湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



BMOP SOUND
(アメリカ)




※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
BMOP-1050(1SACD)
スティーヴン・スタッキー(1949-2016):作品集
ラプソディーズ(2008)
アメリカのミューズ(1999)*
管弦楽のための協奏曲(1987)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
サンフォード・シルヴァン(Br)*

録音:2013年7月2日、2010年5月30日、2014年3月31日
2016年惜しくも66歳で亡くなったスティーヴン・スタッキーの作品集。長年ロサンゼルス・フィルの常任作曲家を務めるなどアメリカの中堅作曲家として注目され、BISレーベルからもピュリッツァー賞を受賞した「管弦楽のための協奏曲第2番(2005)」を収録した作品集が発売になっておりました。「ラプソディーズ」はモダンで冷たく厳しいサウンドが耳を引きつけます。「アメリカのミューズ」は4曲からなりベリーマン、カミングス、アモンズ、ホイットマンの歌詞が歌われます。管弦楽のための協奏曲は3つの楽章からなる暗く激しい作品。何れも調性的ではありませんが、強く訴える力を持っています。
BMOP-1053(1SACD)
「トランスフォーメーションズ」
〜ウェイン・ペターソン(b.1927)作品集

(1)トランスフォーメーションズ(1985)
(2)《そして風が吹く》(1994)
(3)《夜の力、暗闇の心》(1990)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(2)プリズム四重奏団

録音:(1)2011年1月、(2)2010年1月、(3)2015
年6月、57:08
ウェイン・ペターソンはロンドンの王立音楽院で学んだ後、サンフランシスコ州立大で教鞭と 執りつつ多くの作品を発表し1992 年にピューリッツァー賞を受賞した。彼の音楽は様々なモー ド、自由な無調、12 音技法など 20 世紀の諸技法を折衷しながら卓越した管弦楽法でエネル ギッシュな音の運動が展開される。サンフランシスコで長年教鞭を執っていたとはいえ、ミニマ リズムや実験主義とは無縁でアメリカ東海岸流の作曲家を代表するエリオット・カーターなどに 近い。ピューリッツァー賞受賞作「夜の力、暗闇の心」は彼の代表作で日本の湯浅譲二にも似 た、きらきらと輝く鮮やかな管弦楽の音色の躍動が魅力的。
BMOP-1054(1SACD)
ポール・モラヴェック(b.1957):《吹雪の声》(2008) ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2015年3月
ポール・モラヴェックはハーヴァード大学で学んだ後、アメリカ・ローマ大賞を受賞しローマに 滞在、作曲と研究に没頭した。2004 年に「テンペスト幻想曲」でピューリッツァー賞を受賞して いる。彼はアメリカ国内では新調性派と称され、現代音楽の技法と調性を折衷したロマンティッ クな作風の作曲家としてデル・トレディチらと並び認識されている。「吹雪の声」はテッド・クーザ ーの詩をテキストとした4 人の独唱、混声合唱と管弦楽のための大オラトリオ。1888 年冬、実際 にアメリカ中西部を襲った大吹雪と戦う地元住民の奮闘と団結、家族の愛を描いたヒューマン・ オラトリオ。
BMOP-1055(1SACD)
ジェレミー・ギル(b.1975):作品集
(1)《激しい潮の前に》(2012)
(2)セレナータ・コンチェルタンテ(2013)
(3)ノットゥルノ・コンチェルタンテ(2014)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)チン=ユン・フ(P)、マーシュ教会cho
(2)エリン・ハニンガン(Ob)
(3)クリス・グライムズ(Cl)
ジェレミー・ギルはジョージ・ロックバーグに師事。その後アメリカ国内のアンサンブル、オー ケストラによって作品は盛んに演奏されている。作風は師匠ロックバーグ譲りの堅実でしっかり とした構成の中に現代的なロマンティシズムを漂わせる。「激しい潮の前に」はピアノ独奏と合 唱、管弦楽のために書かれたオラトリオとも合唱付きの協奏曲ともとれるユニークな作品。セレ ナータ・コンチェルタンテとノットゥルノ・コンチェルタンテは姉妹作の関係にあり、それぞれソロ 楽器のオーボエ、クラリネットが抒情的な旋律を朗々と歌い続けるパストラルな雰囲気を持った 秀作。
BMOP-1056(2SACD)
デイヴィッド・デル・トレディチ(b.1937): ソプラノと管弦楽のための《少女アリス》全 コートネイ・バッド(S)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2016年3月
デル・トレディチの「少女アリス」の第1部「夏の日の思い出」はスラットキン&ブリン =ジュルソンの録音(NONESUCH)で知られていましたが、ついに第2部も収録した 全曲盤が登場です。 デイヴィッド・デル・トレディチは当初セリエリズムや現代音楽の様々な技法で作曲して いたが、やがて明快な調性感とポップスのリズム感を備えた新ロマン主義的な傾向に 転向する。ルイス・キャロルの文学作品「不思議の国のアリス」を題材とした一連の作 品の成功で英語圏での作曲家の地位が確立、本作「少女アリス」はピューリッツァー 賞を受賞した。この作品では 19 世紀から 20 世紀の音楽のありとあらゆる技法、語法 (例えばリムスキーコルサコフ、初期ワーグナー、チャイコフスキー、ハリウッドの映画音 楽などなど)が折衷され「不思議の国のアリス」の幻想的で暗喩に満ちた世界が表現さ れている。
BMOP-1057
ピーター・チャイルド(b.1953)管弦楽作品集
(1)ジュバル(2001)
(2)アディロンダックの声(2006)
(3)シャンティ(平和)(2011)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:(1)2014年9月、(2)2010年6月、(3)2011年5月
ピーター・チャイルドはアメリカ東部を拠点に活動する作曲家。ジェイコブ・ドラッグマンらに師 事し現代音楽の他、ブリテン、アイヴズ、マーラーら様々な作曲家から影響を受けてダイナミックな 管弦楽曲を多数発表しています。ここに収められた作品はいずれもオーケストラの機能が最大限に 生かされた極めて「鳴り」のよい作品で聴きごたえ充分。ヒンディ語で平和を意味する「シャンティ」 は無調と調性の間を行き来する、ロマンティックでミステリアスな佳品。
BMOP-1058(1SACD)
陳怡(チェン・イ)(b.1953):弦楽器のための協奏曲集
(1)「ドレスデンの春」(2005) 〜ヴァイオリンと管弦楽のための
(2)チェロと室内管楽アンサンブルのための組曲(1998/2004)
(3)胡琴組曲(1997)〜胡琴と弦楽のための
(4)強?(1983)〜ヴァイオリンと管弦楽のための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・
プロジェクト
(1)ミラ・ワン(Vn)
(2)デイヴィッド・ラッセル(Vc)
(3)ワン・グオウェイ(胡琴)
(4)リジョ・リュー(Va)

録音:(1)2014年9月、(2)2010年12月、
(3)2012年5月、(4)2013年2月
陳怡は中国広州市出身の作曲家、ヴァイオリニスト。医師の両親のもと教養ある家庭に生まれ 育ったが文化大革命で迫害、辛酸をなめたが、渡米しコロンビア大学で周文中ほかに作曲を師 事し多数の管弦楽曲、室内楽、中国の伝統楽器のための作品を発表しています。ヴァイオリニスト でもある彼女には弦楽器のための優れた協奏曲が多く、このアルバムはその集大成。胡琴は中 国のよく知られた伝統的弦楽器で胡弓に似た音色を持つ。陳怡も同じ中国の後輩であるタン・ド ゥンと同じく中国の伝統音楽と西洋クラシック、現代音楽との融合に関心があり、共通点が多数あ る。タン・ドゥンの音楽が好きな人にはおすすめ。
BMOP-1059
チャールズ・フッセル(b.1938):「シンベリン」(1984/1996)〜シェークスピアの戯曲に基づく ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
アリアナ・デ・ラ・グァルディア (S)
マシュー・ディバッティスタ(T)
デイヴィッド・ソールズベリー・フライ(朗読)

録音:2016年7月
「シンベリン」は古代ケルト人の王を主人公としたシェークスピアの戯曲に基づく音楽劇。室内 オーケストラと朗読、声楽のために書かれており、後期ロマン派から近代の語法で作曲されてい る。バグ・パイプや打楽器が効果的に扱われ、中世イギリスの雰囲気がよく伝わってくる。作曲者 のフッセルはヴァージル・トムソンに学び、1991 年ピューリッツァー賞候補に選ばれた。
BMOP-1061(1SACD)
レイ・リァン(b.1972):作品集
(1)暁翔(シャオシャン)(2009/2014)〜アルト・サックスと管弦楽のための
(2)5 つの季節(2010/2014)
(3)千の山々、百万の流れ(2017)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)チェン=クァン・リン(A.Sax)
(2)ガオ・ホン(ピパ/中国琵琶)

録音:(1)2014年4月、(2)2015年6月、(3)2018年4月
レイ・リァンは中国生まれでアメリカに移住した作曲家。アメリカ・ローマ大賞、アーロン・コープラ ンド賞ほか多数の賞歴がある。作品はベルリン・フィル、アルディッティ四重奏団など著名団体で 盛んに演奏されているとのこと。彼も前述のチェン・イやタン・ドゥンらと同じく中国の伝統音楽の要 素をクラシック、現代音楽と融合しようというスタンスを取り、これはこれでひとつの流派、様式とし て確立していると言ってよい。「暁翔」のアルト・サックスの京劇を思わせる甲高い音のグリサンド、 「5 つの季節」での中国琵琶の執拗なトレモロと管弦楽の掛け合い、「千の山、百万の流れ」にお ける山水画を思わせる音による風景描写がユニークで大いに楽しめる。
BMOP-1062(1SACD)
ウィリアム・シューマン(1910-1992):作品集
(1)「ユディト」〜コレオオグラフィックな詩(バレエ音楽)(1949)
(2)夜の旅(1947)
(3)エンドールの魔女(1965)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:(1)2017年10月29日ジョーダン・ホール,ボストン
(2)2015年7月16日WBGHスタジオ・フレーザー・ホール,ボストン
(3)2016年7月14日タフツ大学ディストラー・ホール,サマーヴィル
アメリカ東海岸楽派の代表的な作曲家シューマンの珍しいマーサ・グラハムとのコラ ボで生まれた作品3 曲収録。ウィリアム・シューマンは無調と調性を程よくミックスした手 堅い作風で後のアメリカの作曲家、映画音楽に大きな影響を与えた。このアルバムに はシューマン30 代〜50 代の最も脂の乗り切った頃の作品が収録。
BMOP-1063(1SACD)
デイヴィッド・サンフォード(b.1963): 管弦楽作品集
(1)「ブラック・ノイズ」(2017)
(2)「祈る人:マーティ・ルーサー・キングJr の追
憶に」(1992)
(3)「スケルツォ・グロッソ」(2006)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(2)サラ・ブレディ(Fl)
(2)エリック・バーリン(Tp)
(3)マット・ハイモヴィッツ(Vc)

録音:2011/2017年[47:44]
サンフォードはニューイングランド音楽院とプリンストン大学でクラシックとジャズを学んだ 後、アメリカ・ローマ大賞、グッゲンハイム奨学金などを得て多くの作品を発表しています。ジ ャズの経験はあからさまな形で作品に反映してはいず、むしろヨーロッパの前衛派を思わ せる部分が散見されます。マーティ・ルーサー・キング牧師に捧げられた「祈る人」はアフリカ 系アメリカ人作曲家の矜持を感じさせる力作。またチェロの巨匠ハイモヴィッツの熱演が光 る事実上のチェロ協奏曲、「スケルツォ・グロッソ」も聴きもの。
BMOP-1066(1SACD)
キーリル・メイカン(b.1972)作品集
(1)「ドリーム・ライトリー」(2008)
(2)「もし我々が空を知っていたなら」(2014)
(3)「優しい幻想」(2010)
(4)「スティル」(2010)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)セス・ジョセル(エレキG)
(4)チャールズ・ディミック(Vn)
(4)ペーター・スルスキ(Va)

録音:2012-2018年
キーリル・メイカン(Keeril Makan)はマサチューセッツを拠点に活動する作曲家で南ア フリカとロシア系ユダヤ人を両親に持ち、そうした出自が自分の音楽にも影響を与えてい ると主張する。「ドリーム・ライトリー」はエレクトリック・ギターの澄んだ音色にオーケストラ が水彩画のような色を重ねてゆく美しい作品でミニマルともアンビエントとも聴ける佳作。 「もし我々が空を知っていたなら」も調性的な響きが終始続く静謐な作品。ポスト・ミニマ ル、新調性、新ロマン派とも異なる新しい抒情派作曲家の登場です。
BMOP-1068(1SACD)
「タイム・リリース」〜スティーヴン・マッキー(b.1956)作品集
都会の海(2013)
タイム・リリース(2005)〜打楽器と管弦楽のための*
トニック(2011)
ターン・ザ・スカイ(2006)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
コリン・カリー(Prec)*

録音:2017年6月
スティーヴン・マッキーは当初、ロックバンドでエレクトリック・ギターを演奏していた。 その後、クラシック系の音楽の作曲に転向し、現代音楽とロックを折衷したスタイルを 確立。「都会の海」は強烈な低音のビートに乗せられて次々と展開する音の風景がと ても魅力的。「タイム・リリース」は 4 つの楽章からなる一種の打楽器協奏曲。近年ステ ィーヴ・ライヒの演奏で著名なコリン・カリーの超絶的なソロが聴きもの。マッキーはミニ マル、ロック、現代音楽の要素を融合した作曲家としてアメリカでは評価が高く、グラミ ー賞を受賞しています。
BMOP-1069(1SACD)
デイヴィッド・フェルダー(b.1953):「4 つの枢機卿の時代」(2013-14)
ローラ・エイキン(S)
イーサン・ハーシェンフェルド(B)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2014年10月
デイヴィッド・フェルダーはアメリカ東海岸を中心に活動する作曲家。東海岸流の硬派で手 堅いアカデミズムの手法を駆使して無調による構成力のある作品を多数発表、彼の作品はアメ リカの多くのオーケストラにより演奏されています。「4 つの枢機卿の時代」はフランスの詩人ルネ・ ドーマルの詩をもとにしたソプラノ、バス、オーケストラと朗読、エレクトロニクスのための作品。 ベルク風の表現主義的な音楽にエレクトロニクスで作られた様々な音響が絡む野心作。
BMOP-1070(1SACD)
ガンサー・シュラー(1925-2015):オペラ「漁師と女将さん」
台本:ジョン・アップダイク(グリム童話に基づく)
ソンドラ・ケリー(MS)
スティーヴン・ゴールドスタイン(T)
デイヴィット・クラヴィッツ(Br)
カトリーナ・ガルカ(S)
イーサン・ドゥプイ(T)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト、
オデッセイ・オペラ

録音:2015年11月
ガンサー・シュラーは現代音楽とジャズ、ポップスを融合した作曲家の先駆けとして知られ、 彼の音楽は現代音楽界ではThe third stream(第3 の流れ)と呼ばれた。オリヴァー・ナッセン、 マーク・アンソニー・タネジは彼の弟子です。様々な楽器を演奏し、ジャズ・ミュージシャンとし てマイルス・デイヴィス、ジョン。ルイスらとも度々共演した。このディスクはグリム童話の同名の 物語に基づくオペラ。人の好い漁師と欲深い妻、そして魔法にかけられて魚になった王子様の 不思議な寓話。メルヘン・オペラだが、ジャズ、ポップス的な要素は薄く、ベルクの「ヴォツェッ ク」を思わせる表現主義的な厳しい作風で書かれています。
BMOP-1071(1SACD)
エリック・ネイサン(b.1983):作品集
管弦楽のためのパエストゥム(2013)
ジェズアルドヘのオマージュ(2013, rev2017)
スペース・オブ・ア・ドアー(2016)
木の鐘(2011)
欠けている言葉I(2014)
イカルスは夢を見た(2008)
シンフォニエッタのためのパエストゥム(2013)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2017-2018年
エリック・ネイサンはアメリカ・ローマ大賞ほかアメリカの多くの賞を受賞し作品はニューヨー ク・フィル、ボストン響などでさかんに取り上げられています。エリオット・カーターに代表されるアメ リカ東海岸流の前衛手法で書かれているものの、オーケストラの機能を最大限に生かした管弦 楽法、色彩豊かな音の万華鏡が魅力的。
BMOP-1072
ハロルド・シェイペロー(1920-2013):管弦楽作品集
シンフォニア ハ短調(1948)
管弦楽のためのクレド(1955)
ピアノと小管弦楽のためのパルティータ(1960)
「緑の山のうえで」〜ジャズ・アンサンブルのための(1957
セレナーデ ニ調(1945)〜弦楽合奏のための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2014-2016年
ハロルド・シェイペローはロシア系ユダヤ人の移民。ハーバード大学でピストンらに師事。在 学中、同じ生徒であったレナード・バーンスタインと親交を深めた。その後、ブーランジェ、ヒン デミット、クレネクにも学んだ。彼の作風は新古典主義ともいうべきものでいずれの作品も調性 を基本としつつ、少しずつ新しい語法を取り込んで作品に新鮮味を出そうとしています。ジャズ・ アンサンブルのために書かれた「緑の山のうえで」は讃美歌風のテーマがビッグバンドのなかで 様々に色付けされ変奏されてゆく様が聴きもの。
BMOP-1072(1SACD)
ハロルド・シェイペロー(1920-2013):管弦楽作品集
シンフォニア ハ短調(1948)
管弦楽のためのクレド(1955)
ピアノと小管弦楽のためのパルティータ(1960)
「緑の山のうえで」〜ジャズ・アンサンブルのための(1957
セレナーデ ニ調(1945)〜弦楽合奏のための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2014-2016年
ハロルド・シェイペローはロシア系ユダヤ人の移民。ハーバード大学でピストンらに師事。在 学中、同じ生徒であったレナード・バーンスタインと親交を深めた。その後、ブーランジェ、ヒン デミット、クレネクにも学んだ。彼の作風は新古典主義ともいうべきものでいずれの作品も調性 を基本としつつ、少しずつ新しい語法を取り込んで作品に新鮮味を出そうとしています。ジャズ・ アンサンブルのために書かれた「緑の山のうえで」は讃美歌風のテーマがビッグバンドのなかで 様々に色付けされ変奏されてゆく様が聴きもの。
BMOP-1073(2SACD)
ノーマン・デロ=ジョイオ(1913-2008):作品集
(1)交響曲「聖ジョアンの勝利」(1952)
(2)歌劇「ルーアンでの裁判」(1956)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(2)オデッセイ・オペラ

録音:2017/2018年
ノーマン・デロ=ジョイオはニューヨーク出身のイタリア系アメリカ人作曲家。ジュリアー ド音楽院で学んだ後、教会のオルガン奏者として生計を立てていたが、パウル・ヒンデミ ットに作曲を師事し作曲に専念するようになった。ヒンデミットに当時流行していた無調 のために自らの叙情的な作風を犠牲にすることはない、との助言を受け自分の方向性 を決める。それから多くの叙情的な合唱曲、管弦楽曲、歌劇などを発表した。 交響曲「聖ジョアンの勝利」はジャンヌ・ダルクを題材とした同名の歌劇からの音楽をまと めた3楽章27 分ほどの作品で近現代的な響きも交えつつ美しいハーモニーとメロディを 湛えた秀作。歌劇「ルーアンでの裁判」はフランスのルーアンで行われジャンヌ・ダルク の火刑が決まった異端審問が題材。全2 幕からなる大作でジョイオの代表作。
BMOP-1074(1SACD)
ジョン・ハービソン(b.1939):作品集
(1)ヴィオラ協奏曲(1988)
(2)ヴァイオリン、チェロのための二重協
奏曲(2009)
(3)バス・ヴィオール協奏曲(2005)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)マーカス・トンプソン(Va)
(2)エミリー・バスキン(Vn)
(2)ジュリア・バスキン(Vc)
(3)エドウィン・バーカー(バス・ヴィオール)

録音:2019/2017/2015年
ジョン・ハービソンはアメリカ東海岸流の無調音楽を代表する作曲家。ハーバード大 学、プリンストン大学でロジャー・セッションズとウォルター・ピストンに学んだ。ハービソン はメトロポリタン・オペラでジェームス・レヴァインの指揮により初演されたオペラ「華麗な るギャッツビー」の成功で名声を不動のものにした。このアルバムでは弦楽器のための 協奏曲が集められています。そのうち二重協奏曲とバス・ヴィオール協奏曲は2000 年代に 入ってからの作品。いずれも自由な無調あるいは一部セリーによって書かれており、アメ リカ東海岸流のアカデミックな無調音楽の伝統は健在です。表現主義風の堅固な様 式による硬派のロマンティシズム(ベルク流の)で貫かれています。
BMOP-1075(1SACD)
チャールズ・ウォリネン(1938-2020):歌劇「ハルーンとお話の海」
(原作:サルマン・ラシュディ)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト&cho
ヘザー・バック (S)
ステファン・ブライアント(B、Br)
マシュー・ディバティスタ(T) ほか多数

録音:2019年
アメリカ東海岸の現代音楽シーンを代表する作曲家ウォリネンの大作歌劇。ウォリネン はエリオット・カーターと並ぶアメリカ無調音楽の代表的存在と目され、ピューリッツァー 賞ほか数々の賞を受賞しています。歌劇「ハルーンとお話の海」はインド系アメリカ人の作 家サルマン・ラシュディの子供のための幻想小説を原作としています。原作は児童文学と して書かれたが、このオペラは妥協のない厳しい無調様式で書かれており、原作にあ る、一種のディストピア(反ユートピア)性が強調されています。作品は 2004 年にニューヨー ク・シティ・オペラで初演され好評を博した。
BMOP-1076
ロバート・カール(b.1954)管弦楽作品集
(1)白鷺(2012)
(2)足元にあるもの(2016)
(3)ロッキング・チェア・セレナーデ(2013)〜弦楽オーケストラのための
(4)交響曲第5 番「ランド(陸上)」(2013)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2017-19年
ロバート・カールはジョージ・ロックバーグ、イァニス・クセナキスという個性も作風も著しく異な る作曲家に師事したが、彼の作風は新古典主義もしくは新ロマン主義的な傾向があり、ここに 収められた作品もドラマティックで抒情的な作風です。交響曲第 5 番は標題の通り、平原や 山、嵐など大地にまつわる様々な自然現象を巧みなオーケストレーションで表した聴きごたえ のある作品。
BMOP-1077(1SACD)
エリオット・カーター:作品集
バレエ音楽集

(1)「ポカホンタス」(1939)
(2)「ミノタウロス」(1947)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:(1)2019年5月10日、(2)2020年1月11日
アメリカ東海岸の硬派現代音楽作曲家の代表格エリオット・カーターは 103歳の長寿を全う し最期の時まで作曲していたという化け物だが、その長寿のゆえ生涯のうちでいくつか大きく 作風を変えた。ここに収められた作曲者30代に作曲された 2つの作品は彼が書いた数少な いバレエ音楽で、この時代は新古典主義的な作風をとっていた(セリー音楽を書き始めるのは 1960年代、作曲者50歳を過ぎてからである)。ディズニー映画にもなった「ポカホンタス」は北 米先住民の実在した女性の物語でアメリカのフォルクロアな題材のせいかコープランドを思わ せる音楽。ミノタウロスはギリシャ神話に登場する牛頭人身の怪物の物語。映画音楽を思わせ る巧みな描写力に溢れた佳品です。
BMOP-1078(1SACD)
ジョン・アダムス(b.1947):作品集
(1)室内交響曲(1992)
(2)コモン・トーンズ・イン・シンプル・タイム(1979)
(3)室内交響曲の息子(2007)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケスト
ラ・プロジェクト

録音:(1)(3)2014年8月15日、(2)2015年5月10日
ポスト・ミニマルの代表的作曲家ジョン・アダムスの新旧作品を収録。室内交響曲はシェーン ベルクの同名の作品の第1番をアニメ映画のサントラ風に翻案したらどうなるか、という発想で 書かれた曲。複雑なポリフォニー(無調、多調、調性が折衷されている)で書かれながらポップ でコミカルな楽想が楽しい。コモン・トーンズ・イン・シンプル・タイム(単純な時間のなかの共通 音)は作曲者前期の作品でより純粋なミニマリズムで書かれており、輝かしい管弦楽法による協 和音の持続が心地よい。「室内交響曲の息子」は前出「室内交響曲」の続編。ポップでコミカ ル、ジャンキーなサウンドに溢れているのは前作と同じだが、リズム、ハーモニー、対位法はよ り複雑化しています。作曲者の鮮やかな管弦楽法と機知が楽しい秀作。
BMOP-1079(1SACD)
バーバー:作品集
(1)「ノックスヴィル:1915年の夏」
(1947)
(2)バレエ「メデア」(1947)
(3)「ブリッジ遊び」(1959)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)クリステン・ワトソン(S)
(3)アンジェラ・グーチ(S)、クリスタ・リヴァー(MS)
マシュー・ディバッティスタ(T)
デイヴィッド・クラヴィッツ(Br)

録音:(1)2009年8月29日、(2)2015年7月16日、(3)2017年7月19日
バーバーの代表作で英語の詩による名歌曲「ノックスヴィル:1915 年の夏」とバレエ音楽「メ デア」の全曲版を収録。1959 年に書かれた「ブリッジ遊び」はバーバーの盟友カルロ・メノッテ ィの台本によるショート・オペラでトランプ・ゲームをめぐる男女の駆け引き描いたお洒落な作 品。いずれもバーバーの音楽の抒情性がよく出ている内容。20 世紀アメリカのロマン主義作曲 家バーバー面目躍如の作品集。
BMOP-1080(1SACD)
ウォルター・ピストン(1894-1976):作品集
(1)エドワード・バーリンガム・ヒルの主題による変奏曲(1963)*
(2)9楽器のためのディヴェルティメント(1946)
(3)クラリネット協奏曲(1967)
(4)管弦楽のための協奏曲(1933)*
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・ プロジェクト

録音:(1)2015年6月30日、(2)2014年8月11日、(3)(4)2019年3月6日
*=世界初録音
ピストンは20世紀前半から戦後にかけてのアメリカを代表するアカデミックな作曲家。名教 師としてバーンスタインからエリオット・カーター、ジョン・ハービソン、ルロイ・アンダーソンまで 数多くの弟子を育てた。このディスクは世界初録音を含む貴重な作品集。エドワード・バーリン ガム・ヒルの主題による変奏曲はピストンの師匠の主題を使ったものでショスタコーヴィチを思 わせる。管弦楽のための協奏曲はバルトークの同名作品に及ばないながら、それよりも作曲が 10年早いこと(コダーイの同名作品と比べても6 年早い)、バロック様式を換骨奪胎したような新 古典主義的な作品であること、音の扱い方にバルトーク的な要素があることを鑑みると、なかな か興味深い作品です。
BMOP-1081(2SACD)
アーノルド・ロズナー(1945-2013):作品集
歌劇「9日間の記録:王女ジェーンの悲劇」Op.81(1984)
台本:フローレンス・スティーヴンソン
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
オデッセイ・オペラ
メーガン・パチェカーノ(S)、
ジェームズ・デムラー(Br)
デイヴィッド・ソールズベリー・フライ(B)
クリスタ・リヴァー(MS)、
エリック・キャリー(T)ほか

録音:2020年2月3-4日マサチューセッツ
*世界初録音:
アーノルド・ロズナーはニューヨーク出身でこれまでに8 つの交響曲、6つの弦楽四重奏曲、 多数の管弦楽曲、協奏曲、歌曲、室内楽を作曲している多作家。このオペラは実在の悲劇の 女王ジェーン・グレイ(ca1537-1554)を主人公としたもの。ジェーンは 10代で王位に就いたが 貴族王族間の権力争いに巻き込まれ、王位にいたのはたった9 日間。彼女の味方だった貴族 たちは次々と処刑され最後は彼女も処刑されてしまった。オペラはその9 日間の様子を描いて います。フローレンス・スティーヴンソンの同名の小説を原作にし、音楽はヴォーン・ウィリムスを思 わせる近代イギリス音楽風のスタイルで書かれています。
BMOP-1083(1SACD)
ジョン・ハービソン(b.1938):管弦楽曲集
(1)ディオティマ(1976)
(2)ミロシュ歌曲集〜ソプラノと管弦楽のため
の(2006)
(3)交響曲第6番(2011)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(2)(3)ドーン・アップショウ (S)

録音:2017年10月29日、2019年4月7日ボストン ジョーダン・ホール
ジョン・ハービソンはアメリカ東海岸を代表する作曲家の一人。多作家で3 つのオペラ、6つ の交響曲、12の協奏曲ほかこれまでに約 300曲を作曲しています。ハーバードとプリンストン大 学でロジャー・セッションズとウォルター・ピストンに学び、作品はピューリッツァー賞を受賞して います。こうした経歴からも想像される通り、彼の作風は12 音技法、無調の様式を踏襲しながら、 ヨーロッパの伝統的な様式にしたがった堅実な新古典主義といえるでしょう。いずれも重厚な形 式、管弦楽の機能を活かした聴きごたえのあるものだが、特にドーン・アップショウが参加した 「ミロシュ歌曲集」が聴きもの。彼女の伸びやかな美しい歌声は今も健在です。第6 交響曲の 第1楽章にもアップショウが登場します。
BMOP-1084(2SACD)
マシュー・オーコイン(b.1990):作品集
(1)「トニーのためのエクソドス」(2015/21)〜テノールと管弦楽のための
(2)ピアノ協奏曲(2016)
(3)オルフィック・モーメント(2014) 〜カウンター・テナーと管弦楽のための
(4)イッツ・オウン・アコード(2016)
(5)デュアル(2015)
(6)この地球(2015)
(7)ギャラップ(2021)
(1)-(3)ギル・ローズ(指)ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)ポール・アップルビー(T)
(2)コナー・ハニック(P)
(3)(6)(7)アンソニー・ロス・コンスタンツォ(CT)
(3)(4)キール・ゴグウィルト(Vn)
(4)(6)(7)マシュー・オーコイン((4)(6)Pf、(7)指揮)
(5)(7)コールマン・イッツコフ(Vc)
(5)ダグ・バリエット(CB)
(7)ダヴォーヌ・ティネス(Bs-Br)
(7)エミ・ファーガソン(Fl)
(7)ジョニー・アレン(Perc)
(7)コナー・ハニック(P)
(7)ミランダ・カクソン(Vn)

録音:2017年10月31日ボストン、ジョーダン・ホール、2021年6月17-18日ウォーセスター、メカニクス・ホール
マシュー・オーコインはハーヴァード・カレッジを学び、指揮者としてもその手腕を発揮してい るアメリカの若手作曲家。作曲家としてはフィラデルフィア管やチューリヒ・トーンハレ管などか ら作品を委嘱されています。彼の作風は無調を基本としながら、調性、ロマンティックな旋律など を折衷した新ロマン主義ともいえるものでヨーヨー・マなどからもその作品は支持されています。 保守的な作風ながらツボを押さえた聴きごたえのある作品が揃ったアルバム。
BMOP-1085(1SACD)
ゲイル・キュービック(1914-1984):作品集
(1)ディヴェルティメント第1番(1959)
(2)映画「ジェラルド・マクボイン・ボイン」(1950)
(3)ディヴェルティメント第2番(1958)
(4)シンフォニー・コンチェルタンテ(1951-1953)〜トランペット、ヴィオラ、ピアノと管弦楽のための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(2)フランク・ケリー(語り)
(2)ロバート・シュワルツ(Perc)
(4)ヴィヴィアン・チョイ(P)
(4)テリー・エヴァーソン(Trp)
(4)ジン・ペン(Va)
ゲイル・キュービックはイーストマン音楽院、ハーバード大学でウォルター・ピストン、ナディ ア・ブーランジェに学び、生前は映画音楽の作曲で生計を立てながらシリアスな作曲を行って いた。世代的にはコープランド、バーンスタインの間に位置し、彼らと師匠をも同じくしているこ とからコープランド、バーンスタインを思わせる 20世紀アメリカ音楽のよき伝統つまり堅実な様 式感とアメリカ的なポップの要素(スウィング・ジャズの影響あり)を持っています。それが一番よく 表れた作品が2つのディヴェルティメントです。そんな一方、トランペット、ヴィオラ、ピアノと管 弦楽のためのシンフォニー・コンチェルタンテではシリアスな一面を見せています。コープランド、 バーンスタインの音楽が彼ら独自の個性ではなく、ある時代を象徴する共通のスタイルだった ことがわかる興味深い一枚(コープランド、バーンスタインの作品と言われたら信じてしまう)。
BMOP-1086(1SACD)
ロジャー・レイノルズ(b.1934):ヴァイオリン作品集
(1)ペルソナ(1989-90)〜ヴァイオリンと管弦楽のための
(2)ココロ(1991-92) 〜無伴奏ヴァイオリンのための
(3)アスピレーション(願望)(2004-05) 〜ヴァイオリンと管弦楽のための
ガブリエラ・ディアズ(Vn)
(1)(3)ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2013年6月1日、2015年11月9日、2018年6月4日
ロジャー・レイノルズはアメリカにあって、最もヨーロッパの前衛楽派に近い作風を取る作曲 家。ヴィデオ・アートなどミクスト・メディアの作品もあり、武満徹が主宰した Music Today 音楽 祭、サントリー国際作曲委嘱シリーズのために来日したこともある。松平頼暁とも親交があり、 日本との関りが深い。ここに収められたヴァイオリンのための作品は静かなモノローグと管弦楽 の煌びやかな響きが交錯する美しい音楽で前衛音楽ながら日本の静謐の美学に通じるもの がある。一聴に値する一枚。
BMOP-1087(1SACD)
ジョン・コリリアーノ(b.1938):作品集
(1)「音楽へ」(1995)
(2)トゥルバドゥール(吟遊詩人) (1993) 〜ギターと室内オーケストラのための変奏曲
(3)交響曲第2番(2000)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(2)エリオット・フィスク(G)

録音:2019年2月24-25日、2021年9月10日
コリリアーノはアメリカ東海岸を代表する作曲家の一人。メトロポリタン歌劇場のために作曲し た「ヴェルサイユの幽霊」は有名。ここに収録された弦楽合奏のための交響曲第 2番はピューリッツァー賞を受賞しています。彼の作風は現代音楽の諸技法を折衷したながらロマン的な情感 を失わないもので広く聴衆から支持されています。
BMOP-1089(1SACD)
カルロス・スリナッチ(1915-1997):神の曲芸(1960)
フクロウと猫(1978)
荒れ果てた庭(1957)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2018年11月28日ボストン、フレイザー・ホール
2021年9月7日ウォーセスター、メカニクス・ホール
カルロス・スリナッチはスペイン、バルセロナ出身の作曲家。バルセロナ、デュッセルドルフで 学んだ後、アメリカに移住、モダン・ダンスのパイオニア、マーサ・グラハム(1894-1991)と組ん で多くのバレエ音楽を手掛けた。このアルバムはそうした作品のひとつ。明快な形式と快活なリ ズムに溢れた音楽からバレエの情景が目に浮かんでくる。作曲者がバルセロナ出身とあって、 スペイン的な要素が強く、ファリャあるいはコープランドの「エル・サロン・メヒコ」を思わせる部分 もある楽しい一枚。
BMOP-1090(1SACD)
アヴナー・ドーマン(b.1975):管弦楽曲集
シクロン(2015) /占星術(2011)
「ウリア:王が死を望んだ男」(2009)
3つの間奏曲「アフター・ブラームス」(2015)
エレフ交響曲(2000)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト

録音:2019年11月24日ボストン、ジョーダン・ホール、2021年11月9日、11月30日ウォーセスター、メカニクス・ホール
アヴナー・ドーマンはズービン・メータ、クリストフ・エッシェンバッハ、リッカルド・シャイーらか ら支持され、作品がさかんに演奏されている中堅作曲家。しっかりとした構成と手堅い管弦楽 法でオーケストラの機能を存分に活かした効果満点の作品です。新ロマン主義、新古典主 義的な作風で誰にでも親しめる内容。
BMOP-1092(1SACD)
アンソニー・ポール・デ・リティス(b.1968):作品集
(1)「中国ポップ(Zhongguo Pop)」(2021) 〜中国伝統楽器四重奏と弦楽のための
(2)琵琶協奏曲「ピン・ポン(卓球)」(2006)
(3)打楽器協奏曲「牛飼いと織姫の伝説」(2018)
(4)「梅の花」(2000)〜ピパ(中国琵琶)のための
(5)嫦娥と不老不死の薬(2022)〜中国伝統楽器アンサンブルのための
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)(2)(4)ミン・シャオフェン(琵琶[ピパ])
(1)(5)ヤジ・グオ(笛子[ディズー])
(1)ヘ・タオ(二胡[アルフー])
(1)シンイー・ヤン(古箏[グーチェン])
(3)ベイベイ・ワン(Perc)
(5)イーミン・ミャオ(笛子[ディズー])
ツジュイ・キャリー・チン(笙[シェン])
チェン・ジン・コー(揚琴[ヤンキン])
ジョウ・イー(琵琶[ピパ])
グオ・ジャオシュン(中阮[チョンルアン])
ウェイ・スン(古箏[グーチェン])

録音:2021年9月8日、2019年9月11日、2018年4月22日、2017年2月11日、2022年3月16日
アンソニー・ポール・リティスは中国系ではなく白系アメリカ人であるが、中国音楽に深い 造詣と愛を持っており、このアルバムは中国伝統楽器とオーケストラを共演させた作品が収 録されています。中国伝統音楽と西洋音楽のコラボレーションといえば中国人作曲家タン・ドゥ ン(最近あまり名前を聞かなくなってしまった)が有名だが、そのアプローチの仕方は真逆で ある。タン・ドゥンが中国伝統音楽をかなり攻撃的に西洋音楽に攻め入る形で作曲するのに 対し、リティスはアメリカ人が憧れるミステリアス・チャイナのイメージを大切にした抒情的なオ リエンタリズムの音楽に仕上げています。なんとなく坂本龍一みたいなところもあり、聴きどころ 満載。
BMOP-1093
ジョーン・タワー(b.1938):管弦楽作品集
@ピアノ協奏曲「ベートーヴェンへのオマージュ」(1986)
A「ライジング」(2010)〜フルートと管弦楽のための
B「赤いカエデ」(2013)〜ファゴットと弦楽のための
Cフルート協奏曲(1989)
ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
@マルク=アンドレ・アムラン(Pf)
ACキャロル・ウィンセンク(Fl)
Bエイドリアン・モアジョン(Fg)

録音:@2021年9月10日、A2018年2月7日マサチューセッツ州
ジョーン・タワーはアメリカの作曲家、ピアニスト、教育者として活動しており、エマーソン弦 楽四重奏団、東京弦楽四重奏団、マリンバ奏者エヴリン・グレニーなど著名な団体、演奏家 から作品の委嘱を受けている。このアルバムは20 世紀後半から21 世紀初頭までの協奏的 作品が収められている。「ベートーヴェンへのオマージュ」と題されたピアノ協奏曲は新古典 主義、ミニマル・ミュージックの要素が折衷された佳作でヴィルトゥオーゾ、マルク=アンドレ・ アムランのピアノの妙技が聴きもの。フルート協奏曲は呪文のようなフルートのメリスマティッ クな旋律が美しい秀作。
BMOP-1095(1SACD)
サミュエル・ジョーンズ(b.1935):協奏曲集
(1)フルート協奏曲(2018)
(2)ヴァイオリン協奏曲(2014)
(3)トロンボーン協奏曲「ヴィタ・アカデミカ」(2009)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)ジェフリー・ケーナー(Fl)
(2)マイケル・リュドヴィッグ(Vn)
(3)ジョセフ・アレッシ(Trb)

録音:(1)2021年11月29日、(2)(3)2020年1月12日
サミュエル・ジョーンズはイーストマン音楽院でハワード・ハンソン(交響曲第 1番「ノルディ ックと第2番「ロマンティック」で有名)に作曲を、指揮をウィリアム・スタインバーグに学んだ。 シアトルSOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めたこともある。彼の作風は師匠ハ ワード・ハンソンの系譜に連なる新古典主義もしくは新ロマン主義的なもので堅固な様式の 上にロマンティックな旋律や劇的な展開が行われるもの。管弦楽の機能を存分にいかした 3つの協奏曲は聴きごたえ充分の秀作ぞろい。 ソリストも豪華でフィラデルフィア首席のフルート奏者ジェフリー・ケーナー、ソリストとして NAXOS にレコーディングが多数あるマイケル・リュドヴィッグ、ニューヨーク・フィル首席で名 人として知られるジョセフ・アレッシが参加!
BMOP-1096(1SACD)
ナンシー・ガルブレイス(b.1951):協奏曲集
(1)フルート協奏曲(2019)
(2)ヴァイオリン協奏曲第1番(2016)
(3)打楽器協奏曲「万物は流れる」(2019)
ギル・ローズ(指)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
(1)リンゼイ・グッドマン(Fl)
(2)アリッサ・ワン(Vn)
(3)アビー・ラングホースト(Perc)

録音:(1)2021年6月16日、(2)2021年11月29日、(3)2022年8月25日
ナンシー・ガルブレイスはペンシルヴェニア出身の作曲家。オハイオ大学、カーネギーメ ロン大学で作曲を学び、現在はカーネギーメロン大学の教授の地位にある。彼女の作風は 基本的に調性で書かれ、新ロマン主義的な様式とミニマリズムを折衷したダイナミックなもの です。ここには3つの楽器のための協奏曲が収められているがいずれも楽器の特性を活 かした聴きごたえのある作品。


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