湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



LPO
(ロンドン・フィル自主制作)
(イギリス)



※以下、全てオーケストラはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団です。



※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏家

LPO-0001(1SACD)
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番、第5番 クルト・マズア(指)LPO

録音:2004年2月3日ロイヤル・フェスティバル・ホール(ステレオ・ライヴ)
マズアがこんな大技の持ち主だったとは!特に「第5番」!ジャケットには演奏時間が記されていないので覚悟しようが無かったのですが、改めて調べると、終楽章の演奏時間はなんと14分46秒(拍手込み)も要しているのです!比較的淡白にサクサクと進行することの多いマズアですが、全楽章を通じてかなり濃厚な表情を施しているのは確かで、この終楽章も、冒頭は遅めのテンポで風格豊かながら、この時点ではまさか15分近いドラマが展開されるなど夢にも思いません。ところが、展開部以降のテンポが異様な低速。ロストロポーヴィチの例があるものの、この先もその低速の度を強め、マズアの唸り声と共に入魂を極めた熱い悶絶が深まる一方。コーダでは更に追い討ちをかけて、崩壊寸前の大失速のまま幕を閉じるのです!もちろん単に遅いだけでなく、明るい勝利の雰囲気に完全に背を向けた見事な解釈として説得力絶大です!【湧々堂】
LPO-0002
エルガー:序奏とアレグロOp.47、
エニグマ変奏曲#Op.36、
ブリテン:狩をする私たちの祖先Op.8#
ヘザー・ハーパー(S)、
ベルナルト・ハイティンク(指)LPO

録音:1984年11月27日ロイヤル・フェスティバル・ホール、1979年8月14日*、1986年8月28日# 以上ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ・ライヴ)

LPO-0003
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲、
「リエンツィ」序曲、
「神々のたそがれ」〜「ジークフリートのラインへの旅」「ジークフリートの葬送行進曲」、
ワルキューレの騎行、
「タンホイザー」序曲とヴェヌスベルクの音楽
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1992年8月20日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ・ライヴ)
これはもう号泣もの!音楽を構成する音という音の全てが感動に直結し、とつもない内容量で迫り続け、あの最後の来日公演の凄さを知っている耳にも、この感動の威力はあまりにも桁違いでした。フレージングやリズムがどうなどといったことは全て枝葉末節なこととして脳裏から完全に消え去り、ただもう音楽の奔流に身を委ねるしかないのです。
第1曲目「マイスタージンガー」の最初のトゥッティから唖然!ティンパニを核とした雄渾を極めた響きが溢れ、聴き手に音楽の細部を云々させない圧倒的な威容!造型の頑丈さをどこまでも絶やさず、強靭な精神力が漲る音を完全に統合しきった時の凄さを思い知らされます。金管、打楽器の克明な主張と共に、木管がそれと同等に渡り合い、弦がそれら全てを支えるテクスチュア配分も絶妙を極めますが、徹底的なリハーサルによって獲得した結果と言うよりも、団員全員が何か見えない力で牽引され、120%のパワーが出てしまったような異様なまでの凄み満ちています。中間付近の静寂でも骨太の精神が脈々と行き続け、後半ではチューバが奏するテーマの裏旋律が強力に張り出し、しかも弦と美しくブレンドして大河のうねりを更に助長する箇所に至る頃には、全身がもう完全硬直状態!更に追い討ちをかけるのがコーダのテンポ!この神がかり的包容力に満ち溢れたテンポルバートは、やはり絶妙なレバートを聴かせてくれたレークナーもライナーも一歩後退せざるをえません。
「リエンツィ」は更に打楽器群が華々しく活躍しますが、何というコクをたたえて鳴り響くことでしょう!渾身のスケール感とアンサンブルの完璧さ、アゴーギクの振幅の切迫感が、この曲を普段のイメージ以上に格調高いものに聳え立たせ、これまた並ぶもののない超名演奏!ライヴならではの熱い熱狂といった次元では収まらず、当然楽しい行進曲的なイメージなど抱いている暇などありません。
「葬送行進曲」では、テンシュテットのフレーズの呼吸力、精神的な持久力が並外れたいたことを徹底的に思い知らされます。全体を包み込みこむ深遠さは、競合盤が多いにもかかわらず拮抗する演奏が思い浮かびません。奇跡的なニュアンスの瞬間も挙げたらきりがありませんが、例えばハープが一瞬絡む瞬間など、神のお告げとしか思えません!
「タンホイザー」も主部に入り込むまでのアゴーギクの念入りさが尋常ではなく、この数分間だけでも感極まるものがありますが、主部に入って、ヴァイオリン・ソロが現れる箇所のその移行の美しさといったら、これまた信じ難いニュアンス!しかもチェロのソロとのハーモニーにこれほど馥郁たる香りが立ち込める演奏がほかにあるでしょうか。とにかくあまりの芸術的なニュアンスの連続に体がいくつあっても足りないほどですが、これらの魅力を完全に伝えきっているのが、LPOの驚異的な巧さ!技巧的な巧さを超越して、テンシュッテと共にこのまま死んでもかまわないといったような尋常ならざるテンションが、連鎖反応で全団員に伝播するという奇跡でも起きない限り醸成されない鉄壁さです。BBCによる録音も鮮烈を極め、大音響が決してダンゴにならず、各声部がくっきりと際立ちながらブレンンド感も見事という、これまた奇跡的なもの。あまりの感動で居てもたってもいられない理由がお分かりいただけるでしょうか?私はこの先、何度かこのCDを棚から取り出して聴くと思いますが、何も感動しなくなった時、音楽を聴くことをやめるべきではないかとさえ思っています。【湧々堂】

LPO-0004(1SACD)
ラフマニノフ:交響詩「死の島」、交響的舞曲* ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2004年12月8日、2003年10月29日*、ロイヤル・フェスティバル・ホール(ステレオ・ライヴ)
ユロフスキーは、1945年生まれ。モスクワ音楽院で学んだ後、24歳の時、ロジェストヴェンスキーの助手を務めました。1978年、ベルリン・コミッシュ・オーパーに招かれ、以後ドイツの劇場を中心に活躍。CAPRICCIOなどに録音があります。現在、ベルリン放送響(旧東独)の主席。
「死の島」冒頭のピアニッシモの雰囲気から、悲しみの極致そのもので、足に鉛の錘を縛られているような暗い倦怠が全編を支配。後半の高揚場面でも音色の華やぎを徹底的に抑えて、その厚い雲に覆われたような音色は苦悩で一杯。最後に冒頭旋律が回帰して以降の弦のテクスチュアの統一感も見事で、特にヴァイオリンの迫真の嘆きは、心に染み入ります。
交響的舞曲は、有名なわりには決定盤が少ないように思えますが、この演奏はとんでもない凄演!ユロフスキが独自の音色イメージを持ち、オケに確実に反映させていることは「死の島」以上に明白で、ピカピカの高層建築のような音像とは一線を画したくすみを持った音色で一貫。冒頭のリズムの打ち込みの段階的な増強ぶりも見事ですが、ダイナミズムの中にもどこか心の燻りが滲んでいます。サックスを中心としたロシア的な情感表出も小手先のものではなく、これが弦に移行して後のアゴーギクの陰影の濃さには鳥肌が!冒頭主題に戻ってからの迫力は最初よりも更に凄みを増し、絶頂時のホーレンシュタインのような重圧感まで放出しきっています。第2部のおどろおどろしい悪魔的な雰囲気から最後の急速な音符の動きの憤激に至るまでの緊張の維持にも、ユロフスキの並外れた精神力を感じます。終曲の迫力も破格のもの!鋭利な刃が容赦なく襲い掛かりますが、メカニックな響きは皆無。コーダに至っては、こんな激烈を極めた演奏は類例がありません!しかも最後の銅鑼の余韻の凄さ!!  【湧々堂・】
LPO-0005(1SACD)
シベリウス:交響曲第2番、第7番* パーヴォ・ベルグルンド(指)LPO

録音:2005年2月16日、2003年12月6日* (全てステレオ・ライヴ)
LPO-0006
シベリウス:付随音楽「テンペスト」*、
モーツァルト:ミサ曲 ハ短調〜 キリエ/世の罪を除き給う**、
ヘンデル:オラトリオ「エジプトのイスラエル人」(抜粋)#、
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」##、
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
サー・トーマス・ビーチャム(指)LPO、
ドーラ・ラッベッテ(S)/リーズ音楽祭cho

録音:1934年10月4日リーズ音楽祭(世界初録音)*、1934年10月3日リーズ音楽祭**、1934年10月3日リーズ音楽祭#、1938年11月30日&1939年7月4日##、1939年11月30日&12月19日
伝説的指揮者ビーチャムと創設間もないロンドン・フィルとの名録音。ビーチャム得意のシベリウスのテンペストは世界初録音、そして初出!1930年代の卓越した演奏が蘇りました!
LPO-0007(1SACD)
タネジ:Scherzoid 、
Evening Songs*、
When I Woke**、
Yet Another Set To#
クリスティアン・リンドベルイ(Tb)#、
フェラルド・フィンリー(Br)**、
ジョナサン・ノット(指)、
ウラディミール・ユロフスキ(指)、
マリン・オールソップ(指)LPO

録音:2005年1月26日世界初録音、2004年12月12日*、2004年12月8日世界初演/世界初録音**、2005年3月19日世界初演/世界初録音# (全てステレオ・ライヴ)
ロンドン・フィルの作曲家に任命されたばかりのマーク=アントニー・ターネイジの作品の世界初録音、しかもライヴ録音で!最近の活躍が目覚ましい3人の指揮者のタクトが輝きます。
LPO-0008(2CD)
ハイドン:オラトリオ「天地創造」 ルチア・ポップ(S)、
アンソニー・ロルフ=ジョンソン(T)、
ベンジャミン・ラクソン(Br)、
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1984年ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ・ライヴ)
同レーベル第1弾のワーグナーで圧倒的感動をもたらしてくれたコンビによる珍しいレーパートリー!ポップ、ロルフ=ジョンソン、ラクソン3人の当代一流のソリストによる歌唱も見逃せません。
LPO-0009
チャイコフスキー:交響曲「マンフレッド」 ウラディミール・ユロフスキ(指)LPO

録音:2004年12月8日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ・ライヴ)
現在はグラインドボーン音楽祭の音楽監督として、このオーケストラと蜜月を迎えているユロフスキ。この曲に宿る内面のドラマ性に照準を合わせ、感覚的な迫力のみにとらわれない内容重視の演奏に徹しているのが特徴。色彩的にもどちらかというと地味目ですが、ラフマニノフの「交響的舞曲」同様、全声部を確実に掌握した磐石の造形力は巨匠級!第1楽章コーダや、終楽章を聴くと、LPOがテンシュテットと共に全神経を集中して臨んだ時と同様のモードで決死の演奏を繰り広げているのが分かります。軽視されがちなこの作品の確信に真剣に切り込んだ演奏としてかけがえのない存在です。  【湧々堂】
LPO-0010(2CD)

LPO-SA0010(2SACD)
ブリテン:戦争レクィエム クルト・マズア(指)LPO、
ロンドン・フィルハーモニーcho、
ティフィン少年cho、
クリスティーネ・ブリューワー(S)、
アントニー・ディーン・グリフィー(T)、
ジェラルド・フィンリー(Br)

録音:2005年5月8日(全てステレオ・ライヴ)
※このSACDは通常のCDプレーヤーでは再生できません。
第二次世界大戦時には少年兵として参戦し、ライプツィヒ時代には東西ドイツ融合を経験したマズア。平和への願いも強くTELDECにも録音を行っているだけあって、この作品への愛情は人一倍です。グリフィーはサイトウキネン・フェスティヴァルでも「ピーター・グライムズ」のタイトルロールを歌い、ブリテンを得意としています。
LPO-0011
ポストウォー・リヴァイヴァル
アーノルド:喜劇序曲「ベッカス・ザ・ダンディプラット」[1947年12月16日世界初録音]、
マーラー:さすらう若人の歌[1946年11月27日、12月16日]、
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第1番[1949年5月3日]、
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲[1949年5月16日]、
エルガー:「子供の魔法の杖」第2組曲[1950年2月13日]
エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指)LPO、
ユージニア・ザレスカ(Ms)
ベイヌムは、ロンドン・フィルへの客演時には得意としたマーラーやブラームスほか、意外にも多く20世紀英国音楽を取りあげています。ライヴだからこそわかる、この指揮者の本質に迫る一枚です。なおアーノルドの序曲には、まだこのオーケストラに在籍していた作曲者自身がトランペットで参加しています。
LPO-0012
マーラー:さすらう若人の歌、
交響曲第1番「巨人」*
クラウス・テンシュテット(指)LPO、
トーマス・ハンプソン(Br)

録音:1991年、1985年BBC放送用ライヴ*
(全てステレオ)
EMIに行ったLPOとの録音とCSOとの録音の中間に位置する時期のライヴ録音。「巨人」は終楽章へ向かいにつれて熱を帯び、独特ののめり込みを見せながら、瑞々しいパッションを炸裂させます。この作品に対するアプローチは完全にこの時点で固まっており、その確信に満ちた表情が心を捉えます。終楽章冒頭で弦楽器のトレモロを強調したり、コーダでティンパニを使いする手法も実に効果的。当然終演後は物凄い拍手の嵐です。ハンプソンがこれまた名唱!彼のお得いの曲には違いないですが、明るさと限りの両面を帯びた独特の声の魅力が素晴らしく、後に更に大きな大輪の花を咲かせるこが大いに頷けます。 【湧々堂】
LPO-0013
M.アーノルド:喜劇序曲「ベッカス・ザ・ダンディプラット」
 管弦楽組曲「第六の幸福をもたらす宿」、
 21回目の誕生日のためのフローリッシュ(世界初演)、
交響曲第6番、フィルハーモニー協奏曲
ヴァーノン・ハンドリー(指)LPO

録音:2004年ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(アーノルド記念コンサート・ライヴ)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団出身のアーノルドの楽曲を、グラモフォン・アウォーズの常連でLPOにも長く貢献してきたハンドリーが、作曲者の映画芸術家、おどけたユーモア作家、深遠な交響曲作者としての一面をほのめかす指揮は正にお見事!

LPO-0014
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版) クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1989年12月14日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(BBC放送用ライヴ)
EMIの録音がややマーラー的な生命力を感じさせ、デジタル録音初期の特徴であるややキンキンとした音だったのに対し、ここでは常に音楽が内面の熟成を湛え、ドイツ的な響きでブルックナーの醍醐味をとことん痛感させる名演となっています。第1楽章の原始霧から意味深く、木管のテーマも実に丁寧なフレージング。金管の響き(5:46〜等)が決して輝きすぎることなく、低弦の彫琢(5:55〜等)もこれまた見事!そしてコーダのがっちりと凝縮された熱い響き!神秘的なロマンが深々と流れる第2楽章も感動的。そのニュアンスは、テンシュテットの解釈として浮き立つことなく、ブルックナーが持つ構築性の中で息づいているので、語りかける力が一層強く感じられます。LPOが持てる最高次元のアンサンブルを披露している点にもご注目を。第3楽章はEMI録音でも元気一杯の演奏でしたが、ここでも金管を中心とした咆哮が凄まじく迫ります。しかし、テンポの急緩の差が音楽にメリハリをつけることに確実に作用していることが分かり、何よりもこれほどの推進力を見せながら響きが軽薄にならず、意志の力を込めぬいた演奏も珍しいのではないでしょうか。終楽章は感動の極み!最初のティンパニ一撃のなんと雄渾な響き!例によってシンバルが追加される版を採用してはいますが、音が外に向って放射される感を与えないので、説得力抜群。レンジが極めて広く、隅々まで良く鳴り響くブルックナーで、その点でテンシュテットのブルックナーをを敬遠されてきた方も、この極限まで完熟を見せた言っても過言ではない演奏には心打たれるに違いありません。終結部でのじりじりとした音像の浮上のさせ方と呼吸の広大さ!言葉が出ません。ライヴながら会場の伊豆がほとんどなく、音そのものも極めて明快なのもありがたい限り。同レーベル第1弾のワーグナー作品集と同質の感動がここにあります。 【湧々堂】
LPO-0015
ハワード・ブレイク(b.1938):「スノーマン」(レイモンド・ブリッグスの原画によるハワード・ブレイク脚本・音楽)、
ポール・パターソン(b.1947):「3匹の子ブタ」(ロアルド・ダールとドナルド・スタロックによる脚本)
 「赤ずきんちゃん」(改訂版)(ドナルド・スタロックによるロアルド・ダールの「へそまがり昔話(Revolting Rhymes)」からの出典)
クリス・ジャーヴィス(ナレーター)、
サム・オリバー(トレブル)、
デイヴィッド・パリー(指)LPO

録音:2006年5月6日、7日
世界的に人気の高いキャラクターが、お話しと音楽になりました。絵本もアニメも大ヒットしたスノーマンの物語を、“スノーマンの作曲家”としてすでに親しまれているハワード・ブレイクの音楽と共に。また「チャーリーとチョコレート工場」の原作者でもあるロアルド・ダールのストーリーも追加し、各キャラクターのイラストを掲載したスリップ・ケースに。英語リスニングの教材やプレゼントにも最適の一枚です。クリス・ジャーヴィスは、BBCテレビの子供番組でおなじみ。

LPO-0016(5CD)
エルガー:管弦楽曲集
◆CD1
交響曲第1番/ショルティ(指)[1972年2月21-25日]、
エニグマ変奏曲/マッケラス(指)[1985年3月13日]、

◆CD 2
チェロ協奏曲/トルトゥリエ(vc)、 ボールト(指)[1972年10月29-30日]、
夕べの歌、朝の歌/ボールト(指)[1967年4月 17-18日]、
悲歌Op.58/ エルガー(指)[1933年8月29日]、
序曲「コケイン)」/ピアソン(org)、ショルティ(指)[1976年2月27日]、
演奏会用序曲「フロワサール」、
3つの性格的小品 Op.10〜第3番コントラスト/以上、 エルガー(指)[1933年2月 21日]

◆CD 3
帝国行進曲Op.32/マッケラス(指)[1975年8月 11 & 14日]、
序曲「南国にて」/ショルティ(指)[1979年12月 4-6日]、
弦楽セレナード/ エルガー(指)[1933年8月 29日]、
戴冠式行進曲Op.65/ロナルド(指)[1935年3月7日]、
序奏とアレグロOp.47/フレンド(vn)、 ウィリソン(vn)、チェンバース(va)、キャメロン(vc)、ボールト(指)[1972年12月10日]、
バレエ音楽「真紅の扇」/ボールト(指)[1973年5月14-15、6月 4日、8月11日]

◆CD 4
ヴァイオリン協奏曲/カンポーリ(vn)、ボールト(指)[1954年10月28-29日]、
交響的習作「ファルスタッフ」/ボールト(指)[1956年8月 20日]、

◆CD 5
交響曲第2番/ベル(org)、ハンドリー(指)[1980年4月 2-3日]、
海の絵 Op.37/ベイカー (A)、ハンドリー(指)[1984年2月23日 ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライヴ]
ショルティ(指)、マッケラス(指)、ボールト(指)、
トルトゥリエ(vc)、他
有名なEMIのアビー・ロード・スタジオで初録音の栄誉を担ったエルガーでしたが、それ以降、常にエルガー作品がさまざまな音楽家によって録音され続けてきたイギリスのレコード史は、エルガー演奏の歴史でもあります。イギリスのオーケストラの中でもドイツ的なサウンドを持つロンドン・フィルハーモニー管弦楽団は、やはりドイツの聴衆に愛されたエルガーの音楽を演奏するのに適任。その歴史において、名指揮者たちが残した多くの録音からピックアップしたのが、作曲者生誕150年を記念するこの5枚組ボックスです。神々しいまでのボールト、新しいエルガー像を確立したショルティ、独特の構成を整理して聴かせるマッケラス、ボールトの伝統を受け継ぐハンドリー、エルガーと同時代を生きたロナルド、そして他ならぬエルガー自身。ベイカーやトゥルトリエ、カンポーリ、そしてロンドン・フィルの首席奏者たちといったソリスト陣も、共感深い演奏を聴かせてくれます。EMIやデッカの名録音を中心に、ライヴ録音も含めてまとめたこのボックスは、エルガーの音楽をたっぷりと味わうのと同時に、ロンドン・フィルを通して垣間見る20世紀イギリスの音楽史だとも言えるでしょう。また、有名な行進曲「威風堂々」だけでなく、こんなにも名曲があるのだということを知っていただける選曲になっています。
JLPO-0026
ベートーヴェン:交響曲第9番 「合唱つき」 クラウス・テンシュテット(指)LPO&cho、
ルチア・ポップ(S)、アン・マレー(Ms)、
アンソニー・ロルフ・ジョンソン(T)、
ルネ・パーペ(Bs)

録音:1992年 10月 8日ステレオ・ライヴ
この演奏は彼の活動における最期の時期のもので、良く知られる 91年盤に目立つ激しさよりも、穏やかで諦念に満ちた歌心が随所に見られる魅力的な演奏となっています。もちろんテンシュテットらしく終楽章などは爆裂していますが、オーケストラも当時最高の名歌手たちも、その指揮に全身全霊で応え、ホール全てが信じられないような白熱した空気に包まれるところは感動的。
LPO-0030
ブルックナー:交響曲第7番(ハース版) クラウス・テンシュテット(指)LPO
録音:1984年ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ・ライヴ)
JLPO-0032
ブルックナー:交響曲第8番 クラウス・テンシュテット(指)LPO
録音:1981年10月29日(ステレオ・ライヴ)
1981年と言えば、テンシュテットが“急病”のため北ドイツ放送響との演奏旅行をキャンセル。そのおかげであの凄絶なコンドラシンのマーラーが世に出た年です。若干の月日も経過し、ロンドン・フィルの前に現れたテンシュテットですが、こちらは目の覚めるような素晴らしいブルックナーを聴かせます。この翌年にはEMIとのセッション録音を行いましたが、やはりテンシュテットの魅力はライヴにあると言えましょう。
LPO-0033
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調 ヤープ・ファン・ズヴェーデン(指)LPO

録音:2008年1月16日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール・ライヴ
史上最年少でコンセルトヘボウのコンサートマスターを勤めたヤープ・ファン・ズヴェーデン。90年代後半より指揮者としてのキャリアを積み重ねた彼が、ロンドンフィルと2008年早々にマーラー(1860-1911)の交響曲5番に取り組みました。アンドリュー・リットンの後任として米・ダラス響の音楽監督に就任する今シーズン、「指揮者」ファン・ズヴェーデンが世界へ飛躍する年に収録された堂々たるライブ録音をお送りします。
LPO-0034
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ベルナルド・ハイティンク(指)LPO

録音:1986年 8月 28日、ロイヤル・アルバート・ホール・ライヴ
ハイティンクはいつものことながら、いかなる時も冷静に LPOをコントロールし、この曲の真価を問いかけてきます。
LPO-0036
バックス:ティンタジェル、
ラフマニノフ
:交響曲 第3 番
オスモ・ヴァンスカ(指)LPO
すでに100 近くのリリース歴を持つオスモ・ヴァンスカ、2007 年の録音!シベリウス、ニールセンでの圧倒的な名演に加え、最近ではベートーヴェンでの革新的な解釈でも話題を呼んでいます。このロンドン・フィルハーモニーとの録音はバックスとラフマニノフ。伝説のイメージの中に熱烈な情熱を感じさせるバックスの「ティンタジェル」と陰鬱で叙情的、そして濃厚なラフマニノフの交響曲第3 番という組み合わせはオーケストラの響きを大切にするヴァンスカにはぴったりの曲と言えるでしょう。全ての聴き手から称賛を受けるに値する凄演です。

LPO-0038(2CD)

マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」 クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1983年3月31日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ・ライヴ)
同時期にEMIのスタジオ録音も存在し、こちらを高く評価する人も多いのですが、今回のライヴの興奮度はその更に上を行くもので、晩年のテンシュテットにはありえない感情の起伏がみて取れること間違いありません。
LPO-0039(2CD)
チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」
交響曲第6番「悲愴」*
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2008年10月22日、2008年11月26日*
2007年にロンドン・フィルハーモニーの首席指揮者として就任した若きロシアの俊英、ウラディーミル・ユロフスキ。(父ミハイルも名指揮者として知られますが、実は弟も指揮者。着々と才能を伸ばしつつあり、こちらも注目されています)。すでにLPOとはいくつかの録音があり、その迸る才能の片鱗を見せつけてはいたのですが、今作から始まるチャイコフスキーの交響曲全集録音で、いよいよ、その恐るべき真価を世に問うことになるでしょう。さて満を持して登場、この第1集は「悲愴」と「冬の日の幻想」というカップリングです。「食わず嫌いをしないでください」といわんばかりのこの2曲の組合せにも並々ならぬ意欲が感じられるではありませんか(あまり聴く機会のない第1番ですが、彼の演奏でとりこになる人も多いのでは)。まず第1番の冒頭、フルートとファゴットの印象的なメロディを聴いただけで、この演奏に引き込まれてしまうこと間違いありません。曲全体に漲る高揚感、ライヴとは思えないほどの完成度の高さ、そしてスタイリッシュな解釈には舌を巻く他ありません。

LPO-0040
1930年代のステレオ録音!
モーツァルト:交響曲第39番〜第1楽章(抜粋)/第2楽章/第3楽章
ディーリアス:春一番のかっこうを聴いて
R=コルサコフ:金鶏〜序奏/行進曲
モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」
モーツァルト:「ジュピター」交響曲のSTEREOテスト録音(抜粋)
技術者アラン・ブルームラインの実験録音風景
サー・トーマス・ビーチャム(指)LPO

録音:1936年11月19日ドイツ/1934年3月19日ロンドンアビーロード・スタジオ(EMI所蔵音源)/1933年12月15日
1934年3月19日に録音されたビーチャム指揮の「モーツァルト:ジュピター」は現在EMIのモノラル録音が流通しています。しかし、実は同じテイクの実験的なステレオ・サウンドというものが存在したのです!128もの特許を持つ技術者&発明家アラン・ブルームライン(1903-1942)は、ベル研究所で電話のケーブルの開発に携わりつつ、「両方の耳」で聴くステレオ・サウンドの研究を始めました。1930年代の初めにすでに映画館で初期のステレオのシステム(簡単なものでした)を完成。彼の技術に着目したEMIが実験的にロンドン・フィルの演奏会をステレオ録音で収録していたのです。この革新的な音!まさに寝耳に水です。まずはご自身の耳でお確しかめください。
LPO-0043(2CD)
ブラームス:交響曲第1番&第2番* ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音2008年5月25日、2008年9月27日* 以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
今もなお、数多くの新録音が発売される偉大なるブラームスの交響曲。この激戦区にまた新たな名演を投入いたします。最近活躍が目覚ましい、ロンドン・フィルの首席指揮者ユロフスキの斬新な解釈は全ての人をうならせるに違いありません。第1番の冒頭は、目が覚めるほどの快速テンポでありながらも、ベートーヴェンの時代から連なる、重厚さと苦渋に満ちた表現はしっかり守るというスゴワザをやってのけます。終楽章でのカタルシスも期待通りです。第2番は全編が流麗さに富み、至るところで様々な啓示が見てとれます。オーケストラの響きも暑苦しくなく、スマートに響かせながらも必要な部分はしっかり聞こえるという素晴らしさ。ドイツのオーケストラとはまた違う柔軟な音色が特色です。
JLPO-0044(2CD)
マーラー:交響曲第2番「復活」 クラウス・テンシュテット(指)LPO&同cho
イヴォンヌ・ケニー(S)
ヤルト・ファン・ネス(Ms)

録音:1989年2月20日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール・ライヴ
1989年、病に伏すテンシュテットが、まさに力を振り絞って残してくれた稀代の名演の登場です。このアルバムを手に して驚くのが、その尋常ならざるテンポ設定。最近は70分台で仕上げることも珍しくないこの作品を何とテンシュテット は95分をかけてじっくり演奏しているのです。 例えば、快速テンポで知られるノリントン&シュトゥットガルトは第1 楽章20'40"/第2 楽章8'55"/第3 楽章9'41"/ 第4 楽章5'04"/第5 楽章33'57"という配分。これを見ただけでも、このテンシュテット盤の異様な雰囲気がおわかりい ただけるかと思います。
LPO-0045
ブラームス:ドイツ・レクイエムOp.45 エリザベス・ワッツ(S)
ステファン・ドゥグー(Br
LPO&Cho
ヤニック・ネゼ=セガン(指)

録音:2009年4月4日ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
ネゼ=セガンによるブラームス(1833-1897)の最高傑作は、驚くほど静かに始まり、美しく盛り上がり、そっと聴き手の心に感動を残していくものです。全てにおいて統一感があり、アンサンブルは一糸たりとも乱れることがありません。聴衆たちが固唾を飲んで見守る様子が伝わる緊張感に満ちた瞬間がたまりません。

LPO-0046
エルガー:海の絵&交響曲第1番
海の絵Op.37
交響曲第1番変イ長調Op.55
ジャネット・ベイカー(C.A)
ヴァーノン・ハンドリー(指)LPO

録音:1984年2月23日サウスバンク・センターロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ・ライヴ)
LPOとエルガーは特別に親密な関係で結ばれていて、「エルガーのオーケストラ」とさえ呼ばれています。また、2008年に逝去した名指揮者ヴァーノン・ハンドリーも、このオーケストラにとって特別の存在であり続けました。1984年のエルガー没後50年を記念して計画されたコンサートにハンドリーが登場することは、まさに自然の選択であったわけです。イギリス歌曲の最良の解釈者であるジャネット・ベイカーを迎え、彼女の深く愛に満ちた歌による「海の絵」で始まったこのコンサート(この曲は、5枚組のBOXであるLPO0016に収録)、ハンドリーによるゆったりとした歩みで始まる交響曲第1番を聴くことで、一層の興奮を手にすることができるでしょう。ヴァーノン・ハンドリー(1930-2008):ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で言語学を専攻、その後ギルドホール音楽演劇学校で指揮法を学んでいます。1962年から指揮者としてのキャリアを開始し、ギルドフォード・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任しました。エイドリアン・ボールトのアシスタントを務め、1970年以降はロンドンを本拠に北欧まで活動の範囲を広げ、マルメSOの首席指揮者に。1988年には読売SOに招聘され、初来日を果たしていあす。イギリス音楽のスペシャリストとして名高く、派手でなくとも堅実な音楽作りで「通」のファンの多かった指揮者です。ジャネット・ベイカー(1933-):イギリスのハートフィールド生まれの名歌手。1956年にキャスリーン・フェリアー賞を受賞し、その後幅広い活躍で聴衆を魅了。オペラ、リートのどちらにも精通していました。60年代から70年代にかけて、バルビローリやバーンスタインがマーラーを演奏する際は、ほとんど常連として顔を出し、「偉大なるマーラー歌手」として認識しているファンも多いようです。端正な解釈と美声はバッハなどでの宗教曲でも真価を発揮。もちろんお国ものである「イギリス音楽」では右に出るものがいないといっても過言ではないほどの名歌手です。
この交響曲は想像を遥かに超える名演!ボールト以来、この作品のエッセンスはロンドン・フィルのの団員の中に浸透しているとはいえ、この入念で繊細、共感の限りを尽くしたアプローチは聴き手の魂を揺さぶり続けます。構えは終始大きく、スコアを解析し過ぎて音楽を小さくしてしまう瞬間など皆無。第2楽章は、戦闘シーンのように派手な鳴らし方をする指揮者も少なくない中で、極めて骨太なサウンドを引き出しつつ、うるさいどころか魂の内なる叫びと化した響きはまさに逸品。こういう響きを聴かされると、まさに「本場物」の格の違いに降伏するしかありません。第3楽章も感覚的な美しさを引き出すしかない英国人以外の指揮者には手も足も出ない佇まい。ハーモニーのブレンドが、エルガーの作品においていかに重要であるかを思い知らせれるのが終楽章。全く奇を衒わないストレートな解釈に全くブレはなく、作品の格調美と力感を両立させながらの堂々たる進行に、思わず手に汗握ること必至。最後のブラボーも、もちろん十分頷けます。この曲の最右翼の名盤誕生といっても過言ではないでしょう。ベーカーをソロに迎えた「海の歌」も悪いはずがなく、フレーズの端々まで心血を注ぎきった名唱が聴かれ、ハンドリーの指揮も伴奏の域にとどまらない説得力に満ちています。【湧々堂】
LPO-0049
ブルックナー:交響曲第6番イ長調 クリストフ・エッシェンバッハ(指)LPO

録音2009年11月4日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
ブルックナーの第6の交響曲は、彼が生涯に書いた作品の中でも極めて美しい音楽を含むとされています。1877年に第3番の交響曲の初演に失敗したブルックナーは、聴衆の反応にひどく敏感になり、第4番、第5番の初演もせず、また作曲からも1年間ほど遠ざかっていました。しかし、1880年にスイス旅行へ出かけ、雄大なモンブランの山並みを見て心もほぐれたのでしょう。1881年9月に完成されたこの曲は素晴らしい仕上がりとなり、マーラーによる短縮版の初演を経て、1901年カール・ポーリヒが全曲を演奏。以来、安定した人気を誇っています。どんな曲にも、入念な解釈を施すことで知られる指揮者としてのエッシェンバッハ。彼にとって、このブルックナーの6番、とりわけこの曲の第2楽章は、まさに力の見せ所。これでもか・・・とばかりに美しいメロディと響きが押し寄せてくる様は、ある意味力技とも言える凄まじさです。テンポ設定も尋常ではありません。大抵の指揮者が17〜18分でこの楽章を演奏するのに対し、このLPOでのエッシェンバッハは20分08秒もかけてじっくり歌い込みます。「天上的な美しさ」とはこういう演奏のことを言うのでしょうか・・・。その分、第3楽章ではさらりとかわし、その余力を全て終楽章に注ぎ込むところも見事です。
LPO-0052
マーラー:交響曲第8番「一千人の交響曲」 リア・ヴァラディ(S)
ジェーン・イーグレン(S)
スーザン・ブロック(S)
トゥルデリーゼ・シュミット(Ms)
ヤドヴィガ・ラッペ(Ms)
ケネス・リーゲル(T)
アイケ・ヴィルム・シュルテ(Br)
ハンス・ゾーティン(Bs)
ロンドン・フィルハーモニーcho
ロンドン交響cho
イートン・カレッジ少年cho
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音 1991年1月27日
ロンドン・フェスティヴァル・ホール
マスタリング・エンジニア:アンドリュー・ラング
テンシュテットのこの演奏は、すでにレーザー・ディスク→DVDとして発売されているものです。あちらは、BBCテレビのスタッフによる編集であり、1月27日、28日収録とされていて、あくまでも「テレビ放送用」として編纂されたものですが、こちらは1月27日のオリジナルテープをリマスターしたものになります。DVDを確認したところ、恐らく27日の演奏(このCDに収録されているもの)がベースとなっており、演奏上本CDと大きな違いは認められませんが、音質などは格段に良くなっています(音場の広がり、奥行き、そして粒立ちの違いははっきりとわかります)。第1部での異様なほどの高揚感、一転、第2部では雄大な音楽が展開されます。テンシュテットの求めるテンポがあまりにも悠々し過ぎているためか、時に歌手たちがフライング気味になってしまうのは御愛嬌。満身創痍となりながらも最後の「神秘の合唱」へと辿りつく様はまさに神々しいの一言に尽きるでしょう。20世紀の終焉、そして希望を示唆するような感動的な演奏です。
LPO-0053
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番ハ短調 Op.35*
ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.102
ピアノ五重奏曲ト短調 Op.57#
マルティン・ヘルムヒェン(P)
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO
ポール・ベニストン(Tp)*
ピーター・シェーマン(Vn)#
ヴェッセリン・ゲレヴ(Vn)#
アレクサンダー・ツェムツォフ(Va)#
クリスティーナ・ブラウマネ(Vc)#

録音 ロンドンサウスバンク・センター、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
2008年4月23日*、2009年4月25日
2011年4月に日本公演が予定されている若手ピアニスト、ヘルムヒェンをソリストに迎えたショスタコーヴィチのピアノ協奏曲をメインにした1枚です。1933年に書かれた第1番の協奏曲は、正式名称が「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲ハ短調」と題されていることでもわかる通り、トランペットがこれでもかとばかりに活躍する作品。自作や他作品からのパロディを多く含むも、挑戦的な眼差しが貫かれており、その解釈は一筋縄ではいかないことで知られています。かたや第2番は1957年に作曲されたもので、同時期のチェロ協奏曲などに比べると、平易な楽想に終始しています。これは愛息マクシムのために書かれたせいもあるのでしょうが、何よりショスタコーヴィチ自身が楽しんで書いたのではないかと想像されます。軽やかに駆け抜けるピアノをサポートするユロフスキのエネルギッシュな指揮が聴きものです。陰鬱な中に独自の美しさを秘めるピアノ五重奏曲は、人気の高い名曲ですが、こちらも現代的な感覚漲る名演です。
LPO-0054(2CD)
マーラー:交響曲第2番「復活」 アドリアーナ・クチェローヴァ(S)
クリスティアンヌ・ストーティン(Ms)
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO&cho

録音: 2009年9月25&26日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール・ライヴ
このオーケストラには1980年から1990年代初期に記録された、「並ぶべきものなき名演」とされる一連のテンシュテットのマーラー(1860-1911)が存在します。とは言え、21世紀に生きる者たちとしては、その伝統にいつまでも縛られているわけにはいきません。今回登場のユロフスキの演奏は、そんな新しいマーラー像を構築します。曲の冒頭から説得力のある音で聴き手を惹きつけ、めりはりのあるデュナーミク(強弱法)を用い、テンポ良く進めていきます。昔ながらの濃厚なマーラーを好む人には、若干耳慣れない部分もあるかもしれませんが、これも時代の流れなのかもしれません。第4楽章でストーティンが「O Roeschen rot!」と歌い始める時、聴き手の感情は地上の俗事から解き放たれ、終楽章の最後の音が消える時、全ての思いは天上へと浄化され、希望の光に満たされることでしょう。今を生きる全ての人に捧げるアルバムです。

LPO-0055
ドヴォルザーク:交響的変奏曲
交響曲第8番
チャールズ・マッケラス(指)LPO

録音:1992年4月24日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール・ライヴ
マッケラスが火を噴いた!常に完成度が高く、出来不出来などありえないとさえ思わせるマッケラスの至芸の中でもこれは異色と言える大名演!ライヴという条件を考慮しても、この音楽の突き抜け方、ダイナミックな揺さぶり、人為的コントロールを感じさせない一発勝負的な熱さは尋常ではなく、ほぼ同時期に同じロンドン・フィルと第8交響曲をセッション録音を行なっていますが、同じ指揮者とは思えぬヴォルテージの高さ。
第1楽章は、主部冒頭のティンパニの精度の高い強打(1:15)から異様なテンション!この打ち込みが寸分でも違ったらまるでニュアンスが異なるというこんな確信的なニュアンスが他で聴けましょうか。その後の推進力は目覚しく、微妙なアゴーギクも伸縮自在。最大の驚きは終楽章。造形のフォルムから外れるスレスレのところで根底から音楽から湧き立ち、音をバリバリに割ったホルン・トリルの雄叫び、3:38からはそのホルンが完全に主旋律を強靭に補強。特に9:08以降の再現ではまさに火の玉と化して体当たり!締めくくり数秒は思い出すだけでも鳥肌が!ロンドン・フィルとも半世紀近く関係を持ち、ドヴォルザークの音楽ともデビュー当時から共感を持って取り組んできたマッケラスだからこそ、知的な計算が表面化せず、隙のない灼熱の演奏に普遍的な説得力が生まれたのでしょう。なお、スタジオ録音同様
主題が再びチェロで静かに回想される箇所で、シルヴェストリ盤同様の版(通常聴かれるものと若干旋律が異なる)を採用しています。【湧々堂】
LPO-0057
シベリウス&ルトスワフスキ
シベリウス:交響詩「ポヒョラの娘」*
 交響曲第5番変ホ長調 Op.82
ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)LPO

録音:ロンドン ロイヤル・フェスティヴァル・ホール 2008年2月20日、2008年10月15日*
フィンランドの俊英、ユッカ=ペッカ・サラステによる十八番のシベリウスと、ルトスワフスキという何とも興味深い1枚です。「ポヒョラの娘」はシベリウスの作品の中でも壮大で、また物語性をはっきり打ち出したこの音楽であり、12分程度の短い中に内容がぎっしり詰まっていることで知られています。このサラステの演奏、お楽しみのクライマックスの部分が若干押さえ気味で、「もう少し激しくても」と思ってしまうのですが、そこに至るまでの弦、管の絡みの幽玄なる美しさは一聴の価値ありです。交響曲第5番についても、金管の咆哮などが影を潜めた渋いもので、よくある「熱く激しい演奏」とは一線を画した演奏と言えるでしょう。ルトスワフスキでは精緻なスコア再現が楽しめ、曲の流れが自然に納得できるという、この曲の特徴である「複雑さ」が良く理解できる名演です。
LPO-0058
オネゲル:作品集
夏の牧歌
交響曲第4番「バーゼルの喜び」
クリスマス・カンタータ*
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO&cho
ニュー・ロンドン児童cho
クリストファー・マルトマン(Br)

録音:2007年3月28日サウスバンク・センター,クイーン・エリザベス・ホール、2009年12月5日サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*
両親はスイス人で、第一次世界大戦ではスイス軍に従軍しながらも、その活動のほとんどをフランスで行ったため「フランス6人組」の一人として活躍したオネゲル(1892-1955)ですが、現在では独立した作曲家として、そのユニークな作風が愛されています。彼は1920年代のパリのモダニズムを具体化し、後期ロマン派や反印象主義を推進しましたが、時には抒情的で懐古的な作品も書いていました。このユロフスキのライヴはそんな曲を集めたものです。夢見るように美しい「夏の牧歌」は彼が28歳の時の書かれたもので、スイスの夏の風光が丁寧に映し出されています。交響曲第4番は1946年、54歳の作品で、バーゼル室内O創立20周年記念の委嘱作です。思いの他ゆったりのびのびした曲調が保たれ、時に顔を出すスイス民謡もよい味を出しています。クリスマス・カンタータは1953年に書かれたもので、彼の最晩年の心境を映し出したかのような苦しみと喜びが錯綜する見事な合唱曲です。3つの部分に分かれ、苦渋に満ちた「深き淵から」に始まり、いくつもの讃美歌の旋律を使いながら、最後はバッハのカンタータ「目覚めよよ呼ぶ声あり」にも使われたコラールも登場し、クライマックスを迎えるさまは圧巻で、最後は全てを振り返るかのように静かに幕を閉じていきます。マーラーの復活でも高く評価されたユロフスキ、今作でも合唱の扱いの見事さは群を抜いています。そして、統制のとれたオーケストラ、絹の輝きのような弦の音色、複雑なリズムをかいくぐり聞こえてくる金管の咆哮。新古典主義独特のメカニカルな音楽を聴く喜びに体中が打ち震えるかのような、満足のいく演奏には言葉の出る余地がありません。
LPO-0059
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」 ベルナルト・ハイティンク(指)LPO
ジョン・オールディスcho

録音:1979年11月6日ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
ハイティンクは1967年から1979年までロンドン・フィルハーモニーの首席指揮者であり、10年以上に渡ってイギリスの聴衆に上質の演奏を提供してきました。彼はベートーヴェンを始め、マーラーやショスタコーヴィチ、ヴォーン・ウィリアムズなど数多くの作曲家の作品をレパートリーに持つことで知られていますが、実はラヴェルも相当お気に入りで、コンセルトへボウ、ボストンSOとの録音が広く知られています。彼の魅力あふれる解釈は、ラヴェルの音楽に新しい光を当てるもので、この1979年のライヴも、当時「穏健な指揮者」としてのイメージが強かったハイティンクの真の姿を伝えるものとなるでしょう。
LPO-0060
ラヴィ・シャンカル:交響曲 アヌシュカ・シャンカル(シタール)
デヴィッド・マーフィー(指)LPO

録音:2010年7月1日ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
インドが誇る偉大なるミュージシャン&シタール奏者、ラヴィ・シャンカル(1920-)のオリジナル作品。シャンカルはこの交響曲の構想を何十年にも渡って練っていたと言い、用いた形式は西洋音楽のものですが、脈打つ精神はインド、もしくは宇宙そのものです。西洋文化から啓示を受け、また多くのミュージシャンとも交流があり、フィリップ・グラス、ジョージ・ハリスンなどに影響を与えたシャンカルの音楽は、グラスの作品ともまた違う不思議な高揚感を聴き手に齎します。LPOとシャンカールは80年代にも「RagaMala」を録音していますが、当アルバムでシタールを演奏するのは彼の娘、アヌシュカ・シャンカールであり、次世代への受け渡しという面でも感慨深いものがあります。マーフィー率いるLPOも、普段とは違った味わいの音楽を聞かせてくれます。
LPO-0061
ベートーヴェン:荘厳ミサ曲 アン・シュヴァネヴィルムス(S)
アネッテ・ヤーンズ(S)
ニコライ・シューコフ(T)
ディートリッヒ・ヘンシェル(Bs)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
LPO&cho

録音:2008年10月18日ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
LPO-0062
ドヴォルザーク:スターバト・マーテルOp.58 ジャニス・ワトソン(S)
ダグマール・ペツコヴァ(Ms)
ピーター・オーティ(T)
ピーター・ローズ(Bs)
ネーメ・ヤルヴィ(指)LPO&cho

録音:2010年10月9日
ロイヤル・サウスバンク・センター・ライブ
ドヴォルザークのスターバト・マーテルは、彼自身を襲ったの悲しみ(3人の愛児を相次いで失う)の最中に書かれたもので、第1曲目などは、本当に涙なしでは聞けないほどに苦悩に満ちた音楽です。しかし、曲が進むにつれ、その悲しみは次第に浄化されて行き、最後は生きとし生ける者全てに向けて書かれたかのような希望に溢れた壮大なクライマックスを迎えます。この日のヤルヴィが選んだプログラムは、このスターバト・マーテルの前に「テ・デウム」が置かれていて、満場の聴衆はこれらの美しすぎる2曲の前に頭を垂れたのです。とは言え、ヤルヴィはこの「苦悩に満ちた音楽」を極めてすっきりと演奏し、悲しみに打ちひしがれた魂に推進力を与えています。通常20分ほどかかる第1曲もたった14分。異常なまでの速さですが、実際に聴いてみると不思議と違和感はありません。他の曲も全体的に早めで、結局CD1枚に収まる長さですが、これは、悲しんでいるよりも未来へ希望をつなごうというヤルヴィのメッセージなのかもしれません。宗教曲も得意とするワトソン、チェコの名花ペツコヴァ、セント・ポール大聖堂聖歌隊の伝説のボーイ・ソプラノからテノールに転向したオーティ、そして深い声が魅力のローズと、ソリストも万全です。

LPO-0064(2CD)
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
交響曲第5番ホ短調Op.64
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2011年3月19日&5月4日ロンドン,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール,サウスバンク・センター
2曲とも現代的なチャイコフスキーを象徴する名演奏。
特に「第5番」において、土臭さを排した洗練性を全面に打ち出しているのが印象的です。ユロフスキーはロシア出身といっても18歳でドイツへ移住し、指揮活動もイギリス中心だっただけに、民族的な土壌性表出よりもグローバルなアプローチに徹しても何の不思議もないのですが、ここまで純音楽的表現に徹するとは予想外でした。とにかく、チャイコフスキーの青春時代の作品のように瑞々しく響くのが画期的であり、しかもその表現に「青臭さ」が付きまとわない点が、ユロフスキーの恐るべき才能の為せる技と言えましょう。微視的にスコアを掘り下げることより、素直で直感的なアプローチを確信を持って行なっており、テンポを激しく揺らしたり見得を切らなくても、十分に説得力の音楽を再生可能だということを実証しているのです。
まず、さっそうとしたテンポの運び自体がまず洗練されていますが、第1楽章や終楽章の各冒頭部に見られるように、弦のユニゾンにおけるヴィブラート抑制も印象的。昨今流行の古楽的アプローチの片鱗とも言えますが、肝心なのはそれがユロフスキー自身の内面から出たイメージと直結した表現として迫る点です。結果として、ヌメリのあるロシア的土壌性が削ぎ落とされ、息を深く吸い込まず、リズムの重心を高めに維持する効果とも相まって、確実にユロフスキー固有のフレッシュな「チャイ5像」が具現化されている点が素晴らしいのです。かつてのロシアの巨匠たちのような凄みだけを期待すると物足りないかもしれませんが、どうかこの「表現として結実した瑞々しさ」を感じ取っていただければと思います。
なお、第1楽章展開部266小節では、ティンパニが3度低い音を鳴らしているように聞こえますが、ロストロポーヴィチ盤で顕著だった「LPOオリジナル版」とも言える改変の名残りでしょうか?(更なる詳細レヴューはこちら)。
一方の「第4番」になるとちょっと様相が変わります。特に第1楽章は時代掛った表現こそないももの、冒頭から情感を濃厚に反映したフレージングを敢行し、第5番と同じ指揮者とは思えぬ踏み込んだニュアンスに彩られています。この印象は収録環境の違いに起因するものかと思いきや、「第5番」とは演奏会場は同じ、収録日も2ヶ月しか違わないので、ユロフスキーが明らかに作品固有の持ち味を生かすことに心を砕いているかが窺い知れます。第2主題の各パート間の連動の緊密さも「第5番」以上。コーダでは直情的イン・テンポで畳み掛けながら18:13からグッとテンポを落としてメリハリを強調。しかしそこに泥臭さはなくレスポンスは極めて洗練されているので、やっぱり「第5番」と同じユロフスキーかと納得。第2楽章も悲嘆に暮れるのではなく健康的な歌に徹し、しかも音楽自体をお気軽なものにはしていません。終楽章は約8分半とかなり高速。物々しい重圧感や血生臭いニュアンスのないスッキリとしたニュアンスを貫きますが、産毛を剃ってしまったような物足りなさは皆無で手応え十分!【湧々堂】
LPO-0066
マーク=アンソニー・ターネイジ:作品集
(1)ヴィオラと管弦楽のための協奏曲「開いた地面で」
(2)Texan Tenebrae…UK 初演
(3)弦楽オーケストラのための「ハンスのための子守歌」
(4)クラリネットと管弦楽のための協奏曲「Riffs and Rifrains」…ロンドン初演
(5)ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲「マンボ、ブルースとタランテッラ」…世界初演
(1)ローレンス・パワー(Va)
マルクス・シュテンツ(指)LPO
(2)マリン・オールソップ(指)LPO
(3)ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO
(4)マイケル・コリンズ(Cl)
マリン・オールソップ(指)LPO
(5)クリスティアン・テツラフ(Vn)
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2011年10月19日、2010年4月17日、2008年2月13日、2008年9月24日、2007年4月1日

※全て世界初録音
LPOのターネイジ・シリーズの第3弾となります。今作もユロフスキとオールソップによる納得の演奏が楽しめます。ジャズや現代的な手法と古典的な伝統を融合した作風による彼の音楽は、いつもカラフルであり独自の主張を持っています。今作も全て世界初録音であり、3つの協奏的作品にはそれぞれ最高のソリストを起用、全ての聴衆にこのステキな音楽を広くアピールするものです。
LPO-0067B
モーツァルトの問い
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲〜第2楽章/物語
ヴィヴァルディ:四季〜「夏」/物語
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調
物語
モーツァルト(クライスラー編):ロンド.ト長調/物語
メシアン:世の終わりのための四重奏より/物語
J.シュトラウス:美しき青きドナウ/物語
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク-ロマンツェ/物語
ヴィバルディ:四季〜「冬」/物語
モールァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番〜第1楽章
《語り》マイケル・モーパーゴ…パオロ
アリソン・ライド…レスリー

《演奏》ニコラス・コロン(指)LPO
カック・リーベック(Vn)/LPO
ピーター・シェーマン(Vn)
スーザン・ベア(Vc)
ロバート・ヒル(Cl)
キャサリン・エドワーズ(P)
《制作》サイモン・リード

録音:2012年3月18日ロンドンアビー・ロード・スタジオ
児童文学作家であるマイケル・モーパーゴが書いた「モーツァルトの問い」は、第二次世界大戦の際、強制収容所でつらい体験をした両親を持つ少年が、ヴァイオリンに愛を見出すまでを綴ったお話。これを実際の音楽とともに、モーパーゴが少年となって朗読していくものです。シンプルで感動的な話は、ホロコーストの悲惨さと、壊れかけた心が再生していくために音楽ができることを若い心に直接訴えかけています。

LPO-0068B(2CD)
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
交響曲第3番ヘ長調Op.90*
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1992年10月14日、1983年4月7日* サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
交響曲第1番は商業盤としては初出。交響曲第3番はBBCレジェンド盤と同じものです(BBCL4167…現在廃盤)。1992年録音の第1番は、現在市場に出回る1990年5月6日の演奏に比べると、演奏の大筋は変わりませんが、より全体的に柔らかくこなれた表情を持っていることに気が付くのではないでしょうか?たとえば冒頭のティンパニの連打も、90年盤は重々しく鳴るのに対して、こちらは自然な息遣いであり若干早めのテンポ設定がなされています。しかし、決して性急になることもなく様々な楽器が心地よく鳴り響いているのは見事です。美しい第3楽章を筆頭に全体的に流麗であり、また包み込むような暖かさが感じられます。第3番は、正規盤としてBBCレジェンドからリリースされていましたが、既に廃盤となっていて、ファンを悔しがらせていたものです。小手先の小細工を施すことなく、極めてオーソドックスな手堅い演奏であり、この曲の魅力を余すことなく弾き出した好演です。
LPO-0069
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調Op.65 ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー(指)LPO

録音:1983年10月30日ロンドンサウスバンク・センターロイヤル・フェスティヴァル・ホールBBCラジオ3ライヴ
ロジェストヴェンスキーは、同じ年にこの曲を、彼が創立したソ連文化省交響楽団と録音していますが、それと比べると、この演奏は若干肩の力を抜いてリラックスしているように思います(やはり何かと制約の多いロシアでの演奏よりも、異国での演奏の方がのびのびできたのではと想像できます)。何より、もともとダイナミックな演奏が得意なロジェストヴェンスキーとこの曲はとても親和性が高く、ここでも爆発的なエネルギーを内包した力強いショスタコーヴィチが生み出されています。
LPO-0070
マーラー:交響曲第1番「巨人」(花の章付き) ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2010年12月4日ロンドンサウスバンク・センターロイヤル・フェスティヴァル・ホール
マーラーの若々しき情熱をそのまま写し取ったかのような交響曲第1番。以前は「巨人」という副題(ジャン・パウルの小説からインスパイアされたもの)で呼ばれることが多かったのですが、最近はあまりその呼び名を用いることはありません。マーラーは最初、5楽章形式による交響詩としてこの曲を想起。その際、各々の楽章に、前述のジャン・パウルの小説から影響を受けたタイトルを付けていたのですが、何度かの改訂にともない、楽章の表題を全て外し、また第2楽章に置かれていた「花の章」も取り除き、現在普通に聴かれる形に落ち着いたのでした。この「花の章」は長年楽譜が行方不明でしたが、第二次世界大戦後にマーラーの弟子の家から発見され、1967年に蘇演され、その翌年にようやく出版されたのです。多くの演奏ではこの「花の章」は演奏しないのですが、とは言え、この美しさ(とりわけ主部のトランペットとヴァイオリンの掛け合いは絶品)はまことに捨てがたく、改めて聞いてみると、その素晴らしさに陶然とすることは間違いありません。このユロフスキーの演奏、思いの他濃厚な味付けが施されています。弦をたっぷり歌わせ(特に第1楽章展開部でのヴァイオリンにおける独特なポルタメントはちょっと時代がかっています)、そこに表情豊かな管を絡ませるという演奏。最近のすっきりとしたマーラーとは一線を画す見事なものです。

LPO-0071
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指)LPO

録音:2012年10月24日ロイヤル・フェステイヴァル・ホール/ライヴ
「ブルックナーは、私にとって最も偉大な作曲家である」と指揮者スタニスワフ・スクロヴァチェフスキは語る。彼は言葉を続ける。「ブルックナーはモーツァルトに比肩すべき存在であり、彼の音楽は奇跡である…音楽は無限について、超絶的な宇宙について、神、永遠性、愛、悲劇をも語りかけるのだ。」第7番の冒頭のメロディはブルックナーの夢見たものを明白に伝えている。若き頃の彼の友人がヴィオラで奏でたテーマ、そして語った言葉「あなたはいつか成功する・・・。」その予言は真実となった。この作品はブルックナーの「最も偉大なる成功作」となったのである。

1923年10月3日生まれのスタニスワフ・スクロヴァチェフスキ。彼が現代最高のブルックナー指揮者であることは疑う余地はないでしょう。過去のブルックナー指揮者たちが、少しずつ神の領域へと踏み込んで行ったのに対し、スクロヴァチェフスキのスタンスは違うようです。彼はいつの日もブルックナーを崇拝し、あくまでも人間的な音楽を大作曲家の魂に捧げ続けています。今回の演奏もそれは変わることがありません。この演奏の時点でスクロヴァは89歳に達しているのですが、そんなことは微塵も感じさせないパッション溢れる演奏を披露しています。なお、この演奏はハース版を原則に用いながらも、スクロヴァ独自の解釈が施された極めて興味深いものとなっています。
LPO-0072(2CD)
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番ニ長調
交響曲第7番(南極交響曲)
ベルナルド・ハイティンク(指)LPO
ロンドン・フィルハーモニーCho
シーラ・アームストロング(S)

録音:1994年12月15日、1984年11月27日*
ハイティンクには、これらの2 作品ともEMI のスタジオ録音が存在しますが、このライヴでは、更に自発的な音作りによる 自然で流麗な演奏となっています。例えば「南極交響曲」の第1楽章でのテンポの違い(10'15":11'08")だけを比較してみて も、彼がいかにこのライヴで伸びやかで広がりのある解釈を施したかがお分かりいただけるかと思います。美しい弦の響き、 オルガンの深い響き、そして女声合唱を縫って響き渡るアームストロングのヴォカリーズ…。 第3 楽章では力強いクライマックスにオルガンの音色が花を添えています。 第5 番は1994 年の録音で、この曲における多くの名演(ボールト、プレヴィン…etc)と肩を並べる素晴らしい演奏です。
LPO-0073
マーラー:交響曲「大地の歌」 サラ・コノリー(Ms)
トビー・スペンス(T)
ヤニック・ネゼ=セガン(指)LPO

録音2011年2月19日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/サウスバンク・センター
現在の若手指揮者の中でも最も注目を浴び、世界中のオーケストラからひっぱりだこのカナダ生まれの指揮者、ヤニック・ネゼ=セガン。2008 年からはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者として、数々の名演を成し遂げていることはご存知の通りです。 彼が今回取り上げた「大地の歌」は、マーラーが1908 年に作曲した交響曲ですが、事実上は連作歌曲であり、2人の独唱者(基本的にはテノールとコントラルト、もしくはメゾ・ソプラノですが、テノールとバリトンで歌われることもあります)が交互に寂寥の歌を歌いかわしていくという特異な性格を持つ作品です。 テキストは、李白や孟浩然など中国の唐詩を元に、ドイツの文学者ハンス・ベトゲが自由に翻訳、編集した「中国の笛」が用いられ、後期ロマン派特有の厚みのあるハーモニーの中に、無常観や厭世観など、マーラーが好んだ雰囲気が込められており、様々な事象がこの曲の解釈への足掛かりとなっています。 セガンの演奏は、この曲の持つ「水彩画」のイメージを大切にしたもので、すっきりとした響きの中に情感あふれる歌心を投入。いたずらにロマンティックさを強調することはなく、的確な美を表現しています。マーラー解釈のオーソリティであるサラ・コノリー、円熟の歌声を聴かせるテノールのトビー・スペンス。この2 人の歌唱も最高です。
LPO-0074
ジュリアン・アンダーソン:作品集
ファンタジア#/発狂した月*
天国の発見<Part1.天国からのこだま/Part2.通りにて/Part3.讃歌>
ウラディーミル・ユロフスキ(指)*
ライアン・ウィグルスワース(指)
LPO

録音:2011年12月3日#
2011年3月19日*
2012年3月24日
ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
マーク=アンソニー・ターネイジの後任としてロンドンPOの「コンポーザー・イン・レジデンス」(20世紀後半から用いられるようになった音楽用語で、オーケストラが特定の作曲家に意見を求め、新作を委嘱するシステム)に就任した作曲家ジュリアン・アンダーソン(1967-)。このアルバムは彼の作品集の初リリースとなります。彼は現在イギリスのギルドホール・スクールで作曲の教授として活躍し、その作品は世界
中で広く愛されています。先鋭的なタネージの作風とは若干異なる抒情性を持った作品も多く、これからのリリースが大変期待されています。
LPO-0075
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90
交響曲第4番ホ短調Op.98*
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2011年10月27日、2011年5月28日* ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
ユロフスキとLPOのブラームス(1833-1897)は、第1番と第2番の2008年の録音がすでにリリースされていて(LPO-0043)、この新鮮な解釈は「LPOにおける新しい時代」を告げるとともに、ブラームスの演奏についても新しい境地を開いたものとして高く評価されました。今回の第3番と第4番は更に深化した演奏であり、第3番の第1楽章中間部での凄みの効いた低音部や、第3楽章の哀愁に満ちた部分など耳を欹てる箇所満載のブラームスです。第4番がまた素晴らしいもので冒頭の1音から衝撃的!小技大技効きまくり!弦のうねり、色彩感、そして終楽章での低声部の処理のやり方。全く驚くばかりのブラームスです。

LPO-0076
オルフ:カルミナ・ブラーナ サラ・タイナン(S)
アンドリュー・ケネディ(T)
ロディオン・ポゴソフ(Br)
ハンス・グラーフ(指)LPO&Cho
トリニティ少年Cho

録音2013 年4 月6 日ロンドンサウスバンク・センターロイヤル・フェスティヴァル・ホール・ライヴ
“クライマックスに至るまでの構成力の大勝利!”
指揮のハンス・グラーフは、1949年オーストリア出身。チェリビダッケやアルヴィド・ヤンソンスの薫陶を受けた後、主にオペラの分野で活躍。2001年から2013年までヒューストンSOの音楽監督を務めました。そのグラーフが展開する「カルミナ」は、近年稀に見る歌重視の名解釈。劇場での経験、声楽パートのフレージングの丁寧さ、そして何より全体を支配すり放射的なダイナミズムに任せず、本来の人間賛歌としての息吹を取り戻した功績は計り知れません。全曲を続けて聴き通してしまったのは何年ぶりでしょう。
多くが派手な音響効果を期待しがちな第1曲目。必要十分な迫力を見せながらそれ以上は外面的効果を追わず、歌に徹しようという姿勢がさっそく垣間見られます。それが最も生きているのが第3曲。この温かい情感は何度も聴きたいという衝動に駆られます。第5曲も実にフレージングが丁寧で、最後の繰り返しでは合唱に思い切りテヌートで歌わせるという独自の配慮も印象的。「輪舞」冒頭の静かなオケの演奏箇所は、一瞬の息抜きのように指揮者も聴き手も軽く流しがちですが、このたった1分半の中になんと豊かなニュアンスが盛り込まれていることか!その入念さをそのまま引き継いだ合唱部分がこれまた心に染みる瞬間の連続!冒頭1分半のオケ演奏が、本編の合唱に入る前の前奏曲としての役割を果たしていたとに気づかれることでしょう。
第3部の「愛の誘い」に入ると、ハンス・グラーフのアプローチは一層大きく開花。最初の少年合唱にここまで優しいニュアンスを与えた例はないでしょう。サラ・タイナンのリリカルな美声もこの作品にうってつけ。全身に電流が走るほど感動的なのが、「運命の女神よ」に回帰する前(トラック24)。ここで遂に大伽藍のような壮麗な音像を打ち立て、感情を爆発させるのです。このクライマックスに至るまでこつこつと各シーンを積み上げる構成力は、まさにオペラ指揮者の面目躍如!
どこかクリップスやライトナーのようなテイストをを持つこの名職人芸に触れて、この作品のイメージを一新しましょう!【湧々堂】
LPO-0077
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ヘレン・ドナート(S)
ドリス・ゾッフェル(Ms)
ジークフリート・イェルサレム(T)
ハンス・ゾーティン(Bs)
エディンバラ祝祭Cho
ゲオルク・ショルティ(指)LPO

録音:1982年9月10日ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホール・ライヴ
ショルティのLPOにおける最後のシーズン中、BBCプロムスのライヴであり、この緊張感に満ちた演奏は1950年代初頭にLPOと録音したベートーヴェン:交響曲第4番(DECCA)とも違う、壮大で情熱的な気迫に満ちています。荘厳ミサ曲については、シカゴSO(1978)とベルリン・フィル(1994)の録音が存在しますが、このLPOとの演奏は、最高の独唱陣と(特にキリエでのヘデン・ドナートの名唱が素晴らしい)素晴らしい合唱が一体となったテンションの高いもの。もう少しクリアな録音であったら・・・と悔やまれる部分もありますが、それを補って余りある悠然たる記録であることは間違いありません。
LPO-0078
ツェムリンスキー:歌劇「フィレンツェの悲劇」Op.16(1幕オスカー・ワイルド原作)
6つのメーテルランクの歌Op.13
ブランカ…ハイケ・ヴェッセルス(Ms)
グィード・バルディ(T)
セルゲイ・スコロホドフ(T)
シモーネ…アルベルト・ドーメン(Br)
ペトラ・ラング(Ms)
ラディミール・ユロフスキ(指)LPO

録音:2010年9月22日、2012年9月26日 ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ)
ツェムリンスキー(1871-1942)の歌劇「フィレンツェの悲劇」。原作をオスカー・ワイルドに拠っているためか、内容はまさに世紀末を象徴するようなドロドロした物語です。登場人物はフィレンツェの裕福な商人シモーネとその妻ビアンカ、そしてフィレンツェ公グィード・バルディの3人のみ。ビアンカに言い寄るグィード、嫉妬するシモーネ。「シモーネなんか死んじゃえばよいのに」と願うビアンカ。そして、その三角関係のもつれが高じて男同士が決闘を始め…生き残ったのは夫であるシモーネ。さぞやビアンカは落胆するかと思いきや、「あなたってこんなに強かったのね」とシモーネに擦り寄るビアンカ。2人は改めて愛の深さを確認して幕。自分の愛する女は、どんなに他の男によろめいても最後は自分のもとに戻ってくる。というツェムリンスキー自身の願望も透けて見えるようなこの歌劇。リヒャルト・シュトラウスを思わせる豪放なオーケストレーションと、調性崩壊ぎりぎりの和声、そして1時間足らずというテンポの良さも相俟って、最後まで緊張感を伴いながら楽しむことができるものです。それにはもちろん素晴らしい歌手とオーケストラが必要ですが、この演奏、その点でも全く申し分ありません。何よりベテラン、ドーメンの歌うシモーネには、「もう一生あなたについていきます」とつぶやきたくなるほどの説得力があるものです。ユロフスキーはこの絢爛豪華な音を、一つ残らず描き出しつつ、堅実に全体をまとめています。「6つのメーテルランク歌曲集」は歌劇より少し前に書かれたもので、シェーンベルクとマーラーの良さを併せ持つような不思議な響きを持つ作品。ペトラ・ラングは滴り落ちるような深い声で、この後期ロマン派の世界を表現しています。もちろんバックのオーケストラの雄弁な語り口も聴き所です。
LPO-0079
R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20
交響詩「英雄の生涯」Op.40*
ベルナルト・ハイティンク(指) LPO

録音: 1992 年12 月3 日 ロンドン サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1986年8月29日 ロンドン BBC ロイヤル・アルバート・ホール*
1967-1979 年までロンドンPOの首席指揮者を勤めていたベルナルト・ハイティンク。数々の名演の記録がありますが、この2 つのリヒャルト・シュトラウス作品は彼がその任を辞してから数年を経て、客演した際の演奏です。堂々たる出来栄えであり、この頃の日本で取り沙汰されていた「穏健な指揮者」というイメージとは、かなり乖離した熱演が繰り広げらているのには驚くばかりです。また“ドン・ファン”はホールの響きを存分に生かした推進力たっぷりの録音、演奏であり、「英雄の生涯」は曲の最初のあたりは、オーケストラが若干意気込み過ぎてしまったのか、アンサンブルが乱れる場面もあったりしますが、曲が進むにつれ、どんどん熱を帯びて大きな渦のようなものが出来てくるのを体感することができる情熱的な演奏です。聴けば聴くほどこの雄大な表現のとりこになることは間違いありません。
LPO-0081
プーランク&サン・サーンス
プーランク
:オルガン,弦楽,ティンパニのための協奏曲ト短調
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン」
ジェームズ・オドネル(Org)
ヤニク・ネセ=セガン(指)LPO

録音:2014年3月26日ロンドンロイヤル・フェスティヴァル・ホールサウスバンク・センター
オルガニストのオドネルは、ウェストミンスター大聖堂のオルガニストで、数多くの受賞歴と録音のある名手です。ヤニク・ネセ=セガンの指揮は推進力を備えたスタイリッシュなもの。オルガンとオーケストラの響きのバランスも抜群です。
LPO-0082
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番ヘ短調
交響曲第8番ニ短調*
ライアン・ウィグルワース(指)
ウラディーミル・ユロフスキ(指)*
LPO

録音:2008年9月24日*、2013年5月1日… ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール・ライヴ
ユロフスキについては、すでにご存知の通り。最近は更にレパートリーも広がり、LPOともますます良好な関係を築いています。ここで聞ける一種の親密な音楽は、これまでのヴォーン・ウィリアムズのイメージをも覆すほどのインパクトを有しています。
LPO-0083(2CD)
メシアン:峡谷から星たちへ ツィモン・バルト(P)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)LPO

録音:2013年11月2日ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
フランスの作曲家オリヴィエ・メシアン(1908-1992)の「峡谷から星たちへ」はアメリカの歌手、音楽プロモーター、アリス・タリーの委嘱を受けて書かれたもので、曲の中にはメシアンが実際に目にした風景と、彼が愛する鳥の声が織り込まれています。1971年から着想され1974年に完成、その年の11月20日にニューヨーク、リンカーン・センターのアリス・タリー・ホールで初演されました(ムジカ・エテルナO、フレデリック・ウォルドマン指揮)。メシアンらしい多彩な楽器による編成が特徴で木管、金管、鍵盤楽器、そして5人の打楽器奏者はウィンドマシーンを含む見たこともないような楽器を持ち替え、13人の弦楽器奏者はそれぞれがソリストの扱いを受けるほどにアンサンブルには工夫が凝らされています。またピアノが大活躍し曲によっては完全にソロを受け持つこともあります。この演奏は最近大注目のエッシェンバッハとツィモン・バルトの最強コンビによるもので、入念に織り込まれたオーケストラの響きをバックに、バルトのピアノが悠々と歌う様子は果てしなく広大な大地を彷彿させます。この曲の新たな名演の登場です。
LPO-0084
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指)
LPO

録音:2014年3月14日ロンドンサウスバンクセンター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホールライヴ
スクロヴァチェフスキは、この第3番を指揮した時は既に90歳を越えていますが、彼の演奏は、例えどれほど年を重ねたとしても、他のヴェテラン指揮者たち・・・朝比奈隆、ギュンター・ヴァント、etc…のブルックナーのように「神格化」されることがないのは、その演奏があまりにも人間くさく、いつまでも探究心を失わず、常に進化しているからではないでしょうか?このライヴも第1楽章から躍動感に満ち溢れ、決して緊張感とパワーを失うことなく、終楽章のクライマックスに向けて突き進んでいきます。なお、曲の終わりに拍手は入っておりません。
LPO-0085
ベートーヴェン:エグモント序曲
交響曲第6番ヘ長調「田園」Op.68*
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1991年9月26日(BBC Radio3収録)、1992年2月21日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*
「幻の田園」とされるテンシュテットの1992年2月21日ライヴが、ついに正規盤として登場!この公演直後に来日するも、結局体調不良のため指揮はせずに帰国してしまったテンシュテット。本来ならその来日公演でも指揮をするはずだった「田園交響曲」を聞きたかった人は多いはず。これまでにも、秘かに市場に出回っていたこの録音ですが、ロンドン・フィルが音源を持っていて、ようやく今回正規盤として発売されることになりました。一つ一つの音を慈しむかのような、テンシュテットの畢生の「田園」です。
LPO-0086(2CD)
映画音楽の天才たち/1960年-1980年代のハリウッド・ブロックバスター
■CD1
1.アルフレッド・ニューマン(1901-1970):20世紀フォックス・ファンファーレ
2-3.アレックス・ノース(1910-1991):クレオパトラ・シンフォニー
4.ニーノ・ロータ(1911-1979):ゴッド・ファーザー‐シンフォニック・ポートレート
5.フランツ・ワックスマン(1906-1967):タラス・ブーリバ(隊長ブーリバ)‐コサックの騎手
■CD2
1.ベルナルド・ヘルマン(1911-1975):サイコ‐弦楽オーケストラのための物語
2.ブロニスワフ・ケイパー(1902-1983):バウンティ号の反乱
3.ジェリー・ゴールドスミス(1929-2004):スター・トレック
4.エンニオ・モリコーネ(1928-):ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ‐デボラのテーマ
5.モーリス・ジャール(1924-2009):アラビアのロレンス-ロレンスと砂漠
ジョン・マウチェリ(指)LPO

録音:2013年11月8日ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール・ライヴ

※CD1:2-3.4,CD2:2.3…ジョン・マウチェリによる演奏会用編曲
CD2:1…ジョン・マウチェリ編曲
CD2:4…ヘンリー・マンシーニ編曲,ジョン・マウチェリ編
CGが発達した現代のハリウッド映画には格別の味わいがありますが、このアルバムで取り上げられた頃は、大掛かりなセットを背景に、緊密な心理戦が描かれたものが多かったように思います。そんな迫真の物語を盛り上げるのが、瀟洒な音楽です。2013年に開催されたこのコンサートでは、映画音楽のオーソリティ、マウチェリ自身が監修した数々のサウンドトラックが演奏され、大喝采を浴びました。もちろん、冒頭はあの有名なファンファーレから。名場面を思い浮かべながら、この素晴らしい音楽に身を委ねてください。
LPO-0087
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲
交響曲第5番「運命」*
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1992年2月23日ロンドンサウスバンクセンター,ロイヤル・フェスティバル・ホール、1990年8月30日BBCラジオ3ロイヤル・アルバート・ホール*
以前BBCレジェンドから発売されていたテンシュテットの「運命」。レーベルの廃止に伴い、LPOレーベルから再発売となりました。以前より“壮絶”“痛切”と評されるこのライヴは、数多い運命の録音の中でも群を抜く素晴らしさであり、作品の本質に迫る名演です。昨今主流の「軽やかなベートーヴェン」とは一味違う、重心の低い迫力ある音も魅力的。ガツンと来る演奏です。
LPO-0088
ラフマニノフ:交響曲第3番・歌曲集
交響曲第3番イ短調Op.44
10の歌曲(V.ユロフスキ編)<キリストは立ち上がりぬOp.26-6/私の窓辺にOp.26-10/すべては過ぎ去りOp.26-15/小島Op.14-2/息がつけるでしょうOp.26-3/なんと言う幸せOp.34-12/その日を私は覚えているOp.34-10/そんなことはないOp.34-7/眠り(夢)Op.38-5/ここはすばらしい場所Op.21-7>
フセヴォロド・グリフノフ(T)
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2015年4月29日ロンドンサウスバンク・センターロイヤル・フェスティヴァル・ホール/ライヴ
BBC、グラモフォンなど各音楽雑誌で絶賛されているユロフスキとLPOの録音、今回はラフマニノフ(1873-1943)の大作「交響曲第3番」の登場です。1936年「パガニーニ狂詩曲」に次いで作曲されたこの作品は、第2番に見られたような「美しい旋律を高らかに甘く歌い上げる」ものではなく、各動機を綿密に結び付け、オーケストラの機能を重視するというもの。もちろん指揮者には「曲を完全にまとめあげる」能力が要求されます。ユロフスキはその欲求に見事応え、細部に渡るまで目を配りつつ、壮大な楽想を見事に表現しています。同時に演奏された「10の歌曲」は、元々ピアノ伴奏であった作品を、同じファーストネームを持つユロフスキの祖父、ウラディーミル・ユロフスキ(1915-1972)がオーケストラ伴奏に編曲したというものです。彼は第2次世界大戦後のロシアで、ラフマニノフの音楽に初めて触れ、強く感銘を受けたといい、10曲の歌曲をロシアのテノール、イヴァン・コスロフスキーのためにオーケストラ伴奏に編曲したのです(ソフロフスキーはキリル・コンドラシンの指揮でこの曲をレコーディングもしています)。今回のグリフノフの演奏は、初のデジタル録音であり、その美しい声を楽しむとともに、ラフマニノフのピアニズムをオーケストラへと昇華させた祖父ユロフスキの手腕にも心奪われることでしょう。
LPO-0089B
ジュリアン・アンダーソン:作品集
ヴァイオリンと管弦楽のための詩曲「素敵な青さで」*
アレルヤ#/太陽の位置
キャロリン・ヴィドマン(Vn)
ウラディーミル・ユロフスキ(指)lp&Cho

録音:2015年3月14日*、2014年3月1日#、2013年12月7日 ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホールライヴ
*=世界初演&世界初録音、#=世界初録音#
2010年から2014年まで、LPOの「コンポーザー・イン・レジデンス(一定期間、オーケストラと作曲家が密な共同作業をすすめていく制度)」を務めた作曲家、ジュリアン・アンダーソン(1967-)の作品集です。鳥のさえずりを思わせるヴァイオリンが美しさを醸し出す「素敵な青さで」と祝祭的な「アレルヤ」は世界初録音で、それぞれヴァイオリニスト、ヴィトマンと合唱団のために書かれた作品です。現代音楽を得意とするユロフスキならではのすっきりした演奏です。


LPO-0090B
ブルックナー:交響曲第5番(1878年ノーヴァク版) スタニスワフ・スクロヴァチェフスキー(指)LPO

録音:2015年10月31日ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホールライヴ
スクロヴァチェフスキの円熟の極みといえる音楽を紡ぎだしています。いつものようにスコアの隅々までに目を光らせ、楽譜に書かれた音をことごとく洗い出した上でムダのない響きを構築するやり方を取る彼。テンポは若干遅めで、徳に第2楽章のアダージョは悠然たる音楽であり聴き手も安心してこの流れに身を委ねることができます。至高のブルックナーという言葉がふさわしい演奏です。
LPO-0091
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)より4 場のブルレスケ
 第1 場:謝肉祭の市
 第2 場:ペトルーシュカの部屋
 第3 場:ムーア人の部屋
 第4 場:謝肉祭の市(夕景)
管楽器のための交響曲(1920 年版)
バレエ音楽「オルフェウス」
ウラディーミル・ユロフスキ(指) LPO

録音 2014 年10 月6 日、2015 年3 月21 日 ロンドン ロイヤル・フェスティヴァル・ホール, サウスバンク・センター ライヴ収録
タイムズ紙で「ストラヴィンスキー(1882-1971)の『ペトルーシュカ』において、これほどまでに精緻で 色鮮やかな演奏を他に思い出すことができない」と大絶賛された演奏を含む、ユロフスキとロンドン・フィ ルハーモニーの演奏。2005 年のLPO レーベル創設時からの、初の「オール・ストラヴィンスキー作品集」 となるこのアルバムは、ユロフスキにとっても新たな挑戦となっています。ペトルーシュカはもちろんのこ と、他の2 作品でもユロフスキは信じられないほどの多様性を披露し、ストラヴィンスキー作品の持つ幅 広くコミカルな雰囲気を的確に描き出しています。 ドビュッシーの追悼として作曲された「管楽器のための交響曲」は、通常日本ではこのように訳されていま すが、ストラヴィンスキー自身は「Symphonies」の意味を「共に鳴り響くもの」として捉えたといい、10 分程度の短い曲の中にロシア民謡的な要素も取り込まれた、奏者たちの腕のみせどころが数多くある作品。 後に改訂が行われましたが、ここでは初稿版が演奏されています。バレエ音楽「オルフェウス」はタイトル の通りギリシア神話を題材とし、リンカーン・キルスタイン・バレエ協会の委嘱を受けて作曲された作品で す。新古典派主義の作風を取り入れたシンプルで美しい響きを持ち、時折ドビュッシーをも思わせる、あま り演奏されることのない珍しい作品です。 全ての録音がロイヤル・フェスティヴァル・ホールのライヴからの収録です。
LPO-0092
NX-A14
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕 ジークムント…ルネ・コロ(T)
ジークリンデ…エヴァ=マリア・ブントシュー(S)
フンディング…ジョン・トムリンソン(Bs)
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1991年10月7.10日ライヴ
ロンドンPOのアーカイヴ録音から、テンシュテットの「ヴァルキューレ」第1 幕のライヴ録音が初登場! これは、2005年から始動したLPO自主制作CDシリーズにおける、テンシュテットの第16番目のリリー スとなります。 冒頭の嵐の場面から、ぞくぞくするような緊張感と期待に満ちた音が炸裂。ワーグナーを得意としたテンシ ュテットの面目躍如といった息詰まる演奏で幕を開けるこのアルバム、一旦は病でLPOの音楽監督を退く も、治療を行いながら演奏を続けたテンシュテットの執念とも思える迫力に満ちた音に満たされています。 曲が終わっての満場の拍手も熱烈です。 ジークムント役には、1970年にバイロイトで「さまよえるオランダ人」のエリックを歌い注目された後、 最高の“ヘルデンテノール”として世界各地の劇場でワーグナーを歌ってきたルネ・コロ、ジークリンデ役に は「オランダ人」のゼンタや「タンホイザー」でヴェーヌスを歌い好評を博したエヴァ=マリア・ブントシ ュー、フンディング役には、バイロイトに18シーズン連続登場という重鎮ジョン・トムリンソンを起用。 スリリングかつ濃密な人間模様を描き出しています。
LPO-0093
NX-A13
ベートーヴェン交響曲第1番ハ長調Op.21
交響曲第4番変ロ長調Op.60*
クルト・マズア(指)LPO

録音:2004年11月24日、2004年11月27日* ロンドンロイヤル・フェスティヴァル・ホールサウスバンク・センター
2000年〜2007年までロンドンPOの首席指揮者を務めたクルト・マズアは、任期中に150回を超 える公演を行い、また自主制作である「LPOレーベル」を立ち上げるなど、楽団の発展に寄与しました。レーベル初リリー スとなったショスタコーヴィチの交響曲第1番・第5番(LPO-1)は2004年11月24日と27日に録音されましたが、この 両日のプログラムには、それぞれベートーヴェンの交響曲が含まれていました。マズアはこれらの交響曲を単なるバロックか ら古典派への中継点ではなく、後のシューマンやベルリオーズに強い影響を与えた重要な作品として表現したため、「第1番」 を聴いた時の聴衆は、その演奏に心から感動し、マズアの強烈な音楽性に心打たれました。また3日後に演奏された「第4 番」も、普段は第3番と第5番の影に隠れる地味な存在の交響曲ですが、「天地創造」の冒頭“混沌の描写”を思わせる序奏を 経て、奏でられる第1主題がこんなに喜ばしく奏されるのを聴くと、この作品の重要性が再認識できるでしょう。どちらも 初CD化となります。
LPO-0094
NX-A13
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ラロ:スペイン交響曲*
アウグスティン・ハーデリッヒ(Vn)
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
オメール・メイア・ヴェルバー(指)*

録音:2015年4月17日、2016年2月24日*
2016年、グラミー賞を受賞(シアトル交響楽団とのデュティユー作品集)したヴァイオリニスト、アウグスティン・ハーデリッヒを独奏者に 迎えた2曲のヴァイオリン協奏曲集。それぞれ指揮者、録音時期はちがうものの、チャイコフスキーとラロの2曲は1枚のアルバムにお ける最良のカップリングといえるでしょう。 チャイコフスキーで指揮をしているのは、おなじみヴァシリー・ペトレンコ。NAXOSのショスタコーヴィチでの力強く、現代的な解釈は、 このチャイコフスキーでも変わることがありません。かたや、ラロで指揮をしているのはイスラエル出身、1981年生まれのオメール・メイ ア・ヴェルバー。2014年までバレンシアのソフィア王妃芸術宮殿(Palau de les Arts Reina Sofia)の芸術監督を務め、様々な オペラを上演し話題を集めた指揮者です。2014年にグラインドボーンで「エフゲニ・オネーギン」を指揮してデビュー、イギリスの聴衆 にも絶賛されました。
LPO-0095
NX-B04
ドヴォルザーク:序曲「オセロ」
交響曲 第6番ニ長調 Op.60
交響曲 第7番ニ短調 Op.70*
ヤニック・ネゼ=セガン(指)LPO

録音:2016年2月3日、2009年5月27日*
カナダ生まれの若手指揮者ヤニック・ネゼ=セガン。2007年にドヴォルザークの第6番を演奏してロンドン・フィルにデビュー、その翌 年には早くもこの楽団の首席客演指揮者に就任。以来、良好な関係を続けています。現在は名門フィラデルフィア管で采配を振 ると共に、2020年のシーズンからはメトロポリタン歌劇場の次期音楽監督に指名され、一層の活躍が期待されています。このド ヴォルザークは2009年と2016年の演奏で、中でも第6番は彼にとっても「デビュー曲」となった大切なレパートリーであり、この最新 録音でも、切れのよいリズムと、弦の豊かな響きをたっぷりと用いた流麗な演奏を繰り広げています。終楽章でのラスト、金管の咆 哮も見事です。イギリスの音楽Webサイト「Bachtrack」 https://bachtrack.com/ でもこの演奏は高く評価されました。 第7番は、ドヴォルザーク自身も「これまでとは作風を変え、本格的な作品に仕上げた」と語るほどに充実した交響曲。緊迫した第 1楽章、美しい第2楽章はもちろんのこと、セガンはスラブ的とされる第3楽章をゆったりと歌わせることで、劇的な終楽章への期待 を高めています。精緻に組み立てられた流れに思わず引き込まれる演奏です。
LPO-0096
NX-A13
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
「フィデリオ」序曲*
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2014年1月22日ライヴ、2015年9月3.4日ライヴ*
2007年からロンドンPOの首席指揮者を務めているユロフスキ。すでにオーケストラとも数多くの 録音があり、イギリスのGramophone誌をはじめ、世界中のメディアで絶賛されています。 2014年に収録された「ベートーヴェン:交響曲第3番」は、LPO自主レーベルでの初レパートリーとなる録音であり、以前 リリースされたマズア指揮の「第1番、第4番」と共にレーベルにおける「ベートーヴェン・シリーズ」の1枚となります。 演奏は、極めて若々しくスマートな表現が特徴的。最近多い「ピリオド系」奏法を意識しながらも、特定の楽器の響きを 強調することや、極端なテンポ設定を行うことはなく、曲全体が流麗で美しい響きに満たされています。もちろん、平板な 表現ではなく、第1楽章の第2主題への経過部では少しだけテンポを落とすなど、独自の解釈も展開。重厚、沈痛な第 2楽章、軽やかな第3楽章、劇的な終楽章、全曲を一気呵成に聞かせます。

LPO-0097(4CD)
ロンドン・フィル75周年記念ボックスセット第1巻(1932-1957)
◆ファウンディング・イヤーズ
シベリウス:「テンペスト」(抜粋)(録音:1934年10月4日、リーズ音楽祭、世界初録音)

モーツァルト:ミサ曲ハ短調〜キリエ/世の罪を除き給う(録音:1934年10月3日、リーズ音楽祭)、
ヘンデル:「エジプトのイスラエル人」(抜粋)(録音:1934年10月3日、リーズ音楽祭)、
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」(録音:1938年11月30日、1939年7月4日 )、
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」(録音:1939年11月30日、12月19日 )/以上トーマス・ビーチャム(指)、リーズ音楽祭cho、ドーラ・ラッベッテ(S)
◆ポストウォー・リヴァイヴァル
アーノルド:喜劇序曲「ベッカス・ザ・ダンディプラット」(世界初録音)(録音:1947年12月16日)、
マーラー:さすらう若人の歌(録音:1946年11月27日、12月16日)、
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第1番(録音:1949年5月3日)、
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲(録音:1949年5月16日)、
エルガー:「子供の魔法の杖」第2組曲(録音:1950年2月13日)/以上、エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指)、ユージニア・ザレスカ(Ms)
◆サー・エードリアン・ボールト・コンダクツ
ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲(録音:1950年12月12日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ)、
ハイドン:12のドイツ舞曲Hob IX:12〜第1番/第6番/第7番(録音:1955年7月25日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ)、
ヘンデル:王宮の花火の音楽(ハーティ編曲)(録音:1949年10月3日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ)、
ブラームス:大学祝典序曲(録音:1950年12月13日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ)、
バッハ:幻想曲とフーガBWV.537(エルガー編曲)(録音:1949年10月3日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ)、
ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり(録音:1952年10月21日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ)、
シベリウス:交響詩「エン・サガ」(録音:1956年6月10日、ロンドン、ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール)/以上エードリアン・ボールト(指)、ジャン・プーニェ(Vn)
◆フィストラーリのハチャトゥリアン
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲(録音:1952年&1956年、ロンドン、キングスウェイ・ホール)/アナトール・フィストゥラーリ(指)、ルッジェーロ・リッチ(Vn)、モーラ・リンパニー(P) 
エードリアン・ボールト(指)、他
75年の歴史を振り返る企画シリーズですが、LPOの場合はそのまま20世紀の名指揮者による名演集となります。ビーチャム(LPO-0006)とベイヌム(LPO-0011)の2枚は既発売ですが、ボールト(LPO-0021)とハチャトゥリアン(LPO-0022)は新発売。中でもボールト指揮のハイドンとシベリウス、フィストラーリ指揮によるハチャトゥリアンの2曲は初CD化です。
LPO-0098(4CD)
ロンドン・フィル75周年記念ボックスセット第2巻(1958-1982)
◆CD1 (LPO-0024) 初リリース
ブリテン:テノール,ホルン,弦楽のためのセレナード、
ヴァイオリン協奏曲/以上ジョン・プリッチャード(指)、ニコラス・ブッシュ(Hrn)、イアン・パートリッジ(T)、ロドニー・フレンド(Vn )
◆CD2 (LPO-0025) 初リリース
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」、
ストラヴィスキー
:「火の鳥」組曲(1919年版)/以上ゲオルグ・ショルティ(指)
◆CD3 (LPO0002) 既出
エルガー:序奏とアレグロ、エニグマ変奏曲、
ブリテン
:狩りをする祖先たち/ベルナルト・ハイティンク(指)、ヘザー・ハーパー(S)
◆CD4 (LPO-0023) 初リリース
マッケイブ:管弦楽のための協奏曲(世界初演)*、
アーノルド
:フィルハーモニー協奏曲(世界初演)**、マッケイブ:シャガールの窓(世界初演)***/ショルティ(指)*、ベルナルト・ハイティンク(指)**, ***
ジョン・プリッチャード(指)、他
この第2巻、何といっても聴きどころはショルティでしょう。1961年、ロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場の音楽監督に就任、シカゴ響やパリ管の音楽監督を経て、1979 ロンドン交響楽団の首席指揮者・芸術監督を務めたショルティは50年もの間DECCA に多くの録音を残しましたが、“火の鳥”組曲はこの盤が唯一のものです。同時収録の“悲愴”は「真の啓示を受けた」驚くほど速いテンポも聴きものです。
LPO-0099(4CD)
ロンドン・フィル75周年記念ボックスセット第3巻(1983-2007)

■CD1 (LPO-0026) 初リリース
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」

■CD2 (LPO-0027) 初リリース
R・シュトラウス:歌劇“カプリッチョ”〜終景、
モーツァルト:ミサ曲 ハ短調、レクイエム(抜粋)、
シューベルト
:スターバト・マーテル ト短調、
ブルックナー
:テ・デウム

■CD3 (LPO-0001) 既出
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第5番)

■CD4 (LPO-0028) 初リリース
ショスタコーヴィチ:交響曲第14番
■CD1
クラウス・テンシュテット(指)
ルチア・ポップ(S)、アン・マレイ(Ms)
アンソニー・R・ジョンソン(T)
ルネ・パーペ(Bs)
■CD2
フランツ・ウェルザー・メスト(指)
フェリシティ・ロット(S)
マイケル・ジョージ(Bs-Br)
デッラ・ジョーンズ(Ms)
キース・ルイス(T)
ウィラード・ホワイト(Bs)
ジェーン・イーグレン(S)
ブリギット・レンメルト(A)
デオン・ヴァン・デル・ヴァルト(T)
アルフレード・ムフ(Bs)
リンツ・モーツァルトcho
■CD3
クルト・マズア(指)
■CD4
ウラディミール・ユロフスキ(指)
タチアナ・モノガローヴァ(S)
セルゲイ・レイフェルクス(Br)
第3巻の目玉は、テンシュテットの“第9”です。1992年10月8日、彼の最後のコンサートの演奏曲目の一つで今までにCD化されたことのない貴重な音源です。魅力的なソリストと雄大な音楽は20世紀の財産と呼ぶにふさわしいものです。ウェルザー・メストの才覚が光る声楽作品集もファンにとっては嬉しい贈り物、そして、現在最も注目される若手指揮者、ユロフスキのショスタコーヴィチは悲惨で暗い予感に満ちながらも、何ゆえにか鮮明な印象を与えるパフォーマンスです。


LPO-0100(9CD)
テンシュテットのマーラー〜ライヴレコーディング集
<CD1>
1.歌曲集「さすらう若人の歌」(1991年録音)
交響曲第1番「巨人」(1985年)
<CD2-3>
交響曲第2番「復活」(1989年録音)
<CD4-5>
交響曲第2番「復活」(1981年5月10日、初CD化)
<CD6-7>
交響曲第6番「悲劇的」(1983年録音)
<CD8-9>
交響曲第8番「一千人の交響曲」(1991年録音)
クラウス・テンシュテット(指)LPO
イヴォンヌ・ケニー(S)…CD3
ヤルト・ファン・ネス(Ms)…CD3
ヘザー・ハーパー(S)…CD5
ドリス・ゾッフェル(Ms)…CD5
ユリア・ヴァラディ(S)…CD8-9
ジェーン・イーグレン(S)…CD8-9
スーザン・ブロック(S)…CD8-9
トゥルデリーゼ・シュミット(A)…CD8-9
ヤドヴィガ・ラッペ(A)…CD8-9
ケネス・リーゲル(T)…CD8-9
アイケ・ウィルム・シュルテ(Br)…CD8-9
ハンス・セティン(Bs)…CD8-9
イートン・カレッジ少年Cho…CD8-9
ロンドン交響Cho…CD8-9
ロンドン・フィルハーモニーCho…CD3.5.8-9
ロンドン・フィルでのテンシュテット=マーラーといえば、即座に数々の名演が頭に浮かびます。70年代のセッション録音から、LPOの自主制作盤としてリリースされているライヴ録音、そのどれもが鬼気迫る演奏であり、高く評価されていることは間違いありません。
そんなテンシュテットのマーラー(1860-1911)、これまでに全てが出尽くしていると思われていましたが、実は1981年に収録された「復活」のライヴ録音がLPOのアーカイヴに残されていました。2人のソリストに許可を求めるなど、3年間に渡る準備の上、ようやくリリースされるこの録音、なぜこれまで出てこなかったのか?と思われるほどに熱の入った凄い演奏です。1981年の復活といえば、5月14日~16日のセッション録音(エディト・マティスとドリス・ゾッフェル独唱)が知られていますが、こちらのライヴはその上を行くアグレッシヴな演奏であり、もともと表現力の高さには定評のあるテンシュテットの面目躍如と言った感のある凄まじい音楽が展開されています。このBOXでは、既出の4種類の演奏を纏めることで、第2番の聞き比べも可能となっています。

LPO-0101(7CD)

NX-H01

チャイコフスキー:交響曲全集、他
交響曲第1番調「冬の日の幻想」Op.13
交響曲第2番ハ短調「小ロシア」Op.17
交響曲第3番ニ長調Op.29
交響曲第4番ヘ短調Op.36
交響曲第5番ホ短調Op.64
交響曲第6番ロ短調「悲愴」Op.74
マンフレッド交響曲Op.58
序曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
弦楽セレナードハ長調Op.48
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:交響曲第1番…2008年10月22日
交響曲第2番…2016年12月7日
交響曲第3番…2016年3月5日
交響曲第4番…2011年3月19日
交響曲第5番…2011年5月4日
交響曲第6番…2008年11月26日
マンフレッド交響曲・・・2004年12月8日
フランチェスカ・ダ・リミニ・・・2015年9月26日
弦楽セレナード・・・2007年4月1日
ユロフスキ&ロンドン・フィルによるチャイコフスキーの演奏は、どれもがイギリス国内の新聞やドイツの音楽誌で高く評価されており、なかでも首席客演指揮者時代の「マンフレッド」はBBCミュージックマガジンの「今月のディスク」に選ばれた記念碑的1枚です。2007年に首席指揮者に就任してからの活躍ぶりは衆目の一致するところ。このチャイコフスキーも、年月を経るに従い、その関係性の強化が見て取れる充実した演奏となっています。最新録音の第2番&第3番に加え、このBOXのみの収録となる「フランチェスカ・ダ・リミニ」と「弦楽のためのセレナード」がボーナス・アルバムとして含まれているのがポイント。この2曲は単独リリースの予定はありません。
LPO-0102
NX-A13
モーツァルト&ラフマニノフ:ピアノ協奏曲集
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K466
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18*
アルド・チッコリーニ(P)
ヤニック・ネゼ=セガン(指)LPO

録音:2011年10月12日 ライヴ
2009年5月27日 ライヴ*
20世紀を代表するピアニストの一人、アルド・チッコリーニ。フランス音楽のスペシャリストであると同時に、リスト作品の解釈で も名高く、亡くなる直前まで活発な演奏活動を行ったことで知られます。このLPOとの最後の共演となったモーツァルトと、その 2年前のラフマニノフも、揺るぎない技巧と音楽性が遺憾なく発揮されており、録音当時80歳半ばであったとは思えないほど の若々しい演奏に驚くばかりです。2作品の指揮をしているのは、2008年からLPOの首席客演指揮者に就任したヤニック・ ネゼ=セガン。心を込めたラフマニノフも素晴らしい出来栄えですが、モーツァルトではチッコリーニの洗練されたピアノをサポー トしつつ、さらに新鮮で闊達な演奏を繰り広げてており、指揮者とピアニスト、オーケストラの良好な関係が伺えます。
LPO-0103
NX-A13
ショスタコーヴィチ:交響曲 第7番「レニングラード」 クルト・マズア(指)LPO

録音:2003年12月13日 ライヴ
ショスタコーヴィチの交響曲の中で最も長大な作品として知られる交響曲第7番「レニングラード」。1942年の初演後、「国 家機密」扱いされた総譜はマイクロフィルムに収められ、連合国側へと送られました。その後6月29日に、この曲のロシア以 外での初演を行ったのがヘンリー・ウッド指揮のロンドンPOであり、オーケストラにとってもこの曲は大 切なレパートリーとなっています。 日本でも馴染み深い名指揮者クルト・マズアが、ロンドンPOの首席指揮者に就任したのは2000年 ですが、それ以前の1987年からしばしば共演を行い、長らく密接な関係を築いてきました。自主制作レーベル「LPO」を立 ち上げたのもマズアであり、オーケストラのレパートリーの拡大にも努め、自身が得意としたショスタコーヴィチ作品の録音も 行っています。 マズアは1998年にニューヨーク・フィルハーモニック、2006年にはフランス国立Oと「レニングラード」の録音を行っおり (いずれもライヴ録音)、マズアのこの作品における愛着の深さを感じさせます。今回のロンドン・フィルとの演奏は1998年 の演奏よりも幾分早めのテンポを取り、メリハリのある引き締まった演奏を聴かせます。
LPO-0105
NA-A13
テンシュテットのストラヴィンスキー
バレエ音楽「ペトルーシュカ」組曲(1947年版)
バレエ音楽「火の鳥」組曲(1919年版)*
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1992年5月5日、1992年5月10日*
初出音源。1983年から1987年までロンドンPOの首席指揮者を務めたテンシュテットは主としてドイツ・オース トリア系の作品を得意としており、とりわけ一連のマーラー作品の演奏で高く評価されていました。バレエ音楽を指揮するこ とはほとんどなく、ストラヴィンスキーのこれらの曲では正規盤はありません。 テンシュテットの晩年の演奏であるこの1992年のコンサートは、前述の批評の通り、驚くばかりの盛り上がりを見せ、民話 を題材とした神秘的な「火の鳥」、グロテスクな味わいの「ペトルーシュカ」、どちらも満場の聴衆を興奮の渦に巻き込みまし た。 このライヴ録音では、静かに不気味に終結する「ペトルーシュカ」では拍手はカットされていますが、「火の鳥」では聴衆の心 のこもった拍手が収録されており、演奏会場の雰囲気も含めたテンシュテットの熱演を聴くことができます。
LPO-0114
LPOの首席奏者たちによるモーツァルト
フルート協奏曲第2番ニ長調 K314
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b*
ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191#
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO
ジュリエット・バウザー(Fl)
ジョナサン・デイヴィス(Fg)
イアン・ハードウィック(Ob)
ジョン・ライアン(Hrn)
トーマス・ワトムフ(Cl)

録音:2017年12月2日、2017年11月30日*、2017年12月1日# ヘンリー・ウッド・ホール
ロフスキ率いるLPOの最新盤は、ソリスト陣もLPOメンバー、首席奏者を中心とした陣営による協奏曲集。フルート協奏曲はオペラ的な要素も強 い作品ですが、華やかなフルート・ソロ、そしてオペラでの経験も豊富なユロフスキというコンビが理想的な演奏を展開しています。協奏交響曲でも、お 互いを知り尽くしたメンバーたちによるアンサンブルとあって、安定感抜群、最上のブレンド具合です。ファゴットのジョナサン・デイヴィスはイギリスが誇 るファゴット奏者の一人ですが、見事なソロを披露しています。 (Ki)
■ジュリエット・バウザー(Fl)
2016年7月よりLPOに首席奏者として迎えられます。LSOなど世界的なオーケストラと協奏曲を演奏しているほか、2014年にはECHOライジング・スターの一人に選出された。
■ジョナサン・デイヴィス(Fg)
2016年にLPOにて首席奏者に就任。それまでは22歳よりロイヤル・フィルで同じく首席奏者を務めていた。アンサンブルへの客演多数。13歳でバービカン・センターにデビュー。現代作品の初演も手がけています。
■イアン・ハードウィック(Ob)
イングリッシュ・ナショナル・オーケストラで首席奏者を務めたのち1991年よりLPOメンバー。王立音楽院で後進の指導にあたるほか、2011年にはミュンヘン国際音楽コンクールの審査員も務めた。
叱っくジョン・ライアン(Hrn)
2001年ギルドホール音楽院卒業、LSOを経て、2009年よりLPO首席ホルン奏者に就任。R.シュトラウスやモーツァルトのホルン協奏曲でソリストを務めたほか、室内楽なども積極的に演奏しています。現代作品の初演も手がけています。
■トーマス・ワトムフ(Cl)
ロイヤル・フィルのメンバーを経て、2014年9月よりLPOメンバーとなります。
LPO-0115(2CD)
ラヴィ・シャンカル(1920-2012):オペラ「スカニヤ姫」 スザンナ・ハレル(スカニ ヤ 姫 )
アロク・クマル(シャヴァナ)ほか
パリマ ル・サダファル(シター ル )
ライクマル・ミスラ(タブラー)ほか
デイヴィッド・マーフィー(指)LPO
BBCシンガーズ

録音:2017年5月19日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ)
インド音楽・シタールの神様ラヴィ・シャンカル(1920-2012)が書いた唯一のオペラ、マハーバーラタの物語に基 づいた「Sukanya(スカニヒャ姫)」です。西洋音楽とインドの音楽の伝統を融合しながら、年老いた賢人シャヴァナと、彼の若き妻スカニヤ姫の、時空 を超えた愛の物語を描きます。LPOと、インドの古典楽器の達人達による演奏です。 (Ki)
LPO-0116
ペンデレツキ:作品集
ホルン協奏曲「冬の旅」(2008)
弦楽のためのアダージョ (1995/2013)
ヴァイオリン協奏曲第1番(1976)*
広島の犠牲者に捧げる哀歌 (1960)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(Hrn)
バルナバス・ケレメン(Vn)*
クシシュトフ・ペンデレツキ
ミハウ・ドヴォジンスキ(指)LPO

録音:2013年11月27日*、15年10月14日/ロイヤル・フェスティバル・ホール(ライヴ)
1933年生まれ、86歳(11月生まれ)の巨匠作曲家クシシュトフ・ペンデレツキ。その彼がロンドン・フィルを指揮した自作3篇をメインとする貴重な記録。 ペンデレツキといえば1960年作の「広島の犠牲者に捧げる哀歌」で彗星のように現れ、世界の音楽界に衝撃を与えました。五線を黒く塗りつぶすトーン・ クラスターによる弦楽器の鮮烈な音響は、今日でも超えるものなき天才的な発明とされています。それだけでなく、広島の惨劇を題材としていることもあり、 現代音楽としては稀な知名度を誇っています。作曲者指揮による最新録音で聴くことができるのもたいへんな価値と申せましょう。
ペンデレツキは1976年にアイザック・スターンのために書いたヴァイオリン協奏曲で大幅に作風を変え、ロマンティックとさえいえるものとなりました。 その後宗教音楽や映画音楽に携わり、今日でも精力的に活動しています。最近作として名手ラドヴァン・ヴラトコヴィチのために2008年に書いたホルン 協奏曲と、1995年の交響曲第3番の第3楽章を2013年に弦楽オーケストラ用に改作した「弦楽のためのアダージョ」もとりあげています。
ホルン協奏曲は「冬の旅」のタイトルを持ちますがシューベルトの名作歌曲集とは何も関係なく、作曲の直前の冬に中国と南米をたびたび旅行したこと を、ポーランドの自然あふれる美しい別荘で思い返しながら作曲したとされます。狩猟ホルンの響きが聞こえますが、全体としてとても暗い音楽なのがペ ンデレツキならではとなっています。 (Ki)

LPO 0121
マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」 ジュディス・ハワース(S)、アンネ・シュヴァーネヴィルムス(S)、ソフィア・フォミナ(S)、ミヒャエラ・ゼリンガー(Ms)、パトリシア・バードン(Ms)、バリー・バンクス(T)、ステファン・ガッド(Br)、マシュー・ローズ(Bs)
ウラディーミル・ユロフスキ(指)、
LPO&cho、ロンドンSOcho
ケンブリッジ・クレア・カレッジcho
ティフィン少年cho

録音:2017年4月8日、ロイヤル・フェルティバルホール(ライヴ)
冒頭から圧倒的な熱量と迫力。400名以上の奏者たちを率いるユロフスキとLPOの信頼関係が結実した稀有の名演!「デュナーミク、フレージング、バランスの 隙の無い采配、そして完ぺきな構成力」と絶賛された、近年でも特に評価の高かったマーラー8番演奏会のライヴ録音です。英国が誇るソプラノのジュディス・ハ ワース、気品ある元帥夫人としてもおなじみのシュヴァーネヴィルムス、2006年にグラインドボーンでデビューした気鋭の英国のバリトン、マシュー・ローズをはじ め、注目の布陣。オーケストラに歌劇に活躍しているユロフスキだからこそなしえた力演です! (Ki)
LPO-0122
テンシュテット&ジェシー・ノーマンによるR.シュトラウス
R.シュトラウス:5つの歌曲*【「ツィツィーリエ」op.27-2、「憩え、わが魂」op.27-1、「わが子に」op.37-3、「子守歌」op.41-1、「献呈」op.10】
組曲「町人貴族」 op.60
「サロメ」〜7つのヴェールの踊り、「ああ、私に口づけさせようとはしなかった」*〜「私はまだ生きている」*〜「ああ!お前の唇に口づけした、ヨカナーン」*
ジェシ ー・ノー マン(S)*
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1986年5月4日、ロイヤル・フェスティバルホール(ライヴ)
LPOレーベルから、アーカイヴ録音のテンシュテット(1926-1998)が登場!病魔におかされながらもますます壮絶かつ誰をも黙らせるようなテンションの演 奏を展開していた時期の1986年5月4日の演奏会ライヴ、オール・R.シュトラウスです。ジェシー・ノーマン(1945-2019)との共演はどれも初出。ノーマン は初来日(1985年)とほぼ同時期の、超充実の絶頂期に録音されたもの。圧倒的なパワーは、やはり彼女にしかなしえないもの。「サロメ」の抜粋も、「7つの ヴェールの踊り」でのオケのものすごい爆発ぶりに驚きます。テンシュテットは歌があってもオーケストラを熱く鳴らし、ノーマンのパワー漲る歌唱がオーケストラの 力を借りてより何倍もの迫力でせまります。この世のものとは思えない壮絶な大熱演となっています!!!R.シュトラウスの「町人貴族」は、初出ではありませんが、 典雅さを存分に引き出しながら、軽妙な味わいとユーモアも加わった、巨匠の余裕が感じられる演奏で、ノーマンとの共演の演目とはまた違った一面が打ち出され ているといえます。テンシュテットは1977年にLPOと初共演、1983年から首席指揮者・音楽監督に就任、98年に亡くなるまでその座にありました。彼のエネ ルギー、音楽性、感情のこもった音楽、そしてたぐいまれなる謙虚さが深く愛されていたことが、このライヴからあらためて強く感じられます。こうして1日の演奏 会のライヴが1枚となって登場することにより、ライヴの感動と興奮を追体験できる、大迫力かつ貴重な1枚となっています!!!! (Ki)
LPO-0123(2CD)
ユロフスキ・コンダクツ・ストラヴィンスキー vol.1

(1)交響曲第1番変ホ長 op.1
(2)牧神と羊飼いの娘 op.2*
(3)幻想的スケルツォ op.3
(4)葬送の歌 op.5
(5)火の鳥(1910年原典版)
(6)春の祭典
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO
アンハラッド・リドン(Ms)*

(1)録音:2018年2月3日
(2)録音:2018年2月3日
(3)録音:2018年2月7日
(4)録音:2018年2月7日
(5)録音:2018年2月7日
(6)録音:2008年9月24日
すべてロイヤル・フェスティヴァル・ホールでの収録
今やロンドン・フィルの名誉指揮者(2021-)となったユロフスキ(1972生まれ)。2018年(当時は首席指揮者、2008-2021)に1年間かけて行った、 ストラヴィンスキー・フェスティヴァル「Changing Faces」シリーズを、全3巻でリリースするシリーズの第1弾の登場。この演奏会シリーズは、ストラヴィンスキー の作品を作曲年代順に演奏することにより、ストラヴィンスキーの作曲の変遷をリアルに感じることができる好企画で、現地でも評判でした。第1弾は、「火の鳥」 にいたるまでの最初期の作品を収録。師匠の影響が色濃く感じられる作品から、すでに「火の鳥」を先取りしていた作品まで、実に興味津々。ユロフスキは、あら ゆる音色をオーケストラから自在に引き出し、もはや巨匠の風格。ユロフスキのポイントポイントでの焦点の合わせ方の確かさ、そして明晰な演奏で、ストラヴィンス キーの音楽がこれ以上なく生き生きと響きます。すべてをとらえた録音も見事です。「火の鳥」は、2002年、ユロフスキがLPOの定期演奏会に初登場した時の 演目でもあります。フィルアップとして、「春の祭典」(2008年)を収録しているのもうれしいところです。
「交響曲第1番」は1905年に、「牧神と羊飼いの娘」は1906年に、それぞれ師匠R=コルサコフの指導を受けながら作曲されました。「交響曲」はボロディ ンやグラズノフ、チャイコフスキーなどを思わせる楽想がありながらも、まもなく「火の鳥」を作曲する若き天才を感じさせる作品です。「牧神」は淫らな牧神から 若い娘が逃げ出すというプーシキンの詩を、ところどころワーグナーを思わせるような、豊かな響きのオーケストラを伴う歌の組曲に仕立てています。「葬送の歌 」は2015年にサンクトペテルブルク音楽院で約1世紀ぶりに発見されたことでも話題となった作品で、R=コルサコフの追悼曲として作曲されたもの(1908年 の夏作曲)。オーケストラの各楽器が、恩師の墓の前に花を置いていく、という発想のもとに、半音階的和声が多用された、暗いだけでなく、「儀式」への興味も感 じさせる作品です。「幻想的スケルツォ」は火の鳥の2年前に作曲されたものですが、「カスチェイの魔法の庭園」を思わせる(ハープが3台登場するところも共通) 楽曲です。
アンハラッド・リドンはウェールズ出身のメゾ・ソプラノ。王立音楽院を卒業後、2015年オペラデビュー。英国を中心に、オペラでの活躍の場を広げている注目 株です。オペラのほか、ガーディナ―指揮のバッハのカンタータ演奏会にも登場。ユロフスキ指揮LPOとストラヴィンスキーのプルチネッラやレクイエム・カンティ クルズでも共演しています。 (Ki)
LPO-0124(3CD)
ティペット:歌劇『真夏の結婚』

※コヴェント・ガーデンでの上演の際(1968年)に作曲者によって承認された第2幕および第3幕の一部のカットを行って収録されたものです。
ロバート・マレイ(テノール/マーク)
レイチェル・ニコルズ(ソプラノ/ジェニファー)
アシュリー・リッチズ(バス=バリトン/フィッシャー王)
ジェニファー・フランス(ソプラノ/ベラ)
トビー・スペンス(テノール/ジャック)
クレール・バーネット=ジョーンズ(メゾ・ソプラノ/ソソストリス)ほか
エドワード・ガードナー(指)
LPO
ロンドン・フィルハーモニーcho
イングリッシュ・ナショナル・オペラcho

録音:2021年9月25日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/BBC収録(ライヴ)
ティペットが16年を費やして完成させた700ページの大規模な作品「真夏の結婚」2021年の上演の録音の登場。LPOの2021/22シーズンの幕開けの公 演で、新首席指揮者、エドワード・ガードナーとの初めての演奏会でもありました。“実に幸先のよいスタート”、“ガードナー、オーケストラ、コーラス、すべてが傑 出しており、忘れがたき公演となった”などと現地でも大絶賛されました。『真夏の結婚』はティペットの初めての大作オペラで、1939年に最初に着想してから戦 争などによる中断を経て完成されました。「オペラの言葉(テキスト)は、音符から離れた時点で生きられなくなるようなものであるべき」、という考えから、自分 でテキストを書き上げました。夏至の一日が舞台で、マークとジェニファーという主人公が様々な困難(すべては幻影の中の出来事)を乗り越えて最後は真実の世 界へと戻る、といった内容で、踊りも大きなウェイトを占めた作品となっています。そして何より繊細さとヴィルトゥオジティが要求されるオーケストラが終始活躍 し、LPOの底力が見事に発揮されています。 (Ki)
LPO-0125(2CD)
ジェームス・マクミラン(b.1959):クリスマス・オラトリオ マーク・エルダー(指)LPO
ルーシー・クロウ(S)
ロデリック・ウィリアムズ(Br)

録音:2021年12月4日ロイヤル・フェスティヴァルホール
2021年12月4日行われた、マクミランのクリスマス・オラトリオの演奏会の記録。本来はLPOが本作の世界初演を行うはずでしたが、パンデミックのために 公演は延期となり、世界初演公演は2021年1月のオランダ放送フィル&choによって行われるかたちとなった作品です。 2019年にLPOの委嘱により作曲されたこの作品は、マクミランのスコットランドのルーツとカトリックの信仰を反映し、スコットランド・ゲール語の子守歌、英語 の詩、ラテン語のテキスト、キリスト降誕を語る聖書の一節を取り込んでいます。作品は2部に分かれ、それぞれ7つの楽章をもちます。各部ともオーケストラの短 い楽章で始まり終わるという回文的な構造になっています。ソロ歌手は、それぞれ2つのアリアと、合唱とともにタブローの部分を歌いいます。クリスマス・キャロ ルのような旋律が心躍るリズムを伴って聴こえてきたり、子供たちがクリスマスを喜ぶ様子が表現されていたり、合唱がエヴァンゲリストのように降誕の場面を語 るなど、クリスマスの様々な側面が描写されています。 (Ki)
LPO-0126
ユロフスキ・コンダクツ・ストラヴィンスキー vol.2
チャイコフスキー(ストラヴィンスキー編)):「眠りの森の美女」op.66より3つの小品【青い鳥のパ・ド・ドゥ、オーロラのヴァリアシオン、間奏曲】
ストラヴィンスキー:妖精の口づけ(4場から成るバレエ)
[第1場]プロローグ〜嵐の中の子守歌
[第2場]村の祭り
[第3場]工場にて
[パ・ド・ドゥ]アントレ〜アダージョ〜ヴァリアシオン〜コーダ〜情景
[第4場]エピローグ(永遠の国の子守歌)
ウラディーミル・ユロフスキ(指)
LPO

録音:2018年3月17日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
ユロフスキ指揮LPOのストラヴィンスキー・シリーズ第2弾の登場。チャイコフスキーゆかりの作品がプログラムされています。
1913年初演の「春の祭典」で衝撃的成功を収めたストラヴィンスキーは、チャイコフスキーのことを熱烈に崇拝していました。1921年には、ディアギレフの 依頼で、チャイコフスキーの「眠れる森の美女」の2曲(チャイコフスキーが削除し、チャイコフスキー自身のオーケストレーションは失われていた)をオーケストレー ション、さらに1941年にも「青い鳥のパ・ド・ドゥ」の縮小オーケストラ版を作りました。これがどれもまるでチャイコフスキー本人が手がけたような出来上がり。 ストラヴィンスキーのチャイコフスキーへの深い敬愛の思いを感じます。
1927年、ストラヴィンスキーは、舞踏家のイダ・ルビンシテインに、チャイコフスキーの音楽にヒントを得たバレエを作ってはどうかと持ち掛けられます。ストラ ヴィンスキーはただちにそれを受け入れ、チャイコフスキーのピアノ独奏曲や歌曲からメロディやモティーフを選び、バレエの音楽を作っていきました。チャイコフス キーの素材を非常に愛情深く扱い、チャイコフスキーらしさを失わず、同時にストラヴィンスキー独自のサウンドも随所に感じられるような作品です。バレエの台本 のもとになったのは、アンデルセンの童話「氷の乙女(妖精)」。少年が赤ん坊のころに氷の妖精に魔法のキスをされ、成長して結婚する段になって、結婚式前夜に 永遠に女王に連れ去られてしまうという内容。チャイコフスキーのスイス人の少年ルディが赤ん坊の頃に氷の妖精に魔法のキスをされ、その後結婚式の前夜に永遠 に連れ去られてしまうという話。ストラヴィンスキーは「ミューズは、チャイコフスキーにも同様に運命のキスをし、その神秘的な刻印は、この偉大な芸術家のすべて の作品に感じられた」という非常に意味深な発言をしています。バレエのストーリーは以下のとおり。第1場:山の嵐で母親とはぐれた子供が、氷の妖精に見つかっ てキスをされます。その後、彼は村人たちに助けられます。第2場:子供が青年に成長し、婚約者と一緒に村の祭りを楽しんでいます。氷の妖精は変装して近づき、彼に 運勢を伝えます。第3場:結婚を控えた青年がブライダルダンスを始めるが、婚約者に扮した氷の妖精が、青年を永遠の住処に連れ去る。第4場:再び氷の妖精が 彼の足にキスをして、永遠の愛を誓う。 終盤の音楽は、「氷の妖精」の存在にもかかわらず、冷たさを感じさせない、静かで控えめなものとなっています。  ストラヴィンスキーはチャイコフスキーのことを心から賞賛していました。チャイコフスキーの音を通して、ストラヴィンスキーは、幼少期に過ごしたサンクトペテル ブルク、そしてロシアを感じていたのかもしれません。チャイコフスキーへの深い思いを感じる作品を、ユロフスキとLPOがたっぷりに響かせています。


LPO-1010(7CD)
NX-H10
ユロフスキ/LPO首席指揮者就任10周年記念BOX

【CD1】
(1)デュカス:舞踏詩「ラ・ペリ」
(2)ラヴェル:ダフニスとクロエ
【CD2】
(1)グリンカ:スペイン序曲第1番「ホタ・アラゴネーサ」
(2)グリンカ:スペイン序曲第2番「マドリードの夏の夜の思い出」
(3)グリンカ:幻想的ワルツ
(4)ダルゴムイシスキー(1813-1869):幻想的スケルツォ「バーバ・ヤーガ」
(5)ムソルグスキー):禿山の一夜(原典版)
(6)プロコフィエフ:バレエ組曲「道化師」Op.21Bis(抜粋)
(7)ムソルグスキー:禿山の一夜(リムスキー・コルサコフ改訂版)
【CD3】
(1)シマノフスキ:交響曲第3番「夜の歌」
(2)ツェムリンスキー:詩篇第23番Op.14
(3)タネーエフ:ダマスコの聖イオアンOp.1
(4)ラフマニノフ:3つのロシアの歌Op.41
【CD4】
(1)ヤナーチェク:カンタータ「永遠の福音」
(2)エネスコ:交響曲第3番ハ長調Op.21
【CD5】
リスト:ファウスト交響曲
【CD6】
(1)ブラームス:ドイツ・レクイエム
(2)ブラームス:アルト・ラプソディOp.53
【CD7】
(1)シルヴェストロフ:交響曲第5番
(2)カンチェリ(1935-):アナザー・ステップ…世界初録音
(3)リゲティ:アトモスフェール
ウラディミール・ユロフスキ(指)LPO
ロンドン・フィルハーモニーcho

【CD1】
録音:(1)2016年4月20日
(2)2015年3月14日
【CD2】
録音:(1)(2)(4)2016年12月7日
(3)2016年12月14日
(5)2011年9月21日
(6)2015年3月21日
(7)2010年8月15日
【CD3】
ジェレミー・オヴェンデン(T)
録音:(1)2012年2月22日
(2)(3)2015年9月26日
(4)2015年2月7日
【CD4】
ソフィア・フォルミナ(S)
エイドリアン・トンプソン(T)
録音:
【CD5】
マルコ・イェンチュ(T)
録音:2011年7月26日RoyalAlbertHall
【CD6】
ミア・パーション(S)
ディートリッヒ・ヘンシェル(Br)
アンナ・ラーション(Ms)
録音:(1)2012年12月1日
(2)2010年5月1日
【CD7】
録音:(1)2009年4月22日
(2)2008年9月24日…世界初録音
(3)2017年2月22日…世界初録音
クルト・マズアの後任として、2007年にロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任したウラディーミル・ユロフスキ。2017年、彼の就任10年 を記念して、これまでにリリースされなかった数々の貴重な作品(世界初録音を含む)が収録された、過去10年間におけるユロフスキとオーケストラの良 好な関係を示すBOXが発売されます。 7枚のアルバムに収録されている作曲家の顔ぶれは多彩であり、ユロフスキが得意とする19世紀の作品を中心としたプログラムはもちろんのこと、ロシアもの では、珍しいダルゴムイシスキーの「バーバ・ヤーガ」をはじめ、ムソルグスキーの原典版とリムスキー・コルサコフ版の2種類の「禿山の一夜」他、シルヴェストロ フを含む一連の現代作品までを収録。オーケストラも、これまで取り上げられなかったレパートリーに果敢に取り組み、素晴らしい成果を上げています。 ブックレット(英文)では、ユロフスキとBBCラジオ3のアンドリュー・マクレガーとの対話を収録。ユロフスキのこれまでの活動と今後の方針が詳細に語られて います。


LPO-LP906(4LP)
ブラームス:交響曲全集 ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO

録音:2008年・・・交響曲第1番&第2番
2011年・・・交響曲第3番&第4番
すでに高い評価を得ているユロフスキー&LPOのブラームス交響曲ツィクルスに、なんとLPヴァージョンが登場です。LPOレーベルとしても初のLP盤リリースということで、その音質と完成度には期待が持てるところです。音に拘る愛好家のためのこの特別リリース、若干値段は高いものですが、実際に鳴らしてみれば、その素晴らしい音色に胸が躍ることでしょう。


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