湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


交響曲・新譜速報1



※発売済のアイテムも含めて、約3ヶ月間掲載しています。
※新しい情報ほど上の段に記載しています。
※表示価格は全て税込みです。





SWR music
SWR-19151CD(1CD)

NYCX-10505(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
インバル〜若き日のシューマン&シベリウス
シューマン:交響曲第4番ニ短調 Op.120(改訂版)
シベリウス:交響曲第1番ホ短調 Op.39*
エリアフ・インバル(指)
南西ドイツRSO
シュトゥットガルトRSO*

録音:1971年4月21日(ライヴ)ハンス・ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン
2012年7月12、13日(ライヴ) リーダーハレ、ベートーヴェンザール、シュトゥットガルト*
シベリウスはブルックナーの交響曲を研究していたと伝えられており、またマーラーとは直接会って交響曲とはいかにあるべきかと論じたエピソードも有 名です。ブルックナーとマーラーの解釈で当代随一の名声を誇るインバルがシベリウスの交響曲に関心を示さなかったとは思えず、これまで録音が世 に出ていないのが不思議でしたが、ここに収められた第1番の演奏はその渇を癒すもの。2012年の比較的新しいライヴという点も魅力です。演奏は インバルらしく、スコアの緻密な読みに裏付けられた精緻かつダイナミックなもの。オーケストラは厚みをもって響きつつ、ソロは俊敏な反応を聴かせ、 両端楽章の起伏の大きさとドラマティックな高揚が見事。一瞬の間をおいて沸き起こる拍手が聴衆の感銘の大きさを伝えます。シューマンの第4番 はニュー・フィルハーモニア管(NPO)との録音(1970年)直後のもので、解釈も同様。オーケストラのサウンドはNPOに比べると重めで、より「ドイツ 的」と言えそうです。クローズアップ気味に録音されたティンパニが心臓の鼓動を思わせ、時に不気味に響きます。
※ 国内仕様盤には金子建志氏による日本語解説が付属いたします。

Spectrum Sound
CDSMAC-029(1CD)
ベーム&ケンペのブラームス
(1)ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
(2)ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 Op.90
(1)カール・ベーム(指)BPO
German DGG SLPM138113Alle Hersteller Big Tulip GY5STEREO ED1LP Record restoration (STEREO)
(2)ルドルフ・ケンペ(指)BPO
German EMI Electrola STE80582STEREO Sample Record restoration (STEREO)
スペクトラム・サウンド・レーベルが保有する貴重なレコード・コレクションから見事なリマスタリングを続けているアナログ・コレクター・シリーズ。当アルバム はBPOのブラームス・アルバム!ベーム指揮の第1番とケンペ指揮の第3番を収録しております。当レーベルが誇る技術でCD化 された音をお楽しみください。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

LPO
LPO-0129(1CD)
マイケル・ティペット(1905-98):ピアノ協奏曲
交響曲第2番*
エドワード・ガードナー(指)
スティーヴン・オズボーン(P)

録音:2023年1月25日、2024年4月10日* いずれもロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ)
2021年よりLPOの首席指揮者を務めるガードナー、LPOレーベルより第3弾の登場。第1弾『ティペット:真夏の結婚』(LPO-0124)は2023年グラモフォ ンのベスト・オペラを受賞。『ベルリオーズのファウストの劫罰(LPO-0128)』に続く第3弾となります。
20世紀イギリスを代表する作曲家、マイケル・ティペットの、演奏・録音機会ともまだ少ないピアノ協奏曲と、交響曲第2番という組み合わせ。ピアノ協奏曲で はスコットランド出身のオズボーンがソロを務めております。オズボーンはとりわけ近・現代ものにも定評があるだけに、注目です。
ティペットはピアノ協奏曲を1953-55年にかけて書き上げました。ギーゼキングがベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番をリハーサルしているのを聴いて着想 したそうで、この作品の構成や、特に第2楽章など、ベートーヴェンを意識した部分も見られる作品です。当時「現代音楽」は時代の不安などを反映させるべき、と いう共通認識がありましたが、ティペットは、本質的な美しいものや、生命の神秘、そして生きることの喜びを表現したいと考え、この作品も、どこか別の世界に連 れて行ってくれるような圧倒的なスケールが特徴です。チェレスタも活躍する楽曲で、その音色は呪文、呪術、超自然的なものを連想させます。オズボーンは、ティ ペット作品のチャンピオンと評されている存在ですが、技術的に難しい作品を、完璧な技巧で、しかもオーケストラとの複雑なインタープレイもこなし、大規模なオー ケストラのポリフォニーの大波に棘のように鋭いアクセントをもたらしています。
交響曲第2番は、ヴィヴァルディを聴いているときに着想した作品ということですが、マイルス・デイヴィス風な弦楽器のハーモニーがあったり、伊福部調のオス ティナートがあったりと、全体的 (Ki)

Urania Records
LDV-14122(1CD)
マーラー:交響曲第1番「巨人」 ヴラディーミル・デルマン(指)、
ミラノRAISO

録音:1991年(ミラノ、ステレオ録音、DDD)
ソビエト連邦出身で、イタリアに帰化した指揮者、ヴラディーミル・デルマンが晩年に残したマーラーの交響曲第1番「巨人」(ライヴ録音)が、イタリアのインディペンデント・レーベル「ウラニア・レコーズ(Urania Records)」から登場。
デルマンはイタリアに帰化後、国内外の主要なオペラ劇場(ミラノ、ナポリ、ローマ、パレルモ)や主要なSOの指揮者として活躍。1985年から1987年まで、パルマで開催された「アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクール」の審査委員長を務め、同時に、コンクールに組み込まれたオーケストラ指揮者のための上級トレーニング・コースのディレクターも務めました。また、1993年にミラノSOを設立したことでも知られています。
前回好評を得たマーラーの第9番(LDV-14116)に続き、本アルバムでは1991年録音の第1番「巨人」を収録。第9番と同じくヴラディーミル・デルマン晩年の演奏です。マーラー最初の交響曲にして最も演奏機会の多い作品のひとつである交響曲第1番「巨人」をデルマンが最後の首席指揮者として率いた手兵、ミラノRAISOと共に演奏します。


Capriccio
C-7435(12CD)
ショスタコーヴィチ:交響曲全集(全15曲) マリーナ・シャグチ(S)
アルチュン・コチニャン(Bs)
プラハ・フィルハーモニーcho
ケルン・ギュルツェニヒO
ドミートリー・キタエンコ(指)

録音:2002-2004年
キタエンコとギュルツェニヒ管の交響曲全集がショスタコーヴィチ没後50年を記念して復活。 1940年にレニングラードで生まれたキタエンコは、同地とモスクワの音楽院で学び、さらにウィーン音楽アカデミーでハンス・スワロフスキーに師事しました。 1969年、カラヤン・コンクールで第2位を受賞して注目され、1976年から90年までキリル・コンドラシンの後を継いでモスクワPOの 芸術監督・首席指揮者を務め、その後はエリアフ・インバルの後任として1990年から97年までフランクフルトRSOの首席指揮者を務めるなど、 西欧で活躍しています。ケルン・ギュルツェニヒOには1987年に初登場。30年以上も共演を続け、2009年には名誉指揮者の称号を贈られまし た(ギュンター・ヴァントに次いで同楽団史上2人目)。このショスタコーヴィチの交響曲全集はECHO KLASSIK(2005年)、MIDEM Classical Award(2006年)など国際的に高い評価を得たもの。この成功により、同コンビはプロコフィエフ、ラフマニノフ、チャイコフスキーの交響曲全集を次々と録音 してゆきました。キタエンコの解釈は情緒的要素を前面に押し出して煽ったりするのではなく、適切なテンポ設定によって複雑なテクスチュアを丹念に音にし てゆく純音楽的なアプローチを楽しめるもの。とりわけ「ウルトラ対位法」とも呼ばれる無調の27声部のフガートが作品に組み込まれた第2番などの、重厚か つシンフォニックな音の扱いはキタエンコならではです。

オクタヴィア
OVCL-00860(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価
3850★★2024年12月18日発売
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 川瀬賢太郎(指)名古屋PO
迫田美帆(S)、福原寿美枝(Ms)、清水徹太郎(T)、宮本益光(Br)、愛知県合唱連盟

録音:2023年12月16-17日日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール) ライヴ
名古屋フィルと第6代音楽監督・川瀬賢太郎に よる、2023年12月の第九ライヴのCD化です。 勢いあふれる情熱的なタクトが、快活なリズム とフレッシュなサウンドを生み、一瞬たりとも 飽きさせぬ熱気の充満。愛知県合唱連盟の200 名近いコーラスによる「歓喜の歌」も鮮やかな サウンドで捕えられています。(オクタヴィア)

Capriccio
C-5489(1CD)
カール・ヴァイグル(1881-1949):交響曲第3番変ロ長調(1931)
悲劇への交響的前奏曲(1933)
ラインラント=プファルツ州立PO
ユルゲン・ブルーンス(指)

録音:2021年11月2-5日
※全て世界初録音
カール・ヴァイグルはウィーン後期ロマン派の作曲家。ツェムリンスキーから作曲の手ほどきを受け、ウィーン大 学でウェーベルンやシェーンベルクと交流を持ちました。1903年には「創造的音楽家協会」を設立し、その 会員として、当時の最先端の音楽の初演に携わりましたが、1938年にナチスがオーストリアを併合すると、 アメリカ合衆国に亡命。ヴァイグルは亡くなるまで作曲活動を続けましたが、生涯にわたり調性に基づく後期 ロマン派のスタイルを貫き、進歩的な潮流には従うことがありませんでした。このアルバムに収められた2つの作 品は1930年代初頭に作曲されたもので、荘厳なクライマックスで、彼の巧みな管弦楽法と美しい旋律を味 わうことができます。どちらの作品も世界初録音です。

MSR
MS-1816(1CD)
バーバラ・ハーバック作品集VOL.18〜ハーバック(b.1946):管弦楽曲集Vol.8
交響曲第12番「時は飛ぶ」(2002)
交響曲第14番「開拓者の女性達」(2002)
デイヴィッド・アンガス(指)LPO

録音:2024年1月15-16日 ヘンリーウッドホール(ロンドン
バーバラ・ハーバックはペンシルベニア州出身の作曲家、チェンバリスト、オルガニスト。ミズーリ 州を拠点に活躍しています。交響曲、オペラ、室内楽、合唱曲、メディア等の映像音楽とジャンルは 幅広い。調整的で明快な書法は現代音楽と言うよりも、ロマン派・新古典派に近い。初期のドビュッ シーを思わせる色彩感が印象的な作風です。 指揮の、デイヴィッド・アンガスはイギリス出身。少年時代は、ウィルコックス指揮が率いるキングスカ レッジ聖歌隊に在籍していた。ボストン・リリックオペラの音楽監督を務めています。 収録作品は全て標題を持った交響曲です。No. 12は、作曲家の幼少期の記憶の中の風景が描 かれています。各楽章独自のモチーフを展開させていく柔和な表情が印象的です。No. 13は、奴 隷制度の廃止運動を起こしたクラフト夫妻の脱出劇を描いた作品。夫妻の道程を時系列に沿って 作曲されています。第二楽章では有名なクリスマスの聖歌「神の御子は今宵しも」が使用されている が、クリスマスの華やぎはなく困難な旅路を想像させる。No. 14は、アラスカの荒野開拓に身を投 じた4人の女性を描いています。所有していた4人の肖像画や、当時の日記・手紙・書籍・雑誌を年代 順に整理して楽章を形成しています。第一楽章は「キャサリン・ヴァン・カーラー」、第二楽章は「コー デリア・ノーベル」、第三楽章は「マーガレット・ムーリー」、第四楽章は「ガートルード・ファーガス・ ベイカー」という構成になっています。

SOMM
ARIADNE-5034(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番、第9番、詩篇第150篇

■CD1
1-4. 交響曲第8番ハ短調 WAB108(ノーヴァク版)・・・初CD化
■CD2
1. 詩篇第150篇 WAB38
2-4. 交響曲第9番ニ短調 WAB109(ノーヴァク版)・・・初CD化
■CD1
バイエルンRSO
オイゲン・ヨッフム(指)
■CD2
1.ヒルデ・チェスカ(S)
ウィーン室内cho
ウィーンSO
ヘンリー・スヴォボダ(指)
2-4.ウィーンSO
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指)

録音:全てモノラル
1957年11月21日(ライヴ) ミュンヘン、ヘルクレスザール(バイエルン放送のエア・チェック)...CD1
1950年10月、11月(セッション) ウィーン(Westminster LP, XWIN17075の復刻)...CD2:1
1966年5月22日(ライヴ) ウィーン、楽友協会大ホール(ORF収録、南ドイツ放送のエア・チェック)...CD2:2-4
アメリカ・ブルックナー協会の放送音源(エアチェック)から、選りすぐりの初出音源で交響曲全集をCD化するブルックナー・フロム・アーカイヴが遂に完結。交響曲2曲は 初出音源で、ヨッフムと手兵バイエルン放送響の第8番はこれまで録音が無かっただけに特に貴重です。 このプロジェクトは、放送業界でも活躍したアメリカ・ブルックナー協会の事務局長ジョン・F・バーキーの膨大なエアチェック・テープを中心に、選りすぐりの音源で交響曲 全集をCD化するもの。同協会の総裁でブルックナー研究者のベンジャミン・コーストヴェットが監修と解説執筆を担当し、作品の作曲年順にCD化してきました。最終 巻は1887年から亡くなる1896年の間に作曲された3曲を収録。 第8番の指揮はオイゲン・ヨッフム。言うまでもなく20世紀のブルックナー演奏を語る上で欠かせない存在で、1949年にヘッセンRSO(のちのフランクフルト放 送SO)を指揮して交響曲第8番の最初のレコード録音を行っています。その演奏に比べると、当盤では使用楽譜がハース版からノーヴァク版に変わったほか、前 半2楽章ではきびきびとした印象が強まり、後半2楽章は流動性が増したように感じられます。演奏時間はヘッセン盤の79分弱に対して75分半。テンポの加減速とダ イナミックスの増減を一体化したドラマティックな解釈はフルトヴェングラーらに通じるもので、聴いていてわくわくさせる点はヨッフムならでは。1949年にバイエルン放送交 響楽団が創設されてから1960年まで首席指揮者を務めたヨッフムですが、DGに録音したブルックナーの交響曲全集では1,4,7,8,9番がベルリン・フィルに割り振ら れ、ライヴも含めてバイエルンとの第8番がありませんでした。ヨッフム・ファンには朗報と言えるでしょう。 交響曲第9番は、1903年にフェルディナント・レーヴェ指揮ウィーン演奏協会O(後のウィーンSO)によってウィーンの楽友協会大ホールで初演されまし た。ここに収録されたのは、同じオーケストラによる同じ会場での演奏という意義がありますが、指揮者にも注目。交響曲全集こそ遺しませんでしたが、緻密な解釈と 堅固な造形にドラマティックなセンスを兼ね備えたサヴァリッシュは、日本でもNHKSOやウィーンSOを指揮して見事なブルックナー演奏を披露しました。サ ヴァリッシュは同曲をバイエルン国立Oと1984年に録音していますが、それに比べて当盤は両端楽章の演奏時間が長く、重量感がある一方、スケルツォは逆 に演奏時間が短く、より激しい印象を与えます。緩急の差の広い、こちらもドラマティックな演奏。尚、第1楽章に少し演奏ミスがあります。 詩篇第150篇の指揮はスヴォボダ。ブルックナーの録音はごくわずかしかありませんが、ウェストミンスターに録音した第6番が高く評価されており、この詩篇はそのカップリ ングで発売されたものです。

Chandos
CHAN-20284(1CD)
ルース・ギップス(1921-1999):管弦楽作品集 第3集
戴冠行進曲 Op.41(1953)*
アンバルワリア Op.70(1988)*
ホルン協奏曲 Op.58(1968)#
グリングルマイア・ガーデン Op.39(1962)
交響曲第1番ヘ短調 Op.22(1942)*
マーティン・オーウェン(Hrn)#
BBCフィルハーモニック
ユーリ・トルチンスキー(リーダー)
ラモン・ガンバ(指)

録音:2022年1月7日、2023年9月14,15日
*…世界初録音
ヴォーン・ウィリアムズやゴードン・ジェイコブに師事したイギリスの女性作曲家、ルース・ギップスの管弦楽作品集第3集。アルバムは、「戴冠式行進曲」で幕 を開けます。1953年6月2日に行われたエリザベス女王の戴冠式の一連の様子が描かれ、最後はウェストミンスター寺院に馬車が到着、最高潮の興奮 が訪れます。「アンバルワリア」は彼女の作曲家仲間のエイドリアン・クラフトを追悼して書かれました。ホルン協奏曲はギップスの息子ランス・ベイカーのための 作品。ここではBBC響の首席ホルン奏者マーティン・オーウェンが見事な演奏を披露しています。弦楽オーケストラの「グリングルマイア・ガーデン」は 湖水地方からインスパイアされた牧歌的な小品です。1942年9月に完成した交響曲第1番は、戦争の恐怖が描かれており、とりわけ木管楽器の見事な 書法が際立ちます。

CPO
CPO-555482(1CD)
パウル・ビュットナー(1870-1943):作品集
英雄的序曲 ハ長調
前奏曲、フーガとエピローグ 「幻影」
交響曲第2番ト長調
フランクフルト・ブランデンブルク州立O
イェルク=ペーター・ヴァイグレ(指)

録音:2022年1月11-13日、2022年5月17日…1
フェリックス・ドレーゼケの元で作曲の指導を受けたパウル・ビュットナー。ドレスデン音楽院で合唱を教え(後に校長 に就任)、ドレスデン国民新聞の評論家として活動。作曲家としては、4つの交響曲を含む比較的コンパクトな作 品を残し、後期ロマン派のドイツ音楽の潮流の中でも生涯絶対音楽の伝統を貫きました。同時代のシュトラウス やマーラーの影響も見られるものの、物語性を極力排除した構造はベートーヴェンやブルックナーに共通する面を 持っています。ドイツ以外の音楽の影響は少なく、わずかにスラブ的なリズムや情感が聴かれる一方、フランスやイ ギリスの要素はほとんどありまん。「英雄的序曲」は1925年の作品。1927年にドレスデン音楽祭でパウル・ファ ン・ケンペンの指揮により初演されました。劇的な構成で書かれ、最後はストレッタでたたみかけるようにして壮麗な 結末を迎えます。前奏曲、フーガとエピローグ 「幻影」は1922年の作品。当初「交響幻想曲、戦争」と名付けら れ、戦争による個人と集団のトラウマを音楽で表現するという試みが窺えます。1923年にフリッツ・ブッシュの指揮 でドレスデンで初演され、1932年にベルリンでも演奏されました。交響曲第2番は1902年作曲。初演までに時 間がかかり、1916年2月11日にようやくドレスデンでヘルマン・クッチュバッハの指揮により演奏されました。優れた 対位法が際立ち、特に最終楽章は、ハイドンを思わせるきらめくリズムによる明快な旋律を特徴としています。
CPO
CPO-555492(1CD)
イグナツ・プレイエル(1757-1831):作品集
交響曲第18番変ホ長調 B139
ヴィオラ協奏曲 ニ長調 B105
交響曲第21番ニ長調 B124
ジョーダン・バク(Va)
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年4月4-5日
ハイドンから教えを受けたイグナツ・プレイエル(プライエルとも)は、先人たちの古典的なスタイルを遵守して おり、優雅で洗練された旋律を持つ数多くの作品を書き上げ、師ハイドンの正当な後継者とみなされていました。 また楽譜出版者、楽器製作者としても活躍したことでも知られています。このアルバムには3つの作品を収録。交 響曲第18番は、1789年に3つの出版社から出版され、フランス、北イタリア、南ドイツ、アメリカまで流通した人 気作。1790年の批評では、1770年代のハイドン作品からの影響が指摘されていますが、管楽器編成はハイド ンの後期作品とも異なる独自のものです。ヴィオラ協奏曲は1790年にチェロと管弦楽版が同時に出版され、以 降、何度も再版されるほどの人気を博しました。独奏パートは決して高度な技巧を必要とするものではなく、全曲 を通じ明るい雰囲気を持っています。交響曲第21番は、1782年から1784年に作曲され、1790年に出版され た作品。彼の交響曲の中でも自由な構成がとられ、とりわけ第2楽章の美しい旋律が印象的です。


BR KLASSIK
BR-900228(1CD)
バーンスタイン〜アムネスティ・ライヴ
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」 第3番 Op.72a
交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」
バイエルンRSO
レナード・バーンスタイン(指)

録音:1976年10月17日 ミュンヘン、
ドイツ博物館コングレスザール(ステレオ・ライヴ)
レナード・バーンスタインがバイエルンRSOを初めて指揮したのは、1976年10月に行われた国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルのため のチャリティ・コンサートでした。プログラムはオール・ベートーヴェンで、特に交響曲第5番はバーンスタインの同曲録音の中でもベストに推すファンもいる名演 奏。オーケストラがバーンスタインの指揮の元、堂々たる歩みを進めつつ高揚してゆく様が実に印象的です。著名な音楽評論家ヨアヒム・カイザーはこの演奏 を評して「自由と炎に満ちたベートーヴェン、バーンスタインはそのベートーヴェンに満たされ、その自由と炎をよみがえらせて見せた。ミュンヘンの聴衆の目に は、飛び跳ねたり、しゃがんだり、クレッシェンドをかけるバーンスタインは乱暴に映ったろうが、自然でパワフルで驚きに満ち、それでいて寛いだ音楽は、作品の 内面を正しく伝えており、圧倒的だった」と記しています。 過去にはドイツ・グラモフォンからCDされたことがありますが、今回バイエルンRSOの創設75周年を記念してオリジナルマスターからCD化されまし た。尚、このコンサートではクラウディオ・アラウをソリストに迎えたピアノ協奏曲第4番も演奏されましたが、このCDには収録されていません。 シューマンの第2番(BR-KLASSIK)や、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」全曲(Philips→Decca)、モーツァルトのレクイエム(DG)を聴くと、バーンスタイン が自分の思いのたけを最も遠慮なく表現できたオーケストラがバイエルン放送響であったように思えます。彼らの記念すべき出会いという点でも貴重な録音と 言えるでしょう。

Altus
ALT-535(1CD)
マーラー:交響曲第10番嬰ヘ長調(カステレッティ編・室内オーケストラ版) N響チェンバー・ソロイスツ
白井圭、大宮臨太郎、三又治彦、山岸努、横溝耕一(Vn)
中村翔太郎、中村洋乃理(Va)
辻本玲、宮坂拡志(Vc)
本間達朗(Cb)
梶川真歩(Fl)
吉村結実(Ob)
松本健司(Cl)
宇賀神広宣(Fg)
長谷川智之(Tp)
福川伸陽(Hrn)
竹島悟史(打楽器)
早川りさこ(Hp)
桑生美千佳(P/ハルモニウム)

ライヴ録音:2021年11月30日/ハクジュホール 〜N響メンバーによる室内楽シリーズ〜より
ハクジュホールで行われている〈N響メンバーによる室内楽シリーズ〉より、ミケーレ・カステレッティ版マーラー10番(全5楽章)の2021年日本初演ライヴ を収録したディスクです。全5楽章の補筆完成版はクック版はじめいくつか存在しますが、このカステレッティ版は室内オーケストラ編成であることが大きな特徴。 フル・オーケストラのスコアが完成形に近い形で残されている第1楽章からして「編曲」がなされているわけですが、それによって全曲が一定の筆遣いでもって 統一されるという面白い効果がうまれています。切り詰められた編成で奏でられる音楽は鋭く力強く、そして透明なもので、マーラー音楽のエッセンスそのものが 鮮烈に鳴り響いている感じがします。調性感ぎりぎりの和声や対位法的なテクスチュア、楽器ごとの音色の対比などは新ウィーン楽派に直結するような世界で、大 オーケストラで聴くのとは一味も二味も違った音響がたのしめます。NHKSOの気鋭メンバーで構成された「N響チェンバー・ソロイスツ」による演奏は、こ のカステレッティ版を聴き込むのに申し分ない、素晴らしい完成度。マーラー・ファンには避けて通れない注目のディスクと言えるでしょう。 (Ki)

ATMA
ACD2-2867(1CD)
シャンパーニュ:ガスペ交響曲
クロード・シャンパーニュ(1891-1965):ガスペ交響曲
バルトーク:舞踏組曲 Sz.77
コダーイ:ガランタ舞曲
アンドレ・プレヴォー(1934-2001):祝典
アラン・トゥルーデル(指)
ラヴァルSO

録音:2021年6月19-21日
カナダの作曲家クロード・シャンパーニュが、ケベック州のガスペの風景にインスピレーションを得て作曲した『ガスペ交響曲』をメインに収録。カナダ発の貴重 な交響曲です。また同じくカナダの作曲家であるアンドレ・プレヴォーの『祝典』は1966年シャーロットタウン音楽祭(プリンス・エドワード島)のために作曲さ れた作品で、1967年のカナダ建国100周年を祝う音楽です。 (Ki)

NoMadMusic
NMM-120(1CD)
Symphonies Alpestres(アルプスの交響曲集)
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」、
交響曲第33番変ロ長調 K.319、
交響曲第36番ハ長調 K.425
オルケストル・デ・ペイ・ド・サヴォワ
ピーター=ジェル・ド・ベール(指)
創立40周年を迎えたオルケストル・デ・ペイ・ド・サヴォワ(サヴォワO)が、その歴史において最も重要な作曲家であるモーツァルトの名曲3曲を録音 しました。プログラムは、モーツァルトの生涯を彩った3つの都市に焦点を当てています。モーツァルトの生誕の地であるザルツブルクで生まれた陽気な交響曲第 33番(ハ長調)、そして居住地であり、自由な芸術の象徴であったウィーンで生まれた第35番「ハフナー」。さらに、わずか6日間の滞在で生まれた崇高な第36 番、「リンツ」。オルケストル・ド・ペイ・ド・サヴォワは23人のダ人からなる室内オーケストラ。1984年に創立され、年間80回の演奏会を行いながら、地域の 文化活動の要としてその存在感を確かなものにしています。2021年に同団の音楽監督に就任したオランダの指揮者ド・ベールの、エレガントにして精緻な指揮が 光ります。 (Ki)

Urania Records
LDV-14122(1CD)
マーラー:交響曲第1番「巨人」 ヴラディーミル・デルマン(指)
ミラノRAIS響

録音:1991年(ミラノ、ステレオ録音、DDD)
ソビエト連邦出身で、イタリアに帰化した指揮者、ヴラディーミル・デルマンが晩年に残したマーラーの交響曲第1番「巨人」(ライヴ録音)が、イタリアのインディペンデント・レーベル「ウラニア・レコーズ(Urania Records)」から登場。
デルマンはイタリアに帰化後、国内外の主要なオペラ劇場(ミラノ、ナポリ、ローマ、パレルモ)や主要なSOの指揮者として活躍。1985年から1987年まで、パルマで開催された「アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクール」の審査委員長を務め、同時に、コンクールに組み込まれたオーケストラ指揮者のための上級トレーニング・コースのディレクターも務めました。また、1993年にミラノSOを設立したことでも知られています。
前回好評を得たマーラーの第9番(LDV-14116)に続き、本アルバムでは1991年録音の第1番「巨人」を収録。第9番と同じくヴラディーミル・デルマン晩年の演奏です。マーラー最初の交響曲にして最も演奏機会の多い作品のひとつである交響曲第1番「巨人」をデルマンが最後の首席指揮者として率いた手兵、ミラノRAISOと共に演奏します。

NCM KLASSIK
NCMK-9016(1CD)
ベートーヴェン:交響曲第3番Op.55「英雄」 オーケストラ・アンサンブル・ソウル
イ・ギュソ(指)

録音:2021年8月31日ソウル・アーツ・センター(ソウル、韓国)
韓国を代表する室内オーケストラを目指しソウル大学音楽学部の卒業生たちによって2014年1月に創設されたオーケストラ・アンサンブル・ソウル。共演したピアニストのソン・ヨルムから「韓国のネヴィル・マリナーとアカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(ASMF)」と激賞されるなど急速に存在感を高めてきたチェンバー・オーストラです。
創設以降、芸術監督を務めるイ・ギュソはウィーンで指揮法を学び、アンドレス・オロスコ=エストラーダからは「彼(イ・ギュソ)の指揮は簡潔だが、常にそれだけで十分です。なぜならばその音楽の全てが彼の頭と手の中にあるのですから。」と評されるなど、洗練されたバトンテクニックと音楽性を兼ね備えた期待の指揮者です。
2018年から2022年にかけてベートーヴェン生誕250周年を記念して、民間の音楽団体として初めて「芸術の殿堂(ソウル・アーツ・センター)」での「ベートーヴェン交響曲&ピアノ協奏曲全曲シリーズ」を企画して大喝采を浴びており、当盤にはそのシリーズのハイライトでもある「エロイカ」が収められています!
NCM KLASSIK
NCMK-9002(1CD)
モーツァルト:交響曲第29番イ長調 K.201
セレナード第13番ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
オーケストラ・アンサンブル・ソウル、
イ・ギュソ(指)

録音:2017年2月27日-28日スタジオ・パジュ(韓国)
2014年にキム・ボムソリを迎えて行われた創立記念コンサートで堂々たるデビューを飾ったイ・ギュソ率いるオーケストラ・アンサンブル・ソウル。
前身である「ソウル大学室内O」から「オーケストラ・アンサンブル・ソウル」へと生まれ変わり、最初のレコーディングのためにイ・ギュソとメンバーが選んだのは、モーツァルトの「交響曲第29番」と「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の2曲。後期の有名交響曲ではなく敢えて「第29番」を選曲したのは、その探求心と自信を証明していると言えるでしょう。
ドイツ・グラモフォンの元副社長でロッテルダム・フィル、フランス放送フィル、ソウル市立響のアーティスティック・アドバイザーを歴任したマイケル・ファインからイ・ギュソとオーケストラへ向けて「今、本当に楽しい気持ちであなたのモーツァルトを聴いています。スタイリッシュで、機敏で、温かく、透明感があり、対位法が最も自然な形で美しく表現されています。そして録音は暖かく、親密なサウンドを創り上げています。心から拍手を送ります!」という賛辞が送られました。


東武レコーディングズ
TBRCD-0157(5CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
Genius Naozumi
■CD1
ブラームス:交響曲第1番
■CD2
ブラームス:二重協奏曲
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番、第5番、第6 番
ブラームス:子守歌
■CD3
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」
■CD4
山本直純の管弦楽入門“楽器の紹介”
スッペ:「軽騎兵」序曲
楽器の紹介(打楽器、木管楽器、金管楽器、弦楽器)
■CD5
山本直純の管弦楽入門“オーケストラで世界をめぐる”
エルガー:威風堂々
レハール:「金と銀」
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
モーツァルト(山本直純編):トルコ行進曲
楽器の紹介(サキソフォン、チェレエスタ、ハープ)
ラヴェル:ボレロ
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
山本直純:「男はつらいよ」のテーマ音楽
※山本直純の管弦楽入門で楽器紹介に使われている楽曲(一部断片)
前半(CD4):「ピーターと狼」(プロコフィエフ)、夕焼け小焼けの赤とんぼ(山田耕筰)、「剣の舞」(ハチャトゥリアン)、バディヌリ(バッハ:管弦楽組曲第2番)、五木の子守歌、クラリネットポルカ(作者不詳)、ぞうさん(團伊玖磨)、ガヴォット(ゴセック)、交響曲第5番〜2楽章(チャイコフスキー)、魔弾の射手「狩人の合唱」(ウェーバー)、オブラディ・オブラダ(ビートルズ)、夢見る人(フォスター)、小象のエフィー(アレック・ワイルダー)、チャールダッシュ(モンティ)、荒城の月(滝廉太郎)
後半(CD5):TAKE5(ポール・デズモンド)、引き潮(マックスウェル)、くるみ割り人形 (チャイコフスキー)
山本直純((指)お話)
新日本フィルハーモニーSO

■CD2
潮田益子(Vn)、
ローレンス・レッサー(Vc)
録音(CD1&2):1972年11月25日第3回定期演奏会東京文化会館、ステレオ
■CD3
秋山恵美子(S)、
大橋ゆり(A)、
饗場智昭(T)、
高橋啓三(Bs)
晋友会cho
録音:1990年12月24日オーチャードホール、デジタル
作曲はコメディからシリアス、指揮も硬から軟までと自由自在な音楽活動を展開した山本直純(1932〜2002)。その死は指 揮者としては早世の範疇に入るでしょう。指揮者としての真骨頂がここに記録されております。と最も古い演奏会が新しいオ ケの誕生という気概と気合に満ちた第3回定期演奏会のオール・ブラームス・プロ。この演奏を聴いた人々は圧倒的演奏と いう評価を下し、ソリストのレッサー氏も見事な演奏に太鼓判を押して発売許可の運びとなりました。ブラ1は山本直純の自 家薬籠中の十八番でありますが、ここまで熱い演奏も世の中にそうはないことでしょう。山本直純の『第九』と言えば“一万人 の第九”が知られますが音盤初レパートリーです。早めのテンポ、拘泥しない率直なトスカニーニ型のアプローチで極めてオ ーソドックスに第九と立ち向かう様は実に感動的。国際的知名度を獲得した時期の晋友会合唱団との共演という点もそそら れます。そして極めつけは晩年である2000年演奏の“管弦楽入門”。キングインターナショナルから同趣向のCD が出てい ますが曲目は一切かぶりません。トークの面白さ、教養の高さにも驚かされます。最後の最後の“男はつらいよ”のテーマ音 楽のしみじみ感には涙が出ます。山本直純のお陰でどれだけ日本の音楽が豊かになったか?を改めて考えるのも一興でし ょう。柴田克彦先生による詳細なライナーノートも必読です。

Pentatone
PTC-5187232(1CD)
ウィントン・マルサリス(1961-):ブルース・シンフォニー(2009)
I. Born in Hope
II. Swimming in Sorrow
III. Reconstruction Rag
IV. Southwestern Shakedown
V. Big City Breaks
VI. Danzon y Mambo, Choro y Samba
VII. Dialogue In Democracy
デトロイトSO、
ヤデル・ビニャミーニ(指)

録音:2023年12月1〜3日/コンサートホール(デトロイト)
ヤデル・ビニャミーニ率いるデトロイトSOが世界的トランペッター、ウィントン・マルサリス(1961-)が作曲した「ブルース・シンフォニー」を録音しまし た。北イタリアのクレーマ生まれのビニャミーニは、2010年にシャイーよりミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディSOのアシスタント・コンダクターに指名され、その 後レジデント・コンダクターとして研鑽を積み指揮活動を開始しました。2015年にはミラノ・スカラ座フィルにコンサート・デビューを果たし、以後積極的な演奏 活動を展開しております。
7楽章からなる「ブルース・シンフォニー」はブルースとアメリカ音楽がもつあらゆる側面をあらわしており、ラグタイムからハバネラまでさまざまな表情をみせ ます。聴く者をアメリカの革命時代、ニューオリンズにおけるジャズの黎明期、そして大都会のサウンドスケープを巡る音の旅へと誘います。ビニャミーニがデトロイ トSOを振ったはじめての録音であることも注目に値します。 (Ki)

CLAVES
50-3099(1CD)
モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K.550
ディアナ・バルデス:ケツァルコアトル
ハイドン:交響曲第49番ヘ短調 Hob I:49
J.C.バッハ:交響曲 ト短調 Op.6/6
ロベルト・ゴンザレス=モンハス(指)
ヴィンタートゥール・ムジークコレ ギウム

録音:2023年9月/ヴィンタートゥール・シュタットハウス(スイス)
1629年結成のスイス最古のオーケストラ、ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム。定期的に来日公演も行っている日本でもおなじみの団体です。
2021/22シーズンより同団の音楽監督に就任したゴンザレス=モンハスはこれまでヴィンタートゥール・ムジークコレギウム、サンタ・チェチーリア国立アカデ ミーO、ヴェルビエ祝祭Oのコンサートマスターを兼任していますが、近年は指揮者としても頭角を現しています。
モーツァルトの交響曲第39番を中軸にしたアルバム(50-3076)でも優れた演奏が評価されました。当アルバムでは交響曲第40番、ディアナ・バルデス (1984-)の新作委嘱、オーケストラのための「ケツァルコアトル」、ハイドンの交響曲第49番、そしてJ.C.バッハの交響曲 ト短調 Op.6/6という組み合わせです。
作曲家ディアナ・バルデスは新作「ケツァルコアトル」について「オーストリア人のモーツァルトとメキシコ人の私。モーツァルトの交響曲第40番と私自身の人生 経験からインスピレーションを得て、私はこの作品を美の絶え間ない再発明に捧げられた対位法と対話として創作しました。この音楽がアステカの伝統と神々に根 ざした作曲家の視点から、愛、痛み、情熱など、演奏者と聴衆を豊かな感情をもっていただきたいと思っています。羽の生えた蛇の姿で現れるアステカ神話の文化 神・農耕神「ケツァルコアトル」は、自然、力、闇と光の二面性、そして解放を象徴しており、この作品の音楽的物語の中心的要素となっています」と語っています。 (Ki)

GRAND SLAM
GS-2323(2CD)
限定生産
[疑似ステレオ版・オープンリール・テープ復刻]
フルトヴェングラーVPO/ベートーヴェン:『英雄』、シューベルト:『未完成』、ほか

(1)ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
(2)リスト:交響詩「前奏曲」
(3)シューベルト:交響曲第8番「未完成」
(4)ベートーヴェン:交響曲第7番
(5)ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガ-」第1幕前奏曲
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO

録音:(1)1952年11月26、27日、(2)1954年3月3、4日、(3)1950年1月19〜21日、(4)1950年1月18、19日、
(5)1949年4月1〜4日/以上、ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源:Angel(Japan) AXA-3043,3062,3060 (4トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(セッション録音、疑似ステレオ)
■制作者より  
ベートーヴェン編(交響曲第1、4、5、6)(GS-2321/22)に次ぐ疑似ステレオの続編登場です。ディスク1はベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」+リスト の「前奏曲」で、これはGS-2070(2011年)以来の約13年ぶりの登場です。ことに「英雄」は疑似ステレオの人気が非常に高く、復活を待ち望んでいたファン は多かったと思います。ディスク2はシューベルトの「未完成」、ベートーヴェンの第7、ワーグナーの「マイスタージンガー」前奏曲で、GS-2174(2017年)以来、 約7年ぶりの再発売となります。今回も2枚組1枚価格のご提供で、限定プレスとなります。(平林直哉)

Forgotten Records
fr-2301(1CDR)
R・シュトラウス:交響詩「死と変容」
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
ポール・パレー(指)デトロイトSO

録音:1962年10月4日 放送録音
Forgotten Records
fr-2299(1CDR)
ワルベルク&ケルテス/ハイドン
交響曲第101番「時計」
交響曲第104番「ロンドン」*
ハインツ・ワルベルク(指)
イシュトヴァン・ケルテス(指)
バンベルクSO

録音:1961年
※音源:Opera1202
Forgotten Records
fr-2295(1CDR)
マーラー:交響曲第1番「巨人」 ウィリアム・スタインバーグ(指)
ボストンSO

録音:1960年1月8日 ボストン・シンフォニー・ホール放送録音
Forgotten Records
fr-2294(1CDR)
メリヒャル/ハイドン:交響曲集
交響曲第45番「告別」
交響曲第94番驚愕」
アロイス・メリヒャル(指)
ミュンヘンPO

録音:1949年
※音源:Mercury MG15028, Mercury MG15023
Forgotten Records
fr-2288(1CDR)
ドヴォルザーク:交響曲第8番*
グリーグ:「ペール・ギュント」第1組曲&第2組曲
ヨネル・ペルレア(指)
バンベルクSO

録音:1558年*、1957年(共にステレオ)
※音源:Vox STPL511.050, Vox STPL510.250
Forgotten Records
fr-2283(1CDR)
ヨースタ・ニューストレム(1890-1966):交響曲第2番「シンフォニア・エスプレシーヴァ」
交響曲第3番「海の交響曲」*
トゥール・マン(指)
ストックホルムコンサート協会O
イングリート・エクセル(S)*

録音:1950年
※音源:His Master's Voice DB11030/33, Metronome CLP-504
Forgotten Records
fr-2085(1CDR)
ハンニカイネンのシベリウス
交響曲第4番イ短調 Op.63
「カレリア」組曲*
交響詩「タピオラ」#
ウノ・ハンニカイネン(指)
ソヴィエト国立SO
シンフォニア・オヴ・ロンドン*
LSO#

録音:1958年、1959年1月7日*、1959年1月11日#
※音源:Melodiya4794/5, Everest SDBR3049, Everest SDBR3045
Forgotten Records
fr-2088C(2CDR)
スクロヴァチェフスキのシューベルト
交響曲第9番「グレート」
交響曲第8番「未完成」
「ロザムンデ」〜序曲 /間奏曲第2番/バレエ音楽第2番
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指)
ミネアポリスSO

録音:1961年
※音源:Mercury SR90272, Mercury ST90218

DOREMI
DHR-8251(2CD)
クラウス・テンシュテット LIVE 第5集
(1)ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 Op.21
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
(2)チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲
(3)ブルックナー:交響曲第7番ホ長調
クラウス・テンシュテット(指)
(1)トロントSO
 録音:1977年9月8日マッセイホール
(2)ポール・トルトゥリエ(Vc)、フィラデルフィアO
 録音:1988年1月8日フィラデルフィア
(3)シカゴSO
 録音:1984年5月31日、6月2日シカゴ
テンシュテットのお宝ライヴ音源集、第5弾。トロント響、フィラデルフィア管、シカゴ響との貴重な演奏記録です。 (Ki)

Goodies
78CDR-3956(1CDR)
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」から第4楽章「歓喜の頌」
(シラー原詩-尾崎喜八訳詞)
橋本国彦(指)東京SO
国立音楽学校&玉川学園cho(岡本敏明指導)
香山淑子(S)(1910-)
四家文子(Ms)(1906-1981)
木下保(T)(1903-1982)
藤井典明(Br)(1915-1994)

日本ビクターJH232/4
1943年(昭和18年)5月13日日本青年館録音
日本最初の「第九」(第4楽章のみ)のレコード録音。指揮者、ソリスト、合唱団が すべて日本人によるもので、演奏会ライヴではなくセッション録音であることを 特記したい。しかも昭和18年5月は日・米戦争の真っ最中の出来事。オリジナルの SPレコード付録の解説書にレコード評論家野村あらえびす氏は、「戦争によって 海外からの原盤輸入が断たれたために、日本人の手によってこのような録音が生 まれたことは、喜ばしいことである」との記述があった。指揮者の橋本国彦(1904 -1949)は東京音楽学校(現東京芸術大学音楽学部)出身。作曲家、ヴァイオリニス ト、音楽教育者でもあった。(グッディーズ)

CPO
CPO-555417(1CD)
ホフマイスター:交響曲 ニ長調 「狩り」 Op.14
2つのホルンと管弦楽のための協奏曲 ホ長調…世界初録音
交響曲 ホ長調「ラ・プリマヴェーラ」…世界初録音
クリストフ・エス(Hrn)
シュテファン・ショットシュテット(Hrn)
プフォルツハイム南西ドイツ室内O
ヨハネス・メーズス(指)

録音:2020年9月17-19日
18世紀から19世紀にかけて、ウィーンで最も人気のある作曲家の一人として知られていたフランツ・アントン・ホフ マイスターは、9作のオペラ、約70の交響曲、50近い弦楽四重奏曲をはじめ、多くの協奏曲や宗教曲、声楽作 品を作曲し、音楽出版者としても活躍しました。彼は当時の音楽愛好家が好む作品をよく理解しており、自身の 新しいアイデアも作品に反映、その洗練された音楽スタイルは「最も注目すべき、優れた、そして多作な作曲家」と して広く評価されました。このアルバムにはホフマイスターの1780年代から1790年代の作品を収録。ホルン協奏 曲での2人の熟練したソリストのための華麗なパッセージ、「狩り」交響曲で聴かれる優雅で溌剌としたな狩猟の テーマと、滑らかで心地よいオーケストラの響きが全曲にわたって展開された「ラ・プリマヴェーラ(春)」の3曲をお楽し みください。ホルン協奏曲ではバンベルクSOの首席ホルン奏者を務めるクリストフ・エスと、彼が創設した ジャーマン・ホルン・サウンドのメンバーでアレンジャーのシュテファン・ショットシュテットが快演を聴かせます。

C Major
76-8508(DVD)
フェニーチェ劇場ニューイヤー・コンサート2024
ブラームス:交響曲第2番ニ長調op.73
ヴェルディ:歌劇「二人のフォスカリ」〜「風は凪ぎ、波は穏やか」
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」〜間奏曲
プッチーニ:歌劇「トスカ」〜「星は光りぬ」、「歌に生き、愛に生き」
ヴェルディ:歌劇「椿姫」〜「おれたちはマドリードのマタドール」
プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」〜ハミング・コーラス、「ある晴れた日に」
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」〜「誰も寝てはならぬ」
ポンキエッリ:歌劇「ジョコンダ」〜時の踊り
ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」〜「行け、思いよ金色の翼に乗って」
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」〜「おお神聖なる父君陛下よ」
ヴェルディ:歌劇「椿姫」〜「乾杯の歌」
ファビオ・ルイージ(指)
フェニーチェ歌劇場O&cho
エレオノーラ・ブラット(S)
ファビオ・サルトーリ(T)

収録:2024年1月1日 フェニーチェ歌劇場、ヴェネツィア(ライヴ)
画面:NTSC,16:9
音声:PCMステレオ、DTS5.1
DVD9
字幕:英独韓,日本語、112分
1792年に開場したヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場。ヴェルディのオペラ「エルナーニ」「アッティラ」「リゴレット」「椿姫」「シモン・ボッカネグラ」の5作品 がこの劇場で初演されおり、オペラ発祥の地イタリアのなかでもその存在感は随一の劇場です。また、度々火災に見舞われてきた歴史をもち、焼失した劇場を受け 継いで建設され、「フェニーチェ」という名称は、500年に1度、灰の中からよみがえるアラビアの不死鳥にちなんで名付けられています。一度目の火災は、1836 年12月。翌年には再建された、栄光の時代を迎えることになります。そして二度目は1996年1月。壊滅的な被害を受け、再建には8年もの歳月を要しています。 2003年12月にはイタリアの巨匠リッカルド・ムーティ指揮による再開場演奏会を開催、そして火災消失から蘇った不死鳥は、2004年元日にロリン・マゼール 指揮により再建を祝うニューイヤーコンサートを開催。その後、クルト・マズア、大野和士、ジョン・エリオット・ガーディナー、ジョルジュ・プレートル、チョン・ミョ ンフンなどが指揮台に立ち、新年の幕開けを祝っています。
再建からちょうど20年を記念した2024年は、NHKSOの首席指揮者でもあるファビオ・ルイージが登壇。歌手には北イタリアのマントヴァ生まれの正統 派ソプラノ歌手エレオノーラ・ブラット、そして情熱のテノール歌手ファビオ・サルトーリがソリストとして登場する新年の幕開けにふさわしい華やかなコンサートです。


BR KLASSIK
BR-900225JP(1CD)
数量限定生産
初回盤のみ日本語訳解説付

マーラー:交響曲第7番ホ短調「夜の歌」 バイエルンRSO
サー・サイモン・ラトル(指)

録音:2024年11月6-8日 ミュンヘン、イザールフィルハーモニー・イン・ガスタイクHP8(ライヴ)
壮大で悲劇的な第6番に続けて完成させた交響曲第7番についてマーラーは、コンサートの主催者に「自分の最上の作品」と書いて推薦し、初演は実際に 成功を収めたものの、やがてこの曲が複雑すぎると感じるようになります。その難解さを和らげるために彼は第2楽章と第4楽章に「夜の音楽」と名付けました が(作品全体にかかる「夜の歌」は第三者が付けたもの)、妻アルマに対しては、この作品で「重要なのは、落ち着くことのない生とひたむきな努力を通して人 間が何になるのかだ」と書いています。楽想として陽気、呑気、畏怖、歓喜と狂騒が入り混じり、ギターやマンドリンといった近代交響楽には稀な楽器が加わ り、楽曲の展開も論理を逸脱して迷走するかに見えつつ、最後に輝かしい大団円を迎えるこの曲こそ、マーラー自身の「落ち着くことのない人生とひたむきな 努力」のイメージかもしれません。 マーラーの演奏で際立って高い評価を得て来たラトルは、この曲においても1991年にバーミンガム市響を指揮して録音したEMI盤が画期的な名盤として 高く評価されています。そこでは、千変万化する楽想や複雑な構造を単純化することなく明晰に処理し、決してわかりやすくはない80分近い大作において、 圧倒的な説得力を持つ演奏を展開しました。ベルリン・フィルの歴代首席指揮者によるマーラー:交響曲全集でも第7番にラトルの演奏(2016年)を 充てていることも、その楽曲理解と指揮の卓越さの証。バイエルン放送響との初の来日公演で取り上げることからも、自信のほどがうかがわれます。世界最 高水準のオーケストラと評価され、ラトルの解釈を献身的に音にする楽団とのライヴ盤に注目です。

オクタヴィア
OVCL-00852(1SACD)
税込定価
2024年11月20日発
ブルックナー:交響曲第2番ハ短調(1877年ノーヴァク版第2稿) ジョナサン・ノット(指)東京SO

録音:2022年10月22日 ミューザ川崎シンフォニーホール、10月23日 東京・サントリーホール・ライヴ
音楽監督ジョナサン・ノットと東京SOによるブルック ナー・シリーズ、大好評を博した第1番(OVCL-00848)に続き、 「第2番」の登場です。 交響曲の大家として名高いブルックナーの中にあり、あまり取り 上げられることの少ない作品ながら、ノットは作曲家が曲中に遺 した様々なアイディアを基に熟考を重ね、全く新しい「第2番」 を生み出しました。 冴え渡るタクトはどこまでも音楽的で美しい、相思相愛の両者の 想いが惜しみなく詰まった見事な名演、価値ある名盤がここに誕 生!(オクタヴィア)

NIFC
NIFCCD-158(1CD)
ユゼフ・エルスネル(1769-1854):交響曲ハ長調 Op.11
ウェーバー:クラリネット協奏曲第2番変ホ長調 Op.74
モーツァルト:交響曲第21番イ長調 K.134
ロレンツォ・コッポラ(ピリオド・クラリネット)
マルティナ・パストゥシュカ(Vn、指揮)
{oh!} オルキェストラ・ヒストリチナ

※使用楽器:Clarinet in B flat with12keys, after Heinrich Grenser (c.1810, Dresden), made by Agnes Gueroult (Paris,1999)

録音:2023年10月10日-11日、3月4日ー5日、4月17日ー20日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
ポーランド国立ショパン研究所の自主レーベルNIFC。本アルバムでは、ウェーバーの友人であり、当時のクラリネットの名手でもあったハインリヒ・ベールマンのために書かれたクラリネット協奏曲に、エルスネル、モーツァルトの交響曲が組み合わされています。このアルバムに収められたユゼフ・エルスネル、カール・マリア・フォン・ウェーバー、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの管弦楽曲は、18世紀から19世紀にかけての古典派(モーツァルト、エルスネル)と初期ロマン派(ウェーバー)の時代に書かれたもので、ショパンは若い頃からこれらの作曲家の音楽に親しみ、特にワルシャワ時代のショパンに大きな影響を与えました。 ショパンと古典派を隔てたのはわずか1世代ほどですが、歴史的背景や当時の音楽のダイナミックな変容と激しい発展のため、それは1つのエポックのようでした。
アルバムのメインとなるウェーバーのクラリネット協奏曲第2番は、1811年に立て続けに作曲された3つの協奏曲のうちの一つで、ロマン派的な憂愁を帯びた旋律とヴィルトゥオーゾ性、そして華麗さが表現されています。他のウェーバーのクラリネット作品と同様、当時の名手ハインリヒ・ベールマンのために書かれ、ウェーバーの(指)ベールマンの独奏で初演やヨーロッパ中でのツアーを繰り広げました。
クラリネットの重要レパートリーにあげられるこの作品のソロを務めるのは、ハーグ王立音楽院でエリック・ホープリッチに学び、フライブルク・バロック・オーケストラ、レ・ザール・フロリサン、ラ・プティット・バンドなど、現代古楽シーンを代表するオーケストラとも度々共演を重ね、2004年からはバルセロナのカタルーニャ音楽院(ESMUC)で自身もヒストリカル・クラリネットを教えているイタリアの名手、ロレンツォ・コッポラです。

GRAND SLAM
GS-2321(2CD)
限定生産
フルトヴェングラーVPO/ベートーヴェン:交響曲第1・4・5・6番
(1)交響曲第1番ハ長調、作品21
(2)交響曲第6番ヘ長調、作品68「田園」
(3)交響曲第4番変ロ長調、作品60
(4)交響曲第5番ハ短調、作品67「運命」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO

録音:(1)1952年11月24、27、28日 (2)1952年11月24、25日 (3)1952年11月1、2日 (4)1954年2月28日、3月1日
以上、ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源:EMI(Japan) AXA-3059,3060,3061 (4トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:疑似ステレオ(録音セッション)
■制作者より   
本物ではないとわかっていても、ついつい聴きほれてしまうフルトヴェングラーの疑似ステレオ。2014年、当シリーズでも4トラック、19センチのオープンリー ル・テープを使用してベートーヴェンの交響曲第4番+第5番(GS-2119)、同第1番+第6番(GS-2124)を発売しましたが、またたく間に品切れとなりました。 そこで没後70年を機に、同一原盤ながら2枚組1枚価格の限定プレスで復活させることにしました!  なお、疑似ステレオ化に際して、第5番の第4楽章の62小節の休符が編集ミスによって短くなっていることが知られていますが、当CDではある程度の修正は 加えていますが、完全には復元出来ておりせん。ご了承下さい。(平林直哉)

Forgotten Records
fr-1957(1CDR)
クレンペラー〜Vox 録音集
シューベルト:交響曲第4番 「悲劇的」*
ブルックナー:交響曲第4番調「ロマンティック」#
オットー・クレンペラー(指)
コンセール・ラムルーO*、ウィーンSO#

録音:1950年11月19日-20日*
1951年3月8日、12日、15日#
※音源:Vox PL6800*, PL5520#
Forgotten Records
fr-1959(1CDR)
ベートーヴェン&ウェーバー
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 Op.21*
 交響曲第8番ヘ長調 Op.93#
ウェーバー:交響曲第1番ハ長調 Op.19+
ディミトリ・ミトロプーロス(指)NYO

録音:1951年4月1日+、1954年1月31日*、1957年5月5日#(ライヴ)

ANALEKTA
AN-28890(1CD)
2つのオーケストラ、1つの交響曲
ジャック・エテュ(1938-2010):交響曲第5番Op.81
ナショナル・アーツ・センターO
ケベックSO
トロント・メンデルスゾーンcho
アレクサンダー・シェリー(指)

録音:2024年3月8、9日サウザム・ホール、カナダ・ナショナル・アーツ・センター
カナダの作曲家ジャック・エテュ最後の作品とも言われ、彼が亡くなってから3週間後に初演された交響曲第5番。終楽章に合唱が加わるこ の大規模な作品を、オタワのナショナル・アーツ・センターO、ケベック・シティのケベックSOという2つのオーケストラによる管弦楽 (弦は概ね合同、管打楽器は選抜メンバーのようです)と、トロントのメンデルスゾーン合唱団で演奏したアルバム。それぞれの本拠地にてライ ヴを重ねたのち、万全の体制で臨んだセッション録音です。作品は第二次世界大戦時のフランスにおけるナチスの侵略から解放までを描い たもので、終楽章には占領下で書かれたポール・エリュアールの詩『自由』が用いられています。1927年のパリ解放から80年、指揮者と管 弦楽、合唱が一体となり深い共感を持ってこの大作をダイナミックに謳いあげています。

SOMM
ARIADNE-5033(2CD)
ブルックナー:交響曲第6&7番ほか
【CD1】
交響曲第6番イ長調 WAB106(ノーヴァク版)
テ・デウム WAB45*

【CD2】
交響曲第7番ホ長調 WAB107(ノーヴァク版)#
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)
北ドイツRSO
ウィルマ・リップ(S)*
エリーザベト・ヘンゲン(A)*
ニコライ・ゲッダ(T)*
ヴァルター・クレッペル(Bs)*
VPO*、ウィーン楽友協会cho*
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)*
南西ドイツRSO#
ハンス・ミュラー・クライ(指)#

録音:全てモノラル
1961年11月18日(ライヴ)ハンブルク、ムジークハレ(北ドイツ放送のエア・チェック)
1962年5月26日(ライヴ)ウィーン、楽友協会大ホール(オーストリア放送のエア・チェック)*
1955年9月22日(放送用の非公開スタジオ・ライヴ)シュトゥットガルト、ヴィラ・ベルク、ゼンデザール(南ドイツ放送のエア・チェック)#
※2つの交響曲=初CD化
このプロジェクトは、放送業界でも活躍したアメリカ・ブルックナー協会の事務局長ジョン・F・バーキーの膨大なエアチェック・テープを中心に、選りすぐりの初 出音源で交響曲全集をCD化するもの。同協会の総裁でブルックナー研究者のベンジャミン・コーストヴェットが監修と解説執筆を担当し、作品の作曲年 順にCD化してきました。第5巻は1880年代に作曲された傑作3曲を収録。 コーストヴェットによれば1950年代から60年代の演奏には、近年のものよりもドラマティックで精彩に富み、刺激的なものが見られる点を評価しているとの こと。交響曲第6番は当時32歳のクリストフ・フォン・ドホナーニの指揮。ブルックナーの交響曲の中では小粒で地味な存在とされがちな曲ですが、第1楽 章はAllegroではなくMajestoso、スケルツォ主部とフィナーレにも「速すぎずに」と書かれた指定を踏まえて、じっくりと構築して堂々たる威容を描き出しま す。フィナーレの最後に少しテンポを緩めて高揚と開放感をもたらすところはライヴらしい感興と言えそうです。 第7番は南ドイツ放送(SDR)SO(のちのシュトゥットガルトRSO)を創設以来20年余りにわたり首席指揮者として率いたハンス・ミュラー・ クライの指揮。前年に出版されたばかりのノーヴァク版を使い、第2楽章はシンバルやトライアングル入りです。演奏はテンポや音色の操作による楽想の描 き分けが巧みで、音楽をギクシャクさせることなく多彩な表情を聞かせます。特に第2楽章は弦の優しく慰めるような音色と、時に歩みを止めて沈思するか のようなテンポの動かし方が深い情感に誘います。日本ではあまり知られていない指揮者ですが、この演奏を通じて関心を持つ人もいるのではないでしょう か。 カラヤン指揮のテ・デウムはウィーン楽友協会の150周年記念演奏会シリーズの一環として行われたもので、この作品が初演された会場での演奏です。こ の曲を得意としたカラヤンの覇気漲る指揮で、ビッグネームが並ぶソリスト陣も堂々たる歌唱。交響曲第7番第2楽章のクライマックスを思わせる結尾部の 高揚感は素晴らしいものがあります。

FUGA LIBERA
FUG-831(1CD)
シテインベルク(1883-1946):交響曲第3番ト短調 Op.18*
ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「ボルト」 Op.27a
ウラル・ユースSO
ドミートリー・フィラトフ(指)

録音:2023年7月 スヴェルドロフスク・フィルハーモニック大ホール、エカテリンブルク、ロシア
*=世界初録音
リムスキー=コルサコフの教えを受けその義理の息子でもあり、またショスタコーヴィチの師としても知られるシテインベルク。現在では作曲家と してよりも指導者として名を残す彼の交響曲第3番。第1番と第2番はネーメ・ヤルヴィなどの録音があり、第4番も録音がありますが、第3番 はこれが初めての録音とのこと。1927年中頃から28年いっぱいをかけて作曲され、1929年にレニングラードで作曲者自身の指揮で初演、 1930年代にはソヴィエト連邦内のみならず西側諸国でも演奏されましたが、その後演奏史がぱったりと途絶えてしまいます。ロシア五人組 など国民楽派の流れを受け継ぎ、ストラヴィンスキーと同世代でありながら世界的な音楽の新しい流れに乗らなかったその作風はロマン主義 の枠を出るものではありませんが、当時新作が大きな期待を持って待たれただけあって、これまでほとんど知られることのなかったこの作品も実 に聴き応えのある堂々たる出来栄え。全編非常にメロディアスで管楽器の使い方などもたいへん巧く、三管編成の大オーケストラを色彩感 豊かに駆使しています。演奏はウラル地方の若い優秀な奏者を集めたウラル・ユースSOと、2018年のエフゲニー・スヴェトラーノフ国 際指揮者コンクールで第2位の実力派ドミートリー・フィラトフ。作品を深く読み込み、積極的な音楽性でその素晴らしさを引き立てていま す。ショスタコーヴィチが二十代で書き上げたバレエ「ボルト」の組曲版も、一体感の高い溌溂とした演奏で楽しませてくれます。

CPO
CPO-555661(1CD)
グラジナ・バツェヴィチ:交響的作品全集 第3集
グラジナ・バツェヴィチ
交響曲第1番…世界初録音
ポーランド序曲
オーケストラのためのパルティータ
大SOのための協奏曲
イン・ウナ・パルテ
ケルンWDRSO
ウカシュ・ボロヴィチ(指)

録音:2023年6月5-10日
1942年から45年に書かれた 交響曲第1番は、このアルバムが世界初録音。第1番と附番されているものの、実際には2番目の交響曲で、 1938年に書かれた実質上の第1番はバツェヴィチ自身によってカタログから削除されてしまいました。この曲も出版 が許可されておらず、今回は自筆譜に基づいて演奏が行われています。「ポーランド序曲」は1954年の作品。こ ちらも出版されることのなかった作品ですが、複雑な変拍子を用いた活力あるリズムが優れた効果を生み出してい ます。他には1955年作曲の新古典派的な「パルティータ」と亡くなる2年前の1967年に書かれた「In una parte」を収録。ウカシュ・ボロヴィチ指揮のケルンWDRSOは、初期の実験的な作品から、多彩な音色を 用いた後期の作品まで、見事な演奏を披露します。
CPO
CPO-555500(1CD)
ポッター:交響曲全集 第2集
チプリアーニ・ポッター(1792-1871):交響曲 ハ短調(1826/1847)
コンチェルタンテ ニ短調- ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスとオーケストラのために
交響曲 変ロ長調(1821)/序曲「嵐」
ミシュカ・ラシュディ・モーメン(P)
ヨニアン・イリアス・カデシャ(Vn)
ティム・ポズナー(Vc)
フィリップ・ネルソン(Cb)
BBCウェールズ・ナショナルO
ハワード・グリフィス(指)

録音:2022年9月6-8日、2023年9月6日
チプリアーニ・ポッターはイギリスのピアニスト兼作曲家で、幼少期に父から音楽教育を受け、その後イギリスの音楽 家や、ウィーンでベートーヴェンの紹介によりアロイス・フェルスターに師事、帰国後すぐに人気作曲家、ピアニストと して名声を得ました。彼の音楽は魅惑的なメロディーが特徴で、特に交響曲が評価されています。 このアルバムには彼の2つの交響曲を中心に収録。交響曲ハ短調は初稿、改訂稿ともに彼の生存中には演奏さ れることはありませんでしたが、古典的な形式の中に様々なアイデアが重ね合わせられた興味深い作品。第1楽 章は劇的な再現部と印象的なコーダが特徴的なソナタ形式。第2楽章は5部形式で田園的な雰囲気を持ち、 第3楽章は付点リズムのメヌエット風スケルツォ。フィナーレはトッカータのような序章で始まり、哀愁のある主題が展 開されます。交響曲変ロ長調も存命中には演奏されず、1839年に演奏された改訂版は第1楽章の一部が残 存していますが、このアルバムでは1821年の初稿が演奏されています。コンチェルタンテは、当時の名手たちのた めに書かれたと推測され、初演の際のコントラバスはドメニコ・ドラゴネッティが担当しました。序曲「嵐」はポッターの 最後の管弦楽曲で、以後は小品の作曲、もしくは過去作品の改訂のみを行ったとされています。

MDG
MDG-91223306(1SACD)
メンデルスゾーン・プロジェクトVOL.5
シンフォニア第11番ヘ短調
シンフォニア第12番ト短調
シンフォニア第13番ハ短調
ドグマ室内オーケストラ
ミハイル・グレヴィチ(指)

録音:2023年6月24-26日、12月2-4日、マリエンミュンスター修道院コンサートホール
メンデルスゾーンは、12歳から14歳にかけて弦楽のためのシンフォニアを12曲作曲しています。ドグマ室内オーケストラは、同時期に書かれた5つの協奏曲 を含めたメンデルスゾーンのシリーズをリリース。本作はその第5弾完結盤です。 この全12曲の「シンフォニア」はメンデルスゾーンの家で毎週日曜日に開催されていた音楽会で演奏するために作曲されました。「シンフォニア」は番号が進むに つれ、作曲手法の洗練や楽器編成の変化など、メンデルスゾーンの作曲家としての成長が見て取れます。交響曲第1番(1824年作曲)の自筆のスコアにはシンフォ ニア第13番と記されていることから、これら一連のシンフォニアはメンデルスゾーンの交響曲の重要な入口と言えるでしょう。 第11番から第13番のシンフォニアは、若き天才がいかに彼が持つインスピレーションを意識的に作曲技法に落とし込んだのかがわかります。知的なバッハの対位 法、優雅なウィーン古典派の形式などを取り入れながら、自身の独創性を遺憾なく発揮しています。 (Ki)


BPO RECORDINGS
KKC-9891
(6CD+1Bluray)
日本語解説付国内盤
税込定価


ベルリン・フィルと小澤征爾

■CD1-6
(1)ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲 第2番
(2)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
(3)ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
(4)バルトーク:ヴィオラ協奏曲Sz120
(5)ハイドン:交響曲 第60番『うかつ者』
(6)チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」
(7)ブルックナー:交響曲第7番ホ長調
(8)マーラー:交響曲第1番
(9)ヒンデミット:シンフォニア・セレーナ
(10)ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
(11)R・シュトラウス:アルプス交響曲 作品64
(12)ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死

■ダウンロード・コード
CD1-6に収録されているすべての音源をハイレゾリューション(24bit/48kHz)で聴くことのできるダウンロード・コードが封入されています。
■Blu-ray Disc
(1)ベートーヴェン:「エグモント」序曲 作品84
(2)合唱幻想曲
(3)メンデルスゾーン:オラトリオ「エリヤ」作品70
(4)ブルックナー:交響曲第1番 ハ短調(リンツ稿)
■ボーナス
小澤征爾、ベルリン・フィルの名誉団員の称号を授与
■デジタル・コンサートホール
ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」を7日間無料視聴できるチケット・コードが封入されています。
[特別二大エッセイ掲載]
小澤征良 「父を想ってくださるみなさまへ」
村上春樹 「僕の夜明け前の同僚 ― 小澤征爾の死を悼んで」
小澤征爾(指)BPO

■CD1-6
(1)収録:1988年5月30日
(2ピエール・アモイヤル(Vn)
収録:1985年11月13日
(3)マルタ・アルゲリッチ(P)
収録:1982年6月22日
(4)ヴォルフラム・クリスト(Va)
収録:1988年5月30日
(5)収録:1987年6月25日
(6)収録:1992年11月12日
(7)収録:1988年6月22日
(8)収録:1980年2月3日
(9)収録:1987年6月28日
(10)収録:1982年6月27日
(11)収録:1996年5月31日
(12)収録:1979年11月10日

■Blu-ray Disc
(1)収録:2016年4月10日
(2)ピーター・ゼルキン(P)、ベルリン放送cho
収録:2016年4月10日
(3)アンネッテ・ダッシュ(S)、ガル・ジェイムズ(S)、ナタリー・シュトゥッツマン(A)、ナディーヌ・ヴァイスマン(A)、ポール・オニール(T)、アンソニー・ディーン・グリフィー(T)、マティアス・ゲルネ(Br)、フェルナンド・ハヴィエル・ラド(Bs)、ヴィクトール・ルード(Bs)、ベルリン放送cho
収録:2009年5月17日
(4)収録:2009年1月31日

■ボーナス
収録:2016年4月
Blu-ray Disc (Concert videos)
画面:Full HD1080/60i,16:9
音声:2.0PCM Stereo24bit/48kHz
7.1.4Dolby Atmos24bit/48kHz
リージョン:ABC(worldwide)
字幕:英、独、日本語

初回特典:L判写真×3種
ベルリン・フィル・レコーディングスから、2024年2月6日に88歳で亡くなった世界的指揮者の小澤征爾の追悼ボックスがリリースされます。 ベルリン・フィルと小澤征爾は1966年のデビュー以来、両者の間には芸術上の特別な関係が築かれました。共演のハイライトとしては、1982年のベルリン・フィ ルハーモニーO100周年、2008年のカラヤン生誕100年、そして2003年に小澤征爾の盟友となったマーカス・ロバーツを引き連れて共演したヴァル トビューネコンサートなどが挙げられます。さらにベルリン・フィルと小澤征爾の共演 50周年を迎えた2016年には、ベルリン・フィルは彼に名誉団員の称号を 授与しています。 当ボックス・セットは、小澤征爾が毎シーズン数回の客演を重ね、特に親密な関係を育んできた1980年代のコンサート記録を主に収録。すべて初ディスク化となっ ています。プログラムは、オーストリア・ドイツの古典派、後期ロマン派、フランス音楽、20世紀の音楽が選ばれており、小澤征爾の幅広いレパートリーと多彩 な音楽性を物語る内容となっています。 特に印象的な録音としては、1980年収録のマーラーの交響曲第1番。瑞々しさと情熱溢れ、特に終楽章は堂々とした表現、コーダーにかけての盛り上がりはオ ケも白熱し噴出する高揚で締めくくられています。そして、1982年のマルタ・アルゲリッチとのラヴェルのピアノ協奏曲。躍動感溢れる二人の相乗効果でスリリ ングな演奏となっています。さらに、CD初登場レパートリーとなる1992年に演奏されたチャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」など小澤征爾とベ ルリン・フィルの精力的な活動の記録が鮮やかに蘇ります。 ブルーレイ映像には、マティアス・ゲルネ、アンネッテ・ダッシュ、ナタリー・シュトゥッツマンら一流のソリスト陣と共に、感動的な上演を成し遂げたメンデルスゾー ンのオペラトリオ「エリヤ」(2009年)、そして7年ぶりの共演となり50年のアニヴァーサリーを迎えた2016年にはベートーヴェンの「エグモント」序曲、合 奏幻想曲を熱演。ボーナス映像には、リハーサル時に名誉団員の称号を授与された際の映像も収録されています。 オリジナル・ブックレットおよび日本語冊子には、小澤征爾の長女で作家・エッセイストの小澤征良氏と、深い親交があった作家・村上春樹氏の二大エッセイを掲 載しています。日本盤初回特典として「L判写真×3種」が封入。 (Ki)

EUROARTS
20-67644(Bluray)
ラフマニノフ:交響曲第2番+ドキュメンタリー
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 Op.27
ドキュメンタリー『セルゲイ・ラフマニノフ・イン・ドレスデン』
シュターツカペレ・ドレスデン
アントニオ・パッパーノ(指)

収録:2018年7月ドレスデン、ゼンパー・オーパー(ライヴ)
画面:16:9HD
音声:PCM ステレオ
リージョン:All
字幕:英独韓,日本語
105分(本編62分 、ドキュメンタリー43分)
イタリア人の両親のもとロンドンで生まれ育ったアントニオ・パッパーノ。2002年から2024年6月まで英国ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督として伝統 ある歌劇場を牽引、またローマの聖チェチーリア国立音楽院管の音楽監督も務めるなど、その高い音楽性と卓越した手腕を発揮しています。そして2024/25シー ズンよりLSOの首席指揮者に就任。同月には来日公演を果たし、今後目の離せない指揮者のひとり。 この映像は、パッパーノが初めてシュターツカペレ・ドレスデンとラフマニノフの交響曲第2番を演奏した際の映像です。ドレスデンの弦の美しさを堪能できるラフ マニノフの甘美な旋律、さらにパッパーノの指揮はまるで壮大なオペラのフィナーレのようです。 また楽曲ゆかりの地ドレスデンを代表するオケであるシュターツカペレ・ドレスデンによる演奏にも注目です。ラフマニノフの交響曲第2番は、ドレスデンの地で作 曲されました。ラフマニノフは、交響曲第1番の初演(1897年)が失敗に終わった後、満を持して発表したピアノ協奏曲第2番が大成功をおさめ(1901年)、 自信を取り戻し作曲家として成熟期を迎えようとしていました。しかし、ロシア国内では1905年1月の「血の日曜日事件」が起こり社会は混乱を極めていました。 ラフマニノフはこの状況下では音楽活動は難しいと判断し、家族とともにドレスデンに移り住み(1906〜09年)、交響曲第2番がここで完成したのでした(1906 〜07年)。ドレスデンでの生活はラフマニノフの創作意欲をかき立て、この交響曲第2番だけでなく、交響詩『死の鳥』など傑作が生まれました。 演奏とともに収録されているドキュメンタリーでは、1906年から1920年のドレスデンに保管されていた貴重な資料、写真、楽譜などが盛り込まれ、楽曲の背景 を克明に記しています。 (Ki)

MELBOURNE SYMPHONY ORCHESTRA
MSO-0002(1SACD)
ドヴォルザーク:交響曲第5番ヘ長調 op.76,
交響曲第6番ニ長調 op.60
ハイメ・マルティン(指)
メルボルンSO

録音:2023年11月17&18日(第5番)、2023年7月20&22日(第6番)
メルボルンSOの自主レーベルから、ドヴォルザークの交響曲ツィクルスが登場します。第1弾は交響曲第5番と第6番。首席指揮者兼芸術顧問のハイメ・ マルティンは、「アントニン・ドヴォルザークの音楽は、今でも私の心の近くにある。彼の音楽はどんな人にとってもノスタルジアを感じさせるものだ。私が10歳の ときに父が持っていた新世界交響曲のLPを初めて聴いて以来、彼の音楽は私の心に寄り添ってきた。メルボルンSOの世界一流の音楽家たちとドヴォルザー クのレコーディング・プロジェクトを始めることができ、大変光栄に思っています。」 第5番ではデール・バルトロップ、第6番ではテア・ヒサンベフがコンサートマス ターを務めています。やわらかさをたたえた豊かな響きの録音にも注目です。
MSOのドヴォルザークのツィクスルのジャケットには、メルボルンとビクトリア州を象徴する風景があしらわれます。この第1弾には、メルボルンから300キロ 弱のところにある『12人の使徒(ザ・トゥエルブ・アポストルズ)』(石灰岩が海に浸食されてできた複数の石柱群)の写真を見ることができます (Ki)

Aulicus Classics
ALC-0113(1CD)
アレッシオ・ミラーリア:交響曲第2番「オーラ(1、オーラ/2、霧の上昇/3、精霊の踊り/ 4、やまびこ/5、天空への旅) アレッシオ・ミラーリア(作曲、コンピュータ、制作)
アレッシオ・ミラーリアは、メディア、映画音楽の作曲家・プロデューサー・サウンドエンジニア。い ま最も注目されているクリエーターです。これまでに、美女と野獣、バットマン vs スーパーマン、ト イストーリー4、オッペンハイマー等にも関わっています。2018 年と2021年に「アカデミー・オヴ・コン テンポラリー・ミュージック・アワード」を受賞しています。 交響曲第2番はアコースティック楽器とコンピュータ音楽が溶け合っていて、音で映像を描いた様 な音楽です。効果音の様なフレーズが曲を上手く盛り上げて、映画音楽を数多く手掛けた作曲 者らしさが良く出ています。作曲者が指揮とコンピュータを操作してようで、録音も良くオーディオ的な 聴き方も楽しめる仕上がりになっています。

Goodies
78CDR-3956(1CDR)
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」から第4楽章「歓喜の頌」(シラー原詩-尾崎喜八訳詞) 橋本国彦(指)東京SO
国立音楽学校&玉川学園cho(岡本敏明指導)
香山淑子(S)、四家文子(Ms)、木下保(T)、藤井典明(Br)

日本ビクターJH232/4
1943年(昭和18年)5月13日日本青年館録音
日本最初の「第九」(第4楽章のみ)のレコード録音。指揮者、ソリスト、合唱団が すべて日本人によるもので、演奏会ライヴではなくセッション録音であることを 特記したい。しかも昭和18年5月は日・米戦争の真っ最中の出来事。オリジナルの SPレコード付録の解説書にレコード評論家野村あらえびす氏は、「戦争によって 海外からの原盤輸入が断たれたために、日本人の手によってこのような録音が生 まれたことは、喜ばしいことである」との記述があった。指揮者の橋本国彦(1904 -1949)は東京音楽学校(現東京芸術大学音楽学部)出身。作曲家、ヴァイオリニス ト、音楽教育者でもあった。(グッディーズ)

CLAVES
50-3096(1CD)
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
ベートーヴェン:序曲「プロメテウスの創造物」Op.43
モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 KV.385「ハフナー」
カメリスティ・デラ・スカラ
ウィルソン・エルマント(指)

録音:2021年11月/ダル・ヴェルメ劇場、ミラノ(イタリア)
ミラノ・スカラ座Oのメンバーで構成される室内オーケストラ「カメリスティ・デラ・スカラ」は1982年に創設。主なレパートリーには18世紀から現代 まで、あまり知られていない作曲家の作品の普及と支持にも情熱を注いでいます。これまでにマキシム・ヴェンゲーロフ、ゴーチエ・カピュソン、ルノー・カピュソン、 フランチェスコ・ピエモンテージ、アレクサンドル・カントロフ、ダヴィド・フレイ、ティル・フェルナー、ダニエル・ミュラー=ショット、セルゲイ・ババヤン、アレクセイ・ ヴォロディンといった世界的な演奏者と定期的に共演しているほか、ミラノ・スカラ座Oの首席奏者もソリストとして出演しています。
当アルバムでは2017年より首席客演指揮者をつとめるウィルソン・エルマントが指揮を務め、ベートーヴェンの交響曲第2番、序曲「プロメテウスの創造物」、 そしてモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」を収録。歴代のミラノ・スカラ座Oが育て上げた独特の音色とフレージングはこの室内オーケストラでも聴 くことができ、非常に丸みのあるふくよかなサウンドを聴かせてくれます。きめ細やかで表情豊かな演奏をお楽しみください。 (Ki)


BR KLASSIK
BR-900226(1CD)
シューマン:交響曲第2番ハ長調 Op.61
バーンスタイン:オーケストラのためのディヴェルティメント
バイエルンRSO
レナード・バーンスタイン(指)

録音:1983年11月10-11日(ライヴ)
ヘルクレスザール、ミュンヘン(ドイツ)
バイエルン放送傘下の楽団の録音をリリースするレーベルBR-KLASSIKの発足15周年を記念して、同放送のアーカイヴからバーンスタイン指揮のシューマ ンの第2番の入神の演奏が登場。1983年11月のライヴです。1976年のアムネスティ・インターナショナルのためのコンサートで意気投合したバーンスタイン とバイエルン放送響は1980年代に入ると定期的に共演を重ねました。当CDではバーンスタインが終生愛して曲と一体化するかのように没入して指揮した シューマンの第2番を、優秀な楽団が全力でサポートした演奏が展開されています。魑魅魍魎が跋扈するような第2楽章、陶酔的で幻想的かつ繊細さの 極みといった趣の第3楽章、神々しいばかりの輝きと推進力が感じられる第4楽章といった解釈の基本は1985年11月に録音されたウィーン・フィル盤と同じ ですが、演奏時間が各楽章わずかに短くなっており、引き締まった演奏となっています。ヘルクレスザールの音響もあいまってオケが溶け合って温かみのあるサ ウンドを聴かせるのも魅力です。同日に演奏されたディヴェルティメントはリラックスした雰囲気の中でオケの名技が発揮された演奏。 ※国内仕様盤には舩木篤也氏による日本語解説が付属します。

BR KLASSIK
BR-900229(2CD)
シューベルト:交響曲第8番ハ長調「グレート」 D944

コンダクターズ・イン・リハーサル
1. コンダクターズ・イン・リハーサル - フリードリヒ・シュロッフェルによる紹介
2-20. レナード・バーンスタインによるシューベルトの「グレート」のリハーサル風景
語り:フリードリヒ・シュロッフェル、
  レナード・バーンスタイン、ヨハネス・リツコフスキー(ホルン奏者)
編集・原稿:ベルンハルト・ノイホフ
リアリゼーション:カールハインツ・シュタインケラー
レナード・バーンスタイン(指)
バイエルンRSO

録音:1987年6月13-14日(ライヴ)ミュンヘン、ドイツ博物館 コングレスザール
初出!バーンスタインとBRSO、1987年の雄大な「グレート」がオリジナル・テープからCD化。 バーンスタインは1976年にアムネスティ・インターナショナルのためのコンサートでバイエルンRSOを(指)ここで楽団と意気投合し、1980年代に 入ると定期的に指揮するようになりました。1981年に録音された「トリスタンとイゾルデ」(フィリップス/現デッカ。レコード・アカデミー賞受賞)のようにバーン スタインらしさを優秀な楽団が全力でサポートする演奏が展開されていたことが想像されますが、レーベルの契約の関係で世に出たものは多くありません。こ こに登場するのは1987年のシューベルト:ザ・グレートのライヴ。同年に録音されて高い評価を得たコンセルトヘボウ盤(DG)のものと解釈の基本は同一 で、各楽章の演奏時間もほぼ同じ。バーンスタインの解釈がそのままに反映された雄大で雄弁、細部までリズムと歌がゆきわたった緻密な演奏が50分間に わたって展開されています。CD2はリハーサル(ドイツ語)が62分にわたっておさめられています。シューベルトにジャズの要素を見出したり、バーンスタインの 解釈を言葉と音でたどれる興味深いものとなっています。尚、リハーサルの文字起こしはありません。

オクタヴィア
OVCL-00863(1SACD)
税込定価
2024年10月23日発売
ハイドン交響曲集Vol.25
交響曲第57番ニ長調Hob. I:57
交響曲第44番ホ短調Hob. I:44「悲しみ」
交響曲第72番ニ長調Hob. I:72
飯森範親(指)
日本センチュリーSO

録音:2020年10月23日(第72番)、2022年9月18日(第44番、第57番) 大阪・ザ・シンフォニーホール・ライヴ
日本センチュリーSOが首席指揮者の飯森範親と共にスター トした「ハイドンマラソン」は、フランツ・ハイドン のすべての交響曲を演奏しようという一大プロジェクト。当盤は 第21回、第28回コンサートのライヴ収録です。 幾度の公演を重ね、信頼関係を築いてきた飯森と日本センチュ リー響は、精緻な構築と、細部までこだわりぬいた感性で、気品 あふれるハイドンを奏でています。柔和で晴々とした優美な演奏 は、まさに彼らの真骨頂といえるでしょう。(オクタヴィア)

ALTO
ALC-3147(10CD)
完全限定生産
チャイコフスキー:作品集


(1)交響曲第2番「小ロシア」
交響曲第3番

(2)交響曲第4番
交響曲第5番
交響曲第6番

(3)スラブ行進曲 Op.31

(4)交響曲第1番「冬の日の幻想」

(5)交響曲「ジーズニ」(セミヨン・ボガティレフによる補筆完成版)

(6)マンフレッド交響曲

(7)ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23

(8)カプリッチョ風小品

(9)ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44

(10)ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.47

(11)・フランチェスカ・ダ・リミニ

(12)ロココ風の主題による変奏曲

(13)「白鳥の湖」組曲 Op.20a
「くるみ割り人形」組曲 Op.71a
歌劇「チェレヴィチキ」よりポロネーズ
「眠れる森の美女」よりポロネーズ

(14)組曲第3番ト調 Op.55

(15)幻想序曲「ロメオとジュリエット」
イタリア奇想曲
「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ

(16)弦楽セレナーデ ハ長調 Op.48

(17)「エフゲニー・オネーギン」よりワルツ
「眠れる森の美女」組曲 Op.66a

(18)序曲「1812年」
(1)ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)ソヴィエト国立文化省SO
録音:1988/9年
(2)エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO
録音:1960年-1961年
(3)アンタル・ドラティ(指)ミネアポリスSO
録音:1958年
(4)コンスタンティン・イワノフ(指)モスクワRSO
録音:1964年
(5)セルゲイ・スクリプカ(指)ロシア国立映画O
録音:1987年
(6)ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)ソヴィエト国立文化省SO
録音:1989年
(7)スヴャトスラフ・リヒテル(P)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)ウィーンSO
録音:1962年
(8)ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)、
キリル・コンドラシン(指)モスクワ・ユースSO
録音:1950年
(9)エミール・ギレリス(P)、キリル・コンドラシン(指)ソヴィエト国立SO
録音:1962年
(10)ダヴィッド・オイストラフ(Vn)、ユージン・オーマンディ(指)フィラデルフィアO
録音:1959年
(11)パヴェル・コーガン(指)モスクワ国立SO
録音:1990年
(12)ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)、
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)レニングラードPO
録音:1961年
(13)エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)ソヴィエト国立SO
録音:1990年
(14)ウラディーミル・ユロフスキ(指)ロシア国立O
録音:2004年
(15)パヴェル・コーガン(指)モスクワ国立SO
録音:1990年
(16)ウラジーミル・フェドセーエフ(指)スクワRSO
録音:1992年
(17)ユージン・オーマンディ(指)フィラデルフィアO
録音:1959年
(18)アンタル・ドラティ(指)ミネアポリスSO、ミネソタ大学ブラス・バンド
録音:1958年
チャイコフスキーの未完の交響曲「ジーズニ」と、マンフレッド交響曲を含めた交響曲集と協奏曲を含む15の主要な管弦楽曲を集めた10枚組BOXが登場。アーティストもロジェストヴェンスキー、ムラヴィンスキー、コンドラシンといった指揮者、ソリストもリヒテル、ギレリス、オイストラフ、ロストロポーヴィチと非常に豪華。ロシアの巨匠たちの名演をたっぷりと収録しています。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。
ALTO
ALC-3143(12CD)
完全限定生産
ショスタコーヴィチ:交響曲全集

(1)交響曲第1番ヘ短調 Op.10
交響曲第3番「メーデー」*

(2)交響曲第2番「十月革命に捧ぐ」

(3)主題と変奏 変ロ長調 Op.3

(4)交響曲第12番ニ短調「1917年」

(5)交響曲第4番ハ短調 Op.43

(6)交響曲第5番ニ短調 Op.47
組曲「馬あぶ」 (抜粋)

(7)交響曲第6番ロ短調 Op.54
交響曲第14番ト短調 Op.135*

(8)交響曲第7番0「レニングラード」

(9)交響曲第8番ハ短調 Op.65

(10)祝典序曲 Op.96
スケルツォ 嬰ヘ短調 Op.1

(11)交響曲第9番変ホ長調 Op.70

(12)交響曲第15番イ長調 Op.141

(13)交響曲第10番ホ短調 Op.93

(14)交響曲第11番「1905年」

(15)劇音楽「リア王」 Op.58a

(16)交響曲第13番「バビ・ヤール」

【ボーナス・ディスク】
交響曲第10番ホ短調 Op.93
(1)ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)ソヴィエト国立文化省SO、ユルロフ・ロシアcho*
録音:1984年*、1985年
(2)ワレリー・ゲルギエフ(指)マリインスキー劇場O、マリインスキー劇場cho
録音:2009年&2010年
(3)ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)ソヴィエト国立SO
録音:1970年
(4)エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)レニングラードPO
録音:1962年〜1963年
(5)ルドルフ・バルシャイ(指)ケルンRSO
録音:1996年
(6)マクシム・ショスタコーヴィチ(指)LSO
録音:1990年〜1991年
(7)ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO、タチアナ・モノガロヴァ(S)*、セルゲイ・レイフェルクス(Br)*
録音(ライヴ):2006年*&2013年
(8)コンスタンティン・イワノフ(指)ソヴィエト国立SO
録音:1962年
(9)エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)レニングラードPO
録音(ライヴ):1982年
(10)ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)ソヴィエト国立SO
録音:1983年
(11)ワレリー・ゲルギエフ(指)マリインスキー劇場O
録音:2015年
(12)キリル・コンドラシン(指)モスクワPO
録音:1974年
(13)マクシム・ショスタコーヴィチ(指)LSO
録音:1990年
(14)ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(指)LSO
録音:2002年
(15)エドワルド・セーロフ(指)サンクトペテルブルク室内O、ニーナ・ロマノワ(Ms)
録音:1984年
(16)キリル・コンドラシン(指)モスクワPO、ユルロフ・ロシア合唱団、ヴィタリー・グロマツキー(Bs)
録音:1962年
【ボーナス・ディスク】
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)レニングラードPO
録音(ライヴ):1954年
ロジェストヴェンスキー、ゲルギエフ、ムラヴィンスキー、バルシャイ、M.ショスタコーヴィチ、ユロフスキ、イワノフ、コンドラシン、ロストロポーヴィチ、セーロフ。ロシアの楽壇を彩ってきた偉大な指揮者たちによる贅沢なショスタコーヴィチの交響曲全集。交響曲全15曲に5つの管弦楽曲を収録した11枚のディスクに加え、録音状態の良くなかったムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによる交響曲第10番の1954年ライヴ・レコーディングに新たなリマスターを施したボーナス・ディスクがセットになっています。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

ALPHA
ALPHA-698(1CD)

NYCX-10495(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

HAYDN2032Vol.16〜驚き〜
交響曲第98番変ロ長調 Hob. I:98
交響曲第94番ト長調 Hob. I:94「驚愕」
交響曲第90番ハ長調 Hob. I:90
ロッシーニ:歌劇「絹のきざはし」序曲
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
バーゼル室内O (古楽器使用)
ステファノ・バルネスキ(コンサートマスター)
アンドレア・ブッカレッラ(Cemb)
ジョヴァンニ・アントニーニ(指)

録音:2021年10月11-15日 ドン・ボスコ、バーゼル、スイス
「交響曲の父」ことハイドンの生誕300周年となる2032年までに、現存する彼の交響曲全107曲を全て、最新の知見をふまえた古楽器 演奏で演奏・録音する「ハイドン2032」シリーズ。2014年からALPHAレーベルで進行中の録音プロジェクトも今や中盤ですが、初期と中 期の知られざる充実作群の面白さを重点的に紹介してきた過去15作の後に登場する今回のリリースは「驚き」の副題通り、後期の最も有 名な大編成作品群(通称『ロンドン交響曲』)を収録した1枚となりました。副題の出自である第94番「驚愕」(緩徐楽章が静かに始まって 間もなく、不意に総奏のフォルティシモが鳴り響く有名作)はもちろん、他の2曲も終楽章終盤まで気が抜けない思いがけぬ展開が潜んでお り、18世紀の演奏様式をふまえダイナミックかつ濃密な解釈を聴かせるアントニーニがここまで披露してきた若きハイドンの機知が、これら後 期作でも同様に脈々と生きていたことを深く実感できる名演を存分に愉しめます。今回はプロジェクトを共同で担ってきた2楽団の合同で (弦楽編成は8/8/5/5/3)コンサートマスターのバルネスキ他、ソリストとして活躍する古楽器奏者も多数参加。ブルージュの古楽コンクール 優勝者のブッカレッラが、通奏低音ではなく第98番第4楽章のごく一部で聴かれるソロのみに参加するという贅沢さ。アルバム末尾にロッシー ニ初期作の序曲があるのもまた驚きですが、音楽学者モーリッツ=バウアーの解説(独・英・仏語/国内仕様盤は日本語全訳付き)を踏ま えてこの流れの古楽器演奏で聴くことによって、イタリア歌劇の巨匠がいかにハイドンに多くを負っていたかも実感できることでしょう。

Linn
CKD-748(1CD)
シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D485
交響曲第8番ロ短調 「未完成」 D759
ロンド イ長調 D438
スコットランド室内O
ステファニー・ゴンリー(コンサートマスター/ソロ・ヴァイオリン)
マキシム・エメリャニチェフ(指)

録音:2023年3月22-27日 カイヤード・ホール、ダンディー、UK
(2024年に創立50周年を迎えたスコットランド室内Oと、その首席指揮者マキシム・エメリャニチェフによるシューベルト。世界中 で高い評価を得た前作「グレート」に続き、「未完成」と第5番という2つの人気曲を収録したアルバムが登場します。大きな反響を呼んだ読 売日本SOとの共演による「グレート」(2024年9月5日)の記憶も新しいところ、印象的だったそのテンポと同様今回の2曲においても 快速をキープ。しかしながら表情にごつごつとしたところが無くたいへん滑らかで、ドラマ性を必要以上に強調することも避け、シューベルトなら ではの歌が自然と浮かび上がるたいへん美しい演奏に仕上がっています。最後に収められた「ロンド」は、交響曲第5番と同時期(1816年) に書かれた弦楽合奏とヴァイオリンのための作品で、SCOコンサートマスターのゴンリーが伸びやかな演奏を聴かせます。

CPO
CPO-777919(1CD)
ハチャトゥリアン:交響曲第1番ホ短調
舞踏組曲
シューマン・フィルハーモニー
フランク・ベールマン(指)

録音:2014年3月24-27日ドレスデン、ルカ教会(ドイツ)
ベールマンとシューマン・フィルによるハチャトゥリアン交響曲全集の完結編。ハチャトゥリアンは21歳のときにミ ハイル・グネーシンから初めて作曲のレッスンを受け、完成度の高いピアノ曲や室内楽曲を作曲しました。更に研鑽を 積むために1929年にモスクワ音楽院に進んでミャスコフスキーの下で作曲を学び、1933年に舞踏組曲、翌年には 交響曲第1番を完成させました。交響曲はアルメニアのソビエト連邦加入15周年を記念する祝典曲として作曲さ れ、音楽院の卒業作品として認められました。「舞踏組曲」は、アルメニア文化に深く影響を受けたハチャトゥリアンら しく、独自のリズム感覚とオーケストレーションが巧みに生かされたドラマティックな作品です。
CPO
CPO-555472(1CD)
ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847):交響曲第6番ニ短調 Op.58
演奏会用序曲 ホ長調
序曲 変ホ長調
序曲 ヘ短調
演奏会用序曲 変ホ長調
ミュンヘン放送O
イヴァン・レプシッチ(指)

録音:2021年2月15-18日、6月9-11日
ベートーヴェンと同時代のオランダ生まれの作曲家ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス。父や兄からピアノと作曲の手ほど きを受け、フルートを独学で習得。19歳の時にアムステルダムに移り、演奏家および作曲家として成功を収めまし た。ハイドンやモーツァルトの影響を受けた彼の作品は、アムステルダムだけでなく、ライプツィヒでも高く評価されました が、1821年に妻を亡くした後、4人の子供を育てながら次第に公的な活動から身を引き、メノナイト教会のオルガン 奏者として生計を立てました。ヴィルムスの作品は約120曲が現存しており、その多くは器楽作品です。交響曲第6 番ニ短調は1834年頃の作品で、複雑な対位法と和声を駆使しており、熟達した作曲技法が見てとれます。アル バムには他に4つの序曲を収録。ホ長調の序曲は「牧歌的」、トラック6の変ホ長調の序曲は「英雄的」と表現され、 特に後者ではベートーヴェンの影響が顕著です。ヘ短調の序曲は「悲劇的」とされ、暗いムードに支配されています。 ミュンヘン放送Oと首席指揮者イヴァン・レプシッチの演奏です。

VOX
VOXNX-3047CD(1CD)
メンデルスゾーン:交響曲第4番、第5番他(2024リマスター)
序曲「フィンガルの洞窟」
交響曲第4番イ長調「イタリア」
交響曲第5番ニ長調「宗教改革」
ボルティモアSO
セルジュ・コミッショーナ(指)

録音:1974年6月26日、27日、11月7日 ボルティモア
1928年にルーマニアに生まれたセルジュ・コミッショーナは、15年間にわたりボルティモアSOの首席指揮者を務め、楽団の評価を飛躍的に高 めました。端正な造形、入念に整えられたバランス、隙のない仕上がりで、ここに収められた「イタリア」と「宗教改革」は『アメリカン・レコード・ガイド』で 同曲録音中のトップに推薦された名盤です。優秀録音で知られるマーク・オーボートとジョアンナ・ニックレンツのコンビ「エリート・レコーディングズ」が制 作したアナログ音源を名エンジニアのマイク・クレメンツが24bit/192kHzでデジタル化する「AUDIOPHILE EDITION」でのリリースです。

GRAND SLAM
GS-2327(2CD)
1枚分価格
フルトヴェングラー/3種のブラ1
ブラームス:交響曲第1番
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO

録音:(1)1947年11月17〜20、25日、ウィーン、ムジークフェラインザール
(2)1947年(?)
(3)1947年8月13日、ザルツブルク、フェストシュピールハウス
使用音源:(1)HMV (France, LA VOIX DE SON MAITRE) DB 6634/ 38, DBS 6639
(2VH7083-1/ 7084-2/ 7085-1/ 7086-2/ 7087-2/ 7088-2/ 7091-1/ 7092-1/ 7093-1/ 7099-1/ 7100-1)
(2)日本コロムビア DXM-163
(3)Private archive

録音方式:モノラル(1)SP録音、(2)SPからの復刻、(3)ラジオ放送用録音
■制作者より  
フルトヴェングラーとウィーン・フィルが演奏した1947年のブラームスの交響曲第1番の、SP復刻、LP復刻、ライヴ録音の3種類を収録した貴重盤です。SP 復刻はGS-2025(2007年)の、ライヴ録音はGS-2086(2012年)のそれぞれ久々の再発売となりますが、今回は1973年に日本コロムビアから発売され たDXM-163のLP復刻を加えました。この演奏はジョン・ハントのディスコグラフィ、「ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 権力と栄光」(ジェラール・ジュファ ン著、下澤和義訳、音楽之友社)に所蔵の同じくディスコグラフィなどでは「フルトヴェングラーではなくカール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏」とされてい ます。本当にベームなのか、非フルトヴェングラーなのか、実際に確かめてみてはいかがでしょうか? なお、このディスクではDXM-163のピッチは調整しました が、SP盤のつなぎ目に関しては修正せず、そのままにしてあります。また、ライヴ録音は一部に音揺れやレベル変動が含まれますし、第4楽章8分18秒付近には、 やや大きな音の変質が認められます。ご了承下さい。なお、今回も2枚組1枚価格の提供となります。(平林直哉)

Goodies
78CDR-3953(1CDR)
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 フェリックス・ワインガルトナー(指)VPO

米 COLUBIA68855/68860-D(英 COLUMBIA LX532/7と同一録音)
1936年5月22&23日ウィーン録音
フェリック・ワインガルトナー(1863-1942)オーストリアの大指揮者。ライプツィ ヒ大学で哲学を専攻したが、音楽への魅力に惹かれグラーツ、ライプツィヒ、ヴァ イマルの音楽院で学んだ。1889年からドイツ各地の歌劇場を転々としたが、1908 年にマーラーの後任としてウィーン宮廷歌劇場とウィーン・フィルハーモニー管 弦楽団の音楽監督に就任した。この「英雄」はワインガルトナーが残した唯一の 「英雄」。(グッディーズ)

フォンテック
FOCD-9910(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

2024年10月9日発売
ブルックナー:交響曲第6番イ長調 <ノーヴァク版> 尾高忠明(指)
大阪フィルハーモニーSO

録音:2024年1月22日 サントリーホール・ライヴ
2018年の音楽監督就任以来、ブルックナー演奏に邁進する尾高=大阪フィル。 ライヴCD 第6作である、2024年1月22日 第56 回東京定期演奏の「第6番」が登場。 低弦が奏でる荘重な主題で始まり、ブルックナー最美とも称せるアダージョ、峻厳なスケルツォを経て、 冒頭主題の輝かしい回帰へ至る極上の音楽時間。尾高 自在の境地が生んだ名演です。 (フォンテック)


Treasures
TRE-327(1CDR)
ルートヴィヒ/モーツァルト&ブラームス
モーツァルト
:歌劇「魔笛」序曲*
 歌劇「後宮からの逃走」*
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲#
 交響曲第1番ハ短調Op.68+
レオポルド・ルートヴィヒ(指)
ハンブルク国立歌劇場O*、ハンブルク国立PO#,+

録音:1960年代中期*、1959年頃#,+(全てステレオ)
※音源:独EUROPA E-177*、日COLUMBIA MS-101-K#、独maritim KLASSIK 47473NK+
◎収録時間:73:37
“質実剛健一辺倒ではないルートヴィヒの人間味豊かな職人芸!”
■音源について
2つのオケの実体は同じものと思われますが、ここではレコードの表記のまま分けて記載しております。交響曲は独Opera録音。ここでは、音の輪郭が明瞭に立ち昇るライセンス盤を採用しました。ます。

★このブラームスは、マーラーの第9やチャイコフスキーの第5と並んで指揮者ルートヴィヒが残した屈指の遺産です。
 ハイドン変奏曲は、第2〜第3変奏のオケの潜在能力を活かした無垢な響きが印象的。無窮動的な第5変奏では、軽妙なリズムの冴えを見せつつ決して浮足立たない安定感が流石。終曲は、開始直後は意外なほど柔らかなテクスチュアを敷き詰めますが、次第に芯を湛えたマッシブな響きへと次第に醸成させる手腕に脱帽。
 交響曲はまさに男気溢れる快演!これほど衒いと無縁な演奏も珍しく、したがって造形の立派さで圧倒しようなどという魂胆もさらさらありません。スコアの丁寧な再現を最優先させる一途さには迷いも嘘もないので、聴き手は演奏に対すして高い信頼を寄せ、結果的に積極的に演奏のエッセンスを感じ取ろうとするのめり込む…というような独特の牽引力を孕んだ演奏と言えます。
 安易な演出とは無縁の基本姿勢は第1楽章序奏部からして明確ですが、表面的な煽りを超えたティンパニの激流とソリッドな強打が熱い響きを醸成し、早速これが生半可な演奏でないことを窺わせます。第2楽章冒頭部の呼吸の長さと深さはどうでしょう!しかも、繊細であっても決して痩せない音作りの妙味!第3楽章は、演奏時間4分台と速めのテンポを取りながら、響きのブレンドの良さは第2楽章と何ら変わらず。終楽章は、冒頭部のティンパニの奔流にまず息を呑み、第1主題に差し掛かるまで、ブラームスと縁の深いハンブルクのオケ特有の佇まいが自然に息づきます。特に2:39からのホルンからフルートへと続く確信に満ちた響きには、広大さというより一匹狼的な凄みすら感じます。第1主題の目の詰んだ弦の響きが深淵な空気を醸し出す様は実に感動的。ルートヴィヒの人間臭さを感じずにはいられないのが最後の締めくくり。ジョージ・セルが意図的にテンポを落として風格と品格を徹底的に刻印(2種のステレオ録音に共通!)して終わるのとは正反対の開放的な進行ぶりに、ルートヴィヒの子どものような純粋さを感じるのは私だけでしょうか?
 本来、職人芸と人間味は矛盾するかもしれませんが、音楽を過剰に立派な芸術品として祭り上げることのないルートヴィヒの音楽作りにおいては、この2つは共存するのです。【2024年9月・湧々堂】


オクタヴィア
OVCL-00847(1SACD)
2024年9月25日発売
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 大友直人(指)東京SO

録音:2023年9月16日ミューザ川崎シンフォニーホール・ライヴ
チャイコフスキーが生涯遺した交響曲の中でもとりわけ人気の高い第 6番「悲愴」。日本の音楽界をリードし続けている指揮者のひとり大 友直人と東京SOによるミューザ川崎シンフォニーホールでのラ イブ・レコーディングです。1989年以来、「悲愴」はこのコンビに よって16回も取り上げられ、その信頼関係のもと、けっして大仰にな らず、バランスよく構築された表現でありながらも、内に秘めたるも のを感じさせてくれるまさに名演となりました。ライブならではの緊 迫感とエネルギー感をぜひお楽しみください。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCL-00861(1SACD)
2024年9月25日発売
ベルリオーズ:幻想交響曲 小林研一郎(指)
コバケンとその仲間たちオーケストラ

録音:2024年6月1日東京・サントリーホール・ライヴ
「コバケンとその仲間たちオーケストラ」は、2005年のスペシャ ルオリンピックスの公式文化事業の企画を機に設立されたオーケ ストラで、プロ・アマチュア・学生・障がいの有無に関わらず、 活動趣旨に賛同する奏者が集まり演奏しています。 当盤は、2024年6月に行われたコンサートのライブ録音です。オー ケストラ120余人が一丸となって壮大なドラマを描いた、パッ ション溢れる演奏をお聴きください。(オクタヴィア)

ACCENTUS Music
ACC-30652CD(1CD)
ブルックナー:交響曲第2番ハ短調WAB102(1877) バンベルクSO
クリストフ・エッシェンバッハ(指)

録音:2024年3月、ヨーゼフ・カイルベルト・ザール、バンベルク
2024年クラシック音楽界はブルックナーの生誕200周年に沸いており、続々と注目の録音がリリースされています。今回登場するのは、バンベルクSO と名誉指揮者であるクリストフ・エッシェンバッハによるブルックナーの交響曲第2番です。 両者といえば、シューマンの交響曲全集やサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」などの名録音が存在しますが、コンサートでの初共演はもちろんピアニス トとしてのエッシェンバッハとでした。1965年10月1日。指揮台には、1977年には日本人で初めてVPOを指揮するなど海外 でも活躍した指揮者、岩城宏之が上がり、スメタナの「売られた花嫁」序曲とチャイコフスキーの交響曲第5番というプログラムのコンサートに、クララ・ハスキル・ コンクールで優勝したばかりの若手ピアニストとしてエッシェンバッハが登場。シューマンのピアノ協奏曲を演奏し、バンベルクの人々に強烈な印象を残しました。 それから半世紀以上経った2024年、クラシックの大作曲家の生誕200周年を祝うため、満を持して同地でセッション録音を行いました。ブルックナーの第2交 響曲は、初期作品ながら、すでにブルックナーの個性は横溢しています。マーラーやチャイコフスキーを得意とするエッシェンバッハは、耽美的、濃厚な抒情美、そし て幅広い表現力が独特。そうしたエッシェンバッハの指揮によって表現された壮大でドラマティックな緊張感と抒情的な美しさは聴きものです (Ki)


Hanssler
HC-24039(4CD)

KKC-6884(4CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ハイドン:交響曲全集 Vol.32〜35
CD1 Vol.32
(1)交響曲第66番変ロ長調 Hob.I:66
(2)交響曲第71番変ロ長調 Hob.I:71
CD2 Vol.33
(3)交響曲第62番ニ長調 Hob.I:62
(4)交響曲第74番変ホ長調 Hob.I:74
(5)交響曲第76番変ホ長調 Hob.I:76
CD3 Vol.34
(6)交響曲第77番変ロ長調 Hob.I:77
(7)交響曲第78番ハ短調 Hob.I:78
(8)交響曲第81番ト長調 Hob.I:81
CD4 Vol.35
(9)交響曲第80番ニ短調 Hob.I:80
(10)交響曲第79番ヘ長調 Hob.I:79
(11)交響曲第91番変ホ長調 Hob.I:91
ハイデルベルクSO
ヨハネス・クルンプ(指)

録音:(1)2022年6月30日&7月1日、(2)2022年7月2&4日、(3)2022年7月1&2日、4)2023年3月8&9日、(5)2022年10月10&11日、(6)2022年10月11〜13日、(7)2022年10月13&14日、(8)2023年3月9〜11日、(9)2023年5月19&20日、(10)2023年5月20&21日、(11)2023年5月22&23日
/ハイデルベルク=プファッフェングルント、ゲゼルシャフトハウス
颯爽としたピリオド・アプローチがたまらないハイデルベルクSOによるハイドンの交響曲。2023年5月、ついに全曲録音が完成しました!第28〜 31集(KKC-6788/ HC-23081)に続き、第32〜35集も4枚組セットでのリリースです!
2020/2021年シーズンより音楽監督をつとめるヨハネス・クルンプ率いる当団の演奏は常に新鮮!ハイドンへの敬愛を感じさせる繊細な弱音から時に荒々 しいと思えるアプローチまで、当団ならではのエネルギッシュな演奏はユーモアに溢れており、非常に説得力のある解釈を示したクルンプの手腕も確かなもので、 交響曲全曲録音の最後にふさわしい充実の演奏を聴かせてくれます。
「ハイデルベルクSOのハイドンは、力強さ、フレッシュさ、野性味、ユーモア、そして豊かな驚きに満ちており、この全曲録音がついに完成したことを 非常に嬉しく思います。当団との演奏は幸福への旅でもありました。それは、理想に向かうために、技術的な完璧さだけでなく、音楽への愛、特別なものを創 り出そうという団員の意志と結びついており、ハイドンの交響曲の世界に完璧に当てはまっています」(ヨハネス・クルンプ)
国内仕様盤(KKC-6884/7)はハイデルベルクSOのヴィオラ奏者、矢崎裕一氏による日本語解説書付です。 (Ki)

EUROARTS
20-66504(Bluray)
チェリビダッケ&ミュンヘンPOの芸術的遺産
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
(2)シューマン:ピアノ協奏曲
(3)ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』
(4)プロコフィエフ:古典交響曲
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 イベリア
ミュンヘンPO
セルジウ・チェリビダッケ(指揮 )

(1)ダニエル・バレンボイム(P)
収録:1991年10月ミュンヘン、ガスタイク(ライヴ)
(2)ダニエル・バレンボイム(P)
収録:1991年7月エアランゲン・シュタットハレ(ライヴ)
(3)収録:1991年
(4)収録:1988年
(5)収録:1994年ミュンヘン、ガスタイク(ライヴ)
1979年から1996年の間ミュンヘン・フィル音楽監督を務めたカリスマ指揮者セルジュ・チェリビダッケ(1912-1996)。本作は、1988年から1994年 の、晩年のチェリビダッケと手兵ミュンヘン・フィルとの映像を集め、1枚のブルーレイに収録したもの。演目は、バレンボイムをソリストに迎えたチャイコフスキーと シューマンのピアノ協奏曲、チェリビダッケの中核的なレパートリーの1つドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』、厳しいリハーサルで知られているチェリビ ダッケ節が炸裂するリハーサル映像も収録されたプロコフィエフ『古典的交響曲』。そしてこの上なく精緻で豊かなサウンドで聴かせるラヴェルとドビュッシー。 チェリビダッケは、イタリア、北欧のオーケストラ、そしてシュトゥットガルトRSOで活躍した後、1979年ミュンヘン・フィルの首席指揮者に就任。1996 年に死去するまで、古典からロマン派、近代の作品で多くの名演を残し、オケの一時代を築きました。チェリビダッケの演奏は、妥協のないリハーサルと荘重なテン ポで知られ、また、録音を頑なに拒み続けたことなどのエピソードがあります。20世紀の音楽界において、もっとも印象深いカリスマ指揮者の一人です。 (Ki)

BR KLASSIK
BR-900720(9CD)
ベルナルト・ハイティンク:ポートレート第2集

【CD1】
1-4. ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調「合唱付き」 Op.125

【CD2】
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」WAB 104(第2稿1878/80)

【CD3】
. ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107

【CD4】
ブルックナー:テ・デウム WAB45
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB108(第1楽章-第2楽章)*

【CD5】
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB108(第3楽章-第4楽章)

【CD6】
ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調 Op.70
スケルツォ・カプリチオーソ Op.66*

【CD7】
マーラー:交響曲第7番ホ短調

【CD8】
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 Op.65

【CD9】
ショスタコーヴィチ:交響曲第15番イ長調 Op. 141
全て、ベルナルト・ハイティンク(指)、バイエルンRSO
【CD1】
サリー・マシューズ(S)、ゲルヒルト・ロンベルガー(A)、マーク・パドモア(T)、ジェラルド・フィンリー (Bs)、バイエルン放送cho/録音:2019年2月20-23日ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ライヴ)
【CD2】
録音:2012年1月19-20日ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ライヴ)
【CD3】
録音:1981年11月19-20日ミュンヘン、ヘルクレスザール(ライヴ)
【CD4】
クラッシミラ・ストヤノヴァ(S)、イヴォンヌ・ナエフ(A)、クリストフ・シュトレール(T)、ギュンター・グロイスベック(Bs)、バイエルン放送cho/録音:2010年11月10-12日ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ライヴ)、1993年12月15-17日ミュンヘン、ヘルクレスザール(ライヴ)*
【CD5】
録音:1993年12月15-17日ミュンヘン、ヘルクレスザール(ライヴ)
【CD6】
初CD化
録音:1981年3月26-27日ミュンヘン、ヘルクレスザール(ライヴ)、1981年3月24日ミュンヘン、ヘルクレスザール(セッション)*
【CD7】
録音:2011年2月14-18日ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ライヴ)
【CD8】
録音:2006年9月23日ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ライヴ)
【CD9】
初CD化
録音:2015年2月5-6日ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ライヴ)
1958年にバイエルンRSOの定期演奏会で(指)以降60年以上にわたってオーケストラと緊密な協力関係を築いてきたベルナル ト・ハイティンク。今回の収録曲もオーケストラにとってはコンサートシーズンの目玉になるような大曲が多く、指揮者とオケとの盤石の信頼関 係がうかがわれます。「第九」は悠揚迫らざる音楽作りが曲の風格をさらに高めるような演奏。ブルックナーの第8番はハイティンクの同曲録 音の中でもっとも長い演奏時間をかけた重厚緻密な演奏として話題になりました。ショスタコーヴィチも第8番と第15番を収録、Deccaに録 音した交響曲全集でレコード・アカデミー賞に輝いたように、この作曲家もハイティンクの十八番。ドヴォルザークの第7番はコンセルトヘボウと の1957年録音があっただけなので、24年後の当録音はファンにとって非常に興味を惹かれるものでしょう。ドヴォルザークの第7番とショスタ コーヴィチの第15番は当セットが初出。レーベル情報では2025年前半に分売を予定しているとのことです。

Channel Classics
CCS-46924(1CD)
神童フェリックス 〜フェリックス・メンデルスゾーン初期作品集
キリエ ニ短調 MWV A3(1825)
弦楽のための交響曲第10番ロ短調 MWV N10(1823)
めでたし、海の星(アヴェ・マリス・ステラ)(1828)
交響曲第1番ハ短調 Op.11(1824) (ミシャ・スポルクによる編曲版)
カンタータ「ただ愛する神の摂理にまかす者」(1828)
ナネッテ・マンス(S)
アルス・ムジカO&cho
パトリック・ファン・デル・リンデン(指)

録音:2023年11月 ワロン教会、アムステルダム
オランダの合唱指揮者パトリック・ファン・デル・リンデンを中心に、若い世代のプレイヤーが集まって発足したアルス・ムジカによるメンデルスゾー ン初期作品集。作曲家がまだ若い頃、バッハをはじめとする古い時代の音楽の復権に意欲的だった師匠ツェルターの元で作曲を学んでいた 時期に遡る一連の初期作品は、バロック音楽を思わせる音運びやポリフォニックな曲構造が特徴的。ここでオーケストラはナチュラル・ホルンを 除き基本的に現代楽器を使っていますが、ノンヴィブラート中心のピリオド奏法を踏まえた弦楽合奏が作り出すハーモニーは透明感にあふ れ、緻密な合唱と溶け合うかのような美しい調和の中、曲の起伏をよく捉えメリハリの利いた解釈を聴かせてくれます。擬古的な書法に風格 が漂うキリエ、ナネッテ・マンスの美声がひときわ映える「めでたし、海の星」、作曲翌年の『マタイ受難曲』復活上演を予告するかのようなカン タータ「ただ愛する神の摂理にまかす者」といった声楽曲の傍ら、バロックさながらの弦楽交響曲と初期ロマン派の息吹が瑞々しい交響曲第 1番での冴えわたる器楽勢の活躍も聴き逃がせません。なお交響曲第1番はオランダの作曲家ミシャ・スポルクによる小編成への編曲版が 用いられており、ファン・デル・リンデンによれば、ファニーの誕生日祝いにメンデルスゾーン家で行われたと伝わる初演時の姿を想定したというこ とです。

Pentatone
PTC-5187353(4CD)
シューベルト:交響曲全集
(1)交響曲第1番ニ長調 D.82(1813)
(2)交響曲第6番ハ長調 D.589(1818)
(3)交響曲第2番変ロ長調 D.125(1815)
(4)交響曲第3番ニ長調 D.200(1815)
(5)交響曲第4番ハ短調「悲劇的」D.417(1816)
(6)交響曲第5番変ロ長調 D.485(1816)
(7)交響曲第9番ハ長調「ザ・グレート」D.944(1825-26)
(8)交響曲第8番ロ短調「未完成」D.759
【 「私の夢」第1部* / T.アレグロ・モデラート / 「私の夢」第2部* / U.アンダンテ・コン・モート】(1822)
トビアス・モレッティ(朗読)*
ビー・ロック・オーケストラ、
ルネ・ヤーコプス(指)

録音:(1)(2)2018年3月、
(4)(6)2020年2月ザール・インスブルック(インスブルック会議場内)
(3)(5)2019年7月デ・スピル・コンサートホール(ルセラーレ)
(7)(8)2020年12月デ・ジンゲル(アントワープ)
ルネ・ヤーコプス率いるビー・ロック・オーケストラのシューベルト交響曲全曲が遂にセットになって登場!
ベルギー第3の都市ヘント(ゲント)に2005年創設されたオリジナル楽器のビー・ロック・オーケストラ(B’Rock Orchestra)。実力派により構成された当 団は音楽的に互いを刺激し合い、ルネ・ヤーコプス、アイヴァー・ボルトン、アレクサンドル・メルニコフなどの演奏家との共演で名声を高めてきました。当団には 日本人演奏家も多く所属しており、2019年9月には待望の初来日を果たしております。変幻自在の音色で奏でることができる当団がヤーコプスのタクトにより自 由に歌い、そしてカラフルで刺激的な演奏を聴かせてくれます。シューベルト交響曲全曲集、新名盤の登場です!
「未完成」ではシューベルトの自伝的な作文「私の夢」の朗読付き。この作文は1822年7月3日に書かれた2部構成のもの。前半は母の死や父との関係が語 られ、後半は幻想的でロマンティックな世界へと進み、やがて父との和解がもたらされます。一方「未完成」の自筆スコアには同年10月30日という日付が記さ れています。ほぼ同時期に書かれたこれらを組み合わせることにより当時のシューベルトの精神性をあらわせるという考えのもと収録しました。朗読はトビアス・モ レッティです。
「幼少の頃、私のお気に入りの作曲家の中で初めてコンサートで歌う機会を与えられたのがシューベルトでした。やがて、母国の都市ヘントにある大聖堂の少年 合唱団のメンバーとなりボーイソプラノのソリストとして歌ってきました。その当時、私はディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの歌うシューベルトの歌曲の録音 を聴き、ますますシューベルトの虜になりました。私はカウンターテナー歌手としてキャリアをスタートさせ、歌手として、そして指揮者として様々な作曲家の作品を 演奏してきましたが、指揮者として私が最も敬愛するシューベルトにかえってきました」(ルネ・ヤーコプス) ※当セットはCDフォーマットとなります。

Forgotten Records
fr-1930(1CDR)
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」 ポール・パレー(指)
デトロイトSO

録音:1962年12月8日、ヘンリー・フォード・ホール講堂〔フォード講堂〕、デトロイト、ライヴ
Forgotten Records
fr-1932(1CDR)
グーセンス〜メンデルスゾーン:交響曲集
第4番「イタリア」/第5番「宗教改革」
ユージン・グーセンス(指)
LPO

録音:1957年(ステレオ)
※音源: Classic Club X512他
Forgotten Records
fr-1939(1CDR)
グラズノフ:交響曲第4番変ホ長調 Op.48*
カバレフスキー:交響曲第2番Op.19#
ジャック・ラフミローヴィチ(指)
サンタ・チェチーリア音楽院O

録音:1949年3月
※音源: Capitol P-8027他
Forgotten Records
fr-1943(1CDR)
オスカー・フリート
チャイコフスキー: 交響曲第6番「悲愴」*
リスト:交響詩「マゼッパ」#
オスカー・フリート(指)
ロイヤルPO(旧)*、BPO #

録音:1929年1月2日、2月4日-5日
※音源:英Columbia 9867/71他
Forgotten Records
fr-1945(1CDR)
ストコフスキー&ニューヨークPO
ヘンデル(ストコフスキー編): 組曲「水上の音楽」*
モーツァルト:交響曲第40番#
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番+
レオポルド・ストコフスキー(指)
NYO

録音:1960年3月5日、カーネギー・ホール、、ニューヨーク、 US 、ライヴ
Forgotten Records
fr-1947(1CDR)
ブラームス: 交響曲第2番ニ長調 Op.73*
アルト・ラプソディ Op.53#
グレース・ホフマン(A)#
カール・バンベルガー(指)*,#
フランクフルト歌劇場O*、
ハンブルク NDR響&cho#

録音:1956年、ステレオ
※音源:Concert Hall CHT/BN-23*, (オープン・リール)

ONDINE
ODE-1454(1CD)
NX-B10

NYCX-10490(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
フェルディナント・リース(1784-1838):交響曲第4番ヘ長調 Op.110(1818)
交響曲第5番ニ短調 Op.112(1813)
タピオラ・シンフォニエッタ
ヤンネ・ニソネン(指)

録音:2024年3月4日-7日エスポー(フィンランド)、タピオラ・ホール
2020年代からにわかに注目を集める「ベートーヴェンの弟子」フェルディナント・リース。これまでハワード・グリフィス指揮チューリヒ室内管のcpo盤が唯一の交 響曲全集でしたが、高性能室内オケとして知られるタピオラ・シンフォニエッタがONDINEレーベルで全曲録音を開始しました。2024年5月発売の第1番 &第2番に続いて、早くも第2弾が登場。ニソネン盤は曲が内包する爆発的なエネルギーと色彩の面にフォーカスしており、非常にエキサイティングな演奏と なっています。前作に続いて城代さや香(きのしろさやか)が第2ヴァイオリンをリードしています。 リース作品の番号付けは作曲順とは異なることが多く、ここに収録された第4番は1818年、第5番は1813年の作品で、後者は2番目の交響曲になりま す。当時リースは、ハイドンのロンドン交響曲をプロデュースしたヨハン・ペーター・ザロモンと出会ってロンドンに拠点を移しており、第5番はロンドン楽壇へのデ ビュー作。第1楽章は「運命動機」をはじめとしてベートーヴェンの第5交響曲を思わせるモチーフが頻出し、あたかもベートーヴェンの後継者であることを宣言 しているかのよう。「運命動機」はその後も随所に顔を出します。第4番でも、あちこちでベートーヴェンの交響曲のモチーフがこだましているのを聞き取ることが できるでしょう。それらがリース独自のモチーフと共に、彼の作品の特徴である大胆な転調やリズムの変化を多用した疾風怒濤風の表現に織り込まれている ところが聞きどころです。
国内仕様盤には相場ひろ氏による日本語解説が付属します。

CPO
CPO-555115(1CD)
NX-C04
カール・ライネッケ(1824-1910):管弦楽作品集第2集
交響曲第2番ハ短調 Op.134
序曲「ユーベルファイアー」 Op.166
荘厳なプロローグ Op.223
村の菩提樹の下での踊り Op161No.5
序曲「ダーメ・コボルト」 Op.51
ゼノビア序曲 Op.193
ミュンヘン放送O
ヘンリー・ラウダレス(指)

録音:ミュンヘン、バイエルン放送 第1スタジオ2015年6月10-14日、2016年7月18-22日
2024年に生誕200年を迎えたライネッケ。ブルックナーと同い年ですが、高名な音楽教育者の父の元に生まれた だけにいち早く音楽理論を習得し、作曲家及びピアニストとして早熟の才能を発揮しました。85年余りの生涯を 通じて数多く作品を遺すと共に、ライプツィヒ音楽院の教授およびゲヴァントハウスOの指揮者として音楽 界に多大な貢献をしました。番号付きの交響曲が3曲あり、ここに収録された第2番はデンマークの作家アダム・ エーレンシュレーガーの悲劇「ホーコン・ヤール」に触発されたもの。暗い音色と緻密で重々しいサウンド、ロマン ティックな旋律や悲愴さを帯びた高揚感、最後に輝かしく終わる様はまさに後期ロマン派の醍醐味といった趣があ ります。4つの序曲とゲヴァントハウス管のために作曲した「村の菩提樹の下での踊り」も同種の音楽。このコンビの 第1集(555114)と合わせて3曲の交響曲が揃いました。

VOX
VOXNX-3046CD(1CD)
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」*
劇音楽『夏の夜の夢』〜 序曲/スケルツォ/夜想曲/結婚行進曲
ボルティモアSO
セルジュ・コミッショーナ(指)

録音:1974年3月9日*、1977年6月
1928年にルーマニアのブカレストで生まれたセルジュ・コミッショーナはヴァイオリニストとして早くから才能を発揮。更にシルヴェストリらの指導を受けて 17歳で指揮者としてデビュー、ルーマニアの国立歌劇場の指揮者も務めました。その後イスラエルを経てアメリカに移住し、15年間にわたりボルティモ アSOの首席指揮者を務め、楽団の評価を一気に高めました。入念に整えられたバランスと隙のない仕上がりで、この指揮者の実力を伝えま す。優秀録音で知られるマーク・オーボートとジョアンナ・ニックレンツのコンビ「エリート・レコーディングズ」が制作したアナログ音源を名エンジニアのマイ ク・クレメンツが24bit/192kHzでデジタル化する「AUDIOPHILE EDITION」でのリリースです。 コミッショーナとボルティモア響の主な録音先はVanguardでしたが、VOX Turnaboutからメンデルスゾーンの交響曲第3番、第4番、第5番と「フィン ガルの洞窟」が出ていました。第3番「スコットランド」は「フィンガルの洞窟」とのカップリングで1975年にリリース(LP番号はQTVS 34604)されました が、今回カップリングされた『夏の夜の夢』の4曲はVOXのマスターテープ倉庫で発見された未発表音源です。レーベル情報によれば「フィンガルの洞 窟」は第4番&第5番と合わせて近日リリース予定とのこと。


Treasures
TRE-328(1CDR)
スワロフスキー〜ベートーヴェン&シューベルト
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調*
ハンス・スワロフスキー(指)
ウィーン国立歌劇場O

録音:1957年(モノラル)
※音源:ORBIS 21224、仏VEGA 30MT-10.107*
◎収録時間:69:51
“品格と内燃エネルギーを共存させるスワロフスキーの知られざる手腕!”
■音源について
スワロフスキーのシューベルトの交響曲は、他に「グレイト」が、ベートーヴェンは他に第2、3、5、6、8番の録音があります。

★まず「未完成」が掛け値なしで世紀の名演!この作品の潜在的な魅力をこれほど根底から炙り出した演奏が他にどれだけあるでしょう?第1楽章冒頭から、ふくよかで地に足のついた音に「あ〜この音!」と叫びたくなると同時に、単に楽器を器を弾くのではなく「奏でる」ことによる味わいの大切さを思い知らされます。第2主題直前のホルンのハーモニーの共鳴度も、昨今の薄っぺらさとは別次元の深淵さはどうでしょう!第2主題のチェロのユニゾンでさえ互いの共鳴を感じ取っている様が胸に迫ります。展開部冒頭は心の慄きがジリジリと増す過程では、呼吸に過度な振幅を与えず、その持久力によって全体の緊張感を確実に積み上げているのは、流石の職人芸。8:37の抑え難い内燃を表す弦の唸りも必聴!再現部0:50以降では、音の色彩と精神が一体化したように音楽が粒立ち、どこを取っても愛が強固に結晶されていて感動を禁じえません。とかく平板に流れがちな第2楽章も、何の変哲もないようでいて彫琢豊かな音像を形成しながら、惜しみない愛を投入。一切弛緩のない有機的なフレージングと尋常ならざる豊かなハーモニーで魅了し続けます。自己顕示や衒いを受け入れないこういう作品こそ職人的な指揮者の本質が活きるのでしょう。
 一方のベートーヴェンも、これまた心揺さぶる名演。第1楽章冒頭の打ち込みはまさに迷いのない意思の塊!「英雄」冒頭もそうですが、こうでなければなりません。近年ではマイルドにふわ〜っと開始するスタイルも散見されますが、そのどこに作曲家の意思を感じろというのでしょう?主部以降はデフォルメや誇張を用いない自然体のアプローチが続きますが、シューベルト同様、内声の連動力が極めて高いので音楽が常にキリッと立ち上がり、漫然と流れることがありません。展開部はテンポを一段落としてクレンペラーに近いテンポになりますが、瑞々しも緊張感も見事に維持。第2楽章は弦の美しさが古今を通じて傑出。言うまでもなく弦のブレンド具合が物を言う楽章なので、この点は見逃せません。特に2:23以降の血と汗を一杯に湛えながら一定の品格も保った進行は、この指揮者の矜持の表れとも言えましょう。終楽章は超高速を避け、リズムをきっちり浮き出るやや遅めのテンポを採用し、最後までイン・テンポで通します。テンポが遅くなるほど響きの凝縮と緊張の持続が困難となり、力量のない指揮者が安易に高速で突っ走る例が多いのは御存知の通り。暴走による痛快さよりも作品の造形を確実に打ち出しながら、誠心誠意演奏に集中するスワロフスキ-の指揮の下では、もちろん音楽が淀むことなどありません。コーダ最後の締めくくりで、あからさまに「句点」を打ち込むのも、この進行なら当然と納得させるものがあります。
 なお、2曲とも全てのリピートを敢行していますが、ベートーヴェンの終楽章提示部の繰り返しでは一部カットして演奏されています。 【2024年8月・湧々堂】


SOMM
ARIADNE-5031(2CD)
NX-D05
ブルックナー:交響曲第5番、他
【CD1】
交響曲第5番変ロ長調 WAB106・・・初CD化

【CD2】
弦楽五重奏曲 ヘ長調 WAB112
弦楽五重奏のための間奏曲 WAB113
【CD1】
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指)
ベルリンRSO(現ベルリン・ドイツSO)
【CD2】
ウィーン・コンツェルトハウスSQ
フェルディナント・シュタングラー(第2ヴィオラ)

録音:【CD1】1963年12月8日 ベルリン、ケーペニック、放送会館(ステレオ、ライヴ/ベルリン放送のエア・チェック)
【CD2】1956年、ウィーン楽友協会ブラームスザール(MONO/初出LP:Vanguard VRS480による復刻)
アメリカ・ブルックナー協会の放送音源(エアチェック)から、選りすぐりの初出音源で交響曲全集をCD化するブルックナー・フロム・アーカイヴ第4巻、ドホナーニ 若き日の第5番のステレオ・ライヴが登場。 このプロジェクトは、放送業界でも活躍したアメリカ・ブルックナー協会の事務局長ジョン・F・バーキーの膨大なエアチェック・テープを中心に、選りすぐりの音源 で交響曲全集をCD化するもの。同協会の総裁でブルックナー研究者のベンジャミン・コーストヴェットが監修と解説執筆を担当していることも注目です。ここ まで作品の作曲年順にCD化しており、今回は1870年代後半の2作品を収録しました。CD1の交響曲第5番は当時34歳のクリストフ・フォン・ドホナーニ (指)ベルリンRSOの演奏です。オーケストラは現在のベルリン・ドイツSOで、1946年にRIASSOとして発足した楽団。コースト ヴェットは当演奏の意義について「この指揮者のキャリアの初期の記録であり、その客観的な解釈が戦後生まれの若き指揮者たちの模範となった」としていま す。CD2はウィーン・コンツェルトハウスSQとヴィオラのシュタングラーによる弦楽五重奏曲と間奏曲を収録。ヴァンガード・レーベルへのセッション録 音で、コーストヴェットは「ポルタメントの使用、抒情的な表現への傾斜、ロマンティックなテンポ設定とフレージングを古臭いと感じる人も少しはいるだろうが、 音楽の持つ感情や情緒的な雰囲気を丁寧に描こうとするウィーンの伝統的スタイルの典型であり、現在ではほぼ失われてしまったものを留めている」点を評 価しています。コンツェルトハウスSQの演奏は、ウェストミンスター・レーベルに録音したものが繰り返し再発売されてきた一方で当ヴァンガード盤は復刻から漏 れていたため、待望のCD化と言えるでしょう。 このシリーズ、交響曲の音源は初出のものを使うこと以外は明らかにされていませんが、ブルックナーの演奏史において独自の意義を認めたものや重要な貢 献を果たした指揮者のものが選ばれており、ブルックナー・ファンにとっては残る4曲(第6番から第9番)の選択にも注目です。

Profil
PH-20056(2CD)
エディション・シュターツカペレ・ドレスデン Vol.49
歴史的シェラック盤〜ゼンパーオーパー録音
(1) ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98
(2) レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガOp.132
(3) ヘルベルト・ブロムシュテットへのインタビュー(2021年)
(4) シューベルト:交響曲第5番変ロ長調D485
(5) ビゼー:歌劇「カルメン」抜粋(ドイツ語上演)【約53分】
カール・ベーム(指)
シュターツカペレ・ドレスデン
カルメン:エリーザベト・ヘンゲン(Ms)、ドン・ホセ:トルステン・ラルフ(T)、エスカミーリョ:ヨーゼフ・ヘルマン(Br)、ミカエラ:エルフリーデ・ヴァイトリヒ(S)ほか、
ドレスデン国立歌劇場cho

録音:1939年6-7月(1)、1937年6月(2)/ドレスデン・ゼンパーオーパー、
1942年6月(4)/ドレスデン衛生博物館、1942年12月4日(5)/ドレスデン・シュターツオーパー
profilレーベルの人気シリーズ「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」の第49弾は壮年期のカール・ベーム。世界初録音だった1937年レーガーの「モー ツァルトの主題による変奏曲とフーガ」、1939年のブラームス「交響曲第4番」をエレクトローラのシェラック盤から再生。当時はSP盤片面約4分ずつ止めて録 音しなくてはなりませんでしたが、レーガーは音響的にも音楽的にも流れがあり見事。当時雑誌で絶賛されたのも頷けます。
1941年に磁気テープが開発され、ドレスデン衛生博物館の舞台を放送スタジオにして新たなページが始まりますが、その記念すべき第1号がベーム指揮によ るシューベルトの交響曲第5番でした。また、1942年のベームお別れ公演の「カルメン」の抜粋もボーナス収録。どちらもシュターツカペレ・ドレスデン所蔵のテー プから再生。戦前の輝かしいシュターツカペレ・ドレスデンドレスデンの演奏を堪能できます。 (Ki)

Profil
PH-23086(1CD)
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(1888年版) ゲルト・シャラー(指)
フィルハーモニー・フェスティヴァ

録音:2023年8月20日/エーブラハ大修道院付属教会(ライヴ)
ブルックナーの交響曲全稿録音を目指しているゲルト・シャラーとフィルハーモニー・フェスティヴァが交響曲第4番の1888年版に挑戦しました。これまで 1874年版(PH22010)と「村の祭」付1878/80年版 (PH13049)を録音しましたが、3枚目は同曲でもっとも問題があるとされる第3稿こと1888年版。
1888年版は弟子たちが改訂を施したとされ長く顧みられませんでしたが、2004年にコーストヴェットの校訂譜が国際ブルックナー協会から出版され、録音や 実演も増えつつあります。今回の演奏はこだわり派のシャラーらしく「コーストヴェット版」とは明記されておらず、より古い出版譜も検討していることが伺え興味 津々です。
これまでのシャラーのブルックナー4番録音同様にテンポは速く推進力に満ち、引き締まった解釈がとても新鮮。これまで悪名高かった1888年版を改めて味わ う貴重な体験をさせてくれ、弟子たちの改訂が決して改竄ではなく師ブルックナーへの敬意と愛情をこめて行たことが感じられるかのようです。ブルックナー・イ ヤーの最重要リリースのひとつと申せましょう。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00854(2SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価

2024年8月28日発売
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」 ジョナサン・ノット(指)
東京SO

2023年5月20日東京・サントリーホール、5月21日ミューザ川崎シンフォニーホール・ライヴ
音楽監督ジョナサン・ノットと東京SO、名コンビによるマーラー・シリーズに待望の 続編、交響曲第6番「悲劇的」が登場です。マーラーの長大な傑作を緻密に読み解き、冒頭 から見通しよく構築された音楽、全神経を注ぐ冴え漲るタクトにオーケストラが万全に応え フィナーレへ聴き手を誘います。最終楽章の破滅のハンマーはマーラー初期のアイディアを 取り入れるなど、両者が見事に描き出したマーラー観は聴く者を惹きつける魅力に溢れ、ま(オクタヴィア)

B RECORDS
LBM-066(2CD)
NX-E05
ベートーヴェン:交響曲全集 第1集
交響曲第1番ハ長調 Op.21
交響曲第2番ニ長調 Op.36
交響曲第4番変ロ長調 Op.60
オルケストル・コンスエロ
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(指)

録音:2023年8月22、23日サン・ロベール修道院(ラ・シェーズ=デュー音楽祭ライヴ)
1990年生まれのチェロ奏者・指揮者ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエールにより、2021年に創設されたオルケストル・コンスエロ。それぞれの 演奏曲に最適になるように選ばれた若き名手たちによってフレキシブルに編成されるこのオーケストラが、ジョルジュ・シフラによって1966年に 設立されたラ・シェーズ=デュー音楽祭のサポートのもと、ベートーヴェンの全交響曲を4年計画でライヴ録音するプロジェクトを始動しました。 第1弾に第1番、第2番、第4番という一般的には人気の低い曲を集めてきたあたりに、彼らの本気度と自信のほどがうかがえます。ヴァイオリ ン13、ヴィオラ5、チェロ4、コントラバス3に管打楽器という小規模な編成による、溌溂とした表現と見透しのよいサウンドが魅力。

FUGA LIBERA
FUG-821(1CD)
NX-C04
ラフマニノフ:交響曲 第3番イ短調 Op.44
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ウラルPO
ドミトリー・リス(指)

録音:2022年9月 スヴェルドロフスク・フィルハーモニック大ホール、エカテリンブルク、ロシア
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで度々来日してきたドミトリー・リス指揮ウラル・フィルによる、ラフマニノフの交響曲第3番。大成功を収めた第 2番から30年近い時をあけて作曲され、寡作となっていたロシア出国後のラフマニノフにとって最も力の入った作品の一つであるこの交響曲 は、リスとウラル・フィルにとってはナントのラ・フォル・ジュルネを含めて度々演奏してきた自家薬籠中の物。カップリングのラ・ヴァルスともども、切 れのあるリズムで聴かせています。

Avie
AV-2713(1CD)
エクソダス〜タル、カウフマン、ルビン:管弦楽作品集
ヨセフ・タル(1910-2008):エクソダス
ウォルター・カウフマン(1907-1984):インド交響曲
マルセル・ルビン(1905-1995):交響曲第4番「ディエス・イレ」
ジ・オーケストラ・ナウ、
レオン・ボットスタイン(指)

録音:2023年11月(ニューヨーク)
20世紀を代表する指揮者レナード・バーンスタインの伝記映画『マエストロ』を観たことがあるなら「ジ・オーケストラ・ナウ」を見聞きした事があるでしょう。映画のタングルウッド音楽祭のシーンに登場するのがまさにこのオーケストラです。「ジ・オーケストラ・ナウ」はニューヨークを中心とする大学院レベルの指揮者、教育者、音楽家によって設立された、世界中の活気に満ちた若い音楽家で構成されるオーケストラです。ユダヤ系アメリカ人指揮者のレオン・ボットスタインと共に世に知られていない作品を取り上げ広める活動も積極的に行っています。
フーゴ・カウダー、ハンス・エーリヒ・アポステル、アドルフ・ブッシュの作品を取り上げた前作「失われた世代」(AV-2684)に続いてAvieレーベルから2作目のリリースとなる今作は、20世紀の最初の10年間に生まれた3人のユダヤ人作曲家の管弦楽作品を取り上げます。ヨセフ・タル、ウォルター・カウフマン、マルセル・ルビンの3人はホロコーストから逃れた共通点を持ちますが、その後はそれぞれまったく異なる軌跡を辿って新たな人生とキャリアを歩みました。ここに収録された作品は3人の作曲家が各々の新しい環境に適応しながら、自分たちの声を見つけようともがいていた1940年代の作品です。

Signum Classics
SIGCD-877(1CD)
サントゥ・コンダクツ・ショスタコーヴィチ
ショスタコーヴィチ:交響曲第6番ロ短調 Op.54
交響曲第9番変ホ長調 Op.70
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指)
フィルハーモニアO

録音:2023年4月27日&9月24日、サウスバンク・センターズ・ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ロンドン)
元々打楽器奏者としてキャリアをスタート後に指揮者に転向したロウヴァリは2013年に初めてフィルハーモニア管を指揮し、2018年に首席客演指揮者に就任。そして2021年からはサロネンの後任として首席指揮者の座に就き、オープニングコンサートで披露したR.シュトラウスの録音(OSIGCD-720/SIGCD-720)がリリースされると早速レコード芸術誌「特選盤」に選出。その後も英BBCミュージック・マガジン誌の「オーケストラル・チョイス」に選ばれたマーラーの交響曲第2番「復活」(XSIGCD-760/SIGCD-760)やストラヴィンスキー(XSIGCD-856/SIGCD-856)で躍進ぶりを証明してきましたが、続いてショスタコーヴィチの録音が登場!
今回収録されるのは2023年の4月と9月にレコーディングが行われた交響曲第6番と第9番。ロウヴァリが繊細な弱音からエネルギーあふれる強奏までフィルハーモニア管の持つ様々な表情を自在に引き出し、ショスタコーヴィチの交響曲作家としての肖像をくっきりと描いており、彼らの相性の良さを改めて示した演奏といえるでしょう。同コンビは2025年1月に待望の来日公演を予定しています!

GENUIN
GEN-24903(1CD)
クリスティアン・リディル:管弦楽のための音楽
フルート協奏曲 「パンの庭」(1999)
交響曲第1番「都市の風景」(1996-98)
バスーン協奏曲 「フランスのブラームス」(1994)
ロベルト・ファン・シュタイン(指)
ライプツィヒSO、他

録音:2022年-2023年
すでに「Genuinレーベル」から4枚目の作品集となる作曲家クリスティアン・リディル。2023年に80歳を迎えたポーランド出身の現代作曲家です。ロベルト・ファン・シュタインの指揮によってライプツィヒSOが録音したこのアルバムは全て世界初録音です。「洗練されたリズムで技術的にも形式的にも完璧」と評価を得ており何度でも聞きたくなる現代音楽です。特にフルート協奏曲である「Les jardins de Pan(パンの庭)」は優れた作品です。

Gramola
GRAM-99322(1CD)
NX-C01
モーツァルト:セレナード第13番ト長調「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K.525
ディヴェルティメント ニ長調 K.136
交響曲第39番変ホ長調 K.543
ウィーン・コンツェルト・フェライン
ミラン・トゥルコヴィチ(指)

録音:2023年9月6-8日
ウィーンを拠点とする世界的ファゴット奏者のトゥルコヴィチは近年指揮活動にも旺盛に取り組んでいます。こ のCDで彼が目指したのは「伝統的なウィーンのサウンドによるモーツァルト」。ソリストとしての活動に加え、 ウィーンSOの首席奏者、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのキー・メンバー、アンサンブル・ウィーン= ベルリンの創設メンバーというキャリアの積み重ねが生み出す味わい深いモーツァルトです。

LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-037(2CD)
パイタのチャイコフスキー
(1)交響曲第4番ヘ短調 Op.36(1877)
(2)スラヴ行進曲 Op.31(1876)
(3)幻想的序曲『ハムレット』Op.67a(1888)
(4)イタリア奇想曲 Op.45(1880)
(5)幻想的序曲『ロメオとジュリエット』(1869/70/80)
(6)交響曲第6番ロ短調 Op.74『悲愴』(1893)
カルロス・パイタ(指)
(1)〜(5)ロシアPO、
(6)ナショナルPO

録音:(1)〜(5)1994年モスクワ音楽院大ホール(モスクワ)
(6)1980年キングスウェイホール(ロンドン)
仏「LE PALAIS DES DEGUSTATEURS」レーベルからショスタコーヴィチとブルックナーの交響曲第8番(PDD-036)のCD再発売・初出音源のリリー スが話題のパイタ。今度はチャイコフスキーをまとめたアルバムのリリースです!
20世紀アルゼンチンを代表する指揮者カルロス・パイタ(1932-2015)。1980年代に自身が創設したフィルハーモニックSOとR.シュトラウスの「英 雄の生涯」、ベートーヴェンの交響曲第7番、ドヴォルザークの交響曲第7番、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」などを自主レーベル「Lodia」からリリー スし、クラシック・ファンを楽しませてきました。
当アルバムはかつて「Lodia」からリリースされたチャイコフスキー!1980年、ナショナルPOとの『悲愴』、そして1994年、ロシア・フィ ルハーモニーOとの第4番と管弦楽曲の2枚組です。「自身が思い描く音楽をやりたいようにやる」というパイタの音楽は爆発そのもの。パイタの情熱的な 音楽は聴衆を魅了し、今もなおその演奏は色あせることなく輝き続けています。 (Ki)

DACAPO
MAR-8.224742(1CD)
NX-B10
ヴィクトー・ベンディクス(1851-1926):交響曲第1番&第3番
交響曲第1番ハ長調「Ascension 昇天」 Op. 16(1877-78)
交響曲第3番イ短調 Op.25(1891-92)
マルメSO
ヨアキム・グスタフソン(指)

録音:2022年6月7-10日マルメ・ライヴ・コンサートホール(デンマーク)
デンマーク交響楽の近代化に貢献したヴィクトー・ベンディクスの2作品が登場。ベンディクスはコペンハーゲンに生 まれニルス・ゲーゼとJ.P.E.ハルトマンに師事した後、リストとワーグナーの「新しい音楽」に傾倒し、ワイマールでリス トに師事。「ローエングリン」と「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のデンマーク初演に携わり、1872年にはバイロ イトでワーグナーが指揮する「第九」の演奏会に出席しました。彼が遺した4曲の交響曲から、このアルバムには第 1番と第3番を収録。彼の初の管弦楽作品である第1番は山頂の神殿に向う過程での登山者の内面の変容、 人智を超えた高次元の存在への覚醒をテーマにした交響詩的な作品で、構想、形式、作曲技法のあらゆる面 でデンマーク作曲界にブレークスルーをもたらし、ランゴーの交響曲第1番にも影響を与えたと言われています。第3 番には表題はありませんが、幻想曲と題された第1楽章、ドイツ語で「Bunte Bilder=多彩な絵」と名付けられ た第2楽章、作品の核心とも言えるメランコリックな第3楽章からは、諦観にも通じる内省的な思考が感じられま す。スウィトナー、セーゲルスタムらに学んだスウェーデンの指揮者ヨアキム・グスタフソンとマルメSOが起伏に 富んだ演奏を聴かせ、作品の魅力を引き出しています。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-450(3CD)
マーラー:交響曲全集Vol.3
スカルタッツィーニ(b.1971):「オーメン」
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」
スカルタッツィーニ:「オーメン-オルクス」*
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」*
ジモン・ガウデンツ(指)
イェナPO

録音:2023年3月21-24日、2023年5月9-13 日*、フォルクス・ハウス,イェナ・チューリンゲン・ドイツ
スイスの現代音楽の作曲家アンドレア・ロレンツォ・スカルタッツィーニとマーラーの交響曲 をカップリングしたシリーズ第3弾。スカルタッツィーニはスイスのバーゼル出身でルドルフ・ ケルターボーンとヴォルフガング・リームに作曲を師事した。ザルツブルク・イースター音楽 祭、ルツェルン音楽祭、ダルムシュタット夏期現代音楽講習会で作品が取り上げられている ほか、ヨーロッパの多くの団体によって作品が演奏されています。リームの影響を受けた新表 現主義とでも言うべき劇的な作品でマーラーの交響曲とのカップリングは非常に相性がよ い。スカルタッツィーニの新作「オーメン」の終盤のクライマックスの一撃から間髪入れずマー ラーの交響曲第6番が始まるようになっており、あたかも同じ作品もしくはスカルタッツィーニ がマーラーの交響曲を引用したかのような編集になっています。なお第 6番は通常の第2楽 章と第3楽章が入れ替えて演奏しており、第2 楽章があの美しい緩徐楽章となっています。ジ モン・ガウデンツの指揮するマーラーは音楽の造形をくっきりと堅実に作り上げる一方、非常 に激情的でドラマティック。21世紀の新しいマーラー像ここにあり、といった印象でマーラー・ ファンは必聴。

AfiA
AFIA-9004(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

マーラー:交響曲第9番ニ長調 村中大祐(指)
オーケストラ・アフィア

録音:2023年3月31日、横浜みなとみらいホールにおけるコンサート・ライヴ録音
村中大祐=オーケストラ・アフィアによる待望のシリーズ第4 弾は、2023年3月、横浜みなと みらいホールで行われた20 世紀最高の名曲のひとつ、マーラーの交響曲第 9番のライブ録 音です。マーラー9と言えば、多くの名演がひしめき合う名作中の名作ですが、今回の録音で は、この作品に本来与えられている室内楽的なエッセンスから、大編成オーケストラの重厚で 巨大なスケール感までを見事に引き出して、“村中の「マーラー「第9」」は新たな視点を授け てくれた”と聴衆を唸らせました。日本人音楽家のチカラを結集した<村中=AfiA>の渾身の 演奏、是非ともお聴きください。

大熱演!!ユーリ・アーロノヴィチの初出音源3タイトル一挙リリース!
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Spectrum Sound
CDSMBA-165(1CD)
(1)ストラヴィンスキー:組曲第2番〜小オーケストラのための
(2)チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
(3)ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」〜第4楽章(第2部〜第3部)
全て、ユーリ・アーロノヴィチ(指)
(1)(2)フランス国立O
ライヴ録音:1977年10月19日サル・プレイエル(パリ)【ステレオ】
(3)フランス放送新PO
ライヴ録音:1980年3月10日メゾン・ド・ラジオ・フランス内104スタジオ(パリ)【ステレオ】
驚きの初出音源のディスク化を進めているスペクトラム・サウンド。当アルバムはフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの復刻で、ユーリ・アーロノヴィ チの初出音源の登場!1977年、フランス国立管弦楽団と共演したストラヴィンスキーの組曲第2番、チャイコフスキーの悲愴交響曲です!アーロノヴィチといえば なんといってもボルテージの高い演奏が魅力ですが、歌うところはじっくりと歌い上げるのもまたアーロノヴィチならでは。母国の名曲をこれ以上ないほどの熱量 で演奏しております。
ボーナストラックは1980年3月、フランス放送新フィルハーモニー管弦楽団との公開収録から、アンコールとして演奏されたショスタコーヴィチの交響曲第7番 「レニングラード」第4楽章を収録。当日のプログラムが同曲(品番:CDSMBA-170で同時発売)で、鳴り止まない拍手に応えて第4楽章の中間部(第2部) から最後までを演奏しました。低音の鳴らし方はもちろん弦楽器の美しさもアーロノヴィチならではといえます。 (Ki)
Spectrum Sound
CDSMBA-166(1CD)
(1)ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 Op.88

(2)ムソルグスキー(ラヴェル編):展覧会の絵
全て、ユーリ・アーロノヴィチ(指)

(1)フランス国立O
ライヴ録音:1976年4月7日サル・プレイエル(パリ)【ステレオ】
(2)フランス放送新フィルハーモニー管弦楽団
ライヴ録音:1978年10月5日メゾン・ド・ラジオ・フランス内104スタジオ(パリ)【ステレオ】
ドヴォルザークでは弦楽器の美しさを際立たせた演奏を披露。最終楽章はダイナミックな演奏で聴衆を沸かせます。
「展覧会の絵」は息つく暇もないほどの大熱演を披露!!大砲と思わせるほどの大音量のティンパニが非常に印象的。そしてガチっとした音楽の組み立て方は流 石!の一言です。しかし、決して力尽くで押し通すことなく、メリハリの利いた解釈で聴き手を集中・熱狂させていきます。時よりアーロノヴィチの唸り声も聴こえる ボルテージの高い名演をご堪能ください! ※「展覧会の絵」の第9曲「バーバ・ヤガー」冒頭2秒ほど、マスター起因による歪みがございます。予めご了承ください。 (Ki)
Spectrum Sound
CDSMBA-170(1CD)
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」 ユーリ・アーロノヴィチ(指)
フランス放送新PO

ライヴ録音:1980年3月10日メゾン・ド・ラジオ・フランス内104スタジオ(パリ)【ステレオ】
アーロノヴィチが最も得意としたショスタコーヴィチ。各パートの鳴らし方、構成力、そして聴 衆を沸かせる熱き演奏。アーロノヴィチのすべての魅力がこの演奏から伝わってきます。オリジナルマスターの保管状態もよく、生々しい演奏がここに蘇ります。 (Ki)

KLARTHE
KLA-173(1CD)
「新世界2.0」
ドヴォルザーク:交響曲第9番新世界より」 (コリャール編曲によるエレクトロニカ版)
トゥールーズ室内O、
ジル・コリャール(指)

録音:2021年10月23〜26日/エリクシール・スタジオ
クラシック音楽の新たな可能性、響きを追求するジル・コリャール率いるトゥールーズ室内Oがドヴォルザークの傑作「新世界より」をエレクトロニカ版で リリース!
弦楽オーケストラは生音でその他管楽器パートを含むすべての楽器・音響はシンセサイザーで演奏。1893年作曲・初演から130年の時を経て全く新しい響き で演奏されます。 ※当アレンジはほぼすべて電子楽器によって演奏されており、アコースティックな弦楽オーケストラの生音とは全く異なります。原曲の交響曲とは大きくイメージが 違い、楽章によって電子音の音量の変化がございます。作品の内容および再生にはご注意くださいますようお願いいたします。

REFERENCE
FR-757SACD(1SACD)
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(1883年ノヴァーク版)
メイソン・ベイツ(1977-):レスルレクシト(2018)
ピッツバーグSO
マンフレート・ホーネック(指)

録音:2022年3月25-27日、ハインツホール、ピッツバーグ(ライヴ)
長年高音質レーベルとして高い評価を得ているREFERENCE RECORDINGS。そしてREFERENCE RECORDINGSはもちろん、PENTATONE,BIS,な ど録音に定評のある数々のレーベルの録音を40年以上に渡って担当しているsound mirror社がタッグを組んだ大好評「ピッツバーグ・ライヴ!」シリーズ。 シリーズ第15弾は、 ブルックナー生誕200年のタイミングでブルックナーの交響曲第7番、そしてマンフレート・ホーネックの60歳の誕生日を記念してピッツバー グSOが委嘱した現代アメリカの作曲家メイソン・ベイツによる「レスルレクシト」が収録されています。
ブルックナーが交響曲第7番の第1楽章を作曲し始めたのは、交響曲第6番の完成後すぐ、1881年9月、夏を過ごしたザンクト・フローリアンでのことでした。 1883年の9月5日にフィナーレのスコアが完成。初演は1884年12月30日、ライプツィヒでアルトゥール・ニキシュ指揮によって、そして1885年3月10日 にミュンヘンでヘルマン・レーヴィ指揮によって初演され、大成功を収めました。本作は第7番を作曲中に起こった様々な出来事、1881年12月8日に起こった、 ウィーンのリング劇場での火災や、ブルックナーが臨席した「パルジファル」の世界初演(1882年7月30日)、ワーグナーの死(1883年2月13日)などが大 きく影響しているとされています。またこの作品は、リヒャルト・ワーグナーの寛大な後援者であるバイエルン王ルートヴィヒ2世に捧げられています。「初版」はブ ルックナーの生前、初演の翌年の1885年に出版。国際ブルックナー協会による原典版は、ハース版(第1次全集版)は1944年に、ノヴァーク版(第2次全集版) は1954年に出版されています。この曲は、第1番〜第4番や第8番のように、ブルックナー自身による大改訂は行われていませんが、この作品が誕生するまで には、ブルックナーとその弟子や同僚でもあったフランツ・シャルクとヨゼフ・シャルク、フェルディナント・レーヴェらの助言や彼らとの議論に基づき、数多くの変 形や変更が行われました。そのうちのいくつかは自筆譜に見られ、また初版に初めて現れるものもあります。そのため、残された自筆稿・資料の解釈の相違から、 初版・ハース版・ノヴァーク版の間で、相違を見せる箇所がいくつかあります。 ホーネックは、ウィーン・フィルのメンバーだった頃からブルックナーの作品とは関りを持っており、ホーネックの深い洞察力と音楽的解釈は、聴くものにブルック ナーという人物に対する深い理解を与えてくれます。 (Ki)

GRAND SLAM
GS-2319(2CD)
限定生産
稀少音源つき限定盤/フルトヴェングラー/シューベルト:交響曲集
(1)交響曲第2番変ロ長調 D.125
(2)交響曲第3番ニ長調 D.200
(3)『ロザムンデ』序曲 D.644
(4)交響曲第8番ロ短調 D.759『未完成』
(5)交響曲第9番ハ長調 D.944『ザ・グレイト』
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
(1)(2)VPO ※指揮者不明、かつてフルトヴェングラー指揮とされていた音源
(3)-(5)BPO
録音:(1)(2)不明、(3)-(5)1953年9月15日/ベルリン、ティタニア・パラスト

使用音源:(1)(2)日本コロムビア DXM-165(非フルトヴェングラー録音)
(3)-(5)Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(ラジオ放送用録音)
■制作者より  
この2枚組のメインは1953年9月15日に行われたオール・シューベルト・プログラムです。この中で「未完成」と「ザ・グレイト」は19センチ、2トラックのテー プを使用したGS-2160(2017年)を発売しましたが、今回は「ロザムンデ」序曲を含む全3曲を2トラック、38センチ、オープンリール・テープから復刻し、望 みうる最上の音質を獲得しました。この3曲だけでも十分に魅力的ですが、大きな余白をどう処理するか、そのままにするのか、他のライヴ録音を埋め草とするの かは思案しました。結果、かつて日本コロムビアのLP(DXM 165/1973年)で発売されたシューベルトの交響曲第2番、同第3番を加えることにしました。こ の2曲は今日ではフルトヴェングラーではなく別人の指揮とされており、同列に扱うことに対しては賛否があるかもしれません。しかしながら、DXM 165は今と なっては希少音源ですし、歴史的な事実を回顧するのも悪くはないだろうと判断しました(誰の指揮であるかの謎解きは、いまだなされていないようです)。なお、 第2番の第4楽章冒頭に欠落がありますが、修正は行っていません。また、2枚組1枚価格でのご提供となりますので、限定プレスとなります。(平林直哉)

Pentatone
PTC-5187208(1CD)
モーツァルト:交響曲第29番イ長調 K.201(1774)
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622(1791)
交響曲第33番変ロ長調 K.319(1779)
エルンスト・シュラーダー(バセット・クラリネット)
ベルリン古楽アカデミー(ベルンハルト・フォルク:コンサートマスター)

録音:2023年10月22〜25日/テルデックス・スタジオ、ベルリン(ドイツ)
PENTATONEレーベルにおけるベルリン古楽アカデミー(Akamus)のモーツァルトの交響曲録音シリーズの第2弾。ドイツレコード批評家賞にノーミネートさ れた第1弾(PTC-5187059)では「ハフナー」「パリ」「オーボエ協奏曲」などを収録していましたが、今回は、10代から20代前半にかけてザルツブルクで作 曲された交響曲2曲と晩年のクラリネット協奏曲をカップリングした注目の内容です。
1773年から翌年にかけて完成された室内楽的な響きが特徴の交響曲第29番は、近い時期に書かれた交響曲第25番とともに後期の交響曲の完成度を予 見させる充実した重要な作品で、10代のモーツァルトが書いた交響曲の中でも高い人気を誇る曲となっています。また、1779年ザルツブルクで完成され、後に ウィーンで演奏された際にメヌエットが加えられ4楽章形式に変更された第33番は、カルロス・クライバーやムラヴィンスキーら昔日の巨匠たちも好んだ名曲です。
近年、より洗練され、さらに鋭さをましたAkamusは、モーツァルトがイタリア音楽の影響を昇華し明確な個性を見せはじめたこの充実期の2つの交響曲を、鮮 烈すぎるほどの演奏で提示します。第29番では付点のリズムを際立たせ、時に「疾風怒濤」を想起させる激しさが顔を出すという、この曲の持つ新たな側面を教 えてくれます。特に第1楽章最終部のエキサイティングなアッチェランドは聴きものです。第33番では、第38-41番という傑作に匹敵するようなポテンシャルを 曲の内部から引き出すスケールの大きな演奏で聴き手を圧倒します。弦楽器編成は5-5-3-2-1と第1弾の録音より一回り小さな編成を採用し、全体的にかなり 動きがあり、対比の強い解釈となっていますが、その中でも全体の楽器のバランスや統一感の乱れが一切ないところはAkamusの合奏能力のすごさを物語って います。
そしてこのアルバムの白眉となるクラリネット協奏曲では、Akamusが誇る名手エルンスト・シュラーダーが、作曲当時の当時の画像資料からバセット・クラリネッ トの形状から復元された楽器を使用し、バセット・クラリネットのためのオリジナル・エディションを採用して演奏。ヒストリカル・クラリネット演奏の第一人者にして、 学者としても高く評価されているシュラーダーは、特異な形状の楽器を卓越した技術で操り、豊かな低音という特徴を活かした個性的で美しい響きを堪能させてく れます。Akamusの演奏も、ここではバセット・クラリネットに寄り添い支える親密な響きで応えていますが、室内楽的にまとまりすぎず、スケール感を失わない点 はさすがの一言です。楽章ごとに、また場面ごとに楽器の響きの個性を変化させるシュラーダーの妙技には目を見張るものがあります。特に第2楽章の寂寥感を 垣間見せるバセット・クラリネットの音色は自然と涙がこぼれ落ちそうになります。クラリネット協奏曲の録音では、これまでにも使用楽器や楽譜、解釈など、さま ざまな試みがなされてきましたが、ここにまた大変興味深い録音が加わることになりました。未だ謎の多いモーツァルトが想定したバセット・クラリネットという楽 器の協奏曲に一つの解答を与える演奏になることでしょう。
最新の研究を基に、鮮烈な演奏で展開されるAkamusのモーツァルト・シリーズをお聴き逃しなく! (Ki)

LSO Live
LSO-0571(4SACD)
LSO Live25周年記念ボックス〜ドヴォルザーク、スメタナ、ヤナーチェク
(1)ドヴォルザーク:交響曲第6番ニ長調 op.60
(2)ヤナーチェク:シンフォニエッタ
(3)ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調 op.70
(4)ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 op.88
(5)ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
(6)スメタナ:我が祖国
全て、LSO
(1)サー・コリン・デイヴィス(指)[録音:2004年9月]
(2)サー・サイモン・ラトル(指)[録音:2018年9月]
(3)サー・コリン・デイヴィス(指)[録音:2001年3月]
(4)サー・コリン・デイヴィス(指)[録音:1999年10月]
(5)/サー・コリン・デイヴィス(指)[録音:1999年9月]
(6)サー・コリン・デイヴィス(指)[録音:2005年5月]
2024年、LSO Liveは25周年を迎えます。これを記念して、生誕200年記念のスメタナ、そして没後120年のドヴォルザーク、生誕170年のヤナーチェク作品を集めた記念ボックスを発売します!2024年の最新リマスタリングのサウンドでSACDハイブリッド でお楽しみいただけます。 オーケストラの自主レーベルは今や世界の主流となっていますが、その嚆矢となったのがLSO Liveでした。1999年録音の記念すべき第1弾「ドヴォルザーク: 新世界より」が発売されて以降、怒涛のリリースは広く知られるところとなっております。 サー・コリン・デイヴィス(1927-2013)は1995年からLSOの首席指揮者を務め、2006-2013年はプレジデントも務めた、文字通りLSOの象徴的存在 でした。サー・コリン・デイヴィスのLSO Liveからの録音は、グラモー賞やグラモフォン・アワードを含めた世界中の名だたる賞を受賞しております。サー・コリ ン・デイヴィスの指揮によるLSOサウンドは絶妙のブレンド感とバランス感が際立ち、それでいてエネルギーにも満ちた至上の演奏です。ラトルは2017年9月か ら2023年秋まで音楽監督を務め、ブルックナーの交響曲や、ヤナーチェクのオペラ、さらにストラヴィンスキー作品、また、ヴァイオリンのエーベルレをゲストに迎 えたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲など、記憶に残る名盤をLSO Liveに残しています。ラトルとのLSOはテンションが高く、コリン・デイヴィス時代から磨 かれた弦楽器の音色の美しさに、エネルギーに満ちたリズム感も加わった魅力があります。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72959(1CD)
シューマン:交響曲第3番「ライン」
交響曲第4番ニ短調 Op.120
スタヴァンゲルSO
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(指)

録音:2024年1月29日〜2月1日スタヴァンゲル・コンサートホール(ノルウェー)
2024年4月から京都市SOの首席客演指揮者に就任したことでも話題のヤン・ヴィレム・デ・フリエンドが、スタヴァンゲルSOを振ったシューマン の交響曲全曲録音。第1、2番(CC-72958)に続き、早くも第3、4番がリリースされます!
スタヴァンゲルSOは1938年に設立されたノルウェーの名門オーケストラで、現在はアンドリス・ポーガが首席指揮者を務め、カネラキス、エラス=カサド、 ガフィガンらも客演。また90年以降、ブリュッヘン、ヘレヴェッヘ、ビオンディを順に古楽芸術監督というポジションに迎え、歴史的奏法への造詣を深めてきたオー ケストラでもあります。
デ・フリエンドもブリュッヘンと同じくオランダ古楽界から活動をはじめ、今や指揮者として世界中で活躍する人物。ブリュッヘン仕込みの響きを一面にもつスタ ヴァンゲル響を、共感をもって鳴らしていきます。歴史的奏法を熟知した演奏が創り出す刺激的なシューマン。壮大なオーケストラの響きと透き通るようなポリフォ ニーとのバランスを追求したデ・フリエンドの演奏は、シューマンの複雑な内面をも表現するかの如く、深い解釈が魅力。スタヴァンゲル・コンサートホールの素晴 らしい音響で堪能するデ・フリエンドのシューマンの交響曲をお楽しみください! (Ki)
Challenge Classics
CC-72997(4CD)
シューベルト:交響曲全集
CD1
(1)交響曲第2番ニ長調 D.125
(2)交響曲第4番ハ短調『悲劇的』 D.417
CD2
(3)交響曲第1番ニ長調 D.82
(4)交響曲第3番ニ長調 D.200
(5)交響曲第8番ロ短調 『未完成』 D.759
CD3
(6)交響曲第9番ハ長調 『グレイト』 D.944
CD4
(7)交響曲第5番変ロ長調 D.485
(8)交響曲第6番ハ長調 D.589
ハーグ・レジデンティO、
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(指)

録音:(1)(2)2017年8月30日〜9月1日、(4)(5)2018年6月5〜8日、(6)2019年11月28〜29日
アトリウム・メッペルヴェーグ 、ハーグ(オランダ)
(3)2016年6月21〜23日ザウダーストラント劇場、ハーグ(オランダ)
(7)(8)2022年1月18〜21日、2022年7月5〜7日アマレ・コンサートホール、ハーグ(オランダ)
2023年12月の読売日本SOとの〈第九〉演奏会が大いに話題となり、2024年4月から京都市SOの首席客演指揮者に就任した、今最も注目される指揮者の一人ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(ヤン=ウィレム・デ・フリーント)。そのデ・フリエンドがハーグ・レジデンティOを振ったシューベルトの交響曲全集が遂にセットでリリースされます!
2015年から2019年まで同団の首席指揮者を務めたデ・フリエンド。録音は2016年6月にはじまり、コロナ禍を経て2022年7月に完成しました。デ・フ
リエンドは1982年に創設したコンバッティメント・コンソート・アムステルダムの音楽監督として国際的な名声を確立。ピリオド奏法をモダン楽器に適用し、18
世紀の作品を中心に膨大なレパートリーを演奏してきました。その時代を経て独自のスタイルを築いたデ・フリエンドは世界各国のオーケストラに招かれております。
両者の良好な関係から生まれたシューベルト録音では、弦楽器群のふくよかで柔らかい音色に迫力ある力強さが加わり、聴き応えのある演奏を展開。旋律を優美に歌わせるデ・フリエンドらしいこの上なく美しいシューベルトを聴かせてくれます。シューベルト交響曲全集の新たな名盤誕生といえましょう。
※当セットはCDフォーマットでのリリースとなります。 (Ki)

H.M.F
HMM-902721(1CD)
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ノヴァーク版/第2稿) パブロ・エラス=カサド(指)
アニマ・エテルナ・ブリュッヘ(ピリオド楽器/コンサートマスター:アンネ・カタリーナ・シュライバー)

録音:2024年1月、コンセルトヘボウ・ブリュッヘ(ベルギー)
harmoniamundiで、大注目のシリーズが始まります。スペインの「注目株」からもはや世界にその実力を認められた存在となったパブロ・エラス=カサド と、ピリオド楽器のオーケストラとして1987年にインマゼールによって創立されたアニマ・エテルナによる、ブルックナーのシリーズです!
アニマ・エテルナの音色は雄大な自然を感じさせる音色。エラス=カサドの指揮により、ブルックナーが音符にこめた無垢ともいえるまでに純粋な感情的な部 分が、惜しげもなく引き出され増幅されています。驚くほどに振幅の大きい感情の揺れ、そしてデュナーミクの豊かさには圧倒されます。レコーディングではリ スクをとりにいくことができると語るエラス=カサドが、アニマ・エテルナとともに新たに描くブルックナー像。注目です!
アニマ・エテルナは1987年、鍵盤奏者・指揮者のヨス・ファン・インマゼールによって設立された、ベルギーに本拠地をおく、ピリオド楽器のオーケスト ラ。1745-1945年そして現在にいたるまでの音楽をとりあげています。2020-21のシーズンからは様々な客演指揮者と演奏するようになり、2022年より、 パブロ・エラス=カサドともブルックナーのシリーズが始動しています。パブロ・エラス=カサドは1977年グラナダ生まれ。harmonimaundiには2012年 より録音を開始、2020年度第58回レコード・アカデミー賞大賞(ベートーヴェン:第九)および銅賞(ファリャ:三角帽子、恋は魔術師)。2023年に「 パルジファル」でバイロイト音楽祭にデビュー、2024年にも同演目で登場します。NHKSOとの共演で来日多数。 (Ki)

Myrios Classics
MYR-035(2CD)
ブルックナー:交響曲第1&2番
交響曲第1番ハ短調(1868年リンツ稿/トーマス・レーダー版、2016年出版)
交響曲第2番ハ短調(1872年第1稿/ウィリアム・キャラガン版、2005年出版)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2020年10・11月/シュトルベルガー・シュトラッセ・スタジオ(第1番)、ケルン・フィルハーモニー(第2番)
ロト&ギュルツェニヒのブルックナー全集シリーズ第5弾。第1番と第2番が2枚組で一気に登場!ブルックナーが最初に書いたスコアの形にこだわる当シリー ズ、今作も初稿を使っての演奏で、40歳を超えシンフォニストとして歩み始めた晩成作家の野心に満ちた実験性がひしひしと伝わってきます。
第1番「リンツ稿」(1868)は、第8番作曲後に大幅に改定した「ウィーン稿」(1891)と比べると若く荒々しい筆致を持っているのが特徴。ブルックナー 自身が指揮した初演は聴衆に好意的に受け入れられ、シンフォニスト・ブルックナーの道が拓かれた成功作といえるでしょう。暴れ馬的・原初的な力強さを存分 に湛え、かつしなやかに聴かせるロトの演奏がこの曲の醍醐味を余すところなく伝えてくれます。
いっぽう同じハ短調にして美しいメロディも多い第2番。発表は順風満帆ではなく、1872年の初稿は「演奏不能」といわれ改訂を余儀なくされ、初演さ れたのは1873年稿でした。大きな違いはアダージョとスケルツォの楽章順が逆転していることで、1872年稿はベートーヴェン『第九』的な楽章配列となっ ています。透き通った歌いぶりながらも音楽の立体感は失わず、様々な角度から作品に光が射し込むようなみごとな演奏です。 (Ki)

Audite
AU-97832(1CD)
ルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第20弾
(1)ドヴォルザーク:交響曲第8番
(2)ドヴォルザーク:交響詩「野鳩」
(3)スメタナ:歌劇「リブシェ」への前奏曲
チェコPO
ヴァーツラフ・ノイマン(指)

ライヴ録音:(1)1988年3月26日、(2)1984年8月25日、(3)1984年8月26日/クンストハウス(ルツェルン)
定評あるauditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第20弾はノイマン率いるチェコ・フィルです!
祖国チェコの作品で高く評価されたヴァーツラフ・ノイマンが、長年首席指揮者を務めたチェコPOを振ったルツェルン音楽祭における 初出音源です!
冷戦時代であっても祖国を忘れずに誇りを持ち続けたノイマン。チェコ・フィル首席指揮者時代には祖国の文化大使として数え切れないほどのコンサート・ツアー に参加しました。
1969年夏、チェコPOは「鉄のカーテン」を越えた最初のオーケストラとしてルツェルン音楽祭に出演。その後、1984年から1990 年にかけて4度出演しています。当アルバムには1984年および1988年の演奏からドヴォルザークの交響曲第8番、交響詩「野鳩」、そしてスメタナの歌劇「リ ブシェ」への前奏曲を収録。豊かなニュアンスで表現されたノイマンの演奏は、祖国への熱い思いと愛情あふれる音楽を聴衆に届けています。
見事な復刻にも注目。同レーベル社主のルトガー・ベッケンホーフ氏が丁寧にリマスタリングしております。また32ページからなるブックレットには同音楽祭出 演時のノイマンの写真も多数掲載しております。 (Ki)

Simax
PSC-1394(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37(スティヤン・オーレスキョル 編)*
ハイドン:交響曲第44番ホ短調「悲しみ(Trauer)」 Hob.I/44(スティヤン・オーレスキョル 編)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)*
アイヴィン・オードラン(指)
ノルウェー管楽アンサンブル[インゲル・ヨハンネ・ベルグ(Fl)、ローセ・エリン・アウスタ・ネス(Fl)、ダーヴィド・F・ストゥンク(Ob)、クリスティーナ・オールヴァイン(Ob)、エーリク・ヨルダル(Cl)、インゲ・ノストヴォル(Cl)、ローアル・アルネス・オールム(Cl)、トール=エギル・ハンセン(Cl)、クリステル・ベルグビュー(Fg)、リアン・カリー(Fg)、クリスティン・ホーゲンセン(サクソフォーン)、モッテン・ノールハイム(サクソフォーン)、スタイナル・グランモ・ニルセン(ナチュラル・ホルン)、ブリット・クリスティン・ラーシェン(ナチュラル・ホルン)、スティヤン・オーレスキョル(バロック・トランペット)トルゲイル・ホーラ(バロック・トランペット)、トリル・G・ベルグ(サックバット)、ミゲル・T・セビジャーノ(サックバット)、タリヤイ・グリムスビュー(サックバット)、ローゲル・フィエルデ(チンバッソ)、アレックス・ロルトン(Vc)、ローゲル・モルラン(Cb)、グンヒル・P・トンデル(Cemb)、ホーコン・シューベルグ(ティンパニ)]

録音:2021年8月、オストレ・フレドリクスタ教会(オストフォル、ノルウェー)
ノルウェー管楽アンサンブルは、ノルウェー最古のオーケストラのひとつです。1734年までさかのぼり、ノルウェーの文化史でもっとも重要な責務を担ってきま した。現代楽器とピリオド楽器のプレーヤー24人による編成を基本にオスロの南、ハルデンを拠点に毎年120のコンサートで演奏しています。  「私たちは、やっと自由になったか? パンデミックの2年間は、音楽とその複雑さに情熱をかけて取り組んでいる私たち全員にとって、チャレンジだった。ふた たび扉が開いた今、世界観を変える何かをやってみよう。将来、『ビフォー・アフター』と讃えられるかもしれない」。彼らにとって3年ぶりのプロジェクト。ベートー ヴェンがナポレオン戦争を前にした不確定な時代に作曲した「ピアノ協奏曲第3番 ハ短調」と、ハイドンの「シュトゥルム・ウント・ドラング(嵐と衝動)」の典型的 な一作の「交響曲第44番ホ短調」を演奏しています。 ベートーヴェンとハイドンの管弦楽曲を「管楽アンサンブル」用に編曲する仕事は、スティヤン・オーレスキョル が手がけました。彼はノルウェー国立音楽大学で学 び、2004年からノルウェー管楽アンサンブルでトランペットを担当しています。「イングリッシュ・コンサート」など内外のバロック・アンサンブルやノルウェー室内 Oに参加。作曲家、アレンジャーとしても実績を重ねてきました。このアルバムでは、ナチュラル・ホルン、バロック・トランペット、サックバットといったピリ オド楽器の色彩と響きを活かした編曲が新鮮な興を呼びます。 アイヴィン・オードラン(1956?)は、ノルウェーでもっとも信頼されている指揮者のひとりです。ヨルマ・パヌラに学び、ベルゲン・フィルハーモニックのコンサー トマスターを務めた後、マリス・ヤンソンスの勧めで指揮者のキャリアをめざしました。2020年からタスマニアSOの首席指揮者・芸術監督。ノルウェー軍音 楽隊、トロンハイムSO、スタヴァンゲルSOをはじめとするオーケストラと多くのアルバムを作り、ケルンWDR交響楽を指揮したグリーグの管弦楽曲(全 曲)(audite21.439)が特に高い評価を得たアルバムとして知られます。 ノルウェー管楽アンサンブルが「共演を喜び、誇りに思う」というクリスチャン・イーレ・ハドラン(1983?)は、2011年の「BBC ニュージェネレーション・アーティ スト」のひとり。デリカシーと洗練と個性的なタッチを合わせもつ「真のピアノの名匠」と呼ばれる地位を確立しました。ヘンニング・クラッゲルードと共演したシン ディングの作品集や「シューマンとショパン」のソロ曲(PSC 1307)を手始めに、ユーハン・ダーレネ共演の『北欧ラプソディ』(BIS SA-2560)『ステンドグ ラス』(BIS SA-2730)など、高評価の「聴いて楽しい」アルバムを次々とリリースしています。 (Ki)

Polskie Radio
PRCD-2345(2CD)
初紹介旧譜
ダイアモンド・バトン賞 Vol.2
リスト:メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」
チャイコフスキー:交響曲第1番 ト短調「冬の日の幻想」Op.13
ヘンデル:歌劇「ソザルメ、メディアの王」HWV 30*
アグニェシュカ・ドゥチマル(指)、
ワルシャワPO、ポーランド放送アマデウス室内O*

録音:1978年-1980年
ポーランドの公共放送局『ポーランド放送(Polskie Radio/Polish Radio)』の自主レーベル「Polskie Radio」が制作する、女性指揮者として初めてミラノ・スカラ座に登壇したことでも有名なアグニェシュカ・ドゥチマルが2021年にダイアモンド・バトン賞を受賞した記念のアルバム。過去の録音からリストとチャイコフスキーの管弦楽作品はワルシャワPOと、ヘンデルの忘れられたオペラは彼女が1968年に創設した“アマデウス”ことポーランド放送アマデウス室内Oと録音したものが収録されています。
ダイアモンド・バトン賞はポーランド内外でポーランド音楽を有名にし、何百万人ものポーランドのラジオ聴取者にそれを紹介する傑出した芸術作品に与えられるものでペンデルツキやスクロヴァチェフスキなどの指揮者も受賞しています。

Dynamic
CDS-8043(1CD)
NX-B06
マーラー:交響曲第4番ト長調(エルヴィン・シュタインによる室内アンサンブル版) ララ・マレッリ(S)
アンサンブル・キャント・テル・イット
アンドレア・カッペレーリ(指)

録音:2023年12月27-28日
20世紀初頭のウィーンでシェーンベルクによって設立された「私的演奏協会」。ここではマーラーやブルックナー、ヨ ハン・シュトラウスらの作品を室内楽編成に編曲したものを愛好家たちが楽しんでいました。エルヴィン・シュタインは シェーンベルクの弟子で、団体の設立にも尽力、さまざまな編曲版を提供した作曲家です。このマーラーの第4番 は1921年の編曲で、編成は木管楽器、弦楽五重奏、打楽器、ハルモニウム、ピアノという小ぶりなもの。作品の テクスチャーが際立つ透明感溢れる音色に仕上がっています。 演奏する「アンサンブル・キャント・テル・イット」はイタリア、ノヴァーラの「グイード・カンテッリ」音楽院で結成され、アン サンブル名もCantelliへのオマージュを込めたものです。主として作曲コンクール「アルモニエ・デッラ・ナトゥーラ」の作 品の初演や、ノヴァーラ音楽院の作曲科の学生たちたちの作品の演奏に携わっています。 アンドレア・カッペッレーリは、歌劇、古典派から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つ指揮者。イタリアを中心に 世界中で演奏活動を行い好評を博しています。

ALPHA
ALPHA-1068(1CD)
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 WAB109 (原典版) チューリヒ・トーンハレO
パーヴォ・ヤルヴィ(指)

録音:2023年9月 トーンハレ、チューリヒ
パーヴォ・ヤルヴィとトーンハレ管によるブルックナー後期三大交響曲のラストを飾るのは、フランクフルト放送響との録音から15年ぶりとなる第 9番。版は今回「原典版」としか表記されていませんが、旧録音で使用したコールス版ではなくノーヴァク版を基調としている模様です。旧録 音と比較するとスケルツォを除いて両端楽章は大幅に速くなっており、第1楽章で約1分40秒、第3楽章に至っては約3分も演奏時間が短 くなっています。旧録でゆったりめであった第1楽章は今回全体が引き締められた印象ですが、緩急を大きめに取って各主題の特性を生かし ており、コーダでは思い切ったためも聴かせています。第2楽章では詳細なスコアリーディングに基づくコントロールで各パートが埋もれることなく 明快に鳴り、オーケストレーションの面白さを鮮明に打ち出してブルックナーの意図した響きを強調。加えてタイトなアクセントで躍動感のある 音楽を生み出しています。音楽的な流れを強く意識した第3楽章はたっぷりとした表情で速いという印象はほとんど無く、コラールが際立った 極めて美しい演奏に仕上がりました。 オーケストラは前作第8番同様ヴァイオリンを両翼に配置し、チェロの後ろとなる左奥にコントラバス、その右隣りにホルン・セクションが並び、そ の後列ワーグナー・チューバ持ち替えの隣、全体の中央奥にバス・チューバ、その右にトロンボーン、一番右にトランペットというもの。低音金 管楽器とティンパニが中央に配され、独特の安定感が得られています。国内仕様盤には舩木篤也氏による日本語解説が付属します。


SWR music
SWR-19155CD(8CD)

NX-G03
プレートル&シュトゥットガルト放送SO名演集
■CD1
ベートーヴェン:「エグモント」序曲
交響曲第3番「英雄」*
■CD2
ブラームス:交響曲第1番*
4つのハンガリー舞曲[第1番ト短調/ 第3番ヘ長調/第4番 嬰へ短調/ 第5番ト短調]

■CD3
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(第2稿)
■CD4
ベルリオーズ:幻想交響曲*
ファウストの劫罰〜妖精の踊り/ラコッツィ行進曲
■CD5
ラヴェル:『ダフニスとクロエ』 第2組曲
 ラ・ヴァルス*
ビゼー:交響曲第1番#
■CD6
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
マーラー:交響詩「葬礼」*
■CD7
レスピーギ:交響詩『ローマの噴水』
 交響詩『ローマの松』
ストラヴィンスキー:バレエ音楽 『火の鳥』(1919年版)*
■CD8
R・シュトラウス:「ばらの騎士」組曲(1945)
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」*
交響詩「ドン・ファン」#
全て、シュトゥットガルトRSO
ジョルジュ・プレートル(指)


■CD1
録音:1995年10月6日 ブラティスラヴァ、Slowakische Philharmonie、1995年9月28-29日 シュトゥットガルト、リーダーハレ*
■CD2
録音:2000年12月8日*、1997年10月29,31日
録音:1995年9月22-23日
■CD4
録音:1994年3月24.25日*、2001年2月14,16日
■CD5
録音:1997年10月29、31日、1995年12月22日*、1991年6月28日#
■CD6
録音:1996年10月14、28日、1998年6月24、26日*
■CD7
録音:2004年10月21,22日、2000年12月8日*
■CD8
録音:1998年10月2日 ウィーン、ムジークフェライン
1997年10月31日 シュトゥットガルト、リーダーハレ*
1995年9月29日 シュトゥットガルト、リーダーハレ#
全て、ステレオライヴ録音
日本でのプレートルの人気がブレイクしたのは2008年。元旦にウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートに初登場 し、年末にはウィーンSOとのマーラーの第5番が2008年度のレコード・アカデミー賞交響曲部門を受賞し て、ドイツ・オーストリア音楽における巨匠として大きく注目されました。更に2010年にはニューイヤー・コンサートに 再登場(最年長記録)、秋にはウィーン・フィルとの日本公演を指揮して非常に強い印象を残したのでした。 シュトゥットガルトRSOでの任期は1996年から98年と長くはありませんが、その前後を含めて楽団創設 50周年記念コンサートやツアーを指揮し、楽団員からも慕われて退任後は名誉指揮者の称号を贈られ、定期 的に客演を続けました。オーケストラ曲の王道というべきレパートリーを揃えたこのセットは彼のファンにとって大きな 宝物となることでしょう。ブックレットにはドイツ・レコード批評家賞の審査員を務めるクリストフ・ヴラーツ氏によるエピ ソードをまじえた解説が掲載されています(英語とドイツ語)。 レーベルからの情報によれば、CD1、CD4、CD7は初CD化とのこと。 ジョルジュ・プレートル(1924-2017)の生誕100年にあたる2024年8月14日を前に、SWR(南西ドイツ放送)のアーカイヴから貴重なライヴ録音集が登 場。フランス生まれのプレートルはトランペットを学んだ後、デュリュフレに和声を、クリュイタンスらに指揮を学びました。歌劇場でのキャリアが豊かで、パリ・オペ ラ座、スカラ座、コヴェント・ガーデン、メト、ウィーン国立歌劇場などで活躍し、マリア・カラスがキャリアの後期において頼りにした指揮者の一人としても知られ ました。プーランクと親交があり、彼の作品の録音は高い評価を得ました。

Resonus
RES-10340(1CD)
NX-B08
エリナー・アルベルガ(1949-):管弦楽作品集
Tower タワー(2017)*
交響曲第1番「ストラータ」(2022)
Mythologies 神話(2000)
カスタリアンQ*
BBC響
トーマス・ケンプ(指)

録音:2023年9月20-22日
※全て世界初録音
ジャマイカ出身、現在はイギリスを拠点とする作曲家エリナー・アルベルガの管弦楽作品集。彼女は5歳でピアニストになることを決意するとともにこの頃から 作曲もはじめました。地元ジャマイカの音楽学校で基礎を学んだ後、ロンドンの王立音楽アカデミーに留学し研鑽を積み、卒業後はピアニストとして活動し ましたが、2001年から作曲に専念し、数多くの作品を発表しています。2021年の誕生日には、英国音楽界への高い貢献が称えられ、大英帝国勲章 (Order of the British Empire)が授与されるなどますます注目が高まっています。彼女の作品は複雑なハーモニーとダイナミズム、繰り返されるリズム・ パターンが特徴。近年は不協和音の使用も目立つなど作風の変遷も見られますが、とりわけジャマイカの民族音楽の要素やジャズが取り入れられたピアノ 曲などは高く評価されています。このアルバムには、アルベルガの親友でヴァイオリニスト、デイヴィッド・エンジェルの死を悼んで作曲した「タワー」、彼女初の交 響曲で、地球の構造からインスピレーションを得たという「ストラータ」と、神話の登場人物たちを描いた「神話」の3作品を収録。 演奏は、トーマス・ケンプが指揮するBBC響。「タワー」ではカスタリアンSQも参加し、力強く創造性溢れる作品を存分に聴かせます。

GRAND SLAMGS-2317(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

1枚分価格
限定生産
バイロイトの第九[モノラル&疑似ステレオ]
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
エリザベート・シュワルツコップ(S)、エリザベート・ヘンゲン(A)、ハンス・ホップ(T)、オットー・エーデルマン(Bs)、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
バイロイト祝祭O&cho

録音:1951年7月29日フェストシュピールハウス、バイロイト
使用音源:[Disc1]HMV(U.K.) ALP1286/7、[Disc2]EMI(Japan) AXA3044B(4トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:[Disc1]モノラル、[Disc2]ステレオ(疑似ステレオ)
■制作者より  
フルトヴェングラー没後70年記念、酔狂企画の第2弾は、不滅の名演であるバイロイトの第9を2種類の復刻で収録しました。Disc 1は英HMVの初出LP、 ALP1286/87からの復刻です。同種のものはGS-2009(2006年)に発売しましたが、今回は未使用と思われる極上の状態の盤を手に入れ、そこから新規 に復刻しました。このALP盤はフルトヴェングラーが亡くなった翌年に発売されたためか、フルトヴェングラーの残り香が感じられるような、独特の音がします。 Disc2は今でも人気のある疑似ステレオ版です。本物のステレオではないとわかっていても、つい引き込まれてしまう魅力があります。こちらは4トラック、19セ ンチのオープンリール・テープより復刻しており、GS-2084(2012年/廃盤)の原盤と同一です。2枚組1枚価格での提供ですので、初回限定プレスになります。 ご予約をお勧めします。  なお、Disc1は極上の状態のLPとはいえ、プチパチ・ノイズはゼロではありません。また、Disc 2は疑似ステレオ化に際して混入したと思われる機械音のよ うなノイズが含まれます。ご了承下さい。(平林直哉)

DOREMI
DHR-8245(2CD)
クラウス・テンシュテット LIVE 第3集
(1)ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 『英雄』 Op.55
(2)ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB108
クラウス・テンシュテット(指)

(1)ボストンSO
 録音:1977年7月30日タングルウッド
(2)NYO
 録音:1992年4月14日ニューヨーク
テンシュテットのお宝ライヴ音源集、第3弾。マニアにはたまらない、92年ニューヨーク・フィルとのブルックナーの8番を収録!
DOREMI
DHR-8247(2CD)
クラウス・テンシュテット LIVE 第4集

(1)ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 Op.67
(2)ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 Op.60
(3)R.シュトラウス:交響詩『ドン・キホーテ』 Op.35
(4)ブラッハー:パガニーニの主題による変奏曲 Op.26
(5)ブラッハー:協奏的音楽 Op.10
クラウス・テンシュテット(指)

(1)NYO
 録音:1985年1月17日ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール
(2)NYO
 録音:1980年5月29日ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール
(3)ローン・マンロー(Vc)、ポール・ニューバウアー(Va)、NYO
 録音:1985年1月17日ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール
(4)録音:1985年4月11日ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール
(5)シカゴSO
 録音:1976年12月9日シカゴ
ンシュテットのお宝ライヴ音源集、第4弾。R.シュトラウスやブラッハーの緻密で壮麗な管弦楽法による作品を巧みにドライヴ!

オクタヴィア
OVCL-00850(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価
シューベルト:交響曲第7番「未完成」
交響曲第8番「ザ・グレイト」
劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」〜間奏曲第3番
久石譲(指)
フューチャー・オーケストラ・クラシックス

録音:2023年7月5日東京オペラシティコンサートホール、7月6日長野市芸術館メインホール・ライヴ
久石譲とFOCによるベートーヴェンとブラームスの交響曲全集 は、リズムが際立つタイトで生き生きとした音楽がインパクト と反響を呼びました。 当盤では切れ味の鋭いリズム、明瞭なハーモニーは推進力にあ ふれ、シューベルトの美しい旋律が流麗に歌い上げられます。 日本の若手トッププレーヤーが集結したFOCによる、未来へ向 かう音楽を、どうぞお楽しみください。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCL-00848(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調
(1877年リンツ稿、ノーヴァク版)
ジョナサン・ノット(指)
東京SO

録音:2023年10月21日東京オペラシティ・コンサートホール・ライヴ
さらなる深化をみせる音楽監督ジョナサン・ノットと東京交響 楽団、両者が魅せる幾度もの奇跡的名演、それは聴く者を圧倒 し続けています。2014年音楽監督就任当初から果敢に取り組 み築き上げてきたブルックナー、今回新たに待望の交響曲第1 番がラインナップに加わります。「若い頃、第7番に魅了され、 続いて3番、さらに2番、そして1番、経験するとそれ以前に私 が認識していたブルックナー像と違う姿が見えてきた」と語る ジョナサン・ノット。徹底した洞察力と創造力、互いを熟知し ている名コンビだからこそ探求し見えてきたブルックナーの新 たなヴィジョン。ライヴならではの白熱の名演奏をどうぞお楽 しみください。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCL-00853(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ショスタコーヴィチ:祝典序曲イ長調作品96
交響曲第5番ニ短調作品47
太田弦(指)九州SO

録音:2024年4月11-12日アクロス福岡シンフォニーホール・ライヴ
2024年4月にアクロス福岡シンフォニーホールにて 行われた、太田弦の首席指揮者就任を記念した九州 SOの定期演奏会。 若手指揮者の中でも屈指の実力を誇る太田の緻密な タクトが、九響の豊かなアンサンブルと音楽性を引 き出し、祝典序曲の華やかなファンファーレから重 厚な交響曲5番まで会場は湧きあがるような興奮に 包まれました。 新たな幕開けが伝える熱気と歓呼のボルテージをぜ ひお聴きください。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCL-00849(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ハイドン交響曲集Vol.24
交響曲第82番ハ長調Hob.T:82「熊」
交響曲第86番ニ長調Hob.T:86
交響曲第87番イ長調Hob.T:87
飯森範親(指)
日本センチュリーSO

録音:2022年3月31日大阪・ザ・シンフォニーホール・ライヴ
日本センチュリーSOが首席指揮者の飯森範親と共にスター トした「ハイドンマラソン」は、フランツ・ハイドン のすべての交響曲を演奏しようという一大プロジェクト。当盤は 第26回コンサートのライヴ収録です。 幾度の公演を重ね、信頼関係を築いてきた飯森と日本センチュ リー響は、精緻な構築と、細部までこだわりぬいた感性で、気品 あふれるハイドンを奏でています。柔和で晴々とした優美な演奏 は、まさに彼らの真骨頂といえるでしょう。(オクタヴィア)

Orchid Classics
ORC-100322(1CD)
NX-B06
クリス・バワーズ(1989-):若き日の自分へ
シェーンベルク:室内交響曲第1番(管弦楽版[1935])
チャールズ・ヤン(Vn)
アメリカン・ユース・シンフォニー
カルロス・イスカライ(指)

録音:2022年4月14日、2024年1月20日
2011年にセロニアス・モンク国際ジャズ・ピアノ賞を受賞し、アカデミー賞の短編ドキュメンタリー部門を受賞したピア ニスト・作曲家クリス・バワーズの「For A Younger Self=若き日の自分へ」。コロナ禍のパンデミックの中で書き 上げられたこの作品は、映画音楽作曲家として名を上げた彼の初の管弦楽作品であり、若者が自身の問題を克 服し、成長していくという物語をヴァイオリン協奏曲の形式で描こうとしています。ヴァイオリン独奏は、グラミー賞受 賞バイオリニストのチャールズ・ヤンが担当。併録のシェーンベルクは編成を拡大した、いわゆる「フル・オーケストラ」 版と呼ばれるもの。両曲ともカルロス・イスカライが指揮するアメリカン・ユース・シンフォニーが見事にバックを務めてい ます。

東武レコーディングズ
TBRCD-0156(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(第1稿1874 年版) 朝比奈千足(指)東京都SO

録音:1982年10月12日五反田簡易保険ホール・ライヴ(第1稿・日本初演ライヴ)
2024 年のブルックナー・イヤーに送る待望の初CD 化。 今やかなりの知名度を獲得し支持者も獲得するに至ったブルックナー:「ロマンティック」 の第1稿。その日本初演ライヴ(1982 年10 月12 日)が極上音質で甦ります。演奏は朝 比奈千足(指揮)東京都交響楽団。インバルの録音が同年の9月ですから、朝比奈千 足の先見性には今更ながら脱帽です。虚心坦懐、一心不乱に突進する名演奏で。千 足氏も「特別な意識は全くなく、ひたすら新しい音楽の世界に没頭することができた」と 振返ります。 当時LPでのみ発売されたものの、マスターが存在しないとされ捜索すること五年余り。 ついにデジタルマスターを発見しCDとしては初発売となります。

BIS
BISSA-2510
(1SACD)
リスト:ファウスト交響曲 S108(3人の人物描写による)(1854年版)
村の居酒屋での踊り(メフィスト・ワルツ第1番) S110/2〜レーナウの「ファウスト」による2つのエピソードより第2曲(1859-62)
リエージュ王立PO
ゲルゲイ・マダラシュ(指)

録音:2023年8月29日〜9月1日/サル・フィルハーモニック(リエージュ)
ゲルゲイ・マダラシュ率いるリエージュ王立POがリストのファウスト交響曲とメフィスト・ワルツ第1番を録音し ました。ブタペスト生まれのマダラシュはリストアカデミーのフルート学科、ウィーン国立音楽大学の指揮科を卒業。これまでにサヴァリアSO首席指揮者、ディ ジョン・ブルゴーニュO音楽監督を歴任し、2019/2020シーズンよりリエージュ王立POの音楽監督に就任、2025年までの契約 が決まっております。
ファウスト交響曲はゲーテの『ファウスト』の3人の登場人物の性格描写を3つの楽章で表現した名作でベルリオーズに献呈しています。のちに合唱部分を追加 していますが、当演奏では作曲当初の「ファウスト」「グレートヒェン」「メフィストフェレス」の管弦楽曲を収録しております。カップリングはメフィスト・ワルツ第1 番です。同作はピアノ独奏曲に編曲され広く知られますが、リストの管弦楽曲らしいカラフルな音色が楽しめます。 (Ki)

DOREMI
DHR-824(2CD)
クラウス・テンシュテット LIVE 第2集

(1)ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』
(2)シューマン:交響曲第3番『ライン』
(3)ハイドン:協奏交響曲 変ロ長調 Op.84, Hob.I/105
(4)ハイドン:ェロ協奏曲 ハ長調 Hob.VIIb/1
(4)ハイドン:交響曲第64番イ長調 『時の移ろい』 Hob.I/64
クラウス・テンシュテット(指)

(1)シカゴSO
 録音:1976年12月9日/シカゴ
(2)ニューヨーク・フィルハーモニック
 録音:1985年4月11日/ニューヨーク
(3)ジョゼフ・シルヴァースタイン(Vn)
 ジュール・エスキン(Vc)
 ラルフ・ゴンバーク(Ob)
 シャーマン・ウォルト(Fg)
 ボストンSO
 録音:1979年7月20日/タングルウッド
(4)ジュール・エスキン(Vc)
 ボストンSO
 録音:1980年7月26日/タングルウッド
(4)ボストンSO
テンシュテットの知られざるアメリカ・ライヴ音源集。第2弾は『運命』『ライン』と白熱まちがいなしの曲目にやられます。またハイドンの64番はテンシュテット お気に入りの得意曲で、よくとりあげた作品。 (Ki)


Treasures
TRE-321(1CDR)
ラインスドルフ&ボストン響〜厳選名演集Vol.6〜ドヴォルザーク他
リムスキー=コルサコフ:組曲「金鶏」*
ドヴォルザーク:交響曲第6番ニ長調 Op. 60
 スラブ舞曲Op.72−2/Op.72-8
エーリヒ・ラインスドルフ(指)
ボストンSO

録音:1965年4月23-24*、1967年(全てステレオ)
※音源:日ビクター SHP-2376*、SRA-2527、
◎収録時間:77:30
“ラインスドルフこだわりの「ドボ6」の比類なき昇華力!”
■音源について
2枚の日本の初期盤を音源として使用。ラインスドルフは、ドヴォルザークの交響曲第6番を1946年にも録音。チェコの指揮者以外でこの曲を2回以上セッション録音した人は珍しく、思い入れが強さが窺えます。

★ドヴォルザークは、チェコの民族色を全面に出すことはないと想像はできても、ここまで共感の丈を伸びやかに健康的に発散するとは予想外。
 交響曲の第1楽章のテーマをゆったりと郷愁を噛み締めながら開始したかと思うと直ぐにギアをアップ。その後はイン・テンポを基調に進行するのはいつものラインスドルフですが、要所要所での柔軟なルバートはまさに共感のなせる技であり、提示部の最後の静謐における精緻なハーモニー表出も流石の職人芸。楽章最後の2分間の追い込みは、ライヴ録音かと思うくらいの熱さで、明らかにベートーヴェンに対峙する時とは別のセンサーをフル稼働し、しかも造形美には寸分の緩みもないという見事さ!
 第2楽章は、弦の主題のい美しさにまず息を呑みます。当時のボストン響の音程の正確さは周知のとおりですが、それと相まった繊細を極めたフレージングは比類なし。それに対するホルンやフルートの優しい呼応にもホロリとさせられます。9:58からのチェロのユニゾンの気品溢れる邂逅からコーダに至るまでの目の詰んだニュアンスは、この作品の魅力を知り尽くした指揮者でなけれえば成し得ないでしょう。
 第3楽章は一点の曇りもない清々しい推進を見せながら、断固とした意志力も同時に炸裂。中間部でも安穏とした雰囲気に甘んじることはありません。
 終楽章はシンフォニックな響きの凝縮力が尋常ではありません。非ローカルなアプローチの永遠の基準ともいうべき盤石の構築力と共に、音楽の持つ潜在的な魅力を余すことなく抉り出したという点で、これに優る演奏を他に知りません。
 スラブ舞曲は特にノスタルジックな作風の2曲が選ばれていますが、これらもその魅力に寄り掛からずラインスドルフの美学との調和の上に育まれたニュアンスが導き出されるので、独特の存在感と味わいが醸成されます。Op.72-2の中間部が、これほど入念に立体感を持って楽想が立ち上ったことがあったでしょうか? 
 このドヴォルザークは、演奏者の共感の丈ををいかに芸術的に昇華させるべきかを教えてくれるという意味でもかけがえのないものです。【2024年6月・湧々堂】

DOREMI
DHR-8241(2CD)
クラウス・テンシュテット LIVE 第1集

(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲 ハ長調 Op.56

(2)ベートーヴェン:交響曲第7番

(3)マーラー:交響曲第1番『巨人』

(4)ハイドン:交響曲第45番『告別』
クラウス・テンシュテット(指)

(1)ジョゼフ・シルヴァースタイン(Vn)、ジュール・エスキン(Vc)、ピーター・ゼルキン(P)
 ボストンSO
 録音:1977年7月30日タングルウッド
(2)ボストンSO
 録音:1977年7月29日タングルウッド
(3)北ドイツRSO
 録音:1977年11月14日
(4)ボストンSO
 録音:1979年7月20日タングルウッド
貴重なライヴ音源をリリースしているDOREMIからテンシュテットのシリーズが始まりました。北ドイツとの『巨人』ライヴは知る人ぞ知る白熱の演奏。タングル ウッド音楽祭でのボストン響との録音もピーター・ゼルキンらと共演した三重協奏曲など濃密な内容です。

Pentatone
PTC-5187216(2CD)
ドヴォルザーク:交響曲&序曲集
交響曲第7番ニ短調 Op.70
交響曲第8番ト長調 Op.88
交響曲第9番『新世界より』
序曲『自然と人生と愛』
 「自然の中で」
 「謝肉祭」/「オセロ」
チェコPO
セミヨン・ビシュコフ(指)

録音:2023年9月27日〜10月13日/ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホール(プラハ)
2018年10月よりチェコPOの首席指揮者・音楽監督を務めるセミヨン・ビシュコフ。2023年秋の来日ツアーではドヴォルザー クを演奏し、大いに盛り上がりました。その来日ツアー直前、2023年9月末から10月はじめに本拠地ドヴォルザーク・ホールで録音したドヴォルザークの 交響曲第7・8・9番、そして序曲『自然と人生と愛』が2枚組セットでリリースされます!
ドヴォルザークの最後の3つの交響曲は作曲家として最も充実した絶頂期の傑作。3篇それぞれが驚くほど幅広い様式で作曲され、随所にこの上なく美しい 旋律があらわれます。
序曲『自然と生命と愛』は作曲当初「自然の中で」「謝肉祭」「オセロ」の3部作として構想。初演は3曲をまとめて1892年4月28日プラハの芸術 の家にてドヴォルザーク自身の(指)国民劇場Oによって演奏され、最終的に3曲別々に出版されております。この序曲集もドヴォルザークの豊かな音 世界を堪能することができます。「チェコ音楽年2024」を記念する大注目の新譜です! (Ki)

BIS
BISSA-2696(11SACD)
マーラー:交響曲全集


■Disc1(56'45)
交響曲第1番ニ長調『巨人』
■Disc2(84'38)
交響曲第2番ハ短調『復活』

■Disc3&4(1h43'19)
交響曲第3番ニ短調

■Disc5(59'25)
交響曲第4番ト長調

■Disc6(75'30)
交響曲第5番嬰ハ短調

■Disc7(86'48)
交響曲第6番イ短調

■Disc8(77'30)
交響曲第7番ホ短調

■Disc9(83'13)
交響曲第8番変ホ長調『千人の交響曲』

■Disc10(81'32)
交響曲第9番ニ長調

■Disc11(78'20)
交響曲第10番嬰ヘ長調(クック版第3稿(第2版)(1989))
ミネソタO&cho
オスモ・ヴァンスカ(指)

交響曲第2番
ルビー・ヒューズ(S)、サーシャ・クック(Ms)、ミネソタO

交響曲第3番
ジェニファー・ジョンストン(Ms)、ミネソタcho、ミネソタ少年cho

交響曲第4番ト長調
キャロリン・サンプソン(S)

交響曲第8番
キャロリン・サンプソン(ソプラノI / いと罪深き女)、ジャクリン・ワーグナー(ソプラノII / 贖罪の女)、キャロリン・サンプソン(ソプラノIII / 栄光の聖母)、サーシャ・クック(アルトI / サマリアの女)、ジェス・ダンディ(アルトII / エジプトのマリア)、バリー・バンクス(テノール / マリア崇拝の博士)、ユリアン・オルリスハウゼン(バリトン / 法悦の教父)、クリスティアン・イムラー(バス / 瞑想の教父)、ミネソタcho(音楽監督:キャシー・サルツマン・ロメイ)、ナショナル・ルーテルcho、ミネソタ少年cho
アンジェリカ・カンタンティ・ユースcho

録音:2018年3月(第1番)、2017年6月(第2番)、2022年11月(第3番)、2018年6月(第4番)、2016年6月(第5番)、2016年11月(第6番)、2018年11月(第7番)、2022年6月(第8番)、2022年3月(第9番)、2019年6月(第10番)/オーケストラ・ホール(ミネアポリス)
オスモ・ヴァンスカ(指)ミネソタOのマーラー交響曲全集がセットで登場!! ★2003年にミネソタOの音楽監督に就任したヴァンスカは、ベートーヴェンの交響曲全曲録音(BIS SA-1825)などで評価を高めました。しかし、当団 は経営悪化に伴う労使対立が激しさを増し、2012年10月に経営側はロックアウトを決行。同年2012/13年のシーズンは全てキャンセルとなり当団の存続そ のものも危ぶまれる状況となりました。
その後、ヴァンスカは労使の合意が成立した2014年1月に首席指揮者に復帰。以後、団結力の増したミネソタOの演奏は一層密度の濃いものとなって おり、マーラーの交響曲全曲演奏・録音は当団の威信にかけた大企画となりました。2016年6月より2022年11月まで、コロナ禍を経て遂に完結した当全曲 録音。数々の賞を受賞し、批評家や聴衆から称賛された当録音はマーラーの交響曲全集の新たな名盤誕生といえましょう。 (Ki)

GRAND SLAM
GS-2316(1CD)
ウラニアのエロイカ2024新復刻(ボーナス・トラック付)
(1)交響曲第3番「英雄」

ボーナス・トラック
(2)第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO

録音:1944年12月19日/ウィーン、ムジークフェラインザール
録音方式:モノラル(ラジオ放送用録音)
【使用音源】(1)URANIA(U.S.A.) URLP7095(E3KP 4554-1A / E3KP4555-1B)
(2)URANIA(U.S.A.) URLP7095(ULP7095A)
■制作者より  
1953年に米ウラニア社から発売されたフルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルのベートーヴェンの「英雄」(URLP 7095)は、今なお伝説として生き続けて います。当シリーズでは2004年にGS-2005としてLP復刻を発売、同様のものは複数存在します。しかし、今回はもう一歩踏み込んで、再度ウラニア盤のLP 復刻を行いました(新規の復刻で、GS-2005の原盤の流用ではありません)。調査した結果、ウラニア盤にはE3KPとULPの規格によるマトリクスを持つものが 存在するようです。E3KPの番号違い同士では大きな音質差はありませんが、E3KPとULPとは音質の差が非常に大きいことがわかりました。従いまして、この LP復刻では全曲をE3KPのマトリクスから採り、ボーナス・トラックとしてULPのマトリクスによる第1楽章を付け、音質差を検証出来るようにしました。また、マ トリクスだけではなく、ジャケットやレーベル面にも違いが多々あり、それらも容易に判断出来るよう、解説書には写真を掲載しています。  
なお、復刻には5枚のウラニア盤を用意し、最も状態の良い面を選んでマスタリングしましたが、LP特有のノイズが混入することは避けられませんでした。その 点は、ご了承下さい。また、ピッチは修正しています。(平林 直哉)

Goodies
78CDR-3946(1CDR)
シューマン:交響曲第4番ニ短調作品120 ハンス・プフィツナー(指)
ベルリン国立歌劇場O

日POLYDOR40141/4A (独 POLYDOR66410/3と同一録音)
1926年ベルリン録音
ハンス・プフィッツナーはドイツ後期ロマン派の作曲家。ドイツ人 の両親のもとにロシアで生まれ、幼少時にドイツに移住し指揮者としての地位 を固めた後、徐々に作曲活動を活発化させていった。レコード録音は機械式録 音(1925年以前)の後期から電気録音の初期の時代にベルリン国立歌劇場管弦楽 団を指揮したものがドイツPOLYDORに残されているが、その後は作曲活動に専念 したためか録音はほとんど無い。この録音は米ブランズウィック社が開発した 「ライト・レイ」方式の電気録音。プフィッツナーは機械式録音時代の1923年 にベルリン・フィルを指揮してこの曲を録音していた(独POLYDOR 69625/7)。 この音楽家のお気に入り作品。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの[スピリッツSP78rpm](3mil 針)とコルグの[DS-DAC-10R] DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

Urania Records
LDV-14116(1CD)
マーラー:交響曲第9番ニ長調 ヴラディーミル・デルマン(指)、
ミラノRAI響

録音(ライヴ):1993年
ソビエト連邦出身で、イタリアに帰化した指揮者、ヴラディーミル・デルマンが晩年に残したマーラーの交響曲第9番(ライヴ録音)が、イタリアのインディペンデント・レーベル「ウラニア・レコーズ(Urania Records)」から登場。
デルマンはイタリアに帰化後、国内外の主要なオペラ劇場(ミラノ、ナポリ、ローマ、パレルモ)や主要なSOの指揮者として活躍。1985年から1987年まで、パルマで開催された「アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクール」の審査委員長を務め、同時に、コンクールに組み込まれたオーケストラ指揮者のための上級トレーニング・コースのディレクターも務めました。また、1993年にミラノSOを設立したことでも知られています。
本アルバムでは、1994年にこの世を去ったデルマンが、亡くなる1年前に残したマーラーの最高傑作ともみなされる交響曲第9番を収録。この第9番は、マーラー自身により完成させられた最後の交響曲で、全編を通して「死」や「別れ」といったネガティヴなテーマで描かれていますが、一転して夢見るような美しさへと変貌する箇所が散りばめられており、こうした表現の起伏もマーラーの作品の特徴のひとつと言えるでしょう。デルマンが死の間際に残した熱きタクトで、マーラーの世界を見事に描いています。
Urania Records
WS-121419(2CD)
レトロスペクティヴ
(1)シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」
(2)R.シュトラウス:交響詩 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
 「サロメ」 より7つのヴェールの踊り
(3)ムソルグスキー:展覧会の絵
(4)ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 Op.90
トーマス・シッパーズ(指)
(1)シンシナティSO
(2)シンシナティSO
(3)NYO
(4)トリノ・イタリアRSO

録音:1965年-1967年
1977年に47歳という若さで早世したアメリカ人指揮者、トーマス・シッパーズ。シッパーズは、1970年からシンシナティSOの常任指揮者を務め、国際的な名声を築き上げましたが、ディスコグラフィーは、RCAやEMIで録音されたオペラ全集の重要な録音を除くと、あまり残っていません。この2枚組のアルバムには、ムソルグスキーの「展覧会の絵」、シューベルトの「ザ・グレイト」、シュトラウスの交響詩など、重要な録音にスポットを当てており、また、ブラームスの第3番に関しては、シッパーズによって録音された記録はありませんでしたが、RAIの貴重な資料として発見されました。


TreasuresTRT-023(1CDR)
モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲
チャイコフスキー:スラブ行進曲*
 交響曲第5番ホ短調Op.64#
ジョン・バルビローリ(指)ハレO

録音:1959年3月30日&4月2,5-9日
1959年3月31日*
1959年3月30日-31日#マンチェスター・フリー・トラッド・ホール(全てステレオ)
※音源:Pye GSGC-2038、日TEICHIKU_UDL-3082-Y*,#
◎収録時間:73:42
敵なし!バルビローリならではの怒涛のロマン!!”
■音源について
チャイコフスキーの交響曲は、いわゆる初期の黒金ラベル盤を採用するのが普通の選択だと思いますが、新品同様盤を何枚聴いても音が抜けきらなず、背景のゴロツキも特に第1楽章冒頭で目立つものばかり。そんな中、最も軽視していた日本のテイチク盤を聴いたら、音の太さといい素直な鳴りっぷりといい、大いに納得の行くものでしたので迷わずこれを採用しました。正規CDではとかくオケの技術的な不備が際立って聞こえますが、それ以上に音楽的に不可欠な要素が充満していることも気づかされました。ジャケ写は、英国のモノラルLPをベースにしています。

★NYO盤は、ここぞという箇所以外はテンポの揺れを抑え、逞しい精神が漲る名演でしたが、基本ラインはこちらも同じ。随所に弦のポルタメントを挟むなど、ややロマン的なニュアンスに傾斜していますが、テンポ自体は一層正当的なものになり、過度に感傷的なニュアンスに陥らない配慮も変わりません。第1楽章で、特に展開部に照準を合わせて、テンポ加速とともに激情を過熱させるのもNYOと同じ。全楽章を通じで一貫したコンセプトを感じ、共感の熱さも並々ならぬものを感じます。
 第1楽章第2主題でのテンポを落とさなず一気呵成を貫くのは、聴き手の期待から少しズレたアプローチをするバルビローリらしさですが、副次主題(5:32〜)では、バルビローリならやってくれるだろうという期待以上のむせ返るようなポルタメントの大放出!ただそれが、お上品なのレガートに流れない点にご注目。その直後の猛烈な突進力にも唖然としますが、その勢いを温存したまま弾丸モードで進行する展開部以降は手に汗握ること必至。コーダにおける決死の熱さは、逆に寸分の隙もない高性能なオケだったらなら醸し出されなかったかもしれません。
 第2楽章は、素朴な愛の告白の連続。表面的な美などどこにも存在しません。中間のクラリネット・ソロの後に現れるチェロのフレージング(5:26〜)は絶妙な強弱を交えてリアルに感情を吐露するねど前代未聞。そして、8:47以降のヴァイオリン群の弦が切れんばかりの夢中な歌いっぷり!一流オケによる数々の名盤を思い返しても、これほど音楽の本質を抉ったアプローチはなかったと思います。まさに体裁など二の次のバルビローリ節の真骨頂と言えます。
3楽章は、バルビローリ独自の色彩力が開花。コーダのティンパニを軸とした強烈なパンチ力はこの復刻を通じて初めて認識。
 CDではとかくこのティンパニの音は細身で硬質に感じられましたが、本来はこのように男性的な逞しさを湛えたものだったのです。それをさらに痛感するのが終楽章。テンポこそ中庸ですが、ニュアンスは常に勇猛果敢を貫き通しますが、全休止直前は世界の終わりの如き絶叫!それだけならまだしも、多くの演奏が小さくしぼんでしまう全休止後においても、音の張りと輝きを後退させない凄さたるや他に比類なき成果で、それを実現させているのも愚直な愛だけというところに、本物の芸、本当の美を感じずにはいられません。【2024年6月)・湧々堂】
 →さらなる詳細コメントはこちら


Spectrum Sound
CDSMBA-158(1CD)
マーラー:交響曲第10番(クック版) フランス国立放送O、
ジャン・マルティノン(指)

ライヴ録音:1970年5月27日/シャンゼリゼ劇場、パリ【ステレオ】
驚きの初出音源のディスク化を進めているスペクトラム・サウンド。当アルバムはフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの復刻で、ジャン・マルティノ ン指揮フランス国立放送Oの演奏でマーラーの交響曲第10番を収録!1970年5月27日、シャンゼリゼ劇場におけるライヴ収録、ステレオ音源です。
フランス指揮界における重鎮として活躍し、サン=サーンス、ドビュッシーなどフランス作品で評価の高いマルティノンですが、マーラーでも非常に見通しがよく、 堂々たる演奏を披露しております。
なお、マルティノンは1967年にマーラー国際交流協会(the International Association Gustav Mahler)よりメダルを授与されております。 マルティノンの豊かな音楽性は交響曲第10番の演奏でも光り輝いております。非常に貴重な復刻にご期待ください!ライヴ録音のため演奏後に拍手が入ります。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。
Spectrum Sound
CDSMBA-157(1CD)
カサドシュ&マルティノン
(1)ビゼー:「祖国」序曲 Op.19
(2)サン・サーンス:交響曲第3番ハ短調 Op.78 「オルガン付き」
(3)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(2)ベルナール・ガヴォティ(Org)
(3)ロベール・カサドシュ(P)
(1)(2)フランス国立O、
(3)フランス国立放送O
ジャン・マルティノン(指揮 )

ライヴ録音:(1)(2)1975年1月8日、(3)1969年6月18日/シャンゼリゼ劇場、パリ【ステレオ】
驚きの初出音源のディスク化を進めているスペクトラム・サウンド。当アルバムはフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの復刻で、ジャン・マルティノ ン晩年の名演をお届け。大注目は「オルガン付き」!マルティノンは晩年、1970年9月(オルガン:マリー=クレール・アラン)と1975年1月(オルガン:ベルナー ル・ガヴォティ)に商業録音を残していますが、75年の同月1月8日、シャンゼリゼ劇場で演奏されたライヴがINAに残っていました!!あの名盤同様、ボルテー ジが高いにも関わらず決して演奏が破綻しないのがマルティノン。各パートの輪郭もはっきりしながら、音楽の見通しがよい当演奏は、マルティノン最晩年の「もう 一つの名演」といえます。
カップリングは1969年6月18日、ロベール・カサドシュをソリストに迎えたモーツァルトのピアノ協奏曲第23番です。マルティノンとの相性も非常によく、カ サドシュのクリアなタッチが生きた驚くほど美しい演奏です。すべてステレオで収録されていることも非常に喜ばしいです。ライヴ録音のため演奏後に拍手が入り ます。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Capriccio
C-8096(2CD)
NX-B10

NYCX-10477(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第9番、他

【CD1】
交響曲第9番ニ短調 WAB109(ノーヴァク校訂 BSW9)
【CD2】
交響曲へ短調 WAB99(ノーヴァク校訂 BSW10)
リンツ・ブルックナーO
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2021年11月9日&10日(CD1)、2022年2月23日&27日(CD2)
リンツ、ムジークテアター・リハーサルホール
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導でブルックナーの交響曲全11曲全18バージョン(稿)を録音するプロジェクト、#bruckner2024が遂 に完結。同一指揮者による全稿録音は史上初の快挙ですが、最新の知見を援用した解釈と、ブルックナーの細かい指示を丹念に踏まえたポシュナーの指 揮によって新たなブルックナー像を提示することに成功。「私たちが習慣にしてきた聴き方と伝統と見なしてきたものを問い直す企画」として ICMA(International Classical Music Award)2024の特別賞を受賞しました。 最終巻にはブルックナーの交響曲創造の出発点となった交響曲ヘ短調(別名「習作交響曲」、通称「第00番」とも)と未完の遺作となった第9番を収録。ど ちらも異稿は無く、使用楽譜はノーヴァク版ですが、このプロジェクトに一貫する「スコアの読み直し」によって新鮮なサウンドと解釈が聞かれます。 ヘ短調の交響曲はブルックナーが作曲の師キツラーに提出した最終課題の一つ。ブルックナー自身はこれを出版することを考えていた形跡があり、自信作で あったことがうかがわれます。ポシュナーはリピートを省いているので全曲の演奏時間は34分弱。インバル盤(Teldec、現Warner)の46分余りに比べてだい ぶ短くなっていますが、シューマンやメンデルスゾーンに連なるドイツ・ロマン派の風合いを感じさせる、颯爽としてチャーミングな作品として独自の魅力を提示し ています。 ブルックナーは1887年に第8番第1稿を完成させた後すぐに第9番の作曲に取り掛かりましたが、第8番第1稿が初演拒否されるとこれの改訂に取り掛か り、合わせて第1番、第3番、第4番、ミサ曲へ短調の改訂にまで手を伸ばしました。1889年に第9番に戻ったブルックナーですが、途中で詩篇第150篇と ヘルゴラントを作曲したためまたも遅延し、完成させることなく世を去りました。第4楽章にはかなりの部分の断片が遺されており、少なからぬ数の補筆完成の 試みがなされていますが、#bruckner2024ではブルックナー自身が関与してないものは対象外とするため、後世の補筆完成版は対象外となります。第9 番第1楽章は楽章を構成する主要動機がすべて導入部において提示されますが、ポシュナーはそれら個々の動機をわかりやすく示すことで楽章を貫く緊密 な構成を明らかにしてゆきます。従来のブルックナー演奏においては、テンポをあまり細かく動かさず(または動かしたと感じ取らせず)、また教会で聴くオルガン や合唱のように丸く溶け合った響きを求めるなど、その作品を神聖視するあまり教会音楽的に演奏する傾向もありましたが、ポシュナーは作曲者のテンポや 強弱記号を仔細に読み込んで反映し、民謡や民俗舞曲に由来するルーツ・ミュージック的な要素もしっかりと打ち出しており、その上でスケルツォの峻厳さや アダージョの浄化されるような美しさをシンフォニックに提示しています。
※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。

FUGA LIBERA
FUG-813(1CD)
パリの祭典
ミヨー:屋根の上の牛(カデンツァ…アルテュール・オネゲル)
シャブリエ:気まぐれなブーレ(作曲者の未完のスケッチに基づくティボー・ペリーヌによる管弦楽版) ※世界初録音
ラヴェル:ツィガーヌ (ラヴェル・エディションによる新校訂版) 世界初録音
ビゼー:交響曲 ハ長調
アレクサンドラ・スム(Vn)
ペレアス室内O
バンジャマン・レヴィ(指)

録音:2021年5月5-8日 サル・コロンヌ、パリ
2024年パリの祝祭をテーマに、第二帝政から1920年代の狂騒の時代まで約70年間の作品を集めたアルバム。ブラジルの大衆音楽に大 きな影響を受けたミヨーの「屋根の上の牛」で賑やかに始まり、最晩年のシャブリエが書き上げたピアノ曲の管弦楽版「気まぐれなブーレ」、新 しいラヴェル・エディションでの初録音となる「ツィガーヌ」、ビゼーが唯一残した交響曲が収められています。ミヨーとラヴェルではロシア出身で現 在はパリを拠点に活躍するヴァイオリニスト、アレクサンドラ・スムがソリストを務め、高い技術と表現力で聴く者に強く訴えかける素晴らしい演 奏を披露。バンジャマン・レヴィ率いるペレアス室内管弦団も世界観をストレートに歌い上げ、喧騒、郷愁、揺らぎに満ちた光の街の肖像画 を描きます。

Altus
ALTB-545(3SACD)
シングルレイヤー
完全限定生産
ヴァント&N響ライヴ集成/SACD3タイトルセット(全3枚)

【ALTSA-258】
ベルリオーズ:「ローマの謝肉祭」序曲
シューマン:交響曲第4番ニ短調

【ALTSA-260】
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)

【ALTSA-261】
シューベルト:交響曲第3番ニ長調 D.200
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
ギュン ター・ヴァント(指)
NHK響

【ALTSA-258】
 録音:1979年11月21日/NHKホール
【ALTSA-260】
 録音:1982年4月14日/NHKホール
【ALTSA-261】
 録音:1983年12月8日/NHKホール
ALTUSから発売されているヴァントとN響のSACDシングルレイヤー盤3タイトルを、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セッ トです。 【ALTSA-258】 白熱的なベルリオーズも聴きものですが、シューマン4番の堂々あたりを払うたたずまいは当時のヴァントとN響ならではのものです。冒頭の深々とした響きから 一気に引きこまれ、第3楽章からの熱気が大変で金管の壮絶な見せ場もあり、とてつもない大演奏に仕上がっております。実に一聴の価値ありで御座います。 【ALTSA-260】 冒頭のホルンも美しく、曲が進むほどにヴォルテージがあがっていき、激裂なハイヴォルテージの崇高な太団円で曲がとじられます。また第2楽章の切々たる味わ いは正に「秋の日のさびしさ」、ヴァントのブルックナーの内で最も熱い演奏の一つと申せましょう。録音も素晴らしく聴きやすい音質です。 【ALTSA-261】 ブラームスは第1回目NDRのスタジオ録音同様の少し速めのテンポで始まり、やはり当時の燃えるN響の面目躍如で高揚感が素晴らしく、ヴァントならでの緻密 な表現がまた見事。終楽章コーダでもテンポを煽らぬ正統ながら一音一音ゆるぎなく、しかも高ヴォルテージで音が積み重なる様は圧巻でライヴでも滅多にない大 演奏です。真の聴きものと申せましょう。シューベルトの品格も見事。音質も納得のいく良音です。 (Ki)


オクタヴィア
OVCL-00844(1SACD)
税込定価
2024年6月19日発売
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ヤン・ヴィレム・デ・フリーント(指)
読売日本SO
森谷真理(S)
山下裕賀(Ms)
アルヴァロ・ザンブラーノ(T)
加藤宏隆(Bs)
新国立劇場cho

録音:2023年12月23-24日東京芸術劇場コンサートホール・ライヴ
古楽界に新風を吹き込み、自身が創設したコンバッティメント・コン ソート・アムステルダムでは名曲・秘曲で多くの名盤を生み出し、 ヨーロッパ中に旋風を巻き起こしたオランダの名匠デ・フリーント。 現在は数々のヨーロッパの名門オーケストラに定期的に登壇、わが国 では2024年に京都市SOの首席客演指揮者に就任しています。モ ダン楽器によるピリオド奏法は今では一般的ではあるものの、2023年 末読売日本SOとの本ライヴには、デ・フリーントの才覚が全編 にほとばしり出ています。響きも音もここでは驚くほど独創的であり、 聴き手は「まったく新しい第九」を耳にすることになるでしょう。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCL-00846(1SACD)
税込定価
2024年6月19日発売
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 小林研一郎(指)
コバケンとその仲間たちオーケストラ
市原愛(S)
山下牧子(Ms)
笛田博昭(T)
寺田功治(Br)
史上最高の第九に挑むcho

録音:2023年12月10日東京・サントリーホール・ライヴ
「コバケンとその仲間たちオーケストラ」は、2005年のスペ シャルオリンピックスの公式文化事業の企画を機に設立された オーケストラで、プロ・アマチュア・学生・障がいの有無に関わ らず、活動趣旨に賛同する奏者が集まり演奏しています。この録 音は、2023年末の第九演奏会で、参加したオーケストラと合唱 団は総勢200名以上という大スケールのコンサートで話題となり ました。音楽の持つ情熱とエネルギーが収められた、“史上最高 の第九”への挑戦をお楽しみください。(オクタヴィア)


Capriccio
C-5484(3CD)
NX-D03
NYCX-10481(3CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

マーラー版ベートーヴェン:交響曲集
交響曲第5番「運命」 Op.67
交響曲第3番「英雄」 Op.55
序曲「コリオラン」ハ短調 Op.62
交響曲第7番イ長調 Op.92
弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」 Op. 95
序曲「レオノーレ」第2番Op.72
序曲「レオノーレ」第3番Op.72b
交響曲第9番「合唱」 Op.125
ラインラント=プファルツ州立PO
マイケル・フランシス(指)
マルガリータ・ヴィルソーネ(S)
エヴリン・クラーエ(Ms)
ミヒャエル・ミュラー=カステラン(T)
デリック・バラード(Br)
ブルノ・チェコ・フィルハーモニーcho

録音:2021年10月8-9日、18-22日…交響曲第5番、第7番
2022年7月5-8日…交響曲第3番、コリオラン
2023年11月6-8日…弦楽四重奏第11番
2022年11月4-5日(ライヴ)…交響曲第9番
※マーラー研究家、前島良雄氏による日本語解説付き。
ウィーン・フィルの指揮者などを歴任したマーラーが、先輩作曲家たちの作品の演奏にあたりオーケストレーションに手を入れていたことは広く知られており、そ れぞれに録音も出ていますが、そのうちベートーヴェン作品をすべて演奏・収録したアルバムはありそうで無かった企画の一つ。すぐれた作曲家の眼を持つ練 達の指揮者マーラーの思考を系統的に追うのに好適なセットです。 マーラー自身の交響曲は曲も編成も大規模なものですが、彼が過去の作品に行った変更は少し方向が違います。場所により弦楽器に管楽器を重ねる、 弦の細かなフレーズを強調するために管のパートを省く、管の動きにオクターヴを付与する、といった楽器間のバランスを整えて効果的に響かせるためのもの が多く、また細かな演奏指示も書き込まれており、指揮者マーラーがどのパートを重視したか分かるのが興味深いところです。また金管楽器の改良や用法の 変遷に伴って、かつては音が出なかった旋律が足されたり、高すぎる音を下げるといった処理も行われています。しかしながら、ホルンは基本的に倍管となっ ており、「第九」はティンパニ2人を擁するマーラーらしい巨大編成へと変貌していることも事実。「英雄」葬送行進曲フーガのクライマックスや第4楽章コーダ 前にティンパニが加筆されていたり、「第九」第1楽章で低弦にトロンボーンを重ねたり第4楽章でコントラファゴットのサポートにチューバが動員されたりといった ところは、なかなか衝撃的でもあります。 英国出身の指揮者マイケル・フランシスが2019年から首席指揮者を務める手兵オケを指揮してこれらを次々と浮き彫りにしてゆきます。基本となるテンポ は速めで、オーケストラのサウンドは、溶け合った響きよりも細部のわかりやすい透明感を重視したもの。アクセントは強調され、フレーズを短めに切り上げると ころなどピリオド奏法を取り込んでいるようですが、すべてはマーラーの意図をより明瞭に提示するために採用されたものと思われます。第九の演奏時間は64 分と短めですが、第3楽章は清冽な響きでゆったりと奏で「アダージョ」の指定を守っていることを納得させます。速さやアクセントの強さ一辺倒ではなく、音楽 に豊かな表情と流れがあり、勢いと推進力がある引き締まった演奏で、数多いベートーヴェン録音の中にあっても聴きごたえのあるものとなっています。
※国内仕様盤にはマーラー研究家、前島良雄氏による日本語解説が付属します。

BIS
BISSA-2486(2SACD)
マーラー:交響曲第3番ニ短調 ジェニファー・ジョンストン(Ms)
ミネソタcho(女声)、ミネソタ少年cho
ミネソタO、
オスモ・ヴァンスカ(指)

録音:2022年11月14-18日/オーケストラ・ホール(ミネアポリス)
プロデューサー:ロバート・サフ
オスモ・ヴァンスカ(指)ミネソタOのマーラー交響曲全曲録音(第1〜10番)が遂に完結。当アルバムは第3番を収録 しております!
2003年にミネソタOの音楽監督に就任したヴァンスカは、ベートーヴェンの交響曲全曲録音(BIS SA-1825)などで評価を高めました。しかし、 当団は経営悪化に伴う労使対立が激しさを増し、2012年10月に経営側はロックアウトを決行。同年2012/13年のシーズンは全てキャンセルとなり当団の 存続そのものも危ぶまれる状況となりました。その後、ヴァンスカは労使の合意が成立した2014年1月に首席指揮者に復帰。以後、団結力の増したミネソタ Oの演奏は一層密度の濃いものとなっており、マーラーの交響曲全曲演奏・録音は当団の威信にかけた大企画となりました。
交響曲第3番はワーグナーを思わせる豪華な木管と金管に、多数の打楽器、アルト独唱、女声合唱、少年合唱も登場する大規模かつ並外れた傑作。2部構 成全6楽章、演奏時間は100分以上の大曲で終始情感に満ちています。ことに終楽章の深く吸い込まれるような音楽は、これまでに書かれた音楽の中で最も 美しい旋律といえます。
2022年11月の演奏会後に行われた当セッションは、2016年に始まったこの全曲録音の集大成にふさわしい感動的な演奏となっております。 (Ki)

B RECORDS
LBM-063(1CD)
NX-C04
ティエリー・エスケシュ(1965-):Vitrail(ステンドグラス)
ショスタコーヴィチ(ヴィクトル・デレヴィアンコ編): 交響曲第15番Op.141(打楽器、チェレスタ、ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための)
トリオ・メシアン【ダヴィド・ペトルリク(Vn)、ヴォロディア・ファン・クーレン(Vc)、フィリップ・アタ(P)】
トリオ・クセナキス【エマニュエル・ジャケ、ロドルフ・テリー、ニコラ・ラモト(打楽器)】

録音:2023年8月1日 サル・エリー・ド・ブリニャック、アルカナ、ドーヴィル、フランス (ライヴ/拍手入り)
ショスタコーヴィチ本人もその出来栄えを激賞し、ギドン・クレーメルらも録音している交響曲第15番のヴィクトル・デレヴィアンコによる室内楽 版の新録音が登場。演奏するのはいずれもパリ高等音楽院を卒業したメンバーにより結成された、ピアノ三重奏団トリオ・メシアンと打楽器 アンサンブルのトリオ・クセナキスです。カップリングはフランスの作曲家、オルガニストのティエリー・エスケシュによる「ステンドグラス」。ライヴならで はの緊張感が心地よいアルバムです。

ALPHA
ALPHA-1057(1CD)
マーラー:交響曲第9番(ピリオド楽器による) マーラー・アカデミーO
フィリップ・フォン・シュタイネッカー(指)

録音:2022年9月 マーラー・ザール、トーブラッハ文化センター、イタリア
第一次大戦終結までオーストリア領だったイタリアの南チロル州で、クラウディオ・アバドによって創設された「マーラー・アカデミー・ボルツァーノ= ボ―ゼン」の活動の一環として、世界各国から集まった若い音楽家たちとヨーロッパの有名オーケストラの団員が共に演奏する機会を作る マーラー・アカデミーO。そのOriginalklang(ドイツ語で「本来の響き」)プロジェクトとして、マーラーの交響曲第9番が初演された 1912年にウィーンで使われていた楽器を世界中から集め(後世の再現楽器含む)、その演奏習慣を研究・習得して行われた録音が登場 します。この作品が生まれた地であるトーブラッハで行われた今回の録音は、ピリオド楽器によるおそらく初めてのもの。管楽器はヴィブラートを ほぼかけず、ガット弦を張った弦楽器のヴィブラートも控えめながらポルタメントを多くかけ、テンポは比較的速めという方向で作られる音楽 は、この作品に付きまとう死や情念といったイメージからはほど遠い、清涼感に溢れたものとなっています。特に第4楽章の澄み渡るような美し さは特筆もの。マーラー録音史に残る一枚と言えそうです。 指揮者のフィリップ・フォン・シュタイネッカーは、マーラー室内管やオーケストラ・レヴォリューショネル・エ・ロマンティークの首席チェロ奏者を務め た後、モダン楽器とピリオド楽器のオーケストラ双方で活躍する指揮者。当CDの巻末には後援者として内田光子氏の名前もクレジットされ ています。

WERGO
WER-7392(1CD)
王西麟(ワン・シーリン Xilin Wang,1936-):交響曲第3番 Op.26(1989/90) エマニュエル・シフェール(指)
中国国家SO

録音:2018年4月18日/北京コンサートホール(ライヴ)
王西麟(1936-)は上海音楽院で作曲と指揮を学び、若くして中国音楽界で頭角を現した人物。しかし毛沢東の文化政策を批判したため地位を剥奪され、山西 省に追放されて強制労働を強いられ、また拷問により聴力にも支障をきたすという苦難に見舞われます。文化大革命が終結した1978年に北京に戻り作曲活動を 再開。西洋の近代・現代の音楽を積極的に研究し、ショスタコーヴィチや中国の民族音楽などにも影響を受け、表現豊かで力強い作曲スタイルを獲得、国内でも高 い評価を得るに至ります。2008年の北京オリンピックのために作曲された第6番をはじめ、これまでに9曲もの交響曲を発表しているシンフォニストでもありま す。
交響曲第3番は「1989年の天安門事件をうけ、世界中で民主主義と自由を追求する崇高な理想を持つ人々に捧げる」として書かれた4楽章から成る作品。王 は「自分のためだけに書くのではなく、この長い歴史のなかで亡くなったすべての人々のために書きたい」とコメントしており、「Symphony(=共に、鳴る)」と いう古典的な形式に、現代における新たな価値を与え、強い生命力を吹き込んでいます。 (Ki)


SOMM
ARIADNE-5028(2CD)
NX-D05
ピエール・モントゥー/晩年のロンドン・ライヴ集
■CD1
ウェーバー:祝典序曲
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
ラヴェル:スペイン狂詩曲
 ダフニスとクロエ 第2組曲*
■CD2
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」*
ストラヴィンスキー:春の祭典**
拍手とアナウンス**
LSO員及び関係者へのインタビュー集#
モントゥーへのインタビュー「ウィレム・ペイペルの交響曲第3番を語る」##
ドヴォルザーク:交響曲第7番〜第1楽章と第2楽章のリハーサルより+
ピエール・モントゥー(指)
BBCノーザンO
ロイヤルPO*、LSO**,+

録音:1963年10月18日 マンチェスター・タウンホール(ライヴ)・・・CD1 1-10
1960年12月25日 ロンドン、BBCスタジオ(ライヴ)・*
1963年5月29日 ロイヤル・アルバート・ホール(ライヴ)**
1992年-1995年#
1955年 アムステルダム##
1959年10月+
#のみステレオ、他はすべてモノラル
音源:BBCラジオのエアチェック・・・CD1&*,**
1875年にフランスで生まれたピエール・モントゥーは若き日にはパリ楽壇を牽引する活躍を見せ、特にディアギレフに信頼されてバレエ・リュスで重要作品の初演を担いま した。晩年には特にイギリスで人気と評価が沸騰し、85歳にしてLSOの首席指揮者に招かれましたが、その際モントゥーは25年間の契約を提示したと伝え られます。多くの指揮者は高齢になるとテンポが遅くなる傾向がありますが、モントゥーは最晩年まで弛緩の無いテンポと誇張の無い表現によって格調高い音楽を奏で続 けました。1960年代にPhilipsレーベル(現Decca)に行った録音は今もそれらの曲の最高水準に位置付けられており、このセットに収められたライヴ録音の数々からも 同様の「モントゥーらしさ」が聞こえてきます。 演奏の機会が稀なウェーバーの祝典序曲は曲の終わり近くに英国国歌の旋律が現れます。ベートーヴェンの「田園」は1958年にウィーン・フィルを指揮したDecca盤と そっくりな引き締まった演奏(ただしこのライヴでは第1楽章提示部のリピートを省略)。得意としたラヴェルも立派な出来。「ダフニスとクロエ」は1912年にモントゥーがバレエ 版の初演を指揮した作品です。この曲だけ冒頭に僅かな欠落があります。古典的な造形の中に細部の仕掛けとユーモアのセンスが結晶したハイドン作品もモントゥーの 十八番ですが、第104番「ロンドン」は正規録音が無かっただけにファンには嬉しい掘り出し物。「春の祭典」は初演からちょうど50年となる1963年5月29日に行われた 特別コンサートで、指揮者の年齢(88歳)が信じられない矍鑠とした演奏が展開されてゆきます。最後の音が鳴りやまぬうちにロイヤル・アルバート・ホールを埋め尽くした 聴衆から大歓声が沸き起こり、解説書によれば作曲者ストラヴィンスキーも客席からハンカチを振って演奏者を讃えたそうです。演奏直後のステージや会場の様子を伝 えるBBCのナレーションをカットしなかったのは、歴史的な演奏会の記録として好ましい配慮と言えるでしょう。 CD2の19-25はクラシック音楽のドキュメンタリーで名高いジョン・トランスキー(当盤の解説も執筆)が、モントゥーの指揮で演奏したLSOの奏者たちを中心 とする計8名にインタビューしたもの。いずれも短いものですが、当時の楽団員の高揚感が伝わります。第2ヴァイオリン奏者だったマリナーの声が聞けたり、ロンドン交響楽 団の初来日公演時のエピソードが混じっていたりするのは嬉しいところ。最後にはドヴォルザークの第7番のリハーサル約3分が収められています。 リマスターは歴史的録音の復刻で名高いポール・ベイリー。

BIS
BISSA-2441(1SACD)
ストラヴィンスキー:交響曲集
(1)3楽章の交響曲(1942-45)
(2)管楽器のための交響曲(1918-20原典版)
(3)交響曲 ハ調(1938-1940)
ディーマ・スロボデニューク(指)、
ガリシアSO

録音:(1)(3)2019年2月11〜15日、(2)2023年6月18&19日コルーニャ歌劇場(スペイン)
ストラヴィンスキーといえば『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』などバレエ音楽、管弦楽曲が有名で、交響曲を連想させる作曲家 ではありません。しかし彼が作曲した交響曲に属する5篇は、そのどれもが個性的ですべてが異なるキャラクターを持っています。当アルバムはその第1弾として 3篇を収録しております。
ストラヴィンスキーがアメリカで作曲した最初の大作「3楽章の交響曲」は、リズミカルなオスティナートと刺激的な音響効果でまるで『春の祭典』のよう。第二 次世界大戦に作曲されたこの作品は戦争に対するストラヴィンスキーのメッセージにも聴こえます。「管楽器のための交響曲」は、ストラヴィンスキーの友人だった クロード・ドビュッシーへのオマージュとして作曲された、短くコンパクトな作品。“Symphonies” と複数形がとられているため、交響曲の形式ではなく、“とも に鳴り響く”音楽を試みたと解釈されています。万華鏡の如く変化する形式は初演時に聴衆を驚かせましたが、今ではストラヴィンスキーの独創性を示す最高傑作 の一つに数えられます。「交響曲 ハ調」は戦中1938年から40年にかけ2つの大陸で作曲されたシンプルかつユーモアに富む作品です。
指揮のディーマ・スロボデニュークは1975年モスクワ生まれ。17歳でフィンランドに移住しシベリウス音楽院でレイフ・セーゲルスタム、ヨルマ・パヌラから指 揮を学びました。2016年より2021年までラハティSOの首席指揮者を務め、BISレーベルから「プーランク、プロコフィエフ、ブリテン:シンフォニエッタ 集」(BIS SA-2601)、「カレヴァラの情景」(BIS SA-2371)、「カレヴィ・アホ:協奏曲『シエイディ』、交響曲第5番」(BIS SA-2336)、「プロコフィエフ:歌劇『賭博者』による4つの描写と終結、バレエ音楽『石の花』からの組曲」(BIS SA-2301)などをリリースしています。
当演奏は2012年より2022年まで音楽監督を務めたガリシアSOとの共演。作風が常に変化そして進化したストラヴィンスキーの多面的で魅力的な一面 を見事に引き出しております。 (Ki)

CPO
CPO-555429(2CD)
NX-E07
ディッタースドルフ:オウィディウスの『変
身物語』による交響曲集

交響曲第1番ハ長調「四つの時代」
交響曲第2番ニ長調「ファエトンの墜落」
交響曲第3番ト長調「鹿に変えられたアクタエオン」
交響曲第4番ヘ長調「ペルセウスによって救われたアンドロメダ」
交響曲第5番イ長調「蛙に変えられたリュキアの農夫たち」
交響曲第6番ニ長調「石にされたフィネウスと仲間たち」
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O
ケース・スカリオーン(指)

録音:2020年10月21-23日、11月19-21日
LP時代から人気のあったディッタースドルフの「変身物語」に基づく交響曲集に新録音が登場。 1781年、ディッタースドルフは古代ローマの詩人オウィディウスの『変身物語』に基づく交響曲シリーズの作曲を計 画します。この物語は古代神話の登場人物たちが動物や植物、鉱物、果ては神にまで変身していくエピソードを 集めた叙事詩で、後世数多くの演劇作品やオペラなどの題材になっています。ディッタースドルフは15曲の交響曲 を5曲ずつ3つのセットにし、そのセットのために造られた彫刻を合わせて出版することを計画。これは18世紀後半 における「最も野心的なプロジェクト」の一つとして評判になりましたが途中で頓挫。完成したのはここに収められた 6曲の交響曲だけでした。ハイドンを思わせる端正な音楽に現れる「変身」の場面は今も魅力的に響きます。

CD ACCORD
ACD-315(1CD)
NX-D05
シマノフスキ:作品集
演奏会用序曲 ホ長調 Op.12(第2稿)(1912-13)
おとぎ話の王女の歌 Op.31? ソプラノ独唱とオーケストラのために(1915)
交響曲第3番「夜の歌」 Op.27-ソプラノ独唱、合唱とオーケストラのために(1914-16)
イヴォナ・ソボトカ(S)
NMF合唱団
NFMヴロツワフPO
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)

録音:2022年7月17日
2021年6月9-10日
2022年6月13-15日
文学作品からインスパイアされたシマノフスキの作品を収めた1枚。友人の詩人タデウシュ・ミチンスキの詩に共鳴し て書かれた「演奏会用序曲」、 妹ゾフィー・シマノフスカの詩に曲をつけた「おとぎ話の王女の歌」、そしてペルシャの 神秘主義の詩人ジャラール・ウッディーン・ルーミーの詩をミチンスキがポーランド語に翻訳したテキストを用いた「交 響曲第3番」の3曲。イヴォナ・ソボトカは2004年のエリザベート王妃国際音楽コンクールの優勝者。欧州の名門 歌劇場やオーケストラに出演し、サイモン・ラトルの指揮でシマノフスキ作品を歌ったアルバムなど が高く評価されて います。


LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-036(2CD)
ショスタコーヴィチ&ブルックナー
(1)ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op.65
(2)ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB.108(ハース版)
カルロス・パイタ(指)、
フィルハーモニックSO

録音:(1)1981年収録場所不明(未発表ライヴ録音)、(2)1982年5月/キングスウェイホール(ロンドン)
20世紀アルゼンチンを代表する指揮者カルロス・パイタ(1932-2015)。1980年代に自身が創設したフィルハーモニックSOと、R.シュトラウスの「英 雄の生涯」、ベートーヴェンの交響曲第7番、ドヴォルザークの交響曲第7番、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」などを自主レーベル「Lodia」からリリー スし、クラシック・ファンを楽しませてきました。
1932年ブエノスアイレス生まれのパイタは裕福な家庭に育ち、幼少時からレコードやコンサートを通じクラシックに親しんできました。その後、テアトロ・コロン でフルトヴェングラーのリハーサルに接する機会を得て、以来フルトヴェングラーの演奏に傾倒し指揮者になることを決意しました。
「自身が思い描く音楽をやりたいようにやる」というパイタの音楽は爆発そのもの。演奏が破綻しようもパイタの情熱的な音楽は聴衆を魅了し、今もなおその演 奏は色あせることなく輝き続けています。
パイタ・ファン狂喜の未発表音源は、1981年にライヴ収録されたショスタコーヴィチの交響曲第8番です。ロシア作品が大得意だったパイタ。破壊的ともいえる 熱量で演奏するかと思いきや、極めて冷ややかで現実的。この作品がもつ痛々しさを表現しております。もちろんライヴならではの一期一会の音色はパイタの音楽 そのものです。
カップリングはパイタの代表的名盤、ブルックナーの交響曲第8番です。同音源は過去に「Lodia」レーベルからのライセンスで、ビクター音楽産業株式会社が国 内盤としてリリースしており、このリリースによって日本でも多くの熱狂的ファンを獲得しました。このブルックナー演奏は高揚感があり、宗教的でありながらも決し て神秘的ではない、爆演パイタたる所以がこの演奏にあらわれております。
カルロス・パイタの演奏はいつも賛否両論を呼びます。当アルバムでも「ショスタコーヴィチやブルックナーの音楽とはそういうものなのだろうか?」と考えさせ るものですが、この2つの作品の解釈について新たな展望を切り開いてくれることは間違いありません。聴衆の先入観、さらには既成概念を壊すような演奏をす る、唯一無二の指揮者パイタの至芸をお楽しみください! (Ki)

Urania Records
LDV-14114(1CD)
フランチェスコ・ザッパ:6つの交響曲
フランチェスコ・ザッパ(1717-1803):交響曲第1番変ホ長調/交響曲第2番ト長調/交響曲第3番変ロ長調/交響曲第4番ハ長調/交響曲第5番ニ長調/交響曲第6番変ホ長調
アタランタ・フーギエンスO、
ヴァンニ・モレット(指)

録音:2022年10月16日-17日
フランク・ザッパが図書館で作品を偶然発見したことにより、1984年にアルバム『フランチェスコ・ザッパ』(収録曲はすべてフランチェスコ・ザッパの作品)をリリースし、無名の作曲からの再発見・再評価のきっかけとなったという、数奇な運命を辿った18世紀イタリアの作曲家&チェリスト、フランチェスコ・ザッパの交響曲集。
1717年ミラノに生まれたフランチェスコ・ザッパは生前も激動の人生を送っており、オランダとドイツの宮廷で長い成功と名誉を獲得しながら、レオポルト・モーツァルトからの軽蔑により一種の「記憶喪失」さえ経験し、貧困と孤独のうちに亡くなりました。
演奏は、イル・ジャルディーノ・アルモニコのコントラバス奏者を務めた経歴を持ち、バロック音楽の研究、さらには現代音楽やジャズにも精通するマルチな才能を発揮するヴァンニ・モレットと、彼が率いるピリオド楽器使用の弦楽オーケストラ、アタランタ・フーギエンスOです。

Lyrita
SRCD-2417(4CDR)
ジョージ・ロイド:交響曲第1番〜第6番
ジョージ・ロイド(1913-1998):交響曲第2番/交響曲イ長調(第1番)*/交響曲第3番ヘ長調/シャレード組曲/交響曲第4番「北極」*/歌劇「ジョン・ソックマン」序曲/交響曲第5番変ロ長調/交響曲第6番
ジョージ・ロイド(指)、
BBCフィルハーモニック、
オールバニーSO*

録音:1986年-1992年、BBCスタジオ7(マンチェスター)&トロイ貯蓄銀行音楽ホール(ニューヨーク)*
ブリテンと同年に生まれ、20世紀のイギリスで活躍した作曲家ジョージ・ロイドが、自身の指揮でレコーディングした交響曲第1番〜第6番を収めた4枚組ディスク。第2番、第3番、第5番、第6番がBBCフィルハーモニックと、第1番、第4番がニューヨークのオールバニーSOとの共演。20代前半に書いた第1番〜第3番と、海軍に従事した第二次世界大戦での経験で負った精神的なショックと闘いながらも書き上げた第4番〜第6番の心境の変化にも注目です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Lyrita
SRCD-432(1CDR)
リチャード・ブラックフォード(b.1954):サグラダ・ファミリア交響曲*
カンタータ「バベル」
BBCウェールズ・ナショナルO*、リチャード・ブラックフォード(指)*、アイコン・シンガーズ&アンサンブル、デイヴィッド・ヒル(指)、レベッカ・ボットーネ(S)、アレッサンドロ・フィッシャー(T)、スティーヴン・ガッド(Br)

録音:2022年4月21日-22日*&2023年9月26日、ホディノット・ホール(カーディフ、イギリス)*&セント・ジョージズ・ヘッドストーン(イギリス)
ロンドンの王立音楽大学でジョン・ランバートに、ローマでハンス・ヴェルナー・ヘンツェに作曲を学んだイギリスの作曲家リチャード・ブラックフォード。管弦楽や合唱作品、オペラ、バレエ音楽のほか、映画やテレビのための音楽、さらには「グレート・アニマル・オーケストラ」や、サン=サーンス「動物の謝肉祭」とヴェルディ「レクイエム」の新編曲といった意欲作を続々と世に送り出し常に話題をさらっています(ブラックフォード編のヴェルディ「レクイエム」は2024年3月3日に日本初演も行われました)。当盤にはブラックフォード自身がBBCウェールズ・ナショナルOを指揮した2作目の交響曲「サグラダ・ファミリア交響曲」と、2023年に英メイキング・ミュージックの最優秀クリエイター賞を受賞したカンタータ「バベル」を収録。ブラックフォードが描く壮大な世界観をご堪能ください。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Avie
AV-2684(1CD)
失われた世代
フーゴ・カウダー(1888-1972):交響曲第1番
ハンス・エーリヒ・アポステル(1901-1972):ハイドンの主題による変奏曲
アドルフ・ブッシュ(1891-1952)(ピーター・ゼルキン編):オリジナルの主題による変奏曲
レオン・ボットスタイン(指)、
ジ・オーケストラ・ナウ

録音:2022年11月
20世紀を代表する指揮者レナード・バーンスタインの伝記映画『マエストロ』を観たことがあるなら「ジ・オーケストラ・ナウ」を見聞きした事があるでしょう。映画のタングルウッド音楽祭のシーンに登場するのがまさにこのオーケストラです。「ジ・オーケストラ・ナウ」はニューヨークを中心とする大学院レベルの指揮者、教育者、音楽家によって設立された、世界中の最も活気に満ちた若い音楽家で構成されるオーケストラのひとつと言えます。またレオン・ボットスタインと共に、世に知られていない作品を取り上げ、広める活動も行っており、2022年11月にフーゴ・カウダーの「交響曲第1番」のアメリカ初演を行いました。カウダーの作品は、ブラームスやマーラーの影響を受けつつ独自の要素を持った音楽に仕上がっています。
ドイツ生まれでオーストリアの作曲家であるハンス・エーリヒ・アポステルは、シェーンベルクとベルクに師事し、ナチスに「退廃的」とみなされましたが、生涯自分の作風を貫きました。「ハイドンの主題による変奏曲」は、ハイドンの「交響曲第103番『太鼓連打』」の第2楽章のテーマが使われています。
アドルフ・ブッシュはヴァイオリニストとして知られていますが、作曲家としても作品を残しています。ここで収録されている「オリジナルの主題による変奏曲」は、ロマンティックなメロディが特徴で元々ピアノ連弾のために作られた作品です。

ALTO
ALC-1484(1CD)
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調 Op.43
劇付随音楽「ハムレット」組曲 Op.32a*
キリル・コンドラシン(指)モスクワPO、
エドワルド・セーロフ(指)レニングラード室内O*
1936年に予定されていた初演が直前で撤回され、その後25年間日の目を見ることがなかったショスタコーヴィチの交響曲第4番。キリル・コンドラシン&モスクワ・フィルの尽力によって1961年にようやく初演が実現し、その直後に行われたこのレコーディングは今なお同曲の決定的名演として最高の評価を得ているものです。これまでにも交響曲全集などとして何度か復刻されていましたが、今回分売として(しかもバジェット・プライス!)入手しやすくなったことは大変嬉しいニュースです。カップリングにはエドワルド・セーロフ&レニングラード室内Oによる劇付随音楽「ハムレット」(8曲抜粋版)を収録。


SWR music
SWR-19152CD(2CD)
NX-D05
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107
交響曲第8番ハ短調 WAB108(第1稿)
エリアフ・インバル(指)
シュトゥットガルトRSO

録音:2013年11月21&22日(第7番)、2015年10月1&2日(第8番)
リーダーハレ(シュトゥットガルト)、ベートーヴェンザール(ライヴ収録)
フランクフルト放送響との第3、4、8番の初稿の録音(Teldec/現Warner)により大きな議論を巻き起こし、これら初校への認識を広める上で決定的な役 割を果たしたエリアフ・インバル。卓越した細部の読みと指揮能力も相まって、現代に至る精緻で理知的なブルックナー解釈をリードしてきました。彼が定期 的に指揮していたシュトゥットガルト放送響とのアーカイヴから第7番と第8番が初めてリリースされます。インバルには両曲ともフランクフルト放送響と都響を指 揮した2種の録音がありますが、当盤はその中で最新の音源となります。解釈はTeldec盤の時点で練り上げられていたようで、第8番の演奏時間は3種と も75分台で楽章毎の差もごく少ないという完成度の高さに驚かされます。一方、第7番では2012年の都響盤(Exton)の58:34に対し1年半後の当盤 では62:01となり、全楽章において少しずつ演奏時間が延びているのが興味深いところ。オケも透明度の高いサウンドで精緻な演奏を繰り広げており、 シューリヒト、チェリビダッケ、ノリントンという個性的なブルックナー指揮者との録音を残してきたシュトゥットガルト放送響のディスコグラフィに貴重な追加となり ます。楽譜はインバルらしくノーヴァク版を使用(第7番第2楽章はシンバルあり)、拍手はカットされています。

Altus
ALTB-542(3SACD)
シングルレイヤー
限定生産
非圧縮SACD
チェリビダッケ来日SACD傑作選 /SACD3タイトルセット
【ALTSA140】
シューマン:交響曲第4番
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲『展覧会の絵』
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第8番
【ALTSA141】
ロッシーニ:『どろぼうかささぎ』序曲
R.シュトラウス:交響詩『死と変容』
ブラームス:交響曲第4番
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウス:ピツィカートポルカ
【ALTSA183】
ブルックナー:交響曲第8番
セルジュ・チェリビダッケ(指)
ミュンヘンPO

【ALTSA140】
録音:1986年10月14日/人見記念講堂(ライヴ)

【ALTSA141】
録音:1986年10月15日/東京文化会館(ライヴ)

【ALTSA183】
録音:1990年10月20日/サントリーホール(ライヴ)
ALTUSから発売されているチェリビダッケ来日公演のSACDシングルレイヤー盤3タイトルを、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた 数量限定セットです。
【ALTSAS140】 「このチェリの演奏を聴き、目からうろこだった。厳しいリハーサルで培われた精密でしなやかな響きが何とも心地よい。これほど豊かな味わいがあったのは驚き だった。こんなに色彩豊かなオーケストレーションだったのかと、初めてわかったような気がした。」(ライナーノーツより〜平林直哉)
【ALTSA141】 ミュンヘン・フィルも「チェリビダッケと残した最高のブラームス」と認めていた演奏で、息子イオアン氏によればこの演奏をEMIのブラームスの全集に入れたかっ たと語られる定評ある名演奏のSACD化。「死と変容」も美しい。
【ALTSA183】 まさに天空を登るかのようなコーダに茫然!怪物ティンパニスト、ペーター・ザードロの実力を日本中に知らしめた有名演奏がついにSACDシングルレイヤーで登 場!使用音源は映像用の音源でなく音声専用音源であるFM放送用録音を使用しており、その音質の良さが特徴。SACD化により弱音の繊細感など見事な仕上が り。 「チェリビダッケとミュンヘン・フィルの響きは、残響豊かなサントリー
Altus
ALTB-543(6SACD)
シングルレイヤー
限定生産
非圧縮SACD
ウィーン・フィル ORF戦後ライヴSACD大集成 /SACD4タイトルセット

(1)ベートーヴェン:交響曲第9番調 『合唱付き』
(2)ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
ヴァイオリン、チェロとオーケストラのための協奏曲 イ短調 作品102
ブラームス:交響曲第1番
(3)マーラー:さすらう若人の歌
ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』
(4)ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 WAB103(1889年稿)
(5)R・シュトラウス:交響詩『死と変容』
(6)R・シュトラウス:アルプス交響曲
(7)フランツ・シュミット:軽騎兵の歌による変奏曲
シューベルト:交響曲第9番ハ長調『ザ・グレイト』
(8)R・シュトラウス:交響詩『死と変容』
シューマン:交響曲第4番ニ短調 作品120
(9)ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB.108
(10)シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D. 485
ブラームス:交響曲第4番
(11)ブルックナー:交響曲第9番
(12)ブルックナー:交響曲第8番
(13)ブルックナー:交響曲第5番
(14)ブルックナー:交響曲第7番
(15)モーツァルト:交響曲第38番ニ長調「プラハ」
(16)モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K. 550
(17)モーツァルト:交響曲第35番ニ長調「ハフナー」 K.385
R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」、「ダフニスとクロエ」第2組曲
(18)シューマン:ピアノ協奏曲
(19)ブラームス:交響曲第1番
全てVPO

(1)イルムガルト・ゼーフリート(S)、ロゼッテ・アンダイ(A)、アントン・デルモータ(T)、パウル・シェフラー(Br)、ウィーン・ジングアカデミー (合唱)、録音:1953年5月30日/楽友協会 大ホール(ウィーン) ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループによるライヴ録音(モノラル)
(2)ウィリー・ボスコフスキー(Vn)、エマヌエル・ブラベッツ(Vc)、録音:1952年1月27日/楽友協会 大ホール(ウィーン) ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループによるライヴ録音(モノラル)
(3)アルフレート・ペル(Br)、録音:1952年11月30日/楽友協会 大ホール(ウィーン) ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループによるライヴ録音(モノラル)
以上、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
(4)録音:1960年2月14日/楽友協会 大ホール(ウィーン) オーストリア放送協会によるライヴ録音
(5)録音:1958年11月9日/楽友協会 大ホール(ウィーン) オーストリア放送協会によるライヴ録音
(6)録音:1952年4月20日/楽友協会 大ホール(ウィーン) ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループによるライヴ録音
(7)録音:1957年10月27日/楽友協会 大ホール(ウィーン) オーストリア放送協会によるライヴ録音
(8)録音:1962年12月16日/ムジークフェラインザール オーストリア放送協会によるライヴ録音
(9)録音:1961年10月29日/ムジークフェラインザール オーストリア放送協会によるライヴ録音
以上、ハンス・クナッパーツブッシュ(指)
(10)録音:1965年4月24日/楽友協会 大ホール(ウィーン)オーストリア放送協会によるライヴ録音(モノラル)
(11録音:1955年3月17日/コンツェルトハウス 大ホール(ウィーン)
 ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループによるライヴ録音(モノラル)
(12)録音:1963年12月7日/楽友協会 大ホール(ウィーン) オーストリア放送協会によるライヴ録音(モノラル)
(13)録音:1963年2月24日/楽友協会 大ホール(ウィーン) オーストリア放送協会によるライヴ録音(モノラル)
以上、カール・シューリヒト(指)
(14)カール・ベーム(指)
録音:1953年3月7日/楽友協会 大ホール(ウィーン) ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループによるライヴ録音(モノラル)
(15)ブルーノ・ワルター(指)
録音:1955年11月6日/楽友協会 大ホール(ウィーン) ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループによるライヴ録音(モノラル)
(16)ブルーノ・ワルター(指)
録音:1956年6月24日/楽友協会 大ホール(ウィーン) オーストリア放送協会によるライヴ録音(モノラル)
(17)アンドレ・クリュイタンス(指)
録音:1955年5月15日/楽友協会 大ホール(ウィーン) ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループによるライヴ録音(モノラル)
(18)ヴィルヘルム・バックハウス(P)、カール・ベーム(指)
録音:1963年3月17日/楽友協会 大ホール(ウィーン) オーストリア放送協会によるライヴ録音(モノラル)
(19)ール・ベーム(指)
録音:1954年11月6日/楽友協会 大ホール(ウィーン) ロートヴァイスロート(赤白赤)放送グループ によるライヴ録音(モノラル)
ALTUSから発売されているウィーン・フィル・ライヴのSACDシングルレイヤー盤4タイトルを、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた
数量限定セットです。
【ALTSA451】
ウィーン・フィルのアーカイヴに保管されていた貴重なオリジナルマスターテープからSACD化されたフルトヴェングラーの名演集!251分もの内容を贅沢にも1枚のSACDに完全収録。53年の『第九』を始め、ついに真の姿を現したと言っても過言ではない素晴らしい音質に生まれ変わっており、巨匠の究極の至芸に打ちのめされること間違いなし。
【ALTSA455】
ウィーン・フィルのアーカイヴに保管されていた貴重なオリジナルマスターテープからSACD化されたクナッパーツブッシュの名演集!2枚のディスクに合計5時間半以上を収録。雄大極まりない滔々たる流れをベースに巨人が大地を踏みしめる如く雄渾強靭な響きで奏されるシューマン4番は開いた口がふさがらない圧倒的名演。ブルックナーやシューベルトでのすべてを呑み込む巨大っぷりも言わずもがな。底抜けに展開され、限界なく巨大化していくクナッパーツブッシュの音楽の凄まじさ。
【ALTSA462】
ウィーン・フィルのアーカイヴに保管されていた貴重なオリジナルマスターテープからSACD化されたシューリヒトの名演集!2枚組で280分の長時間収録。やはり神髄はブルックナー9番。当盤に収録されているのは1961年録音のEMI盤に先立つ1955年のもの。シューリヒト流の美しさは既に完成しきっており、第3楽章のむせ返るような歌と神秘的なまでの悠久はたまらぬものがあります。シューリヒト本人も納得の出来栄えで後日オーケストラに感謝の手紙を書いているほどで、まさにウィーン・フィル録音史に残る宝物と言える名演です。
【ALTSA467】
ウィーン・フィルのアーカイヴに保管されていた貴重なオリジナルマスターテープからSACD化。1枚に255分もの長時間収録。ベームは名演の誉れ高い壮観のブル7からバックハウスとの掛け合いがたまらないシューマンまで、50〜60年代ならではのエネルギーにあふれた指揮ぶりが圧巻。そのほかワルターの十八番モーツァルト40番、クリュイタンスのエレガントきわまる『マ・メール・ロワ』など、聴かねば損の名演揃い。指揮者ごとに変わる魅惑の輝きを大いに堪能いただけます。

Forgotten Records
fr-2229E(1CDR)
ベイヌム&クリーヴランドOライヴ
ウェーバー:「魔弾の射手」序曲
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ベルリオーズ:幻想交響曲
エドゥアルド・ヴァン・ベイヌム(指)
クリーヴランドO

録音:1955年12月22日セヴェランス・ホール(ライヴ)
Forgotten Records
fr-1922(1CDR)
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」 ディミトリ・ミトロプーロス(指)
VPO

録音:1957年9月22日(初出ライヴ)

Gramola
GRAM-99306(1CD)
NX-C01
ブルックナー:交響曲 ニ短調 WAB 100(1869)
(2023年デイヴィッド・チャプマン校訂版)
聖フローリアン・アルトモンテO
レミ・バロー(指)

録音:2023年8月19日(ライヴ)
聖フローリアン修道院教会、ザンクト・フローリアン(オーストリア北部オーバーエスターライヒ地方)
※GRAM99311ブルックナー:交響曲全集より分売
リンツ郊外のザンクト・フローリアンにある聖フローリアン修道院は、かつてアントン・ブルックナーが聖歌隊で歌い、オルガニストを務め、今はその墓所となってい る場所。ここでは、古くは朝比奈隆と大阪フィルの第7番、カラヤンやブーレーズとウィーン・フィルの第8番など巨匠たちによる記念碑的なブルックナー演奏が 繰り広げられてきました。同地でブルックナーの没後100年を記念して1996年に創設されたのが、聖フローリアン・アルトモンテOとブルックナー週間 (Bruckner-Tage)音楽祭です。このアルバムは昨年発売された交響曲全集BOXに初出音源として含まれていた交響曲ニ短調の分売です。 演奏にはアメリカの音楽学者ディヴィッド・N・チャップマンの2023年校訂版が用いられており、このシリーズ共通でテンポは遅めで、とりわけ第1楽章は18分 という異例の長さ。これは録音場所の持つ長い残響の中で響きを濁らせないためで、チェリビダッケに私淑していたバローのこだわりが感じられます。

Capriccio
C-8095(1CD)
NX-B10

NYCX-10474(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第3番ニ短調(第2稿)、
アダージョ(1876年/ノーヴァク校訂版)*
ウィーンRSO
リンツ・ブルックナーO*
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2023年11月22日 ウィーン、放送文化会館&11月24日 ウィーン、ムジークフェライン
2023年2月22日 リンツ、ムジーク*
ブルックナーがワーグナーに献呈したことで「ワーグナー」のニックネームを持つ第3番には3つの稿があり、改訂の度に全体は短くなって、ワーグナー作品からの 引用は削られてゆきます。第3稿の完成時にはブルックナーは第5番まで書き終えており、その経験が反映されていますが、この経過を「完成度を高めた」と 取るか、「オリジナリティが減じた」と取るか、研究者でも評価が分かれます。CAPRICCIOの#bruckner2024では3つの稿すべてに加え、第1稿と第2稿 の間に作曲された1876年のアダージョも収録(ノーヴァクが「アダージョ2」と命名したもの)。これで第3番創作と改訂の軌跡を同一指揮者の解釈でたどれる こととなりました。 ポシュナーの解釈は重々しいサウンドやテンポから決別し、見通しよく、細部の指示をわかりやすく音にしてゆく姿勢で当初から一貫してきました。1876年の アダージョにはティントナーやヴァンスカの録音があり、いずれも演奏時間20分を越えますが、ポシュナーは約16分。瞑想性よりも清らかな抒情が感じられま す。それでも第2稿(1877年)の第2楽章(アンダンテ…クワジ・アダージョ。演奏時間約14分)と比べると、この微妙なテンポ指定の違いをしっかりと認識して 指揮していることがわかります。こうした態度は、異稿の録音が集積された今こそ意義や効用があらためて実感されることでしょう。 ブルックナー研究家のウィリアム・キャラガンはブルックナーの異稿について「自分の好み、理想の姿、究極の形を探すのはやめよう。すべてのスコアには価値が ある。特に第3番は傑作だ。どのような姿であろうとも」と語っており、その言葉に感じるところのあるファンには是非聞いて頂きたい1枚です。 ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。


ICA CLASSICS
ICAC-5179(2CD)
NX-D03
ボールト〜初出ライヴ音源集

(1)ベートーヴェン::交響曲第3番「英雄」
(2) ベートーヴェン:『献堂式』 序曲
(3)ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
(4)シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」
(5)ウェーバー:「オイリアンテ」 序曲
(6)ロッシーニ:「絹のはしご」 序曲
(7)ケルビーニ:「アナクレオン」 序曲
エイドリアン・ボールト(指)

(1)LPO
録音:1972年5月10日 ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロンドン
(2) BBCウェールズO
録音:1973年6月19日 BBCカーディフ放送局コンサートホール
(3)BBC響
録音:1976年10月3日 マイダ・ヴェール・スタジオ、ロンドン
(4)BBC響
録音:1977年3月2日 ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロンドン
(5)BBCウェールズO
録音:1973年6月22日 BBCカーディフ放送局コンサートホール
(6)BBCスコティッシュSO
録音:1973年8月4日 BBCグラスゴー放送局コンサートホール
(7)ロイヤルPO
録音:1963年3月8日 ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロンドン

全てライヴ録音(ステレオ)
BBCのアーカイヴから、エイドリアン・ボールトのライヴ音源が登場。いずれもこれまで商業発売の無いもので、Re:Soundのポール・ベイリー が丁寧なリマスターを行い、オリジナル・マスターテープから素晴らしい音を引き出しています。中でもメインと捉えられる3曲、ライヴ音源初登 場の「英雄」、名演として知られる1972年のスタジオ録音を凌ぐライヴならではの「ザ・グレート」、そして「ハイドン変奏曲」は、演奏がたいへ ん立派なうえに音質も良く、これらだけでもお宝ものの発掘と言えそうです。さらに「献堂式」はボールトにとって初登場レパートリー、「オイリア ンテ」はステレオ録音初登場と小品も充実。ボールトといえばホルストやエルガー、ヴォーン・ウィリアムズなどの英国音楽の解釈で知られます が、1912-13年にはライプツィヒ音楽院でニキシュに(指)レーガーに作曲の教えを受けており、ワインガルトナー、フルトヴェングラー、ワル ターといったドイツ系の指揮者たちに心酔していたこともあって、ドイツ音楽にもまた多くの名演を残しています。これはそんな巨匠の一面を新 たな音源で再確認することの出来るという意味でも、たいへん貴重な2枚組です。

ICA CLASSICS
ICAB-5180(6CD)
NX-G11
レオポルド・ストコフスキー/BBCレジェンズ・グレート・レコーディングス

(1)マーラー:交響曲第2番ハ短調 「復活」
(2)ショスタコーヴィ:交響曲第5番ニ短調 Op.47「革命」
(3)ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番 ニ短調
(4)スクリャービン:法悦の詩 Op.54
(5)ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
(6) レオポルド・ストコフスキーとデリック・クックの対話(インタビュー約9分)
(7) ブリテン:青少年のための管弦楽入門 Op. 34
(8)ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op. 92
(9)ファリャ:恋は魔術師
(10) オットー・クレンペラー:メリー・ワルツ
(11)ヴォーン・ウィリアムズ:トーマス・タリスの主題による幻想曲
(12)ラヴェル:スペイン奇想曲
(13)ブラームス:交響曲第4番ホ短調 Op.98
(14)ノヴァーチェク(ストコフスキー編):常動曲(無窮動) Op.5-4

●ボーナス・ディスク(AVRO音源)
(15) ラヴェル:ファンファーレ 〜『ジャンヌの扇』
(16)フランク:交響曲 ニ短調
(17)プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」 Op.78*
レオポルド・ストコフスキー(指)

(1)レイ・ウッドランド(S)、ジャネット・ベイカー(C.A)、BBC合唱団、BBCコーラル・ソサエティ、ゴールドスミス・コーラル・ユニオン、ハロー・コーラル・ソサエティ、LSO
録音:1963年7月30日 ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン (BBCプロムス) モノラル(ICA Ambient Mastering)
(2)LSO
録音:1964年9月17日 ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン ステレオ
(3)BBC響
録音:1964年9月15日 ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン ステレオ
(4)(5)ニュー・フィルハーモニアO
録音:1968年6月18日 ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロンドン ステレオ
(7)(8)BBC響
録音:1963年7月23日 ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン(BBCプロムス) ステレオ
(9)グロリア・レーン(Ms)、BBC響
録音:1964年9月15日 ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン(BBCプロムス) ステレオ
(10) -(13)ニュー・フィルハーモニアO
録音:1974年5月14日 ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン ステレオ
(14)LSO
録音:1964年9月21日 ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン ステレオ
●ボーナス・ディスク
ソフィア・ヴァン・サンテ(Ms)*、オランダ放送合唱団*、オランダ放送PO
録音:1970年8月22日 デ・ドゥーレン、ロッテルダム ステレオ
BBC LEGENDSレーベルで発売されていたストコフスキーのライヴ音源5枚と、オランダの総合ラジオ放送協会(AVRO)に残されMedici MastersからCDが発売されていたロッテルダムでのライヴをセットとし、新たにリマスターを施したBOXセットが登場。ストコフスキー自身が書き 残した彼が理想とする音を目標として、Re:Soundのポール・ベイリーによって丁寧にリマスターが施されており、その特異なアゴーギクや楽器 法を鮮明かつダイナミックに楽しむことが出来ます。マーラーの「復活」がBBCプロムスで初めて演奏された際の、聴衆を激しい興奮に巻き込 んだライヴに始まり、ストコフスキーらしいカオス的な演奏が楽しめるショスタコーヴィチやベルリオーズ、大成功を収めたベートーヴェンの7番や、 ブラームスの4番など名演揃いで知られる生まれ故郷のロンドンでの最後の演奏会、得意としたフランクのオランダでの完成度高いライヴな ど、収録内容もたいへん素晴らしいものです。CD3にはマーラーの交響曲第10番補筆完成でも知られる音楽学者デリック・クックによるイン タビュー(英語)も収録。セットにブックレットは封入されておらず、収録データなどはスリーブケースに記載されています。

DUX
DUX-2022(1CD)
グジェゴシュ・フィテルベルク:交響曲ホ短調 Op.16(世界初録音) ウカシュ・ボロヴィチ(指)、
ポズナンPO

録音:2023年10月6日、アダム・ミツキェヴィチ大学講堂(ポズナン、ポーランド)
ポーランド楽壇の次代を担う若き名匠、ウカシュ・ボロヴィチが推し進めている知られざるポーランドの音楽家が遺した作品の発掘シリーズに加わるのは、グジェゴシュ・フィテルベルクの交響曲!
本アルバムでは、現在のラトビア出身のユダヤ系ポーランド人のヴァイオリニスト、作曲家、指揮者として活躍し、シマノフスキ、カルウォヴィチ、ルジツキ、シェルトらと共に若きポーランド(ムウォダ・ポルスカ)の一員でもあったグジェゴシュ・フィテルベルクが作曲した唯一の交響曲を世界初録音。
フィテルベルクは、著名な指揮者であり、精力的なプロモーターでもあったなど、さまざまな側面を持つ人物としても知られ、1918年のポーランド独立回復、第二次世界大戦後も、ポーランド音楽に多大な影響を与えました。1904年に作曲されたこの作品は、交響曲全体の中心的モチーフとなる主題が含まれた第1楽章、旋律美溢れる第2楽章、躍動感と現代的和声を用いた第3楽章など、当時のヨーロッパの流行を吸収した証拠が各所に見られ、フィテルベルクがしばしば指揮をしたカルウォヴィチやシマノフスキの初期の作品とともに、ポーランドの交響曲の発展における極めて重要な位置を占めています。 ポーランドの傑出した指揮者であり、忘れ去られた作品のたゆまぬ発掘者でもあるウカシュ・ボロヴィチが、この作品の解釈の可能性を見事に引き出しています。

Danacord
DACOCD-932(2CDR)
トマス・イェンセンの遺産 第22集

(1)モーツァルト:交響曲第33番変ロ長調 K.319
(2)ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216*
(3)交響曲第34番ハ長調 K.338
(4)交響曲第39番変ホ長調 K.543- 第3楽章「メヌエット」#
(5)コレッリ:合奏協奏曲ハ短調 Op.6No.3
(6)J.C.バッハ:序曲(シンフォニア)変ロ長調 Op.18-2
(7)ハイドン:ノットゥルノ第7番ハ長調 Hob.II:31
(8)モーツァルト:セレナード第6番「セレナータ・ノットゥルナ」**
(9)歌劇「フィガロの結婚」 序曲
(9)歌劇「魔笛」序曲
トマス・イェンセン(指)、
デンマークRSO、
ティヴォリSO#、
トゥター・ギウスコウ(Vn)*
レーオ・ハンセン(Vn1)**、
アーネ・カレツキ(Vn2)**、
ゴナ・フレゼリクセン(Va)**、
ヘリエ・プロウ(Cb)**

(1)録音:1961年10月23日、放送コンサートホール(ライヴ放送)
(2)録音:1962年5月11日、カジノ・スレーイルセ(ライヴ放送)
(3)録音:1958年5月7日、エスビェア(ライヴ放送)
(4)録音:1942年秋
(5)録音:1962年11月19日(室内コンサート)
(6)録音:1962年9月27日(火曜コンサート)
(7)録音:1962年11月19日(室内コンサート)
(8)録音:1961年10月23日、デンマーク放送コンサートホール(ライヴ放送)
(9)録音:1962年5月11日、カジノ・スレーイルセ(ライヴ放送)
(9)録音:1958年5月7日、エスビェア(ライヴ放送)
20世紀のデンマーク楽壇を牽引した名指揮者、トマス・イェンセン(1898-1963)の遺産シリーズ第22集には、彼の得意としたバロックと古典のレパートリーから、コペンハーゲンとデンマーク国内ツアーの録音が集められました。イェンセンのモーツァルトは、弾むリズムと洗練されたスタイルに特色があったといわれ、トゥター・ギウスコウ(1930-2023)がソロを弾いたモーツァルト10代の「最良の果実」のひとつ、ヴァイオリン協奏曲第3番にその一端が示されます。ギウスコウは1951年からティヴォリSOのリーダーを務め、1954年からデンマーク王立Oに入団。団のメンバーと共にコペンハーゲンSQを結成したことでデンマーク音楽史に名を残しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

SOMM
ARIADNE-5027(2CD)
NX-D05
ブルックナー:交響曲ニ短調、第2番他

(1)ミサ曲第2番ホ短調 WAB27(1882)
(2)交響曲ニ短調 WAV100(1869/ヴェス版)*
(3)交響曲第2番ニ短調 WAB102(ハース版)*
(1) カール・フォルスター(指)BPO、聖ヘトヴィヒ大聖堂が
(2) エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指)
アムステルダム・コンセルトヘボウO
(3)ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(指) ケルンRSO

録音:(1)1956年6月24日-7月1日 ベルリン、ヴィンターガルテン【Electrola E80010】、
(2)1955年3月13日 アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ)・オランダ放送のエアチェック
(3)1962年4月 ケルン、西部ドイツ放送局(WDR)ゼンデザール・西部ドイツ放送のエアチェック
*=初出
アメリカ・ブルックナー協会の事務局長で、放送業界でも活躍したジョン・F・バーキーの11,000本にも上るエアチェック・テープから、選りすぐりの音源で交響 曲全集をCD化するブルックナー・フロム・アーカイヴ第2巻。このシリーズは同協会の総裁でブルックナー研究者のベンジャミン・コーストヴェットが監修と解説 執筆を担当していることも注目で、当巻には1868年から73年の間に書かれた2曲の交響曲に加えてミサ曲第2番を収めています。 ニ短調交響曲の演奏はエドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮のコンセルトヘボウ管。このコンビが第7番(1953年)、第8番(55年)、第9番(56年)と集中してブ ルックナーに取り組んでいた時期の演奏だけに出来栄えに期待されます。楽譜は1927年にウニヴェルザール出版社から出たブルックナー交響曲全集所収 のヨーゼフ・ヴェナンティウス・ヴェス(1863-1943)校訂版を使用。コーストヴェットによれば「ベイヌムらしい、キビキビとした演奏」とのこと。第2番はオイゲン・ ヨッフムの弟ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフムのケルン放送響。コーストヴェットはこの演奏について「とても優れた演奏。深い情感、輝かしい想像力、充実した響 きを持つ作品として第2番を聞かせてくれる」と評しています。冒頭に収められたミサ曲第2番の指揮者カール・フォルスターは哲学や神学を学んだ人で、 1934年から63年までベルリンの聖ヘトヴィヒ大聖堂の楽長を務めました。戦時中は演奏を禁じられるなどの苦労をしましたが、戦後はいち早く合唱団を復 活させ、1961年には招かれてローマ教皇のために演奏しました。CDにはソリストの名前がありませんが、初出LPによればアグネス・ギーベル、マルガ・ヘフゲ ン、ヨゼフ・トラクセル、ゴットロープ・フリックが歌っています。

Goodies
78CDR-3939(1CDR)
シューマン:交響曲第4番ニ短調作品120 ブルーノ・ワルター(指)LSO

英 HMV DB3793/5
1939年4月26日ロンドン録音
ブルーノ・ワルター(1876-1962)はドイツ生まれ。ベルリンのシュテルン音楽院 を卒業後にピアニストとしてデビュー、後に指揮者に転向した。1894年ハンブ ルク歌劇場の指揮者だった時、音楽監督のマーラーと出 会い交友を深めた。その後ウィーン国立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ベル リン市立歌劇場、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスOなどの楽長、音楽 監督を歴任。またウィーン・フィルやベルリン・フィルを指揮した。1938年オ ーストリアがナチスに併合されると、迫害を避けてフランス、イギリスを経由 してアメリカに逃れた。この録音はその途中に立ち寄ったロンドン(グッディーズ)

Altus
OALTSA-002(1SACD)
シングルレイヤー
完全限定生産
初SACD化
日本語帯・解説付
ブラームス:交響曲全集 ラファエ ル・クーベリック(指)
バイエルンRSO

録音:1983年4月26-29日、5月3-6日/ミュンヘン
忘れがたいORFEOの名盤をALTUSがライセンスしリマスター、初SACD化。より生々しく生まれ変わった高音質盤で演奏の素晴らしさが一層ひきたち、スケー ルの大きな音楽として耳に心に迫ってきます。
クーベリックが鍛え上げたバイエルン放送響と残した83年のブラームス。ライヴによる唯一の全集録音です。対抗配置を採用、透明な響きを基調としながらもブ ラームスの薫り高い音楽を薄めることなく充実の響きに昇華した「情熱的なモダニスト」クーベリックならではの名演。全体を見据える視野の広さとバランス感覚、 楽器の音色の繊細微妙な混ぜ方、燃えるべくして燃えるクライマックスなど4曲とも聴き応え抜群です。
「決して、極端な方向には偏らない。クーベリックはロマンティシズムとモダニズムを両方兼ね備えた音楽家だった。二つの潮流が流れ込む汽水域を悠々と、エレ ガントに泳ぎ切った指揮者だった。このブラームス演奏は、そんな彼の芸術の一つの到達点だ。」(鈴木淳史氏の解説より)

SACDの利点を活かし、1枚のディスクに全曲を長時間収録しております。
Altus
OALTSA-003(1SACD)
シングルレイヤー
完全限定生産
初SACD化
日本語帯・解説付
モーツァルト:交響曲第39-41番、他
交響曲第39番変ホ長調 KV543
交響曲第40番ト短調 KV550
交響曲第41番ハ長調「ジュピター」 KV551
フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 KV 477
オイゲン・ヨッフム(指)
バンベルクSO

録音:1982年3月22-24日、11月18-20日/バンベルク、クルトゥーアラウム
忘れがたいORFEOの名盤をALTUSがライセンスしリマスター、初SACD化。より生々しく生まれ変わった高音質盤で演奏の素晴らしさが一層ひきたち、スケー ルの大きな音楽として耳に心に迫ってきます。
流麗きわまりない音楽に満たされた晩年ヨッフムのモーツァルト3大交響曲。中庸のテンポをわきまえ悠然とした足取りでたっぷりと響かせながらも、まったく 一本調子にならず様々な楽想が活き活きと耳に飛び込んできます。モーツァルトの音楽がここまで自然に湧きあがり空気に溶けていく演奏はなかなかありません。 「ジュピター」はリマスター効果も目醒ましく、終楽章フーガなどまさに神の音楽!併録の「葬送音楽」も至高の名演です。
「フレージングはじつに明晰。その巧みな包丁さばきは、まさに和食の名料理人をも思わせる。そして、和声によるふくよかな味付け。ヴィオラや木管などによる 中声部がほどよく前に出て絶好のバランス作り出す。一見して簡単そうなのに、その実は難しいことをやってのける職人技が随所で光る。」(鈴木淳史氏の解説より)

SACDの利点を活かし、1枚のディスクに全曲を長時間収録しております。

ATMA
ACD2-2453(1CD)
シベリウス:交響曲第2番、第5番
交響曲第2番ニ長調 Op.43
交響曲第5番変ホ長調 Op.82
ヤニック・ネゼ = セガン(指)
モントリオール・メトロポリタンO

録音:2023年9月16日(第2番)、2023年3月3日(第5番)/モントリオール・シンフォニー・ハウ
2019年に始まったネゼ=セガンとモントリオール・メトロポリタンOによるシベリウスの交響曲全集の第3弾。全曲中とくに人気の高い2作である第2 番と第5番を収録しています。
この2曲は15年を隔てて書かれた作品で、それぞれがシベリウスの音楽様式のひとつの頂点を形成しています。第2番は愛国心とロマンティシズムに満たされ た大きな作品で、じっくりと練り上げられたフィナーレが雄大に鳴動。一方、第5番は集中と厳格さが徹底的に追求され、第3番以降の小型交響曲における高度な 成熟が達成されています。
モントリオール生まれのネゼ=セガン、同郷オケとの相性は抜群で、こまやかなコントロールが行き届いたみごとな演奏を披露しています。ふくよかな響きをたっ ぷりと鳴らしつつも締めるところは締め、寄せては返す心地よい音楽の波を巧みに想像。2曲とも最終盤の幸福感がすばらしいです。少し暗めの音色もシベリウス と絶妙にマッチしており、ふとした瞬間に秋のわびしさを感じさせるような味わいも。
録音優秀。管楽器の質感やコントラバスの強奏がしっかりとわかります。第5番の終楽章ではシベリウスがいかに複雑なモザイクのように音を各パートに散りば めて全体を描いているのかが、その優れた音響効果から如実に伝わってきます。 (Ki)

ACCENTUS Music
ACC-30605CD(1CD)
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB109 ヤクブ・フルシャ(指)
バンベルクSO

録音:2022年11月、ヨーゼフ・カイルベルト・ザール
2024年クラシック音楽界はブルックナーの生誕200周年に沸いており、続々と注目の録音がリリースされています。今回登場するのは、2016年から首 席指揮者を務めているヤクブ・フルシャとバンベルクSOによるブルックナーの未完の交響曲第9番。両者は3つの稿による交響曲第4番(KKC-6613 /ACC-30533CD)の録音も行っており、長年のブルックナー演奏の経験から生まれた充実した演奏を聴かせています。 1894年11月30日、ブルックナーは交響曲第9番の第3楽章を完成させました。他の交響曲と同様に4楽章構成の作品として作曲されていましたが、そ の当時すでにブルックナーの体調は悪化。終楽章の作曲は彼の死の16か月前の1895年5月24日に開始されています。彼はこの楽章の172小節目まで 書き上げ、その後、200小節分は部分的にオーケストレーションされています。現在では、多くの補筆完成版が存在し演奏されていますが、今回フルシャはブルッ クナーによって完成された3楽章までの演奏を行っています。 ヤクブ・フルシャはバンベルクSOとの契約を2029年まで延長しており、両者の良好な関係が生んだ新録音となっています。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00839(1SACD)
税込定価
2024年4月24日発売
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調 作品93 井上道義(指)NHK響

録音:2022年11月12-13日NHKホール・ライヴ
指揮者井上道義にとってショスタコーヴィチは生涯のテーマであり、その深く錯綜する心情に共鳴しつつ 寄り添ってきました。「ショスタコーヴィチは自分自身だ」と言うほど、オーバーラップできる絶対的な 何かがあるからこそ追求し続けられているのでしょう。何か…とは、ライナーノートの荒井英治氏(ヴァ イオリニスト)の言葉を借りると、圧倒的な「コンチクショー的飢餓感」かもしれません。きっと引退後 もショスタコーヴィチとともに生活しているのではないでしょうか。 2022年11月のN響との録音ですが、すでにロシア・ウクライナ戦争(2022年2月24日〜)が始まっており、 ショスタコが憑依したかの如く聴く者に様々な感情を抱かせる渾身の演奏となりました。(オクタヴィア)

Capriccio
C-8094(1CD)
NX-B10

NYCX-10469(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第1番ハ短調(第2稿/ギュンター・ブロシェ校訂版)

.スケルツォ(1865年/ヴォルフガング・グランジャン校訂版)
リンツ・ブルックナーO
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2023年2月7-9日(交響曲)、2024年1月8日(スケルツォ)
リンツ、ムジークテアター・リハーサルホール
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン) を録音する企画 「#bruckner2024」の第15弾。 交響曲作家ブルックナーのデビュー作「第1番」をめぐる興味深いアルバム。最後に収められた1865年作のスケルツォは第1番のスケルツォ楽章として作曲さ れたと見られますが、後に差し替えられたため、演奏・録音の機会に恵まれませんでした。主部は第1稿、第2稿のスケルツォとは別物ですが、トリオの素材は 共通しており、ブルックナーの音楽的成長を知る上で興味深いものです。ここでは1995年に出版された楽譜を使用。もはやブルックナーのスペシャリストの感 のある当コンビの録音は貴重な資料となります。 交響曲第1番は1865年に着手され、翌66年に完成(第1稿)、68年にリンツで初演された後、1877年以後数回の改訂を経て91年に改訂版(第2稿) が完成しました。2つの稿の間には基本的な素材や構造の面では大きな違いはありませんが、第8番までの経験をふまえて世に出された第2稿ではオーケス トレーションがより熟達し、アーティキュレーションやフレーズは理解しやすいように整えられています。この点をブルックナーのオリジナルの発想が薄められたと見る か、完成度が高められたと取るか、評価の分かれるところですが、作曲家が公認して出版した演奏会用バージョンとしての第2稿の地位が揺らぐことはなく、 両者を比べて楽しみたいところです。
※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。

FUGA LIBERA
FUG-824(1CD)
NX-C04
ルイーズ・ファランク(1804-1875):交響曲第3番ト短調 Op.36
シューマン:交響曲第3番「ライン」
南オランダPO
ダンカン・ウォード(指)

録音:2022年11月、2023年5月 オランダ(ライヴ/拍手入り)
19世紀のパリで、ピアニストとして作曲家として指導者として、当時の女性としては異例の活躍をみせた ルイーズ・ファランク。彼女の残した交響曲の最高傑作とされる第3番と、彼女を高く評価していたシュー マンのやはり最高傑作とされる第3番をカップリングした興味深いアルバム。フランスにありながらドイツ・ オーストリア系の古典派ロマン派の影響を強く受け、堅固な構造と美しさをもつファランクの交響曲。高 い演奏技術と深い読み込みにより、その真価を明らかにしています。シューマンもたいへん立派な演奏。

ONDINE
ODE-1443(1CD)
NX-B10


NYCX-10470(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フェルディナント・リース(1784-1838):交響曲集
交響曲第1番ニ長調 Op.23(1809)
交響曲第2番ハ短調 Op.80(1814)
タピオラ・シンフォニエッタ
ヤンネ・ニソネン(指)

録音:2024年1月9日〜11日
エスポー(フィンランド)、タピオラ・ホール
フェルディナント・リースは人気コンポーザー・ピアニストとして欧州各地を席巻し、ピアノ・ソナタやピアノ協奏曲をはじめ、交響曲、弦楽四重奏曲からオペラや オラトリオに至る幅広いジャンルに作品を書きました。しかし師が余りにも偉大であったためか、「ベートーヴェンの弟子」のイメージが強く、その交響曲もベートー ヴェン作品を思わせるフレーズが出て来ることに関心が向けられがちで、なかなか独自の評価を得られずにいました。状況が変わったのは2020年代になってか ら。日本でリースの評伝が出版され、2024年2月には飯森範親の指揮でパシフィック・フィルハーモニア東京が全曲演奏会を開始。更にリースが1813年に 演奏会を行ったことのあるフィンランドのONDINEから交響曲全集の開始が発表されたのです。 リースの交響曲全集録音はハワード・グリフィス(指)チューリヒ室内管(1997-2002、cpoレーベル)が今のところ唯一の存在。ここに登場したニソネン盤は オケのサイズは大差無いと思われますが、アプローチにはかなり違いがあります。基本テンポが快速であること、舞曲を思わせるフレーズでの軽やかに跳ねるよう な処理、アクセントの利いたティンパニやブラスなど、古楽演奏のスタイルに通じる点が多く、音色は多彩で楽想ごとの表情付けは細かく且つ濃密。ころころと 表情を変えてゆくリースの音楽を、爽快な流れに乗って細大漏らさず伝え、その創意の豊かさで聴き手を驚かせます。世界初の全集として高品位のスタン ダードを目指したであろう端正なグリフィス盤に対して、ニソネン盤は作品の持つ感情表現のポテンシャルを引き出すことに挑戦し、見事な成果を挙げていま す。ベートーヴェンの名を借りなくても、聴く人を驚かせ感心させる作品であることを知らしめる快演と言えるでしょう。 ヤンネ・ニソネンは、ヴァイオリンを学びソリストやオーケストラのリーダーを務めた後、指揮を始め、ヘルシンキ・フィルやフィンランド放送響などフィンランドの主要 オーケストラを指揮しています。タピオラ・シンフォニエッタは1987年の創設で、その高度な演奏能力は現代音楽の分野でいち早く評価されてきましたが、近 年では古典的作品だけではなくブルックナーやマーラーの交響曲なども手掛けています。常任メンバーは44名で、この録音では第2ヴァイオリン首席を城代さ や香(きのしろさやか)が務めています。ONDINEからは年内に第3番と第4番の発売を予定しています。
※国内仕様盤には相場ひろ氏による日本語解説が付属します。

OEHMS
OC-1730(1CD)
NX-B10
エルガー:序曲「コケイン」Op.40
交響曲第1番Op.55
マンハイム国立劇場O
アレクサンダー・ソディ(指)

録音:2023年6月5-6日、2021年10月18-19日
2016/17年のシーズンからマンハイム国立劇場Oの音楽監督を務め、オーケストラのレパートリーを飛躍 的に拡大させた功績が知られる1982年オックスフォード生まれの中堅指揮者アレクサンダー・ソディ。前作のメシア ン:トゥーランガリラ交響曲(OEHMS OC472)では大規模なオーケストラを自在に操り、煌びやかな音楽を披露 しましたが、今作では彼のお国もののエルガーの2作品を演奏。明るく賑やかな序曲「コケイン」、長大重厚な「交 響曲第1番」と、各々の作品の持つ性格を鮮やかに描き分け、共感溢れる演奏を聴かせています。

SOMM
ARIADNE-5026(2CD)
NX-D05
フランツ・シュミット:交響曲第4番ハ長調(1933)*
オラトリオ『7つの封印の書』
ウィーンSO*
ルドルフ・モラルト(指)*
ヨハネ…ユリウス・パツァーク(T)
主の声…オットー・ヴィーナー(Bs)
四重唱…ハンニー・シュテフェク(S)/ ヘルタ・テッパー(A)/
エーリヒ・マイクート(T)/ フレデリック・ガスリー(Bs)
フランツ・イーレンベルガー(Org)
グラーツ大聖堂聖歌隊
ミュンヘンPO
アントン・リッペ(指)

録音:1954年9月7日 ウィーン・ムジークフェライン(オーストリア) MONO…*
1962年1月 シュテファニエンザール、グラーツ(オーストリア) STEREO
全て初CD化
プレスブルク(現在はスロヴァキアの首都ブラチスラヴァ)に生まれ、14歳の時に家族とともにウィーンに移り、ウィーン音楽アカデミーにて作曲をロベルト・フック スに、チェロをフェルディナント・ヘルメスベルガーに師事したフランツ・シュミット。卒業後はマーラー指揮のVPOのチェリストを務め たほどのチェロの腕前を誇っただけではなく、作曲家としても、独自の和声表現と対位法スキルを示し、1933年作曲の交響曲第4番はハンス・プフィッツナー に「ブルックナー作品よりも完璧に近い」と評されたほどの出来栄えを誇っています。 このアルバムには前述の交響曲第4番と1938年に完成されたオラトリオ『7つの封印の書』の歴史的録音を収録。 交響曲第4番が成功を収めた後、当時迫りくる世界情勢の悪化と自身の健康状態の悪化を鑑み、シュミットが自らの作曲活動の集大成として構想したの が新約聖書の『ヨハネの黙示録』を題材としたオラトリオ『7つの封印の書』です。こちらは大規模な管弦楽と独唱、混声合唱、オルガンを要する作品で 1938年に完成。ウィーン楽友協会創設125周年記念行事の一つとして、同年6月15日にウィーンで初演されました。アルバムに収録された1962年ライ ヴ録音は、ワルター指揮の「大地の歌」(1952)の情熱的な名唱で知られるユリウス・パツァークを筆頭に、ワーグナー歌手として名高いオットー・ヴィーナーを ソリストに迎え、聖職者としても知られるアントン・リッペが指揮を執り、劇的、かつ崇高な演奏を披露しています。交響曲第4番はウィーン国立歌劇場の首 席指揮者を務めたルドルフ・モラルトの指揮。 当CDは交響曲第4番がEpic LC3164、 『7つの封印の書』がAmadeo AVRS5004/05の復刻です。

CPO
CPO-777216(4CD)
CPO-B4

NYCX-10471(4CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フェルディナント・リース(1784-1838):交響曲全集
■CD1
交響曲第1番ニ長調 Op.23(1809)
交響曲第2番ハ短調 Op.80(1814)
■CD2
交響曲第5番ニ短調 Op.112(1813)
交響曲第3番変ホ長調 Op.90(1815)
■CD3
交響曲第4番ヘ長調 Op.110(1818)
交響曲第6番ニ長調 Op.146(1822)
■CD4
交響曲第7番イ短調 Op.181(1835)
交響曲第8番変ホ長調 WoO30(1822)
チューリヒ室内O
ハワード・グリフィス(指)

録音:チューリヒ、ノイミュンスター教会、1999年9月(CD1)、2001年8月(CD3)、2002年5月(CD4)
チューリヒ、ラジオスタジオ1、1997年9月(CD2)

※仕様変更:CD4がSACDハイブリッドから通常CDに、パッケージがマルチケースになりました。
1809年から1835年まで、「クラシック作曲家になりたい」という願いのもとに書かれた渾身の交響曲群は、驚くべきネタの宝庫だった! 師ベートーヴェンの 初期作に似たトリッキーな幕開けの『交響曲第1番』、「運命」動機が支配する『第5番』、バロック・テイストの『第6番』、モーツァルトの「ジュピター交響曲」 を彷彿とさせる『第8番』。19世紀初頭、音楽家が「クラシック作曲家」を名乗るためにクリアしなければならなかった課題の全てがここにある。芸術とは、クラ シックとは、オリジナリティとは何なのか。その答えを探している方にもお聴きいただきたい交響曲集。--かげはら史帆 1784年にボンで生まれたリースは1801年にウィーンに移り、ベートーヴェンに師事。後に人気コンポーザー・ピアニストとして欧州各地を席巻しました。ピア ノ・ソナタやピアノ協奏曲を始め、交響曲、弦楽四重奏曲からオペラやオラトリオに至る幅広いジャンルに作品を書いたのは師ベートーヴェンに通じます。作 風は盛期古典派様式から初期ロマン派のスタイル。8曲の交響曲はすべてオーソドックスな4楽章構成で、曲想も構成も親しみ易く、ベートーヴェン作品を 思わせるモチーフが随所に登場します。2024年2月にはパシフィックフィルハーモニア東京が飯森範親の指揮で交響曲第1番が日本初演されたのに続き、7月には同メンバーにて交響曲第2番の 日本初演も予定されているなど、ますます古典派の作曲家としてのフェルディナント・リースへの注目が高まっています。 国内仕様盤には『ベートーヴェンの愛弟子〜フェルディナント・リースの数奇なる運命』の著者、かげはら史帆氏による日本語解説が付属します。


Altus
ALT-544(2CD)
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 WAB109
(石原勇太郎による第4楽章 新補筆完成版)
坂入健司郎(指)
タクティカート オーケストラ

ライヴ録音:2023年10月11日東京芸術劇場 コンサートホール
ブルックナー生誕200周年に沸く2024年、その前哨戦として2023年10月11日(ブルックナーの命日!)に行われた特別演奏会のライヴ録音です。ブルッ クナー最後の交響曲であり未完の大作である第9番を、ブルックナー研究の第一線をゆく石原勇太郎氏による補筆完成版で収録。この演奏会でお披露目された補完 版のため、もちろん世界初録音。ブルックナーの交響曲を心底敬愛する坂入健司郎の指揮と、2020年に結成された新進気鋭の実力派楽団タクティカートオーケスト ラによる演奏です。若い世代のつくる新しいブルックナーの世界をお聴きください。
注目の第4楽章は、第3楽章までの流れや残された草稿を汲みつつもバランスの整ったフィナーレとして構築されています。最後にはまさにブルックナーといった 大きな終結和音がしっかりと鳴動。ブックレットには石原氏による構造解説も掲載されているので、繰り返し録音で聴き込めるのがありがたいところです
【第4楽章はこれまで多くの補筆が行われてきた。その中にあって、今回の新しい補筆最大の目的は「なるべくわかりやすい第4楽章」を示すことにある。誤解を 恐れずに言うならば、本補筆完成版は「「交響曲第9番」第4楽章入門」です。(石原勇太郎氏の解説より)】

■石原 勇太郎(音楽学・作曲)
千葉県八千代市出身。12歳からコントラバスを始め、東京音楽大学器楽専攻を卒業。卒業後音楽学に転向し、2016年、同大大学院修士課程音楽学研究領域修了。 専門は19世紀のドイツ・オーストリアの音楽、特にA.ブルックナー作品の分析研究。修士課程では「A.ブルックナーの交響曲第9番の全体構造――第4楽章の存 在と、その知られざる機能」と題した、交響曲第9番を4つの楽章で構成される交響曲として分析する研究を行い、高く評価された。現在も東京音楽大学大学院博 士後期課程で研究を続けており、全交響曲と全ての稿の調構造を、独自の方法で分析することでブルックナーの交響曲の新たな特徴を見出すことを試みています。研 究の他、国内オーケストラの定期演奏会曲目解説や、CDの付録解説等、音楽ファン向けの執筆にも積極的に取り組んでいます。作曲家としても活動しており、2014 年には第25回朝日作曲賞を受賞。受賞作は2015年度全日本吹奏楽コンクール課題曲として採用された。これまでにコントラバスを幕内弘司、永島義男、作曲を 村田昌己、藤原豊、指揮を三原明人の各氏に師事。また新垣隆氏の薫陶を受ける。国際ブルックナー協会、アメリカ・ブルックナー協会、日本音楽学会各会員。

BIS
BISSA-2721(1SACD)
ジョン・ピカード(1963-):作品集
交響曲第2番(1985-87)
ヴェルレーヌ歌曲集(2019-20rev.2022)(室内管弦楽共演のための版)*
交響曲第6番(2021)
エ マ・トリング(S)*
BBCウェールズ・ナショナルO
マーティン・ブラビンズ(指)

録音:2023年3月29〜31日ホディノット・ホール(カーディフ、ウェールズ)
イギリスの作曲家ジョン・ピカードは、独自の力強さをもつ、調性を大胆に拡大した語法の管弦楽と器楽の作品でもっともよく知られて います。ナッシュ・アンサンブルが彼の室内楽作品を演奏した『アレッポの園芸商』(BIS SA-2461)に次ぎ、2曲の交響曲と室内管弦楽共演の歌曲集がリリー スされます。
「交響曲第2番」は、1987年、ピカードが23歳の時に書き上げた作品です。アメリカのジャーナリストで作家のジョン・ハーシー John Hersey の著書、原 爆で焼かれた町の灰の中から再び存在を主張した植生を語る『Hiroshima(ヒロシマ)』に共感、インスピレーションを得て作曲されました。1989年3月、マンチェ スターでオダリーネ・デ・ラ・マルティネス指揮BBCフィルハーモニックOが初演。初めてプロのオーケストラによって演奏されたピカードの作品です。
「ヴェルレーヌ歌曲集」は、フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌ Paul Verlaine の詩をテクストに作曲されました。「秋の日の ヴィオロンの ためいきの…」 という上田敏の訳で知られる『Chandon d’automne(秋の歌)』に始まり、恋する人への詩人の夢想といわれる『Le soleil d’or(黄金色の太陽)』で終わる。 表現の幅のある6つの詩が、ドラマティックな対比と気分の推移に沿ってつながっています。ソプラノのエマ・トリング Emma Tring は、ブリストル大学とギルド ホール音楽演劇大学で学び、今日の音楽を中心とするレパートリーでソリストとアンサンブル歌手として活動しています。
「交響曲第6番」は、COVID-19のパンデミックの真っ只中に作曲された作品です。穏やかに始まり、暗い「不安」の支配する気分に移ってゆく第1楽章。暗 闇からの救済をもたらす第2楽章。BISレーベル社長ロバート・フォン・バール氏に献呈され、この録音によって初めて演奏されました。
交響曲第5番や「協奏的変奏曲」を録音した(BIS SA-2261)マーティン・ブラビンズ指揮のBBCウェールズ・ナショナルOによるアルバムです。 (Ki)
BIS
BISSA-2757(1SACD)
モーツァルト:交響曲集
交響曲第34番ハ長調 K.338
メヌエット ハ長調 K.409
交響曲第35番「ハフナー」
交響曲第36番「リンツ」
フィルハーモニアO、
マイケル・コリンズ(指)

録音:2023年3月4〜6日フェアフィールド・ホールズ(クロイドン)
天才クラリネット奏者マイケル・コリンズ。近年は指揮者としても高く評価されており、この度フィルハーモニアOとモーツァルトの 交響曲交響曲第34番、35番「ハフナー」、36番「リンツ」を録音しました!
この3篇の交響曲はザルツブルクからウィーンに活動拠点を移したモーツァルト20代半ばの産物。大衆の好みに合わせ、多彩で変化に富んだ色彩豊かな音楽 がこれらの交響曲に見事にあらわれており、野心的な天才作曲家モーツァルトがヨーロッパの音楽の中心都市で確固たる名声を築こうとしていたことも示してい ます。
当アルバムには交響曲第34番のために書かれたのではないかと考えられるメヌエット ハ長調 K.409も収録。これまでモーツァルトのあらゆるクラリネット作品 を演奏・録音してきたコリンズだからこその深い解釈のもと、名門フィルハーモニアOから美しい響きを引き出しております! (Ki)

SILKROAD MUSIC
SRM-055SACD
(1SACD)
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」 ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)LSO

録音:1969年/クロイドン(ロンドン)
名演奏・優秀録音のライセンスでSACDハイブリッド盤をリリースしている香港のSILKROAD MUSICレーベル。当ディスクはUNICORNレーベルの誉れ 高き名盤、ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)LSOのマーラーの交響曲第1番「巨人」です。オリジナルのLPは入手難で知られるだけに、この度の SACDハイブリッド化でのリリースは大歓迎と申せましょう!
ワルターやクレンペラーと並んでマーラー、ブルックナー指揮者として高く評価されたホーレンシュタイン。フルトヴェングラーのアシスタントの経験から指揮スタ イルはフルトヴェングラーの影響も受けています。当演奏は深みのある独特な音色が魅力。動物の鳴き声、狩猟の角笛、村の踊り、葬送行進曲、英雄的で歓喜に満 ちた闘い、叙情的な回想など、この作品が持つ音世界を見事に表現しております。 (Ki)

Chandos
CHSA-5335(1SACD)
アルヴォ・ペルト:深き淵より
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 変ロ短調 Op.113「バビ・ヤール」
ヨン・ストゥールゴールズ(指)、
BBCフィルハーモニック、
アルベルト・ドーメン(Bs-Br)、
エストニア国立男声cho

録音:2023年3月19日-20日、メディア・シティUK(サルフォード)
2008年から2015年までヘルシンキ・フィルの首席指揮者を担い、その他にもラップランド室内Oの芸術監督を務め、現在はBBCフィルハーモニックとカナダ・ナショナル・アーツ・センターOの首席客演指揮者を務めているフィンランドを代表するマエストロ、ヨン・ストゥールゴールズ(ヨーン・ストルゴーズ)。2014年〜2015年に発売された「シベリウス:交響曲全集(CHAN- 10809)」と「ニールセン:交響曲全集(CHAN- 10859)」、2つの「生誕150周年記念盤」の世界的ヒットによって一躍脚光を浴び、その後ジョージ・アンタイルの管弦楽作品集(CHAN- 10941、CHAN--10982、CHAN--20080)でその秀でた実力を見せつけてくれました。また2023年1月に東京都SOとの来日公演を行い好評を博しています。
2020年に発売され、レコード芸術特選盤&優秀録音、英グラモフォン誌「Critics’ Choice」と高く評価されたショスタコーヴィチの「交響曲第11番」(RCHSA 5278/CHSA-5278)など、これまでも高く評価されてきたストゥールゴールズのショスタコーヴィチに通称「バビ・ヤール」の名を持つ「交響曲第13番」が加わります。初演時に当局から執拗な嫌がらせを受けながらも成功を収めた大作の真髄にストゥールゴールズがその深い洞察力で鋭く迫ります。

Evil Penguin Records
EPRC-0061(1CD)

XEPRC-0061(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

スクリャービン:交響曲第2番ハ短調 Op.29 ブリュッセルPO
大野和士(指)

録音:2023年6月5日-7日、スタジオ4、フラジェ(ブリュッセル、ベルギー)
東京都SOの音楽監督、新国立劇場オペラ芸術監督、バルセロナSO音楽監督を兼務し、2022年9月1日からは縁の深いベルギーにおいてブリュッセル・フィルハーモニックの音楽監督として活躍中の日本を代表する指揮者の1人、大野和士。
急成長中のベルギーのレーベル「イーヴィル・ペンギン(Evil Penguin)」が、大野和士にとってベルギーにおける重要パートナーであるブリュッセル・フィルハーモニックとのレコーディング・プロジェクトをスタート。
注目度が高まるプロジェクトの第1弾となるのは大野和士自らが自身にとって「(様々な)作曲家の中で中心的かつユニークな役割を担っている」と評するアレクサンドル・スクリャービンの「交響曲第2番」です!
この日本においても東京都SOの指揮台に登壇しスクリャービンの交響曲を演奏して大喝采を浴びた大野和士にとって、その作品の数々は自家薬籠中の物。
さらに「ライヴ録音」ではなく「セッション録音」という点もレーベル、そしてベルギーの期待度の高さを表していると言えるでしょう。
ベルギーにおける大野和士体制のブリュッセル・フィルハーモニックの絶大な人気と充実ぶりを鮮明に伝えてくれる大注目のリリースです!

ALPHA
ALPHA-696(1CD)
HAYDN2032Vol.15〜王妃〜
ハイドン:交響曲第85番変ロ長調 Hob. I:85「王妃」
交響曲第62番ニ長調 Hob. I:62
交響曲第50番ハ長調 Hob. I:50
バーゼル室内O(古楽器使用)
ジョヴァンニ・アントニーニ(指)

録音:2021年3月16-18日&10月10-15日ドン・ボスコ、バーゼル、スイス
40年近くの歳月を通じて100曲以上の充実した交響曲を書き、門弟ベートーヴェンの同分野における新境地の開拓を導いた“交響曲の 父”ハイドン。作曲家生誕300周年の2032年までに、時に関連作も交えつつ現存する彼の交響曲を全て録音する「HAYDN 2032」プロ ジェクトで指揮を務めるのは、古楽器演奏の分野で目覚ましい存在感を発揮し続けてきた異才ジョヴァンニ・アントニーニ。2014年の企画 開始以来、指揮者と演奏者たちの才気と深い洞察が隅々まで行き届いた才気煥発な新解釈で注目を集めてきました。入念かつ順調に 中盤に差し掛かったプロジェクトの第15弾に選ばれたのは、ハイドンの作曲活動の拠点エステルハージ侯爵家での創造力の結実が遠隔地 から注目を集めつつあった作曲家40〜50代の充実作3曲。宮廷劇場を沸かせた舞台音楽に由来するドラマティックな書法を駆使、民俗 調と知的洗練の間でスリリングなバランスを聴かせるハイドン随一の手腕の魅力に、アントニーニのタクトが余すところなく光を当ててゆきます。 ナチュラル金管やティンパニが華やかに活躍する第50番、全楽章が同一調による異色の第62番、そしてフランス王妃マリー=アントワネット が愛したという逸話で知られる「パリ交響曲」中の白眉・第85番…古楽器を使いこなすバーゼル室内Oの妙演もさることながら、最 新研究を踏まえた背景解説(英仏独3言語、国内仕様盤では追補情報を含む日本語全訳付き )、テーマに沿った美麗写真を多数含む ブックレットの充実もこのシリーズならでは。作風の深まりに垣間見るハイドンの底知れぬ深さに気づかされる3曲、今回もじっくりお楽しみくだ さい。

BR KLASSIK
BR-900220(1CD)
NX-B08
ベルリオーズ:幻想交響曲 バイエルンRSO
コリン・デイヴィス(指)

録音:1987年1月15、16日(ライヴ)
ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ドイツ)
2024年に創立75周年を迎えたバイエルンRSO(BRSO)のアーカイヴから、第3代首席指揮者コリン・デイヴィスが得意とした「幻想交響曲」の初 出音源が登場。すでに4種の録音があるデイヴィスの同曲ですが、他の録音とは一味違う演奏が展開されています。デイヴィスの「幻想交響曲」にはロンドン 響(1963年)、コンセルトヘボウ管(1974年)、ウィーン・フィル(1990年)、ロンドン響再録音(2000年)があり、特にコンセルトヘボウ盤はフィリップス・レーベ ル黄金期の名録音として同曲のベスト盤にしばしば挙げられてきました。感心するのは、この4種の録音を通じて演奏時間がほぼ同じであること。最短のコ ンセルトヘボウ盤(55:14)と最長のロンドン響再録音盤(56:44)との間の違いが1分半しかなく、各楽章の演奏時間にも大きなブレがありません。デイヴィ スの解釈がいかに完成されたものであったかを物語ります。そこに現れた当BRSO盤は拍手を除いて58:37と最長。特に第3楽章は他の演奏がいずれも 17分台前半なのに対して当盤は19分近くをかけており、荒涼とした心象風景を思わせる息詰まるような演奏になっています。フィナーレは落ち着いた歩み で始まりますが、半ばを過ぎたところからじわじわとテンポアップし、最終的にはコンセルトヘボウ盤とともに10分を切るタイムで終わります(拍手除く)。全体を 通して緊張感の高い演奏が続いた後だけに、聴衆が最後に味わったカタルシスは半端なかったようで、最後の音が鳴り終えるや大歓声が沸き起こっていま す。1983年から92年まで首席指揮者を務めながらBRSOとの「幻想交響曲」の録音が無かったので、彼のファンにとっては貴重な掘り出し物となるでしょ う。尚第2楽章はデイヴィスの常でコルネットを使用しています。

Myrios Classics
MYR-034(1CD)
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 WAB109(原典版/ノヴァーク校訂) フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2022年6月19-21日ケルン・フィルハーモニー(ライヴ)
ロト&ギュルツェニヒ管によるブルックナー全集録音第4弾、ついに第9番が登場。最晩年のブルックナーが残した3つの偉大な楽章に真正面から挑みます。 リリースのたびに作品イメージを書き換えてしまうほどの鮮烈さをみせる当シリーズ、今作も話題間違いなしの必聴演奏です。
すっきり見通しが良いのにしっかりとエネルギーにあふれ、重苦しくないのに重厚な説得力があり、オーケストラの能力をフルに引き出して完璧にコントロール するロトの指揮が全編に渡り冴えまくっています。曲のもつ大きなフレーズ、全体の流れにのせて音楽を奏でていく巧みな自然さが圧巻。対抗配置のヴァイオリ ン間で繊細に歌うヴィオラなど、声部バランスの美しさにも惚れ惚れします。丁寧かつ大胆に巨大な世界を生成していく第1楽章、『春の祭典』ばりに熾烈な リズムを打ち付ける第2楽章、純粋な美のなかで調性崩壊ぎりぎりの音響が心を震わす第 3楽章と、息つく暇もなく聴ききってしまいます。ブル9 の新たな名 盤を是非お試しあれ! (Ki)

BIS
BISSA-2459(1SACD)
C.P.E.バッハ:6つのシンフォニア『ハンブルク交響曲』とファンタジア集
シンフォニア第5番ロ短調 Wq.182-5(H.661)[T.アレグレット / U.ラルゲット / V.プレスト]*
ファンタジア ハ短調〜ソナタ ヘ短調 Wq.63-6(H.75)よりフィナーレ*
シンフォニア第3番ハ長調 Wq.182-3(H.659)[T.アレグロ・アッサイ* / U.アダージョ*# / V.アレグレット*]
ファンタジア ヘ長調 Wq.59-5(H.279)#
シンフォニア第2番変ロ長調 Wq.182-2(H.658)[T.アレグロ・ディ・モルト* / U.ポコ・アダージョ / V.プレスト#]
シンフォニア第4番イ長調 Wq.182-4(H.660)[T.アレグロ・ディ・モルト / U. ラルゴ・エド・イノチェンテメンテ / V.アレグロ・アッサイ]#
ファンタジア(即興)*
シンフォニア第6番ホ長調 Wq.182-6(H.662)[T.アレグロ・ディ・モルト / U.ポコ・アンダンテ / V.アレグロ・スピリトゥオーソ]#
ファンタジア ト短調 Wq.117-13(H.225)*
シンフォニア第1番ト長調 Wq.182-1(H.657)[T.アレグロ・ディ・モルト / U.ポコ・アダージョ / V.プレスト]#
マルツィン・シヴィオントキエヴィチ(チェンバロ*、フォルテピアノ#、指揮)
アルテ・デイ・スオナトーリ

録音:2022年8月7〜10日/ポーランド放送ルトスワフスキ・スタジオ(ワルシャワ)
1993年設立のポーランドのピリオド楽器団体アルテ・デイ・スオナトーリが鍵盤奏者マルツィン・シヴィオントキエヴィチの弾き振りで、 C.P.E.バッハの『ハンブルク交響曲』と鍵盤楽器のための幻想曲を録音しました。
C.P.E.バッハは、魅惑的な旋律、突然の遠隔転調、筆記体を思わせる流動的な表現からの意外な離脱など、常に聴き手を虜にする音楽を残しました。『ハンブ ルク交響曲』はC.P.E.バッハがハンブルク市のカントルと5つの大教会の音楽監督に着任した時期に当時のオーストリア大使ゴットフリート・ファン・スヴィーテン 男爵から委嘱された弦楽オーケストラ作品。極端なコントラストによって「破壊的」な音楽スタイルを示しており、アイディアの豊かさ、名人芸、作曲の鋭さから、現 在も多くの団体が演奏しています。シヴィオントキエヴィチ率いるアルテ・デイ・スオナトーリは最小編成の弦楽オーケストラで聴き手の心を揺さぶるような衝撃的 な演奏を披露しております。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00767(2SACD)
税込定価
2024年3月20日発売
シューマン:交響曲全集
交響曲第1番変ロ長調作品38「春」
交響曲第2番ハ長調作品61
交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」
交響曲第4番ニ短調作品120
沼尻竜典(指)
トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア

録音:2021年3月14日(第2番)、9月4日(第4番)、2022年3月19日(第3番)、7月30日(第1番)
東京・三鷹市芸術文化センター・ライヴ
音楽監督・沼尻竜典が深い信頼関係を築くトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニ アと、2021年から2022年にかけて行なったシューマン・ツィクルスのライヴが、 ついにCD化! 室内オーケストラの魅力が最大限に発揮された美しいフレーズの重なりや繊細な ハーモニーは秀逸。ライナーノーツには、八木宏之氏による沼尻竜典へのインタ ビューが収録され、作曲家シューマンに感じる「愛おしさ」など、指揮者の気持 ちを知る事ができる言葉が綴られています。 沼尻竜典によるドイツ音楽への愛の表明とも言うべき、渾身のアルバムです。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCL-00841(1SACD)
税込定価
2024年3月20日発売
ハイドン交響曲集Vol.23

交響曲第29番ホ長調Hob.I:29
交響曲第55番変ホ長調Hob.I:55「校長先生」
交響曲第59番イ長調Hob.I:59「火事」
飯森範親(指)
日本センチュリーSO

録音:2022年12月9日(第59番)2023年8月4日(第29番、第55番)
大阪・ザ・シンフォニーホール・ライヴ
日本センチュリーSOが首席指揮者の飯森範親と共にスター トした「ハイドンマラソン」は、フランツ・ハイドン のすべての交響曲を演奏しようという一大プロジェクト。当盤は 第29回、32回コンサートのライヴ収録です。 幾度の公演を重ね、信頼関係を築いてきた飯森と日本センチュ リー響は、精緻な構築と、細部までこだわりぬいた感性で、気品 あふれるハイドンを奏でています。柔和で晴々とした優美な演奏 は、まさに彼らの真骨頂といえるでしょう。(オクタヴィア)


フォンテック
FOCD-9897(1CD)
税込定価
2024年3月6日発売
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」<1878/80 年稿・ノーヴァク版> 飯守泰次郎(指)
東京シティ・フィルハーモニックO

録音::2023年4月24日サントリーホール・ライヴ
四半世紀に及ぶ欧州での経験に基づく音楽的アプローチを、日本の楽壇に根付かせた飯守泰次郎。 なかでもバイロイト音楽祭で体得したワーグナー演奏は特筆すべきもので、数多くの公演でその神髄 を伝えました。 飯守は、最後の演奏となった公演のプログラムに記しています。 「バイロイトでワーグナーの仕事をした経験が、ブルックナーのサウンドを構築する土台になってい ると思います。(中略)時空を超えて息づくブルックナーの音楽にただただ浸っていただけますよう 願っております。」 音楽の力を信じ、生涯を捧げたマエストロ?理想の演奏は、まさに時空を超えたのです。 (フォンテック)

CPO
CPO-555580(1CD)
NX-C04
エルンスト・アイヒナー(1740-1777):交響曲集
交響曲 ニ長調 Op.11No.3
交響曲 ヘ長調 Op.10No.3
交響曲 ニ長調 Op.1No.1
交響曲 変ロ長調 Op.7No.2
テレジアO(古楽器オーケストラ)
ヴァンニ・モレット(指)

録音:2022年6月28日-7月1日
歌劇や室内楽曲、そして多数の交響曲など優れた作品を多く書いたにもかかわらず、現在では全く忘れ去られた 作曲家エルンスト・アイヒナー。彼はドイツの宮廷音楽家の家庭に生まれ、まずは父親から音楽を学びました。ファ ゴット、ヴァイオリンの名手であり、ツヴァイブリュッケンの宮廷楽団員も務め、ロンドン、パリ、フランクフルトなどに演 奏旅行に出かけるなど活躍後、ベルリンのプロイセン宮廷楽団の奏者を務めたのち37歳で世を去りました。 このアルバムではイタリアのオーケストラ「テレジアO」が全作品から4曲を選び演奏。収録されたこれらの交 響曲は、全て三楽章の当時の定型に収まった交響曲初期の形式に則ったものですが、そのどれもが躍動感と緊 張感に溢れたもので、まさにこの時代に流行していた「疾風怒濤」の精神を反映した聴きごたえのあるものです。

BR KLASSIK
BR-900194(2CD)
NX-C03
マーラー:交響曲第3番ニ短調 ナタリー・シュトゥッツマン(A)
テルツ少年cho
バイエルン放送女声cho
バイエルンRSO
マリス・ヤンソンス(指)

録音:2010年12月8-10日
ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ライヴ)
※既発のマーラー交響曲全集(900719)より分売
2010年はヤンソンスがマーラーの3番に取り組んだ年でした。2月にコンセルトヘボウ管(RCO)を指揮した 演奏はCDと映像でリリースされ、11月にはRCOとの来日公演でも演奏して聴衆に深い感銘を残しました。 このCDは、その翌月にミュンヘンで行われたバイエルンRSOとのライヴ録音。常に準備周到だった ヤンソンスですが、これはまさに万全の状態で臨んだ演奏会だったと言えるでしょう。各楽章の演奏時間は RCO盤とほぼ同じで、ここでもヤンソンスの解釈が迷いのないものであったことがうかがわれます。全6楽章、 100分近い長丁場を弛緩することなく曲の持つドラマ性を提示しながら、丁寧にオーケストラをまとめるヤン ソンスの手腕の見事さ。第4楽章でのシュトゥッツマンの独唱は暗闇の中に射し込む一筋の光のように鮮烈 な輝きを放ち、第5楽章での少年たちの歌声はまさに天使の合唱、そして最終楽章の荘厳かつ壮麗なクラ イマックスはオーケストラの実力を存分に見せつけるとともに、ライヴならではの高揚感に満ちています。

Onyx
ONYX-4244(1CD)
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 《ロマンティック》 (ノヴァーク版第2稿) ドミンゴ・インドヤン(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
2006年から15年間、ロイヤル・リヴァプールPOの首席指揮者を務めたワシリー・ペトレンコに代わり、2021年9月から新たな首席奏者に就任したアルメニア系ベネズエラの若き注目指揮者、ドミンゴ・インドヤン。ONYX-からはこれまでに、フランスの管弦楽作品集、ラテン・グラミー賞獲得作曲家、ロベルト・シエッラによる交響曲第6番、イタリア・オペラの前奏曲&間奏曲集、そして、東京エムプラスの創立30周年を記念した日本限定盤として、チャイコフスキーの交響曲第6番 「悲愴」 (ライヴ録音!)をリリース。5枚目となる本アルバムでは、2024年に生誕200周年を迎えるブルックナーの名作『交響曲第4番(ロマンティック)』を取り上げています。 この交響曲は、ブルックナーが50歳を迎えた1874年に第1稿が完成しましたが、初演機会の無いまま78年から80年にかけてスケルツォの新稿への入れ替えを含む本格的な改訂が行われ、81年2月20日、ハンス・リヒター指揮のウィーン・フィルによって初演されました。「ロマンティック」 というタイトル、比較的親しみやすい曲想、そして、ブルックナーの作品としては演奏時間もそれほど長くないといった理由で演奏頻度が高いこの作品を、ベネズエラの音楽教育プログラム「エル・システマ」でヴァイオリンを学び頭角を現し、BBCプロムスでの指揮姿が話題となったドミンゴ・インドヤンの熱きタクトで贈ります。リヴァプールのフィルハーモニック・ホールでのライヴ演奏からの録音により、コンサートの興奮とドラマが見事に収められた1枚に仕上がりました。

Polskie Radio
PRCD-2366(1CD)
初紹介旧譜
レオポルド・ストコフスキー・イン・ポーランド
1. レオポルド・ストコフスキーのポーランドへの歓迎レポート
2. モニューシュコ:演奏会用序曲「おとぎ話」 【初出音源】
3-8. シマノフスキ:スターバト・マーテル Op.53 【初出音源】
9-12. ルトスワフスキ:交響曲第1番
13. レオポルド・ストコフスキーとヴィトルト・スタンコフスキの対話
1. 録音:1959年5月(ワルシャワ)
2. レオポルド・ストコフスキー(指)ポメラニアン・フィルハーモニーSO
録音:1960年5月19日-21日
3-8. レオポルド・ストコフスキー(指)ワルシャワPO&cho、アリナ・ボレホフスカ(S)、クリスティナ・シュチェパニスカ(A)、アンジェイ・ヒオルスキ(Br)
9-12. レオポルド・ストコフスキー(指)ワルシャワPO
録音:1959年5月22日&24日(ワルシャワ)
13.録音:1959年5月(ワルシャワ)
ポーランドの公共放送局『ポーランド放送(Polskie Radio/Polish Radio)』の自主レーベル「Polskie Radio」が制作する、同局のアーカイヴに眠る貴重な録音をCD化する「FROM THE POLISH RADIO ARCHIVES」シリーズから、20世紀の大指揮者レオポルド・ストコフスキーの秘蔵音源が登場!ポーランド移民の父を持つストコフスキーが77歳の頃に初めて“祖国”のオーケストラを指揮するためにポーランドを訪れた1959年と、その翌年の再訪時の録音が発掘されました。ソナタや交響詩の要素を含んだモニューシュコの色彩豊かな演奏会用序曲「おとぎ話」とシマノフスキの「スターバト・マーテル」はこれが初出。最後のトラックではストコフスキーの肉声も聴くことができるほか、ブックレットにはポーランド訪問時に撮影されたストコフスキーの写真が多数掲載されており、ストコフスキー・ファン垂涎の1枚です。

H.M.F
HMM-902317(1CD)
C.P.E.バッハ:交響曲集
ハ長調 H.649, Wq.174*
ニ長調 H.651, Wq.176*
ホ短調 H.652, Wq.177+
ト長調 H.657, Wq.182-1+
ハ長調 H.659, Wq.182-3+
イ長調 H.660, Wq.182-4*
ロ短調 H.661, Wq.182-5+
ベルリン古楽アカデミー【コンサートマスター:平崎真弓*、ゲオルク・カッルヴァイト+】

録音:2023年1月、b-sharp
ベルリン古楽アカデミーによる長年のプロジェクト、C.P.E.バッハの交響曲全曲録音の最終巻の登場です! コンサートマスターは平崎真弓(トラック表で*印)、そしてゲオルク・カッルヴァイト(トラック表+印)。平崎真弓は「ビーバー:ロザリオのソナタ」(KKC 6610)でレコード芸術2023年2月号特選、さらに2024年2月発売のムック「レコード芸術2023年総集編」で美山良夫氏セレクトの音楽史部門の第3 位に選ばれるなど、その評価、注目度とも急上昇中の奏者です。ゲオルク・カッルヴァイトは長年同団でコンサートマスターを務めており、その音楽づくりは広 く知られるところです。
1982年結成のベルリン古楽アカデミーが20年あまり取り組んでいるC.P.E.バッハ。バッハの息子であり、その自由と独創性によってハイドンやモー ツァルトへの道を切り開いた重要な存在です。C.P.E.バッハの交響曲は、管弦楽のための交響曲が11、弦楽のための交響曲が8(うち1曲は、管弦楽のため の交響曲の弦楽版)。これまでの録音は、HMC 901622にWq183-2,183-3,182-2,182-6、HMG 501711にWq173,178,179、HMM902420にWq 175,183-4、HMM902601にWq180,181、HMC 902132にWq173、HMC902167にWq.183-1が収録。
C.P.E.バッハの交響曲は、ベルリン時代(1738-68)そしてその後移ったハンブルク(1768年以降)の初めのころに多く書かれました。当盤に収録の 174,176,177はいずれも1750年代半ば、C.P.E.の創作力が最高潮にあった時期の作。ベルリン古楽アカデミーの実力をもってしても、C.P.E.バッハ の交響曲は創意に満ち、大きなチャレンジだといいます。期待にたがわずC.P.E.のオリジナリティと創意を、このうえない形で聴くことができる内容です。今回、 平崎真弓がコンサートマスターを務める楽曲もあり、楽団の世代交代をも感じさせる重要な録音の誕生となりました。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-1004(4CD)
NX-F06

NYCX-10463(4CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

メンデルスゾーン:交響曲全集、劇音楽『夏の夜の夢』(抜粋)

【CD1】
交響曲第1番ハ短調 Op.11
交響曲第5番「宗教改革」
【CD2】
交響曲第2番「讃歌」
【CD3】
交響曲第3番「スコットランド」
交響曲第4番「イタリア」
【CD4】
劇音楽『夏の夜の夢』 Op.61(抜粋)
1. 序曲
2. No.1スケルツォ
3. No.3合唱付きの歌
4. No.5間奏曲
5. No.7夜想曲
6. No.9結婚行進曲
7. No.11道化師たちの踊り
8. フィナーレ
チェン・レイス、マリー・ヘンリエッテ・ラインホルト(S)
パトリック・グラール(T)
チューリヒ・ジング・アカデミー
カタリナ・コンラディ、ソフィア・ブルゴス(S)
チューリヒ・ジング・アカデミー女声cho
チューリヒ・トーンハレO
パーヴォ・ヤルヴィ(指)

録音:2021年3月 トーンハレ・マーグ …CD 1&3
2021年5月 トーンハレ・マーグ …CD4
2023年1月 チューリヒ・トーンハレ …CD2
交響曲全5曲に『夏の夜の夢』まで収録した4枚組のボリュームで登場の、パーヴォ・ヤルヴィによるメンデルスゾーン。この作曲家らしい瑞々 しいメロディと躍動的なリズム、そして若々しい疾走感といった各作品の魅力を十二分に生かした、美しくもテンションの高い演奏を聴かせて います。ドイツを中心とした歌劇場で活躍するチェン・レイスとカタリナ・コンラディ、バロックから古典派の宗教作品を得意とするマリー・ヘンリ エッテ・ラインホルトとパトリック・グラール、来日ツアーも成功させているプエルトリコ系アメリカ人ソプラノのソフィア・ブルゴスと、個性的な歌手陣 が随所で持ち味を生かしているのもポイント。さらに低音金管古楽器の名手パトリック・ヴィバールが『夏の夜の夢』にオフィクレイドで、「宗教 改革」には(原盤ブックレットに表記がありませんが)セルパンで参加、「讃歌」のオルガンは名手クリスティアン・シュミットが務めています。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-443(3CD)
マーラー:交響曲全集Vol.2
スカルタッツィーニ(b.1971):トルソ
 墓碑銘
マーラー:交響曲第2番復活」*
スカルタッツィーニ:精霊*
マーラー:交響曲第3番ニ短調
ジモン・ガウデンツ(指)
イェナ・フィルハーモニー
イェナ・フィルハーモニー・フィルハーモニーcho
イェナ・フィルハーモニー児童cho
ヤナ・バウマイスター(S)
エフェリン・クラーヘ(C.A)
イダ・アルドリアン(C.A)

録音:2019年5月23-26日、2019年11月 5-8日*、イェナ・フォルクスハウス、
第1弾のマーラーの交響曲第4番と第5番(ODRCD-440)が話題になったジモン・ガウデ ンツとイェナ・フィルハーモニーのマーラーの交響曲のシリーズ、第 2弾は第2番「復活」と 第3番の大編成2曲を3CD で発売。ジモン・ガウデンツは1974年、スイスのバーゼルの生 まれ。2010年から2013年までデンマークのオーデンセSOの首席客演指揮者を務め て大いに評価を高めた。2018年にイェナ・フィルの音楽総監督に就任、こちらでもオーケスト ラの水準を大いに高めて大評判を得ています。その充実ぶりはこの録音を聞けば一目瞭然、 歴史あるとはいえ11万人規模の中都市とは思えない緻密なアンサンブルと雄弁な音楽は 見事、そのオーケストラを駆使してガウデンツは、明晰で柔らかく透明感に満ちて温かいマ ーラーを奏でています。ガウデンツのマーラーはまさに2020 年代最先端のマーラーでしょう。 今回もイェナ・フィルのコンポーザー・イン・レジデンスを務めているアンドレア・ロレンツォ・ス カルタッツィーニ(1971-)の作品をマーラーの交響曲の前に置いています。なお「精霊」は交響 曲第3番に繋がる作られそのように演奏されています。

Channel Classics
CCSSA-46524(1SACD)
NX-C07
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55「英雄」
「コリオラン」序曲 Op.62
ブダペスト祝祭O
イヴァン・フィッシャー(指)

録音:2023年8月ルンバッハ・ストリート・シナゴーグ、ブダペスト、ハンガリー
第7番(2006年)、第4番と第6番(2010年)、第1番と第5番(2017年)と、稀に見るスロー・ペースで進められているイヴァン・フィッシャーと ブダペスト祝祭管によるベートーヴェン・シリーズに「英雄」が登場。53分(繰り返し全てあり)という、近年ではゆったり目のテンポ設定ながら遅 いという印象をほとんど感じさせません。精悍で引き締まった第1楽章に始まり、低い重心でじっくりと歌い込まれフーガのクライマックスも雄大 な第2楽章、特徴的なリズムを際立たせた第3楽章、堅固な構造美を感じさせながら気品と力強さを両立させた第4楽章と、心地よい緊 張の糸が切れることのない素晴らしい演奏となっています。「コリオラン」もメリハリのある骨太の演奏で聴き応えあり。DSD256録音による高 音質を最大限引き出すSACDハイブリッド・ディスクでの発売も嬉しいところです。

TOCCATA
TOCC-0661(1CD)
NX-B06
フリードリヒ・ブルク(1937-):管弦楽作品集 第5集
交響曲第13番「画家カジミール・マレーヴィチ[1878-1935]」(2014)
交響曲第14番「叫び」
リトアニア国立SO
イマンツ・レスニス(指)

録音:2014年6月、2015年6月
全て世界初録音
1937年ウクライナに生まれ、1974年からフィンランドに居住するフリードリヒ・ブルクの管弦楽作品集の第5集。こ のアルバムには画家からインスパイアされた2つの作品が収録されています。2014年に作曲された交響曲第13番 はウクライナにおける抽象絵画の先駆的存在カジミール・マレーヴィチの生涯と作品から触発されており、第1楽章 は画家の自画像(1908年作)から受けた印象、第2楽章はマレーヴィチの代表作の一つ「黒い台形と赤い正方 形」のイメージを2つの主題によるスケルツォで表現しています。「革命」と題された第3楽章は、1917年に起きたロ シア革命下でのマレーヴィチの人生や恐怖政治を描いたとされるプロコフィエフ風の音楽。交響曲第14番はムンク の 「叫び」に触発された単一楽章の交響曲。ブルクは2015年にヘルシンキでこの絵が展示された際に鑑賞し、 強い 印象を受けたといいます。そして絵から受けた印象をもとにこの作品を書き上げました。

Capriccio
C-8091(1CD)
NX-B10

NYCX-10464(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ホークショー版) ウィーンRSO
マルクス・ポシュナー(指)

」録音:2023年12月5-8日ウィーン、放送文化会館及びコンツェルトハウス大ホール
ICMA(International Classical Music Award)2024の特別賞「Spcecial Achivement Award」を受賞、「私たちが習慣にしてきた聴き方と伝統と見なして きたものを問い直す」と讃えられた#bruckner2024。第7番ではポール・ホークショーによる新校訂版(NBG III/1:7、2024年2月時点で未出版)を使用していま す。アルトゥール・ニキシュやヘルマン・レヴィが「ベートーヴェン亡き後に書かれた交響曲の中で最も重要なもの」等と高く評した第7番は、早くに成功を収めたこともあり、 稿は一つしかありません。しかし、ウィーン国立図書館に所蔵されている自筆総譜(整理番号 Mus.Hs19479/1-3)には、1883年9月の完成から1885年に印刷 用の彫版を起こすまでの間に書き込まれた追加や変更が少なからずあり、作曲家が意図した最終形を読み取る上での課題となって来ました。ハースは曲が最初に完 成した時の姿を求め、ブルックナー自身によるものも含めて後から書き加えられた部分を除去し、ノーヴァクは取捨選択の上で(しばしばカッコに入れるなどして)加筆部 分を盛り込んでいますが、そこにはブルックナー以外の人物による加筆も含まれています。新ブルックナー全集の編集主幹で#bruckner2024の監修者でもあるホーク ショーは、上記自筆総譜においてブルックナー自身が書いたか、承認したとされるものをすべて盛り込むべく努めたと当CDの原盤解説(英語とドイツ語)で書いています (第2楽章クライマックスではシンバルとトライアングルが効果的に用いられています)。詳細は楽譜出版と校訂報告を待たねばなりませんが、演奏上の選択肢が複数提 示されている箇所もあると思われます。 ポシュナーとウィーン放送響の演奏は、速めのテンポを基本としつつも曲想に応じて細かに操作している点と、緩徐楽章ではしっかりと時間をかけて祈りに似た抒情を紡 ぎ出している点、その結果曲全体としてバランスが取れた姿になっていることは従来通りですが、細部の磨き上げが更に高められた印象があります。一つ一つのフレーズ のダイナミクス、テンポ、リズムを吟味して極めて高精度で音にしてゆき、それでいて煩雑さや息苦しさの無い、良く流れて弾力のある音楽となっています。分厚い響きと 遅めのテンポによる往年の巨匠風ではなく、スリムな響きと強調されたアクセントを多用するピリオド風スタイルでもなく、現代オーケストラの機能の高さを存分に活かして 曲の姿を繊細かつ緻密に浮き上がらせた演奏ということが出来るでしょう。ポシュナーは2018年に録音されていた第8番(第2稿)を除く11の交響曲(計17の稿)を 2021年からの3年間で録音しており、演奏を担ったウィーン放送響もリンツ・ブルックナー管もあまり演奏されない稿や新しい校訂版の楽譜に取り組む中で「読む力」を 高め、この作曲家の語法が浸透してきた感があります。当シリーズも残すは習作のヘ短調、第1番(第2稿)、第3番(第2稿)、そして第9番の4曲。今後は毎月のよう にリリースが予定されており、完結が見えてきました。
※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。

ANALEKTA
AN-28888(8CD)
NX-E10
Living Art 〜クララ・シューマン、シューマン、ヨハネス・ブラームス: 作品集
【CD1】
1-4. シューマン:交響曲 第1番変ロ長調 Op.38「春」
5. ガブリエラ・モンテーロ(1970-):即興曲 第1番
6-8. クララ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.7
【CD2】
1-4. モンテーロ:即興曲 第2番-第5番
5-9. ブラームス:交響曲 第1番ハ短調 Op.68
【CD3】
1-4. シューマン:交響曲第2番ハ長調 Op. 61
5-11. C. シューマン:歌曲集
 5. 彼はやってきた Op.12-1
 6. 美しさゆえに愛するのなら Op.12-2
 7. なぜ他の人たちに尋ねようとするの Op. 12-3
 8. 私は暗い夢の中に立っていた Op.13-1
 9. 彼らは愛し合っていた Op.13-2
 10. 愛の魔法 Op.13-3
 11. 私はあなたの瞳に Op.13-5
【CD4】
1-4. ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op. 73
5-9. C. シューマン:歌曲集
 5.月は静かに昇った Op.13-4
 6. 無言のハスの花 Op.13-6
 7. 別れの時に
 8. 私の星
 9. おやすみなさいとあなたに言う
【CD5】
1-5. シューマン:交響曲第3番変ホ長調 「ライン」 Op.97
6-8. C. シューマン:歌曲集
 6. 海辺にて
 7. ある明るい朝に Op.23-2
 8. ローレライ
9-11. C. シューマン:4つの束の間の小品 Op.15 (第4曲はピアノ・ソナタの第3楽章として収録
12-15. C. シューマン:ピアノ・ソナタ ト短調
【CD6】
1-4. ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 Op. 90
5-8. C. シューマン:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.17
【CD7】
1-4. シューマン:交響曲第4番ニ短調 Op. 120
5-7. C. シューマン:3つのロマンス- ヴァイオリンとピアノのための Op.22
8-10. C. シューマン:3つのロマンス- ピアノのための Op.11
11. ロマンス ロ短調
【CD8】
1-4. ブラームス:交響曲第4番ホ短調 Op. 98
5-7. C. シューマン:ゼバスティアン・バッハの主題による3つのフーガ
8-9. C. シューマン:前奏曲とフーガ 嬰へ短調
10-15. C. シューマン:3つの前奏曲とフーガ Op.16
16. スチュワート・グッドイヤー(1978-):クララ・シューマンの主題による即興
ナショナル・アーツ・センターO
アレクサンダー・シェリー(指) …CD11-4、6-8/CD 25-9/CD31-4/CD41-4/CD51-5/CD6 1-4/CD71-4/CD81-4
ガブリエラ・モンテーロ(P) …CD15-8/CD 21-4/CD512-15
アドリアンヌ・ピエチョンカ(S) …CD 35-11/CD45-9/CD56-8
リズ・アップチャーチ(P) …CD35-11/CD 45-9/CD56-8
スチュワート・グッドイヤー(P) …CD5 9-11/CD65-8/CD78-11/CD85-16
川崎洋介(Vn) …CD65-8/CD75-7
レイチェル・マーサー(Vc) …CD65-8
アンジェラ・ヒューイット(P) …CD 75-7

録音:2018-2023年
それぞれ4曲あるシューマンとブラームスの交響曲を第1番から1曲ずつとクララ・シューマンの作品をCD2枚に収録し、3人の親密な関係を紐 解こうという企画全4作、計8CDが早くもBOX化。企画の柱でもあるシェリーとナショナル・アーツ・センター管による交響曲の充実ぶりが大き な聴きものですが、同オケのコンサート・マスター川崎洋介のほか、スチュワート・グッドイヤー、アンジェラ・ヒューイットといった豪華ゲストも参加 の室内楽、歌曲も情感豊かな表現で楽しむことが出来ます。ゲストの作曲による関連作品も収録。


SOMM
ARIADNE-5025(2CD)
NX-D05
ブルックナー:交響曲ヘ短調、交響曲第1番他(ブルックナー・フロム・アーカイヴ第1巻)
アントン・ブルックナー
■CD1
(1)交響曲 ヘ短調 WAB99(1863)*
(2) 行進曲 ニ短調 WAB96(1862)**
(3) 管弦楽のための3つの小品(1862)**
(4) 詩篇112WAB35(1863)
■CD2
(1) 序曲 ト短調 WAB98(1863年改訂版)*
(2) 交響曲第1番ハ短調 WAB101(リンツ稿、ノーヴァク版)*
(3)弦楽四重奏曲 WAB111(1862)*
■CD1
(1)クルト・ヴェス(指) リンツ・ブルックナーO
(2)(3)ハンス・ヴァイスバッハ(指) ウィーンSO
(4) ヘンリー・スヴォボダ(指) ウィーンSO、ウィーン・アカデミー室内合唱団
■CD2
(1) ディーン・ディクソン(指) ケルンWDRSO
(2)オイゲン・ヨッフム(指) バイエルンRSO
(3)ケッケルト四重奏団

録音/音源
■CD1
(1)1974年6月11日/エアチェック
(2)(3)1944年5月9日/Family Records, SFLP-541
(4)1950年/Westminster LP, XWN18075
■CD2
(1)1959年/エアチェック
(2)1959年1月1日/エアチェック
(3)1951年5月9日/エアチェック
交響曲 へ短調のみステレオ
*初出、**初CD化
ブルックナー生誕200年記念!アメリカ・ブルックナー協会の協力を得て、ARIADNEレーベルの「ブルックナー・フロム・アーカイヴ」シリーズが始動。全6巻、 各2枚組で計12枚。レーベル情報によれば、11曲の交響曲を中心に初CD化を多数含む貴重な歴史的演奏が続々登場予定です。 ブルックナー・ファン にとって見逃せないシリーズとなることでしょう。 この企画はアメリカ・ブルックナー協会の事務局長ジョン・F・バーキーが保有する11,000種余りの録音から厳選した演奏をCD化するもの。CD化に際して はARIADNEレーベルの復刻で評価の高いラニ・スパールがマスタリングを担当し、アメリカ・ブルックナー協会の総裁で新アントン・ブルックナー全集の編集委 員でもあるベンジャミン・コーストヴェットが解説を寄稿します(英語のみ)。 第1巻は習作とされるへ短調の交響曲と第1番他を収録。へ短調交響曲はN響をはじめ日本での客演が多かったクルト・ヴェスによるステレオ録音というの が嬉しい驚きです。第1番の指揮はブルックナー指揮者の代名詞的存在オイゲン・ヨッフム。ヨッフムの同曲録音は2種類ありましたが、手兵バイエルン放送 響とのものはこれが初めてです。演奏・録音されることが稀な弦楽四重奏曲を演奏しているのは、ドイツで初めてベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集をDG に録音したケッケルト四重奏団。軽快で引き締まった古典派的な造形で、シューベルトの初期作品を思わせる爽やかな抒情が感じられます。ヴィブラートの 使い方などに時代を感じる演奏。 大半がテープを音源とするためか、いわゆる「板起こし」に比べるとサーフェス・ノイズが無い分S/Nが良好でありながら、長期保存されたテープにありがちな転 写は感じられません。弦の実体感や金管楽器の輝かしく力強い強奏など、全般的にかなり良好な音質。マスタリングの妙もさることながら、放送局の仕事に 長らく携わっていたバーキー氏がエアチェックのクオリティと保存状態に非常に気を使っていたことが推察され、今後のリリースへの期待が高まります。 ジャケット表紙は1854年にウィーンで撮影されたブルックナーの写真。

Challenge Classics
CC-72958(1CD)
シューマン:交響曲第1&2番
交響曲第1番変ロ長調 Op.38
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(指)
スタヴァンゲルSO

録音:2023年6月12-15日ノルウェー、スタヴァンゲル・コンサートホール
ベートーヴェン、メンデルスゾーン、シューベルトに続いて、シューマンの交響曲サイクルに乗り出したフリエンド。共演は初録音となるスタヴァンゲルSOです。
スタヴァンゲルSOは1938年に設立されたノルウェーのオーケストラで、現在はアンドリス・ポーガが首席指揮者を務め、カネラキス、エラス=カサド、ガフィガンらも客演しています。また90年以降、ブリュッヘン、ヘレヴェッヘ、ビオンディを順に古楽芸術監督というポジションに迎え、歴史的奏法への造詣を深めてきたオーケストラでもあります。
フリエンドもブリュッヘンと同じくオランダ古楽界から活動をはじめ、今や指揮者として世界中で活躍する人物。ブリュッヘン仕込みの響きを一面にもつスタヴァンゲル響を、共感をもって鳴らしていきます。歴史的奏法を熟知した演奏が創り出す刺激的なシューマン。見通しの良い弦楽器のトレモロをくぐり抜けて香ってくる管楽器の風合いなど非常に面白い質感が味わえます。軽やかにして炸裂感もしっかり。2番ではバッハやベートーヴェンといった過去の作曲家の音楽へのまなざし、語り口にも注目です。 (Ki)

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002695(2CD)
初回生産限定
チャイコフスキー:後期三大交響曲集
■CD1
1-4. 交響曲第4番ヘ短調 Op.36
5-6. 交響曲第5番ホ短調 Op.64第1楽章、第2楽章
■CD2
1-2. 交響曲第5番ホ短調 Op.64第3楽章、第4楽章
3-6. 交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」
モスクワRSO
ウラディーミル・フェドセーエフ(指)

録音:CD1/1-4,1984年、モスクワ放送大ホール(ADD/ステレオ)
CD1/5-6, CD2,1981年、モスクワ放送大ホール(ADD/ステレオ)
激動の時代を生き抜き、旧ソ連時代から現在に至るまで長きにわたり精力的な活躍を続ける巨匠ウラディーミル・フェドセーエフ。
旧ソ連の崩壊前、冷戦時代に手兵のモスクワRSO(チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ)を率いて収録されたチャイコフスキーの後期三大交響曲は、「第5番」と「第6番」の2作品がメロディア(Melodiya)と日本のビクターとの共同で録音が行われ大きな話題を呼びました。
また「第4番」は2曲から数年後となる1984年に同じくモスクワで録音が行われています。
80年代のフェドセーエフとモスクワRSOを代表する演奏として名高い「後期三大交響曲」。メロディア保管のマスターテープからの復刻にご注目下さい。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

GENUIN
GEN-24853(2CD)
ドヴォルザークドヴォルザーク:交響詩「水の精」 Op.107
交響曲第3番変ホ長調 Op.10
交響詩「真昼の魔女」 Op.108
交響曲第9番ホ短調 Op.95「新世界より」
南ヴェストファーレン・フィルハーモニー、
ナビル・シェハタ(指)

録音:2021年5月18日-20日、ベッツドルフ市立ホール(ドイツ)
1957年にジーガーラントOとして発足したドイツのオーケストラ、南ヴェストファーレン・フィルハーモニー。かつて児玉宏も首席指揮者を務めたこの楽団は2023年に新しい本拠地が完成し、それを記念しGenuinレーベルから「チャイコフスキー:交響曲第5番」のディスクをリリースしていましたが、今回はその続編としてドヴォルザークの「新世界より」をリリース!交響曲第3番と2つの交響詩をカップリングし、首席指揮者ナビル・シェハタとそのタクトに機敏に反応するオーケストラの抜群の関係性を存分に発揮しています。
ナビル・シェハタは1980年、エジプト人の父とドイツ人の母の間にクウェートで生まれ、5歳でドイツへ移住。2003年に難関ARDミュンヘン国際音楽コンクールのコントラバス部門で優勝し、翌2004年から2008年までベルリン・フィルの首席コントラバス奏者として活躍しました。一方で指揮をクリスティアン・ティーレマン、ダニエル・バレンボイムらに学び、2007年にドイツで指揮者デビュー。日本のオーケストラにも客演経験があります。南ヴェストファーレン・フィルハーモニーには2019年、約200名もの候補の中から選ばれ首席指揮者に就任しました。

Chandos
CHSA-5312(1SACD)
ニールセン:パンとシランクス Op.49FS87(1917-18)、
フルート協奏曲 FS 119(1926)*
交響曲第3番Op.27FS60「広がりの交響曲」(1910-11)**
エドワード・ガードナー(指)ベルゲンPO、
アダム・ウォーカー(Fl)*、
リナ・ジョンソン(S)**、
イングヴ・ソーバルグ(Br)

録音:2022年9月15日〔交響曲、ライヴ録音〕、2023年6月12日-16日〔その他の作品〕、グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
ノルウェーの名門オーケストラ、ベルゲンPOの首席指揮者を2015年から務め、2021年からはLPOの首席指揮者を務めるエドワード・ガードナーによるニールセン・サイクル第2弾!「交響曲第3番」をメインに、元ロンドン響首席フルーティストである名手アダム・ウォーカーをソリストに迎えた「フルート協奏曲」、そして「パンとシランクス」というプログラム。
「交響曲第3番」は1910年から1911年にかけて作曲された作品で、特徴的なのは第2楽章にソプラノとバリトンのソリストが加わります。またその第2楽章の曲想から『ニールセンの田園交響曲』と呼ばれています。

Glossa
GCD-921135(9CD)
フランス・ブリュッヘン、モーツァルトとの人生 〜グロッサ・コンプリート・レコーディング
■Disc1/2
交響曲第39番変ホ長調 K.543
交響曲第40番ト短調 K.550
交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
■Disc3
クラリネット協奏曲イ長調 K.622
歌劇「皇帝ティートの慈悲」K.621より 序曲、アリア「私は行くが、君は平和に」、アリア「夢に見し花嫁姿」
2つのクラリネットと3つのバセット・ホルンのための「アダージョ」変ロ長調 K.411
■Disc4
「ホルンのための音楽」
ホルンのための12の二重奏曲 K.487より第8番アレグロ
ホルン五重奏曲変ホ長調 K.407
ホルンのための12の二重奏曲 K.487より第7番アダージョ
ホルンのための12の二重奏曲 K.487より第2番メヌエット(アレグレット)
歌劇「ポントの王ミトリダーテ」K.87よりアリア「あなたから遠く離れて」
ホルンのための12の二重奏曲 K.487より第3番アンダンテ
ホルンのための12の二重奏曲 K.487より第12番アレグロ
ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447*
ホルンのための12の二重奏曲 K.487より第9番メヌエット
ホルンのための12の二重奏曲 K.487より第5番ラルゲット
音楽の冗談 K.522
ホルンのための12の二重奏曲 K.487より第4番ポロネーズ
■Disc5
オーボエ協奏曲ハ長調 K.314
オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370
2本のヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、オーボエと2本のホルンのためのディヴェルティメント K.251
アリア「あなたに明かしたい、おお、神よ」K.418
■Disc6
ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219「トルコ風」
■Disc7
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.364
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211
■Disc8
「アロイジア・ウェーバーのためのアリア集」
いえ、いえ、あなたにはできません K.419
アルカンドロよ、わたしは告白する ― どこから来るのかわたしにはわからない K.294
わたしはあなたに明かしたい、ああ! K.418
ああ、もし天に、恵み深い星たちよ K.538
わが憧れの希望よ-あなたにはどれほどの苦しみかわかるまい K.416
テッサーリアの民よ-わたしは求めはしません、永遠の神々よ K.316(K.300b)
私の感謝をお受け取り下さい、親切な後援者の皆様 K.383
■Disc9
フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477
2つのクラリネットと3つのバセット・ホルンのためのアダージョ 変ロ長調 K.411
レクイエム ニ短調 K.626
■Disc1/2
18世紀オーケストラ
フランス・ブリュッヘン(指)
録音:2010年3月、デ・ドゥーレン(ロッテルダム、オランダ)
ステレオ(デジタル、ライヴ録音)
■Disc3
エリック・ホープリッチ(クラリネット&バセット・ホルン)
ジョイス・ディドナート(Ms)
トニ・サラール=ヴェルドゥ(クラリネット/K.411)
ギィ・ファン・ワース(バセット・ホルン/K.411)
アネッテ・トーマス(バセット・ホルン/K.411)
ロレンツォ・コッポラ(バセット・ホルン/K.411)
18世紀オーケストラ
フランス・ブリュッヘン(指)
録音:2001年2月(K.622)、1986年6月(K.621/序曲)、2001年11月(K.621/アリア)、2001年12月(K.411)、オランダ
ステレオ(デジタル)
トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト(ナチュラルホルン)
エルヴィン・ヴィーリンガ(ナチュラルホルン)
マルク・デストリュベ(Vn)
スタース・スヴィールストラ(Vn&ヴィオラ)
エミリオ・モレーノ(Va)
アルベルト・ブリュッヘン(Vc)
ロベルト・フラネンベルク(Cb)
クラロン・マクファデン(ソプラノ/K.87)
18世紀オーケストラ(K.447)
フランス・ブリュッヘン(指揮/K.447)
録音:2006年6月、2007年11月、2008年7月、イタリア、スペイン、オランダ
ステレオ(デジタル、ライヴ録音)
■Disc5
フランク・デ・ブライネ(Ob)
18世紀オーケストラ
ケネス・モンゴメリー
録音:2015年1月&10月、アムステルダム
ステレオ(デジタル)
■Disc6
トーマス・ツェートマイヤー(Vn&指揮)
18世紀オーケストラ
録音:2000年9月、ユトレヒト、オランダ(K.218&K.219)/2002年6月、クリチバ、ブラジル(K.207)
ステレオ(デジタル、ライヴ録音)
■Disc7
トーマス・ツェートマイヤー(Vn)
ルース・キリウス(ヴィオラ/K.364)
18世紀オーケストラ
フランス・ブリュッヘン(指)
録音:2005年10月、ロッテルダム(K.364)、ユトレヒト(K.211&K.216)
ステレオ(デジタル、ライヴ録音)
■Disc8
シンディア・ジーデン(S)
18世紀オーケストラ
フランス・ブリュッヘン(指)
録音:1998年5月&9月、フレーデンブルフ音楽センター(ユトレヒト、オランダ)
ステレオ(デジタル、ライヴ録音)
■Disc9
モーナ・ユルスルー(S)
ヴィルケ・テ・ブルンメルストルテ(A)
ゼーハー・ヴァンデルステイネ(T)
イェレ・ドレイエル(Bs)
ユーヘイン・リヴェン・ダベラルド(グレゴリオ聖歌指揮)
オランダ室内cho
18世紀オーケストラ
フランス・ブリュッヘン(指)
録音:1998年3月20日、東京芸術劇場
ステレオ(デジタル、ライヴ録音)
1981年の創立以来、20世紀の古楽復興運動を牽引し続けたフランス・ブリュッヘンと18世紀オーケストラにとって、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの音楽の演奏は自らの存在意義の1つと言えるものでした。
1997年以降、自身のレコーディングチーム&ブランドである「The Grand Tour」を立ち上げ、グロッサ(Glossa)レーベルと二人三脚で録音を発表してきたブリュッヘン&18世紀オーケストラの「モーツァルト録音」の全てを収めたこのボックスセットには「モーツァルトとの人生」というタイトルが付けられており、さらには「ポスト・ブリュッヘン時代」の最初の録音となった「オーボエ協奏曲」(2015年録音)も同オーケストラの歴史における重要なターニングポイントの証として加えられています。
この「モーツァルトとの人生」では、ヴァイオリンのツェートマイヤー、ホルンのファン・デァ・ズヴァールト、ソプラノのシンディア・ジーデン、メゾ・ソプラノのジョイス・ディドナート、そしてクラリネットのエリック・ホープリッチといった偉大なソリストたちが、巨匠フランス・ブリュッヘンとの「モーツァルトの旅」に参加していたことを思い出させてくれます。
そしてこの「モーツァルトとの人生」の最後を飾るのは、レクイエムの1998年東京ライヴ。今もなお同曲の演奏、録音史上に燦然と輝き続ける名演中の名演です。

Pentatone
PTC-5186989(2SACD)
シューマン:交響曲全集
(1)交響曲第1番変ロ長調 Op.38「春」(1841)
(2)交響曲第2番ハ長調 Op.61(1845-46)
(3)交響曲第3番変ホ長調 Op.97「ライン」(1850)
(4)交響曲第4番ニ短調 Op.120(1851年版/1841年作曲・1851年改訂)
ドレスデンPO
マレク・ヤノフスキ(指)
コンサートマスター:ハンデ・コデン(ゲスト・コンサートマスター)(1)、
ハイケ・ヤニッケ(2)、
ヴォルフガング・ヘントリッヒ(3)(4)

録音:(2)(3)2021年5月、(4)2021年8月、(1)2023年5月&6月/ドレスデン、クルトゥーアパラスト(文化宮殿)
精力的な演奏・録音活動を行っている巨匠マレク・ヤノフスキがドレスデンPOを振ったシューマンの交響曲 全集がリリースされます!
1870年創立の名門ドレスデンPO。ヤノフスキは2001年から2003年まで当団の首席指揮者を務め、その後2019年より再 びその座に就き、蜜月の関係を築いております。ヤノフスキによるストイックな音楽づくりと絶妙な音量バランスはシューマンの演奏でも傑出しており、作品ごと に違う表情を豊かに表現。新たなシューマン像を響かせます。そして巨匠ヤノフスキならではの神々しいまでに崇高な響きはこの演奏でも輝いており、新たな名 盤誕生は嬉しい限りです。
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、ヨブ・マールセ、ジャン=マリー・ヘイセンなど、PENTATONEレーベルを立ち上げた名録音技師による高音質録音で あることも注目です。 (Ki)

GRAND SLAM
GS-2313(1CD)
マーラー:交響曲第9番ニ長調 ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1961年1月16、18、28、30、2月2、6日/ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
2014年にGS-2120/21として発売した演奏の、10年ぶりのリマスターです。今回は2トラック、38センチのテープをStuderのA-80で再生し、全工程 をプロ用機器でマスタリングを行い、最善の結果を得られました。しかも、新盤は1枚に収録されており、利便性も増しています。 ところで、この演奏については『名指揮者ワルターの名盤駄盤』(宇野功芳著、講談社+α文庫、1995年/絶版)に「ウィーン盤とは別人のようにおとなしい」 「オーケストラ奏者の共感の度も薄いようだ」と書かれています。受け取り方は人それぞれですが、本当にその通りなのか、あらためてこのリマスター盤で聴いて 欲しいと思います。(平林 直哉)

H.M.F
HMX-2904102(2CD)
ロト&レ・シエクルのベルリオーズ
■CD1
(1)幻想交響曲Op.14 
(2)序曲「宗教裁判官
■CD2
(1)イタリアのハロルドOp.16 
(2)歌曲集「夏の夜」Op.7
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル

■CD1(HMM902644)
録音:2019年7月16、17日/アルフォールヴィル
■CD2(HMM902634)
タベア・ツィンマーマン(Va/(1))、
ステファヌ・ドゥグー(Br/(2))
録音:2018年3月2/3日フィルハーモニー・ド・パリ(1)、8月15/16日アルフォールヴィル、イル=ド=フランス国立オーケストラホール(2)
ロトのベストセラー、幻想交響曲と、最高峰のヴィオラ奏者タベア・ツィンマーマンをソリストに迎えての「イタリアのハロルド」がベルリオーズ限定2枚組セットで登場!

GRAND SLAM
GS-2314(1CD)
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 エミリア・クンダリ(S)
ネル・ランキン(Ms)
アルバート・ダ・コスタ(T)
ウィリアム・ワイルダーマン(Br)
ウェストミンスター交響cho
ブルーノ・ワルター(指)、コロンビアSO

録音:1959年1月19、21、26、29、31日/アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)、1959年4月6、15日/セント・ジョージ・ホテル、ボールルーム(ニューヨーク)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より   
2017年3月に発売したGS-2161以来、約7年ぶりのリマスターで再登場です。全工程をプロ用の機器でマスタリングを行い、音質を大幅に刷新しました。誤 解のないようにお伝えしておきますが、当シリーズではアナログ的な雰囲気を意図的に演出しているわけではありません。ひたすら、原音に忠実であろうとしてい るだけです。また、解説書には国内初出のLPジャケットやレーベル面などを多数掲載、見ても楽しめるように腐心しました。なお、このCDには歌詞対訳は付属し ておりません。ご了承下さい。(平林直哉) (Ki)


オクタヴィア
OVCL-00772(2SACD)
税込定価
2024年2月21日発売
ブラームス:交響曲全集(全4曲) 井上道義(指)

第1番:京都市SO
録音:2022年5月5日石川県立音楽堂〈いしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭〉
第2番:新日本フィルハーモニーSO
録音:2021年3月6日愛知・東海市芸術劇場
第3番:広島SO
録音:2021年7月9日広島文化学園HBGホール
第4番:広島SO
録音:2021年8月1日呉信用金庫ホール(呉市文化ホール)
全てライヴ
井上道義がこれまで取り上げる機会の少なかったのが、ブ ラームスの交響曲でした。 自身が書き下ろしたライナーノートで「ブラームスの交響 曲を4曲まとまった形でレコード化されることを、20歳だっ た“井上道義”は想像もしていなかった」と語るほどですが、 この度深い信頼関係を築く、京響、新日本フィル、広響と のライヴ録音が全集として結実しました。 相互の音楽性の融合、奏者同士の掛け合いが、幾重にも響 き合うサウンドとなり、一期一会の「井上のブラーム ス!」が誕生しました。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCL-00838(1SACD)
税込定価
2024年2月21日発売
チャイコフスキー:交響曲第4番ニ長調作品29 ジョナサン・ノット(指)東京SO

録音:2023年7月22日ミューザ川崎シンフォニーホール・ライヴ
“NOTTISSIMO”と名付け迎えた音楽監督ジョナサン・ノットと 東京SOによる音楽の旅路、10年の節目を過ぎ数々の快演 を聴かせてきた名コンビが2023年「フェスタサマーミューザ KAWASAKI」で果敢に挑んだチャイコフスキー。前作、交響曲 第3番(OVCL-00835)に続き同公演で披露された交響曲第4番 もCD化!この作品で作曲家は何を表現したかったのか、なぜ ここにこの音があるのか…。楽譜をまったく新しい視点から見 つめ直すことで見えてきた、作曲家の持つ真のヴィジョン。こ のヴィジョンこそが習慣化された演奏スタイルを一新し、ここ に革新的なチャイコフスキー像が誕生したのです。 東京SOと魅せる奇跡的名演をお楽しみください。(オクタヴィア)

Polskie Radio
PRCD-22972299(3CD)
初紹介旧譜
ブラームス:交響曲全集(全4曲) イェジ・セムコフ(指)、
ポーランド国立RSO

録音:2008年2月3日(第1番)、3月29日(第2番)、10月11日(第3番)、2009年5月21日(第4番)、NOSPRコンサート・ホール(カトヴィツェ、ポーランド)
ポーランドに生まれのちにフランスに帰化した指揮者、イェジ・セムコフ(1928-2014)。レニングラード・フィルの副指揮者としてエフゲニー・ムラヴィンスキーの助手を務めながら指揮を教わり、エーリヒ・クライバーやブルーノ・ワルターにも師事。ボリショイ劇場やワルシャワ国立歌劇場、クリーヴランドOなど多くの重要な歌劇場、楽団のポストを歴任した実力者です。その活躍に比してレコーディングはあまり多くありませんが、オペラのほかロシア音楽や古典派、ロマン派の交響曲を得意とし、Voxレーベルから発売されベストセラーとなったシューマンの交響曲全集をはじめ一連の録音は非常に高く評価されてきました。
現在セムコフのディスクは残念ながら多くが廃盤、入手困難となっていますが、ポーランド放送(ポーランドの公共放送局)に実は録音が遺されていたブラームスの交響曲全集をポーランド放送の自主レーベル「Polskie Radio」がリリース。2008年から2009年にかけて、セムコフが79〜80歳の頃にレコーディングされていたもので、規律正しい中にも優れた色彩感を放つ音楽作りは、ブラームスの交響曲を既に聴き慣れているファンにもぜひおすすめしたい好演です。

Forgotten Records
fr-2178(2CDR)
ジョルジュ・ジョルジェスク/ベートーヴェン:交響曲集
交響曲第5番「運命」
交響曲第6番「田園」
交響曲第7番/交響曲第8番
序曲「レオノーレ」第3番
ジョルジュ・ジョルジェスク(指)
ジョルジュ・エネスコPO

録音:1961年(ステレオ)
※音源:ELECTRECORD ECE-080他


ICA CLASSICS
ICAC-5177(2CD)
NX-D03
A・ヤンソンス/チャイコフスキー&プロコフィエフ他
チャイコフスキー:
(1)『眠れる森の美女』〜序章: リラの精/ パ・ダクション: ローズ・アダージョ/パノラマ: アンダンティーノ/ワルツ
(2)フランチェスカ・ダ・リミニ Op. 32
(3)プロコフィエフ:古典 交響曲*
(4)チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op. 64#
レニングラードPO
ソヴィエト国立SO*
アルヴィド・ヤンソンス(指)

録音:1971年9月13日 ロイヤル・アルバート・ホール
1971年9月17日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール#
1983年11月17日 アルスター・ホール*
全てステレオ
何度も重ねた来日や東京交響楽団との共演で日本でも親しまれた、ラトビアの名指揮者アルヴィド・ヤンソンス(1914-1984)。やはり日 本で親しまれ、2019年に亡くなったマリス・ヤンソンスの父としても知られる彼の生誕110年、没後40年となる今年、BBCに残された貴重 な録音が初めて正規発売となります。彼は英国とも繋がりが深く、1965年にはバルビローリの招きでハレ管弦楽団の首席客演指揮者に就 任しており、1984年、そのハレ管とのマーラー交響曲第5番演奏直後に心臓発作で倒れ、マンチェスターで没しました。そんな彼が1971年 9月13日プロムスで演奏した『眠れる森の美女』は過去にモノラルのCDが存在しましたが、同日の「フランチェスカ・ダ・リミニ」、その4日後の チャイコフスキー交響曲第5番、そして1983年ソヴィエト国立交響楽団との「古典」は今回が初出とみられます。しかも全てがステレオ。巨大 なロイヤル・アルバート・ホールで収録された2曲はさすがに分離感が低いですが、ヒストリカル録音のマスタリングで定評のあるポール・ベイリー が丁寧にリマスターを行い、演奏の質をダイレクトに伝える見事な音に仕上げました。大きな生き物のように一体となってうねる弦、強烈な圧 力で迫る金管の咆哮など、ムラヴィンスキーに鍛え上げられた全盛期のレニングラード・フィルのパフォーマンスも強烈で、これをダイナミックかつ 細やかにコントロールするヤンソンスの素晴らしい力量も満喫することが出来ます。プロムスならではのホールが揺れるような大歓声も会場の 興奮を物語っていますが、チャイコフスキーの5番は録音状態も良く出色の出来栄えと言えるでしょう。録音が少ないアルヴィド・ヤンソンスの 実力の高さを改めて知らしめる、必聴の音楽遺産です。

BR KLASSIK
BR-900217(1CD)
NX-B08
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」 サイモン・ラトル(指)
バイエルンRSO

録音:2023年9月28,29日(ライヴ)
イザールフィルハーモニー・イン・ガスタイクHP8、ミュンヘン(ドイツ)
2023/24シーズンからヤンソンスの後を継いでバイエルン放送響の第6代首席指揮者に就任したサイモン・ラトル、マーラーの第6番やハイドンの天地創造 といった得意曲でシーズン・オープニングを飾りました。特にマーラーの第6番はベルリン・フィルへの初登場(1987年)と同フィル首席指揮者としての最後の演 奏会(2018年)でもとりあげた曲で、それをバイエルン放送響の任期の始めに持ってきたところに特別な思いと万全の自信がうかがわれます。演奏はいかに も曲を手の内に収めたもので、躍動感も流動性も十分に全曲が流れてゆく様はオケの妙技と相俟って圧巻です。悲劇一色で塗りこめることなく、重層する 音楽のテクスチャーをそのままに矛盾や希望もはらんだ巨大で多面的な建築物のように描き込んだ演奏は情報量も豊か。録音会場となったイザールフィル ハーモニー・イン・ガスタイクHP8の音響の良さも演奏の細部を伝える上で貢献しています。 尚、ラトルとバイエルン放送響はCDリリース後の2024年3月から5月にかけてウィーン、フンランクフルト、ケルン、シカゴ、フィラデルフィア、ニューヨークで、8 月から9月にかけてザルツブルク、ルツェルン、ベルリン、ロンドンでマーラーの第6番を演奏する予定で、ここからも同曲への自信が感じられます。 ※国内仕様盤には増田良介氏による日本語の解説が付属します。
BR KLASSIK
BR-900214(1CD)
NX-B08
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op.65 ベルナルト・ハイティンク(指)
バイエルンRSO

録音:2006年9月23日(ライヴ)
フィルハーモニー・イン・ガスタイク、ミュンヘン(ドイツ)
2024年に創設75周年を迎えるバイエルン放送響のアーカイヴから貴重な初出音源が登場。オケよりも20歳先輩と言えるハイティンクは1958年にバイエ ルン放送響に初登場し、以後極めて長期にわたり共演を続けました。ここにリリースされるのは2006年9月に行われたショスタコーヴィチの第8番のライヴ。レ パートリーの広いハイティンクにあってもショスタコーヴィチは特別な作曲家だったようで、西側の指揮者として初めてショスタコーヴィチの交響曲全集の録音を 完成(Decca)させ、マーラーに通じる重層的かつ多面的な表現を秘めた交響曲作家としての真価を明かしました。その中でも第8番はコンサートでも定期 的にとりあげていたようですが、CDとなると前述の全集に含まれている1982年のコンセルトヘボウ管とのものしかありません。当盤の楽章毎の演奏時間は 26:08/6:39/6:59/9:09/15:52(total64:47)と、コンセルトヘボウ盤の26:02/6:16/5:58/8:49/14:49(total 61:54)に比べると第2楽章以 降は全般的に少し長めとなっています。近年ライヴ音源のCD化が進むハイティンクですが、ショスタコーヴィチに関しては同曲異演盤が極めて少ない状況な ので、コンセルトヘボウ盤から24年後の解釈を聴ける当盤の意義は大きいものがあります。

Capriccio
C-8088(1CD)
NX-B10

NYCX-10454(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調(第3稿 ノーヴァク版) リンツ・ブルックナーO
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2023年2月2-3日、7-8日リンツ、ムジークテアター・リハーサルホール
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン) を録音しようという企画 「#bruckner2024」の第13弾。 ブルックナーの第3番には3つの稿があり、第1稿、第2稿、第3稿と進むにつれて小節数は少なくなります。1872年に一旦の完成を見た第1稿から1889年 の第3稿までの間には、オーケストラに自作の演奏を拒否されたこともありましたが、第7番ではついに大きな成功をおさめ、第8番(第1稿)の初演も成し遂げ ていました。そうした体験を経て改訂された第3番の第3稿は、先行の稿に比べて洗練されて無駄がなく、より効果的な音楽となっており、1890年の初演も 大成功に終わりました。一方で、荒々しいファンタジーが噴出し渦巻く「ブルックナーらしさ」が減ってしまったとの指摘もあります。ブルックナー研究者のトーマス・ レーダーが「何はともあれ、作曲者が他の稿の演奏を禁じてこれを『決定稿』とした事実は重んじられなければならない」と語る第3稿、練達のブルックナー解 釈者となったポシュナーの指揮は、各楽想に応じたテンポと表現の描き分けが精緻で明快。この曲の古典的な造形とロマン的な雰囲気を十全に伝えてくれ ます。
※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。

Edition HST
HST-122(1CD)
税込定価
J.B.ヴァンハル(1739-1813):交響曲集第28巻
交響曲ハ長調Bryan C14
交響曲へ長調Bryan F8
カッサシオン へ長調Weinmann III:F3 〜ウインナ・ヴィオロン(Cb)とヴァイオリン、ヴィオラとホルンのための
ハイドン・シンフォ二エッタ トウキョウ
リーダー;松井利世子(Vn)、ほか

録音:2023年6月、東京 文京シビック小ホール・ライヴ
ヴァンハルは18世紀末、当時流行っていたウインナ・ヴィオロン(現代コントラバ スの代用)のための(現存するヴィオロン・チェロ;小さなヴィオロンはまだ60年代ウイー ンに輸入されず、またヴィオロンはヴァイオリン・コントラバスに駆逐された)作品を注文 により多く作曲し、協奏曲のほか室内楽・街頭音楽も 10曲近く今日、伝承されてい る。2024年1月、国内NHK 地上波にて放映されたベルリンフィル有志による「ディヴェ ルティメント ト長調 Weinmann III:G7」もこちらのカッサシオン(街頭音楽)の姉妹曲とな る。(CD 既出:クラウス・シュトール(KB)、他”Contrabasso Vivace”:独 SIGNUM SIG X45-00,1979/80,1993)

Altus
ALTL-018(2CD)
東京ユヴェントス・フィルハーモニー第23回定期演奏会
パヌフニク:『平和への行列』
ゾンドイン・ハンガル(1948-1996):交響詩『海燕』〜ショスタコーヴィチの思い出に捧げる詩?(日本初演)
オグタイ・ズルファガロフ(1929-2016):ホリデー序曲(日本初演)
モソロフ(1900-1973):交響的エピソード『鉄工場』
ショスタコーヴィチ:バレエ音楽『ボルト』より 「荷馬車引きの踊り」(アンコール)
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番ハ長調『レニングラード』
坂入健司郎(指)
東京ユヴェントス・フィルハーモニー/オーケストラ・リベルタとの合同演奏

録音:2023年1月7日/ミューザ川崎シンフォニーホール [東京ユヴェントス・フィルハーモニー創立15周年記念シリーズ]
2008年に「慶應義塾ユースオーケストラ」として結成され、2014年以降「東京ユヴェントス・フィルハーモニー」として活動している、坂入健司郎率いるオー ケストラによる2023年創立15周年記念演奏会のライヴ録音。慶応義塾大学とオーケストラ同士で交流のあった京都大学のOB・OGが中心となって2021年 に結成された「オーケストラ・リベルタ」との合同演奏会です。
「ソヴィエト音楽の諸相」というテーマで選曲を進めていたものの、世界情勢の変化を受けプログラムを組み直したというコンサート。後半の『レニングラード』 をメインとしつつ、ロシア音楽とその周囲とを幅広く感じさせる、凝った内容になっています。CD2枚組で全曲あまさず収録。
ポーランドの作曲家パヌフニクの『平和への行列』で幕を開ける演奏会。つづくモンゴルの作曲家ハンガルの『海燕』、アゼルバイジャンの作曲家ズルファガロフ の『ホリデー序曲』はどちらもロシア音楽からの影響があり、日本初演。キエフ生まれの作曲家モソロフの『鉄工場』はロシア・アヴァンギャルドの代表作として知 られ、またその強烈さゆえに政府に批判された問題作。そしてショスタコーヴィチの第七交響曲はレニングラード包囲戦をテーマに、皮肉と迫真、戦争と人間が壮大 に描かれた大曲。それぞれ曲そのものにまっすぐ打ち込んだ演奏であるからこそ、音楽が大きな意味を持って耳に迫ってきます。
Altus
ALTB-540(4CD)
限定生産
アーベントロート集成・絶倒編

【TALT056】
(1)ハイドン:交響曲第103番『太鼓連打』
(2)モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調
(3)メンデルスゾーン:『夏の夜の夢』序曲
(4)メンデルスゾーン:『フィンガルの洞窟』序曲
R.シュトラウス
(1)『ドン・ファン』/(2)『死と変容』
(3)『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』

【TALT064】
モーツァルト
(1)セレナーデ第6番ニ長調『セレナータ・ノットゥルナ』 K.239
(2)ピアノ協奏曲第26番ニ長調『戴冠式』

【TALT069】
(1)カリンニコフ:交響曲第1番ト短調
(2)J.シュトラウス2世:『皇帝円舞曲』 、『美しく青きドナウ』 、『くるまば草』 序曲、『ジプシー男爵』 序曲
ヘルマン・アーベントロート(指 )


【TALT056】
 ライプツィヒ放送O
 録音:(1)1951年10月29日、(2)1953年2月9日、(3)1950年8月13日、(4)1949年9月18日
【TALT063】
 ライプツィヒ放送O
 録音:(1)1952年2月11日、(2)1949年10月24日、(3)1950年11月14日
【TALT064】
 ステファン・アスケナーゼ(P(2))
 シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1956年2月3日
【TALT069】
 ライプツィヒRSO
 録音:(1)1949年11月16日、(2)1950年11月18日
ALTUSから発売されているアーベントロート指揮のタイトルから4タイトルを、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。白熱の爆演を繰り出す指揮者として知られるアーベントロートは楽団員から尊敬を一身に集め、地元市民からも非常に愛されたユニークな人物でした。その独自の音楽世界をとくとお楽しみください。
【TALT056】
ハイドン103番、モーツァルト39番では、テンポや強弱をいたずらに掻き混ぜることなく、巨大かつ凝縮した芯のある響きを打ち立て、がっしりと堂々たる構築物を造り上げています。期せずしてどちらも変ホ長調、充実の極みと言える響きとずば抜けた頼もしさは最早ベートーヴェンの『英雄』にすら匹敵。これほどの聴き応えを誇る古典派シンフォニーは昨今滅多にお目にかかれますまい。そしてメンデルスゾーンの序曲はロマン派的自由と色彩をふわりと纏い、天才的な音楽をわくわくするような身のこなしで颯爽と奏でています。同時に常に深淵の暗闇のような重さを纏っているのも特徴的で、実に深い味わいのある演奏です。
【TALT063】
R・シュトラウスの交響詩はアーベントロートの真骨頂たる爆演気質がおおいに発揮された必聴のレパートリーと言えるでしょう。『ドン・ファン』開始部のほとばしりからして尋常ではありません。自在なテンポ、うずまく熱気、強靭なドラマ性。とことん壮大で痛快な大管弦楽が嫌というほど堪能できます。常に推進力にあふれた猛烈な音の運びはもはや芸術の域、誰にも止められません。『死と変容』クライマックスの際限なく膨れ上がるハ長調の轟音には唖然とさせられます。『ティル』の皮肉交じりのユーモアも切れ味鋭く、また豪快極まりなく、これでもかという強烈な語り口に痺れます。アーベントロート芸術のひとつの極北、と言っても過言ではない凄まじい内容です。
【TALT064】
アーベントロートは古典派音楽では「古典本来の美しさ」を真っ直ぐに提示する、こけおどしの無い演奏を聴かせます。いぶし銀の音色を伝家の宝刀とする老舗オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンとの共演であるこのモーツァルトでは、アーベントロート流古典演奏の美質がしかと炸裂。鑿で削り出した彫刻のような音響の『セレナータ・ノットゥルナ』では純度の高い力強さに心が打たれます。名ピアニスト、アスケナーゼを迎えた『戴冠式』はそれぞれの個性が互いを高めあう演奏となっており、古典的均整の中にあって自由度が増し、豊かなイマジネーションが広がっていきます。
【TALT069】
泣けるメロディ満載の人気作カリンニコフの1番、アーベントロートの手にかかると面白さ倍増!ロマンの極致とも言うべき至高の精神が充溢。大胆なテンポ変化で各主題を濃厚に歌い、畳み掛けるところでは大いにオーケストラを煽り鼓舞し、有無を言わさぬテンションで突き進みます。フィナーレの爆発的な推進力は惚れ惚れするほど。所々カットがあるのはご愛嬌、それに劣らぬ深い魅力と特別な味わいを持った名演奏です。併録のJ.シュトラウスもオーケストラが生き物のごとくうねる大演奏。『皇帝円舞曲』や『ドナウ』が聴けるのが嬉しい! (Ki)
Altus
ALTB-541(6CD)
限定生産
アンチェル傑作ライヴ集・ステレオ有り

【TALT044】
(1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
(2)ドヴォルザーク:交響曲第8番

【TALT045/6】
[CD1]
(1)ハイドン:交響曲第92番『オックスフォード』
(2)フランク:交響曲 ニ短調
[CD2]
(3)ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
(4)プロコフィエフ:古典交響曲

(5)ハイドン:交響曲第104番『ロンドン』
(6)アンチェルのインタビュー(英語)

【TALT057/8】
[CD1]
(1)モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
(2)メンデルスゾーン:交響曲第5番 『宗教改革』
(3)シューマン:交響曲第4番ニ短調
[CD2]
(4)ベートーヴェン:交響曲第6番 『田園』
(5)ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調

【TALT061】
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
カレル・アンチェル(指 )

【TALT044】
 ヘルマン・クレバース((1)ヴァイオリン)
 アムステルダム・コンセルトヘボウO
 録音:1970年1月28日(ステレオ、ライヴ録音)
【TALT045/6】
[CD1]
 ダニエル・ワイエンベルク((3)ピアノ)
 アムステルダム・コンセルトヘボウO(1)-(4)
 オランダ放送PO(5)
 録音:(1)-(3)1970年1月21日、(4)1969年2月23日、(5)1970年7月6日(すべてステレオ、ライヴ録音) 
(6)1968年7月/プラハ(Document CBC)
【TALT057/8】
 トロントSO
 ライヴ録音:(1)1968年11月10日(モノラル)、(2)1969年12月16・17日(モノラル)、(3)1969年12月9・10日(モノラル)、
(4)972年1月19日(ステレオ)、(5)1968年11月10日(モノラル)
【TALT061】
 トロントSO
 ライヴ録音:1969年11月4日/CBC(モノラル)
ALTUSから発売されているアンチェル指揮のタイトルから4タイトルを、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。
【TALT044】
コンセルトヘボウの名コンマスとして名を轟かせたクレバース独奏によるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に、これまた名演の誉れ高いドヴォルザークの8番。ステレオ録音で音質もたいへん良好です。ベルベットの如し、と讃えられたコンセルトヘボウの弦セクションを束ねたクレバース。その独奏はオーケストラと同質の美を持ちながらも力強く格調高く、しなやかにして芯のあるベートーヴェンを聴かせてくれます。ドヴォルザークの8番はアンチェルらしさが全開。チェコ・フィルにも負けず劣らずの名演です。コンセルトヘボウの美しい響きを最大限に生かしつつ、ドヴォルザークの音楽を共感と熱気を持って奏でています。アンチェル迫真の指揮に、充実の響きで持って完璧に応えるコンセルトヘボウに脱帽です。
【TALT045/6】
1970年1月21日のライヴを軸に、それ以外の音源もまとめて2枚組にしたものです。すべてステレオ録音で音質もたいへん良好。『オックスフォード』はコンセルトヘボウの弦の音色が絶品。明るい倍音をたっぷり含んだふくよかで輝きのある音。フランクの交響曲は第1楽章序奏の底なし沼のような深さが恐ろしく、うねりにうねって音楽が展開するさまに耳を奪われます。『パガニーニ狂詩曲』は重厚にして技巧もバッチリの独奏者・ワイエンベルクの技量にただただ感服!この3曲が1日のライヴと思うと凄い聴き応えです。69年の『古典交響曲』もアンチェルの類稀な手腕とオーケストラの機動力が一体となっています。繊細なオーケストレーションのスコアを巧みに処理し、色彩はじける演奏です。さらにボーナストラックとして、オランダ放送フィルとの『ロンドン』と、アンチェルの肉声が聴けるインタビュー(英語)を収録。この『ロンドン』がとにかく名演なので、ぜひとも一緒にお楽しみ頂きたいです!常に必要な音だけに満たされた空間で、充足感がたまりません。
【TALT057/8】
このアルバムにはカナダへ渡った直後、常任指揮者就任前後のトロント響とのライヴ録音を収録。頼もしく充実した『アイネ・クライネ』に始まりメンデルスゾーン、シューマン、そしてベートーヴェン2曲と聴き応えたっぷりの2枚組です。若き小澤の精密な演奏とは一線を画したであろう、巨匠然とした堂々たる力強い響きと豊かな表現力は当時のトロントの聴衆に新たな魅力を見せつけたことでしょう。72年の『田園』はステレオ録音で楽しめます。
【TALT061】
アンチェル亡命直後、小澤の後任として音楽監督を務めたトロントSOとのマーラー5番ライヴです。5番はこのTAHRA盤が唯一の録音でありアンチェルの類まれな解釈を知る貴重な録音。ぜひアンチェルの至芸をご堪能ください。全体的に落ち着いた速度設定で、特に目を引くのが第3楽章のテンポ。アーチ状の構成の中央に位置するこの楽章をアンチェルは驚くほどゆっくりとしたテンポで奏でています。はじめはかなり面喰らいますが、聴き進めるうちに不思議な心地よさに包まれ、マーラーの描いた広大な音楽世界をじっくり味わえる演奏だと気づかされます。フィナーレも勢いに流されることなく丁寧に積み上げ組み立て、堂々たる威厳をもった音響を造り上げています。

EUROARTS
20-50443(Bluray)
ベルリン・フィル2000年東京ライヴ ヒラリー・ハーン&ヤンソンス
ウェーバー:「オベロン」序曲
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 Op.77
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 BWV1001より プレスト(アンコール)
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 Op.88、
 スラヴ舞曲 ハ長調 Op.72の7
ヒラリー・ハーン(Vn)
マリス・ヤンソンス(指)BPO

収録:2000年11月26日 サントリー・ホール、東京(ライヴ)
画面:16:9,1080/60i Full HD
音声:PCMステレオ,
DTS-HS MA5.1
リージョン:All、99分
2023年11月に第7代常任指揮者キリル・ペトレンコを率いて4年ぶりの来日公演を行ったベルリン・フィル。1957年の初来日以来、24回の日本公 演を行っており、ヘルベルト・フォン・カラヤンをはじめ、小澤征爾、クラウディオ・アバド、マリス・ヤンソンス、サイモン・ラトル、ズービン・メータ、そ してキリル・ペトレンコらの指揮により、最高峰の音楽を日本の聴衆に届けてきました。 今回リリースされるのは2000年にマリス・ヤンソンスと共に来日した際に行った東京・サントリーホールでのライヴ映像を収録したブルーレイ。ソリストにヒラ リー・ハーンを迎えた公演は聴衆を熱狂の渦に巻き込み、以前発売されていたDVDは(2050448廃盤)大ヒットとなりました。ヤンソンスは1976年にベ ルリン・フィルと初共演して以来しばしば客演しており、当演奏会では絶好調の指揮姿をみることができます。得意とするドヴォルザークの交響曲第8番は日本 の聴衆の度肝を抜く名演でした。さらに魅力なのはヒラリー・ハーンが独奏を務めるショスタコーヴィチの協奏曲。壮絶のひとことに尽きる演奏を繰り広げます。

GENUIN
GEN-24864(1CD)
モーツァルト:交響曲集第3集
交響曲第9番 ハ長調 K.73/75a
交響曲第14番イ長調 K.114
交響曲第20番 ニ長調 K.133
交響曲第24番変ロ長調 K.182/dA
ヨハネス・クルンプ(指)、
エッセン・フォルクヴァング室内O
2013年からエッセン・フォルクヴァング室内Oの首席指揮者を務めるヨハネス・クルンプ。両者によるモーツァルトの交響曲集の第3弾が登場しました。今回はモーツァルトがわずか13歳で作曲した「交響曲第9番」から始まり、1769年から1773年にかけて作曲された4つの初期交響曲が収録されています。これらの作品は、若かりし頃のものとは思えないほど、充実した内容となっており、聴くものを魅了します。演奏は当時の歴史に基づいた手段を駆使し、完璧なアンサンブルでなされています。今後のリリースも期待せずにはいられない素晴らしいモーツァルトを奏でています。

BIS
BISSA-9062
(17SACD+4DVD)
アラン・ペッテション-コンプリート・エディション


■Disc1(77'54)
(1)交響曲第1番(1951)(クリスチャン・リンドベルイ校訂版)
(2)交響曲第2番(1952/3)
■Disc2(70'52)
(3)交響曲第3番(1954-55)
(4)交響曲第15番(1978)
■Disc3(65'13)
(5)交響曲第4番(1959)
(6)交響曲第16番(1979)
(6)ユルゲン・ペッタション(アルト・サクソフォン)
■Disc4(68'53)
(7)交響曲第5番(1960-62)
(8)ヴィオラ協奏曲(1979)【独奏パートの補完:エレン・ニスベト】
■Disc5(80'53)
(9)交響曲第6番(1963-66)
(10)弦楽のための協奏曲第1番(1949-50)
■Disc6(71'27)
(11)交響曲第7番(1966-67)
(12)交響曲第11番(1973)
■Disc7(71'31)
(13)交響曲第8番(1968-69)
(14)交響曲第10番(1972)
■Disc8(70'11)
(15)交響曲第9番(1970)
■Disc9(79'45)
(16)交響曲第12番「広場の死者」(1973-74)(詩:パブロ・ネルーダ)
(17)8つの裸足の歌(1943-45)(オーケストレーション:アンタル・ドラティ)
■Disc10(66'46)
(18)交響曲第13番(1976)
■Disc11(79'56)
(19)交響曲第14番(1978)
(20)弦楽のための協奏曲第2番(1956)
■Disc12(61'06)
(21)ヴァイオリン協奏曲第2番(1977改訂稿)
(22)交響曲第17番(1980)(断章)(1980)【マルクス・ブリルカ&クリスチャン・リンドベルイによる補完】
■Disc13(54'00)
(23)弦楽のための協奏曲第3番(1956-57)
■Disc14(59'30)
(24)ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲(1949)
(25)2つの悲歌〜ヴァイオリンとピアノための(1934)
(26)アンダンテ・エスプレシーヴォ〜ヴァイオリンとピアノのための(1938)
(27)ロマンツァ〜ヴァイオリンとピアノのための(1942)
(28)ラメント〜ピアノのための(1945)
(29)4つの即興曲〜弦楽三重奏のための(1936)
■Disc15(87'10)
(30)2つのヴァイオリンのための7つのソナタ(1951)
(31)フーガ ホ長調〜オーボエ、クラリネット、ファゴットのための(1948)
(32)交響的楽章(1973)
(33)幻想曲〜ヴィオラ独奏のための(1936)
■Disc16(50'33)
(34)「人の声」〜独唱者、混声合唱と弦楽オーケストラのための(1976)
■Disc17(71'35)
(35)6つの歌〜中声とピアノのための(1935)
(36)裸足の歌(1943-45)


●特典DVD
■Disc1
「Allan Pettersson - The First Symphony(アラン・ペッテション-最初の交響曲)」
 アラン・ペッテションの交響曲第1番について、作曲者の手稿から2010年の初演とその後の録音に至るまでの道のりを記録した1時間のドキュメンタリー
■Disc2
「The Voice of Man(人間の声)」
 スウェーデン・テレビ放送1973〜78年制作のペッテションについてのドキュメンタリー
■Disc3
「Who the hell is Allan Pettersson?(アラン・ペッテション、お前は一体何者?)」
 1974年制作のペッテションのドキュメンタリー
■Disc4
「The Song of Life(いのちの歌)」
 スウェーデン・テレビ放送1987年制作。ペッテションについてのドキュメンタリー
■Disc1(77'54)
(1)(2)クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
録音:2010年5月〜6月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc2(70'52)
(3)(4)レイフ・セーゲルスタム(指)ノールショッピングSO
録音:(3)1993年5月29日、(4)1994年3月24&25日/リンシェーピング・コンサートホール
■Disc3(65'13)
(5)(6)
(6)ユルゲン・ペッタション(アルト・サクソフォン)
クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
録音:2013年1月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc4(68'53)
(8)エレン・ニスベト(Va)
クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
録音:(7)2017年6月、(8)2020年1月13-17日/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc5(80'53)
(9)クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
(10)クリスチャン・リンドベルイ(指)ノルディック室内O
録音:(9)2012年1月、(10)2007年3月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc6(71'27)
レイフ・セーゲルスタム(指)ノールショッピングSO
録音:(11)1992年4月29&30日、(12)1992年12月17日/リンシェーピング・コンサートホール
■Disc7(71'31)
レイフ・セーゲルスタム(指)ノールショッピングSO
録音:1997年3月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc8(70'11)
(15)クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
録音:2013年1月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc9(79'45)
(16)エリク・エリクソン室内合唱団、スウェーデン放送合唱団、クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
(17)アンデシュ・ラッション(Br)、クリスチャン・リンドベルイ(指)ノルディック室内O
録音:(16)2019年3月&2020年1月、(17)2007年3月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc10(66'46)
(18)クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
録音:2015年1月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc11(79'56)
(19)クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
(20)クリスチャン・リンドベルイ(指)ノルディック室内O
録音:(19)2016年1月、(20)2007年3月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc12(61'06)
(21)ウルフ・ヴァリーン(Vn)
クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
録音:(21)2017年1月、(22)2018年1月/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
■Disc13(54'00)
クリスチャン・リンドベルイ(指)ノルディック室内O
録音:2006年5月/ヘグドーンゲル教会、ハルノサンド
■Disc14(59'30)
(24)ウルフ・ヴァリーン(Vn)、SQ【スーイエ・パク(Vn1)、ダニエル・ヴラシ・ルカヒ(Vn2)、ゲルマン・チャクロフ(Va)、アレクサンダー・ウォルハイム(Vc)】
(25)-(27)ウルフ・ヴァリーン(Vn)、トーマス・ホッペ(P)
(28)トーマス・ホッペ(P)
(29)ウルフ・ヴァリーン(Vn)、ゲルマン・チャクロフ(Va)、アレクサンダー・ウォルハイム(Vc)
録音:(25)-(27)2022年9月5&6日、(24)(28)(29)2022年11月28日〜12月2日/聖ニコデモ教会、ノイケルン、ベルリン
■Disc15(87'10)
(30)デュオ・ジュラン(2つのヴァイオリン)、レンナルト・ヴァリーン(P)
(31)ノールショピングSOのメンバー【トマス・ブーディーン(Ob)、アルバロ・パストル・ヒメネス(Cl)、リヌス・ビョーンスタム(Fg)】
(32)クリスチャン・リンドベルイ(指)ノールショピングSO
(33)エレン・ニスベト(Va)
録音:(30)1999年7月&8月/ダンデリード・グラマー学校
(31)2023年5月19日、(32)2023年1月13日/ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショピング
(33)2020年5月29日/聖ペテロ教会、ダンデリード
■Disc16(50'33)
マリアンネ・メルネス(S)、マルゴット・ローディン(Ms)、スヴェン=エーリク・アレクサンデション(T)、エルランド・ハーゲゴード(Br)
スティーグ・ヴェステルベリ(指)スウェーデン放送合唱団、スウェーデンRSO
録音:1976年3月22日&1976年5月25日/王立スウェーデン音楽アカデミー、ストックホルム
■Disc17(71'35)
ペーテル・マッテイ(Br)、ベンクト=オーケ・ルンディン(P)
録音:2021年3月11-14日/オレブルー・コンサートホール、オレブルー
●特典DVD
■Disc1
フォーマット:NTSC16:9、Dolby Digital、Stereo、Region code:0(Worldwide)
言語:スウェーデン語、字幕:英独仏
■Disc2
フォーマット:NTSC16:9&4:3pillar box、Dolby Digital、Stereo Region code:0 (Worldwide)
言語:スウェーデン語、字幕:英
■Disc3
フォーマット:NTSC16:9&4:3pillar box、Dolby Digital、Stereo Region code:0 (Worldwide)
言語:スウェーデン語、字幕:英
■Disc4
フォーマット:NTSC16
BISレーベルの大偉業!アラン・ペッテションの17曲の交響曲、室内楽曲、声楽曲など未発表作品を含む全作品がボックスで登場。この度初SACDハイブリッド化されたディスクも多く、マティアス・シュピツバルトによる最新リマスタリングでお届けします。
ペッテション作品の録音は世界中の専門誌で数々の賞を受賞。非常に高い評価を得ています。ペッテションの音楽は唯一無二。壮大な構想、情熱、ダイナミズムという点ではマーラーの交響曲に匹敵するほど大規模で、20世紀の他の作曲家とはまるで違う世界が広がります。
貧しい労働者階級人々の住む界隈で育った子供時代を反映させた作品も多く、ペッテションの人生をあらわしたかのような暗黒で暴力的なパッセージが随所にあらわれるのが作品の特徴。一方、澄みきった響きや天国を夢見ているかのような美しい旋律もまたペッテション作品の魅力です。
当ボックスでは17枚のSACDハイブリッド盤に加えて、ペッテションと彼の作品について、さらにはペッテションを知る音楽家たちが出演した4枚のDVD(NTSC)も付き、300ページほどのブックレットも興味津々です。 (Ki)

CLAVES
50-3104(2CD)
ポシュナー/チャイコフスキー:2つの交響曲
(1)交響曲第5番ホ短調 Op.64
(2)交響曲第6番ロ短調 Op.74『悲愴』
スイス・イタリアーナO、
マルクス・ポシュナー(指)

録音:(1)2021年8月、(2)2022年10月
オーディトリオ・ステリオ・モロ・スタジオ( RSI )、ルガーノ
指揮者マルクス・ポシュナーが2015年より首席指揮者を務めるスイス・イタリアーナO(スイス・イタリア語放送O)と、チャイコフスキーの交響 曲第5番と第6番『悲愴』を録音しました!
ポシュナーはこれまでにドレスデンPO、ミュンヘンPO、ウィーンSO、ベルリン・コンツェルトハウス管弦 楽団、ベルリンRSO、ウィーンRSO、フランス国立O、NHKSO、東京都SOなどを指揮。2020年にはオーストリア・ミュージッ ク・シアター・アワードのベスト・オーケストラ賞を、ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』でベスト・オペラ指揮者賞をそれぞれ受賞しています。
当演奏では各楽器のキャラクターを生かしながら、じっくりと歌い上げるチャイコフスキーを展開。じわじわと湧き上がる唯一無二のチャイコフスキーの旋律を情 熱的に演奏しております!ポシュナーと当団、決定盤の登場です!! (Ki)

GRAND SLAM
GS-2308(1CD)
(1)ハイドン:交響曲第94番ト長調 「驚愕」
(2)チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)、VPO

録音:(1)1951年1月11、12、17日、(2)1951年1月4、8、9、10日/ウィーン、ムジークフェライン
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(録音セッション)
■制作者より  
1951年1月、フルトヴェングラーは4回の第9公演とHMVのセッション録音とで、ウィーン・フィルと密に接していました。その最大の成果とされるのがこのディ スクのハイドンとチャイコフスキーです。同内容の演奏は2018年にGS-2179として発売しましたが、今回は新規にテープを取り寄せ、全工程をプロ用機器でマ スタリングを行いました。フルトヴェングラーとウィーン・フィルの絶好調の名演が、旧盤と比較して3割増しの情報量で楽しめます。(平林直哉)


PROMINENT CLASSICS
2506-5618(5CD)
マタチッチ最後のベートーヴェン:交響曲全曲演奏会
交響曲第1番ハ長調作品21
交響曲第3番「英雄」
交響曲第2番ニ長調作品36
交響曲第6番ヘ長調「田園」
交響曲第4番変ロ長調作品60
交響曲第5番「運命」
交響曲第8番ヘ長調作品93
交響曲第7番イ長調作品92
交響曲第9番「合唱」
ロヴロ・フォン・マタチッチ(指)
ザグレブPO
ラドミラ・スミッリャニチ(S))
マリヤ・クラシッチ(Ms)
イーゴル・フィリポヴィチ(T)
ネヴェン・ベレマリチ(Bs)
ザグレブ・フィルcho

録音:(第1、2番)1980年12月19日
(第3、4番)1981年1月16日
(第5、6番)1981年2月27日
(第7,8番)1981年5月22日
(第9番)1981年6月5日
ヴァトロスラフ・リシンスキ・コンサートホール(ステレオ・ライヴ)
HRTクロアチア放送による録音
*当時クロアチアはユーゴスラヴィアでした。
巨匠マタチッチはベートーヴェンを満遍なく取り上げていた指揮者ではありません。生涯で二度しか全曲演奏会をしなかったと言います。その最初のものは1962年のミラノ放送響とのもので、CDとして既出ですが音質には不満もあり、オケの響きの薄さには泣かされたものです。ついに登場する巨匠最後のベートーヴェン・ツィクルスは巨匠のお膝元である、ユーゴスラヴィア(現クロアチア)のザグレブ。もちろん手兵のザグレブ・フィルを率いての大演奏です。HRTクロアチア所蔵の音源は優秀なステレオ。正に巌の如きベートーヴェンがそそり立ちます。第1番、第2番、第8番という小ぶりな曲の内容の深さにも感動。第7番は青年のような元気溌剌さ。「運命」、「第九」の人生の苦みを体現するかのような切実な表現。壮大な「エロイカ」等、聞き所は満載。マタチッチを、更にはベートーヴェンを知るには必携の名演と言えましょう。解説には演奏分析の神、金子建志氏がマタチッチのベートーヴェン演奏の秘密を御開帳!

Champs Hill Records
CHRCD-167(1CD)
マーラー:大地の歌(マーラーの自筆譜によるピアノ伴奏版) クラウディア・ハックル(C.A)、
ニッキー・スペンス(T)、
ジャスティン・ブラウン(P)

録音:2021年8月9日-12日、チャンプス・ヒル・ミュージック・ルーム(イギリス)
マーラーは1907年、ドイツの詩人ハンス・ベートゲが翻訳した詩集「中国の笛」と出会いました。当時46歳のマーラーは巨大な「交響曲第8番」を完成させ、指揮者としても名声を集めており、キャリアの絶頂期を過ごしていました。その一方で、娘を亡くし、自らも心臓疾患を診断されるなど、重大な転機を迎えていました。1908年にこの「中国の笛」をもとに作曲された「大地の歌」は、”私が今まで作曲した作品の中で、この作品が最も個人的な作品である”とマーラーがブルーノ・ワルターに宛てた手紙の中で語っています。マーラーの歌曲集や連作曲集のほとんどと同じように、「大地の歌」もピアノ版とオーケストラ版の両方で構想されました。ピアノ版はマーラーの生前に発表されることはなく、死後数十年が経った1989年に発表されました。
イギリス系ドイツ人のコントラルト、クラウディア・ハックルは2013年に女性として初めてのビルギット・ニルソン賞を受賞し、ヨーロッパやアメリカのオーケストラと共演し、オペラにも数多く出演しています。このアルバムはハックルの発案で制作され、イギリスを中心に世界で活躍するテノールのニッキー・スペンスと、世界各国のオーケストラと共演する指揮者でピアニストでもあるジャスティン・ブラウンと共に録音されました。

NEOS
NEOS-12315(1CD)
グロリア・コーツ:室内オーケストラのための作品集
交響曲第1番「開放弦による音楽」(1972/1973)
Wir tonen allein(ソプラノ、ティンパニ、パーカッションと弦楽オーケストラのための)(1988)
Cette blanche agonie(ソプラノ、イングリッシュ・ホルン/オーボエ、ティンパニ、パーカッションと弦楽オーケストラのための)(1988)
交響曲第16番「時間の凍結」(1993)
ミュンヘン室内O、
イラン・ヴォルコフ(指)、
ジェシカ・ナイルズ(S)、
トビアス・フォーゲルマン(イングリッシュ・ホルン、オーボエ)

録音:2022年10月21日-23日、ウトーピア・ホール(ミュンヘン)
アメリカに生まれ、ミュンヘンを拠点に作曲家に加え女優、歌手、画家、作家などとしても活躍したグロリア・コーツ(1933-2023)の追悼盤ともいえる作品集がNEOS-レーベルから登場。1978年にポーランドの現代音楽祭「ワルシャワの秋」で演奏され大きな話題を呼んだ彼女の代表作「開放弦による音楽」を筆頭に、特徴であるグリッサンドや微分音が効果的に多用された室内オーケストラのための作品を収録。小澤征爾からボストンSOのアシスタント・コンダクターに招かれた経験を持ち、日本のオーケストラにも度々客演しているイスラエルの若き巨匠、イラン・ヴォルコフとミュンヘン室内Oによる2022年の録音です。

Diapason
DIAPCF-029(10CD)
シューベルト:交響曲全集、合唱作品集、歌曲集
(1)交響曲第1番ニ長調 D82
(2)交響曲第2番変ロ長調 D125
(3)交響曲第3番ニ長調 D200
(4)交響曲第4番ハ短調 D417「悲劇的」
(5)交響曲第5番変ロ長調 D485
(6)交響曲第6番ハ長調 D589
(7)交響曲第8(7)番ロ短調 D759「未完成」
(8)交響曲第9(8)番ハ長調 D944「ザ・グレート」
(9)劇付随音楽「ロザムンデ」 D797全曲
(10)岩の上の羊飼い D965
(11)ミサ曲第6番変ホ長調 D950
(12)ミサ曲第2番ト長調 D167より クレド
(13)水の上の霊の歌 D714
(14)詩篇第23番「主はわが羊飼い」 D706
15)ドイツ・ミサ曲 D872
(16)憂愁 D825
反抗 D865*
愛 D983a
16世紀の酒宴の歌 D847
愛の心 D747
永遠の愛 D825a
(17)セレナード D920
(18)アヴェ・マリア D839
(19)アンゼルモの墓で D504
乙女の嘆き D191b
(20)ガニュメート D544
(21)歌曲集「美しき水車小屋の娘」 D795全曲
(21)野ばら D257
スイスの歌 D559
ただあこがれを知る者だけが D877
子守歌 D498
夜咲きすみれ(花大根) D752
(22)ナイチンゲールに寄せて D497*
(23)歌曲集「冬の旅」 D911全曲
(24)子守歌 D867
(25)魔王 D328
(26)歌曲集「白鳥の歌」 D957全曲
(27)月に寄す D193
(28)ズライカU D717
(29)さすらい人の夜の歌 D224
(30)竪琴弾きの歌T-V
(31)トゥーレの王 D367
糸を紡ぐグレートヒェン D118
(32)ます D550
水の上で歌う D774
(33)漁師の歌 D881
(34)糸を紡ぐグレートヒェン D118
(35)春の小川 D361
僕の挨拶を送ろう D741
録音:1949年
(36)春に D882
(37)死と乙女 D531*
音楽に寄せて D547**
(38)憩いなき恋 D138
こびと D771
(39)シルヴィアに D891
若い尼僧 D828
恋人のそばに D162
(40)笑いと涙 D777
(41)それらがここにいたことは D775
(42)糸を紡ぐグレートヒェン D118
(43)アヴェ・マリア
(44)君はわが憩い D776*
ミューズの子 D764**
(45)魔王 D328
(1)ロイヤルPO、トーマス・ビーチャム(指)
録音:1953年
(2)VPO、カール・ミュンヒンガー(指)
録音:1959年
(3)ロイヤルPO
トーマス・ビーチャム(指)
録音:1958年-1959年
(4)ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズ、ハリー・ブレック(指)
録音:1953年
(5)シカゴSO、フリッツ・ライナー(指)
録音:1960年
(6)アムステルダム・コンセルトヘボウO、エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指)
録音:1957年
(7)レニングラードPO、エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
録音:1959年
(8)LSO、ヨーゼフ・クリップス(指)
録音:1958年
(9)ディアナ・エウストラーティ(Ms)、ベルリン・モテットcho、BPO、フリッツ・レーマン(指)
録音:1952-53年
(10)リタ・シュトライヒ(S)、ハインリヒ・ゴイザー(Cl)、エリック・ヴェルバ(P)
録音:1959年
(11)BPO
ベルリン聖ヘドウィッヒcho、エーリッヒ・ラインスドルフ(指)、ピラール・ローレンガー(S)、ベティ・アレン(C.A)、フリッツ・ヴンダーリヒ(T)、マンフレッド・シュミット(T)、ヨーゼフ・グラインドル(Bs)
録音:1960年
(12)クリーヴランドcho、クリーヴランドOのメンバー、ロバート・ショウ(指)
録音:1961年
(13)ウィーン国立歌劇場cho、クレメンス・クラウス(指)
録音:1950年
(14)ベルリン・モテットcho、ミヒャエル・ラウハイゼン(P)、ギュンター・アルント(指)
録音:1952-53年
(15)ベルリン聖ヘドヴィヒ大聖堂cho、ヴォルフガング・マイヤー(Org)、ベルリンSO、カール・フォスター(指)
録音:1959年
(16)シュトゥットガルト・ヴォーカル・アンサンブル、ヴァルター・ベーレ(P)*、マルセル・クーロー(指)
録音:1955-56年
(17)ディアナ・オイストラティ(Ms)、ベルシン・モテットcho、ミヒャエル・ラウハイゼン(P)、ギュンター・アルント(指)
録音:1952-53年
(18)イルムガルト・ゼーフリート(S)、エリック・ヴェルバ(P)
録音:1957年
(19)キルステン・フラグスタート(S)、エドウィン・マッカーサー(P)
録音:1956年
(20)ヘルマン・プライ(Br)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1960年
(21)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1961年
(21リタ・シュトライヒ(S)、エリック・ヴェルバ(P)
録音:1959年
(22)エリーザベト・シューマン(S)、ジョージ・リーヴス(P)*、カール・アルヴィン(P)**
録音:1933年、1927年&1932年
(23)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1955年
(24)エリーザベト・グリュンマー(S)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1958年
(25)ヘルマン・プライ(Br)、カール・エンゲル(P)
録音:1962年
(26)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1951年、1955年&1957年
(27)リタ・シュトライヒ(S)、エリック・ヴェルバ(P)
録音:1959年
(28)エリーザベト・グリュンマー(S)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1958年
(29)ヘルマン・プライ(Br)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1960年
(30)ヘルマン・プライ(Br)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1960年
(31)イルムガルト・ゼーフリート(S)、エリック・ヴェルバ(P)
録音:1957年
(32)エリーザベト・グリュンマー(S)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1958年
(33)クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1957年
(34)リーザ・デラ・カーザ(S)、カール・フーデッツ(P)
録音:1956年
(35)ハンス・ホッター(Br)、ジェラルド・ムーア(P)
録音:1949年
(36)ペーター・アンダース(T)、ミヒャエル・ラウハイゼン(P)
録音:1943年
(37)キャスリーン・フェリアー(C.A)、ブルーノ・ワルター(P)*、フィリス・スパー(P)**
録音:1949年
(38)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、クラウス・ビリンク(P)
録音:1948年
(39)エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)、エドウィン・フィッシャー(P)
録音:1952年
(40)イルムガルト・ゼーフリート(S)、エリック・ヴェルバ(P)
録音:1955年&1957年
(41)ゲルハルト・ヒュッシュ(T)、ハンス・ウード・ミュラー(P)
録音:1938年
(42)ロッテ・レーマン(S)、、エルネー・バログ(P)
録音:1937年
(43)マリアン・アンダーソン(S)、コスティ・ヴェハーネン(P)
録音:1936年
(44)エリーザベト・シューマン(S)、カール・アルヴィン(P)*、ジェラルド・ムーア(P)**
録音:1932年&1936年
(45)ハインリヒ・シュルスヌス(Br)、フランツ・ルップ(P)
録音:1933年
芸術の国フランスの世界的クラシック音楽専門誌、「ディアパゾン(Diapason)」の自主製作レーベルの看板であるボックス・セット・シリーズの第29弾として登場するのは往年の超一流アーティストたちの演奏が選りすぐられたシューベルトの名演集!
ビーチャムやクリップス、ベイヌムからムラヴィンスキーまでバラエティに富んだ指揮者が選定された交響曲全集、フリッツ・レーマン&ベルリン・フィルの「ロザムンデ」全曲などに加え、ゼーフリート、フラグスタート、プライ、フィッシャー=ディースカウ、エリーザベト・シューマン、デラ・カーザ、シュヴァルツコップといったシューベルト演奏史を彩る大歌手たちによる歌曲集をたっぷり収録。たとえば三大歌曲集はフィッシャー=ディースカウ&ジェラルド・ムーア(「冬の旅」は名演と名高い1955年録音!)が選ばれ、「糸を紡ぐグレートヒェン」ではゼーフリート、デラ・カーザ、ロッテ・レーマンの聴き比べができるなど、シューベルティアンにもこれからシューベルトを聴き始める方にもオススメできる絶好のBOXセットとなっています。

Obsession
SMHQ-002(1CD)
HQCD
完全限定生産
マーラー:交響曲第1番「巨人」 カルロス・パイタ(指)ロイヤルPO

録音:1976年、キングズウェイ・ホール(ロンドン)/ADD
フルトヴェングラーに心酔し、その影響を感じさせる解釈と破格の大音響で一部マニアから熱狂的な支持を集めるアルゼンチン出身の指揮者カルロス・パイタ。2015年の末に83歳で逝去し新たな録音の登場に期待することはできなくなってしまいましたが、自身がスイスで立ち上げたレーベル「Lodia」からリリースされていたマーラーの「巨人」(1976年録音)がHQCDとなってObsessionより復刻。豪快でドラマティックな演出、パイタならではの爆発力を伴った音の洪水をHQCD化によって格段に向上した音質で存分に味わうことができます。に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

ALPHA
ALPHA-1008(1CD)
シベリウス:交響曲第4番イ短調 Op.63
森の精 Op.15
悲しきワルツ Op.44
エーテボリSO
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指)

録音:2021年11月、2022年6月、2023年3月  エーテボリ・コンサート・ホール、スウェーデン
サントゥ=マティアス・ロウヴァリが手兵エーテボリSOと進めるシベリウスの交響曲チクルス第4弾は、全7曲の交響曲の中で最も難解と 見られがちながら、傑作の呼び声もまた高い第4番です。シリーズのこれまでのアルバムで個性的でありつつも説得力のある解釈を聴かせ、 作品の新しい魅力を知らしめてきたロウヴァリ。今回も終始暗い影が支配するこの作品から、彼ならではの際立って精緻なスコア整理と、細 部まで行き届いたコントロールと表現力によって様々な側面を引き出し、その充実した内容をあぶり出すことに成功しています。併せて収録 されたのは、30歳を目前にしたシベリウスがスウェーデンの詩人ヴィクトル・リュードベリの詩に基づいて書き上げた標題音楽「森の精」。20分 を超える演奏時間を要する力作ながら、なぜか半世紀以上忘れられていたというこの作品をロウヴァリは素晴らしい躍動感と物語性で描き 上げ、その完成度の高さを証明してみせました。そして最後は人気曲「悲しきワルツ」のメリハリのある引き締まった演奏で、余韻を残すラスト の引きも見事。

SWR music
SWR-19130CD(1CD)
NX-B09
ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調 Op.7
交響曲第8番ト長調 Op.88
ピエタリ・インキネン(指)
ドイツ放送PO

録音:2021年9月27-30日、2022年9月6-9日*
ドイツ放送フィルによるドヴォルザーク交響曲全集第6弾。前半3枚を指揮したチチョンより、第4弾からインキネンが引き継ぎ、素晴らしい演奏を披露してい ます。 今作に収録されているのは、ドヴォルザークの交響曲の中でもとりわけ人気の高い第8番と第7番。1884年から85年に書かれた第7番は、第3楽章にチェ コ民族舞曲フリアントのリズムが使われるなどスラヴ要素の濃い作品。第8番は更にボヘミアの要素が高く、とりわけ第3楽章の哀愁を帯びた旋律も一度聴 いたら忘れられないほどの魅力があります。 2017年からドイツ放送POの首席指揮者と務めるインキネンは、作品のスコアを丹念に読み込み、細かい対旋律までをも際立たせ ることでオーケストラから明瞭な響きを引き出し、メリハリあるテンポで全曲を聴かせます。

Capriccio
C-8093(1CD)
NX-B10

NYCX-10449(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第2番ハ短調 ウィーンRSO
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2023年4月11、12、14日ウィーン、放送文化会館(オーストリア)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョ ン) を録音しようという企画 「#bruckner2024」の第12弾。第1稿のウィリアム・キャラガン校訂版による演奏ですが、第2楽章と第3楽章の順番を入れ 替えている点が目を引きます。1868年にリンツで交響曲第1番を初演したブルックナーは続いてニ短調の交響曲に取り組み、翌69年に完成させますが、この曲に当初予定していた第2 番を与えることなく、Nulte=無効と書いて封印してしまいました(今日では第0番と呼ばれることが多い)。心機一転、1871年に着手して翌年に仕上げた のがここに録音されている第2番(第1稿)です。初演は1873年、ブルックナー自身の指揮で行われました。 この録音では2005年に出版されたキャラガン版を使っていますが、第2楽章をアダージョ、第3楽章をスケルツォという、出版楽譜とは逆の配置にしていま す。これについて、当シリーズの監修者ポール・ホークショーは原盤解説(英語・ドイツ語)で、現在オーストリア国立図書館に収蔵されている自筆総譜では アダージョ、スケルツォの順であること等を理由に挙げています。結果として、第7番までと同じく第2楽章に緩徐楽章、その次にスケルツォという構成になりま した。 ポシュナーの演奏はこれまでと同様に曲の構造に応じてテンポを明瞭に切り替えるもので、他の録音と比べて速い箇所はより速く進めて軽快かつ迫力ある 印象を与えますが、緩やかな箇所はしっかりとテンポを落として清澄な抒情の雰囲気を描き出します。全体の演奏時間は61分弱で、ブロムシュテット指揮 のゲヴァントハウス盤と並んで同曲の最短レベルですが、ブロムシュテットと比べると第1楽章とスケルツォが速く、アダージョとフィナーレはより長い時間をかけて います。 ※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。

CPO
NYCX-10452(4CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フェルディナント・リース(1784-1838):交響曲全集
■CD1
交響曲第1番ニ長調 Op.23(1809)
交響曲第2番ハ短調 Op.80(1814)
■CD2
交響曲第5番ニ短調 Op.112(1813)
交響曲第3番変ホ長調 Op.90(1815)
■CD3
交響曲第4番ヘ長調 Op.110(1818)
交響曲第6番ニ長調 Op.146(1822)
■CD4
交響曲第7番イ短調 Op.181(1835)
交響曲第8番変ホ長調 WoO30(1822)
チューリヒ室内O
ハワード・グリフィス(指)
録音1999年9月(CD1)、2001年8月(CD3)、2002年5月(CD4)、1997年9月(CD2)
CD4のみSACDハイブリッド・ディスク(Stereo/Surround)

輸入品番…777216
“ベートーヴェンの愛弟子”が、8作もの交響曲を世に送り出していた…… 日本国内のプロ/アマチュアオーケストラでも演奏機会が増えつつあるフェルディナント・リース(1784-1838)の交響曲、世界唯一の全集が国内仕様盤と してリリース。1809年から1835年まで、「クラシック作曲家になりたい」という願いのもとに書かれた渾身の交響曲群は、驚くべきネタの宝庫だった! 師ベートーヴェンの 初期作に似たトリッキーな幕開けの『交響曲第1番』、「運命」動機が支配する『第5番』、バロック・テイストの『第6番』、モーツァルトの「ジュピター交響曲」 を彷彿とさせる『第8番』。19世紀初頭、音楽家が「クラシック作曲家」を名乗るためにクリアしなければならなかった課題の全てがここにある。芸術とは、クラ シックとは、オリジナリティとは何なのか。その答えを探している方にもお聴きいただきたい交響曲集。--かげはら史帆 1784年にボンで生まれたリースは1801年にウィーンに移り、ベートーヴェンに師事。後に人気コンポーザー・ピアニストとして欧州各地を席巻しました。ピア ノ・ソナタやピアノ協奏曲を始め、交響曲、弦楽四重奏曲からオペラやオラトリオに至る幅広いジャンルに作品を書いたのは師ベートーヴェンに通じます。作 風は盛期古典派様式から初期ロマン派のスタイル。8曲の交響曲はすべてオーソドックスな4楽章構成で、曲想も構成も親しみ易く、ベートーヴェン作品を 思わせるモチーフが随所に登場します。日本では長らく演奏されることの無かったリースの交響曲ですが、2024年2月には第1番が、7月には第2番が、飯森範親指揮のパシフィックフィルハーモニ ア東京によって日本初演される予定。遂にリースの時代が来るのか、大いに注目です。 国内仕様盤には『ベートーヴェンの愛弟子〜フェルディナント・リースの数奇なる運命』の著者、かげはら史帆氏による日本語解説が付属します。

CPO
CPO-555660(1CD)
NX-B02
グラジナ・バツェヴィチ:交響的作品全集 第2集
序曲(1943)
交響曲第2番(1951)
管弦楽のための変奏曲(1957)
3楽章の交響的音楽(1965)
ケルンWDRSO
ウカシュ・ボロヴィチ(指)

録音:2023年3月27-30日
cpoレーベルの好評シリーズ、グラジナ・バツェヴィチの交響的作品全集。第2集は新古典派の様式で書かれたダ イナミックな「序曲」で始まり、ヴィトルド・ロヴィツキによって1951年のポーランド音楽祭で初演された、伝統的な4 楽章形式の「交響曲第2番」が続きます。そして色彩豊かな音色を駆使した「管弦楽のための変奏曲」が続き、 最後に置かれた「3楽章の交響的音楽」は、短く攻撃的な第1楽章、曲の中心をなす大規模な密度の濃い第2 楽章、初期のバチェヴィチ作品を思わせるリズミカルな舞曲である第3楽章と、彼女の作風を総括したかのような 充実した音楽で構成されています。第1集と同じく、ウカシュ・ボロヴィチが指揮するケルンWDRSOによるメ リハリの利いた完成度の高い演奏で。

NATIONAL SYMPHONY ORCHESTRA
NSO-0013
(5SACD+2Bluray)
ベートーヴェン:交響曲全集
■Disc1(SACD Hybrid)
交響曲第1番ハ長調 op.21
交響曲第3番変ホ長調 op.55「英雄」
■Disc2(SACD Hybrid)
交響曲第2番ニ長調 op.36
交響曲第7番イ長調 op.92
■Disc3(SACD Hybrid)
交響曲第4番変ロ長調 op.60
交響曲第5番ハ短調 op.67
■Disc4(SACD Hybrid)
交響曲第6番ヘ長調 op.68「田園」
交響曲第8番ヘ長調 op.93
■Disc5(SACD Hybrid)
交響曲第9番ニ短調 op.125「合唱」
■Disc6(Blu-Ray/ pure audio/5.0DTS-HD MA24bit/192kHz2.0DTS-HD MA24bit/192kHz Dolby Atmos)
交響曲第1,2,3,4,5,6番
■Disc7(Blu-Ray/ pure audio/5.0DTS-HD MA24bit/192kHz2.0DTS-HD MA24bit/192kHz Dolby Atmos)
交響曲第7,8,9番+交響曲第9番(収録:2023年6月3日)の映像
ジャナンドレア・ノセダ(指)、
ワシントン・ナショナルSO、
カミラ・ティリング(S)、
ケリー・オコーナー(Ms)、
イサハ・サベージ(T)、
ライアン・マッキニー(Bs-Br)、
ワシントンcho

録音:第1番&第5番:2022年1月13,15,16日、第2番:2023年5月24&25日
第3番:2022年1月27,28,29日、第4番:2022年1月20,21,22日
第6番:2023年5月19,20日、第7番&第8番:2023年5月12,13日
第9番:2023年6月1,2,3日(映像は6月3日の収録)
セダ率いるワシントン・ナショナルSOによるベートーヴェン全集でSACD Hybridボックスで登場。ブルーレイ・オーディオ2枚もついており、こちら にはハイスペックの音源がつめこまれた上、第九の映像も収められているという豪華充実ボックスです。
ノセダとNSOは、2022年の1月から2023年の6月にかけて、ジョージ・ウォーカーの管弦楽曲と組んだプログラムでベートーヴェン交響曲全曲演奏を 実施。「ベートーヴェンの音(声)は、名曲を生み出した当時と同じように、今日でも新鮮で力強い」とノセダは言います。「ベートーヴェンにアプローチするこ とは冒険のようなものなのです。ただ、冒険が始まったことはわかるのですが、どんなところに導かれるかはまったくの未知なのです。ベートーヴェンでは、す べての瞬間が発見なのです」。このノセダの言葉のように、予定調和に終わらないベートーヴェンが展開されています。洗練された美しさの弦や管楽器が浮かび 上がらせるふとしたメロディの美しさにもハッとさせられます。第九での豪華歌唱陣も迫力の歌声です。
第九の歌唱陣は、ソプラノはスウェーデンの「美しい声とゆるぎない音楽性」の世界的ソプラノで、アメリカ・ヨーロッパ・英国の名だたる歌劇場で絶賛さ れているカミラ・ティリング。ケリー・オコーナーはベートーヴェンからジョン・アダムズ(オコーナーに「もう一人のマリアによる福音」をあて書きした)まで、 そしてゴリホフの「アイナマダール」など、幅広いレパートリーを抜群の安定感と存在感で聴かせるメゾ・ソプラノ。イサハ・サベージは2014年シアトルでのワー グナー国際コンクールで優勝したのを機に一躍世界からの注目を集めた、繊細さと力強さの稀有なバランスの声を持つアメリカのテノール。バス・バリトンはバ イロイトにも登場し、登場人物や歌詞の深い読み込みで、登場人物や詞への共感を呼ぶアメリカ出身のライアン・マッキニー。
カバーアートは、絵本作家でもあるモー・ウィレムズによる抽象画。ウィレムズは、ある晩ベートーヴェンの演奏会で心を動かされ、各曲を1年かけて何度も 聴き研究して、ベートーヴェンの作風やテクニックの変遷を実感したといいます。そのうえで、9つのパネルを作成しました。それぞれのパネルは各楽章をあらわ すパーツで構成されており、そのパーツは楽章の長さを表しているということです。ウィレムズのパネルを見ていると、ベートーヴェンの頭の中をウィレムズやノ セダの演奏を通してみているような心持ちになります。(ウィレムズはケネディ・センター・エデュケーション・アーティスト・イン・レジデンス(2019-22) を経て、現在も音楽と関わりのある活動を展開しています。キャリアの始めはセサミストリートの放送作家で、また、「ぞうさん・ぶたさん」シリーズはクレヨン ハウスから日本語翻訳版が出版されているなど、世界的な絵本作家でもあります。) (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00835(1SACD)
税込定価
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」 ジョナサン・ノット(指)東京SO

録音:2023年7月22日ミューザ川崎シンフォニーホール・ライヴ
2023年シーズン、“NOTTISSIMO”と名付け迎えた音楽監督ジョナ サン・ノットと東京SOによる音楽の旅路、じっくりと深化 し数々の名演を聴かせてきました。そんな名コンビが今夏「フェ スタサマーミューザKAWASAKI」で果敢に挑んだチャイコフス キー。鮮烈な記憶と熱狂を呼んだ新章の幕開けがついにCD化! チャイコフスキーが遺した「ピアノ協奏曲第1番」「白鳥の湖」と 同時期に書かれ、「ポーランド」の愛称で親しまれる交響曲第3番。 この作曲家のロマンティシズムが満ち溢れた名曲を、圧倒的な音 楽と綿密にコントロールされた鮮烈なオーケストラサウンドとラ イヴならではの熱気と気迫をもって迎える感動的なフィナーレ、 意欲満点で双方初めて挑んだ最高峰の名演奏をどうぞお聴き逃し なく!(オクタヴィア)

フォンテック
FOCD-895(1CD)
税込定価
2024年1月17日発売
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 <ハース版> 尾高忠明(指)
大阪フィルハーモニーSO

録音:2023年1月24日 サントリーホール・ライヴ
尾高忠明=大阪フィルによるブルックナーCD 第5弾は、2023年1月24日 第55回東京定期で演 奏された「第7番」です。2018年以来、ブルックナー演奏に邁進する両者。円熟深める尾高の(指)そして同曲演奏39 回目と なる大阪フィルの歴史が織り成すブルックナー。堅牢な響きと限りなく美しい音色が融合する、稀有な 名演の誕生と申せましょう。「ブルックナー 新しい伝統」を刻みます。 (フォンテック)

BPO RECORDINGS
KKC-9852
(2CD+Bluray)
初回限定特典付
2024年カレンダー
日本語解説付国内盤
税込定価

ラフマニノフ生誕150周年第2弾
■CD1
交響曲第2番
交響詩『死の島』*
■CD2
ピアノ協奏曲第2番
交響的舞曲*

■Blu ray Disc
Concert videos
上記全曲のコンサート映像(すべてHD映像)

■Audio:
上記全曲のロスレス・スタジオ・マスター音源の音声トラック
キリル・ペトレンコ(指)BPO

■CD1
収録:2021年3月20日、2021年1月16日*
■CD2
キリル・ゲルシュタイン(P)
収録:2022年6月25日、ヴァルトビューネ、ベルリン、2020年2月15日フィルハーモニー、ベルリン*
■Blu ray Disc
画面:Full HD1080/60i,16:9
音声:2.0PCM,7.1.4Dolby Atmos
リージョン:ABC(worldwide)
総収録時間:161分
字幕:英、独、日本語
■Audio:
2.0PCM Stereo24-bit /48-96kHz
7.1.4Dolby Atmos24-bit /48kHz

※ダウンロード・コード
この商品には、上記全曲のハイレゾ音源(24-bit /192kHz迄)をダウンロードするためのURLとそのパスワードが封入されています。

※デジタル・コンサートホール
ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」を7日間無料視聴できるチケット・コードが封入されています。
2023年11月、ベルリン・フィルを率いて来日を果たしたキリル・ペトレンコ。2019年8月にベルリン・フィルの首席指揮者に就任以来、同コンビの演奏を日本で待ち望んできたファンには待望の来日公演となりました。11月14日に高松市で日本公演がスタートし、6都市10公演のツアーは、万雷の拍手と歓声により大成功をおさめました。その熱狂と余韻も冷めやらぬ中、ベルリン・フィル・レコーディングスより新譜がリリースされます。ラフマニノフ生誕150周年を記念した第2弾アルバムで、交響曲第2番、『死の島』、交響的舞曲、そして第1弾としてリリースされたキリル・ゲルシュタインとのピアノ協奏曲第2番という内容。ペトレンコは、インタビューで「ラフマニノフの音楽を聴くといつも自分の故郷の一部を聴いているような気持になります。」と語っているほど、ラフマニノフの音楽は重要な意味を持っています。ペトレンコは、ベルリン・フィルに2006年に初登場し、その後わずか3回の共演で首席指揮者に選ばれました。その最初に指揮をしたのが、ここにも収録されている楽曲「ラフマニノフの交響曲第2番」でした。その記念すべき作品を首席指揮者として15年ぶりに指揮をした演奏がここに収められているのです。
1906年、ラフマニノフは交響曲第2番を作曲。交響曲第1番が大失敗に終わった後、交響曲第2番の初演の成功は、ラフマニノフの復活を意味する出来事となりました。ラフマニノフが、20世紀初頭の新古典主義の潮流に逆らい、調性に忠実であり続け、物憂げな音楽言語でハリウッドの映画音楽のスタイルを先取りした、自信に満ちた作品です。ペトレンコは、当エディションの核となる作品における膨大な感情的表現だけでなく、その見事なテクスチュアも強調しています。そしてラフマニノフが1917年に亡命するまで定期的に指揮していた交響詩「死の島」。アルノルト・ベックリンが描いた同名の絵画の白黒コピーから着想を得た、5拍子で、高波に浮かぶ船のように揺れ動く曲想。レクイエムに用いられる荘重なディエス・イレ(怒りの日)のモチーフは、この曲だけでなく、ラフマニノフの他の作品にも繰り返し登場しています。
2022年のヴァルトビューネで演奏されたキリル・ゲルシュタインとのピアノ協奏曲第2番。1901年の初演にはラフマニノフ自身がピアノを演奏、ベルリン・フィルにおける同曲の初演は1903年、そして1908年にはラフマニノフ自身がベルリン・フィルでソロ・デビューを果たし、ピアニスト、作曲家としてのラフマニノフの輝かしい国際的キャリアの礎を築いた最初の作品。ラフマニノフ最後の作品『交響的舞曲』。ここでもディエス・イレのモチーフが何度も繰り返し鳴り響きます。晩年のラフマニノフはこの作品を自分の最高傑作と語っていたとも言われています。当エディションを締めくくるにふさわしい一作と言えるでしょう。 (Ki)

King International
KKC-4339(2SACD)
シングルレイヤー
税込定価
ベートーヴェン:交響曲全集
(1)交響曲第1番ハ長調 作品21
(2)交響曲第2番ニ長調 作品36
(3)交響曲第3番「英雄」
(4)交響曲第4番変ロ長調 作品60
(5)交響曲第5番「運命」
(6)8交響曲第6番「田園」
(7)交響曲第7番イ長調 作品92
(8)交響曲第8番ヘ長調 作品93
(9)交響曲第9番「合唱」
(10)ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88
ヘルベルト・ブロムシュテット(指)
シュターツカペレ・ドレスデン
ヘレーナ・デーゼ(S)/マルガ・シムル(A)/ペーター・シュライヤー(T)/テーオ・アダム(Bs-Br)/ライプツィヒ放送cho
ドレスデン国立歌劇場合cho

録音:(1)1979年12月19〜21日
(2)1979年12月19〜21日
(3)1976年3月17〜21日
(4)1978年8月21〜24日
(5)1977年3月14〜18日
(6)1977年6月6〜9日
(7)1975年2月24〜26日
(8)1978年2月14〜16日
(9)1979年4月9〜11日、1980年3月31日)
(10)1974年5月6〜10日
全盛期のエテルナのアナログ・レコードの音を限りなく再現すべく、オリジナル音源から新規デジタル・マスタリングした、キングインターナショナルのシリーズ「ドイツ・シャルプラッテンETERNAの芸術」。第5弾は、ブロムシュテットの「ベートーヴェン交響曲全集」。シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者を務めていた1970年代後半に行った全曲録音。古都ドレスデンの伝統的な響きを生かしたブロムシュテット40〜50代の貴重な演奏を克明に記録した名録音。ボーナス・トラックとして、シュターツカペレ・ドレスデンとの録音の中でも最高傑作のひとつと言われる名演奏・名録音として知られる「ドヴォルザークの8番」も収録しています。往年の伝説的名ティンパニスト、ゾンダーマンの妙技も聴きものでお見逃しなく。引き続き企画監修は、ヴィンテージレコードショップ「エテルナトレーディング」の店主で、日本にETERNAのレコードを流布させた“仕掛け人”でもある高荷洋一氏。 (Ki)

GRAND SLAM
GS-2310(1CD)
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
交響曲第4番ホ短調 Op.98
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1960年1月18、27日(2)1959年1月2、4、6日、2月9、12、14日*/ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
ワルターとコロンビアSOによる傑作のひとつ、ブラームスの交響曲第4番とハイドンの主題による変奏曲は、2016年にGS-2150として発売しました。 今回は高品質のテープにプリントした2トラック、38センチのオープンリール・テープを新たに取り寄せ、全工程をプロ用機器でマスタリングを施しました。  音質が鮮明になったために、1年以上も時間的な開きのある2曲のセッションにおける音質傾向の違いもはっきりと聴き取れるようになりました。通常ですと、 1枚のCDを通して聴くことを考慮し、なるべく違和感のないように双方の音を整音することが日常的に行われています。しかしながら、当CDでは両セッションに おける音質の違いを尊重し、音を均さないようにしてあります。(平林 直哉)
GRAND SLAM
GS-2311(1CD)
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 ジャン・マルティノン(指)VPO

録音:1958年3月31〜4月3日/ウィーン、ゾフィエンザール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より   
1958年春、英デッカはフランス人指揮者マルティノンを招き、ウィーン・フィルを起用してロシア物の代表作の新録音を行いました。録音の前後にこの組み合 わせによる演奏会はなく、マルティノンとウィーン・フィルはセッションのみの出会いだったようです。しかしながら、この謎めいた共演は無類の個性を持った「悲愴」を完成させました。当シリーズでは2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用して2017年9月にGS-2170として発売しましたが、今回、新規 のテープを取り寄せ、全工程をプロ用機器にてマスタリングを施し、心残りのないように制作しました。  なお、当CDでは、唯一無二の共演である「悲愴」の印象を薄めないよう、他の演奏と組み合わせず、あえて1曲のみで制作しました。ご了承下さい。(平林 直哉)

Altus
PALTSA-1004(8SACD)
限定生産
ギュンター・ヴァント 不滅の名盤〜ベルリン・ドイツSO編
【PALTSA001/2】
[Disc1] シューベルト:交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」 D.759
[Disc2] ブルックナー:交響曲第9番(原典版)

【PALTSA003/4】
[Disc1] シューベルト:交響曲第8(9)番「ザ・グレート」 D.944
[Disc2] ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1945年版)、チャイコフスキー:交響曲第5番

【PALTSA005/6】
[Disc1] ベートーヴェン:(1)交響曲第1番ハ長調 作品21、交響曲第3番「英雄」
[Disc2] ベートーヴェン:(3)交響曲第4番、(4)序曲「コリオラン」 、序曲「エグモント」

【PALTSA007/8】
[Disc1] ベートーヴェン:(1)交響曲第6番「田園」、
(2)交響曲第5番「運命」  
[Disc2] ベートーヴェン:(3)交響曲第6番「田園」
(4)交響曲第5番「運命」
ギュンター・ヴァント(指揮)
ベルリン・ドイツSO

【PALTSA001/2】
録音:1993年3月20日/コンツェルトハウス・ベルリンにおけるライヴ

【PALTSA003/4】
録音:[Disc1]1993年6月14日、[Disc2]1987年4月5・6日/ベルリン・フィルハーモニーにおけるライヴ

【PALTSA005/6】
録音:(1)(2)1994年2月15日、(3)1996年4月9日、(4)(5)1994年11月28日/ベルリン・フィルハーモニーにおけるライヴ

【PALTSA007/8】
録音:(1)1992年9月26日、(2)1992年11月2日、(3)(4)1994年11月1・2日/コンツェルトハウス・ベルリンにおけるライヴ
PROFIL音源をライセンスし、ALTUSがリマスター・SACDハイブリッド化して発売した「ギュンター・ヴァント 不滅の名盤」シリーズ。ここからベルリン・ドイ ツSOとの共演である4タイトル(全8枚)を、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。
【PALTSA-001/2】シューベルトとブルックナー、ふたつの未完成交響曲を1日で演奏した93年のライヴ。共にヴァントの得意とした作品で大変な聴きごたえで す。恐ろしい低音が聴き手を一気に音楽へ引きずり込む「未完成」。そして泣く子も黙るヴァントのブル9!完璧に整っていながらも熾烈・強烈な音響で、圧倒的な 完成度でもって至高の音の大伽藍を築き上げています。
【PALTSA-003/4】緻密にして長さを全く感じさせない「グレート」は終楽章の開放感が抜群。「火の鳥」は一般的な1919年版ではなく1945年版を使って いるのがヴァントならでは。力強さ、美しさ、歌と構築が見事に結晶化したチャイ5もたまりません!
【PALTSA-005/6】ヴァントを語る上で外せない至高のベートーヴェンを収録。第1・3番は同日のライヴで、1番から実に力強く引き締まった彫刻のような響き。 「英雄」ではその音作りが更なる深化を生み、圧倒的な音の建造物となって聴き手の前に立ち現れます。葬送行進曲でのティンパニの淀みない強打は崇高すぎて 恐ろしいほど。ヴァント90年代を代表する偉大な演奏です。
【PALTSA-007/8】92年と94年、2種類の「田園」「運命」ライヴです。基本的に同じ解釈ですが92年はコントロールされた演奏の完成形と言え、突き詰め た厳しさが支配しています。一方94年は自由度が増し、おおらかな演奏へとシフトしつつあるヴァントの音楽性の変化が感じられます。完璧な造形美を持った 92年の「運命」、しなやかな流麗さがたまらない94年の「田園」。いずれの年も甲乙つけがたい魅力があり、ヴァントならではの極意が詰まった名演と言える でしょう。 (Ki)
Altus
ALTB-536(3CD)
限定生産
アーベントロート集成・驚倒編

【TALT022】
(1)ブラームス:交響曲第1番ハ短調
(2)シューマン:交響曲第1番『春』

【TALT023】
ベートーヴェン:『エグモント』序曲
交響曲第3番『英雄』

【TALT053】
ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』
ヘルマン・アーベントロート(指)

【TALT022】
(1)バイエルン国立O、
(2)ベルリンRSO
録音:(1)1956年1月16日、(2)1955年9月18日(ライヴ、モノラル)
【TALT023】
ベルリンRSO
録音:1954年2月13日/ベルリン国立歌劇場(ライヴ、モノラル)
【TALT053】
ティッラ・ブリーム(S)、ディアナ・オイストラーティ(A)、ルートヴィヒ・ズートハウス(T)、 カール・パウル(Bs)、ベルリンRSO、ベルリン国立歌劇場cho
録音:1950年12月31日/ベルリン、放送局ホール1(ライヴ、モノラル)
ALTUSから発売されているアーベントロート指揮のタイトルから3タイトルを、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。 白熱の爆演を繰り出す指揮者として知られるアーベントロートは楽団員から尊敬を一身に集め、地元市民からも非常に愛されたユニークな人物でした。その独自の 音楽世界をとくとお楽しみください。
【TALT-022】ブラームスの1番は知る人ぞ知る奇演中の奇演。まるで慣性の法則完全無視、吹き飛ばされそうなテンポ設定!特に終楽章、誰が予想するよりも速 く、誰が予測するよりも遅く、前へ後ろへと引っ張りまわされる驚愕の指揮ぶり。そのほとばしる音楽表現にオケが負けじと喰らい付き、手に汗握る圧巻の演奏を 披露!めちゃくちゃ面白いです。シューマンも燃え上がる演奏で個性爆発。
【TALT-023】『英雄』第1楽章で頻出するスフォルツァンドやクレッシェンドでの「踏み込みの良さ」、急激にガッと圧力をかける勢いがアーベントロートならでは。 作曲時のベートーヴェンが前人未到の規模の音楽世界に決然と乗り込んでいった感覚が現代によみがえったような、白熱の演奏です。高速のスケルツォでは、トリ オのホルンが爆鳴き!想像を絶する猛々しさで、ばりばりと空気をつんざきます。フィナーレのコーダは興奮のるつぼ。オーケストラが嬉々として演奏する姿が目に 浮かぶような、目まぐるしくも充実した圧倒的演奏です。
【TALT-053】『第九』は宇野功芳氏が絶賛した大名演。ライナーノートは氏の解説付きです。氏はこの1950年大晦日公演をベストワンとし、フルトヴェングラー が「ドラマティック」なら、アーベントロートは「大暴れ」であり「なりふり構わぬ『第九』」であると評しています。思い切りの良さ、流動するテンポ、時に荒々しい までの凄味、そして激遅の第3楽章!あふれ出る歌の洪水はワルターもかくや。第4楽章では大時代的なスタイルが爆発、コーラスも戦前ドイツの唱法がまだ残っ ている稀な例であると氏は語ります。強烈なベートーヴェンをご堪能あれ。
Altus
ALTB-538(3CD)
限定生産
スメターチェクの至芸

【ALT481】
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」  
(2)シューマン:交響曲第1番「春」

【ALT489】
R=コルサコフ:(1)交響組曲「シェエラザード」 、
(2)「見えざる町キテージと聖女フェヴローニャの物語」組曲

【ALT490】  
(1)ショスタコーヴィチ:交響曲第3番「メーデー」
(2)プロコフィエフ:交響曲第7番「青春」
ヴァーツラフ・スメターチェク(指)

【ALT481】
(1)アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)&プラハSO、 (2)プラハRSO
録音:(1)1957年5月29日(ライヴ、モノラル)、(2)1971年(セッション、ステレオ)
【ALT489】
(1)プラハRSO、(2)プラハSO
録音:(1)1975年6月3-5日、(2)1967年1月17日(ともにステレオ)
【ALT490】  
(1)プラハRSO&プラハ放送cho(チェコ語歌唱)、(2)チェコPO
録音:(1)1974年9月、(2)1970年6月(ともにステレオ)
ALTUSから発売されているスメターチェク指揮のタイトルから3タイトル(全3枚)を、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セッ トです。世界を股にかけ活躍し、チェコでは「空飛ぶ指揮者」「音楽大使」と呼ばれ、日本では「チェコのカラヤン」とのキャッチフレーズで親しまれたスメターチェ クの偉大な演奏をお楽しみあれ。
【ALT-481】完璧主義者ミケランジェリとの「皇帝」は整然としたオーケストラと生き生きしたソロの対話が素晴らしい名演。また「春」は商業録音の残されてい ないレパートリーで貴重な記録。こちらはすこぶる良好なステレオ録音となっておりスメターチェクの至芸が心行くまで堪能できます。
【ALT-489】この『シェエラザード』は国内初出時、盤鬼として知られる音楽評論家・平林直哉氏が絶賛した大名演。このたびALTUSによる最新のリマスターが なされ再び世に出されることになりました。「「シェエラザード」がやはり素晴らしい。スメターチェクは正攻法にオーケストラをきちっと制御し、見通しの良い響き を再現しています。スメターチェクらしい繊細さも十分に生きています。手綱をゆるめず、最後まで凜々しく格調を保っており、後味も最高だ。(平林直哉氏の解説よ り)」
【ALT-490】スメターチェクの20世紀ロシア交響曲集!アヴァンギャルドな曲想を物ともせず、壮絶なテンションで迫力のドラマを生み出すショスタコーヴィチ3 番は何たる凄味!手に汗握る疾走感に決然とした展開、チェコ語で高らかに歌い上げられる終結合唱にもおおいに痺れます。対するプロコフィエフ7番は美しい歌 にあふれ、うきたつリズム感のなかで次々と旋律を紡いでは戯れていく展開に心躍ります。両曲ともスメターチェク抜群の解釈と巧みなオーケストラ・ドライヴに魅 せられる、知る人ぞ知る超名演!


東武レコーディングズ
TBRCD-0151(4CD)
税込定価
近衞秀麿 京都大学SOとの歴史的名演集

■CD1
(1)リスト:交響詩「前奏曲」
(2)ベートーヴェン:交響曲第2番(ステレオ収録)
(3)ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
(4)ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「村の鍛冶屋」
(6)ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
■CD2
(1)シューマン:交響曲第3番「ライン」
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
■CD3
(1)モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」
(2)R・シュトラウス:管楽セレナード
(3)グリーグ:二つの悲しい旋律
(4)マーラー:さすらふ若人の歌
(5)ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲
■CD4
(1)グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
(2)ドビュッシー:「小組曲」
(3)ブラームス:交響曲第1番
近衞秀麿(指)
京都大学SO

■CD1
録音:(1)1964年12月21日大阪公演 大阪サンケイホール
(2)-(4)1964年12月16日京都公演・京都会館(ステレオ)
(6)1964年12月21日大阪公演 大阪サンケイホール

■CD2
霧生トシ子(P)
録音:1968年12月9日大阪公演 大阪厚生年金会館中ホール

■CD3
録音:1970年12月21日大阪公演 大阪厚生年金会館大ホール
市来崎のり子(Ms)

■CD4
録音:1971年6月28日大阪公演 大阪厚生年金会館中ホール
晩年の近衞秀麿が密接な関係を築き上げたのが京都大学SO。近衞は合宿にも参加し、長期間の練習で熱く指導 した。時として学生を鼓舞し、叱咤し、激励して秘中の秘とも言える音楽を伝授した。ブラームスやモーツァルトの壮麗、豪 快。ワーグナー、マーラー、R・シュトラウスの心に染み入るしみじみさ。ロマン派直系の音楽家として大胆な表情付け で聞き手に迫るシューマン、ヨゼフ・シュトラウス。ベートーヴェンの格調。近衞がフルトヴェングラーに比肩する偉大な指揮 者であることが証明されています。録音がほとんどモノラルなのは残念ながら鑑賞に不足はない。64 ページに及ぶブックレット には、貴重な写真、当時のメンバーの証言を含めた菅野冬樹氏書下ろしの近衞へのオマージュ、金子建志氏が近衞版改 訂の秘密に迫った分析を掲載した永久保存盤。


Treasures
TRE-314(1CDR)
レイボヴィッツ/ベートーヴェン名演集Vol.1
ベートーヴェン
:序曲「レオノーレ」第3番*
交響曲第9番「合唱」
ルネ・レイボヴィッツ(指)ロイヤルPO
インゲ・ボルク(S) 、ルート・ジーヴェルト(A)、リチャード・ルイス(T)、 ルートヴィヒ・ヴェーバー(Bs)、
ビーチャム・コーラル・ソサエティ

録音:1962年2月15日*、1961年5月2-3, 5,7日(共にステレオ)
※音源:英Readers Digest RDS-1013*、日ビクター RBS-6-7
◎収録時間:74:37
“響きの機能美に隠れがちな作曲家に寄り添ったレイボヴィッツの熱き魂!”
■音源について
RCAのチャールズ・ゲルハルトがプロデュースし、エンジニアとしてDECCAのケネス・ウィルキンスンが参加したベートーヴェンの交響曲全集から。使用音源の選択はかなり悩みましたが、総合的に判断して日本盤を採用しました。ドイツ盤は音像がスッキリと立ち上がり、ティンパニの弱音ロールなど美しいのですが、その分音像の広がりが抑え気味。英盤も優秀ですが、スケール感も音の太さも日本盤の方が優ると感じました。ステレオ初期のビクター盤の優秀さが、ここでも実証されています。

★この交響曲全集は、CDで聴く限り、新ウィーン楽派の使徒レイボヴィッツならではの機能的な響きの痛快な響きは分かっても、作品に内在する闘志や精神力を感じにくく、結局は「通好み」の域を出ないのでは?と感じていたところ、この復刻によってそのモヤモヤは一気に吹き飛び、感動が一杯詰まった名演揃いであることが実感できました!
 第1楽章は、いかにも現代的な快速テンポ。情念を一切取り払ったすっきりとした響きが耳に飛び込みます。1:18や2:35のティンパニ追加など、レイボヴィッツならではの積極的なスコアの補正は、古臭さを伴わずフレッシュで斬新な響きをもたらすと共に、音楽に推進力をもたらします。再現部冒頭の激しさは尋常ではなく、音量だけを肥大化させた演奏とは違う決死の覚悟を感じずにはいられません。12:40で発作的にフォルティッシモで山場を築いたり、イン・テンポのまま敢然とコーダへ滑り込むのにも明確な意志が感じられるのです。
 第2楽章も造形はあくまでも清潔に保ちつつ、火の玉のような情熱を持って快速進行。0:45からのホルンの補強は誰よりも盛大、というより露骨過ぎて、初めて聴いた時に吹き出してしまったのを覚えていますが、知性派と思われがちなレイボヴィッツの人間臭いケレン味が出たシーンと言えましょう。
 フルトヴェングラー的な物々しさから開放し、清々しい音像と推進力を取り戻そうとする意志が最も顕著に出たのが第3楽章。演奏時間もなんと12分半!アゴーギクはほとんど顔を出さず淡々と進行しているようでいて、全ての音は共感とときめきで粒立ち、その純粋な佇まいに、宗教的な敬虔さを持ち込む必要性を感じさせません。
 終楽章は、冒頭がこれまた粘着性皆無の突進型。低弦のレチタティーヴォにここまで人間臭い語りを禁じて決然と進行させた例は極めて稀有でしょう。"Seid umschlungen, Millionen!"(トラック10)で顕著なように、伸びやかで情熱的な合唱も特筆もの。最後のPrestissimoは、冒頭で盛大にティンパニが、締めくくりではホルンが盛大に追加されますが、これらもこの復刻盤で聴けば、それだけが前時代的な誇張として目立つことなく、シラーの詩を想起させる星の彼方の神に届けとばかりに響き渡るのです!
 他のレヴューでも何度も申し上げていますが、「作曲家の意志に忠実」とは、決して古い楽器や文献を引っ張りすことではなく、作曲家がその曲を書かずにいられなかった気持ちに寄り添うことが大前提であり、再現された自分の音楽が聴衆に感動ももたらしてほしいという願いまで叶えてあげなければならないはずです。この「第9」を聴くと、レイボヴィッツは、その点を十分に体で理解していた指揮者だとつくづく思います。「古きを訪ねて何も見出さない」演奏に辟易としている方に、特に傾聴していただきたい名録音です。【2023年12月・湧々堂】


King International
KKC-2714(3CD)
税込定価
The Last Symphonies
シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレイト」
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
シューベルト:交響曲第7番「未完成」
ショスタコーヴィチ:交響曲第15番
外山雄三(指)大阪SO

録音:2022年6月29日(Disc1)/2019年4月12日(Disc2)/11月21日(Disc3)/すべてザ・シンフォニーホール(ライヴ)
2023年7月11日に92歳で歿した巨匠指揮者・外山雄三の追悼盤。大作曲者たちの最後の交響曲を集めたもので、外山の録音としては初レパートリー ばかりなのに注目です。
外山は亡くなる一か月半前の5月27日、東京でシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレイト」を指揮中(パシフィックフィルハーモニア東京)に体調に異変 をきたし退場、それが最後の指揮活動となってしまいました。約11か月前の2022年6月29日に大阪で同曲を指揮(大阪SO)、その巨匠的な風格と 迫力が伝説となっていたため、東京での指揮を期待するファンが多く、ショッキングな出来事でした。
今回、その大阪公演のライヴ音源をCD化。かくしゃくとしていた外山の円熟芸を堪能できます。全体で1時間に及ぶ雄大な流れで、冒頭から深い響きに引 き込まれ、熱気あふれるフィナーレまで息もつけぬ演奏にひたれます。もうひとつのシューベルト、「未完成交響曲」も淡々とした運びのなかに得も知れぬ哀しみ が忍び寄る名演となっています。
ドヴォルザークの「新世界より」も外山のCD初。これも45分の悠然たる巨匠芸にひたれます。またショスタコーヴィチの交響曲第15番は外山の歴史証言 というべき壮絶な演奏。軽快と思われがちな作品からどす黒い世界を導き出し聴き手を凍りつかせます。 (Ki)

H.M.F
HMM-905336

KKC-6787(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

メシアン:トゥーランガリラ交響曲 マルク=アンドレ・アムラン(P)
ナタリー・フォルジェ(オンド・マルトノ )
トロントSO
グスターボ・ヒメノ(指)

録音:2023年5月、ロイ・トムソン・ホール、トロント(カナダ)
トゥーランガリラ交響曲。メシアンの最初の大規模な管弦楽曲であり、フランス生まれの電子楽器オンド・マルトノが用いられているほか、ピアノやチェレスタ など鍵盤楽器も登場する編成、そしてその壮大なスケールで音楽史上燦然と輝く大名作のひとつです。ここでまた注目の新譜が登場します!管弦楽は、1967年に、小澤征爾(指)メシアン立ち合いのもと、本作を世界初録音したオーケストラであるトロントSO。1922年に設立された同団の100周年記念の一 環として、大変に力の入ったプロジェクトといえるでしょう。音楽監督に新しく就任したヒメノ(2020/21のシーズンから音楽監督に就任。ルクセンブルク・フィ ルの音楽監督でもあります)との初共演盤でもあります。ピアノにはカナダを代表するピアニスト、マルク=アンドレ・アムラン。マルトノにはメシアン研究家で、 ツェンダーやカンブルランら様々な指揮者とも共演しているナタリー・フォルジェ。2016年よりパリ国立高等音楽院でマルトノ科の教授も務めている人物です。
トゥーランガリラ交響曲はトリスタンとイゾルデの伝説に基づいておりますが、究極的には「愛の歌」であり「喜びへの讃歌」であるとし、愛について、メシアンは、 内省的な部分と壮大な部分、あるいは官能的で親密な部分と巨大なリズム・エネルギーの動き、といった対照的な状態をもって描かれていきます。そのダイナ ミクス、色彩、感情の豊かさを類を見ないものです。ヒメノ率いるトロントSOは、すべてのエネルギーを重ね合わせてこの作品に挑み、さらに本作を何度 も演奏したことがあるナタリー・フォジェのマルトノの妖しい魅力、そしてこちらも本作を何度も演奏したこともあるアムランの輝かしい音色、すべてが一体となっ て、このメシアンの大傑作を一大スペクタクルとして響き渡らせます。 (Ki)

Hanssler
HC-23081(4CD)

KKC-6788(4CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ハイドン:交響曲全集 Vol.28〜31
■CD1 Vol.28(77'54)
(1)交響曲第16番変ロ長調 Hob.I:16
(2)交響曲第72番ニ長調 Hob.I:72
(3)交響曲第12番ホ長調 Hob.I:12
(4)交響曲第13番ニ長調Hob.I:13
■CD2 Vol.29(70'59)
(5)交響曲第21番イ長調 Hob.I:21
(6)交響曲第22番変ホ長調 Hob.I:22「哲学者」
(7)交響曲第23番ト長調 Hob.I:23
(8)交響曲第24番ニ長調 Hob.I:24
■CD3 Vol.30(73'01)
(9)交響曲第28番イ長調 Hob.I:28
(10)交響曲第29番ホ長調 Hob.I:29
(11)交響曲第30番ハ長調 Hob.I:30「アレルヤ」
(12)交響曲 ニ長調 Hob.deest
■CD4 Vol.31(78'04)
(13)交響曲第55番変ホ長調 Hob.I:55「学校の先生」
(14)交響曲第68番変ロ長調 Hob.I:68
(15)交響曲第67番ヘ長調 Hob.I:67
ハイデルベルクSO
ヨハネス・クルンプ(指)

録音:(1)-(4)2021年3月ヴィースロッホ、パラティン
(5)-(8)2021年11月バート・ヴィルトバート、トリンクハレ
(9)-(12)2022年3月、(13)-(15)2022年6月ハイデルベルク=プファッフェングルント、ゲゼルシャフトハウス
颯爽としたピリオド・アプローチがたまらないハイデルベルクSOによるハイドンの交響曲全曲録音。2023年春、ついに全曲録音が終了し、2024年 に未発の第28集〜第35集がリリースされます。第27集までは単売でリリースしておりましたが、第28〜31集、第32〜35集はそれぞれ4枚組のセッ トの形で一挙にリリース。単売でのリリースはございません。当セットは第28〜31集をおさめたアルバムです!
2020/2021年シーズンより音楽監督をつとめるヨハネス・クルンプ率いる当団の演奏は常に新鮮!ハイドンへの敬愛を感じさせる繊細な弱音から時に荒々 しいと思えるアプローチまで、当団ならではのエネルギッシュな演奏はユーモアに溢れており、非常に説得力のある解釈を示したクルンプの手腕も確かなものです。
「ハイデルベルクSOのハイドンは、力強さ、フレッシュさ、野性味、ユーモア、そして豊かな驚きに満ちており、この全曲録音がついに完成したことを 非常に嬉しく思います。当団との演奏は幸福への旅でもありました。それは、理想に向かうために、技術的な完璧さだけでなく、音楽への愛、特別なものを創 り出そうという団員の意志と結びついており、ハイドンの交響曲の世界に完璧に当てはまっています」(ヨハネス・クルンプ)
国内仕様盤(KKC-6788/91)はハイデルベルクSOのヴィオラ奏者、矢崎裕一氏による日本語解説書付です。

Hanssler
HC-23053(1CD)
ピーター・ルジツカ(1948-):ベンヤミン交響曲〜独唱、児童合唱とオーケストラのための
エレジー
リニ・ゴング(S)、
トーマス・バウアー(Br)
フランクフルト歌劇場児童cho
フランクフルトRSO、
ピーター・ルジツカ(指)

録音:(1)2019年3月29日、(2)2023年4月17日/hrゼンデザール(フランクフルト)
ドイツの文芸批評家、哲学者ヴァルター・ベンヤミン(1892-1940)の壮絶な人生を描いたペーター・ルジツカ(1948-)作曲の「ベンヤミン交響曲」。第二 次世界大戦中、ナチスからの逃亡中にピレネーの山中で服毒自殺を遂げたとされてきたベンヤミンですが、近年の研究で暗殺説も浮上しています。ドイツ出身のア メリカ政治哲学者、思想家ハンナ・アーレントははベンヤミンを「文の人」と呼んでいました。
ルジツカはハンブルク州立歌劇場、ハンブルク・フィルの音楽を務め、ハンブルク音楽演劇大学の教授も務めます。これまで多く (Ki)


Treasures
TRE-099r(1CDR)

音源変更・再復刻
レオポルド・ルートヴィヒのマーラー
マーラー:交響曲第9番
レオポルド・ルートヴィヒ(指)LSO

録音:1959年11月17-20日 ロンドン・ウォルサムストー・アセンブリー・ホール(ステレオ)
※音源:米EVEREST SDBR-3050-2
◎収録時間:75:51
“露骨な感情表現から開放した「マラ9」の世界初のステレオ録音!”
■音源について
以前は、落ち着きのある音が特徴的な英W.R.C盤(SCM-16〜17)を音源に使用しましたが、各楽器のニュアンスがより明確に伝わる米エベレストの金紫ラベル盤を新たに採用して再復刻しました。ジャケ写に写っているのは、マーラー・メダル
※旧盤と区別するために、この再復刻盤の品番結尾には"r"の一文字を付しています。

★この録音は、同曲の世界初のステレオ録音であるだけでなく、それまでの豊穣なロマンを濃厚に湛えたマーラー像から一旦離れ、ストレートな純音楽的アプローチで訴えかける力を持つことを証明した点でも、見逃すわけには行きません。
近年の、細部を微視的に突き詰めた演奏に慣れた耳で聴くと淡白に感じられるかもしれませんが、主情を排し、作品の全体像を素直に大らかに再現する姿勢と素朴な呼吸感からは、人生の終焉を映すイメージからも開放された極めて純度の高い音楽を感じることができます。第1楽章展開部の自然な陰影と巧みな声部バランスの確保は、ルートヴィヒの職人芸の極み。14:00頃からの空気感は、まさに虚飾とは無縁の至純の美!、コーダで独奏ヴァイオリンと木管が醸し出す透明感も単に痩せた弱音とは異なり、これ以上何を加える必要があるでしょうか。
第2楽章も、諧謔性を強調などせず、あくまでも音楽自体の律動を重視。3つの舞曲のテンポ切り替えがいちいち括弧で括ったような説明調にならず、自然に滑りこませる技にもご注目を。
そして極めつけの終楽章!これほど気負わず、作り込まず、音楽を豊かに紡ぎ尽くした演奏は稀でしょう。バーンスタインのような分かりやすい感情表出とは対照的ですが、5:35のヴァイオリン・ソロ以降の各パートの呼応の妙、自然発生的な深遠なニュアンス表出には、この演奏を単に淡白と言わせないだけの強固な共感と含蓄がぎっしり詰まっています。
「過激なマーラー像を見直し、謙虚にスコアを読み直す」と多くの指揮者が口にしますが、結局出てくる音楽には何のヴィジョンも感じられないか、立派に響いているだけの演奏も少ないくないようです。バーンスタインとの差別化を図るために「謙虚さ」をアピールするなら、せめてこのルートヴィヒの演奏を聴いてからにしてほしいものです。【湧々堂】

Altus
ALTSA-1008(1SACD)
シングルレイヤー
限定生産盤
フルトヴェングラー復帰三日目ライヴ
ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』
『エグモント』序曲
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO

ライヴ録音:1947年5月27日/ティタニア・パラスト(ベルリン)
フルトヴェングラーのベルリン・フィル復帰三日目ライヴを、MagistraleレーベルからのライセンスでALTUSがSACD化。Magistrale盤(MG17600102 /通常CD)と同じソースであるDRA(ドイツ放送協会アーカイヴ)のオリジナル音源を使用し、かつALTUSが独自の技術をもって一からSACD用にマスタリン グした、唯一無二の音盤です。
フルトヴェングラーの放送録音には、当時の機材でうまく収録するために、録音時に音量レベルを調節したであろうケースが散見されます。全体のバランスをと りつつ、静かすぎるところは大きめに、大音量のところは小さめにすることで、音楽を「聴けるように収録する」操作がなされていたのです。このDRA音源の『運 命』も、音質の生々しさにはまったく不足なしですが、第1楽章より第4楽章の方が(トロンボーンが加わり、音楽的にも盛り上がりを増すにもかかわらず)全体 の音量が抑えられていました。そこで、現代のマスタリング技術をもって本来のダイナミクスを復活させようと試みたのが、ALTUSの新シリーズ〈re-Dynamics series〉です。フルトヴェングラーの強弱の幅は誰しもが驚くものだったといいます。第3楽章から第4楽章にかけてのブリッジでは、聴こえないような最弱音か ら天へと突き抜ける最強音までの長大なクレッシェンドが、まさに途轍もない音として鳴り響いていたことでしょう。このようなダイナミクスを、前後の、全体のバ ランスを見ながら、一つずつ丁寧に復元したのが当盤。さらにピッチについても、より本来に近い響きを求めて、微妙な調整を施しました。
〈re-Dynamics series〉の音造りは、SACDの広いレンジ感にぴったりのものです。SACDであればこそ、この壮大な音の変化、フルトヴェングラーの凄絶 なまでの演奏を追体験できることでしょう。限定生産につき、お早めのご入手をお勧めします。
録音場所の表記はDRAの資料に合わせティタニア・パラストとしております。

GRAND SLAM
GS-2305(1CD)
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(原典版) カール・シューリヒト(指)VPO

録音:1961年11月20〜22日/ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源:Private arvchive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
シューリヒトとウィーン・フィルのセッション録音によるブルックナーの交響曲第9番は、今や説明不要の定番でしょう。当シリーズでは2013年に英HMVの LP、ASD493を使用したGS-2092を発売しましたが、今回は初めて2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用した復刻盤が登場します。最近の 他のCD同様、全工程をプロ用の機器でマスタリングを行い、非常に透明感に溢れ、細部がよく聴き取れる音に仕上がっています。 なお、念のために申し添えますと、音の透明感や瑞々しさは調整して得られるものではありません。素材である元の音をきちんと生かすことで、得られるものです。 (平林 直哉)


SWR music
SWR-19139CD(5CD)
NX-F06
ガリー・ベルティーニ/SWR録音集〜ハイドンからドビュッシーまで
【CD1】
(1)・モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
(2)ハイドン:交響曲第53番ニ長調 「帝国」 Hob.I:53
(3)ハイドン:交響曲第95番ハ短調 Hob.I:95
【CD2】
(1)ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
(2)シューベルト:交響曲第8番「未完成」
【CD3】
ブラームス:交響曲集
(1)交響曲第1番ハ短調 Op.68
(2)交響曲第3番ヘ長調 Op.90
【CD4】
ベルリオーズ:作品集
(1)幻想交響曲 Op.14
(2)歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」 序曲
【CD5】
(1)ドビュッシー:選ばれた乙女 L.62
(2)ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」 序曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死
シュトゥットガルトRSO
ガリー・ベルティーニ(指)

【CD5】
(1)イレアナ・コトルバス(S)
グレンダ・モーリス(A)
シュトゥットガルト放送cho

録音:1996年12月1日(ライヴ) 東京芸術劇場…CD1(1)
(2)1985年1月25日(ライヴ) Liederhalle Stuttgart…CD1(2)、CD3:(2)
1983年2月3日(ライヴ) Liederhalle Stuttgart…CD1:(3)

1995年4月13日(ライヴ)Liederhalle Stuttgart…CD2:(1)
1996年11月8日(ライヴ) Staatstheater Karlsruhe …CD2(2)、CD3:(1)
1978年4月14日(ライヴ) Liederhalle Stuttgart…CD4(1)
1978年9月28日 Liederhalle Stuttgart…CD4(2)
1984年9月 SDR Funkstudio Stuttgart…CD5:(1)
1996年11月28日(ライヴ) 東京芸術劇場…CD5:(2)
ケルン放送響や東京都響との名演の数々で日本にも多くのファンを持つガリー・ベルティーニ。彼がシュトゥットガルト放送響と遺した演奏が南西ドイツ放送のマ スターテープから初CD化。いずれもベルティーニ得意のレパートリーで、シュトゥットガルト放送響との初顔合わせから1996年の来日公演のライヴを含む、資料 としても貴重なボックスセットです。 ベルティーニは現モルドヴァ(当時はルーマニア領)に1927年に生まれました(生年に関しては異説あり)。母は生物学者で医師、父は詩人で翻訳家だったと言 います。子供のうちに一家はパレスチナへ移住。ベルティーニはヴァイオリンを学び、ミラノのヴェルディ音楽院に進みましたが、その後パリのエコール・ノルマル、パリ 音楽院、ソルボンヌ大学で作曲、(指)音楽学を学びました。その後はイスラエルで活動。1955年に合唱団Rinat(現イスラエル国立合唱団)を創設、 1965年にはイスラエル室内アンサンブル(現イスラエル室内管)を創設し、ジョスカン・デ・プレから同時代の新作までを演奏してイスラエル楽壇に多大な貢献を 果たしました。メニューインに招かれてヨーロッパ・デビューをイギリスで飾ったのは40歳近い1966年のこと。ドイツ・デビューは更に遅く、1971年。その後は着実 に活動の場を広げるとともに評価を高め、ケルンRSOの首席指揮者やフランクフルト歌劇場の音楽総監督などを歴任しました。 シュトゥットガルト放送響には1978年4月に初登場、その時の演奏がここに収められたベルリオーズの幻想交響曲ですが、初顔合わせとは思えない繊細緻密 かつダイナミック、緊張感に満ちた演奏を展開しています。5か月後には同じ作曲家による序曲をスタジオ収録するために招かれており、デビュー・コンサートが成 功であったことがうかがわれます。オーケストラに対するベルティーニの要求は厳しいものであったと伝えられていますが、1971年から77年まで首席客演指揮者 を務めたチェリビダッケに練磨されていたシュトゥットガルト放送響との相性は良かったものと思われます。その後もベルティーニは客演を続け、1996年秋には楽 団の日本ツアーを指揮しました。このセットの冒頭と最後に収められた演奏は、そのツアーでの録音から採られています。 日本ではマーラー指揮者の印象が強いベルティーニですが、古典派からロマン派では引き締まった造形から熱い情熱がほとばしるような演奏を聞かせます。ここ に収められたのは、いずれも彼が得意とした曲ですが、ハイドンの2曲とモーツァルト、シューベルトは録音では初出レパートリーのようです。モーツァルトとハイドン における品格、シューベルト「未完成」に聴く表現の振幅の大きさが聴きものです。ロマン派以後のレパートリーでは、「イゾルデの愛の死」のクライマックスにおけ る圧倒的な高揚感と、その後に続く浄化された響きに息をのみます。ドビュッシーでは、オーケストラと合唱の妙なるサウンドから官能性が立ち上る様は耳をとら えて離しません。 すべて南西ドイツ放送(SWR)のオリジナルマスターからのマスタリングですが、1980年代のライヴ録音の一部で演奏ノイズ、電気的なノイズ、左右チャンネルの 偏りが少しあります。

オクタヴィア
OVCL-00830(1SACD)
税込定価
2023年12月20日発売
モーツァルト:交響曲集
交響曲第31番ニ長調 K.297(300a)「パリ」*
交響曲第23番ニ長調 K.181(162b)#
交響曲第16番ハ長調 K.128
交響曲第17番ト長調 K.129
飯森範親(指)
パシフィックフィルハーモニア東京

録音:2023年2月6-7日#、4月4-5日* 以上、埼玉・和光市民文化センターサンアゼリア、
7月10-11日 東京・タクトホームこもれびGRAFAREホール〈保谷こもれびホール〉
パシフィックフィルハーモニア東京は、1990年に設 立した東京ニューシティOから名称を変え、 2022年度より新たなスタートを切りました。初代音 楽監督として飯森範親を迎え、「伝統と革新」とい うテーマを打ち出した意欲的な活動が注目を集めて います。 第1弾アルバムに選んだのは、モーツァルトの初期 交響曲。全てセッション録音で取り組み、楽員同士 熱い意見交換も交わし合いながら作り上げまし た。新たな門出にふさわしい華々しく軽やかなサウ ンドは、オーケストラのさらなる飛躍を予感させま す。(オクタヴィア)

Capriccio
C-8092(1CD)
NX-B07

NYCX-10443(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第1番
(第1稿 レーダー版)
リンツ・ブルックナーO
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2023年2月2-3日、7-8日
リンツ・ミュージックシアター
※国内仕様盤=石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語解説付属
1863年にへ短調の習作交響曲を書き上げ、1865年にはミサ曲ニ短調(第1番)で成功を収めたブルックナーが、いよいよ交響曲作家として名乗りを挙げ ようと取り組んだのが第1番。1865年に着手し、66年に完成、68年にリンツで初演されました。ブルックナーはその後、1877年にこの曲に改訂を施し、87 年からは更なる改訂作業に取り組んで91年に改訂版が完成しました。前者(第1稿)は「リンツ稿」、後者(第2稿)は「ウィーン稿」とも呼ばれます。しかし、 ハース版、ノーヴァク版ともに出版された「リンツ稿」にはその後の改訂による素材が取り込まれていました。#bruckner2024の監修者ポール・ホークショー による原盤解説によれば、ここで使用されているトーマス・レーダー校訂版は、1868年の初演時のパート譜をもとに後年の改訂部分を取り除いて初演時の 姿を再構成する試みで、新ブルックナー全集の一環として2016年に出版されたものです(NBG III/1:1/1)。リンツ初演以後の改訂で生じた要素を除 去する試みとしてはウィリアム・キャラガン校訂版という先例があり、ティントナーやシャラーが録音しています。異同が注目されるところです。 曲は古典的な4楽章構成。ドイツ・ロマン派的な語法によりつつ、後年のブルックナーらしさも時折顔を出します。ポシュナーは引き締まったサウンドと造形を 基本に、アダージョではブルックナーらしい抒情を堪能させます。

BR KLASSIK
BR-900218(1CD)
NX-B07
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107 バイエルンRSO
ベルナルト・ハイティンク(指)

録音:1981年11月19&20日
ミュンヘン、ヘルクレスザール(ライヴ)
ベルナルト・ハイティンクがバイエルンRSOの定期演奏会にデビューした1958年から65年となる2023/24シーズンを記念して、1981年のブルック ナー:交響曲第7番が初CD化。この時期、バイエルン放送響は18年にわたって楽団を率いたラファエル・クーベリックが1979年に退任し、ようやく後任に 決めたキリル・コンドラシンが81年春に急逝して、首席指揮者が空白のまま3シーズン目に入っていました(同市内のライバル、ミュンヘン・フィルは79年から チェリビダッケが就任)。そのような中で楽団を支えた客演指揮者の一人がハイティンクでした。 ハイティンクは1963年から72年にかけてブルックナーの交響曲全集を録音(第7番は66年)。そこでは思い切ったテンポの伸縮や強奏強打をまじえてドラマ ティックな面を強調する解釈が聞かれますが、1978年の第7番の再録音(オケはどちらもコンセルトヘボウ管)では、そうした操作は目立たないようになり、作 品の持つ自然な流れの中でドラマを紡いでゆく巧者ぶりが発揮されています。ここに収められた1981年の演奏も78年盤に通じるスタイルで、安心して音楽 に浸ることができると同時に、細部に耳を凝らすとオケが指揮者の解釈に敏感に反応していることが感じられます。録音は最近のものに比べれば細部の解 像度がやや落ちるものの、クーベリック時代のサウンドを留めるオケの音でハイティンクのブルックナー解釈を味わえるのは貴重でしょう。 円熟期のハイティンクにとってブルックナーの第7番は特別なレパートリーだったようで、日本公演だけ見ても1997年(ウィーン・フィル)、2009年(シカゴ響)、 2015年(ロンドン響)と演奏しており、2019年にはベルリン・フィルへの最後の客演と、ウィーン・フィルとの引退公演でも指揮しました。それだけに録音録画 も少なからず遺していますが、ここに壮年期の演奏が加わったことは彼の芸術を愛するファンにとって大きな喜びとなることでしょう。

Profil
PH-23085(1CD)
ブルックナー:交響曲第2番ハ短調(1877年第2版) ゲ ルト・シャラー(指)
フィルハーモニー・フェスティヴァ

録音:2023年10月1日エーブラハ大修道院付属教会(ライヴ)
2024年のブルックナー・イヤーに向けて交響曲全版の網羅的な録音を進めるゲルト・シャラーとフィルハーモニー・フェスティヴァが、第2番の1877年第2 版に挑戦しました。彼らは同曲の1872年(キャラガン校訂)原典版を2011年7月にライヴ録音していますが、ひとまわりを経て第2版演奏が実現しました。
ブルックナーの交響曲第2番は1872年版初演後、いつものように細かい修正を続けますが、1876年に大幅な改訂が行われ最終的な理想形を目指しました。 今回それを演奏・録音しましたが、いろいろな意味で前作とは大きく変化しています。
全体の長さはさほど違いがありませんが、第2楽章と第3楽章が逆になっているのと、1877年版は非常にコンパクトでバランスが良くなっています。シャラー はこの曲がなぜあまり演奏されないのか謎であるとし、「傑作だ!」と結んでいます。ますます大きくなったシャラーの解釈、作品観の変わる力演にご期待ください。 (Ki)

Altus
PALTSA-1001(6SACD)
限定生産
ギュンター・ヴァント 不滅の名盤/ミュンヘン・フィル編〜ブルックナー:交響曲第4・5・6・8・9番
【PALTSA009/10】
(1)ハイドン:交響曲第76番変ホ長調 Hob. I:76
ブルックナー:交響曲第6番イ長調 WAB.106(原典版)
(2)ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 WAB109(原典版)
【PALTSA011/2】
(3)ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB.108(1884-90年、ハース版)/第1楽章〜第3楽章
(4)ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB. 108(1884-90年、ハース版)/第4楽章
シューベルト:交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」 D.759
【PALTSA013/4】
(5)ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 WAB.104(1878-80年原典版)
(6)ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 WAB. 105(原典版)
ギュン ター・ヴァント(指)
ミュンヘンPO

(1)録音:1999年6月24日
(2)録音:1998年4月21日
(3)録音:2000年9月15日
(4)録音:1999年9月28日
(5)録音:2001年9月13〜15日
(6)録音:1995年11月29日・12月1日

全てミュンヘン、ガスタイクにおけるライヴ
PROFIL音源をライセンスし、ALTUSがリマスター・SACDハイブリッド化して発売した「ギュンター・ヴァント 不滅の名盤」シリーズ。ここからミュンヘン・フィ ルとのブルックナー3タイトル(全6枚)を、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。
ブルックナー演奏に歴史と伝統を持つミュンヘン・フィルの熱量と、己の信念を貫くヴァントの緊張度の高い指揮が相まった、他では聴けない絶妙のバランスが 特徴です。気高く美しい第4番、妥協なき構築感の第5番、引き締まったリズムが躍動する第6番、圧巻の音楽を聴かせる第8番、深遠な音響が胸を打つ第9番。 晩年のヴァントが全霊をかけて臨んだ名演たちをお聴きください。ALTUSリマスターの効果も抜群です。 (Ki)
Altus
PALTSA-1002(4SACD)
限定生産
ギュンター・ヴァント/不滅の名盤 北ドイツ放送響編I〜ブラームス:交響曲全集 他
【PALTSA017/8】
(1).バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041
(2)ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68
(3)ハイドン:オーボエ協奏曲 ハ長調 Hob. VIIg: C1
(4)ブラームス:交響曲第2番ニ長調 作品73
【PALTSA019/20】
(5)モーツァルト:フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313
(6)ブラームス:交響曲第3番へ長調 作品90
(7)リゲティ:ロンターノ
(8)ブラームス:交響曲第4番ホ短調 作品98
ギュン ター・ヴァント(指)
北ドイツRSO

(1).ロラント・グロイッター(Vn)
 ライヴ録音:1992年3月15-17日(場所記載なし)
(2)ライヴ録音:1990年2月14日ケルン、フィルハーモニー
(3)パウルス・ヴァン・デル・メルヴェ(Ob)
 ライヴ録音:1992年1月12-14日ハンブルク、ムジークハレ
(4)ライヴ録音:1992年11月29-30日、12月1日ハンブルク、ムジークハレ
(5)ヴォルフガング・リッター(Fl)
 ライヴ録音:1988年12月/ハンブルク
(6)ライヴ録音:1990年2月14日ケルン、フィルハーモニー
(7)ライヴ録音:1987年ハンブルク、ムジークハレ
(8)ライヴ録音:1990年12月17日ハンブルク、ムジークハレ
PROFIL音源をライセンスし、ALTUSがリマスター・SACDハイブリッド化して発売した「ギュンター・ヴァント 不滅の名盤」シリーズ。ここから北ドイツ放送響 とのブラームス2タイトル(全4枚)を、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。
ヴァントの手兵、北ドイツ放送響との90・92年録音のブラームス。当コンビのひとつの到達点と言える響きにあふれています。第1番は第1楽章序奏の快速さ や展開部の猛烈な盛り上がりがまさにヴァント。第2番は室内楽的でなく十分にシンフォニックでありながら、各楽器の音色が美しく組み合わされていく立体感に 驚かされます。第3番は第2楽章がことのほか美しく、歌がどんどんとオーケストラに広がっていく様は聴いていて惚れ惚れ。第4番は殆ど壮絶の極みというとこ ろまで巨大化していくパッサカリア後半が凄まじいの一言。ALTUSリマスターの効果も抜群です。
北ドイツ放送響の首席奏者がソロをとった協奏曲はどれもモダン楽器の気品あふれる音色によるのびのびとした好演。難曲『ロンターノ』もさすがヴァントとい う指揮ぶりです。 (Ki)
Altus
PALTSA-1003(6SACD)
限定生産
ギュンター・ヴァント/不滅の名盤 北ドイツ放送響編II〜ブルックナー:交響曲第3・4・5・7・8・9番
【PALTSA023/4】
(1)ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 WAB. 103(ノヴァーク第3稿/1889年)
(2)交響曲第8番ハ短調 WAB.108(ハース版/1884-90年稿)
【PALTSA025/6】
(3)ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 WAB.104(1878-80年原典版)
(4)交響曲第5番変ロ長調 WAB.105(原典版)
【PALTSA027/8】
(5)ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB. 107(1885年ハース原典版)
(6)交響曲第9番ニ短調 WAB.109(原典版)
ギュン ター・ヴァント(指)
北ドイツRSO

(1)ライヴ録音:1985年12月23日
(2)ライヴ録音:2000年4月30日-5月3日
(3)ライヴ録音:1996年10月11-13日
(4)ライヴ録音:1995年10月8-10日
(5)ライヴ録音:1999年4月18-21日
(6)ライヴ録音:1998年4月5-7日

全てハンブルク、ムジークハレ
PROFIL音源をライセンスし、ALTUSがリマスター・SACDハイブリッド化して発売した「ギュンター・ヴァント 不滅の名盤」シリーズ。ここから北ドイツ放送響 とのブルックナー3タイトル(全6枚)を、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。
真打・北ドイツ放送響とのブルックナー。逞しい音響の絶頂期を感じさせる85年の精悍な第3番に、最晩年の圧倒的な深みを湛えた2000年の第8番。ブルッ クナー歿後100周年記念の第4番に、北ドイツ放送響50周年記念の第5番。引き締まった構築感の清々しい第7番に、作品への没入感が凄まじく、静寂も爆発 もすべてに魂が宿った迫真の第9番。徹底したスコアの読みから生み出される、比類なき生命力!ALTUSリマスターの効果も抜群です。 (Ki)


東武レコーディングズ
TBRCD-0147(4CD)
税込定価
3850★★
ブリュッヘン+新日本フィルの音楽遺産2
(1)ラモー:歌劇「ナイス」序曲とシャコンヌ
(2)シューマン:交響曲第2番
(3)シューマン:交響曲第4番
(4)モーツァルト:交響曲第31番「パリ」(四楽章版)
(5)シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」
(6)ハイドン:交響曲第102番、
(7)ハイドン:交響曲第103番「太鼓連打」
(8)ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
(9)アンコール(ハイドン:交響曲第104番〜第4楽章)
フランス・ブリュッヘン(指)
新日本フィルハーモニーSO

録音:(1)(2)(4)2005年2月18日すみだトリフォニーホール(第381回定期演奏会)
(3)2007年1月26日すみだトリフォニーホール(第412回定期演奏会)
(5)2005年2月25日サントリーホール(第382回定期演奏会)
(6)-(9)2009年2月28日すみだトリフォニーホール(ハイドン特別演奏会)
抜群のコンビネーションを見せた「ブリュッヘン+新日本フィル」。ベートーヴェン全集の衝撃のリリースは、ブリュッヘンの 当意即妙なアイディアにオケが見事な反応を示す好演として絶賛されました。今回はその名コンビによる第2弾。ラモーから シューマンまでのヨーロッパ音楽を俯瞰する名曲揃い。ブリュッヘンという人は融通の利かない学究一途からは対極にいる 音楽家であります。いわば常にエキサイティングな演奏を目指す一流のエンターテイナーであり、それだからこそ他の古楽 器指揮者とまるで異なる次元に位置しています。宇野功芳氏がブリュッヘンを賞賛したのも頷ける面白演奏ばかりです。シ ューマンの第4番などはこの曲がもはやベートーヴェンの第7番と相似形であることを示した個性豊かな演奏。第2番は巨匠 にとって音盤としては初のレパートリー、イキイキ艶やかな快演。。モーツァルトの第31番は何と第2楽章の異稿、通常稿の 順番で演奏し、全四楽章の交響曲で演奏する異端ぶり。ブリュッヘンの旧録は通常版でしたので必聴!

Urania Records
WS-121414(2CD)
マーラー:交響曲第3番ニ短調*
ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」(抜粋)
エーリヒ・ラインスドルフ(指)ボストンSO
シャーリー・ヴァーレット(Ms)*、
ニューイングランド音楽院cho*、
ボストン少年cho*

録音:1966年10月(ボストン)*&1965年1月8日(ボストン、ライヴ録音)
※STEREO ADD
ステレオ録音技術の普及後、バーンスタイン、ショルティと並んでいち早くマーラーの交響曲録音に取り組んだ指揮者の一人であるオーストリア出身のエーリヒ・ラインスドルフ。交響曲第5番と第6番を復刻したディスク(WS-121410)に続いて、近年入手が難しくなっていた第3番の音源がウラニア・レコーズより復刻されます。ミュンシュの下で黄金期を築いたボストンSOをミュンシュから引き継ぎ、音楽監督を務めていた時期である1966年の録音。さらに1965年のボストンでのライヴ・レコーディングから、ラインスドルフが大得意としていたワーグナーの作品より「神々の黄昏」(抜粋版)がカップリングされているのも嬉しいポイントです。
Urania Records
WS-121415(2CD)
チャイコフスキー:交響曲第1番&第6番ほか
チャイコフスキー:交響曲第1番1「冬の日の幻想」
交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」
スラヴ行進曲 Op.31/序曲「1812年」
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23*
ニコライ・ゴロワノフ(指)、
モスクワRSO、エミール・ギレリス(P)*

録音:1944年(スラヴ行進曲)、1946年(P協奏曲)、1947年(交響曲)、1948年(序曲)
※MONO ADD
個性的かつ大胆な解釈と強烈な演奏で知られる20世紀前半のソ連の大指揮者、ニコライ・ゴロワノフのチャイコフスキー作品集がウラニア・レコーズより復刻。音楽監督を務めていたモスクワRSOとの1940年代の録音をCD2枚組に収録しています。ゴロワノフ節炸裂の悲愴交響曲や序曲「1812年」など聴きどころ満載。またピアノ協奏曲第1番は30歳頃のエミール・ギレリスと共演した1946年録音が復刻されています。


フォンテック
FOCD-9894(1CD)
税込定価
2023年12月6日発売
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 飯守泰次郎(指)
東京シティ・フィルハーモニックO

録音:2023年4月7日 サントリーホール ライヴ
作品への情熱的な献身、そして伝説に昇華する導き―日本の演奏史に比類なき足跡を刻み、去る 8月15日に逝去した大指揮者 飯守泰次郎。 1960年代にミトロプーロス、カラヤン両国際コンクールに入賞。70 年代からバイロイト音楽 祭で歴史的公演に参加した後、東京シティ・フィル、名古屋フィル、関西フィル、仙台フィルの 常任指揮者を歴任しました。シティ・フィルとは2000 年、2010年にベートーヴェン全交響曲演奏会、さらに2000-08 年には、演奏会形式を超えた<オーケストラル・オペラ>でワー グナーの7作品公演をおこないました。2014-18 年には新国立劇場のオペラ芸術監督を務め、ハリー・クプファー新演出による『パ ルジファル』を皮切りに、『ニーベルングの指環』を含むワーグナー作品を演奏、そしてカタリ ーナ・ワーグナーの鮮烈な演出『フィデリオ』でのベートーヴェンの精神を体現する名演は、同 劇場開場20周年シーズンを国際的な成功へと導いたのです。 受賞歴も数多く、2000年第32回サントリー音楽賞、2012 年日本芸術院賞、文化功労者は 特筆すべきもので、2014 年12月より芸術院会員を務めました。 弊社は1998 年に演奏されたブルックナー「ロマンティック」以来、飯守指揮による数々の名 演を製品化してまいりました。 当該CD は2023 年4月7日におこなわれた、東京シティ・フィル特別演奏会の記録です。 奇しくも最晩年の演奏となったブルックナー、すべての虚飾を排し人智を超えた境地がここにあ ります。 (フォンテック)

Altus
ALTSA-1005(6SACD)
シングルレイヤー
限定生産
国内製作
日本語帯・解説付
ムラヴィンスキーレニングラード・フィル 来日公演集成/SACD5タイトルセット(全6枚)
【ALTSA001】
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調
リャードフ:バーバ・ヤーガ
グラズノフ:バレエ「ライモンダ」第3幕間奏曲
【ALTSA002】
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
【ALTSA051/2】(2SACD)
[DISC1]
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より 第1幕へ
の前奏曲
ブラームス:交響曲第2番ニ長調
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調*
[DISC2]
(1)ワーグナー:歌劇「ローエングリン」 第1幕前奏曲/歌劇「タンホイザー」序曲
(2)ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
シューベルト:交響曲第8(7)番未完成」
(3)ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
シューベルト:交響曲第8(7)番「未完成」
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」より 抜粋(第6曲:客の退場、夜、ネズミの出現/第7曲:くるみ割り人形とネズミの戦闘、くるみ割りの勝利と王子への変身/第8曲:冬の森/第9曲:雪片のワルツ/第14曲:パ・ド・ドゥ/第15曲:終曲のワルツ)
【ALTSA054】
(1)シベリウス:交響曲第7番
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」より 抜粋(第6曲:客の退場、夜、ネズミの出現/第7曲:くるみ割り人形とネズミの戦闘、くるみ割りの勝利と王子への変身/第8曲:冬の森/第9曲:雪片のワルツ/第14曲:パ・ド・ドゥ/第15曲:終曲のワルツ)
(2)モーツァルト:交響曲第39番
(3)チャイコフスキー:交響曲第5番
(4)チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
【ALTSA063】
(1)ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より 前奏曲と愛の死/楽劇「ジークフリート」より 森のささやき/楽劇「ワルキューレ」より ワルキューレの騎行
(2)グラズノフ:交響曲第5番変ロ長調
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」より 抜粋(序曲[プロローグ]、アダージョ、パノラマ、ワルツ)
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO

【ALTSA001】
ライヴ録音:1973年5月26日/東京文化会館
【ALTSA002】
ライヴ録音:1973年5月26日/東京文化会館
【ALTSA051/2】(2SACD)
[DISC1]
ライヴ録音:1977年9月27日/東京文化会館
ライヴ録音:1977年10月19日/NHKホール*
[DISC2]
(1)ライヴ録音:1977年9月27日/東京文化会館
(2)ライヴ録音:1977年10月12日/東京文化会館
(3)ライヴ録音:1977年10月8日/フェスティバルホール
【ALTSA054】
(1)ライヴ録音:1977年10月19日/NHKホール
(2)ライヴ録音:1977年10月12日/東京文化会館
(3)ライヴ録音:1975年6月7日/東京文化会館
(4)ライヴ録音:1975年5月13日/東京文化会館
(5)ライヴ録音:1975年6月7日/東京文化会館
【ALTSA063】
(1)ライヴ録音:1979年5月21日/東京文化会館
(2)ライヴ録音:1979年6月8日/NHKホール
ALTUSレーベルの大ベストセラー、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの来日公演。SACDシングルレイヤー盤5タイトル(全6枚)を、単売パッケージ そのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。
73年の伝説的名演ベートーヴェン4番&ショスタコーヴィチ5番(ALTSA-001、002)、77年の2つの圧倒的『未完成』(ALTSA-051/2)、75年の凄ま じいチャイコフスキー5・6番(ALTSA-054)、79年の超名演グラズノフ(ALTSA-063)などすべてが必聴。ぜひSACDでお楽しみください。 (Ki)
Altus
ALTSA-1006(3SACD)
シングルレイヤー
限定生産
国内製作
日本語帯・解説付
ムラヴィンスキーレニングラード・フィル ウィーンライブ集成/SACD3タイトルセット
【ALTSA287】
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調
【ALTSA288】
ウェーバー:歌劇『オベロン』 序曲
ブラームス:交響曲第2番ニ長調
【ALTSA289】
シューベルト:交響曲第8番『 未完成』
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO

【ALTSA287】
ライヴ録音:1978年6月12、13日ウィーン楽友協会 大ホール
【ALTSA288】
ライヴ録音:1978年6月13日ウィーン楽友協会 大ホール
【ALTSA289】
録音:1978年6月12日(ショスタコーヴィチ)、13日(シューベルト)ウィーン楽友協会 大ホール
ALTUSレーベルの大ベストセラー、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの78年ウィーン・ライヴ。SACDシングルレイヤー盤3タイトルを、単売パッケー ジそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。
ムラヴィン史上最高との呼び声も高い超弩級のチャイコフスキー5番(ALTSA-287)、ダイナミックレンジの凄まじさに驚嘆のブラームス2番(ALTSA-288)、 緊張感たまらぬ十八番の『未完成』&『革命』(ALTSA-289)とすべて必殺の名演。ぜひSACDでお楽しみください。 (Ki)
AltusALTSA-1007(4SACD)
シングルレイヤー
限定生産
国内製作
日本語帯・解説付
若杉弘&N響/ブルックナー・チクルス&メシアン・管弦楽作品集
【ALTSA431/3】 (3SACD)
ブルックナー:交響曲全集
[Disc1]
(1)交響曲第1番ハ短調 WAB101 第1稿 (リンツ稿 )ノヴァーク版
(2)交響曲第2番ハ短調 WAB102 第2稿ノヴァーク版
(3)交響曲第3番ニ短調 WAB103 第3稿ノヴァーク版
[Disc2]
(1)交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』 WAB104 1878・80年稿ノヴァーク版 
(2)交響曲第5番変ロ長調 WAB105 原典版・ノヴァーク版
(3)交響曲第6番イ長調 WAB106 ノヴァーク版
[Disc3]
(1)交響曲第7番ホ長調 WAB107 ノヴァーク版・第 2版
(2)交響曲第8番ハ短調 WAB108 第2稿ノヴァーク版
(3)交響曲第9番ニ短調 WAB109 ノヴァーク版
【ALTSA483】
メシアン:作品集
(1)忘れられた捧げもの(1930)
(2)教会のステンドグラスと小鳥たち(1986)〈日本初演〉
(3)かの高みの都市(1987)
(4)われら死者のよみがえりを待ち望む(1964)
(5)聖体秘蹟への賛歌(1932)
(6)キリストの昇天(1932-33)
(7)天国の色彩(1963)
(8)神の顕現の三つの小典礼
(9)輝ける墓(1931)
木村かをり((2)(3)(7)(8)ピアノ)
原田 節((8)オンド・マルトノ)
東京混声cho((8)女声合唱)
大谷研二((8)合唱指揮)
若杉弘(指)NHK響

【ALTSA431/3】
[Disc1]
(1)録音:1998年2月28日
(2)録音:1997年1月13日
(3)録音:1996年2月26日
[Disc2]
(1)録音:1997年2月24日
(2)録音:1998年1月27日
(3)録音:1997年3月18日
[Disc3]
(1)録音:1996年1月29日
(2)録音:1996年3月31日
(3)録音:1998年3月13日
【ALTSA483】
(1)録音:1996年1月29日
(2)録音:1996年2月26日
(3)録音:1996年3月31日
(4)録音:1997年1月13日
(5)録音:1997年2月24日
(6)録音:1997年3月18日
(7)録音:1998年1月27日
(8)録音:1998年2月28日
(9)録音:1998年3月13日
ACDシングルレイヤー盤2タイトルを、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セット。
ALTUSがその全貌を初めてCD・SACD化した若杉&N響のブルックナー・メシアン・チクルス。これは1996年から98年にかけて3期9公演に渡り行われた「2 つの世紀のカトリック」と題されたチクルスで、各回ブルックナーの交響曲1曲とメシアンの作品を組み合わせるという意欲的なプログラムで構成されていました。 演奏も最高水準で若杉弘を語るには外せない伝説の公演です。
通常CDではブルックナー10枚組・メシアン3枚組として発売されている当録音。こちらのSACDは長時間収録で、ブルックナー3枚+メシアン1枚の計4枚 にCDと同内容をもれなく収録しています。ALTUS入魂のマスタリングが聴きもので、レーベル屈指の極上音質を誇るSACDとしてお薦めできる自信作。ぜひご 堪能ください。 (Ki)

CPO
CPO-777665(1CD)
NX-B10
ナタナエル・ベリ:交響曲第4番/第5番
交響曲第4番「交響的小品」
交響曲第5番「Triologia delle passioni 情熱=受難の三部作」
ノールショピングSO
アリ・ラシライネン(指)

録音:2011年6月6-8日
1879年ストックホルム生まれのナタナエル・ベリ(ベルク)の交響曲全集、完結編。1879年に生まれた彼は 獣医の資格を持ち、1939年まで国防省で少佐として軍馬の管理をしたのち、作曲家に転身。アッテルベリ やペッタション=ベリエルらとともに20世紀前半のスウェーデンを代表する独創的な作品を書き上げました。 彼の作品目録には6曲の歌劇をはじめ、いくつかのバレエ音楽、オーケストラ伴奏付き声楽作品、交響詩や 室内楽曲がありますが、何よりも重要なのが5曲の交響曲です。彼の交響曲はどれもタイトルを持っており、 このアルバムに収録されたのは第4番と第5番。第4番は彼の友人アッテルベリとの賭けから生まれたという軽 妙な作品ですが、条件の一つである「20分以内」という長さを超過してしまったため、ベリは罰金を払うことに なったというエピソードがあります。最後の交響曲となる第5番は、華やかでドラマティックな音楽。タイトルの 「passioni」には情熱の意と苦しみの意があり、そのどちらも満たすかのような起伏のある各楽章が聴きどころ です。終楽章の終結部では天に向かって静かに昇っていくかのようなコラールが登場。情熱と受難は長い逡 巡の末、和解に至るという結末です。


Treasures
TRE-281(1CD)
F.レーマン〜モーツァルト:作品集1
オペラ序曲集*
 後宮からの誘拐/フィガロの結婚、
 ドン・ジョヴァンニ/コシ・ファン・トゥッテ、
 劇場支配人/魔笛/イドメネオ
交響曲第40番ト短調K.550
フリッツ・レーマン(指)
BPO*、ウィーンSO

録音:1952年7月9日*、1953年5月3-4日(共にモノラル)
※音源:DGG LPEM-19040*、29311
◎収録時間:64:20
“今こそ傾聴すべき、楽器や奏法を弄るではない真の原点回帰!”
■音源について
共に1960年代のドイツ盤を採用。

★フリッツ・レーマン(1904-1956)は、ドイツ・マンハイム生まれ。ソプラノ歌手ロッテ・レーマンの弟。アルヒーフレーベルから後にリヒターに引き継がれることになるバッハのカンタータなどの指揮を託されて、グラモフォンには管弦楽の王道レパートリーの録音を多く遺していますが、ステレオ録音が本格化する前に他界したせいか、その真価は広く認識されているとは言えません。
 レーマンの芸風を知るには、上記のバッハやブラームスのドイツ・レクイエムなどの声楽を伴う作品は必聴ですが、オーケストラ作品でまず傾聴すべきはモーツァルトでしょう。端正で内省的な音作りは、ここに聴く「40番」との相性が抜群。決して激情に任せることがないので、第一印象は極めて地味に感じられますが、聴けば聴くほど無垢のモーツァルトがひたひたと迫ります。
 第1楽章は上品に滑り出しますが、そのまま平板に流れるのではなく、高い集中力で全体を凝縮しながら起伏の大きな音楽を展開。第2楽章は極めて遅いテンポを取りながら息の長い呼吸が弛緩することなく一貫しているところに、レーマンの楽想への趣味の良い寄り添い方を痛感。これみよがしに語るのではない、どの箇所も一音一音が大切に育まれています。特に展開部ではゆったりとしたモードに甘んじることなく音楽を熱く内燃させている点にもご注目。第3楽章は実に美しく清潔なインテンポが印象的。それが中間の平和な光を湛えたニュアンスと確かなコントラストも成した例は稀でしょう。終楽章も感情を制御し、声部バランスを吟味しながら作品の造型を丁寧に紡ぎ出します。こういう真面目なスタイルの演奏はとかく無為無策なだけの場合もありますが、レーマンはそれとは明らかに異なることを実感していただけることでしょう。
 一方、序曲集においては、本編のドラマを連想させるニュアンスを誰しも期待するところですが、過度なテンポ・ルバートや外面的効果を狙わず純音楽的なアプローチは不変。ただ、「後宮からの逃走」「魔笛」などのテンポの速い曲ではオケの自発性に任せて推進力を確保している点もあり、レーマンが決して柔軟性のない堅物ではないことが分かります。特に「魔笛」の一途な推進性は比類がないほどで、BPOの巧さとも相俟って、この序曲の最高位の録音だと確信しています。「フィガロの結婚」は、いわゆる「名演」という形容が似合わない名演!これほど指揮操作を聴き手に意識させず、楽譜に書かれた音符以外の素材を排除し、音楽の力だけで押し通した演奏は珍しく、しかも、その真摯なアプローチがトスカニーニ的な強烈な圧ではなく、自然で人間的な配慮の上に為されているので、そこから導かれる音楽に窮屈さは皆無。それが美しくも伸び伸びとしたニュアンスとして結実し、確実に訴えかけるのではないでしょうか。
 フリッツ・レーマンの指揮には、今まで聞き慣れた作品であっても「そもそもこういう曲だったな〜」と聴き手を原点に立ち返らせ、作品の素晴らしさを再認識させる作用があると思うと、50代で世を去ってしまったのは実に痛恨の極みです。【2023年11月・湧々堂】

LSO Live
LSO-0572(4CD)
エルガー:交響曲、エニグマ変奏曲、行進曲集、他

■Disc1
(1)交響曲第1番変イ長調op.55
(2)行進曲「威風堂々」第3番ハ短調、第2番イ短調、第5番ハ長調

■Disc2
(1)交響曲第2番変ホ長調op.63
(2)戴冠式行進曲op.65
帝国行進曲op.32/威風堂々第1番

■Disc3
(1)交響曲第3番ハ短調op.88(A.ペイン(1936〜2021)補筆)
(2)ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題によるファンタジア
(3)行進曲「威風堂々」第4番

■Disc4
(1)序奏とアレグロ
(2)エニグマ変奏曲
(3)チェロ協奏曲
■Disc1
(1)サー・コリン・デイヴィス(指)/録音:2001年9月30&10月1日、バービカン・ホール
(2)バリー・タックウェル(指)/録音:1988年4月26&27日/ウォルサムストー・タウン・ホール
■Disc2
(1)サー・コリン・デイヴィス(指)/録音:2001年10月4&5日、バービカン・ホール
(2)バリー・タックウェル(指)/録音:1988年4月26&27日、ウォルサムストー・タウン・ホール(op.65とop.32は4月27日のみ録音)
■Disc3
(1)サー・コリン・デイヴィス(指)/録音:2001年12月13&14日、バービカン・ホール
(2)サー・アントニオ・パッパーノ(指)/録音:2020年3月15日、バービカン・ホール】
(3)バリー・タックウェル(指)/録音:1988年4月26&27日、ウォルサムストー・タウン・ホール
■Disc4
(1)サー・コリン・デイヴィス(指)/録音:2005年9月2日3&12月9日、バービカン・ホール
(2)サー・コリン・デイヴィス(指)/録音:2007年1月6&7日/バービカン・ホール
(3)フェリックス・シュミット(Vc)、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指)/録音:1988年9月28&29日、ウォルサムストー・タウン・ホール
LSOによるエルガー作品がボックスで登場。サー・コリン・デイヴィス指揮の交響曲ほか、パッパーノ指揮によるエルガーと同時代の作曲家ヴォーン =ウィリアムズの初出音源、さらにバリー・タックウェルとの名演「威風堂々」も盛り込まれた注目リリースです!
LSO(LSO)が設立されたのは1904年、その最初期、エルガーもオーケストラを指揮していました。また、1926-32年、エルガーは自作自演の 形でLSOと作品を録音、この録音は多くの指揮者たちの大きな指標ともなりました。その録音に大きな影響を受けたサー・コリン・デイヴィス(1927-2013) もエルガーにも並々ならぬ思い入れがありました。エルガーのことを“大きくて丸々としていて、犬を連れて川岸を散歩するのが好きだったりと、まるでファルス タッフのようだった。陽気な茶目っ気があるかと思えばメランコリックな面もあり、そうした二面性は作品にもあらわれているが、大きな魅力だ”とデイヴィスは語 りました。さらに”楽譜を見ると、エルガーは自分が何をどうしてほしいか、というのが明確にある作曲家であり、「poco accelerando (少しずつ速くする) 、 そしてその後にsubito tempo primo(直ちにもとのテンポにもどす)、と書いてあるが、これを指示通りにすると聴き手は突然落馬したような印象になります。エル ガーの細かな楽譜への指示はいつも注意深く読み解かなければならない。”と、その綿密に書きこまれた楽譜の読み込みを、行間までを読むように研究していまし た。そうしたデイヴィスがのこしたライヴはエルガー作品の新たな決定版として長く語り継がれるものとなっています。
「威風堂々」は、1955-68年LSOの首席ホルン奏者を務めたバリー・タックウェル指揮。LSOレーベルとしては初登場音源。こちらも管楽器が豪快に鳴って おり、管楽器セクションでも世界に名を轟かせる礎をつくったともいえるタックウェルとLSOとの引き締まった演奏となっています。
パッパーノ指揮によるヴォーン=ウィリアムズは初出音源。この作品は1910年に作曲者自身の(指)LSOの弦楽メンバーによって初演されました。弦楽のみに よる演奏はオルガンの響きのようでもあり、きわめて美しいSF映画の世界に迷い込んだような、静謐で厳かな神秘的な雰囲気。パッパーノが導く美しい歌と音色 を堪能できます。
チェロ協奏曲も初出音源です。LSOに定期的に客演していたデ・ブルゴス(1933-2014)指揮。チェロの独奏は、ロンドンの王立音楽院で名誉ア ソシエイトとなり、音楽院で忙しく教鞭をとっている英国の名手フェリックス・シュミット。冒頭の激しい慟哭から、イギリスの巨匠の風格たっぷりに聴かせます。デ・ ブルゴスも暗くうねる旋律をこれでもかと怒涛のように展開しております。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00834(1SACD)
税込定価
2023年11月22日発売
ハイドン交響曲集Vol.22
交響曲 第67番 へ長調 Hob.I:67
交響曲 第68番 変ロ長調 Hob.I:68
交響曲 第11番 変ホ長調 Hob.I:11
飯森範親(指)
日本センチュリーSO

録音:2022年5月26日(第67番、第68番)、12月9日(第11番)  大阪、ザ・シンフォニーホール・ライヴ
日本センチュリー交響楽団が首席指揮者の飯森範親と共にス タートした「ハイドンマラソン」は、フランツ・ヨーゼフ・ ハイドンのすべての交響曲を演奏しようという一大プロジェ クト。当盤は第27回、29回コンサートのライヴ収録です。 幾度の公演を重ね、信頼関係を築いてきた飯森と日本セン チュリー響は、精緻な構築と、細部までこだわりぬいた感性 で、気品あふれるハイドンを奏でています。柔和で晴々とし た優美な演奏は、まさに彼らの真骨頂といえるでしょう。(オクタヴィア)


東武レコーディングズ
TBRCD-0142(4CD)
税込定価
チャイコフスキー名演集〜3大交響曲&管弦楽作品集

■CD1
(1)交響曲第4番
(2)『白鳥の湖』抜粋
■CD2
(3)交響曲第5番
(4)『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ
(5)幻想序曲『ロミオとジュリエット』
■CD3
(6)交響曲第6番『悲愴』
(7)フランチェスカ・ダ・リミニ
(8)『モーツァルティアーナ』より祈り
■CD4
(9)弦楽セレナーデ
(10)フィレンツェの想い出
(11)デンマーク国家による祝典序曲
秋山和慶(指)広島SO

録音:(1)2012年2月17日アステールプラザ大ホール(ディスカバリー・シリーズ「ロマン派の旅路19〜世紀を彩った作曲家」W)
(2)2011年9月16日アステールプラザ大ホール(ディスカバリー・シリーズ「ロマン派の旅路19〜世紀を彩った作曲家」V)
(3)2012年1月7日広島市文化交流会館(YMFGもみじニューイヤーコンサート)
(4)(5)2012年4月10日広島市文化交流会館(第318 回定期演奏会)
(6)2003年8月6日広島国際会議場フェニックスホール(平和の夕べコンサート)
(7)(8)2013年1月18日広島市文化交流会館(第325 回定期演奏会)
(9)(11)2016年4月17日広島市文化交流会館(第359 回定期演奏会)
(10)2013年2月28日アステールプラザ大ホール(ディスカバリー・シリーズ「音楽の街を訪ねて」4)
今、円熟の境地にある巨匠、秋山和慶のチャイコフスキー。固い友情で結ばれた広島SOとのヒューマンな名演集で ある。チャイコフスキーを音楽の暴力として表現する方法はたやすい。そんな手法に秋山は目もくれずに丁寧な刺繍のよう に旋律美を丹念に清潔に紡いでゆきます。 交響曲第4 番の静寂が放射するパワー。交響曲第5番における甘いドラマを禁じたストイックなまでのスタイルが自らを律す る芸術家の厳しさを象徴しています。『悲愴』では血の通ったドラマが展開して心に染み渡る。 特筆したいのは「フィレンツェの思い出」の弦楽合奏版で、オーケストラでは滅多に演奏されないという希少性だけでなく、交 響曲にも匹敵する対位法のお手本のような、見事な表現です。いわゆる聴いていて腑に落ちる、納得の演奏とはこういう 演奏のことを言うのでしょう。珍しい「デンマーク国家による祝典序曲」が収録されているのも有難く、こういう秘曲までも衒うこと なく、阿ることもなく只管誠実に語り掛けてくれる秋山和慶には自然と頭が下がってくる。

Myrios Classics
MYR-033(1CD)

KKC-6772(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 WAB103(1873年第1稿/ノヴァーク版) フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
ケルン・ギュルツェニヒO

録音:2022年9月/ケルン・フィルハーモニー(ライヴ)
大好評ロト&ギュルツェニヒ管のブルックナー全集シリーズ、第3弾。ブルックナーの交響曲中とくに頻繁に改訂され第3稿まである第3番を収録しています。 心酔するワーグナーに捧げられ、同じく終生あこがれ続けたベートーヴェンの「第九」を思わせる楽想も入れ込んだ大作に対して、ロトが選んだ版は大胆な実験 精神と喜びにあふれた1873年初稿。ブルックナーのやりたいことが原形のまま詰まったスコアであり、一番長い演奏時間を要し、またロト自身が高く評価して いる稿でもあります。
細部までこだわり、洗練された音を真新しく響かせていく充実の演奏。巨大な音楽でありながらも推進力に富み、まったく退屈せずに全曲を聴きとおせます。 颯爽としたスピード感を崩さずに重々しく分厚い音塊を巧みに積み上げていくフィナーレは息もつかせぬ衝撃的おもしろさ。アダージョ冒頭を始め、ふとした箇所 であらわれる素朴な歌いまわしも実に美しくさわやかで絶品。終始、今まさに音楽が生まれんとする瑞々しさと輝き、感動に満ちあふれています。 (Ki)

NATIONAL SYMPHONY ORCHESTRA
NSO-0007(1SACD)
ジョージ・ウォーカーシンフォニア集
:シンフォニア第1番(1984,1996改訂)
(フロム財団委嘱)
シンフォニア第2番(1990)
(クーセヴィツキー財団委嘱)
シンフォニア第3番(2002)
シンフォニア第4番“Strands(糸)” (2011)
(ナショナルSOほか共同委嘱)
シンフォニア第5番“Visions” (2016)
ジャナンドレア・ノセダ(指)
ワシントン・ナショナルSO
アーロン・ゴールドマン(Fl)
シャナ・オシロ(S)、デ・マルクス・ボルズ(T)、ダニエル・J・スミス(Bs-Br)、V・サヴォイ・マクイルヴァン(Bs-Br)

録音:[第1番]2022年1月13,15,16日/[第2番]2023年5月24,25日/[第3番]2023年6月1,2,3日/[第4番]2022年1月27,28,29日/[第5番]2023年5月12,13日
2022年1月から、NSOとノセダは生誕100年となる黒人作曲家ジョージ・ウォーカーの5つのシンフォニア全曲を演奏会で取り上げ、録音してきました。デ ジタルでは曲ごとに配信されておりましたが、フィジイカルではこのディスクで一挙に登場となります。
ジョージ・ウォーカーは、1996年に音楽家として初めてピューリッツァー賞(音楽部門)を受賞した、アメリカを代表する作曲家。1922年、ジャマイカからの 移民で医師であった父と、アメリカの政府の印刷局で働いてウォーカーの才能を早くから認めた母のもとに生まれました。オバーリンでピアノを学んだのち、カー ティス音楽院でピアノと作曲を学び、1945年、同音楽院初の黒人の卒業生となりました。1984年から2016年の間に生涯で5作となるシンフォニアを作曲し ています。
第1番は穏やかで抒情的な部分とエネルギッシュの対比が印象的な2楽章からなる作品。第2番はギターも登場する華やかな作品。第3番は急-緩-急の3楽 章から成り、ウォーカーが最も充実していた時期の作品で、非常にクリアで切れ味の鋭い和声が冴え渡った作品です。第4番はウォーカー90歳を記念してNSOは じめシンシナティなどの複数のオーケストラが共同で委嘱したもので、讃美歌の引用をしながらそれぞれのリズムを分解して融合させ、最後はエネルギーに満ちて 終わります。第5番は2015年の6月27日に起きた、白人至上主義者の21歳の若者がアフリカ系アメリカ人を9人射殺するという世界に衝撃を与えたニュース にショックを受けて書かれました。終止緊張感に満ちたリズムや音階で、ピアノも登場(ウォーカーもコンサート・ピアニストとしてキャリアをスタートさせたことを 思い出させます)。時折現れる歌唱陣は時に聖歌を、時に奴隷制を思わせるテキストを歌ったり語ります。最後は静かに断絶するように終わります。怒りに満ちた 作品であるとともに聴き手に様々なことを考えさせる作品であります。 (Ki)

BIS
BISSA-2701(1SACD)
ヘルヴィ・レイヴィスカ(1902-1982):管弦楽作品集 第1集
シンフォニア・ブレヴィス(短い交響曲)(Sinfonia brevis) Op.30(1962rev.1972)
管弦楽組曲第2番Op.11(1937?38)(ニュルキ・タピオヴァアラの映画『ユハ(Juha)』の音楽から)*
交響曲第2番Op.27(1954)
ラハティSO、
ダリア・スタセフスカ(指)

録音:2023年1月2〜5&7日、2023年5月12&13日*/シベリウスホール、ラハティ(フィンランド)
制 作:インゴ・ペトリ
クライナ出身のダリア・スタセフスカ(1984-)は、タンペレ音楽院でヴァイオリンと作曲、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでヴァ イオリンとヴィオラ、ヨルマ・パヌラとレイフ・セーゲルスタムの下で指揮を学びました。2021/2022年のシーズンからラハティSOの首席指揮者を務め、 ラハティ国際シベリウス・フェスティヴァルの音楽監督とBBC響の首席客演指揮者のポストにも就いています。2023年、「BBC Music Magazine」の 「パーソナリティ・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞しました。
新しいアルバムは、オッリ・ムストネンと共演したラウタヴァーラとマルティヌーのピアノ協奏曲(BIS SA-2532)に次ぐ、ラハティSO首席指揮者として の録音の第2作。フィンランドで最初の重要な女性作曲家ヘルヴィ・レイヴィスカの管弦楽作品を録音するシリーズの最初のアルバムです。
レイヴィスカは、1902年にヘルシンキで生まれ、エルッキ・メラルティンとアルトゥール・ヴィルナーにピアノと作曲を学びました。一般の聴衆がまだ「女性作曲 家」に偏見を抱いていたとされる時代、シベリウス・アカデミーでライブラリアンとして働きながら管弦楽曲、室内楽曲、器楽曲、歌曲、映画のための音楽などを作 曲しました。近年、注目される機会が多くなり、「ピアノ協奏曲 ニ短調」と「交響曲第1番変ロ長調 」のセッション録音(Hanssler Classic HC-23050)が 最近リリースされました。
「管弦楽組曲第2番」は、フィンランドの前衛的、実験的作風の映画監督ニュルキ・タピオヴァアラ(1911-1940)が1937年に作った『ユハ(Juha)』の ために彼女が書いたスコアの4曲を組曲にした作品です。「春の到来」「ユモレスク」「子守歌」「エピローグ」。映画の基になったユハニ・アホ(1861-1921) の同名小説は、アーレ・メリカントとレーヴィ・マデトヤのオペラの原作にも使われています。
「交響曲第2番」は、レイヴィスカが、後期ロマンティシズムのスタイルから対位法によるポリフォニーと線的なアプローチに移ろうとしていた時期、1954年に 作曲されました。第1楽章「アンダンティーノ・クワジ・アレグレット-ピウ・アニマート・エ・リトミコ」第2楽章「アレグロ・モルト」第3楽章「アンダンテ・カンター ビレ」の3楽章の作品です。1955年4月5日、ニルス=エーリク・フォウグステットがフィンランドRSOを(指)ヘルシンキで初演しました。
「シンフォニア・ブレヴィス(短い交響曲)」は、1962年に作曲され、1972年に改訂された作品です。単一楽章で書かれ、ポリフォニーと線的スタイルが印象 を残す作品です。エーリク・クロンヴァル指揮ヘルシンキ・フィルハーモニックによる録音で初めて演奏され、その後、ラジオ放送でしばしば演奏されています。 (Ki)

GRAND SLAM
GS-2306(1CD)
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」*
交響曲第3番「英雄」
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO

録音:1959年4月15日*、1958年1月20、23、25日/アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ
■制作者より
交響曲第6番「田園」(GS-2297)に続く、ワルターのベートーヴェン・シリーズです。「英雄」はGS-2125以来約8年ぶりのリマスター音源で、「コリオラン」 序曲は初復刻となります。今回も状態の良い2トラック、38センチ、オープンリール・テープを使用し、プロ用の機器によりマスタリングを行いました。いかにもアナログらしい、広がりの豊かな瑞々しい音質で楽しめます。(平林 直哉)

Glossa
GCD-921134(1CD)
C.P.E.バッハ:ハンブルク交響曲集 Wq182
シンフォニア第1番ト長調
シンフォニア第2番変ロ長調
シンフォニア第3番ハ長調
シンフォニア第4番イ長調
シンフォニア第5番ロ短調
シンフォニア第6番ホ長調
アレクサンダー・ヤニチェク(コンサートマスター)、
18世紀オーケストラ

録音:2021年5月&2022年9月、カイゼル運河教会(アムステルダム、オランダ)
2024年3月、フランス・ブリュッヘン最後の来日となった2013年以来約11年ぶりの来日公演を予定している18世紀オーケストラの2023年2枚目となるリリースは、バッハの次男、C.P.E.バッハの代表作「ハンブルク交響曲集」!スヴィーテン男爵(ゴットフリート・ファン・スヴィーテン)の依頼によって弦楽と通奏低音のために書かれたこの作品は、当時としては非常に高い演奏技術が必要とされる曲集。アレクサンダー・ヤニチェクがリードする18世紀オーケストラは作品が要求する豊かなハーモニー、大胆なダイナミクス、流れるようなメロディに明らかな喜びをもって応え、極めて意欲的な音楽作りで彼らにしか響かせることのできない「ハンブルク交響曲」を作り上げています。
ブリュッヘン亡き後、様々な客演ソリストや客演指揮者を迎えて活動する18世紀オーケストラが今回のレコーディングでコンサートマスターに迎えたのはオーストリア出身のヴァイオリニスト、アレクサンダー・ヤニチェク。シャーンドル・ヴェーグに指名されコンサートマスターを務めたカメラータ・ザルツブルクや、アソシエイト・アーティストの地位に就いているスコットランド室内Oでの活躍でよく知られるほか、ヨーロッパ室内Oをたびたび指揮し内田光子とも繰り返し共演しています。

ALTO
ALC-1496(1CD)
ジェローム・モロス:交響曲第1番他
交響曲第1番/最後の審判
オーケストラのためのワルツによる変奏曲
Biguine/オーケストラのための壮大な物語
ジョアン・ファレッタ(指)LSO

録音:1993年
アメリカの作曲家ジェローム・モロスの作品集。彼は映画音楽作曲家としてもよく知られており「大いなる西部」はアカデミー賞にノミネートされました。このアルバムでは「交響曲第1番」をメインとして彼のクラシック作品もお聴き頂けます。

BIS
BISSA-2496(1SACD)
マーラー:交響曲第8番『千人の交響曲』 キャロリン・サンプソン(ソプラノI / いと罪深き女)、ジャクリン・ワーグナー(ソプラノII / 贖罪の女)、キャロリン・サンプソン(ソプラノIII / 栄光の聖母)、サーシャ・クック(アルトI / サマリアの女)、ジェス・ダンディ(アルトII / エジプトのマリア)、バリー・バンクス(テノール / マリア崇拝の博士)、ユリアン・オルリスハウゼン(バリトン / 法悦の教父)、クリスティアン・イムラー(バス / 瞑想の教父)
ミネソタcho、ナショナル・ルーテルcho、ミネソタ少年cho、アンジェリカ・カンタンティ・ユースcho
オスモ・ヴァンスカ(指)ミネソタO

録音:2022年6月10-12日(ライヴ)、2022年6月14-16日(セッション)/オーケストラ・ホール(ミネアポリス)
好評を博しているオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタOによるマーラー・シリーズ。当アルバムは交響曲第8番『千人の交響曲』 を収録!独唱にはキャロリン・サンプソン、ジャクリン・ワーグナー、クリスティアン・イムラーなど実力派を迎えております。この『千人の交響曲』でもヴァン スカならではの緻密な構成と細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がり。繊細かつ丁寧な音楽づくりが魅力です。また録音にも注目。オーケストラ全体の響き を自然にとらえ、演奏の一体感を堪能することができます。
BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達したマーラーの交響曲シリーズ。これまでに第1番『巨人』(KKC-6034 / BIS SA-2346)、第2番『復活』(KKC-5995 / BIS SA-2296)、第4番(KKC-6131/ BIS SA-2356)、第5番(KKC-5831 / BIS SA-2226)、第6番(KKC-5994/ BIS SA-2266)、第7番(KKC-6184 / BIS SA-2386)、第9番(KKC-6686/ BIS SA-2476)、第10番 (KKC-6321/ BIS SA-2396)がリリースされております。
2003年にミネソタOの音楽監督に就任したヴァンスカは、ベートーヴェンの交響曲全集などで評価を高めました。しかし、当団では経営悪化に伴う労 使対立が激しさを増し、2012年10月に経営側はロックアウトを決行。その後の2012/13年のシーズンは全てキャンセルとなり、当団の存続そのものも危 ぶまれる状況となりました。ヴァンスカは、労使の合意が成立した2014年1月に首席指揮者に復帰し、以後、団結力の増したミネソタOの演奏は一層 密度の濃いものとなっております。

Cybele
SC-832301(1CD)
バッハ家の管弦楽作品集
ヨハン・ベルンハルト・バッハ:管弦楽組曲 ト短調
C.P.E.バッハ:ハンブルク交響曲第5番ロ短調
J.C.バッハ:交響曲 ト短調
バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV1060
パヴェル・ストルガレフ(Ob)
ベルンハルト・フォルク(Vn,指)
ノイエ・フィルハーモニー・ヴェストファーレン
ベルリン古楽アカデミーのコンサートマスターとしても活躍しているヴァイオリニスト、ベルンハルト・フォルクが指揮するバッハ・ファミリーの作品集。
フランスの宮廷舞踏とイタリア器楽の妙技を融合させたヨハン・ベルンハルト・バッハの管弦楽組曲にはじまり、独創的で辛口、大胆なコントラストを駆使したカー ル・フィリップ・エマヌエル・バッハの「疾風怒濤」な交響曲、モーツァルトの小ト短調に影響を与えた荒々しい熱狂によるヨハン・クリスティアン・バッハの交響曲 を収録。
最後におかれた大バッハのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲は、2台のチェンバロのための協奏曲から復元されたもので、二つの独奏楽器が効果的に組み 合わされます。ジグザグ音型でエネルギッシュに展開していく終楽章は後の時代の激しい音楽を予感しているかのよう。 (Ki)


Gramola
GRAM-99311(11CD)
NX-K10
ブルックナー:交響曲全集(全10曲)
交響曲 ニ短調(通称第0番) WAB100(1869)(2023年デイヴィッド・チャプマン校訂版)…初出音源
交響曲第1番ハ短調 WAB101(1890/91年ウィーン稿)
交響曲第2番ハ短調 WAB1022(1872年初稿/2005年ウィリアム・キャラガン校訂版)
交響曲第3番ニ短調 WAB103(1873年第1稿)
交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 WAB104(1888年第3稿/2004年ベンジャミン・コーストヴェット校訂版)
交響曲第5番変ロ長調 WAB105(1876-78)
交響曲第6番イ長調 WAB106(1881)*
交響曲第7番ホ長調 WAB107(1883-85)(1954年ノーヴァク版 2018/19年 ポール・ホークショー校訂版)
交響曲第8番ハ短調 WAB108(1890)(2014年 ポール・ホークショー校訂版)*
交響曲第9番ニ短調 WAB109(1887-96未完)
レミ・バロー(指)
聖フローリアン・アルトモンテO
オーバーエスターライヒ・ユースSO*

録音:2013-2023年聖フローリアン修道院教会、ザンクトフローリアン(オーストリア北部オーバーエスターライヒ地方)
リンツ郊外のザンクト・フローリアンにある聖フローリアン修道院は、かつてアントン・ブルックナーが聖歌隊で歌い、オルガニストを務め、今はその墓所となってい る場所。ここでは、古くは朝比奈隆と大阪フィルの第7番、カラヤンやブーレーズとウィーン・フィルの第8番など巨匠たちによる記念碑的なブルックナー演奏が 繰り広げられてきました。同地でブルックナーの没後100年を記念して1996年に創設されたのが、聖フローリアン・アルトモンテOとブルックナー週間 (Bruckner-Tage)音楽祭。その常任指揮者レミ・バローが指揮して行われた10曲の交響曲のライヴ録音をBOX化しました(第6番と第8番はオーバーエ スターライヒ・ユースSOの演奏) 。 会場となった聖フローリアン修道院はとても長い残響があり、チェリビダッケに師事したことのあるバローは、響きの混濁を避けつつ、長く美しい残響と音楽を一 体化するためにテンポをゆったりと保ち、雄大な音楽として聴かせます。このため、第3番と第5番では89分、第8番では103分を越える演奏時間となりまし た。同時にバローは最新の楽譜校訂研究にも目配りしており、一部の曲では新しい校訂版を使用。このBOXが初出となる交響曲ニ短調ではディヴィッド・ チャプマンによる2023年校訂版を使っています。
※第1番から第9番までの単独アルバムはSACDハイブリッド盤で発売されていましたが、このBOXではお求めやすい価格にするために通常CDでの発売と なります。 ※レーベルからの情報によれば交響曲ニ短調は通常CDとして2024年に単独リリースが予定されているとのことです。


ICA CLASSICS
ICAC-5176(1CD)
NX-B03
カバレフスキー:歌劇「コラ・ブルニョン」序曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op. 65
ボーンマスSO
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)

録音:1961年4月27日ウィンター・ガーデンズ・パヴィリオン、ボーンマス(ライヴ/モノラル)
シルヴェストリと翌年には彼が首席指揮者の座に就くことになるボーンマスSOとの、1961年のライ ヴ録音。シルヴェストリのショスタコーヴィチといえばウィーン・フィルとの第5番、モスクワ放送響との第1番、 日本でのN響との第1番ライヴ、ルーマニアでの第10番ライヴなどが知られますが、第8番の登場は初め てとなります。さらに、同時収録の「コラ・ブルニョン」もまた初レパートリーという嬉しい1枚。BBCのアーカ イヴからのCD化で、Re:Sound社のポール・ベイリーによる丁寧なリマスタリングにより、モノラルながらシ ルヴェストリらしい演奏の凄まじさがひしひしと伝わる音に仕上がっています。

Phi
LPH-040(1CD)
シューマン:交響曲第1番変ロ長調 Op.38 「春」
交響曲第3番変ホ長調 Op.97「ライン」*
アントワープSO
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指)

録音:2019年10月*、2022年10月エリザベート王妃記念ホール、アントワープ(アントウェルペン)
ヘレヴェッヘが、1996年と2006年に古楽器オーケストラのシャンゼリゼOと録音し、高い評価を得たシューマンの交響曲。その経験 を経た今回の全集再録音では、機能性の高いモダン楽器のオーケストラによってさらに深化した解釈と幅の広い表現を聴くことが出来ます。 引き締まったアクセントと各楽器の伸びやかな歌、そしてダイナミックなオーケストラの鳴りが素晴らしく、なかでも「春」のスケルツォや「ライン」冒 頭などは格別の響き。2010年に自主レーベルPhiを立ち上げて以降、「本当に取り組みたい曲だけ指揮する」と標榜するヘレヴェッヘが敢え て臨んだ再録音だけに、大きな意味のある全集になったといえるでしょう。

CD ACCORD
ACD-266(3CD)
NX-F01
スクロヴァチェフスキ生誕100年を記念して
【CD1】
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ:1. プレリュード、フーガとポストリュード(1946-1948)
オネゲル:交響曲第2番(1941)
【CD2】
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626(1791)
【CD3】
エンニオ・ポッリーノ(1910-1959):交響詩「サルデーニャ」(1933)
ペトラッシ(1904-2003):管弦楽のための協奏曲 第1番(1934)
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ステファニア・ヴォイトヴィチ(S)
クリスティナ・シュチェパンスカ(Ms)
ボグダン・パプロツキ(T)
ヴィトルド・ピレウスキ(Bs)
ワルシャワ・フィルハーモニーcho
ワルシャワPO
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指)

録音:全てモノラル
1956年2月11日(CD1&CD2)、6月22日(CD3)
ワルシャワ・フィルハーモニーホール(ライヴ)
指揮者・作曲家のスタニスワフ・スクロヴァチェフスキの生誕100年(2023年10月3日)を記念して、母国ポーランドのワルシャワ・フィルハーモニーの アーカイヴから1956年の録音が初CD化。 正規盤の無かったモーツァルトのレクイエムや若き日の快速テンポによる「英雄」を含む興味深いリリースです。 スクロヴァチェフスキはポーランドのルヴフ(現ウクライナのリヴィウ)に生まれました。4歳でピアノとヴァイオリンを学び始め、特にピアノで目覚ましい才能を 発揮して11歳の時にはデビュー・リサイタルを行うほどでしたが、第2次世界大戦中に手にケガを負い、その後は指揮と作曲に専心します。1946年 以降はヴロツワフ、クラクフ、カトヴィツェのオーケストラで指揮者を務め、1956年にはローマで行われた国際指揮者コンクールで優勝。2年後には ジョージ・セルの招きでアメリカ・デビューを果たしました。1956年から59年にかけて、ポーランド国内ではワルシャワ・フィルのポストを得て定期的に指 揮。ここに収められた2つのコンサートでは世界へ羽ばたく前夜の指揮を聴くことができます。全6曲中、「英雄」を除く5曲にはスクロヴァチェフスキによる 正規録音が無かったので貴重なリリースと言えるでしょう。 スクロヴァチェフスキは1947年にシマノフスキ国際コンクールの作曲部門で入賞し、フランス政府の奨学金を得てオネゲル(とナディア・ブーラン ジェ)に師事しているので、自作(初演)と師の作品を組み合わせた2月11日のプログラムは師への敬意を込めたものかもしれません。後半に置かれた モーツァルトのレクイエムは作曲家の生誕200年であることにちなんだ選曲と思われますが、結果的に前年秋に世を去ったオネゲルへの追悼のような 形になりました。4人のソリストと合唱団は声を張った熱唱に傾きがちで、このあたりには甚大な犠牲を出した第2次大戦から10年余りという時代の 空気も感じられます。その中で意外なのはラクリモーサの結びの「アーメン」。ここは多くの場合、悲しみのどん底から救いを求めるかのような絶唱になり がちですが、スクロヴァチェフスキは柔らかな発声と控えめな音量で歌わせ、最後は消え入るように終わらせています。 6月22日のプログラムでは、前半後半を通じてこの人らしい精彩に富んだ演奏を聴かせます。「英雄」の演奏時間は44分余り。ザールブリュッケン放 送響盤(2005年)も読響盤(2012年)も弛緩とは無縁の充実した演奏でしたが、それらに比べると当盤の演奏時間は5分ほど短く、若きスクロヴァ チェフスキの覇気が漲る演奏となっています。 ブックレット(ポーランド語と英語)は表紙込みで84ページもあり、楽曲解説や演奏者の紹介に加えて当日のコンサート・プログラムの表紙写真やオー ケストラと合唱団のメンバー全員の名前が掲載されるなど、丁寧な作りになっています。
※すべてオリジナル・テープからCD化していますが、ベートーヴェンの「英雄」ではマスターに起因するゆがみが少しあるとのことです。

ONDINE
ODE-1422(1CD)
NX-B07
オッリ・ムストネン(1967-):交響曲第3番&第2番
交響曲第3番「Taivaanvalot 天空の光」(2020)- テノールと管弦楽のために
交響曲第2番「Johannes Angelos ヨハネス・アンジェロス」 (2013)*
イアン・ボストリッジ(T)
トゥルクPO
オッリ・ムストネン(指)

録音:トゥルク・コンサート・ホール(フィンランド)、2022年11月24-26日、2023年5月29-30日*
ピアニスト・指揮者として目覚ましく活躍するオッリ・ムストネン。彼は作曲活動にも力を注いでいます。 8歳からエイノユハニ・ラウタヴァーラの指導のもとで作曲を学び、いくつかの室内楽作品を書き上げたのち、2010年代の始めから交響曲の作曲にも取り組 んでいます。このアルバムには2013年作曲の第2番と2020年作曲の第3番を収録。ビザンチウムと、古代都市コンスタンティノープル(現在のイスタンブー ル)からインスパイアされたという交響曲第2番は、聖母マリアと正教会の司教職の紋章にちなんで名づけられた第1楽章「ブラケルナエのバナキア」のハープと 弦楽器の神秘的な響きで幕を開け、終楽章で、オスマン帝国によって都市が陥落するまでの情景が描かれています。交響曲第3番は、フィンランドの国民 的叙事詩カレワラの第47章から第49章の物語に基づいており、フィンランド神話のシャーマニズム的な要素が盛り込まれています。この録音では、声楽パー トを初演者イアン・ボストリッジが歌い、ムストネンとの息のあった演奏を聴かせます。

FUGA LIBERA
FUG-820(1CD)
NX-B10
ミヤスコフスキー:交響曲集
交響曲第17番嬰ト短調 Op.41
交響曲第20番ホ長調 Op.50
ウラル・ユースSO
アレクサンドル・ルーディン(指)

録音:2022年6月 スヴェルドロフスク・フィルハーモニック大ホール、エカテリンブルク、ロシア
モスクワ出身のチェリスト、指揮者アレクサンドル・ルーディンとウラル・ユースSOによるミヤスコフスキー。2つの大戦間の後期、実験的な作風から離れ古 典へと寄っていく時期に書かれた2つの交響曲を収録しています。45分ほどの比較的大規模な中に、不安や焦燥感、重々しさと大きなクライマックスなど、ミ ヤスコフスキーらしさがふんだんに盛り込まれた傑作第17番。逆に明るさと郷愁に満ちミヤスコフスキーの別の側面を聴くことの出来る25分ほどの第20番。長年ミヤスコフスキーにこだわり続けてきたというルーディンはウラル・ユース響を自在に操り、繊細さと力強さを併せ持つ力演で作品を内面から描き上げ、その高 い完成度に比して不当に知られていないとされるその作品の真価を問います。

BELVEDERE
BELVED-08071(3CD)
NX-D10
モーツァルト週間へのデビュー・コンサート
【CD1】
●1980年 モーツァルト週間
歌劇「魔笛」 - 序曲 K.620
交響曲第34番ハ長調 K.338
オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
交響曲第35番「ハフナー」 K.385
【CD2&3】
●2006年 モーツァルト・イヤー オーケストラ・ワークショップ
モーツァルト:交響曲第25番ト短調 K.183の公開リハーサル(ドイツ語)
【CD1】
ヴェルナー・ヘルベルス(Ob)
アムステルダム・コンセルトヘボウO
ニコラウス・アーノンクール(指)
録音:1980年1月29日 ザルツブルク祝祭大劇場
【CD2&3】
カメラータ・ザルツブルク
ニコラウス・アーノンクール(指)
録音:2006年6月10日 モーツァルテウム、大ホール
モーツァルトの生誕200周年にあたる1956年に生地ザルツブルクで始まった音楽祭「モーツァルト週間」は、毎年彼の誕生日(1月27日)前後にオーストリ ア内外から演奏家を迎えて開催されます。この3枚組のセットでは、CD1にニコラウス・アーノンクールがコンセルトヘボウOを率いて初登場した 1980年の演奏を収録。CD2とCD3には2006年の公開リハーサルを収めています。 1980年の演奏は、アクセントの強調、時に極端と思えるテンポ設定、ダンスのステップを思わせるリズムの強調が聴かれ、抑制されたヴィブラートや、荒々し いほどに強奏される金管と打楽器といった、今では珍しくないHIPスタイル。聴衆の拍手は好意的に聞こえますが、『クーリエ』祇には「彼らはモーツァルトのメ ロディの自然な流れにわざわざ逆らうようなフレージングで演奏した」との批判的な評が載りました。当時はカラヤンやバーンスタインらが名声を極めており、こ の演奏の3日後には音楽祭にベームが登場して最後の3つの交響曲を指揮しました。後に話題となるアーノンクールとコンセルトヘボウ管の一連のモーツァ ルト録音はまだ世に出る前で、この演奏は当時の主流や伝統と異なる、非常に挑戦的なものとして響いたことが想像されます。彼らはこの年の11月に第 34番と第35番をテルデックに録音してモーツァルト交響曲シリーズに着手、賛美両論を巻き起こしつつ、その後の古典派作品の演奏に決定的な影響を 与えることになりますが、ここに収められた演奏はそうした歴史の転換を予告するものだったと言えるでしょう。オーボエ協奏曲でソロを吹くヴェルナー・ヘルベル スは1970年からコンセルトヘボウ管の首席奏者を務めつつ古楽演奏の研究実践に取り組み、またエボニー・バンドのリーダーとして埋もれていた近現代作 品の再評価に取り組みました。このCDは2023年6月に他界した彼への追悼盤でもあります。 CD2とCD3は、モーツァルト生誕250年にあたる2006年6月に行われた公開リハーサルの模様です。モーツァルト解釈の権威と認められていたアーノンクー ルはアーティスト・イン・レジデンスに迎えられ、カメラータ・ザルツブルク相手に自らの音楽観を存分に伝えます。リハーサルはドイツ語で、文字での掲載はあり ません。

VOX
VOXNX-3028CD(1CD)
NX-B03
ラフマニノフ:交響曲第3番イ短調 Op.44
交響曲 ニ短調「ユース・シンフォニー」#
幻想曲「岩」 Op.7*
セントルイスSO
レナード・スラットキン(指)

録音:1977年10月1-2日、1979年*、1980年10月#
スラットキンとセントルイス響の画期的業績の一つ、ラフマニノフの管弦楽作品全集から交響曲第3番他が24bit/192kHzリマスターによる「VOX AUDIOPHILE EDITION」で復活。先にリリースされていた第2番&ヴォカリーズは『ステレオ』誌上での既発盤との比較で「最も顕著な違いはオーケストラ の立体感。前後左右の広がりと距離感が正確で、ステージの奥行きも深みを増す。グロッケンシュピールのようにトゥッティで他の楽器に埋もれやすい楽器の 音も鮮明に聴こえるので、管弦楽の演奏効果を熟したラフマニノフならではの工夫が伝わり、演奏に引き込む力が一気に強まる」と高評を得ました。 スラットキンは第3番を2011年にデトロイト響と再録音していますが、全3楽章を通じて演奏時間はほぼ同じで、当盤時点で解釈は熟成の域に達していた ことがうかがわれます。初出時に『レコード芸術』で「広々とした音場の中にオケが展開する。奥行きもとれ、解像度高く、それでいて全体はよく融け合ってい る。音はしなやかで艶があり、パートの定位ははっきりしていて、歪みや混濁は出ていない」(相澤昭八郎氏の録音評)と高評価を得ました。アナログ・テイス トを留めるリマスターによりリフレッシュされた名録音の魅力に浸ることが出来ます。
VOX
VOXNX-3029CD(1CD)
NX-B03
ラフマニノフ:交響曲第1番ニ短調 Op.13
交響詩「ロスティスラフ公」(1891)*
セントルイスSO
レナード・スラットキン(指)

録音:1976年12月3日、1980年10月*
スラットキンとセントルイス響の画期的業績の一つ、ラフマニノフの管弦楽作品全集から交響曲第1番他が24bit/192kHzリマスターによる「VOX AUDIOPHILE EDITION」で復活。先にリリースされていた第2番&ヴォカリーズは『ステレオ』誌上での既発盤との比較で「最も顕著な違いはオーケストラ の立体感。前後左右の広がりと距離感が正確で、ステージの奥行きも深みを増す。グロッケンシュピールのようにトゥッティで他の楽器に埋もれやすい楽器の 音も鮮明に聴こえるので、管弦楽の演奏効果を熟したラフマニノフならではの工夫が伝わり、演奏に引き込む力が一気に強まる」と高評を得ました。 この第1番は初出時に『レコード芸術』で「セントルイス響の名技を生かした明晰な表現が作られている」(小石忠男氏による演奏評)、「広々とした音場の 中にオケが展開する。奥行きもとれ、解像度高く、それでいて全体はよく融け合っています。音はしなやかで艶があり、パートの定位ははっきりしていて、歪みや 混濁は出ていない」(相澤昭八郎氏の録音評)と高く評価されました。アナログ・テイストを留めるリマスターによりリフレッシュされた名録音の魅力に浸ることが 出来ます。

ACCENTUS Music
ACC-80544CD(4CD)
フランツ・シュミット:交響曲全集

■CD1(46'51)
交響曲第1番ホ長調
■CD2(51'46)
交響曲第2番変ホ長調
■CD3(50'43)
交響曲第3番イ長調
■CD4(60'41)
交響曲第4番ハ長調
歌劇「ノートル・ダム」間奏曲&謝肉祭の音楽
BBCウェールズ・ナショナルO
ジョナサン・バーマン(指)

■CD4
アリス・ニアリー(Vc)、フィリップ・シャルツ(Tp)、ティム・ソープ(Hrn)、サラ=ジェーン・ポルスモゲ(イングリッシュホルン)

録音:[第1番]2020年7月 [第2番]2021年10&11月 [第3番]2021年9月 [第4番&ノートルダム]2022年10月
2024年に生誕150周年を迎えるフランツ・シュミット(1848-1910)。近年再評価が進んでおり、ベルリン・フィルの首席指揮者キリル・ペトレンコも彼の 作品を取り上げ、またパーヴォ・ヤルヴィ指揮で交響曲全集もリリースされるなど、フランツ・シュミットの認知度が高まっています。そして今回、フランツ・シュミッ トの作品に情熱をもって取り組んでいるイギリスの指揮者ジョナサン・バーマンとBBCウェールズ・ナショナルOによる交響曲全集がリリースされます。ジョ ナサン・バーマンは、LPOの首席指揮者ウラディミール・ユロフスキ(当時)のアシスタント指揮者を務めたこともある、注目の若 手指揮者です。 フランツ・シュミットはオーストリア=ハンガリー帝国プレスブルク(現スロヴァキアの首都ブラチスラヴァ)出身。ウィーンで活躍した作曲家。ウィーン・フィルのチェ ロ奏者、またオルガンやピアノの名手でもありました。ウィーン・フィル時代にはマーラーのもとで首席チェロ奏者を務めていました。また1927年からはウィーン 音楽アカデミー院長に就任、オーストリア音楽界に多大な足跡を残した人物です。同時代の作曲家には、プフィッツナーやレーガー、同年生まれにはシェーンベルク がいますが、その作風はブルックナーとブラームスの伝統を受け継ぐ重厚な後期ロマン派。 交響曲第1番は1899年シュミットが25歳の時の作品。ウィーン楽友協会の作曲賞において審査員全会一致の一等賞の評価を得ています。ドイツ=オーストリア の後期ロマン派の音楽の伝統を感じる内容。交響曲第2番は1913年に完成。8本のホルンや打楽器を含む巨大編成の作品。全3楽章で第2楽章は変奏曲形式と いう革新的な構成となっています。1928年に完成した第3番は、シューベルト没後100年(1928年)を記念した作曲コンクールのために書かれた作品。結果 はスウェーデンのアッテルベリの交響曲第6番に次いで第2位を獲得しています。そして、娘エマの死に深く悲しみレクイエムとして作曲された交響曲第4番。構成 は4楽章形式ではありますが、アタッカで進められ単一楽章のように演奏されます。また娘エマへの死を悼む印象的な部分としてトランペットのソロが冒頭と最後に 奏されます。絶望感と孤独感におおわれた作品ではありますが、シュミットの傑作のひとつと言えるでしょう。カップリングには、歌劇「ノートルダム」より間奏曲と 謝肉祭の音楽。歌劇の完成より前に構想され、1903年にウィーン・フィルで初演されて以来ドイツ・オーストリアでは人気の高い作品となっています。

APARTE
AP-328(1CD)
モーツァルト:交響曲全集Vol.2
(1)交響曲第29番イ長調K.201
(2)オーボエ協奏曲ハ長調K.314
(3)交響曲第40番ト短調K.550
マキシム・エメリャニチェフ(指)
イル・ポモ・ドーロ
イワン・ポディヨーモフ(Ob)(2)

録音:2023年2月9-11日 サラ・デッラ・カリタ(パドヴァ)
メリャニチェフと手兵イル・ポモ・ドーロによるモーツァルト交響曲全集、待望の第2弾が登場、人気の高い40番ト短調がメインなのにも注目です。
エメリャニチェフはクルレンツィス指揮ムジカエテルナの「ダ・ポンテ三部作」録音の才気煥発な通奏低音で注目されましたが、現在ではイル・ポモ・ドーロ を指揮してバロック・オペラのアルバムをリリースして高い評価を得ています。もともとモスクワ音楽院でロジェストヴェンスキーの厳しい訓練を受けたサラブレッ ドなうえ、音の指向性や奏者の数による変化なども綿密に計算するなど考えに考え抜いた録音となっています。
今回は第29番と第40番のカップリング。驚かされるのは40番第1楽章のテンポの類のない速さ。しかし丁寧な演奏のため、少しも乱暴な感じはしません。 むしろモーツァルトの気性の激しさ、ハイな状態にふさわしいとさえ思えてくる説得力で、議論を巻き起こしそうな解釈と申せましょう。
今回のフィルアップはオーボエ協奏曲。1986年ロシア出身、モーリス・ブルグ門下でバンベルクSOやマーラー室内Oを経て2016年以来ロイ ヤル・コンセルトヘボウOの首席奏者を務めている俊才。バロック・オーボエのひなびた響きに魅了されます。 (Ki)

MDG
MDG-93822616(1SACD)
エディション・ホーフカペレ2〜宮廷コンサート
アントン・ライヒャ(1770-1836):大序曲ニ長調
アンドレアス・ロンベルク:ヴァイオリン協奏曲第8番変ホ長調
パウル・ヴァインベルガー(1758-1821)交響曲ニ長調
ボン宮廷楽団(ボン・ベートーヴェンOのメンバー)
ディルク・カフタン(指)
ミハイル・オヴルツキ(Vn)

録音:2021年3月25,26日(ライヒャ、ロンベルク)、2023年1月9-12日(ヴァインベルガー)、ラ・レドゥーテ、ボン=バート・ゴーデスベルク
ベートーヴェンを主軸に、周辺の音楽、作曲家にも焦点を当て、当時の宮廷音楽「ハルモニームジーク」を再現していくシリーズ第2弾。 ベートーヴェンというと宮廷や教会に雇用されない自立した音楽家というイメージがありますが、ベートーヴェン家は、祖父が宮廷楽長で父が宮廷テノール歌手と 代々ボン宮廷と関わりがあり、ルートヴィヒ自身も音楽家としてのキャリアは宮廷音楽家でありました。 このアルバムでは、楽聖ベートーヴェンの生誕の地ボンを本拠地とし、1907年に設立されたボン・ベートーヴェンOのメンバーによる演奏で、ベートーヴェ ンが若き日を過ごしたボンの音楽文化を再現しています。 ボヘミア出身のアントン・ライヒャはベートーヴェンと同年生まれで、ケルン選帝侯マクシミリアンの宮廷楽団のフルート奏者としてボンに移りそこでベートーヴェン と知り合います。後にパリ音楽院の作曲教授として名声を得、古典派様式の管楽室内楽に優れた作品を残した事で知られています。アンドレアス・ヤーコプ・ロン ベルクはヴァイオリニストとして1790年、ボンの選帝侯の宮廷楽団に入団し、前述の通りここには若きベートーヴェンとライヒャも所属しており、彼らと親交を持 ちました。優れたヴァイオリン奏者として活躍したロンベルクによるヴァイオリン協奏曲は、ベートーヴェン・トリオ・ボンのミハイル・オヴルツキが卓越した技巧で 演奏しています。パウル・ヴァインベルガーは6曲の交響曲を作曲。このニ長調の作品は名人芸を披露するようなソロパートがあり、実験的なアプローチと豊かな サウンドが際立った作品。今回200年ぶりにボン・ベートーヴェンOのメンバーによって再演されました。 (Ki)

H.M.F
HAF-8905371(2CD)
ハイドン:パリ交響曲集+ヴァイオリン協奏曲
交響曲第84番変ホ長調 Hob.I:84
交響曲第85番変ロ長調 Hob.I:85「王妃」
ヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIa:1*
交響曲第86番ニ長調 Hob.I:86
交響曲第87番イ長調 Hob.I:87
レザール・フロリサン
ウィリアム・クリスティ(指)
テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ(Vn,指*)

録音:2020年10月(第84&87番)、2022年3月(第85,86番、協奏曲)/シテ・ド・ラ・ミュジーク(パリ)
クリスティ率いるレザール・フロリサンが、ハイドンの交響曲を録音しました!クリスティは「自分は今、人生において、好きなことをさせてもらえる時期」と語り、 ハイドンの作品には絶大な敬意を抱いていて、ハイドン作品はずっとやりたいことリスト(机の上)にあった、といいます。これまでにもオラトリオは録音してき ていますが、交響曲!バロックに長年取り組んできた音楽家として、ハイドンの作品に最高級の敬意を払いながら、あらためて真価を問い、ハイドン作品に新鮮 味をもたらし、ハイドンのために身を捧げたいと語るクリスティの並々ならぬ思いが詰まったハイドン。レザール・フロリサンの器楽メンバーの素晴らしさがこれ 以上ない形で引き出されており、どの音も、喜びと明るさ、そして軽やかさに満ちています。
ハイドンの「パリ交響曲」はいずれも当時のパリの新設オーケストラ、コンセール・ド・ラ・オランピックのために書かれたものですが、ハイドンがウィーンで 指揮していたオーケストラはこれよりも小規模だったことなどから、様々な規模のオーケストラが演奏したと考えています。ただ、パリの聴衆のために書かれたと いうことで、フランスが好む華やかさがあり、パリのこの新オーケストラのアンサンブルの正確さと質が生きる作品になっていることは確かとも述べています。こ こではVnI=6名、VnII=4-6名、Vla=3-4名、Vc=4-5名、コントラバス2名、そして管楽器という編成で演奏しています。
ヴァイオリン協奏曲第1番は、エステルハージお抱えのオーケストラ(総勢15名ほど)のコンサートマスターだった、作曲家にしてヴァイオリンの大名手のルイー ジ・トマジーニのために書かれた作品。弦楽アンサンブルとソロのための作品です。クリスティはここで、ド・スワルテに指揮をまかせ、自身はリハーサルの時 も本番の時も、オーケストラの中に座っていたといいます。ハイドンによる、ポルポラ仕込みの洗練されたイタリア様式の熟練が光る名作です。ド・スワルテの瑞々 しくも大胆な演奏にも注目です。
ライヴ収録のため、各曲の最終楽章終了後拍手が入ります。 (Ki)


Melodiya x Obsession
SMELCO-1001087(2CD)
完全限定生産
ジャクリーヌ・デュ・プレ・イン・モスクワ
ソビエト連邦国歌イギリス国歌
ハイドン:交響曲第83番ト短調 《めんどり》
エルガー:チェロ協奏曲ホ短調 Op.85
シベリウス:交響曲第2番ニ長調 Op.43
ブリテン:青少年のための管弦楽入門 〜 XV.フーガ
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)
ジョン・バルビローリ(指)BBC響

録音(ライヴ):1967年1月7日、モスクワ音楽院大ホール/ステレオADD
「カラヤン・イン・モスクワ」や「グールド・イン・モスクワ」、「ブーレーズ・イン・モスクワ」、「ストラヴィンスキー・イン・モスクワ」、「ミュンシュ・イン・モスクワ」など、東西の音楽史的交流の貴重な記録を遺す人気シリーズ「ライヴ・イン・モスクワ」の最新巻として、「ジャクリーヌ・デュ・プレ・イン・モスクワ」がMelodiya x Obsessionから登場!
BBC交響楽団がジョン・バルビローリとピエール・ブーレーズと共に1967年に巡ったプラハ、レニングラード、モスクワのツアーのうち、1967年1月7日にモスクワ音楽院で行われた演奏会(指揮はバルビローリ)の様子を収録。1966年からロストロポーヴィチに学んでいたジャクリーヌ・デュ・プレがモスクワ市民に披露したエルガーのチェロ協奏曲はCDリリースされていましたが、開幕のソ連国歌&イギリス国歌から、ハイドンとシベリウスの交響曲、割れんばかりの拍手喝采、リハーサルの様子を伝えるボーナス・トラックまでの演奏会全体が初リリースとなります。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Gutman Records
GUTMANCD-231(1CD)

JGUTMANCD-231(1CD)
日本語解説付き国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第6番(ロルフ・フェルベーク編/アンサンブル版) カメラータRCO、
ロルフ・フェルベーク(指)

録音:2022年9月2日、ワロン教会(アムステルダム、オランダ)
Gutman Recordsにブルックナーの交響曲第7番(JGUTMANCD211/GUTMANCD211)やマーラーの交響曲第4番(JGUTMANCD173/GUTMANCD173)、第9番(JGUTMANCD150/GUTMANCD150)を小編成アレンジでレコーディングしてきたカメラータRCOが、今度はブルックナーの交響曲第6番をリリース!カメラータRCOは世界最高峰のオーケストラ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)のメンバーで組織されるアンサンブル。今回演奏されるのは指揮を務めるロルフ・フェルベーク自身による編曲版で、前作の交響曲第7番同様、各1名の弦五部とクラリネット、ホルン、ティンパニにピアノとアコーディオンを加えた計10名の編成。ベイヌム、ヨッフム、ハイティンクらと共に長きにわたってブルックナー演奏の伝統を築いてきたRCOのメンバーが“ブル6”の演奏史に新たな1ページを刻みます。
今回指揮と編曲を担った1989年生まれのロルフ・フェルベークは2019年からカメラータRCOの常任客演指揮者として度々共演しており、彼らのための編曲もいくつも手掛けています。オランダ国内の多くの主要オーケストラを指揮しており、2023/24シーズンにはオランダ・フィルやロッテルダム・フィルにもデビューを予定しているほか、国外ではロンドン響、ミュンヘン・フィル、フランス放送フィルなど数々の一流オーケストラでアシスタント指揮者を歴任。またフリーのホルン奏者としても複数のオーケストラに客演し、エド・デ・ワールトやマルクス・シュテンツ、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン、ネーメ・ヤルヴィといった著名な指揮者と共演しています。

Forgotten Records
fr-1894(1CDR)
ベルワルド交響曲集
第1番ト短調「厳粛」
第3番ハ長調「風変わりな」
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)
ストックホルムPO

録音:1962年2月19日、21日(ステレオ)
※音源:Opera 1211他
Forgotten Records
fr-1900(1CDR)
シューマン:交響曲第3番「ライン」*
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68#
ゲオルク・ショルティ(指)
パリ音楽院O*、フランス国立放送O#

録音:1959年9月5日ブザンソン音楽祭*、1956年12月6日#(ともに放送用ライヴ音源)
Forgotten Records
fr-1901(1CDR)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
スメタナ:交響詩「我が祖国」〜モルダウ#
 歌劇「売られた花嫁」〜序曲/フリアント/道化師の踊り
ディーン・ディクソン(指)ケルンRSO

録音:1959年、ステレオ
※音源:Bertelsmann 11331他
Forgotten Records
fr-1902(1CDR)
マーラー:交響曲第1番「巨人」
ワーグナー:序曲「ファウスト」 #
ジョルジュ・セバスティアン(指)
フランス放送PO

録音:1960年4月28日 、1962年10月9日#
(共に放送用音源)
Forgotten Records
fr-1903(1CDR)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68#
ローズル・シュミット(P)
ヨーゼフ・カイルベルト(指)
バンベルクSO、BPO #

録音:1951年、バンベルク*、1951年3月9日、11日#
※音源:Mercury MG15020*、Telefunken SK7008#
Forgotten Records
fr-1904(1CDR)
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36*
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」#
ラファエル・クーベリック(指)
フランス国立放送O

録音:1955年2月12日* 、1956年2月23日# 、(共に放送用ライヴ)
Forgotten Records
fr-1906(1CDR)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲#
ラファエル・クーベリック(指)
フランス国立放送O

録音:1955年2月10日#、1958年3月13日*、(共に放送用ライヴ)
Forgotten Records
fr-1909(1CDR)
ドヴォルザーク:交響曲第4番ニ短調 Op.13*
チャイコフスキー:フィレンツェの思い出 ニ短調 Op.70#
ヘンリー・スヴォボダ(指)
ウィーン国立歌劇場O*、
ウィーン国立歌劇場弦楽合奏団#

録音:1950年10月# 、1952年頃*
※音源:Concert Hall F-11*、Westminster WL5083#
Forgotten Records
fr-1917(1CDR)
バンベルガー/ブラームス&ワーグナー
ブラームス:交響曲第1番ハ短調
ワーグナー:「タンホイザー」序曲#
 「さまよえるオランダ人」序曲#
カール・バンベルガー(指)
フランクフルト歌劇場SO*、
バーデン国立歌劇場O#

録音:1956年*、1959年頃#
※音源:Musical Masterpiece Society MMS2096*, MMS2142#

QUERSTAND
VKJK-2302(1CD)
ハードカヴァーブック仕様
「エディション・バーディッシェ・シュターツカペレ01」
R.シュトラウス:アルプス交響曲
ゲオルク・フリッチュ(指)
バーディッシェ・シュターツカペレ
(バーデン州立O)

録音:2023年4月23,24日 ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 カールスルーエ (ライヴ)
今ドイツで大いに注目されている、ドイツ伝統の質実剛健指揮者、ゲオルク・フリッチュによる R.シュトラウス:アルプス交響曲。2020年から音楽総監督を務めるカールスルーエのバーデン 州立劇場のオーケストラ、バーディッシェ・シュターツカペレを指揮してのライヴ録音。これが期 待以上のたいへん素晴らしい演奏。 フリッチュは1963 年、東ドイツ時代のマイセンの生まれ。2003 年から2019年まで16シーズン に渡ってキール劇場の音楽総監督を務めて名を上げたという、昨今のドイツでも稀になった歌 劇場叩き上げ指揮者です。ドイツ伝統の質実剛健の音楽は 21世紀の今高く評価され、シュト ゥットガルト歌劇場に度々招かれ、またジュネーヴ歌劇場では目玉公演であるワーグナーの指 環を託された。しかし録音はまだ少なく、今年 9月に神奈川POに客演 してその素晴らしさを初めて知ったという人も少なくないでしょう。 この録音はフリッチュの実力を知るに打って付けのものだ。地方歌劇場とはいえ 300年近い歴 史を誇るオーケストラから、シュトラウスらしい充実した響きと熱のこもった雄弁な音楽を引き出し ています。フリッチュは間違いなく向こう10年でドイツで特に注目される指揮者になることでしょう。 ハードカヴァーブック仕様。彼らのシリーズは続く予定。

Capriccio
C-8090(1CD)
NX-B07

NYCX-10435(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ブルックナー:交響曲第5番(ノーヴァク版) ウィーンRSO
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2023年2月15&16日ウィーン放送文化会館(オーストリア)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までにブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョ ン) を録音しようという企画、 「#bruckner2024」第10弾。 稿の問題の無い第5番ではノーヴァク版を使用。1908年にアルミン・クナープがいち早く指摘した通り「冒頭の22小節に作品全体の主題と動機の原形が すべて詰まって」いて、それらを素材に構築された壮大な対位法の織物を、ポシュナーはしっかりと音にして伝えてくれます。約71分という演奏時間はやや速 めのテンポを思わせますが、フレージングやアーティキュレーション、アクセントを細かく丁寧に処理しているため、「速さ」が前面に感じられることはありません。 神秘的、瞑想的、時にメランコリックなコラール風の旋律はしっかりと腰を据えて聴かせます。ポシュナーはフィナーレをクライマックスととらえているようで、ヨッフ ム/ドレスデンやヴァント/北ドイツ放送響とほぼ同じタイムをかけた第4楽章は特に聴きものとなっています。 ※国内仕様盤には専門誌等で好評を得ている石原勇太郎氏(国際ブルックナー協会会員)による日本語解説が付属します。

Gramola
GRAM-99283(1SACD)
NX-C01
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調 WAB101ウィーン稿(1891) 聖フローリアン・アルトモンテO
レミ・バロー(指)

録音:2022年8月20日(ライヴ)聖フローリアン修道院教会、ザンクトフローリアン(オーストリア北部オーバーエスターライヒ地方)
品番タイトル リンツ大聖堂のオルガニストとして働いていたブルックナーが、オルガン演奏と並行して1865年から作曲を開 始、翌年に完成、1868年に初演された「交響曲第1番」。彼は初演後に幾度かの改訂を行っています が、交響曲第8番完成・改訂後の1890年から1891年にかけて大規模な改訂を行いました。これは初期 の作品をもう一度演奏したいという指揮者ハンス・リヒターの要請によるものとされ、この稿の初演は1891年 12月13日にリヒターが指揮するウィーン・フィルハーモニーが行っています。番号こそ「第1番」であるものの、 改訂されたのが晩年であることもあり、同じ主題を持ちながらも曲の様式は1877年改訂のいわゆる「リンツ 稿」とは随分変化しており、洗練された作風から生まれた響きは朴訥さよりも濃厚なものになっています。聖 フローリアン修道院教会の長く美しい残響を活かしたテンポ設定による雄大な演奏を高音質で存分にお楽 しみいただけます。

Altus
ALT-530(1CD)
マーラー:交響曲『大地の歌』 藤村実穂子(Ms)、宮里直樹(T)
大野和士(指)東京都SO

録音:2021年4月26日/サントリーホール(無観客ライヴ)
都響と音楽監督・大野和士による2021年4月26日の『大地の歌』。これはコロナウィルスの影響で残念ながら急遽中止になってしまった公演ですが、会場の サントリーホールでは無観客での通し演奏がなされ、録音もされていました。その音源がついにCDで発売されます。藤村実穂子、宮里直樹という名歌手を配し、 大野ならではの真摯な音作りでじっくり築き上げたマーラーの世界。叙情的ながら多彩な表現が散りばめられたスケールの大きな演奏で、音楽が力強く迫ってきます。
この長大なフィナーレは、オーケストラによる長い中間部分あたりから、俄然情感を強める。もしかすると、無観客という状況が、演奏家に何か常ならぬ悲壮感 を生じさせたのだろうか。きわめて表現力がある木管楽器のソロ。ひとことひとことに重みがある藤村実穂子の歌。そして、演奏家たちの濃密なやりとり。録音を 聴いていても、音楽の中に呑み込まれそうな演奏だ。すさまじく迫真的だ。」(許 光俊氏のライナーノートより)
同年4月20日に東京文化会館で披露された『巨人』はALT-522としてCD発売中。当盤とあわせて同時期の大野/都響のマーラー演奏がお楽しみいただけ ます。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-918(1CD)
ショスタコーヴィチ:交響曲第14番 「死者の歌」 Op.135
5つの断章 Op.42
アスミク・グリゴリアン(S)
マティアス・ゲルネ(Br)
フランス放送PO
ミッコ・フランク(指)

録音:2021年6月、2022年8月 オーディトリアム、ラジオ・フランス、パリ
ドイツの実力派バリトン、マティアス・ゲルネと、ミッコ・フランク指揮フランス放送POが、ショスタコーヴィチが残したバスと 管弦楽の為の作品のリリースを開始。第1弾の交響曲第14番には今世界で最も注目されているソプラノの一人、2022年にはヤナーチェ ク「イェヌーファ」でレコード・アカデミー賞ビデオ・ディスク部門を受賞し、ノット指揮東京SOによる「サロメ」で成功を収めたのも記憶に 新しい、アスミク・グリゴリアンが参加しています。深みのある声で低音域も美しく響かせるゲルネと、豊かな声量と艶を持つグリゴリアン、2人の 表情が死について歌われたこの作品に奥行きを生み、フランクによるオーケストラの繊細なコントロールと相まって、濃厚な陰影を感じさせる 秀演となっています。今後は交響曲第13番「バビ・ヤール」と、「ミケランジェロの詩による組曲」のリリースを予定。

Linn
CKD-667(1CD)
メンデルスゾーン::交響曲第3番「スコットランド」 Op.56
交響曲第5番「宗教改革」 Op.107
スコットランド室内O
マキシム・エメリャニチェフ(指)

録音:2022年2月 ケアード・ホール、ダンディー、UK
スコットランド室内Oと首席指揮者マキシム・エメリャニチェフにより、その就任前に録音されたシューベルト「グレート」(NYCX- 10112/CKD-619)は、「同曲の最もスリリングな演奏」(BBCマガジン)など各所で絶賛されました。2024年1月に迎える楽団創立50周 年を記念すべく今回録音されたのは、メンデルスゾーンがスコットランドを旅行中その自然に触発されて構想してから10年以上、彼の一生の 半分近い歳月をかけて手を加えられ、生涯最後に完成させた交響曲となった第3番「スコットランド」。そして、若きメンデルスゾーンが試作的 な第1番に続いて2つ目の交響曲として完成させた、ルター派のコラール「神はわがやぐら」を引用する第5番「宗教改革」を併せて収録して います。どちらの作品でもヴィブラートを抑えた少人数の弦の透明感が印象的。「スコットランド」は各パートをよく鳴らし、メロディの歌謡的な 美しさのみならず、オーケストレーションの面白さも前面に出す快演となっています。「宗教改革」も力強くオーケストラを歌わせ、エコーのよう な効果も心地よく生かしつつメロディを伸びやかに表現し、この作品の素晴らしさを十二分に発揮。なお古楽鍵盤奏者としてピリオド奏法に 造詣の深いエメリャニチェフらしく、第4楽章では本来の指定通りにセルパンを使用しています。

Urania Records
LDV-14104(1CD)
フランス革命後のミラノの交響曲集
ボニファツィオ・アジオーリ(1769-1832):交響曲へ短調、
 交響曲ト長調「Azione teatrale campestre」
ジュゼッペ・ガッツァニーガ(1743-1818):交響曲ニ長調
アレッサンドロ・ロッラ(1757-1841):交響曲ニ長調 BI.533、交響曲ホ短調 BI.537
ジュゼッペ・ニコリーニ(1762-1842):交響曲変ロ長調
ステファノ・パヴェージ(1779-1850):交響曲変ロ長調
アタランタ・フーギエンスO、
ヴァンニ・モレット(指)

※全曲世界初録音
フランス占領時代のイタリア北西部、ロンバルディア州の交響曲を代表する作品を集めたアルバム。5人の作曲家は皆イタリアに生まれ、フランス革命前後の激動の時代の中で活動しました。18世紀末から19世紀初頭のミラノの劇場や教会、音楽祭などで奏でられた音楽をイメージさせる内容となっています。


ICA CLASSICS
ICAB-5174(20CD)
NX-L05
BBCレジェンズ グレート・レコーディングス 第4集

■CD1&2
マーラー:交響曲第7番ホ短調
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 「ジュピター」*

■CD3
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲
レスピーギ:ローマの松 *

■CD4
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第9番 ロ長調 Op.147D.575
ピアノ・ソナタ 第12番ヘ短調 D.625
ピアノ・ソナタ 第13番イ長調 Op.120D.664
楽興の時 Op.94D.780〜第1番ハ長調

■CD5
マーラー:交響曲第4番ト長調
ベルリオーズ:序曲「海賊」

■CD6
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調「皇帝」 Op.73
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第26番ニ長調「戴冠式」 K.537*

■CD7
リリ・ブーランジェ:詩篇 第24番 「全地は主のもの」
 ピエ・イエズ
 詩篇 第130番「深き淵より」
フォーレ:レクイエム Op.48

■CD8
ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 WAB105

■CD9
マーラー:さすらう若人の歌
若き日の歌 より*
 ドン・ファンの幻想/もう会えない!/春の朝/ 思い出
 シュトラスブルクの砦に 10. 私は緑の野辺を楽しく歩いた
 夏に小鳥はかわり(夏の歌い手交替す)
 いたずらっ子をしつけるために/うぬぼれ
リュッケルト歌曲集 より
 私は仄かな香りを吸い込んだ/私の歌を覗き見しないで
 私はこの世に捨てられて/真夜中に

■CD10
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
ドビュッシー:前奏曲集 第1巻

■CD11
シューベルト:交響曲第8番ロ短調 「未完成」
ビゼー:小組曲 Op.22
ラヴェル:ダフニスとクロエ 第2組曲
シベリウス:交響曲第7番ハ長調 Op.105*

■CD12
ブリテン:戦争レクイエム

■CD13
リスト:ピアノ協奏曲 第1番**
ピアノ協奏曲 第2番*
メフィスト・ワルツ 第1番S.514a
パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲 S. 420#
超絶技巧練習曲集 S.139〜XI. 「夕べの調べ」(1838年版)#

■CD14
リムスキー=コルサコフ:歌劇「ムラダ」 〜貴族の行進
 交響組曲「シェエラザード」
スクリャービン:法悦の詩*

■CD15&16
ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 Op.93
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」

■CD17
モーツァルト:ホルン協奏曲 第3番変ホ長調 K.447
ブリテン:セレナーデ Op.31
シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 Op.70#
モーツァルト:ディヴェルティメント 第14番 変ロ長調 K.270(アンソニー・バインズ編曲 木管五重奏版) より*
 I. Allegro molto/  IV. Presto
ミヨー:ルネ王の暖炉 〜VI. ヴァラブルでの狩り*
ピーター・ラシーン・フリッカー(1920-1990):木管五重奏曲 Op.5##

■CD18
ティペット(1905-1998):二重弦楽合奏の為の協奏曲
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の想い出に」
ヤナーチェク:シンフォニエッタ*

■CD19
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85*
ブラームス:二重協奏曲 イ短調 Op.102**
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 CD144

■CD20
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」
ピアノ・ソナタ 第31番変イ長調 Op.110*
■CD1&2
クラウス・テンシュテット(指)LPO
録音:1980年8月29日 アッシャー・ホール、エディンバラ
1985年9月13日 ロイヤル・アルバート・ホール*(STEREO ADD)
■CD3
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)ボーンマスSO
録音:1963年2月22日 ウィンター・ガーデンズ、ボーンマス、1967年9月20日コルストン・ホール、ブリストル*
(STEREO ADD)
■CD4
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1979年3月31日 ロイヤル・フェスティバル・ホール(STEREO ADD)
■CD5
ヘザー・ハーパー(S)、ジョン・バルビローリ(指)BBC響
録音:1967年1月3日 スメタナ・ホール、プラハ(STEREO ADD)
■CD6
クリフォード・カーゾン(P)、ピエール・ブーレーズ(指)BBC響
録音:1971年2月17日 ロイヤル・フェスティバル・ホール
1974年8月14日 ロイヤル・アルバート・ホール*(STEREO ADD)
■CD7
ジャネット・プライス(S)、バーナデット・グリーヴィ(C.A)、イアン・パートリッジ(T)、ジョン・キャロル・ケース(Br)、BBC交響cho、BBC響、ナディア・ブーランジェ(指)
録音:1968年10月30日 フェアフィールド・ホールズ、クロイドン(STEREO ADD)
■CD8
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)BBC響
録音:1971年9月15日 ロイヤル・アルバート・ホール(STEREO ADD)
■CD9
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、カール・エンゲル(P)録音:1970年2月16日 ロイヤル・フェスティバル・ホール(STEREO ADD)
■CD10
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)、ラファエル・ブリューベック・デ・ブルゴス(指)ニュー・フィルハーモニアO
録音:1965年6月17日(MONO ADD)*、1982年4月13日 (STEREO ADD)
■CD11
エイドリアン・ボールト(指)フィルハーモニアO、ロイヤルPO*
録音:1963年3月8日 ロイヤル・フェスティバル・ホール*、1964年7月30日 ロイヤル・アルバート・ホール・プロムナード・コンサート(STEREO ADD)
■CD12
ステファニア・ヴォイトヴィチ(S)、ピーター・ピアーズ(T)、ハンス・ヴィルブリンク(Br)、メロス・アンサンブル、ウォンズワース・スクール少年cho、ニュー・フィルハーモニアO&cho、
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
録音:1969年4月6日 ロイヤル・アルバート・ホール(STEREO ADD)
■CD13
ジョン・オグドン(P)、コンスタンティン・シルヴェストリ(指)ボーンマスSO**、コリン・デイヴィス(指)BBC響*
録音:1967年9月20日 コルストン・ホール、ブリストル**、1969年4月24日クイーン・エリザベス・ホール、1971年9月18日 ロイヤル・アルバート・ホール*(STEREO ADD)
1970年1月20日 BBCスタジオ#((MONO ADD))
■CD14
ジョン・ジョージアディス(Vnソロ)、エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)LSO、ソヴィエト国立SO*
録音:1968年8月22日 ロイヤル・アルバート・ホール*、1978年2月21日 ロイヤル・フェスティバル・ホール(STEREO ADD)
■CD15&16
ヘザー・ハーパー(S)、ジャネット・ベイカー(Ms)、ロナルド・ダウド(T)、フランツ・クラス(Bs)、ニュー・フィルハーモニアcho、ジョージ・セル(指)ニュー・フィルハーモニアO
録音:1968年11月12日 ロイヤル・フェスティバル・ホール(MONO ADD)※ポール・ベイリーによる新リマスター
■CD17
デニス・ブレイン(Hrn)、ピーター・ピアーズ(T)、ベンジャミン・ブリテン(P)、マルコム・サージェント(指)BBC響、ジョン・ホリングスワース(指)、デニス・ブレイン木管五重奏団
録音:1953年7月30日 ロイヤル・アルバート・ホール、1956年6月19日 BBCスタジオ*、1956年6月21日 オールドバラ教区教会、オールドバラ音楽祭#、1957年8月24日 フリーメイソン・ホール、エディンバラ音楽祭##(MONO ADD)
■CD18
エディト・パイネマン(Vn)、ルドルフ・ケンペ(指)BBC響
録音:1975年10月12日 フェアフィールド・ホールズ、クライドン*、1976年2月18日 ロイヤル・フェスティバル・ホール(STEREO ADD)
■CD19
ポール・トルトゥリエ(Vc)、ヤン・パスカル・トルトゥリエ(Vn)、アーネスト・ラッシュ(P)、エイドリアン・ボールト(指)*、ジョン・プリッチャード(指)BBC響
録音:1959年2月10日BBCスタジオ、1972年11月14日*
1974年4月17日** ロイヤル・フェスティバル・ホール(STEREO ADD)
■CD20
ルドルフ・ゼルキン(P)
録音:1968年5月13日(MONO ADD)、1971年6月16日(STEREO ADD)* ロイヤル・フェスティバル・ホール
英国BBCに残された巨匠たちの演奏の記録を、可能な限り良質のマスター を用いてデジタル・リマスターを施した安定の音質でリリースし、世界中のヒスト リカル・ファンに高い支持を得ていた「BBCレジェンズ」。1998年から2010年 まで活動し、現在はほぼ入手不能となっているこのレーベルの遺産を引き継 いだICA CLASSICSより、その名演の数々を復刻するBOXセット第4弾が 発売となります。名演の誉れ高いホーレンシュタインのブルックナー第5番、カオ ス的な盛り上がりを聴かせるシルヴェストリの「ローマの松」などのほか、第1集 (ICAB-5113/廃盤)、第2集(ICAB-5141/廃盤)、第3集(ICAB- 5167)同様、20枚の内容すべてが超弩級の演奏内容であることが驚き。い ずれもこの機会を逸すると、次の入手はかなり難しいものばかりです。基本的 にBBCレジェンズからリリースされた時点でのリマスタリング音源を使用していま すが、その全てをポール・ベイリー(元EMIアビー・ロード・スタジオ、現 Re:Sound社)監修のもと改めてチェック。中でもCD15と16のセルが指揮し たベートーヴェンについては、ベイリーの手で新たにリマスターが施され、ティンパ ニの強烈な打撃などモノラルとは思えないほどの臨場感と迫力に溢れた音に 仕上がっており、演奏の素晴らしさを際立たせることに成功しています。録音 は全てライヴ。ブックレットは付属しませんが、録音とリマスタリングに関するデー タは各CDのスリーブに記載されています。

Altus
ALTL-016(2CD)
アイヴズ:答えのない質問
ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
マーラー:交響曲第2番『復活』*
中江早希(S)*、谷地畝晶子(A)*
東京ユヴェントス・フィルハーモニーcho*
坂入健司郎(指)
東京ユヴェントス・フィルハーモニー

ライヴ録音:2022年1月15日/ミューザ川崎シンフォニーホール
坂入健司郎が2008年に結成して以来、継続して演奏会を開き人気を博している東京ユヴェントス・フィルハーモニー。2022年1月15日に行われたこの公 演は、余儀なくされたコロナ禍の沈黙を打ち破る記念碑的な演奏会として企画されたもの。マーラーの『復活』は坂入がこのタイミングで是非とも取り上げたいと 思っていた作品で、カップリングも含め、コンサート全体が音楽を奏でることへの讃歌となっています。
『復活』のスコアには第1楽章終了後に5分以上のインターバルを置くようにとの指示があります。演奏会ではここで休憩をはさみ、第2楽章以降を後半のプロ グラムとして演奏しました(CDでも同じ個所で2枚に分かれています)。これにより、アイヴズとヴォーン・ウィリアムズの作品が『復活』第1楽章への布石として 機能し、この楽章の悲劇性をより迫真なものにしているように感じられます。これをバネとして後半が始まり、フィナーレの壮麗なクライマックスに至るまで上り続 けていくイメージがまさにプログラミングの妙。中江早希、谷地畝晶子の独唱も素晴らしく、オーケストラは指揮者と阿吽の呼吸で盛り上がり、力強い合唱も加わっ て大いなる讃歌が築かれていきます。 (Ki)

MDG
MDG-91222656(1SACD)
メンデルスゾーン・プロジェクトVOL.4
シンフォニア第8番ニ長調
シンフォニア第9番ハ長調
シンフォニア第10番ロ短調
ドグマ室内オーケストラ
ミハイル・グレヴィチ(指)

録音:2021年5月17-21日、マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス
メンデルスゾーンは、12歳から14歳にかけて弦楽の為のシンフォニアを12曲作曲しています。ドグマ室内オーケストラは、同時期に書かれた5つの協奏曲 を含めたメンデルスゾーンのシリーズをリリース。本作はその第4弾。 この全12曲の「シンフォニア」はメンデルスゾーンの家で毎週日曜日に開催されていた音楽会で演奏するために作曲されました。「シンフォニア」は番号が進むに つれ、作曲手法の洗練や楽器編成の変化など、メンデルスゾーンの作曲家としての成長が見て取れます。交響曲第1番(1824年作曲)の自筆のスコアにはシンフォ ニア第13番と記されていることから、これら一連のシンフォニアはメンデルスゾーンの交響曲の重要な入口と言えるでしょう。 第4弾には、楽器編成に管楽器が加わった第8番、『スイス』の副題を持つ第9番、そして単一楽章で書かれた第10番の3作品が収録されています。 (Ki)

BR KLASSIK
BR-900212(2CD)
NX-B09
ブルックナー:テ・デウム ハ長調
交響曲第8番(第2稿 ハース版)
バイエルンRSO
ベルナルト・ハイティンク(指)

録音:2010年11月10-12日 ミュンヘン、フィルハーモニー・イン・ガスタイク(ライヴ)…テ・デウム
1993年12月15-17日 ミュンヘン、ヘルクレス・ザール(ライヴ)…交響曲第8番
ベルナルト・ハイティンクがバイエルンRSOの定期演奏会にデビューした1958年から65年となる2023/24シーズンを記念して、バイエルン放送収 録の音源から2010年のブルックナー:テ・デウムと1993年の交響曲第8番が初CD化。緻密かつ壮大な第8番が特に聴きものです。 ハイティンクのブルックナー:テ・デウムの録音にはコンセルトヘボウ管(1966)とウィーン・フィル(1988)があり(共にPhilips/現Decca)、これが3種目。ブルッ クナーを得意とする指揮者でも必ずしもこの作品を録音するわけではないので、ハイティンクがこの曲に寄せる格別な思いがうかがわれます。ここでも、作品 の壮大さと神秘的な美しさを遺憾なく表現した演奏を展開しています。 しかし、その後に収められた交響曲第8番は、その上をいく聴きもの。ハイティンクの同曲録音には6種があります。コンセルトヘボウ管との1969年盤は速め のテンポを基本としつつも緩急強弱を細かく操作し、後年のハイティンクを知る人が驚くようなアッチェレランドをかけるなどドラマティックな面を強調した演奏で すが、同じオケを振った1981年盤では慌てず騒がずの正攻法による堂々とした演奏が展開され、解釈が完成の域に入ったことが感じられます。そのスタイル はその後の演奏にも一貫し、1995年のウィーン・フィル盤はレコード・アカデミー賞に輝きました。このバイエルン盤の演奏も基本的に変わりませんが、他の演 奏に比べるとわずかながらテンポを落とし、すべての楽想を噛みしめて緻密に抉り出そうとするかのような緻密さを大きなスケール感の中で実現した演奏に なっています。 バイエルン放送響は創設指揮者ヨッフム以来のブルックナー演奏の伝統を誇っていますが、この演奏が行われた1993年12月当時、本拠地ミュンヘンでは チェリビダッケとミュンヘン・フィルの特異なブルックナー演奏が大評判となって世界中からファンが詰めかけるような事態になっており、バイエルン放送響もその評 判は意識せざるをえなかったはず。そのような状況下、同響の首席指揮者がコリン・デイヴィスからロリン・マゼールに代わった直後のコンサートでブルックナーの 第8番の指揮を託されたのが、当時すでに35年の共演歴を持っていたハイティンクでした。チェリ&ミュンヘンへの対抗心があったのは指揮者ではなくオーケス トラの方と思われますが、ここではハイティンクの解釈を通して曲の立派さを隅々まで音にしようとする執念のようなものさえ感じられます。結果としてハイティン クの同曲録音の中で最長の演奏時間となりました。ハイティンクの録音では特に第4楽章でティンパニの強打が目立つことがありますが、ここでは他の録音に 比べれば控えめでオーケストラ全体に調和したバランスとなっているのも解釈に沿ったものと感じられます。ブルックナー・ファンにとってもハイティンク・ファンにとっ ても聴き逃せない演奏の登場と言えるでしょう。 両曲とも演奏後の拍手はカットされています。

CPO
CPO-555572(1CD)
NX-B10
ヒューゴ・カウン(1863-1932):交響的作品集
交響詩「ミネハハ」 Op.43-1
交響詩「ハイアワサ」 Op.43-2
交響曲第3番ホ短調 Op.96
ベルリンRSO
ジョナサン・シュトックハンマー(指)

録音:2022年5月31日-6月3日
ヒューゴ(フーゴ)・カウンは1863年、ベルリン生まれの作曲家。地元で音楽を学んだ後1886年にアメリカ大 陸に渡り、当時ドイツ系のコミュニティがあったミルウォーキーに居を構えました。この地で合唱指揮者、作曲 家として活動するとともに、音楽学校でも教鞭を執り、多くの後進を育てました。1900年初頭にはドイツに 帰国、ベルリンで教職に就きます。その後はベルリンに定住し1912年にはプロイセン芸術アカデミー会員に 任命されました。 このアルバムにはロングフェローが1855年に発表した叙事詩「ハイアワサの歌」から題材をとった2つの交響詩 が収録されています。「ミネハハ」はドヴォルザークの「新世界より」第3楽章のLargoのようにイングリッシュホル ンの旋律で始まりますが、すぐにワーグナー風の半音階的な旋律へと移っていきます。「ハイアワサ」は伝説的 な英雄をネイティヴ・アメリカンの旋律を用いて描いています。交響曲第3番は1913年に作品。1914年に 初演された後人気を博し、プフィッツナーやフルトヴェングラーもこの曲を演奏したとされています。

GENUIN
GEN-23848(1CD)
ベートーヴェン:「献堂式」序曲
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64
アンドレス・ロイカウフ(b.1972):南ヴェストファーレン=ファンファーレ(世界初録音)
南ヴェストファーレン・フィルハーモニー、
ナビル・シェハタ(指)

録音:2021年5月18日-20日、ベッツドルフ市立ホール(ドイツ)
1957年にジーガーラントOとして発足して以来、ドイツのヴェストファーレン州、ヒルヒェンバッハを拠点に活動するオーケストラ、南ヴェストファーレン・フィルハーモニー。かつて児玉宏も首席指揮者を務めたこのオーケストラは2020年3月に新たな本拠地となる「音楽の家」の建設を開始し、途中建設現場が大規模な水害に襲われるアクシデントがありながらも2023年に完成。それを記念して首席指揮者ナビル・シェハタとの新しいアルバムがリリースされます。ベートーヴェンが新築された劇場のこけら落としのために作曲したまさにこの機会にぴったりな「献堂式」序曲にチャイコフスキーの情熱的な交響曲第5番、そして1972年スイス生まれのドイツ人音楽家、アンドレス・ロイカウフによる快活な「南ヴェストファーレン=ファンファーレ」が初めて録音され、きわめて祝祭的なムードのアルバムに仕上がっています。
ナビル・シェハタは1980年、エジプト人の父とドイツ人の母の間にクウェートで生まれ、5歳でドイツへ移住。9歳からコントラバスを始めると2003年に難関ARDミュンヘン国際音楽コンクールで優勝し、翌2004年から2008年までベルリン・フィルの首席コントラバス奏者として活躍。様々な名門オーケストラやアンサンブルとともに日本を含む世界各地でツアーやマスタークラスを行ってきました。一方で指揮をクリスティアン・ティーレマン、ダニエル・バレンボイムらに学び、2007年にドイツで指揮者デビュー。日本のオーケストラの指揮台にも何度も登場しています。南ヴェストファーレン・フィルハーモニーには2019年、約200名もの候補の中から選ばれ首席指揮者に就任。新築された「音楽の家」と新しい道を歩み始めたオーケストラを牽引し、今後ますます飛躍してゆくことでしょう。

Onyx
ONYX-4232(1CD)

PONYX-4232(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ロベルト・シエッラ:交響曲第6番
シエッラ:交響曲第6番
弦楽オーケストラのためのシンフォニエッタアレグリア/ファンダンゴズ
オーケストラのための2つの小品
ドミンゴ・インドヤン(指)、
ロイヤル・リヴァプールPO

録音:2021年10月14日&16日(交響曲第6番、ライヴ)&2022年5月20日(アレグリア、2つのオーケストラのための小品、ファンダンゴズ)、リヴァプール・フィルハーモニー・ホール(イギリス)
2022年6月10日(弦楽オーケストラのためのシンフォニエッタ)、フライアリー(イギリス)
2006年から15年間、ロイヤル・リヴァプールPOの首席指揮者を務めたワシリー・ペトレンコに代わり、2021年9月から新たな首席奏者に就任したアルメニア系ベネズエラの若き注目指揮者、ドミンゴ・インドヤンの第2弾!
1953年プエルトリコ生まれの作曲家、ロベルト・シエッラによる交響曲第6番をメインとした作品集。ロベルト・シエッラは40年以上に渡り、グラミー賞にノミネートされ、これまでにラテン・グラミー賞を獲得しています。彼はミルウォーキーSO、フィラデルフィアO、プエルトリコSO、ニューメキシコSOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めており、現代音楽の分野で目が離せないアーティストのひとりといってもよいでしょう。
このアルバムには彼の25年間に渡る創作活動の一部が収録されており、特徴的なオーケストレーション、プエルトリコ音楽を取り入れるなどロベルト・シエッラの魅力をたっぷりと収めたものになっています。活気にあふれ魅力的な旋律が美しいロベルト・シエッラの作品を、ベネズエラの音楽教育プログラム「エル・システマ」でヴァイオリンを学び頭角を現し、BBCプロムスでの指揮姿が話題となったドミンゴ・インドヤンの指揮でお楽しみください。

Urania Records
WS-121412(2CD)
ドヴォルザーク:交響曲集
(1)交響曲第7番ニ短調 Op.70
(2)交響曲第8番ト長調 Op.88
(3)交響曲第9番「新世界より」
(4)スケルツォ・カプリチオーソ Op.66
(5)伝説 Op.59より第4番、第6番、第7番
ジョン・バルビローリ(指)ハレO

(1)録音:1957年8月8日、マンチェスター
(2)録音:1957年6月、マンチェスター
(3)録音:1959年4月、マンチェスター
(4)録音:1958年9月、マンチェスター
(5)録音:1958年9月、マンチェスター
名演と名高いジョン・バルビローリとハレOのドヴォルザーク後期交響曲集をウラニア・レコーズから復刻。初期のステレオ録音で収録されたこの録音は、バルビローリらしい闊達な演奏で定評があります。特に第9番「新世界より」はバルビローリの情熱的な演奏が活かされており、現在でも名演の一つとして数えられています。また第8番では抒情的な美しい演奏を展開しており、理想的なドヴォルザークの演奏の一つと言えるでしょう。歴史的録音の復刻に定評のあるウラニア・レコーズの音質にぜひご期待ください。

Signum Classics
SIGCD-759(1CD)
疾風怒濤 Vol.3
モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K.546
シュヴァイツァー:歌劇「アルチェステ」より「Er ist gekommen… Zwischen Angst und zwischen Hoffen」
コジェルフ:交響曲 ト短調
パイジェッロ:歌劇「トリノのハンニバル」より「Misera, ch’ei peri!... Smarrita, tremante」
ハイドン:交響曲第44番 ホ短調「悲しみ」
モーツァルティスツ、
イアン・ペイジ(指)、
エミリー・ポゴレルツ(S)

録音:2023年1月、セント・ジョンズ・スミス・スクエア(イギリス、ロンドン)
クラシカル・オペラを指揮したモーツァルトの初期作品録音で名を馳せたモーツァルトのスペシャリスト、イアン・ペイジが2017年に新たに結成したアンサンブル「モーツァルティスツ」による、大型プロジェクト「疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)」の第3巻!
1760年代から1780年代に芸術界を席巻した疾風怒濤運動を探求する全7巻に及ぶシリーズで、第1巻(SIGCD-619)と第2巻(SIGCD-636)はどちらも英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」に選ばれています。本作はシリーズ初のモーツァルト作品で幕を開け、ハイドンの疾風怒涛交響曲の名作である交響曲第44番「悲しみ」で締めくくられます。間にはシュヴァイツァー、パイジェッロらの激しいオペラ・アリアとコジェルフの傑作であるト短調交響曲が収録されています。

ALTO
ALC-1491(1CD)
バーナード・ハーマン:交響曲第1番
交響曲第1番*
Concerto Macabre(Pと管弦楽の為の)
堕落者のために/組曲「The Devil and Daniel Webster」
ジェームズ・セダレス(指)、
フェニックスSO*
、ニュージーランドSO

録音:1992年-1995年
アメリカの作曲家であり指揮者であったバーナード・ハーマンの「交響曲第1番」。ハーマンは映画音楽の作曲家として著名でヒッチコックの作品や、「市民ケーン」などの作曲家として知られています。ジュリアード音楽院電ナビ指揮者として活動したほか、純音楽の分野ではウォルトンなどの影響がみられます。ニュージーランドで指揮者として活躍するジェームズ・セダレスが、手兵の二つのオーケストラで奏でます。
ALTO
ALC-1494(1CD)
グレツキ:交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」
古風な3つの小品/すべてあなたのもの
ヴウォジミエシュ・カミルスキ(指)
ベルリンRSO、
ステファニア・ヴォイトヴィチ(S)、他

録音:1982年&1996年
ポーランドを代表する作曲家、ヘンリク・グレツキの代表曲のひとつ「交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」」。この作品は1977年4月に初演されましたが、その際ソロ・ソプラノを務めたのがステファニア・ヴォイトヴィチです。ポーランドを代表するソプラノ歌手の最高の歌声で、ポーランド音楽の近現代を代表する作品をお楽しみいただけます。

LSO Live
LSO-0887(1SACD)
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107 (Version1881?83; Cohrs A07)
〔ベンヤミン=グンナー・コールス校訂版(2015年)による世界初録音〕
サイモン・ラトル(指)LSO

録音:2022年9月18日&12月1日、バービカン・ホール
黄金コンビのラトル&LSOによる、2022年録音のブルックナー第7番の登場。コールス版による世界初録音です。弦楽器のしたたるような美しさ、そして 世界が認める管楽器セクションの雄大な響きとブレンド具合、躍動するリズム、すべてが最高の形で結実した演奏の登場です。
ブルックナーが交響曲第7番の第1楽章を作曲し始めたのは、1881年9月、夏を過ごしたザンクト・フローリアンでのことでした。1883年の9月5日にフィナー レのスコアが完成。初演は1884年12月30日、ライプツィヒでアルトゥール・ニキシュ指揮によって、そして1885年3月10日にミュンヘンでヘルマン・レー ヴィ指揮によって初演され、大成功を収めました。この作品は、ワーグナーの寛大な後援者であるバイエルン王ルートヴィヒ2世に捧げられています。 この作品には、1881年12月8日に起こった、ウィーンのリング劇場(ブルックナーの居宅の真向かい)での火災(386人もの人々が亡くなった)や、ブ ルックナーが臨席した「パルジファル」の世界初演(1882年7月30日)、ワーグナーの死(1883年2月13日)などが大きく影響しているとされていま す。第1楽章のコラール風の旋律はパルジファルの「救済」というテーマを、第2楽章は火災の犠牲者への追悼(ワーグナー追悼ともいわれます)、第3楽 章のスケルツォの弦楽器の動きは舐め上げる炎のよう、といわれることもあります。 この作品が誕生するまでには、ブルックナーとその弟子や同僚でもあったフランツ・シャルクとヨゼフ・シャルク、フェルディナント・レーヴェらの助言や彼らと の議論に基づき、数多くの変形や変更が行われました。そのうちのいくつかは自筆譜に見られ、また初版に初めて現れるものもあります。
このコールス版は、ブルッ クナー自身が演奏で何度も耳にした「初版」を中心資料として、ブルックナーの手稿譜などに基づいて構成されています。ラトルは、これまでにコールス版に基 づくブルックナーは第6番(LSO0842/KKC6175)、第4番(LSO 0875/KKC6557)と2作発表しておりいずれも世界中の注目を集めてきて います(第8番(LSO3042/ KKC9333)はハース版に基づく映像)。このたびの第7番でも、ラトルがどのようにブルックナーの姿に寄り添いながら音 楽を彫りあげているか、注目です。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00823(1SACD)
税込定価
2023年9月27日発売
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調 作品43 ジョナサン・ノット(指)東京SO

録音:2022年10月16日ミューザ川崎シンフォニーホール・ライヴ
ジョナサン・ノットと東京交響楽団、ファンを虜にして止まない 唯一無二の相思相愛から奏でられる圧倒的音楽。その名コンビに よるショスタコーヴィチ・シリーズ第3弾となる、待望の交響曲第 4番です。 ショスタコーヴィチの全交響曲の中でも、最大編成を要し難解な 楽曲を、両者は綿密に読み解き、冴え漲るタクトに応える圧巻の パフォーマンスはもちろんのこと、ライヴならではの気迫と臨場 感、鮮麗なオーケストラサウンドが響き渡ります。 最高峰の名演をお楽しみください。(オクタヴィア)

オクタヴィア
OVCL-00827(1SACD)
税込定価
2023年9月27日発売
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64 小林研一郎(指)
コバケンとその仲間たちオーケストラ

録音:2023年6月25日 東京・サントリーホール・ライヴ
「コバケンとその仲間たちオーケストラ」は、2005年のスペ シャルオリンピックスの公式文化事業の企画を機に設立され たオーケストラで、プロ・アマチュア・学生・障がいの有無 に関わらず、活動趣旨に賛同する奏者が集まり演奏していま す。 当盤は2023年6月に開催された演奏会のライヴ録音です。炎の コバケンのタクトに、深い信頼関係を築くオーケストラのサ ウンドが呼応する白熱の演奏がサントリーホールに響きわた ります。(オクタヴィア)

H.M.F
HMM-902703(1CD)
モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」
交響曲第38番「プラハ」
アンサンブル・レゾナンツ、
リッカルド・ミナージ(指)

録音:2021年9月オトマールシェン・キリスト教会(ハンブルク)
苛烈なまでの表現力と推進力で聴き手を興奮の渦に巻き込んだリッカルド・ミナージ&アンサンブル・レゾナンツによる「モーツァルト:三大交響曲集」 (HMM-902629/ KKC-6161)から3年。その続編となる録音がついにリリースされます!今作では、後期三大交響曲の前に連なる交響曲第36番「リンツ」 と第38番「プラハ」を取り上げています。
交響曲第36番「リンツ」は、1783年10月から11月にかけてオーストリアの都市リンツに滞在していたモーツァルトが、予約演奏会のためにわずか4 日という短期間で書き上げたというエピソードで知られる作品。短期間で書き上げたとは思えない充実した内容で、の天才モーツァルトの速筆ぶりを示す交響曲 として取り上げられる機会も多い交響曲です。モーツァルトの交響曲ではじめて冒頭に緩やかな序奏が配置され、その後の輝かしく生き生きとした主題を盛り上 げています。
交響曲第38番「プラハ」は、1786年のプラハでの「フィガロの結婚」上演の大成功した翌年、招待を受け初めてプラハを訪れたモーツァルトが当地で 初演した交響曲です。メヌエット楽章を欠く、3楽章形式である理由は判明していませんが、当時大流行した「フィガロの結婚」の旋律を散りばめた構成は、プ ラハの聴衆たちを大いに喜ばせました。大成功を収めたコンサートの後、モーツァルトは「人生において最も幸せな日」と語ったと伝えられています。
リッカルド・ミナージは、自身が優れたバロック・ヴァイオリン奏者であり、ムジカ・アンティクァ・ローマやイル・ポモ・ドーロといったピリオド楽器アンサ ンブルでは自らヴァイオリンを取って指揮することが多かったのですが、2017年、ハンブルクを拠点とし自主的な活動を行う室内オーケストラ、アンサンブル・ レゾナンツのアーティスト・イン・レジデンスに就任して以降、このアンサンブルとの共演ではほぼ指揮に徹しているようです(現在では首席客演指揮者に就任 しています)。全世界から先鋭的なアーティストが集まると呼ばれる芸術の街ハンブルクにおいて、1994年に創設され、モダン楽器を用いながらさまざまな時 代の演奏スタイルを柔軟に取り入れ、古典から前衛的作品までを弾きこなし、最も独創的と評されるまでになったアンサンブル・レゾナンツは、リッカルド・ミナー ジの指揮の下、より先鋭性を増し、世界の音楽シーンで圧倒的な存在感を持つようになりました。学究性と感性が融合するミナージの独創的な解釈を見事に音 にする高度な技巧と表現力を有しています。
後期三大交響曲の演奏も、嵐のようなすさまじさが大きな話題となりましたが、続編となるこのアルバムでも、そのすさまじさは健在で、より凄みを増してい るような印象さえ受けます。アルバムの冒頭、「リンツ」の序奏と第1主題から、エネルギー全開の圧倒的な演奏が繰り広げられます。張り詰めた空気を持つ緩 徐楽章の濃密さも聴きものです。弦楽器の鋭い刻みや、金管楽器の強奏、ティンパニの強烈な打撃が、すさまじい音の渦と化しています。この有名な2つの交 響曲を初めて聴くかのようにハッとさせられる瞬間が連続して訪れる、かなり攻めた解釈ですが、ぎりぎりのところでバランスを保ち、曲の構造を保つミナージ の手腕は驚異的で、ミナージの解釈を見事に音にするアンサンブル・レゾナンツの高度な技術も脱帽ものです。リッカルド・ミナージとアンサンブル・レゾナン ツの圧巻の演奏がもたらす衝撃的なモーツァルト体験をお聴き逃しなく! (Ki)
H.M.F
HAF-8932276(1CD)
王妃のハープ〜マリー・アントワネットの宮廷の音楽
ジャン=バティスト・クルムフォルツ(1747-1790):ハープ協奏曲 第5番op.7変ロ長調(1778)
ハイドン:交響曲第85番「王妃」Hob.I:85(1785)
ヨハン・ダヴィド・ヘルマン(1760?-1846):ハープとオーケストラの為の協奏曲第1番 op.9ヘ長調(1785-1789)
グルック:「精霊の踊り」〜オルフェオとエウリディーチェより(編):メストレ)
グザヴィエ・ドゥ・メストレ(Hp)
ウィリアム・クリスティ(指)、
レザール・フロリサン

録音:2016年6月27,28日、ヴェルサイユ宮殿王立歌劇場(ライヴ)
クリスティ率いるレザール・フロリサンが、ハープのメストレをゲストに迎えた1枚が再登場します。タイトルに「王妃のハープ」とあるように、マリー・アントワネッ ト (1755-1793)と、彼女が愛した楽器、ハープの楽曲をおさめた内容です。2016年6月に行われた演奏会のライヴ録音。1曲目の作曲家クルムフォル ツは、ボヘミア出身の作曲家でありハープ奏者。楽器製作者とともに、ハープの改造や奏法に取り組み、それまでになかったハープの為の作品を残しています。 クルムフォルツが対位法を師事したのが、作曲家ハイドン。マリー・アントワネットが気に入っていたとされる交響曲第85番を収録しています。クリスティによ るシンフォニーの録音ということで、注目のプログラムといえましょう。荘重なアダージョを経て軽快なヴィヴァーチェとなる第1楽章から、楽器間のアンサンブ ルも十分にたのしめる演奏。終楽章の最後まで、快活さと典雅さを感じさせる演奏です。ドイツ人のヨハン・ダヴィド・ヘルマンは、アントワネットのピアノ教師 で、作曲家。自身はハープ奏者ではありませんでしたが、3つのピアノ・ソナタ、3つのピアノ協奏曲のほか、3つのハープ協奏曲をのこしています。このハー プ協奏曲はすべてルイ14世の妹(ハープ奏者)、つまりアントワネットの義妹にささげられています。今日ハープ奏者にも知られざる存在の作品ですが、モーツァ ルトのフルートとハープの為の協奏曲と同様、ハープ奏者ではない作曲家によるハープ作品、ということでも重要な作品です。演奏会でアンコールとして演奏 されたグルックの「精霊の踊り」は、メストレ自身の編曲によるハープ独奏版。メストレの歌心に胸を打たれるトラックです。 (Ki)

RCO Live
RCO-23001(9CD)
ブルックナー:交響曲全集
(1)交響曲第1番ハ短調 WAB101(1877年リンツ稿、ハース校訂1935年出版)※
(2)交響曲第2番ハ短調,WAB102(1872/1877年稿、ハース校訂1938年出版)※
(3)交響曲第3番ニ短調 WAB103(1889年稿、ノーヴァク校訂1959年出版)
(4)交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(1880年第2稿、ハース校訂1936年出版)※
(5)交響曲第5番変ロ長調WAB105(1878年稿、ノーヴァク校訂1951年出版)
(6)交響曲第6番イ長調 WAB106(1881年稿、ノーヴァク校訂1952年出版)
(7)交響曲第7番ホ長調 WAB107(1885年稿、ノーヴァク校訂1954年出版)※
(8)交響曲第8番ハ短調,WAB108(1890年稿、ノーヴァク校訂1955年出版)
(9)交響曲第9番ニ短調 WAB109(1894年原典版、ノーヴァク校訂1951年出版)※
ロイヤル・コンセルトヘボウO
録音場所:すべてアムステルダム・コンセルトヘボウ

(1)ベルナルド・ハイティンク(指)
録音:1972年2月10日(NOS)
(2)リッカルド・シャイー(指)
録音:1990年4月29日(NSO & RNW)
(3クルト・ザンデルリング(指)
録音:1996年11月8日(NOS)
(4)クラウス・テンシュテット(指)
録音:1982年10月28日(NOS)
(5)オイゲン・ヨッフム(指)
録音:1986年12月4日(NOS)
(6)マリス・ヤンソンス(指)
録音:2012年3月7-9日(AVRO)
(7)ベルナルド・ハイティンク(指)
録音:2006年4月2日(AVRO)
(8)ズービン・メータ(指)
録音:2005年12月2日(AVRO)
(9)リッカルド・シャイー(指)
録音:1996年6月6日(AVRO & RNW)
※初出
ロイヤル・コンセルトヘボウOは、2024年9月4日のブルックナー生誕200年に向け、9人の指揮者(イヴァン・フィッシャー、チョン・ミョンフン、クラ ウス・マケラ、クリスティアン・ティーレマン、アンドリュー・マンゼ、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン、ウラディーミル・ユロフスキ、シモーネ・ヤング、リッカルド・シャ イー)によるブルックナー・チクルスを1年半かけて行い、その記念すべき日をお祝いします。
このボックス・セットは、ブルックナー全曲演奏会に先駆けて、ブルックナー生誕200年を祝うもの。長い歳月を経てブルックナー演奏の伝統を培ってきたオー ケストラの1970年代以降の輝かしい名演を集めた貴重なセットとなります。今回は、オランダ放送協会(NOS),総合ラジオ放送協会(AVRO),ラジオ・ネー デルランド(RNW)の音源から多数の初出音源を含んでおり、見逃せない内容となっています。
初出音源は、交響曲第1 番 / ベルナルド・ハイティンク(録音:1972 年2 月10 日)、交響曲第2 番/リッカルド・シャイー(録音:1990 年4 月29 日)、交響曲第4 番/クラウス・テンシュテット(録音:1982 年10 月28日)、交響曲第7番/ベルナルド・ハイティンク(録音:2006年4月2日)、交響曲第9番/リッカルド・シャイー(録音:1996年6月6日)の5曲。
コンセルトヘボウ管は、ベイヌム、ヨッフム、ハイティンクといった指揮者のもと、また数多くの客演指揮者たちによって、一世紀にわたる豊かで壮大なブルックナー 演奏の伝統を確立してきました。当ボックスに収められた過去50年間の録音はその歴史と伝統を証明するものといえるでしょう。 (Ki)

ACCENT
ACC-24394(1CD)
アーベル(1723-1787):後期交響曲集
交響曲 ハ長調 WKO37*
交響曲 変ロ長調 WKO38*
協奏交響曲 ニ長調 WKO43(独奏:ヴァイオリン、オーボエ、チェロ)
交響曲 変ホ長調 WKO39*
交響曲 ニ長調 WKO41*
マルティン・ヨップ(Vn 、指 )
マイン・バロックオーケストラ

録音:2022年10月1-4日ドイツ、イトシュタイン、ユニオン教会
*世界初録音
アーベル生誕300年を記念して、世界初録音となる4曲の交響曲を紹介します。バロックから古典派へと移る時代を生きたアーベルは、 だんだんと過去の楽器となっていったヴィオラ・ダ・ガンバの最後の巨匠であり、またJ.C.バッハとともに市民向けの近代的な定期演奏会「バッハ・アーベル・コ ンサート」を開いた人物としても名を知られています。交響曲は46曲残されており、当盤には後期の作品を収録。どれも急緩急の3楽章で1曲15分程度の小粒 な作品ですが機知と愉悦に富んだ魅力的な音楽ばかりで、ハイドンと通じあう世界を持っています。独奏者が美しい歌の掛けあいを聴かせる協奏交響曲も耳に楽 しい名品。
マイン・バロックオーケストラはコンサートマスター兼指揮者のマルティン・ヨップのもと、25年以上に渡り17-18世紀の音楽を演奏し、国際的な評価を得て いるオーケストラ。今回の録音には、ハイデルベルクSOをはじめヨーロッパを中心に活躍するヴィオラ奏者、矢崎裕一氏も参加しています。 (Ki)

Chandos
CHAN-20165(1CD)

XCHAN-20165(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):夜明け Op.60(世界初録音)
交響曲第12番Op.114「ショスタコーヴィチの思い出に」
ヨン・ストゥールゴールズ(指)、
BBCフィルハーモニック

録音:2022年9月15日&11月24日-25日(第12番)、メディア・シティUK(サルフォード)
ショスタコーヴィチの交響曲録音で快進撃を続けるヨン・ストゥールゴールズ&BBCフィルの新録音は、ショスタコーヴィチに捧げられたヴァインベルクの交響曲第12番!
近年再評価が著しいミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996)の「交響曲第12番」は、ヴァインベルクと深い交流の合ったドミートリイ・ショスタコーヴィチに捧げられています。当初コンドラシンの指揮によって初演される予定だったこの作品ですが、コンドラシンにより大幅な省略と改訂されたことにヴァインベルクが怒り、中止となりました。最終的にマキシム・ショスタコーヴィチの指揮で1979年に初演されることとなりました。
1917年の10月革命の記念日以降5年ごとに大規模なイベントが開かれ、一流のアーティストが貢献することが通例となっていました。このアルバムに収められている「夜明け Op.60」は40周年の記念に作曲されたと考えられていますが、ヴァインベルク生前には演奏された記録は残っておらず、録音としてはこのアルバムが世界初録音となります。
ヨン・ストゥールゴールズ(ヨーン・ストルゴーズ)は、BBCフィルハーモニックと、オタワのナショナル・アーツ・センターOの首席客演指揮者を務めており、指揮者の他ヴァイオリニストとしても活躍しています。またラップランド室内Oの芸術監督としても長年の間、高い評価を得ています。2014年〜2015年に発売された「シベリウス:交響曲全集(CHAN-10809)」と「ニールセン:交響曲全集(CHAN-10859)」、2つの「生誕150周年記念盤」の世界的ヒットによって一躍脚光を浴び、その後ジョージ・アンタイルの管弦楽作品集でその秀でた実力を見せつけてくれました。直近ではショスタコーヴィチの優れた録音を続けて生み出し、第1弾(CHSA5278)はレコード芸術特選盤&優秀録音、第2弾はレコード芸術準特選盤&優秀録音に選ばれ、6月にリリースされた第3弾(CHSA5310)は「モーストリー・クラシック」、「音楽の友」等にも好レビューが掲載されました。
また近年では2023年1月に東京都SOとの来日公演を行い好評を博しています。


Epitagraph
EPITA-042(1CD)
(UHQCD)
限定発売
世界初!アセテート盤から復刻!
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
グレ・ブロウエンスタイン(S)、イーラ・マラニウク (A)、ヴォルフガンク・ヴィントガッセン (T)、ルートヴィヒ・ウェーバー(Bs)
バイロイト祝祭O&cho
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)

録音:1954年8月9日、バイロイト祝祭劇場(ライヴ)
フルトヴェングラーの第九といえば、1951年のバイロイト音楽祭再開記念公演でのものがあまりにも有名ですが、3年後の54年の夏にも巨匠はバイロイトで ベートーヴェンの第9交響曲を指揮していました。「ルツェルンの第九」(54年8月22日ルツェルン音楽祭公演)の半月前、亡くなる3か月前のことです。 吉田秀和からも絶賛された至宝の第九ですが、オリジナルの放送テープ(演奏会のラジオ放送用録音)はすでに消失されているようで、音質劣悪の海外盤、プライ ヴェートCDが90年代に出回った後、2012年にORFEOが遺されていた「状態の良くない」テープを最新のデジタル修復技術で復刻してCDを発売、大きな評 判を集めたのはまだ記憶に新しいところです。 今回、エピタグラフが本録音のアセテート盤からの復刻音源を入手!!キング関口台スタジオで丁寧かつ入念なマスタリングを施してCD化。盤復刻にともなうスク ラッチ・ノイズこそありますが、高域を損なわないように過度なノイズ・リダクションはしていません。ORFEO盤より一枚ヴェールを剥がしたような生々しさがあ ります。従来に勝る鮮明(高域の伸び!)、良好音質のCDを“高音質CDの決定版”UHQCDにして発売。すべてのフルトヴェングラー・ファン必聴必携の名盤誕生!
■今回の音源=アセテート盤について
今回の音源はエピタグラフがアメリカの知人を経由して入手したアセテート盤からの復刻テープをデジタル・トランスファーしたもの。経年変化で磁気劣化が避けら れないアナログテープに比べ、記録保存用に当時最適であったアセテート盤が50年代後半にアメリカで作られ、この知人は個人的に保有していたとのこと。 51年のバイロイト、54年のルツェルンのときと違い、EMIの録音スタッフはこの日の収録には関与しておりません。録音状態は万全ではなく、アセテート盤の復刻 やアナログテープへのコピーに伴うスクラッチ・ノイズやテープヒス、さらにはオリジナル・テープ収録の際にテープデッキの不具合で生じたと思われるワウ・フラッ ター(微妙なテンポの揺れ)も数か所に散見されますが、スクラッチ・ノイズの軽減化と第1楽章のピッチ修正以外はあえて手を加えておりません。ORFEO盤の ライナーノーツによると使用した素材テープには「強烈な雑音やそれに被さっている変調雑音、目立つハム音、歪み、バリバリ音、短い音飛び」があったようですが、 そこまでの不良箇所は認められませんでした。なお、このCDにはORFEO盤には含まれていない終了後の拍手の音(一瞬)も収録しています。
フルトヴェングラー最後の咆哮ともいうべき54年バイロイトの第九 最晩年にもかかわらず、熱気と覇気を充分にみなぎらせ、最後まで緊張感を持って、圧倒的な迫力で壮絶なクライマックスに導いています。随所に見せるティンパ ニの強烈連打、終結部における急激なテンポ変動、火のように燃える激しさ、燃焼度は51年盤(リハーサルでなく本番での演奏)をも凌ぎ、枯淡の境地を見せて いる「ルツェルンの第九」にはないところです。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187059(1CD)
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
.歌劇『後宮からの誘拐』K.384(作曲者自身によるハルモニームジーク版)より「序曲」
オーボエ協奏曲 ハ長調 K.271k/K.314*
交響曲第31番ニ長調 K.297/300a「パリ」
交響曲第31番より第2楽章「アンダンテ」の初稿版
クセニア・レフラー(Ob)*
ベルリン古楽アカデミー
ベルンハルト・フォルク(コンサートマスター)

録音:2022年9月27〜29日アルト=ブリッツ、クルトゥーアシュタール(ベルリン)
ベルリン古楽アカデミー(Akamus)が、PENTATONEレーベルでモーツァルトの交響曲録音をスタート!第1弾となるこのアルバムでは、20代のモーツァルト が作曲した交響曲第31番「パリ」と第35番「ハフナー」が選ばれています。
1778年、モーツァルトが22歳の時にパリで依頼され、完成させた交響曲第31番は、その地名を取って「パリ」の愛称で知られています。私的な場での初演 の後、パリの公開演奏会であるル・コンセール・スピリチュエルで演奏され、その後何度も演奏されている成功作でした。当時の最大規模のオーケストラの編成(弦 楽器群に加え、フルート、オーボエ、クラリネット、バスーン、ホルン、トランペットが各2、ティンパニ)で、モーツァルトがはじめてクラリネットを導入した交響曲となっ ています。ル・コンセール・スピリチュエルでの2回目の演奏会の際に、第2楽章が変更されたので、第2楽章には2種類の稿が残存しています。どちらの稿が最 初に作られたかには異論があるようですが、この2種類の稿はかなり印象の異なるため、この録音では、一般的に演奏される稿を第2楽章に配置し、異なる稿は「初 稿」としてアルバムの最後に収録しています。聴き比べができるうれしい内容です。
1782年に完成した交響曲第35番は、ザルツブルクの名家の息子で、モーツァルトの友人でもあったジークムント・ハフナー二世およびハフナー家のために作 曲されたセレナードを基としていることから、その姓を取って「ハフナー」と呼ばれています。2オクターヴの跳躍から始まる印象的な冒頭のテーマを持つ交響曲で、 「パリ」と同じく大規模な編成を取っています。
このアルバムには、20代のモーツァルトの作品を代表するこの2曲の交響曲に加え、やはり同時期に作曲されたオーボエ協奏曲と「後宮からの誘拐」の序曲が 収録されています。オーボエ協奏曲は、ザルツブルクの宮廷楽団に仕えていたイタリアのベルガモ出身のオーボエ奏者ジュゼッペ・フェレンディスのために1777 年の夏に作曲されたとされています。「後宮からの誘拐」は1782年に完成した3幕のドイツ語による歌劇で、1778年7月にウィーンのブルク劇場で初演されま した。当時のエキゾティックな「トルコ趣味」が特徴的な歌劇となっています。既存の作品をトルコ軍楽隊の影響を受けた管楽合奏(ハルモニームジーク)用に編曲 して演奏することが当時流行していましたが、ここではモーツァルト自身による管楽器合奏編曲版の「序曲」が収録されています。交響曲第35番「ハフナー」の終 楽章のテーマは「後宮からの誘拐」から取られており、それを示すようにアルバムでは「ハフナー」のすぐ後に「後宮からの誘拐」のハルモニームジーク版「序曲」 が配置されているのです。こうしたアルバム構成の妙もさすがベルリン古楽アカデミーのアルバムと言えるでしょう。
2022年に結成40周年を迎えたピリオド楽器オーケストラの老舗であるベルリン古楽アカデミー。現在までピリオド楽器演奏のトップランナーであり続け、先鋭 的な演奏で常に注目を集める録音をリリースしています。このモーツァルトでは、弦楽器6-5-4-3-2の編成で臨んでいます。ベルリン古楽アカデミーの演奏は豪 放にして繊細。圧倒的なトゥッティ、細やかに色彩が変化する緩徐楽章のハーモニーなど、相反する特徴が自然に共存するすばらしい演奏です。オーボエ協奏曲で は、同団の首席オーボエ奏者である、ピリオド・オーボエの第一人者クセニア・レフラーが担当し、美しい音色と圧巻のテクニックを聴かせてくれます。ハルモニーム ジーク版の「後宮からの誘拐」序曲における管楽器奏者たちの妙技ぶりも聴きものです。シリーズの続編に、期待が高まるベルリン古楽アカデミーのモーツァルト の交響曲シリーズ第1弾です。 (Ki)

Chateau de Versailles Spectacles
CVS-094(1CD)
ハイドン:交響曲「朝」「昼」「晩」
ハイドン:交響曲第6番ニ長調 「朝」Hob.I:6
 交響曲第7番ハ長調 「昼」Hob.I:7
グルック:精霊の踊り(歌劇「オルフェとユリディス」〔「オルフェオとエウリディーチェ」パリ版〕より)
ハイドン:交響曲第8番ト長調 「晩」Hob.I:8
ヴェルサイユ王室歌劇場O(古楽器使用)
ステファン・プレフニャク(指)

録音:2022年6月1-6日ヴェルサイユ宮殿「十字軍の大広間」
後に「交響曲の父」と綽名されることになるハイドンが若い頃、長く仕えることとなったエステルハージ侯爵家に来て間もなく宮廷催事のために 書いた3連作の交響曲「朝・昼・晩」。さまざまな楽器のソロを含む聴きどころ満載の物語性豊かなこの傑作は、同じオーストリアの音楽史を 舞台音楽の領域で大いに盛り上げたグルックの改革歌劇第1作「オルフェオとエウリディーチェ」とほぼ同時期に生まれました。フランス南西部 ビアリッツに拠点を置くバレエ・カンパニー「マランダン・バレエ・ビアリッツ」を率いるティエリー・マランダンは、後年フランス王室に迎えられフランス 王妃となった元オーストリア公女のマリー=アントワネットを描いた新作バレエのため、この3連作交響曲とグルックの歌劇からの抜粋を音楽と して選択。刺激に満ちたステージを彩った選曲をそのまま、ほかでもないアントワネット妃の本拠にもなったヴェルサイユ宮殿を舞台に古楽器 演奏で録音したアルバムの登場です。エステルハージ侯爵邸での交響曲演奏では使われなかったとも言われるチェンバロも、ここでは当時の 一般的な演奏習慣に倣って導入。その響きも絶妙な効果をあげる中、近年カウンターテナー歌手ヤクプ・ヨゼフ・オルリンスキとの共演でも注 目されているポーランドの気鋭古楽指揮者ステファン・プレフニャクが全編にわたりメリハリの利いたスリリングな演奏解釈を聴かせ、ハイドンとグ ルックの綴った作品の造形美を隅々まで堪能させてくれます。バレエとは別に音楽だけで鑑賞する甲斐のある充実録音です。

Orchid Classics
ORC-100257(1CD)
NX-B03
シューマン41/51
シューマン:交響曲第4番ニ短調
(1)初稿(1841)
(2)改訂版 Op.120(1851)
ブカレストSO
ジョン・アクセルロッド(指)

録音:2023年3月18-21日
シューマンの交響曲第4番は1841年の初稿と1851年の改訂版、2つのヴァージョンの存在が知られて います。クララと結婚した1841年に書かれたニ短調交響曲(初稿)は、シューマン自身は作品に自信を 持っていたものの、初演時に成功を収めることがなく、出版は見送られてしまいました。10年後の1851 年、シューマンはオーケストレーションなどの変更を行い、また楽章も切れ目なく続けて演奏されるように 改訂。1853年にシューマン自身の指揮で初演され、翌年出版。一方初稿は、シューマンの死後ブ ラームスが編集を行い、クララの反対意見を受けながらも楽譜を1891年に出版しました。現在ではもっ ぱら1851年の改訂版が演奏されますが、このアルバムでは2つのヴァージョンを演奏。シューマン自身の 言葉によると「野生的なフロレスタン(初稿)と穏やかなオイゼビウス(改訂版)」ほどに違うという各々の作 品を、2022年からブカレストSOの首席指揮者を務めるジョン・アクセルロッドが掘り下げます。

Altus
ALT-531(1CD)
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB.107(ノヴァーク版) ロー ター・ツァグロゼク(指)
読売日本SO

ライヴ録音:2019年2月22日/サントリーホール
ツァグロゼクと読響、2019年のライヴ録音。自らの信念、揺るぎない美学に基づく、磨きぬいたサウンドで奏でられるブルックナー7番です。美しくも壮大な交 響曲を緊張感を失わずに芯の通った音楽として巧みに築き上げる見事な手腕に脱帽。オーケストラと指揮者の一体感がすばらしく、後半楽章の充実ぶりにも目を 瞠る渾身の名演です。
ブックレットには、2023年7月に行われた電話インタビュー〈ローター・ツァグロゼクが語るブルックナー《交響曲第7番》〉(インタヴュー・翻訳・構成:来住 千保美)を掲載。「読響とブルックナー演奏をしたいと思った決め手は、読響の演奏スタイルを作る能力と響きの構築力の高さ」「《第7番》の仕事の質的内容、つ まり作曲技法、意味付けとそのバランスは交響曲というジャンルの中で、記念碑的なものだと思います」等々、貴重なコメントの端々から音楽に対する真摯なまな ざしが感じられます。 (Ki)
Altus
ALT-532(1CD)
モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』 序曲
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68
坂入健司郎 (指)
読売日本SO

ライヴ録音:2022年4月29日読響創立60周年記念・甲府特別演奏会 YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
2022年に行われた「読響創立60周年記念 甲府特別演奏会」のライヴ録音です。指揮はこれが読響との初共演となった坂入健司郎。王道の管弦楽レパートリー をとりあげ正面からじっくりと組み立てていった演奏で、オーケストラと指揮者双方の長所が見事に混じりあっています。精緻なバランスを維持しながらも音楽が 大きくふくらんで発展していくブラームスは充実の聴き応え。
「じつに流れがいいブラームスだった。第1楽章の序奏は、淀みないテンポにより主部との連結もスムースだ(序奏の動機が発展して主題旋律を作り出すという 道筋の強調)。そして、歌謡的な旋律ではオーケストラに気持ちよく歌わせ、ハーモニーも立体的にふくらます。第2楽章でも、よく旋律を歌わせているのがわかる。 第3楽章は、慎重なバランス作りの結晶だ。スケルツォ部後半のリズムの踊らせ方もいい。終楽章も、沸騰することなく、冷静に組み立てていく。その先にあかあか と浮かび上がる巨大なコーダ。」(鈴木淳史/ライナーノートより)

Hanssler
HC-23050(2CD)
ヘルヴィ・レイヴィスカ(1902-1982):ピアノ協奏曲 ニ短調 Op.7(1935)
交響曲第1番変ロ長調 Op.23(1947)
オリヴァー・トリンドル(P)
シュターツカペレ・ワイマール 、
アリ・ラシライネン(指)

ン録音:2023年4月24〜27日/オーケストラ練習ホール、ワイマール(ドイツ)
ヘルヴィ・レイヴィスカは、20世紀フィンランドで交響曲をはじめとする大きな編成の管弦楽曲を手がけた作曲家のひとりです。1902年、ヘルシンキ生まれ。 エルッキ・メラルティンとアルトゥール・ヴィルナーにピアノと作曲を学びました。1933年から1968年までシベリウス・アカデミーでライブラリアンとして働き、 その合間に作曲を行いました。番号つきの3つの交響曲と番号のない「シンフォニア・ブレヴィス」、管弦楽のための「三重フーガ」、カンタータ、映画の音楽、管 弦楽組曲、歌曲、ヴァイオリン・ソナタ、ピアノ曲、室内楽曲を書いています。生前名声を得ることはなかったものの、近年、あらためて注目されるようになりました。
世界初録音の2曲。「ピアノ協奏曲 ニ短調」は、1931年から1935年にかけて作曲されました。「アレグロ・マ・ノン・トロッポ-アレグロ」「ヴィヴァーチェ」 「アンダンティーノ・マ・トランクィッロ-マエストーソ-アンダンティーノ・カンタービレ」の〈フーガ〉。1935年11月23日、エルンスト・リンコ(1889-1960) のソロ、トイヴォ・ハーパネン(1889-1950)指揮のヘルシンキ・フィルハーモニックにより初演されました。この初演に接したウーノ・クラミ、スルホ・ランタ、 セリム・パルムグレンといった作曲家たちは、彼女の構成力とオーケストレーションを賞賛した一方、ソロ・パートやクライマックスの処理に関して意見を述べました。 この曲は初演後、スコアが紛失したため、残っていたピアノ・リダクションとパート譜から復元して演奏と録音が行われました。独ヘンスラー・レーベルに多くのア ルバムを録音し、めったにしか演奏されない曲を献身的に紹介しているオリヴァー・トリンドル がソロを担当しています。
「交響曲第1番変ロ長調」は、1947年の作品です。「アレグロ・モデラート-テンポ・ディ・ヴァルス」「アンダンテ・ソステヌート」「ヴィヴァーチェ」の〈スケ ルツォ〉、「アレグロ・ノン・トロッポ」という古典的な4楽章で書かれています。ニルス=エーリク・フォウグステットがフィンランドRSOを指揮して1948 年3月18日に初演。この初演のためレイヴィスカは、85,000FIM(約4,000EUR)をローンで用意したと言われます。この作品は1951年までに3回演奏され、 2022年、70年の沈黙を経て蘇演されました。伝統主義者、ロマンティストという側面とマデトヤの影響のうかがえる交響曲です。
シュターツカペレ・ワイマールは、1491年に創設された最古のオーケストラのひとつ。アリ・ラシライネンは、シベリウス・アカデミーでヨルマ・パヌラに学び、フィ ンランドとスカンディナヴィア、ドイツやスイスのオーケストラを指揮してきました。

Arte dellarco Japan
ADJ-070(1CD)
オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)第41回定期演奏会
ハイドン:交響曲第3番ト長調 Hob.I:3
 交響曲第102番変ロ長調 Hob.I:102
ベートーヴェン:交響曲第8番へ長調 Op.93
鈴木秀美(指)
オーケストラ・リベラ・クラシカ

ライヴ録音:2018年6月23日/三鷹市芸術文化センター 風のホール
オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)第41回定期演奏会をライヴ収録した当盤は、ハイドンの交響曲第3番、第102番、そしてベートーヴェンの交響曲第8 番です!
大規模室内楽のようなハイドン初期作品の特徴があらわれた交響曲第3番、いぶし銀のような雰囲気と音色が魅力の第102番、そして哄笑とユーモア、狂気?! のベートーヴェンの交響曲第8番を鈴木秀美率いるOLCによるオリジナル楽器の色彩豊かな音色でお送りいたします! (Ki)

Onyx
ONYX-4243(1CD)
日本語解説付き限定盤
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74 「悲愴」 ドミンゴ・インドヤン(指)、
イヤル・リヴァプールPO

録音(ライヴ):2021年11月18日&21日
2006年から15年間、ロイヤル・リヴァプールPOの首席指揮者を務めたワシリー・ペトレンコに代わり、2021年9月から新たな首席奏者に就任したアルメニア系ベネズエラの若き注目指揮者、ドミンゴ・インドヤン。
ONYX-からはこれまでに、フランスの管弦楽作品集、ラテン・グラミー賞獲得作曲家、ロベルト・シエッラによる交響曲第6番をリリースしてきたインドヤン。本アルバムは、東京エムプラスの創立30周年を記念した日本限定盤として、チャイコフスキーが最後に完成させた大作、交響曲第6番 「悲愴」 を収録。チャイコフスキーが切り開いた独自の境地が示されたこの作品は、19世紀後半の代表的交響曲のひとつとして高く評価されています。
今回収録された 「悲愴」 は、インドヤンがRLPOの首席指揮者に就任して間もない2021年11月に行われた演奏会のライヴ録音で、前半に地元出身の名ピアニスト、スティーヴン・ハフを独奏者に迎えたブラームスのピアノ協奏曲第1番、後半にこの 「悲愴」 という曲目で、11月18日と21日の2回行われました。日本向けの特別企画についてロイヤル・リヴァプールPO、ONYX-(オニックス)と協議を重ねた結果、両者の全面的な協力により、「悲愴」の日本限定でのリリースが実現しました。ベネズエラの音楽教育プログラム「エル・システマ」でヴァイオリンを学び頭角を現し、BBCプロムスでの指揮姿が話題となったドミンゴ・インドヤンが、ペトレンコ時代とは一味違った解釈でこの傑作の持つ魅力を引き出しています。
増田良介氏による書き下ろしの日本語解説付き、そして、カバー、バックインレイも日本語仕様に拘った完全限定生産盤です。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-440(2CD)
マーラー:交響曲全集Vol.1
(1)スカラタッツィーニ(b.1971):魔力
(2)マーラー:交響曲第4番ト長調
(3)スカラタッツィーニ:調和
(4)マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
ジモン・ガウデンツ(指)
イェナ・フィルハーモニー
(2)リナ・ジョンソン(S)

録音:(1)(2)2022年4月27-30日、 (3)(4)2022 年5月17-20日
ここ10年ほどで特に注目を浴びている指揮者、ジモン・ガウデンツが、音楽総監 督を務めるイェナ・フィルハーモニーを指揮してマーラーの交響曲、それも第 4番と 第5番を一気に2枚でリリース。ジモン・ガウデンツは1974 年、スイスのバーゼルの 生まれ。2010年から 2013年までデンマークのオーデンセSOの首席客演指 揮者を務め、軽快で見通しの良い新鮮な音楽で評判を呼んだ。2018 年にイェナ・フ ィルハーモニーの音楽総監督に就任し、この歴史ある町のオーケストラの水準を大 いに高めています。ここでのマーラー2曲はどちらもガウデンツの力量が良く表れた名 演。音楽は常に明快で重くなることがなく、しかし分析的になったり冷たさを感じさせ たりすることもなく、あくまで風通し良く前に進む。力みなく響きが鳴るのでマーラー の大編成でももたれることなく、耳に心地よい。まだ 40代のガウデンツ、これを聞け ば今後が楽しみになること間違いない。 各交響曲の前に収録されているアンドレア・ロレンツォ・スカルタッツィーニ(1971 年 生まれ)は、2018年からイェナ・フィルハーモニーのコンポーザー・イン・レジデンス を務めています。リナ・ジョンソンは近年メキメキと頭角を現しているソプラノ。ノルウェー のアウステヴォル生まれで、両親はノルウェー人と米国人。

GRAND SLAM
GS-2300(1CD)
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 イルムガルト・ゼーフリート(S)
ロゼッテ・アンダイ(A)
アントン・デルモータ(T)
パウル・シェフラー(Bs)
ウィーン・ジングアカデミーcho
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1953年5月31日/ムジークフェラインザール(ウィーン)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(ラジオ放送用録音)
■制作者より  
1953年1月23日、フルトヴェングラーはウィーン・フィルとの第9公演の第3楽章の途中で意識を失い、倒れてしまいました。計3回の公演はキャンセル され、フルトヴェングラーは入院しました。同年5月末の第9はその振り替え公演であり、フルトヴェングラーは立派にリベンジを果たしたのです。  当シリーズでこの第9を発売するために何年もかけて準備をし、音も含めて資料性の高いものを目ざしました。まず、フルトヴェングラーが倒れたその時に会 場にいた人の貴重な証言、キャンセルされた公演のプログラム、5月31日のプログラムとチケット、サナトリウムに入院しているフルトヴェングラーを捉えた珍 しい写真等、現時点で揃えられるものはすべて投入しました。これらの資料を最も有効な形にするために、このCDを制作したと言っても過言ではありません! (平林 直哉)
GRAND SLAM
GS-2301(1CD)
(1)シューマン:交響曲第4番ニ短調 Op.120
(2)バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068
(3)ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 Op.98
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:(1)1953年5月14日ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会
(2)1948年10月24日、(3)1953年4月14日/ベルリン、ティタニア・パラスト

使用音源:Private archive (1)(2)(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(3)(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(録音セッション)(1)、(ラジオ放送用録音)(2)(3)
■制作者より  
不滅の名演、シューマンの交響曲第4番については、もはや説明不要でしょう。GS-2184(2018年)以来の最新リマスターで、新規のテープを使用し、最善 の方法で復刻しました。バッハは当シリーズ初登場です。ベートーヴェンのみ2トラック、19センチのテープを使用しており、GS-2198(2019年)以来のリマス ターですが、他の2曲同様、プロ用機器の威力がいかんなく発揮されています。とにかく、フルトヴェングラー&ベルリン・フィルの濃密さが1枚に凝縮されたディ スクです。(平林 直哉)

Goodies
78CDR-3914(1CDR)
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73 ピエール・モントゥー(指)
サン・フランシスコSO

米 VICTOR11-9237/40
1945年3月19日サン・フランシスコ録音
ピエール・モントゥー(1875-1964)はフランス生まれの大指揮者。パリ音楽院で ヴァイオリンと指揮法を学び、1906年コロンヌOを指揮して指揮者デビュ ー。1911年からディアギレフのロシア・バレエ団の指揮者をつとめ、ストラヴィ ンスキーの「春の祭典」、「ペトルーシュカ」などの初演を指揮した。第一次 世界大戦(1914-1918)でモントゥーは兵役に服したが1916年に除隊、アメリカに 渡り、翌年からメトロポリタン歌劇場の指揮者に就任、1935年から1953年まで サンフランシスコSOの常任となり、同楽団の黄金時代を築いた。モントゥ ーはその後フリーになり1963年にLSOと共に来日した。

MClassics
MYCL-00045(1SACD)
税込定価
シベリウス:交響曲第3番ハ長調
カレリア組曲
交響詩「フィンランディア」
村川千秋(指)山形SO

録音:2022年4月16-17日 山形テルサホール、2023年1月15日 山形・やまぎん県民ホール 大ホール・ライヴ
山形SOの創立者で今年90歳を迎える巨匠、村川千秋と同楽団 の初CDが遂に登場です。当録音は、山形SOの創立50周年記 念となる第300回定期演奏会と、村川千秋の90歳を祝ったやまぎん県 民ホールでの公演の記念碑的なライヴ・レコーディングです。50年前村川 が種を蒔き山形県民によって愛され育った山形SO。収録曲は村 川千秋が最も大事にするレパートリーであるシベリウス。情熱の漲る村川 のタクトによって、山形の自然を想起させる壮大で豊かなシベリウスの音楽 が威風堂々奏でられます。温かみのある美しい弦楽器、色彩豊かなソロ イスティックな木管楽器、力強く輝かしい金管、打楽器セクション。日本の 地方オーケストラの雄へと成長した、現在の充実した山響のサウンドが堪 能出来ます。村川千