3))
カリン・ケイ・ナガノ(第1ピアノ(1))
ケント・ナガノ(指)スイス・ロマンドO

録音:2023年3月/ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)
児玉麻里&桃姉妹のピアノ・デュオ、待望の最新録音が登場します。それもモーツァルトとプーランクの協奏曲、なんと児玉麻里の 夫君ケント・ナガノ指揮のスイス・ロマンドOという豪華すぎる共演。さらに注目はモーツァルトの3台のピアノのための協奏曲をケント・ナガノと児玉 麻里の愛娘カリン・ケイ・ナガノが加わり、まさに凄すぎる家族のアルバムとなっています。奏者たちは「夢が実現した」と記しています。
仲の良さは息のあい方から伝わりますが、3台のピアノのための協奏曲は主役の第1ピアノを若きカリンに担わせ、懸命に弾くのを両親と叔母が温かくも見 守り、美しいアンサンブルにしているのが胸を打ちます。モーツァルトはこの曲をロードロン伯爵夫人とその二人の娘のために作ったとされますが、その初演時 の様子を彷彿させる思いがします。
聴きものはプーランク初期の傑作協奏曲。バリ島のガムラン音楽やフランスのシャンソンをはじめ盛りだくさんな内容の曲ですが、「戴冠式」協奏曲のパロディ や引用も含めモーツァルトの精神に回帰しているとプーランク自身が認めており、カップリング的にも自然。速いパッセージなど技術面に加え、両奏者およびオー ケストラとのアンサンブルが非常に難しい作品ですが、3名が一体化した奇跡的な完成度を示しています。
技術的完璧さはもちろんながら、モーツァルトの輝きやプーランクならではのオシャレさなど児玉麻里&桃姉妹の薫り高きあでやかなピアニズムを存分に堪能 できます。 (Ki)

DOREMI
DHR-8231(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第6集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
(3)バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第22番変ロ短調 BWV867
(4)モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調 K.310
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ショパン:夜想曲 変ニ長調 Op.27-2
ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 Op.27-1
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ガリー・ベルティーニ(指)ケルンRSO
 録音:1976年5月ケルン
(2)ガリー・ベルティーニ(指)北ドイツSO
 録音:1977年1月17日ハンブルク
(3)録音:1967年ブカレスト、エネスコ国際コンクール
(4)録音:1987年10月16日東京
ルプーの貴重なライヴ音源集、第6弾です。ベルティーニとの協奏曲2種に、優勝した67年エネスコ国際コンクールからの音源と87年の東京リサイタルを収録。

Spectrum Sound
CDSMBA-156(1CD)
ORTFのステレオ技術
(1)サン=サーンス:ハバネラ Op.83
 サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(2)ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
(3)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
(1)ドゥヴィ・エルリー(Vn)
ピエール・キャプドヴィエル(指)、フランス国立放送室内O
録音:1966年12月29日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104【公開収録/ステレオ】
(2)ピエール・フルニエ(Vc)、ジャン・フォンダ(P)
録音:1980年3月17日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ124【セッション/ステレオ】
(3)ジャック・フェヴリエ(P)
マニュエル・ロザンタール(指)、フランス国立放送O
録音:1960年1月26日/シャンゼリゼ劇場【ライヴ/ステレオ】
ORTF(フランス放送協会)は1959年にステレオ録音の技術を確立。ラジオ放送では世界初でした。当アルバムにはORTFの技術の結晶といえる貴重な音源 からジャック・フェヴリエのラヴェルの左手のための協奏曲(1960年1月)、ドゥヴィ・エルリーのサン=サーンスの「ハバネラ」「序奏とロンド・カプリチオーソ」 (1966年12月)、そしてピエール・フルニエのラフマニノフのチェロ・ソナタ(1980年3月)を収録。フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディ スク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」からの注目リリースです!
ドゥヴィ・エルリーのサン=サーンスは超絶技巧をものともせず、自由に歌いあげています。艶やかな美音はエルリーならでは。
ピエール・フルニエが息子ジャン・フォンダと共演したラフマニノフはじっくりと聴かせます。巨匠フルニエが1980年に演奏した貴重な記録といえます。
ジャック・フェヴリエはラヴェル作品を得意としたピアニスト。左手のためのピアノ協奏曲のフランス初演はラヴェルに抜擢され演奏している作曲家お墨付きの 十八番です。マニュエル・ロザンタール率いるフランス国立放送Oと名演を聴かせてくれます。
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Signum Classics
SIGCD-791(1CD)
シーズンズ・インタラプテッド
シューベルト:4つの歌曲(トレイ・リー編曲/チェロとピアノ版)〔春に D.882、夏の夜 D.289、秋 D.945、凍った涙(冬の旅 D.911より)〕
ピアソラ:ブエノスアイレスの四季(トレイ・リー編曲/チェロと弦楽オーケストラ版)
キルモ・リンティネン:チェロ協奏曲
トレイ・リー(Vc)、
ゲオルギー・チャイゼ(P)、
エミリア・ホーヴィング(指)、
イギリス室内O

録音:2023年5月、ロンドン&2023年8月、ベルリン
トレイ・リーは香港の音楽一家に生まれ、北京の中央音楽院、ニューヨークのジュリアード音楽院、ハーバード大学(経済学)、ニューイングランド音楽院、マドリッドのソフィア王妃芸術学校、ケルン音楽大学など幅広い場で学び、現在はベルリンを拠点にアメリカ、ヨーロッパ、中国など世界中で活躍するチェリスト。英グラモフォン誌からは「奇跡」と称賛され、故ロリン・マゼールからは、フィルハーモニアOとハイドンのチェロ協奏曲で共演した後に「素晴しい主人公... 素晴しいチェリスト」と称えられています。
Signum Classicsからリリースされるトレイ・リーのアルバム「シーズンズ・インタラプテッド(中断された季節)」は、シューベルトの膨大な歌曲の中から「春、夏、秋、冬」にまつわる4曲を選び抜いてチェロ版に編曲したものと、ピアソラの傑作「ブエノスアイレスの四季」をチェロと弦楽オーケストラ版へと編曲した意欲的なレパートリーに、フィンランドの現代作曲家キルモ・リンティネンのチェロ協奏曲(トレイ・リーに献呈され、リーが初演)をカップリング。リンティネンのチェロ協奏曲は、季節がなくなった気候変動、環境危機の影響から生じる未来が描かれており、シューベルトの「四季」とピアソラの「四季」と合わせて、季節と気候変動の物語が綴られています。
シューベルトのピアノ伴奏はラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019などでも来日しているゲオルギー・チャイゼ。「チェロ協奏曲」の指揮は、2022年に読響で日本デビューし三浦文彰と共演したフィンランドの女性指揮者、エミリア・ホーヴィングです。

Hyperion
CDA-68429(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.87〜ライネッケ&ザウアー:ピアノ協奏曲集
ライネッケ(1824-1910):ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.144、コンツェルトシュテュック Op.33
エミール・フォン・ザウアー(1862-1942):ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.254
サイモン・キャラハン(P)、
ザンクト・ガレンSO、
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2023年5月22日-25日、トーンハレ・ザンクト・ガレン(スイス)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第87巻となる今作はレアなレパートリーを多数発掘しているピアニスト、サイモン・キャラハンがシリーズ4度目の登場!ライネッケ&ザウアーの珍しいピアノ協奏曲を取り上げます。
2024年に生誕200年を迎えるカール・ライネッケのピアノ協奏曲はシリーズ第85巻(CDA68339)でサイモン・キャラハンによる第1番、第2番、第4番がリリースされていましたが、残る第3番が今作に収録。ピアノと管弦楽のための「コンツェルトシュテュック」も併せて収録されています。ライネッケと同じくドイツの作曲家で一世代若いエミール・フォン・ザウアーは最晩年のフランツ・リストに教わった作曲家であり、楽譜の校訂者としても名が知られています。その作品はライネッケ以上に録音に恵まれているとは言い難く、ピアノ協奏曲第1番は同シリーズよりスティーヴン・ハフの演奏で1996年のグラモフォン賞を受賞したディスク(CDA66790)がありましたが、第2番がこの度待望のリリースとなります。

Avie
AV-2662(1CD)
イン・イヴニング・ライト
ペーテリス・ヴァスクス(b.1946):ヴァイオリン協奏曲第2番「夕暮れの光の中で(イン・イヴニング・ライト)」(世界初録音)
シューベルト(ポール・スーツ編):華麗なるロンド ロ短調 Op.70, D.895(Vnと弦楽版)
ペーテリス・ヴァスクス:孤独な天使
セバスティアン・ボーレン(Vn)、
ミュンヘン室内O、
セルゲイ・ボルクホヴェツ(指)

録音:2023年9月27日-29日、昇天教会(ゼンドリンク、ミュンヘン)
ギドン・クレーメルが初演、録音し1997年のラトビア音楽大賞に輝いた近年のヴァイオリン協奏曲の中でも指折りの傑作、ペーテリス・ヴァスクスの「遠き光」からおよそ25年、二作目のヴァイオリン協奏曲となる「夕暮れの光の中で」がセバスティアン・ボーレンによって世界初録音されました!
ラトビアに生まれ、自国の音楽の要素も取り入れ抒情的で明快な作風が高い人気を誇るヴァスクスが2020年に完成させた「ヴァイオリン協奏曲第2番「夕暮れの光の中で」」は3つの楽章からなる38分ほどの作品。全体的にゆったりと流れる音楽は瞑想的で、深い陰影とドラマチックなコントラストが美しい薄暮の世界を想起させる感動的な作品です。またヴァイオリンと弦楽版のアレンジによるシューベルト「華麗なるロンド」を挟んで最後に収録された「孤独な天使」は、ヴァスクスが20世紀のほとんどを生き抜いた亡き母へ捧げるオマージュ。こちらもまた聴き手の心を揺さぶる耽美な作品です。
セバスティアン・ボーレンは1987年スイス生まれの若手実力派ヴァイオリニスト。ザハール・ブロン、ジュリアーノ・カルミニョーラ、ドミトリー・シトコヴェツキーといった名教師たちに鍛えられた技術と表現力は見事の一言で、このアルバムでもヴァスクスの音楽が持つ魅力を余すところなく伝えています。

Halle
CDHLL-7562(1CDR)
タバコヴァ:協奏曲集
ドブリンカ・タバコヴァ(b.1980):オルフェウスの彗星
ヴィオラと弦楽のための協奏曲*
組曲「地球」
チェロと弦楽のための協奏曲**
デルヤナ・ラザロワ(指)ハレO、
マキシム・リザノフ(Va)*、
ガイ・ジョンストン(Vc)**

録音:2022年9月
デルヤナ・ラザロワ(2020-23年、ハレ副指揮者)と作曲家ドブリンカ・タバコヴァ(2022-23年、ハレ・アーティスト・イン・レジデンス)は、同じブルガリアのプロブディフで生まれました。このアルバムはその二人が同じオーケストラに在籍して行った初めての仕事となりますが、同郷ということもあり、タバコヴァの音楽言語をラザロワが見事に解釈しています。協奏曲の他にタバコヴァにとって重要な作品のひとつである組曲「地球」も収録されており、英BBCミュージック・マガジン誌において「レコーディング・オヴ・ザ・マンス」に選ばれています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Lyrita
SRCD-416(1CDR)
イギリスのピアノ協奏曲集
ゴードン・ジェイコブ:ピアノ協奏曲第2番 変ホ長調(1957)
ジョン・アディソン:ピアノと管弦楽のための変奏曲(1948)
エドマンド・ラッブラ:ピアノ協奏曲 Op.30(1932)*
サイモン・キャラハン(P)、
BBCウェールズ・ナショナルO、
スティーヴン・ベル(指)、ジョージ・ヴァス(指)*

録音:2022年4月&11月
これまでにも知られざる作曲家たちによる素晴らしい作品を世に広めてきたサイモン・キャラハン。このアルバムではこれまで演奏機会のあまりなかったイギリスのピアノ協奏曲を取り上げています。作曲当時ゴードン・ジェイコブの「ピアノ協奏曲第2番 変ホ長調」はプロムスでも取り上げられ、好評価で迎えられています。また、ジョン・アディソンの「ピアノと管弦楽のための変奏曲」は、管楽器を木管2本、ホルン4本、トランペットとトロンボーン各1組ずつ、そしてバストロンボーンだけという比較的小さなオーケストラのために書かれました。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Ars Produktion
ARS-38654(1CD)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6*
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 Op.7「ラ・カンパネラ」**
(3)ヴァイグルの主題による変奏つきソナタ ホ長調 M.S.47***
マンリコ・パドヴァーニ(Vn)
(1)オルテニアPO、ボリス・ペルノー(指)
(2)ソウル・ギュリPO、ボリス・ペルノー(指)
(3)スイス・イタリアーナO、ハワード・グリフィス(指)

録音(ライヴ):2012年10月(ルーマニア)*、2014年9月(韓国)**、録音日不詳(スイス)***
12歳の頃にパガニーニの生涯を描いた映画を観てヴァイオリンに目覚め、以来パガニーニを理想の音楽家とするイタリア出身のスイス人ヴァイオリニスト、マンリコ・パドヴァーニ。音楽的な激しさと技術的な敏捷性、コンサートで聴衆に与える印象から「ヴァイオリンの魔術師」「悪魔的なヴァイオリニスト」などと評されるパドヴァーニがパガニーニのコンチェルトを弾いたライヴ・レコーディング集がついに登場しました。ボリス・ペルノーと共演した2つのヴァイオリン協奏曲もライヴの熱気が伝わる秀演ですが、特に「ヴァイグルの主題による変奏つきソナタ」はピアノ伴奏版の録音が多く、今回のオーケストラ伴奏によるライヴ録音は貴重なものといえるでしょう。

ALPHA
ALPHA-993(2CD)
NX-E05
リゲティ作品集
【CD1】
1-5. ヴァイオリン協奏曲(1990-1992)
6-7. チェロ協奏曲(1966)
8-12. ピアノ協奏曲(1985)
【CD2】
1-4. 室内協奏曲 -13人の奏者のための(1969-1970)
5-6.2つの奇想曲 - ピアノのための(1947)
7-15.5つの小品 -4手ピアノのための(1942-1950)
16-21. 無伴奏ヴィオラのためのソナタ(1991-1994)
22-25. ホルン三重奏曲(1982)
カン・ヘスン(Vn)…CD1/1-5
ルノー・デジャルダン(Vc)…CD1/6-7
ディミトリ・ヴァッシラキス(P)…CD1/8-12、CD 2/5-15
セバスティアン・ヴィシャール(P)…CD 2/7-15、22-25
ジョン・ストゥルツ(Va)…CD2/16-21
デイエゴ・トージ(Vn)…CD2/22-25
ジャン=クリストフ・ヴェルヴォワット(Hrn)…CD 2/22-25
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
ピエール・ブリューズ(指)

録音:2023年2月、6月 フィラルモニ・ド・パリ
アンサンブル・アンテルコンタンポランと、2023/24年のシーズンからその音楽監督を務めるピエール・ブリューズによるリゲティの作品集が2枚 組で登場。1枚目にはメンバーが務めるソリストと20-30人規模のアンサンブルによる3つの協奏曲を収録。これらはアンサンブル・アンテルコ ンタンポランにとって約10年ぶりの再録音となります。2枚目には小規模な編成のための作品を収録。1940年代から1990年代までリゲティ の活動期間をほぼカバーしており、様々な新しい手法を取り入れ発展させた作風の変転を俯瞰することが出来る、有意義な作品集となっ ています。

ARCANA
A-542(1CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(アントニオ・ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
ルイジ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はルイジ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にのみ、 ルイジ・ピヴァーノの父で作曲家であったアントニオ・ピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なも の。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲 を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わり に、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに組み込まれています。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0083(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲集
第2番変ホ長調 K.417
第4番変ホ長調 K.495
第3番変ホ長調 K.447
第1番ニ長調 K.412
ジビュレ・マーニ(Hrn)
アンドレアス・シュペリング(指)
ブランデンブルクSO

録音:2023年
モーツァルトのホルン協奏曲は、ホルンの名手でありモーツァルトと冗談をとばしあいふざけあう間柄だったヨーゼフ・ロイトゲープ(1732-1811)のために 書かれました。どれも美しく整った音楽でありながらユーモアのある名品で、ホルン奏者にとって欠かせない重要レパートリーになっています
ジビュレ・マーニはマリー=ルイーズ・ノイネッカーに師事したホルン奏者。1997年から2016年までフランクフルト歌劇場のOで首席ホルン奏者を務 めました。ソリストとしても数多のオーケストラと共演、2020年からはベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学のホルン科教授を務めています。
指揮は古楽ファンになじみのあるシュペリング。ブランデンブルクSOは1810年創設の長い歴史を持つオーケストラです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72985(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第11〜13番
協奏曲第11番ヘ長調 K.413
協奏曲第12番イ長調 K.414
協奏曲第13番ハ長調 K.415
ベン・キム(P;D584307)
コンセルトヘボウ室内O

録音:2022年4月2日、2023年4月22-23日/ヒルフェルスム、MCO第1スタジオ
ミュンヘン国際コンクール覇者のベン・キムとコンセルトヘボウ室内Oによるモーツァルトの協奏曲、第3弾。モーツァルトがザルツブルクからウィーンに 移って最初に書いたピアノ協奏曲である第11番〜13番を収録しています。父レオポルドへの手紙では「簡単すぎず難しすぎず、幸福な中庸である」と表現され、 控えめながら自信作であることがうかがえます。崇高さと親密さが混じりあったスタイリッシュな好演。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187325(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn/1716年製ストラディヴァリウス「ブース」)
シャルル・デュトワ(指)
スイス・ロマンドO

録音:2014年9月22〜24日/ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)
世界的ヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハーの名盤の中でも特に高い評価を得ているメンデルスゾーン、チャイコフスキーのアルバムがCDフォー マットで再発売いたします!
メンデルスゾーンは一貫して落ち着いたテンポで一音一音雄弁に歌い上げます。カデンツァでは美しさと力強さを兼ね備えた演奏を披露。第2楽章では女王の 風格を感じる語り口で一度聴いたら忘れがたき熱演を繰り広げます。そして第3楽章はオーケストラとの対話も見事でデュトワとの相性のよさもさることながら、 歯切れのよいメロディが立体的に聴こえる快演を聴かせてくれます。
一方、チャイコフスキーは朗々と歌い上げ、テンポのコントロールや豊かな音楽表情など、シュタインバッハーでしか表現できない世界が広がります。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5439およびPTC-5186504)は廃盤となります。 (Ki)

Spectrum Sound
CDSMBA-148(1CD)
レジェンド・オブ・ザ・チェロ〜フルニエ、シュタルケル、レヴィ
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191
(2)ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2
(3)チェレプニン:歌と踊り Op.74
(1)ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)、シャルル・ブリュック(指)、フランス国立放送PO
(2)ピエール・フルニエ(Vc)、ジャン・フォンダ(P)
(3) アンドレ・レヴィ(Vc)、エレーヌ・ボスキ(P)

録音:(1)1966年11月25日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104【ステレオ/公開収録】
(2)1980年3月17日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ124【ステレオ/公開収録】
(3)1963年10月24日ブルダン・センター内スタジオ51【モノラル/セッション】
スペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。当アルバムはina&Radio Franceからのライセンスで20世紀を代表する3人のチェリストの正規初出音源集!!ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)が1966年に演奏したドヴォルザークのチェロ協奏曲、ピエール・ フルニエ(1906-1986)が1980年に演奏したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番、そしてアンドレ・レヴィ(1894-1982)が1963年に演奏したチェレ プニンの「歌と踊り」という充実の内容です。スペクトラム・サウンドの復刻には定評があり、その中でもチェロの復刻は最も高く評価されています。
シュタルケルのドヴォルザークは絶品の一言!最も充実した演奏を披露していた40代、まさにその時期の演奏で、テクニックはもちろんのことシュタルケルらしい 「語る」演奏で聴衆を魅了しております。フルニエのベートーヴェンは70代半ば、円熟の至芸といえる演奏で非常に温かい音色を奏でています。そして70歳を目 前にしたレヴィのチェレプニンは自由に歌い上げており、個性の違う3人の名手の演奏をこの1枚で堪能できます!
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-147(1CD)
ドゥヴィ・エルリー〜ザ・ライヴ・アーカイヴス・イン・フランス
(1)ラロ:スペイン交響曲(第3楽章カット)
(2)バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
ドゥヴィ・エ ルリー(Vn )

(1)マニュエル・ロザンタール(指)、フランス国立放送O
(2)ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(Cemb)
(3)ブリジット・エンゲラー(P)

録音:(1)1956年5月10日、(2)1961年12月18日フランス国立放送局内スタジオ(パリ)【モノラル/公開収録】
(3)1981年3月5日メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ106【ステレオ/公開収録】
Previously unissued recordings
Licensed by INA
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。当アルバムはフランスの名ヴァ イオリニスト、ドゥヴィ・エルリーの正規初出音源でラロのスペイン交響曲、バッハのヴァイオリン・ソナタ ホ短調 BWV1023、そしてベートーヴェンのスプリ ング・ソナタです!
1955年にロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝し、ソリストとしての活動を始めたエルリー。同年初来日を果たし、日本の聴衆にも情熱的な演奏を届けま した。ヨーロッパを中心とした演奏活動の傍ら、1960年代後半にはマルセイユ音楽院の教授に、また1982年にはパリ音楽院の教授に就任し、後進の育成にも 力を注ぎました。
商業録音が極めて少ないエルリー。そのため、INAに保管されている放送用の公開収録音源は非常に貴重です。ラロのスペイン交響曲はロン=ティボー優勝の 翌年、1956年の演奏。完璧といえるテクニックと自由な歌いまわしはエルリーならでは。名指揮者マニュエル・ロザンタールの好サポートを得て堂々たる演奏を 聴かせます。最終楽章の最後の一音を待たずに熱狂的な聴衆の拍手からも熱演であることが感じられます。
チェンバロ奏者ロベール・ヴェイロン=ラクロワとのバッハのホ短調のソナタでは抒情的な歌わせ方で弾き、ブリジット・エンゲラーとのスプリング・ソナタでは 音楽的対話を楽しむように演奏しております。今では聴くことのできない20世紀の大ヴァイオリニスト、エルリーが奏でる美音をご堪能ください。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Alba
ABCD-477((1CD)
フィンランドのアコーディオン協奏曲
ミンナ・レイノネン(1977-):Vyory(雪崩)(2021)(アコーディオンと弦楽オーケストラのための)*
アウリス・サッリネン(1935-):協奏曲 Op.115(2つのアコーディオン、弦楽オーケストラと打楽器のための協奏曲)(2018-19)**
ヴェリ・クヤラ(1976-):シェイプ=シフター(Shape-Shifter)(2018)(アコーディオンと弦楽オーケストラのための協奏曲)***
アンッティ・レイノネン(アコーディオン)*
ソニヤ・ヴェルタイネン(アコーディオン)**
ヤンネ・ヴァルケアヨキ(アコーディオン)**
ペッテリ・ヴァリス(アコーディオン)***
オストロボスニア室内O
トマス・ユープシェーバカ(指)
フィンランドの中部ポホヤンマー(スウェーデン名「オストロボスニア」)にあるコッコラ市は、文化活動に力を注いでいることで知られます。コッコラ市が本拠の オストロボスニア室内Oは活動のひとつとして毎年2月に「コッコラ冬のアコーディオン」を開催。この音楽際では一週間にわたってアコーディオンの多様な 音楽が演奏されています。オストロボスニア室内Oの新しいアルバムでは、このフェスティヴァルの委嘱作が3曲演奏されます。  ミンナ・レイノネン(1977?)は、シベリウス・アカデミーでヨウニ・カイパイネンに学び、修士号を取得。博士課程のヴェリ=マッティ・プーマラの下で研究を続 けています。自然現象、文学、文化遺産といった音楽外のものからインスピレーションを得た作品が多く、そのことが作品のタイトルにも反映されます。このアルバ ムの「Vyory(雪崩)」は、2021年という「落ち着かない社会情勢」の時代を映したとされ、アンッティ・レイノネンに献呈されました。  アウリス・サッリネン(1935?)は、「騎馬兵卒」「赤い線」「クッレルヴォ」「英国王フランスへ行く」といったオペラや交響曲で名高い作曲家です。モダニズム の手法から出発し、『カレヴァラ』に基づくテレビ映画『鉄の時代』の音楽などを手がけながら、新古典的とみなされる独自のスタイルを確立してきました。「2つ のアコーディオン、弦楽オーケストラと打楽器のための協奏曲」は、コッコラ文化ディレクターのサンポ・プロンタウスとフェスティヴァルの共同委嘱で作曲されまし た。2楽章の作品。オストロボスニアの風景をベースに、2楽章にはコッコラ地方の民謡が素材に使われています。2020年のフェスティヴァルでソニヤ・ヴェルタ イネン とヤンネ・ヴァルケアヨキ により初演されました。  アコーディオン・ヴィルトゥオーゾのヴェリ・クヤラ(1976?)は、作曲家としても評価され、フィンランドのほか、ニューヨーク、東京、ロンドン、パリ、ベルリン で彼の作品が演奏されてきました。作曲家のサンポ・ハーパマキと共同で四分音アコーディオンを開発したことでも知られます。「シェイプ=シフター」は、「音色の カメレオン」アコーディオンの特性を活かした「レント・アフェットゥオーゾ」「アレグロ・コン・ブリオ」「ラルヴォ・インテンシヴォ」「アレグロ・コン・フォーコ」の 4つの部分で「姿形を変えるもの」を表現する音楽です。フェスティヴァルとオストロボスニア室内Oの共同委嘱作。2019年の「第10回コッコラ冬のアコー ディオン」でペッテリ・ヴァリス のソロで初演されました。 (Ki)

BIS
BISSA-2715(1SACD)
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889):ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.16
ハンス・ブロンサルト・フォン・シェレンドルフ(1830-1913):ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.10
ポール・ウェー(P/Steinway D)
スウェーデン室内O、
マイケル・コリンズ(指)

録音:2022年10月/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)
ロンドンの敏腕弁護士にして高名なポール・ウェー。BISレーベルから超絶技巧作品を多くリリースし注目されています。
当アルバムはマイケル・コリンズ(指)スウェーデン室内Oとの共演で、ロマン派時代に生まれた2つのピアノ協奏曲を録音しました。
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889)は現ニュルンベルク近郊出身でのちにロシア帝国に渡りロシア・ピアノ楽派の基礎を築いたピアニスト、作曲家。 ヘンゼルトのピアノ協奏曲の初演はクララ・シューマン独奏、メンデルスゾーン指揮で成功を収め、その後偉大なヴィルトゥオーゾたちによって演奏されました。全 3楽章に渡り、ドラマティックな激しさ、高鳴るメロディと優しい叙情性、色彩豊かなオーケストレーション、そして光り輝くピアノなど魅力に満ちた作品です。
ハンス・ブロンサルト・フォン・シェレンドルフ(1830-1913)はベルリン大学で学んだのち、ヴァイマルでリストに師事したピアニスト、作曲家。リストのピア ノ協奏曲第2番のヴァイマル初演はブロンサルト独奏、リスト指揮で行われました。ブロンサルトのピアノ協奏曲は、後期ロマン派の息吹を感じさせ、技巧的なピア ノ独奏と豊かなオーケストレーションが魅力。類まれな才能の持ち主ウェーが雄弁に語りかける演奏を披露しております。 (Ki)

DOREMI
DHR-8227(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第5集
(1)ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調
 ラプソディ・イン・ブルー
(2)アンドレ・チャイコフスキ:ピアノ協奏曲第2番 Op.4
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19
(4)ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番ニ長調 Hob XVI:37
(5)ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番へ短調 Op.5
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D.664〜第3楽章 アンダンテ
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ディーン・ディクソン(指)フランクフルトRSO.
 録音:1973年3月2日フランクフルト
(2)ウリ・セガル(指)ロイヤルPO
 録音:1975年10月28日ロンドン
(3)エーリヒ・ラインスドルフ(指)CSO
 録音:1978年1月12日シカゴ
(4)録音:1988年9月ロンドン
(5)録音:1980年10月新宿文化センター
ルプーの貴重なライヴ音源集、第5弾です。ルプーに捧げられた、ポーランドの作曲家アンドレ・チャイコフスキー(アンジェイ・チャイコフスキ)のピアノ協奏曲 第2番、初演時の音源も収録。 (Ki)

MSR
MS-1839(1CD)
カゼッラ:ピアノと管弦楽のためのパルティータ
レスピーギ:ピアノと管弦楽のためのトッカータ
ラフマニノフ:パガニーニの主題によるラプソディ
ジョシュア・ピアース(P)
アントン・ナヌート(指)
スロヴェニアRSO

録音:1991年4月9-11日 スロヴェニア
1990年代初頭に米国のPHOENIX レーベルから発売されたカゼッラ、レスピーギ、ラフマニ ノフの新古典主義的なピアノと管弦楽のための作品集がMSR CLASSICS から再発売。ラフマ ニノフのパガニーニの主題によるラプソディは極めて有名だが、カゼッラとレスピーギのそれぞ れ管弦楽のためのパルティータはわりと珍しいでしょう。カゼッラのパルティータ(1925 年)は、シ ンフォニア、、パッサカリア、ブルレスカの3 楽章から成る新古典主義の作品。特に第3楽章が イタリア古典的でカラッと明るい味が利いていて面白い。レスピーギのトッカータ(1928 年)は、1928年11月28日にレスピーギのピアノ、ヴィレム・メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィルの 演奏で初演された。バロック音楽を下地にしているものの暗くダイナミックな力作。 後にMSR CLASSICSの看板ピアニストになるジョシュア・ピアースが40歳の時の録音。ラフマニ ノフは緊張感の高い熱演、カゼッラは軽妙に、レスピーギは重厚にと、それぞれの作風をピタ リと当てた素晴らしい演奏を聞かせてくれます。また伴奏指揮がスロヴェニアの巨匠アントン・ナ ヌートというのが嬉しい。ラフマニノフのラプソディはナヌートの指揮も非常に充実しています。

CPO
CPO-555631(1CD)
NX-C04
ウォルター・カウフマン(1907-1984):管弦楽作品集 第1集
ピアノ協奏曲第3番(1950)…第3楽章のカデンツァ:エリザヴェータ・ブルーミナ作
交響曲第3番(1936)
インド交響曲(1943)
6つのインドの小品(1965)
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)
ベルリンRSO
デイヴィッド・ロバート・コールマン(指)

録音:2023年10月18-19日、2023年3月14-16日5
※全て世界初録音
ボヘミアのカールスバート(当時オーストリア=ハンガリー帝国の一部)で生まれたウォルター・カウフマンの作品集。 ベルリンではフランツ・シュレーカーに学び、学生時代には相対性理論で知られるアルベルト・アインシュタインと親 交を結んでいます。卒業時にはマーラーに関する学位論文を提出するも、ナチス支持者の教授に抗議し学位取 得を拒否、その後は指揮者ブルーノ・ワルターのアシスタントを務めながら自身の作品の演奏にも携わっています。 フランツ・カフカの姪と結婚し、ナチスの迫害から逃れ1934年には家族で亡命、インドのボンベイに移住します。同 地ではインドとアジア音楽の研究をする傍らオール・インディア・ラジオのディレクターを務め、同局が放送開始前に 流す音楽(インターバル・シグナル)を作曲。またスービン・メータの父メーリ・メータらと共にボンベイ室内楽協会を設 立し、一時期はズービンを教えていました。その後イギリス、カナダを経てアメリカに渡り、ダリウス・ミヨーの紹介でイ ンディアナ大学に職を得て、亡くなるまで音楽学を教えました。 彼は80曲を超えるオーケストラ曲や、10曲以上の歌劇などを残しましたが、それらは現在ほとんど知られていませ ん。このアルバムでは4つの作品をフィーチャー。インドの旋律を用いたエキゾチックな小品や、ブルーミナが独奏を務 めるピアノ協奏曲など、全てが世界初録音です。

Polskie Radio
PRCD-22342235(2CD)
初紹介旧譜
ミェチスワフ・ホルショフスキ・イン・ポーランド
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 KV466*
バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調 KV570
シマノフスキ:20のマズルカ Op.50より 第13番〜第16番
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
シューマン:子供の情景 より 「トロイメライ」 Op.15-7
メンデルスゾーン:無言歌集第6巻 より 「紡ぎ歌」 Op.67-4
アンナ・スクルスカによるミェチスワフ・ホルショフスキへのインタビュー**
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)、
ポーランド国立RSO*、
ヤン・クレンツ(指)*

録音:1963年10月18日(カトヴィツェ)*、1984年5月6日/5月7日**(ワルシャワ)
ポーランドの公共放送局『ポーランド放送(Polskie Radio/Polish Radio)』の自主レーベル「Polskie Radio」が制作する、同局のアーカイヴに眠る貴重な録音をCD化する「FROM THE POLISH RADIO ARCHIVES」シリーズから、テオドール・レシェティツキの弟子であり、99歳までステージに立ち続けたポーランドの伝説的ピアニスト、ミェチスワフ・ホルショフスキ(1892-1993)の2枚組ディスクが登場!ヤン・クレンツと共演した1963年のモーツァルト録音に加え、最後のワルシャワ・リサイタルとなった1984年、91歳のホルショフスキが紡いだ聴く者の心を揺さぶる入魂の演奏を聴くことができます。最終トラックにはそのリサイタルの翌日に行われたホルショフスキへのインタビューを収録。

NIFC
NIFCCD-660(1CD)
エリック・グオ〜第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール・ライヴ
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11*
3つのマズルカ Op.59*
ワルツ変イ長調 Op.42*
エリック・グオ(ピリオド・ピアノ)
{oh!} Orkiestra(オルキェストラ・ヒストリチナ)*
ヴァーツラフ・ルクス(指)*

※使用楽器:プレイエル(1842年製)
※録音(ライヴ):2023年10月13日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(/ファイナルステージ)、
2023年10月10日、ワルシャワ・フィルハーモニー・チェンバー・ホール(/第2ステージ)*
ポーランドのフレデリク・ショパン研究所(NIFC/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)が創設から現在まで取り組み続けているショパンの作品をショパンが生きた時代の楽器(オリジナル、復元)で演奏する「リアル・ショパン(The Real Chopin)」プロジェクト。ショパンの時代の響きを現代に蘇らせるというこの画期的な取り組みをさらに活性化させるためにショパン研究所はもちろんのこと、ポーランドの国家としての一大事業として立ち上げられた「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」。日本が世界に誇る歴史的ピアノの名手、川口成彦の第2位受賞が大きな話題となった2018年の第1回大会から5年。2023年に開催された「第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」には予備予選を通過した35名のピアニストたちがワルシャワに集まり、約2週間という期間中「ショパンの時代の響き」が奏でられ続けました。
ファイナル進出者6名全員が「ピアノ協奏曲第1番」を選択する中、見事、第1位とマズルカ賞に輝いたエリック・グオのコンクールでのライヴ録音がいよいよ登場します!
自ら「(ピリオドピアノを含む)古楽器の演奏経験はほとんどない」と語っていたエリック・グオでしたが、コンクール期間中に驚異的な速さでピリオド楽器、ピリオド奏法に順応。第1、第2、そしてファイナルの全てのステージで「ショパンの時代」を感じさせてくれました。今回のライヴ録音のリリースにあたり、ショパン研究所が選出したエリック・グオの演奏は「ピアノ協奏曲第1番」、「3つのマズルカOp.59」、そして「ワルツOp.42」。第1位、マズルカ賞に輝いた俊英エリック・グオのコンクールでの足跡、そして魅力が凝縮された素晴らしいプログラムにご注目下さい!

H.M.F
HMM-902668(1CD)
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲&室内楽作品集
ヴァイオリン協奏曲 op.15(1939年、1958年改訂)*
Reveille(起床ラッパ)(Vnとピアノ伴奏のためのコンサート・スタディ)(1937年)
組曲(1936年)#
ヴァイオリン、ヴィオラとピアノのための2つの小品(1929年)【世界初録音】**
全て、イザベル・ファウスト(Vn)
ヤクブ・フルシャ(指)*
バイエルンRSO*
アレクサンドル・メルニコフ(P)#,**
ボリス・ファウスト(Va)**

録音:2021年10月28-29日ライヴ*、
2022年4月、テルデックス・スタジオ(*以外)
イザベル・ファウストがブリテンのヴァイオリン協奏曲を録音しました!管弦楽はフルシャ率いるバイエルン放送響という最高の布陣。ファウストの聴き手の心を 射抜くようなまばゆい音色は冴え渡り、オケも全員が全身全霊の超絶名演です。ブリテンのヴァイオリン協奏曲は、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲に多 大な影響を受けて書かれましたが、ブリテン渾身の魅力的なメロディも満載の名曲。壮絶な場面から作品終盤の神がかり的な美しさまで、驚異の名演の登場です。 カップリングはメルニコフがピアノを担当している室内楽というこれまた豪華な内容で、世界初録音のブリテン16歳の時の「二つの小品」も収録されており、 大注目の1枚です!
ブリテンがヴァイオリン協奏曲の作曲に着手したのは1938年。1936年の国際現代音楽協会フェスティバルで初演を聴いたアルバン・ ベルクのヴァイオリン協奏曲に触発されてのことだったといわれます。ヴァイオリン協奏曲はスペインのヴァイオリン奏者(1914年よりロンドンに定住)のアン トニオ・ブロサの為に書かれました。1940年3月、バルビローリ指揮ニューヨーク・フィルによりカーネギー・ホールで初演されました。同時代の政治的激動 に対するブリテンの心情がシリアスな器楽群に現れているような作品です。冒頭はティンパニの柔らかな響きとそれに呼応するシンバルという行進曲風で印象的 な出だしで、ヴァイオリンが登場しエレジー風かつ非常にかっこいい旋律を奏でます。ここからしてファウストの輝かしい音色が炸裂しており、ファウスト節全開。 歌いまくり弾きまくっている様子に驚かされるほど。フルシャ率いるバイエルン放響もソリストとオーケストラの間で交わされる様々な対話のひとつひとつが実に 丁寧です。第2楽章はヴィヴァーチェで非常に暴力的で獰猛。そのまま第3楽章では様々な感情の起伏を経て、最後は壮絶ながらも神がかり的な美しさで曲が閉 じます。終始ファウストのソロの鬼気迫るまでの表情と音色が際立っており、それに呼応するフルシャとオケも全身全霊。稀有の名演が誕生しました。
続く収録楽曲はピアノを含む室内楽作品。「組曲」はブリテンがベルクのヴァイオリン協奏曲を聴いた直後に作曲された作品で、ヴァイオリン協奏曲に先立って アントニオ・ブロサとブリテン自身によって初演されました。ヴァイオリン・パートには容赦ないヴィルトゥオジティが要求されるだけでなく、モダニズムの語法 やストラヴィンスキーの新古典主義を思わせる部分など、ブリテンの才気に満ちた作品です。 Reveilleもアントニオ・ブロサのために書かれ、1937年4月12日にフランツ・ライゼンシュタインのピアノによりウィグモア・ホールで初演されました。ピ アノが時計のような規則的な動きをやわらかく繰り返す上で、ヴァイオリニストがゆっくりと目覚め、次第に旋律を奏で狂詩曲的な華やかさへ、そして最後には 楽器の名人芸をより激しく披露していくような作品です。世界初録音となる「二つの小品」は1929年12月12および24日、ブリテンの16歳の誕生日 直後に完成されました。2013年にようやく出版された作品で、ファウスト、ボリス・ファウスト、メルニコフという最高のメンバーによる世界初録音の登場と なりました。スクリャービン、シェーンベルク、ベルクらの革新性を驚くほど理解しており、神秘的で集中した2曲。ピアノ・パートの驚異的な美しさ(書法 も美しいし、メルニコフの演奏も素晴らしい)も印象的です。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0090(2CD)
スイスの夢
■CD1
ヨーゼフ・フランツ・クサーヴァー・ドミニク・スタルダー(1725-1765):交響曲 変ホ長調
ジャン・バティスト・エドゥアルド・デュピュイ(1770-1822):歌劇『若さと愚かさ』序曲
フランツ・クサヴァー・シュニーダー・フォン・ヴァルテンゼー(1786-1868):序曲 ハ短調
ハンス・フーバー(1852-1921):セレナード第2番『冬の夜』
ジョージ・テンプルトン・ストロング(1856-1948):組曲第3番『絵本』
■CD2
ヘルマン・ズーター(1870-1926):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.23
パウル・フーバー(1918-2001):ダルシマーと弦楽合奏のための協奏曲
マイケル・バレンボイム(Vn)
クリストフ・プフェンドラー(ダルシマー)
レナ=リザ・ヴュステンドルファー(指)
スイスO

録音:2019-2023年
18世紀から20世紀にかけてのスイスの管弦楽作品集。スイス国内でも知名度が高いとはいいがたい作品群を積極的に取り上げている、2018年設立のスイ スO(Swiss Orchestra)による演奏ですべてライヴ録音。ダニエル・バレンボイムの息子、マイケル・バレンボイムも協奏曲のソロで参加しています。 (Ki)


MELO CLASSIC
MC-1076(9CD)
ヴィルヘルム・ケンプ/ライヴ・コンサート・エディション
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
7つのバガテル―第1番変ホ長調Op.33-1
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
シューベルト:即興曲変イ長調D.899-4,Op.90-41
(3)シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:間奏曲変ホ長調Op.117-1
(4)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
(5)モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番
(6)バッハ:フランス組曲第5番ト長調BWV816
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
シューマン:交響的練習曲
シューベルト:4つの即興曲D.899,Op.90
ブラームス:ラプソディ第2番ト短調Op.79-2
ブラームス:カプリッチョロ短調Op.76-2
(7)モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番
(8)モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478
(9)ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
6つのバガテルOp.126
(10)バッハ(ケンプ編):来なさい、異教徒の救い主よBWV659
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8
全て、ヴィルヘルム・ケンプ(P)


(1)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1965年3月26日東ドイツベルリン(ステレオ)
(2)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1965年3月28日東ドイツベルリン(ステレオ)
(3)ーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター放送O
録音:1962年1月24日スイスビール
(4)ハインツ・レーグナー(指)シュターツカペレ・ベルリン
録音:1966年9月25日東ドイツベルリン(ステレオ)
(5)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO
録音:1955年7月21日西ドイツコスタンツ
(6)カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・クラシッシェ・フィルハーモニー
録音:1969年11月21日西ドイツシュトゥットガルト(ステレオ)
(7)録音:1963年10月7日東ドイツポツダム
(8)オイゲン・ヨッフム(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO
録音:1963年3月17日オランダアムステルダム
(9)アマデウスQ
録音:フランスプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏マントン
(10)録音:1958年7月16日フランスピレネー=オリアンタル県プラド
(11)シャンドール・ヴェーグ(Vn,Op.96,Op.8)
パブロ・カザルス(Vc,Op.8)
録音:1958年7月17日フランスピレネー=オリアンタル県プラド
※ステレオ表記以外はモノラル 630'10
MELO CLASSICS が凄いセット物を出してきた!20 世紀ドイツの偉大なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプのライヴ録音集、 9CD、10 時間半!どれもこれもお宝音源ばかり! まずは何と言っても 1965 年 3 月 26、28 日に催された、ハインツ・レーグナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンと共演のベ ートーヴェンのピアノ協奏曲全曲。この5 曲のためにこのセットを勝っても損はしないというくらいの充実した演奏。69 歳のケ ンプのピアノはベテランの味わい深さがありつつも、ライヴでは意外なくらい思い切った表情もあり、改めて超一流のベート ーヴェン弾きだと唸らされるもの。そして若くしてドイツの伝統を背負った当時36 歳のレーグナーがドレスデンのオーケストラ から渋く重厚なしかし柔軟な音楽を引き出している。皇帝協奏曲の第 3 楽章はもう圧巻、大喝采。全曲ステレオ録音で音質 も十分。両日のアンコールまで収録。 オイゲン・ヨッフム指揮コンセルトヘボウ管弦楽団とのモーツァルトのピアノ協奏曲第 15 番もとても良い演奏。ケンプとヨッフ ムとコンセルトヘボウ管弦楽団の共演はおそらくこれが初めてで、なんともリラックスした和やかで味わい深いモーツァルトが 聞ける。テープ保存が悪く年代にしては音質が今一つなのが惜しいが、それでも価値のある名演だろう。 リサイタルでは、1963 年 10 月のポツダムでの演奏が素晴らしい。4 曲はいずれもケンプのお得意で商業録音も残されてい るが、ライヴで興が乗った時のケンプの、堅固でありながらふつふつと湧き上がる音楽がしっかり収められている。 ケンプが伴奏に回ったお宝が、プラド音楽祭で81 歳のカザルスと共演したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第5 番。カザルス とケンプは1961 年のチェロ・ソナタ第1 番の録音が知られているが、この第 5 番は1958 年のライヴ録音。この世紀の共演 はもはや普通の物差しでは測れないだろう、途轍もないものを体験した充実感を得られるだろう。 ケンプ・ファンはもちろん、ドイツ伝統のピアノ弾きが好きな人に広くお勧めしたい9CD だ。
ベートーヴェンの全集を始め、およそ半数の録音がステレオ!(各ディスクが収容されているペーパー・スリーヴに STEREO or MONO の記載があります)。 またブックレットには1936 年の最初の来日の時の写真など貴重な写真も数点掲載されている。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-340(1CD)
シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42(ライスによる室内オーケストラ伴奏編)
4つの歌曲 Op.22(グリースルによるピアノ五重奏伴奏編)
「グレの歌」―山鳩の歌(作曲者による室内オーケストラ伴奏編)
室内交響曲第1番Op.9
ミヒャエル・ツラビンガー(指)
ヴィーナー・コンツェルト=フェライン
ピーナ・ナポリターノ(P)
イダ・アルドリアン(S)、クリストフ・フィラー(Br)

録音:2021年9月24-27日、2022年6月16-17 日、ウィーン
シェーンベルクの室内オーケストラ作品を集めた CD。といってもオリジナルは有名な室 内交響曲第1 番で、他はシェーンベルク自身のものも含めた編曲。近代の大編成オーケス トラ作品を縮小編曲すると作品の斬新さが際立つというのはよくあることで、ここでも百数十 年前のシェーンベルクの前衛っぷりが気持ち良い刺激で伝わって来る。 ツラビンガーは1984年、ウィーン生まれの若手指揮者。インゴ・メッツマッハーの助手を長 く務め、彼自身20世紀の音楽を得意としています。2018 年、マドリッドのレアル劇場でツィン マーマンの「軍人たち」を指揮して大評判となり、以来欧州各地の歌劇場で活躍しています。 ヴィーナー・コンツェルト=フェラインは1987 年結成の若い音楽家によるオーケストラ。

Orchid Classics
ORC-100287(1CD)
NX-B06
モーツァルト/ライネッケ/ニールセン:協奏曲集
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
ライネッケ(1824-1910):フルート協奏曲 ニ長調 Op.283
ニールセン:フルート協奏曲 FS 119
アルベルト・ナヴァーラ(Fl)
クラウディア・ルチア・ラマンナ(Hp)
オーデンセSO
ホリー・ヒョン・チェ(指)

録音:2023年1月16-20日
2022年にデンマークで開催された「カール・ニールセン国際音楽コンクール」で優勝、一躍注目を浴びたフルート 奏者アルベルト・ナヴァーラのデビュー・アルバム。2022/23年のシーズンからベルリン・フィルハーモニーのカラヤン・ アカデミーのメンバーに加わるとともに、ソリストとしてオーフスSO、オーデンセSOと共演、各地の音楽 祭で演奏するなど着々と活動の場を広げています。アルバムではフルーティスト定番のレパートリー、ニールセンとラ イネッケの協奏曲に加えて、ハープ奏者ラマンナとともにモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」を披露。 巧みな技術から生まれる輝かしい音色と卓越した音楽性で聴き手を魅了します。

Gramola
GRAM-99287(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲全集
ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412(386b)…第2楽章:フランツ・バイヤー編
ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417

※K.495第1楽章&K.447第1楽章のカデンツァ…パウル・アンゲラー
ハンスイェルク・アンゲラー(ナチュラルHrn)
使用楽器…1800年頃ボヘミア製 作者不詳
ザルツブルク・ホーフムジーク(古楽器オーケストラ)
ヴォルフガング・ブルンナー(指)

録音:2006年4月10-12日
モーツァルトの4つのホルン協奏曲をナチュラルホルンで演奏した1枚。使用した楽器は1800年頃にボヘミアで製 作されたもので、バルブを持たないシンプルな構造から生まれる音色は、現代の楽器とは大きく異なり、自然倍音 の美しさがより味わえます。演奏するハンスイェルク・アンゲラーはチロル出身。ザルツブルクのモーツァルテウムで学 び、インスブルックSOのホルン奏者を務めた後、ソリスト、教授として活躍しています。ドイツ・グラモフォンに は「モーツァルト:管楽作品全集」を指揮者、ホルン奏者として録音。こちらも高い評価を受けています。

ONDINE
ODE-1429(1CD)
NX-B10
ロルフ・ヴァリーン(1957-):作品集
Stride - オーケストラのために(2023)
2?5. Whirld - ヴァイオリンとオーケストラのために(2018)
Spirit - エレクトリック・ベースギターと管弦楽のために(2017)
.5つの季節 - 笙と管弦楽のために(2022)
ウー・ウェイ(中国笙)
エルドビョルク・ヘムシング(Vn)
イダ・ニールセン(エレクトリック・ベースギター)
スタヴァンゲルSO
アンドリス・ポーガ(指)

録音:2022年6月15-17、2023年6月5-9日
現在のスカンジナビアで「最もエキサイティングな作品を書く作曲家」として評判の高いノルウェーのロルフ・ヴァリーンの4つの近作を収録した1枚。 アルバムでは、「世界は一つの渦であり、あらゆる渦は一つの世界である」と考えるヴァリーンが錬金術師になったような気分で書き上げたというヴァイオリン協 奏曲(独奏は若きヴァイオリニスト、エルドビョルク・ヘムシング)、古代中国における5つの要素「木、火、土、金属、水」を季節に例え、ウー・ウェイが奏でる笙 とオーケストラのための作品に仕立てた「5つの季節」、プリンスとの共演経験を持つベーシスト、イダ・ニールセンをフィーチャーした「Spirit」の協奏的作品3曲 と、ウイルスや天候、戦争などの恐怖から精神的に抜け出すためのポジティヴなエネルギーを込めたというオーケストラ作品「Stride」、これらの4曲をスタヴァ ンゲルSOの首席指揮者を務めるアンドリス・ポーガの演奏でお聞きいただけます。

VOX
VOXNX-3036CD(1CD)
NX-B06
ショパン:ピアノと管弦楽のための作品全集 第2巻
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 変ロ長調 Op.2
演奏会用ロンド「クラコヴィアク」 Op.14
アビー・サイモン(P)
ヘリベルト・バイセル(指)
ハンブルクSO

録音:1972年ハンブルク(ドイツ)
ニューヨーク生まれのピアニスト、アビー・サイモン(1920-2019)によるショパンのピアノと管弦楽のための作品全集。1972年に録音され、1973年に3枚組 LPとして発売された全集を新リマスターでCD2枚に復刻、これはその第2巻です(第1巻:VOXNX3032CD)。ヨーゼフ・ホフマンに師事したサイモンは、 録音当時52歳。定評のあったロマンティックな詩情漂う演奏を聞かせます。日本の音楽ファンには懐かしいヘリベルト・バイセルが格調高い指揮で共演して います。 優秀録音で名高いエリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。ピアノがクローズアップ気味 に録られ、オーケストラが奥行きと広がりを持って展開する録音パターンになっています。ブックレットには初出時のLPのジャケット写真と解説が転載されてい ます。

BMOP SOUND
BMOP-1093(1CD)
ジョーン・タワー(b.1938):管弦楽作品集
@ピアノ協奏曲「ベートーヴェンへのオマージュ」(1986)
A「ライジング」(2010)〜フルートと管弦楽のための
B「赤いカエデ」(2013)〜ファゴットと弦楽のための
Cフルート協奏曲(1989)
ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
@マルク=アンドレ・アムラン(Pf)
ACキャロル・ウィンセンク(Fl)
Bエイドリアン・モアジョン(Fg)

録音:@2021年9月10日、A2018年2月7日マサチューセッツ州
ジョーン・タワーはアメリカの作曲家、ピアニスト、教育者として活動しており、エマーソン弦 楽四重奏団、東京弦楽四重奏団、マリンバ奏者エヴリン・グレニーなど著名な団体、演奏家 から作品の委嘱を受けている。このアルバムは20 世紀後半から21 世紀初頭までの協奏的 作品が収められている。「ベートーヴェンへのオマージュ」と題されたピアノ協奏曲は新古典 主義、ミニマル・ミュージックの要素が折衷された佳作でヴィルトゥオーゾ、マルク=アンドレ・ アムランのピアノの妙技が聴きもの。フルート協奏曲は呪文のようなフルートのメリスマティッ クな旋律が美しい秀作。

Ars Produktion
ARS-38647(1CD)
ファビアン・ミュラー:協奏曲集
パン・フルート協奏曲(2017)
ヘッケルフォーン協奏曲(2020)/大オーケストラのための「タラニス」
カスパール・ツェーンダー(指)、
ロイヤル・チェコ・シンフォニア・フラデツ・クラーロヴェー、
ハンスペーター・オジエ(パン・フルート)、
マルティン・フルティガー(ヘッケルフォーン)

録音:2023年2月
スイスの作曲家ファビアン・ミュラー(b.1964)の作曲による珍しい楽器のための協奏曲集。特にヘッケルフォーンは使用されることが少ない楽器で、オーボエの1オクターヴ低い音域を持ちます。R.シュトラウスのオペラで用いられたり、「アルプス交響曲」で用いられていますが、協奏曲のソロ楽器として使用されるのは特に珍しいケースです。マルティン・フルティガーによる演奏でその魅力をたっぷりとご堪能ください。

Diapason
DIAP-166(1CD)
ヴァイオリン協奏曲集/ヤッシャ・ハイフェッツ

(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
(3)ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46
(4)サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)

(1)シャルル・ミュンシュ(指)、ボストンSO
録音:1959年2月23日&25日
(2)マルコム・サージェント(指)、LSO
録音:1951年5月18日
(3)マルコム・サージェント(指)、オシアン・エリ録音:1961年5月15日&22日
(4)ウィリアム・スタインバーグ(指)、RCAビクターO
録音:1951年1月16日
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第166巻として登場するのは、ヤッシャ・ハイフェッツ。ハイフェッツと言えば20世紀最高のヴァイオリニストの一人と言えるでしょう。そのハイフェッツによるヴァイオリン協奏曲集は、珠玉の名曲であり続けているメンデルスゾーンから始まり、ブルッフを2曲、そして難曲で知られるサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」を収録しました。新たなマスタリングによって蘇る、ハイフェッツの超絶技巧は聴きものです!
Danacord
DACOCD-975(2CDR)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲集、他

(1)ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046

(2)ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047

(3)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048 より 第1楽章、第3楽章

(4)ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049

(5)ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050

(6)ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051

(7)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048

(8)ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048

(9)トッカータとフーガ ニ短調 BWV565(アロイス・メリヒャル編)
(1)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、シモン・ゴールドベルク(Vn)、グスタフ・カーン(Ob)
録音:1932年
(2)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、パウル・シュペッリ(Tp)、アルベルト・ハルツァー(Fl)、グスタフ・カーン(Ob)、シモン・ゴールドベルク(Vn)、ハンス・ボッタームント(Vc)
録音:1932年
(3)BPO、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
録音:1930年
(4)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ハインリヒ・ブライデン(Fl)、アルベルト・ハルツァー(Fl)
録音:1933年
(5)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ジークフリート・ボリース(Vn)、フリードリヒ・トーマス(Fl)、フランツ・ルップ(Cemb)
録音:1934年
(6)BPO、アロイス・メリヒャル(指)、ラインハルト・ヴォルフ(Va)、クルト・オーバーレンダー(Va)、パウル・グリュンマー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、シルヴィア・グリュンマー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ヴォルフガング・クレーバー(Vc)、ヘルマン・メンツェル(Cb)、エータ・ハーリヒ=シュナイダー(Cemb)
録音:1934年
(7)ロイヤル・アルバート・ホールO、ユージン・グーセンス(指)
録音:1922or1923年
(8)ベルリン国立歌劇場O、ゲーオー・フベア(指)
録音:1924年
(9)BPO、アロイス・メリヒ
バッハの「ブランデンブルク協奏曲」をバロックの伝統に従って演奏した1920〜30年代の貴重な記録。今日ほとんど忘れられてしまったオーストリアの名指揮者アロイス・メリヒャル(1896-1976)によるこの草分け的なベルリンでの録音は、活力にあふれた高雅な演奏が録音史上の貴重な存在として記憶されています。このアルバムには、メリヒャル指揮の5曲と、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮の「第3番」(2つの楽章のみ)を収録。さらにボーナス・トラックとして、イギリスのユージン・グーセンスとデンマークのゲーオー・フベアが録音した「第3番」が収められました。コレクターでもあるエンジニアのクラウス・ビューリトのコレクションの音源を使い、可能な限り最良のデジタル技術により復刻され鮮明に甦りました。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002691(1CD)
初回生産限定
チャイコフスキー国際コンクールの優勝者たち 〜諏訪内晶子、セルゲイ・スタドレル
1-3. パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
4. ラヴェル:ツィガーヌ M.76
5. ショーソン:詩曲 Op.25
6. サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
諏訪内晶子(Vn/1-3)
モスクワ国立SO(1-3)
パヴェル・コーガン(指揮/1-3)
セルゲイ・スタドレル(Vn/4-6)
レニングラードPO(4-6)
ウラディーミル・ポンキン(指揮/4-6)

録音:1-3.1990年7月4日、モスクワ音楽院大ホール(ライヴ録音/ADD/ステレオ)
4-6.1987年7月、レニングラード・フィルハーモニー協会大ホール(ADD/ステレオ)
旧ソ連時代の1958年に創設され、1966年には、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽の4部門を同時に演奏する世界初にして唯一のコンクールとなった「チャイコフスキー国際コンクール」。今回、同コンクールの優勝者の歴史的演奏を振り返るためメロディア(Melodiya)に保管されている膨大な音源の中から選ばれたのは、ヴァイオリン部門の2人の優勝者、第7回(1982年)のセルゲイ・スタドレル、そして第9回(1990年)の諏訪内晶子!
当時、第9回大会において史上最年少、18歳で優勝を果たしセンセーションを巻き起こした諏訪内晶子。1990年のコンクール期間中に聴衆、審査員を熱狂させた鮮烈かつ圧倒的なパガニーニの協奏曲第1番です。
1982年の第7回大会において、ヴィクトリア・ムローヴァと並び第1位を受賞したセルゲイ・スタドレル(1962-)。指揮活動にも精力的に取り組み、教育面においてはサンクトペテルブルク音楽院(レニングラード音楽院)の院長を務めるなど多大な功績を残しているスタドレルですが、ヴァイオリニストとしての録音の数はその実績と比べて決して恵まれているとは言えないだけに、今回の協奏的作品3曲の演奏の復刻は歓迎されることでしょう。※バックインレイには現地に保管されているマスターテープに記載の情報に基づき、「Recorded live on July4th,1990at Grand Hall Moscow Conservatory (Winners concert of the IX International Tchaikovsky Competition)」との表記がありますが、共演者・演奏曲などを様々な情報と照らし合わせたところ、正しくは「優勝記念コンサート」ではなく、「コンクールのファイナル」のライヴであると思われます。予めご了承下さい。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Obsession
CHSA-10078(2SACD)
初回生産限定
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集&パガニーニの主題による狂詩曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1/ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
アール・ワイルド(P)、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)、
ロイヤルPO

録音:1965年
過去の名録音を高音質化して復刻しているObsessionレーベルよりまた大注目のリリース。アメリカが生んだ20世紀の大ピアニスト、アール・ワイルドが遺した名録音の一つ、ヤッシャ・ホーレンシュタインとのラフマニノフのピアノ協奏曲全集が初めてSACD化されました!
LP盤を含めいくつかのレーベルからリリースされていた同音源ですが、Chandosからリリースされていた全集盤(2003年発売)をSACDハイブリッド化。名盤ひしめく同曲集の中でも最高傑作とする声も多く、突出して高い評価を得ているワイルド&ホーレンシュタインの超名演。1965年の収録とは思えぬ鮮明な録音もポイントで、今回のSACD化によってさらなる音質の向上が期待されます。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Stradivarius
STR-37258(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲第1番ニ長調Op.99(1039)
モーゼス・イブン・エズラの詩集 Op.207〜声とギターのためのソング・サイクル*
ピエトロ・ロカット(G)
ナディール・ガロファロ(指)
エステSO
ローニャ・ヴェイヘンマイヤー(S) *

録音:2023年2月8日フェラーラ、2022年3月12-13日ナポリ*
カステルヌーヴォ=テデスコはユダヤ系イタリア人として生まれ、ムッソリーニのファシスト政権樹 立後はアメリカに亡命、ハリウッドで映画音楽の作曲家としても活躍した。ギターと朗読のための 「プラテーロと私」が特に日本では有名だが、このディスクではセゴビアのために書かれた代表作 ギター協奏曲を収録。新古典主義的で端正に書き込まれたこの作品は美しいメロディに溢れた傑 作です。また中世スペインの詩人イブン・エズラの詩に曲をつけた「モーゼスの寝椅子」はロン ヤ・ウェイヘンマイヤーの美しいソプラノの歌声が聴きもの。

スロヴェニア放送
ZKP-118548(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ロマンス第1番ト長調 Op.40
ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
ジガ・ブランク(Vn)
スラヴェン・クレノヴィチ(指)
スロヴェニアRSO

録音:2023年9月
スロヴェニアからたいへんに素敵なベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とロマンスの CD が出た。ジガ・ブランクは1982年生まれ、今やスロヴェニアを代表するヴァイオリニストの一 人です。ZKP RTV SLOVENIJA からはこれまでにイザイの6 つの無伴奏ヴァイオリン・ソナ タ(ZKP113192)やパガニーニの24 のカプリッチョ(ZKP114304)、モーツァルトのヴァイオリ ン・ソナタ K.301とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10 番(ZKP111839)が発売され ています。 久々の新録音であるこのベートーヴェン集はジガ・ブランクの充実ぶりを伝えてくれます。まず 柔らかく透明感のある美音が素晴らしく、しかも丁寧かつ端正で伸びやかで柔らかい音楽。 第2楽章のラルゲットは、まるで良い味のでただし汁のように旨味がじんわりと広がる。第 3楽章も丁寧に弾きながら様々な情感を醸して見事。こうしたブランクの魅力は 2つのロマン ス、特に有名な第2番でも発揮されています。 そしてもう一人注目すべきが指揮者のスラヴェン・クレノヴィチ。ブランクと同世代のこの若い 指揮者は、2023年にサラエヴォPOの首席指揮者に就任したばか りで、CD もおそらくこれが初めて。ここでのベートーヴェンの、骨太で剛毅で、しかし必要な 時には十分に抑えも効かせられる音楽には、彼の可能性が大いに感じられます。クレノヴィチ は20年後、いや10年後には西側で大活躍しているかもしれない。

CLAVES
50-3079(1CD)
(1)ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
(2)ブルッフ:コル・ニドライ Op.47
(3)ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ニ長調 Op.12
ティム・ポズナー(Vc)
ベルンSO、カタリーナ・ミュルナー(指)

録音:2023年9月ディアコニアス教会(ベルン)
2023年に開催したグシュタード音楽祭の「ティエリー・シェルツ賞」に受賞したチェロ奏者ティム・ポズナーがブロッホ、ブルッフ、ドホナーニを録音しました。
グシュタード音楽祭はスイスのグシュタード(スイスを横断する絶景パノラマ鉄道「ゴールンデパス・ライン」が走ることでも有名な山村)で開催される、世界各 国から才能豊かな若手音楽家が集まることで知られるフェスティヴァル。「ティエリー・シェルツ賞」は当音楽祭の創設者の一人ティエリー・シェルツへのオマージュ として設けられました。参加者のうち毎回1名がclavesレーベルからレコーディングの機会を与えられCDリリースできるという副賞がついており、これまでにヴァ イオリンのアンナ・アガフィア(2022年受賞)、ピアノのジャン=ポール・ガスパリアン(2020年受賞)、ヴィオラのティモシー・リダウト(2019年受賞)、チェ ロのアナスタシヤ・コベキナ(2018年受賞)、ハープのアナイス・ゴドゥマール(2015年受賞)、ピアノのヨゼフ・モーク(2006年受賞)、ハープのエマニュエル・ セイソン(2005年受賞)など現在世界的に活躍するアーティストを輩出しております。
1995年生まれのポズナーはカール・ダヴィドフ国際チェロ・コンクールに入賞した初の英国人。これまでにロイヤルPO、ロンドン・モー ツァルト・プレイヤーズなどのオーケストラと共演。現在、アムステルダム・シンフォニエッタの首席チェロ奏者を務めています。今後の活躍に期待が高まります! (Ki)

King International
KKC-4341(1SACD)
シングルレイヤー
日本語解説付国内盤
税込定価
プロムシュテット・ドレスデン・エテルナ・モーツァルト集成〜モーツァルト:ホルン、フルート、オーボエ協奏曲集&ディヴェルティメント集
ホルン協奏曲第1番ニ長調 KV412(386b)
ホルン協奏曲第2番変ホ長調KV417
ホルン協奏曲第3番変ホ長調KV447
ホルン協奏曲第4番変ホ長調KV495
ホルンと管弦楽のためのロンド変ホ長調KV371
フルート協奏曲第1番KV313(285c)
フルート協奏曲第2番ニ長調KV314(285d)
フルートと管弦楽のためのアンダンテハ長調KV315(285e)
オーボエ協奏曲ハ長調KV314
ディヴェルティメント ニ長調KV136(125a)
ディヴェルティメント 変ロ長調KV137(125b)
ディヴェルティメント ヘ長調KV138(125c)
アダージョとフーガ KV546
ペーター・ダム(Hrn)
ヨハ ネス・ヴァルター(Fl)
クルト・マーン(Ob)
シュターツカペレ・ドレスデン
ヘルベルト・ブロムシュテット(指)

録音日:[ホルン]1974年3月 [フルート&オーボエ]1973年2月、12月 [ディヴェルティメント]1976年11月
録音場所:ドレスデン・ルカ教会
全盛期のエテルナのアナログ・レコードの音を限りなく再現すべく、オリジナル音源から新規デジタル・マスタリングした、キングインターナショナルのシリーズ「ドイツ・シャルプラッテンETERNAの芸術」。第6弾は、シュターツカペレ・ドレスデンの名管楽器奏者たちによるモーツァルトの協奏曲集。指揮は当時まだ40代半ばであったヘルベルト・ブロムシュテット。さらにブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンとの蜜月に刻まれたモーツァルトの名録音で有名なディヴェルティメント集を含んだ充実の内容を1枚のSACDに収めました。モーツァルトがホルンのために書いた作品は、協奏曲が4つ、コンサート・ロンドが1つ、さらにホルン五重奏曲(KV407)を残しています。これらの多くはザルツブルク宮廷楽団のホルン奏者を務めていたヨーゼフ・ロイトゲープ(1732〜1811)のために書かれたと言われています。名作の影に名手あり、といったところですが、今回ソリストとして登場するホルン奏者も時代を代表する名匠ペーター・ダム(1937〜)。1969年から2002年までシュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルン奏者として同団の栄光を支えたひとり。そして同録のフルート協奏曲、オーボエ協奏曲でも、この名門オーケストラの首席奏者二人が登場しています。ドレスデン生まれの名フルート奏者、ヨハネス・ヴァルター(1937〜)と旧東ドイツを代表するオーボエ奏者クルト・マーン(1923〜2015)。いつも同じ呼吸している奏者がソロを担当することにより、自然で気負いのない伸びやかな協奏曲に仕上がっています。続いてディヴェルティメント集では、1970年代後半のブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンの息吹を感じさせる演奏。ディヴェルティメントの軽妙で優雅な音楽に見事に当てはまる名演と言えるでしょう。引き続き企画監修は、ヴィンテージレコードショップ「エテルナトレーディング」の店主で、日本にETERNAのレコードを流布させた“仕掛け人”でもある高荷洋一氏。今回の解説には、ソリストたちの個性、そして楽器に焦点を当てた興味深い内容となっています。 (Ki)

H.M.F
HMX-2904104(2CD)
ロト&レ・シエクルのラヴェル
■CD1
(1)ピアノ協奏曲ト長調
(2)ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(全3曲) 
(3)2つのヘブライの歌
(4)なき王女のためのパヴァーヌ(P版)
(5)マラルメの3つの詩
(6)左手のためのピアノ協奏曲
(7)聖女
■CD2
(1)ムソルグスキー(ラヴェル編):展覧会の絵
(2)ラヴェル:ラ・ヴァルス
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

■CD1(HMM902612)
セドリック・ティベルギアン(P;1892年製プレイエル・グランパトロン)、
ステファーヌ・ドゥグー(Br)
録音:2020年12月/ピエール・ブーレーズ大ホール(1)(6)、2021年9月/フィラルモニ・ド・パリ(2)(3)(5)(7)、スタジオ(4)
■CD2(HMM905282)
録音:2019年11月フィルハーモニー・ド・パリ(ライヴ)
ロトのベストセラー、ラヴェルの「展覧会の絵」と、ピアノ協奏曲などを収録した2タイトルが限定2枚組セットで登場!

ALTO
ALC-1488(1CD)
ロージャ・ミクローシュ:ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 Op.24
主題、変奏とフィナーレ Op.13A
ハンガリー夜想曲 Op.28
ワイン醸造家の娘 Op.23A
イゴール・グルップマン(Vn)、
ジェームズ・セダレス(指)、
ニュージーランドSO
ロージャ・ミクローシュは、映画音楽の世界で特に有名で「ベン・ハー」などのサウンドトラックを担当し、アカデミー賞に17回ノミネート、そして3度受賞しています。このCDに収められている「ヴァイオリン協奏曲」は、ハイフェッツの委嘱により作られたもので、ロージャが作曲した芸術音楽の中でも評価の高い作品の一つに数えられています。

ALPHA
ALPHA-1005(1CD)

NYCX-10456(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ヴィヴァルディ:四季、ラ・フォリア
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Op.8-3RV293「秋」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 Op.8-4RV297 「冬」
アリア 「太陽の強い輝きは」 〜歌劇「救われたアンドロメダ」 RV Anh.117*
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 Op.8-1RV269 「春」
ァイオリン協奏曲 ト短調 Op.8-2RV315「夏」
トリオ・ソナタ ニ短調 Op.1-12RV63「ラ・フォリア」
ポール=アントワーヌ・ベノス=ディアン(C.T)*
ジュリアン・ショーヴァン(Vn)
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ

録音:2023年2月 在仏イタリア大使館シチリア劇場、パリ
※国内仕様盤日本語解説…坂本龍右
モーツアルトの後期交響曲や「レクイエム」のような有名作をこれまでにない視点からの新解釈で披露し、世界中の音楽ファンを新鮮な驚き と共に楽しませてくれているジュリアン・ショーヴァンによる『四季』が登場。子供たちや俳優など様々な人々とこの作品で共演してきたという彼 ら。特に、パリ五輪の公式ダンスでも話題のフランスの振付師ムラッド・メルズキのダンサー達からは大きな影響を受けたと言い、極端な独創 性や誇張されたダイナミクスなどに頼ることなく、自然な身体的バランスと呼吸、自発性から今回の演奏が生まれたということです。とはいえ、 ここに聴く演奏は十分に刺激的。曲順は通常の「春」からではなく「秋」から始められており、間に近年発見されたヴァイオリンのオブリガート付 きアリアを挟み、最後にはフォリアを置くという構成となっています。弦楽を各パート一人ずつに絞った緊密なやり取りの中で映えるショーヴァン の緩急織り交ぜた妙技のほか、テオルボとバロック・ギターには名手キート・ガートも参加してアンサンブルを支え、時には煽るように先導するこ とも。名盤あまたの『四季』ですが、異彩を放つ注目盤がまた一つ加わりました。

SWR music
SWR-19141CD(1CD)
NX-B09
ブゾーニ:ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.39(1904) - ピアノと管弦楽、男声合唱のために デイヴィッド・ライヴリー(P)
バーデン=バーデン・フライブルクSWRSO
フライブルク・ヴォーカルアンサンブル男声cho
ミヒャエル・ギーレン(指)

録音:1990年2月13日ハンス・ロスバウト・スタジオ SWR、バーデン=バーデン(ドイツ)
フェルッチョ・ブゾーニの没後100年記念リリース。1902年から1904年に作曲された彼唯一のピアノ協奏曲は、全5楽章、演奏時間は約80分近く、そして 終楽章には男声合唱が入るという長大で大規模な曲。ピアノ・パートの難度は高いものの、決して派手な技巧を追うわけではなく、ブラームスの協奏曲のよ うにオーケストラの一部として機能します。 終楽章の男声合唱はデンマークの劇作家アダム・エーレンスレーヤーの戯曲「アラジン」の終幕の部分をブゾーニ自身がドイツ語に翻訳したものを高らかに歌 いますが、こちらも決して劇内容を表現しているわけではありません。破天荒な内容の上、合唱も必要とする編成のためか、それほど実演の機会が多い作 品ではありませんが、20世紀音楽と大編成作品を得意とするミヒャエル・ギーレンが見事な演奏を聴かせます(ギーレンによるこの作品の録音は、これが唯 一のものとなります) ピアノを演奏するフランス系アメリカ人のデイヴィッド・ライヴリーは、過去にエリザベート王妃コンクール、ジュネーブ国際音楽コンクール、チャイコフスキー国際コ ンクールなどの入賞歴を誇るピアニスト。現代作品も積極的に手掛け、多くの作曲家たちの新作の演奏も行い高い評価を受けています。

ARCANA
A-542(2CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(A.ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
アントニオ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
 リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
 収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はアントニオ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にの みピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なもの。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに 伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと 引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わりに、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに 組み込まれています。

CPO
CPO-555613(1CD)
NX-C04
C. P. E. バッハ/J. G. グラウン:ヴィオラ協奏曲集
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171(マティス・ロシャによるヴィオラ編)
ヨハン・ゴットリープ・グラウン(1703-1771):コンチェルタンテ ハ短調 Graun WV A:XIII:3- ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のために
グラウン:協奏曲 変ホ長調 Graun WV A:XIII:3- ヴィオラ、弦楽合奏と通奏低音のために
マティス・ロシャ(Va)
ステファン・ワーツ(Vn)
カメラータ・シュヴァイツ
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年7月7-9日
ヨーロッパで注目されている若手ヴィオラ奏者マティス・ロシャが宿願だったというC.P.E.バッハのチェロ協奏曲に挑んだアルバム。 ロシャはケルンでアントワン・タメスティに、ライプツィヒでタチヤナ・マスレンコに師事、現在はミゲル・ダ・シルバと共にベルギーのエリザベート王妃音楽院でアー ティスト・イン・レジデンスを務めつつ、ベルギー、ドイツ、フランス、スイスなどで演奏活動を行っています。2021年にはラフマニノフのチェロ・ソナタや歌曲をヴィ オラで演奏したアルバムをリリースして、そのテクニックと歌心あふれる演奏が注目されました。 ここでは彼がかねてからの夢だったと語るC.P.E.バッハのチェロ協奏曲 変ロ長調 Wq171のソロをヴィオラで演奏。原盤解説(英語・独語)では「この曲の 軽やかなヴィルトゥオジティはヴィオラに向いている」と語る一方、10代の頃からの相談役であった指揮者ハワード・グリフィスに賛同してもらうためにアレンジに は周到な工夫を凝らしたとも語っています。他にはヴァイオリンの名手だったグラウンの作品を2曲収録。コンチェルタンテで共演しているのは2014年メニュー イン国際コンクールの覇者、オランダのステファン・ワーツ。グリフィス率いるカメラータ・シュヴァイツが見事なサポートを聴かせます。
CPO
CPO-777975(1CD)
NX-C04
フリードリヒ・エック(1767-1838):3つのヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調
ヴァイオリン協奏曲第2番ト長調
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調
ターニャ・ベッカー=ベンダー(Vn)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O
ヨハネス・シュレーフリ(指)

録音:2016年11月15-18日
ドイツのヴァイオリニスト、作曲家フリードリヒ・エックは、モーツァルトより11歳年下、ベートーヴェンより3歳年上の音 楽家。1778年、マンハイムOのヴァイオリニストに就任し、ミュンヘンではペーター・ヴィンターに作曲を師 事、その卓越した演奏と作品は18世紀末ヨーロッパの音楽界でセンセーションを巻き起こしました。しかし、当時 の批評家に大絶賛されたにもかかわらず、1800年に突然引退、妻とともにフランスに移住してしまいます。その引 退の理由はわかっていませんが、彼の協奏曲が著名な出版社から出版されたにもかかわらず、ほぼ忘れられてし まったからと推測されています。現在、彼の名が知られているのは、モーツァルトの作品とされていた「ヴァイオリン協 奏曲第6番」の真の作者としてのみでしょう。 このアルバムに収録されている3つの協奏曲は、高い演奏技術を要し、モーツァルトを思わせる美しい旋律を持って います。来日経験もあるターニャ・ベッカー=ベンダーのヴァイオリンでこの魅力的な作品をお聴きください。

AAM Records
AAM-44(1CD)
NX-B10
モーツァルト:ピアノ協奏曲第6番 変ロ長調K.238
3台のピアノと管弦楽のための協奏曲第7番ヘ長調 K.242*
ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246

※K.238とK.246のカデンツァはロバート・レヴィン作
ロバート・レヴィン(タンジェント・ピアノ)
ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)*
ローレンス・カミングズ(Cemb/指)*
ボヤン・チチッチ(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
ボヤン・チチッチ(リーダー)

録音:2022年5月3-7日 All Hallows, Gospel Oak
2022年7月2日 St Giles’ Cripplegate

タンジェント・ピアノ:レーゲンスブルクのシュパート&シュマール1794年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2008年製作
フォルテピアノ:アウグスブルクのアントン・シュタイン1786年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2021年製作
チェンバロ:パリのパスカル・タスカン1769年製作をモデルとするマンチェスターのキース・ヒルの再現楽器。2010年製作
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第4集は1776年にザルツブ ルクで作曲された協奏曲を集めています。注目は鍵盤楽器の選択。当時のザルツブルクではチェンバロまたはクラヴィコードという言葉が鍵盤楽器全 般を指して使われていました。モーツァルトが「チェンバロ」と書いた曲に強弱記号があるのもそうした背景によります。レヴィンはこれらの作品に取り組む にあたり「チェンバロとフォルテピアノの中間的な存在でクラヴィコード的な性格もある」タンジェント・ピアノ(タンゲンテンフリューゲル)を使用。フォルテピア ノに比べると音質は軽くて音量も小さめですが、4/3/2/2/1の弦の編成とうまくマッチして俊敏な音楽を透明なテクスチュアで奏でています。3台の鍵 盤楽器のための協奏曲ではフォルテピアノとチェンバロを加えることで3種の音色が生み出す華麗な効果が生まれ、各パートの音の動きを追いやすくな りました。 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、製作ス タッフの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が 使われています。

オクタヴィア
OVCL-00842(1SACD)
税込定価
2024年2月21日発売
アンサンブルof トウキョウ ライヴ2023秋
(1)モーツァルト:セレナーデニ長調「セレナータ・ノットゥルナ」
(2)R.シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調
(3)ウェーバー:ファゴット協奏曲ヘ長調 (Fg ダーク・イェンセン)
アンサンブルof トウキョウ(指揮者無し)【青山聖樹(Ob)、ダーク・イェンセン (Fg)、玉井菜採、戸原直(Vn)、大野かおる(Va)、渡邉玲雄(Cb)】
(1)玉井菜採(Vn)、戸原直(Vn)、大野かおる(Va)、渡邉玲雄(Cb)
(2))青山聖樹(Ob)
(3)ダーク・イェンセン(Fg)

録音:2023年10月27日東京、紀尾井ホール・ライヴ
ダブルリードファン待望の協奏曲ライヴのCD化!ゲスト出演した ノルウェー出身のファゴット奏者ダーク・イェンセンは、バンベル クSOやケルンRSOで首席を務め、日本ではサイト ウ・キネン・オーケストラや水戸室内Oの客演でも知られて います。ドラマティックなウェーバー協奏曲での美しいカンタービ レは必聴。青山聖樹は長年研究を重ねたR.シュトラウスで、伸びや かに歌い上げ、艶やかな音色を聴かせます。 また、セレナータ・ノットゥルナでは、アンサンブルofトウキョウ の名ソリストが率いる美しい音楽的対話が展開されていきます。カ デンツァはトルコ行進曲などの有名なメロディが顔を出し、一味違 う楽しみも。 指揮者なしのアンサンブルの自発性、アルバム全体を彩る瑞々しい 響きなどで名曲の数々をお楽しみください。(オクタヴィア)

Chandos
CHAN-20286(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.9
モーツァルト:「後宮からの誘拐」序曲
ピアノ協奏曲 第11番ヘ長調 KV413*
ピアノ協奏曲 第12番イ長調 KV414*
ピアノ協奏曲 第13番 ハ長調 KV415*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*、
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2023年4月4日-6日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN-10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第9弾には、モーツァルトがザルツブルクのパトロンを離れ、ウィーンでフリーの作曲家・演奏家としての地位を確立した直後の1782年〜1783年にまとめて作曲された3つのピアノ協奏曲が収録されています。これらの協奏曲はモーツァルトがウィーンで開いた一連の定期演奏会で演奏されたもので、ソナタ形式ではじまり、三部形式の緩徐楽章を挟んで、明るいロンド形式のフィナーレで締め括られる形式が共通しています。また、アルバムの冒頭に収録されている歌劇「後宮からの誘拐」の序曲も、これらの協奏曲と同時期に作曲されたものとなっています。

Chandos
CHSA-5333(1SACD)
ブラームス&ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲集
ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35a, K243
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op77
フランチェスカ・デゴ(Vn)、
ダリア・スタセフスカ(指)BBC響

録音:2023年7月4日-5日、フェニックス・コンサート・ホール(フェアフィールド・ホールズ、クロイドン、イギリス)
1989年生まれ、朗々たる響き、説得力のある解釈、隙のないテクニックを誇り、国際的なシーンでもっとも人気を集めるイタリアの若きヴァイオリニスト、フランチェスカ・デゴ。日本でも既にNHKSOをはじめ様々なオーケストラと共演し多くのファンを獲得しています。パガニーニ自身が所有し愛奏したヴァイオリンを弾いた「イル・カノーネ」(PCHAN-20223/CHAN-20223)で華麗なChandosデビューを果たすと、英BBCミュージック・マガジンで「レコーディング・オヴ・ザ・マンス(2021年11月)」に選出されたロジャー・ノリントンとの共演によるヴァイオリン協奏曲集第1巻(PCHAN-20234/CHAN-20234)を含む4つのモーツァルト・アルバムをリリースし、安定した評価を得てきました。
モーツァルトの協奏曲で共演したロジャー・ノリントンに「私はフランチェスカ・デゴと仕事をするのが好きです。彼女は非の打ち所のないテクニックを持っているだけでなく、協奏曲の様式上の問題に対応するための印象的な方法も備えています。」と讃えられたデゴが次に挑んだのはブラームスとブゾーニ、2つのニ長調協奏曲。「ブラームスのヴァイオリン協奏曲を録音できることは、すべてのヴァイオリニストにとって夢でありマイルストーン」とし、世にある多くの名演と競争するのではなく、自分自身の演奏を示したいというデゴがどのような音楽性を披露してくれるのか大いに注目です。伴奏には2度目の開催となったBBC Proms JAPAN2022でBBC響と来日しプロムスの熱気を日本に届けてくれたことも記憶に新しいウクライナ生まれの若き指揮者、ダリア・スタセフスカ(b.1984)がChandos初登場。2019年にBBC響史上初の女性首席客演指揮者に抜擢、さらに2021/22シーズンからはラハティSOの首席指揮者を務めるなど大躍進を遂げ、世界中から熱視線を浴びている注目株です。今回はSACDハイブリッド盤でのリリースとなり音質面でもより一層期待を持てるでしょう。

Spectrum Sound
CDSMBA-149(1CD)
完全限定盤
ジャンヌ・ゴーティエ〜フランス国営放送、未発表アーカイヴ
(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(2)クライスラー:パヴァーヌ
(3)クライスラー:プニャーニのスタイルによる前奏曲とアレグロ
(4)ヴィターリ:シャコンヌ
(5)シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 Op.100より第1&2楽章
ジャンヌ・ゴーティエ(Vn)
(1)ピエール=ミシェル・ル・コント(指)リリック放送O
(2)-(4)ユゲット・ドレフュス(Cemb)
(5)フランス三重奏団【ジャンヌ・ゴーティエ(Vn)、アンドレ・レヴィ(Vc)、ジュヌヴィエーヴ・ジョワ(P)】

ライヴ録音:(1)1958年6月22日エラール・スタジオ31
(2)-(4)1956年7月7日モアザン・センター
(5)1960年3月6日フランス・ラジオ・テレビ放送局内スタジオ(公開収録)
フランス国立視聴覚研究所(INA)からのライセンスでディスク化を進めているスペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。当アルバムはフランスが生ん だ天才ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエの未発表音源です!神童として注目されたゴーティエ。パリ音楽院卒業後、1910年代半ばには国際的な演奏活動を 展開し絶大な人気を得ました。
戦後、1950年代にはピアノのジュヌヴィエーヴ・ジョワ、チェロのアンドレ・レヴィとフランス三重奏団を結成し、ソロだけでなく室内楽も積極的に演奏してきま した。
ピエール=ミシェル・ル・コント(指)リリック放送Oとのメンデルスゾーン。ダイナミックで堂々たる当ライヴは必聴!第1楽章、第3楽章のテンポは同時 代の演奏家としては速く、また第2楽章はこの上なく美しい演奏を披露。ゴーティエならではの歌いまわしに聴き惚れてしまいます。
巨匠ユゲット・ドレフュスと共演したクライスラーとヴィターリも必聴。これらの作品をチェンバロで演奏していること自体稀ですが、ドレフュスとの演奏は二つの 楽器が対等に存在し、丁々発止のやり取りが終始展開されます。
そして、シューベルトのピアノ三重奏曲第2番より第1、2楽章。当時のフランスが誇る名手が揃った当団の演奏は格別で、どこまでも美しく、極上のシューベルト を堪能することができます。
長い演奏活動の割に録音の少ないゴーティエだけに当アルバムのリリースは大注目といえましょう。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-161(1CD)
完全限定盤
フェリックス・アーヨに捧ぐ
(1)ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』
(2)ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210Op.8-11
(3)ロッシーニ:6つの四重奏のソナタより第3番 ハ長調
(4)バルトーク:ルーマニア民族舞曲
(1)(2)フェリックス・アーヨ(Vn独奏&コンサートマスター)、イ・ムジチ合奏団
(3)(4)フェリックス・アーヨ(コンサートマスター)、
イ・ムジチ合奏団

ライヴ録音:(1)1959年8月13日マントン【マントン音楽祭】
(2)(3)1958年7月9日ディボンヌ・レ・バン
(4)1961年12月4日フランス・ラジオ・テレビ放送局内スタジオ(公開収録)
20世紀を代表する大ヴァイオリニスト、フェリックス・アーヨが2023年9月24日に90歳でこの世を去りました。アーヨの追悼盤としてSpectrum Soundレーベルから完全初出音源の登場です。
イ・ムジチ合奏団の創設メンバーの一人であるアーヨ。当団は1951年にサンタ・チェチーリア国立アカデミアの卒業生12人により結成。1952年にデビュー し以後現在も活動する名団体です。アーヨは当団デビューから16年間、初代コンサートマスターとして活躍。団の顔としてだけでなく、名ヴァイオリニストとして聴 衆を魅了しました。
イ・ムジチ合奏団の名が知られたのは『四季』の録音。50年代に2度録音しておりますが、当初出音源は1959年8月13日、マントン音楽祭におけるライヴ 音源です。アーヨの誠実で気品のある演奏が当演奏でも光っており、優美でふくよかな『四季』を堪能できます。
この他、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210Op.8-11も非常に貴重。また、アーヨがコンサートマスターを務めたロッシーニのソナタ第3番 ハ長調、そしてバルトークのルーマニア民族舞曲では非常に表現豊かな演奏をお楽しみいただけます。
長いキャリアの割に録音の少ないアーヨの貴重音源。ついに日の目を見ました。(Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

GRAND SLAM
GS-2312(1CD)
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)マーラー:「さすらう若人の歌」
(1)エドウィン・フィッシャー(P)
(2)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)、
フィルハーモニアO

録音:(1)1951年2月19、20日アビーロード第1スタジオ(ロンドン)
(2)1952年6月24、25日キングズウェイ・ホール(ロンドン)
使用音源:(1)Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(2)Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(セッション録音)
■制作者より  
フィッシャーとの「皇帝」、F=ディースカウとの「さすらう若人の歌」、これらはフルトヴェングラーが偉大なソリストを迎えての貴重なセッション録音でした。当 シリーズでは2曲ともLP復刻(「皇帝」:GS-2008、2005年、ALP1051使用/マーラー:GS-2015〜6、2006年、ALP1270使用)を発売していますが、 今回、初めてテープ復刻を行いました。「皇帝」は2トラック、38センチ、オープンリール・テープを使用、望みうる最上の得音質を獲得しました。マーラーは2トラッ ク、19センチのテープですが、全体の音質は「皇帝」と何ら遜色ありません。(平林直哉)

VOX
VOXNX-3034CD(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、他
チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104B.191
森の静けさ Op.68No.5B.182)*
ロンド ト短調 Op.94B.181*
ロマンス ヘ短調 Op.11B.39#
マズルカ ホ短調 Op.49B.90#
ザラ・ネルソヴァ(Vc)
ルッジェーロ・リッチ(Vn)
セントルイスSO
ヴァルター・ジュスキント(指)

録音:1974年5月15日、1974年5月*、1974年8月#
ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場! VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、その演奏・録音両面で高い評価を得、形態を変えつつ再 発売を重ねて来ました。このCDには、LP1枚目に収録されていたチェロ作品すべてとLP2枚目のヴァイオリン作品からロマンスとマズルカを収録しています。 チェロ作品のソロを務めるのは1918年カナダ生まれのザラ・ネルソヴァ。12歳の時にはサージェント指揮LSOとラロのチェロ協奏曲を演奏。ピア ティゴルスキー、フォイアマン、カザルスらに師事して世界的に活躍し、バーバーのチェロ協奏曲やブロッホのシェロモを作曲者自身の指揮で録音する際にはソ リストに指名されています。ここでのチェロ協奏曲の演奏時間は36分台と同曲録音の中ではかなり速いテンポによるもので、淀みのない流れに乗った豊かな 歌が印象的です。「森の静けさ」も深沈とした瞑想よりも緩やかな足取りによる散策を思わせ、音楽が停滞することがありません。 ヴァイオリン小品2曲は演奏・録音される機会が少ない曲ですが、ネルソヴァと同年生まれのルッジェーロ・リッチの独奏は、艶やかなサウンドと民族舞曲風の テンポ処理など見事な出来。アルバムを通じてチェコ生まれのジュスキントがセントルイス響から深みのある響きを引き出し、ドヴォルザークらしいリズムやフ レーズをしっかりと聞かせているのも当アルバムの聴きどころ。録音当時は首席指揮者として6シーズン目で、オーケストラを完全に掌握していたようです。 録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と 語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わ りましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に潤いが加わり ました。 ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。
VOX
VOXNX-3035CD(1CD)
NX-B06
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53B. 108
ピアノ協奏曲 ト短調 Op.33B.63*
ルッジェーロ・リッチ(Vn)
ルドルフ・フィルクシュニー(P)
セントルイスSO
ヴァルター・ジュスキント(指)

録音:ミズーリ州セントルイス(USA)
1974年8月13日、1975年1月24日*
ドヴォルザークの没後120年を記念して、VOX音源の中でも特に評価の高いアルバムが新リマスターで登場! VOXが1975年に3枚組LPでリリースした「独奏楽器と管弦楽のための協奏的作品全集」は、 その演奏・録音両面で高い評価を得、 形態を変えつつ再 発売を重ねて来ました。 このCDには、LP2枚目からヴァイオリン協奏曲とLP3枚目のピアノ協奏曲を収録しています。前者のソリストは1918年生まれのルッジェーロ・リッチ。11歳で カーネギーホール・デビューを成功させ、1947年にはパガニーニの24のカプリースを世界で初めて録音したことでも知られます。ここではロマン派ヴァイオリン協 奏曲の王道を行く、朗々とした歌い回しと明るく美しい音が印象的。リッチ自身の1961年Decca録音よりも第1楽章と第2楽章はやや速めのテンポを取 り、前者の演奏時間32分余りに対して当盤は29分余り。音質も含めて、聴き比べも大いに楽しめることでしょう。 ピアノ協奏曲のソリストはチェコ生まれで生前は来日も多かったフィルクシュニー。「外連味が無い」と評されることから地味という先入観を持たれがちですが、 曲本来のブリリアントな聞かせどころはしっかりと決め、民俗舞曲風のリズムの弾みは自然体、高揚感も穏やかな抒情もオケと一体化して見事です。フィルク シュニーと1歳違いでやはりチェコ生まれのジュスキントが、首席指揮者として6シーズン目を迎えていたセントルイス響から深みのある響きを引き出し、個性の 異なる各ソリストに当意即妙に付けているのも聴きどころ。 録音エンジニアのマーク・オーボートは自らの録音イメージを「ホールの4列目か5列目で客席から10フィート(約3m)ほど宙に浮いてオーケストラを見渡す」と 語っていましたが、その言葉が実感できるような広がりと奥行きのあるサウンドステージが展開されます。前回のCD化(CDX-5015)も録音の優秀さは伝わ りましたが、マイク・クレメンツによる24bit192kHzリマスターではオーケストラの響きがより豊かに、個々の楽器の質感がより明瞭になり、高域に伸びと潤いが 加わって硬さが取れているのが収穫です。 尚、ブックレットには初出LPに掲載されていた曲目解説と初出時のLPジャケットが掲載されています。

BIS
BISSA-2665(1SACD)
ヘンリク・ヘルステニウス(1963-):Public Behaviour(公的行動)(2020)(打楽器、6人の歌手と管弦楽のための協奏曲)*
Together(ともに)(2021)(6人の歌手、ピアノ、サンプラーと打楽器のための)**
ノルディック・ヴォイセズ
トーネ・エリサベト・ブローテン(S)、イングリ・ハンケン(S)、エッバ・リュード(Ms)、ペール・クリスチャン・アムンドロー(T)、フランク・ハーヴロイ(Br)、ロルフ・マグネ・アッセル(Bs)、ハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン(打楽器、ヴォイス)*
エレン・ウゲルヴィーク(P)**
ジェニファー・トレンス(打楽器、ヴォイス)**
スタヴァンゲルSO *
イラン・ヴォルコフ(指)*
カイ・グリンデ・ミュラン(指)**
ヘンリク・ヘルステニウス Henrik Hellstenius は、ノルウェーのバールム生まれ。ラッセ・トーレセン、オラヴ・アントン・トンメセン、ビョ ルン・クルーセ、ジェラール・グリゼーの下で、「古典」の手法をマスターするに止まらない作曲を学びました。「自身の時代」の表現方法からインスピレーションを得な がら、サウンド、動き、リズム、静寂といった要素を重視。オペラ、室内楽と管弦楽の作品、エレクトロ=アコースティック音楽、劇場の音楽など、幅広いジャンルの作曲家 として活動しています。「Like Objects in a Dark Room(暗い部屋にある物体のように)」「ヴァイオリン協奏曲第2番」(BISSA--2152)、ヴァイオリン協奏曲 「By the voice a faint light is shed(声のするところから微かな光が)」(Aurora ACD-5047)といった作品がCDリリースされています。
新しいアルバムでは、彼の代表作のひとつ、室内オペラ「セラ(Sera)」(ACD-5024)に参加した6声のアカペラ・グループ「ノルディック・ヴォイセズ Nordic Voices」をフィーチャーした2つの作品が演奏されます。
「Public Behaviour(公的行動)」は、「極度の個人主義」の時代に「公の空間」でわれわれが一緒にどう行動するかということをテーマに「打楽器、6人の歌手 と管弦楽のための協奏曲」として作曲されました。ヘルステニウス自身が歌詞を書き、第2曲〈No Matter〉にはアメリカの社会学者リチャード・セネット Richard Sennett(1943?)の講義から採った一節も使われています。打楽器のハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン Hans-Kristian Kjos Sorensen(1965?) とイラン・ヴォルコフ IlanVolkov 指揮スタヴァンゲルSOが共演しています。
「Together(ともに)」は、「わたしと他人(me and the other)」の関係を深く考察する作品です。われわれが出会い、ともに働き、ともに住む人々とどう関わ るかという課題。この作品のテクストもヘルステニウスが作りました。現代音楽のスペシャリスト、ピアニストのエレン・ウゲルヴィーク Ellen Ugelvik(1971?)とオ スロを拠点とする実験的音楽家のジェニファー・トレンス Jennifer Torrence が加わった「6人の歌手、ピアノ、サンプラーと打楽器」のアンサンブルをカイ・グリン デ・ミュラン Kai Grnde Myrann が指揮して演奏されます。

SUPRAPHON
SU-4337(1CD)
チェコのピアノ協奏曲3篇
(1)コヴァルジョヴィツ:ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.6(1887)
(2)カプラーロヴァー:ピアノ協奏曲 ニ短調 Op.7(1935)
(3)ボシュコヴェツ:ピアノ協奏曲第2番(1949)
マレク・コザーク(P)
プラハRSO、
ロベルト・インドラ(指)

録音:/(1)2022年1月4〜6日、(2)2020年10月5&6日、(3)2022年11月9〜11日/プラハ放送第1スタジオ
19世紀から20世紀にかけてのチェコのピアノ協奏曲といえば、ドヴォルザークとマルティヌーが有名ですが、当アルバムでは同時代の知られざる傑作3篇を 紹介します。
カレル・コヴァルジョヴィツ(1862〜1920)はプラハ音楽院にて(指)作曲、クラリネット、ピアノを学び、スデニェク・フィビフから声楽と作曲の個人指導を 受けました。指揮者として1896年から1898年までチェコPOの初期のコンサートに出演。また、1900年には国民劇場のオペラの監 督に就任。国民劇場での仕事はチェコの音楽界に最も貢献し、同劇場ではドヴォルザークの歌劇『ルサルカ』の初演を含む数多くの演奏を行っています。作曲家と しては指揮者になる前から名声を得ており、歌劇『花婿たち』やバレエ『ハシシュ』で成功を収めました。コヴァルジョヴィツのピアノ協奏曲は、技巧的なピアノ独 奏が散りばめられた難曲です。
ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915〜1940)のピアノ協奏曲は、プラハ音楽院の卒業作品として作曲。豪華な楽器編成と華麗なピアノ・パートが魅 力で、1935年、自身の指揮で初演が行われ、批評家の絶賛を浴びました。カプラーロヴァーは1937年にパリに移りマルティヌーに師事。その翌年、ロンドンで 開催された国際現代音楽協会フェスティバルで賞賛を浴び、同フェスティバルのオープニングコンサートではBBCOを指揮し、自作「軍隊シンフォニエッタ」 を演奏。しかし、1940年、25歳のとき結核でこの世を去っております。
ヨゼフ・スークの弟子であったパヴェル・ボシュコヴェツ(1894〜1972)は、1946年から1967年までプラハ芸術アカデミーで教職に就き、イルジー・パ ウエル、ヤン・ノヴァーク、ペトル・エベンなどを育てました。ピアノ協奏曲第2番は第二次世界大戦後の1949年作曲。この協奏曲はボシュコヴェツの代表曲の一 つです。
ピアノ独奏はチェコ出身のマレク・コザークです。コザークはプラハ芸術アカデミーでイヴァン・クラスキーに師事。2018年開催のブレーメン国際ピアノ・コンクー ルで優勝し注目されました。母国の作曲家の作品を心を込めて演奏しております。 (Ki)

King International
KKC-2717(1CD)
税込定価
外山雄三自作自演集Vol.2
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番
(3)管弦楽のためのラプソディ
森下幸路(Vn)
外山雄三(指)大阪SO

録音:2018年2月22日(1)、2019年11月21日(2)、2019年8月31日(3)/ザ・シンフォニーホール(すべてライヴ)
2023年7月11日に92歳で歿した巨匠指揮者・外山雄三の追悼盤。作曲家でもある彼の自作自演集第2弾待望の登場となります。
メインは2篇のヴァイオリン協奏曲。2018年2月と19年11月にザ・シンフォニーホールで行われたコンサートのライヴで、独奏は大阪SO首席ソロ コンサートマスターの森下幸路。森下と外山は仙台フィルのコンサートマスターを務めていた1994年来の仲で、外山のヴァイオリン・ソナタの録音を作曲者が 絶賛するなど信頼厚く、2篇の協奏曲も彼をおいてほかには考えられない演奏者といえます。
ヴァイオリン協奏曲第1番は1963年尾高賞受賞作で、「ラプソディ」と同様に日本の素材が豊富に用いられ民族色に満ちています。第2番1966年作で、 2年前に作ったヴァイオリン・ソナタに基づいて生まれました。日本の伝統音楽と西洋音楽の融合と対立が興味深い内容です。どちらもディスクに恵まれておらず、 待望のリリースとなります。
外山作品としては欠かすことのできない「ラプソディ」も、しっかりフィルアップでプレゼント。「自作自演集Vol.1 (KKC-2710)」とは別音源2019年8月31日ザ・シンフォニーホールでのライヴで、大阪SOも乗りに乗った快演を聴かせてくれます。永久保存すべき外山雄三晩年の貴重な記録です。 (Ki)

Avie
AV-2650(1CD)
夢〜イザイ:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的詩曲(オーケストレーション:エリカ・ベガ/世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲ホ短調(第3楽章のオーケストレーション:グザヴィエ・ファルケス/全曲版世界初録音)
ヴァイオリンとピアノのための2つのサロンのマズルカ Op.10
ヴァイオリンとピアノのための子供の夢 Op.14
フィリップ・グラファン(Vn)、
ロイヤル・リヴァプールPO、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)、
マリサ・グプタ(P)

録音:2023年6月20日&21日、ザ・フライアリー(協奏曲)/2023年10月9日、ブリュッセル王立音楽院(デュオ)
フランスの名手フィリップ・グラファンのAvie新録音は、ベルギーの名ヴァイオリニスト、作曲家として活躍したウジェーヌ・イザイが残した2つのヴァイオリン協奏的作品を世界初録音。
グラファンは、イザイの弟子であるヨーゼフ・ギンゴルドに師事。オーストリアのフリッツ・クライスラー・コンクールで優勝後は、メニューインの指揮で初のレコーディングを行い、フランス系レパートリーにおいて特に高い評価を確立しています。2018年にはパリ国立高等音楽院とブリュッセル王立音楽院の教授を務め、2017年には、イザイが過ごしたベルギーの避暑地クノッケにて「Ysaye’sKnokke」国際音楽祭を創立、芸術監督に就任しています。
本アルバムに収められたイザイのヴァイオリン協奏曲は、最近、第1楽章が発見されたのに続き、作品を完成させるうえで必要なさらなる写本が発見されました。グラファンは、イザイ愛好家であるグザヴィエ・ファルケスとの緊密な共同作業により、ページごとに分析し、音楽のパズルのピースを丹念に再構築。その結果、イザイのトレードマークである熱意、激しさ、独創性を示す3楽章からなる協奏曲全編録音プロジェクトが成し遂げられました。もう一方の初録音となる協奏的詩曲(ポエム・コンチェルタント)も最近になって写本形式で発見され、イザイが弟子イルマ・セテに感じた情熱と愛情が込められています。この作品は、一世紀以上発見されずに残されていましたが、この世界初となる録音で見事に甦りました。グラファンは、これら初録音作品に加え、イザイが生涯に頻繁に演奏し、ヨーロッパ中で人気を博した 「2つのマズルカ」 。そして、末息子アントワーヌに捧げた 「子供の夢」 というヴァイオリンとピアノのための珠玉の3曲をカップリングしています。これまでも、多くの知られざる作品や珍しい版、初稿版、編曲版などのレア・レパートリーを開拓・録音してきたグラファンが新たなイザイ作品の魅力を見出した注目盤の登場です。

Diapason
DIAP-165(1CD)
ラロ:チェロ協奏曲/スペイン交響曲
(1)チェロ協奏曲 ニ短調

(2)「ナムーナ」組曲第1番

(3)スペイン交響曲
(1)ピエール・フルニエ(Vc)、
ジャン・マルティノン(指)、ラムルーO
録音:1960年
(2)ポール・パレ―(指)デトロイトSO
録音:1958年
(3)レオニード・コーガン(Vn)、
キリル・コンドラシン(指)フィルハーモニアO
録音:1959年
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第165巻として登場するのは、フランス人作曲家のエドゥアール・ラロによる作品集。サン=サーンスの「チェロ協奏曲第1番」に触発されて作曲されたというラロの「チェロ協奏曲」を弾くのは、ピエール・フルニエ。チェロの貴公子と称されたその美しさと格調の高さを感じさせる音色で奏でます。「ナムーナ」は元々バレエ作品として生まれたもので、初演後作曲者自身の手で編曲され組曲版が生まれました。こちらはフランスの指揮者ポール・パレーが手兵デトロイトSOを率いて収録。そして、ラロの代表作ともいえる「スペイン交響曲」では伝説のヴァイオリニスト、レオニード・コーガンとキリル・コンドラシンによる豪華な組み合わせとなっており、往年のラロ作品の名演奏をたっぷりとご堪能いただけます。

SUPRAPHON
SU-4334(1CD)
作曲家&指揮者ヴィクトル・カラビス
(1)序曲「青春」 Op.7(1950)〜大オーケストラのための
(2)協奏曲「ストラヴィンスキーへのオマージュ」 Op.3(1948)〜室内オーケストラのための
(3)チェロ協奏曲 Op.8(1951/1956)
(3)ミロスラフ・ペトラーシュ(Vc))
(1)(3)ヤナーチェクPO
(2)ヤナーチェク室内O
ヴィクトル・カラビス(指)

録音:(1)1984年1月16日、(2)1980年3月20&21日、(3)1979年2月23&24日/プラハ放送第1スタジオ
スプラフォン・レーベルが力を注いで録音を進めている20世紀チェコを代表する作曲家ヴィクトル・カラビスが、昨年(2023年)に生誕 100周年を迎えました。生誕90周年を記念してリリースした『交響曲&協奏曲集』(SU-4109)はカラビス後期の作品が中心でしたが、この度リリース当アルバ ムには1948年から1951年にかけての3つの作品を収録しており、すべてカラビス指揮による自作自演集です。
室内オーケストラための協奏曲 Op.3(1948年)はカラビス憧れの作曲家ストラヴィンスキーへのオマージュとして作曲。協奏曲の形式と楽器編成はストラヴィ ンスキーの室内オーケストラのための協奏曲「ダンバートン・オークス」を模しています。
序曲「青春」 Op.7(1950年)は、大編成のオーケストラ用に作曲した印象的な作品。暗い色彩は、共産党独裁政権が台頭していた困難な時代を反映しています。
チェロ協奏曲 Op.8(1951年)は、ドヴォルザーク、バルトーク、ヒンデミット、マルティヌーらの影響を感じさせる作品。若々しくダイナミックな力強さがカラビ ス初期の音楽を特徴づけています。これらの作品を作曲家自身による指揮で聴けるのもアニバーサリー・イヤーにふさわしいリリースと言えましょう。 (Ki)

DOREMI
DHR-8217(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第3集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
(3)ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80
(4)ショパン:夜想曲第7番嬰ハ短調 Op.27-1、夜想曲第8番 変ニ長調 Op.27-2、スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
(5)ブラームス:間奏曲 変ロ短調 Op.117-2、イ短調 Op.118-1、イ長調 Op.118-2、変ホ短調Op.118-6
(6)ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57
(7)シチェドリン:フモレスケ
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ルドルフ・ケンペ(指)ミュンヘンPO
 録音:1974年3月6日ロンドン
(2)ウリ・セガル(指)イギリス室内O
 録音:1974年3月25日ロンドン
(3)ローレンス・フォスター(指)ロイヤルPO
 録音:1971年9月2日ロンドン
(4)録音:1970年4月19日リーズ
(5)録音:1973年3月5日ロンドン
(6)ガブリエリSQ
 録音:1973年3月5日ロンドン
(7)録音:1974年12月9日ロンドン
DOREMIレーベルのラドゥ・ルプーの秘蔵ライヴ・シリーズ第3集。70年代のイギリス・ライヴを収録。聴き応えある2枚組です。

King International
KKC-116(1CD)
税込定価
菊池洋子&大阪SOのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集Vol.1
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37(第1楽章カデンツァ=ライネッケ作)
ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58(第1楽章カデンツァ=ベートーヴェン作、第3楽章カデンツァ=ブラームス作)
菊池洋子(P)
山下一史(指)大阪SO

録音:2023年9月9日/ザ・シンフォニーホール(ライヴ)
菊池洋子が2023年から3年かけてベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲のシリーズを開始しました。山下一史指揮大阪SOとの共演で毎夏2曲ずつコン サートを行い、キングインターナショナルがライヴ録音します。全 5曲のピアノ協奏曲に加え、ベートーヴェン自身がヴァイオリン協奏曲をピアノ協奏曲に直した ものまで披露予定。ご期待ください。
第1弾は2023年9月9日、ザ・シンフォニー・ホールでのライヴ。短調でベートーヴェンならではのアレグロを味わえる第 3番と穏やかで明るい第4番を 堪能できます。確かな技巧、香り立つピアニズムは菊池ならではの魅力。さらに菊池はカデンツァにも凝り、3番(第1楽章)は凄まじい効果を示しているライネッ ケ、第4番第1楽章はベートーヴェン自身、第 3楽章はブラームス作を使用しているのも興味津々。
山下一史指揮の大阪SOは、ベートーヴェンならではの緊張感と重厚な響きを繰り広げ風格満点。高揚感とフレッシュさも万全で交響的音世界を繰り広 げます。
菊池洋子は2023年3月よりウィーン国立音楽大学のアシスタント・プロフェッサーに任命され後進の指導も始め、ますます情熱的かつ優しい音楽性が深み を増しています。 (Ki)

ALBANY
TROY-1948(1CD)
「深淵の響き」〜ジェフリー・マムフォード(b.1955):作品集
(1)「フィールドの展開・・・共鳴する光の深淵に響く」〜チェロと管弦楽のための
(2)「ビカミング・・・」〜ピアノと管弦楽のための
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番「深まる春の青々とした斑点」
(1)クリスティーン・ランプレア(Vc)
カゼム・アブドラ(指)デトロイトSO
(2)ウィンストン・チョイ(P)
マイケル・レワンスキー(指)
アンサンブル・ダル・ニエンテ
(3)クリスティーン・ウー(Vn)
アレン・ティンカム(指)
シカゴ・コンポーザーズ・オーケストラ

録音:(1)2017年3月4日デトロイト、(2)2021年6月
14日シカゴ、(3)2022年8月6日シカゴ
作曲者ジェフリー・マムフォードはアフリカ系アメリカ人の作曲家で、米国内で既に数々の賞を受 賞、作品はアトランタSOを始め、多くのオーケストラ、アンサンブルによって演奏されています。 ここに収められた3つの協奏曲的な作品はいずれも激しいウェーベルン、シェーンベルクの影響を はっきりと受けた、点描的、表現主義的な様式で書かれており、聴き手を圧倒する。特にチェロと管 弦楽のための「フィールドの展開・・・共鳴する光の深淵に響く」では基本的に終始、チェロの嘆くよ うなモノローグにオーケストラが合いの手をいれたり、激しく、呼応、共鳴する力作。


Polskie Radio
PRCD-1721(7CD)
カヤ・ダンチョフスカ〜アーカイヴァル・レコーディングズ 1974-2007

【CD1】
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207*
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64*
(3)ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22*

【CD2】
(1)シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番Op.35
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.61
(2)カルウォヴィチ:ヴァイオリン協奏曲イ長調 Op.8

【CD3】
(1)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78
(2)ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2(Vn版)
(3)パヌフニク:ヴァイオリン協奏曲
(4)ウェーベルン:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7*

【CD4】
(1)シマノフスキ:前奏曲ロ短調 Op.1-1(バツェヴィチ編曲/ヴァイオリンとピアノ版)
シマノフスキ:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.9
(2)シマノフスキ:バレエ 「ハルナシェ」Op.55より 舞曲(パヴェウ・コハンスキ編曲/ヴァイオリンとピアノ版)
シマノフスキ:夜想曲とタランテッラ Op.28
シマノフスキ:アイタコ・エニアの子守歌 Op.52
(4)ショーソン:詩曲 Op.25(Vnとピアノ版)*
(5)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 「バラード」 Op.27-3*

【CD5】
(1)ヴィエニャフスキ:ポロネーズ イ長調 Op.21*
(2)ヴィエニャフスキ:伝説 Op.17*
(3)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調 Op.27-4*
(4)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番ト長調 Op.27-5
(5)ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.99*

【CD6】
(1)シューベルト:アヴェ・マリア D.839Op.52-6(ヴィルヘルミ編)
エデ・ポルディーニ(1869-1957):踊る人形(クライスラー編)
ブラームス:ワルツ 変イ長調 Op.39-15(デイヴィッド・ホクスタイン編)
(2)アレクサンデル・ザジツキ(1834-1895):マズルカ ト長調 Op.26*
(3)ラヴェル:ハバネラ形式の小品
(4)チャイコフスキー:「なつかしい土地の思い出」より メロディー変ホ長調 Op.42-3
(5)チャイコフスキー:ワルツ=スケルツォ ハ長調 Op.34*
(6)ドビュッシー:レントより遅く(レオン・ロケ編)
クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2
ドヴォルザーク:ユモレスク変ト長調 Op.101-7
フィビフ:詩曲 Op.41
(7)ヴィエニャフスキ:2つの性格的マズルカ Op.19*
(8)グルック:歌劇 「オルフェオとエウリディーチェ」第2幕より メロディー(クライスラー編)
(9)グラナドス:スペイン舞曲 ホ短調 Op.37-5(クライスラー編)*
クライスラー:愛の悲しみ*
クライスラー:美しきロスマリン*
(10)バツェヴィチ:オベレク第1番*
(11)ヴィエニャフスキ:クヤヴィアク イ短調*
(12)ヴィエニャフスキ:スケルツォ=タランテッラ ト短調 Op.16*

【CD7】
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
シマノフスキ:神話 Op.30
シマノフスキ:歌劇 「ロジェ王」Op.46より ロクサナの歌(パヴェウ・コハンスキ編)
シマノフスキ:クルピェの歌 Op.58
カヤ・ダンチョフスカ(Vn)

【CD1】
(1)カロル・テウチュ(指)、ワルシャワ国立フィルハーモニー室内O
録音:1974年4月7日、北ドイツ放送(ライヴ)
(2)タデウシュ・ストルガワ(指)、ポーランド国立RSO
録音:1982年12月22日、ラジオ音楽館(カトヴィツェ)
(3)アントニ・ヴィト(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1981年2月27日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD2】
(1)カジミエシュ・コルト(指)、ワルシャワ国立PO
録音:1996年2月21日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(2)アントニ・ヴィト(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年12月22日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD3】
(1)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1987年1月12日、ポーランド放送スタジオS-2(ワルシャワ)
(2)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1987年1月13日、ポーランド放送スタジオS-2(ワルシャワ)
(3)アグニェシュカ・ドゥチマル(指)、ポーランド放送ポズナン室内O(現ポーランド放送アマデウス室内O)
録音:1984年2月24日、アダム・ミツキェヴィチ大学講堂(ポズナン)
(4)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1978年1月15日、ポーランド放送スタジオM-2(ワルシャワ)
【CD4】
(1)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2007年7月11日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
(2)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2007年7月12日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
(4)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1984年3月16日、RIAS(ベルリン)
(5)録音:1975年12月13日、南ドイツ放送スタジオ(シュトゥットガルト)
【CD5】
(1)イェジ・サルヴァロフスキ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年1月24日、クラクフ・フィルハーモニー
(2)イェジ・サルヴァロフスキ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1978年1月23日、クラクフ・フィルハーモニー
(3)録音:1975年12月12日、南西ドイツ放送スタジオ(バーデン=バーデン)
(4)録音:1977年1月12日、ワルシャワ
(5)タデウシュ・ストルガワ(指)、ポーランド放送クラクフSO
録音:1981年1月12日-13日、クラクフ・フィルハーモニー
【CD6】
(1)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(2)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
(3)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(4)(5)ローター・ブロダック(P)
録音:1974年11月11日、RIAS(ベルリン)
(6)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(7)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1978年1月15日、ポーランド放送スタジオM-1(ワルシャワ)
(8)ヤヌシュ・オレイニチャク(P)
録音:1980年6月15日、ワルシャワ・フィルハーモニー
(9)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2006年12月19日、ジェシュフ大学(ライヴ)
(10)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
(11)ユスティナ・ダンチョフスカ(P)
録音:2006年12月19日、ジェシュフ大学(ライヴ)
(12)マヤ・ノソフスカ(P)
録音:1976年6月27日、ポーランド放送スタジオ(ワルシャワ)
【CD7】
クリスチャン・ツィメルマン(P)
録音:1980年7月、ヘルクレス・ザール(ミュンヘン)

*=初出音源
ポーランドの傑出したヴァイオリニスト、カヤ・ダンチョフスカの素晴らしき芸術を集成した豪華7枚組BOX。2014年にリリースされ、その後も何度か日本で流通しながらも、即完売・入手困難が続いていたBOXセットです。22曲の初出(ワールド・プレミア・リリース)となる貴重な放送音源から、Deutsche Grammophon、CD Accord、Wifon等からリリースされていた商業録音まで、1974年〜2007年までの多くの録音作品全体からもっとも優れたパフォーマンスの音源がアーティスト自身によって選ばれおり、モーツァルト、メンデルスゾーン、ヴィエニャフスキ、シマノフスキ、ブラームス、ショスタコーヴィチ、イザイ、フランクらの傑作からカルウォヴィチ、パヌフニク、ザジツキなどポーランドの稀少なレパートリーも収録。ツィメルマン、オレイニチャクらポーランドの名ピアニストやポーランドの主要オーケストラとの共演によって、多くのファンを虜にしたカヤ・ダンチョフスカの魅力の全貌をお届けします。
50ページのブックレット(英語、ポーランド語)には、ダンチョフスカ本人による曲目解説に加え、オイストラフ、ツィメルマン、ペンデレツキ、シェリングら偉大なアーティストたちとの写真も掲載。
カヤ・ダンチョフスカは1949年クラクフ生まれ。1967年ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール(ポズナン)第3位、1969年アルベルト・クルチ国際ヴァイオリン・コンクール(ナポリ)第2位、1970年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位、1975年ARDミュンヘン国際音楽コンクール第3位、1976年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)第6位などの多くの国際コンクールで上位入賞。日本を含む各国の国際コンクールで審査員を務めるほか、クラクフ音楽アカデミーのヴァイオリン教授としても活躍しています。

Chandos
CHSA-5340(1SACD)
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 K053(1931)*/ロシア風スケルツォ K070(1945)/組曲第1番 K045(1925)/組曲第2番K038(1921)/ミューズを率いるアポロ K048(1927-28, revised1947)
ジェームズ・エーネス(Vn)*、アンドルー・デイヴィス(指)、BBCフィルハーモニック

録音:2023年2月9日&13日、メディア・シティUK(サルフォード)
驚異的な超絶技巧と澄み渡る抒情性で世界に名を馳せ、グラミー賞、グラモフォン賞、ジュノー賞などの栄誉ある音楽賞を多数受賞してきたカナダの天才ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス。現在はソロ・アルバムやエーネス・クヮルテットの録音をONYX-(オニックス)からリリースしていますが、Chandos(シャンドス)でも協奏曲を中心にバルトーク、プロコフィエフ、ウォルトン、チャイコフスキー、ベルリオーズ、ヤナーチェク、ドヴォルザークなど多くの名盤でN.ヤルヴィ、A.デイヴィス、ガードナー、ノセダらと共演してきました。
今回のアルバムではストラヴィンスキーがアメリカのヴァイオリニスト、サミュエル・ドゥシュキンの依頼によって作曲したヴァイオリン協奏曲を熱演!バッハの影響も受けているこの作品を、持ち前の超絶技巧を活かして圧倒的な演奏で聴かせています。その他にもアンドルー・デイヴィスの指揮で「組曲第1番」などのフランス時代の作品など管弦楽作品も収録されています。

APR
APRCD-5639(1CD)
エリー・ナイ:プレイズ・ブラームス・アンド・シューベルト

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
(2)シューベルト:さすらい人幻想曲 D760
(3)シューベルト(エリー・ナイ編):「シューベルトの舞曲」より、
ドイツ舞曲 D783-1、ドイツ舞曲 D783-7、ドイツ舞曲 D783-10、グラーツのワルツ D924-6、感傷的なワルツ D779-13、ドイツ舞曲 D790-3、ワルツ D365-29、レントラー D734-14、ワルツ D365-36、ワルツ D365-33
エリー・ナイ(P) 

(1)マックス・フィードラー(指)、
アロイス・メリヒャル(指)*、BPO
録音:1939年6月1日-2日&5日&1940年4月29日*

(2)録音:1942年5月21日

(3)録音:1942年5月21日
伝説的なドイツの女流ピアニスト、エリー・ナイによるブラームスとシューベルトのカップリング!エリー・ナイと言えば、戦時中ナチスに協力したことでその復権まで時間がかかりましたが、現在では疑いようのない名ピアニストとして知られています。特にオーストリア、ドイツ圏の作品を弾かせると当時右に出るものがいないほど、稀有な存在であったといっても過言ではないでしょう。
ここに収められているブラームスは、女性として初めて同曲を録音した記念碑的演奏で、ベルリン・フィルと共演を果たしています。なお、指揮者はブラームスのスペシャリストであるマックス・フィードラーがクレジットされていますが、彼の急死後アロイス・メリヒャルの指揮によって完成されているということです。また、シューベルトは「さすらい人幻想曲」の他に、今回初CD化となる非常に貴重なエリー・ナイ本人編曲による「舞曲集」が収録されています。

Musikmuseum
MMCD-13037(1CD)
表彰台に立つ若きソリストたち〜北チロルと南チロルの現代音楽作品集
マルティン・パチャイダー(b.1973):トランペットと管弦楽のための協奏曲(P無し)
ミヒャエル・F.P.フーバー(b.1971): パーカッションと室内オーケストラのための小協奏曲 Op.56
ハンネス・ケルシュバウマー(b.1981):バセットホルンと室内オーケストラのための 「メラノキシロン」
フェリックス・レッシュ(b.1957):弦楽、パーカッションと独奏ツィターのための 「ラッジ」
マルティン・オアヴァルダー(b.1972):ゴー・ブロウ!4本のトランペットと室内オーケストラのための協奏曲
パトリック・ホーファー(Tp)、
ユリアン・グルーバー(パーカッション)、
ルカ・モランドゥッツォ(バセットホルン)、
アンドレアス・ヴェルクマイスター(ツィター)、
ガブリエル・グリッチュ(Tp)、
クレメンス・ネウ(Tp)、
ユリアン・リッチュ(Tp)、
マルクス・シュタイクスナー(Tp)、
チロル室内O、
ゲルハルト・ザマー(指)

録音:2012年-2015年
チロルの若き優れた才能がチロルの作曲家の作品を演奏する好企画。本アルバムでは、チロル室内Oと若き音楽家たちとの共演、そして、チロルの作曲家シーンを促進するための集中的な努力を記録し、チロルの新しい音楽シーンの多様性を証明しています。カラヤン・アカデミーでガボール・タルケヴィ(元BPO首席トランペット奏者)に師事し、現在はベルリンRSOで活躍するトランペット奏者、パトリック・ホーファーの妙技にも注目です。
Musikmuseum
MMCD-13035(1CD)
アル・カプリッチョ〜ヤン・ツァハ:協奏曲&シンフォニア集
序曲ト短調/ハープシコード協奏曲ハ長調/フルート協奏曲ト長調/「主イエス・キリストの受難」 へのイントロドゥツィオーネ ホ長調/フルート協奏曲ニ長調/ハープシコード協奏曲ヘ長調/シンフォニア ト長調
ミュンヘン・バロックゾリステン、
ドロテア・ゼール(指)

録音:2016年
フルート奏者ドロテア・ゼールが率いるミュンヘン・バロックゾリステン。本アルバムでは、マインツで宮廷指揮者を務め、晩年の17年間は定職を持たずにドイツ、オーストリア、イタリアを旅したボヘミア人ヤン・ツァハの極めて特異な音楽世界を掘り下げています。プログラムには、フルートとチェンバロの協奏曲、チロルのシュタムス修道院に保存されているシンフォニア、壮大な序奏曲などが含まれています。18世紀音楽の華麗で魅惑的な解釈を聴衆に見事に伝えています。
Musikmuseum
MMCD-13048(1CD)
表彰台に立つ若きソリストたち Vol.2
マヌ・デラゴ(b.1984):Of Puppeteers and Marionettes(ジャズ・カルテットとオーケストラのための)
ヨハンナ・ドーデラー(b.1969):アコーディオン協奏曲「大洋」
エリック・イウェイゼン(b.1954):Visions of Light(トロンボーンと室内オーケストラのための)
マルティン・ライナー(b.1987):ハンガリー風変奏曲「Blickwinkel」(フルート、クラリネット、サクソフォンと室内オーケストラのための)
アンドレア・オベルパーライター(b.1979):Egallopade(室内オーケストラのための)
チロル室内O、
ゲルハルト・ザマー(指)、
HI5・ミニマル・ジャズ・チェンバー・ミュージック、
二コラ・ジョリチ(アコーディオン)、
ペーター・シュタイナー(Tb)、
サラ・ブブレグ(Fl)、
マルトン・ブブレグ(Sax)、
ベンセ・ブブレグ(Cl)

録音:2015年-2018年
チロル室内Oとソリストたちによる現代音楽集。10代〜20代の非常に若い世代を中心としたソリスト陣によるフレッシュな演奏をお楽しみいただけます。ウィーン・フィルの奏者やコロラドSOの首席奏者も務めた南チロル(イタリア)出身の名トロンボーン奏者、ペーター・シュタイナーの参加も注目です。
Musikmuseum
MMCD-13047(1CD)
ミヒャエル・F.P.フーバー:ピアノ協奏曲/交響曲第4番
ピアノ協奏曲 Op.61(ミヒャエル・ショッホに捧ぐ)*
交響曲第4番 Op.64**
ミヒャエル・ショッホ(P)*、
マリア・ラドゥルナー(S)**、
カールハインツ・ジースル(指)、
聖ブラシウス・アカデミーO

録音:2016年&2017年、インスブルック
1971年チロル出身の作曲家、ミヒャエル・F.P.フーバーのピアノ協奏曲と交響曲。フーバーはチロル州の州都インスブルックに生まれ、インスブルックの音楽高校でピアノ、ヴァイオリン、トロンボーンを学び、作曲の個人レッスンも受けながら、インスブルック大学で音楽楽と教育学を、ウィーン音楽舞台芸術大学で作曲と音楽理論を学びました。ウィーンSO図書館やピアノと作曲の個人教師として働いた後、チロル音楽学校でも教え、ピアノ、音楽理論、室内楽の講師や伴奏者、演奏家として活動しています。
2011年ARDミュンヘン国際音楽コンクールで40年ぶりとなるオルガン部門第1位を受賞し、2015年からはチロル州立音楽院でオルガンの教授を務めるミヒャエル・ショッホに捧げられたピアノ協奏曲は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を髣髴とさせるフレーズから始まり、モーツァルト、ベートーヴェン、ラヴェルなどのコンチェルトの旋律が顔を見せるユニークな作品です。

Obsession
SMHQ-003(1CD)
HQCD
完全限定生産
ヴィヴァルディ:リュート協奏曲&ソナタ集
リュート協奏曲ニ長調 RV93
ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調 RV540
トリオ・ソナタ ト短調 RV85
トリオ・ソナタ ハ長調 RV82
ダーニエル・ベンケー(Lute)、ラースロー・バールソニ(ヴィオラ・ダモーレ)、ジュジャ・ペルティシュ(ハープシコード)、マリア・フランク(Vc)、ヤーノシュ・ロッラ(Vn)、ブダペスト・フランツ・リスト室内O
フリジェシュ・シャーンドル(指)

録音:1978年/ADD
バクファルク・コンソートの設立者であり、ハンガリー国内におけるルネサンス、バロック時代のリュート作品の普及に重要な役割を果たしたリュート&ギター奏者、ダーニエル・ベンケー(1947-2019)がHungarotonレーベルに遺したヴィヴァルディの作品集がHQCD仕様で復刻。ベンケーのリュート録音は現在入手可能なものがほとんど無く大変貴重なリリースとなります。

※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

ALPHA
ALPHA-1039(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456
ピアノ協奏曲 第21番ハ長調 K.467(カデンツァ…ディヌ・リパッティ)
ジョナタン・フルネル(P/ベーゼンドルファー)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2023年2月22-24日アンジェラ・フェルストル・ザール、オルケスターハウス、ザルツブルク
若手から中堅までの注目ソリストが登場するモーツァルトの協奏曲シリーズ第8弾に、2021年エリザベート王妃コンクールの覇者ジョナタン・ フルネルが登場。2021年にALPHAから発売されたブラームスはコンクール直前のセッション録音だったということもあり、彼にとって待望の新 録音でもあります。曲は、そのエリザベート王妃コンクールのセミ・ファイナルでも素晴らしい演奏を披露した第18番と、人気曲第21番という 絶好の組み合わせ。CPOでのリース交響曲全集など古典派や初期ロマン派の解釈に秀でたハワード・グリフィス率いるモーツァルテウム管弦 楽団と共に、隅々までよく歌いつつたいへん伸びやかなモーツァルトを聴かせおり、持ち前の高い表現力を存分に発揮しています。第21番で リパッティのカデンツァを弾いているのも嬉しいところ。

Linn
CKD742(1CD)
イタリア組曲 〜ヴィヴァルディ、ソッリマ、ストラヴィンスキー
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 「ムガール大帝」 RV208
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962-):ヴァイオリン、弦楽、リュートと打楽器のための協奏曲 「テュケー(運命の神)」 *
ストラヴィンスキー(1882?1971):イタリア組曲(アンドレアス・フレックによる弦楽合奏、チェンバロ、ヴァイオリンのための編曲版)
ヨニアン・イリアス・カデシャ(Vn)
チャーツ・チェンバー・アーティスツ

録音:2022年12月8-11日 ボスヴィル旧教会、スイス
アテネ出身のヴァイオリンの名手ヨニアン・イリアス・カデシャ、LINNへの第2弾は様々な時代の協奏的作品集で、イタリアへのオマージュが テーマとなっています。オケとソロとの一体感が高く勢いのあるヴィヴァルディに始まり、カデシャの委嘱によって書かれたソッリマの作品では超絶 技巧を絡めた聴かせどころが随所に。イタリア組曲はチャーツ・チェンバー・アーティスツのチェリスト兼マネージャーであるアンドレアス・フレックの 編曲により、原曲の「プルチネッラ」に近い風合いで楽しむことが出来ます。
Linn
CKD-736(1CD)
トランペットによるヘンデル 〜協奏曲とアリアによるトランペットのための再構成
ヘンデル/ジョナサン・フリーマン=アットウッド、ティモシー・ジョーンズ編曲:アリア「帰ってきて、私の愛しい大切な宝物」 〜歌劇「ロデリンダ」 HWV19
ソナタ 第1番ヘ長調 - 合奏協奏曲 ヘ長調 Op. 3-4HWV315による
アリア「Nel passar da un laccio all’altro 罠から罠へ」〜歌劇「アルゴスのジョーヴェ」 HWV A14
前奏曲、アルマンドとフーガ - クラヴサン組曲第1巻第3番 ニ短調 HWV428による
ソナタ 第3番変ホ長調 - オルガン協奏曲 第13番 ヘ長調「カッコーとナイチンゲール」 HWV295 による
アリア「あなたがどこを歩くとも」 〜オラトリオ『セメレ』 HWV58
アリア「愛らしさ、媚び、そして快活さ」 〜歌劇「アリオダンテ」 HWV33
二重唱「私の愛があなたの罪であるならば」〜歌劇「エジプト王妃ベレニーチェ」 HWV38
ソナタ 第2番ヘ短調 - 合奏協奏曲 イ短調 Op. 6-4HWV322による
アリア「あなたと一緒に、私は荒野を歩くだろう」 〜オラトリオ『ソロモン』 HMV67
二重唱「なにかしら、まだわからない」 〜歌劇「アレッサンドロ」 HWV21
ソナタ 第4番イ長調 - 二重協奏曲 HMV332 による
二重唱「汝、栄光に満ちた全能の息子よ」〜オラトリオ『テオドーラ』 HWV68より
アリア「なんてすてきな喜び」 〜歌劇「アグリッピーナ」 HWV6
ジョナサン・フリーマン=アットウッド(Tp)
アンナ・シャウツカ(P)
トム・フリーマン=アットウッド(Tp)

録音:2022年10月、2023年2月 英国王立音楽院、ロンドン
ヴァイオリンのレイチェル・ポッジャーなどを手掛けた名音楽プロデューサーであり、2008年から英国王立 音楽院の学長も務めるトランペット奏者フリーマン=アットウッドによる、トランペットとピアノのためのレパー トリー集。今回は自身とティモシー・ジョーンズの編曲によるヘンデルの作品集。中でも協奏曲から編曲 された4つのソナタに注目です。ヘンデルの輝かしい作品をトランペットの音色が引き立てる魅力的なアレ ンジとなっています。

CD ACCORD
ACD-329(1CD)
NX-C09
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番-第3番
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
※カデンツァは全てロベルト・クヴィアトコフスキ作
ロベルト・クヴィアトコフスキ(Vn/指揮)
ポーランド・バルトPO

録音:2023年8月
ポーランド・バルト・フィルのコンサートマスターを務める他、各地のオーケストラと共演、高く評価されているヴァイオリ ニスト、ロベルト・クヴィアトコウスキが演奏するモーツァルトの3曲のヴァイオリン協奏曲。長年、これらを演奏してき たというクヴィアトコウスキは、熟考の末、自ら書いたカデンツァを演奏しています。 これまでモーツァルトの協奏曲を演奏する際、既存のカデンツァは「過度にロマンティックで手強い技術的問題が満 載されているうえ、その表現が重すぎる」と感じていたというクヴィアトコウスキが熟考の上に書き上げたカデンツァは 「主旋律から始めるのではなく、比較的簡潔で、その時代に用いられていたボウイングや旋律、リズムに基づいてい る」というものです。 彼自身が指揮し、のびのびと演奏するモーツァルトをぜひお楽しみください。

ORFEO
C-220021(1CD)
NX-C03
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲/二重協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.15
二重協奏曲 ロ短調− ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のための(1932)(C.マシューズによる完成版)
バイバ・スクリデ(Vn)
イヴァン・ヴクチェヴィチ(Va)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2021年10月9-10日、2022年5月23日
ラトヴィア出身のヴァイオリニスト、バイバ・スクリデと名指揮者マリン・オルソップが共演。 曲目はブリテンの「ヴァイオリン協奏曲」と、あまり演奏されることのない「二重協奏曲」という興味深いものです。 ヴァイオリン協奏曲は1939年、ブリテン25歳の作品。高度な技巧が要求される、激しく創意に富んだ第2楽章を、内省的な第1楽章とパッサカリア形式に よる荘重な第3楽章で挟んだ構成となっており、第二次世界大戦の開戦による不安な心情と反戦意思が反映された曲と言われています。ブリテンは1950 年に作品をハイフェッツが演奏することをきっかけに、最終楽章のヴァイオリン・パートを書き直すなどの改訂を行い、その後も小さな改訂を加え、現在の形に 落ち着いています。 かたや二重協奏曲は、ブリテンが王立音楽大学に在学していた時期の作品。克明に書き込まれたスケッチがあるものの、なぜか総譜としては完成しておら ず、彼の生前に演奏されることもありませんでした。ブリテンの死後、コリン・マシューズがスケッチに基づいてオーケストレーションを補筆完成、1997年6月15 日にようやく初演されたという作品です。 スクリデの演奏は、どちらの曲でもブリテン作品の持つ内省的、神秘的な雰囲気を大切にしながら、技巧的な部分では鮮やかに楽器を駆使し、最後まで緊 張感をゆるめることなく一気に弾き切っています。 二重協奏曲でヴィオラを弾くのはスイス・イタリア語放送Oのソロ・ヴィオラ奏者を務めるイヴァン・ヴクチェヴィチ。スクリデと息のあった演奏を聴かせま す。

Capriccio
C-5521(1CD)
NX-B10
ヨーゼフ・ラーボア(1842-1924):左手のためのピアノ協奏曲集
小協奏曲 第1番(1915) - 左手ピアノとオーケストラのために
小協奏曲 第2番(1917) - 左手ピアノとオーケストラのために
小協奏曲 第3番(1923) - 左手ピアノとオーケストラのために
オリヴァー・トリンドル(P)
ラインラント=プファルツ州立PO
ユージン・ツィガーン(指)

録音:2023年1月9-13日
ドイツ生まれのピアニスト、オリヴァー・トリンドルとCAPRICCIOレーベルが取り組むヨーゼフ・ラーボア・プロジェクトに、待望の左手のためのピアノ協奏曲が登 場。オーストリア生まれの作曲家ラーボアは3歳の時に失明しましたが、優れた音楽の才能を発揮して教師として大成しました。その門下にはシェーンベル ク、アルマ・マーラー、パウル・ヴィトゲンシュタインらがいます。ウィーンの名家に生まれたヴィトゲンシュタインはピアニストとしての未来を嘱望されながら第1次 世界大戦でのけががもとで右手を失いますが、左手で演奏を継続することに挑み、家の資産を生かして名だたる作曲家に左手のためのピアノ協奏曲を委 嘱、多くを自ら初演しました。それらは今日この分野の大きな財産となっています。その端緒を開いたのがここに収められた作品群。それぞれKonzertstu ck 小協奏曲と題されていますが、演奏時間20分から25分の規模があります。第1番は主題と変奏、第2番と第3番は緩-急-フィナーレの3楽章構成。 いずれも後期ロマン派らしい楽想と楽器法で彩られて時にR・シュトラウスの初期作品に通じる趣きがあり、ピアノ・パートは十分に聴き映えがするよ う書かれていて、これまで録音が無かったのが不思議に思えます。左手のためのピアノ音楽の歴史に関心のある人のみならず、後期ロマン派の音楽に興味 のある人にお勧めしたい1枚です。

Solo Musica
SM-425(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*
マルガリータ・ヘーエンリーダー(P…プレイエル 1848年製)
ラ・シンティッラO
リッカルド・ミナージ(指)
ウィーン・アカデミーO*
マルティン・ハーゼルベック(指)*

録音:2022年10月4-7日、2022年11月21-22日*
※SMLP431(LP)と同内容
マルガリータ・ヘーエンリーダーによるショパンの協奏曲集。彼女の深いショパン理解から生まれたアルバムです。 長年にわたりショパンの音楽を奏でるための楽器を探していたという彼女は、1831年にショパンが語ったという「プレイエルのピアノは最上のものである」という 言葉をもとに、クリストフ・ケルンの楽器コレクションの中から、1848年頃にパリで製作されたプレイエルを、歴史的な資料を元に修復した楽器でこの録音に 臨みました。この楽器はショパンが所有していたものと構造が同じであり、オーケストラの現代のピッチ(440Hz)に対応しつつ音量のバランスも取れるような、 力強いサウンドとフランス風のエレガンスを併せ持っています。彼女はタッチにも細心の注意を払い、ショパンの弟子であるカロル・ミクリによる指使いを取り入 れています。共演は、第1番ではリッカルド・ミナージが指揮するラ・シンティッラO、第2番ではマルティン・ハーゼルベックが指揮するウィーン・アカデミー O。どちらも当時の楽器を使用、ショパンの時代の音にとことんこだわった企画です。

VOX
VOXNX-3032CD(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ポーランドの歌による幻想曲 Op.13
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.2
アビー・サイモン(P)
ハンブルクSO
ヘリベルト・バイセル(指)

録音:1972年ハンブルク(ドイツ)
1920年ニューヨーク生まれのピアニスト、アビー・サイモン(1920-2019)によるショパンのピアノと管弦楽のための作品全集。1972年に録音され、1973年 に3枚組LPとして発売された全集から3曲が新リマスターで復刻されました。残る3曲も近日発売予定となっています。 サイモンは幼いうちから音楽の才能を発揮し、カーティス音楽院でヨーゼフ・ホフマンに師事。自身を「19世紀のピアニスト」と呼び、ヴィルトゥオーゾ・ピアニス トでもあった作曲家の作品に強い親近感を持っていました。華麗な技巧を持ちながらも前面に出すことを避け、繊細な詩情を漂わせた演奏が高く評価さ れ、辛口評論家として知られたハロルド・ショーンバーグにも絶賛されました。ここに収められたのはサイモン52歳のもの。ピアノの響きは輝かしく、演奏はロマ ンティックな詩情を漂わせ、協奏曲のクライマックスでは十分な迫力も聴かせます。 指揮は日本の音楽ファンには懐かしいヘリベルト・バイセル。ケルンでギュンター・ヴァントに指揮を、フランク・マルタンに作曲を学び、ボン歌劇場のコレペティー トルを振り出しにキャリアを築き、ハンブルクSOの首席指揮者を15年にわたって務めました。ここでは格調高い響きと柔軟な「付け」を披露していま す。 優秀録音で名高いエリート・レコーディングズの制作、24bit/192kHzリマスターによるVOX AUDIOPHILE EDITIONの1枚。ピアノがクローズアップ気味 に録られ、オーケストラが奥行きと広がりを持って展開する録音パターンになっています。ブックレットには初出時のLPのジャケット写真と解説が転載されてい ます。

CPO
CPO-555576(1CD)
NX-B10
ウェーバー/クルーセル/ベルク:ファゴット協奏曲集
ウェーバー:ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75
クルーセル(1775-1838):ファゴット協奏曲 変ロ長調
ウェーバー:アンダンテとハンガリー風ロンド Op.35
オラヴ・ベルク(1949-):ファゴット協奏曲
ダーグ・イェンセン(ファゴツト)
カンマーアカデミー・ポツダム
ダーグ・イェンセン(指)
グレゴール・ビュール(指)

録音:2023年1月18-20日
オーケストラの低音から中音部を担当するファゴット。独特な音色を持つ楽器のための協奏曲はそれほど多くありま せん。このアルバムには3曲のファゴット協奏曲を収録。1811年、ミュンヘン宮廷楽団のファゴット奏者を務めてい たG. F. ブラントのために書かれたウェーバーの作品は、第2楽章の美しい旋律が魅力。1829年のクルーセルの 作品はファゴット奏者F. C. プロマイユのために書かれたものです。最後のオラヴ・ベルクの作品はこのアルバムのソリ スト、ダーグ・イェンセンのために書かれた曲で、ブックレットには曲に関する2人の対話(ドイツ語、英語)が掲載され ています。 ダーグ・イェンセンはノルウェー出身の奏者。名だたるオーケストラとの共演経験を持ち、とりわけ水戸室内管弦楽 団、サイトウ・キネン・オーケストラの奏者として日本でもお馴染みです。

Gramola
GRAM-99307(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番-第5番
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
※カデンツァ…ベンヤミン・シュミット
(K.216第2楽章のみダヴィッド・オイストラフ作)
ベンヤミン・シュミット(指揮・ヴァイオリン)
ムシカ・ヴィーテ室内O

録音:2022年8月31日-9月3日
ウィーンとザルツブルクで育ち、モーツァルトは最も大切な作曲家の一人という彼は、1990年にハンス・グラーフが 指揮するザルツブルク・モーツァルテウムOとともにモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番と第2番を録音、 これは評論家たちから高く評価されました。その後、モーツァルトの協奏曲を数えきれないほど演奏してたシュミット ですが、32年の歳月を経て、第3番-第5番の録音を実現させました。今回バックを務めるのはシュミットが率いる ムシカ・ヴィーテ室内O。「モーツァルト解釈の鍵は、歌うことと話すこと」と語るシュミットらしく、持前の美音 を生かしながら、オーケストラと一体となり、確固たる意志がみなぎる演奏を繰り広げています。第3番第2楽章の カデンツァを除き、他のカデンツァはシュミット自身のものです。

カメラータ
CAMP-8022(1CD)
税込定価
2024年1月25日発売
パリとハープ〜ハープ協奏曲集/シュース
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c)(カデンツァ:アンドレ・プレヴィン)*
ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ボイエルデュー:ハープ協奏曲 ハ長調[シングル・アクション・ハープ使用]
サン=サーンス:演奏会用小品 作品154
マルギット=アナ・シュース(Hp)
※シングル・アクション・ハープ使用*
カール=ハインツ・シュッツ(Fl)a
ハンスイェルク・シェレンベルガー(指)
ベルリンSO

録音:2021年9月 ほかベルリン(ドイツ)
 カラヤンやアバド指揮のベルリン・フィルとの共演をはじめ、ソリス ト・教育者としても世界で活躍するハープの第一人者、マルギット= アナ・シュースが、ハープが愛された地=パリで生まれたハープとオー ケストラのための名作を集めたアルバムをリリース。モーツァルトでは ウィーン・フィル首席のシュッツがフルートで共演しています。  なお、2024年1月21日から2月9日まで、シュースとシェレンベルガー による来日公演が、名古屋、東京、浜松、京都、岡山、兵庫で行われる 予定です。(カメラータ)

GRAND SLAM
GS-2309(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
「レオノーレ」序曲第2番*
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1961年1月23、26日、1960年7月1日*/ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
日本側の要望で実現したと言われるフランチェスカッティとワルターとの夢の共演、録音されて以来60年以上が経過していますが、今もなお定番としての地位 は揺るいでいません。当シリーズでは2012年9月にGS-2083として発売しましたが、今回、約12年ぶりにリマスターしました。全工程をプロ用の機器を使用 し、情報量は大幅に増えています。余白には「レオノーレ」序曲第2番を収録しましたが、こちらは2016年6月発売のGS-2147以来の約7年半ぶりのリマスター となります。序曲は新規のテープを使用、最善を尽くしました。(平林 直哉)

H.M.F
HMX-2904095
(3CD+1BluRay)
THE SCHUMANN TRILOGY〜協奏曲&ピアノ三重奏全曲
■CD
シューマン
[CD1]ヴァイオリン協奏曲 WoO1ニ短調
 ピアノ三重奏曲 第3番ト短調 op.110
[CD2]ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ピアノ三重奏曲 第2番ヘ長調 op.80
[CD3]チェロ協奏曲 イ短調 op.12
 ピアノ三重奏曲第1番ニ短調op.63

■Blu-Ray VIDEO〜(120:41)
シューマン:序奏、スケルツォと終曲 ホ長調 op.52
 ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ヴァイオリン協奏曲 WoO1ニ短調
 チェロ協奏曲 イ短調 op.12
イザベル・ファウスト(Vn/1704年製ストラディヴァリウス[スリーピング・ビューティー])
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/ジョフレド・カッパ[1696年])
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ/【協奏曲】1837年製エラール、
【ピアノ三重奏曲】ジャン=バティスト・シュトライヒャー(ウィーン,1847年)/いずれもエドヴィン・ボインク・コレクション)
パブロ・エラス=カサド(指)
フライブルク・バロック・オーケストラ(コンサートマスター:アンナ・カタリーナ・シュライバー)

録音:2014年5,8,9月、テルデックス・スタジオ・ベルリン/映像収録:2014年3月25日、ベルリン・フィルハーモニー
ファウスト、ケラス、メルニコフというスーパースターたちによる、シューマンの協奏曲+ピアノ三重奏曲プロジェクトがボックスで登場します!映像は再登場にあ わせてブルーレイ化、さらに単独で発売されていた時には含まれなかった管弦楽曲「序曲、スケルツォと終曲」が収録されております!
イザベル・ファウスト(Vn)、ジャン=ギアン・ケラス(Vc)、アレクサンドル・メルニコフ(P)という、いまや世界が認める存在となった三人に よる、シューマン・プロジェクトが始動します。シューマンの協奏曲3曲(P・ヴァイオリン・チェロ協奏曲)+ピアノ三重奏曲3曲のレコーディングをするという このプロジェクトは、3人が、ヨーロッパでシューマンのピアノ三重奏曲を演奏するツアーを行った際に持ち上がったといいます。楽器は、ガット弦の弓を張った弦 楽器、そしてフォルテピアノで、ということになり、オーケストラもソロ楽器に合った編成のフライブルク・バロック・オーケストラに決定。指揮はパブロ・エラス=カ サド。オケとソロ楽器の素晴らしいバランス、自然なアーティキュレーションで作品に対する既成概念を払拭するような、まさにこの顔ぶれでしか為し得ない水準で の、新しいシューマン像が完成しました。
各独奏者に特化してリリースされていたHMC902196, 902197,902198およびKKC5477,5618,5617は廃盤となります。

Hanssler
HC-23057(1CD)
ドヴォルザーク:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53
ロマンス ヘ短調 Op.11〜ヴァイオリンとオーケストラのための
マズルカ ホ短調 Op.49〜ヴァイオリンとオーケストラのための
ミハイル・ポチェキン(Vn)
スロヴァキアPO、
ダニエル・ライスキン(指)

録音:2023年5月2〜5日/ブラチスラバ(スロヴァキア)
ミハイル・ポチェキンがドヴォルザークのヴァイオリンと管弦楽のための作品を録音。共演は2023年7月の来日公演も話題となったダニエル・ライスキン率い るスロヴァキアPOです。ポチェキンは2009年にリトアニア、ヴィリニュスのヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞。 以後ロシア・ナショナルOをはじめとする名だたるオーケストラとの共演を誇り、ヴァイオリニストの兄イヴァンとともに、多くの録音でも知られます。
チェロ協奏曲の影に隠れてしまいがちなドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲ですが、豊かな旋律と技巧的な独奏が実に魅力的な作品です。カップリングには「ロ マンス」と「マズルカ」を収録。とても切ない旋律が印象的な「ロマンス」は弦楽四重奏曲第5番 ヘ短調より編曲された、非常にドラマティックな作品。一方「マズ ルカ」は名ヴァイオリニスト、サラサーテに献呈された作品。ともにオリジナルのヴァイオリン独奏とオーケストラ版で演奏されているのが嬉しい限りです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72983(1CD)
ハイドン兄弟の協奏曲集
(1)ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ト長調 Hob.VIIIa/4
(2)M・ハイドン:ヴィオラとチェンバロのための協奏曲 ハ長調 P55, MH41

※カデンツァ作:寺神戸亮
寺神戸亮((1)Vn、(2)Va)
天野乃里子(Cemb、指)
「バロックの真珠たち」室内合奏団【[山縣さゆり(Vn)、迫間 野百合(Vn)、森田芳子(Va)、ルシア・スヴァルツ(Vc)、ロベルト・フラネンベルク(Cb)】

録音:2022年9月19-21日ハールレム、ドープスゲジンデ教会
ハイドン兄弟の協奏曲集。2曲ともあまり録音されませんが珠玉の名品です。オランダで活動する天野乃里子が設立した古楽アンサンブル「バロックの真珠た ち」による演奏で、寺神戸亮も参加。柔らかな抑揚をもつ演奏が特徴的で、古楽器のすっきりとした響きと音楽のあたたかさが融合した、新たな次元のピリオ ド演奏を提示。教会の残響を絶妙にとり入れた録音もすばらしく、贅沢なほどに心地よい響きに包まれます。
兄ヨーゼフの『ヴァイオリン協奏曲第4番(1769)』は現存する最後のヴァイオリン協奏曲。エステルハージの宮廷楽団コンサートマスター、ルイジ・トマジー ニのために書かれたとされています。シンプルにして含蓄あるハイドンならではの磨きぬかれた音楽。急ぐことなくあたたかな音色でしなやかに弾きすすむ寺神 戸の独奏が曲の魅力を十二分に伝えてくれます。通奏低音チェンバロが美しく溶け込む全体の音響バランスもすばらしいです。
弟ミヒャエルの『ヴィオラとチェンバロ(オルガンでも可)のための二重協奏曲(1762)』は、その編成からしてとても珍しいもの。ヴィオラ特有の音域と 音色がチェンバロとじつに好ましく絡みあい、楽器の選び方からして一本取れられたという感じの秘曲です。各楽器の持ち味を生かした書法が耳をおおいに愉し ませ、終楽章では天野がきらびやかな独奏を披露。落ち着き払ってたっぷりと歌われる緩徐楽章の合奏体としての美しさも絶品です。 (Ki)

EDITION ABSEITS
EDA-48(1CD)
エコール・ド・パリ
イベール:チェロと木管のための協奏曲(1925)
マルセル・ミハロヴィチ:ピアノ、木管、チェレスタと打楽器のための2部のエチュード (1951)
アンタイル:室内オーケストラのための協奏曲(1932)
シモン・ラクス:ピアノ、木管と打楽器のための室内協奏曲(1963)
アデ ル・ビッター(Vc)
ホルガー・グロショップ(P)
ヨハネス・ズール(指)
ベルリン・ドイツSOのメンバー

録音:2021年4月3日/ベルリン放送
美術史における「エコール・ド・パリ」、すなわち20世紀の最初の数十年間にパリで活動した非フランス系(多くは東欧系やユダヤ系)の芸術家たちは、その後 の芸術に大きな影響を及ぼします。これに対し音楽の分野では似た事象が見受けられるものの、「エコール・ド・パリ」と結びつけてこの時代を認識するというこ とはあまりありません。この録音は1920年代のパリに集まった人々の膨大な様式的多様性と、1939年から1945年までの「断絶」を超えた影響力を背景に、 より明確に「エコール・ド・パリ」という言葉を音楽史に刻み付けるものです。
パリ生まれのイベールと、パリに移り住んだ3人の作曲家ミハロヴィチ(ルーマニア)、アンタイル(アメリカ)、シモン・ラスク(ポーランド)の作品を収録。どれ も木管楽器が活躍する協奏的な楽曲で色彩豊か、かつ陰影の深い複雑な表情も。単にフランス風と言うだけでは表しきれない、アヴァンギャルドな響きが滅法おも しろいプログラム。
ミハロヴィチはモニク・アースの夫としても知られています。『エチュード』も彼女が演奏に参加したのでしょう。前衛的でメカニックなパッセージが各楽器に受け 継がれていくカッコイイ作品です。知らぬは惜しい1曲。 (Ki)

Goodies
78CDR-3926(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482 エトヴィン・フィッシャー(P)
ジョン・バルビローリ(指)管弦楽団

英HIS MASTER'S VOICE DB2681/4
1935年6月6日ロンドン、アビー・ロード EMI第1スタジオ録音
エトヴィン・フィッシャー(1886-1960)はスイス生まれのピアニスト、指揮者、 教育者。ベルリンでリストの最後の弟子だったマルティン・クラウゼ(1853- 1918)に師事し、1933年にEMIのアーティストになりバッハの「平均律クラ ヴィーア曲集」全曲(78CDR-1142/6)の世界初録音を行った。ジョン・バルビロ ーリ(1899-1970)はロンドン生まれ。最初チェロ奏者(78CDR-3443 バッハ:チェロ・ソナタBWV.1027、1929年録音)として音楽活動を始め、1925年室内管 弦楽団を組織して指揮者にに転向。1936年ニューヨーク・フィルハーモニーの 首席指揮者になり1943年までつとめた。1943年からイギリスのハレOの 音楽監督を1958年までつとめ、その後ヒューストンSOの常任指揮者(1961 -1967)もつとめた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3927(1CDR)
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 作品33 ピエール・フルニエ(Vc)
ワルター・ジュスキン(指)
フィルハーモニアO

英 HIS MASTER'S VOICE DB6602/03
1947年9月29&30日ロンドン、アビーロード EMI第1スタジオ録音
ピエール・フルニエ(1906-1986)はパリ生まれ。最初ピアノを学んだが6歳の時 小児麻痺による右足障害のためにチェロに転向した。1923年パリ音楽院一等賞 を得て楽壇にデビュー、ヴァイオリンのガブリエル・ブイヨン、ピアノのヴラ ド・ペルルミュテールとのトリオで注目された。1937年エコール・ノルマル教 授、1941年から49年までパリ音楽院教授をつとめた。1942年ヴァイオリンのシ ゲティ、ピアノのシュナーベルとのピアノ・トリオ、ヴィオラのプリムローズ を加えての四重奏で活躍、さらに1945年にはヴァイオリンのティボー、ピアノ のコルトーと演奏活動をした。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1980) はプラハ生まれ。1934年にプラハのドイツ歌劇場でセルのアシスタントとして 活躍、1938年にナチスの迫害をのがれてイギリスに移住。以降スコットランド O、メルボルンSO、トロントSO、セントルイスSO、 シンシナティSOの指揮者を歴任した。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3928(1CDR)
R.シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調(1945-6) レオン・グーセンス(Ob)
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

英 COLUMBIA DX1444/6
1947年9月15&23日ロンドン、アビー・ロード EMI第1スタジオ録音
レオン・グーセンス(1897-1988)は20世紀前半を代表するイギリスの優れたオー ボエ奏者。指揮者のアルチェオ・ガリエラ(1910-1996)はミラノ生まれのイオタ リアの指揮者。パルマ音楽院の教授だった父親から音楽の手ほどきを受けた後、 生地のミラノ音楽院でピアノ、オルガン、作曲を学んだ。1932年から母校で教 鞭をとっていたが、1941年に指揮者に転向し、ローマ聖チェチーリア音楽院管 弦楽団を指揮してデビューした。第二次世界大戦中にスイスに亡命し、1945年 にルツェルン音楽祭に出演した。以降レコード録音を含め活躍した。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル〔ゼロSP 78rpm〕(3mil 針)とコルグの [DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)


Hanssler
HC-23065(1CD)
グレーテ・フォン・ツィーリッツ作品集
(1)日本の歌(1919)(全10曲)
(2)死のヴァイオリン(死の舞踏)(1953/7)〜ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための
(3)2本のトランペットのための二重協奏曲(1975)
ゾフィー・クルスマン(S)(1)、
ニーナ・カーモン(Vn)(2)、
オリヴァー・トリンドル(P)(2)、
イエルーン・ベルワルツ、アンドレ・ショッホ(Tp)(3)
ヤーコプ・ブレンナー(指)
シューマンPOー

録音:2023年7月12-14日/ヘムニッツ・シュターツハレ
グレーテ・フォン・ツィーリッツは1899年に生まれ2001年に歿した女性作曲家。足かけ3世紀を生きた歴史の証人です。生まれはウィーンで、1917年以 降はベルリンに住みシュレーカーに師事。1919年の歌曲集「日本の歌」で注目され、作曲家になることを決意したといわれます。彼女の作品だけによるディスク はこれまで1つしかなく、大歓迎のリリースとなります。
長い人生ゆえ作風も変化しています。「日本の歌」はエンダーリング独訳による大伴家持、和泉式部から斎藤茂吉までの和歌に基づき、濃厚な後期ロマン派的作 風が興味津々。オリジナルはピアノ伴奏ですが、ここでは1980年代に作曲者自身が室内オーケストラ用にした版を使用。音楽は特に日本的でないものの、貴重な ドイツのジャポニスム芸術と申せましょう。
ヴァイオリン、ピアノとオーケストラのための「死のヴァイオリン」も、もとはヴァイオリンとピアノのための作品を後年編曲したもの。父が重病で死に瀕していた 際、山歩きしていた彼女が、木の上で死神がヴァイオリンを弾く幻覚にとらわれ、そのメロディを用いたとのこと。バレエとしてのシナリオも執筆したとされます。
「2本のトランペットのための二重協奏曲」はジャズ・トランペット奏者フリードリヒ・ケルナーと、当時ツィーリッツが注目していたキャロル ドーン ラインハルト のために作曲。カリオカ、チャチャチャなどラテン・アメリカのリズムやロックンロールの要素も採り入れた楽しい作品で、ツィーリッツの作風の幅広さと柔軟な感性 に驚かされます。このアルバムではもと北ドイツRSO首席イエルーン・ベルワルツとBPOの奏者でつい先頃2023年11 月の来日公演で妙技を披露したアンドレ・ショッホがキレッキレの演奏を繰り広げます。 (Ki)

BIS
BISSA-2657(1SACD)
ストラヴィンスキー、マルティヌー、バルトーク
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
バルトーク:狂詩曲第1番BB94b
 狂詩曲第2番BB96b
マルティヌー:ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲 H276a(第2稿版)
 瞑想曲〜ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲 H276(初稿版)より第2楽章
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn/ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」(1711年製))
バンベルクSO、
ヤクブ・フルシャ(指)

録音:(4)2021年6月30日〜7月1日、(2)(3)(5)2021年12月20〜22日、(1)2022年9月28&29日コンツェルトハレ・バンベルク(ヨーゼフ・カイルベルト・ザール)
1965年ドイツ、デュイスブルク生まれの正統派ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマン。BISレーベルより積極的な 録音が続いておりますが、当アルバムではヤクブ・フルシャ率いるバンベルクSOとの共演でストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲、バルトークの2つの 狂詩曲、マルティヌーの協奏的組曲を収録しました。これらの作品を書いたときにはそれぞれ国際的な地位を確立していたこの3人の作曲家は、政治的混乱と 文化的変遷期においても東欧のアイデンティティを捨てずに西側で活躍。ストラヴィンスキーは協奏曲で近代的なヴァイオリン技法の可能性を試し、マルティヌー は協奏組曲で祖国ボヘミアの響きとフランスの新古典主義の色彩を融合させ、バルトークは狂詩曲でハンガリーとルーマニアの民族音楽を取り入れました。
現代のヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストの必須レパートリーとなったストラヴィンスキーの協奏曲。ツィンマーマンは1990年にジャンルイジ・ジェルメッティ (指)シュトゥットガルトRSOと収録して以来、30年の時を経ての再録です。この作品のヴァイオリン・パートは献呈されたサミュエル・ドゥシュキン (1891〜1976)協力のもと作曲されました。超絶技巧を要し、ストラヴィンスキー独特の変拍子や、あっと驚く奏法など、ヴァイオリンの甘美さとは真逆 の世界を展開。終楽章「カプリッチョ」では連続スピッカート、フラジョレット、ピツィカートなど様々な奏法で奏でられます。ツィンマーマンの現在の充実ぶり があらわれた、同楽曲の新名盤登場です!
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、楽器にも注目。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この 楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビロードのような音色です。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でる演奏をご堪能ください。 (Ki)

DOREMI
DHR-82(2CD)
クリスチャン・フェラスLIVE 第3集

(1)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
(2)ロドリーゴ:ヴァイオリン協奏曲『夏の協奏曲』
(3)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218
(4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 『クロイツェル』 Op.47
(5)エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ短調 Op.25
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.121
クリスチャン・フェラス(Vn)

(1)ズービン・メータ(指)フランス国立放送O
 録音:1965年5月26日パリ
(2)アタウルフォ・アルヘンタ(指)フランス国立O 
 録音:1951年4月4日パリ
(3)ピエトロ・アルジェント(指)スカルラッティO
 録音:1958年11月21日ナポリ(放送用ライヴ)
(4)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1961年5月24日パリ、シャンゼリゼ劇場
(5)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1959年9月25日エットリンゲン城
フランスの名ヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスによる貴重なライヴ録音集です。アルヘンタとのロドリーゴ、フランス・ライヴを含む協奏曲3曲と、バルビ ゼとのデュオによる『クロイツェル』他を収録。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85040(1CD)
ハイフェッツ コルンゴルト/カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲 他
(1)コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(2)シンンディング:古風な様式の組曲 Op.10
(3)ブラームス:ハンガリー舞曲第7番(ヨアヒム編)
(4)チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
(5)ラヴェル:ツィガーヌ
(6)カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲第2番「予言者」 Op.66
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ロサンゼルスPO
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)

録音/初出レコード番号:
1953年1月10日 RCA Victor LM1782(1)
1953年12月9日 RCA Victor LM1832(2)
1953年12月9日 RCA Victor LSC3232(3)
1954年10月29日 RCA Victor LM2027(4)
1953年12月8日 RCA Victor LM1832(5)
1954年10月28&29日 RCA Victor LM2050(6)12
1917年にアメリカ・デビューをカーネギーホールで飾ったハイフェッツは、1925年にアメリカの市民権を取得。東海岸を拠点に活動を展開しましたが、 1940年にビヴァリー・ヒルズにスタジオ付きの住宅を建て、第2次大戦後はロサンゼルスに拠点を移します。このディスクには1953年から54年にかけ て、ウォーレンスタインの指揮するロス・フィルと行ったRCA録音を復刻しています。 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は1947年にハイフェッツが初演し、その後も繰り返し演奏しました。作曲者はこの曲について「終楽章こそ高度な技 巧が必要だが、美しい旋律や抒情的なエピソードがたくさんあるから、パガニーニよりはカルーソー向きの曲だ。カルーソーとパガニーニを兼ね備える人 物、すなわちハイフェッツに演奏してもらえるとは、なんと嬉しいことだろう」と語っています。当録音は大評判となり、作品を広める上で大きく貢献。 2008年には遂にグラミー賞の殿堂入りを果たしました(Vn協奏曲の録音としては、クライスラーのメンデルスゾーン、メニューインのエルガーに次 いで史上3番目の殿堂入り)。圧倒的なテクニックの冴えが注目されるハイフェッツですが、コルンゴルトがカルーソーにたとえたように、メロディアスな旋律 を時に朗々と時に甘美に歌いあげる歌心もたっぷりと味わえます。 カステルヌオーヴォ=テデスコのヴァイオリン協奏曲第2番は、ハイフェッツがトスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルと共に初演した作品。3つの楽章には旧 約聖書の3人の預言者の名前が充てられています。自身がヴァイオリニストだったシンディングの作品と、ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾたちにインスパイア された3曲も、ハイフェッツの緩急自在な技の冴えと歌い回しを堪能できます。

Gramola
GRAM-99308(1SACD)
NX-C01
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集/二重協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Hob.VIIa:1
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Hob.VIIa:4
ヴァイオリン、鍵盤楽器と弦楽オーケストラのための二重協奏曲 ヘ長調
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
バルバラ・モーザー(フォルテピアノ)
ミュンヘン・カンマーフィルハーモニー・ダカーポ
フランツ・ショットキー(指)

録音:2022年3月15-17日、2022年5月31日-6月1日
ザルツブルクを拠点に世界で活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー。今作で取り 組んだのはハイドンのヴァイオリン協奏曲です。ハイドンの器楽曲の多くは、どれもエステルハージ侯の宮廷楽 団のメンバーたちにソリストとして演奏する機会を与えるという目的があったと考えられています。イルンベルガー は華やかな技巧を駆使した作品をドラマティックに演奏。楽器の美音も優秀録音で余すことなく捉えられてい ます。二重協奏曲でフォルテピアノを演奏するのはオーストリア出身のバルバラ・モーザー。ウィーン・フィルとの 共演や室内楽の分野で高く評価される奏者です。

MPR
MPR-006(1CD)
ベンジャミン・エリン(1980-):トロンボーン作品集
パンドラ (トロンボーンと管弦楽のための)
ストー・スケッチ (3本のトロンボーンのための)
グレズリー(バス・トロンボーンと管弦楽のための)
ウィンドウズ (3本のトロンボーンと管弦楽のための)
ジョセフ・アレッシ(Tb)
クリスチャン・ジョーンズ(トロンボーン、バス・トロンボーン)
ブレア・シンクレア(Tb)
オペラ・ノースO
ベンジャミン・エリン(指)

録音:2022年11月22-24日 マントル・ミュージック・スタジオ、 ハワード・オペラ・センター、オペラ・ノース、リーズ、UK
英国の作曲家、指揮者ベンジャミン・エリンによるトロンボーンのための作品集。どの作品も現代的な響きですが前衛 に行きすぎることがなく、管楽器のファンには広く受け入れられるものでしょう。ニューヨーク・フィル首席のジョセフ・アレッ シの妙技が聴けるのがなんといっても魅力。共演のソリストはオペラ・ノースOのトロンボーン奏者たちで、この3 人とオーケストラの共演となる「ウィンドウズ」の華やかさは特に聴きものです。

Danacord
DACOCD-929(2CDR)
トマス・イェンセンの遺産 第19集

(1)ニールセン:フルート協奏曲 FS119CNW42
(2)ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 FS61(Op.33)
(3)ニールセン:サガの夢(Saga-Drom) FS46 CNW35(Op.39)
(4)ニールセン:愛の賛歌 FS21CNW100(Op.12)
(5)ヨハネス・フレゼリク・フレーリク(1806-1860):祝祭音楽「エーリク・メンヴェズの子供時代」
(6)ヨハン・ペーター・エミーリウス・ハートマン(1805-1900):序曲「ユルサ」 Op.78
(7)ニールセン:歌劇「仮面舞踏会」 FS39(抜粋)
(8)アイナー・ヤコブセン(1897-1970):交響曲第1番「今」
(9)スヴェン・エーリク・タープ(1908-1994):季節の変わり目 Op.46
(10)ポウル・シアベク(1888-1949):ユラン(男声合唱と管弦楽のための)
トマス・イェンセン(指)、デンマークRSO


(1)ポウル・ビアケロン(Fl)
 録音:1958年5月29日 ティボリ公園(コペンハーゲン)(ライヴ放送)
(2)アーネ・カレツキ(Vn)
 録音:1962年4月19日 (ライヴ放送)
(3)録音:1961年1月12日 (ライヴ放送)
(4)ルト・グルベク(S)、エレン・マグレーデ(Ms)、ニルス・ブリンカー(T)、ニルス・ムラー(T)、ホルガー・ヌアゴー(Bs)、ニルス・ユール・ボンド(Bs)、デンマーク放送児童cho、デンマーク放送cho
 録音:1958年5月29日 ティボリ公園(コペンハーゲン)(ライヴ放送)
(5)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(6)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(7)録音:1954年4月 スタジオ録音[Decca BR3111]
(8)録音:1960年8月13日 (ライヴ放送)
(9)録音:1958年1月12日 (ライヴ放送)
(10)録音:1961年8月18日 (ライヴ放送)
トマス・イェンセンの遺産シリーズの第19集。Disc1にはフルート奏者のポウル・ビアケロンとヴァイオリニストのアーネ・カレツキのソロによる協奏曲や、初期の傑作のひとつ、愛を壮大に歌いあげる「愛の賛歌」などニールセンの楽曲が盛り込まれ、Disc2には初期ロマンティシズムの作曲家ヨハネス・フレゼリク・フレーリクとヨハン・ペーター・エミーリウス・ハートマンから、イェンセンと同時代のアイナー・ヤコブセン、スヴェン・エーリク・タープとポウル・シアベクまで、めずらしいレパートリーのデンマークの管弦楽作品が収録されており、盛り沢山の内容となっています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Ars Produktion
ARS-38365(1SACD)
ラフマニノフ生誕150周年に捧ぐ〜ピアノ作品集
ラフマニノフ:楽興の時 Op.16
 リラの花 Op.21-5/ひなぎく Op.38-3
クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ
 前奏曲 Op.23-6
フランツ・べーア(ラフマニノフ編):W.R.のポルカ/前奏曲 Op.23-4
ピアノ協奏曲第2番Op.18
ショレナ・ツィンツァバーゼ(P)、
ヴァクタン・ジョルダニア(指)、
ロシア・フェデラル・オーケストラ

録音:2023年8月、インマヌエル教会(ヴッパータール、ドイツ)
モスクワで生まれ育ち、モスクワ音楽院を卒業後、ソリストとしての活動の幅を広げるショレナ・ツィンツァバーゼ。本アルバムでは、セルゲイ・ラフマニノフの生誕150周年と没後80周年に敬意を表し、卓越した不朽の作品を紹介しています。

Signum Classics
SIGCD-789(2CD)
アースサイクル
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Birds in the Spring
デヴィッド・ゴードン:Windigo (or Gradually then Suddenly)
ヴィヴァルディ:協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1, RV269「春」
伝承曲
(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Lark in the Morning
デヴィッド・ゴードン:The Elephant and the Moth
ヴィヴァルディ:協奏曲第2番ト短調 Op.8-2, RV315「夏」
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):Bright Phoebus
デヴィッド・ゴードン:Feeling the Chill
ヴィヴァルディ:協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3, RV293「秋」
伝承曲(ジャッキー・オーツ&デイヴィッド・ル・ページ編):The Robin’s Petition
デヴィッド・ゴードン:The Water’s Tears
ヴィヴァルディ:協奏曲第4番ヘ短調 Op.8-4, RV297「冬」
オーケストラ・オヴ・ザ・スワン、
デイヴィッド・ル・ページ(ディレクター、ヴァイオリン)、
デヴィッド・ゴードン(鍵盤楽器)、
ジャッキー・オーツ(ヴォーカル)

録音:2023年4月5日-7日、福音史家聖ヨハネ教会(オックスフォード、イギリス)
「タイムラプス」(SIGCD662)、「ラビリンス」(SIGCD694)とこれまでも古楽から現代音楽、ポップスを交えたジャンルレスなスタイルで幅広いリスナーに画期的な音楽を提供してきたオーケストラ・オヴ・ザ・スワン&デイヴィッド・ル・ページによる2024年の新作は、イギリスのハープシコード奏者兼ジャズ・ピアノ奏者、デヴィッド・ゴードンを迎えて行われたプロジェクト。ヴィヴァルディの《四季》を軸に、デヴィッド・ゴードンによるオリジナルの楽曲と季節のテーマに関連した伝承曲が組み合わされ、21世紀最大の関心事である私たちが自然に及ぼす影響や環境破壊について改めて考察します。


MIRARE
MIR-686(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番ニ短調 KV466
ピアノ協奏曲 第27番変ロ長調 KV595
アンヌ・ケフェレック(P)
リオ・クオクマン(指)パリ室内O

録音:2023年2月21-24日、フィルハーモニー・ド・パリ
現代を代表する名ピアニストの一人、国際的な舞台で活躍を続けるアンヌ・ケフェレックによる、モーツァルトのピアノ協奏曲の登場です。第20番では短調 での険しくも美しい表情。そして27番では、愛らしくもどこまでも気品に満ちた演奏。寸分の乱れもない、美しい真珠のような、恐るべき完璧さでととのった 粒立ちのタッチで、旋律が次々と美しく歌われてゆきます。円熟をきわめた先にある清澄の世界。クオクマン指揮のパリ室内管とのアンサンブルも、親密な対話 のよう。ケフェレック自身がライナーノートを執筆しており、そちらも注目です。
マカオO音楽監督・首席指揮者のほか、香港フィルの常任指揮者なども務めるリオ・クオクマン。2014年のスヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで 最高位を受賞。2016年まではフィラデルフィア管でネゼ=セガンの副指揮も任されていました。 (Ki)

CPO
CPO-555372(1CD)
NX-B10
フリードリヒ・フォン・フロトウ(1812-1883):ピアノ協奏曲集/序曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ短調(1830)
ピアノ協奏曲第2番イ短調(1831)
ウィリアム・シェイクスピアによる序曲「冬物語」
Fackeltanz たいまつの踊り(1853)
喜歌劇「未亡人グラパン」- 序曲
歌劇「リューベツァール」 序曲
歌劇「アレッサンドロ・ストラデッラ」 序曲
マティアス・キルシュネライト(P)
ミュンヘン放送O
ウルフ・シルマー(指)

録音:2020年3月2日-5日ミュンヘン BR第1スタジオ(ドイツ)
美しいアリア「夢のように」などを含む歌劇「マルタ」が知られるドイツの作曲家フリードリヒ・フォン・フロトウのピアノ協 奏曲の録音が登場。彼はパリでアントニーン・レイヒャから指導を受けるとともに、当時活躍していたオーベール、マ イアベーア、アレヴィと親交を深め、やがてグノー、オッフェンバックからも影響を受けました。1830年に勃発した七 月革命を避け、一時的にドイツに戻った彼は、フランスのオペラ・コミックのスタイルとドイツ伝統のジングシュピール を融合させた独自の作品を書き上げましたが、多くの批評家たちからは折衷的なスタイルは歓迎されませんでし た。しかし「アレッサンドロ・ストラデッラ」や「マルタ」が成功を収め、評価はうなぎ登りとなり、彼の作品はサンクトペ テルブルクやトリノでも上演されるなど人気を博しました。このアルバムには「アレッサンドロ・ストラデッラ」をはじめとし た序曲の他に、フロトウが18歳から19歳にかけて作曲した珍しい2曲のピアノ協奏曲を収録。当時の流行を反 映した超絶技巧を用いた魅力的な作品です。

GRAND SLAM
GS-2304(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」 クリフォード・カーゾン (P)
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)
VPO

録音:1957年6月10〜15日ゾフィエンザール(ウィーン)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
言うまでもなく、カーゾンとクナッパーツブッシュが共演した唯一のステレオ録音がこのベートーヴェンの「皇帝」でした。しかし、国内外の批評等には「クナッパー ツブッシュのしまりのない伴奏」、「ピアノが伴奏に押しまくられている」、「ミスキャスト」など、否定的な記述が意外に多く見られます。でも、本当にそうなんでしょ うか? 今回入手した2トラック、38センチのオープンリール・テープは、高貴な音色が漂うような新鮮な音質であり、改めて聴くと、まことに見事な「皇帝」のひ とつにしか思えません。総演奏時間は40分弱ですが、たとえば同じく顔合わせによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(モノラル)などを組ませることは不可 能ではありません。けれども、この「皇帝」の印象を大切にしたいため、あえて何も加えませんでした。(平林 直哉)

Naive
V-8120[NA](1CD)
オー・ソレ・ミオ
ヴィヴァルディ:2つのマンドリンのための協奏曲 ト長調 RV532
ディ・カプア(1865-1917)/マッツッキ(1878-1972)編)):オー・ソレ・ミオ
タリアフェッリ(1889-1937)/ヴァレンテ(1880-1946):受難(Passione)
カラーチェ(1863-1934):マンドリンとピアノのための協奏曲 ホ短調〔ティボー・ペリヌによるオーケストラ編曲版、世界初録音〕
パガニーニ:マンドリンとギターのための作品全曲
 ロヴェーネのためのソナタ ホ短調(マンドリンとギターのための)MS 14
 マンドリンとギターのためのソナタ ト短調 MS16
モーツァルト:カンツォネッタ〜歌劇「ドン・ジョヴァンニ」第2幕第3場
フンメル:マンドリンとオーケストラのための協奏曲 ト長調 S28(第3楽章カデンツァ:マルティノー)
ジュリアン・マルティノー(マンドリン)
フロリアン・センペイ(バリトン/4-5, 13) 
エリック・フランスリー(ギター/4-5, 13)
ヤン・ドゥボスト(コントラバス/4-5,13) 
アンナ・シヴァツァッパ(2ndマンドリン/1-3)
フィリップ・ムラトグル(ギター/9-12)
トゥールーズ・キャピトル国立O 
ウィルソン・ンー(指揮/1-3, 6-8&14-16)

録音:2022年9月1-4日
マンドリンの世界的名手、ジュリアン・マルティノーによる、ヴィヴァルディからフンメルまで、2世紀にまたがるマンドリンの名曲を集めた1枚が登場します。オー ケストラ、歌手など豪華共演陣との力のはいった内容です。
特に注目なのがカラーチェ。カラーチェは、マンドリンの歴史を語るうえで欠かせない存在。いわばマンドリンにとってのパガニーニ(といってもカラーチェはど ちらかというと奏者としてのキャリアを探求した)で、カラーチェによって、甘くチャーミングな作品ばかりになりがちだったマンドリンのレパートリーが一挙にヴィ ルトゥオーゾ的なものも可能となったのです。そのカラーチェの協奏曲第1番はカラーチェ自身はピアノとマンドリンのために作曲しました。この理由には、カラー チェ自身がオーケストラというものにそこまで近いところにいなかった、特に新曲を一緒につくりあげられるような関係がなかったことが考えられます。しかしオー ケストラと共演してもおかしくないスケールと内容を持っているため、このたびマルティノーがティボー・ペリーヌ(1979年生まれ)に依頼してオーケストラ版が 誕生、世界初録音となりました。今後のマンドリン界の大きな宝となることでしょう。ほかにもフンメルのエレガントな今協奏曲からオー・ソレ・ミオの歌まで、マン ドリンの魅力をとことん味わい尽くせる内容です!

DOREMI
DHR-8223(2CD)
クリスチャン・フェラスLIVE 第2集

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
(2)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(3)ベルク:ヴァイオリン協奏曲『ある天使の思い出に』
(4)サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ Op.28
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
(5)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.526
全て、クリスチャン・フェラス(Vn)

(1)シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO
 録音:1959年3月7日ボストン
(2)オイゲン・ヨッフム(指)フランス国立放送O
 録音:1964年4月9日パリ
(3)パウル・クレツキ(指)ベルリンRSO
 録音:1956年4月23日ベルリン
(4)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1955年3月16日ハンブルク、NDR(放送用ライヴ)
(5)ピエール・バルビゼ(P)
 録音:1957年4月12日フランクフルト、ヘッセン放送(放送用ライヴ)
フランスの名ヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスによる貴重なライヴ録音集です。ボストン、パリ、ベルリンでの協奏曲ライヴに、盟友バルビゼとのデュオを 併録。

Da Vinci Classics
C-00793(1CD)
フィリッポ・デル・コルノ:作品集
フィリッポ・デル・コルノ(b.1970):ア・コーダ・ディ・ロンディーネ(オーケストラのための)
クラリネット協奏曲 「パッセージ」
6つのメモ(オーケストラのための)
ピアノ協奏曲 「ノット・イン・マイ・ネーム」
イ・ポメリッジ・ムジカーリO、
カルロ・ボッカドーロ(指)、
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
エマニュエレ・アルチウリ(P)

録音:2023年4月4日-6日
1970年生まれの作曲家フィリッポ・デル・コルノは、ミラノ音楽院で作曲を学びました。彼の作品はミラノ・スカラ座、サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、ルツェルン音楽祭などで演奏されています。現在は作曲活動の傍ら、ミラノ音楽院で教鞭をとっています。
イ・ポメリッジ・ムジカーリOは第二次世界大戦後まもなく1945年11月27日にデビューし、ファシズム時代に禁止された20世紀の偉大な芸術家たちの音楽の普及に大きく貢献しました。バロック、古典派、初期ロマン派の名曲に加え、近現代曲も幅広く取り上げるなど多彩なレパートリーを誇ります。このアルバムでは、ウラディーミル・アシュケナージの息子であるクラリネット奏者のディミトリ・アシュケナージや、ピアニストのエマニュエレ・アルチウリといった素晴らしいソリストを迎え、収録されました。

NovAntiqua Records
NA-87(1CD)
5つの季節
フランチェスコ・ヴェネルッチ(b.1968):オーボエ協奏曲
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」 Op.8
マリカ・ロンバルディ(Ob)、
ヴァディム・ツィジク(Vn&指揮)、
アンサンブル・レ・ヴィルトゥオーゼ

録音:2022年9月12日-14日(パリ、フランス)
ヴァイオリニストのヴァディム・チジクによって2011年に結成されたアンサンブル・レ・ヴィルトゥオーゼと、イタリアのオーボエ奏者マリカ・ロンバルディのコラボレーション。弦楽オーケストラのための伝統的なレパートリーと現代曲を結びつけることを目的に制作されたこのアルバムには、マリカ・ロンバルディのためにフランチェスコ・ヴェネルッチが作曲した、バロック音楽からジャズ、即興演奏まで様々な様式をもつオーボエ協奏曲と、ヴァディム・ツィジクのヴィルトゥオーゾ性が光るヴィヴァルディの 「四季」 が収録されています。

FONE
UHQ-190(1CD)
UHQCD
初回完全限定生産
fone 創立40周年記念
(1)ヴィヴァルディ:2つのチェロのための協奏曲ト短調 RV531より アレグロ
(2)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調 より アダージョ
(3)ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター:トマゾ・アルビノーニ氏によるオルガンのための協奏曲 ヘ長調(アルビノーニの協奏曲Op.2-4による) より アレグロ
(4)ビーバー:ソナタ第1番ニ短調「受胎告知」
(5)ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」 序曲
(6)プッチーニ:歌劇「トスカ」より テ・デウム
(7)ハロルド・アーレン/テッド・ケーラー:When The Sun Comes Out
(8)ジュール・スタイン:Time after time
(9)ファブリツィオ・デ・アンドレ/イヴァノ・フォッサーティ:Ho visto Nina volare
(10)マイケル・ジャクソン/ビル・ボットレル:Black or White
(11)ルー・リード:Perfect Day
(12)コネ・セイドゥ:Jerusalem
(1)イ・ムジチ合奏団
(2)サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)
(3)ステファノ・コンコルディア(Org)
(4)マルコ・フォルナチャーリ(Vn)、fone アンサンブル
(5)サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、チョン・ミョンフン(指)
(6)サンタ・チェチーリア国立アカデミーcho、チョン・ミョンフン(指)
(7)スコット・ハミルトン(Sax)、パオロ・ビッロ(P)、アルド・ズニーノ(ダブル・ベース)、アルフレッド・クラーマー(ドラムス)
(8)ジュリアン・オリヴァー・マッツァリエッロ(P)、エンツォ・ピエトロパオーリ(ダブル・ベース)
(9)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、フェルッチョ・スピネッティ(ダブル・ベース)
(10)ファウスト・メゾレッラ(G)
(11)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、イラリア・ファンティン(アーチリュート)
(12)ライズ&ラディカント(ヴォイス&インストゥルメンツ)
イタリアの老舗高音質レーベル、foneが2023年に創立40周年を迎え、レーベル初となるUHQCDをリリース!同レーベルが誇る豪華アーティストたちによるクラシック&ジャズの名録音集を最高峰の音質でお楽しみください。日本製の高品質UHQCDを採用しており、全世界496枚完全数量限定生産となります。
※重要:当タイトルは完全数量限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。

BMOP SOUND
BMOP-1092(1SACD)
アンソニー・ポール・デ・リティス(b.1968):作品集
(1)「中国ポップ(Zhongguo Pop)」(2021) 〜中国伝統楽器四重奏と弦楽のための
(2)琵琶協奏曲「ピン・ポン(卓球)」(2006)
(3)打楽器協奏曲「牛飼いと織姫の伝説」(2018)
(4)「梅の花」(2000)〜ピパ(中国琵琶)のための
(5)嫦娥と不老不死の薬(2022)
〜中国伝統楽器アンサンブルのための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)(2)(4)ミン・シャオフェン(琵琶[ピパ])
(1)(5)ヤジ・グオ(笛子[ディズー])
(1)ヘ・タオ(二胡[アルフー])
(1)シンイー・ヤン(古箏[グーチェン])
(3)ベイベイ・ワン(Perc)
(5)イーミン・ミャオ(笛子[ディズー])
ツジュイ・キャリー・チン(笙[シェン])
チェン・ジン・コー(揚琴[ヤンキン])
ジョウ・イー(琵琶[ピパ])
グオ・ジャオシュン(中阮[チョンルアン])
ウェイ・スン(古箏[グーチェン])

録音:2021年9月8日、2019年9月11日、2018年4月22日、2017年2月11日、2022年3月16日
アンソニー・ポール・リティスは中国系ではなく白系アメリカ人であるが、中国音楽に深い 造詣と愛を持っており、このアルバムは中国伝統楽器とオーケストラを共演させた作品が収 録されています。中国伝統音楽と西洋音楽のコラボレーションといえば中国人作曲家タン・ドゥ ン(最近あまり名前を聞かなくなってしまった)が有名だが、そのアプローチの仕方は真逆で ある。タン・ドゥンが中国伝統音楽をかなり攻撃的に西洋音楽に攻め入る形で作曲するのに 対し、リティスはアメリカ人が憧れるミステリアス・チャイナのイメージを大切にした抒情的なオ リエンタリズムの音楽に仕上げています。なんとなく坂本龍一みたいなところもあり、聴きどころ 満載。

Music&Arts
M&ACD-1308(1CD)
A.ルビンシテイン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.25
ピアノ協奏曲第2番へ町長 Op.35
6つの性格的小品 Op.50〜第3番「舟歌」,第5
番「子守歌」(レイトゥシュ編)
アンナ・シェレスト(P)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
エストニア国立SO

録音:2022年9月20,21,23日
エストニア タリン
Sorel Classics から、ピアノ協奏曲第4番,ロシア奇想曲(SCCD 013)、ピアノ協奏曲第3番,第5番(SCCD014)と発売されていた、 アンナ・シェレストとネーメ・ヤルヴィによるアント ン・ルビンシテインのピアノ協奏曲全集の完結編は、販売提携先だったMusic & Arts からの 発売。19世紀的ヴィルトゥオーソの色濃いことで人気のある第1 番も、その1年後の第2番も、シェレストの意欲的なピアノとヤルヴィ指揮の豊かなオーケストラで万全の演奏になって います。レーベルを跨いだバラ3枚とはいえ、シェレストとヤルヴィによるルビンシテインのピア ノ協奏曲全集はその決定盤というものになったでしょう。アルカディ・レイトゥシュのオーケスト ラ編の「舟歌」と「子守歌」もたいへんに素敵だ。日本ではチャイコフスキー絡みで名前ばか りが有名なアントン・ルビンシテインの芸術に改めて接するには打って付けだ。

VOX
VOXNX-3030CD(1CD)
NX-B03
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番(1890-91/1919改訂)
ピアノ協奏曲第4番(1926/1941改訂)*
パガニーニの主題による狂詩曲#
アビー・サイモン(P)
セントルイスSO
レナード・スラットキン(指)

録音:1977年9月30日、977年10月1日*、1976年8月13日#
ミズーリ州セントルイス、パウエル・ホール
ニューヨーク生まれのアピー・サイモン(1920-2019)は、3歳の時にラジオで聴いた音楽をピアノで完璧に再現できたといいます。ヨーゼフ・ホフマンに師事し、 ラフマニノフやプロコフィエフなどヴィルトゥオーゾ・ピアニストでもあった作曲家の作品に強い親近感を持っていました。超絶技巧を持ちながらもそれを前面に出 すことをせず、うつろいやすい繊細な詩情を漂わせた演奏を持ち味とした彼を、辛口評論家として知られたハロルド・ショーンバーグは「スーパーヴィルトゥオー ゾ」と絶賛しました。スラットキン&セントルイス響と共演したラフマニノフのピアノ協奏曲全集はサイモンの最良の遺産と言ってよいでしょう。 既にAudiophile Editionでリリースされている第2番&第3番(VOXNX3014CD)では旧盤に比べてピアノもオーケストラも硬さが取れ、高域は輝かしく 抜けが良く、低域は一層の重量感と歯切れよさも加わり、音場全体も立体感が増して、かなり大きな音質改善が見られました。今作でも同様の効果が期 待されます。

BRIDGE
BCD-9583(1CD)
ジャスティン・デロ・ジョイオ(b.1955):作品集
(1)ピアノ協奏曲「海を隔てて」(2022)
(2)「デュー・パー・デュー」(2011) 〜チェロとピアノのための
(3)「青と黄金の音楽」(2009)〜オルガンと金管五重奏のため
(1)ギャリック・オールソン(P)
アラン・ギルバート(指)
ボストンSO
(2)カーター・ブレイ(Vc)
クリストファー・オライリー(P)
(3)アメリカン・ブラス・クインテット

録音:(1)2023年1月12、14日、(2)2011年9
月4日、(3)2009年1月10日
ジャスティン・デロ・ジョイオはニューヨーク出身で高名な作曲家であるノーマン・デロ・ジョ イオを父に持つ。ジャスティンはパーシケッティ、ロジャー・セッションズらに作曲を師事した。 初期はルトスワフスキ、ジェイコブ・ドラッグマンの影響を受けたと本人は述べているが、ここ に収められた最近の作品はアメリカ東海岸流の手堅い書法と聴きごたえのある音のドラマ、 輝くばかりの見事な管弦楽法が聴き手を圧倒する。特にピアノ協奏曲「海を隔てて」はギャリ ック・オールソンのピアノ・ソロと巨匠アラン・ギルバートの見事な棒さばきの甲斐もあって大 いに聴きもの。現代音楽の主要な書法をとりつつ、その中にもロマンの香りが漂っており、21 世紀のピアノ協奏曲の代表作のひとつと言っても過言ではない秀作。最後に収められた金 管五重奏曲「青と黄金の音楽」はオルガンと金管五重奏のために書かれたもので教会のス テンドグラスを思わせる美しい作品。特にブラス関係者は必聴。

Goodies
78CDR-3923(1CDR)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006より
ガヴォットとロンド
ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテッ(指)BPO

日TELEFUNKEN23653/6(独TELEFUNKEN2395/8 と同一録音)
1937年12月20日ベルリン、ジングアカデミー録音
協奏曲は作曲者シューマンが死の3年前に名ヴァイオリン奏者ヨーゼフ・ヨアヒ ム(1831-1907)の依頼で作曲したが、ヨアヒムは楽譜を封印し演奏しなかった。 1937年にベルリン図書館のヨアヒムの蔵書から発見され、ナチス宣伝省の主導 で録音された。ヴァイオリンのクーレンカンプ(1898-1948)はドイツのブレーメ ン生まれ。第二次世界大戦中ソリストとして活躍する傍ら、ベルリン高等音楽 院教授を1943年までつとめた。指揮者のハンス・シュミット=イッセルシュテッ ト(1900-1973)は大戦中も非ナチス党員を保ち、戦後に北ドイツRSOの 創立に尽力した。(グッディーズ)


Treasures
TRE-313(1CDR)
ケンプ〜シューマン&リスト:ピアノ協奏曲集
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54*
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
 ピアノ協奏曲第2番イ長調
ウィルヘルム・ケンプ(P)
ヨーゼフ・クリップス(指)LSO*
アナトゥール・フィストラーリ(指)LSO

録音:1953年5月26-27日*、1964年6月2&4日(全てモノラル)
※音源:英DECCA LW-5337*、独DECCA MD-1043
◎収録時間:73:03
“芸術的表現に無関係なものを排斥するケンプのピアニズムを象徴!”
■音源について
シューマンは英国の10ンインチ盤、リストはドイツ盤LP(黒金ラベル)を採用。

リストのピアノ作品は、技巧的な切れ味をまず前面に立てないと成立しないという風潮があるようですが、ケンプにはそんな既成概念は通用しません。
 「第1番」第1楽章の冒頭テーマは叩きつけるような打鍵は存在せず、ひたすら端麗。一瞬肩透かしを食った感覚に陥りますが、そこに宿る精神力に全くブレがないので、すぐにその独特のモードに惹かれてしまいます。1:01からの上行音型の音の粒立ちを実感出来るような弾き方、最高音域に達した時の「カーン!」という響きの拡散のさせ方は、いかにもケンプ流で、その人間臭さと職人的なこだわりが滲みます。1:16からの流麗さ、艶やかさも、モノラルであることを忘れるほど魅惑的。それを更に痛感させるのが第2楽章。この楽章をこれほど深く、甘美に紡ぎ出した演奏を他に知りません。緩やかな楽想の中でもリズムをキリッと立てる箇所とぼかす箇所を明確に区分している点も、雰囲気に流された安易な演奏にはない説得力を生んでいます。
終楽章では、無機的なフォルティッシモを嫌い、高音をカーン!と響かせるケンプ独自のピアニズムが全開。勢いに任せた演奏では感じることではできない、しっかり心に根付く味わいを実感していただけると思います。
 「第2番」では、より詩的なニュアンスが横溢。何気ないアルペジオにも得も言われぬ幻想が敷き詰められ、聴き手の想像力を掻き立てます。第1部から第2部にかけては、めったに見せない渾身のフォルティッシモが登場しますが、ここぞという場面でのその輝き方は、通常が温和なニュアンスを湛えているだけに一層心に響きます。それでも、無慈悲で鋭利な響きとは無縁。第5部の前半はオケの音圧に埋没しそうでしないギリギリの線で、ケンプが孤高とも言えるピアニズムを貫徹。後半のカデンツァでも全くそのモードを崩さないことからも、ケンプがオケとの協調に拘泥しすぎず、楽譜に書かれているピアノ・パートをいかに繊細に感じ取り、丁寧にロマンの香気を放つことに専心しているかを思い知らせれます。第6部のグリサンド(0:26〜)に至っては、これほど表面的な効果に背を向けた演奏も稀ですし、アクロバット的なリストの演奏スタイルに対するアンチテーゼにも思えます。 
 このリストの録音は、音楽を再現する上で、マシンのような技巧のアピールが目的にも前提にもならないということを再認識させてくれる、かけがえのない財産です!ケンプの演奏に対し、技巧的な弱さを指摘する人は後を絶たないですが、ケンプ本人が技術を強みにすることをむしろ恥と感じ、最優先しなければならない「表現」を行なっているだけだということを感知できないのでしょう。そういう人には、AIによる演奏をお楽しみいただければと思います。
 一方のシューマンでもケンプは自身の矜持を曲げないので、ここでは作品の甘美なイメージとは距離をおいたストイックな演奏にも聞こえますが、聴けば聴くほど、表情を上塗りしたような下品さとは無縁の真摯な語り口が敷き詰められていることに気づきます。第1楽章展開部の前半はその典型。これぞ本物のロマンです!カデンツァも同様。第2楽章も媚びるような表情は見せないものの、克明なタッチを湛えつつ繊細な心情を丁寧に吐露。大きな展開を見せないこの楽章を飽きさせずに聴かせるのは、それこそ技巧を超えた人間力の賜物なのでしょう。終楽章の決してサクサクとスマートに進行しないフレージングには常に人間的な温かみが通っていますが、ケンプは技巧のみならずその優しささえアピールしないので音楽が説明調になることがなく、間延びしやすい遅めのテンポを取りつつも、確実にニュアンスが琴線に響くのです。
 最近は、音楽家がこだわるポイントや方向性が以前と変化しているようです。と言うより、そもそも「どうしても譲れないこだわり」なんて見いだせないことも少なくありません。器用さ、合理性、効率性、協調性は世間を渡る際には必要かもしれませんが、音楽を再現する際にそれを先に考えては、その本質を探り出すことも導き出すことも、ましてや人を感動させることなどできないのでは?などと、ケンプの演奏を聴く度に思う今日この頃です。【2023年10月・湧々堂】

Spectrum Sound
CDSMBA-1461CD)
ダヴィド・オイストラフ&シルヴィア・マルコヴィチ ― ライヴ・レコーディングス・イン・パリ

(1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

(2)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
(1)ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ピエール・デルヴォー(指)フランス国営放送PO/ライヴ録音:1961年3月21日サル・プレイエル(パリ)【ステレオ】

(2)シルヴィア・マルコヴィチ(Vn)
ジルベール・アミ(指)フランス放送新PO/ライヴ録音:1977年10月6日メゾン・ド・ラジオ・フランス、104スタジオ内大ホール(パリ)【ステレオ】
※正規初CD化!
スペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。期待の新譜はダヴィド・オイストラフのブラームスのヴァイオ リン協奏曲(1961年3月21日/パリ)とシルヴィア・マルコヴィチのシベリウスのヴァイオリン協奏曲(1977年10月6日/パリ)、ともにステレオの正規初 CD化です!
巨匠オイストラフが最も得意としたブラームス。数多くの録音同様、当ライヴでも非常に細かいヴィブラートとテヌートを多用し、これぞ「ヴァイオリンの美」とい える音色で奏でております。
ルーマニアを代表するヴァイオリニスト、シルヴィア・マルコヴィチ。10代後半でロン=ティボー国際コンクール最高位(1位なしの2位)、ジョルジェ・エネスコ 国際コンクール優勝し、一躍世界から注目される存在となりました。当ライヴはマルコヴィチ20代半ばの演奏。作曲家としても有名なジルベール・アミ(指)フラ ンス放送新POとの共演です。シベリウスは彼女が最も得意としたレパートリーで、1987年にネーメ・ヤルヴィ(指)エーテボリSOで 録音しておりBISレーベルからリリースされています(BIS-372)。マルコヴィチの魅力といえる一音一音クリアで艶やかな音色。シベリウスの雄大な世界を彼女 の演奏で存分に酔いしれることができます。演奏キャリアに対し録音が極端に少ないマルコヴィチだけに当初出音源は非常に貴重。ファン狂喜のリリースです! (Ki)

NIFC
NIFCCD-152(1CD)
ドゥラノフスキ&ヤニェヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集
アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキ(1770-1834):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.8
フェリクス・ヤニェヴィチ(1762-1848):ヴァイオリン協奏曲第3番イ長調
モーツァルト:交響曲第14番イ長調 K.114
シュシャーヌ・シラノシアン(Vn)、
マルティナ・パストゥシカ(指)
{oh!} オルキェストラ

録音:2022年6月2日-5日&2023年4月17日-20日(モーツァルト)、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
18世紀ポーランド生まれの作曲家、アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキとフェリクス・ヤニェヴィチのヴァイオリン協奏曲に同時代の作曲家モーツァルトの初期の交響曲を組み合わせた本アルバム。アウグスト・フレデリク・ドゥラノフスキはポーランド人の母とフランス移民の父の間に生まれました。作曲家としてでなく、ヴァイオリニストとしても活躍した彼は、17歳でヴィオッティに認められるほどの才能の持ち主で、パガニーニにも影響を与えるほどの演奏家でした。
フェリクス・ヤニェヴィチは、当時のポーランド連邦リトアニアに生まれ、若い時からヴァイオリンの才能を認められポーランド王立礼拝堂でヴァイオリニストを務めていました。その後、ハイドンやモーツァルトに出会うため1785年からウィーンに滞在しその影響を受けることとなりました。その後パリで認められ活躍していましたが、イギリスに渡りその生涯を終えています。
2002年からチューリッヒ音楽大学でザハール・ブロンに師事したシュシャーヌ・シラノシアンは、ザンクト・ガレンSO(スイス)のコンサートマスターに就任しその後ラインハルト・ゲーベルと出会うと、古楽器演奏に熱心に取り組み、レ・シエクルのツアーにソリストとして参加するなど、第一線で活躍しています。

Hyperion
CDA-68345(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.86〜テレフセン:ピアノ協奏曲集
トマス・テレフセン(1823-1874):ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.8、
 ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.15
フリードリヒ・カルクブレンナー:嵐によって中断されポロネーズが後に続く大行進 Op.93
ハワード・シェリー(P&指揮)、
ニュルンベルクSO

録音:2022年12月14日-16日(ニュルンベルク、ドイツ)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第86巻で取り上げられたのは、ノルウェー生まれのピアニストで作曲家の、トマス・テレフセン(1823-1874)のピアノ協奏曲。
10代の終わりからパリに移ったテレフセンは、このシリーズにも度々登場し今作にも長大な演奏会用作品「嵐によって中断されポロネーズが後に続く大行進」が収録されている、フリードリヒ・カルクブレンナーから幾度か学んでいます。また、1844年から1847年にかけては、定期的にショパンに師事し、交友関係を持ちました。ショパンとの関係は、テレフセンの作曲様式にも大きく影響しています。

ES-DUR
ES-2091(1CD)

JES-2091(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

CORE〜トランペット協奏曲集
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲第1番変ホ長調
レオポルト・モーツァルト:トランペット、2本のホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター:トランペット、2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 MWV6.32
ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:トランペット、2本のフルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲第2番ハ長調 MH60
テレマン:トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 TWV51:D7
アンドレ・ショッホ(Tp)、
スザンネ・フォン・グートツァイト(指)、
シュトゥットガルト室内O

録音:2023年2月3日&6月3日、シュトゥットガルト記念教会(ドイツ)
名門ベルリン・フィルが誇る名手、アンドレ・ショッホによるソロ・アルバムがドイツのEs-Durから登場。アンドレ・ショッホは、これまでにマティアス・ヘフス、ラインホルト・フリードリヒ、クラウス・ブレーカー、ガボール・タルケヴィといった世界屈指の名手達のもとで研鑽を積み、ベルリン・ドイツ・オペラ、ハンブルク国立フィルの首席トランペット奏者として活躍後、2017年からはベルリン・フィルに移籍。室内楽奏者としても活躍の場が目覚ましく、金管アンサンブル「10 for Brass」、デュオ・ショッホ/ホーリッケのメンバーとして活動。また、ドイツを代表する世界的金管アンサンブル「ジャーマン・ブラス」にも定期的に参加しています。教育者としては、カラヤン・アカデミーやマンハイム音楽大学において後進の指導にも力を注いでいます。
本アルバムでは、自身が子供の頃からお気に入りと語る18世紀に書かれた5つの協奏曲を集成。タイトル「CORE(核)」には、ショッホが楽器で表現したい音の魂、レパートリーの中心であり、「核」となる作品の意味が込められています。名手達のもとで学んだ豊かな音楽的解釈を、ドイツの名工タイン社製のピッコロトランペットで見事に発揮しています。

DUX
DUX-1788(1CD)
ブコフスキ:作品集
リシャルト・ブコフスキ
(1916-1987):2台ピアノ、パーカッションと弦楽のための協奏曲
トランペット、ジャズ・リズム・セクションとオーケストラのための協奏曲
ピアノ協奏曲第1番
バリトンと13の楽器のための歌曲
キエルツェSO、
ヤツェク・ロガラ(指)、
マリア・マグダレナ・ヤノフスカ=ブコフスカ(P)、トマシュ・ルパ(P)、トマシュ・ヴォジニャク(Tp)、アダム・クルシェフスキ(Br)

録音:2022年6月20日-24日&8月24日-26日、キエルツェSOコンサート・ホール(ポーランド)
20世紀のポーランドの作曲家リシャルト・ブコフスキは、オーケストラ作品をはじめ、室内楽曲や合唱曲、さらには舞台音楽など、さまざまな楽曲を作曲しました。このアルバムには協奏曲を中心に収録されており、冒頭の「2台ピアノ、パーカッションと弦楽のための協奏曲」ではブコフスキの未亡人であるマリア・マグダレナ・ヤノフスカ=ブコフスカがピアニストのひとりとして参加しています。

CAvi music
85-53539(1CD)
ベルリン1923〜ベートーヴェン&シュルホフ:ピアノ協奏曲集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
シュルホフ(1849-1942):ピアノ協奏曲 Op.43 「ジャズ風に」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15より第1楽章(カデンツァ:シュルホフ)
ヘルベルト・シュフ(P)、
ケルンWDRSO、
トンチエ・ツァン(指)

録音:2021年12月21日-23日、ケルン・フィルハーモニー(ドイツ)
1894年生まれのチェコの作曲家でピアニストのエルヴィン・シュルホフは第一次世界大戦の後、ジャズとの出会い、ヨーロッパの作曲家で最初にジャズを取り入れた作曲家のひとりとなりました。ピアノ曲を中心に、ジャズの影響を受けた作品を数多く残しており、このアルバムに収録されたピアノ協奏曲もそのひとつです。
シュルホフは1923年にベルリンで「ピアノ協奏曲 Op.43「ジャズ風に」」を作曲しましたが、同じく1923年に練り上げたのが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番〜第4番までの4つのカデンツァでした。その中から今回は第1番に焦点を当て、収録されています。
1979年にルーマニアで生まれたピアニストのヘルベルト・シュフは、1988年にドイツへ移り、モーツァルテウム音楽大学で学びました。2005年にはウィーン・ベートーヴェン国際ピアノ・コンクールで優勝しています。斬新で強いこだわりのあるプログラムでのCD録音は、常に注目の的となっています。

ALTO
ALC-1493(1CD)
サクソフォン協奏曲&四重奏曲集
グラズノフ:アルト・サクソフォン協奏曲 Op.109
ヴィラ=ロボス:ソプラノ・サクソフォン、3本のホルンと弦楽のためのファンタジア
マルタン:テナー・サクソフォンとオーケストラのためのバラード
ジャン・リヴィエ:アルト・サクソフォンとトランペット協奏曲
グラズノフ:Canzona Variee(四重奏曲 変ロ長調 Op.109より)
フランセ
:小四重奏曲
ニコラウス・ショイブレ:デューク・エリントン・メドレー
デトレフ・ベンスマン(Sax)、
デイヴィッド・シャローン(指)、
ベルリンRIASシンフォニエッタ、
ベルリン・サクソフォン四重奏団

録音:1984年、1991年
ベルリン・サクソフォン四重奏団のメンバーでもあるデトレフ・ベンスマンのサクソフォン協奏曲&四重奏曲集。ソプラノやアルトなど作品に合わせて持ち替えを行いながら見事なソロと、四重奏曲では息の合った演奏を繰り広げており、グラズノフを中心として様々な作曲家の作品を収録しています。

Harp&Company
CD-505051(1CD)
オン・ザ・ルーフ〜ハープとバスーンのための作品集
アンナ・シーガル:ユダヤ協奏曲/憧れ/バスーンとハープのための聖書のモザイク/フォークソングT.キャラバン/フォークソングU.恩赦-祈り/イエメンの愛の歌
ラシェル・タリトマン(Hp)、
マヴロウデス・トロウロス(Fg)
ドロン・サロモン(指)、
イスラエル弦楽アンサンブル
イスラエル、テルアビブ出身の世界的ハーピスト、ラシェル・タリトマンが設立した「ハープ音楽に特化」した世界でも珍しい自主レーベル、「ハープ・アンド・カンパニー(Harp & Company)」からリリースされる新録音は、イスラエルの作曲家、アンナ・シーガルによるハープとバスーンのための作品集。
ウクライナ出身のイスラエルの女流作曲家、アンナ・シーガルは、ウクライナのキエフ音楽院、イスラエルのエルサレム音楽アカデミーで作曲を学び、その作品はリオール・シャンバダール&ベルリンSOをはじめとする世界各地のオーケストラやソリストによって取り上げられています。本アルバムでは、東洋と西洋の色彩を混ぜ合わせ、9つの楽章からなる組曲の形式で書かれたソロ・ハープのための作品「大地に捧げる歌」、バスーンとハープのための「ユダヤの歌」、ハープ、バスーンと弦楽のための「ユダヤ協奏曲」の世界初録音作品で構成され、ユダヤ協奏曲では、現代的な拡張奏法を用いて、バスーンによるグリッサンドやトレモロ、ハープにはパーカッションのような効果など、東洋的な色彩を聴き手に感じさせます。各楽章名は、アレグロやアンダンテといったクラシック音楽の用語にちなんだものではなく、作曲家がインスピレーションを受けた歌、神話、物語、絵画、祈り、踊りなどにちなんで付けられています。

Spectrum Sound
CDSMBA-145(1CD)
ヘンリク・シェリング・ライヴ・イン・パリ(バッハ、モーツァルト、ポンセ)
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043*
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216(カデンツァ:サム・フランコ)
ポンセ:ヴァイオリン協奏曲#
ヘンリク・シェリング(Vn)
エルメロ・ノヴェロ(Vn2)*
ヘンリク・シェリング(Vn&指)、
フランス公共放送室内O
フランス国営放送PO#、
カルロス・チャベス(指)#

ライヴ録音:1971年12月24日メゾン・ド・ラジオ・フランス、104スタジオ内大ホール(パリ)【ステレオ】
1960年10月4日シャンゼリゼ劇場(パリ)【ステレオ】#
スペクトラム・サウンド好評シリーズ「ベルアーム」。フランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規初出CD化、期待の新譜は、シェリングがパリで演奏 したバッハ&モーツァルト(1971年録音)、ポンセ(1960年録音)の協奏曲です!ポーランドに生まれ、1946年にメキシコ市民権を取得し以後世界的に活躍し た正統派ヴァイオリニト、ヘンリク・シェリング(1918-1988)。
バッハのドッペル・コンチェルトはPhilipsレーベルで1965年、1976年に2度セッション収録していますが、当演奏はちょうど中間にあたる1971年12月 のライヴ。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番とともにシェリング弾き振りでの演奏です。
ドッペル・コンチェルトの共演は20世紀メキシコを代表するヴァイオリニスト、指揮者のエルメロ・ノヴェロ(1930-1983)です。幼いころに父を亡くすも ヴァイオリンの才能を見出したノヴェロの母が、子供たちとともにメキシコ・シティに移り住んだ苦労人。奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院で学び、 ルイス・パーシンガー(1887-1966)、イヴァン・ガラミアン(1903-1981)ら、高名なヴァイオリン教育者たちに師事。また指揮をセルジュ・チェリビダッケ (1912-1996)、レオン・バルザン(1900-1999)に師事しています。自由に歌うノヴェロのヴァイオリン。時にテンポを揺らしながらシェリングとのバッハを 楽しみながら奏でています。
モーツァルトの第3番は1969年にPhilipsレーベルにセッション収録しておりますが、その2年後の演奏が当ライヴです。69年同様サム・フランコ作のカデン ツァを演奏。正確無比にして気品があるモーツァルトは流石!シェリングといえます。
そして、シェリングに献呈されたマヌエル・ポンセのヴァイオリン協奏曲。Philips、Mercury、DGには録音はしなかったものの生涯演奏してきたシェリングの 愛奏曲にしてポンセの代表作。ポンセはイタリア、ドイツに遊学、フランスではポール・デュカスに師事し、近代フランス音楽の影響を受けながら 独自のスタイルを確立しました。シマノフスキを思わせる、E線の高音域と重音を多用したヴァイオリン独奏と、色彩豊かなオーケストラとの掛け合いが実に魅力的。 メキシコの名指揮者カルロス・チャベスの好サポートを得て堂々たる演奏を聴かせてくれます。ライヴ演奏こそシェリングの凄みが伝わってくる熱演です! ※日本語帯・解説は付きません。 (Ki
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。)

IDIS
IDIS-6751(1CD)
カラヤン・スペクタキュラーVol.12
(1)
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
(1)トリノRAI響
 ライヴ録音:1953年4月10日
(2)ルツェルン祝祭O
 ライヴ録音:1955年8月27日
50年代から70年代にかけてのライヴ録音をリリースしているIDISの「カラヤン・スペクタキュラー」シリーズ。今回のベートーヴェンの第2はたいへん珍しい 貴重音源。シュナイダーハンとの協奏曲も名演。 (Ki)

Solo Musica
SM-441(2CD)
NX-C07
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番/第2番
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
6つの小品 Op. 118
アンドレア・カウテン(P)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
ティモ・ハンドシュー(指)

録音:2022年12月12-14日、2023年6月22-25日
ハンガリーに生まれ、スイスのバーゼルで学んだピアニスト、アンドレア・カウテン。「ブラームスの2つのピアノ協奏曲を録音することは長年の夢でした」と語る彼 女がその夢をかなえたアルバムです。彼女は、すでに第1番を2017年に地元のハンガリーで録音していますが、今作では2曲ともドイツで演奏。共感溢れる 素晴らしい演奏を聴かせます。またアルバムにはブラームス晩年の小品も収録。
Solo Musica
SM-428(1CD)
NX-B03
タイムトラベル〜シッダールタ、マルコ・ポーロからバッハ&バードまで
シルクロード - マルコ・ポーロ、東方へ - 笙と管弦楽のための協奏曲
シッダールタ- サクソフォンと管弦楽のための協奏曲
鐘-A Tribute to William Byrd
ウィリアム・バード へのトリビュート- 管弦楽のために
ブランデンブルガー・リミックスド(J.S. バッハのブランデンブルク協奏曲第2番作曲300年 バッハへのオマージュ)- トランペット、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、弦楽とチェンバロのために
ボーデン湖にて- 管弦楽のために
ウー・ウェイ(笙)
クリストフ・エンツェル(Sax)
ラインホルト・フリードリヒ(ピッコロ・トランペット)
コンスタンス・サニエ(Fl)
ミヒャエル・キュッテンバウム(Ob)
谷野響子(Vn)
クリスティアン・ナーゲル(Cemb)
南西ドイツPO
ガブリエル・ヴェンツァーゴ(指)

録音:2023年3月9-15日、6月26-27日
1950年生まれのエンヨット・シュナイダーは、オペラや交響曲をはじめとした多くの作品を世に送るとともに、なんと 600本以上もの映画のための音楽も作っているドイツの作曲家です。 このアルバムには、700年ほど前にこの世を去ったマルコ・ポーロの『東方見聞録』に思いを馳せた"笙のための協奏 曲"をはじめ、2023年に没後400年を迎えたウィリアム・バードへのトリビュート作品や、バッハの「ブランデンブ ルク協奏曲」完成300年の記念作品、2022年に出版100周年を迎えたヘッセの『シッダールタ』に基づく作品な ど、過去の時代を振り返る作品が並べられています。 長い歴史を持つ南西ドイツ・フィルが作品を演奏。ブランデンブルガー・リミックスドでは、トランペットの名手ラインホ ルト・フリードリヒや、オーケストラの首席ヴァイオリニストを務める谷野響子らがソリストを務めています。シュナイダー の素晴らしいオーケストレーションによる色彩豊かな音楽を楽しむことができる1枚です。

Linn
CKD-732(2CD)
NX-D09
ブラームス:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.8*
シモン・トルプチェスキ(P)
ケルンWDRSO
クリスティアン・マチェラル(指)

録音:2023年2月13-15、2023年3月7、8、10、11日(ライヴ)*  ケルン・フィルハーモニー、ドイツ
1979年マケドニア生まれのピアニスト、トルプチェスキのLINN第4弾は、ブラームスの大作協奏曲を全2 曲収録した意欲作です。彼持ち前の力強さを兼ね揃えた高いテクニックがいかんなく発揮され、作曲家 の若き日に書かれた第1番での深く情熱的なアプローチや、充実期に書かれた第2番でのリリカルな歌 心とダイナミックな表現が見事。マチェラルもWDR響を雄大に鳴らし、巨大な協奏曲の中でソリストを しっかりと支えています。

ALPHA
ALPHA-1001(1CD)
モーツァルト:協奏曲集
ピアノ協奏曲 第19番ヘ長調 K.459(カデンツァ…モーツァルト)
ホルン協奏曲 第1番ニ長調 K.412/514(386b)*
フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315(カデンツァ…ディレン・ドゥラン)
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299(カデンツァ…ハインツ・ホリガー)
アーロン・ピルザン(P/ベーゼンドルファー)
ニコラ・ラメズ(Hrn)
ディレン・ドゥラン(Fl)
エリーザベト・プランク(Hp)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指)
トマス・ツェートマイヤー(指)*

録音:2021年3月、12月、2022年9月、2023年3月  オーストリア放送スタジオ6/大ホール、ウィーン
無名の若き名手から中堅まで幅広いソリストの登場が話題を呼んでいる<次世代ソリストたちによるモーツァルト>の第7弾。今回は ALPHAからリリースした2タイトルのソロ・アルバムが既に高い評価を得ているアーロン・ピルザンが登場。リリカルでよく澄んだピアノを聴かせま す。フランスの若きホルン奏者ニコラ・ラメズはストラスブール・フィルの首席を2021年から務めるほか、アンサンブルやソリストとして国内外で活 躍して高く評価されており、ここでも安定感抜群のテクニックと伸びやかな音色で素晴らしい演奏を聴かせます。ドイツのフルート奏者ディレ ン・ドゥランは、Gramolaなどで既にソロ・アルバムをリリースして活躍しているハープ奏者エリーザベト・プランクと共に、溌溂とした演奏で楽し ませてくれます。

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-138(1CD)
ヴィヴァルディ:『四季』、 オーボエ協奏曲
協奏曲集『四季』〜『和声と創意への試み』Op.8より
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調「春」Op.8-1/RV 269
ヴァイオリン協奏曲 ト短調「夏」Op.8-2/RV 315
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調「秋」Op.8-3/RV 293
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調「冬」Op.8-1/RV 297
オーボエ協奏曲 ハ長調 RV450
ヴェルサイユ王室歌劇場O(古楽器使用)
ステファン・プレヴニャク(Vn、指)
ミハエラ・フラバーンコヴァー(Ob)

録音:2023年7月14-16日 ヴェルサイユ宮殿王室歌劇場
ずば抜けたヴァイオリン演奏能力と作曲センスを誇り、聖職者でありながら礼拝よりも音楽活動で国際的に注目を集め「赤毛の司祭」の綽 名とともに音楽史の1ページを飾ったヴェネツィアの作曲家ヴィヴァルディ。生前からその人気はパリにも及んでおり、20世紀に彼の名が再び 有名になるきっかけとなった傑作曲集『四季』は特に大きな関心を集めたばかりか、「春」に至っては作曲者の歿後何十年も公に演奏され 続けたほどでした。そうしたヴィヴァルディ受容を語る上で見過ごせないフランスの古楽シーン最前線を代表する拠点のひとつヴェルサイユ宮殿 から古楽器オーケストラによる『四季』最新録音が登場。近年オペラ上演でも活況をみせている王室歌劇場を舞台に、知られざる18世紀 以前のオペラの指揮でも実績をあげつつヴィヴァルディの「パリ協奏曲集」(CVS065)やハイドンの「朝・昼・晩」(CVS094)など器楽録音で も注目を集めているステファン・プレヴニャクを中心に、フランス、ポーランド、チェコなど欧州各地から俊才が集うヴェルサイユ王室歌劇場管弦 楽団が、傑作の内から湧き上がる興奮を絶妙の一体感の中で鮮やかにドライヴしてゆく精緻な解釈がたまりません。劇音楽の指揮経験が 如実にあらわれるプレヴニャクの芸達者ぶりと妙技にも目を見張るばかり。ヨーロッパ最前線の古楽器演奏の面白さを隅々まで堪能できる 『四季』に加え、浮き立つ愉悦と躍動感に貫かれたオーボエ協奏曲ではチェコの俊才ミハエラ・フラバーンコヴァーがバロック楽器の美音とニュア ンスの豊かさを存分に楽しませてくれます。

Orchid Classics
ORC-100261(1CD)
NX-B03
上岡敏之のR・シュトラウス
オーボエ協奏曲 Trv292
ホルン協奏曲第1番 Op.11
組曲『町人貴族』
アンドレアス・フォスダル(Ob)
ヤコブ・カイディング(Hrn)
コペンハーゲンPO
上岡敏之(指)

録音:2019年2月18-21日、2021年3月23-27日
上岡敏之が2016年から首席指揮者を務めるコペンハーゲン・フィルとの初CDが登場。洒落た選曲と演奏者の劇場的センスも活きた、粋で魅力的なアル バムです。 ドイツ各地の劇場とオーケストラのポストを歴任してきた上岡にとってR・シュトラウスは自家薬籠中のレパートリーの一つ。ここに収録されているのは、 楽団の首席奏者をソリストに立てた協奏曲を2篇と、各パートにソリスティックな見せ場が多く、室内楽的なアンサンブル能力を要する組曲『町人貴族』とい う、楽団の規模に合わせ、その能力を活かした巧みな選曲です。 コペンハーゲン・フィルはコペンハーゲンの名所チボリ公園のホールで演奏するために、作曲家ハンス・クリスチャン・ロンビが主導して1843年に創設された楽 団を起源とし、現在は65名の楽団員を擁して年間120回ほどの公演を行っています。管弦楽のレパートリーに加え、国立歌劇場や王立劇場の舞台上演 でも定期的に演奏。また夏の間は創設以来の伝統でチボリ公園のホールでの演奏会も行っています(その際は「チボリSO」の別名を使用)。ホルンの カイディングは1993年から、オーボエのフォスダルは2003年から、楽団の首席奏者(ソロ奏者)を務めています。

CD ACCORD
ACD-324(1CD)
NX-C09
ミコワイ・グレツキ(1971-):作品集
序曲 Op.16-弦楽オーケストラのために(2000/2012)
3つの断片 Op.6- 弦楽オーケストラとチェレスタ(任意で)のために(1998)
コンチェルト=ノットゥルノ Op.13- ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために(2000)
Concerto-Notturno, Op.13
アコーディオンと弦楽合奏のための協奏曲 Op. 61(2022)*
ディヴェルティメント Op.32- 弦楽オーケストラのために(2009)
ヤクブ・ヤコヴィツツ(Vn)
マチェイ・フロンツキエヴィチ(アコーディオン)
ワルシャワ・フィルハーモニー室内O
ヤン・レウタク(音楽監督)

録音:2023年4月30日、5月1-2日ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサートホール
*=世界初録音
20世紀ポーランドを代表する作曲家ヘンリク・グレツキを父に持つミコワイ・グレツキの作品集。現在アメリカに在住するミコワイは、父の音楽的遺産を継承 しながら、独自の美的感覚に裏打ちされた耳なじみのよい作品を多数発表しています。このアルバムには1998年から2022年までに書かれた5作品を収 録。快活な曲想を持つ「序曲」以外は、どの曲も冒頭にゆったりとしたLento楽章が置かれていますが、これらはどれも、どこか彼の父の名作「悲歌のシンフォ ニー」を彷彿させる美しい曲です。民謡風の旋律とヴァイオリンの妙技が楽しめる「コンチェルト=ノットゥルノ」、90曲近くの作品の初演を行ったマチェイ・フロン ツキエヴィチに捧げられた、郷愁溢れる旋律が印象的な「アコーディオン協奏曲」。そして静かな楽章と激しい楽章の対比が素晴らしい「ディヴェルティメント」 を楽しめます。創立者ヤン・レウタクが芸術監督を務めるワルシャワ・フィルハーモニー室内Oは、注目すべきポーランドの室内楽作品の紹介を積極 的に行っています。

DOREMI
DHR-8213(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第1集

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(2)フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
(4)シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番イ短調 D.784
シューベルト:4つの即興曲 Op.90D.899
ラドゥ・ルプー(P)

(1)エド・デ・ワールト(指)BBC響
 録音:1970年8月25日ロンドン
(2)ストイカ・ミラノヴァ(Vn)
 録音:1972年2月21日セント・ジョンズ、スミス・スクエア
(3)アンドレ・プレヴィン(指)LSO
 録音:1970年9月17日ブカレスト
(4)録音:1969年9月19日リーズ
数々の秘蔵ライヴ音源をCD化しているDOREMIレーベルより、ラドゥ・ルプーのシリーズが始まりました。第1集はエド・デ・ワールトとのブラームス、プレヴィ ンとのベートーヴェンや、オイストラフに師事したブルガリアの女流ヴァイオリニスト・ミラノヴァとのフランクなど驚きの内容。レーベル情報ではすべて初CD化と のこと。 (Ki)

Goodies
78CDR-3921(1CDR)
R・シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調作品11 デニス・ブレイン(Hrn)
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

英 COLUMBIA D.X.1397/8
1947年5月21日録音
デニス・ブレイン(1921-1957)はイギリスのホルン奏者。父親で名ホルン奏者の オーブリー・ブレイン(1893-1955)の指導を受けた。デニス・ブレインは1957年 9月1日、エディンバラからロンドンに戻る途中、自身が運転するスポーツカー (トライアンフ)の事故で命を落とした。享年36。デニス・ブレインはこのシリー ズでモーツァルト:ホルン協奏曲第2番&第4番(78CDR-3291)、モーツァルト ホル ン、ヴァイオリン、2つのヴォラとチェロのための五重奏曲(78CDR-3386)、チャ イコフスキー交響曲第5番(第2楽章のホルン・ソロ)(78CDR-3158)が出ています。 指揮者のアルチェオ・ガリエラ(1910-1996)はイタリア、ミラノ生まれ。ミラノ 音楽院出身。1941年に指揮者デビュー。第二次世界大戦勃発でスイスに亡命。 1945年にルツェルン音楽祭に出演後、演奏活動を再開した。シャルル・デュト ワの師。(グッディーズ)

H.M.F
HMM-902333(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第6番変ロ長調 KV238〔カデンツァ:モーツァルト/アインガング:ベザイデンホウト〕
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 KV503〔カデンツァ:ベザイデンホウト〕*
クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ/2008年ポール・マクナルティ、1805年製ワルター&ゾーン・モデル)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2021年5月、2022年3月 *
アンサンブルハウス・フライブルク
ベザイデンホウトとFBOによるモーツァルトの協奏曲集、第4弾の登場です!若き日の協奏曲第6番(1776年)と、大作協奏曲第25番(1786年) という組み合わせ。
第25番の終楽章は、「イドメネオ」の主題が引用されておりますが、楽章全体がさながらオペラの序曲のようなワクワク感に満ちてい演奏されています。鮮 やかで大満足の終結を迎えると同時に、さらにそこから新たな世界が始まりそうで、ディスクが終わってしまって肩透かしを食ったような気分にさえなってしまう ほどに心が愉悦で膨らみます。何度も聴いたことがあるはずの作品がすべて「今、その場で」生まれたように聴こえてきます。ベザイデンホウトは自身、ソロと は違って、オーケストラとの共演は「パーティーのように楽しい」と話していましたが、まさにベザイデンホウトもオケも瞬間瞬間を楽しんでいることが感じられ ます。そして、重力を全く感じさせないように自在に翔けるベザイデンホウトのパッセージは至上の美しさ。モーツァルトの再来、と称されるベザイデンホウトの 神髄を見るようです。 (Ki)


Melodiya x Obsession
SMELCD-1000740(1CD)
完全限定生産
ダヴィド・オイストラフ・エディション Vol.1
チャイコフスキー
:ヴィオリン協奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 *、
 2つのユモレスク Op.87*
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮、
モスクワPO、モスクワRSO*

録音:1968年(チャイコフスキー)、1965年(シベリウス) ステレオ
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ほどダヴィド・オイストラフが頻繁に弾いた協奏曲はないでしょう。そう思われるほどこの作品は彼の節目に必ず弾かれていた作品で、どれだけ大切にされていたレパートリーなのかといううことがよくわかります。オイストラフが17歳でソリスト・デビューする際もこの作品を弾きました。また国際的に認められるきっかけとなったウジェーヌ・イザイ・コンクール(現在のエリザベート王妃国際音楽コンクール)の第1位を受賞した際もこの作品が重要な役割を果たしました。この「ダヴィド・オイストラフ・エディション Vol.1」に収められている演奏は、オイストラフが60歳を迎えた時のものでまさに油が乗り切った時の演奏と言ってもよいでしょう。技術面と表現力のバランスが非常に取れた演奏であり、若き日のゲンナジー・ロジェストヴェンスキーのサポートも絶妙です。
1965年にモスクワ放送交響楽団をオーケストラに迎えたシベリウスではスケールの大きな演奏を繰り広げています。

※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Gutman Records
GUTMANCD-172(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 KV415
ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 KV449
ピアノ協奏曲第23番イ長調 KV488
トーマス・ベイエル(P)、カメラータRCO

ライヴ録音:2017年5月31日(アムステルダム、オランダ)
1988年生まれのオランダのピアニスト、トーマス・ベイエルは2019年からヤング・ピアニスト・ファウンデーションの芸術監督を務め、2022年にオランダの教育・文化・科学省からクラシック音楽家に与えられる最高の国家賞「オランダ音楽賞(Nederlandse Muziekprijs)」を受賞しました。今回のモーツァルトのピアノ協奏曲集では、ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで構成されるカメラータRCOと共演です。カメラータRCOは編成をぎりぎりまで絞ったヴァイオリン2人、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネットの総勢7人で臨んでおり、上質な室内楽のような仕上がりになっています。
Gutman Records
GUTMANCD-162(1CD)
二つの月
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 Op.3-8
ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための4つの小品
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
モシュコフスキ:2つのヴァイオリンとピアノのための組曲 ト短調 Op.71
アナベス・ウェブ(Vn)、
ジョアンナ・ウェスターズ(Vn)、
カメラータRCO、他

録音:2015年2月22日-25日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで組織された室内楽団、カメラータRCOと、そのメンバーであるアナベス・ウェブ、ジョアンナ・ウェスターズの二人をソリストに迎えた2つのヴァイオリンのための作品集。長年培われた息の合った演奏を披露しており、カメラータRCOのメンバーにはヴィオラの小熊佐絵子も参加しています。

Forgotten Records
fr-1895(1CDR)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1#
アレクシ・ギャルペリーヌ(Vn)
マニュエル・ロザンタール(指)
パリ国立高等音楽・舞踊学校O*
ジゼル・マニャン(P)#

録音:1970年12月13日* 、1978年4月14日、サル・ロッシーニ#
※初出
Forgotten Records
fr-1905(1CDR)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
フランク:交響的変奏曲
サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」+
ベラ・シキ(P)、ゲザ・アンダ(P)+
ユージン・グーセンス(指)プロ・アルテO
イーゴリ・マルケヴィチ(指)フィルハーモニアO+

録音:1959年、1954年1月8日+
※音源:Pye Records CCT31008、Columbia CX1175他
Forgotten Records
fr-1907(1CDR)
ジャン・マルティノン:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.51*
ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.11-1#
ラヴェル:ツィガーヌ
ヘンリク・シェリング(Vn)
タッソ・ヤノプーロ(P)
ジャン・マルティノン(指)フランス放送PO*

録音:1961年9月8日ブザンソン音楽祭、1962年6月1日*(全て放送用ライヴ)
Forgotten Records
fr-1914(1CDR)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
第1番変ロ長調 K.207/第4番ニ長調 K.218
ヴィリー・ボスコフスキー(Vn,指)
ウィーン・コンツェルトハウス室内O

録音:1955年
※音源:Les Discophiles Français DF85

AAM Records
AAM-43(1CD)

NYCX-10436(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第7番&第10番 他
ピアノ協奏曲 第7番ヘ長調 K.242-2台のピアノと管弦楽のための*
ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章 ニ長調 K. Anh56(315f)- 補筆完成:ロバート・レヴィン**
ピアノ協奏曲 第10番変ホ長調 K.365-2台のピアノと管弦楽のための#
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
ヤ=フェイ・チュアン(フォルテピアノ)*,#
ボヤン・チチッチ(Vn)**
ローレンス・カミングズ(指)
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック
ボヤン・チチッチ(リーダー)

録音:2022年7月5-10日
ロンドン、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会

使用楽器:フォルテピアノ:アウグスブルクのアントン・シュタイン1786年製作をモデルとするベルギーのクリス・マーネの再現楽器。2016年製作及び2021年製作。
ヴァイオリン:ミラノのジョヴァンニ・グランチーノ1703年製作のオリジナル楽器。
長い中断の後、2023年春にレーベルを変えて突如再開したレヴィン&AAMによるモーツァルト:ピアノ協奏曲の全曲録音。第3集は複数楽器のための 協奏曲がテーマで、2台ピアノのための協奏曲2篇に加え、レヴィンが補筆完成した協奏曲楽章を収録しています(K.242は3台ピアノ用の協奏曲をモー ツァルトが2台ピアノ用に編曲したもの)。2台ピアノのための協奏曲ではロバート・レヴィンとヤ=フェイ・チュアンの夫妻が息の合ったダイナミックな演奏を聴かせます。チュアンはブレンデルが高く評価し ており、レヴィンとのデュオでは古典派から現代に至るレパートリーをピリオド楽器とモダン楽器で演奏、録音でもグリーグ、デュティユー、それにレーガーによる ワーグナー作品の編曲などがあります。ここではモーツァルト=レヴィンのスタイルによる音の会話を楽しませてくれます。 ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲楽章は1778年のマンハイム滞在中に協奏曲の第1楽章として構想されたとされるもの。かつてモーツァルト研究 の大家アルフレート・アインシュタインは「これが未完に終わったことはモーツァルトの芸術にとって最大の損失」と語ったそうです。120小節が遺されています が、ファンファーレ風の最初のトゥッティこそ完全にオーケストレーションがなされているものの、ソロ楽器(モーツァルトの自筆譜では「チェンバロとヴァイオリン」。 チェンバロは当時、鍵盤楽器全般の呼称でもありました)の登場後のオーケストラは、第1ヴァイオリンと低音パートしか書かれていません。レヴィンはここでも、 モーツァルトの語法に則った、明るく躍動感のある楽章に仕上げています。 このシリーズは録音も魅力的。デッカ・サウンドの継承者ニール・ハッチンソン(グラミー賞4回受賞)と、歌手でプロ・カンツィオーネ・アンティカの音楽監督も務 めたエイドリアン・ピーコックのコンビは、4/3/2/2/1の弦と管楽器とのアンサンブルが生み出す透明度の高いテクスチャーと、この編成ならではの繊細さとダイ ナミズムを見事にとらえています。 今回も64ページのブックレット(英語のみ)に、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、録音プロデュー サーの回想等を掲載し、充実した内容となっています。ジャケットにはこのシリーズ共通で、AAMの創設者ホグウッドが愛好したパウル・クレーの絵が使われて います。 ※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。

ARCANA
A-555(3CD)
NX-E02
バッハ:作品集
【CD1】
ブランデンブルク協奏曲 第1番ヘ長調 BWV 1046
ブランデンブルク協奏曲 第2番ヘ長調 BWV 1047
ブランデンブルク協奏曲 第3番ト長調 BWV 1048
ブランデンブルク協奏曲 第4番ト長調 BWV1049
【CD2】
ブランデンブルク協奏曲 第5番ニ長調 BWV 1050
ブランデンブルク協奏曲 第6番変ロ長調 BWV1051
序曲(管弦楽組曲)第2番ロ短調 BWV1067
ピッチ:A=398Hz
【CD3】
序曲 ハ長調 BWV119R
序曲(管弦楽組曲)第1番ハ長調 BWV1066
序曲(管弦楽組曲)第3番ニ長調 BWV1068
序曲 変ロ長調 BWV194R
序曲(管弦楽組曲)第4番ニ長調 BWV1069
ピッチ:A=415Hz
ゼフィーロ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)
アルフレード・ベルナルディーニ(指)
「独奏」
ガブリエーレ・カッソーネ(Tp)
ディレーノ・バルディン、フランチェスコ・メウッチ(Hrn)
ドロテー・オーバーリンガー、ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)
マルチェロ・ガッティ(フラウト・トラヴェルソ)
アルフレード・ベルナルディーニ、パオロ・グラッツィ、
エミリアーノ・ルドルフィ(Ob)
アルベルト・グラッツィ(Fg)
チェチーリア・ベルナルディーニ(ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴァイオリン)
フランチェスコ・コルティ(Cemb)

録音:2017年9月27日-10月5日リストーリ歌劇場、ヴェローナ[CD 1-2]
2015年11月6-9日 マーラー・ホール(エウレジオ文化センター)、ドッビアーコ[CD 3]
1989年、古楽器演奏の先進国オランダや英国で研鑽を積んだ気鋭イタリア人奏者たちが故郷で結成した古楽器アンサンブルのゼフィーロ は、徐々にさまざまな名手と信頼関係を重ね、やがてゼフィーロ・バロック・オーケストラ名義で大規模な作品の演奏にも乗り出し、丁寧な作 品解釈と地中海的パッションを宿した演奏の瑞々しさで世界中から喝采を浴びてきました。21世紀に同国のレーベルとして再出発した ARCANAでも広範なレパートリーの録音を続け、バロック秘曲群のみならず王道レパートリーでも群を抜く解釈で話題を呼んでいます。今 回は2017〜18年に相次いでリリースされ、古楽器の味わいを活かしながら安定感を失わず鮮烈な演奏に仕上げたことで注目されたバッハ の傑作管弦楽作品群が待望のBOX化!フランス宮廷音楽の流儀を意識した低いピッチが独特の味わいをもたらす『ブランデンブルク協奏 曲集』、ゼフィーロならではの緊密なアンサンブルを活かしつつもダイナミックな音響対比が痛快な管弦楽組曲群や教会カンタータから復元さ れた序曲楽章、いずれも作品像をみずみずしく問い直す名演の連続です。リコーダーのオーバーリンガーやカヴァサンティ、チェンバロのコル ティ、トランペットのカッソーネなど圧巻のテクニックで存在感を発揮するソリストたちにもはっとさせられること必至。古楽器演奏世界の進展と 深まりを強く実感できるバッハ解釈と言ってよいでしょう。

ANALEKTA
AN-29026(1CD)
モーツァルト(1756-1791):ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466(カデンツァ…シャルル・リシャール=アムラン)
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488(カデンツァ…モーツァルト)
アダージョとフーガ ハ短調 K.546
シャルル・リシャール=アムラン(P)
レ・ヴィオロン・デュ・ロワ
ジョナサン・コーエン(指)

録音:2022年10月31日-11月2日ラウル・ジョバン・ホール、パレ・モンカルム、ケベック
シャルル・リシャール=アムランとジョナサン・コーエン率いるケベックの室内Oレ・ヴィオロン・デュ・ロ ワとのモーツァルトの協奏曲。2020年にリリースされた第22番、第24番に続く第2弾が登場です。第 20番冒頭の管弦楽から気合十分で、バロック・オペラを得意とするコーエンの面目躍如といったところ。リ シャール=アムランはここにすっと入ったかと思うと、豊かなフレーズ感で音楽をごく自然にリードしていきま す。第20番のカデンツァは自作で、第1楽章では二重フーガ風に始まり劇的な展開を聴かせ、第3楽 章では色彩感豊かに鮮やかな技巧を散りばめ、その多才ぶりを発揮しています。

ONDINE
ODE-1423(1CD)
NX-B07

NYCX-10424(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番 イ短調
ドヴォルザーク:森の静けさ Op. 68No.5
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ターニャ・テツラフ(Vc)
ベルリン・ドイツSO
パーヴォ・ヤルヴィ(指)

録音:2022年12月21-23日
このアルバムはラルス・フォークト(1970-2022)と共演を重ねてきたクリスティアン・テツラフとターニャ・テツラフが、フォークトとの友情を記念すべく企画したも の。フォークトが敬愛していたブラームスと、彼を取り巻く友情をヒントに組まれたプログラムです。 ブラームスの「二重協奏曲」は彼の最後の管弦楽作品であり、ブラームスが"8本の弦のために書いた"というこの曲は、一度は友情が途切れてしまった彼の 親友ヨーゼフ・ヨアヒムとの和解のきっかけを作った作品でもあったことから、ラルスとの不変の友情を記念して今回の録音曲に決定したというもの。テツラフ兄 妹による親密な対話が聴きどころです。2曲目は、そのブラームスが高く評価していたというヴィオッティのヴァイオリン協奏曲。ブラームスはヨアヒムが演奏するこのイ短調協奏曲に心を奪われ、クララ・ シューマンに熱狂的な手紙を書き送り、二重協奏曲の中にも旋律を引用しており、テツラフはやはり友情の証としてこの曲を演奏したといいます。 最後の「森の静けさ」はターニャからの友情の証。ドヴォルザークとブラームスの友情に加え、この曲を「チェロのための最も素晴らしく美しい小さな宝石」と語る ターニャが、自らの悲しみ、喪失感と愛を表現するのにふさわしい曲として選んだということです。ベルリン・ドイツSOを指揮するのは、ラルス・フォークト の親友でもあったパーヴォ・ヤルヴィ。万全の演奏でテツラフ兄妹を支えています。
※国内仕様盤には、フレデリーケ・ヴェスターハウスによるテツラフ兄妹へのインタビューの日本語訳が付属いたします。

GENUIN
GEN-23809(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(室内アンサンブル版)&第2番(室内アンサンブル版)
ベートーヴェン:ピアノと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 WoO6(室内アンサンブル版)
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19(室内アンサンブル版)
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルク(P、(指)編)、
ミュンヘン室内オペラO

録音:2023年4月12日-15日
ハンス・フォン・ビューロー国際ピアノ・コンクール第1位、ウィーン国際ベートーヴェン・ピアノ・コンクール第1位の受賞歴を持つ多才なピアニスト、アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルクによるベートーヴェンのピアノ協奏曲の室内アンサンブル版!C'Avi Musicからリリースした前作(8553529)でもベートーヴェンの交響曲第7番のリスト編曲版を披露するなど並々ならぬベートーヴェンへの想いを表現してきたブレッテンベルク。今作では全作ブレッテンベルク自身の編曲で挑むという力の入れようです。オーケストラの輝きを失うことなく、ベートーヴェンの若き日の作品を透明感のある音楽で表現しています。

Gutman Records
GUTMANCD-152(1CD)
モーツァルト&メンデルスゾーン:協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
メンデルスゾーン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲 ニ短調
ウェイイン・チェン(P)、
マルク・ダニエル・ファン・ビーメン(Vn)、
カメラータRCO

録音:2015年3月16日-18日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
台湾系アメリカ人ピアニスト、ウェイイン・チェンがロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで組織されるアンサンブル、カメラータRCOとの共演でモーツァルトとメンデルスゾーンの作品を披露。メンデルスゾーンではカメラータRCOのリーダーであるマルク・ダニエル・ファン・ビーメンと共演します。彼女の音楽の核心に迫る洞察力の高さは師であるレオン・フライシャーも賛辞を惜しみません。

MDG
MDG-10222942(4CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲、管弦楽組曲、ほか(レーガー編)): ピアノ連弾版)
■CD1(47’54)
ブランデンブルク協奏曲
・第1番ヘ長調 BWV1046
・第2番ヘ長調 BWV1047
・第3番ト長調 BWV1048
■CD2(56’42)
ブランデンブルク協奏曲
・第4番ト長調 BWV1049
・第5番ニ長調 BWV1050
・第6番変ロ長調 BWV1051
■CD3(73’27)
・パッサカリア ハ短調 BWV582
管弦楽組曲
・第1番ハ長調 BWV1066
・第2番ロ短調 BWV1067
■CD4(74’46)
トッカータとフーガ ニ短調BWV565
管弦楽組曲
・第3番ニ長調 BWVB1068
・第4番ニ長調 BWV1069
・前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552
トレンクナー&シュパイデ ル・ピアノ・デュオ【エフェリン デ・トレンクナー(P)、ゾントラウト・シュパイデル(P)】

録音:1995年6月(CD1&2),2000年3月27-29日(CD3&4),Furstliche Reitbahn Bad Arolsen
MDGレーベルの"貴重な"録音を再リリースする「プレツィオーザ」シリーズ。今回はMDGレーベルを代表するアーティストである、ドイツのベテラン・ピアノ・デュ オ、トレンクナー&シュパイデルによるレーガー編曲によるバッハのブランデンブルク協奏曲と管弦楽組曲の全曲が4枚組セットとなって登場します。トレンクナー& シュパイデルは、これまで、『パシフィック231』『シェエラザード』『ボレロ』『ペール・ギュント』などのほか、マーラー編曲によるブルックナーの交響曲第3番、 ワルター編曲のマーラーの『巨人』『復活』といった作品を録音してきた実績があります。中でも『ブランデンブルク協奏曲』と『管弦楽組曲』の演奏で話題とな りました。ピアノ連弾版の編曲を行なったレーガーは、バッハを大変尊敬し、彼の作品を熱心に研究し、ブランデンブルク協奏曲、管弦楽組曲やオルガン 作品などの作品の編曲を行いました。レーガーの編曲は非常に理論的で、バッハの錯綜する声部をあますことなく4手に振り分けられているため、難易度が高く演 奏機会は多くはありませんでした。本作は、多彩な楽器編成からなる各曲をピアノ一台で聴くことができ、レーガーによる名人技の編曲が原曲の旋律や書法の見事 さを際立たせ、見事なピアノ・デュオの演奏とともに楽しむことができます。 (Ki)

SWR music
SWR-19140CD(1CD)
NX-B06
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op. 16
シューベルト:幻想曲「さすらい人」 Op.15D760*
オレグ・マイセンベルク(P)
バーデン=バーデン・フライブルクSWR響
アダム・フィッシャー(指)

録音:2004年5月8日 ウィーン、コンツェルトハウス、大ホール(オーストリア)、1990年3月6日 Sparkassensaal Lorrach(ドイツ)*
オレグ・マイセンベルクは、ソ連時代の1945年にオデッサ(現ウクライナのオデーサ)に生まれ、モスクワのグ ネーシン音楽学校で学びました。1967年ウィーンで開催された国際シューベルト・コンクールで第2位、同 年同地で行われた「20世紀の音楽」コンクールに優勝。ソ連国内で活躍した後、1981年にウィーンに移住 しました。それ以降はソリストのみならず、特に室内楽や歌曲のピアニストとして一流演奏家たちの信頼を得 て活躍しました。そのためか、マイセンベルクにはソロの録音が非常に少なく、 シューベルトの「さすらい人幻 想曲」には1982年のORFEO盤があるものの、グリーグのピアノ協奏曲は正規盤初出レパートリーとなりま す。また21世紀に入ってからの録音も非常に少ないので、この2004年のグリーグはその点でも貴重。ソリス トとしてのマイセンベルクの芸術を伝える重要なリリースです。

CPO
CPO-555467(1CD)
NX-B10
カール・シュターミッツ(1745-1801):協奏交響曲集
協奏交響曲第9番ハ長調
協奏交響曲第12番変ロ長調
協奏交響曲 ニ長調 Op.2-2
ハンス=ペーター・ホフマン(Vn)
ロベルト・コルン(Vn)
クリストフ・エーベルル(Vc)
ポール・メイエ(Cl)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O
ポール・メイエ(指)

録音:2021年2月18-20日
18世紀ドイツ、プファルツ選帝侯カール4世フィリップ・テオドールの宮廷楽団で活躍した作曲家たちによる"マンハ イム楽派"。この中心人物の一人であったカール・シュターミッツ(マンハイム楽派の創始者とされるヨハンの息子)は 多数の交響曲や協奏曲を残しましたが、バロックの合奏協奏曲に倣った「協奏交響曲」も40曲近く残していま す。これらは少なくとも2人のソリストがオーケストラと対峙するのが特徴で、トゥッティ(総奏)とソロのセクションが並 置されているものの、通常の協奏曲よりはトゥッティの部分が大きな割合を占めています。カール・シュターミッツの 作品はたいてい3楽章で構成されており、ヴァイオリンとチェロが独奏を務めるものが多いのですが、中には7つの楽 器をソロとしている曲もあります。これらのほとんどは1770年代にパリで書かれ、印刷されました。前2作のクラリ ネット協奏曲集(555053、555415)に引き続き、ポール・メイエが2019/20シーズンより首席指揮者を務める マンハイム・プファルツ選帝候室内Oとともに他の独奏者を交え伸びやかな演奏を聴かせます。また協奏 曲第9番では第2楽章のヴァイオリン・ソロ・パートを代替え可能とされているクラリネットで演奏。名技を披露して います。

N-crafts Sound
NC-0002(1CD)
税込定価
Sixties Dialogue
E. ボザ(1905-1991):2本のトランペットの為の「DIALOGUE」
W. ペリー(1930-):トランペットとオーケストラの為の協奏曲
J. ホロヴィッツ(1926-2022):コンチェルティーノ・クラシコ
ヒンデミット:トランペットとピアノの為のソナタ Op.137
E. モラレス(1966-):2本のトランペットの為の協奏曲
井川明彦(Tp).
栃本浩規(Tp).
下田望(P)
大倉里美(パーカッション).
小林雅文(パーカッション).
小林奏人(パーカッション).
柳原正人(パーカッション).

録音:2023年5月3-4日 飛騨芸術堂
60歳のオジサンが魂を込めて作ったCDです。指もうまくまわってないし、舌 も追い付いていないかもしれない。音程もどうか ... 。でも、若い人たちに は「お前らも60歳で吹けるかー ?!」って投げかけたいです。(栃本) 同世代には「60歳でCD出したぞ、あいつら」ってね。自分たちには同世代 が沢山いて、いつも彼らからいい刺激をもらっていたから、今度はこちらから も刺激を送りたいです。(井川)

CPO
CPO-555523(1CD)
NX-B10
ヴァイオリンと室内管弦楽の為の作品集
シモン・ラクス(1901-1983):詩曲- ヴァイオリンと室内Oの為の(E. ノヴィツカ編)
 弦楽の為の交響曲
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):3つの小品 - ヴァイオリンと室内Oの為の(E. ノヴィツカ編)
エヴェリナ・ノヴィツカ(1982-):カディッシュ1944- ヴァイオリンと室内Oの為の
エヴェリナ・ノヴィツカ(Vn)
ポーランド放送アマデウス室内O
アニエスカ・ドゥチマル(指)
アンナ・ドゥチマル=ムローズ(指)
録音:2012年2月8日、2013年1月18日
シモン・ラクスはフランスで活動したポーランドの作曲家。地元で学びパリに留学、タンスマンと親交を結びました。 1942年にナチス・ドイツによりアウシュヴィッツに送られるも、奇跡的に生き延びパリに帰還。その後も作曲活動を 続け、1967年頃からは作家に転身しました。一方ヴァインベルクは同じくポーランド出身、ロシアで活動しショスタ コーヴィチと親交を結びました。やはり戦争によって苦難の人生を送ったことで知られています。 このアルバムの演奏者エヴェリナ・ノヴィツカも、自身の大叔母が戦争中に辛い経験をしたことを知り、2人の作曲 家に強い親近感を抱くとともに、自身の芸術活動を2人の作品に捧げたいと思うようになったと語ります。 彼女の「カディッシュ1944」は1944年8月に解体されたウッチ・ゲットーの犠牲者たちに捧げる詩篇曲であり、ラ クスの「詩曲」はノヴィツカによるヴァイオリンと室内管弦楽の為の編曲。イザイの伝統を継承するヴァイオリンの技 巧が際立つ作品です。ヴァインベルクの「3つの小品」は16歳の時の作品で、こちらもノヴィツカが編曲を行ってい ます。

Channel Classics
CCSBOX-7723(3CD)
NX-E02
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲(全4曲)
パガニーニの主題による狂詩曲
前奏曲 嬰へ短調 Op.23-1
前奏曲 嬰ト短調 Op.32-12
前奏曲 ト長調 Op.32-5
前奏曲 変ロ?調 Op.23-2
交響曲 ニ短調 「ユース・シンフォニー」
アンナ・フェドロヴァ(P)
ザンクト・ガレンSO
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2019年11月、2021年11月、2022年11月トーンハレ・シアター、ザンクト・ガレン、スイス
ウクライナのキーウ出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍し数度の来日 公演でも素晴らしい演奏を聴かせているアンナ・フェドロヴァ。彼女が完成させたラフマニノフのピアノ協奏曲全集がBOXで登場します。フェド ロヴァのラフマニノフといえば、YouTubeにアップされている2013年9月アムステルダム・コンセルトヘボウでの協奏曲第2番のライヴ映像が、 10年間で4000万回近く再生されているというから驚きです。今回の一連の録音では比較的ゆったりとしたテンポを取っており、表情をダイナ ミックに付けていくピアノと大きくうねるようなオーケストラとの絡みが、作品の持つ叙情性と力強さを十二分に引き出しています。2023年現 在、ロシアの侵攻による母国の現状に深く心を痛めるフェドロヴァは「今は多くの人がロシア音楽の演奏を控えようとしていますが、ラフマニノフ を演奏することは私にとって重要なのです。それはその音楽が美しさと力強さ、感動に満ちたものであるとともに、彼自身がロシアという国家に 圧力を受けた被害者であったからです」と語ります。セット化にあたり組替えが行われており、第1番からパガニーニ狂詩曲までが作曲順に収 められているのも嬉しいところ。組み合わせて収録されていた前奏曲と「ユース・シンフォニー」も収録されておりますが、第3番と一緒に収録さ れていたシルヴェストロフの「使者」は、今回収録されておりません。

Willowhayne Records
WHR-068(1CD)
ホルン協奏曲集
アーノルド:ホルン協奏曲第2番Op.58
クリストフ・シェーンベルガー(1961-):ホルン協奏曲 ヘ長調 …世界初録音
ルース・ギップス(1921-1999):ホルン協奏曲 Op.58
ベン・ゴルトシャイダー(Hrn)
フィルハーモニアO
リー・レイノルズ(指)

録音:2021年3-5月 ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン
ブーレーズ・アンサンブルのメンバーで、ウエスト=イースタン・ディヴァンOの首席ホルン 奏者、ベン・ゴルトシャイダーによるWillowhayneレーベルからの2枚目のアルバム。1921年に生まれた 2人の作曲家、当時の前衛的実験的な音楽の流れに背を向けて旋律的な作品を書き続けたアーノル ドとギップス、そして同様の流れを汲む新古典派的作風のシェーンベルガーによる協奏曲を収録していま す。高く安定した技術と滑らかによく歌う表現力が素晴らしく、それぞれの作品の魅力を十二分に引き 出しています。

Glossa
GCD-924702(1CD)
ヒンメルスブルク〜バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
ヴァイオリン協奏曲ニ短調 BWV.1052R〔復元版〕
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
ヴァイオリン協奏曲ト短調 BWV.1056R〔復元版〕
リナ・トゥール・ボネ(バロック・Vn、指)
ムジカ・アルケミカ

録音:2022年11月15日-17日、ヴィラセカ音楽院(スペイン)
同世代でもっともエキサイティングなヴァイオリニストの一人と評されるスペインのバロック・ヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネと、彼女が結成したバロック・アンサンブル「ムジカ・アルケミカ」! スペインの古楽レーベルGlossaからリリースされる第2弾は、大バッハが残したヴァイオリン協奏曲集。
ビーバーの大作「ロザリオのソナタ集」の全曲録音でも批評家や聴衆から高い評価を得、2018年の来日公演を含むヨーロッパ各地でも全曲演奏を行ってきたスペシャリストであるリナ・トゥール・ボネ。本アルバムでは、バッハが残した協奏曲のうち、ヴィヴァルディから影響を受けたとされるオリジナルの2つの協奏曲(BWV1041、1042)と、チェンバロ協奏曲としても知られる2曲をカップリングしています。古楽から現代まで400年にわたる幅広いレパートリーを誇り、常に各時代の適切な楽器を使用して演奏に臨むボネが挑む、大バッハが残した偉大なるヴァイオリン芸術に注目ください。

Challenge Classics
CC-72945(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 第1集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
モーツァルト(ラツィック編):「ロンド・コンチェルタンテ」-アレグレット・グラツィオーソ(P・ソナタ第13番 変ロ長調 K.333/315c 第3楽章からの編曲/世界初録音)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
デヤン・ラツィック(P)
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(指)
ベルゲンPO

録音:2022年2月14-17日/ノルウェー、ベルゲン、グリーグホール
ピアニスト・作曲家として活躍する才気あふれる音楽家、ラツィックによるモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ第1弾。シリーズ全3枚で6曲の協奏曲を収 録予定です。異なる創作時期・編成・スタイルを並置させることでモーツァルトのゆたかな秘儀をあらわにし、またカデンツァやアインガングをラツィック作で統 一することで各曲を密接に結び付けていく、というコンセプトが掲げられています。
ラツィックは現代ピアノで演奏するにあたって、発音・フレージング・アーティキュレーションなどあらゆる事象を注意深く検討・調整し、オーケストラとのバ ランスも徹底的に吟味しました。和声進行のグラデーションに即したテンポ変化、軽やかにして理路整然とした物言い、知的な奔放さといった頭脳派ならではの 見事な解釈が結晶化しています。フリエンドのバックも機敏な反応を見せ、ピアノと共に動きのある音楽を作っていくさまが大いに刺激的。こまかい作り込みな がら響きは小型にならず、たっぷりとモーツァルトの音楽を鳴らしているのも好印象。23番アダージョの深淵とフィナーレの嬉々とした輝きは当ディスクのハイ ライトと言えます。
ソナタ(K.333/315c)からのラツィック編曲版は「独奏ピアノ、オーボエ2、ホルン2、ファゴット、弦五部」という完全な協奏曲編成。もともとこのロ ンドはモーツァルト自身がカデンツァを書き込んでいる珍しい楽章で協奏曲に親和性があるため、面白い試みです。ここからさらにラツィックが手を加えた「ピア ノ四重奏版」は既に録音があるものの、この管弦楽伴奏版は初録音。カデンツァはモーツァルトの書いた通りに弾かれますがピアノ・パート全体は原曲そのまま ではなく、オーケストラにも旋律が託されます。ハ短調で提示されるテーマにはオーボエがあてがわれたりと管楽器の用法もじつに多彩で本当のモーツァルトの 協奏曲のよう。ラツィックの高い作曲センスにうたれます。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72972(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番『皇帝』 Op.73
※カデンツァ:すべてベートーヴェン作
ハンネス・ミンナール(P)
ヤン・ヴィレム・デ ・フリエンド(指)
ネザーランドSO

録音:[CD1]2015年2月2-4日、[CD2]2016年9月23・27日、[CD3]2014年5月26-28日/オランダ、エンスヘデ、音楽センター
CHALLENGE CLASSICSのベストセラー、ミンナールとフリエンドのベートーヴェンがお求めやすい価格で再発売。当レーベルから多数の録音を発表してい るピアニスト、ミンナールのあざやかな快演が堪能できるセットです。神経の行き届いたタッチと落ち着き払ったテンポ感、そして明るく澄みきった音色が実に好印 象。フリエンドのバックも申し分なく、目の覚めるような素晴らしいベートーヴェンがお聴き頂けます。 (Ki)

C Major
76-4908(DVD)

76-5004(Bluray)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466*
 交響曲第40番ト短調K.550
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54*
シルヴェストロフ:『使者』(Pと弦楽の為の)*
エレーヌ・グリモー(P)*
カメラータ・ザルツブルク
ジョヴァンニ ・グッツォ(コンサートマスター)

収録:2022年3月、エルプフィルハーモニー・ハンブルク(ライヴ)
◆DVD
画面:NTSC16:9
音声:PCMステレオ、DTS5.1
リージョン:All
DVD9、104分
◆Bluray
画面:1080i16:9FullHD
音声:PCMステレオ、DTS-HD
MA5.1
リージョン:All
BD50、104分
グリモーが今回選んだ作品はモーツァルト、シューマンともに短調の協奏曲で、二人の作曲家として最も創造的な時期に作曲されたもの。グリモーは選曲理由を 「モーツァルトの短調の作品は少ないですが、彼の有名作を取り囲む陽気さに潜む裏側の顔を垣間見ることができる」と述べています。 モーツァルトのピアノ協奏曲第20番は彼のピアノ協奏曲の中で最も有名な曲のひとつで、モーツァルトが初めて作曲した短調の楽曲でもあります。親しみやすい 旋律、充実した音楽、そしてグリモーが言うようにモーツァルトの人間味を感じる作品です。グリモーの軽やかで繊細ありながら、揺るぎない芯のあるタッチでしっ かり聴かせます。またカメラータ・ザルツブルクの伴奏も柔らかく小気味良い演奏で、推進力のある演奏。 シューマンが唯一完成させたピアノ協奏曲は、妻クララによって初演されています。冒頭のドラマティックなピアノ、哀愁を帯びたオーボエが主題を奏で、それをピ アノが引き継ぐ。何度聴いても魅力的な作品です。グリモーのシューマンの協奏曲は、ベルリン・ドイツSO&ジンマン指揮(1995年録音)、シュターツカペ レ・ドレスデン&サロネン指揮(2005年録音)がありますが、いずれもロマンティシズム溢れる名演。グリモーの清新かつ情感溢れる美しい演奏とカメラータ・ザ ルツブルクとの絶妙な絡みも聴かせどころです。 アンコールに演奏したのは、グリモーが近年力を入れているウクライナの偉大な現役作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフの『使者』。ピアノと弦楽の為の作 品で、シルヴェストロフの亡くなった妻のラリッサ・ボンダレンコに捧げられています。

ALTO
ALC-1480(1CD)
レスピーギ:ヴァイオリン協奏曲集&組曲
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「グレゴリオ風協奏曲」
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「古風な協奏曲」
ヴァイオリンと管弦楽の為の 「秋の詩」
アンドレア・カッペレッティ(Vn)、
マティアス・バーメルト(指)、
フィルハーモニアO、
イゴール・グルップマン(Vn)*、
ドナルド・バッラ(指)*、
サン・ディエゴ室内O*

録音:1993年
レスピーギの古楽研究が発揮された『グレゴリオ風協奏曲』と『古風な協奏曲』を、ナポリ音楽院を当時史上最年少の首席でディプロマ取得したというスイス出身のヴァイオリニスト、アンドレア・カッペレッティが弾いたレスピーギのヴァイオリン協奏曲の名盤の1つ(しかもオケはバーメルト指揮のフィルハーモニア管!)に、ウクライナのヴァイオリニストイゴール・グルップマンによる『秋の詩』もカップリングして復刻。

NORTHERN FLOWERS
NFPM-A99151(1CD)
ホルンの為のロシア音楽〜協奏曲&四重奏曲集
グリエール:ホルン協奏曲変ロ長調 Op.91、
 ホルンとピアノの為の4つの小品
グラズノフ:夢 Op.24、
 セレナーデ Op.11-2、牧歌
シェバリーン(1902-1963):ホルンと管弦楽の為のコンチェルティーノ Op.14-2
ニコライ・ニコラエヴィチ・チェレプニン:6つのホルン四重奏曲 ヘ長調
マリー=ルイーズ・ノイネッカー(Hrn)、
バンベルクSO、
ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト(指)、
ザルツブルク・モーツァルテウム・ホルン・アンサンブル、
パウル・リヴィニウス(P)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチが優勝した1983年のARDミュンヘン国際音楽コンクールで第2位に入賞し、バンベルクSOとフランクフルトRSOで首席ホルン奏者を務めたドイツの名ホルン奏者、マリー=ルイーズ・ノイネッカーによるロシア音楽アルバムが復刻。その魅力が喧伝されてこなかったためにこれまであまり知られていなかった隠れた名録音です。Koch internationalより1994年にリリースされていた音源。

MUSICAL CONCEPTS
MC-3111(1CDR)
女性作曲家による管弦楽作品集
ファニー・メンデルスゾーン:序曲
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.7
タイユフェール:ハープ・コンチェルティーノ
リリ・ブーランジェ:哀しみの夜に、春の朝に
ジョアン・ファレッタ(指)、
ウィメンズPO、
アンジェラ・チェン(P)、
ジリアン・ベネット(Hp)
グラモフォン誌の「過去と現在の偉大な指揮者50人」のひとりに選ばれ、グラミー賞も受賞している指揮者ジョアン・ファレッタが、ウィメンズPOを率いて贈る女性作曲家の管弦楽作品集。彼女の指揮は「トスカニーニのアンサンブルに対する厳格なコントロール、ワルターの内声部の愛情に満ちたバランス、ストコフスキの度肝を抜くショーマンシップ、そしてバーンスタインのように統制のとれた熱狂を持ち合わせている」と称賛されています。聴く機会の少ないファニー・メンデルスゾーンの序曲や、室内楽曲として聴くことが多いリリ・ブーランジェ作品のオーケストラ版に注目です。

PARNASSUS
PACD-96089(1CD)
エマヌエル・フォイアマン・イン・コンサート
(1)ドヴォルザーク:森の静けさOp.68、
 ロンド ト短調 Op.94
ブロッホ:ヘブライ狂詩曲 「シェロモ」 B.39
(2)ダルベール:チェロ協奏曲ハ長調 Op.20
(3)ヨーゼフ・ライヒャ(レイハ):チェロ協奏曲イ長調 Op.4-1
エマヌエル・フォイアマン(Vc)、
レオン・バージン(指)、
ナショナル・オーケストラル・アソシエーション

(1)録音:1941年11月10日
(2)録音:1940年4月22日
(3)録音:1940年1月27日
カザルスとともに20世紀前半を代表する名手の一人、エマヌエル・フォイアマンの貴重録音が新リマスターで登場!
フォイアマンはドヴォルザークのチェロ協奏曲の名盤も遺していますが、今回は敢えてライヒャとダルベールというレア・レパートリーが選ばれているところも注目でしょう。

Goodies
78CDR-3919(1CDR)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61 イゾルデ・メンゲス(Vn)
サー・ランドン・ロナルド(指)
ロイヤル・アルバート・ホールO

英HMV D767/71
1923年9月4、7&21日ロンドン録音
※復刻に使用したSP盤のキズによるノイズがあります。
イゾルデ・メンゲス(1892-1976)は20世紀前半に活躍した英国の女流ヴァイオリ ン奏者。1917年17歳で名ヴァイオリン教授レオポルド・アウアー(1845-1930)に 師事するためにロシアのザンクトペテルブルグに向かった。アウアーの元には 3年間逗留し教授の最もお気に入りの弟子だった。1913年、20歳でロンドンにデ ビューした。その時のプログラムはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、 ラロのスペイン交響曲に加えて、ベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン 協奏曲の縮小版だった。1916年から1919年には北米公演を行いアメリカのメジャ ー・オーケストラのほとんどと共演し名声を高めた。メンゲスはこのシリーズ でバッハ:「シャコンヌ」(78CDR-3020)、ブラームス:ヴァイオリン・ソナ タ第3番(78CDR-3497)、ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番(78CDR-3497)、 シューベルト:ソナチネ第3番(78CDR-3206)が出ています。指揮者のランドン・ロ ナルド(1873-1938)はロンドン生まれ。LSO、ロンドン新SO (ロイヤル・アルバート・ホールO)、スコティッシュ・ナショナル管弦 楽団の首席指揮者を歴任。機械式録音時代からレコード録音が多数あった。(グッディーズ)

オクタヴィア
OVCL-00828(1SACD)
税込定価
2023年9月27日発売
スメタナ:交響詩「モルダウ」
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 B.191
 歌劇《ルサルカ》より「月に寄せる歌」
笹沼樹(チェロ)
ダニエル・ライスキン(指揮)
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団

録音:2023年6月25日 東京・サントリーホール・ライヴ
ソリスト、室内楽奏者、東京交響楽団 の客演首席奏者として、国内外にて広 く活動を展開している新進気鋭のチェ リスト笹沼樹によるEXTON第1弾です。 当盤は23年7月6日、サントリーホール で行われたスロヴァキア・フィル来日 公演のライヴ・レコーディング。チェ ロ協奏曲ほか、スメタナの名作「わが 祖国」よりヴルタヴァ(モルダウ)、 笹沼とスロヴァキア・フィルによるア ンコールをカップリングし、チェコの 音楽を存分にお楽しみいただける1枚と なりました。日本人離れした情熱迸る 演奏で、聴く者を魅了する笹沼のチェ ロをはじめ、ライヴならではの気迫溢 れる演奏をご堪能ください。(オクタヴィア)

Evil Penguin Records
EPRC-0055(1CD)
サンバ=バッハ
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
ヴィラ=ロボス:Villa Cantilena & Melodia Sentimental
アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994):Desafinado / Garota de Ipanema
同:Samba de uma Nota So
マルコス・ヴァーリ(1943-):Samba de Verao
ノエル・ホーザ(1910-1937):Gago Apaixonado
アリ・バホーゾ(1903-1964):Aquarela do Brasil
アシス・ヴァレンテ(1911-1958):Brasil Pandeiro
ヴァルジール・アゼヴェード(1923-1980)/ジャコー・ド・バンドリン(1918-1969):Brasileirinho / Assanhado
ゼキーニャ・ジ・アブレウ(1880-1935):Tico-tico no Fuba
ジョルジ・ベンジョール(1939-):Mas que nada
ピシンギーニャ(1897-1973)&ベネヂート・ラセルダ(1903-1958):Um a zero
リナス・ロス(Vn )
オルケストラ・ヨハン・セバスティアン・リオ

録音:2023年3月24・25・27・28日リオデジャネイロ、セシリア・メイレレス・ホール
ドイツのヴァイオリニスト、リナス・ロスとブラジルのオーケストラによるユニークなプロジェクト。バッハのヴァイオリン協奏曲に始まり、『ブラジル風バッハ』 でもおなじみのヴィラ=ロボスを経て、有名なサンバのメロディをヴァイオリン独奏、弦楽合奏、チェンバロ、ギター、パーカッションの為のアレンジで演奏。ドイツ の作曲家・ブラジルの作曲家・ブラジルの民族音楽と移り変わっていく音の景色をお楽しみください。 (Ki)

Chandos
CHAN-20246(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.8
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」序曲
歌劇「魔笛」序曲
歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲
ピアノ協奏曲第26番KV537「戴冠式」*
ピアノ協奏曲第27番 KV595*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2022年9月24日-26日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN-10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第8弾となる本アルバムでは、ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」とピアノ協奏曲第27番が収録されました。「戴冠式」は左手のパートの大部分が作曲者自身によっては書き込まれておらず、出版時に別の人物によって補完されています。今回の録音のためにジャン=エフラム・バヴゼは独自のバージョンを作り演奏しています。

CEDILLE
CDR-90000221(1CD)
NX-B04
リカルド・カストロ/マヌエル・ポンセ:ピアノ協奏曲
リカルド・カストロ(1864-1907):ピアノ協奏曲 Op. 22
 子守歌 Op.36-1/愛の歌
 嘆き Op.38-2
ポンセ:ピアノ協奏曲第1番「ロマンティコ」
 メキシコの子守唄「ラ・ランチェリータ」
 ガヴォット
 愛のロマンス/間奏曲
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(P)
ミネリアSO
カルロス・ミゲル・プリエト(指)

録音:2022年8月1、8日
19世紀末のメキシコにおけるクラシック音楽の発展に寄与した2人の作曲家、カストロとポンセのピアノ協奏曲を中心に収録したアルバム。 カストロはメキシコシティの国立音楽院でピアノと和声、作曲を学び、1883年5月にはベネズエラで開かれたシモン・ボリバル生誕百年祭に彼の作品 が送られるなど高い評価を受けるとともに、ピアニストとして活躍。1900年には音楽院の作曲家教授に就任し、後進の指導にも力を尽くしました。彼 のピアノ協奏曲は、メキシコ人作曲家として初めてのもので、華麗なピアノ・パートと、それを支える壮大なオーケストラの響きが魅力的です。 ポンセはカストロの次世代を代表する作曲家の一人。10代でサンディエゴ教会のオルガニストを務めた後、イタリアとドイツに留学、帰国後はカストロ の後任としてメキシコ国立音楽院のピアノ科教授に就任するなど活躍します。後年、アンドレス・セゴビアと交流し、数多くのギター曲を書いたことでも 知られています。このピアノ協奏曲は「ロマンティコ」のタイトル通り、リスト作品を思わせる妙技と美しさを兼ね備えています。 メキシコ生まれのホルヘ・フェデリコ・オソリオが自国の偉大な作曲家への共感を込めた熱い演奏を披露しています。
CEDILLE
CDR-90000223(1CD)
NX-B04
ショスタコーヴィチ/メニーアン:ヴァイオリン協奏曲集
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
アール・メニーアン(1976-):ヴァイオリンと管弦楽の為の協奏曲
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ティート・ムニョス(指)

録音:2022年1月7-8日
シカゴ生まれのレイチェル・バートン・パインの新作は挑発的な内容に注目です。ライプツィヒのバッハ・コンクー ルに優勝し、シゲティやクライスラー・コンクールにも入賞してキャリアを築いてきたパインですが、10代でヘヴィ メタルに目覚めたという一面も持っており、ヘヴメタ・スピリットに通じる闘争や反抗の精神の感じられる2曲を カップリングしました。メニーアンはヴァイオリニスト、アレンジャーとしても活躍する作曲家。メタル、ハードコア、 クラシックの要素を融合した彼の音楽は、メタリカのベーシスト、ロバート・トゥルヒーヨも称賛しています。アル バム・タイトルの「Dependent Arising」は仏教用語の「縁起」の英訳です。

SUPRAPHON
SU-4331(1CD)
ヤン・ノヴァーク(1921-1984):作品集
(1)4手ピアノと弦楽オーケストラのための「Concentus biiugis」(1977)【改訂版】
(2)フルート、弦楽オーケストラ、ハープとチェレスタのための「Choreae vernales」(1980)
(3)2台のピアノとオーケストラのための協奏曲(1955)
(1)(3)ドラ・ノヴァク=ウィルミントン(P)、
(1)(3)カレル・コシャーレク(P)
(2)クララ・ノヴァーコヴァーー(Fl)
プラハRSO、
トマーシュ・ネトピル(指)

録音:(1)(3)2022年3月7〜12日、(2)2022年12月6&7日/チェコ放送第1スタジオ(プラハ)
モラヴィア出身の作曲家ヤン・ノヴァーク(1921-1984)の協奏曲アルバム。1940年代後半、アメリカでマルティヌーに師事し、50年代から映画音楽など数多くの作品で人気を博しました。しかし、母国の共産主義体制に反発しデンマーク、イタリア、ドイツに亡命。晩年はバイエルンに居を構え活動しました。
母国では長らく発禁処分扱いの作曲家であったノヴァークの作品ですが、作曲者歿後30周年にあたる2014年にスプラフォン・レーベルからリリースしたのが「ヤン・ノヴァークの合唱作品集」(SU-4159)でした。このリリースによってノヴァークの再評価が進み、現在チェコをはじめ演奏機会が徐々に増えつつあります。
当アルバムは来年(2024年)の歿後40周年を前に協奏曲3篇を録音。当録音の注目はノヴァークの愛娘がソリストを務めていること。フルートのクララ・ノヴァーコヴァーは、15歳のときに父親から「Choreaevernales」の初稿を献呈されたときの思い出とともに、父への感謝の思いを込めて演奏。またドラ・ノヴァク=ウィルミントンはピアノの名手であった母エリシュカを思い出しながら偉大な父の作品に挑みました。当アルバムの録音は、ある意味「時を超えた家族の再会」ともいえます。
ノヴァークの音楽は、軽快で優雅、ユーモアのセンス、そしてわずかに挑発的でもあることで知られ、ニューヨークでマルティヌーに師事したときの印象や一緒にジャズクラブを訪れた時の思いなどが詰まった「2台のピアノとオーケストラのための協奏曲」は、師から認められたいという願望が反映されているともいえます。
またノヴァークは、日常生活においても使い、完璧にマスターしていたラテン語にインスパイアされた作品も数多くあります。4手ピアノのための「Concentusbiiugis」は、作曲者がドイツに亡命していた年に母国の反体制運動である「憲章77」に賛同していることをあらわした作品。その3年後、ノヴァークはこの作品に弦楽オーケストラをつけ、非常にカラフルな作品に仕上げました。今回録音されたのはほとんど知られていない改訂稿で、当バージョンでは世界初録音となります。
指揮はトマーシュ・ネトピルです。ネトピルは1975年チェコ共和国東部のクロメルジーシュ生まれ。ザルツブルク音楽祭やベルリン・フィル、ドレスデン・シュターツカペレの公演に出演、2013/14年のシーズンよりエッセン歌劇場の音楽総監督に就任すると同時に、ドレスデン国立歌劇場、パリ国立オペラ座、ウィーン国立歌劇場、またベルリン・フィル、パリ管、ロンドン・フィルといった、欧州各地のオーケストラや劇場へ出演するなど、オペラ、コンサートの両面で活躍を続けています。日本では2019年11月、読売日本SOとの演奏会も話題となりました。 (Ki)

CORO
COR-16200(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集 Vol.2
ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
アイスリン・ノスキー(Vn)、
ヘンデル&ハイドン・ソサエティ

録音(ライヴ):2023年1月6日&8日(K.211)、2022年1月28日&30日(K.207)、2019年1月25日&27日(K.219)、シンフォニー・ホール(ボストン、アメリカ)
ハリー・クリストファーズが2022年まで音楽監督を、そして現在は桂冠指揮者を務めるアメリカ最古のピリオド・オーケストラ、「ヘンデル&ハイドン・ソサエティ(HHS)」のコンサートマスターとして、またアイブラーSQのメンバーとしてもCoroレーベルのディスコグラフィーを華麗に彩ってきたカナダのヴァイオリニスト、アイスリン・ノスキーをフィーチャーしたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集の第2弾。前作(COR16183)同様、全曲ボストンのシンフォニー・ホールでのライヴ・レコーディングとなっています。
ニューヨーク・タイムズ紙でも絶賛され、バロック・ヴァイオリニストとして躍進を続けるアイスリン・ノスキーのダイナミックな弾き振りを是非、ご堪能下さい。

Goodies
78CDR-3915(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595(カデンツァ:モーツァルト) アルトゥール・シュナーベル(P)
サー・ジョン・バルビローリ(指)LSO

米 VICTOR17053/56(英 HMV DB2249/52と同一録音)
1934年5月2日ロンドン、アビー・ロードEMI 第1スタジオ録音
今でこそ幾多の録音が存在するこの曲だが、1934年にウィーンでシュナーベル によって演奏されたのは、なんとモーツァルトがこの地で初演して以来の二度 目の演奏会だったことはあまり知られていない。この曲の世界初録音。アルトゥ ール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オーストリア領)生 まれ。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に名教授テオドー ル・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・デビュー、1933 年までこの地を本拠にした。その後1932年から1934年にロンドンに居を構え、 1939年にアメリカに移住した。指揮者のサー・ジョン・バルビローリはロンド ン生まれ。1916年ヘンリー・ウッドの率いるクイーンズ・ホールOに入 りチェリストとして活躍を始めた。1925年室内Oを組織して指揮者に転 向。1936年ニューヨーク・フィルの首席指揮者になった。
Goodies
78CDR-3916(1CDR)
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調作品16 モウラ・リンパニー(P)
シドニー・ビーア(指)ナショナルSO

英 DECCA AK1134/37
1945年5月14日ロンドン、キングスウェイ・ホール録音
モウラ・リンパニー(1916-2005)はイギリスのコーンウォール生まれの女流ピア ニスト。幼少時にベルギーの修道院に送られ、そこで音楽才能が開花し、リエ ージュで勉強を続けた。その後ロンドンの王立アカデミーでも学んだ。さらに ウィーンでパウル・ヴァインガルテンに師事し、1938年ブリュッセルで開催さ れたイザイ・ピアノ・コンクールでソ連のエミール・ギレリス(1916-1985)に 次いで2位に入賞した。第2次世界大戦後はイギリスで最も名前の通ったピアニ ストになった。指揮者のシドニー・ビーアはナショナルSOの創立者。こ のシリーズでチャイコフスキー交響曲第5番(78CDR-3158)が出ています。第2楽章 のホルン・ソロはデニス・ブレインが吹いています。

Gramola
GRAM-99284(1CD)
ジャズ・ヴァイオリン・コンチェルト - メイド・イン・オーストリア
ヘルベルト・ベルガー(1969-):メトロポール組曲(Vnと弦楽オーケストラの為の協奏曲)
フリードリヒ・グルダ(1930-2000):Wings ウィングス(独奏ヴァイオリン、弦楽オーケストラとパーカッション(リズム・セクション)の為の小協奏曲)
ザビーナ・ハンク(1976-):見捨てられた天使の為の3つの歌(独奏ヴァイオリン、弦楽オーケストラとパーカッション(ドラムス)の為の協奏曲)
ベンヤミン・シュミット(Vn&指揮)
ムジカ・ヴィーテO
クリスティアン・レットナー(ドラムス)

録音:2020年10月24-25日、2021年8月15-19日、2021年9月14日
ベンヤミン・シュミットはクラシックだけでなく、ジャズや即興演奏にも強い関心を抱き、以前にも少年時代から憧れていたというステファン・グラッペリにイ ンスパイアされたアルバムを出すなど、幅広い活動をしています。このアルバムでは、スウェーデンの室内オーケストラ「ムジカ・ヴィーテ」と共に、オーストリ アの3人の作曲家のジャズ・コンチェルトを演奏。ヘルベルト・ベルガーの「メトロポール組曲」は、本来のクロマティック・ハーモニカの独奏部を今回の録 音のためにヴァイオリンへとアレンジ。ジャズ・ピアニスト、ザビーナ・ハンクの「見捨てられた天使の為の3つの歌」はシュミットのために書かれた作品で す。また、フリードリヒ・グルダの「ウィングス=翼」は4つのセクションから成る18分ほどの曲で、シュミットによればツィガーヌ風、バロック風、グルーヴ風の セクションがあり、最後にリディア旋法(リディアンスケール)を強く意識した即興的な部分があり、彼はここでオリジナルの即興演奏を加えているそうで す。


ARCANA
A-550(3CD)
NX-E02
ヴィヴァルディの三つの季節 〜ヴァイオリン協奏曲集〜
【Disc1】 春
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV343「さまざまに異なる調弦のヴァイオリンを集めて」〜アンナ・マリアの為の協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 RV240
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV230(協奏曲集『調和の霊感』Op.3-9)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV332(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8-8)
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV265(協奏曲集『調和の霊感』Op.3-12)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8-11)
【Disc2】 夏
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV189〜神聖ローマ皇帝カール6世の依頼による
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV333
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV289(世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV197
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV330
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV380
【Disc3】 秋
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV201
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV371
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV353
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV367(初期稿による世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV327
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV390
ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
使用楽器:ピエトロ・グヮルネリ1733年製作のオリジナル楽器
アッカデーミア・デラヌンチアータ(古楽器使用)
リッカルド・ドーニ(チェンバロ、ポジティフオルガン、指揮)

録音:2023年1月13-16日、2月1-4日、3月13-16日サン・ベルナルディーノ教会、アッビアーテグラッソ(イタリア北部ロンバルディア州ミラノ県)
水の都ヴェネツィアで聖職につきながら礼拝には加わらず、むしろ他の追従を許さないヴァイオリン演奏の妙技や作曲、歌劇興行手配などで 名声を博した「赤毛の司祭」ヴィヴァルディ。その膨大な作品群は今や数々の歌劇や声楽曲、珍しい室内楽曲に至るまで無数の名盤に刻 まれていますが、その本領はやはり独奏協奏曲、とりわけ当人が名演奏家だったヴァイオリン協奏曲の数々にあったと言ってよいでしょう。名 手ジュリアーノ・カルミニョーラはこれまでも数々の録音でこの作曲家と向き合ってきましたが、同じイタリアの最前線をゆく古楽器楽団アッカ デーミア・デラヌンチアータと満を持して3枚組で世に問う今回のアルバムは、そんなヴィヴァルディの活動歴を、初期から後年まで全てヴァイオ リン協奏曲だけで辿ってゆく意欲作! CD1枚ごと春(最初の躍進期)、夏(全盛期)、秋(名声安定期)と作曲年代で作品を集め、変則 調弦(スコルダトゥーラ)の活用やスリリングな超絶技巧、歌劇にも通じる歌心、細やかな音響表現の妙と、多岐にわたるヴィヴァルディ語法 の魅力を隅々まで徹底分解してゆきます。カルミニョーラならではの圧巻のソロは今回もダイナミックでありながら気品に満ち、弦楽と通奏低 音だけの編成にもかかわらず作品の機微をよく読み解き、驚くほど多彩な響きを繰り出してゆくアッカデーミア・デラヌンチアータの才人たちと味 わい深くも興奮を誘う対話を続けてゆきます。世界初録音も含むプログラム構成は、ヴィヴァルディ研究の最前線で見過ごしがたい実績をみ せている音楽学者オリヴィエ・フレが全面協力、ライナーノートも執筆しています(英・仏・伊語)。

Resonus
RES-10319(1CD)
NX-B05
マーク・デイヴィッド・ボーデン(1986-):クラリネット協奏曲(2017)
ヒュー・ワトキンス(1976-):Four Fables4つの寓話 - クラリネットとピアノ・トリオのために(2018)
ダイアナ・バレル(1948-):クラリネット協奏曲(1996)
サラ・フランシス・ジェンキンス(1998-):木漏れ日(2020)
ロバート・プレーン(Cl)
グールド・ピアノ・トリオ【ルーシー・グールド(Vn)、リチャード・レスター(Vc)、ベンジャミン・フリス(P)】
BBCPO
ジェフリー・パターソン(指)

録音:2022年12月13-14日
BBCウェールズ・ナショナルOの首席クラリネット奏者を20年余りにわたって務めた他、バーミンガ ム市SOとロイヤル ノーザン シンフォニアでも首席奏者をつとめたロバート・プレーンは、その長い キャリアを通じて、彼のために特別に書かれた数多くの作品の初演を行ったことで「現代音楽の擁護者」 として知られています。 このアルバムでは4人の現代作曲家の作品を紹介。プレーンの活動の初期に委嘱したというバレルの 「クラリネット協奏曲」、マラソンにインスパイアされたボーデンの協奏曲、シューマンの作品に倣ったワトキ ンスの「4つの寓話」、プレーンに師事したこともあるジェンキンスが自然からインスパイアされて書いた「木 漏れ日」。どれもプレーンのために書かれたものです。演奏にはピアニスト、ベンジャミン・フリスが参加する グールド・ピアノ・トリオと、ジェフリー・パターソンが指揮するBBCフィルハーモニックが参加しています。

Biddulph
BIDD-85035(1CD)
ナタン・ミルシテイン 1953年の協奏曲録音集
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲*
ナタン・ミルシテイン(Vn)
ピッツバーグSO
ウィリアム・スタインバーグ(指)
ボストンSO*
シャルル・ミュンシュ(指)*

録音:1953年11月28日 ボストン、シンフォニー・ホール、1953年3月23日 ピッツバーグ、シリア・モスク*
初出盤:Capitol P8243(1-6)、RCA LM1760(7-9)
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:David Hermann
マスタリング:Rick Torres
帝政ロシア(現ウクライナ)のオデーサに生まれたナタン・ミルシテインは、一度も来日しなかったにもかかわらず、卓越した技巧と美音、品格を感じさせる演奏 により日本でも多くのファンを持っています。ここに収められた3曲に関して、ミルシテインにはSP、モノラル、ステレオと3から4種類の録音があり、加えていくつか のライヴ録音がCD化されています。Biddulphが今回CD化したのは、いずれもミルシテインにとって2度目にあたるモノラルLP時代の録音。1904年1月13 日(ユリウス暦では1903年12月31日)生まれのミルシテインは録音時には49歳。「脂が乗り切った」と形容したくなる推進力に富んだ快演が繰り広げら れています。メンデルスゾーンとブルッフの2曲をわずか1日のセッションで録り終えているのは、演奏の完成度の高さあればこそでしょう。しかし、その後間もなく ステレオ録音の時代となって、ミルシテインも1959年にはこれら3曲をステレオで録音し直しました。更にチャイコフスキーとメンデルスゾーンについては、1972 年にアバド指揮ウィーン・フィルと録音したDG盤が代表盤とされてきたことから、1953年のモノラル盤が注目されることはありませんでした。 Biddulphレーベルは、これらの演奏が聴かれないのは余りにも惜しいと考えて復刻に取り組みました。同じ1953年の録音ですが、チャイコフスキーはミルシ テインのRCAレッドシール時代最後の録音で、メンデルスゾーンとブルッフはキャピトルに看板アーティストとして迎えられてからの録音。彼の録音キャリアにとっ ての節目が刻まれたCDになります。また原盤解説によれば、メンデルスゾーンとブルッフの第1番という定番のカップリングを初めて採用したのがこのミルシテイ ン盤だったとのことです。ブックレットには、ミルシテインが使っていた1716年製ストラディヴァリウスの胴体部分の写真と、メンデルスゾーン&ブルッフの初出LP のジャケット写真がカラーで掲載されており、スタインバーグとの録音セッションの写真が2点モノクロで掲載されています。

BONGIOVANNI
GB-5639(1CD)
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲全集 第1集
協奏曲 ト短調 RV495
協奏曲 ヘ長調 RV486
協奏曲 変ロ長調 RV502
協奏曲 ホ短調 RV484
協奏曲 ハ長調 RV476
協奏曲 ト短調 RV496
協奏曲 変ホ長調 RV483
協奏曲 ト長調 RV493
マウロ・モングッツィ(Fg)
スカラ座の弦楽奏者たち
ジョヴァン ニ・ブロッロ(Cemb)

録音:2021年11月12日、2022年5月30日イタリア、ブリオスコ
今や貴重なモダン楽器によるヴィヴァルディのファゴット協奏曲。ソリストはミラノRAISO、フェニーチェ歌劇場Oなどでファゴット奏者を務めるイ タリアの名手マウロ・モングッツィ。弦楽はスカラ座の奏者たちが各パート一人ずつの弦五部で演奏し、そこにチェンバロが加わる編成です。豊かな響きを含ませ た録音で、モダン楽器の美質が思いきり打ち出されているのが印象的。またコントラバスがいるため低音の存在感がすさまじく、どっしりとしたバスが何とも贅沢。 きびきびとしたテンポ感を取りながらも各奏者が良く歌いこんだ演奏で、ファゴットの技巧も十二分に堪能できます。
様々な楽器のために協奏曲を大量に書いたヴィヴァルディ。約40曲残されているファゴット協奏曲はどれも楽曲の完成度が高く、ファゴットの限界に挑む超絶 技巧や弦楽の驚くような動きなど、時代の最先端を行ったヴィヴァルディ節が炸裂しています。RV484は美しい旋律をもつ名作。 (Ki)

MELO CLASSIC
MC-1071(2CD)
ゲザ・アンダ/楽旅1951-1961

(1)シューマン:ピアノ協奏曲
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(4)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
ゲザ・アンダ(P)

(1)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1951年12月20日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1961年10月2日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(3)ルドルフ・ミヒル(指)ザールブリュッケンRSO
録音:1956年5月26日 西ドイツ ザールラント州 ザールブリュッケン (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)フェレンツ・フリッチャイ(指)バイエルン国立O
録音:1958年5月12日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・ライヴ)
ハンガリー出身のスイスの名ピアニスト、ゲザ・アンダの 4つの演奏会での協奏曲を集めて います。アンダはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1 番を若い頃に録音していたが、このルクセ ンブルクでの放送スタジオ録音はとても白熱した演奏、特に第 3楽章終盤は、名匠ルイ・ド・フ ロマンの伴奏もあって実にスリリング。ブラームスのピアノ協奏曲第2 番はDG に2度商業録音:をしているほどのアンダのお得意曲。ここでも説得力の強い名演を聞かせてくれます。指揮は DG1回目と同じくフェレンツ・フリッチャイ。オーケストラがバイエルン国立Oなのでより 大らかさが強く感じられます。もちろんシューマン、ラフマニノフも素晴らしい。
MELO CLASSIC
MC-1073(2CD)
ジュリアス・カッチェン/楽旅1960-1968
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(3)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番
(4)ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
(5)バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
(6)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ジュリアス・カッチェン(P)

(1)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1964年3月25日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)ハンス・ミュラー=クライ(指)南ドイツRSO
録音:1964年4月3日 西ドイツ シュトゥットガルト (モノラル・放送スタジオ録音)
(3)カール・ランドルフ(指)NDR SO
録音:1960年1月6日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1964年9月30日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・ライヴ)
(5)ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(指)南ドイツRSO
録音:1967年12月8日 西ドイツ シュトゥットガルト (ステレオ・ライヴ)
(6)シャルル・ブリュック(指)ORTF PO
録音:1968年12月10日 フランス パリ (ステレオ・ライヴ)
米国のピアニスト、ジュリアス・カッチェン(1926―1969)の協奏曲の録音集。ジュリアス・カッチェンは第二次世界大戦後間 もなく欧州に渡って大活躍した米国人音楽家の代表的存在だが、僅か 42歳で亡くなってしまった。この2CD の中では、商 業録音を残さなかったプロコフィエフのピアノ協奏曲第 1番が特に貴重。ブリュッセルでのブラームスのピアノ協奏曲第 2番は燃焼度が高く、商業録音だけでカッチェンを聞いてはいけないことが分かる。カッチェンお得意のラフマニノフのパガニー ニの主題によるラプソディは名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテットの伴奏でこれもスリリング。バルトークのピアノ協奏曲 第3番は、あまり広がらないとはいえステレオ録音なのがありがたい。そしてラヴェルの左手のための協奏曲では、ピエール・ モントゥの高弟シャルル・ブリュックがパリの色彩豊かな伴奏で、カッチェンのピアノを引き立てています。どれもカッチェンの素 晴らしい音楽を楽しみつつ、早世してしまったことに残念に思わざるを得ない2CD です。
MELO CLASSIC
MC-1074(2CD)
ニキタ・マガロフ/演奏会楽旅1955-1973

(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
(3)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(4)ラヴェル:ピアノ協奏曲
(5)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
ニキタ・マガロフ(P)

(1)モーリス・ル・ルー(指)フランス国立放送O
録音:1964年10月6日 フランス パリ (モノラル・ライヴ)
(2)アンジェイ・マルコフスキ(指)ハノーファーNDRO
録音:1969年12月12日 西ドイツ ニーダーザクセン州 ハノーファー(ステレオ・ライヴ)
(3)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1955年10月20日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1963年10月23日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・ライヴ)
(5)ズデニェク・マーツァル(指)フランス国立放送O
録音:1973年11月28日 フランス パリ (ステレオ・ライヴ)
20世紀の名ピアニストの一人、ニキタ・マガロフの協奏曲録音集。マガロフは1912 年、ロシアのサンクトペテルブルクの生 まれ。父親はジョージア、トビリシの上流階級の生まれ。母は地元サンクトペテルブルクの人。ロシア革命の後にフィンランド のヘルシンキに脱出、一旦米国へ移る物の、フランスに渡りパリ音楽院で学ぶ。1930 年代にはパリで人気のピアニストとな り、戦後は巨匠として大いに活躍、またジュネーヴ音楽院での教職でも重きを置いた。マガロフのピアノはロマンティシズムと は一線を画した端正な音楽を基礎としつつも、しかし古き良き時代のピアノ美学も感じさせるもので、非常に独特です。マ ガロフの録音は多いものの、独奏曲(特にショパン)が主で、協奏曲の録音は限られています。ニューヨーク時代に接点のあっ たラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は彼の初めての録音かもしれない。しかもステレオ録音。ラヴェルのピアノ協奏曲は名 匠ハンス・シュミット=イッセルシュテットの伴奏。マガロフのピアノにも指揮にも、この作品が生まれた時のモダンな新鮮さが 良く表れています。あまりベートーヴェンを弾かなかったマガロフだが、ピアノ協奏曲第 4番は得意曲だった。彼も伴奏指揮の モーリス・ル・ルーも伝統的ドイツ的なベートーヴェンとは一線を画し、自由な発想で充実した演奏を繰り広げています。
MELO CLASSIC
MC-1075(2CD)
ジョン・オグドン/演奏会楽旅1965-1970

(1)シューマン:ピアノ協奏曲
(2)リスト;ピアノ協奏曲第2番
(3)ブゾーニ:インディアン幻想曲 Op.44
(4)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
(5)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
(6)ヒンデミット:ピアノ協奏曲
ジョン・オグドン(P)

(1)ヴァーツラフ・ノイマン(指)南ドイツRSO
録音:1967年3月10日 西ドイツ シュトゥットガルト (ステレオ・ライヴ)
(2)アンドレアス・フォン・ルカーチ(指)南西ドイツRSO
録音:1970年3月6日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 バーデン=バーデン (ステレオ・放送スタジオ)
(3ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1965年10月27日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ルイ・ド・フロマン(指)ルクセンブルクRSO
録音:1965年10月25日 ルクセンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(5)ラファエル・クーベリック(指)バイエルンRSO
録音:1968年5月24日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (ステレオ・放送スタジオ録音)
(6)フェルディナント・ライトナー(指)バイエルンRSO
録音:1970年12月11日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (ステレオ・放送スタジオ)
英国のピアニスト、ジョン・オグドンの欧州各地での協奏曲の録音。ジョン・オグドンは1937 年、イングランド、ノッティンガム シャーのマンスフィールド・ウッドハウスの生まれ。1962 年、モスクワでのチャイコフスキー国際コンクールでウラディーミル・ア シュケナージと共に優勝を分け合ったことで名高い。以来精力的に演奏活動を行ったオグドンだが、1973 年に躁うつ病(双 極性障害)を患い、さらに健康を害して1989 年に52歳の若さで亡くなってしまった。全盛期は僅か十年強。 この2CD のうち、ブゾーニのインディアン幻想曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第 3番、ラヴェルの左手のための協奏曲、 そしてヒンデミットの協奏曲はオグドンが商業録音を残さなかった曲です。最も重要なものはブゾーニの「インディアン幻想 曲」でしょう。オグドンはブゾーニを強く敬愛していたが、残された録音は少なく、「インディアン幻想曲」もこれが始めて世に出 るもの。ヒンデミットに至っては彼は1曲も商業録音を残しておらず、なおのこと貴重だ。アメリカ時代の1945 年作のピアノ協 奏曲は、オグドンの個性にピタリと合った音楽で、これがフェルディナント・ライトナーの指揮でステレオ録音で残されていた のは非常に幸運です。同様にラファエル・クーベリックの伴奏指揮によるラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲もステレオ 録音。オグドンのラヴェルは鮮やかな技巧で弾き切った充実感の残るものだ。
MELO CLASSIC
MC-2052(2CD)
ヘンリク・シェリング/演奏会楽旅1952-1976

(1)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
(3)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
(4)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2 番
(5)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
(6)ラロ:スペイン交響曲
ヘンリク・シェリング(Vn)

(1)アンリ・ペンシス(指)ルクセンブルクRSO
録音:1952年1月17日 ルクセンブルク (モノラル・ライヴ)
(2)カール・フォン・ガラグリ(指)ハルモニエン音楽協会(現 ベルゲン・フィル)
録音:1955年5月26日 ノルウェーベルゲン (モノラル・ライヴ)
(3)ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)NDR響
録音:1962年9月24日 西ドイツ ハンブルク (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)ヴィルヘルム・シュヒター(指)NDR響
録音:1957年10月16日 西ドイツ ハンブルク (モノラル)
(5)アンヘル・サウチェ(指)ヴェネズエラSO
録音:1958年4月11日 ヴェネズエラ カラカス(モノラル)
(6)オイゲン・ヨッフム(指)ケルンRSO
録音:1976年9月7日 スイス ルツェルン (ステレオ・ライヴ)
20世紀半ばの偉大なヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリング(1918-1988)の様々な協奏 曲、オーケストラ伴奏の作品の録音を集めています。シェリングは多くの商業録音を残し、そこ から端正で美しいヴァイオリンという印象が広まった。ベルゲンでのメンデルスゾーンの協奏 曲ではそのイメージ通りのキリリと美しい演奏だ。ところが同じ時のラヴェルのツィガーヌで は、猛烈な緩急をつけてしばしばオーケストラを振り切らんばかりになり、14 年後の商業録 音とは別人のようだ。我々の知っている整ったシェリングの中には、激しい情熱が燃えてい ることを分からせる演奏だ。シェリングと名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテット音楽作り の方向性が一致していて、ここに収録されているシベリウスの協奏曲でも非常に完成度が 高い。グラズノフのヴァイオリン協奏曲はシェリングが商業録音を残さなかった曲。彼はこの 曲とは相性が良かったようで、素敵に仕上がっています。ルツェルンでオイゲン・ヨッフムが伴 奏指揮したラロのスペイン交響曲はステレオ録音。
MELO CLASSIC
MC-3017(2CD)
ジャクリーヌ・デュ・プレ/演奏会ライヴ1965-1969
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
(2)シューマン:チェロ協奏曲 イ短調
(3)バッハ:チェロとピアノのためのソナタ第3 番ト短調 BWV1029
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2
シューマン:幻想曲集 Op.73
ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op 65
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)

(1)ズビン・メータ(指)BPO
録音:1968年8月4日 オーストリア ザルツブルク州 ザルツブルク (モノラル・ライヴ)
(2)マルティン・トゥルノフスキー(指)NDR響
録音:1969年1月24日 西ドイツ ニーダーザクセン州 ハノーファー(モノラル・ライヴ)
(3)スティーヴン・ビショップ(スティーヴン・コヴァセヴィッチ)(P)
録音:1965年6月11日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 エトリンゲン(モノラル・ライヴ録音)
MELOCLASSIC がなんとジャクリーヌ・デュ・プレのライヴ録音を発掘!彼女の唯一のザルツブルク音楽祭出演となった1968 年8月4日のドヴォルザークのチェロ協奏曲は伝説的名演。デュ・プレもメータも燃えまくり、終演後は大喝采。もう一つのお宝はブリ テンのチェロ・ソナタ。これまで1965年2月の部分的な録音があったものの、全曲はこれが初登場かも。もう一つのお宝はバッハ のヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ BWV1029をチェロとピアノで弾いた演奏。そもそもデュ・プレはバッハの録音が 少ないので、1曲丸ごと出て来るだけで待望のもの。シューマンは協奏曲も幻想曲集も情感豊かで、デュ・プレに打って付け。エト リンゲンのリサイタルは本名時代の名ピアニスト、スティーヴン・コヴァセヴィッチが伴奏ピアノというのもありがたい。 MELOCLASSIC は一度品切れするとそのまま再プレスがないことがしばしばなので、デュ・プレ・マニアの方はくれぐれもお早め に。

Goodies
33CDR-3911(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
アルトゥール・シュナーベル(P)
ウォルター・ジュスキント(指)
フィルハーモニアO

米 VICTOR LHMV-1012
1948年6月17-18(K.466)&6月18-19日
ロンドン、アビー・ロードEMI第1スタジオ録音
アルトゥール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オースト リア領)に生まれた。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に 名教授テオドール・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・ デビュー、1933年までこの地を本拠にした。その後1932年から34年にロンドン に居を構え、1939にアメリカに移住した。このモーツァルトは大戦後の1948年 に録音されたが、SPレコードでは発売されずに、初レコードはこのRCA盤だっ た。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1890)はプラハ生まれ。1938年ナチ スの迫害を嫌ってイギリスに逃れた。EMIのハウス・コンダクターとして、巨匠 達の録音伴奏指揮者を務めた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3913(1CDR)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129 ルートヴィヒ・ヘルシャー(Vc)
ヨーゼフ・カイルベルト(指)
ベルリン国立歌劇場O

日VICTOR JD-1599/601(英HMV DB4550/52と同一録音)
1938年6月8日ベルリン録音
※一部に使用ディスクの傷によるノイズが入ります
ルートヴィヒ・ヘルシャー(1907-1996)はドイツのチェリスト。6歳でチェロを 始め、ライプツィヒでユリウス・クレンゲル(1859-1933)に、ベルリンでフーゴ ・ベッカー(1864-1941)に師事し、1930年にメンデルスゾーン賞を受賞し、1936 年フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏会でソリストとしてデビュ ーした。その後ピアノのエリー・ナイ(1882-1968)、ヴァイオリンのマックス・ シュトループ(1900-1968)とピアノ三重奏団を組んだ。ヨーゼフ・カイルベルト (1908-1968)はドイツの指揮者。これは大戦中に録音されたこの指揮者の最初期 の録音。LP時代になって多くの名録音を残しています。(グッディーズ)


Pentatone
PTC-5187029(1CD)
バルトーク:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第1番イ長調 Sz.83
ピアノ協奏曲第2番ト長調 Sz.95
ピアノ協奏曲第3番ホ長調 Sz.119
ピエール=ロラン・エマール(P)
サンフランシスコSO、
エサ=ペッカ・サロネン(指)

ライヴ録音:2022年6月16〜19日&2023年2月17〜19日デービス・シンフォニーホール(サンフランシスコ)
PENTATONEレーベルから積極的なリリースが続いているピエール=ロラン・エマールが、エサ=ペッカ・サロネン率いるサンフランシスコSOとバルトー クのピアノ協奏曲全曲録音をリリース!
ハンガリーを代表する大作曲家バルトーク。民俗的語法による現代的手法の開拓者として、20世紀のクラシック音楽に絶大な影響を残しました。ピアノとオー ケストラの為の作品は「ラプソディ」などを作曲していますが、ピアノ協奏曲は3篇作曲。ピアノを打楽器的に扱う手法を取り入れた、複雑で革新的な第1 番(1926年作曲)、ピアノのどっしりとした音がエネルギッシュで高揚感あふれる第2番(1930〜31年作曲)、そして最晩年の傑作第3番(1945年作曲)と、 作曲家バルトークとのさまざまな側面がそれぞれのピアノ協奏曲にあらわれております。各作品に真摯に向き合い、そのすべての演奏で非常に高い評価を受けて いる現代最高峰のピアニスト、エマールがサロネンの好サポートを得て、サンフランシスコSOと熱演を披露しております。当曲集の新名盤誕生と申せましょう。 (Ki)

Linn
CKD-729(1CD)
ブリテン:歌劇「ピーター・グライムス」〜4つの海の間奏曲 Op.33a
エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
ミヒャエル・バレンボイム(Vn)
フィルハーモニアO
アレッサンドロ・クルデーレ(指)

録音:2022年9月7-8日 ブラックヒース・ホール、ロンドン、UK
レスピーギ作品によるLINNデビュー盤が好評をもって迎えられたアレッサンドロ・クルデーレ。第2弾となる今回はフィルハーモニアOを 指揮して2つの対照的なイギリスの作品を収録しました。ブリテンの「4つの海の間奏曲」ではオーケストラを隅々までコントロールし、モダンな 響きと多彩な曲想を見透し良くスタイリッシュに描いています。抒情的な曲想で一貫されるエルガーの協奏曲では、ウェスト=イースタン・ディ ヴィアンOなどで活躍するミヒャエル・バレンボイムが登場。その高い技術力に裏打ちされた、父ダニエル・バレンボイム譲りのリリカルな 表現を存分に聴かせており、クルデーレの伸びやかなサポートも光っています。


ONDINE
ODE-1414(1CD)
NX-B07

NYCX-10416(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノーム」 K.271…カデンツァ:W.A.モーツァルト
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ラルス・フォークト(P&指)
パリ室内O

録音:2021年4月25-28日
ドイツの中堅世代を代表するピアニストとして敬愛されてきたラルス・フォークト(1970.9.8-2022.9.5)が世を去ると、多くの演奏家から痛切な感情を伴っ た追悼メッセージが発信されました。そこで異口同音に讃えられていたのは、その真摯で虚飾の無い音楽性とあたたかな人柄。フォークトが生前に遺していた 録音としては、先にテツラフ兄妹とのシューベルト:ピアノ三重奏曲集が発売されて大きな反響を呼んでいます。彼の53回目の誕生日となる2023年9月 8日にリリースされる当モーツァルト・アルバムも、フォークトの音楽を愛する人にとってかけがえのないものとなることでしょう。 フォークトは2020年にパリ室内Oの音楽監督に着任すると、次々と意欲的なプログラムに取り組みましたが、期せずして病が進行し、このコンビの 録音としてはメンデルスゾーンのピアノ協奏曲集(ODE-1400として発売済)とここに収録されたモーツァルトの2曲だけとなってしまいました。原盤解説書(英 語と独語)には当録音のプロデューサーであるクリストフ・フランケ氏が7ページ余りにおよぶ回想を寄せています。それによればフォークトは録音期間中も闘病 という現実に向き合いつつも常にものごとを前向きに考え、相反する感情の中を生きていたと言います。ここに聴かれる演奏も、決して自らの死を予感した人 の悲しみ一色の演奏というようなものではなく、第9番の若々しい華やぎと中間楽章の悲嘆、第24番の暗く力強いドラマにはさまれた中間楽章の無垢な音 の戯れなど、フォークトの円熟が自然体で伝わるものとなっています。フォークトの遺産としてのみならず、現代にふさわしい美感と様式感を備えた両曲の名 演奏の一つとして聴き継がれるに値する1枚と言えるでしょう。 第24番のカデンツァはラルス・フォークトの自作。マルティン・ヘルムヒェンもPENTATONE盤でこのカデンツァを演奏しています。
※国内仕様盤には原盤解説の全訳に加え、 大津聡氏による解説が付属します 。

Da Vinci Classics
C-00755(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番&第14番(作曲者編曲によるピアノ五重奏版)
ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
ピエロ・バルバレスキ(P)、
トリオ・ヘーゲル 〔ダヴィド・スカローニ(Vn1)、ダヴィデ・ブラーヴォ(Va)、アンドレア・マルコリーニ(Vc)、ジュリア・セッラ(Vn2)〕

録音:2022年5月、チーゴレ(イタリア)
チアーニの同門ピエロ・バルバレスキによるモーツァルトのピアノ協奏曲!モーツァルトが愛した2つのピアノ協奏曲、第12番と第14番の作曲家自身による「ピアノ+弦楽四重奏」のバージョンを収録!オペラの作曲技術をピアノ協奏曲にも適用させたモーツァルトは、これらの協奏曲の楽器編成を小編成の室内アンサンブルにすることで、オペラの場面を室内楽の文脈の中に取り込み、ソリスト同士の対話を実現しました。ディノ・チアーニの師でもあるマルタ・デル・ヴェッキオからピアノを学んだ実力派、ピエロ・バルバレスキが牽引するアンサンブルによる生き生きとした演奏をお楽しみください。同じメンバーによる第11番と第13番の演奏(C00336)もリリースされています。

Chopin University Press
UMFCCD-126(1CD)
21世紀のアコーディオン協奏曲集
ラファウ・ヤニャク(1986-):バンドネオンと室内オーケストラのための協奏曲「過去の追憶」(2015)
ニコラ・コウォジェイチク(1986-):サクソフォン、バンドネオンと弦楽オーケストラのための協奏曲(2018)
トマシュ・オパウカ(1983-):アコーディオンと弦楽オーケストラのための協奏曲「ブラック・ストリームズ」(2017
ラファウ・グジョンカ(バンドネオン、アコーディオン)、
パヴェウ・グスナル(Sax)、
ショパン音楽大学室内O、
ラファウ・ヤニャク(指)
1980年代生まれの3人の作曲家によるバンドネオン/アコーディオンのための協奏曲集を世界初録音で収録。それぞれの作品はタンゴからの強い影響を受けつつ、ヨーロッパ音楽やジャズなど、さまざまなイディオムが織り交ざっています。ソリストの芸術性を披露する特別な機会であるヴィルトゥオジックなカデンツァにも注目です。

DUX
DUX-1873(1CD)
ガスマン:ハープ協奏曲&トランペット協奏曲
ゲイリー・ガスマン
(1952-):ロマンティックな協奏曲(ハープ協奏曲)(2018)
トランペット協奏曲(2020)/マルガリータ(2022)
マウゴジャタ・ザレフスカ(Hp)、
ゲイリー・ガスマン(Tp)、
ミロスワフ・ヤツェク・ブワシュチク(指)、
ポドラシェ歌劇場フィルハーモニーO

録音:2022年6月
アメリカの作曲家、ジャズミュージシャン、トランペット奏者のゲイリー・ガスマン(1952-)が作曲した、ジャズとクラシックのフュージョン、あるいは映画音楽のような美しい協奏曲集。ハープ奏者の妻、マウゴジャタ・ザレフスカのために書かれた「ロマンティックな協奏曲」と、ガスマン自身がソロを務める「トランペット協奏曲」、そしてハープとトランペット、オーケストラのために書かれた「マルガリータ」を収録しています。魅力的なメロディーラインに満ちた、驚きと発見のある1枚です。

FONE
99F-16CD(1CD)
完全数量限定盤
マダーマ宮殿のコンサート
バッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1060
モーツァルト
:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
プロコフィエフ:ピーターと狼 Op.67*
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、
ルカ・ヴィニャーリ(Ob)、イタリア室内O、
アルノルド・フォア(ナレーション)*

録音:1999年、マダーマ宮殿(ローマ)
イタリアの偉大なヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドが1999年にローマのマダーマ宮殿で行ったコンサートのライヴ録音盤が、イタリアのレコーディング・エンジニア、ジュリオ・チェーザレ・リッチによって設立され、40年の歴史を持つ高音質レーベル、Foneの倉庫から発掘されました。
このコンサートは前年に指揮活動を引退したイタリアの世界的指揮者、カルロ・マリア・ジュリーニの85歳を祝して、また彼の50年以上にわたる音楽文化の発展への貢献に捧げる賛辞として開かれたもの。ローマ歌劇場の首席オーボエ奏者、ルカ・ヴィニャーリとのバッハ「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」やモーツァルトのヴァイオリン協奏曲でアッカルド50代の頃の至芸を聴くことができます。このディスクは近年ほとんど出回っていませんでしたが、この度レーベル倉庫から若干数のみ発掘されたため、完全数量限定で発売されることになりました。在庫がなくなり次第次回の入荷は未定です。

BERLINER PHILHARMONIKER
KKC-6741(1SACD)
税込定価
ラフマニノフ150
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
「メロディー」〜幻想的ピアノ小品集op.3より 3番
愛の悲しみ[クライスラー原曲]
コレルリの主題による変奏曲 ニ短調 Op.42
「夜の静けさに」6つの歌 op.4ニ長調[ゲルシュタイン編曲]
キリル・ゲルシュタイン(P)
キリル・ペトレンコ(指)BPO*

録音:2022年6月25日、ヴァルトビューネ、ベルリン(協奏曲)
2023年2月6日、フィルハーモニー、ベルリン(独奏曲)
ラフマニノフ生誕150周年を記念して「ベルリン・フィル・レコーディングス」から特別なアルバムがリリースされます。第1弾はピアニスト、キリル・ゲルシュタ インをフィーチャーした内容。これまでにもフランク・ペーター・ツィンマーマンなどソリストに焦点を当てたディスクがリリースされていますが、今回はゲルシュタ インの独奏を含む構成となっています。 まずは、ベルリン・フィルが毎年シーズンの最後に野外で行うヴァルトビューネ・コンサートの2022年ライヴ録音。急病のダニール・トリフォノフに代わってキリル・ ゲルシュタインが登場。2016年のベルリン・フィル・デビューと同じ演目ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏しました。ゲルシュタインは出演が決まった際に、 指揮者キリル・ペトレンコと2時間半のミーティングを行ったといいます。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のような有名な楽曲では、普通はそれほど打合せをす ることはないそうですが、今回ペトレンコとゲルシュタインは互いの音楽観について徹底的に話し合ったそう。
ゲルシュタインは、ペトレンコのどんなときも作品に敬 意を払い、真摯に音楽作品と向き合い、再考する姿勢に感銘を受けたといいます。2022年のヴァルトビューネはオール・ロシアプログラムで組まれており、シー ズンを鮮やかに締めくくるコンサートでもありながら、ペトレンコの世界情勢に対するメッセージ性も含んだ内容と言えるでしょう。そして本番は、冒頭の鐘の音を 模したピアノの和音。言わずと知れた10度の音程は、ゲルシュタインの大きな手で難なく弾きこなし、第2楽章の夢見るような美しい旋律、繊細なカデンツァ、第 3楽章ではピアノの華麗な走句を展開しながら、ドラマティックなクライマックスへと突き進んでいきます。心の奥底まで響くラフマニノフの美しさ溢れる演奏となっ ています。 ゲルシュタインはこのアルバムに収録するソロ作品を考える際に、ピアノ協奏曲第2番という中期の傑作を核としながらも、初期から後期の作品を網羅した生誕 150周年にふさわしい内容となるように選曲したといいます。まず、ポスト・チャイコフスキーを思わせる初期の傑作、幻想的小品集から「メロディ」。そして非常 に親交の深かった20世紀前半を代表するヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーに関わる2曲を収録。クライスラーの名作『愛の悲しみ』のラフマニノフによる ピアノ編曲版と、クライスラーに献呈した「コレッリの主題による変奏曲」です。最後は歌曲「6つの歌」より第3曲「夜の静けさに」をゲルシュタインによるピアノ 編曲で収録しています。これらのソロ作品は、ベルリンのフィルハーモニー大ホールで特別に録音され、消え入るようなピアニッシモに至るまで美しく音を捉えてい ます。

BIS
BISSA-2646(1SACD)
カレヴィ・アホ(1949-):協奏作品集
(1)リコーダーと室内管弦楽のための協奏曲(2020)
(2)テナー・サクソフォーンと小管弦楽のための協奏曲(2015)
(3)アコーディオンと弦楽のための協奏的ソナタ(1984/2019)
(1)エーロ・サウナマキ(リコーダー)
(2)エサ・ピエティラ(テナー・サクソフォーン)
(3)ヤンネ・ヴァルケアヨキ(アコーディオン)
サイマー・シンフォニエッタ、エルッキ・ラソンパロ(指)

[楽器:Sopranino recorder in F:Kung (model: Superio), Eagle alto recorder in F:Adriana Breukink, Alto recorder in F:Thomas M. Prescott/Nikolaj Ronimus, Bass recorder in F:Yamaha moder YRB-61/Tenor saxophone:Selmer MK VI1958/Accordion: Pigini Nova, No.97]

録音:2022年4月19〜22日、9月19&20日/ミカエリ・コンサート&コングレス・ホール(ミッケリ、フィンランド)
リコーダー、テナー・サクソフォーン、アコーディオンを主役にした協奏的作品は、ほとんどなく、ごくまれにしか作られていないようです。 フィンランドの作曲家カレヴィ・アホは、大胆なことに挑む器楽奏者たちと出会う機会が多く、彼らの楽器と演奏から刺激を受け、「まれ」な楽器の協奏曲をさまざ まに手がけてきました。
「リコーダーと室内管弦楽のための協奏曲」は、1楽章の作品です。「ミステリオーゾ」に始まり最後の〈コーダ〉まで、テンポがさまざまに変化。バス・リコーダー からソプラニーノまで、ソリストが4種類のリコーダーを持ち替え、「リコーダーの黄金時代へのフラッシュバック」といわれるヴィルトゥオーゾ的要素のある音楽を 展開していきます。2021年9月3日、エーロ・サウナマキのソロ、エルッキ・ラソンパロ指揮のサイマー・シンフォニエッタによって初演されました。
「テナー・サクソフォーンと小管弦楽のための協奏曲」も1楽章で書かれています。「メスト(悲しげに)- 間奏I - ヴィヴァチッシモ、レッジェーロ(勢いよく、 軽く)- 間奏II - アンダンテ、ドレンテ(歩くような速さで、痛ましげに)- アレグロ・リトミコ(やや速くリズミカルに)- カデンツァ - エピローグ」。テナー・サ クソフォーンの潜在能力がフルに探られ、オーケストラには東洋のゴブレット・ドラム「ダラブッカ」も使われています。2016年3月10日に行われた初演のソリ スト、エサ・ピエティラが、この録音セッションに参加しました。
「アコーディオンと弦楽のための協奏的ソナタ(Sonata concertante)」は、ヤンネ・ヴァルケアヨキの提案により、1984年の「アコーディオン・ソナタ第 1番」を改作した作品です。「(モルト・ルバートの)前奏曲-パッサカリア」と「(レッジェーロの)前奏曲-(アンダンテ-ピウ・モッソ-レッジェーロの)フーガ」 の2つの楽章で構成され、フランツ・リストの超絶技巧的作品に劣らない驚異的技巧が求められています。2021年7月8日、ヴァルケアヨキがソロを弾き、ラソ ンパロが聖ミケル弦楽オーケストラを指揮してミッケリで初演されました。

Goodies
33CDR-3911(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
アルトゥール・シュナーベル(P)
ウォルター・ジュスキント(指)
フィルハーモニアO

米 VCTOR LHMV-1012
1948年6月17-18(K.466)&6月18-19日
ロンドン、アビー・ロードEMI第1スタジオ録音
アルトゥール・シュナーベル(1882-1951)はポーランドのリプニク(旧オースト リア領)に生まれた。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に 名教授テオドール・レシェティツキに師事した。1901年ベルリン・ デビュー、1933年までこの地を本拠にした。その後1932年から34年にロンドン に居を構え、1939にアメリカに移住した。このモーツァルトは大戦後の1948年 に録音されたが、SPレコードでは発売されずに、初レコードはこのRCA盤だっ た。指揮者のワルター・ジュスキント(1913-1890)はプラハ生まれ。1938年ナチ スの迫害を嫌ってイギリスに逃れた。EMIのハウス・コンダターとして、巨匠達 の録音伴奏指揮者を務めた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3913(1CDR)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129 ルートヴィヒ・ヘルシャー(Vc)
ヨーゼフ・カイルベルト(指)
ベルリン国立歌劇場O

日VICTOR JD-1599/601(英HMV DB4550/52と同一録音)
1938年6月8日ベルリン録音
ルートヴィヒ・ヘルシャー(1907-1996)はドイツのチェリスト。6歳でチェロを 始め、ライプツィヒでユリウス・クレンゲル(1859-1933)に、ベルリンでフーゴ ・ベッカー(1864-1941)に師事し、1930年にメンデルスゾーン賞を受賞し、1936 年フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏会でソリストとしてデビュ ーした。その後ピアノのエリー・ナイ(1882-1968)、ヴァイオリンのマックス・ シュトループ(1900-1968)とピアノ三重奏団を組んだ。ヨーゼフ・カイルベルト (1908-1968)はドイツの指揮者。これは大戦中に録音されたこの指揮者の最初期 の録音。LP時代になって多くの名録音を残しています。(グッディーズ)

Aulicus Classics
FAB-0001(2CD)
ヴィヴァルディ:「調和の霊感」 Op.3 ロベルト・ジーニ(指)
アンサンブル・コンチェルト

録音:1991年8月 イタリア ヴェネツィア
ロベルト・ジーニが指揮した1991年録音のヴィヴァルディ「調和の霊感」の久々の再 発。AULICUS CLASSICSが少し前の録音を復刻するAmadeus Bestのシリーズ。ロベ ルト・ジーニとアンサンブル・コンチェルトは、1990年前後はイタリアで最も注目された バロック音楽の牽引者だった。その後イタリアでは欧州でも特に刺激の強いバロック 音楽団体がいくつも台頭し、穏健なジーニの演奏は陰に隠れてしまった。しかし現代 から顧みると彼らの力みなく滑らかな音楽の素晴らしさが改めて実感できるでしょう。ヴ ェネツィアのサンタ・マリア・デッラ・ピエタ教会での収録。

Resonus
RES-10318(1CD)
NX-B05
バッハ:チェンバロ協奏曲集
協奏曲 ニ短調 BWV1052
協奏曲 イ長調 BWV1055
協奏曲 ニ長調 BWV1054
協奏曲 ニ短調 BWV1059 (スティーヴン・デヴァインによる再構築版)
スティーヴン・デヴァイン(チェンバロ&指揮)
使用楽器=ハンス・クリストフ・フライシャー(ハンブルク)が1710年に製作し
た1段鍵盤のチェンバロを参考に、コリン・ブースが2000年に製作した2段
鍵盤チェンバロ
エイジ・オブ・インライトゥメントO(古楽器使用)【Margaret Faultless(Vn)、Kati Debretzeni(Vn)、Max Mandel(Va)、Andrew Skidmore(Vc)、Christine Sticher(Cb)、Katharina Spreckelsen(Ob)(BWV 1059のみ)】
ピッチ a'=415Hz

録音:2022年3月1-3日
エイジ・オブ・インラントゥメントO及びゴンザーガ・バンドの首席チェンバロ奏者スティーヴン・デヴァイン。2009年からは指揮活動も始めました。 今作ではバッハのチェンバロ協奏曲の中から4曲を演奏。BWV1059はオーボエ協奏曲として冒頭の8小節半のみが遺されていますが、この録 音でデヴァインはカンタータ第35番『心も魂も乱れはて』の素材を用いて「復元」を試みています。 アリアの声楽パートをオーボエに割り当てるなどのデヴァインならではの工夫をお楽しみください。エイジ・オブ・インラントゥメントOは弦楽5部で 各パート1人の編成(BWV1059ではオーボエも参加)、精妙緻密なアンサンブルで聴かせます。

ALPHA
ALPHA-937(1CD)

NYCX-10412(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
モーツァルトとマンボ3〜美しきキューバ娘
モーツァルト:ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495
エドガー・オリヴェロ(1985-):ルンバ風ロンド
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
ホセ・ホワイト・ラフィット(ホルヘ・アラゴン編):美しきキューバ娘
ホセイト・フェルナンデス(アラゴン編):グァンタナメラ
サラ・ウィリス(Hrn)
ジョナサン・ケリー(Ob)
ヴェンツェル・フックス(Cl)
シュテファン・シュヴァイゲルト(Fg)
ハロルド・マドリガル・フリアス(Tp)
サラバンダ【サラ・ウィリス(Hrn)、ジュニエト・ロンビーダ(Sax)、ジャネル・ラスコン(P)、レオ・A. ルナ(ベース)、アレハンドロ・アギアル(カホン、マラカス)、アデル・ゴンサレス(コンガ)、エドゥアルド・ラモス(ティンバレス)】
ハバナ・リセウム・オーケストラ
 アデル・ゴンサレス(パーカッション/スペシャル・ゲスト)
ホセ・アントニオ・メンデス・パドロン(指)

録音:2022年4月 ハバナ、キューバ
国内仕様盤日本語解説…今泉晃一
ベルリン・フィルの人気ホルン奏者サラ・ウィリスがキューバのミュージシャンたちと録音し、世界的な大ヒットとなった2020年のアルバム「モーツァルトとマンボ」 (ALPHA578/NYCX-10151)、2022年の「キューバン・ダンス」(ALPHA878/NYCX-10336)に続く三部作の完結編が登場。「モーツァルトはきっと 素晴らしいキューバ人になったはず」という現地の友人の一言がきっかけとなり、彼女自身が大好きなキューバの音楽とモーツァルトを取り合わせるというなんと も不思議な企画が立ち上がりましたが、これが非常に面白い相乗効果を生みました。 3つのアルバムを合わせてサラ・ウィリスとハバナ・リセウム・オーケストラによるモーツアルトのホルン協奏曲全4曲が揃いますが、ここにもう1曲モーツアルトを加え たいという彼女の熱意に応えて、ベルリン・フィルから3人の首席奏者たちがハバナへ駆けつけ協奏交響曲の録音が実現しました。彼らはアンコールとして19 世紀にフランスで活躍したキューバ出身の作曲家・ヴァイオリニスト、ホセ・ホワイト・ラフィットが作曲した「美しきキューバ娘」も演奏。4人のソリストもオーケスト ラも肩の力を抜いて、音楽を心から楽しんでいるのが伝わる素晴らしい演奏を聴かせています。最後はキューバ国内はもとより世界中で親しまれている名曲 「グァンタナメラ(グァンタナモの娘)」のライヴ感覚溢れるパフォーマンスで、コロナ禍を乗り越えて完結したこのシリーズを締めくくります。

ALPHA
ALPHA-985(1CD)
バッハ・ミニマリスト 〜バッハ、グレツキ、アダムズ
バッハ:チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052
1. I. Allegro
 ヘンリク・グレツキ:チェンバロ協奏曲 Op.40
2. I. Allegro molto
 クヌート・ニーステッド(1915-2014)/シモン=ピエール・ベスティオン編曲:
3. 不滅のバッハ(弦楽合奏)
 ジョン・アダムズ(1947-):シェーカー・ループス
4. I. Shaking and Trembling
 ジャン・アラン(1911-1940)/ベスティオン編曲:
5. リタニ
 アダムズ:シェーカー・ループス
6. II. Hymning Slews
 バッハ//ベスティオン編曲:
7. パッサカリア ハ短調 BWV582
 ニーステッド/ベスティオン編曲:
8. 不滅のバッハ(無伴奏合唱)
 バッハ:チェンバロ協奏曲 第1番ニ短調 BWV 1052
9. III. Allegro
 グレツキ:チェンバロ協奏曲 Op.40
10. II. Vivace marcatissimo
 アダムズ:シェーカー・ループス
11. III. Loops and Verses
12. IV. A Final Shaking
 バッハ
13. コラール「汝の御座の前に、われ進み出で」 BWV668(弦楽合奏)
ルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブラ(Cemb)
ラ・タンペート(弦楽合奏、合唱…8)
シモン=ピエール・ベスティオン((指)編)

録音:2022年4月 サン=ピエール・ルーテル教会、パリ
シモン=ピエール・ベスティオンが2015年に結成したラ・タンペート。これまで主に声楽アンサンブルとしてCDをリリースしてきましたが、器楽アン サンブルにも力を入れている彼らならではの、目の覚めるような弦楽合奏によるアルバムが届けられました。ベスティオンが「まるで現代の曲の ように聴こえる」という大バッハのチェンバロ協奏曲第1番第1楽章から、同じニ短調で書かれたグレツキの協奏曲になだれ込むというオープニ ングからたいへんスリリング。チェンバロは、指揮者ベスティオンの弟でアンサンブル・レ・シュルプリーズの共同主宰者でもあるルイ=ノエル・ベス ティオン・ド・カンブラが担当しています。またガット弦を用いているため、ジョン・アダムズなどはたいへん新鮮な響き。現代ノルウェーの作曲家ク ヌート・ニーステッドが、バッハのコラール「甘き死よ来たれ」BWV 478を元にゆったりとしたインプロヴィゼーションの要素を加えて作曲した合唱 曲「不滅のバッハ」は、弦楽合奏版とラ・タンペートの為のア・カペラ版と2回収録しており、トーンクラスターが美しく響くこの作品で、今回た だ1曲だけ彼らの高度な合唱(メンバーはアンサンブルと兼任)を聴くことが出来ます。最後は、視力を失った死の床のバッハが口伝で譜面を 起こさせたという伝説を持つ美しいコラールを小編成で収録。これまでのアルバムでも古楽と現代を行き来する先鋭的なプログラムを得意と してきた彼らですが、今回はより刺激的な構成になっているといえるでしょう。

DACAPO
MAR-8.224753(1CD)
NX-B08
アウゴスト・エナ(1859-1939):ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(1896)
交響曲第2番ホ長調(1907)
アンナ・アガフィア(Vn)
ボゴタPO
ヨアキム・グスタフソン(指)

録音:2022年9月26-29日
デンマークでシチリア系の家庭に生まれ、19世紀後半から20世紀前半を生きたアウゴスト・エナの大作2編を収めたアルバム。メロディアスで分厚いサウンド が魅力です。 ワーグナーとフランス近代音楽に影響を受けた重厚なサウンドと次々と湧き出る親しみやすい楽想を持ち、国際的・普遍的なスタイルを目指したエナの作品 は、民族色が希薄なこともあって、デンマークよりもアメリカやオーストラリアで好評を博しました。このアルバムに収められた2曲ともエナ作品の特徴である美し いメロディが特徴です。 エナ自身がヴァイオリニストだったこともあり、高度な技巧と情感豊かな表現を結び付けたヴァイオリン協奏曲は彼の代表作とされることの多い充実した出来 栄え。急緩急の3楽章構成で、第2楽章アンダンテが悲劇的な和音で始まるのが強い印象を残します。アレグロ・スケルツァンドの終楽章にシベリウス作品 に通じるものを感じる人もいることでしょう。交響曲第2番は伝統的な4楽章構成で、ブルックナーのようにもワーグナーのようにも聞こえるところがあります。こ の「初めて聴くのに既視感がある」というのはエナ作品の特徴かもしれません。後期ロマン派のオーケストラ作品を開拓したい人にお勧めです。コロンビアのボ ゴタ・フィルがホットな演奏を展開しています。


Treasures
TRE-297(1CDR)
エッシュバッハーのベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第17番Op.31-2「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第26番Op.81a「告別」*
ロンド・ア・カプリッチョ「なくした小銭への怒り」Op.129
ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15#
アドリアン・エッシュバッハー(P)
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)#
ルツェルン祝祭O#

録音:1950年9月19日、1951年5月22日*、1947年8月27日#
※音源:独DG LPM-18220、米Discocorp RR-438#
◎収録時間:79:15
“大指揮者と対等に音楽を紡ぎ合った美しき協奏!”
■音源について
ピアノ協奏曲は廉価CDでも発売されていましたが、音の生々しさはこのDiscocorp盤に遠く及びません。エッシュバッハーお得意のベートーヴェンですが、ピアノ・ソナタの録音はこの2曲のみ。協奏曲もこの1曲しか遺していません。

「テンペスト」は、ライヴかと勘違いするほどの凄い気迫!特に提示部の第2主題からの切迫感が強烈で、リピート時の第1主題のミスタッチもなんのその。再現部では、ラルゴの走句に追加されるレチタティーヴォが実に幻想的で、第2主題は一層熱を帯びて再現されます。第2楽章は、短い音価の音符の扱いに細心の配慮を払いつつ、フレージングの淀みを回避。終楽章は主題の全貌をぼかして開始し、遠近感を与えつつ推移。展開部以降は構築感と集中力がピークに達し、4:52以降の強弱の入れ替えにおける自然なドラマ性は流石です。
 更に素晴らしいのが「告別」。第1楽章序奏の、小さな部屋にぽつんと佇む風情からハッとさせられます。主部以降は「テンペスト」とは別人のようにペダルを抑制して噛んで含めるように進行。バックハウスのような威厳とは一線を画す内省的なニュアンスが心を捉えます。展開部では、少ない音符の隙間にそこはかとない悲しみが印象的。第2楽章は不安な空気感を煽らず、楽譜をサラリと忠実に再現することで常に希望の光を滲ませませながら、終楽章の喜びへの自然な流れを築きます。
 協奏曲は、まずは冒頭、フルトヴェングラーの指揮の充実ぶりに心打たれますが、エッシュバッハーはこれと互角に渡り合えるの?という心配は御無用。端正な造形美を湛えながら可憐な表情を紡ぎます。第2主題の澄み切った音色と微笑みの表情は、この楽章にこれ以上望めないほど魅力的で、偉大な指揮者に萎縮する素振りなど見せません。構えの大きな第2楽章も素晴らしく、3:24からのふくよかな呼吸感や3:50以降の華麗なタッチは必聴。終楽章は決して疾走に傾かず、音の跳躍の愉しさが伝わるテンポをフルトヴェングラーと共有しながら確実にニュアンスを紡ぎます。特にノリだけでで進行しやすい第2副主題(2:44〜)にも丁寧に表情が刻印されていおり、その入念なアプローチが大きく功を奏しています。一方で、推進力も盤石。コーダの追い込みが高圧的な熱狂ではなく素直な歓喜として響くのも、この作品に相応しいニュアンスと言えましょう。【2023年7月・湧々堂】

DOREMI
DHR-8207(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第16集
(1)ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVII:11
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.26
(3)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
(4)ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲 Op.2-2
スカルラッティ:ソナタ ニ短調 L.422, K.141
(5)ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60、夜想曲 ヘ長調 Op.15-1、マズルカ ハ長調 Op.24-2、マズルカ イ短調 Op.59-1、マズルカ 変
イ長調 Op.59-2、夜想曲 変ホ長調 Op.55-2、スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39、練習曲 嬰ハ短調 Op.10-4
(6)バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ Sz.110
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ロンドン・シンフォニエッタ
 録音:1980年6月6日ミラノ
(2)クラウディオ・アバド(指)、フランス国立O
 録音:1969年11月12日パリ
(3)シャルル・デュトワ(指)、ローザンヌ室内O
 録音:1959年1月19日ローザンヌ
(4)録音:1979年4月22日アムステルダム・リサイタル
(5)録音:1967年6月5日ベルガモ・リサイタル
(6)スティーヴン・コヴァセヴィチ(P)、ウィリー・ハウドスワールト&ミカエル・デ・ルー(打楽器)
 録音:1977年5月8日/アムステルダム・リサイタル
アルゲリッチの貴重ライヴ音源集第16弾。協奏曲とソロ、そしてバルトークの『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』のライヴ演奏が聴けます。
Naive
OP-7368(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集XI〜アンナ・マリアに捧ぐ〜
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV229、変ロ長調 RV363(Il corneto da posta/ポストホルン)、ニ長調 RV207、
変ホ長調 RV260、ハ長調 RV179a、変ホ長調 RV261、ラルゴ(RV179aより〜オリジナルの装飾音で演奏)
ファビオ・ビオンディ(Vn、指)
エウローパ・ガランテ

録音:2020年10月9-13日、イタリア
ヴィヴァルディ・エディション最新刊は、ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテによるヴァイオリン協奏曲集!ヴィヴァルディ・エディション全体としては 第71巻目となり、シリーズ中のヴァイオリン協奏曲としては11枚目となります。今回の演目は、18世紀初頭の最も有名な演奏家の一人、アンナ・マリアの名 を冠したヴァイオリン協奏曲集。ヴィヴァルディが 40年間教鞭を執ったピエタ教会出身の神童であり、卓越した演奏家であったアンナ・マリア(1696-1782)は、 優れたヴァイオリニストであると同時に、ヴィオラ・ダモーレ、テオルボ、チェンバロ、チェロ、リュート、マンドリンにも長けていました。彼女の名声はヨーロッ パ中にとどろいており、ヴィヴァルディが彼女に献呈した作品はRV 286(聖ロレンツォの祝日のために)やRV581, 582(聖母被昇天の祝日のために)など、 数多くの作品を献呈、ないし彼女のために書いたと考えられています。ここでは1710年から1720年代にかけて作曲された6曲を収録。独奏ヴァイオリン+ 弦楽(Vn、ヴィオラ・チェロ、ヴィオローネ)にアーチリュートとクラヴィチェンバロという編成で、時に茶目っ気たっぷりに、時に重厚な雰囲気でと、 自由自在に表情や雰囲気を変えて演奏しています。協奏曲RV179aのラルゴでは、アンナ・マリア自身による豊かな装飾が施されたヴァージョンも収録してい ます。ヴィヴァルディを熟知しているビオンディと、エウローパ・ガランテが、真骨頂を発揮しています。 (Ki)

H.M.F
HMM-931833(1CD)
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調op. 53
ピアノ三重奏曲 第3番ヘ短調 op.65*
イザ ベ ル・ファウスト(Vn)
ジャン=ギアン・ケラス(Vc)
アレクサンドル・メルニコフ(P))
イルジー・ビエロフラーヴェク(指)
プラハ・フィルハーモニア

録音:2003年9月ルドルフィヌム、プラハ
2003年12月テルデックス・スタジオ、ベルリン*
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は、チェロ協奏曲の陰に隠れがちですが、他の有名協奏曲に劣らない名曲です。またファウストの演奏は細やかな感性を 絶妙に表現し、透明感を失わず、詩情を大切にした音楽で、聴き手に爽やかな後味を残してくれます。 そしてピアノ三重奏曲では、ファウスト、ケラス、メルニコフという黄金トリオによる演奏で、ドヴォルザークのスラヴ的な哀愁と陰影を見事に描き出しています。 (Ki)
H.M.F
HMM-931816(1CD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb-1
 チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb-2
モン(1717〜50):チェロ協奏曲 ト短調
ジャン=ギアン・ケラス(Vc)
ペトラ・ミュレ ヤンス (指&Vn)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2003年3月、テルデックス・スタジオ・ベルリン
チェロ奏者ならだれもが演奏するレパートリーのハイドンのチェロ協奏曲をケラスとフライブルク・バロック・オーケストラという最高の布陣の演奏で。カップ リングのモンの協奏曲も、ハイドン以前(バロックから古典派への移行期に生きた)に書かれた傑作です。ハ長調の協奏曲で聴かせる活きのよい音楽(とくに終 楽章のアグレッシヴさは快感です)、ニ長調の協奏曲で聴かせる優しい明るさ。ケラスの縦横無尽の才を堪能できる1枚です。フライブルク・バロック・オーケ ストラの巧さも一聴に値します。 (Ki)

DUX
DUX-1958(1CD)
ポーランドの協奏曲集 Vol.1
マルセロ・ニシンマン(1970-):ポーランドの旋律による13の変奏曲(2018)〜ヴァイオリン、チェロと室内オーケストラのための
ミコワイ・グレツキ(1971-):セカンド・スペース(2010)〜弦楽四重奏と弦楽オーケストラのための
パヴェウ・ウカシェフスキ(1968-):ネオポリス・コンチェルト(2017)〜ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための
エヴァ・ファビアンスカ=イェリンスカ(1989-):ヴィオラ協奏曲(2015)〜ヴィオラと弦楽オーケストラのための*
エマヌエル・サルヴァドール(Vn、指)、
アンドリー・ヴィトヴィッチ(Va)、
エミリア・ゴフ・サルヴァドール(Va)*、
コンスタンティン・ハイドリッヒ(Vc)、
バルティック・ネオポリスO

録音:2022年
ポーランドの現代音楽作曲家による協奏的作品の世界初録音を集めた1枚。ヘンリク・グレツキの息子であるミコワイ・ピオトル・グレツキ(1971-)の弦楽四重奏と弦楽オーケストラの自由な対話を描いた作品や、日本では合唱関係者・愛好家に知られるパヴェウ・ウカシェフスキ(1968-)の深く瞑想的な雰囲気を湛えたヴァイオリン協奏曲など、21世紀の興味深い作品が集められています。

ANTARCTICA
ANTAR-046(1CD)
ロベール・グロスロ(1951-):ヴァイオリン協奏曲第2番Op.129
Now, Voyager, sail...(交響曲第1番) Op.130*
リナス・ロス(Vn)
ロベール・グロスロ(指)
ブリュッセル・フィルハーモニック

録音:2020年4月19日、9月3日、2021年6月14・15日*
ベルギーの作曲家ロベール・グロスロによる調性感をもった現代作品集。ヴァイオリン協奏曲第2番は「好きな作曲家であるシベリウスに近い」とグロスロ が語っており、透明感がありつつも暗く重い雰囲気がただよう独特な美しさを持っています。またアメリカの作家ウォルト・ホイットマンの詩にちなんだ『Now, Voyager, sail...』はグロスロの最初の交響曲で、そのスケルツォ楽章にはビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収録さ れている「ゲッティング・ベター」が素材として用いられています。

SWR music
SWR-19129CD(1CD)
NX-B02
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(カデンツァ=ベートーヴェン)
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
シュトゥットガルトRSO
アントワーヌ・ド・バヴィエ(指)

録音:1956年7月11日(モノラル・ライヴ)
20世紀を代表するピアニストの一人、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920-1995)、36歳のライヴがリマスターされて登場。 完璧主義者のミケランジェリは、共演者やレパートリーを厳選し、録音には滅多にOKを出しませんでしたが、放送には同意していたため、Pianist Discography.comによれば、モーツァルトの第15番には7種、第20番には9種もの録音が存在します。 モーツァルト生誕200年にあたる1956年7月11日、ルートヴィヒスブルク音楽祭でライヴ録音されたこの演奏は、壮年期のミケランジェリらしく理知的 で力強く、推進力漲る演奏。2013年にSWR(南西ドイツ放送)からライセンスされたマスターを使ってICA CLASSICSからリリースされたのと同一音 源ですが、今回は本家SWRで新たにマスタリングしたとのことです。 指揮者のアントワーヌ・ド・バヴィエ(アントン・フォン・バヴィエルとも)はスイス出身のクラリネット奏者。フルトヴェングラーの勧めで指揮をはじめ、ビルバオ SOを指揮した後、ザルツブルク・モーツァルテウムで室内楽を教え、1990年代にはプラハのスーク室内Oの指揮者を務めました。

Acte Prealable
AP-0560(1CD)
アルトゥル・チェシラク(b.1968):協奏曲集
クラリネット協奏曲
左手のためのピアノ協奏曲
管楽器と打楽器のための音楽(2人のドラマーと指揮者を伴うヴァージョン)
クラリネット・ソナタ
バルバラ・ハレツ(指)、
ミレナ・パルカイ(P)、
ボグスワフ・ヤクボフスキ(Cl)、
マルタ・ミクリンスカ(パーカッション)、
シモン・ガツェク(パーカッション)、
クシシュトフ・ソヴィンスキ(P)、
フィールハーモニー・クインテット(木管五重奏団)、
シュチェチン芸術アカデミーの器楽奏者たち
アルトゥル・チェシラク(b.1968)の協奏曲作品集。チェシラクはワルシャワのショパン音楽院と、ポズナンのパデレフスキ音楽院で学びました。当初はピアニストとして精力的に活動し、1990年代半ばから作曲家としても活躍し始めました。チェシラクは独自の様式と音響技法の開発に努めながらも、ヨーロッパの伝統的な手法も取り入れています。現在は教育者、音楽評論家としても活躍しています。

Chandos
CHAN-20168(1CD)

XCHAN-20168(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
シュトラウス、シューマン、ウェーバー:ホルン協奏曲集
シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック Op.86*
ウェーバー:ホルン小協奏曲 ホ短調 Op.45, J188
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調 Op.11, Trv117、
 ホルン協奏曲第2番変ホ長調 Trv283
マーティン・オーウェン(Hrn)
クリストファー・パークス(Hrn)*
アレック・フランク=ゲミル(Hrn)*
サラ・ウィリス(Hrn)*
ジョン・ウィルソン(指)、
BBCフィルハーモニック

録音:2022年4月25日(コンツェルトシュテュック)、9月30日&10月10日(その他の作品)、メディア・シティUK(サルフォード、イギリス)
ヨーロッパを代表するホルン奏者の一人、マーティン・オーウェンがChandosから登場。オーウェンは、ソリスト、室内楽奏者として世界各地で活躍。1998年から2008年までロイヤルPOの首席ホルン奏者を務め、現在はBBC響の首席ホルン奏者の地位に就いています。また、ロンドンの主要なオーケストラをはじめ、BPOやヨーロッパ室内Oなどでソロ・ホルン奏者も務めています。
本アルバムでは、ナチュラル・ホルンのために作曲され、重音奏法など、様々な技巧を要するウェーバーの小協奏曲。ホルン奏者でもあった父フランツの影響により、R・シュトラウスが18歳という若さで作曲し、今もなおホルンのための重要レパートリーのひとつにあげられる協奏曲第1番。そして、第1番誕生から60年後に作曲された、モーツァルト的作風の協奏曲第2番に加え、シューマンの4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックでは、オーウェンを筆頭に、クリストファー・パークス(スウェーデンRSO、シンフォニア・オヴ・ロンドン)、アレック・フランク=ゲミル(ヨーテボリSO)、そして、サラ・ウィリス(BPO)という、卓越した豪華ソリスト陣が織り成す圧倒的黄金のサウンドを堪能することができる、まさにホルンのための傑作選と呼ぶべき好企画。2022年度レコード・アカデミー賞&グラモフォン賞受賞など、評価を高め続けるジョン・ウィルソンと、BBCフィルという万全のサポートも注目すべきポイント。ホルン関係者はもとより、管楽器愛好家にもおすすめの注目盤が堂々の登場です。

Signum Classics
SIGCD-764(1CD)
バッハ:ハープシコード協奏曲集 Vol.2
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV1050
ハープシコード協奏曲 ホ長調 BWV1053
ハープシコード協奏曲 ヘ短調 BWV 1056
ハープシコード協奏曲 ヘ長調 BWV 1057
ハノーヴァー・バンド、
アンドルー・アーサー(指&ハープシコード)

録音:2019年5月&2022年3月、セント・ニコラス教会(アランデル、イギリス)
H.I.P(歴史的情報に基づく演奏)の分野でよく知られており、鍵盤楽器のソリストや通奏低音奏者、指揮者としてイギリスの主要なピリオド楽器オーケストラや合唱団と共演しているアンドルー・アーサーが指揮とハープシコードを務めた、ハノーヴァー・バンドとのバッハのハープシコード協奏曲集の第2弾!前作(PSIGCD-710、SIGCD-710)は『レコード芸術』準特選盤に選ばれるなど話題となりました。
今作では「ブランデンブルク協奏曲第5番」を取り上げており、さらに「ブランデンブルク協奏曲第4番」を編曲した「ハープシコード協奏曲 ヘ長調 BWV1057」などを収録。バッハのハープシコード協奏曲は、ソリストにかなりの技量を求めますが、その一方でソリストだけが目立つのではなくアンサンブル全体の中の一部として存在しており、全ての楽器が平等かつ補完された形で音楽を担っています。アンドルー・アーサーとハノーヴァー・バンドの演奏はそれを見事に体現して見せています。
ハノーヴァー・バンドは1980年にキャロライン・ブラウンによって創設されたイギリスを代表する古楽器オーケストラのひとつです。歴代の指揮者にはバロック・ヴァイオリンの名手としても知られるロイ・グッドマンや、チャールズ・マッケラスなどが名を連ねています。

Chopin University Press
UMFCCD-137(1CD)
ル・クラヴサン・モデルヌ・プラス・パーカッション Vol.1
ミコワイ・ヘルテル(b.1948):ハープシコード、弦楽と打楽器のための組曲「スペインの踊り子」*
グラント・マクラクラン(b.1956):「アフリカの祝祭」 (ハープシコードとアフリカン・パーカッションのための)
アンジェイ・カラウォフ(b.1991):「フェイタル・ミラーズ」 (打楽器とハープシコードのための)
ミコワイ・ヘルテル:「アウト・オヴ・タイム」 (フルート、打楽器とハープシコードのための)*
アリナ・ラトコフスカ(ハープシコード)、
レシェク・ロレント(パーカッション)、
アガタ・イグラス(Fl)、
ヤン・グララ(パーカッション)、
ショパン音楽大学室内O、
ラファウ・ヤニャク(指)

録音:2021年4月14日、6月28日、8月5日‐6日(ポーランド、ワルシャワ)
*世界初録音
ハープシコード奏者アリナ・ラトコフスカの発案により、ハープシコードとさまざまな楽器の組み合わせを、現代のレパートリーにのせて紹介するシリーズが始動。その第1弾は、ハープシコードとパーカッションの組み合わせで、ヨーロッパやアフリカ、ブラジルの伝統的な音楽に触れることができます。本アルバムの最初と最後を担うミコワイ・ヘルテルの楽曲はいずれも世界初録音。

NEOS
NEOS-1231314(2CD)
現代のヴィオラ協奏曲集
1. クリスティアン・ヨースト(b.1963):Mozarts 13097. Tag(2005)〜ヴァイオリン、ヴィオラとオーケストラのための協奏交響曲*
2. ハンス・ウルリヒ・レーマン(1937-2013):Contradictions(2008)〜独奏ヴィオラと室内オーケストラのための*
3. ナディア・ヴァッセナ(b.1970):D’oltremare(2012)〜ヴィオラと小オーケストラのための*
4. ダーフィト・フィリップ・ヘフティ(b.1975):Cantabile(1975)〜ヴィオラとオーケストラのための協奏曲*
5. モートン・フェルドマン(1926-1987):The Viola in My Life IV(1971)〜ヴィオラとオーケストラのための
6. ギヤ・カンチェリ(1935-2019):Styx(1999)〜ヴィオラ、混声合唱とオーケストラのためののための
7. ハインツ・ホリガー(b.1939):Recicanto(2001)〜ヴィオラと小オーケストラのための
ユルク・デーラー(Va)、
ウィリ・ツィンマーマン(Vn)、
コレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥール、スイス室内cho
ヤック・ファン・ステーン(指/1,6)、
ハインツ・ホリガー(指/2,7)、
ダグラス・ボイド(指/3)、
ダーフィト・フィリップ・ヘフティ(指揮/4)、ベアート・フラー(指/5)

録音:1999年〜2021年(2を除きライヴ録音)
*世界初録音
シャーンドル・ヴェーグやフョードル・ドルジーニン、ピンカス・ズーカーマン、キム・カシュカシャンらに師事したスイス出身のヴァイオリニスト/ヴィオリスト、ユルク・デーラーによる現代のヴィオラ協奏曲集。彼が現代音楽に奉仕してきた30年間の記録ともいえる2枚組のアルバムで、CD1には世界初録音の4作品、CD2には今回のレコーディングがスイス初演となる3作品が収録されています。デーラーはチューリッヒ・トーンハレでダニエル・シュナイダーのヴィオラ協奏曲を世界初演してデビューし、その後多くの有名なオーケストラに客演しているほか、1993年以降はコレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥールの首席ヴィオラ奏者を務めています。

Challenge Classics
CC-72951(1CD)
サン・サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調 Op.61
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82
ルドルフ・コエルマン(Vn)
パウル・K・ハウク(指)
シンフォニエッタ・シャフハウゼン

録音:2021年11月18・19日シャフハウゼン、聖ヨハネ教会
ヤッシャ・ハイフェッツに学び、ロイヤル・コンセルトヘボウOのコンサートマスターも務めたルドルフ・コエルマンによる、後期ロマン派の美しいヴァイオリ ン協奏曲集。コエルマンが師ハイフェッツに捧げるアルバムとして選曲したプログラムです。
グラズノフの協奏曲は名ヴァイオリニスト、レオポルド・アウアーのために書かれたもので、ハイフェッツは10代の頃アウアーから直接この曲について学んでいま す。またサン=サーンスの第3協奏曲は、ハイフェッツ自身が録音したかったが、実現できなかった曲だとコエルマンに語っていたそうです。コエルマンの演奏は師 を思いながらも自身の音楽を力強く展開するもので、両曲の持ち味を存分に堪能いただけます。 (Ki)


Treasures
TRE-312(1CDR)
ヘブラー〜ステレオ初期の協奏曲録音集
ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調Hob.18-11*
モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番変ロ長調K.456
 ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
シモン・ゴールドベルク(指)オランダ室内O*
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)ウィーンSO

録音:1960年7月1-3日*、1959年5月9-11日
※音源:蘭PHILIPS 802737DXY*、日Victor SFON-7508
◎収録時間:79:52
“穏やかなだけではないヘブラーの頑なにブレないピアニズム!”
■音源について
★ヘブラーにとってハイドンの協奏曲はN響とも共演(1983年)した大切なレパートリーですが、これが唯一の録音。モーツァルの2曲はそれぞれ3種のセッション録音があり、最も有名なのは60年代にLSOと録音した選集ですが、ここに収録したのはそれとは別のフィリップスに移籍直後の録音。

ハイドンは、ヘブラー特有の可憐さと気品を兼ね備えたタッチが活ききった名演奏。「女性らしさ」の範疇を超える芯の確かなタッチがものを言い、リズムが生き生きと湧き立ち、夢のような空間を現出。第1楽章再現部5:16からの体全体で飛び込む勢いは、ヘブラーの一般的なイメージを覆すのに十分で、心躍ること請け合い!もちろん終楽章も同様。1:54からの装飾音から弾ける愉しさはひとしお。第2楽章も十分にリリシズムを湛えながらも安易な柔和なトーンでやり過ごさず、古典的様式の範疇で凛としたタッチを確実に配置。指揮のゴールドベルクとの一体感も、これ以上のものは考えられないほどです。
 指揮とのコンビネーションの良さは、モーツァルトも同じ。メジャー・デビュー直後のドホナーニの瑞々しくも配慮の行き届いた指揮に、ヘブラーは心おきなく自身のピアニズムを羽ばたかせます。「第18番」第1楽章2:38からの音型の粒立ちの良さとよく通る響き、均整の取れたフォルムは、これまたヘブラーのピアニズムが決して柔和さ一辺倒でないことの証明。展開部では、ウィーン響の素朴な木管との掛け合いの何と愉しいことでしょう。第2楽章はピアノの入りに要注目!この楽想にこれ以上のタッチのニュアンスがあり得るでしょうか?伏し目がちでありながら決して暗く沈むこまない絶妙な表情は、まさにモーツァルトをライフワークとするヘブラーの面目躍如!
同じ音を連打する際に均衡を保って響かせる手腕もヘブラーの武器の一つで、終楽章冒頭もその好例。その何でもない行為が音楽を魅力的にさせるのに欠かせないことを体で知っているのです。フレージングからだけでなく、リズムからも語りかけのニュアンスが零れ出るのもヘブラーの魅力。テンポの速い楽章でもその姿勢にブレはなく、足場を固めながらそれを実践する様をこの終楽章でご堪能下さい。
 「第27番」は、第1楽章の冒頭を極めて内省的なタッチで開始するのが意外ですが、それが楽章全体で一貫していることからも、それがただの気まぐれではないのはもちろんのこと、展開部の陰影に飛んだニュアンスへ繋げるための布石であることに気付かされます。
 第2楽章冒頭では、先述のヘブラーの「リズムで語る」魅力を痛感。それを受けるドホナーニの指揮がまた絶妙で、強弱ニュアンスへの繊細な配慮は見事。その両者が、余分なものを全て排除した少ない音符を丹念に紡ぐ8分間は、浮世の雑念とは完全に隔絶した世界です。
終楽章は、菩薩のような笑みを浮かべた表情がたまりません!「癒やし」などという安直な意味ではなく、自信をなくしている全ての人の心を一旦リセットし、「何とかなりそうだ」と思わせるような不思議な光とパワーを感じるのは私だけでしょうか?そう思わせるのも、一見温和でありながら背後では頑として譲れないピアニズムを貫くブラーの意志の強さの賜物だと思うのです。【2023年6月・湧々堂】

Indesens Calliope Records
IC-013(1CD)
シャモー:協奏曲集
フィリップ・シャモー:ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲
バスーンと管弦楽のための協
奏曲
トランペットと管弦楽のための夜想協奏曲
エリック・オービエ(Tp)、
スヴェトリン・ルセフ(Vn)、
ジョルジオ・マンドレージ(バスーン)、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)ドゥエO

録音:2023年2月6日-7日(ドゥエ、フランス)
ギャルド・レピュブリケーヌOの首席指揮者として活躍したロジェ・ブートリーの門下生であり、ナディア・ブーランジェの孫弟子にあたるフランス人作曲家フィリップ・シャモー(1952-)。瞑想的、神秘的な作風を特徴とするシャモーが書いた、ヴァイオリン、バスーン、トランペットのための協奏曲集が登場。
メルボルン国際室内楽コンクール、ロン=ティボー国際コンクール、2001年には第1回仙台国際音楽コンクールで優勝を果たし、フランス国立放送POのコンサートマスターを務めるブルガリア出身のヴァイオリニスト、スヴェトリン・ルセフ。
名門パリOの首席バスーン奏者のジョルジオ・マンドレージ。モーリス・アンドレの高弟であり、その流派を受け継ぐフランスの名トランペット奏者、エリック・オービエという豪華ソリスト陣が名を連ねています。

Chopin University Press
UMFCCD-143(1CD)
ニュー・ダブル・アコーディオン・コンチェルトズ
バッハ:2台のハープシコード協奏曲 ハ短調 BWV1060/2台のハープシコード協奏曲 ハ長調 BWV1061/2台のハープシコード協奏曲 ハ短調 BWV1062
デュオアコスフィア〔グジェゴシュ・パルス(第1アコーディオン)、アレナ・ブジニャーコヴァー(第2アコーディオン)〕、カペラ・クラコヴィエンシス弦楽五重奏団

録音:2019年
国際的アコーディオン・デュオのデュオアコスフィアは、それぞれの国でアコーディオン奏者として傑出した地位を築いているポーランドのグジェゴシュ・パルスとスロヴァキアのアレナ・ブジニャーコヴァーの2人によって2011年に結成され、この編成では類を見ないほど世界各地で音楽祭への出演や多くのコンサートを開催し圧倒的な評価を得ています。このアルバムではカペラ・クラコヴィエンシス弦楽五重奏団を迎えてバッハの2台のハープシコード協奏曲をアコーディオンとピリオド楽器で演奏するとどうなるかという試みがなされており、アコーディオンの新たな可能性を感じさせてくれています。

MIRARE
MIR-670(1CD)
Momentum1
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲(ロ短調)
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ(ロ短調)
リヤ・ペトロワ(Vn/Helios、1735年カルロ・ベルゴンツィ製)
ロイヤルPO
ダンカン・ウォード(指)
アダム・ラルーム(P)

録音:[ウォルトン]2022年9月5日、ロンドン/[レスピーギ]2023年1月28-29日
2016年のカール・ニールセン・コンクールで優勝し一躍世界の注目を集めたペトロワ。最新盤となる本盤は、[Momentum(運動量、推進力、勢い)]シリー ズの第1弾。ウォルトンの協奏曲とレスピーギのソナタを収録。続編(2024年リリース予定)にはコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲とR.シュトラウスのソナタを 収録する、ウォルトンとコルンゴルトという2つの作品を軸に構成した意欲的なプロジェクトです。ウォルトンの協奏曲は1938年、続編に収録のコルンゴルトは 1945年という、激動の時代に作曲され、どちらもハイフェッツによって初演されました。今回収録のウォルトンとレスピーギのソナタはどちらもロ短調、さらにウォ ルトン作品にはイタリアを意識した楽章が含まれるといった共通点があります。
ウォルトンのヴァイオリン協奏曲は美しく抒情的に歌うヴァイオリンと、ゆらぎが美しいハーモニーの管弦楽のアンサンブルで始まります。第2楽章は「アッラ・ナ ポリターナ」でタランテラ風の超絶技巧な楽章。カラフルで活気に満ちたヴィヴァーチェの終楽章でのヴァイオリンとオケの丁々発止のやりとりも聴きものです。
レスピーギのソナタは非常にオペラティックで、ピアノがフル・オーケストラのように奏でる上で、ヴァイオリンが何か実際に歌詞のある歌を歌っているような旋 律を奏でます。
ペトロワの次の新譜は2024年リリース予定の[Momentun 2]、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲とR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタが予定されていま す。指揮と管弦楽はウォードとロイヤル・フィル、ピアノはアレクサンドル・カントロフです。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0071(1CD)
旅へのいざない 〜ラロの「ロシア協奏曲」とその原曲ほか
(1)デュパルク:旅へのいざない(Vnと管弦楽のための編曲版)
(2)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第1番ヘ長調 Op.20
(3)サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
(4)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第4番ト短調 『ロシア協奏曲』
(5)リムスキー=コルサコフ:『100のロシア民謡』 Op.24より 「エヴラシェヴォ村の鐘が鳴る」(弦楽合奏のための編曲版)
(6)ラロ:ヴァイオリン協奏曲第4番ト短調 『ロシア協奏曲』 Op.29第2〜4楽章
(7)リムスキー=コルサコフ:『100のロシア民謡』 Op.24より 「ノヴゴロドに鳴り響く鐘」(Vn、バセットホルン、チェレスタ、ハープ、チェロのための編曲版)
(8)ムソルグスキー:愛しいサーヴィシナ(Vn、チェロ、コントラバス、クラリネット、ホルン、ファゴットのための編曲版)
ドミトリー・スミルノフ(Vn、編曲(5)(7)(8))
ハインツ・ホリガー(指)
バーゼル室内O

録音:2022年2月23-25日/スイス、ドン・ボスコ・バーゼル
ラロのヴァイオリン協奏曲第4番『ロシア協奏曲』と、この曲でロシアの旋律を使うにあたってラロが参照したR=コルサコフ編纂の『100のロシア民謡』 を中心にして、19世紀末における東西の音楽の橋渡しをテーマに、絶妙な選曲でこまやかに作りこまれたアルバムです。歌や民謡をヴァイオリン編曲版で演奏し、 ヴァイオリンの協奏作品と組み合わせることで、音色の統一感もありつつ様々な音楽言語が織り込まれた幻想的な世界を生み出しています。
アルバムの扉を開く1曲目、『旅へのいざない』は、東方の地を幻想的に描いたボードレールのたいへん美しい韻文詩に基づく歌曲。もともとはピアノ伴奏 ですがデュパルク自身が管弦楽伴奏版も書いており、当盤ではそれをもとに歌のパートをヴァイオリンで演奏しています。原曲がピアノとは思えない繊細なオーケ ストレーションと夢みるような歌の旋律が、聴く者を彼の地へといざないます。
スペインの血を引くラロは、有名な『スペイン交響曲』(Vn協奏曲第2番)以外でもスペインの色彩をもつ音楽を書いていて、協奏曲第1番もそ のひとつ。この作品と響き合うものとして、同じくスペインの名手サラサーテのために書かれスペインの響きをもつ、サン= サーンスの 『序奏とロンド・カプリ チオーソ』が選ばれています。そして『ロシア協奏曲』は、印象的に使われたロシア民謡の原曲を大胆に挟み込むかたちで演奏。各々の作品が繋がっていくこ とで、音楽の味わいがぐっと深まっていきます。 ★最後を締めくくるのはムソルグスキーの歌曲『愛しいサーヴィシナ』。ロシア的な5拍子による物悲しくも美しい歌を、低音中心の印象的な編曲で奏でています。
ドミトリー・スミルノフは古楽から現代まで幅広くこなす若き俊英ヴァイオリニスト。2018年にバーゼルで自ら設立した室内アンサンブル「カメラータ・ライン」 では実験音楽や映画音楽まで手掛けるという多彩な音楽家です。今作ではロマン派作品のガット弦での演奏に挑戦、また巧妙なプログラミングと鮮やかな編曲も 彼によるもの。フランス・ロマン派の色彩に負けず、しかも編成にまでこだわった編曲はアルバムのハイライトとも言え、自身で演奏することによりさらに迫真の 表情が生まれています。巨匠ホリガーにとっても刺激的で新鮮なプロジェクトだったようで、非常にレベルの高い、真に交響的な演奏が繰り広げられています。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187110(1CD)
ロシアン・コンチェルト集
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82
ユリア・フィッシャー(Vn)
ヤコフ・クライツベルク(指)、
ロシア・ナショナルO

録音:2004年5月12&13日DZZ第5スタジオ(モスクワ)
ユリア・フィッシャーの衝撃のデビュー盤、ハチャトゥリアン、プロコフィエフ(第1番)、グラズノフのヴァイオリン協奏曲を収録したアルバム「ロシアン・コンチェ ルト集」がCDフォーマットで再発売いたします!
録音当時21歳だったユリア・フィッシャーですが、既に独自のスタイルを確立しており、彼女の最大の魅力と言える情熱的で表情豊かな演奏を披露しており ます。冒頭のハチャトゥリアン。一度聴いたらその旋律が耳に残る第1楽章の提示部から凄まじい存在感を示し、圧倒的なテクニックで雄大に演奏します。第2 楽章の歌謡的で抒情的な主題ではフィッシャーの美音が冴えわたり、聴き手の心を鷲掴みにします。そして、民族舞踏を想わせる無窮動とも言える終楽章は超ド 級の名演で、終結部の強烈な同音連続によって豪快に終わります。この作品はレコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤プラス100」で第1位に輝いており ます。
次に収録されたプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番では、「夢みるような」と作曲者自身が述べた第1主題を絶妙な歌い回しで弾きはじめ、緩-急-緩と配列された全3楽章構成の中で、非常に豊かな表現力を披露しております。
最後のグラズノフは終始フィッシャーの美音が冴えわたります。ヴァイオリンの様々な奏法を用い、高度な技術が要求されるこの協奏曲ですが、余裕すら感じ させる演奏には脱帽です。故ヤコフ・クライツベルク率いるロシア・ナショナルOとの熱演をお楽しみください。  (Ki)
※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5942およびPTC-5186591)は廃盤となります。

Goodies
78CDR-3909(1CDR)
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26 ユーディ・メニューイン(Vn)
ピエール・モントゥー(指)サンフランシスコSO

米 VICTOR11-8951/53
1945年1月27日サンフランシスコ録音
ユーディ・メニューイン(1916-1999)はニューヨーク生まれのユダヤ系ヴァイオ リニスト。4歳からヴァイオリン教育を受け、7歳でサンフランシスコSO と共演して初舞台を踏んだ。ルッジェロ・リッチ(1918-2012)の師でもあったル イス・パーシンガー(1887-1966)が最初のヴァイオリン教師。その後パリでジョ ルジュ・エネスコに、ベルリンでアドルフ・ブッシュ(1891-1952) に師事した。このブルッフはメニューインの2回目の録音。ピエール・モントゥ ー(1875-1964)はパリ生まれのフランスの大指揮者。1935年から1953年アメリカ のサンフランシスコSOの指揮者をつとめ、同楽団の黄金時代を築いた。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3910(1CDR)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21
ワルツ第7番嬰ハ短調作品64-2
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
ジョン・バルビローリ(指)LSO

英 HMV DB1494/7
1931年1月8-9日ロンドン、キングズウェイ・ホール(協奏曲)
1930年12月17日ロンドン、小クイーンズ・ホール内スタジオC録音
アルトゥール・ルービンシュタイン(1887-1982)はポーランド生まれの大ピアニ スト。そのレパートリーは古典派から現代音楽と幅広く、電気録音の初期から レコード録音を始めた。生涯の前半をヨーロッパで過ごし、1937年にアメリカ に移住した。このショパンはルービンシュタインの初期の録音で、ここに収め られた「ワルツ嬰ハ短調」はなんとテイク8(八回やり直してOKを出した)だった。 これは限られたアーティストにのみ許されたことで、ヴァイオリンの巨匠フリッ ツ・クライスラーにテイク7(ベートーヴェン「スプリング・ソナタ」の第3楽 章-78CDR-3014)というのがあった。ルービンシュタインは後年ショパンのほぼ 全作品のレコード録音を完成しています。指揮者のジョン・バルビローリ(1899- 1970)は1916年にヘンリー・ウッドの率いるクイーンズ・ホールOにチェ リストとして入団(バッハ:チェロとピアノのためのソナタが78CDR-3443で 出ている)。1925年には自らの室内Oを組織して指揮をはじめた。1936- 43年にニューヨーク・フィルハーモニーSOの首席指揮者をつとめた。 SPレコード時代シュナーベルやクライスラーらの巨匠との録音があった。(グッディーズ)

MDG
MDG-92622816(1SACD)
ヴィルトゥオーゾの芸術 Vol.2〜ソロ・コンチェルト集
モーツァルト:3つのピアノ協奏曲〜第3番変ホ長調KV107(J.C. バッハのソナタ編)
マルティン・ザイフェルト(1681-1745):オーボエ協奏曲ハ短調
ヨハン・ジギスムント・ヴァイス(1690-1737):リュートと弦楽のための協奏曲ト短調
フランティシェク・イラーネク(1698-1778):ヴァイオリン協奏曲イ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター(1696-1765):ソナタ・グロッサ(3トランペット、2オーボエ、ティンパニ、弦楽、通奏低音))
ヨゼフ・ヘフナー(19世紀前半):キートランペットのための序奏とポロネーズ
ソリスト;
アダ・タニール(Cemb)
ハンス・ハインリヒ・クリーゲル(Ob)
佐々木勇一(Lute)
エルケ・ファブリ(Vn)
ペドロ・H・デ・ソウザ・ローサ(キートランペット)
カテルヴァ・ムジカ

録音:2022年6月2日、9月2,4日、10月27-29日、、マリエンミュンスター修道院コンツェルト
ドイツのルール地方の西部に位置するヴェストファーレンで活動する古楽アンサンブル、カテルヴァ・ムジカ。同団は、1998年にエルケ・ファブリ、ヴォルフガン グ・ファブリ夫妻によって設立。オリジナル楽器による演奏で、歴史的な音楽をただ蘇らせるだけではなく、現代的なアプローチを取り込んだ生き生きとした演奏 で定評があります。18世紀のソロ協奏曲を集めた「ヴィルトゥオーゾの芸術」第2弾 は、14歳のモーツァルトがロンドンを訪れた際に、J.C.バッハのソナタをピアノ協奏曲に編曲し た作品からはじまります。ピアノ・パートはそのままに、若き天才の驚くべき才能でロココの宝石のような魅力的な作品に仕上げています。モルターの「ソナタ・グ ロッサ」は、トランペット、ティンパニ、オーボエ、弦楽器と様々な楽器を使用した祝祭感溢れる作品。イラーネクの非常に技巧的な「ヴァイオリン協奏曲」や美しいハー モニーが印象的なザイフェルトの「オーボエ協奏曲」。そしてドイツで活躍しているリュート奏者佐々木勇一がソリストとして参加するヨハン・ジギスムント・ヴァイス の協奏曲。兄シルヴィウス・レオポルトの陰に隠れて忘れられていますが、このヨハン・ジギスムントのリュート協奏曲は、マンハイム楽派に先立つ音楽を聴くことが できます。またヨゼフ・ヘフナーの、19世紀前半には画期的だったキートランペットをソロ楽器とした序奏とポロネーズなど多彩なプログラムが収録されています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72942(1CD)
『オルフェウスの降下』 〜ロビン・デ・ラーフ(1968-):作品集
(1)ピアノ協奏曲第2番『キルクルス』(2021-2022)
(2)室内管弦楽のための『オルフェウスの降下』(2002-2003)
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番『北大西洋の光』(2002-2003)
(1)ラルフ・ファン・ラート(P)、マティアス・ピンチャー(指)、ネーデルラント放送PO
(2)ローレンス・レネス(指)、ネーデルラント放送PO
(3)トスカ・オプダム(Vn)、マルク・アルブレヒト(指)、ネーデルラントPO
録音:(1)2022年6月10日/アムステルダム、ヴェスターガスファブリーク
(2)2020年11月21日アムステルダム、コンセルトヘボウ、
(3)2019年5月20日アムステルダム、コンセルトヘボウ"
Challengeレーベルが力を入れて紹介しているオランダ現代音楽を代表する作曲家、デ・ラーフの管弦楽作品集。循環する時間をテーマとしたピアノ協奏曲『キ ルクルス(円)』、決して戻ってくることのない下降を描いた『オルフェウスの降下』、まばゆい光と水の煌めきに焦点を当てたヴァイオリン協奏曲『北大西洋の光』 を収録しています。どれも複雑・精巧でありながら、耳馴染みの良いサウンドを持っています。大編成のオーケストラをたっぷり鳴らし、華麗なソロも聴かせる、抜 群の聴き応え。 (Ki)

Hanssler
HC-23013(1CD)
ライネッケ:フルート協奏曲 ニ長調 Op.283
ペンデレツキ:フルートと室内オーケストラのための協奏曲*
クシシュトフ・カチカ(Fl)
ヤナーチェクPO、
フェリペ・トリスタン(指)

録音:2022年6月21&22日、2022年6月30日〜7月1日*/オストラバ(チェコ)
独ヘンスラー・レーベルから積極的なリリースが続いているポーランド出身のフルーティスト、クシシュトフ・カチカ。当アルバムではライネッケとペンデレツキの 協奏曲を収録しました。
ポーランドを代表する作曲家の一人ペンデレツキ。フルート協奏曲は当時第一線から退いていたジャン=ピエール・ランパル(1922-2000) に捧げた作品。初演は1993年、創立50周年を迎えたローザンヌ室内Oと作曲者自身による指揮で行われました。この作品は95年に改訂され、翌96年 にはクラリネット協奏曲にも編曲されています。
カチカは2009年から2012年まで広州SOの首席フルート奏者を務めたのち、現在はソリストとして活動の幅を広げており、これまでにラン・ラン、ヨー ヨ・マ、五嶋みどり、サラ・チャンといった世界的アーティストとの共演を果たしております。ヘンスラー・レーベルからメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(フ ルート版)(HC-21034)、バッハのヴァイオリンとフルートのための協奏曲集(HC-21020)、母国ポーランドの作曲家「ヴォシの作品集」(HC-20001)、 「ルーマニアのフルート音楽」(HC-21060)など、積極的なリリースが続いております。 (Ki)


King International
KKC-4336(1SACD)
限定発売
フルトヴェングラー&メニューイン
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
交響曲第1番ハ長調 作品21*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO、VPO*
ユーディ・メニューイン(Vn)

録音:1947年9月28日ティタニア・パラスト、ベルリン(ライヴ)、1952年11月30日ムジークフェラインザール、ウィーン(ライヴ)*
解説:宇野功芳
メニューインがフルトヴェングラーと組んで録音したベートーヴェンは3種ありますがが、「彼等のベストを尽くした名演」(宇野功芳)がこれです! 「手兵のベルリン・フィルを指揮し、本拠地のベルリンにおける定期公演ということで、フルトヴェングラーの気持ちがまるで異なります。その心の張りがメニューインに 乗り移り、スランプにあえぐ彼から実力以上のものを引き出したのがこのCDなのです。第1楽章ではアインガングから魂が高く羽ばたくような音と表現が聴か れます。音色には溢れるような艶があり、歌に満ちているが、そこに人為的なものはいっさいなく、自然界の一つの現象のように聴こえます。とても人間が弾くヴァイオ リンとは思えず、崇高な感じさえするのです。録音のせいか、最弱音が強くなっているが、充分に繊細な表現が伝わって来、哀しくなるほどのディミヌエンドが印 象的だ。展開部が良い例で、決してセンチメンタルな演奏ではないのに、あまりの美しさと心のこめ方の一途さに、聴いている方が哀しくなってしまうのです。そ れは常に高みに向おうとする心なのだ。どの一部をとっても魂の音楽であり、その真実が音楽美として表われ出てくる。  カデンツァ(クライスラー作)がまたすばらしい。この情熱、この気迫、メニューインは完全に昔の天才少年時代に戻っており、クライマックスへの激しい登頂には 聴いているわれわれも思わず夢中になってしまう。」(宇野功芳、ライナー・ノーツより) 「ヴァイオリン協奏曲」は日本ではキングレコードからLP:K17C-9423(1984.10.21)で発売されました。これは伊チェトラ社が1980年に世界初出音源とし て発売したLP(FE-1)の国内初発売になり、『レコード芸術』誌(84年12月号)で特選を獲得しております。
カップリングの「第1交響曲」は有名な旧EMIセッション録音の直後のライヴ。伊チェトラ社が1982年に世界初出音源として発売したLP(FE-33)の国内初 発売として、翌年K19C-287〜8(83.12.1)で登場。「ウィーンの第九(1951)」とのカップリングでLP2枚組の第4面に収録されておりました。 「(旧EMIセッション録音の)名演に実演ならではの生命力をあたえられた完璧な表現で、しかも踏みはずしが見られない。ここにはまろやかな響きの代りに、切 れば血の出るような生々しさがあり、終楽章のコーダに僅かなアッチェレランドが出現するが、他の部分はいかにもきっちりとしています。とくにオーケストラのリズ ムやアンサンブルが整然としており、ダイナミックスや楽器のバランスも古典曲として模範的だ。まるで1954年、死の年のライヴ演奏を思わせるのです。」(宇 野功芳、ライナー・ノーツより)
この2曲のカップリングでキングレコードから1986年に初CD化発売(K33Y-194)。今回、世界初のSACDHybrid化!ミラノ・ディスコスが制作したアナ ログ・テープ(1/4インチ幅、秒速38cm)の非常に良好な音質をキング関口台スタジオで最新デジタル・リマスタリングによりさらに改善して発売します。ライ ナー・ノーツは宇野功芳氏の“熱烈”解説を転載。

DOREMI
DHR-8205(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第15集

(1)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
(2)ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.21
(3)シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
(4)モーツァルト:アンダンテと変奏曲 ト長調 K.501
(5)ドビュッシー:白と黒で
(6)シューマン:アンダンテと変奏曲 Op.46a
(7)リスト:3つの演奏会用練習曲 S.144より 第2番「軽やかさ」
ドビュッシー:『版画』より 第3曲 「雨の庭」
ラヴェル:水の戯れ
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ルイ・マルタン(指)、スイス・ロマンドO
 ライヴ録音:1959年9月25日/ジェノヴァ
(2)クラウス・テンシュテット(指)、北ドイツRSO
 ライヴ録音:1979年6月18日/キール
(3)クラウス・テンシュテット(指)、北ドイツRSO
 ライヴ録音:1980年5月12日/シュトゥットガルト
(4)(5)スティーヴン・コヴァセヴィチ(P)]
(6)アレクサンドル・ラビノヴィチ(P)、フリードリヒ・ドレシャル(Vc)、ミッシャ・マイスキー(Vc)、マリー=ルイーズ・ノイネッカー(Hrn)]
 ライヴ録音:1977年5月8日/アムステルダム
(7)ライヴ録音:1973年4月17日/ニューヨーク
DOREMIのアルゲリッチ貴重音源集第15弾。テンシュテットとの協奏曲やニューヨークでのリサイタルなどを収録。


Spectrum Sound
CDSMBA-140(2CD)
ダヴィド・オイストラフ・ライヴ・イン・パリ1958
(1)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041
(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:ヨアヒム)
(3)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:クライスラー)
(4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
(1)-(3)アンドレ・クリュイタンス(指)、
 フランス国立放送O
(4)レフ・オボーリン(P)

録音:(1)-(3)1958年10月27日シャイヨー国立劇場、パリ(ライヴ)(モノラル)
(4)1962年6月18日フランス国営放送局内スタジオ(放送用収録)(モノラル)
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規復刻、巨匠オイストラフがクリュイタンス &フランス国立放送管と共演した「3大B」の協奏曲を収めたアルバムで、1958年10月27日、パリにおける一夜のライヴが蘇ります。
非常に細かいヴィブラートとテヌートを多用し、まるで歌手のように歌い上げるオイストラフのヴァイオリン。それでいて推進力の高い演奏なので聴き手もオイス トラフの音色に没頭してしまいます。これほど艶やかな演奏は20世紀の巨匠でしか聴くことはできないでしょう。クリュイタンスとの息もばっちり!50歳になった オイストラフの、演奏家として円熟期のバッハ(第1番)、ブラームス、ベートーヴェンを聴けるのは至福と時といえましょう。
ボーナストラックとして、1962年6月18日、フランス国営放送局内のスタジオで収録した、レフ・オボーリンとのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10 番を収録。同コンビはベートーヴェンの全曲を同時期に録音しておりますが、これとは別音源の6月18日の放送用に収録されたものです。芳醇な香りのする名演 奏をお楽しみください!

Goodies
78CDR-3905(1CDR)
牧神の午後への前奏曲-マルセル・モイーズの芸術
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
フェルー: 無伴奏フルートのための3つの小品
(1)恋する羊飼い
(2)硬玉
(3)端陽
イベール:フルート協奏曲
マルセル・モイーズ(Fl)
ワルテル・ストララム(指)ストララムO(ドビュッシー)
ウジェーヌ・ビゴー(指)交響楽団(イベール)

仏COLUMBIA LFX30 1930年2月24日録音(ドビュッシー)、 仏COLUMBIA DFX194 1933年パリ録音(フェルー)、 仏DISQUE GRAMOPHONE L1013/4 1934年パリ録音(イベール)
フルートのマルセル・モイーズ(1889-1984)はパリ音楽院でポール・タファネル (1844-1908)、フィリップ・ゴーベール(1879-1941)に師事し、1906年に一等賞 を得て1908年にソロ・デビューした。1913年から32年にオペラ・コミック、 1922年から32年にはストララム管弦楽団に席を置き、1932年から49年にパリ音 楽院の教授をつとめた。指揮者のウジェーヌ・ビゴー(1888-1965)はパリ音楽院 出身。シャンゼリゼ劇場の指揮者を経てパリ音楽院管弦楽団、フランス国立放 送管弦楽団、ラムルー管弦楽団、オペラ・コミックの指揮者を歴任、母校の指 揮科の教授もつとめた。2曲目の作曲者フェルーは現代音楽推進団体(トリトン) の創立者の一人。モイーズはこのシリーズで殆どの録音が復刻されている。(グッディーズ)

Gramola
GRAM-99268(1CD)
リヒテンタール博士のモーツァルト
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(Pと弦楽四重奏版)
幻想曲第4番ハ短調 K.475(Pとチェロ版)*
ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457(Pとチェロ版)*

※全てペーター・リヒテンタール(1779/80-1853)による編曲版
アウレリア・ヴィショヴァン(ハンマークラヴィーア)
Johann Frenzel製作(1828年頃)
パンドルフィス・コンソート(古楽器使用)
ピッチ a=436Hz

録音:2022年5月5-7日
*…世界初録音
アルバム・タイトルにある「リヒテンタール博士」とは、ブラチスラヴァ生まれの医師・作曲家ペーター・リヒテンタール(本名:ヴォルフガング・マイヤー)のこと。彼 はモーツァルトの熱烈な信奉者で、モーツァルトの妻コンスタンツェや2人の息子とも親交があり、彼らからの厚い信頼も受けていました。リヒテンタールはレクイエ ム?GRAM99188)をはじめとした数多くのモーツァルト作品の編曲版を遺しています。 このアルバムの前半にはリヒテンタールがオーケストラ・パートを弦楽四重奏に編曲したピアノ協奏曲第20番を収録。こちらはアウレリア・ヴィショヴァンが歴史的 なハンマークヴィーアを演奏、パンドルフィス・コンソートと共に密度の濃いアンサンブルを奏でます。後半にはリヒテンタールがチェロ・パートを追加したハ短調のピ アノ・ソナタや幻想曲が収録されており、ここではパンドルフィス・コンソートのチェリスト、ギュンター・シャーゲルがヴィショヴァンと息のあった演奏を披露していま す。

Christophorus
CHR-77471(1CD)
ヴィヴァルディのサルテリオ
ヴィヴァルディ:協奏曲 ハ長調 RV186、
協奏曲 ホ短調 RV275、
協奏曲 ヘ長調 RV294aよりアンダンテ、
協奏曲 ニ長調 RV84、
協奏曲 ト短調 RV156、
ソナタ ト長調 RV820、
ソナタ ロ短調 RV35a, RV37a、
協奏曲 ロ短調 RV388、
協奏曲 ニ長調 RV220、歌劇「ジュスティーノ」のアリア「Ho nel petto un cor si forte」による幻想曲
作曲家不詳(18世紀ヴェネツィア):ソナタホ短調よりアダージョ
フランツィスカ・フライシャンデール(サルテリオ&指揮)、
イル・ドルチェ・コンフォルト

録音:2022年10月&11月、グレンザッハ=ヴィーレン福音教会(ドイツ)
18世紀のイタリアで広く普及し、特に女性貴族や女子修道院の間で人気を博していたハンマーダルシマー型の楽器、サルテリオ。現在サルテリオの名手として、また研究者として活躍しているオーストリア出身のフランツィスカ・フライシャンデールは、本作でヴィヴァルディとサルテリオの関係を探求します。ヴィヴァルディがヴェネツィアの有名な孤児学校 Ospedale della Pieta(ピエタ院)にいたとき、2つのサルテリオが購入され、さらにサルテリオのための教師が特別に雇われたことが判明しています。つまりヴィヴァルディがこの楽器に直接曲を捧げていなかったとしても、「どんな楽器も恐れない」ヴィルトゥオーゾの少女たちはサルテリオでマエストロの作品を解釈したと考えることができるのです。フライシャンデルルは本作のために、ヴィヴァルディの作品の中から特に彼女の楽器に適した協奏曲を探し出しました。名手によってさまざまな技法で奏でられるサルテリオと、イル・ドルチェ・コンフォルトが生み出す至福のサウンドをお楽しみください。

Glossa
GCD-P-31910(1CD)
バッハ:リコーダー協奏曲集
協奏曲ニ長調 BWV1053(R)
カンタータ第76番 「天は神の栄光を語る」 BWV.76より シンフォニア
協奏曲ト短調 BWV1056(R)
協奏曲イ長調 BWV1055(R)
カンタータ第182番「天の王よ、ようこそ来ませ」 BWV.182よりソナタ
協奏曲ハ短調 BWV1060(R)
ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)、リアナ・モスカ(Vn・ソロ/tr.5-7、11-14)ジュゼッペ・マレット(ディレクター)、カンティカ・シンフォニア〔リアナ・モスカ(Vn、ヴィオラ/BWV76)、エフィクス・プレオ(Vn、ヴィオラ/BWV182)、アレッサンドロ・コンラド(Vn/BWV1055&1060)、エレナ・サッコマンディ(Va)、二コラ・ブロヴェッリ(Vc)、フェデリコ・バニャスコ(ヴィオローネ)、キアラ・カッターニ(ハープシコード、オルガン)〕

録音:2021年1月2日-5日&2022年11月21日、サルッツォ(イタリア)
「デュファイ・トリロジー(三部作)」やビュノワ、イザークのミサ曲など、数多くの名唱を生み出してきた、名匠ジュゼッペ・マレットが率いるイタリアの声楽と器楽によるピリオド・アンサンブル、カンティカ・シンフォニア。2017年度のレコード・アカデミー賞を受賞したラ・コンパーニャ・デル・マドリガーレのモンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」(OGCD-922807)にも参加していた「カンティカ・シンフォニア」の新録音は、大バッハの名作のリコーダー協奏曲版。
バッハは、リコーダー独奏のための協奏曲は残していませんが、ブランデンブルク協奏曲やいくつかのカンタータなどの重要な作品にリコーダーを多用してきました。本アルバムでは、ケース・ブッケ、フランス・ブリュッヘンといった名手達のもとでリコーダーとフルートを学んだロレンツォ・カヴァサンティが、バッハが愛した楽器の魅力を色彩感溢れる音色で奏でます。

LAWO Classics
LWC-1255(1CD)

PLWC-1255(1CD)
国内盤仕様
税込定価
忍耐
フィリップ・グラス(b.1937):ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」〔プロローグ、第1楽章、ソング第1番、第2楽章、ソング第2番、第3楽章、ソング第3番、第4楽章〕
シェティル・ビェルケストラン(b.1955):ヴァイオリン協奏曲第1番「忍耐」〔命知らず、1と20、下りと上り、セブン、浮き沈み、忍耐〕
サラ・オーヴィンゲ(Vn)、
ノルウェー室内O、
エドワード・ガードナー(指)

録音:2021年8月2日-6日、ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
※国内盤:解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き
ノルウェー出身の才能溢れるヴァイオリニスト、サラ・オーヴィンゲがエドワード・ガードナーとの共演でプログラムに選んだのはフィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」とノルウェーの作曲家、シェティル・ビェルケストランのヴァイオリン協奏曲という好奇心に溢れたプログラム。「アメリカの四季」はグラスが2009年にヴァイオリニストのロバート・マクダフィーのために書いた作品。ヴィヴァルディの「四季」を意識して書かれた作品ではありますが、ヴィヴァルディとは違い各楽章にどの季節が該当するのかは明示されておらず演奏者やリスナーに自由な解釈が委ねられています。また通常の協奏曲のようなカデンツァを置かず、第1楽章の前に「プロローグ」、他の3つの楽章の前にはそれぞれ「ソング」というソリストのための無伴奏の楽章が置かれている点でもグラスのユニークさが光る作品です。シンセサイザー・パートは一般的にバロック・ハープシコードのような音色で演奏されますが、オーヴィンゲはより電子音響的な音を作り、一味違ったサウンドを創り出しています。
シェティル・ビェルケストランはクラシックはもとよりロック、ポップスからフォークや映画音楽、コンテンポラリーまで幅広い音楽スタイルで活動するノルウェーの音楽家。レイ・チャールズやキース・エマーソンのアレンジャーとしても知られています。オーヴィンゲは2019年にビェルケストランと出会い自分が探し求めていたものを見つけたと話します。このアルバムでは「電子的なものと有機的なものの共存」というテーマを追求しています。
サラ・オーヴィンゲは4歳でヴァイオリンを始め、9歳で地元ノルショーピングのオーケストラに初めてソリストとして登場。16歳でストックホルムの王立音楽大学で学士号を取得後、オスロのノルウェー音楽アカデミーとロンドンの王立音楽大学でソロ・ディプロマを取得しました。ノルウェー音楽アカデミーではディプロマを史上最年少で修了したほか、スウェーデン・ソリスト賞の「リスナー賞」をはじめ数々の賞を受賞しています。これまでにソリストとしてヨーテボリSO、ベルゲンPO、ノルウェー放送O、トロンハイムSOなど、スカンジナビアを代表する多くのオーケストラと共演を重ね、着実に評価を高めているヴァイオリニストです。

GENUIN
GEN-23842(1CD)
ブローウェル、レムケ、モラ、ドックス:ギターとアコーディオンのための作品集
ブローウェル(1939-):ベートーヴェンによる協奏的変奏曲(2020)、Bomarzos Tales(2022)
サーシャ・リノ・レムケ(1976-):Atemschaukel(2021)*
エディー・モラ(1965-):ルクス・ノヴァ(2021)
ヘクター・ドックス(1993-):3つの変容(2022)
ルクス・ノヴァ・デュオ 〔リディア・シュミードル(アコーディオン)、ホルヘ・パス・ベラステギ(G)〕、
マルチア・レムケ=ケルン(S)*、
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O、
エディー・モラ(指)

全て世界初録音
ギターの巨匠レオ・ブローウェルからも絶賛されたギターとアコーディオンのデュオ、ルクス・ノヴァ・デュオのGeniuin3枚目のアルバムは、全曲世界初録音!ルクス・ノヴァ・デュオは、ペルーのギター奏者ホルヘ・パス・ベラステギと、ドイツのアコーディオン奏者リディア・シュミードルによって2012年にバルセロナで結成されました。本作の収録曲はすべて彼らのために書かれた2020年以降の作品で、ブローウェルのラテンアメリカ的な色彩からドックスの沈黙の深さを追求した「変容」まで、広大なカラーパレットを楽しめます。

Forgotten Records
fr-1879(1CDR)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
幻想序曲「ロメオとジュリエット」#
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 +
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)*
ロリン・マゼール(指)
フランス国立RSO*、BPO

録音:1959年9月22日モントルー音楽祭(ライヴ)*、1957年6月24日#、1958年12月10日+
※音源:DG LPM 18382#、SLPM 138033 +
Forgotten Records
fr-1887(1CDR)
ヤコブ・ギンペル/シューマン&グリーグ
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調
ヤコブ・ギンペル(P)
アルトゥール・ローター指揮
ベルリンSO

録音:1960年(ステレオ)
※音源: Opera 1184
Forgotten Records
fr-1889(1CDR)
ヘブラー/モーツァルト:ピアノ協奏曲Vox録音集2
ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175
ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415 #
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
イングリッド・ヘブラー(P)
パウル・ヴァルター(指)
ウィーン・プロ・ムジカO

録音:1956年、1956年5月7日-8日#
※音源: Vox PL 9830、PL 10080

ALPHA
ALPHA-991(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol.6
ピアノ協奏曲 第11番ヘ長調 K.413(カデンツァ…モーツァルト)
ピアノ協奏曲 第13番ハ長調 K.415(カデンツァ…モーツァルト)
オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314(カデンツァ…ガブリエル・ピドー)*
ロマン・ボリソフ(P/ベーゼンドルファーVC280)
ガブリエル・ピドー(Ob)*
ウィーンRSO
ザルツブルク・モーツァルテウムO*
ハワード・グリフィス(指)*

録音:2022年9月 オーストリア放送スタジオ6/大ホール、ウィーン
2022年3月 オルケスターハウス、ザルツブルク*
無名の若き名手から中堅まで幅広いソリストの登場が話題を呼んでいる<次世代ソリストたちによるモーツァルト>の第6弾。数々の受賞 歴と古楽器での活躍、YouTubeでのパフォーマンスと話題を振りまきながら、2022年にALPHAからデビュー・アルバム「ロマンス」 (ALPHA789)を発売したオーボエのガブリエル・ピドーと、2021年のルール・ピアノ・フェスティバルに参加しラフマニノフの素晴らしいパフォーマ ンスで聴衆を圧倒したロマン・ボリソフが登場。両者とも、明朗ながら細やかな歌いまわしで、作品の素晴らしさをごくシンプルかつ効果的に打 ち出す才は、まさに新世代の俊英だといえるでしょう。

DIVOX
CDX-72201(1CD)
NX-B03
ヴェニスのバッハ
バッハ:協奏曲 ニ長調 BWV972(原曲:ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV230)
協奏曲 ト長調 BWV973(原曲 ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV299)
協奏曲 ハ長調 BWV976(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV265)
協奏曲 ニ短調 BWV974(原曲:A. マルチェッロのオーボエ協奏曲)
協奏曲 ト長調 BWV980(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV381)
協奏曲 ヘ長調 BWV978(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV310)

※全てジューリオ・デ・ナルドによるチェンバロと室内アンサンブル編
ジューリオ・デ・ナルド(Cemb)
セスティエール・アルモニコ(古楽器使用)

録音:2021年8月18-21日
全て世界初録音
バッハは生前イタリアに旅行することはありませんでしたが、ザクセン公ヨハン・エルンストがイタリアの器楽レパー トリーに関心を抱いていたため、ヴィヴァルディ、アルビノーニ、トレッリらの作品に触れることができました。バッハはこ れらを研究し、何曲かの作品をチェンバロ独奏用に編曲しています。このアルバムでは、その中から6曲を選び、鍵 盤楽器奏者ジューリオ・デ・ナルドがオーケストラとチェンバロのための協奏曲に編曲。デ・ナルドは各々の作品の チェンバロ・パートに改変を加えることなく、弦楽パートを付け加えています。 ジューリオ・デ・ナルドは1994年、トレヴィーゾ生まれ。アンドレア・マルコンに師事し、数多くの国際コンクールに入 賞。マルコンの楽団とともに演奏を重ねてきた俊英で、これがソリストとしての初アルバムになります。

SOUPIR EDITIONS
S-256(1CD)
アルフレード・ダンブロージョ(1871-1914):ヴァイオリン作品集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番ロ短調 Op.29
(2)ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.51
(3)カンツォネッタ ト長調 Op.28
(4)ロマンス ニ長調 Op.9
(5)導入とユモレスク イ短調 Op.25
(6)セレナード ニ長調 Op.4
(7)カンツォネッタ ト短調 Op.6
ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)
(1)(2)アリー・ファン・ベーク(指)
オー・デ・フランス地域圏ドゥエーO
(3)-(7)上田晴子(P)

録音:2021年10月22,24日,2022年7月27日 フランス オー・デ・フランス地域圏 ドゥエー
偉大なヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフが、今日ではすっかり忘れ去 られてしまったイタリアのヴァイオリニスト、作曲家、アルフレード・ダンブロージョ (1871-1914)のヴァイオリン協奏曲2曲と小品を録音。ダンブロージョはナポリの生ま れ。生地で学んだ後、1889年から90年にマドリードでパブロ・デ・サラサーテに、 1891年から92年にロンドンでアウグスト・ヴィルヘルミに学んだ。その後はパリやニー スを拠点にして、演奏、作曲、教育と活躍した。43歳で亡くなってしまったため本人 の録音はごく僅かで、そして作品も忘れ去られてしまった。 大演奏家が埋もれた作曲家の作品を取り上げる時は意気込みが強いのが常。ここ でもカントロフは特に協奏曲では力の入っており、後期ロマン派的充実感をしっかり 聞かせてくれます。オランダの指揮者、アリー・ファン・ベークにも熱が入り、2曲の協奏 曲は手本にして至高の演奏です。一方、上田晴子の伴奏で弾く小品はかつての サロンでの愉悦を蘇らせた素敵なものばかり。この1枚でダンブロージョの概要は掴 めるでしょう。埋もれた素晴らしい芸術を蘇らせたカントロフの偉業だ。

AAM Records
AAM-42(1CD)
NX-B08

NYCX-10404(1CD)「
国内盤仕様
税込定価
モーツァルト:ピアノ協奏曲第5番/教会ソナタ 他
協奏曲の楽章 ト長調-『ナンネルの音楽帳』より(R. レヴィン復元)
ピアノ協奏曲第5番ト長調 K.175*
ピアノ協奏曲 ニ長調 K.107No.1
ピアノ協奏曲 ト長調 K.107No.2
ピアノ協奏曲 変ホ長調 K.107No.3
教会ソナタ第17番ハ長調 K.336*
(カデンツァ:ロバート・レヴィンの即興演奏)
ロバート・レヴィン(チェンバロ&オルガン*)
使用楽器
チェンバロ:ストラスブールのヨハン=ハインリヒ・ジルバーマン、1770年頃製モデルによる再現楽器、アラン・ゴット2013年製作
オルガン:ジョージ・イングランド1760年建造、 ウィリアム・ドレイク2009年レストア
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(古楽器使用)
ボヤン・チチッチ(指)
ローレンス・カミングス(指)*

録音:2021年12月8-9日、2022年8月18-20日
※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。
注目の1曲目は、モーツァルトの父レオポルトがモーツァルトの姉ナンネルの学習用に始めた『ナンネルの音楽帳』に書かれていた曲による「復元」。この曲は協 奏曲の第1楽章のスタイルで書かれていますが、オーケストラ・パートがありません。書法に未熟さが見られることからレオポルトの作ではないとされたものの作 者は特定されていませんでした。しかし2009年にモーツァルトの作と判定され、オーケストラ・パートを付けて協奏曲として復元する作業をロバート・レヴィンが 担当しました。晴朗で快活な5分余りの曲です。 ピアノ協奏曲第5番として知られるK.175は、若きモーツァルトが旅先で好んで演奏したため改訂が重ねられ、最初のバージョンを完全な形で復元すること はできません。ロバート・レヴィンは残された資料を基に、初稿にはピアノ曲に当然あるべき強弱記号が全く無く、当時のピアノやチェンバロの音域に照らすと 不自然な点があることから、モーツァルトはこの曲をザルツブルク大学の付属教会のオルガンで初演したものと推定。それに近い環境を求めて、モーツァルト在 世中の1760年に作られたオルガンで演奏・録音しました。レヴィンの演奏は俊敏で明快、AAMのサウンドと相まって、時にヘンデルのオルガン協奏曲を思わ せます。 アルバムにはこのほかに、モーツァルトがヨハン・クリスティアン・バッハのソナタ3曲を鍵盤楽器のための協奏曲に編曲したK.107(ここでのソロ楽器はチェンバロ) と、ザルツブルク時代に完成した教会ソナタの最後の作品K.336(ソロ楽器はオルガン)が収録されています。 64ページのブックレット(英語のみ)は、曲目解説と演奏者のプロフィールに加え、使用楽器の詳細や、AAM楽団員へのインタビュー、録音エンジニアの回想 と現場レポート等を掲載し、充実した内容となっています。

CD ACCORD
ACD-319(1CD)
NX-C03
プーランク/ジョンゲン:オルガンとオーケストラのための協奏曲
プーランク:オルガンと弦楽合奏、ティンパニのための協奏曲
ジョンゲン:協奏交響曲 Op.81
カロル・モサコウスキ (Org)
NFMヴロツワフPO
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)

録音:2021年6月8日、2022年10月21-24日
使用されているオルガンはドイツのクライス社によって製作されたもの。18世紀から21世紀の音楽に対応するようにというホールの要望に応えつつ、バロック音 楽とフランスのオルガン・シンフォニーの演奏を二つの基準として設計されました。本CDでこのオルガンの本領発揮を聞くことができます。 オルガンを演奏するカロル・モサコウスキは2020年に開催された"プラハの春国際音楽コンクール"のオルガン部門で第1位を獲得。現在カトヴィツェのポーラン ド国立RSOのアーティスト・イン・レジデンスとパリのサン・シュルピス教会のオルガニストを務める注目の奏者です。

GEGA NEW
GD-418(1CD)
「砂川晴彦の思い出に」〜ヤッセン・ヴォデニチャロフ(b.1964):作品集
(1)ルバイヤット(ウマル・ハイヤームの詩による5つのワインの歌)
(2)ピアノ協奏曲「水晶の森からの響きとささやき」
(3)アポクリファ(A.タルコフスキーに捧ぐ)
(4)サクソフォン協奏曲「砂の歌」
(5)シンフォニア(リュドミラ・ヴィデニチャロフの詩による)
(1)エメリ・ルフェーブル(Br)
レオ・マルグ(指)アンサンブル・ラティネレール
(2)デシスラヴァ・シュテレヴァ(P)
イワン・ストヤノフ(指)ガヴロボ室内O
(3)エレクトロアコースティック作品
(4)ニコラス・ケープランド(A.Sax)
ヴセヴォロド・シュムイレヴィッチ(指)
パリ・サクソフォーン・アンサンブル
(5)テオドラ・ペトロヴァ(S)
ナディヤ・パヴロヴァ(Ms)
イワン・ストヤノフ(指)ブルガリア国立RSO
ヤッセン・ヴォデニチャロフ作品集第7弾。日本にも縁の多い作曲家で今回も「砂川晴彦の 思い出に」というアルバム・タイトルがついています。砂川晴彦(1946-2022)は福岡出身でフラン ス在住の画家・彫刻家で抽象的な作品で高い評価を得ていた。 ヴォデニチャロフはソフィア国立音楽院で学んだ後、パリ音楽院でポール・メファノに師事、 IRCAM でも研鑽を積んだ。現在はパリを拠点に活動しています。どの作品が砂川氏に捧げられ ているということではないようで、作風は不協和音の不気味な静けさ、クラスターの炸裂など駆 使した硬派な現代音楽だ。


Spectrum Sound
CDSMBA-137(1CD)
フルノー&ケンプ
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(31'29)
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(29'25)
(1)マリー=テレーズ・フルノー(P)、
ルネ・ジラール(指)フランス国立放送O
(2)ヴィルヘルム・ケンプ(P)、
ゲオルク・ショルティ(指)パリ音楽院O

録音:(1)1967年5月22日メゾン・ド・ラジオ・フランス、105スタジオ(パリ)(モノラル)【初出音源】
(2)1959年9月3日/ブザンソン市民劇場(モノラル)【初出音源】
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規初出復刻。当アルバムは20世紀に活躍 したフランスのピアニスト、マリー=テレーズ・フルノー(1927-2000)、そしてドイツ正統派ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプ(1895-1991)がそれぞれ弾い たモーツァルトのピアノ協奏曲第20番を収録しております。
マルグリット・ロン(1874-1966)の愛弟子であるフルノーは1943年、16歳で挑んだロン=ティボー国際コンクールで第2位を受賞。その後ピアニストとし てのキャリアを本格的にスタートさせましたが難病のため演奏家人生は短く、ここに収めた放送用音源は彼女の演奏を聴く非常に貴重な記録といえます。 フルノーとケンプという20世紀の名ピアニストによるモーツァルトは絶品の一言。聴き比べもお楽しみいただけます。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文下をおすすめします。

REFERENCE
FR-751SACD
(3SACD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲 第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲 第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲 第4番ト長調Op.58
ピアノ協奏曲 第5番『皇帝』
「プロメテウスの創造物」序曲
ギャリック・オールソン(P)
サ-・ドナルド・ラニクルズ(指)
グランド・ティトン音楽祭祝祭O

録音:2022年7月5日〜9日 ウォーク・フェスティヴァル・ホール、ワイオミング州、アメリカ(グランドティトン音楽祭)
1970年第8回ショパン国際ピアノコンクールで優勝(2位:内田光子)したギャリック・オールソン(1948-)によるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲録 音がリリースされます。
アメリカのワイオミング州にあるグランドティトン国立公園の麓の街ジャクソンを中心に毎年夏に行われるグランドティトン音楽祭での演奏で、同音楽祭の音楽監 督を務める名指揮者ドナルド・ラニクルズ(1954-)との共演盤です。オールソンは、1998年アメリカのベリングハム・フェスティバルに出演した際にピアノ 協奏曲全曲(マイケル・パーマー指揮)をライヴ録音しており、今回24年ぶりの再録音となります。
ギャリック・オールソン:「60年前にベートーヴェンのピアノ協奏曲をはじめて勉強して以来、これら5曲を世界中のオーケストラと100回以上演奏してきまし た。
今回、尊敬する音楽家ドナルド・ラニクルズ率いるスーパー・オーケストラとの共演を打診された時は、とても感激しました。ジャクソンの標高にも負けな いエキサイティングな一週間の成果を存分にお楽しみください。」
ドナルド・ラニクルズ:「ギャリック・オールソンは音楽界の至宝であり、私の長年の友人でもあります。今回この音楽祭に出演してくれたことを心から感謝して います。ギャリックが60年間にわたるこの作品へのたゆまぬ努力と研鑽により培われた音楽性は、我々を大いに刺激し、現在はもちろん未来の音楽愛好家へ の素晴らしいギフトとなりました。」 (Ki)

BIS
BISSA-2532(1SACD)
ラウタヴァーラ:ピアノ協奏曲第3番「夢の贈り物(Gift of Dreams)」(1998)
マルティヌー:ピアノ協奏曲第3番(1947-48)
オッリ・ムストネン(P/スタインウェイD )
ラハティSO、
ダリア・スタセフスカ(指)

録音:2022年1月3-8日/シベリウスホール(ラハティ、フィンランド)
フィンランドのラウタヴァーラとチェコ生まれのマルティヌー。一見共通するところのなさそうなふたりは、インスピレーションの新たな源 をみつけようと絶えず探求し、音楽の「ピューリタニズム」から解放される姿勢を保ちつづけたことで繋がっています。フィンランドのピアニスト、オッリ・ムストネ ンが、新たに首席指揮者に就任したダリア・スタセフスカの指揮するラハティSOと共演したアルバムでは、このふたりの作曲家の「ピアノ協奏曲第3番」が演 奏されます。
ラウタヴァーラの「ピアノ協奏曲第3番」は、1994年の交響曲「光の天使」で彼が国際的に成功を収めた後、1998年の作品です。ネオロマンティックなスタ イルをさらに押し進めた1969年の「第1番」とも、雑多な要素を合成した1989年の「第2番」とも異なる、ソリストがピアノを弾きながらオーケストラを指揮 することのできる、ピアノ・オブリガート付き交響詩とでもいったスタイルで書かれています。「トランクィッロ」「アダージョ・アッサイ」「エネルジーコ」の3楽章の 作品。男声合唱のために書かれた1978年の「4つのセレナード」の一曲、ボードレールの詩による〈貧しき者らの死〉に初めて現れた「le dons des reves(夢 の贈り物)」の言葉による音型がモチーフとして使われていることから「夢の贈り物」の副題がつけられました。
折衷的で多作のマルティヌーの「ピアノ協奏曲第3番」は、ロマンティシズム時代の協奏曲に共通する特徴を備えた作品です。ブラームスを思わせる交響的構造 をモデルにした、ストラヴィンスキーの新古典主義の「余韻」の聞こえる第1楽章「アレグロ」。色彩的な第2楽章「アンダンテ・ポコ・モデラート」。「モデラート- アレグロ」の第3楽章には、チェコスロヴァキアに政変が起き共産党政権が成立した1948年という時代が反映され、カデンツァの後、好戦的ともいえる姿勢で曲 が閉じられます。1949年11月20日、作品を献呈されたルドルフ・フィルクシュニーのソロ、ウォルター・ヘンドル指揮ダラスSOによりテキサス州ダラス で初演されました。
ピアニストのムストネン(1967-)は、作曲家と指揮者としての活動でも知られ、内省と深い洞察による演奏は「再創造」とも呼べる新鮮な響きをもたらします。 スティーヴン・イッサーリスと共演した3つの「チェロ・ソナタ」(BIS SA-2042)に次ぐマルティヌー作品の録音です。
指揮者のダリア・スタセフスカ(1984-)は、ウクライナのキーウ生まれ。エストニアのタリンを経て、5歳の時、フィンランドに移住しました。ヘルシンキに一年 住んだ後、タンペレに移り、タンペレ音楽院でヴァイオリンと作曲を正式に学び始めました。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでヴァイオリンとヴィオラを学び、 指揮に興味をもった20代、ストックホルム王立音楽大学でヨルマ・パヌラ、シベリウス・アカデミーでレイフ・セーゲルスタムたちに師事。2012年にシベリウス・ アカデミーのディプロマを取得しました。BBC響の首席客演指揮者に就任した2019年7月、「BBCプロムス」で初めてロンドンの聴衆を前に(指)翌年 の「プロムス最終夜」の指揮者を務めました。2021/22年のシーズンにラハティSOの首席指揮者に就任しました。 (Ki)

ANTARCTICA
ANTAR-050(1CD)
Overtones
細川俊夫:2つの日本民謡より さくら、散る(2008-2009)
ケージ:イン・ア・ランドスケープ(1948)
ジェフリー・ゴードン:ハープと管弦楽のための協奏曲『エオリアン』(2022)*
マクミラン:ハープ独奏のための『ノックルーン・ワルツ』(2015)*
細川俊夫:2つの日本民謡より 五木の子守唄(2008-2009)
エリーネ・グロスロ(Hp)
カレン・カメンシェク(指)、
ブリュッセル・フィルハーモニック

*=世界初録音
アメリカの作曲家ジェフリー・ゴードンが2022年に作曲した壮大な協奏曲をメインに、前後に独奏曲を配置したアルバム。ハープ・ファンと現代音楽好きの両 方に響く内容です。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72949(1CD)
サン=サーンス&ラロ:チェロ協奏曲集
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
 『動物の謝肉祭』 R.125より 「白鳥」
 アレグロ・アパッショナート Op.43
ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調
マヤ・ボグダノヴィッチ(Vc)
ボヤン・スジッチ(指)RTS響

録音:2022年3月-6月/ベオグラード、コララク・コンサートホール
ふたりのフランス・ロマン派の大家によるチェロ協奏曲を収録。マヤ・ボグダノヴィッチはパリを拠点に活動するセルビア人チェリストでアルド・パリソ・チェロ・ コンクール第1位の実績を持っています。セルビアを代表するオーケストラ、RTSSOとの共演。
サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番は、楽器の可能性を研究しつくした演奏効果の高い独奏パートが魅力的。また3つの楽章が切れ目なく続けて演奏されるな ど、形式の上でも非常に練られたものになっています。『アレグロ・アパッショナート』はアンコールピースとして書かれた短い楽曲ですが、これまた美しいもので、 楽器の扱いが巧み。
『スペイン交響曲』で有名なラロ。チェロ協奏曲でも、スペイン民謡こそ登場しませんが、スペイン風味を感じさせる特徴的なリズムや旋律に彩られた音楽が展開 されます。 (Ki)
Challenge Classics
CC-72960(1CD)
もっとバッハを
C.P.E.バッハ:シンフォニア ハ長調 H.659Wq.182-3
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV1048/ 同第5番ニ長調 BWV1050
W.F.バッハ(1710-1784):シンフォニア ヘ長調『不協和音』 Fk67
ユルゲン・グロス(Vn 、指)
エルビポリス・バロックオーケストラ

録音:2022年10月2-5日/ブレーメン、ゼンデザール
バッハと息子ふたりの作品を並べた1枚。ハンブルクに居を構える「エルビポリス・バロックオーケストラ」はケルン・フィルハーモニーやNDRのシリーズ 「Das Alte Werk」で演奏し、ハレとゲッティンゲンのヘンデル音楽祭やシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭の常連としても活躍する古楽のスペシャリスト集 団です。
W.F.バッハの弦楽合奏のためのシンフォニア(Fk67)は、付点リズムを伴う優雅で伝統的なフランス風序曲にギャラント様式の和声やダイナミックなコントラス トを混ぜ合わせた冒頭楽章に始まり、ニ短調の穏やかな第2楽章、活発でフィナーレ的な第3楽章を経て、2部構成のメヌエットである第4楽章で締め括られます。 作曲家の自信作だったようで、チェンバロ版も残されています。
C.P.E.バッハの弦楽のためのシンフォニア(Wq.182-3)は、演奏者の技術を気にせず自由に書くことのできた「ハンブルク交響曲」と呼ばれる6曲からの1 曲。作曲家の創意が炸裂し、奇妙なほどの楽想がダイナミックに展開されます。息もつかせぬ3つの楽章からなり、冒頭のアレグロはヴァイオリンの技巧的な扱いが 特徴的。 (Ki)

Chandos
CHSA-5281(1SACD)
イシュムラトフ:ピアノ協奏曲&ヴィオラ協奏曲第1番
アイラット・イシュムラトフ(1973-):ピアノ協奏曲 Op.40
ヴィオラ協奏曲第1番Op.7
ジャン=フィリップ・シルヴェストル(P)、
エルヴィラ・ミスバホヴァ(Va)、
アイラット・イシュムラトフ(指)LSO

録音:2022年4月&5月、LSOセント・ルークス(イギリス、ロンドン)
イシュムラトフがLSOを指揮した自作協奏曲集!アイラット・イシュムラトフ(1973-)は、タタールスタン共和国出身の若きロシア系カナダ人作曲家。モントリオールのクレズマー・バンド「Kleztory」のクラリネット奏者や指揮者、教育者としても活動しています。 ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ムソルグスキー、ラフマニノフ、チャイコフスキーらの影響を受け、その豊かな音楽遺産を進化させてきたというイシュムラトフ。Chandosから3枚目となる作品集では、彼の代表作である2つの協奏曲を収録。どちらも作品の被献呈者であり、初演を行ったソリストが録音しています。

ヴィオラ協奏曲第1番は2004年、イシュムラトフのモントリオール大学指揮科在学中に構想されたもので、叙情的な衝動とヴィルトゥオーゾ的な挑戦を組み合わせた協奏曲の新作を望んでいたヴィオラ奏者のエルヴィラ・ミスバホヴァ(同大学の博士課程に在籍)の求めに応じ、最終的に3つの楽章からなる大規模な作品へと結実しました。この作品ではヴィオラ本来の愁いを帯びた性格が活かされ、また讃えられています。ピアノ協奏曲は2012年から13年にかけて書かれた後、ソロパートを正しく演奏し、仕上げることができるソリストが現れるのを10年もの間待っていました。この作品はヴィルトゥオーゾの伝統を愛し、新たな協奏曲を求めていたモントリオール出身のピアニスト、ジャン=フィリップ・シルヴェストルとの出会いによってようやく日の目を見ることになったのです。

Danacord
DACOCD-962963
(2CDR)
デンマークの偉大なピアニスト〜ヴィクト・シューラー 第6集
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
(3)メンデルスゾーン:無言歌 アレグレット・グラツィオーソ 「春の歌」 Op.62no.2
 無言歌 アンダンテ・コン・モート 「甘い思い出」 Op.19b no.1
(4)リスト:愛の夢 S541no.3
(5)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(6)ヒンデミット:クラリネット・ソナタ変ロ長調
(7)サン=サーンス:ベートーヴェンの主題による変奏曲 Op.35(2台のピアノのための)
ヴィクト・シューラー(P) 

(1)デンマークRSO、アルベール・ヴォルフ(指)
録音:1966年5月29日(ライヴ放送)]
(2)デンマークRSO、エーリク・トゥクセン(指)
録音:1949年5月10日(ライヴ放送)]
(3)録音:1957年][HMV7EGK1083]
(4)ヴィクト・シューラー(P)
録音:1954年[TONO EP43025]
(5)デンマークRSO、カール・フォン・ガラグリ(指)
録音:1952年3月14日(ライヴ放送)
(6)イプ・エーリクソン(Cl)
ラジオ放送プロダクション:1964年4月15日
(7)ペーター・ヴェステンホルス(P)
テレビ放送:1966年2月6日、ヴィクト・シューラー宅(コペンハーゲン)
1960年代のデンマークではテレビという新しいメディアがクラシカル音楽を普及させるツールのひとつとして音楽家から注目されました。ピアニストのヴィクト・シューラー(1899-1967)も「一般大衆」に近づく手段としてテレビ放送を活用し、彼がテレビのために収録したューベルトの 「さすらい人幻想曲」 が、シリーズの第4集(DACOCD-867868)に収録されています。この第6集で紹介されるサン=サーンスの 「ベートーヴェンの主題による変奏曲」もテレビ放送の音源です。ベートーヴェンの 「ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調」 の第3楽章「メヌエット」のトリオの旋律を主題に使ったこの作品は、2台のピアノのために書かれており、2人のピアニストが音楽を同期させることが求められます。シューラーは、生徒のペーター・ヴェステンホルス(1937-2008)を共演者に選び、「ホアノング&ムラーコンサート・グランドが2台あるコペンハーゲンのシューラー宅で収録が行われました。ラジオ放送されたベートーヴェンとブラームスの協奏曲はすべて、初めて商用リリースされるアーカイヴ録音です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Avie
AV-2598(1CD)
エキゾチックな航海 〜クリストフ・クロワゼによる新しい音楽
クリストフ・クロワゼ(b.1993):1-4. チェロ協奏曲第1番Op.6
2本のチェロのための大二重奏曲 「エキゾチックな航海」 Op.2
クラリネット三重奏曲 Op.4
チェロ・ソナタ第1番Op.9
クリストフ・クロワゼ(Vc)、
ニーダーレンツ音楽祭室内O
アネット・ヤコヴチッチ(Vc)、
ダミアン・バッハマン(Cl)、
オクサナ・シェフチェンコ(P)

録音:2022年4月&11月、スイス
1993年生まれ、17歳でニューヨークのカーネギー・ホール・デビューを果たし、国際的に活動するスイスの注目チェリスト、クリストフ・クロワゼの才気煥発な自作自演録音集が登場! クロワゼは現代から過去数世紀を含む様々な音楽からインスピレーションを得ており、ポピュラーなスタイルと融合させたクラシック音楽の悠久の進化に敬意を表しています。ソナタや協奏曲などの伝統的な形式に、ジャズ、ブルース、ボサノヴァ、即興演奏などを取り入れ「音楽と文化のメルティング・ポット(るつぼ)」を創り上げました。
これらの作品は、パンデミックとロックダウンによって駆り立てられた創作意欲から生み出されており、いずれも2020年から2022年の間に書かれました。クロワゼの能力をフルに活用したヴィルトゥオージティに溢れるチェロ協奏曲、クラリネット三重奏の形をした銀河の旅、物悲しく、激昂し、切望しながらも最終的には希望を感じさせるチェロ・ソナタ、様々な特殊奏法も駆使しチェロの表現力を開放させて異国の音楽文化を巡る「エキゾチックな航海(Voyage Exotique)」など、喜びと発見に満ち溢れたアルバムとなっています。

Nimbus Alliance
NI-6436(1CDR)
ソーヤーズ:協奏曲集
フィリップ・ソーヤーズ(b.1951):ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
弦楽のための回想
ヴィオラ協奏曲/ 八重奏曲
ケネス・ウッズ(指)イギリスSO
ダニエル・ローランド(Vn、Va)、
マーヤ・ボグダノヴィチ(Vc)、
イングリッシュ・シンフォニー・オーケストラ・ソロイツ

録音:2022年3月2日-3日(1-3&5-7)、2021年4月7日-8日(4,8)
ヴォーン=ウィリアムズとバルトークの孫弟子にあたるイギリスの作曲家であり、1973年から97年まで王立歌劇場管のヴァイオリニストとしても活躍したフィリップ・ソーヤーズ(1951-)。このアルバムでは協奏曲とイギリスSOの首席奏者たちによる「八重奏曲」を収録しています。「二重協奏曲」では、フランソワ=グザヴィエ・ロトやハインツ・ホリガーなどと協奏曲で共演しているダニエル・ローランドや、カーネギーホールでのリサイタルや来日公演も果たしているマーヤ・ボグダノヴィチという注目のアーティストを迎えています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

CPO
CPO-555597(1CD)
NX-B10
フランツ・クロンマー(1759-1831):2つのクラリネットの為の協奏曲 Op.35
コンチェルティーノ Op.38
パオロ・ベルトラミーニ(Cl)
コッラド・ジュフレディ(Cl)
ブルーノ・グロッシ(Fl)
マルコ・スキアヴォン(Ob)
ロベルト・コヴァルスキ(Vn)
スイス・イタリア語放送O
ハワード・グリフィス(指)

録音:2017年1月30日、2018年11月13-14日
モラヴィア出身、ウィーンで活躍したフランツ・クロンマー(チェコ名フランティシェック・クラマーシュ)は、100曲以上の 弦楽四重奏を含む300作以上の作品を遺しました。彼の作品の詳細な目録がチェコの音楽学者カレル・パドル タによって作成、発表されたのは1997年になってからでしたが、それ以前からクラリネットの為の作品は多くの 人々に愛されてきました。このアルバムに収録された「2つのクラリネットの為の協奏曲」は1803年の作品で、行 進曲風の第1楽章、メランコリックな第2楽章、ロンド形式の終楽章の3楽章で構成。全曲を通じてクラリネットの 妙技が存分に発揮されており、とりわけ第3楽章の軽やかな旋律が魅力的。当時の批評家たちにも絶賛されま した。またクロンマーは多くの管楽器の為のパルティータやセレナードを書いており、この「コンチェルティーノ」もその 流れにあるもので、各奏者の名人芸を際立たせることよりも、調和のとれたアンサンブルを楽しむように書かれてい ます。演奏は各々がソリストとして活躍する名手たち。

DACAPO
MAR-8.224744(1CD)
NX-B07
パウル・フォン・クレナウ(1883-1946):ヴァイオリン協奏曲(1941)
ピアノ協奏曲(1944)
交響曲第8番(1942) - 古風な形式による
ヘ・ジユ(Vn)
セーアン・ラストギ(P)…
シンガポールSO
ハンス・グラーフ(指)

録音:2021年10月14-15日、2022年3月1-3日
ワーグナー、ブルックナー、R・シュトラウスなど後期ロマン派のイディオムを用いた大編成の楽曲を好んだクレ ナウ。このアルバムでは第二次世界大戦中に書かれた3作品を紹介しています。無調と調性の間を揺れ動きなが らも、時に美しい旋律が見え隠れするヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲。まるで古典派に戻ったかのような清明な 主題が発展していく「交響曲第8番」と聴きごたえある作品です。ヴァイオリン協奏曲のソリストを務めるのは2016 年ユーディ・メニューイン国際コンクールの覇者、中国のヘ・ジユ。ピアノ協奏曲のソリストは北欧歌曲の伴奏で定 評のあるセーアン・ラストギ。ハンス・グラーフが全曲を手堅くまとめています。

BR KLASSIK
BR-900332(1CD)
NX-B07
イストリアン・ラプソディ
デヤン・ラツィック(1977-):イストリアの様式によるピアノ協奏曲 Op.18(2014/2021)
ナトゥコ・デヴシッチ(1914-1997):イストリア組曲(1948)
イヴァン・マテティッチ・ロンジロフ(1880-1960):イストリア民族賛歌
 2つのソピラによる演奏
 重唱と合唱による演奏*
デヤン・ラツィック:イストリア民族賛歌のオルタレーション Op. 29(2022)…世界初録音
デヤン・ラツィック(P)
シュチェパン・ヴェチュコヴィッチ(ソピラ)
クロアチア・ラジオ・テレビcho
トミスラフ・ファチニ(指)*
ミュンヘン放送O
イヴァン・レプシッチ(指)

録音:2022年11月14-18日、2022年12月8日、2022年12月21日
CHANNEL CLASSICSやONYXに多くの録音がある人気ピアニスト、デヤン・ラツィックと、ミュンヘン室内Oの首席指揮者イヴァン・レプシッチは1 歳違いでともにクロアチアの生まれ。このアルバムは、クロアチア西部のイストラ(イタリア名イストリア)半島の音楽文化に彼らが捧げるオマージュです。 イタリア、スロヴェニアと国境を接するイストラ半島は豊かな民俗音楽の宝庫で、五音音階の独特な使用、個性的な和声とリズムは、合唱や民族舞踏に よって伝承されてきました。ラツィックは早くから作曲にも取り組んでいて、このアルバム冒頭に収められた「イストリアの様式によるピアノ協奏曲」は5楽章から 成る演奏時間36分余りの堂々たる作品。エキゾチックなサウンドとピアノのヴィルトゥオジティを堪能できます。続く「イストリア組曲」はクロアチア音楽界の重 鎮だったデヴシッチによる民俗音楽を素材とした作品。バルトークを思わせる箇所もあれば異なる風合いもあり、興味深い音楽です。トラック10で使われて いるソピラはリードを持つ民族楽器で、その個性的な音色は地域のシンボルとされています。最後を締めくくる「イストリア民族賛歌のオルタレーション」はイス トリア民族賛歌の旋律を主題とした12の変奏曲。

ALPHA
ALPHA-886(1CD)
デュティユー、デュサパン:チェロ協奏曲
デュティユー:チェロ協奏曲「遙かなる遠い国へ」
パスカル・デュサパン(1955-):チェロ協奏曲「アウトスケイプ」(改訂版)*
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(Vc)
フランス国立O
デイヴィッド・ロバートソン(指)
クリスティーナ・ポスカ(指)*

録音2022年2月17日 オーディトリアム、:2021年2月4日* ラジオ・フランス、パリ (いずれもライヴ)
*…世界初録音
1990年フランス生まれのジュリアン=ラフェリエール。2017年に新設されたエリザベート王妃国際音楽 コンクール・チェロ部門の初代覇者となり、ALPHAからは既に2枚のアルバムをリリース、高い評価を得て います。今回のアルバムは現代のチェロ協奏曲を2曲収録。1970年にロストロポーヴィチによって初演さ れたデュティユーの「遥かなる遠い国へ」は、ボードレールの『悪の華』をモチーフにした5楽章からなる作 品。2015年に作曲されたデュサパンの「アウトスケイプ」は、今回が世界初録音となっています。高度な テクニックと鋭い感性で、近現代作品にこれまでも高い親和性をみせてきたジュリアン=ラフェリエールらし く、ここでも冴えわたる演奏で作品の世界観を表現しきっています。

ALPHA
ALPHA-928(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol. 5
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第16番 ニ長調 K.451
ピアノ協奏曲 第15番変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲 第17番ト長調 K.453
※カデンツァは全てモーツァルト作
クレア・フアンチ(P/スタインウェイ)
ザルツブルク・モーツァルテウムO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2021年5月 オルケスターハウス、ザルツブルク
2006年浜松国際ピアノコンクール奨励賞、2011年ミュンヘン国際音楽コンクールに最年少で出場して第2位、2018年にゲザ・アンダ国 際ピアノコンクール優勝など多くの入賞歴を持つクレア・フアンチ。既に様々なレーベルからCDを発売し来日公演も成功させている彼女が、 次世代アーティストによるモーツァルトの協奏曲のシリーズに登場します。モーツァルトが独自のピアノ協奏曲を確立した1784年作曲の3曲 を収録していますが、フアンチは作品を自己のものとして完全に消化し、溌溂として瑞々しい音楽を繰り広げています。彼女との共演も多く、 このシリーズではお馴染みのハワード・グリフィス率いるモーツァルテウムOのサポートも素晴らしく、ピアノと丁々発止のやり取りを展開 しスリリングで躍動的な音楽づくりに貢献しました。
ALPHA
ALPHA-946(1CD)
ブリテン、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.15
ブルッフ:イン・メモリアム Op. 65
 ヴァイオリン協奏曲 第1番ト短調 Op.26
カーソン・レオン(Vn)
フィルハーモニアO
パトリック・ハーン(指)

録音:2022年1月 フェアフィールド・ホール、クロイドン、UK
ALPHA第1弾「イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」(ALPHA455)も高い評価を得ているカーソン・レオンが弾く協奏曲集。ブリテンが第2次 世界大戦が始まった1939年にレオンの祖国カナダで書き上げた協奏曲と、高い人気を誇るブルッフの協奏曲第1番、そして演奏機会が多 くは無いもののその美しさに魅了されるファンが多い「イン・メモリアム」を収録しています。レオンの目の覚めるようなテクニック、切れ味鋭い表 現力などが随所で発揮されるほか、その音色の美しさも素晴らしく、それぞれの作品が持つ魅力を十二分に引き出しています。

CEDILLE
CDR-90000220(1CD)
NX-B04
マレク・ジャンダリ(1972-):Concertos 協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲
クラリネット協奏曲
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
アンソニー・マクギル(Cl)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2022年5月27-29日
マレク・ジャンダリはシリア系アメリカ人のピアニスト・作曲家。1972年にドイツに生まれ、アメリカに移住し音楽を本 格的に学びました。これまで6曲の交響曲やいくつもの管弦楽曲と協奏曲を書いています。ジャンダリの作品は伝 統的な西洋音楽の構成と調性を土台にシリア及びアラブ系の旋律を主要モチーフとして加えたもので、ドラマティッ クな起伏や民族舞踏的な要素もあり、『シェエラザード』に惹かれる人には受け入れ易いでしょう。ここに収められた 2曲においてもシリアのモチーフは重要な役割を果たしているとのこと。ジャンダリは「ピアノで平和を Pianos for Peace」という財団を創設してシリアにおける人権状況の発信とその擁護に務めています。マリン・オルソップはジャ ンダリの活動と音楽に共感して同団体のアンバサダーを務め、これまでに交響曲第4番と第6番を録音しています。

ONDINE
ODE-1427(1CD)
NX-B07

NYCX-10398(1CD)
国内盤仕様
税込定価
グラジナ・バツェヴィチ:序曲、ピアノ協奏曲、2台のピアノとオーケストラのための協奏曲 他
序曲(1943)
ピアノ協奏曲(1949)
2台のピアノとオーケストラのための協奏曲(1966)
弦楽,トランペットと打楽器のための音楽(1958)
ペーテル・ヤブロンスキー(P)
エリーザベト・ブラウス(第2ピアノ)
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2022年4月、2022年12月
演奏家として、作曲家として、20世紀ポーランド楽壇を席巻したグラジナ・バツェヴィチ。彼女自身が極めて優れたヴァイオリニストであったことからヴァイオリン奏 者は早くから彼女の作品に注目して来ましたが、近年はクリスティアン・ツィメルマンらが演奏するようになってピアノ作品も広く注目されています。当CDはポーラ ンドの独立回復100周年(2018年)を記念する国際文化プログラムの一環として、アダム・ミツキエヴィチ協会と共同で制作されたもので、バツェヴィチの協奏 的作品を3曲収録。いずれも録音が極めて少ないものばかりで貴重です。 バツェヴィチは次のような言葉を残しています。「私は[ポーランドの同世代の作曲家からは]孤立しています。なぜなら私は作品における形式を重視してい るからです。もし物を乱雑に置いたり、物が積み重なっているところに石を投げたりすれば、崩れるに決まっています。同様に、音楽においても構造的な法則が 必要で、自立できるようにしなければならないのです。もちろんその法則は古いものである必要は決してありません」 その言葉通り、2曲の協奏曲と「弦楽、トランペットと打楽器のための音楽」はいずれも伝統的な急-緩-急の3楽章形式をとっていますが、その語法は桁外れ の情熱家だったと伝えられるバツェヴィチらしく、両端楽章はエネルギッシュでヴィルトゥオーゾ的、中間楽章は沈思や深い祈りや畏怖の念を感じさせて、コントラ ストが鮮やかです。技術的要求は高度ですが、当盤ではソリストもオーケストラも万全の対応を見せています。冒頭に序曲を置いて一晩のコンサートのように 仕上げています。
※国内仕様盤には原盤解説の日本語訳が付属します。

Sono Luminus
DSL-92265
(1CD+BD-A)
NX-B09
ボルダー・バッハ音楽祭
バッハ:2つのヴァイオリンと弦楽、通奏低音のための協奏曲 ニ短調 BWV1043
ヨハン・クリストフ・バッハ(1642-1703):ラメント「ああ、私の頭が水で満ちていたなら」
バッハ:チェンバロと弦楽のための協奏曲 ニ短調 BWV1052
J. C. バッハ:モテット「わが命、今やつき」
クレア・マッカハン (Ms)
ジョゼフィーン・ストップレンバーグ(S)
ダニエル・ハッチング(T)
アダム・ ユーイング(Br)
ザカリー・キャレッティン (Vn)
キム・ユウン(Vn)
ブルーン・マッカリー(Vn)
マイケル・ローレンス・スミス(Vn)
ポール・ミラー(Va)
ヴィジャイ・チャラサニ(Va)
コールマン・イツコフ(Vc)
ジョセフ・ホー(Vc)
ニコラス・レクバー(Cb)
クリストファー・ホルマン(チェンバロ・オルガン)
ミナ・ガイッチ(Cemb)

録音:2022年5月16-20日ボルダー・バッハ音楽祭, Boulder Colorado(USA)
2022年、コロラド州ボルダーで開催された「ボルダー・バッハ音楽祭」。このアルバムには公開コンサートの終了直 後に録音された4曲の演奏が収録されています。世界中から集まった才能ある音楽家たちが、ボルダーの雄大な 自然をバックに演奏。音楽監督ザカリー・キャレッティンとミナ・ガイッチを中心とした多彩な演奏家たちはそれぞれ古 楽器、モダン楽器を用いながら、作品に対して新しい解釈を採り入れています。
※アルバムには高音質フォーマットの音源を収録したBlu-ray Audio盤が同梱されています。

Forgotten Records
fr-1867(1CDR)
ショパン&モーツァルト:協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449*
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11#
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)
ルドルフ・バウムガルトナー(指)*
ルツェルン祝祭弦楽合奏団*
ハンス・スワロフフスキー(指)#
ウィーン国立歌劇場O#

録音:1958年9月14日(ステレオ)*、1953年2月(モノラル)#
※音源: DG 133217*、 Vox PL 7870#
Forgotten Records
fr-1868(1CDR)
フランチェスカッティ&ライナーのブラームス
ブラームス
:ヴァイオリン協奏曲*
交響曲第3番ヘ長調 Op.90#
ジノ・ フランチェスカッティ(Vn)*
フリッツ・ライナー(指)CSO

録音:1957年12月12日、ライヴ*、1957年12月14日#
※音源:RCA LSC-2209#、 VICTROLA VICS 2043#
Forgotten Records
fr-1870(1CDR)
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番*
 ピアノ協奏曲第3番Sz.119#
ギュンター・コーハン(1930-2009): ピアノ協奏曲 Op.16
ジョルジ・ガライ(Vn)*
ディーター・ツェヒリン(P)#
ヘルベルト・ケーゲル(指)ライプツィヒRSO

録音:1961年3月27日-29日#、6月26日-28日*(全てステレオ)
※音源: Eterna 825278、 825268他
Forgotten Records
fr-1873(1CDR)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58*
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」#
ヤコブ・ギンペル(P)
アルトゥール・ローター(指)ベルリンSO*
ルドルフ・ケンペ(指)BPO #

録音:1960年*、1957年6月27日-28日#、(共にステレオ)
※音源: Opera 1183*、HMV SXLP 20004#

オクタヴィア
OVCL-00810(1SACD)
税込定価
ラロ:スペイン交響曲作品21
ロシア協奏曲作品29
堀米ゆず子(Vn)
マルコ・グイダリーニ(指)
ニースPO

録音:2008年4月
1980年のエリザベート王妃国際音楽コンクール 優勝から、世界的に活躍を続ける堀米ゆず子に よる、ラロのヴァイオリン協奏曲として有名な 「スペイン交響曲」と、演奏機会の少ない「ロ シア協奏曲」をカップリングしたアルバム。 2010年にベルギーのTALENTレーベルから発売 された録音が、EXTONで新リマスタリング、 SACDハイブリッド盤で再発売いたします。 グイダリーニとニース・フィルの好サポートを 得て、堂々としたソロが輝く名演奏。 情熱的なラロの傑作を、どうぞお楽しみくださ い。(オクタヴィア)

BIS
BISSA-2655(1SACD)
武満徹:ギターのためのコンチェルタンテ作品集
(1)スペクトラル・カンティクル(1995)〜ヴァイオリン、ギター、オーケストラのための
(2)夢の縁へ(1983)〜ギターとオーケストラのための
(3)虹へ向かって、パルマ(1984)〜オーボエ・ダモーレ、ギターとオーケストラのための
(4)トゥイル・バイ・トワイライト(1988)〜オーケストラのための
ヤコブ・ケッレルマン(G)
ヴィヴィアン・ハグナー(Vn)
ユリアナ・コッホ(オーボエ・ダモーレ)
BBCフィルハーモニック、ゾエ・バイヤーズ(コンサートマスター)
クリスチャン・カールセン(指)

録音:2022年3月7-9日/フィルハーモニック・スタジオ、メディア・シティUK(サルフォード)
ヤコブ・ケッレルマンが武満徹のギターのためのコンチェルタンテ作品を録音しました。ほとんど独学で作曲を学び、ドビュッシーやベル クの音楽に影響を受け、ジョン・ケージやモートン・フェルドマンなど20世紀半ばにうまれた実験音楽にも傾倒、若手芸術家集団「実験工房」に所属した武満徹は、 世界的に知られた最も有名な日本人作曲家の一人です。
当アルバムには武満の晩年に当たる80〜90年代に作曲された有名な4篇を収録。ギター、ヴァイオリン、オーボエ・ダモーレという独奏楽器が活躍する武満の 独特の世界が広がります。現在ヨーロッパを中心に活躍するギタリスト、ヤコブ・ケッレルマンが端正な演奏を聴かせます。 (Ki)
BIS
BISSA-2639(1SACD)
『テラル』
セバスチャン・ファーゲルルンド(1972-):
(1)テラル(Terral)(フルート協奏曲)(2020-21)*
(2)骨の髄まで弦(Strings to the Bone)(2014-15)〜弦楽オーケストラのための
(3)室内交響曲(2020-21)〜管弦楽のための
タピオラ・シンフォニエッタ
ヨン・ストゥールゴールズ(指)
シャロン・ベザリー(フルート、アルトフルート)*

録音:2022年3月14-18日/タピオラホール(エスポー、フィンランド)
[楽器 Flute:Muramatsu24carat gold with B foot joint/Alto flute:Muramatsu]
フィンランドの作曲家セバスチャン・ファーゲルルンドの室内楽と器楽の作品の『海洋(Oceano)』(BIS SA-2324)につづくアルバ ム。フルートと管弦楽のための「テラル」、弦楽オーケストラのための「Strings to the Bone」、管弦楽のための「室内交響曲」の3曲が演奏されます。
ファーゲルルンドは、2012年の「ヴァイオリン協奏曲」「光の中の暗黒」(BIS SA-2093)の後、すべての協奏曲に「音楽のイメージ」を映す曲名を与えるよ うになりました。シャロン・ベザリーから依頼された「フルート協奏曲」のタイトルには、作品の「音世界」の表すイメージから、ラテン語の “terra”(大地、陸地) から派生した、地中海岸で陸から吹く風を意味するスペイン語「テラル(terral)」の曲名がつけられました。アルトフルートによるゆったりしたフレーズの絵のよう な風情に始まる「レント、リベラメンテ・ウン・ポコ」、スケルツォ風の華麗な「プレスト、ヴェローチェ」、伝統のパッサカリア構造を背景にうかがわせながら、それ までの素材を結合して展開してゆく「エスパンシーヴォ、ソノーレ」の3楽章で書かれた作品です。 補遺「Strings to the Bone」(骨の髄まで弦)は、表現豊かで密度の濃い弦楽のテクスチュアが脈動する作品です。オストロボスニア室内Oの委嘱作。 2016年2月にコッコラで初演されました。
ファーゲルルンドのレパートリーで中心的な役割を担っている管弦楽の作品は、2009年の「パルティータ」(BIS SA-1707)をのぞき、内容を示唆する曲名 がつけられていますが、「室内交響曲」は、作品の形式と素材の扱い方から、簡素なこの曲名が選ばれました。「カルモ、ミステロオーゾ」「エネルジーコ・エ・ブリ ランテ」「エスパンシーヴォ」の3楽章。タピオラ・シンフォニエッタとオタワの国立芸術センターOの共同委嘱で作曲されました。 (Ki)


ACCENTUS Music
ACC-10583BD
(Bluray)

ACC-20583DVD(DVD)
ルツェルン音楽祭2022〜ラフマニノフ/藤田真央&リッカルド・シャイー
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
交響曲第2番ホ短調Op.27
バッハ(ラフマニノフ編):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番〜ガヴォット*
藤田真央(P)*
リッカルド・シャイー(指)
ルツェルン祝祭O

収録:2022年8月13日、ルツェルン・カルチャー・コングレスセンター、コンサート・ホール(ルツェルン音楽祭ライヴ)
◆DVD
画面:16:9、Full HD
音声:DTS HD MA5.1、
PCM STEREO
BD25
リージョン:All
111’03
◆Bluray
画面:16:9、NTSC
音声:DTS5.1、PCM STEREO
DVD9
リージョン:All
111’03
今、飛ぶ鳥を落とす勢いのピアニスト藤田真央。2022年ルツェルン音楽祭でのデビュー公演が遂に映像化!藤田真央にとって大きな飛躍を遂げた2022年の ハイライトでもあったルツェルン音楽祭、そのデビュー公演とあってクラシックファンの注目を大いに集めていただけに見逃せないリリースとなります。さらに、現代 の楽壇を代表する巨匠リッカルド・シャイーと、世界の名だたる名手達が集うヴィルトゥオーゾ・オーケストラ、ルツェルン祝祭Oとの共演とあってファン垂 涎のコンサート映像です。 藤田真央とリッカルド・シャイーは2022年3月に初共演、その後すぐにシャイーのオファーにより2022年8月ルツェルン音楽祭でのコンサートが実現。ルツェル ン音楽祭は、1938年トスカニーニ指揮で始まり、2003年にクラウディオ・アバドがルツェルン祝祭Oを創設するなど、ヨーロッパ屈指の伝統と格式を誇る 音楽祭。藤田真央は当時23歳の若きピアニストとして巨匠指揮者シャイーから大抜擢され、見事な演奏で聴衆を魅了、音楽祭の輝かしい歴史に新たな1ページを 刻み込みました。
演目は、2023年に生誕150年を迎えた作曲家ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。映画やドラマなどで多く使われており、クラシック音楽ファンだけではなく 広く知られる名曲。ラフマニノフは、4つのピアノ協奏曲を作曲しましたが、この第2番は最も人気が高く演奏機会も多い作品です。重厚な第1楽章、甘く切ない美 しい旋律が印象的な第2楽章、圧巻の盛り上がりをみせる第3楽章と聴きどころが満載。オーケストラの豊かな抒情性と重厚な響き、そして何と言っても藤田真央 の自在な表現力そして煌めく音色は、ルツェルンの聴衆から熱狂的に受け入れられました。 後半は同じくラフマニノフの交響曲第2番。濃厚な響きに甘美で切ないメロディーに彩られたラフマニノフらしい楽曲で、特に第3楽章のアダージョの旋律は白 眉。シャイーは、最高レベルのテクニックをもつルツェルン祝祭管から余すところなく豊かな表現力を引き出し見事にまとめあげています。 (Ki)
ACCENTUS Music
ACC-70569DVD
(4DVD)
リッカルド・シャイー/ コンサート、オペラ、ドキュメンタリー映像集


■DVD1
【ドキュメンタリー】
「音楽」~人生行路 / リッカルド・シャイー
【コンサート】
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
■DVD2
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
バッハ:パルティータ第1番〜サラバンド
 パルティータ第2番〜サラバンド

■DVD3
プッチーニ:歌劇「ボエーム」
+特典映像 メイキング

■DVD4
ラヴェル:優雅で感傷的なワルツ
ラ・ヴァルス
「ダフニスとクロエ」組曲 第1番&第2番
ボレロ
全て、リッカルド・シャイー(指)

■DVD1
監督:パウル・スマチヌイ
制作:2013年4&5月
【コンサート】
ラルス・フォークト(P)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO
収録:2013年2月、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス(ライヴ)
■DVD2
ニコライ・ズナイダー(Vn)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO
収録:2012年9月、2014年10月、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス(ライヴ)
■DVD3
ガル・ジェイムズ(ソプラノ/ミミ)
アキレス・マチャド(テノール/ロドルフォ)
マッシモ・カヴァッレッティ(バリトン/マルチェッロ)
カルメン・ロメウ(メゾソプラノ/ムゼッタ)
ジャンルカ・ブラット(バス/コッリーネ)
マッティア・オリヴィエーリ(バリトン/ショナール)他
バレンシア州立O
バレンシア自治州cho
演出:ダヴィデ・リヴェルモーレ
収録:2012年12月12、15日、ソフィア王妃芸術宮殿(ライヴ)
■DVD4
ルツェルン祝祭O
収録:2018年8月、ルツェルン文化会議センター・コンサートホール、ライヴ

画面:NTSC,16:9
音声:PCM STEREO,
DD5.1,DTS5.1
リージョン:ALL
DVD9
字幕:独英伊仏韓,日本語
399'09
2023年に70歳を迎えたリッカルド・シャイー(1953年2月20日ミラノ生まれ)。それを記念してACCENTUS MUSICは、シャイーの幅広い活動を示す かのような、ドキュメンタリー、コンサート、オペラの映像をまとめたDVDボックスをリリスします。 リッカルド・シャイーは、作曲家のルチアーノ・シャイーを父親にもち、14歳で指揮者デビュー、19歳で「ウェルテル」を(指)オペラ指揮者としてもデビューを飾る。 そして1974年にはシカゴで「蝶々夫人」を指揮し、米デビューを果たし、その後は順調に欧米の主要歌劇場で成功を収め、1984年にはザルツブルク音楽祭の オープニングに登場。一方、ベルリン放送響の首席指揮者(1982〜88)を皮切りに、ロイヤル・コンセルトヘボウ管の常任指揮者(1988〜2004)、ミラノ・ジュ ゼッペ・ヴェルディ響の音楽監督(1999〜2005/現在は桂冠指揮者)に就任。そしてライプツィヒ・ゲヴァントハウスOの第19代カペルマイスターを務め (2005〜16)、現在はルツェルン祝祭Oの音楽監督(2016〜)、ミラノ・スカラ座の音楽監督(2017〜)を務め、オペラ、コンサートともに常に第一線 で活躍しています。
本ボックスに収録されているのは、シャイーの指揮者生活、プライベートを収録したドキュメンタリー映像や、故・ラルス・フォークト、ニコライ・ズナイダーといっ た一流のソリストたちとの協奏曲、実力派歌手が集結したヴァレンシアでの「ボエーム」の上演。2018年のルツェルン音楽祭でのオール・ラヴェル・プログラムな ど、シャイーの多彩な音楽活動を網羅した充実の映像集です。 (Ki)

CPO
CPO-555415(1CD)
NX-B10
C.シュターミッツ:クラリネット協奏曲集 第2集
クラリネット協奏曲第1番ヘ長調
クラリネット協奏曲第6番変ホ長調
クラリネット協奏曲第8番変ロ長調
ポール・メイエ(指・クラリネット)
マンハイム・プファルツ選帝候室内O

録音:2020年9月2-5日
ポール・メイエのソロによるカール・シュターミッツのクラリネット協奏曲集。海外の音楽誌で高く評価された第1集 (555053)では指揮者を別に立てていましたが、今作ではメイエ自身が指揮も担当。更なる柔軟な解釈で、 オーケストラとともに、18世紀に最盛期を迎えたマンハイム楽派を代表するシュターミッツの音楽を伸び伸び演奏 しています。今アルバムに収録されているのは協奏曲第1番、第6番、第8番の3曲、とりわけ第1番はシュターミッ ツ作品の中でも最も人気の高い曲です。この録音でも前作と同じく研究者フリードリヒ・カール・カイザーによる比 較校訂版が用いられています。

Challenge Classics
CC-72935(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K491(カデンツァ:ベン・キム)
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K503(カデンツァ:ユージン・イストミン / ベン・キム)
ベン・キム(P;Steinway D584307)
コンセルトヘボウ室内O

録音:2022年3月21-24日
ベン・キムによるモーツァルトの協奏曲集第2弾。第17番・第23番を収録した第1弾(CC-72816)に続き、今作では第24番と第25番を収録しています。 どちらも1786年にウィーンで作曲された規模の大きな作品で、悲劇的なハ短調と明朗なハ長調という、対照的な性格を持っています。ベン・キムは軽やかなタッ チでモーツァルトを奏で、作曲家特有のよろこびとかなしみの両面性をふわりと香らせます。 (Ki)

Evil Penguin Records
EPRC-0053(1CD)
クラリネットが主役のウェーバー作品集
クラリネット協奏曲第1番Op.73(カデンツァ:アンドレアス・タルクマン)
歌劇『魔弾の射手』より アリア「静かに、静かに、敬虔な調べよ」(アンドレアス・タルクマン編)
クラリネット協奏曲第2番Op.74
歌劇『シルヴァーナ』の主題による変奏曲 Op.33(ライナー・ショットシュテット編)
ルーラント・ヘンドリックス(Cl)
ミシェル・ティルキン(指)
ライン州立PO
オペラの大家として知られるウェーバーがクラリネットに与えた旋律を、プリマドンナが演じるが如く歌う、というイメージのアルバムです。2つの協奏曲に加え、 自らのオペラの旋律を基にピアノとクラリネットのために書いた変奏曲Op.33と、『魔弾の射手』からの名アリアを、クラリネットとオーケストラの版で聴くことが できます。
ウェーバーは同時代のクラリネットの名手ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847)に感化されて、ここに収録された協奏曲や変奏曲を作曲しました。 楽器そのものが近代化し自由度が高まっていた時期でもあり、その音楽語法は非常に豊かなものとなっています。
ソロを吹くルーラント・ヘンドリックスはベルギー出身の名クラリネット奏者。ベルギー国立Oで長きにわたり首席奏者を務め、2017年からソリストとし て活動しています。 (Ki)

KLANGLOGO
KL-1521(1CD)
ベートーヴェン・レアリティーズ
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a
騎士バレエのための音楽 WoO.1
ウェリントンの勝利(戦争交響曲) Op.91
クレア・フアンチ(P)、
ハワード・グリフィス(指)、
ブランデンブルク州立フランクフルトO

録音:2017年8月21日-23日、コンサートホール・“ C.P.E.バッハ”・フランクフルト(オーダー、ドイツ)
ハワード・グリフィス&ブランデンブルク州立フランクフルトOによるベートーヴェンの比較的珍しいレパートリーを集めたアルバム。注目すべきはクレア・フアンチが独奏を務める「ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a」でしょう。原曲はよく知られているヴァイオリン協奏曲で、クレメンティの勧めによってベートーヴェン自身の手でピアノ協奏曲に編曲された“6番目のピアノ協奏曲”です。ヴァイオリン協奏曲のときには書かれなかったカデンツァが書かれており、特に第1楽章ではティンパニを伴った大規模なカデンツァが用意されています。このカデンツァはヴァイオリン協奏曲に転用されることは多いものの、ピアノ協奏曲としての録音はあまり多くなく貴重なものと言えるでしょう。「騎士バレエのための音楽」はベートーヴェンが20歳の頃に書かれた1分前後の小曲集で、明るい曲調の作品が並べられています。アルバムを締めくくるのは「ウェリントンの勝利」。戦争交響曲とも呼ばれるこの作品はイギリス軍がフランス軍に勝利したビトリアの戦いを題材に書かれ、ベートーヴェンが書いた管弦楽作品の中では最大の編成を誇っています。
クレア・フアンチは中国出身の両親の下ニューヨークに生まれたピアニスト。ピアノを習い始めたのは7歳と比較的遅かったもののすぐさま才能を発揮し、9歳で早くもカーネギー・ホール・デビュー、10歳の時にはホワイトハウスで演奏し、神童として注目を浴びます。カーティス音楽院でエレノア・ソコロフ氏とゲイリー・グラフマン氏に師事。16歳で参加し人生の転機になったという浜松国際ピアノコンクールでアリエ・ヴァルディ氏に出会い、翌年にはヴァルディ氏に師事するためにハノーファー音楽演劇大学へ入学。2011年のARDミュンヘン国際音楽コンクールに最年少で出場し第2位を獲得すると、2018年のゲザ・アンダ・コンクールでは優勝を果たし、他にも多くのコンクールで好成績を残しています。現在はヴァルディ氏のアシスタントを務める傍ら、ドイツやアメリカを中心に、コンサートやレコーディングを精力的に行っています。

RUBICON
RCD-1109(2CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K466
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K467
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K488
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K595
エリーザベト・ソンバール(P)、
ピエール・ヴァレー(指)、
ロイヤルPO
モーツァルトのピアノ協奏曲集の中でも、それぞれが性格の違う四曲を収録しました。作曲時期はモーツァルトの晩年にあたる1785年から1791年にかけてのもので、第20番はその情熱的な曲調から当時の聴衆を震撼させたといいます。一方で、第21番は晴れやかで楽観主義に満ちており、第23番は温かみのある満足感に包まれていて特にアダージョは心に響くものがあります。そして1791年に作曲された第27番は、モーツァルト自身が人生の終わりを感じていたかのような深い悲しみに満ちた作品です。そのような印象的な四曲をエリーザベト・ソンバール(エリザベス・ソンバート)は見事に表現しています。
エリーザベト・ソンバールは、1988年にクラシック音楽を多様な聴衆と共有するため「レゾナンス財団」を立ち上げ、現在は世界7カ国の病院、孤児院、刑務所など様々な場所で年間500を超えるコンサートを行っており、それらの功績が認められ2006年にはフランスの国家功労勲章を、2008年には芸術文化勲章を受賞しています。ロイヤル・フィルとも強固な関係を築いており、Signum Classicsからピエール・ヴァレーの指揮の下、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(SIGCD-657)をリリースするなど、その信頼関係から生み出される演奏は高い評価を受けています。

CAvi music
85-53524(1LP)
レーガー:ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.114
綴じていないページ Op.13より 第7曲「コラール」
マルクス・ベッカー(P)、
ジョシュア・ワイラースタイン(指)、
ハノーファー北ドイツ放送PO

録音:2017年1月(協奏曲)ライヴ録音、2017年12月スタジオ録音(ドイツ、ハノーファー)
「レーガーのピアノ曲は、もうずいぶん長い間、弾いたり勉強したりしています」と語るドイツのピアニスト、マルクス・ベッカーによるレーガーのピアノ協奏曲がLP盤で登場!マルクス・ベッカーは、ハノーファー音楽院でカール・ハインツ・ケンマーリングに師事し、アルフレート・ブレンデルと親交を深めるなど研鑽を積み、1987年にはハンブルクのブラームス国際コンクールで第1位を獲得しています。録音にはレーガーのピアノ独奏録音全集があり、またリサイタルや室内楽の演奏会でも積極的にレーガーの作品を取り上げるなど、生粋のレーガー弾きとして高い評価を受けています。

Channel Classics
CCS-45023(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
 交響曲 ニ短調 「ユース・シンフォニー」*
シルヴェストロフ(1937-):使者(P独奏版)
アンナ・フェドロヴァ(P)
ザンクト・ガレンSO
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2022年11月 トーンハレ・シアター、ザンクト・ガレン、スイス
ウクライナのキーウ出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍するアンナ・ フェドロヴァによるラフマニノフの協奏曲第3番が登場。第1番と「パガニーニ狂詩曲」を収録した第1弾(CCS42620)、第2番と第4番を収 録した第2弾(CCS42522/NYCX-10338)に続き、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集がこれで完結となります。併せて、若きラフマニノフに よる交響曲の断章と、ウクライナの巨匠シルヴェストロフによる「使者」を収録。共演はこれまでと同様、リトアニアの指揮者モデスタス・ピトレ ナスと、彼が首席指揮者を務めるスイスのザンクト・ガレンSOとなっています。ロシアの侵攻による母国の現状に深く心を痛めるフェドロ ヴァは「今は多くの人がロシア音楽の演奏を控えようとしていますが、ラフマニノフを演奏することは私にとって重要なのです。それはその音楽が 美しさと力強さ、感動に満ちたものであるとともに、彼自身がロシアという国家に圧力を受けた被害者であったからです」と語ります。今回も ゆったりとしたテンポを採用し、作品が持つ抒情性と力強さをオーケストラと共に、美しくもダイナミックに歌い上げています。シルヴェストロフによ る「使者」は弦楽とピアノのため版も存在しますが、ここにはピアノ独奏の為の版を収録。憧憬を湛えた美しいメロディが終始静かに続くこの 作品を、フェドロヴァは慈しむように奏で、祈るように終えています。


Biddulph
BIDD-85025(1CD)
NX-B04
アート・オヴ・ユーディス・シャピロ
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調「トルコ風」 K.219#
メンデルスゾーン:スケルツォ -弦楽四重奏曲 第4番ホ短調より
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ〜 弦楽四重奏曲第1番ニ長調より
ヴォルフ:イタリア風セレナード
フォーレ:夢のあとに(ペーター・ヤッフェ編)
トゥリーナ:la Oracion del Torero 闘牛士の祈り
ラフマニノフ:セレナード -幻想的小品集 Op.3-5(ハルトマン編)
ショスタコーヴィチ:ポルカ- バレエ組曲『黄金時代』より
ブリッジ:ロンドンデリーの歌
グレインジャー:Molly on the Shore 岸辺のモリー
ヴィクター・ヤング:Je vous adore*
ヴィクター・ヤング:Stella by Starlight*
ユーディス・シャピロ(Vn)
NBC響#
フランク・ブラック(指)#
アメリカン・アートQ【ユーディス・シャピロ(Vn1)、ロバート・スーシェル(Vn2)、ヴァージニア・マジェフスキ(Va)、ヴィクター・ゴットリープ(Vc)】
ポール・ウェストン・アンド・ヒズ・オーケストラ*

録音及び初出盤:1944年8月20日 originally released on16-inch LP discs issued by the Armed Forces Radio Service(AFRS34)…1-3
1953年9月8日、14日 first released on an LP entitled “String Quartet Melodies” on RCA Victor Bluebird LBC1086…4-12
1958年 first appeared on an LP entitled “Hollywood” issued on Columbia CS8042*
ニューヨーク州バッファローに生まれたユーディス・シャピロ(1914-2007)は、ソリスト、コンサートマスター、室内楽奏者として、また古典から現代音楽、更に はポップスや映画音楽まで、多彩な分野で高い評価を得、多くの人々を魅了しました。12歳でバッファロー・フィルと共演。イーストマン音楽学校を経て、 カーティス音楽院ではエフレム・ジンバリストに学びました(クラスでただ一人の女子生徒だったそうです)。1941年にロサンゼルスに移ると、当時ハリウッドのビッ グ5と呼ばれていた映画会社RKOのスタジオ・オーケストラに招かれ、ハリウッド史上初の女性コンサートマスターとなります。後にパラマウントに移って1965年 までコンサートマスターを務める一方、ポップスの分野でもナット・キング・コール、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルドらのバンドのリーダーを何度も務めまし た。 クラシック音楽の分野では、1943年に結成したアメリカン・アート四重奏団の第1ヴァイオリンとして東海岸のジュリアードSQに匹敵する評価を 得、1950年代にはRCAビクターSOのコンサートマスターとして、ヤッシャ・ハイフェッツのラロ:スペイン交響曲、ツィゴイネルワイゼン、ヴィエニャフスキや ブルッフの録音に参加。更にロサンゼルス室内管のメンバーとして現代音楽の演奏に意欲的に取り組み、特にストラヴィンスキーはシャピロを非常に高く評価 しました。ソリストとしては、フリッツ・ライナー、ユージン・グーセンス、ウィリアム・スタインバーグらの指揮で演奏、またアルトゥール・シュナーベル、リリー・クラウス、 ルドルフ・フィルクシュニー、そしてブルーノ・ワルターのピアノと共演しています。1956年からは南カリフォルニア大学のヴァイオリン科教授も務め、後にハイフェッ ツやグレゴール・ピアティゴルスキーが同僚となると、彼らと度重ね共演しました。 現代では信じられないような多面的な活躍をしたシャピロをしのぶ第1弾にBiddulphが選んだのは、ソリストとして唯一の協奏曲録音となったモーツァルト、 室内楽奏者としては弦楽四重奏の名曲小品集、そしてポップスの分野でヴィクター・ヤングの名曲2曲です。

Pentatone
PTC-5187088(1CD)
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ショーソン:詩曲 Op.25
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn)
ローレンス・フォスター(指)、
グルベンキアンO

録音:2012年7月/カルースト・グルベキアン財団大講堂(リスボン)
人気と実力を兼ね備えた麗しきヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハー。「叙情と情熱のバランスのよさ―彼女の長所は、とりわけ磨き抜かれ たテクニックと美しく多彩な音色にある」(ニューヨーク・タイムズ)など、世界で高く評価されています。この度シュタインバッハーの数々の名盤の中でも高い 評価を得ているブルッフ、ショーソン、コルンゴルトのアルバムがCDフォーマットで再発売いたします!
ここに収録された3作品はヴァイオリンの音域を最大限に生かした名作。今やヴァイオリニストの必須レパートリーといえるコルンゴルトの協奏曲。映画音楽 を思わせる雄大な音楽を見事に奏でております。ショーソンの詩曲はすすり泣くような表現と、この上なく美しい音色を披露。そしてブルッフの協奏曲では美感 に訴える名演奏を聴かせます。演奏のすばらしさはもちろんのことPENTATONEが誇る技術チームによる極上の録音をお楽しみいただけます! (Ki)

Hanssler
HC-23008(1CD)
C.P.E.バッハ:作品集
ピアノ協奏曲 ニ長調 Wq.43/2H.472
ソナチネ ニ長調 Wq.96H.449
ピアノ協奏曲 ホ長調 Wq.14H.417(1楽章、第2楽章のカデンツァ(即興):オラツィオ・ショルティーノ)
ファンタジア第2番ハ長調 Wq.61/6
ラ・グライム、ロンドーWq.117/19
オラツィオ・ショルティーノ(P)
パドヴァ・ヴェネトO

録音:2019年3月13&15日/オーディトリウム・ポリーニ、パドヴァ(イタリア)
ピアニスト、作曲家として活躍するシチリア島シラクサ生まれのオラツィオ・ショルティーノがC.P.Eバッハの協奏曲とピアノ独奏作品を収録しました。ショルティー ノはペトルシャンスキー、ダルベルト、ロルティら名ピアニストに師事。また、ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で作曲を学びました。
弾き振りで演奏した協奏曲。ホ長調のピアノ協奏曲のカデンツァはショルティーノが即興的なカデンツァを披露。マルチな才能の持ち主ならではの快演を聴かせ ます。

BIS
BISSA-2648(1SACD)
アルメニアのチェロ協奏曲
ハチャトゥリヤンチェロ協奏曲ホ短調
ババジャニヤン:チェロ協奏曲
ペトロシヤン:チェロ協奏曲「8.4」*
アレクサンドル・シャウシヤン(Vc)
エドゥアルド・トプチヤン(指)
アルメニア国立PO

録音:2022年1月24-27日、3月19-20日*/アラム・ハチャトゥリヤン・ホール(エレヴァン、アルメニア)
三世代にわたるアルメニア人作曲家のチェロ協奏曲を、すべて同郷の演奏家が披露した熱い思いあふれるアルバム。ハチャトゥリヤンは第2次世界大戦後1946 年の作で、辛い時代を反映してか内省的で、ヴァイオリンやピアノの協奏曲のような強烈さには欠けるものの、真摯な情熱が心を打ちます。
もともとハチャトゥリヤンはチェロを学んでいたこともあり、チェロの機能と効果を熟知していたため、非常に難しいテクニックが要求されます。シャウシヤンは歌 心も満点で曲の魅力を再認識させてくれます。
ロストロポーヴィチに捧げられたババジャニヤンの協奏曲は1962年の作ですが、実際は1950年代後半に巨匠と会ったときから発想していたとされます。ハ チャトゥリヤン以上にアルメニアの民族色が直接的で魅力的です。
同地で活動するペトロシヤンは1973年生まれ。パリで教育を受け、考古学者としても活躍しています。タイトルの「8.4」は創世記第8章4節、ノアの箱舟がア ルメニアのアララト山にたどり着く場を表しています。ビザンツおよびアルメニアの典礼音楽を素材に第1楽章で大アララト山を、第2楽章は小アララト山を描いて いるとされます。
2000年以来エドゥアルド・トプチヤンが音楽監督を務めるアルメニア国立フィル。技術はもとよりアルメニア独特のリズムとエネルギーに惹きつけされます。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0064(1CD)
ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲とアリア集
ソプラニーノリコーダー協奏曲 ハ長調 RV443
アルトリコーダー協奏曲 ハ短調 RV441
歌劇『救われたアンドロメダ』RV Anh.117より アリア「いつも太陽が」
ソプラニーノリコーダー協奏曲 ニ長調 『ごしきひわ』 Op.10-3, RV428
アルトリコーダー協奏曲 ト短調 『夜』 Op.10-2, RV439
歌劇『ジュスティーノ』 RV177より アリア「喜びをもって見よう」(アルトリコーダー編)
ソプラニーノリコーダー協奏曲 イ短調 RV445
協奏曲 へ短調 『冬』 RV297より 第2楽章(ソプラノリコーダー編)
イサーク・マクドゥーミ(リコーダー、編)
アルノー・グルック(C.T)
アンサンブル・ピッカンテ

録音:2022年7月/スイス、ゼーヴェン、聖ドイツ教会
スイスのリコーダー奏者イサーク・マクドゥーミによるヴィヴァルディの協奏曲集。技巧的なヴァイオリン協奏曲で知られるヴィヴァルディですが、リコーダー協奏 曲もまた、驚くような技術が求められる難曲ぞろいです。時にあきれるほどのヴィルトゥオジティがほとばしり、かと思えば美しいカンティレーナが現れる、この音 楽構造はまさにオペラ・アリア。実際のアリアを挿入することによって、協奏曲との近似性が証明されています。
「いつも太陽が」では原曲のヴァイオリン・オブリガートをリコーダーが担当。「喜びをもって見よう」では歌そのものをリコーダーが担当。めくるめく装飾音がま ばゆい輝きを放ちます。また最後にはヴィヴァルディの残した旋律の中で特に人気の高い、『冬』第2楽章のリコーダー版を収録しています。

SCALA MUSIC
SMU-007(1CD)
BACH STAGE
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 ト短調 BWV1058(第3楽章カデンツァ:小倉美春)
ピアノ(Cemb)協奏曲 イ長調 BWV1055(第2楽章カデンツァ:ルドルフ・ブリュノー=ブルミエ)
ピアノ(Cemb)協奏曲 ニ短調 BWV1052(第3楽章カデンツァ:フランチェスコ・トリスターノ)
フラン チェスコ・トリスターノ(P)
バッハ・ステージ・アンサンブル
レオ・マルグ(指)

録音:2022年9月28-30日
フランチェスコ・トリスターノの新録音がScala Musicレーベルから登場!フランスの気鋭指揮者レオ・マルグと組んだ、バッハの協奏曲集です。バッハ・ステー ジ・アンサンブルは、このプロジェクトのために結成されたアンサンブルです。トリスターノはピアノを立って演奏し、豊かなエネルギーと抜群のリズム感を演奏にも たらしています。トリスターノは、2001年にバッハを演奏する室内オーケストラ(自らソリスト、指揮者を務める)を設立して活動したりとバッハに対して並々なら ぬ思い入れがあります。カデンツァも、トリスターノ自身および気鋭の作曲家たちが手掛けており、注目です! (Ki)

DUX
DUX-1700(1CD)
カジミェシュ・セロツキ(1922-1981):トロンボーンのための作品集
1-4. トロンボーン協奏曲
5-7. ソナチネ(管弦楽伴奏版)
8. スウィンギング・ミュージック(クラリネット、トロンボーン、チェロとピアノのための)
9-15. 組曲(トロンボーン四重奏のための)
16-18. ソナチネ(P伴奏版)
ヴォイチェフ・イェリンスキ(Tb)
ウカシュ・ボロヴィチ(指揮/tr.1-7)
ポズナンPO(tr.1-7)
セピア・アンサンブル・コンテンポラリー・ミュージシャンズ(tr.8)
〔シモン・ジュズヴィアク(Cl)、ヴォイチェフ・イェリンスキ(Tb)、アンナ・シュマトワ(Vc)、トマシュ・ソシニャク(P/tr,8, 16-18)〕
トロンブクァルテット(TROMBQUARTET/tr.9-15)〔ヴォイチェフ・イェリンスキ(Tb)、ピオトル・バニシ(Tb)、マルク・カチョル(Tb)、トマシュ・カチョル(バス・トロンボーン)〕

録音:2022年6月22日-23日&9月1日-2日、アダム・ミツキェヴィチ大学音楽堂、ポズナン・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ポズナン、ポーランド)
ポーランド最大級のインディペンデント・レーベル、【DUX-(ドゥクス)】より、ポーランド現代音楽の黎明期を代表する作曲家、カジミェシュ・セロツキが残したトロンボーンのための作品集が登場。20世紀後半のポーランド音楽において、セロツキの作品は、バイルト、バツェヴィチ、ルトスワフスキ等の作品と並び、ポーランド楽派の最も優れた例のひとつとみなされています。作曲家としての遺産は、作曲家の存命中からすでにその価値が認められており、受賞した数々のポーランドおよび国際的な芸術賞や、セロツキが発起人となった「ワルシャワの秋」をはじめとするポーランドおよび国際的な現代音楽祭のレパートリーに、常にこの作曲家の作品が含まれていることからも明らかと言えます。
ソリストを務めるヴォイチェフ・イェリンスキは、パデレフスキ音楽院でマチェイ・ワコミに、ハンス・アイスラー音楽大学でクリストハルト・ゲスリング(ベルリン・フィル首席)の下で研鑽を積み、優等で卒業。ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーではオラフ・オット(ベルリン・フィル首席)に師事し、2019年からはポズナンPOで第1トロンボーン奏者の地位に就いています。「ワルシャワの秋」、「ポズナン音楽の春」をはじめとするポーランド国内の著名な音楽祭やイベントに招聘され、多くの現代作曲家の作品を初演するなど、特に20〜21世紀の音楽をレパートリーとしています。
セロツキの作品の中でも、重要レパートリーに数えられるソナチネ(本アルバムでは、管弦楽伴奏とピアノ伴奏の2つの版を収録!)や、トロンボーン協奏曲は勿論のこと、テクニックとスタミナを要する組曲(トロンボーン四重奏)など、セロツキのトロンボーン作品の魅力を1枚に凝縮した本家ポーランドが誇るレーベルだからこその好企画。ソナチネは、2023年の日本管打楽器コンクールの課題曲(トロンボーン部門第2次予選)にも選ばれていますので、参考音源としてもおすすめの1枚です。
DUX
DUX-1883(1CD)
ノヴォヴィエイスキ:ピアノ協奏曲&チェロ協奏曲
フェリクス・ノヴォヴィエイスキ(1877-1946):ピアノ協奏曲ニ短調 Op.60「スラヴ風」
チェロ協奏曲 Op.55
ヤツェク・コルトゥス(P)、
バルトシュ・コジャク(Vc)、
ウカシュ・ボロヴィチ(指)、ポズナンPO

録音:2022年9月、ポズナン・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ポズナン、ポーランド)
ベルリンでブルッフに作曲を学び、クラクフ芸術協会の芸術監督を務め、ポーランド独立後はポズナンに定住し第二次世界大戦後まで生きたポーランド後期ロマン主義の作曲家、指揮者、教師、オルガン奏者、フェリクス・ノヴォヴィエイスキの2つの協奏曲。軽快なスラヴ風の素材が使われ、後期ロマン派のヴィルトゥオージティが悠然と披露されるピアノ協奏曲 「スラヴ風(原題:S?owia?ski/英題:Slavic)」。ポーランドの名チェロ奏者デジデリウシュ・ダンチョフスキ(1891-1950)のために捧げられ、戦間期のポーランド音楽では珍しい大規模な3楽章形式で作られたチェロ協奏曲。
1930年代の新古典派の作曲家でも人気を博した協奏交響曲(シンフォニア・コンチェルタンテ)に近いスタイルによるソリストとオーケストラの濃密な対話では、名匠ウカシュ・ボロヴィチ&ポズナン・フィルの好サポートも十分に発揮されています。チェロ協奏曲の終楽章は初版と第2版(改訂版)の両方の演奏を収録。
ピアノ協奏曲のソロを務めるヤツェク・コルトゥスは、ブレハッチが優勝した2005年のショパン国際ピアノ・コンクールでファイナルに進出したピアニスト。チェロ協奏曲で初演者デジデリウシュ・ダンチョフスキが所有していた楽器を操るバルトシュ・コジャクは、ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第1位(2001年)、プラハの春国際音楽コンクール(2006年)特別賞などを受賞してきたポーランドの名手です。

SOREL CLASSICS
SCCD-006(1CD)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.16
ピアノ協奏曲第2番ハ長調 Op.26
アンナ・シェレスト(P)
ニルス・ムース(指)
ヤナーチェクPO

録音:2014年12月 チェコ オストラヴァ
アンナ・シェレストの弾くプロコフィエフのピアノ協奏曲2 曲。アンナ・シェレストは ウクライナ生まれのピアニスト。ハルキウ音楽院で学んだ後、米国のジュリーアド音 楽院で名教師ジェローム・ローウェンタールに学んだ。シェレストの弾くプロコフィ エフは、持ち前の透明で繊細な美音を生かしたもので、プロコフィエフ独特の刺々 しさを抑えながら、近代的な抒情性を巧みに打ち出したもの。彼女の卓越した力 量が窺えます。米国生まれのデンマークの指揮者、ニルス・ムースの指揮も見事。

Capriccio
C-5469(1CD)
NX-B07

NYCX-10393(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ゲオルク・ゴルターマン(1824-1898):チェロ協奏曲第1番、他
チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.14
ロマンス イ短調 Op.60No.1
バラード ト長調 Op.81
交響曲 イ短調 Op.20…世界初録音
ジャマル・アリエフ(Vc)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年6月7-10日
※国内仕様盤には本田裕暉氏による日本語解説が付属
チェロ奏者の間では知らぬ人はいないとも言われるゲオルク・ゴルターマン。北ドイツのハノーファーに生まれ、ベルンハルト・ロンベルクの弟子クリスティアン・プレ ルにチェロを学んでいち早く頭角を現し、23歳でミュンヘンに移った時にはすでにチェロのヴィルオゥオーゾとしてよく知られる存在だったそうです。ミュンヘンでは ヨーゼフ・メンターにチェロを、イグナーツ・ラハナーに作曲を学びました。その後、ヴュルツブルク劇場の第1チェロ奏者兼指揮者を経てフランクフルト歌劇場のカ ペルマイスターとなり、亡くなるまでの40年間を同地で過ごしました。 ゴルターマンは作曲にも勤しみ、作品番号が付いたものは133曲を数えます。彼のチェロ協奏曲は全部で5曲とも8曲とも言われますが、演奏の難度と楽曲 の充実度で最もハイレベルとみなされるのがここに収録された第1番。第2楽章アンダンテは「カンティレーナ」の名前でカザルスがアンコール・ピールとして録音 していますが、全曲盤は久しくなかっただけに貴重な録音です。シューマンやメンデルスゾーンを思わせる、馥郁としたハーモニーと胸を高鳴らせるような旋律に 満ち、ヴィルトゥオーゾ的なソロの見せ場にも事欠きません。今日のコンサート・レパートリーに定着していないのが不思議です。2曲の小品も美しいメロディの 宝庫。ソロを弾くジャマル・アリエフは1993年アゼルバイジャン生まれで、その才能に目をとめたモスクワ音楽院とメニューイン音楽学校(ロンドン)が競って招い たという逸材。ロンドンを選んだアリエフは、2017年のBBCプロムス「ジョン・ウィリアムズ85歳記念プログラム」のソリストに起用されるなど注目を浴び続けてい ます。 世界初録音となる交響曲は32分ほどの作品で、こちらも耳と心にすっと入って来るメロディがたくさんあります。例えるならば、メンデルスゾーンの「夏の夜の 夢」のような交響曲といったところ。

Channel Classics
CCSBOX-7423(7CD)
NX-E07
ヴィヴァルディ協奏曲BOX
【DISC1&2】
協奏曲集 Op.4『ラ・ストラヴァガンツァ』(全12曲)
【DISC3&4】
協奏曲集 Op.9『ラ・チェトラ』(全12曲)
【DISC5&6】
協奏曲集 Op.3『調和の霊感』(全12曲)
【DISC7】
協奏曲集「四季」 〜『和声と創意への試み』 Op.8より
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV269Op.8-1「春」
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV315Op.8-2「夏」
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV293Op.8-3「秋」
2. ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 RV297Op.8-4「冬」
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV270「聖夜の休息」
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV271「恋人」
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV208「ムガール大帝」
レイチェル・ポッジャー(Vn)

【DISC1&2】
アルテ・デイ・スオナトーリ(古楽器使用)
録音:2002年9月 ゴシツィコヴォ=パラディシ・カトリック教会大学(ポーランド)
【DISC3&4】
オランダ・バロック(古楽器使用)
ユディト・ステーンブリンク(第2ソロ・ヴァイオリン)…RV 530
録音:2011年9月 2012年1月、ワロン教会(Waalse Kerk)、アムステルダム
【DISC5&6】
ブレコン・バロック(古楽器使用)
ボヤン・チチッチ、ヨハネス・プラムゾーラー(Vn)
録音:2014年2月&9月 セント・ジョン・エヴァンジェリスト教会、アッパー・ノーウッド、ロンドン
【DISC7】
ブレコン・バロック(古楽器使用)
録音:2017年10月 セント・ジュード教会、ロンドン
20世紀末における古楽器演奏の活況を早くからリードしてきた英国で、さまざまなアンサンブルの一員として活躍した後、ソリストとして世界 をまたにかける存在となったバロック・ヴァイオリン奏者レイチェル・ポッジャー。今やベートーヴェンやモーツァルトなど古典派以降のソナタでも古 楽器による魅力的な演奏を聴かせていますが、当初その本領を存分に発揮してシーンの注目を集め躍進のきっかけとなったのは、当時まだ 今ほど知られていなかったポーランドの実力派古楽器団体アルテ・デイ・スオナトーリと録音したヴィヴァルディ『ラ・ストラヴァガンツァ』の全曲盤 (2002)でした。隅々まで高度な音楽性に貫かれた演奏解釈は、CHAN-NEL CLASSICSレーベルならではの感触確かなエンジニアリング で克明に伝えられ、知られざるアンサンブルの卓越した演奏技量とともにバロック・ファンに留まらない人気を集めたものですが、その後も同 レーベルでポッジャーはオランダ・バロックやブレコン・バロックなどの気鋭団体とヴィヴァルディの傑作を相次いで録音。いずれ劣らぬ仕上がりは 世界各地で高い評価を博しています。出版譜で必要とされている最少人数に近い編成で録音された『調和の霊感』、ヴィヴァルディの作風 の充実が見られる隠れた傑作『ラ・チェトラ』、そして鮮烈な作品の魅力を十全に引き出した『四季』……お手頃価格のBOXでその秀逸な 成果をじっくり聴き確かめられる嬉しいリリース、ここに登場です。

CONCERTO CLASSICS
CC777-750(1CD)
ヴィオラ・ダモーレ〜ヴィヴァルディ&シュターミツ:3つの協奏曲とソナタ
ヴィヴァルディ:ヴィオラ・ダモーレとオーケストラの為の3つの協奏曲(ニ短調 RV395、ニ短調 RV393、ニ短調 RV394)
シュターミツ(1745-1801):ヴィオラ・ダモーレとヴァイオリンの為のソナタ イ長調
ピエール=アンリ・ゼレブ(ヴィオラ・ダモーレ)
クリストフ・ジョヴァニネッティ(Vn)
アカデミー・ド・マンドリン・エ・ギタール・ド・マル セイユ(マンドリン&ギター・オーケストラ)
ヴァンサン・ベール・ドゥマンデ(マンドリン・ソロ)

録音:2021年/マルセイユ、サン・ジョセフ教会(ヴィヴァルディ)、2022年/エポー=ベズ、シャトー・ド・リジエール(シュターミツ)
ヴィヴァルディのヴィオラ・ダモーレ協奏曲をヴィオラ・ダモーレとマンドリン&ギター・オーケストラで演奏した珍しい企画です。
ヴィヴァルディはピエタ音楽院の生徒のためにヴィオラ・ダモーレを独奏とする協奏曲をいくつか作曲しました。また、マンドリンの為の協奏曲も作曲していま す。ヴィヴァルディが独奏に選んだ、倍音の響きが特徴的なこの二つの楽器を組み合わせることで、魅力の相乗効果が発揮されるのではないかという意図が、この アルバムにはあるようです。美しいヴェールをまとったようなヴィオラ・ダモーレの独奏と、マンドリン&ギター・オーケストラの包み込むような柔らかな空気をま とった音色が見事に融合し、独特の美しい音響を聴かせています。
またカップリングは、マンハイム楽派の作曲家カール・シュターミツのヴィオラ・ダモーレとヴァイオリンの為のソナタ。カール・シュターミツは、ヴィオラ・ダモー レの名手としても知られ、この楽器のために少なくとも3曲の協奏曲を残しています。この作品は珍しい組み合わせのソナタで、第3楽章では、あのベートーヴェン がウェリントンの勝利(戦争交響曲)で用いたことで有名なフランス民謡「マールボロは戦場に行った」の旋律を使用しています。同じような形態を持ちながら異な る響きを持つヴィオラ・ダモーレとヴァイオリンの対比と融合が美しい隠れた名品です。
ヴィオラ・ダモーレを演奏するピエール=アンリ・ゼレブは、アヴィニョンの音楽院を13歳で卒業し、ジュリアード音楽院で学んだ、プリムローズ最後の弟子であ るヴィオラ奏者。ブーレーズの下、アンサンブル・アンテルコンタンポランのヴィオラ奏者も務め、シュトックハウゼンやホリガーら著名な現代作曲家から作品を捧げ られている名手です。ヴィオラ・ダモーレの名手としても活躍し、いくつかのアルバムを発売しています。ヴァイオリンのクリストフ・ジョヴァニネッティは、イザイ四 重奏団、エリゼ四重奏団という名SQを結成し、第1ヴァイオリン奏者として活躍した名手で、現在はパリ高等音楽院の教授として後進の指導にもあたっ ています。日本では学生時代からの盟友、青柳いづみことのデュオでも知られています。アカデミー・ド・マンドリネ・エ・ギタールはマンドリン奏者、作曲家、マル セイユ国立音楽院の教授でもあるヴァンサン・ベール・ドゥマンデが中心となって結成されたマルセイユのマンドリンとギターによるオーケストラで、総勢30名の 撥弦楽器のオーケストラの響きが圧巻です。


Naive
V-7259[NA]
Legacyレガシー
(1)ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob. VIIb:1
(2)ポルポラ:ラルゴ〜チェロ協奏曲 ト長調より
(3)モーツァルト:協奏交響曲 イ長調 〜ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの為の協奏曲 K320e / K.Anh.104(断片)〔ロバート・レヴィンによる補完版〕
(4)グルック(ラ・マルカ編):精霊の踊り(『オルフェオとエウリディーチェ』より)
(5)ポルポラ:正しい愛、私を燃え上がらせた(『ヘスペロデスの園』より)
(6)ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb:2
クリスティアン=ピエール・ラ・マルカ(Vc)
ジュリアン・ショヴァン((指)ヴァイオリン)
アドリアン・ラ・マルカ(ヴィオラ((3)))
ル・コンセール・ド・ラ・ローグ
フィリップ・ジャルスキ(カウンターテナー((5)))

録音:2021年2月27-30日、パリ
フランスの俊英チェリスト、クリスティアン=ピエール・ラ・マルカ。「チェロ360」(V7260)や、「ワンダフル・ワールド」(V7362)など、コンセプトから参 加メンバーまで研ぎ澄まされた感性のアルバムで話題を呼んできましたが、今回は「レガシー」と題し、ハイドンのチェロ協奏曲を中心としたプログラムのアルバム を発表します。管弦楽はル・コンセール・ド・ラ・ローグ、まさにハイドンを演奏するために誕生したアンサンブルを迎え、同団音楽監督のショヴァンの指揮のもと、 実にエレガントなハイドンを展開しています。モーツァルトの協奏交響曲(レヴィンによる補完版)では、同じくフランスの俊英ヴィオラ奏者にして弟でもあるアドリ アン・ラ・マルカ、そしてショヴァンのヴァイオリンという注目の顔合わせの演奏です。ポルポラといえば声楽の印象がありますが、チェロにも非常に深い見識を持っ た作曲家でした。ポルポラはウィーンにイタリアの声楽伝統を根付かせた立役者で、ハイドンもグルックもウィーンで活躍しました。そうした作曲家たち同士の生き た交流までもが感じられる内容です。レコーディング(ディレクションから音のことまですべて)は吉田研氏が担当。素晴らしい録音音質も特筆に値します。
クリスティアン=ピエール・ラ・マルカは1983年生まれ。エクス=アン=プロヴァンス音楽祭でデビュー後、ジャン=マリ・ガマール、フィリップ・ミュレルに、 さらにフランス・ヘルメルソンやスティーヴン・イッサーリスにも師事。ロストロポーヴィチやハインリヒ・シフらのマスタークラス受講。アルバム「チェロ360」は 2021年ベスト・コンセプト・アルバム賞(グラモフォン)受賞。弟のアドリアン・ラ・マルカとフォレス音楽祭(フランス)の共同音楽監督をつとめる。 (Ki)


King International
KKC-095(2CD)
野島稔〜ベートーヴェン・ライヴ
(1)ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(2)ピアノ・ソナタ第19番ト短調Op.49の1
(3)ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22
(4)ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.27の1
(5)ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
野島稔(P)
山田一雄(指)札幌SO

録音:1989年11月20日北海道厚生年金会館大ホール(1)、2008年11月1日厚木文化会館(2)-(5)(ライヴ)
野島稔は1966年からモスクワ音楽院に留学してオボーリンに師事、69年の第3回ヴァン・クライバーン・コンクールで2位入賞など驚嘆すべき経歴ながら、 録音嫌いだったこともありその偉業が広く伝わっているとは言い難いと申せましょう。晩年は東京音大の学長を務め、藤田真央らを育てるなど教育面でも日本の 音楽文化に貢献しました。2022年5月に76歳で逝去された彼の芸術を堪能できる追悼アルバムがようやく登場します。曲は十八番のベートーヴェン。
「皇帝」は巨匠・山田一雄との共演。野島の水晶のようにクリアなピアノとゆるぎない構成力に山田一雄の熱い推進力があいまって見事な世界を作り上げてい ます。約20年後のソナタはより深みを湛え、何の奇も衒わずに滋味あふれる語りで感動させてくれます。いずれもライヴながら、永久に留めておくべき日本のピア ノの宝というべき演奏です。 (Ki)

Dynamic
CDS-7978(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.22
ピエトロ・デ・マリア(P)
トスカーナO
ダニエーレ・ルスティオーニ(指)

録音:2021年4月8-10日
ピエトロ・デ・マリアは1967年ヴェネツィア生まれ。ヴェネツィア国立音楽院で学んだ後、ジュネーヴ音楽院に留学。 マリア・ティーボの下で研鑽を積みました。1990年にモスクワで開催されたチャイコフスキー国際ピアノ・コンクールで 批評家賞を受賞した他、チューリヒのゲザ・アンダ国際ピアノ・コンクールで優勝、1997年にはハンブルクのメンデル スゾーン賞を授与されるなど国際的に認められ、チョン・ミョンフン、ジャナンドレア・ノセダ、シャーンドル・ヴェーグ、佐 渡裕ら多くの著名指揮者と共演しています。バッハからリゲティまで幅広いレパートリーを持ち、イタリア人としては 初めて、6回のコンサートでショパンの独奏作品を全て演奏、イタリアDeccaにはショパンの独奏作品全曲の録音 のほか、バッハの平均律クラヴィーア曲集、ゴルトベルク変奏曲などを録音。どれも高く評価されました。 このアルバムでは、得意とするショパンのピアノ協奏曲を、ダニエーレ・ルスティオーニが指揮するトスカーナO をバックに演奏。抒情的な旋律をじっくりと歌い上げています。


Avanti Classic
AVA-10662(1CD)
NX-B10
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第2番
ラヴェル:ピアノ協奏曲*
マルタ・アルゲリッチ(P)
イスラエルPO
ラハフ・シャニ(指)

録音:2019年12月22日、24-27日* チャールズ・ブロンフマン・オーディトリアム、テルアビブ、イスラエル
今回登場するのは2019年のライヴで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番とラヴェルのピアノ協奏曲です。アルゲリッチにとってはいずれの作 品もすでに5種類ほどの録音が出ていますが、音圧ではなく音色で表現される押しと引き、冴えわたるタッチで瑞々しくも情感豊かな表現を 聴かせ、今なお新鮮に聴かせてくれることに驚きを禁じ得ません。共演のラハフ・シャニは、2018年からロッテルダム・フィルの首席指揮者、 2021年のシーズンからイスラエル・フィルの音楽監督、そして2026年からは解任されたゲルギエフの後を受けてミュンヘン・フィルの首席指揮 者に就くことが決まったという、現在最も目の離せない指揮者の一人。そしてイスラエル・フィルは意外にも、アルゲリッチとの共演CDは初めて とのことです。推進力のある彼らのサポートがアルゲリッチのピアノをしっかりと支え、活き活きとした音楽を作り上げている素晴らしい記録です。 ラヴェルの後に収められた歓声も熱狂的。

SOMM
SOMMCD-281(1CD)
NX-B04
ニムロッド・ボーレンシュタイン(1969-):ピアノ協奏曲/光と闇/シリム
ピアノ協奏曲 Op.91
光と闇 Op.80/シリム Op.94
クレリア・イルズン(P)
ロイヤルPO
ニムロッド・ボーレンシュタイン(指)
イ・ムジカンティ(アンサンブル)【タマーシュ・アンドラーシュ(Vn)、ロベルト・スミセン(Va)、アーシュラ・スミス(Vc)、レオン・ボッシュ(Cb)】

録音:2022年5月9-10日 ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン(UK)
2022年6月26-27日 メニューイン・ホール、ストーク・ダバノン(UK)
作曲家・指揮者、ニムロット・ボーレンシュタインのSOMM Recordingsレーベルへの初録音。 テルアヴィヴで生まれ、パリで初期の音楽教育を受けた後、1984年にシフ財団の奨学生となりロンドンに移住。 王立音楽大学で作曲とヴァイオリンを学び、作曲家、指揮者として活躍。彼の作品は数多くのオーケストラによっ て演奏されています。このアルバムにはピアノをフィーチャーした3つの作品を収録。ピアノ協奏曲はブラジル出身の ピアニスト、クレリア・イルズンのために書かれたラフマニノフを思わせる技巧的な作品。ボーレンシュタイン自身がタク トを執り熱演を披露します。2018年に初演された「光と闇」はシュテファン・ツヴァイクの著書「昨日の世界」の最 後の一節から採られたタイトルを持つピアノ五重奏曲。単一楽章で構成されたタイトル通りのメリハリある内容を持 つ作品です。「シリム」は子供のためのピアノ組曲。タイトルはヘブライ語の「詩」や「歌」の意味で、さまざまな雰囲 気を持つ18の小品で構成されています。


Biddulph
BIDD-85024(2CD)
NX-C03
ブロニスワフ・ギンペル〜ヴァイオリン協奏曲集
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:フリッツ・クライスラー。第2楽章から第3楽章への移行部のみ:カール・フレッシュ)
(2)ラロ:スペイン交響曲 (全5楽章)
(3)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(4)ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
(5)パガニーニ:1楽章の協奏曲 (原曲:ヴァイオリン協奏曲第1番 第1楽章:ヴィルヘルミ編)
ブロニスワフ・ギンペル(Vn)

(1)バンベルクSO
ハインリヒ・ホルライザー(指)
録音:1955年2月18日/音源:Vox PL9340(MONO)
(2)ミュンヘンSO
フリッツ・リーガー(指)
録音:1956年4月4-6日/DGG19071(MONO)
(3)バンベルクSO
ヨハネス・シューラー(指)
録音:1960年/Opera1187(STEREO)
(4)(5)バーデン=バーデン南西ドイツRSO
ロルフ・ラインハルト(指)
録音:1956年/Vox PL10.450(MONO)

復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:David Hermann
マスタリング:Dennis Patterson
弦のBiddulph」からブロニスワフ・ギンペルの協奏曲集が登場。ステレオのチャイコフスキーは特に注目。ブロニスワフ・ギンペルは1911年にオーストリア=ハンガリー帝国のレンベルク(現在のウクライナ西部リヴィウ)でポーランド系ユダヤ人の音楽一家に生まれまし た。父親は劇場の指揮者で、かつてマーラーの指揮の下でクラリネットを演奏していたことがあるそうです。父が5歳のブロニスワフにピアノとヴァイオリン を教え始めたところヴァイオリンの上達が目覚ましく、8歳で地元の音楽院に入学し、同年メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏。11歳の年にはウィー ン音楽院に移り、14歳でゴルトマルクのヴァイオリン協奏曲を演奏しました。15歳の年にはピアニストの兄ヤコブとイタリアに招かれ、ジェノヴァでパガニーニが 使っていたグヮルネリ・デル・ジェズで演奏、ローマではイタリア国王とローマ教皇の前で演奏する栄に浴しました。 その後1928年にベルリンでカール・フレッシュのクラスに入学したギンペルは、1年学んだ後にフレッシュのアドバイスでヘルマン・シェルヘンが指揮者を務めてい たケーニヒスベルク(現ロシア領カリーニングラード)の放送オーケストラのコンサートマスターに就任。その後イェーテボリSOを経て、クレンペラーの招きで ロサンジェルス・フィルのコンマスを務め、第2次大戦が勃発するとアメリカ空軍所属のオーケストラで演奏しました。戦後はアメリカの放送局ABCのオーケスト ラや自ら組織したSQなどでも演奏。1950年にはロンドン・デビューが大成功となってヨーロッパでの活動を再開し、英独を中心に数多くの演奏を 行いました。1962年に訪れたワルシャワで旧友ウワディスワフ・シュピルマン(映画『戦場のピアニスト』の主人公)と再会すると意気投合し、デュオとピアノ五 重奏団を結成してコンサート・ツアーを行い、録音も残しています。 原盤解説によればここに収められた5曲は初CD化とのこと。ノイズの少なさと音の鮮度が両立しているのは復刻素材の状況が良かったことを想像させます。 ベートーヴェンではモノラルながら音の奥行きまで感じさせます。第2楽章と第3楽章をつなぐ小カデンツァにフレッシュ作のものを弾いているのは師へのオマー ジュでしょう。チャイコフスキーは当セット唯一のステレオ録音。ここでギンペルが弾いているヴァイオリンは、作曲者がこの曲に取り組んでいた時に助言したヴァ イオリニスト、イオシフ・コテックが使っていた楽器で、ギンペルは「チャイコフスキーが聞いたのと同じ音だ」と自慢していたそうです。彼の演奏は5曲を通じて明 晰さと力強さが前面に出ており、きびきびとした推進力のある楷書体の音楽と言うことができるでしょう。 ブックレットには歴史的ヴァイオリニストの演奏に詳しいタリー・ポッター氏による7ページの解説(英語のみ)に加え、15歳のギンペルや、1955年に撮られたヒ ンデミットとのツーショットなど、貴重な写真が掲載されています。

SWR music
SWR-19433CD(10CD)
NX-G09
偉大なピアニストたち


■CD1
(1)ハイドン:ピアノと弦楽のための協奏曲第11番 ニ長調Hob. XVIII
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K488

■CD2
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノーム」 K271
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K459

■CD3
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K491

■CD4
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番

■CD5
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5「皇帝」

■CD6 
(1)ショパン:ピアノ協奏曲第1番
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

■CD7
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(2)シューマン:ピアノ協奏曲
■CD8
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
(2)ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

■CD9
(1)バルトーク:ピアノ協奏曲第2番
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:間奏曲 変ホ長調 Op.117 No.1

■CD10
(1)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 「エジプト風」
(2)ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 へ調
■CD1 
フリードリヒ・グルダ(P)
※2020年初出時のSWR19088CDにおいて、こちらの録音はMONOとご案内をいたしましたが、実際はSTEREOであることが判明いたしました。
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)
(2)バーデン=バーデン南西ドイツRSO
(2)ハンス・ロスバウト(指)
録音:(1)1962年1月10日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)
(2)1962年1月15日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)
■CD2 
クララ・ハスキル(P)
シュトゥットガルトRSO
カール・シューリヒト(指)
録音:(1)1952年5月23日 Stuttgart-Degerloch,Waldheim(ドイツ)(MONO)
(2)1956年4月7日(ライヴ) Schloss Ludwigsburg,Barock-Theater(ドイツ)(MONO)
■CD3
(1)イェルク・デームス(P)
(2)パウル・バドゥラ=スコダ(P)
シュトゥットガルトRSO
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)
(2)カール・シューリヒト(指)
録音:(1)1961年9月28日 ヴィラ・ベルク、シュトゥットガルト(MONO)
(2)1962年10月18日(ライヴ) リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)(MONO)
■CD4 
アリシア・デ・ラローチャ(P)
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)ガルシア・ナバロ(指)
(2)バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツRSO
(2)エルネスト・ブール(指)
録音:(1)1986年1月15日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)
(2)1977年1月17日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)
■CD5
(1)ヴィルヘルム・ケンプ(P)
(2)ヴィルヘルム・バックハウス(P)
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)
(2)シュトゥットガルトRSO
(2)ヨーゼフ・カイルベルト(指)
録音:(1)1957年11月7日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)(MONO)
(2)1962年3月15日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)(MONO)
■CD6
ゲザ・アンダ(P)
(1)エルネスト・ブール(指)
(2)ハンス・ロスバウト(指)
録音:(1)1952年3月18日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)(MONO)
(2)1953年3月3日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)(MONO)
■CD7
(1)ヴィルヘルム・バックハウス(P)
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指)
(2)アニー・フィッシャー(P)
(2)バーデン=バーデン南西ドイツRSO
(2)ハンス・ロスバウト(指)
録音:(1)1959年12月2日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)(MONO)、(2)1959年2月25日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)(MONO)
■CD8
(1)クラウディオ・アラウ(P)
(1)シュトゥットガルトRSO
(1)エリアフ・インバル(指)
(2)ゲザ・アンダ(P)
(2)バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツRSO
(2)ハンス・ロスバウト(指)
録音:(1)1972年3月23日(ライヴ) リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)
(2)1952年3月15日 ハンス=ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)(MONO)
■CD9
ゲザ・アンダ(P)
シュトゥットガルトRSO
ハンス・ミュラー=クライ(指)
フェルディナント・ライトナー(指)
録音:(1)1950年11月14日 Krone,Stuttgart Unterturkheim(ドイツ)(MONO)
(2)1973年3月13日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ドイツ)
■CD10
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
シュトゥットガルトRSO
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
録音:1993年5月30日(ライヴ) Rokokotheather,Schwetzingen(ドイツ)
南西ドイツ放送交響楽団(ドイツ語: SWR Sinfonieorchester)は、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州 にある南西ドイツ放送所属のオーケストラ。その歴史の中で何度も名称を変更しながら、2016年に合併し、現 在ではSWR南西ドイツ放送交響楽団として活動しています。オーケストラは長年にわたり、多くの伝説的な演奏 家と共演し名演を繰り広げてきました。この10枚組に登場するのは、ヴィルヘルム・バックハウス、ヴィルヘルム・ケン プ、クララ・ハスキルやアニー・フィッシャーをはじめ、"ウィーンの三羽烏"と称されたフリードリヒ・グルダ、イェルク・デー ムス、パウル・バドゥラ=スコダ、スペインを代表するアリシア・デ・ラローチャやハンガリーの名手ゲザ・アンダ、チリ出身 のクラウディオ・アラウなど国籍も様々なピアニストたち。各々が得意とする演目を、これまた時代に名だたる指揮者 たちが率いるオーケストラをバックに演奏を聴かせます。10枚目のシュヴェツィンゲン音楽祭1993年コンサートにお けるリヒテルの演奏も初出時大変な話題となったものです。 いずれも、オリジナルマスターテープからの良質な復刻でお楽しみいただけます。

BIS
BISSA-2554(1SACD)
ニコス・スカルコッタス:協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲 A/K22(1937/38)
(2)ヴァイオリン、ヴィオラとウィンドオーケストラのための協奏曲 A/K25(?1939-40)
ジョージ・ザ カリアス(Vn )
(2)アレクサンドロス・コウスタス(Va)
ロンドン・フィルハーモニックO、マーティン・ブラビンズ(指)
録音:(1)2022年4月19&20日、(2)2020年1月5&6日/ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン、イングランド)
[楽器 Violin:‘Georgina Joshi’ by Sanctus Seraphin1719/Viola:Bohemian School, early 1900s]
制作:(1)マシュー・ベネット、(2)アレグザンダー・ヴァン・インゲン
録音エンジニア:(1)デーヴ・ローウェル、(2)アンドルー・メラー
シェーンベルクに学んだ「エリート」弟子のひとり、ギリシャの作曲家ニコス・スカルコッタスのシリーズ。「ヴァイオリン協奏曲」は、「シェー ンベルクの限界」にとらわれまいとする大胆なアイデアも導入されたとされる作品。シリーズ第1作として制作されたゲオルギオス・デメルツィスの演奏(BIS-904)に次ぐ録音。エヴァ・マンツォーラニによる新校訂版を使った演奏です。
「ヴァイオリン、ヴィオラとウィンドオーケストラのための協奏曲」は、スカルコッタスがアテネ国立Oでヴァイオリンを弾いていた時の同僚、ヴィオラのジョ ン・パパドプロスのために書いたのではないかと推測される作品です。「アレグロ」「アンダンティーノ」「アレグロ・ヴィーヴォ」。クラシカル音楽で初めてソプラノ、 アルト、テナーというサクソフォーン属の楽器を揃って使った作品のひとつです。世界初録音。ジョージ・ザカリアスが編纂した校訂版による演奏です。
ヴァイオリンのジョージ・ザカリアスは、アテネ生まれ。アテネ音楽院で学び、1997年の卒業後、ロンドンの王立音楽アカデミーでヨッシ・ツィヴォーニの下で学 びました。「ヴァイオリニスト、作曲家スカルコッタス」をテーマとする論文で王立音楽アカデミーの博士号を取得。イギリスを本拠に活動しています。ヴィオラのアレ クサンドロス・コウスタスもギリシャ生まれ。イギリス・ナショナル・バレエ・フィルハーモニックの首席ヴィオラ奏者を務め、アカデミー室内Oでも団員とし て演奏しています。 (Ki)

DOREMI
DHR-8201(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第13集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
(3)バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
シューマン:ピアノ・ソナタ第2番ト短調 Op.22
ショパン:夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
 スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
ラヴェル:夜のガスパール
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ラファエル・クーベリック(指)NYO
 録音:1978年2月7日/ニューヨーク、リンカーン・センター、エイブリー・フィッシャー・ホール
(2)ベルンハルト・クレー(指)ハノーファーRSO
 録音:1979年6月14日/ハノーファー
(3)録音:1972年4月14日/ザールブリュッケン・リサイタル
DOREMIのアルゲリッチ貴重音源集第13弾。クーベリックとのモーツァルト、クレーとのラフマニノフという2つの協奏曲ライヴに加え、72年のザールブリュッケン・リサイタルを収録。ショパンのノクターン第8番の録音はめずらしく、他では聴くことのできないレパートリーです。 (Ki)

CLAVES
50-3057(1CD)
ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 Op.33FS.61
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.61
アンナ・アガフィア(Vn/グァルネリウス「スフィンクス」(1730-33年製作))
アレクサンドル・マルコヴィチ(指)、シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2022年11月/ポーランド放送、第2スタジオ(ワルシャワ)
2022年に開催したグシュタード音楽祭の「ティエリー・シェルツ賞」に受賞したヴァイオリニストのアンナ・アガフィアがニールセンのヴァイオリン協奏曲とシマ ノフスキのヴァイオリン協奏曲第2番を録音しました!
グシュタード音楽祭はスイスのグシュタード(スイスを横断する絶景パノラマ鉄道「ゴールンデパス・ライン」が走ることでも有名な山村)にて世界各国から才能 豊かな若手音楽家が集まることで知られるフェスティヴァル。「ティエリー・シェルツ賞」は当音楽祭の創設者の一人ティエリー・シェルツへのオマージュとして設け られました。参加者のうち1名がClavesレーベルからレコーディングの機会を与えられCDリリースできるという副賞がついており、これまでにピアノのジャン= ポール・ガスパリアン(2020年受賞)、ヴィオラのティモシー・リダウト(2019年受賞)、チェロのアナスタシヤ・コベキナ(2018年受賞)、ハープのアナイス・ ゴドゥマール(2015年受賞)、ピアノのヨゼフ・モーク(2006年受賞)、ハープのエマニュエル・セイソン(2005年受賞)など現在世界的な演奏者として活躍 しているアーティストたちが受賞しています。
コペンハーゲンでアレクサンドル・ザポルスキに師事したアンナ・アガフィアは、学生時代に受けたデンマークの音楽コンクールの数々で優勝。2016年にスイス に移住し、ローザンヌ高等音楽院ではスヴェトラーナ・マカロワやパヴェル・ヴェルニコフに師事し研鑽を積みました。その後、2017年にはジネット・ヌヴー・コ ンクールで優勝、2018年にはウジェーヌ・イザイ国際音楽コンクールで第2位、2019年にはカール・ニールセン国際コンクールで第3位など、輝かしいコンクー ル受賞歴を誇ります。艶やかで表情豊かな語り口が魅力のアガフィアがニールセン、シマノフスキを全身全霊で演奏。ニールセンでは雄弁に、シマノフスキは大迫力 の演奏を聴かせてくれます。 (Ki)

Goodies
78CDR-3898(1CDR)
プーランク:オーバード(Pと18の楽器のための舞踊協奏曲) フランシス・プーランク(P)
ワルテル・ストララム(指)
コンセール・ストララム

仏 COLUMBIA LF33/35
1930年1月20&22日パリ、シャンゼリゼ劇場録音
フランシス・プーランクはスペイン出身のリカルド・ビネス(1875 -1943)にピアノを、作曲はシャルル・ケクラン)に学んだ。フランス 「6人組」の一人としてエリック・サティやモーリス・ラヴェル (1872-1937)から影響をうけ、フランス風エスプリに富んだ作品を残した。プー ランクのピアノの師ビネスの演奏は「リカルド・ビネスの芸術」(78CDR-3895) で聞ける。この曲はプーランクが1929年に作曲した舞踏を伴う鍵盤楽器のため に作曲した5曲の協奏曲の第2作目にあたる。作曲者自身のピアノで初演された。 バレエのあらすじは、森に住む、純潔と貞節の女神ディアーヌ(ギリシャ神話 のアルテミス、ローマ神話のディアナ)は自らの定めた神の掟によって恋をす ることができず、夜明けのたびに悲しい思いをするという幻想的な筋書き。 指揮者のワルテル・ストララム(1876-1933)は1926年にパリのオーケストラの 中から名手を募り、コンセール・ストララムを結成した。1928年にラヴェルの 「ボレロ」の初演の指揮をした。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル〔ゼロSP78rpm〕(3mil 針)とコルグの [DS-DAC-10R]DSD録音機を使用した。

SOREL CLASSICS
SCCD-013(1CD)
2023年2月10日までのご注文分は
税込¥2050!!
ルビンシテイン:ピアノ協奏曲第4番ニ短調 Op.70
ロシア奇想曲 Op.102
アンナ・シェレスト(P)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
ザ・オーケストラ・ナウ

録音:2017年10月15日ニューヨーク州 ニューヨーク・シティ(ライヴ)
ロシアの大ピアニスト、アントン・ルビンシテインの代表作の一つ、 ピアノ協奏曲第4番ニ短調は、充実した傑作であるにもかかわらず20世紀後半に はあまり注目を浴びなくなってしまい、近年の録音も限られて来た。ここではウクラ イナ生まれのピアニスト、アンナ・シェレストが、ルビンシテインの豊潤な音楽から清 らかな響きを引き出しています。そして伴奏がなんと巨匠ネーメ・ヤルヴィ。しばしば 冗長と評されるこの協奏曲が、然るべき名作になっています。哀愁に満ちたロシア奇 想曲も名演。アントン・ルビンシテインのCDを1枚買うならまずこれを。
SOREL CLASSICS
SCCD-014(1CD)
2023年2月10日までのご注文分は
税込¥2050!!
ルビンシテイン:ピアノ協奏曲第3番ト長調 Op.45
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.94
アンナ・シェレスト(P)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
エストニア国立SO

録音:2018年5月7日 エストニア・タリン
アントン・ルビンシテインのピアノ協奏曲第3番と第5番の録音。ル ビンシテインのピアノ協奏曲では第4番が比較的よく知られているが、それはこの 作品がルビンシテインにしてはロシア情緒が濃いからで、一方でルビンシテインの 西欧趣味、洗練された自由な作風は、これら第3番 ト長調や第5番変ホ長調の 方がより良く出ています。20世紀にはその自由さがまとまりがないと受け止められ評 価が低かったのかもしれないが、21世紀の耳はインターナショナルに活躍した大 ピアニストの徒然な豊かな音楽こそルビンシテインの本領と受け止められるだろ う。元より録音が少ないので新録音というだけでありがたいが、ウクライナ出身でニ ューヨークで活躍するピアニスト、アンナ・シェレストの清新なピアノと、巨匠ネーメ・ ヤルヴィの極めて立派な伴奏が不当に埋もれた名作に光を当てています。

Anaklasis
ANA-024(1CD)

PANA-024(1CD)
国内盤仕様
税込定価
エルジュビエタ・シコラ:協奏曲集

(1)ピアノ協奏曲 「フレデリック・ショパンへのオマージュ」(2000)
(2)ヴァイオリン協奏曲(2018)
(3)オルガンと管弦楽のための 「オリヴァ協奏曲」(2007, rev.2020)
(1)アダム・コシミェヤ(P)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、バッセム・アキキ(指)
(2)リヌス・ロート(Vn)、ポーランド国立放送O、ホセ・マリア・フロレンシオ(指)
(3)福本茉莉(Org)、NFMヴロツワフPO、パスカル・ロフェ(指)

録音:2018年(P協奏曲)、2019年(Vn協奏曲)、2021年(オルガン協奏曲)
国内盤=解説の日本語訳:山根悟郎
1945年にクラクフで設立されたポーランド最大級の音楽出版社「ポーランド音楽出版社(PWM Edition)」が運営するレーベル「Anaklasis(アナクラシス)」。20世紀と21世紀のポーランドの作曲家の業績を紹介する「PORTRAITS」シリーズ最新作は、電子音楽と伝統的な音楽、前衛音楽と新古典主義を共存させた作風などで多くの功績を残してきたポーランドの作曲家、エルジュビエタ・シコラ(b.1943)の3つの協奏曲。
エルジュビエタ・シコラは1943年(文献によっては1944年〜1945年)に現ウクライナのリヴィウ(当時はポーランド領で、戦時中にソ連やドイツに占領され、戦後はウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国となった)に生まれ、ワルシャワやパリで音響工学、電気音響音楽、コンピュータ音楽、作曲などを学び、多くの作曲賞や勲章を受賞しています。ポーランドのアダム・コシミェヤ、ドイツのリヌス・ロート、日本の福本茉莉といった、次代を担う気鋭のソリストたちの参加にも注目です。

DUX
DUX-1909(1CD)
マルティヌー:チェロ協奏曲第2番H.304
チェロ・ソナタ第2番 H.286*
バルトシュ・コジャク(Vc)、
ヤナーチェクPO、ペトル・ポペルカ(指)、
ラドスワフ・クレク(P)*

録音:2021年6月2日ー4日&2022年6月26日
ポーランド出身のチェロ奏者バルトシュ・コジャクは、ショパン音楽院でカジミエシュ・ミハリク、アンジェイ・バウアーに、パリ国立高等音楽院ではフィリップ・ミュレールに師事。これまでにヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第1位(2001年)、プラハの春国際音楽コンクール(2006年)で特別賞を受賞するなど、多くのコンクールで入賞。ワルシャワの秋、ヤング・ユーロ・クラシックなどの著名な音楽祭にも招聘されています。
本アルバムでは、400もの作品を残したチェコの大作曲家マルティヌーが、創作活動の頂点にあたる1940年代にアメリカで完成させた2つの作品を取り上げています。
DUX
DUX-1907(1CD)
ポーランドの作曲家たちによるフルート作品集
ベネディクト・コノヴァウスキ(1928-2021):フルート協奏曲
フェリクス・リュビツキ(1899-1978):フルート協奏曲(小協奏曲)へ長調 Op.51
タデウシュ・シェリゴフスキ(1896-1963):フルート・ソナタ
パヴェウ・シマンスキ(b.1954):アペンディックス
ヤロスワフ・シヴィンスキ(b.1964):ミスティ・アイ・オヴ・ザ・アースワーム*
グジェゴシュ・オルキエヴィチ(フルート、ピッコロ*)、
ポーランド放送アマデウス室内O、
アグニエシュカ・ドゥチマル(指)、他

録音:1987年-1990年(ポーランド)
ルネサンスから現代作品まで幅広いレパートリーを誇り、ポーランドで最も優れたフルート奏者の1人であったグジェゴシュ・オルキエヴィチ。1982年から88年にかけてはチェリストのアンジェイ・バウアー、ピアニストのヴァルデマール・マリツキとともにポーランド・トリオのメンバーとして、コンサートやポーランド放送の録音を行い、1997年からはポーランド室内Oの芸術監督に就任し、ポーランド国内外での公演を行うなど、指揮者としても活躍しました。
本アルバムは、2021年に惜しくもこの世を去った名手が、母国ポーランドの作曲家たちがフルートのために書いた作品を厳選し収録しています。

H.M.F
HMM-902618(1CD)
エルガー:ヴィオラ協奏曲(原曲:チェロ協奏曲/ライオネル・ターティス (1876-1975)によるヴィオラ編曲版に基づく)
ブロッホ:ヴィオラとオーケストラのための組曲 B.41
ティモシー・リダウト(Va)
BBC響、
マーティン・ブラビンス(指)

録音:2022年4月、ロンドン
『詩人の恋』ヴィオラ編曲版で、その溢れるロマンスを存分に発揮し一挙に注目を集めたイギリスの俊英ヴィオラ奏者、ティモシー・リダウト。待望の新譜はエル ガーです!指揮者も英国出身のブラビンス、オケもBBC響ということで、英国勢による演奏が実現、エルガーの暗くしかし抒情に満ちた世界が濃厚な熱量で展開 されています。エルガーのヴィオラ協奏曲は、20世紀に活躍した英国のヴィオラ奏者ターティスのたっての希望で実現した、チェロ協奏曲のヴィオラ編曲版です。 この編曲は作曲者にも認められ、1930年にエルガーの(指)ターティスのソロにより初演、チェロ協奏曲の初演よりも熱烈に迎え入れられたそうです。リダウトは ターティスの編曲にさらに手を加え、完璧に作品を手中におさめています。カップリングのブロッホは、演奏機会が少ないものの、東洋趣味の作品で、こちらもリダ ウトの巧みな歌いまわしが炸裂しています。
ティモシー・リダウトは1995年生まれ、王立音楽院で学んだのち、2014年セシル・アロノヴィッツ国際コンクール優勝、2016年ライオネル・ターティス国際 ヴィオラコンクール優勝。ヴィオラ界の若手の中では最注目の演奏者で、オーケストラとも共演多数、2021年6月には王子ホールでトランジット・シリーズに登場、 絶賛されました。 (Ki)

H.M.F
HMM-902718(1CD)
ファウスト&ロトのストラヴィンスキー
バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」〜アポロのヴァリアシオン(1927-8)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調(1931)
弦楽四重奏のための3つの小品(1914)
弦楽四重奏のためのコンチェルティーノ(1920)
パストラール〜ヴァイオリン、オーボエ、イングリッシュホルン、クラリネット、バソンのための(1923)
弦楽四重奏のための二重カノン(1959)
イザベル・ファウスト(Vn)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

録音:2021年9月、2022年3月、4月/セーヌ・ミュジカルRIFFXスタジオ1(ブローニュ・ビリヤンクール
ハルモニア・ムンディを代表するファウストとロト&レ・シエクル奇跡の共演。それもロトとシエクルの名を世に広めるきっかけとなったストラヴィンスキー作 品だけに眼が離せません。
メインはヴァイオリン協奏曲ですが、収録曲すべてのヴァイオリン・パートをファウストが担当しているのが超豪華な驚き。彼女は「兵士の物語」をメインとす るアルバムもリリースし、ストラヴィンスキーのヴァイオリン作品に熱を入れていますが、ガット弦による弦楽四重奏作品も興味津々です。
ヴァイオリン協奏曲は1931年、新古典主義時代の作。ストラヴィンスキーはヴァイオリンの情緒や甘美さを嫌悪していましたが、同じ感性の奏者ドゥシュキン との出会いで信念を変えず協奏曲を実現させることが出来ました。ファウスト自身その非ヴァイオリン性を指摘しつつも、誰も考えつかなかった音楽表現と激賞し ています。
演奏は期待以上、ファウストの厳しいまでの表現とシエクルのカラフルな音色、ロトならではの切れ味良いリズムがあいまり、生命感あふれる世界を繰り広げ ます。終楽章でバッハのヴァイオリン二重協奏曲をパロディにした箇所も含め、メンバーが楽しみながら音楽作りをしているのも伝わってきます。
カップリングには新古典主義時代のバレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」中の、ヴァイオリン独奏と弦楽合奏による「アポロのヴァリアシオン」をファウスト とロトが披露。さらに「春の祭典」直後の「3つの小品」、かなり現代的な「コンチェルティーノ」、画家ラウル・デュフイ追悼の沈鬱な「二重カノン」という ストラヴィンスキーの全弦楽四重奏作品を、ファウストが第1ヴァイオリンを担い、シエクルの弦のトップ奏者たちと共演しています。緊張感に満ちた音世界なが ら決して無味乾燥でなく、ストラヴィンスキーならではのユーモアと生命力が伝わります。ストラヴィンスキー観が変わること間違いなしのアルバムと申せましょう。 (Ki)

SUPRAPHON
SU-4323(2CD)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集
(1)ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
(2)ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.401926/rev.1928, 1941)
(3)パガニーニの主題による狂詩曲
(4)ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
(5)ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ルカーシュ・ヴォンドラーチェク(P)
トマーシュ・ブラウネル(指)、
プラハSO

録音:(1)2021年4月22-24日、(2)2021年2月16-19日、(3)2021年6月14-16日、(4)2021年2月22&23日、(5)2021年10月18-20日/スメタナ・ホール(プラハ)
2023年、ラフマニノフ生誕150年を記念してチェコの俊英ルカーシュ・ヴォンドラーチェクがピアノと管弦楽のための作品全曲(4つのピアノ協奏曲、パガニー ニの主題による狂詩曲)を録音しました!
1986年チェコのオパヴァ生まれのヴォンドラーチェクは、ピアニストの両親から手ほどきを受けその後すぐに才能を開花させた神童。15歳でウラディーミル・ アシュケナージ(指)チェコPOとラフマニノフのピアノ協奏曲第1番を演奏したことでプロとして本格的な演奏活動を始動し、翌年16 歳でアメリカ・ツアーを行いカーネギーホールでのリサイタル・デビューを大成功させています。
演奏活動の傍ら数多くの国際コンクールに出場し、2016年、29歳のときに挑んだエリザベート王妃国際音楽コンクールで見事優勝!この時本選で弾いたラ フマニノフのピアノ協奏曲第3番が「テクニックだけではない情感あふれる豊かな歌心」として高く評価されました。以後、ヴォンドラーチェクの代名詞となった “ラフマニノフ”ですが、2020年3月、新型コロナウィルス感染拡大により演奏活動は停止。しかしその出来事がラフマニノフと対峙する貴重な時間となり、 翌2021年に全曲録音実現へと結びつきました。
共演はトマーシュ・ブラウネル(指)プラハSOで、ラフマニノフの世界を情熱的に色彩感豊かに演奏しております。同一演奏家による全曲録音は意外に も少なくラフマニノフ弾きヴォンドラーチェクによる新録音はラフマニノフ・イヤーにふさわしい最も注目すべきリリースと申せましょう! (Ki)


AAM Records
AAM-41(1CD)

NYCX-10383(1CD)
国内盤仕様
税込定価
プロジェクト再開!
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K 467
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K 491

(共にカデンツァ:ロバート・レヴィン作)
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
ウィーンのアントン・ヴァルター1795年頃製モデルによるフォルテピアノ
(ベルギーのクリス・マーネによる再現楽器、2018年製作)
ピッチ:A=430Hz/ヴァロッティ音律による調律
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(古楽器使用)
リチャード・エガー(指)

録音:2021年8月25-26日、28-29日
ロンドン、セント・ジョンズ・スミス・スクエア
※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。
モーツァルトのピアノ協奏曲には15,000種類もの録音があるそうだ。今さら新しい録音を出す意味があるのかと問 う人がいるならば、この1枚については「ある」と断言する。 ――ジョン・マクマン(アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック総裁)
モーツァルトの演奏史に革命を起こしたクリストファー・ホグウッドとアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックが、モー ツァルト研究家でピアニストのロバート・レヴィンを迎えて1993年に開始したピアノ協奏曲全集の録音。8枚をリ リースして2001年を最後に途絶えていたプロジェクトが再開します。指揮者はホグウッドからリチャード・エガーに代 わり、レヴィンの演奏は溌剌とした即興の精神に満ち溢れ、モーツァルトの神髄に迫るサウンドは一層の磨きをかけ ています。 2024年6月の完結を目指す全5枚の旅路は大注目です。
◎デッカ・サウンドを引き継ぐ好録音
録音セッションは数多くの名録音を生み出したセント・ジョンズ・スミス・スクエアで行われ、写真からはコロナ対策として各奏者が距離を置いていたことがうかがわれます。録音はデッカで数多くの録音を制作したニール・ハッチンソン。オーケストラの量感と透明感を両立させ、ソロ楽器の質感と存在感をさりげなく引き立てる絶妙なバランスで仕上がりました。
◎ジャケットについて
AAMレーベルの5作ではジャケットにパウル・クレーの絵を使用。AAM総裁のジョン・マクマンによればホグウッドはクレーの作品を愛好し、オワゾリール・レーベルから出したピアノ協奏曲の最初の4枚にはクレーの絵が使われていました。その後「商売上の理由で変えられた」そうですが、シリーズ完結へ向けて原点に回帰しました。
◎充実した解説書
原盤解説書は英語のみで50ページあり、前述のジョン・マクマンによる当プロジェクト再開の経緯とコロナ禍での録音現場の回想、モーツァルト学者クリフ・アイゼンによる作品解説、ロバート・レヴィンのモーツァルトに寄せる思い、首席フルート奏者レイチェル・ブラウンへのインタビュー、ソロ楽器のみならずメンバー全員の使用楽器の詳細、そしてオワゾリール及びデッカ・レーベルでの8枚とAAMレーベルで予定される5枚の計13枚のジャケット写真などを掲載するなど、大変充実した作りとなっており、制作者がこのプロジェクトにかける思いが伝わってきます。

CD ACCORD
ACD-313(1CD)
NX-C09
チェロとオーケストラのためのポーランドの音楽集
タンスマン:幻想曲- チェロとピアノのために
グラジナ・バツェヴィチ:チェロ協奏曲第1番
ヘンリク・フベルトゥス・ヤブウォンスキ(1915-1989):C-67
ミウォシュ・マギン(1929-1999):チェロ協奏曲
マルチン・ズドゥニク(Vc)
ワルシャワPO
アンドレイ・ボレイコ(指)

録音:2021年9月1-3日、2021年6月2、4日
2019/20のシーズンよりワルシャワPOの音楽監督を務めるアンドイ・ボレイコ。サンクトペ テルブルク生まれですが父方はポーランド系で、ポーランドの音楽には深い愛着を抱いています。 このアルバムでは、チェリスト、マルチン・ズドゥニクを迎え、20世紀に活躍したポーランドの4人の作曲家、タンスマ ン、バツェヴィチ、H.H.ヤブウォンスキとマギンの4作品を演奏しました。これらの作品はどれも違ったスタイルをもって いますが、ポーランドの民俗音楽からインスピレーションを受けるとともに、伝統に則って書かれていることが共通で す。ソリストのズドゥニクは即興演奏やアレンジでも好評を博すチェリスト。現在はワルシャワのフレデリック・ショパン 音楽大学とスタニスワフ・モニュシュコ音楽院で教鞭を執っています。

Dynamic
CDS-7977(1CD)
NX-B03
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 他
チェロ協奏曲 ロ短調 Op. 104
森の静けさ Op. 68No. 5
ロンド ト短調 Op. 94
4つの歌 第1番「私にかまわないで」 Op. 82 No. 1 (エンリコ・ディンドによるチェロと弦楽合奏編)
エンリコ・ディンド(Vc)
トスカーナO
ダニエーレ・ルスティオーニ(指)

録音:2021年2月3-6日
DeccaからCDを出しているチェリストのエンリコ・ディンドがDYNAMICに登場、曲はドヴォルザークのチェロ協奏曲! エンリコ・ディンドは1965年トリノ生まれ。同地のジュゼッペ・ヴェルディ音楽院でアントニオ・ヤニグロらに学び、22歳の時にミラノのスカラ・フィル第一チェ ロ奏者に抜擢され、1998/99シーズンまで務めました。1997年にはパリで開催された"ロストロポーヴィチ国際チェロコンクール"で優勝。これまでにロ ストロポーヴィチをはじめ、リカルド・シャイー、ジャナンドレア・ノセダ、チョン・ミョンフン、パーヴォ・ヤルヴィらが指揮するオーケストラと共演、また各地の音 楽祭でも演奏を重ねてきました。指揮にも情熱を注ぎ、2001年にはイ・ソリスティ・ディ・パヴィアを設立して音楽監督を務めています。 イタリアDeccaにはバッハの無伴奏チェロ組曲や弾き振りによるヴィヴァルディ、C.P.E.バッハ、ハイドンのチェロ協奏曲などの録音がありますが、この度 チェリストにとって大本命のレパートリーの1つドヴォルザークをDYNAMICからリリースします。ダニエーレ・ルスティオーニが指揮するトスカーナO をバックに、協奏曲では朗々と歌う演奏を聴かせ、余白には定番曲の「森の静けさ」と「ロンド」に加え、ディンド自身がチェロ用に編曲した「私にかまわ ないで」を収録。美しい旋律をじっくりと聴かせます。

CPO
CPO-555420(1CD)
NX-B10
ニコライ・ミャスコフスキー:チェロ協奏曲とソナタ集
ミャスコフスキー:チェロ協奏曲 ハ短調 Op. 66
チェロ・ソナタ第1番ニ長調 Op. 12
リャードフ:前奏曲 Op. 11No. 1
 マズルカ Op. 11No. 3
リムスキー=コルサコフ:セレナード Op. 37
ミャスコフスキー:チェロ・ソナタ第2番イ短調 Op. 81
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
サイモン・キャラハン(P)
ヤナーチェクPO
ウカシュ・ボロヴィチ(指)

録音:2020年9月14-16日、2020年10月29-30日
近年注目が高まる作曲家、ニコライ・ミャスコフスキーのチェロ作品を中心に収録した1枚。 主に20世紀前半に活動し、27曲もの交響曲を書き上げたミャスコフスキーの音楽は、生涯にわたり親交を結んだプロコフィエフからの影響も感じさせ ながらも、後期ロマン派の作風に実験的な要素を融合させたものです。彼のチェロ協奏曲は1945年の作品。ソビエトの若いヴィルトゥオーゾ世代のた めのレパートリー拡充という目的のために書かれており、瞑想的なLento ma non troppoで始まり、展開部の代わりに短いソロのカデンツァが置か れるというユニークな構成で、憂鬱な雰囲気の第1主題と、明るく情熱的な第2主題が絶妙なバランスを保っています。続く第2楽章はロンド形式で、 3連符の躍動する主旋律と2つの緩やかなエピソードが特徴。華やかなカデンツァの後、冒頭の主題が再び登場し、瞑想的なコーダへと導かれます。 他にはミャスコフスキーの2曲のチェロ・ソナタと、彼がオーケストレーションの技術を学んだリムスキー=コルサコフに、和声と対位法を学んだリャードフの 作品が配されています。幅広いレパートリーを持つことで知られるチェリスト、ラファエル・ウォルフィッシュの演奏で。


Pentatone
PTC-5187062(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8より
 ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1 RV 269「春」
 ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.8-2RV 315「夏」
 ヴァイオリン協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3RV 293「秋」
 ヴァイオリン協奏曲第4番ヘ短調 Op.8-4RV 297「冬」
ロカテッリ:独奏ヴァイオリン、弦楽器と通奏低音のための『ヴァイオリンの技法』Op.3〜ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3-12「和声の迷宮」
クロエ・チュア(Vn/グァダニーニ製作)
シンガポールSO、
チャン・ユーン・ハン(コンサートマスター)

録音:2022年4月23&24日/エスパラネード・ホール(シンガポール)
2007年生まれのシンガポールの天才ヴァイオリニスト、クロエ・チュア(蔡珂宜)がオランダ名門レーベル「PENTATONE」から堂々のCDデビュー!収録作 品はヴィヴァルディの『四季』とロカテッリの『ヴァイオリンの技法』からヴァイオリン協奏曲 ニ長調「和声の迷宮」で、シンガポールSOのアーティスト・イン・ レジデンスとして共演したレコーディング・デビューになります。
2018年、ユーディ・メニューイン国際コンクールのジュニア部門で優勝したクロエ。11歳での優勝は世界的に話題となりinstagramなどのSNSで彼女の演 奏動画が拡散されました。『四季』の「冬」は同コンクールのガラ・コンサートでも弾いたクロエにとって思い出深い作品。ステージを離れたらあどけなさが残る チャーミングなクロエですが、舞台では10半ばとは思えないほどの堂々たる演奏を披露。『四季』をひとつの物語として息を呑むようなテクニックと抜群の集中 力で奏でております。
1733年に出版されたピエトロ・ロカテッリの代表作、独奏ヴァイオリン、弦楽器と通奏低音のための『ヴァイオリンの技法』。美しい旋律と独奏ヴァイオリンの 華麗な技巧が最大の魅力の作品集ですが、クロエはヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3-12「和声の迷宮」を演奏しており、ヴァイオリンの技巧を余すところなく堪 能できる名演を聴かせてくれます。今後、日本でもブレイク間違いなしの注目ヴァイオリニストです!


Danacord
DACOCD-887(2CDR)
ラウニ・グランデールの遺産 第7集

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61

(2)リムスキー=コルサコフ
(デンマーク語版:テューイェ・テューイェセン):歌劇 「モーツァルトとサリエリ」

(3)ニールセン:歌劇 「仮面舞踏会」 序曲

(4)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23

(5)シューベルト:交響曲第9番(第8番)ハ長調 D.944「ザ・グレート」 - 第1楽章、第2楽章
(1)アドルフ・ブッシュ(Vn)、デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1949年3月17日、デンマーク放送第1スタジオ(コペンハーゲン)(「木曜コンサート」ライヴ)
(2)クリスチャン・ブランケ(テノール/モーツァルト)、ヘンリュ・スケーア(バリトン/サリエリ)、デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1954年11月25日、デンマーク放送第1スタジオ(コペンハーゲン)(「ラジオ・オペラ」)
(3)デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1950年8月11日、フォーラム(コペンハーゲン)(「ラジオ・フェア」実況)
(4)ヴィクト・シューラー(P)、デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1951年9月24日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ロンドン)(ライヴ)
(5)デンマークRSO、ラウニ・グランデール(指)
録音:1952年12月11日 デンマーク放送第1スタジオ(コペンハーゲン)(「木曜コンサート」ライヴ)
ラウニ・グランデール(1886-1960)の「遺産」シリーズの第7作。デンマーク放送のアーカイブに埋もれていた音源をオリジナル・テープから復元した、1949年3月17日の「デンマーク放送木曜コンサート」から、アドルフ・ブッシュがソロを弾いたベートーヴェンの 「ヴァイオリン協奏曲」、1952年12月11日の「木曜コンサート」のシューベルト 「ザ・グレート」 の第1楽章と第2楽章、デンマーク語版による「ラジオ・オペラ」のリムスキー=コルサコフの 「モーツァルトとサリエリ」。ヴィクト・シューラー(1899-1967)がソリストのチャイコフスキーの 「ピアノ協奏曲第1番」 は、1951年9月、グランデールがイギリス・デビューした時の録音です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

RUBICON
RCD-1106(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ラロ:スペイン交響曲 ニ長調 Op.21
エリノア・ディメロン(Vn)、
アイルランド国立SO、
ハイメ・マルティン(指)
キューバとジャマイカにルーツを持つ注目すべき若手ヴァイオリスト、エリノア・ディメロンのデビューアルバム!わずか2歳でヴァイオリンを習い始め、名教師ザハール・ブロンに師事。彼女は弱冠20歳ながら、技術的にも音楽的にも完璧なコントロールを感じさせる稀有な奏者の一人だと高く評価されており(アイリッシュ・タイムズ紙)、リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクールを含む複数の国際コンクールで第1位を獲得しています。


Urania Records
WS-121407(2CD)
アシュケナージ・プレイズ・ピアノ・コンチェルト・ライヴ

(1)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
(2)ショパン:ピアノ協奏協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
(4)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16
ウラディーミル・アシュケナージ(P)

(1)ベルゲンPO、カルステン・アンデルセン(指)
(2)レニングラード・アカデミーSO、アルヴィド・ヤンソンス(指)
(3)ロサンゼルスPO、ウィリアム・スタインバーグ(指)
(4)ソビエト国立SO、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)

録音:1970年、ベルゲン(グリーグ)、1960年2月21日、レニングラード(ショパン)、1968年7月、ロサンゼルス(ラフマニノフ)、1961年、モスクワ(プロコフィエフ)/STEREO/ADD
1998年にコモ湖近郊で創設されたイタリアのインディペンデント・レーベル【ウラニア・レコーズ(Urania Records)】の歴史的音源の復刻シリーズ(WS規格)より、ウラディーミル・アシュケナージが登場!
本アルバムは、得意のロシアものやショパンをカップリング。ラフマニノフはロサンゼルスで演奏された非常に珍しい録音です。レコーディングが行われた当時は、ジョン・オグドンと優勝を分け合ったチャイコフスキー国際コンクールや、指揮者としての活動も取り組み始めるなど、国際的な名声を確立した時期でもあり、円熟味溢れる演奏とはひと味違う巨匠の若き日の作品への解釈をお楽しみいただけます。

GWK
GWK-157(1CD)
人間性〜チェロと弦楽オーケストラのための作品集
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008):チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲第1番 Op.50
バッハ:アリア(Vcと弦楽のための)(「パストラーレ ヘ長調」 BWV590より)
ペーテリス・ヴァスクス(b.1946):チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲第2番「存在すること」
バッハ:われを憐れみたまえ、おお主なる神よ BWV721(Vcと弦楽のための)
ジモーネ・ドレッシャー(Vc)、
シンフォニエッタ・リガ、
ヤーニス・リエピンシュ(指)

録音:2022年1月11日-13日、改革派教会(リガ、ラトビア)
チェロ界の新星ジモーネ・ドレッシャーのデビュー・アルバム。ドレッシャーはドイツのヘルデッケ市生まれ。デュッセルドルフのシューマン音楽院でゴットハルト・ポップ、ヴァイマル・フランツ・リスト音楽大学でヴォルフガング・エマヌエル・シュミットに学び、ハンス・アイスラー音楽大学でデンマークのトローオルス・スヴァーネの修士課程を修了しました。2021年にコンサート・ディプロマ取得のためのコンサートを終了。バーデン=バーデン・フィルハーモニー、エッセンのフォルクヴァング室内O、ケルン・シンフォニエッタなどのオーケストラと共演、「ハイデルベルク春」をはじめとする欧米の音楽祭とリサイタルに出演しています。
デビュー・アルバムは「Humanity(人間性)」を音楽で示すコンセプトによるプログラム。フィンランドのペール・ヘンリク・ノルドグレンの「チェロ協奏曲第1番」は、アダージョの〈前奏曲 I〉、アレグロの〈前奏曲 II〉、曲の「重心」となるアンダンテの〈讃美歌〉の3楽章の作品。ペーテリス・ヴァスクスの「チェロ協奏曲第2番」は「存在すること」という副題をもち、ソル・ガベッタのために作曲されました。真理を見出す人の一生と再生をイメージして書かれ、「カデンツァ-アンダンテ・カンタービレ」「アレグロ・モデラート」「アダージョ」の3楽章で構成されています。ドレッシャーのこの演奏が、ラトビアのオーケストラによる初めての録音です。
バッハのコラール「われを憐れみたまえ、おお主なる神よ」と「パストラーレ へ長調」の第3曲〈アリア〉は、このアルバムのためにドレッシャーが委嘱、ヴァスクスの協奏曲の話法をモデルに作られた新しい編曲による演奏です。

Avie
AV-2601(1CD)
ミステリウム
バッハ(サミュエル・アドラー編):主よ、人の望みの喜びよ
バッハ(レン・ローズ編):羊は安らかに草を食み、目覚めよと呼ぶ声あり
モーテン・ローリゼン(b.1943)(ガーション&ローリゼン編):おお、大いなる神秘
アン・アキコ・マイヤース(Vn)、
グラント・ガーション(指)、
ロサンゼルス・マスター・コラール

録音:2022年3月21日、ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール(ロサンゼルス)/※収録時間:約18分(4曲)
※全曲世界初録音
40枚目のアルバム「シャイニング・ナイト」がレコード芸術「特選盤」に選ばれるなど、独自の音楽世界を華麗に突き進んでいるアメリカのスーパースター・ヴァイオリニスト、アン・アキコ・マイヤースのAV-ie最新盤。ロサンゼルス・マスター・コラール、指揮者グラント・ガーション、作曲家モーテン・ローリゼン(モートン・ローリゼン)とともに、ローリゼンの合唱曲の傑作「おお、大いなる神秘(オー・マニュム・ミステリウム)」新ヴァージョン(Vnと合唱版)を製作! そして、バッハの3つの人気曲「主よ、人の望みの喜びよ」、「羊は安らかに草を食み」、「目覚めよと呼ぶ声あり」のヴァイオリンと合唱版(いずれも世界初録音となるニュー・アレンジ)の計4曲をカップリングしたミニ・アルバムが登場。神秘的でどこまでも美しく、心洗われるローリゼンとバッハの響きをご堪能ください。
ドイツ系アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれたアン・アキコ・マイヤースは、11歳でロサンゼルス・フィルと共演し以降世界中のトップ・オーケストラと共演。複数のアルバムが米ビルボードのクラシカル・チャートで第1位に輝き、2014年にはビルボードのもっとも売れているクラシック器楽奏者にも選ばれています。2021年にはドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルとの共演でアルトゥーロ・マルケスの『ファンダンゴ』のセンセーショナルな世界初演を成功させ、2022-23年シーズンにウォルト・ディズニー・ホール、カーネギー・ホール、国際セルバンティーノ音楽祭50周年でこの作品の演奏を行う他、デトロイト、ナッシュビル、プリンストン、サン・ディエゴ、サン・ホセ、ツーソンのSOと共演するなど充実したスケジュールを予定しています。

Urania Records
WS-121408(2CD)
ミルシテイン・プレイズ・ヴァイオリン・コンチェルト

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61

(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77

(3)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64

(5)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35

(6)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26
ナタン・ミルシテイン(Vn)
(1) ピッツバーグSO
  ウィリアム・スタインバーグ(指)
  録音:1955年1月10日(モノラル)
(2)フィルハーモニアO
  アナトール・フィストゥラーリ(指)
  録音:1960年6月23日-24日(ステレオ)
(3)フィルハーモニアO
  レオン・バージン(指)
  録音:1959年10月1日-3日(ステレオ)
(5)ピッツバーグSO
  ウィリアム・スタインバーグ(指)
  録音:1959年4月6日(ステレオ)
(6)フィルハーモニアO
  レオン・バージン(指)
  録音:1959年10月1日-3日(ステレオ)

STEREO/MONAURAL(ベートーヴェンのみ)/ADD
1998年にコモ湖近郊で創設され今年創立25周年を迎えたイタリアのインディペンデント・レーベル【ウラニア・レコーズ(Urania Records)】の歴史的音源の復刻シリーズ(WS規格)より、名ヴァイオリニスト、ナタン・ミルシテインの協奏曲集が登場!
ウクライナ(当時はロシア)・オデッサ出身のユダヤ系であるナタン・ミルシテインは、ハイフェッツなどと並び20世紀を代表するヴァイオリニストの一人として数多くの名録音を後世に遺してくれました。ここに収録されるのは一部ではミルシテインの絶頂期ともいわれている1950年代後半から60年にかけてEMIなどにレコーディングした協奏曲集。これは2016年にも一度当レーベルから復刻されたもののわずか数ヶ月で完売し廃盤となっていましたので、パッケージングも新たにした今回の再発売は待望のニュースと言えるでしょう。ミルシテインの美音に酔いしれる“5大ヴァイオリン協奏曲”とでも呼ぶべき珠玉の名曲集を、ウラニア・レコーズの高品質な復刻で余すところなくお楽しみください。

Indesens Calliope Records
IC-004(2CD)

OIC-004(2CD)
国内盤仕様
日本語解説&日本語曲目表記オビ付き
税込定価
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV.1046
ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV.1047
ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV.1048
ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV.1049
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050
ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV.1051カンタータ第174番 「われ、いと高き者を心を尽くして愛しまつる」 BWV.174
ヴァンサン・ベルナール(ハープシコード、指揮)
クライペダ室内O

録音:2021年、クライペダ・コンサートホール(リトアニア)
※国内盤:解説:ヴァンサン・ベルナール(日本語訳:白沢達生)
フランスのレーベル、IndesensとCalliopeがIndesens Calliope Records(アンデサンス・カリオペ・レコーズ)としてリニューアル。国際的に活躍する古楽演奏家、音楽学者のヴァンサン・ベルナールと、彼が指揮するリトアニアの気鋭のオーケストラ、クライペダ室内Oによる大バッハの名作、「ブランデンブルク協奏曲」 全曲録音が登場。
ヴァンサン・ベルナールは、メス、リヨンからシュトゥットガルト音楽大学、バーゼル・スコラ・カントルムへと渡り、オルガン、チェンバロ、通奏低音、ヒストリカル・オルガンの演奏法の研鑽を積み、多くの国際コンクールで入賞。自身が創設したフランスのピリオド・アンサンブル、イル・デリリオ・ファンタスティコとのヴィヴァルディ作品集に続き、2020年にCalliope(カリオペ)からリリースされたバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻(CAL2070)でも国際的に高い評価を得ています。
本アルバムでも、アンドレア・マルコンやイェスパー・クリステンセン、イヴ・レヒシュタイナー、ベルンハルト・ハースといった世界的名手たちから授けられたバッハの解釈をもとに、この偉大な作品の神髄に迫ります。

GRAND SLAM
GS-2285(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 パブロ・カザルス(Vc)、
アレクサンダー・シュナイダー(指)、
プエルト・リコ・カザルス音楽祭O

録音:1960年6月14日/サン・フアン、プエルト・リコ大学講堂
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(放送用録音)
■制作者より  
カザルスが1960年のプエルト・リコ・カザルス音楽祭で弾いたドヴォルザークのチェロ協奏曲は、LP復刻を含め、いくつかの復刻盤が存在します。しかしなが ら、今回入手した2トラック、38センチのオープンリール・テープは間違いなく最上の内容であり、1960年のステレオ・ライヴとしては上々の音質です。初出と されるエヴェレストのLP(SDBR 3083)と比較しても、全体の情報量は3割り増しと言って良いでしょう。80代前半のカザルスの演奏は異形な熱演であり、初 めて聴くと、曲想を逸脱しているのではないかと思うほどです。しかし、そのあとで他のチェリストの演奏を聴くと、彼らの演奏がいかにも平坦に聴こえるのも事実 です。はやり、看過出来ぬ偉大な記録でしょう。  なお、解説書にはHMVのプロデューサーだったF・W・ガイズバーグの「パブロ・カザルスの思い出」を掲載しています。こちらも、大変に興味深い読み物です。 (平林直哉)


Treasures
TRE-284(1CDR)
超厳選!赤盤名演集Vol.9〜_メニューイン/バルトーク&ベートーヴェン
バルトーク(シェルイ編):ヴィオラ協奏曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ユ−ディ・メニューイン(Vn)
アンタル・ドラティ(指)
オットー・クレンペラー(指)*
ニュー フィルハーモニアO

録音:1966年9月28-29日、1966年1月22,22,24,25日*(共にステレオ)
※音源:TOSHIBA AA-8257、HA-1186*
◎収録時間:66:24
“弱音のニュアンスに逃げず呼吸の持久力で作品の精神を徹底音化!”
■音源について
「東芝の赤盤」は、音にしっかり芯が宿り、音場は豊かに広がり、音を発した瞬間に音の粒子まで感じさせる手応は格別です。英国EMIから技術者を招いて始動し、英仏メタルを用いてプレスしていた当時の川口工場(1955年発足)の優秀な技術が結果的に赤盤に集約されたのではないでしょうか。事実、1971年に御殿場に大工場を新設して以降、音質は下降の一途を辿り、赤盤もなくなりました。
 ただし、初期の盤はビニールの素材が関係しているのか微妙なチリチリノイズの混入率が高く、CD-R復刻に際してはそれが回避された第二版以降にも耳を通すことが不可欠となります。採用した2枚の赤盤は、音質も盤質も極めて優秀です。。

バルトークは、希望と不安が入り混じったような冒頭テーマの微妙なニュアンスの全てを可能な限り炙り出そうと専心。その決して陰鬱に傾くまいとするメニューインの意思の強さに先ず打たれます。第1楽章5:12付近からのリズムの湧き立ち方はまさに希望の象徴として響き、不遇な最晩年のバルトークが、必死に光を見出そうとしている姿とも重なります。後半8:22からは諦めと慰めが交錯し、まるで自問自答しているかのような語り掛けが印象的。しかもフレージングの息がとても長く、その間に緊張がしっかり保たれています。第2主題(2:44〜)では、ニュアンスを後から上乗せするのではなく、あくまでも内面から抉り出す姿勢をはっきり確認でき、それがまた音楽の淀みのなさに繋がっていると思われます。
第2楽章の清らかな空間表出は、暗く埋没しないメニューインの音作りの特徴とも合致して、これまた説得力大。終楽章は、ヴィヴァーチェを技巧重視で突っ走るだけでやり過ごす演奏が多い中、メニューインはここでも「語り」を忘れません。とかく技術的な弱さを指摘されることの多いメニューインですが、技巧の完璧さよりも譲れないものがあるからこそ編集等の細工をせず世に問うているのです。第一、音楽を破綻させるような不備など他の録音も含めて聴いたことがありませんし、ここでは生命力漲る真の技巧を披露しています。特に最後の追い込み方!感情に任せることなく音楽の芯のみを加熱させていくので、痛快さとは違う余韻が漂うのです。
そして忘れてならないのは、初演も努めたドラティの確信的な指揮。録音の良さも踏まえると同曲最高峰の名演あることは間違いないでしょう。
 メニューインによるベートーヴェンの協奏曲は、フルトヴェングラーとの共演盤ばかりが注目されがちですが、ステレオ録音の全てが高い説得力を誇ることは疑いようもありません。特にシルヴェストリ盤とクレンペラー盤では、微細なニュアンスまでそっくりの演奏であることから、この作品のアプローチはこの時期に完全に固まり絶対的な確信を持っていたことが窺えますが、それでもマンネリに陥らずに瑞々しい表情を保っているのですから驚きです。もちろん、両者に甲乙など付けられませんが、あえて言うなら全体の一体感はシルヴェストリ盤、個々の芸の深みを味わうならクレンペラー盤でしょうか。今回はバルトークとの録音の質感の近さからクレンペラー盤を紹介させていただく次第です。
 「平和で楽しく仕事を終える」ことを最優先させる指揮者などほとんどいなかった時代に、唯我独尊を貫き通した最後の大指揮者はクレンペラーではないでしょうか?第1楽章冒頭のティンパニから孤高感全開!低弦の張り出しも強靭。決して枯れた芸ではありません。9:23からの緊張は、思わず腰が引けるほど。
メニューインはどこまでも自然体を貫き、神妙さな雰囲気を繕う素振りなど微塵もなく、こちらも自身の信じる芸を貫徹。11:25以降に見られるように、これみよがしの弱音を用いずに旋律線を克明に描いて末端まで血を通わせるスタイルも盤石。12:44からの旋律への移行時にほとんどリテヌートせずに淡々と進行。必要以上のコントラスト付加を避けて呼吸の長さと緊張の持続が図られています。カデンツァは感覚的な美しさやスマートさとは無縁。恐るべき集中を見せながら人間的な温もりも決して蔑ろにしない芸は、まさに人間力の為せる技としか言いようがありません。その後のテーマ再現も弱音に埋没せずにくっきりと旋律を引き出すことの重要さを思い知らされます。
 弱音に逃げないと言えば第2楽章。特に高音の上行音型の結尾は媚びたような表情に陥りがちですが、それをしないのがメニューイン。終楽章はまずクレンペラーの指揮が最高次元に昇華!と同時にメニューインも内燃力をマックスに引き上げ、その相乗効果で破格の名演奏を実現させています。第2副主題(8:32〜)がこれほどハリツヤを保持して飛翔する例も珍しく、その神々しさはクレンペラーの美学とも絶妙な化学反応を起こして感動的ですし、カデンツァ以降は全てが渾然一体となって押し寄せる音楽の力に言葉を失うばかりです。【湧々堂・2023年1月】

H.M.F
HMSA-0064(2SACD)
シングルレイヤー
日本語帯・解説付
国内盤仕様
税込定価
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全6曲) ベルリン古楽アカデミー
イザベル・ファウスト(Vn/ヤコブス・シュタイナー(1658年製))、
アントワン・タメスティ(ヴィオラ/1672年製ストラディヴァリウス「マーラー」)

録音:2021年3,5月 録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
ハルモニアムンディ・レーベルの名盤をSACDでお届けする日本限定企画、限定盤。ハルモニアムンディから、ハイレゾマスターをライセンスし、キング関口台スタ ジオで角田郁雄氏技術監修のもと、入念なリマスタリングを施しました。
ベルリン古楽アカデミーのブランデンブルク協奏曲!これだけでも心躍るのに、なんとイザベル・ファウストとアントワン・タメスティという世界的名手がゲストに 登場しているという、前代未聞のスケールの録音の登場です。ベルリン古楽アカデミーは1998年にブランデンブルク協奏曲を録音(HMM 931634)、以降幾度 となく演奏会でも取り上げており、まさにかれらの手中に完全に収められたもの。自由自在、余裕たっぷりにあそびのあるアンサンブルが展開されております。ま た、ファウストとはバッハのヴァイオリン協奏曲集(KKC 6219/ HMM 902335)で素晴らしい録音を成し遂げ、タメスティともテレマンの協奏曲プロジェクトで お互いをよく知り尽くした上でのレコーディングとなっております。 
ファウスト、タメスティ両名が参加している第3番では終楽章の目もくらむようなスピード 感で展開されるパッセージが圧巻!ファウストが参加している第4番はリコーダーが活躍する楽曲ですが、ファウストの攻めに攻めた、典雅で超絶技巧のパッセージ もまた聴きもの。第6番はヴァイオリンが含まれない少し珍しい編成の作品ですが、ヴィオラのタメスティの存在感が際立っています。ほかにもアルパーマンの雄弁 すぎるチェンバロや、管楽器の面々のうまさ!語りつくせぬ聴きどころの連続ですが、まるで6曲全体がひとつの大きな組曲であるように感じるくらい、ひといきに 聴いてしまいます。作品当時の奏者たちも高い技巧の持ち主だったことは夙に知られるところですが、あらためてその史実に驚きとともに思いをはせると同時に、 当時の演奏の現場の熱気と活気、そして聴衆たちの興奮までもが再現されているよう。即興感と心地よい疾走感に満ちた、尋常ならざる熱気とエネルギーと気魄 にみなぎった演奏です。 (Ki)

CANARY CLASSICS
CC-22(1CD)
スティーヴン・マッキー(1956-):作品集
「美しき終わり」〜ヴァイオリンとオーケストラのための
「ムネーモシュネーの泉」〜オーケストラのための*
アントニー・マーウッド(Vn )
デイヴィッド・ロバートソン(指)シドニーSO

録音:2015年6月1-6日、2017年8月21-26日*/シドニー・オペラハウス・コンサートホール
アメリカの作曲家、ギタリスト、スティーヴン・マッキーのオーケストラ作品2篇。シドニーSOの新作委嘱作です。
ヴァイオリンとオーケストラのための「Beautiful Passing〜美しき終わり(死)」は、2004年食道がんで亡くなった母を看病した経験を思い出し書き上げた 作品。死期が迫る中、「スティーヴン、悲しまないで。私は素晴らしい人生を歩んだから。私は美しき終わり(死)を迎えたと、みんなに伝えてね」という、忘れられ し母との会話を思い出し、悲しみを乗り越え、生命力に満ちた作品を書き上げました。ピアノを含む音響効果抜群の打楽器と、終始演奏されるヴァイオリン独奏が 織りなす単一楽章約25分の作品。2度あらわれるヴァイオリンのカデンツァも非常に印象的です。現代音楽を得意とするイギリスのヴァイオリニスト、アンソニー・ マーウッドが非常に美しく、時に荒々しく演奏しております。
オーケストラのための「Mnemosyne’s Pool〜ムネーモシュネーの泉」は全5楽章、演奏時間約42分の作品。ギリシア神話に登場する記憶を神格化した女神 であるムネーモシュネー。そのムネーモシュネーの泉を探してその水を飲み、転生に伴う忘却を免れなければならないとした、神話に基づくマッキーの意欲作です。 (Ki)

DOREMI
DHR-8195(2CD)
アルトゥール・ルービンシュタインLIVE 第1集

(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
(2)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
(3)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
(4)ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53
(5)ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
ショパン:マズルカ ハ短調 Op.56-3
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)

(1)ヘンリク・チシ(指)フランス国立O
 録音:1974年3月13日パリ
(2)クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)、ケルンRSO
 録音:1966年5月23日チューリッヒ
(3)ポール・パレー(指)デトロイトSO
 録音:1960年1月7日デトロイト
(4)録音:1974年3月13日パリ
(5)録音:1959年10月6日ロンドン
ルービンシュタインの珍しいライヴ音源集。聴き応えある協奏曲3曲と、ショパンの独奏曲を収録しています。ブラームスの1番で共演しているヘンリク・チシは ポーランドの指揮者で、アントニ・ヴィトの師匠。 (Ki)

Chandos
CHAN20192(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.7
歌劇「フィガロの結婚」序曲
ピアノ協奏曲第24番 ニ短調 KV 491*
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 KV 503*
ジャン=エフラム・バヴゼ(P/YAMAHA CFX)*、
ガボル・タカーチ=ナジ(指)、
マンチェスター・カメラータ

録音:2022年3月27日-28日、ストーラー・ホール(ハンツ・バンク、マンチェスター)
フレンチ・ピアニズムの巨星ジャン=エフラム・バヴゼ。ハイドンの協奏曲集(CHAN10808)に続く古典派協奏曲としてスタートし、レコード芸術の「特選盤」(第1巻)、英BBCミュージック・マガジンの「コンチェルト・チョイス」(第3巻&第4巻&第6巻)、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」&「グラモフォン賞」ノミネート(第4巻)に選ばれるなど堅実な高評価を獲得してきたモーツァルトのピアノ協奏曲集。
シリーズ第7弾では、モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも「第20番」と「第24番」しかない短調の作品から「第24番」を収録。またモーツァルトのピアノ協奏曲の中では最大の編成を持っており、その情熱的な協奏曲は今でも多くの聴衆に深い感動を与えています。1786年という同じ年に作曲されたモーツァルトらしい華やかな曲想に溢れた「第25番」とガボル・タカーチ=ナジ指揮マンチェスター・カメラータによる歌劇「フィガロの結婚」への序曲も聴き逃せません。これまでも名演奏を繰り広げてきたジャン=エフラム・バヴゼの至芸をたっぷりとお楽しみください。

Etcetra
KTC-1697(1CD)
テナー・トリビュート〜テナーサックス、ピアノとオーケストラのための作品集
リチャード・ロドニー・ベネット:スタン・ゲッツのための協奏曲(1990)、
 バラード - シャーリー・ホーンの追憶に(2005)
デイヴ・ヒース:コルトレーン(1965)
ヤコプ・テル・フェルトハウス(JacobTV):May This Bliss Never End(1996)
アダム・ケアード:Out of Line(2007)
イェロン・ファンベイファー(テナーサックス)、
ルーカス・ヘイテンス(P)、
カスコ・フィル
コンサートホールでもジャズクラブでも、ジャンルの垣根を越えて活躍するベルギーの若きサックス奏者、イェロン・ファンベイファーのデビュー・アルバム。クラシックの作曲技術とジャズ、ポップス、ワールドミュージックの要素をうまく組み合わせた、革新的で美しいクロスオーバー作品を収録した本作は、テナーサックスだけでなく、スタン・ゲッツ、ジョン・コルトレーン、チェット・ベイカー、シャーリー・ホーンといったジャズのレジェンドや、クロスオーバーレパートリー全般に捧げる賛歌となっています。

Goodies
78CDR-3893(1CDR)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 BWV1052 ヨーゼフ・シゲティ(Vn)
フリッツ・シュティードリー(指)
ニュー・フレンズ・オブ・ミュージックO

米 COLUMBIA 11379/81-D
1940年4月24日ニューヨーク、リーダークランツ・ホール録音
バッハのチェンバロ協奏曲第1番ニ短調 BWV1052の原曲。ヨーゼフ・シゲ ティ(1892-1973)はハンガリーのブダペスト生まれ。ブダペスト音楽院でイェノ ・フバイ(1850-1937)に師事した。1905年、13歳でベルリン・デビュー、大ヴァ イオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)に認められた。1917年から24年 にスイスのジュネーヴ音楽院で教え、1940年にアメリカに移住した。指揮者の フリッツ・シュティードリー(1883-1968)はウィーン生まれ。ウィーン大学で法 学を学んでいた時、マーラーに楽才を見いだされマーラ ーの助手としてウィーン宮廷歌劇場より任命された。1933年ヒトラーへの反撥 からドイツを去り、1934年から37年までレニングラード・フィルハーモニー管 弦楽団の首席指揮者をつとめた。1937年にアメリカに移住し、ニューヨークの ニュー・フレンズ・オブ・ミュージックOの指揮者になった。(グッディーズ)

Capriccio
NYCX-10375(1CD)
国内盤仕様
ニコライ・カプースチン(1937-2020):ピアノ協奏曲第4番 Op. 56(1989)
ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 Op. 105(2002)
室内交響曲 Op. 57(1990)
フランク・デュプレー(P)
ロザンネ・フィリッペンス(Vn)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O
カーセ・スカリョーネ(指)

録音:2020年10月26-31日 Erlenbach, Sulmtalhalle(スイス)、2020年12月3、4日 Heilbronn, Harmonie(ドイツ)
同内容の既発輸入盤…C5437
ニコライ・カプースチン(1937-2020)は現ウクライナのドンバス地方(当時はソ連の一部)に生まれました。アメリカ発の短波放送Voice of Americaで聴い たジャズに魅了され、名門モスクワ音楽院で学ぶ間にジャズ・ピアニスト及び作曲家として評判を得ます。近年日本でも人気急上昇中のカプースチンの曲は 「ジャズっぽいクラシック」というよりもジャズそのもの。しかしホットなアドリブが展開しているような箇所でもすべてが音符として書きこまれていることに驚かされま す。音楽院卒業後はジャズとクラシック双方のオーケストラに加わり、放送局のオーケストラでは当時の最先端の音楽から映画音楽まで非常に広いレパート リーを演奏し、この経験がオーケストレーションのセンスを磨くのに役立ちました。 ここに収められた3曲はいずれも演奏時間20分前後の曲。ピアノ協奏曲第4番は冒頭からノリの良いリズミカルな音楽が展開し、ジャズ・パーカッショニストの 経歴を持つピアニスト、フランク・デュプレーが切れの良い演奏を聞かせます。ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲は古き良きアメリカン・ポッ プスを思わせるテイストで、歌とスイング感にあふれたヴァイオリンのカンタービレが更なる魅力を加えます。室内交響曲はカプースチンとしてはモダンな作風。カ プースチンの三つの顔を味わえるアルバムです。
※国内仕様盤には音楽全般(クラシック、ジャズ、映画音楽など)を深く掘り下げて、分かりやすく伝えることで定評の小室敬幸氏の解説が付属します。
Capriccio
C-5495(1CD)
NX-B07
ニコライ・カプースチン(1937-2020):1. ピアノ協奏曲第5番 Op. 72(1993)
2台のピアノとパーカッションのための協奏曲 Op. 104(2002)
シンフォニエッタ Op. 49- 4手ピアノのために(1986)
フランク・デュプレー(P)
アドリアン・ブレンドル(P)
マインハルト・OBI・イェンネ(ドラムセット)
フランツ・バッハ(パーカッション)
ベルリンRSO
ドミニク・ベイキルヒ(指)

録音:2022年1月5-7日、2022年8月4-5日
ジャズ・パーカッショニストの経歴を持つ異色のピアニスト、フランク・デュプレーによるカプースチン・プロジェクト。 ピアノの名手だったカプースチンはピアノと管弦楽のためにも数多くの曲を書いており、番号付きのピアノ協奏曲だけでも6曲あります。第5番は演奏時間20 分ほどの単一楽章の曲。カプースチンはモスクワ音楽院在学中からジャズ・ピアニスト及び作曲家として評判になっており、卒業後もジャズ・バンドに参加して 活動しました。同時にモスクワRSOのピアニストとして演奏会に参加。当時の首席指揮者ゲンナジ・ロジェストヴェンスキーの意向で現代曲や西側 作品にも参加しました。こうした経験はピアノ協奏曲第5番のオーケストレーションにも反映され、一聴完全にジャズでありながらシンフォニックな緻密さは現代 音楽の場数を踏んだ練達の域に達しています。ニコライ・ペトロフに献呈され、ピアノ・パートは超絶技巧を要します。2018年には日本初演が行われて話題 になりました。 他の2曲も20分弱の曲で、2台のピアノや4手連弾によるジャズ風のインタープレイが見事です。即興と思わせる音楽の全てが楽譜に書きこまれているという ことにも驚かされます。

ONDINE
ODE-1420(1CD)
NX-B07
ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):ハープ協奏曲「Sigla」 他
Flounce(2017)
Sigla(2022) - ハープと管弦楽のための
Sedecim(2016)
シヴァン・マゲン(Hp)
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2021年12月、2022年5月、2022年10月
ニコラス・コロンとフィンランド放送響のONDINE第3弾は、ロッタ・ヴェンナコスキの作品集。 アルバム冒頭の「Flounce」はBBCプロムスの委嘱作で、フィンランド独立100周年にあたる2017年のラスト・ナイト冒頭を飾りました。「5分以内で、祝祭 的な雰囲気を持つこと」という条件で書かれたこの作品は、 リズミカルな部分と落ち着いた中間部を持ち、聴衆と批評家の双方から高い評価を受けまし た。実質的なハープ協奏曲である「Sigla」は、イスラ エル出身で2017年からフィンランド放送響の首席ハープ奏者を務めるシヴァン・マゲンのために書かれ た作品。ハープ特有の美しく幻想的な音色を最大に生かすとともに、時には荒々しいサウンドも引き出し、この楽器に新たな表現を切り開いています。最後 の「Sedecim」はラテン語で「16」。1916年に創設されたシベリウス・アカデミーSOの100周年を記念する委嘱作で、ヴェンナコスキはオーケストラ創 立当時を想像し、その雰囲気を描いています。

WERGO
WER-7389(1CD)
SAX〜現代サクソフォン協奏曲集
(1)ペーテル・エトヴェシュ(1944-):フォーカス 〜サクソフォンと管弦楽のための協奏曲(2021)
(2)ゲオルク・フリードリヒ・ハース(1953-):協奏曲 〜バリトンサックスと管弦楽のための(2008)
(3)ヴィキンタス・バルタカス(1972-):サクソルディオンフォニクス 〜ソプラノサックス、アコーディオンと室内オーケストラのための(2013)
(4)ヨハネス・マリア・シュタウト(1974-):暴力的なできごと ブルース・ナウマンを讃えて 〜サクソフォン、木管アンサンブルと打楽器のための(2005/06)
マルクス・ヴァイス(各種サクソフォン)
テオドロ・アンゼロッティ(アコーディオン(3))
ケルンWDRSO((1)-(3))
エレナ・シュヴァルツ(指揮(1))
エミリオ・ポメリコ(指揮(2)(3))
ウィンドクラフト・チロル((4))
カスパー・デ・ロー(指揮(4))

録音:(1)2022年1月15日、(2)2008年4月21-30日、(3)2013年4月28日、(4)2007年2月8-10日
(1)(2)世界初録音
サクソフォンが発明されて約180年、クラシカルな楽器の中で比較的新しいこの楽器は、近年、その地位が確立され大いに活躍する「協奏曲」という形で輝かし く発展しています。
マルクス・ヴァイスは最も成功したクラシック・サクソフォン奏者と称され、数多くの新作を初演し、サクソフォンの可能性を開拓し続けている名手。ここに収録さ れた4曲はすべて彼が初演を務め、うち3曲は彼にささげられています。アルバムを通してソプラノ、アルト、テナー、バリトンと各種サクソフォンが登場。非常に技 巧的なエトヴェシュの『フォーカス』、クリスタルなサウンドが個性的なバルタカスの『サクソルディオンフォニクス』など、音色と表現の限りない幅広さに驚かされ る注目作です。 (Ki)

APARTE
AP-299(1CD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(Vn)
クリスティアン・ベザイデンホウト((指)フォルテピアノ)
フライブルク・バロック・オーケストラ

録音:2021年8月20-24日 フライブルク・アンサンブルハウス
フライブルク・バロックオーケストラがゴルツの独奏でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲に挑戦しました。なんと名フォルテピアノ奏者クリスティアン・ベザイ デンホウトも通奏低音のみならず指揮にまで挑戦。そこではモーツァルト時代の慣習に従い即興を見せているのも興味津々で、贅沢の極みの通奏低音となって います。
ゴルツは1720年カルト・アントニオ・テストーレ製作のバロック・ヴァイオリンを使用。驚くべきパワーと生気に富む演奏で、初めて聴くかのように新鮮な魅 力に満ちています。 (Ki)

PAN CLASSICS
PC-10445(1CD)
バッハ:復元版室内協奏曲集
6声の室内協奏曲 ニ短調 BWV1063R(原曲:3台のチェンバロのための協奏曲)〜リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、通奏低音
協奏曲 変ロ長調 BWV525&1032による(原曲:オルガン独奏のためのトリオ・ソナタ、フルート・ソナタ)〜リコーダー、オーボエ、ファゴット
室内協奏曲 ニ長調 BWV1064R(原曲:3台のチェンバロのための協奏曲)〜3つのヴァイオリン、ヴィオラ、ファゴット
5声の室内協奏曲 ト長調 BWV592&592aによる(原曲:エルンスト公の作品を編曲したオルガン協奏曲)〜リコーダー、ヴァイオリン、ヴィオラ、ファゴット、通奏低音
パッサカリア BWV78による(カンタータ『イエスよ、汝わが魂を』)〜リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音
6声の協奏曲 BWV1059R(原曲:チェンバロ協奏曲)〜リコーダー、3つのヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音
5声の室内協奏曲 ヘ長調 BWV1047R(原曲:ブランデンブルク協奏曲第2番)〜リコーダー、オーボエ、ホルン、ヴァイオリン、通奏低音
ミヒャエル・フォルム(リコーダー、指)
オゥ・ピエ・ドゥ・ロワ

録音:2022年7月11-14日/スイス、聖パンタレオン教会
テレマンから引き継いだ合奏団「コレギウム・ムジクム」を率いてカフェ・ツィンマーマンで毎週コンサートを開催していたライプツィヒ時代のバッハ。いくつもの 器楽曲を用意する必要があり、またカフェでは複数台のチェンバロを使うことができたため、過去の自作協奏曲をチェンバロ協奏曲に編曲しています。その中には 編曲前の譜面が失われている曲があり、今ではオリジナルの形を復元した版による演奏も広く行われています。
リコーダー奏者のミヒャエル・フォルムは、自らの楽器を活躍させつつ、ソロと伴奏の区別のない「室内協奏曲」の形でチェンバロ協奏曲から独自の復元版を作 り演奏しています。さらにオルガン作品やカンタータ、ブランデンブルク2番なども同様に編曲して収録。バッハの音楽が新鮮なサウンドに生まれ変わっています。 (Ki)


Profil
PH-22080(6CD)
ヨハンナ・マルツィ〜協奏曲とソナタ集
■Disc1
(1) ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
(2) ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
■Disc2
(1) モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
(2) 同:ヴァイオリン・ソナタ第24番ヘ長調K.376
(3) シューベルト:幻想曲ハ長調Op.159, D934
■Disc3
(1) メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
(2) ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調Op.30の3
(3) シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ(二重奏曲)イ長調D574
■Disc4
シューベルト
(1) ソナチネ第1番ニ長調D384
(2) ソナチネ第2番イ短調D385
(3) ソナチネ第3番ト短調D408
(4) 華麗なるロンド ロ短調
■Disc5
バッハ
(1) 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調BWV1001
(2) 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番ロ短調BWV1002
(3) 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調BWV1003
■Disc6
(1) 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004
(2) 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005
(3) 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調BWV1006
ヨハンナ・マルツィ(Vn)

■Disc1
フェレンツ・フリッチャイ(指)RIASSO(1)、
パウル・クレツキ(指)フィルハーモニアO(2)
■Disc2
オイゲン・ヨッフム(指)バイエルン放送室内O(1)、
ジャン・アントニエッティ(P)(2)(3)
■Disc3
パウル・クレツキ(指)フィルハーモニアO(1)、
ジャン・アントニエッティ(P)(2)(3)
■Disc4
ジャン・アントニエッティ(P)

録音:Disc1:1953年6月10-12日イエス・キリスト教会(ベルリン)(1)、1954年2月15-17日キングズウェイ・ホール(ロンドン)(2)
Disc2:1952年11月ミュンヘン(1)、
1952年7月9-10日ハノーファー、ベートーヴェン・ザール(2)、
1955年11月9-12日ベルリン(3)
Disc3:1955年12月20-21日キングズウェイ・ホール(ロンドン)(1)、
1952年7月7-8日ハノーファー、ベートーヴェン・ザール(2)、
1955年9月26日、11月13日ベルリン(3)
Disc4:1955年11月9-12日ベルリン
Disc5:1955年3月26-27日(1)、
4月27-30日(2)、3月27-31、4月1-2日(3)アビーロード・スタジオ(ロンドン)
Disc6:1954年7月24-26日(1)、
5月1、6月1-3日(2)、
1955年5月15-18日(3)アビーロード・スタジオ(ロンドン)
ヨハンナ・マルツィ(1924-1979)はハンガリー出身の名女流ですが、東西冷戦やセクハラのあおりを受け録音に恵まれていません。しかしフリッチャイとのド ヴォルザークの協奏曲などは今日でも同曲を代表する名演と評されています。
そのマルツィの名演を集め6枚のセットにした好企画。前述ドヴォルザークや彼女のトレードマークとなっているバッハの「無伴奏ヴァイオリンのソナタとパル ティータ」ももちろん収録。マルツィの至芸をお手頃価格で堪能できる稀有なBoxと申せましょう。 (Ki)

Forgotten Records
fr-1854(1CDR)
ブロニスワフ・ギンペル〜ブラームス&クライスラー
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
クルト・クレーメル編曲:クライスラー・トランスクリプションズ#[愛の喜び/愛の悲しみ/美しきロスマリン/セレナード「ポリシネル」/R=コルサコフ:「アラブの踊り」(「シェヘラザード」より)/ウィーン奇想曲/中国の太鼓/ラフマニノフ:「ひなぎく」 /ファリャ:「スペイン舞曲」]
ブロニスワフ・ギンペル(Vn)
アルトゥール・グリューバー(指)ベルリンSO*
クルト・クレーメル(指)シュトゥットガルト・プロ・ムジカO#

録音:1958年頃#、1960年頃*
※音源:Opera 3238*、St-1932* 他
Forgotten Records
fr-1860(1CDR)
ワーナー・ジャンセン
カスキ:「ショウ・ボート」の主題によるオーケストラの為のシナリオ
バーバー:演奏会用序曲「悪口学校」 Op.5
バーナード・ハーマン:ピアノ協奏曲(映画「戦慄の調べ」」より)
デイヴィッド・ラクシン:映画「ローラ殺人事件」 〜ローラのテーマ
タンスマン:映画「肉体と幻想」 〜スケルツォ
マックス・ラビノヴィチ(P)*
ワーナー・ジャンセン(指)ロサンゼルス・ジャンセンSO

録音:1942〜1945年
※音源:Camden CAL-205

Channel Classics
CCS-45223(1CD)
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番ニ長調 Op. 19
ヴァイオリン協奏曲 第2番ト短調 Op. 63
マリア・ミルシテイン(Vn)
フィオン(ヘルダーラント&オーファーアイセルO
オットー・タウスク(指)

録音:2022年5月 エンスヘデ音楽センターMCO、オランダ
モスクワで音楽一家に生まれ、ベルギーでオーギュスタン・デュメイに師事したというフランス系ロシア人のヴァイオリニスト、マリア・ミルシテイン。 MIRAREレーベルから、妹でピアニストのナタリア・ミルシテインとのデュオ・アルバムを2枚リリースしているほか、ブッシュ三重奏団によるドヴォル ザークのピアノ五重奏曲(ALPHA403)にゲストで参加するなど、幅広いアーティストから信頼を得ている実力派がCHANNEL CLASSICS に登場します。プロコフィエフが二十代で書いた、瞑想的な曲想と動きのある曲想の交錯がモダンな印象を与える第1番、四十代に書かれ、 やや古典に回帰しつつ打楽器の用法やリズムが特徴的な第2番という、2つのヴァイオリン協奏曲を収録。両親ともにプロコフィエフを好んで いたというミルシテインは、ダヴィッド・オイストラフの録音で第1番を初めて聴いた時の強烈な印象、数年後に第2番を聴いた時に感じた美し さと奥深さを忘れられない思い出として、いつかは自分でこの作品を録音してみたいと強く願っていたとのこと。念願の叶ったこのアルバムで彼 女は、思い入れの深さを聴く者にひしひしと感じさせる伸びやかなカンタービレ、持ち前の高い技術と表現力を存分に発揮した躍動的なパッ セージなどをたっぷりと聴かせています。

CPO
CPO-555151(2CD)
NX-D11
ルイ・シュポア(1784-1859):クラリネットと管弦楽のための作品全集
クラリネット協奏曲第1番ハ短調 Op. 26
クラリネット協奏曲第2番変ホ長調 Op. 57
アルルーナの主題による変奏曲 WoO 15
ペーター・フォン・ヴィンターの歌劇「妨げられた奉献祭」の2つの主題によるポプリ Op. 80
ダンツィの主題による幻想曲と変奏曲 Op. 81-クラリネットと弦楽四重奏のために
. クラリネット協奏曲第3番ヘ短調 WoO 19
クラリネット協奏曲第4番ホ短調 WoO 20
クリストファー・スンドクヴィスト(Cl)
ハノーファー北ドイツ放送PO
ジモン・ガウデンツ(指)

録音
2017年1月24-27日、2019年6月24-28日
ルイ・シュポアのクラリネットのための作品全集。アルバムには4曲の協奏曲をはじめ、当時活躍したドイツの名手ヨ ハン・ジモン・ヘルムシュテット(1778-1846)のために作曲されたクラリネットとオーケストラのための作品が収録さ れています。ヘルムシュテットはその卓越した技巧と、多彩な音色で人気を博し、ゲーテも彼の演奏を称賛したと いわれます。演奏はフィンランド放送響の首席クラリネット奏者クリストファー・スンドクヴィスト。

ONDINE
ODE-1419(1CD)
NX-B07
アルトゥルス・マスカツ(1957-):アコーディオン協奏曲/タンゴ 他
タンゴ(2002)
アコーディオン協奏曲「What the Wind Told Over the Sea 海を渡る風が語るもの」(2021)
カントゥス・ディアトニクス(1982)
” わたしの川はあなたへと流れる
 エミリー・ディキンソンへのオマージュ(2019)
アルトゥルス・ノヴィクス(アコーディオン)
クセーニャ・シドロワ(アコーディオン)
ラトヴィア国立SO
アンドリス・ポーガ(指)

録音:2022年3月11-12日、2022年9月2-3日
アルトゥルス・マスカツはラトヴィアの作曲家。1996年からラトヴィア国立歌劇場の芸術監督を務め、主として歌劇や演劇の分野で活躍、ラトヴィアの文化 向上の一端を担っています。彼の多くの作品は調性感があり、聴きやすく時にロマンティックな味わいを持っています。このアルバムに収録された「タンゴ」は 2003年に開催された「第3回マスタープライズ国際作曲コンクール(英国)」のファイナリスト作品の一つとして国際的に注目され、以来、マスカツの代表作 に数えられています。ピアソラを思わせるパッションをアコーディオンとオーケストラに落とし込んだ見事な作品です。 かたや2021年の「アコーディオン協奏曲」は、以前リリースされた『ピアソラ・リフレクションズ』(国内仕様盤NYCX-10190/輸入盤ALPHA664)で情熱的 なパフォーマンスを披露したラトヴィア出身の奏者クセーニャ・シドロワに捧げられており、創作にあたってもシドロワのさまざまな意見が反映されたというノスタ ルジックな雰囲気を持つ美しい作品です。「カントゥス・ディアトニクス」は、マスカツの名付け親で子供時代に大きな影響を受けた女性を念頭に書いた作 品。この女性は当時重い病気にかかっており、マスカツは彼女への感謝、回復への希望と祈りを込めて作曲しました。彼女は後に奇跡的に回復したそうで す。曲の最後にチェレスタで奏される有名なラトヴィア民謡「Saul?t tec?j ec?dama」が印象を深めます。「わたしの川はあなたへと流れる」はエミリー・ディ キンソンの詩にインスパイアされた交響詩であり、アンドリス・ネルソンス率いるボストンSOの委嘱作。ネルソンスの親友であった故アンドレイ・ヤガルズ に捧げられています。

FUGA LIBERA
FUG-798(1CD)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op. 16
交響曲第2番ニ短調 Op. 40
アンドレイ・コロベイニコフ(P)
ウラルPO
ドミトリー・リス(指)

録音:2021年7月 スヴェルドロフスク・フィルハーモニック大ホール、エカテリンブルク、ロシア
ラ・フォル・ジュルネほかの来日で日本でも馴染みの深いアンドレイ・コロベイニコフ、ドミトリー・リス、ウラル・フィルという組み合わせによるプロコ フィエフ。ロシア、イギリス、アメリカなど各国で高い評価を得ているコロベイニコフの技量を堪能することの出来るピアノ協奏曲第2番と、硬質 なサウンドが作品の特性と魅力を十二分に表出している交響曲第2番を収録。

Rondeau
ROP-6219(1CD)
コンチェルト・セッション
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル(1727-1789):トランペット協奏曲 ニ長調
ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:トランペット協奏曲 ニ長調
フランツ・クエルフルト(1715/1720-ca.1751):トランペット協奏曲 変ホ長調
ヨーゼフ・リーペル:トランペット協奏曲 ニ長調
ミヒャエル・ハイドン:トランペット協奏曲 ハ長調
フランツ・クサヴァー・リヒター:トランペット協奏曲 ニ長調
ヘルムート・フックス(Tp)、
マティアス・グリュナート(Org)

録音:2021年2月10日-12日
本来オーケストラによる伴奏をオルガンを伴うトランペット協奏曲として録音したこのアルバム。ドレスデン・ザクセン州立歌劇場の首席トランペット奏者であるヘルムート・フックスと、ドレスデン聖母教会のカントルであるマティアス・グルナートがタッグを組んで完成させました。本来あまり演奏されることのない作品を選びながらも、オルガンの伴奏がつくことによりトランペットがより鮮明になりつつも、お互いの響きが絶妙にブレンドされています。まるで二人がジャムセッションを行っているかのような演奏も注目です。

Nimbus
NI-8109(1CDR)
ドリーム・キャッチャー〜クラリッサ・ベヴィラックア・プレイズ・オーガスタ・リード・トーマス
オーガスタ・リード・トーマス(b.1964):ラッシュ
リア・エンチャンテッド/カプリス
カプリシャス・トッカータ 「ダンデライオン・スカイ」
ドリーム・キャッチャー
インカンテイション/パルサー
ヴィーナス・エンチャンテッド
レインボウ・ブリッジ・トゥ・パラダイス
ヴァイオリン協奏曲第3番「ジャグラー・イン・パラダイス」
クラリッサ・ベヴィラックア(Vn)、
ヴィンバイイ・カズィボニ(指)、
BBCウェールズ・ナショナルO

録音:2021年9月1日-2日、シカゴ大学(ソロ作品)&、2022年4月25日、BBCホディノット・ホール(協奏曲)
そのまばゆいばかりの技巧と感銘を与える音楽性で聴衆を魅了している天才ヴァイオリニスト、クラリッサ・ベヴィラックアがNimbusからファースト・アルバムをリリース! シカゴ大学で作曲の教授も務める現代アメリカを代表する女流作曲家の一人、オーガスタ・リード・トーマスの無伴奏ヴァイオリン作品全曲(編曲作品も含む)と、世界初録音となるヴァイオリン協奏曲第3番でアルバムを構成するという意欲的なプログラムで華麗なデビューを飾ります。二人は5年前にシカゴで「カプリシャス・トッカータ(気まぐれなトッカータ)」を演奏したときに出会い、それから彼女の他の作品も何度も取り上げるようになりました。一曲一曲が異なるキャラクターとそれぞれの物語を持つリード・トーマスの作品が、アルバムの中でひとつにまとまり夢のような旅を作り出します。
クラリッサ・ベヴィラックアはミラノ出身、シカゴで育ち、5歳でヴァイオリンを始め、9歳の時にシカゴで1万人以上の聴衆の前でデビュー。それ以来北米とヨーロッパの各地でソロ・リサイタルや協奏曲を演奏。数々の国際コンクールに入賞し、ザルツブルク国際モーツァルト・コンクールでは第1位、聴衆賞、ベーレンライター特別賞を受賞。ケープSO国際ヴァイオリン・コンクールではグランプリを受賞しています。ザルツブルクのモーツァルテウム大学でピエール・アモイヤルに師事し2021年に音楽修士課程を修了。現在はベルリンのハンス・アイスラー音楽大学でアンティエ・ヴァイトハースに学んでいます。歴史的な楽器にも情熱を注いでおり、14歳のときにクレモナのヴァイオリン博物館の貴重なストラディヴァリ・コレクションと定期的に演奏する最年少ヴァイオリニストに選ばれ、現在は1748年頃クレモナで製作されたZosimo Bergonziのヴァイオリンを演奏しています。

Hyperion
CDA-68397(1CD)
ハープシコード協奏曲集
マルティヌー:ハープシコードと小オーケストラのための協奏曲 H246
ハンス・クラーサ:ハープシコードと7つの楽器のための室内楽曲
ヴィクトル・カラビス:ハープシコードと弦楽オーケストラのための協奏曲 Op.42
マハン・エスファハニ(ハープシコード)、
プラハRSO、
アレクサンダー・リープライヒ(指)

録音:2021年9月21日-22日&10月13日-14日、スタジオ・S1、チェコ放送(プラハ、チェコ)
マハン・エスファハニは、1984年テヘラン生まれのイラン系アメリカ人ハープシコード奏者。ハープシコード奏者として初めてBBCラジオ3の「ニュー・ジェネレーション・アーティスト」に選ばれた他、ボルレッティ=ブイトーニ財団賞受賞、2014年ロイヤル・フィルハーモニック協会賞の「インストゥルメンタリスト・オヴ・ジ・イヤー」と2014年グラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」にノミネートするという栄誉を、それぞれハープシコード奏者として初めて達成。2015年にはBBCミュージック・マガジンの「ニューカマー・オヴ・ジ・イヤー」に選ばれ、2015年と2017年にもグラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」にノミネートしています。これまでにリリースしてきたバッハの作品集も、レコード芸術「特選盤」、BBCミュージック・マガジン「インストゥルメンタル・チョイス」、グラモフォン誌「エディターズ・チョイス」に選ばれ、ICMA(国際クラシック音楽賞)2019にもノミネートするなど、絶大な評価を得てきました。
そのマハン・エスファハニによる協奏曲録音第1弾(伴奏はハイペリオン初登場のプラハRSOとアレクサンダー・リープライヒ。リープライヒは2022年10月に来日したばかりです。)は、前世紀のチェコの巨匠たちに注目した、エスファハニのレパートリーの広さを存分に活かしたものと言えるでしょう。演奏者自身がハープシコードの協奏曲の中で最高の作品のひとつというマルティヌーの演奏には要注目です。

Pentatone
PTC-5187017(1CD)
「バッハとペルト」
(1)ペルト:フラトレス〜ヴァイオリン、弦楽オーケストラと打楽器のための
(2)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042
(3)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041
(4)バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
(5)ペルト:鏡の中の鏡
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn/グァルネリ・デル・ジェス(1744年製作))
(1)-(5)シュトゥットガルト室内O、ラヴァー・スコウ・ラーセン(コンサートマスター)
(4)クリストフ・コンツ(Vn)
(5)ピーター・フォン・ヴァイン ハ ルト(P)

録音:2022年6月21-24日聖ペーター&パウル教会、ロイトリンゲン・ゲニンゲン(ドイツ)
人気と実力を兼ね備えた麗しきヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハー。ニューヨーク・タイムズは、「叙情と情熱のバランスのよさ―彼女の長所は、 とりわけ磨き抜かれたテクニックと美しく多彩な音色にある」と評しています。
当アルバムはシュトゥットガルト室内Oをバックにバッハのヴァイオリン協奏曲とペルトの2作という好プログラムです!
4歳のときにバッハのヴァイオリン協奏曲第1番の第2楽章を聴いて以来虜になったというシュタインバッハー。バッハの音楽の美しさと深さに圧倒され、導 かれるようにヴァイオリニストになったといいます。これまで自身の最重要レパートリーとして頻繁に取り上げてきたバッハの協奏曲、ついに録音を実現しました。
ドッペル・コンチェルトの共演はクリストフ・コンツです。コンツといえばアカデミー賞を受賞したカナダ映画「レッド・ヴァイオリン」の神童カスパー・ワイス 役(当時9歳)を演じたことでも知られるヴァイオリニスト。現在はVPOの第2ヴァイオリン首席奏者をつとめる傍ら、ソロ活動 も積極的に展開しております。二人の名手による音楽の対話も魅力で終始心地よいテンポで演奏しております。
このアルバムのもうひとつの魅力はペルト。冒頭に「フラトレス」を、最後に「鏡の中の鏡」を、まるでプロローグとエピローグのように据えており、シュタ インバッハーのセンスの高さもうかがえます。ペルトの2作は現代のヴァイオリニストの必須レパートリーといえる作品。ことに「フラトレス」は頻繁に演奏され、 シュタインバッハーは2021年6月の来日時に島田綾乃との共演でテレビ収録しNHKのクラシック倶楽部で放映されております。
「バッハとペルトの音楽は異なっていても、神聖な原点は共通しています。彼らの音楽は、聴くたび、弾くたびに、私らしさを思い出させ、安らぎを与えてくれます」 (アラベラ・美歩・シュタインバッハー)

BIS
BIS-2625(1CD)
『織られた光』〜ヴィート・パルンボ(1972-):作品集
(1)ヴァイオリン協奏曲(2015)
(2)シャコンヌ(「織られた光」、「闇の中の輝き」)〜エレクトリック・ヴァイオリンとエレクトロニクスのための(2019-20)
フランチェスコ・ドラツィオ((1)ヴァイオリン 、
(2)エレクトリック・ヴァイオリン)
LSO、
リー・レイノルズ(指)
(2)フランチェスコ・アブレシア(ライヴ・エレクトロニクス)
[楽器:ヴァイオリン:Giuseppe Guarneri, Cremona 1711、エレクトリック・ヴァイオリン(5弦):Alter Ego (2007)、
エレクトロニクス:Csound, Cycling ’74MaxMSP]

録音:(1)2016年9月17日/アビーロード・スタジオ 第1スタジオ(ロンドン)、(2)2021年1月19-20日/モーラ・ディ・バーリ(イタリア)
イタリアの作曲家ヴィート・パルンボは、シエナのキジアーナ音楽院を卒業、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアの大学院でアツィオ・コルギに学びまし た。特別奨学生としてルチアーノ・ベリオに師事。ポストモダンの実験的作品からキャリアをスタートさせ、高評価を獲得するとともに数々の賞を受けました。室内 楽の作品、イタロ・カルヴィーノの『木のぼり男爵』によるオペラ=モノローグ「Sinforosa」やエミリ・ディキンソンの詩に基づく室内オペラ「Comuni-canti」 といった声楽作品を発表。近年は、大編成の管弦楽作品やソロ楽器とオーケストラの協奏曲などを数多く手がけ、RAI国立SO、LSO、スウェー デンのヤヴレSOによって演奏されています。パルンボは天文学に関心を寄せ、「無限の宇宙エネルギーにくらべれば、われわれは小さな孤立する点でしかな い」ことを示すように、単一の長大な楽章の内に抽象的な「コア・サウンド」を見出すことに狙いを定めていると言われます。
このアルバムには、イタリアのバーリ生まれのヴァイオリニスト、フランチェスコ・ドラツィオのソロによるパルンボのヴァイオリン作品が2曲、収録されています。 「ヴァイオリン協奏曲」は、単一楽章で書かれた演奏時間約31分の作品です。「ベルクの名残」(ヴィート・パルンボ)のある「ほろ苦いリリシズム」の音楽。「『無』 に始まり『無』に帰る」循環構造のスタイルがとられています。LSOがリー・レイノルズの指揮で共演しています。
「シャコンヌ」は、パルンボが緻密で正確な作曲技術とともに師コルギから受け継いだ、作曲の中心に音楽的「歴史の記憶」を置くという考えが、「過去の余韻」 を思い起こさせる曲名に反映されています。〈Woven Lights(織られた光)〉と〈The Glows in the Dark(闇の中の輝き)〉の2楽章で書かれ、5弦エレク トリック・ヴァイオリンとエレクトロニクスにより演奏されます。バーリのニコロ・ピッチンニ音楽院で作曲と電子音楽を学んだフランチェスコ・アブレシアがライヴ・ エレクトロニクスを担当しています。
2010年に「イタリア音楽評論家協会」の最優秀ソリストに授与されるアッビアーティ賞(Premio Abbiati)を受賞したドラツィオの初めてのBIS 録音です。 (Ki)

Stradivarius
STR-37221(1CD)
モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
ハイドン:オーボエ協奏曲 ハ長調 Hob.VIIg:C1
クロンマー:オーボエ協奏曲第1番ヘ長調 Op.37
クリスティアン・シュミット(Ob)
ペルージャ室内O

録音:2021年11月16,17,18日 イタリア ウンブリア州 チッタ・デッラ・ピエーヴェ
オーボエ奏者のクリスティアン・シュミットが古典派のオーボエ協奏曲 3曲を録音。モーツァルトのオーボエ協奏曲は言うまでもない人気作。ハイドンのオーボエ協奏曲は偽 作扱いだがこれも人気がある。モラヴィア出身でウィーンで活躍したフランティシェク・ヴ ィンツェンツ・クラマーシュ(ドイツ名フランツ・クロンマー,1759-1831)はヘ長調のオー ボエ協奏曲を 2曲残しており、ここに収録されているのは第 1番。優美な中にも力強さ のある素敵な曲。 クリスティアン・シュミットは 1965年生まれのオーボエ奏者。リヨン国立高等音楽院、カ ールスルーエ州立音楽大学で学ぶ。1992年から 2012年までバーゼルSOのオーボエ奏者。その後は独奏者として活躍する一方で、指導者としても高名。シュミットの オーボエは明るく温かみがありしかも知性的。3 曲とも素晴らしいがやはり傑作モーツァ ルトの協奏曲にうっとりさせられます。なお指揮者はおらずシュミットの吹き振りと思われ る。またペルージャ室内Oのコンサートマスターである大西梓が参加しています。

BIS
BISSA-2466(1SACD)
カレヴィ・アホ(1949-):協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第2番(2015)
(2)チェロ協奏曲第2番(2013)
(1)エリナ・ヴァハラ(Vn)、
(2)ヨナタン・ローゼマン(Vc)
キュミ・シンフォニエッタ、
オラリ・エルツ(指)

録音:(1)2019年4月24-26日、(2)2021年12月2-4日/クーサンコスキ・ホール、コウヴォラ(フィンランド)
フィンランドを代表する作曲家カレヴィ・アホ。当アルバムにはヴァイオリン協奏曲第2番、チェロ協奏曲第2番を収録しております。アホ は1980年代前半にヴァイオリン、チェロそれぞれの協奏曲を書いていますが、20年ほどの歳月を経て、ついに新作の登場です。
長年ヴァイオリン協奏曲を書いていなかったアホがエリナ・ヴァハラの依頼により作曲した第2番は、アホ独特の美しい旋律が魅力。ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオ リニストのヴァハラへ捧げた注目作です。
一方、チェロ協奏曲第2番はナーンタリ音楽祭とラハティSOとの共同企画で生まれた新作委嘱。初演は2014年6月5日、ナーンタリでアルト・ノラスのチェ ロ独奏、オスモ・ヴァンスカ(指)ラハティSOによって行われました。5つの楽章からなるこの作品はシンフォニエッタのように書かれており、楽章間がとぎ れることなく演奏され、終楽章の非常に印象的なカデンツァも聴きものです。当録音では2015年にはチャイコフスキー国際コンクールのチェロ部門で第6位に入 賞した1997年生まれのフィンランド系オランダ人ヨナタン・ローゼマンがチェロ独奏をつとめています。 (Ki)

Altus
ALTSA-503(1SACD)
シングルレイヤー
INA秘蔵音源・ハスキル&クリュイタンス・フランス国立管ライヴ
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
クララ・ハスキル(P)
アンドレ・クリュイタンス(指)
フランス国立放送O

ライヴ録音:1955年12月8日(モノラル)
INA(フランス国立視聴覚研究所)所有の貴重音源を新規マスタリングでSACD化!クリュイタンス&フランス国立放送管とクララ・ハスキルによって同日に演 奏された協奏曲2題が高音質で楽しめます。
1曲目はモーツァルト。クリュイタンスの伴奏は激情と熱気がありながらも品格を損なわず、壮麗なハ短調の音響を打ち立てます。ハスキルは深みのある音色で 美しく飛翔、その豊かな表現はどれも確固たる意志に裏打ちされたもので、実に論理的に音楽が展開されていきます。香り立つ木管とのアンサンブルも絶品です。 2曲目ベートーヴェンも同様の特徴が挙げられますが、古典様式が拡大されていく楽曲のため更に自由な広がりと大胆さがプラスされます。それでいて芯のある 高貴さに貫かれており、まさにこのコンビにしか成しえない堂々たる演奏となっています。
〈ハスキルの高貴で透明な音色が、ざわついた心をさっと静めてくれるような魅力に溢れている〉〈クリュイタンスの素晴らしい伴奏―悲劇的な響きと貴族的な 色彩の万全なバランス―ともあいまった、有機的なコラボレーションも忘れがたい〉〜平林直哉氏の解説より (Ki)

DOREMI
DHR-8193(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第12集
(1)ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.21
(2)シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
(3)リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
(4)バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83
シューマン:幻想小曲集 Op.12
ショパン:スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
D.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.141, L.422
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)クラウス・テンシュテット(指)デトロイトSO
 ライヴ録音:1978年2月9日デトロイト
(2)シャルル・デュトワ(指)フランス国立O
 ライヴ録音:1973年9月6日パリ
(3)ノーマン・デル・マー(指)エーテボリSO
 ライヴ録音:1971年3月18日エーテボリ
(4)ライヴ録音:1978年11月3日トロント・リサイタル
DOREMIのアルゲリッチ貴重音源集第12弾。テンシュテットとのアメリカ・ライヴなどこれまた凄い内容です。 (Ki)

Treasures
TRE-283(1CDR)
カークパトリック/フォルテピアノによるモーツァルト
ピアノ・ソナタ第17番 変ロ長調 KV 570
組曲 ハ長調 KV 399
幻想曲とフーガ ハ長調 KV 394
ピアノ協奏曲第17番 ト長調 KV 453*
ラルフ・カークパトリック(フォルテピアノ)
アレクサンダー・シュナイダー(指)*
ダンバートン・オークスCO*

録音:1952年、1951年3月*
※音源:W.R.C CM-30、日Victor LH-25*
◎収録時間:71:33
“楽器へのこだわりが音楽表現と不可分であることを証明する最高の実例!”
■音源について
バッハ、スカルラッティの権威者カークパトリックの貴重なモーツァルト録音。ソロ作品はバルトーク・レコード音源で、作曲家バルトークの息子ピーターが録音を担当。協奏曲はハイドン・ソサエティ(ロビンズ・ランドンが1949年に設立)音源。カークパトリックのモーツァルトはモダン・ピアノによる録音もありますが、ここに収録した作品は、全てジョン・チャリスが復元したフォルテピアノを使用しています。

★カークパトリックは若き日にランドフスカに学んでいますが、その奔放な表現方法をそっくり踏襲するのではなく、基調をなすのはあくまでも端正な造形力と温かなフレージング。
 ソナタの第1楽章は、大型の現代ピアノでは表出困難な小気味良いリズムとチャーミングなニュアンスが魅力で、展開部へ滑り込む際の心のときめきの明確な音化ぶりには息を呑みますし、第2楽章の慈愛溢れるタッチから引き出されるピュアな歌心には、ハ短調の中間部の悲哀を頂点として愛が充満!終楽章の推進力も、その原動力はあくまでも歌!
 「組曲」の“アルマンド”以降における呼吸の深さと長さは、控えめなルバートと絶妙なバランスで共存。理屈に固執してニュアンスの薄い昨今のピリオド・アプローチとは、そもそも音楽の愛し方が違うのでしょう。そのことを更に意識させ、心揺さぶるのが協奏曲
 まず、シュナイダーの指揮が醸し出す纏綿たる空気!いきなり心がとろけること必至。このゆったりとしたテンポでなければ浮かび上がらないニュアンスの豊穣さは盟友カザルスを思わせますが、その濃厚な進行にカークパトリックが完全に歩調を合わせて作品への愛を注入し尽くすのですから、涙を禁じえません。第1楽章は、展開部の後ろ髪引かれるようなルバートの妙味にはもう涙腺崩壊!第2楽章では、特に休止部分で顕著なように、余韻を存分に噛み締め尽くした上でニュアンスを絞り出し、丁寧に音楽の明暗を描き分けます。終楽章は、究極のアレグレット。そのたおやかなテンポで大切に育んだ音のみを表出。中間の悲しみと後半の幸せの絶頂感とのコントラストと連動も見事。間違いなく同曲トップクラスの名演であることはもちろんのこと、モーツァルトの天才的な筆致を楽譜の表面上で解析ではなく、音符の裏側の意味まで掘り下げ、感じ取ったまさに歴史的名解釈と言える逸品です。【2022年11月・湧々堂】

フォンテック
FOCD-9875(1CD)
2022年12月7日発売
第8回仙台国際音楽コンクール ヴァイオリン部門優勝 〜中野りな
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」K219
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
中野りな(Vn)
広上淳一(指)仙台PO

録音:2022年6月2・5日日立システムズホール仙台 ライヴ(コンクールのセミファイナルとファイナルの模様を収録)
仙台市が2001年に創設した仙台国際音楽コンクールは、コンチェルトを課題曲の中心に 据えるという特色を持っており、セミファイナルとファイナルでは仙台フィルハーモニー Oと共演します。 2022年5〜6月におこなわれた第8回仙台国際音楽コンクール ヴァイオリン部門では、中 野りな(日本)が優勝しました。 日本が世界に発信する若き才能の登場です。 (フォンテック)
フォンテック
FOCD-9876(1CD)
2022年12月7日発売
第8回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門優勝〜ルゥォ・ジャチン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 K503
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番
ルゥォ・ジャチン(P)
高関健(指)仙台PO

録音:2022年6月23・26日日立システムズホール仙台 ライヴ(コンクールのセミファイナルとファイナルの模様を収録 )
仙台市が2001年に創設した仙台国際音楽コンクールは、コンチェルトを課題曲の中心に据えると いう特色を持っており、セミファイナルとファイナルでは仙台POと共演し ます。 2022年6月におこなわれた第8回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門では、ルゥォ・ジャチン(中 国)が優勝しました。 日本が世界に発信する若き才能の登場です。 (フォンテック)

Goodies
78CDR-3885(1CDR)
バッハ:ハープシコード協奏曲第1番ニ短調 BWV 1052 ワンダ・ランドフスカ(ハープシコード)
ウジェーヌ・ビゴー(指)O

仏 LA VOIX DE SON MAITRE DB 11229/31
1938年12月1日パリ、アルベール・スタジオ録音
ワンダ・ランドフスカ(1879-1959)はポーランドのワルソー生まれ。20世紀最高 のハープシコード&ピアノ奏者。彼女は演奏家、音楽学者、教授で1900年から 13年間パリのスコラ・カントルムで教鞭をとった。二列の鍵盤と七個のペダル を有する自分のハープシコードをパリのプレイエル社に特注し、生涯この楽器 を使用した。1940年フランス国籍を得たが、1941年ドイツ軍のフランス侵攻に よりアメリカにのがれた。パリに残したハープシコードは後にアメリカ軍に よって彼女の手元に届けられた。指揮者のウジェーヌ・ビゴー(1886-1985)は パリ音楽院出身。シャンゼリゼ劇場の指揮者を経て1923年パリ音楽院O、 1928年にフランス国立放送O、1935年にラムルーO、オペラ・コ ミックの指揮者を歴任。パリ音楽院の指揮科教授もつとめた。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル「ゼロSP 78rpm」(3mil 針)とコルグのNu 1DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

EUROARTS
20-56773F(Bluray)

20-56777F(2DVD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 作品15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58
ピアノ協奏曲第5番『皇帝』
シュターツカペレ・ベルリン
ダニエル・バレンボイム(P、指 )

収録:2007年5月、ルール・ピアノフェスティヴァル(ライヴ)
◆Bluray
画面:16:9、Full HD
音声:PCMステレオ、
DD 5.1、DTS-HD MA5.1
リージョン:A l l、198分
◆DVD
画画面:16:9、NTSC
音声:PCMステレオ、DD 5.1、DTS5.1
リージョン:A l l
2022年11月15日に80歳を迎えるダニエル・バレンボイム(1942〜)。現在は体調不良で音楽活動を一時休止していますが、現代クラシック界を代表 する世界最高の巨匠として君臨しています。 本作は、2007年5月21日から23日にかけてボッフムのヤールフンデルトハレおこなわれた「ルール・ピアノフェスティヴァル」でのコンサートのライヴ映像。 「ルール」といえば、ドイツ屈指の工業地帯として知られていますが, そのルール地方で毎年行われるこのピアノ・フェスティヴァルはドイツでも最大級の音楽祭。 世界のピアニストが定期的に集まる出会いの場です。第1回の開催セレモニーではポリーニが登場、すでに有名になったプロだけでなく、豊かな才能を持った 若手の登竜門にもなっており、今年の目玉は、バレンボイムとシュターツカペレ・ベルリンによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲サイクルでした。バレンボイム は若い頃にクレンペラーの指揮で全集を録音しており、その後、自身は指揮をしてルービンシュタインのソロで全集を録音、さらに後年、ベルリン・フィルを弾 き振りして全集を録音といった具合ですでに3度全集に関わっています。当録音では手兵シュターツカペレ・ベルリンを弾き振りということで、パワフルかつ、味 わい深い演奏を聴かせてくれています。 (Ki)

Hyperion
CDA-68339(1CD)
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ Vol.85〜カール・ライネッケ:ピアノ協奏曲集
ライネッケ(1824-1910):ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op.72(1860)
ピアノ協奏曲第2番 ホ短調 Op.120(1872)
ピアノ協奏曲第4番 ロ短調 Op.254(1900)
サイモン・キャラハン(P)、
ザンクト・ガレンSO、
モデスタス・ピトレナス(指)

録音:2021年11月15日-18日、トーンハレ・ザンクト・ガレン(スイス)
ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘・蘇演を行うハイペリオンの人気シリーズ、「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ(RPCS)」。第85巻は、これまでにも様々な知られざる音楽に陽の目を当ててきたピアニスト、サイモン・キャラハンによるカール・ライネッケ(1824-1910)のピアノ協奏曲集です。
カール・ライネッケは幼い時からその才能を発揮し、12歳の時にはすでに公開演奏会を行っていました。その後ライプツィヒでメンデルスゾーンやシューマンに師事し、1860年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウスOの楽長を務め、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」の初演を指揮しています。また教育者としても優秀であったライネッケは、ライプツィヒ音楽院の院長も務めており、グリーグやブルッフ、ヤナーチェクなどの門下生がいました。現在では「フルート協奏曲」以外あまり演奏されないライネッケですが、彼が作曲したバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンなどのピアノ協奏曲のカデンツァが知られています。

Goodies
78CDR-3888(1CDR)
マリユス・カザドシュ:モーツァルトのヴァイオリン協奏曲ニ長調 K.Anh.294a 「アデライデ」 ユーディ・メニューイン(Vn)
ピエール・モントゥー(指)
パリSO

英 HMV DB 2268/70
1934年5月14日パリ、アルベール・スタジオ録音
この曲は作曲者モーツァルトによるヴァイオリン独奏部と低音楽譜の自筆譜が あるとされ、1933年に新発見のモーツァルトの作品としてマリユス・カザド シュ(1892-1981)によって出版された。ルイ15世の王女アデライドに捧げられ た曲ということからこの名があるが、後にカザドシュの偽作であることが判明 した。SPレコード時代に評判だった作品で、再発売の要望が高かった。ユー ディ・メニューイン(1916-1999)はアメリカ生まれのユダヤ系ヴァイオリン奏 者。パリでジョルジュ・エネスコに、ベルリンでアドルフ・ブッ シュ(1891-1952)に師事した。ピエール・モントゥー(1875-1964)はフランスの 大指揮者。ここで指揮をしているパリSOの初代指揮者(1929-1935)だっ た。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル「ゼロSP 78rpm」(3mil 針)とコルグのNu 1DSD 録音機を使用した。
Goodies
78CDR-3889(1CDR)
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 エミール・フォン・ザウアー(P)
フェリックス・ワインガルトナー(指)
パリ音楽院O

英 COLUMBIA LX789/91
1938年12月1日パリ録音
ピアノのエミール・フォン・ザウアー(1862-1942)は大作曲家フランツ・リスト の最晩年の弟子の一人。モスクワ音楽院卒業後1884年から85年に ヴァイマルでリストの薫陶を得た。その後ウィーン音楽院のピアノ科でマスタ ークラスを持つ傍ら、1880年代から1930年代まで演奏家としてヨーロッパから アメリカと国際的に活躍した。リストのピアノ協奏曲第2番もSPに録音して いた。指揮者のフェリックス・ワインガルトナー(1863-1942)はオーストリアの 大指揮者。ライプツィヒ音楽院出身。1882年、ヴァイマールでリストに師事、 1884年に指揮者デビュー。1887年にマーラーの後任としてウィーン 宮廷歌劇場とVPOの音楽監督に就任した。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル「ゼロSP 78rpm」(3mil 針)とコルグのNu 1DSD 録音機を使用した。

Forgotten Records
fr-1852(1CDR)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
チャベス:ピアノ協奏曲#
ダニエル・ワイエンベルク(P)*
ユージン・リスト(P)#
ディミトリ・ミトロプーロス(指)NYO

録音:1953年11月22日*、1942年1月2日#放送用録音
Forgotten Records
fr-1853(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491*
ピアノ・ソナタ第18番二長調 K.576 #
ルイス・ケントナー(P)
ハリー・ブレック(指)フィルハーモニアO*

録音:1959年5月23日-24日*、1959年6月8日#
※音源: HMV XLP-20035
Forgotten Records
fr-1855(1CDR)
フリードリヒ・ヴューラー/ウェーバー&メンデルスゾーン
ウェーバー:ピアノ協奏曲(全2曲)*
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第2番#
フリードリヒ・ヴューラー(P)
ハンス・スワロフスキー(指)ウィーン・プロ・ムジカO*
ルドルフ・モラルト(指)ウィーンSO#

録音:1950年8月31日#、9月2日#、1953年*、すべてウィーン
※音源: Vox PL 8140* 、PL 6570 #

ARCANA
A-535(1CD)

NYCX-10364(1CD)
国内盤仕様
税込定価
バッハ:チェロ・ピッコロによる協奏曲 6編
バッハ:チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ長調〔チェンバロ協奏曲 第3番ニ長調 BWV 1054(Vn協奏曲 第2番ホ長調 BWV 1042による)からの編曲〕
ェロ・ピッコロと通奏低音のための協奏曲 ニ長調〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ニ長調 BWV 972(アントニオ・ヴィヴァルディ[1678-1741]:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3-9RV 230による)からの編曲〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調〔ヴァイオリンあるいはオーボエ協奏曲 ト短調 BWV 1056R(チェンバロ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV 1056から復元)からの編曲〕
チェロ・ピッコロと通奏低音のための協奏曲 ニ短調〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ニ短調 BWV 974(アレッサンドロ・マルチェッロ[1678-1741]:オーボエ協奏曲 ニ短調 による)からの編曲〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ長調〔オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV 1055R(チェンバロ協奏曲 第4番イ長調 BWV 1055 から復元)による〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための「イタリア協奏曲」 ヘ長調チェンバロ独奏のための協奏曲 ヘ長調 BWV 971「イタリア協奏曲」 から リッカルド・ドーニによるオーケストレーション〕
マリオ・ブルネロ(Vc・ピッコロ)
アカデミア・デッラヌンチアータ(古楽器使用)
〔コンサートマスター:カルロ・ラッザローニ(Vn)〕
リッカルド・ドーニ((指)チェンバロ、ポジティフ・オルガン)

録音:2021年7月1-5日 サン・ベルナルディーノ教会、 アッビアーテグラッソ(イタリア北部ミラノ県)
※国内仕様盤解説日本語訳…白沢達生
通常のチェロ演奏でも世界的な活躍を続けてきたイタリアの名手マリオ・ブルネロ。近年はバロック期に使われていたという小型のチェロ(4弦 チェロ・ピッコロ=ヴァイオリンと丁度1オクターヴ低い調弦となる楽器)をピリオド奏法で弾きこなし、ARCANAでのバッハの無伴奏曲集や二 重奏ソナタ6曲の全曲録音など、当時の習慣に従ってヴァイオリン作品を演奏する機会も増えています。今回は同じイタリアの古楽器シーン 最前線をゆくアカデミア・デッラヌンチアータとともに、バッハの協奏曲6曲をチェロ・ピッコロで演奏。収録曲の大半は当初別の独奏楽器のため に書かれていた作品をバッハがチェンバロ向けに編曲したもので、原曲の特定や復元の試みも多くの専門家たちによってなされてきました。 18世紀当時は演奏環境に合わせた編成のために楽譜を調えることまでが音楽家の仕事でもあり、バッハ自身も多くの教会カンタータに使 用したチェロ・ピッコロでこれらの協奏曲を演奏する試みは、当時流の正当なアプローチであるといえるでしょう。ブルネロが繰り出す中低音で 綴られる旋律は、室内協奏曲型の編曲でも弦楽合奏ありの編曲でも過去の観賞体験を一新する瑞々しさ。合奏向け協奏曲を二段鍵 盤チェンバロひとつで再現した独奏曲「イタリア協奏曲」も合奏向けに逆編曲。抜群のピリオド奏法とあいまって作品の意外な一面に驚かさ れるのではないでしょうか。なおライナーにはブルネロ自身のコメントの他、ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフ館長ペーター・ヴォルニーによる解説が 添えられています(英・仏・伊語/国内仕様盤は日本語訳付)。

TUDOR
TUD-7211(1CD)
ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K. 466
ルティーニ:ピアノ協奏曲 ト長調
ヨハン・フランツ・クサヴァー・シュテルケル(1750-1817):ピアノ協奏曲 ニ長調 Op. 26No. 2
※カデンツァ:ヨルク・クローネンベルク
ヨルク・クローネンベルク(フォルテピアノ)
Walter & Sohn 1805頃製作の楽器に基づく
Paul McNultyによる復元楽器
カプリッチョ・バロックO
ドミニク・キーファー(指)

録音:2021年10月5-7日
古典派の3曲のピアノ協奏曲をピリオド楽器の演奏で収録した1枚。 18世紀に優れた音楽理論家として活躍したジョヴァンニ・バッティスタ・マルティーニはJ.C.バッハやミスリヴェチェク、 モーツァルトらに厳格対位法を指導したことで歴史に名を残しており、彼の作品も当時高く評価されました。ここで 聴ける彼のピアノ協奏曲は歌心に溢れています。このアルバムに登場するヨハン・フランツ・クサーヴァー・シュテルケ ルもマルティーニの弟子の一人。ベートーヴェンやウェーバーと親交があったというシュテルケルの作品は当時高い人 気を誇り、このピアノ協奏曲もベートーヴェンを思わせるエネルギーに満ちています。そしてモーツァルトの協奏曲は ベートーヴェンが愛奏したことでも知られるドラマティックな名作です。 名鍵盤奏者ヨルク・クローネンベルクの闊達なフォルテピアノ演奏とバーゼル在住のファゴット奏者、福井美穂が参 加するカプリッチョ・バロックOの演奏で。

Solo Musica
SM-400(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲第1番/マズルカ集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op. 11*
マズルカ ト短調 Op. 24No. 1
マズルカ ハ長調 Op. 24No. 2
マズルカ イ短調 Op. 17No. 4
マズルカ ロ短調 Op. 33No. 4
マズルカ 嬰ハ短調 Op. 50No. 3
マズルカ ロ短調 Op. 30No. 2
マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 6No. 1
マズルカ 変ロ長調 Op. 7No. 1
マズルカ ト短調 Op. 67No. 2
マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 59No. 3
マルガリータ・ヘーエンリーダー(フォルテピアノ)
プレイエル(19世紀半ば 制作年不詳)*
プレイエル(1855年頃制作)の修復楽器
ラ・シンティッラO(ピリオド楽器使用)
リッカルド・ミナージ(指)
マルガリータ・ヘーエンリーダーによるショパン・アルバムには、彼女の深いショパン理解から生まれたこだわりが随所に うかがわれます。1831年にショパンが「理想の楽器」と書いたプレイエルの歴史的楽器を2台使用。マズルカでは 19世紀のサロン風の場所で、プレイエルが可能にする繊細極まるタッチの妙を披露します。一方協奏曲では、オ ケの高めのピッチ(440Hz)に対応しつつ音量のバランスも取れるように、同じプレイエルでもより力強いサウンドを 持つ楽器を使用して、教会の大きな空間で演奏。協奏曲では最新の楽譜(エキエルの版歴史的ヴァージョン)に 基づきつつ、ショパンの弟子の一人カール(カロル)・ミクリの指使いを多くの箇所で採り入れました。ショパン自身が 書いたものと、ショパンと関わりの深い同時代の人々が遺したものにこだわった企画です。 ヘーエンリーダーはミュンヘンでルートヴィヒ・ホフマンに、ボルティモアでレオン・フライシャーに学んだピアニスト。キリ ル・ペトレンコ、ロリン・マゼール、クラウディオ・アバド、リッカルド・シャイーらの指揮でバイエルン放送響、ミュンヘン・ フィル、ドレスデン・シュターツカペレ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管などと共演しています。 ラ・シンティッラOは1970年にニコラウス・アーノンクールとジャン=ピエール・ポネルがモンテヴェルディのオペ ラ上演を企画した際にチューリヒ歌劇場のメンバーによって組織したピリオド楽器のオーケストラ。リッカルド・ミナージ は特にピリオド楽器によるバロックから古典派の演奏で高い評価を得て来たヴァイオリニスト・指揮者。近年はロマ ン派の交響楽やオペラにも活躍の場を広げています。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-404(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 + ピアノ小品集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」
ロマンス第1番ト長調 Op.40(ピサロ編 独奏ピアノ)
ロマンス第2番ヘ長調 Op.50(ピサロ編 独奏ピアノ)
アンダンテ ヘ長調「アンダンテ・ファヴォリ」WoO.57
ロンド ハ長調 Op.51-1
ロンド ト長調 Op.51-2
アルトゥール・ピサロ(P)
ジュリア・ジョーンズ(指)ヴッパータルSO

録音:2021年1月20,21,22,23日(Op.15,Op.19,Op.37) ドイツ ヴッパータル
2021年3月21,25,26日(Op.58,Op.73) ドイツ ヴッパータル
2021年8月10-12日 イタリア アブルッツォ州 モンテシルヴァーノ
今やODRADEK の主軸アーティストである、ポルトガルが生んだ名ピアニス ト、アルトゥール・ピサロ、そのピサロがベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を録 音。これが近年では出色の出来栄え。アルトゥール・ピサロは1968 年生まれ。 1990年にリーズ国際ピアノ・コンクールで第1 位となり、国際的に名を馳せた。 録音は少なからずあるのだが、どういうわけか得意とするベートーヴェンの録 音は散発的で、協奏曲は3番4番5番だけだった。ついに待望の全集が登 場。ピサロの高度な技術と明晰な音色でピアノが一音一音クッキリと輝いてい る。表現は細部まで練りに練られていうるのだがしかし思慮と節度があり、常に 音楽の素晴らしさが引き立つよう注意が払われています。どの曲においてもたっ ぷりと充足感の味わえる演奏だ。ちなみに第 4番の有名な冒頭のピアノ独奏 による主題提示で、ピサロはちょっとした仕掛けをしています。 ピサロのピアノに加えて、ジュリア・ジョーンズの指揮も素晴らしい。1961 年、イ ングランド、ウスター近郊のドロイトウィッチ生まれの英国の中堅指揮者。2016 年から2021年まで ヴッパータルSOおよびヴッパータル歌劇場の音楽 総監督を務めた。この録音は任期末期の仕事で、ヴッパータルSOがジ ョーンズの意をしっかり汲んで演奏していることが音だけでもよく分かる。キリリ と引き締まって足取りが軽く、細部まで神経を通わせながら優しい愛を感じさ せる音楽はこれまた素晴らしい。とりわけ 5 曲とも緩徐楽章での情感豊かな美 しさが素晴らしい。 長めの余白に収録された小品もすばらしい。2 曲のロマンスはピサロ自身がピ アノ独奏用に編曲したもの。 ベートーヴェン好き、ピアノ協奏曲好きにぜひ聞いてもらいたい全集+αだ。

Gramola
GRAM-99267(1CD)
ヴィヴァルディ:モテットと協奏曲集
弦楽のための協奏曲 ト短調 RV 157
4-7. モテット「いと公正なる怒りの激しさに」 RV 626
モテット「おお、天にても地にても清きもの」 RV 631
チェロ協奏曲 ニ短調 RV 405
モテット「まことの安らぎはこの世にはなく」 RV630
弦楽のための協奏曲 ハ短調 RV 119
モテット「色は紅」 RV 642
アレクサンドラ・ザモイスカ(S)
ミハル・スターヘル(Vc)
パンドルフィス・コンソート(古楽器アンサンブル)【マキシミリアン・ブラット(Vn1)、カタジナ・プジョザ(Vn2)、ルジュビエタ・サイカ=バフレル(Va)、ゲオルク・クロナイス(ヴィオローネ)、フーベルト・ホフマン(テオルボ)、マティアス・クランペ(Org)】

録音:2021年10月
2004年にクラクフ音楽アカデミー出身のヴァイオリニスト、エルジュビエタ・サイカ=バフレルによって設立されたオー ストリアのオリジナル楽器アンサンブル、パンドルフィス・コンソート。ルネサンス、バロックの作品から現代作品まで 幅広いレパートリーを誇ります。前作「スターバト・マーテル」(GRAM99244)では独唱者にニコラス・スパノス を迎え、見事な演奏を披露した実力派アンサンブル、ヴィヴァルディ2作目となるこのアルバムにはモテットと協奏 曲を集めています。ソプラノ歌手ザモイスカが歌う表現力豊かな4曲のモテットと、弦楽器のための協奏曲を織り 交ぜたプログラムをお楽しみください。

BIS
BISSA-2576(1SACD)
スウェーデンのピアノ協奏曲
ラウラ・ネーツェル(1839-1927):ピアノ協奏曲 Op.84 
スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム(1942-2019):ピアノと管弦楽のための5つの小品(2016)
アンドレーア・タッロディ(1981-):ピアノ協奏曲第1番「星の雲(Stellar Clouds)(2015)
ペーテル・フリース・ユーハンソン(P)、
ヨーテボリSO、
ライアン・バンクロフト(指)

録音:2021年10月4-7日/ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ、スウェーデン)
「偉大な作曲家の音楽と素晴らしい解釈」(BR Klassik)と評されたアルバム『ヘレーナ・ムンクテルの音楽』(BIS SA-2204)のセッ ションに参加したアーティストのひとり、スウェーデン放送 P2のアーティスト・イン・レジデンスを務めたピアニスト、ペーテル・フリース・ユーハンソン Peter Friis Johansson(1983-)の新作。彼が近年、一層の興味をもつようになったという「わが国スウェーデン」の初録音のピアノ協奏曲を3篇、ライアン・バンク ロフト Ryan Bancroft 指揮のヨーテボリSOの共演で録音しました。
ラウラ・ネーツェル Laura Netzel(1839-1927)は、フィンランドのランタサルミで生まれ、1歳の時にストックホルムに移住しました。「女性作曲家」に対す る偏見をきらい、「N・ラーゴ(N. Lago)」のペンネームで作品を発表。スウェーデンでもっとも国際的に認められた作曲家のひとりとして、特にドイツとベルギー とフランスで頻繁に作品が演奏されました。「ピアノ協奏曲」は、そのころに作曲された、彼女の書いたもっとも規模の大きい、ロマンティックな作品です。手書きに よる版がいくつか、しかも不完全な状態でしか残されていないため、過去に全曲演奏されたことがなかったとされます。今回の録音は「スウェーデン音楽遺産」のク ラース・ガッゲ Klas Gagge の校訂版に基づいて行われ、さらに、第3楽章「プレスト」の終結に向けて欠けた部分をユーハンソンが補筆完成して演奏されました。
スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム Sven-David Sandstrom(1942-2019)の「ピアノと管弦楽のための5つの小品」は、アンデシュ・ヴァール・ファ ウンデーションの委嘱により2016年に作曲されました。彼が、初期の前衛的な手法から離れ、ネオロマンティックないしネオバロックな語法をめざすようになった 1980年代以降のスタイルの最良の例のひとつです。独奏ピアノが「ずっと高いところ、天の高みにあるといってもいい何か」(サンドストレム)を追い求め、美と 調和をとりもどす……。「5つの小品」というさりげない曲名がつけられながら、作曲者がイマジネーションを自由に羽ばたかせた音楽です。2017年3月22日に ヨーテボリで初演され、ペーテル・フリース・ユーハンソンに献呈されました。
アンドレーア・タッロディ Andrea Tarrodi(1981?)の「Stellar Clouds(星の雲)」は、彼女が初めて作曲した「ピアノ協奏曲」です。〈Introduction(序 奏〉〈Star Formation(星形成)〉〈Constellations(星座)〉〈Cosmic Nursery(宇宙の育児室)〉〈Hpernova(極超新星)〉〈Solo Cadenza(ソロ・ カデンツァ)〉〈Recapitulation(要約)〉の7楽章で書かれた「天の旅」は、「爆発」や「スターダスト」といった宇宙のさまざまな事象が音楽に織りこまれ、SF 映画のサウンドトラックを連想させる作品です。ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニックOの委嘱で書かれ、2018年4月12日、ユーハンソンがソロ を弾いてストックホルムで初演されました。
指揮者のバンクロフトは、ロサンジェルスで育ち、2021年からBBCウェールズ・ナショナルOの首席指揮者を務めています。 (Ki)

DOREMI
DHR-8187(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE第10集

(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
(2)プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
(3)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調『ワルトシュタイン』 Op.53
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ドビュッシー:『版画』より 第3曲「雨の庭」
(4)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
(5)シューマン:ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 Op.22
マルタ・アルゲリッチ(P)

(1)ロリン・マゼール(指)ベルリンRSO/録音:1972年ベルリン
(2)クラウディオ・アバド(指)フランス国立放送O/録音:1967年12月7日フランス
(3)録音:1970年2月4日東京厚生年金会館
(4)ペーター・マーク(指)シュトゥットガルトRSO/録音:1969年10月10日シュトゥットガルト
(5)録音:1973年4月7日ニューヨーク
1970年の東京公演で弾かれた「ワルトシュタイン」は知る人ぞ知る珍しいプログラムで、現状唯一の録音と思われます。 (Ki)

Da Vinci Classics
C-00623(1CD)
ヴィオラとオーケストラのための作品集
ブルッフ:クラリネット,ヴィオラとオーケストラのための協奏曲ホ短調 Op.88、
 ロマンス Op.85、コル・ニドライ Op.47
ヒンデミット:葬送音楽
ロータ(ストラッキ編):インテルメッツォ
ヴィットーリオ・ベナグリア(Va)、
ダニスタ・ラフキエヴァ(Cl)、
パザルジクSO、
アレクサンドル・ゴードン(指)

録音:2021年6月15日、パザルジク(ブルガリア)
ブルッフ、ヒンデミット、そしてロータに至る19世紀〜20世紀の3人の作曲家たちが書いたヴィオラとオーケストラのための秀作の数々を集めたヴィオラ関係者要注目のプログラム。
ブルッフの珍しいコンチェルト、ヒンデミットの名作と並び、ロマン派的な要素を持つロータの「インテルメッツォ」のヴィオラ&弦楽オーケストラ編曲版が収められています。
主役のヴィオラを担当するのは1999年生まれの俊英ヴィットーリオ・ベナグリア。すでにカーネギー・ホールへのデビューを果たし、ダヴィド・ゲリンガスなどの世界的名手とも共演を重ねています。
指揮者アレクサンドル・ゴードンは、ロシアの侵略とプーチン政権の象徴としての「ZOV」の文字の使用に抗議するため、2022年にゼムツォフからゴードンへと姓を変えています。

DUX
DUX-1834(1CD)
ガリアーノ:オパール協奏曲〜アコーディオン協奏曲集
リシャール・ガリアーノ(b.1950):オパール協奏曲(1994)
ブロニスワフ・カジミエシュ・プシビルスキ(1941-2011):コンチェルト・クラシコ(1986)
クシシュトフ・オルチャク (b.1956):協奏曲(1989)
ミハウ・ガイダ(アコーディオン)、
コーオペラO、
アダム・ドムラット(指)

録音:2017年8月
イタリアのアコーディオン奏者の巨匠リシャール・ガリアーノの「オパール協奏曲」は、ジャズやタンゴの要素を用いて非常にエネルギッシュな曲調に仕上がっています。
アコーディオン奏者のミハウ・ガイダは7歳からアコーディオンを始めました。2019年にウィーン国際コンクールで1位、マンハッタン国際音楽コンクールで金賞を受賞しているガイダは、アメリカのカーネギーホールやベルリンのフィルハーモニーでも演奏経験があり、ポーランドを中心にニューヨーク、バージニア、アーカンソー、韓国、日本など世界中で演奏活動を行っています。

ALPHA
ALPHA-883(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K. 488
 カデンツァ…ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ピアノ協奏曲 第24番ハ短調 K. 491
 カデンツァ(第1楽章)…ヨハン・ネポムク・フンメル
 カデンツァ(第3楽章)…ジュリアン・トレヴェリアン
ジュリアン・トレヴェリアン(P/ベーゼンドルファーVC 280)
ウィーンRSO
クリスティアン・ツァハリアス(指)

録音:2022年1月オーストリア放送スタジオ6/大ホール、ウィーン
1998年英国生まれの若きピアニスト、ジュリアン・トレヴェリアンが弾くモーツァルトを2曲収録。2015年のロン=ティボー国際コンクールにお いて1位なしの2位に史上最年少の16歳で入賞して以降、様々なコンクールで入賞を繰り返している俊才です。今回はモーツァルトを得意 としてきた名ピアニスト、クリスティアン・ツァハリアスによる絶好のサポートを得て、自作カデンツァを含むプログラムを披露。柔らかいタッチと多彩 な表現が大きな魅力です。

CEDILLE
CDR-90000214(1CD)
NX-B04
黒人作曲家によるヴァイオリン協奏曲集
サン=ジョルジュ(1745-1799):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op. 5No. 2
ホセ・ホワイト・ラフィット(1836-1918):ヴァイオリン協奏曲 嬰ヘ短調
コールリッジ=テイラー(1875-1912):ロマンス ト長調 Op. 39
フローレンス・ベアトリス・プライス(1887-1953):ヴァイオリン協奏曲第2番*
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
アンコール室内O
ダニエル・ヘギー(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO*
ジョナサン・ヘイウォード(指)*

録音:1997年6月3-5日、2022年1月7日*
アメリカのヴァイオリニスト、レイチェル・バートン・パインが1997年に録音した「18世紀と19世紀に活躍した黒人 作曲家のヴァイオリン協奏曲集」。今作は、ここに2022年新録音の、近年注目を集める女性作曲家フローレン ス・プライスのヴァイオリン協奏曲第2番を加えたものです。最初のアルバムが発表された際、パインはアフリカ系作 曲家の熱心な擁護者としての評価を確立していますが、この新しいアルバムでは更なる彼女の挑戦が評価され ることでしょう。 ペア・ノアゴーとヨーン・ストルゴーズ

オクタヴィア
OVCC-00167(1SACD)
税込定価
2022年10月19日発売
R・シュトラウス:ホルン協奏曲 第1番*
F・シュトラウス:ノクターンOp.7*
R・シュトラウス:ホルン協奏曲 第2番
 アンダンテ 遺作
日高剛 (Hrn)
粟辻聡(指)*
カーチュン・ウォン(指)
日本センチュリーSO

録音:2021年1月7日 豊中市立文化芸術センター*、6月10日 大阪 ザ・シンフォニーホール・ライヴ
日本屈指のホルン奏者・日剛による、R・シュトラウスのホルン協奏曲CDがついに発売。首席 客演奏者を務める日本センチュリーSOとの演奏会が収められています。 華やかな名曲を仲間たちと奏でる、晴れやかで美しい演奏。コンサートのアンコールとして選曲されたフラン ツ・シュトラウスとR・シュトラウスの珠玉の小品も聴きものです。 生命力にあふれるサウンドと、美しいハーモニーをお楽しみください。(オクタヴィア)

ATMA
ACD2-2853(1CD)
バッハ:協奏曲集
(1)2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
(2)オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV1055R
(3)ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041
(4)チェンバロ協奏曲 ニ長調 BWV1054
(5)ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV1060R
ジュリア・ウェドマン(Vn(1) (3)(5))
ジェシー・デュベ(Vn(2) )
マシュー・ジェンジョン(オーボエ・ダモーレ(2)、オーボエ(5))
エリック・ミルンズ(指、Cemb(4) )
アルモニー・デ・セゾン

録音:2021年10月21、22日ケベック
カナダにおけるグラミー賞、「ジュノー賞」を2度受賞するなど北米で高い評価を受けているピリオド楽器アンサンブル、アルモニー・デ・セゾンによるバッハの 協奏曲集。復元版とオリジナルを絡めて様々な編成の楽曲を収録しており、耳に楽しい世界が広がります。録音の質も良く、ソリストの華やかなパッセージはもちろ んのこと低音の重厚な存在感もたっぷりと感じられるサウンドです。 (Ki)

Profil
PH-22053(6CD)
クララ・ハスキル/協奏曲とソナタ
■Disc1 
モーツァルト
(1)ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466
(2)ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
(3)ピアノと管弦楽のためのロンドイ長調K.386
■Disc2 
モーツァルト
(1)ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」
(2)ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調K.454
(3)ヴァイオリン・ソナタイ長調K.526
■Disc3
モーツァルト
(1)ピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415
(2)ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
■Disc4 
ベートーヴェン
(1)ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(2)ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96
■Disc5
ベートーヴェン
(1)ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
(2)ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
(3)ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調Op.31
■Disc6 
シューマン
(1)色とりどりの小品Op.99〜3つの小品
(2)色とりどりの小品Op.99〜5つのアルバムの綴り
(3)子供の情景Op.15
(4)森の情景Op.82
(5)アベッグ変奏曲Op.1
クララ・ハスキル(P)

■Disc1 
イーゴリ・マルケヴィチ(指)ラムルーO(1)(2)
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)ウィーンSO(3)
録音:1960年11月パリ(1)(2)、1954年10月ウィーン(3)
■Disc2 
パウル・ザッハー(指)ウィーンSO(1)、アルテュール・グリュミオー(Vn)(2)(3)
録音:1954年10月ウィーン(1)、1956年1月2-5日アムステルダム(2)(3)
■Disc3 
ルドルフ・バウムガルトナー(指)ルツェルン音楽祭弦楽合奏団(1)
フェレンツ・フリッチャイ(指)バイエルン国立O(2)
録音:1960年5月ルツェルン(1)、1957年9月7日ミュンヘン(2)
■Disc4 
イーゴリ・マルケヴィチ(指)ラムルーO(1)、アルテュール・グリュミオー(Vn)(2)
録音:1960年10月パリ(1)、1956年12月28-30日アムステルダム(2)
■Disc5
アルテュール・グリュミオー(Vn)(1)
録音:1957年1月2-5日(1)、1955年5月(2)(3)アムステルダム
■Disc6 
録音:1952年4月9日(1)(2)、1955年5月(3)、1954年5月(4)、1951年10月(5)ヒルフェルスム(オランダ)
歿して60年以上を経ながら非常に人気の高いピアニスト、クララ・ハスキル。彼女の名演が6枚組でお求めやすく登場となりました。それも名盤の誉れ高いマ ルケヴィチ&ラムルーOとのモーツァルトとベートーヴェンの協奏曲、グリュミオーとのソナタが入っているのが目玉。
モーツァルトのピアノ協奏曲のカデンツァは、第20番と第24番ともに第1楽章がハスキル作、第24番第楽章と第13番がマガロフ作というのも聴きものです。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-882(1CD)
次世代ソリストたちによるモーツァルト Vol.3
ヴァイオリン協奏曲 第4番ニ長調 K. 218(カデンツァ…ヨーゼフ・ヨアヒム)
フルート協奏曲 第1番ト長調 K. 313(カデンツァ…ジョセフィーヌ・オレック)
ピアノ協奏曲 第6番変ロ長調 K. 238(カデンツァ…スリマ・ストラヴィンスキー[第1楽章]、モーツァルト[第3楽章])
ルズヴィ・グディム(Vn)
ジョセフィーヌ・オレック(Fl)
ジェネバ・カネー=メイソン(P)
ウィーンRSO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年3月
30年以上にわたり若いアーティストたちを支援しているスイスのオルフェウム財団とALPHAが協力し、次世代の若いソリストたちによるモー ツァルトの協奏曲をリリースするシリーズ第3弾。ルズヴィ・グディムはオスロ出身でジュリアード音楽院に学び、ユーディ・メニューイン国際コン クールなど数多くのコンクールに入賞、イツァーク・パールマン、クリスティアン・テツラフを始め数多くの巨匠たちと共演を重ねている俊英。ジョゼ フィーヌ・オレックはフランス出身で2017年よりロッテルダム・フィルの首席フルート奏者を務め、2019年にはカール・ニールセン国際音楽コン クールで優勝し、Es-durやORCHIDといったレーベルから既にソロ・アルバムもリリースしています。ジェネバ・カネー=メイソンはイギリス出身 で音楽一家に育ち(チェリストのシェク・カネー=メイソンは兄)、数多くのコンクールに入賞しヨーロッパ各地で活躍している2003年生まれの 若きピアニスト。才能豊かな3人による演奏が楽しめます。

REFERENCE
FR-749(1CD)
侵略〜ウクライナへの音楽と美術
ルイス・スプラットランの作品

(1)侵略(2022)
(2)ピアノ組曲第1番(2021)
(3)6つのラグ(2018)
(4)2つのソナタ(2021)
(5)さすらい人(2005)
ナージャ・シュパチェンコ(P)
アンソニー・パーンサー(指)、パット・ポージー(Sax)、アイジャ・マットソン=ジョヴェル(Hrn)、フィル・キーン(Tb)、稲生由里(パーカッション)、ジョティ・ロックウェル(マンドリン)(以上(1))

録音:2022年5月29日、6月22日-23日/サイレント・ズー・スタジオ(グレンデール、カリフォルニア)
「ウクライナへの音楽と美術」と題されたアルバム。ハリキウ出身で現在アメリカにて活躍するピアニスト、ナージャ・シュパチェンコが7年来交友のある作曲家ル イス・スプラットランの作品5篇を通じ、その感情を伝えます。
1曲目の「侵略」は2022年3月に作られたばかりの最新作。もちろんロシア軍のウクライナ侵攻を題材とし、アメリカの地から故郷ハリキウが破壊されるのを 恐怖で見守ったシュパチェンコの絶望と怒りが込められています。ピアノのほかサクソフォン、ホルン、トロンボーン、パーカッション、マンドリンが加わり、戦争の残 酷さを表します。他の作品は戦争前のもので、「さすらい人」は17年前に書かれていますが戦争のトラウマを予見、具現化していると見ています。
このアルバムの特徴は、音のみならずシュパチェンコがウクライナの美術家にアートワークを依頼、フルカラーで多数掲載しています。さらにハリキウの絵画スタ ジオの10歳から12歳の子供が描いた今回の惨事の衝撃的な作品も含まれます。ディスクの収益はウクライナ人道支援団体へ寄付されることになっています。 (Ki)

PAN CLASSICS
PC-10441(1CD)
バッハ一族とフルート
バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ:フルート・ソナタ ホ短調 IWB58
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲 ト長調 Wq169
ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ:フルート、ヴィオラと通奏低音のための三重奏曲 ホ短調 BR B4
ヨハ ン・クリスティアン・バッハ:フルート、オーボ エ 、ヴァイオリン、ヴィオラ、通 奏 低 音 の ため の五 重 奏曲 ニ長調Op.11-6
ベニャミーノ・パガニーニフラウト・トラヴェルソ、指)
ムジカ・グローリア

録音:2021年5月5-7日/ベルギー、ヘクス教会
西洋音楽における「音楽一家」と言えば真っ先に名前が挙がるバッハ一族。そこにフルートというテーマ楽器を与えて、バッハと4人の息子たちの作品を集 めたアルバムです。
ベニャミーノ・パガニーニは1994年生まれのトラヴェルソ奏者、チェンバロ奏者。トラヴェルソをバルトルド・クイケン、ヤン・デ・ヴィンネらに師事しました。オー ボエ奏者のネール・ヴェルトメンと共に設立した「ムジカ・グローリア」の芸術監督を務めており、2020年にベルギーの音楽専門誌上で「ヤング・ミュージシャン・ オブ・ザ・イヤー」に選ばれた逸材です。 (Ki)

Biddulph
BIDD-85019(1CD)
フリッツ・クライスラー/ベル・テレフォン・アワー録音集 第1集
(1)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K. 216- I. Allegro
(2)モーツァルト:2. ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K. 218- I. Allegro
(3)ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番(F. クライスラー編)
(4)メンデルスゾーン
6. ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op. 64- I. Allegro molto appassionato
(5)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲- II. Adagio
(6)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番-I. Vorspiel:Allegro moderato/ II. Adagio
フリッツ・クライスラー(Vn)
ベル・テレフォン・アワー・オーケストラ
ドナルド・ヴォーヒーズ(指)

(1)録音:1950年3月6日
(2)録音:1945年1月1日
(3)録音:1945年2月19日&1945年10月29日
(4)録音:1944年7月17日
(5)録音:1945年12月31日
(6)録音:1944年10月9日

復刻プロデューサー:Eric Wen
マスタリング:Dennis Patterson
ベル・テレフォン・アワーは電話の実用化で大成功を収めたベル電話会社がスポンサーとなって、1940年から1958年まで放送されたアメリカのラジオ 番組(1959年から68年はテレビで放送)。出演者はヤッシャ・ハイフェッツ、ヨーゼフ・ホフマン、エツィオ・ピンツァ、リリー・ポンスといったクラシック音楽の スターから、ベニーグッドマン、ビング・クロスビーといったジャズやポップスのスターを揃え、聴取者は8百万人から9百万人に達したという人気番組でし た。クライスラーも1944年から1950年にかけて出演しましたが、その演奏はごく一部を除いて録音の形で世に出ることはありませんでした。 Biddulphは「個人所蔵の、望みうる最上のコンディションの素材」をもとにベル・テレフォン・アワーでのクライスラーの演奏をCD3枚に復刻予定で、そ の第1弾となる当CDには、同番組で収録された協奏曲の演奏がすべて収められています。モーツァルトの第3番はクライスラーのディスコグラフィに無い ので、第1楽章だけとはいえ貴重。そしてこのアルバム最大の聴きものは、クライスラーが愛奏したのに録音が無かったヴィオッティの第22番の全楽章が 収録されていること。クライスラーはこの曲を深く研究し、カデンツァを作曲したのみならず、ピアノ伴奏版の楽譜を作成して出版したほど。この録音では 彼によるオーケストレーション(オリジナル編成を拡大)が採用されており、様々な面で極めて貴重な音源です。 クライスラーは1941年にニューヨークで交通事故に遭い、再起不能と見られた時期もありましたが1943年に「奇跡の復活」を遂げました。ここに収め られた演奏はいずれも堂々たるもの。Biddulphの復刻もソロ・ヴァイオリンの張りのある艶を伝えます。聴衆を入れたライヴ収録だったようで、各曲の 終わりには最後の音が消えるのを待ちきれないほど興奮した聴衆の喝采と歓声が収められています。 「奇跡の復活」直後から1950年の引退までのクライスラーの姿を伝えるベル・テレフォン・アワーの録音集は、ファンにとって大きな驚きと喜びになりそう です。

Piano21
P-21050N(1CD)
ハイドン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob. XVIII:11
ヴァイオリンとピアノのための協奏曲 ヘ長調 Hob. XVIII:6*
ピアノ協奏曲 ト長調 Hob. XVIII:9
シプリアン・カツァリス(P)、
ステファニー・ゴンリー(Vn)*、
アカデミー室内O、
サー・ネヴィル・マリナー(指)

録音:2013年4月29日-30日、セント・ジョンズ・スミス・スクエア/使用楽器:ヤマハ CFX
超絶技巧の化身、鍵盤の魔術師シプリアン・カツァリスの自主レーベル「Piano21」より、ハイドンのピアノ協奏曲集が登場! 古典派の巨匠ハイドンが残した最も良く知られているニ長調のピアノ協奏曲を始めとして、ナッシュ・アンサンブルの第1ヴァイオリンで、イギリス室内Oとスコットランド室内Oのコンサート・マスターであるステファニー・ゴンリーを迎えてのヴァイオリンとピアノのための協奏曲を同時収録。さらにはモーツァルトが生まれた年に作曲され、現在ではあまり演奏される機会のない作品ですが、叙情的で感動的な美しさを持ったト長調のピアノ協奏曲も収録されています。この曲の第2楽章にはカデンツァがないため、シプリアン・カツァリスによるハイドンの作風に倣ったカデンツァが導入されており、聴きどころのひとつとなっています。指揮者には2016年亡くなったイギリスの巨匠ネヴィル・マリナーを迎え、手兵であるアカデミー室内Oと共に気品あふれる響きでカツァリスの演奏に花を添えます。

La Dolce Volta
LDV-106(1CD)
オペラ作曲家モーツァルト
幻想曲 ハ短調 K.475
ピアノ協奏曲 変ホ長調 K.482
演奏会用アリア「どうしてあなたを忘れられよう」 K.505
4手のためのピアノ・ソナタ ヘ長調 K.497
フィリップ・カッサール(P&指)
ナタリー・ドゥセ(S)
セドリック・ ペ シ ャ(P)
ブルターニュ国立O

録音:2022年4月16-20日、レンヌ
フランスの名手フィリップ・カッサールによる新譜は、モーツァルトが『フィガロの結婚』を作曲していたのと同時期に書かれた作品から注意深くセレクトしてプ ログラムされた1枚。モーツァルトの音楽にはオペラ・声楽的要素(アリアのような美しい旋律、声部間の親密な、あるいは喧嘩のような対話・・・)がいつも存在 しています。ここでも、ソナタ、あるいは協奏曲では、さながらオペラのようにさまざまな対話やささやきが展開されます。また、実際に歌われる演奏会用アリア(ピ アノ伴奏)では、ピアノがオーケストラのように豊かに声とからみます。全体をとおしてオペラのように豪華で楽しく聴きごたえのある、大満足の1枚です。 フィリップ・カッサール---1962年生まれ。シューベルトやドビュッシーをレパートリーの中心に据えている、フランスの名手。マガロフらに師事した。 (Ki)

Hanssler
HC-220651CD)
「ヤン・クベリークへのオマージュ」
(1)ヤン・クベリーク:ヴァイオリン協奏曲第1番 ハ長調【世界初録音】
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
パヴェル・シュポルツル(Vn)
トマーシュ・ブラウネル(指)プラハSO

録音:(1)2022年1月8、10&11日、(2)2022年3月8&9日/スメタナ・ホール(プラハ)
カリスマ的な人気を誇るチェコのパヴェル・シュポルツル。ヴァイオリンを自由自在に操り、世界の聴衆を魅了しています。「パガニーニアーナ〜無伴奏ヴァイオリ ン作品集」(HC-20069)に続くヘンスラー・レーベル第2弾は「ヤン・クベリークへのオマージュ」で、世界初録音となるクベリークのヴァイオリン協奏曲第1番、 そしてメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です!
シュポルツルはジュリアード音楽院でイツァーク・パールマン、ドロシー・ディレイに師事し、世界各国のコンクールでの受賞歴を誇る実力派。アシュケナージ指揮 のチェコ・フィルのシーズン開幕公演に出演し「100年に1人の逸材」と絶賛された名手としても知られています。派手な見た目とは裏腹な折り目正しい演奏と 抒情性豊かな表現が最大の魅力で、これまでスプラフォン・レーベルをはじめ主要レパートリーを録音しています。
プラハ近郊ミフレ区生まれのヤン・クベリーク(1880-1940)(ラファエル・クーベリックの父)は、ヴァイオリンの教本でも知られるオタカール・シェフチーク (セヴチック)に師事。神童として10代の頃からずば抜けた才能を発揮し、ウィーンやロンドンなどの都市で「第2のパガニーニ」と称賛された技巧派ヴァイオリ ニストです。
ヴァイオリン協奏曲を6曲、交響曲を1曲、ヴァイオリンとピアノのための作品など、作曲家としての才能も持ち合わせました。ヴァイオリン協奏曲第1番は、 1917年1月、ウィーンの楽友協会で自身の独奏、オスカル・ネドバル(指)トーンキュンストラーOが初演した作品。後期ロマン派のメロディアスな作品で、 シュポルツルは「非常に技巧的ながら音楽的に実に興味深い」と語っています。ヴァイオリニストとして第一線で活躍したクベリークらしい実に魅力的な協奏曲で す。
カップリングは名曲メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です!チェコ初演は1900年1月4日、クベリーク独奏、ネドバル(指)チェコ・フィルハーモニー管弦 楽団が演奏しており、「ヤン・クベリークへのオマージュ」にふさわしいカップリングといえます。シュポルツルは90年代半ばに録音していますが、この度待望の再 録が実現しました! ★使用楽器はシュポルツルが愛奏する青いヴァイオリンです。このヴァイオリンはチェコを代表するヴァイオリン製作者ヤン・シュピドレンが2005年に製作した楽 器。シュポルツルはこの楽器に魅了され2006年に所有し、以後愛器として演奏しております。 (Ki)

CLAVES
50-3050(1CD)
モーツァルト:管楽器のための協奏曲集 Vol.1
(1)フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
(2)フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
(3)フルート協奏曲第2番ハ長調 K.314
(4)アンダンテ ハ長調 K.315
カデンツァ:
(1)(3)(4)レイチェル・ブラウンとコンラート・ヒュンテラーを基にアレクシス・コセンコが即興演奏、(2)シルヴァン・ブラッセル
アレクシス・コセンコ(フルート)
(2)ヴァレリア・カフェルニコフ(Hp)
ステファン・マクラウド(指)、
リ・アンジェリ・ジュネーヴ(古楽器)

ン録音:2021年6月/ランドガストホフ、リーエン(スイス)
実力派バス歌手ステファン・マクラウドが2005年に結成したリ・アンジェリ・ジュネーヴ。声楽陣と器楽陣の配置、パートごとの人数など、演奏を通じバランス を決めていくという独自の解釈で録音した「マタイ受難曲」(50-3012/13)と「ロ短調ミサ」(50-3014/15)で注目を集めました。
当アルバムは近年指揮でも名高いフルート奏者アレクシス・コセンコを迎えてモーツァルトのフルート協奏曲を録音しました!生き生きとしたアンサンブルは当団 ならでは。細部にわたるニュアンスも大事にするマクラウド率いるリ・アンジェリ・ジュネーヴは当録音でも立奏で演奏しており、ソリストとともに躍動感に満ちた 演奏を披露しております。古楽団体によるモーツァルトのフルート協奏曲の最新盤としても大注目です! (Ki)

BIS
BISSA-2524(1SACD)
ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847):ピアノ協奏曲集 Vol.2
協奏曲 ヘ長調 Op.32〜ピアノとオーケストラのための
協奏曲 変ホ長調 Op.55〜ピアノとオーケストラのための
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
マイケル・アレクサンダー・ウィレンス(指)、ケルン・アカデミー

録音:2021年8月/イムマヌエル教会、ヴッパータール(ドイツ)
ベートーヴェンと同時代を生きた作曲家ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847)が2022年に生誕250年、歿後175年 を迎えました!
ライン川中流部右岸のベルギッシェスラント地方の小さな村に生まれ父や兄からピアノと作曲の手ほどきを受け、フルートを独学で学んだヴィルムスは19歳の ときにアムステルダムに渡り、フルート奏者、ピアニスト、オルガニストそして興行師としても活躍。その後、アムステルダムの裕福な美術収集家の娘と結婚し、彼も 大きな恩恵を受けます。
当時彼の作品はアムステルダムをはじめライプツィヒなどでも頻繁に演奏されていました。ヴィルムスはオランダ国歌も作ったことでも知られますが、交響曲、室 内楽曲、協奏曲を中心に、のどかで心地よい作品を残しています。
生誕250周年を記念してロナルド・ブラウティハムとマイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーが“オランダのベートーヴェン”ヴィルム スの現存する5つのピアノ協奏曲を録音。当アルバムはその第2集で2篇を収録しております。当演奏では現存する楽譜からウィレンスの助言をとともにブラウティ ハムが再構築しており、軽やかで優美な旋律を充分にご堪能いただけます。第1集(BIS SA-2504)と併せてお楽しみください! (Ki)

BAM International
BAM-21603(1CD)
黒のリスト 〜ライヴ・レコーディング
リスト:ピアノ協奏曲第1番S.124
哀しみのゴンドラ S.200/1
諦め S.187
メフィスト・ワルツ第4番S.216b
暗い雲 S.199
われらの主イエス・キリストの変容の祝日に S.188
死の舞踏 〜「怒りの日」によるパラフレーズ S.525
忘れられたロマンス S.132
ア ルド・シジッロ(指 )
ブラショフPO
マルチェッロ・マッツォーニ(P)
ライヴ録音:2020年1月(協奏曲)、2019年8月(独奏曲)

発売:2021年
リストの後期作品に意欲的に取り組むイタリアのピアニスト、マルチェッロ・マッツォーニのライヴ・アルバム。リストは年を経るにつれ「指と演奏効果」のヴィルトゥ オーゾから「和声と音色」のヴィルトゥオーゾへと変わっていき、増4度のような(減7和音の先にある)革新的な響きから音楽を紡ぐようになっていきます。マッ ツォーニはその響きをじっくりと聴かせ、リストの神髄に迫っていきます。

B RECORDS
LBM0-451(1CD)
ヴィヴァルディ:海の嵐、およびその他の室内協奏曲集
協奏曲 ニ長調 RV 95「羊飼いの娘」
協奏曲 ニ長調 RV 90「ごしきひわ」
協奏曲 ト短調 RV 107
リュート、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ハ長調 RV 82
協奏曲 ニ長調 RV 94
協奏曲 ヘ長調 RV 98「海の嵐」
レ・パラダン(古楽器使用)【フランソワーズ・ニコレ(リコーダー、フラウト・トラヴェルソ)、ティモテー・ウディノ(Ob)、ニルス・コッパル(バスーン)、クレール・ソッティヴィア(Vn)、ニコラ・クルニャンスキ(Vc)、バンジャマン・ナルヴェ(テオルボ、バロックギター)】
ジェローム・コレアス(チェンバロ、指揮)

録音:2021年5月25-28日 サントル・デュ・ボール・ド・マルヌ、ル・ペルー=シュル=マルヌ(パリ郊外)(ライヴ/最終トラックに拍手入り)
「ライヴでの収録は、スタジオ録音に打ち込んでいる時とは全く違った集中力が問われます。聴き手がそこにいるからこその興奮をもって音楽 に臨めるのです。演奏者たちはヴィヴァルディの音楽が語りかけてくるのを受けて、それをできるだけそのまま聴き手に伝える必要があります。ラ イヴで客席に人がいて反応があるということは、それだけで然るべき勢いを、精力を音楽にもたらす要因になるのです」(ジェローム・コレアス/ 解説より) 自身も古楽歌手としての豊かな経験を誇る一方、チェンバロを弾きながら欧州シーンの第一線で大小のバロック作品を指揮してきた実力派 ジェローム・コレアス率いるレ・パラダン。これまで主に声楽主体で活動してきた彼らが、今回はなんと器楽奏者だけで、ヴィヴァルディの室内 協奏曲を集めたアルバムをライヴ収録。「そこに言葉を感じる音楽がある」とコレアスが語るのも頷ける、奏者同士のバロックらしい音使いでの 対話に聴こえる阿吽の呼吸はやはり声楽作品演奏の豊かな経験あればこそのものと言えるでしょう。コロナ禍の自主隔離中ずっとこれらの 楽譜と向き合ってきたコレアスは、実演の場で奏者たちと音を交わしながら、ヴェネツィアを離れ一時マントヴァ宮廷で小規模編成の名手集 団と仕事をしていた頃のヴィヴァルディのように、互いの意見を聞きあい音楽を作ってゆく面白さを実感したとのこと。室内楽と協奏曲の間をゆ くヴィヴァルディ作品中でもユニークな一連の室内協奏曲の数々、そのスリリングで奥深い味わいに最前線の名手たちの演奏で出会える1枚 です。


ICA CLASSICS
ICAC-5168(1CD)
NX-B03
サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番
リスト:ピアノ協奏曲 第1番*
ベートーヴェン:15の変奏曲とフーガ 「エロイカ変奏曲」#
パデレフスキ:6つの演奏会用ユモレスク Op. 14〜I. メヌエット ト長調#
ショパン:ワルツ 第14番ホ短調 「遺作」#
シューラ・チェルカスキー(P)
サイモン・ラトル(指)バーミンガム市SO
ノーマン・デル・マー(指)BBC響*

録音:1983年9月3日 アッシャー・ホール、エディンバラ
1983年10月5日 ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロンドン*
1979年11月22日 クイーン#
全てステレオ・ライヴ録音:拍手入り
初CD化
ウクライナのオデーサ(オデッサ)に生まれた後アメリカへ移住、後半生はイギリスを拠点としたシューラ・チェルカスキー(1909-1995)。彼が74 歳を迎える直前に行った2つの協奏曲のライヴ録音が登場します。サン=サーンスの協奏曲第2番はチェルカスキーにとって初出レパートリー ですが、その洒脱な曲想は彼にぴったりといえ、冴えわたる技巧はもちろん、作品の華やかさを十二分に引き立てる弾きぶりは、ファンにとって たいへん嬉しいものでしょう。エディンバラ音楽祭でのラトルとの共演というのも聴きどころです。またリストの協奏曲第1番では、生涯現役を貫 いた彼ならではの衰えぬヴィルトゥオジティを堪能することが出来ます。後半には70歳の時のソロ・リサイタルから3曲が収められており、ベー トーヴェンでの力強いタッチと、小品を慈しむように奏でる一面を楽しむことが出来ます。いずれもクリアでピアノの質感をよく捉えたステレオ録 音。

BIS
BISSA-2586(1SACD)
ハチャトゥリヤンピアノ協奏曲変ニ長調
「仮面舞踏会」組曲(ドルハニアン編ピアノ独奏版)
ピアノと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ
イヤード・スギャエル(P)
アンドルー・リットン(指)
BBCウェールズSO

録音:2021年10月20-22日/BBCホディノット・ホール(カーディフ)
ハチャトゥリヤンは旧ソ連を代表する作曲家ですが、近年ロシアでは以前ほど演奏されないとされます。しかしその反面、中近東系の演奏家たちが積極的に採 り上げ重要なレパートリーとなりつつあります。ハチャトゥリヤンの音楽はロシア伝統の手法によりながらも精神は東方的なため、彼らにとり近しい音楽として演 奏欲求を刺激されるようです。
1993年ヨルダン出身のピアニスト、イヤード・スギャエルはこれまでハチャトゥリヤンのピアノ・ソナタと「子供のアルバム第1集」を中心としたソロ・ア ルバム(BISSA-2436)をリリースし高い評価を受けました。今回は2篇の協奏作品をアンドルー・リットン指揮BBCウェールズSOと共演。BISなら ではの高音質録音でハチャトゥリヤンのオーケストレーションの妙をあますところなく再現。ピアノ協奏曲の第2楽章で指定されたフレクサト-ンは韓国出身のチェ ロ奏者リ・スアがミュージカルソーで効果的に彩りをそえています。
さらに嬉しいのは、ハチャトゥリヤンの作品中でも特に人気の高いワルツを含む「仮面舞踏会」組曲のドルハニアン編によるピアノ独奏版も収録されていること。 スギャエルの爽快な解釈がフレッシュ。
イヤード・スギャエルはヨルダン系パレスチナ人としてアンマンに生まれ。生地の音楽院で学んだ後、15歳からマンチェスターのチェタム音楽学校、王立ノー ザン音楽大学でマレー・マクラクラン、マルティーノ・ティリモほかに師事。今後が期待される注目の若手です。 (Ki)


TRE-257
ノーマン・デロ=ジョイオ(1913-2008):ピアノと管弦楽のための幻想曲と変奏曲*
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第5番ト長調 Op.55#
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調 M.83
ロリン・ホランダー(P)
エーリヒ・ラインスドルフ(指)ボストSO

録音:1963年2月17日(世界初録音)*、1964年3月28日#、1963年1月16日、ボストン、シンフォニー・ホール(全てステレオ)
※音源:米RCA_LSC-2667、日VICTOR_SHP-2370#
◎収録時間:65:55
“洗練を極めたタッチから紡ぎ出される作品の本質!”
音源について
ホラダーの初録音は1958年のピアノ小品集で、その時何と14歳!デロ=ジョイオとラヴェルを収録したレコードは、ホランダーにとって3枚目にして初の協奏曲録音で、当時18歳のピアニストの驚くべき才能は、世界各国で賞賛されました。
ノーマン・デロ=ジョイオ(1913-2008)は、ワーヘナールやヒンデミットらに師事したアメリカの作曲家。1957年にはピューリッツァー賞を受賞。「幻想曲と変奏曲」はこれが世界初録音。

★ホランダー(1944-)は、ニューヨークに生まれ。11歳でカーネギーホール・デビューを果たすなど早くから神童として知られ、レオン・フライシャー、ルドルフ・ゼルキンらに師事。RCAへの録音は1960年代に途切れ、その後は教育活動に移行したようです。その数少ない録音はどれも逸品揃いで、この3曲の協奏作品も例外ではありません。
 デロ=ジョイオは日本では殆ど知られていませんが、「幻想曲と変奏曲」のどこかノスタルジックで親しみやすい楽想とリズムの躍動との対比が素晴らしい佳曲。クールで洗練されたホランダーのタッチは、叙情的なフレーズでも決して溺れずに曲の美しさを際立たせ、速いパッセージでダイナミズムを炸裂させる曲の最後は、淀みを知らない打鍵の威力で圧倒します。
 ホランダーのピアノの最大の魅力は、高い洗練度を誇るタッチを貫きながら作品の持ち味は消し去らず、むしろリアルに楽想を浮かび上がらせる点。プロコフィエフの第1楽章の土俗性が、厚塗りの表情を盛ることなくキリッとしたテクスチュアで迫り、強打鍵でも一定の品位を保つバランス感覚は特筆もの。
第2楽章冒頭のグリッサンドの切れ味は尋常ではなく、しかも血の通った温もりとさりげない語り口も併せ持ち、それらの魅力が強固に凝縮された形で迫る魅力は比類なし。
第4楽章は、ほぼ同時期に書かれたラヴェルの協奏曲の第2楽章を思わせますが、そのニュアンスをホランダーの濡れたタッチが余すことなく引き出します。中間部でのオケの高密度の響にもご注目を。
 オケが優秀でないと話しにならないのは続くラヴェルも同様。これほどオケの技量で唸らされる演奏は稀ですし、ホランダーも持ち前の洗練タッチの魅力を遂に大全開させます!
最初の衝撃は、第1楽章のコデッタ動機(1:45〜)で8分音符を連打するシーン。これがまるで別のピアニストが弾いているかと錯覚するほど木霊のようは雰囲気を湛えているのです。
4:20からの下降音型に象徴されるようにリズムの打ち込みとテンポの柔軟性にも徹底配慮。快速テンポで逃げ切るような演奏とは一線を画します。5:33から連続するトリルも刃こぼれ知らずで、その均整美に息を呑みます。
 第2楽章では、ホランダーの天才性を更に確信。右手の一音ごとのニュアンスの感じ方、閃きはこれ以上望めないほど豊か。後半のコーラングレとの寄り添い方も涙を誘います。
 終楽章は、テクニックも推進力ももちろん盤石。決してタッチが上滑りしないので、感覚的な痛快さ以上の手応えを感じさせるのです。
 ステレオ初期は腕の立つ若手ピアニストが花盛りでしたが、次第にテクニックの衰えが音楽家としての存在意義も失わせたかのように消えていくのが常でした。ホランダーも表舞台の活躍は短かったものの、このディスクで明らかなように音楽を感じるセンスがあまりにも高次元で息づいているので、他のピアニストとは同列視などできません。短期間に全てを出し切ったために指よりも精神が疲弊してしまったのかもしれませんが、ホランダーの録音の少なさは、返す返すも悔やまれます。 【2022年7月・湧々堂】

Treasures
TRE-271(1CDR)
ハンゼン〜ベルリンでの協奏曲録音

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
コンラート・ハンゼン(P)
ウィレム・メンゲルベルク(指)BPO*
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:、1940年7月11日ベルリン*、1943年10月30(31)日(ライヴ)、 共にベルリン、フィルハーモニーホール
※音源:PAST MASTERS_PM-18*、Melodiya M10-460067
◎収録時間:65:56
“ハンゼンとフルトヴェングラー、双方の強烈なシンパシーが完全融合!”
■音源について
ベートーヴェンはフルトヴェングラー・ファンの間でも名演として知られている録音。初出は1969年の英UNICORN盤ですが、1楽章冒頭の咳払いが不自然に消されていおり、「運命も」もカップリングされており詰め込み感が拭えませんでした。ここで使用したのは後発のメロディア盤ですが、収録はこの1曲のみで、咳払い(元々大音量ではない)の処理もなく、ピアノのタッチも明瞭。DGのLPと似たような音質に思えます。なお、他の多くの例と同様に、この録音日も30日か31日が、戦火で資料が消失して厳密には確定できないようです。チャイコフスキーは、TELEFUNKEN音源の復刻。ハンゼンは、同曲を後にサヴァリッシュとの録音も遺しています。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中でもこの4番は「女性的」と形容されることが多いですが、この演奏はそんな一面的な捉え方で収まるはずがなく、ベートーヴェンならではの精神的な深みと広がり、この作品ならではの静と動の対比の妙味など、全ての要素がそうあるべきだと確信できる形で内包されている点で傑出した名演です。しかも、作品の真価を知り尽くした上で自身の表現力ぶつけるという次元を遥かに超え、人生の全てを捧げて何の代償も求めない尋常ならざる魂の表現は、音楽家のセンスのみならず、時代背景も無関係ではないことを考えると、同様の緊張感を持つ演奏が今後聴けるとは思えません、故・宇野功芳氏も「この<第4>に関するかぎりバックハウスよりも遥かに見事だ」(フルトヴェングラーの全名演名盤』)と称賛しています。
 第1楽章冒頭のピアノ・ソロで、希望と不安が入り混じった詩情が見事に結晶化されていることに先ず息を呑み、その全てを優しく大きな懐で受け止めるフルトヴェングラーの指揮!とは言っても、フルトヴェングラーが受け身に徹しているのではなく、ハンゼンとフルトヴェングラー双方が互いの只ならぬ表現に触発され、主導権の優劣など発生し得ない程の一体感溢れる演奏が最後まで続くのですから、その素晴らしさは例えようもありません。9:05から超低速で深々と歌うハンゼンが次第にテンポを上げる箇所の互いの寄り添い方!10:58から、音量を弱めることなく堅固なタッチ貫徹し、曖昧な雰囲気に流れるのを回避しているのも印象的。カデンツァがこれまた聴きもの。ベートーヴェンの自作で開始し、途中からこの直前に書かれた「熱情ソナタ」の断片を含むハンゼンの自作に移行するという、4分に及ぶ大作です。
 第2楽章はピアノとオケの掛け合いにおいて、これ以上に含蓄を湛えた演奏など実現可能でしょうか?ハンゼンのピアノはルバートとの究極形ともいうべき迫真の表情に満ち、タッチが極美ながら旋律の美しさに陶酔しているだけの演奏ではないのです。フルトヴェングラーの気力もいかにも全盛期のそれで、次第に消沈する過程の中にもリアルなドラマを感じさせます。
 終楽章はどこにも「女性的」な部分など存在せず、内燃エネルギーで精神を極限まで昇華し尽くします。そして。奇跡的なコーダの追い込み!
 チャイコフスキーはピアノも指揮も、この曲の技巧的な側面を曲芸的に披露することなく、自然な感情のうねりを大切にしたアプーロチ。ペダルの使用もテンポの揺らぎも抑制し、一点一画を丁寧に打鍵するハンゼンに対し、メンゲルベルクがしびれを切らしたようにまくし立てるような場面(特に終楽章)もありますが、結果的に互いの協調がうまく達成されています。あの辺りのフルトヴェングラーの場合の化学反応との違いにもご注目を。なお、サヴァリッシュとの再録音は、これよりもっと禁欲的に聞こえます。【湧々堂・2022年8月】

BRAVO RECORDS
BRAVO-10009(1CD)
税込)定価
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21(ケヴィン・ケナー、クシシュトフ・ドンベク 室内楽版編)
マズルカ第31番変イ長調 Op.50-2
實川風(P)
(1)ハマのJACKメンバー(弦楽五重奏)【三又治彦(Vn)、白井篤(Vn)、村松龍(Va)、海野幹雄(Vc)、松井理史(Cb)】

ライヴ録音:2022年3月1日/横浜市港南区民文化センターひまわりの郷
横浜みなとみらいホールの休館期間中(2021年1月?22年10月)、横浜市内各区のホールや公会堂などの文化施設を巡り、室内楽編成による協奏曲をお届けするシリーズ「横浜18区コンサート」が開催されています。
このCDは、2022年1月に開催され、既にCDリリースされている福間洸太朗と日本フィルのメンバーによるショパン/ピアノ協奏曲第1番(BRAVO-10008)に引きつづき、2022年3月1日に横浜市港南区民文化センターひまわりの郷で開催された、實川風とハマのJACKメンバーによるショパン/ピアノ協奏曲第2番の演奏をライヴ収録したものです。
ソリストの實川風は、2015年パリ・シャンゼリゼ劇場で開催されたロン・ティボー・クレスパン国際コンクールにて第3位(第1位なし)、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞を受賞、翌16年にはイタリアで行われたカラーリョ国際ピアノコンクールにて第1位、聴衆賞を受賞するなど、世界的に評価の高い俊英ピアニストです。
今回、實川風と共演したハマのJACKは、NHKSOメンバーを中心に結成され、一般の音楽ファンばかりでなく、子どもやお年寄り、障がいのある方々などに質の高い演奏を提供する活動をつづけている特定非営利活動法人のクラシック音楽集団で、演奏の質の高さに定評があります。
長引くコロナ禍により、生の演奏会に触れる機会が減っていた時期、多くの関係者の努力により実現した「横浜18区コンサート」は、横浜市内に点在する音楽ホールを中心に、上質な室内楽を届ける企画として、多くのファンを楽しませています。今回実現した、若手ピアニストとベテラン演奏家たちによるライヴ・レコーディングは、「横浜18区コンサート」の貴重なドキュメントとして、長くクラシック・ファンの心に残る名演奏となりました。 (Ki)


Treasures
TRE-258(1CDR)
バックハウス〜珠玉の協奏曲録音
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」
 ピアノ協奏曲第27番変ロ長調Op.83*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番#
ウィルヘルム・バックハウス(P)
カール・ベーム(指)VPO*
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)VPO#

録音:1955年5月-6月、1955年5月*、1959年6月29-30日#(全てステレオ)
※音源:日KING_SL-1029、SLC-1620#
◎収録時間:71:19
“バックハウスによる協奏曲の二大筆頭名演!”
■音源について
とかく軽視されがちな日本プレス盤を採用。但し、60年代中頃までは盤の材質のせいか微妙なチリチリノイズが混入している場合が殆どなので、それが解消される1960年代後半の英メタル使用盤であることが必須。音楽を堪能するためなら英国初出盤を絶対視する必要などないと思います。

★バックハウスといえばベートーヴェンを第一に思い浮かべますが、モーツァルトも忘れるわけにはいきません。そのモーツァルトの天才性への全幅の共感をペダルを抑制したタッチから滲ませた音楽は、ベーゼンドルファーの魅力とも相まって、かけがえのない財産です。
 ピアノ・ソナタの第1楽章のテーマの温かな語り掛けや、後半のリズムの愛くるしさは、ベートーヴェンのソナタにおける剛直さからは想像できないほど。第2楽章中間部は、ルバートを抑えたスッキリとしたフレージングが洗練美を生み、加えて珠を転がすようなタッチでも魅了。第3楽章は単純な軍隊マーチの模倣に目もくれず、純粋なモーツァルトの再現だけに集中していることは、25小節からのフォルテの勇ましい楽想をあえて弱音で開始していることでも明らかです。
 ピアノ協奏曲第27番は、同曲のまさに不滅の名演!第1楽章序奏は徹底的にウィーン情緒で通したベームの指揮に、淡々となんの変哲もないフレージングで通すバックハウスのピアノが加味すると、得も言われぬ気品が生まれるのです。カデンツァでは音色の魅力が全開で、タッチのコントロール能力の高さも絶妙。そして白眉の第2楽章!この楽章のアプローチが聴けるだけでもだけでも、この録音の価値は絶大です。何と言っても冒頭主題のリズムのニュアンスの活かし方!緩やかなテンポに引っ張られてリズムを平板化させてしまう演奏が多い中、楽譜の忠実な再現こそが最良のニュアンスを生むということを証明であり、中間部のなんの邪念もない無垢な響きも比類なし。6:21からのアルペジオ風フレーズの幻想性に至っては、奇跡としか言いようがなく、「モーツァルトとは何か?」の答えがここに集約されていると言っても過言ではありません。終楽章は第2主題が全てを削ぎ落とした後の浮遊感にご注目を。
 「バックハウスはベートーヴェン弾きであってモーツァルト弾きではない」と言い切る人がいますが、こういう無垢のモーツァルトに触れた後で、どうしてそんな選別など出来ましょうか?
 一方ベートーヴェンの協奏曲は、全集の中では特に「第4番」が名演として紹介される例が多いですが、同等かそれ以上に賞賛したいのが「第2番」。バックハウスにとってもウィーン・フィルにとっても演奏回数が少ない作品であるせいか、どこを取っても瑞々しく、音楽する喜びに溢れています。
第1楽章のピアノの入りから、真珠を散りばめたような艶やかさ!バックハウスとベーゼンドルファーの相思相愛ぶりを思い知らせれます。その音色美は第2楽章で最大に開花すると共に、バックハウスの人間性と精神力によって、音楽が深く大きく押し広げている様がひしひしとと感じ取れます。宇野功芳氏がこれを大絶賛していたのも大いに頷ける超名演。 【湧々堂 2022年3月】

TCO
TCO-0003(1CD)
シュニトケ:ピアノと弦楽の為の協奏曲(1979)
プロコフィエフ:交響曲第2番ニ短調 op.40
フランツ・ウェルザー=メスト(指)
クリーヴランドO、
イェフィム・ブロンフマン(P)

録音:2020年10月15-17日クリーヴランド・セヴェランス・ホール(無観客ライヴ配信用録音)
2020年1月17,18日マイアミ・ナイト・コンサート・ホール*/
エイドリアン・アルシュト・センター・フォー・ザ・パフィーミング・アーツ(ライヴ録音)
ウェルザー=メスト率いるクリーヴランドO自主レーベル第3弾は、コロナ「前」(プロコフィエフは2020年1月録音)とコロナ「後」(シュニトケは 2020年10月録音)に行われた音楽活動の記録となります。
プロコフィエフの交響曲第2番は、20世紀初頭の機械や産業への大きな期待、そして刻々と変化成長する時代に触発され、きわめて精巧に作曲されています。 ヴェルザー=メストは、この作品について「世界大戦そのものと、それが人々のものの考え方をどのように変えたか、の双方についてのきわめて魅力的な考察であ る。これは近代化、そして現在に対する非常なる先見の明であり、今日でも私たちに深い感動をあたえ、同時に我々を不安に陥れるような、ひとりの表現主義者の 精神を見せてくれている」と述べています。サイレンが鳴り響くような管楽器による第1楽章冒頭から、オーケストラのうまさが炸裂。つづく第2楽章の変奏も、緻 密なアンサンブルで隙の無い展開。メストの統率の確かさと、オーケストラのうまさがないと成立しない演奏となっています。
シュニトケのピアノ協奏曲は2020年10月、まさにコロナの厳戒態勢の中、以降のデジタルコンサートのライヴ・シリーズの先駆けとして行われた録音。オケに とって初レパートリーとなります。ソーシャルディスタンスをとった弦楽のメンバーたちによるアンサンブルはしかし、メストの統率と、こうした厳しい状況を乗り越 えようとする楽団員とブロンフマンとの強い思いによって、抜群の集中で響きます。ブロンフマンがピアノから繰り出す、鋼鉄のように冷淡で強烈に締め付けるよ うな和音の演奏は、恐怖をおぼえるほど。異常なまでの緊迫感と迫力です。

ANIMAL MUSIC
ANI-102(1CD)
パウエル:ホルン協奏曲(1957)
グリエール:ホルン協奏曲 変ロ長調 Op.91
ラデク・バボラーク(Hrn)
トマーシュ・ブラウネル(指)プラハSO

録音:2021年4月14&15日/スメタナホール(プラハ市民会館)
非常に積極的なリリースが続いている鬼才ホルン奏者ラデク・バボラークがグリエールとパウエルのホルン協奏曲を録音しました!グリエールはバボラークの 十八番としてこれまで何度も披露されてきた作品だけにその期待が高まります。
イジー・パウエル(1919-2007)とレインゴリト・グリエールのホルン協奏曲は1950年代の産物。それぞれチェコスロバキアとソビエト連 邦の共産主義体制下に活動しながら後進の育成にも力をいれた作曲家として知られます。
ともに優れた作品を残しておりますが、ホルン協奏曲は彼らの代表作。メロディアスかつ技巧的なパッセージを盛り込んだ華麗な作品で、ドラマティックなオーケ ストラとの掛け合いもまた魅力です。今回の共演は首席指揮者トマーシュ・ブラウネル率いるプラハSO。同コンビはプラウネルはフサの交響曲第2番「リフレ クションズ」の録音(SU-4294)でも高く評価されております。バボラークが母国を代表する名門オケと実に見事な演奏を展開しており、同曲の新たな名盤がこ こに誕生しました! (Ki)


Treasures
TRE-268(1CDR)
ワイエンベルク/R.シュトラウス&ガーシュイン
R・シュトラウス:ブルレスケ*
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
 ピアノ協奏曲ヘ調
ダニエル・ワイエンベルク(P)
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)*
フィルハーモニアO*
ジョルジュ・プレートル(指)
パリ音楽院O

録音:1963年6月16&19日*、1960年頃(全てステレオ)
※音源:蘭CNR SKLP-4145*、蘭EMI 5C045-11656
◎収録時間:69:03
“リズムと色彩が常に共存する驚異のガーシュウィン!”
■音源について
ワイエンベルク(1929-2019)の父はオランダ人で、幼少期もオランダで過ごしていたせいか、オランダ盤のレコードの流通が目立ちます。R・シュトラウスはW.R.C、ガーシュウィンはDucretet-Thomson原盤。

★ガーシュウィンの2曲は、ジャズ寄りかクラシック寄りかといった単純な区別に収まらない強烈な説得力を誇る名演としてお薦め!その最大の魅力は、色彩の豊かさと作品への愛の深さ!とにかく「そこそこの表現」などどこにもありません。
 「ラプソディ・イン・ブルー」は、まずはプレートルのいつもながらのやる気全開の指揮に釘付け!冒頭クララリネットの繊細さと洒脱さ!0:44からの濃厚でクリーミーなサックスなど、パリ音楽院の技術とセンスの高さは言うまでもないですが、それに加え、全ての表現が「多くの選択肢の中からの選りすぐり」感が尋常ではなく、プレートルという指揮者が音楽への愛の実現に向けて死ぬまで体を張っていた指揮者だったことを思い知らされます。そして、10:58からの陶酔的なメランコリー!こんな深い呼吸を見せた演奏が他にあるでしょうか?
 ワイエンベルクのピアノは、ジャズの真似事に傾かず、これまた痛快。6:02からのカデンツァなど、スウィングというよりクラシカルなルバートとフレージングを基調としていますが、全ての間合いが絶妙。タッチも硬軟織り交ぜ、チャーミング囁きから強靭なフォルテまでニュアンスの幅も広く、プレートル同様にセンスの塊。このような両者ががっぷり四つに組んだ演奏がワククァクさせるか、容易に想像いただけると思います。
 ピアノ協奏曲も、指揮・ソロ共々、作品への共感の熱さとベストと確信した表現を臆せず敢行する意思力が尋常ではなく、これほどの名曲だったかと認識を新たにするばかり。
 第1楽章では、4:02からの狂おしい熱情が聴きもの!6:55からのキラキラした色彩からの幸福感溢れる空気には、涙を禁じえません。8:24からのリズムの応酬にも悪乗りせず、ワイエンベルクはタッチの粒立ちの良さを全開にさせ、音楽の軸を保持しながら確固としたフォルムを形成。「ジャズの真似事」に逃げない姿勢はここにも色濃く反映させています。
 第2楽章は、冒頭オケによる気だるいブルースと決然と打ち鳴らされるピアノ・ソロのコンロラストが絶妙。終楽章では、この演奏の凄さを更に痛感!速い走句でも混濁しないワイエンベルクのタッチの魅力はここでも大発揮され、リズムだけに乗っかることのないように響き全体を凝縮しようとする意志が全体に漲っているので、痛快さ以上の圧倒的な手応えをもたらしてくれるのです。
 ここでもプレートルのオケの鳴らしっぷりは見事!特に終楽章コーダは、ガーシュウィンが初めて自力で全て行ったオーケストレーションの天才芸を余すことなく引き出しています。
 「ブルレスケ」は、ワイエンべレクの硬質に煌めくタッチを武器として感覚的な美しさを絶やさない一方で、厳格なアーティキュレーションで音楽の立体的に再現することで、とりとめのない演奏になりがちなこの作品の魅力を再認識させてくれ、そこには洗練されたニュアンスがぎっしり凝縮されています。
 若きドホナーニの指揮も堂に入っており、壮大さと繊細さを兼備。ティンパニの巧さも特筆もの。この作品をティンパニ協奏曲にさせない配慮にもご注目を。【2021年8月・湧々堂】

Sono Luminus
DSL-92243
NX-B05
アイスランドの近代音楽集
ダニエル・ビャルナソン(1980-):ヴァイオリン協奏曲
ヴェロニク・ヴァカ(1986-):土地
ヘイクル・トウマソン(1960-):第七の天国にて
ソルディス・ゲルズル・ヨンスドッティル:フラッター
マグヌス・ブロンダル・ヨハンソン(1925-2005):アダージョ
ペッカ・クーシスト(Vn)
マリオ・カローリ(Fl)
アイスランドSO
ダニエル・ビャルナソン(指)

録音:2019年12月17-20日、2020年3月4-8日、2018年2月19-22日
70年の歴史を持つアイスランドSOによる、アイスランドの近代作曲家たちの作品集。プロジェクトの最 後を飾るこの第3弾には、指揮者ビャルナソン自身のヴァイオリン協奏曲を含む5人の作曲家の作品が収録 されています。ダニエル・ビャルナソンは2015年から2018年までオーケストラのアーティスト・イン・レジデンスを 務めた後、2019年には首席客演指揮者に任命され、2021年8月からはアーティスト・イン・アソシエーショ ンの地位に就くことで、更にオーケストラとの関係を深めています。このヴァイオリン協奏曲はハリウッド・ボウル で2017年に初演を飾り、以降、優れた作品として高く評価されています。若き女性作曲家ヴェロニク・ヴァカ の「Lendh」は2020年アイスランド音楽賞にノミネートされた注目作。トウマソンの「第七の天国にて」はハル パ・コンサート・ホールのオープニング記念の作品。ハープの音色が効果的に用いられています。ヨンスドッティ ルの「フラッター」はオリヴィエ・メシアンの生誕100周年を記念する作品。鳥の声、コオロギ、バッタの鳴き声が 楽器によって模倣されています。ヨハンソンはアイスランドで最初に十二音音楽を書いた作曲家の一人です が、この「アダージョ」では調性感のある美しい旋律が用いられています。

2L
2L-166SABD
(Blu-ray Disc Audio+SACD Hybrid)
ストーレ・クライベルグ(1958-):ヴァイオリン協奏曲第2番(2017)
Dopo(1993)(Vcと弦楽オーケストラのための)
ヴィオラ協奏曲(2019)
ストーレ・クライベルグの協奏曲
マリアン ネ・トーシェン(Vn)
フレードリク・シェーリン(Vc)
アイヴィン・リングスタード(Va)
トロンハイムSO
ペーテル・シルヴァイ(指)
[楽器 Violin:G. B. Guadagnini, 1745/Viola: “ex-Vieuxtemps” G. B. Guadagnini, 1768/Cello: F. Ruggieri, 1688]

録音:2020年6月、8月 オラヴホール(トロンハイム、ノルウェー)
ストーレ・クライベルグ Stale Kleiberg(1958?)は、ノルウェーでもっとも国際的な知名度の高い作曲家のひとりです。芸術性を損なうことなく聴き手との コミュニケーションを図るというスタイルの音楽は、広く支持され、各国のオーケストラやアンサンブルからの委嘱がつづいていると言います。歌劇「ダビデとバト・ シェバ」(2L 084SABD)や「現代人のためのミサ曲」(2L 136SABD)を制作した 2L レーベルがリリースするクライベルグの新作は、グラミー賞にノミネー トされた『Treble and Bass』(2L 59SACD)に次ぐ「協奏曲」アルバムです。新旧3つの作品が、ペーテル・シルヴァイ Peter Szilvay(指)トロンハイム SOの演奏で収録されています。
「ヴァイオリン協奏曲第2番」は、画家シェル・パール=イーヴェシェン Kjell Pahr-Iversen(1937?)の80歳誕の生日を記念してスタヴァンゲルのコン サートホールで行われたコンサートのために作曲されました。第1楽章「イコン(Ikon)」第2楽章「ドン・キホーテの軍隊(Don Quixote’s Army/Don Quijotes arme)」第3楽章「門が開く(The Gates Unfold/Portene apner seg)」。イーヴェシェンの絵の題名をつけた3楽章の作品です。
「Dopo」は、1993年、当時バルカン半島で進行中だった戦争から強い影響を受けて作られた作品です。「『ホロコースト』からわずか50年しか経っていない にもかかわらず『民族浄化』の単語がわれわれの日常の辞書にふたたび現れた」痛ましい事実を示すため、「後に」を意味するイタリア語の曲名がつけられました。 「ホロコースト三部作」の一作として、「嘆き:シッシ・クライン追悼(Lamento: Cissi Klein in Memoriam)」(Aurora ACD 5032)と「ナチ迫害の犠牲 者のためのレクイエム(Requiem for the Victims of Nazi Persecution)」(Simax PSC 1257)に先立って作曲され、ポーランドのペンデレツキも指 揮者として取り上げるなど、多くの国で演奏されてきました。
「ヴィオラ協奏曲」は、アイヴィン・リングスタードとトロンハイムSOのための作品です。エドヴァルド・ムンクの連作絵画『生命のダンス』からインスピレー ションを得たといい、「同じ種子」から成長した、対照的な性格の3つの楽章から構成されています。
このアルバムも、COVID-19 の影響の下で企画され、2020年3月のロックダウンといったさまざまな障害を乗り越えて録音セッションが実現しました。ロン ドンのナッシュ・アンサンブルのリーダーを務めたマリアンネ・トーシェン Marianne Thorsen(1972?)、デンマークSQのチェリストのフレードリク・ スコイエン・シェーリン Fredrik Schoyen Sjolin(1982?)、オスロ・フィルハーモニックと共演してウォルトンの「ヴィオラ協奏曲」を録音するなど、これから の活躍を期待されているヴィオラ奏者のアイヴィン・ホルツマルク・リングスタード Eivind Holts-mark Ringstad(1994?)。作曲者のクライベルグも制作に 関わり、プログラムノーツも執筆しています。

[Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu?ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu?ray プレーヤーもしくは Blu?ray 対応のPCをお使いください。][Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu?ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu?ray プレーヤーもしくは Blu?ray 対応のPCをお使いください。]


Treasures
TRE-255(1CDR)
モイセイヴィチの十八番協奏曲集
ディーリアス:ピアノ協奏曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ベンノ・モイセイヴィチ(P)
マルコム・サージェント(指)BBC響

録音:1955年9月13日プロムス(モノラル・ライヴ)、1963年3月6日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(モノラル・ライヴ)*
※音源:米Discocorp BWS-725
◎収録時間:56:09
“死の影なし!溢れる生命力を惜しげもなく放射した輝かしい「皇帝」!”
■音源について
「皇帝」は、1963年4月9日に亡くなったモイセイヴィチのラスト・コンサート。イギリスで人生の大半を過ごしたモイセイヴィチにとって、ディーリアスも大切なレパートリー。ランバートと組んだセッション録音(1946年)もありました。なお、J.ハントのディスコグラフィには録音日が「1955年8月」とありますが、となっていますが、ここではGuild HistoricalのCDに記載されている日付を記しておきます。

★モイセイヴィチは一般的には「ラフマニノフ弾き」と言われますが、師のレシェティツキ譲りと思われるベートーヴェン演奏における説得力の高さも決して忘れてはなりません。
 「皇帝」第1楽章、モイセイヴィチの最初のソロは、有り余るパワーをようやく放出できる喜びで一杯!入念なアゴーギク、強弱対比が絶妙なバランスで迫って一気に魅了されます。その勢いを受けて立つサージェントの指揮もいつになく燃え盛り、早くも大名演を確信させますが、その期待を最後まで裏切りません。
 モイセイヴィチの最晩年のセッション録音ではミスタッチが散見されますが、録り直しや発売差し止めもせずに発売されていることでも、モイセイヴィチにとって重要なのは技巧よりも作品の生命力だったことは明らか。ここでも微細なミスこそあれ、音楽を歪めるどことかどこを取ってもベートーヴェンの精神を感じさせ、そこに長年の経験による自信と確信が加味されたフレージングが、熱い奔流となって迫るのです。
 第1楽章9:01からのトリルはただの細かい指の運動ではなく、確実に息遣いが感じられ、硬質のタッチも保持して凛とした佇まいを貫徹、9:52からは敢えて弱音で通して幻想味を加え、6:48からのカデンツァでの生きる喜びを映すリズムの冴えなど、ゾクゾクする瞬間の連続です。第2楽章は、夜露の光を思わせるタッチの美しさを敷き詰めながらも弱音に逃げず、次第にくっきりと音色の明暗を浮き上がらせ、その軟弱さとは皆無のバンカラな一途さにしびれます。終楽章は最後の締めまでピアノを掻き鳴らし続けるのも大納得!綺麗事のベートーヴェンなどもうたくさん!とお嘆きの方、「皇帝の中の皇帝」を追い求めている方、必聴です!
 ディーリアスは、深い親交のあったグリーグの協奏曲からの影響を強く感じさせる甘美な佳曲。【2021年6月・・湧々堂】

NXN RECORDINGS
NXN-4003(1CD)
エレキ・ギターと管弦楽のための作品集
1. Undying-Dying
2. Entirety for Guitar, Electronics and Orchestra
3. Entirety for Piano and Electronics
4. Germinal
5. Beneath the Lilac
6. Time and Mass
7. The Always Juvenilia
8. State of Fruition
ビョルン・チャールズ・ドレイヤー(エレキ・ギター、エレクトロニクス、作曲)
クリスティアンサンSO
ペール・クリスチャン・スカルスタード(指)
1968年アメリカに生まれ、1975年からノルウェーに暮らすフリーランスのギタリスト、ビョルン・チャールズ・ドレイヤーによる初のソロ・アルバム。最 愛の妻が末期癌と診断された時からの人生で最も辛い日々、家族との絆、揺れ動く感情、そして深い悲しみの中からこのアルバムの構想が 生まれ、作品を作り上げていくことは彼にとって癒しとなったと語っています。エレキ・ギターの他にシンセサイザーやエレクトロニクス、そして管弦 楽団との共演で作り上げられた音楽は、開始からほとんどが長く伸ばされる音で構成され、ゆったりとした癒しに満たされています。終盤近くに は心の奥の不安や不穏を掻き立てる曲想に覆われてしまうものの、ラストは再生を約束する美しいハーモニーで締めくくられます。

A Flock Ascending
AFACD-001(1CD)
ジョン・タヴナー:ピアノと管弦楽のための 「パリントロポス」(PALINTROPOS)(世界初録音)*
マイケル・スチュワート:ピアノ、エレクトロニクスとキーボードのための 「ビヨンド・タイム・アンド・スペース」(イン・メモリアム・ジョン・タヴナー)**
ARUHI(原綾佳)(P)、
ロナルド・コープ(指)*、
ニュー・ロンドン・オーケストラ*、
マイケル・スチュワート(キーボード、エレクトロニクス、プログラミング)**

録音(パリントロポス):2020年1月21日、セント・ジュード教会(ハムステッド、ロンドン)
イギリス、フランスなど国際的に活躍し、2020年7月にはTV番組「幸せ!ボンビーガール」にも出演して注目を浴びた日本人ピアニスト&作曲家、原綾佳(アーティスト名:ARUHI)が、デビュー・アルバムでジョン・タヴナーのピアノ協奏曲「パリントロポス」をレコーディング!
1978年に作曲されたこの驚くべきスコアは、41年以上にわたって商業録音されておらず、世界初録音となるこのアルバムが、ジョン・タヴナーの初期の傑作の1つを発見する良い機会となるでしょう。タヴナー自身が「ドビュッシー風のトーン・ポエムに近づいた唯一の私の作品」、「私が書いたなかでもっとも印象派的な作品」などと表現しており、爽快で荒々しいピアノ、美しく抒情的なアラベスクなどが繰り返されるダイナミックな作品を、多彩なジャンルを弾きこなすARUHIが才能溢れる見事なピアニズムで披露しています。
カップリングでは、A Flock Ascendingレーベルの創設者であり、ロンドンのトリニティ・カレッジ・オヴ・ミュージックでジョン・タヴナーに作曲を学んだ作曲家、ピアニスト、作家、マイケル・スチュワート(b.1958)が2020年に作曲したジョン・タヴナー追悼作品「ビヨンド・タイム・アンド・スペース」も収録。


Treasures
TRE-233(1CDR)
ヘブラー&ホルライザー/モーツァルト:ピアノ協奏曲集Vol.1
ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K. 246
ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K. 450*
ピアノ協奏曲第18番変ロ長調 K. 456#
イングリット・ヘブラー(P)
ハインリヒ・ホルライザー(指)
ウィーン・プロ・ムジカSO(ウィーンSO)

録音:1955年4月28.30日、1953年*,#(全てモノラル)
※音源:英VOX PL-9290、 PL-8300*,#
◎収録時間:76:48
“「ヘブラーのモーツァルトは甘ったるい」というのは明らかに誤解です!”
■音源について
ヘブラーは生涯に「第8番」「第15番」を各2回づつ、「第18番」を計3回録音していますが、ここに収めたのはそれぞれ初回録音。VOXへのモーツァルト:ピアノ協奏曲集のうち、ホルライザーとは8曲共演しています。使用音源は、良質な英国盤(RIAA)。

第8番の第1楽章出だしを聴けば、ヘブラーの出す音がいかに純度が高いかわかるはず。ただ弾いているだけのようでいて、タッチの一つ一つに鋭敏な感性が息づいています。展開部の転調においても、その妙味を強調することなくクールに進行。無機質に陥る寸前まで余分な表情を排除するセンスこそ、モーツァルトには不可欠だとおいもい知るばかりです。 汚れを知らぬタッチは第2楽章で一層意味を持ち、音楽を炙り出そうとしなくても、そのタッチが全てを語ってくれます。
 第15番では、タッチの純度の高さはそのままに、明らかに自己表現を上乗せしているのが興味深いところ。特に、第1楽章の前のめりなほどのテンポ選択においてそれが顕著。ニュアンスが上滑りするどころか、手放しの幸福感を表すのにはこれしかないと唸らされます。そのテンポを指揮者とピアニストのどちらが主導したのかがわからないところがまたミソで、これこそ音楽観をしっかり共有できている証し。因みに、ステレオ再録音ではより落ち着いたテンポを採用しており、その安定感と内省味も捨てがたいのですが…。第2楽章では、少ない音符の隙間に虚しい空気など入り込むことなく音楽が充満。そこには、共感の深さ以上の大きな力が作用しているとしか思えません。終楽章は音の跳躍の何という楽しさ!これぞ「ザ・モーツァルト!」と叫びたいほど。この作品は、ケンプ&ミュンヒンガー盤の素晴らしさが忘れが忘れがたいですが、少なくともこの楽章はヘブラーに軍配を上げざるを得ません。
 第18番になると、作品の充実度が高まるのに伴い、ヘブラーはタッチもフレージングも深淵さと意思の注入度を高めます。へブラーのモーツァルトに「模範的」とか「甘ったるい」というイメージを持つ人が多いようですが、それが明らかに誤解であることは、この第1楽章だけでも明らか。第2楽章は白眉中の白眉!モーツァルトの悲しみが最も高次元に昇華しているのは、この第2楽章では?と思えてなりませんが、それは、ヘブラーのみならず、同様の純度を誇るホルライザーの指揮があまりにも素晴らしいため。もし、モーツァルトの交響曲の録音を遺していたなら彼の名は稀代のモーツァルト指揮者として記憶されたことでしょう。ヘブラーはVOXにモーツァルトの協奏曲を他の指揮者とも録音していますが、もちろんホルライザーの含蓄には遠く及びません。 【2020年10月・湧々堂】

Brana Records
BR-0037(3CD)
ブラーナ・レコーズ・コレクションVol.4 〜 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73 「皇帝」
ピアノ協奏曲変ホ長調(1784)
フェリシア・ブルメンタール(P)
ロベルト・ワーグナー(指)、ウィーンSO

録音年月日不詳/ADD
生まれ故郷のポーランド、ワルシャワからブラジルへと渡り、欧州各国のバロック音楽から、ブラジルの近現代作品、知られざる協奏曲作品など膨大なレパートリーを誇った知る人ぞ知る幻の女流ピアニスト、フェリシア・ブルメンタール(1908−1991)。
ブルメンタールの遺産を復刻し続けているブラーナ・レコーズのコレクションBOX第4弾として、BR0034、BR0035、BR0036の3枚をセット化した、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。ベートーヴェンへの深い愛情や尊敬を感じさせる、じっくりと丁寧なベートーヴェンで、幻の女流ピアニストの芸術を後世に伝えます。
Brana Records
BR-0036(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 Vol.3
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73 「皇帝」
ピアノ協奏曲変ホ長調(1784)
フェリシア・ブルメンタール(P)、
ロベルト・ワーグナー(指)ウィーンSO

録音年月日不詳/ADD
幻の女流ピアニスト、フェリシア・ブルメンタールの知られざる芸術を伝えるブラーナ・レコーズ・コレクションVol.4(ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集/BR0037)の分売の1つ。最高傑作「皇帝」に、通称「ピアノ協奏曲第0番」とも呼ばれる、若きベートーヴェンが書いた「ピアノ協奏曲変ホ長調」も収録。
Brana Records
BR-0035(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 Vol.2
ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
フェリシア・ブルメンタール(P)、
ロベルト・ワーグナー(指)ウィーンSO

録音年月日不詳/ADD
幻の女流ピアニスト、フェリシア・ブルメンタールの知られざる芸術を伝えるブラーナ・レコーズ・コレクションVol.4(ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集/BR0037)の分売の1つ。第3番と第4番のピアノ協奏曲を真摯に紡ぎます。

FUGA LIBERA
FUG-766(1CD)
エリザベート王妃音楽大学ライヴ〜モーツァルト:二重協奏曲と演奏会用アリア
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 変ホ長調 K. 365
演奏会用アリア 「どうしてあなたを忘れられよう…恐れないで、愛する人よ」-ソプラノ、オブリガート・ピアノと管弦楽のための K. 505
ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための協奏曲 ニ長調 K. Anh. 56 (フィリップ・ウィルビー補筆完成版)
ルイ・ロルティ(P)
ヴィクトリア・ヴァシレンコ(P)
イリス・ファン・ウェイネン(Ms)
フランク・ブラレイ(P)*
ウラディスラヴァ・ルチェンコ(Vn)
ビール・ゾロトゥルンSO
カスパール・ツェーンダー(指)

録音:2019年3月20日、2020年3月11日 パレ・デ・コングレ、ビエンヌ(ビール)、ライヴ・拍手入り
エリザベート王妃音楽大学主催の公演より、同校で教鞭をとるロルティと、ブラレイなどエリーザベト王妃 国際音楽コンクール成績優秀者によるモーツァルトを集めたアルバム。ソリストを2人必要とする作品が集 められているのが特徴です。ロルティの滑らかで美しいピアノがたっぷり聴けるのが嬉しいところ。演奏会用 アリアでソロを取るウェイネンは、メゾながらソプラノ音域もこなします。第1楽章の途中までしか書かれな かったヴァイオリンとピアノのための協奏曲は、ウィルビーによるヴァイオリン・ソナタK. 306を流用した定評 の完成版を使用しています。


Treasures
TRE-234(1CDR)
ヴァルガ〜ブルッフ&チャイコフスキー
チャイコフスキー:「懐かしい土地の思い出」Op.42〜瞑想曲(グラズノフ編)*
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.35
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番Op.26#
ティボール・ヴァルガ(Vn)
ジャン=マリー・オーバーソン(指)
ボリス・マーソン(指)*
ウィーン祝祭O

録音:1965年(ステレオ)
※音源:Comcert Hall SMS-24110、SMS-2587(TU)#
◎収録時間:74:10
“潔癖かつ鉄壁!造形美への並々ならぬ執着がもたらす凛然たるニュアンス!”
■音源について
★何度も繰り返しているとおり、コンサートホール・レーベル特有のステレオ・サウンドですが、最も条件の整ったスイス盤とフランス盤を使用。

★ティボール・ヴァルガ(1921-2003)は、フバイ、フレッシュ等の薫陶を受けたハンガリーの名手。メジャー・レーベルにほとんど録音がないので知名度は低いですが、品格溢れるその演奏は異彩を放っています。
その最大の特徴は、岩盤のように厳しいフォルムの決め方でしょう。そのフォルム内に濃密なフレージングを刻印し続けるスタイルは情に流れされることがなく、聴き手にも一定の緊張をもたらすほど。しかし、ロマン溢れる2つの協奏曲にはそれは禁欲的過ぎるのでは?という心配は御無用。むしろその緊張こそが感動の源であり、その凛とした佇まいを前にして居住まいを正して聴き入るばかりです。
 チャイコフスキーの協奏曲は、冒頭からヴァルガのスタイルを強烈に刻印。丹念な音の置き方に共感の限りを尽くし、品位の高い美音も心に染みます。第2主題以降もテンポを急がず、これ以上不可能なほど音を噛み締めつつ進行しますが、持ち前の緊張感によって音楽が淀むこともありません。カデンツァなどまるでバッハです。第2楽章の呼吸の深みと持久力も素晴らしく、しかも音程が極めて正確なのでフレーズの美しさが一層際立ちます。第2主題はもっと髪を振り乱すほど情感をぶつけることも可能でしょうが、心の内面の高揚に徹しているのがかえって涙を誘います。
 造形美の保持に対するヴァルガの執念は、より古典的な形式を持つブルッフでは更に大きく開花。楷書スタイルの一点一画が強固な意志で充満しており、この作品を一般的なイメージ以上の高次元へと昇華させています。
まず第1楽章冒頭のフレーズの結尾(0:36〜,1:05〜)にご注目。音の消え入り方のなんという儚さ!
ヴァルガの楷書芸術の最高の結晶と言えるのが終楽章。特に主題の奏で方は鳥肌必至!浮足立たず、弾き飛ばしも崩しも許さない厳しい姿勢が精神の燃焼に完全直結!このテーマがこんなに光り輝いた例を他に知りません。媚びとは無縁の第2主題も潔癖かつ鉄壁。この作品の価値を極限まで押し上げるために、全ての音に魂を込め尽くす内燃エネルギーの凄まじさは、最後まで途絶えることがありません。【湧々堂】

JAN KUBELIK SOCIETY
SJK-010(1CD)
18世紀のヴァイオリン協奏曲
ジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン・ジョルジュ (1745-1799):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.5-2
ルイジ・ボルギ(1745?-1806?):ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Op.3-4
フランチシェク・ベンダ(1709-1786):ヴァイオリン協奏曲 変ホ長調
ヤン・クーベリック(1880-1940):古い歌 (弦楽合奏の為の編曲版)*
ミロスラフ・ヴィリーメツ(Vn*以外))
ハルモニア・プラーガ(管弦楽)
シュテファン・ブリトヴィーク(指)

録音:2016-2017年、新市街市庁舎ホール、プラハ、チェコ

Velut Luna
CVLD-292(1CD)
モーツァルト:管楽器の為の協奏曲集
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622*
フルート協奏曲 第2番ニ長調 K.314 +
ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191 #
ルーカ・ルケッタ(クラリネット*)
マリオ・フォレーナ(フルート+)
パドヴァ・ヴェネトO(*/+)
ジョルト・ハマル(指(*/+))
アリージ・ヴォルタン(ファゴット#)
イ・ソリスティ・デロリンピコ#
ジョヴァンニ・バッティスタ・リゴン(指揮#)

録音:2006年10月4日、ライヴ、ヴェルディ劇場、パドヴァ、イタリア(*/+)
2004年6月12日、ライヴ、オリンピコ劇場、ヴィチェンツァ、イタリア#
パドヴァ・ヴェネトOの首席奏者がソリストを務めた演奏。
Velut Luna
CVLD-293(1CD)
フルート協奏曲集
サヴェリーノ・メルカダンテ(1795-1870):フルートと弦楽合奏の為の協奏曲 ホ短調 (アゴスティーノ・ジラール校訂版)
ヨハン・ヨハヒム・クヴァンツ(1697-1773):フルート協奏曲 ト長調
カレル・シュターミッツ [カール・シュターミッツ] (1745-1801):フルート協奏曲 ト長調 Op.29
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ :フルート、弦楽と通奏低音の為の協奏曲 ト長調
エンツォ・カローリ(Fl)
オーケストラ GAV [ジョヴァーニ・アルキ・ヴェネティ]
ルチア・ヴィゼンティン(第1ヴァイオリン & 指揮)

録音:2017年8月、アレア・マジステル・スタジオ、プレガンツィオル、イタリア


Treasures
TRE-228(1CDR)
ブライロフスキー/ショパン&サン・サーンス:ピアノ協奏曲、他
リスト:メフィスト・ワルツ第1番
 愛の夢第3番
 2つの演奏会用練習曲〜小人の踊り
サン・サーンス:ピアノ協奏曲第4番*
ショパン:ピアノ協奏曲第2番#
アレクサンダー・ブライロフスキー(P)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

録音:1953年4月18日、1954年11月24日*、1954年11月29日#
※音源:HMV ALP-1110、米RCA LM-1871*,#
◎収録時間:71:56
“華麗な技巧だけで煽らないインスピレーション優先の芸の極み!”
■音源について
最初の3曲は、全9曲収録の「リスト・リサイタル」からの抜粋。メフィスト・ワルツはブライロフスキー唯一の録音と思われます。2つの協奏曲も、共に唯一の録音。ショパンの「第1番」は計4回録音していますが、「第2番」はなぜかこれのみです。使用したのはその初出盤。なお、全て一発録りに近いと思われますので、それを窺わせるトラック9-10間は、あえてフェード処理を行っておりません。

★ブライロフスキーの閃き芸をたっぷり堪能できる一枚。まずは名刺代わりに「メフィスト・ワルツ」。楽譜は楽譜でしかなく、演奏家がそこに命を吹き込んで初めて音楽となる、という当たり前のことを成し遂げている人がどれだけいるでしょうか?特にこの曲などは、ここまで魂をぶちまけてくれないと困ります。古今通じてヴィルトゥオーゾと呼ばれる人は多くいますが、技巧が音楽表現のためだけに注がれていることを感じさせる例も稀。「小人の踊り」は完熟を極めたブライロフスキーのテクニックがキラキラと放射され、それが感覚的な痛快さを超えて訴えかけてくるのは、常に熱い表現意欲と「語り」が寄り添っているためでしょう。
サン・サーンス&ショパンは、ミュンシュとの唯一の共演盤にして、ブライロフスキーの協奏曲録音の最高峰と言えるでしょう。2人のコンビネーションの絶妙さを思うと、他に共演録音がないのが残念でなりません。
2曲とも、ネチネチとした表現を嫌う2人のコンビだからこそ実現した快活でダイナミックなアプローチ。サン・サーンスは、冒頭の神妙な楽想を健康的に変換し、純粋な詩的なイメージのみを注入。2楽章後半アレグロ部の凝縮度の高いフレージングと華麗なダイナミズムはこの曲にこそ相応しく、3:50のティンパニ一撃以降の豪放な進行は痛快この上なし!
男性的なアプローチが更に際立つのがショパン。第1楽章序奏でミュンシュが甘美さを寄せ付けない枠組みをガチッと固め、ブライロフスキーはまずそれに従うしかないといという趣で開始しますが、かなりペダルを抑制してタッチの明瞭さを確保している点からも、ミュンシュのスタイルに無理に従っているのではなく、むしろ完全に協調していることが窺えます。第2番だけは録音を避けてきたブライロフスキーも、「このスタイルならやれる!」と録音を決断したのかも知れません。かと言って進軍あるのみではなく、第2主題ではテンポを落とし、最小限ながら心からのアゴーギクを駆使して愛の香気を放つことも忘れません。第2楽章では別人のようにウェットなタッチを敷き詰め、濃厚な歌を披露しますが、大柄で健康的な音楽作りは不変。4:12からも悲しみよりも、熱い決意表明のように響きます。そしてコーダ。8:29からの単音の連なりをフォルテ寄りの決然とした音で締めくくるのがなんとも粋!終楽章は冒頭が正三角形の3拍子ではないことからも、マズルカを意識していることは明らかですが、民俗色の再現に専心するのではなく、リズムのスウィング感のみを拝借し、あくまでも自身の直感による正直な音楽に邁進。その潔さが演奏のニュアンスに結びついていると言えましょう。【湧々堂】

SONOGRAFIC
SG-15007(1CD)
グスタボ・ベセラへのオマージュ〜マルセロ・デ・ラ・プエブラ(1966-):ギターの為の作品集
ギターと打楽器アンサンブルの為の協奏曲 *
ギター・ソナタ 第4番
3つの歌(声とギターの為の)+
子守歌/労働者の手/汗と鞭
ギター・ソナタ 第2番
ギターとピアノの為のディヴェルティメント #
マルセロ・デ・ラ・プエブラ(G)
ドラマー・ドリーマー(打楽器アンサンブル*)
イニャキ・マルティン(指*)
カルメン・セラノ(ソプラノ+)
イグナシオ・トルネル(P)#

録音:データ記載無し(2015年以前)


Treasures
TRE-218(2CDR)
クルト・レーデルのバッハ
バッハ:ブランデンブルク協奏曲BWV1046-1051(全6曲)
クルト・レーデル
ミュンヘン・プロ・アルテ室内O
ラインホルト・バルヒェット(Vn)
ピエール・ピエルロ、レオンハルト・ザイフェルト、ヴィルヘルム・グリム(Ob)
クルト・リヒター、ヴィ・ベック(Hrn)
カール・コルビンガー(Fg)
モーリス・アンドレ(Tp)
クルト・レーデル、パウル・マイゼン(Fl)
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(クラヴサン)
ゲオルク・シュミット、フランツ・ツェッスル(Va)
イルミンギルト・ゼーマン、ロルフ・アレクザンダー(gmb)
ヴィルヘルム・シュネッラー(Vc)
ゲオルク・フェルトナーゲル(Cb)

録音:1962年5月1-6日(ステレオ)
※音源:日COLUMBIA OS-472、OS-473
◎収録時間:101:20
“親和的なアンサンブルから浮かび上がるバッハの温もり!”
■音源について
レーデルはブランデンブルク協奏曲6曲をエラートに2回を録音していますが、これは錚々たるメンバーによる2回目の録音。バッハの音楽の骨格の堅固さを伝える、60年代コロンビアの優秀プレス盤を採用。

★一切の衒いを寄せ付けない、誠実・堅実路線の代表的名盤。ピリオド的アプローチとは無縁の従来型のスタイルをひとくくりにして「旧スタイル」と片付けられることもありますが、厳格な鎧が見え隠れするリヒターやミュンヒンガーとは明らかに違う温かな手作り感覚は、時代を問わず色褪せることのない魅力です。
 「第1番」第2楽章2:21からの弦のヴィブラートは、全ての音をノン・ヴィブラートにしてしまうことがいかに乱暴なことか、痛感するばかり。終楽章の第1トリオでのオーボエとファゴットのハーモニーも、5:48以降の第2トリオも、何の変哲もないイン・テンポですが、感覚的な美しさ以上の息遣いに魅了されます。特に後者の美しいハーモニーは奇跡的と言いたいほど!「美しいハーモニー」とは、単に縦の線を揃えればいいということではないと再認識させられます。
 「第2番」のトランペットをアンドレが務める録音は他にもありますが、最も興が乗り、かつ他の声部との対話も絶やさない点で、この録音の魅力はダントツでしょう。
 「第4番」冒頭のフルートが醸し出す雰囲気は、従来型の同曲の演奏の典型のように聞こえますが、リズムの方向性は下方へ暗く沈みがちなリヒターやクレンペラー、ティーレガント等とは明らかに異なり、ここにはバッハの音楽が持つ人間味と香りがあるのです。
 「暗く沈む」といえば、「第5番」第1楽章の3:17以降にもご注目。決して沈鬱に傾かず、微かに影が差す程度。それがかえって心に染みるのです。【湧々堂】


BERLIN CLASSICS
BC-0301304(4CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
■CD 1
ピアノ協奏曲 第0番変ホ長調 WoO4
ピアノと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 WoO6
創作主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調(「エロイカ変奏曲」) Op.35
■CD2
ピアノ協奏曲 第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.19
■CD3
ピアノ協奏曲 第3番ハ短調 Op.37
ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための三重協奏曲 ハ長調 Op56
■CD4
ピアノ協奏曲 第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲 第5番変ホ長調Op.73『皇帝』
児玉麻里(P)
ケント・ナガノ(指)
ベルリン・ドイツSO

■CD 1
録音:2019年5月9,10日、ベルリン、イエス・キリスト教会
■CD2
録音:2006年6月23-24日、テルデックス・スタジオ・ベルリン
■CD3
コーリャ・ブラッハー(Vn)
ヨハネス・モーザー(Vc)
録音:2006年11月9,10日、ベルリン、シーメンスヴィラ
■CD4
録音:2013 年3月5,6日(第4番)、2013年3月8,9日(第5番)、ベルリン、イエス・キリスト教会
当録音は、2006年から2019年にかけて録音された力作。正統的で緻密な解釈のなかにも豊かな表情を示す児玉麻里は、ベートーヴェンのスペシャリスト。 すでに録音されているピアノ・ソナタ全集も各国で高い評価を得ており、当盤でもその研ぎ澄まされた音色でフレーズのすみずみまで磨きあげられた世界 が広がります。ベルリン・ドイツSOの奏でる親密な室内楽的なサウンドと、ケント・ナガノの丁寧な仕事ぶりも光るベートーヴェンです。また本セッ トには、「ピアノ協奏曲第0番」と「ピアノと管弦楽のためのロンド」も収録されており、若きベートーヴェンの挑戦と充実した音楽性が示されています。児 玉とナガノは、ベルリン州立図書館に所蔵されていた0番の自筆譜にもあたり、緻密なリサーチを経て、両者で丁寧に解釈を深めていった演奏は、新たなベー トーヴェン像を浮かび上がらせてくるものです。 BCSA-0001/4とは異なり、当セットは直輸入盤通常CDに帯解説が付属しています。 (Ki)

2L
2L-159SABD
(Blu-ray disc audio
+ SACD Hybrid)
オーレ・ブル〜人生の諸段階
オーレ・ブル(1810-1880):ラルゴ・ポザート・エ・ロンド・カプリッチョーソ(1841)(ヴァイオリンと管弦楽のための)
ノルウェーの山々(ヴァイオリンと管弦楽のための)(ヴォルフガング・プラッゲ(1960-)
『リリー・デール』による幻想曲(1872)(ヴァイオリンとピアノのための)
リオのヴィルスペル(1842 rev.1860)(ヴァイオリンと管弦楽のための)
最後のロマンス(1872)(ヴァイオリンとピアノのための)
アンナル・フォレソー(Vn)
ノルウェー放送O 
キム・ウンサン(指)
ヴォルフガング・プラッゲ(P)

[使用楽器:Violin: Enrico Rocca, 1870s/Piano: C. Bechstein Concert C234]
録音:2018年6月 ヤール教会(バールム、ノルウェー)
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Blu-ray: 5.1 DTS-HD MA(24bit/192kHz), 7.1.4. Auro-3D(96kHz), 7.1.4. Dolby Atmos(48kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region ABC]
[SACD hybrid(5.1 surround DSD/2.0 stereo DSD), MQA CD]
ノルウェーのレーベル 2L で制作と録音を担当するモッテン・リンドベルグは、2020年、アルバム『LUX』(2L150SABD)で第62回グラミー賞「最 優秀イマーシブオーディオ・アルバム」を受賞しました。「クラシカル部門最優秀プロデューサー」をはじめとする部門に2006年から36回ノミネートさ れた末の受賞です。 受賞後の初めてのアルバムは、ヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾとして国際的にも人気の高かったオーレ・ブル(1810-1880)の作品集。ノルウェーのヴァ イオリニスト、アンナル・フォレソー(1972-)がブルの生誕200年にあたる2010年にリリースした『ヴァイオリンと管弦楽のための作品集』(2L067SABD) につづくアルバムとして制作され、ブルがキャリアのさまざまな時代に作曲した、彼しか演奏したことのない5曲によるプログラムが組まれています。 「ラルゴ・ポザート・エ・ロンド・カプリッチョーソ」は、ニ短調の暗い和音に始まりユモレスクに終わる、「豊かな宗教心のある音楽」と作曲家のハルフダン・シェ ルルフが評した作品です。作曲者のオリジナルに基づきニコライ・リーセがオーケストレーションを施した、不完全な個所のある手稿譜による演奏。欠落 したヴァイオリンのパッセージとカデンツァをフォレソーが作曲して演奏しています。 「ノルウェーの山々」は、ノルウェーの舞曲とメロディによる「ポプリ」。完全なスコアが残されていないため、ヴォルフガング・プラッゲが「ポルスカ」や 民謡を加え、ベルゲンのアンセム「ベルゲンシアーナ」で閉じるよう、補筆完成しています。ノルウェーの自然を音で描写したもうひとつの作品「リオのヴィ ルスペル」は、フォーク・ミュージシャンが楽譜を見ずに想像や記憶を頼りに演奏する言葉「ヴィルスペル」を曲名に使っています。ブルの演奏をクリスチャ ニア(現、オスロ)で聴いたシェルルフは、この曲を「山々の春の歌」と呼びました。共演のピアニスト、作曲家ヴォルフガング・プラッゲが再構築した 版による演奏です。 「『リリー・デール』による幻想曲」は、アメリカの H.S. トンプソンが作詞、作曲したバラードを素材に作曲されました。「穏やかな、静かな夜だった 月 の青白い光が 丘と谷を柔らかく照らし……」。ノルウェーでは「神の愛(Kjarligheten fra Gud)」の曲名で親しまれ、結婚式の賛歌としてしばしば使 われています。「最後のロマンス」は、ブルがビョルンスチェーネ・ビョルンソンに献呈した「合唱(コラール)編曲」の手稿譜を基にプラッゲがヴァイオ リンとピアノの曲にアレンジした作品です。 ノルウェー放送Oの共演。ソウルの延世大学とシュトゥットガルト音楽演劇芸術大学で学び、2021年-2022年のシーズンからサンフランシスコ・ オペラの音楽監督に就任するキム・ウンサン(1980-)指揮。オスロに近いバールムのヤール教会でセッション録音され、アルバム・タイトルになったドイツ・ ロマンティシズムの画家フリードリヒの『人生の諸段階』がアートワークに使われました。

Printemps des Arts de Monaco
PRI-034(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
(1)ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
(2)ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
[CD 2]
(3)ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
(4)ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
(5)ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
※カデンツァ:(1)(2)(3)(5)ベートーヴェン、(4)ブラームス
フランソワ=フレデリック・ギィ(P&指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2019年3月14-17日/ヤコフ・クライツベルク・ホール(モナコ)
名手フランソワ=フレデリック・ギィが2020年のベートーヴェン生誕250周年を記念してベートーヴェンのピアノ協奏曲を再録音しました! ギィといえば生粋のベートーヴェン弾きと知られ、2019年11月、12月に武蔵野市民文化会館にて行われたピアノ・ソナタ全曲演奏会も大成功をお さめ話題となりました。コンサート活動と共に録音も積極的で、ベートーヴェンの作品ではピアノ・ソナタ全集はもちろんのこと、テディ・パパヴラミとの ヴァイオリン・ソナタ全集(EVCD 037)、グザヴィエ・フィリップスとのチェロ・ソナタ全集(EVCD 015)など数多くの録音で高い評価を得ております。 ピアノ協奏曲はフィリップ・ジョルダン(指)ラジオ・フランスOで全5曲を録音(naive / 現在廃盤)しておりますが、待望の再録音ではシンフォ ニア・ヴァルソヴィアとの共演でなんと指揮振りでの演奏です!ベートーヴェンに真摯に向き合うギィが奏でる演奏は音楽に寄り添った精妙な語り口が実に 聴きもの。オーケストラと対話するかのように一音一音大切にした極上の演奏を聴くことができます。ベートーヴェンの記念イヤーにふさわしい話題盤の 登場です。 (Ki)


Treasures
TRE-214(1CDR)
バルサム〜モーツァルト&ベートーヴェン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第5番ニ長調K.175*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲ニ長調Op.61(原曲:ヴァイオリン協奏曲)
アルトゥール・バルサム(P)
ブロニスラフ・ギンペル(指)交響楽団*
クレメンス・ダヒンデン(指)ヴィンタートゥールSO

録音:1951年*、1950年代初頭
※音源:英NIXA PLP-229*、仏Guilde Internationale Du Disque MMS-3002
◎収録時間:65:09
“没入しないのに芯は熱い!2つのニ長調の名曲で見せるバルサムの凄い感性!”
■音源について
全てコンサートホール音源。モーツァルトのオケは、レコードには「交響楽団」と表記されていますが、マイケル・グレイ氏のディスコグラフィではヴィンタートゥール市立管とされています。モーツァルトの終楽章のカデンツァは、バルサムの自作。

K.175はモーツァルトの初のオリジナルのピアノ協奏曲(それまでは編曲もの)で、天才的閃きが満載の名作ですが、その持ち味をこれほど漏れなく引き出した演奏が他にあるでしょうか?堅実でありながら華のあるバルサムのピアニズムはこの名曲を再現するのに不可欠!自分を前面に立てず、モーツァルトの筆致のみを炙り出すことに成功した最高の実例がここにあります!第1楽章後半のカデンツァの曲想は多彩な表情を孕んでいますが、そこでも自己顕示をせず、その多様なニュアンスを取り零しなく再現。第2楽章は、情緒たっぷりに歌い出す例が多い中、バルサムの朴訥なタッチはかえって涙を誘います。終楽章はスケールが大きく、確信あふれる進行。ベートーヴェンのような威厳さえ見せ、作品の偉大さを更に印象づけます。ギンペルの指揮も立派。
 ベートーヴェンは、聴いている途中で一度は元のヴァイオリン版が頭をよぎるものですが、バルサムの演奏は、そんな暇を与えないほど、オリジナルのピアノ協奏曲としての魅力を徹底的に聴き手に突きつけます。第1楽章のピアノの開始部からそれを実感していただけるはず。ヴァイオリンの持続音をピアノに置き替える際に不可欠なのはトリルは、この作品でも当然頻出しますが、4:56〜に象徴されるように、バルサムの鈴を転がすようなトリルは、全編に渡ってこの作品に華やぎを与えています。第1楽章展開部はクールさの極み!ポーカーフェイスを通しながら、唯一20:25からはテンポを落として纏綿と歌うと思わせておいて没入はせず、妖しいオーラのみを表出。結果的に陶酔的な空気を敷き詰めており、一音たりとも聴き逃し厳禁!
 終楽章に至ると、むしろピアノ版の方が作品としての訴求力が高いのでは?と思わせる魅力にますます惹きつけられるばかり。特にハーモニーの俊敏な移ろいの妙味!1:22からのピアノの左右のパートが怒涛の融合を見せるなど、ヴァイオリンではありえない現象です。前のめりなほどアグレッシブな進行を続けながらも自己をひけらかさない矜持はモーツァルトと同様ですが、2:25からはまさに男泣き!ダヒンデンの深い呼吸(3:24からの強弱振幅!)に満ちた指揮とともに感動的なシーンです。
 最近はこの作品の録音も珍しくないですが、その多くが「ヴァイオリン曲をピアノで弾いてみました」という説明調か、スケール感に欠ける物が多いことを考えると、バルサム盤はこの作品の録音の魁としてというより、作品解釈の指針として認識すべきではないでしょうか。 【湧々堂】 

TAFELMUSIK
TMK-1039(1CD)
NX-B07
ヴィヴァルディに愛を込めて
.歌劇「離宮のオットー大帝」RV729-シンフォニア
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 「アマート・ベネ」RV761
ファゴット協奏曲 ニ短調 RV481
2台のオーボエのための協奏曲 ハ長調 RV534
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV271「恋人」
室内協奏曲 ニ長調 RV93
4台のヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調 RV553
2台のヴァイオリンと2台のオーボエ、ファゴットのための協奏曲 ニ長調 RV564a
エリサ・チッテリオ(Vn)
ドミニク・テレシ(Fg)
ジョン・アッベーガー(Ob)
マルコ・チェラ(Ob)
ルーカス・ハリス(Lute)
クリスティーナ・ツァハリアス(Vn)
パトリシア・エイハン(Vn)
ジェネヴィエーヴ・ジラルドー(Vn)
ジョン・マルコ(Ob)
ジュリア・ウェドマン(Vn)
エリサ・チッテリオ(指)
ターフェルムジーク・バロックO(ピリオド楽器使用)

録音:2018年10月30日-11月2日
カナダの古楽器アンサンブル「ターフェルムジーク・バロックO」。1979年に設立、トロントを拠点に幅広い活動を 行っています。1981年からはジーン・ラモンが音楽監督兼コンサートマスターを務めていましたが、2017年からはヴァイ オリニスト、エリサ・チッテリオが新しい音楽監督に就任。このヴィヴァルディ・アルバムが彼女初の音楽監督としてのリリー スとなります。ヴィヴァルディの膨大な作品の中から「愛」を主題にした曲を選び、ヴァイオリン・ソロを伴う曲では独奏を務 めるとともに、オーケストラから美しい響きを紡ぎ出す彼女、21世紀におけるこのアンサンブルの優れた牽引役として注 目されています。

ヴァデメクム
VMMM-1604(1CD)
税込定価
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
懐かしい土地の想い出 Op.42
ステファニー=マリー・デガン(Vn)
ヴァハン・マルディロシアン(指、P)
カーンO

録音:(1)2012 年 6 月 21 日カエン(ライヴ録音)
(2)2012 年8 月ジャン=ピエール・ドテール・オーディトリウム
このCD では2010 年より音楽監督・首席指揮 者を務めるノルマンディーのカーンOを指揮してチャイコフスキーのヴァイ オリンコンチェルトと、このコンチェルトのために最初に書かれたアンダンテが転用 されたピアノとヴァイオリンのための「懐かしい土地の思い出」をピアニストして演奏 しています。自らのオーケストラを自在に操り、美音を引き出してチャイコフスキー の有名なコンチェルトに新たな音の世界を創造・展開しています。ヴァイオリニスト はノルマンディーのカーン出身のステファニー・マリー・デガン。彼女は 2 挺のヴァ イオリンで古楽とロマン派以降の曲を自在に弾きわけ、同郷の作曲家エリック・タン ギィからはソナタを献呈されるほどの優れた才能の持ち主です。

Aurora
ACD-5104(1CD)
『Just for You(あなただけのために)』
ヤン・エーリク・ミカルセン(1979-):ヴァイオリン協奏曲(2017)
Just for You(2017)(ソロ・ピアノと管弦楽のための)
インゲリーネ・ダール(Vn)
エレン・ウゲルヴィーク(P)
スタヴァンゲルSO
アイヴィン・グルベルグ・イェンセン(指)

録音:2018年8月13日-17日 スタヴァンゲル・コンサートホール(スタヴァンゲル、ノルウェー)
ヤン・エーリク・ミカルセンは、豊かで大胆なテクスチュアの管弦楽作品で知られる、ノルウェー現代音楽シーンの作曲家です。2017年にリリースさ れた「ポートレート」アルバム『サン(Saan)』(ACD5092)につづくアルバムでは、彼の新作の協奏曲が2曲、紹介されます。「ヴァイオリン協奏曲」は、 ほっそりした楽器ヴァイオリンの明るい音色と密度の高い管弦楽テクスチュアの交わりを主体に構築された作品です。第1楽章〈ロンターノ〉第2楽章〈カ デンツァ〉第3楽章〈ロンターノ〉第4楽章〈テネブレ〉。終楽章の終わり近く、「現代ヨーロッパのヴァイオリン音楽のランドマーク」への敬意の印とし てアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲の開始部分が演奏されます。 「Just for You(あなただけのために)」は、「エンタテイナー」ピアニストとして一世を風靡したアメリカのリベラーチェをテーマに「ソロ・ピアノと管弦 楽のための協奏曲」として作曲されました。「アフェトゥオーゾ」(愛情をこめて)の第1楽章〈序奏〉(左手のための)。「ロンターノ」(遠くに)の第2 楽章〈誕生〉(羊膜腔のもろく透明な膜の中に誕生。双子のひとりは死ぬ)。「ミステリオーソ」(神秘的に)の第3楽章〈リベラーチェとママ〉(露のしず くで真珠の首飾りを作ろう、あなただけのために、あなたのために。この世にあることならあなたのために何だってしよう、あなたのために)。リベラーチェ の「パートナー」名をタイトルにした「ラルガメンテ」(寛大に)の第4楽章〈スコット〉(じゃあまた、素敵な夏の日にはいつも。明るく陽気なことなら なんでも。いつもそんな風にあなたのことを思っている)。リベラーチェが必ずといってよいほどショーで演奏した「For You」「When Liberace Winks at Me」「I’ ll Be Seeing You」の3つの曲を素材にした作品です。 ヴァイオリニストのインゲリーネ・ダール(1980-)は、故郷のスタヴァンゲル、コペンハーゲン、ローザンヌ、ザルツブルクの「モーツァルテウム」で学 び、ノルウェー国立音楽大学で二つ目の修士号を取得、2018年、オスロ大学講堂でデビュー・コンサートを行いました。楽器は、Dextra Musica から 貸与されたJ・B・ヴィヨム(1848-1850年)のヴァイオリンを弾いています。エレン・ウゲルヴィーク(1971-)は、ドナウエッシンゲンやダルムシュタッ トなど各地の現代音楽シーンで活躍するピアニストです。ノルウェーを中心に現代音楽アンサンブルに参加、ジョージ・クラムの「マクロコスモス」(Simax PSC1263)やラッヘンマンたちの曲を演奏した『サリナーデ』(ACD5061)の録音があります。指揮者のアイヴィン・グルベルグ・イェンセン(1972-) は、ノルウェー国立歌劇場の新演出による「ラ・ボエーム」などで注目され、2021年からベルゲン国際フェスティヴァルの芸術監督と総合監督を務める ことが決まっています。 (Ki)

REDDRESS
RED-34011906(1CD)
NX-C07
ヴィヴァルディ:「調和の霊感」Op.3 (全曲) アルモニオーザ(古楽器使用)
ミケーレ・バルキ(Cemb)
ダニエレ・フェレッティ(ポジティフ・オルガン)
フランチェスコ・チェラート(Vn)
ステファノ・チェラート(5弦チェロ・ピッコロ)
マルコ・デマリア(Vc)

ピッチ:a=415Hz 不等分律
録音:2018年5月 ゴヴォーネ城、イタリア
24bit-96kHz
録音と編集にはアドヴァンスド・マルチトラック・プロセス(AMP)を採用。クリアでリアルな音を追求し、音楽の奥行きを自然な形で再現できる よう、各プロセスを見直しています。 フランチェスコとステファノのチェラート兄弟を中心に2012年に結成された、ヴァイオリン、5弦チェロ・ピッコロ、チェロ、オルガン、チェンバロという 編成の「アルモニオーザ」。これまで、コレッリの協奏曲集、プラッティのトリオ・ソナタ、グラツィアーニのチェロ・ソナタの3枚をリリースしてきた彼ら が、新レーベルREDDRESSの第一弾として世に放つのは「調和の霊感」全曲という意欲作です。チェンバロ担当のバルキが、バッハなどヴィ ヴァルディと同時代の巨匠たちが鍵盤楽器のために行った編曲を元に、この編成のために特別に編曲しています。小編成ならではの生き生 きとした音楽と、中低音の厚みが生み出す編成以上の広がりある響きがたいへん魅力的な快演に仕上がっています。

Aurora
ACD-5093(1CD)
ヘルゲ・イーベルグ(1954-):生命の惑星の歌(管弦楽、5人のソリスト、朗読のための合奏協奏曲) エリセ・ボートネス(Vn)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)
マリアンネ・ベアーテ・シェラン(Ms)
フランク・ハーヴロイ(Br)
トム・オッタル・アンドレーアセン(アルトフルート)
リウ・ティエガン(朗読)
シセル・エンドレーセン(朗読)
イングリ・ブライエ・ニュフース(ピアノ・ソロ)
ビョルン・ローケン(ゴング、クリスタル・サウンドボウル、クリスタル・サウンドピラミッド)
ノルウェー放送O
カイ・グリンデ・ミューラン(指)

録音:2018年3月19日-20日、5月7日-9日 NRK大スタジオ(オスロ)
録音(北京語朗読):首都師範大学音楽学院、中央戯劇学院(北京)
録音(打楽器、英語朗読):UrbanSoundStudios(オスロ)
制作:ハルドル・クローグ、ヘルゲ・イーベルグ
録音:オイスタイン・ハルヴォシェン、テリエ・へレム
ヘルゲ・イーベルグの「生命の惑星の歌」は、「唐詩を素材に使い、現在の生態学的状況に光をあてる」をコンセプトに作られた作品です。マーラーの「大地の歌」 のテクストに採られたのと同じ詩の原詩と英訳詩を使い、ヴァイオリン、ピアノ、メゾソプラノとバリトン、アルトフルートの加わる「管弦楽、5 人のソリスト、朗 読のための合奏協奏曲」のスタイルで書かれた 9 つの楽章で構成されています。〈前奏曲〉(王維「送別」)、Part 1 と Part 2 に分かれた〈悲歌の話〉(李白「悲 歌行」)、道化と楽士たちの〈パレード〉、〈大宴会〉(李白「宴陶家亭子」)、〈蓮の踊り〉(李白「採蓮曲」)、〈長い秋の夜〉(銭起「效古秋月長」)、〈生が夢に過 ぎぬなら〉(李白「春日酔起言志」)、〈告別〉(王維「山中送別」)。各楽章は、中国国家大劇院で活躍した俳優のリウ・ティエガンとヴォーカル・アーティストの シセル・エンドレーセンによる原詩と英訳詩の朗読に始まり、ソリストが「ソロ」あるいは「アンサンブル」で合奏する音楽が続きます。この作品は、2011 年の 「ウルティマ現代音楽祭」のためにノルウェー室内Oの委嘱で作られ、初演に接したノルウェーの新聞「Aftenposten」は「われわれの忘れることので きない夜になった」という賛辞を呈し「グスタフ・マーラーの象徴的芸術作品にインスパイアされた新たな『大地の歌』」と呼びました。 このアルバムの録音セッションは、2018 年、ノルウェー放送のオスロの大スタジオで行われました。オスロ・フィルハーモニックの第 1 コンサートマスター、ヴァ イオリニストのエリセ・ボートネス、ピアニストのクリスチャン・イーレ・ハドラン、メゾソプラノのマリアンネ・ベアーテ・シェラン、バリトンのフランク・ハーヴロイ、 オスロ・フィルハーモニックのフルート奏者、トム・オッタル・アンドレーアセンが、カイ・グリンデ・ミューラン(1987-)指揮のノルウェー放送Oと共演。 別録音の北京語朗読と英語朗読を加えてアルバムに作られました。作曲者イーベルグの寄せたノーツ『気象危機に脅かされ』(「春の草は翌年も緑になるだろうか」) がブックレットに掲載されています。 (Ki)


SWR music

SWR-19076CD(1CD)
NX-B02
ショパン:ピアノ協奏曲集

.ピアノ協奏曲 第2番ヘ短調 Op.21
ピアノ協奏曲 第1番ホ短調 Op.11*
ニキタ・マガロフ(P)
ハンス・リヒター=ハーザー(P)*
ハンス・ロスバウト(指)
南西ドイツRSO

録音:1951年10月10日バーデンバーデン音楽スタジオ(ハンス・ロスバウト・スタジオ)(モノラル)、
1961年4月28日バーデンバーデン音楽スタジオ(ハンス・ロスバウト・スタジオ)(モノラル)*
“自己の美学を貫徹しながら偏狭なショパンのイメージを一蹴!”
 とにかくリヒター=ハーザーの「第1番」が超絶品!このピアニストのディスコグラフィがドイツ物に偏っているのは、本人の意思ではなくレコード会社の意向だったことが、この只ならぬ名演だけでも十分窺えます。
 ピアノの出だしから、リヒター=ハーザー特有の粒立ちの良い美音で魅了。第1主題はアゴーギクとペダリングの妙味が全開で、第2主題は少しも媚びることなく切なさの限りを尽くといぅ奥義を披露。しかもフレージングは生まれたてのような瑞々しさ!そこに宿る即興性閃きは、若き日のルービンシュタインを彷彿とさせ、展開部に入るとその魅力は更に倍加するのですからたまりません!14:07からの歌いまわしなどまさに奇跡的としか言いようがありません。15:26からのリズムのときめきにもご注目を!
 第2楽章は、決して音楽を貧弱なものに貶めない結晶化仕切った弱音に唖然、明らかにロシア・ピアニズムのそれとは異なる独特のまろやかさを湛えているのです。7/14からは次第にテンポを落とし、直後の7:44からの下降音型では一部分だけペダルを外すというこの一連の粋な流れには感涙を禁じえません!
 終楽章はやる気満々のロスバウトの希薄に乗じてか、リヒター=ハーザーのピアノも至高の輝きを放ちます。3:44辺りから第1主題が再現されるまでの鳥肌の連続で、特に高音域の煌めきは例えようもありません。第2主題もテンポ運びが極めてハイセンス!
 こういう圧倒的な名演に接すると、演奏スタイルを男性的、女性的などと分類されている程度では甘いと言わざるを得ません。音質はモノラルながらとても明瞭。【湧々堂】

Tonar
TONAR-31015(1CD)
メデア〜スペインのギター作品集
アルベニス:「スペイン」より 前奏曲、入江のざわめき、コルドバ、朱色の塔、タンゴ、マジョルカ
グラナドス:ゴヤのマハ
サンルーカル:ギターとオーケストラのための「メデア」
マヌエル・バルエコ(G)、
ビクトル・パブロ・ペレス(指)、
テネリフェSO
クラシック・ギターのバイブル的存在であるスペイン音楽、フラメンコ・ギターの世界的名手が書き上げた協奏的作品「メデア」をカップリングしたマヌエル・バルエコのスパニッシュ・プログラム。2014年のラテン・グラミー賞の最優秀クラシック・アルバム部門にノミネートされるなど、高評価を受けた演奏です。

DOUBLE MOON
BTLCHR-71246(1CD)
イツハク・イエディッド(1971-):初演録音集
(1)祝福と呪い
(2)ちいさなヤギ
(3)ピアノと弦楽のための協奏曲
(4)ピアノのためのシャコンヌ『天使の反乱』
(1)クリスチャン・リンドベルイ(指)、イスラエル・ネタニヤ・キブツ・オーケストラ
(2)ウィリアム・スタッフォード(Cl)、レイチェル・スミス(Vn)、ルイーズ・キング(Vc)、エイシャ・ゴーフ(P)
(3)グレアム・ジェニングス(指)、マイケル・キーラン・ハーヴィ(P)、ディヴェルティメンティ・ストリング・アンサンブル
(4)レイチェル・シパード(P)

録音:2016、2017年(すべて初演時の録音)
1971年生まれのイスラエルの作曲家による衝撃的・個性的な作品集です。アラビアのハーモニー、ユダヤの歌、フリー・ジャズ、ヨーロッパのクラシック音 楽など多種多様の要素が混然一体となり生み出される混沌とした騒音世界。それはエネルギーに満ちあふれた非常に力強いサウンドで、一見カオティックですが 有機的に各要素が組み合わされ、独特な手法と感性でもって音楽が組み立てられていきます。(1)はエルサレムの神殿の丘にインスピレーションを受けた作品です。 指揮はクリスチャン・リンドベルイ。(3)は特殊奏法も駆使したピアノと弦が破壊的な音楽を奏でますが、第3楽章でバロック音楽風のセンテンスが登場するシュ ニトケ的ごった煮感のある強烈な音楽です。

PAU
KIYO-101(3CD)
税込定価
岡山潔の軌跡〜第1巻

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
(2)シューマン:ヴァイオリン協奏曲
(3)バルトーク:2 つのヴァイオリンのための44 の二重奏曲 Sz.98 全曲
(4)モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲(第1 番ト長調 K.423 & 第2 番変ロ長調 K.424)
(5)ドヴォルザーク:テルツェット ハ長調 Op.74 B.148
(6)コダーイ:セレナード ヘ長調 Op.12
岡山 潔(Vn)
(1)ゲルハルト・ボッセ(指)神戸市室内O
(2)フォルカー・ヴァンゲンハイム(指)ボン・ベートーヴェンハレO
(3)(5)(6)服部芳子(Vn)、
(4)(5)(6)深井硯章(Va)

録音:(1)2002 年10 月27 日東京藝術大学奏楽堂(ライヴ)
(2)1975 年9 月ベートーヴェンハレ、ボン
(3)1989 年10 月2、3、7 日バリオホール、東京
(4)1992 年9 月7〜10 日府中の森芸術劇場
(5)(6)1990 年11 月22、23 日バリオホール、東京
2018年10 月に惜しくも世を去ったヴァイオリニスト岡山潔が自分の病の進行を知って生前から過去の録音から選曲に 携わり完成させた。まさしく彼の音楽的遺言といえる作品集です。

Willowhayne Records
WHR-057(1CD)
ロビン・A.スミス:LE WEEKEND (pour les amants)
組曲 「LE WEEKEND」
ロビン・A.スミス (P&指)
チェコ国立SO

録音:2017年10月
王立音楽大学で作曲を学んだスミスは、アンドレア・ボチェッリ、ルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラスから、エルヴィ ス・プレスリー、アレサ・フランクリン、バート・バカラックなどと共に仕事をしている作曲家・編曲家。近年では2Cellosと も共演しており、2012年ロンドン・オリンピックの開会式の指揮も行っている大御所です。この「恋人たちの週末」と題 された作品は、フランスに暮らす、あまり裕福とはいえない恋人たちを想定し、それぞれがお互いを想う気持ちが音楽で 表現されています。甘く切ない、上質のイージーリスニング・ミュージックです。

Aurora
ACD-5091(1CD)
『アクロスティック(Akrostikon)』
ビョルン・クルーセ(1946-):アクロスティック(2012)(オルガン、打楽器と弦楽オーケストラのための協奏曲)
シェル・サムコフ(1952-):ヴィブラフォーンと弦楽のための協奏曲第2番(2008)
シェル・ハッベスタ(1955-):アヴェ・マリアOp.11(1984)(オルガンと弦楽オーケストラのための協奏曲)
ラーシュ・ノットー・ビルケラン(Org)
アイリク・ラウデ(打楽器)
ヴォクス・クラマンティス
ノルウェー放送O
カイ・グリンデ・ミューラン(指)

録音:2017年10月23日-24日 ファーゲルボルグ教会(オスロ)
ノルウェーのオルガニスト、ラーシュ・ノットー・ビルケランと打楽器奏者アイリク・ラウデは、オルガンと打楽器のためのプロジェクトを共同で進めて きました。ノルウェー作曲家協会のレーベル Aurora の新しいアルバム『アクロスティック』には、同世代に属し、ノルウェー国立音楽大学のフィン・モッ テンセンの作曲法クラスで学び、演奏家としての教育を受けた3人の作曲家が彼らのために作曲した協奏曲が収録されています。 ビョルン・クルーセ(1946-)は、クラリネットとサクソフォーンを学んだ後、ノルウェー国立音楽大学で作曲法を修めました。オルガン、打楽器と弦楽オー ケストラのための協奏曲「アクロスティック」は、2007年に予定されたファーゲルボルグ教会の新しいオルガンの奉献式のために委嘱され、作曲の遅れ から、2012年になって初演された作品です。「アクロスティック(折句)」(行頭、行末、あるいは中間の文字から「語」ができる詩や韻文)の曲名は、「行 を横にたどるだけでなく音を立体として聴く」ことを示唆するためつけられました。 シェル・サムコフ(1952-)は、作曲家、打楽器奏者として活動しながら、ノルウェー国立音楽大学の打楽器科の教授を長年務めました。「ヴィブラフォー ンと弦楽のための協奏曲第2番」は、彼のクラスで学んだラウデから委嘱を受けた作品です。数秘学に関心を寄せるというサムコフは、ラウデのファース トネーム “Eirik” に因む「5-9-9-9-2」の数列に基づいて構成とリズムなどの要素を決めて作曲。演奏者ラウデは「直感」で作品と向き合い、サムコフ が書いた5楽章の音楽が、数列を脱した「ゲーム(遊び)」だということを示してみせます。 シェル・ハッベスタ(1955-)は、教会音楽家の教育を受け、その後、作曲の学位を取得しました。「アヴェ・マリア」は、グレゴリオ聖歌の「受胎告知」 のセクエンツァをベースに書かれた協奏曲です。〈アヴェ・マリア〉〈ベネティクタ・トゥー(Benedicta tu)(祝福は女のあなたと)〉〈アレルヤ(Alleluia)〉 の3曲。終曲の天使の言伝のセクエンツァは、この録音では「ヴォクス・クラマンティス」が受け持っています。2017年10月、カイ・グリンデ・ミュー ラン指揮のノルウェー放送Oが共演、ファーゲルボルグ教会でのセッション録音です。 (Ki)

DACAPO
MAR-8.206004(6CD)
NX-F01
ホルンボー(1909-1996):室内協奏曲とシンフォニア集
【CD1】…8.224038
1-2.室内協奏曲 第1番 Op.17(1939)
3-6.室内協奏曲 第2番 Op.20(1940)
7-8.室内協奏曲 第3番 Op.21(1940-1942)
【CD2】…8.224063
1-3.室内協奏曲 第4番 Op.30(1942-1945)
4-6.室内協奏曲 第5番 Op.31(1943)
7-9.室内協奏曲 第6番 Op.33(1943)
【CD3】…8.224086
1-2.室内協奏曲 第7番 Op.37(1944-1945)
3-4.室内協奏曲 第8番「シンフォニア・コンチェルタン
テ」Op.38(1945)
5-7.室内協奏曲 第9番 Op.39(1945-1946)
【CD4】…8.224087
1-9.室内協奏曲 第10番 Op.40(1945-1946)
10-12.室内協奏曲 第11番 Op.44(1948)
13-15.室内協奏曲 第12番 Op.52(1950)
16-18.室内協奏曲 第13番 Op.67(1955-
1956)
【CD5】…8.226017-18
1.シンフォニア 第1番 Op.73a(1957)
2.シンフォニア 第2番 Op.73b(1957)
3.シンフォニア 第3番 Op.73c(1958-1959)
4-7.シンフォニア 第4番 Op.73d(1962)
【CD6】…8.226017-18
カイロス(時間) Op.73“シンフォニア 第1番-第4
番”
1.前奏曲(シンフォニア 第4番 Op.73dより)
2.シンフォニア 第1番 Op.73a
3.間奏曲 I(シンフォニア 第4番 Op.73dより)
4.シンフォニア 第2番 Op.73b
5.間奏曲 II(シンフォニア 第4番 Op.73dより)
6.シンフォニア 第3番 Op.73c
7.後奏曲(シンフォニア 第4番 Op.73dより)
ハンヌ・コイヴラ(指)
デンマーク国立室内O(デンマーク放送シンフォニエッタ)

【CD1】…8.224038
アンネ・エランド(P)…1-2
スタファン・ボルセマン(Vn)
エヴァ・エステルゴー(Fl)…3-6
ミッケル・フットルプ(Vn)…3-6
ニルス・トムセン(Cl)…7-8
録音:1996年6月8-12日
Danish Radio Studio 2, Denmark
【CD2】…8.224063
アンネ・エランド(P)…1-3
ミッケル・フットルプ(Vn)…1-3.7-9
ニルス・ウルナー(Vc)…1-3
ティム・フレデリクセン(Va)…4-6
録音:1996年8月,10月
Danish Radio, Studio 2, Denmark
【CD3】…8.224086
マックス・アートヴェズ(Ob)…1-2
ミッケル・フットルプ(Vn)…5-7
ティム・フレデリクセン(Va)…5-7
録音:1997年1月6-11日,2月4-6日
Danish Radio, Studio 2, Denmark
【CD4】…8.224087
オーレ・エドヴァルド・アントンセン(Tp)
ジャック・モージェ(トロンボーン)…13-15
ティム・フレデリクセン(Va)…16-18
マックス・アルトヴェド(Ob)…16-18
録音:1997年6月3-4日,8月20-21日,
         11月5-6日
Danish Radio Studio 2, Denmark
【CD5】…8.226017-18
【CD6】…8.226017-18
セアン・エルビーク(Vn)・・・CD5.6
トレルス・スヴァネ(Vc)・・・CD5.6
録音:1997年
Danmarks Radio, Studio 2, Denmark
ユトランド半島のホーセンスで、音楽を愛する商人の家に生まれたホルンボーは、14歳から正式な音楽の勉強を始めてすぐ に頭角を顕し、16歳の時にはニールセンの推薦で王立デンマーク音楽院に入学を果たしました。生涯に渡って様々なジャン ルによる370点の作品を残し、その中には13曲の交響曲や、20曲の弦楽四重奏曲も含まれています。このコレクションは、 ホルンボーの13曲の室内管弦楽のための作品と、4曲のシンフォニアが収録されており、これらは一人、もしくは複数の独奏 者を必要とする新古典派の様式で書かれた作品。東欧の民謡からの影響も感じられる落ち着いた雰囲気と明確な旋律 線を持っています。4つのシンフォニアは各々別々の作品でありながら、第4番を解体して、第1番から第3番に組み込んだ 「一つの作品」としても成立しています。ハンヌ・コイブラは1960年生まれのフィンランドの指揮者。名教師ヨルマ・パヌラに学 び、1995年から1999年までデンマーク放送シンフォニエッタの首席指揮者として活躍しました。

DACAPO
MAR-8.226591(1CD)
NX-A14
ペーター・ナバロ=アロンソ:作品集
合奏協奏曲「Le quattro stagioni 四季」(2014)
協奏曲 ロ短調(2017)
アルファ(アンサンブル)
【メンバー】
ボレッテ・リード(リコーダー)
ペーター・ナバロ=アロンソ(Sax)
ダヴィッド・ヒルデブラント(パーカッション&ヴィヴラフォン)

エッコゾーン(アンサンブル)
マティアス・ロイメルト(指)

録音:コペンハーゲン
2015年12月14日、2017年6月19-20日
世界初録音
タイトルからわかる通り、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集にインスパイアされたナバロ=アロンソの「四季」。演奏している 「アルファ」は2003年に結成されたリコーダーを中心としたアンサンブルですが、サクソフォンやパーカッションを交えることで、幅 広い音の可能性を探求、この「四季」でも闊達な演奏を繰り広げています。サクソフォンは作曲家自身が担当しています。 「四季」で共演するエッコゾーンは2013年に設立、アヴァンギャルド、ミニマル音楽、クロスオーヴァーなどボーダーレスな音作り を目指し、すぐにコペンハーゲン・ジャズ・ハウスで名を挙げたアンサンブルです。「協奏曲 ロ短調」はアルファのために作曲され た作品で、ヴィヴァルディの協奏曲を基にしつつも、単純化された音の動きとテープの逆回しのみで表現されるという実験的な 手法が用いられています。


Treasures
TRE-198(1CDR)
アラウ/ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21*
クラウディオ・アラウ(P)
オットー・クレンペラー(指)ケルンRSO
マッシモ・プラデッラ(指)バイエルンRSO*

録音:1954年10月25日ケルン放送第1ホール、1960年4月12日ミュンヘン・ライヴ*(共にモノラル)
※音源:日KING SLF-5002、伊MOVIMENT MUSICA 01.064*
◎収録時間:73:08
“甘美さ優先のショパンではに満足しない方は必聴!”
■音源について
アラウの「1番」のライヴでレコード化されたのは、これが唯一と思われます。1978年にチェトラから発売され、翌年日本でもキングが発売。一方の「2番」のライブは5種類も存在。そのうちプラデッラとの共演が2種類あり、その1960年3月の録音はWHRA- 6050でCD化されていますが、ここに収録したのはその翌月の録音です。2曲とも会場ノイズは殆ど聞こえないので、放送用音源だと思われます。

★技巧面でも盤石を誇っていた円熟期に入る前のアラウが繰り広げる、凛々しいショパン。アラウにとって、甘美さにふけるショパン像は生涯無縁のものでしたが、ここではライヴ特有の熱気とも相まって強い表現意志を漲らせ緊張感溢れる演奏を展開。特にショパンとは縁遠いクレンペラーが指揮する「第1番」は、ショパンの何たるかをアラウが大先輩に教え諭すかのような空気が独特の緊張感を生み、そのせいかベートーヴェン風のクレンペラーの指揮にも停滞感はなく、結果的に見事に共同作業を貫徹させています。ちなみにアラウとクレンペラーは、戦前にシューマンの協奏曲で共演していますが、若いアラウにクレンペラーが自分の解釈を押し付けたので、アラウはひどく不快に思ったそうですが、ここではそんな不穏な空気は微塵も感じさせません。
第1楽章の第1主題後半部の強弱対比とアゴーギクは、アラウのショパン解釈を象徴しており、決して女々しくないその語り口は聴き手に勇気を与えるかのよう。展開部冒頭では、タッチの微妙な間合い、ペダリングのセンスが光ります。第2楽章は十分に陶酔美を敷き詰めつつも、その根底には作品の造形を見据えた強靭な精神が息づいています。終楽章は10年後のインバルとの共演盤よりも快適なテンポで瑞々しく、冒頭主題の付点リズムの生かし方もずっと自然。副主題(2:57〜)も、チャーミングと言うより粋!
「第2番」も、雰囲気に流されず音楽の輪郭を明確に示すアラウの姿勢に揺るぎなし。第1楽章の主題の後半(3:49〜)のトリルを長く引き伸ばすのは後年の録音と同じですが、求心力は断然こちらが上。第2楽章冒頭のピアノの滑り出し方は、余り語られることのないアラウのタッチの美しさと気が遠くなるほどの呼吸の深さが一体となり、格別の味わい。終楽章は、嘘くさいマズルカ風を演じず、3拍子の拍節を実直に刻むのがなんともクール!こういう点を捉えて「ショパンの心を理解していない」とぼやく人には、とにかく「音楽を聴きましょうと!」と言いたいです。【湧々堂】

KLANGLOGO
KL-1521(1CD)
NX-B03
ベートーヴェン:秘曲作品集
ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a
騎士のバレエ WoO1
交響曲「ウェリントンの勝利またはビトリアの戦い」(戦争交響曲)
クレア・フアンチ(P)
ハワード・グリフィス(指)
フランクフルト・ブランデンブルク州立O

録音:2017年8月21-23日
ベートーヴェンの比較的珍しい作品を3曲収録。ヴァイオリン協奏曲をベートーヴェン自身がクレメンティの勧めに従って編曲し た「ピアノ協奏曲」には、ヴァイオリン協奏曲の時にはなかった長大なカデンツァが付されていることで知られます。「騎士のバレ エ」は作品番号なしの小さな曲集。恐らく20歳頃に書かれた作品であろうと推測されており、どの曲も単純ながら、楽しさと 明るさに満ちています。 「ウェリントンの勝利」は1813年6月21日、スペインにおけるビトリアの戦いで初代ウェリントン侯爵アーサー・ウェルズリー率い るイギリス軍が、フランス軍に勝利したことを受け、ベートーヴェンがウェリントン侯を讃えるために作った曲。本来は当時開発さ れた児童楽器「パンハルモニコン」のために書かれましたが、後に大編成の管弦楽のために編曲。実演では大砲が用いられ るなど、チャイコフスキーの「1812年」にも匹敵する迫力を持つ作品です。ピアノ協奏曲では、若手ピアニスト、フアンチが流 麗な演奏を披露、グリフィスも新鮮でエネルギッシュなアプローチで作品を構築しています。

DACAPO
MAR-8.226149(1CD)
NX-B06
ポウル・ルーザス(1949-):ヴィオラ協奏曲/ヘンデル・ヴァリエーションズ
ヴィオラ協奏曲(1993-1994/2013改訂)
ヘンデル・ヴァリエーションズ(2009)
ヘンデルの8小節の主題による90のシンフォニック・リフレクション*
ラーシュ・アネルス・トムテル(Va)…1-3
マルク・スーストロ(指)
アンドレアス・デルフス(指)*
オーフスSO

録音:2015年12月11-12日、2017年3月18-20日*
世界初録音
新古典的な作品から前衛的な作品まで、幅広い作風で知られるポール・ルーザス。このアルバムには、1995年のBBCプロ ムスで初演された「ヴィオラ協奏曲」(ここでは2013年にルーザスが改訂したヴァージョンを収録)と、ヘンデルの「水上の音 楽」のブーレを主題に90の変奏を施した「ヘンデル・ヴァリエーションズ」を聴くことができます。 前衛的でありながらも、ロマンティックさを失うことのない協奏曲、ヘンデルの軽快なメロディが全く原型をとどめないまでに変容 していく変奏曲。どちらもルーザスの豊かな個性が提示されています。

H.WIENIAWSKI MUSICAL SOCIETY
(ヘンリク・ヴィエニャフスキ音楽協会)
DUX-1395(2CD)
第15回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール(2016)実況録音!
[CD 1]
シマノフスキ:ロマンス ニ長調 Op.23*
ミルシテイン:パガニーニアーナ
ヴィエニャフスキ:新しい手法Op.10 から レ・スタッカート(No.4)
 スケルツォ=タランテッレ ト短調 Op.16*
ヨアヒム:ロマンス変ロ長調 Op.2*
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調*
クライスラー:ジプシー奇想曲*
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV 1001 から アダージョ
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219 から 第1楽章+
[CD 2]
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調 K.364(324d) から 第1楽章#
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22**
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77++
ヴェリコ・チュムブリーゼ(Vn)
ハンナ・ホレスカ(P)*
カタジナ・ブドニク=ガウォンツカ(Va)#
ポーランド放送アマデウス室内O(+/#)
アグニェシュカ・ドゥチマル(指)+
ポズナンPO(**/++)
マレク・ピヤロフスキ(指)**
ウーカシュ・ボロヴィチ(指)++

録音:2016年10月8-23日、ポズナン、ポーランド
20歳にして第15回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール優勝を果たしたヴェリコ・チュムブリーゼのコンクール実況録音。ヴェリコ・チュムブリーゼは1996年トルコのアダナに生まれたジョージア(グルジア)のヴァイオリン奏者。ウィーン音楽大学でドーラ・シュヴァルツベルクに、ミュンヘン音楽大学でアナ・チュマチェンコに師事。
DUXレーベルの製品ですがヘンリク・ヴィエニャフスキ音楽協会が発売元となっております。特別仕様(185mm四方の外装)の高価格商品です。早々に完売・供給終了となる可能性が高いのでお早目のオーダーをお願いいたします。


Treasures
TRE-176(1CDR)
若き日のオスカー・シュムスキー
ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ第1番 ニ長調 Op. 4*
シューベルト:華麗なるロンドOp.70**
サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ#
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第22番(ピアノ伴奏版)##
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」+
オスカー・シュムスキー(Vn)
ピアニスト不明*
レオニード・ハンブロ(P)**
ミルトン・カティムズ(指)NBC響#
ウラディミール・ソコロフ(P)##
トーマス・シェルマン(指)小管弦楽協会O+

録音:1940年8月15日*、1951年6月23日**、1950年4月22日#、1950年##、1956年頃+ (全てモノラル)
※音源:DISCOPEDIA MB-1040、Music Appreciation Records MAR-5613+
◎収録時間:78:53
“音楽を弄ばず、奉仕者に徹する信念が強固なニュアンスを形成!”
■音源について
モーツァルト以外は、SP音源からの復刻LPですので、特有のノイズがあります、あらかじめご了承下さい。

★オスカー・シュムスキー(1917年-2000)は、フィラデルフィア生まれ。7歳でフィラデルフィア管と共演し、ストコフスキーから「いまだかつてない神童」と絶賛され、後にカーティス音楽院で学び、晩年のレオポルト・アウアーのもとで研鑽積みました。教育活動に熱心だったため、録音数は極めて少なく、広く認知されるようになったのは、晩年になってからのニンバス等への録音からでしょう。
ヴィエニャフスキは軽妙に躍動し、多彩な表情を交えて雄弁に語りる付けますが、聴き手に媚びるような嫌らしさがなく、すすり泣くフレーズでも背筋のピンと伸びた意志の強さが宿り、音楽を女々しくさせません。サン・サーンスも同様で、決して流れが停滞せず、呼吸の求心力の高さに思わず惹き込まれます。
ヴュータンの第2楽章は可憐な囁きが心に染みますが、安易なポルタメントに逃げず、ここでも折り目正しい造形力が際立ちます。
その造形力が古典的なフォルム維持に生かされ、独特の手応えを与えてくれるのが、モーツァルトの協奏曲。
第1楽章主題は陽の光をたっぷり浴びたハリのある音色美を放射。第2主題のリズムは、気分に任せる素振りも見せず、ニュアンスが凝縮。このシーンに限らず、ショーマンシップを見せつける箇所がほとんど存在せず、カデンツァでさえ決して大道芸的な立ち回りとは無縁。それこそまさに、シュムスキーの教育者、作曲家に奉仕する芸術家としての象徴と言えましょう。終楽章も実にニヒル。微笑みを振りまくのではなく、フレージングの微妙な陰影と呼吸の妙味で多彩な表情をしっかり引き出し、作品の核心に肉薄しようとする意思が音楽全体を引き締めているので、決して堅苦しさを与えずに音楽の全体像をしっかり実感することができるのです。
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲はどんな名盤を聴いても、どこか食い足りないものを感じるという方には、特に傾聴していただきたいと思います。【湧々堂】

Treasures
TRE-177(1CDR)
ロベール・カサドシュ/ベートーヴェン:「皇帝」他
ウェーバー:コンツェルトシュテュック ヘ短調 Op. 79
フランク:交響的変奏曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ロベール・カサドシュ(P)
キリル・コンドラシン(指)トリノ放送SO
ハンス・ロスバウト(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO*

録音:1960年5月6日ライヴ、1961年2月3日* (全てステレオ)
※音源:伊FONIT CETRA LAR-18、独FONO-RING SFGLP-77699*
◎収録時間:66:12
“本質追求ヘの強い意志を分かち合ったカサドシュとロスバウトの強力タッグ!”
■音源について
FONIT CETRAは、“ARCHIVIO RAI”シリーズでチェリビダッケ、バルビローリ等の1960年頃のステレオ・ライヴ録音をリリースしていますが、これもその一環。この時期のステレオとしては極めて優秀。「皇帝」はPHILIPS音源ですが、ここではシャキッとした音が演奏の性質とマッチしているFONO-RING盤を採用。今までどのCDを聴いても表現が中途半端に聞こえましたが、これで聴くと音の意味が手に取るように分かります。

★カサドシュの協奏曲録音で共演する指揮者は、フランス風のエレガンスを湛えた人よりも、セルをはじめとして硬派な指揮者との共演が多いですが、これは単にレコード会社の都合ではなく、カサドシュの意向が作用していことを強く窺わせるのがここに収録した3曲(全てカサドシュの十八番)です。コンドラシンもロスバウトも、ワルターのような柔和さとは対極的な引き締まった音像を志向する指揮者。一方のカサドシュも、清明なタッチによるしなやかなフレージングを見せながらも、特に独墺の古典作品(特にバッハの素晴らしさ!!)においては、無駄を排して造形力を際立たせ、意志の強さを感じることが多いので、シェイプアップ型指揮者との相性が抜群なのです。
中でも、ベートーヴェンの「皇帝」は、指揮者とピアニストの共通認識の強固さという点で、多くの同曲名盤の中でもトップクラス!カサドシュが、ロスバウト化して言えるほど、互いの方向性が同じ一点に完全一致しているのです。
第1楽章冒頭からイン・テンポを基調とした高潔美が横溢。決して音像を肥大化させず、毅然とした意思をもって造形する姿勢をここまで貫かれると、重戦車型の演奏は場違いとさえ思えてきます。白眉は第2楽章!何度聴いてもこの楽章の史上最高峰の演奏という確信は揺らぎません。カサドシュの結晶化しきったタッチそのものが詩情を醸し出し、それ以上のことは何せず、澄み切った空気感を表出。それに比べ、テンポを落としてしっとりと歌おうとするほど本質から逸れてしまう演奏の如何に多いことか…。
終楽章は、引き締まった音像の中の強烈な意志力がさらに高次元で燃焼し、これ以上ない凝縮しきった音楽を展開。安直な人間味など寄せ付けないほどの本質追求型の演奏の場合、指揮者とソリストは「融合」より「緊張」が際立つものですが、ここではその両方を同時に体感できるのです!【湧々堂】

Treasures
TRE-173(1CDR)
フランティシェク・ラウフ/リスト&ショパン他
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番
 アンダンテ・ファヴォリ
リスト:ピアノ協奏曲第2番*
ショパン:ピアノ協奏曲第2番*
フランティシェク・ラウフ(P)
ヴァーツラフ・スメターチェク(指)プラハSO

録音:1965年11月15,18-19日、1964年6月17-18,20,22日&9月3日*(全てステレオ)
※音源:SUPRAPHON SUAST-50743、SUAST-50603*
◎収録時間:76:16
“真心から紡ぎ出されるタッチに宿る幽玄のニュアンス!!!”
■音源について
ラウフによるスプラフォンのステレオ録音集。特に協奏曲のレコードは、盤によってオケの響きが違って聞こえますが、ここでは数種聴き比べの上、最良のもの(青盤)を選択しました。

★フランティシェク・ラウフ(1910〜1996)は、チェコを代表するピアニスト。プラハ芸術アカデミーでの教育活動が中心だったので、フィルクスニーやモラヴィッツ等のような知名度はありませんが、その配慮の行き届いたピアニズムは教育者らしい堅実さにとどまらず、独特の閃きと奥ゆかしさを湛えています。
ベートーヴェンの「30番」冒頭は媚びた表情などどこにもなく、それでいて聴き手に優しく寄り添う独特の語り口が心をくすぐります。楽想の変化に器用に対処するというよりも丹念にその意味を刻印しながら進行。したがって、第2楽章などは無骨にも聞こえますが、そこに流れる精神は至純そのもの。その純粋さがタッチにもフレージングにも反映し尽くされた終楽章は涙を禁じ得ず、これほど各変奏曲が優しく連動しながら語りかける演奏には、そうそう出会えません。
リストの協奏曲は、派手な作品の影に隠れがちなリストの繊細な筆致に焦点を当てた演奏。中だるみしがちなモデラート以降([07]〜)でも丹念なニュアンスが光ります。最後のアレグロ・アニマート([09])に入る前のカデンツァが、ここでは省略されています。
ショパンは更に聴きもので、同曲屈指の名演!第1楽章でピアノが第1主題を奏でただけでも、行き届いたペダリングとフレージングによって、レガート偏重のムーディさとは違う別次元に誘われます。特に2:59からの明確な分散和音化処理は一歩間違えれば安易な感傷に傾きますが、ラウフが弾くと芳しい空気が流れるのです!第2楽章最初にトリルは、慎ましさの中に魂の育みが感じられ、「真心のタッチ」の真髄を知る思いです。テーマが繰り返される2:34からは、そこに瞬間的に威厳が加わり、神々しいニュアンスを一気に敷き詰めるのですから息を呑むばかり。タッチの強弱操作だけで引き出されたニュアンスではないだけに、感銘もひとしおです。そして、最後の一音の密やかな置き方!絶対お聴き逃しなく!終楽章冒頭の装飾音が纏わりつく主題は、ポーランド風に仕立てるのに多くのピアニストが苦心していますが、ラウフは完全ストレート直球。それでいて少しも淡白にならないのは、音符の背後にある本質を感じきっている証しでしょう。第2主題(2:15〜)も同様。作品を過度に肥大化させず、音符の意味を丁寧に炙り出すことに終止するラウフの美学が完全に結実した逸品です!【湧々堂】


Treasures
TRE-172(1CDR)
マイラ・ヘス〜モーツァルト&ベートーヴェン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番**
ショパン:ワルツOp.18#
ブラームス:間奏曲Op.119-3#
スカルラッティ:ソナタL.387#
マイラ・ヘス(P)
ブルーノ・ワルター(指)NYO*
エイドリアン・ボールト(指)BBC響**

録音:1956年カーネギーホール* 、1953年1月ロンドン**、1949年3月17,18日イリノイ大学# (全てライヴ)
※音源:米 Bruno Walter Society PR-36*、加ROCOCO RR-2041**,#
◎収録時間:74:13
“懐の深さをもって作品を捉えるヘスのピアニズムの大きさ!”
■音源について
ROCOCOのLP1枚分と、ワルター協会LPの反面分を収録しています。

★まずモーツァルトが、TRE-141で紹介したK.449と並ぶ歴史的名演!ヘスは、第1楽章の滑り出しを後ろ髪を引かれるように開始しますが、少しも大袈裟ではなく、むしろ恥じらいの表情を湛えます。第2主題は、いかにもモーツァルトらしい屈託のない微笑みの表情で魅了。それが再現部で短調に転じると、提示部の微笑みと表裏一体であることを実感させる、得も言われぬ悲哀の表情を浮かべるのです。カデンツァも必聴。ヘスのピアノが決して感覚的な繊細さを目指すものではなく、いかに豊かで深いものか、思い知らせれます。第2楽章に至っては、奇跡と呼びたい素晴らしさ!かなり大胆にアゴーギクを投入していますが、常に「心からの語り」と一体なので、少しも時代掛かった印象を与えません。どんな弱音でも音が痩せることはなく、慈愛を込めぬいたタッチの最高の実例がここにあります!第2楽章が終わった途端に、会場からパラっと拍手が起きますが、その気持は実によくわかります。そして忘れてならないのは、ワルターの指揮。これは、この曲の指揮としてはもちろんのこと、誰もが認めるモーツァルト指揮者でありながら、全ての要素の調和が取れた演奏が意外と少ないワルターにとって、最高の出来栄えと言えましょう。特に終楽章は充実の極みです。
一方、ベートーヴェンは指揮がボールトなので、全体的に折り目正しく進行しますが、芯のぶれない確固たる表現とタッチは、ヘスそのもの。第2楽章の2:47の些細なタッチをアルペジョ風にして、独特の幻想味を醸し出していますが、こんなことを嫌味なくできるピアニストなど、もういなくなってしまいました。
その点では3つの小品も同様。アンコール演奏ですの表現は奔放ですが、全てのフレーズが、聴き手の心を芯から溶かすようなニュアンスで一杯!こんな芸当は、単に腕が立つだけでは不可能でしょう。【湧々堂】


Treasures
TRE-170(1CDR)
オドノポゾフ〜メンデルスゾーン&パガニーニ他
ショーソン:詩曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
リカルド・オドノポゾフ(Vn)
ジャンフランコ・リヴォリ(指)
ジュネーヴRSO

録音:1955年頃*、1962年(全てステレオ)
※音源:日Concert Hall SM-2250*、英SMS-2205
◎収録時間:72:19
“オドノポゾフの「美音の底力」をたっぷり堪能!”
■音源について
★ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(TRE-156)に続くオドノポゾフのステレオ・バージョン録音の復刻。コンサート・ホールのレコードは、スイス盤かドイツ盤を使用することが多いですが、協奏曲では英盤を採用しています。

★オドノポゾフの「美音の底力」をここでもたっぷり堪能。ショーソンは、その音色が持つ温かい情感によって、作品に流れる陰鬱な空気を和らげ、透徹しきった演奏にはない魅力を発揮。この作品の新たな側面に光を当てています。 メンデルスゾーンでは、その美音は旋律に気品を与え、切々と語ることで曲想の魅力が膨らみます。何とか他者との差別化を図ろうと、意図的に豪快に演奏されることもありますが、この作品には何よりも「慈しみ」が不可欠であることをオドノポゾフは教えてくれます。10:35からの音の置き方に象徴されるように、「弾き飛ばし感」がゼロなのです!その音作りは、第2楽章で更に開花。多くの人がこの曲に期待する全ての要素が盛り込まれていると言っても良いでしょう。名盤ひしめく超名曲とはいえ、この演奏を度外視する理由などどこにもありません!
このメンデルスゾーンとパガニーニは、オドノポゾフ40代の最充実期に行われいることも、重要なポイントですが、特にパガニーニでは、それを実感。グリュミオーが遺したステレオ録音は、持ち前の音色美に技巧の衰えが影を落としていたことが残念だったことを思うと、オドノポゾフがこの時期に録音できたことは実に幸運でした。しかも演奏の魅力が破格!この曲の理想を実現した数少ない名演だと思います。御存知の通り、この曲はベートーヴェンとは違い、技巧が命。とは言え、技巧ばかり押し付けられると虚しいばかり。そういう危うさとは全く無縁のところで、技巧と表現を見事に調和せさせ、自己の美学を徹底貫徹したこのがこ演奏です。パガニーニだからといって変な魂胆を持たず、7:48からのトリルに表れている通り、メンデルスゾーンと何ら変わりない慈愛の心でフレーズを積み上げていることが伝わります。この曲を聴いて痛快さは何度も味わったけれど、「いい音楽を聴いた!」と痛感したことがないという方、必聴です!なお、オーケストラ・パートは短縮版が採用されています。【湧々堂】


Treasures
TRE-166(1CDR)
リンパニー/リスト&プロコフィエフ
リスト:ピアノ協奏曲第2番*
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番
 ピアノ協奏曲第3番
モーラ・リンパニー(P)
マルコム・サージェント(指)ロイヤルPO*
ワルター・ジュスキント(指)フィルハーモニアO

録音:1962年10月*、1956年5月2-3日(共にステレオ)
※音源:伊RCA GL-32526*、英WRC T-735
◎収録時間:61:09
“リンパニーの飾らない気品を堪能する協奏曲集!”
■音源について
★プロコフィエフは、迷わずW.R.C盤を採用しました。ステレオ最初期とは思えぬ高音質で、ホールの空間に音がしっとりと浸透する様子を感じていただけると思います。リストは、リーダーズ・ダイジェスト音源。

★濃厚な色彩や激情を狙わず、ひたすら音符の意味の丁寧な表出に専念するリンパニーの特徴がはっきりと示された協奏曲録音。3曲とも華麗なヴィルトゥオジティを前提とした作品ながら、そこに照準を合わせないのがリンパニー。特にプロコフィエフでは、土俗趣味を排し、独墺系作品と何ら変わない堅実なアプローチに終止しているので、アクロバット的なスリルではなく、じっくり音楽を味わいたい方に納得していただけると思います。
「第1番」は、使用音盤の質の良さも手伝って、第1楽章冒頭から、ホールのトーンと見事に溶け合ったタッチが豊かに広がり、一気に心奪われます。プロコフィエフ特有の打楽器的筆致とリンパニーならではの気品溢れるタッチが絶妙に融合したニュアンスも魅惑的。終楽章では、打鍵の力感だけで押し通す演奏では味わえない、楽想自体が持つ表情がひしひしと伝わります。第1楽章主題が回帰するコーダの高貴な響きも、とくと御堪能下さい。
有名な「第3番」は、近年はテンポが高速化の一途を辿っているようですが、聴き手を驚かす手法とは無縁のリンパニーは、ごく標準的なテンポによる誠実な演奏で一貫。すぐに分かる刺激に訴えることなく、噛めば噛むほど染みてくる演奏とはまさにこのこと。第1楽章展開部の都会風のオシャレな空気感や、終楽章冒頭で、打鍵のエッジを立てずに穏やかに語るような仕草が、特に忘れられません。ロシア音楽に定評のあるジュスキントの指揮も、ツボを決して外しません。
リストも、リンパニー生来の気品が息づく名演。作り込んだ上品さとは違うことを実感していただけるでしょう。この曲はどうしても派手なパッセージに注目しがちですが、アレグロ・モデラート([03])で、リストの音楽の純真さ、リリシズムが確実に引き出すリンパニーのアプローチは無視できません。最後のグリッサンドも、、見世物的なパフォーマンスとは無縁。どのピアニストも大向こうを唸らせるようなアプローチばかりで飽き飽きしている方は、是非ご一聴を!【湧々堂】

Treasures
TRE-163(1CDR)
リシャルト・バクスト〜ベートーヴェン
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ピアノ・ソナタ第14番「月光」
ピアノ協奏曲第3番ハ短調*
リシャルト・バクスト(P)
スタニスワフ・ヴィスロッキ(指)
ワルシャワ国立PO

録音:1963年頃(ステレオ)
※音源:MUZA SXL-0166、SX-0167*
◎収録時間:77:44
“ベートーヴェン弾きとしてのバクストの芸術性を思い知るい一枚!”
■音源について
ポーランドのピアニスト、リシャルト・バクスト(1926-1999)の録音は少ないのですが、こんな至高のベートーヴェンを遺してくれたことは嬉しい限り。もちろんショパンの録音もありますが、それ以上に高次元に昇華した芸術がここにはあります!

★あまりにも有名なこれらの全ての作品において、バクストは独自の美学に裏打ちされた名演を展開!特にピアノ協奏曲第3番は、作品の質までも数段引き上げたとさえ思えるほど感動的な演奏で、精神と技巧の美しい調和を貫徹した例も他に知りません。タッチそのものが美しい上に、ニュアンスには奥行きを感じさせ、第1楽楽章展開部では、それが独特の憂いを帯びて流れ、カデンツァでは高潔な精神を輝かしい音像に注入し、打鍵の強さに頼らずに威厳を引き出します。第2楽章の瞑想感はリヒテルを思わせ、終楽章はやや遅めのテンポを着実に感じながらの進行が、孤高の空気を醸し出します。ここでも乱暴な強打とは無縁。美しいタッチは美しい精神から生まれることを実感するばかりです。コーダ前の7:46からの何気ない音型の説得力はどうでしょう。オケの有機的な絡みもご注目。
「悲愴」も、あからさまな激情とは無縁。あくまでも心の奥底の悲しみと詩情に焦点を当て続け、「ありがちな名演」とは一線を画します。
詩情といえば、「月光」!あざとさを感じさせない幻想性の徹底表出ぶりとテンポの安定感は、あまたの名演の中でも軍を抜いていることは明らか。第1楽章中間部、旋律線が消えて3連音の音型だけで進行する楽想が、緩やかに美しい弧を描きつつニュアンスを醸成する様は感動の極み!これを聴かずして「月光」を安易に語ってほしくないものです。 【湧々堂】

ELOQUENTIA
EL-0815(2CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ短調 RV.Anh.10
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ロ長調 RV.381
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ長調 RV.220
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ヘ長調 RV.291
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ハ長調 RV.175
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲イ短調 RV.355
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲イ長調 RV.338
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ホ短調 RV.274
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ハ長調 RV.176
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ホ短調 RV.275
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ロ長調 RV.377
ヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ヘ長調 RV Anh.130
フロリアン・ドイター(Vn)
アルモニー・ウニヴェルセル

録音:2007年10月、西部ドイツ放送室内楽ホール、ケルン、ドイツ

DACAPO
MAR-8.226134(1CD)
NX-B06
セアンセン(1958-):ピアノと弦楽のための「ミニョン」(2013-2014)
セレニッシマ(2014)
深い歌(1997-1998)
シャロットの女(1987/1992改編)
セレナード(2006)
The Weeping White Room-嘆く白い部屋(2002)
カトリーネ・ギスリンジェ(P)
ジョン・ストゥールゴールズ(Vn)
ラップランド室内O
ジョン・ストゥールゴールズ(指)

録音:2014年12月16-17日
「静寂」に重きを置く現代作曲家の一人、ベント・セアンセンの作品集。この「ミニョン」は2013年から2014年に作曲された“三部 作”の一つ。ピアノが奏でる漣のような音に、幽玄な弦の響きが融合。バッハ、モーツァルトの旋律の断片を含む音の渦は、セアンセ ンが求める静寂の風景を丁寧にトレースしています。初期の作品であるW.ウォーターハウスの絵画からインスパイアされた「シャロット の女」、実験的な要素が大きい「罪深い歌」、他にもセアンセンの内的世界を垣間見る神秘的な曲集です。


Treasures
TRE-142-143(2CDR)
ジャンヌ=マリー・ダルレ/サン・サーンス:ピアノ協奏曲全集&七重奏曲
TRE-142とTRE-143をセット化したもの
ジャンヌ=マリー・ダルレ(P)
ルイ・フレスティエ(指)
フランス国立放送局O
ロジェ・デルモット(Tp)*
ガストン・ロジェ(Cb)*
パスカルQ団員*

録音:1955-1957年
※音源:仏PATHE DTX-252、DTX-176、英HMV ALP-1593
◎収録時間:68:14+74:45

Treasures
TRE-143(1CDR)
ジャンヌ=マリー・ダルレ/サン・サーンス:ピアノ協奏曲集2
ピアノ協奏曲第1番
ピアノ協奏曲第3番
ピアノ協奏曲第4番##
ジャンヌ=マリー・ダルレ(P)
ルイ・フレスティエ(指)
フランス国立放送局O

録音:1956年5月、1955年4月##(全てモノラル)
※音源:英HMV ALP-1593、仏PATHE DTX-176##
◎収録時間:74:45
■音源について
「第1番」と「第3番」はイギリス盤を使用。LPでは、現在最も演奏頻度の低いこの2曲をカップリングして発売していたのです!この2曲を1枚に収めたCDを見たことがなく、それどころか、ここ数年はサン・サーンスのピアノ協奏曲のCD自体が激減しているのは、危機的状況です!

「第1番」は、サン・サーンス23歳時の作品ながら、サン・サーンス独自の屈託のない音楽性と発想力、巧みな構成を表面化させない天才的な筆致力はこの頃既に完全に備わっていたことを痛感させる演奏にはなかなか出会いません。その理由はただ一つ。作品に入れ込んでいないためです。ダルレが両端楽章で見せる無邪気な弾け方!ベートーヴェンやブラームスばかり勉強していてはこうはいかず、人生の粋を体現していなければ、第2楽章も陳腐なムード音楽に成り下がってしまうでしょう。
更に難物が「第3番」。第1楽章冒頭で、ピアノはアルペジョを繰り返すだけで、主題を提示するのはオケなので、指揮者のビジョンまで問われます。ダルレとフレスティエが完全に同じ方向を向き、展開部で熾烈な緊張の渦に本気で身を投じていることを知った瞬間から、これを「地味な曲」などと言えなくなるはず。全集録音のための急場しのぎの演奏では得られない手応えを感じていただけることでしょう。
「第4番」の素晴らしさも今さら申すまでもありませんが、終楽章での「このスタイル以外は有り得ない!」という強烈な主張を持った打鍵の連続技に接すると、単に腕が達者なだけでは太刀打ちできないことを思い知るばかりです。【湧々堂】


Treasures
TRE-156(1CDR)
オドノポゾフ〜ブラームス、サン・サーンス他
サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
 ハバネラOp.83
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
リカルド・オドノポゾフ(Vn)
ジャンフランコ・リヴォリ(指)ジュネーヴRSO
カール・バンベルガー(指)フランクフルト歌劇場O*

録音:1955年頃、1954年頃*(全てステレオ)
※音源:日Concert Hall SM-2250、仏Prestige de la Musique SR-9653*
◎収録時間:65:49
“甘美な音色と厳しい造形力を駆使した「語り」の妙味!!”
■音源について
コンサート・ホールのステレオ・バージョンは、特に協奏曲においてソロとオケが溶け合わないことが多いですが、これらは合格。特にブラームスは全体のブレンド感に違和感が無く、同レーベルの協奏曲録音の最高峰と言えます。このステレオ盤は、日本の名曲全集の中の一枚と、アメリカ盤、この70年代のフランス盤しか発見できませんでした。ここでは、オドノポゾフの音色美を最大限に引き出している70年代のフランス盤を採用しました。ジャケ写は独盤。

★リカルド・オドノポソフ(1914-2004)は、アルゼンチン出身。13歳でベルリン音楽大学ヘ入学し、後にカール・フレッシュのもとでで研鑽を積みました。1932年にはウィーン国際音楽コンクールで優勝。同時期に、ウィーンフィルのコンサートマスターに迎えられました。戦時中はアメリカを拠点に活動しましたが、戦後再びウィーンへ戻り、ウィーンアカデミーの教授に就任し、後進の指導にあたりました。
まず、最初の3つの小品でで、オドノポゾフの魅惑的な美音をたっぷりご堪能ください。音の端々まで愛情を注入し、人柄を映したような温かな歌が、音楽のフォルムを逸脱することなく切々と表出され、技巧が表面化することもないので、聴き手の心への浸透力が破格です。特に、ツィゴイネルワイゼン!後半の急速なアレグロに転じる前の「泣き」の凄さ。しかもオドノポゾフが鼻をすするような音まで聞こえ、それほど感極まったのかもしれません。それでも音楽を崩さずに気品を貫く心意気が、また泣かせるではありませんか!
そしてブラームスの究極芸!第1楽章の入り方は、今まで聴いた演奏の殆どは野放図な切込みで誤魔化していたのでは?と思えるほど、音楽を「語る」ことしか念頭にありません。トリルがこれほど心のときめきと直結しているのも珍しいでしょう。第1主題(4:16〜)はオドノポゾフの美音の真骨頂。決して感覚的な美しさにとどまらない慈愛一筋に流れるフレーズに涙を禁じえません。ブラームスにシゲティのような厳しさを求める向きでも、楽章ラストのカデンツァを聴けば、音の意味を一滴も漏らすまいとする集中力と息の長い呼吸に支えられて、芸術的昇華の極地を見せていることを認めざるをえないでしょう。オケが再び加わってから主題が少しづつ上昇するシーンに至っては、オケとの溶け合い方も含めて、これ以上に美しいのものを知りません。ブラームスらしい滋味を象徴する第2楽章でさえ、その真の美しさを湛えた語り口によって、決して音楽が低迷することがありません。終楽章も、切れ味とパワーで押し切る演奏では味わえない、入魂の語り芸!強烈な弓圧で圧倒する瞬間などどこにも存在しません。
このディスクによって、オドノポゾフの芸術性はもちろんのこと、このブラームスの協奏曲の魅力も再発見していただけるものと確信しています。【湧々堂】

Lydia Music
LYD-001(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番
ピアノ協奏曲 第2番
エリザベス・ゾンバルト(P・・・Fazioli 278)
ロイヤルPO
ピエール・ヴァレー(指)

録音 2014年5月アビー・ロード・スタジオ
ショパンの青春時代を彩る2つのピアノ協奏曲は、管弦楽法の弱さなどを指摘されはするも、多くのピアニストの憧れの作品として、現代 でも強い存在感を放っています。今回、この曲に挑んだのはストラスブール生まれのベテラン女性ピアニスト、エリザベス・ゾンバルト。7歳 でピアノを始め、ストラスブール高等音楽院に入学、11歳のときに初の公式コンサートに出演し注目を浴びました。以降、16歳で室内 楽とピアノで一等賞を受賞、他、数多くの賞を受賞、一時期はブエノスアイレスでブルーノ・ゲルバーに師事、マインツではセルジュ・チェリ ビダッケの元で、10年間にわたって音楽現象について学んだという経歴も持っています。 現在は教師として活躍する傍ら、可能な限り、多くの人々にクラシック音楽を聴いてもらいたいという思いから1998年に「レゾナンス財 団」を設立、7カ国でアウトリーチ・プログラムとピアノ・スクールを開催しています。この演奏で彼女は、曲が書かれた時代の背景やポーラ ンドの伝統舞曲を研究し、夢のような優しい旋律に隠されたショパンの悲惨な感情までも掘り起こしています。指揮者のピエール・ヴァ レーは小澤征爾とも親しく、サイトウキネンで何度も合唱指揮を務め、また、小澤征爾音楽塾で若手音楽家の育成に携わるなど、日 本でも良く知られた存在です。


Treasures
TRE-146(1CDR)
カンポーリ〜ブルッフ、サン・サーンス&ラロ
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
サン・サーンス:ハバネラ*
 序奏とロンド・カプリチオーソ*
ラロ:スペイン交響曲#
アルフレッド・カンポーリ(Vn)
ロイヤルトン・キッシュ(指)新交響楽団
アナトール・フィストラーリ(指)LSO*
エドゥアルド・ヴァン・ベイヌム(指)LPO#

録音:1951年4月17日、1953年11月10日*、1953年3月3-4日#
※音源:英DECCA ACL-124、ACL-64#
◎収録時間:77:08
“作品の様式美を踏み外さないカンポーリの芳しい歌心!”
■音源について
全てACL(溝)盤を使用。ACLは時折音がざらつき気味のものにも出会いますが、これらは問題なく良い音で鳴ってくれました。なお、ブルッフの1〜2楽章間は一瞬音が途切れますが、元々そのように収録されています。

★アルフレッド・カンポーリ(1906-1991)はイタリア生まれですが、少年期にロンドンへ移住。イタリア的な明るさを持つ美音と英国風の折り目正しいフレージングを融合したを魅力は、かけがえのないもの。ここでは、そんなカンポーリの魅力を端的に示す名演として、濃厚な味を持つ作品ばかりを集めていますが、特にご注目いただきたいのは、作品の濃厚さを逆手に取って聴衆に媚びるような表現はせず、気品溢れる音楽に結実させている点。
例えば、サン・サーンスの「序奏とロンド〜」の冒頭は、リズムを立てず、しっとりと歌われるのが常ですが、カンポーリはそんなお約束とは無縁。5小節目の下降音の32分音符にカラッとした軽みを与えているように、この作品の魅力は決して演歌風の表情付けではなく、各楽想を丁寧に描くことで自然に滲み出るということを教えてくれます。それでいて、多くの人が期待する「お涙」も過不足なく湛えているのですから、なんという芸の奥深さ!
そういう常套手段に甘んじない気品溢れる芸風は、スペイン交響曲で最大に開花しています。第1楽章の最初のソロに、カンポーリのアプローチの魅力のすべてが凝縮されています。情緒たっぷりのアゴーギクも、血を滾らせたような上げ弓も用いずに切々と歌われるフレーズは、音の勢いで蹴散らしてはもったいないと言わんばかり。天下の美音を誇りながら感覚美を志向せず、熱い音ではなく、熱い共感こそが説得力を生むのだということを思い知らされます。第2楽書の可憐さも、あくまでも自然体だからこそ聴き手の心をくすぐるのです。第3楽章の主題で、音の高低差を大げさに対比するような真似も、カンポーリの美意識が許しません。したがって終楽章も、力任せの演奏では聴こえてこない香り高いニュアンスの連続!美しい歌とは何か…、その答えが3:34から導き出されます。安易なエキゾチシズムに依存しないという演奏は他にもあるかもしれませんが、それを綺麗事で終わらせず、慎ましさの中に華のある表現で聴き手を酔わす演奏となると、他に思い当たりません。そして忘れてならないのは、ベイヌムの指揮の凄さ!カンポーリとは対照的に、高凝縮力を誇る迫力満点の音楽を展開していますが、内面から確信するニュアンスを貫徹させる信念は共通しており、両者が反発し合うことなく見事にブレンドされている点も特筆ものです。【湧々堂】

Treasures
TRE-145(1CDR)
J・B・ポミエ/チャイコフスキー&ベートーヴェン
チャイコフスキー:ピアノ・ソナタ.ト長調Op.37
 「ドゥムカ」-ロシアの農村風景Op.59*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」#
ジャン=ベルナール・ポミエ(P)
ディミトリ・コラファス(指)
ラムルーO

録音:1964年6月18-25日&10月20-22日&11月4日、1964年10月20-24日&11月4日*、1962年#(全てステレオ)
※音源:東芝 AA-8022、仏Club Francais 2300#
◎収録時間:79:53
“10代から備わっていたポミエの美麗タッチと造形力!”
■音源について
イヴ・ナット、サンカン門下のポミエが、1962年のチャイコフスキー・コンクール4位入賞(1位はアシュケナージ&オグドン)直後に行った録音。チャイコフスキーは、国内初期の赤盤を採用。赤盤は音質に定評があるものの、チリチリ音が混入していることが多いのが悩ましいところですが、ここでの使用盤は、ノイズ類がほぼゼロです!

★ロシア人以外のピアニストによるチャイコフスキーのソロ作品の録音で、まず筆頭にあげたいのがこのポミエ盤。「ソナタ」は30分を要する大曲ながら、ベートーヴェンのような堅固な構造を期待する向きには敬遠されがち。しかし、ポミエの瑞々しい切れ味と感性を誇るピアニズムに掛れば、そんな心配はご無用。チャイコフスキー特有のロマンチシズムと郷愁がストレートに胸に迫り続けます。特に第2楽章で、冒頭の瞑想的な主題のみならず、中間部の活気ある主題にも満遍なく情感を宿しているのは、作品への共感が本物であることの証しでしょう。
チャイコフスキー・コンクール入賞直後に録られた「皇帝」がまた凄い!この時ポミエはなんと18歳!この大曲を前にして一切気負うことなく、無理に背伸びした感を一切与えず、正直な音楽性を余すことなく注入。ハッタリとは無縁で、瑞々しい音色とタッチが作品に見事な推進力を与えており、いかにも皇帝風の威厳というよりも、人生の喜びを全身で表現したような清々しさ、一途さに心奪われます。第1楽章で頻出する音階風のフレーズにも常に歌が通っており、第2楽章は、気品と温もりのあるタッチで魅了。ホールの響きと溶け合って導かれる空気感が、更に雰囲気を倍増させています。終楽章の素晴らしさに至っては、史上屈指!若々しい感性を発散しながらも決して青臭さを感じさせず、テンポも先走りせず、安定感抜群。後年のソナタ全集(Erato)で見せた造形力の確かさが、この頃既に備わっていたことに驚きを禁じえません。
史上屈指と言えば、コラファスの指揮も同様。伴奏以外の録音が見つからず、詳細な経歴も不明ですが、このダイナミックな音作りと呼吸の深さに絶対的な自信と確信が横溢。第1楽章後半、16:59からのクレッシェンドの効かせ方!只者ではありません。【湧々堂】


PODIUM
POL-1053(1CD)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲集
シューマン:(1)ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(2)ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.127(原曲:チェロ協奏曲)
(3)12 のピアノ小品〜「夕べの歌」(ヴァイオリン版)
(4)ブラームス:ハンガリー舞曲第1、2番
ヨアヒム:ロマンス
全て、ゲオルグ・クーレンカンプ(Vn)

(1)ゲオルグ・クーレンカンプ(Vn)
 カール・ベーム(指)BPO
 録音:1937 年11 月26 日初演ライヴ
(2)サシュコ・ガヴリロフ(Vn)
 ヴァルター・ギレッセン(指)
 ヴェストファーレンSO
 録音:1987 年11 月29 日(ゲネプロ)
(3)ゲオルグ・クーレンカンプ(Vn)
 ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)BPO
 録音:1935 年
(4)ヨーゼフ・ヨアヒム(Vn)
 録音:1903 年8 月27日
シューマンのヴァイオリン協奏曲はヨアヒム(1831-1907)に献呈され、手稿譜もヨアヒムに渡されましたが、ヨアヒムの息子 からベルリンの図書館に売り渡された後なぜかシューマンの没後100 年まで演奏禁止とされていました。ところがナチスが権 力誇示のため100 年が経過していないにもかかわらず1937 年に初演させました。初演者のクーレンカンプは初演直後にシ ュミット=イッセルシュテットとの共演でTELEFUNKEN にこの作品をセッション録音していますが、この録音は何と初演のライ ヴをPODIUM 社主宰者のヴォルフガング・ヴェンデル氏が放送録音が存在するはず、という推測の元執念で探しだしたもの です。当時のドイツの録音技術も素晴らしく、音質も鑑賞に問題はありません。特殊な状況の初演ライヴということで異様な 緊張感をたたえており、セッション録音とは一味も二味も違った演奏となっています。 カップリングもかなりマニアックです。まずシューマンのチェロ協奏曲のヴァイオリン版。これも楽譜が1987 年に新発見された ものでサシュコ・ガヴリロフによって初演されました。この録音はなんとその初演時のゲネプロ(総練習)のものです。ゲネプロ の音源のため、途中関係者(指揮者?)の声が聞こえたりしますが、初演の緊張感がかえって伝わってきます。 続いてクーレンカンプによるシューマンの珍しい小品でシュミット=イッセルシュテットとの共演です。 最後はシューマンのヴァイオリン協奏曲初演者で手稿譜も持っていたヨアヒムによるハンガリー舞曲の演奏です。ブラームス やシューマンと直接親交のあったヨアヒムの貴重な録音。1903 年とかなり古い録音ですが、リマスタリングにより意外と聴ける 音質になっています。 ※PODIUM 社主宰者ヴォルフガング・ヴェンデル氏による99 ページにも及ぶ解説付き(但し全編ドイツ語)。そのため1枚も のですが、豪華BOX に収納されています。
※継続的に供給されるか不明ですので、お早めのご注文をおすすめします。


Treasures
TRE-142(1CDR)
ジャンヌ=マリー・ダルレ/サン・サーンス:ピアノ協奏曲集1
サン・サーンス:七重奏曲Op.65*
 ピアノ協奏曲第2番**
 ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」#
ジャンヌ=マリー・ダルレ(P)
ルイ・フレスティエ(指)
フランス国立放送局O
ロジェ・デルモット(Tp)*
ガストン・ロジェ(Cb)*
パスカルQ団員*

録音:1957年6月*、1957年4月27-28日**、1957年4月15-17日#
※音源:仏PATHE DTX-252*、DTX-176
◎収録時間:68:14
“作曲家直伝という箔を超越したダルレの恐るべき色彩力!”
■音源について
2枚の良質なパテ盤を使用。既存CDでは感じにくい打鍵の衝撃と、ダルレが愛奏したピアノ、ガヴォーのが放つ香気を十分引き出していると思います。

★サン・サーンスのピアノ協奏曲は、技巧の切れ味で押し切ることも可能でしょうが、だからといって、ベートーヴェンのように深刻に弾かれるとシラケることも多々あります。サン・サーンスの音楽の醍醐味を、プーランクの皮肉っぽさとも違う「優雅なウィット」だとすると、それを最も自然に満たしている名演として筆頭にあげたいのは、やはりダルレ女史の演奏。ダルレはサン・サーンス自身に師事したこともあるので、様々なアドバイスを受けたと思いますが、この演奏に流れるニュンアンスの魅力は、ダルレ自信が地道に育んだセンスの結晶と言えましょう。ダルレが愛奏したピアノ、ガヴォーのブリリアントな響きも格別。
「第2番」第2楽章で上下降するパッセージにおける、単なる粒立ちの良さだけでない洒脱さ、同第2主題で一切媚びずにイン・テンポを保持する洗練美は、何度聴いても唸らせます。終楽章は、軽いタッチに高い求心力を与えるという滅多に耳にできないピアニズムの勝利!
「第5番」は、まず第1楽章のソナタ形式の堅固さを際立たせた造形力の何と素晴らしいこと!展開部の表情の濃密な抉り方も聴きもの。第2楽章はダルレのタッチのコントロールの絶妙さに舌を巻くばかりで、一音も聴き逃せません。ピアノが入る冒頭、高音で連打する箇所で異国情緒を一気に印象づける演奏はそう多くはないはず。1:50からの木片を叩いているような風合いも、他とは違う説得力。この楽章は、ダルレの想像を絶する色彩力の全てを投入した名演と言っても過言ではありません。エキゾチシズム満点のこの楽章をショパンかラフマニノフのように流すピアニストのいかに多いことか!ただ、そのエキゾチシズム、鼻をつくような土臭さとは一線を画し、お洒落な衣を纏っている点が、他に代えがたい魅力なのです。フレスティエの指揮も申し分なし!
七重奏曲は、弦5部+ピアノ+トランペットという独特の編成による色彩を活かした楽しい佳曲。その華麗さの中核を成すのはトランペット(デルモットはパリ・オペラ座管の主席)ですが、全体に独特のエレガンスを与えているのはピアノ。第3楽章には哀愁が漂うものの、決して深刻にならないのはいかにもサン・サーンス。ピアノは単純明快な伴奏音型を繰り返しますが、そこへダルレはさり気なくウィットを滑り込ませているのがニクイところ。弦のユニゾンの甘美な色彩にもご注目を。【湧々堂】


Treasures
TRE-141(1CDR)
マイラ・ヘス〜モーツァルト&ブラームス
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番K.449
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番Op.83*
マイラ・ヘス(P)
ブルーノ・ワルター(指)NYO

録音:1954年1月7日、1951年2月11日*(共にライヴ
※音源:米 Bruno Walter Society PR-36、BWS-736*
◎収録時間:70:21
“ヘスとワルターの親和性が最大に発揮された2大名演!”
■音源について
ワルター協会LPの1枚半分を収録。録音状態は年代相応ですが、ヘスの芸術性を実感するのに何ら不足はないと思います。

★英国の代表的ピアニスト、マイラ・ヘス(1990-1965)はワルターのお気に入りのピアニストの一人。派手なヴィルトゥオジティと無縁なのは他の英国ピアニストと同様ですが、常にヴィジョンを明確に携え、気品を持って音楽を飛翔させるピアニズムはかけがえのないものです。
モーツァルトの「第14番」では、まず曲の素晴らしさをつくづく実感。まろやかでありながら芯を絶やさないヘスのタッチは、最後まで心を捉えて離しません。第2楽章の説明調に陥らない語り口の妙と余韻は、特に格別。ワルターの伴奏は重厚な響きながら決して大味ではなく、全ての音に迷いがなく至純そのもの。ワルターが奏でたモーツァルトの中でも出色の名演ではないでしょうか。終楽章の1:28からの低音タッチの呟きとワルターとの掛け合いのシーンは、ニュアンスの自然発生的な一体感が筆舌に尽くし難いく、こういうのを「神が降リてきた瞬間」というのでしょう。
ブラームスは、ヘス、ワルター共々、大きな構えによる重厚な響きを志向し、最後まで造形的な崩れを見ず、ブラームスの音楽の醍醐味をとことん堪能させてくれます。第1楽章の15:44以降の、響きの熱い凝縮と決して華美に走らない高揚感は、これぞブラームス!第3楽章は、冒頭のチェロのソロから感涙もので、これほど肩肘を張らずに切ないロマンが零れる演奏は他に思い当たりません。それに続くヘスのピアノはたっぷりと潤いを湛えたタッチで陰影の限りを尽くし、6:25からの静謐美は比類なし!ヘスの破格の芸術性を象徴するシーンです。終楽章の終結は、ライヴともなれば白熱的に突進することも珍しくないですが、ここでは安易な熱狂とは違い、一定の矜持を持って精神を一途に高揚させることで、希望の光を放射するかのよう。
マイラ・ヘス自体、日本ではなかなか注目されませんが、この2つのライヴから、彼女固有のの芸術性を少しでも認識していただければ幸いです。【湧々堂】

KOKORO RECORDS
KKR-009(1CD)
税込定価
GOLD−三味線協奏曲集
(1)川崎絵都夫:三味線協奏曲(2015)
(2)江原大介:『魂の絃』 - 三味線と吹奏楽のための協奏曲(2010)
(3)コリーン・シュムコー:『When the Waves Clash』 - 三味線協奏曲(2016)
(4)三木稔:『三味線協奏曲』(2008)
(5)杵屋正邦:『九重』-三絃九重奏曲-(1973)
野澤徹也(三味線)

(2)澤田由香(篠笛)、阿部大輔(尺八I)、本間豊堂(尺八 II)、大上茜(琵琶)、野澤佐保子(箏I)、吉澤延隆(箏 II)、松坂典子(十七絃筝)、吉川玄一郎(打楽器)、冨田晋平(打楽器)
(3)野上博幸(指)ミュゼ・ダール吹奏楽団
(4)邦楽創造集団オーラJ
(5)野澤徹也(三味線全9パート重ね録り)
この CD のタイトルにもある「三味線協奏曲」というのは、三味線演奏家にとっての華で あり憧れです。幸いにも私は現時点で、4つの三味線協奏曲を初演するチャンスに恵まれ ました。そこで、この機会にそれらをまとめて聴いていただこうと思い、CD 化を企画。三味 線をはじめ、様々な邦楽器や吹奏楽の音がキラキラとしていて、「金色の音色」というイメ ージがわいてきたため、タイトルを「GOLD」と名付けました。 唯一の吹奏楽との三味線協奏曲と和楽器による3つの三味線協奏曲を収録。ボーナスト ラックとして、1人で9パートを重ね撮りした三味線九重奏も収録。(野澤徹也)

AGLAE MUSICA
AMC-104(1CD)
ベートーヴェン:三重協奏曲ハ長調 Op.56*
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ルートヴィヒ三重奏団
[イム・ヒョスン(P)
アベル・トマス(Vn)*
アルナウ・トマス(Vc)*]

ガリシアSO
ビクトル・パブロ・ペレス(指)

録音:2013年3月22-23、25-26日、歌劇劇場、ア・コルーニャ、スペイン
イム・ヒョスンは1981年韓国の全州に生まれたピアニスト。カーティス音楽院(フィラデルフィア、アメリカ合衆国)でゲイリー・グラフマンに師事。室内楽演奏家として頭角を現し、ミーシャ・マイスキー、ヒラリー・ハーンらと共演、2009年にはトマス兄弟とともにルートヴィヒ三重奏団を結成しました。

Sono Luminus
DSL-92204B05
Re:Imagined
シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129(チェロと弦楽四重奏版)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」Op.47(チェロと弦楽四重奏版)
ズィル・ベイリー(Vc)
インSQ

録音:2014年10月12-16日
ヴァージニアボイス,ソノ・ルミナス・スタジオ
チェロ奏者と弦楽四重奏団の共演というと、大抵の人はボッケリーニの五重奏か、シューベルトのハ長調の弦楽 五重奏曲を思い起こすことでしょう。しかしチェリスト、ズィル・ベイリーは既存の曲を編曲することで、新し いレパートリーを生み出すことに成功しました。このアルバムでもシューマンとベートーヴェンという意表をつ く作品を取り上げ、納得の行く演奏を行っています。シューマンのチェロ協奏曲は作曲家であるフィリップ・ラ ッサーに助言を求めつつ、自身らで編曲を行うことで、シューマンの複雑な響きを余すことなくサイズダウン、 緊密なアンサンブルを繰り広げています。かたやベートーヴェンの「クロイツェル」は1832年にアレンジされ た(編曲者は不明)、いわばベートーヴェンと同時代の作品。こちらは原曲を拡大したもので、緊張が張り巡ら された原曲が幾分緩やかな曲調になっているところが面白いものです。

Sono Luminus
SM-234(1CD)
トランペット協奏曲集
アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012):トランペット協奏曲
ロベール・プラネル(1908-1994):トランペット協奏曲
トレッリ(1658-1709):トランペット協奏曲ニ長調G.28
ヨハン・バプティスト・ゲオルク・ネルーダ(1711-1776):トランペット協奏曲変ホ長調
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調Hob.VIIe:1
ピアソラ:リベル・タンゴ(G.マンクーシによるトランペットと管弦楽編)
エンニオ・モリコーネ(1928-):ミッション-ガブリエルのオーボエ(トランペットと管弦楽編)*
ヨーゼフ・ホーフバウアー(Tp)
クリスティーナ・ホイメッサー(Vc)*
シェーンブルン祝祭O
グイド・マンクーシ(指)

録音:2015年9月9日…1-3.13-17,2015年7月12日…4-12オーストリアウィーン,ヤマハ・コンサート・ホール
ウィーンで活躍するトランペット奏者ヨーゼフ・ホーフバウアー。彼はウィーンで生まれ、ウィーン音楽大学で学び、名手キャロル・ドーン・ラインハルトのディプロマを受け、その後はモーリス・アンドレにも師事しています。ソロ・デビューは1986年、ウィーンの楽友協会でのコンサートで、その後は1992年まではヴィンドボナ・バロックアンサンブルの首席奏者を務め、現在はウィーン・クラシカル・プレイヤーズのメンバーとしても活動しています。また彼は、これまでにも数多くのアルバムをリリース、バロックから現代作品、ジャズ、サウンド・トラックと多岐に渡り、そのどれもが高く評価されています。このsolomusicaレーベルへのデビュー盤は、アルチュニアンをはじめとした「彼のお気に入り」のトランペット協奏曲集で、どれも伸びやかで輝く音色が印象的です。指揮者のマンクーシとは2004年の顔合わせ以来、長年に渡って共演を続けているという気心の知れた仲です。


Treasures
TRE-129(1CDR)
リンパニー〜モーツァルト:ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番(カデンツァ=第1楽章:モーツァルト第2作、第2,3楽章:モーツァルト第1作)
 ピアノ協奏曲第21番(カデンツァ=第1楽章:ウィンディング作、第3楽章:クレンゲル作)*
ブラームス:間奏曲Op.117-2**
 パガニーニの主題による変奏曲第2巻Op.35-2#
ショパン:幻想即興曲Op.66##
モーラ・リンパニー(P)
ハーバート・メンゲス(指)
フィルハーモニアO

録音:1954年4月28日、1953年2月17日*、1952年11月3日**、1947年12月19日#、1949年4月26日##
※音源:日Angel HC-1006(モーツァルト)、英Cambridge Records DIMP-2
◎収録時間:73:33
“英国風の端正さの中に光るリンパニー独自の華やぎ!”
■音源について
モーツァルトの協奏曲は、録音データでも明らかなように、ほとんど一発録りされたものと思われ、楽章間にも会場ノイズのようなものが微かに聞こえます。そのため楽章間のフェード処理はあえて行なっておりません。良質な日本プレス盤を採用。

★このモーツァルトも、リンパニーの全盛期の素晴らしさを知るのに不可欠な名演。闊達なタッチを活かしながら、入念に楽音の意味を紡ぎ出し、カーゾン、ヘス、ソロモン、マシューズ等と共通する英国流の端正美が息づいています。強烈な自己主張で迫らないのも共通。「第12番」終楽章冒頭のリズムも健康的でありながら開放的に振る舞うことなく、慈愛を持って内省的な美しさを表出。より規模の大きな「第21番」では、端正な構成感に加え、フレージングに一歩踏み込んだ主張が感じられ、第1楽章展開部で顕著なように、ニュアンスの陰影も一段と濃くなっています。リンパニー独自のヴィルトゥオジティの片鱗が見え隠れするのも印象的で、それは採用したカデンツァにも反映。第1楽章のカデンツァは、デンマークのピアニスト、アウグスト・ウィンディング(1835-1899)の作で、短い中にも可憐な華が散りばめられた逸品。終楽章では、ディナーミクの幅を抑制したまま珠を転がすようなタッチに魅力が心を捉えます。ここでのカデンツァは、ドイツで活躍したピアニストで、チェリストのユリウス・クレンゲルの兄でもあるパウル・クレンゲル(1854-1935)の作で、これがまた絶品!ここでは、リンパニーのピアニズムの華やぎが際立ちますが、わずか十数秒でコーダに移ってしまうのが何とも粋!、
カップリングしたショパン、ブラームスでは、リンパにーのその技巧の冴えと、そこに通底する詩的なニュアンスをとことんご堪能下さい。【湧々堂】


Treasures
TRE-126(1CDR)
デニス・マシューズ〜モーツァルト
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番K.310*
ピアノ協奏曲第24番(カデンツァ=マシューズ作)
ピアノ協奏曲第20番(カデンツァ=ベートーヴェン作)
デニス・マシューズ(P)
ハンス・スワロフスキー(指)
ウィーン国立歌劇場O

録音:1959年頃*、1958年(全てステレオ)
※音源:米VANGUARD SRV-196SD*、SRV-142SD
◎収録時間:74:42
“天国のモーツァルトに聴かせることだけを考えた唯一無二の感動作!”
■音源について
デニス・マシューズ (1919〜88)は、デニス・ブレインの共演者としても知られるイギリスのピアニストですが、ソロ録音は少なく、英コロンビアと米ヴァンガードに少し遺している程度。中でもステレオ録音はごくわずか。

★「モーツァルト弾き」ピアニストとして、リリー・クラウスやヘブラー、シフ等と共に位置づけたいのが、このデニス・マシューズ。その演奏は、クラウスのような人間味を全面に押し出すスタイルとは対照的で、淡々と進行するだけで、聴き手に積極的に語り掛けて来ません。しかし、冷たく突き放したものでもなく、模範解答的でもない、不思議な閃きが確実に宿っているのです。「モーツァルト自身が弾いているかのような」という例えもちょっと違う。ではその根底に何があるのか、どこに向かって音楽を発信しているのか…、長年分からなかった答えが、ソナタ第8番を聴いた瞬間に頭をよぎりました。聴衆のためでも自分の為でもない、ただただ天国のモーツァルトに向けて奏でていると考えれば全て納得できるのです。
第1楽章では、これ以上細工を排しては音楽にならないという寸前での、無垢な音楽との向き合い方!第2楽章は、更にその純度を極め、和声の陰影感が自然発生的に滲み出ます。終楽章も、マシューズの視線は、聴き手をよそに遠くを見つめているかのよう。
「モーツァルトのためだけに奏でるモーツァルト」という印象は、協奏曲ではさらに強固なものとなります。堅実なスワロフスキーの指揮と見事な調和を保っているのですが、互いに視線を送り合いながら協調して作り上げるというよりも、マシューズの意識は更に上を行っており、周りが存在していないかのよに孤高の光を放ち続け、現出する音楽には、例えようもない美しさが立ち昇っているのです。いわゆる「内省的な表現」とも違う、もちろん言葉だけの「作曲家への忠誠」とも次元の違う、もはや別格のモーツァルトと呼ぶしかありません。「第24番」第2楽章、2:24以降の現実離れした美しさは、カーゾンをも凌ぐかも…。【湧々堂】


Treasures
TRE-122(1CDR)
レギーナ・スメンジャンカ/ピアノ協奏曲集
バッハ:ピアノ協奏曲イ長調BWV.1055
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番
ショパン:ピアノ協奏曲第2番*
レギーナ・スメンジャンカ(P)
スタニスラフ・ヴィスロッキ(指)
ヴィトルド・ロヴィツキ(指)*
ワルシャワ国立PO

録音:1960年頃、1959年*(全てステレオ)
※音源:独CNR FA-402、独TELEFUNKEN NT-459*
◎収録時間:77:28
“タッチの変化の背後にドラマを添える独自のセンス!”
■音源について
全て、ポーランドMUZA音源。ショパンの第2協奏曲は、ショパン生誕150年(1960年)を記念して制作されたショパン全集の中の音源。ちなみに、第1協奏曲は、チェルニー=ステファニスカが受け持っていました。全3曲とも、ここではプレス良好な独盤を使用。

★レギーナ・スメンジャンカ(1924-2011)は、ショパン音楽アカデミーの教授を務め、多くの門下生を世に送り出したポーランドを代表するピアニストで、まさにショパン演奏の権威者。これらの録音は、まだ教育活動に本格的に乗り出す前のものですが、師のズビグニェフ・ジェヴィエツキをはじめ、ポーランド独自のアカデミズムによって彼女の音楽性が育まれたのは明らか。にもかかわらず、変に凝り固また演奏に陥らず、アカデミズムによって培われたであろう作品の構成を見通す能力を土台としつつ、生来の楽想を感じるセンスが同時に生きているのは、音楽ファンとして嬉しい限りです。
まずは、国の威信を掛けたショパン全集の中の重要な1曲、ピアノ協奏曲第2番。最初に飛び込むのが、苦悩に喘ぐようなロヴィツキの指揮。それに対し、スメンジャンカは、情緒過多を避けた、音楽の骨格の大切にした音楽作りを貫徹。そのニュアンスは後付ではなく、あくまでもタッチのコントロールによって生み出しており、それが実に心に染み入るのです。第2楽章のトリルは、まさに心の震えの投影。息の長いレガートの美しさの中に毅然とコントラストを盛り込むセンスにも思わず唸らされます。
そういったスメンジャンカのセンスは、ショパンに限ったことではありません。バッハは、この曲のピアノによる演奏として決して無視できない名演。作品の構造美を感じ取りながら、一定の緊張感を持って引き締まった音像を築く手腕!もちろん、スタイルの古さなど微塵も感じさせません。
更に感動的なのが、モーツァルト!これを聴いて、スメンジャンカの才能を遂に確信する方も多いことでしょう。イン・テンポと明確なタッチを基調に進行しますが、各タッチの背後に確固としたドラマが注入されており、ニュアンスの多様さも、むしろショパン以上。特に第1楽章展開部の内面からの高揚、第2楽章の自然発生的なニュアンスの微妙な変化は、モーツァルトの真の理解者だけに可能な技と言えましょう。【湧々堂】

Velut Luna
CVLD-241(1SACD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
 瞑想曲 Op.42-1(懐かしい土地の思い出 より、ジョヴァンニ・アンジェレーリ編曲)
ジョヴァンニ・アンジェレーリ(Vn、指)
ヴェネツィアO
ジョヴァンニ・アンジェレーリはイタリアのパドゥア生まれのヴァイオリニスト・指揮者。1997年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール第1位。1998年以来2016年現在ヴェネツィアO常任指揮者。
Velut Luna
CVLD-246(1CD)
ジョルジョ・ガスリーニ(1929-):シンフォニコ 4
クラリネット協奏曲変ロ長調(2010)*
管弦楽の為のラルゴ(2010)+
永遠なるベロセットのオートバイ [Moto Velocetto perpetuo](管弦楽の為の;2006)#
ビッグバン・ポエム [Big Bang Poema] (管弦楽の為の;1999)**
アンジェロ・テオーラ(Cl)*
ユピテルSO(*/+)
キエーティ・マッルチーノ劇場O#
フェデーレ・フェナローリ国際青年SO**
ジョルジョ・ガスリーニ(指)

録音:2011年2月17日、ライヴ、エクセルシオール劇場、チェザーノ・マデルノ、イタリア(*/+)
    2007年2月6日、ライヴ、マッルチーノ劇場、キエーティ、イタリア#
    1999年8月22日、ライヴ、ランチアーノ、イタリア**
ジャズと映画音楽の分野で高名なイタリアの作曲家・指揮者・ピアニスト、ジョルジョ・ガスリーニのクラシカル作品集。

Hush Collection
HUSH-011(1CD)
ルミナス〜インスパイアード・バイ・モーツァルト
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K.622より 第2楽章〔p〕
交響曲第40番ト短調 K.550より 第1楽章〔p, vn, vc, b, ds〕
アイネ・クライネ・ナハトムジークより 第1楽章〔p〕、第2楽章〔vc, p〕、第3楽章〔p, vn, vc〕、第4楽章〔p, vn, string quartet〕
ピアノ協奏曲変ロ長調 K.595より 第2楽章〔p, string quartet〕、第3楽章〔p〕
歌劇「魔笛」 より序曲〔p, b, ds, strings〕
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467より 第2楽章〔p, b, ds〕
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調 K.454より 第2楽章〔vn, p〕
ピアノ・ソナタイ長調 K.331より 第1楽章〔accordion, vn〕、第1楽章〔p〕
ジョー・チンダモ
(ピアノ、アコーディオン)、ゾーイ・ブラック(Vn)、サラ・キュロー(Vn)、キャロライン・ヘンベスト(Va)、ジョセフィン・ヴェインズ(Vc)、ダニエル・ファルジア(パーカッション)、フィリップ・レックス(Cb)
メルボルンのジャズ・ピアニスト、作曲家のジョー・チンダモを迎えたモーツァルト・アルバム。すべてチンダモのジャジーなアレンジで、ピアノ・ソロから室内楽まで様々な編成によるモーツァルトの名曲が楽しめます。


Treasures
TRE-104(1CDR)
ホロヴィッツ〜2大激烈ライヴ集
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
ウラディミール・ホロヴィッツ(P)
ブルーノ・ワルター(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO
ジョージ・セル(指)NYO*

録音:1936年2月20日アムステルダム・コンセルトヘボウ、1953年1月12日カーネギー・ホール(共にモノラル・ライヴ)
※音源:米BRUNO WALTER SOCIETY BWS-728 、Private EV-5007*
◎収録時間:68:53
“似ているようで意味が異なる2つの激烈ライヴ!”
■音源について
ブラームスの第1楽章の201-310小節にマスター欠落による空白があります。M&AのCDでは、トスカニーニ盤で穴埋めしていました。チャイコフスキーは、ホロヴィッツのカーネギー・ホール・デビュー25周年記念公演。OTAKENのCDと同じ音源を使用。

ブラームスは、宇野功芳氏も激賞。31歳のホロヴィッツと59歳のワルターが壮絶な火花を散らした凄演です。感情を剥き出しにすると造形が破綻することが多いワルターも、ここでは、ホロヴィッツのパワーに負けじと確固たる凝縮力を堅持。両者のパッションは常に同じ方向に向かって放射されるので、まさに一丸となったエネルギー量は尋常ではなく、音の古さを超えて、猛烈な説得力で迫り続けます。第2楽章では、ホロヴィッツがスクリャービンを思わせる官能美を見せる点も聴き逃せません。
しかし、それ以上に「奇跡的な燃焼」を成し遂げているのがチャイコフスキー!本番前にホロヴィッツとセルは大喧嘩したとの噂の真偽はともかく、どう考えても両者の個性は正反対。実際の音も、両者が別々の理想に向かって意地になって猛進しているようで、ワルターとの競演時とはハイテンションの意味が違って聴こえます。セルが最後まで芸術的フォルムの貫徹を目指すのに対し、ホロヴィッツがそれをガンガンぶち壊し続けるスリルは最後まで途絶えることなく、終楽章コーダでは、遂に崩壊寸前に!とにかく、この曲でピアニズムの限界、燃焼の極限を体感するには、これ以上の演奏は考えられません。理屈抜きでご堪能ください。2曲とも、生々しい音質。【湧々堂】

Resonus
RES-10157(1CD)
忘れられたウィーン
ディッタースドルフ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ハ長調
ヴァンハル:交響曲イ短調
オルドネツ:シンフォニア ハ長調
ヴァンハル:ヴァイオリン協奏曲変ロ長調、
 レクイエム・ミサ.変ホ長調
アマデ・プレイヤーズ、
ニコラス・ニューランド(指)
ジョージ・クリフォード(Vn)、
ドミニカ・フェヘール(Vn)、
ケンブリッジ・シドニー・サセックス・カレッジCho

録音:2015年1月26日、9月7日−10日、セント・ジョンズ・スミス・スクエア(ロンドン)
ロンドンをベースとするピリオド・アンサンブル、アマデ・プレイヤーズ(音楽監督:ニコラス・ニューランド)のデビュー・アルバムは、モーツァルトやハイドンなど偉大な音楽家の影に隠れ忘れ去られてしまった、カール・ディッタース・フォン・ディッタースドルフ、ヨハン・バプティスト・ヴァンハル、カール・オルドネツら18世紀ウィーンの音楽。

DACAPO
MAR-6.220628(1SACD)
ラース・グラウゴー:作品集
1.ヴィーナス(2013)
2.BookofThrows(2013)
3.レイヤーズ・オブ・アース(2011-2013)
4.3つの場所(2011)
パッティ・キルロイ(Vn)…1
パトリック・スウォポダ(Cb)…1
ジャン=ミシェル・ピルク(P)…2
イアン・シェーファー(Ob)…3
ラーシュ・グラウゴー(コンピューター)…3
ニューヨーク大学SO…1
ニューヨーク大学現代音楽アンサンブル…2.4
ニューヨーク大学パーカッション・アンサンブル…3
イェンス・ゲオルク・バッハマン(指)…1.3
ジョナサン・ハース(指)…2.4

録音:2013年1月…1,2013年11-12月…2,2012年5月…3,2011年10月…4ニューヨーク
デンマークを代表する現代作曲家、ラース・グラウゴー(1957-)の4つの新作を収録したアルバムです。これらはニューヨーク大学のスタインハート(教育、文化、芸術に特化hした学部)のアンサンブルのために作曲されたもので、知覚と感情の複雑な関係を示唆した面白い作品が並んでいます。弦の音から電子音まで多彩な音を駆使し、出来上がった緻密で繊細なテクスチュアを完璧に捉えた見事な録音にも驚愕です。不可解で不定形な音の海に揉まれる快感をどうぞ。
DACAPO
MAR-8.226117(2CD)
ラーシュ・メラー:春のリライト
<CD1.春のリライト(スタジオ・ヴァージョン)>1.第1部:エヴォケーション/2.間奏曲/3.第2部:春の広場/4.第3部:プロセッション/<CD2.春のリライト(ライヴ・ヴァージョン)>1.第1部:エヴォケーション/2.間奏曲/3.第2部:春の広場/4.第3部:プロセッション
デイヴィッド・リーブマン(Sax)
マリリン・マズール(パーカッション)
オーフス・ジャズ・オーケストラ
ラーシュ・メラー(指)

録音:2013年9月26-27日デンマークオーフス,フィンランドスタジオ、2013年9月25日デンマークコペンハーゲン、ジャズハウスライヴ
このタイトルはいわば「言葉遊び」であり、もともとの題材は誰もが知っているストラヴィンスキーの「春の祭典-The rite of spring 」です。メラー(1966-)はこの作品へのオマージュとして、リープマンのサックスを中心としたビッグジャズバンドを起用し、いかにも北欧のジャズらしい作品を作り上げました。ヨーロッパのクラシック音楽の伝統に根ざしながら、新しいものを模索するという試みです。スタジオ・ヴァージョンとライヴ・ヴァージョンのノリの違いを聴くのも興味深いものです。

Les Dissonances
LD-006
(2CD+PAL-DVD)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集(全曲)
[CD1]
ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211
ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
[CD2]
ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219
[DVD]
ヴァイオリン協奏曲第1〜5番
ダヴィド・グリマル(Vn&コンサートマスター)、レ・ディソナンス

収録:2014年3月1日/シテ・ド・ラ・ミュジーク(ライヴ)
■ダヴィド・グリマル(ヴァイオリン)
フランスの第一線で活躍するヴァイオリン奏者。パリ国立高等音楽院にて、レジス・パスキエに師事、さらにシュロモ・ミンツやアイザック・スターン、さ らにフィリップ・ヒルシュホーンらからも薫陶をうけました。ソロ・ヴァイオリン奏者として様々なオーケストラと共演するほか、様々な作曲家から作品を 献呈されています(ダルバヴィー、エスケシュ、ジジェル、イヴァン・フェデーレ他)。長年にわたり名ピアニスト、プルーデルマッハーとコンビを組み室 内楽の活動も展開。指揮者なしで演奏するオーケストラ「レ・ディソナンス」を結成。ソロ、室内楽、さらにオーケストラ活動を展開している。使用楽器 は「ex Roederer」(ストラディヴァリウス、1710年)と「ドン・キショット(ジャック・フスティエ製)」の2つ。
Les Dissonances
LD-005
(1CD+PAL-DVD)
70ページブックレット付
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
交響曲第4番 ホ短調 op.98
[DVD]
ブラームス:交響曲第4番(全曲)
ダヴィド・グリマル(Vnン&コンサートマスター)、レ・ディソナンス

収録:2012年10月27日(協奏曲)、2013年2月12日(交響曲)
リマルによるブラームス。指揮者なしのオーケストラ、レ・ディソナンスのアンサンブルの底力を観るような映像です。
Les Dissonances
LD-004
(1CD+PAL-DVD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
交響曲第4番 ホ短調 op.98
[DVD]
ブラームス:交響曲第4番(全曲)
ダヴィド・グリマル(Vn&コンサートマスター)、レ・ディソナンス

収録:2012年10月27日(協奏曲)、2013年2月12日(交響曲)
LD 005の豪華ブックレットが付属しないヴァージョン。

Aurora
ACD-5080(1CD)
レーネ・グレナーゲル(1969-):3つの協奏曲
手術(2012)(打楽器とシンフォニエッタのための)
スミロドン(2012)(コントラバスクラリネットとシンフォニエッタのための)
チェロ協奏曲(2006)(チェロと17人のミュージシャンのための)
ホーコン・ステーネ(打楽器)
 ロルフ・ボルク(コントラバスCl)
ターニャ・オルニング(Vc)
アークティック・フィルハーモニック・シンフォニエッタ
ペーテル・シルヴァイ(指)

録音:2014年1月13日-17日 ストーレ・スタジオ(ボードー、ノルウェー)
《スミロドン》のオープニング。不器用な動作というより、穴だらけの思考といったほうが近い。バスクラリネットの暗い響きのどこともわからない深み から、打楽器と高いピッチの木管楽器に勢いを得た狼煙が上がる。音楽がいつ爆発してもおかしくない」(ボレアリス・フェスティヴァル、ヒル・ボルクグレー ヴィンク)。最後の氷河期、北アメリカ大陸に生息したというサーベルタイガーの一種「スミロドン」の名を採った作品は、ノルウェーの音楽家グレナーゲ ルの作曲スタイルを示す、うってつけの一作です。コントラバスクラリネットとシンフォニエッタのためのこの作品は、ベルゲンの BIT20 の委嘱で作曲され、 楽器に潜在する「音」と「表現」が、さまざまな角度から追求されます。
レーネ・グレナーゲルは、ノルウェー南部、エストフェル県のハルデンで育ちノルウェー音楽アカデミーでチェロと作曲を学びました。オスロ・フィルハー モニック、トロンハイム交響楽団、チカーダや BIT20 といった現代音楽アンサンブルのために作曲。イギリスのハッダスフィールド現代音楽フェスティヴァ ルやスウェーデンの「サウンド・オブ・ストックホルム」が彼女の作品を取り上げ、オスロの「ウルティマ」や実験音楽の「ボレアリス」フェスティヴァル は彼女の「ポートレート」コンサートを企画しました。ロルフ・ボルク、ホーコン・ステーネ、アンサンブル asamisi-masa のチェリストのターニャ・オ ルニングといったプレーヤーたちと緊密なコラボレーションを行い、モルデジャズをはじめとするジャズフェスティヴァル、トロンハイム・ジャズオーケスト ラとのコラボレーションもつづけています。
《手術》は、打楽器奏者ホーコン・ステーネの委嘱から委嘱を受けて作曲されました。ステーネとグレナーゲルが「弦を張った木箱」チェロを「手術台」 に載せ、「打楽器」として演奏します。チェロ協奏曲は、1996年創設のノルウェーの現代音楽グループ、アンサンブル・エルンストの委嘱作です。ノルウェー の舞曲のステップとリズムが「歪め」られ、特殊奏法も交えた「幅広い語彙の響き」をもつチェロと、ヴォーカルを加えたシンフォニエッタの中に再生されます。 初演は2006年10月。このアルバムには、2014年1月、ターニャ・オルニングが2009年創設のアークティック・フィルハーモニックの「シンフォニエッ タ」と共演した、ボードーのスタジオでのセッション録音が収録されています。 (Ki)

カール・エンゲル karl Emgel
Treasures
TRE-081(1CDR)
カール・エンゲル〜モーツァルト:ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番
 ピアノ協奏曲第25番(カデンツァ:K.エンゲル)
シューマン:子供の情景〜トロイメライ*
カール・エンゲル(P)
フェリックス・プロハスカ(指)
バイエルンRSO

録音:1963年、1963年頃*(全てステレオ)
※音源:独ELECTROLA STE-91-261、日KING RECORD SH-5043*
◎収録時間:62:35
“モーツァルトの真心を伝える絶妙なタッチ!”
■製作メモ
モーツァルトの独エレクトローラのステレオ盤は極めて入手困難。シューマンはARIORA原盤。本来は全曲を収録したかったのですが、盤の傷みが目立つため、ここではギリギリ復刻の許容範囲内の「トロイメライ」をアンコール代わりに収録。国内初出盤の音の瑞々しさは、お分かりいただけると思います。

★一貫して自然体を貫きながら、タッチへの配慮、均整の取れた造形への心配りも欠かさないエンゲルのピアニズムは、モーツァルトの音楽の純粋さを引き出すのに不可欠だということを強く確信させる名演です。
「第18番」第1楽章展開部で見せる、全身で幸福を感じたリズムの躍動にも誇張は一切なし。第2楽章でハッとさせられるのが、悲しみと幸わせを絶妙にブレンドしたニュアンスを引き出す、プロハスカの指揮。そのテイストを引き継いで滑り込むエンゲルのソロがこれまた絶品!珠のようなタッチの魅力だけでなく、音符の奥底まで育み尽くしたことが手に取るように分かり、中でも3:14からのアルペジオ風の変奏の、純粋な共感を反映美しさは忘れられません。
「第25番」は、セル&フライシャーによる高度な凝縮力を誇る名演とは対照的。エンゲルもプロハスカも、モーツァルトの純朴な息吹を大切にした温かみのある演奏を目指しており、それが見事に結実。ぬるま湯的な演奏になりかねないスタイルですが、第2楽章に象徴されるように、音の吟味と慈しみの深さによって少しも音楽が停滞せずに聴き手の心に染み入るのです。エンゲル自作のカデンツァも聴き物で、意外なほどの華麗さが印象的。
先鋭的なモーツァルトが一般的になりつつある昨今ですが、一切の理論武装とは無縁の真の共感力に勝るものはないと、改めて再認識させられるばかりです。【湧々堂】

CANTABILE
CCD-0019(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽合奏の為の協奏曲ニ短調(1823)
ハイドン:ヴァイオリン,ピアノと弦楽合奏の為の協奏曲ヘ長調(1766)
セルゲイ・テスリア(Vn)
エレーナ・ノガエヴァ(P)
ムジカ・ヴィーヴァ室内O
アレクサンドル・ルージン(指)

発売:1998年


Treasures
TRE-088(1CDR)
マルクジンスキ〜チャイコフスキー&ラフマニノフ
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ヴィトルド・マルクジンスキ(P)
ヴィトルド・ロヴィツキ(指)
ワルシャワ国立SO

録音:1961年(共にステレオ)
※音源:MUZA SX-0123、SX-0124*
◎収録時間:69:54
“謙虚な燃焼が大きく羽ばたく、ラフマニノフの世紀の名演!”
製作メモ
かつてCD化されたものの、すぐに入手困難となってしまった名演。とにかく演奏はもちろんのこと、音質の点でもこれは驚異的!特に協奏曲の録音でソロ楽器とオケのバランスを取るのに各社苦心していたステレオ初期に、ホール・トーンと楽音がこれほど美しく溶け合った録音が東欧ポーランドで実現していたことに驚きを禁じえません。
この復刻を終えた後、久々に以前のCDを聴いてみましたが、高域がキンキンして、1分と聴いていられませんでした。

★感情に溺れることを避けなが熱い共感をタッチに漲らせ、盤石の技巧を誇りつつ決して誇示しない、これぞまさに芸術的昇華の極地!しかも、その理想像が自己満足で終わらず、それこそが作品に命を与える唯一の手段だという信念が尋常ではないので、説得力も並の名演とは次元が違います。マルクジンスキは、2曲ともモノラル期にも素晴らしい名演を遺していますが、この1961年盤は録音の良さ、指揮者との阿吽の呼吸も含め、明らかにそれを上回る大名演です。
チャイコフスキーの第1楽章の主題は、大きな構えの中で凝縮しきったタッチが絶妙なルバートを伴い、どこまでも格調高く飛翔。上辺のパフォーマンスなど微塵も感じさせず、音楽本来の姿を余すことなく再現。2楽章は、中間部の愉悦が過ぎ去った後、その余韻を十分に感じながら冒頭主題に戻る際の間合いのなんと素晴らしいこと!終楽章は、多くのピアニストがリズムなどに趣向を凝らしてロシア的な熱狂を引き出そうとしますが、マルクジンスキには一切無関係。それでも作品の魅力は十分に伝わるという強い確信が、これほどの説得力を生んだのでしょう。
ラフマニノフは、更に世紀の名演!音楽評論家ならばこの録音を知らないことも罪ですが、知りながらあえてこれを推薦盤から外すのなら、今すぐ廃業していただきたい…、と言ったらきりがありませんが、この演奏ばかりはそう言わずに居れません!チャイコフスキーで見せた風格美は更に曲想と固く融合し、マルクジンスキのこの作品への愛情と探求が尋常でないことは、どの一部を取っても明らかです。特に各変奏に克明なコントラストと陰影を与えて音楽の大きさ再認識させる第2楽章、心の根底から搾り出す郷愁を品格をもって凝縮し、表面的な盛り上げで終わらせない終楽章コーダ!これ以上のものを望めましょうか?【湧々堂】


SAKURA
SAKURA-5(1CD)
久成+功芳〜宇和島ライヴ2015
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
佐藤久成(Vn)
宇野功芳(指)仙台PO

ライヴ収録:2015年4月11日宇和島市立南予文化会館
“これ以上は不可能!命を削って奏で尽くすチャイコフスキー”
宇野氏の「ベト7」は、これが5回目の録音。今回は、第1楽章冒頭で、独特の溜め見せずに決然とイン・テンポで推進力を優先さるなどの新解釈もありますが、近衛版のド派手アレンジの一部採用も含めて、例によって世間の常識とは無縁の激演を展開。
しかし、それよりも大きなインパクトを与えるのがチャイコフスキー!佐藤久成の初の協奏曲録音で、宇野氏のチャイコフスキーもこれが初。
佐藤久成の今まで発売された小品集を少しでも聴いたことがある人なら、ここでの独特のロマンの注入ぶりは容易に想像できると思いますが、実際にはその10倍は凄いことを覚悟してお聴きいただきたいと思います。
小品集では、佐藤氏の感性の豊かさが作品の容量を超えすぎていると感じた方もいたかもしれませんが、協奏曲ではその懸念は一切無用です。
極限まで身を焦がしながら愛を語る第1楽章冒頭の滑り出しからして、佐藤氏だけに許される濃密な世界。その濃密なニュアンスは、決して部分的な特徴にとどまらいので、その全てをここで紹介することなど、到底不可能です。
この作品の入魂の名演には事欠きませんが、古今を通じてこれほどまでに全身で表現し尽くした演奏は皆無でしょう。
また、超絶的な技巧の冴えを駆使し、作品造形の崩壊寸前までパッションを発散し、感覚的な美観など二の次となれば、単に行儀の悪いだけの演奏になりかねませんが、ここには技巧だけが浮き立つ瞬間など存在しないばかりか、音楽を不潔なものに貶めていないというのは、奇跡という他ありません。
もちろん宇野氏の指揮も、単なる伴奏の域を超えたこだわりの連続。中でも終楽章6:31からの弦のピチカートの、鋼のような強靭さは忘れられません。
それにしても、なんと罪作りなCDでしょう。おかげで、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の他の演奏など考えられなくなってしまいました。【湧々堂】

バルワーザー
Treasures
TRE-076(1CDR)
バルワーザー〜バッハ&モーツァルト
バッハ:管弦楽組曲第2番BWV.1067*
モーツァルト:アンダンテ.ハ長調K.315#
 フルート協奏曲第1番ト長調K.313
 フルート協奏曲第2番ニ長調K.314
フーベルト・バルワーザー(Fl)
エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO*
ベルンハルト・パウムガルトナー(指)ウィーンSO#
ジョン・プリッチャード(指)ウィーンSO

録音:1955年5月31日-6月9日*、1954年2月21-22日#、1953年2月28-29日(全てモノラル)
※音源:仏PHILIPS 700064-700055*、仏FONTANA 698094FL
◎収録時間:69:07
“音色美だけではない!愛で語るバルワーザーのフルートの魅力!”
■製作メモ
ベイヌム指揮による管弦楽組曲は、TRE-004と併せ、これで全4曲が揃います。バルワーザーはモーツァルトの2つのフルート協奏曲を3回録音しており、これはメンゲルベルクとの共演盤に続く2度目の録音。表紙のジャケは、イギリス盤。

★バルワーザーは、1937年から1971までアムステルダム・コンセルトヘボウ管の主席を務めた名手。木製フルートを愛用していたことでも知られ、バッハではその音色の魅力を十分に生かした味わい深い妙技を聴かせます。ベイヌムが敷き詰める気品溢れる空気の中、ソロとして目立つことなく、美しい一体感を形成。「ポロネーズ」など、意識して聴かなければ存在に気づかないほどの立ち位置を守りぬき、かくも香り高い演奏となったのです。終曲の技巧のひけらかしなど欠片も見せない無垢な音楽には、何度聴いても涙を禁じえません。その余韻を抱えたまま、いきなり協奏曲ヘは進めませんので、次にあえてモーツァルトの「アンダンテ」を置きましたが、これがまた夢のような名演!これほどモーツァルトの哀愁と憧れ、希望の光に包まれた演奏を他に知りません。パウムガルトナーの指揮もいちいちツボにはまり、泣かせます。
協奏曲では、バルワーザーが、決して田舎風の鄙びた音楽を志向していたのではないことが分かります。音色はもちろん金属臭とは無線の温かみに溢れていますが、第1番第1楽章展開部やカデンツァのように、機敏なレスポンスによって現代的な洗練美も生命感も自然に引出されています。バルワーザーの導き出す音楽は、音色が温かいだけでなく、音楽の接し方そのものが嘘のない慈愛の表れなのです。こちらの指揮はプリッチャード。後年になるほど地味なスタイルへ移った印象が強い指揮者ですが、ここではそつのない伴奏にとどまらず、作品の生き生きとした持ち味を積極的に引き出し、絶妙な効果を上げています。【湧々堂】

CUBE BOHEMIA
CBCD-2740(1CD)
ベートーヴェン三重協奏曲Op.56(1804)
ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェク(1791-1825):ピアノ,ヴァイオリン,チェロと管弦楽の為の協奏的大ロンド Op.25(1825)
スメタナ三重奏団
[イトカ・チェホヴァー(P) 
ヤナ・ヴォナーシコヴァー=ノヴァーコヴァー(Vn)
ヤン・パーレニーチェク(Vc)]
オロモウツ・モラヴィアPO
スタニスラフ・ヴァヴジーネク(指)

録音:2007年9月、オロモウツ、チェコ 
ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェクはウィーンで活躍したチェコの作曲家。ベートーヴェンと知り合いその影響を強く受け、将来を嘱望されましたが34歳の若さで結核のため亡くなりました。

TRIART
TR-009(1CD)
R・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
C・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.7
イトカ・チェホヴァー(P)
オロノウツ・モラヴィアPO
ペトル・ヴロンスキー(指)

録音:2009年11月5日、2010年11月18日、モラヴィアPOホール、オロモウツ、チェコ

Altus Records
ALU-0002(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴィルトゥオーゾ・リコーダー協奏曲集
ヴィヴァルディ:協奏曲ハ長調 RV.443、
 協奏曲ハ短調 RV.441、
 協奏曲ヘ長調 RV.442、
 協奏曲ハ長調 RV.444、
 協奏曲イ短調 RV.108
サンマルティーニ:協奏曲ヘ長調
ノード:協奏曲ト長調
A・スカルラッティ:合奏協奏曲ニ短調
リチャード・ハーヴェイ(リコーダー)、
ロンドン・ヴィヴァルディ・オーケストラ
英Altus Recordsは、BAFTA賞の受賞経験を持つ作曲家、イギリスのプログレ・バンド、グリフォンのオリジナル・メンバーなど、様々な分野で活躍するマルチ・ミュージシャン、リチャード・ハーヴェイ(1953−)の作品や演奏を中心とするレーベル。ハーヴェイがリコーダー・ソロを務めるヴィヴァルディは、モニカ・ハジェットやロイ・グッドマン、デイヴィッド・ウッドコックなど古楽界の名手たちとの共演。ハーヴェイはリコーダーのテクニックも抜群。その多才ぶりに驚かされます。


Treasures
TRE-063(1CDR)
エッシュバッハー/グリーグ&ブラームス
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番Op.83*
アドリアン・エッシュバッハー(P)
レオポルド・ルートヴィヒ(指)BPO
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO*
ティボール・デ・マヒュラ(Vcソロ)*

録音:1953年3月2-3日、1943年12月12-15日ベルリン・フィル定期公演ライヴ*
※音源:DGG LPE-17143、Melodiya M10-45921-009*
◎収録時間:74:22
“爆撃の危機を乗り切った決死のブラームス!”
■製作メモ
グリーグは、後発のヘリオドール盤が片面に全曲を収録しているので、グリーグだけでたっぷり両面を使っているこの10インチ盤の方が当然有利。ブラームスは、日本の協会盤と80年代のメロディア盤は、後半で音のピッチが高くなるのが難点。1990年に発売されたメロディア盤は修正されているようですが、若干音が柔らかく感じます。ここでは音質を優先して80年代のメロディア盤を採用し、勿論ピッチは修正しました。

★エッシュバッハーは、1912年生まれのスイスのピアニスト。ケンプやバックハウスの影に隠れてなかなか評価されませんが、師のシュナーベル譲りのタッチの美しさとハイセンスな感情表現の魅力は無視できません。
グリーグは、かなり濃厚なロマンを湛えるルートヴィヒの指揮(特に第1楽章コーダ直前!!)に対し、エッシュバッハーは情に溺れず、作品の構成感を踏まえたアプローチに徹しているので、感覚的にはストイックに聞こえますが、第1楽章カデンツァに象徴されるように、最弱音から最強音まで結晶化されたタッチには内面から溢れる共感が確実に宿っていることが分かります。終楽章の第2主題も、もっと分かりやすく甘美な雰囲気を出した演奏はいくらでもありますが、タッチの陰影だけで余韻を引き出すエッシュバッハーのピアニズムは安易さとは無縁で、かえって音楽に奥行きを与えます。そして、4:53からのアルペジオを一音も漏らさず響かせる意思!
それが、ブラームスでは全く違う形相で感情を爆発させます。大巨匠との共演という高揚感だけでなく、公演3日前にエッシュバッハーの住居が地雷によって爆破され、公演当日も米軍の爆撃の危機にさらされるという異常な緊張感に、30代の若手ピアニストが淡々と演奏することなど不可能でしょう。
まず衝撃的なのが、希望と不安が交錯したような妙なる響きを発する冒頭のホルン!その空気を全身で受けてたっぷり呼吸するエッシュバッハーのピアノの清らかさ!その後も、フルトヴェングラーが敷き詰める濃密な雰囲気と完全に一体化した起伏の大きな音楽を展開します。第3楽章がこれほどの多彩で深遠なニュアンスで迫る例も稀で、エッシュバッハーの潜在能力の全てを出し尽くした瞬間と言え、フルトヴェングラーが指揮した多くのブラームスの中でも、屈指の感動作!しかも、マヒュラのチェロがまた泣かせます!終楽章では、エッシュバッハーの極限の強打鍵も惜しげもなく大放出して完全燃焼。もちろん勢いに任せただけの単純な演奏ではなく、芸術的な昇華力が尋常ではないのです。終結部では、人間のしての尊厳を誇示するかのような音楽の羽ばたきに言葉を失います。
なお、この演奏の翌月には、会場の旧フィルハーモニー・ホールは爆撃され、焼失してしまいました。【湧々堂】

MUSEU DE VILAFRANCA
BLF-005(1CD)
前衛の声、記憶の声
パブロ・カザルス(1876-1973):チェロ・オーケストラの為のサルダーナ、または、ビラフランカの聖フェリクスの行列*
エンリク・カザルス(1892-1986):不安(コブラの為の)+
バルセロナSO*
フランツ・パウル・デッカー(指)*
カタルーニャ室内コブラ+
マルセル・サバテ(指)+

録音:1996年5月3日、カタルーニャ音楽堂、バルセロナ、スペイン*
2002年+
当商品はすでに入手困難になっている可能性がございます。収録時間が13分25秒と短いシングルCD仕様ですがあまり安くありません。外装に規格品番表示がございません。なにとぞご了承ください。

Treasures
TRE-056(1CDR)
コンラート・ハンゼン/モーツァルト&ブラームス
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第6番ニ長調K.284*
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
コンラート・ハンゼン(ハンマークラヴィア*、P)
フェレンツ・フリッチャイ(指)
ベルリンRIAS響

録音:1956〜1957年*、1953年4月19日
※音源:GRAMMOPHON LGM-1136(JP)*、LONGANESI PERIODICI GCL-50
◎※収録時間:72:29
“ブラームスの第2楽章は、同曲空前の大名演!”
■製作メモ
モーツァルトは、日本初出盤。ブラームスは、拍手のない放送録音。ANDROMEDAからCD化されましたが、音の差は歴然。

★ハンゼンのモーツァルトは、演奏者の解釈の痕跡を感じさせない素直さと瑞々しさで魅了。ハンマークラヴィアを使用していますが、通常のピアノで聴きたいと願うファンも、最初の数秒を聴いただけでその魅力に引き寄せられ、その選択が正しかったと実感されることでしょう。
ハンゼンの音楽性は、よく知られるフルトヴェングラーやケルテスとの共演盤だけでイメージされがちですが、モーツァルトのソナタ・プロジェクトと共にハンゼンの魅力を語るに不可欠なのが、次のブラームス!勇壮なフリッチャイの伴奏に身を委ねつつ、聴後には、ドイツ流儀のピアニズムを孤高に貫き通したハンゼンの姿が印象づけられるのです。第1楽章冒頭主題のフレージングの伸縮力から一気に惹きつけられ、その後の強靭なトリルの決して技巧過多ではない輝き方!白眉は第2楽章で、冒頭のオケに続くピアノの滑り出しは、まさにドイツの音色美で魅了。陶酔的な空気に言葉も出ません。3:26からの最弱音は決して痩せず、全てのタッチから余情が滲み、涙を誘うこと必至。終楽章はスピード感に任せることなく、大地に根を張った堅牢な構築力が絶大な説得力!曲が進むにつれて単に激情を放射するのではなく、むしろそれを内面に封じ込める意志を貫き、それが作品の造形維持にも大きく貢献。最後には圧倒的な手応えと感銘を与えてくれるのです。音質も良好。全身でブラームスらしさを感じたい方は、特に必聴の名演です!【湧々堂】


Treasures
TRE-049(1CDR)
メンデルスゾーン:華麗なるロンド
 ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.25*
トゥリーナ:交響的狂詩曲Op.66**
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16#
モーラ・リンパニー(P)
ハーバート・メンゲス(指)LSO
ラファエル・クーベリック(指)フィルハーモニアO*
ワルター・ジュスキント(指)フィルハーモニアO**
ハーバート・メンゲス(指)フィルハーモニアO#

録音:1952年6月3日、1948年10月3日*、1949年6月20日**、1954年11月4日#
※音源:RCA.HMV LHMV-1025、HMV CLP-1037#
◎※収録時間:64:34
“リンパニーの十八番、グリーグにおける結晶化されたタッチ!”
■製作メモ
メンデルスゾーン&トゥリーナは、米初出LP。グリーグはリンパニーにとって、1945年、1952年に続く3度目の録音で、この後にステレオ録音も行うほどの十八番作品。

★これを聴くと、1950年前後がリンパニーの絶頂期であったことを痛感します。トゥリーナのなんという艶やかさ!オケは弦楽器のみの編成ですが、リンパニーの確固とした芯を湛えたタッチと気品溢れるフレージングの融合によって、管楽器を欠く編成であることを忘れるほど豊かな色彩が広がります。
グリーグの協奏曲をメジャー作品に引き上げたピアニストとしてはルービンシュタインが有名ですが、リンパニーの存在も決して無視できません。その解釈は、実に直截。もったいぶったアゴーギクなど必要としない決然とした推進力が魅力です。第1楽章第2主題(2:32〜)からのタッチの粒立ちの美しさ、何もしていないようでいて音楽を淀みなく呼吸させるセンス、第2楽章の下降音型で強拍にしっかりとアクセントを配置し、ムードに流されない配慮、常に張りを保持した弱音の魅力などは、まさにリンパニー節!
更に忘れてならないのは、メンゲス&フィルハーモニア管の伴奏の見事さ!同じグリーグでソロモンの伴奏も担当していたコンビですが、随所で聴かれるデニス・ブレインのホルンも含め、ピアニストを縁の下で支えるスタンスと音楽表現の両立、アンサンブルの結晶度の高さにおいて傑出しています。【湧々堂】

Treasures
TRE-048(1CDR)
ベートーヴェン:三重協奏曲Op.56*
ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ;ヨアヒム作)
マヌーグ・パリキアン(Vn)
マッシモ・アンフィテアロフ(Vc)*
オルネラ・サントリクイド(P)*
ワルター・ゲール(指)ローマPO*
アレキサンダー・クランハルス(指)フランクフルトRSO

録音:1950年代後半(モノラル)
※音源:Concert Hall MMS-2159*、MMS-2124
◎※収録時間:79:57
“個性をひけらかさない表現から漂う作品の魅力!”
■製作メモ
採用した2枚のレコードは共にチューリカフォン(TU)盤で、これ以上にハリとコシのある音質はまず望めません。ヴァイオリン協奏曲はステレオ盤も存在しますが、例によって音が溶け合わずに違和感が拭えません。サントリクイド・トリオは、C.H.Sにベートーヴェンのピアノ三重奏曲全集を録音していますが、この三重協奏曲では、そのメンバーをそのまま起用せず、あえてヴァイオリンはパリキアンが受け持っています。なんとかギリギリ1枚のディスクに収録できました。

★三重協奏曲でのソロ奏者3人は、清潔な音色と自己顕示欲を見せない真摯なアプローチで共通しており、この作品の純朴さをありのままに届けてくれます。終楽章に至っても謙虚さを維持。派手なパフォーマンス合戦に陥っていない分、何度でも聴きたくなる魅力がここには宿っています。
ヴァイオリン協奏曲は、既に復刻したバッハやモーツァルトと同様に、パリキアン自身がその存在をいかに消せるかに挑んだような、全面的な音楽への奉仕ぶり。音色の点でも技巧面でもドキッとするようなインパクトを与えることがないので、感覚的には至って地味で、クライスラーよりも技巧的なヨアヒム作のカデンツァも燻銀のような風合いを醸し出します。そんな姿勢が最大に功を奏したのが、終楽章第2副主題(3:10〜)。一切媚びずにイン・テンポを守りつつ、心の襞に優しく語りかけるのです。ハイフェッツのような誰が聴いても凄いとわかる演奏とは対極に位置しますが、決して見捨ててよい演奏ではないことを実感していただければ幸いです。【湧々堂】

ENCELADE
ECL-1302(1CD)
バッハ:シンフォニア&コンチェルト
2つのヴァイオリンの為の協奏曲ト長調(オルガン・ソナタ BWV530より復元)+
組曲ホ短調 BWV996〜サラバンド(チェンバロ独奏)**
カンタータ「キリストは死の絆につきたまえり」BWV4〜シンフォニア
カンタータ「泣き、嘆き、憂い、怯え」BWV12〜シンフォニア
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041*
カンタータ「主はわれらを思いたもう」BWV196〜シンフォニア
3つのヴァイオリンの為の協奏曲ハ長調(3台のチェンバロの為の協奏曲 BWV1064より復元)#
ダイアナ・リー(Vn)+
アリクス・ボワヴェール、シモン・ピエール(Vn)#
ジャン=リュック・オー(Cemb)**
アンサンブル・バロック・アトランティーク
ギヨーム・ルバンゲ=シュドル(ヴァイオリン(*/+/#)、指揮)

録音:2013年11月18-23日、旧アノンシアード修道院礼拝堂、ボルドー、フランス
アンサンブル・バロック・アトランティークは2013年、ギヨーム・ルバンゲ=シュドルによりフランスのボルドーに創設されたピリオド楽器演奏団体。当盤のソリストはすべてメンバーが務めています。

ARCO DIVA
UP-0160-2(1CD)
現代チェコのオーボエ音楽
イジー・テムル(1935-):オーボエと弦楽の為のコンチェルティーノ−ヴィヴァルディへのオマージュ*
ヤロスラフ・クルチェク(1939-):オーボエと室内管弦楽の為の組曲+
 三重協奏曲 [Concerti per tre] #
オーボエ・ダモーレと弦楽の為のコンチェルティーノ**
ズデニェク・シェスタク(1925-):エウテルペ、アウレティカ [Euterpe, Auletica](イングリッシュホルンとピアノの為の)++
ヤン・マーレク(1938-):G.A.B.によるオーボエと弦楽の為のパストラーレとダンス##

■ボーナス・トラック
リムスキー=コルサコフ(ヤロスラフ・クルチェク編):くまばちの飛行+
ガブリエラ・クルチコヴァー(Ob(**/++以外)、オーボエ・ダモーレ**、イングリッシュホルン++)
カテジナ・ヤンソヴァー(Fl)#
ハナ・ヨウゾヴァー(Hp)#
ダニエル・ヴィエスネル(P)++
ムジカ・ボヘミカ・プラハ(++以外)
ヤロスラフ・クルチェク(指(++以外))

録音:1996年、チェコ放送*,1998年、チェコ放送##,2011年、聖ヴァヴジネツ教会++,2014年、福音教会(+/#/**),プラハ、チェコ
ガブリエラ・クルチコヴァーはプラハ音楽院、プラハ音楽アカデミーで学び、ムジカ・ボヘミカ・プラハに所属するチェコのオーボエ奏者。スロヴァキア室内Oおよびカペッラ・イストロポリターナのソリストも務めていました。

MILAN BLAHA
新規扱い
BLAHA-6002036(1CD)
アコーディオン協奏曲集
アントン・ライヒャ (1770-1836):グラスハーモニカと管弦楽の為の大独奏曲ヘ長調
 +ヴァーツラフ・トロヤン(1907-1983):幻想曲風カデンツァ*
エミル・フランチシェク・ブリアン(1904-1959):アコーディオン協奏曲+
ダリボル・ツィリル・ヴァーチカーシュ(1906-1984):ソプラノサクソフォン、アコーディオン、ギターと管弦楽の為の協奏曲#
ヤン・トルフラーシュ(1928-2007):
アコーディオンと弦楽合奏の為のスケルツォ**
ミロシュ・ヴァツェク(1928-2012):年老いた道化師の思い出++
ミラン・ブラーハ(アコーディオン)
ミロシュ・マヘク(指)ブルノ放送O*
アントニーン・デ・ヴァーティー(指)プルゼニュ放送O+
ミロスラフ・ヤンダ(ソプラノサクソフォン#)
ミラン・ゼレンカ(ギター#)
イジー・スターレク(指)プラハRSO#
ヴラディジミール・ヴァーレク(指)プラハSO**
ヨセフ・フルンチーシュ(指)スメタナ劇場O++

録音:1975年ステレオ*/1961年モノラル+/1968年モノラル#/1972年ステレオ**/1971年ステレオ++
チェコのアコーディオン奏者ミラン・ブラーハ(1927年生まれ)がオーケストラと共演した際の録音を集成。本体・外装に規格品番表記がございません。ご了承ください。

STUDIO MATOUS
MK-0808-2(1CD)
高価格帯
ベートーヴェン:三重協奏曲ハ長調 Op.56*
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 Op.1-3+
マルティヌー三重奏団
[ペトル・イジーコフスキー(P)
パヴェル・シャーファジーク(Vn)
ヤロスラフ・マチェイカ(Vc)]
ムハイ・タン(指)プラハSO*

録音:2012年12月13-14日*、 2008年12月8日+
マルティヌー三重奏団は1990年プラハ音楽院生により結成。


Capriccio
C-5210D(2CD)
ブラームス:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15*
バラード第1番ニ短調Op.10-1
バラード第2番ニ長調Op.10-2
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83#
バラード第3番ロ短調Op.10-3
バラード第4番ロ長調Op.10-4
ツィモン・バルト(P)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
ベルリン・ドイツSO

録音:2012年*、2013年#、2014年
“55分を超える低速で歌い抜く2つの協奏曲!”
外面的な華やかさを避けて、極端なまでに本質に踏み込むバルトの志向がここでも徹底して盛り込まれています。「第1番」では、激烈に怒りをぶつけるような演奏に対抗して、どこまでのリリカルにしっとり歌いあげ、内省的な表現。第1楽章のオケの長い序奏とは無関係のような低速で滑りだすピアノ・ソロから、バルトの独壇場。憂いの限りを尽くして歌い上げつつも、決して陰鬱に沈まず、シューベルトのようなテイストを漂わせます。第2主題は、バルトのアプローチを最も象徴するシーン。霧が晴れたような大らかさとは無縁の密やかな慈愛が滲みます。展開部でようやくバルト持ち前の強打鍵を発揮しますが、終楽章までこの強烈な威容は封印。気が遠くなるほど瞑想的な第2楽章を経て、終楽章においても、基本的に男性的な風格美に傾かず、歌心を徹底的に盛り込みます。コーダでは最後の小節までピアノの和音を響かせています。
この、チャイコフスキーのような技巧の応酬を退けた独特の解釈は、「第2番」でも変わりませんが、ここでは作品のスケール感表出も考慮し、強靭な打鍵を解禁。
協奏曲の解釈は好き嫌いも別れましょうが、4つの「バラード」は、誰をも唸らせる大名演!苦渋に満ちたかつてのブラームス像との決別を目指している点では協奏曲と共通していますが、作品の内省的な美しさを徹底的に掘り下げるアプローチは、ソロ作品において最大にそのその魅力が開花され、ピタリとハマります。「バラード第4番」など、バルトの磨きぬかれたタッチの美しさとも相まって、これ以上考えられない瞑想世界を現出しています。【湧々堂】

AD VITAM
AV-140315(1CD)
左手のための作品集 VOL.4
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第4番 変ロ長調 op.53
ブリテン:ディヴァーションズ(左手のピアノと管弦楽のための協奏曲)
マキシム・ゼッキーニ(P)
ヤン・モリッツ・オンケン(指)ケープPO

録音:2013 年10月
マキシム・ゼッキーニによる注目の左手シリーズ第4弾、ついに協奏曲の登場です。 これらはすべて、第一次世界大戦で負傷し右腕を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインのために書かれたもの。ヴィトゲンシュタインが作 品を理解不能とし、演奏することはありませんでしたが、これはあまりに高度な技術を要するため、彼が演奏できなかったのでは、とする説もあります。 この作品はプロコフィエフの死後、やはり戦争で右手を失ったジークフリート・ラップによって初演されました。トッカータ風の第1楽章などプロコフィ エフらしさが随所にみられる作品です。ブリテン作品は、ラヴェルやプロコフィエフの超絶技巧作品に比べると平易な書法ですが、旋律が様々に美し く転換(divertson)されていく作品です。 (Ki)

Sheva Collection
SH-107(1CDR)
モーツァルト&サリエリ:ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
サリエリ:ピアノ協奏曲ハ長調
ウィリアム・グラント・ナボレ(P)、
クリストフ・マイスター(指)ブリクシ室内O
コモ湖国際ピアノアカデミーの理事を務め、緻密なアナリーゼや広範な知識に定評があるピアニスト、ウィリアム・グラント・ナボレによるモーツァルトのピアノ協奏曲第22番とサリエリのピアノ協奏曲ハ長調。2つの協奏曲を、スイスのチェリスト=コンポーザーのクリストフ・マイスターと、プラハの優秀な演奏家で構成されているブリクシ室内Oとの共演で。2006年の録音。
※Sheva Collectionはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

OBSIDIAN
OBSCD-713(1CD)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調RV124
ヴァイオリン協奏曲集『四季』 Op.8-1〜4
 第1番ホ長調 Op.8-1, RV.269『春』
 第2番ト短調 Op.8-2, RV.315『夏』
 第3番ヘ長調 Op.8-3, RV.293『秋』
 第4番ヘ短調 Op.8-4, RV.297『冬』
 弦楽のための協奏曲ト短調RV157
ラース・ウルリク・モルテンセン(指&Cemb)
ヨーロッパ・ユニオン・バロックO
ヒュー・ダニエル(Vn:春)
ボージャン・クルキッチ(Vn:夏)
ヨハネス・プラムゾーラー(Vn:秋)
ゼフィラ・ヴァロヴァー(Vn:冬)
アントニ オ・デ・サルロ( 語り)

録音:2014年6月22、24日トリフォリオン・アトリウム、エヒタナハ、ルクセンブルク
才能溢れる若手を集結させたヨーロッパ・ユニオン・バロック管弦楽団を、チェンバロの魔術師の異名をもつラース・ウルリク・モルテンセンが率いてのヴィ ヴァルディの「四季」。春・夏・秋・冬、すべてソリストを変えて演奏しています。曲により、それぞれのソリストとアンサンブルが一体化した親密な演奏で、 生き生きとした音楽を作り上げており、数ある同曲盤の中でも聴き応えのある1枚となっています。 (Ki)


Treasures
TRE-037(1CDR)
パリキアン〜バッハ&モーツァルト
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調
 ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
 ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 BWV 1023#
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」*
マヌーグ・パリキアン(Vn)
アレクサンダー・クランハルス(指)バーデン室内O
ワルター・ゲール(指)アムステルダム・フィルハーモニー協会O*
アレクサンダー・モルツァン(Vc)#、
ヘルベルト・ホフマン(Cemb)#

録音:1959年頃(全てモノラル)
※音源:独CONNCERT HALL MMS-2148、MMS-2206*、
◎※収録時間:77:30
“地味な佇まいから引き出される作品の様式美!”
■製作メモ
TRE-016で記したとおり、ここでもあえて楽器が美しく融け合うモノラルの独盤を採用し、ハリ艶のある音を再現。バッハは、同じモノラルでも、流通量の多い米盤は、音がシャリシャリして趣きを欠きます。モーツァルトは、TRE-016に収録した3曲と合わせて、これでパリキアンがC.H.Sに録音したモーツァルトの全てが揃います。

★バッハは、理知に傾いたり、エキセントリックな刺激を突きつける演奏にはない安心感の中から、バッハ本来の佇まいがじんわりと迫り、何と良い作品かと感慨を新たにするばかり。特に協奏曲第1番は、イ短調という調性が持つ悲痛さを強調せず、歌い込み過ぎず、作品と一定の距離を置いたアプローチが完全にプラスに働き、バッハの息吹が直に伝わります。その魅力は、第2楽章で最も顕著に花開。これほど煩悩を感じさせず、無私に徹し、結果的に美しいフォルムを確立した演奏も珍しいでしょう。
モーツァルトも、喜びを発散するような演奏に比べると地味に聞こえますが、その要因は強拍が目立ちすぎることを避けているせいだとも思われます。これは、ややもすると平板に流れがちなスタイルですが、作品への敬意だけを頼りに愚直に奏でる「嘘のなさ」が、音楽に独特の説得力をもたらしています。杓子定規に楽譜を追っているだけではないことは、展開部を聴けば明らか。一弾強い意志を投入して、更にグッと踏み込んだ表現に変化しており、全体的に自然なメリハリを音楽に与えているのです。終楽章ももっと露骨に楽しさを演出したり、美音を武器とした演奏はいくらでもあります。パリキアンにとっとは、それら全てが無縁。なのに、何度も繰り返し聴きたくなるのです。【湧々堂】


Treasures
TRE-035(1CDR)
モーラ・リンパニー〜ベートーヴェン&フランク
フランク:交響的変奏曲*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
モーラ・リンパニー(P)
ワルター・ジュスキント(指)フィルハーモニアO*
トーマス・シャーマン(指)スタジアム・コンサートSO

録音:1947年*、1957年ニューヨーク(全てモノラル)
※音源:RCA LHMV-1013*、Music Appreciation Record MAR-5713
◎※収録時間:69:42
“気高い推進力!、リンパニー絶頂期の貴重なベートーヴェン!”
■製作メモ
米Music Appreciation Record は、1960年代にアメリカの出版社Book of the Month社が会員に頒布していた教育用のレコードで、同社の社長でもあるトーマス・シャーマンによる楽曲解説を収録した10インチ盤とのセットでの発売がウリでしたが、このベートーヴェンは、12インチのみの発売。LHMV-1013(フラット)は、英国ではCLP-1002(CLP規格の第2号)で発売されましたが、両者に音質的な差は殆どないので、盤質良好な方を選択しました。

★リンパニーのベートーヴェンの録音は、他にはデジタル録音で小品が2曲ほどあったのみ。少なくともベートーヴェンの全協奏曲をレパートリーにしていたようですが、協奏曲もソナタもこれが唯一の正規録音です。その「皇帝」の素晴らしさには、絶句するしかありませんし!リンパニーに対して清楚なイメージを持たれている方には、構築を歪めることなく、速目のテンポで敢然と突き進む姿勢に驚かれることでしょう。気品に溢れながら、決して上品に仕上げることを目的とせず。まさにジャケット写真のイメージそのもののニュアンスが広がります。この作品の命とも言えるトリルの輝きとその放射力、第1楽章展開部でもほとんどテンポを伸縮させず、息の長い呼吸で高い集中力を堅持。その呼吸力を生かして、艶やかなタッチを敷き詰める第2楽章からは、得も言われぬ余韻を引き出し、終楽章に至ると、オケと熱い協調は最高潮に達し、まるでライヴ一発録りのような気迫と閃きで溢れかえるのです。ツボを押さえて頑強な造形力を示すシャーマンの指揮と、オケの技量の高さも特筆もの。
「悲愴」も、大変な名演奏!第1楽章主部に入る直前の休符から立ち昇る豊かなニュアンス、芯を湛えたタッチが全声部に渡って淀みなく配置された主部には過剰な力みはなく、内面から溢れる揺るぎない共感が、作品に凛とした佇まいを与えます。その声部のバランス感覚は、第2楽章でさらに際立ち、ベートーヴェンに相応しい歌を確保。もしもソナタ曲録音を遺していたなら、後世への絶大な宝となったとことでしょう。【湧々堂】

Treasures
TRE-034(1CDR)
ユージン・リスト〜ショスタコーヴィチ&チャベス
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番*
 ピアノ協奏曲第2番**
チャベス:ピアノ協奏曲(1940)#
ユージン・リスト(P)
フリッツ・ヴェゼニック(Tpソロ)*
ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(指)ベルリン歌劇場O*
ヴィクトール・デザルツェンス(指)ウィーン国立歌劇場O**
カルロス・チャベス(指)ウィーン国立歌劇場O#

録音:1960年、1962年#(全てステレオ)、
※音源:Westminster WST-14141、WST-17030#
◎※収録時間:76:41
“クールなピアニズムが冴え渡る、初演者ユージン・リストによる快演!”
■製作メモ
ユージン・リスト(1918-1985)は、1934年にショスタコーヴィチの第1協奏曲をアメリカ初演。チャベスの協奏曲は、ユージン・リストによって、1942年にニューヨークで初演された作品です。ショスタコーヴィチは、世界初のステレオ録音。

★これら3つの作品を語るときに欠かせないのが、ユージン・リストの存在。ショスタコーヴィチ一切気負わず、クールに作品と距離をおいて接しているようでいて、その背後にはショスタコーヴィチ特有のアイロニーを感じさせるのは、モーツァルトの作品でも、一見淡白でありながら、作品の内面的な意味合いをスッと拾い上げていたことでも明らかなように、単に腕の立つヴィルトゥオーゾというだけではない感性の高さの賜物です。第1番の第1楽章第2主題は、E・リストの明快なタッチが存分に生きて、素っ頓狂な楽しさが放射する一方で、第2楽章では、タッチの余韻を大切しながら煌く色彩を表出。終楽章はとかく高速打鍵の痛快さに気を取られがちですが、その目まぐるしいテンポ変動の中に込められたニュアンスが溢れ出す瞬間を目の当たりにします。後にベルリン・フィルの首席トランペット奏者となるヴェゼニックの巧さも特筆もの。第2協奏曲は、特に第2楽章が聴きもの。過剰な演出を持ち込まずに、ラフマニノフ的な甘美さと色彩の陰影をサラッと引き出す手腕に感服するばかり。
色彩といえば、メキシコの作曲家チャベスの協奏曲(日本初演は2014年4月!)で見せる、艶やかさとエキゾチシズム!特に終楽章は、最近のオーケストラとの共演ならもっと機能的な、あるいはバルトーク的な響きで圧倒することも可能でしょうが、ウィーンのオケの人間味満点の表情も含めて、この説得力は今後も色褪せることはないでしょう。【湧々堂】

UNIVERSAL MUSIC ITALY
476-5048(1CD)
ヴィオッティ:祈りならがの瞑想(ヴァイオリンと管弦楽の為の)
ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調 W.I-22
ヴァイオリン協奏曲第24番ロ短調 W.I-24
グイード・リモンダ(Vn、指)
カメラータ・ドゥカーレ
グイード・リモンダ(1969年生まれ)はコッラード・ロマーノ、ウート・ウーギに師事したイタリアのヴァイオリン奏者・指揮者。1992年トリノPOおよびカメラータ・ドゥカーレを創設。2014年現在トリノ・G・ヴェルディ音楽院教授。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0343(1CD)
ヴィオッティ:ヴァイオリンと管弦楽の為の主題と変奏曲*
ヴァイオリン協奏曲第25番イ短調 W.I-25 G.124
ヴァイオリン協奏曲第12番変ロ長調 W.I-12 G.64
グイード・リモンダ(Vn、指)
カメラータ・ドゥカーレ
*は世界初録音、他2曲はオリジナル・カデンツァによる世界初録音。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-1083(1CD)
ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第30番イ短調 W.I-30(遺作)*
ヴァイオリン協奏曲第4番イ短調 W.I-4 G.33
ヴァイオリン協奏曲第20番変ロ長調 W.I-20 G.92
グイード・リモンダ(Vn,指)
カメラータ・ドゥカーレ

*=世界初録音
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0070(1CD)
C・P・E・バッハ:チェロ協奏曲イ短調 Wq.170
チェロ協奏曲変ロ長調 Wq.171
チェロ協奏曲イ長調 Wq.172
エンリコ・ディンド(Vc、指)
イ・ソリスティ・ディ・パヴィア

UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0313(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
アイマン・ムサハジャエヴァ(Vn)
ウィーンSO
マヌエル・エルナンデス・シルヴァ(指)
アイマン・ムサハジャエヴァはカザフスタン(旧ソヴィエト)のヴァイオリン奏者。第8回チャイコフスキー国際コンクール第7位。カザフスタン共和国国民芸術家として同国の文化交流の場でも活躍しています。

EM Records
EMRCD-023(1CD)
ミルフォード&スタンフォード:ヴァイオリン協奏曲集
ホルスト:ウォルト・ホイットマン序曲
スタンフォード:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.162(世界初録音)
ミルフォード:ヴァイオリン協奏曲ト短調 Op.47(世界初録音)
ルパート・マーシャル=ラック(Vn)、
オウェイン・アーウェル・ヒューズ(指)
BBCコンサート・オーケストラ

録音:2014年1月7日−9日
共に世界初録音となる、スタンフォードの「ヴァイオリン協奏曲第2番」、ミルフォードの「ヴァイオリン協奏曲」をカップリング。王立音楽大学の教授として、ホルストやヴォーン・ウィリアムズ、アイアランド、ブリスなど、次世代の大作曲家たちを育成し、イギリスの音楽史において重要な役割を果たしたスタンフォード。キャリアの後期となる1918年に作曲された「ヴァイオリン協奏曲第2番」は、緩徐楽章である第2楽章の旋律の美しさに心惹かれます。第2次世界大戦後は苦難が続き、1959年に自らの人生に幕を引いたミルフォードの「ヴァイオリン協奏曲」。フィンジに通ずるとも言われるその作風を「ヴァイオリン協奏曲」でじっくりと――。

Intergroove
IGC-009-2(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
ロココ風の主題による変奏曲Op.33
リュドミラ・マリアン(Vn)、
スタニスラフ・ゴルコヴェンコ(指)
サンクトペテルブルクRSO
1990年代後半に録音されたがほとんど発売されることのなかった、サンクトペテルブルクのミュージシャンたちによるロシア名曲シリーズ、「サンクトペテルブルク・クラシックス・シリーズ」が、高度なリマスターを施され現代に復活!西本智実との共演による来日などで知られるロシアの指揮者、スタニスラフ・ゴルコヴェンコ指揮、サンクトペテルブルクRSO(St. Petersburg Radio and TV Symphony Orchestra)によるチャイコフスキー!


Treasures
TRE-024(1CDR)
デニス・ブレイン/モーツァルト&R・シュトラウス(ブライトクランク版)
モーツァルト:ホルン協奏曲第1番〜第4番
R・シュトラウス:ホルン協奏曲第1番*
デニス・ブレイン(Hrn)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
ウォルフガング・サヴァリッシュ(指)*
フィルハーモニアO

録音:1953年11月12-23日、1956年9月22日*
※音源:Electrola 1C 0663 00414、HMV HLS-7001*(以上,ブライトクランク擬似ステレオ盤)

◎※収録時間:69:50
“ブライトクランク版で再認識する、D・ブレインの奇跡のニュアンス!”
■製作メモ
「疑似ステレオなんて邪道」と見る向きが多い中で、独エレクトローラが開発したブライトクランクだけは別格扱いされているのは、その質の高さというより、フルトヴェングラーの存在ゆえでしょう。しかし、ブライトクランク処理がなされたのは、フルトヴェングラーの録音だけではありません。ホルンの響きは、自然な空間的な広がりを持つブライトクランクの特質と見事にマッチ。不世出の音楽家の魅力を再認識させてくれます。なお、このモーツァルトは、SMC品番(ジャケ写に使用)も存在しますが、やや音が遠くマイルドでしたので、上記品番レコードを採用しました。

今さら説明不要の名演中の名演ですが、このモーツァルトを聴くたびに痛感するのは、ブレインの一途な音楽への奉仕ぶり。何の気負いもなく楽々と吹きこなしていながら、巧さを誇示する素振りが皆無。オケの団員として吹いているならまだしも、堂々とソロを務める協奏曲であるにもかかわらず、まるで自身の存在を消すことが至上命題であるかのよう。そんな融通無碍な佇まいから無限とも思えるニュアンスが繰り出されるというのは、本当に信じ難いことです。「第3番」第2楽章に象徴されるように、自身の解釈のあり方を聴き手に全く悟らせない中から浮上する音楽の無垢の美しさ!この感動に匹敵するのは、リパッティが弾くショパンのワルツくらいしか思い当たりません。
そして忘れてならないのが、カラヤンのカラヤンらしからぬ指揮。ブレインの突き抜けた天才技に自然に触発されたのか、これほど心からリズムを感じ、純粋な歌を投影し尽くした例を他に知りません。【湧々堂】

DACAPO
MAR-6.220595(1SACD)
アナス・コッペル:マリンバ協奏曲集
マリンバとオーケストラのための協奏曲第1番(1995)*
マリンバと弦楽オーケストラのための協奏曲第2番(2000)
マリンバとオーケストラのための協奏曲第3番「リンツ」(2002/2003改訂)
マリンバとオーケストラのための協奏曲第4番「変わり行く事象への思い出」(2006)
マリンバ・ソロのための「P.S.toaConcerto−協奏曲への追伸」(1995)*
マリアンナ・ベドナルスカ(マリンバ)
オルボアSO
ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指)

録音:2012年6月26-29日.2013年6月24-28日アルボア・シンフォニエン
*以外=世界初録音
作曲家アナス・コッペル(1947-)は現代デンマークの作曲家の中でも特異な位置にいる人です。彼はその作品にロックやジャズのテイストを取り入れつつも、実はその足は、しっかりと古典的なヨーロッパ音楽の伝統に根差しており、これらを統合するために作品を描き続けていると言っても過言ではありません。彼はピアニストの父を持つ、極めて音楽的な家庭に育ちました。幼い頃からピアノとクラリネットを演奏し、自然に音楽家への道を歩みました。1960年代から70年代は実験音楽の世界で活躍しつつも、デンマークの著名なロックグループ「SavageRose」のメンバーとしても注目を浴びていたのです。この4つの作品はシンフォニックであり、奔放なもの。複雑な音を処理しながら、目の前を駆け抜けていくマリンバの音は快感をもたらします。


Altus
ALT-300(1CD)
アルゲリッチとチェリビダッケ
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第2 番Op.64よりモンタギュー家とキャピュレット家/少女ジュリエット/別れの前のロメオとジュリエット/アンティーユ諸島から来た娘たちの踊り/ジュリエットの墓の前のロメオ/タイボルトの死
マルタ・アルゲリッチ(P)
セルジュ・チェリビダッケ(指)
フランス国立放送O

録音:1974年5月19日/シャンゼリゼ劇場(ステレオ・ライヴ)
“強烈な個性を尊重し合った協調芸術の極み!”
アルゲリッチとチェリビダッケ。この組み合わせを目にすれば、多くの人が「比類なき個性の対決」とまず捉えることでしょう。しかし、予断は禁物です!他の演奏者の場合は、そのようなフィルターを通さずに聴いているわけですし、第一「ここはどちらが主導権を?」などを考えながら聴いていては、音楽的な味わいなど掴めません。また、チェリビダッケがアルゲリッチの暴走を押さえつけている図式も、聴き手の勝手な想像でしかないので無意味。つい余計な前置きをしてしまいましたが、日本語解説文を読んでいて、まずどうしても書かずにはいられなくなりましたのでご容赦の程を。
以上を踏まえた上でのこのシューマンはというと、実に素晴らしい演奏として結実しています。ここでのアルゲリッチは、感情の赴くまま突き進むスタイルは見せません。しかし、アルゲリッチというピアニストは、そもそもただの暴走ピアニストではなく、ショパンの前奏曲集での歴史的名演でも明らかなように、知的なコントロールと感情の絶妙なバランスを誇るピアニストです。ましてや、チャイコフスキーではないのです。シューマンの音楽のイディオムの本質をチェリビダッケと共に追求した結果、このような内省的なアプローチで、安定感のある名演奏として実を結んだのでしょう。
その両者の協調と尊重の最大の成果として印象的なのが、第1楽章の展開部。この透明なテクスチュアをベースとしたロマン性(チェリビダッケ)と、打鍵をマイルドにすることなく音楽の輪郭と生命感をあぶり出す(アルゲリッチ)姿勢が融合した得も言われぬニュアンスは必聴です。
第1楽章の後半や終楽章においては、アルゲリッチが音楽のリズムと推進性を特徴付けていますが、それに華を添えるように、チェリビダッケがパステル調の柔らかい色彩をブレンドさせるのです。対決でも足の引っ張り合いでもない、この双方刺激し合いながらの協調による音楽の豊かさは、めったに体感できるものではないでしょう。
なお、演奏が終わる前から客席でチラホラと拍手が沸き起こります。お国柄も差し引かなければなりませんが、この演奏から真剣な意気込みが聴衆に伝わっていたということではないでしょうか。  【湧々堂】

LORELEY PRODUCTION
LY-053(1CD)
ヴィヴァルディ:四季
クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
パッヘルベル:カノン
フレデリック・ラロック(Vnソロ、指)
ドリアーヌ・ギャーブル(Vn)、
セドリック・ラロック(Vn)、
ダニエル・ヴァグナー(Va)、
ジャン・フェリ(Vc)、アクセル・サル(Cb)、
ジル・ハーレ(Cemb)

録音:2013年5月4,6日(ライヴ)/サント・シャペル(パリ
パリ・オペラ座の特別ソロヴァイオリン奏者、フレデリック・ラロック率いるアンサンブルによる、四季。ラロックは、パリ・オペラ座でのバレエ公演でヴァ イオリン、指揮で活躍しています。美しいステンドグラスで有名な、世界遺産にも登録されているパリのサント・シャペルでのライヴ録音です。 (Ki)

PUREMUSIC
5414706-10432(1CD)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
1. アレグロ・モデラート(カデンツァ:チャイコフスキー)
2. カンツォネッタ。アンダンテ
3. フィナーレ/アレグロ・ヴィヴァチッシモ(カデンツァ:チャイコフスキー)
4. フィナーレ/アレグロ・ヴィヴァチッシモ(カデンツァ:レオポルト・アウアー)
アレンスキー:弦楽四重奏曲第2番 イ短調 op.35*
フィリップ・クイント(Vn)
マルティン・パンテレーエフ(指)
ソフィアPO
リリー・フランシス(Va)

クラウディオ・ボルケス(Vc1)*
ニコラ・アルトシュテット(Vc2)*
録音:2013 年 1 月 14‐17 日ブルガリア・ホール(ソフィア)
2013 年9月4-5日シーメンスヴィラ(ベルリン)*
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、ヴィルトゥオーゾでも鳴らすクイントの直球勝負の熱い演奏。フィナーレは、2パターン収録されており、チャ イコフスキーによるカデンツァと、この協奏曲の献呈を拒絶したエピソードで有名なアウアーによるカデンツァの聴き比べが出来るのも興味深いところです。
カップリングのアレンスキーの弦楽四重奏曲第2番は、深い叙情漂う絶美の楽曲。ヴァイオリン1、ヴィオラ1、チェロ2という編成です。チャイコフスキー が亡くなった年に作曲が開始されたもので、第2楽章は「チャイコフスキーの主題による変奏曲」と題されており、主題は歌曲「16の子供のための歌」 op.54の「伝説(聖史曲)」。チャイコフスキー自身もこの曲を他編成に編曲しています。アレンスキーもこの弦楽四重奏曲第2楽章を弦楽オーケストラ版 に編曲するなど、非常に深い思い入れを感じる内容です。クイント率いるアンサンブルのメンバーも豪華で、パブロ・カザルス・コンクール優勝のクラウディオ・ ボルケス、BBCニュー・ジェネレーション・アーティストのアルトシュテット、そしてヴィオラはボルレッティ=ブイトーニ優勝のリリー・フランシス。若き エネルギーがそのまま抒情に注ぎこまれたアンサンブルで聴くアレンスキー、こちらも絶品です。
フィリップ・クイントは1974年生まれのロシア出身のヴァイオリニスト。モスクワ音楽院でアンドレイ・コルサコフに学び、9 歳にしてコルサコフのオー ケストラでソロ・ヴァイリニストとしてデビュー。その後ジュリアード音楽院へ進学。ドロシー・ディレイ、チョーリャン・リン、川崎雅夫に師事した他、I. パー ルマンやA. スタインハートにも師事。2001 年に発売したデビューCD がグラミー賞にノミネートされ、一躍注目を集めます。2010 年よりストラディヴァ リウス協会より貸与された"ルビー" を使用。現在はアメリカを中心に世界的活動の幅を広げています。近年はシカゴ響、ベルリン・フィルなど著名なオー ケストラと数々共演し、今後ますます期待されるヴィルトゥオーゾです。 (Ki)

スロヴァキア音楽財団
SF-0073-2(1CD)
スロヴァキアのヴァイオリン協奏曲集
アレクサンデル・モイゼス(1906-1984):ヴァイオリン協奏曲 Op.53(1957-1958)
アンドレイ・オチナーシュ(1911-1995):ヴァイオリン協奏曲 Op.47(1974-1975)
デジデル・カルドシュ(1914-1991):ヴァイオリン協奏曲 Op.51(1980)
ミラン・パリャ(Vn)
マリオ・コシク(指)スロヴァキアRSO

録音:2009-2011年、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ、スロヴァキア
ライセンサー:スロヴァキア放送
20世紀後半、チェコスロヴァキア時代のスロヴァキアの作曲家によるヴァイオリン協奏曲3作品を取り上げた好企画。スロヴァキアのヴァイオリニスト、ミラン・パリャ(1982年生まれ)はこの数年20−21世紀スロヴァキアのヴァイオリン音楽の録音を一手に引き受けている感があります。
スロヴァキア音楽財団
SF-0072-2(1CD)
エフゲニー・イルシャイ(1951-):愛の場所で
消滅 [Uangamizi] (ヴァイオリン、チェロと管弦楽の為の協奏曲;2006)(*/+)
サウンドクエイク・ゼロ [Soundquake Zero] (管弦楽の為の;2009)
引用 [Quotations] (ピアノと管弦楽の為の協奏曲;2005/2006)#
愛の場所で [In the Space of Love]
 (ヴァイオリン、ピアノと管弦楽の為の協奏曲;2004/2005)(*/**)
ミラン・パリャ(Vn)*
ヨゼフ・ルプターク(Vc)+
ラジスラフ・ファンチョヴィチ(P)#
エフゲニー・イルシャイ(P)**
マリオ・コシク(指)スロヴァキアRSO

録音:2009-2011年、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ、スロヴァキア
ライセンサー:スロヴァキア放送
エフゲニー(イェヴゲニー)・イルシャイはロシアのレーニングラード(現サンクトペテルブルク)に生まれたスロヴァキアの作曲家。マリオ・コシク(1969年生まれ)はブラチスラヴァ音楽院および音楽演劇アカデミーで学んだスロヴァキアの指揮者。2007年以来2014年現在スロヴァキアRSO首席指揮者を務めています。

HEVHETIA
HC-10025(1CD)
ヴァイオリン/ヴィオラと管弦楽の為の音楽
ユライ・ベネシュ(1940-2004):
冬の音楽 [Musica d'inverno] (ヴァイオリンと管弦楽の為の;1992)*
エフゲニー・イルシャイ(1951-):アシラの歌 [Ashira Songs]*
フランチシェク・グレゴル・エンメルト(1940-):ヤコブの戦い [Jacob's Fight] (ヴィオラと室内弦楽合奏の為の;2009)+
シュニトケ:モノローグ [Monologue] (ヴィオラと室内管弦楽の為の;1989)+
ミラン・パリャ(Vn*、Va+)
チェコ・ヴィルトゥオージ
オンドレイ・オロス(指)

録音:2009年10月18日、11月28日、スタディオン・ブルノ、ブルノ、チェコ
代音楽を得意とするスロヴァキアのヴァイオン&ヴィオラ奏者ミラン・パリャ(1982年生まれ)と同じくスロヴァキアの指揮者オンドレイ・オロス(1983年生まれ)がチェコのオーケストラと共演。ベネシュはスロヴァキア、イルシャイはロシア生まれのスロヴァキア、エンメルトはチェコの作曲家。


Treasures
TRE-011(1CD)
モートン・グールド・プレイズ・ガーシュウィン
3つのプレリュード〜第1番
ラプソディ・イン・ブルー
3つのプレリュード〜第2番
ピアノ協奏曲へ調
「ポーギーとベス」組曲(M.グールド編)
モートン・グールド(指,P)
モートン・グールドO

録音:1955年(モノラル)
※音源:RCA LM-6033
◎収録時間:79:04
“ジャズ・テイストとクラシック様式との完全な調和!!”
■製作メモ
2枚組LPのガーシュウィン。アルバム作品集から、「パリのアメリカ人」と「プレリュード第2番」以外の全てを収録。ステレオ移行直前の実にクリアなモノラル録音です。使用ジャケは、1枚もののLM-2017。

★クラシック、ジャズ両面に精通するアーチストの中で、M・グールドは、その両者を単に器用にこなすだけでなく、どちらの面においても高い説得力を誇るという点で貴重な存在です。「プレリュード」は、いかにもゴキゲンなピアノ・ソロ・ピースですが、安易に弾き崩すことなく聴き手をウキウキさせるニュアンスをふんだんにまき散らします。「ラプソディ・イン・ブルー」も、もっと露骨に面白さを演出した演奏はいくらでもあります。クラシック的な構成感と、ジャズのイディオムのどちらにも比重が傾くことなく、音楽の魅力を確実に届けてくれる演奏となると、意外と少ないのではないでしょうか。
その高いプロ意識とピュアな音楽センスを最も強く感じさせるのが、ピアノ協奏曲!クラシックの有名協奏曲の延長線上で聴くと何か物足りず、ジャズ的なノリを期待し過ぎるとどこか居心地が悪い…、そんな演奏が多い気がしてならない中、気が付くと全3楽章を通して聴き入ってしまった演奏は、これだけです。「ポーギーとベス」は、有名なD.R=デイヴィス版とは一味違う、華麗なアレンジ。オケの巧さにも脱帽です。【湧々堂】

Treasures
TRE-002(1CDR)
メンデルスゾーン:華麗なカプリッチョ.ロ短調Op.22
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調Op.1*
 ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
モーラ・リンパニー(P)
ニコライ・マルコ(指)
フィルハーモニアO

録音:1953年2月2-3日、1954年4月30日* (全てモノラル)
※音源:MFP 2035、HMV CLP-1037*
◎収録時間:66:48
“ラフマニノフの甘美さと一定の距離を保つことで生まれる気品!”
■製作メモ
ラフマニノフの「1番」は、最も音のニュアンスが良く出ている初期盤、ラフマニノフの「2番」とメンデルスゾーンは、良質なMFP盤を使用。ジャケット表紙には、その初期盤であるCLP-1007をベースにしています。

★ラフマニノフの「第1番」は、冒頭のホルンのファンファーレから釘付け!デニス・ブレインを含む名手達が放つ確信に満ちた響きは、この名演を象徴するかのようです。そこへ阿吽の呼吸で峻厳なリンパニーのピアノが飛び込みますが、そこまでの間合いの良さは古今を通じて屈指の絶妙さ。
広いレパートリーを誇るリンパニーにとって、特にラフマニノフはその中核を成す存在ですが、強固なフォルムと闊達な打鍵を崩さないリンパニーのピアニズムは、ラフマニノフ特有の抒情性にキリッとした品格を注入していることを、この「1番」で特に痛感させられます。第1楽章後半のカデンツァなど、ロシア的な民族色に拘泥せず、まるでリンパニーのために書かれたように高い求心力で迫ります。
「第2番」は、ステレオでサージェントとステレオで再録音していますが、オケの表現力も含めて、断然このモノラル盤が素晴らしい!そのオケのニュアンスを引き出しているのは、ニコライ・マルコ。フィルハーモニア管と多くの録音を残していますが、マルコ自身のアグレッシブなニュアンス注入力とオケの反応の良さという点で、この伴奏指揮はトップクラスの出来栄えと言えましょう。【湧々堂】

CLA XL
HCD-0909(1CD)
メーカー在庫限り
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
シューマン:花の曲Op.19*
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
ピエトロ・アルジェント(指)
イタリア放送A.スカルラッティO

録音:1958年1月21日イタリア放送ナポリ
1955年2月26日イタリア放送*
何れもステレオ、ライヴ録音(ライセンス:RAI TRADE)
ケンプはブラームスを得意としておりましたが、録音では独奏曲が中心で、ピアノ協奏曲はライヴを含めても第1番しか残されていませんでした。ということでここに収録されている第2番は大変貴重な演奏で、ライヴらしい白熱した演奏となっています。オーケストラは小編成でブラームスにしてはちょっと苦しそうですが、頑張っています。録音は時代を感じさせるもののステレオ録音で十分に鑑賞に耐えうるものです。

DACAPO
8.226577(1CD)
アナス・ノーエントフト:囚われた光
1-3.囚われた光-チェロと小管弦楽のための(1996/1998)
4.ダンス・オブ・セパレーション-弦楽六重奏のための(1998)
5.大聖堂-独奏チェロのための(1986)
6-11.ポインテッド・アウト-クラリネット,ヴァイオリン,チェロ,ピアノのための(2006)
12.アトラーニ-独奏ヴァイオリンのための(1991)
13.Hill Shapes-Wind Stillness-ヴィオラとピアノのための(2000)
14.その瞬間-クラリネット,ヴァイオリン,チェロとピアノのための(1989)
ヘンリク・ブレンドシュロルプ(Vc)
ヨハネス・セー・ハンセン(Vn)
クラウス・ミルプ(Va)
ジョン・クルーズ(Cl)
クリスティーナ・ビェルケ(P)
コペンハーゲン・クラシック・オーフス・シンフォニエッタ
セアン.k.ハンセン(指)

録音:2008年6月14日オーフスロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック,室内楽ホール…1-3
2011年11月26日オーフス・ムジーク・フセットシンフォニック・ホール…5.14.6-11
2011年4月26日コペンハーゲン国立デンマーク歌劇場,リハーサル・ホール…4
2011年9月23日オーフス・ムジーク・フセットシンフォニック・ホール…12
2011年8月12日オーフス・ムジーク・フセットシンフォニック・ホール…13
※世界初録音(5.12を除く)
作曲家のノーエントフト(1957-)は、コペンハーゲン王立音楽アカデミーでネアホルムとアブラハムセンに作曲を学び、活動の初期は、「相対する要素を併置することで生まれる響き」を追求していたと言います。しかし1990年代には自らの作風を省みて、「穏やかさをもったメロディ」を用いて多面的な表現する方向を模索しているといいます。このアルバムにはそんな彼の様々な年代の作品を収録。確かに「大聖堂」での茫洋たるメロディと、「囚われた光」でのメロディには大きな違いが感じられます。今世紀に入ってからの作風の変化もとても面白いもの。これは何も考えることなく、この音のシャワーに身を委ねるのがよいのかも知れません。


Spectrum Sound
CDSMLE-SIK004(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104

■ボーナス・トラック
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第41番 変ホ長調 KV.481
ティボール・デ・マヒュラ(Vc)
ルドルフ・モラルト(指)ウィーンSO

録音:1953年9 月13-15日、ウィーン
使用音源:独Philips A 00687 R ED 1 LP

■ボーナス・トラック
ナップ・デ・クリーン(Vn)、
アリス・ヘクシュ(P)
録音:1951年7月、アムステルダム
使用音源:独Philips A 00691 R ED 1 LP
“甘美な囁きと決別した、男気満点のドヴォルザーク!”
ベルリン・フィル、コンセルトヘボウのチェリストとして活躍していたとマヒュラの代表的な録音で、後年のステレオ再録音と甲乙つけがたい逸品です、オケの奏者出身者には、個性をを強烈に発揮するよりも、全体との調和を重んじる人が多いですが、マヒュラは例外で、直感を信じた豪放な表現力で魅了します。可憐に囁くようなシーンは皆無に近く、第1楽章第2主題でも、とことん歌いぬくことだけに専心。意地でも弱音に頼りません。その弱音は第2楽章では顔を覗かせはするものの、決して悲嘆に暮れることなく、根底に静かな闘志すら感じさせます。男気満点のマヒュラのテンションは、終楽章で最大に開花。テンポのもたつきを許さず直進を続けますが、第2副主題ではガクッとテンポを落としてノスタルージに耽り、魅惑のコントラストを織り成します。
モラルの指揮がまた絶品で、高潔を旨としながらも、熱いマヒュラのニュアンスと完全に歩調を合わせた一体感が、感動に拍車をかけます。復刻状態もなかなか上質。
カップリングのモーツァルトを弾くナップ・デ・クリーンは、その妻アリス・ヘクシュとともにアムステルダム・デュオ” として活躍していました。デ・クリーンの明確なフレージング力もさることながら、ヘクシュのピアノがしっかりとした主張を感じさせます。彼女うはモーツァルト時代のピアノを制作依頼したこともあり、ここでもそれを用いているものと思われます。【湧々堂】

TRIART
TR-005(2CD)
ブラームス:ヴァイオリンとチェロの為の二重協奏曲イ短調 Op.102*
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15+
イジー・ヴォディチカv*
ヤン・パーレニーチェク(Vc)*
イトカ・チェホヴァー(P)+
フラデツ・クラーロヴェーPO
オンドジェイ・クカル(指)

録音:2013年11月、フラデツ・クラーロヴェーPOホール、
フラデツ・クラーロヴェー、チェコ
スメタナ三重奏団をソリストに迎えた録音。ヤン・パーレニーチェク(1957年生まれ)はスメタナ三重奏団の創始者であるヨセフ・パーレニーチェク(ピアニスト;1914-1991)の息子で新生スメタナ三重奏団の創設者。イジー・ヴォディチカ(1988年生まれ)は2014年現在ヤナーチェクPOソリスト。イトカ・チェホヴァー(1971年生まれ)はスプラフォンにスメタナのピアノ作品全集を録音しています。

Capriccio
C-5155D(1CD)
ゴッフレード・ペトラッシ:ピアノ協奏曲他
ピアノ協奏曲(1936/1939)
ピアノのためのパルティータ(1924)
トッカータ(1933)
ピアノのためのインベルツィオーニ(1942/1944)
ピエトロ・マッサ(P)
ゲッティンゲンSO
クリストフ=マティアス・ミュラー(指)

録音:2011年11月1-2日ゲッティンゲンスタッドハレ
2012年3月31日-4月1日ベルリン,ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ
最近注目を浴びている、イタリア近代派に属する作曲家たち。すでにダラピッコラやカゼッラ、マリピエロの音楽は耳にする機会も多くなっていますが、このペトラッシ(1904-2003)はその次の世代の作曲家であり、まだまだ存分に知られているとは言い難いところ。しかし、レスピーギなどの流れを汲む「旋法」の使い手であり、またストラヴィンスキーなどの影響を強く感じさせる「新古典派」の手法も取り入れた色彩的な作品は、聴けば聴くほどに面白いという異色の作曲家であることは間違いありません。彼は指揮者としても才能があり。1937年から1940年まではフェニーチェ劇場のディレクターを務め、また聖チェチーリア音楽院の教授としても活躍するなど、後進の指導も行っていました。この2枚組に収録された様々なピアノ作品は、彼の作品像を端的に表すものであり、とりわけ、エネルギッシュなピアノ協奏曲は何の予備知識なしに聴いても、実に面白いものです。この時代の音楽を得意とするピエトロ・マッサの申し分ない演奏で。
Capriccio
C-5197D(1CD)
エルヴィン・シュルホフ:協奏曲集
ピアノと小管弦楽のための協奏曲Op.43WV66(1923)
フルートとピアノ,弦楽合奏,2台のホルンのための二重協奏曲
弦楽四重奏と管楽アンサンブルのための協奏曲WV97(1930)
ベートーヴェン:失われた小銭への怒り(シ
ュルホフ編)
フランク=インモ・ツィヒナー(P)
ジャック・ズーン(Fl)
ライプツィヒSQ
ローランド・クルティヒ(指)ドイツSO

録音:2007年11月21-22日
2007年11月28-29日
エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)はプラハの裕福な商人の息子として1894年に誕生。音楽の大切さを良く知っていた彼の母は、幼い彼のためにヨーロッパ中から有名な教師を呼び寄せ、また、たくさんの演奏会に出かけ、その音楽的素養を育んだのでした。やがて、家族はライプツィヒに移り、14歳の彼はライプツィヒ音楽院に入学、レーガーに師事したことで彼は作曲にも興味を持つようになります。若きピアニスト、作曲家として活躍を始めた彼ですが、第1次世界大戦で従軍し、戦争への嫌悪感を募らせることになります。この頃からダダイズムに傾倒し、自身の音楽にも無力感や虚無感を漂わせることや、当時流行のジャズの形式を取り入れることで、その時代に対しての反感を示したのでした。ここで聞ける音楽も、その傾向は顕著であり、たとえばピアノ協奏曲は、印象派と後期ロマン派、そしてジャズ風のサウンドと激しいリズムが絶妙なバランスで同居している不思議な音楽として仕上がっています。

Cello Classics
CC-1031(1CD)
モール・ダブルス・ブラームス
ブラームス:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏曲イ短調Op.102
モール:2つのチェロのための協奏曲ニ長調Op.69
キン・リー・ウェイ(Vc)、
チェン・ジョウ(Vn)、
セバスチャン・コンベルティ(Vc)、
ジェイソン・ライ(指)
ヨン・シュウトウ音楽院O

録音:2012年3月10日、2013年1月22日−24日
1998年第11回チャイコフスキー国際コンクールのチェロ部門で第2位、2001年ニューヨークで行われたナウムブルクコンクールにおいて最優秀賞を受賞した上海生まれのキン・リー・ウェイが演奏するブラームスとモール。モールでは、OAEなどで活躍する名手コンベルティと共演。中国、英国のチェリストの共演は興味深い。


DORON
DRC-3065(1CD)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22
ピアノ協奏曲第5番ヘ長調 Op.103「エジプト風」*
ムーザ・ルバツキーテ(P)
ハンス=マルティン・シュナイト(指)
アラン・パリ(指)*
リトアニア国立PO

録音:2001年12月1日、2013年3月16日*、ヴィリニュス、国立フィルハーモニック・ホール、ライヴ
“近年稀に見る、怖いもの知らずのスケール感と色彩の渦!”
リトアニア出身の名ピアニスト、ムーザ・ルバツキーテの会心録音!サン・サーンスらしい華やかさとメロディの美しさ、スケール感を遺憾なく再現した演奏には久しく出会えませんでした。
ルバルキーテの音楽作りは、とにかく壮大で確信満点。第2番の第1楽章、5:15からの追い込みなど、思わずのけぞるド迫力!この後の主題の再現まで、ヴォルテージを高めきれないピアニストがいかに多いことか。この第1楽章だけでも凄い聴き応えですが、2楽章のドスの聴いた語り口がまた強烈!今まで聴いてきたものは一体何だったのでしょう?終楽章はテンポが前のめり寸前になるほどエキサイティング。打鍵は、常にダイヤモンドのように純度の高い輝きを放ち、音色的な美感を常に携えたピアニズムであるからこそここまでの説得力を生むのです。ライヴならではの雰囲気も手伝っていると思いますが、ここまで綺麗事を寄せ付けない快演は、近年稀でしょう。この曲を愛する人は、ダルレ盤とともに必聴です。
「エジプト風」は、第2番から10年以上後の録音ですが、タッチの質感は全く不変で、こちらも素晴らしい演奏。この作品のエキゾチシズムとルバツキーテの打鍵の原色の色彩感は相性抜群。終楽章など、「胸がすく」とはまさにことのこと!全てを出し切っています!こんな凄い作品だったかと思わずにいられません。【湧々堂】

BOMBA
BOMB-033-854(1CD)
ヤコフ・スロボトキン(1920-2009)
ウェーバー:チェロ・ソナタ.イ長調*
メンデルスゾーン:チェロとピアノの為の協奏的変奏曲ニ長調 Op.17+
グリーグ:チェロ・ソナタ.イ短調 Op.36#
ハイドン::チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VII:b**
ヤコフ・スロボトキン(Vc)
ヤコフ・フリエール(P)*
ナウム・ヴァリテル(P)+
グリゴリー・ギンズブルク(P)#
ソヴィエト国立SO弦楽パート**
アレクサンドル・ガウク(指)**

録音:データ記載なし、モノラル
20世紀後半のソヴィエト・ロシアを代表するチェロ奏者の一人であるヤコフ・スロボトキン(1920-2009)。1932年に音楽天才児の為のプロジェクトで選抜され、1935年に演奏活動を開始。1936年モスクワ音楽院に入学、1941年に卒業しモスクワ・フィルハモニーのソリストとなりました。1943年ドヴォルザークのチェロ協奏曲のソヴィエト初演を務め、1947年にはフィンランドを訪れ作曲家シベリウスと共演、以後も親交を保ちチェロ曲の献呈も受けました。いわゆる「西側」ではスロボトキンの名声はあまり知られていませんでしたが、没後の2011年にMelodiyaから彼の協奏作品録音のCDが発売されると大いに注目を集め、さらなる音源のCD化が待たれていました。


ORFEO
ORFER-855141(1CD)
ダニエル・ミュラー=ショット/ドヴォルザーク作品集
4つのロマンティックな小品Op.75*
チェロ協奏曲ロ短調Op.104
森の静けさOp.68-5
ロンド.ト短調Op.94
スラヴ舞曲第8番ト短調Op.46-8*
わが母の教え給いし歌Op.55-4*
ダニエル・ミュラー=ショット(Vc;1727年製マッテオ・ゴッフリラー)
ミヒャエル・ザンデルリング(指)
北ドイツRSO
ロベルト・クーレック(P)*

録音:2011年6月27日-7月1日ハンブルク、NDR、ロルフ・リーバーマン・スタジオ
“現代が誇る、最高に男前な「ドボチェロ」!”
協奏曲は、予想をはるかに上回る超名演!第1楽章序奏部で、ザンデルリンクは近年には珍しいほど細部に渡ってきめ細かいニュアンスを注入していますが、それを受けるミュラー=ショットは、予想に反してかなり主情的な切り込みを見せてを再びビックリ。第2主題に至って完全に全体が美しくブレンドし、弱音だけに頼らないその馥郁たる佇まい、フレージングの息の長さが心を捉えます。そのフレージングの魅力と美音の魅力をたっぷり伝えるのが展開部。コーダの盛り上がりでの音程の確実さも当代随一と言えましょう。第2楽章はスケール感豊かで、各楽想の意味を常に明確に刻印。ノスタルジーに浸り過ぎでその意味合いが掻き消されることがないように、独自の求心力を持って連綿と音楽を構成。この楽章にはこれほどの音楽が詰まっていたのかと、驚ろかされることばかりです。そして絶品の終楽章!冒頭テーマの何とカッコいいこと!こんな“男前”な演奏は聴いたことがありません。ミュラー=ショットの持ち前の美音とポジションの正確さ、確信に満ちた推進力を総動員したするのですから、もうイチコロです。第1副主題(2:45〜)や第2副主題(6:06〜)を慎ましく演奏してコントラストを付ける演奏が多い中で、ミュラー=ショットは、あくまでもそのダンディさを崩さず、光り輝いているのです。ヴァイオリン・ソロとの掛け合いも意思が強固で説得絶大。ボヘミア風を取り繕うことなく直感一本で勝負したかのようなこの潔さの背後では、全体を見通す緻密な設計が生きていることは言うまでもありません。
カップリング曲も聴き逃せません。「4つのロマンティックな小品」は、音楽を過度に肥大化させることなく、切々と歌い抜き、心打たれます。特に第4曲の深い静謐美は格別。「森の静けさ」は、メロディーの美しさを最大に引き出しつつ、透明度の高い響きをオケと一体となっている点にご注目を。「ロンド」のとことん入念に語りかける冒頭テーマの説得力にも唖然。【湧々堂】


CRQ Editions
CRQCD-107(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番K.453
ピアノ協奏曲第25番K.503
デニス・マシューズ(P)
ハリー・ブレック(指)
ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズ

録音:1955年頃
※音源:英Columbia 33SX1044
デニス・マシューズは、デニス・ブレインによるベートーヴェン:ホルンソナタの伴奏者として、またジョン・オグドンの幼少期の先生として有名。モーツァルトの協奏曲は、後年にスワロフスキーとも「20番&24番」を録音していますが、それらに共通するのは、理想的な「軽み」。表面的にパラパラと過ぎ去るそれではなく、きちんと内省味を湛えながら、自然な流れのうちにモーツァルトの無垢な音楽性を滲ませるセンスは絶品です。清々しいい空気に満ちた「第17番」においては、その「軽さ」の魅力が特に際立ちます。
一方、ぐっと構成感の強固な「第25番」は、まずブレックの厳格な指揮が見事。マシューズのデュナミークの幅を抑えた繊細なピアニズと絶妙なコントラストを織りなしている点聴きもの。第1楽章の主題が短調で奏でられる箇所のまろやかさは、例えようもない味!【湧々堂】


Altus
ALT-294(1CD)
シューベルト:『ロザムンデ』序曲D.797
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104*
デュティユー:メタボール
ピエール・フルニエ(Vc)*
セルジュ・チェリビダッケ(指)
フランス国立放送O

録音:1974年10月2日、シャンゼリゼ劇場(ステレオ・ライヴ)
音源提供:フランス国立視聴覚研究所 
“チェリの冷静さをよそに、なぜか燃え盛るフルニエ!”
チェリビダッケの晩年に差し掛かる前の、室内楽的な響きヘのこだわりが色濃く反映されています。
「ロザムンデ」は、序奏の短調がこれほど物悲しく響いたのは稀で、主部はリズムは沸き立つものの、どこかその暗さを引きずるような風情。そこへ光をもたらしているのがオケの透明で明るい響き。ドヴォルザークの伴奏でも、チェリの透徹モードは変わらず、いつも端正なフルニエのチェロが、これほど男性的で抉りの効いた演奏に感じることも珍しいでしょう。しかし聴き進むうちに、このフルニエのアグレッシブさは、チェリビダッケの音楽作りとの対比から来るのではなく、フルニエ自身がいつになく燃えていることに気付かされます。終楽章冒頭など、いきなりたたみ掛けるような推進力を見せ、フレージングは常に切迫しており、表情はどこを取っても濃密。理性は二の次といった没入ぶりが感動を誘います。何種類もあるフルニエの同曲録音の中でも、これは明らかに異色の名演奏です。
「メタボール」は、チェリが許容できるぎりぎりの現代音楽なのでしょう。響きを徹底的に制御し、「軋み」を整理し尽くすことで、単なる放射的な音の塊ではなく、独特の澄んだ色彩感を生み出している点ている点にご注目を。【湧々堂】


ALTO
ALC-1255(1CD)
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調*
ピアノ協奏曲変ニ長調+
ボリス・グートニコフ((Vn)*
コンスタンチン・イヴァーノフ(指)ソヴィエト国立SO*
アンネッテ・セルヴァデイ(P)+
ジョゼフ・ジュンタ(指)LPO+

録音:1981年*/1987年10月+
原盤:Melodiya* / Hyperion+
ライセンサー:A Tempo Prague, Aquarius Music* 
前出:Regis, RRC 1300(廃盤)
“それぞれの個性が曲の魅力を倍加させた、好対照な2つの名演!”
2曲とも心に食い入る名演奏!ボリス・グートニコフ(1931-1986)は1962年の第2回チャイコフスキー・コンクールの優勝者。60年代にロジェストヴェンスキーと共演したチャイコフスキーの協奏曲等の録音も存在しますが、ソ連崩壊前に亡くなってしまったのは痛恨の極みです。その音色は伸びやかで艷やか。コーガンにも似た強靭な精神を湛えながら、確信に満ちた表現を繰り広げます。第1楽章のカデンツァで見せる辺りを払う集中力には息を呑むばかりですが、音の明快さを保ちつつ孤独の情感を惜しげもなく注入した第2楽章は、まるでショスタコーヴィチの音楽ように切実な苦悩を滲ませ、心を突き刺します。終楽章も音の張り出しが強いですが、少しも煩くならず、指揮のイワーノフが醸し出すダイナミズムと土俗性を背景にして、多彩なニュアンスを放射し尽くし、最後まで聴き手の意識を釘付けにします。
一方のセルヴァデイのピアノ協奏曲も同曲屈指の名演!演奏のテイストはヴァイオリン協奏曲とは対照的に、ロシア的な土臭さから離れた純音楽的アプローチ。それでこれだけの説得力を生むのですから、セルヴァデイの感性が尋常では無いことは明らか。第1楽章はやや遅めのテンポを採用していますが、間延びせず、心からの歌が心に染みます。第1楽章カデンツァのなんとリリカルなこと。第2楽章はもちろんフレクサトーン入り。この特殊な楽器の必要性をこれほど痛感させる演奏も少ないでしょう。露骨にクローズアップするのではなく、ホールトーンに自然に溶け込ませたその響きと、セルヴァデイのリリシズムとの融合の妙に是非ご注目を。そして終楽章の拡張の高さ!是非ともセルヴァデイのラフマニノフを聴いてみたいものです。【湧々堂】


DORON
DRC-3064(1CD)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第4番(第1楽章カデンツァ:マリオ・ホッセン)
ヴァイオリン協奏曲第2番(第1楽章カデンツァ:フランソワ・ピエール・デカン)
マリオ・ホッセン(Vn)、
ヴァレリー・ヴァチェフ(指)
ブルガリアRSO

録音:2007年9 月、2008 年10 月、
ブルガリア生まれの中堅ヴァイオリニスト、ホッセンによる快演!いわゆる「仕掛け」満載の作品においてその面白さを際立たせようとすると、説明調のシラケた演奏になりがちですが、この演奏にはそんな心配は全く不要。作品の有り様を真摯に再現することに徹し、遊びや悪ノリとは無縁。テクニックはもちろん万全。筆致は常に克明で、曖昧さが皆無。ブラームスの協奏曲を弾くのと同じようなスタンスで音楽と向き合うことで、音楽のフォルムがくっきりと浮かび上がているのです。
最大の聴きものは、ホッセンの技巧力を惜しみなく注入した「第4番」第1楽章の自作カデンツァ。奇想曲の一節も交えながら強烈なジプシー音楽を聴かせます。ここまでのストイックな演奏とは掛け離れていると思いきや、演奏自体はここでも厳しさを貫徹。第2楽章でも甘美さ雰囲気に流されず、丹念なフレージングを保持するあたりに、ホッセンの非凡な音楽センスを感じさせます。【湧々堂】


Hanssler(SWR)
94-226(1CD)
ヨハンナ・マルツィ/メンデルスゾーン&ブラームス
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77*
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
ハンス・ミュラー=クライ(指)
ギュンター・ヴァント(指)*
SWRシュトゥットガルトRSO

録音:1959年2月5日、1964年2月6日*、リーダーハレ・シュトゥットガルト(共にモノラル)
“無限に溢れる豊穣なニュアンス!EMIのセッション録音と並ぶ大名演!”
ヨハンナ・マルツィの熱心なファンのみならず、全ての音楽ファン必聴の名演!2曲ともEMIのセッション録音の名演が既に存在していますが、モノラルながら極めて高音質である点も含めて、とても甲乙など付けられません。
メンデルスゾーンはマルツィ特有の語り掛けの強いフレージングの魅力が満載。第1音から、その呪縛に進んで飛び込みたくなる衝動を抑えることができません。第2楽章は、「美音」とはこういうものであると強く認識させられます。音が単に綺麗なのではなく、人間の汚れた部分まで全て併せ飲んだ人間だけが発することができる、豊か過ぎる音楽的情報量!ミュラー=クライの閃きに富んだ指揮が。これまた絶品!
52歳だったギュンター・ヴァントが伴奏を務めるブラームスも月並みの名演ではありません。まず冒頭の音の跳躍に漲るパッションの凄まじいこと!第2主題はフレージングの確実さと含蓄に富んだ美音がビリビリと心の琴線を刺激。この日のマルツィはいつも以上にハイテンションだったのか、感情表現をかなり露骨にぶちまけており、それをまた音楽的に制御しようとする意思も加味され、演奏全体に独特の緊張感を醸し出しているのが特徴的です。
中古LP市場では、特に女流ヴァイオリニスト、ピアニストの初期盤だというだけで、その演奏内容に関わらず、数十万円もする高値で取引されることがありますが、これほどの感動が保証されているマルツィに関しては、一概に法外な値段とは思えなくなります。【湧々堂】

Hanssler(SWR)
94-225(1CD)
ゲザ・アンダ〜SWR放送録音集第5集
バルトーク:ピアノ協奏曲第2番*
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:間奏曲 ホ長調Op.117-1(アンコール)
ゲザ・アンダ(P)
ハンス・ミュラー=クライ(指)*
フェルディナント・ライトナー(指)
SWR シュトゥットガルトRSO

録音:1950年11月14日(モノラル)*、1973年3月13日(ステレオ)、リーダーハレ、シュトゥットガルト
チャイコフスキーはアンダ追悼盤としてかつてLPでオイロディスクで発売されたもので、これが初CD化。禁欲的なアンダのピアニズムによって、派手なパフォーマンスに傾きがちなこの作品に、品格と重厚さが付与され、他では味わい得ない感動をもたらしてくれます。先ごろ、1958年にショルティと共演した熱演ライヴも発売されましたが、ここではライトナーの堅実なサポートを得て、アンダの理念を伸び伸びと飛翔させているのが特徴的で、この演奏が最もアンダの理想に近いものではないでしょうか。高速暴走を避けて音の吟味しながら音楽を構築する姿勢は、ガリエラと組んだEMI盤から一貫しており、特に終楽章においてそれが顕著。熱狂でごまかさずに打鍵の意味を最後まで聴き手に意識させるコーダの追い込みは、まさにアンダのピアニズムの象徴。
そのチャイコフスキーと比べると明らかなように、バルトークにおいては、より肉感的なタッチ。【湧々堂】

King International
KKC-2085(1CD)
ケンプ〜1965年のモーツァルト
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ウィル ヘルム・ケンプ(P)
アレクサンダー・ルンプフ(指)
外山雄三(指)
共に、NHK響*

録音:1965年6月8日東京文化会館、1967年11月3日(共に東京文化会館/ステレオ・ライヴ)
ウィルヘルム・ケンプ3度目の1965年の来日公演で、アレクサンダー・ルンプフ指揮NHK交響楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第24番を演奏し ました。それが当時のNHKラジオ番組「立体音楽堂」用にステレオ収録された音源が残されていました。これがケンプの息遣いまで生々しく伝わってく るような鮮明さ。緊迫感と激しさに満ちた短調のモーツァルトの世界を描くケンプの音色が見事の一言に尽きる至芸。技術、音楽性ともに当時絶頂にあっ たケンプの神業を真に味わえます。1967年、4度目の来日の際に、外山雄三指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏を行ないましたが、「皇帝」 の音源が残っていました。これも堂々とした名演で、全曲を一気に聴かせてしまう魔力に満ちています。 (Ki)

King International
KKC-2086(1CD)
最晩年のボレット
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
ショパン:夜想曲第5番嬰ヘ長調Op.15-2
ホルヘ・ボレット((P)
デーヴィッド・アサートン(指)NHK響

録音:1988年11月9日NHKホール(デジタル・ライヴ)
“至上の歌とまろやかな音色に彩られた、感動必至のラフマニノフ!”
ラフマニノフもショパンも、以前にNHKの放映されましたが、その時の衝撃がリアルに蘇りました!
ラフマニノフは、ボレットの最晩年、演奏活動から離れる直前の貴重な記録であるだけでなく、彼のラフマニノフへの崇拝ぶりが演奏に完全投影され、技巧偏重ではない温かい情感を漂わせた不朽の名演である点で、忘れるわけには行きません。ボレットが遺した最高の協奏曲録音であるとともに、この演奏を抜きにしてこの作品が語れれるはずがありません!
第1楽章のテーマから、その深いリリシズムと甘美な音色は、他の誰とも異なる魅力を放ちます。その内面的な深さは、第2楽章でさらに開花。全てのタッチが愛で塗り固められており、中間の山場では叩き付ける打鍵をも持ち込まず、心を極限まで焦がして憧れのニュアンスを飛翔させる様は言葉も出ません!終楽章はかなりの低速ですが、そのテンポ以外は考えられない比類なき説得力!開始直後、耳元で囁くような弱音でのグリッサンドが奏でられると、もうモロメロ!展開部でも一切弛緩しないどころか、この夢の空間が永遠に続いて欲しいと願わずにはいられない魅力が連綿と流れ、再現部以降はもう涙が止まりません!
亡き名匠アサートンの、含蓄に富んだ棒も安定感抜群。
なお、ボレットのこの曲の録音は他にも2種存在しますが、録音の自然な臨場感は、他の録音を引き離しています。
ショパンも、奇跡としか言いようのない美しさ!「歌う」とは、こういうことなのです!ボレットが不世出のピアニストであったか改めて思い知ります。【湧々堂】
King International
KKC-2088(2CD)
アニー・フィッシャー〜生誕100年
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番**
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番#
アニー・フィッシャー(P)
クリストフ・ペリック(指)*
ミルディアス・カリーディス(指)**
フェルディナント・ライトナー(指)#
NHK響

録音:1985年10月18*、1987年10月16日**、1983年6月22日*、 (全てNHKホール/デジタル・ライヴ)
2014年に生誕百年を迎えるハンガリー出身の名女流アニー・フィッシャー。彼女は1980年以来、亡くなる前年の1994年まで数回日本を訪れ ています。ここではNHK交響楽団と共演した協奏曲4篇を初リリース。いずれも70歳頃の演奏ですが、エネルギーと気迫に満ちた演奏ぶりに感動させ られます。クレンペラーとの名盤で知られるシューマン、フリッチャイとの名盤で知られるベートーヴェンの第3番も違いを味わえます。かのリヒテルも尊敬したというアニー・フィッシャーの芸術を存分に味わ えます。 (Ki)


Altus
ALTSA-285(1SACD)
シングルレイヤー
ALT-285(1CD)
ブラームス:悲劇的序曲 Op.81
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調『皇帝』 Op.73*
セルジュ・チェリビダッケ(指)
フランス国立放送O,
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)*

録音:1974年10月16日、シャンゼリゼ劇場(ステレオ・ライヴ)
“終楽章必聴!ミケランジェリだけが可能な驚異の「皇帝」!”
フランス国立放送管の創立40周年特別公演のライヴ録音。ブラームスでは、Alutsから発売されているシューリヒトの名演奏と同様、透明感と色彩を湛えたオケの特性が最大に発揮され、パリ音楽院管の影に隠れて見落とされがちな個性的な響きの魅力を改めて痛感させられます。ここでのチェリビダッケの芸風は、晩年のミュンヘン時代の大伽藍モードに入る前なので、物々しいサウンドを排除して、極限まで室内楽的な精緻さを追求しており、その点でもオケの特性が功を奏しています。特に中間部の木管のフレーズの明るく抜ける響きと弦の至純さが織りなすハーモニーの美しさは格別。9:23からの弦のピアニッシモの透徹ぶりも、1970〜1980年代チェリビダッケを象徴するもの。
そして、驚愕の「皇帝」!ミケランジェリは例によって第1楽章冒頭からアーティキュレーションが明確で、推進力を湛えつつも勢い任せの感は皆無。6:33からの左手声部の刃こぼれのなさも驚異的ですが、再現部冒頭の一瞬にして大理石の塔を打ち立てるような堅牢な凄みは比類なし!第2楽章は透徹美の極みですが、ミケランジェリのタッチは常に光に満ちながら毅然と立ち、そこから厳かな品格が放たれます。3:21以降をこれほど確信を持ってフォルテで通した演奏も稀でしょう。その内的なヴォルテージが更に開花するのが終楽章。これこそ「皇帝の中の皇帝」!冷徹なイメージが強いミケランジェリですが、聞こえない音符などどこにもないこの演奏に触れると、完璧な技巧と一体化した音楽への熱い没入ぶりに戦慄さえ覚えます。【湧々堂】


Spectrum Sound
CDSMBA-002(2CD)
スヴェトラーノフ&スタニスラフ・ネイガウス
スヴィリドフ:「トリプティク」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)
フランス国立放送O
スタニスラフ・ネイガウス(P)

録音:1973年2月7日、シャンゼリゼ劇場 (ステレオ・ライヴ)
ここでのスヴェトラーノフは、壮年期ならではの直截なダイナミズムを発揮するだけでなく、オケのふんわりとしたフランス的な色彩を徹底的に土臭いロシア色に染め直し、手兵のソビエト国立響と変わらぬサウンドを築き上げている点に、改めて指揮者としての牽引力の強さを再認識させられます。
「悲愴」では、第1楽章展開部が、スタジオ録音を超える猛烈なスピード感で突進。しかもスヴェトラーノフは徹底して縦割りで強靭なリズムを求めるているので、そのスタイルに慣れていないオケは泡を食っているのが目に浮かぶようですが、完全にその棒に喰らいつき、手に汗握る熱演を展開。コーダのホルンには完全にヴィブラートを禁じ、ロシアン・サウンドを叩き込んだ跡が伺えます。第3楽章も、もちろん大迫力。
録音の少ないスタニスラフ・ネイガウス(スタニスラフ・ブーニンの父)のソロが良質なステレオで聴けるのも貴重。誇張を避け、洗練されたスタイルを持っていたS・ネイガウスの芸術性は、土臭さ満点のスヴェトラーノフの指揮を得て更に際立ちます。鍵盤を決して叩きつけず、紡ぎ出すことに徹したそのスタイルの魅力は、第2楽章で最大に開花。終楽章では、第2主題の内省的な歌わせ方が心を捉えます。【湧々堂】


Altus
ALT-285(1CD)
ブラームス:悲劇的序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
セルジュ・チェリビダッケ(指)
フランス国立放送O
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)

録音:1974年10月16日、シャンゼリゼ劇場(ステレオ・ライヴ)
※正規初出
フランス国立放送管の創立40周年特別公演のライヴ録音。ブラームスでは、Alutsから発売されているシューリヒトの名演奏と同様、透明感と色彩を湛えたオケの特性が最大に発揮され、パリ音楽院管の影に隠れて見落とされがちな個性的な響きの魅力を改めて痛感させられます。ここでのチェリビダッケの芸風は、晩年のミュンヘン時代の大伽藍モードに入る前なので、物々しいサウンドを排除して、極限まで室内楽的な精緻さを追求しており、その点でもオケの特性が功を奏しています。特に中間部の木管のフレーズの明るく抜ける響きと弦の至純さが織りなすハーモニーの美しさは格別。9:23からの弦のピアニッシモの透徹ぶりも、1970〜1980年代チェリビダッケを象徴するもの。
そして、驚愕の「皇帝」!ミケランジェリは例によって第1楽章冒頭からアーティキュレーションが明確で、推進力を湛えつつも勢い任せの感は皆無。6:33からの左手声部の刃こぼれのなさも驚異的ですが、再現部冒頭の一瞬にして大理石の塔を打ち立てるような堅牢な凄みは比類なし!第2楽章は透徹美の極みですが、ミケランジェリのタッチは常に光に満ちながら毅然と立ち、そこから厳かな品格が放たれます。3:21以降をこれほど確信を持ってフォルテで通した演奏も稀でしょう。その内的なヴォルテージが更に開花するのが終楽章。これこそ「皇帝の中の皇帝」!冷徹なイメージが強いミケランジェリですが、聞こえない音符などどこにもないこの演奏に触れると、完璧な技巧と一体化した音楽への熱い没入ぶりに戦慄さえ覚えます。【湧々堂】


Guild Historical
GHCD-2405(1CD)
ストコフスキーのモーツァルト1949-1969
(1)歌劇「フィガロの結婚」序曲
(2)ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466*
(3)そりすべり(ドイツ舞曲第3番 K.605)**
(4)ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491+
(5)トルコ行進曲(ストコフスキー編)++
レオポルド・ストコフスキー(指)
フィラデルフィアO
マリア・イザベラ・デ・カルリ(P)*、
インターナショナル・フェスティヴァル・ユースO*、
ヒズSO**、
エズラ・ラクリン(P)+、
ヒューストンSO+、NBC響++

録音:(1)1960年12月12日(ステレオ)
(2)1969年8月31日(ステレオ)
(3)1949年3月2日、(4)1960年10月24日
(5)1955年2月9日(RCA音源)
※リマスタリング:ピーター・レイノルズ&レイノルズ・マスタリング
※マスター・ソーズ:エンノ・リエケーナ・コレクション
ピアノ協奏曲第20番は、イタリアの作曲家F.ドナトーニの愛人としても知られるマリア・イザベラ・デ・カルリの独奏。可憐で慎ましいタッチで誠実に音楽を紡ぎだし、大柄なストコフスキーの伴奏と好対照。独特の色彩美を持つカデンツァは、.ドナトーニの作かもしれません(ライナーに記載なし)。
ピアノ協奏曲第24番の独奏は、エズラ・ラクリン(1915-1995)。彼の師はゴドフスキー、J.レヴィン、ホフマンと錚々たるもので、ストコフスキーはフィラデルフィア管の青少年コンサートの最初のソリストとして彼を招いています。カーティス音楽院ではバーンスタイン等とともに指揮も学び、後年は主に指揮者として活躍しました。ここでの演奏はヴィルトゥオージティ全開!第1楽章はまるでラフマニノフのような華麗さで駆け抜け、第2楽章でもかなり強烈に悲嘆のニュアンスを刻印。それが少しも煩わしくなく、聴き手を惹きつける不思議な求心力が有ります。終楽章は、速めのテンポで更に攻撃的とさえ言えるほど音楽に深く食い入ります。タッチの粒立ちの良さにも必聴。
「そり滑り」はケレン味たっぷり。完全に描写音楽と化し、遠近感を出した強弱の演出が楽しさ満点。
トルコ行進曲はRCAのセッション録音。NBC響の一糸乱れぬアンサンブルが最大に功を奏した華麗さに胸が踊ります!【湧々堂】


Signum Classics
SIGCD-345(1CD)
モーツァルト:ホルン協奏曲全集
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
断章ホ長調 K.494a
ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495
ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412/K.514
ホルン協奏曲楽章変ホ長調 K.370b & K.371
ロジャー・モンゴメリー(ナチュラルHrn)、
マーガレット・フォートレス(指&Vn)
エイジ・オヴ・インライトゥメントO

録音:2012年10月25日、クイーン・エリザベス・ホール・ライヴ
※使用楽器:プラハのフランツ・シュトールのレプリカ・モデル
“遂に出た!ナチュラル・ホルンによるモーツァルトの最高峰!”
ロジャー・モンゴメリーは、エイジ・オヴ・インライトゥメント管の首席ホルン奏者、英国王立歌劇場管のホルン奏者として活躍する"モダン"、"ピリオド"の両方に精通する栄光が誇るホルニスト。ここには、モーツァルトの全ホルン協奏曲を一晩で演奏した模様が収めれており、それだけでも演奏に掛ける意気込みの高さを伺わせますが、演奏自体が驚異的な素晴らしさ!
オケ共々理に走った冷たさは皆無で、あくまでも「語り」を重視。音程の正確はナチュラルンとは思えぬ程で、ゲシュトップ挿入も実に自然。もちろん技巧をひけらかす素振りなどなく、人間的な温もりを感じさせます。
第4番第1楽章展開部などは、モダンホルンと錯覚するほどニュアンスの陰影がきっちり浮かび上がり、同終楽章は快速テンポながらリズムが確実に着死し、速いパッセージでも音楽の表情が素通りしてしまうことがありません。
第3番は、第2楽章のテンポ設定が絶妙!その微妙に速めの設定がモーツァルトらしい微笑みの表情を伝えます。中間部ではゲシュトップ効果の魅力をさり気なく披露。
第1番のロンド楽章は、改訂版(ジュスマイヤー版)と初稿(ティーヴン・ロバーツによる完成版)の2種類を続けて収録。
K.370冒頭の音の跳躍が、大げさにならずに苦笑を誘うセンスにもご注目。K.371(コンサート・ロンド)のニュアンスの豊かさも、過去の名演を大きく上回るもの。
モンゴメリーのホルンを優しく引き立てるフォートレスの指揮もこれらの名演には不可欠な存在で、特に第2番終楽章中間部の嘲笑うような弦の表情は必聴!
なお、他のSignamのライヴ録音同様、ライヴ録音ながらノイズはほぼ皆無。【湧々堂】


韓国Warner Classics
PWC13D-0011(13CD)
クリスチャン・フェラス〜The Art of Violin
■CD 1
フランク:ヴァイオリン・ソナタ.イ長調
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 Op.13

■CD 2
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
■CD 3
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ラロ:スペイン交響曲
■CD 4
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.12-2
ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調 Op.12-3
ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 Op.23
■CD 5
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24 '春'
ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調 Op.30-1
ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調 Op.30-2
■CD 6
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調 Op.30-3
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47「クロイツェル」
ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調 Op.96
■CD 7
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV.1043
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:クライスラー)*
■CD 8
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219 「トルコ風」
■CD 9
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ.ト短調
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調 Op.25*
ラヴェル:ツィガーヌ_9.05
■CD 10
ブラームス:二重協奏曲Op.102
■CD 11
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
パリ音楽院O
バンドー:ハンガリー風協奏曲 (1958)*
■CD 12
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番イ長調 Op.13
ヴァイオリン・ソナタ 第2番ロ短調 Op.108

■CD 13
ショーソン:終わりなき歌 Op.37 (Charles Cros)*_7.05
ピアノ,ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲ニ長調 Op.21+
全て、クリスチャン・フェラス(Vn)

■CD 1
ピエール・バルビゼ(P)
録音:1957年5月15-19日(モノラル)

■CD 2
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)
フィルハーモニアO
録音:1957年6月26-28日(ステレオ)

■CD 3
ワルター・ジェスキント(指)
フィルハーモニアO
録音:1958年5月25〜27日(ステレオ)

■CD 4〜CD 6
ピエール・バルビゼ(P)
録音:1958年11月17-24日(モノラル)

■CD 7
ユーディ・メニューイン(Vn)、
バース・フェスティバルO
マルコム・サージェント(指)*
ロイヤルPO*
録音:1959年7月8日、1959年10月8-10日*(共にステレオ)

■CD 8
アンドレ・ヴァンデルノート(指)
パリ音楽院O
録音:1960年9月20日(ステレオ)

■CD 9
ピエール・バルビゼ(P)
録音:1962年5月30日
1962年6月5日*(全てステレオ)

■CD 10
ポール・トルトゥリエ(Vc)
パウル・クレツキ(指)
フィルハーモニアO
録音:1962年6月22-23日(ステレオ)

■CD 11
ジョルジュ・プレートル(指)
アラン・ロンバール(指)*
パリ音楽院O
録音:1963年)(ステレオ)

■CD 12
ピエール・バルビゼ(P)
録音:1964年9月21-25(ステレオ)

■CD 13
アンドレ・エスポジート(S)+
ピエール・バルビゼ(P)
パレナンSQ
録音:1966年、1968年+(ステレオ)
美麗紙ボックス仕様(サイズ:縦130mm×横130mm×奥行50mm)、ブックレット(韓国&英語併記)、内袋入りの各ディスクは紙ジャケットに収納されてます。

MUSIC VARS
VA-0165(1CD)
未案内旧譜
ポッパー(1843-1913):チェロと管弦楽の為のヴィルトゥオーゾ作品集
小ロシアの歌による幻想曲 Op.43
スコットランド幻想曲 Op.71
スペイン舞曲集 Op.54
演奏会用ポロネーズ Op.14
ドミニカ・ホシュコヴァー(Vc)
イジー・マラート(指)
プルゼニュRSO

録音:2007年5月9-10日、11月5-6日、2008年2月11-13日
ドミニカ・ホシュコヴァーは1982年生まれのチェロ奏者。4歳から父であるチェコの名チェロ奏者イジー・ホシェクの指導を受け、プラハ音楽院でヴァーツラフ・イーロヴェツ、ウラダン・コチーに師事するとともに巨匠ミロシュ・サードロに個人教授を受けた後、プラハ芸術アカデミーで再びイジー・ホシェクに学び、さらに2007年パリ音楽院のジャン=マリー・ガマールのもとで研修を受けました。


BARTOK RECORDS
BR-1928[BR](1CD)
バルトーク:ピアノ協奏曲第1番
ロバート・マン:物語(TALES)
〜アンデルセンとキプリングによる(ナイチンゲール/エンドウ豆の王女/クジラはどうして喉を持つようになったか/サイはどうして皮がシワシワか)
レオニード・ハンブロ(P)
ロバート・マン(Vn、指)
ジンブラー・シンフォニエッタ
ルーシー・ローワン(語り)

録音年不詳,モノラル(1950年代)
※ピーター・バルトークによるハイファイ録音
バルトークの「ピアノ協奏曲第1番」のピアノはレオニード・ハンブロ。1920年シカゴ生れ。ジュリアード音楽院で学び、1946年ニュルベルグ・コンクールで入賞。LP初期に多くの録音を遺しました。ソリッドな打鍵を縦横に張り巡らせ、推進力抜群。それでいてそのタッチにはどこか温かみがあり、独自の求心力を持って迫ります。
最大の聴きものは終楽章。リズムに宿るニュアンスの豊かさは尋常ではなく、単に器用なだけの打鍵とは違う、体の芯から噴き出るようなエネルギーに手に汗握ります。
録音の素晴らしさににも驚愕。モノラル録音のまさに頂点をなす名録音。未熟な初期ステレオ録音などお呼びではありません。第1楽章締めくくりの打楽器の衝撃、第2楽章冒頭の小太鼓の微かな振動までリアルに捕らえている例は、後のステレオ録音でもそうそう出会えません。シュタルケルのコダーイ:無伴奏チェロ・ソナタで有名な録音技師ペーテル・バルトークの凄さを再認識させられます。
「物語(TALES) 」は、ジュリアード四重奏団のリーダーとしても著名で指揮者でもあるロバート・マンの作品。ヴァイオリンとピアノの演奏とナレーションで童話が進行します。【湧々堂】

Capriccio
C-7172E(5CD)
オルガン協奏曲集
<CD1.ヘンデル:作品集>
オルガン協奏曲 第6 番 変ロ長調 Op.4-6 HWV294
オルガン協奏曲 第3番 ト長調 Op.4-3 HWV291
オルガン協奏曲 第4 番 ヘ長調 Op.4-4 HWV292
オルガン協奏曲 第2 番 変ロ長調 Op.4-2 HWV290
オルガン協奏曲 第5 番 ヘ長調 Op.4-5 HWV293
オルガン協奏曲 ヘ長調 HWV295「カッコウとナイチンゲール」
<CD2.J.S.バッハ&C.P.E.バッハ:作品集>
バッハ:オルガン協奏曲 ニ短調 (BWV146 とBWV188 より)
C.P.E.バッハ:オルガン協奏曲 ト長調 Wq.34 H444
C.P.E.バッハ:オルガン協奏曲 変ホ長調 Wq.35 H446
<CD3.J.ハイドン:作品集>
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:1
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:5
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:8
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XIV:11
オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XIV:12
<CD4.M.ハイドン&J.ハイドン&モーツァルト:作品集>
M.ハイドン:オルガンとヴィオラと弦楽のための協奏曲 ハ長調 P.55
ハイドン:オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:10
モーツァルト:教会コンチェルト 第17 番 ハ長調 K336
 教会コンチェルト 第8 番 ヘ長調 K224
 教会コンチェルト 第1 番 変ホ長調 K67
 教会コンチェルト 第15 番 ハ長調 K328
<CD5.J.G.ラインベルガー:作品集>
オルガン協奏曲 第1 番 ヘ長調 Op.137
オルガン協奏曲 第2 番 ト短調 Op.177
ヴァイオリンとオルガンのための組曲 ハ短調 Op.166
アキム・エルザベット(Org)
クリスティーネ・ショルンスハイム(Org)
マルティン・ハーゼルベック(Org)
ローランド・ミュンヒ(Org)
フランツ・レーンドルファー(Org)
アンドレアス・ユフィンガー(Org) 他
ウィーン・アカデミー
新バッハ・コレギウム・ムジクム
「カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ」CO 他
CAPRICCIO の膨大な音源の中から「オルガンのための協奏曲」を選び出し、年代別にまとめた5 枚組です。バロック時代の最も重要な作品はヘンデルの一連の協奏曲でしょう。彼は1733 年、自作のオラトリオ「デボラ」の初演時に「間奏曲」としてペダルなしの小さなオルガンで自作の協奏曲を演奏したと記録に残っているほど、オルガン協奏曲の重要性を世に知らしめた人です。他にはハイドン兄弟、バッハ親子らバロックから古典派の作曲家たち、モーツァルトのレアな作品「教会コンチェルト」ロマン派のオルガン作曲家ラインベルガーの作品と、オルガン好きにはたまらないセットとなっています。

Aurora
ACD-5069(1CD)
ヨン・オイヴィン・ネス(1968?):獰猛なケンタッキーの運命の母たち
ピアノ協奏曲《強烈な日の光(サンバースト)》 (2005?07)
増幅したギターと管弦楽のための協奏曲《私の心をカトノサに埋めてくれ》(2005)
2つのトロンボーンと2つのアンサンブルのための協奏曲《獰猛なケンタッキーの運命の母たち》(ロングバージョン)(2006)
マグヌス・ロドガール(P)
トマス・ヒェクスタ(G)
スヴェッレ・リス(Tb)
マリウス・ヘスビ(Tb)
ノルウェー放送O
トマス・リームル(指)

録音:2011年3月10日、14日-15日、21日-23日 ノルウェー放送 (NRK) 大スタジオ(オスロ)
ヨン・オイヴィン・ネスは、今日のノルウェー音楽シーンでもっともユニークな音楽家のひとり。イギリスやアメリカのポピュラーミュージックとポップカ ルチャーに関心をもち、独自の着想による作品を発表してきました。オスロを本拠とする現代音楽のグループ、アンサンブル・エルンストを共同創設した 指揮者トマス・リームルとノルウェー放送管弦楽団の新しいアルバム『獰猛なケンタッキーの運命の母たち』。オスロ・フィルハーモニックが録音したヴァ イオリン協奏曲《マッド・キャップ・トゥートリング》とチェロ協奏曲《ウェット・ブラバー・スープ》(Simax PSC1278)、ノルウェー軍西部音楽隊(ベ ルゲン)によるクラリネット協奏曲《砂漠から届いた悪い知らせ》(Aurora ACD5053) とチェロ協奏曲《軌道に乗ったズヴェズドフカ》(ACD5063) に つづき、ネスの協奏曲が3曲紹介されます。
2007年に完成したピアノ協奏曲は、ピアニストのロドガールとクリスチャンサン交響楽団の委嘱による作品です。メシアンを連想させる「にぎやかな」 音楽でソロピアノが登場し、3台の木琴やピッコロも絡み、雲間から突然現れる「強烈な日の光」のタイトルを映すように、明るく輝かしい響きの音楽が 展開します。マグヌス・ロドガール (1979?) は、ノルウェー音楽アカデミーでシーグル・スロッテブレックにピアノ、オーレ・クリスチャン・ルードに指揮 を学びました。ベルリンの芸術大学のルッツ・ケーラーにも指揮を教わり、現在、トロンハイムに近い故郷のメルフースの「フョスフェスティヴァル」の監 督をはじめ、多彩な活動をしています。
《私の心をカトノサに埋めてくれ》は、電気的に音を増幅したギターと管弦楽のために作曲されました。アメリカ先住民と白人の戦争の象徴とされる「ウー ンデッド・ニーの虐殺」に題材を採ったディー・ブラウンの著作『わが心をウーンデッド・ニーに埋めてくれ』(わが魂を聖地に埋めよ)とバフィ・セント=マリー の同名の歌に、オスロの北にある森を中心とする自然保護区のカトノサ湖の名を重ね、曲名としています。ギタリストのトマス・ヒェクスタ (1971?) は、 オスロのアカデミーで学び、ラーシュ=エーリク・エル・ユングのヴァイオリンとのデュオ「ツイッター・マシン」としての活動で知られます。この作品は、ヒェ クスタとノルウェー放送管弦楽団の委嘱により作曲されました。
2つのトロンボーンと2つのアンサンブルのための協奏曲はエンディングの異なるショートバージョンとロングバージョンの2つの版が作られています。 ショートバージョンが《獰猛なケンタッキーの母たち》、ロングバージョンが《獰猛なケンタッキーの運命の母たち》と、曲名も少し違っています。このア ルバムのロングバージョンは、クエンティン・タランティーノが脚本を書いたバンパイア・ホラー『フロム・ダスク・ティル・ドーン』、ギターとバンジョー が掛け合うブルーグラス《デュエリング・バンジョー》の場面で知られるジョン・ブアマン監督の『脱出』、そして、SF/ホラー・ビデオゲーム『DOOM 3(ドゥーム 3)』に影響を受けたと作曲者のネスは語っています。トロンボーンのスヴェッレ・リセはノルウェー放送管弦楽団、マリウス・ヘスビは王立ノ ルウェー海軍音楽隊のメンバー。2008年の初演のソリストです。 (Ki)


Pavane
ADW-7550(5CD)
オマージュ・トゥ・カルロ・ヴァン・ネスト 〜ベルギーのヴァイオリン・スクール
ド・ベリオ:ヴァイオリン協奏曲第7番ト長調Op.76、ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.32
ブルギニョン:ヴァイオリン協奏曲Op.86(世界初録音)
デヴリーゼ:ヴァイオリン協奏曲(世界初録音)
ド・クロス:協奏曲第7番ハ短調
フェルブッシュ:ヴァイオリン協奏曲Op.37(世界初録音)
ユイブレシュト:ヴァイオリン・ソナタ
ブラームス:ワルツ変イ長調Op.39-15
フランツ・アントン・シューベルト:ミツバチOp.13-9
クライスラー:コレッリの主題による変奏曲
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ヘ短調Op.19
イザイ:ヴァイオリンと管弦楽のための「悲劇的な詩」 Op.12
シュヴルイユ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.56
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8、
 ピアノ三重奏曲第2番ハ長調Op.87、
 ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.101、
 ピアノ三重奏曲第4番イ長調Op.posth.
カルロ・ヴァン・ネスト(Vn)、
エドガール・ドヌー(指)RTB室内O
フランツ・アンドレ(指)INRSO、
ダニエル・スターンフェルド(指)INR大SO、
ルネ・ドフォッセ(指)ナウム・スルスニー(P)、
エリック・フェルブッシュ(Vc)

録音:1928年−1977年
神童としてキャリアを開始したヴァン・ネストが14歳でColumbiaに残したデビュー録音と、ベルギーの放送局RTBFに残したライヴ音源、そしてEMI音源からは、ベルギーのエリザベート王妃の名を冠されたTrio Reine Elisabeth de Belgique(ベルギー・エリザベート王妃トリオ)によるブラームスのピアノ三重奏曲集全曲(作品番号なしの遺作「第4番イ長調」含む)を収録。RTBF音源の協奏曲集では、アンリ・ヴュータン(1820−1881)やウジェーヌ・イザイ(1858−1931)を始め、シャルル=オーギュスト・ド・ベリオ(1802−1870)、フランシス・ド・ブルギニョン(1890−1961)、フレデリック・デヴリーゼ(1929−)、アンリ=ジャック・ド・クロス(1705−1786)、そしてトリオのメンバーでもあるエリック・フェルブッシュ(1922−2007)と、世界初録音を含む知られざる作品まで、ベルギーのヴァイオリン協奏曲を一望できます。

WERGO
WER-6755
(1SACD)
ロルフ・リーム:作品集
Hamamuth-天使の街
この子供たちは誰だ?*
ニコラス・ホッジ(P)
ビート・フラー(指)
バーデンバーデン&フライブルクSWR響

録音:2012、2009*
※2作品とも世界初録音
ロルフ・リームは、1937年ドイツ生まれの作曲家。作曲家のツィンマーマンに認められ、ツェンダーと共にフランクフルト音楽大学の作曲家の教授を 務めました。天使の街は、TVなどで放送されていたイラク戦争で破壊された街のこと。鋭いアクセントや、軍隊を思わせるような機械的なリズムなど、 暴力的ともいえるエネルギーに満ちた作品です。戦争に対してのアーティストとしての反対表明ともいえる作品です。「この子供たちは誰だ?」も政治的色 合いのある作品。2作品ともドナウエッシンゲン音楽祭で初演されています。 (Ki)


Alba
ABCD-356
(1SACD)
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
ヤンネ・メルタネン(P)
ハンヌ・コイヴラ(指)イェヴレSO

録音:2012年
“豪放かつ繊細!!名手メルタネンのグリーグ&シューマン”
ショパンの協奏曲でも絶妙なコンビネーションを見せたメルタネン&コイヴラが,ここでも心に迫る名演を展開!特にグリーグは、細部に至るまで溢れかえる共感をギュッと閉じ込めて、メルタネンの周到なピアニズムが余すことなく飛翔。
第1楽章冒頭から、メルタネンの豪放かつ繊細なタッチに魅了されます。第2主題の美音には浸透力のあるロマンティシズムに溢れ、後半カデンツァでは改めてニュアンスの幅の広さに驚愕。テーマ再現以降の神秘性を伴う盛り上がりは特に聴きものです。第2楽章の内省的な美しさが、ピアニストとピアノとの対話にとどまらず、確実に聴き手へ向かって語り語り掛けてくるというのも他にあまり例を見ません。終楽章は玉を転がすようなタッチの流麗さとダイナミズムが完全融合!
シューマンも同様の傾向を示しますが、中でも終楽章の独特のリズムの弾ませ方にご注目を。
そして、単なる伴奏の域を超えたコイヴラの指揮の入念なニュアンス表出も忘れられません。 【湧々堂】


Hyperion
CDA-67917(1CD)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 Op.104
私にかまわないで Op.82-1(レオポルド編)
チェロ協奏曲ロ短調 Op.104のオリジナル・エンディング
チェロ協奏曲イ長調 B.10(ギュンター・ラファエル校訂)
スティーヴン・イッサーリス(Vc)
ダニエル・ハーディング(指)
マーラー室内O

録音:2012年10月20日−21日、テアトロ・コムナーレ・ディ・フェラーラ(イタリア)
“民族色に頼らず、熱きロマンを爆発させた感動作!”
名手イッサーリスが満を持して録音に踏み切った「ドヴォコン」。構えが大きく、男性的な力感を全面に出した怪演です!一方で詩のセンスも抜群で、第1楽章第2主題は、極端に音量を落としてすすり泣く演奏とは対照的。ガット弦の魅力の相俟って懐の大きさを感じさせる愛に溢れ、一瞬のポルタメントも媚びたものではなく、粋な微笑みとして伝わります。とにかくニュアンスに曖昧さが一切付きまとわないのです。
第2楽章でも音楽への没入の熱さは変わらず、今まで溜め込んでいた情念を惜しげもなく放出。しかし、圧巻は終楽章!冒頭のテーマを完璧なイン・テンポで貫き通すカッコ良さにノックアウト!その決然とした闘志と、カンタービレのコントラストは何度聴いても絶妙。音楽全体がローカル色以外の抑えがたいロマンの爆発として迫る演奏には滅多に出会えません。
「私にかまわないで Op.82-1」は、チェロ協奏曲第2楽章中間部のテーマに引用された歌曲。ドヴォルザークが若き日に想いを寄せていたヨセフィーナ・カウニッツ伯爵夫人(ドヴォルザークの妻の姉)が重病であると聞いて引用を決意したと言われています。曲の完成後に彼女は亡くなり、第3楽章コーダを改定。それが、その歌曲の再現を含む現在演奏されているバージョンですが、トラック5には改定前のヴァージョンを収録(かなり唐突な締めくくり)。
チェロ協奏曲イ長調 B.10は、1865年の習作で、オーケストレーションも未完成。ここでは、ギュンター・ラファエル校訂による完成版が演奏されています。【湧々堂】


東武レコーディングズ
TBRCD-0020(1CD)
ゲルハルト・ヘッツェル/日本ライヴ
ブラームス:ヴァオリン協奏曲*
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
ゲルハルト・ヘッツェル(Vn)
渡邉曉雄(指)東京都SO*
ハインツ・レークナー(指)読売日本SO

録音:1988年3月16日サントリーホール(デジタル・ライヴ)* 、1988年3月14日東京文化会館(ステレオ・ライヴ )
サウンド・マスタリング:WEITBLICK
“遂に出現!ヘッツェル極めつけのソロ録音!”
ヘッツェル未亡人の快諾を得てのこのリリースは、その人気に反してソロ録音が極端に少ない中でまさにファン垂涎の一枚ですが、出てくる音は期待を大きく上回る感動の連続です!
ブラームスは粘着質にうねりを利かせる重苦しさとは無縁で、すっきりと洗練されたフォルムを携え、一途に気迫を漲らせます。テクニックは万全で、ヴィブラートの美しさも格別。第1楽章カデンツァ後は、渡邉曉雄が築く深遠な響きに身を委ねつつ、凛とした居住まいを崩さずに、音楽を聴き手にしっかり根付かせようとする意思を最後まで貫徹させるのです。終楽章は弓圧に頼らず、あくまでも熱い共感から発する気力とオケとの一体感の素晴らしいこと!
迫に心打たれます。
モーツァルトは一層伸び伸びと音楽を羽ばたかせますが、持ち前の「媚びない美音」はここでも格別な魅力を放ちます。第1楽章開部の陰影は深さに触れると、これほどの名曲だったかと認識を新たにし、第2楽章の弱音に頼らない克明な旋律表出には憧れが一杯。終楽章では、いよいよこの演奏が同曲の最高峰に位置する名演奏であることを確信!どのフレーズをとっても思慮深い裏付けが感じられ、音楽自体は終始瑞々しく息づき、オケとの協調にも幸せな空気が流れる、そんな演奏はめったに聴けません。しかも優秀録音。 【湧々堂】


LAWO Classics
LWC-1039(1CD)
ミュージック・フォー・ブルー・デイズ〜チューバのための作品集
フォン・コック:チューバ協奏曲
ヴォーン・ウィリアムズ:チューバ協奏曲
オーゴール=ニルセン:チューバ協奏曲「フェンリルの叫び」、
 チューバとハープのための「ミュージック・フォー・ブルー・デイズ」
アイリク・イェルデヴィーク(Tub)
ビョルン・ブライスタイン(指)プレヴェンPO
アンネケ・ホドネット(Hp)

録音:2011年9月&2012年4月
PJBE、LSOで活躍したイギリスの世界的名手ジョン・フレッチャーの薫陶を受けたノルウェーのチュービスト、アイリク・イェルデヴィークのコンチェルト・アルバム!
1996年からノルウェー軍西部音楽隊(FMKV)に所属するイェルデヴィークの伸びやかなハイトーン、見事なテクニック、そして低音金管の魅力である頼りになる分厚い音色は、まさに北欧の名手と呼ぶに相応しい。リンドベルイやアントンセン、ボズヴィクなど、世界トップレベルの金管奏者を生み出してきた北欧から届くチューバ・コンチェルト・アルバム。低音の魅力にハマって下さい!

THE MASTERCLASS MEDIA FOUNDATION
MMF4-044(DVD)
ボリス・クシュニール/ヴェルビエ音楽祭アカデミー
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番K218(第1&2楽章)
生徒:マイア・カベサ(Vn)
アルブレヒト・メンツェル(Vn)
1948年キエフ生まれのヴァイオリニスト、ボリス・クシュニール。モスクワ音楽院でボリス・ベレンキー、室内楽をボロディン弦楽四重奏団のワレンチン・ ベルリンスキーに師事。数々の世界的コンクールで受賞し、ショスタコーヴィチやオイストラフとも親交があり彼の音楽性に大きな影響を与えています。ソ リストとしてはもちろん室内楽奏者としても活躍し、モスクワ弦楽四重奏団(1970)、ウィーン・シューベルト・トリオ(1984)、ウィーン・ブラームス・ トリオ(1993)、コペルマン弦楽四重奏団(2002)を創設しています。また指導者としても高く評価され現在はウィーン音楽院の教授を務め、彼の弟子 としてジュリアン・ラクリン、ニコライ・スナイダーなどがいます。また世界中でマスタークラスを開催しており、この映像に収められているヴェルビエ音楽 祭アカデミーでも毎年行っています。 ここではモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番の第1&第2楽章を取り上げています。技巧的なカデンツァを有した楽曲で、充実した内容のレッス ンを展開しています。生徒は日本生まれのトロント育ち、ブエノス・アイレス国際ヴァイオリン・コンクール優勝など数々の受賞歴を持つマイア・カベサ。 2010年モスクワのオイストラフ国際ヴァイオリン・コンクールで第3位を獲得したアルブレヒト・メンツェル。 (Ki)

DACAPO
MAR-6.220567(1SACD)
アンディ・ペイプ:デンマークのアメリカ人
デンマークのアメリカ人(2003)
郊外のナイトメア(2006)
失われた時間の痕跡(1998/2011)
カール・ボイエ・ハンセン(Tub)
モルテン・エステルゴー(Fg)
ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指)
オーデンセSO

録音:2011年10月3-7日オーデンセ・コンサート・ホール
ハリウッド生まれの作曲家アンディ・ペイプ(1955-)の作品集です。彼は1971年から北欧の小さな田舎町に住み、デンマークで学んでいます。このアルバムのタイトル「デンマークのアメリカ人」はまさに彼自身の事ですが(勿論ガーシュウインも意識しているのは間違いありません)、作品はユーモアをたたえた華麗な管弦楽法を駆使した素晴らしいものとなっています。世界初録音となるテューバ協奏曲「郊外のナイトメア」とファゴット協奏曲「失われた時間の痕跡」を併録しています。活発な音の動きを素晴らしい録音で。
DACAPO
MAR-8.226076(1CD)
マグヌス・リンドベルイ:オーケストラのための「EXPO」(2009)
ピアノ協奏曲第2番(2011-2012)*
オーケストラのための「アル・ラルゴ」
(2009-2010)
イェフィム・ブロンフマン(P)*
アラン・ギルバート(指)NYO

録音:2009年9月16日
2012年5月3日
2010年6月23日
このアルバムは、ニューヨーク・フィルの音楽監督であるアラン・ギルバートのために、現代北欧の最強作曲家リンドベルイ(1958-)が曲を書いたものです。どれもが世界初録音であり、とりわけ「EXPO」はギルバートが、2009年に音楽監督としての最初のコンサートで演奏した作品です。ピアノ協奏曲第2番は、華麗な技巧を駆使した作品で、ロシア系イスラエルのピアニスト、ブロンフマンが独奏を担当、素晴らしい効果をあげています。もう一つの「アラ・ラルゴ」はリンドベルイのオーケストレーションの才能を示す色彩豊かな作品です。

Laborie
LC-07(1CD)
リラ・オルガニザータ第2弾
ハイドン:ノットゥルノ第1番 Hob.II:25 ハ長調〔2 リラ、2Cl、2Hrn、2Vla、bc〕(1790)
作曲者不詳 ( 伝:モーツァルト):ふたつのリラ・オルガニザータのための協奏曲 ヘ長調〔2Hrn、弦〕
ハイドン:ノットゥルノ第2番 Hob.II: 26 ヘ長調〔2 リラ、2Cl、2Hrn、2Vla、BC〕(1788/90?)
ヴィンチェンツォ・オルジターノ:シンフォニア第3番 ニ長調〔2Vn, 2Vla, 2Vc, Cb, Cem, Fg, 2リラ、2Ob, 2Cl, 2Hrn, BC〕(1786)
ハイドン:リラ・オルガニザータのための協奏曲第3番 ト長調 Hob.VIIh:03〔2 リラ、2Vn, 2Vla, BC, 2Hrn〕(1786)
プレイエル:2つのリラ・オルガニザータのためのノットゥルノ.ハ長調 B.202.5〔2 リラ, 2Cl, 2Hrn, 2Vla, BC〕(1785)
クリストフ・コワン(Vc,指)
リモージュ・バロック・アンサンブル
マティアス・ロイプナー、
ティエリー・ヌア、トビーミラー

録音:2009年9月
コワン率いるリモージュ・バロック・アンサンブル、待望の新譜の登場。好評だったLC 03に続き、ハイドンが愛した楽器リラ・オルガニザータ作品集 です!「ナポリのリラ」とタイトルにあるのは、ナポリの王、フェルディナント4 世がこの楽器を愛していたから。ハイドンもまたリラ・オルガニザータを愛し、 この楽器を含む5曲の協奏曲と8つのノットゥルノを書いたほど。第2作となる本アルバムでは、ハイドンの作品のほか、伝モーツァルトの愛らしい作品 を収録するなど、さらに興味深いプログラミングとなっています。リモージュ・バロック・アンサンブルの奏でる典雅な音色のアンサンブルにのって、ホコ ホコした独特の音色を出す不思議な楽器、リラ・オルガニザータが華麗に活躍します。 ≪リラ・オルガニザータ≫ ハーディ・ガーディとオルガン、二つの楽器のあいのこのような楽器。L 字型ハンドルを回して、弦を動かし、同時にパイプを鳴らすフイゴも動かします。 鍵盤は、張ってある弦に対してはヴァイオリンの弓のような役割をします(音を出し、音程を変える。しかし、実際に動くのはハンドル動力による弦)。同 時に鍵盤は木製パイプに通じていて、オルガンのような要素もあります。その音色は、ポコポコしたオルガンのような、木管楽器と弦楽器の中間のような、 不思議な魅力に満ちています。現代でいうマルトノのような、テルミンのような、奏法をマスターするのがかなり困難な楽器であることは間違いありません。 (Ki)

Capriccio
C-5156D(2CD)
カステルヌォーヴォ=テデスコ:ピアノ協奏曲・ピアノ作品集
ピアノ協奏曲第1番ト長調Op.46(1927)
ピアノ協奏曲第2番ヘ長調Op.92(1936/37)
マーメイドと脂っこい魚Op.18
仙人草と西洋山査子Op.21
船乗りOp.13/海藻Op.12
ダビデ王の舞曲Op.37/楽しみOp.54
2つの映像のための習作Op.67
波Op.86
パデレフスキーへのオマージュ
ピエトロ・マッサ(P)
シュテファン・マルツェフ(指)
ノイブランデンブルクPO

録音:2010年11月11日ノイブランデンブルクコンチェルトキルヒェライブ
日本では、どうしても「ギター音楽」の作曲家としか認識されていないカステルヌオーヴォ=テデスコ。しかし彼が目指したものは、偉大な文学との融合であったり、自らのルーツであるユダヤ音楽へのオマージュであったりと、多種多様なものだったのです。映画音楽家としても目覚ましい活躍をした彼、この作品集のなかの「2つの映像のための習作」で、その輝きを知ることが可能でしょう。そして2曲のピアノ協奏曲の素晴らしいこと!華麗な響きもさることながら、全体に横溢する親しみやすさと、底抜けの明るさと超絶技巧。これを聴いてしまったらもう「ギターの作曲家」とは言えなくなること間違いなしです。

ELOQUENTIA
EL-1340(1CD)
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲op.15
ヨナタン・ベルゲル(b.1954):Liyeh
(ヴァイオリン、ツィンバロン、打楽器と弦楽オーケストラのための)*
リヴィア・ゾーン(Vn)
ルイジ・ピオヴァノ(指)マッルチーノ・ディ・キエーティ劇場O
リヴィア・ゾーン(Vn)*、
ヤン・ロキタ(ツィンバロン)*
ヘンク・ギッタルト(指)バンフ・センターCO*

録音:2010年5月(ライヴ、イタリア)
2007年2月(ライヴ、バンフ)*
ブリテンの協奏曲は、ブリテンの作品の中でも屈指の名曲。1938年頃から書き始められ、1939年に完成しました。スペイン内戦や、ナチが台頭して いた頃で、平和を愛し、ファシズムをきらったブリテンが、反戦の思いを込めて作曲したと言われています。
第1楽章は、調性感のない冒頭にはじまり、その後も調と無調の間をさまようように書かれており、不安な感じが表されています。曲がすすむにつれて 現れる激しいパッセージが印象的です。第2楽章は拍子が安定せず、律動的ではありますが、やはり聴き手は常に不安感をおぼえてしまいます。第3楽 章はパッサカリアの部分(繰り返されるバス定形は常に同じかたちではありません)を経て、やはり長調なのか短調なのかあいまいなまま曲が閉じられます。 この作品は1940年に初演(バルビローリ指揮、フィルハーモニア管)されました。その初演ヴァイオリニストはアントニオ・ブローサ、フランコ政権か ら逃れた音楽化の一人でした(1936年、スペイン内線が起こる直前、ブリテンは彼と共演したこともありました)。チェロ奏者として来日も多いピオヴァ ノが指揮をつとめます。
2曲目に収録されているのは、1954年生まれの作曲家ベルゲルによって作曲されたものですが、今なお諍いの続く世界を危惧し、ブリテンと同様、ベ ルゲルが反戦と平和への願いを込めて書いたものです。ベルゲルはニューヨークに育ち、イスラエルで音楽教育を受けました。Jiyehとはレバノンの海岸 ぞいの町で、イスラエルの戦火の影響でロケットが街の石油タンクを直撃、20000トンの原油が海に流出したという事故があった町。ベルゲルはこの事 件当時エルサレムにいて、この報道を聞き、この作品を書きました。原油が海に流出する様が描かれる様子から始まり、悲劇的な終末をむかえます。
リヴィア・ゾーン(ヴァイオリン) 13歳でメニューイン国際ヴァイオリンコンクールに優勝(聴衆賞受賞)。ジュリアードのプレ・カレッジに7歳から参加、ドロシー・ディレイ、ヒョー・カ ンに師事。その後ジュリアード音楽院に入学、室内楽をフェリックス・ガリミールに師事。2005年から、スタンフォード大学の音楽部門で後進の指導にあたっ ている。

MN RECORDS
MNRCD-205(3CD)
マイケル・ナイマン〜COLLABORATIONS
■CD1(MNRCD 116)
「The Glare」
デイヴィッド・マッカルモン&マイケル・ナイマンによるSongs
1. Take the Money and Run
2. Secrets, Accusations and Charges
3. City of Turin
4. Friendly Fire 
5. In Rai Don Giovanni 6. In Laos
7. Going to America
8. Fever Stick and Bones
9. A Great Day in Kathmandu
10. Underneath the Hessian Bags
11. The Glare

■CD2 (MNRCD 117)
(1)イン・Re ドン・ジョヴァンニ(+ナイジェル・バール)
(2)Knowing the Ropes(+マイケル・ナイマン、ナイジェル・バール)
(3)Trysting Fields (「数に溺れて」より)
(4)ウェディング・タンゴ(+マイケル・ナイマン、ナイジェル・バール)
(5)Come Unto These Yellow Sands
(6)If(+マイケル・ナイマン)
(7)羊飼いにまかせとけ(+マイケル・ナイマン)
(8)悲しみを希う心(マイケル・ナイマン・ピアノソロ)
(9)ミランダ(+マイケル・ナイマン、ナイジェル・バール)
(10)サイレンス

■CD3(原盤:MNRCD 119)
マイケル・ナイマン:サンガム
(1)「雨を描写する3つの方法」〜Sawant(ファースト・レイン)、Rang(自然の色)、Dhyant(瞑想)
(2)Samhitha(色を集める)
■CD1(MNRCD 116)
マイケル・ナイマン・バンド&デイヴィッド・マッカルモン
録音:2008年

■CD2 (MNRCD 117)
モーション・トリオ,マイケル・ナイマン、ナイジェル・バール,録音:2009年9月

■CD3(原盤:MNRCD 119)
マイケル・ナイマン(指)、
マイケル・ナイマン・バンド,声/ラヤン・ミスラ、サヤン・ミスラ他,電子マンドリン/U.シュリニヴァス
録音:2002年
ナイマンが、マッカルモン、モーション・トリオ、ミスラ一族とコラボレーションしたディスクをまとめたボックス。ナイマンの果てしない創造性に驚嘆さ せられる内容です。

ココロ・レコード
KKR-005(1CD)
三木稔:三味線協奏曲(2008) 野澤徹也(三味線)
澤田由香(篠笛)、高橋聡子(笙)
山口賢治(尺八T)、
阿部大輔(尺八U)、
櫻木亜木子(琵琶)、
松村エリナ(二十絃筝T)、
桑子裕子(二十絃筝U)、
小林導恵(十七絃筝U)、
若月宣宏(打楽器T)、
片岡寛晶(打楽器U)
「三味線協奏曲」は11 番目の協奏曲になる。オーラJ に飛び込んできた野澤徹也という、若く、無限の将来性を宿した、スケールの大きなソリストを身近に得、彼が弾き CD 化した私のすべての三味線作品への真摯なアプローチに感動して、はじめて三味線の協奏曲を書く意欲をかき立てられていた、自分でも待望の作品である。(中略)このコンチェルトは他の協奏曲とはやや趣を異にし、一気呵成の感覚を繰り返すイメージを当初から大事にして書き進めた。速いテンポの「三下り」で始まる曲は、途中十七絃と鼓の掛け合うあたりで一旦落ち着くが、やがて一気のムードに立ち返り、諧謔のふざけととられそうな断片をテンポに乗せて見せる。笙が入ると再び落ち着いて三味線は「二上り」に転じ、各楽器の掛け合いを楽しみながら、とどまること無く階段を上っていく。(三木稔)

DACAPO
MAR-6.220599
(1SACD)
ヴァーフン・ホルンボー:協奏曲集
ヴィオラ協奏曲Op.189(1992)
管弦楽のための協奏曲(1929)*
ヴァイオリン協奏曲第2番Op.139(1979)
エーリク・ヘイド(Vn)
ラーシュ・アネルス・トムテル(Va)
デマ・スロボデニューク(指)
ノールショッピングSO

録音:2011年6月13-17日スウェーデンノールショッピングデ・ゲールハレン

※世界初録音(*は世界初演)
ホルンボーの作風はあまりにも多岐に渡っているため、全てを一言で語ることは難しく、時として、その作品が不当に見過ごされてしまっていることもあるようです。ソロ楽器を伴う協奏曲もそんなジャンルの一つであり、この3つの作品の中の「管弦楽のための協奏曲」は今まで演奏されたことすらありません。ヴィオラ協奏曲は彼の晩年の作品で、イスラエルの名手リヴカ・ゴラーニのために書かれています。管弦楽のための協奏曲は、ヒンデミットとルトスワフスキの同名曲にも勝るとも劣らない見事な音楽。そして古典的な形式で書かれたヴァイオリン協奏曲も傑作です。

Discovery
DMV-104(1CD)
ガニング:協奏曲集
ギター協奏曲「マヨルカの思い出」
クラリネット協奏曲/フルート小協奏曲
クレイグ・オグデン(G)、
マイケル・ホワイト(Cl)、
キャスリン・ハンドリー(Fl)、
クリストファー・ガニング(指)ロイヤルPO

録音:2011年6月&2012年5月
「ギター協奏曲」ではクレイグ・オグデン、「クラリネット協奏曲」ではRPO首席のマイケル・ホワイト、「フルート協奏曲」ではイギリスSOのキャスリン・ハンドリーなど、実力者たちをソリストに起用。映画&テレビの音楽の作曲家として名を馳せるクリストファー・ガニングの"クラシックの作曲家"としての手腕。ラッブラやR.R.ベネットから学んだ作曲法はホンモノです。


オクタヴィア
DGY-001(1CD)
ディーリアス:春初めてのカッコウの声を聴いて
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
ショパン:ピアノ協奏曲第1番〜第2楽章
ドヴォルザーク:チェコ組曲Op.39

■特典DVD
メイキング オブCD(スペイン)
イングリット・フジコ・ヘミング(P)
トビアス・ゴスマン(指)
スペイン・カメラータ21オーケストラ

録音:2012年/スペイン
※アーティストの希望により解説書は英文のみの掲載。
フジコ・ヘミングの飄々とした居住まいの中に温かな慈愛を感じさせるピアニズムはここでも健在!音楽に対するスタンスはショパンでもモーツァルトでも同じ。自己顕示など眼中に無く、先を急がず、ただ一途に楽音を紡ぎことだけ専心する姿勢にモーツァルトの音楽が全面的に味方して得も言われぬ味わいを醸し出します。厳格な拍節感からすれば微妙に遅れ気味に打鍵されることによる味わいは誰にも真似のできない芸当。第1楽章第2主題以降の一音一音を噛み締めるようなタッチを聴くと、これ以上何も望めなくなります。第2楽章もゆったりテンポを貫徹し瞑想的雰囲気。呼吸が本物なので音の隙間に虚しい風が吹き抜けるなど一切なし。白眉は終楽章!更に標準的テンポよりもかなり遅めですが、これこそがミソ!フジコ・ヘミングが感じるテンポとモーツァルトが最も生きるテンポが見事に合致していという奇跡的な現象と言うしかありません。頑固さを内に秘めたこの一途な音の紡ぎ出しに心惹かれない人などいるでしょうか?
アンコール風に挿入されたショパンも涙モノ!全曲録音を熱望さずにはいられません。
忘れてならないのは、盟友トビアス・ゴスマン率いるスペイン・カメラータ21オーケストラの素晴らしさ!フジコ・ヘミングの音楽と同じ音の質感、呼吸感を完全に共有しており、モーツァルトの第2楽章など、決してムーディに陥らず陰影に飛んだニュアンスを醸し出すとは驚きです。
ディーリアスも聴きもの。英国系オケによる無色透明な響きとは異なる程よい厚みが心に染みます。【湧々堂】

Goodies
78CDR-3422(1CDR)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
(カデンツァ: モーツァルト)
キャスリーン・ロング(P)
ボイド・ニール(指)ナショナルSO

(1944年12月14日ロンドン、キングスウェイ・ホール録音)
キャスリーン・ロング(1896-1968)はロンドン郊外のベントフォードに生まれたイギリスのピアニスト。神童として名を馳せ8歳で公開演奏会で弾いた。1915にロンドンのエオリアン・ホールでデビューした。1920年から1964年まで母校の王立音楽カレッジで教鞭をとった。モーツァルト、ハイドン、ハッハなどの作品を得意とし、英DECCA にレコードを残している。指揮者のボイド・ニール(1905-1981)はイギリス生まれ。外科医師から音楽家に転向し、1932年自らの名を冠した室内オーケストラを指揮してエオリアン・ホールでデビューし、その後DECCAと契約して活躍した。ナショナル交響楽団は指揮者のシドニー・ビーアが創立したオーケストラで、DECCAに多くの録音があった。このシリーズではDECCAのffrr録音の第1号になったビーア指揮のチャイコフスキー:交響曲第5番(第2楽章のソロホルンがデニス・ブレイン)(1944年6月8日キングスウェイ・ホール録音)(78CDR-3158)が出ている。(Goodies)
ロングのピアノは実に端正で内省的。優しい母性を感じずにはいられません。誇張は一切無く、殆ど何もしていないようでいて終始微笑みかける音楽性はこの作品との相性も抜群。ニール率いいるオケのシルキーな響きも心がとろけます!【湧々堂】

Phono Suecia
PSCD-188(1CD)
スウェーデンのソプラノ・サクソフォン協奏曲集
マッティンソン:ソプラノ・サクソフォン協奏曲第1番「ゴールデン・ハーモニー」
スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム:ソプラノ・サクソフォンとシンフォニック・バンドのための「4つの小品」*
エリーアソン:ソプラノ・サクソフォンと弦楽オーケストラのための協奏曲**
アンデシュ・パウルソン(ソプラノSax)
クリストフ・アルトシュテット(指)ノールランド歌劇場SO、
トビアス・リングボリ(指)ヘルシンボリSO*
ユハンネス・グスタフソン(指)ノールショピングSO**

録音:2011年−2012年
アンデシュ・パウルソンは、フランスでジャン=マリー・ロンデックスに、アメリカでジョセフ・アラードとボブ・ミンツァーに師事し、クラシック、ジャズ、コンテンポラリー、ワールド・ミュージックなど、幅広いジャンルで活躍するスウェーデンのソプラノ・サクソフォニスト。スウェーデン作曲界の中心的存在、ロルフ・マッティンソン、スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム、アンデシュ・エリアソンの「ソプラノ・サクソフォン協奏曲」を、磨き抜かれた音色、限界を感じさせないハイトーン、高度な即興力で奏でます。


オクタヴィア
OVCL-00491
(1SACD)
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調Op.26
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調Op.18*
小林美樹(Vn)
宮本文昭(指)東京シティPO
松本和将(P)*

録音 2012年5月26日 東京・ティアラこうとう・ライヴ
2012年12月12-13日 東京・稲城iプラザ*
“名作、R・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタに新たな光!”
小林美樹第2弾アルバム。ブルッフでは、些細な装飾音も丁寧に音化するなど弾き崩を廃した楷書風の進行を基調ととしながらも、ふと顔を出すポルタメントには品位が漂い、単に教科書的再現にとどまらない安定的なニュアンス表出に唸らされます。特に音程の正確さも特筆もので、ライヴ録音であることなど忘れるほどですが、技巧に任せる素振りは一切なし。終楽章後半ではスタッカートの強靭さに見られるようにヴォルテージは次第に高まり宮本文昭の指揮とともに手応え十分!
しかしそれ以上に素晴らしいのがR・シュトラウス!ハイフェッツ、シュナイダーハンなどの名手も手掛けながら一向にメジャーにならない、ヴァイオリンソナタの最高傑作の一つです。「ドン・ファン」を発表する直前に書かれたこの力作には、ブラームス的な佇まい後期ロマン派の爛熟味が渾然一体となっていますが、小林美樹はその持ち味を余すところなく再現。ピアノも単なる添え物ではない表現を貫徹することで、確信に満ちた名演奏に結実しています。特に、一度聴いたら誰でも心奪われるであろう第2楽章の可憐な歌、中間部の心底湧き上がる高揚感の対比ぶり、終楽章コーダでの火花散る燃焼の何と見事なこと!【湧々堂】

Capriccio
C-5139D(1CD)
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.VIIb:1
チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VIIb:2
ハリエット・クリーフ(Vc)
クラウディウス・トラウンフェルナー(指)
ウィーン室内PO

録音:2012年3-4月ライディングリスト・コンチェルト・ホール
ハイドンのチェロ協奏曲は、全部で6曲あるとされていますが、現在「真作」と認定されているのは、この1番と2番の作品だけで、あとは偽作であるか、紛失してしまっているのが現状です。この2曲はスコアが発見されたのは1950年代以降ですが、真作、偽作に拘わらずとも、多くの演奏家が取り上げる人気曲であり、溌剌とした曲想が素晴らしい意欲的な名作として知られています。デビュー盤であるフランスの作品集(C5131)での、高い音楽性と技術が評判となっている若手チェリスト、ハリエット・クリーフの2枚目のアルバムは、ハイドンの協奏曲です。1991年オランダ生まれのクリーフは、まだウィーンで勉学に励んでいるのですが、既に確立された芸術家として認められている逸材です。このハイドンの協奏曲も揺るぎない信念に裏打ちされた表現力と、滴り落ちるような美音に満たされた魅力的な演奏であり、これからの彼女の将来を予見させる見事なアルバムです。

DUTTON
CDLX-7284(1CD)
ライオネル・センズベリー(1958-):チェロ協奏曲 Op.27(1999)*
ジョン・フォウルズ(1880-1939):チェロ協奏曲ト長調 Op.17(1908-1909)+
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
マーティン・イェーツ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO*
ボーンマスSO+

録音:2011年5月25日RSNOセンター・ヘンリー・ウッド・ホール・グラスゴー、イギリス*
2011年6月30日ライトハウス・プール、ドーセット、イギリス+

世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7286(1CD)
クリストファー・ライト(1954-):モメントゥム(2008)*
 ヴァイリン協奏曲「そして静寂が訪れた…」(2010)+
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番(ピーター・ホートン校訂新版;2008)#
フェネッラ・ハンフリーズ(Vn)+
クリストファー・ワトソン(T)+
マーティン・イェーツ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO(*/+)
ボーンマスSO#

録音:2011年5月24日RSNOセンター、ヘンリー・ウッド・ホール &2011年8月2日ロイヤル・コンサートホール、グラスゴー、イギリス(*/+)
2011年7月1日ライトハウス、プール、ドーセット、イギリス#

(*/+)世界初録音、#新版による世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7287(1CD)
ゲオルギー・カトゥアール(1861-1926):ピアノ協奏曲 Op.21(1909)
パーシー・シャーウッド(1866-1939):ピアノ協奏曲第2番変ホ長調(1932-1933)
竹之内博明(P)
マーティン・イェーツ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2011年8月3-4日、ロイヤル・コンサートホール、グラスゴー、イギリス

世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7290(1CD)
ジョン・マッケイブ:あまつばめ(2つのヴァイオリンと弦楽合奏の為の協奏曲(2003)
多雨林 II(トランペットと弦楽の為の;1987)*
多雨林 I(室内アンサンブルの為の;1984)+
キャラバン(弦楽合奏の為の;1987-1988/改訂:2011)
レトリカ*
ハリエット・マッケンジー、フィリッパ・モー(Vn)
アンジェラ・ウェラン(Tp)*
オーケストラ・ノーヴァ(+以外)
オーケストラ・ノーヴァ・アンサンブル+
ジョージ・ヴァス(指)

録音:2012年2月22-23日、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン、イギリス

世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7291(1CD)
バンジャマン・ゴダール(1849-1882):ピアノ協奏曲第2番 Op.148(1893)
ペルシャ幻想曲 Op.152(1893)
歌劇「ジョスラン」Op.100(1887)〜組曲第1番[前奏曲,間奏曲「山の中で」,カリヨン]
組曲第2番[ 鷲の洞窟の前奏曲,子守歌+,舞踏会の場面]
ヴィクター・サンジョルジョ(P)*
アレクセイ・キセリョフ(Vc)+
マーティン・イェーツ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2012年5月17-18日、ロイヤル・コンサートホール、グラスゴー、イギリス

+以外世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7292(1CD)
セシリア・マクドウォール(1951-):グレート・ヒルズ(ヴァイオリン、2つのフルートと弦楽合奏の為のコンチェルタント;2007)*
橋を渡って(弦楽合奏の為の;2011)+
海上予報(混声合唱、朗読と弦楽合奏の為の;2011)#
パヴァーヌ(室内管弦楽の為の;1999/管弦楽版;2004)**
雨、蒸気、速度(室内管弦楽の為の;2006)**
タンゴの劇場(バリトン、ヴァイオリンと室内管弦楽の為の;2011)++
マデリーン・イーストン(Vn)*
キャスリン・トマス、ジョアンナ・ショー(Fl)*
アンドルー・ホブデイ(朗読#)
オックスフォード・マートン・カレッジ聖歌隊#
オーケストラ・ノーヴァ(*/+/#)
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムズ(Br)++
タマーシュ・コチシュ(Vn)++
アルスターO(**/++)
ジョージ・ヴァス(指)

録音:2011年9月15日、アルスター・ホール、ベルファスト、北アイルランド、イギリス(**/++)
2012年2月4日、殉教者聖サイラス教会、ケンティッシュ・タウン、ロンドン、イギリス(*/+/#)

世界初録音と表示されています。
DUTTON
CDLX-7296(1CD)
ブライアン(1876-1972):ヴァイオリン協奏曲ハ長調(1934-1935)*
交響曲第13番ハ長調(1959)+
イギリス組曲第4番「幼稚園」(1921)#
ロレイン・マクアスラン(Vn)*
マーティン・ブラビンズ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2012年5月31日、6月1日、RNSOセンター、ヘンリー・ウッド・ホール、グラスゴー、イギリス

+世界初録音、#初デジタル録音と表示されています。

SWEDISH SOCIETY
SSACD-1145(2SACD)
トビアス・ブルーストレム(1978-):管弦楽作品集
ピアノ協奏曲「ベル・エポック」(ピアノと弦楽合奏ための;2010-2011)*
万華鏡(管弦楽の為の;2008)
ヴァイオリン協奏曲(2008)+
地下鉄(管弦楽の為の;2007)
ルチェルナリス(トランペット、ライヴエレクトロニクスと管弦楽の為の協奏曲;2009)#
ペール・テングストランド(P)*
五明カレン(Vn)+
ホーカン・ハーデンベルガー(Tp)#
ユハンネス・グスタフソン(指)イェヴレSO

録音:2010年10月18日-22日、2011年6月7日-10日、イェヴレ・ホール、イェヴレ、スウェーデン


ELECT
ERT-1009(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番
 シャコンヌ(BWV.1004より)*
ヘンリク・シェリング(Vn)
ヨシフ・コンタ(指)ルーマニア国立RSO

録音:1961年9月18日、1961年9月13日(共にジョルジュ・エネスコ国際音楽祭・ステレオ・ライヴ)
※CD日本プレス。英語、日本語によるライナーノート付。
“途絶えない緊張と集中力!絶頂期のシェリングのステレオ・ライヴ!”
ベートーヴェンは、S=イッセルシュテットとの録音(1965年)とほぼ同時期の録音だけあって気力十分。シェリングは「美音を売りにしない」と言われますが、これを聴くとその音色自体も音楽的な魅力に溢れ、端正な構築力と共に気品に満ちたニュアンスの土台を形成していることを再認識させられます。展開部11:02からの切ないフレーズでは安易なピアニッシモは用いず、続く12:21からやっと深く甘い感傷を伝えますが、音楽の芯はあくまでも強靭に保持。第2楽章も十分に哀愁を湛えながら曖昧さを許さず、全ての音符が克明に描かれますが、音楽は豊かで伸びやか。終楽章は、オケの導入に続く1:03からのシェリングの音の跳躍のさせ方に象徴されるように、気合をひけらかすような痛快さとは無縁の凝縮度の高い音楽の炙り出しに御注目を。
バッハももちろん名演奏。とにかくイン・テンポからこれだけ豊かなニュアンスが放たれることに驚きを禁じえませんが、その佇まいを維持するための緊張と集中、体内の深部での呼吸の深さによって、音楽が一貫して瑞々しく響き続けるのです。
録音も、1960年代の東欧のライヴ録音ということを考えると、この明瞭な音質は奇跡的と言えましょう。

RPR
RP-008(2CDR)
ヴィヴァルディ&ヘンデル
ヴィヴァルディ:協奏曲ヘ長調RV.433「海の嵐」
 協奏曲イ短調RV.445、
 協奏曲ハ短調RV.441、
 奏曲ニ長調RV.428「ごしきひわ」、
 協奏曲ト短調RV.439「夜」、
 協奏曲ハ長調RV.443
ヘンデル:ソナタ.ト長調Op.1-5*、
 ソナタ.ト短調Op.1-2*、
 ソナタ.ハ長調Op.1-7*、
 調子のよい鍛冶屋*、
 ソナタ.ニ長調HWV.378*、
 ソナタ.ニ短調Op.1-1*、
 ソナタ.ヘ長調Op.1-11*、
 ソナタ.ニ短調HWV.367a「フィッツウィリアム」*
ピアーズ・アダムズ(リコーダー)、
ロバート・キング(指&Cemb)、
ムジカ・ダ・カメラ、
ハワード・ビーチ(Cemb&Org )*、
デイヴィッド・ワトキン(Vc)*

録音:1988年11月&1989年11月*
レッド・プリーストのリコーダー、ピアーズ・アダムズが1980年代後半にレコーディングを行ったヴィヴァルディ&ヘンデル。ロイ・グッドマンやロバート・キングたちとの共演による「ヴィヴァルディ」、レッド・プリーストの鍵盤奏者ハワード・ビーチとの「ヘンデル」は、ピアーズ・アダムズが正統派レパートリーに正面から挑んだ好演。
※RPRはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。


LORELEY PRODUCTION
LY-050(1CD)
ロドリーゴ:アランフエス協奏曲
ある紳士のための幻想曲
エマニュエル・ロスフェルデル(G)
アリー・ヴァン・ビーク(指)
オーヴェルニュO

録音:2012年5月4-5日、ヴィシー・オペラ座
今は亡き世界的ギタリスト、アレクサンドル・ラゴヤが絶賛した注目の若手、エマニュエル・ロスフェルデルによるホアキン・ロドリーゴのギター協奏曲集。 2008年に来日も果たし、近年ますます活躍の幅を広げているロスフェルデルの注目の新譜になります。生涯のうちに優れたギター作品を多く残したロド リーゴですが、本アルバムでは彼のギター作品の中でも特に知られた2つの協奏曲、「アランフエス協奏曲」と「ある紳士のための幻想曲」が収録されて います。「アランフエス協奏曲」は彼の初期の協奏曲にして、20世紀ギター音楽の嚆矢とも称される作品。軽妙なギター・ソロから木管楽器、ついで弦 楽器へと渡されていく旋律は、さっと吹き抜ける風を感じさせるような爽やかさです。2曲目の「ある紳士のための幻想曲」は、「クラシック・ギター奏法 の父」と名高い名手A.セゴビアに献呈された協奏曲。スペイン・バロックの大家ガスパル・サンスの4つのリュート曲を各楽章のモチーフとしているため、 古風な響きが随所に垣間見える作品です。いずれの作品も技巧の粋に満ちたギター・ソロはもちろん、オーケストラとの軽妙洒脱な掛け合いも聴きどころ のひとつでしょう。フランスでデュカースに学んだロドリーゴですが、その作風はスペインの民族音楽の響きを多く取り入れたもの。ファリャやグラナドス といったスペイン近代音楽がお好きな方は逃せないアルバムといえましょう! (Ki)

IVM
PMV-ACTUAL007
(1CD)
ミゲル・ガルベス=タロンチェル(1974-):ヴァイオリン協奏曲「生ける愛の炎」*
管弦楽の為の協奏曲+
バスクラリネット協奏曲#
アーヴィン・アルデッティ(Vn)*
バレンシア自治州立青年O(*/+)
マヌエル・ガルドゥフ(指(*/+))
カルロス・ガルベス=タロンチェル(バスCl)#
ボロ・ガルシア(指)アンサンブル・エスパイ・ソノル#

録音:2008年3月26-28日、ビラ・ホヨサ劇場ホール、アリカンテ県、スペイン*
2008年7月17-19日、プリンシパル劇場、カステリョン、スペイン+
2009年1月16-17日、リリア専門音楽院、バレンシア県、スペイン#
ミゲル・ガルベス=タロンチェルはバレンシアに生まれウィーンで学んだスペインの作曲家。2007年から2008年までバレンシア自治州立青年Oのレジデント・コンポーザーを務めました。

ARCO DIVA
UP-0145-2(1CD)
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
 ロココ風の主題によるチェロと管弦楽の為の変奏曲 Op.33*
 弦楽合奏の為の悲歌
 チェロと管弦楽の為の奇想的小品 Op.62*
プロコフィエフ:シンフォニエッタ.イ長調 Op.48
イジー・バールタ(Vc)*
レオシュ・スヴァーロフスキー(指)
パルドゥビツェ・チェコ室内PO
ARCO DIVA
UP-0147-2(1CD)
クラリネットと弦楽の為のクロスオーヴァー作品集
シルヴィエ・ボドロヴァー(1954-):Babadag(クラリネットと弦楽四重奏の為の)
オンドジェイ・クカル(1964-):Clarinettino(クラリネットと弦楽の為の協奏曲)*
ヤン・ドゥシェク(1985-):Meanwhile(クラリネットと弦楽の為の)
トマーシュ・パールカ(1978-):Metafolkphoses(クラリネットと弦楽四重奏の為の)
ヤン・クチェラ(1977-):Birth
アラン・シュルマン(1915-2002):Rendezvous(クラリネットと弦楽の為の)
ピアソラ:Oblivion*
オリヴァー・エドワード・ネルソン(1932-):StolEN-Moments
イルヴィン・ヴェニシュ(Cl)
エポックSQ
【ダヴィド・ポコルニー、
ヴラディミール・クラーンスキー(Vn)
ヴラディミール・クロウパ(Va)
ヴィート・ペトラーシェク(Vc)】
ダヴィト・パヴェルカ(Cb)*

録音:2011年12月、プラハ音楽アカデミー、マルティヌー・ホール
イルヴィン・ヴェニシュはブルノ音楽院、プラハ音楽アカデミー、パリ音楽院で学んだチェコのクラリネット奏者。


Simax
PSC-1323(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K467(カデンツァ:ハドランの自作)
ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K482 (カデンツァ:ベンジャミン・ブリテン)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)
アルヴィド・エンゲゴール(指)
オスロPO

録音:2011年5月18-20日
“神の手”が導き出す、さり気なくも感動的なモーツァルト!
ショパン&シューマンのアルバムで多彩なタッチの魅力で聴き手を魅了したハドランのモーツァルト。ここでもその魅力をいかんなく発揮しています。小気味良いテンポの中でも声高に自己顕示を突きつけることなく、内省的なニュアンスを一層大切にしながら、ひたむきにモーツァルトの音楽と一体化する姿勢が見事に結実した名演となっています。
まず「第21番」のなんという愛らしさ!特に第2主題がこれほど優しく微笑みかける演奏には久しく接していなかった気がします。展開部も感傷的な側面を強調することなく、音楽の軽妙さを維持。そこからふと顔を覗かせる悲しみをさり気なく表出するのです。この「さり気なさ」こそが、モーツァルトを奏でる上での必須条件であることを改めて痛感させます。更に心奪われるのが第2楽章!指揮のエンゲゴールが敷き詰める洗練された空気感をそのまま受け継いで、一点の曇もないピュアなテクスチュアを一貫させますが、これ程ムーディに流れる瞬間が皆無で、音楽の輪郭がキリッと立ち上がり続ける演奏は初めてです。個人的にこの楽章は本当にモーツァルトが書いた曲?と疑ってしまうほど表面的な音楽だと思っていただけに目からウロコです!
「第22番」は、21番でも只者ではないと感じた、指揮者エンゲゴール(オルランド四重奏団のリーダーと務めた)のニュアンスの凝縮力にまず惹きつけられます。溢れる表現意欲を自然体で音楽に注入する姿勢はハドランのピアノと全く共通する特徴なので、両者が融合して築く音楽が素晴らしいのも自明の理と言えましょう。
ハドランは、そのタッチの美しさとイン・テンポを基調としたさりげない進行はそのままに、明らかに作品の性質に添って表現の構えを大きく取ることで、懐の深さと広さを感じせる音楽を展開しています。急に音楽が劇的になる第1楽章3:42からの呼吸の持続力は必聴!そして、これ以上何も望みようのないほど感動的な第2楽章!まさにニュアンスの宝石箱で、五感の全てを優しく刺激し続けるのですからたまりません。随所に挟まれるオケだけによるアンサンブルの妙味もお聴き逃しなく。【湧々堂】


ABC Classics
ABC-4764836(1CD)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11*
エヴァ・クピーク(P)、
セバスティアン・ラング=レッシング(指)タスマニアSO、
クリストファー・シーマン(指)メルボルンSO*

録音:2005年5月アーツ・センター(メルボルン)*
2011年3月10日−11日フェデレーション・コンサート・ホール(ホバート)
“ローカル色に安住せず、ショパンの内面に深く問い掛ける真摯さ!”
スクロヴァチェフスキとの共演盤に続く再録音。可憐なタッチと自然に歌わせながらもきちんと音楽のフォルムを形成するセンスはそのままに、以前にも増して開放的で伸びやかに音楽をが飛翔させているのが特徴的。
「第1番」第2楽章は、クピークが引き出す美音が決して表面的でも平板でもないことを実証。音色に最大限の配慮を払いながら、心の奥底から音楽を呼吸させていることが伝わります。終楽章はやや速めのテンポを取りながらも冒頭の付点音符を蔑ろにしないのも流石。
この約6年後に録音された「第2番」は更に感動的!十分に繊細でありながら音楽への構え方は大きく、内面への抉りも一層深まっています。第1楽章はアゴーギクが濃厚。各主題は常に孤独の色を帯び、心に響きます。終楽章は冒頭から陰りのニュアンスを湛えたフレーズの微妙な陰影をお聴き逃しなく。更に特筆すべきは、ラング=レッシングの指揮。第2楽章中間部の楽想が変化する場面で呼吸を溜めるセンス、終楽章で顕著な「語り口」の巧みさなど、ピアノを邪魔しない範囲内で自身の音楽を着実に息づかせている伴奏というのは実に希少。それだからこそ、クピークのソロが一層の説得力を持って迫るのでしょう。【湧々堂】


ORFEO DOR
ORFEOR-867121(1CD)
ロッシーニ:「セミラーミデ」序曲
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調K 364*
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
ゲルハルト・ヘッツェル(Vn)
ルドルフ・シュトレング(Va)
リッカルド・ムーティ(指)VPO

録音:1972年8月17日ザルツブルク・祝祭大劇場(ライヴ・ステレオ)
1974年7月27日ザルツブルク・祝祭小劇場(ライヴ・ステレオ)*
“気品のヘッツェルと奥ゆかしさのシュトレングによる含蓄に富んだニュアンス!”
これは実に様々な感動を呼ぶ贅沢な一枚です!
まずは1曲目のロッシーニ。当時のムーティは、クレンペラーの後任としてニュー・フィルハーモニア管の主席に着任したばかり。その超アグレッシブな快演に胸がすく思いです。とにかくダイナミズムの炸裂ぶりが尋常ではなく、テンポも前のめり寸前ですが、造型は決して破綻せず、今日のムーティの牽引力を痛感させられます。VPOも「そう来るならとことん付きあおう!という意気込みで最後まで火花を散らせます。
シューマンはリヒテルの十八番だけに、極めて彫琢豊かな名演奏。濃密なリヒテルのニュアンスに対しムーティは臆することなく自身の感性を確信を持って重ね合わせ、その相乗効果で多彩な音彩を導いています。
それ以上に感動的なのがモーツァルトの協奏交響曲!ソロ奏者もオケも指揮者も、この曲を演奏するために誕生したかのような錯覚を覚える程の安定感!!ヘッツェル、シュトレング両主席奏者は、当然のことながらオケの中に融け合って響かせる術も、ソロとして音楽を先導させる術も全て心得ており、何と言っても音色美、テクスチュアを共有し合っている者同志がハーモニーを繰り広げるのですから、その馥郁たるニュアンスにの魅力はまさに破格のも。その空気感の中ではさすがのムーティも自己主張を全面には出さずに全体の協調を重視しすることで、更に至福のニュアンスに拍車が掛かります。第1楽章第2主題を奏するヘッツェルのソロ(3:03)のなんという気品!それに応えるシュトレングは控えめながら、ヴィオラ奏者としての分を弁えた静かな自己主張に思わず居住まいを正したくなります。
第2楽章では、ヘッツェルがソロを弾き出した途端に涙を禁じえません!過度な感傷を排しながらも切々と紡がれるトーンは一瞬シェリングを思わせますが、一本芯の通った精神が全体を貫き、聴く者を惹きつけて止みません。シュトレングはここでも静かな存在感が光ります。決して出しゃばらず、かと言って影に徹するのでもなく、意味深い下支え役の任務を全うしているのです。8:58からのヴァイオリンとヴィオラのバランス比重の絶妙さ、繊細さも比類なし!
終楽章はオケのソロも作品自体に全てを語らせるということを体で知り尽くしている者同士でなければ築きようもない音楽の流動性、リズムの湧き上がり!これ以上何を望めましょう。ただただ理屈抜きで今生きてる幸せを噛み締めていただきたいと願うばかりです。【湧々堂】

SUBITON
SUB-0027-2(1CD)
バッハ、ヴィヴァルディ:2つ&3つのヴァイオリンの為の協奏曲集
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲イ短調 Op.8-3 RV522+
バッハ:2つのヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ短調 BWV1060R+
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリン、弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ロ長調 RV524*
バッハ:3つのヴァイオリン,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ヘ長調 RV551(*/+)
ヤロスラフ・スヴィエチェニー(Vn)
ダナ・ブラホヴァー(Vn)*
ユリエ・スヴィエツェナー(Vn+)
ヴィルトゥオージ・プラジェンセス(室内O)
イトカ・ナヴラーチロヴァー(Cemb)
トマーシュ・ストラシル(Vc)
ミラン・ライチーク(アーティスティック・ディレクター)

録音:2010年、Fermata a.s.、チェコ
スニーティル父娘とユリエの師ダナ・ブラホヴァーの共演。ダナ・ブラホヴァー(1957年生まれ)はヴラフSQの創設者で第1ヴァイオリン奏者のヨセフ・ヴラフ(1923-1988)の娘。プラハ音楽院、プラハ音楽アカデミーで学び、1984年にアルス三重奏団(ピアノ三重奏団)の創設メンバーとなり、1992年のチェコ三重奏団への改称を経て現在に至っています。また1994年以来プラハ音楽院で教えており、2009年にはヴァイオリン科長に就任しました。

THURI
THR-0001(1CD)
【未案内旧譜】
フランチシェク・クサヴェル・トゥリ(1939-):オーボエ協奏曲集
オーボエ,弦楽と通奏低音の為の協奏曲ニ短調
オーボエ,弦楽と通奏低音の為の協奏曲変ホ長調
オーボエ,2つのホルンと弦楽と通奏低音の為の協奏曲ヘ長調
オーボエ,オーボエ・ダモーレ,イングリッシュホルン,弦楽と通奏低音の為の三重協奏曲ニ長調
ヤン・トゥリ(Ob、オーボエ・ダモーレ、イングリッシュホルン)
フランチシェク・クサヴェル・トゥリ(指) トゥリ室内O

録音:2005年3月5-13日、プラハ
現代にありながら多くの作品をバロック様式で書くチェコのユニークな作曲家であり、プラハ音楽院オーボエ科教授でもあるフランチシェク・クサヴェル・トゥリの作品集。ヤン・トゥリ(1975年生まれ)は彼の息子。2005年よりプラハ音楽院オーボエ科教授を務めています。「三重協奏曲」では多重録音により3つのソロ・パートを演奏。全曲が世界初録音。


DORON
DRC-4020(1CD)
〜Legendary Artistsシリーズ〜
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番*
メナヘム・プレスナー(P)
ジャン=マリー・オーベルソン(指)ウィーン祝祭O
ハンス・スワロフスキー(指)ウィーン国立歌劇場O*

録音:1965年11月11日,1966年6月6日*,ADD(共にステレオ)
※コンサートホール原盤
グリーグは一途な表現意欲をいかんなく発揮した演奏。特に第2楽章のリリカルな弱音の美しさが印象的。終楽章では玉を転がすような美音を強打鍵においても絶やさず、彫琢豊かな音楽作りを披露。オケもウィーン特有の甘美さを持ちながらもきめ細かいニュアンス表出と芯のある構築力を見せ、プレスナーの堅実な演奏と絶妙に融合。メンデルスゾーンでも持ち前の美音は変わりないですが、グリーグ以上に作品へののめり込みが強く、ストイックな集中力が最後まで途切れずに、単なるエレガント路線とは一線を画す手応えを感じさせます。終楽章では華麗なヴィルトゥオジティが容赦なく炸裂。とにかくすごい気迫です!この演奏で初めてこの曲の虜になる方も多いのではないでしょうか?【湧々堂】

ORFEUS MUSIC
OMCD-03(1CD)
ヴィラ=ロボス:ギターの為の5つの前奏曲
ギター協奏曲+
感傷的なメロディ(ギター、ヴァイオリンと管弦楽の為の)(*/+)
クシシュトフ・メイシンゲル(G)
アンドルー・ハヴァロン(Vn)*
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
ジョゼ・マリア・フロレンシオ(指)

録音:2011年11月、アビー・ロード・スタジオ1、ロンドン、イギリス
ポーランドのギタリスト、クシシュトフ・メイシンゲルの自主レーベルオルフェウス・ミュージックの2年ぶりの新譜はブラジルのヴィラ・ロボス。ブラジル系ポーランドの指揮者ジョゼ・マリア・フロレンシオ、名門アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズとの共演です。

DACAPO
MAR-558.226569(1CD)
カスリーネ・リング:ハンド・フォー・ホルンボー
すてきなお茶をください!(室内協奏曲第4番第2楽章)
笑うウサギ(室内協奏曲第4番第1楽章
ハリ、ハリ(室内協奏曲第1番第2楽章)
ヘリコプター(室内協奏曲第8番第1楽章)
鳥たち(室内協奏曲第2番第1楽章)
道すがら(室内協奏曲第7番第2楽章)
熊が来るぞ(室内協奏曲第6番第1楽章)
な、な、な、な、な(室内協奏曲第9番第3楽章)
ヴァンとグンナーのパイプの煙
ヴァンとグンナーのパイプの煙(Basicjumpstyle)
〈ボーナスCD(ホルンボーのオリジナル)〉
1.室内協奏曲第4番Op.30第2楽章
2.室内協奏曲第4番Op.30第1楽章
3.室内協奏曲第1番Op.17第1楽章
4.室内協奏曲第8番Op.38第1楽章
5.室内協奏曲第2番Op.20第1楽章
6.室内協奏曲第7番Op.37第2楽章
7.室内協奏曲第6番Op.33第1楽章
8.室内協奏曲第9番Op.39第3楽章
ハンヌ・コイヴラ(指)
デンマーク国立室内O

2011年8月マスタリング
デンマークの人気DJで作曲家でもあるカスリーネ・リング(1960-)。彼女はクラシック音楽のDJとして国際的に知られる有名人です。このアルバムは、デンマークの大作曲家ホルンボーの作品(室内協奏曲)に自由な味付けを施し、全く新しい音楽ドラマとして見せてくれます。ユニークかつ独創的。原曲を聴いてみたい人のためにボーナスCDも用意されています。

Sono Luminus
DSL-92161(1CD)
ヴァイル、イベール、ベルク
クルト・ヴァイル:ヴァイオリンと管楽オーケストラのための協奏曲Op.12
イベール:チェロと10の管楽器のための協奏曲
ベルク:ピアノとヴァイオリン,13の管楽器のための協奏曲
バトン・ルージュ・シンフォニー・チャンバー・プレイヤーズ
3人の近代作曲家の室内楽作品集です。この3曲はどれも1825年前後に書かれていますが、それぞれ作風は全く違うところが興味深いものです。とは言え最初のヴァイルの作品は、彼が演劇やオペラに関心が向く前のものであり、シェーンベルクやストラヴィンスキーの影響を感じさせるシリアスな雰囲気で始まります(第2楽章のノットゥルノは、マーラーの「夜の歌」をもう少し下世話にした感じが面白いところです)。一転、イベールの作品はのどかな中にも不安な要素を秘めた曲。あの名チェリスト、デュ・プレがレパートリーにしていたことでも知られています。ベルクの作品は、シェーンベルクの誕生日に献呈するべく作曲されたもの。結局間に合わなかったのですが、主題のメロディの中には、シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクの3人の名前が織り込まれるという凝りに凝ったもの。全体に漂う無調のとりとめない響きの中に、時折はっとするような魅惑的なメロディが浮かぶのがベルクらしい作品です。バトン・リュージュSOのメンバーたちによる精緻なアンサンブルでお聴きください。

IVM
PMV-010(1CD)
マヌエル・パラウ(1893-1967):レバンテ協奏曲(ギターと管弦楽の為の;1947)*
劇的協奏曲(ピアノと管弦楽の為の;1946/1954頃改訂)+
ラファエル・セリャレト(G)*
バルトメウ・ジャウメ(P)+
マヌエル・ガルドゥフ(指)
バレンシア自治州立青年O

録音:2007年7月18日、ライヴ、アリカンテ大学講堂、スペイン*
2008年7月19日、ライヴ、プリンシパル劇場、カステリョン、スペイン*
マヌエル・パラウはバレンシア音楽院長を務めた作曲家。パリ音楽院でシャルル・ケクランに師事し、ラヴェルからも助言て印象派的な作風も獲得していました。「レバンテ」はスペインのバレンシア、アリカンテ地方を指す言葉です。


Hanssler(SWR)
HISTORIC Archive

94-219(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op. 77
セレナード第2番イ長調Op. 16*
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
エルネスト・ブール(指)南西ドイツRSO

録音:1974年4月27日、1978年5月16日*
バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ(放送用セッション・ステレオ)
“トロける美音と知的な造型制御バランスが完全融合!”
フランチェスカッティの魅力は、何と言ってもその類まれな甘美な美音と明朗な響き。しかしそれは、ブラームスの音楽が持つ渋みやゴツゴツした造型感とは対極にあるように思われがちです。確かに第1楽章の出だしは、いきなり太陽が降り注いだような眩さと直截なフレージングで切り出すので思わずのけぞりますが、一貫した作品の様式を厳格に守る知性的な制御と、ボルタメント等をほとんど用いない品格溢れるフレージングに、フランチェスカッティの音楽に対する真摯な愛情注入を早々に感じ気づいたら最後、その独特の佇まいに酔いしれます。
響きは明るくても外面的な低俗趣味とは無縁。決して安っぽいお菓子のような感覚美には陥っていないのです。展開部10:56からのでも明らかなように内面から精神をたぎらせ、作品のフォルムをしっかり表出する意志の力に揺るぎはありません。
第2楽章も安易にノスタルジーにふけるのではく、老いの影など微塵も感じさせない伸びやかさ。そこには凛とした気品が常に宿っており、弱音を多様せずに克明に旋律線を描く一途さがその佇まいに拍車をかけます。最大の聴きものははやはり終楽章!ハリのあるリズムの躍動とテンポ運び、持ち前の美音が渾然一体となることで広がる楽想ニュアンスの豊かさは比類がありません。伴奏を務めるブールの極めて堅実な指揮も安定感抜群。
カップリングはそのブールによる「セレナード」ですが、これがまた聴き逃せない名演奏!
協奏曲ではあくまでも伴奏に徹していた感がありますが、ここでは作品の持つ鄙びた味わいが美しい隈取を湛えて浮かび上がり、ボールトの演奏にも似た木目の風合いが得も言われぬ魅力を放ちます。あまり人気のある作品とはいえませんが、この演奏でこんな良い作品だったかと気づかれる方も多いことでしょう。録音も極めて優秀なステレオ。【湧々堂】

Hanssler(SWR)
HISTORIC Archive

94-216(1CD)
ゲザ・アンダSWR録音集Vol.3
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番ト長調KV 453
 ピアノ協奏曲第23番イ長調KV 488*
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ゲザ・アンダ(P)
ハンス・ロスバウト(指)、
エルネスト・ブール(指)*、南西ドイツRSO

録音:1952年3月15日、1963年3月13日*
バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ(放送用セッション・モノラル)
ロスバウトとの相乗効果が生きた、モーツァルト「第17番」の驚愕の名演奏!
媚びた表現とは一切無縁のゲザ・アンダのピアニズムの魅力を存分に堪能できる一枚。モーツァルトは後年にステレオによるスタジオ録音の存在しますが、ここでは指揮者の音楽性との相乗効果でより一層ニュアンスに奥行きを持ち、聴後のしっかりと余韻の残す演奏を展開しています。
特に「第17番」は現時点でトップクラスと断言できるほど名演で、作品自体が持つ表情の表出に徹するアプローチが、同じく硬派のロスバウトと完全に調和することで、作品の魅力を何倍にも押し広げるという偉業に成功しているといっても過言でありません。
まず第1楽章のオケの出だしで、ロスバウトの頑丈な音作りによる、単に陽気で明るいモーツァルト像とは異なる緊張が漂います。続くアンダのピアノはルンルン気分などまるでないクールさ。つまり、明るい主題の性格に安易に乗らず、一音ごとの意味を追求しながらフレーズを有機的に紡ぎ出しているのです。展開部6:26決然としたタッチの深みはどうでしょう!それとロスバウトの合の手が絡んだ絶妙なニュアンス!
第2楽章は弱音に頼らず、明確な粒立ちを旨とするタッチに最後まで緊張感を保持。そのなめんから滲み出る深い哀愁は、まさにアンダの真骨頂と言えましょう。
終楽章がこれまた感動的!各バリエーションがこれほど思慮に富んだニュアンスを明確に浮かび上がらせる演奏が他にあったでしょうか?しかもそれらが説明調ではなく連綿と有機的に連鎖するのですからたまりません!
「第23番」も月並みの演奏ではありません。第1楽章はゆったりとしたテンポを採用し、明るい光をあえて遮り、第2楽章を予感させるような涙を早くも滲ませています。その第2楽章は、悲哀に満ちた楽想に埋没しないのは言うまでもありませんが、一音ごとのニュアンスを漏らさず表出しようとする一途さが、全体に荘厳な空気ももたらしています。
ラヴェルでは、アンダの厳格な造形力を発揮。弾き崩すようなシーンでもその崩し方には常に知的な統制が行き渡り、それがまた独特の緊張感を生んでいます。硬質で強靭なタッチの魅力も横溢。特に低音域の荘厳さには心奪われます。6:26からのクールな詩情と怪しく光るタッチの妙も聴きのの。各楽想の色彩の変化を徹底的に炙りだしたアンダならではの演奏です。
全体的にマスター・テープの状態がかなり良いとみえ、モノラルながら聴きやすい音質なのも嬉しい限りです。 【湧々堂】


Hyperion
CDA-67795(1CD)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
序曲「フィンガルの洞窟」Op.26
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
アリーナ・イブラギモヴァ(Vn)、
ウラディミール・ユロフスキ(指)
エイジ・オヴ・インライトゥメントO

録音:2011年9月2日−4日、ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)
日本語の帯には「可憐妖精のピリオド・アプローチ…」という文言がありますが、実際の演奏は、ヴィブラートの抑制もなく全くのモダン・アプローチ。ピッチは437Hzと明記されていますが、これも現代ピッチとほぼ同じ。オケはもちろんピリオド系ですが、少なくとも指揮者のユロフスキは歴史的な裏付けに拘泥することなく自身の音楽性を発揮しており、イブラギモヴァ共々瑞々しい演奏を展開しており、純粋にメンデルスゾーンの音楽を堪能させてくれている点がポイントです。イブラギモヴァのソロは情熱的でありながら凛とした美しさを湛えて、特にホ短調協奏曲の第2楽章は、ユロフスキが築く豊かな背景との調和が心を捉えて離しません。
しかし、秀作のニ短調はホ短調以上に説得力絶大!終楽章の表現意欲の旺盛さに接すれば、ご納得いただけることでしょう。【湧々堂】

Capriccio
C-5118D(1CD)
ヨスト:ヴァイオリン協奏曲「深き陶酔」
コクーンシンフォニー〜大オーケストラによる“中央への旅”の5楽章
ヴィヴィアン・ハグナー(Vn)
クリスティアン・ヨスト(指)
エッセン・フィルハーモニカー
「私はいつも、形と音、構造の間に差別化と複雑な相互接続が実現する魔法の時を探しています」と語る作曲家ヨスト(1963-)。彼はドイツ連邦共和国ラインラント=プファルツ州の都市トリーアで生まれ、ケルンとサンフランシスコで学んだ現在最高の作曲家の一人です。彼のオペラはヨーロッパ各地の歌劇場で上演され、作品は世界中で演奏されています。2003年にはジーメンス財団から「進歩賞」を授与され、2009年には彼のオペラ「ハムレット」がドイツでの「最優秀パフォーマンス」に選ばれるなど、その活躍はとどまるところを知りません。彼の協奏曲といえば、トランペットと管弦楽による「ピエタ」が知られていますが、こちらのヴァイオリン協奏曲も、しばし時を忘れるほどの不思議な印象を残します。

Avanti Classics
5414706-10332
(1SACD+DVD)
ピアソラ:ミケランジェロ70(F.フシド編)
レヴィラド(P.シーグレル編)
P.シーグレル:エル・エンペドラド
 サンドゥンガ/アスファルト?
F.フシド:タンゴ・ラプソディー(2台のピアノとオーケストラのための)*
シーグレル:ミロンゲータ
ピアソラ(P.シーグレル編):天使の死
 アディオス・ノニーノ
フシド/コーデラー:「瞳の奥の秘密」
デュオ・レヒナー・ティエンポ
【カリン・レヒナー(P)&セルジオ・ティエンポ(P)】、
ヤシェク・カスプシク(指)スイス・イタリアーナO

録音:2011年1月オーディトリアム・ステリオ・モロ(ルガーノ、スイス)
2010年6月22-24日パラッツオ・デイ・コングレッシ(ルガーノ)* ライブ録音
デュオ・レヒナー・ティエンポは、カリン・レヒナー&セルジオ・ティエンポの姉弟から成るピアノ・デュオ。かのアルゲリッチにも 認められた名コンビが今回収録したのは、ピアソラ、シーグレル、フシド、とまさにアルゼンチン・タンゴ尽くしのプログラム!ピアソラの名曲の数々をピ アノ連弾で演奏していることも注目されますが、本アルバム最大の聴き所はフェデリコ・フシドの「タンゴ・ラプソディー」!映画音楽などでも活躍するフ シドがこのデュオのために作曲した作品で、2010年ルガーノ音楽祭で行われた世界初演のライブ音源となります。2台のピアノとオーケストラのための本 作は、一つの男女の恋愛劇を見ているようなドラマティックな展開が魅力的。艶やかで流麗な旋律もあれば、感情をぶつけ合うような激しい掛け合いもあ ります。名匠カスプシク惹き入るスイス・イタリアーナ管弦楽団の鮮烈な演奏も見事ですが、やはり聴きどころはレヒナー&ティエンポ姉弟の息を呑む熱演。 これでもかと連発する超絶技巧の掛け合いと多彩な表現力に圧倒されます。ボーナスDVDではこの演奏風景を収録。演劇のようなパフォーマンスもあり、 タンゴ・ラプソディーを情熱的に “演じる” 姉弟の演奏模様は必見です!
※ボーナスDVDはPAL方式で記録されており、通常のNTSC方式のDVDプレーヤーやTVでは再生することができません。DVD再生が可能な Windows PCやMacのほか、マルチシステム対応AV機器などで再生することが可能です。ご了承のうえお求めくださるようお願いいたします。 (Ki)

DACAPO
MAR-8.226092(1CD)
ペア・ノアゴー:パーカッションとアンサンブルのための「風景」
破壊への前奏曲(1986)
O.サーヴィングの詩「この年」による4つのメディテーション(2010)
パーカッション・ソロのための「アラベスク」(2010)
パーカッションと6楽器のための「3つの情景」(2009)
エスビェア・アンサンブル
クリスティアン・マルツィネス(Perc)
ペッテル・スンドクヴィスト(指)
ノアゴーによるパーカッションを中心とした音楽集です。東洋的神秘主義と、エキゾチックなリズムによる、まさに自然を超越したかのような不思議な響きがたまりません。パーカッションと一口に言っても、その音色は様々で、ヴィヴラフォンやミュージック・ソウ(音楽のこぎり)など、メロディックなものも含まれます。アラベスクと3つの情景は、才能あるパーカッション奏者、マルツィネスのために書かれています。

Slovak Radio
RB-0338-2(1CD)
ミルコ・クライチ(1968-):ピエタ(2005)
ヴァイオリン,チェロと室内管弦楽の為の二重協奏曲(2009)*
命の道(混声合唱と弦楽合奏の為の;2008)+
タンギッシモ(弦楽合奏の為の;2008)*
フランチシェク・テレク(Vn)*
オルソリャ・コヴァーチ(Vc)*
テクニック混声cho+
イヴェタ・ヴィスクポヴァー(合唱指揮+)
テクニック室内O
ミルコ・クライチ(指)

スロヴァキア音楽財団
SF-0069-2(1CD)
ミロ・バーズリク(1931-):ピアノ協奏曲(2003-2006)*
オラトリオ「十二」(アレクサンドル・ブロークの詩による、6人の独唱者、朗読、合唱と管弦楽の為の;1967)+
ダニエル・ブラノフスキー(P)*
マリオ・コシク(指)スロヴァキアRSO*
フランチシェク・フサーク(朗読+)
セルゲイ・コプチャーク(Bs)+
カタリーナ・ブラフシアコヴァー(S)+
ダグマル・ペツコヴァー(アルト+)
リュドヴィート・ブフタ(T)+
マリアーン・ブッラ(Bs)+
スロヴァキア・フィルハーモニーcho+
ペテル・フラディル(合唱指揮+)
ガブリエル・パトーチ(指)スロヴァキアPO+
ミロ・バーズリクはブラチスラヴァ音楽院を卒業後、プラハのカレル大学で数学を学ぶかたわらフランチシェク・ラウフとイヴァン・モラヴェツにピアノ、イジー・エリアーシュに作曲を師事、その後大学で数学の講師をしながらブラチスラヴァ音楽大学でヤン・ツィッケルに作曲を学んだという異色の経歴を持つ作曲家・ピアニスト・数学者・教師。

THE MASTERCLASS MEDIA FOUNDATION
MMF3-042(DVD)
ザハール・ブロン/ヴェルビエ音楽祭アカデミー
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
生徒:ヴィルデ・フラング、
ノア・ベンディックス=バルグレイ
ヴェルビエ音楽祭アカデミー

NTSC/16:9
音声:ステレオ/リージョン:All
162mm
言語:ドイツ語
字幕:英語
レーピン、ヴェンゲロフ、樫本大進、庄司紗矢香らを育てた稀代の名教師ザハール・ブロン。彼のレッスン風景が映像化されました。それも2時 間半に及ぶ充実した内容で、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の第1、第2楽章についての秘義を披露してくれます。ヴェルビエ音楽祭に於けるマ スタークラスで、生徒は何と今をときめくヴィルデ・フラングと、2011年にピッツバーグ響のコンサートマスターに就任したノア・ベンディック ス=バルグレイ。フラングのブラームスの協奏曲は興味津々ですが、ブロンの指導で見違えるほど良くなっていく様は感動的。ヴァイオリンを学ぶ 方すべてが見るべきDVDと申せましょう。DVD9(片面2層)仕様。 (Ki)

Aurora
ACD-5075(1CD)
現代北欧協奏曲集
ネアゴー
:チェロ協奏曲第2番《モーメンタム》 (2009)
ヌールハイム:テネブレ(チェロと室内管弦楽のための協奏曲) (1982)
サーリアホ:アメール (チェロ協奏曲第1番) (1992)
ヤコブ・クルベア(Vc)、
シモン・ビヴァレツ(指)
ニューミュージック・オーケストラ
コブ・クルベアは1976年オーフスに生まれ、オーフスの王立音楽アカデミー、アムステルダム、ロンドン、ウィーン、ザグレブで学んだ後、コペンハー ゲンの王立音楽アカデミーでモーテン・ソイテンに師事。現代デンマークを代表する作曲家のひとり、ペーア・ネアゴーとの共同作業でも知られ、ネアゴー がクルベアのために作曲したチェロソナタ第4番《根茎》は、オルードバラ・フェスティヴァルで初演され、高い評価を得ました。チェロ協奏曲第2番《モー メンタム》もグルベアのために書かれ、タイトルの「モーメンタム」は「勢い、はずみ」を意味し、「ゆっくりと瞑想する孤独感から、新たに生まれる人間 の連帯感を経て、最後には『無限』の感情を呼び起こす」という音楽全体の物語を示しています。アルネ・ヌールハイムの代表作のひとつ《テネブレ》 (復 活祭の前週、聖週間の最後の3日間の洗足木曜日、聖金曜日、聖土曜日の朝課と賛歌) は、ロストロポーヴィチが1982年に初演し、トルルス・モルク の録音で知られるようになったチェロ協奏曲。フィンランドの作曲家カイヤ・サーリアホの《アメール》は、彼女が住むパリの IRCAM と、ロンドンのバー ビカンセンターから共同委嘱され、アンシ・カルットゥネンのために作曲されました。「航路標識」を意味するタイトルは、ノーベル文学賞を受けたフラン スの詩人サン=ジョン・ペルス (アレクシ・レジェ)(1887-1975)の著作から借用されました。作曲者は独奏チェロを「音の海を航行する船乗り」にな ぞらえています。
ニューミュージック・オーケストラは、ポーランドのカトヴィツェの室内アンサンブル。1996年にシマノフスキ音楽アカデミーの学生をメンバーにより「今 日の音楽」を演奏することを目的として創設されました。 (Ki)

Guild
GMCD-7386(1CD)
火の手
プーランク:オルガン,ティンパニと弦楽のための協奏曲ト短調
リュッティ:オルガン,弦楽と打楽器のための協奏曲、火の手
アレンスキー:チャイコフスキーの主題による変奏曲Op.35a
マーティン・ヘイニ(Org)、
マリオ・シュービガー(打楽器&ティンパニ)、
ライナー・ヘルド(指)
ノヴォシビルスク国立フィルハーモニー室内O
"フランス"のプーランクと現代"スイス"の作曲家カール・リュッティの「オルガン協奏曲」に"ロシア"のアレンスキーの「変奏曲Op.35a」をカップリング。


Inedita
PI-2366(1SACD)
ベートーヴェン・レアリティーズ Vol.7
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19(未出版の改訂版/カデンツァ:カフカ・スケッチブック所収、未出版)
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58(未出版の改訂版;1808)
マウリツィオ・パチャリエッロ(P)
ロベルト・ディエム・ティガーニ(指)
サッサリSO

録音:2009年6月9-13日、ヴェルディ劇場、サッサリ、サルデーニャ、イタリア
好評のシリーズ第7弾は、指揮者・作曲家でベートーヴェン研究家でもあるロベルト・ディエム・ティガーニ(1954年生まれ)による批判校訂版(2010年出版)を使用した2つのピアノ協奏曲の世界初録音。ピアノは当シリーズの責任者的ピアニスト、マウリツィオ・パチャリエッロ。
ピアノ協奏曲は1795年にウィーンのブルク劇場で初演、その後たび重なる改訂を経て1801年に出版されました。ベートーヴェンはその後も重ねて改訂に取り組みましたが、出版には至りませんでした。ディエム・ティガーニは残された資料から、考えられるかぎり最終形に近い版を完成させました。ここではベートーヴェンの自筆譜資料として名高い「カフカ・スケッチブック」(1786頃-1799;大英博物館所蔵)に収められたカデンツァを採用しています。
ピアノ協奏曲第4番は1806年に出版され、1807年3月にウィーンのロプコヴィツ侯爵邸でベートーヴェン自身がピアノを弾き非公開初演されました。その後ピアノの音域が急速に拡大されたため、ベートーヴェンは第1楽章と第3楽章に手を加え、1808年12月のアン・デア・ウィーン劇場における公開初演ではそのヴァージョンを弾きました。この改訂は未出版に終わったのですが、自筆資料がウィーン楽友教会に保管されており、ディエム・ティガーニはそれを基に復元を行いました。

WERGO
WER-6750(1CD)
ペトリス・ヴァスクス(b.1946):ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための作品集
愛の声(ヴァイオリンと弦のためのファンタジア)
遠き光(ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲)
孤独な天使(ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための瞑想曲)
アリーナ・ポゴストキナ(Vn)、
ユハ・カンガス(指)シンフォニエッタ・リガ

録音:2011年 6月
ラトヴィアが生んだ作曲家ヴァスクスによる、人間と社会への愛に満ちたサウンドを、ポゴストキナの奏でる美しくも悲しき音色で堪能する1枚。
「愛の声」は、「これを聴いた人が、少しでもよりフレンドリーで愛に対してよりオープンになるように」という願いが込められた作品。ヴァイオリンがタ イトルの通りの優しくも悲しい愛の旋律を奏でます。(2)の「遠き光」は1996-97年に書かれたもので、ヴァスクスの作品の中でもとても激しい作風の曲。 コントラストに満ちた様々な短い部分の連なりで、時にラトヴィアの民謡を思わせます。2006年頃に書かれた(3)の「孤独な天使」は、世界の状況を見 ている天使の悲しい目と、天使の羽の愛に満ちたはばたきが人々の心に平安や慰めをもたらしている様子を描いたとヴァスクスは語ります。
ヴァスクスの愛に満ちた旋律のヴァイオリンを奏でる、ポゴストキナは、ロシア生まれのドイツ人。2005年第9回シベリウス国際ヴァイオリンコクール でドイツ人として初めて優勝、これまでに何度か来日も果たしています。 (Ki)

Classic Concert Records
CCR-62020(1CD)
ロベルト・ディ・マリノ(1956*):エレジア
ピアノ協奏曲/オルガン協奏曲
ギター協奏曲/ロンド・ミロンガ
ジェリカ・ヴォイヴォーダ(P)、
シモーネ・ヴェベル(Org)、
ロベルト・ベリニチ(G)、
ミラン・ヴァウポティチ((指)
ロシアン・シンフォニー・オーケストラ・プロコフィエフ
1956年生まれのイタリア人作曲家、ロベルト・ディ・マリノの近年の作品を収録した注目のアルバム。現在もなおクラシック、ジャズ、吹奏楽と幅広いジャ ンルで作曲・編曲活動を行っているロベルト・ディ・マリノ。ラテン情緒あふれる抒情的な旋律や疾走感のある心地好いリズムが印象的な彼の音楽は音楽ジャ ンルの垣根を超えた魅力にあふれています。本アルバムでは彼がオーケストラ用に作曲した初めての作品「エレジア」を始め、5つの作品が収録されています。 「ロンド・ミロンガ」はバレエの舞台音楽として、モーツァルトの人生を描いた興味深い作品。幾度も反復されるミロンガの単純な音型の合間に、ピアノ 協奏曲第23番第2楽章のメロディなどモーツァルトが作曲した美しい旋律が現れ、ドラマティックな盛り上がりを見せます。一方、過度な装飾のない素 朴な旋律と5拍子のリズムが心地よいピアノ協奏曲は、ピアノだけでなく各楽器が複雑に絡み合って織りなす美しいアンサンブルが聴き所。西ヨーロッパ の民俗音楽に喚起されて作曲されたギター協奏曲では、波のうねりのように押し寄せるオーケストラとギターとのハーモニーが絶妙です。近年めきめきと 活躍の場を広げている若手演奏家たちの卓越したソロにも注目。ドラマティックな演奏で、ディ・マリノの音楽を活き活きと聴かせてくれます。 (Ki)

Aurora
ACD-5063(1CD)
軌道に乗ったズヴェズドフカ〜チェロとウィンドバンドのための作品集
ヨン・オイヴィン・ネス:軌道に乗ったズヴェズドフカ (2009)*
フリードリヒ・グルダ:チェロとウィンドオーケストラのための協奏曲 (1980)#
イベール:チェロとウィンドオーケストラのための協奏曲 (1925)
オラヴ・アントン・トンメセン:チェロと2組の木管五重奏のための小協奏曲《光の幻影 (1990)
エルンスト・シモン・グラーセル(Vc)、
ペーテル・シルヴァイ(指)
ノルウェー軍西部音楽隊( ベルゲン)

録音:2010年4月/2010年11月* ライヴ/2011年12月#/(ベルゲン、ノルウェー)
《軌道に乗ったズヴェズドフカ》は、ポピュラー音楽で育った世代のノルウェー作曲家のひとり、ヨン・オイヴィン・ネス(1968-)がグラーセルの委嘱 により作曲。芸術音楽をポップスと対話させることに関心をもち、聴き手と自然なコミュニケーションのとれる作品を発表するネスの特色がはっきりと表れ ています。「ズヴェズドフカ」は「小さな星」を意味するロシア語で、旧ソ連が人工衛星スプートニク5号に乗せた犬の名。
ピアニストとして高名なフリードリヒ・グルダが1980年に作曲したチェロ協奏曲は、「趣味の良さ」はそっちのけで「自分の音楽」に徹したとされる作品。 ロック調の〈序曲〉、レントラーの〈牧歌〉、シュールなムードの〈メヌエット〉、街のバンドがスーザのマーチでも演奏しながらパレードする雰囲気の〈行 進曲風フィナーレ〉。〈牧歌〉と〈メヌエット〉の間にチェロが名人芸を披露するカデンツァが挟まれます。クラシカル・ベースとジャズ・ベース各1本、ギ ター、ドラムを加えた編成のウィンドオーケストラがチェロと共演します。
ノルウェーの「今日」を代表する作曲家のひとり、オラヴ・アントン・トンメセン(1946-)の小協奏曲《光の幻影》は、チェロと2組の木管五重奏の ためのもので、木管五重奏の1組は通常の編成、もう1組はオーボエの代りにコールアングレを加えた五重奏です。チェロは全音域を使い、「決して捕ら えることのできない光」を追い求めます。
エルンスト・シモン・グラーセル(1975-)は、トロンハイム響とノルウェー国立オペラ管の首席奏者を経て、現在、エーテボリ響の首席を務めています。 ベルゲンに本拠を置くノルウェー軍西部音楽隊 (FMKV) は、ノルウェー国軍に所属する5つのプロフェッショナルバンドのひとつ。奏者たちの演奏と表現 の技術水準は高く、オスロ、ベルゲン、スタヴァンゲル、トロンハイムのオーケストラとならぶ優れたアンサンブルと評価されています。マリス・ヤンソン スのアシスタント指揮者を3年務め、2010年にはノルウェー作曲家協会から「最優秀演奏家」に選ばれた、ヴィオラ奏者でもあるペーテル・シルヴァイ (1971-)が首席指揮者。ノルウェー海軍がベルゲンに移ってからは海軍の音楽隊となり、ノルウェー海軍軍楽隊 (NNB) の名称も持ち、海軍の軍服姿で 演奏するようになりました。 (Ki)

写影
SHHP-C008(DVD)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83

■特典映像
インタビュー「実相寺昭雄監督と朝比奈隆先生の思い出
出演:寺田農(俳優)
交響曲第4番ホ短調Op.98*
園田高弘(P)
朝比奈 隆(指)新日本フィル

収録:1990年6月1日オーチャードホール(ライヴ)、1990年6月1日オーチャードホール(ライヴ)*
リニアPCMステレオ
133’
カラーNTSC 4 : 3
Region All
日本が世界に誇る巨匠指揮者、朝比奈隆(1908−2001)が1990年に新日本フィルを指揮したブラームス・チクルスの映像が分売リリース。2011 年の歿後10年のアニヴァーサリーに向けて2010年に先行リリースされた「ブルックナー:交響曲選集」に引き続いて、「映像の巨匠」実相寺昭雄が映像演出を手掛けたもので、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲2曲や二重協奏曲のほか、特典映像もあらたに追加されたたいへん豪華な内容となっています。 なお、収録内容の一部曲目については、交響曲第1番と第4番の2曲が過去にソフト化されたことがありますが(『交響的肖像』[廃盤])、こうして完全 な形で交響曲全曲が揃うのはきわめて意義深いものがあるといえます。 すべての音源制作は朝比奈、新日本フィル両者とゆかりの深いフォンテックが担当。同一音源によるCDはフォンテックより、ほとんどすべてがリリースさ れていますが、ピアノ協奏曲第2番とヴァイオリン協奏曲については映像のみならず、いずれの音源自体が初出というのも注目すべきポイントとなっています。 さらに、特典映像も見どころ満載で、朝比奈、実相寺両巨匠と親交のあった名優、寺田農(東海大文学部特任教授)が語るご両人の思い出話が出色。 監督については、いわゆる「TBS実相寺事件」をユーモアを交えて明かしており、映像ファンもたいへん興味深い内容。 また、朝比奈については、ブラヴォーとブーイングが相半ばした有名公演「フィデリオ」のエピソードと、その貴重なハイライト映像も収められております。 朝比奈隆と実相寺昭雄、巨匠同士の顔合わせが生んだブラームス・チクルス。ぜひとも、末長くお手元に置いていただきたい、手ごたえたっぷりの内容 といえるでしょう。

DACAPO
MAR-6.220592
(1SACD)
アコーディオン協奏曲集
オーレ・シュミット(1928-2010):交響的幻想曲とアレグロOp.20
アナス・コッペル(1947-):アコーディオンと弦楽の為の「コンチェルト・ピッコロ」*
マルティン・ローゼ(1971-):アコーディオンと管弦楽の為の「液体の中に」*
ペア・ノアゴー(1932-):アコーディオンと管弦楽の為の「リコール」*
ビャルケ・モーゲンセン(アコーディオン)
ロルフ・グプタ(指)デンマーク国立室内O

録音:2011年4月12-15日コンチェルト・ハウス・スタジオ
*=世界初録音
デンマーク生まれの若きアコーディオン奏者ビャルケ・モーゲンセンによるアコーディオンのための協奏曲集です。彼は1985年生まれで、7歳からアコーディオンを演奏し始め、瞬く間に名手と呼ばれるようになりました。彼自身も編曲、作曲を行い、既に何枚かのCDもリリースするなど、その将来を嘱望されています。このアルバムでは4人の作曲家の作品を収録、コッペルとローゼの2つの曲はモーゲンセンのために作曲されたものです。古典的な曲、タンゴ風、ジャズ風と様々な表情を見せる音色に注目してください。アコーディオンの持つ可能性の限界に挑戦するかのような、挑発的でエキサイティングな演奏がたまりません。


ORFEO
ORFEO-815121(1CD)
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調
ノルウェー舞曲集/抒情組曲Op.54
ミロフラフ・クルティシェフ(P)
アイヴィン・グッルベルグ・イェンセン(指)
ハノーファー北ドイツ放送PO

録音:2009年11月、2010年1月
“アイヴィン・グッルベルグ・イェンセンの音楽性と統率力に唖然!”
このアルバムのメインは、ジャケット写真にも写っているミロフラフ・クルティシェフが奏でるピアノ協奏曲。2007年第13回チャイコフスキー国際コンクール最高位受賞のクルティシェフのピアノはいわゆるロシア・ピアニズムを意識させない繊細さが特徴的で、この作品の繊細な抒情を堪能するにはうってつけ。日本の代理店のインフォメーションには“グリーグの協奏曲を語る上で避けて通れないアルバム”という珍しく熱いコメントがあったので、そもそもそれにつられて視聴したのですが、むしろ強烈なインパクトを残すのはイェンセンの指揮の素晴らしさ!
アイヴィン・グッルベルグ・イェンセンは、1972年ノルウェー生まれ。トロンハイムでヴァイオリンと音楽理論を学んだ後、レオポルド・ハーガーとヨルマ・パヌラに師事。その後ウィーンで研鑽を積みました。2010/11年のシーズンにはベルリン・フィルにもデビュー。2011年からハノーファー北ドイツ放送フィルの首席指揮者に着任しています。
とにかく「ノルウェー舞曲集」という曲にこれ程聴き入ってしまった経験は皆無でした。第1曲の強靭なリズムの弾力からして訴求力満点で、響きの凝縮の徹底ぶり、テンポの安定感に並々ならぬ才能が溢れています。0:16から低弦がテヌート気味に下降する箇所の切迫感!これが少しもあざとくなくニュアンスとしてにも刻印できる才能だけでも只者ではありません。中間部の歌心にも嘘がなく、何となく素朴に歌い上げただけとは異なる響きの制御力がここでも生きています。第2曲のユーモラスな表情が克明な音像を伴って迫るのにもびっくり。オーボエの巧さにも舌を巻くばかり。中間部の切り込みの激しさも、その唐突さがユーモアを誘うというのは、いかに間合いのセンスが並外れていることの証し。第4曲ではいよいよイェンセンの閃きに満ちた表現力に「天才」と叫ばずにはいられなくなります。この曲、こんなに含蓄に富んだ曲だったでしょうか?
「抒情組曲」も聴き応え満点。ローカルな味わいに甘んじず、真に世界に通用する芸術作品に押し上げたと言っても過言ではありません。
忘れてならないのは、オケの尋常ではない巧さ!どのオケも技術が向上した代わりに個性がなくなったと言われて久しいですが、ここで聴くような技量とセンスを兼ね備えた進化であれば、まさにそれこそ理想ではないでしょうか?【湧々堂 140417】


DOREMI
DHR-7984(1CD)
ユリアン・フォン・カーロイの芸術
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
シューマン:ピアノ協奏曲*
リスト:ハンガリー幻想曲#
ユリアン・フォン・カーロイ(P)

ギカ・ズドラフコヴィチ(指)バイエルンRSO
ロベルト・ヘーガー(指)バイエルンRSO*
エドムント・ニック(指)ミュンヘンPO#

録音:1956年頃(ステレオ)、1948年頃#
原盤:独ELECTROLA、独DGG#
“まろやかなタッチから引き出される心あたたまる詩情!”
ハンガリー出身でコルトー門下のユリアン・フォン・カーロイの貴重な協奏曲集。外面的な効果を狙わず楽譜に真摯に対峙する姿勢は同じハンガリー出身のゲザ・アンダなどにも共通していますが、カーロイの最大の特徴はなんといってもそのタッチのまろやかさ。それをもって「感覚的で水っぽい演奏」と捉える向きもあるようですが、このCDを聞けばそれが決して的を得ていないと思われることでしょう。
チャイコフスキーは高速でガンガン攻める演奏ではなく、じっくり音楽を味わい方は必聴!冒頭のホルンがメロウな響きで穏やかな雰囲気で開始しますが、続くカーロイのピアノがこれまた肩肘を張らない優雅さ!鍵盤を叩きつけることなく奏でることに徹した独特のピアニズムは、バリバリ弾きまくる推進力とは完全に逆行していますが、このまろやかな感触にハマる方はきっと多いはず。6:04からの短いカデンツァは、全く媚びることなくインテンポで淡々と進みますが一音一音が慈愛に溢れ、まるでモーツァルトの至高の名演を聴くかのよう。第2楽章も作為のない自然体の美しさ。チェロ・ソロの伴奏(2:14〜)に回っている時でさえほんのりと夢が広がり、奥ゆかしい存在感を示します。なお冒頭のフルートは、ピアノが奏する主題と同じ音型に変更。終楽章も落ち着いたテンポで丹念に音を紡ぎ、決して興奮を煽りません。クライマックスに達してもペダルを極力抑え、訥々とした語り口を変えませんが、それが野暮ったい印象を与えず、聴後には、この曲から感じることが滅多にない安らぎと余韻に浸ることができます。
しかし、次のシューマンは更なる名演奏。チャイコフスキー以上にカーロイの音楽性に合致してていることは冒頭の和音からも明らか。タッチのまろやかさはそのままに、音楽の表情は構えが大きくなり、ぐっとアグレッシブになります。1:39からの同じ音型を繰り返す箇所は実に息の長いフレージングで、たおやかな中にも緊張感が持続。強弱のコントラストを大きく取らないのはカーロイのピアノの特徴の一つですが、展開部ではその特徴を堅持しながら、ニュアンスの陰影は更に濃くなるのが印象的。コーダ直前のトリル(13:39)は美しさは比類なし!アゴーギクを最小に抑えて端正な造形から自然に音楽を滲ませるカーロイのピアニズムが最高に生きているのが第2楽章。「こんなに素敵な曲ですよ」という説明めいたフレーズなど一切無いので一見淡白に聞こえますが、空虚な音など一つもないのです。ヘーガーの伴奏は地味ながら芯は堅牢。カーロイと完全に同じ歩調をとり、頭で考えた主張先行ではなく、作品に全幅の信頼を置いてさえいれば自ずと味わいが生まれるという信念を共有することで生まれた稀有な名演と言えましょう。ロマン派作品に対する姿勢とは、本来こう有るべきなのではと思わせるこのシックな佇まいを是非ご堪能下さい。しかもチャイコフスキーとシューマンは良質なステレオ録音! 【湧々堂】


Lipkind Productions
LP005-H01NE(1CD)
チェロ・ヒロイックスT
シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129
ガブリエル・リプキン(Vc)
ミシャ・カッツ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月21日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
GLP-0300054と同演奏

Lipkind Productions
LP008-H02NE1CD)
チェロ・ヒロイックスU
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番
ガブリエル・リプキン(Vc)
ヴォイチェフ・ロデク(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月17日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
GLP-0300055と同演奏

Lipkind Productions
LP011-H03NE(1CD)
チェロ・ヒロイックスV
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
ガブリエル・リプキン(Vc)
アントニー・ヘルムス(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月18日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
GLP-0300056と同演奏

Lipkind Productions
LP014-H04NE(1CD)
チェロ・ヒロイックスW
ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックニ長調Op.12
ガブリエル・リプキン(Vc)
イヴァン・メイレマンス(指)アーネムPO

録音:2009年11月25日ズットフェン市立劇場
GLP-0300057と同演奏

Lipkind Productions
LP006-H01ED(1CD+)
チェロ・ヒロイックスT
シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129
ガブリエル・リプキン(Vc)
ミシャ・カッツ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月21日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
※チェロ・パート譜付き
Lipkind Productions
LP009-H02ED(1CD+)
チェロ・ヒロイックスU
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番変ホ長調Op.107
ガブリエル・リプキン(Vc)
ヴォイチェフ・ロデク(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月17日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
※チェロ・パート譜付き
Lipkind Productions
LP012-H03ED(1CD+)
チェロ・ヒロイックスV
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調Op.33
ガブリエル・リプキン(Vc)
アントニー・ヘルムス(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2009年2月18日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
※チェロ・パート譜付き

Lipkind Productions
LP015-H04ED(1CD+)
チェロ・ヒロイックスW
ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックニ長調Op.12
ガブリエル・リプキン(Vc)
イヴァン・メイレマンス(指)アーネムPO

録音:2009年11月25日ズットフェン市立劇場
※チェロ・パート譜付き
極限まで自らを研ぎ澄まして一音一音に魂を込める、イスラエル出身のチェリスト、ガブリエル・リプキン。自ら率いるレーベル「Lipkind Productions」から、自ら校訂し、自らの演奏の秘密を全て記したチェロ・パート譜本つきの協奏曲CDが発売されます(CD内容はチェロ・ヒロイックスと同内容、盤は通常CDレイヤーのみの仕様となります)。演奏を聴いているだけでも、その究極まで集中した音色に圧倒される力演ですが、こうして横長に配されたチェロ・パート譜を見ながら聴くことにより、より深い世界へと誘い込まれるような気分になります。細かなフレージングやブレス、指の開き具合など、チェロを弾く方にはヒントが満載なので、チェロを弾く方にはまたとない資料となることは言うまでもありません。教育的な面はもちろんのこと、リプキンという音楽家の秘密、さらに、音楽の世界の深さを知ることができる貴重なシリーズです! (Ki)

Smekkleysa
ISO-1(2CD)
グヴズムンスドウッティル/ヴァイオリン協奏曲集
エルガー:ヴァイオリン協奏曲ロ短調*
アウグーストソン(1926-):構造 II(1978-1979)+
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 Op.15#
パウトル・P・パウルソン(1928-):ヴァイオリン協奏曲**
グヴズニー・グヴズムンスドウッティル(Vn)
ジェイムズ・ロッホラン(指)*
リチャード・バーナス(指)+
シドニー・ハース(指)#
ペトリ・サカリ(指)**
アイスランドSO

録音:1992年11月10日*、
1994年10月28日+、1996年12月6日#
2001年6月12日**、
ハウスコウラビーオウ(大学映画館)、レイキャヴィーク、アイスランド
1974年から2010年にかけてアイスランドSOのコンサートマスターを務めたグヴズニー・グヴズムンスドウッティルが独奏者として演奏した協奏曲録音集。ヘルベルト・H・アウグーストソンとパウトル・P・パウルソンはオーストリアに生まれアイスランドの音楽に大きな貢献をした作曲家。
※アイスランドSOの自主製作盤ですが、代理店ではは配給元であるSMEKKLEYSAレーベルとして管理いたします。


CLAVES
50-1010(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲ニ長調Op.61a(ヴァイオリン協奏曲のピアノ編曲版)
C.P.E.バッハ:協奏曲ハ短調Wq.43No.4
ドミトリー・バシキーロフ(P)
(Steinway&Sons D-274)、
ペーテル・チャバ(指)ローザンヌCO

録音:2010年4月30日-5月2日、ローザンヌ
ベートーヴェンのこの作品やブラームスノ協奏曲のようにオケの導入部分が長い作品では、まず指揮者が味わい深い音楽を繰り広げてくれないと聴く気を削がれてしまいがちですが、チャバの指揮は実に丁寧で愛情に満ち、これから素晴らしい演奏が開花するという期待を抱かせるのに十分なもの。そしてバシキーロフの透明感のある美音が入ると一気に花園に舞い降りたような雰囲気に。フレージングに常に内省的な歌が滲み、第1楽章展開部11:44からはまるでバッハのような格調と奥深さが漂い、12:21からはバシキーロフのロマンティックな感性とタッチの制御力が利いたレガートの素晴らしさに息を呑みます。この録音時にはバシキーロフは80歳目前でしたが、第1楽章のカデンツァで明らかなように、音色は常に冴え、リズムの弾力にも老いの影など皆無。終始ゆとりを感じさせる緊張感をベースに、豊かな歌心を通わせた第2楽章も心に染みます。【湧々堂】


Altus
ALT-227(2CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047
ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調BWV1051
ゲルハルト・ボッセ(指)
神戸市室内合奏団
[客演奏者:コンサートマスター:白井圭(vn)、平尾雅子&瀬田麗(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、花崎薫(vc)、北谷直樹(チェンバロ)、白尾彰(fl)、古部賢一、森枝繭子&多田敦美(ob)、岩佐雅美(fg)、
太田光子&宇治川朝政(ブロックフレーテ)、垣本昌芳&永武靖子(hr)、高橋敦(tr)]

録音:2011年3月10日神戸文化ホール中ホール(ライヴ)
“先鋭的なバッハとは発する波動が全く別物!心に優しく宿るこの余韻!”
なんと人間味に溢れたバッハでしょう!いわゆる古楽器派と現代楽器派の混成チームによる演奏ですが、「個人プレーの競演」といった派手さは皆無。異質な響きを無理やり凝縮したような印象も与えず、ただただ心を込めた音楽のエッセンスだけが連綿と流れ、ヴィブラートの有無や楽器の種類などの演奏手段を云々することはあまりにも無粋というものでしょう。
第1番第1楽章のリズムの弾力もひたひたと慈愛がフレージングも、落ち着くべきところの落ち着いたという安堵感、風合いには何物にも変えがたい魅力です。同第2楽章の作為の全くない情感も、人間本来の感性にぴったりと寄り添うもの。第2番第2楽章の各奏者の互いを優しく包み込みような風情、特にブロックフレーテのニュアンスが絶品!同終楽章のテンポの小気味よさは、決してリズムだけが際立つことなく、まさに音楽全体が軽妙洒脱。第4番もブロックフレーテが実に可憐。その響きが中心となった音像はまさに花園。中間部のヴァイオリンの早急な走句も自己顕示の欠片もなく、全員が緊張と緩和のさじ加減を阿吽の呼吸で理解し合っているこれぞ融和の妙。現代楽器が主体の場合、大時代的な演奏になりがちな第5番も、響きの厚みが程よく、音価の保ち方も粘着質にならず、あくまでも軽い浮遊感を表出し、バッハの音楽の素の部分しか感じさせません。
演奏スタイルの学究的な考察に関わらず、一途にバッハの音楽を堪能したい方には待望の録音といえましょう。
なお、この録音は東日本大震災前日の3月10日に行われ、この録音に対するボッセ氏の熱い思いを記したライナー(そのインタビューから1ヶ月後に90歳で逝去)からも、この演奏に如何に満足していたかが痛感できます。【湧々堂】

プリマコフ
BRIDGE
BCD-9339(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集Vol.2
ピアノ協奏曲第11番ヘ長調K.413(カデンツァ:モーツァルト作)
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466(カデンツァ:第1楽章=ベートーヴェン作、第3楽章=クリスティアン・ツァハリス作)
ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467(カデンツァ:ディヌ・リパッティ作)
ヴァシリー・プリマコフ(P)
ジモン・ガウデンツ(指)オーデンセSO

録音:2010年
前回の第24-27番(BCD-9328)に続く、プリマコフのモーツァルト:ピアノ協奏曲シリーズ第2弾。プリマコフのタッチはまさに珠を転がすような軽やかさがあり、内面から引き出される繊細な語り口はどれを取っても閃きに満ち、一音たりとも聴き逃せません。カデンツァへのこだわりと、ピリオド奏法も取り入れた濃密なオケの響きとのブレンドぶりも聴きものです。
「第11番」は、特に第2楽章の古典的フォルムの中でひっそりとロマンの情感を漂わせる風情が忘れられません。雑念の一切ないまさに音楽の結晶がここにあります。
「第21番」は、オケの伴奏が闊達に発言力をもって開始するので、内省的なプリマコフのピアノとどうやって協調を図るのかワクワクさせますが、プリマコフは推進力は帯びても音を外に放射せず、内面から育んだ語りの優しさと、自分の立ち位置から一歩も外れないクールな強靭さは保持し、オケとの響きとの絶妙な相乗効果を生んでいます。第1楽章第2主題はメインのフレーズのみならず、アルペジョ風の楽想まで涙に濡れています。
「第20番」は、第1楽章をオケが高速テンポで攻撃的に開始するので、21番以上にプリマコフとの連携ぶりに期待が高まりますが、ここでもピアノの第1音から、何事もなかったかのように一気にプリマコフ・ワールドを敷き詰めます!軽く触れただけでも汚れそうな至純のタッチの内面には強靭な核が内包されているので、音楽自体が脆弱になることなく、聴き手の心に確実に届くのです。第2楽章は罪作りなくらい美しく、スタッカートの弾力ひとつ取ってもプリマコフの並外れた感性の高さを窺い知ることができます。終楽章は究極とも言える名演で、オケのの連携の固さは比類なし!特に3:51から木管との対話で、互いにニュアンスを投げかけ合う強固な結びつきとその緊張はお聴き逃しなく。ベートーヴェンへの接近を思わせるツァハリス作の勇壮なカデンツァも説得力満点。【湧々堂】

Aurora
ACD-5066(1CD)
ペーテル・ヘレスタール〜キャッチ・ライト
(1)ヨン・オイヴィン・ネス(1968-):マッド・キャップ・トゥートリング(ヴァイオリン協奏曲)(2003)

(2)ヘンリク・ヘルステニウス(1963-):ヴァイオリン協奏曲「声のするところから微かな光が」(2001)

(3)ギスレ・クヴェルンドク(1967-):イニシエーション(1992)(ヴァイオリンと管弦楽のための)

(4)ニルス・ヘンリク・アスハイム(1960-):キャッチ・ライト(2009)(ヴァイオリン、打楽器と管弦楽のための)
ペーテル・ヘレスタール(Vn)
(1)ロルフ・グプタ(指)オスロPO
 録音:2008年4月28日-30日オスロ・コンサートホール
(2)ピエール=アンドレ・ヴァラード(指)
BIT20アンサンブル
 録音:2007年1月15日-17日グリーグ・ホール(ベルゲン、ノルウェー)
(3)ペーテル・シルヴァイ(指)オスロPO
 録音:2009年11月12日オスロ・コンサートホール(ライヴ)
(4)ピーター・ケイツ(Perc)
 ペーテル・シルヴァイ(指)ベルゲンPO
 録音:2009年3月28日グリーグ・ホール(ベルゲン、ノルウェー)(ライヴ)
優れた演奏家がいてはじめて、自分たちの作品は「可能性」から「実体」になる。そのことを知るノルウェーの作曲家たちは、現代の音楽に深い理解を示しヌールハイムのヴァイオリン協奏曲(BISCD1212)でノルウェー・グラミー賞、トンメセンのBull'sEye》(BISSA1512)で2002年のノルウェー音楽批評家賞を受けたペーテル・ヘレスタールに厚い信頼を寄せています。ノルウェー作曲家協会が主宰するレーベル、Auroraの最新アルバム『キャッチ・ライト』は、そのヘレスタールのポートレート・アルバムです。このアルバムでは、ヘレスタールが委嘱もしくは初演した「ヴァイオリン協奏曲」4曲が紹介されます。ヨン・オイヴィン・ネス、ヘンリク・ヘルステニウス、ギスレ・クヴェルンドクは、彼と同じ時期にオスロのノルウェー国立音楽アカデミーで学んだ作曲家たち。ニルス・ヘンリク・アスハイムは、一足早くプロの音楽家として出発し、オルガニスト、ピアニスト、作曲家として活躍しています。 音楽のスタイルと表現する内容の大きく異なる4人の作品。ヴァイオリンのソロに始まるネスの《マッド・キャップ・トゥートリング》は、メディアを前にイラクへの侵攻をぶち上げ、「われらの時代でもっとも馬鹿げた悲劇的戦争のひとつ」を引き起こしたアメリカ合衆国第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ(ペラペラしゃべる無鉄砲者)へのあてこすりです。ヘルステニウスの《声のするところから微かな光が》は、同じ和声が循環する4つの部分から構成されています。ヴァイオリンのソロとアンサンブルが「距離」を置かず、ともに音のテクスチュアを微細に変化させていきます。この2曲は、オスロとベルゲンでセッション録音され、SimaxとAuroraのアルバムに収録された音源が再び使われています。 クヴェルンドクの《イニシエーション》ではソロとオーケストラは、伝統のヴァイオリン協奏曲に見られる「距離」を保ちながら音楽を展開します。アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲をほのめかす旋律が開始早々現れます。「肖像写真に撮られた人物の目に映りこむもの」がイメージされたという、アスハイムの《キャッチ・ライト》。電気的に増幅されたヴァイオリンと打楽器の音が音楽の空間に加わります。クヴェルンドクとアスハイムの作品は、オスロとベルゲンのコンサートがライヴ録音されました。 アスハイムの曲の打楽器ソロを担当するピーター・ケイツはアメリカ出身。ベルゲン・フィルハーモニックのソロ首席打楽器奏者とグリーグ・アカデミー打楽器科の科長を務め、ベルゲンに本拠を置く現代音楽アンサンブル、BIT20にも参加しています。 (Ki)

Fabra
FBRCD-04(1CD)
ビョルン・H・クルーセ(1946-):Nostros(ヴァイオリンと弦楽の為の協奏曲;2002)*
ギスレ・クヴェルンドク(1967-):Omriss(9人の弦楽器奏者と合唱の為の)+
ヘンリク・オーデゴール(1955-):Nyslatt(2つのハリングフェレと弦楽合奏の為の;2000)#
ペール・アンデシュ・ビューエン・ガルノース、
トルゲイル・ストロン(ハリングフェレ)#
Cor声楽アンサンブル+
テレマルク室内O
ラーシュ=エーリク・テル・ユング(Vn*、指)

録音:2003年1月20-22日*、2005年2月8-11日(+/#)、ボー教会(ノルウェー)

KNS Classical
KNS-A/009(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
マルコ・スキアヴォ(P)
ワレーリー・ポリャンスキー(指)
ロシア国立SO(ロシア国立シンフォニー・カペラ)


録音:1996年4月1-3日、モスクワ、モスフィルム・スタジオ

Tallpoppies
TP-042(1CD)
【未案内旧譜】
ハイドン:ホルン協奏曲ニ長調HobVIId:3
クリストフ・フェルスター(1693-1745):ホルン協奏曲変ホ長調
テレマン:ホルン協奏曲ニ長調
アントン・タイバー:ホルン協奏曲変ホ長調
ヘクトル・マクドナルド(Hrn)
ブレット・ケリー(指)
アカデミー・オヴ・メルボルン
ヘクトル・マクドナルドは、ウィーン響の首席ホルン奏者。

ELOQUENTIA
EL-1024(2CD)
サン=サーンス:チェロのための作品全集
[CD1]@チェロ協奏曲第1番op.33イ短調*
  Aチェロ協奏曲第2番op.119ニ短調
  Bチェロ・ソナタ第2番op.123ヘ長調
[CD2「]白鳥」(1挺のチェロと2台ピアノ版)*、チェロ・ソナタ第1番ハ短調Op.32、チェロとピアノのための組曲
Op.16、ロマンスヘ長調Op.36、ロマンスニ長調Op.51、アレグロ・アッパシオナートOp.43、サッフォー風の歌Op.91、
ガヴォット(遺作)(ピアノ伴奏版世界初録音)
ルイジ・ピオヴァーノ(Vc)
使用楽器:[CD1]@Aマッテオ・ゴフリラー(1730頃)、Bアレッサンドロ・ガリアーノ(1710頃)

[CD2]アルトゥーロ・フラカッシ(1935年)
ピエロ・ベッルーギ(指)テアトロ・マッルチーノO
ピアノ:ナッツァレーノ・カルージ([CD1]/ヤマハ)、
ルイザ・プレイエル([CD2]/使用楽器:1883年製スタインウェイ・コンサート・グランド・Dモデル(ローズウッド材)、
1999年復元/「白鳥」はセカンド・ピアノ・パートを多重録音)
*はライヴ録音
いぶし銀のような音色を奏でる現代の名手、ピオヴァーノによるサン=サーンスのチェロ作品全集(CD2は以前EL.0401として単独で発売)。協奏曲第2番の超絶技巧から、ピアノとの親密な室内楽まで、チェロの魅力を堪能できます。ピオヴァーノは、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の首席ソロ奏者。 (Ki)

Classic Concert Records
CCR-62003(1CD)
人生のリズム
(1)ジョン・スローワー:2つのマリンバとソプラノのための「一つの世界」
(2)2つのマリンバとソプラノのための「ラヴ・ソングズ」
(3)独奏マリンバと管弦楽のための「人生のリズム」
ボグダン・バカヌ、神谷百子(Marimba) 
カッサンドラ・ディミポウロウ(Sp)
ジョン・スロウワー(指)
ザルツブルク・ゾリステン
(1)は神谷百子に(2)は神谷とボグダン・バカヌに(3)はバカヌに献呈されている。
Classic Concert Records
CCR-62004(1CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番BWV1004〜シャコンヌ
ジョン・スローワー:真実の色彩、
 人生のリズム(マリンバ独奏版)
エマヌエル・セジュルネ:マリンバ協奏曲
ボグダン・バカヌ(Marimba)
エヴァルド・ダンホッファー(指)
ザルツブルク・ゾリステン
バッハのシャコンヌはボグダン・バカヌによる編曲。

Classic Concert Records
CCR-62006(1CD)
バッハ:マリンバ協奏曲ハ短調BWV1060
マリンバ協奏曲ハ長調BWV1061
マリンバ協奏曲ハ短調BWV1062
ペーター・ザードロ(指)
ウェイヴ・カルテット(ボグダン・バカヌ、内山詠美子、ヴラディーミル・ペトロフ、クリストフ・ズィーツェン〜マリンバ)
Classic Concert Records
CCR-62002(1CD)
バッハ:マリンバ協奏曲ニ短調BWV1052
マリンバ協奏曲ニ長調BWV1054
マリンバ協奏曲ヘ短調BWV1056
ボグダン・バカヌ、
カテジナ・ミツカ(マリンバ)
ブカレスト国立RSO

Classic Concert Records
CCR-62006(1CD)
バッハ:マリンバ協奏曲ハ短調BWV1060
マリンバ協奏曲ハ長調BWV1061
マリンバ協奏曲ハ短調BWV1062
ペーター・ザードロ(指)
ウェイヴ・カルテット(ボグダン・バカヌ、内山詠美子、ヴラディーミル・ペトロフ、クリストフ・ズィーツェン〜マリンバ)
Classic Concert Records
CCR-62002(1CD)
バッハ:マリンバ協奏曲ニ短調BWV1052
マリンバ協奏曲ニ長調BWV1054
マリンバ協奏曲ヘ短調BWV1056
ボグダン・バカヌ、
カテジナ・ミツカ(マリンバ)
ブカレスト国立RSO


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