湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


器楽曲・新譜速報1


※発売済のアイテムも含めて、約3ヶ月間掲載しています。
※新しい情報ほど上の段に記載しています。
※表示価格は全て税込みです。



BIJIN CLASSICAL
BJN-1032(1CD)
ショパン (1810〜1849): ピアノ・ソナタ&幻想曲
ピアノソナタ第2番変ロ短調Op.35
幻想曲 ヘ短調 作品 49
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調Op.58
イリーナ・メジューエワ(P)
(ピアノ/1925 年製NYスタインウェイ CD135))

録音:2024 年3 月&8 月、新川文化ホール(富山県魚津市)
近年さらなる深化を遂げて進境著しいメジューエワによる新ショパン・シリーズ の第 6 弾。 今回はショパン中期〜後期を代表する大作 ―― 傑作ソナタ2曲と〈幻想曲〉と いう組み合わせです。ショパン音楽の本質ともいうべきしなやかさと力強さ、ポリ フォニーと透明感、そして何よりも香り高い「詩情」を携えた名演に仕上がりまし た。揺るぎない構築感と横溢するロマンティックな情感には息をのむばかり。濃 厚なロマンが零れ落ちるような、深々としたショパンを、ヴィンテージ・スタインウ ェイ(1925 年ニューヨーク製、CD135)の華麗な音色でお楽しみください。

ACCENTUS Music
ACC-306391CD(2CD)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集
ピアノ・ソナタ 第1番ヘ短調Op.6
ピアノ・ソナタ 第5番Op.53
ピアノ・ソナタ 第6番Op.62
ピアノ・ソナタ 第8番Op.66
ピアノ・ソナタ 第2番嬰ト短調Op.19「幻想ソナタ」
ピアノ・ソナタ 第3番嬰ヘ短調Op.23
ピアノ・ソナタ 第4番嬰ヘ短調Op.30
ピアノ・ソナタ 第7番Op.64「白ミサ
ピアノ・ソナタ 第9番Op.68「黒ミサ」
ピアノ・ソナタ 第10番Op.70
チェン・ユンジエ(P)
中国のピアニスト、チェン・ユンジエによるスクリャービンのピアノ・ソナタ全集。2019年に第1,5,6,8番を録音し(ACC-304653CD)、今回残りの第 2,3,4,7,9,10番を録音。前作と合わせた2枚組全集でのリリースとなります。
スクリャービンは、モスクワ音楽院の同級生ラフマニノフよりもピアニストとして有望視されていましたが、手首の故障により作曲家に専念することに。ショパンの 影響を感じさせる後期ロマン派の作風から、調性音楽から離脱し独創的な作風を突き詰めます。そして表現主義音楽を確立し、現代音楽の先駆者のひとりとされ ています。その後、ニーチェ哲学に心酔、神秘和音を特徴とする神秘主義的な独自の作風を築きました。
チェン・ユンジエは、1980年中国浙江省嘉興市生まれ。上海音楽院で学び、その後ジュリアード音楽院、マンハッタン音楽院、クリーヴランド音楽研究所をはじ めアメリカで研鑽を積みました。ヨウ・ダチュン、ダン・シュウ、フィリップ・ケイウォン、ヨヘイヴェド・カプリンスキー、マッティ・ラエカッリオ、アントニオ・ポンパ =バルディらに師事。12歳の時に中国国内のピアノコンクールで優勝。その後1994年には中国国際コンクールでも優勝し、以来パロマ・オシェア・サンタンデー ル国際ピアノコンクール、クリーヴランド国際ピアノコンクール、ロン=ティボー国際コンクール、イサン・ユンコンクールなど国内外のコンクールで優秀な成績を収 めています。2011年には北京中央音楽院の教授に史上最年少で就任しています。 (Ki)

BIS
BISSA-2710(1SACD)
シューベルト+ヴォジーシェク+ショパン+スクリャービン
ヴォジーシェク:6つの即興曲 Op.7より
 第4番イ長調「アレグレット」
 第6番ロ長調「アレグレット」
シューベルト:4つの即興曲 D.899
ショパン:即興曲第1番変イ長調 Op.29
ショパン:即興曲第2番嬰へ長調 Op.36
ショパン:即興曲第3番変ト長調 Op.51
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調Op.posth.66 / WN46
スクリャービン:2つの即興曲 Op.12
ジャン・チャクムル(P/Kawai SKEX(Shigeru Kawai Concert Grand))

録音:2023年3月13〜19日/テスマー・トーンスタジオ(ハノーファー)
2018年第10回浜松国際ピアノコンクール第1位のジャン・チャクムル。来日公演を重ね、名実ともに現代最高のピアニストの一人とし て活躍しております。同コンクール優勝後、BISレーベルと契約。その後非常に積極的なリリースが続くなか、2028年のシューベルト歿後200年に向けた一大プ ロジェクト「シューベルト+」が進行中です。当シリーズはシューベルトの主要なピアノ独奏曲と彼の音楽に影響を受けた作曲家の作品を並べることで、その作品に 焦点を当てるだけでなく、それぞれの作品に新たな魅力を感じてもらいたいというチャクムルの思いから生まれた企画で、これまでに「シューベルト+シェーンベル ク」(KKC-6701/ BIS SA-2650)、「シューベルト+ブラームス」(KKC-6803 / BIS SA-2680)、「シューベルト+クルシェネク(クレネク)」(KKC-6849 / BIS SA-2690)がリリースされ絶賛されています。
第4弾は「即興曲」に焦点を当て、シューベルトと19世紀にうまれたその他の作曲家の作品を組み合わせることで、ピアノ曲の進化を洞察することを目的とし ています。収録作品はシューベルトの有名な4つの即興曲D899を主軸に、ベートーヴェンが絶賛したチェコに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家ヤン・ヴァーツラ フ・ヴォジーシェク(1791-1825)の即興曲を2曲、されたショパンの4曲とスクリャービンの2曲で構成された充実のプログラムです。作曲家たちがこの自由 な形式を好み、その瞬間にうまれた旋律や感情をロマンティックに表現したことを物語っています。

Danacord
DACOCD-992(4CD)
広瀬悦子〜DENON録音全集2003-2007
■CD1「シャコンヌ」
クライスラー(ラフマニノフ編):愛の喜び/ワーグナー(リスト編):夕星の歌(歌劇 「タンホイザー」 より) S444/シューベルト(リスト編):鱒 S564、アヴェ・マリア S558-12、魔王 S558-4、菩提樹 S561/グノー(リスト編):歌劇 「ファウスト」 のワルツ S407/フランク(デームス編):前奏曲, フーガと変奏曲 Op.18/バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004より)
■CD2「ラ・ヴァルス」
ウェーバー:(タウジヒ編):舞踏への勧誘/リスト:ウィーンの夜会第6番/チャイコフスキー(プレトニョフ編):「くるみ割り人形」 組曲/ストラヴィンスキー(ストラヴィンスキー編):「ペトルーシュカ」 からの3つの楽章/ラヴェル(ラヴェル編):ラ・ヴァルス
■CD3「ファンタジー〜幻想曲集」
モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397/シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17/ラフマニノフ:幻想的小品集 Op.3/リスト:ソナタ風幻想曲 「ダンテを読んで」(巡礼の年 第2年より)
■CD4「風」
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35 「葬送」/アルカン:風 Op.15-2/ショパン:12の練習曲 Op.25/アルカン:イソップの饗宴 練習曲 Op.39-2
広瀬悦子(P)

録音:
CD1:2003年8月25日-28日、彩の国さいたま芸術劇場(埼玉)(原盤:Denon COCQ-83732)
CD2:2004年9月8日-10日、笠懸野文化ホール(群馬)(原盤:Denon COCQ-83957)
CD3:2006年1月10日-12日、笠懸野文化ホール(群馬)(原盤:Denon COCQ-10)
CD4:2007年4月23日-25日、彩の国さいたま芸術劇場(埼玉)(原盤:Denon COCQ-26)
1999年マルタ・アルゲリッチ国際ピアノ・コンクールで優勝し、フランス、パリを拠点に活躍する才媛、広瀬悦子。「モシュコフスキー:ピアノ作品集」(PDACOCD866/DACOCD866)、「シェヘラザード」(XDACOCD985/DACOCD985」と注目のリリースを行ったデンマークのDanacord(ダナコード)から、2003年から2007年にかけてDENONにレコーディングしていた貴重な初期録音集がまとめて復刻!
広瀬悦子のデビュー・アルバムであり華麗なピアノ・トランスクリプションを集成した『シャコンヌ』、「舞踏への勧誘」で幕を開けラヴェルの「ラ・ヴァルス」へと至るヴィルトゥオージックな舞曲集『ラ・ヴァルス』、豊かな表現力が発揮された『ファンタジー 〜幻想曲集』、アルカンの「風」を軸にショパンとアルカンの傑作を組み合わせた『風』。現在では殆ど入手困難となっていた4枚のアルバムがセットになったお得なBOXセットです。

フォンテック
FOCD-9912(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ロマン派セレクション
シューマン:子供の情景 Op.15/幻想小曲集 Op.12より 第2曲「飛翔」
ショパン:夜想曲 第1番変ロ短調 Op.9-1/夜想曲 第20番嬰ハ短調(遺作)
ワルツ 第7番嬰ハ短調 Op.64-2/即興曲 第1 番変イ長調 Op.29
「幻想即興曲」嬰ハ短調 Op.66
リスト:3つの演奏会用練習曲 S144R5より 第3番変ニ長調「ため息」
巡礼の年 第3年 S163R10より 第4曲「エステ荘の噴水」
ラフマニノフ:幻想的小品集 Op.3より 第2 曲 前奏曲 嬰ハ短調「鐘」
10の前奏曲 Op.23より 第4番ニ長調/第6 番変ホ長調
第7番ハ短調
13の前奏曲 Op.32より 第5番ト長調/第12 番嬰ト短調
野尻多佳子(P)

録音:022年7月、2023年7月、2024年1月 武蔵野市民文化会館、川口総合文化センター リリア
フォンテック
FOCD-9913(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ベートーヴェン・リサイタル
ピアノ・ソナタ 第14番嬰ハ短調「月光」Op.27-2
ピアノ・ソナタ 第21番ハ長調「ヴァルトシュタイン」Op.53
ピアノ・ソナタ 第23番ヘ短調「熱情」Op.57
野尻多佳子(P)

録音:2022年7月19日・21日、2023年7月10 日 武蔵野市民文化会館
ピアニスト野尻多佳子は、たびたび渡欧して研鑽を積んだのち、2000 年より本格的に演奏活動を開始。国内有数 のホールで定期的なリサイタルを行うほか、これまでに4 枚のアルバムをリリースしています。 フォンテックからは初となる今回のリリースは、ずっと野尻が大切にしてきたレパートリーの中から、ロマン派を 代表する作品群と、ベートーヴェンのソナタ集という同時2 タイトル。その思い入れたっぷりの演奏は、聴く者の 心を捉えて離しません。 (フォンテック)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0108(1CD)
モーツァルト:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K.281
ピアノ・ソナタ ニ長調『デュルニッツ』 K.284
ピアノ・ソナタ イ短調 K.310
幻想曲 ハ短調 K.475
ラン・ジア(P)

録音:2024年7月15-17日
88年上海生まれのピアニスト、ラン・ジア。Artalinnaレーベルからリリースされたシューベルトのピアノ作品集においてその並外れた解釈で国際的な注目を集 め、2015年12月に「Choc de Classica」を受賞。タン・ドゥンも称賛を惜しまないシューベルト弾きとして知られ、RCAレーベルからもリリースがあります。 今作はPROSPEROレーベルからの初のアルバムで、モーツァルトのピアノ・ソナタを取り上げています。シューベルトに連なる流麗さと歌謡性をもって奏でられ るモーツァルトをお楽しみください。 (Ki)

FIRST HAND RECORDS
FHR-47(1CD)
アメリカン・スケッチ
(1) ジョン・ノヴァチェク(1964-):4つのラグ
(2) ガーシュウィン:僕は御免だ(1930) [ジェレミー・アジャニ・ジョーダン編]
(3) J・J・ジョンソン(1924-2001):ラメント(1954) [ジェレミー・アジャニ・ジョーダン編]
(4) ジョプリン(1868-1917):ジ・エンターテイナー(1902) [ジェレミー・アジャニ・ジョーダン編]
(5) エイミー・ビーチ(1867-1944):ヴァイオリンとピアノのためのロマンス Op.23(1893)
(6) ハリー・バーリー(1866-1949):南国のスケッチ(1916)
(7) ジョナサン・ラゴネーゼ(1989-):non-poem4(2017) [ヴァイオリンとピアノ版(2018)]
(8) ケヴィン・プッツ(1972-):エア(2000)
(9) セロニアス・モンク(1917-1982):モンクス・ムード(1943-44)
クリスティン・リー(Vn )
ジェレミー・アジャニ・ジョーダン(P)(5)以外
ジュン・チョ(P)(5)のみ

録音:2019-2023年/ニューヨーク
クリスティン・リーは韓国に生まれ、7歳でアメリカに移住したヴァイオリニスト。自身の音楽とは何なのかを見つめ選曲したプログラム。アメリカ音楽とその豊か な歴史を認識させられる内容です。 (Ki)

Forgotten Records
fr-2304(1CDR)
キレーニ/シューマン&ショパン
シューマン:謝肉祭Op.9
ショパン:前奏曲Op.28-16
 子守歌Op.57
 練習曲ヘ短調遺作
 舟歌Op.60
エドワード・キレーニ(P)

録音:1953年
※音源:Remington R-199-165
Forgotten Records
fr-2279(1CDR)
左手のための作品リサイタル
チャイコフスキー:トロイカop.37a-11,
 感傷的なワルツ op.51-6,
 ユモレスク op.10-2,
 舟歌 op.37a-6,
 松雪草 op.37a-4,
 サロン風ポルカ Op.9-2
バッハ:前奏曲 BWV1006より,ラモー:鳥のさえずり,
ベートーヴェン:エリーゼのために
シューマン:トロイメライ
ドヴォルザーク:ワルツ op.54-4
リスト:愛の夢第3番
※全てフロートによる編曲
コル・デ・フロート(P)

※音源:Philips A00548L
Forgotten Records
fr-2091(1CDR)
グラナドス:「ゴイェスカス」第1部&第2部
わら人形
ホセ・エチャニス(P)

録音:1954年
※音源:Westminster WL5322

Globe
GLO-5287(1CD)
ワーグナー:8つの歴史的オルガン編曲
『タンホイザー』より「客人の入場と行進」
アルバムの一葉「M(メッテルニヒ)公爵夫人のアルバムに」 (編曲:ウィリアム・ジョゼフ・ウェストブルック)
『パルジファル』より「聖杯への荘厳な行進曲」(編曲:フランツ・リスト)
ジークフリート牧歌(編曲:エドウィン・ルメア)
『トリスタンとイゾルデ』より「前奏曲」(編曲:ジークフリート・カルク=エーレルト)
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より「前奏曲」(編曲:エドウィン・ルメア)
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より「ヴァルターの優勝の歌」(編曲:ジークフリート・カルク=エーレルト)
『タンホイザー』より「巡礼の合唱」(編曲:フランツ・リスト)
ローレンス・デ・マン(Org)

【オルガン情報】
・イバッハ製1864年 - 聖ヘルトルディス教会(オランダ、ベルヘン・オプ・ズーム)
・フランセン製1906年(トラック4、5のみ) - エランドストラート教会(オランダ、デン・ハーグ)

録音:2023年10月、オランダ
※手書きのシリアル・ナンバー入り、600部限定生産
ワーグナーの色彩豊かなオーケストレーションと豊かなポリフォニーをオルガンで!
ワーグナー自身はオルガンのための作曲を行いませんでしたが、その壮大な楽曲は19世紀の伝説的なオルガニストたちの手によってオルガンで見事に再現されました。エドウィン・ルメア、ジークフリート・カルク=エーレルト、フランツ・リストといった作曲家たちは、教会音楽に偏りがちなオルガンのレパートリーを豊かにするため、ワーグナーの名作の編曲を手がけました。オランダ音楽賞を受賞したローレンス・デ・マンの演奏による本アルバムは、オルガン愛好家やワーグナー作品の新しい解釈に興味を持つ方々にとって必聴の1枚です。

Da Vinci Classics
C-00960(1CD)
20世紀の色
ロドリーゴ:古風なティエント
アレクサンデル・タンスマン:スクリャービンの主題による変奏曲
カステルヌオーヴォ=テデスコ:「ゴヤによる24のカプリチョス」 より 第20曲「師匠への贈り物」
ビセンテ・アセンシオ(1908-1979):内なる想い
カルロス・グアスタビーノ(1912-2000):ソナタ第2番
スクリャービン(アントワーヌ・フジュレ編):「2つの左手のための小品」 Op.9より 第1曲「前奏曲」
アントワーヌ・ゲレーロ(G)

録音:2024年4月7日-9日(ヴァランス、フランス)
1996年生まれという若さながら早くもヨーロッパのギター界に堂々と名を馳せているフランスの期待の星、アントワーヌ・ゲレーロのデビュー盤。最初のアルバムでは自分にとってのメイン・レパートリーを演奏したいと考えていたゲレーロが、ヨーロッパ各地のコンクールで演奏し自身の評価を高めてきた作品を集めた直球勝負のプログラム。ダニエル・フリーデリヒが1969年に製作した、豊かで木のような温かみを持つ楽器を使用しています。
Da Vinci Classics
C-00958(1CD)
現代の水上世界
ストラヴィンスキー:3つの小品(ソロ・クラリネットのための)
ヒルディング・ルーセンベリ:ソロ・クラリネットのためのソナタ 変ロ長調
クジェル・ロイケアー:5Solo-Stykker:Nr. c. Monolog og Perpetuum mobile, Op.43c
ヨハン・クヴァンダール:ファンタジーOp.68-2
タウノ・マルッティネン:幻想曲 Op.214
ジョリヴェ:Asceses/郭茉泥:双面
ストラヴィンスキー:パブロ・ピカソに
チェン・フウ・ジエ(Cl)

録音:2023年-2024年
チェン・フウ・ジエによるソロ・クラリネットの作品集。ストラヴィンスキーを始めとして20世紀以降の作品を取り上げています。


Rondeau
ROP-6274(1CD)
モニュメント・トゥ・ベートーヴェン
ベートーヴェン:交響曲第7番イ〜第2楽章(リスト編)
シューマン:ベートーヴェンの主題による自由な変奏形式の練習曲 WoO31
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54
ベートーヴェン:愛する人よ、あなたのために(歌曲集 「遥かなる恋人に寄す」 Op.98より)(リスト編)
シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
ニコライ・ホジャイノフ:平和の花びら
ニコライ・ホジャイノフ(P)

録音:2024年1月11日-12日、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・メンデルスゾーン・ホール
2010年ショパン国際ピアノ・コンクールでの最年少ファイナリストを始め、2012年ダブリン国際ピアノ・コンクール第1位、2012年シドニー国際ピアノ・コンクール第2位など華々しい成績を残し、多くの来日公演や日本文化への造詣の深さでも知られる気鋭ピアニスト、ニコライ・ホジャイノフの2024年新録音が、ドイツのRondeauからリリース!
ニュー・アルバム「モニュメント・トゥ・ベートーヴェン」は、歴史的なベートーヴェンへのトリビュートをテーマとした興味深いコンセプト・アルバムです。1830年代にベートーヴェンの生誕地であるボンに記念碑を建てるというアイデアが生まれ、音楽家、音楽学者、市民によって実現した革命的な取り組みとなりました。リスト、シューマン、メンデルスゾーン、ショパンなど、当時のもっとも有名な作曲家の多くが、自身の作品、編曲、またはコンサートの収益を寄付してこの像の建設を支援しました。
このアルバムでは、ベートーヴェン記念碑の資金調達に貢献した作品の中から、特に質の高い音楽がニコライ・ホジャイノフによって厳選されており、それぞれの作品は作曲家ベートーヴェンと独自の、時には明確な、あるいはより微妙な繋がりがあります。
ベートーヴェンの交響曲第7番の感動的なアレグレット楽章をリストがピアノ独奏版にアレンジしたもの、ベートーヴェンの主題によるシューマンの多彩な練習曲、メンデルスゾーンの厳格な変奏曲、シューマンのピアノ幻想曲などに加え、ニコライ・ホジャイノフの自作曲「平和の花びら(Petals of Peace)」も収録されいてます。この「平和の花びら」は、2022年にジュネーヴ国連事務局の「人権と文明の同盟の間」で行われた平和コンサートのために作曲されたピアノ曲で、2024年の来日公演では日本初演も行われています。

Etcetra
KTC-1815(2CD)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.6/ピアノ・ソナタ第2番 嬰ト短調 Op.19「ソナタ=ファンタジー」/ピアノ・ソナタ第6番 Op.62/ピアノ・ソナタ第8番Op.66/ピアノ・ソナタ第9番 Op.68「黒ミサ」/ピアノ・ソナタ第3番嬰ヘ短調 Op.23/ピアノ・ソナタ第4番嬰ヘ長調 Op.30/ピアノ・ソナタ第5番 Op.53/2つの小品 Op.57/「アルバムの一葉」 Op.58/ピアノ・ソナタ第7番Op.64「白ミサ」/ピアノ・ソナタ第10番 Op.70
ヌーノ・セルナダス(P)

録音:2023年12月、ブリュッセル王立音楽院(ベルギー)
スクリャービンのピアノ・ソナタは、作曲家の音楽的および美学的な発展を包括的に示す作品群です。ロマンチックな情熱に満ちた初期作品から、哲学的・神秘的な境地に到達する後期作品に至るまで、各ソナタはスクリャービンの思想と音楽の変遷を映し出しています。特に第6番から第10番にかけては、神秘的な崩壊が音楽的に表現されており、作曲者の深い宇宙観と哲学が反映されているといえるでしょう。ポルトガル出身のピアニスト、ヌーノ・セルナダスによる演奏で、スクリャービンのソナタを新たな視点から体験できる貴重な全集です。

Nimbus Alliance
NI-6448(2CDR)
ア・トリビュート・トゥ・モーツァルト
幻想曲 ハ短調 K.475/アレグロ ト短調 K.312/アレグロ 変ロ長調 K.400/デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 K.573/幻想曲 ニ短調 K.397/ロンド ニ長調 K.485/ロンド イ短調 K.511/アダージョ ロ短調 K.540/幻想曲 ハ短調 K.396(385f)/自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調 K.616*/ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467**
ウラディミール・フェルツマン(P、指揮)、
モスクワ室内SO**

録音:2022年9月25日-26日&2023年3月27日*、ワイアストン・レイズ(イギリス)/1995年、モスクワ音楽院大ホール(ロシア)**
11歳でモスクワ・フィルと共演、19歳にしてロン=ティボー国際コンクールを制すなど類稀なる才能に恵まれながら、旧ソ連での活動禁止と事実上の追放、アメリカへの移住という激動を生き抜いてきた孤高のピアニスト、ウラディミール・フェルツマン。これまで5作を発表してきた「トリビュート・シリーズ」の最新作としてモーツァルト・アルバムが登場します。Nimbus Allianceに膨大なディスコグラフィを築いてきたフェルツマンですが、まとまったモーツァルトの録音がリリースされるのは意外にも初。2022年と2023年にレコーディングした独奏作品に加え、1995年にモスクワの主要オーケストラから優秀な音楽家を集め、この録音のために結成された「モスクワ室内SO」を弾き振りしてレコーディングしていたピアノ協奏曲第21番の秘蔵音源を収録しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

ALTO
ALC-1702(1CD)
シフ&リパッティ・プレイ・バッハ
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971
フランス組曲第5番ト長調 BWV816
フランス風序曲 BWV831
パルティータ第1番変ロ長調 BWV825*
主よ、人の望みの喜びよ(マイラ・ヘス編)*
シチリアーノ(ヴィルヘルム・ケンプ編)*
アンドラーシュ・シフ(P)、
ディヌ・リパッティ(P)*

録音:1978年/1950年*
アンドラーシュ・シフのVanguard音源とディヌ・リパッティのColumbia音源、いずれもバッハ演奏史を語る上で欠かせない名録音がセットとなってバジェット・プライスでリリース。


STOMP MUSIC
VDCD-6830(1CD)
夜のガスパール
バッハ:「狩りのカンタータ」 BWV.208より第9曲「羊は安らかに草を食み」
ショパン:バラード第3番変イ長調 Op.47
ラヴェル:夜のガスパール
グラナドス:組曲「ゴイェスカス」より 愛の言葉
ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」より月の光
シン・チャンヨン(P/スタインウェイ&サンズ)

録音:2020年9月12日&15日仁川アートセンター(仁川、韓国)
アンゲリッシュやゲニューシャス、ググニンなど名だたる世界的ピアニストを輩出してきたジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールに於いて、最初の韓国人優勝者となったシン・チャンヨンの韓国における初の公式アルバム「夜のガスパール」。
2018年の快挙の後に母国で製作されたこの「夜のガスパール」でシン・チャンヨンは、バッハから始まり、ショパン、ラヴェルを経てグラナドス、そしてドビュッシーへと続くピアノ作品の歴史の一部と、その様々な風景を描き出しています。
この多彩なプログラムの中で特に存在感を放っているのは、アルバム・タイトルでもあるラヴェルの「夜のガスパール」。
「オンディーヌ」の優美かつ幻想的な”水”の風景、「絞首台」での空虚感の中に存在する美、そして自由に飛び回り悪戯を繰り返す妖精(小悪魔)の様子を驚異的な技巧で表現した「スカルボ」の3曲いずれも見事な完成度!
シン・チャンヨンの輝かしい経歴に相応しい、自身の代名詞でもある渾身のアルバムです。
シン・チャンヨンは韓国で研鑽を積んだ後にアメリカへと渡り、カーティス音楽院とジュリアード音楽院で名教師ロバート・マクドナルドに師事。
韓国人初の優勝者としてその名を刻んだジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールをはじめ、ソウル国際音楽コンクール、ヒルトン・ヘッド国際音楽コンクールにおいても第1位を受賞するなどすでに輝かしい実績を持つ韓国のトップ・ピアニストの1人として知られています。
また、仙台国際音楽コンクールでの入賞歴もあり、ここ日本とも縁のあるピアニストです。

Grand Piano
GP-941(1CD)
フランツ・クサヴァー・モーツァルト(1791-1844): 6つの感傷的なポロネーズ Op.17(1811-14)
2つのポロネーズ Op.26(1824)
4つの感傷的なポロネーズ Op.22(1815-18)
ロバート・マーカム(P)

録音:2023年9月1-3日王立バーミンガム音楽院、Bradshaw Hall(UK)
かのアマデウス・モーツァルトの末っ子として生まれ、兄弟の中で唯一音楽家の道を歩んだフランツ・クサヴァーによる、当時流行していた「ポロネーズ」。彼は生 後4か月余りで父が亡くなったため、父直伝の教育を受けることができませんでしたが、サリエリやフンメルといった当時最高レベルの名声を誇った音楽家たち から指導を受けて育ちました。ポロネーズというとショパンを想起しますが、18世紀にはヨーロッパで広く流行しており、フランツ・クサヴァーも12曲を残しました。 ここで聴かれる劇的な音楽転換や、調性の扱いなどは彼が時代を先取りする作曲家であったことを示しています。とりわけ「6つの感傷的なポロネーズ」 Op.17は、シューベルトやシューマンから高く評価され、ショパンを思わせる作風も含まれます。Op.22は更に悲愴な雰囲気を持ち、第4番では半音階的な 旋律を交えるなど工夫も。Op.26では自由度が増し、なかでも第2番の中間部では陽気な曲想が聴かれます。英国のピアニスト、ロバート・マーカムはチー タム音楽学校でヘザー・スレイド=リプキンに、ジュリアード音楽院でオクサナ・ヤブロンスカヤに師事。現在は王立バーミンガム音楽院で講師を務めながらフ ランツ・クサヴァー・モーツァルトの研究を行っています。

Dynamic
CDS-8037(1CD)
マックス・レーガー(1872-1916):ピアノ小品集
即興曲集 Op.18(1896) - 第1番アレグレット・コン・グラツィア
ピアノのための6つの小品 Op.24(1899)より
 第2曲 メヌエット
 第3曲 幻想的夢想
水彩画 Op.25- 第5番マズルカ(1897-98)
演奏会用大ワルツ*
色とりどりの小品 Op.36(1899)より
 第3曲 カプリチェット
 第4曲 輪舞
 第6曲 エレジー
 第7曲 ワルツ=即興曲
 第9曲 夢想
シルエット Op.53(1900) -第3曲 Sehr bewegt und ausdrucksvoll
マリアの子守歌 Op.76(1911、レーガーによるピアノ独奏編)
10のピアノ小品 Op.79(1900-04)より
 第8曲 カプリース
 第4曲 メロディ
私の日記 Op.82(1904-12)より
 Vol. I No.8アンダンティーノ
 Vol. IV No.7フモレスケ
左手のための4つの特別な練習曲(1901) -ロマンス
バレエ組曲 Op.130- 愛のワルツ(1913、レーガーによるピアノ独奏編)*
Marsch der Stiftsdamen 婦人慈善団体の行進曲(1914)
暖炉のそばの夢 Op.143(1916)より
 第2曲 Co moto
 第4曲 Allegretto grazioso
 第9曲 Larghetto
 第10曲 Vivace(フモレスケ)
ドイツの歌によるフゲッタ(1916)
ルイージ・パロンビ(P)

録音:2019年11-12月
*…世界初録音
マックス・レーガーのピアノ曲といえば、フーガや変奏曲などの複雑な作品が知られていますが、彼の創造性は折々に書かれた小品からも窺えます。たとえば、 初期に書かれたシューマン風の即興曲やテレサ・カレーニョに捧げられた「6つの小品」などはサロン風ですが、晩年の「暖炉のそばの夢」は自己告白的な要 素が強く、シェーンベルクにも影響を与えたとされるなど、多様なスタイルを持っています。また、「私の日記」に含まれる「ユーモレスク」は全て白鍵で演奏でき るように書かれており、これはザクセン=マイニンゲンのマリー・エリザベート王女のお気に入りとなりました。「マリアの子守歌」は彼の作品の中でも最も有名な 曲の一つで、ここでは作曲家自身によるピアノ独奏版を収録。他、アルバムでは世界初録音を含む全24曲を聴くことができます。 ルイジ・パロンビは、ミラノ音楽院でピアノと作曲の学位を取得したピアニストです。エンニオ・モリコーネやニコラ・ピオヴァーニとの共演経験があり、これまでにダ イナミックレーベルからデューク・エリントン(CDS-7743)やストラヴィンスキー(CDS-7947)などの凝った選曲によるCDをリリースしました。これらの作品はどれ も高く評価されています。

Gramola
GRAM-20006(DVD)
シューベルト、ベルク、リスト:ピアノ作品集
シューベルト:即興曲 変イ長調 Op.90D899- 第4番
 即興曲 変イ長調 Op.142D935-第2番
ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1
リスト:巡礼の年 第2年 イタリア S161/R10b〜第1番:婚礼/第7番:ダンテを読んで- ソナタ風幻想曲
フロリアン・クルムペック(P)

収録:2020年5月26、27日(ライヴ)
ウィーン、楽友協会大ホール
かつてウィーン・コンツェルトハウスでのデビュー・リサイタルが『プレッセ』紙で「ラン・ランもヴォロドスも忘れよう。 オーストリアにも虎のようなヴィルトゥオーゾ・ピアニストがいる」と激賞されたクルムペックが2020年にウィーンの 楽友協会大ホールで行ったリサイタルから得意曲を収めた映像。チェリストの父と美術史家の母のもとに生 まれたクルムペックは、ルドルフ・ブッフビンダー、ゲルハルト・オピッツ、エリザベート・レオンスカヤ、ダニエル・バレ ンボイムらの指導を受けました。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会をはじめ、ウィーン、ミュンヘン、モス クワなど多くの都市で演奏活動を行っています。またバレンボイムの助言で指揮活動も行い、フィラデルフィア 管などを指揮。より広い視野から作品にアプローチするようになっています。ここでも鮮やかな技巧で聴衆を 魅了する彼の姿が生き生きと捉えられています。

DUX
DUX-2085(10CD)
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集
■CD1ソナタ集 Hob.XVI:1,2,3,4,5,6, 7,8,9
■CD2ソナタ集 Hob.XVI:10,12,13,14,16, Es2, Es3, G1
■CD3ソナタ集 Hob.XVII:D1, XVI:F3,11,18, 19
■CD4ソナタ集 Hob.XVI:20,33,43,44,45
■CD5ソナタ集 Hob.XVI:46,47BOS,21,22
■CD6ソナタ集 Hob.XVI:23,24,25,26,27, 28
■CD7ソナタ集 Hob.XVI:29,30,31,32,35
■CD8ソナタ集 Hob.XVI:36,37,38,39,34
■CD9ソナタ集 Hob.XVI:40,41,42,47,48
■CD10ソナタ集 Hob.XVI:49,50,51,52
ホ・ウォンスク(P)

録音:2021年9月6日ー7日、10日&2023年9月14日-15日(ワルシャワ、ポーランド)
1958年ソウル生まれのピアニスト、ホ・ウォンスクが2020年から2024年にかけてレコーディングを重ね、ついに完成したハイドンのピアノ・ソナタ全集10枚組BOX。彼女はこのプロジェクトに5年を費やし、多才な創造主であるハイドンの旋律、和声、質感を徹底的に研究し、その結果ウィーン古典派の記念碑的なレコーディングが実現しています。より頻繁に演奏されるモーツァルトやベートーヴェンのソナタにも決して劣るものではないハイドンのソナタは、感動、情感、ユーモアに満ちた音楽であり、古典派音楽の愛好家にとっては愉悦の12時間となることでしょう。
ホ・ウォンスクはソウル大学とウィーン音楽・舞台芸術大学で学び、ヴァルセージア国際音楽コンクール(ロマン派ピアノ部門第1位)を始めとする複数の国際コンクールで入賞。アジアとヨーロッパでソリスト、室内楽奏者、教師として多彩なキャリアを積み、2024年にはメリット勲章を受賞、現在は湖西(ホソ)大学の名誉教授も務めています。

Acte Prealable
AP-0575(1CD)
ヤン・スクシドレフスキ:ピアノ作品選集Vol.1
ヤン・スクシドレフスキ
(1867-1943):Impressions musicales Op.2/24の前奏曲
エルジュビェタ・ティシェツカ(P)

録音:2024年3月17日&4月7日
ヤン・スクシドレフスキ(1867-1943)作曲のピアノ作品選集の第1弾。スクシドレフスキは、ポーランドの都市スレンチンで生まれました。彼はポズナンで学んだ後、ベルリン、そしてウィーンでピアノを学ぶと、1899年から2年間パリに住みました。その後リヴィウに移り住み音楽教師として働き、1905年には学校を設立。ピアニスト、作曲家、そして音楽評論家として活動しました。戦時中ポーランドに滞在したスクシドレフスキは1919年にポズナン国立音楽院の設立者の一人となり、1926年までピアノの教授として働きました。1926年から1939年まではポーランド音楽学校で教鞭を執っていました。

Da Vinci Classics
C-00931(1CD)
ラテン・アメリカの作曲家たちのソロ・ギター作品集
セルジオ・アサド
:孫悟空のトッカータ/エグベルト・ジスモンチ:記憶とファド
ロナウド・ミランダ:アパッシオナータ
ジスモンチ:Palhaco
アグスティン・バリオス=マンゴレ:Una Limosna por el Amor de Dios
アサド:Barbad’s Fables
バリオス=マンゴレ:前奏曲 Op.5-1、Choro da Saudade、Las Abejas
サノス・ミトサラス(G)
ダダリオ社(D’Addario)のアーティスト&アンバサダーを務めているギリシャのギタリスト、サノス・ミトサラス。セルジオ・アサドの「孫悟空のトッカータ」の世界初録音を始めとして、ラテン・アメリカで活躍する作曲家のソロ・ギター作品集。
Da Vinci Classics
C-00947(1CD)
フロレゾン〜ピアノ作品集
1-12. アントニー・ジラール:海の不思議
13-18. ドビュッシー:子供の領分
19-29. レイナルド・アーン:月の光に
30-32. アントニー・ジラール:フロレゾン(P4手連弾のための)
メ・ラン・モリーニ(P/tr.1-12,30-32)
ダニエル・ガルディオール(P/tr.13-32)

録音:2022年4月、2023年5月(フランス)
子供時代の幸せな思い出を自分の中に留めておくことは貴重なことです。多くの場合、これらの思い出は、大人になってからはもう知ることのできない心の状態、特にあらゆるものに驚嘆する能力と結びついており、多くの作曲家が、小さな特徴的な情景を通して子供時代の世界を呼び起こしたり、子供向けの楽しい物語を描いたり、周囲の世界にナイーブなまなざしを投げかけたりすることで、この無邪気さへの扉を開いてきました。子供のことを思って書かれた作品には、深い優しさが表れており、シューマンからギィ・サクル、ラヴェルやデオダ・ド・セヴラックまで、その例は多くあります。
本アルバムは、若きピアニスト、メ・ラン・モリーニがクラシック音楽をできるだけ多くの人に親しみやすい形で紹介することで、聴く人の好奇心を掻き立てることを目的とした企画で、モリーニによるソロと、プログラムの最後は彼女の師であるダニエル・ガルディオールとの4手連弾で締めくくられます。
Da Vinci Classics
C-00948(1CD)
ベートーヴェン:最後の3つのピアノ・ソナタ
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
ジュゼッペ・フェデリコ・センフェット(P)
ベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタほど、ピアノ文学の、そして音楽全体にとって画期的な作品はそう多くはないでしょう。ベートーヴェンのソナタの中で、彼の最後の3つの作品に匹敵する地位を主張できるものはほとんどなく、これらのソナタは単に美しく、傑作であり、感動的であるというだけでなく、ピアノ音楽の歴史において、それ以前とそれ以後を明確に分けた瞬間でもありました。この偉大な傑作を弾くのは、ベッリーニ音楽院を最高位の成績で卒業し、ピアニスト、作曲家としても高い評価を得ているジュゼッペ・フェデリコ・センフェットです。
Da Vinci Classics
C-00940(2CD)
バッハ:前奏曲、フゲッタ、デュエット、メヌエット、ソナタ集
前奏曲とフゲッタ集 BWV899-902/前奏曲ト長調(異稿) BWV902:IA/前奏曲集 BWV933-938/デュエット集 BWV802-805/前奏曲とフゲッタ集 BWV894-896/前奏曲ハ短調 BWV921/第3旋法による前奏曲とパルティータ ヘ長調 BWV833/前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998/前奏曲とフーガ ロ短調 BWV923-951/フーガ集 BWV946,948-950,952,959/フゲッタ ハ短調 BWV961/ソナタ イ短調 BWV967/ソナタ ニ長調 BWV963/前奏曲集 BWV924,926,927,928,930/メヌエット集 BWV841-843/3声のフーガ BWV953
ピエトロ・ソラーチ(P/スタインウェイ)

録音:2022年、グリファ&フィリ・スタジオ(ミラノ、イタリア)
11歳の時にベッリーニ歌劇場Oとの共演でデビューを果たし、1985年の第11回ショパン国際ピアノ・コンクールでは参加したイタリア人の最高位となるなど、イタリア内外で目覚ましい活躍を展開してるピアニスト、ピエトロ・ソラーチ。
早くも第10巻となるバッハのピアノ作品全曲録音プロジェクトでは、前奏曲(小前奏曲)、フゲッタ(フーガ)、デュエット、メヌエットなどの魅惑の小品を並べたプログラム。
べーレンライター社の後援を受けて行われたこの録音でも、前作同様クリティカル・エディションの楽譜が用いられており、その解釈や研究結果もポイント。また、日本の風景がジャケット写真に採用されているのも当シリーズの特徴で、今作では日本三景の一つに数えられる厳島神社の大鳥居が採用されています。
Da Vinci Classics
C-00939(1CD)
20世紀ブラジルのピアノ音楽〜ジナタリ、ミニョーネ、ヴィラ=ロボス、グァルニェリ
ハダメス・ジナタリ(1906-1988):魅惑のショーロ
フランシスコ・ミニョーネ(1887-1986):ピアノ・ソナタ第1番
ヴィラ=ロボス:花の組曲 W117
グァルニエリ(1907-1993):カンサォン・セルタネージャ
ヴィラ=ロボス:赤ちゃんの一族第2番
ディエゴ・カエターノ(P)

録音:2024年2月、イタリア
ソリストや室内楽奏者として、アメリカ、ブラジル、チリ、ヨーロッパ、アジア、アフリカで幅広く演奏し、研究者、教育者としても功績を残すブラジルのピアニスト、ディエゴ・カエターノが祖国ブラジルのピアノ音楽を特集。ヴィラ=ロボス中心に、あまり聴く機会の少ない20世紀ブラジルの作品も楽しめます。
Da Vinci Classics
C-00936(2CD)
ヘンデル:ハープシコードのための8つの大組曲 HWV.426-433
組曲第1番イ長調 HWV.426/組曲第2番ヘ長調 HWV.427/組曲第3番ニ短調 HWV.428/組曲第4番ホ短調 HWV.429/組曲第5番ホ長調 HWV.430/組曲第6番嬰ヘ短調 HWV.431/組曲第7番ト短調 HWV.432/組曲第8番ヘ短調 HWV.433
ロベルト・ロレジャン(ハープシコード)

録音:2023年9月21日ー24日(イタリア)
ほとんどの音楽家がそうであったように、ヘンデルも鍵盤楽器奏者として音楽の訓練と活動を始めました。鍵盤楽器は、新進の作曲家にとって理想的な楽器と考えられており、チェンバロは音楽のテクスチュアを余すところなく表現することができるが、オルガンは演奏できるパートが多く、音色も多様であるため、ミニチュア・オーケストラと考えられていました。ヘンデルは間違いなく両方の楽器の名手であり、彼はハレでの音楽教育で、前世代のドイツの巨匠たちの作品を学んでいました。彼が最初に作曲を試みたのも鍵盤音楽の分野であり、これは若い作曲家にとってはむしろ当然の選択でもありました。鍵盤楽器演奏の高度な技術を持っていたヘンデルは、チェンバロのための効果的な作曲法を完璧に心得ており、さらに、これらの作品は彼の最高の即興演奏の「写真」であり、それゆえ彼の才能の優れた証人でもあったのです。芸術性を示すことで、彼は自分の価値を示すことができ、その結果、より複雑な依頼を望むことができました。
本アルバムでは、1720年にロンドンで出版され、8曲から構成されるハープシコード独奏のための組曲集、通称「8つの大組曲」を収録。一貫性を重視したバッハの組曲と比べ、多様性を重視したこれらの組曲を、数多くのレーベルで優れた録音を残し、国際的に高い評価を得ているイタリアの名鍵盤楽器奏者、ロベルト・ロレジャンの妙技で聴きます。
Da Vinci Classics
C-00934(1CD)
20世紀のギター・ソナタ集
デュージャン・ボグダノヴィチ
(b.1955):ソナタ第1番(1978)
ミクローシュ・ロージャ(1907-1995):ソナタ Op.42(1986)
ヒナステラ:ソナタ Op.47(1976)
ビセンテ・アセンシオ(1908-1979):神秘的な組曲(1971)
アレッサンドロ・ドミンゲス(G)

録音:2024年3月(ジェンツァーノ・ディ・ローマ、イタリア)
ギター独奏作品の中でも特に重要な傑作の一つとされるヒナステラの「ギター・ソナタ」を中心とした、20世紀の作曲家たちによるギター・ソナタ集。2001年ペルージャ生まれのギタリスト、アレッサンドロ・ドミンゲスはすでに10以上のコンクールで1位を獲得している若き天才で、ソリストとして、また室内楽奏者として着々と活躍の幅を広げている注目の存在です。
Da Vinci Classics
C-00935(1CD)
ルイス・サグリエ:ピアノ・ソナタ第1番-第3番
ルイス・サグリエ(b.1972):ピアノ・ソナタ第1番「ネルーダに倣ったモザイク」(2003)
ピアノ・ソナタ第2番「ラス・ミル・カジェス」(2018)
ピアノ・ソナタ第3番「快楽の園」(2022)
シュテファン・シュトロイスニヒ(P)、
ルイス・サグリエ(ナレーター)

録音:2022年2月&9月(オーストリア)
1985年オーストリア生まれで、日本の桐朋オーケストラ・アカデミーでは客員教授も務めたピアニスト、シュテファン・シュトロイスニヒがDa Vinci Classicsに登場。得意とするシューベルトだけでなく現代作品の解釈でも高く評価されているシュトロイスニヒが1972年チリ生まれの作曲家、ルイス・サグリエの3つのピアノ・ソナタに命を吹き込み、この作曲家の20年間での芸術的進化を聴かせてくれます。
Da Vinci Classics
C-00938(1CD)
ソッリーニ:ピアノ作品集 Vol.3
マルコ・ソッリーニ(b.1964):24のピアノ小品「ベボのコスモス」 Op.37
左手のための夜想曲「黒い夢」 Op.50
マルコ・ソッリーニ(P)
「24のピアノ作品」(C00520)、「ピアノ作品集 Vol.2」(C00610)に続く、マルコ・ソッリーニの自作自演集第3弾。バルトークの「ミクロコスモス」へのオマージュとして生まれ、しかし単なる教材的な目的には留まらない豊かな創造性とコントラストで描かれた24の小品からなる作品「ベボのコスモス」を収録しています。
Da Vinci Classics
C-00933(1CD)
戦争と平和
チャイコフスキー:感傷的なワルツ Op.51-6*
ムソルグスキー:プロムナード(「展覧会の絵」より)*
グリンカ:ハープのための夜想曲 変ホ長調
プロコフィエフ:ハープのための前奏曲 ハ長調 Op.12-4
ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2*
チャイコフスキー:金平糖の精の踊り(「くるみ割り人形」より)*
ムソルグスキー:バーバ・ヤガー(「展覧会の絵」より)*
ウクライナ民謡::Shchedryk*
ショスタコーヴィチ:ワルツ第2番(ヴァラエティ・オーケストラのための組曲より)*
スロニムスキー:ハープのための 「チェチェン・ラプソディ」
プロコフィエフ:騎士たちの踊り(「ロメオとジュリエット」より)*
ボルダチョフ:ハープのための 「戦争と平和」
スヴィリードフ:時よ、前進!*
ストラヴィンスキー:ロシアの踊り(「ペトルーシュカ」より)*
ムソルグスキー:キーウの大門(「展覧会の絵」より)*

*=アレクサンドル・ボルダチョフによるオリジナル・アレンジ
アレクサンドル・ボルダチョフ(Hp)

録音:2023年10月、イタリア
9歳でリトアニア国立Oと共演し国際的なデビューを果たし、チューリッヒ芸術大学に留学。ザハール・ブロン・チェンバーのメンバーとして活躍した後、2015年からは名門ボリショイ劇場のゲスト・ソロ・ハーピストとしても活躍し、さらには「ハープ・フェスティヴァル・チューリッヒ」の創設、さらには2018年のサッカー・ワールドカップの開会式で演奏された楽曲の作曲を担当するなど、マルチな才能を発揮している現代有数のハーピストであるアレクサンドル・ボルダチョフ(アレクサンダー・ボルダチョフ、旧名サーシャ・ボルダチョフ)。
2022年3月にロシアを離れて以来、アレクサンドル・ボルダチョフは祖国、家族、そして生涯の友情から離れ、海外で暮らしてきました。かつて音楽を分かち合った広大な土地を切望してきた彼が、自身のチャリティー団体「文化連帯」を通じて、双方の難民を支援し、アルバム『戦争と平和』では、愛と喪失、そして私たちの世界が永遠に変わってしまったという実感を表現しています。
チャイコフスキーの『感傷的なワルツ』からムソルグスキーの『キーウの大門(キエフの大門)』まで、どの曲も過去への憧れ、現在の痛みへの認識、未来への希望といった痛切な物語を喚起し、ボルダチョフ自身が作曲した「戦争と平和」は、歴史と現代の架け橋となり、人間の過ちと歴史の教訓の不勉強のサイクルを反映しています。

Ars Produktion
ARS-38375(1SACD)
ジョージアン・プロジェクト
ザカリア・パリアシュヴィリ(1871-1933):エレジー
アレクシ・マチャヴァリアニ(1913-1995):ホルミ(1939)
レヴァツ・ラギーゼ(1921-1981):ロンド=トッカータ
オタール・タクタキシヴィリ(1924-1989):詩曲(1951)
スルハン・ツィンツァーゼ(1925-1991):前奏曲第6番ロ短調(Pのための24の前奏曲より)
ビジナ・クベルナゼ(1928-2010):楽興の時第2番
ヴァージャ・アザラシヴィリ(1936-2024):ノスタルジア
ギヤ・カンチェリ(1935-2019):映画&劇場の音楽の主題によるシンプルなピアノ音楽集
サンドロ・ネビェリーゼ(2001-):アレグローバ*
ショレーナ・ツィンツァバーゼ(P)、
サンドロ・ネビェリーゼ(P)*

バーゼとネビェリーゼのデュオ演奏)で締めくくります。
録音:2024年
※使用楽器:スタインウェイ
1982年にモスクワの音楽一家に生まれ、モスクワ音楽院でジナイダ・イグナチエワとセルゲイ・ドレンスキーに、アメリカでオクサナ・ヤブロンスカヤに学んだピアニスト、ショレーナ・ツィンツァバーゼ。2015年に「ジョージア国際若手音楽家協会」を設立し、サマー・アカデミー、ジョージア青少年SO、ジョージア・オーケストラ・アカデミーを設立するなど、ジョージアの音楽界に多大な貢献も果たしてきたツィンツィバーゼが贈る祖国ジョージア(グルジア)のピアノ作品集。
ジョージア国民楽派の開拓者ザカリア・パリアシュヴィリから始まり20世紀前半の作曲家を生年順に並べ、ギヤ・カンチェリの映画&劇場音楽集(リア王、不思議惑星キン・ザ・ザ、お気に召すまま、ミミノ、肝っ玉おっ母とその子どもたち、十二夜、コーカサスの白墨の輪、ベアーズ・キス等、シェイクスピアから現代までの様々な映画・劇場作品の主題による小品、全33曲中23曲を収録)でクライマックスを迎えるプログラム。ラスト・トラックは2001年生まれの若き音楽家サンドロ・ネビェリーゼがこのプロジェクトのために特別に書いた2024年の新作(ツィンツィバーゼとネビェリーゼのデュオ演奏)で締めくくります。
Ars Produktion
ARS-38368(1SACD)
対話〜バッハ:オルガン協奏曲集
協奏曲ト長調 BWV592(原曲:ザクセン=ヴァイマール公ヨハン・エルンスト)
協奏曲イ短調 BWV593(原曲:アントニオ・ヴィヴァルディ)
協奏曲ハ長調 BWV594(原曲:アントニオ・ヴィヴァルディ)
協奏曲ハ長調 BWV595(原曲:ザクセン=ヴァイマール公ヨハン・エルンスト)
協奏曲ニ短調 BWV596(原曲:アントニオ・ヴィヴァルディ)
イタリア協奏曲ヘ長調 BWV971(編曲:マルティン・シュメーディング)
4つのチェンバロのための協奏曲イ短調 BWV1065(原曲:アントニオ・ヴィヴァルディ/編曲:マルティン・シュメーディング)
ヨハネス・クラール(Org)

録音:2024年4月、ドレスデン三位一体大聖堂
ドイツを代表する若手オルガン奏者の一人、ヨハネス・クラールが弾くバッハのオルガン協奏曲集。協奏曲といっても、バッハがオルガン独奏用に編曲したもので、ヨハン・エルンストとヴィヴァルディの原曲による6つの協奏曲から、偽作の疑いのあるBWV597を除く5曲と、チェンバロ独奏のために書かれた「イタリア協奏曲」のオルガン版などを組み合わせた興味深いレコーディング。
使用楽器は、ドレスデンの三位一体大聖堂(旧カトリック宮廷教会)に約200年前に建造されたジルバーマン・オルガンです。
Ars Produktion
ARS-38665(1CD)
メンデルスゾーン:管弦楽作品集(4手ピアノ版)
序曲「フィンガルの洞窟」
「兵士の恋」 序曲
吹奏楽のための序曲 Op.24
歌劇「カマチョの結婚 序曲
交響曲第3番「スコットランド」
ソントラウト・シュパイデル(P)、
フランツィスカ・リー(P)

録音:2023年7月24日-27日(カールスルーエ、ドイツ)
ピアノ連弾で聴く、メンデルスゾーン自身が4手ピアノ用に編曲した管弦楽作品集。スコットランドで感じた深い印象が反映された2つの名曲「交響曲第3番「スコットランド」」、「フィンガルの洞窟」に、あまり聴く機会の多くない3つの序曲を収録しています。当レーベルからメンデルスゾーンの姉ファニーのピアノ作品集もリリースしていたソントラウト・シュパイデルと、韓国出身の若手注目株、フランツィスカ・リーという2人のピアニストによる息の合った演奏です。

TRPTK
TTX-0006(1CD)
インターフェアレンス
カイヤ・サーリアホ:Fall(Maa)
ヴァレリオ・サンニカンドロ:Cortex
トニー・ロー:インターフェアレンス
細川俊夫:回帰U
ドリーネ・マルセリイェ(Hp)

録音:2023年9月&11月
ユトレヒト音楽院、アムステルダム音楽院、ハーグ王立音楽院で研鑽を積んだハープ奏者、ドリーネ・マルセリイェは、ソリストとしてヨーロッパ中の聴衆を魅了し、国営放送やラジオに頻繁に出演してきました。Trptkからリリースされる本アルバムでは、ヴァレリオ・サンニカンドロとトニー・ローの委嘱作品と、音楽的探求の本質を語る著名な作曲家、カイヤ・サーリアホと細川俊夫の作品から厳選しカップリングされています。
サンニカンドロは、拡張奏法を多用し、多様なテクスチャー、音色、声部を取り入れて、魅惑的な音の世界を創り上げ、対照的にトニー・ローは、エレクトロニクスやデバイスを駆使してハープの音のパレットを広げ、まったく新しいサウンドを創り出しています。アコースティックとエレクトロニクスの要素を融合させ、革新的な音の探求の世界へと誘います。

King International
KKC-127(1CD)
園田高弘/ピアノ名曲コレクション
スカルラッティ:ソナタ ホ長調L.23
スラルラッティ(タウジッヒ編):パストラーレとカプリッチオ
シューベルト:即興曲 変イ長調Op.142の2
シューベルト(ゴドフスキ編):楽興の時第3番ヘ短調
ショパン:子守歌Op.57
 幻想即興曲Op.66
 夜奏曲第5番嬰ヘ長調Op.15の2
シューマン:アラベスクOp.18
リスト:ウィーンのタベ(シューベルト)第6番
ドビュッシー:アラベスク第1番
 亜麻色の髪の乙女
クライスラー(ラフマニノフ編):愛の哀しみ
園田高弘(P)YAMAHA CFV-S

録音:1990年代初頭
園田氏の未亡人からのライセンス発売。園田高弘といえば堅固な構成力による正統的ベートーヴェンやバッハのイメージが強いですが、幼少期からレオ・シロタに師事し、19世紀的な巨匠芸の楽しみ も受け継いでいました。シロタの時代、ローゼンタールやゴドフスキ、ブゾーニ、ラフマニノフらがシリアスなコンサートの後、アンコールに自身あるいはリストやタウ ジッヒの編曲した技巧的な小品を粋に弾くことで聴衆を沸せていました。
このアルバムは、普段の園田の求道的な面とはひと味異なる横顔を見せてくれます。恩師シロタはこうしたヴィルトゥオーゾ小品が殊のほか得意で、園田は折り にふれて耳にしたこれらの曲が彼の趣向となり生き続けたとされます。
いずれも巨匠たちの卓抜な音楽性と楽器に対する深い造詣と愛情が盛り込まれ、何よりもピアノ音楽の美しさ、楽しさに溢れています。園田高弘も楽しんで録音 に臨んでいるのがうかがえ、説得力の強さに現れています。
園田高弘ファンには感謝の気持ちと共に送るアンコールとして、これから聴き始める新しい聴衆の方々には他のアルバムへの興味の「招待状」となるようなアル バムです。 (Ki)

Hanssler
HC-24043(1CD)
幻想曲〜モーツァルト・ベートーヴェン・ショパン・シューマン
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2「幻想曲風ソナタ(月光)」
ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化芝居 Op.26「幻想的情景」
マルゲリータ・サンティ(P/ベーゼンドルファー280)

録音:2023年4月16&17日/ヴィッラ・アルバ、ガルダ湖(イタリア)
イタリア期待のピアニスト、マルゲリータ・サンティが「幻想曲」をテーマにしたアルバムをリリース。ヴェローナ生まれのサンティは15歳でヴェローナ音楽院を 優秀な成績で卒業。その後、ショパンとリストの曲を集めたアルバムをリリースしています。
サンティはドイツ、オーストリア、スペイン、スイス、イタリア、ロシアなどヨーロッパ各地でソリストおよび室内楽奏者として国際的な演奏活動を展開し、これまで にヴェネツィアのフェニーチェ劇場、サンクトペテルブルクのユスポフ宮殿、モスクワのラフマニノフ・ホール、フィレンツェのヴェルディ劇場など、名だたる会場でフェ スティバルやコンサートに参加しています。2018年には社会学と心理学の視点を重視したコミュニケーション学の学位を取得。また自身が新たに設立した音楽祭 に関する論文も執筆しています。
モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、シューマンの「幻想曲」にまつわる作品を集めた当アルバムはサンティの実力を示した注目作です。 (Ki)
Hanssler
HC-24005(4CD)
シュテファン・ホイケ(1959〜):ピアノ作品集(2010〜2020)
ハイドンによる変奏曲 Op.85
シューベルトのレントラーによる6つの変奏曲 Op.65
ピアノ・ソナタ第3番Op.86
フランツ・シューベルトの主題によるディアベッリ変奏曲 Op.76(主題と32の変奏曲)
フランツ・シューベルトの主題によるディアベッリ変奏曲より第33変奏 Op.76a
コラール「善き力に囲まれて」
コラール幻想曲「善き力に囲まれて」 Op.116
ピアノ協奏曲第1番Op.96*
アナ=マリヤ・マルコヴィナ(P)
ミュンスターSO、ゴロ・ベルク(指)*

録音:2021年10月〜2023年2月/イマヌエル文化センター(セッション)
2022年3月1日/ミュンスター劇場(ライヴ)*
鬼才ピアニスト、アナ=マリヤ・マルコヴィナ。師のバドゥラ=スコダも絶賛していた名手です。録音では独ヘンスラー・レーベルよりC.P.E.バッハ(98-003)、 ブルックナー(HC-17054)、アントン・ウルシュプルフ(HC-16015)、メンデルスゾーン(HC-18043)のピアノ独奏曲全集などをリリース。作曲家へ焦点 を当てた充実の内容のアルバムで非常に高い評価を得ております。その名手が次に挑んだのは現代作曲家シュテファン・ホイケ(1959-)のピアノ作品集です。ホ イケはオペラ、オラトリオ、交響曲、協奏曲、室内楽曲、歌曲などこれまで130以上の作品を作曲。著名なオーケストラやソリストによって世界中で演奏されていま す。ホイケが推薦するピアニスト、マルコヴィナが2010年から2020年に作曲されたホイケのピアノ作品を演奏しました。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0106(1CD)
ヨーク・ボーエン(1884-1961):ピアノ作品集
すべての長調と短調による24の前奏曲 Op.102
夢 Op.86/Zazra
夜想曲 Op.14-2
ヌロン ・ムクミ(P)

録音:2024年4月/ベルリン、テルデックス・スタジオ
「カトリックのバッハ」=ゼレンカ、「スペインのモーツァルト」=アリアーガ、というようにあまり知られていない作曲家に印象的な異名が与えられ世に広まった例 は多いですが、イギリスのピアニスト・作曲家のヨーク・ボーエン(1884-1961)もまた「イギリスのラフマニノフ」と呼ばれ、にわかに注目された存在。とは言 えここに収録された『24の前奏曲』はラフマニノフのコピーではなく、明らかに独自のスタイルを確立しています。この曲集はソラブジに献呈され絶賛された逸品 でもあり、忘れるにはもったいない音楽です。

MClassics
MYCL-00048(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

バッハ:ゴルトベルク変奏曲 アブデル=ラーマン・エル=バシャ(P)

録音:2024年4月2-3日稲城市立iプラザホール
現代の巨匠ピアニストの一人に数えられる、アブデル=ラーマン・エ ル=バシャが遂に「ゴルトベルク変奏曲」をレコーディングしました。 圧倒的なヴィルトゥオーゾを誇るエル=バシャの華麗なテクニックと、 深い洞察に基づくアナリーゼによって構築された完璧な音楽美が、 存分に披露されています。鋭くリズミカルなタッチ、即興的で華やか なメロディ、極限の美しさを聴かせる弱音。エル=バシャによって提 示される現代の「ゴルトベルク」像。また、カップリングの「イタリア協 奏曲」も色鮮やかに奏でます。バッハの鍵盤楽器の最高峰作品を 極上の演奏でお楽しみください。 使用楽器はSteinway D-274。
MClassics
MYCL-00054(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

シベリウス:作品番号のない小品集
1. ラルゴ イ長調 JS117
2. スケルツォ 嬰ヘ短調 JS164
3. アダージョ ホ長調 JS13
4. 黄昏時に JS47
5. アダージョ ニ長調 JS11
6. アレグレット 変ロ短調 JS18
7. アレグレット ト短調 JS24
8. アンダンティーノ ロ長調 JS44
9. モデラート - プレスト JS133
10. アレグレット ヘ長調 JS23
11. スペイン風に JS181
12. あこがれに JS202
13. コン・パッショーネ JS53
14. O.パルヴィアイネンに JS201
15. ワルツ 変イ長調 「ベッツィ・レルケのために」 JS1
16. ワルツのテンポで イ長調 JS2
17. ピウ・レント - ワルツのテンポで 変ホ長調 JS150
18. アンダンティーノ ホ長調 JS24
19. アレグレット ホ長調 JS21
20. アレグロ HUL0768/3
21. 組曲「フロレスタン」 JS82
渡邉規久雄(P)

録音:2023年11月12日東京文化会館小ホール(ライヴ・レコーディング)
フィンランド音楽に造詣が深くシベリウス演奏をライフワークとするピ アニスト、渡邉規久雄。フィンランド・シベリウス協会から名誉ある< シベリウスメダル>が授与されるなど、そのシベリウス演奏は高い評 価を受けています。本アルバムでは、シベリウスの作品番号のつい ていない、知られざるピアノ小品が収録されています。知られていな いとはいえ、大作曲家シベリウスの魅力が凝縮された作品ばかり。 組曲となっているフィンランド民謡を編纂した「6つのフィンランド民 謡」や躍動感のある舞曲(ワルツ)など、フィンランドの美しい風景を 思い起こすような美しい作品が並びます。シベリウスのエッセンスが 詰まったアルバムです。

Piano21
P-21065N(1CD)
フランツ・シューベルト Vol.2
楽興の時 D.780*/ピアノ・ソナタ第13番イ長調 D.664**/2つのスケルツォ D.593/ハンガリー風のメロディ ロ短調 D.817/ドイツ舞曲とトリオ 嬰ハ短調 D.139/エコセーズ ニ短調/ヘ長調 D.158/3つのメヌエット D.380
シプリアン・カツァリス(P/ベヒシュタイン)
※使用楽器:C. Bechstein D-282Concert Grand, No.212034

録音:2022年3月23日*/2023年4月20日**/2024年7月10日、サン=マルセル福音教会(パリ)
超絶技巧の化身、鍵盤の魔術師シプリアン・カツァリスの自主レーベル「Piano21」から、2023年にリリースした「シューベルト:即興曲集 Op.90&Op.142」(XP21059N/P21059N)に続く新録音、シューベルトの作品集第2弾が登場!カツァリスにとってシューベルトといえば長きにわたって得意としてきた作曲家の一人であり、2023年の来日ツアーでもその類稀なる美しい演奏で70歳を超えたカツァリスの現在地を示してくれたのも記憶に新しいところ。今作には同ツアーの一部公演でも披露した「第3番」の久しぶりの再録音を含むカツァリス初となる「楽興の時」全曲の録音をはじめ、2023年にレコーディングしていた「ピアノ・ソナタ第13番」、そして2024年7月にレコーディングされたばかりの小品集を収録。今作もカツァリス・ファン、ピアノ・ファン必聴の1枚です。

Quartz
QTZ-2162S(1CD)
「前奏曲」〜アレンスキー、ラフマニノフ、ラヴェル、ガーシュウィン
アレンスキー:12の前奏曲 Op.63
ラフマニノフ:10の前奏曲 Op.23
ラヴェル:前奏曲 イ短調 M.65
ガーシュウィン:3つの前奏曲
根岸由起(P)
※使用楽器:スタインウェイ・モデルD

録音:2023年6月1日-2日、聖ジョージ・ヘッドストーン教会(ロンドン)
東京生まれ、桐朋学園大学、アムステルダム音楽院、英国王立音楽大学を卒業し、現在はロンドン在住、ヨーロッパでリサイタル、音楽祭、コンクール審査員やマスタークラスなど幅広く活躍するピアニスト、根岸由起。2020年6月から1ヶ月間、知らざれる女流作曲家の演奏クリップを毎日ソーシャル・メディアで取り上げた「女性作曲家小品シリーズ」が、英「ピアニスト」誌で内田光子、アンジェラ・ヒューイットのリサイタルに並んでTOP5に選ばれるなど、コロナ禍においても独自の目覚ましい活動が評価されてきました。
2022年にリリースされ、英グラモフォン誌、インターナショナル・ピアノ誌、「レコード芸術」各誌より絶賛されたソロ・デビュー・アルバム「エニグマ」(QTZ2139)に続き、イギリスのQuartzレーベルからリリースされる新録音。19世紀末から20世紀初頭にかけて、お互いに交流し、影響を及ぼし合った4人のコンポーザー=ピアニストたちの”前奏曲(プレリュード)”に着目し収録されています。
アントン・アレンスキーはセルゲイ・ラフマニノフがモスクワ音楽院に入学した時の教師の一人であり、特に初期の作風では、アレンスキーから音楽的発展で影響を受けたと考えられています。ガーシュウィン(ガーシュウィン)は、アメリカに亡命したラフマニノフとお互いを賞賛し合い、一緒にピアノを演奏したという話も伝わっています。ガーシュウィンとモーリス・ラヴェルもお互いを尊敬する間柄で、ガーシュウィンは彼の下で作曲を学びたいと願っていましたが、ラヴェルはガーシュウィンのユニークな才能と名声を認めつつも、「一流のガーシュウィンになれるのに、なぜ二流のラヴェルになる必要があるのか」と言って受け入れませんでした。

GENUIN
GEN-24882(1CD)
レーガー:無伴奏チェロ組曲全集
無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調/無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調/無伴奏チェロ組曲第3番 イ短調
クリスティアン・アーベン(Vc)

録音:2022年1月24日-26日
有名なライプツィヒ・ゲヴァントハウスOのメンバーであるチェロ奏者、クリスティアン・アーベンによるマックス・レーガーの無伴奏チェロ組曲全集。バロックの壮大さと知的な深み、後期ロマン派のハーモニー、そして見事な対位法。ヨハン・セバスチャン・バッハ以来、マックス・レーガーほど、あらゆる楽器の中で最も人間味あふれる楽器、チェロの独奏の可能性を包括的に探求した人はいません。クリスティアン・アーベンは、この膨大な組曲を細部に至るまで探求し、その音色の複雑さを明らかにします。
1959年にライプツィヒで生まれたクリスティアン・アーベンは、音楽家の家庭で育ちました。父は独奏チェロ奏者、母はピアノ講師で、家で一緒に練習することが多く、幼い頃から幅広い音楽文献に触れていました。8歳でチェロのレッスンを始め、その後ピアノのレッスンを受け、アーベンは素晴らしい才能を発揮し、1975年にライプツィヒで開催された学生と青少年のためのバッハコンクールで第1位を獲得しました。この頃から、東ドイツ全土で開催されるコンサートシリーズ「Stunde der Musik」の夜には、両親や兄弟(フルート、ヴァイオリン)と一緒に音楽を演奏しました。その後、アーベンは正式な教育を受け、最初はベルリンでベルンハルト・ギュンターとヨーゼフ・シュヴァープに師事し、その後はライプツィヒで父フリーデマン・アーベンに師事して学位を取得。1989年にはゲヴァントハウスOのメンバーとなりました。

Prima Classic
PRIM-A037(2CD)
「イーヴンタイド〜夕まぐれ」〜
ショパン&ブラーム

ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
 ピアノ・ソナタ第2番「葬送」
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調 Op.5
ショパン:前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
モンポウ:歌と踊り 第4番
マルティン・ガルシア・ガルシア(P)
※使用ピアノ:ファツィオリ

録音:2023年8月、ワルシャワ
2021年の第18回ショパン国際ピアノ・コンクールで第3位と「協奏曲集」に輝き、その際立つ個性で世界に圧倒的な存在感を植え付けたスペインのピアニスト、マルティン・ガルシア・ガルシア。
2023年に録音され、2024年に配信限定でリリースされていた最新アルバム「イーヴンタイド 〜夕まぐれ」が、2024年の来日ツアーを記念して、CDリリースも決定いたしました!
夕暮れと潮の満ち干の概念をひとつに組み込んだ、英語の古いことば「EVEN-TIDE」というタイトルが付けられたこのアルバムは、ショパンとブラームスの音楽上の深い矛盾を掘り下げるプログラム。
ショパン作品はショパン・コンクールで演奏しなかった作品を中心に選ばれて紹介されており、2つの記念碑的ソナタを核にして、マルティン・ガルシア・ガルシアの音楽研究への揺るぎない献身を見せてくれます。
ショパン・コンクールでも選んだイタリアの名器、ファツィオリ・ピアノの優美なサウンドにもご注目あれ。

BIJIN CLASSICAL
BJN-1031(1CD)
ショパン:ワルツ集
ワルツ 変ホ長調 作品18〈華麗なる大円舞曲〉
ワルツ 変イ長調 作品34-1〈華麗なる円舞曲〉
ワルツ イ短調 作品34-2〈華麗なる円舞曲〉
ワルツ ヘ長調 作品34-3〈華麗なる円舞曲〉
ワルツ 変イ長調 op.42〈大円舞曲〉
ワルツ 変ニ長調 作品64-1〈小犬〉
ワルツ 嬰ハ短調 作品64-2
ワルツ 変イ長調 作品64-3
ワルツ ホ長調 KK.IVa/12
ワルツ 変ト長調 作品70-1
ワルツ 変ニ長調 op.70-3
ワルツ ヘ短調 作品70-2
ワルツ ホ短調 KK.IVa/15
ワルツ ロ短調 作品69-2
ワルツ 変イ長調 KK.IVa/13
ワルツ イ短調 KK.IVb/11
ワルツ 変ホ長調 KK.IVb/10(ソステヌート)
ワルツ 変イ長調 op.69-1〈告別〉
イリーナ・メジューエワ(P)
(P/1925年製NYスタインウェイ CD135))

録音:2024年3月&6月、新川文化ホール(富山県魚津市)
メジューエワによる新ショパン・シリーズの第 5弾、ワルツ集。作曲家生前に出版 された8曲を作品番号順に、残り 10曲(遺作)を自由に配列、最後に「3つのエコ セーズ(作品72-3)」をアンコールのように置いた魅力的なプログラム。繊細優美か つドラマティックな表現が古き佳きピアノ黄金時代を彷彿させます。ヴィンテージ・ス タインウェイ(1925年ニューヨーク製)の華麗な音色で味わう贅沢なひととき。

Naive
V-8619(2CD)
バッハ:パルティータ(全6曲) フラン チェスコ・トリスターノ(P)
※日本語解説付
ルクセンブルク出身のピアニスト、フランチェスコ・トリスターノ。自身のレーベル「intothefuture」を立ち上げて、バッハの鍵盤独奏作品を全曲録音する プロジェクトをスタートさせています。これまで、イギリス組曲(KKC-111)、フランス組曲(KKC-120)は日本限定販売でしたが、このたびのパルティータから は、naiveレーベルを経由しての世界発売となります。
ごくあたりまえのように、そのフレーズやハーモニーを、そのピアノの最善の音色で響かせることのできる魔力を持つ指、抜群のリズム感、そしてその場で音楽 が生まれているような即興感をもつトリスターノ。このパルティータでも、第1番のプレリュードから、清冽かつあたたかみのある音色が炸裂しております。第2番 の受難のようなプレリュードもひりひりするような壮絶さを漂わせつつも淡々と前進しておりおります。バッハのピアノによる演奏といえば、グールドの演奏が、ブ ラームスにとってのベートーヴェンのように、あるいは旧約聖書や新約聖書のように、奏者、そして聴き手の前に立ちはだかっていますが、このトリスターノの演奏 は、そうしたものを凌駕しところにあるといえるかもしれません。奇を衒った部分は一切なく、いたってストレートな演奏ながら、すべてが極限まで研ぎ澄まされた 演奏です。 トリスターノ本人のコメントの日本語訳が掲載されています。 (Ki)

Forgotten Records
fr-1941(2CDR)
ラフマニノフ:前奏曲集 Op.23
の幻想的小品集 Op.3
2つの前奏曲【小品 〜第2曲 前奏曲 変ホ短調/前奏曲 ヘ長調(チェロとピアノの為の前奏曲 Op.2-1の原曲)】
13の前奏曲 Op.32
ステュアート・ゴードン(P)

録音:1959年
※音源:Washington Records WLP426/7他
Forgotten Records
fr-1956(1CDR)
バーンハルミ〜ショパン
ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲 ホ長調
夜想曲第20番嬰ハ短調遺作
タランテラ 変イ長調 Op.43
ロンド 変ホ長調 Op.16
前奏曲 変イ長調遺作
前奏曲 ハ短調 Op.45
舟歌 ヘ長調 Op.60
エロルドの歌劇「リュドヴィク」のアリアによる華麗なる変奏曲 Op.12
ボレロ イ短調 Op.19
ジェルジ・バーンハルミ(P)

録音:1957年6月、ニューヨーク
※音源:Vox, PL10370他


Treasures
TRE-325(2CDR)
厳選!赤盤名演集Vol.14
トルトゥリエ〜バッハの「無伴奏」

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲)
ポール・トルトゥリエ(Vc)

録音:1960年12月5日&1961年3月20日(第1番)、1960年12月5日&1961年3月20日(第2番)、1960年12月6日(第3番)、1960年12月7日(第4番)、1960年12月5-6日&1961年7月23日(第5番)、1960年12月7-8日&1961年3月20日(第6番) ステレオ
※音源:東芝_ASC-5137-9(赤盤)
◎収録時間:55:07+69:44
“トルトゥリエが格調高く謳い上げる人間讃歌!”
■音源について
トルトゥリエのバッハ「無伴奏」のセッション録音は2種存在しますが、これは第1回録音。パテの初期盤は何十万もの高値が付くこともありますが、ここに聴く東芝赤盤の生々しい音色に物足りなさなどまるで感じませんので、迷わずこれを採用しました。LP3枚分を2枚のCD-Rに収録。

★ステレオ初期の同曲の名演として真っ先に挙げたいのがこれ!一つの核心を掴み取ることだけを目指すような一途さとどんな苦難も受け入れるような度量の広さを感じさせる素晴らしい演奏です。
 第1番の「前奏曲」は、ノーブルな佇まいの中に精神的な強靭さが横溢。コーダへかけての天馬空を行く如き進行からしっとりと着地するまでの進行は、何時聴いても心に迫ります。「サラバンド」や「ジーグ」のリズムの発言力も決して独り善がりではなく、格調高いフォルムを維持しているところに、トルトゥリエの芸術的な昇華力を感じずにはいられません。
 第2番の「前奏曲」では、呼吸と精神力の持久力が見事。しかも短調ながら内省に傾きすぎず、音楽のスケール感を保っています。特にコーダの地を這うような楽想の浸透力は忘れられません。「メヌエット」はノン・ヴィブラートの箇所が頻出しますが、その意味合いは昨今の無節操に全てをノン・ヴィブラートで押し通しすのとは別次元で、楽想と一体化している点にご注目を。
 第3番の有名な「ブーレT」で他の多くの名盤に比べて傑出しているのが、各音のコントラストの強さ緊密な連動の共存。平板に流れる箇所など皆無です。カザルスの演奏でのある意味気ままな音価を本来の長さに制御した感じと言えばよいでしょうか。第4番のブーレも、まるで人間の喋り声のように生き生きと飛翔。
 トルトゥリエの演奏にはそこはかとないニュアンスはほとんどなく、常に克明な表現に徹しているのも特徴的。第5番の「アルマンド」など、ほのかな哀愁を超えた強烈な意志の力が胸に迫ります。そして「クーラント」の凄さ!これほど魂を燃やし尽くし、ハーモニーが熾烈にぶつかり合う演奏にはなかなか出会えません。続く「サラバンド」は、打って変わって魂を抜かれたような無機質さが極限の孤独感を醸し、「ジーグ」は圧倒的なスケール感!これを聴くと他のどんな名演も貧弱に思えてしまうほどです。
 トルトゥリエは同曲集を1983年に再録音していますが、録音のせいかこの1960年盤よりややスタイリッシュに聞こえます。第6番の「クーラント」のような速いパッセージの緊張感や、「ガヴォット」での渾身のリズムの沸き立ち、全6曲の各「ジーグ」における拍節感の強靭さと低音の抉り出しの手応えも、1960年盤ならではの魅力と言えましょう。
 崇拝するカザルスの精神を受け継ぎ、その歴史的名盤と並んで人間の生き様を投影したような名盤を遺してくれたトルトゥリエの業績は計り知れません!【2024年10月・湧々堂】

Chandos
CHAN-20289(1CD)
シューベルト:ピアノ作品集 第7集
ピアノ・ソナタ 変ホ長調(第7番) Op. post.122 D568(1817)
ピアノ・ソナタ 第18番ト長調「幻想」 Op.78D894(1826)
糸を紡ぐグレートヒェン S.558(リスト編)
どこへ S.565(リスト編)
バリー・ダグラス(P)

録音:2024年4月3、4日
好評を博しているバリー・ダグラスによるシューベルトのピアノ・ソナタ集。この第7集は、変ホ長調ソナタ D568とト長調ソナタ D894の2曲が中心です。変ホ長調ソナタは、1817年に作曲され未完だった変ニ 長調ソナタ D567を改訂・完成させたもので、死後に出版されました。このソナタは、全体の中で軽快さと 優雅な楽想が際立っています。ト長調ソナタは1826年に完成され、シューベルトが生前に出版した最後の ソナタです。この作品はシューベルトの最後の3つのソナタに匹敵する規模と深みを備え、多くのピアニストに とって特別な位置を占めており、ダグラスも一音一音を慈しむように丁寧に演奏しています。アルバムは、 シューベルトの歌曲「糸を紡ぐグレートヒェン」と「どこへ?」(『美しき水車小屋の娘』より)のリスト編曲で締めく くられています。

DB Productions
DBCD-216(1CD)
ロシアのギター音楽の歴史 第2集
フョードル・ツィメルマン(1813-1882):エチュード ト短調
 ワルツ ハ長調/メランコリー・ワルツ
アレクサンドル・ヴェトロフ(1812-1877):カンツォネッテ
 ロンドレット ホ短調
 ロンドレット ト長調
ニコライ・アレクサンドロフ(1818-1884):エチュード ロ短調
 前奏曲 ト長調/エチュード ヘ短調
 ワルツ「La cara mia 親愛なる」
ミハイル・ポルパエンコ(1848-1902):ベッリーニの「ノルマ」の主題による華麗な幻想曲
アヴデイ・ハルパクチェフ(生没年不詳1930年代作曲):前奏曲第1番ハ長調
 前奏曲第2番ロ短調
 前奏曲第3番ホ短調
 ワルツ「おとぎ話」
マトヴェイ・パヴロフ=アザンチェーエフ (1888-1963):ポルカ
 ソナタ・エチュード/ズールー族の行列
セルゲイ・オレホフ(1935-1998):菊の花
 ソコロフのポルカ
フョードル・コンデンコ(1951-2018):夕暮れ
モッテン・ファルク(7弦ギター)
Ivan Kransnochikov(1860年頃制作)
Earl S Marsh「Greta」(2020年12月製作)

録音:2022年10月28-30日
スウェーデンを中心に世界的に活躍するギタリスト、モッテン・ファルクがロシアで7弦ギターのために書かれた音楽の歴史を探る第2集。今作では19世紀中 期のフョードル・ツィメルマンから21世紀のフョードル・コンデンコまで8人の作曲家の知られざるギター音楽を紹介します。

SOMM
SOMMCD-0693(1CD)
サン=サーンス:2台ピアノのための音楽集
交響詩「オンファールの糸車」 Op.31(サン=サーンスによる2台ピアノ版)
英雄的行進曲 Op.34(サン=サーンスによる2台ピアノ版)
ベートーヴェンの主題による変奏曲 Op.35
ポロネーズ Op.77/スケルツォ Op.87
アラビア奇想曲 Op.96/英雄的奇想曲 Op.106
アルトゥール・ピサロ(P)
ルドヴィコ・トロンカネッティ(P)

録音:2024年1月27-29日
サン=サーンスの2台ピアノのための作品集 。管弦楽曲の編曲を含む全7曲を収録しています。ギリシャ・ローマ神話にインスパイアされた「オンファールの 糸車」やフランスとプロイセンの間の戦いを予感させる「英雄的行進曲」など、優れたピアニストでもあったサン=サーンスらしく、どの曲も演奏効果の高い華 麗な作品です。 演奏は1968年、リスボン生まれのアルトゥール・ピサロと1991年シエナ生まれのルドヴィコ・トロンカネッティのデュオ。2人は10年を超える友情を育み、 2023年12月にピアノデュオとしてデビュー。2台ピアノと4手連弾のレパートリーの演奏に情熱を注いでいます。

MarchVivo
MV-012(1CD)
ハバネラとタンゴ
ヴァシリス・テニディス(1936-2017):スミルナのハバネラ *
トゥリーナ:ハバネラ 〜古いスペインの記憶 Op.48*
バリオス(1885-1944):ハバネラ
エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ(1903-1982):ハバネラ
ファリャ:クロード・ドビュッシーの墓に捧げる讃歌
ドビュッシー:グラナダの夕べ 〜版画 **
シャブリエ:ハバネラ *
アルベニス:タンゴ 〜スペイン Op.165
タレガ:タンゴ「マリア」
エルネスト・アルフテル(1905-1989):ハバネラ 〜キューバ風の2つの小品 *
エミリオ・プジョール(1886-1980):3つのスペインの小品
フローレス・チャヴィアノ(1946-):ソナタ、エボカシオンとボセート
セバスティアン・イラディエル(1809-1865):ハバネラ「ラ・パロマ」 *

※編曲=*…リカルド・ガレン、**…カルレス・トレパト、***…アンドレス・セゴビア
リカルド・ガレン(G)

録音:2014年2月8日…11-13、2017年3月20日…1-10、14-18 フアン・マルク財団、マドリード (ライヴ/拍手入り)
アンダルシア地方のリナーレス出身で、マドリード、グラナダ、ミュンヘン、そしてザルツブルク・モーツァルテウムで学んだスペインのギターの名手、 リカルド・ガレンが2017年(一部2014年)にフアン・マルク財団で行ったコンサートのライヴ。キューバ発祥でスペインに伝わったハバネラと、イ ベリア半島発祥のタンゴという2つの舞曲を元にした作品がプログラムの中心となっており、中には冒頭のテニディスによるギリシャ風のハバネラ なども聴くことが出来ます。リズムとメロディの複雑な絡み合いを、高い技術力とセンスでたいへん魅力的に聴かせています。

アールアンフィニ
MECO-1083(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価
The DUO
1. 汀(みぎわ)の花(作曲:鈴木大介)
2. ザ・サン(作曲:鬼怒無月)
3. 歌の島(作曲:鈴木大介)
4. ウェンズデイ・ウェイリング(作曲:鈴木大介)
5. 太陽を呼ぶ声(作曲:鬼怒無月)
6. ショーン(作曲:鈴木大介)
7. ニーナ(作曲:鈴木大介)
8. 絵画(作曲:鬼怒無月)
9. ふた通りの秋(作曲:鬼怒無月)
10. ハッピー・バスタード(作曲:鬼怒無月)
11. アブリル(作曲:鈴木大介)
12. メイ・ユー・スーン・ビー・フリー(作曲:鈴木大介)
13. ブレスト(作曲:鬼怒無月)
14. メラネシアン・サンズ(作曲:鈴木大介)
15. ケイトへの手紙(作曲:鈴木大介)
The DUO【鬼怒無月(G)、鈴木大介(G)】

録音:2024年8月28日 &29日
“ロック&ジャズ”ルーツの鬼怒無月と、“クラシック&現代音楽”ルーツの鈴木大介による究極の化学反応。 The DUO結成17年の集大成を問う15の果実。

DIVINE ART
DDX-21116(1CD)
回想-チャイコフスキー、シベリウス、ショパン 他:ピアノ曲集
チャイコフスキー:四季〜10月 秋の歌
シベリウス:練習曲 Op.76No. 2
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番 変ニ長調 WoO1No.6
ショパン:前奏曲 Op.28No.20 ハ短調
 練習曲 Op.10No.3ホ長調「別れの曲」
 練習曲 Op.10No.5変ト長調「黒鍵」
 練習曲 Op.10No.12ハ短調「革命」
 夜想曲第20番嬰へ短調
 バラード第3番変イ長調 Op.47
ブラームス:ワルツ 変イ長調Op.39No.5
D.スカルラッティ:ソナタイ長調 K.113L.345
川村友乃:変奏曲
ラフマニノフ:前奏曲 ト短調 「行進曲風に」Op. 23No.5
ドビュッシー:ベルガマスク組曲 - 第3曲「月の光」
グリーグ:ペール・ギュント組曲 Op.23- 山の魔王の宮殿にて(ギンズブルグ編)
カッチーニ伝:アヴェ・マリア(吉松隆編)
川村友乃(P)

録音:2016年 ロンドン
川村友乃は3歳からヤマハの音楽教室で学び、同音楽振興会から奨学金を得て英国王立音楽院に留学、クリストファー・エルトンと故マリア・クルシオに 師事し研鑽を積み、現在はイギリスを中心に活動しています。この「回想」と題されたアルバムでは数多くの名曲の中から、彼女の好きな曲や思い入れのあ る曲を厳選、卓越した技術と詩的な感性で各々の作品を生き生きと演奏しています。アルバムには彼女の自作である「変奏曲」も収録されています。

IBS CLASSICAL
IBS-142024(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全6曲) ジゼラ・クルトロ(Vn)

録音:2022年3、6月マーラー・ザール、トーブラッハ文化センター(イタリア)
かつてヴェネツィアのフェニーチェ劇場のコンサートマスターを務め、今はアバドが創設したモーツァルトOやク リストフォリ・アンサンブルなどで活躍するジゼラ・クルトロが宿願だったバッハの無伴奏作品を録音。躍動感のある 演奏に加え、バッハ時代の楽器を潤い豊かに鳴らした美しいサウンドにも注目です。1969年にイタリアに生まれた クルトロはフランコ・グッリやサルヴァトーレ・アッカルド、マリオ・ベンヴェヌーティに師事。バッハの無伴奏作品には40 年以上も研究し取り組んできましたが、2002年にライプツィヒで開かれたバッハ国際ヴァイオリン・コンクールで受賞 したのをきっかけに歴史的演奏とバロック時代の文献研究の重要さに目覚め、以後はピリオド楽器による演奏に 意欲的に取り組んできました。満を持して臨んだこの録音ではダヴィッド・テクラー David Tecchler が1727年に 作った楽器と二コラ・ピエール・トルテ(トゥルト)が1750年から60年にかけて作った弓を使用。バッハのアーティキュ レーションは厳守しつつ、リピートでは積極的に装飾を加えています。同時にクルトロが若い頃に受けた伝統的でロ マンティックなイタリア流の演奏法で培われたと思われる美しい音と歌に対する感覚があり、急ぎ足にならないテン ポ設定(シャコンヌは13分余り)と相まって、中庸の美の極みと呼びたくなる演奏を繰り広げています。

Solo Musica
SM-474(1CD)
ベートーヴェン、リスト:ピアノ作品集
ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178/R21
ワーグナー(リスト編):ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」 S447/R280*
リスト:バラード第2番ロ短調 S171/R16*
ジャン=ニコラ・ディアトキン(P)

録音:2023年12月4日(ライヴ)、2021年6月17日(ライヴ)*
6歳から音楽の勉強を始めたジャン=ニコラ・ディアトキン。1989年からクラウディオ・アラウの弟子ルート・ネイエに 師事、1994年にはナディア・ブーランジェの弟子、ナルシス・ボネから教えを受け研鑽を積みました。長年歌曲の 伴奏者として活躍してきたディアトキンですが、近年は自身で「歌」を奏でるべく、さまざまな作品を演奏していま す。このアルバムは、ライヴ演奏に重点を置き、過去の音楽家たちが追求した「生きた音楽」の信条に基づいて制 作されました。スタジオ録音や編集を避け、瞬間に生まれる音楽表現に焦点を当てています。演奏曲目はベー トーヴェン晩年の作品「バガテル」とリストの「ロ短調ソナタ」他、ワーグナーに関係する2作品。これらは、2021年と 2023年にパリのサル・ガヴォーでライヴ録音されました。

APARTE
AP-268(1CD)
Carnet de voyages(旅へのチケット)
ストラヴィンスキー:ロシアの踊り(ペトルーシュカより)
ブリッジ:スプリング・ダンス、カントリー・ダンス(Vnとピアノのための4 つの短い小品より)
ヴュータン:絶望(言葉のないロマンス)
ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ舞曲 ホ短調 op.46-2
・アントニオ・バッツィーニ:妖精の踊り
トール・アウリン:スウェーデン舞曲集より op.30-1モデラート
ラフマニノフ:2つのサロン風小品より「ロマンス」
シベリウス:5つの田園舞曲 op.106より第1 番ラルガメンテ・アッサイ
クライスラー:愛の悲しみ
ストラヴィンスキー(ドゥシュキン編):スイス舞曲(妖精の口づけより)
ベートーヴェン:「ロシア(ウクライナ)民謡〈美しいミンカよ、行かなくては〉の主題と6つの変奏」イ短調 op.107/7
ブラームス:ハンガリー舞曲第17番
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲
ドビュッシー:巷に雨のふるごとく(忘れられた小唄より)
ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ op.4
メンデルスゾーン:無言歌 op.62-1「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」
ポンス:エストレリータ
ミヨー:ブラジルの女 op.165b
ニキータ・ボリソグレブスキー(Vn)
ゲオルギー・チャイゼ(P)

録音:2020年8月
2007年のチャイコフスキー国際コンクールで第2位入賞、大きな話題となったボリソグレブスキーの新譜がaparteより登場!「Carnet de voyages(旅へ のチケット)」と題し、作曲家達が様々な民謡やその土地の音楽などから影響を受けて書いた音楽を集めました。作品をとおして、音楽そのものだけでなく、旅の 感覚も作曲家や演奏家と共有していることを感じる1枚。技巧が光る曲、歌に満ちた曲など様々な楽曲がならびます。2024年ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも 来日したヴァイオリニストのニキータ・ボリソグレブスキーとピアニストのゲオルギー・チャイゼが、抜群のデュオで聴かせます。 (Ki)

EVIDENCE
EVCD-118(1CD)
フランク、ハイドン、ラフマニノフ/イヴァン・ヤナコフ
フランク:プレリュード,フーガと変奏 op.18
ハイドン:ピアノ・ソナタ 第31番変イ長調 Hob.XVI.46
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 op.42
イヴァン・ヤナコフ(P/FAZIOLI)

録音:2023年8月12-14日、オランダ
セザール・フランクの前奏曲、変奏曲とフーガは、もともとバッハの作品に触発されてオルガンのために作曲されたものですが、カヴァイエ=コールによる 楽器の革新的な技術によって、よりヴィルトゥオーゾ的で色彩豊かな演奏を展開できるようになっています。ピアニストのイヴァン・ヤナコフの演奏は、オルガンの 豊かな響きに勝るとも劣らない迫力と音量で圧倒的です。ヤナコフは10代の時にワイセンブルクのリサイタルに行って、演奏会冒頭でこのフランクを聴いて衝撃 を受けたそう。ハイドンのソナタ第31番では、その優美な装飾が光っています。ラフマニノフが約10年の沈黙を破ってフランスで作曲したピアノ独奏のための最 後の作品である「コレッリに基づく変奏曲」では、奔放なヴィルトゥオジティと痛烈な哀愁を漂わせています。イヴァン・ヤナコフはブルガリア出身。ピアニストおよ び指揮者(ロンドン・チェンバー・プレイヤーズの幻術監督権指揮者)として活躍しています。 (Ki)

APARTE
AP-268(1CD)
Carnet de voyages(旅へのチケット)
ストラヴィンスキー:ロシアの踊り(ペトルーシュカより)
ブリッジ:スプリング・ダンス、カントリー・ダンス(Vnとピアノのための4 つの短い小品より)
ヴュータン:絶望(言葉のないロマンス)
ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ舞曲 ホ短調 op.46-2
・アントニオ・バッツィーニ:妖精の踊り
トール・アウリン:スウェーデン舞曲集より op.30-1モデラート
ラフマニノフ:2つのサロン風小品より「ロマンス」
シベリウス:5つの田園舞曲 op.106より第1 番ラルガメンテ・アッサイ
クライスラー:愛の悲しみ
ストラヴィンスキー(ドゥシュキン編):スイス舞曲(妖精の口づけより)
ベートーヴェン:「ロシア(ウクライナ)民謡〈美しいミンカよ、行かなくては〉の主題と6つの変奏」イ短調 op.107/7
ブラームス:ハンガリー舞曲第17番
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲
ドビュッシー:巷に雨のふるごとく(忘れられた小唄より)
ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ op.4
メンデルスゾーン:無言歌 op.62-1「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」
ポンス:エストレリータ
ミヨー:ブラジルの女 op.165b
ニキータ・ボリソグレブスキー(Vn)
ゲオルギー・チャイゼ(P)

録音:2020年8月
2007年のチャイコフスキー国際コンクールで第2位入賞、大きな話題となったボリソグレブスキーの新譜がaparteより登場!「Carnet de voyages(旅へ のチケット)」と題し、作曲家達が様々な民謡やその土地の音楽などから影響を受けて書いた音楽を集めました。作品をとおして、音楽そのものだけでなく、旅の 感覚も作曲家や演奏家と共有していることを感じる1枚。技巧が光る曲、歌に満ちた曲など様々な楽曲がならびます。2024年ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも 来日したヴァイオリニストのニキータ・ボリソグレブスキーとピアニストのゲオルギー・チャイゼが、抜群のデュオで聴かせます。 (Ki)

EVIDENCE
EVCD-118(1CD)
フランク、ハイドン、ラフマニノフ/イヴァン・ヤナコフ
フランク:プレリュード,フーガと変奏 op.18
ハイドン:ピアノ・ソナタ 第31番変イ長調 Hob.XVI.46
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 op.42
イヴァン・ヤナコフ(P/FAZIOLI)

録音:2023年8月12-14日、オランダ
セザール・フランクの前奏曲、変奏曲とフーガは、もともとバッハの作品に触発されてオルガンのために作曲されたものですが、カヴァイエ=コールによる 楽器の革新的な技術によって、よりヴィルトゥオーゾ的で色彩豊かな演奏を展開できるようになっています。ピアニストのイヴァン・ヤナコフの演奏は、オルガンの 豊かな響きに勝るとも劣らない迫力と音量で圧倒的です。ヤナコフは10代の時にワイセンブルクのリサイタルに行って、演奏会冒頭でこのフランクを聴いて衝撃 を受けたそう。ハイドンのソナタ第31番では、その優美な装飾が光っています。ラフマニノフが約10年の沈黙を破ってフランスで作曲したピアノ独奏のための最 後の作品である「コレッリに基づく変奏曲」では、奔放なヴィルトゥオジティと痛烈な哀愁を漂わせています。イヴァン・ヤナコフはブルガリア出身。ピアニストおよ び指揮者(ロンドン・チェンバー・プレイヤーズの幻術監督権指揮者)として活躍しています。 (Ki)


ACCENTUS Music
ACC-30428CD(2CD)

ACC-40428LP(2LP)
バッハ:イギリス組曲 BWV806-811
■Disc1/LP1
第3番ト短調 BWV808
第1番イ長調 BWV806
第2番イ短調 BWV807
■Disc2/LP2
第5番ホ短調 BWV810
第4番ヘ長調 BWV809
第6番ニ短調 BWV811
シュ・シャオメイ(P)

録音:2022年6月フランス、オート=アルプ、ネヴァッシュ・サンタントワーヌ 教会
※LP=180g重量盤
6年間の活動休止を経て、ピアニスト、シュ・シャオメイが新たなバッハの録音を携えて戻ってきました。ヨーロッパを拠点とする中国人ピアニスト、シュ・シャオメイ。文化大革命を乗り越え新たな道を切り開いてきた彼女。そのような半生からは想像もできない、心穏やかな音楽。彼女が得意とするゴルトベルク変奏曲をはじめとする一連のバッハの演奏は、緻密な構成力と洗練された表現力から生み出され、ただ純粋に音楽が聴こえ聴く者の心に共鳴します。今回はフランス組曲、パルティータと並ぶ、バッハの舞踊組曲の代表作であるイギリス組曲。フォルケルが、「この作品がある高貴なイギリス人のために書かれた」と言ったことからこの名がつきました。6作品に共通するのがアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4曲が必ず含まれ、1曲目が長大なプレリュードになっているのが特徴です。このプロジェクトは、シュ・シャオメイの一連のバッハ録音の完結編というだけでなく、何年にもわたり綿密な準備とシュ・シャオメイがじっくりと音楽と向き合った渾身の録音であり、彼女のキャリアのひとつのマイルストーンになる録音といえるでしょう。【 (Ki)

ACCENTUS Music
ACC-30619CD(1CD)
ダンス〜バルトーク、ブラームス、ファリャ、シェン・イェ
沈叶(シェン・イェ):前奏曲
バルトーク:ルーマニア民族舞曲(セーケイ・ゾルターン編/ダイ・ウェイイ編)
チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」より(シェン・イェ編)
ブラームス:ハンガリー舞曲第1-7,17,19,20番(ヨーゼフ・ヨアヒム編/ダイ・ウェイイ&シェン・イェ編)
ファリャ:火祭りの踊り(ダイ・ウェイイ編)
王之Q(ジジョン・ワン)(Vn)
アンサンブル・エポック

録音:2023年9月、上音歌劇院リハーサル・ホール
1998年ユーディ・メニューイン国際コンクール優勝。メニューインによってその才能を見いだされ、世界的に活躍している中国人ヴァイオリン奏者、王之Q(ジ ジョン・ワン)と上海音楽学院の卒業生によって結成されたアンサンブル・エポックによるダンスをテーマにしたアルバムがリリースされました。 シェン・イェの前奏曲にはじまり、バルトークのルーマニア民族舞曲、チャイコフスキーのくるみ割り人形、ブラームスのハンガリー舞曲、そしてファリャの火祭りの踊 りを卓越したアンサンブルと洒脱なアレンジにより演奏しています。またジジョン・ワンのリーダーシップは音楽に求心力をもたらし、伝統的な音楽から一歩踏み出 した独創的な世界を作り出しています。 (Ki)


Danacord
DACOCD-985(1CD)
シェヘラザード
リムスキー=コルサコフ:交響組曲 「シェヘラザード」(広瀬悦子編曲/ピアノ独奏版)
ボルトキエヴィッチ(1877-1952):東洋的バレエ組曲 「千夜一夜物語」 Op.37
広瀬悦子(P)

録音:2024年9月2日-4日、ジョルジュ・レイグ劇場(ヴィルヌーヴ=シュル=ロット、フランス)
1999年マルタ・アルゲリッチ国際ピアノ・コンクールで優勝し、フランス、パリを拠点に活躍する才媛、広瀬悦子。ポーランド・ロマン派の知られざる宝石を発掘した「モシュコフスキー:ピアノ作品集」(PDACOC-D-866/DACOC-D-866)に続く、デンマークのDanacord(ダナコード)からのリリース第2弾は、広瀬自身がアレンジしたピアノ・ソロ版 「シェヘラザード」!
アラブや東洋の異国情緒溢れる世界に惹かれていたリムスキー=コルサコフが、当時のロシアでも流行した「千夜一夜物語(アラビアンナイト)」の世界を描き、今なお高い人気を保ち続ける交響組曲 「シェヘラザード」。広瀬悦子は、彼女自身も心酔するというこの傑作を、ピアニスティックでありながらも可能な限り原曲の雰囲気や効果に忠実に編曲。更には、二度の大戦に翻弄され苦難の道を歩んだロシア帝国ハルキウ(現ウクライナ)出身の作曲家、ニコライ・ボルトキエヴィッチ(ボルトキエヴィチ)のレア・ピース 「千夜一夜物語」もカップリング。タイトルの通り「アラビアンナイト」をテーマとして書かれた10曲の性格的小品から成る組曲で、1927年に出版。管弦楽曲としての構想のもと、まずはピアノ曲として書かれ、その後作曲者自身によってオーケストラ用にも編曲されています。

Avie
AV-2647(1CD)
若きシューマン
シューマン:謝肉祭 Op.9
蝶々 Op.2/間奏曲集 Op.4
アベッグ変奏曲 Op.1
チャールズ・オーウェン(P)

録音:2023年3月28日、5月16日-17日、2024年4月29日
ロンドンのユーディ・メニューイン・スクールで音楽を学び、王立音楽カレッジでイリーナ・ザリツカヤとイモジェン・クーパーに師事。1995年にスコットランド国際ピアノ・コンクールでシルバー・メダルを獲得し、国際的に活躍するイギリスのピアニスト、チャールズ・オーウェン。現在は、スタインウェイ・アンバサダー、ロンドンのギルドホール音楽院教授、ロンドン・ピアノ音楽祭の共同創設者兼芸術監督も務め、多彩な活動を続けています。
ブラームスの後期作品集(AV-2397)ではBBCミュージック・マガジンの「インストゥルメンタル・チョイス」、リストの「巡礼の年第1年」(AV-2476)ではグラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」に選ばれたオーウェンのニュー・アルバムは『若きシューマン』。シューマンが20代だった1830年代に書かれた重要作が収録されており、シューマンの初期のキャリアを音楽で物語ります。
最初に出版された2つの作品「アベッグ変奏曲」と「蝶々(パピヨン)」、衝動的な「6つの間奏曲」、個性的な「謝肉祭」はいずれもシューマンの作曲上の特徴である想像力と幻想への興味、暗号や暗号文への愛着、そして他の作品の中で各作品を頻繁に引用する傾向に基づいています。
Avie
AV-2730(1CD)
ブルース・ウォロソフ:ライジング・サン・ヴァリエイションズ(朝日変奏曲) ブルース・ウォロソフ(P)

録音:2024年6月8日、ニューヨーク
ジャズ、ロック、ブルース、クラシック音楽の世界で多彩な経験を積み上げてきたピアニスト兼作曲家、ブルース・ウォロソフのAV-IEソロ・アルバム第2弾。
アメリカのフォークソング「朝日のあたる家(The House of the Rising Sun)」の旋律に基づく変奏曲「ライジング・サン・ヴァリエイションズ(朝日変奏曲)」は、2020年のCOVID19によるパンデミックで心身ともに弱っていた時期に作曲された、これまでで最大の作品。誰もが知っている有名なメロディーから150曲ほどの変奏曲が出来上がり(今では175曲くらいに増え)、それらを繋ぎ合わせ、いくつかのお気に入りの変奏曲は全体の構成に合わせてオミットし、1枚のアルバムにまとめ上げられました。このアルバムでは、前奏曲と主題、変奏1〜39までが11のトラックに分割され、クラシック、ジャズ、ブルース、コンテンポラリーの様々なスタイルが網羅されています。

RUBICON
RCD-1131(1CD)
ティペット、ベートーヴェン、ナッセン:ピアノ作品集
ティペット(1905-1998):ピアノ・ソナタ第2番
 ピアノ・ソナタ第4番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調 Op.81a 「告別」
オリヴァー・ナッセン(1952-2018):変奏曲 Op.24
アレグザンダー・ソアレス(P)
ブーレーズ、メシアン、デュティユーの作品を収録したデビュー・アルバム「ノーテーションズ&スケッチズ」(RCD-1016)がグラモフォン誌のエディターズ・チョイスに選ばれ、「これらの作品は様々なフランスのピアノ音楽のアンソロジーに収録されているが、そのバランスのとれた構想や一貫した演奏ぶりにおいて、この新しいリリースに匹敵するものはほとんどない」と絶賛されたイギリスのピアニスト、アレグザンダー・ソアレス。ブリッジの大作「ピアノ・ソナタ」を中心に第一次世界大戦に焦点を当て、追悼音楽としての一面を描きながら、ブリッジを20世紀音楽のメインストリームに正しく位置づけることを目指したセカンド・アルバム(RCD-1068)を経て、3年ぶりとなる新作がついに登場。
今作もソアレスらしいコンセプトを持ったプログラムで、イギリスの作曲家マイケル・ティペットのピアノ・ソナタを巡る旅に乗り出したというソアレスが、ティペットのピアノ・ソナタ第2番と第4番に合わせて、ティペットに影響を与えた作曲家と、逆にティペットが影響を与えた作曲家の作品をプログラムに組み込みました。ソアレスが弾くベートーヴェンの「告別ソナタ」ももちろん聴きものですが、オリヴァー・ナッセンの「変奏曲」はめったに演奏されない作品でこちらも注目です。

KAIROS
0022041KAI(1CD)
ウルマン:独奏ピアノのための即興曲とインターレーション集(2023)
ゲプハルト・ウルマン(b.1957):即興曲 #8/インターレーション #1/即興曲 #2/ 即興曲 #4/インターレーション #3/即興曲 #2/即興曲 #9/即興曲 #3/即興曲 #5/インターレーション #2/即興曲 #10/即興曲 #6/即興曲 #1/即興曲 #7/インターレーション #4
ヴィタリー・キアニーツィア(P)

録音:2023年3月28日-29日(ベルリン)
1957年ドイツ生まれのミュージシャン兼作曲家、ゲプハルト・ウルマンが書いた「即興曲とインターレーション集」は、予め作曲された要素と即興の要素がシームレスに絡み合う世界にリスナーを誘います。ピアニストのヴィタリー・キアニーツィアが構造化された創造性と自発的な創造性の間の微妙なバランスを探り、エリック・サティにインスピレーションを得たというウルマンによる瞑想的な音楽を具現化します。


GENUIN
GEN-24906(1CD)
ベートーヴェン:後期三大ソナタ集
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111
小笠原智子(P)

録音:2024年3月4日-7日、フライブルク音楽大学(ドイツ)
※日本語解説付き
ドイツを中心に活躍する日本人ピアニスト、小笠原智子によるベートーヴェンの後期三大ソナタ集がGenuinレーベルから登場!彼女は今までにベートーヴェンの多くのソナタを演奏してきた中でも後期三大ソナタには特別な意味があると語り、この3曲を形(CD)にしたい、今、この機を外したらいつできるかわからない、という思いと、かつての教え子である録音技師のミヒャエル・ジルバーホルンの協力などもあり今回のレコーディングが実現しました。あらゆる面で超越的なこれらの作品を説得力のある解釈で正確かつ繊細に捉えた演奏は圧巻の一言です。
小笠原智子は東京芸術大学で辛島輝治氏、田村宏氏に師事して卒業後に渡独し、ベルリン芸術大学、フライブルク音楽大学を最優秀で卒業。全ドイツ音楽大学コンクールにて第1位を獲得したほか、マリア・カナルス国際コンクール、クララ・ハスキル国際コンクールでファイナリストとなり、モーツァルトの生誕250周年記念でのピアノ・ソナタ全曲演奏会をはじめ、ヨーロッパやアジアの各地で演奏、レコーディング活動を行っています。室内楽分野でも豊富な経験を重ね、バンベルクSOの首席チェリストである夫、マティアス・ランフトとの共演をはじめ、毎年BPO、バイエルンRSO、バンベルクSOなどの首席奏者と数多くの室内楽コンサート、音楽祭に出演しています。

私にとってこのCDは作品110の最後の歌のように“Es ist vollbracht 困難を克服しての成就”と言えます。この企画は特別な冒険、それを達成できたことをとても嬉しく思っています!小笠原智子

Etcetra
KTC-1758(1CD)
巨人の肩に乗って
シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6
マルコ・マントヴァーニ(P)

録音:2022年5月17日-19日(ベルギー)
シューマンを最も愛する作曲家と語るイタリア生まれのピアニスト、マルコ・マントヴァーニ。マリア・ジョアン・ピレシュ(ピリス)にも称賛された1992年生まれの若き才能によるシューマン・アルバム第3弾は、シューマンのロマン主義志向が顕著に現れた初期の傑作に挙げられる、「幻想曲」と「ダヴィッド同盟舞曲集」をカップリングしています。

伊DIAPASON
DRCD-79(1CD)
ミケランジェリ、1967年プラト・ステレオ・ライヴ
ショパン:幻想曲 へ短調op.49
前奏曲 嬰ハ短調op.45
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調
マズルカ集(ヘ短調 op.68-4/嬰ト短調 op. 33-1/変ニ長調 op.30-3/嬰へ短調op.59-3)
バラード第1番ト短調op.23-1
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズop. 22
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)

録音:1967年6月28日 プラト、メタスタシオ劇場ステレオ・ライヴ
イタリアのトスカーナ州、プラトの名門劇場「メタスタシオ劇場」でのライヴ録音です。ミケ ランジェリはここで10回のリサイタルを行いました。この録音は、全盛時のミケランジェリが 行ったオール・ショパンのコンサートが楽しめるファン待望の 1枚です。この CD は元々関 係者向けの配布用として作られ、一般発売はされておりませんでした。音源は2000 年にアーカイヴから発見され、ミケランジェリ夫人、ミケランジェリのスタッフによるチェックを受けた うえでCD 化されました。一般発売は2007年でレコード芸術誌でも特選盤に選ばれるなど 評価が非常に高かったものです。日本語・英語の解説とDIAPASON 社長からのメッセージ付き。

Aulicus Classics
ALC-0114(1CD)
チャイコフスキー=ラフマニノフ=プロコフィエフ
チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
 ワルツ=スケルツォ Op.34
 なつかしい土地の思い出 Op.42
ラフマニノフ:2つのサロン風小品 Op.6
プロコフィエフ:5つのメロディ Op.35bis
デニス・ガサノフ(Vn)、ユーリ・パノフ(P)

録音:2023年9月8・9日 サンクトペテルブルク 聖エカテリーナ教会
ロシアの作曲家によるヴァイオリン小品集。普段耳にする小品集とは少し趣が異なり、ヴァイオリ ンの華やかさよりも瞑想的で静かな表情の楽曲で構成されています。ゆったりとした時間を楽しめる アルバムと言えます。 ガサノフは、1994年ウクライナのルガンスク生まれ。6歳よりヴァイオリンを始め、モスクワ中央音楽 学校、モスクワ音楽院で学ぶ。マリナ・ケセルマン氏に師事。デミドフ国際コンクール第1位、オー ストリアのベートーヴェン・ヴァイオリン・コンクール第2位、仙台国際音楽コンクール第2位。2017 年 よりサンクトペテルブルク・ハウス・オヴ・ミュージックのソリストを務めています。現在、イタリア・イモラ 音楽院でボリス・ベルキン氏に師事しています。パノフは、1982 年ウクライナのスームイ生まれ。チャイ コフスキー音楽院、グネーシン音楽大学でアルカディ・セヴィドフ氏に師事。室内楽のピアニストと して多くのソリスト達と共演しています。

King International
KKC-126(1CD)
Sinfonia〜共に響かせるもの
坂本龍一:andata
フレスコバルディ(バルトーク編):トッカータ ト長調
バッハ:カプリチオ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV 992
 3声のシンフォニアBWV787〜801
ブラームス(ブゾーニ編):コラール前奏曲「わが心の切なる願い」Op.122の10
赤松林太郎(P)

録音:2023年3月5-8日/三田市総合文化センター郷の音ホール・小ホール
2017年に「二声インヴェンション集」をリリースして以来、要望の高かった「三声のシンフォニア」全曲がついに実現しまし た。7年を経てますますの円熟で説得力満点。
バッハからのインスピレーションを感じさせる坂本龍一の「andata」、バッハの「マタイ受難曲」にも現れるコラール旋律を最晩年のブラームスが採りあげた前 奏曲をブゾーニがピアノ用に編曲したものまで多様。モチーフを対位法的に造形していくものへの赤松の興味と共感が強く感じられます。 (Ki)

BIS
BISSA-2731(1SACD)
バッハ:オルガン作品集 Vol.6〜ライプツィヒ・コラール(BWV651〜BWV661)
1. Fantasia super:Komm, heiliger Geist, BWV651
幻想曲「来たれ聖霊、主なる神よ」BWV651
2. Komm, heiliger Geist, BWV652
「来たれ聖霊、主なる神よ」BWV652
3. An Wasserflussen Babylon, BWV653
「バビロンの流れのほとりで」BWV653
4. Schmucke dich, o liebe Seele, BWV654
「装うべし、おお愛する魂よ」BWV654
5. Trio super:Herr Jesu Christ dich zu uns wend, BWV655
トリオ「主イエス・キリストよ、われらに眼を向けたまえ」BWV655
6. O Lamm Gottes unschuldig, BWV656
「おお、罪のない神の仔羊」BWV656
7. Nun danket alle Gott, BWV657
「今ぞ、もろびと、神に感謝せよ」BWV657
8. Von Gott will ich nicht lassen, BWV658
「われは神から離れまじ」BWV658
9. Nun komm der Heiden Heiland, BWV659
「いざ来たれ、異邦人の救い主よ」BWV659
10. Trio super:Nun komm der Heiden Heiland, BWV660
トリオ「いざ来たれ、異邦人の救い主よ」BWV660
11. Nun komm der Heiden Heiland, BWV661
「いざ来たれ、異邦人の救い主よ」BWV661
鈴木雅明(オルガン/シュニットガー製作)

録音:2023年11月20〜24日/マティニ教会(フローニンゲン)
大好評を博している鈴木雅明によるバッハのオルガン作品全曲録音。第6弾はライプツィヒ・コラールの最 初の11曲(BWV651〜BWV661)が収録されています。
1739年頃に構想されたこの曲集は、バッハがワイマールに滞在していた1708年から1717年にかけて作曲したオルガン・コラールを「再編集」したもの。コラー ルはバッハが特に惹かれたルター派の旋律に基づいており、信徒が歌うための前奏曲としてではなく、聖餐式の伴奏曲や演奏会用の作品として作曲されたもの です。
オルガン小曲集、シューブラー・コラール、クラヴィーア曲集第3巻とともにライプツィヒ・コラールはバッハのオルガン音楽の頂点に位置します。この録音で 鈴木雅明は、オランダのフローニンゲンにあるマティニ教会のシュニットガー・オルガンを演奏。アルプ・シュニットガー(1648〜1719)は17世紀の北ドイツ で最も有名なオルガン製作者でブクステフーデ、ヘンデル、バッハもシュニットガーのオルガンを絶賛・愛奏していました。鈴木雅明による格調高い演奏でバッハ の名曲をお楽しみください。
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、BISの技術陣による録音であることも注目。SACD層は5.0 Surround soundで収録されております。 (Ki)

DOREMI
DHR-8150(1CD)
セゴビアと同時代人第16集 〜スペイン・ギターPart 4:1928-1955
(1)【アンドレス・セゴビア】
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲 ニ長調 Op.99
(2)【ルイーゼ・ワルカー(1910-1998)】
ウェーバー:「ドンナ・ディアナ」より フルート、ヴィオラとギターのためのメヌエット
ボッケリーニ:ギター五重奏曲 ホ長調 Op.11-7 G.451より メヌエット、アレグレット
(3)【アギラル・カルテット】
トゥリーナ:「幻想舞曲集」より 饗宴 Op.3-22
ウィリアム・クロフト:アルマンド
ガブリエル・メーナ:ビウエラのための3つのカプリッチョ
トゥリーナ:「旅のアルバム」より タンジールのムーア人の祭 Op.15-5
(4)【ビクトル・ドレステ(1902-1966)&イグナシオ・ロドリゲス(1894-1972)】
タレガ:アラビア風奇想曲
アルベニス:「スペイン組曲」Op.47より セビーリャ
伝承曲:カナリア諸島のフォリア
(5)【アントニオ・シノーポリ(1878-1964)&ネリダ・シノーポリ(?-2010)】
アントニオ・シノーポリ:ミロンガ第4番、猫、ビダリータ
(6)【バルトロメ・カラタユー& グラシアノ・タラゴ(1892-1973)】
バルタザル・センペル:So de Pastera
ジョアン・マリア・トマス:聖アントーニの祭り
(7)【コンスエロ・マッロ=ロペス(1913-1995)&マリア・ヘルミニア・アントラ(1917-?)】
モーツァルト:交響曲第39番より メヌエット
アルフォンソ・ガルッツォ:ロマンツァ第2番
(1)アタウルフォ・アルヘンタ(指)、スイス祝祭O

(1)録音:1955年8月17日/ルツェルン音楽祭
(2)録音:1932年
(3)録音:1928年
(4)録音:1930年
(5)録音:1932年
(6)録音:1936年
(7)録音:1937年
セゴビアと同時代のギタリストが残した貴重な録音集です。スペインの名手たちのみならずオーストリア出身の伝説的女流ギタリスト、ルイーゼ・ワルカーの演奏も収録。

FUGA LIBERA
FUG-835(1CD)
侵攻
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第6番イ長調 Op.82
ピアノ・ソナタ 第7番変ロ長調 Op.83
風刺 Op.17〜I. Tempestoso/ II. Allegro rubato/ III. Allegro precipitato
セルゲイ・レドキン(P)

録音:2024年3月10-12日 テルデックス・スタジオ、ベルリン
1991年ロシア生まれ。2015年チャイコフスキー・コンクール第3位、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール第2位など数多くのコン クールに入賞したセルゲイ・レドキン(レーディキン)2枚目のアルバムは、祖国の大作曲家プロコフィエフが第二次世界大戦開始前後の同時 期に書いた、3つの所謂「戦争ソナタ」からの2曲。その持ち前のテクニックとダイナミックな表現力をいかんなく発揮しています。これらの作品に ついてレドキンは、「人間と機械、個と集団、複雑さと単純さの対立が物語の核心にあります。私とこの2つのソナタとの関係は長い年月をか けて築かれたものであり、現在の困難な時代において、この音楽がどのように私に共鳴するのかを瞬間的に捉えることに非常に興味がありま した」と語っています。併せて、プロコフィエフが作曲家としての活動初期に書いた野心作、全5曲の「風刺」から前半の3曲を収録。

Grand Piano
GP-927(1CD)
ヴィルヘルム・グロス(1894-1939):ピアノ作品集 第1集
フランツ・ヴェルフェルの舞台音楽-鏡人 Op. 12(1922)*
舞踏組曲 第1番(1913/1921)*
「E-H-A-E」によるピアノ・ソナチネ Op. -2(1925)*
舞踏組曲 第2番Op.20(1925)
ピアノ・ソナタ ト長調 Op.21(1926)*
12の即興曲 Op.45(1938-39)*
ゴットリープ・ヴァリッシュ(P…Steinway,Model D No.613.070)

録音:2023年4月28-29日、2023年10月5-6日
*…世界初録音
ヴィルヘルム・グロス(グロシュとも)はウィーン生まれの作曲家、ピアニストであり、指揮者や録音ディレクターとしても知られた多才な音楽家です。リヒャルト・ロ ベルト、フランツ・シュレーカーらに師事し、マンハイムやウィーンで活動後、ベルリンでウルトラフォン・グラモフォン社(Ultraphone Gramophone)の芸術監 督となりました。ナチスの台頭により1934年にイギリスへ移住、映画音楽やポップス系の作品で成功を収めました。2024年は彼の生誕130年にあたりま す。 このアルバムには、ヴェルフェルの劇「鏡人」のための音楽をはじめ、ジャズやタンゴを採り入れた「舞踏組曲」や、「-2」というユニークな作品番号を持つ「E-H- A-E」ソナチネ、作曲家で音楽記者の友人に捧げられたソナタなどの1920年代に完成された作品と、晩年の作品で、ゴスペル唱法やタンゴの雰囲気を想 起させる「12の即興曲」を収録。『20世紀のフォックストロット』シリーズで見事な演奏を披露したゴットリープ・ヴァリッシュが巧みな演奏を聴かせます。

TOCCATA
TOCC-0744(1CD)
リュボミール・ピプコフ:ピアノ作品全集 第2集
リュボミール・ピプコフ(1904-1974):ブルガリア組曲 Op.2(1928)
パストラーレ Op.24(1944)
歌劇「モムヒル」 Op.28:舞曲(1939-43/ピアノ編 1948)
メトロ・リズムの研究 Op.69(1969)
メトロ・リズムの研究 Op.77(1972)
子供の喜び Op.82…世界初録音
ドブロミール・ツェーノフ(P)

録音:2024年5月20-23日
ブルガリアの作曲家リュボミール・ピプコフのピアノ作品集シリーズの第2集。 作曲家の父のもとに生まれ、ソフィアの音楽アカデミーで学んだ後パリに留学。エコールノルマル音楽院でポール・デュカスとナディア・ブーランジェに作曲を師 事し、帰国後はソフィア歌劇場のコレペティートル兼合唱指揮者を務め、やがて音楽監督に就任。ブルガリアのいわゆる「第2世代」の代表的な作曲家の 一人として評価されました。後半生はブルガリアの民族音楽の伝統に魅せられ一連のピアノ小曲集を作曲。このアルバムに収録された「メトロ・リズムの研 究」は代表作の一つで、ブルガリアの民族舞踊に見られる不規則なリズムの中に、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーのような現代作曲家たちによるリ ズムの融合を試みています。他にはブルガリア組曲や、自作の歌劇「モムヒル」からの舞曲、彼の最後のピアノ組曲となった「子供の喜び」(世界初録音)を 収録。第1集と同じくブルガリアの若きピアニスト、ドブロミール・ツェーノフの演奏です。

Biddulph
BIDD-85053(1CD)
ハイフェッツ、ラジオ・ライヴ集(1942-54)
(1)フランシス・スコット・キー:星条旗(ハイフェッツ編)
(2)モーツァルト:ディヴェルティメント第17番ニ長調 K.334より第1楽章 アレグロ
(3) ノヴァーチェク:常動曲(無窮動)
(4)ヴュータン:バラードとポロネーズ
(5)ヴィラ=ロボス:昆虫の殉教
(6)ラフマニノフ:メロディ Op.21-9(ハイフェッツ編)
(7)クライスラー:中国の太鼓 Op.3
(8)グノー:アヴェ・マリア
(9)ミルトン・ドレイク/アル・ホフマン/ジェリー・リヴィングストン:パイド・パイパーズ(Mairzy Doats) リハーサル
(10)バッハ:フルート・ソナタ 変ホ長調 BWV1031- シチリアーノ(アウアー編)
(11)クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース Op .6
(12)伝承曲:ロンドンデリーの歌(ダニー・ボーイ)(クライスラー編)
(13)フバイ:ゼフィール Op.30
(14)ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op. 19- アンダンテ(ハイフェッツ編)
(15)シマノフスキ:ノクターン Op.28
(16)ハインツ・プロヴォスト:間奏曲(愛の物語)
●ジャック・ベニーとのコメディ・スキットより
(17)エドワード・アーノルドがハイフェッツを紹介する(語り)
(18)シューベルト:アヴェ・マリア(ウィルヘルミ編)
(19)ドリゴ:火花のワルツ
(20)エドワード・アーノルドがジャック・ベニーを紹介する(語り)
(21)ジャック・ベニーの独り語り
(22)ジャック・ベニーとハイフェッツの対話(語り)
(23)マク
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ベル・テレフォン・アワーcho
ベル・テレフォン・アワー・オーケストラ
ドナルド・ヴォーヒーズ(指)
ドナルド・ヴォーヒーズ(Cemb)
エマニュエル・ベイ(P)
ジャック・ベニー(Vn)


(1)録音:1942年10月5日
(2)(3)録音:1945年11月26日
(4)録音:1949年1月24日
(5)録音:1942年10月5日
(6)録音:1954年1月25日
(7)録音:1949年10月24日
(8)録音:1951年11月19日
(9)録音:1944年3月6日
(10)録音:1943年8月30日
(11)録音:1948年6月21日
(12)録音:1943年4月26日
(13)録音:1951年9月24日
(14)録音:1945年11月26日
(15)録音:1953年1月26日
(16)録音:1943年9月18日
ハイフェッツの生き生きとしたライヴ・パフォーマンスが蘇る稀少放送録音集。 ハイフェッツのラジオ番組での「パフォーマンス」を収めたディスクが登場。ここに収められた音源の多くは人気番組だった「ベル・テレフォン・アワー」出演時のもので、聴衆を 前にしたハイフェッツの切れ味の良い、滑らかな演奏を満喫できます。おそらくライヴの一発録りと思われますが、重音も、込み入った音符もスルスルと進んでしまうので、時 としてオケが遅れそうになってしまうのもかえってリアリティを感じさせます。ヴィエニャフスキのバラードとポロネーズ、ノヴァーチェクの常動曲(無窮動)などは正規録音が無く、こ の音源は貴重。またヴィラ=ロボスなど当時の現代音楽を盛り込んでいる点も見逃せません。アメリカのラジオらしいのはパイド・パイパーズのリハーサル。出演者との打ち 合わせらしいトークで始まり、ブギウギ調の一節をハイフェッツが練習、披露しています。コメディ・スキットでは、大人気コメディアンのジャック・ベニーがサプライズ登場。かつ でバンドでヴァイオリンを弾いていたベニーとの楽し気なトークに加え、最後はハイフェッツとベニーがピアノの伴奏でコミカルなデュエットを披露。ブックレットにはこの時の写真 が8点も掲載され、ストライプのスーツを着たハイフェッツが真剣な表情でコメディを演じる様子が見られます。ヴァイオリンをクローズアップした録音で、アメリカの音楽家組 合が市販用レコード制作を自粛していた期間(1942年8月〜1944年11月)の演奏が聴ける点も貴重です。

sonorite
SNRT-2402(1SACD)
ミホ・オオサワ・プレイズ・ドビュッシー
1. 水の反映
2. 亜麻色の髪の乙女
3. アラベスク第1番
4. アラベスク第2番
5. 葉ずえを渡る鐘の音
6. 金色の魚
7. 塔
8. グラナダの夕べ
9. メヌエット
10.月の光
11. 人形のセレナーデ
12. 雪は踊っている
13. ゴリウォークのケーク・ウォーク
14. 音と香りは夕暮れの大気に漂う
15. 喜びの島
16. レントより遅く
大澤美穂(P)

録音:2024年5月28日?30日、小出郷文化会館
大澤美穂は巨匠ラザール・ベルマンの薫陶も受けた実力派。 しなやかで浸透力のある音楽で、ドビュッシーの陰影をきめ細 かく描き出してゆきます。ピアノは新潟・小出郷文化会館の名器 ベヒシュタインEN。作曲家の愛器でもあったベヒシュタインの 立体的な色彩を得て、大澤のタッチが冴え渡る。意欲的なア ルバムの誕生だ。
sonorite
SNRT-2404(1CD)
ブラームス(1833-97):交響曲第4番ホ短調 Op. 98(4手ピアノ版)
シューマンの主題による変奏曲 Op.23(4手ピアノ版)
新井眞澄(P)、安田正昭(P)

録音:2023年10月25日?27日、稲城市iプラザ
ブラームスが交響曲のピアノ連弾版編曲を自ら手がけている ことは殆ど知られていませんが、ひとつの楽器からテクスチュア が鮮やかに浮かび上がり、作曲の妙を生き生きと体感するこ とができます。このアルバムでは、新井眞澄・安田正昭デュオ の真摯なアプローチが、ピアノで第4交響曲の心髄に迫ります。

WERGO
WER-7411(1CD)
ジョン・ケージ:冬の音楽(1957)
1. Fraction1 …13:34
2. Fraction2 …16:29
3. Fraction3 …16:50
4. Fraction4 …20:10
ザビーネ・リープナー(P)

録音:2024年3月5-7日/ミュンヘン、バイエルン放送第2スタジオ
※一人のピアニストによる世界初全曲録音
これまでにジョン・ケージの別作品やアール・ブラウン、シュトックハウゼン、シェルシ、カーゲルなどをリリースしているWERGOの名ピアニスト、サビーネ・リープナーがケージの「冬の音楽」に挑戦。「冬の音楽」は1〜20人のピアニストが20の独立したページを任意の順序あるいは同時に演奏し、自由に全体を構成していくというもの。音の内側と外側の両方から結晶のような明瞭さと永続的な変化があらわれる作品で、聴衆には新しい耳による新しい聴き方が求められます。一人のピアニストによる全曲録音はこれが世界初。 (Ki)

フォンテック
FOCD-9909(1CD)
税込定価
2024年11月6日発売
坂本 彩&坂本リサ/Duettist
ラヴェル:マ・メール・ロワ*
フォーレ:組曲「ドリー」作品56*
サン=サーンス:ベートーヴェンの主題による変奏曲 作品35#
レーガー:ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ 作品86#

*=四手連弾、#=二台ピアノ
坂本彩、 坂本リサ(ピアノデュオ)

録音:2024 年5 月27-29 日 小田原三の丸ホール
第70 回ミュンヘンARD 国際コンクールで第3 位に入賞した坂本 彩、坂本リサ 待望のデビュー盤です! 幼少期からデュオを始め、驚異的なアンサンブルを培った坂本姉妹。数々の国際コンクールで優秀な成 績をおさめ、2021 年に難関ミュンヘンでの快挙へ至ります。 フランス連弾作品を代表するラヴェル・フォーレ、二台作品は「ベートーヴェンの主題による」2 曲を 収録。近年再評価が進むレーガーは、パガテルop.119 最終曲の主題から12 の変容を経て、フーガ、 壮大なクライマックスを形成する名曲です。 シンクロナイズドからアーティスティックへ―輝かしい未来への発進です。 (フォンテック)

APR
APRCD-7318(3CD)
フレンチ・ピアノ・スクール〜最初期のフランス・ピアノ録音集
●カミーユ・サン=サーンス
(1)サン・サーンス:アフリカ(Pと管弦楽のための幻想曲) Op.89*
サン=サーンス:かわいいワルツ Op.104
サン=サーンス:のんきなワルツ Op.110
サン=サーンス:アンダンテ・ソステヌート(P協奏曲第2番ト短調 Op.22より)*
サン=サーンス:オーヴェルニュ狂詩曲(Pと管弦楽のための) Op.73*
(2)サン=サーンス:夕べの幻想(ブリダにて) Op.60-3(アルジェリア組曲より)
サン=サーンス:フランス軍隊行進曲 Op.60-4(アルジェリア組曲より)
サン=サーンス:マズルカ第1番Op.21
サン=サーンス:かわいいワルツ Op.104
サン=サーンス:前奏曲(ノアの洪水 Op.45より)(Vnとピアノ版)
サン=サーンス:エレジーOp.43
(3)サン=サーンス:アヴァネーズ Op.83
●ルイ・ディエメ(1843-1919)
(1)ディエメ:演奏会用大ワルツ Op.37
・ディエメ:水夫の歌 Op.12
ゴダール:ワルツ第5番(半音階的ワルツ) Op.88
メンデルスゾーン:無言歌 「紡ぎ歌」 Op.67-4
ショパン:夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
(2)ディエメ:水夫の歌 Op.12
ディエメ:演奏会用大ワルツ Op.37
●ヴァンサン・ダンディ
ダンディ:旅の画集 Op.33より 〔第4曲、第8曲、第6曲、第9曲〕
ダンディ:リズミカルな舞曲(山の詩 Op.15より 第2曲)
●ラウール・プーニョ(1852-1914)
(1)ヘンデル:ガヴォットと変奏曲(組曲ト長調 HWV441より)
D.スカルラッティ:ソナタ イ長調 K24(L495)
プーニョ:即興ワルツ
ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.34-1
リスト:ハンガリー狂詩曲第11番S244-11
ウェーバー:華麗なるロンド 変ホ長調 Op.62
メンデルスゾーン:無言歌 「狩の歌」 Op.19b-3
プーニョ:月へのセレナード
(2)ショパン:夜想曲第5番英ヘ長調 Op15-2
メンデルスゾーン:無言歌 「紡ぎ歌」 Op.67-4
マスネ:狂ったワルツ(プーニョへ献呈)
シャブリエ:スケルツォ=ワルツ(絵画的小品より 第10曲)
・プーニョ:遅いワルツ(3つのバレエの調べより 第1曲)
ショパン:即興曲第1番変イ長調 Op.29
ショパン:子守歌 変ニ長調 Op.57
ショパン:葬送行進曲(P・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35より)
メンデルスゾーン:スケルツォ ホ短調 Op.16-2
●エメ=マリー・ロジェ=ミクロ(1860-1951)
(1)ゴダール:マズルカ(古代と現代の舞踏組曲 Op.103より 第4曲)
ショパン:ワルツ 変ニ長調 「子犬のワルツ」 Op.64-1
メンデルスゾーン:無言歌 「紡ぎ歌」 Op.67-4
メンデルスゾーン:ロンド・カプリチオーソ Op.14(簡略版)
リスト:ハンガリー狂詩曲第13番S244-13(ヴィヴァーチェのみ)
リスト:ハンガリー狂詩曲第11番S244-11(アンダンテ・ソステヌートから最後まで)
(2)ショパン:夜想曲第5番英ヘ長調 Op.15-2
ショパン:ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2
メンデルスゾーン:スケルツォ ホ短調 Op.16-2
シューマン:夢のもつれ(幻想小曲集 Op.12より 第7曲)
●ギャストン・レジス(1879-1935)
ショパン:タランテラ 変イ長調 Op.43
サン=サーンス:メヌエット(Pのための組曲 Op.90より 第2曲)
サン=サーンス:ガヴォット(Pのための組曲 Op.90より 第3曲)
サン=サーンス:かわいいワルツ Op.104
●ギャストン・プランテ(1839-1934)
メンデルスゾーン:無言歌 「狩の歌」 Op.19b-3
メンデルスゾーン:無言歌 「春の歌」 Op.62-6
メンデルスゾーン:無言歌 「紡ぎ歌」 Op.67-4
メンデルスゾーン:無言歌 「セレナーデ」 Op.67-6
メンデルスゾーン:スケルツォ ホ短調 Op.16-2
ショパン:練習曲嬰ハ短調 Op.10-4
ショパン:練習曲変ト長調 「黒鍵」 Op.10-5
ショパン:練習曲ハ長調 Op.10-7
ショパン:練習曲変イ長調 「エオリアン・ハープ」 Op.25-1
ショパン:練習曲ヘ短調 Op.25-2
ショパン:練習曲変ト長調 「蝶々」 Op.25-9
ショパン:練習曲イ短調 「木枯らし」 Op.25-11
シューマン:ロマンス 英ヘ長調 Op.28-2
シューマン:ロマンス ニ短調 Op.32-3
シューマン/ドビュッシー:噴水のほとりで Op.85-9
ベルリオーズ/レドン:メフィストフェレスのセレナード(ファウストの劫罰より)
ボッケリーニ/プランテ:五重奏曲 「ボッケリーニの有名なメヌエット」 Op.13-5
グルック/プランテ:ガヴォット(オーリードのイフィジェニーより)
●ギャストン・ヴルムザー(1877-1967)
モーツァルト:田園変奏曲 KV Anh.209b(恐らく偽作)
ショパン:マズルカ ロ短調 Op.33-4
ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.69-1
ショパン:ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2
ヴルムザー:小夜想曲
ヴルムザー:即興曲
シューベルト/フィッシュホフ:ロザムンデより バレエ音楽 D797-9
シューベルト/タウジヒ:軍隊行進曲変ニ長調 D733-1
●カミーユ・サン=サーンス
(1)Gramophone & Typewriter Company
録音:1904年6月26日、パリ
*=ピアノ独奏簡略版
(2)ガブリエル・ヴィローム(Vn)
Gramophone & Typewriter Company
録音:1919年11月24日、パリ
(3)Gramophone Company
録音:1920年11月26日、パリ


●ルイ・ディエメ(1843-1919)
(1)Gramophone & Typewriter Company
録音:1904年、パリ
(2)Gramophone & Typewriter Company
録音:1906年、パリ


●ヴァンサン・ダンディ
録音:1923年6月7日、ヘイズ


●ラウール・プーニョ
(1)Gramophone & Typewriter Company
録音:1903年4月、パリ
(2)Gramophone & Typewriter Company
録音:1903年11月、パリ


●エメ=マリー・ロジェ=ミクロ
(1)Fonotipia
録音:1905年9月、パリ
(2)Fonotipia
録音:1906年11月15日、ミラノ


●ギャストン・レジス
Gramophone Company
録音:1921年7月21日、アルジェ


●ギャストン・プランテ
French Columbia
録音:1928年7月4日、サン=タヴィ、モン=ド=マルサン


●ギャストン・ヴルムザー
Gramophone Company
録音:1911年4月&5月、パリ
約150年間の歳月の中で、パリ音楽院の名教師たちによって育まれた独特のスタイルと名ピアニストたちの演奏を現代に蘇らせるAPRの「フレンチ・ピアノ・スクール」シリーズ。最新作となる3枚組セットは、同シリーズでももっとも重要なものとなるであろう録音集で、フランスだけでなく世界中でこれまでに作られた中でももっとも古くて珍しいピアノ録音が集められており、ヴルムザーを除くすべてのピアニストの完全なソロ録音が含まれています。
エルツの弟子ロジェ=ミクロの初期のフォノティピア録音や、90歳の時に録音されたプランテの後期コロムビアの電気録音、そしてサン=サーンスやディエメ、プランテといった19世紀前半に生まれた名ピアニストたちの解釈を新たなリマスタリングでお届けします。製作にあたっては最新のデジタル技術が随所に導入され、これまでは1903年に使用された不安定な録音用ターンテーブルによって生じたヴィブラートという欠点のあったプーニョの素晴らしい録音も、ピッチを安定させた状態で聴くことができます。

Chopin University Press
UMFCCD-206207(2CD)
バッハ:イギリス組曲 BWV806-811
組曲第1番イ長調 BWV806/組曲第2番イ短調 BWV807/組曲第3番ト短調 BWV808/組曲第4番 ヘ長調 BWV809/組曲第5番ホ短調 BWV810/組曲第6番 ニ短調 BWV811
リリアンナ・スタヴァルツ(ハープシコード)

録音:2022年2月18日-19日&2023年7月11日-12日(ウッチ、ポーランド)
同じポーランドのDuxレーベルからバッハの「フランス組曲」(DUX17391740)をリリースし、現在の東欧、特にポーランドにおける古楽の充実ぶりを示していたポーランドの古楽系鍵盤奏者、リリアンナ・スタヴァルツが今度は「イギリス組曲」を録音!より精緻で高度な技術が要求されるこの作品をユゲット・ドレフュス、ヴワディスワフ・クウォシエヴィチといった世界的名手たちに学んだスタヴァルツが今回も確かな芸術的感性で表現します。

Sterling
CDA-1874(3CDR)
エーリク・モッレシュトレム〜ギター
■Disc1
フランシスコ・タレガ(1852-1909):アランブラの思い出(Recuerdos de la Alhambra)
 アラビア風カプリッチョ(Capricho arabe)
 ラグリマ(涙)(Lagrima)
 アデリータ(Adelita)
 マリエッタ(Marieta)
 マズルカ ト長調(Mazurka en sol)
 パバーナ(Pavana)
伝承曲(エーリク・モッレシュトレム(1940-2021) 編);愛のロマンス(Romance d’amour)
ジョアン・ペルナンブコ(1883-1947)
 ショーロ(Choro)
エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ(1903-1982)
 泥棒の歌(Cancion del Lladre)(伝承曲の編)
 ハバネラ(Habanera)
 暁の鐘(Campanas del Alba)
アルベニス(1860-1909)(アンドレス・セゴビア(1893-1987)/エーリク・モッレシュトレム(1940-2021) 編):伝説(Leyenda)
ジャック・マットソン(1954-2007):朝焼け(Morgonrodnad)(1975)(フルートとギターのための)
アグスティン・バリオス=マンゴレ(1885-1944):クリスマスの歌(Villancico de Navidad)
バッハ(1685-1750)(カール・シャイト(1909-1993) 編):メヌエット(Menuett)
ウルリク・ノイマン(1918-1994)(K・フリツェーン/K・オーマン 編):愛のワルツ(Karleksvals)(フルートとギターのための)
ハイドン(1732-1809)(ルイ・モイーズ(1912-2007) 編):小舞曲(Little Dance)(フルートとギターのための)
イベール(1890-1962):間奏曲(Entr’acte)(フルートとギターのための)
ルイス・ボンファ(1922-2001):オルフェの歌(La chanson d’Orphee)
ハイドン(1732-1809)(ルーランド・ベンクトソン(1916-2005) 編):セレナード(Serenad)(フルートとギターのための)
ジュリアーニ(1781-1829):ロンド(Rondo) ハ長調 Op.71(フルートとギターのための)
オーサ・リンドストレム:憂鬱のワルツ(Vals i vemod)(フルートとギターのための)
バッハ(1685-1750)(エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ(1903-1982) 編)
 G線上のアリア(Air)
■Disc2
(1)スコット・ジョプリン(1868-1917)(メアリー・クリスウィック 編):エンターテイナー(The Entertainer)(ギター三重奏のための)
エーヴェット・トーブ(1890-1976)(ルイーズ・ラーシェン 編):岩礁の婦人(Skargardsfrun)(ギター三重奏のための)
エーヴェット・トーブ(1890-1976)(エーリク・モッレシュトレム(1940-2021) 編):結婚ワルツ(Brudvals)(ギター三重奏のための)
 ペピータが踊る(Pepita Dansar)(ギター三重奏のための)
カール・ミーケル・ベルマン(1740-1795)(ルーランド・ベンクトソン(1916-2005) 編):フレードマンの歌(Fredmans Sang)第21番(ギター三重奏のための)
 フレードマンの手紙(Fredmans Epistel)第7番(ギター三重奏のための)
 フレードマンの手紙(Fredmans Epistel)第42番(ギター三重奏のための)
 フレードマンの歌(Fredmans Sang)第60番(ギター三重奏のための)
スタンリー・マイヤーズ(1933-)(ジョン・ウィリアムズ(1941-) 編):カヴァティーナ(Cavatina)(ギター三重奏のための)
ゴトランド伝承曲(エリス・ハンソン 編):仕立屋のカドリーユ(Skraddarekandrilj)(ビューシュのフローシェン(Florsen i Burs)による) (ギター三重奏のための)
ジョプリン(1868-1917)(メアリー・クリスウィック 編):メープル・リーフ・ラグ(Maple Leaf Rag)(ギター三重奏のための)
ボッケリーニ(1743-1805)(ヴァルター・ゲッツェ(1883z-1961) 編):メヌエット(Menuett)(ギター三重奏のための)
シューベルト(1797-1828)(ヴァルター・ゲッツェ(1883z-1961) 編):楽興の時(Moment Musicale)第3番(ギター三重奏のための)
 アンダンテ(Andante)(「ピアノ・ソナタ第16番 イ短調」 D.845(Op.42)から)(ギター三重奏のための)
ピーター・ファン・デル・スターク(1930-2007):ギター三重奏のための3つの神話(Three Myths for Guitartrio)
  金髪のバルドル、春の神(Fair Baldur, God of Spring)
  ファラスクヴィル、愛の鳥(Falaskwil, The Bird of Love)
  フレイ、豊穣の神(Freyr, Lord of Fecundity)
(2)ジョン・W・ドゥオーテ(1919-2004):「ヴェルムランドの歌」による変奏曲(Variationer over Varmlandsvisan) Op.84(ギター三重奏のための) 第1曲と終曲
スコット・ジョプリン(1868-1917)(メアリー・クリスウィック 編):楽しいひととき(Pleasant moments)(ギター三重奏のための)
レオンハルト・フォン・カル(1767-1815):メヌエット(Minuet) Op.26no.2(ギター三重奏のための)
メキシコ伝承曲(W・デュンネバイル 編):シエリト・リンド(Cielito Linto)(ギター三重奏のための)
(3)ギレルモ・ギターラ:スペイン舞曲第1番(Danza Espanola no.1)(Vcとギターのための)
 スペイン舞曲第2番(Danza Espanola no.2)(Vcとギターのための)
グラナドス(1867-1916)(ペール=ウーラ・クローソン/エーリク・モッレシュトレム(1940-2021) 編)
 スペイン舞曲(Spanish Dance)第11番(Vcとギターのための)
 間奏曲(Intermedio)(Vcとギターのための)
シューベルト(1797-1828)(ヴァルター・ゲッツェ(1883z-1961) 編)
 3つのワルツ(Tre Valser)(Vcとギターのための)
  ワルツ ニ長調 D.783(Op.33) No.2
  ワルツ 変イ長調 D.365(Op.9A) No.2
  ワルツ 変イ長調 D.365(Op.9A) No.6
ソル(1778-1839)(ジョン・W・ドゥオーテ(1919-2004) 編)
 Point Counter(「練習曲 ロ短調」 Op.33 No.22)
■Disc3
ソル(1778-1839):24の練習曲(24Etyder) Op.35
 25の練習曲(25Etyder) Op.60
エーリク・モッレシュトレム(G)

■Disc1
  エーリク・モッレシュトレム(G)
  オーサ・リンドストレム(Fl)
  録音 1983年(Artemis CD7116)(ギター・ソロ) 1992年(Man MC-008)(フルートとギター)

■Disc2
(1)録音:1978年 (Mariana, MMLP-08)

(2)ストックホルム・ギター三重奏団
   ヨリエン・ロールビュー(G)
   エーリク・モッレシュトレム(G)
   ヨーラン・ヴィーストレム(G)
録音:1981年11月25日 スウェーデン放送(ストックホルム)(ランチコンサート)  

(3)ペール=ウーラ・クローソン(Vc)
  エーリク・モッレシュトレム(G)
 録音 1984年 (Man LP-003)

■Disc3
 エーリク・モッレシュトレム(G)
 録音:1984年 (Man LP-002)(Op.35)、1982年 (Man LP-001)(Op.60)
エーリク・モッレシュトレムは、1940年、ストックホルム生まれ。オーランドの音楽学校やインゲスンド音楽大学で教えるなど、プロのギター奏者として活動。ヨリエン・ロールビューとヨーラン・ヴィーストレムと結成したストックホルム・ギター三重奏団は、「ランチコンサート」をはじめとするスウェーデン放送の番組に出演するとともに、ロンドンのウィグモアホールなどにも出演しました。ソロ活動も行い、2021年にストックホルムで没しました。
このアルバムには、フェルナンド・ソルの2つの練習曲集などのソロ録音、オーサ・リンドストレムのフルート、ペール=ウーラ・クローソンのチェロとのデュオ録音、ストックホルム・ギター三重奏団のスタジオと「ランチコンサート」の録音が収録されています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Nimbus Alliance
NI-6392(2CDR)
シューベルト:ピアノ作品集 Vol.6
12の高貴なワルツ D.969
ピアノ・ソナタ第5番変イ長調 D.557
スケルツォ ニ長調 D.570
ピアノ・ソナタ第3番(5つのピアノ小品 D.459より 第1曲、第3曲、第4曲、第2曲)
3つのピアノ小品 D.946
ピアノ・ソナタ第1番ホ長調 D.157(第4楽章:5つのピアノ小品 D.459より 第5曲)
アダージョ ト長調 D.178
アレグレット ハ短調 D.915
ピアノ・ソナタ第15番「レリーク」 D.840
ウラディミール・フェルツマン(P)

録音:2021年10月、ワイアストン・レイズ(イギリス)
旧ソ連での活動禁止と事実上の追放、アメリカへの移住という激動を生き抜いてきた孤高のピアニスト、ウラディミール・フェルツマン。
2015年からスタートしたシューベルトのピアノ作品集の第6弾。シューベルトの内面世界への旅を続け、極めてロマンティックなアプローチで、幅広い年代のピアノ・ソナタと小品をレコーディング。「5つのピアノ小品 D.459」として出版されたピアノ・ソナタ第3番は、1-3-4-2の順番に4曲並べて4楽章の1つのソナタとし、終楽章が欠落していると考えられているピアノ・ソナタ第1番は、D.459の第5曲を加えた4楽章のソナタとして構成しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Lyrita
SRCD.437(1CDR)
シリル・スコット(1879-1970):ピアノ・ソナタ第1番Op.66
2つのピアノ小品 Op.37より 第1曲 夜明けにて
2つのピエロの小品 Op.35より 第1曲 悲しいピエロ
サイモン・キャラハン(P)

録音:2021年&2023年、ワイアストン・レイズ(イギリス)
数々の知られざる作曲家たちによる素晴らしい作品を世に広めてきたイギリスのピアニスト、サイモン・キャラハン。本アルバムでは、イギリス近代の作曲家で、作家、詩人としても活躍したシリル・スコットの作品を取り上げています。
フランクフルト・ホッホ音楽院でピアノと作曲を学んだスコットは、ラッザロ・ウツィエッリ(クララ・シューマンの弟子)とイヴァン・クノールに師事。その間にパーシー・グレインジャーやバルフォア・ガーディナーと重要な友人関係を築き、ドイツの詩人シュテファン・ゲオルゲとも親交を深めました。やがて彼は象徴主義の詩と印象派の音楽に魅了され、「イギリスのドビュッシー」とも称されました。多作家で、交響曲、協奏曲、室内楽曲、歌曲など、数百曲にもおよぶ作品を残しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Avie
AV-2681(1CD)
共鳴
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
ジョスカン・デ・プレ
(c.1450/55-1521)(チャールズ・ウォーリネン編):アヴェ・クリステ
ジョージ・ベンジャミン(b.1960):シャドウラインズ
ダウランド
(ウィリアム・バード編):涙のパヴァーヌ P.15/MB54
ベートーヴェン
:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110
ベンジャミン・ホックマン(P)

録音:2024年5月13日-15日
その活躍の場をソリストから室内楽奏者、指揮者まで拡げている音楽家ベンジャミン・ホックマンのAvieレーベル4枚目のアルバムは、「共鳴」をテーマに、6世紀に渡るピアノ作品を収録しています。ホックマンは、1980年エルサレムに生まれ、内田光子にマールボロ音楽祭に招かれるなど若い頃から頭角を現し、24歳の時ピンカス・ズーカーマン指揮のカーネギーホールでイスラエルPOのソリストとしてデビューしました。その後もニューヨーク・フィルハーモニック、シカゴSO、ピッツバーグSO、プラハPOと共演するなど活躍しています。また、エイヴリー・フィッシャー・キャリア・グラントを獲得後、ベルリンのフィルハーモニー、ウィーン・コンツェルトハウス、ワシントンのケネディ・センター、東京のサントリーホールなどでも演奏しています。
このアルバムでは2曲のベートヴェンのピアノ・ソナタを軸として、ルネサンス期のジョスカン・デ・プレやジョン・ダウランド、そして存命中のジョージ・ベンジャミンの作品まで、幅広い時代の作品を取り上げ、その洞察力に富んだプログラム構成と質の高い演奏をみせてくれています。

Hunnia Records
HRCD-2320(1CD)
リスト:主要ピアノ作品集
巡礼の年 第1年「スイス」 より オーベルマンの谷 S.160-6/巡礼の年 第2年「イタリア」 より ダンテを読んで(ソナタ風幻想) S.161-7/ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
ラースロー・ボルベーイ(P)

録音(ライヴ):2023年8月26日、ハンニア・レコーズ・スタジオA(ハンガリー)
リスト・バルトーク国際ピアノ・コンクールで第2位に入賞した経歴を持つハンガリーのピアニスト、ラースロー・ボルベーイが2023年に行ったコンサートのライヴ・レコーディング。母国の偉大な作曲家であるリストを「音楽史上最大の革新者」とし、作品を演奏、研究すると常にアプローチに無限の自由を感じるというボルベーイが紡ぐ「巡礼の年」からの2曲、そして傑作「ロ短調ソナタ」をご堪能ください。
Hunnia Records
HRCD-2302(1CD)
ムソルグスキー:展覧会の絵
マーテー・バログ(b.1990):展覧会の回想
ラースロー・ボルベーイ(P)

録音(ライヴ):2023年2月11日、スーパーサイズ・レコーディング(ハンガリー)
ムソルグスキーの象徴的なピアノ作品「展覧会の絵」の曲中に、1990年ハンガリー生まれの作曲家、マーテー・バログの6曲からなる作品「展覧会の回想」を挟み込んだ意欲的なプロジェクトのライヴ・レコーディング。展覧会において展示されている絵画同士が互いに影響し合うのと同じように、作品同士に複雑で興味深い相互作用が生み出されています。ハンガリーのピアニスト、ラースロー・ボルベーイが案内する、模様替えされた展覧会のガイドツアーをお楽しみください。

Melodiya x Obsession
SMELCD-1002704(2CD)
完全限定生産
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」/ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」/ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」/ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」/ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111/ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58* マリヤ・グリンベルク(P)、
ソ連国立SO、ネーメ・ヤルヴィ(指)*

録音:1964年〜1966年(モスクワ)
廃盤・入手困難となったMelodiyaの名盤や貴重なMelodiya音源等を復刻する「Melodiya x Obsession」シリーズより、20世紀旧ソ連屈指の名ピアニスト、名教師であり、稀代のベートーヴェン弾きとして知られたマリヤ・グリンベルクの録音がリリースされます。ソ連のピアニストとして初めてベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を録音したとされるグリンベルクのカタログの中から、1964年〜66年の間に録音された特に人気の高いソナタ5曲と、ネーメ・ヤルヴィと共演したピアノ協奏曲第4番を収録。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

AudioGuy Records
AGCD-0172(1CD)
メモリア〜バッハ=ブゾーニ:ゴルトベルク変奏曲
バッハ/ブゾーニ編曲:
1. シャコンヌ BVB.24(BWV.1004)

ゴルトベルク変奏曲 BVB.35(BWV.988)
2. アリア
3. 変奏:第1グループ
4. 変奏:第2グループ
5. 変奏:第3グループ

6. コラール前奏曲「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 BVB.27/3(BWV.659)
イ・ユンス(P/ベーゼンドルファー225)

録音:2024年2月22日-24日オーディオガイ・スタジオ(通義洞、ソウル、韓国)
※日本語解説付き
1924年7月27日に58歳でこの世を去ってから今年2024年が100周年となったフェルッチョ・ブゾーニの代表作と言えば終楽章に男声合唱が登場する長大かつ巨大な画期的作品「ピアノ協奏曲」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。19世紀後半から20世紀初頭にかけてコンポーザー=ピアニスト、教育者、「新音楽美学論」の著者として幅広いフィールドで活躍したブゾーニですが、現代において最も広く知られている功績は「シャコンヌ」に代表されるバッハの作品の編曲や校訂といっても過言ではないでしょう。
1997年のブゾーニ国際ピアノコンクールにおいて10代で最高位受賞という快挙を果たし、当時、審査員長を務めていたスイスの作曲家ロルフ・リーバーマン(1910-1999)からも非常に高い評価を受け、聴衆賞、ヤマハ賞、最年少入賞者に贈られるローターアクト賞をあわせて受賞した韓国生まれ、アルゼンチンとアメリカ育ちのピアニスト、イ・ユンスは自身とも縁のあるブゾーニの没後100周年を迎えるにあたりその最大の功績であるバッハ作品の編曲作品に着目。バッハの「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」、「シャコンヌ」、そして「ゴルトベルク変奏曲」の全てをブゾーニ編曲版でレコーディングするというプロジェクトが誕生することになりました。
音楽史上における最高傑作の1つである「ゴルトベルク変奏曲」を敢えて”編曲”したブゾーニ。その目的はバロック時代ではなく、ブゾーニが生きた時代のコンサートホールでこの傑作が最も輝くためには、と考え抜いた末の決断だったと伝えられています。
ブゾーニ編曲版には「コンサートで演奏する場合には第〇変奏へ」という注釈が付されており、この指示に従うことでブゾーニが19世紀後半〜20世紀初頭のクラシック・シーンのためにアップデートした「ゴルトベルク変奏曲」の全貌が見える仕組みとなっています。
イ・ユンスは装飾音やダイナミクスの変更、リピートの省略と同時にブゾーニが大きな拘りを見せた”変奏のグループ分け”を尊重してアリアと変奏の全てを個別にトラック分けすることはせずに、アリア、第1グループ(第1変奏〜第10変奏)、第2グループ(第11変奏〜第17変奏)、第3グループ(第18変奏〜第20変奏)の4トラックに分けることにより、このイタリアの大作曲家との時空を超越した共同作業を見事な姿に仕上げています。
近年、世界のピアノシーンを盛り上げている韓国のピアニストたちとは異なるスタイルの音楽活動に取り組むため、現在はソウルと済州島を拠点としているイ・ユンス。このバッハ=ブゾーニ・プロジェクト「メモリア」では、イ・ユンスのピアニズム、ブゾーニが思い描いた当時のコンサートにおけるバッハの傑作の響きを感じ取ることができることでしょう!



APARTE
AP-321(6CD)
ラヴェル:ピアノを伴う作品全集
■Disc1
(1)左手のためのピアノ協奏曲
(2)ラ・ヴァルス(アレクサンドル・ギンジン編によるピアノ独奏版)
(3)ピアノ協奏曲ト長調
(4)「ザ・ランプ・イズ・ロウ」による即興演奏(ボーナス・トラック)
■Disc2
(1)口絵〜ピアノ5手
(2)グロテスクなセレナード
(3)古風なメヌエット
(4)亡き王女のためのパヴァーヌ
(5)水の戯れ
(6)ソナチネ
(7)ハイドンの名によるメヌエット
(8)鏡(全5曲)
(9)耳で聴く風景(全2曲)〜2台のピアノ
(10)メヌエット嬰ハ短調
(11)前奏曲イ短調
■Disc3
(1)クープランの墓(全6曲)
(2)夜のガスパール(全3曲)
(3)…風に(全2曲)
(4)マ・メール・ロワ(全5曲)〜ピアノ4手
(5)優雅で感傷的なワルツ(全8曲)
■Disc4 室内楽
(1)ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
(2)ヴァイオリン・ソナタト長調
(3)フォーレの名による子守歌
(4)ツィガーヌ
(5)ピアノ三重奏曲
■Disc5 歌曲
(1)博物誌(全5曲)(ルナール詩)
(2)花のマント(グラヴォレ詩)
(3)大風は海から(レニエ詩)
(4)草の上(ヴェルレーヌ詩)
(5)紡ぎ車の歌(ルコント・ド・リール詩)
(6)5つのギリシャ民謡
(7)トリパトス(ギリシャ民謡詩)
(8)フランスの歌
(9)スコットランドの歌
(10)スペインの歌
(11)ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(全3曲)
(12)マダガスカルの歌(全3曲)
■Disc6 歌曲
(1)イタリアの歌
(2)おもちゃのクリスマス(ラヴェル詩)
(3)ヘブライの歌
(4)2つのヘブライの歌
(5)ハバネラ形式によるヴォカリーズ・エチュード
(6)愛に死せる女王のためのバラード(マレ詩)
(7)聖女(マラルメ詩)
(8)暗く果てしない眠り(ヴェルレーヌ詩)
(9)何と打ち沈んだ!(ヴェラーレン詩)
(10)クレマン・マロの2つの風刺詩
(11)ロンサールここに眠る(ロンサール詩)
(12)夢(ファルグ詩)
(13)マラルメの3つの詩
フランソワ=グザヴィエ・ポワザ(P)

■Disc1:シモーネ・メネセス(指)フィルハーモニアO(1)(3)、イヴ・マルコット(ダブルベース)(4)、ヴァレンチン・リヒティ(ドラムス)(4)

■Disc2:ルイ・シュヴィッツゲーベル(P)(1)(9)、アナイス・カシエ(P)(1)

■Disc3:ルイ・シュヴィッツゲーベル(P)(4)

■Disc4:マイケル・フォイル(Vn)、ジェイミー・ウォルトン(Vc)(5)

■Disc5:トマ・ドリエ(Br)(1)(3)(11)(12)、ブレンダ・プパール(Ms)(2)(4)-(10)、
ヘレナ・マシェレル(Fl)(12)、コンスタンチン・マシェレル(Vc)(12)

■Disc6:シュザンヌ・ジェローム(S)(1)-(6)(13)、フローラン・カレール(Br)(7)、(9)-(12)、トマ・ドリエ(Br)(8)、
ロイク・シュナイダー、ナタン・カゾルツィ(Fl)(13)、パナギオティス・ジアンナカス、カンタン・シャルティエ(Cl)(13)、
ヴォーチェSQ(13)


録音:協奏曲:2023年9月5-6ヘンリーウッド・ホール(ロンドン)、
ピアノ独奏曲:2023年2月23日-3月4日ヌーシャテル・アール・ヴィヴァン・センター、
ピアノ・デュオ作品:2024年4月1-2日エルネスト・アンセルメ・スタジオ(ジュネーヴ)、
室内楽曲:2024年3月18-22日マーラー・ホール(ドッビアーコ)、
歌曲:2024年5月6-7日/ル・コロンヌ(パリ)、5月16-18日、6月15日/ヌーシャテル・アール・ヴィヴァン・センター
フランソワ=グザヴィエ・ポワザは1989年生まれのピアニスト。フランス、スイス、中国の血を引き、ジュネーヴとハンブルクでピアノを学んだ後、ジュリアードで仕上げました。PMF音楽祭のため12歳で初来日し、アルゲリッチやベレゾフスキーに激賞されました。
技巧派のポワザはこれまでオーケストラ曲の超絶技巧編曲を中心としたアルバムをリリースしてきましたが、今回ラヴェルに挑戦。それも歌曲や室内楽までピアノを伴う作品を制覇、6枚のディスクにまとめたもので、いくつかはアパルテ社より配信販売されていました。
ラヴェルのピアノ曲は大半が技巧的に難しく、まさにポワザ向き。切れ味抜群の指さばきを聴かせてくれます。共演陣も興味深く、ポワザの交遊の広さを示しています。協奏曲はブラジル出身の女性指揮者シモーネ・メネセス、ピアノ・デュオはポワザと同じく中国の血を引くルイ・シュヴィッツゲーベル、ヴァイオリンはマイケル・フォイル、Klartheレーベルからジャポニスム歌曲集をリリースして注目されたメゾソプラノのブレンダ・プパールらが参加。さらに「マラルメの3つの詩」ではヴォーチェSQも顔を見せています。
ポワザはジャズと武道が趣味で、ここでもジャズ・トリオと「ザ・ランプ・イズ・ロウ(亡き王女のためのパヴァーヌ)」による即興演奏を披露しています。今後の目の離せないピアニストと申せましょう。 (Ki)


Naive
V-8449(1CD)
golden dreams
スクリャービン:24の前奏曲 op.11
. ショパン:24の前奏曲 op.28
ファニー・アズーロ(P/YAMAHA CFX NO.6 559300)

録音:2024年3月4-7日
イタリア出身の音楽家一家に生まれたファニー・アズーロによる、ショパンとスクリャービンのアルバム。アズーロの音色は、イタリアの暖かさと色彩を感じさせま す。ボリス・ペトルシャンスキーに師事し、すでにラフマニノフの前奏曲のCDもリリースしております。このショパンとスクリャービンの前奏曲はいわば続編にあた るもの。
ショパンは1838-39年、スクリャービンは1888-1896年にかけて前奏曲を作曲しました。当然スクリャービンはショパンに影響を受けていますが、それでも 自由さも獲得しています。ショパンの天才とピアノの詩人と呼ばれる所以のすべてが凝縮されたプレリュード、そしてスクリャービンの初期作品でも群を抜いた傑作 であるプレリュードを、アズーロが一音一音慈しむように演奏しています。ショパンのプレリュードでは、ピアニストのマルセル・シャンピ(1891-1980)が使用し ていた譜面にもアズーロはあたっており、そこにはリストの言葉〈songes dores (Golden Dreams) 〉がシャンピの手で書かれており、これがアルバムのタイ トルにもなっています。 (Ki)

Passacaille
PAS-1117(1CD)
フェルディナント・ソル(1778-1839):ギター作品集
村人の幻想曲 Op.52
スペインのフォリア Op.15a(変奏とメヌエット)
「私が羊歯だったなら」の主題による序奏と変奏曲 Op.26
華麗なる幻想曲と変奏曲 Op.30
ギター・ソナタ ハ長調 Op.15b
6つのディヴェルティスメント Op.2より 第3番 アンダンティーノ
演奏会用小品 Op.54
モーツァルトの『魔笛』の主題による序奏と変奏曲 Op.9
24の練習曲 Op.35より 第17番モデラート
シャビエル・ディアス = ラトレ(G)
Guitare Blaise le Jeune, c.1830?1850restored by Carlos Gonzalez
Gut Strings by DamianDlugolecki, basses by Aquila Corde

録音:2022年
ギター音楽に革命を起こしたフェルナンド・ソル(1778-1839)。ハイドンの影響を思わせる均整の取れた古典音楽を土台としながら、華麗なテクニックによっ て立体的な音響を紡ぎ出し、ギターから交響的なサウンドを生み出します。このアルバムにはソルの最も美しい作品の数々が収められており、彼の作曲家としての 才気が遺憾なく発揮されています。19世紀の楽器を使って演奏されているのもポイントです。
シャビエル・ディアス=ラトレは1968年バルセロナ生まれ。エスペリオンXXIのメンバーとして活躍する他、コンチェルト・ヴォカーレ、ベルリン古楽アカデミー、 コンチェルト・ケルンなどでも演奏している名手です。 (Ki)

TOCCATA
TOCC-0737(1CD)
NX-B06
ユオザス・グルオディス(1884-1948):ピアノ曲集
ピアノ・ソナタ第1番嬰ハ短調「Patetico悲愴」(1919)
朝の歌(1920)
ピアノ・ソナタ第2番ヘ短調(1921)
Bells 鐘(1927)
10-24. 変奏曲 変ロ長調(1920)…世界初録音
ダウマンタス・キリラウスカス(P)

録音:2023年10月17日、2023年7月5日、2023年12月3日、2024年4月7日
作曲と教育活動を通じて20世紀前半のリトアニア音楽界に大きな貢献をしたユオザス・グルオディスのピアノ音楽 を紹介するアルバムです。リトアニアの民俗音楽に加えて、ラフマニノフ、スクリャービン、ショパン、ドビュッシー、レー ガー、R・シュトラウスらの影響を受けたグルオディスの作品は遅れてきた後期ロマン派とよびたくなるもの。4 楽章構成のソナタ第1番、3楽章のソナタ第2番ともに悲愴味を帯びた緩徐楽章の情感の濃さと躍動的で時にた たみかけるような急速楽章の対象が印象に残ります。演奏者のダウマンタス・キリラウスカスはチュルリョーニス芸術 学校を卒業後、ザルツブルクのモーツァルテウム大学で学び、欧州各国で演奏、特にベートーヴェン解釈で高い評 価を得ています。

ALPHA
ALPHA-1083(1CD)
魔法
リスト(サン=サーンス編):ピアノ・ソナタ ロ短調(2台ピアノ版)
ファリャ:火祭りの踊り(2台ピアノ版) 〜バレエ『恋は魔術師』
デュカス(作曲者編):魔法使いの弟子(2台ピアノ版)
ムソルグスキー(アルツィバーシェフ編):禿山の一夜(4手連弾版)
デュオ・ヤテコック【ナイリ・バダル(P)、アデライード・パナジェ(P)】

録音:2023年2月13-16日スタジオ・ド・ラ・ビュイソンヌ、ペルヌ=レ=フォンテーヌ、フランス
現代音楽を中心としたパフォーマンスが人気を呼び、フランスで大いに受けているデュオ・ヤテコック。「Les Boys」(ALPHA388)、「動物の 謝肉祭」(ALPHA749/LP ALPHA773)に続くALPHA3枚目のアルバムは、リストのピアノ・ソナタをサン=サーンスが2台ピアノに編曲し た版のほか、クラシックの名曲をずらっと並べて2台ピアノで演奏したたいへん楽しい一枚。息の合った2人の積極的な音楽表現が作品に魔 法をかけるように、その魅力を大きく引き立てています。なお「火祭りの踊り」の編曲については明記がありません。また「禿山の一夜」は連弾 用の編曲ですが、ここでは2台で演奏している模様です。

ALPHA
ALPHA-1076(1CD)

ALPHA-1077(2LP)
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番、第6番 ソニア・ヴィーダー=アサートン(Vc)

録音:2023年5月サン=ピエール=オ=ノナン教会、シテ・ミュジカル=メス、メス(フランス東部ロレーヌ地方)
LP…331/3rpm1000組限定シリアルナンバー入り
RCAとNAIVEでのユニークかつ充実したディスコグラフィを築いた後、2020年にバッハ『無伴奏チェロ組曲』第1・2番を収録したアナログ盤を リリースしALPHAレーベルにデビューしたソニア・ヴィーダー=アサートン。2023年の後続巻(組曲第3・4番)まではフランス中部のノワルラック 大修道院の音響と一心同体の相性で収録されてきましたが、全曲録音シリーズ最後を飾る今回のアルバムは「バッハの組曲の最後の2編 を録音するならここだ」と直感したというロレーヌ地方メスの教会での収録です。かつてNAIVEでモンテヴェルディ作品を扱った独特なプログラ ムを披露した時に使った会場でもあり、その音響空間で綴られる一切こわばりのない自然な風格に満ちた充実のバッハ解釈は、何物にも代 えがたい豊かさに満ちています。今回も前作同様CDとアナログ同時発売。チェロという楽器を通じてバッハを探求する芸術体験の粋がここに 詰まっています。

ALPHA
ALPHA-1075(3CD)
リスト:巡礼の年(全曲) ロジェ・ムラロ(P、ハルモニウム)

録音:2023年10月ジェペット・スタジオ、ジュジ(フランス東部ブルゴーニュ地方)
17歳までサクソフォンを吹き独学でピアノを弾いていた後、パリ音楽院に入学しイヴォンヌ・ロリオ門下に才能を伸ばし、彼女のパートナーであ るメシアンの音楽にも深く親しむようになったフランスのピアニスト、ロジェ・ムラロ。超絶技巧のヴィルトゥオーゾ作品でも精緻なフランス近現代 曲でも深い解釈を聴かせるそのピアニズムは、度重なる来日公演と録音を通じて多くの人々を虜にしてきました。深い作品愛に裏打ちされ たリスト解釈はライヴでもCD録音でも話題を呼んでいますが、このたびリスト中期から後期にかけての作風変遷を象徴する充実曲集『巡礼 の年』全3巻を補遺『ヴェネツィアとナポリ』を含めて完全収録したアルバムがALPHAから登場。並外れたテクニックでパリを席捲した若き日、 ダグー伯爵夫人との3年にわたる逃避行の最中リストがスイスやイタリアで書き留めたスケッチをもとに後年再編され、断続的に刊行されたこ れらの曲集は、リスト特有の先進的和声とダイナミックな展開とが併存する難曲揃い。ムラロは作品の細部まで徹底して掘り下げた解釈を 機微あざやかな演奏に昇華させ、鍵盤から繰り出される響きの起伏を追いながら音楽を聴き深める喜びを堪能させてくれます。この連作を 「世界に及ぶ親しみ Intimite universelle」と表現し、作品への愛着を強く感じさせるムラロ自身のライナーノートも端的かつ興味深い内 容(仏・英・独語)。「異質さを際立たせるべく」ハルモニウム演奏で始まる「第3年」まで次々聴き進めずにおれない充実の録音です。

Laplace Records
LPDCD-116(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
フルート・ファンタジア
プーランク:廃墟を見守る笛吹の像
バーバー:「往き来る人々の歌」より 第2曲 白鳥
バーバー:カンツォーネ
ラヴェル:マ・メール・ロワ
ドビュッシー:夢想/星の夜
 小さな羊飼い
サティ:グノシエンヌ 第1番
 ジムノペディ 第1番
ビゼー:歌劇「カルメン」より 間奏曲
フォーレ:シチリアーナ 作品78
 パヴァーヌ
ラヴェル:フォーレの名による子守歌
サン・サーンス:ロマンス 変二長調
Op.37
ピエール=オクターヴ・フェルー:3つの小品より 第1曲 恋する羊飼い
大島ミチル:ICO -You Were There-
杉原夏海(Fl)、平尾有衣(P).

録音:2024年4月11-12日 玉村町文化センター, 群馬県
体裁はクラシックのフルート曲集、“隠れコンセプト”はゲーム 音楽に使われていそうなクラシック曲を集めること。子供の頃 から「ゲーム大好き」というフルーティスト・杉原夏海による、自 身初となるソロ・アルバム。ビゼーの「カルメン間奏曲」やサン =サーンスの「ロマンス」といった有名曲、今回のために自分で アレンジしたラヴェルの名作「マ・メール・ロワ」、フルーティストに もあまり知られていないというプーランクの「廃墟を見守る笛吹 の像」やバーバーの「往き来る人々の歌」、ラストには本物の ゲーム音楽「ICO」が入る。フルートとピアノがやさしく幻想世 界へ誘ってくれて、リアルに息づいた色彩に心がときめく。あた かも作曲家の指示どおりタイムマシンが故障し、「作曲家たち の夢想の中」へ飛んでしまう。

Solo Musica
SM-470(1CD)
バッハ:コラール前奏曲 われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV639(F. ブゾーニ編)
バッハ:いざ来ませ、異邦人の救い主よ BWV 659(F. ブゾーニ編)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004-シャコンヌ(F. ブゾーニ編)
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D664
シューマン:3つの幻想小曲集 Op. 111
アリヤ・トゥレタイェヴァ(P)

録音:2024年1月6-7日、13-14日
カザフスタンのアルマトイに生まれ、ケルンを拠点に活動するアリヤ・トゥレタイェヴァが最も身近に感じる曲を選ん だアルバム。幼い頃「ロ短調ミサ」に深い感銘を受けて以来、バッハの音楽が幸せや悲しみを共有し、挫けずに 前進する力を与えてくれるという彼女にとって、その音楽はアルバムの核心。加えてシューベルトとシューマンの2 作は常に喜びをもたらしてくれる存在です。トゥレタイェヴァはドイツのケルン音楽舞踊大学でパヴェル・ギリロフの もとで学び、2010年に修士号を取得。2013年にはザルツブルクのモーツァルテウム大学の博士後期課程を 最高評価で修了し、現在はソリストとしてだけでなく、室内楽奏者としても活動しています。
Solo Musica
SM-462(1CD)
スペインの鏡〜 ファリャ、ドビュッシー、ラヴェル
ファリャ:4つのスペイン小品
ファリャ:ドビュッシーの墓のために
ドビュッシー:版画
ラヴェル:組曲『鏡』より
  悲しい鳥たち
 鐘の谷
 道化師の朝の歌
ギタルプ・デュオ
マウリツィオ・グランディネッティ(G)
コンスエロ・ジュリアネッリ(Hp)

録音:2023年10月2-5日
ドビュッシー、ラヴェル、ファリャの音楽には多くの共通の要素があり、とりわけイベリアの地に触発された音楽とピ アノという楽器は、彼らが活発に芸術的交流を行う基盤となりました。このアルバムでは、彼らのイベリア風のピ アノ曲をギターとハープで演奏しています。実際、ラヴェルはペルルミュテールが『鏡』を演奏する際、特定のパッ セージを「ギターやハープのように」弾くよう伝えたとされ、ファリャは「ドビュッシーはギターを使うことなくギターの特 徴を見事に描写している」と述べるなど、これらの作品は、ギターとハープとの親和性が高いものばかりです。 マウリツィオ・グランディネッティは、ソリスト、室内楽奏者、即興演奏者として活躍しているギタリストで、これまで ヨーロッパ、ブラジル、アメリカ、そして中国のコンサートホールで演奏してきました。コンスエロ・ジュリアネッリは バーゼル室内Oの首席ハープ奏者。ミレラ・ヴィタやウルスラ・ホリガーに学び、オーストリアのフェルトキル ヒで14年間ハープの教授を務めるなど教師としても活躍しています。

Orchid Classics
ORC-100338(1CD)
シューマン:謝肉祭 Op.9
 ウィーンの謝肉祭の道化 Op.24- 間奏曲
 子供の情景 Op.15
エドナ・ステルン:35. To-nal or not to-nal Op.1
エドナ・ステルン(P)

録音:2023年9月27日
ピアニストで、王立音楽大学の教授を務めるエドナ・ステルン。ORCHID CLASSICSレーベルから発売されたアル バムはどれも高く評価され、とりわけフランスの作曲家モンジュルーの「ソナタと練習曲」(ORC100063)は2017年 『グラモフォン誌』の年間批評家賞を受賞しています。 このアルバムでは若きシューマンの意欲作『謝肉祭』と『子供の情景』、そして彼女自身の作品を収録。ステルンは、 シューマンの分身である「フロレスタン」と「オイゼビウス」それぞれの性格を弾き分けています。最後に収録された自作 の「To-nal or not to-nal」は調性か無調かの意味を持ち、シューマンへのオマージュであるとともに、調性音楽と 無調音楽、どちらで作品を書くべきかと自分自身への問いかけから生まれた10分弱の魅力的な作品です。

Grand Piano
GP-952(1CD)
セリム・パルムグレン(1878-1951):ピアノ作品全集 第8集
SOLSKEN GENOM TARAR 涙の向こうに差し込む太陽 SP263(1946)
3つの小品 Op.71(1920もしくは初期)
6月 SP120(1922もしくは初期)
ヘルシンキ・オールドボーイズ連隊名誉行進曲 SP80(1919)
憂鬱な練習曲 SP125(1937もしくは初期)
速いパッセージによる練習曲 SP123(1937もしくは初期)
陽気な練習曲 SP84(1937もしくは初期)
アレグレット SP2(1921もしくは初期)
コン・ソルディーノ SP30(1921もしくは初期)
夢の歌 SP45(1921もしくは初期)
演奏会用練習曲 SP59(1938もしくは初期)
スパークス、演奏会用練習曲 SP71(1907もしくは初期)
演奏会用練習曲 SP31(1894)
田舎の踊り SP32(1922もしくは初期)
田舎のメヌエット SP33(1922もしくは初期)
3つのピアノ小品 Op.45(1914もしくは初期)
10の小品 Op.79(1921-22)
4つの小品 Op.88(1928)
3つの小品 Op.83(1924)
ヨウニ・ソメロ(P…Steinway Model D)

録音:2023年5月2-3日
トラック1を除き、全て世界初録音(トラック1はSTEREOによる世界初録音)
北欧の抒情と洗練された西欧的な感性から生まれたピアノ曲が日本でも人気のあるパルムグレン。 フィンランドのピアニスト、ヨウニ・ソメロによる全曲録音シリーズの第8集は収録曲のほとんどが世界初録音です。(冒頭の「Solsken genom tarar 涙の向こ うに差し込む太陽」のみ、1950年に作曲家自身がフィンランドのラジオ放送のためにスタジオ録音を行っています)。アルバムにはヴィルトゥオーゾのための演奏 会用練習曲から、彼の友人で、たびたび共演を行ったパーシー・グレインジャーに捧げられた、驚くほどの多様性を持つ「10の小品」 Op.79、そして自身の歌曲をピアノのために編曲した「6月」の他、初期の作品も多数収録されており、パルムグレン愛好家にとっても新たな発見の旅となるでしょう。
Grand Piano
GP-944(1CD)
カレイドスコープ - 現代女性作曲家によるピアノ作品集
ドブリンカ・タバコヴァ(1980-):夜想曲(2008)
ガブリエラ・オルティス(1964-):練習曲3、ヘスサ・パランカレスへのオマージュ(2007)
ンケイル・オコイエ(1972-):アフリカのスケッチ - 第2曲 夕暮れ(2003-04)
スアド・ブシュナック(1982-):インプロヴィゼーション(2001-02)
菅野ようこ(1964-):花は咲く(2012)(P版2015)
タニア・レオン(1943-):トゥンバオ(2005)
キャロリン・モリス(1970-):ブルー・オーシャン(2020)
田中カレン(1961-):ウォーター・ダンス - 第3曲 Very lightly, like a harp(2008)
クラウディア・モンテーロ(1962-2021):ブエノスアイレス、目覚めと夢
ジュリア・ウルフ(1958-):イヤリング(2000)
キャロライン・ショウ(1982-):ギュスターヴ・ル・グレイ(2012)
カルメ・ロドリゲス(1996-):Alala das paisaxes verticais(2021)…世界初録音
イサベル・ドバロ
(P…Steinway B-211)
Estudio Uno, マドリッド(スペイン)

録音:2023年9月4-6日
スペインのピアニスト、イサベル・ドバロの「カレイドスコープ」と題されたアルバム。日本でおなじみの菅野ようこや 田中カレンをはじめ、ピューリッツァー賞受賞者のジュリア・ウルフやラテン・グラミー賞にノミネートされたガブリエ ラ・オルティスなど、国際的に評価の高い女性作曲家たちの作品を収録、いずれもドバロが敬愛する人物で、 その作品はさまざまな大陸の文化、伝統から生まれたものです。 イサベル・ドバロは、数々のコンクールで入賞経験を持ち、現代音楽の擁護者としても活躍しています。特に女 性作曲家たちの多くの作品を初演し、Women Now Conferenceではスペインのレティシア王妃や映画プ ロデューサーのキャスリーン・ケネディと共に講演を行いました。2016年には、メゾ・ソプラノのアンナ・トンナと共 に、世界中の女性作曲家の作品を広めるための「Women in Music Project」を立ち上げるなど、幅広く 活動しています。
Grand Piano
GP-923(1CD)
ファイク・ベイ・フランツ・デッラ・スッダ(1859-1940):ピアノ作品集
1. In der Hangematte ハンモックの中で(1910)
2. マズルカ ト長調(1909)
3. マズルカ=カプリース イ長調(1909)
4. メヌエット ニ長調(1910)
5. ラセルタ、小さなワルツ(1910)
6. 子守歌(1910)
7. Resignation 諦め(1910)
8. バラード ハ短調(1910)
9. 小さなワルツ第2番ハ長調(1896)
10. オーバード 変ホ長調(1904)
11. 田舎のマズルカ 嬰ハ短調(1910)
12-14. ヴェネツィア(1913)
15. ワルツ 変ニ長調(1910)
ゼイネプ・ユチバシャラン(P…Steinway Model D)

録音:2023年10月18-19日
※全て世界初録音
トルコ出身のピアニスト、作曲家、ファイク・ベイ・フランツ・デッラ・スッダの作品集。彼はフランツ・リストの弟子 で、リストは彼を親しみを込めて「デア・パシャ」と呼んでいました。当時「最も注目すべき、優雅で輝かしいピア ニスト」として称賛された彼の作品は、一見サロン風の優雅な雰囲気を備えていますが、実際には旋律や和 声、リズムに工夫が凝らされた独創的なもので、軒並み出版されるなど高い人気を誇りました。そんなデッラ・ スッダの作品を取り上げたのが、トルコ出身のピアニスト、ゼイネプ・ウチュバシャランです。彼女は幼少期から音 楽教育を受け、ブダペストのリスト音楽院やフライブルク音楽大学、南カリフォルニア大学で学び、数々の国際 的なコンクールで受賞しています。これまでにリスト、シューベルト、モーツァルトの作品のほか、トルコの作曲家サ イグンの作品も録音しており、いずれも高く評価されています。

OUR recordings
OU-8.226923(1CD)
ニールセン:歌劇「サウルとダヴィデ」より
  第4幕の前奏曲 Allegro burrascoso
 戦いの音楽と終幕 Allegro violente
  交響曲第3番ニ短調「広がりの交響曲」 Op. 27
ニルス・ヨルゲンセン/カール・ニールセン:Hojby Riffle Club March (クリストファー・ヒュルディ校訂)
リグ・サンベア(P)
クリストファー・ヒュルディ(P)

録音:2023年10月9-11日
全て世界初録音
ニールセンの交響曲第3番「広がりの交響曲」は、1910年から1911年にかけて作曲され、翌年1912年にニールセン自身の指揮によるデンマーク王立管 弦楽団によって初演されました。同時に、ニールセンは4手ピアノ用の編曲も行い、オーケストラのフルスコアとともに出版契約が結ばれましたが、何らかの事 情で4手ピアノ版のみの出版が実現しませんでした。当盤は、未出版のまま残されていた自筆譜による初録音となります。 また、このアルバムには、ニールセンがピアノ連弾用に編曲した歌劇「サウルとダヴィデ」からの2曲と、ティヴォリ遊園地のアーカイブから最近発見された、ニール センの父ニルス・ヨルゲンセンが作曲し、ニールセンが4手ピアノ用に編曲した「Hojby Riffle Club March ホイビーライフルクラブ行進曲」をヒュルディが校 訂したという珍しい曲も収録されています。

Challenge Classics
CC-72980(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1
ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3
ロベルト・プロセッダ(フォルテピアノ/コンラート・グラーフ製作(1820年 /2023年修復))

録音:2024年6月12〜14日/ムジカフェリックス・スタジオ、プラート(イタリア)
タリアの名手ロベルト・プロセッダがChallenge Classicsに初登場!期待の第1弾はベートーヴェンの初期ピアノ・ソナタをフォルテピアノで録音しました! 使用楽器は名だたる作曲家がその響きに魅了され、当時最高のフォルテピアノ製作者と謳われたウィーンの名工、コンラート・グラーフ(1782-1851)の手によ る1820年製のフォルテピアノ。2023年に修復された銘器です。プロセッダの近年の研究成果ともいえる、若きベートーヴェンの作品を新鮮な響きでお届けし ます。 (Ki)
「ベートーヴェンのソナタの解釈について、何か新しいこと、興味深いこと、そして「真実」を語ることはできるだろうか?数多の名録音のほとんどがモダンピア ノでの録音であることから、私は歴史的な楽器でベートーヴェンを録音するという選択は必然であり、私を含めモダンピアノで聴き慣れた一種の「危険性」から解 放され、より個性的な解釈の探求になりうると考えた。私はベートーヴェンのソナタ作品2を演奏するのに「正しい」楽器と「間違った」楽器があるとは思わない。 重要なのは音楽的な結果です。私は1795年から1800年製までの多くのレプリカを演奏し、初期ベートーヴェンの響きと表現世界に近づこうと努力した。こ の度2023年に修復されたグラーフのフォルテピアノ(No.429)で演奏・録音する機会を得ることができた」(ロベルト・プロセッダ)

MARSTON
MAR-52076-2(2CD)
録音されたピアニズムのランドマーク第3集
【CD1】 (78:26)
[01] イントロダクション(アナウンス)
[02] チャイコフスキーの協奏曲 第1番変ロ短調 第1楽章から有名な旋律
[03] ナサニエル・デット:イン・ザ・ボトムズ組曲 第3番舟歌
[04] ナサニエル・デット:マグノリア組曲 第4 番マミー
[05-07] ショパン:ピアノ協奏曲 第2番ヘ短調 Op.21

[08] アデリーナ・デ・ララがクララ・シューマンに学んだ日々を語る。
[09-11] シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54

【CD2】(79:56)
[01] バッハ(1685-1685):イギリス組曲 第6番ニ短調 BWV811より ガヴォ
ット ニ短調とミュゼット ニ長調
[02] バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 BWV881より 前奏曲とフーガ
ヘ短調
[03] ヘンデル:組曲 第7番ト短調 より アレグロ
[04] ヘンデル:組曲 第14番ト長調 より アレグレット
[05] パラディエス(1707-1791):ソナタ 第6番より トッカータ
[06] メンデルスゾーン:6つの子供の小品 Op.72-2アンダンテ・ソステヌート 変ホ長調
[07] ヴォルデマール・バルギール(1828-1897※クララ・シューマンの異父弟):バガテル Op.42
[08] ニルス・ゲーゼ:リンゲルタンツ イ短調 Op. 36-4
[09] シューマン:子供のための3 つのピアノ・ソナタ Op.118-4第1
番〜ロンドレット
[10] シューマン:アラベスク Op.18
[11] エミーリエ・マイヤー(1812-1883):練習曲 Op.149-5グレース
[12] ラヴェル:ソナチネより第2 楽章 メヌエット
[13-18] バッハ(1685-1685):パルティータ第2 番ハ短調 BWV826
[19-28]テオドール・レシェティツキとのレッスンについて語り、短い音楽の抜粋を演奏。
[19、21、23、25、27] グッドソンによる解説
[20]シューマン:花の曲 変ニ長調 Op.19※抜粋
[22]シューベルト:即興曲 変イ長調 D.899第4番
[24]ブラームス:ソナタ 第3 番ヘ短調 よりスケルツォ ※抜粋
[26]ブラームス:カプリッチョ ロ短調 Op.76-2 ※抜粋
[28]モーツァルト:ソナタ イ長調 K.331より第1楽章 ※抜粋
[29]ソプラノ歌手ネリー・メルバとの友情について語り、彼女に伴奏したリムスキー=コ
ルサコフ作曲の「インドの歌」から数小節を実演。
【CD1】 (78:26)
[02] アンドレ・コステラネッツ(指)オーケストラ
シモン・バレル(P)
録音:1943年10月17日「The Pause That Refreshes」CBS 局(ニューヨーク市)
[03] [04] ナサニエル・デッ(P)
録音:「The Broome record label」のための録音から(1919 年)
[05-07] セルゲイ・クーセヴィツキー(指)ボストンSO
ヤン・スメテルリン(P)
録音:1936年2月8日ボストンのシンフォニー・ホール、NBC が放送した公開コンサートより
[09-11] イアン・ホワイト(指)BBC スコティッシュO
アデリーナ・デ・ララ(P)
録音:1951年5月29日(BBC 放送より)

【CD2】(79:56)
[01] -[18] エルシー・ホール(P)
録音:[01-12]1963年4月26日ドイツ、アンバッハ、ブルース・ハンガーフォードの自宅で
行われたプライベート録音から
[13-18]1930年11、12月「The Gramophone Company」(ロンドン)のヘイズ、スタジオA
[19-28]キャサリン・グッドソン(P)
録音:[19-28]1952年7月3日BBC 放送音源から、[29] 1954年BBC 放送音源から
音楽的/歴史的に重要なコレクター向け音源を集めたシリーズの第3 巻。ピアノ・ソロ、協奏曲、語りによる回想録で構成。 セットの目玉は放送から抜粋した2つの協奏曲の演奏。1936 年の放送から、ポーランドのヤン・スメテルリンのピアノとセル ゲイ・クーセヴィツキーが指揮するボストンSOの共演による[05]-[07]ショパン:ピアノ協奏曲 第2番はこの作品の最も 古いライヴ録音。1950 年のBBC 放送から、[09]-[11]シューマン:ピアノ協奏曲はその約60 年前にクララ・シューマンから直 接この曲を学んだアデリーナ・デ・ララによるもの。ロシアの偉大なピアニスト、シモン・バレレが演奏するのは[02]チャイコフス キーの協奏曲 第1番第1楽章のテーマを7分間にまとめたもので、コカコーラがスポンサーとなっているラジオ番組のた めに書かれたもの。 ピアノ・ソロではアフリカ系アメリカ人のコンポーザー・ピアニスト、ナサニエル・デットが 1919年に作曲した自作曲やオースト ラリアに生まれて南アフリカへ移住したエルシー・ホールの演奏を収録。英国人ピアニストのキャサリン・グッドソンが語る、オ ーストラリアの自宅でDIVA ネリー・メルバと過ごした1 週間についての話も必聴。

BIS
BISSA-2660(1SACD)
カントロフ〜ブラームスとシューベルト
ブラームス:ピアノ・ソナタ第1番ハ長調 Op.1
シューベルト(リスト編):歌曲集
 12の歌 S.558より第11曲「さすらい人」(D 489)(1816/1837-38)
 ミュラー歌曲集 S.565より第2曲「水車屋と小川」(D 795/19)(1823/1846)
 12の歌 S.558より第7曲「春の想い」(D686)(1820-22 /1837-38)
 白鳥の歌 S.560より第1曲「町」(D957/11)(1828 /1838-39)
 白鳥の歌 S.560より第4曲「海辺にて」(D 957/12)(1828/1838-39)
シューベルト:さすらい人幻想曲 ハ長調 D760(1822)
アレクサンドル・カントロフ(P/スタインウェイD )

録音:2023年2月4〜7日(セッション)、2023年3月30日(ライヴ)/ヌーシャテロワ芸術センター内音楽ホール、ラ・ショー=ド=フォン(スイス)
パリオリンピック2024開会式における演奏でも話題となったアレクサンドル・カントロフ。ブラームス・シリーズの締めくくりとして ピアノ・ソナタ第1番とシューベルトを組み合わせたアルバムをリリース。2023年来日公演でも演奏したプログラムです!
1997年生まれのアレクサンドル・カントロフは父親譲りの音楽的才能の持ち主。16歳のときにはナントおよびワルシャワでのラ・フォルジュルネでシンフォ ニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露。そして2019年に開催された16回チャイコフスキー国際コンクールでフ ランス人としてはじめて優勝。本選ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を演奏し、有名な第1番を上回る高度なテクニックを要する難曲をコンクールの 場で見事に披露したことでも話題となりました。
「作品1」ながら実際はピアノ・ソナタ第2番 Op.2、スケルツォ Op.4よりあとに作曲されたブラームスのピアノ・ソナタ第1番。若きブラームスの野心 と情熱から生まれた大作で、技巧面はもちろんのこと表現面においても難曲とされますが、カントロフの奥深い感情表現で圧倒的な演奏を披露しています。シュー ベルトは「さすらい人幻想曲」とリスト編の歌曲から5曲を録音。「さすらい人幻想曲」では全く乱れぬ驚くべき技巧で圧倒。歌曲編曲作品では情感豊かな演 奏で聴き手に大きな感動を与えます。 (Ki)

フォンテック
FOCD-20140(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

バレエレッスンCD〜MUSIC FOR BALLET CLASS VOL.3
1. Warm up in416×8+8Can We talk (by Baby Face)
2. Plies in316×4+8Violin Concerto op.47-II (by J.Sibelius)
3. Plies In316×4+8I Loves You Porgy (by G.Garshwin)
4.5. Degages a terre in416×4+16The Man I Love + Rhapsody in Blue (by G.Garshwin)
6. Degages en5me in416×4+16Raindrops Keep Fall on My Head (by B. Bacharach)
7. Degages en5me in416×4+16La La means I Love You (by T.Bell, W.Hart)
8.9. Degages rapide in416×4Beautiful Love (by V.Young)
10.11. Degages en l'air lent in316×4+16 All the Things You Are (J.Kern)
12. Degages en l'air rapide in416×4+16 Libertango (A.Piazzolla)
13. Degages en l'air rapide in416×4Golliwogg's Cake-Walk (by C.Debussy)
14. Balancoire en cloche in316×4Improvisation (by J.Hata)
15. Ronds de jambe a terre in316×2+32A la maniere de Bolodine (by M. Ravel)
16. Ronds de jambe a terre in316×2+32Melancolie (by F.Poulenc)
17. Fondus in416×4Alfie (by B. Bacharach)
18. Ronds de jambe en l'air in316×4Second Waltz from Jazz Suite No.2(by D.Shostakovich)
19. Battements Frappes in416×4+16Hungarian Rhapsody No.2(by F.Liszt)
20. Battements Frappes in416×4+16 James Bond Theme (by M. Norman)
21. Adage In316×4From ''Clair de Lune'' (by C.Debussy - J.Hata)
22. Adage in316×4Spartacus Adagio of Spartacus and Phrygia (by A.Khachaturian)
23. Grands battements in416×4Sympathique -Je ne veux pas travailler- (by T.M.Lauderdale)
24. Releves in316×4My Wild Irish Rose (by C.Olcott)
25. Stretch in416×4Heal the World (by M.Jackson)
26. Balance or Ronds de jambe a terre in3 16×4Bunte Blatter III (by R. Schumann)
27. Adage in316×4Un bel di, Vedremo ''Madama Butterfly'' (by G. Puccini)
28. Degages a terre in216×4Joy Spring (by C.Brown)
29. Fontus In316×2Valse op.69-1''L'adieu'' (by F.Chopin)
30. Pirouettes sur place in416×10Hesitation-Tango ''Souvenirs'' (by S.Barber)
31. Pirouette en diagonal in316×8Improvisation (by J.Hata)
32. Grands battements in316×2Etude op.355-36 (by C.Czerny)
33. Changements de pieds in216×4Improvisasion (by J.Hata)
34. Petite Batterie1in616×8Violin Concerto Op.47-III (by J.Sibelius)
35. Petite batterie2in416×16Sway (by D. Demetrio)
36. Petite batterie3in216×8Improvisation (by J.Hata)
37. Sissonnes in316×8Valse a Mille Temps (by J.Brel)
38. Grands sauts in316×9Cinderella Waltz Act I (by S.Prokofiev)
39. Pointe work (Female) in316×4Variation II Bayadere (L.Minkus)
40. Manege and diagonal turns (Male) in3 16×4Dance of Prince ''Cinderella'' (by S.Prokofiev)
41. Coda ou fouettes, Manege in416×8Improvisation - Traviata (G. Verdi - J.Hata)
42. Grand Adage in318e Variation ''Rhapsody on a Theme of Paganini'' (by S.Rachmaninov)
秦 絢子(P)
バレエピアニスト秦絢子のレッスンCD「MUSIC FOR BALLET CLASS VOL.3」。 彼女がバレエ団やガラ公演などで演奏した曲目からジ ャズや思わず口ずさんでしまうような曲も盛り込んだ 多彩な1枚。今作は特にアレンジにもこだわっており、 エクササイズによって、いろんなリズムの可能性が広 がることを期待しています。また、最終曲には、特に 思い入れのあるラプソディのアダージョを原曲に近い 形で、オーケストラとピアノを一つにまとめて演奏し ています。

Lyrita
SRCD-2423(2CDR)
ジョージ・ロイド:ソロ&デュオ・ピアノ作品集
(1)オーバード/夕べ/サマルカンドを抜ける道
(2)ユリの葉とキリギリス/裸のサルの変容
(3)子守歌/アフリカの聖堂/攻撃的な魚/聖アントニーと物乞い/サマルカンドを抜ける道
(1)アンソニー・ゴールドストーン(P)、キャロライン・クレモウ(P)
(2)キャスリン・ストット(P)
(3)マーティン・ロスコー(P)

録音:1987年〜1996年、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)/聖バルナバ教会(イギリス)/セント・ジョン・ザ・バプティスト教会(イギリス)
イギリスの老舗レーベルLyritaが贈る、ブリテンと同年に生まれ、戦禍を乗り越えて20世紀のイギリスで活躍した作曲家ジョージ・ロイドの録音アーカイヴ集。このディスクにはロイドの珍しいピアノ作品を収録。鍵盤楽器よりも弦楽器を好んだロイドですが、妻のナンシーによる説得でピアノ協奏曲を書いた時から劇的に心境が変化し、ソロ、デュオのためのピアノ作品を書くようになったといいます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

ALTO
ALC-1481(1CD)
エイミー・ビーチ:ピアノ作品集
バラード 変ニ長調 Op.6/ワルツ・カプリース Op.4/夜想曲 Op.107/前奏曲とフーガ Op.81/4つのスケッチ Op.15/夕べのツグミ Op.92-1/朝のツグミ Op.92-2/アイルランドの旋律による2台のピアノのための組曲 Op.104*
ヴァージニア・エスキン(P)、
キャスリーン・スポヴェ(P)*
アメリカ人女性作曲家で交響曲をオーケストラで最初に演奏されたエイミー・ビーチによるピアノ作品集(KOC-H原盤)。彼女のピアノ作品の中でも特に好まれている作品を取り上げています。

Eudora
EUDSACD-2408(1SACD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集〜K.333他
ピアノ・ソナタ第18番ニ長調 K.576/ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調 K.333/ピアノ・ソナタ第16番ハ長調 K.545/ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457
ジュゼップ・コロン(P)

録音:2023年4月3日ー5日、サラゴサ・オーディトリアム、モーツァルト・ホール(スペイン)
スペインの高音質レーベル、Eudoraによる、SACDとMQA-CDのハイブリッド仕様による新たなアルバムは、スペイン・ピアノ界の巨匠、ジュゼップ・コロンが弾くモーツァルトのピアノ・ソナタ集。
コロンは、バルセロナ市立高等音楽院で巨匠ジョアン・ギンジョアンのもとで研鑽を積み、多くの国際コンクールで優勝。1998年、スペイン文化省から国家音楽賞を受賞し、1980年にはショパン国際ピアノコンクールの審査委員を務めています。また、2025年の仙台国際音楽コンクールの審査員も務める予定です。
本アルバムで取り上げているモーツァルトのソナタは、各ソナタの原楽章の間に間奏曲を織り交ぜるという興味深い内容となっています。楽章と楽章の間に間奏曲を挿入する習慣は、20世紀初頭にはまだ流行して
いたものの、この録音では、ジュゼップ・コロンの卓越した音楽性による解釈で、これまでに多くの音楽家たちによって演奏されてきたソナタを新たな新鮮さと想像力の大胆さで聴衆に伝えます。
フォーマットはSACD Stereo/MultichannelとMQA-CDのハイブリッドを採用しており、CD層はMQA対応機器を使用することにより、ハイレゾ音源として再生することができます。

Eudora
EUDSACD-2407(1SACD)
月の姉妹
エレーヌ・ド・モンジュルー
(1764-1836):「ピアノ教育のための完全教程」 より 練習曲第37番ト長調、練習曲第111番ト短調
ファニー・メンデルスゾーン(1805-1847):12の性格的小品 「1年」 よりY.6月、\.9月
エイミー・ビーチ(1867-1944):ピアノのための2つの小品 Op.92
ナディア・ブーランジェ(1887-1979):ピアノのための小品
アリシア・デ・ラローチャ(1923-2009):祭り*
イルミナダ・ペレス(b.1927):天国からの七姉妹(Pとエレクトロアコースティックのための)*
スサーナ・ゴメス・バスケス(b.1995):間奏曲*
クラウディア・モンテーロ(1962-2021):ロンド*
フローレンス・プライス(1887-1953):黒人幻想曲第1番ホ短調
スサーナ・ゴメス・バスケス(P)

録音:2023年7月11日-13日、サラゴサ・オーディトリアム、モーツァルト・ホール(スペイン)
*世界初録音
2006年にスペイン国立音楽院でデビューして以来、現在の音楽シーンでもっとも期待されている若手ピアニストの一人として活躍する、スサーナ・ゴメス・バスケス。
女性へと捧げられた、あるいは女性によって作曲されたまばゆい小品で構成された「Ad Illam(彼女へ)」(EUDSACD2104)に続くEudora第2弾は、メキシコで活躍したシュルレアリスム(超現実主義)の画家、レオノーラ・キャリントンが描いた「月の姉妹」にインスパイアされたアルバム。このアルバムに登場する作曲家たち(モンジュルー、F.メンデルスゾーン、ビーチ、ラローチャ、N.ブーランジェ、プライス、モンテーロ、ペレス、スサーナ・ゴメス・バスケス)は、プレアデス、つまり七姉妹に喩えられており、国籍や文化が異なっていても、この魅力的な音楽の旅を通して私たちを結びつけてくれる女性作曲家たちへの頌歌です。
フォーマットはSACD Stereo/MultichannelとMQA-CDのハイブリッドを採用しており、CD層はMQA対応機器を使用することにより、ハイレゾ音源として再生することができます。

Quartz
QTZ-2153(1CD)
変容の芸術〜C.P.E.バッハ、ハイドン、モーツァルト
C.P.E.バッハ:ファンタジア ハ長調 H.284
 スペインのフォリアによる12の変奏曲 H.263
ハイドン:ファンタジア ハ長調 Hob.XVII:4、
 変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII:6
モーツァルト:アレグレットによる12の変奏曲 変ロ長調 K.500、
 ファンタジア ハ短調 K.475
エリザヴェータ・ミラー(フォルテピアノ)
※使用楽器:クリス・マーネ製作、アントン・ヴァルター1795年製モデルのレプリカ

録音:2018年12月20日-24日
ハープシコード、フォルテピアノ、ピアノに加え、クラヴィコードやオルガンなども演奏する真のインスピレーションに溢れたマルチ鍵盤楽器奏者、エリザヴェータ・ミラーのデビュー・アルバム。
古典派および前古典派に花開いた「ファンタジア(幻想曲)」と「変奏曲」をそれぞれ1曲ずつ収録し、C.P.E.バッハ、ハイドン、モーツァルトが描いた偉大な「変容の芸術(The Art of Transformation)」を披露します。

PARNASSUS
PACD-960934(2CD)
ザ・ベル・テレフォン・アワーでのマイケル・レビン 1954-62
クライスラー:愛の悲しみ/ノヴァーチェク:無窮動/ラフマニノフ(クライスラー編):パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43より 第18変奏/ヨゼフ・スーク:ブルレスカ Op.17-4/チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35より フィナーレ/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64より フィナーレ/マスネ:エレジーOp.10-5*/ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ舞曲ホ短調 Op.72-2/クライスラー:狩り/ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77より フィナーレ/メンデルスゾーン(ジョゼフ・アクロン編):歌の翼に Op.34-2/クロール:バンジョーとフィドル/サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20/カール・エンゲル(エフレム・ジンバリスト編):貝殻/メンデルスゾーン(ハイフェッツ編):無言歌 より 甘い思い出 Op.19-1/プロコフィエフ(ハイフェッツ編):3つのオレンジへの恋 Op.33より 行進曲/サン=サーンス(イザイ編):ワルツ形式の練習曲による奇想曲 Op.52-6/ヨハン・ブランドル(クライスラー):オールド・リフレイン/チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35より 第1楽章/サラサーテ:アンダルシアのロマンス Op.22-1/ヴィエニャフスキ(サラサーテ編):カプリス イ短調/ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46 より 第3楽章、第4楽章/ゴドフスキー(ハイフェッツ編):古きウィーン/ガードナー:籐の茂みより/サラサーテ:ハバネラ Op.21-2/ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26より フィナーレ/バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV1043より 第1楽章**
マイケル・レビン(Vn)、
ベル・テレフォン・オーケストラ、
ドナルド・ヴォーヒーズ(指)、
ブライアン・サリヴァン(T)*、
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)**

録音:1954年〜1962年
1940年から1958年までNBCラジオネットワークで放送されていた伝説的なコンサート番組「ザ・ベル・テレフォン・アワー」。そこにマイケル・レビンが出演した際の録音から、1954年〜1962年の演奏を収録しました。毎週800万人〜900万人に聞かれていたという大人気番組で視聴者を夢中にさせたマイケル・レビンの至芸をお楽しみください。最後にボーナス・トラックとしてジノ・フランチェスカッティとの共演によるバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」の第1楽章を収録しています(このトラックのみザ・ベル・テレフォン・アワーの録音ではありません)。
PARNASSUS
PACL-95015(1CD)
クライスラー:アンコール&作編曲集1926-1938
メンデルスゾーン:五月のそよ風*/シグマンド・ロンバーグ:我が心に君深く/ドビュッシー(ガストン・ショワネル編):小舟にて/ドビュッシー(アーサー・ハートマン編):亜麻色の髪の乙女/エルンスト・フォン・ドホナーニ:牧歌 より モルト・ヴィヴァーチェ(抜粋)/伝承曲:まるでバラのようにすばらしい*/エセルバート・ネヴィン:ロザリオの祈り*/ドヴォルザーク:インディアン・ラメント*/ドヴォルザーク:我が母の教えたまいし歌*/アーヴィング・バーリン:ブルー・スカイズ*/クライスラー:シンコペーション/クライスラー:ウィーン風小行進曲/ビゼー:「アルルの女」第2組曲 より間奏曲*/クライスラー:ルイ13世のシャンソンとパヴァーヌ(ルイ・クープランの様式による)/シューベルト:ロザムンデのバレエ*/クライスラー:道化役者のセレナード/グラズノフ:スペイン風セレナーデ*/ヨハン・ブランドル:オールド・リフレイン*/クライスラー:ディッタースドルフの様式によるスケルツォ/リムスキー=コルサコフ:歌劇「金鶏」 より 太陽への讃歌*/ファリャ:歌劇「はかなき人生」 より スペイン舞曲*/リムスキー=コルサコフ歌劇「サトコ」 より インドの歌*/ポルディーニ:踊る人形*/クライスラー:ジプシーの女/クライスラー:中国の太鼓
*クライスラー編
フリッツ・クライスラー(Vn)、
アルパード・シャーンドル(P)、
カール・ラムソン(P)、
ミヒャエル・ラウハイゼン(P)、
フランツ・ルップ(P)、他

録音:1926年〜1938年
演奏家としてはもちろん、作曲家、編曲家としてもヴァイオリン界に多大な貢献を果たしたフリッツ・クライスラー。このアルバムにはクライスラーが1926年〜1938年にかけて録音した20を超える小品集を収録。自身の作品やアレンジも多く聴くことができ、クライスラーの功績と魅力をあらゆる角度から感じ取ることができます。

Spektral
SRL-423201(1CD)
ワーグナーの 「指環」 を巡る道〜「指環」 からの8つの組曲
リスト:暗い雲 S.199
ワーグナー:コンスタンチン・ズヴャギンのトランスクリプションによるワーグナーの「指環」からの8つの組曲〔1. ヴァルハラ、2. 春と愛の歌、3. ワルキューレの騎行、4. 魔の炎、5. 森のささやき、6. 愛の絆、7. 葬送行進曲、8. 炎の生贄〕
リスト:R.W.-ヴェネツィア S.201、リヒャルト・ワーグナーの墓に S.202
コンスタンチン・ズヴャギン(P)
※使用楽器:ベーゼンドルファー・コンサート・グランド290インペリアル

録音:2022年9月、ダルムシュタット(ドイツ)
1990年ロシア出身で、現在はドイツを中心に国際的に活躍するピアニスト、コンスタンチン・ズヴャギンが、近年もっとも熱中しているというワーグナーの「ニーベルングの指環」をトランスクリプションし、ピアノのための8つの組曲に編成。前後にフランツ・リストのワーグナー・オマージュ作品等を添えて、アルバム「ワーグナーの 「指環」 を巡る道(Ein Weg Durch Wagner Ring)」を完成させました。
ズヴャギンはこの「指環組曲」の功績がリヒャルト・ワーグナー財団に認められ、ワーグナーの別荘ヴァーンフリート館で行われた、バイロイト音楽祭の長期会員のための式典で演奏するよう選ばれています。また、ボンのApollon Musikoffizinから楽譜も出版されています。
コンスタンチン・ズヴャギンは1990年ロシアのノヴゴロド生まれ、幼少期からチャイコフスキー音楽学校、ラフマニノフ音楽大学、グネーシン・ロシア音楽アカデミーで研鑚を積み、ドイツ移住後はケルンの音楽舞踏大学も修了。ピアニストおよびトリオ「SpiegelBild」
のメンバーとして多忙なコンサート・スケジュールをこなし、2020年からはダルムシュタットの音楽芸術アカデミーで教鞭を執っています。
Spektral
SRL-421188(1CD)
東方のバラたち〜東欧のピアノ作品集
リムスキー=コルサコフ:シェヘラザード(イェレナ・ストイコヴィチ編)
ラフマニノフ:前奏曲ハ短調 Op.23-7、前奏曲ロ短調 Op.32-10、前奏曲嬰ト短調 Op.32-12
ミナス・ボルボウダキス(b.1974):6つの思考
マルコ・タイチェヴィチ(1900-1984):ピアノのための7つのバルカン舞曲
ドロテア・ホフマン(b.1961):ピアノ独奏のための2つの歌
ファジル・サイ(b.1970):ブラック・アース
イェレナ・ストイコヴィチ(P)

録音:2021年2月、アウクスブルク(ドイツ)
プリズレン(コソボ)の音楽一家に生まれ、ベオグラードとミュンヘンの音楽大学で学んだピアニスト、イェレナ・ストイコヴィチのニュー・アルバム。現在はアウクスブルク大学レオポルト・モーツァルト音楽カレッジでピアノ講師を務め、2016年からはミュンヘンの聖ヨヴァン・ヴラディミル・セルビア正教会で合唱団を指揮しています。
革新的かつ異文化を繋ぐレパートリーで評価を得てきたストイコヴィチの最初のソロ・アルバムとなる「東方のバラたち(Roses of East)」は、ラフマニノフ、リムスキー=コルサコフらロシア・ロマン派の傑作と、東欧の現代の作品が組み合わされ、彼女の音楽の故郷の風景への非常に個人的な旅を表現。最後はファジル・サイの代表作「ブラック・アース」で見事に締めくくります。

MUSICAPHON
M-56993(1CD)
エコーズ〜バッハの息吹とショパン
1. バッハ:第1巻 前奏曲第13番嬰ヘ長調
2. ショパン:夜想曲嬰ヘ長調 Op.15-2
3. バッハ:第1巻 前奏曲第3番嬰ハ長調
4. ショパン:子守歌変ニ長調 Op.57
5. ショパン:前奏曲変ホ短調 Op.28-14
6. バッハ:第1巻 フーガ第7番変ホ短調
7. バッハ:第2巻 前奏曲第12番ヘ短調
8. ショパン:夜想曲ヘ短調 Op.55-2
9. バッハ:第1巻 前奏曲第11番ヘ長調
10. ショパン:前奏曲第23番ヘ長調
11. バッハ:第2巻 フーガ第21番変ロ長調
12. ショパン:バラード第4番ヘ短調 Op.52
13. バッハ:第1巻 前奏曲第8番変ホ短調
14. ショパン:練習曲変ホ短調 Op.10-6
15. ショパン:前奏曲第6番ロ短調
16. バッハ:第2巻 フーガ第24番ロ短調
17. ショパン:前奏曲ニ長調 Op.28-5
18. バッハ:第1巻 フーガ第5番ニ長調
19. ショパン:前奏曲第10番嬰ハ短調
20. バッハ:第2巻 フーガ第3番嬰ハ短調
21. バッハ:第1巻 前奏曲第9番ホ長調
22. ショパン:夜想曲ホ長調 Op.62-2
※第1巻&第2巻=平均律クラヴィーア曲集より
コート・ガーベン(P)

録音:2023年2月14日-16日
ドイツのピアニスト、指揮者、編曲家であり、「ドイツ・グラモフォン」のクラシック音楽プロデューサーを長年務めるコート・ガーベンが弾くバッハ&ショパン。
ショパンのバッハ演奏に関する記録は特に残っていませんが、確実なのは、彼がこの作曲家を賞賛していたことでしょう。このプロジェクトでもいくつか聴くことができる「平均律クラヴィーア曲集」の前奏曲とフーガが、彼の興味の中心であったと推測できます。本アルバムでは、調性的に、また部分的には構造的にも関連した作品の直接的なつながりを利用して、ショパンがバッハの作品にどれほど影響を受けていたかを明らかにしようとするものです。
MUSICAPHON
M-59014(1CDR)
ブゾーニとレーガー編曲によるブラームス作品集
ブラームス(ブゾーニ編):オルガンのための11のコラール前奏曲 Op.122より 第4番、第5番、第8番、第9番、第10番、第11番
ブラームス(レーガー編):交響曲からの5つの緩徐楽章
エウジェニオ・デ・ローザ(P/スタインウェイ)

録音:2022年4月4日-7日(イタリア)
30年以上にわたりイタリア国内、及び国際的に活躍してきたコンサート・ピアニスト、エウジェ二オ・デ・ローザ。本アルバムでは、ブゾーニ、レーガーがピアノのためにアレンジしたブラームスの作品を取り上げています。デ・ローザは、ローマの名門、サンタ・チェチーリア音楽院を優秀な成績で卒業。イタリアの2つの音楽院で院長を務め若手音楽家の育成にも力を注いでいます。
※当タイトルは、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Prima Facie
PFCD-224(1CD)
子供の情景〜ペドロ・ファリア・ゴメス:ピアノ作品集
組曲 J/ソナティナ
ケネス・ハミルトン(P)

録音:2023年2月4日-5日&7月22日
2020年から21年にかけて世界を襲ったパンデミックのため、作曲家たちは突如として創作のための膨大な時間を手に入れました。ポルトガルの作曲家ペドロ・ファリア・ゴメスは、明確なオリジナリティと伝統への自信に満ちた敬意を併せ持つ、想像力豊かでコミュニケーション能力の高い音楽を作曲し、カーディフ大学音楽学部で同僚だったピアニストのケネス・ハミルトンと共有しました。ハミルトンはこの作品に感銘を受け、より手の込んだ作品を作曲する計画が持ち上がりました。これが、このディスクに初めて収録された、10楽章からなる印象的で示唆に富む組曲 J(「J」はファリアの娘ジョアナのこと)へと発展しました。

PASCHENrecords
PR-230084(1CD)
ヴィタリー・キヤニッツァ:夜の音楽 ヴィタリー・キヤニッツァ(P)

録音:2021年12月
1991年ウクライナ生まれのピアニスト兼作曲家のヴィタリー・キヤニッツァは、現在ドイツで活躍しています。彼の最初のソロ作品となった「夜の音楽」は12のサイクルで構成されており、スクリャービン、ドビュッシー、ショパン、シューマン、そしてラフマニノフといったクラシック音楽の影響を受けつつ、ジャズの要素も取り入れ独自の世界を作り上げています。


GWK
GWK-160(1CD)
シューベルト-ドホナーニ
エルンスト・フォン・ドホナーニ:トッカータ Op.17-2
シューベルト
:高雅なワルツ Op.77, D969
シューベルト(ドホナーニ編):高雅なワルツ
シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番イ短調 Op.42, D845
ドリーブ(ドホナーニ編):バレエ音楽「コッペリア」 より ワルツ
安並貴史(P)

録音:2023年2月(マリーエンミュンスター、ドイツ)
2018年に第7回野島稔・よこすかピアノコンクールで優勝、第10回浜松国際ピアノコンクールにも入賞し、2021年には第14回ドルトムント・シューベルト国際コンクールのピアノ部門で優勝を果たした1992年生まれのピアニスト、安並貴史のレコーディングがGWKレーベルからリリース。シューベルト国際コンクールでも演奏したシューベルトのピアノ・ソナタ第16番のほか、安並貴史が研究、演奏の両面に力を入れるエルンスト・フォン・ドホナーニの作品、編曲作品を収録。ブックレットには日本語の解説も掲載されています。

Etcetra
KTC-1811(1CD)
フロム・ザ・ベル・エポック
ドビュッシー:小組曲
ラヴェル:マ・メール・ロワ
ドビュッシー:古代のエピグラフ
フォーレ:ドリー
ヤン・フェルミューレン(P)、ヴェールレ・ペーテルス(P)

録音:2023年9月
ヴィーラント・クイケンやパウル・ドンブレヒトなど世界的古楽奏者らと共演してきたベルギーの古楽系鍵盤奏者ヤン・フェルミューレン。12枚組におよぶ「シューベルトのピアノ独奏作品集」(KTC-1336)や、ヴェールレ・ペーテルスとともに7枚組の「シューベルトの4手連弾作品全集」(KTC-1511)などを完成させたフェルミューレンが、同じデュオで印象派とされるドビュッシーやラヴェル、そしてフォーレといったフランスの作曲家の作品を収録しました。

GENUIN
GEN-24879(1CD)
アウト・オヴ・プレイス
グリーグ(グリゴリー・ギンズブルク編):「ペール・ギュント」第1組曲 Op.46
コルンゴルト:ドン・キホーテ
シューマン
:クライスレリアーナ Op.16
ニキータ・ヴォロフ(P)

録音:2023年9月11日-13日
疎外感、世間からの離脱、絶望といったテーマで悲劇的な文学的人物を掘り下げた3人の作曲家のピアノ作品を取り上げた本作。有名な小説に登場する生き生きとした、複雑で、しばしばのけ者にされるキャラクターを取り上げています。
ニキータ・ヴォロフの革新的なプログラムには、エドヴァルド・グリーグの「ペール・ギュント」第1組曲の想像力豊かな編曲、エーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトの狂気の理想主義者「ドン・キホーテ」をテーマにした曲、E.T.A.ホフマンの本に登場する悲劇的な指揮者クライスラーを題材としたシューマンの「クライスレリアーナ」があります。これらのユニークな「場違い」の人物は、世界中にインスピレーションを与え続けており、ヴォロフは見事な解釈と深い理解で、これらの魅力的な人物に命を吹き込み、時代を超えた関連性を示しています。
GENUIN
GEN-24904(1CD)
天才ベートーヴェン〜ベートーヴェン:ピアノ作品集
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調 Op.7/6つのエコセーズ 変ホ長調 WoO.83/スイスの歌による6つのやさしい変奏曲 WoO.64/「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」 による7つの変奏曲 WoO.78/失くした小銭への怒り ト長調 Op.129/ピアノ・ソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」 ハ長調 Op.53
ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルト(P)

録音:2023年9月6日-7日
ドイツの名ピアニスト、ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルトが天才ベートーヴェンの作品を厳選し、珍しい曲から有名曲まで収録しました。壮大なピアノ・ソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」と初期のピアノ・ソナタ第4番を並べ、激情的な「失くした小銭への怒り」と「スイスの歌」や「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」の変奏曲を並べた本作で、ムルトフェルトの洗練された正確なピアノ演奏は、新しい発見と偉大なクラシックの伝統の両方を浮かび上がらせています。

LAWO Classics
LWC-1273(1CD)
わたしの微分音ピアノ
アイヴィン・ビューエネ(b.1973):微分音ピアノのための3つの試作(2019)
原田敬子(b.1968):唄-媒-培(Bai-Bai-Bai)(2019-2021)
オイヴィン・メラン(b.1985):Bolling Web(2020)
ミシェル・アグネス・マガリャエス(b.1969):Snow Soul(2022)
 Tecelagem(2022)
アンドレーアス・グンデシェン(b.1993):微分音の小品)(2022)
吉田紗苗(微分音ピアノ)

録音:2020年8月25日ー26日&2022年6月27日-28日(ノルウェー)
オスロを拠点に活動するピアニスト、吉田紗苗のソロ・アルバム『My Microtonal Piano』(わたしの微分音ピアノ)。吉田紗苗は、2005年に桐朋学園大学を卒業、ノルウェーに渡りバラット=ドゥーエ音楽学校でイジー・フリンカ、スタヴァンゲル大学でホーコン・アウストボーに学びました。「アンサンブル・エルンスト」「フラガリア・ヴェスカ」、彼女が創設メンバーの「アンサンブル・テンポルム」のメンバー、ソリストとしてオスロを拠点に活動しています。2017年、ノルウェー国立音楽大学の「The Miscrotonal Piano(微分音ピアノ)」プロジェクトのアーティスティック・リサーチ・フェローに任命され、このアルバムのソロ曲はすべて、このプロジェクトのために委嘱された作品です。
ノルウェーの作曲家、深い思索による作品で知られるアイヴィン・ビューエネの「アンダンティーノ」「アダージョ」「アンダンテ・ソステヌート」と2つの「間奏曲」による 「微分音ピアノのための3つの試作」。三善晃やフライアン・ファーニホウに師事した原田敬子の 「唄-媒-培 Bai-Bai-Bai」 。オラヴ・アントン・トンメセン、イーヴァ・フロウンベア、ヘンリク・ヘルステニウスに作曲を学んだオイヴィン・メランの 「Rolling Web」。ブラジルのミシェル・アグネス・マガリャエスの 「Snow Soul 」 と「Tecelagem」。ヨン・オイヴィン・ネスやノルウェー国立音楽大学のアスビョルン・スコートゥンたちに学んだアンドレーアス・グンデシェンの「微分音の小品」。「微分音がアコースティック・ピアノのもつ表現の可能性を広げることを演奏者として示した」(吉田紗苗)アルバム。

AudioGuy Records
AGCD-0172(1CD)
メモリア〜バッハ=ブゾーニ:ゴルトベルク変奏曲

バッハ/ブゾーニ編曲:
1. シャコンヌ BVB.24(BWV.1004)

ゴルトベルク変奏曲 BVB.35(BWV.988)
2. アリア
3. 変奏:第1グループ
4. 変奏:第2グループ
5. 変奏:第3グループ

6. コラール前奏曲「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 BVB.27/3(BWV.659)
イ・ユンス(P/ベーゼンドルファー225)

録音:2024年2月22日-24日、オーディオガイ・スタジオ(ソウル、韓国)
解説:高坂はる香、イ・ユンス、パク・ソンボム
解説言語:日本語、韓国語
1924年7月27日に58歳でこの世を去ってから今年2024年が100周年となったフェルッチョ・ブゾーニの代表作と言えば終楽章に男声合唱が登場する長大かつ巨大な画期的作品「ピアノ協奏曲」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。19世紀後半から20世紀初頭にかけてコンポーザー=ピアニスト、教育者、「新音楽美学論」の著者として幅広いフィールドで活躍したブゾーニですが、現代において最も広く知られている功績は「シャコンヌ」に代表されるバッハの作品の編曲や校訂といっても過言ではないでしょう。
1997年のブゾーニ国際ピアノコンクールにおいて10代で最高位受賞という快挙を果たし、当時、審査員長を務めていたスイスの作曲家ロルフ・リーバーマン(1910-1999)からも非常に高い評価を受け、聴衆賞、ヤマハ賞、最年少入賞者に贈られるローターアクト賞をあわせて受賞した韓国生まれ、アルゼンチンとアメリカ育ちのピアニスト、イ・ユンスは自身とも縁のあるブゾーニの没後100周年を迎えるにあたりその最大の功績であるバッハ作品の編曲作品に着目。バッハの「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」、「シャコンヌ」、そして「ゴルトベルク変奏曲」の全てをブゾーニ編曲版でレコーディングするというプロジェクトが誕生することになりました。
音楽史上における最高傑作の1つである「ゴルトベルク変奏曲」を敢えて”編曲”したブゾーニ。その目的はバロック時代ではなく、ブゾーニが生きた時代のコンサートホールでこの傑作が最も輝くためには、と考え抜いた末の決断だったと伝えられています。
ブゾーニ編曲版には「コンサートで演奏する場合には第〇変奏へ」という注釈が付されており、この指示に従うことでブゾーニが19世紀後半〜20世紀初頭のクラシック・シーンのためにアップデートした「ゴルトベルク変奏曲」の全貌が見える仕組みとなっています。
イ・ユンスは装飾音やダイナミクスの変更、リピートの省略と同時にブゾーニが大きな拘りを見せた”変奏のグループ分け”を尊重してアリアと変奏の全てを個別にトラック分けすることはせずに、アリア、第1グループ(第1変奏〜第10変奏)、第2グループ(第11変奏〜第17変奏)、第3グループ(第18変奏〜第20変奏)の4トラックに分けることにより、このイタリアの大作曲家との時空を超越した共同作業を見事な姿に仕上げています。
近年、世界のピアノシーンを盛り上げている韓国のピアニストたちとは異なるスタイルの音楽活動に取り組むため、現在はソウルと済州島を拠点としているイ・ユンス。このバッハ=ブゾーニ・プロジェクト「メモリア」では、イ・ユンスのピアニズム、ブゾーニが思い描いた当時のコンサートにおけるバッハの傑作の響きを感じ取ることができることでしょう!

Signum Classics
SIGCD-916(2CD)
ブラームス:初期・後期ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調 Op.5
6つの小品 Op.118
7つの幻想曲集 Op.116
シューマンの主題による変奏曲 嬰ヘ短調 Op.9
3つの間奏曲 Op.117
4つの小品 Op.119
スィール・ウィリアムズ(P)

録音:2023年
ウェールズ出身のピアニスト、スィール・ウィリアムズは、ソリスト、伴奏者、室内楽奏者として深い音楽的知性と優れた表現力で広く称賛を浴びており、Signum Classicsからは8枚組のボックス・セット「ア・シューベルト・ジャーニー」(SIGCD-645)やベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲と様々な変奏曲やバガテルも収録した12枚組の「ベートーヴェン・アンバウンド」(SIGCD-527)などの充実した企画のアルバムをリリースし高い評価を得てきました。
Signum Classicsから16枚目となるこのヨハネス・ブラームス作品で構成された新しいアルバムでは、彼の内省的で表現力豊かなピアノ作品を包括的に探求しています。その演奏は英ガーディアン紙にて4つ星を獲得しており、「...演奏は常に完璧で、その作業は完全に明晰です。...それは疑いなく思慮深く、権威ある演奏です。」と高い評価を得ました。

Indesens Calliope Records
IC-057(1CD)
リスト・ピアノ作品集
詩的で宗教的な調べ S.173
ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
コンソレーション S.172
ティティアン・コラール(P)

録音:2023年10月23日-26日、スタジオ・ステファン・ポレロ(フランス)
国際的に活躍するピアニスト、ティティアン・コラールによるデビュー・アルバムが登場しました。使用楽器は102鍵をもつステファン・ポレロ製のピアノを用いています。天才フランツ・リストの描く壮大でドラマティックな音楽の世界をティティアン・コラールは的確に捉え、その技術をもって色彩豊かに演奏しています。そこにステファン・ポレロ製の楽器が持つ分厚い倍音によってより豊かに演出されています。

Channel Classics
CCSBOX-7924(8CD)
NX-F06
ロッシーニ:ピアノのための全作品(19世紀のオリジナル楽器による)
■CD1
思春期の子供たちのためのアルバム
1. 初聖体
2. 素朴な主題と変奏
3. イタリア風サルタレッロ
4. ムーア風前奏曲
5.1861年に期限切れのヴェネツィアのラグーン !!!
6. 不吉なワルツ
7. 慰みの即興曲
8. イタリアの無邪気さとフランスの純真さ
9. 痙攣前奏曲
10. やれやれ! 小さなえんどう豆よ
11. ソテー
12. ロマンティックな挽き肉
■CD2
敏捷な子供たちのためのアルバム
1. 私の朝の保健衛生前奏曲
2. 私の妻への愛撫 {(私の妻への思い出)}
3. シャンソネット
4. 舟歌
5. 愛らしいサヴォワの女
6. バロック前奏曲
7. ペーザロの女
8. ポルカ・マズルカのできそこない
9. 謝肉祭での埋葬
10. メメント・ホモ [汝はただの人間であるのを忘れるな] {(哀歌)}
11. お説教はたくさん:踊りましょう
12. 喘息練習曲
■CD3
楽しい汽車の小旅行
1. 冗談前奏曲 *
2. 三全音でどうぞ (上行と下行) *
3. ちょっとした考え *
4. バガテル *
5. イタリア風のメロディ (バガテル) *
6. 小奇想曲 (オッフェンバック風) *
7. 右手の四分音符上の旋律のいたずらの見本 ***
8. あどけないメロディ ***
9. イタリアの前奏曲 ***
10. イタリア風クリスマス・ソングの見本 ***
11. タランテッラの即興曲 ***
12. 苦悶のワルツ **
13. 私の最後の旅のための行進曲と想い出 ***
14. 楽しい汽車の小旅行、滑稽描写 **

* 『老いの過ち』第10巻「ピアノのための拾遺集」より
** 『老いの過ち』第6巻「敏捷な子供たちのためのアルバム」より
*** 『老いの過ち』第9巻「ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、ハルモニウ
ム、ホルンのためのアルバム」より
※ 原盤ブックレットのchoeurはcorの誤り。

■CD4
アルバムのためのいくつかの些細なこと
1. アレグレット
2. アレグレット・モデラート
3. アレグレット・モデラート
4. アンダンテ・ソステヌート
5. アレグレット・モデラート
6. アンダンテ・マエストーゾ
7. アンダンティーノ・モッソ
8. アンダンティーノ・ソステヌート
9. アレグレット・モデラート
10. アンダンティーノ・モッソ
11. アンダンティーノ・モッソ
12. アレグレット・モデラート (シベリア舞曲)
13. アレグレット・ブリランテ
14. アレグロ・ヴィヴァーチェ
15. 小さなドイツ風ガレット、アレグロ・ブリランテ
16. 甘い想い出、アンダンティーノ
17. ほとんどアレグレットのアンダンティーノ・モッソ
18. アンダンティーノ・モッソ
■CD5
開脚の体操
『老いの過ち』第12巻 「アルバムのためのいくつかの些細なこと」 より
1. アレグレット・モデラート
2. アレグレット・ブリッランテ
3. アンダンティーノ・ソステヌート
4. 短調による主題と変奏{、アンダンティーノ・モッソ}
5. 長調による主題と変奏{、アレグレット・モデラート}
6. エンハーモニックによる些細なこと{、アダージョ}
『老いの過ち』第7巻 「藁ぶきの家のアルバム」 より
7. 開脚の体操 {(源泉)}
8. フーガ前奏曲
9. 中国の小ポルカ
10. 閨房の小ワルツ
11. 無害な前奏曲
12. 小ワルツ:ひまし油
13. 深い眠り
14. びっくりして眼を覚ます
■CD6
韃靼人のボレロ
『老いの過ち』第7巻 「藁ぶきの家のアルバム」 より
1. 悪夢
2. 中国の単旋律聖歌、スケルツォ
3. ちぐはぐなワルツ
4. フィレンツェへの想い
5. 行進曲
『老いの過ち』第8巻 「城館のアルバム」 より
6. アンシャン・レジームの見本
7. 手に負えない前奏曲=ロココ
8. 後悔
9. 希望
10. 韃靼人のボレロ
■CD7
『老いの過ち』第8巻 「城館のアルバム」 より
1. もったいぶった前奏曲
2. 現代の見本
3. 反舞踏ワルツ
4. 半牧歌前奏曲
5. 純血種のタランテッラ (行列の通過付き)
6. 夢
7. 自称ドラマティックな前奏曲
8. 未来の見本
■CD8
四つの前菜、四つのデザート
『老いの過ち』第4巻 より 「四つの前菜」
1. ラディッシュ
2. アンチョビ
3. 小きゅうり [コルニション]
4. バター
5. 前奏曲 *
6. ゴシック・リトルネッロ **
7. パシーからクルブヴォワへの散歩 **
8. 半音階によるトゥルニケ、上行と下行 **
9. カンツォネッタ、ヴェネツィア女 **
10. ちょっとした冗談を再び **
11. 歓喜 **
『老いの過ち』第4巻 より 「四つのデザート」
12. 干しイチジク (私はここにいます-ボンジュール・マダム)
13. アーモンド (零時を告げる-ボンソワール・マダム)
14. 干しブドウ (私の可愛いオウムに)
15. はしばみの実 (私の愛しいニニへ)
* 『老いの過ち』第13巻 「慰みの音楽」より
** 『老いの過ち』第14巻 「その他の老いの過ち」より
※ {}内はロッシーニの原題にない言葉
パオロ・ジャコメッティ(P)

使用楽器:プレイエル1858、エドウィン・ベウンク・コレクション (CD1,7&8)
エラール1849、エドウィン・ベウンク・コレクション (CD2&3)
エラール1837、エドウィン・ベウンク・コレクション (CD4&5)
エラール1858、エドウィン・ベウンク・コレクション (CD6)
ティド・フィセル(語り) (CD3/トラック14)

録音: 1998年4月-2006年10月 メノナイト教会、デーフェンテル、オランダ
ミラノ出身のジャコメッティが、ロッシーニのピアノ作品を全て録音したシリーズが待望のセットで登場。歌劇作曲家として大きな成功を収めな がら37歳にしてその世界から身を引き、後半生は小品や宗教作品などをマイペースで作曲したロッシーニ。様々な小品を集めた『老いの過 ち』を晩年までに全14巻編集(出版は歿後)、その中にはピアノのための小曲がたくさん含まれており、このシリーズにはこれらを全曲収めてい ます。なかにはユーモラスなタイトルが付けられた作品も多く、また「やれやれ! 小さなえんどう豆よ」「ロマンティックな挽き肉」といった美食家 ロッシーニらしいものも。どの曲もたいへん親しみやすい曲想となっています。さらにジャコメッティは、ロッシーニ存命中に彼が生活したフランスで 作られたオリジナル楽器を使用。その端正な音色でこれらの作品を楽しむことが出来るのが、このBOXの素晴らしさと言えるでしょう。なおそ れぞれのCDには『老いの過ち』各巻の題名などをもとにしたタイトルが付されていますが、曲順などは独自に入れ替えが行われています。


Spectrum Sound
CDSMBA-180(1CD)
(UHQCD)
完全限定盤
バッハ:無伴奏チェロ組曲集
組曲第2番ニ短調 BWV1008
組曲第3番ハ長調 BWV1009
組曲第5番ハ短調 BWV1011
組曲第6番ニ長調 BWV1012より第6曲「ジーグ」【アンコール】
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)

ライヴ録音:1977年6月29日/ラ・ロシェル(ステレオ)
驚きの初出音源のディスク化を進めているスペクトラム・サウンド。当アルバムはフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの復刻で、ムスティスラフ・ロ ストロポーヴィチが50歳の時に演奏したバッハの無伴奏チェロ組曲第2・3・5番のライヴ、ステレオ音源です!
長い音楽活動の中でバッハはいつの時代も演奏してきた中心レパートリー。しかし録音は少なく、当初出ライヴ音源は大歓迎といえましょう。当演奏では安定の 技巧に豊かな音楽表現が魅力。内なる情熱をチェロの音色にのせ、一音一音輪郭がはっきりとした演奏は20世紀の大家らしく堂々たる演奏です。鳴り止まない カーテンコールにこたえ、第6番から「ジーグ」を演奏。ロストロポーヴィチの一夜のライヴを存分にお楽しみいただけます!日本プレスUHQCD。

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

Pentatone
PTC-5187224(1SACD)
ブルックナー:ピアノ作品集
(1)ピアノ・ソナタ ト短調 WAB243〜第1楽章
(2)ピアノ曲変ホ長調 WAB119
(3)幻想曲ニ短調
(4)秋の夕べの静かな想い WAB123
(5)メヌエットとトリオ ト長調 WAB220
(6)練習曲ト長調 WAB214
(7)幻想曲ト長調WAB118
(8)主題と変奏曲第5番WAB223
(9)ワルツ第2番変ホ長調 WAB224
(10)ポルカ ハ長調 WAB221
(11)アンダンテ変ホ長調 WAB deest3
(12)半音階的練習曲 ヘ長調 WAB212
(13)マズルカ イ短調 WAB218
(14)シュタイヤーメルカーWAB122
(15)ワルツ第1番ハ長調 WAB224
(16)思い出 WAB117
(17)ランシエ・カドリーユ WAB120(全4曲)
児玉麻里(P)ヤマハCFX2022PE

録音:2024年4月/MCOスタジオ5(ヒルフェルスム)
2024年はブルックナー生誕200年のため各社多数のディスクをリリースしていますが、なんとピアノの児玉麻里も驚愕の最新 録音で参戦。ブルックナーのピアノ曲に初挑戦しました。ワルツ、マズルカ、練習曲など目を疑うようなタイトルが並びます。
ブルックナーのピアノ曲集は数種ディスクが存在しますが、児玉麻里の演奏で味わえるのは破格の豪華さ。さらに嬉しいのは、「キッツラーの練習帳」に収め られた未出版のピアノ曲のうち完結し演奏可能なものを10篇も披露してくれています。そのなかにはハイドン風の変奏曲のほか、シューベルトを思わすメロディ アスで愛らしいワルツやポルカ、さらに技巧的な練習曲など、ブルックナーのイメージと違う世界に驚きの連続です。同時にワーグナーの洗礼を受けた後の「幻 想曲ト長調」や「思い出」、さらに第1楽章のみ残された力作ソナタなどは交響曲と通ずる世界が広がるなど興味は尽きません。
ピアニストにとりブルックナーは縁遠い作曲家で、児玉麻里も初めてピアノ曲を手掛けましたが、最初は驚き、すぐ夢中になったとのこと。そしてこれらの宝 石が過小評価されていることを残念に思い、もっと聴いてもらうべく世界初録音も含めてCD制作を決意しました。言うまでもなく彼女の夫君のケント・ナガノ はブルックナーの交響曲の権威で、そのアドバイスが反映されている点も注目。曲には後に交響曲で華開く個性やエッセンスがちりばめられており、ナガノ氏も 彼女の弾く曲の魅力に感心したそうです。
ピアノの豊かな音色、音楽的深さ、技巧いずれの点でも別格の出来で聴き惚れます。まさにブルックナー・イヤーならではのピアノ作品集の決定盤登場と申 せましょう。 (Ki)

SONARE
SONARE-1067(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
梯剛之 / ピアノ・リサイタル2023
シューベルト:楽興の時 Op.94D.780(全6曲)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 Op.57「熱情」
ラヴェル:夜のガスパール
 亡き王女のためのパヴァーヌ
梯剛之(P)

ライヴ録音:2023年10月9日/東京文化会館小ホール
深い味わいと香り高き演奏で聴き手を魅了するピアニスト梯剛之。毎年、東京文化会館小ホールでのリサイタルを続けており、その演奏会を収録したCDをSONAREレーベルからリリースしております。当アルバムは2023年10月9日に行われたリサイタル「梯剛之/ピアノ・リサイタル2023」のライヴ録音です。
梯が最も得意とし、演奏活動の中心レパートリーに据えるシューベルトとベートーヴェン。その繊細で洗練された音色はますます磨きがかかり、ひと際輝いた音色で演奏しております。シューベルトでは語りかけるような優しい音で奏で、ベートーヴェンでは堂々たる演奏を、そしてラヴェルでは梯ならではの多彩な音色で演奏しております。
「小学校卒業と同時にウィーンに留学した梯にとって、同地で活躍したシューベルトやベートーヴェンは、身近に感じられる作曲家だという。この街を歩いていると至る所で彼らの息吹を感じる、とも語っています。そうした感触に由来する親近感と、作品に漂う崇高さの両方を、梯は、今回の演奏のなかで見事に結びつけた」(原明美 ライナーノーツより) (Ki)

オクタヴィア
TACD-001611(1SACD)
2024年9月25日発売
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(松本和将によるピアノソロ編曲版)
前奏曲ニ長調作品23-4
コレルリの主題による変奏曲ニ短調作品42
ヴォカリーズ(ゾルタン・コチシュ編)
松本和将(P)

録音:2023年10月21日浜離宮朝日ホール・ライブ
難曲・ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をピアノ1台 で弾く!しかもピアニスト自身が編曲をして! そんな無謀とも言える挑戦を松本和将は予想を遥かに超 える音楽をもって成功させた。郷愁にあふれた「ヴォカ リーズ」「コレルリ変奏曲」、愛に溢れた「前奏曲 op.23-4」も必聴!(オクタヴィア)

Stradivarius
STR-37219(1CD)
パオロ・レスターニ、ピアノ・リサイタル
リスト:ヴェルディの歌劇「アイーダ」より神前の踊りと終幕の二重唱S.436
 ヴェルディの歌劇「リゴレット」による演奏会用パラフレーズS.434
 ワーグナーの「パルジファル」より聖杯への厳かな行進曲S.450
ショパン:夜想曲第1番、第2番、第3 番、嬰ハ短調の夜想曲、英雄ポロネースOp.53
パオロ・レスターニ(P)

録音:2019年10月8-10日
パオロ・レスターニ(b.1967)はイタリア出身のピアニストでゲルハルト・オピッツ、アルド・チッ コリーニ、ウラディーミル・アシュケナージらに師事した。1983年に16才でリサイタルを行い、 以後ソリストとしてヨーロッパ各地で活動しています。このディスクにはリストのオペラからの超絶 的なパラフレーズ集とショパンの作品が収録されています。いずれも見事な演奏で、この中堅 ベテラン世代の脂の乗り切った演奏を楽しむことが出来ます。

Stradivarius
STR-37256(1CD)
アルマ・アンティグァ(古い魂)〜マリーナ・トメイ、ギター・リサイタル
マリオ・パロディ(1917-60):前奏曲第1番「小川のほとりで」
ドビュッシー:「月の光」(マリオ・パロディ編)
ギュスターヴ・サマズイユ(1877-1967):「ゴヤのマハ」(ミゲル・リョベート編)
ポンセ:ソナタ・ロマンティカ
ジェローム・カーン(1885-1945):煙が目にしみる(ブルーノ・バティスティ・ダマリオ編)
マリーナ・トメイ(G)

録音:2023年12月メキシコ・シティ
マリーナ・トメイはイタリアの若手女流ギタリスト。このアルバムでは19 世紀後半から20世紀半ば まで活躍した作曲家によるギターのための小品が収められています。ドビュッシーの「月の光」など編 曲ものも含めて粋でおしゃれな作品が揃っています。中でもポンスのソナタ・ロマンティカはギターの 特性を活かしきった名曲で美しい旋律とハーモニーに溢れて聴きごたえ充分。

POLYMNIE
POL-139173(1CD)
無伴奏ヴァイオリン作品集
プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.115
ナタン・ミルシテイン(1903-1992):パガニーニアーナ
ヒンデミット:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタOp.11-No.6
クロード・パスカル(1921-2017):2つのエチュード
クロード・パスカル:アレグロ・ドゥ・コンセール
フロランティーヌ・ミュルサン(b.1962):ソナタ・ドゥ・コンセー
ル第3番Op.100
黒田裕理(Vn)

録音:ドメーヌ・ド・トゥルヌフー、フランス
※日本語解説あり
黒田裕理はニューヨーク出身で現在パリを拠点に活動するヴァイオリニスト。パリ・エコー ル・ノルマル音楽院でジェラール・ブーレに師事。パリ・バッハ国際ヴァイオリン・コンクール 第1位、リピッツァー国際コンクール特別賞など多くの賞を受賞し、ソロ、室内楽の分野で精 力的にコンサート活動を続けています。このアルバムではプロコフィエフがヴァイオリンの為に 残した最後のソナタのほか、20世紀の偉大なヴァイオリニスト、ナタン・ミルシテインがパガニ ーニの有名なカプリス第24番の主題をテーマに作編曲した超絶技巧の難曲や黒田女史と 親交の深かった作曲家クロード・パスカルのエスプリに富んだ黒田に献呈された小品などヴ ァラエティに溢れた作品が収録されています。黒田裕理はヨーロッパ在住のせいか日本ではあ まり知られていないが、確かな技巧と艶やかな音色が持ち味。もっと日本で聴かれてよい演 奏家です。

MSR
MS-1781(1CD)
「プリズマティック・サウンズ」〜無伴奏クラリネットのための現代作品集
ジャン・リヴィエ(1896-1987):「3つのS」(1972)
エバーハルト・ウェルディン(1911-91):「印象」(1987)
カール・マリア・クビツェク(1925-95):カプリッチョ〜6つの小品(1969)
ダロン・ハーゲン(b.1961):イカロス(2007)
ジェームズ・リー3世(b.1975):プリンシパル・ブラザーズ第3番(2020)
ジェレミー・レイノルズ(Cl)

録音:2022年6月12-15日コロラド州デンバー、ハミルトン・リサイタル・ホール
※全作品世界初録音
0〜21世紀に書かれた無伴奏クラリネットのための作品を収録。作風はやや新古典主義的なジ ャン・リヴィエの「3つのS」から軽妙洒脱なクビツェクの「カプリッチョ」、新ロマン主義的なリー3 世の 「プリンシパル・ブラザーズ第3番まで多種多彩。20 世紀後半から21世紀までの現代音楽史をた ったクラリネット1 本で俯瞰しようとするチャレンジングなアルバム。クラリネットのジェレミー・レイノル ズはツーソンSO、コロラド・スプリングス・フィルハーモニーの首席奏者を務める傍ら、ソリスト としても活動している
MSR
MS-1857(1CD)
「不死鳥は飛び立つ」〜ロス・サルヴォサ、ピアノ・リサイタル
アントニオ・モリーナ(1894-1980):マリクマータ(変容)
ラモン・タパレス(1906-1995):ミンダナオの蘭
ルチオ・サン・ペドロ(1913-2002):サラミシム(回想)
ショパン:練習曲集Op.10(全10曲)
ストラヴィンスキー(グイード・アゴスティ編):「火の鳥」より「カスチェイの地獄の踊り」「子守歌」「終曲」
ロス・サルヴォサ(P)

録音:2023年8月29日-9月1日ワシントン大学音楽学部リサイタル・ホール
フィリピン出身の若手ピアニスト、ロス・サルヴォサのデビュー盤。このアルバムの最初に収録さ れている3人の作曲家モリーナ、タパレス、サン・ペドロはいずれもフィリピンの作曲家で20 世紀前 半に生を受けたフィリピンの近現代作曲家の作風を知る上で大変興味深い。3 人ともフィリピン民 謡を素材にしつつドビュッシーを始めとするフランス近代音楽の影響を受けています。この 3人の作曲家の愛すべき色彩的な作品を聴くだけでもこのアルバムの価値は高いが、それに輪をかけて驚 かされるのがピアニスト、ロス・サルヴォサのピアノの腕前です。ショパンの練習曲は見事と言うし かない驚愕すべきテクニックと音楽性を備えた名演。サルヴォサはシアトル国際ピアノ・コンクー ル、スタインウェイ・カナダ・ヤング・アーティスト・コンペティションで入賞、これからの活躍が大いに 期待されています。最後に収められた「火の鳥」からの3 つのピアノ曲は編曲、演奏ともに見事。

La Dolce Volta
LDV-120(1CD)
ピアノ・ツインズ 〜ラヴェル、ドビュッシー、サティ: ピアノ・デュオ作品集
サティ:始め方(4手連弾のための「梨の形をした3つの小品」から)
ドビュッシー:リンダラハ
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ハバネラ (2台ピアノのための「耳で聴く風景」から)
. ドビュッシー:海 (アンドレ・カプレ編曲による2台ピアノ版)
サティ:ジムノペディ 第1番(演奏者編曲による2台ピアノ版)
ヴァネッサ・ワーグナー、ウィレム・ラチュウミア(P)

録音:2022年11月2-5日 シテ・ミュジカル=メス 大ホール
※日本語解説付
ヴァレーズの「アメリカ」8手ピアノ版で初めて共演し、その後デュオでの活動を始めたというヴァネッサ・ワー グナーとウィレム・ラチュウミアによるアルバム第2弾。アメリカの作品を収めた前作から打って変わり、今回 は2人の祖国でもあるフランスのラヴェル、ドビュッシー、サティという大作曲家たちの作品集となりました。 作品によって変幻自在に移ろうタッチで、2人というのを忘れるほど息の合った演奏を聴かせます。「ジム ノペディ」はドビュッシーによる管弦楽版を元に2人が編曲した版を収録。
La Dolce Volta
LDV-126(1CD)
永遠の四季
チャイコフスキー:『四季』 Op. 37a
グリーグ:『抒情小曲集』 より
 蝶々 〜第3巻 Op.43-1
 小鳥 〜第3巻 Op.43-4
 即興的ワルツ 〜第4巻 Op.47-1
 メロディ 〜第4巻 Op.47-3
 エレジー〜第4巻 Op.47-7
 トロルドハウゲンの婚礼の日 〜第8巻 Op. 65-6
 おばあさんのメヌエット 〜第9巻 Op.68-2
シベリウス:『6つの即興曲』 Op. 5より III、V、VI
グリンカ:夜想曲 「別れ」 ヘ短調
ヴァネッサ・ワーグナー(P)

録音:2023年9月11-13日 シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン
※日本語解説付
『ル・モンド』紙から「同世代中、最も魅力的な個性を誇るピアニスト」と称えられた、フランスのピアニス ト、ヴァネッサ・ワーグナー。ミニマル・ミュージックやアメリカ音楽に傾倒する彼女が改めて取り組んだロマン 派のピアノ作品集です。過行く時間の知覚や周期的なもの、刻一刻と変化するムードに惹かれるという 彼女が、新型コロナ・ウイルスによるパンデミックの孤独の中から2年をかけて練りあげたプログラムは、彼 女自身が表現されたこれまでになくパーソナルなものになったとのこと。各曲を慈しむように奏でられる、た いへん美しいアルバムです。

Cypres
CYP-2628(1CD)
マリー・ジャエル、フランツ・リスト、カミーユ・サン=サーンス: 4手ピアノ作品集
マリー・ジャエル(1846-1925):12のワルツと終曲
 春の声
リスト:『クリスマス・ツリー』 〜カリヨン/子守歌/昔々/ポーランド風
サン=サーンス:小二重奏曲 ト長調 Op.11
 アルバムの綴り 変ロ長調 Op.81
リスト:『クリスマス・ツリー』〜昔々 (1878年から82年までリストに提供されていた1873年製シュタイングレーバーによる演奏)
クラウディーネ・オルロフ、バルカート・シュピンラー(P/シュタイングレーバー・コンサート・グランド・ピアノ E-272)

録音:2023年11月24-26日シュタイングレーバー・ハウス室内音楽ホール、バイロイト
19世紀後半から20世紀初頭までフランスで活躍したピアニスト、作曲家、教育者マリー・ジャエルによ る小品を中心としたアルバム。変化に富むロマンティックな曲想がたいへん魅力的です。リストも愛した名 器シュタイングレーバーの音色でお楽しみいただけます。


ANALEKTA
AN-954(1CD)
秘められた旋律
シューベルト(1797?1828):ピアノ・ソナタ 第4番 イ短調 D537
8つのエコセーズ D529
ピアノ・ソナタ 第20番イ長調 D959※CDには第19番と表記
マチュー・ゴーデ(P)

録音:2024年12月4-6日パレ・モンカルム・ラウル・ジョバン・ホール、ケベック
2019年に12回のリサイタルでシューベルトのソナタ全曲を弾き切ったマチュー・ゴーデ。その直後から開 始されたソナタ全曲と主要ピアノ作品を網羅するプロジェクトの第10弾。人気曲の第20番(CDでは第 19番と表記)と、第4番を収録。第4番第2楽章の旋律は、第20番第4楽章へと昇華していることでも 有名です。

ONDINE
ODE-1453(1CD)
ロナルド・スティーヴンソン(1928-2015):ピアノ作品集
ブリテンの歌劇「ピーター・グライムズ」の主題による幻想曲(1971)
パデレフスキの歌劇「マンル」によるピアノのための組曲(1961)
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番K.466? ロマンス(R. スティーヴンソン編)(2002)
ワーグナー(パウル・ヴィトゲンシュタイン、スティーヴンソン編):楽劇「マイスタージンガー」- 五重唱による左手のためのエラボレート(1980)*
ゴドフスキの名によるオスティナート・マカブロ(1980)*
コルサコフとショパンの練習曲(アルカンの亡霊)(1987)
ショパンの前奏曲による6つのパンセ(1959)
パーセルの「新しいスコットランドの旋律」によるリトル・ジャズ・ヴァリエーション(1964/1975改訂)
ピッコロ・ニコロ・パガニネスコ(1986)*
ガーシュウィンの名による前奏曲(1981)*
タウベリアーナ、リヒャルト・タウバーの歌「マイ・ハート・アンド・アイ」のトランスクリプション(1980)
ペーテル・ヤブロンスキー(P)

録音:2024年7月
*…世界初録音
自身のレパートリーに強いこだわりを持つピアニスト、ペーテル・ヤブロンスキーが今回取り組んだのは、スコットランドの作曲家ロナルド・スティーヴンソンの作品 集。4曲の世界初録音を含んでいます。スティーヴンソンは、70分を超える長大な「DSCHによるパッサカリア」で知られ、ショパンやリスト、ゴドフスキーなどの ヴィルトゥオーソの伝統を継承しつつ、スコットランドの民謡にも高い関心を寄せました。彼は100曲を超えるピアノ曲を含む、500以上の作品を残していま す。 このアルバムには、1959年から2002年に書かれた作品を収録。ブリテンやパデレフスキの歌劇によるトランスクリプション、スティーヴンソンが独特のハーモ ニーを加えたモーツァルトの「ロマンス」、左手のみで演奏される「オスティナート・マカブロ」や、リムスキー=コルサコフの「熊んばちの飛行」とショパンの練習曲 作品番号10-2を組み合わせた「コルサコフとショパンの練習曲」など、超絶技巧を要するユニークな曲が目白押し。これらをヤブロンスキーは見事に演奏、 彼の感性と技巧、表現力が余すことなく発揮されたアルバムとなっています。

Pentatone
PTC-5187214(3CD)
メシアン:『鳥のカタログ』(全曲) ピエール=ロラン・エマール(P)

録音:2017年8月/ナレーパシュトラッセ・ベルリン・フンクハウス・ザール1(ベルリン)
ピエール=ロラン・エマールの代表的名盤、メシアンの『鳥のカタログ』がCDフォーマットで再発売いたします。
パリ音楽院でデュプレにオルガンを、デュカスに作曲を学んだメシアンは、戦後、自然界のすべてに絶対者の造化の妙を見るというカトリック世界観に没入。鳥の 鳴き声を基礎にした作品『鳥のカタログ』(1956-58)を発表し、独自の世界を切り開きました。初演は1959年の4月15日にパリのサル・ガヴォにてピエー ル・ブーレーズ率いるドメーヌ・ミュジカルの演奏会の一環として行われ、メシアンの妻であるイヴォンヌ・ロリオが演奏。当作品集は新しい音響世界の探求ともい え、第2次世界大戦後の前衛音楽に多大な影響を与えました。
メシアン弾きとして名高いエマール(1973年メシアン国際コンクール優勝)は、12歳の時にイヴォンヌ・ロリオのクラスに入ったことによりメシアンと直接的な つながりを持つことができ、その後様々な時間を共有したことで作曲家メシアンを深く理解することができたと語っています。エマールだからこそ表現のできるメ シアンの音世界が広がります。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5978 / PTC-5186670)は廃盤となります。また初発売時に付属していたブックレットおよびボーナ スDVDは、当CDセットにはつきません。なお、解説(英)はCDに掲載されているQRコードからご覧いただけます。 (Ki)
Passacaille
PAS-1147(2CD)
ヘンデル:チェンバロ組曲集(1720)
組曲第1番イ長調 HWV426
組曲第2番ヘ長調 HWV427
組曲第3番ニ長調 HWV428
組曲第4番ホ短調 HWV429
組曲第5番ホ長調 HWV430
組曲第6番嬰へ短調 HWV431
組曲第7番ト短調 HWV432
組曲第8番へ短調 HWV433
マイケル・キーナー(Cemb)

録音:2018年3月11-15日、2021年8月20-25日
1720年にロンドンで出版されたチェンバロ組曲集は、彼の様式の多様性と革新性を示す重要な作品。伝統的な4楽章制のものからコレッリのトリオ・ソナタを 思わせるものなど、様々なタイプの楽曲が含まれています。変奏曲やフーガでの作曲技巧の充実ぶりも見逃せません。ヨーロッパ全土で好評を博し、バッハ、ムファッ ト、ラモーといった作曲家たちにも影響を与えた曲集です。
マイケル・キーナーは1950年スイス生まれで、アムステルダムでレオンハルトに師事したベテラン・チェンバロ奏者。ソリストとして活躍する他、イル・ジャルディー ノ・アルモニコやイル・ガルデリーノなどとも共演しています。

BIJIN CLASSICAL
BJN-1029(1CD)
日本語解説付国内盤
ピアノ・リサイタル2023
バッハ:プレリュードとフーガ ト短調 BWV861 (平均律クラヴィーア曲集第1巻より)
ショパン:バラード第1番ト短調 作品23
 バラード第2番ヘ長調 作品38
 バラード第3番変イ長調 作品47
 バラード第4番ヘ短調 作品52
平野一郎:ピアノ・ソナタ第1番「光人彷徨(こうじんほうこう)」 〜左手と右手に依る二幕の黙示劇 (イリーナ・メジューエワ委嘱作品)
イリーナ・メジューエワ(P)
(1922年製ニューヨーク・スタインウェイ)

録音:2023年11月23日、京都コンサートホール 〈アンサンブルホールムラタ〉におけるライヴ
メジューエワが「21世紀の〈ハンマークラヴィーア〉」と絶賛する平野一郎のピアノ・ ソナタ第1番〈光人彷徨〉。その世界初演の舞台となった 2023年京都リサイタル・ ライヴがいよいよ登場。今どきこれほど重厚長大で内容の濃いピアノ・ソナタが生まれ たこと自体ひとつの「奇蹟」ですが、その傑作に全身全霊を込めてぶつかった演奏も これまた奇蹟的。どうしてこんなことが起こり得るのかと仰天しつつ、息を呑み続ける 46分間の壮大なドラマ、空前絶後の音楽体験をお届けします。前半のショパン:バラ ード全4曲も巨匠風のすごい演奏で聞き応え充分。(使用楽器:1922 年製NYスタ インウェイ)。


若林工房
WKSP-1022(7CD)
日本語解説付国内盤
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集
ピアノ・ソナタ K.280・K.282・K.310
マエストロ対位法氏の葬送行進曲 K.453a
ピアノ・ソナタ K.281・K.283・K.331/幻想曲 K.397
ピアノ・ソナタ K.311・K.457・K.545/幻想曲 K.475
ピアノ・ソナタ K.330・K.332・K.570/幻想曲 K.396
ピアノ・ソナタ K.279・K.284・K.309/サリエリの主題による変奏曲 K.180
ピアノ・ソナタ K.333・K.533/494・K.576
■特典盤*
幻想曲 K.396/ピアノ・ソナタ K.310/ロンド K.511/ グラスハーモニカのためのアダージョ K.356/ピアノ・ソナタ K.330
イリーナ・メジューエワ(P)

録音:2011年〜2015年、新川文化ホール(富山県魚津市)
2022年3月3日、東京文化会館・小ホールでのライヴ録音*
2014年から2016年にかけて全3集(各2 枚組)でリリースされた、メジューエワの モーツァルト:ピアノ・ソナタ集(録音:2011〜2015 年)を全集として初BOX 化。いずれ も専門誌などで高い評価を獲得した名演です。今回の全集ボックスには特典盤として 2022年3月のライヴ音源が付いているのが嬉しいところ。21 世紀の新しいモーツァル ト像を打ち立てた、生命力豊かな演奏をお楽しみください。

Music&Arts
M&ACD-1309(1CD)
「ドナ・ヴォーチェ 第2集」〜伝説の女性作曲家達
ファニー・メンデルスゾーン・ヘンゼル:12ヶ月
メル・ボニス(メラニー・ボニス):伝説の女性達
メリザンド Op.109/デズデーモナ Op.101/オフィーリア Op.165/ヴィヴィアン Op.80(アーサー王の伝説に登場する女性)/フィービー Op.30(ギリシャ神話のアルテミス)/サロメ Op.100/オンファール Op.86
オレナ・イルニツカ(b.1977):夜想曲1(レント)
アンナ・シェレスト(P)

録音:2023年3月 ニューヨーク・パトリッチスタジオ
アンナ・シェレストの女性作曲家ピアノ作品集第2弾(第 1集は SOREL CLASSICS SCCD015)。 アンナ・シェレストは 1983年ウクライナ生まれ、ニューヨーク在住。ハルキウ特別音楽院とジ ュリアード音楽院に学ぶ。アントン・ルービンシュタインのピアノと管弦楽のための全作品を、 ネーメ・ヤルヴィと録音したことで有名。 ファニー・メンデルスゾーン・ヘンゼルはフェリックス・メンデルスゾーンの実姉。フェリックス 以上に才能豊かなピアニスト・作曲家だったと言われています。『12ヶ月』はドイツの文豪詩人 の作品からインスピレーションを得て作曲された性格的小品集。 メル・ボニスはフランスの女性作曲家。近年、再評価が進んだことで室内楽・ピアノ曲・宗教 曲が再発掘されています。サン=サーンス、フォーレ、マスネといった一流の作曲家達と仕事 をしていた。『伝説の女性達』と銘打たれたこの録音は伝説上の描いた作品を集めたもの。 オレナ・イルニツカはウクライナの作曲家。キーフの国立アカデミーに学ぶ。オーケストラ曲 や室内楽の作品で知られています。現在、ウクライナ作曲家協会のメンバーです。『夜想曲 1』と言う曲名から、ジョン・フィールドやショパンの様な静かな曲想を想像するが夜の嵐を想 わせる様な激しい表現もあり、ダイナミックな夜想曲となっています。

Challenge Classics
CC-72996(1CD)
「プライベート・ストーリー」〜ショパン:ピアノ作品集
(1)即興曲第1番変イ長調 Op.29
(2)マズルカ第13番イ短調 Op.17-4
(3)マズルカ第5番変ロ長調 Op.7-1
(4)バラード第3番変イ長調 Op.47
(5)夜想曲第20番嬰ハ短調 遺作
(6)12の練習曲 Op.25より第2番ヘ短調
(7)12の練習曲 Op.10より第12番ハ短調「革命」
(8)24の前奏曲 Op.28より第15番変ニ長調「雨だれ」
(9)幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
(10)ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35より第3楽章「葬送行進曲」
(11)ワルツ第10番ロ短調 Op.69-2
(12)子犬のワルツ 変ニ長調 Op.64-1
レスタリ・スホルテス(P)

録音:2024年6月11&12日/MCOスタジオ(第1スタジオ)、ヒルフェルスム、オランダ
ピアノデュオ・スホルテス&ヤンセンスとしても活躍のレスタリ・スホルテスが、オール・ショパン・プログラムのソロ・アルバムをリリース。自身にとって思い入 れの深い作品を集めたこのアルバムではショパンの人生を彼のピアノ作品で語りかけるようなコンセプトとなっております。
「私にとってこのアルバム「プライベート・ストーリー」は、個人的な物語であると同時に、私が最も敬愛する作曲家ショパンの人生を、彼の作品(12曲)を通じ て表現した物語でもあります。このアルバムの最初と最後の作品は特に思い入れの強い作品です。最初はショパンの作品で私が初めて習った即興曲第1番、最後 に収録した子犬のワルツは母がわが家のピアノで愛奏していた作品です。2023年4月にこの世を去った母に捧げます」 (Ki)

Indesens Calliope Records
IC-058(4CD)
フォーレ:ピアノ作品全集

【CD1】ソナタ ヘ長調 N5/マズルカ N8/ガヴォット N14/前奏曲とフーガ ホ短調 N17/3つの無言歌 Op.17, N52/バラード Op.19, N56/即興曲第1番変ホ長調Op.25, N67/舟歌第1番イ短調 Op.26, N68/ヴァルス・カプリス第1番イ長調 Op.30, N73/即興曲第2番ヘ短調 Op.31, N74/マズルカ Op.32, N75/夜想曲第1番変ホ短調 Op.33-1, N76.1

【CD2】夜想曲第2番ロ長調 Op.33-2, N76.2/夜想曲第3番変イ長調 Op.33-3N76.3/即興曲第3番変イ長調 Op.34、N77/夜想曲第4番変ホ長調 Op.36, N79/夜想曲第5番変ロ長調 Op.37, N80/ヴァルス・カプリス第2番変ニ長調 Op.38, N81/舟歌第2番ト長調 Op.41, N87/舟歌第3番変ト長調 Op.42, N88/舟歌第4番変イ長調 Op.44, N91/「マスクとベルガマスク」 より 第8曲「パヴァーヌ」 Op.50, N100c/ヴァルス・カプリス第3番変ト長調 Op.59, N117

【CD3】ヴァルス・カプリス第4番変イ長調 Op.62, N120/夜想曲第6番変ニ長調 Op.63, N121/舟歌第5番嬰ヘ短調 Op.66, N127/舟歌第6番変ホ長調 Op.70, N132/主題と変奏嬰ハ短調 Op.73, N134/夜想曲第7番嬰ハ短調 Op.74, N135/ペレアスとメリザンド Op.80, N142b(管弦楽組曲からのピアノ・トランスクリプション)/8つの小品 Op.84, N147

【CD4】舟歌第7番ニ短調 Op.90, N159/即興曲第4番変ニ長調 Op.91, N160/舟歌第8番変ニ長調 Op.96, N166/夜想曲第9番ロ短調 Op.97, N168/夜想曲第10番ホ短調 Op.99, N170/舟歌第9番イ短調 Op.101, N171/即興曲第5番嬰ヘ短調 Op.102, N172/9つの前奏曲 Op.103, N173/夜想曲第11番嬰ヘ短調 Op.104-1, N175/舟歌第10番イ短調 Op.104-2, N176/舟歌第11番ト短調 Op.105, N177/舟歌第12番変ホ長調 Op.106bis, N179/夜想曲第12番ホ短調 Op.107, N180/舟歌第13番ハ長調 Op.116, N189/夜想曲第13番ロ短調 Op.119, N193
ローラン・ヴァグシャル(P)

録音:2023年&2024年、スタジオ・ド・ムードン(フランス)
フランス音楽の名盤を次々と生み出し、メディアからも絶賛されているピアニスト、ローラン・ヴァグシャル。フランスのIndesens Calliope Recordsが取り組むフォーレ没後100周年記念アルバムはピアノ作品全集!
ガブリエル・フォーレは、19世紀末のフランス楽派の復興における重要人物であり、その作曲スタイルは20世紀の多くの作曲家に影響を与えました。作品は、管弦楽曲から協奏曲、室内楽曲、歌曲など多岐にわたり、特にピアノのための作品はおよそ70曲という多作を残しています。フォーレのピアノ作品は未だ過小評価され、今日ほとんど演奏されていないものもありますが、本アルバムでローラン・ヴァグシャルは、傑作に加えて、トランスクリプションや未発表作品など、録音機会の少ない作品を含むピアノのための全作品を時系列順に沿って収録。数々の賞を受賞してきたフォーレ作品のフランス最大の解釈者の1人が、この偉大な遺産を讃えた大作にご注目下さい。
フランス音楽の解釈に情熱を注ぎ、忘れられた作曲家の熱心な擁護者でもあるローラン・ヴァグシャルは、これまでにサン=サーンス、フォーレ、フランク、ショーソン、ドビュッシー、さらにはマニャール、デュカス、ピエルネ、カプレ、ゴーベール、フローラン・シュミット、ヴィエルヌ、モーリス・エマニュエル、ジャン・クラ、フランセなどの録音(室内楽やピアノ曲)を残しており、彼のディスコグラフィはDiapason, Classica, Gramophone, The Guardianといったメディアから絶賛されています。

Ars Produktion
ARS-38369(1SACD)
伝統と自由
D.スカルラッティ:ソナタ 嬰ハ短調 K.247、ソナタ ロ短調 K.27、ソナタ ニ短調 K.213、ソナタ イ長調 K.268
ゲオルク・カッツァー(1935-2019):Aufgrund meiner Verehrung fur Domenico Scarlatti、5つの小品
ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル:4つの歌 Op.2
アニエレ・シュタイニンガー(P)

録音:2023年10月16日-18日
ベルリン生まれのピアニスト、アニエレ・シュタイニンガーのソロ・デビュー・アルバム。バーゼル音楽大学、ウィーン舞台芸術大学で学んだ彼女はその後ニコライ・ルガンスキーやロバート・レヴィンのマスター・クラスでさらに研鑽を積みました。ソリストとしての活動と共に室内楽奏者としても高い評価を受けており、とりわけ2018年にデュッセルドルフで開催されたアントン・ルビンシテイン国際室内楽コンクールで「最優秀デュオ」特別賞を受賞しました。

Danacord
DACOCD-979(1CD)
2023年フーズム城音楽祭
(1)ウィリアム・スタンデール・ベネット(1816-1875):3つの小品 Op.28(1846-49)
リスト:演奏会用大独奏曲 S.176(1850)
ゾフィー・メンター(1846-1918):ロマンス Op.5(1907)

(2)ジュリエット・ディヨン(1823-1854):ホフマンの10の素晴らしい物語(1847)〜第1曲:クレモナのヴァイオリン

(3)ラフマニノフ(ソルダーノ編):夜は悲しい Op.26-12
セルゲイ・ボルトキエヴィチ(1877-1952):3つの小品 Op.24〜第1曲:夜想曲 変ホ長調 「ディアナ」

(4)ツェムリンスキー:リヒャルト・デーメルの詩による幻想曲 Op.9
グリーグ:小川 Op.62-4(「抒情小曲集 第7集」 より)

(5)ショパン(ゴドフスキー編):ショパンのエチュードによる練習曲〔第4番(「練習曲」 Op.10-2「イグニス・ファトゥース」による/第6番(「練習曲」 Op.10-6(左手のための)による)〕

(6)レオポルド・ゴドフスキー:瞑想曲(1930)
グルック(ジロティ編):「オルフェオとエウリディーチェ」の旋律
(1)ダニエル・グリムウッド(P)

(2)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)

(3)アルフォンソ・ソルダーノ(P)

(4)アンドレイ・ググニン(P)

(5)ヴァディム・ホロデンコ(P)

(6)ターニャ・ガブリーリャン(P)

録音(ライヴ):2023年8月19日−26日、フーズム城(ドイツ)
ドイツ北部のかつてのデンマーク領、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン(スレースヴィ=ホルステン)の港町フーズムで1987年に創設され、毎年夏に開催されている「フーズム城音楽祭」(稀少ピアノ音楽祭)の2023年のライヴ録音が登場!
今回も豪華ピアニストたちによるレア・レパートリーがずらりと並びピアノ・ファンの耳を楽しませてくれます。ウクライナ人を祖先に持ち、ショスタコーヴィチの「24の前奏曲」(Hyperion, PCDA-68267/CDA-68267)が2020年のBBCミュージック・マガジン賞を受賞したロシア出身のアンドレイ・ググニンはツェムリンスキーとグリーグの詩的な作品を披露。第4回仙台国際音楽コンクールや第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールを制したウクライナの若き巨匠、ヴァディム・ホロデンコはゴドフスキーの難曲「ショパンのエチュードによる練習曲」に挑戦しています。その他パリ国立高等音楽舞踊学校で学び、2010年の「ナディア&リリ・ブーランジェ賞」を受賞した作曲家でもあるジャン=フレデリック・ヌーブルジェ、グレアム・フィッチに学び、19世紀のヴィルトゥオーゾ曲を主なレパートリーにしているイギリスのダニエル・グリムウッド、イタリアのヴィルトゥオーゾ・ピアニストでありトラーニ市の「アルド・チッコリーニ・ファウンデーション」の芸術監督を務めるアルフォンソ・ソルダーノ、ロンドン・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙をはじめとするメディアから、「力強い身体性と想像力豊かなピアニズム」と評されたターニャ・ガブリーリャンといった一流ピアニストたちが参加し、ピアノ作品の幅広い魅力や奥深さを紹介しています。
Danacord
DACOCD-980(1CDR)
ヨン・ダムゴー・プレイズ・シューベルト
シューベルト:楽興の時 D780
2つのスケルツォ D593
3つのピアノ曲 D946
ヨン・ダムゴー(P)

録音:2024年2月、デンマーク国立音楽アカデミー・コンサートホール(オーデンセ、デンマーク)
1941年生まれのデンマークのピアニスト、ヨン・ダムゴーはゲオルク・ヴァシャヘーリ、イローナ・カボス、ヴィルヘルム・ケンプに学び、王立デンマーク音楽アカデミーの助教授、オーフス王立音楽アカデミーの教授を務め、東京の武蔵野音楽大学とメルボルンのオーストラリア国立音楽アカデミーでも客員教授として教えました。80歳を超えてもなお精力的なレコーディング活動を継続するダムゴーの「プーランク:ピアノ作品集」(DACOC-D-960)に続く録音となる今作は、シューベルトの小品を集めたプログラム。1817年に書かれた「2つのスケルツォ」、1823年から没する1828年にかけて書かれた6曲からなる「楽興の時」、1828年5月に作曲され、ブラームスが遺稿を編集して出版された「3つのピアノ曲」を取り上げます。今なお深化を続けるデンマークの巨匠が紡ぐ情趣に富んだシューベルトにご期待ください。
「シューベルトにとっては、自身の経験したことを楽曲にするのが、きわめて自然なことだった。水の流れ、狩の風景、疾走する馬、かみなり、そして、彼がなによりも大切に思っていた、歩くこと……」(ヨン・ダムゴー)

※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

DUX
DUX-1969(1CD)
コスモポリタン
タンスマン:夜行列車(1951)/大都会(1935)/ヨハン・シュトラウスのワルツによる幻想曲(1961)/3つのフーガ(1942)/前奏曲とフーガ(1938)
ノヴィ・ピアノ・デュオ〔アンナ・ヴィエルグス=ノヴァク(P)、グジェゴシュ・ノヴァク(P)〕

録音:2023年10月30日-11月1日
本作にはアレクサンデル・タンスマンの2台ピアノのための作品がいくつか収録されています。主にバレエにインスピレーションを得た作品です。タンスマンの作品は近年復活を遂げており、その作品を収めたアルバムが多数リリースされたり、タンスマンの出身地であるポーランドを中心としてヨーロッパ各地でコンサート・プログラムに取り上げられています。
ノヴィ・ピアノ・デュオは、2018年にクラクフ音楽アカデミーの卒業生で結成され、ポーランド国内外で活動しており、イタリア、モナコ、ドイツ、イスラエル、クウェートなどで演奏してきました。
DUX
DUX-2037(1CD)
悲しみ
ダウランド:涙のパヴァーヌ P.15、はかない望み P.2、ファンシーP.6、別れ「イン・ノミネ」 P.4(オラフ・ファン・ゴニッセン&ティルマン・ホップストック編)
ソル(1778-1839):Fantaisie Elegiaque a la mort de Madame Beslay Op.59よりIntroduction. Andante largo、Marche funebre. Andante moderato
シューベルト:死と乙女 D.531(フェルディナンド・レバイ編)、白鳥の歌 D.957(ヨハン・カスパル・メルツ編)より愛のことづて、セレナーデ、住処、涙の賛美 D.711(ヨハン・カスパル・メルツ編)
ミウォシュ・モンチンスキ(G)

録音:2023年9月30日-10月1日
クラクフ・ギター四重奏団のメンバーで国際コンクールでの優勝経験を持つミウォシュ・モンチンスキの「悲しみ」や「憂鬱」などをテーマにしたアルバム。リュート奏者でもあったジョン・ダウランドの作品から始まり、フェルナンド・ソル(1778-1839)が弟子の死の直後に書き上げた作品などを収録しています。

APR
APRCD-5655(1CD)
アルフレート・ブレンデル・プレイズ・ブゾーニ&リスト 〜SPAレコーディングス
ブゾーニ:対位法的幻想曲
バッハ(ブゾーニ編):われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV.639
リスト:クリスマス・ツリーS.186*
アルフレート・ブレンデル(P)

録音:1953年、ウィーン(原盤:Society of participating Artists SPA56)
1952年、ウィーン(原盤:Society of participating Artists SPA26)*
ピアノの歴史的名盤や希少録音を世界的名エンジニアのリマスタリングで再び世に送り出してきた「APR」が、若かりし日のアルフレート・ブレンデルが録音したフェルッチョ・ブゾーニとフランツ・リスト(1曲はリスト編曲のバッハ)の演奏の復刻を実現させてくれました!
2008年12月に演奏活動から引退するまで様々な名演奏を残してきたブレンデルですが、その録音の中でも最も知られておらず貴重とされているのが、1950年代初頭にアメリカのレーベル「SPA(Society of participating Artists)」に残した4枚のLP。
その中にブレンデルのディスコグラフィーの中で最も重要な録音のひとつであるブゾーニの「対位法的幻想曲」があり、熱心なファンから復刻が強く望まれていました。
APRは今回ブレンデル本人の許可を正式に得たことで、SPAレーベルに録音されたリストの「クリスマス・ツリー」全曲と共にこのブゾーニの「対位法的幻想曲」を復刻。これら両作品は50年代当時いずれも世界初録音であり、この世界的名手がレコーディング・スタジオで再びこれらに取り組むことはなかったため、今回のAPRによる復刻はブレンデルのディスコグラフィーへの重要な追加となることは間違いないでしょう。
また、ブックレットにはブレンデル自身がこのリリースのために特別に書き下ろしたブゾーニと対位法的幻想曲についての考察が掲載されており、熱心なブレンデルのファンはもちろんのこと、全てのピアノ・ファンにとって要注目のリリースと言えるでしょう!

Da Vinci Classics
C-00928(1CD)
ショパン、リスト、ソッリーニ:ピアノ作品集
ショパン:12の練習曲 Op.10
マルコ・ソッリーニ(b.1964):練習曲 Op.18
 魔法 Op.23/カンティレーナ Op.26
 即興曲 Op.27
リスト:ダンテを読んで(ダンテ- ソナタ風幻想曲 S158c
[アンコール]
マルコ・ソッリーニ:カリヨン Op.5
モニカ・チャン(P)

録音(ライヴ):2023年8月18日(オッフィーダ、イタリア)
Da Vinci Classicsが贈る、イタリアの音楽祭「アルモニエ・デッラ・セーラ」のライヴ・レコーディング・シリーズから、キーシンも称賛する超新星ピアニスト、モニカ・チャンのライヴ録音が登場!2007年にミラノで中国人の家庭に生まれたモニカ・チャンは、2023年のリヴォルノ国際ピアノ・コンクールで最年少出場者にもかかわらず優勝。2024年の4月には負傷のためキャンセルとなったイム・ユンチャンのミラノ公演で代役を務めるなど、確かな実力で大きな注目を集めているピアニストです。このコンサートではショパンとリストの作品に加え、ピアニストとしても有名なマルコ・ソッリーニの小品をアンコールを含め5曲披露しています。

ULYSSES ART
KKC-4352(1CD)
日本語解説付国内盤
フォーレ&ショパン:ノクターン
1. フォーレ:夜想曲 第6番変ニ長調 Op.63
2. ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 Op.27, No. 1
3. フォーレ:夜想曲 第4番変ホ長調 Op.36
4. ショパン:夜想曲 ハ短調 Op.48, No.1
5. フォーレ:夜想曲 第1番変ホ短調 Op.33/1
6. ショパン:夜想曲 変ロ短調 Op.9, No.1
7. フォーレ:夜想曲 第8番変ニ長調 Op.84/8
8. ショパン:夜想曲 遺作 嬰ハ短調
9. フォーレ:夜想曲 第7番Op.74嬰ハ短調
10. ショパン:子守歌 変ニ長調 Op.57
池田珠代(P:1905年製プレイエルコンサートグランドピアノ2m78 モデルno1、ダブルエスケープメントメカニック。
フランス人間国宝シルヴィー・フアノンにより完全修復 (P・バルロンコレクション))
フランスで活躍する池田珠代。2022年のリスト編曲によるシューベルトの歌曲を収録したディスクも高く評価されました(KKC-4333)。今回の新譜は、ショ パンとフォーレの「ノクターン」集。フランスの哲学者ジャンケレヴィッチの『ノクターン』という本がきっかけで生まれた録音といいます。ジャンケレヴィッチは本 の中で、ショパンのノクターンは「夜の孤独の中で経験する深い苦痛に寄り添う」とし、フォーレのノクターンは「暗い夜を想起させるが『黄金の太陽』が約束され ている」として対比させています。いずれもやさしさや希望が込められた「夜」、というところから彼女が紡いでゆく世界は、濃厚で馥郁たる薫りに満ちたもの。ま た、いつくしむように奏でている1905年製プレイエルの音色が、彼女が描く夜の世界を一層絶妙な色彩と雰囲気で包み込みます。 (Ki)

TOCCATA
TOCN-0034(1CD)
NX-B06
バルカン諸国のピアノ曲集 第1集
サーニャ・ドラクリッチ(1963-):Drive(2006)
パンチョ・ヴラディゲロフ(1899-1978):エピソード集 Op.36(1941) - No.4Improvisation
トミスラフ・ゾグラフスキー(1934-2000):ピアノのための組曲 イ長調 Op. 27*(1960)
ラフェット・ルディ(1949-):前奏曲 ? Les cloches Arberesh(1993)
ヴォイン・コマディナ(1933-1997):2つのメヌエット(1985)
ドウシャン・バヴデク(1971-):Awakening 目覚め(2010)
アレクサンデル・ペチ (1951-):Barokjare(2013)
アレクサンダル・ペルノビッチ(1978-):metaglasswork(2014)
ミラン・ミハイロヴィチ(1945-):3つの前奏曲*(1986-89)
ジョン・サーサス(1966-):Jettatura*(1999)
アミル・ジャコヴィチ(P)

録音:2024年3月5日
*を除き世界初録音
ヨーロッパ南東に位置する自然豊かなバルカン諸国。「Balkan」とはオスマン語で「森深い山の連なり」を意味するとされ、バルカン半島内にはアルバニア、ボ スニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、コソボ、北マケドニア、モンテネグロの国々があり、半島周辺の地域もバルカンに含まれることがあります。このアルバムには、 この地域に伝わる独自の伝統音楽を取り入れた近現代作曲家の作品が収録されています。 パンチョ・ヴラディゲロフは、その作品が近年CAPRICCIOレーベルからまとめて発売されましたが、他の作曲家の名前はカタログでもほとんど見かけることがあ りません。この第1集では、アルバムの冒頭に置かれたドラクリッチの荒々しくエネルギッシュなトッカータ風の「Drive」を皮切りに、古典的な雰囲気を持つ曲 や、伝統的な旋律を持つ曲、ジャズ風の曲など多彩な作品が楽しめます。アルバニアのピアニスト、アミル・ジャコヴィチによる演奏です。

ALPHA
ALPHA-1071(1CD)
Made in USA 〜ガーシュウィン、ビーチ、バーバー
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(作曲者によるピアノ独奏版)
ビーチ(1867-1944):バルカンの主題による変奏曲 Op.60
バーバー:ピアノ・ソナタ 変ホ短調 Op.26
アール・ワイルド(1915-2010):ガーシュウィンによる7つの超絶技巧練習曲
クレア・フアンチ(P/YAMAHA CFX)

録音:2024年2月 ライプニッツ・ザール、ハノーファー、ドイツ
「次世代ソリストたちによるモーツァルト」に続くクレア・フアンチのALPHA第2弾は、ソロによるアメリカの作品集。9歳にして奨学金を得て国 際的なキャリアをスタートし、カーティス音楽院で学んだ後、2006年浜松国際ピアノコンクール奨励賞、2011年ミュンヘン国際音楽コンクー ル最年少出場で第2位、2018年にゲザ・アンダ国際ピアノコンクール優勝など輝かしい経歴を持つ彼女にとって、育ったアメリカの音楽を集 めたアルバムは待望のものと言えるでしょう。絞り込むのにかなりの苦労をしたというプログラムの中でも、ビーチの『バルカンの主題による変奏 曲』はフアンチによると「アルバムの中心であり魂」であって、登場する4つのバルカン半島の伝承曲のうち冒頭に現れる”O Maiko Moya”は 隣国の支配下で迫害される人々の訴えであり、今日の世界にとっても不気味なほど重い意味を持っていると語ります。アメリカを体現する作 曲家とも言えるガーシュウィンについては、代表作『ラプソディ・イン・ブルー』のほか、ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、アール・ワイルドが超絶技巧 練習曲に編曲した数々の歌を収録。ウラディミール・ホロヴィッツが初演したバーバーのソナタともども、持ち前の軽やかなテクニックと表現力で 洒脱に聴かせています。

DIVINE ART
DDX-21135(1CD)
NX-B10
「ディアベリ変奏曲」200年を記念して
ベートーヴェン:ディアベリのワルツによる33の変奏曲

ディアベリのワルツによる変奏曲集より
アントン・ディアベリ:ワルツ
ヤン・ネポムク・アウグスト・ヴィタセック(1770-1839):第49変奏 Un poco moderato
イグナツ ・モシェレス(1794-1870):第26変奏 Vivace
フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(1791-1844):第28変奏 Con fuoco
カール・ツェルニー:第4変奏
フリードリヒ・カルクブレンナー:第18変奏 Allegro non troppo
ヴェンツェル・ヨハン・トマシェック(1774-1850):第43変奏 Tempo giusto
シューベルト:第38変奏
リスト:第24変奏 Allegro
ヨハン・ネポムク・フンメル:第16変奏
ツェルニー:コーダ Vivace - piu mosso - Molto allegro
ディナ・パラヒナ(P)

録音:2023年2月5-6日
作曲家アントン・ディアベリは1819年、自ら作曲した主題を用いて、当時のオーストリアで活躍中の作曲家たちに変奏曲の作曲を依頼し、一つの作品にま とめることを考えました。声がかかったベートーヴェンは最初この主題を軽視して参加しませんでしたが、後に自身で33の変奏曲を作曲し、約60分の大作に 仕上げました。最終的にディアベリは50名の作曲家から変奏曲を集め、先に出版されていたベートーヴェンの作品と共に「愛国芸術家協会」名義で1824 年に出版しました。このアルバムは、そのプロジェクトの200周年を記念して制作されたもので、ベートーヴェンの全曲に加え、ツェルニー、シューベルト、リスト など10名の作曲家の作品が収録されています。演奏は現在英国王立ノーザン音楽大学で教鞭を執るピアニスト、ディナ・パラヒナ。モスクワ音楽院学生時 代、最後のリサイタルでベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」を演奏して以来、この作品を得意としています。

METIER
MEX-77128(1CD)
NX-B10
共鳴する地球 - モンク、リーム、ケージ、グラス他:ピアノ曲集
メレディス・モンク(1942-):Quarry Waltz
マルコス・バルター(1974-):I.v.
ニコ・ミューリー(1981-):LILT
ヴォルフガング・リーム(1952-2024):Auf einem anderen Blatt
ミッシー・マッツォーリ(1980-):Orizzonte
ジョン・ケージ:In a Landscape ある風景の中で
ジョン・ルーサー・アダムズ(1953-):Nunataks
フィリップ・グラス(1937-):エチュード第2番
イマン・ハビビ(1985-):in the brittle quietude
キャロライン・ショウ(1982-):ギュスターヴ・ル・グレイ
ショーン・ヒッキー(1970-):バークレー・ストリートの鳥
ケージ:ドリーム
ヒッキー:レコニング
モンク:エリス・アイランド
キャロリン・エンガー(P)

録音:2019年7月31日、2022年1月21、24日、2月15日、3月11日
ピアニストのキャロリン・エンガーの最新アルバム「Resonating Earth 共鳴する地球」。音楽と芸術を通じて地 球環境危機の問題に取り組むビデオアーティスト、ビジュアルアーティスト、写真家兼活動家たちとの共同によるマ ルチメディア・プロジェクトから生まれた1枚です。アルバムには、メレディス・モンクの曲や、瞑想的なマルコス・バル ターの曲、賛美歌を思わせるニコ・ミューリーの曲、雄大な氷河からインスパイアされたジョン・ルーサー・アダムスの 曲など、多彩な作品が収録されています。エンガーの演奏は、これらの音楽に対する深い共感を示し、批評家か らも高く評価されています。エンガーは、カーネギーホールなど名だたる会場で演奏経験があり、これまでの録音は ニューヨーク・タイムズ誌やグラモフォン誌から高く評価されています。

SOMM
SOMMCD-0690(1CD)
ワルツ - シューマン、ショパン、ラヴェル、ドビュッシー
ショパン:ワルツ集
 第1番変ホ長調 Op.18
 第9番変イ長調 Op.69No.1
 第8番変イ長調 Op.64No.3
 第13番変ニ長調 Op.70No.3
 第6番変ニ長調 Op.64No.1
 第4番ヘ長調 Op.34No.3
 第12番ヘ短調 Op.70No.2
 第2番変イ長調 Op.34No.1
 第3番イ短調 Op.34 No.2
 第14番ホ短調 KK IVa/15
  第10番ロ短調 Op.69No.2
 第11番変ト長調 Op.70No.1
 第7番嬰ハ短調 Op.64No.2
 第5番変イ長調 Op.42
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ドビュッシー:レントより遅く CD 128
ピーター・ドノホー(P)

録音:2023年11月18,19日  イギリス、サリー州ストーク・ダバノン、メニューイン・ホール
モーツァルトのソナタ全集やプロコフィエフ、ラフマニノフ作品の演奏で高く評価されるイギリスのピアニスト、ピーター・ドノホーの最新アルバム。今回彼が手掛け たのは、ショパン、シューマン、ラヴェル、ドビュッシーの三拍子を基調にした作品集です。シューマンの「アベッグ変奏曲」で幕を開け、アルバムの中心となるショ パンのワルツが続きます。ここには遺作も含めた14曲を収録。あえて番号順にはせず、曲調に合わせて並べるという試みで、華やかな曲と落ち着いた曲がバ ランス良く配置されています。ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」が続き、最後にドビュッシーの「レントより遅く」。この印象派の美しい作品でアルバムが締め くくられます。

Grand Piano
PIANOGP-942(1CD)
NX-B06
ルイーズ・ファランク(1804-1875):ピアノ作品全集 第3集- ロンド
3つのやさしいロンド Op.8(1827-29年出版)
ベッリーニの歌劇「海賊」の合唱曲による華麗なロンド Op.9(1833年出版)
ウェーバーの歌劇「オイリアンテ」の主題による華麗なロンド Op.11(1833年出版)
ロッシーニの歌劇「ゼルミーラ」のカヴァティーナによる華麗なロンド Op.13(1833年出版)
おばあちゃん、ラゴアネールのシャンソネットによるロンドレット第1番(1835)
ナポリ、マシーニの舟唄によるロンドレット第2番(1835)
シルフィード、マシーニのモティーフによる華麗なワルツ Op.18(1835)
若いピアニストへの励まし(1835-36年出版)
幸せな日々、お気に入りの主題による4つのロンディーノ Op.21(1838年頃出版) michelemma"
マリア・ストラティグー(P…Steinway、 Model D)

録音:2023年5月7日
Royal Northern College of Music、マンチェスター(UK)
※全て世界初録音
19世紀パリの音楽界で高く評価されたルイーズ・ファランク(ファランとも)。近年注目が高まる女性作曲家の 一人です。GRAND PIANOレーベルでは、ファランクの没後150年にあたる2025年までに全6巻のピアノ 作品全集の録音を予定しています。パリ音楽院ピアノ科の教授を務めたほどの優れたピアニストでもあり、と りわけシューマンに賞賛されたファランク。この第3集に収録されたロンドは20?30代に書かれたもので、歌 劇や歌曲に基づくものもあれば、若い演奏家向けに書かれたシンプルな作品も含まれており、どれもエレガン トで優雅な曲調を持っています。シリーズを通じての演奏者、マリア・ストラティグーは19世紀の女性たちの 音楽活動を研究しており、2018年にはニュージーランドのカンタベリー大学で開催された会議で「ルイーズ・ ファランク作品の演奏」についてのプレゼンを行うなど、広く活動しています。

Audite
AU-20052(1CD)
シューマン:謝肉祭 Op.9
ダーヴィト同盟舞曲集(18の性格的小品) Op.6
ジミン・オウ=ハヴェニート(P/ベーゼンドルファー280)

録音:2023年10月24〜26日/コンツェルトハウス・リーブフラウェン、ヴェルニゲローデ
韓国が誇る名ピアニスト、ジミン・オウ=ハヴェニートのシューマン第3弾は、謝肉祭とダーヴィト同盟舞曲集です!謝肉祭は想像上の仮面舞踏会というアイデア に基づくもので、「4つの音符による面白い情景」という副題があらわすように4つの自伝的なレターが音楽的な暗号文として使われ、架空の人物と実在の人物が 登場する全21曲の作品です。
18曲からなるダーヴィト同盟舞曲集。ダーヴィト同盟とは、ロマン派の闘士を自任するシューマンがペリシテ人と戦ったダヴィデの物語に託し、当時の俗物主義 に対抗する自分を表現した架空の同盟のことを意味し、ゲーテの孫W.v.ゲーテに献呈されています。
オウ=ハヴェニートは国立ソウル大学校卒業後、ケルン音楽舞踊大学にて研鑽を積み現在ドイツを拠点に活躍しております。録音としてはのちの夫となるレイムン ド・ハヴェニートとともに1990年代に録音したウルリヒ・レインデッカー(のピアノ作品集などをリリースしております。円熟を増したオウ=ハヴェニートの演奏は 深みがあり、愛器ベーゼンドルファーで見事な演奏を展開します。
auditeレーベルから「ムソルグスキー:「展覧会の絵」」(AU-20049)、「シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番&リスト:ピアノ・ソナタ」(AU-20043)、「ベー トーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」、第30番、第32番」(AU-20047)、「K[NOW]N PIANO〜「ピアノ音楽250年の対話」」(AU-23446)、「ク ララに捧ぐ〜シューマン:ピアノ・ソナタ第1番&幻想曲」(AU-20050)、「シューマン:クライスレリアーナ&フモレスケ」(AU-20051)をリリースしています。 (Ki)

Profil
PH-24018(2CD)
バッハ & チック・コリア
Disc1
(1) バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
Disc2
(2) バッハ:14のカノンBWV1087(ゴルトベルク変奏曲へ)
(3) 同(リパッティ編):豊かな毛並みの羊が〜狩りのカンタータBWV208より
(4) 同(リパッティ編):羊は安らかに草を食み〜狩りのカンタータBWV208より
(5) 同(ブゾーニ編):目覚めよと呼ぶ声ありBWV645
(6) 同(ブゾーニ編):いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV659
(7) 同(ブゾーニ編):主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶBWV639
(8) 同(ケンプ編):わが心の切なる願いBWV727
(9) 同(ジロティ編):前奏曲ロ短調BWV855a
(10) 同(ジロティ編):アリア〜管弦楽組曲第3番BWV1068より
(11) チック・コリア:チルドレンズ・ソング(全20曲)
ル イザ・ボラク(P)

録音:2023年10月27/28日、11月23日/テスマル音楽スタジオ(ハノーファー)
ユニークなレパートリーを抜群の技巧で紹介するルーマニア出身のピアニスト、ルイザ・ボラクの最新盤はバッハとチック・コリア。凝りに凝った内容に注目です。
Disc1は「ゴルトベルク変奏曲」。生き生きとした推進力が魅力で、あっという間に聴き通してしまいます。Disc2はボラクの真骨頂。ゴルトベルク変奏曲のアリ アのバスに基づく「14のカノン」のピアノ版が大歓迎。1974年に発見されたもので、「ゴルトベルク変奏曲」の展開がまだ続くことを示しています。
さらにバッハ作品の編曲8篇を披露。ボラクが崇拝する偉大な同郷の先達リパッティ、タルコフスキーの「惑星ソラリス」のテーマ「主イエス・キリスト、われ汝を 呼ぶ」を含むブゾーニ、ギレリスが愛奏した「前奏曲ロ短調」を含むジロティらが何故バッハを編曲したのか、ボラックは神学者に問いて探ったとされます。ケンプ 編のコラール前奏曲「わが心の切なる願い」は「マタイ受難曲」の有名なコラールと同じメロディで非常に感動的です。
アルバムはバッハで終らず、何とジャズの神様チック・コリアの「チルドレンズ・ソング」全20曲に続きます。チック・コリアは「ゴルトベルク変奏曲」を愛し、「多 大なインスピレーションを与えてくれた」と記していますが、「チルドレンズ・ソング」はまさにコリア版の「ゴルトベルク変奏曲」で、指の練習を主眼にしながらも 遊び心とダンスの精神を受け継いでいます。ボラクはコリアのミュージック・アカデミーのワークショップに参加し、「忘れられぬ特別なもの」だったとしており、ま さに直伝で、ジャズ的なリズムの良さに感心させられます。 (Ki)

H.M.F
HMM-902388
(2CD+1BluRay)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲/2023年セッション録音)
- 我ら人生のただ中にあって(Rosas/ アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル)
[CD1]
組曲第1番ト長調 BWV1007
組曲 第2番ニ短調 BWV1008
組曲 第3番ハ長調 BWV1009
[CD2]
組曲 第4番変ホ長調 BWV1010
組曲 第5番ハ短調 BWV1011
組曲 第6番ニ長調 BWV1012
■Blu-Ray
Rosas/Mitten wir im Leben sind/Bach6Cellosuiten
(われら人生のただ中にあって/バッハ無伴奏チェロ組曲)
Rosas/ボスティアン・アントンチッチ、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル 、
マリー・グード 、ジュリアン・モンティ、ミヒャエル・ポメロ/ジャン=ギアン・ケラス
ジャン=ギアン・ケラス(Vc/ジョフレド・カッパ、1696年製)

録音(CD):2023年10月、ハーレム(オランダ)
映像(Blu-Ray):2022年7月、Lites Studios(ベルギー)
ますますその芸術が深まりを見せている、充実の極みのジャン=ギアン・ケラスによる、バッハの無伴奏チェロ組曲全曲の2度目の録音の登場。2007年3 月録音の第1回目のバッハ(KDC-5033/HMC-901970)も世界で高く評価されており決定的ベストセラーとなっておりますが、今回の録音はさらに一 歩進んだ深まりを感じる演奏です。どこまでも自然な流れで、音楽やパッセージ自身がもつ方向性や力学にまったく逆らうことはなく、ここちよい重力の上下運 動のようなものも感じさせます。同時に、ふとしたパッセージには無重力的な浮遊感もあり、聴き手はケラスの放つ音楽宇宙に包み込まれるようです。驚異的 な技術でどんな難所もやすやすと弾いているのは相変わらずなのはいうまでもありません。第1回目の録音後、ダンスカンパニー「Rosas(ローザス)」と、 無伴奏チェロ組曲を通して共演し、世界で100回以上の公演を行いました。さらに来年初夏、バッハの無伴奏についてのケラスの本の日本語翻訳版も刊行予定 (2022年にフランス語版が刊行)。こうした活動に加え、ジャズやワールド・ミュージックとの様々なコラボレーションを経ての豊かな果実がここに響き渡ります。
コンテンポラリーダンス界を牽引する振付家アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルが率いるダンスカンパニー「Rosas(ローザス)」。これまでにも、バッハ のブランデンブルク協奏曲や、ビーバーのロザリオ・ソナタ、コルトレーンの音楽など、様々な音楽のダンスを振り付けてきました。バッハの傑作「無伴奏チェ ロ組曲」に振り付けた舞台は「我ら人生のただ中にあって バッハ無伴奏チェロ組曲」と題されています。ケラスが舞台上で小さな椅子に座ってライヴで演奏 する傍らで、ダンサーたちが繰り広げるスペクタクルは、100回以上にわたり世界で上演され、2019年5月には日本でも公演があり、注目を集め、感動を 呼び起こしました。このコラボレーションで受けた影響と刺激、経験が、ケラスにとって計り知れないほど豊かな実りとなっていることを感じます。舞台を4K で収録した美しい映像もついており、ケラスファンのみならず、ダンス・ファンの方々にも是非お手にとっていただきたい注目のセットとなっております。

BIS
BISSA-2745(1SACD)
「目覚め」〜細川俊夫:ギター作品集
2つの日本民謡〜ソプラノとギターのための(2003)
(1)黒田節
(2)五木の子守唄
セレナーデ〜ギターのための(2003)
(3)月光(つきひかり)のもとで
(4)夢路
恋歌T〜ソプラノとギターのための(1986)
(5)秋の田の
(6)君が行く
(7)由良の門を
(8)旅 \「目覚め」〜ギター、弦楽、打楽器のための(2007)
「日本の歌」12の日本民謡集〜ギター独奏のための編曲作品(2004*/2022)
(9)さくら(4月)*
(10)春の小川(5月)
(11)通りゃんせ(6月)
(12)ふるさと(7月)
(13)山寺の和尚さん(8月)
(14)赤とんぼ(9月)
(15)荒城の月(10月)
(16)夕焼け小焼け(11月)
(17)雪の降る街を(12月
(18)お正月(1月)
(19)かあさんの歌(2月)
(20)江戸の子守唄(3月)
ヤコブ・ケッレルマン(G)
(1)(2)(5)(6)(7)イルゼ・エーレンス(S)
(8)タリン室内O、
クリスチャン・カールセン(指)

録音:(1)-(7)(9)-(20)2023年9月21&22日/スンドビュベリ教会、ストックホルム(スウェーデン)
(8)2023年1月12&13日/ハウス・オブ・ザ・ブラックヘッズ、ホワイトホール、タリン(エストニア)
細川俊夫のギター作品をヤコブ・ケッレルマンが録音しました!日本民謡をギター独奏のために編曲した作品など、これまで数多くギター 作品を手掛けてきた細川。当アルバムには細川がこれまで作曲したギターを伴う作品を収録しています。
撥弦楽器(G)は古来より詩や歌とともに紡がれてきました。クラシックギターと日本民謡との親和性は高く、箏を想起させる音色が実に美しく響きます。こ こに収録された作品はギター独奏、ギターと声、ギターと弦楽アンサンブルなど、いずれも細川作品の根源的な側面があらわれています。
細川作品をこよなく愛するギタリスト、ヤコブ・ケッレルマンは、ソプラノのイルゼ・エーレンス、クリスティアン・カールセン率いるタリン室内Oとともに 繊細にして魅惑的な演奏を披露しています。
12の日本民謡からなる「日本の歌」はケッレルマンの委嘱作。2004年に作曲した「さくら」以外の11曲が新た編曲され、日本の12か月、四季を感じられ る色彩豊かな作品となっております。世界初演は2024年2月。同年9月に当録音が行われました。


BRAVO RECORDS
BRAVO-10014(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001-1006(全6曲) 木凜々子(Vn)

録音:2024年1月16〜19日/稲城iプラザホール
2023年12月のミニCD「シャコンヌ&ロマンス」リリース以来、新レコーディングが待望されていた木凜々子によるバッハ「無伴奏ヴァイオ リンのためのソナタとパルティータ」全6曲がついに登場!
ヴァイオリン音楽の最高峰と呼べる作品に向けた木凜々子の透徹した眼差しが、この曲の新たな扉を開きました。
前作の「シャコンヌ&ロマンス」にも、バッハの『シャコンヌ』が収録されていましたが、これは2022年1月の録音。この時から2年経ってレコーディ ングされた今回のアルバム、CD2枚に及ぶ「無伴奏・全曲」という巨大で複雑な構造物を前にして、新たに演奏された『シャコンヌ』の表現が、どのように変 化しているかも聴きものです。
演奏楽器はストラディヴァリウス“Lord Borwick"(1702)。輝く高音域と豊穣な中・低音域……、木凜々子が、この歴史的名器の魅力を最大限に引き出 す演奏を聴かせてくれます。
2024年1月に行われた4日間のセッション録音には、「リリコ・カンタービレ」(BRAVO-10007)、「シャコンヌ&ロマンス」(BRAVO-10013)と同じスタッ フが参加、音の名匠・深田晃による透明感あふれる録音が、アルバムの価値をいっそう高めています。
フルカラー全16ページのブックレットには、クラシック音楽ファシリテーター・飯田有抄氏による解説のほかに、本企画のために撮り下ろした木凜々子の 写真が掲載されています。 (Ki)
初回出荷分のみの特典として木凜々子のサイン色紙【1CD サイズ】付!色紙はOPP 袋で加工し外付けで封入いたします。


FIRST HAND RECORDS
FHR-99(5CD)
チェルカスキー/アンバサダー・オーディトリアム・リサイタル1981-1989
■CD1
ショパン
バラード第1番ト短調 Op.23
夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2
夜想曲第15番へ短調 Op.55-1
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
幻想曲 へ短調 Op.49
即興曲第2番嬰ヘ長調 Op.36
幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
スケルツォ第2番変ロ短調 Op.31
【アンコール】
夜想曲第3番変ロ長調 Op.9-3
ワルツ第5番変イ長調『大円舞曲』 Op.42
■CD2
リュリ:クラヴサン組曲
メンデルスゾーン:スケルツォ・ア・カプリッチョ 嬰へ短調 WoO3
チャイコフスキー:ピアノ・ソナタ ト長調『大ソナタ』 Op.37
ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調『幻想ポロネーズ』 Op.61
ショパン:バラード第4番へ短調 Op.52
■CD3(CD2より続き)
ホフマン:性格的素描 Op.40より 第4曲 万華鏡
リスト:『ドン・ジョヴァンニ』の回想 S.418
【アンコール】
チェルカスキー:悲愴前奏曲
ショパン:ワルツ第5番変イ長調『大円舞曲』 Op.42
フランク:前奏曲、コラールとフーガ ロ短調 Op.21*
シューマン:謝肉祭*
■CD4(CD3より続き)
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42
ホフマン:性格的素描 Op.40より 第4曲 万華鏡
ショパン:夜想曲第15番へ短調 Op.55-1
ショパン:舟歌 嬰へ長調 Op.60
リスト:グノーの歌劇『ファウスト』からのワルツ S.407
【アンコール】
アルベニス:スペイン Op.165より 第2曲 タンゴ ニ長調(ゴドフスキー編)
ラフマニノフ:V.R.のポルカ(ベーア作曲/ラフマニノフ編)
チャイコフスキー:四季 Op.37より10月 秋の歌
■CD4
(CD3より続き)
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42
ホフマン:性格的素描 Op.40より 第4曲 万華鏡
ショパン:夜想曲第15番へ短調 Op.55-1
ショパン:舟歌 嬰へ長調 Op.60
リスト:グノーの歌劇『ファウスト』からのワルツ S.407
【アンコール】
アルベニス:スペイン Op.165より 第2曲 タンゴ ニ長調(ゴドフスキー編)
ラフマニノフ:V.R.のポルカ(ベーア作曲/ラフマニノフ編)
チャイコフスキー:四季 Op.37より10月 秋の歌
■CD5
ヘンデル:チェンバロ組曲第5番ホ長調 HWV430
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17より 第3楽章
チャイコフスキー:6つの小品 Op.19より 第6曲 自作主題と変奏
ラフマニノフ:サロン小品集 Op.10より 第3曲 舟歌 ト短調
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調 S.244-2
【アンコール】
アルベニス:スペイン Op.165より 第2曲 タンゴ ニ長調(ゴドフスキー編)
ショパン:タランテラ 変イ長調 Op.43
シューラ・チェルカスキー(P)

■CD1
録音:1981年4月29日
■CD2
録音:1982年1月13日
■CD3(CD2より続き)
録音:1982年1月13日
録音:1987年11月18日*
■CD4(CD3より続き)
録音:1987年11月18日
■CD4
録音:1987年11月18日
■CD5
録音:1989年2月11日
チェルカスキーの遺族の承認を得てリリースされた完全初出ライヴ音源。1981年から1989年にかけてパサデナのアンバサダー・オーディトリアムで行われた、 合計5時間を超えるリサイタルを収録しています。ライヴでこそ真価が発揮されるチェルカスキーの超貴重音源をご堪能ください。
シューラ・チェルカスキー(1909-1995)はロマン派のレパートリーを得意とするロシア系アメリカ人のピアニスト。ロマン派ピアニズムを継承する最後のピア ニストの一人で、その演奏はまさにヴィルトゥオーゾというべき技巧と歌うような音色を特徴とし、キャリア初期からその自発性、創造性、技術的な完璧さで並ぶ者 なしと評されていました。聴けばすぐに彼の演奏とわかる無二の個性を持ち、また同じ曲を同じように弾くことがないピアニストとしても有名でした。ショパン、リ スト、ラフマニノフといった定番のヴィルトゥオーゾ・レパートリーに加え、ホフマン、ヒンデミット、モートン・グールド、ブリテン、ベリオ、ベルク、シュトックハウゼン、 ブーレーズなど20世紀の作品も多く演奏しています。
シューマンの『幻想曲』は全曲演奏されたものの、「技術的な問題により」第3楽章のみ収録となっております。ご了承ください。

CEMBAL D’AMOUR
CEMBCD-214(1CD)
モルデカイ・シェホリ ベートーヴェンを弾く 第10集『若き日のベートーヴェン』13〜14歳時の全作品
ロンド ハ長調 WoO.48
ロンド イ長調 WoO.49
3つの選帝侯ソナタ WoO.47
ソナタ第1番変ホ長調
ソナタ第2番へ短調
ソナタ第3番ニ長調
ピアノ協奏曲 変ホ長調 WoO.4(第0番)*
モルデカイ・シェホリ(P)

録音:2024年2月ラスベガス
*=オリジナル・ソロ・ヴァージョン世界初録音
この CD に収録された楽曲はピアノ協奏曲以外は全て、少年時代の恩師ネーフェの尽 力によって出版されたものです。ネーフェはベートーヴェンに、ピアノ、オルガン、作曲を 指導した人物で『ベートーヴェンは第2のモーツァルト』と高く評価していた。 ロンドの2曲は、共に明るい爽やかさが印象的な小品です。 3つの選帝侯ソナタは、ケルン選帝侯マクシミリアン=フリードリヒに献呈されたことから、こ の様に呼ばれています。ネーフェから大バッハ、エマヌエル・バッハを教材に教えを受けたベ ートーヴェンは、良い意味でマンハイム楽派の影響受けています。ギャラントな様式感、ハイド ンやモーツァルトがソナタでは使用しなかったへ短調という調性、オーケストラを思わせるピ アノの書法など早くもベートーヴェンらしい個性が見られます。 ピアノ協奏曲は、ピアノ・パート譜のみが現存しているが幸いな事に、この楽譜にはピアノ が休みの時のオーケストラ・パートの書き込みがされています。今回の録音は、この部分をシ ェホリが全て弾いていて、この曲の概要を全て知る事が出来ます。ピアノ・ソロ版としては、こ れが世界初録音となります。
CEMBAL D’AMOUR
CEMBCD-211(1CD)
モルデカイ・シェホリ ベートーヴェンを弾く 第7集
大ソナタ(P・ソナタ第11番)変ロ長調Op.22
大ソナタ(P・ソナタ第12番)変イ長調Op.26 『葬送ソナタ』
ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1
モルデカイ・シェホリ(P)

録音:2023年7月 ラスベガス
モルデカイ・シュホリは、イスラエル出身、アメリカで活躍するピアニスト。大変広いレパートリー を持ち、自らが主催するレーベルには既に多くの録音がある。演奏スタイルも風通しが良く耳を 疲れさせない。 Op.22は、ブロウネ伯爵に献呈された。現在ではあまり知名度の高い作品ではないが、伝統に 即した形式の中で伸びやかさを自由自在に発揮した初期の様式の集大成となる作品です。 Op.26は、第3楽章が葬送行進曲であるため曲全体を『葬送ソナタ』と通称されています。またショ パンはベートーヴェンの曲の中でもこのソナタを特に好んでおり、レパートリーとして演奏するこ ともあった。ショパンのピアノ・ソナタ第2番は本作の影響があるものと考えられています。 Op.31-1の作曲された1802年は「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれた年です。しかし一方 で「今までの作品には満足していないので、新しい道を進みたい』と言う前向きなあったと弟子の チェルニーが伝えています。失意と決意の中で作曲された本作には、古典的な佇まいの中に明る い楽想が散りばめられた曲になった。
CEMBAL D’AMOUR
CEMBCD-212(1CD)
モルデカイ・シェホリ ベートーヴェンを弾く 第8集
ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 Op.10-1
ピアノ・ソナタ第6番へ長調 Op.10-2
ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10-3
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1
モルデカイ・シェホリ(P)

録音:2023年9月ラスベガス
Op.10の3曲のソナタは1798年に出版され、ブロウネ伯爵夫人アンナ・マルガレーテに献呈 された。番号付きのピアノ・ソナタとしては初めて3楽章制でまとめられた。これによりウィーン流 の4楽章形式から脱して作品の力と内容の凝縮度を高めることに成功しています。 Op.10-1には日本では滅多に呼ばれることは無かったが、同じくハ短調で第 8番の『悲愴』と比 較して「小悲愴」の愛称で呼ばれることもあった。Op.10-2 は、ハイドンの存在が内に秘める豊か なユーモアの由来と言われるが、加えてベートーヴェンの個性も十全に発揮されています。 Op.10-3では、他の2曲が3楽章制を取り入れて小規模であるのに対し本作では4 楽章制を取 っています。Op.10のソナタの中でも特に優れた作品と見做されることが多い。弟子のチェルニー は『壮大にして重要な作品』と評しています。 Op.14-1はOp.14-2と共に1799年に出版され、ブラウン男爵夫人ヨゼフィーネに献呈された。 『技術的な難所が少なく家庭用だ』と言われる事もあるが、肩の力が抜けた簡潔な形式はソナチ ネ的な平易さとは一線を画すものであり、内容の豊かな優れた作品です。後にベートーヴェン 本人によって『弦楽四重奏曲ヘ長調 Hess34』に編曲された。
CEMBAL D’AMOUR
CEMBCD-213(1CD)
モルデカイ・シェホリ ベートーヴェンを弾く 第9集
ピアノ・ソナタハ長調 WoO.51『やさしいソナタ』 (フェルディナド・リースによる補筆完成版)
ピアノ・ソナタ第1番へ短調 Op.2-1
大ソナタ(P・ソナタ第4番)変ホ長調 Op.7
ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2
モルデカイ・シェホリ(P)

録音:2023年11月 ラスベガス
WoO.51『やさしいソナタ』はピアノ・ソナタとなっているが、本来は『オルフィカ』という非常に 小型の(首に掛けられるくらい)鍵盤楽器のために作曲された。この曲を献呈された『エレオノー レ・フォン・ブロイニング』がオルフィカを所有していた為と思われます。2つの楽章は本来個別の小 品であったが、フェルディナンド・リースによって『やさしいソナタ』として補完された。 Op.2の3曲のソナタはハイドンに献呈された。このOp.2-1 のソナタは三者三様の個性に彩られ ておりピアノをオーケストラの様に扱う傾向も既に現れています。習熟度も習作時代よりも格段に向 上おり、ベートーヴェンの未来を予見させる大きな第一歩と言えます。 op.7はケグレヴィチ伯爵令嬢バルバラに献呈された。ベートーヴェンらしい熱のこもったソナタ で、Op.2よりも更に進歩したものとなっています。弟子のチェルニーは『熱情』の愛称は、ソナタ第 23番ではなくこのソナタが相応しいと述べていると伝えられているくらいです。 Op.14-2はブラウン男爵夫人に献呈された。Op.14 の2曲のソナタは人によって評価が分かれて いるようだ。このソナタは、ベートーヴェンのユーモラスな面が映し出されたものなのがその原因の 様です。しかし、男女の対話のような音楽は美しく、演奏も容易で優美な趣を持つ佳曲です。

BRIDGE
BCD-9600(1CD)
「ヴィルトゥオージ」〜デイヴィッド・スタロビン、ギター・リサイタル
ジュリアーニ:大序曲Op.61
W.T.マティエガ(1773-1830):メヌエット、シシリエンヌ、ロンド
アントワーヌ・ロワイエ(1768-1852):練習曲Op.27,#2(ジュリアーニの前奏曲Op.83,#5 の編曲版)
ナポレオン・コステ(1805-1883):「ラ・カチュチャ」による奇想曲Op.13
ジュリオ・レゴンディ(1822-1872):練習曲第5番
フェルナンド・ソル(1778-1839):第7のファンタジーと華麗なる変奏曲Op.30
アンドレ・セゴビア:5つの逸話
デイヴィッド・スタロビン(G)

録音:1995-2019年
デイヴィッド・スタロビンがこれまでリリースした CD の中から18〜19世紀の作曲家の作品を 中心にセレクトしたオムニバス盤。マティエガとセゴビアの作品のみが今回の初録音となります。ス タロビンは1951年アメリカ出身のギタリスト。17〜19 世紀の作品を得意としているが、エリオッ ト・カーター、ジョージ・クラム、ガンサー・シュラーら現代音楽の演奏、初演にも意欲を燃やして います。収録された演奏はいずれも美しい音色と超絶的な技巧で聴き手を圧倒する。ギター学習 者は必携のディスク。

Hanssler
HC-23046(1CD)
ブゾーニ・ポリフォニック・ドリームズ
ブゾーニ:多声演奏の訓練のための5つの小品 Kind.296(1923)
メイソン:パストラーレ(2023)*
ブゾーニ(ニコアラ編):歌劇『ファウスト博士』より間奏曲(1917/ 2023)*
ニコアラ:ヴァイルの後に(2023)*
スィッツキー:カノン形式によるノクターン(1974)*
ブゾーニ:対位法的幻想曲BV256(1910/1912 /1922/2023)(ニコアラ版)*
バッハ:シンフォニア第9番BWV795ヘ短調(1720 /1914)(ブゾーニ版)
ヴィクトル・ニコアラ(P)

録音:2023年11月/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
*=世界初録音
バッハのシャコンヌのピアノ編曲版で有名なフェルッチョ・ブゾーニ(1866〜1924)が今年(2024年)歿後100年を迎えました。そのブゾーニに魅せられ たピアニスト、ヴィクトル・ニコアラのブゾーニ・アルバム第2弾の登場です。
「対位法的幻想曲」は作曲家ブゾーニの集大成ともいえる大作。1910年に初校を発表して以来、晩年まで何度も改作しています。このほかブゾーニの弟子クル ト・ヴァイルへのオマージュとしてニコアラが作曲した「ヴァイルの後に」も注目です。
ヴィクトル・ニコアラは1984年、ルーマニアのブカレヒトに生まれ、ロンドンの王立音楽院で学んだピアニスト。現在はベルリンを拠点にソリスト、室内楽奏者、 作曲家として幅広く活躍。ヘンスラー・レーベルからブゾーニのソナチネなどを収録したアルバム(HC-20086)をリリースしております。 (Ki)
Hanssler
HC-24037(1CD)
リスト:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
3つの演奏会用練習曲 S.144より第3曲 変ニ長調 「ため息」
3つの演奏会用練習曲 S.144より第2曲 ヘ短調「かろやか」
2つの演奏会用練習曲 S.145より第2曲 嬰ヘ短調「小人の踊り」
ペトラルカのソネット第123番S.161-6
献呈 S.566(シューマン)
歌劇『ファウスト』のワルツ S.407(グノー)
カスパラス・ウィンスカス(P)

録音:2023年7月/リトアニア国立フィルハーモニーホール、ビリニュス(リトアニア)
リトアニアを代表する実力派カスパラス・ウィンスカスがオール・リスト・プログラムのアルバムをリリース!ウィンスカスはカーネギーホールでのデビューリサイ タルを大成功させ「偉大なピアニスト、音楽家に必要な資質をすべて持ち合わせている」と激賞されています。演奏活動の傍ら、2006年より音楽教育の発展を目 的としたプログラムを母国で実施。これまで8000名の学生が参加、大きな成功を収めています。
満を持してのリスト録音。非常に深い解釈で表現する大作ピアノ・ソナタ、シューマン=リストの献呈、グノー=リストの『ファウスト』のワルツなど、リストの名曲 を充実の演奏で堪能できるウィンスカスの代表盤がここに誕生しました。 (Ki)
Hanssler
HC-24001(9CD)
バルトーク:ピアノ独奏曲全曲
■CD1
(1)戸外にて Sz.81
(2)10のやさしいピアノ作品 Sz.39
(3)3つのブルレスカ Op.8c Sz.47
(4)小組曲BB.113Sz.105
(5)4つの哀歌 Op.9a Sz.45
■CD2
(6)3つの練習曲Op.18BB.81Sz.72
(7)ソナチネBB.69Sz.55
(8)ピアノ・ソナタBB.88Sz.80
(9)7つのスケッチ Op.9b Sz.44
(10)舞踏組曲BB.86b Sz.77
■CD3
(11)アレグロ・バルバロBB.63Sz.49
(12)9つのピアノ小品BB.90Sz.82
(13)組曲 Op.14BB.70Sz.62
(14)14のバガテル Op.6Sz.38
(15)ピアノ練習曲Sz.52、ピアノの初歩Sz.53
(16)アンダンテ(組曲Op.14のオリジナル第2楽章)
■CD4
(17)葬送行進曲 BB.31Sz.21DD75
(18)ラプソディ Op.1BB.36a Sz.26
(19)2つの悲歌 Op.8b
(20)4つのピアノ曲 BB.27Sz.22DD71
■CD5
(21)2つのルーマニア舞曲 Op.8a BB.56Sz.43
(22)チーク地方の3つのハンガリー民謡Sz.35a BB45a
(23)3つのハンガリー民謡 BB.80b Sz.66
(24)ルーマニア民族舞曲 BB.68Sz.56
(25)ルーマニアのクリスマス・ソング BB.67 Sz.57
(26)民謡旋律による3つのロンド BB.92Sz.84
(27)15のハンガリー農民歌 BB.79Sz.71
(28)8つのハンガリー農民歌による即興曲 Op.20 BB.83Sz.74
■CD6
(29)「子どものために」(全4巻)BB.53Sz.42
■CD7
(30)ピアノ・メソード BB.66Sz.52(バルトーク / レショフスキー)
(31)「ミクロコスモス」より第1巻 BB.105Sz.107
■CD8
(32)「ミクロコスモス」より第2巻、第3巻 BB.105 Sz.107
■CD9
(33)「ミクロコスモス」より第4〜6巻 BB.105 Sz.107
アンドレアス・バッハ(P)

録音:(5)(8)(14)2008年9月29日 〜10月2日
(1)(3)(7)(9)(11)(13)(16)(20)2010年1月19〜22日
(4)(6)(12)2010年3月29日 〜4月1日 &2014年10月6日
(2)(10)(29)2010年8月23〜27日
(15)2011年9月26、27、30日
(17)2013年3月22日
(18)2011年3月9〜11日
(19)2009年4月30日 〜5月2日
(21)-(28)2009年4月、2010年1月、2010年3月
(30)-(33)2013年3月21日 〜4月5日
WDRフンクハウス、クラウス・フォン・ビスマルク・ザール(ケルン)
「アンドレアス・バッハは間違いなく現代の傑出したピアニストの一人だ」(ラルス・フォークト)と高く評価されるバッハによるバルトークのピアノ独奏曲全曲が ついにセットになって登場します!
アンドレアス・バッハは1968年、ヴェスターヴァルト生まれ。1985年、ミュンヘン・ヘルクレスザールでのデビュー以来国際的に活躍し、これまでアスペン音 楽祭、マールボロ音楽祭などに参加。ヴォルフガング・サヴァリッシュ、ホルスト・シュタインなど世界的な指揮者と共演しています。2011年よりフライブルク音楽 院の教授をつとめ後進の育成にも力を注いでいます。
バルトークは素朴な旋律と表情豊かな民謡を用いたピアノ独奏作品を数多く作曲。ルーマニア民族舞曲、ミクロコスモス(全6巻)、「子どものために」(全4巻)、 ピアノ・ソナタなど、バルトークの強い個性があらわれた作品を、幼いころからバルトークの作品に魅せられてきたバッハによる演奏でお届け。ハンガリーの民族音 楽とバルトークのスタイルを熟知したバッハだから表現できる決定的全集の登場です! (Ki)

Pentatone
PTC-518722(1CD)
カルク=エーレルト:無伴奏サクソフォンのための25のカプリースとソナタ(ラーフ・ヘッケマ校訂 2024) ラーフ・ヘッケマ(Sax)

録音:2023年12月/アルンヘム(オランダ)
鬼才サクソフォン奏者ラーフ・ヘッケマ。これまで自身の編曲でバッハのチェロ組曲(CC-72769)、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ(CC-72648)、パガニーニの24のカプリース(MDG-61913792)などをリリースしてきました。期待の新譜はジークフリート・カルク=エーレルト(1877〜 1933)のソロ・サクソフォンのための作品全集です!
カルク=エーレルトはオルガン、ハルモニウム、ピアノの独奏作品を数多く作曲。またワーグナーに傾倒していたことから、ワーグナー・オペラのピアノ、ハルモニ ウム編曲作品も残しています。
カルク=エーレルトがサクソフォンに出会ったのは1915年、ドイツ軍に動員された38歳のとき。カプリースとソナタ Op.153は1929年に発表しています。サッ クスのあらゆる技法に習熟するために書かれていながらも1曲ごとのキャラクターはまるで違い、芸術的にも高水準の作品群です。ヘッケマの自由自在なテクニッ クと情感豊かな表現でこの全集に新たな光を与えてくれます。 (Ki)

MIRARE
MIR-746(1CD)
リスト:ピアノ曲集
愛の夢 第3番S.541
巡礼の年 スイス S.160より「ワレンシュタットの湖で」、「泉のほとりで」、「オーベルマンの谷」、「ジュネーヴの鐘
即興曲(夜想曲)S.191
孤独の中の神の祝福(詩的で宗教的な調べ S.173より)
ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
タンギ・ド・ヴィリアンクール(P)

録音:2024年3月4-6日
1990年フランス生まれのタンギ・ド・ヴィリアンクール。これまでにも驚異的なテクニックと音楽が光るディスクをリリースしてまいりましたが、ここでリストの 登場。その生涯、愛し愛されることをやめなかったリスト。リストの生涯を彩ったミューズたちにインスパイアされた作品を通して、「愛」という切り口からリストの肖 像画を描きます。肉体的、精神的な愛、そして神への愛などリストの多面性をこれ以上ない形で響かせており、その説得力あるテクニックは圧倒的。ヴィリアンクー ルの底力を見せつけられる1枚です。
タンギ・ド・ヴィリアンクール〜1990年フランス生まれ。パリ国立高等音楽院でロジェ・ムラロ、クレール・デセール、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェの クラスで学び、2008年のYAMAHAコンクール、2013年のフォーレ・コンクールで入賞、以降ジャック・ルヴィエ、ケフェレックらのもとでさらに研鑽をつみ、 2016年にジュネーヴ芸術協会の審査員賞、およびオーディエンス賞を受賞。2017-19のSPEDIDAMジェネレーションのウィナーとなるなど、ますますの活躍 が期待される新星です。 (Ki)

Goodies
33CDR-3950(1CDR)
日本語解説付国内盤
税込定価

J,S,バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(1)
ソナタ第1番ト短調 BWV1001
パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
クリスチャン・フェラス(Vn)

米 SINE QUA NON SUPERBA SAS2016
1967年頃のヨーロッパ録音(ステレオ)
クリスチャン・フェラス(1933-1982)はパリ音楽院出身。49歳の若さで他界した が、DECCA、EMI、DEUTCHE GRAMMOPHONに大量の録音を残した。この録音は以下 の理由で1967年頃のものと思われます。フェラスは当時 DEUTCHE GRAMMOPHONの専 属で、カラヤン指揮のベルリン・フィルと多くの録音をしていた。その中にカ ラヤンと共演したバッハ:ヴィオリン協奏曲集があった。当然この録音と同 時期にフェラスによるバッハ:無伴奏ソナタとパルティータ全曲の録音が予 定される筈だが、ある事情により録音はなされなかった。その事情を知らない フェラスは録音準備をしていただろうが、録音がないことをを知らされたフェ ラスは自費で録音を行ったと想像する。それがこの録音です。 (以下33CDR-3951へ) 復刻にはステレオ最初期のMM型カートリッジSHURE M3Dとコルグの[DS-DAC-10R] DSD録音機を使用した。(グッディーズ)
Goodies
33CDR-3951(1CDR)
日本語解説付国内盤
税込定価

J,S,バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(2)
ソナタ第2番イ短調 BWV1003
パルティータ第2番ニ短調 DWV1004
クリスチャン・フェラス(Vn)

米 SINE QUA NON SOPERBA SAS2016
1967年代頃のヨーロッパ録音(ステレオ)
クリスチャン・フェラス(1933-1982)はパリ音楽院出身。49歳の若さで他界した が、DECCA、EMI、DEUTCHE GRAMMOPHONに大量の録音を残した。1967年カラヤン指 揮ベルリン・フィルとバッハ:ヴァイオリン協奏曲集が録音された。フェラ スはこの録音に引き続き、無伴奏ソナタとパルティータ全曲の録音要請が DEUTSCHE GRAMMOPHON社から来ると思い準備をしていたが録音依頼はなかった。 それはDG社がヘンリク・シェリングの無伴奏ソナタとパルティータ全曲を発売す ることになったためと推測する。シェリングの無伴奏は、もともとオランダ PHILIPSが発売権を持っていたが、PHILIPSはアルトゥール・グリュミオーの無伴 奏が完成したために、シェリング盤の発売をDG社に委ねたからだ。それでフェラ スの無伴奏の録音は無くなった。(以下33CDR-3952へ) (グッディーズ)
Goodies
33CDR-3952(1CDR)
日本語解説付国内盤
税込定価

J,S,バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(3)
ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
パルティータ第3番ホ長調 DWV1006
クリスチャン・フェラス(Vn)

米 SINE QUA NON SUPERBA SAS2016
1967年頃のヨーロッパ録音(ステレオ)
クリスチャン・フェラス(1933-1982)はパリ音楽院出身。49歳の若さで他界したが、 DECCA、EMI、DEUTCHE GRAMMOPHONに大量の録音を残した。1967年カラヤン指揮ベ ルリン・フィルとバッハ:ヴァイオリン協奏曲集が録音された。フェラスはこ の録音に引き続き無伴奏ソナタとパルティータ全曲の録音要請がDEUTSCHE GRAMMOPHON社から来ると思い準備をしていたが録音依頼はなかった。フェラスは 完全に仕上がったバッハの「無伴奏」をそのままにしておくのを偲びず、自 費で録音をしたと想像する。録音場所は不明だが、音の響き方からスタジオでは なくコンサート・ホールだと思われます。時折ホールの外の自動車の音が聞かれます。 観客の気配は皆無なのでライヴ録音ではない。(グッディーズ)

オクタヴィア
OVCL-00840(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価

2024年8月28日発売
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ作品27 青木尚佳(Vn)

2023年12月19-20日 東京、紀尾井ホール
いま最も注目されているヴァイオリニストの一人である青木尚 佳は、2022年にミュンヘン・フィルのコンマスに就任し、さら なる飛躍を続けています。当盤は紀尾井ホールでのイザイ無伴 奏ソナタ全曲演奏会の前日に行われたセッション録音で、青木 の集中力とひたむきな姿勢により「個」としての実力が表れた 一枚です。

Da Vinci Classics
C-00915(1CD)
リスト:ワーグナーの再創造 Vo.2
「タンホイザー」 序曲S.442/「さまよえるオランダ人」 からのバラード S.441/「リエンツィ、最後の護民官」 からの主題による幻想曲 S.439/「トリスタンとイゾルデ」 より イゾルデの愛の死 S.447/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 より 冬の静かな炉端で S.448/「ニーベルングの指環」 より ヴァルハラ S.449/「パルジファル」 より 聖杯グラールへの祝典行進曲 S.450/リヒャルト・ワーグナーの墓に S.202
フィリッポ・テニスチ(P)

録音:2023年12月(イタリア)
アルバニア出身の若きピアニスト、フィリッポ・テニスチ(b.1998)がリストのワーグナー・トランスクリプションに新鮮かつみずみずしいアプローチで臨んだアルバムの第2弾。彼の演奏は曲の深みと重厚さを保ちながら、軽やかさと簡潔さを兼ね備えており、こうした編曲もので陥りがちな冗長さをうまく回避しています。
ダイナミックな変奏、カンタービレ的な旋律線、共鳴ペダルのバランスなど、このアルバムに収録された8曲では、テニスチの卓越した技巧が見事に発揮されています。
Da Vinci Classics
C-00913(2CD)
ハイドン:8つの中期から後期のピアノ・ソナタ&変奏曲集 Hob. XVI, XVII
【CD1】ピアノ・ソナタ第23番ヘ長調 Hob.XVI-23/ピアノ・ソナタ第24番ニ長調 Hob.XVI-24/ピアノ・ソナタ第34番ホ短調 Hob.XVI-34/ピアノ・ソナタ第35番ハ長調 Hob.XVI-35/ピアノ・ソナタ第37番ニ長調 Hob.XVI-37/ピアノ・ソナタ第49番変ホ長調 Hob.XVI-49/ピアノ・ソナタ第50番ハ長調 Hob.XVI-50
【CD2】ピアノ・ソナタ第52番変ホ長調 Hob.XVI-52/カプリッチョ ト長調 「8人のへぼ仕立て屋に違いない」 Hob.XVII-1/変奏曲イ長調 Hob.XVII-2/変奏曲変ホ長調 Hob.XVII-3/カプリッチョ(幻想曲)ハ長調 Hob.XVII-4/変奏曲ハ長調 Hob.XVII-5/変奏曲(ソナタ)ヘ短調 Hob.XVII-6/変奏曲ニ長調 Hob.XVII-7/アダージョ ヘ長調 Hob.XVII-9/アレグレット ト長調 Hob.XVII-10/12のやさしい小品 Hob.4XVII:Anhang
チェン・シュエユアン(P)

録音:2023年5月-6月(中国)
中国出身の若手ピアニスト、チェン・シュエユアンは南京、上海、ウクライナでピアノを学び、数々のコンクールで受賞し、各地で多くのコンサートを開催するなど、中国の著名なピアニストからも認められる存在で、注目されています。この2枚組のアルバムでは、ハイドンの創造性のパレットを余すところなく体験することができ、彼が鍵盤作品によって呼び起こすことのできた無数のムードを味わうことができます。
Da Vinci Classics
C-00900(1CD)
ブラームス:ピアノ作品集
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24
4つのバラード Op.10
ピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調 Op.2
パオロ・リナルディ(P)

録音:2023年4月、イタリア
バッハ(C00359)やショパン(C00521)の優れたレコーディングで評価を固めてきたイタリアの若手実力派パオロ・リナルディ。
イタリアからロンドンへと渡り、スタインウェイ・アーティスト、ロンドンのトリニティ・カレッジのフェローとして活動中のリナルディのサード・アルバムでは、ブラームスのピアノ作品を取り上げました。
パオロ・リナルディは、ブラームスの古い音楽に対する関心と影響に注目して選曲。ブラームスがまだ20歳にもならないとき(1852年)に故郷のハンブルクで作曲した「ピアノ・ソナタ第2番」では、第2楽章は中世のミンネゼンガー(吟遊詩人)の歌に基づく変奏曲形式をとるなど、すでに過去の音楽と文化に対する関心が見て取れ、21歳の時(1854年)にデュッセルドルフで作曲した「4つのバラード Op.10」は、スコットランドのバラード「エドワード」に触発された作品です。
Da Vinci Classics
C-00924(1CD)
左手のためのピアノ作編曲集
バッハ(ジョヴァンニ・ネージ編):無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007
スクリャービン:左手のための2つの小品 Op.9より 前奏曲
アドルフォ・フマガッリ(1828-1856):ベッリーニの歌劇「ノルマ」 より カスタ・ディーヴァ(左手のための)
シューマン:子供のためのアルバム Op.68より メロディー、小さな練習曲
シューマン(パウル・ヴィトゲンシュタイン編):色とりどりの小品 Op.99より 小品第1曲
ゲーザ・ジチ(1849-1924):左手のための6つの練習曲 より アデールのワルツ
マルコ・ソッリーニ:黒い夢 Op.50(左手のための)*/クレアンセ・ルッソ:メロディア(左手のための)*
バッハ
(ブラームス編):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004より シャコンヌ
ポンセ:マルグレ・トゥー(左手のための)
バッハ(パウル・ヴィトゲンシュタイン編):フルート・ソナタ BWV1031より シチリアーノ
ジョヴァンニ・ネージ(P)

録音(ライヴ):2023年8月18日、サンタ・マリア教会(ポンツァーノ・ディ・フェルモ、イタリア)
Da Vinci Classicsが贈る、イタリアの音楽祭「アルモニエ・デッラ・セーラ」のライヴ・レコーディング・シリーズ。今作は1986年フィレンツェ生まれのピアニスト、ジョヴァンニ・ネージによる2023年のライヴ録音を収録。左手のための作編曲のみを集めた意欲的なレパートリーでピアノ音楽の奥深さを探ります。「自転車ではなく一輪車に乗る人のように、より技巧を示すために」、「俳句や詩のセスティーナのように、意図的に設けた制限下で真の芸術を生み出す」あるいは「身体的な原因によるもの」など、それぞれの作品が“なぜ両手ではなく片手で弾くべきなのか”という問いに対する様々な答えを持っています。冒頭に収録されたネージ自身の編曲によるバッハの「無伴奏チェロ組曲第1番(全曲)」にも注目です。
Da Vinci Classics
C-00920(1CD)
モスクワのアルメニア人 〜ハチャトゥリアン:ピアノ作品集 Vol.2
ヴォカリーズ(映画「オテロ」より)(1978)
ソナタ(新装版 1976)
子供のアルバム第2集(1965)
7つのレチタティーヴォとフーガ(1966
ヴィクトリア・テレキエフ(P)

録音:2023年10月26日-28日
ブルガリア人の父とイタリア系ブルガリア人の母の間にミラノで生まれ、「3/4+1/4拍子の血を引く」という表現を好む女流ピアニスト、ヴィクトリア・テレキエフが「モスクワのアルメニア人」、アラム・ハチャトゥリアンのピアノ作品全曲を網羅するプロジェクトの第2弾。
ハチャトゥリアンの全盛期である1966年に完成された「レチタティーヴォとフーガ」を中心に、「レコード芸術特選」と「ICMAノミネート」の前作(C00624、PC00624)で取り上げた「第1集」に続く「子供のアルバム第2集」などを収録。ハチャトゥリアンの全盛期から晩年までを網羅しています。

GENUIN
GEN-24863(1CD)
再発見のマリア・ヘルツ
マリア・ヘルツ(1878-1950):ショパンの前奏曲ハ短調(Op.28-20)による変奏曲 Op.1
12のレントラー(ワルツ) Op.2
ピアノ・ソナタ ヘ短調
オード・サン=ピエール(P)

録音:2021年&2023年
1878年にケルンで生まれたユダヤ系女流作曲家のマリア・ヘルツの作品集。マリア・ヘルツは第一次世界大戦、第二次世界大戦に翻弄された作曲家の一人でした。彼女はユダヤ系であったこともあり、第二次世界大戦中は迫害されヨーロッパ各地を転々としながら最終的にはアメリカで亡くなっています。最近になってようやく公開された彼女の作品は現在ではあまり知られていませんが、生前はその時代の音楽家たちに認められ各地で演奏会を行っていました。そういった作品をカナダのピアニスト、オード・サン=ピエールが再現しています。
GENUIN
GEN-24881(1CD)
ピアノ・ポエムズ
ラヴェル:夜のガスパール
シューベルト(リスト編):糸を紡ぐグレートヒェン D118/白鳥の歌 D957より 第11曲「街」、第4曲「セレナーデ」
コンスタンティア・グルズィ(b.1962):イサカ Op.104*
カトリーヌ・コンツ(b.1976):マーマレーション*
プロコフィエフ:バレエ「シンデレラ」からの6つの小品 Op.102
キャシー・クリエ(P)

録音:2023年10月30日&11月1日、ルクセンブルク・フィルハーモニー室内楽ホール(ルクセンブルク)
*世界初録音
2015/2016シーズンのECHO(ヨーロッパ・コンサート・ホール協会)ライジングスターにも選出された、国際的に高い評価を得ているルクセンブルク出身のピアニスト、キャシー・クリエがGenuinレーベルに移籍!移籍後最初のリリースとなる本作は、文学、詩、物語からインスピレーションを得て作品を書いた作曲家たちを取り上げ、“作曲家と言語”の関係に迫ります。ラヴェルの「夜のガスパール」やシューベルトの「白鳥の歌」など、文学にインスピレーションを得た象徴的な作品やプロコフィエフの「シンデレラ」で音と言葉の繋がりを呼び起こし、さらにクリエの故郷ルクセンブルクと縁のある2人の女性作曲家の作品を世界初録音しています。ギリシャの作曲家コンスタンティア・グルズィの「イサカ」はルクセンブルク・フィルからの委嘱作品で、ギリシャの詩人コンスタンティン・カヴァフィの同名の詩から着想した作品。カトリーヌ・コンツはロンドンの王立音楽大学で教授も務めるルクセンブルク有数の作曲家。「マーマレーション」は鳥の密集飛行を描写し、そこから導かれる詩的認識を探求した作品です。

Tactus
TC-781691(2CD)
パガニーニ:ギター作品全集 Vol.1
【CD1】パガニーニ:ギターのための43の小品集 「気まぐれ」 MS.43/【CD2】5つのソナチネ MS.85/アレグレット MS.86/ソナタ MS.87/アンダンティーノ MS.88/アンダンティーノ MS.89/アレグレット MS.90/アレグレット MS.91/ワルツ MS.92/ロンド MS.93/ロンドンチーノ MS.94/アレグレット MS.95/ワルツ MS.96/アンダンティーノ MS.97/ロドヴィシアのためのシンフォニア MS.98/アンダンティーノ MS.99/ワルツ MS.100/トリオ MS.101/アンダンティーノ MS.102/行進曲 MS.103/ディダの名を呼ぶメヌエット MS.104/マルツィアーレ MS.105
マウロ・ボネッリ(G)

録音:2021年9月(イタリア)
イタリアの作曲家で、ヴァイオリンの名手としても知られるニコロ・パガニーニの作曲過程全体におけるギターの重要性は明らかです。イタリアのTactusからリリースされるパガニーニのギター作品全集の第1巻は、43曲から成る小品集 「気まぐれ」 に、ソナタ、様々な形式の作品をカップリング。
イタリアのジェノヴァ出身で、パガニーニ音楽院でギターを、ヴィヴァルディ音楽院で作曲を学んだマウロ・ボネッリは、本アルバムのレコーディングにあたり、ガット弦を張り415Hzに調律した19世紀のピリオドギターを使用しています。
Tactus
TC-781692(2CD)
パガニーニ:ギター作品全集 Vol.2
【CD1】37のソナタ MS.84 より第1番〜第19番
【CD2】 37のソナタ MS.84より第20番〜第37番/グランド・ソナタ MS.3
マウロ・ボネッリ(G)

録音:2021年9月(イタリア)
イタリアの作曲家で、ヴァイオリンの名手としても知られるニコロ・パガニーニの作曲過程全体におけるギターの重要性は明らかです。イタリアのTactusからリリースされるパガニーニのギター作品全集の第2巻は、手稿譜84に関連する37のソナタに、その大きさと技術的な深さで非常に重要な作品であるグランド・ソナタをカップリング。
イタリアのジェノヴァ出身で、パガニーニ音楽院でギターを、ヴィヴァルディ音楽院で作曲を学んだマウロ・ボネッリは、本アルバムのレコーディングにあたり、ガット弦を張り415Hzに調律した19世紀のピリオドギターを使用しています。

Hyperion
CDA-68459(1CD)

JCDA-68459(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
アンプレイド・ストーリーズ…40本の指による
1-3. メンデルスゾーン&モシェレス:ウェーバーの主題による幻想曲と変奏曲集 MWV O9(2台のピアノと管弦楽のための)
4-7. モシェレス(トメル・レフ&アルイェ・レヴァノン編):コントラスト「大二重奏曲」 Op.115(2台8手ピアノと管弦楽のための)
8-11. リスト&シューベルト(アレクサンデル・タミル編):さすらい人幻想曲 S366(2台のピアノと管弦楽のための)
12-13. シューベルト(エルンスト・パウアー編):6つの大行進曲 D819より 第3曲、第6曲(2台8手ピアノのための)
マルチピアノ・アンサンブル〔トメル・レフ(P/1-13)、ベレニカ・グリックスマン(P/4-13)、アーロン・カリフ(P/1-7,12-13)、ニムロッド・メイリー=ハフテル(P/4-7,12-13)〕、ベルリンRSO(1-11)、アイヴァー・ボルトン(指揮/1-11)

録音:2022年9月19日-21日、ベルリン放送局本館(ドイツ/1-11)&2023年12月28日、ブッフマン=メータ音楽学校クレアモント・ホール(テル・アヴィヴ、イスラエル/12-13)
未完の断片のみが残された「ラルゲットとアレグロ」を「2台のピアノと管弦楽のため」として補筆・完成させたヴァージョンを世界初録音し話題となった「モーツァルト:複数台ピアノのための協奏曲全集」(PCDA-68367/CDA-68367)のリリースから3年、イスラエルの4人組アンサンブル、マルチピアノ・アンサンブルの待望の新録音が登場!
今作取り上げるのはメンデルスゾーン、モシェレス、シューベルト、リストによる複数台ピアノと管弦楽のための作品集。2台ピアノと管弦楽のためのオリジナル・ヴァージョンによるメンデルスゾーン/モシェレスの「ウェーバーの主題による幻想曲と変奏曲」や、マルチピアノ・アンサンブルのメンバーでもあるトメル・レフとイスラエルの作曲家、アルイェ・レヴァノンが管弦楽付きのアレンジで再想像したモシェレスの「大二重奏曲」など、全トラックがこれらのヴァージョンでは初録音となる前作にも劣らぬ大注目作です。
マルチピアノ・アンサンブルは、テル・アヴィヴ大学とイスラエル・フィルが共同運営するブッフマン=メータ音楽学校(BMSM)傘下のプロジェクトとして2011年に発足したイスラエルのアンサンブル。4手連弾から複数台の鍵盤楽器、あるいは複数台ピアノと別の楽器の組み合わせなど、とにかく「マルチピアノ」に特化したユニークな編成のアンサンブルで、マルチピアノのためのオリジナル作品から様々なアレンジ作品、新発見の作品や補筆完成させた作品などに取り組み、イスラエルの著名なピアニスト、トメル・レフ(BMSM学長)をフィーチャーしたパフォーマンスで、国際的な注目を集めています。
Hyperion
CDA-68456(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番&第3番
ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3
マルク=アンドレ・アムラン(P)

録音:2023年9月18日&20日、殉教者聖サイラス教会(ケンティッシュ・タウン、ロンドン)
現代最高のスーパー・ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、マルク=アンドレ・アムランの最新アルバムでは、ついに楽聖ベートーヴェンのピアノ・ソナタ集が登場! 後期ロマン派〜近現代の超絶技巧作品や知られざるピアノ音楽で一世を風靡し、ハイドンやモーツァルトのピアノ・ソナタ集でも格別の評価を確立しているアムランが満を持して送り出すこのアルバムは、ベートーヴェン、ピアノ、あるいは音楽に少しでも興味がある人には絶対に見逃せない注目盤となります!
アムランが最初のベートーヴェン・アルバムに選んだのは、後期の大作の1つ、『ハンマークラヴィーア』の愛称で親しまれるピアノ・ソナタ第29番 Op.106と、最初のピアノ・ソナタ・セット(Op.2)の3曲のうち、最も長く力強いピアノ・ソナタ第3番 Op.2-3の2曲。
『ハンマークラヴィーア・ソナタ』の超越的な難しさは、当時の最高のピアニスト以外は常に躊躇させ、その手強い音楽的、感情的、技術的な挑戦をマスターできるのは選ばれた数少ないピアニストだけでした。もちろん、マルク・アンドレ=アムランはその限られたピアニストの一人であり、アムランの演奏はこの作品の栄光と壮大さを余すところなく堪能させてくれることでしょう。

RUBICON
RCD-1121(1CD)
タンゴ、私の愛
アグスティン・バルディ(オルランド・トリポディ編):恋人もなく
オラシオ・サルガン(オラシオ・サルガン編):ドン・アグスティン・バルディ
アンセルモ・アイエタ(オルランド・トリポディ編):白い小鳩
ロセンド・メンディサーバル(オラシオ・サルガン編/マルティン・バスケス&マリア・マルティノヴァ編):エル・エントレリアーノ
ホセ・ダメス(レオナルド・テルッジ編):フイモス
ピアソラ(フアン・エステバン・クアッチ編):悪魔のロマンス
ピアソラ(マリア・マルティノヴァ編):来たるべきもの
ピアソラ(マリア・マルティノヴァ編):ペドロとペドロ
ピアソラ(ラエルシオ・ヂ・フレイタス編):アディオス・ノニーノ
オスバルド・ピロ(クアッチ編):蒼い夜
ピアソラ(山本京子編):リベルタンゴ
ピアソラ(マリア・マルティノヴァ編):ドゥエンデのロマンス(歌劇 「ブエノスアイレスのマリア」より)
マリア・マルティノヴァ(P)
ブルガリア出身の気鋭ピアニスト、マリア・マルティノヴァによる刺激的で魅惑的なニュー・アルバム(Rubiconからは2枚目のCDリリース、配信限定アルバムを含めると3作目)。学生時代にタンゴの魅力にとりつかれ、長年この音楽の支持者になっているというマルティノヴァによるタンゴへの情熱的な愛を紡いだアルバムで、ピアソラを筆頭に過去と現在のタンゴの巨匠たちの作品を讃えています。アンゴラにルーツを持ち、後にイタリアのカンツォネッタ、クレズマー、フランスのシャンソン、ジャズ、クラシック音楽等、多様な音楽スタイルの影響を受け、多くの変遷を遂げてきた「移民の音楽」タンゴの、悲しみ、ユーモア、情熱、親密さなど様々な側面を鋭いピアノで披露します。

Acte Prealable
AP-0579(1CD)
The Common Voice from the North
ピオトル・スウォペツキ&レシェク・クワコフスキ:Piano Duo Conversation I - Neurotic Motivation
スウォペツキ:The New Element Suite
レシェク・クワコフスキ&ピオトル・スウォペツキ:Piano Duo Conversation II - Eccentricity
レシェク・クワコフスキ:Red Ice Suite
ピオトル・スウォペツキ(P)、
レシェク・クワコフスキ(P)、
アンジェイ・カツプシャク(Vn、指揮)、
ジャズ・バンド

録音:2023年
自由で刺激的な一面を持つポーランドの都市グダニスクは北部に位置しており、ポーランド文化の中心都市のひとつと言えます。音楽面でももちろんそれは変わらず、その都市の雰囲気は音楽にも反映されています。このアルバムではクラシックのアーティストとジャズのアーティストの共演が楽しめます。ポーランドの地方都市グダニスクの音楽の今をお楽しみください。

Etcetra
KTC-1826(1CD)
TRE〜トリプル・ハープ作品集
ムダーラ(1510-1580):ルドヴィコ風のハープを模したファンタジア
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ(1575-1647):トッカータ第2番&ハープのためのリガチャー
カッチーニ(1587-1641):3] 光が終わる前に
ストロッツィ
(1619-1677):どうすることができようか
バード
(c.1540-1623):ギグ
パーセル
:組曲ト短調 Z.661
ウィリアム・クロフト(1678-1727):組曲第3番ハ短調より サラバンド
クロフト/パーセル:グラウンド ハ短調
ヘンデル:組曲変ロ長調 HWV434
ジョン・パリー(1776-1851):愛は暴君だが、喜びも痛みももたらす
リーゼ・ファンデルスミッセン(b.1996):アンカヴァード、ナノルタリーク、ビトゥイーン・ワーズ、アバウト・タイム、スペインの序奏とグラウンド、ジグ
リーゼ・ファンデルスミッセン(トリプル・ハープ)
ベルギーのハープ奏者リーゼ・ファンデルスミッセンが、トリプル・ハープをソロ楽器として再紹介することを目標に、フランドル政府の助成なども受けて実現したセカンド・アルバム。
アルバム・タイトルの「TRE」はイタリア語で「3」を意味し、トリプル・ハープに掛けた想いが凝縮されています。16世紀末ナポリで発明されたイタリアのトリプル・ハープは、互いに平行に張られた3列の弦を備えており、今日では主に通奏低音セクションの一部として伴奏に使われますが、そのユニークな音色と技術的な可能性を活かし、ソロ楽器として活用。16世紀〜17世紀の古い作品と、民謡や古楽に触発された自身の新しいオリジナル作品の両方で、知られざるトリプル・ハープの魅力を伝えます。
リーゼ・ファンデルスミッセンは1996年ベルギー生まれ。現在はロンドン在住。モダン・ペダル・ハープとイタリアのトリプル・ハープを持ってヨーロッパやアジア各地を旅して演奏しています。スロベニアの国際ハープ・コンクール第1位、ハンガリーのセゲド国際ハープ・コンクール第2位など多数の賞を受賞。

Etcetra
KTC-1613(1CD)
ヤン・ティルセン:ピアノ作品集
アメリの素敵な世界/EUSA
Kerber
ミヒャエル・ファン・クリュッカー(P)
日本でも大ヒットしたフランス映画『アメリ』の音楽で知られるフランスの作曲家、ヤン・ティルセン(b.1970)のソロ・ピアノ作品集。映画『アメリ』の音楽に、ミニマル的な「EUSA」、より現代音楽的な「Kerber」と、ティルセンの様々な側面を紹介しています。
ミヒャエル・ファン・クリュッカーは長年にわたりヨーロッパ、アジア、南米、アメリカでコンサートを行い、多くの著名な音楽祭に出演するピアニスト。ケルン・ピアノ・デュオやTrio Ostwestinatoのメンバーとしても活動しています。

Ars Produktion
ARS-38662S(1CD)
マリンバ・プレーヤース(祈り)
ヘン・リュー:朱雀
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 BWV1001
カステルヌオーヴォ=テデスコ:「ゴヤによる24の狂詩曲」 より 「理性の眠りは怪物を生む」
トマシュ・ゴリンスキ:ルミノシティー
ルートヴィヒ・アルバート:フィール・ザ・サンライト(太陽の光を感じて)
ハロルド・アーレン(ロバート・オエトモ編):映画「オズの魔法使い」 より 「虹の彼方に」
アイルランド民謡(ブライアン・ミュラー編):ダニー・ボーイ
モリコーネ(布谷史人編):映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」 より 「デボラのテーマ」
ピアソラ(パイアス・チェン編):ブエノスアイレスの夏
小椋佳(村上ゆき、布谷史人編):愛燦燦
高田明枝:ホーム・スイート・ホーム
布谷史人(マリンバ)

録音:2022年12月27日-29日、マリーエンミュンスター文化財団コンサートホール(ドイツ)
ドイツを拠点に各地で演奏活動を行い国際的な活躍を見せるマリンバ奏者、布谷史人がARS- Produktionからアルバムをリリース!クラシックから現代曲、映画音楽に歌謡曲まで、多彩なプログラムでマリンバが持つ無限の可能性を示します!秋田県大館市出身の布谷史人は第3回世界マリンバ・コンクール(ドイツ)で3位を受賞したほか、第3回リベルタンゴ国際音楽コンクール(イタリア)のソロ部門では日本人、そしてマリンバ奏者として初となる優勝を果たすなど国内外の多くのコンクールで受賞。現在はドイツ国立デトモルト音楽大学でマリンバ講師を務めながら活動を行っています。「音楽には人々を結びつけ、希望と喜びを与える不思議な力があると信じています。」と語る彼が自身の経験、心から湧き出る音を通して、リスナーを深い気付きの旅へと誘います。

Evil Penguin Records
EPRC-0066(2CD)
C.P.E.バッハ:ソナタ集(追加変奏付き) Wq 50
【CD1】ソナタ ヘ長調 Wq50/1
ソナタ ト長調 Wq50/2
ソナタ イ短調 Wq50/3
ソナタ ニ短調 Wq50/4
ソナタ 変ロ長調 Wq50/5
ソナタ ハ短調 Wq50/6
【CD2】ソナタ ヘ長調 Wq50/1(追加変奏付き)
ソナタ ト長調 Wq50/2(追加変奏付き)
ソナタ イ短調 Wq50/3(追加変奏付き)
ソナタ ニ短調 Wq50/4(追加変奏付き)
ソナタ 変ロ長調 Wq50/5(追加変奏付き)
ソナタ ハ短調 Wq50/6(追加変奏付き)
トム・ベギン(クラヴィコード)

録音:2024年4月2日-4日、ベルギー
C.P.E.バッハの「変奏曲付きソナタ集」(1758-9年作曲、1760年出版)は、画期的な作品でした。彼は、全ての繰り返しを詳細に説明し、それぞれに変奏を付けました。そのためこの作品を最初に演奏すると即興曲のように聞こえるのでした。最終的に演奏者にとってはマスタークラスのように演奏技術を習得することの助けとなりました。
18世紀から19世紀初期の音楽を得意とするベルギーの鍵盤奏者トム・ベギンは、このアルバムで「変奏曲なし」と「変奏曲あり」で演奏しています。これまでにもベートーヴェンなどの作品を画期的な方法で録音してきた彼ならではの企画と言えるでしょう。特に「変奏曲あり」でどんな即興的演奏を聴かせてくれるか注目です。

Ars Produktion
ARS-38661S(1CD)
NEAPOLOGY
ロッシーニ/リスト:ダンス(「音楽の夜会」より(1838)
エンツォ・ボナグラ/ジュゼッペ・チオッフィ:スカリナテッラ(1951)
エルネスト・デ・クルティス/ジャンバッティスタ・デ・クルティス:帰れソレントへ(1894)
アレッサンドロ・シスカ/サルヴァトーレ・カルディッロ:つれない心(カタリ・カタリ)(1911)
リスト:タランテッラ(巡礼の年第2年補遺 「ヴェネツィアとナポリ」より)(1861)/ストラヴィンスキー:ナポリターナ(4手のための5つの優しい小品より)(1917)
リヴェロ・ボヴィオ/エヴェメロ・ナルデッラ:雨(1923)/ジョヴァンニ・カプッロ/エドゥアルド・ディ・カプア:オー・ソレ・ミオ(1898)
サルヴァトーレ・ディ・ジャコモ/パスクアーレ・マリオ・コスタ:エラ・デ・マッジョ(1885)
マスカーニ:キアーヤの海岸にて(1883)
ショパン:タランテッラ Op.43(1841)
サルヴァトーレ・パロンバ/セルジオ・ブルーニ:カルメラ(1976)
レオンカヴァッロ:タランテッラ(1899)/エルネスト・ムローロ/エルネスト・タリアフェッリ:プジレコの漁師(1925)
ドニゼッティ:船乗りの恋(1839)
ラッファエーレ・サッコ/作曲者不詳:あなたをとても愛している(1839)
ジュゼッペ・トゥルコ/デンツァ:フニクリ・フニクラ(1880)
(全編曲:ジェニー・バッソ)
ジェニー・バッソ(P)

録音:2022年6月17日-19日、ナポリ(イタリア)
20世紀〜21世紀初頭のピアノ界を代表する世界的巨匠であるアルド・チッコリーニ(1925-2015)がその晩年に教えを授けた最後の弟子の1人、ナポリ出身の逸材ジェニー・バッソ。ナポリ音楽院でアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの弟子であるルイージ・アヴェルナに師事し同音楽院を満点で卒業。その後、パリのエコール・ノルマル音楽院に進むためフランスへと渡ったジェニー・バッソは、アルド・チッコリーニの自宅に住み込みで研鑽を積むことを認められ、チッコリーニの最後の弟子の1人として様々な教えを受けたのと同時に、チッコリーニが主催する国際マスタークラスの公式アシスタントを任されたという特筆すべき経歴の持ち主です。
師チッコリーニへのトリビュート・アルバムで堂々のデビューを果たし、レコード芸術「準特選」等に選ばれたバッソのセカンド・アルバムは、祖国ナポリをテーマに、「オー・ソレ・ミオ」、「帰れソレントへ」、「フニクリ・フニクラ」など超有名ナンバーからあまり知られていない作品まで、ナポリのカンツォーネやナポリ民謡をクラシカルにアレンジ。さらにナポリ民謡やナポリの舞曲タランテッラ(タランテラ)を題材にしたリストやショパン、ストラヴィンスキー、ロッシーニ、マスカーニ、レオンカヴァッロらのピアノ作品を組み合わせ、独創的なナポリ・プログラムを披露します。

「この若いジェニー・バッソは、将来が楽しみな驚くべき国際的コンサート・ピアニストです。彼の魅力に満ちた音楽性と比類ない演奏技術を私は高く評価する。彼は確固とした個性を持ち、最大級のコンサートホールで弾いても全く問題ない、真の芸術家です。」アルド・チッコリーニ(2014年5月31日)

Signum Classics
SIGCD-911(1CD)
ドビュッシー:前奏曲全集
前奏曲集第1集&第2集
アンナ・ツィブレヴァ(P)
※使用ピアノ:Yamaha CFX

録音:2022年4月15日-17日、イギリス
2012年浜松国際ピアノ・コンクール第4位、2013年エミール・ギレリス記念国際ピアノ・コンクール(オデッサ)優勝、2014年高松国際ピアノ・コンクール第4位と着実にキャリアを重ね、2015年ついに世界最高峰のピアノ・コンクールの1つ、リーズ国際ピアノ・コンクールで優勝を果たしたロシアの女流ピアニスト、アンナ・ツィブレヴァ(ツィブラエワ)。1990年にロシア(ジョージア国境に面したカラチャイ・チェルケス共和国の小さな町)に生まれ育ち、ボルゴドンスクのショスタコーヴィチ音楽学校を卒業後、モスクワ音楽院、バーゼル音楽院で研鑽を積み、2015年のリーズ・コンクール優勝後は国際的な注目を集め、Champs Hill Recordsから、デビュー・ソロ・アルバム「ファンタージエン」(CHR-CD-131)をリリース。2021年にはSignum Classicsから「ブラームス:ピアノ協奏曲第2番」(SIGCD-674)を発売し、高い評価を得ました。
Signum第2弾となるニュー・アルバムでは、ドビュッシーのソロ・ピアノのための「24の前奏曲」全曲録音を実現。5歳の頃に母が弾いた「亜麻色の髪の乙女」にすっかり魅了され、「生涯の恋に落ちた」というツィブレヴァ。しかしドビュッシーへの道は必ずしも平坦なものではなく、風、光、船の信号、水しぶき、オンディーヌの歌声をピアノでどのように表現するのか、書かれた楽譜をどのように解釈すれば良いのか、長い葛藤と研究や愛する教師たち(リュドミラ・ロシュチナ、クラウディオ・マルティネスら)のおかげで、魔法のようなドビュッシーの音楽を表現できるようになりました。

RAMEE
RAM-2402(1CD)
NX-C04
ヴンダーカンマー(驚異の部屋)〜バッハのチェンバロ作品集
バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
チェンバロ独奏のための協奏曲 ト短調 BWV975(ヴィヴァルディの協奏曲RV 316による)
カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」 変ロ長調 BWV992
イギリス組曲 第3番ト短調 BWV808
前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 BWV849『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』より)
ベルトラン・キュイエ(Cemb)
使用楽器:ドレスデンのハインリヒ・グレプナー1722年製作モデルに基づくバルバストのフィリップ・ユモー2014年製作の再現楽器

録音:2022年5月16-20日 聖アポリネール教会、ボラン(ベルギー東部リエージュ州)
ラ・フォル・ジュルネ発祥の地ナントに拠点を置くフランスの古楽器楽団ストラディヴァリアを創設したバロック・ヴァイオリン奏者ダニエル・キュイエ と、そのパートナーである古楽鍵盤奏者ジョスリーヌ・キュイエの間に生まれ、ストラディヴァリアの他にレ・バッス・レユニやレ・リュネジアンなど気 鋭団体とも名演を紡いできた生粋の古楽鍵盤奏者ベルトラン・キュイエ。みずみずしくも深みある演奏はALPHAやMIRAREでの名盤の 他、近年では元古楽器奏者が録音技師と制作を手掛けるRameeでも活躍するようになりました。名トラヴェルソ奏者フランク・テュンスとの バッハ・ソナタ集(RAM1908)に続く今回のアルバムは、鍵盤演奏の達人だった大バッハの重要作品を初期・中期・後期からバランスよく選 曲。この作曲家とも縁深いドレスデンに拠点を置き同時代に活躍した製作家グレブナーの銘器(モーツァルトが「ドン・ジョヴァンニ」プラハ初演 時に使ったとの説もある作例)をモデルとする名工フィリップ・ユモー製作の二段鍵盤楽器に向かい、全く気負いを感じさせず同時に隅々まで ニュアンス豊かな演奏で各作品の魅力を探ってゆきます。近世の君主たちが富と人脈を駆使して集めた珍品・芸術品を陳列していた「驚異 の部屋」のごとく、深く味わうほどにその奥深さに驚かされるバッハ音楽の内宇宙をじっくりお楽しみ下さい。

Channel Classics
CCS-47124(1CD)
NX-C04
闇の誘惑
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第9番Op.68「黒ミサ」
ラヴェル:夜のガスパール
ファリャ:恋は魔術師
ムソルグスキー:展覧会の絵
アンナ・フェドロヴァ(P)

録音:2024年2月 MCOスタジオ1、ヒルフェルスム、オランダ
アンナ・フェドロヴァによる、闇の力をテーマにしたアルバム。スクリャービン自身が”巨大な魔物がいる、ここには真の悪がある”と語ったソナタに 始まり、ラヴェルが描く怪奇の世界、ファリャが描く亡霊との駆け引きの世界へと続きます。メインは2023年5月の来日公演でも披露された 『展覧会の絵』となっており、彼女の故国ウクライナの首都キーウ(キエフ)にそびえる大きな門をイメージした曲で、光が闇に打ち勝つフィナー レを迎えるという構成。生まれた国と、ロシアを含む過去の偉大な芸術への彼女の思いが詰まった内容といえそうです。繊細なタッチから強 靭な打鍵、ダイナミックなクライマックスまで、フェドロヴァの持つ表現力の幅広さが遺憾なく発揮されています。

La Dolce Volta
LDV-125(1CD)
NX-C04
フォーレ:夜想曲全集
1. 夜想曲 第1番変ホ短調 Op.33-1
2. 夜想曲 第2番ロ長調 Op.33-2
3. 夜想曲 第3番変イ長調 Op.33-3
4. 夜想曲 第4番変ホ長調 Op.36
5. 夜想曲 第5番変ロ長調 Op.37
6. 夜想曲 第6番変ニ長調 Op.63
7. 夜想曲 第7番嬰ハ短調 Op.74
8. 夜想曲 第8番変ニ長調 Op.84-8
9. 夜想曲 第9番ロ短調 Op.97
10. 夜想曲 第10番ホ短調 Op.99
11. 夜想曲 第11番嬰ヘ短調 Op.104-1
12. 夜想曲 第12番ホ短調 Op.107
13. 夜想曲 第13番ロ短調 Op.119
テオ・フシュヌレ(P/Steinway D-274)

録音:2023年9月5-8日 シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン、フランス
※日本語解説付
2013年フォーレ国際ピアノ・コンクール第1位、2018年ジュネーヴ国際音楽コンクール第1位及びリヨン国際室内楽コンクール第1位と、輝 かしいコンクール成績を残したのち、ソロに室内楽に世界中で活躍してきたテオ・フシュヌレ。La Dolce Voltaレーベルからの第2弾は待望の フォーレ作品集となりました。
ピアノ奏者テオ・フシュヌレは、幼少期からガブリエル・フォーレの音世界に親しんできた。彼はフォーレの音楽言語を、ごく自然に理解し操る。フシュヌレにとって初のフォーレ・アルバムとなる本盤は、甘美な魅力を放つ初期作品から、ほの暗く簡明な後期作品まで、洗練された夢幻の夜想曲集へと私たちをいざなう。親密で、独創的で、あらゆる影響と無縁な夜想曲の全曲演奏は、13の詩的な足跡を辿る冒険にたとえられます。その心奥に広がるのは、フォーレの深遠な世界だ。筆舌に尽くしがたい悩ましい美が、フシュヌレの指を介して露(あらわ)になります。 ―― レーベル資料より

Alfa Music
AFMCL-110(1CD)
ノート・ネル・テンポ
D.スカルラッティ:ソナタ ハ短調 L.352
 ソナタ ハ短調 L.360
 トッカータ ニ短調 L.422
 ソナタ ヘ長調 L.381
 ソナタ イ長調 L.391
ベートーヴェン:ソナタ第5番 ハ短調 Op.10-1
ショパン
:即興曲第1番変イ長調 Op/29
リカルド・ピック=マンジャガッリ:「2つの月明かりの風景」 Op.33より オラフの踊り
カステルヌオーヴォ=テデスコ:人魚と青緑色の魚 Op.18
カゼッラ:トッカータ 嬰ハ短調 Op.6
シルヴィア・リナルディ(P)
スカルラッティ、ベートーヴェン、ショパンといった18世紀から19世紀にかけての3人のピアノの「神聖な怪物」と、20世紀の3人のイタリアの作曲家、ピック=マンジャガッリ、カゼッラ、そして、カステルヌオーヴォ=テデスコのほとんどの人に知られていない作品をカップリングした挑戦的なプログラム。

BIS
BISSA-2770(1SACD)
『思い出』〜ヴァイオリン名曲集
(1)ラヴェル:ツィガーヌ(1924)
(2)マスネ:タイスの瞑想曲(1894)
(3)チャイコフスキー:なつかしい土地の思い出 Op.42)
(4)マイエル:ヴァイオリンとピアノのための6つの小品より第4番「アレグロ・モルト」(1879)
(5)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ Op.28(1863)
(6)ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲第1番〜歌劇『はかなき人生』より(1913)
(7)クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース Op.6(1911)
(8)ワックスマン:カルメン幻想曲(1946)
ユーハン・ダーレネ(Vn/ストラディヴァリウス「ケンブリッジ公爵」(1725年製))
(1)-(6)(8)ペーテル・フリース・ユーハンソン(P/スタインウェイD)

録音:2023年12月20〜23日/ゼンデザール、ブレーメン(ドイツ)
2022年にグラモフォン誌の「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、世界から注目されているスウェーデンのヴァ イオリニスト、ユーハン・ダーレネ(2000〜)。2023年5月の来日公演でも抜きん出たテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を魅了しました。
BISレーベル第5弾は『思い出』。ハイフェッツ、パールマン、ヴェンゲーロフといった偉大なヴァイオリニストも録音してきた名曲を若き名手ダーレネが録音しま した。
幼いころから親しんできた作品を集めたというダーレネ選曲の当アルバムには、ツィガーヌ(ラヴェル)、序奏とロンド・カプリチオーソ(サン=サーンス(P・ パート:ビゼー編))、カルメン幻想曲(ワックスマン)という3つのヴィルトゥオーゾ作品に加え、タイスの瞑想曲(マスネ)、なつかしい土地の思い出(チャイコフ スキー)、スペイン舞曲第1番(ファリャ(クライスラー編))など、珠玉の名曲を収録。
また母国スウェーデンの女性作曲家アマンダ・マイエル(1853〜1894)の滅多に演奏されない小品も取り上げられています。ブラームスやグリーグと親交の あったマイエルはロマンティックで美しい作品を作曲しており、当アルバムに収録した6つの小品の第4番についてダーレネは「生命力に満ち溢れた美しい作品」と 語っています。ヴァイオリンの多面的な魅力を伝えるダーレネの代表盤にして新時代のヴァイオリン名曲集がここに誕生しました!
ヴァイオリンは1725年製のストラディヴァリウス「ケンブリッジ公爵」を使用。この楽器はかつてルイ・シュポア(1784〜1859)、カミラ・ウィックス(1928 〜2020)といった大ヴァイオリニストが演奏・所有していた銘器。若き名手がこの楽器で美しい音色を奏でます。 (Ki)
BIS
BISSA-2624(1SACD)
シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番イ長調 D.959(1828)
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960(1828)
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ/コンラート・グラーフ(1819年製作)のレプリカ、ポー

録音:2022年7月11〜16日/インマヌエル教会(ヴッパータール)
シューベルトの即興曲(BIS SA-2614)のリリースから1年。鬼才フォルテピアノ奏者ロナルド・ブラウティハムがシューベルトのソナタ D.959(第20番)とD.960(第21番)をリリースします!
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの鍵盤作品を演奏・録音してきたブラウティハム。満を持してのシューベルトのソナタは絶品のひとこと。晩年のシューベ ルトが新たな境地に達したことを示す、この上なく素晴らしい演奏を披露しています。フォルテピアノの温もりある音色で聴く新たな名盤が誕生です。
当演奏は現代の名工ポール・マクナルティが製作したコンラート・グラーフ(1819年製作)のレプリカを使用しております。マクナルティ製作の楽器を使用して 演奏・録音していることについてブラウティハムは「彼の製作したレプリカを演奏していると、演奏解釈の面でも新しいインスピレーションを得ることができる」と 語っており、作曲家が使用していたであろう楽器のレプリカを演奏することがいかに重要であるかを、この演奏で証明しています。 (Ki)

Hortus
HORTUS-236(1CD)
「風に運ばれて」
ラモー(パレ編):歌劇『アバリス、またはボレアド』より「リヒュミニアのアントレ」
マティアス・ファン・デン・ギュイエン:前奏曲第5番
ビゼー(ウッテン編):歌劇『真珠採り』より「耳に残る君の歌声」
タレガ(ブラジエール編):アラビア奇想曲
ヴィラ=ロボス(ブラジエール編):12の練習曲より第1番「アルペッジョの練習曲」
レオン・アンリ:ガヴォット パストラーレ
ジャック・ラノワ:フランス組曲
ロバート・バーンズ:オン・ザ・サン・アントニオ・リヴァー
フィリップ・クアットロッコロ:レトロモルフォーゼ第1番
ガブリエル・マルギエーリ:アンゲルス
バッハ(ブレーメル編):フルート・ソナタ 変ホ長調 BWV1031より第2楽章「シチリアーノ」
マティアス・ファン・デン・ギュイエン:前奏曲第8番
スタフ・ネース:リスメンダンス
スタフ・ネース:ファンタジア第1番
ショスタコーヴィチ(ステインス編):ワルツ第2番
サティ(ブラジエール編):グノシエンヌ第1番
ロイク・マリエ:鐘
作者不詳:マス・リリエの3つの鐘の音
アドリアン・パレ(カリヨン)

録音:2023年/サヴォワ公城(フランス)
アドリアン・パレが17世紀から現代までカリヨンのために書かれたオリジナル作品とクラシックの名曲を演奏。カリヨンは鐘楼などの塔状の建築物として設置さ れている楽器。カリヨン奏者は手を握り、拳を使ってブロンズを鳴らします。その音は風に運ばれ、街全体にその響きを届けます。
パレは1994年生まれ。ピアノの勉強を始めた後、城島佑生子のオルガン教室に入門。その後、オルガンをドミニク・ルヴェイロンに師事。現在はサン=ディディ エ=オ=モン=ドールの首席オルガニストを努めています。2013年から2015年にかけてカリヨンを演奏する資格を得るための試験を受け、現在ではオルガン奏 者、カリヨン奏者として活躍しています。 (Ki)

Hortus
HORTUS-237(1CD)
エイミー・ビーチ:ピアノ作品集
ワルツ=カプリース Op.4
バラード Op.6
4つのスケッチ Op.15より第3曲「夢想」、第4曲「蛍」
バルカンの主題による変奏曲 Op.60
2つのピアノ小品 Op.102
月光による古い教会 Op.106
夜想曲 Op.107
独りきりの母の子守歌 Op.108
ワルツ幻想曲「チロル人」Op.116
5つの即興曲 Op.148
ジェニファー・フィシェ(P)

録音:2023年/フランス
非凡な才能を持ったアメリカの作曲家・ピアニスト、エイミー・ビーチ(1867〜1944)。ピアノの神童として注目され、作曲家としてあらゆるジャンルに作品 をのこしています。生前は絶大な評価を得ていたものの、死後演奏されることの少ない作曲家となってしました。近年、輝かしい才能を示した作品は多くの音楽 家を魅了し、演奏会でもとりあげられることが増えつつあります。このアルバムはビーチのあらゆる時代のピアノ独奏曲を網羅。彼女の作品に魅了されたジェニ ファー・フィシェが演奏しています。 (Ki)

Hanssler
HC-24004(1CD)
マリー・ジャエル:ピアノ小品集〜ダンテの『神曲』に基づく
「地獄で聞こえてくるのは」(全6曲)
「煉獄で聞こえてくるのは」(全6曲)
「天国で聞こえてくるのは」(全6曲)
ヴィヴィアン・ゲルゲン(P)

録音:2022年〜2023年フランクフルト
1846年パリに生まれた女性作曲家マリー・ジャエルのピアノ小品集。1866年に世界的ピアニスト、アルフレッド・ジャエルと結婚。その縁でリストやブラームス、 サン=サーンスと知り合いました。1870年代から30年間、マリー・ジャエルは作曲に専念し、その間、フランクやサン=サーンスらから薫陶を受けています。また 1883年から1886年まで、一年の半分はワイマールに滞在しています。
作曲家としての才能を認めたリストは彼女の作品の普及に力を注ぎ出版を支援、また自身のコンサートでも彼女の作品を取り上げました。リストは「彼女は哲学 者の心と芸術家の才能を持っている」と絶賛しています。
ここに収録されたピアノ小品集はダンテの『神曲』から触発され作曲されたもの。地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部からなる『神曲』をジャエルが音化した実に興 味深い作品。ヴィヴィアン・ゲルゲンが美しく奏でます。

Hanssler
HC-23052(1CD)
運命に抗う
(1)ショスタコーヴィチ:前奏曲とフーガ ロ短調 Op.87-6
(2)メトネル:ピアノ・ソナタ第5番ト短調 Op.22
(3)カトゥアール:4つの前奏曲 Op.17
(4)メトネル:4つのおとぎ話 Op.26より第3曲
(5)カトゥアール:黄昏の唄 Op.24
(6)モソロフ:2つの夜想曲 Op.15
(7)モソロフ:3つの小品 Op.23a
(8)ザデラツキー:左手のための
(9)ザデラツキー:ピアノ・ソナタ第4番
(10)シュニトケ:前奏曲第1番変イ長調
(11)シュニトケ:前奏曲第3番ホ短調
アンナ・ザシモワ(P/スタインウェイD)

録音:2020年5月、2021年11月/SWR バーデン・バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ
「驚くべきヴィルトゥオージティ、そして非常に繊細な芸術的センスは、彼女の非常に幅広い多様性と密接に結びついている」とドイツの作曲家ヴォルフガング・ リームが絶賛するアンナ・ザシモワの新アルバム登場。
ザシモワは1976年モスクワ生まれ。グネシン音楽大学でトロップに師事、2002年からはドイツを拠点に活動しています。苦悩に満ちた20世紀ロシアに生ま れた作品に焦点をあてています。ロシア音楽が大きな変化を見せた時の記録としてリリースしたアルバム(HC-18022)も好評発売中。 (Ki)


Altus
ALT-547(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

エヴァ・ゲヴォルギヤン〜日本公演ライヴ
ショパン:ノクターン第17番ロ長調 Op.62-1
 エチュード ホ短調 Op.25-5
 エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
 幻想曲 ヘ短調 Op.49
 ポロネーズ第5番嬰ヘ短調 Op.44
 4つのマズルカ Op.17(全曲)
 ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 『葬送』 Op.35
 ラフマニノフ:練習曲集『音の絵』 Op.39より 第1番ハ短調、第2番イ短調、第3番嬰へ短調、第6番 イ短調
 ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36
(以下アンコール)
ラフマニノフ:イタリアン・ポルカ*
ショパン:24の前奏曲より 第20番ハ短調*
リスト:ラ・カンパネッラ*
アート・テイタム:キャラバン**
チャイコフスキー/プレトニョフ編)):『くるみ割り人形』より 金平糖の精の踊り**
エヴァ・ゲヴォルギヤン(P;ヤマハCFX)

ライヴ録音:[ショパン&アンコール*]2023年9月6日浜離宮朝日ホール
[ラフマニノフ&アンコール**]2023年9月9日浦安市文化会館
エヴァ・ゲヴォルギヤンは2004年モスクワ生まれのロシア系アルメニア人ピアニスト。 モスクワ音楽院等で学び若くして頭角を現し、著名な指揮者・オーケスト ラとの共演や数々の音楽祭への参加で注目を集めます。2021年第18回ショパン国際ピアノ・コンクールで最年少ファイナリスト。これからの活躍が非常に楽し みなピアニストです。
当盤には2023年に行った初来日リサイタルを収録。自身が得意とし共感する作曲家、ショパンとラフマニノフに特化したプログラムです。まず驚くべきはその 凄まじい技巧。ライヴとは思えない正確さとスピードで奏でられる嬰ハ短調のエチュード!かろやかに輝きながら転がっていく走句と、バランスよく強靭に響かせる 和音の見事な対比。そしてさらに詩情があり歌があり、フレーズを考えたテンポの揺らぎなど実に音楽的。2曲のピアノ・ソナタでは様々な演奏技法が駆使された 堂々たる音楽が鳴り響きます。そしてアンコールは幸福感たっぷり。ALTUSの録音も美しく、ピアノを聴く喜びに満ちたアルバムです。
50を超える国際コンクールを勝ち抜いてきた鉄壁と言われるテクニック、十代とは到底思えない堂々とした構成感は映像からもうかがい知ることができるが、 実際のエヴァの演奏を聴くと一音一音がよく通り、透明感のある響きと豊かな色彩がホール全体に行きわたる様子が一層はっきりと感じられます。重厚でありなが ら前に進んでいく躍動感があり、演奏されている響きに対する最良のテンポを瞬時に的確に捉える鋭い感性がある。これらはすぐれたピアニストには必須のことで あろうが、エヴァは音楽への謙虚さ、几帳面さ、大胆さなど、そのことを実現するための内面的な資質を持っていると思う。(石原良也氏の解説より)

APARTE
AP-275(1CD)
バッハ:トッカータ全集 BWV910-916 クリストフ・ルセ(Cemb)
チェンバロ:1750年頃製作、ドイツの作者不明のオリジナル楽器(プライベート・コレクション)

録音:2020年11月29日〜12月2日/ロテル・ド・ランデュストリ、パリ(フランス)
DECCA/L'Oiseau Lyre、AMBROISIE、aparteとレーベルを移しながら、バッハの主要なチェンバロ独奏曲を30年以上に渡って録音してきたクリストフ・ ルセが、ついにバッハのトッカータ集を録音!このトッカータ集で、ルセによるバッハの主要な鍵盤作品録音が出揃うことになります。
おそらく1705年から1712年にかけて書かれたBWV910-916の7曲のトッカータは、その後の成熟した様式とは異なる、若き日のバッハの創意やひらめ きに満ちた様式を示しています。バッハの憧れの存在だったブクステフーデをはじめとする17世紀の北ドイツのオルガン曲の影響を強く受けたとされるその音楽 様式は、自由な筆致による構成、あふれる幻想性でバッハの鍵盤作品の中でも一際異彩を放っています。
ブクステフーデの鍵盤作品で示された「Stylus Phantasticus』(幻想様式)のバッハ版と呼ぶにふさわしいこれらの個性的なバッハのトッカータを、巨匠ル セは18世紀半ばに製作されたジャーマン・タイプの歴史的チェンバロを用いて、煌めく技巧と目くるめく幻想性で聴かせてくれます。現代最高峰のバッハ弾き、ク リストフ・ルセの手で開かれた若きバッハの幻想世界をご堪能ください! (Ki)

KOMA
KOMA-10001(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
オーベルマンの谷・初稿
リスト:『旅人のアルバム』 S.156より
(1) オーベルマンの谷(初稿)
『巡礼の年 第1年 スイス』 S.160より
(2) 第1曲 ウィリアム・テルの聖堂
(3) 第4曲 泉のほとりで
(4) 第5曲 嵐
(5) 第9曲 ジュネーヴの鐘
(6) 第6曲 オーベルマンの谷(第2稿)
[ボーナス・トラック]
(7) オーベルマンの谷 - Ossia(第2稿より)
近藤毬生(P)
使用楽器:ニューヨーク・スタインウェイ CD368(1912年製)

録音:2024年7月11-12日/かながわアートホール
ピアニスト近藤毬生(こんどう・まりな)のデビュー・アルバム。自主レーベルからの発売です。自身が専門とするリスト作品でまとめた内容で、ほとんど録音 のない超難曲「オーベルマンの谷」初稿を収録。
苦悩にみちたセナンクールの小説『オーベルマン』に触発されたリストのピアノ曲「オーベルマンの谷」は、最初に『旅人のアルバム』S.160のなかの1曲と して書かれ、これが改訂されて『巡礼の年 第1年』S.165に収録されました。このふたつの稿にはかなり違いがあり、初稿はとにかく音符が多く、強烈なまで に演奏至難。限界に挑戦するようなピアニズムを縦横に駆使した譜面で、なかなか取り上げられないのもうなずけます。一方、第2稿はすっきりした印象を受け ますが、音楽の核が明確に浮かび上がり輝くような書法の洗練を感じます。両者を聴き比べ、さらに第2稿にあるOssiaまで聴くことができる、とても貴重で 興味の尽きないアルバムです。
演奏の素晴らしさも特筆。すべての音符がきちんと鳴っているのはもちろん、作品の文学的側面をとらえ、旋律の流れや音響のバランスを巧みにコントロール しています。 (Ki)

Naxos Japan
NYCC-27315(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ショパン:ワルツ第1番変ホ長調「華麗なる大円舞曲」 Op.18
バラード第1番ト短調 Op.23
ノクターン第2番変ホ長調 Op.9, No.2
ポロネーズ第6番変イ長調「英雄」 Op.53
幻想曲 ヘ短調 Op.49
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調「葬送」 Op. 35
ポロネーズ第7番変イ長調「幻想」 Op.61
ノクターン第20番嬰ハ短調 Op. Posth.
福間洸太朗(P)

録音:k2024年2月5-7日 稲城市立iプラザホール
日本デビュー20周年記念盤にして、通算20作目のアルバム、日欧同時発 売! 本作『ショパンの想い出』は、福間洸太朗が幼少期から「一番好きな作曲 家」に挙げてきたショパンの作品から、福間/ショパン双方の音楽人生におい て重要な“想い出”である名曲の数々を収めました。たとえば『幻想ポロネー ズ』は、福間が20年前のデビュー・リサイタル時に演奏した“想い出”の曲であ る一方、作曲者ショパンにとっても、自身の祖国愛と郷愁を投影した“想い 出”の曲です。ほか、『バラード第1番』『英雄ポロネーズ』『葬送ソナタ』などのさ まざまな名曲が、20年のキャリアを経たピアニストだからこその重層的な解釈 でもって奏でられます。ショパンの没年である39歳を超え、21年目以降のキャ リアを今後歩んでいく福間洸太朗が、自身の重要な足跡として世に放つオー ル・ショパン・アルバムです。日英仏独の4か国語による解説に加え、福間自身が各収録曲の“想い出” や解釈を語った日本限定の別冊ブックレット「Souvenirs de Kotaro Fukuma」が特典として付属します。

Ars Longa Records
AL-2(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 上野真 (P)
Steinway D, Hamburg, No.527890,1993

録音:2022年9月27〜29日三重県総合文化センター大ホール
Ars Longa Records第2作は、バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻。 「長い間、チェンバロやクラヴィコード、そしてバロック・オルガンではない、現代のピアノによるバッハの存在意義は少ないと考えていました。しかし近年その考え を改めました。」と語る上野真。ピリオド奏法、学究的な時代考証を経て、改めて現代のピアノでバッハに取り組む上野が、ピアニスティック、かつ大らかで独 特なバッハを聴かせてくれます。

OUR recordings
OU-8.226921(1CD)
NX-D05
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) ヘンリク・ダム・トムセン(Vc)
Francesco Ruggieri1680年製
A=442Hz

録音:2024年2月
20年余りにわたりデンマーク国立SOのソロ・チェロ奏者を務めているヘンリク・ダム・トムセンが取り組 んだバッハの「無伴奏」全曲。トムセンはCD解説書(英語とドイツ語)で「今日の豊かな音楽学的知見を検 討し、ガット弦のバロック・チェロやガンバによる演奏に触れ、それらから得ることが多々あった」とした上で、最 終的にはデンマーク国立響で日頃演奏している愛器で録音に臨みました。チェロは全6曲を通じてフランチェ スコ・ルジェッリが1680年に製作したもの(現代仕様)、弓はマックス・シャフナー、弦もピッチ(442Hz)も現代 仕様。コロナ禍の時間に自分と向き合い、自分に問いかけることを重ねて育まれた真摯な演奏です。

CD ACCORD
ACD-337(2CD)
X-E07
バッハ・ロマンティーク
バッハ:無伴奏チェロ組曲(ダヴィッドによる無伴奏ヴァイオリン編)
組曲第3番ト長調(原調:ハ長調) BWV1009
組曲第4番変ロ長調(原調:変ホ長調) BWV 1010
組曲第5番ト短調 (原調:ハ短調)BWV1011
組曲第1番ニ長調(原調:ト長調) BWV1007
組曲第2番イ短調(原調:ニ短調)BWV1008
組曲 第6番ニ長調 BWV1012
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ イ短調 BWV1003- I. Grave
ズビグニェフ・ピルフ(Vn)
19世紀初頭、フランス製
A=432H z

録音:2023年7月15-18日
19世紀のバッハ・ルネサンス当時、無伴奏チェロ組曲がどう響いていたかを探求したセットが登場。 メンデルスゾーンが「マタイ受難曲」を蘇演してバッハの偉大さを知らしめたように、バッハの無伴奏チェロ組曲 の価値を認め、広く演奏されるように努めた演奏家がいました。ただし、ヴァイオリン曲として。メンデルスゾー ンと交友があり、そのヴァイオリン協奏曲の作曲においてアドバイスを贈り、ソリストとして初演も成功させたフェ ルディナント・ダヴィッド。バッハの無伴奏チェロ組曲をライプツィヒでヴァイオリンを学ぶ生徒たちのために移調 (第6番のみ原調のまま)し、随所にテンポをはじめとする演奏上の指示を記入、また音を変えるなどの「校 訂」作業を行いました。それらは異なる楽器のための編曲(Transcription)を越えたもので、今日聞けば奇 異かつ恣意的な改変に聞える箇所もあります。しかし古楽器奏者でもあるビルフはそれらに忠実且つ真摯 に取り組み、19世紀初頭にフランスで作られた楽器にガット弦を貼り、ダヴィッドの指示が具体性を欠く箇所 では当時の教則本や文献を広く調査検討して演奏に臨みました。「19世紀人のバッハ観に迫ることは、今 風に演奏することよりも、またバッハ時代のように演奏することよりも難しい。まずは19世紀には無かった現代 生活の諸々を忘れ去ること」と語るビルフによる原盤解説(英語とポーランド語各12ページ)中の詳細な考 察も読みごたえがあります。

IBS CLASSICAL
IBS1220242(1CD)
NX-B10
ポンセ:ギター・ソナタ集
ソナタ・ロマンティカ「フランツ・シューベルトを讃えて」
ソナタ・クラシカ「フェルナンド・ソルを讃えて」
ソナタ第3番
ソナタ・メヒカーナ
マリア・エステル・グスマン(G)

録音:2022年4月27-29日
1987年アンドレス・セゴビア国際ギターコンクール、1988年瀬戸大橋国際ギターコンクールなど多くのコンクールで 優勝。たびたびの来日で多くのファンを獲得するセビーリャ出身の「ギターの女王」マリア・エステル・グスマンが演奏 するポンセのソナタ集。セゴビアとの出会いから生まれた技巧的な美しいソナタを、グスマンは圧巻のテクニックと表 現力で存分に聴かせます。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-412(1CD)
「ALTUS」〜2つのギターで聴くモーツァルト、シューベルト、ハイドン
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番ハ長調KV.533/494(ヘ長調に移調編)
シューベルト:ピアノのための小品第2番D.946
ハイドン:アンダンテと変奏へ長調HobXVII:6 (ギター編曲:ヴィンチェンツォ・ギュラ)
ババク・ババイエ(G)
ヴィンチェンツォ・ギュラ(G)

録音:2020年10月6-8日、2021年2月26-28 日、2022年
10月13-14日 スタジオ・オドラデク
モーツァルトのピアノ・ソナタとシューベルト、ハイドンのピアノ作品を 2つのギターで演奏すると いう極めてユニークな企画のディスク。編曲の見事さとあいまって、まるで最初から2 つのギターの ために書かれたと思われるほど自然で美しい音楽。ギタリストのババク・ババイエは 1987年テヘラ ン出身、ヴィンチェンツォ・ギュラは1984 年イタリア出身のともに若手。オドラデクの録音の美しさも あって楽しめる内容。モーツァルト、シューベルト、ハイドンにギター作品はないだけに新しい発見 の連続。
ODRADEK RECORDS
ODRCD-455(1CD)
「比類なきリストVol.2」
死のチャルダッシュ/即興曲/ハンガリー狂詩曲第2 番/葬送前奏曲と葬送行進曲/ メフィスト・ポルカ/我らが主イエス・キリストの変容の祝日に/トッカータ/ メフィスト・ワルツ第3番/ヘンデルの歌劇「アルミラ」よりサラバンドとシャコンヌ/ チャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ/調性のないバガテル
マイケル・ケイコフ(P)

録音:2023年9月25日、10月30日ニューヨーク、スキルマン・ミュージック
前作 ODRCD428に続く「比類なきリスト」の第 2弾。前作ではロ短調のソナタを中核に「悲しみ のゴンドラ」ほかの小品を収録していたが、今回はハンガリアー狂詩曲、メフィスト・ワルツなどの名 曲のほか、オペラの旋律による幻想曲そして音楽史上、重要な「調性のないバガテル」を収録。前 作同様、マイケル・ケイコフは超絶技巧のこれらの曲を極めて明快に一点の曇りも迷いもなく弾き 切り見事。オドラデクの録音の優秀さも相まっておびただしい音符の一粒一粒がクリスタルのよう に輝いて美しい。

BIJIN CLASSICAL
BJN-1028(1CD)
日本語解説付国内盤
ショパン:ポロネーズ集
ポロネーズ第1番嬰ハ短調 作品26-1
ポロネーズ第2番変ホ短調 作品26-2
ポロネーズ第3番イ長調 作品40-1「軍隊」
ポロネーズ第4番ハ短調 作品40-2
ポロネーズ第5番嬰ヘ短調 作品44
ポロネーズ第6番変イ長調 作品53「英雄」
幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22
イリーナ・メジューエワ(P)
(P/1925年製ニューヨーク・スタインウェイ)

録音:2023年3月&2024年3月、新川文化ホール(富山県魚津市)
ジューエワによる新ショパン・シリーズの第 4弾は、ヒロイックな情調に富むポロ ネーズ集。叙事的で壮大なスケール感と繊細極まりない抒情性が共存する演奏解釈 は、メジューエワの更なる深化の証。並録の「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポ ロネーズ」も、ヴィルトゥオジティと優美さが結びついた秀演です。名器ヴィンテージ・ スタインウェイ(1925年ニューヨーク製)の華麗な音色でお届けします。

Spectrum Sound
CDSMBA-163(1CD)
エミール・ギレリス・ライヴ・イン・パリ

(1)モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365(316a)
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(3)リスト:ラ・カンパネラ
(4)リスト:ハンガリー狂詩曲第15番「ラコッツィ行進曲」
全て、エミール・ギレリス(P)、
(1)エレーナ・ギレリス(P)
ジャン=クロード・カサドシュ(指)、フランス公共放送室内O
ライヴ録音:1974年12月6日シャンゼリゼ劇場(パリ)【ステレオ】
(2)シャルル・ブリュック(指)フランス国立放送PO
ライヴ録音:1969年10月28日シャンゼリゼ劇場(パリ)【第1楽章:ステレオ、第2&3楽章:モノラル】
(3)ライヴ録音:1954年2月26日サル・プレイエル(パリ)【モノラル】
(4)ライヴ録音:1960年3月6日サル・プレイエル(パリ)【モノラル】
驚きの初出音源のディスク化を進めているスペクトラム・サウンド。当アルバムはフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの復刻で、エミール・ギレリス がパリで行った演奏会からの初出音源集です!
注目は娘エレーナと共演したモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調。当曲は1973年、カール・ベーム指揮VPO との大名盤がありますが、当録音は翌1974年12月の演奏。ロベール・カサドシュの甥、ジャン=クロード・カサドシュ(指)フランス公共放送室内Oとの 共演で、非常にあたたかい音楽を奏でています。
「皇帝」はライヴを含め数多く録音が残されていますが、当演奏は1969年10月、シャルル・ブリュック(指)フランス国立放送POとの 共演。ギレリスらしい一切ぶれることのない演奏を披露しています。なお、録音当時のレコーディング・エンジニアのミスでライヴ翌週にステレオ・マスターテープ の一部を破損してしまいました。そのため第1楽章のみマスターからの復刻でステレオ、第2、3楽章は1969年11月11日に放送された音源を使用、モノラル となっております。スペクトラム・サウンドの丁寧な復刻で美しい演奏が蘇りました。
ボーナストラックとしてサル・プレイエルでのライヴ音源から自身で編曲を加えたリストのラ・カンパネラ(1954年/モノラル)、リストのハンガリー狂詩曲第 15番「ラコッツィ行進曲」(1960年/モノラル)を収録。演奏終了後の大熱狂も堪能できます。切れ味抜群のギレリスの演奏をお楽しみください。
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0098(2CD)
ピアノの声 〜歌曲のピアノ独奏用編曲を中心に
[CD1]
ドビュッシー(Andreas J. Winkler編):美しき夕暮れ L.6/噴水 L.64-3
プーランク:即興曲第15番ハ短調『エディット・ピアフを讃えて』 FP176/メランコリーFP105
モンポウ(アルカディ・ヴォロドス編):今日、大地と天は私に微笑みかける/君の上には、ただ花ばかり
ラフマニノフ:リラの花 Op.21-5/ひなぎく Op.38-3
マーラー(Andreas J. Winkler編):私はほのかな香りを吸いこんだ Op.44-1/私はこの世に捨てられて Op.44-4
グリーグ(カルメン・ステファネスク編):君を愛す Op.41-3/口のかたいナイチンゲール Op.48-4
シューベルト(リスト編):セレナード S560-7
R.シュトラウス(ゴドフスキー編):セレナード Op.17-2
ブラームス(ゴドフスキー編):子守唄 Op.49-4
[CD2]
ルーマニアの伝承曲(Andreas J. Winkler編):Fric? mi-e c? mor ca maine
ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴスによる幻想曲
ファジル・サイ:ブラック・アース
ファリャ(エルネスト・アルフテル編):7つのスペイン民謡[ムーア人の織物 / ムルシア地方のセギディーリャ / アストゥリアス地方の歌 / ホタ / ナナ / カンシオン / ポロ]
シベリウス:即興曲 Op.5-4/ 即興曲 Op.5-5
バッハ(ブゾーニ編):われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ
カル メン・ステファネスク(P)

録音:2024年/ベルリン、エールベルク教会トーンスタジオ
ルーマニアのピアニスト、カルメン・ステファネスクによる2枚組アルバム。歌曲からのトランスクリプションを中心に据え、「ピアノの声」すなわちピアノの 声楽的特質に焦点をあてた内容です。さらに自身がお気に入りだというピアノ作品をカップリングしており、音楽をピアノで歌うことをとことん追求した演奏 となっています。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187229(1CD)
『アラウンド・ガーシュウィン』
(1)ガーシュウィン:Rhapsody in Blue(ラプソディ・イン・ブルー)*
(2)ガリアーノ:On the train
(3)ガーシュウィン:Oh, lady be good!(おおレディよ、やさしくしておくれ!)*
(4)ラフマニノフ:幻想的小品集 Op.3より第2曲 前奏曲 嬰ハ短調 「鐘」*
(5)ガリアーノ:Temporale
(6)サティ:グノシエンヌ第4番「レント」*
(7)ガーシュウィン:Summertime(サマータイム)*
(8)ドビュッシー:子供の領分 L.113より第1曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」*
(9)ガリアーノ:Brouillards―ガーシュウィン:A Foggy Day(霧の日)*
(10)ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ M.19*
(11)ガーシュウィン:But not for me(バット・ノット・フォー・ミー)*
(12)サティ:ジムノペディ第1番*
(13)ガーシュウィン:The Man I Love(私の愛する男)*
(14)ガーシュウィン:I loves You Porgy(愛するポーギー)*―フォーレ:夢のあとに*
*=リシャール・ガリアーノによるアコーディオン編曲
リシャール・ガリアーノ(アコーディオン、メロウトーン)

録音:2023年9月&2024年1月/ストゥディオ・ラ・ムニュイズリー、ノアジー=ル=セック(フランス)
楽器 アコーディオン:Thierry Benetoux製作 メロウトーン:Philippe Tchumak製作
鬼才アコーディオン奏者リシャール・ガリアーノ、PENTATONEレーベル初登場!!ジャンルの垣根を越え、あらゆる音楽を奏でてきた名手の2024年注目の新 譜は、ガーシュウィン(1898〜1937)へのオマージュ・アルバム『アラウンド・ガーシュウィン』。
ガーシュウィンの音楽とドビュッシー、ラフマニノフ、サティ、ラヴェル、フォーレといった20世紀初頭の作曲家の作品、そしてガリアーノの新曲を織り交ぜたガリ アーノならではの秀逸な選曲。「ラプソディ・イン・ブルー」、「サマータイム」、「愛するポーギー」などガーシュウィンの名曲ナンバーはもちろんのこと、フィギュア スケートでもおなじみとなったラフマニノフの前奏曲「鐘」、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」など、クラシックの名曲をガリアーノの類い稀な編曲・演奏 でお届け。ガーシュウィンとその先へと向かう「音の旅」に誘います。 (Ki)

MDG
MDG-9042320(1SACD)
イェルク・ヴィトマン(1973-):ピアノ作品集
サーカスダンス(Zirkustanze)(2012)
牧歌と深淵(Idyll und Abgrund)(2009)〜ピアノのための6つのシューベルトの回想
間奏曲(2010)20'43
11のユモレスク(Elf Humoresken)(2007)
シュウ・ユーボー(P)
使用楽器:Steinway D ?Manfred Burki“1901

録音:2016年9月21-22日、2023年8月28-31日、マリエンミュンスター修道院コンサートホール
家にして、世界的クラリネット奏者、さらには指揮者でもあるマルチな才能を持つ音楽家。 音楽学者のバーバラ・ドブレツベルガー博士はイェルク・ヴィトマンのピアノ作品についてこのように述べています。「ブーレーズ、クセナキス、ウストヴォリスカヤ、 ピアソラ、武満徹など、20世紀の作曲家によって書かれたピアノ作品は、ピアノという楽器の音色、技法すべてを活用した楽曲が生み出されたと言えるでしょう。 そのため21世紀に新たにピアノの楽曲を作曲するということは、作曲家にとって大きな挑戦であります。ヴィトマンはそこに果敢に挑み、過去の作曲技法、形式、 そして文学などあらゆるものからインスピレーションを得て実験的に作曲しています。」 本作は、シューベルト、ブラームス、シューマンといったロマン派の作曲家へのオマージュと言える作品が収録されています。サーカスダンス(Zirkustanze)は、 綱渡り師の危険に挑む際の感情が万華鏡のようにコロコロと変化する魅力的な作品。11のユモレス(Elf Humoresken)、タイトルから想像できるようにシュー マンの「フモレスケ」から影響を受けており、また「子供の情景」や「森の情景」を彷彿とさせる楽曲もあります。ヴィトマンは「シューマン賞」を受賞し ており、シューマンの音楽語法を21世紀の表現として見事に落とし込んだと言えるでしょう。また間奏曲(Intermezzi)は、ヴィトマンからブラームスへの愛を 捧げた作品。断片的にブラームスの旋律が現れ、19世紀から遠くはれた現代に、ブラームスからの歌が届くような1作です。「シューベルトへの回想」という副題 がついている牧歌と深淵(Idyll und Abgrund)は、間奏曲がブラームスへのオマージュというならば、本作はより大胆にシューベルトの音楽をコラージュしたよ うな楽曲です。 (Ki)

King International
KKC-8863(15CD)
園田高弘・ベートーヴェン大集成
■Disc1
(1)ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.2の1
(2)ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2の2
(3)ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2の3
■Disc2
(1)ピアノ・ソナタ第16番ト長調Op.31の1
(2)ピアノ・ソナタ第17番Op.31の2ニ短調「テンペスト」
(3)ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調Op.31の3
■Disc3
(1)ピアノ・ソナタ第15番ニ長調Op.28「田園」
(2)自作主題による6つの変奏曲ヘ長調Op.34
(3)「エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調Op.35
■Disc4
(1)ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.27の1
(2)ピアノ・ソナタ第14番Op.27の2嬰ハ短調「月光」
(3)ピアノ・ソナタ第24番Op.78嬰ヘ長調「テレーゼ」
(4)ピアノ・ソナタ第27番ホ短調Op.90
(5)ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
■Disc5
(1)ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
(2)ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
(3)ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
■Disc6
(1)ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調Op.106「ハンマークラヴィーア」
(2)ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22
■Disc7
(1)ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
(2)ピアノ・ソナタ第26番Op.81a変ホ長調「告別」
(3)幻想曲Op.77
■Disc8
(1)ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調Op.7
(2)ピアノ・ソナタ第8番ハ短調Op.13「悲愴」
(3)ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26「葬送」
■Disc9
(1)ピアノ・ソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」
(2)ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調Op.54
(3)ロンド ハ長調Op.51の1
(4)ロンド ト長調Op.51の2
(5)アンダンテ・ファヴォリWoO.57
(6)11のバガテルOp.119
■Disc10
(1)ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲Op.120
(2)6つのバガテルOp.126
■Disc11
(1)ピアノ・ソナタ第5番ハ短調Op.10の1
(2)ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op.10の2
(3)ピアノ・ソナタ第7番ニ長調Op.10の3
(4)自作主題による32の変奏曲ハ短調WoO.80
(5)「トルコ行進曲」による6つの変奏曲ニ長調WoO.76
(6)ポロネーズ ハ長調Op.89
■Disc12
(1)ピアノ・ソナタ第9番変ホ長調Op.14の1
(2)ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14の2
(3)ピアノ・ソナタ第19番ト短調Op.49の1
(4)ピアノ・ソナタ第20番ト長調Op.49の2
(5)ピアノ・ソナタ第25番ト長調Op.79
(6)ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲ハ短調WoO.63
(7)パイジェッロの「うつろの心」による6つの変奏曲ト長調WoO.70
(8)エリーゼのためにWoO.59
(9)6つのエコセーズ変ホ長調
■Disc13
(1)ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
(2)ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲ハ長調Op.56
■Disc14
(1)ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(2)ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
■Disc15
(1)ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
(2)ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
園田高弘(P)YAMAHA CFVS
大山平一郎(指)九州SO(Disc13-15)、
豊嶋泰嗣(Vn)、岩崎洸(Vc)(Disc13)

録音:
■Disc1:1996年4月23-25日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc2:1993年4月27-29日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc3:1993年4月27-28日、5月17日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc4:1993年10月25-28日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc5:1994年5月17-20日、1995年3月29-31日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc6:1994年10月25日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc7:1995年4月12-14日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc8:1994年10月25日、1995年3月29-31日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc9:1996年4月9-10日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc10:1996年5月7-9日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc11:1996年4月11-15日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc12:1993年4月27-30日、10月25-28日、1996年4月23-25日/竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc13:1999年10月18日(1)、7月28日(2)/アクロス福岡シンホニー・ホール(ライヴ)
■Disc14:1998年8月6日(1)、1999年4月6日(2)/アクロス福岡シンホニー・ホール(ライヴ)
■Disc15:2000年10月22日(1)、4月7日(2)/アクロス福岡シンホニー・ホール(ライヴ)


ワンピースBox、紙ジャケット
2024年10月7日に20回目の命日を迎える園田高弘。日本ピアノ界の偉大な功労者でヴィルトゥオーゾ・ピアニストであった彼の遺産音源を、未亡 人園田春子氏監修でBox化するシリーズ、今回はベートーヴェン。ピアノ・ソナタとピアノ協奏曲全曲に加え、主要な変奏曲、ロンド、幻想曲、ポロネーズや「エリー ゼのために」まで網羅した豪華Boxが登場します。
園田はベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を生涯に3度録音しましたが、これはその最後のもので、すべて平成時代のセッション録音。円熟の巨匠芸を堪能で きます。一点の曖昧さもない大きな演奏と深い音楽性にひたれる、まさに日本ピアノ音楽史の至宝と申せましょう。さらに解説書も園田自身の書き下ろし。各収録 曲の詳細な分析をはじめ、100ページに及ぶ読み応え満点の貴重な資料です。
かつてEVICAレーベルより分売されていましたが、今回15枚組の大集成にまとめました。世に聞こえた園田高弘のベートーヴェン、ピアノ関係者必携のBox です。 (Ki)
King International
KKC-122(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
アンコール〜バッハから寅さんへ
(1)バッハ(クルターク編):主キリスト、神のひとり子BWV601
(2)ヘンデル(チェルニー編):ハレルヤ*
(3)ヘンデル(モシュコフスキ編):見よ、勇者は帰る*
(4)モーツァルト(モシュコフスキ編):ドン・ジョヴァンニのメヌエット*
(5)ラフ:汽車の旅Op.160の2
(6)ハンス・ロット:フーガ*
(7)リムスキー=コルサコフ:ナポリの歌
(8)フロラン・シュミット:中国の傘Op.58の7
(9)ナシオ・ハーブ・ブラウン(ヴァーノン・デューク編):人形の踊り*
(10)バーナード・バーンズ(ヴァーノン・デューク編):可憐な娘さん*
(11)ローソーン:魚籠(全4曲)
(12)ハチャトゥリヤン(ストレーカー編):仮面舞踏会のワルツ
(13)松島彜:サクラバリエーション*
(14)瀧廉太郎(奥村一編):荒城の月*
(15)山田耕筰(奥村一編):赤とんぼ*
(16)越部信義(作曲者編):おもちゃのチャチャチャ*
(17)湯山昭(越部信義編):あめふりくまのこ*
(18)中田喜直(越部信義編):ちいさい秋みつけた*
(19)大中恩(たかしまあきひこ編):いぬのおまわりさん*
(20)山本直純(作曲者編):武田信玄のテーマ*
(21)中村八大(たかしまあきひこ編):上を向いて歩こう*
(22)いずみたく(たかしまあきひこ編):手のひらを太陽に*
(22)山本直純(作曲者編):寅さん*
ピアノ・デュオ・タカハシ/レーマン【高橋礼恵、ビョルン・レーマン】

録音:2023年3月28、29日、10月31日/キング関口台第1スタジオ
*=世界初録音
レーガー編曲のバッハ「ブランデンブルク協奏曲」やストラヴィンスキー自編「春の祭典」など超難曲を完璧にこなし聴き手を驚愕させたピアノ・デュオ・タカ ハシ/レーマン。ドイツと日本の夫婦デュオで、4手連弾用に書かれたものはどんなに困難でも1台で弾き通す真の実力派。

キングインターナショナル制作による初の日本録音は小品に挑戦。とはいえ大半が世界初録音の凝った選曲。近年話題のハンス・ロット唯一の連弾曲やリムス キー=コルサコフ最後の作品、汽車の爆走を描写したラフや4種の魚を音化したローソーン、連弾の最難曲とされるフロラン・シュミットの「中国の傘」などオ リジナル作品から、ピアノ・デュオが20世紀前半のアメリカで発展したヴァーノン・デューク編曲によるオシャレなジャズまで驚きのラインナップ。
すべて世界初録音の邦人作品も注目。日本最初の連弾曲とされる松島彜の「サクラバリエーション」(1917)、奥村一のピアニスティックな「荒城の月」と「赤 とんぼ」から、作曲者自身によるカッコいい「おもちゃのチャチャチャ」、ドリフの音楽で知られるたかしまあきひこのセンスあふれる編曲など秘曲が目白押し。
極めつけは大河ドラマ「武田信玄」と映画「男はつらいよ」のテーマ曲の山本直純本人の編曲。トーンクラスターを含む凄まじい効果に満ちた前者と、寅さん の姿が浮かぶ粋な後者、連弾の効果を発揮した驚くほど魅力的なピアノ曲に変身しています。
初回イニシャル出荷分のみの特典として高橋礼恵&ビョルン・レーマンのサイン色紙【1CDサイズ】付!  色紙はOPP袋で加工し外付けで封入いたします。 (Ki)

TRPTK
TTK-0122(1SACD)
ルミネセンス
チャイコフスキー(プレトニョフ編):「くるみ割り人形」Op.72 第2幕より第14曲 「パ・ド・ドゥ」
リスト:ロマンス S.169
グリンカ(バラキレフ編):ペテルブルグへの別れ 第10曲 「ひばり」
ラフマニノフ:幻想的小品集 Op.3より 第2曲 前奏曲 「鐘」
ショパン:夜想曲 Op.9-2アンダンテ
シューベルト:4つの即興曲集 D.899第3番アンダンテ
:4つの小品 Op.4より第4曲 「悪魔的暗示」
ドビュッシー:ベルガマスク組曲 L.75より第3曲 「月の光」
ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 B.49
ファジル・サイ:ブラック・アース
リアム・ナセレディン(P)

録音:2023年10月25日-26日&2024年5月9日-10日(オランダ)
13歳の傑出したピアニスト、リアム・ナセレディンのデビュー・アルバム。リアム・ナセレディンはオランダ出身のピアニストで、6歳からピアノを始めティルブルフ(オランダ)の音楽アカデミーで研鑽を積み、ロイヤル・コンセルトヘボウ・コンクールやクリスティーナ王女コンクールで優勝、その才能を開花させました。ナセレディンは約2年前に突然心臓の手術を受けなければならなくなり、本人もかなりショックを受けたということですが、その入院生活で聴いたバレンボイムによるベートーヴェンの「悲愴ソナタ」に感銘を受け、自分もコンサート・ピアニストになりアルバムを作りたいと決心したそうです。その夢を叶えた若き才能が紡ぐ音楽をぜひお楽しみください。

Chopin University Press
UMFCCD-182(1CD)
トマシュ・ソチェク:歴史的様式によるオルガン即興曲
トマシュ・ソチェク:16世紀後半から17世紀初頭のヴェネツィア風トッカータ/歌え私の舌よ、栄光に満ちた/シャモトゥウィのヴァツワフのモテット 「私は良い羊飼いである」 のインタブレーション/キャロル 「Szcz??liwa kolebko」 の主題による変奏曲/17世紀前半のイタリア・マニエリスム様式によるトッカータ/半音階的リチェルカーレ/フランス風カンツォ-ナ/17世紀後半の南ドイツの様式によるトッカータ/チャッコーナ ニ長調/北ドイツの様式による前奏曲ト長調/詩篇第91篇 「He Who Dwells in the Shelter of the Most High」 の主題によるコラール前奏曲/前奏曲(自由なファンタジア)とアリア 「あなたが傍にいて下さるなら」*/協奏曲ヘ長調/「Jesus, Jesus, Come to Me」 の主題によるコラール・パルティータ/後期バロックの様式による前奏曲と二重フーガ ハ長調
トマシュ・ソチェク(Org)、
ヨアンナ・ソチェク(S)*

録音:2019年7月15日&17日(ポーランド)
本アルバムでは、様々な地域、とりわけイタリアと北・南ドイツで実践された典型的な形式を模倣したオルガンによる即興作品集を収録しています。
トマシュ・ソチェクは、シマノフスキ音楽アカデミーでオルガンを学び、「ルネサンスとバロック様式のオルガン音楽の即興形式。歴史的および認知的観点からみた18世紀までのオルガン即興演奏の実践」をテーマに芸術博士号を取得。多くの国際オルガン・コンクールで上位入賞を果たしています。また、ショパン音楽大学でオルガン演奏と即興演奏で後進の指導にも力を注いでいます。

Onyx
ONYX-4248(1CD)
ウィーン・ラプソディ〜モーツァルト/ベートーヴェン/シューベルト/ブラームス/ラジッチ:ピアノ作品集
モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397
 ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調 K.333
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op27-2「月光」
シューベルト(ラジッチ編):岩の上の羊飼い D.965
ブラームス:2つの狂詩曲 Op.79
ラジッチ:イストリア狂詩曲 Op.18b
デヤン・ラジッチ(P)
バルカン半島、クロアチアが生んだ天才コンポーザー=ピアニスト、デヤン・ラジッチ(ラツィック)。ONYX-録音第4弾は、グシュタードで開催されたメニューイン・フェスティバルのライヴ録音!
デヤン・ラジッチは1990年からレコーディング活動を行ってきましたが、本作は初のライヴ録音となります。2022年8月にグシュタードで開催されたメニューイン・フェスティバルでの録音で、アルバム『ウィーン・ラプソディ』には、ウィーンにゆかりの深い作曲家たちの作品を集成し、18世紀から20世紀まで、狂詩曲的な要素と幻想曲的な要素を併せ持つ作品を取り上げています。また、ラジッチは、このアルバムでピアニストとしてだけでなく、アレンジャー、作曲家としての才能も発揮しており、祖国クロアチアからスロベニア、イタリアにまたがるイストリア(イストラ)半島の名前を冠した自作の狂詩曲も収録しています。

「この創造的なプロセスが再現不可能であるという事実から生まれるある種の芸術的自由は、同様に比類のないものです。 ピアノ・リサイタルは、どんなに大きな会場であっても、その親密さとユニークさゆえに、自発性、リスクテイク、創造性が発揮されるのです」。デヤン・ラジッチ

Polskie Radio
PRCD-2407(1CD)
初紹介旧譜
北京2022、ポーランドの日
ショパン:夜想曲 ロ長調 Op.62-1/ロンド 変ホ長調 Op.16/マズルカ 嬰ヘ短調 Op.6-1/マズルカ 嬰ハ短調 Op.6-2/マズルカ ホ長調 Op.6-3/マズルカ 変ホ短調 Op.6-4/マズルカ ハ長調 Op.6-5/舟歌 嬰ヘ長調 Op.60/ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
チャン・チャオ(b.1964):皮黄(京劇)
クシシュトフ・クションジェク(P)

録音:2022年1月16日&2月3日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
オリンピックの開幕前に毎度開催されるイベント「ポーランドの日」。ポーランドのオリンピック協会とベートーヴェン協会の両会長の共同で主導され、ポーランドのスポーツと芸術のつながりを示す一大イベントです。このアルバムは2022年の北京冬季オリンピックの開幕前夜にワルシャワのオリンピック・センターで開催された「ポーランドの日」に向けて制作されたもの。2015年の第17回ショパン国際ピアノ・コンクールでセミ・ファイナル進出と2つの特別賞受賞、また2018年の第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールでは第3位とマズルカ賞を受賞した実績を誇るポーランド・ピアノ界期待の逸材、クシシュトフ・クションジェクが、祖国のショパンと中国の人気作曲家チャン・チャオの作品を披露しています。
Polskie Radio
PRCD-2386(1CD)
初紹介旧譜
ヴァインベルク:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第1番 Op.5/ピアノ・ソナタ第2番Op.8/ピアノ・ソナタ第3番 Op.31
ピオトル・サワイチク(P)

録音:2021年、シマノフスキ音楽アカデミー・コンサート・ホール(カトヴィツェ、ポーランド)
ユダヤ人の家庭に生まれたため1939年のナチスによるポーランド侵攻から逃れて旧ソ連へ亡命し、そこでショスタコーヴィチとも親交を深めたポーランドの作曲家、ミェチスワフ・ヴァインベルク。近年注目が高まっており、その作品が取り上げられることも多くなってきました。ヴァインベルクは6つのピアノ・ソナタを作曲しましたが、このアルバムには最初の3曲を収録。ポーランドのピアニストであるピオトル・サワイチクはユリウシュ・ザレンプスキのピアノ作品全集を初めてレコーディングするなど、ポーランドのピアノ作品の普及に大きく貢献しています。
Polskie Radio
PRCD-2332(1CD)
初紹介旧譜
バルバラ・ヘッセ=ブコフスカ〜レトロ・スペクティヴ
(1)ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調*
(2)シューマン:アラベスク ハ長調 Op.18
(3)ショパン:ポロネーズ 変ホ短調 Op.26-2
(4)ショパン:ワルツ Op.42「大円舞曲」
(5)ショパン:ワルツ ホ短調 Op.posth.
(6)ショパン:4つのマズルカ Op.6/5つのマズルカ Op.7/夜想曲変ロ短調 Op.9-1/夜想曲ト短調 Op.15-3
(7)クルピンスキ:幻想曲「恐ろしい夢の瞬間」
(8)モニューシュコ(ヘンリク・メルツェル=シュチャヴィニスキ編):紡ぎ歌
バルバラ・ヘッセ=ブコフスカ(P)、
ポーランド国立RSO*、
ステファン・マルチク(指)*

(1)録音:1959?年(カトヴィツェ)
(2)録音:1951年3月15日(ワルシャワ)
(3)録音:1970年(ワルシャワ)
(4)録音:1955年(ワルシャワ)
(5)録音:1958年7月(ワルシャワ)
(6)録音:1955?年1月18日、ポーランド劇場(ワルシャワ)
(7)録音:1962年11月21日(ワルシャワ)
(8)録音:1951年4月24日(ワルシャワ)
ポーランドの公共放送局『ポーランド放送(Polskie Radio/Polish Radio)』の自主レーベル「Polskie Radio」が制作する、同局のアーカイヴに眠る貴重な録音をCD化する「FROM THE POLISH RADIO ARCHIVES」シリーズから、ポーランドの女性ピアニスト、バルバラ・ヘッセ=ブコフスカ(1930-2013)の秘蔵音源が登場!ワルシャワのショパン音楽大学を卒業した数ヶ月後に出場した第4回ショパン国際ピアノ・コンクールで第2位に入賞し(第1位はベラ・ダヴィドヴィチとハリーナ・チェルニー=ステファンスカ)国際的なキャリアを築いたヘッセ=ブコフスカ。ルービンシュタインにも師事した彼女が紡ぐ20世紀ポーランドのピアニズムを捉えた大変貴重なレコーディング集です。彼女が得意としたショパンを中心としたポーランドの作品のほか、1959年頃に録音されたラヴェルのピアノ協奏曲が収録されています。


Da Vinci Classics
C-00904(1CD)
カルロ・アレッサンドロ・ランディーニ(b.1954):ピアノ・ソナタ第8番 マッシミリアーノ・ダメリーニ(P)

録音:2023年2月16日(イタリア)
ミラノ音楽院からパリ音楽院へと研鑽を積み、オリヴィエ・メシアンに師事したカルロ・アレッサンドロ・ランディーニのピアノ・ソナタ第8番。ランディーニは多才な人物で、音楽だけではなく造形芸術、文学の世界でも活躍をしており、作曲の分野では2007年ワルシャワで行われたルトスワフスキ・コンクールで第1位を獲得しています。
ランディーニの代表的作品のひとつであるピアノ・ソナタ第5番は、総演奏時間が150分以上にも及び、ここに収録された第8番は、過去の偉大な傑作に触発された、幅広い構想の大規模な作品で、古楽の形式やジャンル(ガイヤルドのような舞曲やリチェルカーレのような対位法的な形式など)を再現しながらも、それを斬新な形で再解釈しています。本アルバムは、このソナタを初演した直後に亡くなったイタリアの偉大なピアニスト、マッシミリアーノ・ダメリーニの最後のコンサートを保存しているという点でも貴重な録音と言えるでしょう。
Da Vinci Classics
C-00905(1CD)
オマージュ〜ドビュッシー&ラモー:ピアノ作品集
ドビュッシー:ピアノのために
ラモー:組曲ト調 RCT6より 未開人、トリコテ
ドビュッシー:ラモーを讃えて(映像第1集より)
ラモー:組曲ト調 RCT6より エンハーモニック、エジプトの女
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
ラモー:組曲ニ長調 RCT3より やさしい訴え、喜び、いたずら好き、サイクロプス
アレッサンドロ・デル・ゴッボ(P/スタインウェイD)

録音:2024年1月25日-27日(イタリア)
イタリア、ウディネのトマディーニ音楽院で研鑽を積んだイタリアの若手ピアニスト、アレッサンドロ・デル・ゴッポが弾く、2世紀を隔てた2人のフランス人作曲家、ラモーとドビュッシー。
本アルバムでは、ラモーの代表的な鍵盤楽器のための作品、ドビュッシーの「ピアノのために」から、有名な「月の光」を含む「ベルガマスク組曲」、そして、「映像第1集」の「ラモーを讃えて」まで、ドビュッシーの「新古典主義」の全パノラマを集成しています。

Da Vinci Classics
C-00898(1CD)
19世紀のギター作品集
ソル:練習曲 ロ短調 Op.35-22、練習曲 ホ短調 Op.6-11
ジュリアーニ:大序曲 Op.61、偉大なる英雄ソナタ Op.150
ディオニシオ・アグアド:RONDO BRILLANTE
カスパール・メルツ:ロマンツァ、エレジー、ハンガリー幻想曲
フリアン・アルカス:椿姫を主題にした幻想曲
タレガ:アルハンブラの思い出
リョベート:フェルナンド・ソルの主題による変奏曲
エミリアーノ・ヴェッリーノ(G)

録音:2023年
19世紀は、ギターがクラシックの伝統の主要な楽器の1つとしてようやく独自の地位を獲得した時代と見なすことができます。この世紀は、楽器の製作と演奏技術の両面で、偉大な技術的発見の世紀でした。このアルバムでは、オペラからハンガリー風、スペイン風、古典派様式の作品を取り上げ、ギターの可能性を拡げていった作曲家たちの作品を紹介していきます。


Avanti Classic
AVA-10702(7CD)
NX-M02
ランデヴー・ウィズ・マルタ・アルゲリッチ 第3集2021ハンブルク・ライヴ
■CD1
(1)ベートーヴェン:モーツァルトの「魔笛」より「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ト長調 Op.30
(3)ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第5番 ニ長調 Op.70-1「幽霊」
■CD2
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.19
(2)メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番ニ短調 Op.49
(3)ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 第2番 変ホ長調 Op.120
■CD3
(1)シューベルト:即興曲 第2番変イ長調 D 935Op.142-2
即興曲 第3番変ロ長調 D935Op.142-3
ピアノ・ソナタ 第13番イ長調 D664 Op.120
(2)モーツァルト:4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調 K.521
■CD4
(1)パブロ・カザルス:鳥の歌
(2)ファリャ:スペイン民謡組曲
(3)フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調
■CD5
(1)ピアソラ(グバイドゥーリナ編):ル・グラン・タンゴ
(2)バーンスタイン:シンフォニック・ダンス (2台ピアノ版) 〜「ウエストサイド・ストーリー」より
(3)ピアソラ:ブエノスアイレスの四季
■CD6
(1)ムソルグスキー::歌曲集『死の歌と踊り』
(2)バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ Sz110
(3)アルノ・ババジャニアン:ピアノ三重奏曲 嬰へ短調
■CD7
(1)ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40
(2)プロコフィエフ:フルート・ソナタ ニ長調 Op.94
(3)ショスタコーヴィチ:2台のピアノのためのコンチェルティーノ Op.94
(4)ヴァインベルク:フルートとピアノのための12の小品 Op.29
■CD1
(1)ミッシャ・マイスキー(Vc)
  マルタ・アルゲリッチ(P)
(2)ルノー・カピュソン(Vn)
  マルタ・アルゲリッチ(P)
(3)アリッサ・マルグリス(Vn)
  ナタリア・マルグリス(Vc)
  ユラ・マルグリス(P)
■CD2
(1)マルタ・アルゲリッチ(P)
  ハンブルクSO
  シルヴァン・カンブルラン(指)
(2)アンネ=ゾフィー・ムター(Vn)
  ミッシャ・マイスキー(Vc)
  マルタ・アルゲリッチ(P)
(3)ジェラール・コセ(Va)
  ニコラ・アンゲリッシュ(P)
■CD3
(1)マリア・ジョアン・ピリス(P)
(2)マリア・ジョアン・ピリス(P/第1パート)
  マルタ・アルゲリッチ(P/第2パート)
■CD4
(1)アリッサ・マルグリス(Vn)
  ナタリア・マルグリス(Vc)
  ユラ・マルグリス(P)
(2)テディ・パパヴラミ(Vn)
  岡田真季(P)
(3)諏訪内晶子(Vn1)
  テディ・パパヴラミ(Vn2)
  リダ・チェン(Va)
  アレクサンドル・クニャーゼフ(Vc)
  エフゲニ・ボジャノフ(P)
■CD5
(1)ギドン・クレーメル(Vn)
  ゲオルギス・オソーキンス(P)
(2)アントン・ゲルゼンベルク(P1)
  ダニエル・ゲルゼンベルク(P2)
(3)テディ・パパヴラミ(Vn)
  オイゲン・リフシッツ(Vc)
  アレクサンダー・グルニング(P)
■CD6
(1)ミヒャエル・フォッレ(Br)
  ダニエル・ゲルゼンベルク(P)
(2)ネルソン・ゲルナー(P1)
  マルタ・アルゲリッチ(P2)
  アレクセイ・ゲラシメス(打楽器)
  ルーカス・ベーム(打楽器)
(3)マイケル・グットマン(Vn)
  趙静(チョウ・チン)(Vc)
  エレーナ・リシチアン(P)
■CD7
(1)ミッシャ・マイスキー(Vc)
  マルタ・アルゲリッチ(P)
(2)スザンネ・バーナー(Fl)
  マルタ・アルゲリッチ(P)
(3)マルタ・アルゲリッチ(P1)
  リーリャ・ジルベルシュタイン(P2)
(4)スザンネ・バーナー(Fl)
  酒井茜(P)
ハンブルクSO主催のもと、2018年からライスハレで行われている「マルタ・アルゲリッチ音楽祭」。2020年の開催はコロナ禍により見送 られましたが(代わりにルノー・カピュソンとの無観客ライヴ配信を行い、共演の間にショパンの第3ソナタを披露したことが大きな話題となりまし た)、無事に開催された2021年のライヴBOXが2018年、2019年に続いて登場します。今回も大物アーティストたちが並ぶ豪華な出演者 となっていますが、中でも初めての共演となるムターとアルゲリッチにマイスキーを加えた3人による深みを湛えたメンデルスゾーン、こちらも初共 演であったピリス(ピレシュ)とアルゲリッチのデュエットによる音楽を慈しむようなモーツァルトなどが、大きな聴きどころと言えるでしょう。さらには 2022年に亡くなったアンゲリッシュ最後の公開演奏が、ここに収められたコセとの情感豊かなブラームスということにも注目です。ほかにもパパ ヴラミ、クニャーゼフ、クレーメル、ボジャノフ、ジルベルシュタイン、そして諏訪内晶子らのパフォーマンスを収録し、協奏曲はカンブルラン指揮の ハンブルクSOとの共演となっています。このBOXセットはアンゲリッシュとの想い出に捧げられました。

ALBANY
TROY-1965(3CD)
「バッハ・トゥ・ブラック(Bach to Black)Vol.3」〜バッハ:フランス組曲+アフリカ系アメリカ人のピアノ作品集
バッハ:フランス組曲第6 番ホ長調BWV817
アドルファス・ヘイルストーク(b.1941):「5 人の友」(1977)
バッハ:フランス様式による序曲BWV831
ジェームズ・リーIII(b.1975):「永遠の入り口への窓」(2018)
バッハ:フランス組曲第1番ニ短調BWV812
モンターュー・リング(1866-1956):「4つのムーアの絵」(1927)
バッハ:フランス組曲第2番ハ短調BWV813
ンケイル・オコエ(b.1972):「アフリカのスケッチ」(2003-2004)
バッハ:フランス組曲第5番ト長調BWV816
ベティ・ジャクソン・キング(1928-1994):「四季のスケッチ」(1973)
バッハ:フランス組曲第4番変ホ長調BWV815
ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978):「7つの痕跡」(1939)
バッハ:フランス組曲第3番ロ短調BWV814
マーガレット・ボンズ(1913-1972):スピリチュアル組曲(1962頃)
ロシェル・セネット(P)

録音:2023年6月イリノイ大学フォーリンジャー・グレート・ホール
バッハの鍵盤作品とアフリカ系の作曲家によるピアノ曲を組み合わせたユニークなアルバムの第3弾。第1集はイギリス組 曲(TROY-1869/71)、第2集はパルティータ(1910/12)。 今回はバッハのフランス組曲を中心に挟んで19、20〜21世紀のアフリカ系の作曲家のピアノ曲を収録しています。ピアノの ロシェル・セネットはサンフランシスコ音楽院、イリノイ大学で学んだ後、多くのコンクールで上位入賞、現在はイリノイ大学で 教鞭を執っています。彼女はバッハと彼女と同じ出自のアフリカ系の作曲家の作品を演奏することをライフワークとしてい る。彼女のテクニックと音楽性は驚異的であり、そのしなやかさと澄み切った音色は21世紀のバッハのあるべき姿と言っても 決して言い過ぎではない。一聴に値するディスクの登場です。
ALBANY
TROY-1972(1CD)
「SUR」〜アルゼンチンのピアノ音楽
リリアン・サバ(b.1961):飛行開始/3人のマリア
ホセ・レスタ(1880-1962):3つの舞曲
フアン・ホセ・ラモス(1930-1995):ミラフローレスのワルツ
マヌエル・ゴメス・カリージョ(1883-1968):フィエスタ・クリオージャ
ミゲル・フランセーセ(1913-1970):トリステ
リア・シマグリア(1906-1998):故郷の思い出
アルトゥーロ・ルツァッティ:ミロンガのアリア
レオナルド・ブルネッリ(1929-1964):ミロンガ
カルロス・アギーレ(b.1965):灰色のミロンガ
アドルフォ・シプリオタ(1879-1944):海岸のスケッチ
オスバルド・ゴリホフ(b.1960):レヴァンテ
アグスティン・モリアーゴ(P)

録音:2023年6月5日
20〜21世紀のアルゼンチンの作曲家によるピアノ作品を収録した珍しいアルバム。アルゼンチン といえばピアソラが有名だが、ここではいわゆるクラシック系の作曲家のピアノ曲が選ばれています。し かしクラシック系とはいえ、アルゼンチンの民族音楽の影響を受けた作品が多く、いずれもピアソラ に通じる音楽であることも事実。アルゼンチン音楽の父ヒナステラの作品がないのは残念だが、ジョ ージ・クラムの高弟オスバルド・ゴリホフの作品があるのは貴重。近現代のアルゼンチン音楽の歴史 をピアノでたどる素敵な一枚。BGM として最高。ラテンの雰囲気あふれるご機嫌なアルバム。
ALBANY
TROY-1973(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6 曲) エリック・カッツ(Vc)

録音:2022年5月3,5,7日メリーランド大学デケルボム・コンサート・ホール
エリック・カッツはスタイルを超えた多彩なコラボレーションを行い、共演者はヨーヨー・マからジャ ズの巨匠オーネット・コールマンまで多岐にわたるチェリスト。ソリスト、室内楽奏者として活動し、新 作の初演も数多く行っています。このアルバムではチェロの基本に立ち返り、バッハの無伴奏チェロ 組曲を繊細な音楽性をもって演奏しています。

SOMM
SOMMCD-0689(1CD)
NX-B07
戦争の詩 - シマノフスキ、ショパン、ナロジツカ、リャホヴィチ、ショスタコーヴィチ:ピアノ作品集
シマノフスキ:仮面劇 Op. 34
ショパン:2つのポロネーズ Op. 40[ 第1番イ短調/第2番ハ短調]
マリア・ナロジツカ(1988-):After あの後…世界初録音
アルテム・リャホヴィチ(1982-):ピアノのための24の後奏曲「戦争の手帳」…世界初録音[第2番 ヘ長調/第3番ト短調/第4番変ロ長調/第5番 ハ短調/第6番変ホ長調/第7番ヘ短調/第8番 変イ長調]
ショスタコーヴィチ:ソナタ第2番 ロ短調 Op.61
マリア・ナロジツカ(P)

録音:2023年11月24-25日
2023年の高松国際コンクールのファイナリストで、ウクライナのキーウ生まれのピアニスト、マリア・ナロジツカが戦禍に巻き込まれた自身の想いを込めたアルバ ム。シマノフスキ、ショパン、ショスタコーヴィチの作品に加え、同郷のピアニスト・作曲家アルテム・リャホヴィチが2022年5月に避難先で書いた「戦争の手帳」 の一部と、ナロジツカ自作の「After」も収録。「After」は子守歌を思わせる民謡調の創作主題に基づく作品で、「あの日以後、人生も世界も変わってし まって、もう元に戻れない」という感覚を表現しています。

ALPHA
ALPHA-1063(1CD)
儚い城 〜クラシカル・ギターによる20世紀のメロディ
ジミ・ヘンドリックス(1942-1970):Castles Made of Sand 砂のお城
レナード・バーンスタイン:Some Other Time サム・アザー・タイム 〜「オン・ザ・タウン」より
ガーシュウィン:Embraceable You エンブレイサブル・ユー〜「ガール・クレイジー」より
バーデン・パウエル(1937-2000):Valsa Sem Nome 名もなきワルツ
リチャード・ロジャース/ジョー・パス(1929-1994)の演奏による:.ジョーンズ嬢に会ったかい?
ヴィラ=ロボス:Mazurka-Choro マズルカ・ショーロ
セバスティアン・リナレス(1978-):即興曲
  バガテル1
  バガテル2
ジョン・ルイス(1920-2001)/チャーリー・バード(1925-1999)の演奏による:ジャンゴ
ルーファス・ウェインライト(1973-):ヴァイブレイト
エルネスト・アルフテル(1905-1989):ハバネラ
レナード・コーエン(1934-2016):ハレルヤ
セバスティアン・リナレス(G)

録音:2023年8月 モンカブリエ教会、フランス
ラジオ・フランスの音楽チャンネル「フランス・ミュジーク」の番組「Guitare, guitares」で演奏者兼プロデューサーを務めるフランスのギタリス ト、セバスティアン・リナレス。かつて「ゴルトベルク変奏曲」やサティ作品のギター編曲版をリリースして話題を呼んだ彼が、ALPHAに登場で す。その内容は通常のギター作品集の枠には収まらない、クラシックはもちろんロックからジャズ、オリジナルまで幅広く収録した彼らしいもの で、「このプログラムの各作品は、私が好きな時に避難できる儚い城のようなものです」と彼が語るように、個人的な思い入れがたいへん強い 選曲となっています。今回のプログラムを組むきっかけとなったジミ・ヘンドリックス「砂のお城」とヴィラ=ロボスを繋ぐ開放弦の響き、古代から伝 わるメロディのように奏でられるレナード・コーエンの「ハレルヤ」など、時代を超えた美しさが印象的なアルバム。明記は無いですが、編曲は全 て演奏者自身によるものと思われます。

IBS CLASSICAL
IBS-52024(3CD)
NX-C07
リスト:巡礼の年 全曲 ミリアム・ゴメス=モラン(P)

録音:2023年7月31日、8月1-2日、10月22日
「巡礼の年」はリストが20代から60代にわたって断続的に作曲した作品を集めたもの。20代に書かれた『第1年:スイス』には、煌びやかで技巧的な作品 が多く、『第2年:イタリア』には抒情性豊かな曲だけではなく、大曲「ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲」が含まれています。そして1883年に出版された『第 3年』には華麗な「エステ荘の噴水」が含まれますが、全体は総じて宗教的な雰囲気を持つリスト晩年の作風が色濃く表れています。 ミリアム・ゴメス=モランはチェンバロやフォルテピアノなどの歴史的鍵盤楽器と現代ピアノを弾きこなす演奏家。幼いころからリストの作品に魅了され、「弟子 たちの証言からたどるリストのピアノ演奏法」で博士号を取得。かつて彼女が演奏する「オーベルマンの谷」を聴いたリスト研究の大御所アラン・ウォーカーは 「今までに聴いたあらゆる演奏の中で最高。テクニックはもちろん、鍵盤に向かっているのが真のアーティストであることがわかった」と絶賛しました。この大部の 曲集を4日間で録音していることから、満を持して臨んだ録音であることがうかがわれます。

OMF
KCD-2077(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
バロック・ハープの真髄
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ編/ジャック・アルカデルト原曲:ハープのための「どうぞ私の命を断って」(リチェルカーテ第2巻)
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ
第2旋法のトッカータ第1番(リチェルカーテ第1巻)
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:5声のスペイン風ガリアルダ第4番(リチェルカーテ第2巻)
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ
5声のトッカータ第4番(リチェルカーテ第2巻)
ルロ・ジェズアルド:公爵のフランス風カンツォン
イッポリート・タルタリーノ:〈スザンナ〉のカンツォン
スカニオ・マイオーネ:トッカータ第1番(様々なカプリッチョ第2巻)
アスカニオ・マイオーネ
フランス風カンツォン第2番(様々なカプリッチョ第2巻)
アスカニオ・マイオーネ:トッカータ第4番(様々なカプリッチョ第1巻)
アスカニオ・マイオーネ編/ジャック・アルカデルト原曲:「どうぞ私の命を断って」(様々なカプリッチョ第1巻)
スカニオ・マイオーネ:トッカータ第2番(様々なカプリッチョ第2巻)
フランチェスコ・ランバルド:ガリアルダ
ジョヴァンニ・デ・マック:〈2人の姉妹〉と呼ばれるカンツォン
西山まりえ(Hp)

録音:2019年5月小海町音楽堂
バロック時代のハープは声楽、器楽、宗教、世俗のあらゆる音楽を彩り、人々を強く魅了した楽器であった。17世紀初期には3列弦(白 鍵、黒鍵、白鍵に相当)の楽器が考案され、ナポリの作曲家たちによるハープの黄金時代が到来する。王宮礼拝堂楽長マックの2人の高 弟、トラバーチとマイヨーネは『ハープのための』作品を残しており、マイヨーネ自身は卓越したハープ奏者でもあった。ここに収録された6人の 作曲家は全てナポリ出身あるいはナポリを縁とする者です。音楽史では触れられることは少ないが、彼らは新しい鍵盤音楽様式を先導 し、ハープの可能性を大きく開いた点で注目すべき存在です。鍵盤とハープ、この2つの楽器の間を自由に行き来する西山まりえもまた領 域を持たない演奏家です。その類まれな音空間の感覚、透徹されたピアニッシモ、銀糸のように繊細な歌いとダイナミックな息遣いにより 「バロック・ハープの真髄」が浮かび上がる。そこにはナポリの音楽家たちの精神が無限に広がっています。『バロック・ハープとの出会い』に続く西 山まりえ第2弾のバロック・ハープ・ソロアルバム。

Grand Piano
GP-0940(1CD)
NX-B06
ゲ・ガンリュ:ピアノ作品集 第2集
拡張ピアノ奏法のための12の練習曲
チャン・イミン(P…Steinway、Model D)

録音:2023年7月5-7日
1954年、上海生まれの作曲家ゲ・ガンリュ(葛甘孺)。文化大革命の後、上海音楽院でヴァイオリンを学び1983年コロンビア大学に留学。周文中の 弟子となり研鑽を積みました。「全ての音楽は音程、リズム、音色、ダイナミクスの4つの要素で構成されており、東洋と西洋の音楽はこれらの4つの点が全く 異なる」と述べる彼の音楽は、調性から離れながらもところどころに中国風の五音音階が効果的に用いられています。このアルバムには世界初録音となる 「拡張ピアノ奏法のための12の練習曲」を収録。ピアニストのチャン・イミンとの綿密な対話から生まれたこの作品は、曲ごとに異なるピアノ内部奏法が用い られており、例えば、第1曲はピアノ内部の金属弦の倍音を用い、第2曲ではピアノの最低音のA弦のみを使用し打楽器のような効果を生み出します。第3 曲は弦をつま弾くピッツィカート、第4曲は片手で弦を抑え片手で鍵盤を演奏、神秘的な音色が生まれます。他にも弦に紙をはさんだり、ゴムや磁石を置い たり、ゴム製のマレットで弦を擦ったりと、多彩かつユニークな響きが楽しめます。チャン・イミンは現在、星海音楽学院のピアノ科で教鞭を執る名手。中国の ピアノ曲の紹介に尽力しています。

TOCCATA
TOCC-0738(1CD)
NX-B06
フリードリヒ・ヘルマン(1828-1907):ヴァイオリン作品集第1集〜無伴奏作品集
小品集 Op.19(1881年出版)
特別な練習曲 Op.24
アビゲイル・カー(Vn)

録音:2023年2月4-5日
全て世界初録音
ドイツのヴァイオリン&ヴィオラ奏者で作曲家フリードリヒ・ヘルマン。彼はメンデルスゾーンが設立したライプツィヒ音楽院で学び、1848年、わずか20歳で教 授に任命され、以降ほぼ60年間この職にありました。数多くの後進を育てながら作品を発表。その大部分は教育的なもので、ヴァイオリン奏法についての 著作も遺されています。このアルバムに収録された20曲からなる小品集も、学生たちの教育用として書かれたもので、それほど難度の高い技巧は要求され ていませんが、各々の曲にはタイトルが付けられており、演奏者のテクニックと表現力の向上を目指すための工夫が凝らされています。それに対し、作品24の 『特別な練習曲』から選ばれた4曲は技巧的な作品で、とりわけ弓の使い方については譜面に詳細な記述がされるなど、現代にも通じる普遍的な奏法が 追求されています。アビゲイル・カーはヒューストンのライス大学シェパード音楽学校でセルジウ・ルカに学んだ後、ジュリアード音楽院で更なる研鑽を積んだ ヴァイオリニスト。バランスの取れた精緻な演奏が高く評価されています。

MIRARE
MIR-722(1CD)
白い太陽
(1)グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」Op.40(オリジナル版)
(2)シベリウス:6つの即興曲Op.5
(3)ニールセン:「聖しこの夜」による夢想
(4):3つのピアノ小品Op.59
(5)グリーグ:バラード ト短調Op.24
(6)シベリウス:樹の組曲Op.75(全5曲)
ジャン=バティスト・ドゥルセ(P)

録音:2023年7月10-13日/ポワシー劇場
ャン=バティスト・ドゥルセは1992年生まれのフランスのピアニスト。今年2024年のフォルジュルネ音楽祭で来日、小津安二郎の初期サイレント映画に即興でピアノ演奏する興味深い試みで注目されました。
独特の語り口で「ピアノの詩人」と称されるドゥルセが今回北欧のピアノ曲に挑戦。グリーグの「ホルベアの時代から」は弦楽オーケストラの作品として有名です が、もとは1884年作のピアノ曲。シベリウスの「6つの即興曲」も最後の2曲を弦楽オーケストラ用に編曲して「抒情的なアンダンテ」と新たなタイトルにしました。
クリスマス・キャロル「聖しこの夜」に基づくニールセンの夢の世界、悲痛で真摯な情感に満ちたグリーグの大作までドゥルセの世界へ引き込まれます。 (Ki)

CONTINUO Classics
CC777-701(1CD)
『ロシアのバレエ音楽〜ピアノ独奏編曲集』
チャイコフスキー(プレトニョフ編):バレエ「くるみ割り人形」〜行進曲/金平糖の精の踊り/タランテラ/間奏曲/トレパーク(ロシアの踊り)/中国の踊り/グラン・パ・ド・ドゥ
ストラヴィンスキー(アゴスティ編):バレエ「火の鳥」〜魔王カスチェイの凶悪な踊り/子守歌/フィナーレ
プロコフィエフ:バレエ「ロミオとジュリエット」からの10の小品Op.75
エレーナ・ロザノヴァ(P/スタインウェイ )
仏「CONTINUO Classics」の名盤エレーナ・ロザノヴァによる『ロシアのバレエ音楽編曲集』の再発売アルバム。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」、スト ラヴィンスキーの「火の鳥」、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」という3つのバレエ音楽をピアノ独奏で演奏しています。「くるみ割り人形」はミハイル・プレ トニョフによる編曲。「金平糖の踊り」や「中国の踊り」などでは原曲の室内楽的な要素がより強調されて洗練された響きを聴かせてくれる一方、ラストを飾るグラ ン・パ・ド・ドゥでは鍵盤を縦横無尽にめぐるアルペジオで美しく圧倒してくれます。イタリアの名手アゴスティ編曲による「火の鳥」は屈指の難曲。「火の鳥」とい えばストラヴィンスキー自身編曲による連弾版の難易度も知られておりますが、それを独奏で表現しようというのですから、その難易度も伺えようというものです。 「魔王カスチェイの凶悪な踊り」は最初から最後まで超絶技巧の連続。「子守歌」と「フィナーレ」では、透明感あふれるピアノの音色ならではの表現力に魅せられ ます。ロザノヴァの演奏は躍動感あふれるリズム感と力強い打鍵が印象的です。 ※CD再発売により旧品番(CC777-716)は廃盤となります。 (Ki)

Naive
V-8444[NA](1CD)
origins〜ババジャニアン、ガスパリアン、ハチャトゥリアン、コミタス作品集
アルノ・ババジャニアン(1921-1983):プレリュード(1939)/バガルシャパト・ダンス(1943)/アンプロンプチュ(1944)/カプリッチョ(1952)/ポリフォニック・ソナタ(1946-47, 1957改訂)/ エレジー(1978)〜A.ハチャトゥリアンの思い出に捧げる(サヤト・ノヴァの歌「Qani Vur Jan Im」に基づく)
ジェラール・ガスパリアン(b.1960):バラード(1980)/ポエム(1989)
アラム・ハチャトゥリアン:トッカータ op.11(1932)/バレエ「スパルタクス」(1954, 1968改訂)から第34番スパルタクスとフリーギアのアダージョ(エミン・ハチャトゥリアン(1930-2000)によるピアノ編曲版)
コミタス(1869-1935):舞曲 (1906)(第1番〜第4番)
ジャン=ポール・ガスパリアン(P)

録音:2023年11月21-24日、フランス
アルメニアにルーツをもつジャン=ポール・ガスパリアンの、アルメニアに根ざした音楽を集めた1枚が登場。ガスパリアンの父はアルメニアのイェレバンに生ま れ、1974年にフランスに移りました。ガスパリアンは1995年にパリで生まれています。ガスパリアンは既にドビュッシー作品集(V 7958) でも高く評価されま したが、今回は熱烈なハチャトゥリアンのトッカータなど、その原始的なエネルギーを発揮。まるで水を得た魚のように、すべての作品を自由自在に、歌い上げてい ます。ガスパリアン自身の作品も2作収録。バラードは、アルメニアのサヤト=ノヴァの歌に基づく音楽で、繊細でミステリアスな雰囲気と、アラベスクのように美し くらせん状に続くパッセージが重なり合い、独自の魅力を放ちます。最後に収録されたコミタス作品での独特の透明感は華麗なピアニズムに満ちており、魅力的で す。
ガスパリアン〜1995年パリ生まれ。パリ国立高等音楽院でオリヴィエ・ガルドン、ジャック・ルヴィエ、ミシェル・ベロフ、ローラン・カバッソ、クレール・デゼール、 ミシェル・ダルベルトに師事。ヴィルサラーゼ、タチアナ・ゼリクマンの国際ピアノマスタークラスに参加、2014年ヴェルビエ・アカデミー入選、2010年ザルツブ ルク・アカデミー入賞。2018年、ヴァネッサ・ラターシュ教授のクラスで、英国王立音楽院(アーティスト・ディプロマ)を修了。スタインウェイ・アーティスト。

Pentatone
PTC-5187233(1CD)
ショパン・ボヤージュ
2つの夜想曲Op.62
ポロネーズ第7番「幻想ポロネーズ」 Op.61
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
3つのマズルカ Op.59
ユリアンナ・アヴデーエワ(P/スタインウェイ)

録音:2024年2月/ティペット・ライズ・アートセンター、フィッシュテール(モンタナ州)
2010年に開かれた第16回ショパン国際ピアノコンクールでの優勝から14年。ユリアンナ・アヴデーエワがオール・ショパン・プログラムのアルバムをリリー スします!
アヴデーエワはこれまでコンクールの実況録音や東日本大震災のチャリティCDとしてオール・ショパン・アルバムはリリースしていますが、セッションでのオー ル・ショパンはこれがはじめて。アヴデーエワの卓越した演奏で聴き手をショパンの音楽の旅へと誘います。
当アルバムでは大曲ピアノ・ソナタ第3番Op.58をメインに2つの夜想曲 Op.62、幻想ポロネーズ Op.61、舟歌 Op.60、3つのマズルカ Op.59と すべて後期作品で構成。自然に囲まれながら作曲されたこれらの名作をアヴデーエワはティペット・ライズ・アート・センターで収録しました。
モンタナ州の中央、約41?の広大な草原に広がるティペット・ライズ・アートセンターは、大自然の中に巨大な屋外彫刻作品が立ち並ぶ、自然とアートの融 合した空間。静寂の中、ベアトゥース山脈をバックに、アヴデーエワはショパンの音楽と対峙し、録音が進められました。使用楽器はかつてウラディーミル・ホロヴィッ ツが所有していたスタインウェイCD-18("CD "は "Concert Department "の略)です。また、この楽器は1956年、ユージン・イストミンがユージン・ オーマンディ(指)フィラデルフィアOと録音したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で演奏した銘器としても知られます。アヴデーエワの決定盤名盤の登 場です!
朝日新聞夕刊For your Collection「推薦盤」、読売新聞夕刊REVIEW欄、毎日新聞夕刊「特薦盤」、レコード芸術誌「特選盤」(2023年4月号) などで絶賛されたPENTATONEレーベル第1弾『復活の力』(KKPT-2001 / PTC-5187073)も好評発売中です。 (Ki)

RUBICON
RCD-1197(1CD)
変奏曲集
ベートーヴェン:6つの変奏曲 Op.34
ブラームス:変奏曲 Op.18b
シャミナード:主題と変奏 Op.89
ショパン:華麗なる変奏曲 Op.12
デュティユー:ピアノ・ソナタより コラールと変奏 Op.1
シューマン:ベートーヴェンの主題による自由な変奏形式の練習曲 WoO.31
クララ・シューマン:シューマンの主題による変奏曲 Op.20
ヨアンナ・カツペレク(P)
ポーランド出身の女流ピアニスト、ヨアンナ・カツペレクは、英国王立音楽カレッジでノーマ・フィッシャーに、ワルシャワのショパン音楽大学では、エヴァ・ポブウォツカのもとで研鑽を積み、これまでに母国ポーランドのほか、イギリス、アイルランド、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ノルウェー、ウクライナ、カナダ、日本などの主要なコンサートホールで演奏してきました。デビュー・アルバムとなる本作では、魅力的な変奏曲の数々を取り上げています。
本アルバムに収められたいくつかの変奏曲には興味深いつながりがあります。ブラームスの初期の作品18bはクララ・シューマンに、クララの作品20は、後に夫となるロベルトに捧げられました。シューマンの初期の変奏曲WoO31は、ベートーヴェンの交響曲第7番からアレグレットを取り上げ、この有名な曲で特別な旅をします。ベートーヴェンの作品34は、「エロイカ」変奏曲 Op.35とともに、彼が作品番号を付けるほど特別だと考えた数多くの変奏曲の初期の作品で、作曲者の言葉を借りれば、「このような変奏曲を書くというのは、極めて新しい発明であり、このような変奏曲は、間違いなく、これまでになかったからである」。
この挑戦的でヴィルトゥオーゾ的なアルバムは、新たな才能を印象付ける素晴らしいデビュー作となるでしょう。

Hyperion
CDA-68448(1CD)
バッハ:前奏曲集、インヴェンションとシンフォニア
バッハ:7つの小前奏曲 BWV924-930*/前奏曲イ短調 BWV931/前奏曲ホ短調(断片) BWV932/前奏曲ハ長調 BWV924a/6つの小前奏曲 BWV933-938/5つの小前奏曲 BWV939-943*/前奏曲ハ短調(リュートのための) BWV999*/インヴェンションとシンフォニア BWV772-801(2声のインヴェンション BWV772-786*、3声のシンフォニア BWV787-801)/アプリカティオ ハ長調 BWV 994*/フーガ ハ長調 BWV953/イエスはわが喜び(断片) BWV753*
マハン・エスファハニ(ハープシコード、クラヴィコード*)

録音:2023年6月26日-28日、洗礼者聖ヨハネ教区教会(ラフトン、エセックス)
今やHyperionの看板シリーズの一つとして毎度大きな話題を呼ぶ1984年テヘラン生まれのイラン系アメリカ人ハープシコード奏者、マハン・エスファハニが推し進めるバッハ・シリーズ。2023年10月リリースの前作「フランス組曲」に続き、今度は「インヴェンションとシンフォニア」を中心とした小品集をリリースします。通常一つの楽器で演奏される「インヴェンションとシンフォニア」でも“音楽を最大限に引き立てる楽器を選択するのが最善”という観点からハープシコードとクラヴィコードを弾き分けているほか、子細な研究から結論付けられた装飾やアーティキュレーションの選択など聴き逃がせないポイントが多く、今作もエスファハニらしい唯一無二のバッハ・アルバムに仕上がりました。これまでのバッハの録音でもレコード芸術「特選盤」、BBCミュージック・マガジン「インストゥルメンタル・チョイス」、グラモフォン誌「エディターズ・チョイス」に選ばれ、ICMA(国際クラシック音楽賞)2019にもノミネートされるなど例外なく絶大な評価を得ている現代屈指のバッハ弾きが、これらの作品が単なる「教材」の枠をはるかに超えた優れた魅力を持つ作品であることを確信を持って証明します。
エスファハニはハープシコード奏者として初めてBBCラジオ3の「ニュー・ジェネレーション・アーティスト」に選ばれた他、ボルレッティ=ブイトーニ財団賞受賞、2014年ロイヤル・フィルハーモニック協会賞の「インストゥルメンタリスト・オヴ・ジ・イヤー」と2014年グラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」にノミネートするという栄誉を、それぞれハープシコード奏者として初めて達成。2015年にはBBCミュージック・マガジンの「ニューカマー・オヴ・ジ・イヤー」に選ばれ、2015年と2017年にもグラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」にノミネートされるなど、Hyperionの主力アーティストの一人として大活躍。

Delphian
DCD-34330(2CD)
フィリップ・グラス:練習曲全集
フィリップ・グラス:練習曲第1番/練習曲第2番/練習曲第3番/練習曲第4番/練習曲第5番/練習曲第6番/練習曲第7番/練習曲第8番/練習曲第9番/練習曲第10番/練習曲第11番/練習曲第12番/練習曲第13番/練習曲第14番/練習曲第15番/練習曲第16番/練習曲第17番/練習曲第18番/練習曲第19番/練習曲第20番
モイレ・キャロル(P)

録音:2023年1月16日-18日(アイルランド)
アイルランドを代表するピアニスト、モイレ・キャロルによるフィリップ・グラスの「練習曲全集」。1990年代になるとグラスに対してソロ・パフォーマンスの作品の需要が高まっていきました。その中で生まれたのが「練習曲第1巻」(第1番〜第10番)でした。新しいレパートリーを持ち技術を開発するピアニストたちのために書かれた作品です。そして「第2巻」(第11番〜第20番)となるとより技術的にピアニストの限界を求めた非常に難解なものになっていきます。これらの作品をピアニストのモイレ・キャロルは作曲家であるグラスの速度記号、強弱記号に忠実に、かつピアニスト自身の個性も出しつつ完璧に演奏しています。
モイレ・キャロルは近年ヨーロッパやアメリカで活躍しており、ウィグモアホール、カーネギーホールなどでも演奏会を成功させ、2022年にはダブリンでの演奏会でフィリップ・グラスの「練習曲」を全曲演奏しています。

Da Vinci Classics
C-00879(1CD)
シュトックハウゼン:ティアクライス(黄道十二宮)
シュトックハウゼン(1928-2007):ティアクライス(黄道十二宮) 〜星座による12のメロディー(1975)(セルジオ・アルマローリ編曲/ヴィブラフォン、グロッケンシュピール、クロテイルとオルゴールのための)
セルジオ・アルマローリ(ヴィブラフォン、グロッケンシュピール、クロテイル)

録音:2024年2月12日、ミラノ(イタリア)
12星座に基づいて作曲されたシュトックハウゼンの傑作「ティアクライス(黄道十二宮)」。オルゴールのために書かれたこの神秘的な作品を、イタリアの作曲家、パーカッショニスト、ジャズマン、詩人、画家であるセルジオ・アルマローリがアレンジしたパーカッション版で収録。オルゴールで演奏される機械的なテンポにヴィブラフォン等の演奏をオーバーダビングし、「ティアクライス」の起源ともいえるシュトックハウゼンの「お腹の音楽(Musik im Bauch)」や室内オペラ「シリウス」のメロディーや即興演奏も間奏曲として組み込まれ、壮大な「ティアクライス」が組み立てられています。
Da Vinci Classics
C-00878(1CD)
Langage Secret〜現代ギター作品集
エルンスト・クルシェネク(1900-1991):組曲 Op.164
ウォルファンゴ・ダッラ・ヴェッキア(1923-1994):Variati amorosi momenti
ケヴィン・スヴィエルコシュ=レナート(b.1988):Invenzioni Formali
スヴィエルコシュ=レナート:Langage Secret〜ソナティネ
デュージャン・ボグダノヴィチ(b.1955):ソナタ第1番
アンジェロ・ジラルディーノ(b.1941): ? Santuario
エドアルド・ダドーネ(b.1992):Lubrico
ロレンツォ・ミケーリ・プッチ(G)

録音:2020年〜2021年、イタリア
イタリア、ルニジャーナ地方で生まれ育ったギタリスト、ロレンツォ・ミケーリ・プッチ。2012年に巨匠ルイジ・ビスカルディと出会い20世紀音楽と現代音楽の研究を深め、2017年にはアレッサンドリアのA.ヴィヴァルディ音楽院に入学し、ヴォルファンゴ・ダッラ・ヴェッキアとエルンスト・クルシェネクに関する論文で学士号を取得、アンジェロ・ジラルディーノの「Studies of Virtuosity and Transcendence」に関するプログラムで修士号を取得。このアルバムでは、これらの研究成果である、クルシェネク、ヴェッキア、ジラルディーノの作品を含む、現代のギター作品の魅力が詰め込まれています。
Da Vinci Classics
C-C00889(1CD)
ラヴェル:4手ピアノのための音楽
序奏とアレグロ(レオン・ロケ編)
スペイン狂詩曲(ラヴェル編)
「ダフニスとクロエ」組曲第2番(レオン・ロケ編)
ラ・ヴァルス(ルシアン・ガルバン編)
ボレロ(ラヴェル編)
ファッチーニ・ピアノ・デュオ

録音:2023年9月28日ー30日(イタリア)
2015年にピアニストであり作曲家でもあるエリア・ファッチーニとベッツァベア・ファッチーニによって結成された、イタリア系イギリス人の兄妹デュオ「ファッチーニ・ピアノ・デュオ」は、ルッカのルイジ・ボッケリーニ音楽院でリッカルド・ペルッツィに師事。これまでに、ベアトリーチェ・ラナ、アグリカ・ジェノヴァ、リューベン・ディミトロフ、シヴァン・シルヴァー、ジル・ガブールなど、最高レベルの音楽家によるマスタークラスにも参加し、専門性を高めてきました。2022年6月には、「Amur for New Talents」で上位に輝き、イタリア国内外の数々の国際コンクールでも入賞するなど、イタリアの新世代の音楽家で最も高く評価されている室内楽アンサンブルのひとつです。また、演奏活動も活発に行っており、コンサートでは彼らが作編曲した作品が頻繁に演奏され、聴衆から高い評価を得ています。
デビュー盤となる本アルバムでは、ピアノ連弾のためのラヴェルのオリジナル作品と、編曲作品をカップリング。 ハープ、フルート、クラリネットと弦楽四重奏のために書かれた「序奏とアレグロ」から、4手ピアノのための「スペイン狂詩曲」、ラヴェルの代表作のひとつである「ラ・ヴァルス」、「ダフニスとクロエ」、そして、「ボレロ」でアルバムは締めくくられます。兄妹デュオが織り成すラヴェルの世界にご注目ください。

Audite
AU-21461(5CD)
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.1
■CD1
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1(1793-1795)
ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2(1794-1795)
リギーニのアリエッタ「恋人よ来たれ」による24の変奏曲 ニ長調 WoO65(1790-1791)
ディッタースドルフのジングシュピール「赤ずきん」からのアリエッタ「昔々おじいさんが」による13の変奏曲 WoO66(1792)
スイスの歌による6つの変奏曲 WoO64(1790-1792)
■CD2
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3(1794-1795)
ハイベルのバレエ「妨げられた結婚」の「ヴィガノのメヌエット」の主題による12の変奏曲 WoO68(1795)
パイジェッロの歌劇「水車屋の娘」のアリア「田舎者の恋は何と美しく」による9つの変奏曲 イ長調 WoO69(1795)
パイジェルロの「水車屋の娘」の主題による6つの変奏曲 ト長調 WoO70(1795)
ウラニツキーのバレエ「森の娘」からロシア舞曲による12の変奏曲 WoO71(1796-1797)
グレトリーの歌劇「焼き尽くすわが心」の主題による8つの変奏曲 WoO72(1795)
ロンド・ア・カプリッチョ「失くした小銭への怒り」 ト長調 Op.129(1794-1795)
■CD3
ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7(1796-1797)
ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 Op.10-1(1795-1797)
ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調 Op.10-2(1796-1797)
ロンド ハ長調 Op.51-1(1796-1797)
アレグレット ハ短調 WoO53(1796-1797)
■CD4
ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10-3(1798)
ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1(1797)
ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2(1795-1796)
ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13「悲愴」(1798)
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1(1798)
ロンド ト長調 Op.51-2(1798)
■CD5
サリエリの歌劇「ファルスタッフ」の二重唱「まさにその通り」の主題による10の変奏曲 WoO73(1799)
ヴィンターの歌劇「妨げられた奉納式」より四重唱「子供よ、静かにお休み」の主題による7つの変奏曲 WoO75(1799)
ジュースマイアーの歌劇「スレイマン2世、または3人のサルタン妃」による8つの変奏曲 WoO76(1799)
ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2(1799)
アルフレッド・パール(P/ スタインウェイD )

録音:2021年3月〜2023年8月/ゼンデザール、ブレーメン
1992年から1996年にかけて録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲とディアベリ変奏曲(Oehms Classics)で非常に高い評価を得た名手アルフレッ ド・パール。あの名録音から20年の月日を経て、独auditeレーベルよりベートーヴェンのピアノ独奏曲全曲録音のシリーズを開始しました!
第1弾は当時のピアノ音楽に革命を起こした1791年から1800年までのソナタ、変奏曲、小品を収録した5枚組ボックスで、13曲のソナタ(第1〜11・ 19・20番)、12曲の変奏曲(WoO64〜66、68〜73、75〜77)、アレグレット ハ短調 WoO53、2つのロンド Op.51、ロンド・ア・カプリッチョ「失くし た小銭への怒り」などが収録されています。ピアノ・ソナタは音楽学者ジョナサン・デル・マー校訂による楽譜を使用。ベートーヴェンの作品を演奏・研究してき たパールが、今最も充実した演奏を聴かせてくれます。
当シリーズでは、3つの創作期(Vol.1:1791〜1800年、Vol.2:1801〜1814年、Vol.3:1816〜1825年)に分けてリリース予定。ソナタ、変奏曲、 バガテル、その他主要な小品を中心で構成し、最後のボックス・セットにはボン時代の習作、舞曲やその他の小品、4手のための作品も収録予定です。 (Ki)


Biddulph
BIDD-85050(2CD)
NX-C07
ミッシャ・エルマン/RCAビクター録音集(1926-32)
■CD1
1. アレンスキー:セレナード ト長調 Op. 30No.2
2. キュイ:恋の手紙 Op.50No. 21
3. ルドルフ・フリムル(1879-1972):夕べに(クラーマー編)
4-7. ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ短調「五度」 Op.76NO.2
8. ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調「皇帝」 Op.76No.3- Poco adagio, cantabile
9. チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 ー アンダンテ・カンタービレ
10. キュイ:東洋風に Op.50No.9
11. ドヴォルザーク:ユモレスク Op.101No.7(ヴィルヘルミ編)
12. ドルドラ(1868-1964):思い出
13. ラフマニノフ:ヴォカリーズ(プレス編)
14. バッハ:G線上のアリア(ヴィルヘルミ編)
15. シューベルト:『白鳥の歌』 - セレナーデ(エルマン編)
16. シベリウス:悲しきワルツ(フランコ編)
17. ヴィエニャフスキ:カプリース 変ホ長調「サルタレッラ風」
18. シューマン:トロイメライ Op. 15No.7(ヒュルヴェック編)
19. シューベルト:アヴェ・マリア D839(ヴィルヘルミ編)
20. マスネ:歌劇「タイス」 瞑想曲
21. ミッシャ・エルマン(1891-1967):タンゴ
22. リムスキー=コルサコフ:太陽への讃歌(フランコ編)


■CD2
1. ベートーヴェン:メヌエット第2番 ト長調 WoO10
2. ラフ:カヴァティーナ Op.85 No.3
3. ワーグナー:アルバムの綴り(ヴィルヘルミ編)
4. シューベルト:ドイツ舞曲集 D.783-第10番 感傷的なワルツ(フランコ編)
5. ヴィエニャフスキ:伝説 Op.17
6. サン=サーンス:『動物の謝肉祭』 - 白鳥
7. ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 - ヴァルターの歌(賞金の歌)
8. チャイコフスキー:メロディ Op.42No. 3
9. チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op. 26
10. サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20
11. ドルドラ:イ調のセレナード
12. ドリゴ(1846-1930):バレエ音楽『百万長者の道化師』 - セレナード(アウアー編)
13. ハリー・ウォルド・ワーナー(1874-1945):セレナード Op.20No.2
14. ドルドラ:憧れ Op.228
15. ラヴェル:ハバネラ形式の小品
16. メンデルスゾーン:鳩のように飛べたなら
17. ショパン:夜想曲 ニ長調 Op. 27No.2
18. イザイ:子供の夢 Op.14
19. セザール・エスペホ(1892-1988):ジプシーの唄
ミッシャ・エルマン(Vn)

■CD1
ジョセフ・ボニーム(P)…1-3、19-22
エドワード・バックマン
 (Vn2)…4-9
ウィリアム・シューベルト(Va)…4-9
ホレス・ブリット(Vc)…4-9
ロザリオ・ブールドン指揮のオーケストラ…10
レイモンド・ボーマン(P)…11-17
マルセル・ファン・ゴール(P)…18
■CD2
ジョセフ・ボニーム(P)…1-3
キャロル・ホリスター(P)…4-8、10-15
ナサニエル・シルクレット(指)ビクターSO…9
マルセル・ファン・ゴール(P)…16-19

■CD1
1. 録音:1926年2月12日 初出:Victor1434 (matrix BE34462)
2. 録音:1926年2月24日 初出:Victor1160 (matrix BE34461)
3. 録音:1926年2月24日 初出:Victor1160 (matrix BE34464)
録音:1927年1月5日 初出:Victor6701/02(matrices CVE37403/06)
8. 録音:1927年1月5日 初出:Victor6634(matrix CVE19169)
9. 録音:1927年1月5日 初出:Victor6634(matrix CVE21497)
10. 録音:1928年6月6日 初出:Victor1354 (matrix BVE18963)
11. 録音:1928年6月1日 初出:Victor6836 (matrix CVE8799)
12. 録音:1928年6月11日 初出:Victor1354 (matrix BVE18966)
13. 録音:1928年6月11日 初出:Victor1364 (matrix BVE45081)
14. 録音:1928年6月22日 初出:Victor7103 (matrix CVE9871)
15. 録音:1928年6月22日 初出:Victor7461 (matrix CVE8798)
16. 録音:1928年6月22日 初出:Victor6836 (matrix CVE45079)
17. 録音:1928年6月22日 初出:Victor1364 (matrix BVE45080)
18. 録音:1929年2月12日 初出:Victor1482 (matrix BVE9952)
19. 録音:1929年5月21日 初出:Victor7392 (matrix CVE49498)
20. 録音:1929年5月21日 初出:Victor7392 (matrix CVE49498)
21. 録音:1929年5月21日 初出:Victor7195 (matrix CVE47868)
22. 録音:1929年6月3日 初出:Victor7392 (matrix CVE53533)
■CD2
1. 録音:1929年6月3日 初出:Victor1434(matrix BVE53534)
2. 録音:1929年6月24日 初出:Victor7461 (matrix CVE53557)
3. 録音:1929年6月24日 初出:Victor7195 (matrix CVE29887)
4. 録音:1930年5月26日 初出:Victor1482 (matrix BVE29888)
5. 録音:1930年5月26日 初出:Victor7649 (matrix CVE62244)
6. 録音:1930年6月2日 初出:Victor1592(matrix BVE62248)
7. 録音:1930年6月2日 初出:Victor7649(matrix CVE8810)
8. 録音:1930年6月2日 初出:HMV DA1143(matrix BVE62241)
9. 録音:1930年8月25日 初出:Victor7744 (matrices CVE62395/96)
10. 録音:1931年2月26日、4月29日 初出:Victor 7780(matrices CVE62242/43)
11. 録音:1931年4月29日 初出:Victor1538 (matrix BVE67433)
12. 録音:1931年2月26日 初出:Victor1538 (matrix BVE67434)
13. 録音:1931年6月8日 初出:Victor1567 (matrix BVE69696)
14. 録音:1931年6月8日 初出:Victor1567 (matrix BVE69697)
15.録音:1932年2月20日 初出:Victor1592 (matrix BRC71875)
16. 録音:1929年12月5日 初出:HMV DB1398 (matrix Cc18455)
17. 録音:1929年12月5日 初出:HMV DB1398 (matrix Cc18458)
18. 録音:1931年5月10日 初出:HMV DB1594 (matrix2B1130)
19. 録音:1931年5月10日 初出:HMV DB1594 (matrix2B1131)
エルマンの電気録音初期の米ビクター録音を集成。エルマン・トーンを堪能する2枚組41トラックの小品集。 Biddulphレーベルが力を入れているミッシャ・エルマンの復刻シリーズ、今回は1926年から1932年にかけての録音を集成しました。米ビクターが電気録音 を導入したのが1926年で、1929年にはRCAに吸収されてRCAビクターとなる、その過渡期にあたります。収録されているのは大半がSP盤の片面に収まる 5分未満の小品ばかり。こんにちでも定番名曲となっている名旋律の数々は、黄金の音色と言われたエルマン・トーンを満喫するにはうってつけのレパート リー。その中でドルドラやドリゴ、ラフの曲など、かつては定番ながら今では聞く機会が著しく減ってしまった小品たちが往時の流行を伝えてくれます。

ALPHA
ALPHA-1064(1CD)
NX-C04
ショパン、シマノフスキ:ピアノ作品集
シマノフスキ:変奏曲 変ロ短調 Op. 3
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10
ジョナタン・フルネル(P)

録音:2023年10月28日-11月1日ロマンド大衆劇場音楽ホール、ラ・ショー=ド=フォン、スイス
2021年エリザベート王妃コンクールの覇者ジョナタン・フルネル、ブラームスとモーツァルトに続くALPHA第3弾は、長年弾き込んできた作品 を組み合わせたプログラム。なかでもショパンのピアノ・ソナタ第3番とシマノフスキのOp. 10は、2024年1月の日本公演でも披露して大きな 評判となりました。「私はショパンの第3ソナタが好きです。メロディだけですでに美しく、さらなる装飾を必要としないからです。それはモナ・リザ に化粧がいらないのと似ています。シマノフスキによる、より技巧的な作品も同様です。それらは急速に発展したスクリャービンを思わせます が、時にはウィーン風のスタイルに近づくこともあります。私はその内面を探求することが好きですが、ラフマニノフほどには技巧的でありません。 彼らの作品の素晴らしいところは、すべての要素が重要で、何かを表現していることです」と語るフルネル。作品の陰影を巧みに描きながら輝 かしいクライマックスへと自然に導く、彼の持つ技術と感性が最大限発揮されたアルバムです。

Gramola
GRAM-99299(1CD)
NX-C01
ヨハン・シャンツのフォルテピアノ - ハイドン、コジェルフ:ソナタと独唱カンタータ
コジェルフ(1747-1818):イタリア風アリエッテ Op.31(1790)より Sento amor/ Un serto di fiori/ Spira pur, ma spira lento
ハイドン:フォルテピアノのためのソナタ 変ホ長調 Hob. XVI:31(1776)
コジェルフ:マリア・テレジア・フォン・パラディスを讃えるカンタータ(1784)
ハイドン:フォルテピアノのためのソナタ 変ホ長調「ゲンツィンガー」 Hob. XVI:49(1790)
リチャード・フラー(フォルテピアノ)
カロリーネ・ピルツ(S)

録音:2023年11月1-3日
ウィーン、新王宮の古楽器博物館、大理石のホール
ウィーン古典派のピアノ音楽の隆盛と密接に結びついていたのが、フォルテピアノの音域、音量、音色などの機能拡大で、中でもヴァルター(ワルター)、シュト ライヒャー、シャンツの楽器が高く評価されていました。ここではヨハン・シャンツが1790年頃に制作したフォルテピアノのオリジナルを用いて、その楽器を高く評 価していたハイドンとコジェルフの作品を収録しています。この楽器は1939年に個人のコレクションからウィーンの美術史美術館に寄贈されたもので、2009 年にレストアされて演奏に用いることができるようになりました。リチャード・フラーはアメリカ生まれで、ウィーンに拠点を移して30年以上となるベテランの演奏 家にして研究者。作品の様式も楽器の機能も熟した彼の演奏で、往時の響きに思いをはせてください。コジェルフの2作品で美しい歌声を披露するのは ウィーン出身のカロリーネ・ピルツ。

Orchid Classics
ORC-100313(1CD)
NX-B06
クララ&シューマン、シマノフスキ、プロコフィエフ:ヴァイオリン作品集
クララ・シューマン:3つのロマンス Op.22
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op. 131(フリッツ・クライスラー編)
シマノフスキ:神話 Op.30
シマノフスキ:夜想曲とタランテッラ
プロコフィエフ:組曲『シンデレラ』より5つの小品
ナターリア・ロメイコ(Vn)
ディナラ・クリントン(P)

録音:2023年12月
ロシア出身のヴァイオリニスト、ナターリア・ロメイコのアルバム。このアルバムで彼女は、シューマン夫妻とシマノフスキ、 プロコフィエフの神話や魅惑をテーマにした作品を選び、各々を美しく歌い上げています。シューマンの「幻想曲」はも ともとヴァイオリンとオーケストラのための作品で、1853年に友人のヨアヒムの依頼を受け作曲、何度か演奏された ものの次第に忘れられてしまった曲。1937年にクライスラーがピアノとヴァイオリン用に編曲し、現在ではこの形で愛 奏されています。冒頭はイ短調ですが、主題が始まるとハ長調に転じ、自由な楽想が次々と展開する美しい作品 です。クララの3つのロマンスはロベルトの幻想曲と同じ年に書かれており、こちらも彼女ならではのインスピレーション に溢れています。 共演はウクライナ出身で200年のブゾーニ国際ピアノ・コンクールの優勝者ディナラ・クリントン。これまでにリストの 「超絶技巧練習曲」などのテクニカルな作品で高く評価されているピアニストです。

King International
KKC-6872(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

フランス女性ピアニストたち
■CD1
(1)ショパン:子犬のワルツ 変ニ長調 Op.64-1,ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2/ゴダール:マズルカ第4番/メンデルスゾーン:スケルツォ ホ短調 Op.16-2,ロンド・カプリチオーソ ホ長調 Op.14,無言歌 ハ長調 Op.67-4「紡ぎ歌」/リスト:ハンガリー狂詩曲第11番 イ短調,ハンガリー狂詩曲第13番イ短調

(2)ショパン:マズルカ イ短調 Op.17-4,夜想曲 嬰ハ短調,モーツァルト(偽作):田園変奏曲/アルベニス:グラナダ

(3)ショパン:マズルカ ハ長調 Op.56-2,マズルカ 嬰ハ短調 Op.6-2,マズルカ ヘ短調 Op.7-3,マズルカ ヘ短調 Op.63-2,マズルカ イ短調,マズルカ 変イ長調 Op.7-4,マズルカ ニ長調 Op.33-2,マズルカ 変ニ長調 Op.30-3,マズルカ ヘ短調Op.68-4,マズルカ ロ長調 Op.41-3,マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3

■CD2
(1)デュフリ:クラヴサン曲集第3巻-第12番「ラ・ド・ヴァルマレット」/スカルラッティ:ソナタ ニ長調 K.96,ソナタ ホ長調K.380,ソナタ イ長調 K.39/クープラン:キタイロンのカリヨン,花盛り、または優しいナネット,目覚まし時計,神秘的な障壁,ティク・トク・ショク、またはオリーブしぼり機,小さな風車
(2)バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ/リスト:メフィスト・ワルツ第1番,スペイン狂詩曲/シューマン:幻想小品集 Op.12-夕べに,なぜに
■CD1
(1)エメ=マリー・ロジェ=ミクロス(P)
録音:1905年頃

(2)マリー・パンテ(P)
録音:1934-36年

(3)ユーラ・ギュラー(P)
録音:1956年6月25-28日

■CD2
(1)マドレーヌ・ドゥ・ヴァルマレット(P)
(2)アニュエル・ブンダヴォエ(P)
録音:1954-57年
■エメ=マリー・ロジェ=ミクロス(1860-1950)は、トゥールーズ生まれ。19世紀の大ヴィルトゥオーゾで練習機器を開発したことでも知られるアンリ・エルツ (1803-1888)晩年の弟子。マスネは「トッカータ」を、ピエルネは「パストラーレ」を献呈、また、ミクロスはサン=サーンスに委嘱して「ピアノと管弦楽のため の描写的幻想曲「アフリカ」」を献呈されました。
■マリー・パンテ(1871-1955)はオデッサ生まれ。パリ音楽院で学び、パリとジェノヴァで活動しました。「彼女の死とともに、ロマンの太陽の最後の光の一筋が 消えた」と言われるほどロマンティックな演奏で人気がありました。とりわけショパンの名演で知られています。
■ユーラ・ギュラー(1895-1980)は、ロシア人の父、ルーマニア人の母を持ちマルセイユで生まれました。幼いころから神童として活躍、パリ音楽院を首席で卒業 した名手でありながらその美貌もすばらしく、映画女優にスカウトされたほど。エネスコ、フランチェスカッティ、シゲティらと共演し、アインシュタインのヴァイオ リンとも演奏したことがある彼女の録音物は決して多くなく、残されたひとつひとつがたいへん貴重で、熱烈な愛好家がいることで知られています。ここには大戦 後に復帰した直後のショパンのマズルカが収録されています。
■マドリーヌ・ドゥ・ヴァルマレット(1899-1999)は、19歳でパリ国立音楽院に入学、ブゾーニ、サン=サーンス、モシュコフスキの親しい誘因でもあったイシドー ル・フィリップ門下で学びます。ラザール・レヴィ、コルトー、サン=サーンスにもその才能を認められていました。兄弟がコンサート・マネジメント会社を経営してい ました。教育者としても知られています。
■アニュエル・ブンダヴォエ(1922-2015)は、幼いころからラザール・レヴィにその才能を認められ、1936年9月に彼の正式な門下に入るまで、無償でプライ ヴェート・レッスンを受けていました。ソプラノのコロラトゥーラとしての愛らしい歌声にも恵まれていましたがピアニストとしての道を選び、ブゾーニ編のシャコン ヌの録音(1954年)が認められ、モニク・アースに先んじてヴェルサイユ音楽院で教授職につきました。オルガン、ピアノ、作曲、歌と完璧な音楽家であり、心理学 も修めていました。イヴォンヌ・ルフェヴュールも彼女のヴィルトゥオーゾ性を賞賛していました。オクターヴがやっと、という手の小ささながら、完璧な脱力でそうしたことを感じさせない演奏です。 (Ki)

MELO CLASSIC
MC-1077(2CD)
ステファン・アスケナーゼ/ライヴ・コンサート・パフォーマンス
■CD1
ショパン:ポロネーズ変ロ長調Op.71-2、夜想曲ホ長調Op.62-2、舟歌 嬰へ長調Op.60、子守歌 変ニ長調Op.57、スケルツォ第2 番変ロ短調Op.31、マズルカ ホ短調Op.41-1、マズルカ変ロ長調Op.41-2、マズルカ変イ長調Op.41-3、エチュード第12 番「革命」、エチュード第10番、エチュード第9 番、エチュード第5番「黒鍵」、ワルツ変ニ長調Op.64-1、ワルツ嬰ハ短調Op.64-2、ワルツ変イ長調Op.64-3
■CD2
(1)ショパン:ワルツ変イ長調Op.42、
(2)バッハ:フランス組曲よりポロネーズとブーレー
(3)ドビュッシー:子供の領分より「人形のセレナード」、
(4)モーツァルト:レントラー変ロ長調
(5)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
ステファン・アスケネーゼ(P)
ヴィリ・シュタイナー(指)NDRハノーファー放送O

録音:CD1&CD2(1)〜(4)1969年11月8日アムステルダム・コンセルトヘボウ AVRO(モノラル・ライヴ)
CD2(5)1972年1月14日ハノーバー、NDR 放送大ホール(ライヴ・ステレオ)
ステファン・アスケナーゼは1896年ポーランドに生まれ、1985 年にベルギーで没したユダヤ系ピアニスト。オーストリア・ハ ンガリー帝国のガリツィア(現ウクラナ領)レンベルクに生まれ、1913 年にウィーンに移住、フランツ・リストの高弟エミール・フォ ン・ザウアーに師事した。第一次大戦後にウィーンにてデビュー、また1920 年にはワルシャワ国立フィルハーモニーとシュー マン、ブラームス、ショパンの協奏曲で協演して大絶賛された。1927 年にベルギーに移住し長くブリュッセル音楽院で教鞭を 執った。アルタ・アルゲリッチ、内田光子もアシュケナーゼの門を叩いています。彼はショパン、スカルラッティ、バッハ、モーツァ ルト、ハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスの演奏に定評があり、このディスクでは CD1で最も得意とするショ パン、CD2でショパンの協奏曲のほか、ドビュッシー、モーツァルト、ドビュッシー、バッハが収められています。これまでアシュケ ナーゼのまとまったアルバムがなかったので大変貴重なセット。
MELO CLASSIC
MC-1079(2CD)
伝説のフランスのピアニスト、スイス・リサイタル
(1)フォーレ:即興曲第2番、第5番、夜想曲第6 番*
(2)スカルラッティ:ソナタ イ長調K39、ソナタ ホ長調K380*
(3)リスト:ハンガリー狂詩曲第10番
(4)シューマン:謝肉祭*
(5)ハイドン:ソナタ ヘ長調Hob XVI:23、
 幻想曲ハ長調Hob XVII:4
(6)ドビュッシー:「映像」第1集
(7)ミヨー:「秋」
(8)メシアン:「幼子イエスに注がれる20の眼差し」〜2 曲
(9)シューマン:「クライスレリアーナ」
(10)ラモー:鳥たちは思い出す
(11)ドビュッシー:半音階のための練習曲
(12)バルトーク:「ミクロコスモス」〜ブルガリアのリズムによる6 つの舞曲
マドレヌ・ド・ヴァルマレート(P) *
モニク・アース(P)

録音:(1)-(3)1957年1月7日ベルン放送スタジオ(スタジオ・モノラル)、
(4)1957年1月11日ジュネーヴ放送スタジオ2(スタジオ・モノラル)、
(5)1974年3月25日ベルン放送スタジオ(スタジオ・モノラル)、
(6)-(8)1960年10月14日バーゼル放送スタジオM3(ステレオ)、
(9)-(12)1970年12月2日ベルン放送スタジオ(スタジオ録音・ステレオ)
マドレヌ・ド・ヴァルマレート(1899-1999)はフランスのピアニスト。14 歳でパリ音楽院を首席で 卒業、サン・サーンスカからもその才能を称賛されるほどだった。第一次大戦後はフルトヴェン グラー、トスカニーニとも度々共演し国際的なキャリアを積んだ。1926 年にはマルセイユに居を 構え、私的なピアノ学校を設立、後進の指導にあたりながらソリストとして高齢になっても盛んに 活動した。モニク・アースはパリ音楽院でラザール・レヴィに師事、ルドルフ・ゼルキン、ロベー ル・カサドシュの許でも研鑽を積んだ。ドビュッシー以降の 20世紀音楽の演奏で名声を得た が、クープラン、ラモー、シューマン、ショパンの演奏も定評があった。このアルバムでは得意と する20世紀音楽、ドビュッシー、メシアン、バルトークのほか、ラモーも披露しています。

Indesens Calliope Records
IC-052(1CD)
ドビュッシー&シャミナード:ピアノ作品集
ドビュッシー:映像第1集/映像第2集
シャミナード:ピアノ・ソナタ ハ短調 Op.21
 6つの演奏会用練習曲 Op.35より 5.即興曲
ルイ=ヴィクトル・バク(P)

録音:2023年18日ー20日、聖ジョージ教会(イギリス)
フランス生まれで、現在はロンドンを拠点に活動しているピアニスト、ルイ=ヴィクトル・バクのファースト・アルバムが母国フランスのIndesens Calliope Recordsから登場。
ヴィクトル・バクは、リヨン国立音楽院でクリステル・ソサックに、ベルリンでローラン・ブレに師事。2019年にロンドンに拠点を移し、英国王立音楽カレッジではエドナ・スターンに師事。ヨーロッパの数多くのホールでソリストとして演奏しており、2023年にマチュー・ヘルツォーク(指)&アパッショナートO、2022年にポール・ジェンキンス(指)&ナイトン室内Oとも共演しています。これまでに2021年のノース国際音楽コンクール第1位、ウィンザー国際ピアノ・コンクール第3位(第1位無し)、国際音楽コンクール・オーパス2021で第2位など、数々のコンクールで上位入賞を果たしています。また、ロイヤル・フィルハーモニー協会より名誉あるユリウス・イッサーリス奨学金を受賞しています。
ファースト・アルバムとなる本作では、現代性とロマン派の伝統を体現し、20世紀初頭のフランス音楽の認知に大きく貢献した偉大な作曲家、ドビュッシーとシャミナードの作品をカップリング。ヴィクトル・バクは、当時の音楽の豊かさと、現代のクラシックシーンへの影響を磨き上げられた音楽性で見事に浮き彫りにしていきます。

NIFC
NIFCCD-665(1CD)

XNIFCCD-665(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

マルティン・ヌーバウアー〜第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール・ライヴ
1. マリア・シマノフスカ:ポロネーズ ヘ短調
2. ショパン:ポロネーズ第9番変ロ長調 [WN 17]
3. モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397
4-5. バッハ:前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 BWV849
6. ショパン:バラード第4番ヘ短調 Op.52
7-9. ショパン:3つのマズルカ Op.50
10-13.ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
マルティン・ヌーバウアー(ピリオド・ピアノ)

※使用楽器:ブロードウッド1846年製(1-2)、ブッフホルツ1825年製の複製/2017年(3-5)、プレイエル1842年製(6,10-13)、エラール1838年製(7-9)

録音(ライヴ):2023年10月7日(1-6、第1ステージ)&10月11日(7-13、第2ステージ)、ワルシャワ・フィルハーモニー・チェンバー・ホール
ポーランドのフレデリク・ショパン研究所(NIFC/Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)が創設から現在まで取り組み続けている、ショパンの作品をショパンが生きた時代の楽器(オリジナル、復元)で演奏する「リアル・ショパン(The Real Chopin)」プロジェクト。当時の響きを現代に蘇らせるというこの画期的な取り組みをさらに活性化させるために、ショパン研究所はもちろんのこと、ポーランドの国家としての一大事業として立ち上げられた「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」。日本が世界に誇るフォルテピアノの名手、川口成彦の第2位入賞が大きな話題となった2018年の第1回大会から5年、2023年に開催された「第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」には予備予選を通過した35名のピアニストたちがワルシャワに集まり、約2週間もの期間中「ショパンの時代の響き」が奏でられ続けました。
その第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールにおいて全出場者の中で唯一、審査員全員から一度も「No」をつけられることなくファイナルへ進出したマルティン・ヌーバウアーのライヴ録音がNIFCから登場します!1997年オーストリア生まれ、14歳の頃からピリオド楽器を演奏しているというヌーバウアーは、2016年にブルージュ国際古楽コンクールで最高位(1位なしの2位)の川口成彦に次ぐ3位に入賞した実力者。ここに収録されている2023年の第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールでは4台のピリオド楽器を弾き分け、それぞれの楽器が持つ個性に柔軟に対応。惜しくも入賞は逃したものの、繊細でロマンティックな演奏が聴衆に大きな感動を与えひときわ注目を集めました。このライヴ盤には審査員全員が「Yes」の評価を下した第1&第2ステージの演奏をたっぷり収録。今後ますます目が離せなくなるであろうオーストリアの若き才能にご注目ください。

Danacord
DACOCD-981(1CD)
ルイ・グラス:ピアノ作品全集第2集
ピアノ・ソナタ第1番ホ長調 Op.6/スケッチ帳 Op.21/田舎の描画 Op.49/夏の思い出(白夜) Op.53-2/マズルカ Op.53-3/水彩画 Op.58/わたしたちの舞踏会
ヤコプ・アルスゴー・ベーア(P)
デンマーク後期ロマンティシズム期の作曲家ルイ・グラス(1864-1936)のソロ・ピアノ曲をヤコプ・アルスゴー・ベーア(b.1984)で録音するシリーズ。第1集(DACOC-D- 956)につづく第2集には初期の「ピアノ・ソナタ第1番 ホ長調」、「スケッチ帳」「田舎の描画」「水彩画」などのコレクションと「夏の思い出(白夜)」といった単独曲が収録されています。グラスは、1877年に彼が開設したピアノ専門の音楽学校が良い評判を獲得していったこともあり、シューマンやメンデルスゾーンのスタイルに倣って書かれたピアノ曲も人気を集めたといわれます。ヤコプ・アルスゴー・ベーア(b.1984)は、オーフスのアカデミーでアネ・ウーランに学び、ソリストと室内楽奏者として活動しているデンマークのピアニストです。

Glossa
GCDC-80107(1CD)
バッハ(ホセ・ミゲル・モレーノ編):リュート作品集
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番BWV.1004によるシャコンヌ=トンボー(リュート&声楽)*/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV1001(リュート編)/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004(リュート編)
ホセ・ミゲル・モレーノ(Lute)、
エマ・カークビー(S)*、
カルロス・メーナ(C.T)*

録音:1998年5月(スペイン)
世界有数の古楽系撥弦楽器の名手、音楽学者、楽器製作者、歴史的楽器のコレクター、そしてスペインの名門古楽レーベル”グロッサ(Glossa)”の共同創設者という様々な姿を持つホセ・ミゲル・モレーノによるバッハの作品集。無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番の、あの長大なシャコンヌが、バッハの最初の妻であるマリア・バルバラの死を悼むトンボー(追悼曲)だったのではないかというデュッセルドルフ大学のバッハ学者ヘルガ・テーネの研究に基づいて、原曲のリュート編曲を伴奏に、歌詞をつけて2人の歌手が歌うという冒険的な試みが行われました。

TRPTK
TTK-0126(1SACD)

STTK-0126(1SACD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ジェフスキー:「不屈の民」による36の変奏曲(団結した民衆は決して敗れることはない!) ハンナ・シバイエヴァ(P)

録音(ライヴ):2023年11月2日、ルーテル教会(フローニンヘン、オランダ)
1960〜70年代にラテンアメリカ各地で起こったヌエバ・カンシオン(音楽を通した社会変革運動)の中で人民連合政府の歌として作曲され、今日でも世界中で歌われる「The People United Will Never Be Defeated!(団結した民衆は決して敗れることはない!)」を基にアメリカの作曲家フレデリック・ジェフスキーが変奏曲に仕立てた大作「「不屈の民」による36の変奏曲」。オーディオ・エンジニアのブレンドン・ハインストが開発した最新技術 Optimised Omnidirectional Array(OOA)を採用し、微細なディテールを余すことなく収録した高音質録音で知られるオランダのレーベル「Trptk」が、同曲の録音では過去に類を見ないSACDの高音質盤でリリース!この作品の録音史に新たな1ページを加えます!
ベラルーシ出身のピアニスト、ハンナ・シバイエヴァは、長きにわたって音楽とパフォーマンスを通じて世界とコミュニケーションを取り続けてきました。そんな彼女がこの作品を演奏する決断を下したことは自明のことであり、2020年のベラルーシ大統領選挙や2022年に開始され今日まで続くロシアによるウクライナ侵攻など、祖国を取り巻く情勢について彼女が感じていることをこのメッセージ性の強い音楽を通じて表現します。2020年の大統領選挙における抗議活動中、人々にとって象徴的となり、デモの中で多用された歌や音楽のいくつかを、最後の変奏のカデンツァに組み込んだ渾身の演奏は、すべてのリスナーの心に訴えかけることでしょう。2023年11月にオランダのフローニンヘンで行われた「サウンド・オヴ・ミュージック音楽祭」でのライヴ録音です。
「この録音は、独裁と不正、暴力と権力の濫用に対して立ち上がって抗議する、基本的権利のために闘う世界中のすべての人々に捧げます。」(ハンナ・シバイエヴァ)
TRPTK
TTK-0124(1SACD)
コルンゴルト:ピアノのための肖像画
歌劇 「ヘリアーネの奇跡」 Op.20第2幕より アリア「Ich ging zu ihm」*/ピアノ・ソナタ第2番Op.2/映画音楽 「ロビン・フッドの冒険」より 愛のシーン*/映画音楽 「シー・ホーク」*

*=ラモン・ファン・エンゲレンホーフェン編曲
ラモン・ファン・エンゲレンホーフェン(P)

録音:2023年10月11日-13日、アイントホーフェン(オランダ)
7年前頃にエーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(1857-1957)の音楽を初めて知り、本当に嬉しかったというオランダの若きピアニスト、ラモン・ファン・エンゲレンホーフェンのソロ・デビュー・アルバム。コルンゴルトは一時期は主に映画音楽の作曲家として知られていましたが、その前からあらゆるジャンルで素晴らしい音楽を作曲しており、今では史上もっとも優れた作曲家の一人として認められています。
エンゲレンホーフェンはこのアルバムを制作するにあたって、ピアノ曲だけを取り上げるのではなく、作曲家としてのキャリアの全体像を紹介したいと思い、ピアノのためのオリジナル曲(P・ソナタ第2番)と、自らがピアノ版へと編曲したオペラや映画のドラマティックな音楽が収録されました。これにより、他の誰にも真似できないほどの「シリアス」な音楽と「ライト」な音楽のギャップを埋め、
エンゲレンホーフェンの「お気に入り」の作曲家の一人であるコルンゴルトのリアルな『肖像画』が浮かび上がってくることでしょう。
特に注目すべきは、約30分近くに及ぶ「シー・ホーク」の組曲で、「1. メイン・タイトルとイントロダクション」、「2. ボートでの最初の出会い」、「3. イングランドとパナマへ」、「4. 戦いと決闘」、「5. 再開とフィナーレ」の5楽章で構想され、物語の全体が表現されています。
6歳からピアノの音色とともに育ったラモン・ファン・エンゲレンホーフェンは、2019年にアムステルダム音楽院で優秀な成績で修士号を取得し、その卓越した技量と献身的な姿勢により、ユーリ・エゴロフ大賞(the Grand Prix Youri Egorov)など、様々な賞を受賞しています。また、演奏家だけでなく優れた編曲家としても活躍しており、ピアニストのポール・ルイスとの共演や若手作曲家とのコラボレーション、テレビ出演など多彩に活動しています。
TRPTK
TTK-0111(1SACD)
リスト:人生の旅〜ソング・トランスクリプションズ
リスト:シューベルトの12の歌曲 「冬の旅」 S.561/ロベルト・フランツの12の歌曲 S.489
アレクサンドラ・カプテイン(P)

録音:2023年8月15日-17日、ヒルフェルスム(オランダ)
ピアノの役割の変化、調性の発展、芸術・文学・宗教と音楽の結びつきなど多くの革新をもたらし、ロマン派とその後の世代の作曲家たちにも大きな影響を与えたフランツ・リスト。リストによるピアノ・トランスクリプションは膨大な種類と量の作品が残されましたが、中でも重要な位置を占める「歌曲からのトランスクリプション」の2つの傑作を収録したアルバム。歌曲の重要な要素である詩とテキストが欠落し「無言歌」となったピアノ版では、リストのピアニスティックでヴィルトゥオージックな洗練が際立ち、歌曲の新たな姿を魅せつけてくれます。
アレクサンドラ・カプテインは1999年生まれのオランダのコンサート・ピアニスト。オランダのフランツ・リスト協会の副会長も務めており、音楽理論、音楽学、演奏への関心を結びつける記事も執筆・出版。リストの作品を研究・分析した当アルバムでレコーディング・デビューを果たしています。

MDG
MDG-90323236
(1SACD)
ファンタジー〜ファゴット・ソロ
バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調BWV1013(編曲:無伴奏ファゴットのためのパルティータ ニ短調)
C.P.E.バッハ:無伴奏フルートのためのソナタ イ短調 Wq.132(編曲:無伴奏ファゴットのためのソナタ ハ短調)
クーラウ:無伴奏フルートのための3つの幻想曲op.38[第1番:ニ長調/第2番:ト短調/第3番:ハ長調]
セレステ・マリー・ロイ(Fg)

録音:2023年9月29日、10月1日、マリエンミュンスター修道院コンサートホール
スイス・ロマンドOの首席ファゴット奏者を務めるセレステ・マリー・ロイによるソロ・アルバムが登場です。MDGレーベルはこれまでにファゴット・アン サンブルによるゴルトベルク変奏曲(MDG.90319146)やギュルツェニヒ・ファゴット五重奏団の録音などファゴットにフォーカスしたアルバムをリリースしてい ますが、今回はバッハ、C.P.E.バッハ、そしてフリードリヒ・クーラウの無伴奏フルートのための作品をファゴット用に編曲し演奏しています。セレステ・マリー・ ロイは、バロック・ファゴット奏者としても活躍しており、現代の楽器においてもその熟練した技術で軽やかに奏しています。 アルバムの最後に収録されているクーラウは、未出版の原稿がすべて火事で消失してしまったにも関わらず、200曲を超える作品を残した多作家でありました。 1825年にウィーンでベートーヴェンと出会い、ベートーヴェンは彼に敬意を表し「Kuhl, nicht lau(涼しくて、なまぬるくない)」WoO.191というユーモア溢 れるカノンを作曲したという逸話も残っています。ここに収録されている3つの幻想曲は、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の2つのアリアの変奏で始まり、フ ランチェスコ・ビアンキのカンツォネッタで終るという、当時流行したハーモニームジークのスタイルで書かれています (Ki)

IDIS
IDIS-6752(1CD)
マスター・オブ・ギターVol.6ソ連編
(1)アルベニス:アストゥーリアス / 前奏曲 ニ短調
ホセ・ビニャス:独創的幻想曲
ヴィラ=ロボス:練習曲第1番
アレクサンドル・イヴァノフ=クラムスコイ:A.ワルラモフの主題による変奏曲 / 夢 / タランテラ
(2)パガニーニ:アリエッタ ニ長調 / ペリゴルディーノ / マリーナのためのメヌエット イ長調 / メヌエット イ長調
アントワーヌ・ド・ロワイエ:前奏曲 Op.83-2
ソル:モーツァルトの主題による変奏曲 Op.9
(3)アンドレイ・シクラ:マズルカ / ロシア民謡による変奏曲
ウラディーミル・マルコフ・イヴァノヴィチ:ロシア民謡による変奏曲
ウラディーミル・ヴァヴィロフ:エレジア
(4)フランツ・ヴィルヘルム・アプト:セレナーデ
アントン・ルビンシテイン:夜
ニコライ・アファナシェヴィチ・リストフ:I remember the charming sound of the waltz
伝承曲:ロシア民謡「鳩が谷にとんでった」
(1)アレクサンドル・イヴァノフ=クラムスコイ(G)
 スタジオ録音:1961年

(2)アナトール・マルコフ(G)
 スタジオ録音:1950年代

(3)ウラディーミル・ヴァヴィロフ(G)
 スタジオ録音:1960〜1963年頃

(4)ピョートル・イヴァノヴィチ・イサコフ(G)
 スタジオ録音:1950年代
ロシアのギタリストによる50〜60年代の貴重な録音集です。古楽の大家としてルネサンス期の作品をとりあげたMelodiya録音が良く知られ、「カッチーニの アヴェ・マリア」の作者だったりもするヴァヴィロフほか、時代を感じる名手たちの演奏が聴けます。2024年デジタル・リマスター。 (Ki)

Poohs Hoop
PCD-2311(1CD)
ハイドン:「音楽時計のための作品集」
Flotenuhr1792(No.1-12)
 No.1C-Dur [Allegro moderato] Hob.XIX,17 (0:53)
 No.2C-Dur [Allegretto] Hob.XIX,10(0:56)
 No.3C-Dur Presto [Allegro moderato] Hob.XIX,18 (1:04)
 No.4C-Dur [Andante] Hob.XIX,19(1:11)
 No.5C-Dur [Menuett] Hob.XIX,20(1:03)
 No.6C-Dur [Menuett] “Der Wachtelschlag” Hob.XIX,8(1:46)
 No.7G-Dur [Allegretto] Hob.XIX,21(1:01)
 No.8C-Dur [Menuett] Hob.XIX,7(2:12)
 No.9C-Dur [Allegro moderato] Hob.XIX,22 (1:10)
 No.10C-Dur [Vivace] Hob.XIX,23(0:50)
 No.11C-Dur Menuett / Allegretto Hob.XIX,9 (0:49)
 No.12C-Dur Presto Hob.XIX,24(0:45)
Aus der Flotenuhr1772(No.13-18)
 No.13F-Dur [Allegretto] Hob.XIX,1(1:24)
 No.14F-Dur [Vivace] Hob.XIX,2(1:07)
 No.15F-Dur [Andantino] Hob.XIX,3(1:20)
 No.16C-Dur [Andante cantabile] “Der Dudelsack” Hob.XIX,4(1:04)
 No.17F-Dur [Menuett] Hob.XIX,5(0:54)
 No.18F-Dur [Vivace] “Der Kaffeeklatsch” Hob.XIX,6(0:53)
Flotenuhr1793(No.19-30)
 No.19C-Dur [Allegretto] Hob.XIX,11(1:19)
 No.20C-Dur Andante Hob.XIX,12(1:18)
 No.21C-Dur [Vivace] Hob.XIX,13(1:32)
 No.22C-Dur [Menuett] Hob.XIX,14(1:32)
 No.23C-Dur [Allegro ma non troppo] Hob.XIX,15 (1:22)
 No.24C-Dur Fuga / [Allegro] Hob.XIX,16 (1:48)
 No.25D-Dur Marche Hob.XIX,25(1:29)
 No.26E-Dur Andante ? Allegro Hob.XIX,26 (1:34)
 No.27G-Dur Allegretto Hob.XIX,27(1:44)
 No.28C-Dur Allegro Hob.XIX,28(2:00)
 No.29C-Dur [Menuett] Hob.XIX,29(2:50)
 No.30G-Dur Presto Hob.XIX,30(1:24)
Nur handschriftlich erhaltene Stucke (No.31 u.32
塚谷水無子(トイピアノ)

録音:2023年11月20〜22日/フィリア美術館(小淵沢)
使用楽器:世界各国のトイピアノたち
各誌で絶賛されたトイピアノ演奏による「ゴルトベルク変奏曲」(PCD-1812)のリリースから5年。ケンバニスト・塚谷水無子のトイピアノ第2弾は、ハイドンの「音 楽時計のための作品集」です!!
ゴルトベルクと同様、今回も世界各国のトイピアノを使用。ミシェルソンヌ、シェーンハット、ジェイマー、カワイなど、あらゆる奏法でトイピアノを駆使する塚谷水無 子の新境地です!
オールカラーのブックレットには、各曲に使用したトイピアノを「レジストレーション」として写真掲載。各楽器が持つ個性を最大限引き出しており、塚谷の抜群のセ ンスがあらわれたまさに唯一無二のアルバムが完成しました!
「パイプオルガン奏者の私が身をもって知ったことは、オルガンの奏法で「トイピアノ」という小さな楽器を存分に鳴らせる!ということでした。玩具楽器とあなど るなかれ。トイピアノを複数台つかって演奏することで生まれる多彩な響き!楽器の表情豊かさ!気がつけば虜(とりこ)になっていました。長年自分がオルガンで演 奏してきた曲をいつもの通り古典運指をつかってトイピアノで弾く。違和感ですか?ありません。オルガン曲はトイピアノと相性抜群だったのです。」(塚谷水無子)

Poohs Hoop
PCD-2311(1CD)
ハイドン:「音楽時計のための作品集」
Flotenuhr1792(No.1-12)
 No.1C-Dur [Allegro moderato] Hob.XIX,17 (0:53)
 No.2C-Dur [Allegretto] Hob.XIX,10(0:56)
 No.3C-Dur Presto [Allegro moderato] Hob.XIX,18 (1:04)
 No.4C-Dur [Andante] Hob.XIX,19(1:11)
 No.5C-Dur [Menuett] Hob.XIX,20(1:03)
 No.6C-Dur [Menuett] “Der Wachtelschlag” Hob.XIX,8(1:46)
 No.7G-Dur [Allegretto] Hob.XIX,21(1:01)
 No.8C-Dur [Menuett] Hob.XIX,7(2:12)
 No.9C-Dur [Allegro moderato] Hob.XIX,22 (1:10)
 No.10C-Dur [Vivace] Hob.XIX,23(0:50)
 No.11C-Dur Menuett / Allegretto Hob.XIX,9 (0:49)
 No.12C-Dur Presto Hob.XIX,24(0:45)
Aus der Flotenuhr1772(No.13-18)
 No.13F-Dur [Allegretto] Hob.XIX,1(1:24)
 No.14F-Dur [Vivace] Hob.XIX,2(1:07)
 No.15F-Dur [Andantino] Hob.XIX,3(1:20)
 No.16C-Dur [Andante cantabile] “Der Dudelsack” Hob.XIX,4(1:04)
 No.17F-Dur [Menuett] Hob.XIX,5(0:54)
 No.18F-Dur [Vivace] “Der Kaffeeklatsch” Hob.XIX,6(0:53)
Flotenuhr1793(No.19-30)
 No.19C-Dur [Allegretto] Hob.XIX,11(1:19)
 No.20C-Dur Andante Hob.XIX,12(1:18)
 No.21C-Dur [Vivace] Hob.XIX,13(1:32)
 No.22C-Dur [Menuett] Hob.XIX,14(1:32)
 No.23C-Dur [Allegro ma non troppo] Hob.XIX,15 (1:22)
 No.24C-Dur Fuga / [Allegro] Hob.XIX,16 (1:48)
 No.25D-Dur Marche Hob.XIX,25(1:29)
 No.26E-Dur Andante ? Allegro Hob.XIX,26 (1:34)
 No.27G-Dur Allegretto Hob.XIX,27(1:44)
 No.28C-Dur Allegro Hob.XIX,28(2:00)
 No.29C-Dur [Menuett] Hob.XIX,29(2:50)
 No.30G-Dur Presto Hob.XIX,30(1:24)
Nur handschriftlich erhaltene Stucke (No.31 u.32
塚谷水無子(トイピアノ)

録音:2023年11月20〜22日/フィリア美術館(小淵沢)
使用楽器:世界各国のトイピアノたち
各誌で絶賛されたトイピアノ演奏による「ゴルトベルク変奏曲」(PCD-1812)のリリースから5年。ケンバニスト・塚谷水無子のトイピアノ第2弾は、ハイドンの「音 楽時計のための作品集」です!!
ゴルトベルクと同様、今回も世界各国のトイピアノを使用。ミシェルソンヌ、シェーンハット、ジェイマー、カワイなど、あらゆる奏法でトイピアノを駆使する塚谷水無 子の新境地です!
オールカラーのブックレットには、各曲に使用したトイピアノを「レジストレーション」として写真掲載。各楽器が持つ個性を最大限引き出しており、塚谷の抜群のセ ンスがあらわれたまさに唯一無二のアルバムが完成しました!
「パイプオルガン奏者の私が身をもって知ったことは、オルガンの奏法で「トイピアノ」という小さな楽器を存分に鳴らせる!ということでした。玩具楽器とあなど るなかれ。トイピアノを複数台つかって演奏することで生まれる多彩な響き!楽器の表情豊かさ!気がつけば虜(とりこ)になっていました。長年自分がオルガンで演 奏してきた曲をいつもの通り古典運指をつかってトイピアノで弾く。違和感ですか?ありません。オルガン曲はトイピアノと相性抜群だったのです。」(塚谷水無子)


OEHMS
OC-499(13CD)
NX-K06
ブルックナー:オルガン編曲による交響曲全集
■CD1
ブルックナー:序曲 ト短調 WAB98(1862-63)(ルドルフ・インニヒによるオルガン編)
フィリップ・マインツ(1977-):キリエ XI- アントン・ブルックナーの交響曲 ニ短調へのフェンスター(2020)
ブルックナー:交響曲 ニ短調(無効交響曲、通称「第0番」) WAB100(1869)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
■CD2
ブルックナー:オーケストラのための3つの小品 WAB97(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
ブルックナー:行進曲 ニ短調 WAB96(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
オスカー・ヨッケル(1955-):アントン・ブルックナーの交響曲第1番へのフェンスター「Denn er hatte noch eine dringende Verabredung mit den drei Eichenund den zwei Bachenam Fus des goldenen Berges」(2021)
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調 WAB101(1865/66 リンツ稿)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
■CD3
ブルックナー:詩篇150篇 WAB38(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
デイヴィッド・マシューズ(1943-):ブルックナーの第2交響曲の緩徐楽章による瞑想 - アントン・ブルックナーの交響曲第2番へのフェンスター(2021)
. ブルックナー:交響曲第2番ハ短調 WAB102/(1877 第2稿)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
■CD4
ブルックナー:交響的前奏曲 ハ短調 WAB297(1871-76)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
ヨハンナ・ドーデラー(1969-):PINUS- アントン・ブルックナーの交響曲第3番へのフェンスター(管弦楽版からのオルガン編 DWV139/2021)
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 WAB103(1888/89 第3稿)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
■CD5
ブルックナー:夕べの魔力 WAB57(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編)
マインツ:コラール前奏曲 第46番「Morgenglanz der Ewigkeit」 -アントン・ブルックナーの交響曲第4番へのフェンスター(2022)
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 WAB104(1878/80第2稿)(トーマス・シュメークナーによるオルガン編)
■CD6
ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 WAB105(1878年)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
■CD7
ブルックナー:エクアーレ 第1番ハ短調 WAB 114(1847)(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(1972-):アルプスの祝福、雷と雨のマシン
ブルックナー:エクアーレ 第2番ハ短調 WAB 149(1847)(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編)
アンドレア・ロレンツォ・スカルタッツィーニ(1971-):ブルックナー・ブルーメ- アントン・ブルックナーの交響曲第6番へのフェンスター(2022)
ブルックナー:交響曲第6番イ長調 WAB106(1879-1881)(エベルハルト・クロッツによるオルガン編)
■CD8
ブルックナー:前奏曲 ハ長調 WAB129「ペルク前奏曲」(1884)
マインツ:テ・デウム(2023) ブルックナー・フェンスター(2023) - 交響曲第7番による
交響曲第7番ホ長調 WAB107(1883)(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
■CD9
ブルックナー:ファンファーレ:見よ、大いなる司祭を WAB13(1885)(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編)
トーマス・ダニエル・シュレー(1957-):イン・ノミネ Op.94/4- アントン・ブルックナーの交響曲第8番へのフェンスター(2021/22)*
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB108 第1楽章&第2楽章(1890第2稿)(エベルハルト・クロッツ によるオルガン編)
■CD10
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB108 第3楽章&第4楽章(1890第2稿)(エベルハルト・クロッツによるオルガン編)(続き)
■CD11
ブルックナー:レクイエム - リベラ・メ WAB 22(1854)(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編)
マインツ:深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる- アントン・ブルックナーの交響曲第9番へのフェンスター(2021/23)
交響曲第9番ニ短調WAB109- 第1楽章&第2楽章
■CD13
ブルックナー/エルヴィン・ホルン:幻想曲 ハ長調
-1886年10月6日 ウィーン、シュテファン大聖堂におけるブルックナーの即興演奏の再構築
エンヨット・シュナイダー(1950-):アルファとオメガ- アントン・ブルックナーの交響曲 ヘ短調へのフェンスター
ブルックナー:交響曲 ヘ短調 WAB99(エベルハルト・クロッツによるオルガン編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

■CD1
録音:2020年5月22-25日
リンツ(オーストリア)、ザンクト・フローリアン修道院 通称「ブルックナー・オルガン」
■CD2
録音:2021年3月1-4日リンツ(オーストリア)、ブルックナーハウス リーガー・オルガン
■CD3
録音:2021年8月5-9日ロンドン(UK)、ウェストミンスター大聖堂 ウィリス・オルガン
■CD4
録音:2021年11月22-26日ミュンヘン(ドイツ)、聖ペーター教会 メイン・オルガン及びクワイア・オルガン(共にクライス社製)
■CD5
録音:2022年4月18日-22日
ウィーン(オーストリア)、コンツェルトハウス リーガー・オルガン
■CD6
録音:2022年9月2日-6日ミュンヘン(ドイツ)、聖マルガレート教会 クライス・オルガン
■CD7
録音:2022年10月25-29日ルツェルン(スイス)、ホーフ教会
■CD8
録音:2023年6月21-25日ライプツィヒ(ドイツ)、ゲヴァントハウス、 シュッケ・オルガン
■CD9-CD10
録音:2023年7月12-16日ウィーン楽友協会大ホール(オーストリア) リーガー・オルガン
2023年9月21日*
聖ミヒャエル教会(ドイツ) リーガー・オルガン**
■CD11-CD12
録音:2023年11月12-16日
チューリヒ、フラウミュンスター教会(スイス)
■CD13
録音:2024年3月20-24日パリ(フランス)、サンテティエンヌ・デュ・モン教会


**を除き世界初録音
オルガニストでミュンヘン・バッハOの指揮者でもあるハンスイェルク・アルブレヒトの壮大なプロジェクトを集成。交響曲ヘ短調を含むCD13は当ボック スのみの収録となります。リンツのザンクト・フローリアン修道院の「ブルックナー・オルガン」をはじめ、チューリッヒ、ライプツィヒ、ウィーン、ロンドンなど作曲者所縁 の地のオルガンを用いることで、各地のオルガンの音色の特徴を楽しめるだけではなく、ブルックナー作品のオルガン的な響きも存分に堪能できます。番号順 に並べられたアルバムには、交響曲の他、第二次世界大戦直後にブルックナーの弟子の遺品から発見された「交響的前奏曲」や「詩篇150篇」、3本のト ロンボーンのための「エクアーレ」など興味深い作品のオルガン版も収録されています。更に、現役作曲家がぞれぞれの交響曲から受けたインスピレーションを もとに作曲した各曲への「フェンスター(窓)」を収録(第5番へのフェンスターは配信のみ)。伝統を現代につなぐ企画となっています。
OEHMS
OC-1733(1CD)
NX-B10
無伴奏チェロ作品集
テレマン:ファンタジア第5番イ長調 TWV40:18*
ヒンデミット:無伴奏チェロ・ソナタ Op.25No.3
テレマン:ファンタジア第7番変ホ長調 TWV 40:20*
マヌエル・リプシュタイン(2001-):4つの夢のイメージ(2016)
テレマン:ファンタジア第9番ロ短調 TWV40:22*
エリック・フェルトブシュ(1922-2007):無伴奏チェロのための組曲「モザイク」 Op.23
テレマン:ファンタジア第10番ニ長調TWV40:23*
ガスパール・カサド(1897-1966):無伴奏チェロのための組曲(1921)

*…マヌエル・ リプシュタインによるチェロ・ピッコロ編
マヌエル・リプシュタイン(Vc&チェロ・ピッコロ)

録音:2024年1月3-6日
2001年生まれのチェリスト、マヌエル・リプシュタインのデビュー・アルバム。リプシュタインはわずか10歳でケル ン音楽大学に入学、カタリーナ・デセルノに師事した後、2015年から2019年にはマリア・クリーゲルのもとで 研鑽を積みました。2019年からはクロンベルク・アカデミーで学ぶとともに、2020年からは作曲と指揮の指 導を受け、現在はケルンWDRSOやブレーメンのドイツ・カンマーフィルハーモニーと共演するなどヨー ロッパを中心に活動の幅を広げています。彼は作曲家としても才能を期待されており、「ルーツ」と題されたこ のアルバムでは、自身のお気に入りの作品であるヒンデミットやフェルドブッシュ、カサドといった近現代作品に 交えて自作を披露。曲間にはリプシュタインの編曲によるチェロ・ピッコロで演奏するテレマンのファンタジアを置 くという凝ったアルバム構成も魅力です。

Grand Piano
GP-946(1CD)
NX-B06
ハチャトゥリアン:ピアノ・トランスクリプション集
バレエ音楽『ガイーヌ』(1942)(抜粋)…世界初録音
 1. レズギンカ(若者たちの踊り)
 2. ウズンダーラ(ヌーネと娘たちの踊り)とガイーヌの踊り
 3. 乙女の踊り
 4. 子守歌
 5. アイシャの踊り
 6. ヌーネとカレンの踊り
 7. シャラーホ(男たちの踊り)
 8. タンバリンをもった娘たちの踊り)
 9. 剣の舞
バレエ音楽『スパルタクス』(1950-54)(抜粋)…世界初録音
 10. ニンフの踊り
 11. エジプトの少女の踊り
 12. ローマの遊女の踊り
 13. 若いトラキア人剣士の踊り
 14. 情景とクロタルムスの踊り
 15. エギナのヴァリアシオンと終幕のバッカナール
 16. スパルタクスとフリーギアのアダージョ
『仮面舞踏会』組曲(1941/44)
 17. I. ワルツ
 18. II. 夜想曲
 19. III. マズルカ
 20. IV. ロマンス
 21. V. ギャロップ

※A. ツェイトリンによるピアノ編(1962年出版)…1-2
V. サルグシャンによるピアノ編(2005年出版)…3-10、13、16
E. ハチャトゥリアンによるピアノ編(1975年出版)…11-12、14-15
ミカエル・アイラペティアン(P…Fazioli F278)

録音:2023年8月9日、9月25日
アルメニアの作曲家アラム・ハチャトゥリアン。モスクワで音楽を学び指揮者としても活躍しました。 映画音楽やバレエ音楽が高く評価されており、とりわけローマに対して反乱を起こした指導者を描いた『スパルタクス』とアルメニアへの愛国心を描き、激しい 「剣の舞」を含む『ガイーヌ(ガヤネーとも)』の2作は彼の代表作として広く愛されています。このアルバムでは、この2作からの聴きどころを3人の作曲家がピア ノのために編曲した版を演奏。元のオーケストラの荒々しくも色彩豊かな響きをピアノへそのまま移した見事な編曲が聴きどころ。アルバムには『仮面舞踏 会』組曲のピアノ版も加え、ハチャトゥリアン作品の魅力を存分に伝えています。アルメニア音楽を幅広く紹介するミカエル・アイラペティアンの巧みな演奏で す。

Sono Luminus
DSL-92279(1CD)

NX-B08

ヴェロニカ・クラウサス(1963-):組曲「巨匠とマルガリータ」…世界初録音
リスト(1811-1886):シューベルトの12の歌 S558/R243 - 第8曲 糸を紡ぐグレートヒェン
マヤ・ミロ・ジョンソン:Manuscripts Don't Burn 原稿は燃えない…世界初録音
リスト:シューベルトの12の歌 S558/R243 - 第4曲 魔王
リスト:シューベルト:白鳥の歌 S560/R245 - 第4曲 海
マイク・ガーソン(1945-):オデーサのための詩篇…世界初録音
レフ・ズルビーン(1978-):ヴォイシズ - ピアノと歴史的な録音のための …世界初録音
クラリス・アサド(1978-):五大元素…世界初録音
アサド:ヒーロー…世界初録音
インナ・ファリクス(P&朗読)

録音:2024年8月3-4日
タイトルの「Manuscripts Don’t Burn=原稿は燃えない」は、ロシアの劇作家ミハイル・ブルガーコフ(1891-1940)のカルト小説「巨匠とマルガリータ」に出てくる1節。ウォッカを飲む巨猫や吸血鬼のような劇場支配人、そして悪魔が縦横無尽に暗躍するこの作品を子供時代に読み衝撃を受けたというオデーサ出身のピアニスト、インナ・ファリクスは、この小説からインスパイアされる作品をクラウサスやジョンソン、ガーソンら現代の作曲家たちに委嘱するとともに、「巨匠とマルガリータ」の主題でもあるファウストにまつわる様々な作品や、彼女の故郷オデーサにまつわる作品を演奏。豊かな語り口によるナレーションや、トラック13-15ではテープに録音されていた古の語りや歌などをまじえた聴き手の想像力を刺激するアルバムです。

H.M.FHMM-902510(1CD)
フォーレ:ピアノ曲集
即興 嬰ハ短調 (8つの小品 op.84-5)
夜想曲 第11番嬰ヘ短調 (2つの小品 op.104-1)
バルカローレ 第5番嬰ヘ長調 op.66
バルカローレ 第3番変ト長調 op.42
夜想曲 第5番変ロ長調 op.37
バルカローレ 第4番変イ長調 op.44
バルカローレ 第9番イ短調 op.101
バルカローレ 第10番イ短調(2つの小品 op.104-2)
夜想曲 第12番ホ短調 op.107
バルカローレ 第13番ハ長調 op.116
夜想曲 第13番ロ短調 op.119
バルカローレ 第12番変ホ長調 op.106bis
アリーヌ・ピブル(P/ガヴォー社製、パリ、1929年)

録音:2023年12月、フィルハーモニー・ド・パリ
フォーレ没後100年記念盤。アリーヌ・ピブルは2014年オルレアン国際ピアノコンクールで5つの賞を受賞したピアニスト。これまでに、フォーレとデュティユー の作品集でソロ・デビュー盤をリリース、サマズイユほかの作品集(PRI-033)など、センスの光るプログラムで高く評価されています。1929年製のガヴォー社 製ピアノの、ぬくもりと木の質感を感じさせる音色を存分に活かしながら、フォーレの幅広い年代に書かれた作品を奏でており、フォーレの作曲の変遷を感じるこ とができる1枚となっております。
ガヴォー社は、ジョセフ・ガヴォー(1824-1903)によって1847年から1971年まで営業していたピアノ・メーカー。エラール、プレイエルとならんでフラン スの三大ピアノ・メーカーのひとつとして知られていました。1907年にサル・ガヴォー(音楽ホール)が開かれたことにより、その名はさらに広く知られるところ となりました。マルグリット、ロン、シフラ、バックハウス、ケンプらも愛奏したピアノとしても知られています。このピアノはゴンザロ・ティントレル(ピカソ、プーラ ンク、ヴァレーズらの友人でもあった)が所有していたもので、ケンプ、チッコリーニ、プーランク、カサドシュ、ペルルミュテールらが演奏したこともある、というも のということです。 (Ki)

BIS
BISSA-2725(1SACD)
「ギターの声」〜フェデリコ・モレーノ・トローバ:ギター作品集
(1)ソナチネ(1923)
(2)ブルガレーサ(1928)
(3)ノクトゥルノ(1926)
(4)特性的小品集【前奏曲 / オリベラス / メロディア / ロス・マジョス / アルバーダ / パノラマ】(1931)
(5)カスティーリャ組曲(1920)
(6)前奏曲(1928以前)
(7)ブルレスク風セレナード(1928以前)
(8)マドローニョス(1954出版)
フランツ・ハラース(G)

録音:2023年1月20〜23日/聖母マリアの被昇天巡礼教会、イジング(バイエルン)
【ギター:Hermann Hauser I,1936, Model Miguel Llobet】
BISレーベルを代表する演奏家の一人、ギター奏者フランツ・ハラース。ハラースはスペインのバロック音楽、バッハ、武満、グバイ ドゥーリナ、タンゴ、ブラジル音楽など、数多くのディスクで高い評価を得ている現代最高峰のギタリストの一人。バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パル ティータ全6曲(BIS SA-2705)、リュート作品集(BIS SA-2285)の録音でも注目される中、フェデリコ・モレーノ・トローバ(1891-1982)を録音しました。
スペインの叙情的オペラ音楽「サルスエラ」の作曲家として成功したモレーノ・トローバは、アルベニスやグラナドスなどのスペイン国民楽派の継承者といえる存 在。彼の音楽に魅了された名ギタリスト、セゴビアが委嘱したことでギター作品を作曲するようになりました。スペイン音楽の伝統を守りながらもドビュッシーやスト ラヴィンスキーなどの作曲家にも刺激を受け、独自の世界を作り上げています。 (Ki)

SOMM
SOMMCD-0688(1CD)
NX-B07
アフリカのピアニズム 第2集
ジルマ・イフラシェヴァ(1967-):Elilta - Cry of Joy
サリム・ダダ(1975-):Miniatures Algeriennes アルジェリアの小品集*
ナビル・ベナブデルジャリル(1972-):I 前奏曲 I:Magic Morning*/前奏曲 II:Mirage et lumiere*/Romance sans paroles*/Frisson de la nuit
モカレ・コアペング(1963-):前奏曲 変ニ長調*
伝承曲:Senzeni Na?*(グラント・マクラクラン編)
フェラ・ソワンデ(1905-1987):ヨルバの神聖な民謡旋律による2つの前奏曲-第1番K’A Mura*
フローレンス・プライス(1887-1953):ファンタジー・ネグレ ホ短調
アキン・エウバ(1935-2020):アフリカのピアニズムによる練習曲集〜 第4番*/第1番/第2番
レベッカ・オモルディア(P)

録音:2024年1月12-13日
*…世界初録音
第1集(SOMMCD0647)が高く評価されたレベッカ・オモルディアによる「アフリカのピアニズム」シリーズ第2集の登場。このシリーズのタイトルになったエウバの アフリカのピアニズムによる練習曲他、モロッコのベナブデルジャリルのロマンティックな小品、アラブ・イスラム圏の音楽を伝えるサリム・ダダの小品集など多彩な 作品が収録されています。また今作にはアフリカ系アメリカ人の作曲家フローレンス・プライスの作品も収録、黒人霊歌「Don’t Let this Harvest Pass」 の物悲しい旋律を用いた技巧的な「ファンタジー・ネグレ」も耳に残ります。レベッカ・オモルディアは「アフリカのクラシック音楽のパイオニア」と称賛される、ルーマ ニアとナイジェリアの血を引くピアニスト。ロンドン、ウィグモアホールで開催されるアフリカ音楽コンサート・シリーズの芸術監督を務めています。

Bearton
CDB-041(1CD)
初紹介旧譜
ショパン:ピアノ協奏曲集(1台ピアノ版)
ピアノ協奏曲ヘ短調 Op.21(1台ピアノ版)
ピアノ協奏曲ホ短調 Op.11(1台ピアノ版)
河合優子(P)

録音:2008年7月、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
晩年のヤン・エキエルの高弟としてエキエル版(ナショナル・エディション)の普及に尽力してきた名ショパン弾き、河合優子が弾くピアノ独奏版によるショパンのピアノ協奏曲集。ショパン自らの編曲によるもので、このヴァージョンの初演者である河合優子の代表的なレコーディングの一つです。
ブックレットにはヤン・エキエルによる「ナショナル・エディション」についての解説文の日本語訳(訳:河合優子)も掲載。

Acte Prealable
AP-0568(1CD)
ケスラー:ピアノ作品集
ヨーゼフ・クリストフ・ケスラ
ー(1800-1872):3つのポロネーズ Op.9/6つのバガテル Op.27/ワルツ/Ludwika(Pのためのワルツ)/マズルカとワルツ/優雅なロンド Op.52/ピアノのための2つの夜想曲 Op.48
マグダレナ・ブジョゾフスカ(P)

録音:2023年9月24日
ヨーゼフ・クリストフ・ケスラー(1800-1872)はドイツのピアニストで作曲家、教育者でもありました。彼はポーランド音楽に非常に精通しており、ショパンやリストとも友人関係にありました。ウィーンでは特にポーランド人の間で彼の音楽は好評を得たと言います。演奏するマグダレナ・ブジョゾフスカはこれまでにもケスラーの作品集をリリースしています。
Acte Prealable
AP-057273(2CD)
ユゼフ・デシュチンスキ:ピアノ作品集(選集)
ユゼフ・デシュツィスキ
(1781-1844):6つのポロネーズ Op.1/6つの国民的ポロネーズ Op.2/4つのポロネーズ Op.6/変奏曲 イ長調 Op.21/4つのポロネーズ Op.24/ポロネーズ ニ長調 Op.29/2つのポロネーズ/ポロネーズ イ長調/ポロネーズ 変ホ長調/2つの行進曲/華麗なるワルツ 変イ長調
ヨアンナ・ワヴリノヴィチ(P)

録音:2021年-2022年
作曲家であったユゼフ・デシュチンスキ(1781-1844)は、指揮者としても活躍し、アマチュア・オーケストラの設立などにも尽力しました。彼はピアノ曲だけでなく管弦楽曲やピアノ協奏曲、吹奏楽のための作品も残しています。

NEOS
NEOS-12320(1CD)
シュトックハウゼン(1928-2007):マントラ(2人のピアニストのための)(1970)
01. Beginning00:14
02. Bar3?1001:11
03. Bar11?7004:53
04. Bar71?10802:50
05. Bar109?12002:14
06. Bar121?13100:57
07. Bar132?15002:17
08. Bar151?18806:09
09. Bar189?21101:51
10. Bar212?23701:58
11. Bar238?26101:27
12. Bar262?29804:27
13. Bar299?32301:32
14. Bar324?42102:14
15. Bar422?43403:54
16. Bar435?49103:50
17. Bar492?52906:42
18. Bar530?57703:33
19. Bar578?63703:54
20. Bar638?64000:35
21. Bar641?65502:01
22. Bar656?68604:03
23. Bar687?85405:09
24. Bar855?88002:37
25. Bar881?88300:34
26. Bar884?End00:48
グラウシューマッハー・ピアノ・デュオ、
SWRエクスペリメンタル・スタジオ、
ミヒャエル・アッカー(サウンド・ディレクション)

録音:2021年12月16日-17日、南西ドイツ放送スタジオ(フライブルク)
SWR(南西ドイツ放送)エクスペリメンタル・スタジオによる録音シリーズの第11巻。ドイツ現代音楽の巨匠カールハインツ・シュトックハウゼン(1928-2007)による2台ピアノとエレクトロニクスのための大作「マントラ(MANTRA)」の、2021年新録音が登場。
「マントラ」は、1969年末にSWF(南西放送/後にSDRと統合してSWRに)の音楽部長でありドナウエッシンゲン音楽祭の芸術監督ハインリヒ・シュトローベルから、ドナウエッシンゲン音楽祭のために2台のピアノのための新曲を書くよう依頼されたもので、中断していた「2台のピアノのためのVISION」から「2人のピアニストのためのMANTRA」として完成、1970年10月18日のドナウエッシンゲン音楽祭で初演され、すぐに初録音も行われました。また、1970年の大阪万博への来日中に大枠の構想・作曲が行われ、京都や奈良の寺社仏閣等、日本からのインスピレーションも影響しているとされる作品ですが、日本初演は作曲から50年後(更に新型コロナによる1年延期を経て)の2021年にようやく行われました。2025年の大阪万博に向けても、再び注目を集めることとなるでしょう。
アンドレアス・グラウとゲッツ・シューマッハーからなる現代音楽のスペシャリスト「グラウシューマッハー・ピアノ・デュオ」は、1993年にも「マントラ」をレコーディング(Wergo)している他、数々の公演で長年演奏してきた経験を持ち、同じく「マントラ」の公演で強いパートナーシップを築いてきたSWRエクスペリメンタル・スタジオのミヒャエル・アッカーによるサウンド・ディレクションによって、理想的な再録音が行われました。

GENUIN
GEN-24858(1CD)
ドビュッシー、ショスタコーヴィチ、マルタン:前奏曲集
ドビュッシー:前奏曲集第2巻 より 第1、3、4、6、10、12曲
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲 Op.34
マルタン:8つの前奏曲
エリザヴェタ・ドン(P)

録音:2020年7月14日-16日、フリードリヒ=エーベルト=ハレ(ハンブルク、ドイツ)
モスクワに生まれハンブルクを拠点に活動、これまでに17の国際コンクールに入賞し35の国でツアーを開催している多忙なピアニスト、エリザヴェタ・ドンがGenuinからデビュー。ドビュッシーとショスタコーヴィチの有名な2作品に、彼女が絶対的な傑作であると太鼓判を押すフランク・マルタンの1曲を加えたセンスが際立つ「前奏曲集」。最高の音楽体験が保証された38トラックの旅にリスナーを招待します。

DUX
DUX-2000(1CD)
ボルコフスキ:ピアノ作品集
マリアン・ボルコフスキ
(b.1934):3つの小品/7つの前奏曲/4つのマズルカ/2つのマズルカ/変奏曲/トッカータ/ソナタ/断章/ロマンティックな間奏曲
マレク・シュレゼル(P)

録音:2023年5月29日-31日
ポーランドの巨匠ボルコフスキは、作曲家としてだけでなくピアニスト、そして1968年からショパン音楽アカデミーの教授を務めるなど教育者としてもポーランドの楽壇に影響力を持つ人物です。弾くのはパリのエコール・ノルマル音楽院で研鑽を積んだマレク・シュレゼル。ワルシャワのナショナル・ショパン・コンクール第1位などの実績を持つ実力派で、カーネギー・ホール、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ウィグモア・ホールなどの世界の主要なコンサート・ホールでの演奏や、2005年にはベルギーでエリザベス女王財団によるオープニング・ガラ・コンサートでイギリス室内Oの伴奏でモーツァルトの協奏曲を演奏しました。

Ars Produktion
ARS-38652(1CD)
キーワーズ〜ピアノ・パルランド2
ペーター・アプリンガー
(b.1959):声とピアノ-ピナ・バウシュ(Pとテープのための)*
ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ 「1905年10月1日、街頭にて」
クルターグ
(b.1926):Les Adieux (in Janac?eks Manier)、Eine Blume fu?r Nuria、Ungarischer Sprachkurs fu?r Ausla?nder(ヤテコーク より)(Pのための)
ダリヤ・マミノワ(b.1988):ムッシェルT(プリペアド・ピアノのための)*
ペーター・アプリンガー:声とピアノ-ベルント・アロイス・ツィンマーマン(Pとテープのための)*
クルターグ:... per Luciana ...、Tro?ste dich, Erika(ヤテコーク より)(Pのための)
リーム:対話 - ハインリヒ・クロッツ(Pのための)
クルターグ:Fenster zum Flur、?Message-esquisse“ chalheureusement a Pierre Boulez85(ヤテコーク より)(Pのための)/サティ:ゴシックの舞曲
フローレンス・ミレー(P)

録音:2021年4月1日、12月18日&2022年3月24日(ケルン)
*世界初録音
パリ国立高等音楽院で学び、1992年から2000年までアンサンブル・アンテルコンタンポランで演奏するなど現代音楽界の第一線で活躍するフランス系ドイツ人ピアニスト、フローレンス・ミレーが贈るコンセプト・アルバムの第2弾。「音楽で人々にどう語りかけるか」をテーマにした非常に個人的なセレクションで、音楽の解釈や作品への根本的な問いを追求。ペーター・アプリンガーやダリヤ・マミノワの世界初録音作品も交えて、前作に続き作品そのものが持つ“声”をピアノで表現します。

Nimbus
NI-6442(2CDR)
シューベルト:ピアノ作品集 Vol.7
4つの即興曲 D.899/4つの即興曲 D.935/アダージョとロンド D.505/506/楽興の時 D.780/変奏曲ヘ長調 D.156/変奏曲イ短調 D.576/幻想曲ハ長調 D.605a 「グラーツの幻想曲」
ウラディミール・フェルツマン(P)

録音:2021年10月、ワイアストン・レイズ(イギリス)
旧ソ連での活動禁止と事実上の追放、アメリカへの移住という激動を生き抜いてきた孤高のピアニスト、ウラディミール・フェルツマン。
2015年からスタートしたシューベルトのピアノ作品集もついに第7巻。シューベルトは最晩年に信じられないほど多くの作品を生み出し、彼の創造性の頂点を描きました。この時期のシューベルトのもっとも優れた作品の中に、このアルバムに収録された2組の即興曲集と「楽興の時」があります。自分の内なる世界、天国のビジョンを明晰かつ確信を持って表現したシューベルトの偉大な芸術を、フェルツマンの深淵なるピアニズムで探り出します。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Nimbus
NI-8115(1CDR)
オスカル・フェルナンデス:ピアノ作品集
2つの小品 Op.1/夜想曲 Op.3/アラベスク Op.5/夕暮れへの前奏曲集/ソナティナ形式による3つの練習曲/郊外のワルツ Op.70/オリジナル主題によるブラジル組曲第1番/オリジナル主題によるブラジル組曲第2番/オリジナル主題によるブラジル組曲第3番/夢 Op.20/幻想的前奏曲/鏡
マーティン・ジョーンズ(P)

録音:2023年2月、ワイアストン・コンサート・ホール(イギリス)
Nimbusレーベルからシリーズ化されている南米ピアノ音楽シリーズ。20世紀ブラジルの作曲家、オスカル・ロレンソ・フェルナンデス(1897-1948)のピアノ作品集。フェルナンデスの作品は、フランス印象派の影響を受けた初期、フォークロアやネイティブ・アメリカンのリズムとハーモニーを体系的に用いた中期、内省を強め、より普遍的に音楽言語を発展させていった後期の3つの時期に分けることが出来、ここでは1938年頃までに作曲されたロマンティックな作品と民俗的な音楽がセレクトされています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Da Vinci Classics
C-00872(2CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ゴヤの24のカプリチョス Op.195
チルチェーオへの3つの前奏曲 Op.194
クリスティアーノ・ポーリ・カペッリ(G)

録音:2023年1月-5月
20世紀の最も偉大なイタリアの作曲家の一人、マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコは、彼の家族の起源がイベリア人であったこともあり、スペインから多くの影響を受け、ギター奏者のアンドレス・セゴビアと協力をしました。ここに収録されている「ゴヤの24のカプリチョス」はスペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの作品から考案されたものです。「チルチェーオへの3つの前奏曲」は、カステルヌオーヴォ=テデスコの後期に作曲されたものであり、彼の成熟した音楽様式を存分に示した作品のひとつです。
Da Vinci Classics
C-00873(1CD)
リズミック・ジャーニー〜2台ピアノのための舞曲集
ピアソラ:ル・グラン・タンゴ、天使のミロンガ、ソレダード
ラヴェル:ラ・ヴァルス
マヌエル・インファンテ(1883-1958):アンダルシア舞曲、スペインの音楽
ベルナルド・サントス(P)、
マルティン・アルメディア(P)

録音:2023年8月
2台ピアノによるピアソラ、ラヴェル、インファンテの作品のアレンジ集。このアルバムでは、アルゼンチン、フランス、スペインの音楽を2台のピアノでまるでダンサーが踊っているかのように表現しており、そのリズミカルな演奏をたっぷりとお楽しみいただけます。
Da Vinci Classics
C-00874(1CD)
ダンシング・テイルズ〜レクオーナ&ゴットシャルク:ピアノ作品集
レクオーナ:Piezas Caracteristicas、Danzas Afro-Cubanas
ルイス・モロー・ゴットシャルク:Bamboula, danse des negres, Op.2、La Savane, ballade creole, Op.3、Le Bananier, chanson negre, Op.5、Le Mancenillier, serenade, Op.11
リンダ・マルギエーリ(P)

録音:2023年1月
二人のカリブ海の音楽に影響を受けた作曲家による作品集。バハナ近郊グヮナバコアに生まれたキューバの作曲家エルネスト・レクオーナと、アメリカ生まれでカリブ海に家族のルーツを持つルイス・モロー・ゴットシャルクの作品。独特なリズムと雰囲気が漂うアルバムです。
Da Vinci Classics
C-00870(1CD)
バッハ:イタリア協奏曲
バッハ:イタリア協奏曲 BWV971*
フランス風序曲 BWV831**
4つのデュエット BWV802-805*
マッテオ・パスクアリーニ(ハープシコード)
使用楽器:*Harpsichord after Michael Mietke (1700) by William Horn1998/**Harpsichord after Michael Mietke (1700) by Urbano Petroselli 2016
A415hz Kellner Temperament

録音:2023年7月17日-18日(イタリア)
ボブ・ファン・アスペレンやピエール・アンタイ、ケース・ブッケといった古楽界の重鎮たちの指導を受けたイタリアの
古楽系鍵盤奏者マッテオ・パスクアリーニが弾く、大バッハの傑作。
本アルバムには、クラヴィーア練習曲集第2巻として作曲されたバロック協奏曲というイタリアのジャンルを想起させ、典型的な「独奏」と「トゥッティ」が交互に現れる 「イタリア協奏曲」 と、バロック時代を通じて演奏され、組曲にまとめられた洗練された宮廷舞曲を暗示した 「フランス風序曲」 。そして、クラヴィーア曲集第3巻から抜粋された「4つのデュエット」 というバッハの傑作に数えられる作品をカップリング。今回の録音ではイタリアの楽器製作者ウルバーノ・ペトロセッリとウィリアム・ホーン製作した、1700年頃にベルリンで造られたミヒャエル・ミートケの楽器のレプリカを使用しています。
Da Vinci Classics
C-00866(1CD)
クロッシング・ロード〜クララ・シューマン、ヘンゼルト、デーラー
クララ・ヴィーク=シューマン
:ベッリーニの歌劇「海賊」のカヴァティーナにもとづく演奏会用変奏曲 Op.8
アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889):12のサロン風練習曲 Op.5
テオドール・デーラー(1814-1856):グリンカの主題による夜想曲(3つのロシアのメロディ Op.60より)
ルクレツィア・リベラティ(P)
※使用楽器:ファツィオリ F2

録音:2023年7月、イタリア
数々のピアノ・コンクールで上位入賞を果たし、多くの奨学金を獲得してきた新星ピアニスト、ルクレツィア・リベラティのデビュー・アルバム。クララ・シューマン(クララ・ヴィーク)、アドルフ・フォン・ヘンゼルト、テオドール・デーラーといった3人の同世代のロマン派作曲家を特集した興味深い構成で、後にシューマン夫人となるクララ・ヴィークが10代後半で書いたベッリーニの変奏曲、ロシアの音楽家グリンカのアリアに基づくテオドール・デーラーの夜想曲、ドイツ出身でロシア帝国で長く活躍し、ルビンシテインの下でサンクトペテルブルク音楽院の副長を務める等ロシア・ピアノ楽派の礎を築いたアドルフ・フォン・ヘンゼルトの様々な技巧とロマンティックな精神が込められた練習曲集を収録。クララとデーラーの作品はヘンゼルトに献呈されており、いずれも優れたヴィルトゥオーゾ・ピアニストであった3人の相互的な繋がりも込められています。
Da Vinci Classics
C-00865(1CD)
20世紀の無伴奏ヴァイオリン作品集
ローザ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.40
ユーリ・ファリク:無伴奏ヴァイオリンのための作曲
ブロッホ:無伴奏ヴァイオリンのための組曲第1番
ブロッホ:無伴奏ヴァイオリンのための組曲第2番
バルカウスカス:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ
ステファノ・ザンケッタ(Vn)

録音:2023年12月、イタリア
マリオ・ブルネロとマッシモ・ソメンツィと共にトリオを結成して活躍し、1980年からはヴェネツィアのベネデット・マルチェッロ音楽院でヴァイオリン科の教授の任にあるステファノ・ザンケッタ。
これまで高評価を得てきた「イザイ&バルトーク」(C00594)や「ヴァインベルク」(C00670)などに続く無伴奏ヴァイオリン・アルバム最新巻では、アカデミー賞受賞映画音楽作家ミクロス・ローザとして知られているハンガリー出身のロージャ・ミクローシュのソナタ、ロシアのチェリスト、指揮者、作曲家として活躍したユーリ・ファリクの無伴奏小品、誇り高きユダヤ人音楽家としての想いが込められたエルネスト・ブロッホの2つの組曲、リトアニアの作曲家ヴィタウタス・バルカウスカスが書いたミニチュアのパルティータ集を収録し、近現代の独奏ヴァイオリン作品の興味深い例を提示します。
Da Vinci Classics
C-00885(1CD)
バッハ:トッカータ集 BWV910-916
バッハ:トッカータ ト短調 BWV915
トッカータ ハ短調 BWV911
トッカータ ホ短調 BWV914
トッカータ ト長調 BWV916
トッカータ ニ短調 BWV913
トッカータ 嬰ヘ短調 BWV910
トッカータ ニ長調 BWV912
エンリコ・バイアーノ(ハープシコード)

録音:2023年5月10日-13日、聖公会教会(ナポリ、イタリア)
平均律クラヴィーア曲集の作曲300周年を記念して制作された、3種類、計5台のハープシコード、フォルテピアノ、クラヴィコードを駆使し同曲を全曲演奏するという衝撃作(OC00656/C00656)が話題をさらったイタリアの鍵盤楽器奏者、エンリコ・バイアーノが次なるバッハ・アルバムをリリース!若きバッハがおそらく自身のまばゆいテクニックを証明するために書いたと考えられ、得意としていた即興演奏の痕跡を作中に垣間見ることができる7つの「トッカータ集」を送り出します。17世紀ナポリの音楽家たち、エリザベス朝のヴァージナル楽派、そして大バッハを深く研究しており、現在の古楽界においても興味深い解釈者の一人とみなされているバイアーノがクリエイティヴに描く若きバッハの肖像にご期待ください。楽器は「平均律クラヴィーア曲集」でも弾いていたエティエンヌ・ブランシェ1733年製ハープシコードのレプリカを使用しています。

FONE
SACD-249(1SACD)
fone 創立40周年記念
(1)ヴィヴァルディ:2つのチェロのための協奏曲ト短調 RV531より アレグロ
(2)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調 BWV1001より アダージョ
(3)ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター:アルビノーニ氏によるオルガンのための協奏曲 ヘ長調(アルビノーニの協奏曲Op.2-4による) より アレグロ
(4)ビーバー:ソナタ第1番ニ短調「受胎告知」
(5)ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」 より 序曲
(6)プッチーニ:歌劇「トスカ」より テ・デウム
(7)ハロルド・アーレン/テッド・ケーラー:When The Sun Comes Out
(8)ジュール・スタイン:Time after time
(9)ファブリツィオ・デ・アンドレ/イヴァノ・フォッサーティ:Ho visto Nina volare
(10)マイケル・ジャクソン/ビル・ボットレル:Black or White
(11)ルー・リード:Perfect Day
(12)コネ・セイドゥ:Jerusalem
(1)イ・ムジチ合奏団
(2)サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)
(3)ステファノ・コンコルディア(Org)
(4)マルコ・フォルナチャーリ(Vn)、fone アンサンブル
(5)サンタ・チェチーリア国立アカデミーO、チョン・ミョンフン(指)
(6)サンタ・チェチーリア国立アカデミーcho、チョン・ミョンフン(指)
(7)スコット・ハミルトン(Sax)、パオロ・ビッロ(P)、アルド・ズニーノ(ダブル・ベース)、アルフレッド・クラーマー(ドラムス)
(8)ジュリアン・オリヴァー・マッツァリエッロ(P)、エンツォ・ピエトロパオーリ(ダブル・ベース)
(9)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、フェルッチョ・スピネッティ(ダブル・ベース)
(10)ファウスト・メゾレッラ(G)
(11)ペトラ・マゴーニ(ヴォイス)、イラリア・ファンティン(アーチリュート)
(12)ライズ&ラディカント(ヴォイス&インストゥルメンツ)
2023年に創立40周年を迎えたイタリアの老舗高音質レーベル、foneがUHQCDでリリースしていたスペシャル・アルバムがSACD仕様でも登場!同レーベルが誇る豪華アーティストたちによるクラシック&ジャズの名録音集を最高峰の音質でお楽しみください。初回生産分完売後の再生産予定はございません。
※重要:当タイトルは完全数量限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。


Spectrum Sound
CDSMBA-162(1CD)
サンソン・フランソワ〜リサイタル・アット・ザ・サル・プレイエル(1968)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第3番嬰ヘ短調Op.23
リスト:「泉のほとりで」〜巡礼の年 第1年『スイス』より第4曲 S.160-4
リスト:「アリャビエフの夜鳴きうぐいす」 S.250-1
リスト:「タランテッラ」〜巡礼の年 第2年への追加『ヴェネツィアとナポリ』より第3曲 S.162-3
ラヴェル:「亡き王女のためのパヴァーヌ」
ラヴェル:『鏡』(全5曲)
ラヴェル:「スカルボ」〜『夜のガスパール』より第3曲(アンコール)
サンソン・フランソワ(P)

ライヴ録音:1968年11月18日/サル・プレイエル(パリ)【モノラル】
サンソン・フランソワ(1924〜1970)は今年(2024年)、生誕100周年を迎えました。これを記念してスペクトラム・サウンドから正規初出音源をリリース。 フランス国立視聴覚研究所(INA)所有音源から1968年11月18日、サル・プレイエルにおけるリサイタルが日の目を見ます。当復刻はフランソワの孫クロー ディ・フランソワの全面協力のもと実現しました。
フランソワは1970年10月22日に心臓発作で46歳という若さで歿した名ピアニスト。亡くなる2年ほど前の当演奏ですが、表現の幅が広がり美しく磨きあがっ た演奏は、40代半ばとは思えないほど円熟しております。
収録作品はスクリャービン、リスト、ラヴェルで、いずれもフランソワが得意とした作曲家ですが、独特の語り口で弾くフランソワはセッションよりもライヴでより 一層発揮され、その香り高き演奏は当リサイタルでも聴くことができます。アンコールで演奏された「スカルボ」も圧巻の出来栄え。歿後50年が経った今もなお色 あせることのないフランソワの芸術。記念すべき生誕100年にふさわしいリリースといえましょう。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

King International
KKC-120(1CD)
国内製作
税込定価
バッハ:フランス組曲(全6曲) フラン チェスコ・トリスターノ(P)

録音:2009-2010年ころ
ルクセンブルク生まれのピアニスト、フランチェスコ・トリスターノ。作品の芯をとらえた音色と抜群のリズム感覚で、時代やジャンルを問わず、自ら作曲もするな ど変幻自在の活動を展開しています。2024年6月下旬から7月にかけて来日し、ヴァイグレ指揮読響、角野隼斗との共演による、デスナー:2台のピアノのため の協奏曲(日本初演)のほか、バッハのほか自作をプログラムしたリサイタルなど、注目の公演が予定されています。
トリスターノ自身のレーベル「intothefuture」第2弾は、フランス組曲。冒頭から鮮烈な音色と、一音一音にみなぎる研ぎ澄まされた集中に圧倒されます。そ れでいてリラックスした表情もあり、この音楽が今この瞬間に生まれているかのようなフレッシュさです。子供の頃からバッハに対して尋常ならぬ思い入れがあるト リスターノの、機敏なリズム、清冽の極みの音色が冴え渡った入魂の1枚です。 ※トリスターノのレーベル「intothefuture」からライセンスを受けた、日本限定発売CDです。 (Ki)

SCALA MUSIC
SMU-008(1CD)
波に沿い
ラヴェル:水の戯れ
 夜のガスパール
デュティユー:波のまにまに(6つのラジオ用ピアノ曲)
 ピアノ・ソナタ
ヴァンサン・ミュサ(P)ヤマハCFX

録音:2022年11月9-12日/ラ・スカラ・プロヴァンス劇場(アヴィニヨン)
ヴァンサン・ミュサはトゥールーズ生まれのピアニスト。ドニ・パスカル門下。彼のデビュー・アルバムは共通点の多いふたりのフランスの作曲家、ラヴェルとデュ ティユーの作品を集めています。デジタル的精密な難技巧、ジャズを思わせるリズム、常に夢見心地で、フランス精神に満ちた世界をミュサが真似できない洗練で 再現しています。 (Ki)
SCALA MUSIC
SMU-014(1CD)
最も示唆するもの
グラナドス:ゴイェスカス〜愛と死.
クラム:マクロコスモスI〜第3部第11曲「夢の影像(双子宮)」
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」Op.39(全9曲)
オブーホフ:6つの心理学的な絵
ジョスカン・オタル(P)ヤマハCFX

録音:2023年4月24-29日/ラ・スカラ・プロヴァンス劇場(アヴィニヨン)
ジョスカン・オタルは1992年生まれ。ドニ・パスカル門下。ここに集められた作品のテーマは「絵画」。ゴヤを音楽化したグラナドス、荒涼とした風景が織りなすラフマニノフ、神秘的で心理的なオブーホフいずれも聴き応え満点。ことにオブーホフ作品は録音に恵まれないため大歓迎と申せましょう。 (Ki)
SCALA MUSIC
SMU-012(1CD)
月の光
ドビュッシー:月の光
ドコー:月の光〜第4曲「海」
ジョセフ・ジョンゲン:月の光Op.33の1
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」Op.27の2
ドビュッシー:月の光が降り注ぐテラス.
エネスコ:組曲第3番Op.18〜夜の鐘
ファビアン・トゥシャール:天使の闇
ピエール=イヴ・オディク(P)

録音:2022年10月31日-11月3日/ラ・スカラ・プロヴァンス劇場(アヴィニヨン)
ピエール=イヴ・オディクは1988年生まれ。ドニ・パスカルとジャン=フランソワ・エッセール門下。デビュー・アルバムは、彼らしい詩的で謎めいた内容となっ ています。
「夜」がテーマで、ベートーヴェンやドビュッシーの定番のほか、ジョンゲンやエネスコの珍しいものや、作曲家ファビアン・トゥシャールに委嘱した「黒い天使」ま で、独特の雰囲気を作り出しています。 (Ki)
SCALA MUSIC
SMU-013(1CD)
カーニバル
プーランク:ナゼールの夜会
 2つのノヴェレッテ
 ファリャの主題によるノヴェレッテ
シューマン:ノヴェレッテOp.21の4,6
 ウィーンの謝肉祭の道化Op.26
ヌール・アヤディ(P)

録音:2023年5月15-19日/ラ・スカラ・プロヴァンス劇場(アヴィニヨン)
ール・アヤディは1999年モロッコのカサブンカ出身の個性派ピアニスト。6歳からピアノを始め、17歳からパリ音楽院でクレール・デゼールに師事。同時に パリ政治学院で学ぶ才女。
アヤディの演奏はまずその激しさと「演奏する喜び」が目を引きます。カーニバルとパーティの狂乱がダンスに誘い、我を忘れるかのような興奮に導きます。 シューマンとプーランクという一見不思議な組合せながら、技巧の冴えにも注目させられます。 (Ki)

SOUPIR EDITIONS
S-255(2CD)
ショパン:ワルツ全集〜2種のピアノによる2 種の録音
(1)ワルツ 第1番「華麗なる大円舞曲」変ホ長調op.18/(2)ワルツ 第9番変イ長調op.69-1/ (3)ワルツ 第7 番 嬰ハ短調 op.64-2/(4)ワルツ 第12番 ヘ短調 op.70-2/ (5)ワルツ 第13番変ニ長調op.70-3/(6)ワルツ 第11番変ト長調op.70-1/ (7)ワルツ 第6番「子犬のワルツ」変ニ長調 op.64-1/(8)ワルツ 第3番イ短調 op.34-2 / (9)ワルツ 第4番ヘ長調 op.34-3/(10)ワルツ 第14番ホ短調(遺作)/ (11)ワルツ 第10 番 ロ短調 op.69-2/(12)ワルツ 第15番ホ長調 (遺作)/ (13)ワルツ 第8番変イ長調op.64-3/(14)ワルツ 第5番変イ長調 op.42/ (15)ワルツ 第18 番 変ホ長調(遺作)/(16)ワルツ 第19番 変ホ長調(遺作)/ (17)ワルツ 第16番変イ長調(遺作)/(18)ワルツ 第17番変イ長調(遺作)/ (19)ワルツ 第2番 変イ長調 op.34-1
イヴ・アンリ(P)

録音:CD1)2021年9月16日と30日、11月4日と18日 クロワシー・シュル・セーヌのシャトー・シャノリエ、(仕様楽器:プレイエル1837
CD2)2020年7月6〜7日ノアンのフレデリック・ショパン講堂(仕様楽器:ベヒシュタイン)
1959年フランス生まれ。10代でベルリン・フィルとも共演して数々の受賞歴にも輝き、1999 年よりパリ国立高等音楽院の 教授も務めるピアニスト、イヴ・アンリによる意欲的な最新アルバム。20 年以上にわたって歴史的ピアノと現代ピアノとでショパ ン作品に向き合ってきた彼が、ワルツ全集を 1837年製のプレイエル・ピアノ(CD1)と現代のベヒシュテイン・ピアノ(CD2)と でそれぞれ録音した2枚組。その演奏はダイナミクスやダンパーペダルの管理などによる相違点だけでなく、2 種のヴァージ ョンによる多くの共通点も表出。プレイエルの音色から当時を偲びつつ、現代ピアノに耳を傾けることでショパンがこの作品で 描きたかった世界がより明瞭になるはず。

MSR
MS-1473(1CD)
ベートーヴェン・オデッセイ第9集(完結編)
ピアノ・ソナタ 第28番イ長調 op.101
ピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」
ジェイムズ・ブローン(P)

録音:2023年8月17〜19日、12月17日 英国サフォーク州のパッテン・ホール
第23番「熱情」などを収録した2013年リリースの第1弾から“冒険”をスタートさせた、ジェー ムズ・ブローンによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の第9弾にして、第29番「ハンマーク ラヴィーア」を収めた完結編。1971年英国生まれのブローンは家族で移住したオーストラリア にて、12歳でモーツァルトのピアノ協奏曲第25番を弾いてデビュー。ロンドンの王立音楽アカ デミーで研鑽を積み、現在はヨーロッパを拠点にアメリカやカナダから中国まで各地でリサイ タル活動を展開しています。
MSR
MS-1851(1CD)
シャルル=ヴァランタン・アルカンのピアノ音楽集第1集
アルカン:ピアノ独奏による交響曲〜短調による12の練習曲より(第4〜7曲)
12の性格的な小品
イゴール・ド・アマラル(P)

録音:2023年6月27〜29日 オクターヴン・オーディオ(スタジオ),ニューヨーク州マウントバーノン
マカオ生まれのピアニストで研究者でもあるイゴール・ド・アマラルが紐解くフランス・ロマン 派の知られざる作曲家シャルル=ヴァランタン・アルカンのピアノ音楽集・第1弾。ショパンと 同時代人で、彼の死後にその弟子たちを数多く引き受けたと言われているアルカンは、リスト やジョルジュ・サンド、ヴィクトル・ユーゴーなどとも親交があった才人。自らも優れた技巧を持 つピアニストだっただけに、その華麗なる作風に魅了されるはず。
MSR
MS-1758(1CD)
ダンスと夢〜世界のピアノ音楽集
アルベニス:組曲「イベリア」第1巻〜第2曲「港」
ショパン:マズルカ 第37番変イ長調 Op.59-2/マズルカ 第38番嬰ヘ短調 Op.59-3
スメタナ:ポルカ イ短調 Op.12-1/ポルカ ホ短調 Op.13-1
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 SZ.56
グリーグ:ノルウェーの農民舞曲 OP.72より 第2曲「ヨン・ヴェスタフェのスプリングダンス」 /第13曲「ホーヴァル・ギボエンがオーテルホルト橋で見た夢」
ムソルグスキー(1829-1881):「ホバック」〜「ソロチンスキー・フェア」より
ジョシュア・ウゾイグウェ(1946-2005):ナイジェリア舞曲 第1番
クワベナ・ンケティア(1921-2019):ヴォルタ幻想曲
ヒナステラ:ミロンガ/バレエ「エスタンシア」Op.8 より「小舞曲」
ミヨー:「ブラジルの郷愁」Op.67より 第1曲「ソロカーバ」/第2曲「ボタフォーゴ」
レクオーナ(1896-1963):アフロ=キューバン舞曲集より 第6曲「ラ・コンパルサ」/第3曲「イ・ラ・ネグラ・バイラバ(そして黒人女は踊っていた)」
ウィリアム・オルブライト(1994-1998):夢遊病者のシャッフル〜「ドリーム・ラグ」より
孫以強(スン・イチアン)(1980-):春の踊り
ハンレン・チャン(P)

録音:2021年
中国とアメリカで研鑽を積み、欧米からアジアまでの幅広い地域でソロ、室内楽、協奏曲と多方 面で活躍中のピアニスト、ハンレン・チャンのソロ・デビュー(恐らく)・アルバム。国も時代も異なる 13人の作曲家のダンスに根ざした音楽を集めた快作。名だたる作曲家の人気作から、ジョシュア・ ウゾイグウェ(ナイジェリア)やクワベナ・ンケティア(ガーナ)、エルネスト・レクオーナ(キューバ)、ウ ィリアム・オルブライト(アメリカ)、孫以強(中国)などの知られざる 20世紀作曲家によるエキゾチッ クなナンバーまで、全てが聴きどころ。

Forgotten Records
fr-2248(1CDR)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 Jeanne Chailley-Bert(クラヴサン)

録音:1958年
※音源:Decca 173.808

Orchid Classics
ORC-100312(1CD)
NX-B06
ラモー&スクリャービン:ピアノ曲集
ラモー:新しいクラヴサン曲集より
 組曲 イ短調 RCT5
 組曲 ト長調 RCT6
スクリャービン:ソナタ第6番Op. 42
 ソナタ第7番「白ミサ」 Op.64
ユホ・ポホヨネン(P)

録音:2023年8月31日、9月1、25-26日
「非の打ちどころのないテクニック」(ワシントン・ポスト紙)と称賛されるフィンランドのピアニスト、ユホ・ポホヨネンの ORCHIDレーベルへのデビュー・アルバム。ここで彼が選んだのは、優雅さを備えたバロック時代のラモーの作品と、 実験的かつ神秘的な雰囲気を備えるスクリャービンの後期作品。対照的ともいえる2人の作品を違和感なく併 せ、1枚のアルバムに収めるさまは見事としか言いようがありません。ラモーでは一音一音の粒立ちを際立たせ、スク リャービンでは巧みにペダルを操り、響きをコントロール、この音色の違いも聴きどころです。

H.M.F
HMM-902716(1CD)
シューベルト:ハンガリー風ディヴェルティメント D818op.54
デシャトニコフ(b.1955):Trompe-l'?il(だまし絵)
シューベルト:幻想曲 ヘ短調 D940op.103
パヴェル・コレスニコフ&サムソン・ツォイ(P/YAMAHA CFX使用)

録音:2023年11月、マーラー・ホール(イタリア)
衝撃的な親密さ”(ガーディアン)と称される、学生時代から公私ともにパートナーであるピアノ・デュオ、コレスニコフとツォイがハルモニアムンディから登場。 ふたりはこれまでにもオールドバラ音楽祭をはじめ出演多数、2024年にはカーネギーホール、ロッテルダムのデ・ドーレン、そしてベルリンのコンツェルトハウス でデビュー。コレスニコフはBBCプロムスにもたびたび登場、オーケストラと協奏曲の演奏も多数、2020/21のシーズン、ウィグモア・ホールのアーティスト・イン・ レジデンスを努めました。ツォイはLPOとベートーヴェンの協奏曲を演奏するなど、やはりソリストとしても活躍しています。
デシャトニコフ(1955-)はクレーメルが積極的に作品を紹介し、おなじみとなった作曲家。周辺の民謡や伝承音楽に興味を持ち、その可能性を現代音楽の世界 に生かしてバルトークの技法をさらに推し進めた作風を確立しようとしています。この「Trompe-l'?il(だまし絵)」は、シューベルトの幻想曲へのエコーとして作 曲されており、クールさと感情的な衝動が対位法のように複雑にからみあった作品です。シューベルト2作品の完成度は比類ないものがあります。今後の活躍にも 注目したいふたりです。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72994(1CD)
ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ集
(1)ソナタ ホ長調 K.531
(2)ソナタ ホ短調 K.98
(3)ソナタ ト長調 K.427
(4)ソナタ ト短調 K.8「サラバンド」
(5)ソナタ ト短調 K.35
(6)ソナタ イ長調 K.39
(7)ソナタ イ長調 K.208/K.533
(8)ソナタ ニ短調 K.1
(9)ソナタ ニ短調 K.34
(10)ソナタ ニ短調 K.9
(11)ソナタ ニ長調 K.435
(12)ソナタ ホ長調 K.380
(13)ソナタ ニ短調 K.141
(14)ソナタ ロ短調 K.87
(15)ソナタ 嬰ヘ短調 K.142
(16)ソナタ ハ短調 K.22
(17)ソナタ ニ長調 K.33
(18)ソナタ ホ長調 K.162
※編曲:フィリップ・テュリオ
フィリップ・テュリオ(アコーディオン)

録音:2023年9月18〜21日/ロザリオ・チャペル、ビエヴェーヌ(ベルギー)
バッハのゴルトベルク変奏曲、クープラン&ラヴェルの作品集の録音が高く評価されているベルギー出身のアコーディオン奏者フィリップ・テュリオが、自身 のアレンジでスカルラッティのソナタを録音しました!スカルラッティは500を超える膨大なソナタを書きましたが、そのひとつひとつが異なった輝きを持ち、スペ インの民族色豊かな旋律が魅力の作品群です。
もともとチェンバロのために書かれたこれらの作品。チェンバロは撥弦楽器、アコーディオンは気鳴楽器と、同じ鍵盤楽器ながら全く異なる構造ですが、アコー ディオンの持続音を活かしたテュリオの演奏は、スカルラッティの作品に新たな息吹を与えています。 (Ki)

Altus
ALBT-544(3SACD)
シングルレイヤー
完全限定生産
リヒター1969年来日ライヴ集成/SACD3タイトルセット(全3枚)

【ALTSA-096】 153:43
バッハ:鍵盤作品集
[1]ゴルトベルク変奏曲 BWV988(ライヴ
[2]オルガン作品集
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565/ トリオ・ソナタ第6番 ト長調 BWV530/ 幻想曲とフーガ ト短調 BWV542 / 前奏曲
(トッカータ)とフーガ ヘ長調 BWV540/ パッサカリア ハ短調 BWV582/ [以下アンコール]諸々の技法による6つの
コラール(シュープラー・コラール集)より 第6曲「イエスよ、汝いまぞ天より下りたまい」BWV650 / パストラーレ ヘ長
調 BWV590より 第3楽章 アダージョ / 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV532より フーガ

【ALTSA-417】
バッハ:マタイ受難曲 BWV244

【ALTSA-420】
バッハ:ミサ曲 ロ短調 BWV232(
カール・リヒター(【ALTSA-096】[1]チェンバロ [2]オルガン/【ALTSA-417】【ALTSA-420】指揮)

【ALTSA-096】 153:43
[1](ライヴ録音:1969年4月27日/東京、日生劇場
[2]ライヴ録音:1969年5月11日/東京、武蔵野音楽大学ベートーヴェン・ホール

【ALTSA-417】198:37
 ウルズラ・ブッケル(S)
 マルガ・へフゲン(A)
 エルンスト・ヘフリガー(T)
 キート・エンゲン(Bs)
 ペーター・ファン・デア・ビルト(Bs)
 ミュンヘン・バッハO&cho
ライヴ録音:1969年5月5日/東京文化会館

【ALTSA-420】124:02
 ウルズラ・ブッケル(S)
 マルガ・へフゲン(A)
 エルンスト・ヘフリガー(T)
 エルンスト=ゲロルト・シュラム(Bs)
 ミュンヘン・バッハcho
ライヴ録音:1969年5月9日/東京文化会館

全てステレオ
日本語帯・解説付
ALTUSから発売されている1969年リヒター来日公演のSACDシングルレイヤー盤3タイトルを、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収め た数量限定セットです。各ディスクはシングルレイヤーの特性を生かし1枚に長時間収録!強烈なまでに峻厳な畢生の名演をたっぷりと味わえます。 【ALTSA-096】 まばゆいほどの光輝を放射しながら時に重戦車のごとく強靭に弾き込まれるモダン・チェンバロでの『ゴルトベルク』、感興ゆたかで豪放にして立体的な積み上げ も素晴らしい音の大伽藍たる『トッカータとフーガ』『幻想曲とフーガ』『パッサカリア』など、バッハの伝道師リヒターの霊感ほとばしる一期一会空前絶後の大演 奏に打ちのめされること間違いなし! 【ALTSA-417】 リヒターと言えば58年スタジオ録音の『マタイ』が超名盤として君臨していますが、ライヴのリヒターもぜひ聴いて頂きたいです。重厚巨大な響きによる圧倒的存 在感、そして生演奏ならではの熱気に唸らされます。厳しく力強い音の運びでありながら、時としてロマンティックなうねりも厭わない、今や懐かしさすらある強烈 なバッハ演奏。迫真の音楽が心を抉る大名演です。冒頭合唱での深く重いバスの保続音と壮大無比な世界観から既にバッハの化身と化したリヒターの独壇場。「バ ラバを!」の減七和音は恐るべき凄まじさ。「本当に、この人は神の子であった」のくだりも鳥肌が止まらない、時代を超越した美しさの極致です。 【ALTSA-420】 バッハの最高傑作とも呼ばれる『ミサ曲 ロ短調』。誰もが知るリヒターの名盤と言えば61年のスタジオ録音盤ですが、このライヴも聴き逃してはなりません。峻厳 な威容からくる圧倒的存在感、そして生演奏ならではの熱気に唸らされます。厳しく力強い音の運びでありながら、時としてロマンティックなうねりも厭わない、今 や懐かしさすらある強烈なバッハ演奏。迫真の音楽が心を抉る大名演です。切れ味鋭い「キリエ」、観念的な恐怖が襲ってくる「クルチフィクスス」、突き抜ける輝 かしいラッパ、ゆったりと感動的な終曲フーガなどどこをとってもリヒターの熱い共感がぎっしりと詰まっています。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00843(1SACD)
税込定価
2024年6月19日発売
歌う旅路
ヴィターリ:シャコンヌト短調
カッチーニ:アヴェ・マリア
パガニーニ:カンタービレニ長調作品17
サラサーテ:カルメン幻想曲作品25
アルベニス:タンゴ作品165-2[ゴドフスキー編]※ピアノソロ
ラヴェル:ツィガーヌ
フォーレ:夢のあとに作品7-1
ショパン:ノクターンハ短調作品48-1※ピアノソロ
ヴィエニャフスキ:グノーの「ファウスト」による華麗なる幻想曲作品20
周防亮介(Vn)、酒井有彩(P)

録音:2024年3月6-8日碧南市芸術文化ホール
近年目覚ましい活躍で注目を集める二人の音楽家の初共演と なるデュオ・アルバム。 イタリアからスペイン、フランス、ポーランドへと続く音楽 の旅路は、周防の凛とした艶やかな音色と、酒井の抜群のセ ンスとテクニックで、幻想的で歌心に満ちた世界へと誘いま す。 圧倒的表現力で奏でられる名曲の数々、それぞれの色彩やド ラマをお楽しみください。(オクタヴィア)

BIJIN CLASSICAL
BJN-1027(1CD)
ショパン:24の前奏曲集 作品28
プレリュード 嬰ハ短調 作品45
プレリュード 変イ長調 (遺作)
ロンド 変ホ長調 作品16
イリーナ・メジューエワ(P)
※1925年製NYスタインウェイ CD135

録音:2023年3月 &12月、新川文化ホール(富山県魚津市)
ジューエワによる新ショパン・シリーズの第 3弾は、プレリュード(全26曲)とロ ンド(作品 16)という組み合わせ。傑作として名高い「24 のプレリュード集」は過去に 三回録音していますが、今回のバージョンは決定版とも呼べるほどの解釈の深まりを 示していて聴き応え充分。同じく三度目の録音となる「ロンド」は、かのゲンリヒ・ネイガ ウスやホロヴィッツも手掛けた佳品。ショパン初期作品ならではの華やかさと軽やかさ の際立つ演奏が印象的です。ショパンの「詩情」を名器ヴィンテージ・スタインウェイ (1925年ニューヨーク製)の素晴らしい音色でお楽しみください。

Coviello
COV-92404(1CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 第2集
ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調 K.333
ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457
ピアノ・ソナタ第6番ニ長調 K.284
エイミー・リン(P)

録音:2020年
エイミー・リンは台湾出身のピアニスト。5歳からピアノを始め10代で家族とアメリカに移住、ピーボディ音楽院に入学でレオン・フライシャーに10年間師事し、 その後ミュンヘン音楽大学でゲルハルト・オピッツに師事しました。ウィーンの伝統的なレパートリーを軸に演奏活動を展開、またストラスブール音楽院で後進の育 成にも力を注いでいます。
第2集はデモーニッシュなハ短調の第14番を流麗な第13番と溌溂とした第6番で挟んだ構成。第1集はCOV-92109です。 (Ki)
Coviello
COV-92405(2CD)
バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ BWV1001-1006
[CD1]
ソナタ第1番ト短調 BWV1001
パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
ソナタ第2番イ短調 BWV1003
[CD2]
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
クリストフ・ティンペ(Vn)

録音:2019-2020年
クリストフ・ティンペはフライブルク生まれでラインハルト・ゲーベルに師事したヴァイオリニスト。アカデミア・モンティス・レガリス、モード・アンティコのコンサー トマスターを務めた後、コンチェルト・ケルン、イル・フォンダメント、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル、カペラ・コロニエンシスなどと共演。1995年にローマで「ア カデミア・ペル・ムジカ」を創設し、知られざるイタリアのヴァイオリン音楽のレパートリーを探求しました。このアンサンブルは2013年に活動を終了しており、以 降の活動があまり知られていませんでしたが、なんとバッハの無伴奏全曲録音が登場。ゲーベル譲りの語り口にご注目ください。 (Ki)

FUGA LIBERA
FUG-829(1CD)
NX-C04
レクオーナ:ピアノ作品集
アラゴン
夜の前奏曲 〜性格的小品
マラゲーニャ 〜スペイン組曲『アンダルシア』
ロココ 〜3つのワルツ
青のワルツ 〜3つのワルツ
エル・エスコリアル宮殿の前で
ルクミ族の踊り 〜アフロ=キューバ舞曲集
私はいつもあなたを愛している
19世紀のキューバ舞曲集
ラ・コンパルサ
影のワルツ
ジプシーの歌 〜スペイン組曲『アンダルシア』
月の歌 〜子どもの日記
メリーゴーランドが回る
グリッサンドのマズルカ 〜性格的小品
3つの小品
サン・フランシスコ・エル・グランデ
ピエール・ソロ(P/Steinway D)

録音:2023年7月28日-8月1日サル・フィラルモニーク、リエージュ、ベルギー
キューバの作曲家エルネスト・レクオーナのピアノ曲集。ポピュラーの作曲家として名を馳せたレクオーナですが、近年になってそのピアノ作品に 注目が集まり、広く人気を得ています。キューバの陽気で情熱的な気質に根差した親しみやすいメロディと、聴けば踊らずはいられないような リズム。ベルギーのピアニスト、ピエール・ソロが持ち前のテクニックと豊かな感性で、その魅力を十二分に伝えます。

DIVINE ART
DDX-21243(2CD)
NX-C09
マット・ディブル(1980-2021):24の前奏曲とフーガ フレディ・ケンプ(P)

録音:2022年夏
6年の歳月を経て「24の前奏曲とフーガ」を完成させた直後に突然この世を去った作曲家マット・ディブル。クラシック、ジャズ、ポップスの要素が溶け合う彼の 作品は多くの人々に愛されていました。この作品はバッハやショスタコーヴィチの伝統を継承するものですが、ディブルはここにジャズのコードを採り入れる ことで新風を吹き込んでいます。各々のタイトルの最後に加えられた「3」の意味は不明ですが、旋律の多くは3度の音程が用いられており、またほとんどの フーガの最後の音程は次の前奏曲の最初の部分と一致するなどの規則性も認められます。 はからずもディブルの追悼盤となったこのアルバムの録音に取り組んだピアニスト、フレディ・ケンプはディブルと直接の面識はなかったものの、彼の作品の愛好 者の一人であり「マットが最も注意を払っていた価値観の一部が、私の価値観と一致しているように感じます」と語るケンプならではの見事な解釈で全曲を 聴かせます。

Grand Piano
GP-925(1CD)
NX-B06
カルロ・アルバネージ(1858-1926):ピアノ作品集 第2集
6つの無言歌(1889年出版)
ピアノ・ソナタ第6番ハ長調(1913年出版)
ピアノ組曲「古風な踊りのリズム」 Op. 60(1896年出版)
6つのアルバムの綴り Op.13(1876年出版)
ユリア・セヴェルス(P…Steinway Model D)

録音:2023年8月17-18日
※全て世界初録音
ナポリに生まれたカルロ・アルバネージ。作曲家の父ルイジから初期の音楽教育を受け、イタリアで最初のコンサートを成功させた後、20歳でパリにわたり作 曲家として活動を始めました。1882年にはトスティの推薦をうけロンドンに移住。コンサートを開きながら、作曲に従事。1893年に王立音楽院のピアノ科 教授に就任し、亡くなるまでの33年間同校で教鞭を執りました。自作を人前で演奏することがほとんどなかったとされるアルバネージですが、才能あふれるピ アニストであったことは巧みに書かれたその作品から窺うことができます。 彼が遺した作品の大部分はピアノ曲であり、中でも6曲(現存するのは5曲のみ)のソナタは彼の創作活動の神髄とも言えるものです。このアルバムにはメン デルスゾーンを思わせる抒情的な旋律を持つ「6つの無言歌」、アルバネージの最後のソナタで、彼自身が初演し、友人ミケーレ・エスポジストに捧げられた 「第6番」、グリーグの影響を感じさせる「古風な踊りのリズム」、性格的な小品で構成された「6つのアルバムの綴り」を収録。第1集に続き、ビゼーやラフマニ ノフを得意とするユリア・セヴェルスが奏でています。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0095(1CD)
バッハ:ピアノ・ソナタ集 BWV963-970
ソナタ イ短調 BWV967
ソナタ イ短調 BWV965(ラインケンの『音楽の園』第1番からの編)
ソナタ ニ長調 BWV963
ソナタ ニ短調 BWV964(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 BWV1003からの編)
アダージョ ト長調 BWV968(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 BWV1005からの編)
アダージョ ト短調 BWV969
プレスト ニ短調 BWV970
ソナタ ハ長調 BWV966(ラインケンの『音楽の園』第3番からの編)
フランチェスコ・トロペア(P)

録音:2023年9月28-30日、10月1日/イタリア、アレッツォ
1994年イタリア生まれのピアニスト、フランチェスコ・トロペアによるバッハの鍵盤楽器のためのソナタ集。なかには偽作も含まれるとされるこれらの楽曲をモ ダン・ピアノ演奏で網羅しているだけでも大変珍しいアルバムですが、演奏面でも「ピアノによるバッハ」の新時代を思わせる、まばゆいほとばしりを感じさせます。
若きバッハの残したこれらのソナタはどれも実験精神にあふれ、単純な構造ながら時にいびつで、本能的な勢いがあり、独自の世界を貫く強さを持っている音 楽。ラインケンの『音楽の園』(2つのヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ集)からの編曲でも積極的に音を加え鍵盤作品としての完成 度を高めることに力を入れており、先人から学びつつも自身の新たな世界を打ち立てんとする気概に満ちています。アルバム全体を通してイタリア風の華麗かつ即 興的な要素が盛り込まれており、後年の『イタリア協奏曲』BWV971へと続く流れが見えてくるのも興味深いポイント。無伴奏ヴァイオリン・ソナタからの編曲や カッコウの鳴き声を用いたフーガをもつBWV963は作品としての聴き応えもばっちり。
トロペアは音楽院で即興演奏も本格的に学んだピアニスト。バッハの譜面から即興的・装飾的パッセージを自然と引き出し、瑞々しく奏でています。またバッハの 愛したクラヴィコードを意識したという、繊細なタッチとペダリングによる音楽 (Ki)
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0096(1CD)
アルメニアン・ミニアチュール
コミタス(1869-1935):7つの民族舞踊
ハチャトゥリアン:子どものアルバム 第1集
コミタス:子どものための小品集
アルノ・ババジャニアン(1921-1983):6つの絵
コミタス:7つの歌
ツォヴィナール・スフリャン(P)

録音:2023年8月/スイス、ベルムント
アルメニア出身でスイスに住み活動しているピアニスト、ツォヴィナール・スフリャンによる祖国の作曲家のピアノ作品集。ヨーロッパで取りあげられる機会が少 ない、しかしクラシック音楽史における重要な作曲家であるコミタス、ハチャトゥリアン、ババジャニアンの3人に焦点をあてています。
コミタスは司祭、民族音楽学者、作曲家等の顔を持ち、アルメニア民族音楽の保護と研究に多大な貢献をした人物。
ハチャトゥリアンはショスタコーヴィチ、プロコフィエフと並ぶソビエト連邦の三大作曲家の一人とみなされています。西洋と東洋の音楽的伝統を融合させ、さら にアルメニアの音楽と混ぜあわせた作風が魅力。
ババジャニアンはヴィルトゥオーゾ・ピアニストとしても知られる人物。アルメニアの民族音楽やハチャトゥリアン、ラフマニノフといった作曲家からインスピレー ションを得て、表現力ゆたかなピアノ曲を残しました。 (Ki)

DOREMI
DHR-823(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第7集
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
(2)シューマン:交響的練習曲 Op.13
(3)ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番へ短調 Op.5
(4)バッハ:パルティータ第1番変ロ長調 BWV825
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15(18)番 へ長調 K.533/494
ラドゥ・ルプー(P)

(1)ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)、BPO
 録音:1978年3月20日ザルツブルク
(2)録音:1991年7月1日ロンドン
(3)録音:1970年アムステルダム
(4)録音:1989年2月26日ニューヨーク
ルプーの貴重なライヴ音源集、第7弾です。カラヤンBPOとのベートーヴェン3番という驚きの音源はルプーがはじめてザルツブルク音楽祭に参加した時のもの。 その他リサイタルもドイツものでまとまり聴き応え充分。 (Ki)
DOREMI
DHR-8235(2CD)
クラウディオ・アラウ LIVE 第2集

(1)リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.21

(2)ショパン:幻想曲 へ短調 Op.49
 夜想曲 変ロ長調 Op.62-1
 スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
 バラード第2番ロ短調 S.171
ショパン:バラード第4番へ短調 Op.52
 スケルツォ第4番ホ長調 Op.54
クラウディオ・アラウ(P)

(1)ミルティアデス・カリディス(指)、デンマークRSO
 録音:1967年9月コペンハーゲン
(2)録音:1972年9月6日ヘルシンキ
アラウの貴重ライヴ音源集。リストとショパンを並べた公演で、かたや協奏曲、かたや独奏曲というおもしろい内容。重みのある独特のピアニズムで音楽のうまみ をじっくりと引き出します。 (Ki)

Hortus
HORTUS-234(2CD)
メシアン:『聖体秘蹟の書』 (全18曲) ロイク・マリエ(Org/カヴァイエ=コル1869年製作の大オルガン)

録音:2023年/サント・トリニテ教会、パリ(フランス)
キリストへの信仰をあらわしたメシアン晩年のオルガン作品『聖体秘蹟の書』。聖餐を題材とし18曲が連なるように演奏されていきます。この作品を愛弟子ロイ ク・マリエ(1947-)が録音しました!
演奏楽器にも注目!名オルガンビルダー、アリスティド・カヴァイエ=コル(1811-1899)が1869年に製作したサント・トリニテ教会の大オルガンを演奏。メ シアンはこの楽器を「息子のような存在」と表現するほど最も近い存在の楽器で、1931年から最晩年1992年までこの楽器を愛奏してきました。メシアンから 受け継いだマリエの演奏、ご堪能ください。 (Ki)

Signum
SIGCD-910(1CD)
忘れられた舞曲集
バッハ:イギリス組曲 第2番イ短調 BWV807
バルトーク:舞踊組曲 Sz.77BB86b(バルトーク編)):ピアノ独奏版)
ファリャ:バレエ音楽 「三角帽子」 より モリネーロの踊り(ファリャ編)):ピアノ独奏版)
アルベニス:組曲 「スペイン」 Op.165より タンゴ(ゴドフスキ編)
ファリャ:火祭りの踊り(ファリャ編/ピアノ独奏版)
リスト:忘れられたワルツ第1番 S.215/1
ラヴェル:ラ・ヴァルス(ラヴェル/アレッシオ・バックス編)
バッハ:ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006より ガヴォット(ラフマニノフ編)
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番(ジョルジュ・シフラ編)
アレッシオ・バックス(P)

録音:2022年8月9日ー11日、サフロン・ホール(イギリス)
1997年の第3回浜松国際ピアノ・コンクール、2000年のリーズ国際ピアノ・コンクールを制覇し、世界を舞台に活躍を続けるイタリアの貴公子アレッシオ・バックス。ベルリン・フィルの第1コンサートマスターとして活躍する樫本大進との共演でも大きな注目を浴び、2023年にはエマニュエル・パユの来日ツアーでも共演し好評を博しています。
Signum Classicsからの9枚目となるソロ・アルバムでは、バッハ、ファリャ、リストといった作曲家をフィーチャーし3世紀にわたる舞曲作品を取り上げています。バックスの卓越した叙情性と洞察力、そして完璧なテクニックでこれら作品の魅力に迫ります。また、バックス自身による編曲作品も注目すべきポイントです。
Signum
SIGCD-906(1CD)
ベートーヴェン:最後のソナタ集
ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
メルヴィン・タン(P)

録音:2022年12月20日-22日、メニューイン・ホール(ユーディ・メニューイン・スクール、イギリス)
ノリントン&LMPとのベートーヴェンに代表される斬新な演奏を世に送り出し、フォルテピアノ、ピリオド奏法の第1人者としての地位を確立させたシンガポール出身の名匠、メルヴィン・タン。Signum Classicsには、クリストファー・ウォーレン=グリーン&イギリス室内Oとのベートーヴェンやモーツァルトの協奏曲録音がありましたが、ついにソロ・レコーディングも登場。
「後期三大ピアノ・ソナタ」としても特別視されるベートーヴェンの最後の3つのソナタ(第30番、第31番、第32番)で、メルヴィン・タンの芸術的特質の融合に欠かせない探求、洞察、想像力を存分に発揮させています。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタに取り組み、近づくことは「エベレストに登るような気分になることがある」と語るメルヴィン・タンが、「音楽の歴史の流れを変えたことを誰もが認める」最後の3つのソナタで披露する円熟のピアニズム。フォルテピアノの先駆的な演奏で国際的な名声を確立し、ピアノの初期および現代の形式に合わせて考案された音楽にも新たな光を当て続けているメルヴィン・タンの雄姿にご期待ください。

APR
APRCD-6044(2CD)
オルガ・サマロフ&フランク・ラ・フォルジュ 〜ソロ録音全集

■CD1
◎オルガ・サマロフ〜Victorアコースティック録音 1921-1924
(1)ベートーヴェン(ルビンシテイン編):トルコ行進曲
(2)ショパン:夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2
(3)ショパン:バラード第3番変イ長調 Op.47
(4)ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58 より 第4楽章
(5)メンデルスゾーン:春の歌 Op.62-6
(6)シューマン:飛翔 Op.12-2
(7)シューマン:ロマンス 嬰ヘ長調 Op.28-2
(8)ブラームス:間奏曲変ホ長調 Op.117-1
(9)パガニーニ(リスト編):ラ・カンパネラ S141-3
(10)リスト:愛の夢第3番S541-3
(11)リスト:ハンガリー狂詩曲第12番
(12)ワーグナー(ハッチソン編):ワルキューレの騎行
(13)グリーグ:ノクターン Op.54-4
(14)モシュコフスキ:火花 Op.36-6
(15)ドビュッシー:月の光
(16)パウル・ユオン:Najaden im Quell

■CD2
◎オルガ・サマロフ〜Victor電気録音:1930
(1)バッハ(サマロフ編):フーガ ト短調 BWV578
ドビュッシー:沈める寺
(2)チャールズ・グリフス:白い孔雀
(3)レクオーナ:マラゲーニャ(スペイン組曲「アンダルシア」 より)

◎フランク・ラ・フォルジュ〜Victorアコースティック録音 1907-1913& 電気録音:1925
(4)マクダウェル:演奏会用練習曲 Op.36
(5)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」〜第2楽章*
(6)ショパン:夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
(7)ショパン:子守歌変ニ長調 Op.57
(8)グリーグ:蝶々 Op.43-1
(9)グリーグ:ピアノ協奏曲〜第2楽章*
(10)リスト:愛の夢第3番S541-3
(11)リスト:ハンガリー幻想曲 S123(ヴィヴァーチェのみ)*†
(12)ゴットシャルク:風刺(カプリース) Op.59
(13)シャミナード:へつらう女 Op.50
(14)シャミナード:森の精 Op.60
(15)シャミナード:スカーフの踊りOp.37-3
(16)シャミナード:クレオールの踊り Op.94
(17)カリサ・ラヴァレー:蝶々(演奏会用練習曲)
 フランク・ラ・フォルジュ:ガヴォット
(18)フランク・ラ・フォルジュ:ウィーンの思い出
(19)フランク・ラ・フォルジュ:ロマンス/演奏会用ワルツ
オルガ・サマロフ(P)、
フランク・ラ・フォルジュ(P)、
ビクター・オーケストラ*、
ウォルター・ロジャーズ(指)†

録音:1907年-1930年


■CD1
(1)録音:1921年4月21日
(2)録音:1923年1月25日
(3)録音:1923年10月9日&1924年3月10日
(4)録音:1923年4月28日
(5)録音:1922年5月4日
(6)録音:1923年10月8日
(7)録音:1924年3月10日
(8)録音:1923年1月26日
(9)録音:1922年6月3日
(10)録音:1921年5月4日
(11)録音:1923年10月9日&1924年3月10日
(12)録音:1922年6月3日
(13)録音:1922年5月31日
(14)録音:1921年5月4日
(15)録音:1924年5月5日
(16)録音:1923年1月26日

■CD2
(1)録音:1930年6月19日
(2)録音:1930年10月24日
(3)録音:1930年6月19日
(4)録音:1907年11月19日(フィラデルフィア)
(5)録音:1912年10月2日(カムデン)
(6)録音:1911年5月24日(カムデン)
(7)録音:1913年9月24日(ニューヨーク)
(8)録音:1911年5月23日(カムデン)
(9)録音:1911年6月2日(カムデン)
(10)録音:1911年5月24日(カムデン)
(11)録音:1912年10月2日(カムデン)
(12)録音:1912年10月1日(カムデン)
(13)録音:1911年5月23日(カムデン)
(14)録音:1913年9月29日(ニューヨーク)
(15)録音:1912年9月27日(カムデン)
(16)録音:1912年10月1日(カムデン)
(17)録音:1908年1月6日
(18)録音:1911年5月23日(カムデン)
(19)録音:1925年5月2日
オルガ・サマロフ(1880-1948)とフランク・ラ・フォルジュ(フランク・ラ・フォージ、1879-1953)は共にアメリカに生まれヨーロッパへ渡ったピアニスト。オルガ・サマロフはハンス・フォン・ビューローに続いて史上2番目にベートーヴェンのソナタ全32曲を公の場で演奏したピアニストであり、アメリカへ帰国後はかのウィリアム・カペルやアレクシス・ワイセンベルクを教えました。そのサマロフより1歳上であるフランク・ラ・フォルジュはウィーンで伝説的なピアノ教師、テオドル・レシェティツキに学んだピアニスト。ソリストおよび伴奏者として大いに成功を収め、歌曲の作曲や民謡の編曲でも足跡を遺しました。この2枚組ディスクにはサマロフが遺したすべての録音とラ・フォルジュのソリストとしてのすべての録音が復刻されて収められており、およそ1世紀前に遺された貴重な録音をこれまで以上に優れた音質で楽しむことができます。

SOMM
SOMMCD-0687(1CD)
NX-B07
ピアノ・デュオによるベートーヴェン:交響曲全集 第5集
ベートーヴェン(クサヴァー・シャルヴェンカによる4手ピアノ編):交響曲第4番 変ロ長調 Op.60…世界初録音
 交響曲第8番ヘ長調 Op.93…世界初録音
モーツァルト(フェルッチョ・ブゾーニによる2台ピアノ編):歌劇「魔笛」 序曲
テッサ・アイス(P)
ベン・スクーマン(P)

録音:2023年12月21-22日
フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカの編曲によるベートーヴェンの交響曲全集第5集。当盤には画期的な大作第3番と意欲的な第5番の間に書かれ、均整 のとれた構成を特徴とする第4番、小規模ながらも和声やリズムに独創性が認められる第8番を中心に収録。ベートーヴェン作品の中でも比較的軽やかか つ重要な2曲をテッサ・アイスとベン・スクーマンが息のあったデュオで聴かせます。編曲をしたシャルヴェンカはポーランド系ドイツの作曲家。彼の兄ルートヴィヒ・ フィリップ・シャルヴェンカも作曲家として知られています。兄弟はベルリンでツェルニーの弟子であったテオドール・クラクにピアノを師事しており、この編曲にも ベートーヴェン直系の弟子(ツェルニーはベートーヴェンに直接師事していた)ならではの作品に対する敬愛が感じられる見事な仕上がりを見せています。最 後に置かれたのはブゾーニの編曲によるモーツァルトの「魔笛」序曲。シャルヴェンカよりも後に生まれたブゾーニですが、同じ年の1924年に亡くなったため2人 とも2024年が没後100年にあたります。 演奏しているのは南アフリカのケープタウン出身のピアニスト、テッサ・アイスと、同じく南アフリカ出身のペン・スクーマンによるピアノ・デュオ。2010年からロンドン を中心に各地で活躍しています。2015年からシャルヴェンカ編曲による交響曲全9曲の演奏を始め、2020年にはベートーヴェン生誕250周年記念として 全曲の録音を開始、残りは第九を残すのみとなりました。

BIS
BIS-2397(1CD)
C.P.E.バッハ(1714-88):鍵盤独奏曲全集 Vol.41『鍵盤用編曲集第2集』
(1)シンフォニア ハ長調 Wq.174(H.649)
(2)アレグロ・マ・ノン・トロッポ 変ホ長調 Wq.116/52(H.326)
(3)ポロネーズ 変ホ長調 Wq.116/44(H.318)
(4)行進曲 ヘ長調 Wq.116/45(H.319)
(5)メヌエット ト長調 Wq.116/48(H.322)
(6)協奏曲 ニ長調 Wq.43/2(H.472)
(7)アレグロ ホ長調 Wq.116/37(H.311)
(8)メヌエット ヘ長調 Wq.116.32(H.306)
(9)協奏曲 変ホ長調 Wq.43/3(H.473)
(10)メヌエット ト長調 Wq.116/30(H.304)
(11)シンフォニア 変ホ長調 Wq.179(H.654)
ミクローシュ・シュパーニ(タンジェントピアノ)

録音:2022年8月10〜14日/十字架挙栄祭カトリック教会、キルルヴァイラー(ドイツ)
ミクローシュ・シュパーニによるC.P.E.バッハの鍵盤独奏曲全集の第41集。前作第40集に続き、C.P.E.バッハが別の楽器のために書いた作品を鍵盤用に編 曲したものを集めました。18世紀後半には、上流階級の人々が鍵盤楽器を演奏することが増え、それにより編曲作品も多く残しました。ここではシンフォニアのチェ ンバロ版も収録。シュパーニはオリジナルの資料をもとに、最も適した楽器を選択して演奏。当録音ではタンジェントピアノで演奏しております。C.P.E.バッハの膨 大な作品に対して時間をかけ、着実に録音活動をしてきたシュパーニにでしか表現することのできない明晰な解釈で演奏されております。 (Ki)

Virtus Classics
VTS-25(1CD)
国内盤
バッハ:インヴェンションとシンフォニア 菊地裕介(P)
Steinway D, No.529200

録音:2023年9月13〜15日浜松市天竜壬生ホール
バッハの「インヴェンションとシンフォニア」。ピアノ学習者にとって必須ともいえるこの曲集ですが、「インベンション=英語で発明、創造」の言葉のとおり、弾き手にとっても、聴き手にとっても常に新しい発見のある曲集です。菊地裕介の演奏は、一つ一つの音が持つ意味とその存在を克明に捉えながら曲の構造を露わにしていき、ある種のドラマティックなバッハの偉大さも実感させるという素晴らしい仕上がりを見せています。
Virtus Classics
VTS-26(1CD)
国内盤
ヨハン・ブルクミュラー(1806-1874):やさしく段階的な25の練習曲集 作品100
性格的な18の練習曲集 作品109
菊地裕介(P)
Steinway D, No.529200

録音:2023年9月13〜15日浜松市天竜壬生ホール
いうまでもなく多くのピアノ学習経験者は、作品100の楽しくも愛らしい曲集に胸をときめかせた幼少時代を思い出す人も多いことでしょう。このアルバムでは同時に「18の性格的な練習曲集」も収められており、菊地裕介は1曲1曲の魅力を丹念に引き出すことで、ブルクミュラー作品の核心に迫っていきます。またライナーノートでは、少年時代、ブルクミュラーを学んでこなかった演奏者自身が現在、指導者となった立場から、これらの作品に対する思いと解説を丁寧に述べており、こちらも必読です。

フォンテック
FOCD-20138(1CD)
税込定価
2024年5月15日発売
上野優子 リサイタル with KAWAI
ラヴェル:鏡
プロコフィエフ:バレエ「シンデレラ」から10の小品 Op.97
 ピアノ・ソナタ 第6番イ長調「戦争ソナタ」Op.82
 ピアノ・ソナタ 第7番変ロ長調「戦争ソナタ」Op.83 より 第3楽章
上野優子(P)

録音:2023年4月19日 すみだトリフォニーホール 小ホール (ライヴ)
ピアニスト上野優子が2017年より開始したコンサート「プロコフィエフ・ソナタ全曲シリーズ〜プロコ フィエフにはどのピアノがお似合い?〜(全6回)」ライヴ録音の第3集。 サブタイトルにある通り、この演奏会は6種類の楽器(スタインウェイ、ファツィオリ、ヤマハ、ベヒシュ タイン、ベーゼンドルファー)を駆使して、プロコフィエフのソナタ全曲を演奏する試みです。 今回は「肉声のような表現ができる」カワイSK-EXによるラヴェル、プロコフィエフです。 (フォンテック)

オクタヴィア
OVCT-00209(1SACD)
税込定価
2024年5月22日発売
魂の踊り
バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
ヘンデル(ケンプ編):メヌエット ト短調
バルトーク:6つのルーマニア民俗舞曲 Sz.56
ラヴェル(サヤ・ハシノ編):「ダフニスとクロエ」〜ダフニスの優雅で軽やかな踊り/交響的断片/ダフニスとクロエの情景
 ラ・ヴァルス
ピアソラ(サヤ・ハシノ編):オブリヴィオン
サヤ・ハシノ(P)

録音:2024年2月29日東京・王子ホール・ライヴ
サヤ・ハシノはスイスのジュネーヴ音楽大学でピアノ修士ソリ スト専攻およびオルガン修士ソリスト専攻を首席で修了、現在 スイスを拠点に目覚ましい活動を展開するピアニスト・オルガ ニスト・クラヴシニスト。多様なジャンルで活躍し、世界の指 揮者や演奏家から厚い信頼を集めています。初となるピアノ・ ソロアルバムは、彼女の音楽の原点であるダンス音楽で構成。 オーケストレーションにこだわった自身の編曲など、幅広い表 現をお楽しみいただける選曲になっています。コンサート会場 のエネルギーに満ちた渾身のライブ盤です。(オクタヴィア)

APARTE
AP-352(2CD)
ピアノによる無伴奏チェロ組曲
バッハ(トマ・ジャリ編):無伴奏チェロ組曲
(1)第1番ト長調BWV1007
(2)第2番ニ短調BWV1008
(3)第3番ハ長調BWV1009
(4)第4番変ホ長調BWV1010
(5)第5番ハ短調BWV1011
(6)第6番ニ長調BWV1012
トマ・ジャリ(P)

録音:2023年8月29日-9月2日/アルカード劇場(ビュク)
フランスのピアニスト、トマ・ジャリがバッハの名作「無伴奏チェロ組曲」を自ら編曲して披露します。もともと単声作品なのをカノンや対位法を駆使して革新的 なものに再構築しています。音楽が立体的になり新しい発見の連続。
ヴェルサイユ音楽院所蔵の1953年製ガヴォー・コンサート・ピアノを用いているのも興味津々。深い音色をたっぷり味わえます。 (Ki)

la musica
LMU-033(1CD)
シューベルトVol.3
ピアノ・ソナタ第21番ハ短調D958
3つのピアノ曲D946*
ドニ・パスカル(P)

録音:2020年10月1日、2016年9月26日*/ボンスクール・ルテニア教会(パリ)
1961年生まれのフランスのベテラン・ピアニスト、ドニ・パスカルはピエール・サンカン、ジャック・ルヴィエ、レオン・フライシャー門下で、2010年からはリ ヨン音楽院、2011年からはパリ音楽院で教鞭をとっています。清潔かつエスプリあふれる演奏で、フランス・ピアニズムを堪能させてくれます。
パスカルが近年傾倒するシューベルト第2弾。最晩年の傑作2篇に深い音楽性込めた演奏を楽しめます。 (Ki)

EVIDENCE
EVCD-106(1CD)
月との帰宅
クリスティアン・シッテンヘルム
(1)薄紫の子守歌
(2)ナイーヴなワルツ
(3)単にイエス
(4)どうでもよいワルツ
(5)月との帰宅/(6)デュオ
(7)屋根と空/(8)ひとり
(9)悪い電子が最高なのかも
(10)わが亡きあとに嵐来たれ
(11)ゼブラ・ピアノ/(12)ステラ
(13)アルゴットのワルツ
(14)直角位相
(15)野ウサギの印象
(16)無駄な詩/(17)空中浮遊
ペーテル・ヤブロンスキー(P)

録音:2020年6月4日、2022年1月13日/パラディウム・コンサート・ホール(マルメ)
ルーヴル美術館の支援で作った「ダ・ヴィンチの翼」をはじめ「マッチ売りの少女」「人魚姫」などのミュージカルで人気となったフランスの作曲家クリスティアン・ シッテンヘルム。作風は現代的でなく、ヒーリング系のポップな感覚あふれるピアノ曲でBGMとしても極上。
今回は何とペーテル・ヤブロンスキー登場。全曲が彼のために書き下ろされました。ヤブロンスキーの軽やかさと奥深い感受性を意識し、ロマン派とジャズを絶 妙なバランスで描いています。

Naive
V-8319[NA]
Eternity 永遠
シューベルト:幻想曲 ヘ短調 D940(1台4手)
メシアン:「アーメンの幻影」より第4曲「願望のアーメン」(2台ピアノ)
ブラームス:シューマンの主題による変奏曲 変ホ長調(1台4手)
メシアン:「アーメンの幻影」より第5曲「天使たち、聖人たち、鳥たちの歌のアーメン」、第1曲「創造のアーメン」
ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 op.134(ベートーヴェン自身による1台4手版)
ピアノ・デュオ・エンサリシュフ[ヘルベルト・シュフ、ギュルル・エンサリ](P)

録音:2022年12月20日、2023年2月20-21日、2023年6月24日、シュトゥットガルト
1979年ルーマニア生まれの優れたドイツ人ピアニスト、ヘルベルト・シュフが、妻でもあるギュルル・エンサリとの共演新譜で、naiveに戻ってきました。4手 と2台のピアノのための作品がミックスされた「Eternity(永遠)」と題した1枚です。シューベルトの晩年の傑作のひとつである幻想曲ヘ短調は、1854年にシュー マンが書いた主題にブラームスが作曲したシューマンの主題による変奏曲と対になっています。1943年に2台のピアノのために作曲されたメシアンの記念碑的 作品集「アーメンの幻影」からの3つの抜粋は、壮大で瞑想的な間奏曲として、またベートーヴェンの「大フーガ」への序奏としても機能しています。
ベートーヴェン、ブラームス、シューベルト、そしてメシアンという、誰もが認める4人の天才たちは、芸術的創造の限界を押し広げることで、時代の枠にとらわれ ない「永遠」を追い求めた自己表現を行うことによって、彼らが知りえなかったであろう世界(未来)との架け橋を作り、常に生きてきています。「聴く瞬間、体験 する瞬間、このアルバムに没頭する瞬間を、永遠の一部分として体験すること--これが、私たちが『Eternity』で目指していることなのだ。」(ヘルベルト・シュフ の言葉)

Myrios Classics
MYR-905(2CD)
172ページハードカバーブックレット
(サイズ:約28cmx28cm)
DXD録音
MUSIC IN TIME OF WAR ? DEBUSSY, KOMITAS 戦時下の音楽―ドビュッシー、コミタス
ドビュッシー:12の練習曲(全曲)
コミタス・ヴァルダペット(1869-1935):アルメニア舞曲集(全7曲)
ドビュッシー:ビリティスの歌(全3曲)*
6つの古代墓碑銘**
家なき子らのクリスマ#
 アルバムのページ(負傷者の服のための小品)(1915)
ドビュッシー:英雄の子守歌-ベルギー国王アルベール1世陛下とその兵士たちをたたえて(1914)
新たに発見された練習曲(1915)
エレジー(1915)
燃える炭火に照らされた夕べ(1917)
白と黒で(1915)##
コミタス:アルメニア歌曲集[Tsirani tsar、Chinar es、Garoun a、Le le Yaman、Qeler Tsoler、Antouni]+
キリル・ゲルシュタイン(P)
ルーザン・マンタシアン(S)*
カティア・スカナヴィ(P)**
ルーザン・マンタシアン(S)#
トーマス・アデス(P)##
ルーザン・マンタシアン(S)+

録音:2021年、ウィーン・コンツェルトハウス
キリル・ペトレンコ(指)ベルリン・フィルとのラフマニノフでも素晴らしい演奏を披露したピアニスト、キリル・ゲルシュタイン。『Music in Time of War』と 題した2枚組CDをリリースします。1915年に作曲されたドビュッシーの12の練習曲(全曲)および晩年の作品と、2台ピアノおよび連弾作品、さらにアルメニ アのコミタスの作品を収録しています。
コミタスは、民族音楽学の先駆者であり、アルメニア国民楽派の創始者でもあります。そのコミタスの音楽を深く敬愛したドビュッシーの音楽と並べています。コ ミタスはアルメニア人大虐殺、ドビュッシーは第一次世界大戦という、それぞれの壮絶な出来事に大きな影響を受けました。音楽が物語や時代を反映する力に魅了 されたゲルシュタインが生み出したプロジェクトです。
1915年に作曲されたドビュッシーの「12の練習曲」は、美しくも難曲ぞろいの作品ですが、ゲルシュタインはパンデミックの間、いつもこの作品を演奏してい たそう。カップリングを考えていたおり、20年以上前に知人から教えられたコミタスのアルメニア舞曲こそふさわしいと考え付いたそう。これはコミタスの最晩年 の作品で、この作品を書いた直後、アルメニアで大虐殺がおこり、心を痛めたコミタスは以降ずっと精神病院で過ごしました。ほか、戦争の資金集めのために作曲 された後期のピアノ曲、さらに、反戦の表明ともいえる「白と黒」や、ドビュッシーが手術を受けた翌週に書かれたエレジーや、戦時中の冬に暖房の燃料を供給して くれた石炭商に贈った「燃える炭火に照らされた夕べ」など、どれもひとつひとつ深いストーリーのある作品がプログラムされています。
ブックレットには、歴史家のアネット・ベッカーによる、戦時中のフランスでドビュッシーが果たした芸術家としての役割についての文章、そしてハチグ・ムーラディ アンによるアルメニアの歴史、そして音楽学者のアルトゥール・アヴァネソフによるコミタスについてのエッセイ、そしてゲルシュタインとハインツ・ホリガーによる対 談が掲載されております。(日本語訳はついておりません)。さらに、ソプラノのマンタシアンの曾祖父のいとこが、コミタスがベルリンで勉強する際にピアノを買い 与えるなどして経済的に支えていたことが後からわかるなど、思わぬ発見もあったそうです。
ドビュッシーの練習曲が収録されているだけでも聴く価値は大いにありますが、キリル・ゲルシュタインの、創造的かつ知的なまなざしに裏付けられた音楽センス と、プロジェクトを学術的な面からも実現させる洞察力の両方の結晶であるこのプロダクトは、時代、平和、戦争、そして音楽、様々なことへのメッセージが込めら れています。

Goodies
78CDR-3942(1CDR)
ウェーバー:ピアノ・ソナタ第1番ハ長調作品24 クラウディオ・アラウ(P)

加 VICTOR18524/6(米VICOTR18521/3と同一録音)
録音:1941年2月20日ニューヨーク、VICTORスタジオ2 録音
クラウディオ・アラウ(1903-1991)は南米チリ生まれ。5歳でリサイタルを開き、 8歳の時にチリ政府の奨学金を得てドイツに留学、ベルリンのシュテルン音楽院 でリストの最後の弟子だったマルティン・クラウゼ(1853-1918)に師事した。 1914年ベルリンでデビュー、以降ヨーロッパで名声を確立。1927年にジュネー ブ国際音楽コンクールに第1位入賞。1935年からはベルリンでバッハとモーツァ ルトの全クラヴィーア曲の連続演奏会を開いた。またベートーヴェンやウェー バー、シューベルトのピアノ・ソナタの連続演奏会も開いた。1941年カーネギ ー・ホールにデビューし、翌年から本拠地をアメリカに移した。第二次大戦後 は南北アメリカ、東西ヨーロッパなど世界的に活躍し、レコード録音もRCA VICTOR,CBS COLUMBIA, EMI, PHILIPS に多く残した。この録音はアメリカ・デ ビュー時にニューヨークで行われたもの。(グッディーズ)

GENUIN
GEN-24875(2CD)
バッハ〜エコーズ・オヴ・エターニティ
バッハ:羊は憩いて草を食み BWV208
 「フルート・ソナタ第2番 変ホ長調 BWV1031」より「シチリアーノ」、
 主よ,人の望みの喜びよ BWV147、
 神よ,あなたに感謝を捧げます BWV 29、
 協奏曲 ニ短調 BWV974
D.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.141プレスト、
 ソナタ ホ長調 K.380 アンダンテ・コーモド
バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第2番前奏曲とフーガ ハ短調 BWV847、
 フランス組曲第6番 ホ長調 BWV817
■ボーナスCD:「バッハ〜スルー・タイム・アンド・サウンド」 2023年7月23日のライヴ・コンサートより、ピアノと電子楽器(ハープシコード、オルガン、ヴィブラフォン)の演奏
グオダ・ゲドヴィライテ(P)

録音:2023年7月23日-24日
リトアニアのクララ・シューマンと呼ばれるピアニスト、グオダ・ゲドヴィライテによるバッハとドメニコ・スカルラッティの作品集。彼女は名古屋で開かれた万国博覧会にリトアニア代表として参加しました。ボーナスCDではピアノだけではなく、電子楽器(ハープシコードやオルガン、ヴィブラフォン)も弾くことで過去と現在の表現で演奏を繰り広げています。
GENUIN
GEN-24866(1CD)
朱践耳(シュ・センジ):ピアノ作品集
前奏曲 Op.4-1/前奏曲 Op.4-2/主題と変奏 Op.6/世俗的な世界への憧れ Op.11/5つの雲南民謡 Op.15/子守歌 Op.19-1/リトル・スケルツォ Op.19-2/組曲「イメージズ・オヴ・ザ・サウス」
謝亞雙子(シエ・ヤシュアンジ)(P)

録音:2022年10月16日-17日
2022年に生誕100周年を迎えた中国の作曲家、朱践耳のピアノ作品集。彼の作品を得意とする謝亞雙子によって演奏されたこのアルバムでは、朱践耳のキャリアの中で作られた様々な時代の作品が含まれています。西洋音楽と中国音楽を制作した作曲家の独自の世界を、完璧なピアノ演奏でお楽しみいただけます。
GENUIN
GEN-24860(1CD)
ブリリアンツ
シューマン:謝肉祭 Op.9
ヨハネス・オーバーマイヤー(b.1998):「A-S-C-H」の主題による変奏曲
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ショパン:練習曲 変ト長調 「黒鍵」 Op.10-5
レオポルド・ゴドフスキー:「ショパンのエチュードによる53の練習曲」より第7番、第12番
ショパン:練習曲 変ト長調 「蝶々」 Op.25-9
ゴドフスキー:「ショパンのエチュードによる53の練習曲」より第47番
ショパン:「3つの新しい練習曲」より第2番 変イ長調
ゴドフスキー:「ショパンのエチュードによる53の練習曲」より第45番
ヨハネス・オーバーマイヤー(P)

録音:2023年4月25日-27日、ウルベルク教会(ベルリン、ドイツ)
ARDミュンヘン国際音楽コンクールでカール・ベヒシュタイン特別賞に輝いたことを記念して収録されたこのアルバム。受賞者のヨハネス・オーバーマイヤーは幼少期から特別な才能を持ち多才な音楽家でした。5歳からピアノのレッスンを受け、8歳でサックス、3年後にトランペットを習い始めました。このアルバムのタイトルのように「輝かしい」ピアノの音色を持つオーバーマイヤーのデビュー・アルバムでは、シューマンの「謝肉祭」から始まり、自作の変奏曲、ショパンの練習曲に、難解なことで知られるゴドフスキーの「ショパンのエチュードによる53の練習曲」を取り上げています。

Lyrita
SRCD-433(1CDR)
ガヤの踊り〜2台ピアノのための音楽
マデリーン・ドリング(1923-1977):ガヤの踊り
 フランス風ワルツ/イタリアの踊り
 カリブの踊り
ドロシー・ハウエル(1898-1982):大切な思い出T&U*
パメラ・ハリソン(1915-1990):ダンス・リトル・レディ*
マデリーン・ドリング:2台のピアノのためのソナタ*
 スリー・フォー・トゥー*/タランテラ
 4つのデュエット*
ドロシー・ハウエル:マズルカ*
 波しぶき*
マデリーン・ドリング:「リリバーレロ」による3つの幻想的変奏曲
サイモン・キャラハン(P)、
竹ノ内博明(P)

録音:2023年8月29日-31日、ワイアストン・レイズ(イギリス)
*世界初録音
晩年のヨンティー・ソロモンの生徒として出会い、パルナッシアス・ピアノ・デュオの名前でも活動するサイモン・キャラハンと竹ノ内博明。これまでにもパリー、メトネル、シャーウッド、スタンデイル・ベネットなどの知られざるピアノ・デュオ作品を発掘してきた2人が、今度は20世紀のイギリスに生きた3人の女性作曲家の珍しい作品を取り上げます。作曲家兼演奏家でもあったという共通点を持つ3人が書いた作品は当時既に時代遅れとなってしまっていた調性音楽でしたが、そのセンスとユーモア溢れる音楽の数々は決して見過ごされるべきではなく、今回多くの作品が初めて録音されたことは大いに歓迎すべきでしょう。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Lyrita
SRCD-414(1CDR)
マルコム・リプキン:ピアノ作品集
マルコム・リプキン
(1932-2017):夜想曲第1番/夜想曲第2番/夜想曲第3番/ピアノ・ソナタ第5番/夜想曲第4番/夜想曲第5番/ピアノ・ソナタ第6番「幻想ソナタ」/夜想曲第6番/夜想曲第7番/夜想曲第8番
ネイサン・ウィリアムソン(P)

録音:2021年10月13日-15日、ワイアストン・レイズ(イギリス)
2017年にこの世を去ったイギリスの作曲家、マルコム・リプキンのピアノ作品集。静謐な夜想曲と幽玄なソナタを収録。テノールのジェイムズ・ギルクリストとの英国歌曲の録音プロジェクトでも知られるイギリス音楽に熱心なピアニスト、ネイサン・ウィリアムソンがリプキンの音楽の本質を深く探究します。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

ALPHA
ALPHA-1042(1CD)
アルト・コスキネン:FUGA INDIANA インドのフーガ
アルト・コスキネン(1947-):プレリュード
サーランガによるファンタジア
インドのフーガ/自由のフーガ
TRIAMONIA
ヤマンによるファンタジア
厳格なフーガ
ヨーナス・アホネン(P)

録音:2022年6月 マーラー・ザール、トーブラッハ・エウレジオ文化センター、ドッビアーコ、イタリア
フィンランドの作曲家、ピアニストのアルト・コスキネンは、北インドの古典音楽をヨーロッパの伝統的な多声音楽に取り込んで発展させ、さら にはアフリカ系アメリカ人の即興性にも強い影響を受けるという独特な作品を発表し続けています。様々なラーガの要素によるファンタジアな どを収録したこの作品集はニューエイジ・ミュージックを思わせる聴きやすさと美しさで、楽想の激しい発展や技巧的なフレーズなども時折挿 入され、華やかな印象も与えています。コパチンスカヤとのデュオでもお馴染みで、現代音楽の初演なども多く手掛けているフィンランドのヨー ナス・アホネンが、作品に寄り添った透明感と神秘性のある演奏を聴かせています。

Incises
INC-006(1CD)
NX-C04
バッハ:室内楽編成による鍵盤楽曲・独奏曲集
1. プレリュードとフーガ ト短調 BWV885(『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』より)
2. 今ぞ来たれ、異教徒の救い主 BWV659(『ライプツィヒ・コラール集』より)
3. 我らの主キリスト、ヨルダンに来たり BWV 684(『鍵盤練習曲集 第3巻』より)
4. ファンタジアとフーガ イ短調 BWV904
5. シャコンヌ ニ短調(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004より)
6. 我いずこに逃れ行かん BWV646(『シュープラー・コラール集』より)
7. 足鍵盤のための練習曲 ト短調 BWV598
8. 装いせよ、おお我が魂よ BWV759
9. 我らキリスト者、今ぞ喜びに溢れ BWV710
10. いと高きところにいます神にのみ栄光あれ BWV676(『鍵盤練習曲集 第3巻』より)
11. パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
ディソナンティ(古楽器使用)
セバスティアン・マルク(リコーダー)…1,3-6,8-10,11
アントワーヌ・トリュンチク(オーボエ…1,2,4,5,11、オーボエ・ダモーレ…6,8-10、オーボエ・ダ・カッチャ…3)
タミ・トロマン(Vn)…1-6,11
ハビエル・サフラ(Fg)…1-5,7-11
シモン・トリュンチク(Cb)…1-5,11
郭曉萍〔クオ・チャオピン〕 (Cemb)…1,3-5,8,10,11
アルメル・マルク(S)…6,8-10

録音:2023年8月ノートルダム・ド・ラ・メルシ教会、トレメル(フランス北西部ブルターニュ地方)
複数のメロディを同時進行させる多声書法に秀でていたバッハが、自身も巧みに弾いたチェンバロやオルガンのために書いた作品を中心に、 曲を組み上げている声部毎に異なる楽器を割り当てる室内楽編成に移し替え、各曲の構造的魅力をわかりやすく味わわせてくれるアルバ ム。演奏はカフェ・ツィマーマンやリチェルカール・コンソートなどの名盤群でも活躍してきた経験豊かなソリストたち。それぞれ複数の管楽器と ヴァイオリンが通奏低音上で合奏する編成で臨んでおり、原曲の中声部をソプラノ音域に移し、トリオ・ソナタや四重奏ソナタのように各パー トの音色対比を活かした解釈にしたり、バッハがオルガン独奏向けにアレンジしたルター派賛美歌(コラール)では元歌に該当するパートを歌 手に歌わせるなど、過度の原曲尊重に陥ることなく18世紀音楽の流儀をよく踏まえたアプローチになっているのが頼もしい限りです。各声部 の動きが明瞭になるのはもちろん、冒頭トラックのように鍵盤向けの原曲に潜んでいたオペラ序曲風の音作りを浮き彫りにするなど、原作で 前提になっていた楽器の制約を離れたからこそ可能になる解釈も続々。原曲ではヴァイオリン一つで何重ものポリフォニーを響かせる無伴奏 シャコンヌさえ、この編成に移して全く過剰ではない豊かな音楽として再現され、改めてバッハ世界の深さも実感できることでしょう。

C Major
76-7308(DVD)

76-7404(Bluray)
ユジャ・ワン/ウィーン・リサイタル
アルベニス:組曲『イベリア』第4巻〜第10曲:マラガ
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第3番嬰ヘ短調 Op.23
カプースチン:ジャズ・スタイルによる24の前奏曲 Op.53〜前奏曲 第11番、第10番
アルベニス:組曲『イベリア』第3巻〜第9曲:ラバピエス
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31-3『狩り』
リゲティ:ピアノ練習曲集〜第6番:ワルシャワの秋、第13番:悪魔の階段
グラス:練習曲 第6番
アルトゥーロ・マルケス:ダンソン第2番(レティシア・ゴメス=タグレ/ピアノ編曲版)
ブラームス:間奏曲 第3番嬰ハ短調 Op.117-3
グルック:精霊の踊り(歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』第2幕より(ズガンバーティ/ピアノ編曲版)
ユジャ・ワン(P)

収録:2022年4月、ウィーン、コンツェルトハウス
◆DVD
画面:NTSC16:9 
音声:PCMステレオ、DTS5.1
リージョン:All 
DVD9、84分

◆Bluray
画面:1080i16:9FullHD 
音声:PCMステレオ、DTS-HD MA5.1 
リージョン:All、BD50、84分
圧倒的な技巧、唯一無二の個性をもつピアニスト、ユジャ・ワン。第66回グラミー賞「最優秀クラシック器楽ソロ」部門を受賞するなど、その勢いは留まるとこ ろを知りません。 今回映像で発売されるのは、2022年にウィーンで行われたリサイタルの模様が収録されています。19世紀は、楽器の発達に伴って卓越した演奏技術をもつ演奏 家が現れたいわば「名手の時代」と言えるでしょう。今回ユジャ・ワンがリサイタルで取り上げた演目は、そうしたピアノ音楽の隆盛、そして変遷を窺うことのできる 多様なプログラムで聴かせます。 ベートーヴェンの初期と中期をつなぐ存在の「ピアノ・ソナタ第18番」。ブラームスの晩年の作品で神秘的な雰囲気をたたえる「間奏曲第3番」。スペイン生まれの 作曲家アルベニスが生んだピアノ作品の最高傑作「イベリア」。アンダルシアの情景を美しく描き出した作品で、難曲中の難曲として知られています。ユジャ・ワン は、マラガ地方の音楽をモチーフにした独自のメロディとリズムが特徴の「マラガ」とメシアンが絶賛したという「エバピエス」の2曲を演奏しています。多楽章のソ ナタとしては最後であり、ロマン主義の延長にあるモダニズムへと向かっていく様が見て取れる作品スクリャービンの「ピアノ・ソナタ第3番」。24の長短調による 前 奏曲 と いうピ アノ音 楽 で は 伝 統 的 な 連 作 が ジャズ・スタイルで 書 か れ た カプースチン の「ジャズ・スタイル に よる 24の 前 奏曲 」。リゲ ティ後 期 の 代 表 作 で あり、17年以上の歳月をかけて作曲した全18曲からなる「ピアノのための練習曲集」。ミニマルミュージックの大御所フィリップ・グラスの「練習曲」。そしてメキシコ人の 現代音楽作曲家であるアルトゥーロ・マルケスの代表曲で、北米や欧州では、オーケストラでよく演奏される人気楽曲「ダンソン第2番」のピアノ編曲版。といった モダニズムの作曲家たちの作品も多く取り上げられています。 時代と時代の接点にある作品を卓越したテクニックで聴かせ、伝統や常識にとらわれない衝撃的演奏は、聴き手に新しい発見と感動を与えます。 (Ki)

Aulicus Classics
ALC-0109(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988 ルカ・バレリーニ(P)

録音:2019年4月7日 イタリア シチリア州カターニア ヴェルガ・ルーム(テアトロ・スタビーレ)
ボローニャ生まれのピアニスト、ルカ・バレリーニによるゴルトベルク変奏曲。バレリーニは同市の G.B.マルティーニ音楽院でジノ・ブランディに師事。その後、ジュネーヴ音楽院でマリア・ティーポ に学んだ。第16回セニガッリア国際ピアノコンクール第1 位・最優秀室内楽特別賞などを受賞。イ タリア、スイス、フランス、ドイツでリサイタルを開き、国内外の有名オーケストラと共演しています。
Aulicus Classics
ALC-0111(1CD)
ポンセ:ギター作品集
前奏曲/バレット/クーラント/ 前奏曲 ホ短調/主題、変奏/ スペインのフォリアによる20の変奏曲とフーガ/わが人生を行く/ケルツィーノ・メヒカーノ/エストレリータ/しおれた心
フランシスコ・ギル(G)

録音:2022年12月29-31ドス・エストレーリャス・マイン,トゥラルプハワ,メキシコ
巨匠セゴビアの依頼により書き上げられた20 世紀最大のギター作品のひとつ「スペインのフォリ アによる20の変奏曲とフーガ」を中心とした、南米が生んだ後期ロマン派〜新古典主義の作曲 家、ポンセのギター作品集。メキシコ音楽院の教授で南北アメリカや欧州で活躍する、現代の“ポ ンセ弾き”としても定評のあるフランシスコ・ギルの演奏。
Aulicus Classics
ALC-0112(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.4
ロンド 変ロ長調 Kinsky-Halm Anh.6
ピアノ・ソナタ 変ホ長調「選帝候ソナタ第1番」 WoO47
ピアノ・ソナタ ヘ短調「選帝候ソナタ第2番」 WoO47
ピアノ・ソナタ ニ長調「選帝候ソナタ第3番」 WoO47
コンスタンティーノ・マストロプリミアーノ(フォルテピアノ)

録音:2022年10月28-29日 ズマラーノ・オルガン・アカデミー コンサト・ホール(トレント,イタリア)
アノと室内楽を経て、現在はイタリアを拠点にフォルテピアノでの探究を続けているコンスタン ティーノ・マストロプリミアーノによる、2019 年(第1弾)、2021年(第2弾)&(第3弾)に続く、ベー トーヴェンのピアノ・ソナタ集の第4弾。今回はケルン大司教(選帝侯)に献呈させたことから、後世 この名で呼ばれるようになった3つの「選帝候ソナタ」を録音。
Aulicus Classics
ALC-0115(1CD)
ショパン&リスト:ピアノ作品集
ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49
 ノクターン 第8番Op.27-2
 ノクターン 第16番Op.55-2
 バラード 第1番ト短調 Op.23
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178
オルガ・ズドレンコ(P)

録音:2005年5月 ディアパソン録音スタジオ,ローマ
2019年にリリーされた、フランツ・クサーヴァー・ヴォルフガング・モーツァルト(※モーツァルトの 息子)のピアノとオーケストラのための作品集で話題を呼んだ、アバド&ベルリン・フィルとの共演で も知られるイタリアの女性ピアニスト、オルガ・ズドレンコの最新アルバム。

Forgotten Records
fr-1923B(2CDR)
カークパトリック/バッハ:6つのパルティータ
第1番変ロ長調 BWV.825/第4番ニ長調 BWV.828/第5番ト長調 BWV.829/第2番ハ短調 BWV.826/第3番イ短調 BWV.827/第6番ホ短調 BWV.830
ラルフ・カークパトリック(Cemb)
※使用楽器:チッカリング&サンズ、1908年製

録音:1952年
※音源:Haydn Society HSL3056/8
Forgotten Records
fr-1926C(2CDR)
バクスト/ショパン:マズルカ全集 Vol.1
第1番-第37番
リシャルト・バクスト(P)

録音:1958年7月
※音源:Muza SXL1152/4
Forgotten Records
fr-1928(1CDR)
バクスト/ショパン:マズルカ全集 Vol.2
第38番-第59番
リシャルト・バクスト(P)

録音:1958年7月
※音源:Muza SXL1154/5

MClassics
MYCL-00051(1CD)
税込定価
ラフマニノフ:組曲第1番「幻想的絵画」 作品5
チャイコフスキー(ラフマニノフ編):バレエ音楽「眠れる森の美女」組曲 作品66a<4手連弾>
ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲 第2番 作品17
ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 作品3ー2「鐘」<2台ピアノ版>
大嶺未来(P)
高橋多佳子(P)

録音:2023年10月20日 東京文化会館 小ホール(ライヴ・レコーディング)
ラフマニノフをライフワークにし、その演奏活動とCD共に高い評価を 受ける大嶺未来と、第12回ショパン国際ピアノ・コンクールにて第5 位となり日本を代表するピアニストの一人高橋多佳子によるラフマ ニノフ・デュオアルバムです。当盤は、2023年10月20日東京文 化会館にて行われたライヴ・レコーディングです。2台ピアノ作品の極 致といえるラフマニノフの2つの組曲。雄大でロマンティシズム溢れる ラフマニノフの世界を、圧巻の技術と精緻なアンサンブルで描ききり ます。美しい音色とヴィルトゥオジティを兼ね備える二人だからこそ到 達できる高みの音楽と妙技をお聴き下さい。連弾によるラフマニノフ 編のチャイコフスキー作曲「眠れる森の美女」組曲も必聴。ピアニズ ム満載のアルバムです。

Biddulph
BIDD-85047(2CD)
NX-C07
アウアーのレガシー
【CD1】
1-4. バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第3番ホ長調 BWV1016
5. バッハ:管弦楽組曲第3番BWV1068よりエア(ウィルヘルミ編)
6. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006よりガヴォット (クライスラー編)
7. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV1001よりフーガ
8. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004よりシャコンヌ
9-11. ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61


【CD2】
1-4. ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.1-3HWV361
5-8. ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.1-13HWV371
9-12. シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) 第3番ト短調 D408
13. シューベルト:アヴェ・マリア(ヴィルヘルミ編)
14. ブラームス:ハンガリー舞曲第7番 イ長調(ヨアヒム編)
15. フバイ:チャールダーシュの情景第4番「ヘイレ・カティ」 Op.32
16. フバイ:花の生命 第5曲 ゼフィール Op. 30-5
17. ショパン:夜想曲 変ホ長調 Op.9-2(サラサーテ編)
18. ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調より第3楽章「ア・ラ・ツィンガラ」
19. ファリャ:スペイン舞曲(クライスラー編)
20. スタンフォード:妖精の踊り Op.89-3
21. エルガー:愛の挨拶
22. ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり
イゾルデ・メンゲス(Vn)
【CD1】
1-4. ハロルド・サミュエル(P)
5&6. アイリーン・ビーティー(P)
9-11. サー・ランドン・ロナルド(指)、
ロイヤル・アルバート・ホールO
【CD2】
1-8,13-17,19-21. アイリーン・ビーティー(P)
9-12. アルトゥール・デ・グリーフ(P)
18. チャールトン・キース(P)
22. マルコム・サージェント(指)のオーケストラ

1-4. 録音:1928年6月11日&12月13日/初出盤:HMV C1632/33
5. 録音:1927年6月27日/HMV D1288
6. 録音:1929年6月26日/HMV B3465
7. 録音:1922年9月7日/HMV E269
8. 録音:1924年4月27日/HMV D875/76
9-11. 録音:1923年9月4,5,6,21日/HMV D767/71

【CD2】
1-4. 録音:1926年10月11日/HMV D1371
5-8. 録音:1921年12月16日&1922年1月11日/HMV E279/80
9-12. 録音:1927年12月13日/HMV D1398/99
13. 録音:1927年6月27日/HMV D1313
14. 録音:1930年1月10日/HMV B3465
15. 録音:1926年12月1日/HMV D1223
16. 録音:1930年1月10日/HMV B3749
17. 録音:1927年6月27日/HMV D12881
18. 録音:1916年9月1日/HMV D529
19. 録音:1927年10月31日/HMV E508
20. 録音:1928年6月12日/HMV C1623
21. 録音:1927年6月27日/HMV D1313
22. 録音:1928年3月21日/HMV C1622/23
名教師レオポルト・アウアーの弟子たちを紹介するシリーズにイゾルデ・メンゲスが登場。バッハのシャコンヌ、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲等の記念すべ き世界初録音を復刻!1893年に英国ブライトン近郊で音楽教室を営む家庭に生まれたメンゲスは、自然と楽器になじみ、初めて人前で演奏したのは3歳半の時だったと伝えられ ます。16歳の時にペテルブルクでアウアー門下に加わりました。アウアーは精鋭ぞろいの門下の中でも「最も才能に恵まれた生徒の一人」と語ったそうです。 1913年、ロンドンでコンチェルト・デビューした際はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とラロのスペイン交響曲を一つのコンサートで弾き、当時の批評は「目 覚ましい弓のテクニック、濁りの無い音、クリーンで歯切れ良いスタイル」と讃え、「卓越した技量を披露する時は子供のような喜びよう」を示し、「難しい箇所 をとんでもない速さで弾くので指揮者がテンポを落とすよう指示しなくてはならないほどだったが、華麗な演奏はそれ自体が見ものだった」と伝えています。この 成功を受け、ロンドンではウッドやワルターらの指揮で演奏、アムステルダムではメンゲルベルクが指揮するコンセルトヘボウ管とベートーヴェンとブラームスの協 奏曲を演奏しました。1916年にアメリカ・デビューを飾ると、第1次大戦が終わるまで北米に留まりましたが、1919年にイギリスに戻った後は長旅を避け、主 に英国内で活躍。プロムスにも繰り返し出演しました。室内楽にも精力的に取り組み、自らの名を冠した四重奏団でベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲 演奏を行い、またピアノ・トリオでも高く評価されました。英国王立音楽大学では38年の長きにわたり後進の指導に当たり、その功績を讃えてイゾルデ・メン ゲス賞が設けられています。 メンゲスはHMV(英コロンビア)を中心に録音を遺しました。当盤の中で特に注目すべきはバッハのシャコンヌ、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、ヴォーン・ ウィリアムズの揚げひばり。名曲中の名曲として今日では数え切れないほどの録音がひしめいていますが、ここに復刻された演奏が史上最初の録音とのこと。 メンゲスの演奏は全般的に停滞感のない明快なもので、特にベートーヴェンの第3楽章などは切れ味抜群ですが、バッハのエア(G線上のアリア)での落ち着 いたテンポと巧みなポルタメントを交えた表現など、情感にも不足しません。尚、シューベルトのアヴェ・マリアとヴィエニャフスキのア・ラ・ツィンガラでは原盤に存 在する大きめのノイズがあります(後者は鳩時計が鳴るような音も)。ブックレット(英語のみ)にはWayne Kileyの解説5ページに加え、写真4枚と肖像画1 枚、メンゲスが使っていた1714年製のヨーゼフ(ジュゼッペ)・ガルネリ・フィリウス・アンドレアの写真3点が掲載されています。

Sono Luminus
DSL-92272(1CD)
NX-B08
Solace 慰め
ヘンデル:組曲 ニ短調 HWV428(1720)
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.28(1908)
ラフマニノフ:6つのロマンス Op.4- No.3「夜の静けさに」(1893)(アール・ワイルド編)
ライダ・デニス・オーユズ(2000-):Bozlak (2023)
コルクマズ・ジャン・サーラム(P)

録音:2023年4月17-20日
2022年に開催されたアレクシス・グレゴリー・ヴァンドーム賞国際ピアノ・コンクールの優勝者、コルクマズ・ジャン・サー ラムのリサイタル・アルバム。1999年アンカラに生まれ、7歳から地元で音楽教育を受けたサーラムは、クリーヴランド音楽大学に留学、アントニ オ・ポンパ=バルディとセルゲイ・ババヤンに師事した後、ジュリアード音楽院で学士号を取得。アメリカ、ヨーロッパの 各地でリサイタルを行うとともに、多数の音楽祭に出演し好評を博しています。このアルバムではヘンデル、ラフマニノ フの作品と、トルコの現代作曲家オーユズの作品を演奏。「音楽の中に安らぎを見つける」というサーラムの想いが反 映された1枚です。

Da Vinci Classics
C-00853(1CD)
リヴィング・フルート
テレマン:無伴奏フルートのための12のファンタジーより第1曲 イ長調、第10曲 嬰ヘ短調、第7曲 ニ長調、第3曲 ロ短調
ジョージ・ベンジャミン:フライト
キャサリン・フーヴァー:Kokopeli
ヴァレーズ:Densuty 2I.5
クリストバル・アルフテル:Debla
リッカルド・パルッチ:FRog flute
ゲイリー・ショッカー:Blip Blip Blip
ローウェル・リーバーマン:独り言
パルッチ:sCadenze
フィリッポ・ロガイ(Fl)

録音:2017年&2023年
イタリアのフルーティスト、フィリッポ・ロガイの今回のアルバムのコンセプトは、今日分業化されている音楽制作の統一性にあります。作曲家であり、フルーティストであるリッカルド・パルッチがアドバイザーとしても参加しています。また演奏者であるロガイもパルッチの作曲のプロセスを踏襲しながら演奏しています。この二人の相乗効果によって聴き手にも作曲家のイメージがより伝わる演奏となっています。
Da Vinci Classics
C-00854(1CD)
エクスタシー・オヴ・カラーズ
タンスマン:2本のギターのためのソナチネ
ショパン:マズルカ Op.33-1、マズルカ Op.33-2
メンデルスゾーン:無言歌集 第4巻 「浮雲」 Op.53-2、
 無言歌集 第5巻 「5月のそよ風」 Op.62-1
チャイコフスキー:2つの小品 Op.10
ショパン:マズルカ Op.33-3、
 マズルカ Op.33-4
スクリャービン:5つの前奏曲 Op.16
マルコ・デ・ビアジ:プロコフィエフへのオマージュ Op.7
マウリツィオ・バウディーノ(G)、
ダリオ・ヴァニーニ(G)
ギター・デュオのためのオリジナル&アレンジ作品集。タンスマンの「2本のギターのためのソナチネ」から始まり、ショパンの「マズルカ Op.33」やメンデルスゾーンのアレンジ物までバラエティに富んだ美しいメロディが並びます。ギター・デュオによる多彩な音色でご堪能ください。
Da Vinci Classics
C-00855(1CD)
忘却の彼方に〜ロベール・カサドシュ:ピアノ作品集 Vol.2
24の前奏曲 Op.5
トッカータ Op.40アレグロ
マウロ・チェッキン(P)

録音:2023年8月
作曲家としてのロベール・カサドシュに焦点を当てた企画の2枚目が登場です。今作ではバッハの「平均律クラヴィーア曲集」をモデルにしてショパンやドビュッシーが書いた同様の作品を彷彿とさせる「24の前奏曲 Op.5」が収録されています。
Da Vinci Classics
C-00858(1CD)
ヤナーチェク:ピアノ作品集
草かげの小径にて 第1集/霧の中で
ピアノ・ソナタ 「1905年10月1日、街頭にて」
ジャンルイジ・ダニエーレ(P/スタインウェイD 274)

録音:2023年11月3日-5日(イタリア)
イタリアのカンポバッソ出身のピアニスト、ジャンルイジ・ダニエーレが弾くヤナーチェクの作品集。ダニエーレは、ペロシ音楽院、サンタ・チェチーリア音楽院で研鑽を積み、ソリスト、室内楽奏者、伴奏者としてイタリア国内外で活躍。これまでに、ロンドン国際音楽コンクール第3位、カルロス&ソフィア国際ピアノ・コンクール第2位、メディチ国際音楽コンクール第2位、セルジオ・カファロ国際コンクール「ドメニコ・スカルラッティ・ソナタ最優秀演奏賞」など、数多くのコンクールで入賞しています。
本アルバムでは、当初ハルモニウムのために構想され、夭逝した最愛の娘オルガに手向けられた哀悼音楽 「草かげの小径にて」。娘オルガの死や、数々のオペラがプラハの歌劇場から拒絶されるなど、ヤナーチェクが人生の難局に立たされていた時期の作品である 「霧の中で」。占領下の祖国で行われた残虐行為に対するすべての痛みを表現したソナタ 「1905年10月1日、街頭にて」 という、ダニエーレがレパートリーとしている20世紀の作品から、チェコの作曲家ヤナーチェクによる3つの作品を取り上げています。
Da Vinci Classics
C-00862(2CD)
ヘンデル:ハープシコード作品全集 Vol.2
【CD1】シャコンヌ ヘ長調 HWV485/組曲ニ短調 HWV448/組曲ニ短調 HWV449/ソナチネ ニ短調 HWV581/アルマンド イ短調 HWV478/シャコンヌ ト短調 HWV486/パルティータ ハ短調 HWV444
【CD2】組曲ハ短調 HWV445/前奏曲とアレグロ イ短調 HWV576/エア ト長調 HWV467/トッカータ ト短調 HWV586/ソナチネ ト短調 HWV583/ソナチネ ト短調 HWV580/協奏曲ト長調 HWV487/エア 変ロ長調 HWV471/前奏曲 ヘ長調 HWV567/前奏曲ヘ短調 HWV568/前奏曲ト短調 HWV573/前奏曲ホ長調 HWV566/エア ト短調 HWV466/エア 変ロ長調 HWV470/Impertinence ト短調 HWV494/エア ヘ長調 HWV465(2つの変奏付き)/アレグロ ニ短調 HWV475/アルマンド変ロ長調 HWV479/クーラント ロ短調 HWV489/エア ハ短調 HWV458/ソナチネ イ短調HWV584/パルティータ イ長調 HWV454/アリア ハ短調 HWV459
フェルナンド・デ・ルカ(ハープシコード)

録音:2022年10月-12月(イタリア)
本アルバムは、フェルナンド・デ・ルカによるヘンデルのハープシコード作品全集の第2巻で、複数の楽章からなる作品(組曲 HWV448、449、445、パルティータHWV444、454など)と、短い小品が組み合わされています。ヘンデル演奏の第一人者である、フェルナンド・デ・ルカがこの録音プロジェクトを通して、ヘンデルの創造力とファンタジーの多様性、そしてニュアンスを示すとともに、これら作品が持つ類まれな芸術的価値を再発見しています。
Da Vinci Classics
C-00863(1CD)
リャプノフ:ピアノ作品集
:薄明かりの歌 Op.22/秋の歌 Op.26
ピアノ・ソナタ Op.27
ロシアの主題による変奏曲とフーガ Op.49
ジョージアの主題による変奏曲 Op.60
ルーカ・ファルデッリ(P)

録音:2023年、イタリア
セルゲイ・リャプノフ(1859-1924)の没後100周年を記念してリリースされるこのアルバムは、ピアノ音楽の分野におけるリャプノフの誰もが認める傑作のいくつかをさらに深く掘り下げる絶好の機会です。リャプノフはピアニストとしての系譜がフランツ・リストに直接由来しており(リストの弟子カール・クリントヴォルトにピアノを師事)、現代ロシア音楽のライバルであった2つの流派の巨匠(一方はチャイコフスキーと弟子のタネーエフ、もう一方は民族主義を目指したロシア5人組のバラキレフ)から作曲を学んだため、様々な要素を取り入れて独自のスタイルを構築することができました。
リスト・スクールで学んだピアノの妙技、西洋スタイルのロシアの巨匠から受け継いだ様式、ロシア5人組と彼自身のフィールドワークから得られたロシア民族遺産に関する知識などの要素が、ノスタルジックな「薄明かりの歌」と「秋の歌」、力強く高度な技巧が求められるピアノ・ソナタ、ロシアとジョージア(グルジア)の主題による変奏曲に現れています。
Da Vinci Classics
C-00860(1CD)
ゲラルデスキ:鍵盤楽器のための3つのソナタ
フィリッポ・マリア・ゲラルデスキ(1738-1808):ソナタ第1番ハ長調
ソナタ第2番変ロ長調/ソナタ第3番ホ長調
マヌエル・マランドリーニ(P)

録音:2023年、イタリア
フィリッポ・マリア・ゲラルデスキ(1738-1808)は、18世紀後半イタリアの音楽家の中でも第一級の人物でした。 彼は、当時もっとも偉大な音楽家および音楽学者の一人であった伝説的なフランシスコ会修道士、マルティーニ神父の指導の下で学ぶという特権に恵まれ、後にボローニャのアカデミア・フィラルモニカ(一部のエリート音楽家に与えられる栄誉)の会員となり、イタリア中部のいくつかの重要な音楽礼拝堂で音楽監督として働き、後にオーストリア=ハンガリー帝国の皇帝となるトスカーナ大公の宮廷で楽長を務めました。
このアルバムでは、ゲラルデスキが生前に出版し、オーストリア大公妃マリア・テレサに捧げた3つの鍵盤楽器ソナタを収録。これらの作品は、エトルリア王、ブルボン王ルイ1世の葬儀のために書いた有名なレクイエムとともに、ゲラルデスキのもっとも高く評価された作品の1つです。
マヌエル・マランドリーニは、バッハ国際音楽コンクールのコンサート部門第1位やウィーンのアマデウス作曲賞第3位など、数々の受賞歴を誇り、ピアニスト、作曲家、音楽理論の教授、そして音楽イベントの企画や管理にも豊富な経験を持つスペインの音楽家です。
Da Vinci Classics
C-00856(1CD)
W.F.バッハ:12のポロネーズ
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784):12のポロネーズ F12
ボーナス・トラック〜W.F.バッハの作とされる4つの小品(マーティン・グレイソン編集)〔メヌエット ト長調、ブレ ロ短調、メヌエット ニ短調、アレグロ ト短調〕
ジャンカルロ・シモナッチ(P)

録音:2023年、イタリア
バッハの長男であり、彼が持つ才能を最大限に注ぎ込んで教育し、当時のもっとも熟練した鍵盤楽器奏者、即興演奏家、作曲家へと成長したヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ。サティやモンポウ、ケージやフェルドマン、自作など、近現代の傑出したアルバムをリリースしてきたイタリアのベテラン・ピアニスト兼作曲家、ジャンカルロ・シモナッチが贈る、W.F.バッハのポロネーズ集。大バッハの「平均律クラヴィーア曲集」の構造と調整の順序を反映した「12のポロネーズ」は、ポーランドの威厳や壮麗さと高貴さを内包しており、非常に快活で自発的な長調の曲と、対照的に抒情的で洗練された短調の曲が交互に配置されています。ボーナス・トラックとして、伝W.F.バッハの小品も収録。(W.F.バッハは父親の作品を自作と偽ったり、逆にW.F.バッハの作品がバッハ作として紹介される等、真作不明の問題が残されています。)
Da Vinci Classics
C-00850(1CD)
ヴィルヘルム・ケンプ:ピアノ作品集
ラプソディック・プレリュード
組曲「イスキア」 Op.68/ピアノ・ソナタ Op.47
(ケンプ編):シチリアーノ(フルート・ソナタ 第2番BWV1031より)、
神よ,あなたに感謝を捧げます(教会カンタータのための前奏曲 BWV29)、
こころよき喜びの声にて(コラール前奏曲 BWV751)
ジョヴァンニ・アウレッタ(P)

録音:2023年8月
オルガニストとしてキャリアをスタートさせたヴィルヘルム・ケンプは、後に20世紀でもっとも称賛されるピアニストの一人となりました。そのケンプが作曲していたことはあまり知られていませんが、彼の最初の教師がケンプに作曲に専念することを勧めるほどの才能を持っていました。ピアニストのジョヴァンニ・アウレッタは、数年間に渡ってケンプの残された楽譜を研究しそこから見つけ出した名曲に光を当てました。
Da Vinci Classics
C-00839(2CD)
バッハ:幻想曲、カプリッチョ、序曲と組曲集
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903/幻想曲とフーガ イ短調 BWV904/幻想曲とフーガ(断片) ハ短調 BWV906/幻想曲 ト短調 BWV917/幻想曲 ハ短調 BWV918/幻想曲 イ短調 BWV922/幻想曲とフーガ イ短調 BWV944/カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」 変ロ長調 BWV992/カプリッチョ ホ長調 BWV993/序曲 ヘ長調 BWV820/序曲 ト短調 BWV822/組曲 イ短調 BWV818/組曲 変ホ長調 BWV819/組曲 ヘ短調 BWV823/組曲 イ長調 BWV832
ピエトロ・ソラーチ(P/スタインウェイ)

録音:2021年、グリファ&フィリ・スタジオ(ミラノ、イタリア)
11歳の時にベッリーニ歌劇場Oとの共演でデビューを果たし、1985年の第11回ショパン国際ピアノ・コンクールでは参加したイタリア人の最高位となるなど、イタリア内外で目覚ましい活躍を展開してるピアニスト、ピエトロ・ソラーチ。鮮烈なストラヴィンスキー(Da Vinci/C00372)が印象的だったソラーチが進めているバッハのピアノ作品全曲録音の第9巻は、幻想曲、カプリッチョ、序曲、組曲集。作曲家、鍵盤楽器の即興演奏家としてのバッハの初期の作品についての興味深い洞察を提供します。
べーレンライター社の後援を受けて行われたこの録音でも、前作同様クリティカル・エディションの楽譜が用いられており、その解釈や研究結果もポイント。また、日本の風景がジャケット写真に採用されているのも当シリーズの特徴で、今作は観光地や映えスポットとしても人気が高い京都・伏見稲荷大社の千本鳥居です。
Da Vinci Classics
C-00841(1CD)
ショパン:24の前奏曲 Op.28
前奏曲嬰ハ短調 Op.45
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35
シャン・トゥ(P)

録音:2022年3月、モス・アーツ・センター(ブラックスバーグ、アメリカ)
台北生まれの台湾系アメリカ人ピアニスト、シャン・トゥの2枚目のアルバムとなるショパンの「24の前奏曲」。ジュリアード音楽院協奏曲コンクールの優勝者としてリンカーン・センターのアリス・タリー・ホールでニューヨーク・デビューを果たして以来世界中のコンサート会場に登場しています。ニューヨーク・タイムズ紙に「雄弁な感性」、ボストン・インテリジェンサー紙に「非の打ちどころのないテクニック」、そしてファンファーレ紙には「作曲家の間を行き来するカメレオンのような才能」と賞賛される類稀なピアニズムでショパンの世界を表現します。
Da Vinci Classics
C-00843(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.6
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1
ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3
マウリツィオ・パチャリエッロ(ピリオド・ピアノ)

録音:2020年10月(カプラーニカ、イタリア)
現在のイタリアで有数のベートーヴェン弾きとして高い評価を受けており、1998年の第48回ARDミュンヘン国際音楽コンクールで入賞、2003年にはニューヨークのカーネギー・ホールへのデビューを果たした鍵盤楽器奏者マウリツィオ・パチャリエッロ。現在はピリオド・ピアノでの演奏に情熱を注ぎ、イタリアにおけるこの分野の権威的存在として知られるパチャリエッロが2017年の秋にスタートさせたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の第6巻が登場。
1840年頃のフランスのボワスロや1885年のベーゼンドルファー、18世紀後期のクラヴィコードなど、様々なピリオド・ピアノを弾いてきたパチャリエッロが、ピアノの“新約聖書”ともいわれるベートーヴェンのピアノ・ソナタの最初の三作品を披露します。
Da Vinci Classics
C-00845(1CD)
バッハ:鍵盤楽器のためのアポクリファル作品集 Vol.1
バッハ:組曲変ロ長調 BWV821/サラバンド ト短調 BWV839/アレグレット・スケルツァンド ニ短調 BWV844/フーガ イ短調 BWV897/2/バッハの名による前奏曲とフーガ変ロ長調 BWV898/トッカティーナ ニ短調 BWV899/1,900/2/幻想曲とフーガ ニ短調 BWV905/幻想曲とフゲッタ変ロ長調 BWV907/幻想曲とフゲッタ ニ長調 BWV908/協奏曲とフーガ ハ短調 BWV909/前奏曲ハ短調 BWV919/幻想曲ト短調 BWV920/アダージョとプレスト イ短調 BWV923A
セルジオ・ガスパレッラ(ハープシコード)

録音:2023年7月3日-6日(イタリア)
バッハ作によるかどうか不明な鍵盤楽曲が約50曲あり、その作者について大きな難問を投げかけています。長い間、バッハの作とされてきたものもあれば、最近の批評的な資料の検証によって証明されたものもあります。さらに複雑なのは、かつてバッハのレパートリーにしっかりと組み込まれていたにも関わらず、現在ではバッハの息子、生徒、同僚といった作曲家の遺産と結びついている作品です。このような楽曲の保管庫として注目すべきは、ベルリンのドイツ国立図書館に所蔵されている大バッハを信奉していたドイツの作曲家、オルガニストのヨハン・ペーター・ケルナーの手稿譜P804です。この資料には、有名なものを含む多くの鍵盤楽曲の初稿版が記録されています。本アルバムでは、イタリアのチェンバロ奏者、指揮者として活躍するセルジオ・ガスパレッラによる鮮やかな解釈で、そのいくつかを取り上げています。
Da Vinci Classics
C-00846(1CD)
マルコ・ジャンノー二:独奏ギター作品全集
カプリッチョ・トナーレ/12の練習曲
バッハによる組曲/前奏曲と舞曲
4つの舞曲/カデンツァ/Un petit rien
ファブリツィオ・プロイエッティ(G)

録音:2020年8月14日&2023年3月4日(イタリア)
本アルバムには、イタリアの作曲家、マルコ・ジャンノーニが15年以上(2006年〜2022年)に渡って作曲したギター独奏のための全作品が収められています。クラシック・ギタリストとしての経歴を持つジャンノーニが、様々なスタイルや作曲技法を注ぎ込んだ作品が持つ魅力を、サンタ・チェチーリア音楽院で研鑽を積んだイタリアの若きギタリスト、ファブリツィオ・プロイエッティの解釈でお楽しみください。
Da Vinci Classics
C-00848(1CD)
ナポレオン・コスト:ギター作品全集 Vol.5 〜想い出
ナポレオン・コスト:フランドルの想い出 Op.5
ヨハン・シュトラウスの16のお気に入りのワルツ Op.7
ギタリストの余暇 Op.51
お気に入りのワルツ Op.46
カルロ・フィエレンス(G)
※使用楽器:ルネ・ラコート1855年製

録音:2022年12月、パラッツォ・チゴラ・マルティノ二(イタリア)
国際的なギタリストだった父グイッレルモに指導を受け、名匠リカルド・イズナオラから絶賛された腕前の持ち主であるイタリアのギタリスト、カルロ・フィエレンス。ギターのレパートリーとテクニックの両面において決定的な足跡を遺した19世紀フランスのギターの巨匠、ナポレオン・コストの全作品を網羅するという壮大なプロジェクトの第5巻。
「Souvenirs(想い出)」と題されたこの巻に収録された作品は、3つの異なる作品集からシンプルなものを選んだもので、コストの作風と作曲の一貫性を浮き彫りにしています。このアルバムでも、フィエレンスはコストの芸術的なニーズに合わせて作られた特別な7弦ギターを使用。コストの作風は、ロマン派音楽を愛するすべての人々を魅了し、非常に高い技術的要求と深い表現力が融合し、リストからショパン、ベルリオーズからシューベルトまで、当時の最も有名な作曲家の特徴を示しています。

DUX
DUX-2053(2CD)
バッハ:フーガの技法 BWV1080 アンジェイ・シロンザク(P)

録音:2023年8月、キェルツェ(ポーランド)
1985年ルブリン生まれのピアニスト、アンジェイ・シロンザクが弾くバッハの「フーガの技法」全曲。2017年からポーランド現代音楽協会のメンバーとなっているシロンザクは、古楽と現代音楽の両面に焦点を当てて活動しており、サルヴァトーレ・シャリーノ、ジョン・アダムズ、ジョン・ケージらの作品をポーランドで最初に演奏したピアニストの一人としても知られ、ウッチの現代音楽祭にも定期的に出演しています。バッハのゴルトベルク変奏曲からストラヴィンスキー、サティ、リリ・ブーランジェ、シメオン・テン・ホルト、ラートハウスと多彩なディスコグラフィーを誇り、現在はキェルツェのヤン・コハノフスキ大学で教授を務めるシロンザクが、スタインウェイで表情豊かに描く「フーガの技法」。ポーランド教育・科学省が助成するプロジェクトによるレコーディングです。

NIFC
NIFCCD-658659(2CD)
イ・ヒョク〜第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ
ショパン
夜想曲第13番ハ短調 Op.48-1
練習曲第23番ホ短調 Op.25-11「木枯らし」
幻想曲ヘ短調 Op.49
スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
ワルツ第5番変イ長調 Op.42
ピアノ・ソナタ第2番変ロ長調 Op.35「葬送」
ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53「英雄」
ラ・チ・ダレム変奏曲(モーツァルト 「ドン・ジョヴァンニ」 の「お手をどうぞ」による変奏曲)変ロ長調 Op.2
4つのマズルカ Op.17
ピアノ・ソナタ第3番変ロ短調 Op.58
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21*
イ・ヒョク(P)、
アンドレイ・ボレイコ(指)*
ワルシャワPO*

録音(ライヴ):2021年10月2日-23日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)
※使用ピアノ:シゲル・カワイ
2021年10月に開催された第18回ショパン国際ピアノ・コンクールは、新型コロナ・ウイルスの影響で1年延期されながらも、極めてレベルの高い才能が各国から集結し、日本人コンテスタントの活躍や全世界オンライン配信などによりかつてない盛り上がりを見せました。そして今回、コンクールを主催するポーランド国立ショパン研究所(NIFC)の自主レーベルよりリリースされるコンクールのライヴ録音シリーズ(ブルー・シリーズ)から久々のニューリリースとして、韓国勢として唯一のファイナリストとなった若き天才、イ・ヒョクが登場します!
イ・ヒョクは2000年韓国生まれの新星ピアニスト。2012年に12歳でモスクワの「青少年のためのショパン国際ピアノコンクール」を、2016年に16歳で第10回パデレフスキ国際ピアノコンクールをそれぞれ最年少で制すると、2018年の第10回浜松国際ピアノコンクールでは第3位を受賞するなど順調に歩みを続け、2021年の第18回ショパン・コンクールで見事ファイナリストとなりました。その後も2022年のロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールのピアノ部門で亀井聖矢との同時優勝で大きな話題を呼ぶなど飛躍を続けており、今最大級の注目を集める若き才能の一人です。

Indesens Calliope Records
IC-012(1CD)
フォーレ&ラヴェル〜ジャズ・インプレッションズ
フォーレ:「レクイエム ニ短調」 より イントロイトゥスとキリエ, アニュス・デイ, リベラ・メ
 「3つの歌」 より 夢のあとに
 パヴァーヌ
ラヴェル:「ピアノ協奏曲ト短調」 より 第2楽章 アレグロ・アッサイ*
 ダフニスとクロエ/「ダフニスとクロエ」 より 宗教的な踊り
 逝ける王女のためのパヴァーヌ
 「マ・メール・ロワ」 より 妖精の園
 「スペイン狂詩曲」 より 夜への前奏曲
 前奏曲
エルヴェ・セラン(P)、
クロード・エジェア(フリューゲルホルン)*

録音:2023年9月13日-15日&10月8日、スタジオ・ド・ムードン(フランス)
フレンチ・ジャズ・ピアノの名手、エルヴェ・セランがクラシックの名曲をジャズのアプローチと即興で再構築する「ジャズ・インプレッションズ」シリーズ。ドビュッシーを取り上げ、見事ジャズ・マガジンの「Choc」を獲得した第1弾(INDE107)に続いて、今度はフォーレとラヴェルの作品を再構築したアルバムが完成。フォーレの「レクイエム」やラヴェルの「ダフニスとクロエ」、「逝ける王女のためのパヴァーヌ」などといった20世紀のフランス音楽を象徴する名曲たちを料理します。パリ音楽院ではクラシック・ピアノも本格的に学んだセランのインスピレーションあふれる知的な演奏をお楽しみください。
Indesens Calliope Records
IC-047(1CD)
フォーレ:エッセンシャル・ピアノ・ワークス
バラード嬰ヘ長調 Op.19
8つの小品 Op.84より 第5曲 即興曲
パヴァーヌ Op.50
3つの無言歌 Op17より 第3曲 変イ長調
即興曲第2番ヘ短調 Op.31
夜想曲第6番変ニ長調 Op.63
夜想曲第7番嬰ハ短調 Op.74
前奏曲ト短調 Op.103-3
舟歌第5番嬰ヘ短調 Op.66
主題と変奏嬰ハ短調 Op.73
ローラン・ヴァグシャル(P)

録音:2023年12月、スタジオ・ド・ムードン(フランス)
フランス音楽の名盤を次々と生み出し、メディアからも絶賛されているピアニスト、ローラン・ヴァグシャルによるフォーレ没後100周年記念アルバムがフランスのIndesens Calliope Recordsから登場。
ガブリエル・フォーレは、19世紀末のフランス楽派の復興における重要人物であり、その作曲スタイルは20世紀の多くの作曲家に影響を与えました。作品は、管弦楽曲から協奏曲、室内楽曲、歌曲など多岐にわたり、特にピアノのための作品はおよそ70曲という多作を残しています。フォーレのピアノ作品は未だ過小評価され、今日ほとんど演奏されていないものもあり、本アルバムでローラン・ヴァグシャルは、フォーレの偉大な遺産を讃え、傑作に加えて、トランスクリプションや未発表作品にもスポットを当てています。
フランス音楽の解釈に情熱を注ぎ、忘れられた作曲家の熱心な擁護者でもあるローラン・ヴァグシャルは、これまでにサン=サーンス、フォーレ、フランク、ショーソン、ドビュッシー、さらにはマニャール、デュカス、ピエルネ、カプレ、ゴーベール、フローラン・シュミット、ヴィエルヌ、モーリス・エマニュエル、ジャン・クラ、フランセなどの録音(室内楽やピアノ曲)を残しており、彼のディスコグラフィはDiapason, Classica, Gramophone, The Guardianといったメディアから絶賛されています。
「驚異的なカリスマを持つ異色のピアニスト」(ル・モンド)

Avie
AV-2678(1CD)
アイヴズ:セント・ゴードンズ(ブラック・マーチ)
ピアノ・ソナタ第2番「マサチューセッツ州コンコード1840〜1860(コンコード・ソナタ)」
ドナルド・バーマン(P)

録音:2022年1月3日-4日、ニューヨーク
チャールズ・アイヴズ生誕150周年を祝う作品集が登場です。演奏するのはこれまでにも数多くのアイヴズ作品を録音してきたピアニストであり、アイヴズの研究者でもあるドナルド・バーマン。メインとなる「コンコード・ソナタ」は来るべき前衛の幕開けを告げるターニング・ポイントとなった重要な作品と言えます。アイヴズが信奉する”超絶主義(マサチューセッツ州コンコードの4人の哲人によって形成された、性善説に基づく宗教的・哲学的倫理)”を骨格に、複調、クラスター、拍子なしのリズム…などアヴァンギャルドな要素と、ベートーヴェンの運命交響曲の動機、ハンマークラヴィーア・ソナタの様式感とが細胞となって生み出された作品です。この重要な作品をドナルド・バーマンは、アイヴズが残した数多くのメモなどを参考にし、新たな版で録音しています。

NCPA Classics
N-817401671(1CD)
特殊価格
ルー・イーウェン〜愛の挨拶
ルー・イーウェン(リャン・ナン編):「愛の挨拶」の主題による変奏曲
江蘇省伝承曲(チャン・イー編):茉莉花
チェン・ガン(リャン・ナン編):タシュクルガンに太陽が輝く(陽光照耀着塔什庫爾干)
リウ・ティアンファ:誰もいない山で鳥がさえずる
ドヴォルザーク(リ・モンネン編):ユーモレスク Op.101-7
ガルデル(リャン・ナン編):首の差で
サラサーテ(リ・モンネン編):ツィゴイネルワイゼン Op.20
クライスラー(チャン・イー編):愛の悲しみ
ルー・イーウェン(二胡)、
国家大劇院SQ

録音:2023年4月13日-14日、中国国家大劇院レコーディング・スタジオ(北京、中国)
瞬く間に中国で最も人気のある二胡奏者の1人となったルー・イーウェンがNCPA Classicsのデビューシリーズに加わります!
ルー・イーウェンは、国家大劇院SQとの共演を選び、東洋の楽器である二胡と西洋の弦楽器のクァルテットをユニークに融合させ、独特かつ魅惑的なコラボレーションに仕上げました。
ジャズ風の要素が聴きとれる「茉莉花(ジャスミンの花)」のアレンジや、ルー・イーウェンが幼少の頃より親しみ続けてきた「タシュクルガンに太陽が輝く」などこだわり抜いたプログラムも魅力満載。
東洋と西洋の楽器、ジャンル、スタイルのボーダーを超越した演奏をお楽しみください。
NCPA Classics
N-817401651(1CD)
特殊価格
ウェイ・ルオ〜じっと見つめて
アルベニス:組曲「イベリア」第1巻 T.105
グラナドス:スペイン舞曲第2番ハ短調 Op.37-2「オリエンタル」
バラキレフ:東洋風幻想曲「イスラメイ」
バルトーク:戸外にて Sz.81
アルベニス:グラナダ(セレナータ)Op.47-1
ドビュッシー:月の光
ウェイ・ルオ(P)

録音:2023年6月5日−7日、中国国家大劇院レコーディング・スタジオ(北京、中国)
「デビュー」シリーズはその名の通り、中国の若き才能を世界に向けて紹介する要注目のラインナップです。
フィラデルフィアの名門カーティス音楽院でユジャ・ワンやラン・ランの師としても有名なゲイリー・グラフマン、エリック・ルーやイ・テッキの師であるロバート・マクドナルドに師事し、2022年に学士号(Bachelors degree)を取得。
スタインウェイ・アーティストに名を連ね、2019年にはDecca Goldレーベルからアルバムをリリースするなど、中国の次世代の有望ピアニストとしてすでにその存在に注目が集まっているウェイ・ルオ。
2023年に中国国家大劇院で収録されたウェイ・ルオの最新録音では、西洋を代表する5人の音楽家が広大な東洋の世界を見つめる視線を表現。
これらの大作曲家たちの視線の先に写るのは、早朝の中国庭園での余韻、ムーア人の宮殿の散策、賑やかな港の通過、ムーン・リバー湾への旅、壮大なるコーカサス山脈など、東洋の美しき古の風景、異国の文化、さらには東洋の美学への憧れ。
ウェイ・ルオが5人の作曲家の作品を通して表現する東洋の静寂と喧騒のコントラストの美が、聴き手を神秘的な世界の中心へと導き、東洋の古の風景を目の前に広げてくれることでしょう。
NCPA Classics
N-817401391(1CD)
特殊価格
アン・ティアンス〜ピアノ・リサイタル in NCPA
グバイドゥーリナ:シャコンヌ
チャイコフスキー(プレトニョフ編):組曲「くるみ割り人形」Op.71a
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第5番嬰へ長調 Op.53
プロコフィエフ
:ピアノ・ソナタ第6番イ長調 Op.82
アン・ティアンス(P)

録音:2022年8月18日、中国国家大劇院音楽庁(北京、中国)
カーティス音楽院のマンチェ・リュウ教授の下でピアノを学び、日本の小林愛実とは同門となるアン・ティアンス(安天旭)。
2019年のチャイコフスキー国際ピアノコンクールのファイナルの舞台で起きた前代未聞のハプニング、本来弾くはずであったチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」ではなくラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」をオーケストラが演奏し始めてしまうという衝撃的な出来事を乗り越えて2022年のヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールに出場するなど順調にキャリアを積み上げてきました。
今回の中国国家大劇院でのライヴは、ヴァン・クライバーン・コンクール終了後の同年8月に凱旋記念的な意味合いも含めて開催されたリサイタル。
コンクールでも披露したグバイドゥーリナの「シャコンヌ」などアン・ティアンスが弾きこんできた作品による要注目のプログラムです。

Urania Records
LDV-14112(1CD)
クイーン〜ピアノ・トランスクリプション作品集
フレディ・マーキュリー:ドント・ストップ・ミー・ナウ
ボヘミアン・ラプソディ/愛という名の欲望
ラヴ・オブ・マイ・ライフ/地獄へ道づれ
リヴ・フォーエヴァー/ウィ・ウィル・ロック・ユー
愛にすべてを/アイ・ウォント・イット・オール
自由への旅立ち/リヴィング・オン・マイ・オウン
レディオ・ガ・ガ/ショウ・マスト・ゴー・オン
伝説のチャンピオン
ロベルト・フランカ(P)
「クラシック音楽の作曲家としてのチック・コリア」にスポットライトをあてた好企画でデビューを飾ったクロアチア系イタリア人ピアニスト、ロベルト・フランカのUrania第2弾は、イギリスの伝説的ロックバンド「クイーン」の名曲をピアノ独奏で奏でるという注目盤。
ロベルト・フランカは、ロッシーニ音楽学校で学び、2002年に満点、優等、特別賞を得て卒業後、イモラ国際ピアノ・アカデミーでピアノをヴァレンティーニ、ラッタリーノ、ペトルシャンスキーに、作曲をマルコ・ディ・バリに師事。ガヴリーロフ、ロルティ、コチシュといった世界的ピアニストたちの指導を受けながらキャリアを積み上げている実力派です。
Urania Records
LDV-14113(1CD)
イン・ベルガモ・ウィズ・ドニゼッティ、マイール、パドレ・ダヴィデ:ピアノ4手連弾作品集
ヨハン・ジモン・マイール(1763-1845):歌劇 「コリントのメディア」 (P4手連弾のためのシンフォニア)*、
 序奏とアンダンティーノ(P4手連弾のための)*、
 葬送行進曲
ドニゼッティ:ソナタニ長調(P4手連弾のための)、
 ワルツ ト長調(P4手連弾のための)
パドレ・ダヴィデ・ダ・ベルガモ(1791-1863):アレグレット ニ長調(ハープシコードのための)*、
ディベルティメント・ブリランテ 変ホ長調(Pのための)*、ディベルティメント ヘ長調(Pのための)*、
4手のためのパストラーレ、
ディベルティメント(P4手連弾のための)*、
ディベルティメント・テンポ・ディ・ヴァルス(P4手連弾のための)*、
ディベルティメント・マルツィアーレ(P4手連弾のための)*、
タントゥム・エルゴ(ソプラノとピアノのための)*、
ユダヤの王ジョアス 「3声のためのレヴィ人の合唱団」(4手伴奏付き)*
ダヴィデ&ダニエーレ・トリヴェッラ(P)、
パドレ・ダヴィデ・アンサンブル、ラリア・マグリー二(S)

*世界初録音
本アルバムは、マイールとドニゼッティという2人のオペラ作曲家に、少年時代のドニゼッティと親交があり、修道生活に入った後も音楽活動を続け、特にオルガン奏者、作曲家として高く評価されたパドレ・ダヴィデ・ダ・ベルガモ(ダヴィデ神父)の作品をカップリング。
独創的なスタイル、並外れたユニゾン、コミュニケーション能力の高い解釈で、音楽評論家を含む多くの聴衆を魅了し、アメリカ有数のデュオ・ピアノコンクール「Murray Dranoff」で優勝したダヴィデ&ダニエーレの双子デュオの演奏でお楽しみいただけます。

La Dolce Volta
LDV-121(1CD)
NX-C04
君のようになりたい 〜ピアノのためのトランスクリプション&パラフレーズ
バッハ:4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV1065(原曲:ヴィヴァルディ)*
メンデルスゾーン:最初のワルプルギスの夜 Op.60*
リムスキー=コルサコフ:シェヘラザード Op.35
J・シュトラウス:さまざまなワルツによるパラフレーズ*
ティールマン・スザート(1510/15-1570):ダンスリー(舞曲集)*
プロコフィエフ:古典交響曲 *
ショスタコーヴィチ:ワルツ 第2番 Op.99a (ジャズ組曲 第2番より)
リチャード(1928-)&ロバート(1925-2012)・シャーマン:君のようになりたい (ディズニー映画『ジャングル・ブック』から)*

※編曲…フロリアン・ノアック
フロリアン・ノアック(P)

録音:2023年1月3-5日 アルソニック「メゾン・ド・レクート」、モンス、ベルギー
*…この編曲版による世界初録音
※日本語解説付
ベルギー出身で幼いころより天賦の才能を発揮してきたフロリアン・ノアック、La Dolce Voltaから4枚目のアルバム。編曲家として自身で演 奏するほかベレゾフスキーやカツァリスにも作品を提供、レア・レパートリーの開拓においても熱心な活動を続ける彼の編曲作品集です。長年 ロシア音楽を中心に編曲を行ってきたという彼が、師のクラウディオ・マルティネス・メーナーの影響でバロック音楽に目覚め、果敢に挑戦したと いうバッハの「4台のチェンバロのための協奏曲(原曲はヴィヴァルディの4つのヴァイオリンのための協奏曲)」に始まり、リムスキー=コルサコフの 絢爛たる管弦楽をピアニスティックに凝縮した「シェヘラザード」、彼が大学に入った頃必修科目で歌ったというメンデルスゾーンのカンタータ、ヨ ハン・シュトラウスのあまり知られていないワルツを集めたパラフレーズ、プロコフィエフの「古典」、ショスタコーヴィチの有名な「ワルツ 第2番」と続 きます。最後に収められた『ジャングル・ブック』の主題歌は、この歌が大好きな妹に贈るための編曲を元に、曲が持つ複雑さやポリリズムなど の独特な要素をピアニスティックに表現するために膨らませたもの。ピアノが持つ可能性を駆使しながら曲が持つ魅力を最大限引き出し、さら に愛らしさを備えているノアックの編曲を存分に楽しむことの出来るアルバムです。
La Dolce Volta
LDV-1156(2CD)
NX-E02
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) 上野通明(Vc)

録音:2021年11月24-26日、2022年5月3-7日 ホンラート福音教会
※日本語解説付
※旧品番:KKC-6598
2021年ジュネーヴ国際コンクールの覇者、上野通明が26歳にして臨んだバッハの無伴奏全曲録音。4歳の頃にヨーヨー・マが弾く同作品 の映像を観てチェロを学ぶ決意をしたという彼だけに、国際デビュー盤となるこのアルバムではぜひバッハを録音したいと強く望んでいたそう。録 音場所についても、ドイツやオランダの教会を巡って音響を自ら確認し、ケルン郊外の教会を選んだというこだわりようです。その演奏は中庸 のテンポを取りながら歌心に溢れ、隅々の音まで実に表情豊か。若い感性が大きなプラス要素となった、瑞々しい演奏を聴かせています。5 弦のチェロ・ピッコロを想定して書かれたと言われる第6番についても、自身の愛器である4弦チェロ(製作者不詳のイタリア製)で演奏。非常 に困難な挑戦ですが「どんなに大きな挑戦でもそれが報われるほど魅力的な曲」と語っており、良く伸びる音が素晴らしい効果を上げています。

MIRARE
MIR-730(1CD)
モーツァルト:ピアノ曲集
ピアノ・ソアンタ ハ長調 K309
ロンド ヘ長調 K494
ロンド ニ長調 K485
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K333
組曲 ハ長調 K399より「アルマンド」 ハ短調
ロンド イ短調 K511
ジェローム・アンタイ(フォルテピアノ/18世紀製、作者不詳、クリストファー・クラークによる修復)

録音:2020年2月10,11日
モーツァルトといえば、旅。旅の道中、必要にかられて生まれた作品もたくさんあります。たとえばここに収録されているピアノ・ソナタ ハ長調 K309は1777/78の冬に滞在したマンハイムの地で、当時13歳のローザ・カンナビヒのために書かれましたし、ソナタ 変ロ長調 K333は1781年に訪れたリンツの地で、 自身が演奏会で演奏するために書かれたと言われています。ジェローム・アンタイは、モーツァルトと同時代の18世紀につくられた楽器を用いて、珠玉のロンドや、 組曲ハ長調からの抜粋も同時収録しています。当時の音色に思いを馳せながら楽しみたい1枚です。
ジェローム・アンタイ(鍵盤)はアンタイ3兄弟のひとり。ヴィーラント・クイケンのもとでヴィオラ・ダ・ガンバを学なかで歴史的鍵盤楽器にも興味をもつ。シギ スヴァルト・クイケンやヤーコプス、マルゴワールらとガンバ、鍵盤の両方で共演。 (Ki)
MIRARE
MIR-618(1CD)
R.シュトラウス:ピアノ作品集
5つのピアノ小品 op.3
ピアノ・ソナタ op.5
情緒のある風景 op.9
ギョーム・ベロン(P)

録音:2023年4月17-20日
フランス内外で、ソロ、室内楽、そして現代音楽などでも定評のある活動をしているギョーム・ベロンによる、R・シュトラウスのピアノ作品集の登場。
ヴァイオリンとチェロのための2つのソナタで、シュトラウスのピアノ書法のオーケストラ的な次元、きらめく音色、伸びやかなフレーズの芸術性に衝撃を受けたと いうベロン。ピアノ作品はいずれも初期作品ですが、すでにR.シュトラウスの才能のすべてが詰まっているといいます。5つの小品のバッハを思わせる対位法の技 巧。また、第2曲の騎兵隊のリズムなどにすでに片鱗が見られる、R.シュトラウスにとって大切な英雄主義のテーマもが見られ、また、ラルゴでは歌曲のようなメロ ディのセンスも光っています。ソナタでは、運命論的な第1楽章、極めてオペラ的な緩徐楽章を経て勝利のフィナーレに至る壮大な叙事詩のようなドラマトゥルギー がみられること。R.シュトラウスへの愛と敬意に満ちた、ベロンの熱のこもった演奏が光ります。
ョーム・ベロンは、ブザンソン音楽院およびパリ国立高等音楽院でピアノとヴァイオリンの両方を学びました。エピナル国際ピアノコンク-ルで第1位、クララ・ ハスキルコンクールで現代作品の優秀演奏者に送られるモダン・タイムズ賞を受賞。ラ・ロック・ダンテロン音楽祭をはじめ様々な音楽祭に出演しています。室内 楽ではルノー・カプソンらと共演多数、またオーケストラと協奏曲も演奏多数。 (Ki)

Audite
AU-97827(1CD)
バッハ:トリオ・ソナタ全曲
トリオ・ソナタ第1番変ホ長調 BWV525(13'17)
トリオ・ソナタ第2番ハ短調 BWV526(13'00)
トリオ・ソナタ第3番ニ短調 BWV527(14'14)
トリオ・ソナタ第4番ホ短調 BWV528(11'38)
トリオ・ソナタ第5番ハ長調 BWV529(15'47)
トリオ・ソナタ第6番ト長調 BWV530(15'12)
マルティン・ノイ(オルガン/ユルゲン・アーレント製作(2007年))

録音:2021年10月15&16日、2022年5月31日&6月1日/聖オットー教会、ヘルツォーゲンアウラハ(バイエルン州)
オルガンの録音に定評のあるドイツのauditeレーベル。このジャンルにおいて数々の優秀録音で注目を集めてきました。当アルバムは現代屈指のバッハ弾きマ ルティン・ノイがバッハのトリオ・ソナタ全6曲をアーレント・オルガンで演奏した1枚。注目のリリースです!
ノイはバッハ国際コンクール入賞後、教会オルガニスト、ソリストとして活躍。非常に端正で卓越したアーティキュレーション、曲目に適したオルガン選定、そ して的確なレジストレーションで高く評価されています。
マリー=クレール・アランが「オルガン教師が才能ある弟子に習得させようとする難題の集大成」と表現したバッハの6つのトリオ・ソナタ。1727年から 1732年にかけて作曲されたこれらの作品は、バッハの長男ヴィルヘルム・フリーデマン(1710-1784)の演奏技術を完成させる目的で書かれたオルガンのた めのソナタ集で、現在もすべてのオルガニストの礎となっております。
右手・左手・足鍵盤の3つの独立したパートが魅惑的な対話を繰り広げながら、美しい旋律が巧みな対位法で組み合わされており、バッハの作曲技法・芸術の 頂点を示しています。この難曲を現代最高のオルガン・ビルダー、ユルゲン・アーレント製作の名器で演奏していることも注目。教会の響きとともにノイの心温まる 演奏でお楽しみください。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72987(1CD)
シメオン・テン・ホルト(1923-2012):カント・オスティナート ピアノデュオ・スホルテス&ヤンセンス【レスタリ・スホルテス、グウィリム・ヤンセンス】

ライヴ録音:2023年12月20日/オランダ要塞博物館内ベイ・アンドレアス、ナールデン(オランダ)
20世紀オランダを代表する作曲家の一人シメオン・テン・ホルト(1923-2012)の「カント・オスティナート」をピアノデュオ・スホルテス&ヤンセンスがライ ヴ録音しました!当作といえば向井山朋子とゲラルド・バウハウスの名盤によりミニマル音楽ファンならずとも知られる作品となりました。
「コンサートは観客が自由に出入りする、継続的なパフォーマンスであるべきだ」という考えから独自の作品を生み出したテン・ホルト。「カント・オスティナート」 は1976年に完成させた「Perpetuum(無窮動)」のち、1976年から79年にかけて同作を改訂・改名したもの。歌(カント)が反復(オスティナート)しなが ら途切れることなく演奏されるこの作品は、何度も繰り返される美しい旋律が次第に変化し、やがて大きな波となって展開。一期一会で生まれる独特で不思議な 音世界をお楽しみください!
レスタリ・スホルテス(1984-)とグウィリム・ヤンセンス(1985-)は10代の頃から共演を重ね、「ソリストの自由さとヴィルトゥオジティ、室内楽奏者の耳 とアンサンブル、そしてSOの音色のパレットとニュアンスのある繊細さを持つこと」を目標とし、演奏活動を展開。CHALLENGE CLASSICSレーベルから 「モーツァルト:2台ピアノのためのソナタ ニ長調 K.448/375a & シューベルト:4手ピアノのための幻想曲 ヘ短調 D.940」のアルバムをリリースしております。 (Ki)

Goodies
78CDR-3940(1CDR)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」 ヴィルヘルム・ケンプ(P)

独 POLYDOR66033/5
1926年ベルリン録音
ヴィルヘルム・ケンプ(1895-1991)はドイツのピアニスト。これは電気録音 (1925-)の最初期に録音されたもの。おそらく米ブランズウィック社が開発した ライト・レイ方式電気録音と聴こえます。ケンプはモノLP、ステレオLPにベ ートーヴェンのソナタ全曲録音を残しています。ケンプは1936年(昭和11年)にド イツ文化使節団の一人として初来日、以降1979年までに合計10回日本を訪れて、 日本のクラシック音楽の発展に寄与した。1970年にはベートーヴェン生誕200年 記念で来日し、ピアノ・ソナタ全曲演奏会を開いた。(グッディーズ)

H.M.F
HMM-902472(2CD)
バッハ:鍵盤のための作品全集Vol.9〜ケ-テン、1717-1723〜幸福なとき
[CD1]
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
イギリス組曲 第6番ニ短調 BWV811
協奏曲 ハ長調 BWV984(J.エルンスト公子のヴァイオリン協奏曲 ハ長調 op.1-4の編)
カンタータ「裏切り者なる愛よ」BWV203(チェンバロ(通奏低音)のみの伴奏による、バス独唱用カンタータ。歌詞作者不詳)
[CD2]
ブランデンブルク協奏曲 第5番ニ長調 BWV1050
イギリス組曲 第3番ト短調 BWV808
イギリス組曲 第5番ホ短調 BWV810
バンジャマン・アラール(チェンバロ/ヒエロニムス・アルブレヒト・ハス(Hieronymus Albrecht Hass)、1740年製、ハンブルク)
[CD1]マルク・モイヨン(バス[BWV203])
[CD2]シーン・ユイブレヒツ(フラウト・トラヴェルソ)、アンヌ・ペッカ&パウル・モンテイロ(Vn)、
サマンサ・モンゴメリ(Va)、ロナン・ケルノア(バス・ヴィオール)

録音:2023年4,5月
新世代を代表するチェンバロ・オルガン奏者、バンジャマン・アラールによるバッハのシリーズ、第9巻の登場です。有名な「半音階的幻想曲とフーガ ニ短 調 BWV903」をはじめ、オケパートは総勢5名(Vn2、ヴィオラ1、通奏低音1、フルートで演奏された「ブランデンブルク協奏曲第5番」まで、 アラールの雄弁なチェンバロが華麗に響き渡る、怒涛の内容です。 ケーテン時代にバッハが仕えたレオポルト侯爵は、信仰の妨げになるとして音楽を制限したカルヴァン派だったため、この時期、教会カンタータは書かれず、ブ ランデンブルク協奏曲や、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータなど、世俗音楽が多数成立しています。
前作の第8巻では、クラヴィコードが 用いられていることでも話題になりました。「半音階的幻想曲とフーガ」について、アラールは、バッハの最初の妻マリア・バルバラの予期せぬ辛い死の余波 の中で作曲された可能性が高いと述べ、この苦悩に満ちた性格はクラヴィコードにも適していると考えたけれど、最終的にヒエロニムス・アルブレヒト・ハス (Hieronymus Albrecht Hass)作の素晴らしいチェンバロで演奏しています。結果、広い音域、そして様々なストップ(リュートストップなど)のおかげで、 さまざまな色を聴くことができ、また、アラールの、よい意味でのけれんみも感じさせる演奏が非常に映えています。イギリス組曲 BWV806-811からは3曲を収録(イギリス組曲第1番初稿、第2番、第4番は第3巻に収録)。イギリス組曲は1719-1725年に成立されたと考えられております。ラ・プティッ ト・バンドでも演奏していたアラールは、彼らとのブランデンブルク協奏曲第5番でも際立った演奏をして人々の印象にのこっていますが、ここでのアラールは、 歌と華やかさが炸裂しています。アラールがまさに乗りに乗っていることを感じさせる、超充実の第9巻です! (Ki)

ATMA
ACD2-2462(1CD)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ集 第2集
ピアノ・ソナタ第5番ハ長調 Op.135(1952-53改訂稿)
ピアノ・ソナタ第6番イ長調 Op.82(1939-1940)
ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83(1942)
デイヴィット・ジャルベール(P)

録音:2022年3月15-17日/カナダ、キングストン
デイヴィット・ジャルベールによるプロコフィエフのピアノ・ソナタ全集録音シリーズ第2弾。第1〜4番を収録した第1集(ACD2-2461)に続き、第5〜7番 を収録しています。第5番はプロコフィエフが晩年に改定した方の版を演奏。平明無垢なすっきりとした響きが、戦争ソナタと呼ばれ激しいフィナーレをもつ第6・ 7番とコントラストを成しています。
デイヴィット・ジャルベールは1977年生まれのカナダのピアニスト。ジュリアード音楽院、グレン・グールド音楽院、モントリオール大学、ケベック音楽院で学び ました。幅広いレパートリーを持ち、温かみのあるエレガントなスタイルで聴衆を魅了。CBCが選ぶ「カナダのトップ・ピアニスト15人」のひとり。現在、オタワ大 学でピアノ科准教授を務めています。 (Ki)
ATMA
ACD2-2868(1CD)
ギターによる16の物語
1. コスト(1805-0883):マズルカ Op.33
2. コスト:練習曲 Op.38-7
3. 作者不詳(18世紀オーストリアの写本):パッサカリア
4. 作者不詳(18世紀オーストリアの写本):シャコンヌ
5. 作者不詳(17世紀の写本):タリアのエアとドゥーブル
6. 作者不詳(17世紀イタリアの写本)グラーヴェ
7. ユーリ・スミルノフ(1935-2021):ロマンス
8. スラヴコ・フミック(1912-1945):夜想曲
9. ディオニシオ・アグアド(1784-1849):コントルダンス Op.14-8
10. ディオニシオ・アグアド:アレグロ・モデラート Op.6-35
11. ディオニシオ・アグアド:コントルダンス Op.14-2
12. フランチェスコ・モリーノ(1768-1847):ギター・ソナタ Op.6-1第3楽章 ロンド
13. フランシスコ・カジェーハ(1891-1950):子守唄
14. マティルド・テッタメンティ・デ・カランドラ(1909-1995):子守唄
15. カルッリ(1770-1841):アンダンテ Op.320-2
16. カルッリ:ロンド 第4番
17. ジュリアーニ:ル・ロマラン
18.ジュリアーニ:スコットランドの釣鐘草
19. ダミアン・マーティン・トーレス(1894-):子どもの物語
20. テレーザ・フェニンゲル・デ・ロガティス(1893-1979):森のささやき
21. ホセ・ドゥアルテ・コスタ(1921-2004):ポルトガルのセレナータ
22. ガイ・バージェロン(1964-):アドリブ・ラヴァーズ
23. ディーノ・ベルッティ(1893-1947):ジプシー風スケルツォ
24. ジョヴァンニ・バッティスタ・ジェルヴァシオ(1725-1785):アルマンドとロンド
25. フェルナンド フェランディエレ(1740?-1816?):和声の迷宮
26. フアン・アントニオ・デ・バルガス・イ・グスマン(fl.1750-1773):ソナタ第9番
27. アーネスト・シャンド(1868-1924):ギターのための独奏曲第6番『もの思い』
28. アーネスト・シャンド:アンダンテ・レリジオーソ Op.87
ダヴィッド・ジャック(G)

「使用楽器」
1-2. Heptacorde Rene Lacote/Coste, Paris, 1842
3-4. Guitare baroque Didier Nicolas l’Aine, Mirecourt, v.1780
5-6. Guitare baroque Dietrich Stork, Strasbourg, v.1780
7. Guitare Ivan Krasnoshchekov, Moscou, v. 1860
8. Guitare Grigory Grigoryevich Lyubimov, Tchernihiv, v.1940
9-11. Guitare Etienne Laprevotte, Paris, v.1840
12. Guitare Simon Beau, modele Molino, Paris, v.1830
13-14. Guitare Cherpitel Pecheur, Mirecourt, v.1850
15. Guitare Rene Lacote, Paris, v.1845
16. Lyre-guitare Pons fils, Mirecourt, v. 1810
17-18. Lyre-guitare Francois Roudhloff, Mirecourt, v.1820
19-20. Guitare Antoine Lacasse, Quebec,2017
21-22. Guitare Olivier Fanton d’Andon, France, 1993
23-24. Mandoline anonyme, Italie, v.1740
25-26. Guitare a six choeurs Jose Recio, Cadix, v.1830
27-28. Guitare Aubry-Marie, Mirecourt, v. 1840

録音:2022年10月18-20日/カナダ、ミラベル、サン・ブノワ教会
ギターによる15の物語(ACD2-2821)、ギターによる14の物語(ACD2-2806)に続くシリーズ第3弾。ギタリストのダヴィッド・ジャックが、自身のプラ イベート・コレクションから16本の歴史的ギターを取り上げ、楽器の特徴に合ったレパートリーを披露します。
19世紀には作曲家と楽器製作者が手を組み、様々なモデルのギターが生まれました。奏法も多彩化していき、楽器は進化を遂げます。その華やかな盛り上がり を感じることのできる、貴重な音にあふれたアルバムです。 (Ki)

FARAO
B-108125(1CD)
プレトニョフ/ベルリン・フィルハーモニーでのピアノ・リサイタル
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
アレクセイ・ショー(1970-)&ミハイル・プレトニョフ:ピアノ・ソナタ イ短調(2021)*
ショパン:ポロネーズ第1番嬰ハ短調 Op.26-1
 幻想曲 へ短調 Op.49
 舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
 幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
ミハイル・プレトニョフ(P)

録音:2023年4月5日/ベルリン・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
*=世界初CD化
2023年、プレトニョフはドイツではベルリンのフィルハーモニーとフランクフルトのアルテ・オーパーで 2回だけピアノ・リサイタルを行いました。そのベルリン でのリサイタルを収録した久しぶりのピアノ・ソロ・アルバムです。プレトニョフのピアニストとしての今が詰まった注目盤。
一時期は指揮一本で活動し、今も指揮者としての活躍が多いプレトニョフ。しかし型破りで刺激的、挑戦的な彼のピアノ演奏のイメージに強烈な印象を抱いてい る方も多いでしょう。作曲家でもあるプレトニョフの冷静な作品へのまなざしと、演奏家として音楽に深く没頭し斬りこんでいく動的な出力の非凡なバランスは、他では聴けない斬新な驚きを今もなお生んでいます。
ウクライナのキエフに生まれ現在アメリカで活動している作曲家、アレクセイ・ショーとの合作による2021年の『ピアノ・ソナタ』は初めてのCD化。メカニカ ルで軽やかな点描とゆったりした叙情歌がひとつになった、不思議な美しさを持つ音楽です。まるでプロコフィエフを透明にしてほのかに光をにじませたような幻 想性。急速楽章では華やかな技巧への挑戦もあり、ピアニストにとって弾き甲斐のある作品になっています。 (Ki)

オクタヴィア
OVCX-00098
(1SACD+DVD)
初回限定DVD付き
税込定価
2024年4月24日発売
北村明日人IN CONCERT
【CD】
バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545
ブラームス:4つの小品作品119
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」
グリーグ:ホルベルク組曲 作品40
【DVD】 ※初回限定パッケージのみ
グリーグ:ホルベルク組曲 作品40よりT Preludium
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8「悲愴」より第2楽章
ブラームス:4つの小品作品119W 狂詩曲 変ホ長調
特典映像
北村明日人(P)

※初回完売後は新品番にてCD(Hybrid Disc)のみのパッケージで販売いたします
リサイタル・録音・映像によって才能溢れる若手演奏家を多角的に 紹介する、大友直人が贈る高崎芸術劇場の「T-Shotシリーズ」第十 二弾。第46回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリを はじめ、数々の受賞歴を誇る北村明日人。東京藝術大学やスイス・ チューリッヒ芸術大学で実力を磨き、本格派として評価の高いピア ニストの初ソロCD+DVD。 [発売元・(公財)高崎財団]

GALLO
GALLO-1690(1CD)
デ・アニマ(魂について)」〜ハープ作品集
ルニエ:伝説(1901)
ヒンデミット:ハープ・ソナタ(1939)
バッハ:アダージョBWV564
ブリテン:組曲Op.83(1969)
シューベルト:ハンガリー風のメロディD817
スメタナ:モルダウ(H.トルネチェク編)
サーリアホ:秋(1991)
アンヌ・バッサン(Hp)

録音:2022年12月
偉大なハーピストの作品集」(GALLO1413)に続くアンヌ・バッサンのGALLOへのア ルバム第2弾。バッハから現代音楽の作曲家サーリアホまで珍しいハープ独奏曲を収 録。アンリエット・ルニエは卓越したハーピストであり、多くのハープのため の作編曲作品を残した。伝説はフォーレやシャミナードを思わせる洒脱な作品。バッハ のアダージョBWV564はオルガン曲からの編曲。先ごろ亡くなったフィンランドの鬼才カ イヤ・サーリアホの「秋」は北国の短い秋と冬の訪れを感じさせる美しい小品。アンヌ・バ ッサンはスイス、ジュネーヴ出身でヨーロッパを中心に活躍しているハープ奏者。
GALLO
GALLO-1699(1CD)
シューマン:ピアノ曲集Vol.2
6つの間奏曲Op.4(1832)
クララ・ヴィークの主題による即興曲Op.5
朝の歌Op.133/森の情景Op.82
ボビー・ミッチェル(P)

録音:2022年8月27日サン・フランシスコ、オールド・ファースト教会
「ノヴェレッテ Op.21、フモレスケ Op.20」(GALLO1678)に続くボビー・ミッチェルのシューマン 第2弾。 シューマンの決して長いとはいえなかった生涯に書かれたピアノ作品から初期のものと後期のも のを収録。ピアノのボビー・ミッチェルはアメリカのピアニストで古典から現代音楽まで幅広いレパ ートリーを持つ中堅。このシューマンの作品集ではロマン派の音楽を弾く、というより、現代音楽を 弾くように各声部をクリスタルのようなタッチでクリアに弾き切っていて清冽にして鮮烈。

Salamandre
SALAM-006(1CD)
プロコフィエフ:「ピーターと狼」(オルガン版:ティエリー・メクラー編)*
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(オルガン版:ティエリー・メクラー編)
ティエリー・メクラー(Org)
ヴァンサン・フィギュリ(朗読) *

録音:1993年サン・エティエンヌ大聖堂,オーセール
(朗読部分)2023年3月14日
オルガンの多彩な音色を使って聴く、プロコフィエフの「ピーターと狼」そしてムソルグ スキーの「展覧会の絵」。オルガンの複雑なレジストレーションを駆使してオーケストラ以 上の豊かな色彩と迫力を作り出します。「ピーターと狼」にはフランス語の朗読が入りま す。それぞれの登場人物のテーマがどんな音色で描かれているかはお楽しみ。「展覧 会の絵」のオルガン版は荘厳というほかなく、冒頭のプロムナードそして最後の「キーウ の門」に至っては教会の大伽藍の残響も手伝って聴き手を圧倒します。ラヴェルの管弦 楽編曲版に継ぐ名編曲版です。ぜひお聴き下さい。

ALPHA
ALPHA-994(2CD)
NX-E05
バッハ:6つのパルティータ
パルティータ 第1番変ロ長調 BWV825
パルティータ 第3番イ短調 BWV827
パルティータ 第4番ニ長調 BWV828
パルティータ 第2番ハ短調 BWV826
パルティータ 第5番ト長調 BWV829
パルティータ 第6番ホ短調 BWV830
マルティン・ヘルムヒェン(タンジェント・ピアノ〔=タンゲンテンフリューゲル〕)
使用楽器…レーゲンスブルクのシュペート&シュマール工房1790年製オリジナル

録音:2022年9月5-8日、2023年1月3-6日
ドイツの最前線を代表するピアニストの一人マルティン・ヘルムヒェン。これまでも協奏曲の録音でフィリップ・ヘレヴェッヘ(メンデルスゾーン/ Pentatone)やアンドルー・パロット(ベートーヴェン/ALPHA)など古楽器畑出身の指揮者たちと共演していますが、今回バッハ作品の録 音に初めて臨むにあたって選んだ楽器は、タンジェント・ピアノ。18世紀中盤以降ドイツ西部を中心に普及した、打鍵時にタンジェント(タンゲ ンテ)と呼ばれる小片が弦を打つ構造の鍵盤楽器です。チェンバロと違い打鍵のニュアンスを音に反映できる点はバッハも好んだクラヴィコード に似ており、普及した時代こそバッハの活躍期より遅く分布地域もやや異なるものの「チェンバロでも現代ピアノでも辿り着き得ないバッハ作 品の一面に触れられる」と語るヘルムヒェン(詳細はライナーノートの本人コメント〔独・英・仏語〕を参照)。現代ピアノを通じての彼ならではの 誠実な解釈姿勢そのままに、バッハの想定していた音作りの真意に迫る機微豊かな演奏の魅力を、ヘルムヒェンの録音の多くを手掛けガー ディナーのバッハ教会カンタータ録音群(SDG)などでも実績のあるトーンマイスター、ゼバスティアン・シュタインの丁寧な仕事が隅々まで隈な く伝えます。

Capriccio
C-5519(1CD)
NX-B10
ドホナーニのピアノ〜エルンスト・フォン・ドホナーニ:ピアノ作品集
ドリーブ:バレエ音楽『コッペリア』 - ワルツ(E. ドホナーニ編)
「ハンガリーのクリスマスの歌」によるパストラーレ(1920)
古い様式による組曲 Op.24
ハンガリー民謡による変奏曲 Op.29
3つの小品 Op.23
J・シュトラウス:「ジプシー男爵」 - 宝のワルツ(E. ドホナーニ編)
ソフィア・ギュリバダモヴァ(P)
1910年製ベーゼンドルファー、クラッサムの湾曲鍵盤付き
ブダペスト音楽史博物館所蔵

録音:2022年7月19-21日ブダペスト音楽史博物館(ハンガリー)
優れたピアニストでもあった作曲家ドホナーニが書いた作品を、彼が所有していた歴史的ピアノで演奏した1枚。 ハンガリーの作曲家エルンスト・フォン・ドホナーニ(エルネー・ドホナーニ)は優れたピアニストであり、楽器の発明や改良にも強い関心を持っていました。彼はと りわけ半円を描くように湾曲した鍵盤を備えたピアノが気に入り、1909年から1910年頃にはこの楽器の推進者となりました。この方式の鍵盤は、高音、中 音、低音のどこを弾く時も体の中心からの距離がほとんど変わらないため、体を動かすことなく演奏できるのがポイントで、1820年代に開発されると、オース トリア、ロンドン、ドイツで競って実用化が行われた後、オーストラリアの音楽家・発明家のフレデリック・クラッサム(1869-1934)が1907年12月に特許を取 得しました。クラッサムは1908年末もしくは1909年初頭にベルリンで新楽器を発表するとともに、著名ピアニストやピアノメーカーに協力をもちかけ、ドホナー ニも有名なピアノ製造社「イバッハ」製の楽器を演奏、普及に尽力しました。その後、各地の音楽大学に納入される予定でしたが、実際に購入されることは ほとんどなかったようです。ドホナーニ自身はこの楽器を長らく愛用し、1910年10月の室内楽演奏会から、1913年4月に開催された演奏会に至るまで、 プログラムとレビューには「ルドルフ・イバッハ社のクラッツァム鍵盤付きのコンサートグランドピアノを使用」との注釈が載っていました。 このアルバムに収録された 作品は第一次世界大戦前に作曲されたもので、この独自のピアノを念頭に書かれたものと推測されます。ソフィア・ギュリバダモヴァが演奏するのは、1910 年製ベーゼンドルファー社製の楽器。同社はドホナーニのために2台のクラッサム鍵盤付き楽器を制作したとされており、1台は自宅用、もう1台はコンサート に用いていたと彼の2番目の妻エルザが語っています。自宅用の楽器は彼の死後、リスト音楽院の教授フェレンツ・ファルカシュの手を経て現在はブダペスト 音楽史博物館に所蔵されています。当録音に際してレストアが行われ、そのユニークな外観とは別に、あたたかみのある響きが作品に絶妙にマッチしていま す。

IBS CLASSICAL
IBS-32024(1CD)
NX-B10
歴史に埋もれた女性作曲家たちのピアノ曲集 第2集
1. ミリアム・ハイド(1913-2005):Wet Night on the Highway
2-4. マリアンネ・フォン・マルティネス(1744-1812):ソナタ イ長調
5. エリザベート・フォン・ヘルツォーゲンベルク(1847-1892):5つのピアノ小品 ? 第2番Allegretto
6-8. マリオン・バウアー(1882-1955):ニュー・ハンプシャーの森から Op.12
9. ダナ・スウィース(1909-1987):アメリカ風夜想曲
10-12. ブーランジェ(1887-1979):ピアノのための3つの小品
13. シャミナード(1857-1944):6つの演奏会用練習曲 ー 第2番Automne 秋
14. マリー・ヴィーク(1832-1916):ピアノのための練習曲 ? 第3番Grazioso
15. ドーラ・ペヤチェヴィチ(1885-1923):花の一生 Op.19? バラ
16-17. リュビカ・マリッチ(1909-2003):Pesma i Igra 歌と踊り
18. オティリエ・スコーヴァ(1878-1905):Ukolabavka
19-22. アガサ・バッケル・グロンダール(1847-1907):Norske Folkeviser og Folkedanse op.30&33(抜粋)
23. マティルデ・サルバドール(1918-2007):ソナチネ
24. エンマ・チャコン(1886-1972):Alborada アルボラーダ op.91
25-26. ヘンリエッテ・ボスマンス(1895-1952):2つの前奏曲 第3番、第5番
27. フローレンス・プライス(1887-1953):セピア色のスケッチ
28. メリ・ダヴィタシュヴィリ(1924-2014):Khorumi
29. ルイーズ・ファランク(1804-1875):Melodie メロディ
アントニオ・オヤルサバル(P)

録音:2023年2月12-15日
ロンドン在住のピアニスト、アントニオ・オヤルサバルが紹介する女性作曲家のピアノ曲集第2集。このアルバムでも異なる時代と地域に生きた18人の作品 が取り上げられています。ナディア・ブーランジェやドーラ・ペヤチェヴィチ、フローレンス・プライス、ルイーズ・ファランクなど近年注目を集めている人もいますが、 他の作曲家の名前を目にすることはほとんどありません(ちなみにトラック5のエリザベート・フォン・ヘルツォーゲンベルクはドイツの作曲家ハインリヒ・フォーン・ヘ ルツォーゲンベルクの妻、トラック18のオリティエ・スコーヴァはヨゼフ・スークの妻です)。 オヤルサバルは彼女たちが生きた時代を徹底的に調査し、実際に音にすることで彼女たちの存在を確かなものにしています。

Linn
CKD-712(1SACD)
NX-C07
スティーヴ・ライヒ(1936-):フォー・オルガンズ(4台のオルガン)
ピアノ・フェイズ (加藤訓子編曲2台のヴィブラフォン版)
ナゴヤ・マリンバ
マレット・クァルテット
加藤訓子(マリンバ、ヴィブラフォン、オルガン、マラカス - 多重録音)

録音:2022年5月25-26日、6月5-6日 かながわアートホール、2023年6月1-4日 ウィステリアホール(豊橋)
2011年にリリースされたLINNからのデビュー・アルバム「kuniko plays reich」から約13年。2018年には「Drumming」のリリースもあっ た加藤訓子による、ライヒ作品を集めた3枚目のアルバムが登場。今回は電子オルガンの演奏のほか、ヴィブラフォンによる「ピアノ・フェイズ」、 鍵盤打楽器のためのオリジナル作品などを多重録音で収録。LINN RECORDSのジャレッド・ホッブス監修の下、寒河江ゆうじによる録音 とミキシングに、CHANNEL CLASSICS創立者ジャレッド・サックスがマスタリングを行った高音質録音を生かす、SACDハイブリッド盤での発 売です。
2011年に英国のLINN Recordsから初リリースしたkuniko plays reich以来、「次のアルバムは何をやるの?」と訊かれてきた。世界中 から「次のライヒは?」と期待されるが、私はただ、音楽活動の中で、作品との出会いや縁というものを大事に自然の流れに身を任せ、その 時の興味に没頭してきただけで、最終的に自然の産物としての音楽が人から人へとこの世に残ってゆけばそれでいいと思っています。2022 年、めぐろパーシモンホールの開館20周年記念として日本でオールライヒプログラムを企画した際には、「ドラミング」の生のアンサンブルを中 心に「フォーオルガンズ」や「マレットとオルガンのための音楽」など、やってみたかった曲をかたっぱしから並べた。セッションの間、生身の演奏を 見ながら、自身でもっと納得の行くように取り組みたいと思ったものを密やかに勉強し、また一人でコツコツと録音を重ねて行った。それらが、 今回 kuniko plays reich II へ収録した4曲です。図らずもライヒの60年代から2000年代までを往年の名曲も含め、彼の作曲法の 推移を追いかけるようなラインアップとなった。  【加藤訓子】

Biddulph
BIDD-85046(1CD)
NX-B06
ルネ・ベネデッティ コロンビア録音集とパガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ヴィエニャフスキ
1. モスクワの思い出 Op.6
サラサーテ
2. スペイン舞曲集 Op.21第2番「ハバネラ」
3. スペイン舞曲集 Op.21第1番「マラゲーニャ」
4. スペイン舞曲集 Op.23第2番「サパテアード」
クライスラー
5. ウィーン奇想曲 Op.2
6. 中国の太鼓 Op.3
ファリャ:スペイン民謡組曲(パウル・コハンスキ編)より
7. アストゥリアス地方の歌
8. ポロ
9. カンシオン
10. ホタ
ファリャ:歌劇「はかなき人生」より
11. スペイン舞曲(クライスラー編)
ミヨー:12. 『屋根の上の牡牛』によるシネマ・ファンタジー Op.58a (カデンツァ:オネゲル)
カレル・ゾウベク(1902-1959)
13. ヘレネのセレナード Op.9
14.2分間のジャズ
パガニーニ
15-17. ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op. 6
ルネ・ベネデッティ(Vn)

ジャン・ヴィエネル(P)・・・1-11
モーリス・フォーレ(P)・・・12
ジョセフ・ベンヴェヌーティ・・・13&14
ラムルーO・・・15-17
ウジェーヌ・ビゴー(指)・・・15-17

1. 録音:1928年
 初出:Columbia D15033(matrix WLX175/76)
2,3,5,6. 録音:1927年10月24日
 初出:Columbia D15008/09(matrices WLX 121/24)
4. 録音:1929年10月11日
 初出:Columbia LFX21(matrix WLX1144)
7-10,12. 録音:1928年6月13日
 初出:Columbia D15049(matrices WLX435/36)
11. 録音:1927年10月20日
 初出:Columbia D13037(matriX WL675)
13&14. 録音:1932年12月7日
 初出:Columbia D15074/75
 (matrices WLX4055/56)
15-17. 録音:1941年9月29日
 初出:Pathe45-48(matrices CPTX478/85)
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:Raymond Glaspole
デジタル・マスタリング:Rick Torres
20世紀前半のフランスを代表するヴィルトゥオーゾ、ルネ・ベネデッティの卓越したテクニックと明るい美音を堪能する復刻盤が登場。今では彼の名はクリス チャン・フェラスやジャン=ジャック・カントロフの師として言及される程度ですが、カントロフは師を「ハイフェッツのテクニックとティボーの魅力を兼ね備えた真に傑 出した存在。歴史を通じて最高の演奏家の一人」と讃えています。 イタリア系の家庭に1901年に生まれたベネデッティは、父がヴァイオリン教室の教師をしていたこともあって早くからヴァイオリンを演奏し、7歳にしてパリ音楽院 で学び、10歳の年ピエルネの指揮でパリ・デビューを飾るほどの天才児として注目を集めました。「フランス六人組」の作曲家達と親交を持ち彼らの作品を多 数演奏、シェーンベルクやストラヴィンスキーの作品もフランスに紹介しました。12.に収録されたミヨー:『屋根の上の牡牛』によるシネマ・ファンタジーは彼が 初演したものです。パガニーニの24のカプリースとバッハの無伴奏ソナタ&パルティータをフランス人として初めてコンサートで演奏し、自ら校訂した楽譜も出 版。1922年にはカーネギーホールにデビュー、その後もトスカニーニやシューリヒトらと共演、終戦翌年の1946年にはチェリビダッケの指揮でベルリン・フィルに デビュー。ピアノのジョセフ・ベンヴェヌーティ、チェロのアンドレ・ナヴァラと組んだB.B.N.トリオでも活動し、1942年から71年までパリ音楽院で教えました。しか し、その活躍と名声が主にフランス国内に留まったのは「(世界中で引っ張りだこになることを)単に彼が望まなかったからだ」と教え子のJ-J.カントロフは回想 しています。録音も少なく、復刻盤は貴重。ベネデッティは大きな手と細く繊細な指先を持ち、その左手のテクニックは圧巻だったと伝えられ、ここに収録され た小品集も、「快刀乱麻を断つ」のイメージが相応しいテクニックと明るい美音によるスタイリッシュな演奏を楽しむことができます。SP復刻盤の楽しみの一つ に、往時に人気を博しながら今は耳にする機会がほとんどない曲(その多くはSP片面に収まる長さで書かれた)の再発見がありますが、ゾウベクの2曲がまさ にそれ。特に「2分間のジャズ」は生演奏では大喝采を博したことが想像される爽快な作品です。最後に収められたパガニーニの協奏曲第1番はベネデッティ らしい演奏として知られてきたものですが、復刻を担当したプロデューサーによれば「第2次世界大戦中に制作されたためかシェラックの質が劣りノイズが多い が、ノイズを取り過ぎるとヴァイオリンの倍音も消えてしまうので、ほとんど手を加えていない」とのことです。

Grand Piano
GP-926(1CD)
NX-B06
20世紀のフォックストロット集 第6集 - 南ヨーロッパ
【イタリア】
1. フランコ・カサヴォラ(1891-1955):タンゴ・ヴィオラ・ダ・キャバレー・エピレッティコ(1925)
2. アルフレード・ガッターリ(1894-1972):2つのノヴェルティ・ピアノ・ソロ- 第2番ショパンのチャールストン・ドリーム(1928出版)
3. マルコ・エンリコ・ボッシ(1861-1925):2つのワルツ Op.221*- 第2番ヴィーナス・ワルツ、ボストン=ワルツ(1921)
4. ヴィクトル・デ・サバタ(1892-1967)もしくはヴィットーロ・デ・サバタ(1866-1933):プリンチペ、フォックス=トロット
5. プッチーニ:ピッコロ・タンゴ(1942年出版)
6. カゼッラ:カクテル・ダンス(1918)
7. カゼッラ:9つの小品 Op.24- 第8曲 タンゴ風に(1914)
8-10. エットーレ・デスデーリ:シンコペーションによる前奏曲、コラールとフーガ(1934)*
11-12. カステルヌオーヴォ=テデスコ:『メディア・ディフィコルタ』より
 11. No.3. タンゴ(1931)*
 12. No.4. フォックス=トロット(1931)*
13-14. エマ・ビアンキーニ(1890-1929):私の人形の踊り Op.8(1927出版)*
 13. 第2曲 躊躇い
 14. 第3曲 ワン=ステップ
15-16. ビアンキーニ:私の人形の踊り Op.9(1927出版)*
 15. 第4曲 タンゴ
 16. 第3曲 チャールストン
17. ヴィルジリオ・モルターリ(1902-1993):「驚愕の演劇宣言」のフォックス=トロット(1921)
18. ドメニコ・サヴィーノ:アラベスク・イン・ブルー(1928)*
【キプロス】
19. アニス・フレイハーン(1900-1970):エーゲ海から - 第2曲 タンゴ(1950)
【ギリシャ】
20. スカルコッタス:ピアノ組曲 - 第3曲 シミー・テンポ(断章)(1924)
21. テオフラストス・サケラリディス(1883-1950):トゥ・プリーズ・ハー・ハズバンド- フォックストロット=シミー(1922)*
【マルタ】
22-23. チャールズ・カミレーリ(1931-2009):ピアノ練習曲集 第3巻「ピカソ・セット」(1964/1972改訂)
 22. 第1番フォックストロット
 23. 第5番ブルース
【スペイン】
24. ジュゼップ・マルティ・イ・クリスティア(1884-1918):陽気なアメリカ人 - ラグ=タイム(P版)(1917)*
25. クリフトン・ワーズリー(1873-1925):ファイヴ・オクロック・ティー、フォックス・トロット(1917年出版)*
26. ワーズリー:トリステ・イリュージョン、ヴァルス・トリプル・ボストン(1916年出版)*
27. モンポウ:フォックトロット(1916)
28. モンポウ:タンゴ(1919)
29. モンポウ:バレエ - 第5曲 ブルースの時間(1949)
【ポルトガル】
30. アントニオ・トマス・デ・リマ(1887-1950):子供のアルバム 第3巻- 第4曲 オ・クコ・バイラリーノ、ワン=ステップ(1927年出版)*
31. リマ:子供のアルバム 第1巻 - 第2曲 道化、フォックス=トロット(1926年出版)*
32. リマ:子供のアルバム 第1巻 - 第3曲 さようなら、ワン=ステップ(1926年出版)*
33. ペドロ.F. リベイロ・ダルメイダ(1880-1965):アハイアル、ファドのモティーフによるワン=ステップ*
ゴットリープ・ヴァリッシュ(P)
スタインウェイ Model D (No.573.680)

録音:2022年9月14-16日
ミュンヘン、バイエルン放送
*…世界初録音
フォックストロットとはダンスのための音楽の1ジャンルで、もともとは19世紀末アメリカで生まれたラグタイムを前身とするスピーディーでアクションの激しい音楽 です。第一次世界大戦後の1920〜30年代、ヨーロッパでは人々の憧れであったアメリカ文化の象徴として流入してきたジャズやフォックストロットが大流 行。このアルバムでは地中海沿岸諸国の作曲家たちによるファッショナブルなフォックストロットを聞くことができます。 アルバムではプッチーニ、カステルヌオーヴォ=テデスコ、カゼッラ、スカルコッタス、モンポウなどのよく知られる人たちの珍しい小品の他、現在では忘れられてし まった作曲家たちの世界初録音を含む作品を収録。彼らがジャズやダンス・ミュージックからどのように影響を受けたかを明らかにしています。 シリーズを通じて演奏を担当するゴットリープ・ヴァリッシュの華麗な演奏でお楽しみいただけます。

NCPA Classics
N-816501351S(2CD)
日本語解説付輸入盤
ハオ・ラオ 〜 ショパン・リサイタル
ショパン:バラード第3番変イ長調 Op.47
 3つの華麗なるワルツ Op.34
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調 Op.22
 4つのマズルカ Op.33
 ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
◎アンコール
ドビュッシー:夢想 L.68
ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53《英雄》
ハオ・ラオ(P)

録音:2022年2月24日、中国国家大劇院(デジタル、ライヴ)
2007年9月に完成した中国、北京の中心に位置する中国国家大劇院(NCPA/National Centre for the Performing Arts)の自主レーベル「NCPA Classics」の取り扱いを開始します。
「デビュー」シリーズはその名の通り、中国の若き才能を世界に向けて紹介する要注目のラインナップです。
2021年に開催された第18回ショパン国際ピアノ・コンクールにおいて17歳という若さでファイナリストとなり、その天才的な音楽性とテクニック、そして自身の名前を世界へと響かせた中国の俊英ハオ・ラオ(饒?/ラオ・ハオ)。中国から参加した22名のコンテスタントの中で唯一のファイナリストとなり、その並外れた才能が一躍話題となったことは記憶に新しいことでしょう。
今回「NCPA Classics」レーベルからリリースされたハオ・ラオの演奏は、ショパン・コンクールの翌年、2022年2月24日に中国国家大劇院の音楽庁で開催された「ショパンの印象 〜 ハオ・ラオ・ピアノ・リサイタル」のライヴ・レコーディング。
数あるショパンの傑作の中からハオ・ラオが選んだ特にお気に入りの作品で構成されたプログラムからは、ショパン・コンクールでの見事な演奏の記憶が蘇るのと同時に、さらにスケールアップしたハオ・ラオのピアニズムが感銘を与えてくれています。

BIS
BISSA-2690(1SACD)
シューベルト+クルシェネク
クルシェネク:ピアノ・ソナタ第2番Op.59 IEK29
シューベルト:ハンガリー風のメロディ ロ短調 D.817
シューベルト:アレグレット ハ短調 D.915
シューベルト(クルシェネク補完):ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 D.840「レリーク」)
ジャン・チャクムル(P/Kawai SKEX(Shigeru Kawai Concert Grand))

録音:2022年9月12〜17日テスマー・トーンスタジオ(ハノーファー)
2018年第10回浜松国際ピアノコンクール第1位のジャン・チャクムルが、2028年のシューベルト歿後200年に向け続々とリリー スしている一大プロジェクト「シューベルト+」。当シリーズはシューベルトの主要なピアノ独奏曲と彼の音楽に影響を受けた作曲家の作品を並べることで、その 作品に焦点を当てるだけでなく、それぞれの作品に新たな魅力を感じてもらいたいというチャクムルの思いから生まれた企画で、これまでに「シューベルト+シェー ンベルク」(KKC-6701/ BIS SA-2650)、「シューベルト+ブラームス」(KKC-6803 / BIS SA-2680)がリリースされ絶賛されています。
第3弾はエルンスト・クルシェネク(クレネク)です。ウィーン出身でドイツやアメリカで活躍したクルシェネクは、作曲家として70年以上のキャリアを持つ多作家。 時代によってさまざまなスタイルを取り入れたことでも知られますが、1920年代に作曲したピアノ・ソナタ第2番は、シューベルトを思わせる技巧ながら19 世紀のウィーンというよりも20世紀初頭のパリの香りがする音楽です。
シューベルトの未完のソナタ第15番は「レリーク」の名で知られ、未完にしてシューベルトの重要作とされています。当ソナタはシューベルトの生前には出版 されず、シューベルトの死後、1839年にローベルト・シューマンにより発見されました。
20世紀に入りクルシェネクだけでなく、バドゥラ=スコダ、プルーデルマッハーなどの名ピアニストも補完版を発表しています。クルシェネク版についてチャク ムルは「スコアに明記されていなければ、クルシェネクがどこから補筆しているのか聞き分けるのは難しいだろう」と語っています。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187206(ACD)
「映像」〜ドビュッシー:ピアノ作品集
舞曲(スティリー風タランテラ)L.69
2つのアラベスク/夜想曲 変ニ長調 L.82
ピアノのために/版画 L.100
映像 第1集/映像 第2集 L.111
喜びの島 L.106
サスキア・ジョルジーニ(P/Bosendorfer 280VC227)

録音:2023年12月2&3日/ライディング(オーストリア)
エグゼクティヴ・プロデューサー:カスパー・ファン・クーテン
名ヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドから「確かなテクニック、美しく心動かされる音色、ファンタジーにあふれるフレージングと純粋な音楽性」と絶賛 されるイタリアのピアニスト、サスキア・ジョルジーニ。
PENTATONEレーベルからのリリースが続いておりますが、当アルバムではドビュッシーの最も色彩豊かなピアノ曲を録音しました。「舞曲」や「2つのアラベス ク」といったカラフルな初期作品から「版画」や「映像」といった後期作品まで、ドビュッシーの世界をあらわした充実の内容。その演奏はまるで音楽の“絵”に生 命が宿ったかの如く美しく奏でられます。83分長時間収録。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0092(1CD)
シューマン:ピアノ作品集
ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6
トッカータ Op.7
アラベスク Op.18
ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26
セルゲイ・タニン(P)

録音:2022年12月14-16日チューリッヒ、ZKOハウス
2018年ゲザ・アンダ国際ピアノコンクールで第3位と聴衆賞、2020年バート・キッシンゲンでのクラヴィーア・オリンプで優勝と聴衆賞を獲得しているシベ リアの若きピアニスト、セルゲイ・タニン(1995-)によるシューマン・アルバム。技巧をものともしない自由闊達な指の動きがすばらしく、シューマンの複雑で多 層的な音を軽やかに解きほぐし、繊細な綾を活き活きと描ききっています。 (Ki)
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0089(1CD)
しぼめる花 〜パンフルートとピアノのための作品集
ドニゼッティ:フルート・ソナタ
シューベルト:しぼめる花の主題による序奏と変奏曲 D802
シューベルト(リスト編):影法師 S.560-12
リスト:巡礼の年 第1年「スイス」より 夕立
グルック:『オルフェオとエウリディーチェ』より 聖霊の踊り
ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第2番
ドビュッシー:『小組曲』より 小舟にて
ピアソラ(ミケーレ・マンガーニ編):忘却
リゲティ:ムジカ・リチェルカータより III. IX. VII.
ディニク(クルト・レーデル編):ホラ・スタッカート
モンティ:チャールダーシュ
伝承曲(ファビアン・ミュラー編):ルーマニア組曲 Giampara / Hora lenta / Sirba Olteneasca
ハンスペーター・オジエ(パンフルート)
マリーナ・ヴァシリエヴァ(P)

録音:2022年11月29日-12月1日イタリア、ドッビアーコ、マーラーザール
驚異のパンフルート奏者、ハンスペーター・オジエによるアルバム。楽器のイメージを覆す技巧的な内容に驚かされます。シューベルトの『しぼめる花』をメインとし重厚な変奏を聴かせつつ、「ホラ・スタッカート」「チャールダーシュ」からルーマニア音楽まで、何でも来いとばかりに演奏。

ATMA
ACD2-2844(1CD)
旅 〜ドビュッシー&アリス・ピン・イ・ホ:ピアノ作品集
ドビュッシー:小組曲(ジャック・デュランによるピアノ独奏編曲版/フィリップ・チウ校訂)
映像 第1集
アリス・ピン・イ・ホ(1960-):香港懷情※フィリップ・チウ委嘱作品、世界初録音
ドビュッシー:版画
フィリップ・チウ(P)

録音:2023年8月26-28日/ケベック
アリス・ピン・イ・ホ(Alice Ping Yee Ho、1960年生まれ)は香港生まれ。トロント大学で作曲を学び、カナダで活動するピアニスト・作曲家です。師事し た作曲家はファーニホウほか。『香港懷情』は香港へのノスタルジーを描いた作品。異国情緒や風景をたくみに音楽化したドビュッシーと組み合わせることでまさ に旅のような音世界になっています、 (Ki)

GENUIN
GEN-24880(1CD)
チャイコフスキー:18の小品 Op.72 エフゲニア・ルビノヴァ(P)

録音:2021年5月6日-8日、ライトシュターデル(ノイマルクト、ドイツ)
1977年にウズベキスタンの首都タシケントに生まれ、モスクワでウラジーミル・クライネフやアレクセイ・リュビモフの下研鑽を積み2003年のリーズ国際ピアノ・コンクールで2位入賞を果たしたピアニスト、エフゲニア・ルビノヴァによるチャイコフスキー最晩年の作品「18の小品 Op.72」。死の半年前に作曲されその完成度と内容からまさに「チャイコフスキーの遺言」とも呼ぶにふさわしいこの作品にルビノヴァが新たな命を吹き込みます。

RUBICON
RCD-1123(1CD)
ベートーヴェン、モーツァルト、シェーンベルク&ウェーベルン
ベートーヴェン:エロイカ変奏曲 Op.35
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 K.332
シェーンベルク:6つの小さなピアノ曲 Op.19、
 5つのピアノ曲 Op.23
 2つのピアノ曲 Op.33a & b
ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27
カリム・サイード(P)
カリム・サイードは、ヨルダンの首都アンマン生まれ、5歳からピアノを始め、11歳でイギリスへ移住し王立音楽アカデミーで研鑽を積みました。ダニエル・バレンボイムに師事したサイードは、バレンボイムの招きにより2000年にヴァイマール・ベルデヴェーレ音楽学校でコンサートを行い、その成功がクリストファー・ヌーペン監督によるドキュメンタリー「カリムズ・ジャーニー」へと繋がりました。同ドキュメンタリーはBBCで放送され国際的な名声を高めました。2009年にはバレンボイムとの共演でBBCプロムス・デビューも果たし、その後もピエール・ブーレーズ・ザールのこけら落とし公演に参加するなどしています。
このアルバムでは、クラシック音楽の流れを変えた二人の作曲家の作品に焦点を当てています。モーツァルト以後、ピアノ音楽の流れを変えたのはベートーヴェンでした。特にここで収録されている「エロイカ変奏曲」は古典的な枠を出て新時代の到来を告げた作品と言ってよいでしょう。その後20世紀に入るとシェーンベルクがジャズやワルツの影響を受けながらも彼の弟子であるウェーベルンなどと共に、不協和音を響かせる新しい音楽へと発展させていきました。

Indesens Calliope Records
IC-046(1CD)
蝶々〜シューマン、マスネ、グリーグ:ピアノ作品集
シューマン:謝肉祭 Op.9
マスネ:ピアノのための2つの小品(白い蝶々、黒い蝶々)
シューマン:アベッグ変奏曲 Op.1
グリーグ:蝶々 Op.45
シューマン:蝶々 Op.2
ヴァルドゥイ・イェリツィアン(P)

録音:2023年8月28日ー30日、CRRサンモール・デ・フォッセ・オーディトリアム(フランス)
エレバンの音楽一家(両親はピアニスト)に生まれたイェリツィアンは、パリ国立高等音楽院でフランスの名ピアニスト、ブリジット・エンゲラーの下で研鑽を積み、2007年のアヴァン・セーヌ・コンクールで優勝。国際的なソリストとして、BBC響、イル・ド・フランス国立O、上海POなどと共演。卒業後、シテ・ド・ラ・ミュージックでハチャトゥリアンの協奏曲を演奏して以来、フランス、ナントのラ・フォル・ジュルネ、トゥールーズのジャコバン国際ピアノ音楽祭など、数多くの音楽祭に招待されており、2011年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでも来日しています。
本アルバムでは、シューマンがピアニストとしての活動を始めた直後の作品である 「蝶々(パピヨン)」 を中心に、マスネ、グリーグの蝶々をカップリング。それぞれの作風、ピアニズムを辿ります。

Signum Classics
SIGCD-907(1CD)
シメオン・テン・ホルト:カント・オスティナート(ハープ独奏版)
カント・オスティナート(セクション1〜106)
カント・オスティナート(シングル・セクション74〔テーマ1〕〜エンド)
アフォリズム第2番(イェルン・ファン・ヴェーン編)
グウィネス・ウェンティンク(Hp)

録音:2023年3月17日-18日、イギリス
様々なジャンルや役割を越えて国際的に活躍するハープ奏者グウィネス・ウェンティンクが、シメオン・テン・ホルトの傑作「カント・オスティナート」をハープ独奏のための新たな編曲でレコーディング! 現代オランダを代表する作曲家シメオン・テン・ホルト(1923-2012)による「カント・オスティナート」は、オランダ・ミニマルの金字塔として様々な編成やアレンジで録音・演奏されており、ハープ版のアルバムもありましたが、2011年に初めてピアノ版「カント・オスティナート」を聴いて感動したというグウィネス・ウェンティンクが、自ら新たなソロ・ハープ・アレンジを手がけ、彼女が当時感じた熱情と熱狂をはっきりと伝えています。
Signum Classics
SIGCD-798(2CD)
リスト:ピアノ作品集
ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲(巡礼の年第2年 S.161より 第7曲)
孤独の中の神の祝福(詩的で宗教的な調べ S.173より 第3曲)
葬送曲(詩的で宗教的な調べ S.173より 第7曲)
暗い雲 S.199
ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
エマニュエル・デスパックス(P/スタインウェイ モデルD)

録音:2023年7月31日-8月2日、サフロン・ホール(イギリス)
英国王立音楽カレッジで名教師ルース・ナイにピアノを学び、クラウディオ・アラウの孫弟子にあたるピアニスト、エマニュエル・デスパックス。ロマン派とポスト・ロマン派作品の優れたパフォーマーとして極めて高い評価を築いているデスパックスのSignum第8弾では、ロマン派のもっとも重要なコンポーザー=ピアニスト、フランツ・リストの2枚組アルバムが登場! デスパックスの音楽的教育はフランツ・リストまで遡る指導者の系譜(リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ→ルース・ナイ)に根ざしており、作曲家の遺産と深いつながりを生み出してきました。偉大な「ピアノ・ソナタ ロ短調」から、神々しき「詩的で宗教的な調べ」からの音楽まで、リストが音楽史に刻んできた劇的で幻想的な世界を掘り下げています。
2023年の来日公演でも盛況を博したエマニュエル・デスパックスが紡ぐ、輝かしきリストの系譜にご期待ください。

NEOS
NEOS-12404(1CD)
エルンスト・ヘルムート・フランマー:初期ピアノ作品集
5つのピアノ小品「Momentaufnahmen」(P小品集第1番)(1980/81)
ピアノ小品集第2番(1985)
ピアノ小品集第3番「passacaglia brevis」(1987/88)
ピアノ小品集第4番「ut moriens viverent vixit moriturus」(1993/94)
Auszeit II(Pのためのハバネラ集)(1996)
カヤ・ハン(P)

録音:1997年7月、スタジオ3(バイエルン放送、ミュンヘン)
ドイツ・ハイルブロン出身の現代音楽作曲家、エルンスト・ヘルムート・フランマー(1949-)が1980〜1990年代に作曲してきた5つのピアノ小品集。フランマーは1969年から1972年まで数学と物理学を、1973年以降は音楽学、美術史、哲学を学び、ルイジ・ノーノとハンス・ウェルナー・ヘンツェに関する論文で博士号を取得しています。1976年以降はクラウス・フーバー、ブライアン・ファーニホウ、パウル=ハインツ・ディートリヒのもとで作曲を学び、ニューミュージックに関する記事を定期的に発表、書籍の企画も行っています。
国際的に活動したピアニスト、カヤ・ハン(ハン・カヤ/韓 伽?)は、韓国人の両親のもと日本で生まれ育ち、幼い頃から日本とヨーロッパの様々なピアノ・コンクールで受賞。桐朋学園大学とフライブルク音楽大学を卒業し、ヨーロッパ、東アジア、カナダで活躍。1999年からカールスルーエ音楽大学の教授も務めました。2021年に病気により63歳で死去。このアルバムは、1997年にバイエルン放送(BR)によってスタジオ録音されていたもので、「ピアノ小品集第3番 「パッサカリア・ブレヴィス」」を除く4作品は世界初録音。

Eudora
EUDSACD-2402
(1SACD)
新世界〜モンポウ、ベルク、ファリャ、バルトーク:ピアノ作品集
モンポウ:ショパンの主題による変奏曲
ベルク:ピアノ・ソナタ第1番
ファリャ
:ベティカ幻想曲
バルトーク:ピアノ・ソナタSz.80
ハビエル・ラソ(P)

録音:2022年7月25日ー27日、サラゴサ・オーディトリアム、モーツァルト・ホール(スペイン)
スペインの高音質レーベル、Eudoraによる、SACDとMQA-CDのハイブリッド仕様による新たなアルバムは、スイスの名手が紡ぐ4人の作曲家たちによるピアノ作品集。1975年スイスのフリブール生まれのピアニスト、ハビエル・ラソは、スペインのサラマンカ音楽院とブダペストのフランツ・リスト音楽院でピアノと作曲、自発性や即興性を深め、スコアの深い理解の組み合わせからユニークな音楽体験を生み出すことのできるミュージシャンとして、数多くのソロ・リサイタルや室内アンサンブル、オーケストラとの共演を行ってきました。
シューベルト&シューマン・アルバムに続くEudora第2弾となる今作では、モンポウ、ベルク、ファリャ、バルトークという同時代を生き、音楽界に新たな世界を開拓した4人の作曲家たちの作品をカップリング。ラソは、歴史の潮流によって散り散りになった4つの人生から抽出された、一見無関係に見える4つの世界を旅しています。
フォーマットはSACD Stereo/MultichannelとMQA-CDのハイブリッドを採用しており、CD層はMQA対応機器を使用することにより、ハイレゾ音源として再生することができます。

Chandos
CHAN-20293(1CD)
グラナドス&アルベニス:ピアノ作品集
アルベニス:組曲「イベリア」より 第1巻〔エボカシオン、エル・プエルト(港)、セビーリャの聖体祭〕&第2巻〔ロンデーニャ、アルメリーア、トゥリアーナ〕
グラナドス:組曲「ゴイェスカス」より 第1巻〔愛の言葉、窓辺の語らい、燈し火のファンダンゴ、嘆き, またはマハと夜鳴きうぐいす〕
ピーター・ドノホー(P/スタインウェイ)

録音:2023年4月、ポットン・ホール(イギリス、サフォーク)
音楽性、スタイルの多様性、圧倒的なテクニックが高く評価されるイギリスの名ピアニスト、ピーター・ドノホー。Chandosからはブゾーニ、メンデルスゾーン、グリーグら各国のロマン派ピアノ作品をレコーディングし人気を博して来たドノホーのシャンドス・ニュー・アルバムはスペインのアルベニスとグラナドス!
スペインを鮮やかに想起させるアルベニスの組曲 「イベリア」は3曲ずつ4巻に分かれており、本作では第1巻と第2巻を収録。スペイン南部のファンダンゴとホタの歌形式を組み合わせた「エボカシオン」で始まり、カディスの港町エル・プエルト・デ・サンタ・マリアにインスピレーションを得た「エル・プエルト(港)」、聖体祭の行列を描いた「セビーリャの聖体祭」、第2巻はアンダルシアの町が描かれた「ロンデーニャ」と「アルメリーア」、セビーリャのジプシー地区を思い起こさせる「トゥリアーナ」の3曲。多くの人がグラナドスの最高傑作と考えている「ゴイェスカス」は、ゴヤの絵画に対するグラナドスの賞賛を反映したピアノのための2巻からなる組曲で、本作では第1巻を収録。まさにヴィルトゥオージックな作品集であり、ピアニストに極めて高い要求を課すこれらの作品をピーター・ドノホーは軽快にこなし、特有の深い音楽的な解釈で素晴らしきスペイン芸術を提示します。
今作も、ポットン・ホールのスタインウェイ モデルDコンサート・グランド・ピアノで録音されています。

Nimbus
NI-8114(1CDR)
ハダメス・ジナタリ:ピアノ作品集
誘惑のショーロ/香水/いたずらっぽい前奏曲/前奏曲第2番「風景」/ワルツ集/練習曲集/トッカータ/Manhosamente/ピシンギーニャにバラを/Ponteio, roda e baile/Canhoto/Vaidosa No.2/ブラジルの魂/ブラジル狂詩曲/Vaidosa
マーティン・ジョーンズ(P)

録音:2022年3月&2023年2月
ブラジルの作曲家であり音楽家、ハダメス・ジナタリによるピアノ作品集。ハダメス・ジナタリは、クラシック音楽とポピュラー音楽の垣根にとらわれることなく作品を残した作曲家で、このアルバムには彼の初期の作品が収録されています。それらはブラジルの民謡のメロディを使用したり、ポピュラー音楽の形式で書かれており、ハダメス・ジナタリの音楽の特徴を存分に楽しめるアルバムになっています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Ars Produktion
ARS-38650(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ギター独奏版)
バッハ(ヴァルター・フェイブリ編):ゴルトベルク変奏曲 BWV988からの組曲〔1. アリア/2. 第1変奏/3. 第18変奏/4. 第19変奏/5. 第7変奏/6. 第25変奏/7. 第10変奏/8. 第9変奏/9. 第30変奏/10. アリア〕
11. 平均律クラヴィーア曲集第1巻第8番前奏曲ホ短調 BWV853(原曲:変ホ短調)
12. フーガ イ短調 BWV1000(原曲:ト短調)
13. 平均律クラヴィーア曲集第1巻第13番前奏曲ヘ長調BWV858
14. 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV1004より シャコンヌ
ヴァルター・フェイブリ(G)

録音:2022年1月12日-13日&2月17日、トーンスタジオ(ヴァルテンブルク、ドイツ)
ヴァルター・フェイブリは、アレッサンドリア(1972年)と「フェルナンド・ソル」(パレルモ/ローマ、1973年)の国際コンクールで1位を獲得し、ジュネーブの「国際音楽コンクール」(1975年)とパリのORTF(1979年)で入賞した名手。ギター、フルート、チェロ、声楽とのデュオやオーケストラ・コンサートのソリストとしてのオランダ・ツアー(コンセルトヘボウ・アムステルダムを含む)など、国際的に活躍。1976年から2018年までは、チューリヒとバーゼルの音楽院で教鞭を執り、近年はバッハの作品に集中的に取り組んでいます。
本アルバムでフェイブリは、可能な限りゴルトベルク変奏曲の原曲に忠実で、調和のとれた組み合わせになるよう努めており、組曲の楽章を彷彿とさせるような変奏曲を意図的に編曲。あたかも本来の意図通り鍵盤楽器で演奏されたかのように、ギターで自然に聴こえるゴルトベルク変奏曲を生み出しました。
Ars Produktion
ARS-38651(1CD)
キーワーズ〜ピアノ・パルランド1
ペーター・アプリンガー(b.1959):声とピアノ-ハンナ・シグラ(Pとテープのための)
バッハ:カプリッチョ 変ロ長調 BWV992「最愛の兄の旅立ちに寄せて」
モンポウ:対話
ジョルジュ・アペルギス(b.1945):会話](プリペアド・ピアノと話しのための)
ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915-1940):2つの花束(Pのための)
クルターグ(b.1926):悪魔との静かな会話(ヤテコーク より)(Pのための)
ダリヤ・マミノワ(b.1988):ムッシェルU(プリペアド・ピアノのための)
ヤナーチェク:ないしょのスケッチ
ペーター・アプリンガー:声とピアノ-ギヨーム・アポリネール(Pとテープのための)
サティ:3つのグノシエンヌ
フローレンス・ミレー(P)

録音:2021年12月18日、2022年3月24日、4月9日、11月29日(ケルン)
パリ国立高等音楽院で学び、1992年から2000年までアンサンブル・アンテルコンタンポランで演奏するなど現代音楽界の第一線で活躍するフランス系ドイツ人ピアニスト、フローレンス・ミレーのコンセプト・アルバム。「音楽で人々にどう語りかけるか」をテーマにした非常に個人的なセレクションで、音楽の解釈や作品への根本的な問いを追求。作品そのものが持つ“声”をピアノで表現します。
Ars Produktion
ARS-38757(1SACD)
カレイドスコープ
ミロスラフ・スコリク(1938-2020)/映画「高き峠(ハイ・パス)」 より メロディ(2台ピアノ版)*#
サン=サーンス:6つの練習曲 より ワルツ形式の練習曲 Op.52-6*
D.スカルラッティ:ソナタ ロ短調 K27*
ヴィクトル・コセンコ(1896-1938):3つのマズルカ より 第1番Op.3-1*
アルベニス:イベリア第2巻 より トリアーナ*
シューマン:幻想小曲集 より 第2曲, 第3曲, 第6曲#
ヴィクトル・コセンコ:3つのマズルカ より 第2番Op.3-2#
ユゼフ・ホフマン(1876-1957):性格的なスケッチ集 より カレイドスコープ Op.40-4*
ピアソラ(カティア&グヴァンツァ・ブニアティシヴィリ編):リベルタンゴ(2台ピアノ版)*#
ヴィクトル・コセンコ:詩的幻想曲 より 詩曲「欲望」 Op.11-1#
グリュンフェルト:ウィーンの夜会 〜ヨハン・シュトラウスU世のワルツによるパラフレーズ Op.56*
レフコ・レヴュツキー(1889-1977):前奏曲集 より 第1番Op.4-1, 第3番Op.4-3、前奏曲集 より 第2番Op.7-2, 第1番Op.7-1*
メンデルスゾーン:ロンド・カプリチオーソ ホ長調 Op.14#
ミロスラフ・スコリク:ベートーヴェンの「エリーゼのために」によるジャズ・パラフレーズ(2台ピアノ版)*#
ロマン・フェディウルコ(P)*、
オレクサンドル・フェディウルコ(P)#

録音:2023年7月27日-30日、インマヌエル文化センター(ドイツ)
あらゆるコンクールで賞をかっさらい大きな注目を浴びるウクライナが生んだ超新星ピアニスト兄弟、フェディウルコ兄弟が登場!兄のロマンは2004年生まれ。6歳からコンクールに挑戦し、「ヨーロッパ青少年のための音楽コンクール(EMCY)」で1位、「若いピアニストのためのウラディミール・ホロヴィッツ記念国際ピアノコンクール」での2位入賞をはじめ数々のコンクールで上位入賞。直近では2023年の「若いピアニストのためのシューマン国際コンクール」で優勝しています。一方弟のオレクサンドルは2010年生まれ(!)。兄同様6歳の頃からコンクールに挑戦し始めると兄に負けず劣らずの活躍を見せており、2024年の「ベーラ・バルトーク国際ピアノ・コンクール」で優勝を勝ち取りました。
このアルバムには2人による連弾が3曲とそれぞれのソロ演奏が収録されており、とても録音当時18歳&13歳の演奏とは思えぬ成熟度に驚かされます。また「リベルタンゴ」や「「エリーゼのために」によるジャズ・パラフレーズ」の連弾で魅せる息ぴったりのノリノリな演奏には聴いている方も思わずワクワクしてしまいます
Ars Produktion
ARS-38362(1SACD)
リフレクションズ
シューベルト(ラフマニノフ編):どこへ?
イェルク・ヴィトマン(b.1973):やさしいソナチネ
シューベルト(ゴドフスキー編):ミニョンに
モーツァルト:「愚民の思うは」による10の変奏曲 KV455
リスト:鱒
シマノフスキ:マスク Op.34
マックス・フィリップ・クリューザー(P)

録音:2023年6月26日-28日、インマヌエル文化センター(ドイツ)
マックス・フィリップ・クリューザーは1994年ジーゲン(ドイツ)生まれのピアニスト。ピチカート・マガジン誌に「このピアニストが偉大なクリエイターであり、本物の音を指に宿していることは明らかです」と評されるなどその音作りには定評があり、ウィーン・フィルのコンサートマスター、アルベナ・ダナイローヴァとも共演しています。モーツァルトやリスト、シマノフスキの作品に加え、彼の紡ぐ音が存分に生かされた歌曲のアレンジなどを収録したこのデビュー・アルバムの登場によってその評価をますます高めてゆくことでしょう。
Ars Produktion
ARS-38653S(1CD)
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ヘルマン・ベーン編曲/2台ピアノ版)(世界初録音) ユリウス・ツェマン(P)、大井駿(P)

録音:2023年7月1日、ベーゼンドルファー本社工場(ウィーナー・ノイシュタット、オーストリア)
輸入盤日本語解説付き!
2024年のブルックナー生誕200年を盛り上げるにふさわしい話題必至の1枚が登場!マーラーの交響曲やワーグナーの楽劇の2台ピアノ編曲でも知られるドイツの音楽家、ヘルマン・ベーンが手掛けた2台ピアノ版によるブルックナーの交響曲第7番をユリウス・ツェマン&大井駿が世界初録音!ヘルマン・ベーンはブルックナーに作曲を師事しており、このアレンジもブルックナー本人からの提言や承認を得て書かれたものと考えられています。ピアノが持つクリアでありながら力強く豊かなサウンドによって、この大規模で複雑な音楽がより鮮明になり幅広いリスナーにとって親しみやすくなっています。
大井駿はパリ、ミュンヘン、ザルツブルクなどでピアノや古楽、指揮を学び、演奏活動のほか文筆活動も行うなど多分野で活躍。テレビ朝日「題名のない音楽会」への出演でもお馴染みの人気音楽家です。ユリウス・ツェマンは1998年ウィーン生まれのピアニスト、オルガニスト、指揮者。大井駿とは2018年にザルツブルク・モーツァルテウム大学で出会い、これまでにも多くのシンフォニックな作品を2台ピアノで共に演奏し、馴染みのある作品を別の視点から再発見してきたといいます。レコーディングはブルックナー自身も作曲に愛用していたベーゼンドルファーのピアノで行われました。

ALPHA
ALPHA-1044(1CD)
ピアノのための舞曲集
ラヴェル:高貴で感傷的なワルツ
ショスタコーヴィチ:人形の踊り
イェルク・ヴィトマン(1973-):サーカス・ダンス
ラヴェル:ラ・ヴァルス
アンナ・ヴィニツカヤ(P)

録音:2023年6月 テルデックス・スタジオ、ベルリン
ロシア出身で2007年のエリザベート王妃国際音楽コンクールのほか数々のコンクールを制し、2009年にCDデビュー、同年より母校でもあ るハンブルク音楽演劇大学で後進の指導にもあたっているヴィニツカヤ。2021年の「ショパン: バラードと即興曲」以来3年ぶりとなる今作の テーマは舞曲。ラヴェルの名作2曲では、持ち前のテクニックに支えられた繊細かつダイナミックな表現を存分に聴かせます。ショスタコーヴィチ の「人形の踊り」は彼が映画などのために書いた曲を再構成した子供のための易しいピアノ曲ながら、ヴィニツカヤはほんの10年ほど前に出 会ってぜひ録音したいと願っていたもので、愛らしい曲想を慈しむように聴かせます。カーネギーホールの依頼で2012年に書かれたヴィトマン の「サーカス・ダンス」は、芸術的あるいはピアニスティックな視点のみならず、彼自身の履歴書のような意味合いがある作品とされ、ヴィニツカ ヤは今回の録音の前にヴィトマンと語り合う機会を得たことで、作品理解が大きく深まったと語っています。その終曲はヴィトマン自身のオペラ 「バビロン」から引用された軍楽隊の賑やかな行進曲。

ALBANY
TROY-1951(1CD)
女性作曲家によるヴァイオリン作品集
イヴ・ハンガーフォード(1900-1965):古いメヌエット
イヴ・ハンガーフォード:ローマのヴァイオリン弾き
ミヌエッタ・ケスラー(1914-2002):ピーナッツ・バターとゼリーのワルツ
エディス・L・ウィン(1867-1933):「カロライナの丘」より(6曲)
ゲイル・リッジウェイ・ブラウン(1884-1955):つま先ダンス
アンナ・プリシラ・リッシャー(1873-1945):まるはな蜂
イヴ・ハンガーフォード:マリオネット
ハンナ・バーテル=グローニング:「カンザスの記憶」組曲
シャーロット・ルイーズ・ウッドブリッジ(1887-1980):ノーム達の踊り
ジョセフィーヌ・トロット(1874-1950):2つの調子のよいスケッチ
エセル・バーンズ(1874-1948):アリア
イルマ・ザイデル(1896-?):メヌエット
フローレンス・モーリー(1879-1968):もつれ足の狂気の追跡
エセル・ハラーデン・グローヴァー(1857-1916):黄昏に
エセル・ハラーデン・グローヴァー:ガヴォット
イルマ・ザイデル:美女のメヌエット
グレース・ホワイト(1896-):即興曲
 雪の上で
ジュリア・クランプキー(1870-1961):妖怪に捕まる
ゲイル・リッジウェイ・ブラウン(1884-1955):田舎風マズルカ
メアリー・オハラ(1885-1980):日没のダンス
モーリーン・ユエン(Vn)
エリック・ルプル(P)

録音:2022年6月
19世紀後半から20世紀初頭に生を受けた女性の作曲家たちのヴァイオリンとピアノのための作 品を収録。国籍はアメリカ、イギリス、オーストラリア、ロシアと様々。今でこそ女性の作曲家の活躍 は目覚ましいものがあるが19世紀〜20世紀前半における女性の社会的地位は今日では考えら れないほど低く、音楽はあくまで貴婦人の趣味、嗜み程度としか見做されていなかった。そんな中 でも果敢に作曲を続けた女性作曲家の作品が世に出ることは意味のあることです。作品は 19世 紀から20世紀初頭のものだけあって、彼女たちが生きた時代の様式から逸脱するものではない が、時にシューマン、スティーヴン・フォスター、またはロシア民謡を思わせる楽しい曲ばかり
ALBANY
TROY-1953(1CD)
ジェシカ・ジョンソン、現代ピアノ作品を弾く
(1)ミッシー・マッツォーリ:イザベル・エーベルハルトの夢
(2)レジーナ・ハリス・バイオッキ:アズレッタ
(3)サラ・カークランド・スナイダー:潮流
(4)エレーナ・ルーアー:109のインプロヴィゼーション
(5)ローレン・ブリアンナ・ウェア:イタリアの肖像
(6)セラ・ファン:サークル・?・スクェア
(7)セラ・ファン:滞留
(8)ローラ・シュウェディンガー:オン・ビーイング
ジェシカ・ジョンソン(P)
(7)(9)アンソニー・ディ・サンザ(Perc)
アメリカで活躍する様々な世代の作曲家のピアノ作品を収録。セラ・ファンは韓国出身で彼女の 「滞留」は打楽器を伴う、ややアジアの神秘的な儀式を思わせる佳作。他にハロルド・バッドやギャ ヴィン・ブライヤーズを思わせるややミニマル風の美しい、環境音楽的なマッツォーリの「イザベル・ エーベルハートの夢」、アンリ・ルソーの同名の絵画からインスパイアされ打楽器が入るシュウェディ ンガーの幻想的な「赤道上のジャングル」までバラエティ豊かで聴き手を飽きさせない。ピアニスト のジェシカ・ジョンソンは現代音楽のスペシャリストとして北米、南米、ヨーロッパで活躍する若手。
ALBANY
TROY-1954(1CD)
光へと昇る〜無伴奏ヴァイオリン作品集
ポリーナ・ナザイキンスカヤ(b.1987):希望〜無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ・ファンタジア(2018)
コールリッジ=テイラー・パーキンソン(1932-2004):ブルース・フォーム(1989)
サルヴァドール・ブロトンス(b.1959):地の平和(2012)
ブルック・ジョイス(b.1973):ユニオン・プロテスト(2012)
ジェシー・モンゴメリー(b.1981):ラプソディ第2 番(2020)
アドルファス・ヘイルストーク(b.1941):驚くべきことに〜無伴奏ヴァイオリンのためのカプリス(2010)
ディロロム・サイダミノヴァ(b.1943):光へと昇る(2021)
イゴール・カルニン(Vn)

録音:2023年1月
世代も国籍も様々な作曲家の無伴奏ヴァイオリンのための作品を収録。いずれも前衛色は薄 く、ロマンティックであったり、民族風であったりジャズの影響があったりと聴きやすい内容。驚くべ きはヴァイオリニストのイゴール・カルニンで、その技巧、音楽性すべてが完璧で、これほどのヴァイ オリニストは世界でも数少ないと思われるほどのヴィルトゥオーゾです。彼はロシア出身で現在は アメリカを拠点に活動している中堅ヴァイオリニスト。今後の活躍が大いに期待されています。

Pentatone
PTC-5187034(1CD)
シューベルト:レントラー集
36の独創的舞曲Op.9D.365より
(1)第1番変イ長調、第2番変イ長調、第3番変イ長調
(2)第5番変イ長調、第12番変イ長調、第14番変ニ長調
(3)第21番ト長調、第22番嬰ト短調、第25番ホ長調、第26番ホ長調
(4)第29番ニ長調、第31番ハ長調、第34番ヘ長調、第36番ヘ長調
38のワルツ、レントラーとエコセーズOp.18D.145よりワルツ
(5)第1番ホ短調、第2番ロ短調、第3番イ短調
(6)第4番変イ長調、第5番嬰ハ短調
(7)第6番ロ短調、第8番変ホ短調、第9番嬰ヘ短調
(8)第10番ロ短調、第11番ロ長調、第12番ホ長調
38のワルツ、レントラーとエコセーズOp.18D.145よりレントラー
(9)第2番変ホ長調、第3番変イ長調
(10)第4番変ニ長調、第5番変ニ長調、第6番変ニ長調
(11)第7番変ニ長調、第8番変ロ短調、第9番変ニ長調
(12)第10番変ニ長調、第11番変ニ長調、第12番変ニ長調
(13)第13番イ長調、第14番ニ長調、第15番ト長調
(14)第16番ト長調、第17番ニ長調
18のドイツ舞曲と2つのエコセーズOp.33D.783よりドイツ舞曲
(15)第2番ニ長調、第3番変ロ長調、第8番変ホ長調
(16)第4番ト長調、第5番ロ短調、第11番ホ短調
(17)第12番ハ長調、第14番ヘ短調、第15番変イ長調
ギャロップと8つのエコセーズD.735より
(18)ギャロップ
(19)エコセーズ第1番ト長調、第5番変ホ長調、第6番変ホ長調、第7番変ホ長調、第8番変ホ長調
34の感傷的なワルツOp.50D.779より
(20)第1番ハ長調、第2番ハ長調、第3番ト長調、第4番ト長調
(21)第7番ト短調、第9番イ短調、第10番ト長調、第11番ト長調
(22)第12番ニ長調、第13番イ長調、第14番ニ長調、第15番ヘ長調
(23)第17番ハ長調、第18番変イ長調、第19番変イ長調
(24)第23番変ホ長調、第28番変ホ長調、第31番イ短調
17のレントラーD.366より
(25)第1番イ長調、第4番イ長調、第6番ハ長調
(26)第7番ト長調、第12番変ホ短調
4つのレントラーD.814より
(27)第4番ハ長調
ウィーンの淑女たちのレントラーと2つのエコセーズOp.67D.734よりレントラー
(28)第2番ニ長調、第3番ト長調、第8番ハ長調
(29)第6番イ長調、第5番ニ長調
(30)第11番ト長調、第13番ト長調
(31)第14番ロ短調、第15番ト長調
ウィーンの淑女たちのレントラーと2つのエコセーズOp.67D.734よりエコセーズ
(32)第1番イ短調、第2番イ長調
12の高雅なワルツOp.77D.969より
(33)第10番ヘ長調
12のグラーツのワルツOp.91D.924より
(34)第11番ホ短調
20のワルツOp.127D.146より
(35)第9番ハ長調
(36)第6番ニ長調
(37)第3番ホ短調
(38)第5番ヘ長調
(39)第10番ヘ長調
(40)第11番変ロ長調
(41)第12番ト短調、第14番ト長調
(42)第19番ヘ長調、第15番ト短調、第20番ニ長調
12のドイツ舞曲Op.171D.790より
(43)第3番ニ長調、第4番ニ長調、第5番ロ短調、第6番嬰ト短調
(44)第7番変イ長調、第8番変イ短調、第11番変イ長調
(45)第9番ロ長調、第10番ロ短調
ピエール=ロラン・エマール(P)
楽器:piano duo Op.353018

録音:2022年9月19〜22日
PENTATONEレーベルから積極的なリリースが続いているピエール=ロラン・エマールが、シューベルトの舞曲「レントラー」を録音しました。レントラーとはゆっ たりとした3/4拍子の民族舞踊で、18世紀末まで主に南ドイツ、スイスのドイツ語圏で愛好されました。シューベルトはレントラーの拍子を基に素朴で陽気な小品 を数多く作曲。シンプルながら豊かな和声が魅力で、まるで絵のように美しく、叙情的で、曲想に富んでいます。
コロナ禍にシューベルトの小品(舞曲)とクルタークの「遊び」を物語のようにつなげたプログラムを考えたエマールは、2023年の来日時に若者たちに向けた 特別演奏会として、東京藝術大学の奏楽堂にて同プログラムを演奏。ウェーベルンを想起させる唯一無二のプログラムはNHKのクラシック倶楽部でも放映されま した。
シューベルトのピアノ作品といえば後期ピアノ・ソナタ、即興曲集、さすらい人幻想曲が有名ですが、エマール独自の選曲で弾かれたこれらの小品がいかに美しく、 シューベルトらしさがあらわれていることを証明しております。レントラー曲集の新名盤誕生と申せましょう。 (Ki)

Forlane
FOR-16789(1CD)
ショパン:ピアノ作品全集Vol.5」〜パリ時代2(1833-35)
華麗なる変奏曲 変ロ長調 Op.12/3つの夜想曲Op15(ヘ長調/嬰ヘ長調/ト短調)/マズルカ ハ長調 KK.IV b/3/ボレロ イ短調 Op.19/4 マズルカOp.24(ト短調/ハ長調/変イ長調/変ロ短調)/カンタービレ 変ロ長調/ラルゴ 変ホ長調/マズルカ 変イ長調 KK.IV b/4/プレスト・コン・レッジェレッツァ 変イ長調 KK IV b/7/ マズルカ ハ長調 Op.67-3/マズルカ ト長調 Op.67-1/ 幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66/ワルツ 変イ長調 Op.69-1/2つのポロネーズOp.26(嬰ハ短調/変ホ短調)
アブデル・ラーマン・エル・バシャ(P)

録音:1998年7月 スイス・ラ・ショー=ド=フォン
エリザベート王妃国際音楽コンクール1978年ピアノの第1 位、アブデル・ラーマン・エル・バ シャ(1958-)が2000 年前後に録音したショパンピアノ作品全集の第 5集にあたる CD。この全 集は大変好評を博したが既に廃盤。エル=バシャのショパンを聞きたい人にはこの1 枚だけで も嬉しいものでしょう。エル=バシャは極めて高い技巧を持つピアニストで、もちろんショパンでも 指回りの良さが大いに発揮されているが、一方で彼はいわゆるショパン的なロマンティシズムた っぷりの演奏をせず、透明感があってさらりと爽やかな、ずっと聞き続けていたくなるようなショ パンを奏でてくれます。

フォンテック
FOCD-9903(1CD)
税込定価
2024年4月10日発売
渡辺範彦トリビュート
フレスコバルディ:アリアと変奏「ラ・フレスコバルダ」
タンスマン:「ポーランド風組曲」より マズルカ/夢
グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より 精霊の踊り
ポンセ:前奏曲 ホ長調
 「組曲イ短調」より 第3曲 サラバンド
 「ギター・ソナタ第3番」より 第2楽章「歌」
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女/月の光
タレガ:二人の姉妹
ソル:練習曲 Op.6-12/練習曲 Op.29-13
アルベニス:「スペイン組曲」Op.47より カディス
グラナドス:「昔風のスペインの歌曲集」より 第8曲 ゴヤのマハ
岡野雅一(G)

録音:2023年12月13-15日 浦安音楽ホール
1969年にパリ国際ギターコンクールで日本人初優勝、20数年に渡る演奏活動において鮮烈な印象 を残した天才ギタリスト・渡辺範彦(1947-2004)。その薫陶を受けた愛弟子が、師の使用楽器 (河野ギター1982年 Specialモデル)を手に、師より受け継いだ限りなく優しく甘美な音楽を奏でます。 岡野雅一は1982年に第13回クラシカルギター・コンクールに優勝し、演奏活動を開始。以降、定 期的にソロ・リサイタルを行う一方、声楽、ヴァイオリン、フルートなどとの数多くのアンサンブル・ コンサートに出演。東京都公認ヘブン・アーティストとしての活動や、クルーズ船:飛鳥Uでの演奏な ど、屋内・外の多くのイベントでの活発な活動を展開しています。 本アルバムでは多岐に渡る岡野のレパートリーの中から、師である渡辺範彦の愛奏曲を含む全14曲 を収録。その歴史とともに師より弟子へと紡がれたクラシックギターの伝統の響きをご堪能ください。 (フォンテック)

DIVINE ART
DDC-25753(3SACD)
NX-F06
シューマン:幻想曲
クライスレリアーナ Op.16
幻想曲 ハ長調 Op.17
アラベスク Op.18
幻想小曲集 Op.12第1巻
幻想小曲集 Op.12第2巻
アラベスク Op.18
幻想小曲集 Op.12−第1番夕べに
夜曲 Op.23
3つの幻想小品集 Op.111
暁の歌 Op.133
ブルカルト・シュリースマン(P)
Steinway D-274

録音:2023年8月28日-9月2日テルデックス・スタジオ、ベルリン(ドイツ)
シューラ・チェルカスキーやブルーノ・レオナルド・ゲルバーに師事したドイツの中堅ピアニスト、ブルカルト・シュリースマンが弾くシューマン作品集。タイトルに「幻想」 が付く作品を中心とした選曲で、シューマンの内なる世界を表現しました。

Pentatone
PTC-5187204(1CD)
「バッハの6つの陰影」
バッハ(リリャ編):組曲第1番「ケーテン」(無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007)
組曲第2番「マリア」(無伴奏チェロ組曲第2番 BWV1008)
組曲第3番「アンナ・マグダレーナ」(無伴奏チェロ組曲第3番 BWV1009)
組曲第4番「ライプツィヒ」(無伴奏チェロ組曲第4番 BWV1010)
組曲第5番「死」(無伴奏チェロ組曲第5番BWV1011)
組曲第6番「永遠」(無伴奏チェロ組曲第6番 BWV1012)
マックス・リリャ(Vc)

録音:2023年11月3〜5日/サウンドトラック・スタジオ、マグヌスボリ(フィンランド)
フィンランドのヘヴィメタル・バンド「アポカリプティカ(Apocalyptica)」の創設メンバーの一人チェリスト、マックス・リリャがバッハの無伴奏チェロ組 曲を独自のアレンジで録音!
チェロという楽器の可能性を追求し、ロックやエレクトロニック・ミュージックのジャンルのパイオニアとして常に新たなプロジェクトに挑んできたリリャが、原点回 帰ともいえるクラシックの名曲を録音した当アルバム。リリャは各組曲にバッハに深く関わる人物、時代などのタイトルをつけ、バッハの生涯を巡る旅へと誘います。
当録音ではチェロを演奏後、リリャ自身によるアレンジでエフェクターを多用。耳慣れた名曲がリリャのアレンジで新たな世界を切り開き、独自の響きを作り出し ております。
「バッハのチェロ組曲は音楽史上最も神聖な作品のひとつであり幻想的な音楽でもある。私はオリジナルのチェロの楽譜と音響世界(ソニック・ワールド) を融合させたかった。それはバッハが宮廷に雇われていた小さな町ケーテンで最初の組曲を作曲した時から活気あふれるライプツィヒ時代まで、バッハの人生を6 つの組曲で表現しました。」(マックス・リリャ)

MIRARE
MIR-726(1CD)
フリアント〜デボラ・ネムタヌ&ポケットSO
ドヴォルザーク(ジローデ編):スラヴ舞曲ト短調Op.46の8「フリアント」
バルトーク(メルシオール編):ラプソディ第1番Sz87
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲ホ短調Op.72の2「ドゥカム」
ポルムベスク(キューサク編):望郷のバラード
ドヴォルザーク(ジローデ編):スラヴ舞曲ハ短調Op.46の7「スコーチナ」
サラサーテ(メルシオール編):ツィゴイネルワイゼンOp.20
ブラームス(ジローデ編):ハンガリー舞曲第4番嬰ヘ短調
ブラームス(ジローデ編):ハンガリー舞曲第6番変ニ長調
ラヴェル(アンリ編):ツィガーヌ
デ ボラ・ネムタヌ(Vn)
ピエール・キューサク(アコーディオン)、
ニコラ・シモン(指)ポケットSO

録音:2023年11月1-3日/スタジオ・バベル(モントルイユ)
サラ・ネムタヌの妹で、ジェラール・プーレの愛弟子デボラ・ネムタムが東欧系音楽に挑戦。それも話題のポケットSOとの共演も注目です。
2023/4のフォルジュルネ音楽祭のテーマは「オリジン」ですが、ルーマニアに出自を持つネムタヌにとりこれらの音楽はまさに血の中に流れるもの。天満敦子 さんの演奏で知られるポルムベスクの「望郷のバラード」は編曲者キューサクのアコーディンのみの伴奏ですが、半端ない没入感。他の曲はいずれもロマ楽団のよ うな民俗色が特徴で、バルトークの「ラプソディ」やサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」は先祖返りしている感が驚きです。
ポケットSOは指揮者ニコラ・シモンが2013年に創設したアンサンブル。ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネット、バスクラ リネット、バリトン・サクソフォン各1にアコーディオン、ハープ、打楽器から成り、その表現力と生き生きとした演奏で注目されています。 (Ki)

Audite
AU-97814(1CD)
精神のきらめき
シューベルト:創作主題による8つの変奏曲D813
バッハ(フィンセント・ネープ編):2台のチェンバロのための協奏曲ハ短調BWV1062
レーガー:5つの絵画的小品Op.34
ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲第2番Op.17
ピアノ・デュオ・ネープ【ゾフィー・ネープ&フィンセント・ネープ】

録音:2023年2月8-10日/ゼンデザール(ブレーメン)
1998年と2000年生まれのドイツの兄妹によるピアノ・デュオの第2弾。ともにインスブルック音楽院でピアノ・デュオを学び、ヨーロッパの数々のコンクー ルに入賞している注目株です。
今回は連弾2作と2台ピアノ2作に挑戦。このうちバッハの「2台のチェンバロのための協奏曲ハ短調」は演奏者フィンセント・ネープによる2台ピアノ編曲。名 作「2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043」をバッハ自身が2台チェンバロとオーケストラ用に編み直したものの二重編曲となりますが、さすがバッハの 音楽はびくともせず、オリジナルの2台ピアノ作品に聴こえます。デュオ・ネープの歯切れ良いタッチが爽快です。
レーガー作品をすっきりチャーミングに聴かせる技量も驚きですが、2台ピアノ作品の最高傑作のひとつ、ラフマニノフの組曲第2番も若さあふれる快演。分厚 い和音の強奏による第1曲は、audite社主ベッケンホーフの録音の良さを発揮した轟き渡るピアノの音にひたれます。要注目のピアノ・デュオと申せましょう。 (Ki)

Alba
ABCD-531(1CD)
ヨーク・ボウエン&レベッカ・クラーク
ヨーク・ボウエン
(1884-1961):ヴィオラ・ソナタ第1番ハ短調 Op.18(1905)
レベッカ・クラーク(1886-1979):ヴィオラ・ソナタ(1919)
ハンナ・ホホティ(Va)
アンナ・クヴァヤ(P)[楽器 Piano:Pleyer,1874]
フィンランドのヴィオラ奏者ハンナ・ホホティとピアニストのアンナ・クヴァヤの初めてのデュオ・アルバム。レベッカ・クラーク とヨーク・ボウエンという同世代 のイギリスの作曲家が20世紀初期に書いたソナタを「オリジナル楽器」で演奏したい。その思いから生まれました。ボウエンの「ヴィオラ・ソナタ第1番 ハ短調」は、 彼が20歳の時の作品です。意外な展開や和声語法と独自の表現法による「アレグロ・モデラート」「ポコ・レント・エ・カンタービレ」「終曲。プレスト」の3楽章 で書かれています。ライオネル・ターディスとボウエンのデュオで初演されました。クラークの「ソナタ」は、アメリカに移住した彼女の隣人だったエリザベス・スプ レーグ・クーリッジの主宰する作曲コンペティションに応募して、ブロッホの作品とともに第1位に選ばれた作品です。1919年のバークシャー音楽際で初演され、 好評を得ました。彼女が強い影響を受けたドビュッシーとヴォーン・ウィリアムズを思わせる語法の「インぺトゥオーゾ」の第1楽章。「ヴィヴァーチェ」の第2楽章、 「アダージョ」とヴィオラの音域をいっぱいに使った「アレグロ」の第3楽章。クラークのソナタは、ヴィオラ奏者の愛好曲になり、ティモシー・リダウトもアルバム『ラ イオネル・ターティスに捧ぐ』(HMM90537)で演奏していました。 ハンナ・ホホティは、ロンドンの王立音楽アカデミーでガーフィールド・ジャクソンの教える修士課程を修了、2017年からヘルシンキ都市圏のタピオラ地区の室 内楽シーンで活動しています。アンナ・クヴァヤとのピリオド楽器による室内楽演奏や、エレクトロ=アコースティック音楽に深く関わってきました。このアルバムで は、ガット弦を張ったヴィオラで演奏しています。アンナ・クヴァヤ (1979?)は、ソリスト、室内楽とオーケストラのピアニスト、フォルテピアノ奏者として、古典 から現代まで幅広い時代の音楽をレパートリーに活躍しています。ソロアルバム『河に住む』(ABCD 386)、クラリネットとのデュオによる『ソワレシュテュッケ』 (ABCD513)といったアルバムが Alba Records からリリースされ、好評を受けてきました。このアルバムでは1874年製のプレイエル・ピアノを弾いてい ます。

MDG
MDG-92123116(1SACD)
バッハ:鍵盤作品選集
組曲 ヘ短調 BWV823
パルティータ 第3番イ短調 BWV827
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
パルティータ第6番ホ短調 BWV830
アダージョ イ短調(トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564からのタチヤナ・ヴォロビヨーヴァによる編)
タチヤナ・ヴォロビヨーヴァ(Cemb)
使用楽器:ルッカース 二段鍵盤モデル/ティトゥス・クライネン複製2004年、ブッサム

録音:2023年8月14日、10月12-13日、マリエンミュンスター修道院コンサートホール
ラトヴィア出身のチェンバロ奏者タチアナ・ヴォロビヨワによるバッハの鍵盤作品選集。ルッカースの二段鍵盤モデルのチェンバロでバッハの小宇宙のような音 楽を描いています。その選曲は、豊かな表現力、深みのある音楽性に焦点が当てられてます。バッハの卓越した「半音階的幻想曲とフーガ」ニ短調、高度な対位法 旋律、豊かな感性を必要とするパルティータ第3&6番、二段鍵盤チェンバロ用にヴォロビヨワ自身が編曲したオルガンのために書かれたアダージョ BWV564など、魅力的なプログラムで構成されています。 (Ki)


Naive
V-5451[NA]
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ op.26(全6曲) セルゲイ・ハチャトリャン(Vn)
使用楽器:グァルネリ・デル・ジェス1740年製ヴァイオリン『イザイ』

録音:2022年7月6-8日、12月14-16日、ブルックナーハウス、リンツ(オーストリア)
アルメニアの天才ヴァイオリニスト、セルゲイ・ハチャトリャンが、イザイの無伴奏ソナタ全曲を録音しました。楽器はイザイ自身が所有・愛奏していたグァルネリ「イ ザイ」。限られた者だけが演奏することを許されるこの銘器を用いての録音は世界初。イザイの魂の声が感じられるような、稀有の名演が誕生しました。
セルゲイ・ハチャトリャンは1985年生まれ。2000年のシベリウス国際コンクールで史上最年少の15歳で優勝、瞬く間に世界の注目を集め、さらに 2005年のエリザベート王妃コンクールで優勝。まさに天才ヴァイオリニストとして世界から絶賛されています。来日もしており、その素晴らしい音楽は深い感 動と共に人々の心に鮮明に記憶されています。ハチャトリャンは、2010年10月から2022年5月まで、日本音楽財団よりグァルネリ・デル・ジェス「イ ザイ」を貸与されておりました(この録音では、この「イザイ」を使用しています)。イザイが所有し、長年演奏活動に使用していたことか らこの名前が付けられた銘器で、楽器の中に貼られた小さなラベルには、赤いインクで「このデル・ジェスは私の生涯を通じて忠実なパートナーだった。イザイ 1928」とフランス語で書かれています。この楽器はイザイの国葬の際にはクッションに載せられ、棺の前を行進したことでも知られています(ブックレットには その葬儀の写真が掲載されております)。
1923年、すでに演奏ステージから引退していたイザイは、34 歳年下のヴァイオリニスト、ヨーゼフ・シゲティ(1892〜1973)がリサイタルで弾いた バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータに深く感銘を受けて、バッハと同じ無伴奏の6曲からなるソナタ集の創作を思い立ちました。6 曲はそ れぞれ、創作のきっかけとなったシゲティを始めとする、親交のあった6人の優れた若いヴァイオリニストたちに献呈されています。
ハチャトリャンの音楽は、作曲者と対話しているような、ハチャトリャンはそこで演奏しているのに、どこか別世界にいるような、不思議な独特の浮遊感があり ます。押しつけがましいテクニックや誇張は皆無。それでいて地に足のついた、不思議な魅力があります。そうした魅力はここでも全開。この全集の根底にある、 シゲティが弾くバッハや、名ヴァイオリニストたちといったインスピレーションを意図的に強調しており、イザイの魂の声が聴こえるような、これまで耳にしたこと のないような陰影と華やかさに満ちています。 (Ki)

299 MUSIC
NIKU-9059(1CD)
税込定価
「ビリーフ」〜クラリネット小品集/伊藤 圭
ヴィドール:序奏とロンドop.72 (1898)
グロヴレーズ(1879-1944):ラメントとタランテラ(1923)
アルベール・ボーカン(1921-67):哀歌(1951)
ラヴェル:ハバネラ形式の小品(1907)
バルトーク:3つのチーク地方の民謡BB 45b Sz35a (1907)
レオー・ヴェイネル(1885-1960):ハンガリー舞曲op.40(1951)
ラフマニノフ:チェロ・ソナタop.19〜第3楽章〈アンダンテ〉
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲op.43 - 第18変奏〈アンダンテ・カンタービレ〉
ピアソラ(1921-92):アヴェ・マリア「タンティ・アンニ・プリマ」(1984)
ミケーレ・マンガーニ(1966- ):アルバムの綴り(2007)
ゲイリー・ショッカー(1959- ):後悔と決心(1986)
ナイジェル・ヘス(1953- ):ラベンダーの咲く庭で(2004) - テーマ
伊藤圭(Cl)、榊原紀保子(P)

録音:2023年6月1日 三重県総合文化センター
NHK SO首席クラリネット奏者を務める伊藤 圭とソリストとしてだけではなくアンサンブ ル・ピアニストとしても多方面で活動の幅を広げている榊原紀保子の二人が、長年かけて培っ てきたアンサンブルで様々な時代の名曲に新たな息吹をもたらす。それぞれのテクニックは論 を俟たず、ただ心を合わせて作品の魅力を入念に映し出すその姿勢は、音楽に対する敬意と 信念を憶えさせる。
299 MUSIC
NIKU-9060(1CD)
税込定価
「緑の時」〜邦人クラリネット作品集/伊藤 圭
(1)内田祥子(1977- ):緑の時(2001)
(2)内田祥子(1977- ):エヴァーグリーン(2020)
(3)平吉毅州(1936-1998):サンバ・カンシオン(1992)
(4)吉川和夫(1954- ):変奏曲「キーウの鳥の歌」(2022)
(5)-(8)三浦真里(1960- ):クローバー・ファンタジー(1988)
(9)伊藤康英(1960- ):バラード〜「旅の終わりのバラード」による(2009)
(10)伊藤康英:クラリネット・ドルチェ(2013)
(11)内田祥子(編):ディア・モリコーネ(2019) [
(12)内田祥子(編):ロンドンデリーの歌(2009
伊藤圭(Cl)
(1)-(4)(9)(11)榊原紀保子(P)
(5)-(8)(10)(12)島田明日香(Cl)
(5)-(8)(12)高松真紀(Cl)
(10)(12)塚本啓理(Cl)
(5)-(8)(12)岡本昇大(バスCl)

録音:2023年5月30-31日 三重県総合文化センター
伊藤圭が日頃から共演を重ね、互いに信頼しあう仲間と共に奏でる新たなクラリネット名曲 集。比較的近年に創作された楽曲を中心に、委嘱曲やアンサンブルなど邦人作曲家の感性と バラエティーに富んだ作品群が、クラリネットの新たな魅力で彩る個性溢れる音楽の世界にい ざなう。

オクタヴィア
OVCX-00097
(2SACD+DVD)
初回限定仕様
税込定価
2024年3月20日発売
荒木奏美IN CONCERT
【CD】
ドヴィエンヌ:ソナタ第2番ニ短調作品71
シューマン:3つのロマンス作品94
クルターグ:遠くからウルスラへの手紙(無伴奏)
R. シュトラウス:8つの歌作品10より万霊節
ドラニシニコワ:ポエム
チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」〜レンスキーのアリア(オーボエ編曲版)
パスクッリ:椿姫の楽しい思い出
【DVD】 ※初回限定パッケージのみ
シューマン:3つのロマンス作品94より I. Nicht schnell
パスクッリ:椿姫の楽しい思い出
荒木奏美(Ob)、秋元孝介(P)

録音:2023年10月24-27日高崎芸術劇場

※初回限定300枚特典DVD付き
※初回完売後は新品番にてCD(Hybrid Disc)のみのパッケージで販売いたします。
リサイタル・録音・映像によって才能溢れる若手演奏家を多 角的に紹介する、大友直人が贈る高崎芸術劇場の「T-Shotシ リーズ」第十一弾。日本のオーボエ界を力強く牽引している 若手のホープ。オーボエならではの魅力溢れる美しい音色で、 圧倒的な演奏を繰り広げる。名ピアニスト・秋元孝介とのア ンサンブルでお贈りする荒木奏美、初ソロCD+DVD。 [発売元・(公財)高崎財団]

フォンテック
FOCD-9900(3SACD)
税込定価
2024年3月6日発売
北村朋幹/巡礼の年 全3年
リスト:巡礼の年 第1年「スイス」S.160
グリーグ:抒情小曲集 より4曲
ドビュッシー:夜想曲
リスト:巡礼の年 第2年「イタリア」S.161
ワーグナー/リスト:「夕星の歌」(歌劇「タンホイザー」より)S.444
ノーノ:.....苦悩に満ちながらも晴朗な波...
リスト:巡礼の年 第3年 S.163
北村朋幹(P)

録音:2023年1月4・5日、3月7-9日、8月28-30日 所沢市民文化センターミューズ キューブホール
唯一無二の内容で、リリースごとに大きな注目を集める北村朋幹のCD。第76回文化庁芸術祭賞を 受賞した「JOHN CAGE」(FOCD9850)に続くは、リスト最大のピアノ作品「巡礼の年」です。 約半世紀に及ぶ作曲・推敲を経て完成した、3巻からなるこの作品。さすらい人・巡礼者が自らの 場所を求めて彷徨する?ロマン主義の主たる概念を反映する第1年<スイス>、第2年<イタリア>。 僧籍に入り宗教的な心情を湛えながらも、黄昏へ向かう心身と音楽史を転換する新しい波の相剋?引 き裂かれた精神による傑作<第3年>。北村は詩的想念に満ちた感性を通し、周縁を彩る諸作ととも に深山幽谷へ進みます。 ポリーニが奏したいくつもの音素材と同時に演奏する「ノーノ .....苦悩に満ちながらも晴朗な波...」 も必聴です。 (フォンテック)
フォンテック
FOCD-9899(1CD)
税込定価
2024年3月6日発
ブラームス:ピアノ作品集
4つのバラード 作品10
2つのラプソディ 作品79
3つの間奏曲 作品117
パガニーニの主題による変奏曲 作品35第1巻
パガニーニの主題による変奏曲 作品35第2巻
黒岩航紀(P)

録音:2023年4月18-20日 三鷹市芸術文化センター
多彩な名曲による「sailing day」(FOCD9746)でCDデビュー、ロシア音楽の王道「展覧会の絵」 (FOCD9821)に続く、若きヴィルトゥオーゾ黒岩航紀 第3弾。 黒岩は、昨年おこなわれた第17回チャイコフスキー国際コンクールに出場、過酷な状況下でセミフ ァイナリスト及び特別賞(ベストコンテスタント)に選ばれました。 最新CDは、近年傾倒するブラームスを収録。初期から晩年の作品までを網羅する、ピアノ音楽の精 髄にベーゼンドルファーを駆使してのアプローチです。 (フォンテック)

Goodies
78CDR-3935(1CDR)
ショパン:ワルツ集(第1-14番) アルフレッド・コルトー(P)(P:Steinway)

仏 DISQUE GRAMOPHONE DA4982/84(25cm盤), W1603/05(30cm盤)
1943年5月24日パリ録音
コルトー2回目のショパン:ワルツ集。第1回は1934年録音(78CDR-3072)。アルフ レッド・コルトー(1877-1962)は1892年パリ音楽院のルイ・ディエメール(1843- 1919)のクラスに入り、1896年一等賞て卒業した。1905年にヴァイオリンのジャッ ク・ティボー(1880-1953)、チェロのパブロ・カザルス(1876-1973)とピアノ・ トリオを結成した。1917年にパリ音楽院教授に任命され、1919年パリにエコー ル・ノルマル音楽学校を設立した。この録音はコルトー66歳の時にパリで行わ れた。1934年の第1回録音では、プレイエル社のピアノを弾いていたが、ここで はスタインウェイ社のピアノを弾いています。(グッディーズ)
Goodies
78CDR-3937(1CDR)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番変イ長調作品26「葬送」 レオニード・クロイツァー(P)

日COLUMBIA JW93/4
1937年6月頃、東京録音
レオニード・クロイツァー(1884-1953)はドイツと日本で活躍したロシア生まれ のピアニストで指揮者。両親はユダヤ系ドイツ人。サンクトペテルブルク音楽 院でアンナ・エシポワにピアノを、アレクサンドル・グラズノフに作曲を学ん だ。1906年ライプツィヒに移住、アルトゥール・ニキシュに指揮法を学んだ。 1922年から1933年までベルリン音楽大学教授。1931年初来日。1933年再来日。 近衛秀麿の要請で帰国せず、1937年から亡くなるまで東京音楽学校(現東京芸 術大学音楽学部)教授をつとめた。1942年ナチス・ドイツの欠席裁判によって ドイツ国籍を剥奪され無国籍となった。1953年10月28日リサイタル中に心筋梗 塞を起こし2日後に死去した。(グッディーズ)

FUGA LIBERA
FUG-826(1CD)
管弦楽のない協奏曲
シューマン:ピアノ・ソナタ 第3番ヘ短調 Op.14
バッハ(1685?1750): イタリア協奏曲 BWV971
ラフマニノフ: 6つの楽興の時 Op.16
サーリ・ジャン・ゲヴレック(P)

録音:2023年8月24-27日 エリザベート王妃音楽院
1992年トルコ生まれの若きピアニスト、サーリ・ジャン・ゲヴレック。2011年にはロンドンのロイヤル・カレッ ジ・オヴ・ミュージックに入学、ドミトリー・アレクセーエフに師事してアーティスト・ディプロマを取得し、エリザ ベート王妃音楽院のアーティスト・イン・レジデンスを務めています。彼にとって初のフル・アルバムとなる今 作は、「管弦楽のない協奏曲」がテーマ。シューマンのソナタ第3番は、その規模の大きさからまさに「管 弦楽のない協奏曲」あるいは「グランド・ソナタ」と呼ばれたもの。続いて協奏曲の楽器の対照を鍵盤楽 器1台で表現したバッハの傑作、そしてラフマニノフの規模の大きな作品へと繋がるプログラム。ゲヴレック の深い作品解釈と多彩な表現力が、ばらばらの時代の作品たちを有機的に関連付けています。

ALPHA
ALPHA-1036(1CD)
リスト:3つのペトラルカのソネット S270
忘れられたワルツ 第2番S215
ピアノ・ソナタ ロ短調 S178
3つの演奏会用練習曲 S144より 第2番「軽やかさ」
ハンガリー狂詩曲 第6番変ニ長調
ネルソン・ゲルナー(P)

録音:2023年5月 サル・フィラルモニーク、リエージュ、ベルギー
1969年アルゼンチン生まれ、日本でも多くのファンを持つネルソン・ゲルナーによるリスト。Cascavelleレーベルに残した2枚のアルバム以来 のまとまったリスト録音となります。高い演奏技術に裏打ちされた鮮やかな場面描写と色彩感、そして気品に溢れる表現が大きな魅力。堅 録音と なっています。

TOCCATA
TOCC-0721(1CD)
NX-B06
ヤーニス・チェピーティス(1908-1989):手稿譜によるピアノ小品集 第1集
1-5.5つの前奏曲
 1. 前奏曲 変ニ長調(1937)
 2. 前奏曲 ヘ短調(1949)
 3. 前奏曲 ヘ短調(1953)
 4. 前奏曲 嬰ハ短調(1951)
 5. 前奏曲 ハ長調(1975)
6-8.3つのカプリース
 6. カプリース 変イ長調(1939)
 7. カプリース第1番変ホ長調(1949)
 8. カプリース第2番ハ長調(1954)
9-10.2つの子守歌
 9. 子守歌 変イ長調(1943)
 10. 子守歌 ヘ長調(1953)
11-17.7つの小品集
 11. ラトヴィア舞曲 ト長調(1932)
 12. エレジー変イ長調(1930年代中頃)
 13. スケッチ 嬰へ短調(1940)
 14. エディ 嬰へ短調(1940)
 15. Rest in the Garden 庭での休息 ヘ長調(1951)
 16. In the Evening 夕べに 嬰へ短調(1953)
 17. 秋のスケッチ ロ短調(1974)
18-20. ソナチネ ロ長調(1948)
ノラ・ルーセ(P)

録音:2022年11月2日、30日、2023年10月2日、11月6日
全て世界初録音
ラトヴィアの作曲家ヤーニス・チェピーティス。ラトヴィア音楽院でヤーセプス・ヴィートルスから作曲を、ヤーニス・メ ディンシュから指揮を学びました。その後パリでピアノをカサドシュとギーゼキングに師事、ラトヴィアに戻ってからは放 送局で働きます。終戦後はラトヴィア国立音楽院の室内楽クラスの教授を務めました。 彼の作品は母国ラトヴィアでもほとんど知られておりませんが、実は驚くほど多作家であり、6つの交響曲をはじめ、 歌劇やバレエ、室内楽、カンタータや民謡編曲など数多くの作品を残しています。中でもピアノ曲は約100曲確 認されており、その多くは小品です。このアルバムに収録されているのは、ピアニスト、ノラ・ルーセがチェピーティスの 手稿譜を用いて演奏した様々な小品で、スクリャービンやラフマニノフの雰囲気を湛えながらも、ラトヴィア民謡の 香りも感じられる美しい作品を聴くことができます。

Quartz
QTZ-2160(1CD)
スクリャービン・アン・オデッセイ
スクリャービン:ワルツ ヘ短調 Op.3/10のマズルカ Op.3より第7番ホ短調、第4番ホ長調/12の練習曲 Op.8より第12番嬰ニ短調/24の前奏曲 Op.11 より 第5番ニ長調、第2番イ短調、第8番嬰ヘ短調、第9番ホ長調、第12番嬰ト短調、第13番変ト長調、第14番変ホ短調/4つの前奏曲 Op.22より第3番ロ長調/2つの前奏曲 Op.27/2つの詩曲 Op.32/3つの小品 Op.45/4つの前奏曲 Op.48/3つの小品 Op.52/2つの小品 Op.57/アルバムの綴り Op.58/詩曲-夜想曲 Op.61/2つの詩曲 Op.63/5つの前奏曲 Op.74
スラヴァ・ポプルーギン(P)
※使用楽器:Bechstein2.40m. Model D No:44160Berlin 1897
88keys A1- C5

録音:2017年8月1日ー11日、ステッペンウルフ・スタジオ(オランダ)
ロシア出身のピアニスト、教師、サウンドエンジニアと多岐にわたり活躍するスラヴァ・ポプルーギンによるスクリャービン・アルバムが登場。このプログラムでは、スクリャービンの異なる様式、時代における類似したアイデアの実現を通してつながった作品を取り上げています。
グネーシン音楽院で学んだポプルーギンは、1999年から2015年までモスクワ音楽院で教鞭を執り、2018年からはオランダのハーグ王立音楽院の教授の地位に就いています。ピアニストとして40年以上のキャリアを誇るポプルーギンは豊富なレパートリーを誇り、モスクワ音楽院の同僚でもあった名チェリスト、ナターリヤ・グートマン、ロシアが誇る名フォルテピアノ奏者、アレクセイ・リュビモフとも長きに渡り共演を重ねてきました。2006年からは本格的にサウンドエンジニアとしても活動を開始し、本アルバムでは、自身が所有するスタジオで1897年製のベヒシュタインのコンサートグランドを用いてレコーディングに臨んでいます。演奏家と、サウンドエンジニアというそれぞれの視点から拘りぬいたスクリャービンの世界にご注目ください。

RUBICON
RCD-1127(1CD)
プリズム
1. シェリル・フランシス=ホード:入場音楽
2. バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565*
3. キャロライン・ショウ:あなたの御手に
4. サティ:ジムノペディ第1番*
5. マイケル・スモール:プリズム
6. ベサン・モーガン=ウィリアムズ:ワン、トゥー、ベイカールー…
7. アイリー・ロバートソン:スカイダンス
8. シリル・スコト:イディル
9-11. サラ・フランシス・ジェンキンズ:Tincture of the skies
12. ジョージ・ウォーカー:Bleu
13. ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女*
14. サラ・リアンヌ・ルイス:Apart we are not Alone
15. サラ・リアンヌ・ルイス:Together Apart
16. ジェシー・モンゴメリー:ラプソディ第1番
17-20. キャメロン・バイルス・リデル:Contemplations
21. シューマン:トロイメライ
22. シェリル・フランシス=ホード:退場音楽
23. ピーター・マクスウェル・デイヴィス:A Last Postcard from Sanday

*=フェネラ・ハンフリーズ編曲ヴァイオリン版
フェネラ・ハンフリーズ(Vn)
BCミュージック・マガジン賞2018で「器楽部門賞」に輝いて世界一流のアーティストの一人として活躍し、2023年のBBCミュージック・マガジン賞でも「プレミア賞」を受賞しますます称賛を浴びるイギリスのヴァイオリニスト、フェネラ・ハンフリーズ。
Rubicon第3弾となる「プリズム」は、最初のロックダウンの先の見えない数か月間に構想されたもので、イギリスの若い作曲家たちが書いた新作から、キャロライン・ショウ、ジェシー・モンゴメリー、ジョージ・ウォーカーらによる象徴的な最近の作品まで、再び無伴奏ヴァイオリン作品に焦点を当て、ハンフリーズが新たに編曲したバッハやサティ、ドビュッシーの名曲も組み合わせた、探求的で独創的なアルバムです。現代音楽への造詣が深く、特に無伴奏ヴァイオリンのための作品で功績のあるフェネラ・ハンフリーズの、優雅で卓越したパフォーマンスとこだわりのプログラムをご堪能下さい。

Polskie Radio
PRCD-2228(1CD)
初紹介旧譜
ヴィトルト・マウツジニスキ〜伝説のヴァヴェル城リサイタル1959
ショパン:ポロネーズ第4番ハ短調 Op.40-2/夜想曲第13番ハ短調 Op.48-1/バラード第2番ヘ長調 Op.38/ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35/マズルカ第22番嬰ト短調 Op.33-1/マズルカ第21番嬰ハ短調 Op.30-4/マズルカ第47番イ短調 Op.68-2/マズルカ第45番イ短調 Op.67-4/マズルカ第15番ハ長調 Op.24-2/マズルカ第17番変ロ短調 Op.24-4/ワルツ第1番変ホ長調 Op.18「華麗なる大円舞曲」/スケルツォ第2番変ロ短調 Op.31/ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53「英雄」
ヴィトルト・マウツジニスキ(P)

録音(ライヴ):1959年2月16日、ヴァヴェル城(クラクフ)
ポーランドの公共放送局『ポーランド放送(Polskie Radio/Polish Radio)』の自主レーベル「Polskie Radio」が制作する、同局のアーカイヴに眠る貴重な録音をCD化する「FROM THE POLISH RADIO ARCHIVES」シリーズから、20世紀ポーランドの偉大なピアニスト、ヴィトルト・マウツジニスキ(マウツジンスキ、マルクジンスキー)のライヴ録音が登場!これは1959年2月16日にクラクフのヴァヴェル城にて、戦時避難から返還された国宝の展覧会のオープニングとして行われたコンサートで、ルトスワフスキ夫妻をはじめ各界の著名人が駆けつける中マウツジニスキは凄まじい熱量でまさに“伝説”的な圧巻の演奏を披露。ポーランドの歴史における重要なシーンに花を添えた唯一無二の記録が初めてCD化されました。

Indesens Calliope Records
IC-040(1CD)
ジャック・デュフリ:ピアノ作品集
ラ・ドゥ・ブロムブル/クーラント/ラ・ヴァンロ/ラ・ド・ドリュモン/ラ・フェリクス /ラ・ランツァ/鳩/ラ・ヴィクトワール/ラ・フォルクレ/ロンドー・アン・ド/ラ・ララール/ラ・ポトゥアン/ロンドー・アン・レ/ラ・トリボレ/アルマンド
アレクサンドラ・レスキュール(P)

録音:録音:2023年8月16日ー18日、エクサンプロヴァンス音楽院オーディトリアム・カンプラ(フランス)
18世紀フランスの作曲家、オルガニスト、クラヴサン奏者、教師として活躍したジャック・デュフリ。本アルバムでは、デュフリが残した全4巻からなるクラヴサン曲集からいくつかの作品を抜粋し、ピアノ版として初の録音に臨んでいます。
アレクサンドラ・レスキュールは、フランスを拠点にヨーロッパで活躍するピアニスト。ジャック・ルヴィエ、ジャン=マルク・ルイサダのもとで研鑽を積み、ニュイ・ピアニスティック国際コンクール入賞。これまでにプロヴァンスO、トゥールーズOなどと共演。フランスのサント・ヴィクトワールで開かれる音楽祭の共同創設者でもあり、芸術監督としても活動しています。本アルバムでは、18世紀の様式と音楽的進化を見事に表現、魅惑的な万華鏡のごとき世界を描いています。

Eudora
EUDSACD-2401(1SACD)
楽興の時
シューベルト(ヨゼフ・カスパル・メルツ編):6つのシューベルトの歌
イワン・パドヴェッツ(1800-1873):シューベルトの人気あるワルツによる変奏曲 Op.4
ポンセ::ロマンティックなソナタ 「シューベルトを讃えて」
ペトリト・チェク(G)

録音:2022年5月17日-18日、サンフランシスコ公会堂(スペイン)
スペインの高音質レーベルEudoraによるSACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、ペトリト・チェクによるシューベルト・アルバムが登場!
アメリカのパークニング国際ギター・コンクールや、イタリアのピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクールなどでの華々しい優勝歴を誇るコソボ出身のギタリスト、ペトリト・チェク(1985-)。Eudoraからの1stアルバム、バッハの”ギター独奏版”「無伴奏チェロ組曲」に続く2ndアルバムは、シューベルトの歌曲アレンジと、シューベルトへのオマージュ作品2曲をカップリング。多くの優れたギタリストを輩出している東欧、旧ユーゴスラビア諸国の出身者の中でも、一際注目を集める名手ペトリト・チェクによる新たな挑戦にご期待ください!

PASSAVANT MUSIC
PAS-123282(1CD)
間の礼讃
エリック・タンギー(1968-):オマッジオ-アンリ・ディティユーに(2010)*
フィリップ・ルルー(1959-):踊り・・・沈める(2011)
フィリップ・エルサン(1948-):オルレアンのカリヨン(2015)*
坂田直樹(1981-):Afterimages U(2013)*
武満徹:雨の樹 素描U ― オリヴィエ・メシアンの追憶に(1992)
フィリップ・エルサン:3つの日本のスケッチ(2009)*〔第1曲 須磨、第2曲 奈良、第3曲 大和〕
西村朗(1953-2023):星の鏡(1992)
池辺晋一郎(1943-):アセンション T(1974)、アセンション U(1974)
深見まどか(P)

録音:2022年9月20日&21日
*=世界初録音
京都出身、フランスを中心にヨーロッパで高い評価を得る期待の若手ピアニスト、深見まどかのサード・アルバム。
とりわけフランス近現代作品への評価が極めて高い深見まどかが、「間の礼讃」という秀逸なタイトルで、フィリップ・エルサン、エリック・タンギー、フィリップ・ルルー、そして武満徹、西村朗、池辺晋一郎、坂田直樹といったフランスと日本を代表する現代作曲家たちのピアノ作品を集成。メシアンに捧げられた武満の「雨の樹 素描U」や、蕪村が旅した地と俳句を表現したエルサンの「3つの日本のスケッチ」など、フランスと日本を繋ぐ作品の組み合わせも興味深いところ。沈黙の中に芸術を作り出す鋭い表現力ですべてを美しく調和させ、静けさの中にも自然と音楽を感じさせる深見まどかのピアニズムにご注目ください。

GENUIN
GEN-24872(1CD)
ファニー・ヘンゼル:一年〜音楽と文学の出会い
Hochgeehrter Herr und Freund!(フランツ・ハウアーへの手紙〔1843年11月24日〕より)/1月/2月/Felix(フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルティへの手紙〔1829年5月27日〕より)/3月/Italienische Reise(フェリックスとセシル・メンデルスゾーン=バルトルディへの手紙〔1829年9月23日〕&旅行記〔1840年1月1日〕より)/4月/5月/Vater(アブラハム・メンデルスゾーンからファニー・ヘンゼルへの手紙〔1828年11月14日〕&ファニー・ヘンゼルからカール・クリンゲマンへの手紙〔1820年7月16日&1829年3月22日〕より)/6月/7月/Liebste Schwester(レベッカ・ディリクレ、セシル・メンデルスゾーン=バルトルディ&メンデルスゾーン・ファミリーへの手紙〔1839年12月16日、1839年10月23日、1839年11月28日〕より)/8月/Venedig(メンデルスゾーン・ファミリーへの手紙〔1839年10月13日〕より)/9月/Hensel(フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディへの手紙〔1829年7月6日、1829年7月29日、1829年8月25日〕より)/10月/11月/Abschied aus Rom(旅行記&レベッカ・ディリクレへの手紙〔1840年4月5日〕より)/12月/後奏曲/6月(オリジナル・ヴァージョン)
ソフィア・ヴァイデマン(P)、
ティンカ・クレフナー(朗読)

録音:2023年9月、ドイツ
ピアニストのソフィア・ヴァイデマンと女優ティンカ・クレフナーが、ファニー・ヘンゼル(ファニー・メンデルスゾーン)の音楽と文学の出会いを表現。ファニーの人生でもっとも充実した時期のひとつだったとされる1年間のイタリアへの旅の途中と帰国後に書いたピアノのための12の性格的小品「一年」に、ファニーが弟フェリックスやフェリックスの妻セシル、妹レベッカ、父アブラハムらに宛てた手紙や旅行記(日記)を組み合わせたユニークな企画で、その解釈を通じて、19世紀のもっとも重要な女性作曲家であり啓蒙思想家の一人であったファニー・ヘンゼルの生涯と作品を親密に垣間見ることができます。

GENUIN
GEN-24867(1CD)
透かし模様
リリ・ブーランジェ:「3つの小品」より「古い庭から」
シモン・ラクス:バラード「ショパンへのオマージュ」
ラヴェル:「鏡」M.43より「蛾」
ドビュッシー:版画
フランク:プレリュード,コラールとフーガ FWV21
アドリアーナ・フォン・フランケ(P)

録音:2023年7月17日-19日
世界的に評価の高いピアニスト、アドリアーナ・フォン・フランケの「Genuin」レーベル、デビュー・アルバムが登場です。繊細で詩的な表現に優れた彼女のデビュー・アルバムは、フランスで活動した作曲家の作品を中心にしたものとなりました。その明瞭で色彩感のあるピアノの音色で織り成す音楽で聴衆を魅了してくれます。
GENUIN
GEN-24852(1CD)
Per aspera ad astra
バッハ(ブラームス編):シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV1004より/左手ピアノのための)
ブラームス:7つの幻想曲 Op.116
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
アンドレイ・デニセンコ(P)

録音:2023年3月15日-17日
日本でもコンクールやリサイタルを行ったことのある、1992年ロシア生まれのピアニスト、アンドレイ・デニセンコはロシアとドイツのコンクールで受賞経験があり、高く評価されています。今回のアルバムでは、バッハ、シューマン、そしてブラームスの作品に取り組み、力強さと明晰さを兼ね備えた素晴らしい演奏を披露しています。

Hyperion
CDA-68424(1CD)
グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」 Op.40
抒情小曲集第7集 Op.62
ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード ト短調 Op.24
抒情小曲集第3集 Op.43
アンドレイ・ググニン(P)

録音:2023年5月2日-4日、殉教者聖サイラス教会(ケンティッシュ・タウン、ロンドン)
1987年モスクワ生まれのピアニスト、アンドレイ・ググニンがHyperionに4度目の登場!2年ぶりとなるレコーディングに選曲したのは「ホルベアの時代より」の原曲をはじめとするグリーグのピアノ作品集。これまでショスタコーヴィチ(PCDA-68267/CDA-68267)やスクリャービン(PCDA-68355/CDA-68355)といった母国ロシアの作品、あるいはゴドフスキーへのオマージュ・アルバム(PCDA-68310/CDA-68310)で高い評価を築いてきたググニンですが、今回は少しカラーの違うグリーグの情感あふれる作品集を研ぎ澄まされた感性で豊かに奏でます。
アンドレイ・ググニンは2013年にウィーンのベートーヴェン国際コンクールで第2位に輝くと、2014年のジーナ・バッカウアー国際コンクールと2016年シドニー国際コンクールでは優勝。そして2019年に行われたチャイコフスキー国際コンクールでは特別賞も受賞し、一気にスターへの階段を駆け上がりました。同年に2度の来日公演を成功させると2023年にも2度にわたって来日。12月の来日は残念ながら体調不良により中止となってしまいましたが、来る2024年5月〜6月には代替公演が予定されています。

APR
APRCD-6043(2CD)
ミッシャ・レヴィツキ〜HMV録音全集

■CD1
1. ショパン:前奏曲第1番ハ長調 Op.28-1
2. ショパン:前奏曲第7番イ長調 Op.28-7
3. ショパン:前奏曲第23番ヘ長調 Op.28-23
4. ショパン:ワルツ第11番変ト長調 Op.70-1
5. ショパン:ワルツ第8番変イ長調 Op.64-3
6. ショパン:バラード第3番変イ長調 Op.47
7. ショパン:夜想曲第13番ハ短調 Op.48-1
8. ショパン:夜想曲第5番嬰ヘ長調 Op.15-2
9. ショパン:スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
10. ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53「英雄」
11. スカルラッティ:ソナタ イ長調 Kk.113
12. グルック(ブラームス編):ガヴォット
13 ベートーヴェン(ダルベール編):エコセーズ WoO.83
14. シューベルト(タウジヒ編):軍隊行進曲 D.733-1
15. ルビンシテイン:練習曲ハ長調 Op.23-2「スタッカート・エチュード」
16. メンデルスゾーン:ロンド・カプリチオーソ ホ長調 Op.14
17-20. シューマン:ピアノ・ソナタ第2番ト短調 Op.22
■CD2
1-4. リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
5. バッハ(リスト編):前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543/S.462-1
6. リスト:「3つの演奏会用練習曲」より 第3番変ニ長調「ため息」
7. パガニーニ(リスト編):ラ・カンパネラ S.140-3
8. パガニーニ(リスト編):ラ・カンパネラ S.140-3
9. リスト:ハンガリー狂詩曲第6番変ニ長調 S.244-6
10. リスト:ハンガリー狂詩曲第12番嬰ハ短調 S.244-12
11. リスト:ハンガリー狂詩曲第13番イ短調 S.244-13
12. モシュコフスキ:女道化師 Op.52-4
13. ラフマニノフ:前奏曲第5番ト短調 Op.23-5
14. レヴィツキ:ワルツ イ長調 Op.2「愛のワルツ」
ミッシャ・レヴィツキ(P)、
LSO、ランドン・ロナルド(指)


■CD1
1. 〜3録音:1929年11月21日

4. 5. 録音:1928年11月19日

6. 録音:1928年11月22日

7. 録音:1929年11月21日

8. 録音:1928年11月19日

9. 録音:1929年10月31日

10. 録音:1933年3月16日

11. 録音:1928年11月22日

12. 13 録音:1927年12月15日

14. 録音:1928年11月22日

15. 録音:1927年12月16日

16. 録音:1933年3月16日

17-20. 録音:1933年3月10日

■CD2
1-4. LSO、ランドン・ロナルド(指)
録音:1929年11月11日&14日

5. 録音:1927年12月16日

6. 録音:1928年11月21日

7. 録音:1927年12月16日

8. 録音:1928年11月22日

9. 録音:1927年12月15日

10. 録音:1933年3月16日

11. 録音:1933年3月16日

12. 録音:1927年12月16日

13. 録音:1929年11月21日

14. 録音:1929年11月21日
※録音場所:1933年セッションと協奏曲以外:スタジオC、スモール・クイーンズ・ホール、ロンドン/1933年セッション:スタジオ3、アビーロード、ロンドン
協奏曲:キングスウェイ・ホール&クイーンズ・ホール、ロンドン
キエフ近郊で生まれたミッシャ・レヴィツキ(1898-1942)はミハウォフスキ、ストヨフスキ、ドホナーニの弟子であり、1920年代には瞬く間にピアノシーンにおける筆頭有望株としての地位を確立しました。
実際、その早すぎる死がなければ、レヴィツキは間違いなく20世紀を代表するピアニストの一人としてみなされていたことでしょう。
今回、復刻となるHMV録音は、レヴィツキの決して多いとは言えない録音遺産の中でも最も重要な地位を占めています。
ちなみにこのレヴィツキのHMV録音全集はかつて「APR7020」の品番で発売されていましたが廃盤となって久しく待望の復刻となります。
またAPRは今回の復刻に際して大部分のトラックのトランスファーを全面的にやり直し、各所のクリーンアップ、ピッチのエラーの修正を施しており、旧盤からの大規模なスケールアップが実現しています。

Cobra Records
COBRA-0092(1CD)
ラ・ギタロマニ
フランチェスコ・モリーノ(1768-1847):大序曲 Op.17*、
 大ソナタ Op.51*
フィリッポ・グラニャーニ(1768-1820):幻想曲 Op.5*
フェルディナンド・カルッリ(1770-1841):ソロ第3番 Op.76*
ウェンツェル・トマス・マティーカ(1773-1830):大ソナタ第1番より第1楽章、
 ソナタ Op.23より第1楽章、
 大ソナタ第2番より第1楽章
イザール・エリアス(G)

録音:2023年9月4日-6日、ルーテル教会(ハールレム、オランダ)
※使用楽器:C. Guadagnini,1812/J. G. Stauffer, ca.1820/B. Enzensperger, ca.1834
これまで10枚以上のアルバムをリリースし、2011年にギタリストとして初めてオランダ音楽賞を受賞するなど現在のギター界で突出した実力と人気を誇る、1977年アムステルダム生まれのイザール・エリアス。
「ラ・ギタロマニー(ギター狂)」と題した今作はギターという楽器が浸透し始めもてはやされた19世紀初頭に現れ、サロンの聴衆にそれまで聴いたことのない全く新しいサウンドを提供しギターという楽器の地位向上に大きな役割を果たしたモリーノ、グラニャーニ、カルッリ、マティーカといったギターの名手たちが作曲した作品の創造的な精神を追求。イザール・エリアスは今回のレコーディングでこれらの作品の誕生と同時代の19世紀初頭に製作された3本のギターを弾き分けており、弦はすべてガット弦が用いられています。

Fineline
FL-72417(1CD)
哀れで、悲しい天使〜ショパン:ピアノ作品集
幻想曲ヘ短調 Op.49/バラード第4番ヘ短調 Op.52/ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2/スケルツォ第4番ホ長調 Op.54/ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53「英雄」/3つのマズルカ Op.50/夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2/夜想曲第18番ホ長調 Op.62-2
ニコライ・ルガンスキー(P)

録音:1996年11月28日-30日、メノナイト教会(ハールレム、オランダ)
かつてChallenge Classicsレーベルよりリリースされていた、ニコライ・ルガンスキーが1996年に録音したショパン・アルバムがFinelineレーベルからリイシュー!録音当時24歳、チャイコフスキー国際コンクールで最高位(1位なしの2位)に輝いてから2年後というますます評価を高めていた頃の演奏で、20代半ばという若さながら既に完成された高い技巧とルガンスキーらしい端正で優雅な音楽作りを聴くことができます。夜想曲第8番を除き、ショパンがジョルジュ・サンドと過ごした時期である1841年〜47年に書かれた作品が選ばれています。

Aulos Media
AMC-2178(1CD)
韓国の若き音楽家たち2019Vol.2〜イ・テッキ&イ・ヒョク

(1)チャイコフスキー:「6つの小品」より 夜想曲 Op.19-4
チャイコフスキー:ロマンス Op.5
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83

(2)チャイコフスキー(プレトニョフ編):演奏会用組曲「くるみ割り人形」
スメタナ(アンリ・カン編):ブルタヴァ(モルダウ)
(1)イ・テッキ(P)
(2)イ・ヒョク(P)

録音:2019年3月-8月、KBS Studio16(韓国)
韓国の公共放送局である「KBS(韓国放送公社)」が企画した「韓国の若き音楽家たち」の2019年版に抜擢されたイ・テッキとイ・ヒョク。それぞれのソロ演奏をカップリングした当ディスクは、韓国のピアノ界が世界でも有数の才能の宝庫であることを改めて強く印象付けてくれることでしょう。
イ・テッキは1996年生まれ。2014年に開催されたイギリスのヘイスティングス国際ピアノ協奏曲コンクールで最年少優勝を果たし、ヨーロッパ各地にその名を響かせた秀才。アメリカではジュリアード音楽院とカーティス音楽院で研鑽を積み、名教師ロバート・マクドナルドの指導の下で飛躍を遂げています。
韓国国内でも2018年6月に当初予定されていたソリストの突如のキャンセルにより、富川(プチョン)POの定期演奏会に緊急登壇。圧巻のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」を披露し大喝采を浴びています。
イ・ヒョクは2000年生まれ。2021年の第18回ショパン国際ピアノ・コンクールにおいてファイナリストに選出されており、その演奏は記憶に新しいところ。
2016年に16歳で第10回パデレフスキ国際ピアノコンクール第1位、2018年の第10回浜松国際ピアノコンクールでは第3位を受賞し順調に歩みを続け、2022年のロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールのピアノ部門では亀井聖矢との同時優勝に輝き大きな話題を呼びました。
ロシアのウクライナ侵攻後はモスクワ音楽院からフランス、パリのエコールノルマル音楽院へと研鑽の場を移し、さらなる飛躍を目指しています。

CANARY CLASSICS
CC-24(2CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 Vol.5&6
■CD1
ピアノ・ソナタ第7番ハ長調 K.309
ピアノ・ソナタ第8番ニ長調 K.311
ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
■CD2
ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457
ピアノ・ソナタ第15番ヘ長調 K.533/494
オルリ・シャハム(P/Steinway D274)

録音:2019年〜2020年メカニクス・ホール、ウースター(マサチューセッツ州)
ギル・シャハムの妹でスタインウェイ・アーティストでもあるピアニスト、オルリ・シャハムによる新モーツァルト全集に基づくピアノ・ソナタ全曲録音。当アルバム は第5&6集の2枚組です。
オルリ・シャハムの魅力といえば色彩豊かなピアノの音色。兄ギルとのモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集(CC-01)でもその才能を高く評価されており、当 全曲録音は注目すべきもの。第1集(CC-19)、第2&3集(CC-21)、第4集(CC-23)も好評を博しております。 ★第5&6集には第7番ハ長調 K.309、第8番ニ長調 K.311、第10番ハ長調 K.330、第14番ハ短調 K.457、第15番ヘ長調 K.533/494の5つの ソナタを収録。楽譜と対峙し豊かな音楽を奏でるシャハム。充実の演奏をお楽しみください。 (Ki)

King International
KKC-118(2CD)
税込定価
パガニーニ:24のカプリス 作品1 鷲見恵理子(Vn)

録音:2023年11月24&27日キング関口台スタジオ(第2スタジオ)
レコード芸術誌「特選盤」など各誌で絶賛された「『Nostalgia』?クライスラー:ヴァイオリン小品集」(KKC-086)のリリースから2年。情熱のヴァイオリニスト鷲見恵理子が遂にパガニーニの24のカプリス全曲を録音しました!!!
イタリアでも研鑽を積んだ鷲見にとって、パガニーニは最も大切な作曲家の一人。言わずと知れた無伴奏ヴァイオリンのための超絶技巧作品である24のカプリスは、才能豊かな限られたヴァイオリニストしか弾きこなせない、ヴァイオリン曲の頂ですが、この作品を鷲見はわずか2日間のセッションで録音しました!
まさに〈一本勝負!〉で挑んだ録音はライヴさながらの迫力と集中力。鷲見の演奏は、技巧はもちろんのこと、憂いのある音色で「聴かせる」カプリスを披露。一音一音、魂のこもった音は現代のヴァイオリストではなかなか聴くことのできない、哀愁に満ちた独特の魅力に溢れています。
「人には少なくからずとも〈天使と悪魔〉の二面性があり、だからこそパガニーニのカプリスのような傑作が誕生したと思います。そのことを実感しながらこれまで生涯かけて演奏してきました」と語る鷲見。「悪魔に魂を売った」とも言い伝えられるパガニーニですが、鷲見は色彩感豊かに歌い上げ、まさに唯一無二の情緒あふれる演奏を展開しており、今の鷲見にしか表現できない世界がひろがります!
ブックレットには世界的指揮者広上淳一氏のコメント、音楽評論家奥田佳道氏による序文「大人が紡ぐムジカ(音楽!)としてのカプリス」及び曲目解説を掲載。また写真はヒダキトモコ氏が当アルバムのために撮影した最新写真を使用。アルバムのイメージを反映した素晴らしい仕上がりとなっております。 (Ki)

ARCANA
A-559(1CD)
ミェチスワフ・ヴァインベルク:無伴奏チェロ・ソナタ(全4曲)
無伴奏チェロ・ソナタ 第1番Op.72(1960)
無伴奏チェロ・ソナタ 第2番Op.121(1977)
無伴奏チェロ・ソナタ 第3番Op.106(1971)
無伴奏チェロ・ソナタ 第4番Op.140bis (198
マリオ・ブルネロ(Vc/ブレシアのピエトロ・サント・マッジーニ1600年頃製作)

録音:2022年3月21-27日アンチルッジーネ、ヴァッラ、トレヴィーゾ、イタリア
収録時間:87分25秒
※長時間収録ディスクのため、一部のプレイヤーでは 正常に再生できない可能性がございます。ご注意ください。
近年はARCANAより、バッハを中心としたバロック作品を4弦チェロ・ピッコロで演奏するアルバムを精力的にリリースしてきたマリオ・ブルネロ。 今回は通常のチェロに立ち返り彼愛用の名器マッジーニを用いて、20世紀無伴奏チェロ作品の傑作の一つ、ヴァインベルクのソナタ全4曲を 録音しました。うち第2番は1965年に作曲され作品86として出版されましたが、ここでは1977年に大幅に改訂された版を収録。高い技 術と集中力で時に瞑想的、時に諧謔的、そして時に激昂するような曲想を奥深く、きめ細かく描き上げています。

DIVINE ART
DDX-21001(10CD)
NX-N06
ベートーヴェン:35のピアノ・ソナタ全集
【CD1】57分
1-2. ピアノ・ソナタ 変ホ長調「選帝候ソナタ第1番」 WoO47No.1
4-6. ピアノ・ソナタ ヘ短調「選帝候ソナタ第2番」 WoO47No.2
7-9. ピアノ・ソナタ ヘ長調「選帝候ソナタ第3番」 WoO47No.3
10. アンダンテ ヘ長調「アンダンテ・ファヴォリ」 WoO57
【CD2】71分
1-4. ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2No. 1
5-8. ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2No. 2
9-12. ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2No. 3
【CD3】82分
1-2. ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49No. 2
3-4. ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49No. 1
5-8. ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7
9-11. ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 Op.10No. 1
12-14. ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調 Op.10 No.2
【CD4】72分
1-4. ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10No. 3
5-7. ピアノ・ソナタ第8番ハ短調「悲愴」 Op. 13
8-10. ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14No. 1
11-13. ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14 No.2
【CD5】78分
1-4. ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調 Op.22
5-8. ピアノ・ソナタ第12番変イ長調 Op.26
9-11. ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調 Op.27 No.1
12-14. ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」 Op.27No.2
【CD6】71分
1-4. ピアノ・ソナタ第15番ニ長調「田園」 Op.28
5-7. ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31No. 1
8-10. ピアノ・ソナタ第17番ニ短調「テンペスト」 Op.31No.2
【CD7】83分
1-4. ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31 No.3
5-7. ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」 Op.53
8-9. ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 Op.54
10-12. ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」 Op.57
【CD8】74分
1-2. ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調「テレーゼ」 Op.78
3-5. ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79
6-8. ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調「告別」 Op.81a
9-11. ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90
12-14. ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101
【CD9】68分
1-4. ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」
Op.106
5-7. ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
【CD10】44分
1-3. ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
4-5. ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
本間たまみ(P)

録音:2019-2023年
日系アメリカ人ピアニスト、本間たまみが弾くベートーヴェンの「選帝侯ソナタ」を含む35曲のソナタ全集が登場。 現在サンフランシスコに拠点を置き、ソリスト、室内楽奏者、教師として活躍する彼女は、これまでにも「弦楽四重 奏伴奏によるショパンのピアノ協奏曲第1番、第2番」(SOMM Recordings SOMMCD061)やマッケイブ、ク ラークらの現代作品の録音を行い、これらは高く評価されています。 今回の録音にあたっては、ベートーヴェンの研究者として知られるイギリスの音楽学者バリー・クーパーが歴史的資 料を綿密に調査したうえで編集・校訂を行った新版(ABRSM=The Associated Board of the Royal Schools of Music 出版)を用いるとともに、クーパー氏と議論を交わしたうえで、35のソナタに取り組んでいま す。

Biddulph
BIDD-85045(1CD)
NX-B06
ヨーゼフ・シゲティ〜AFRS録音全集 - ベルク:ヴァイオリン協奏曲 他
1. シューベルト:ロンド - ピアノ・ソナタ 第17番ニ長調(フリードベルク編)
2. フランソワ・シューベルト(1808-1878):蜜蜂
3. ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 ト短調(ヨアヒム編)
4. ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1番 ト短調(クライスラー編)
5. チャイコフスキー:感傷的なワルツ Op.51No.6(グルーンス編)
6. ストラヴィンスキー:ロシア風舞曲 −ペトルーシュカ(ドゥシュキン編)
7. フバイ(1858-1937):ゼフィール Op.30No.5
8. ベルリオーズ:夢とカプリース Op.8
9. バルトーク:2つの肖像 第1番Op.5
10. コレッリ:ソナタ ニ短調「ラ・フォリア」(レオナール編)
11. ベートーヴェン:ロマンス第1番 ト長調 Op.40
12-15. ベルク:ヴァイオリン協奏曲
ヨーゼフ・シゲティ(Vn)
ピアノ伴奏(演奏者不明)…1-7
フィルハーモニアO…8-9
コンスタント・ランバート(指)…8-9
WORSO…10
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)…10
サンフランシスコSO…11
レナード・バーンスタイン(指)…11
NBCSO…12-15
ディミトリ・ミトロプーロス(指)…12-15

録音:1-7:1943年/初出:AFRS C35&C44(Basic Musical Library)
8:1946年8月26日/初出:Columbia lX946(matrices CAX9678&9679)
9:1946年6月22日/初出:Columbia LX1531(matrices CaX9568&9569)
10:1941年1月26日 プライヴェート・レコーディング(ライヴ)
11:1945年7月1日/初出:AFRS22(Semi-Classical Replacement)(ライヴ)
12-15:録音:1945年12月30日/初出:AFRS85(NBC Symphony)(ライヴ)
名演の誉れ高いミトロプーロスとのベルクの協奏曲や、若きバーンスタインとの共演、更に第2次大戦中の貴重な録音を含むシゲティのAFRS音源を復刻。 1939年にアメリカに移住したシゲティは米コロンビアに多くの録音を行いましたが、第2次大戦中の1942年8月から44年11月の間はアメリカ音楽家連盟 (American Federation of Musicians)が市販用の録音のストライキを行ったため、シゲティにもコロンビア録音がありません。トラック1から7はこの空白 期間を埋める貴重な音源です。AFRS(Armed Forces Radio Service)は国外で暮らすアメリカ人向けに1940年代初めに米軍が開設した短波放送 局。同局の放送用の録音は上記のストライキの対象外となったため、ジャンルを問わず多くの音楽家・団体が参加しました。このディスクはシゲティがAFRS のために行った録音のすべてを収めています。 AFRS音源の中でミトロプーロスとのベルクはこれまでにもCDが出ており、ファンの間では名演として知られて来たもの。今では20世紀の傑作の一つに数えら れる同曲も1945年当時は知名度が低く、この曲を非常に高く評価していたシゲティとミトロプーロスは演奏会のプログラムに載せるためにオーケストラとその 理事会を説得するため共闘したと伝えられます。これは同曲がアメリカで初めて放送された時の演奏という点でも貴重な記録です。ベートーヴェンのロマンス の指揮は若きバーンスタイン(当時26歳)。シゲティとの共演という点でも、サンフランシスコ響との録音という点でも貴重なものです。 AFRS音源以外での注目は、まずバルトークの「2つの肖像 第1番」。シゲティはこの曲を渡米前に母国ハンガリーで行った最後の演奏会で作曲家臨席の 下で演奏しました。コレッリの「ラ・フォリア」はベルギー生まれのヴァイオリニスト、ユベール・レオナール(1819-1890)によるヴァイオリンとピアノ版をさらにオーケ ストレーションしたもの。バロック舞曲というよりも幽玄・荘重、時に悲劇的な趣もあり、ロマン派協奏曲のものを思わせるカデンツァも加えられて別の作品に生 まれ変わったかのようです。

DIVERSIONS
DDV-24172(1CD)
NX-B03
(リ)インヴェンション
バッハ(リー・チアフ編):(リ)インヴェンション第1番-第15番
デュオ・ヴェルシニナ・リー(P・デュオ)

録音:2023年2月
Northern College of Music(UK)
ルクセンブルクで活躍するピアニスト、リー・チアフ(別名チア=チア)とユリア・ヴェルシニナのデュオによるバッハの インヴェンション。タイトルに「(リ)」とあるようにリーはオリジナルを全くの新しい形に編曲。ポップス、ミニマリズム、ス ムーズジャズなどを融合させたクロスオーヴァーな作品に仕上がっています。

Dynamic
CDS-7996(1CD)
NX-B06
SOLO〜ハーモニカ on ハーモニカ
チック・コリア(1941-2021):チルドレンズ・ソングより
 1. 第16番&第17番
 2. 第19番
 3. 第1番&第4番
 4. 第6番
バッハ:ゴルトベルク変奏曲より
 5. アリア
 6. 第1変奏
 7. 第2変奏
 8. 第13変奏
 9. 第30変奏
エドゥ・ロボ(1943-):ポンテイロ
モリコーネ(1928-2020):ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(ウェスタン)
レスター・ヤング(1909-1959):Tickle Toe
グレン・ミラー(1904-1944):ムーンライト・セレナーデ
ヘンデル:歌劇「リナルド」 - 涙の流れるままに
マト・ロドリゲス(1897-1948):ラ・クンパルシータ
作者不詳:O Virgo splendens おお輝く聖処女 - モンセラートの朱い本より
チャーリー・パーカー(1920-1955):ドナ・リー
ジャンルカ・リッテラ(各種ハーモニカ/多重録音)

録音:2020年3月、5月
クラシックとジャズの分野で目覚ましい活動をするクロマチックハーモニカの世界的名手ジャンルカ・リッテラが、ルネサンス期の作品やバッハの「ゴルトベルク変 奏曲」の抜粋、ジャズ界のレジェンド、チック・コリアやチャーリー・パーカーの曲から、タンゴ「ラ・グンパルシータ」まで多彩な作品を演奏した1枚。彼がこの録音 に使用したのは、全てスズキブランドの「バスハーモニカ」「コードハーモニカ」「クロマチックハーモニカ・シリウス」「クロマチックハーモニカ・クロマティクス」で、これらの 楽器を駆使しながら、各パートを多重録音してユニークなアンサンブルを生み出しています。ハーモニカの多様性と楽しさをとことん追求した1枚です。


King International
KKC-8848(14CD)
日本語解説付国内盤
園田高弘ロマン派Box
■Disc1
ショパン:24の前奏曲Op.28
■Disc2
ショパン
(1) ポロネーズ第1番嬰ハ短調Op.26の1
(2) ポロネーズ第2番変ホ短調Op.26の2
(3) ノクターン第7番嬰ハ短調Op.27の1
(4) ノクターン第8番変ニ長調Op.27の2
(5)4つのマズルカOp.30
(6)4つのマズルカOp.33
(7) ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35
■Disc3
ショパン
(1) 子守歌Op.57
(2) ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58
(3)3つのマズルカOp.59
(4) 舟歌Op.60
(5) 幻想ポロネーズOp.61
■Disc4
ショパン
(1) バラード第1番ト短調Op.23
(2) バラード第2番ヘ長調Op.38
(3) バラード第3番変イ長調Op.47
(4) バラード第4番ヘ短調Op.52
(5) 即興曲第1番変イ長調Op.29
(6) 即興曲第2番嬰ヘ長調Op.36
(7) 即興曲第3番変ト長調Op.51
(8) 幻想即興曲Op.66
■Disc5
シューマン
(1) クライスレリアーナOp.16
(2) 子供の情景Op.15
■Disc6
シューマン
(1) 謝肉祭Op.9
(2) フモレスクOp.20
(3) 花の曲Op.19
■Disc7
シューマン
(1) 幻想曲Op.17
(2) アラベスクOp.18
(3) 夜曲集Op.23
(4)3つの幻想的小品Op.111
■Disc8
シューマン
(1) ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.11
(2) 幻想小曲集Op.12
■Disc9
ブラームス
(1) ヘンデルの主題による変奏曲とフーガOp.24
(2)2つの狂詩曲Op.79
(3)8つのピアノ小品Op.76
■Disc10
ブラームス
(1) ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調Op.5
(2) 幻想曲集Op.116
(3) 間奏曲集Op.117
■Disc11
ブラームス
(1) パガニーニの主題による変奏曲Op.35
(2)6つのピアノ曲Op.118
(3)4つのピアノ曲Op.119
■Disc12
シューベルト
(1) ピアノ・ソナタ第16番イ短調D845
(2) 即興曲集Op.90
■Disc13
シューベルト
(1) ピアノ・ソナタ第13番イ長調D664
(2) 即興曲集Op.142
■Disc14(ボーナス)
(1) シューマン:交響的練習曲Op.13
(2) ショパン:幻想ポロネーズOp.61
(3) リスト:ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
園田高弘(P)

録音:
■Disc1;1983年4月21,22日浜北市文化会館
■Disc2;1997年12月10-12日竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc3;1989年4月11,12日桃源文化会館(白根)
■Disc4;1990年5月10,11日浜北文化センター市民会館、
■Disc5;1982年9月20,21日カトリック下井草教会
■Disc6;1992年10月28,29日竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc7;1988年5月4,5日本郷バリオホール
■Disc8;2001年8月21-23日バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ、
■Disc9;1993年4月14,15日竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc10;1997年4月11-15日竜洋なぎの木会館いさだホール
■Disc11;2001年8月24-16日バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ
■Disc12;2003年8月23-25日バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ
■Disc13;2004年7月8-10日三重文化会館大ホール
■Disc14;1998年9月23日サントリーホール(ライヴ)
2024年に歿後20年となる園田高弘。日本ピアノ界の偉大な功労者であると同時にヴィルトゥオーゾ・ピアニストであった彼の貴重な遺産音源を、未亡人園田春子氏 監修でBox化。今回はロマン派の作曲家を集めたもので、聴き応え満点。
注目はシューマンの「クライスレリアーナ」と「子供の情景」の初CD化。1982年9月に相澤昭八郎プロデュースで録音され、アダムエース・レーベルからLPで 発売されましたが、以後マスターテープが所在不明となりCD化できずにいました。最近オリジナル・マスターを発見、今回最新リマスタリングで甦りました。下井 草の教会での録音ですが、9月の深夜に録音が行われたため、静かな箇所でかすかに虫の音が聞きとれるかもオーディオ的に興味津々です。
ショパン、シューマン、ブラームスの主要なピアノ曲を園田の巨匠芸で楽しめるのはまさに贅沢の極み。一点の曖昧さもない強靭なピアニズムと深い音楽性にひ たれます。ボーナス・ディスクとして1998年9月23日に70歳を記念して行われたサントリーホールのコンサート・ライヴが収められているのも貴重。円熟の至 芸を味わえます。
解説は基本園田自身の書き下ろし。ショパン論は読み応え満点でこだわりの深さを感じさせます。今回驚きの価格でご提供。各家庭に1セットは揃えたい偉大な 音楽遺産です。 (Ki)

DOREMI
DHR-822(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第4集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
(2)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 K.304
(3)コープランド:ピアノ・ソナタ
(4)バルトーク:組曲『戸外にて』 Sz.81
ブラームス:6つの小品 Op.118
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117より 第1・2番
ラドゥ・ルプー(P)

(1)アンタル・ドラティ(指)クリーヴランドO/録音:1977年4月7日クリーヴランド
(2)シモン・ゴールドベルク(Vn)/録音:1974年1月13日ロンドン、クイーン・エリザベス・ホール
(3)録音:1972年1月18日モルティングス・コンサート・ホール(第25回オールドバラ音楽祭)
(4)録音:1974年2月16日ニューヨーク、ハンターカレッジ
DOREMIレーベルのラドゥ・ルプーの秘蔵ライヴ・シリーズ第4集。ドラティ、ゴールドベルクとのモーツァルトから、コープランドのソナタなんて珍しいものまで。 (Ki)


FONE
40SACD-239(40SACD)
完全数量限定生産
ハッピー・バースデー・マエストロ!〜サルヴァトーレ・アッカルド80歳記念
【DISC1:SACD061/1】
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV.1001/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番ロ短調 BWV.1002/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調 BWV.1003
【DISC2:SACD061/2】
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調 BWV.1004/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調 BWV.1005/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006
【DISC3:SACD224】
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.12-2*/ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調 Op.12-3**/ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 Op.23***
【DISC4:SACD060】
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47「クロイツェル」/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24「春」
【DISC5:SACD143】
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61(第1楽章&第3楽章カデンツァ:フリッツ・クライスラー作)/ロマンス第2番ヘ長調 Op.50/ロマンス第1番ト長調 Op.40
【DISC6:SACD008】
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78「雨の歌」/ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.100/ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 Op.108/「F.A.E.ソナタ」より スケルツォ ハ短調
【DISC7:SACD218】
サラサーテ:ヴァイオリンとピアノのための作品集(スペイン舞曲集ほか)
マラゲーニャ Op.21-1/ハバネラ Op.21-2/アンダルシアのロマンス Op.22-1/ホタ・ナヴァーラ Op.22-2/プレイェーラ Op.23-1/サパテアード Op.23-2/スペイン舞曲 Op.26-1/スペイン舞曲 Op.26-2/アンダルシアのセレナード Op.28/アディオス・モンターニャス・ミアス Op.37/ホタ・アラゴネーサ Op.27/バスク奇想曲 Op.24/ナバーラ Op.33(2本のヴァイオリンのための)*【DISC8:SACD217】
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ長調 Op.8/ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調 Op.13/ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ短調 Op.45
【DISC9:SACD196】
ハイフェッツへのオマージュ
ガーシュウィン:「サマータイム」&「女は気まぐれ」、「必ずしもそうでない」、「ブルースのテンポで」、「ベス、お前は俺のもの」、「うちの人は逝ってしまった」(「ポーギーとベス」より)、3つの前奏曲/ロバート・ラッセル・ベネット:ヘクサポーダ、スロー・アンド・ロンリー/ロッシーニ(カステルヌオーヴォ=テデスコ編):フィガロ/グラズノフ:瞑想曲 Op.32/プロコフィエフ:行進曲/シューベルト:アヴェ・マリア/プーランク:プレスト 変ロ長調/ファリャ:かがり火のそばで/アルベニス:セビーリャ/ドビュッシー:美しい夕暮れ/プロコフィエフ:仮面/アルフテル:ジプシーの踊り/リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行/メンデルスゾーン:歌の翼に
【DISC10:SACD003】
クライスラー讃〜クレモナのヴァイオリン第1集
・使用楽器:Carlo IX, di A. Amati (1566)
クライスラー:前奏曲とアレグロ/メヌエット/タンブーラン
・使用楽器:Hammerle, di N. Amati (1658)
クライスラー:ロンディーノ/メロディ/アレグレット
・使用楽器:Quarestani, di G. Guarneri (1689)
クライスラー:インドの歌/マズルカ
・使用楽器:G. Guarneri detto del Gesu (1734)
クライスラー:ジプシーの女/即興曲/愛の喜び
・使用楽器:Cremonese, di A. Stradivari (1715)
クライスラー:中国の太鼓、カヴァティーナ、美しきロスマリン/ドヴォルザーク:我が母の教えたまいし歌 Op.55-4(ジプシーの歌より)/ブラームス(クライスラー編):ハンガリー舞曲/リムスキー=コルサコフ:太陽への讃歌(歌劇 「金鶏」より)/アルベニス(クライスラー編):マラゲーニャ Op.165-3/クライスラー:愛の悲しみ
【DISC11:SACD030】
クライスラー讃〜クレモナのヴァイオリン第2集
クライスラー:プニャーニの様式によるテンポ・ディ・メヌエット/クープランの様式によるルイ13世の歌とパヴァーヌ/コレッリの主題による変奏曲
クライスラー:フランクールの様式によるシチリアーノとリゴードン/マルティーニの様式によるアンダンティーノ
シューマン(クライスラー編):ロマンス イ長調/フォスター(クライスラー編):故郷の人々
グラナドス(クライスラー編):スペイン舞曲/クライスラー:古いリフレイン/ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ舞曲ト短調 Op.46-1
アルベニス(クライスラー編):タンゴ Op.165-2/シャミナード(クライスラー編):スペインのセレナード/チャイコフスキー(クライスラー編):アンダンテ・カンタービレ Op.11/クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2/ドヴォルザーク(クライスラー編):インディアンの嘆歌 ト短調/ポルディーニ(クライスラー編):踊る人形/メンデルスゾーン(クライスラー編):5月のそよ風 Op.62-1(無言歌第5巻より)/アイルランド民謡(クライスラー編):ロンドンデリーの歌
【DISC12:SACD2045】
クライスラー讃〜ストラディヴァリ 「イル・クレモネーゼ」
クライスラー:中国の太鼓、カヴァティーナ、美しきロスマリン/ドヴォルザーク:我が母の教えたまいし歌 Op.55-4(ジプシーの歌より)/ブラームス(クライスラー編):ハンガリー舞曲/リムスキー=コルサコフ:太陽への讃歌(歌劇 「金鶏」より)/アルベニス(クライスラー編):マラゲーニャ Op.165-3/クライスラー:愛の悲しみ/アルベニス(クライスラー編):タンゴ Op.165-2/シャミナード(クライスラー編):スペインのセレナード/チャイコフスキー(クライスラー編):アンダンテ・カンタービレ Op.11/クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2/ドヴォルザーク(クライスラー編):インディアンの嘆歌 ト短調/ポルディーニ(クライスラー編):踊る人形/メンデルスゾーン(クライスラー編):5月のそよ風 Op.62-1(無言歌第5巻より)/アイルランド民謡(クライスラー編):ロンドンデリーの歌
※【DISC12:SACD2045】の収録曲は、【DISC10: SACD003】と【DISC11:SACD030】の収録曲と同一の音源です。予めご了承下さい。
【DISC13:SACD234】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第32番ヘ長調 K.376/ヴァイオリン・ソナタ第33番ヘ長調 K.377/アレグロ変ロ長調 K.372/ヴァイオリン・ソナタ第37番イ長調 K.402/ヴァイオリン・ソナタ第39番ハ長調 K.404
【DISC14:SACD231】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第34番変ロ長調 K.378/ヴァイオリン・ソナタ第26番変ホ長調 K.302/ヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調 K.304/ヴァイオリン・ソナタ第38番ハ長調 K.403
【DISC15:SACD233】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第35番ト長調 K.379/ヴァイオリン・ソナタ第36番変ホ長調 K.380/ヴァイオリン・ソナタ第43番ヘ長調 K.547
【DISC16:SACD230】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第40番変ロ長調 K.454/ヴァイオリン・ソナタ第25番ト長調 K.301/ヴァイオリン・ソナタ第30番ニ長調 K.306
【DISC17:SACD232】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第41番変ホ長調 K.481/ヴァイオリン・ソナタ第27番ハ長調 K.303/「羊飼いの娘セリメーヌ」による12の変奏曲ト長調 K.359/「泉のほとりで」による6つの変奏曲ト短調 K.360
【DISC18:SACD237】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第42番イ長調 K.526/ヴァイオリン・ソナタ第24番ハ長調 K.296/ヴァイオリン・ソナタ第29番イ長調 K.305
【DISC19:SACD228】
モーツァルト:弦楽五重奏曲第1番変ロ長調 K.174/弦楽五重奏曲第5番ニ長調 K.593
【DISC20:SACD091】
モーツァルト:弦楽五重奏曲第2番ハ短調 K.406/弦楽五重奏曲第4番ト短調 K.516
【DISC21:SACD222】
モーツァルト:弦楽五重奏曲第3番ハ長調 K.515/弦楽五重奏曲第6番変ホ長調 K.614
【DISC22:SACD229】
モーツァルト:クラリネット五重奏曲イ長調 K.581/ホルン五重奏曲変ホ長調 K.407/オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370
【DISC23:SACD133】
モーツァルト:ディヴェルティメント変ホ長調 K.563/アダージョとフーガ ハ短調 K.546
【DISC24:SACD235】
モーツァルト:セレナード第13番ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」/ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第1番ト長調 K.423/ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第2番変ロ長調 K.424
【DISC25:SACD056】
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207/ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211/ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218/ロンド ハ長調 K.373
【DISC26:SACD088】
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216/ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219「トルコ風」/アダージョ ホ長調 K.261/ロンド変ロ長調 K.269
【DISC27:SACD090】
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調 K.364*/コンチェルトーネ ハ長調 K.190**
【DISC28:SACD032/1】
パガニーニ:24のカプリース Op.1(完全全曲版)より 第1番〜第12番
【DISC29:SACD032/2】
パガニーニ:24のカプリース Op.1(完全全曲版)より 第13番〜第24番
【DISC30:SACD019】
オブリビオン〜ヴァイオリンとオーケストラのためのピアソラ作品集 Vol.1
ピアソラ:オブリビオン(忘却)/エスクアロ(鮫)/ミロンガ・アン・レ(ニ調のミロンガ)/天使へのイントロダクション/レビラード/言葉のないミロンガ/フィナーレ/現実との3分間/弦楽のための組曲「追憶」
【DISC31:SACD020】
アディオス・ノニーノ〜ヴァイオリンとオーケストラのためのピアソラ作品集 Vol.2
ピアソラ:バルダリート/アディオス・ノニーノ*/天使のミロンガ/ジャンヌとポール/ブエノスアイレスの夏/昔むかし(アヴェ・マリア)/室内オーケストラのための3つの小品
【DISC32:SACD021】
ル・グラン・タンゴ〜ヴァイオリンとオーケストラのためのピアソラ作品集Vol.3
ピアソラ:ル・グラン・タンゴ/セロス(嫉妬)/3つのタンゴ*/目を閉じて聞いて/タンゴ第1番/タンゴ第2番
【DISC33:SACD220/1】
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ短調 Op.80/ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調 Op.94bis
【DISC34:SACD220/2】
プロコフィエフ:5つのメロディ Op.35bis*/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115/2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56**
【DISC35:SACD160】
シューベルト:弦楽四重奏曲第15番ト長調 D.887/弦楽四重奏曲第12番ハ短調 D.703「四重奏断章」
【DISC36:SACD065】
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」
協奏曲ホ長調 「春」/協奏曲ト短調 「夏」/協奏曲ヘ長調 「秋」/協奏曲ヘ短調 「冬」/2本のヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ短調 F.1-100(RV.514)/ヴァイオリン、チェロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ロ長調 F.4-2(RV.547)
【DISC37:SACD096】
バーンスタイン:ヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器のためのセレナード(プラトンの「饗宴」による)/ ペンデレツキ:ヴァイオリン協奏曲*
【DISC38:SACD219】
ドビュッシー&ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調、ベルガマスク組曲より「月の光」(アレクサンドル・ローレンス編)、前奏曲集より「ミンストレル」(作曲家自編)、前奏曲集より「亜麻色の髪の乙女」(アーサー・ハルトマン編)、忘れられた小唄より「巷に雨のふるごとく」(アーサー・ハルトマン編)/ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ、2つのヘブライの歌より「カディッシュ」(ルシアン・ガルバン編)、フォーレの名による子守歌、ハバネラ形式の小品、ツィガーヌ
【DISC39:SACD040】
クレモナで製作された1727年製のストラディヴァリ「ヴェスヴィオ」
タルティーニ:協奏曲イ長調 D.69/ロカテッリ:協奏曲ニ長調 Op.3-12/ピアソラ:ル・グラン・タンゴ/パガニーニ:ラ・カンパネラ、カンタービレ/ピアソラ:オブリビオン(忘却)
【DISC40:SACD221】
コンポーザー=ヴァイオリニストたち
ヴィターリ:シャコンヌ/ヴィエニャフスキ:伝説、ポロネーズ第2番ニ長調/タルティーニ:悪魔のトリル/サラサーテ:カルメン幻想曲/パガニーニ:カンタービレ ニ長調
全て、サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)





【DISC1:SACD061/1】
録音:2007年


【DISC2:SACD061/2】
録音:2007年


【DISC3:SACD224】
ステファニア・レダエッリ(Vn)*、マリア・グラツィア・ベロッキオ(P)**、ラウラ・マンツィーニ(P)***
録音:2019年-2020年


【DISC4:SACD060】
ジョルジア・トマッシ(P)
録音:2004年


【DISC5:SACD143】
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ
録音:2005年


【DISC6:SACD008】
ブルーノ・カニーノ(P)
録音:1997年


【DISC7:SACD218】
ラウラ・ゴーナ(Vn)*、ラウラ・マンツィーニ(P)
録音:2019年


【DISC8:SACD217】
ステファニア・レダエッリ(Vn)
録音:2020年


【DISC9:SACD196】
ラウラ・マンツィーニ(P)
録音:1997年


【DISC10:SACD003】
ラウラ・マンツィーニ(P)
録音:1993年


【DISC11:SACD030】
ラウラ・マンツィーニ(P)
録音:1993年


【DISC12:SACD2045】
ラウラ・マンツィーニ(P)
録音:1993年


【DISC13:SACD234】
ブルーノ・カニーノ(P)
録音:1988年


【DISC14:SACD231】
ブルーノ・カニーノ(P)
録音:1988年


【DISC15:SACD233】
ブルーノ・カニーノ(P)
録音:1988年


【DISC16:SACD230】
ブルーノ・カニーノ(P)
録音:1988年


【DISC17:SACD232】
ブルーノ・カニーノ(P)
録音:1988年


【DISC18:SACD237】
ブルーノ・カニーノ(P)
録音:1988年


【DISC19:SACD228】
マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、シンシア・フェルプス(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)
録音:1988年


【DISC20:SACD091】
マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、シンシア・フェルプス(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)
録音:1988年


【DISC21:SACD222】
マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、シンシア・フェルプス(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)
録音:1988年


【DISC22:SACD229】
テレサ・タニクリフ(Cl)、ロビン・グレアム(Hrn)、アウグスト・ロッピ(Ob)、、マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、シンシア・フェルプス(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)
録音:1988年


【DISC23:SACD133】
マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)、フランコ・ぺトラッチ(Cb)
録音:1988年


【DISC24:SACD235】
マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)、フランコ・ぺトラッチ(Cb)
録音:1988年


【DISC25:SACD056】
プラハ室内O
録音:1990年


【DISC26:SACD088】
プラハ室内O
録音:1988年


【DISC27:SACD090】
プラハ室内O、マーガレット・ベイチャー(Vn)**、トビー・ホフマン(Va)*
録音:1988年


【DISC28:SACD032/1】
録音:2002年

【DISC29:SACD032/2】
録音:2002年


【DISC30:SACD019】
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ
録音:2001年


【DISC31:SACD020】
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ、ラウラ・マンツィーニ(P)*
録音:2001年


【DISC32:SACD021】
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ、ラウラ・マンツィーニ(P)*、アンナ・ローロ(Hp)*
録音:2001年


【DISC33:SACD220/1】
マリア・グラツィア・ベロッキオ(P)
録音:2020年


【DISC34:SACD220/2】
ラウラ・ゴーナ(Vn)**、マリア・グラツィア・ベロッキオ(P)*
録音:2020年


【DISC35:SACD160】
マーガレット・ベイチャー(Vn)、トビー・ホフマン(Va)、ロッコ・フィリッピーニ(Vc)
録音:1997年


【DISC36:SACD065】
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ、ラウラ・ゴーナ(Vn)、チェチーリア・ラディック(Vc)、ラウラ・マンツィーニ(Cemb)
録音:2009年


【DISC37:SACD096】
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn&指揮)、オーケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ、クシシュトフ・ペンデレツキ(指)*、オーケストラ・ジョヴァニーレ・イタリアーナ*
録音:1987年-1998年


【DISC38:SACD219】
ラウラ・マンツィーニ(P)
録音:2019年


【DISC39:SACD040】
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ
録音:2005年


【DISC40:SACD221】
ラウラ・マンツィーニ(P)
録音:1995年
その驚異的なテクニックと優れたパガニーニ作品の演奏、「イ・ムジチ合奏団」でのコンサートマスターとしての活躍により、若くして「パガニーニの再来」と称されるなど、長きにわたりイタリアのヴァイオリン界に君臨し続ける巨匠であり長老的存在のサルヴァトーレ・アッカルド(b.1941)。このイタリアが世界に誇るヴァイオリンの巨匠の生誕80周年を記念すべく、イタリアのオーディオファイル・レーベル「Fone(フォネ)」の社主でありプロデューサー兼エンジニアのジュリオ・チェーザレ・リッチがSACD40枚組のアニヴァーサリー・ボックスを2021年に製作。1980年代後半から2020年にかけてアッカルドとの二人三脚で録音してきた演奏を集めリリース当時大きな話題を呼んだこのセットはしばらく完売状態が続いていましたが、この度待望の再生産が決定しました!
アッカルドの代名詞であるパガニーニ「24のカプリス」やバッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ」、ブラームスの「ソナタ集」、ベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」などの名作はもちろんのこと、ピアソラ・シリーズや1988年に録音された一連の「モーツァルト」、ストラディヴァリなどの貴重な銘器を奏でた録音など、名演の数々を余すことなく収録。ジュリオ・チェーザレ・リッチはこのアニヴァーサリー・ボックスの製作にあたり新たに「シニョリッチ・テクノロジー」によるリマスタリングを施しており、音質面が大いに向上したことも注目を集めたポイントです。マエストロ・アッカルドの80歳を祝った超豪華ボックスが再び。なお、今回の完売後の再々生産は完全未定です。
※重要:当タイトルは完全数量限定生産のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。

Signum Classics
SIGCD-787(1CD)
ドビュッシー&ラヴェル:ピアノ・デュオのための作品
ドビュッシー:月の光(デュティユー編曲2台ピアノ版)、
 小組曲(4手ピアノのための)、
 白と黒で(2台ピアノのための)、
 亜麻色の髪の乙女レオン・ロケ編曲4手ピアノ版)、
 レントより遅く(レオン・ロケ編曲4手ピアノ版)、
 牧神の午後への前奏曲(ラヴェル編曲4手ピアノ版)
ラヴェル:マ・メール・ロワ(4手ピアノのための)、
 ラ・ヴァルス(2台ピアノのための)
バックス&チョン・ピアノ・デュオ〔アレッシオ・バックス(P)、ルシル・チョン(P)〕

録音:2022年8月、サフロン・ホール(イギリス)
1997年の第3回浜松国際ピアノ・コンクール、2000年のリーズ国際ピアノ・コンクールを制覇し、世界を舞台に活躍を続けるイタリアの貴公子アレッシオ・バックス。ベルリン・フィルの第1コンサートマスターとして活躍する樫本大進との共演でも大きな注目を浴び、2023年にはエマニュエル・パユの来日ツアーでも共演し好評を博しています。
Signum Classicsから3枚目のリリースとなるバックスとルシル・チョン夫妻によるピアノ・デュオ・アルバムは、4手連弾と2台ピアノのためのドビュッシー&ラヴェル。ピアノ・デュオのためのオリジナルの作品とデュティユーやラヴェルによる編曲作品を組み合わせた魅惑のプログラムを、高貴で爽やかなピアノ・デュオが彩ります。

Ars Produktion
ARS-38648(1CD)
ファニー・ヘンゼル:ピアノ作品集
ソナタ断章 ホ長調(1822年作曲/未出版)
6つのメロディ Op.4&Op.5(1847年出版)より 第2曲、第3曲、第4曲、第5曲、第6曲
4つの歌 Op.8(遺作第1番/1850年出版)より 第4曲 「さすらいの歌」
12の性格的小品 「一年」(1841年作曲/未出版)より1月、2月、7月、12月、後奏曲
4つの歌 Op.6(1847年出版)
ソントラウト・シュパイデル(P)

録音:1985年4月20日-21日
ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847)のピアノ作品集。彼女はフェリックス・メンデルスゾーンの姉として知られていますが、傑出した音楽家で、ピアニスト、指揮者、弟フェリックスの最も親しい友人であり理解者としても重要な人物だったと言えます。19世紀最も重要な女性作曲家であったファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルの作品は、ソントラウト・シュパイデルの演奏によっていかに優れたものであったか感じることが出来るでしょう。

Melodiya x Obsession
SMELCD-1000551(1CD)
初回生産限定
ロストロポーヴィチ〜チェロのための小品とトランスクリプション集
1. ハンドシキン:ロシアの歌曲による変奏曲 Op.4-2
2. チャイコフスキー:奇想的小品 Op.62
3. グラズノフ:メロディ Op.20-1
4. グラズノフ:吟遊詩人の歌 Op.71
5. ラフマニノフ:東洋の踊り
6. ラフマニノフ:ヴォカリーズ
7. シャポーリン:ワルツ Op.25-2
8. フォーレ(カザルス編):夢のあとに Op.7-1
9. ドビュッシー(ペッカー編):吟遊詩人
10. ドビュッシー:月の光
11. ラヴェル:ヴォカリーズ「ハバネラ形式のエチュード」
12. グラナドス(ペッカー編):アンダルーサ
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)、
レオニード・コーガン(Vn)、
アレクサンドル・デドゥーヒン(P)、
ヴラディミール・ヤンポリスキー(P)、
キリル・コンドラシン(指)モスクワ・ユースO
ニコライ・アノーソフ(指)ソヴィエト国立SO

録音:1952年(1,3,8,12)、1949年(2,4)、1951年(5)、1957年(6, 7)、1956年(9-11)
20世紀、そして現在へと続くチェロの歴史、チェロのためのレパートリーの発展に多大な影響を与えたロストロポーヴィチ。
ロストロポーヴィチは「完璧なテクニックは、心から音楽を創ることほど重要ではない」と語ったことでも知られていますが、この言葉は、楽器の高度なヴィルトゥオージティと感情的な激しさを融合させた彼自身の演奏スタイルそのものを物語っています。
チェロの全ての音域において並外れた正確なイントネーションと豊かな音色を奏で、常に新しい色彩を生み続けたロストロポーヴィチのスタイル、そして前述の「言葉」がストレートに表現されているのがこの「小品とトランスクリプション集」。テクニックだけでなく卓越した表現力が求められる珠玉の小品の数々で、ロストロポーヴィチのチェロが美しき歌を聴かせてくれます。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Da Vinci Classics
C-00834(1CD)
パガニーニ:24のカプリス Op.1(ロベルト・パスクィーニ編曲/無伴奏フルート版) ロベルト・パスクィーニ(Fl)

録音:2023年4月7日-12日(モンテプルチアーノ、イタリア)
ヴァイオリン独奏曲の一つの到達点ともされる難曲、パガニーニの「24のカプリス」。これをフルート1本で吹いてしまうという規格外のフルート奏者がこれまでにも何名かいましたが、また一人、この一見無謀とも思える離れ業に挑んだ超人が現れました。
イタリアのフルート奏者、ロベルト・パスクィーニはペルージャのフランチェスコ・モルラッキ音楽院を卒業し、イタリアの主要なオーケストラや劇場で地位を確立。1995年から2000年にかけてはラツィオ州立Oの第1フルート奏者も務めました。2011年にはアレッツォ・ユース・オーケストラを設立するなど教育にも尽力しており、ペーザロのジョアキーノ・ロッシーニ音楽院で教授を務めています。膨大なレパートリーを持つパスクィーニがパガニーニの精神に基づいて自らアレンジした「24のカプリス」。超絶技巧と多彩な音楽性が冴えわたります。
Da Vinci Classics
C-00828(1CD)
メンデルスゾーン:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第2番ト短調 Op.105
ピアノ・ソナタ第1番 ホ長調 Op.6
ピアノ・ソナタ第3番変ロ長調 Op.106
マリノ・ナオン(P)

録音:2023年7月
メンデルスゾーンの3つのピアノ・ソナタはすべて、作曲家が20歳に達する前に書かれました。しかし、これらは非常に成熟した音楽の結晶であり、ソナタ形式の複雑さをマスターし、これら3つの美しい作品には彼自身の豊かな音楽的アイデアがたっぷりと注がれています。メンデルスゾーンは偉大な??ピアノの名手であり、非常に教養のある若者であり、同時代人でほとんど知られていなかった過去の音楽を知っていました。したがって、彼の音楽は、過去の伝統とロマン派時代のアイデアが見事に融合しています。これらのソナタのうち最も初期のものは、メンデルスゾーンがまだ10代に達していない頃にハイドンに触発されて書かれました。 第2番は非常に詩的で魅惑的なゆっくりとした楽章で、すでにベートーヴェンの影響を感じさせます。 第3番は、ベートーヴェンが他界した年に書かれたものでよりベートーヴェンの影響を受けており、3曲のピアノ・ソナタの中でも一番演奏される機会の多い作品です。
Da Vinci Classics
C-00829(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギターのための前奏曲と練習曲集 「アプンティ」 Op.210 エドアルド・ピエリ(G)

録音:2021年12月ー2023年6月(イタリア)
ユダヤ系イタリア人作曲家のマリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコは、イタリアでの人種的迫害のため晩年をアメリカで過ごしました。彼自身はギタリストではなかったにもかかわらず、ギターのためのいくつかの傑作を残しており、その中のひとつが、音楽学者でギタリストのルッジェーロ・キエーザに促され、元々は教育的な目的で書かれた2巻のギター曲集「アプンティ」です。テデスコは、キエーザと作品の細部について何度も話し合い、提案を第1巻に盛り込み、共同で全曲を改訂。テデスコが亡くなる少し前に作曲した第2巻では、この改訂ができなかったため、楽器的には満足のいかない形で残され、第3巻と第4巻は残念ながら日の目を見ることはありませんでした。
本アルバムでは、トスカーナ州ルッカ県のヴィアレッジョで開催されているギター・フェスティヴァルを主宰するなど幅広く活躍するイタリア人ギタリスト、エドアルド・ピエリの演奏で作品の美しい遍歴をお楽しみいただけます。
Da Vinci Classics
C-00830(1CD)
エヴォケーション〜ブラームス:ピアノ作品集
ブラームス:ピアノ・ソナタ第2番嬰へ短調 Op.2
アルバムの綴りイ短調/2つのガヴォット WoO3
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24
サラ・コスタ(P)

録音:2023年7月(イタリア)
イタリアの女流ピアニスト、サラ・コスタが弾く、ブラームスの若き日の傑作集。サラ・コスタはベルガモのドニゼッティ音楽院で学んだ後、ノーマ・フィッシャーやマーティン・ロスコー、アンジェイ・ヤシンスキ、セルゲイ・ドレンスキーなどの名匠たちにも師事。イタリアのキオッジャ国際ピアノ・フォーラム第1位、ロンドン・オープン・ピアノ・コンクール第3位などの実績を持ち、現在はソリスト、室内楽奏者として活躍する傍ら、母校であるドニゼッティ音楽院のピアノ科教授を務めています。
本アルバムでは、ブラームスが若き日に書いた西洋音楽の最も重要な伝統的形式の2つの主要作品と、最近まで知られていなかった短い作品をカップリングしています。
Da Vinci Classics
C-00831(1CD)
6弦の女性たち〜20世紀における女性ギター音楽の展望
アネッテ・クライズブリンク(b.1958):アンドレス・セゴビアに捧ぐ
フェルナンオ・ペイロ(1888-1978):主題と変奏曲、前奏曲第1番〜第4番、小組曲 Op.31(1954)
ベティ・ロー(b.1930):ショート・ソナタ
ベアトリーチェ・カンポドーニコ(b.1958):ヴァシリッサの伝説
エマ・バイゲラ(G)

録音:2023年8月(イタリア)
オランダのクラシック・ギタリスト、作曲家のアネッテ・クライズブリンクがセゴビア生誕100周年を記念し作曲した 「アンドレス・セゴビアに捧ぐ」 (フランスの作曲家コンクールで第1位を受賞)から、歌手、ピアニスト、指導者、音楽監督など多岐に活躍するイギリスの作曲家、ベティ・ローによるズヴォレ国際ギター週間(1977年)の委嘱作品 「ショート・ソナタ」 など、時代的、地理的、文化的に異なる特徴を持つ4人の女性作曲家たちによるギター作品を集成。
Da Vinci Classics
C-00833(1CD)
神話と記憶〜ブラームス、マリアーニ、ラヴェル:ピアノ作品集
ブラームス:16のワルツ Op.39
マリア・ガブリエッラ・マリアーニ:交響的小品(2022)、ネネ・ワルツ(2021)
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
マリア・ガブリエッラ・マリアーニ(P)

録音:2023年7月
イタリアのコンポーザー=ピアニスト、マリア・ガブリエッラ・マリアーニの2023年録音が登場。彼女はこれまでもプログラムの中に自作を組み込んだアルバムを発表してきましたが、今作でもそのこだわりは健在。今回はワルツをテーマに、歴史的な出来事を神話の領域に繋げる物語とする「交響的小品」、反対に彼女自身の個人的な起源を辿る「ネネ・ワルツ」という“記憶”にアプローチする2つの自作をブラームスとラヴェルのワルツ作品の間に配置しています。

Danacord
DACOCD-968(1CD)
J.P.E.ハートマン:ピアノ作品集 第5集
幻想曲 ト短調 Op.7/HartW65(1831)/6つの幻想的小品 Op.54/HartW100(1855)〔第1曲 変ホ長調、第2曲 ロ短調、第3曲〈敬虔な行進曲風の歌〉変イ長調、第4曲 ト長調、第5曲 イ短調、第6曲 変ホ長調〕/2つの性格的な小品 Op.25/HartW68(1839)〔第1曲 へ短調、第2曲 へ長調〕/大ワルツ 変ホ長調 HartW63(1826)/聖ヨハネの夕べのワルツ(夏至祭のワルツ) イ長調 HW43(1859)/ゆったりしたワルツ 変ホ長調 HW36(1847)/8つのカプリース Op.18/HartW 66(1835)〔第1曲 ハ短調、第2曲 変ニ長調、第3曲 イ長調、第4曲 変ロ短調、第5曲 ロ短調、第6曲 へ長調、第7曲 イ長調、第8曲 ニ短調〕
トマス・トロンイェム(P)
デンマーク・ロマンティシズムを代表する作曲家のひとり、J. P. E. ハートマン J. P. E. Hartmann のピアノ作品をトマス・トロンイェム Thomas Tronhjem(1954-)が体系的に録音するシリーズの第5集。1826年の「大ワルツ」、1831年の「幻想曲 ト短調」といった初期の作品。「序奏とワルツ」の2部に分かれた「聖ヨハネの夕べのワルツ(夏至祭のワルツ)」。1835年の「8つのカプリース」は、1836年と1837年にライプツィヒで4曲ずつ出版され、ハートマンが教わったフェリクス・メンデルスゾーンとハインリヒ・マルシュナーにそれぞれ献呈されました。これまでのアルバムと同じロマンティックでメロディアスな曲のプログラムです。

BIJIN CLASSICAL
BJN-1026(1CD)
ショパン:バラード集&即興曲集
幻想即興曲 作品66
バラード 第1番ト短調 作品23
即興曲 第1番変イ長調 作品29
バラード 第2番ヘ長調 作品38
即興曲 第2番嬰ヘ長調 作品36
バラード 第3番変イ長調 作品47
即興曲 第3番変ト長調 作品51
バラード 第4番ヘ短調 作品52
イリーナ・メジューエワ(P)
(P/1925年製NYスタインウェイ CD135)

録音:2023年6月&9月、トッパンホールにおけるライヴ
メジューエワによる新ショパン・シリーズの第2 弾は「バラード集 & 即興曲集」。即 興曲(4 曲)とバラード(4曲)を交互に、ほぼ作曲順に並べることにより、ショパンの作 風の変遷を辿るようなプログラム構成となっています。いずれの作品もメジューエワは 過去に録音していますが、今回の録音では深みとスケール感を増した演奏解釈が聞 きもの。多彩な音色の変化と雄弁な語り口によって、ときに豪胆に、ときに繊細に、ショ パンの「詩情」を薫り高く表現します。名器ヴィンテージ・スタインウェイ(1925 年ニューヨーク製)の味わい深い音色をナチュラルなワンポイント録音でお楽しみください。

BRINRINRI
KYBR-2306(1CD)
税込定価
カザルスホール特別企画「山下和仁の世界」の記録【山下和仁アーカイブ】
(1)セヴィリアーナ(トゥリーナ) Sevillana, Op.29(Turina)
(2)序奏と主題と変奏 Op.20(ソル) Introduction et theme varie, Op.20(Sor)
(3)セレナーデ Op.37(ソル) Serenade, Op.37 (Sor)
(4)愛と死と〜ゴヤによる24のカプリチョス[第6曲](C=テデスコ)
El amor y la muerte〜24Caprichos de Goya, Op.195(Castelnuovo-Tedesco)
(5)神よお赦し下さい。それが母親だったとは[第8曲](C=テデスコ)
Dios la perdone:Y era su madre (C-Tedesco)
(6)何の病気で死ぬのだろうか [第17曲](C=テデスコ)?De que mal morira? (C-Tedesco)
(7)細く紡ぐ[第19曲](C=テデスコ)Hilan Delgado (C-Tedesco)
(8)キューバ風に〜5つのバガテル (ウォルトン) Alla Cubana ?Five Bagatelles (Walton)
(9)3つのテントス1(ヘンツェ) Drei Tentos: I. (Henze)
(10)3つのテントス2(ヘンツェ) Drei Tentos: II. (Henze)
(11)3つのテントス3(ヘンツェ) Drei Tentos: III. (Henze)
(12)ブーレ〜組曲ホ短調BWV996(バッハ / 山下和仁編)
Bourree ~ Suite in E minor (Bach / arr.Yamashita)
(13)アンダンテ〜無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番(バッハ / 山下和仁編)
Andante ~ Sonata No.2, BWV1003(Bach / arr.Yamashita)
(14)アレグロ〜無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番(バッハ / 山下和仁編)
Allegro ~ Sonata No.2, BWV1003(Bach / arr.Yamashita)
(15)鳥の歌(カタロニア民謡 / 山下和仁編)
The Song of Birds (Catalan Folk Song / arr.Yamashita)
山下和仁(G)

録音:1989年カザルスホール
※本CD には古いテープの劣化に起因するノイズやライブ収録に伴う会場ノイズ等がありますが御了承ください。
暦を迎えた山下和仁のアーカイブシリーズ第6弾。わずか六本の弦で、彼は六万光年の宇 宙を作る・・・1989年1月から12月までの1年間を通して開催されたカザルスホール特別企画「山下和仁の世 界」シリーズ全7公演の記録録音より、いままでの山下和仁CD未収録楽曲、世界初演「ゴヤによ る24のカプリチョス」、歴史的コンサートとなった「フェルナンド・ソルの限りない世界」、「2夜連続 バッハリサイタル」などから数々セレクト。なお、1月公演の第2部で演奏されたドヴォルジャーク 作曲山下和仁編曲の「新世界より」全楽章については、同じアーカイブシリーズで別途発売さ れています(brinrinri:KYBR-2302)。

Stradivarius
STR-37285(1CD)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集第2集
ピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調Op.19
ピアノ・ソナタ第5番嬰ヘ短調Op.53
ピアノ・ソナタ第6番Op.62
ピアノ・ソナタ第7番「白ミサ」Op.64
ピアノ・ソナタ第8番Op.66
マリアンジェラ・ヴァカテッロ(P)

録音:2023年4月
STRADIVARIUSレーベルのスクリャービン:ピアノ・ソナタ全集第2弾(第1集は1、3、4、9、10 番、品番:STR-37266)。マリアンジェラ・ヴァカテッロは1982年生まれのイタリアのピアニスト。当 初、ピアニストだった父より手ほどきを受けた後、ヤマハの音楽コースを受講し、その後ミラノ音 楽院で学んだ。14歳でリストのピアノ協奏曲第1番で公開の演奏会にデビューし、その後、リス ト、スクリャービンと得意とするヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして世界中で活躍しています。

BIS
BISSA-2531(2SACD)
バッハ:「フーガの技法」BWV1080
Disc1
(1)1.コントラプンクトゥス1(4声)
(2)2.コントラプンクトゥス2(4声)
(3)3.コントラプンクトゥス3(4声)
(4)4.コントラプンクトゥス4(4声)
(5)5.コントラプンクトゥス5(4声)
(6)6.コントラプンクトゥス6(フランス様式による4声)
(7)7.コントラプンクトゥス7(拡大と縮小による4声)
(8)8.コントラプンクトゥス8(3声)
(9)9.コントラプンクトゥス9(12度の転回対位法による4声)
(10)10.コントラプンクトゥス10(10度の転回対位法による4声)
(11)11.コントラプンクトゥス11(4声)
(12)コントラプンクトゥス12「鏡のフーガ」(4声)(2台チェンバロで演奏)*
(1) 正置型
(2) 倒置型
13.コントラプンクトゥス13「鏡のフーガ」(3声)(2台チェンバロで演奏)*
(3) 正置型
(4) 倒置型
(5)16.8度のカノン(2声)
(6)17.10度のカノン(2声)
(7)18.12度のカノン(2声)
(8)15.拡大された逆行型によるカノン(2声)
19.3声の『鏡のフーガ』(2台チェンバロ用編)*
(9) 正置型
(10) 倒置型
(11)20.3つの主題によるフーガ(コントラプンクトゥス14)(断片)
(12)21.コラール「我ら苦難の極みにあるとき」BWV668a
「鏡のフーガ」

※(1)〜(4)鈴木雅明と鈴木優人が声部を分けて演奏
(9)鈴木雅明(チェンバロT)&鈴木優人(チェンバロU)
(10)鈴木優人(チェンバロT)&鈴木雅明(チェンバロU)
鈴木雅明(Cemb)
鈴木優人(Cemb)*

録音:2022年9月4〜9日神戸松蔭女子学院大学チャペル
鈴木雅明がついに「フーガの技法」を録音しました!バッハの晩年、1740年代に作曲に取り組んだといわれている「フーガ の技法」。バッハは単一の主題から対位法技法を用いてどれほど多様な作品が作り出せるかを探求。しかし1750年にバッハが亡くなったため、未完となった 作品です。この作品が謎多き理由は楽器指定がなく、作曲目的が不明確、作曲時期の真偽、未完のフーガの問題など。そのため作品の演奏順も演奏家の解釈 によって異なります。現在ではこの作品が鍵盤楽器のために作曲されたことは一般的に受け入れられており、鈴木雅明による演奏は注目せずにはいられません。 「鏡のフーガ」では鈴木優人との親子共演です!対位法技法の集成といえる「フーガの技法」をご堪能ください! ★演奏の素晴らしさはもちろんのこと、BISの技術陣による録音であることも注目。SACD層は5.0 Surround soundで収録されており、神戸松蔭女子学 院大学チャペルに響き渡る臨場感あふれる名演奏をお楽しみいただけます。 (Ki)
BIS
BISSA-2705(2SACD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ BWV1001-1006(全6曲)
【ギター版(編曲:フランツ・ハラース)】
フランツ・ハラース(G)

録音:2022年6月15〜18日聖母マリアの被昇天巡礼教会、イジング(バイエルン)
ISレーベルを代表する演奏家の一人、ギター奏者フランツ・ハラース。ハラースはスペインのバロック音楽、バッハ、武満、グバ イドゥーリナ、タンゴ、ブラジル音楽など、数多くのディスクで高い評価を得ている現代最高峰のギタリストの一人です。バッハのリュート作品集(BIS SA-2285)が好評を博すなか、バッハの続編として無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全6曲を録音しました!今回もハラース自身による編曲で、原調で演奏 しております。
ヴァイオリン作品の最高峰であるバッハの無伴奏6篇。ハラースはこれらの作品が持つポリフォニー、ダイナミクス、音の色彩などをギター一本で効果的に表現。 弓で演奏するヴァイオリンとは違い、撥弦楽器ギターでは、アルペジオの華麗さ、減衰音の美しさが際立っております。教会の残響も生かし奏でられたギターの余 韻もまた格別です。ハラースのギター演奏で聴くバッハ作品の新たな響きをご堪能ください。 (Ki)
BIS
BISSA-2621(2SACD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 BWV846〜869 鈴木優人(Cemb)

録音:2021年10月8〜11日トッパンホール(東京)
木優人がチェンバロで「平均律クラヴィーア曲集」第1巻を録音しました。鈴木優人は首席指揮者を務めるバッハ・コレギウム・ ジャパンとバッハのチェンバロ協奏曲を録音。第1、2、5、8番を収録した第1弾(KKC-6266 / BIS SA-2401)、第3、4、6、7番を収録した 第2弾(KKC-6552/ BIS SA-2481)はレコード芸術「特選盤」など各誌で高く評価されています。
「平均律クラヴィーア曲集」第1巻の録音が行われたのは海外からの往来が厳しく制限されていたコロナ禍の2021年10月。そのため、当録音の企画を した名プロデューサーのマルティン・ザウアーの来日は叶いませんでした。しかし天才鈴木優人はリモートによるディレクションで録音ができないかを考案し、す ぐにザウアーに打診。この画期的な考えによりザウアーがベルリンの自室からトッパンホールでのレコーディングをディレクションすることが実現しました。日本側 は名エンジニア国崎裕が担当。鈴木優人、ザウアー両氏との綿密な打ち合わせのもと、マイクのセッティングから音作りまで、この時代でなければできなかった 新録音を完成させました。
全2巻からなる「平均律クラヴィーア曲集」。巻それぞれ12の半音階ごとに長調と短調、計24曲が収められた作品集です。同じものは二つとなく、あら ゆる対位法的な工夫が凝らされています。鈴木優人とザウアーはharmoniamundiからリリースしているアントワン・タメスティとのバッハ録音(KKC-6057 / HMM-902259)以来絶大なる信頼関係を築き、今回の録音はまさに阿吽の呼吸で進行。音楽の旧約聖書といわれる「平均律クラヴィーア曲集」の新た な名盤が誕生しました!
リリースはスウェーデンBISレーベルからの世界発売。父鈴木雅明は同曲集第1巻を1996年5月に神戸松蔭女子学院大学チャペルで録音、翌97年2月 にリリース(BIS-813/4)しており、親子二代、同一レーベルから同一作品をリリースということも注目です! (Ki)
BIS
BISSA-2661(1SACD)
バッハ:オルガン作品集 Vol.5
バッハ
前奏曲とフーガ ニ長調 BWV532
1.前奏曲
2.フーガ
「オルガン小曲集」より
復活節のためのコラール
3.キリストは死の縄目につきたまえり BWV625
4.イエス・キリスト、われらの救い主は死に打ち勝ち BWV626
5.キリストは蘇りたまえり BWV627
6.聖なるキリストは蘇りたまえり BWV628
7.栄光の日が現われたり BWV629
8.神の子はこの日に勝利したもう BWV630
聖霊降臨節のためのコラール
9.来たれ、創り主にして聖霊なる神よ BWV631
前奏曲とフーガ ハ長調 BWV545
10.前奏曲
11.フーガ
「オルガン小曲集」より
聖霊降臨節のためのコラール
12.主イエス・キリストよ、われらに眼を向けたまえ BWV632
13.最愛なるイエスよ、われらここにあり BWV633
14.最愛なるイエスよ、われらここにあり BWV634
カテキズムのコラール
15.これぞ聖なる十戒なり BWV635
16.天にましますわれらの父よ BWV636
17.アダムの罪により、ものみな滅びたり BWV637
18.われらに救い来たれり BWV638
種々のコラール
19.われ汝に呼びかけん、主イエス・キリストよ BWV639
20.われは汝に希望を抱けり、主よ BWV640
21.われら苦しみの極みにあるとき BWV641
22.ただ愛する神の力に委ねる者は BWV642
23.人はみな死ぬべき定めなり BWV643
24.ああ、いかにはかなく、いかに虚しき BWV644
前奏曲とフーガ ロ短調 BWV544
25.前奏曲
26.フーガ
鈴木雅明(Org/クリストフ・トロイトマン(1737年製作))

録音:2022年8月12〜17日/聖ゲオルク教会、グラウホフ(ドイツ)
大好評の鈴木雅明のバッハのオルガン作品集。第5弾はオルガン小曲集の続編としてBWV625〜BWV644の20曲を主軸 に、前後と間に前奏曲とフーガ ニ長調 BWV532、同 ハ長調 BWV545、同 ロ短調 BWV544の大曲3篇を収録。前作に続き、ドイツのオルガンビルダー、 クリストフ・トロイトマン(1674-1757)が製作した歴史的楽器を演奏しております!
ドイツ、ゴスラー近郊のグラウホフの聖ゲオルク教会に据え付けられたトロイトマン・オルガンはバッハ時代の現存する最も重要な楽器のひとつ。1734年か ら1737年にかけて製作、据え付けられ、以後、修復を重ねながらもオリジナルに忠実な状態で現在もその音色を聴くことができます。卓越した質の高さで知 られ、輝かしく透明な響きが最大の魅力。鈴木雅明はこの銘器の色彩豊かなパイプの音色を巧みに組み合わせ、見事な演奏を聴かせてくれます。
このアルバムに収録したオルガン小曲集は「復活節のためのコラール」、「聖霊降臨節のためのコラール」、「カテキズムのコラール」、そして「種々のコラール」 の20曲。教会暦に沿ったこれらの作品は各曲1、2ページの短い作品ながらそのどれもが美しく、聴き手の心に響く名作ばかり。種々のコラールでは「われ 汝に呼びかけん、主イエス・キリストよ」BWV639や「われら苦しみの極みにあるとき」BWV641など有名作品も収録されています。鈴木雅明の卓越した 演奏でご堪能ください!
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、BISの技術陣による録音であることも注目。SACD層は5.0 Surround soundで収録されており、臨場感あふれる 名演奏をお楽しみください。 (Ki)

APARTE
AP-339(1CD)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第4番ハ短調Op.29
 交響曲第5番Op.100〜スケルツォ(ムンドヤンツ編)
ムンドヤンツ:夜想曲
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調Op.84
ニキータ・ムンドヤンツ(P)

録音:2023年5月9-11日/サン・ピエール教会(パリ)
アルメニアのピアニスト、アレクサンドル・ムンドヤンツの愛息で1989年生まれのニキータがプロコフィエフのソナタに挑戦。彼は2007年のパデレフスキ国際 ピアノ・コンクールと2016年のクリーヴランド国際ピアノ・コンクールともに優勝の実力者。作曲家としても2016年のプロコフィエフ国際作曲コンクールで優 勝した才人。
今回は4番と「戦争ソナタ」の第8番。どちらも高度な技巧を要求されますが、ムンドヤンツは切れ味良い指さばきを披露。興味深いのは交響曲第5番のスケル ツォ楽章をムンドヤンツ自身が2006年にピアノ用編曲したものも披露。ピアニスティックな魅力光る作品に返信しています。
さらに父に捧げた自作の「夜想曲」も収録。ショパンとプロコフィエフの影響に加え、アメリカのミニマルミュージックの要素も感じられる興味深い作品です。 (Ki)

GRAND SLAM
GS-2315(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 グレン・グールド(P)

録音:1955年6月10、14〜16日/コロンビア30番街通りスタジオ(ニューヨーク)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(録音セッション)
■制作者より  
歴史的名盤として名高い、グールドのデビュー盤であるバッハのゴルトベルク変奏曲。当シリーズでは2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用した GS-2200を2019年5月に発売、またたく間に完売してしまいました。今回は同じテープをStuderのA-820で音を採り、全工程をプロ用の機器にて5年ぶ りのリマスターを行いました。結果、旧GS-2200の音がアップライトのピアノとするならば、今回のGS-2315はコンサート用のグランドピアノのような違いがあ ります。この大きな差に、制作者自身も驚いています。また、解説書の「日本におけるグールド受容史」は、他に類例のない文献です。(平林 直哉)

Profil
PH-24006(1CD)
ヨーゼフ・ズーダー:ピアノ作品集
(1)ピアノ協奏曲
(2)伝統様式による4つの舞曲
(3)2つの叙情的小品
(4)アリエッタとブルレスク〜クラリネットとピアノ
(5)4つのピアノ曲1951
マルガリータ・ヘーエンリーダー(P)
エドゥアルト・ブルンナー(Cl)(4)、
広上淳一(指)バイエルンRSO(1)

録音:1988年5,6,9月
かつてMelismaレーベルからリリースされていた音源ですが、経営者が亡くなり長く入手できなかったものがProfilレーベルから復活しました。広上淳一最初 期の録音!
ヨーゼフ・ズーダー(1892-1980)はヒンデミットと同世代のドイツの作曲家。生涯の大半をミュンヘンで送り、弟子には指揮者のホルライザーもいます。20 世紀の作曲家ながら流行に左右されずメロディアスな作風を貫き通したとされます。自身ピアニストとしても活躍したため、いずれのピアノ曲も技巧的な面白さに 満ちています。 (Ki)

Evil Penguin Records
EPRC-0062(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲) リヌス・ロート(Vn)

録音:2021年9月22日-25日&12月20日-21日、ライブラリー・ホール(オクセンハウゼン、ドイツ)
※使用楽器:ストラディヴァリウス‘Dancla’、1703年
ドイツのヴァイオリニスト、リヌス・ロート(リナス・ロス)によるバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲が登場!2つに分けてリリースされていた録音(EPRC0039/EPRC0040)のセット化となります。
ザハール・ブロンやサルヴァトーレ・アッカルドに師事した1977年生まれのリヌス・ロートは、2006年にEMIからリリースしたデビュー・アルバムでECHOクラシック賞の最優秀新人賞を獲得し、2017年にはトーマス・ザンデルリンク指揮のLSOと共演したアルバムで再びECHOクラシック賞に選ばれるなど、同世代でも有数のヴァイオリニストとして活躍しています。主要作品からマイナーな作品まで幅広いレパートリーを持ち、特にミェチスワフ・ヴァインベルクの作品の普及に特別な貢献を果たしていることは国際的にもよく知られています。バッハの無伴奏ソナタ&パルティータは9歳の頃から共に歩んできたといい、2021年のロックダウンの期間を利用してヴァイオリニストにとっての金字塔ともいえるこの最重要作品のレコーディングに臨みました。ロートはこの奇跡的な音楽への強い関心を新たにする機会が、ロックダウン下において精神的な自由への逃避を可能にしてくれたと語っています。

PARNASSUS
PACL-95013(1CD)
ミニアチュール&ヴィネット(&モア)〜26のお気に入りのアンコール集
スメタナ:わが故郷より
グルック
(クライスラー編):精霊の踊り
ヴィエニャフスキ:マズルカ ニ長調 Op.19-2
ヴィヴァルディ:シチリアーノ
コダーイ(ミルシテイン編):港に雨が降るように
ショパン(ミルシテイン編):ノクターン 嬰ハ短調
リース:モート・ペルペトゥオ
ナルディーニ:ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調 より ラルゲット
ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第2番ニ短調
マスネ(マルシック編):タイスの瞑想曲
ストラヴィンスキー(ドゥシュキン編):ロシアの乙女の歌
パラディス(ドゥシュキン編):シチリアーノ
R.コルサコフ(ハルトマン編):熊蜂の飛行
ポルディーニ(クライスラー編):踊る人形
ヴィエニャフスキ:華麗なポロネーズ第1番ニ長調 Op.4
ファリャ(コハンスキ編):アストゥーリアス地方の歌、ホタ
ラヴェル:ガブリエル・フォーレの名による子守歌
サラサーテ:アンダルシアのロマンス
シューマン
(フルヴェック編):トロイメライ
バッハ(ヴィルヘルミ編):管弦楽組曲第3番ニ長調 より アリア
ノヴァーチェク:常動曲
チャイコフスキー:メロディ
ドビュッシー(ハルトマン編):亜麻色の髪の乙女
ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ Op.16
ナタン・ミルシテイン(Vn)、
レオン・ポマーズ(P)

録音:1956年、1958年、1960年
20世紀最高のヴァイオリニストの一人と称されたナタン・ミルシテイン。本アルバムでは、1956年から60年にかけて録音された2つの有名なコレクションから26曲をリマスタリングし集成。美しく流れるようなレガート奏法、鮮やかなテクニックと表現力でヴァイオリンの貴公子とも呼ばたミルシテインの珠玉のアンコール・ピースをお楽しみいただけます。

Hyperion
CDA-68428(1CD)
ロシアン・ヴァリエーションズ
ジョン・フィールド:ロシア民謡による変奏曲
グラズノフ:主題と変奏
チャイコフスキー:同一主題による6つの小品 Op.21
ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲 Op.21
ピアーズ・レーン(P)

録音:2023年4月3日-5日、ポットン・ホール(イギリス、サフォーク)
イギリスで活躍するオーストラリアの知性派ピアニスト、ピアーズ・レーンによるロシアン・ヴァリエーションズ。グラズノフ、チャイコフスキー、ラフマニノフといったロシアの作曲家と、アイルランド生まれではありますが、サンクトペテルブルクに長年滞在し、ロシアに縁の深いジョン・フィールドの作品を取り上げています。
ピアーズ・レーンは世界40ヵ国以上で演奏会を行っており、その中にはウィグモア・ホールでのソロ・リサイタルやカーネギーホールといった主要なホールでの演奏会も含まれています。またハイペリオン・レーベルを中心に多くのCDを録音しており、希少なロマン派のピアノ協奏曲など収録しています。他にも様々な国際的なコンクールでの審査員として活躍しており、英国王立音楽アカデミーの名誉会員に任命されるなど、教育者としても功績を残しています。

ATMA
ACD2-2894(1CD)
メトネル:最後の3つのピアノ・ソナタ
ピアノ・ソナタ第12番変ロ短調『ロマンティック』 Op.53-1
ピアノ・ソナタ第13番ヘ短調『嵐』 Op.53-2
ピアノ・ソナタ ト長調『牧歌ソナタ』 Op.56
バラはもうしおれ Op.36-3[ボリス・シャツケス編]
バンジャマン・ベルタン(P)

録音:2021年10月4・5日/ケベック、ドメーヌ・フォルジェ
ロシアの作曲家メトネルは14曲のピアノ・ソナタ(第1番〜第13番&『牧歌ソナタ』)を残しています。カナダのピアニスト、バンジャマン・ベルタンはそこか ら最後の3曲を選び、ATMA Classiqueへのデビュー・アルバムとしました。「最後の3つのソナタ」という切り口と、形式の独創性、雰囲気と性格の多様性、技 巧の熟達という点で、メトネルの音楽に強い影響を与えたであろうベートーヴェンの音楽を想起させずにはいられません。プーシキンの詩による歌曲「バラはもう しおれ」のピアノ版をカップリング。 (Ki)

Passacaille
PAS-9703(5CD)
ソラブジ(1892-1988):オプス・クラヴィチェンバリスティクム KSS50
[CD1]
I. Introito
II. Preludio-Corale (Nexus)
III. Fuga I quatuor vocibus
IV. Fantasia
V. Fuga II duplex
[CD2]
VI. Interludium primum (Thema cum XLIV variationibus)
VII. Cadenza I
[CD3]
VIII. Fuga tertia triplex:Dux primus / Dux alter / Dux tertius
[CD4]
IX. Interludium alterum:Toccata / Adagio / Passacaglia cum LXXXI variationibus
[CD5]
X. Cadenza II
XI. Fuga IV quadruplex:Dux primus / Dux alter / Dux tertius / Dux quartus
XII. Coda-Stretta
ダーン・ファンドヴァール(P)

録音:2023年3月/コンセルトヘボウ
長大難解なピアノ曲で知られるカイホスルー・シャプルジ・ソラブジ(1892-1988)。その作品群の極北ともいえる『オプス・クラヴィチェンバリスティクム』 は5時間かかる超大曲で、他に類を見ない複雑怪奇な大作です。1930年の完成時には史上最大の長さと難易度を誇る作品として認識され、現在なお、その後に 生まれた数々の前衛ピアノ作品たちの親玉たる存在感を強烈に放っています。音符に埋め尽くされた譜面から噴出する途轍もないパッセージ、強烈な音塊、81も の変奏を持つパッサカリアなどで聴き手を圧倒しつつ、同時にバッハの『フーガの技法』やブゾーニの『対位法的幻想曲』を思わせる対位法的高まりまで創生して いく恐るべき作品。最終盤の驚異的な激烈さたるや最早あいた口がふさがらない凄まじさです。
とうぜん生半可な気持ちで取りあげられる楽曲ではなく、全曲の新録音が出ただけでも大注目に値します。今回その偉業を成し遂げたダーン・ファンドゥールは 1968年フランドル生まれのピアニスト。20世紀以降の音楽のスペシャリストとしてアイヴズ、メシアン、シェーンベルクから現代の新曲まで何でも弾きこなす腕利 きで、ソラブジももちろんレパートリー内の作曲家。超絶技巧のみならず、美しく歌われる箇所もじつに印象的で、活き活きと音楽が奏でられる大秀演。怪物的作 品をじっくり楽しめる嬉しいディスクの登場です。 (Ki)

Hortus
HORTUS-233(1CD)
ファビアン・トゥシャール:ピアノのための12の練習曲
(1)練習曲第1番「Dans le vent venu」(2010)〜ドビュッシーに捧ぐ
(2)練習曲第2番「Dancing Lillies」(2018)〜ジョージ・クラムに捧ぐ
(3)練習曲第3番「Vers l'abime」(2022)〜ウラディミール・ホロヴィッツへ捧ぐ
(4)練習曲第4番「Tiger Fugue」(2012/22)〜アート・テイタムへ捧ぐ
(5)練習曲第5番「En suspens」(2012)〜ジェルジュ・リゲティに捧ぐ
(6)練習曲第6番「Ebauche de vertige」(2022)〜ヨハネス・ブラームスへ捧ぐ
(7)練習曲第7番「Licht」(2022)〜アレクサンドル・スクリャービンに捧ぐ
(8)練習曲第8番「Battaglia」(2022)〜セルゲイ・ラフマニノフに捧ぐ
(9)リンボ第1番
(10)練習曲第9番「In Hora Mortis」(2016)〜オリヴィエ・メシアンに捧ぐ
(11)練習曲第10番「Miroirs de feu」(2018/21)〜フランツ・リストに捧ぐ
(12)リンボ第2番
(13)練習曲第11番「Still, I rise…」(2022)〜オリヴィエ・グレフに捧ぐ
(14)練習曲第12番「Littoral [In Paradisum]」(2018/21)〜フレデリック・ショパンに捧ぐ
(1)(13)フローレ・マーリン(P)
(2)ダヴィッド・カドゥシュ(P)
(3)カミーユ・ベリン(P)
(4)(5)(10)フィリップ・アタ(P)
(6)(7)(8)(11)オルラン・バス(P)
(9)(12)ファビアン・トゥシャール(P)
(14)ギヨーム・シジエ(P)

ン録音:2023年4月/ムードン・スタジオ(パリ)
ピアノ:Steinway D
ピアニストで作曲家のファビアン・トゥシャールがピアノための12の練習曲を発表しました!1985年生まれのトゥシャールは、パリ国立高等音楽院で学び、ソル ボンヌ大学(パリ第4大学)で作曲、即興演奏など9つの賞を受賞した注目の音楽家。
「12の練習曲」といえばショパン、リスト、ドビュッシーがその代表格ですが、トゥシャールは偉大な作曲家が残してきた伝統的な形を守りながらも、独自の視点 で作曲。偉大な作曲家同様に演奏会用エチュードとして単曲で成立する芸術性の高さを持った作品に仕上げているだけでなく、各曲にタイトルが付けられており、 曲ごとにテーマを持っているのが特徴です。
また、作品毎に偉大な作曲家、演奏家に捧げているのも興味津々。アイヴス、パウエル、ケージなどのアメリカのピアノ音楽の系譜に属すクラムの代表作「マクロ コスモス」、トゥシャールが愛してやまないメシアンの「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」、作曲家でピアニストのグレフの叙情的な闇を思い起こさせる作品など、 トゥシャールは作品ごとに偉大な音楽家に対する尊敬心と愛情を音化しました。
演奏はダヴィッド・カドゥシュ、フィリップ・アタ、オルラン・バス、フローレ・マーリン、カミーユ・ベリン、ギヨーム・シジエという、これらの作品を演奏するにふ さわしい名手が奏でているのも嬉しい限り。新時代に生まれた「12の練習曲」、大注目です! (Ki)

Hanssler
HC-23066(1CD)
リスト:ピアノ曲集
 超絶技巧練習曲 S.139より第4番「マゼッパ」
 超絶技巧練習曲 S.139より第8番「荒野の狩」
 4つの忘れられたワルツ S.215
 ドン・ジョヴァンニの回想(モーツァルト) S.418
 演奏会用パラフレーズ「エルナーニ」(ヴェルディ) S.432
 ハンガリー狂詩曲第6番変ニ長調 S.244-6
バラキレフ:イスラメイ〜東洋風幻想曲 Op.18
アンナ・ライレル(P/C. Bechstein Concert D282)

録音:2023年4月1〜3日/エアバー・ザール(ウィーン)
若手期待の星アンナ・ライレルがヘンスラー・レーベルから堂々デビュー。リヨン国際ピアノ・コンクール、ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノ・コンクールなど著 名な国際コンクールでの入賞歴を誇り、2015年にカーネギーホールのデビューも飾っております。
自由自在にコントロールされた抜群のテクニックと情感豊かな語り口が魅力のライレルが最も得意とするリスト。「ドン・ジョヴァンニの回想」は2023年11月 の来日公演でも披露し話題を集めました。ボーナストラックとしてバラキレフの「イスラメイ」を収録。デビュー盤にふさわしくライレルの名刺代わりとなる充実のア ルバムが完成しました。 (Ki)

SKARBO
DSK-1234(1CD)
「道のりを振り返る…」
(1)ヴァレリー・オーベルタン(1970-):ギター・ソナタ第2番
(2)オーベルタン:ギター・ソナタ第3番
(3)ラモー:一つ目の巨人
(4)ラモー:鳥のさえずり
(5)アルトゥーロ・ジェルヴァゾーニ(1962-):Fluctuations(振動)
(6)ジェルヴァゾーニ:Circundantes en eco(エコーに包まれて)〜ギターとエレクトロニクスのための
(7)リオネル・ボール(1976-)Como el deslumbramiento de las alas(翼のまばゆい輝きのように)
(8)パナヨティス・ココラス(1976-):Slide(スライド)〜ギターとエレクトロニクスのための
(9)ラファエレ・ビストン(1975-):Declive(曲線)
ミシェル・グリザー(ギター/ダニエル・フレドリッシュ(2007年製作))

録音:2023年10月23&24日/ルノディエール講堂(カルクフー)
フランスのギターの名手ミシェル・グリザーが自身に捧げられた作品を数多く含む意欲的なアルバム「道のりを振り返る…」をリリース。アレクサンドル・ラゴヤ のもと研鑽を積んだグリザーはベオグラードやターラントで行われた国際コンクールの受賞歴を誇る名手。レパートリーはバロックから現代までと幅広く、自身のワ イフワークとして現代作曲家にギターのための新作を依頼し、数多く世界初演に携わってきました。まさに長いキャリアの積み重ねを象徴する内容が当アルバムに 収録された作品です。ブックレットには各作曲家自身書き下ろしによる解説付です(仏英)。
ラファエレ・ビストンのDeclive(曲線)は瞑想的な小品。ギターの6本の弦のうち2本を4分の1トーン下げるスコルダトゥーラ(変則調弦)を基調とし、この 特殊な和音によって彩られた音程を通して、楽器の豊かな響きを際立たせる曲線の連続を描写しています。ギターの新たな魅力に包まれた注目アルバムです。 (Ki)


MClassics
MYCL-00043(1SACD)
税込定価
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第6番、第7番、第8番
ピアノ・ソナタ 第6番イ長調 作品82
ピアノ・ソナタ 第7番変ロ長調 作品83
ピアノ・ソナタ 第8番変ロ長調 作品84
アブデル=ラーマン・エル=バシャ(P)

録音:2023年5月9-11日 五反田文化センター(東京)
現代を代表する巨匠ピアニストの一人、アブデル=ラーマン・エル= バシャの最新アルバムです。ラ・フォル・ジュルネなどの公演も多く日 本でもファンの多いエル=バシャ。精巧な技術と洗練された音楽性 によってプロコフィエフ独特の世界が構築されます。エル=バシャの 深い音楽眼、明快な解釈、そして陰影に満ちた美しい音色と圧倒 的な技術。まさに円熟の至芸です。現代随一のピアニズムによるプ ロコフィエフをお聴き下さい。

IBS CLASSICAL
IBS-182023(1CD)
フンメル/シューベルト:ピアノ作品集
ヨハン・ネポムク・フンメル(1778-1937):ピアノ・ソナタ第6番ニ長調 Op. 106
シューベルト:ピアノ曲(即興曲) D 946〜 第1番変ホ短調/第2番変ホ長調/第3番 ハ長調
フンメル:6つのバガテル Op.107- 第3番瞑想((Una fantasia piccolo)
エロイ・オルサイス(フォルテピアノ)
1826/27年 グラーフ製(エドウィン・ブロインク・コレクション)

録音:2022年7月
1820年代後半、ヨーロッパの音楽は古典派からロマン派への移行期を迎えていました。ピアニストのエロイ・ オルサイスはこの時代に活躍したフンメルとシューベルトの作品を取り上げ、同時代に制作されたフォルテピア ノを用いて演奏。多くの作曲家たちが伝統的な形式から新たな表現を模索していた時代の雰囲気を伝えま す。 エロイ・オルサイスは1983年生まれのスペインの鍵盤奏者。ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーを 持ち、ソリスト、室内楽奏者、通奏低音奏者として演奏活動を行っています。

ANALEKTA
AN-952(1CD)
NX-C04
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第10番ハ長調 D613/612(パウル・バドゥラ=スコダ版、マルティーノ・ティリモ版を参考にしたマチュー・ゴーデ補筆完成版)
12のドイツ舞曲 D790(1823)
4つの即興曲 D899(1827)
マチュー・ゴーデ(P)

録音:2023年6月19-21日パレ・モンカルム・ラウル・ジョバン・ホール、ケベック
2019年に12回のリサイタルでシューベルトのソナタ全曲を弾き切ったマチュー・ゴーデ。その直後から開始されたソナタ全曲と主要ピアノ作品を網羅するプロジェクトの第9弾。ピアノ・ソナタ第10番の独自の補筆完成版を収録しています。

OEHMS
OC-485(2CD)
NX-C10
ブルックナー:オルガン編曲による交響曲全集 Vol.9
交響曲第9番ニ短調 WAB109
【CD1】
1.ブルックナー:レクイエム- リベラ・メ WAB 22 (ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編)
2. フィリップ・マインツ(1977-):コラール前奏曲第8番「Aus tiefer Not schrei ich zu dir 深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる」(2021/23)
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調WAB109- ゲルト・シャラーによるフィナーレの再構築版(2019)
第1-第3楽章…エルヴィン・ホルンによるオルガン版
第4楽章…ゲルト・シャラーによるオルガン版
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2023年11月12-16日チューリヒ フラウミュンスター教会(スイス)
2024年のブルックナー生誕200周年のための記念企画、指揮者クリスティアン・ティーレマンの後援のもとに進められたオルガン版ブルックナー交響曲全集 も遂に第9番に到達。シリーズで毎回異なるオルガンを使用してきたアルブレヒト、今作ではブルックナーが1880年にスイスのチューリヒで演奏を行ったことに ちなみ、同市のフラウミュンスター教会のオルガンを演奏しています。 未完で終わったブルックナーの交響曲第9番は、彼が完成させた第3楽章で曲を閉じるか、ブルックナーが示唆したとされる「テ・デウム」を演奏する、もしくは 後世の人が補筆した第4楽章を演奏するなどの選択肢があります。アルブレヒトはが採択したのは、指揮者、オルガニストでブルックナーの交響曲全集の録 音も行った経験を持つゲルト・シャラー(1965-)による再構築版でした。シャラーは様々な異稿版を含む交響曲だけでなく、ミサ曲や詩編、そしてブルック ナーのオルガン作品の全てを録音しているという、いわばアルブレヒトの先達的存在。シャラー自身による全4楽章のオルガン編曲版も存在しますが、アルブ レヒトは第1楽章から第3楽章まではこれまでにも親しんできたエルヴィン・ホルンによるオルガン編曲版を演奏し、シャラーによる編曲版の使用は第4楽章の みとなっています。このシリーズでおなじみの「ブルックナー・フェンスター=ブルックナーの窓」と称するブルックナーの音楽にインスピレーションを得た新作は、フィ リツプ・マインツの「コラール前奏曲第8番」を収録。深い闇の中でうねるような旋律の中に時折垣間見える印象的なコラール、そして曲が最高潮に達した 際、ミサ曲ニ短調(交響曲第9番の第3楽章に引用された)の旋律を暗示するかのような稲妻のように大きなクラスターが襲い掛かるという、このアルバムにふ さわしい作品です。

Resonus
RES-10334(1CD)
NX-B08
19世紀東ヨーロッパのギター音楽
ミハイル・ポルパイエンコ(1848-1902):ザポリージャの主題による幻想曲
ヨハン・デッカー=シェンク(1826-1899):Ukrainische Weise
ヨハン・ドゥベツ(1828-1891):ハンガリーのモティーフによる幻想曲
ニコライ・ペトロヴィチ・マカロフ(1810-1890):Fleurs du Nord 北方の花
ピエトロ・ペットレッティ(1795頃-1870頃):パシュコフのお気に入りのロマンスによる幻想曲
デッカー:(=シェンク:ファンタジー・ロマンティーク
ヨハン・カスパール・メルツ(1806-1856):カプリッチョ Op.9(N. P. マカロフ編)
ニコラス・パヴリシェフ1802-1879):オーベールの歌劇「ガルベの王の婚約者」のモティーフによる大幻想曲 Op.25
ジェイムズ・エイカーズ(G)
9弦ギター…1890年頃ベルリン製 作者不詳
8弦ギター…2012年スコット・トランブレ製 ウィーンのスタウファー製の復元モデル
6弦ギター…1840年頃ウィーン製 作者不詳

録音:2022年8月29日、2023年1月16日
全て世界初録音
これまでに「兵士の帰還」(RES10165)やイヴァン・クリンゲルのギター作品集(RES10302)などの珍しいギター 作品の演奏で高く評価されているギタリスト、ジェイムズ・エイカーズのアルバム。今作では19世紀東欧のほとんど 知られていない作曲家の作品を演奏。当時流行していたオペラのアリアや民謡の旋律に基づく華麗な幻想曲の 数々を、作曲当時の楽器を用いて演奏することで100年以上も忘れられた作品が鮮やかに蘇ります。

Biddulph
BIDD-85043(1CD)
ミッシャ・エルマン RCAビクター録音集(1939-45)


1. メンデルスゾーン(1805-1847):5月のそよ風(クライスラー編)*
2. シューマン:トロイメライ Op. 15No.7(イェンセン編)
3. グリーグ:アルバムの綴りOp. 12No.7(ハルトマン編)
4. ドヴォルザーク:ユモレスク Op.101No.7(ヴィルヘルミ編)
5. マスネ:タイスの瞑想曲
6-9. フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番イ長調 Op.13
10. フォーレ:夢のあとに(エルマン編)
11-13. ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
14. シベリウス:マズルカ Op.81 No.1
15. ディニーク(1889-1949):ホラ・スタッカート(ハイフェッツ編)*
16. ブロッホ:ニーグン - 「バール・シェム」組曲より*
17. アクロン(1886-1943):ヘブライの旋律 Op. 33
ミッシャ・エルマン(Vn)
レオポルト・ミットマン(P)
ウラディーミル・パドワ(P)*

1. 録音:1939年5月15日/初出:RCA Victor2064 (matrix BS37102)
2. 録音:1945年2月26日/初出:RCA Victor10-1271 (matrix D4RB114)
3. 録音:1945年2月26日/初出:RCA Victor10-1271 (matrix D4RB115)
4. 録音:1944年12月5日/初出:RCA Victor11-8950 (matrix D4RC532)
5.録音:1944年12月5日/初出:RCA Victor11-8950 (matrix D4RC531)
6-9. 録音:1941年5月8、14日
 初出:RCA Victor18251/53[M859] (matrices Cs63865/66&63896/99)
10. 録音:1942年2月18日/初出:RCA Victor 11-8329(matrix CS71927)
11-13. 録音:1942年2月18日
 初出:RCA Victor11-8329/30[M938] (matrices CS71928-29&71936)
14. 録音:1944年12月5日/初出:RCA Victor 11-9111(matrix D4RC534)
15. 録音:1939年5月15日/初出:RCA Victor 2064(matrix BS37101)
16. 録音:1939年5月15日/初出:RCA Victor 11-8575(matrices CS36899/900)
17. 録音:1944年12月5日…1/初出:RCA Victor 11-9111(matrix D4RC533)
Biddulphレーベルが力を入れているミッシャ・エルマンの復刻シリーズ、今回は1939年から45年の間にRCAビクターに行った全録音をCD1枚に収めまし た。フォーレとドビュッシーのソナタ、エルマンの人気を決定づけた小品のいずれにおいても、黄金の音色(Golden Tone)と称賛された美音と、堂々として品 格を感じさせる造形感覚、ポルタメントを活かした艶美な表現などが味わえます。ドビュッシーのソナタやディニーク(ハイフェッツ編)のホラ・スタッカートなど、再 録音されていない曲、復刻自体が希少な音源もあり、要注目です。 ジャケットは1940年生まれのアメリカの画家アルバート・フィッシャーによるもの。ブックレットにはWayne Kileyによる解説(英語)に加え、エルマンの写真2 枚、エルマンが使っていた1727年製ストラディヴァリウス「レカミエ ex-Recamier」のカラー写真が4ページにわたって掲載されています。 尚、アメリカ音楽家連盟(American Federation of Musicians)が1942年8月から44年11月まで市販用の録音のストライキを行ったため、エルマン にも当該期間中のレコード録音はありません。

BRINRINRI
KYBR-2305(1CD)
税込定価
燦爛〜伝説の幕開け 〜80年代前半の演奏記録より【山下和仁アーカイブ】
(1)大序曲(ジュリアーニ) Grande Ouverture, Op.61(Giuliani)
(2)アダージョ(アルビノーニ / 山下和仁編) Adagio (Albinoni / arr.Yamashita)
(3)独創的幻想曲(ヴィニアス) Fantasia Original (Vinas)
(4)ソナチネ 第1楽章(モレノ=トロバ)Sonatina I. Allegretto (Moreno Torroba)
(5)ソナチネ 第2楽章(モレノ=トロバ)Sonatina II. Andante (Moreno Torroba)
(6)ソナチネ 第3楽章(モレノ=トロバ)Sonatina III. Allegro (Moreno Torroba)
(7)カプリスNo.24(パガニーニ / 山下和仁編) Caprice No.24(Paganini / arr.Yamashita)
(8)ハンガリー狂詩曲(リスト / 山下和仁編) Hungarian Rhapsody No.2(Liszt / arr.Yamashita)
(9)魔笛の主題による変奏曲(ソル) Introduction and Variations on a Theme by Mozart, Op.9 (Sor)
(10)シャコンヌ(バッハ / 山下和仁編) Ciaccona?Partita No.2, BWV1004(Bach / arr.Yamashita)
(11)粉屋の踊り(デ・ファリャ / 山下和仁編) Danza del Molinero (de Falla / arr.Yamashita)
(12)ゴヤの絵(グラナドス / 山下和仁編) La Maja de Goya (Granados / arr.Yamashita)
(13)タランテラ(カステルヌォーヴォ=テデスコ) Tarantella (Castelnuovo-Tedesco)
山下和仁(G)

録音:1980年ほか
※本CD にはライブ演奏に伴う会場ノイズ等がありますが御了承ください。
還暦を迎えた山下和仁のアーカイブシリーズ第5弾。16歳でデビューした山下和仁。すぐさま 世界のギター界を揺さぶり始める。高校や大学に在学しながらの全国縦断リサイタルツアーに始 まり、やがて欧米アジアにも招かれるようになった80年代、ようやく成人を迎えたマエストロは、世 界各地で賛否両論も巻き起こしながら熱狂的に迎えられ、超満員の大ホールで連日公演してい た時代の記録録音の中からセレクト。いままでの山下和仁CD未収録楽曲のほか、ライブ演奏なら ではの迫力あふれる演奏と一緒に時代の雰囲気も伝わる記録集。 ※本CDには古いアナログテープの劣化に起因するノイズやライブ録音に伴う会場ノイズ等があり ますが御了承ください。

Polskie Radio
PRCD-2389(1CD)
ブラームス&ショパン:ピアノ作品集
ブラームス:7つの幻想曲 Op.116、
 4つの小品 Op.119
ショパン:4つのマズルカ Op.30
 ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ヤクブ・クシュリク(P)

録音(ライヴ):2021年11月10日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
日本人コンテスタントの上位入賞などかつてない盛り上がりを見せた2021年の第18回ショパン国際ピアノ・コンクールにおいて、小林愛実と同率の4位入賞、さらにマズルカ賞を受賞したポーランド期待の若きピアニスト、ヤクブ・クシュリクのソロ・デビュー・アルバムがポーランド放送の自主レーベル「Polskie Radio」からリリース! このアルバムにはショパン・コンクールのわずか3週間後に行われたコンサートでの演奏が収録されており、コンクールでも披露したOp.30のマズルカやピアノ・ソナタ第3番に加え、新たにブラームスのレパートリーを聴けるのが嬉しいところです。

Avie
AV-2623(1CD)
ラヴェル:独奏ピアノ作品全集 Vol.1
鏡 M.43/水の戯れ M.30
高雅で感傷的なワルツ M.61
ソナチネ M.40
逝ける王女のためのパヴァーヌ M.19
ヴァンサン・ラルドゥレ(P)

録音:2023年4月25日-27日、アルター・センデザール(ブレーメン、ドイツ)
「スタインウェイ・アーティスト」という輝かしい称号で知られるヴァンサン・ラルドゥレ(ヴァンサン・ラルデル)は、独『ノイエ・ムジークツァイトゥング』紙(Neue Musikzeitung)において「当代最高のピアニストの一人」と称賛されています。彼はドイツのリューベック音楽大学でブルーノ=レオナルド・ゲルバーに師事し、マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクールやAMAカラブリア国際音楽コンクールの他、数々のコンクールで受賞しました。スカルラッティからブーレーズまで幅広いレパートリーを持ち、特にラヴェルの研究に熱心で、ペルルAvie
AV-2623(1CD)ミュテールが作曲者自身とともに注釈を加えたラヴェルの楽譜の研究でも知られています。持ち前の色彩豊かな表現力は国際的に評価されており、来日公演でも好評を博しました。
本アルバムでラルドゥレは、ラヴェルの直系の弟子であるヴラド・ペルルミュテールが、ラヴェルと緊密に協力していた時代に注釈を付けていた原典版楽譜に基づき、ラヴェルのピアノ独奏作品集全4巻という注目の録音プロジェクトに臨んでいます。これらの楽譜には、テンポ、ペダリング、フレージング、音色などの解釈に関する貴重な洞察が示されており、ペルルミュテールの弟子であるカルロス・セブロに師事したラルドゥレが、まさにラヴェルの精神と解釈スタイルを現代に体現するという偉業の第一歩を踏み出します。

Etcetra
KTC-1768(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲) アン・クノップ(Vn)
ラ・プティット・バンドの第1ヴァイオリンを務め(他に、イル・フォンダメント、エウローパ・ガランテ、バッハ・コンツェントゥスなどの著名なアンサンブルでも活動)、ハノーファーのピリオド・オーケストラ「コンチェルト・フォスカリ」のコンサートマスター、SQ「QUATUOR “a4”」の第1ヴァイオリンなどとしても活躍するベルギーの名女流、アン・クノップ。これまでに、Et’ceteraからは、自身が2020年に設立した「ル・パヴィヨン・ド・ミュジク(Le Pavillon de Musique)」との共演で、バロックから初期古典派の知られざる音楽を取り上げてきたクノップが満を持して臨むのは、ヴァイオリニストにとって永遠のバイブルのひとつでもあるバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲)!
アン・クノップは、メヘレン音楽院でフラン・ヴォスにヴァイオリンを、フロラン・ファン・デ・フォンデルに室内楽を師事。レメンス音楽院では川口 ヱリサにヴァイオリンを、ブリュッセル王立音楽院では古楽演奏のパイオニア的存在であるシギスヴァルト・クイケンのもとでバロック・ヴァイオリンを学びました。現在は、ソリストやオーケストラ奏者としての活動の他、2019年9月に取得した博士号(ゲント大学)のテーマでもあるロマン派のレパートリーの演奏実践について幅広い研究を行っています。また、アントワープとメヘレンの音楽院で後進の指導に力を注いでいます。

Forgotten Records
fr-2169(1CDR)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ズザナ・ルージチコヴァー(Cemb)

録音:1955年
※音源:Supraphon DV 5742他

NIFC
NIFCCD-148(1CD)
メランコリック&ヒロイック・ポロネーズ集
ユリウシュ・ザレンプスキ(1854-1885):メランコリックなポロネーズ ホ短調 Op.10
作者不詳:W ??obie le?y(17世紀中頃)、ポロネーズ 「Wezm? ja kontusz」
カツペル・ナポレオン・ヴィソツキ(1810-1850):ポロネーズ イ短調 「祖国への別れ」
タデウシュ・コシチュシュコ(1746-1817):コシチュシュコの別れのポロネーズ
ユゼフ・コズウォフスキ(1757-1831):歌劇 「ウェスタの処女」 の主題によるポロネーズ
ユゼフ・エルスネル(1769-1854):ポロネーズ ニ長調
マリア・シマノフスカ(1789-1831):ヴィアゼムスキー王女に献呈されたさまざまなジャンルの6つの舞曲より ポロネーズヘ短調
ユゼフ・ノヴァコフスキ(1800-1865):悲愴的大ポロネーズ Op.11
カロル・クルピンスキ(1785-1857):ポロネーズ ト長調
マチェイ・ラジヴィウ(1749-1800):ポロネーズ ハ長調第1番
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリンのためのポロネーズ ニ長調(P・トランスクリプション版)
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909): 「W starym dworku」 エレジー風ポロネーズ Op.22-3
エドムント・マコマスキ(c.1850-20世紀前半):ポロネーズ・マルチアーレ
ヴワディスワフ・ジェレンスキ(1837-1921):ポロネーズ 変ロ長調
ユゼフ・ヴィエニャフスキ(1837-1912):ポロネーズ Op.13
シプリアン・カツァリス(P)

録音:2022年6月27日-30日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
鍵盤の魔術師シプリアン・カツァリスがNIFC(ポーランド国立ショパン研究所)からリリースするスペシャル・プログラム第4弾は、知られざる19世紀の作曲家たちが残したポロネーズを発掘する好企画。
ポロネーズは、マズルカと並ぶポーランド起源の民族舞踊またはそのための曲の形式(舞曲)で、最も多くのポロネーズが作曲されたのは18世紀後半から19世紀にかけてとされています。本アルバムでカツァリスは、知られざる作曲家、忘れられた作曲家を再発見し、抒情的、感傷的で悲しみと憂鬱に満ちた作品から、英雄的な作品まで、19世紀のポーランドの作曲家たちによる音楽的技巧を紹介しています。ポロネーズというジャンルが時代を経て進化してきたことをカツァリスが洗練されたタッチで見事に示しています。

EVIDENCE
EVCD-115(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲) アンリ・ドマルケット(Vc/1725年製のストラディヴァリウス”le Vaslin”、弓/1820年製のペルソワ)

録音:2022年10月,12月、アルル、シャペル・ド・メジャン
フランスの名チェリスト、アンリ・ドマルケットがバッハを録音しました。ドマルケットはフランスを中心に活躍する名手で、LFJなどで来日も多い人気奏者。ミシェ ル・ルグランから協奏曲を献呈されるなど多彩な活動を経てきた今、バッハに取り組みました。すべてを知り経験した者が見ることのできる景色が広がるような 演奏。軽やかに舞う音色から、深き苦しみのそこから絞り出されるような音色、表情、必然性と説得力に満ちた演奏です。こだわりの録音により、楽器そのも のがそこにあるような実体感のあるサウンドも魅力です。
ドマルケットは1970年パリ生まれ。13歳でパリ国立高等音楽院に入学、モーリス・ジャンドロンとフィリップ・ミュレルに師事。フルニエ、トルトゥリエ、シュ タルケルの指導も受けた。デュメイ、ルセフ、ミゲル・ダ・シルヴァとSQを結成。1725年製のストラディヴァリウス”le Vaslin”、弓は1820年製のペルソワの弓を使用。 (Ki)

FIRST HAND RECORDS
FHR-134(1CD)
(b)romance
サン=サーンス:ロマンス Op.36
ルーカス・フォス:カプリッチョ(G.ピアティゴルスキー版)
コープランド:ポエム
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲 Op.7より 第2楽章 ロマンツェ
ドビュッシー:美しき夕暮れ(N.カネラキス編)
シベリウス:メランコリーOp.20
ヒナステラ:パンペアーナ 第2番 Op.21
マイケル・ステファン・ブラウン(1987-):前奏曲と舞曲 *
フォーレ:ロマンス Op.69
ニコラス・カネラキス(1984-):GFのロマンス *
マイケル・ステファン・ブラウン:35Chords for Nick *
ラフマニノフ:リート
ガーシュウィン:3つの前奏曲(N.カネラキス編 *)
ドン・エリス(1934-1978):Bulgarian Bulge(N.カネラキス編 *)
ニコラス・カネラキス(Vc)
マイケル・ステファン・ブラウン(P)

録音:2023年1月3-6日/ニューヨーク、マウントバーノン、オクタヴェン・オーディオ
*=世界初録音
15年以上デュオを組んでいる二人による、ロマンスを中心としたアルバム。めったに聴くことのできない珠玉の名曲や彼ら自身の作編曲による作品も収録。美 しいメロディのもの、技巧的なもの、気軽に楽しめるものまで幅広いプログラム。 (Ki)
FIRST HAND RECORDS
FHR-156(1CD)
Night Fancy
ダニエル・バチェラー(1572-1619):Monsieurs Almaine
ジョン・マクロード(1934-2022):ブリテンの『グロリアーナ』の主題による幻想曲(2012)
フィリップ・ロセター(1568-1623):プレリュード - アルマン - パヴァン - ガイヤルド
ピーター・ラシーン・フリッカー(1920-1990):Paseo, Op.61(1970)
フィリップ・ロセター:ファンタジア
ブリテン:ダウランドによるノクターナル Op.70(1963)
マイケル・バテン(G)
バークシャー生まれのギタリスト、マイケル・バテンによるFirst Hand Recordsレーベル2枚目のアルバム。前作のダウランド作品集(FHR-84)に続きイギ リス音楽を収録。ブリテンを軸に古楽と20世紀を結びつけます。アルバムタイトルの「Night Fancy」は、ブリテンの『ノクターナル』のオリジナルタイトル。 (Ki)

ICA CLASSICS
ICAC-5178(1CD)
NX-B06
アニー・フィッシャー/シューマン&シューベルト
シューマン:ピアノ・ソナタ 第1番 嬰へ短調 Op. 11
シューベルト:4つの即興曲 D 935 Op. 142*
アニー・フィッシャー(P)

録音:1975年3月12日、同年3月20日* BBCスタジオ(ステレオ)
2024年に生誕110年となる、ハンガリー出身の名手アニー・フィッシャー(1914-1995)のBBCスタジオでの録音がCD初登場。シューマンと シューベルトは彼女が得意とした作曲家ですが、ここに収められた2作品の全曲録音は、他には後年のハンガリーでのライヴくらいという貴重 なもの。中でもシューマンのソナタ第1番は、同時代のピアニストには珍しいレパートリーと言えます。明瞭なステレオ録音であり、ヒストリカル・ レコーディングのマスタリングで世界中から篤い信頼を得ているポール・ベイリーの手により、音の立ち上がりから余韻まで大変クリアに仕上げら れており、今まさに目の前で弾かれているような質感を体験できます。フィッシャーの明快且つ繊細なタッチと真っ直ぐな表現、硬派と言われ るその迷いのない音楽を体験できる素晴らしいアルバムです。

CEMBAL D’AMOUR
CEMBCD-207(1CD)
モルデカイ・シェホリ/ザ・セレブレイテッド・ニューヨーク・コンサーツ 第14集
モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
(2)モーツァルト:ロンド ニ長調 k.485
(3)リスト:モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の回想
(4)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57 「熱情」
(5)リスト:ファウスト交響曲〜グレートヒェン
モルデカイ・シェホリ(P)

録音:(1)- (3)2001年6月2日ニューヨークシティ、 (4)(5)2002年5月2日ニューヨークシティ
ニューヨークを拠点に長年に渡って活躍している米国のピアニスト、モルデカイ・シェホリは、 自身のレーベルCembal d'amour から既に100 枚以上のCD を発売しています。今回はニューヨ ークでの演奏会のライヴ録音集の第14集。2001 年と2002年、リンカーン・センターのアリス・タ リー・ホールでの2回のリサイタルからのもの。シェホリはいつもながら丁寧に作品と向き合って いるが、ライヴとなるとCD 用の録音と違った高揚が随所で見られます。モーツァルトとベートーヴェ ンも素晴らしいが、リストの15分超えの2 曲、特に「ドン・ジョヴァンニ」の回想がシェホリの技術 力と音楽性の両立した魅力を余すことなく示して見事。
CEMBAL D’AMOUR
CEMBCD-208(1CD)
モルデカイ・シェホリ/アンコール集 第1集
作者不詳(シェホリ編):ロマンス ホ長調 (映画「禁じられた遊び」のロマンス)
ディニク(ハイフェッツ編):ホラ・スタッカート
フォーレ(シェホリ編):夢の後に
グノー:アヴェ・マリア
ロザンタル:ショパンの「子犬のワルツ」に基づく練習曲
スクリャービン:練習曲 嬰ハ短調 Op.2-1
シュレーツァー:練習曲 変イ長調 Op.1-2
レヴィツキ:アラベスク・ヴァルソント イ短調 Op.6
ゴドフスキ:古きウィーン 変ト長調
タウジヒ:シューマンの「密輸人」
ゴドウスキ:サン=サーンスの「白鳥」
シンディング:春のささやき 変ニ長調 Op.32-3
グラナドス:マハと夜鶯
ルビンシテイン:調べ ヘ長調 Op.3-1
ブラームス:ハンガリー舞曲第2番ニ短調
モシュコフスキ:火花 変ロ長調 Op.36-6
ハチャトゥリアン:「仮面舞踏会」―舞曲第1 番イ短調
モルデカイ・シェホリ(P)

録音:2023年4,5月 米国 ネバダ州 ラスベガス
モルデカイ・シェホリはアンコール向きの小品を得意としてこれまでも多数の録音をしてきた が、ついにアンコール作品集にも着手。有名曲からよほどのピアノ・マニアでないと知らない秘 曲まで、シェホリの腕が冴えています。特に知られざる名曲、ドイツ系ポーランド人のパウル・デ・シ ュレーツァー(1841/1842-1898)の練習曲 変イ長調 Op.1-2は、聞けば誰でも美しい!と思うよ うな耳に心地よい素敵な曲。かつて偉大なピアニスト、ホルヘ・ボレットがアンコールに好んで弾 いたことでかろうじて知られているが、久々の新録音でしょう。ピアノ小品マニアならぜひ聞くべき1 枚だ。
CEMBAL D’AMOUR
CEMBCD-209(1CD)
モルデカイ・シェホリ〜ベートーヴェンを弾く 第6集
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調 Op.27-1
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
ピアノ・ソナタ第15番ニ長調 Op.28「田園」
モルデカイ・シェホリ(P)

録音:2023年6月 米国 ネバダ州 ラスベガス
モルデカイ・シェホリのベートーヴェンのピアノ作品集の第6 集。今回は1802年に出版された3曲を収録。シェホリは広大なレパートリーを誇り、しかも作品の特性を生かした誠実な演奏で高 く評価されています。ベートーヴェンでも彼の作品に丁寧に向き合う姿勢が生きています。たとえば月 光ソナタの第3楽章 プレスト・アジタート、しばしば猛烈な勢いで弾き飛ばされてしまうところを、 シェホリは9分以上かけてじっくり演奏しています。田園ソナタの平安が広がる世界も素晴らしい。
CEMBAL D’AMOUR
CEMBCD-210(1CD)
モルデカイ・シェホリ ザ・セレブレイテッド・ニューヨーク・コンサーツ 第15集
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ ニ短調
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第番ハ短調 Op.13「悲愴」
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調 Op.22
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83
モルデカイ・シェホリ(P)


録音:2002年5月2日 リンカーン・センター・アリス・タリー・ホール,ニューヨークシティ
モルデカイ・シェホリのニューヨークでの演奏会のライヴ録音集の第 15集。すべて2002年5月2日、ニューヨークのリンカーン・センターのアリス・タリー・ホールでのリサイタルでのライヴ録 音。バッハ、ベートーヴェン、ショパン、プロコフィエフと並んでいます。シェホリはショパンの独奏版 のアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズとプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7 番をどち らもこの3か月後にCD 用に録音しており(ショパン集第2 集 CEMBCD-160,ロシア音楽を弾く CEMBCD- 143)、それらがより完成度の高い演奏なら、こちらは馴染みのニューヨークの観客を 前に興が乗った演奏です。ベートーヴェンの悲愴ソナタはかなり気合の入った熱演。

ALPHA
ALPHA-1024(1CD)
パサージュ・スクレ 〜フランスの4手ピアノ作品集
ビゼー:子供の遊び Op.22(1871)
ドビュッシー:小組曲 L65(1886-89)
フォーレ:ドリーOp.56(1894-97)
ラヴェル:マ・メール・ロワ M. 60(1908-10)
オーベール(1877-1968):イマージュの一葉 (1930)
リュドミラ・ベルリンスカヤ 、 アルトゥール・アンセル (4手ピアノ)

録音:2022年4月 サル・コロンヌ、パリ
ロシア出身のリュドミラ・ベルリンスカヤと、フランス出身のアルトゥール・アンセルの夫婦によるピアノ・デュオ。MELODIYAを中心に数々のアル バムをリリースしてきた彼らが初めてALPHAからリリースするのは、フランスの作曲家たちによる4手ピアノの作品集です。しかも、どの作品も有 名ながらこれまで彼らが録音してこなかった曲ばかりという嬉しい内容。フレーズ感、テンポ感、バランス、全てにおいて息の合ったアンサンブル はこのデュオならではのもので、ベル・エポックの薫り高いこれらの作品を色彩豊かに、楽しく美しく聴かせています。アルバム・タイトル 「Passage Secret」には音楽的なパッセージを引っかけていると思われますが、フランス語で「密航」というやや意味深なもの。

sonorite
SNRT-2401(1CD)
税込定価
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 「月光」Op.27-2
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
三原貴之(P)

録音:2022年4月3日?5日 山口県宇部市 渡辺翁記念会館
新鋭 三原貴之の1stレコーディングは、ベートーヴェンの傑作 ピアノ・ソナタ3曲。若きピアニストが等身大の共感をもって描 き出すベートーヴェンで、作品へのひたむきな眼差しが音楽の 熱量となってダイナミックに迫ります。2019年に急逝した恩師 杉谷昭子との思い出に捧げられており、全体を貫く敬虔さが 音楽に深みを与えています。
■三原貴之 (みはら たかゆき)
開成中学校・高等学校卒業 慶應義塾大学薬学部薬学科卒業 慶應義塾大学大学院薬学研究科博士課程在学。 2歳より母からピアノの手ほどきを受け、数々のコンクールで受賞する。その後、生涯の師となる杉谷昭子氏に師事。師の演奏するピア ノから奏でられる優しさに包まれながらも迫力のある音楽に魅了され、その指導のもと、美しい音を追求してゆきます。プリマ・ヴィスタ弦楽四 重奏団やポーランド・シレジアPOとも共演し、ピアノから多彩な音色を引き出すことに熱中するようになります。 2009年アジア国際音楽コンクール中学生部門第3位、2010年同コンクール中学生部門第1位を受賞し、西安音楽学院、ウィー ン国立音楽大学リストザールにて同コンクール受賞者演奏会に出演するなど、国内外で演奏の機会を得る。また、2010年第1回 ヨーロッパ国際ピアノコンクールin Japan特級部門に入賞し、師の音楽観を継承すべく研鑽を積む。近年では、幼少より通っていたキ リスト教会や大学から依頼を受けソロコンサートを行ったり、同じ杉谷昭子門下のピアニストたちと共に演奏会を行ったり、開成ピアノ 愛好会による演奏会に出演したりと、多様な演奏活動を繰り広げています。 これまでに武蔵野音楽大学付属音楽教室にて小柳信道氏、桐朋学園大学音楽学部付属子供のための音楽教室にて山本恭仁 子氏を経て、故杉谷昭子氏に師事。


TRE-320(2CDR)
ヴァーシャリのショパンVol.2
夜想曲集(全20曲)
タマーシュ・ヴァーシャリ(P)

録音:1965年4月20-24日(Op.9、Op.15、Op.27、Op.32)、5月11-12日(ステレオ)
※音源:独DG 104-369、136-487
◎収録時間:50:08+51:15
“自然体の歌と呼吸の持久性を兼ね備えた理想のノクターン!”
■音源について
★2枚ともドイツのチューリップ・ラベル盤を採用。第1〜10番のLPは、8枚組のボックスの中の1枚。

★ハンガリー出身のピアニストは、タッチの隈取の克明さやリズム感の冴えが特徴的な場合が多いですが、ヴァーシャリのピアニズムはそれとは一線を画し、あくまでも「軽み」が持ち味。ショパンで言えば、スケルツォやエチュードなどではその軽さゆえ作品に肉薄しきれていない点は否めませんが、「ワルツ」「即興曲」「夜想曲」等は、ヴァーシャリの特質が全てがプラスに作用し、もっと正当に認知されて然るべきだと強く思います。
「夜想曲」はややもすると、もったいぶったり、神妙に構えたり、すすり泣いたりと、感傷的な側面ばかりに焦点を当てがちですが、素直で清らかな歌が蔑ろにされ過ぎていないでしょうか?
 「第3番」は、冒頭テーマの語りかけのテンポ・ルバートのセンスが抜群。肩の力が抜けきったなかで目の前の一人だけに囁くようなフレージングに魅了されます。コーダがこれまた奇跡的な美しさ!「第6番」「第9番」は、表情の硬軟の使い分けが明確で、ヴァーシャリにしては意外なほどのくっきりとしたコントラストの妙味で聴かせます。「第11番」は、レガートと呼吸の素晴らしい一体感!なよなよせずに音楽の芯を堅持し、高潔美が横溢。「第16番」は、3:13あたりから曲の最後にかけての弱音の漂わせ方とその香りにご注目を!「第20番」は、1:46から一気呵成に高揚する様から一瞬で静寂に戻す技の冴えに唖然!
 白眉中の白眉は「第17番」でしょう。冒頭2小節の序奏の色彩と休符の余韻にまず惹き込まれます。穏やかなテーマが途中で高音に跳ね上がる(0:19など)の心の通わせ方、1:36からの硬質タッチの見事な粒立ちも印象的ですが、3:46からのトリルに彩られたテーマの緻密で濃密なフレージングにはただただ絶句!ここであえてトリルを散りばめたショパンの意志が痛いほど伝わる演奏を他に知りません。そして、着地点をはぐらかすようなコーダのニュアンスの多彩さ!「ヴァーシャリのショパンは水っぽくて物足りない」などとぼやく御仁は、これをなんとも感じないのでしょうか?【2024年1月・湧々堂】

Naive
V-8122[NA](1CD)
LOVE MUSIC
1. ワックスマン:トリスタンとイゾルデ:愛の音楽(1946)
コルンゴルト
2. リュートを伴うマリエッタの歌(私に残された幸せは)〜「死の都」より(コルンゴルトによるヴァイオリンとピアノ版)
3. 「から騒ぎ」作品11〜ヴァイオリンとピアノのための4つの小品(コルンゴルトによるヴァイオリンとピアノ版)
4. クライスラー:ウィーン古典舞曲集〔1. 愛の喜び2. 愛の悲しみ3. 美しきロスマリン〕
5. R.シュトラウス(1864-1919):ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.18
6. ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集 WWV91より第5曲「夢」
ソン・ヨルム(P)
スヴェトリン・ルセフ(Vn/1720年製アマティ-ストラディヴァリウス)

録音:2022年4月、ハノーファー、ライプニッツ・ホール
韓国のピアニスト、ソン・ヨルム、ナイーブ・レーベル第2弾の登場。第1弾のモーツァルトのピアノ・ソナタ全集(V 8049)でも世界的に高く評価されました。 今回はLOVE MUSICと題し、スヴェトリン・ルセフを共演者に迎え、ワーグナーに始まりワーグナーに終わる、後期ロマン派作品を集めたこだわりの1枚です。恋 の喜びに満ちた、あるいは恋に落ちる瞬間の心が震え変容する瞬間を讃えるような作品がならび、ソン・ヨルムの情熱的な音楽と熱いエネルギー迸るテクニック、そ してルセフの高貴なヴァイオリンの音色が、作品を最高の形で再現しています。
ドイツ系ポーランド人のフランツ・ワックスマン(『レベッカ』、『サンセット大通り』、『陽のあたる場所』の音楽も手掛けた)は1946年、ハイフェッツの依頼で、ワー グナーの『トリスタンとイゾルデ』のパラフレーズを作曲しました。ディスクはこの作品から始まります。そして、1910年代にウィーンで神童として活躍したコルンゴ ルトの「マリエッタのアリア」や「からさわぎ」は、まさに映画的で美味しく酔わせるラブシーン。続いてクライスラーの名曲をはさみ、プログラムの核となるR.シュト ラウスのヴァイオリン・ソナタ。これを書いたシュトラウスは当時23歳で、シューマン、ブラームス、グリークの影響を大きく受けていましたが、すでにみられるR.シュ トラウスらしさ、そして結婚することとなるパウリーネともすでに恋人関係にあったことなどまでをも感じさせる、若き才能の充実を前面に打ち出した演奏が展開さ れています。ディスクの最後には、偉大なヴィルトゥオーゾ、レオポルド・アウアー編による、ヴェーゼンドンク歌曲集の「夢」のトランスクリプションが収録され、文字 通り夢のような幸福な瞬間に満ちた1枚が締めくくられます。 (Ki)

Altus
ALTB-539(4CD)
限定生産
リヒター/バッハ・鍵盤音楽傑作選〜来日ライヴ&ノートルダム大聖堂ライヴ

【ALT096】
ゴルトベルク変奏曲 BWV988

【ALT097】
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
トリオ・ソナタ第6番ト長調 BWV530
幻想曲とフーガ ト短調 BWV542
前奏曲(トッカータ)とフーガ ヘ長調 BWV540
パッサカリア ハ短調BWV582 
[以下アンコール]
諸々の技法による6つのコラール(シュープラー・コラール)〜第6 曲「イエスよ、汝いまぞ天より下りたまい」 BWV650
パストラーレ ヘ長調BWV590〜第3楽章アダージョ
前奏曲とフーガ ニ長調BWV532〜フーガ
 録音:1969年5月11日/東京、武蔵野音楽
【ALT422/3】
[Disc1]
前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548
トリオ・ソナタ第6番ト長調 BWV530
前奏曲とフーガ ニ長調 BWV532
[Disc2]
幻想曲 ト長調 BWV572
パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
幻想曲とフーガ ト短調 BWV542
前奏曲とフーガ ロ短調 より前奏曲 BWV544/1
カール・リヒター(ALT096…チェンバロ、ALT097・ALT422/3…オルガン)

【ALT096】
録音:1969年4月27日/東京、日生劇場(ライヴ)

【ALT097】
 録音:1969年5月11日/東京、武蔵野音楽大学ベートーヴェン・ホール(ライヴ)
 使用オルガン:独クライス社製 

【ALT422/3】
 録音:1979年5月28日/ノートルダム大聖堂(ライヴ)
ALTUSから発売されているリヒターのソロ・ライヴ3タイトル(全4枚)を、単売パッケージそのままにクラフト調の三方背ケースに収めた数量限定セットです。バッハの権化として強烈なイメージを聴衆に与えたリヒター、ライブでは白熱の表情を見せ会場を沸かせます。
【ALT096】【ALT097】
カール・リヒター69年初来日ライヴ。チェンバロでのゴルトベルクから緊張感にあふれ重厚壮大。現代のチェンバリストの数多くの演奏と比べると改めてそのユニークな力強さに感動させられます。正に偉大なドイツの偉大な演奏。オルガン曲集も有名曲が一堂に集まっており、ライヴならではの燃え上がる迫力がリヒター芸術のすごさを表しています。リヒター絶頂期の覇気に満ちた大演奏。
【ALT422/3】
INA(フランス国立視聴覚研究所)に保管されていた超お宝音源。巨匠リヒター晩年のノートルダム・ライヴです。曲はもちろんバッハの名作目白押し、楔のフーガありパッサカリアあり大フーガありの重厚プログラム。圧倒的な緊迫感と強靭な構築力を持ちながら、ロマンティックな盛り上がりすら感じられる豊穣な演奏。どこまでも続く確信に満ちた終結和音には心が震えます。聴衆の反応も熱狂的で、割れんばかりの拍手が鳴り響くアンコールは強烈です。 (Ki)

H.M.F
HMM-905376(2CD)
ライオネル・ターティスに捧ぐ〜ティモシー・リダウト
[CD1]
ヨーク・ボーウェン(1884-1961):ヴィオラ・ソナタ第1番op.18
ライオネル・ターティス(1876-1975):Sunset(日没)
フランク・ブリッジ:Pensiero(沈思せる人)(2つの小品 H.53より第1番)
 アレグロ・アッパッショナート H.82
ブラームス:愛の歌 op.71-5*
シューマン:ロマンス 嬰ヘ長調 (3つのロマンスop.28より第2番)*
フォーレ:エレジーハ短調 op.24*
ウィリアム・ウォルステンホルム:アレグレット 変ホ長調(2つの小品 op.17より第2番)
クライスラー:愛の悲しみ イ短調**
 序奏とアレグロ(プニャーニの様式による)***

*=ライオネル・ターティス編曲
**=ティモシー・リダウト編曲
***=アラン・アルノルド編曲、ティモシー・リダウト改編
[CD2]
ウィリアム・ヘンリー・リード(1876-1942):ラプソディ
エリック・コーツ:ファースト・ミーティング(思い出)*
ヴォーン=ウィリアムズ:イギリス民謡にもとづく6つの練習曲
セシル・フォーサイス(1870-1941):ケルト風の歌(Chanson celtique)
ジョン・アイアランド(1879-1847):The Holy Boy**
メンデルスゾーン:無言歌 ホ長調(無言歌集第1巻 op.19bより第1番)**
ライオネル・ターティス:Hier au Soir(昨日の夕べ)
ウィリアム・ウォルステンホルム:The Question(問い)op.13-1**
ヨーク・ボーウェン:ベートーヴェンの「月光」ソナタへのオブリガート(原曲:ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 op.27-2第1楽章)***
レベッカ・クラーク:ヴィオラ・ソナタ
*=ジョン・ウィルソン再構築版
**=ライオネル・ターティス編曲
***=ティモシー・リダウト編補完
ティモシー・リダウト(Va)
[CD1]フランク・デュプレ(P)
[CD2]ジェイムス・ベイリウ(P)

録音:2023年4月[CD1]、1月[CD2]、ロンドン
ライオネル・ターティス(1876-1975)は、現代ヴィオラ演奏の父とも賞される、ヴィオラ界の最重要人物。ヴィオラのための作品を数えきれないほど委嘱、 さらに名曲をヴィオラのために編曲。さらに、楽器の製造についても助言するなど、ヴィオラのレパートリーと魅力、さらに楽器自体の発展に大きく寄与しました。 このたび、若手ヴィオラ奏者として注目を集めるリダウトが、ターティス本人の作品や、ターティスの友人や師匠、生徒たちによるターティスゆかりの作品を集めて 演奏、2枚組のCDとしてリリースします。
ターティスはヴィオラの世界で大きく名を残していますが、そのキャリはピアノからのスタートでした。16歳でヴァイオリンを手に取り、19歳で弦楽四重奏に誘 われてそこでヴィオラを発見、たちまち魅了されました。最初は独学でヴィオラを学び、1902年にクライスラーの演奏を聴いて、その美しいヴィブラートに衝撃を 受けます。その奏法をヴィオラにも取り入れるよう試みました。
ボーウェンは、ホルン、ヴィオラ、そしてピアノを演奏した音楽家で、ターティストもしばしば共演していました。また作曲にも長け、後期ロマン的なスタイルで、ヴィ オラのために2つのソナタ、1つの協奏曲、4つのヴィオラのためのファンタジーなどを残しています。CD2に収録のベートーヴェンの「月光」ソナタ第1楽章の編 曲も興味深い仕上がりです。ターティスより少しだけ後に生まれたブリッジも、作曲家として名を残していますがヴィオラ奏者としても活躍していました。ブリッジ は、ブリテンの師匠でもあり、ブリテンにヴィオラの魅力を教えた人物でもあります。残念なことにヴィオラの作品はここに収録された「沈思せる人」と、「アレグロ・ アッパッショナート」のみ。(「沈思せる人」の対となる未完に終わった「アレグレット」はのちにパウル・ハインドマーシュによって補完されましたが、今回は収録さ れておりません)。ターティスが愛奏したブラームス、シューマン、ジョン・アイアランドらの作品、そしてフォーレのエレジーも収録。フォーレのエレジーは、ターティ ス版を使用。ターティスがアナログ盤で残した録音は、収録時間の関係でカットがありますが、リダウトはノーカットで演奏しています。盲目のオルガン奏者ウォルス テンホルムの作品は原曲はオルガン曲ですが、ターティスがたいそう気に入って編曲しました。ターティスはクライスラーの作品を10作ヴィオラ用に編曲しており、 その中から2作品を収録。エリック・コーツ、フォーサイス、そしてレベッカ・クラークはターティスの弟子。レベッカ・クラークにヴィオラを演奏するよう勧めたのは ターティスだったそうです。ヴォーン=ウィリアムズの作品は、ヴィオラの音域に合う6作を演奏しています。
ティモシー・リダウトは1995年生まれ、王立音楽院で学んだのち、2014年セシル・アロノヴィッツ国際コンクール優勝、2016年ライオネル・ターティス国際 ヴィオラコンクール優勝。ヴィオラ界の若手の中では最注目の演奏者で、オーケストラとも共演多数、2021年6月には王子ホールでトランジット・シリーズに登場、 「詩人の恋」をヴィオラとピアノで演奏し、聴衆に強い印象をのこしたことも記憶に新しい、注目奏者です。 (Ki)

BIS
BISSA-2680(1SACD)
シューベルト+ブラームス
(1)シューベルト:4つの即興曲 D.935Op.142(1827)
(2)ブラームス:4つの小品 Op.119(1893)
(3)シューベルト:3つのピアノ曲 D.946(1828)
ジャン・チャクムル(P/Kawai SKEX(Shigeru Kawai Concert Grand))

録音:(1)2022年3月21?26日、(2)(3)2022年9月12?17日/テスマー・トーンスタジオ(ハノーファー)
2018年第10回浜松国際ピアノコンクール第1位のジャン・チャクムルがBISレーベルから「シューベルト+」という一大プロジェ クトを開始しております。当シリーズはシューベルトの主要なピアノ独奏曲と彼の音楽に影響を受けた作曲家の作品を並べることで、その作品に焦点を当てるだ けでなく、それぞれの作品に新たな魅力を感じてもらいたいというチャクムルの思いから企画が生まれました。
第2弾はシューベルトの4つの即興曲 D.935Op.142、3つのピアノ曲 D.946、そして、ブラームスの4つの小品 Op.119を組み合わせました。シュー ベルトの3つのピアノ曲はシューベルトが亡くなる半年前に書き上げた最晩年の作品。シューベルト死後長らく忘れされていた遺作ですが、ブラームスが評価し シューベルト歿後40年に出版されました。シューベルトとブラームスの作品には軽快さの中にも非常に深みがあり、その共通点もこのアルバムの選曲によってよ り鮮明に感じられます。2028年のシューベルト歿後200年に向け、積極的にリリースされるチャクムルの「シューベルト+」にご期待ください! (Ki)

MDG
MDG-94723066(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタVol.2/ ジン・ジユ(P)
ピアノ・ソナタ 第28番イ長調 Op.101 21‘31
ピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」 変ロ長調 Op.106 48‘19
ジン・ジユ(P)
使用楽器:Steinway D -Manfred Burki“1901
チャイコフスキー国際、エリザベート王妃国際など、世界の名だたるコンクールで入賞を果たし、2010年からMDGレーベルの専属ピアニストとして録音してい るジン・ジユの新シリーズはベートーヴェンのピアノ・ソナタ録音。第1弾ではいきなり後期三大ソナタに挑戦(MDG-94722746)。そして続く第2弾も第28 番、第29番「ハンマークラヴィーア」と遡って録音しています。全ベートーヴェン作品においても最高傑作の一つとまでいわれる第29番「ハンマークラヴィーア」。 長大、そして雄大で起伏に富んだ作品。ジン・ジユは、ベートーヴェンのほとばしる激情を見事なまでに引き出した熱演を聴かせてくれています。 MDGレーベルが所有するピアノである1901年製スタインウェイD型を使用しての録音。 (Ki)

EVIDENCE
EVCD-107(1CD)
ギター・デュオによるスカルラッティ
(1)ソナタ イ長調K.24/(2)ソナタ ハ短調K.99/(3)ソナタ ト長調K.455/(4)ソナタ ロ短調K.87/(5)ソナタ ホ長調K.162/(6)ソナタ ニ短調K.32/(7)ソナタ ホ長調K.531/(8)ソナタ ヘ短調K.519/(9)ソナタ変ロ長調K.202/(10)ソナタ ヘ短調K.466/(11)ソナタ ト短調K.8/(12)ソナタ ヘ短調K.386
マッテオ・メーラ & ロレンツォ・ミケーリ(ギター ・デュオ )

録音:2022年10月/コロンバス州立大学レガシー・ホール(アメリカ)
スカルラッティの555曲あるソナタはチェンバロの重要レパートリーで、ピアノでも愛奏されます。バロック期のもっとも独創的な鍵盤音楽で、リズミカルで南欧 的な色彩にあふれています。それを「コロンブスの卵」的発想でギター曲に変身。
マッテオ・メーラとロレンツォ・ミケーリというイタリアのベテラン・ギター奏者が2002年に結成したデュオが12篇を2本のギター用に編曲して披露。スカルラッ ティ自身がスペインとイタリアでギターに精通していたといわれ、ソナタのインスピレーションの源泉にもなっていると考えられます。ギターに戻すことでさらに雄弁 さと魅力が増します。

Acte Prealable
AP-055253(2CD)
ガルバル:ピアノ作品集 Vol.2
万華鏡のような景色
アレクサンドラ・ガルバル(P)

録音:2022年5月、11月
ポーランドの作曲家、ピアニスト、チェンバリストであり教育者でもある多才な女性アレクサンドラ・ガルバルによる自作自演集の第2弾。彼女はカトヴィツェのシマノフスキ音楽アカデミーで作曲、(指)音楽理論を学び、その後ワルシャワのフレデリック・ショパン音楽アカデミーで音楽理論をさらに学びました。現在は教育者として後進の指導にもあたっており、様々な面でその才能を発揮しています。

Danacord
DACOCD-905(1CD)
ラヴェル:独奏ピアノ作品全集 Vol.3
高雅で感傷的なワルツ
クープランの墓/シャブリエ風に
ボロディン風に/ラ・ヴァルス
前奏曲/フーガ 変ロ長調
オレグ・マルシェフ(P)
旧ソ連、アゼルバイジャンのバクー出身の天才ピアニスト、オレグ・マルシェフは、メジャー・レーベルからの幾度にわたるオファーを断り続け、深い信頼関係で結ばれたデンマークのダナコード(Danacord)・レーベルへ、35以上の素晴らしいアルバム録音し続けてきたピアノの巨人。リスト晩年の高弟エミール・フォン・ザウアーのピアノ作品集(全6巻)やデンマークの知られざる作曲家たちのピアノ協奏曲集(全4巻)などの稀少作品から、ブラームス、シューベルト、リスト、ショパン、メンデルスゾーンなどロマン派の名作たちまで膨大なレパートリーを誇り、ロシアの偉大な作曲家たち(チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ)のピアノと管弦楽のための作品すべてを録音した(おそらく唯一の)アーティストでもあります。
2014年に同時リリースされたメンデルスゾーン(DACOCD734-736)とショパン(DACOCD701-702)以来、8年ぶりとなるレコーディングとしてラヴェルのピアノ独奏作品集(DACOCD903)が2022年の春にリリースされ、続けてラヴェル第2巻(DACOCD904)も2023年冬にリリースされました。最終巻となる第3巻では、クープラン様式の舞踏組曲で古代王政時代のパリの時代に誘い、「高雅で感傷的なワルツ」ではシューベルトとヨハン・シュトラウスの対照的なワルツにオマージュを捧げています。
第1巻&第2巻続き、ラヴェルがローマ賞のために書いた「フーガ」の珍しい録音も収録し、マルシェフによる唯一無二のラヴェル録音集を完成させています。

GENUIN
GEN-24828(1CD)
夜が落ちるまで
ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」より第3曲「月の光」、
 「版画」より第2曲「グラナダの夕べ」
ショパン:子守歌 Op.57
バルトーク:「10のやさしいピアノ小品 Sz.39」より第5曲「セーケイ人たちとの夕べ」、
 「2つのルーマニア舞曲 Op.8a」より第1番
シェーンベルク:「4つの歌曲 op.2」より「期待」、「あなたの金の櫛を私におくれ」
シベリウス:「6つの歌 Op.50」より「静かな街」
スクリャービン:練習曲 Op.42-3
ラフマニノフ:前奏曲 ト短調 Op.23-5、練習曲 嬰ハ短調 Op.3-2
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
ヴァイル:ユーカリ
エヴァ・バルタ(P)

録音:2023年4月3日-4日
ハンガリー系のピアニスト、エヴァ・バルタの夜をテーマにした詩的で親密なプログラムによるGenuinレーベルへのデビューアルバム。学生時代から歌曲にも興味を持った彼女は、ピアノのソリストとしてだけでなく歌曲にも非常に精通しており、このアルバムではシェーンベルクやシベリウスの歌曲を自ら編曲し収録しています。多才なピアニスト、エヴァ・バルタの魅力の詰まった一枚となっています。

Chopin University Press
UMFCCD-196(1CD)
マリアン・ボルコフスキ:ピアノ独奏曲全集
マリアン・ボルコフスキ(b.1934):トッカータ
7つの前奏曲/4つのマズルカ
フラグメンティ/ロマンティック間奏曲
ソナタ*/2つのマズルカ
3つの小品/変奏曲
マルチン・タデウシュ・ウカシェフスキ(P)

録音:2021年12月11日-12日&2022年9月24日-25日&10月23日&2023年7月1日(ワルシャワ、ポーランド)
*世界初録音
ピアニストで作曲家のマリアン・ボルコフスキは、1968年からショパン音楽アカデミーの教授を務めています。このアルバムは、ボルコフスキ教授の生誕90年、創作活動70年、教育活動55年という三大記念行事の一環として制作されました。
ポーランド南部のチェンストホヴァ生まれのピアニスト、マルチン・タデウシュ・ウカシェフスキは、20世紀と21世紀のポーランドの作曲家によるピアノ音楽を専門としており、世界初演も数多くこなしています。
Chopin University Press
UMFCCD-190(1CD)
ヤン・エキエル:ピアノ作品全集
ヤン・エキエル(1913-2014):2つの前奏曲 Op.1/2つのマズルカ Op.2/子守歌 Op.3-1/ユーモレスク Op.3-2/トッカータ Op.4/マズルカ Op.5/ハイランド舞曲/色彩のメロディー/20のキャロル
アグニエシュカ・プシェミク=ブリワ(P)

録音:2021年9月、ショパン音楽大学コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)
ヤン・エキエルはピアニスト、教育者、研究者として、ポーランドの芸術と文化に大きく貢献した人物です。1913年にポーランド南部のクラクフで生まれたエキエルは、1937年の第3回ショパン国際ピアノ・コンクールで入賞を果たし、傑出したコンサート・ピアニストとしてキャリアを築きました。その後ワルシャワ国立高等音楽学校、ショパン音楽アカデミーで教授を務め、優れた教育者としてもその手腕を発揮しました。また、ショパンの研究者として編集したショパン全集「ナショナル・エディション(エキエル版)」は、ショパン国際ピアノ・コンクールで公式に採用されています。
エキエルの作曲活動は主に1932年から1951年頃にかけての青年期に行われており、このアルバムには1932年から1949年にかけて作曲されたピアノ作品が収録されています。その作風はショパンやシマノフスキに影響を受けたロマン派的、抒情的な面を持ちながらも、独創的な作品を生み出しています。
ピアニストのアグニエシュカ・プシェミク=ブリワはショパン音楽アカデミーを優秀な成績で卒業し、ソリストおよび室内楽奏者としてポーランドの多くの都市でコンサートを開催しています。また、ヨーロッパ、アメリカ、中国、日本など世界各国でも演奏活動を行い、国内外の音楽祭にも多数ゲスト出演しています。2018年からはショパン音楽大学の教授に就任し、後進の指導にも当たっています。

BMC
BMCCD-305(1CD)
バッハ:鍵盤作品集
18の前奏曲 BWV924-930,933-942,999
インヴェンションとシンフォニア BWV772-801
ボルバーラ・ドボジ(ハープシコード)

録音:2022年9月、BMCスタジオ(ブダペスト)
チェコのブラチスラヴァ音楽院とプラハ芸術アカデミーで同国を代表するチェンバリストでもある名教師ズザナ・ルージチコヴァーに師事し、1983年のブルージュ国際チェンバロ・コンクールで入賞。ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院ではヨハン・ゾンライトナーやニコラウス・アーノンクールの薫陶も受けたハンガリーの名女流チェンバリスト、ボルバーラ・ドボジ。
2019〜2020年にかけてリリースしたバッハの「平均律クラヴィーア曲集」(BMCCD275/BMCCD293)では味わい深い演奏で現在の東欧における古楽演奏の飛躍、充実ぶりを示し、特に第2巻はストリーミング・プラットフォームにおいてBMC Records史上最も成功したリリースの一つとなるなど国際的に大きな反響を呼びました。その「第2巻」からおよそ3年、待望のバッハ新録音として、2023年が作曲から300周年にあたる「インヴェンションとシンフォニア」をリリース。作品が持つ透明でありながら濃密な世界を、見事なテクニックと生き生きしたキャラクターを両立させながら正確かつ詩的に表現。極端さやマンネリズムに囚われることなく、類稀なセンスで彼女独自の方向性を構築してゆきます。

DUX
DUX-1708(1CD)
ショパン:晩年のピアノ作品集
舟歌 嬰へ長調 Op.60
幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
ノクターン ロ長調 Op.62-1
ノクターン ホ長調 Op.62-2
マズルカ ロ長調 Op.63-1
マズルカ へ短調 Op.63-2
マズルカ 嬰ハ短調 Op.63-3
マズルカ イ短調 Op67-4
ワルツ 変ニ長調 Op.64-1
ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2
ワルツ 変イ長調 Op.64-3
マズルカ ト短調 Op.67-2
マズルカ へ短調 Op.68-4
ユリウス=ジョンウォン・キム(P)

録音:2023年6月5日-7日、クシシュトフ・ペンデレツキ・ヨーロピアン・センター(ルスワヴィツェ、ポーランド)
韓国のピアニスト、ユリウス=ジョンウォン・キムはパリやウィーンでピアノを学び、1997年にはベーゼンドルファー国際コンクールで一位を獲得しました。デビュー・アルバムでスケルツォをはじめとするショパンの楽曲を発表してからは、ラフマニノフやシューベルトなど、他のロマン派の作曲家に焦点を当てることが多かったキムが、20年の時を経て再びショパンの音楽に取り組み、1846年、1847年、1849年に作曲された最晩年の作品を収録しています。
DUX
DUX-2017(2CD)
ラフマニノフ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.28
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36
練習曲集「音の絵」 Op.39
アイハム・ハムール(P)

録音:2021年&2023年
2023年はラフマニノフの生誕150年を記念する特別な年として、世界中が盛り上がりました。このアルバムはそのラフマニノフ・イヤーを記念して制作され、ピアノ・ソナタと練習曲集「音の絵」が2枚のCDに収められています。
ピアニストのアイハム・ハムールは1985年にダマスカスで生まれ、ポーランド、クラクフの音楽アカデミーを優秀な成績で修了しました。数々の国際コンクールで受賞者として名を連ねると、ザルツブルクのモーツァルテウムやニューヨークのカーネギー・ホールなど世界各国で演奏活動を行い、国際的に活躍しています。
DUX
DUX-1983(1CD)
イリュージョンズ
ダレク・ヤヌス:4手のための練習曲
バルカン前奏曲第4番
バルカン前奏曲第1番
練習曲ニ短調 第1番/サイバー・ワルツ
バルカン前奏曲第3番
練習曲ニ短調 第2番
ジャズ・ワルツ
バルカン前奏曲第5番
イースター・ワルツ
バルカン前奏曲第2番
2台のピアノのための練習曲

【ボーナス・トラック】
‘The Last Farewell’ Prelude ? a tribute to Iga Anusz
アハ・ピアノ・デュオ〔アレクサンドラ・ハワト、アガタ・ホウディク〕

録音:2020年-2023年
ピアニストであり作曲家のダレク・ヤヌスはエンターテインメントやクラシックの舞台で優れた演奏家とのコラボレーションでジャズとクラシックを融合させた独自の世界観を生み出しています。このアルバムはクロアチアでの休暇のなかでの穏やかで安全なひとときや、特別な人々との出会いの回想がテーマとなっており、バルカンのリズムを取り入れた前奏曲やノスタルジックなワルツ、ジャズとクラシックを織り交ぜた4手のための小品など、バリエーション豊かな作品が収録されています。

Aulos Media
AMC-2194(1CD)
輸入盤

XAMC-2194(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

韓国の若き音楽家たち2020Vol.3〜イム・ユンチャン
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
リスト:巡礼の年第2年 「イタリア」 S.161
イム・ユンチャン(P)

録音:2020年9月23日、9月25日&10月12日、KBS Studio16(韓国)
2022年に開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールにおいて、18歳という若さで圧巻の史上最年少優勝を果たすと同時に聴衆賞、最優秀新曲演奏賞を受賞しその名を一挙に世界中へと響き渡らせたピアノ界のニュースター、イム・ユンチャン。
韓国芸術英才教育院に入学した翌年の2018年、クリーブランド国際ピアノコンクールで2位とショパン特別賞、クーパー国際コンクールでは最年少で3位と聴衆賞を獲得。
さらにはその翌年の2019年、15歳にしてイサン・ユン国際音楽コンクールで最年少第1位、ユネスコ音楽創意都市特別賞(聴衆賞)さらにはパク・ソンヨン英才特別賞の3つの賞に輝くなど、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールでの快挙の以前からその才能が高く評価されてきました。
まさに今を輝く韓国クラシック界の英雄の1人であるイム・ユンチャンのデビュー・アルバムとなったのが、2020年にKBS(韓国放送公社)によって収録されたこのベートーヴェンの「月光」とリストの「巡礼の年第2年「イタリア」」。
名作中の名作である楽聖の「月光」、難曲として有名な「ダンテを読んで」を含むリストの「巡礼の年第2年」の2作品をデビューアルバムのプログラムに選ぶという胆力も、すでにワールドクラスであったことを窺わせます。

Music & ArtCompany
MA-1013(1CD)
輸入盤

XMA-1013(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ポテンシャル
リスト:ベッリーニの 「ノルマ」 の回想 S.394
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116, BB123(作曲者編曲によるピアノ独奏版)
キム・ソンヒョン(P)

録音:2023年8月8日-9日、 JCCアーツ・センター(ソウル、韓国)
チョ・ソンジン、イム・ユンチャン、イ・ヒョク、イム・ドンヒョクといった名手たちに続く逸材として韓国で大きな期待が寄せられているキム・ソンヒョン(Song Hyeon Kim)。
満を持して発表するデビュー・アルバムのプログラムに選んだのは、リストの「ベッリーニの「ノルマ」回想」、そして作曲者自身の編曲によるピアノ独奏版のバルトーク「管弦楽のための協奏曲」という圧巻の2作品!
バルトークの死後となる1985年にその楽譜が発見され、リスト音楽院時代の愛弟子だったジェルジ・シャーンドルによって校訂が施され出版へと至ったピアノ独奏版の「管弦楽のための協奏曲」。
オーケストラの各楽器、各奏者が能動的にその技量、実力を存分に発揮しながらも、全体の統一性を損なわない新しい形の協奏曲として誕生させたバルトークの傑作のピアノ独奏版は、バルトーク独自の語法を保ちつつ、作品のディティールをより明確かつクリアに表現しており、原曲のオーケストラ版とは異なる発見をもたらしてくれています。
2時間を超えるベッリーニのオペラをピアノ独奏のための作品として生まれ変わらせ、16分余りの間、高度な技巧と美しく壮大な旋律で聴き手の心を魅了する「ノルマの回想」は、「ドン・ジョヴァンニの回想」と並ぶリストの最高傑作の1つ。
2つの大規模な作品、すなわちリスト編曲のベッリーニのオペラとバルトークの管弦楽曲がどのようにピアノ独奏で繰り広げられ新たな解釈を施されたのか、原曲との聴き比べも楽しみなポイントと言えるでしょう。
優れた音楽的表現力とテクニック、構成力を兼ね備えた2002年生まれのキム・ソンヒョンは、2023年のイサン・ユン国際音楽コンクールにおいて第2位/準優勝と併せて最も才能のある若い韓国人参加者に授与される「パク・ソンヨン英才特別賞」及び観客が直接投票で決める「ユネスコ音楽創造都市特別賞」(観客賞)の3つの賞を同時に受賞し、次世代ピアニストの登場を強烈にアピールしています。
またイサン・ユン国際コンクールに先立ち第12回新韓音楽賞では審査員満場一致で「ピアノ部門大賞」を受賞し選考委員から激賞されるなど、世界へと羽ばたくであろうニュースターの勢いは増すばかり。
韓国の俊英キム・ソンヒョンがピアノで繰り広げる「オケコン」と「ノルマ」。ご期待ください!

Spectrum Sound
CDSMBA-153(1CD)
リヒテル〜1985年8月6日ラ・ロック・ダンテロン初出ライヴ
ハイドン:ピアノ・ソナタ第2番(旧11番)変ロ長調
ウェーベルン:変奏曲
ヒンデミット:ピアノ・ソナタ第2番
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番イ長調Op.82
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲Op.34〜第6番ロ短調/第12番嬰ト短調/第23番ヘ長調
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1985年8月6日/ラ・ロック・ダンテロン音楽祭フロラン城公園(ステレオ・ライヴ)
1981年から続くラ・ロック・ダンテロン音楽祭は、世界中の大ピアニストたちが参加するイベントで、リヒテルもたびたび登場しました。そのなかで1985年8 月6日にフロラン城公園で行われたコンサートのライヴ。INA(フランス国立視聴覚研究所)所蔵注目の初出音源によります。プロコフィエフのピアノ・ソナタ第6 番以外はリヒテルのディコグラフィ的に珍しく非常に貴重で、このような宝が日の目を見ることは大歓迎と申せましょう。
ヒンデミットのピアノ・ソナタ第2番とショスタコーヴィチの前奏曲からの3篇は1985年に数回披露していて、前者はDoremi盤のモスクワ・ライヴがリリース されていますが、今回はラジオ・フランス録音で期待が高まります。さりげなく弾かれたショスタコーヴィチが絶品。無限の深みを感じさせます。ウェーベルンの変 奏曲も少ない音ひとつひとつが色とニュアンスに満ちていて引き込まれ、さすがリヒテルと溜飲が下がることの連続です。
プロコフィエフのピアノ・ソナタ第6番は、リヒテルが1940年11月にモスクワで公開初演を担った記念すべき作品。放送初演はプロコフィエフ自身が行ってい ましたが、リヒテルのピアノを聴いたプロコフィエフたっての希望で行い大成功を収めました。十八番の曲でもあり、ここでは円熟の至芸を示し、深い音楽性で感動 させられます。 (Ki)
Spectrum Sound
CDSMBA-154(2CD)
ミケランジェリ-〜ライヴ・アット・サル・プレイエル1978
(1)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3
(2)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調 Op.22
(3)ブラームス:4つのバラード集 Op.10
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)

ライヴ録音:1978年11月11日/サル・プレイエル、(ステレオ)
ペクトラム・サウンド好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源を用いた復刻シリーズ。当アルバムはミケランジェリが1978年11月11日、パリの サル・プレイエルで行ったリサイタルを収めた正規初出音源!ミケランジェリが愛奏したベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3番と第11番、そしてブラームスの4つ のバラードです。
自身のレパートリーに徹底的なこだわりをもち、高みを目指し、完璧な演奏を披露してきたミケランジェリ。なかでもベートーヴェンの初期作品第3番と第11番 は幾度となく演奏会でとりあげてきた十八番ですが、毎回異なる閃きと色彩感は流石ミケランジェリと言えます。後半のブラームスもやはり得意のレパートリー。同 曲は1981年2月にDGに録音しておりますが、このライヴでは曲ごとに表情を変え、色彩感豊かに演奏。演奏後の聴衆の熱気も伝わる一夜のライヴ、ご堪能くだ さい!

CLAVES
50-3101(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)
■CD1
ペトル・スカルカによる即興演奏
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007
バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV1008
バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009
ビーバー:パッサカリア〜「ロザリオのソナタ」(スカルカ編曲によるチェロ版)
■CD2
バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調BWV1010
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV1011
バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012
ペトル・スカルカ(Vc)

バロック・チェロ:ダリボル・ブジルスキー製作(2018年 Op.224)
【ジュゼッペ・グァルネリ“フィリウス・アンドレア”(1700年頃)のコピー】
バロック弓:ファウスト・カンゲロージ製作【製作者不明(18世紀中頃)のコピー】

録音:2020年6月&8月/ヴァリ(チェコ)
カフェ・ツィンマーマンとのC.P.E.バッハ録音でも知られる古楽界のチェロ奏者、ペトル・スカルカ。コロナ禍に母国チェコで挑んだバッハの無伴奏チェロ 組曲全曲がリリースされます。
プラハに生まれのスカルカはピルゼン音楽院でチェロを学び、その才能はすぐに開花。国内でのコンクールで優秀な成績を収め、その後、古楽と歴史的な演奏法 に興味を持ち、次第に古楽へと傾倒しました。バーゼル・スコラ・カントルムでバロック・チェロと室内楽を学び、名チェリストにして名教師のクリストフ・コワンに 師事。古楽の学位を取得しています。現在、ソリストとして活躍するほか、母校で後進の育成にも力を注いでおります。
パンデミックで世界が一変した2020年。スカルカは演奏家として自問自答する中、バッハの録音を決意。長年の研究成果といえる当演奏。1分ほどのスカルカ の即興演奏にはじまり、組曲第1番の前奏曲が奏でられます。決して音楽が重くなり過ぎず、表情豊かな当演奏は新鮮な息吹を感じる名演。使用楽器と弓はとも にコピーながら現代の名巧が製作した古楽器でクリアな音が魅力です。また組曲第3番と第4番の間にはビーバーの「ロザリオのソナタ」からパッサカリアを演奏。 こちらも注目です。 (Ki)

アクースティカ
PPCA-625(2CD)
税込定価
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 橋望(P)

録音:2023年1月25-27日、相模湖交流センター
ピアノ:ベーゼンドルファー、モデル275、38:37+43:59
バッハ演奏をライフワークとする高橋望、ゴルトベルク変奏曲(2015年ライブ録音)、平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲、パルティータ・アルバム(第1,2,4番)」に続く第4弾としてゴルトベルク変奏曲を再録音しました。前回はライヴ録音ということで即興性にとんだ演奏が聴けましたが、今回は3日間の時間をかけ、万全の体制でこれまでの演奏経験を活かした集大成として完成度の高い演奏が展開されています。そこには自然体で柔軟な躍動感に満ちたもので、作曲家への畏敬の念に溢れ、その清々しい音色と軽やかな表現は、バッハ音楽に新鮮な躍動感を与えています。ライブ録音とはひと味違ったより完成度の高い演奏をお楽しみいただけます。
■橋望(ピアノ)
埼玉県秩父市出身。園田高弘賞ピアノコンクール、ジーノ・ガンドルフィ国際ピアノコンクール(パルマ)で入賞。ドレスデン国立音楽大学でペーター・レーゼルに師事し国家演奏家資格を得て、同大学院マイスタークラス修了。バッハのゴルトベルク変奏曲をライフワークとし、同曲のリサイタルを毎年行う。2015年の演奏がライヴ録音されCD(PPCA620)として発売された。それに続く第2弾「平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲」(YSL001)、第3弾「パルティータアルバム」(PPCA624)とともに、各音楽雑誌で絶賛された。NHK-FM「名曲リサイタル」、NHK-Eテレ「らららクラシック」などにも出演していた。

Goodies
78CDR-3930(1CDR)
シューマン:子供の情景 作品15 マリラ・ジョナス(P)

米 COLUMBIA72498/9C
1947年9月30日ニューヨーク録音
マリラ・ジョナス(1911-1959)はポーランドのワルシャワ生まれ。9歳の時ワル シャワでデビューし、大ピアニスト、パデレフスキの弟子になった。1922年に国 際ショパン賞、翌23年にはウィーンでベートーヴェン賞を受賞、1926年からヨ ーロッパ各地でリサイタルを開くようになった。しかし1939年にナチス・ドイツ のポーランド侵攻によって、強制収容所に収監されたが、数週間後に演奏を聴 いたことがあるドイツの高官の手助けを得て脱走、数カ月かけてベルリンのブ ラジル大使館まで約520キロメートルを徒歩で逃亡、リスボン経由でブラジルの リオ・デジャネイロへ亡命した。しかし同郷のアルトゥール・ルービンシュタ インが声をかけ、1946年2月25にニューヨークのカーネギー・ホールでアメリカ ・デビューして成功をおさめた。1946年にアメリカCOLUMBIAに録音を始めたが、 1959年に病気のため48歳で死去した。(グッディーズ)

ALBANY
TROY-1943(2CD)
フレデリック・ジェフスキー(1938-2021):ピアノ作品集
4つのピアノのための小品
「スクエア」(全4曲)
ピアノのための小品第4番(別演奏)
ノース・アメリカン・バラード(全6曲)
マシュー・ワイスマン(P)

録音:2022年1月14日、2023年4月7日
2021年に亡くなったアメリカの特異な作曲家フレデリック・ジェフスキーのピアノ作品集。 ジェフスキーは代表作「不屈の民」変奏曲で日本でも広く知られているが、ここでは普段あ まり聴く機会の少ないピアノ作品が収められています。ジェフスキーは思想的に反体制、左翼 に属し、政治的メッセージをはっきり示した作品を数多く残した(前述の「不屈の民」変奏曲 はチリの革命歌に基づく変奏曲である)。このアルバムに収められた「ノース・アメリカン・バ ラード」も古いプロテスト・ソングや労働歌が変奏のテーマになっており、ジャズ、ミニマル、 ロック、即興的な要素が折衷されています。作曲者自身優れたピアニストであったため、いず れも超絶技巧を駆使した聴きごたえのある難曲揃い。ピアニストのマシュー・ワイスマンはア メリカの若き俊英で、ジェフスキーの不屈の精神を見事に体現した演奏を聴かせてくれます。
ALBANY
TROY-1952(1CD)
「ヴィブラント」〜カイラ・シェロン・ジャオ/ピアノ・リサイタル
ラフマニノフ:音の絵Op.33〜第8番ト短調、第9 番嬰ハ短調
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調Op.19
ラフマニノフ:6つの楽興の時Op.16〜第4番プレスト
 24の前奏曲Op.11〜第11番ロ長調
シューマン:謝肉祭Op.9
カイラ・シェロン・ジャオ(P)

録音:2023年8月マサチューセッツ
カイラ・シェロン・ジャオは中華系の若手ピアニスト。このディスクがまとまった形での初めてのアル バムとなります。ニューヨーク・コンサート・レビューでは「生まれついてのピアニスト」、サン・ファン・デイ リー・スターでは「魔法の手を持った無限の力を持つピアニスト」と大絶賛されています。ラフマニノフ、 スクリャービンとヴィルトゥオーゾ系の情熱的なピアノ曲とシューマンの抒情的な小品集「謝肉祭」を 丁寧なタッチと凛とした音の佇まいで弾き切り、大変好感が持てる。今後の活躍が期待できる新星 の登場。

TRITON
TRIHORT-577(1CD)
「夜の音楽」
(1)ホフマイヤー(b.1957):2つの誕生日の歌 Op.139
(2)ヴァン・ヴァイク:夜の音楽(7曲)
(3)ヴァン・ヴァイク:愛と見捨てられについて
(4)ホフマイヤー:風の中の歌 Op.216(5曲)
(5)ホフマイヤー:「センゼニ・ナ(私たちは何をしたのか)」に基づく幻想曲
マリカ・ホフマイヤー(P)
(1)(3)(4)ミネット・デュ・トワ=ピアース(Ms)

録音:2022-2023年 フランス グラース
南アフリカの2人の作曲家、アーノルド・ヴァン・ヴァイクとヘンドリク・ホフマイヤー (1957-)の歌曲とピアノ曲のCD。南アフリカは、まずオランダ、次いで英国の植民地になった歴史 から、西洋音楽の伝統が深く、どちらの作曲家の作品も歌詞が南アフリカのアフリカーンス語という 他はほとんど完全に近代西洋音楽になっています。その中にあって、「センゼニ・ナ(私たちは何をし たのか)」は南アフリカの反アパルトヘイトの民謡。

シルフィード・レコーズ
D00EM-08313(1CD)
税込定価
「Taichi Fukazawa」
セルジオ・アサド:エリの肖像
フェルナンド・ソル:第2幻想曲Op.4
アレクサンデル・タンスマン:カヴァティーナ組曲
タレガ:アルハンブラの思い出
コンスタンティン・ヴァシリエフ(b.1970):三つの森の絵
ハロルド・アーレン(ローラン・ディアンス編)):虹の彼方に
深澤太一(G)

録音:2023年5月29-30神奈川アート・ホール
■深澤太一(Taichi Fukazawa)
1991年、静岡生まれ。静岡県立静岡東高等学校マンドリン部でクラシックギターと出会う。京都産業大学に入学後、竹 内茂夫教授の古楽ゼミを受講し楽典を学ぶ。これまでに柴田杏里、藤井敬吾、益田展行、松尾俊介の各氏に師事。ウィ ーン(オーストリア)、エッセン(ドイツ)の講習会に参加し、研鑽を積む。ローマン・ヴィアゾフスキ、ガブリエル・ビアンコ、リ カルド・ガレン、パブロ・ガリバイ、マルシン・ディラなど著名ギタリストのマスタークラスを受講。第41 回ギター音楽大賞第 一位、第24回名古屋ギターコンクール第三位(邦人最高位)、第10 回イーストエンド国際ギターコンクール第一位を受 賞。静岡高校、京都産業大学のギター部外部講師を務めながら、地域のための小さなコンサートを催すなど、アウトリー チの仕事に力を入れています。マンドリニストの間宮匠、ポピュラー作曲家兼ボーカリストの大濱健悟らと継続的にコンサー トを行い、クラシックギター奏者の新しい可能性を幅広く探求しています。

Cobra Records
COBRA-0091(1CD)
即興演奏
シューベルト:4つの即興曲 D 899Op.90
フーガ ニ短調 D24c
フーガ ハ長調 D24a
4つの即興曲 D935Op.142
スーアン・チャイ(フォルテピアノ/ミヒャエル・ローゼンベルガー製、ウィーン、1820年頃)

録音:2023年3月28日-30日
オランダに拠点を置き、モダン・ピアノとフォルテピアノ両方の名手であり、ソリストとして、また室内楽奏者として活躍するスーアン・チャイ。このアルバムではフォルテピアノを操り、作曲当初は難解とされた「即興曲」をフォルテピアノで演奏しています。彼女は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタで佐藤俊介と共演、またラ・フォル・ジュルネにも出演し、日本でもなじみ深いアーティストです。ヨーロッパの批評家からその演奏は、「感受性が豊かでコミュニケーション力が高く、温もりのある感情に満ちています。」と絶賛されています。
シューベルトの「即興曲」は決して癖がない作品ではありませんが、曲間に2つの「フーガ」を収録したことが良いアクセントとなって聴き応えのあるアルバムに仕上がっています。

Hyperion
CDA-68308(1CD)
ニュー・ピアノ・ワークス〜アムラン:自作自演集
マルク=アンドレ・アムラン(b.1961):パガニーニの主題による変奏曲/チョコレートについてのわが感想/古風な組曲/舟歌/ベートーヴェンの主題によるディアベリ変奏曲/パヴァーヌ・ヴァリエ/シャコンヌ/「ローラ」による瞑想曲/「武装した人」によるトッカータ
マルク=アンドレ・アムラン(P)

録音:2023年1月13日&14日、ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン、イギリス)
現代最高のスーパー・ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、マルク=アンドレ・アムラン。Hyperionデビュー30周年記念盤は、超大作、「短調による12の練習曲」の全曲録音に続く自作自演集の第2弾!
Hyperion Recordsの専属アーティストとして、これまでに独奏、オーケストラ、室内楽と幅広いジャンルのアルバムを70点以上レコーディングしてきたアムラン。Hyperionでのデビュー30周年記念となる本アルバムでは、不協和音を見事に取り入れた独自の解釈と、ラフマニノフ、アルカンなどを思い起こさせる「パガニーニの主題による変奏曲」から、往年のヒット曲「ローラ」(映画「ローラ殺人事件」より)による音楽、2017年の第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールの委嘱による新作課題曲として作曲された「武装した人」によるトッカータ(ロム・アルメによるトッカータ)まで、今日、最も複雑な音楽的思考の持ち主の一人であるピアノの超人が、またひとつ人間の限界への扉を開きます。

Hunnia Records
HRCD-2309(1CD)
ドビュッシー:前奏曲集第2巻 ダーヴィド・バール(P)

録音(ライヴ):2023年6月17日、ハンニア・レコーズ・スタジオ(ハンガリー)
同Hunnia Recordsから先般リリースされた「大演奏会用独奏曲」(HRCD-2231)にも一部含まれていたドビュッシーの前奏曲集第2巻を全曲演奏しています。
ダーヴィド・バールはリスト・フェレンツ音楽大学の博士課程を修了し、同大学で教鞭をとりつつピアニストとして活動。2010年の仙台国際音楽コンクールでの聴衆賞受賞をはじめ多くのコンクールで入賞しています。これまで日本を含むおよそ30ヶ国で演奏経験を重ねており、ハンガリー国内においてもブダペスト祝祭Oやハンガリー国立フィルといった主要なオーケストラと定期的に共演しています。
Hunnia Records
HRCD-1912(1CD)
悲しみと慰めの歌〜リスト:後期ピアノ小品集
リスト:メフィスト・ワルツ第3番(1883)/即興曲(1877)/聖ドロテア(1877)/眠られぬ夜, 問いと答え(1883)/メフィスト・ワルツ第4番(1885)/諦め(1877)/チャールダーシュ(1884)/チャールダーシュ・オプスティネ(1884)/忘れられたロマンス(1880)/忘れられたワルツ(1883-84)/暗い雲(1881)/ため息(1879)/無調のバガテル(1885)/プレーナルボンヌ夫人の回転木馬(1875-81?)/哀れならずや, ハンガリーの旋法で(1872)/子守歌(1880)/凶星!(1886)/夢のなかに(1885)/心を高めよ(1877)
ラースロー・ボルベーイ(P)

録音:2017年4月3日-4日(ハンガリー)
フランツ・リスト後期のピアノ小品が映し出す私たちの内面や独自の静寂をHunnia Recordsの誇る高音質でリアルに収録。作品同士が相互作用を引き起こすように綿密に練られたプログラム構成にもこだわりを感じます。リストと同じハンガリー生まれのピアニスト、ラースロー・ボルベーイはリスト・バルトーク国際ピアノコンクールで第2位に入賞した経歴も持つ、若くして成熟したピアニストです。

Danacord
DACOCD-973(2CD)
ベートーヴェン:後期ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101
ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.1
エミール・グリューステン(P)

録音:2023年4月3日-5日&7月24日-26日、王立デンマーク音楽アカデミー メイン・コンサートホール(コペンハーゲン)
グリーグの『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』(DACOC-D- 964)をベネディクテ・ダムゴーと共演したエミール・グリューステンのベートーヴェンがリリースされます。ベートーヴェンのピアノ音楽は、グリューステンが8歳か9歳の時に「エリーゼのために」に初挑戦して以来、「とても親しい友人」として「日常生活の楽しい時間」を分かち合ってきたというレパートリーです。
後期のソナタを録音するこのプロジェクトは、COVID-19 のパンデミックによって「日常生活が中断され、ありあまるほどの自由時間を手に入れたこと」がきっかけで始まりました。楽しい時間という以上にベートーヴェンと真剣に向き合うこと。イ長調、ホ長調、変イ長調の3曲は、グリューステンがレパートリーとしていた作品。「ハンマークラヴィーア・ソナタ」と呼ばれる「巨大で、見たところ演奏不能な」変ロ長調と「32曲の中でもっとも霊的で神秘的な」ハ短調は、彼が初めて挑戦する作品です。5曲すべて、新たなアプローチで解釈と演奏を練り、独自の「ベートーヴェン」を探っていきます。アカデミーで音楽理論を教える同僚のトマス・ソーラクが協力して、2020年、「ベートーヴェン再構築」のプロジェクトが始まりました。録音セッションは、プロジェクトのスタートから2年あまり経った2023年に行われました。アカデミーの1930年代後期に作られたコンサートホールで復活祭週間の4月に Op.101とOp.106、夏季休暇の期間に Op.109 から Op.111までの3曲が録音されました。グリーグのアルバムと同じ、コペンハーゲン在住の若いサウンドエンジニア、フェデリーコ・マッティオリが制作と録音エンジニアリングを担当。グリューステンがライナーノーツを執筆しました。古典から現代までさまざまな様式を俯瞰しつつ有機的な一貫性を重視して構築されたベートーヴェンです。

RUBICON
RCD-1112(1CD)
イン・ブルー
アーロン・ジェイ・カーニス(b.1960):ビフォア・スリープ・アンド・ドリームズ
ジュリア・ペリー:プレリュード(1924-1979)
ガーシュウィン(198-1937):3つのプレリュード
アンドルー・アームストロング(b.1974):シー・フェル・フォー・ア・フライフィッシャー
ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム
ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978):スリー・ヴィジョンズ
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(作曲者編曲ソロ・ピアノ版
アンドルー・アームストロング(P)

録音:2022年8月、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会(ロンドン)
カナダの天才ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネスの長年のデュオ・パートナーとして、グラモフォン賞やジュノー賞にノミネートしたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集を含む多くのアルバムで共演してきたアメリカの名ピアニスト、アンドルー・アームストロングのソロ・アルバムが、イギリスのRubiconからリリース!
2024年に作曲&初演100周年となる『ラプソディ・イン・ブルー』のソロ・ピアノ版を中心に、ガーシュウィンの名曲、エーネスとの共演盤(ONYX-4189)でグラミー賞を受賞したアーロン・ジェイ・カーニスやアフリカ系アメリカ人作曲家のジュリア・ペリーとウィリアム・グラント・スティル、そしてアンドルー・アームストロング自身の作品も含めた現代アメリカのピアノ音楽の魅力的なリサイタル・プログラムです。

Musikmuseum
MMCD-13034(1CD)
サイコグラム〜シューマン:ピアノ作品集
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6
トッカータ ハ長調 Op.7
幻想小曲集 Op.12
アンネッテ・ザイラー(P)

録音:2017年8月28日ー31日
ソリストおよび伴奏者として国際的に活躍するピアニスト、アンネッテ・ザイラー。高い評価を得たメンデルスゾーンに続く録音は、シューマンのピアノ作品集。
本アルバムでは、チロル州立博物館が所蔵する、ウィーンの重要なピアノ製作者コンラート・グラーフによる保存状態の極めて良い壮麗な1835年頃製のフォルテピアノを使用。歴史的ピアノの色彩感溢れるサウンドが、これらの古典的なピアノ作品が持つ様々な側面を最大限に引き出しています。インスブルックのグランドピアノは、コンラート・グラーフが1838年にウィーンに客演したクララ・ヴィークに贈ったピアノの姉妹品です。
Musikmuseum
MMCD-13044(3CD)
未来音楽〜シューベルト:最後の3つのピアノ・ソナタ
ピアノ・ソナタ第18番ハ短調 D958
ピアノ・ソナタ第19番 イ長調 D959
ピアノ・ソナタ第20番変ロ長調 D960
トビアス・コッホ(フォルテピアノ)

録音:2019年5月6日-9日、インスブルック
キャリアの最初から歴史的な鍵盤楽器の表現力に魅了され、ハープシコード、クラヴィコード、タンジェント・ピアノ、フォルテピアノ、オルフィカ、ペダル・ピアノ、オルガン、ロマンティック・グランドピアノなど、様々なピリオド楽器を広範な音楽的研究と実践研究によって選択し、多くの名盤を生み出してきたドイツのピリオド鍵盤楽器奏者、トビアス・コッホ。
このアルバムでは、チロル州立博物館に所蔵されている貴重な歴史的楽器、コンラート・グラーフ(1835年頃ウィーン製/製造番号2003)を使用し、シューベルトが最後に作曲した3つのピアノ・ソナタ(第18番〜第20番)を演奏。非常に良いコンディションで保存されていたというグラーフのオリジナル・ピアノで、シューベルトが到達した「未来音楽(Zukunftsmusik)」を描きます。

Cobra Records
COBRA-0091(1CD)
即興演奏
シューベルト:4つの即興曲 D 899Op.90
フーガ ニ短調 D24c
フーガ ハ長調 D24a
4つの即興曲 D935Op.142
スーアン・チャイ(フォルテピアノ/ミヒャエル・ローゼンベルガー製、ウィーン、1820年頃)

録音:2023年3月28日-30日
オランダに拠点を置き、モダン・ピアノとフォルテピアノ両方の名手であり、ソリストとして、また室内楽奏者として活躍するスーアン・チャイ。このアルバムではフォルテピアノを操り、作曲当初は難解とされた「即興曲」をフォルテピアノで演奏しています。彼女は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタで佐藤俊介と共演、またラ・フォル・ジュルネにも出演し、日本でもなじみ深いアーティストです。ヨーロッパの批評家からその演奏は、「感受性が豊かでコミュニケーション力が高く、温もりのある感情に満ちています。」と絶賛されています。
シューベルトの「即興曲」は決して癖がない作品ではありませんが、曲間に2つの「フーガ」を収録したことが良いアクセントとなって聴き応えのあるアルバムに仕上がっています。

Hyperion
CDA-68308(1CD)
ニュー・ピアノ・ワークス〜アムラン:自作自演集
マルク=アンドレ・アムラン(b.1961):パガニーニの主題による変奏曲/チョコレートについてのわが感想/古風な組曲/舟歌/ベートーヴェンの主題によるディアベリ変奏曲/パヴァーヌ・ヴァリエ/シャコンヌ/「ローラ」による瞑想曲/「武装した人」によるトッカータ
マルク=アンドレ・アムラン(P)

録音:2023年1月13日&14日、ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン、イギリス)
現代最高のスーパー・ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、マルク=アンドレ・アムラン。Hyperionデビュー30周年記念盤は、超大作、「短調による12の練習曲」の全曲録音に続く自作自演集の第2弾!
Hyperion Recordsの専属アーティストとして、これまでに独奏、オーケストラ、室内楽と幅広いジャンルのアルバムを70点以上レコーディングしてきたアムラン。Hyperionでのデビュー30周年記念となる本アルバムでは、不協和音を見事に取り入れた独自の解釈と、ラフマニノフ、アルカンなどを思い起こさせる「パガニーニの主題による変奏曲」から、往年のヒット曲「ローラ」(映画「ローラ殺人事件」より)による音楽、2017年の第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールの委嘱による新作課題曲として作曲された「武装した人」によるトッカータ(ロム・アルメによるトッカータ)まで、今日、最も複雑な音楽的思考の持ち主の一人であるピアノの超人が、またひとつ人間の限界への扉を開きます。

Hunnia Records
HRCD-2309(1CD)
ドビュッシー:前奏曲集第2巻 ダーヴィド・バール(P)

録音(ライヴ):2023年6月17日、ハンニア・レコーズ・スタジオ(ハンガリー)
同Hunnia Recordsから先般リリースされた「大演奏会用独奏曲」(HRCD-2231)にも一部含まれていたドビュッシーの前奏曲集第2巻を全曲演奏しています。
ダーヴィド・バールはリスト・フェレンツ音楽大学の博士課程を修了し、同大学で教鞭をとりつつピアニストとして活動。2010年の仙台国際音楽コンクールでの聴衆賞受賞をはじめ多くのコンクールで入賞しています。これまで日本を含むおよそ30ヶ国で演奏経験を重ねており、ハンガリー国内においてもブダペスト祝祭Oやハンガリー国立フィルといった主要なオーケストラと定期的に共演しています。
Hunnia Records
HRCD-1912(1CD)
悲しみと慰めの歌〜リスト:後期ピアノ小品集
リスト:メフィスト・ワルツ第3番(1883)/即興曲(1877)/聖ドロテア(1877)/眠られぬ夜, 問いと答え(1883)/メフィスト・ワルツ第4番(1885)/諦め(1877)/チャールダーシュ(1884)/チャールダーシュ・オプスティネ(1884)/忘れられたロマンス(1880)/忘れられたワルツ(1883-84)/暗い雲(1881)/ため息(1879)/無調のバガテル(1885)/プレーナルボンヌ夫人の回転木馬(1875-81?)/哀れならずや, ハンガリーの旋法で(1872)/子守歌(1880)/凶星!(1886)/夢のなかに(1885)/心を高めよ(1877)
ラースロー・ボルベーイ(P)

録音:2017年4月3日-4日(ハンガリー)
フランツ・リスト後期のピアノ小品が映し出す私たちの内面や独自の静寂をHunnia Recordsの誇る高音質でリアルに収録。作品同士が相互作用を引き起こすように綿密に練られたプログラム構成にもこだわりを感じます。リストと同じハンガリー生まれのピアニスト、ラースロー・ボルベーイはリスト・バルトーク国際ピアノコンクールで第2位に入賞した経歴も持つ、若くして成熟したピアニストです。

Danacord
DACOCD-973(2CD)
ベートーヴェン:後期ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101
ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.1
エミール・グリューステン(P)

録音:2023年4月3日-5日&7月24日-26日、王立デンマーク音楽アカデミー メイン・コンサートホール(コペンハーゲン)
グリーグの『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』(DACOC-D- 964)をベネディクテ・ダムゴーと共演したエミール・グリューステンのベートーヴェンがリリースされます。ベートーヴェンのピアノ音楽は、グリューステンが8歳か9歳の時に「エリーゼのために」に初挑戦して以来、「とても親しい友人」として「日常生活の楽しい時間」を分かち合ってきたというレパートリーです。
後期のソナタを録音するこのプロジェクトは、COVID-19 のパンデミックによって「日常生活が中断され、ありあまるほどの自由時間を手に入れたこと」がきっかけで始まりました。楽しい時間という以上にベートーヴェンと真剣に向き合うこと。イ長調、ホ長調、変イ長調の3曲は、グリューステンがレパートリーとしていた作品。「ハンマークラヴィーア・ソナタ」と呼ばれる「巨大で、見たところ演奏不能な」変ロ長調と「32曲の中でもっとも霊的で神秘的な」ハ短調は、彼が初めて挑戦する作品です。5曲すべて、新たなアプローチで解釈と演奏を練り、独自の「ベートーヴェン」を探っていきます。アカデミーで音楽理論を教える同僚のトマス・ソーラクが協力して、2020年、「ベートーヴェン再構築」のプロジェクトが始まりました。録音セッションは、プロジェクトのスタートから2年あまり経った2023年に行われました。アカデミーの1930年代後期に作られたコンサートホールで復活祭週間の4月に Op.101とOp.106、夏季休暇の期間に Op.109 から Op.111までの3曲が録音されました。グリーグのアルバムと同じ、コペンハーゲン在住の若いサウンドエンジニア、フェデリーコ・マッティオリが制作と録音エンジニアリングを担当。グリューステンがライナーノーツを執筆しました。古典から現代までさまざまな様式を俯瞰しつつ有機的な一貫性を重視して構築されたベートーヴェンです。

RUBICON
RCD-1112(1CD)
イン・ブルー
アーロン・ジェイ・カーニス(b.1960):ビフォア・スリープ・アンド・ドリームズ
ジュリア・ペリー:プレリュード(1924-1979)
ガーシュウィン(198-1937):3つのプレリュード
アンドルー・アームストロング(b.1974):シー・フェル・フォー・ア・フライフィッシャー
ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム
ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978):スリー・ヴィジョンズ
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(作曲者編曲ソロ・ピアノ版
アンドルー・アームストロング(P)

録音:2022年8月、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会(ロンドン)
カナダの天才ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネスの長年のデュオ・パートナーとして、グラモフォン賞やジュノー賞にノミネートしたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集を含む多くのアルバムで共演してきたアメリカの名ピアニスト、アンドルー・アームストロングのソロ・アルバムが、イギリスのRubiconからリリース!
2024年に作曲&初演100周年となる『ラプソディ・イン・ブルー』のソロ・ピアノ版を中心に、ガーシュウィンの名曲、エーネスとの共演盤(ONYX-4189)でグラミー賞を受賞したアーロン・ジェイ・カーニスやアフリカ系アメリカ人作曲家のジュリア・ペリーとウィリアム・グラント・スティル、そしてアンドルー・アームストロング自身の作品も含めた現代アメリカのピアノ音楽の魅力的なリサイタル・プログラムです。

Musikmuseum
MMCD-13034(1CD)
サイコグラム〜シューマン:ピアノ作品集
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6
トッカータ ハ長調 Op.7
幻想小曲集 Op.12
アンネッテ・ザイラー(P)

録音:2017年8月28日ー31日
ソリストおよび伴奏者として国際的に活躍するピアニスト、アンネッテ・ザイラー。高い評価を得たメンデルスゾーンに続く録音は、シューマンのピアノ作品集。
本アルバムでは、チロル州立博物館が所蔵する、ウィーンの重要なピアノ製作者コンラート・グラーフによる保存状態の極めて良い壮麗な1835年頃製のフォルテピアノを使用。歴史的ピアノの色彩感溢れるサウンドが、これらの古典的なピアノ作品が持つ様々な側面を最大限に引き出しています。インスブルックのグランドピアノは、コンラート・グラーフが1838年にウィーンに客演したクララ・ヴィークに贈ったピアノの姉妹品です。
Musikmuseum
MMCD-13044(3CD)
未来音楽〜シューベルト:最後の3つのピアノ・ソナタ
ピアノ・ソナタ第18番ハ短調 D958
ピアノ・ソナタ第19番 イ長調 D959
ピアノ・ソナタ第20番変ロ長調 D960
トビアス・コッホ(フォルテピアノ)

録音:2019年5月6日-9日、インスブルック
キャリアの最初から歴史的な鍵盤楽器の表現力に魅了され、ハープシコード、クラヴィコード、タンジェント・ピアノ、フォルテピアノ、オルフィカ、ペダル・ピアノ、オルガン、ロマンティック・グランドピアノなど、様々なピリオド楽器を広範な音楽的研究と実践研究によって選択し、多くの名盤を生み出してきたドイツのピリオド鍵盤楽器奏者、トビアス・コッホ。
このアルバムでは、チロル州立博物館に所蔵されている貴重な歴史的楽器、コンラート・グラーフ(1835年頃ウィーン製/製造番号2003)を使用し、シューベルトが最後に作曲した3つのピアノ・ソナタ(第18番〜第20番)を演奏。非常に良いコンディションで保存されていたというグラーフのオリジナル・ピアノで、シューベルトが到達した「未来音楽(Zukunftsmusik)」を描きます。

SOMM
SOMMCD-0680(1CD)
NX-B07
自然との繋がり - 自然界からインスパイアされたピアノ曲集
シンディング:春のささやき Op. 32No.3
リスト:巡礼の年第1年 - ワレンシュタットの湖で
チャイコフスキー:四季 Op.37a- ひばりの歌
バルトーク:ミクロコスモス - 蠅の物語より
ドビュッシー(1861-1918):版画 - 雨の庭
リスト:巡礼の年第1年 - 泉のほとりで
 巡礼の年第1年 ? 夕立
バルトーク:戸外にて - 夜の音楽
ドビュッシー:ベルガマスク組曲 -月の光
サン=サーンス:白鳥(ゴドフスキー編)
グリーグ:抒情小曲集 Op.43- 蝶々
 抒情小曲集 Op.43- 小鳥
ラヴェル:鏡 - 悲しげな鳥たち
リスト:巡礼の年第3年 - エステ荘の噴水
ラヴェル:水の戯れ
ラフマニノフ:リラの花 Op.21 No.5
ひなぎく Op.38No.3
チャイコフスキー:四季 Op.37a - 秋の歌
ドビュッシー:子供の領分 - 雪は踊っている
 喜びの島
グリーグ:抒情小曲集 Op.43- 春に寄す
レオン・マッコーリー(P)

録音:2023年4月15-16日
自然界からインスピレーションを得た様々なピアノ独奏曲を集めた1枚。 アルバムでは、シンディングの「春のささやき」からグリーグの「春に寄す」まで、ロマン派、印象派の9人の作曲家による作品を聴くことができます。 レオン・マッコーリーは、1993年ウィーン国際ベートーヴェンピアノコンクールで優勝し、同年リーズ国際ピアノ・コンクールでも第2位を獲得。現在まで世界中 で演奏しており、多くの聴衆を魅了する英国出身のピアニストです。これまでに、シューマン、ハイドン、バーバー作品の録音などで評価されており、このアルバ ムでも表現力豊かな演奏を繰り広げています。

FUGA LIBERA
FUG-823(1CD)
時につれ
ラモー:ト調の組曲 〜新クラヴサン組曲集
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42
バッハ:フランス組曲 第3番ロ短調 BWV814
コンスタンチン・エメリャノフ(P/ベヒシュタイン・グランド・ピアノ D282)

録音:2023年6月29日-7月1日
 カザルス・フォーラム、クロンベルク、ドイツ
2019年のチャイコフスキー国際コンクールで第3位に入賞したコンスタンチン・エメリャノフによるFUGA LIBERA第2弾アルバム。有名な「未 開人」を含むラモーの組曲とバッハ「フランス組曲」というバロック時代の2つの組曲で、ラフマニノフによるバロック作品が元になった変奏曲を挟 むというプログラムとなっています。高い技術力に裏打ちされた端正なタッチと個性あふれる音楽性で、聴く者を引き込んでやまない魅力的な アルバムです。

ARCANA
A-558(1CD)
ベートーヴェン:ロンド ハ長調 Op.51-1(1796-97)
ピアノ・ソナタ 第7番ニ長調 Op.10-3(1797-98)
ピアノ・ソナタ 第8番ハ短調 Op.13「悲愴」(1798-99)
ピアノ・ソナタ 第12番変イ長調 Op.26(1800-01)
ジャンルカ・カシオーリ(フォルテピアノ)
※使用楽器:ウィーンのヴァルター&ゾーン1805年頃製作モデルに基づくディヴィショフ(チェコ)のポール・マクナルティ2009年製作の再現楽器(音域FF-c4)

録音:2022年5月25-31日パチェット・トリネーゼ(イタリア北西部ピエモンテ地方トリノ県)
1990年代半ば巨匠ポリーニに才能を見出され、DGやDECCAなどでの録音で注目されてきたジャンルカ・カシオーリ。現代作曲家として古 典的な曲種のピアノ音楽も作曲する一方、演奏家としての幅広い関心は古楽器にも及び、来日公演や近年の録音ではヴァイオリンの庄 司紗矢香とモーツァルトのソナタ群を、かの天才作曲家が晩年に弾いていた楽器に近いモデルのフォルテピアノで演奏し話題を呼んでいま す。そこで用いられたウィーンのヴァルター工房1805年モデルに基づくフォルテピアノを再現したのは、アレクセイ・リュビモフやロナルド・ブラウティ ハムら古楽器演奏に長じたプレイヤーたちからの信頼も厚い名工ポール・マクナルティ。今回は同じ楽器を用い、モーツァルトの少し後に同じ ウィーンで活躍したベートーヴェン初期の傑作群に迫ります。収録曲はどれも、作曲家が1803年にパリのエラール社製の楽器を知る前の作 品ばかり。適切な楽器の選択もさることながら、現代楽器での豊かな演奏経験に裏打ちされた音楽性は、古楽器の響きの特徴を活かして 作品本来の姿へと迫る上でもブレのない濃やかな音色表現で耳を惹きます。ライナーノートに寄せられたカシオーリへのインタビュー(伊語、 英語、仏語)でも明敏な洞察が随所に見られ、その誠実な解釈姿勢がよく伝わってきます。
ARCANA
A-557(2CD)
NX-D09
バッハ:6つのパルティータ BWV825-830 ジュリア・ヌーティ(Cemb)
※使用楽器:パリのアンリ・エムシュ1751年製作モデルに基づくブレーメンのクリスティアン・クールマン2016年製作の再現楽器

録音:2021年11月4-7日、ゼンデザール、ブレーメン
Deutsche Harmonia MundiとARCANAにそれぞれ録音したフランス音楽アルバムが高い評価を博す一方、イタリア・バロックの通奏低 音奏法についての著書もある古楽鍵盤奏者ジュリア・ヌーティ。ロンドン王立音楽大学(RCM)で研鑽を重ね、ヴィクトリア&アルバート美術 館の協力演奏家として意欲的な活動を続けた後は故郷イタリアの最前線をゆくイル・ポモ・ドーロやモード・アンティクオ、ナタリー・シュトゥッツ マンの古楽器楽団オルフェオ55などでも実績をあげてきた実力派です。バッハ作品への深い理解はキアラ・ザニシと共にARCANAで録音し たヴァイオリンと鍵盤のためのソナタ集(A426)でも示されましたが、今回はライプツィヒ市の音楽監督となったバッハが自身の鍵盤技法の集 大成を試み自費出版を始めた『鍵盤練習曲集』の最初の結実である6つのパルティータを全曲録音。瑞々しいタッチで力むことなく、しかし 音楽の特質を隅々まで捉えた精緻な解釈で紡ぎ出される演奏は実に新鮮でありながら豊かな含蓄も感じさせ、バッハの世界に深く分け入 る喜びを改めて強く喚起してくれます。使用楽器はバッハと同時代を生きたパリの名工エムシュによる1751年製作楽器に基づく精巧な再 現。エムシュの師はテレマンの友人でもあったハノーファーの鍵盤製作家アントン・ファーター(1715年に工房を開いたパリでの仏語名はアント ワーヌ・ヴァテール)で、モデルとなった楽器はパリで作られながらファーター流の伝統に従っており、二段鍵盤を使うドイツ音楽の演奏に選ばれ ることも多い銘器(Hitasuraレーベルのフレデリク・ハースもバッハ録音で愛用しています)。古楽器録音に通じたARCANAならではの、くっき りとした音像と残響のバランスが心地よい自然なエンジニアリングも嬉しいところです。

Dynamic
CDS-7990(1CD)
NX-B06
ステファノ・ゴリネッリ(1818-1891):2つのピアノ・ソナタ
ピアノ・ソナタ第2番「大ソナタ」 Op.53
ソナタ第1番Op.30
ロレダーナ・ブリガンディ(P)

録音:2023年5月17日
ステファノ・ゴリネッリは、ボローニャ出身のピアニスト・作曲家。ボネデット・ドネッリにピアノ、ニコラ・ヴァッカイに作曲を 師事したのち、1840年にはロッシーニの勧めで、ボローニャ音楽学校の教授になり1870年までその職にありまし た。ピアニストとしても広く活躍しましたが、今日、その名前はほとんど忘れられてしまいました。 このアルバムには彼が残した5曲のソナタの中から2曲を収録。初期の作品である第1番は古典的な作品。第1 楽章の冒頭からはシューマンの影響も感じられます。第2番のソナタはリストのライヴァルと目されたジギスムント・ タールベルクに捧げられたもので、技巧的、かつショパンを思わせる抒情的な場面も用意された規模の大きな作 品。溢れだすかのような豊かな旋律美が魅力です。ロレダーナ・ブリガンディはサンタ・チェチーリア音楽院で学んだ ピアニスト。これまでにモシェレスやクーラウなど、古典派作品の録音で高く評価されています。

ONDINE
ODE-1446(2CD)
NX-C07
バッハ:6つのヴァイオリン・ソナタ
ソナタ ロ短調 BWV1014
ソナタ イ長調 BWV1015
ソナタ ホ長調 BWV1016
ソナタ ハ短調 BWV1017
ソナタ ヘ短調 BWV1018
ソナタ ト長調 BWV1019
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(バロック・ヴァイオリン)
ジョヴァンニ・バッティスタ・ロジェリ1691年製作のオリジナル
トゥイヤ・ハッキラ(フォルテピアノ)
ゴットフリート・ジルバーマン1747年製作のモデルによる、アンドレア・レステッリ(ミラノ)によるレプリカ

録音:2022年4月
バッハの6つのヴァイオリン・ソナタは1720年前後に成立したとされていますが、晩年の1740年代にいたるまで改訂が続けられていたようです。1774年に彼 の息子 C.P.E.バッハが史上最初のバッハ伝の作者フォルケルに送った包みには、伝記的資料と共にこのソナタ集の楽譜の写しが含ま れており、同封された手紙には「作曲から50年を経た今でも立派に響くので、私は楽しんでいます」と書かれていました。このソナタはバッハによってチェンバロ が指定されていますが、ここでは晩年のバッハとC.P.E.バッハが共に愛したジルバーマンのフォルテピアノをモデルとした楽器を使い、彼らが弾き、聴いたかもし れない響きを奏でています。 ヴァイオリンのカーキネン=ピルクは、ルーシー・ファン・ダールらにバロック・ヴァイオリンを学び、ブリュッヘン、クイケン、モルテンセン、ヘレヴェッヘらのオーケストラで 演奏してきました。ハッキラはFinlandiaレーベルのモーツァルト:ピアノ・ソナタ集をはじめ、時代楽器による古典派からロマン派音楽の録音も多くあります。 ヴァイオリンの美しい音色と自然なフレージング、フォルテピアノによる柔らかく深い響き。この名曲に注目すべき録音が生まれました。

Grand Piano
GP-863(1CD)
NX-B03
ニッコロ・カスティリョーニ(1932-1996):ピアノ作品全集 第2集
5つのイノディ(1953)…世界初録音
3つの練習曲(1954)…世界初録音
動の開始(1958)
カンジャンティ(1959)
3つの小品(1978)
優しき慰め -6つの宗教的な歌(1984)
He(1990)
アルド・オルヴィエート(P…Fazioli F278)

録音:2023年2月10日、2023年2月12日、2023年2月13日、2023年2月14日
20世紀後半のイタリアで活躍した作曲家ニッコロ・カスティリョーニ のピアノ曲集、2022年に発売されてアメリカン・レコード・ガイド誌で高く評価された第1集 (GP862)の続編が登場。1950年代から1990年にかけて作曲された作品を収録しています。7つの音で構成された低音の旋律が持続する「オスティナー ト」や聖木曜日の祈りで歌われる讃美歌をモティーフとした「讃歌」でのスタイルから一転、その1年後に書かれた「3つの練習曲」ではデビュー当時の新古典 主義の作曲家というイメージを払拭する12音技法が用いられています。1958年の「運動の開始」はダルムシュタット夏季現代音楽講習会での名刺代わり となった作品。その翌年の「カンジャンティ(絶え間ない変化の意味)」も同じくダルムシュタットのための作品です。そのほぼ20年後の「3つの小品」では作風が すっかり変化し、晩年の特徴である「禁欲的ともいえるシンプルさ」が見て取れます。円熟期の代表作の一つ「優しき慰め」では時折抒情的な響きも現れ、 1990年の「He」では更に切り詰められた音楽となり、後半ではE音とF音の隣接したモティーフがなんと100回以上繰り返して演奏されて呪術的な効果を 生み出しています。演奏は第1集と 同じくイタリア出身のアルド・オルヴィエートが担当。
Grand Piano
GP-945(1CD)
NX-B06
アルメニアの秘密〜カラ=ムルザ、コルガノフ、メリキアン:ピアノ作品集
クリスタポル・カラ=ムルザ(1853-1902):アルメニア民謡によるポプリ Op. 11(1885)
カラ=ムルザ:葬送行進曲(1890)
ゲナーリ・コルガノフ(1858-1890):バヤティ(1887)
コルガノフ:アルメニア狂詩曲 Op.15(1892)
ロマノス・メリキアン(1883-1935):エメラルド(1918)(V. サルグシャンによるピアノ編2019)…世界初録音
メリキアン:ヒースローズ(1912)
(V.サルグシャンによるピアノ編2020)…世界初録音
 秋の歌(1912)(V.サルグシャンによるピアノ編 2020)…世界初録音
 赤髪の花嫁(1913)(V.サルグシャンによるピアノ編 2020)…世界初録音
ユリア・アイラペティアン(P…Fazioli F278、Steinway Model D)

録音:2023年5月19日、2023年8月8日
アルメニアの民謡、舞曲や歌に由来する知られざるピアノ作品を集めた1枚。 クリスタポル・カラ=ムルザは幼少期からピアノとフルート、音楽理論を学び、29歳の時に南コーカサス地方に移住。アルメニア人が多く居住する村を訪れ、 数百の民謡や舞曲を採集しました。その後合唱指揮者として活発なコンサート活動を行いながら、アルメニアに90を超える民謡合唱団を設立し、名歌手 たちを育て上げました。アルバムには彼の代表作の一つ「アルメニア民謡によるポプリ」と「葬送行進曲」を収録。ポプリの最後の曲には、現在アルメニア国歌 として知られる旋律が用いられています。 ゲナリー・コルガノフはジョージア出身のピアニスト、作曲家。ライプツィヒで学び、サンクトペテルブルク音楽院でピアニストとしての訓練を受けた後、1880年に ジョージアに戻り演奏活動を続けながら公務員の仕事をこなし、余暇に作曲を行いました。「バヤティ」と「アルメニア狂詩曲」はアルメニアの旋律を用いた、リ ムスキー=コルサコフの影響も感じさせる描写的な音楽です。 ロマノス・メリキアンはアルメニアの作曲家、音楽教師。イッポリトフ=イワノフに影響されティフィリスで民謡を収集。これらの旋律を用いた歌曲(ロマンス)で知 られています。『エメラルド』は彼の最も良く知られる歌曲集。このアルバムでは1930年生まれの作曲家ヴィリー・サルグシャンによるピアノ編曲版が演奏され ています。演奏は米国を拠点に活動するピアニスト、ユリア・アイラペティアン。忘れ去られていたアルメニアのピアノ音楽を発掘し、米国、中国、ヨーロッパ、ロ シア、アルメニアで初演を行っています。

Capriccio
C-5526(1CD)
NX-B10
フランツ・シュミット(1874-1939):ピアノ・アルバム
シャコンヌ 嬰ハ短調 - オルガンのために*
ロマンス - ピアノのために
トッカータ - 左手ピアノのために
4つの小さなコラール前奏曲 第3番- オルガンのために*
創作主題による変奏曲とフーガ- 歌劇「フレディグンディス」よりロイヤル・ファンファーレ*

*…カール・アンドレアス・コリーによるピアノ編
カール・アンドレアス・コリー(P)

録音:2022年8月8-9日、2023年2月13日
歌劇「ノートルダム」や交響曲が知られるオーストリアの作曲家フランツ・シュミット。フェルディナント・ヘルメスベル ガーからチェロを学んだ彼は優れたチェリストとしてウィーン宮廷歌劇場Oで演奏した他、ピアニストとしても 優れた才能を発揮していました。しかし、シュミットはピアノよりもオルガンに興味を抱き、この楽器のために何曲もの 作品を残しましたが、ピアノのための作品はそれほど残しておらず、両手ピアノのための曲は「ロマンス」1曲のみ。他 は「ピアノ五重奏曲」も含め、どれも戦争で右手を失ったパウル・ヴィトゲンシュタインのために書かれたものでした。 ピアニスト、カール・アンドレアス・コリーはこのアルバムでオリジナルの「ロマンス」と「トッカータ」を演奏、併せて彼のオ ルガン作品の中から3曲をピアノ用に編曲、オルガンの持続音をピアノのサスティンペダルで代替するなどのさまざま な工夫を凝らし、作曲家に敬意を払いつつ演奏しています。

アールアンフィニ
MECO-1081(1CD)
税込定価
伊藤順一/レスポワール
ラヴィーナ:初めての告白 作品40
フォーレ:舟歌 第3番変ト長調 作品42
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
 喜びの島/夢
ラヴェル:クープランの墓
 マ・メール・ロワ- 妖精の園
伊藤順一(P)

録音:2023年3月9日&10日
フランス三大音楽院であるパリ国立、リヨン国立、パリ・エコール・ノルマルで研鑽を積み、シャトゥ(フランス)、ステファノ・マリッツァ(イタリ ア)、マウロ・パオロ・モノポリ(イタリア)、ニース(フランス)の各国際コンクールでグランプリに輝いた伊藤順一、待望のセカンド・アルバム です。まさに生粋のフランス仕込みならではの洗練された解釈や透明感溢れる音色は、伊藤の真骨頂です。他の追随を許さない真のエス プリをご堪能下さい。

TOCCATA
TOCN-0031(1CD)
NX-B03
19世紀中期の家庭用のピアノ連弾作品集
モシェレス(1794-1870):美しき結合 序奏付きの華麗なロンド Op.76(1828頃)…世界初録音
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」- 前奏曲(編曲者不詳)…世界初録音
メンデルスゾーン:アンダンテと変奏 Op.83a(1841/44改訂)
ホースリー(1822-1876):3つの室内二重奏 Op.46(1857)…世界初録音
アレクサンドル・ピエール・フランソワ・ボエリー(1785-1858):弦楽四重奏曲第3番ト長調 Op. 31(1824-27頃)(作曲家による4手編)
オーギュスタ・オルメス(1847-1903):プロローグ:交響詩(1883)(作曲家による4手編)…世界初録音
ステファニー・マッカラム(第1ピアノ)
エリン・ヘルヤード(第2ピアノ)
ピアノ…1853年製エラール

録音:2023年7月13、14日
今作では19世紀中頃に書かれたさまざまな作曲家の作品を紹介。ボエリーやオルメスによるオーケストラ曲や室内楽作品の連弾編曲をはじめ、編曲者不 詳の「ローエングリン」の前奏曲、技巧を凝らしたモシェレスの「華麗なロンド」など、編成の大きな曲を家庭で演奏するため、また生徒たちの音楽性と技術の 向上のために役立ったであろう連弾作品をたっぷりとお楽しみいただけます。録音に用いられたのは前作と同じ、1853年製のエラール・ピアノ。繊細な音色 でありながら、多彩な表現力を持つ楽器です。

Gramola
GRAM-99305(1CD)
シューベルト:即興曲集 D899
3つの小品 D946
アレグレット ハ短調 D915
イングリット・マルゾナー(P)

録音:2023年1月1-3日
オーストリアのピアニスト、イングリット・マルゾナーが弾くシューベルト。 音楽一家に生まれ4歳からピアノを始めたマルゾナーは、11歳でグラーツ国立音楽大学に入学し、エドヴィン・ フィッシャーの弟子、ゼバスティアン・ベンダに師事した後、パウル・バドゥラ・スコダやアルフレッド・ブレンデル、タチア ナ・ニコラーエワらから教えを受け、数多くのコンクールで優勝しています。バッハからウィーン古典派の作品を得 意としており、これまでにGramolaレーベルから6枚のアルバムを発売し、どれも高く評価されています。 このアルバムは2008年に発売された「ソナタ第13番、第16番」(Gram98808)に続くもので、端正な表現の中 に深みを増した解釈が感じられる魅力ある演奏です。
Gramola
GRAM-99303(1CD)
シュペートレーゼ
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K. 475
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457
ブラームス:3つの間奏曲Op.117
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58
アンドレアス・エッゲルツベルガー(P)

録音:2022年12月12-16日
「シュペートレーゼ Spatlese」とは遅摘み、遅い収穫の意味。完熟ぶどうを用いたワインを指すことが多く、まろや かで熟成された味を楽しむことができるというもの。このタイトルに併せ、モーツァルト、ブラームス、ショパン。3人の作 曲家の円熟期の作品を集めた1枚です。円熟期とはいえ、モーツァルトの幻想曲とソナタは20代に書かれた曲で すが、すでに大家としての風格を備えており、ベートーヴェンを予感させる堂々たる曲です。ショパンのソナタは34歳 の時の作品。力強く壮大な規模を持つショパンの代表作のひとつです。ブラームスの3つの間奏曲は59歳の時の 作品。晩年のブラームスらしい滋味あふれる旋律を持ちながら、精妙な対位法が凝らされた名作です。オーストリ アとアメリカでカール・ハインツ・ケンマーリングとオレグ・マイセンベルクからピアノを学んだアンドレアス・エッゲルツベル ガーの共感溢れる演奏が魅力です。

H.M.F
HMM-902386(1CD)
ラルームのシューベルト
ピアノ・ソナタ第20番イ長調D959
楽興の時Op.94
アダム・ラルーム(P)

録音:2023年4月/ポワチエ劇場講堂
2020年3月の第1弾に続くアダム・ラルームのシューベルト第2弾の登場です。今回はピアノ・ソナタ第20番と楽興の時全曲。第1弾でピアノ・ソナタ第18 番と19番(HMM902660)、MIRAREレーベルで第21番を手掛けていて、後期4大ソナタすべてが揃いました。
ピアノ・ソナタ第20番は死の年の作で、演奏時間40分を超えます。シューベルトならではの優しいメロディと激しく攻撃的な面を兼ね備えますが、ラルームはシッ クで落ち着いた演奏を繰り広げます。有名なヘ短調作品を含む「楽興の時」も独特なオシャレ感に満ちていて魅力的。新しいシューベルト像を確立していく予感が 伺えます。
ラルームは1987年生まれ。パリ音楽院でミシェル・ベロフに師事し、2009年にクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝。ヴァイオリンの梁美沙らとトリオ・ レ・ゼスプリを結成して室内楽にも力を入れています。 (Ki)

H.M.F
HMM-902393(1CD)
ピアノによるワーグナー名場面集
「ラインの黄金」〜ヴァルハラへの神々の入場(ブラッサン&ルガンスキー編)
「ワルキューレ」〜魔の炎の音楽(ブラッサン編)
「神々の黄昏」〜ブリュンヒルデとジークフリートの愛の二重唱(ルガンスキー編)
「神々の黄昏」〜ジークフリートのラインの旅(ルガンスキー編)
「神々の黄昏」〜ジークフリートの葬送行進曲(ルガンスキー編)
「神々の黄昏」〜ブリュンヒルデの告別の歌(ルガンスキー編)
「パルジファル」〜場面転換の音楽と終幕(モットル、ルガンスキー、コチシュ編)
「トリスタンとイゾルデ」〜イゾルデの愛の死(リスト編)
ニコライ・ルガンスキー(P)

録音:2023年9月慈愛同信会(パドヴァ)
技術、音楽性ともに現在最高のピアニストのひとりニコライ・ルガンスキー。レコーディングに積極的でディスコグラフィも充実していますが、最新盤は驚きのワー グナー。とはいってもワーグナーのオリジナル・ピアノ曲ではなく、楽劇の名ナンバーをピアノで披露。
ワーグナー作品のピアノ編曲自体は各種存在しますが、複雑なスコアを10本の指に収めることや、ゆったりと流れる時間感覚など原曲の持ち味を保つのは難 しく、ルガンスキーは既存の編曲を拡大したり、自らの版を手掛けての挑戦。聴きものは彼編曲による「神々の黄昏」からの4つの場面。20年以上前から構 想しながら、レコーディングの数日前にようやく完成したというもの。単なるヴィルトゥオーゾ効果ではなく、善悪や富と愛についての哲学的深みを湛えた壮大な もので非常に感動的。ルガンスキー円熟の神業を見せてくれます。
ルガンスキーは大のワグネリアン、ことに「ローエングリン」以降の作には目がなく、アルバム実現が夢だったと語っています。実際ワーグナーの話をしだす と止まらず、CDブックレットでも熱いワーグナー愛を論じています。
ルガンスキーが「ワーグナーのピアノ編曲の真の傑作」と賞するリストの「イゾルデの愛の死」が最後に披露されますが、オペラ原作を深く理解しているだけ あり、数多い同曲録音中でも別格の説得力と凄みに圧倒されます。 (Ki)

Passacaille
PAS-1144(1CD)
ハイドン:後期ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第52番(第62番) 変ホ長調 Hob.XVI:52
ピアノ・ソナタ第50番(第60番) ハ長調 Hob.XVI:50
ピアノ・ソナタ第49番(第59番) 変ホ長調 Hob.XVI:49
変奏曲 へ短調 『小ディヴェルティメント』 Hob.XVII:6
幻想曲 ハ長調 Hob.XVII:4
ピアノ・ソナタ第44番(第32番) ト短調 Hob.XVI:44
マイケル・キーナー(フォル テピアノ)
1790年Johann Walter製に基づく、1991年Christopher Clarke製

録音:2017年5月2-5日/スイス
ハイドン後期のピアノ・ソナタは、チェンバロよりもピアノが一般的になっていく時代にあって、さらに18世紀末イギリスのフォルテピアノや名手テレーゼ・ジャ ンセン・バルトロッツィ(ハイドンがソナタ第50〜52番を献呈)との出会いにも感化され、より「ピアニスティック」な内容になっていきます。最後のピアノ・ソナ タである第52番はまっすぐベートーヴェンにつながる系譜の作品で、華麗な技巧も深遠な歌もつめこんだ大曲。半音階を駆使したロマンティックな転調も特徴的 です。フォルテピアノの演奏で聴くと、楽器の潜在能力をめいっぱいに使って書いているのがわかります。
マイケル・キーナーは1950年スイス生まれで、アムステルダムでレオンハルトに師事したベテラン・チェンバロ奏者。ソリストとして活躍する他、イル・ジャルディー ノ・アルモニコやイル・ガルデリーノなどとも共演しています。 (Ki)

H.M.F
HMM-902626(1CD)
グラナドス:ゴイェスカス(全6曲) ハビエル・ペリアネス(P)

録音:2023年5月サーラ・モーツァルト(サラゴサ。スペイン)
ファリャやモンポウなどスペイン系ピアノ音楽紹介に力を入れるペリアネスがグラナドスの「ゴイェスカス」に挑戦。
全6曲から成る組曲「ゴイェスカス」は1911年の作。アルベニスの「イベリア」とならびスペイン・ピアノ音楽の最高峰とされ、描写的かつ煽情的な音楽 を独特な民俗的イディオムと最高度の難技巧で表現されます。グラナドスは18世紀末の純スペイン的な時代と文化に愛着を持っていたとされます。「ゴイェスカ ス」はまさにその時代に生きたゴヤの絵画の世界、ラテン系ならではの情熱的な愛と、その甘美さのうちに漂う死の匂いを絶妙に描いています。
スペイン人ペリアネスはゴヤの世界を熟知し雰囲気の表現も自然ながら、ことさら悩ましさを強調することなくピュアで高貴な世界を描いています。後で作られ た「わら人形」もしっかり収録、生命力抜群でカラっとした快演を繰り広げます。 (Ki)

ARTHAUS
10-9461DVD(DVD)
アンドレア・バッケッティ ・イン・コンサート
バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914
 コラール:愛する御神にすべてを委ねる者は BWV691
 前奏曲ハ長調 BWV846a(平均律クラヴィーア曲集第1巻 から)
 メヌエット(アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳 第2巻)
 フランス組曲 第5番ト長調 BWV816
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397,ロンド ニ長調 K.485
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2
リスト:コンソレーション 第4番変ニ長調
L.J.ディーマー:ノクターン変ニ長調Op.15
シューマン:子供のためのアルバム Op.68-35「ミニヨン」
ドビュッシー:前奏曲第1集「夕べの大気に漂う音と香り」
マリピエロ:シエスタ(昼寝)
ショパン:ノクターン 変ロ短調Op.9-1
 エチュード 第2番ヘ短調Op.25-2
ロッシーニ:純血種のタランテラ
ハッセ:ソナタ ト長調
ヴィラ=ロボス:オ・ポリシネロ(道化人形)
ショパン:エチュード 第5番変ト長調Op.10-5「黒鍵」
アンドレア・バッケッティ (P)

収録:2015年、ジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ劇場 (ライヴ)

画面:16:9NTSC
音声:PCMステレオ、107分
イタリア、ジェノヴァを代表するピアニスト、アンドレア・バッケッティが、2015年に地元ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場で行ったコンサートのライヴ映像 です。得意のバッハを中心に、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、シューマン、リスト、ドビュッシーの名曲、そしてヴィラ=ロボス、ロッシーニの秘曲や、マリピ エロ、ハッセなどのあまり知られていない小品を散りばめた多彩なプログラムが展開されています。
アンドレア・バッケッティは、1977年、イタリア・ジェノバ生まれ。11歳という若さでクラウディオ・シモーネ指揮のイ・ソリスティ・ヴェネティと共演を果たし、 早くからピアニストとして頭角を現していました。録音はイタリア・ソニーを中心に数多く行っており、2014年ソニー・クラシカルよりバッハの「鍵盤作品全 曲録音チクルス」、「フランス組曲(全曲)」が、2016年5月にはその第3弾となるバッハの「ピアノ協奏曲全集」をリリース。また、バッハのインヴェンショ ンとシンフォニアのCD(DYNAMIC社)では、2011年4月のBBCミュージック・マガジンで“Discs of the Month(月間最優秀賞)”に選出。2021年に 録音したバッハ「平均律クラヴィーア曲集第2巻」(10-9452CD)は、高い評価をうけています。

SONARE
SONARE-1065(1CD)
税込定価
地球の旅、音楽の旅
エルガー:愛の挨拶
バッハ:G線上のアリア
ヴィヴァルディ:『四季』より「春」第1楽章、「夏」第1楽章、「秋」第3楽章、「冬」第2楽章
ピアソラ:リベルタンゴ
作者不詳:さくらさくら
リスト:愛の夢第3番
パッヘルベル:カノン
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ポンセ:エストレリータ
J・シュトラウス:美しく青きドナウ
ドヴォルザーク:家路
※全作品の編曲:林きらら
市山ゆう(Fl)、大塚野乃子(Vn)
フルートとヴァイオリン、メロディ楽器同志のデュオという珍しい組み合わせで、音楽で世界の国々をめぐります。イギリス、ドイツ、イタリア, アルゼンチン、日本、 ハンガリー、フランス、メキシコ、オーストリア、そしてチェコと、全部で10か国の音楽が登場します。
フルートもヴァイオリンも、オーケストラやアンサンブルでは高音部でメロディを担当することの多い楽器です。このアルバムでの二つの楽器のハーモニーは、ま るで二人の妖精が世界をめぐりながら楽しげにおしゃべりしているさまを聴くようです。 (Ki)

カメラータ
CMCD-28390(1CD)
税込定価
2023年12月25日発売
ショパン、哀しみのジャル
ノクターン ハ短調 作品48-1
マズルカ イ短調 作品68-2
マズルカ ヘ長調 作品68-3
マズルカ 嬰へ短調 作品6-1
マズルカ イ短調 作品17-4
ポロネーズ 嬰ヘ短調 作品44
ポロネーズ 変イ長調 作品53「英雄」
ポロネーズ 変イ長調 作品61「幻想」
ノクターン 嬰ハ短調 遺作
遠藤郁子(P)

録音:2015年10月/東京(ライヴ録音)
 ワルシャワ・フィルの指揮者コルトに「日本人唯一のショピニスト」と 絶賛され、ルービンシュタイン、ペルルミュテルなど数々の巨匠から称賛 を集めたピアニスト遠藤郁子。  当アルバムでは2015年に東京オペラシティのリサイタルホールで、遠 藤郁子のデビュー50周年とポーランド共和国聖十字功労勲章の受勲を記 念して行われたリサイタルより、ショパン9作品の演奏を収録。  名ピアニストによる入魂の演奏を聴ける貴重な音源です。(カメラータ)

BRINRINRI
KYBR-2304(1CD)
税込定価
アルハンブラの想い出〜特選小品集 【山下和仁アーカイブ】
(1) アルハンブラの想い出(タレガ)
(2) ドビュッシー讃歌 (デ・ファリャ)
(3) 雨だれ(リンゼイ)
(4) くまんばち (プジョール)
(5) ノルテーニャ(クレスポ)
(6) ワルツアンダンティーノ (カーノ)
(7) ブルガレーサ(モレノ=トロバ)
(8) ミュゼット(バッハ / 山下和仁編)
(9) 子守むすめ(カステルヌオーヴォ=テデスコ)
(10)2つのメヌエット(ラモー/ 山下和仁編)
(11)月光(ソル)
(12) 愛のロマンス ~ 「禁じられた遊び」より (スペイン民謡)
(13) 精霊の踊り(グルック / 山下和仁編)
(14) 鳥の歌(カタロニア民謡 / 山下和仁編)
(15) コンポステラの歌(作者不詳 / 山下和仁編)
(16) 舟歌(コスト)
山下和仁(G)

録音:2002年ほか
還暦を迎えた山下和仁のアーカイブシリーズ第4弾。夜のしじま、木漏れ日の中、心に浮 かぶままギターを爪弾くマエストロ。山下和仁のギターといえば、ギター本来のレパートリー のほか「展覧会の絵」「新世界より」など大曲の自編やバッハ編曲で知られているが、同時に 長く人々の心に残り語り草となっているのが圧倒的な演奏によるギター小品群です。本ア ルバムには「愛のロマンス」「アルハンブラの想い出」「雨だれ」「舟歌」などギターのための 名曲のほか、CD初公開となる自編による「精霊の踊り」「ミュゼット」など、全16曲の小品の 数々が収録されています。 ※本CDにはライブ録音に伴う会場ノイズ等がありますが御了承ください

Stradivarius
STR-37243(1CD)
ジャン・フランチェスコ・マリピエロ:ピアノ作品全集 Vol.3
前奏曲(1901-02)/サラバンダ(1901-02)/6 つの小品(1905)/ アーゾロの詩(3曲)(1916)/午睡(1920)/ドビュッシーに(1920)/ 乗馬(3曲)(1921)/木を喰う虫(4曲)(1922)/リチェルカール・トッカンド(1959)
アルド・オルヴィエート(P)

録音:2021年6月7-10日 イタリア ヴェネト州 ヴェネツィア
第1集(STR-37133)、第2集(STR-37164)に続く、アルド・オリヴィエーロによるジャン・フラン チェスコ・マリピエロのピアノ作品集の第3集。マリピエロ没後50周年を記念する CDでもある。今回は20歳頃の作品から、1959年の作品まで、マリピエロのモダニズムの面が 強く出た作品が集められています。マリピエロは日本ではイタリアのバロック音楽を現代に蘇ら せた立役者として良く知られているだろうが、ここに収録された曲を聞くと印象がガラリと変わ るでしょう。アルド・オルヴィエートはヴェネツィア音楽院出身のベテランのピアニスト。マリピエ ロへの深い共感に満ちた見事な演奏を聞かせてくれます。
Stradivarius
STR-37211(1CD)
バッハ:ギター演奏による無伴奏チェロ組
曲集

(1)組曲第2番ニ短調 BWV1008
(2)組曲第4番変ホ長調 BWV1010
(3)組曲第1番ト長調 BWV1007
(1)アレッシア・マッティアッツィ(G)
(2)ロベルト・ザドラ(G)
(3)マルコ・エンマヌエーレ(G)

録音:2020年1月 イタリア トレンティーノ・アルト・アディジェ州 ボツツァーノ、
バッハの無伴奏チェロ組曲集から3曲をそれぞれ若いギター奏者が演奏したCD。3人はいずれ もボルツァーノ音楽院の出身者。アレッシア・マッティアッツィは1995年の生まれ。北イタリアを中心 に活動しています。ロベルト・ザドラは1998年、地元ボルツァーノの生まれ。ミュンヘンに留学してい たのでドイツ語圏でも活動しています。マルコ・エンマヌエーレは1996年、トレヴィーゾの生まれ。室 内楽での活動も目立つ。演奏は、しっとりと美しいマッティアッツィ、明るく伸びやかなザドラ、穏や かに深みのあるエンマヌエーレと三者三様、いずれも楽しめる。
Stradivarius
STR-37241(1CD)
リスボン=ミラノ」〜無伴奏アルトサクソフォン作品集
パリジーニ(b.1984):そして海のように叫ぶ叫ぶ叫ぶ(2023)
フランチェスコーニ(b.1956):跡(1988)
ボチマン(b.1950):エッセイ8(2001)
オリヴェイラ(b.1959):統合的な4(1987)
フランチェスコーニ(b.1956):夜想曲(1985-87)
シャリーノ(b.1947):ベルクソンの時計(1999)
マヌエル・テレス(アルトサクソフォン)

録音:2023年4月6、7日 ポルトガル シントラ
「リスボン=ミラノ」と題された20世紀後半以降の無伴奏アルトサクソフォンの作品集。サルヴァ トーレ・シャリーノ(1947-)の他、ヴィンチェンツォ・パリージ(1984-)、ルカ・フランチェスコーニ (1956-)、ジュアン・ペドロ・オリヴェイラ(1959-)、クリストファー・ボチマン(1950-)の作品が並ぶ。 マヌエル・テレスは2002年生まれのポルトガルのサクソフォン奏者。リスボンで学んだ後、ミラノの ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院に進み、それがこの CD の題名に繋がっています。既に若き天才クラ シカル・サクソフォン奏者として広く活躍しています。
Stradivarius
STR-37279(1CD)
「アリオ・モード」〜バッハ:チェンバロ作品集
デュエット第3番ト長調 BWV804
平均律クラヴィーア曲集第2巻〜前奏曲とフーガ第7 番変ホ長調 BWV876
カプリッチョ 変ロ長調 「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV992
平均律クラヴィーア曲集第1巻〜前奏曲とフーガ第4 番嬰ハ短調 BWV849,前奏曲とフーガ第8番 変ホ短調 BWV853
デュエット第4番イ短調 BWV805
平均律クラヴィーア曲集第2巻〜前奏曲とフーガ第20 番イ短調 BWV889
デュエット第1番ホ短調 BWV802
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
デュエット第2番ヘ長調 BWV803
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971
アマヤ・フェルナンデス・ポスエロ(Cemb)

録音:2022年10月3―5日 イタリア ロンバルディア州 ミラノ
スペイン出身でイタリアで活動するチェンバロ奏者、アマヤ・フェルナンデス・ポズエロの stradivarius への2枚目のCD は、全バッハ作品集(1枚目の「D.スカルラッティと同時代の作曲家 (STR37197)」はレコード芸術特選盤)。4 つのデュエットに平均律クラヴィーア曲集から 4曲などを混ぜ込み、最後をイタリア協奏曲で〆る という意欲的なプログラム。解説(英伊西語)も本人が書いています。演奏は明るく柔らかさのある南欧 のバッハでありつつ、潤いと陰りのある情感にも長けていて、心に染み入る。1988 年、ミラノのフェル ディナンド・グランツィエーラ製作のフランドルスタイルのチェンバロも実に良い音を出しています。 簡易紙ケース収納。

MDG
MDG-61323002(1CD)
フランス6人組のピアノ作品集
サティ:風変わりな美女
オーリック:3つの間奏曲
ミヨー:3つのラグ・カプリス、マズルカ
オネゲル:サラバンド、7つの小品
プーランク:3つの小品 パストラール、ワルツ
タイユフェール:パストラール、ドビュッシーへのオマージュ、あまり速くなく
ルイ・デュレ(1888-1979):無言歌、3つの前奏曲、フランシス・プーランク
サティ:エンパイア劇場のプリマドンナ
シュテッフェン・シュライエルマッヒャー(P)
使用楽器:1901年製のスタインウェイ「Manfred Burki」

録音:2022年5月27-28日、マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス
20世紀前半のフランスで活躍した作曲家たちの集団「フランス6人組」。バレエ・リュスのために1916年にサティが作曲した「パラード」の前衛性に共感した 若き作曲家たちがサティを中心に『新青年』を結成。その中から詩人ジャン・コクトーが選んだ6人の作曲家(オーリック、デュレ、オネゲル、ミヨー、プーランク、 タイユフェール)は、ドビュッシーの後継者として新たな音楽性を探求し、第一次世界大戦後のフランスにおいて音楽界を牽引する役割を担いました。しかし6人は 必ずしも音楽的に同質のグループとはいえませんでした。唯一の共通項といえば、反ワーグナー(オネゲルはのぞく)と印象派への反発という点であり、それはタイ ユフェールの『ドビュッシーへのオマージュ』というタイトルがすべてを物語っているといえるでしょう。 本盤では、サティのピアノ曲全集の録音にも取り組んでいる名手シュテッフェン・シュライエルマッヒャーが、絶妙のプログラミングで、6人組とその周辺の音楽を 描き出しています。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0075(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻
[CD1]第1番ハ長調 BWV846〜第12番ヘ短調 BWV857
[CD2]第13番嬰ヘ長調 BWV858〜第24番ロ短調 BWV869
アレクサンドラ・ソストマン(P)

録音:2023年1・3月/ハンブルク、フリードリヒ=エーベルト=ハレ
グランドピアノのソノリティを活かしたバッハ演奏。アレクサンドラ・ソストマンはバッハと他の作曲家を混ぜたプログラムを発表するなどし、グランドピアノの系 譜でバッハにとりくむ演奏家であり、『平均律』への挑戦は彼女の意気込みが強く感じられます。 (Ki)
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0074(1CD)
ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(1732-1795):鍵盤作品集
ソナタ第2番イ長調 BR A14
[イェルマイネ・シュプロッセ作:幻想曲 ヘ長調 『J.C.F.バッハの諸感覚』(2022)]
フーガ ヘ長調 BR A inc.5
ソナタ第3番ヘ長調 BR A18
ソナタ第1番ハ長調 BR A3
ソナチネ イ短調 BR A12/1
ソルフェッジョ ニ長調BR A108
ソナタ第1番ニ長調BR A13
ポロネーズ ト長調 BR A109
アングロワーズ ト長調 BR A67
「ああ、ママに言うわ」によるアレグレットと18の変奏 ト長調 BR A45(きらきら星変奏曲)
イェル マイネ・シュプロッセ(フォルテピアノ)
Fortepiano by J. Haselmann (ca.1805), Romeo Ciuffa Collection
Pitch:430hz, unequal temperament

録音:2022年7月/イタリア、ラツィオ、モンテコンパトリ、パラッツォ・アンニバルデスキ
バッハの息子の中で、あまり聴かれないヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(1732-1795)。音楽の大都市から遠いビュッケブルクのカペルマイス ターを務めていたこともあまり表に出てこない要因と思われます。しかし鍵盤作品のレベルは高く、そのヴィルトゥオーゾぶりは当時有名だったといいます。彼の作 品に魅せられたピアニスト、イェルマイネ・シュプロッセによる厳選された鍵盤作品集。最後の「きらきら星変奏曲」がおもしろい! (Ki)
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0082(1CD)
グリーグ:叙情小曲集
アリエッタ Op.12-1/ 子守唄 Op.38-1/ 小人の行進 Op.54-3/ 過ぎ去った日々 Op.57-1/ 小川 Op.62-4 / 孤独なさすらい人 Op.43-2/ 春に寄す Op.43-6 / ハリング Op.47-4/ あなたのそばに Op.68-3 / 蝶々 Op.43-1/ メロディ Op.47-3/ ガーデ Op.57-2/ アルバムの一葉 Op.47-2/ バラード調で Op.65-5/ 夏の夕べ Op.71-2/ 小鳥 Op.43-4 / 農民の歌 Op.65-2/ 夜想曲 Op.54-4/ ゆりかごの歌 Op.68-5/ 小妖精 Op.71-3/ 森の静けさ Op.71-4
ダニエル・ゴルトレル(P)

録音:2021年10月31日-11月2日、2022年6月20-22日/エルサレム音楽センター
グリーグによる詩的な日記のような『叙情小曲集』。これは1867年から1901年にかけて書かれた66の小品を、10冊の楽譜として出版したもの。イスラエ ル系アメリカ人ピアニスト、ダニエル・ゴルトレルが個人的に好きな21曲を選んで演奏したアルバムです。 (Ki)

APARTE
AP-313(1CD)
バッハ:フーガの技法 クリストフ・ルセ(Cemb/1750年以前ドイツ製、作者不明)
コルネール・ベルノレ(第2Cemb)

録音:2020年11月29日-12月2日、パリ
巨匠ルセが「フーガの技法」を録音しました!近年オペラの指揮から鍵盤奏者まで、その活動の広さとその高さがますます円熟を迎え、際立っているルセ。こ こでは大仰に構えることなく、一音一音に命を吹き込んでおり、すべての音が自然な息遣いのもとに豊かに響いております。バッハとこの作品が要求するあらゆ る技巧と奥義を手に入れたものだけが成しえる表現。「フーガの技法」の核心に迫る演奏です。 2台チェンバロの作品でルセと共に奏でているのはコルネール・ベルノレ(1989年生まれ)。13歳で自作品を指揮して指揮者デビュー。2015-18年はアニマ・ エテルナでインマゼールのアシスタントを務めました。2014年以来、ルセ率いるレ・タラン・リリクでルセのアシスタントおよびチェンバロ奏者を務めています。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187128(1CD)
『ダイアリーズ・シューマン』
子供の情景 Op.15
アラベスク Op.18
ダーヴィト同盟舞曲集
ティファニー・プーン(P)

録音:2022年8月18〜20日/ライツターデル、ノイマルクト(ドイツ)
Instagramフォロワー数10万人超え!今注目の新時代のピアニスト、ティファニー・プーンがPENTATONEレーベルからオール・シューマン・プログラムで 本格的世界デビューを果たします!
1996年香港生まれのティファニー・プーン。幼少時より類い稀な才能を発揮し、8歳でジュリアード音楽院のプレカレッジに入学。その後10歳でソロデビュー を果たした天才肌。これまでに名門コロンビア大学、ジュリアード音楽院で学び、エマニュエル・アックス、ジョゼフ・カリクシュタインなど名ピアニストに師事してい ます。2014年、アメリカのナショナルヤングアーツに選出。以後、オランダ、ドイツ、オーストリア、アメリカ、カナダ、シンガポール、香港など、世界各地のコンサー トツアーで大成功を収めております。現在ソロ活動を中心に室内楽にも積極的に取り組んでおり、その演奏活動をYouTubeやInstagramに投稿。同年代からも 絶大な人気を博します。
「子供の情景」、「アラベスク」、「ダーヴィト同盟舞曲集」というシューマンを代表するピアノ独奏作品。シューマンが数多くの作品を書き始めた20代後半の意 欲に満ちたピアノ作品であり、各曲全く個性の異なる名曲です。全18曲からなるダーヴィト同盟舞曲集。ダーヴィト同盟とは、ロマン派の闘士を自任するシューマ ンがペリシテ人と戦ったダヴィデの物語に託し、当時の俗物主義に対抗する自分を表現した架空の同盟のことを意味し、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ の孫、ワルター・フォン・ゲーテに献呈されています。
ブックレットにはプーンが日記(ダイアリーズ)のように仕立て、自身のポエムと共に各作品について掲載。シューマンが作曲した時期と同じ現在20代後半のプー ンが奏でる演奏は等身大。録音場所はゲルハルト・オピッツなど世界的演奏家の名録音が誕生したノイマルクトのライツターデルです。プーンの今後の活躍、成長 にも期待せずにはいられない注目アルバムの登場です! (Ki)


SWR music
SWR-19101CD(1CD)
NX-B06
ロベルト・ノイマン/デヴュー
C.P.E.バッハ:幻想曲 嬰ヘ短調 Wq.67, H. 300
ショパン:練習曲集 Op.25*
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲#
スクリャービン:3つの小品 Op.2〜 第1番練習曲 嬰ハ短調#
ロベルト・ノイマン(P)
南西ドイツRSO
カレム・ハサン(指)

録音:2020年4月1日、2019年5月13-14日*、2020年1月29日#
2001年生まれの若きピアニスト、ロベルト・ノイマンのデビュー・アルバム。4歳からシュトゥットガルト音楽学校で モニカ・ジュルジュマンに師事、8歳のときにはシュトゥットガルトRSOでオーケストラ・デビューを果たし、 数多くのドイツ国内外の青少年コンクールで優勝するとともに、2017年インターナショナル・クラシック・ミュージッ ク・ディスカバリー・アワードを受賞。各誌で「並外れた才能」「最も有望なピアノの才能の一人」と評されていま す。 このアルバムでは古典派から後期ロマン派までの4人の作曲家の作品を演奏。圧巻は南西ドイツ放送交響楽 団をバックに従えたラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。技巧と音楽性を兼ね備えた確かな才能 を確信できる1枚です。
SWR music
SWR-19137CD(1CD)
NX-B06
ロベルト・ノイマン/シューマン、ムソルグスキーを弾く
シューマン:クライスレリアーナ
ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』
ロベルト・ノイマン(P)

録音:2023年3月1-3日
鮮烈なデビュー・アルバムの録音から、ほぼ3年を経て作られたロベルト・ノイマンの2枚目のアルバム。 選ばれたのはシューマンの「クライスレリアーナ」とムソルグスキーの「展覧会の絵」という、高い表現力を要する曲 目で、ここでのノイマンはテクニックの誇示よりも曲の性格的描写に主眼を置き、ドラマティックな起伏に富んだ 聴きごたえのある演奏を披露しています。

ALPHA
ALPHA-1028(1CD)
父祖たちの影〜プロコフィエフ、ラヴェル、サイダミノヴァ
プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』からの10の小品 Op.75
ディロロム・サイダミノヴァ(1943-):古代ブハラの壁
ラヴェル:夜のガスパール
ベフゾド・アブドゥライモフ(P)

録音:2023年6月、テルデックス・スタジオ、ベルリン
2009年のロンドン国際ピアノ・コンクールで優勝して以降、着実に演奏経験を重ねてきたウズベキスタン出身の新世代ピアニスト、ベフゾド・ アブドゥライモフ。ムソルグスキー『展覧会の絵』とドビュッシー『子供の領分』にショパンの24の前奏曲を組み合わせた2021年のALPHAデ ビュー盤に続く待望の第2弾は、2023年6月に東京で行われたリサイタルで披露された演目。個性的な小品が続くプロコフィエフ『ロメオと ジュリエット』と神秘的な三つの章からなるラヴェル『夜のガスパール』という対照的な2作の間に、同じウズベキスタン出身でソ連時代から活躍 する作曲家ディロロム・サイダミノヴァの作品を挟んだ意欲的なプログラムです。抜群のコントロールで各作品の機微を鮮やかに浮き彫りにし ながら、全体としてスケール豊かな音楽を紡いでゆく解釈は聴きどころ満載。サイダミノヴァの作品は故郷の古都ブハラを古代まで遡りながら 描出する組曲で、アブドゥライモフは楽章ごとに異なる音響構成を鮮やかに描き分け、スリリングな展開から詩情豊かな余韻まで多彩な味わ いを堪能させてくれます。静謐さと蠱惑な絢爛さの間を自在に行き来する『夜のガスパール』での幅広い表現と的確な構成力も隅々まで耳 を惹く解釈。彼の新たな一面に驚かされる1枚です。

Musiqua
MUSHOS-0121(2CD)
NX-C08
アレクサンドラ・パレスのオルガン -HMV録音全集
【CD1】
1.マクダウェル:海の小品 Op.55- 第3曲 A.D. MDCXX
2. モンタギュー・フィリップス(1885-1969): 森のメロディ
3. トリノー:古い教会の伝説
4. ハーバート・アーサー・ホイールドン(1864-1923): ミンスター・ベル
5. サン=サーンス:動物の謝肉祭 - 第13曲 白鳥
6. マクダウェル:森のスケッチ Op.51- 第1曲 野ばらに寄す
7-8. バッハ: 前奏曲とフーガ ハ短調 BWV546
9. シベリウス:交響詩「フィンランディア」
10. ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933): ヘンデルへのオマージュ Op.75, No.2
11. カルク=エーレルト:66のコラール即興曲集 Op.65- 第44番暁の星のいと美しきかな
12. ワーグナー:歌劇「ローエングリン」 - 第3幕 結婚行進曲
13. エルガー:オルガン・ソナタ第1番 Op.28- 第1楽章
14. バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564- トッカータ
15. バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564- フーガ
16. ヴィドール:オルガン 交響曲第8番ロ長調 Op.42, No.4- 第8楽章 フィナーレ(1887年原典版)
17. ウェズリー(1810-1876):ホルズワージー教会の鐘
18. ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」 - 第3幕 ワルキューレの騎行
19. ワーグナー:歌劇「タンホイザー」 - 第2幕 大行進曲
【CD2】
1. ヴィドール:オルガン交響曲第5番ヘ短調 Op.42, No.1- 第1楽章
2. ヴィドール:オルガン交響曲第6番ト短調 Op.42, No.2- 第1楽章
3. バッハ:トッカータとフーガ ニ短調「ドリア調」 BWV538- トッカータ
4. バッハ:汝にこそわが喜びあり BWV615
5. バッハ:神よ、われら汝に感謝す BWV29 - シンフォニア
6-7. バッハ:前奏曲とフーガ ハ短調 BWV546
8-9. バッハ:前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548
10. バッハ:われ汝に別れを告げん BWV736
11. フランク:オルガンのための6つの小品 - 第3曲 前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調 Op. 18M30- 前奏曲
マルセル・デュプレ…CD2
レジナルド・ゴス=カスタード…CD1/1-6
ウォルター・オルコック…CD1/7-8
ジョージ・タルベン=ボール…CD1/9、12、17-19
ハーバート・フレデリック・エリングフォード…CD 1/10-11
ジョージ・D.カニングハム…CD1/13-16

録音:1930-1931年
SP盤からの復刻
ロンドン北部にあるアレクサンドラ・パレスで、1930年から31年にかけてHMVにより録音されたオルガン曲集。名手マルセル・デュプレの演奏をたっぷり聴くこと ができます。

Phasma Music
PHASMA-053(2CD)
NX-C08
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ジュリー・ヴェントゥーラ(チェンバロ/パリのマルク・デュコルネ工房2005年製)

録音:日時不詳 ニコラス・マンツァロス音楽院
アテネでピアノを学んだ後にチェンバロに出会い、アテネ、ウィーン、パリで研鑽を積んだジュリー・ヴェントゥーラによるゴ ルトベルク変奏曲。全曲に約95分をかけた堂々たる演奏で、主題の扱いと装飾音符がたいへん個性的。

AD VITAM
AV-230615(2CD)
サティとジムノペディストたち
■Disc1
サティ:作品集
(1)快い絶望
(2)3つのジムノペディ
(3)8つのグノシエンヌ
(4)冷たい小品(全6曲)
(5)犬のためのぶよぶよした本当の前奏曲(全3曲)
(6)スポーツと気晴らし(全20曲)
(7)最後から2番目の思想(全3曲)
(8)ジュ・トゥ・ヴ
■Disc2
(9)ドミニク・ラワルレ:静寂の声を聞け/色の影/サティエリック音楽
(10)ドニ・ファルジェ:サティヴァーサリーおめでとう
(11)ギャヴィン・ブライアーズ:(:新グノシエンヌ第1番(サティによる)
(12)セバスティアン・ガンデラ:カード対戦者の対話/回想/シオランとの一夜
(13)ウィリー・ドルトゥ:2つの短い小品
(14)E.L.T.メザンス:贈り物(エリック・サティへ)/コンポジション第4/舞曲
(15)ケージ:エリック・サティのための小石の全面、そして(公案としてジム・テニーに密かに贈られた)
(16)アンリ・クリケ=プレイエル:エリック・サティを模した3つの小品
(17)リカルド・ビニェス:挽歌または古代の葬儀(エリック・サティの思い出に)
(18)エイドリアン・ナイト:さまざまな職業(全7曲)
(19)タイユフェール:夢
フランソワ・マル ディロシアン(P)
使用ピアノ:Disc1(1)-(7);1900年製ブリュトナー、(8);1923年製プレイエル・アップライト
Disc2(1)-(13);1900年製スタインウェイA188、(14)-(19);1931年製ボールドウィンD

録音:2023年3月9-11日/サル・シフラ(モントーバン)
1989年生まれのアルメニア系フランス人ピアニスト、フランソワ・マルディロシアンによるサティの新鮮な切り口アルバムの登場です。タイトルは「サティとジム ノペディストたち」で、サティ作品に加え彼の精神的子供たちの曲も集めた興味深い内容となっています。
グノシエンヌはなんと全8曲。第6番までは知られていますが、第7番は「星の息子たち」第一幕から、第8番はイギリスのサティ研究家が発見した「踊りのため の小序曲」が改名したもの。すべて網羅されているのは大歓迎と申せましょう。
Disc2も貴重な作品の連続。あまり知られていない作曲家も含まれますが、いずれもサティの影響が感じられる美しいものばかり。ファルジュの「サティヴァー サリーおめでとう」はマルディロシアンの2022年の誕生日に即興演奏して大いに受け、彼のおねだりで記譜したという曲。またマルディロシアンに捧げられたセ バスティアン・ガンデラの「回想」と「シオランとの一夜」も雨の月曜日や暗い日曜日にぴったりの美しい世界が広がります。
注目なのがベルギーのシュールレアリスム画家エドゥアール・レオン・テオドール・メザンス(1903-1971)の作曲。彼は15歳の時サティと会い意気投合して、 お互いの人脈を紹介し合います。彼の音楽的才能を伺え興味津々です。またアメリカの大物ジョン・ケージは生涯を通じてサティを敬愛しましたが、ジム・テニーの コンサートにいたずらで紛れ込ませた贋作も才気煥発。本人はサティへの愛ゆえと弁解しています。また、ラヴェルやファリャの作品普及に努めた名手リカルド・ビ ニェスの作曲も貴重。まさにサティ的です。
マルディロシアンはサティ作品の大半を1900年製ブリュトナー、「ジュ・トゥ・ヴ」のみ1923年製プレイエルのアップライト・ピアノで、Disc2も1900年製 スタインウェイAと1931年製ボールドウィンDで弾き分けるこだわりぶり。サティ本人が聴いたであろう音世界を再現しています。 (Ki)

IBS CLASSICAL
IBS-142023(1CD)
NX-B07
パーカッション作品集
クセナキス(1922-2001):Psappha−プサッファ- マルチパーカッションのために(1975)
シャリーノ(1947-):Il legno e la parola 森と言葉 - 独奏マリンバのために (2004)
デニソフ(1929-1996):Schwarze Wolken- 独奏ヴィブラフォンのために(1984)
シルヴィア・ボルゼッリ(1978-):Wooden- マリンバ、ログ・ドラム、ウッドブロックのために(2015)
ポロ・バレーホ(1959-):Tactus タクトゥス- マルチパーカッションのために(2005-06)…世界初録音
ブルーノ・マントヴァーニ(1974-):Moi, jeu…- 独奏マリンバのために(1998)
. ヘスス・トレス(1965-):Tiento ティエント- マリンバとヴィブラフォンのために(1997)…世界初録音
ノエ・ロドリーゴ・ヒスベルト(パーカッション)

録音:2022年10月16-18日
パーカッショニスト、ノエ・ロドリーゴ・ヒスベルトは、現代スペインにおける才能のあるミュージシャンの一人です。 ヨーロッパとアメリカ全土のほとんどの主要なコン サートホールやフェスティバルで演奏し、これまでに20以上の国籍の作曲家による50作を超える作品を初演してきたという彼は、このアルバムでクセナキス、 シャリーノ、マントヴァーニ、デニソフや、2015年に作曲されたボルゼッリの作品、初録音となるトレスとバレーホの作品を演奏。様々な楽器が発する音は、ま るでそれぞれが意味をもつ言葉のように聴き手の耳を刺激します。

Willowhayne Records
WHR-085(1CD)
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K. 475
 ピアノ・ソナタ 第14番ハ短調 K.457
コープランド:ピアノ変奏曲
シューマン:交響的練習曲 Op.13
ダニエル・リーペル(P)

録音:2009年3月 エリアス・J.ハリング・リサイタル・ホール、ミネソタ州立大学マンケート校
アメリカ合衆国ミネソタ州出身のピアニスト、ダニエル・リーペルのアルバム。モーツァルトの残したソナタの中でも大規模 で劇的な性格を持つ第14番と、一緒に出版された幻想曲を冒頭に収録。そしてコープランドからシューマンへと、振 り幅の大きなプログラムを安定した技術と彫の深い表現で有機的に聴かせています。

Danacord
DACOCD-966967(2CDR)
忘れられたデンマークのピアニスト〜アーネ・スキョル・ラスムセン
(1)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
(2)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」
(3)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14no.1
(4)ショパン:夜想曲 変ホ長調 Op.9no.2
 練習曲 ホ長調 Op.10no.3
(5)ブラームス:カプリッチョト短調 Op.116no.3
 間奏曲 へ長調 Op.116no.4
 間奏曲 イ長調 Op.118no.2
 ラプソディ 変ホ長調 Op.119no.4
(6)ニールセン:組曲「明けの明星」FS91CNW88(Op.45)
(7)ニールセン:主題と変奏 FS81CNW87(Op.40)
(8)ニールセン:3つのピアノの小品 FS131CNW90(Op.59)
(9)シューベルト:軍隊行進曲第1番ニ長調 D.733(Op.51) no.1(4手のピアノのための)*
(10)シューベルト:即興曲第2番変イ長調 D.935(Op.142) no.2
(11)シューベルト:楽興の時 変イ長調 D.780(Op.94) no.2
(12)シューマン: ロマンス 嬰へ長調 Op.28no.2
メンデルスゾーン:春の歌 Op.62no.6
(13)グリーグ:トロールハウゲンの婚礼の日 Op.65no.6
(14)グリーグ:春に寄す Op.43no.6
(15)シンディング(1856?1941): 春のさざめき Op.32no.3
アーネ・スキョル・ラスムセン(P)、
インガ・スキョル・ラスムセン(P)*

(1)録音:1951年6月6日-7日][TONO A166-68 LPA34004]
(2)録音:1953年5月26日-28日][TONO A186-98 LPA34004]
(3)録音:1956年[TONO LPK32010]
(4)録音:1954年4月16日-28日][TONO A196 EP45052]
(5)録音:1956年][TONO LPK32010]
(6)録音:1953年8月19日][TONO A189-91LPA 34005]
(7)録音:1952年1月18日][TONO A177-78LPK 32002]
(8)録音:1952年1月18日][TONO A179LPK32002]
(9)録音:1954年][TONO A198]

(10)録音:1954年][TONO A197EP43033]
(11)録音:1954年][TONO A198]
(10)録音:1954年4月21日-28日][TONO EP45052]
(11)録音:1954年年4月26日-28日][TONO A195]
(12)録音:1954年年4月26日-28日][TONO A195 EP43029]
(13)録音:1954年年4月26日-28日][TONO A195 EP43029]
「忘れられたデンマークのピアニスト」シリーズで今回取り上げられたのは、デンマークでもっとも優れた、真のヴィルトゥオーゾ・ピアニストのひとりと云われるアーネ・スキョル・ラスムセン。ラスムセンはコペンハーゲンに生まれ、王立デンマーク音楽アカデミーでヨハネ・ストクマとクリスチャン・クリスチャンセンに学び、1944年にコンサート・デビューしました。デンマークでソリストと室内楽奏者としてコンサートに出演する一方、1954年から王立デンマーク音楽アカデミーで教え、1959年に教授に就任しました。ノルウェー、スウェーデン、スイス、フランス、イタリアとコンサートを行い、イギリスでは BBC の番組のためにニールセンのソロ・ピアノ作品の全曲を録音しています。
ラスムセンはレコードのために録音することをひどく嫌ったといい、協奏曲の録音は残されておらず、ソロ録音のほかは最晩年に行った室内楽の録音がわずかばかり残されているだけとなっています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Etcetra
KTC-1778(1CD)
モーツァルト:2台ピアノ作品集
2台ピアノのためのソナタ ニ長調 K.448
歌劇 「魔笛」 K.620より 序曲(フェルッチョ・ブゾーニ編)
交響曲第41番「ジュピター」(オットー・ジンガー編)
ジャン=ミシェル・デイエ(P)、
ハンス・リッケリンク(P)

※使用楽器:クリス・マーネ製作「Straight Strung Grand Piano」
魅惑的で寛大、純粋で無邪気。モーツァルトの創造的天才性と芸術的本質に迫るために、2台のピアノでモーツァルトの傑作を再創造するアルバム。モーツァルトが得意とした3つの音楽形式、オペラ、交響曲、ソナタの作品を含んだプログラムで、オリジナルの2台ピアノ・ソナタに、多くのバッハ・トランスクリプションでも知られるフェルッチョ・ブゾーニの編曲による「魔笛」の序曲、ベートーヴェンやブラームス、シュトラウスの交響曲・交響詩を含む多くのピアノ編曲を遺したオットー・ジンガー(2世)の編曲による「交響曲第41番 「ジュピター」」の2台ピアノ版をカップリング。
注目ポイントは、これまでEt’ceteraレーベルのいくつかのアルバムでも使用されてきた、オランダの名工クリス・マーネ製作の平行弦ピアノ(Straight Strung Concert Grand)を贅沢に2台使用しているところ。2015年にダニエル・バレンボイムが弾いて話題となり、バレンボイムの2017年以降の録音や2021年の来日公演でも使用されたというピアノで、一般的なグランド・ピアノのように弦が交差しておらず、フォルテピアノやチェンバロのようにすべて平行に張られており、フォルテ・ピアノとモダン・ピアノの特徴を併せ持った独特のサウンドを響かせます。
ジャン=ミシェル・デイエはブリュッセル王立音楽院やパリ国立高等音楽院等で学び、現在リール音楽院で教えるフランスのピアニスト。ハンス・リッケリンクはモンス王立音楽院(ベルギー)の教授を務め、ジョンゲンを中心とする約15枚のCDで評価されてきたベルギーの名ピアニストです。

Ars Produktion
ARS-38366(1SACD)
冬のささやき〜ウクライナの作曲家による作品集
ミコラ・ シルヴァンスキー(1916-1985):川辺の夜ト短調*
ヴァシル・バルヴィンスキー(1888-1963):ソング ト短調*
コリャドキ(クリスマス民謡):ウクライナのクリスマス・キャロル*、子守歌ホ短調*
ヴィーチェススラフ・ノヴァーク(1870-1949):冬の夜の歌 Op.30
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(b.1937):新年のための5つのメロディ*、サイクル 「ナイーヴ・ミュージック」 より 童話ハ短調
ミコラ・ドリムユーガ(1917-1998):サイクル 「冬」 より 前奏曲*、「春の組曲」 より ヴェスニャンカ*
セルジュ・ユシュケヴィッチ(b.1953):鐘のキャロル嬰ヘ短調
ヴィオリーナ・ペトリチェンコ(P)

録音:2023年9月28日-29日、インマヌエル教会(ヴッパータール、ドイツ)
*世界初録音
ウクライナのザポリージャ出身で、ウクライナの音楽と文化の促進に尽力しているピアニスト、ヴィオリーナ・ペトリチェンコ。ペトリチェンコはウクライナ国立チャイコフスキー音楽アカデミーで学んだ後、ドイツでヴァイマールのフランツ・リスト音楽大学、ケルン音楽大学でヤコブ・ロイシュナーに師事。そして、エッセンのフォルクヴァング音楽大学ではエフゲニー・シナイスキーに師事しています。
本アルバムは、クリスマス・キャロルの古い伝統の記憶が残る彼女の故郷への音楽の旅であり、ほとんどの作品は世界初録音となります。

Piano21
P-21059N(1CD)
シューベルト:即興曲集
4つの即興曲 D.899(Op.90)
4つの即興曲 D.935(Op.142)*
シプリアン・カツァリス(P/ベヒシュタイン)

録音:2022年3月22日-23日&2023年4月24日*、サン=マルセル福音教会(パリ)
※使用楽器:C. Bechstein D-282Concert Grand, No.212034
超絶技巧の化身、鍵盤の魔術師シプリアン・カツァリスの自主レーベル「Piano21」から、2022年&2023年の最新録音が登場!ここ最近はビゼー版の「ドン・ジョヴァンニ」(ONIFCCD-141)やカツァリス自身の編曲によるサン=サーンスの「オルガン付き交響曲」(OP21064N)など規格外ともいえるカツァリスならではのレア・トランスクリプションを続けてリリースしていましたが、今回はシューベルト31年の短い生涯の晩年に書かれた傑作、Op.90とOp.142の即興曲集を送り出します。この即興曲集の一部が演奏される予定である2023年11月から12月にかけての来日公演に向けて急遽リリースが決定いたしました。70歳を超えますます深化を続けるカツァリスの新たな境地にどうぞご期待ください。


MELISM
MLSCD-029(1CD)
ベートーヴェン:後期三大ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
フローランス・ドラージュ(P)

録音:2021年1月、サン=マルセル福音教会(フランス、パリ)
“コルトーの愛弟子が世に問うベートーヴェンの真髄!”
フランスのピアニストであるフローランス・ドラージュは、アルフレッド・コルトーの愛弟子。コルトーとは縁が薄く、ドラージュ自身もほとんど人前で弾かなかったベートーヴェンを取り上げている点が興味深いところえすがs,これが素晴らしい!ゴールの豊かなトーンと相俟ってエレガントな空気が横溢。心から良い音楽を聴きたいと願う人は必聴の名演です!
 「第30番」は、第3楽章の楽想とリズムの感じ方が尋常ではありません。誇張が一切なく、どこまでも精神的な美しさを現出し尽くします。
 「第31番」は、第1楽章2:29からの低音部の有機的な浮上と高潔美が心を打ち、スピード感皆無の第2楽章は、老化にお起因する遅さではなく、表現に不可欠なテンポとして実感できる点がポイント。惰性で鳴っている音など一音もありません。終楽章は年令を重ねなければ表出し得ないおおらかさとスケール感、そこに通底する敬虔な祈りに言葉を失います。
 「第32番」は冒頭から鮮烈!ペダルを駆使しニュアンスを極限まで掘り下げていますが、主部は更に彫琢の度を深めます。展開部以降の声部間の緊密な主張の応酬からは、あまりにも豊穣な音楽のエキスが溢れ、全てをを受け止めるのが困難なほど。第2楽章のジャズ風な変奏がここまでノリノリ感を払拭し、リズム以外の内容味を炙り出した例も稀有でしょう。
ベートーヴェンの後期3大ソナタのディスクは枚挙に暇がありませんが、過去の有名巨匠の名演と互角どころか、このドラージュ盤を臆することなくトップに挙げる評論家が出現することを願ってやみません。【2023年11月・湧々堂】

Da Vinci Classics
C-00821(1CD)
ファイブ・エレメンツ Vol.1〜アクア
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番「幻想ソナタ」 Op.19
リスト:エステ荘の噴水
ラヴェル:水の戯れ、海原の小舟、オンディーヌ
ドビュッシー:沈める寺、水の反映、喜びの島
フランチェスコ・マリア・モンチェル(P)

録音:2023年3月、チーゴレ(イタリア)
2022年からカリャッリ音楽院でピアノ教師を務めているイタリアのピアニスト、フランチェスコ・マリア・モンチェルが贈る好企画「ファイブ・エレメンツ」シリーズ第1弾!芸術と自然は切っても切り離せないものであるということがこのアルバムの大きなテーマとなっています。自然を構成する5つのエレメント(要素)のうち「水」に焦点を当てた今作では、スクリャービン、リスト、ラヴェル、ドビュッシーが作曲した「水」に関する作品を収録しています。例えばスクリャービンの「幻想ソナタ」は、バルト海、黒海、そして地中海からインスピレーションを受けて作られた曲で、後期ロマン派のスタイルに当てはまるのにもかかわらず2楽章で書かれるという革新的なものでした。
Da Vinci Classics
C-00777(1CD)
ルネサンスとバロックに影響された4手ピアノ作品集
ラモー(レオン・ロケ編):バレエ音楽「優雅なインドの国々」 第1組曲、第2組曲*
レスピーギ(作曲者編):リュートのための古風な舞曲とアリア 第1組曲、第2組曲
ドゥエ・ディ・ドゥオ〔カテリーナ・ロベルティ(P)、サルヴァトーレ・スクラーファニ(P)〕

録音:2023年1月(チーゴレ、イタリア)
*世界初録音
ラヴェルやドビュッシーのトランスクリプションなどで知られるフランスの編曲家レオン・ロケが編曲した、バロック期にフランスで流行したオペラ=バレのジャンルを代表する作品の一つであるラモーの「優雅なインドの国々」と、レスピーギが古い時代に書かれたリュートのための旋律を基に作曲した弦楽合奏のための作品「リュートのための古風な舞曲とアリア」のレスピーギ自身による4手ピアノ版を収録した1枚。いずれも音楽が生まれた当初から長い時間が経過したあとにその時代の美学に従って編曲されたスタイルで聴くことで、ルネサンス、バロック音楽の再発見を誘います。「優雅なインドの国々」の4手ピアノ版は世界初録音。共にブリュッセル王立音楽院出身のピアノ・デュオ、ドゥエ・ディ・ドゥオの演奏でお楽しみください。
Da Vinci Classics
C-00811(1CD)
バッハ:インヴェンションとシンフォニア(全曲)ほか
バッハ:イタリア協奏曲 BWV971
インヴェンション BWV772-786
シンフォニア BWV787-801
イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV989
ピエトロ・ソラーチ(P)

録音:2021年、グリファ&フィリ・スタジオ(ミラノ、イタリア)
イタリア人ピアニスト、ピエトロ・ソラーチは、幼少期から才能を発揮し、1985年の第11回ショパン国際ピアノ・コンクールでは参加したイタリア人の最高位となり、イタリアを中心に国内外で活動しています。ソラーチによるバッハのピアノ作品全曲録音の第8巻となるこのアルバムは、「インヴェンションとシンフォニア」を軸に、「イタリア協奏曲」と「イタリア風のアリアと変奏」が脇を固めます。
毎回、日本の風景がジャケット写真に採用されている本シリーズ。今回は京都、龍安寺の石庭です。
Da Vinci Classics
C-00808(1CD)
バルトーク&ジュゼッペ・ダミーコ:ピアノ作品集
ジュゼッペ・ダミーコ(b.1972):民謡間奏曲
バルトーク:3つのチーク県の民謡 BB.45b SZ.35
ダミーコ:Impressioni modali Vol.1
バルトーク:15のハンガリーの農民の歌 BB.79SZ.71
ダミーコ:5つのファンタスティック・ダンス
バルトーク:ハンガリー農民の歌による8つの即興曲 BB.83SZ.74Op.20
フランチェスコ・パスクアロット(P)

録音:2023年3月11日-12日、クラシカル・レコーディング・スタジオ(ペルージャ、イタリア)
20世紀のハンガリーを代表する作曲家バルトークと、1972年に生まれ、音楽だけでなく絵画や建築にも才能を発揮し、独学で作曲を続けるイタリアの作曲家ジュゼッペ・ダミーコのピアノ作品を交互に並べたアルバム。ダミーコの作品は2021年から2023年にかけて作曲された作品が収録され、バルトーク同様、民族音楽に触発されたものとなっています。
イタリアのピアニスト、フランチェスコ・パスクアロットは、ミラノ音楽院を優秀な成績で卒業し、巨匠ブルーノ・カニーノからも絶賛される注目株です。
Da Vinci Classics
C-00807(2CD)
ハイドン:16の初期ピアノ・ソナタ集
【CD1】
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI-1
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Hob.XVI-2
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI-3
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI-4
ピアノ・ソナタ イ長調 Hob.XVI-5
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI-6
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI-7
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI-8
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Hob.XVI-9
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI-10
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI-11
ピアノ・ソナタ イ長調 Hob.XVI-12
ピアノ・ソナタ ホ長調 Hob.XVI-13
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI-14
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI-15
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI-16
チェン・シュエユアン(P)

録音:2023年4月-5月(南京市、中国)
中国出身の若手ピアニスト、チェン・シュエユアンは南京、上海、ウクライナでピアノを学び、数々のコンクールで受賞し、各地で多くのコンサートを開催しています。中国の著名なピアニストからも認められる存在で、注目されています。
Da Vinci Classics
C-00818(1CD)
ナポリのピアノの一世紀
ジェンナーロ・ナポリ:Scene infantili(1926)
マリオ・ピラティ:Novelletta(1921)
テレンツィオ・ガルジューロ:ピアノ・ソナタ第2番(1935)
アラディーノ・ディ・マルティーノ:「ナポレターナ」組曲(1957)
ヤーコポ・ナポリ:ギャロップ・ポルカ(1966)
エンツォ・デ・ベッリス:Pupazzetti(1969)
アルフレード・チェーチェ:Capriccio in bianco e nero(1972)
アントニオ・カギッウラ:Un momento infantile
ティート・アプレア:Dalle 15Danze per planoforte(1973)
ヴィンチェンツォ・カルーソ:Tre arie antiche(2015)
グアンディ・ノベチェンテスキ・スーラ:カンツォーネ・ナポレターナ(2022)
ファビオ・アンブロジーノ:Serenatella Napoletana(2023)
シロ・フェリーニョ:ザ・ラスト・ナポリタン・オートピアノ(2023)
ヴィンチェンツォ・カルーソ(P)

録音:2023年7月
ナポリ音楽院とその向かいにある音楽出版社カサ・ムジカーレ・シメオリに関する作品を集めた作品集。音楽出版社カサ・ムジカーレ・シメオリは1920年代に設立されると100年以上ナポリの様々なジャンルの作品を出版し続けてきました。
このアルバムの冒頭に収録されている作品の作曲家ジェンナーロ・ナポリは音楽院で長年作曲を教え彼の音楽理論は現在の教育にも欠かせないものになっています。そのためこのアルバムに収められている作曲家はジェンナーロ・ナポリの直接の弟子であったり、その影響を少なからず受けています。これらの作品をまとめて聴くことによってナポリの20世紀以降の音楽史を紐解くことができます。

BIJIN CLASSICAL
BJN-1024(2CD)
メジューエワ/日本デビュー25周年記念リサイタル
バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 より プレリュード ヘ短調 BWV857
ブラームス:ピアノ・ソナタ 第3番ヘ短調 作品5
リスト:巡礼の年 第3年 S.163
リスト:聖ドロテア S.187
ブラームス:ロマンス ヘ長調 作品118-5
バッハ:コラール・プレリュード「我ら悩みの極みにありて」 BWV641
イリーナ・メジューエワ(P)
(P /1925年製NYスタインウェイ CD135))

録音:2022年12月12日、トッパンホール・ライヴ
2022年12月12日にトッパンホール(東京)で開催されたメジューエワの日本コン サートデビュー25周年記念リサイタルのライヴ録音。若きブラームスの大作ソナタ(第3 番)とリスト晩年の傑作〈巡礼の年 第3年〉をメインに据えたプログラム。19 世紀を代表 する二大巨匠の世界観を相照らし合わせながら、「憧れ」や「不安」、「愛」、「死」、「運 命」、「諦観」など様々な感情が交錯するロマン派音楽の本質を浮き彫りにしてゆきま す。幅広いダイナミクスと色彩感豊かな音色を備えたスケールの大きな演奏で聴き手を 魅了します。(使用楽器:1925年製NY製スタインウェイCD135)。

MIRARE
MIR-714(3CD)
リスト:「巡礼の年」
[CD1]
・巡礼の年第1年『スイス』
「ウィリアム・テルの礼拝堂」、「ワレンシュタット湖畔で」、「牧歌」(パストラール)、「泉のほとりで」、「夕立」、「オーベルマンの谷」、「牧歌」(エグローグ)、「郷愁」、「ジュネーヴの鐘」
[CD2]
・巡礼の年第2年『イタリア』
「婚礼」、「物思いに沈む人」、「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」、「ペトラルカのソネット 第47番」、「ペトラルカのソネット 第104番」、「ペトラルカのソネット 第123番」、「ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲」
・巡礼の年第2年補遺『ヴェネツィアとナポリ』
「ゴンドラを漕ぐ女」、「カンツォーネ」、「タランテッラ」
[CD3]
・巡礼の年第3年
「夕べの鐘、守護天使への祈り」、「エステ荘の糸杉に寄せて-葬送歌(第1)」、「エステ荘の糸杉に寄せて-葬送歌(第2)」、「エステ荘の噴水」、「哀れならずや-ハンガリー風に」、「葬送行進曲」、「心を高めよ」
ニコラ・アンゲリッシュ(P)

録音:2003年
名盤として名高いニコラ・アンゲリッシュのリスト「巡礼の年」全曲録音が再登場します(MIR.9941の再発売)。 アンゲリッシュは1970年アメリカ生まれ。母親の手ほどきで5歳でピアノを始め、7歳でモーツァルトのピアノ協奏曲第21番を演奏して演奏会デビュー。13 歳でパリ国立高等音楽院に入学、チッコリーニ、イヴォンヌ・ロリオ、ミシェル・ベロフ、マリー=フランソワーズ・ブッケに師事。ピアノと室内楽でプルミエ・ プリを獲得。フライシャー、バシキロフ、ピリスらのマスタークラスも受講しました。1989年ロベール・カサドシュ国際ピアノコンクールで第2位、1994年ジー ナ・バッカウアー国際ピアノコンクール優勝。2002年、フライシャーからルール国際ピアノフェスティヴァルにおいてヤング・タレント・アウォードを授けられます。 2013年、2019年、ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークの器楽ソロ奏者を受賞。アルゲリッチ、諏訪内晶子、ヴェンゲーロフらといった世界的奏者との室 内楽も活発に行っていた。2021年6月以来、健康上の理由で(慢性的な呼吸器疾患)で演奏会から遠ざかっていましたが、2022年4月に亡くなりました。 世界最高峰の指揮者、オーケストラから慕われ、また高く評価され、数えきれないほどのアーティストの理想的な室内楽パートナーだったアンゲリッシュ。その天 才的な経歴だけでなく、彼の「聴く」という能力の素晴らしさ、他社への極度ともいえるまでの配慮、そして完全な慈悲深さ、すべてにおいて傑出した存在でした。 2003年にMIRAREが行ったこのリストの録音は、アンゲリッシュの代表的名盤。このたび追悼盤として再登場しました。

フォンテック
FOCD-9888(1CD)
税込定価
2023年12月6日発売
第8回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門優勝
フォーレ:ヴァルス・カプリス 第1番イ長調 op.30
 ノクターン 第6番変ニ長調 op.63
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第7番op.64「白ミサ」
シューマン:ピアノ・ソナタ 第1 番嬰ヘ短調 op.11
シュルツ=エヴラー(1852-1905):J.シュトラウスの「美しく青きドナウ」によるアラベスク
ルゥォ・ジャチン(P)

録音:2023年6月30?31日日立システムズホール仙台 コンサートホール
第8回コンクール ピアノ部門は、2023年6月21 日から25日にかけて開催されました。438名の申込者の中から、予備審査を通過した31 名の才能溢れる若き音楽家たちが世界各地 から仙台に集結し、熱演を繰り広げました。 優勝の副賞として録音されたこのCD---ピアノ部門の覇者ルゥォ・ジャチンは、類まれなテク ニックを土台に、多彩な音色と変容する響きを生かして、明晰さのうちにも陰影に富む表現を 繰り広げています。 仙台国際音楽コンクールは、仙台市が2001 年に創設し、3年毎に行うコンクールです。協奏 曲を課題曲の中心に据えるという特色を持ち、公正で信頼性の高い運営と市民の温かいホスピ タリティに支えられたコンクールとの評価を得ており、2005 年から国際音楽コンクール世界 連盟に加盟しています。
■ルゥォ・ジャチン
1999年、中国・湖南省生まれ。2011年、武漢音楽学院附属中学校に入学し、フー・ヤンに師事。卒業後渡米 し、オバーリン音楽院でロバート・シャノンに師事。現在、ニューイングランド音楽院でダン・タイ・ソンに師事 しています。2013年、アメリカ(ミネソタ州)のヤング・アーティスト・ワールド・ピアノフェスティバル協奏曲コンクール において、マーリーン・ポーレイ(指)ミネソタ・フェスティバル・オーケストラとベートーヴェン:ピアノ協奏 曲 第3番ハ短調 op.37を演奏し優勝。2014 年にはCCTV ピアノ&ヴァイオリンコンクール(若手ピアノ部 門)で銀賞を受賞。ノース・コーストピアノ音楽祭コンクール(2016 年)、第5回Bluthner Irmler(青島)国 際ピアノコンクール(2017 年)でそれぞれ第1位。2019年には、アーサー・ダン・コンクール、ルドルフ・ゼルキン・コンクール(オバーリン)で優勝。同年、若 いピアニストのためのショパン国際ピアノコンクール・北京で4 位入賞。ピアノテキサス・ヤング・アーティスト 協奏曲コンクールでは、ミゲル・ハース=ベドーヤ(指)フォートワースSOとプロコフィエフ:ピアノ協奏 曲 第2番op.16を演奏し優勝。2022年、第8 回仙台国際音楽コンクールピアノ部門で第1位。ファイナル及びガラコンサートで、高関健(指) 仙台POとプロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番op.16を演奏。 上海、広州など中国各地でリサイタルを開催するほか、2015 年にはフランスのアニマート協会から招待され、 パリのコルトー・コンサートホールで演奏。2016 年8月にはカリフォルニアのハンボルト州立大学のファルカ ーソン・リサイタルホールでリサイタルを開催。また、仙台PO、名古屋フィルハーモニー SO、ミネソタO、中国PO、武漢POなどとも共演して います。 (フォンテック)

TOCCATA
TOCC-0690(1CD)
NX-B03
カール・レーヴェ:ピアノ作品集 第3集
4つの幻想曲 Op.137(1854)
慈悲深い兄弟Op.28*
グランド・ソナタ・エレジーク Op.32
3つの歌曲(リンダ・ニコルソンによるピアノ独奏版)*
  Sehnsucht, Op.9Heft III, No.5(1816 もしくは1818)
 Die schlanke Wasserlilie (1847)
 Stille Liebe (1850)
リンダ・ニコルソン(P…エラール、1839年頃製作のオリジナル楽器)

録音:2021年10月7-9日
*…世界初録音
シューベルトと同世代で、現在では主として「バラード(比較的長い物語性を持つ歌曲)」の作曲家として知られているカール・レーヴェのピアノ曲集。彼 はかなり多くのピアノ曲を残していますが、これらは現在ほとんど演奏されることはありません。シリーズ第3集でピアノ作品全集完結となるこのアルバム には、ドイツを離れ新天地で生活する移民たちを描いた「4つの幻想曲」や、大作「グランド・ソナタ・エレジーク」と「慈悲深い兄弟」を収録。このシリー ズは、曲ごとにふさわしいピアノが用いられているのが特徴ですが、当盤は1839年頃に製作されたエラールでの演奏です。またアルバムの最後には、リ ンダ・ニコルソン自身がピアノ独奏用に編曲した「3つの歌曲」も演奏されています。

MUSIS
MUSIS-04(1CD)
税込定価
おはよう〜ミニピアノとの出会い
1. ハイドン:アレグレット Hob. XVII:10…a
2. シューマン:冬の時 I op.68-38…b
3. スクリャービン:前奏曲 op.74-4…d
4. ヤナーチェク:彼女らは燕のように喋り立てた…d
5. マグダウエル:野薔薇に寄せて op.51-1…d
6. グリエール:夜 op.43-5…b
7. グリエール:マズルカ op.43-3…d
8. グリエール:ロンド op.43-6…d
9. グリエール:涙 op.34-3…b
10. バルトーク:アンダンテ Sz38-3…b
11. バルトーク:バグパイプ Sz105-6…d
12. ハイドン:アダージョ (『パルティータ Hob.XVI:6』より)…a
13. ロドリーゴ:ロス・レィエスのマリア…c
14. ロドリーゴ:金髪の妖精の歌…c
15. グラナドス:パストラル…d
16. スクリャービン:前奏曲 op.11-15…d
17. ショパン:マズルカ op.7-4…d
18. ショパン:春…b
19. イベール:陽気なぶどう作り…c
20. イベール:そりに乗ってひとまわり…d
21. イベール:星たちの子守唄…d
22. D. スカルラッティ:ソナタ K.330…a
23. アルカン:前奏曲 op.31-1…b
24. アルカン:前奏曲 op.31-17…b
25. シベリウス:ポプラ op.75-3…d
26. ニールセン:操り人形 op.11-4…d
27. シューマン:シェヘラザード op.68-32…c
28. シューマン:ロンド op.68-22…c
29. ダンディ:シューマニアーナ op.30-3…d
30. プーランク:スタッカート FP65-6…d
31. アルカン:子守唄 op.31-21…b
32. アルカン:小さな歌 op.63-42…c
33. アルカン:レガーティッシモ op.63-3…c
34. バッハ:ラルゴ (『協奏曲 BWV973』より)…b
35. 山田耕筰:おはよう…a
川口成彦(ミニピアノ)

使用楽器:
a) Pianette c.1923(NIPPON GAKKI49keys)ピアネット(大正12年頃) 49鍵
b) Minipiano c.1930(K.KAWAI40keys)ミニピアノ(昭和5年頃) 40鍵
c) Minipiano c.1948(K.KAWAI40keys)ミニピアノ(昭和23年頃) 40鍵
d) Mascot Piano c.1995(KAWAI49keys)マスコットピアノ(平成7年頃) 49鍵

録音:2022年3月 ラックスマン・ホール(相模湖交流センター)

解説:川口成彦、小川瞳
ブルージュ国際古楽コンクール最高位(2016年)、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位(2018年)などの受賞歴を誇り、日本 の鍵盤古楽器のホープとして国内外で活躍する川口成彦。その自主レーベルからのリリース第4弾は、日本で誕生しながら現在はその姿を めったに見ることが無く、ほとんど知られてもいないミニピアノという楽器を使用した注目の一枚です。大正末から昭和前半に至る時代に日本 独自に作られたミニピアノは、いわゆるトイピアノとは違い打弦式の本格的な構造でしたが、独自のメカニックを持つその製作には多くの工夫 が必要で手間がかかるうえ、販売数も思うように伸びなかったこともあり、少ない台数が作られただけで歴史から消えていきました。この楽器 に偶然出会い魅了された川口成彦が、その修復と保存を手掛けている技術者とのめぐり逢いを経て、時間をかけてレパートリーを厳選し作 り上げたのがこのアルバム。日本ピアノ史の知られざる一面に光を当てる貴重な企画であるとともに、その音色と表現力の素晴らしさに出会 うことが出来ます。

MIRARE
MIR-704(1CD)
チャイコフスキー:四季
(1)チャイコフスキー:四季Op.37a(全12曲)
(2)グリンカ:ノクターン「別れ」
(3)キュイ:セレナード〜アルジャントーにてOp.40より
(4)バラキレフ:ノクターン第3番
(5)グリンカ(バラキレフ編):ひばり
(6)ムソルグスキー(チェルノフ編):禿山の一夜
ドミートリー・マスレエフ(P)

録音:2022年6月17-18日、2023年6月28-29日モスフィルム・スタジオ1
2015年第15回チャイコフスキー国際コンクール、ピアノ部門の優勝者ドミートリー・マスレエフ待望の新録音登場。すべて19世紀ロシア作品なのも魅力的です。
このアルバムはマスレエフが2023年1月に生まれた第一子へ捧げたもの。彼自身、幼時に両親から初めてプレゼントされた楽譜がチャイコフスキーの「四季」で、 子供心にそのすべてにワクワクしたことを思い出しメインとしました。曲集も1月から始まっているため、わが子が初めて経験する一年を音楽で語りたい気持ちに あふれています。フィルアップ曲も魅力的。メランコリックでロシア的抒情性に満ちたグリンカのノクターン「別れ」、五人組のキュイのスペイン色に満ちた「セレナー ド」、華麗なピアニズムに彩られたグリンカの歌曲「ひばり」のバラキレフ編など味わいに富んでいます。
もうひとつの圧巻はムソルグスキーの「禿山の一夜」のチェルノフ編によるピアノ版。迫力と怪奇趣味を楽しめます。

Passacaille
PAS-1140(1CD)
バッハ・フラグメンツ 〜ギエルミ補完によるオルガン作品集
幻想曲 ハ長調 BWV573*
ソナタ ニ短調(無伴奏ヴァイオリン・ソナタBWV1001による)[アダージョ / フーガ / シチリアーナ / プレスト] **
幻想曲とフーガ ハ短調 BWV562*
おお悲しみよ、心の嘆きよ BWV Anh.200*
おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け BWV622
フーガの技法 BWV1080より[コントラプンクトゥスI / コントラプンクトゥスXIV *]
アリア BWV991*
暁の星のいと美しきかな BWV764*
イエス、わが喜び BWV753*
イエス、わが喜び BWV1105
幻想曲とフーガ ハ短調 BWV537***

*= 断片からギエルミが補完
**=フーガのみバッハ自身、他の楽章はギエルミによる編曲
*** =断片からバッハの弟子ヨハン・ルートヴィヒ・クレプスが補完したと思われる作品
ロレンツォ・ギエルミ(Org)

録音:2023年7月14-15日/ドイツ、ローゼンハイム、聖ニコラウス教会
名鍵盤奏者ロレンツォ・ギエルミによるバッハのオルガン作品集。テーマは「断片」。未完成だったり消失したりして部分的な楽譜しか現存しない楽曲をあつめ、 なんとみずから補完して演奏。
フーガのみバッハが編曲している無伴奏ヴァイオリン・ソナタ BWV1001はギエルミが他の楽章を編曲し全曲オルガンで演奏。『フーガの技法』の未完4重フー ガもギエルミ補筆完成版で収録。様々な未完成作品をギエルミが曲として完結させた注目盤。
BWV537はバッハ自身の筆による楽譜が残っておらず、未完成だったものを弟子のクレプスが完成させたと言われる作品。のちにエルガーが管弦楽用に編曲 した作品でもあり重厚な音楽が展開されます。 (Ki)

SKARBO
DSK-1214(1CD)
無伴奏ヴァイオリン曲集
ウルクズノフ:マイクロ・インフィニティI
フィンジ:ダダ
クラマン:民謡組曲
デバゼイユ:迷宮前奏曲
ヤクボフスキ:ベル・ダムの移住
サラ・シュナル(Vn)

録音:2021年5月1〜12、14&25日、2022年8月27日/ラ・オート・エピンヌ・スタジオ、ヴィルヌーヴ=シュル=ヨンヌ(フランス)
「女性のヴァイオリン」(DSK-4150)、「ピアソラ〜ギターとヴァイオリンのためのデュオ」(DSK-4207)など意欲的なアルバムをリリースしているサラ・シュ ナル。当アルバムはシュナル新作委嘱の無伴奏ヴァイオリン曲集!ウルクズノフ、フィンジ、クラマン、デバゼイユ、ヤクボフスキがそれぞれ作曲した、ヴァイオリン一 挺で挑む新時代の無伴奏作品です。ブックレットには各作曲家による作品解説(英仏)が掲載されております。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00825(1SACD)
税込定価
2023年11月22日発売
武満 徹:ギター作品集
フォリオス
すべては薄明のなかで ―ギターのための4つの小品―
ギターのための小品 ―シルヴァーノ・ブソッティの60歳の誕生日に
エキノクス
森のなかで ―ギターのための3つの小品

〈ギターのための12の歌〉
ロンドンデリーの歌(アイルランド民謡)
オーバー・ザ・レインボー(H・アーレン)
サマータイム(ガーシュウィン)
早春賦(中田章)
失われた恋(J・コスマ)
星の世界(C・C・コンヴァース)
シークレット・ラヴ(S・フェイン)
ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア(レノン/マッカートニー)
ミッシェル(レノン/マッカートニー)
ヘイ・ジュード(レノン/マッカートニー)
イエスタデイ(レノン/マッカートニー)
インターナショナル(P・ドジェーテル)

バリー・メイソン/レス・リード:ラスト・ワルツ[武満 徹 編曲]
荒井一穂(G)

録音:2023年6月20-21日 神奈川県立相模湖交流センター
今大注目の日本人若手ギタリストとして活躍の場を広げるギター界 のホープ、荒井一穂によるアルバム第3弾「武満徹:ギター作品集」 が登場です。当盤は、最初のギターのための作品《フォリオス》に 始まり、ジャンルを越えて往年の名曲に武満サウンドを織り交ぜた 傑作《ギターのための12の歌》、生前最後の作品となった《森のな かで》に至るまで、作曲者自身も生涯こよなく愛したギターのため のソロ作品のすべてを収録。荒井の艶やかな音色と確かな技巧、豊 かな歌心で聴かせる武満ワールド、存分にご堪能ください。(オクタヴィア)

Da Vinci Classics
C-00801(1CD)
パガニーニ:24のカプリス Op.1 イゴール・リーヴァ(Vn)
ヴァイオリニストのイゴール・リーヴァは、ミラノ音楽院を優秀な成績で卒業し、ソリストとしての活動の他、デュエットやトリオなどの室内楽にも熱心に取り組んでいます。ミラノ・スカラ座Oなどの一流オーケストラとも共演し、ロリン・マゼール、リッカルド・ムーティ、ヴォルフガング・サヴァリッシュといった著名な指揮者と共にヨーロッパ各地で重要なコンサートやツアーにも参加しました。
Da Vinci Classics
C-00794(1CD)
ドビュッシー:ピアノ作品集
「前奏曲集 第1巻」より「アナカプリの丘」/「前奏曲集 第2巻」より「ヒースの茂る荒れ地」/「前奏曲集 第2巻」より「ヴィーノの門」/「前奏曲集 第1巻」より「デルフィの舞姫たち」/「前奏曲集 第2巻」より「風変わりなラヴィーヌ将軍」/「前奏曲集 第2巻」より「水の精」/「前奏曲集 第1巻」より「とだえたセレナード」/「前奏曲集 第1巻」より「西風の見たもの」/「前奏曲集 第2巻」より「カノープ」/「前奏曲集 第1巻」より「ミンストレル」/「前奏曲集 第1巻」より「雪の上の足跡」/「前奏曲集 第2巻」より「花火」/アラベスク第1番 ホ長調/アラベスク第2番ト長調/夜想曲
イネス・フィリペ(P)

録音:2023年5月(イタリア)
ポルトガル人ピアニストのイネス・フィリペは、国内外のコンクールで数々の賞を受賞した経歴を持ち、ヨーロッパをはじめとする数多くの国々で演奏活動を行っています。バッハから現代音楽まで非常に幅広いレパートリーを誇り、ポルトガル人作曲家の初演もたびたび行っています。
このアルバムには「前奏曲」を中心としたドビュッシーの名曲が厳選され、収録されています。

Chopin University Press
UMFCCD-171(1CD)
マリア・カレルギスに捧げるピアノ作品集
テオドール・クラク(1818-1882):ヴェルディの歌劇「十字軍のロンバルディア人」によるパラフレーズ Op.9-10*
カール・タウジヒ(1841-1871):即興曲 へ短調 Op.1a
リスト:エレジー変イ長調 S196
ユゼフ・ノヴァコフスキ(1800-1865):4つのマズルカ Op.26*
バラード 変ホ長調 Op.34*
カジミエシュ・ルボミルスキ(1813-1871):3つのマズルカ Op.10*
アレクサンダー・ドライショク(1818-1869):即興曲 「ワルシャワからの別れ」 Op.15*
モニカ・クイン(P)

録音:2021年12月、ショパン音楽大学コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)
*=世界初録音
19世紀ヨーロッパの芸術サロンで最も重要な人物の一人であるマリア・カレルギス伯爵夫人は、芸術の寛大なパトロンで、ショパンの弟子でもありました。彼女のパリのサロンには、著名な芸術家や政界の有力者が集まり、故郷のワルシャワに戻った後も、ポーランドの作曲家たちや音楽文化の発展を支援していました。
ピアニストのモニカ・クインは、マリア・カレルギスに捧げたこのアルバムのために19世紀の作曲家たちによるピアノ作品を選曲し、ほとんどの作品は世界初録音となっています。

NovAntiqua Records
NA-89(1CD)
アコーディオン・エニグマ
グリーグ:ホルベルク組曲 Op.40
バッハ:フランス組曲第5番BWV816、
 イタリア協奏曲 BWV971
エルガー:エニグマ変奏曲〜第9変奏 「ニムロッド」
ジャンカルロ・パレーナ(アコーディオン)

録音:2017-2019年
1995年生まれのイタリアのアコーディオン奏者ジャンカルロ・パレーナがクラシックの名曲を取り上げたアルバム。特にもともとオーケストラのために作られたグリーグの「ホルベルク組曲」やエルガーの「エニグマ変奏曲」では、アコーディオンの色彩と表現力の幅広さを感じさせます。

Prima Classic
PRIMA-029(1CD)
SLOW〜ピアノ作品集
ギヤ・カンチェリ
:リア王
バッハ(ジロティ編):前奏曲ロ短調
ペルト:アリーナのために
リスト:コンソレーション第3番、第4番
サティ:グノシエンヌ第3番
ペーテリス・ヴァスクス:白い情景
グルック:メロディ
ルカ・ティエッポ:瞑想
シューベルト:セレナーデ
ブライアン・フィールド:グラシア
ラファエル・リュカ:A Salty Breeze Over the Reeds
オルガ・イェグノヴァ(P)

録音:2023年5月(イエール、フランス)
本アルバムでは、リストやシューベルトから、このアルバムのために書き下ろされたまったく新しい曲まで、さまざまな曲を紹介しています。
オルガ・イェグノヴァは、様々なジャンルと分野を融合させた多面的なロシア系ラトビア人アーティスト。クラシック・コンサート・ピアニストであると同時に、教育プロジェクトや慈善活動にも力を入れており、受賞歴のあるピアニストとしてのキャリアと並行して、様々なアーティストとのコラボレーション、デジタルや印刷物での出版、ポッドキャストの立ち上げ、資金集めのコンサートを通じた音楽家支援など、多彩な活動を展開しています。

BRIDGE
BCD-9584(1CD)
シュトックハウゼン(1928-2007):ピアノ曲] (1961)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第 29番「ハンマー・クラヴィーア」
マルク・ポントゥス(P)

録音:2021年9月22-23日ドリュー大学コンサート・ホール
ベートーヴェンの死後からおよそ百年後に生まれたシュトックハウゼン。およそ何の接点も ないように思える二人の作曲家のそれぞれ超絶技巧の大作ピアノ曲をカップリングした異色 の一枚。シュトックハウゼンのピアノ曲 X は非常に数理的な構想のもと緻密に設計されてい るもののトーン・クラスターとグリサンドが多用されており、荒れ狂う波のような音の潮流が聴き 手を圧倒する。ベートーヴェンのハンマー・クラヴィーアはピアニストに技巧、技法の極限を 要求する大作で、そういう意味ではシュトックハウゼンのピアノ曲と双璧といえるかもしれな い。こうしたクレイジーなカップリングのCD を作ったピアニスト、マルク・ポントゥスはシュトック ハウゼンのみならずクセナキス、ブーレーズ(P作品全集の録音あり、BCD9456)など現 代音楽を得意としており、逆に現代の視点からベートーヴェンをとらえ直しているといえるだ ろう。クリアで一点の曇りも迷いもないタッチ、渦巻くエネルギーの奔流など、聴きごたえ充分 の一枚です。ぜひ一聴を!

スロヴェニア放送
ZKP-118302(1CD)
ブラームス:ピアノによる変奏曲集
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調Op.24
シューマンの主題による変奏曲 嬰ヘ短調 Op.9
パガニーニの主題による変奏曲 Op.35第1巻,第2巻
ダニイェル・プレツェリ(P)

録音:2022年12月 スロヴェニア リュブリャーナ
スロヴェニアのピアニスト、ダニイェル・プレツェリによるブラームスのピアノの変奏曲集。ダ ニイェル・プレツェリは1988年生まれ。リュブリャーナ音楽院で学んだ後、パリ国立高等音楽 院でロジェ・ミュラロに、さらにザルツブルクのモーツァルテウムでも学んだ。まとまった録音 はこのブラームスが初めてのようです。清潔で軽めの音色が持ち味で、爽やかなブラーム スになっています。

Dynamic
CDS-8002(1CD)
NX-B03
バッハ:ゴルトベルク変奏曲(J. G.ラインベルガーによる2台ピアノ編) マッテオ・リーヴァ(第1ピアノ)
エレナ・ヴァレンティーニ(第2ピアノ)

録音:2022年10月8-9日
バッハの「ゴルトベルク変奏曲」には様々な編曲が存在します。このアルバムではドイツの作曲家でオルガニストとし ても活躍したヨーゼフ・ラインベルガーが1883年に2台ピアノのために編曲したヴァージョンを収録。ラインベルガーは 終生バッハを尊敬し、その作品からインスピレーションを得ていました。彼は二段鍵盤のチェンバロのために書かれた ゴルトベルク変奏曲を、当時流行していた2台ピアノで演奏しやすいように、また複雑なポリフォニーの綾がわかり易 くするなるように試みましたが、単に2台のピアノで分担しただけでは腕の立つ演奏者にとっては物足りない部分が 出てしまうため、部分的に原曲に無い音や旋律線などを加えています。また、通常は曲の最後に冒頭のアリアが 再現されますが、ラインベルガーの編曲では第30変奏のクオドリベットで曲を閉じるのも特徴です。 このラインベルガー版を基にマックス・レーガーが1915年に編曲した2台ピアノ版も存在し、そちらには複数の録音 が存在しますが、ラインベルガー版の録音は極めて貴重なものです。。 演奏するエレナ・ヴァレンティーニとマッテオ・リー ヴァは2017年にデュオを結成、まずレーガーの編曲版を演奏したのち、こちらのラインベルガー版を選んで録音した ということです。

DIVINE ART
DDC-25755(1SACD)
NX-D07
ライヴ&アンコール
バッハ:パルティータ第2番ハ短調 BWV826
 イタリア協奏曲 ヘ長調BWV971
 半音階幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op. 17
ショパン:ワルツ 嬰ハ短調 Op. 64No.2
■アンコール
シューマン:謝肉祭 Op.9〜 第12曲 ショパン
シューマン:幻想小曲集 Op.12〜 第3曲 なぜ?
ブルカルト・シュリースマン(P)

録音:2023年4月3-5日(ライヴ)
シューラ・チェルカスキーやブルーノ・レオナルド・ゲルバーに師事したドイツの中堅ピアニスト、ブルカルト・シュ リースマンが2023年4月に行ったリサイタルを収録した1枚。彼が得意とするバッハやシューマン、メンデルス ゾーンとショパンを彼自身が所有する「ファツィオリF278」で演奏しています。彼の妙技とともに、高音質録音 による美しい響きもお楽しみください。


Spectrum Sound
CDSMBA-115(1CD)
リヒテル〜第23回トゥレーヌ音楽祭ライヴ
ハイドン:ピアノ・ソナタ第46番(旧31番)変イ長調Hob.]Y:46
ピアノ・ソナタ第48番(旧58番)ハ長調Hob.]Y:48
ピアノ・ソナタ第52番(旧62番)変ホ長調Hob.]Y:52
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1986年6月28日ベナルディエ農園(ヴィルドーメ)(ステレオ・ライヴ)
※完全初出
リヒテルが1964年にフランスの大農園で始めたトゥール音楽祭。現在も続いていますが、生前は頻繁に登場して神業を聴かせました。フランスのINA(国立視 聴覚研究所)に所蔵されるそのコンサート・ライヴ音源が日の目を見ました。なんと正規盤初出!ステレオ録音で音質も上々。円熟期リヒテルの芸術を堪能でき ます。
このディスクは1986年6月28日のコンサート・ライヴで、ハイドンのソナタ3篇が収められています。いずれも1980年代にリヒテルが十八番としていたも のですが、ここでも演奏は冴えに冴えています。ハイドンのピアノ・ソナタは古典的に端正で活気あふれる世界が魅力といえますが、リヒテルは何の気も衒わず淡々 と弾き進めるなかに、得も言われぬ滋味と深みを感じさせ最後まで引き込まれます。これほどの名演が今まで世に出ていなかったのが罪と思えるほどで、まさに 人類の宝と申せましょう。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文下をおすすめします。
Spectrum Sound
CDSMBA-116(1CD)
リヒテル〜第25回トゥレーヌ音楽祭ライヴ
ブラームス:自作主題による変奏曲ニ長調Op.21の2
ショスタコーヴィチ:前奏曲とフーガ第19番変ホ長調Op.87の19
 前奏曲とフーガ第20番ハ短調Op.87の20
リスト:ポロネーズ第2番ホ長調S.223
 灰色の雲S.199
 コンソレーション第6番ホ長調S.172
 ハンガリー狂詩曲第17番ニ短調S.244
 スケルツォと行進曲S.177
 超絶技巧練習曲第11番「夕べの調べ」S.139
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1988年6月24日メレ農園(トゥール)(ステレオ・ライヴ)
※完全初出
リヒテルが1964年にフランスの大農園で始めたトゥール音楽祭。現在も続いていますが、生前は頻繁に登場して神業を聴かせました。フランスのINA(国立視 聴覚研究所)に所蔵されるそのコンサート・ライヴ音源が日の目を見ました。なんと正規盤初出!ステレオ録音で音質も上々。円熟期リヒテルの芸術を堪能できま す。
このディスクは1988年6月24日のコンサート・ライヴで、ブラームス、ショスタコーヴィチ、リストの作品をたっぷり聴かせてくれます。この回は技巧と迫力を 追求する曲が多く、リヒテルの巨人的なヴィルトゥオーゾぶりが発揮されています。それに加え、しばしば現れる抒情的な箇所をさりげなく歌わせる所が、気絶しそ うになるほど感動的。リストの音楽が技巧を誇示するのではなく深いものであることに気付かせてくれます。まさに絶品としか言いようのない音源の出現です。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文下をおすすめします。

CONTINUO Classics
CC221-188(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 植山けい(Cemb)
使用楽器:J.ルッカース製チェンバロ(1632年/1745年)

録音:2011年10月26-28日スイス、ノイシャテル博物館
国内外で活躍しているチェンバリスト植山けいが2011年に録音したバッハの傑作「ゴルトベルク変奏曲」。一音一音をしっかりと響かせる丁寧かつ優美な 演奏で、薫り高いチェンバロの音色を存分に聴かせてくれます。使用楽器はスイス・ノイシャテル博物館所蔵の1634年製J.ルッカースです。―――バロック時代 の作曲家をより深く理解するために4か国で探究し続け、やっと出会ったのがこの宝石の様な1634年J.ルッカース。ゴルトベルク変奏曲と伝説的なルッカース が融合したら一体どのような世界が生まれるのだろう?―――植山けい自身そう語るこだわりの名器の響きは、繊細かつ煌びやかな響き。シンプルながらも底知 れぬ奥深さを持つゴルトベルク変奏曲の音楽世界を、名器の響きでたっぷりと堪能できるおすすめの1枚です。日本語解説付。 ※CD再発売にともない、旧品番INTEG-221188は廃盤となります。 (Ki)

LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-033(1CD)
フランク(セルヴァ編):大オルガンのための3つのコラール(全3曲)
 前奏曲,コラールとフーガ ロ短調 FWV21
セルヴァ:陽光に響く鐘
 夕陽の風景
ジャン=クロード・ファンデン・エイデン(P)

録音:2022年/フランス
ベルギーのピアノの巨匠ジャン=クロード・ヴァンデン・エインデンが2022年、セザール・フランク生誕200周年にあわせて、フランクのピアノ作品とブランシュ・ セルヴァ(1884-1942)の作・編曲作品を組み合わせたアルバムを完成させました。
ブランシュ・セルヴァはカタルーニャ系フランスのピアニスト。アルベニスやセヴラックと親しかったセルヴァは技巧と豊かな表現力をもち合わせたピアニストです が、ダンディに作曲を師事しており、ピアノ曲、声楽曲などの作品をのこしております。
フランク最晩年作曲の「大オルガンのための3つのコラール」は、オルガニストの必須レパートリーであるだけでなく、あらゆるオルガン作品の頂点ともいえ、頻 繁に演奏されております。セルヴァはこの作品を全曲ピアノ独奏版に編曲。アルベニスの超難曲「イベリア」全曲を世界初演しているほどの技巧をもつセルヴァは、 フランクがオルガンで意図した音楽を見事なピアノ・ソロに編曲しております。
「陽光に響く鐘」は1904年作曲。イタリアの鐘の音を描写したものでセルヴァがいかに優れた作曲家であったかを示すものとなっております。
1964年開催のエリザベート王妃国際音楽コンクールで、当時史上最年少で第3位となり、その後ヨーロッパを中心に国際的活躍しているヴァンデン・エインデ ン。Le Palais des Degustateursレーベルからジェラール・プーレと「フランク&マニャール:ヴァイオリン・ソナタ集」(PDD-002)、「シューマン:ヴァイオ リン・ソナタ集」(PDD-011)、「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第3・5・7番」(KKC-6551 / PDD-026)をリリース。またソロ・アルバムとして「シュー マン:幻想曲、リスト:ピアノ・ソナタ」(PDD-024)をリリースしています。 (Ki)

Altus
ALT-533(1CD)
税込定価
Women Composers
アドリアーナ・ヘルツキー(1953-):フランツ・リストのための「ヘルフェンスター」
ヴァネッサ・ラン(1968-):インナー・ピース
ガリーナ・イワーノヴナ・ウストヴォリスカヤ(1919-2006):ピアノ・ソナタ第6番
グバイドゥーリナ(1931-):ピアノ・ソナタ
メレディス・モンク(1942-):ダブル・フィエスタ
向井山朋子(P)

録音:1994年8月15・16・17日/NCRV Studio Hilversum
1994年に発表され大きな話題となった向井山朋子のデビュー・アルバム「Women Composers」が、30周年を目前にしてALTUSによる2023年新規リマスターで再発売!
作曲家お墨付きの演奏であるウストヴォリスカヤのピアノ・ソナタ第6番をはじめ、5人の女性作曲家による個性的な作品を収録。自らのヴォーカルを伴う作品や、向井山のために書かれた作品もあります。技巧と音楽性が高い次元で組み合わさり新しい表現をうみだした名盤で、現在ジェンダーレス、ダイバーシティといった思想を表現の核として多彩な活動を展開する向井山の原点ともいえるアルバムです。90年にアムステルダムに移り住んだ向井山が音楽にどう向き合ったのか、また当時のオランダの雰囲気や芸術の在り方というものを、今でも強烈に伝えてくれます。
「このアルバムを録音したのは、オランダに移住して間もなく、幸いにコンクールで優勝し、ああ、これからピアニストとしてやっていくんだ、と決意し始めた時期。これまでにないようなアルバム、強い何か、新しい音楽、ピアニストの領域を拡大するようなレパートリーを求めていた時、ふさわしいのは女性が作曲した作品群でした。」(向井山朋子)
※TOMOKO-0001およびKKC-6111は廃盤となります。

H.M.F
HMM-902435(2CD)
ベートーヴェン:変奏曲全集Vol.2
■Disc1
(1)ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲ハ短調WoO.80
(2)スヴェーリンク:「わが青春はすでに去り過ぎ」による6つの変奏曲SwWV324
(3)ベートーヴェン:リギーニのアリエッタ「恋人よ来たれ」による24の変奏曲WoO.65
(4)バッハ:イタリア風のアリアと変奏曲イ短調BWV989
(5)バッハ(ブラームス編):シャコンヌ(左手のための)
■Disc2
(6)ベートーヴェン:「ルール・ブリタニア」による5つの変奏曲WoO.79
(7)モートン・フェルドマン:最後の小品(全4曲)
(8)ベートーヴェン:創作主題による6の変奏曲ト長調WoO.77
(9)ケージ:7つの俳句
(10)ベートーヴェン:ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲ハ短調WoO.63
(11)クラム:行列聖歌
(12)ベートーヴェン:ハイベルのバレエ「妨げられた結婚」の「ヴィガノのメヌエット」による12の変奏曲WoO.68
(13)ケージ:ある風景のなかで
(14)ベートーヴェン:イギリス国歌による変奏曲ハ長調WoO.78
セドリック・ティベルギアン(P)

録音:2023年1月ポワチエ・オーディトリアム劇場
2023年2月にリリースされた第1集(HMM902433/4;国内仕様盤KKC 6676/7)が「レコード芸術」誌特選をはじめ絶賛されたティベルギアンのベー トーヴェン変奏曲全集シリーズ第2弾の登場。第1集以上に凝った選曲に驚愕です。
第2集も2枚組。Disc1は作品番号のない「創作主題による32の変奏曲ハ短調」に始まりますが、ピアノ協奏曲第4番と同時期1806年の作で、「ベートー ヴェンのハ短調」の充実が見られます。次にスヴェーリンクで200年、バッハでと100年ほど前の変奏技法に立ち返り、ベートーヴェンへの影響を探ります。 「シャコンヌ」はブラームスが左手だけのために編曲したものを披露。
Disc2はベートーヴェン作品で20世紀アメリカをはさむ興味深い企画。ベートーヴェンは変奏曲という形式を改革し、主題素材を無視してその抽象的な枠 組みだけを残すことをあえてしています。これが現代音楽に影響を与えているとして、音響自体が沈黙の変奏である4作品を選んでいます。ティベルギアンの 演奏でケージやフェルドマン、クラムの作品を聴くことができるのは贅沢の極み。ティベルギアンのニュアンスに富むピアノの音色は現代曲にもピッタリ。ことに 全く前衛的でないケージの「ある風景のなかで」はBGMにしたいほどの美しさとメッセージにあふれていて絶品。ティベルギアンの新境地を垣間見れます。 また「7つの俳句」では「わび・さび」の美学さえ感じさせます。 (Ki)

CLAVES
50-3062(3CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) パブロ・デ・ナヴェラン(Vc/カルロ・アントニオ・テストーレ製作(1723年))

録音:2021年9月/ペロワ教会(スイス)
パブロ・デ・ナヴェランがバッハの無伴奏チェロ組曲全曲を録音しました!1975年、スペインのビルバオ生まれのナヴェラン。11歳でミハイ・ベセドフスキにチェ ロを師事。その後17歳でスイス、グシュタードの国際メニューイン音楽アカデミーに入学し、ユーディ・メニューイン、アルベルト・リジー、ラドゥ・アルドゥレスクに 師事。そして、パリ国立高等音楽院でフィリップ・ミュレールに師事し、最優秀の成績でディプロマを取得しています。これまでにガスパール・カサド国際チェロ・コ ンクール、若い音楽家のためのスペイン室内楽コンクールなど、国内外のコンクールで数々の賞を受賞。現在はソリストとして活躍する傍ら、母校国際メニューイン 音楽アカデミーで後進の育成にも力を注いでいます。
一音一音たっぷりと奏でるナヴェランのバッハ。イタリアのカルロ・アントニオ・テストーレが1723年に製作したチェロを存分に鳴らしながら、聴き手をバッハ の無伴奏の世界へと連れていきます。力強さとしなやかさを併せ持った銘器で奏でるナヴェランのバッハ。圧巻の仕上がりです。 ※ブックレットは付属しておりません。 (Ki)











CONTINUO Classics
CC777-826(1CD)
群島〜情熱の音楽第1集
アルノー・サン(1960-):ジュナック
ホアキン・ニン(1879-1949):スペイン組曲(コンラート・ラゴスニック編)
カルロ・ドメニコーニ(1947-):7つの想像力
アルノー・デュモン(1950-):3つの沈黙の顔
ニキータ・コシュキン(1956-):リステッソ・テンポ
デュージャン・ボグダノヴィチ(1955-):4つの親密な小品
ハダメス・ニャタリ(1906-1988):チェロとギターのためのソナタ
ジャン= ピエール・ノウアー(Vc)
ギヨーム・ブレトン(G)

録音:2022年/フランス
チェロのジャン=ピエール・ノウアー、ギターのギヨーム・ブレトンのデュオ・アルバム「群島」。それぞれ情熱的で強い個性を持つ各作品。アルバムのタイトル「群 島」は大海原にひろがる島々をイメージしており、各曲がまるで群島のような集合体をイメージしております。現代作曲家によるチェロとギターのための作品集。非 常に貴重な内容となっております。 (Ki)

BIS
BISSA-2644(1SACD)
ソプラノ・サクソフォーンのための孤独の詩
(1)フレードリク・ホーグベリ(1971-):Orphan Elephant(親のない子象)(2021)
(2)スティーヴ・ドブロゴス(1956-):The Gracenotes(装飾音符)(2021)
(3)ヴィクトリア・ボリソワ=オッラス(1969-):Daybreak on Skeppsholmen(シェップスホルメン島の夜明け)(2022)
(4)アンドレーア・タッロディ(1981-):…of days gone by…(…過ぎた日々の…)(2021)
(5)ユーハン・ハンメルト(1953-):Lontano(ロンターノ)(2021)
(6)アンデシュ・ヒルボリ(1954-):Shared Solitude 1(分かちあう孤独1)(2021)(2つのサクソフォーンのための)*
(7)トマス・シマク(1958-):Soliloquy VI(独り言 VI)(2021)
(8)アンデシュ・ヒルボリ(1954-):Shared Solitude 2(分かちあう孤独2)(2021)(2つのサクソフォーンのための)*
(9)アンナ=レーナ・ラウリン(1962-):Dawn(夜明け)(2022)
(10)パウラ・アーヴ・マルムボリ・ウォード(1962-):Growing, coming, filling up(成長し、やってきて、いっぱいに満たす)(2022)
(11)ブー・ハンソン(1950-):Memories(記憶)(2022)
(12)コリリアーノ(1938-):And the People Stayed Home(そして人々は家にいた)(2021)
(13)ステラ・スン(1959-):Soliloquy(独り言)(2021)
(14)アド・ヴァメス(1953-):Inspired by Nile Rodgers(ナイル・ロジャーズにインスパイアされて)(2022)
(15)アン=ソフィ・セーデルクヴィスト(1956-):Solitude(孤独)(2021)
(16)ビョルン・クルーセ(1946-):amber soliloquy(琥珀の独り言)(2022)
(17)スヴァンテ・ヘンリソン(1963-):Crux(核心)(2021)
(18)アンデシュ・ニルソン(1954-):Splendid Isolation(すばらしい孤独)(2022)
(19)トマス・リンダール(1953-):Nattuggla(宵っぱり)(2022)
(20)マリー・サミュエルソン(1956-):Piece to Anders from Marie(マリーからアンデシュへの小品)(2021)
(21)ヨリエン・ダーフゴード(1964-):Iridescence(彩雲現象)(2022)
(22)シェル・ペーデル(1954-):How Dare You?(よくもそんなことを)(2021)(サクソフォーンとディジュリドゥのための)**
(23)ブリッタ・ビューストレム(1977-):Later the Same Day(その日の後で)(2021)(2つのサクソフォーンのための)
アンデシュ・パウルソン(ソプラノSax)
テオ・ヒルボリ(ソプラノSax)*、
ブルース・コプリー(ディジュリドゥ)**

録音:2023年1月2、4&6日王立ストックホルム音楽大学、ストックホルム(スウェーデン)
2019年に確認された新型コロナウィルスは、瞬く間にひろがり、世界中に人的、社会的、経済的な打撃を与えました。音楽界も例外で はなく、コンサートやツアーといった活動は停止され、音楽家とりわけフリーランスの人たちは生計の手段を奪われてしまいました。一方、COVID-19 のパンデ ミックによるロックダウンの間に音楽家たちの芸術面の意欲は一層高まり、家にとどまっていた作曲家たちは、インスピレーション豊かなな作品を次々と作ってい きました。「ソプラノ・サクソフォーンのための孤独の詩」は、戸川ひよりの『孤独の歌』(BIS SA-2533)と同様、「COVID-19パンデミックに対するポジティ ヴな反応」として、スウェーデンのサクソフォーン奏者のアンデシュ・パウルソンがスタートさせたプロジェクトです。
パウルソン(1961-)は、コントロールのむずかしいとされるこの楽器を自在に操る技術とセンスを備え、世界でもっとも優れたソプラノ・サクソフォーン奏者 のひとりと認められています。1993年にネルソン・マンデラがノーベル平和賞を受賞した際には祝いの祝典で演奏しました。パウルソンは作曲家としても活動し、 フィリピンのダンジューガン島のサンゴ礁を保全する運動に捧げる混声合唱曲「Danjuran Sanctuary(ダンジューガン・サンクチュアリ)」をはじめとする作品 を発表してきました。
「孤独の詩」のプロジェクトで彼は、スウェーデンと国外の作曲家たちに作品を委嘱しました。トマス・シマク(1958-)はアルバニア出身でイギリス在住、ジョン・ コリリアーノ(1938-)とステラ・スン(1959-)はアメリカ、アド・ヴァメス(1953-)はオランダの作曲家です。
ブリッタ・ビューストレムの「Later the Same Day(その日の後で)」など14曲が2021年に、ヴィクトリア・ボリソワ=オッラス(1969-)の「Daybreak on Skeppsholmen(シェップスホルメン島の夜明け)」など16曲が2022年に初演されました。このアルバムには、その初演曲から選んだ作品が、王立ストッ クホルム音楽大学で行ったセッションの録音で収録されています。
パウルソンの友人アンデシュ・ヒルボリが2つのソプラノ・サクソフォーンのために書いた「Shared Soli-tude(分かちあう孤独)」の2曲は、ヒルボリの子、 テオ・ヒルボリとの共演で演奏されます。ビューストレムの「Later the Same Day(その日の後で)」の方は、両パートともパウルソンが演奏しました。ノルウェー の作曲家シェル・ペーデルが、グレタ・トゥンベリの国連でのスピーチからインスピレーションを得たという「How Dare You?(よくもそんなことを)」は、アボリ ジニの楽器ディジュリドゥとのデュエットのために書かれ、パウルソンの南アフリカの友人、ブルース・コプリーがセッションに参加しました。 (Ki)

Hortus
HORTUS-231(1CD)
春の朝に
(1)シャミナード(グラッピー編):コンチェルティーノ Op.107
(2)ドビュッシー:シランクス
(3)ドビュッシー(グラッピー編):牧神の午後への前奏曲
(4)リリ・ブーランジェ(グラッピー編):春の朝に
(5)オネゲル:牝山羊の踊り H.39
(6)フォーレ(グラッピー編):幻想曲 Op.79
(7)フォーレ(デーペンホイアー編):組曲「マスクとベルガマスク」Op.112
(8)フォーレ(グラッピー編):子守歌 Op.16
(9)ボナル:太陽の反映 Op.17
(10)ジョンゲン(グラッピー編):ゆっくりした舞曲
ティエリー・カザルス(Fl)(1)-(6)(9)(10)、
ヴァンサン・グラッピー(Org/カヴァイエ=コル製作)(1)(3)(4)(6)-(8)(10)

録音:2022年/サン・フランソワ・ド・サル教会、リヨン(フランス)
シャミナード、ドビュッシー、フォーレなど19世紀後半から20世紀前半にフランスで活躍した作曲家を中心に収録したフルート奏者ティエリー・カザルス、オル ガン奏者ヴァンサン・グラッピーのデュオ・アルバム「春の朝に」。笛の集合体ともいえるオルガンとフルートとの相性は言うまでもなく自然であることから、グラッ ピーはドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」やフォーレの「幻想曲」などの名曲をフルートとオルガン用に編曲。オルガンはサン・フランソワ・ド・サル教会に 据え付けられたアリスティド・カヴァイエ=コル(1811〜1899)製作の銘器。色彩的なフランス音楽を表現するに最適な楽器でフルートと豊かな音楽を展開して います。
オルガンのヴァンサン・グラッピーはオルレアンでフランソワ=アンリ・ウバール、パリでマリー=クレール・アラン、リヨンでルイ・ロビヤールに師事しました。パ リ市主催国際コンクール(2002年)とシャルトル国際オルガン・コンクール(2004年)で優勝している実力派。管楽器とオルガン用に数多く編曲も手掛けてい ます。 (Ki)

La Dolce Volta
LDV-102(1CD)
フォーレ:チェロとピアノの作品集
チェロ・ソナタ第1番ニ短調 Op.109
エレジーハ短調 Op.24
セレナード Op.98
シシリエンヌOp.78
子守歌 Op.16
ロマンス Op.69
蝶々Op.77
チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.117
夢のあとに Op.7-1(編曲:パブロ・カザルス)
グザヴィエ・フィリップス(Vc)
セドリック・ティベルギアン(P)

録音:2023年1月2-4日、メス音楽都市(シテ・ミュジカル=メス)
セドリック・ティベルギアンとグザヴィエ・フィリップス、活躍するふたりによるフォーレ作品集というぜいたくな1枚の登場。二人の出会いは、お互いの子供が 同じ学校に通っていたこところからといいます。フィリップスが一人の作曲家にしぼったディスクを作ろうと考えていた時にティベルギアンとフォーレについて話す ことがあり、フォーレに決まったといいます。チェロの世界以外ではそこまで有名とはいえないかもしれない二つのソナタを中心に、フォーレ作品の深海にまでもぐ りこんだような1枚となっています。フィリップスは幼いころから身近にフォーレの音楽がありました。ティベルギアンは11歳の時に初めて弾いたフォーレの舟歌 第4番を鮮明に覚えていて、さらに新型コロナ・ウィルス感染拡大中の頃は、ベートーヴェンのディアベッリ変奏曲とフォーレの夜想曲集をいつも弾いていたそうで、 フォーレは重要な存在といいます。スケールが大きく息の長い旋律とたたみかけるようなリズムがおりなすフォーレの世界を、フィリップスとティベルギアンはやわ らかくも熱い集中で手中に収めています。聴きごたえ満点のフォーレ作品集です。 (Ki)

SONARE
SONARE-1063(1CD)
税込定価
深山尚久ヴァイオリン・リサイタル
(1)ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調 遺作
(2)プーランク:ヴァイオリン・ソナタ FP119「ガルシア・ロルカの思い出に」
(3)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調「バラード」Op.27-3
(4)ルクー:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
(5)スコリク:メロディー
(8)リセンコ:ウクライナへの祈り
深山尚久(Vn)、橘高昌男(P)

録音:2023年6月7&8日五反田文化センター 音楽ホール
名手、深山尚久がラヴェル、プーランクのヴァイオリン・ソナタを主軸としたアルバムをリリース!深山は東京藝術大学を卒業後、同大学院在学中に東京フィルハー モニーSOのコンサ-トマスタ-に就任に一躍注目され、以来、新星日本SO、札幌SO、広島SO、神奈川PO、東京交 響楽団、静岡SOのコンサ-トマスタ-を歴任しています。現在はソロ活動の傍ら、後進の育成にも貢献し、日本音楽コンクールをはじめとする著名なコンクー ルに審査員として招かれています。
近年、演奏機会が増えているラヴェル若書きの遺作のソナタ。ラヴェルらしさが随所にあらわれた美しい作品です。20世紀フランスを代表するプーランクのソナ タ。ヴァイオリンのピツィカートがドキっとする冒頭。その後も目まぐるしく展開していきますが、思わず涙が出てしまうほど美しい旋律に心打たれてしまいます。
ベルギー生まれのイザイの無伴奏の難曲「バラード」とルクーの美しいヴァイオリン・ソナタも深山は情感豊かな演奏を披露。そしてウクライナの作曲家スコリク とリセンコの小品で平和への思いを奏でます。抜群のテクニックと豊かな表現で魅了するピアノの橘高昌男とともにフランス、ベルギー、ウクライナの作品を歌い上 げます。
「演奏の奥に流れるフランス音楽への愛、作品の細部にわたって音色やダイナミクスへの配慮が行き届いており、あらためて演奏された作品への愛を強く感じた」 (片桐卓也 ライナーノーツより)

Myrios Classics
MYR-006CD(1CD)
HAGEN QUARTETT30
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番ホ短調「ラズモフスキー」 Op.59-2
モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番変ホ長調 K.428(K.421b)
ウェーベルン:弦楽四重奏のための5つの楽章 Op.5
 弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9
ハーゲンQ【ルーカス・ハーゲン(Vn1)、ライナー・シュミット(Vn2)、ヴェロニカ・ハーゲン(Va)、クレメンス・ハーゲン(Vc)】

録音:2010年5月&7月/ベルリン、ジーメンス・ヴィラ
1981年に結成されたハーゲン四重奏団の結成30周年記念盤(2011年発売)。MYR.006SACDハイブリッド盤で流通しておりましたが、CD版として再登 場します。これに伴いMYR.006(SACD Hybrid)は廃盤となります。現在承っておりますご注文分もキャンセルとさせてただきます。 (Ki)


NIFC
NIFCCD-000020(21CD)
ザ・リアル・ショパン〜ピアノ作品全集
■NIFCCD-020
夜想曲集
夜想曲ハ短調WN.62/夜想曲第16番変ホ長調Op.55-2/夜想曲第12番ト長調Op.37-2/夜想曲第11番ト短調Op.37-1/夜想曲第10番変イ長調Op.32-2/夜想曲第1番変ロ短調Op.9-1/夜想曲第15番嬰ヘ長調Op.15-2/夜想曲第3番ロ長調Op.9-3/夜想曲第7番嬰ハ短調Op.27-1/夜想曲第9番ロ長調Op.32-1/夜想曲第19番ホ短調Op.72-1(WN.23)/夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2/夜想曲第15番ヘ短調Op.55-1/夜想曲第20番嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」(WN.37)
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■NIFCCD-019
ワルツ&ポロネーズ集
ワルツ第1番変ホ長調Op.18「華麗なる大円舞曲」/ワルツ第2番変イ長調Op.34-1「華麗なる円舞曲」/ワルツ第3番イ短調Op.34-2「華麗なる円舞曲」/ワルツ第5番変イ長調「大円舞曲」/ワルツ第6番変ニ長調Op.64-1「小犬のワルツ」/ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2/ワルツ第8番変イ長調Op.64-3/ワルツ第9番変イ長調Op.69-1「告別」/ワルツ第10番ロ短調Op.69-2/ワルツ第11番変ト長調Op.70-1/ワルツ第12番ヘ短調Op.70-2/ワルツ第13番変ニ長調Op.70-3/ワルツ第14番ホ短調WN.29/ワルツ第15番ホ長調WN.18/ワルツ第16番変イ長調WN.28/ワルツ第17番変ホ長調WN.53(ソステヌート)/ワルツ第19番イ短調WN.63/ポロネーズ第11番ト短調WN.2/ポロネーズ第13番変イ長調WN.3/ポロネーズ第12番変ロ長調WN.1/ポロネーズ第9番変ロ長調Op.71-2(WN.17)*
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■NIFCCD-018
ポロネーズ&マズルカ集
ポロネーズ変ロ短調WN.10/ポロネーズ嬰ト短調WN.5/ポロネーズ第10番ヘ短調Op.71-3(WN.12)/ポロネーズ第1番嬰ハ短調Op.26-1/マズルカ第41番嬰ハ短調Op.63-3/マズルカ第20番変ニ長調Op.30-3/マズルカ第40番ヘ短調Op.63-2/マズルカ第34番ハ長調Op.56-2/マズルカ イ短調Dbop.42A/マズルカ第48番ハ長調Op.68-1(WN.24)/夜想曲第6番ト短調Op.15-3/マズルカ第33番ロ長調Op.56-1/マズルカ第39番ロ長調Op.63-1/ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲ホ長調WN.4/ロンド ハ長調WN.15/ギャロップ変イ長調WN.59
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■NIFCCD-017
ラルゴ変ホ長調/エロルドの主題による華麗なる変奏曲変ロ長調Op.12/マズルカ風ロンド ヘ長調Op.15/ロンド ハ長調Op.73(WN.9)*/フーガ イ短調/マズルカ第57番ハ長調/マズルカ第58番変イ長調(WN.45)/マズルカ第55番ニ長調/モデラート ホ長調/4手のための変奏曲ニ長調WN.6**/パガニーニの主題による変奏曲イ長調WN.16/ベルリーニの歌劇「清教徒」の主題よる変奏曲ホ長調Dbop.29/ポロネーズ変ト長調WN.35/アレグレット嬰ヘ長調WN.36/ワルツ変ホ長調WN.8/春WN.52a(P独奏版)
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■NIFCCD-016
ポーランドの歌Op.74
乙女の願いOp.74-1/どこで会いましょうOp.74-5*/使者Op.74-7/魔力*/浮かれた女Op.74-4*/私の見えぬところにOp.74-6*/闘士Op.74-10*/リトアニアの歌Op.74-16/濁った水Op.74-3/花婿Op.74-15*/枯れ葉よOp.74-17/指輪Op.74-14*/いとしき娘Op.74-12*/春Op.74-2/美しき若者Op.74-8/ドゥムカ*/愁いOp.74-13/2人の死Op.74-11/メロディOp.74-9
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■NIFCCD-015
ピアノ・ソナタ第1番ハ短調Op.4/3つの新しい練習曲/5つのマズルカOp.7/マズルカ第10番変ロ長調Op.17-1/コントルダンス変ト長調WN.27/マズルカ第56番変ロ長調WN.56/カンタービレ変ロ長調WN.43/マズルカ ト長調第53番WN.8/マズルカ第52番変ロ長調WN.7/4つのマズルカOp.6/4つのマズルカOp.41/マズルカ第43番イ短調「ノートル・タン」
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■NIFCCD-014
子守歌変ニ長調Op.57/夜想曲第7番嬰ハ短調Op.27-1/タランテラ変イ長調Op.43/ボレロ ハ長調Op.19/ロンド ハ短調Op.1/ロンド変ホ長調Op.16/演奏会用アレグロ イ長調Op.46/ポロネーズ第8番ニ短調Op.71-1/モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲変ロ長調Op.2
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■NIFCCD-013
室内楽作品集
チェロ・ソナタ ト短調Op.65/序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調Op.3/マイアベーアの歌劇「悪魔のロベール」の主題による協奏的大二重奏曲ホ長調/ピアノ三重奏曲ト短調Op.8
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■NIFCCD-012
夜想曲第4番ヘ長調Op.15-1/スケルツォ第1番ロ短調Op.20/夜想曲第15番ヘ短調Op.55-1/マズルカ第46番ハ長調Op.67-3/マズルカ第13番イ短調Op.17-4/マズルカ第44番ト長調Op.67-1/夜想曲第6番ト短調Op.15-3/ポロネーズ第2番変ホ短調Op.26-2/マズルカ第47番イ短調Op.67-4/マズルカ第45番ト短調Op.67-2/マズルカ第5番変ロ長調Op.7-1/夜想曲第5番嬰ヘ長調Op.15-2/夜想曲第18番ホ長調Op.62-2/スケルツォ第4番ホ長調Op.54
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■NIFCCD-011
夜想曲第13番ハ短調Op.48-1/ポロネーズ第5番嬰ヘ短調Op.44/夜想曲第17番ロ長調Op.62-1/マズルカ第12番変イ長調Op.17-3/マズルカ第19番ロ短調Op.30-2/ポロネーズ第3番イ長調Op.40-1「軍隊」/ワルツ第3番イ短調Op.34-2/マズルカ第49番イ短調Op.68-2/マズルカ第50番ヘ長調Op.68-3/ポロネーズ第6番変イ長調Op.53「英雄」/マズルカ第51番ヘ短調Op.68-4
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■NIFCCD-010
4つの即興曲
前奏曲嬰ハ短調Op.45/幻想即興曲嬰ハ短調Op.66/スケルツォ第3番嬰ハ短調Op.39/即興曲第2番嬰ヘ長調Op.36/夜想曲第9番ロ長調Op.32-1/夜想曲第10番変イ長調Op.32-2/即興曲第1番変イ長調Op.29/ポロネーズ第4番ハ短調Op.40-2/前奏曲変イ長調/即興曲第3番変ト長調Op.51/3つのマズルカOp.59
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■NIFCCD-009
ピアノと管弦楽のための作品集
ポーランド民謡による大幻想曲イ長調Op.13/モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲変ロ長調Op.2/ロンド「クラコヴィアク」ヘ長調Op.14/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調Op.22/ポーランド共和国国歌「ドンブロフスキのマズルカ」
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■NIFCCD-008
マズルカ集
マズルカ第13番イ短調Op.17-4/同第21番嬰ハ短調Op.30-4/同第14番ト短調Op.24-1/同第15番ハ長調Op.24-2/同第26番嬰ハ短調Op.41-1/ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35「葬送」/夜想曲第19番ホ短調Op.72-1/スケルツォ第2番変ロ短調Op.31/ワルツ ホ長調/同第7番嬰ハ短調Op.64-2/夜想曲嬰ハ短調(レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ)
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■NIFCCD-007
12の練習曲Op.10/12の練習曲Op.25
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■NIFCCD-006
24の前奏曲Op.28/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調Op.22
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■NIFCCD-005
ワルツ&エコセーズ
ワルツ第1番変ホ長調Op.18「華麗なる大円舞曲」/同第2番変イ長調Op.34-1/同第3番イ短調Op.34-2/同第4番ヘ長調Op.34-3/同第5番変イ長調Op.42/同第6番変ニ長調Op.64-1「小犬」/同第7番嬰ハ短調Op.64-2/同第8番変イ長調Op.64-3/同第9番変イ長調Op.69-1「別れ」/同第10番ロ短調Op.69-2/同第11番変ト長調Op.70-1/同第12番ヘ短調Op.70-2/同第13番変ニ長調Op.70-3/同第14番ホ短調/3つのエコセーズOp.72/舟歌嬰ヘ長調Op.60/子守歌変ニ長調Op.57
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■NIFCCD-004
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11/ピアノ協奏曲第2番へ短調Op.21
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■NIFCCD-003/
バラード&夜想曲
バラード第1番ト短調Op.23/夜想曲第14番嬰ヘ短調Op.48-2/バラード第2番ヘ長調Op.38/夜想曲第7番嬰ハ短調Op.27-1/バラード第3番変イ長調Op.47/夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2/バラード第4番ヘ短調Op.52
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■NIFCCD-002
幻想曲ヘ短調Op.49/4つのマズルカOp.33/幻想ポロネーズ変イ長調Op.61/前奏曲第13番嬰ヘ長調Op.28-13/同第14番変ホ短調Op.28-14/同第15番変ニ長調Op.28-15「雨だれ」/同第16番変ロ短調Op.28-16/同第17番変イ長調Op.28-17/同第18番ヘ短調Op.28-18/ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58
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■NIFCCD-001
マズルカ集
マズルカ第32番嬰ハ短調Op.50-3/同第22番嬰ト短調Op.33-1/同第16番変イ長調Op.24-3/同第35番ハ短調Op.56-3/同第40番ヘ短調Op.63-2/同第12番変イ長調Op.17-3/同第17番変ロ短調Op.24-4/同第18番ハ短調Op.30-1/同第31番変イ長調Op.50-2/同第14番ト短調Op.24-1/同第30番ト長調Op.50-1/同第25番ロ短調Op.33-4/同第19番ロ短調Op.30-2/同第11番ホ短調Op.17-2/同第26番嬰ハ短調Op.41-1/同第36番イ短調Op.59-1/同第6番イ短調Op.7-2/同第51番ヘ短調Op.68-4
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■NIFCCD-000
ラウル・コチャルスキ〜ヒストリカル・ライヴ・レコーディングス1948
前奏曲第2番イ短調Op.28-2/夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2/マズルカ第5番変ロ長調Op.7-1/子守歌変ニ長調Op.57/幻想即興曲嬰ハ短調Op.66/ワルツ第1番変ホ長調Op.18/バラード第1番ト短調Op.23
NIFCCD-020
ダン・タイ・ソン(ピリオド・ピアノ/エラール1849)
録音:2009年11月24日-25日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-019
マレク・ドレヴノフスキ(ピリオド・ピアノ/プレイエル1848&エラール1849*)
録音:2005年12月16日-17日&2009年3月12日-14日、12月12日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-018
タチアナ・シェバノワ(ピリオド・ピアノ/エラール1849)
録音:2009年10月28日-29日&12月11日、2010年1月19日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-017
タチアナ・シェバノワ(ピリオド・ピアノ/エラール1849)、ヤロスラフ・ジェヴィエツキ(プレイエル/1848)*、スタニスラフ・ジェヴィエツキ(ピリオド・ピアノ/エラール1849)**
録音:2009年4月15日-16日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-016/
アレクサンドラ・クルザック(S)、マリウシュ・クヴィエチェン(Br)*、ネルソン・ゲルナー(ピリオド・ピアノ)
録音:2009年3月24日-26日&6月23日-27日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-015
エヴァ・ポブウォツカ(ピリオド・ピアノ/プレイエル1848)
録音:2008年2月7日-10日&2009年8月12日-13日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-014
ニコライ・デミジェンコ(ピリオド・ピアノ/プレイエル1848)
録音:2008年12月15日-17日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-013
ヤン・クシシュトフ・ブローヤ(ピリオド・ピアノ/エラール1849)、
アンジェイ・バウアー(Vc)、
クーバ・ヤコヴィッツ(Vn)
録音:2009年7月6日-8日&10月22日-23日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-012
ディーナ・ヨッフェ(ピリオド・ピアノ/プレイエル1848)
録音:2008年8月2日-22日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-011
ヤヌシュ・オレイニチャク(ピリオド・ピアノ/エラール1849&プレイエル1848)
録音:2008年2月7日-10日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-010
ケヴィン・ケナー(ピリオド・ピアノ/プレイエル1848)
録音:2008年3月17日-19日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-009
ネルソン・ゲルナー(ピリオド・ピアノ/エラール1849)、
フランス・ブリュッヘン(指)、
18世紀オーケストラ
録音:2006年8月30日、ポーランド国立歌劇場&2007年11月11日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-008
ヤヌシュ・オレイニチャク(ピリオド・ピアノ/エラール1849)
録音:2007年9月10日-11日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)
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■NIFCCD-007
タチアナ・シェバノワ(ピリオド・ピアノ/エラール1849)
録音:2007年9月29日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-006/BC:5907690736064
ヴォイチェフ・シヴィタワ(ピリオド・ピアノ/エラール1849&プレイエル1848)
録音:2006年11月11日-13日&2007年5月4日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-005
タチアナ・シェバノワ(ピリオド・ピアノ/エラール1849)
録音:2007年5月19日-20日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-004
ダン・タイ・ソン(ピリオド・ピアノ/エラール1849)、
フランス・ブリュッヘン(指)、
18世紀オーケストラ
録音:2005年9月8日、フィルハーモニー・コンサート・ホール&2006年8月31日、ポーランド国立歌劇場
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■NIFCCD-003/
ネルソン・ゲルナー(ピリオド・ピアノ/プレイエル1848)
録音:2005年12月1日-4日&14日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-002
カ・リン・コリーン・リー(ピリオド・ピアノ/プレイエル1848)
録音:2005年11月26日-27日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-001
フー・ツォン(ピリオド・ピアノ/エラール1849)
録音:2005年3月14日-17日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ
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■NIFCCD-000
ラウル・コチャルスキ(ピリオド・ピアノ/プレイエル1847)
録音:1948年2月21日、ベルヴェデーレ宮殿ポンペリアン・ルーム(ワルシャワ)/ポーランド放送のアーカイヴからの復刻。マスターに起因するノイズがございます。予めご了承下さい。
ショパン存命当時に製作された「1849年製のエラール」&「1848年製のプレイエル」と、ショパン国際ピアノ・コンクールの覇者、入賞者など、ショパンやポーランドと縁の深い世界的ピアニストたちの共演で大きな話題を呼んだ、ポーランド国立ショパン研究所(Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)の自主レーベル"NIFC"。ショパンの孫弟子コチャルスキの歴史的録音から、ダン・タイ・ソンの「夜想曲」までの21タイトルを1つにしたインパクト絶大のボックス・セット。ゲルナー、デミジェンコ、シェバノワ、ポブウォツカ、オレイニチャク、ヨッフェ、ブリュッヘンらの超豪華アーティスト達が、ショパンのソロ・ピアノ作品は勿論、協奏曲や協奏的作品、室内楽曲、歌曲などもすべてピリオド楽器で演奏しています。
2010年のショパン生誕200周年イヤーにリリースされロングセラーとなりながらも、近年入手困難となっていた当BOXセットが再生産されました。今回再生産分が完売後は再度再生産未定となりますので、この機会にぜひともご検討ください。
※分売されているNIFCCD-000〜NIFCCD-020までの21枚がセットになったBOXです。
NIFC
NIFCCD-150(1CD)

XNIFCCD-150(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

モーツァルト:レクイエム(P独奏版)
レクイエム ニ短調 K.626(フランツ・クサファー・ジュスマイアー補筆完成版に基づく、カール・クリントヴォルト編曲ピアノ独奏版)
ヴァディム・ホロデンコ(ピリオド・ピアノ/エラール、1858年)

録音:2023年1月17日-19日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
第4回仙台国際音楽コンクールの覇者であるウクライナ出身のピアニスト、ヴァディム・ホロデンコの2023年録音がNIFCから登場!リストに学び初期のワグネリアンとしても知られる19世紀ドイツの音楽家、カール・クリントヴォルトが編曲したピアノ独奏版によるモーツァルトの「レクイエム」を1858年製のエラールで弾くというNIFCらしさが光る好企画。ホロデンコ渾身の演奏にご期待ください。
ヴァディム・ホロデンコは深みのある音と洗練された表現力、そして完璧なヴィルトゥオーゾ性を兼ね備えた、ユダヤ人の血を引くキーウ(キエフ)出身のピアニスト。2010年の第4回仙台国際音楽コンクールで第1位を獲得してその名を揚げると、翌年にはドルトムントのシューベルト国際コンクールで優勝、そして2013年にはヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝し一躍同世代のトップ・ピアニストの仲間入りを果たし、現在に至るまで第一線で活躍し続けています。自身の存在が世に知れ渡るきっかけとなった仙台を特別な地と話し、その後も度々来日を果たして日本でも多くのファンを獲得している人気ピアニストの一人。2023年12月には4年ぶりとなる待望の来日公演を控えるウクライナの若き巨匠です。
NIFC
NIFCCD-149(1CD)
ショパン:最後の作品集
前奏曲 嬰ハ短調 Op.45/夜想曲 ホ長調 Op.62-2/ワルツ 変イ長調 Op.64-3/マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3/即興曲 変ト長調 Op.51/バラード ヘ短調 Op.52/マズルカ 変イ長調 Op.50-2/ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2/子守唄 変ニ短調 Op.57/夜想曲 ハ短調 Op.48-1/幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61/夜想曲 変ホ長調 Op.9-2
ドミトリー・アブロギン(ピリオド・ピアノ/ショパンのピアノ、プレイエル1848年製)

録音:2022年6月15日-17日&10月27日ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ、ポーランド放送(ワルシャワ)
2018年第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールの入賞者、ドミトリー・アブロギンによるショパン「最後の作品集」。ドミトリー・アブロギンはモスクワでウラジーミル・トロップに師事し、その後フランクフルト音楽舞台芸術大学でピリオド・ピアノの知識と演奏法を学びました。彼はショパン国際ピリオド楽器コンクールの他にも数々のコンクールで入賞し、2021年10月に行われた第10回国際ドイツピアニスト賞にて優勝を果たしました。2019年、2020年、2022年にはポーランド国立ショパン研究所がワルシャワで主催した「ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭と、マイアミ国際ピアノフェスティバル(米国)に出演。その他にもヨーロッパ各地で演奏活動を行いソリストとしてでなく、室内楽の分野でも活躍しています。録音経験も豊富な彼は、本アルバムでショパンが最後に使用したプレイエル社製のピリオド・ピアノを用いて、ショパンが存命中の頃の響きを甦らせています。
NIFC
NIFCCD-095(1CD)
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番、ラ・チ・ダレム変奏曲
ラ・チ・ダレム変奏曲(モーツァルト 「ドン・ジョヴァンニ」 の「お手をどうぞ」による変奏曲)変ロ長調 Op.2/スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39/コントルダンス 変ト長調 WN27/舟歌 嬰へ調調 Op.60/マズルカ集 Op.67/ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35 「葬送」/ショパンの前奏曲第4番ホ短調 Op.28-4の主題による即興曲
アレクサンドラ・シフィグト(ピリオド・ピアノ)

録音:2022年10月3日-6日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
1992年生まれのポーランドのピアニスト、アレクサンドラ・シフィグトは、ショパン音楽大学でピオトル・パレチニに師事し、現在は自身も同大学にて教鞭を取っています。古楽器に精通しており、2018年に開催された「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」では川口成彦と並ぶ第2位を受賞しています。他にも、「ルービンシュタイン国際ピアノコンクール」セミ・ファイナリストや、「第17回エドワード・グリーグ国際ピアノ・コンクール」第2位ならびに特別賞を受賞するなど、若くして輝かしい経歴を誇ります。
このアルバムの録音にはエラートの1858年製フォルテピアノが使用され、2023年の来日公演予定曲目ともなっている「ラ・チ・ダレム変奏曲」や「葬送ソナタ」などのショパンの名曲の数々が繰り広げられます。

フォンテック
FOCD-9889(1CD)
税込定価
2023年11月8日発売
佐藤ひでこ〜De Profundis
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
 夜想曲第16番変ホ長調 Op.55-2
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第13番イ長調 D664Op.120
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第31番変ホ長調 Op.110
佐藤ひでこ(P)

録音:2023年4月24-26日 小田原三の丸ホール 大ホール
東京音大を卒業後、ポーランドへ留学し、ショパン音楽院、クラコフ音楽院で学んだピアニスト 佐藤ひでこ。ヨーロッパ各地で研鑽を積みながら活動を行いました。しかし、帰国後の1995 年にピアノジストニアにより演奏活動完全停止。苦闘の後、2016 年自身が開発した鍵盤リハ ビリ治療法で完全に元の機能を取り戻し、演奏活動を再開しました。 愛奏曲によって構成したデビュー盤となるCD“De Profundis”。「嘆きの歌」を経て、輝か しいフーガへと向かうベートーヴェンは、<深き淵>から復活した佐藤の歩みを象徴しています。 (フォンテック)

CRD
CRD-3544(1CDR)
パワー、パッション・アンド・エクスタシー
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ヴァージニア・ブラック(P)

録音:2019年
スカルラッティの音楽の解釈に定評のあるイギリスの女流チェンバロ奏者ヴァージニア・ブラック。ロンドンの王立音楽アカデミーでチェンバロ科の教授として後進の育成にもあたっている名手がモダン・ピアノでベートーヴェンを奏でます。選曲をする際にはベートーヴェンの人生の様々な時期からこの3曲を選んだというブラック。こだわり抜いた選曲から様々なベートーヴェンの姿を引き出します。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

DUX
DUX-1583(1CD)
ショパン:ポーランドの舞曲集
マズルカ ロ長調 Op.63-1/マズルカ ホ短調 Op.17-2/マズルカ ホ長調 Op.6-3/マズルカ ホ短調 Op.41-1/マズルカ ロ長調 Op.41-2/マズルカ 嬰ト長調 Op.33-1/幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61/マズルカ 変イ長調 Op.59-2/マズルカ 変イ長調 Op.7-4/マズルカ 嬰ハ短調 Op.6-2/マズルカ 嬰ハ短調 Op.63-3/マズルカ ロ長調 Op.56-1/マズルカ ロ短調 Op.30-2/マズルカ 嬰へ短調 Op.59-3/マズルカ 嬰へ短調 Op.6-1/ポロネーズ第5番嬰へ短調 Op.44
カロリナ・ナドルスカ(P)

録音:2021年ショパン音楽大学コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)
ポーランドの舞曲を数多く作曲したショパン。とりわけ、マズルカはショパンが生涯にわたって作曲を行い、このアルバムにもショパンの最初のマズルカとなる作品60から、生前に出版された最後のマズルカである作品63まで、幅広い年代の作品を収録しています。
ピアニストのカロリナ・ナドルスカはカタジナ・ポポヴァ=ズィドロンやピオトル・パレチニに学び、数々の国際コンクールで受賞しています。ソリストや室内楽奏者として演奏活動を行う傍ら、ショパン音楽大学で助教授も務めています。
DUX
DUX-1992(1CD)
パデレフスキ:ピアノ作品集
6つの演奏会用ユモレスク Op.14
トッカータ 変ホ長調 Op.15「砂漠にて」
ミセラネア Op.16
イン・ハン(P)

録音:2022年7月11日-14日、スタニスワフ・モニューシュコ音楽アカデミー・コンサート・ホール(グダニスク、ポーランド)
19世紀から20世紀にかけて活躍したパデレフスキは、典型的なロマン派の伝統を受け継ぎつつ、ポーランドの民族舞曲やノスタルジックなメロディーからもインスピレーションを受け、独創的な作品を生み出しました。トッカータ 「砂漠にて」 は、演奏される機会こそ少ないものの、世界中のピアニストがレパートリーとするパデレフスキの他の小曲と比べても劣らない作品となっています。
中国生まれのピアニスト、イン・ハンは近年ポーランドを拠点に活動しており、このアルバムでは軽やかで自由な演奏でパデレフスキの魅力を存分に引き出しています。
DUX
DUX-1868(1CD)
ポーランドのマズルカ集
ミハウ・クレオファス・オギンスキ:マズルカ ト長調
クルピンスキ:マズルカ ニ長調
ルドヴィカ・ドムシェフスカ:マズルカ ロ長調
イグナツィ・フドバ:憂鬱なマズルカ ト短調
ユゼフ・ノヴァコフスキ:マズルカ 変ロ長調 Op.19-2
モニューシュコ:マズルカ ニ長調
ヘンリク・ルデルト:マズルカ ホ短調
カロル・ベルナルド・ザウスキ:マズルカ ニ短調 Op.6-3
カジミエシュ・ルボミルスキ:マズルカ ホ短調 Op.10-3
アントニ・コンツキ:マズルカ ホ長調 Op.132
ユリウシュ・ヤノタ:マズルカ 変ロ短調 Op.1-1
カロル・リピンスキ:マズルカ 変ホ短調 Op. posth.
オスカル・コルベルク:マズルカ 変ホ長調
ヤン・ルックガーバー:マズルカ ニ長調
ユゼフ・ヴィエルホルスキ:マズルカ ホ短調 Op.46-1
パデレフスキ:マズルカ イ短調 Op.9-2
ジェレンスキ:マズルカ 嬰ハ短調 Op.31-1
ヘンリク・メルツェル=シュチャヴィニスキ:マズルカ ホ短調
イェジー・ガブレンズ:マズルカ イ短調
イグナーツ・フリードマン:ハ短調 Op.49-2
ステファン・マリノフスキ:マズルカ ヘ短調 Op.6-1
アレクサンデル・ミハウォフスキ:マズルカ 嬰ハ短調 Op.17
アルフレッド・グラドステイン:マズルカ
タンスマン:マズルカ
マリアン・ボルコフスキ:マズルカ
マリア・ポクシヴィンスカ:マズルカ
アンジェイ・ドゥトキェヴィチ:マズルカ
チェスワフ・グルジンスキ:マズルカ
マリアン・サヴァ:マズルカ
アンナ・キヤノフスカ(P)

録音:2022年
作曲された時系列でマズルカを収録した本アルバム。その年月は180年以上歴史を遡ることになりました。ピアニストのアンナ・キヤノフスカは、現在では忘れ去られてしまったこのジャンルの作品を発見し、時代別で演奏することでマズルカの進化の過程を描いています。
DUX
DUX-1904(1CD)
ヒンデミット:ルードゥス・トナリス 「対位法、調性およびピアノ奏法の研究」
ヒンデミット:ルードゥス・トナリス
バッハ:フランス組曲 第2番ハ短調 BWV813よりサラバンド(ボーナス・トラック)
アグニェシュカ・パナシウク(P)

録音:2022年12月8日(ポーランド)
スタニスワフ・モニューシュコ音楽院でポポヴァ=ズィドロンに、ロンドンの王立音楽アカデミーでは、マイケル・ドゥセク、イアン・レディンガムに師事し、2005年のディーリアスコンクールのファイナリストに選ばれたアグニェシュカ・パナシウク。
本アルバムでは、ヒンデミットがアメリカ滞在時に作曲されたルードゥス・トナリス(音の遊びの意)を取り上げています。この作品は、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』の作風にヒンデミットによる20世紀のスタイルが融合。初演されて依頼、多くの演奏家の興味をそそり、インスピレーションを与えてきました。パナシウクの解釈には、バッハからのインスピレーションがはっきりと感じられ、ボーナス・トラックとして、フランス組曲のサラバンドが参考曲として収録されています。

CAvi music
85-53540(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.3
ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90
ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第12番ト長調 Op.49-2
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ダニエル・ハイデ(P)

録音:2021年3月&2023年3月、エッタースブルク城(ヴァイマール、ドイツ)
ヴァイマール出身のピアニスト、ダニエル・ハイデは、アンドレ・シュエンとのコラボレーションをはじめ、彼の世代でもっとも人気のある歌曲伴奏者及び室内楽奏者の1人。故郷のフランツ・リスト音楽院でルートヴィヒ・ベッツェルに師事し、クリスタ・ルートヴィヒとディートリヒ・フィッシャー=ディースカウからの先駆的な提案を受けて以来、彼はヨーロッパやアジアなどでコンサートを行ってきました。
2020年のパンデミックにより予想外の時間が生まれ、新たにベートーヴェンの偉大なソナタに向き合うこととなったダニエル・ハイデの注目のシリーズ第3巻です。

PARNASSUS
PACD-96090(1CD)
若かりしマルコム・フレイジャー
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16*
ハイドン:ピアノ・ソナタ第35番変ホ長調 L.51, Hob.XVI:35
バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ Sz.110, BB115**
マルコム・フレイジャー(P)、
パリ音楽院O*、
ルネ・レイボヴィッツ(指)*、
ウラディーミル・アシュケナージ(P)**
、ルスラン・ニクリン(打楽器)**、
ヴァレンティン・スネギレフ(打楽器)**

録音:不詳(プロコフィエフ)/1960年、パリ(ハイドン)/1963年、ソビエト連邦(バルトーク)
信じられないほどのテクニック、驚くべき器用さ、詩的で美しいタッチを兼ね備えたアメリカ出身の大ピアニスト、マルコム・フレイジャー(マルコム・フレージャー)(1935-1991)の初期の録音がParnassusレーベルより復刻!1960年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝したフレイジャーは同年にカーネギー・ホール・デビュー、その後積極的なレコーディング活動や楽譜の発掘、研究にも力を注いでいましたが、さらなる活躍が期待される中56歳の若さでこの世を去りました。今回の復刻アルバムにはRCA Victor Red Sealからリリースされいきなりグラミー賞にノミネートされたデビュー盤に収録されていた「プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番」と「ハイドン:ピアノ・ソナタ第35番」に加え、1963年にレコーディングされたウラディーミル・アシュケナージらとの共演による「バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ」を収録。当時20代のフレイジャーが魅せた驚異的な演奏に改めて耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

Prima Facie
PFCD-215(2CD)
ツィカン・プレイズ・シェーンベルク&スクリャービン、ハニーボーン・プレイズ・ツィカン
■CD1〜
シェーンベルク:ピアノのための組曲 Op.25、
 3つのピアノ曲 Op.11、
 2つのピアノ曲 Op.33、
 6つの小さなピアノ曲 Op.19、
 5つのピアノ曲 Op.23
スクリャービン:前奏曲 Op.15-5、
 前奏曲 Op.15-2、前奏曲 Op.11-14、
 前奏曲 Op.22-2
■CD2〜オットー・M・ツィカン(1935-2006):夜の小品第3番、コラール、小品1、小品2、小品3、即興演奏、夜の商品第5番、スケッチ〜静かに, レガート、スケッチ〜シンフォニー、スケッチ〜静かに、後ほど追加された協奏曲なしのカデンツァ
オットー・M・ツィカン(P/CD1)、
ダンカン・ハニーボーン(P/CD2)
20世紀後半のオーストリアを代表する重要な作曲家&ピアニスト、オットー・M・ツィカン(1935-2006)の功績を称えるユニークなアルバム。
ORF(オーストリア放送協会)との共同で制作され、ツィカンがシェーンベルクとスクリャービンのピアノ作品を弾いた歴史的録音をCD1に収録し(1970年にLPリリースされて以来の初CD化)、CD2にはイギリスの名手ダンカン・ハニーボーンが演奏するツィカン作品の新録音が組み合わせれています。

Signum Classics
SIGCD-756(2CD)
シューマン:ピアノ作品集
幻想曲ハ長調 Op.17/蝶々 Op.2
フモレスケ Op.20/ダヴィット同盟舞曲集 Op.6
夜想曲集 Op.23
ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26
スィール・ウィリアムズ(P)

録音:2019年11月30日-12月2日、セント・ポール・スクール(ロンドン)(ダヴォット同盟舞曲集、フモレスケ)/2022年3月22日-24日、ワイアストン・レコーディング・スタジオ(モンマス)(蝶々、夜想曲集、幻想曲、謝肉祭の道化)
ウェールズ出身のピアニスト、スィール・ウィリアムズは、ソリスト、伴奏者、室内楽奏者として深い音楽的知性と優れた表現力で広く称賛を浴びており、Signum Classicsからは8枚組のボックス・セット「ア・シューベルト・ジャーニー」(SIGCD-645)やベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲と様々な変奏曲やバガテルも収録した12枚組の「ベートーヴェン・アンバウンド」(SIGCD-527)などの充実した企画のアルバムをリリースし高い評価を得てきました。
Signum Classicsとのコラボレーションによる15枚目のアルバムでは、シューマンの主要作品をレコーディング。シューマンがライプツィヒ大学で法学を学んでいた時期に書かれた「蝶々(パピヨン) Op.2」から、1841年に出版された「ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26」まで、シューマンの人生のかなりの部分にまたがる作品のセレクションを探求しています。

MIRARE
MIR-664(1CD)
カプリス
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲*
バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992
ブラームス:カプリッチョ嬰ヘ短調Op.76の1
 パガニーニの主題による変奏曲第1集Op.35
レイナルド・アーン:ミニュミネク
フォーレ:ヴァルス・カプリス第2番変ニ長調Op.38
モーリス・オアナ:カプリス第1番「埋めて黙れ」
アルカン:イソップの饗宴Op.39の12
ナタナエル・グーアン(P)
アレクサンダル・マルコヴィチ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2022年12月20-21日ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)*、10月24-27日シテ・ド・ソレーズ(2)-(8)
カプリス(カプリッチョ、奇想曲)は「気まぐれ」を意味し、自由な形式の楽曲を指します。それゆえか古今の作曲家たちは魅力的なものを残しました。ナタナエル・ グーアンはピアノのために書かれた「カプリス」およびそこから派生した作品を集めたコンセプト・アルバムを実現させました。
ナタナエル・グーアンは1988年生まれのピアニスト。パリ音楽院やジュリアードでピレシュ、ペヌティエ、バシキーロフらに師事しました。ラ・フォルジュルネ音 楽祭をはじめ今年(2023年)3月にも来日公演を行っています。技巧派で、リストやビゼーなどのディスクは高い評価を受けました。
アルバムの約3分の1を占めるのがラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」で、アレクサンダル・マルコヴィチ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアと共演。 タイトルはラプソディながらパガニーニの「カプリス第24番」を主題に用いていることで納得。余裕の技巧と鳴り響くピアノで美旋律を堪能させてくれます。録音 の良さも注目です。
残りはピアノ独奏で独仏作品が並びます。バッハの1700年代初頭の作「最愛の兄の旅立ちにあたって」からモーリス・オアナの1944年頃の「「埋めて 黙れ」まで250年近いカプリスの変遷を俯瞰できるのも興味津々。ここでもブラームスがパガニーニの「カプリス第24番」を主題に用いた名変奏曲が採りあげら れています。またアルカンの超絶的難曲「短調による12の練習曲」の終曲「イソップの饗宴」にも挑戦。唖然とする指回りと鍵盤上の跳躍を披露しています。
注目はレイナルド・アーンの未出版作品「ミニュミネク」。グーアンによればロワイヨモン修道院所蔵の草稿(1944年にアウシュヴィッツ収容所で殺されたピアニ スト、フランソワ・ラングのコレクション)の校訂を依頼されて知ったとのこと。曲自体は世界初録音でなく、LP時代にジャン・ドワイヤンが「3つの練習曲」の3 番目として録音していました。どこかスペイン色を帯びた情熱的な曲で、アーンのピアノ曲中でもとりわけ魅力的な一篇といえます。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72970(1CD)
ミューズ 〜ブラームス&クララ・シューマン:ピアノ作品集
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲 Op.24
 2つのラプソディ Op.79
 3つの間奏曲 Op.117
クララ・シューマン:3つのロマンス Op.21より 第1曲
ニーノ・グヴェタッゼ(P)

録音:2023年4月25-26日/ヒルフェルスム、MCOスタジオ1
トビリシ生まれのピアニスト、ニーノ・グヴェタッゼによるChallenge Classics5枚目のアルバム。ブラームスの時期を隔てた3作品に、ブラームスに献呈さ れたクララ・シューマンのロマンスをカップリング。大曲から小品へと音楽が凝縮されていくようなプログラミングでもあり、どんどんと独白的な密度が上がってい きます。グヴェッタゼのピアノは明るさと暗さを混在させてよく歌うもの。 (Ki)

OEHMS
OC-484(2CD)
NX-C05
ブルックナー:オルガン編曲による交響曲全集 Vol.8
ブルックナー:ファンファーレ:見よ、大いなる司祭を WAB13(1885)
 合唱、3つのトロンボーンとオルガンのためのモテット(ハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編)
トーマス・ダニエル・シュレー(1957-):ノミネ Op.94/4- オルガンのための(2021/22)*
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB108(1889-1890年第2稿)(エベルハルト・クロツによるオルガン編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)
ミュンヘン、イエズス会聖ミヒャエル教会、リーガー・オルガン*
ウィーン楽友協会 リーガー・オルガン

録音:2023年7月12-16日ウィーン楽友協会大ホール(オーストリア)
2023年9月21日聖ミヒャエル教会(ドイツ)*
2024年のブルックナー生誕200周年に向けての記念企画、全10巻からなるオルガン版ブルックナー交響曲全集第9弾です。このシリーズは指揮者クリス ティアン・ティーレマンの後援のもとに進められ、2024年に完結予定です。 番号順に進んで来た当プロジェクトもいよいよ大作第8番に到達。毎回異なるオルガンを使用してきましたが、今回アルブレヒトは、1892年に同作品が初 演されたウィーン楽友協会の大ホールにあるオルガンで演奏しています。 ここで用いられたのは1890年に改訂された第2稿。ヘルマン・レヴィに「演奏不可能」とされた初稿をブルックナーが全面的に改訂した稿で、この現在広く演 奏されているヴァージョンを、バーゼルでオルガンを学んだ作曲家エベルハルト・クロツが編曲を担当、スケールの大きな音楽をオルガンに移し替えています。大 オルガンといえども一度に鳴らせる音の数と使える音色の多彩さでは巨大なオーケストラに及びませんが、楽曲の構造とモチーフの重要性を吟味した編曲か らは、オーケストラでは埋もれがちなモチーフが浮かび出る瞬間もあって意外な発見があります。オルガンならではの魅力が特に活きていると感じるのはアダー ジョで、崇高で神秘的、瞑想的なたたずまいは深く印象に残ります。第8番全曲での演奏時間は約92分(18:28/15:07/32:14/25:58)と長大。アル バムの冒頭ではアルブレヒト自身が編曲したモテット「見よ、大いなる司祭を」が高らかに奏されます。 このシリーズでは、「ブルックナー・フェンスター=ブルックナーの窓」と称するブルックナーの音楽にインスピレーションを得た新作が紹介されますが、今回は 1957年生まれの作曲家トーマス・ダニエル・シュレーの「ノミネ」を収録。こちらはウィーンの楽友協会ではなく、ミュンヘンのミヒャエル教会のオルガンでの演奏 です。交響曲第8番の終楽章で見られる旋律の繰り返しをアップビートのリズムで再現しながら巧みな対位法で音が積みあがっていく様は見事です。途中 でコルネットを思わせる印象的なファンファーレを経てクライマックスを迎え、最後は静かに曲が閉じられます。

Solo Musica
SM-433(1CD)
NX-B03
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op. 58
24の前奏曲 Op.28
前奏曲第25番嬰ハ短調 Op.45
前奏曲第26番変イ長調 Op. posth.
ジャン=ニコラ・ディアトキン(P)

録音:2023年4月16-19日
6歳から音楽の勉強を始めたジャン=ニコラ・ディアトキン。1989年からクラウディオ・アラウの弟子ルート・ネイエに 師事、1994年にはナディア・ブーランジェの弟子、ナルシス・ボネから教えを受け研鑽を積みました。これまでリスト やベートーヴェン作品の録音を発表してきたディアトキン、今作ではショパンを演奏。作品の中でも、独奏曲として 最も規模の大きなソナタ第3番と、万華鏡のような小品の集まりである24の前奏曲を併せることで、ショパンの多 様性と構成力を表現しています。アルバムには「24の前奏曲」に含まれない2曲の前奏曲も収録。
Solo Musica
SM-434(1CD)
NX-B03
INNER SPACES
バッハ:パルティータ 第1番変ロ長調 BWV 825
パルティータ 第3番イ短調 BWV827
トッカータ ハ短調 BWV911
フランス風序曲(パルティータ) ロ短調 BWV831
セッラ・タヴサンリ(P)

録音:2023年1月21-24日
イスタンブール生まれのピアニスト、セッラ・タヴサンリのバッハ・アルバム。 収録作品は、バッハの名前「B-A-C-H」にちなんだ調性で並べられており、Bのパルティータ変ロ長調(B-Dur)は 信仰を表し、Aのパルティータイ短調(A-Moll)は希望、Cのトッカータハ短調(C-Moll)は愛、Hのフランス風序曲 ロ短調(H-Moll)は現在を表すといい、これらはタヴサンリの内面世界を表現に通じるということです。

Dynamic
CDS-7994(1CD)
NX-B03
ベートーヴェン=リスト:交響曲全集 第3集
交響曲第5番「運命」 ハ短調 Op.67
交響曲第2番ニ長調 Op.36
ガブリエレ・バルドッチ(P)

録音:2022年10月20-22日
フランツ・リストは25年という長い年月をかけてベートーヴェンの交響曲をすべてピアノ独奏用に編曲しました。これ らはオリジナルのスコアを忠実にピアノで再現できるように、きわめて緻密に書かれています。もちろん演奏も至難 で、ピアニストは楽器から立体的な響きを紡ぎだすことが要求されます。 マルタ・アルゲリッチの信頼も厚く、幾たびも共演経験を持つイタリアのピアニスト、ガブリエレ・バルドッチがこの全曲 録音に取り組んでおり、今回の第3集では第5番と第2番を演奏。しなやかな表現と見事な技巧で聴き手を魅了 します。

Orchid Classics
ORC-100270(1CD)
NX-B03
2台ピアノのためのフランス音楽集
ミヨー:スカラムーシュ Op.165b(1937)
プーランク:カプリッチョ(仮面舞踏会に基づく)(1952)
 ソナタ FP8-4手のために(1918/1939改訂)
 エレジー-2台ピアノのために(1959)
 ソナタ -2台ピアノのために(1952-53)
 シテール島への船出(1951)
ドビュッシー:夜想曲(1899/モーリス・ラヴェルによる2台ピアノ編)
チャールズ・オーウェン(P)
カーチャ・アペキシェヴァ(P)
Steinway Model D

録音:2021年4月13-14日、2022年3月31日-4月1日
2人の傑出したピアニストたちが織り成す4手ピアノの芸術。チャールズ・オーウェンとカーチャ・アペキシェヴァはこれまでにもラフマニノフやストラヴィンスキー作品 で、素晴らしいアンサンブルを披露しています。今作で2人はフランスものに挑戦。ミヨーの生彩溢れる「スカラムーシュ」ではじまり、2台ピアノでも演奏されるこ とのある「ソナタ FP8」や自身の映画音楽『アメリカ旅行』の中の曲である「シテール島への船出」をはじめとしたプーランクの多面性が発揮された5つの作品 が続き、最後に置かれているのが、ラヴェル編曲のドビュッシーの「夜想曲」というラインナップです。息のあったデュオが、作品の繊細な魅力を存分に引き出し ています。

TOCCATA
TOCC-0178(1CD)
NX-B03
レオ・オーンスタイン(1893-2002):ピアノ作品集 第3集
9つのヴィネット s380(1977)
バガテル s100(1952)
振り返りのひととき s156(1950代?)
大聖堂 s73(1916)
夜想曲第1番s153(1922頃)
3つのムード s5(1914頃)*
ヴィクトル・ヴァルコフ(P…Steinway D)

録音:2021年9月28日、10月2日、12月3-4日、2022年5月24日、10月9-10日
*以外=世界初録音
100歳を超える長寿を全うしたウクライナ生まれの作曲家オーンスタイン。生まれ年は諸説ありますが、亡くなった時の年齢は少なくとも105歳を超えていた ことが確認されています。1911年にニューヨークでピアニストとしてデビューした時には、ドビュッシーやスクリャービンなどの作品を初演したこともあり、「大聖堂」 や「3つのムード」などの1910年代の作品はトーンクラスター的な和音が連続する先鋭的な作風で書かれています。しかし1950年代の「バガテル」や1977 年の「ヴィネット」は調性感はないものの、どちらかというと耳なじみの良い作品といえるでしょう。2012年、ニューオーリンズ国際ピアノ・コンクールの優勝者ヴィ クトル・ヴァルコフがこれらの難曲を見事な技巧で演奏しています。

Grand Piano
GP-939(1CD)
NX-B03
セリム・パルムグレン(1878-1951):ピアノ作品全集 第7集
4つの即興曲 Op.63(1918もしくは初期)*
日記帳 Op.109(1946)*
セレナード ト短調 SP252(1890頃)*
左手5度によるユモレスク SP87(1920頃)*
森の中の散歩 SP327(1900頃)*
ワルツ間奏曲 SP52(1921もしくは初期)*
3つの小品 Op.74(1921)*
組曲「フィンランドのリズム」 Op.31(1911)
8つのピアノ小品 Op.75(1921-22)
作曲者不詳:ナルヴァの行進曲 SP26(S. パルムグレンによるピアノ編)(1901出版)*
ボリ連隊行進曲(S. パルムグレンによるピアノ編)(1901-)*
ヨウニ・ソメロ(P…Steinway & Sons、モデルD)

録音:2022年10月3-5日
*…世界初録音
北欧の抒情と洗練された西欧的な感性から生まれたピアノ曲が日本でも人気のあるパルムグレン。フィンランドの現役ピアニストの中でも極めて意欲的な活 動を展開するソメロによる全集録音の第7集です。ここにも世界初録音を多数含む珍しい作品が収録されています。 「8つの小品」作品75はパルムグレンがアメリカに到着した直後に書かれたもの。彼はニューヨーク、ピッツバーグ、デトロイト、ミネアポリス、シカゴ、クリーブラン ドで計24回のコンサートを行い、ある批評家は「彼と比較できるのはセルゲイ・ラフマニノフだけである」と熱狂的な賛辞を送りました。そして、彼はコンポー ザーズ・ミュージック・コーポレーションと契約を結び、この作品75が出版されました。どれもパルムグレンらしいノスタルジーに溢れた美しい作品です。また「セレ ナード」SP252は4ページのみの未完作品ですが、彼の現存するもっとも初期の作品の一つと推測されています。彼の若いころの作品は散逸したものが多 く、8分の5拍子で書かれた「左手5度によるユモレスク」 SP87もデンマークの音楽誌「Nordens Musik」掲載されただけの小品。楽譜の入手が困難でし たが、このプロジェクトのために準備されたというものでグリーグの音楽と似た雰囲気を持っています。また自伝的な内容を持つ「日記帳」作品109は、1946 年に書かれた彼の最後のピアノ曲集のひとつで、様々な事情で生前に出版されることのなかったものです。

Biddulph
BIDD-85038(2CD)
NX-C03
ハイフェッツ・プレイズ・バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番ト短調 BWV1001
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番イ短調 BWV1003
ヴァイオリン協奏曲 第1番イ短調 BWV1041*
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番ハ長調 BWV1005
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
ヴァイオリン協奏曲 第2番ホ長調 BWV1042*
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ロサンゼルスPO*
アルフレッド・ウォーレンスタイン(指)*

録音年月日/初出レコード番号
BWV1001:1952年10月21&29日/LM1976
BWV1002:1952年10月23&29日/LM2210
BWV1003:1952年10月24,25&29日/LM2115
BWV1004:1952年10月23日/LM1976
BWV1005:1952年10月22&29日/LM2210
BWV1006:1952年10月22&29日/LM2115
BWV1042&1042:1953年12月6日/LM1818
20世紀を代表する名ヴァイオリニストを多数輩出したレオポルト・アウアー門下の音源復刻に取り組むBiddulphから、ヤッシャ・ハイフェッツ(1901- 1987)唯一のバッハ無伴奏ソナタ&パルティータ(全曲)が登場。初期盤LPからの復刻です。 ハイフェッツは帝政ロシア時代のヴィルナ(現リトアニアの首都ヴィリニュス)に生まれ、9歳にしてアウアーの門下に迎えられました。12歳でアルトゥール・ニ キシュ指揮のベルリン・フィルと共演、16歳でカーネギーホールにデビューした早熟の天才で、その卓越した技巧と音楽性を長く保ち、圧倒的な名声を 築きました。 ハイフェッツによるバッハ:無伴奏ソナタ&パルティータの全曲録音はこの1952年のRCA盤が唯一。バロック舞曲の要素を取り入れた解釈が広まる 遥か前の演奏なので、古楽器演奏に慣れた耳には少し違和感があるかもしれませんが、虚飾を排して1台のヴァイオリンからバッハが意図した重層的 な音構造を描き出す演奏は見事で、速めのテンポながら全体を通してヴァイオリンならではの美感が損なわれていない点も魅力です。 この録音にはすでにRCAによるマスターテープからの復刻CDがあります。それでも今回の復刻を行った理由についてBiddulphレーベルは「マスター テープからの復刻はノイズの点で有利だが、初期盤の音が演奏者と制作者が認めた音だと考えます。状態の良い初期盤を探し出して復刻する意義は そこにある」と語っています。 各ディスクの「余白」にはハイフェッツのソロによるバッハのヴァイオリン協奏曲が1曲ずつ収められるという贅沢な収録になっています。ブックレットにはハイ フェッツ愛用のグァルネリ・デル・ジェス(1742)のカラー写真が4ページにわたって掲載され、初出時のLP4枚のジャケットもカラーで印刷されています。

Audite
AU-20051(1CD)
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
フモレスケ 変ロ長調 Op.20
ジミン・オウ=ハヴェニート(P/ベーゼンドルファー280)

録音:2022年11月26-28日コンツェルトハウス、ヴェルニゲローデ
韓国が誇る名ピアニスト、ジミン・オウ=ハヴェニート。「クララに捧ぐ」(AU-20050)に次ぐローベルト・シューマンの作品。クライスレリアーナとフモレスケを 録音しました。クライスレリアーナはショパンに献呈された8つの幻想曲。ローベルトらしいどろどろと絡み合う音と激しい感情がむき出しになった傑作。一方、フモ レスケは近年多くの演奏家が取り上げているピアノ曲で演奏時間30分弱の大曲。J.v.ヴェーベナウ夫人に献呈されています。情感あふれるジミン・オウ=ハヴェ ニートの演奏は圧巻です。
オウ=ハヴェニートは国立ソウル大学校卒業後、ケルン音楽舞踊大学にて研鑽を積み現在ドイツを拠点に活躍しております。録音としてはのちの夫となるレイムン ド・ハヴェニートとともに1990年代に録音したウルリヒ・レインデッカー(のピアノ作品集などをリリースしております。円熟を増したオウ=ハヴェニートの演奏は 深みがあり、愛器ベーゼンドルファーで見事な演奏を展開します。
独auditeレーベルから「ムソルグスキー:「展覧会の絵」」(AU-20049)、「シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番&リスト:ピアノ・ソナタ」(AU-20043)、 「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」、第30番、第32番」(AU-20047)、「K[NOW]N PIANO〜「ピアノ音楽250年の対話」」(AU-23446)、 そしてシューマンの2枚のアルバムをリリースしています。 (Ki)

DOREMI
DHR-8215(2CD)
ラドゥ・ルプーLIVE 第2集
(1)モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調 K.310
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番ハ長調 K.545
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番ト長調 Op.78D.894
(2)ハイドン:アンダンテと変奏曲 へ短調 Hob XVII:6
ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番ニ長調 Hob XVI:37
バルトーク:戸外にて Sz.81
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
シューベルト:楽興の時 D.780より 第3番
(3)シューベルト:2つのスケルツォ D.593
ラドゥ・ルプー(P)

(1)録音:1970年6月7日第23回オールドバラ音楽祭
(2)録音:1971年6月24日第24回オールドバラ音楽祭
(3)録音:1971年10月17日ロンドン、クイーン・エリザベス・ホール
DOREMIレーベルより始まったラドゥ・ルプーの秘蔵ライヴ・シリーズ、第2集はオールドバラ音楽祭でのリサイタルを中心に収録。モーツァルトやシューベルト の名作ソナタが味わえる70年頃の貴重音源、レーベル情報ではすべて初CD化とのこと。 (Ki)
DOREMI
DHR-8211(2CD)
マルタ・アルゲリッチLIVE 第17集
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番変ロ長調K.456
(2)ルトスワフスキ:パガニーニ変奏曲(2台ピアノ)
シューベルト:ロンド イ長調 D.951(4手ピアノ)
ラヴェル:ラ・ヴァルス(2台ピアノ)
モーツァルト:アンダンテと変奏曲 K.501(4手ピアノ)
(3)ドビュッシー:版画
(4)バッハ:トッカータ ハ短調 BWV911
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83
スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.141, L.422
(5)バルトーク:ピアノ・ソナタ Sz.80
(1)オイゲン・ヨッフム(指)バイエルンRSO
 録音:1973年6月22日ヴュルツブルク
(2)withネルソン・フレイレ(P)
 録音:1980年5月17日アムステルダム・リサイタル
(3)録音:1969年2月10日ヴェネツィア・リサイタル
(4)録音:1982年11月21日ミラノ・リサイタル
(5)録音:1978年10月21日ロサンゼルス・リサイタル
アルゲリッチの貴重ライヴ音源集第17弾。ソロ・リサイタルに加え、ヨッフムとのモーツァルト協奏曲、フレイレとのデュオも収録。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187054(1CD)
「信仰」
ヴィラ=ロボス:「バッハへのオマージュ」〜5つの前奏曲より第3番 W419, A419
バリオス:大聖堂
バリオス:フリア・フロリダ
ヴィラ=ロボス:12の練習曲 W235, A235
ヒナステラ:ギター・ソナタ Op.47
ショーン・シベ(G)

録音:2023年4月&8月クリトン教会(スコットランド)
天才ギタリスト、ショーン・シベ注目の新譜は南米の作曲家バリオス(パラグアイ)、ヴィラ=ロボス(ブラジル)、ヒナステラ(アルゼンチン)の作品を集めた 『Profesion』。アルバム・タイトルはバリオスの「Profesion de Fe(信仰告白)」という詩に由来します。この詩は神話に登場する神々を引用したバリオスの 傑作。シベが神聖な世界へと誘います。
使用楽器はジュリアン・ブリームのために製作したハウザーのコピーです。この楽器は1930年代最高の楽器のひとつとされ、当アルバムの音世界とぴったり合 います。
ショーン・シベはスコットランド王立音楽院で学び、その後イタリアでパオロ・ペゴラーロに師事。その後の活躍は目覚ましく2017年のロイヤル・フィルハーモニッ ク協会音楽賞で「ヤング・アーティスト賞」を受賞しています。PENTATONEレーベルより「巡礼」(PTC-5186870)、「ロスト・アンド・ファウンド」(PTC-5186988)、テノール歌手カリム・スレイマンと共演した「折れた枝」(PTC-5187031)をリリースしております。 (Ki)
Pentatone
PTC-5187207(1CD)
チャイコフスキー・ファンタジー
●ラフマニノフ編曲による連弾版
「眠りの森の美女」組曲 Op.66【序奏。リラの精/アダージョ。パ・ダクシオン/長靴をはいた猫/パノラマ/ワルツ】
● アレンスキー編曲による連弾版
バレエ音楽「くるみ割り人形」 Op.71より【小序曲/行進曲/金平糖の踊り/アラビアの踊り/中国の踊り/トレパーク/葦笛の踊り/花のワルツ/
パ・ド・ドゥ(グラン・アダージョ)】
● ランゲリ編曲による連弾版
「白鳥の湖」Op.20より【情景/四羽の白鳥の踊り/パ・ド・ドゥ(グラン・アダージョ)】
● ドビュッシー編曲による連弾版
「白鳥の湖」Op.20より【ロシアの踊り/スペインの踊り/ナポリの踊り】
児玉麻里&児玉桃(P・デュオ)

録音:2016年4月/MCOスタジオ5、ヒルフェルムス(オランダ)
キングインターナショナル企画によるペンタトーン・レーベル制作第1号として2016年にリリースした、世界的ピアニスト児玉麻里&児玉桃姉妹共演アルバム 「チャイコフスキー・ファンタジー」が CDフォーマットでリリースされます!
姉妹共演のCDはいかにもありそうながら、同アルバムが初めてでした。超魅力的ラインナップの同アルバムはPENTATONEレーベルの大ベストセラー盤と なり国内外で非常に高い評価を獲得しております。
チャイコフスキーの作品のなかでもとりわけ人気の高い三大バレエ。これを意外な大物作曲家たちがピアノ・デュオ編曲を残していました。それらを児玉姉妹 の演奏で聴くことができるのは最高の贅沢。
ラフマニノフ編曲の「眠りの森の美女」と、ドビュッシー編曲による「白鳥の湖」は比較的知られていて録音もありますが、児玉姉妹の演奏は段違いの素晴 らしさ。オリジナルのオーケストラと全く遜色ないばかりか、ラフマニノフとドビュッシーのピアニズムの違いをはっきり味わえて充実の極み。どちらもラフマニノ フとドビュッシーの最初の仕事だったというのが興味津々です。
超お宝がアレンスキー編曲による「くるみ割り人形」。アレンスキーは近年日本でも熱心なファンを増やしている作曲家ですが、この編曲は楽譜が極めて入手 困難なため伝説となっていました。それがついに音になりました。アレンスキーはリムスキー=コルサコフの弟子ながらチャイコフスキーを崇拝し強い影響を受け ていたうえ、本質的にピアノ作曲家だったので、これ以上の適役は考えられません。アレンスキーは「くるみ割り人形」全曲を4手連弾用に編曲していますが、 ここでは人気の組曲ナンバーとパ・ド・ドゥ(グラン・アダージョ)を披露。ピアノ・デュオ書法を知り尽くしたアレンスキーならではの効果にゾクゾクさせら れます。ことに「花のワルツ」の華やかさ、「パ・ド・ドゥ」終結部のピアノがうなりをあげる音の渦はピアノ・デュオならでは。
児玉姉妹の演奏はオシャレでゴージャス。これまで聴いたこともないようなピアノ・デュオの高みに達しています。クリスマス・シーズンに雰囲気もピッタリで プレゼントにも最適です。


PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0051VIN(1LP)
光点〜トルコのピアノ作品集
[A面]
ブラク・チェビ(1985-):光点 〜ピアノのための4つの幻想曲
アフメト・アドナン・サイグン(1907-1991):アクサク・リズムによる12の前奏曲 Op.45より
第9番プレスト / 第10番ラルゴ / 第11番アレグロ / 第12番ヴィーヴォ
[B面]
イルハン・バラン(1934-2016):3つのバガテル
ネジル・カズム・アクセス(1908-1999):
5つのトルコのピアノ小品より
第3番エレジー/ 第4番夏の思い出 / 第5番 村
ブラク・チェビ(P)

録音:2021年11月7-11日ノイマルクト、ライトシュターデル
CD盤(PROSP-0051)につづいてLPで登場。
音楽家系に生まれニュルンベルク音楽院で学んだドイツ系トルコ人のピアニスト、ブラク・チェビによるアルバム。自作とトルコの作品を収録したユニークな内容 です。 ※CDに収録されていたシューベルトのソナタ第21番はLPでは未収録です。 (Ki)

APARTE
AP-318(2CD)
キム・ダソル〜シューベルト
4つの即興曲D.935
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960
キム・ダソル(P)

録音:2022年9月7-9日サル・コロンヌ(パリ)
キム・ダソルは1989年プサン出身の韓流ピアニスト。現在ベルリン在住で、ライプツィヒ音楽院で教鞭もとる実力派。2015年にDGレーベルからシューマン 作品集をリリースしましたが、今回はシューベルト。それも最晩年の傑作中の傑作。人気曲ですが、その温かい曲想の陰に死に直面した悲劇的な孤独を感じさせま す。まさにその当時のシューベルトと同年代のダソルがじっくりと語ります。 (Ki)

Coviello
COV-92312(2CD)
ユーグ・デュフォール(1943-):ピアノ独奏曲全集
[CD1]
(1)ドビュッシーの墓(2018)
(2)純粋な緊張(2015)
(3)シャルダンの銅製の貯水器(2013)
(4)秋の風(2011)
(5)滝をのぼる線(2007)
(6)憩いなき愛(2000)
[CD2]
(1)魔王(2006)
(2)海の静けさ(1997)
(3)御者クロノスに(1994)
[CD1]
(1)Valentin Mansard(P)
(2)Kotoko Matsuda(P)
(3)Manon Delort(P)
(4) Vadim Saukin(P)
(5) Kotoko Matsuda(P)
(6)An Chen Jasmin Zhang(P)
[CD2]
(1)Hongye Liu(P)
(2) Rodolfo Faistauer(P)
(3)Pierre Rouinvy(P)

録音:2021年4月22・23日、2022年4月13-15日、2022年7月11-13日/フランス、ストラスブール音楽院
ユーグ・デュフォール(1943-)はフランス・スペクトル楽派を代表する作曲家の一人。2023年9月に80歳を迎えるのを記念して、ピアノ独奏曲を網羅した CDが登場。8人の才能豊かな若手ピアニストたちが難曲に果敢に挑んでいます。

ALBANY
TROY-1941(1CD)
「ヴァルコフ=ダーン・プロジェクト」〜ルーク・ダーン(b.1976):ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ/夜想曲
ジュオコ・ピアノ/8つのマズルカ
ヴィクトール・ヴァルコフ(P)

録音:2020年12月15-16日、2021年7月21-22日、2023年5月8-9日
ルーク・ダーンはアメリカの中堅作曲家。彼はアイオワ大学と西ミシガン大学で学び、現在はユ タ大学で教鞭を執りつつ作曲を行っています。彼の作品はアメリカ国内のみならず、世界で幅広く演 奏されています。彼の作風は自由な無調に基づくもので、ベルクなどの表現主義的な音楽と深い関 連性があると共にジャズのイディオムを取り入れるなどアメリカ人らしい側面もある。

Stradivarius
STR-37261(1CD)
フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000):ピアノ作品集Vol.1
ローマのノート/交配種
3つの幻想曲/3×33/カネフォレ
即興的な楽章/仮面
ピアノ・ソナタ第1番
ステファーノ・カシオーリ(P)

録音:2022年6月6日-10月26日、12月18日
フェレンツ・ファルカシュはハンガリーの作曲家。地元ブダペスト音楽アカデミーで学ん だ後、イタリアでレスピーギに師事した。ウィーンとコペンハーゲンで映画音楽に携わった 後、故国に戻りリスト音楽院で教鞭を執りつつ作曲に励んだ。弟子にはジェルジ・リゲテ ィ、ジェルジ・クルタークら錚々たる面々がいます。彼は多作家で作曲した総数はなんと700 曲に及ぶ。この企画は彼の膨大な作品の中から特にピアノ作品を取り上げ紹介してゆく もの。彼の作風はこのアルバムを聴く限り、多くは新古典主義から自由な無調、12音技法 の手法で書かれています。知られざる作曲家の貴重なピアノ曲として一聴に値する。
Stradivarius
STR-37273(1CD)
ギターで聴くシューベルト・メンデルスゾーンの歌曲集
(1)シューベルト:歌曲集
セレナードD.957-4/さすらい人D.489/ 愛の使いD.957-1/知りたがる男D.795-6/住処D.957-5/ライヤー弾きD.911-24
(2)メンデルスゾーン:「無言歌」より 狩りの歌Op.19-3/春の歌Op.62-6/ 葬送行進曲Op.62-3/ 失われた幻影Op.67-2/ 巡礼の歌Op.67-3/紡ぎ歌Op.67-4
(3)シューベルト:弦楽四重奏曲「死と乙女」より第2 楽章
ジャコモ・コピエッロ(G)
(2)(3)ミケーレ・テデスコ(G)
ューベルトの名歌曲と弦楽四重奏曲「死と乙女」より、そしてメンデルスゾーンのピア ノ曲「無言歌」をギターに編曲して聴かせる一枚。いずれの曲も最初からギターのために 書かれたかのような自然な佇まいに惹かれます。シューベルトの歌曲は8弦ギター1本、メン デルスゾーンの無言歌とシューベルトの「死と乙女」はギター2本で演奏されています。 ギターは小さなオーケストラと言われるように多様な表現が可能で、ここでもシューベルト とメンデルスゾーンの歌心溢れる作品がギターで豊かに表現されています。 STRADIVARIUS社の鮮やかな録音も魅力。

King International
KKC-4337(2SACD)
シングルレイヤー
日本語解説付国内盤
税込定価

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集&無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ
【Disc1】
ヴァイオリン協奏曲 第1番イ短調 BWV1041
ヴァイオリン協奏曲 第2番ホ長調 BWV1042
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
ソナタ 第1番ト短調 BWV1001
パルティータ 第1番ロ短調 BWV1002
【Disc2】
ソナタ 第2番イ短調 BWV1003
パルティータ 第2番ニ短調 BWV1004
ソナタ 第3番ハ長調 BWV1005
パルティータ 第3番ホ長調 BWV1006
[協奏曲]
カール・ズスケ(Vn)
ジョルジオ・クローナー(VnU)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO
ワルター・ハインツ・ベルンシュタイン(Cemb)
クルト・マズア(指)
録音:1977年4月21〜23日、1978年12月11〜12日ライプツィヒ・パウル・ゲルハルト教会

[無伴奏]
カール・ズスケ(Vn)
録音日:1983年(BWV1001/1002)、1985年(BWV1003/1004)、1988年(BWV1005)、1987年(BWV1006)
ルカ教会スタジオ、ドレスデン
全盛期のエテルナのアナログ・レコードの音を限りなく再現すべく、オリジナル音源から新規デジタル・マスタリングした、キングインターナショナルのシリーズ「ド イツ・シャルプラッテンETERNAの芸術」。第4弾は、室内楽の名手カール・ズスケによるバッハ作品集。彼の実力が遺憾なく発揮された、深い奥行きと精神 性を感じさせる演奏です。引き続き企画監修は、ヴィンテージレコードショップ「エテルナトレーディング」の店主で、日本にETERNAのレコードを流布させた“仕 掛け人”でもある高荷洋一氏。特に今回は、「無伴奏」のオリジナルがデジタル・マスターのため、よりアナログ・レコードに忠実な音質を目指すべく、丁寧にマ スタリングを行いました。また解説書には、カール・ズスケの音楽性とその周辺についてより深く追求した、高荷氏による考察文を掲載しており、カール・ズス ケの音の秘密を紐解いています。[非圧縮シングルレイヤーSACD] (Ki)
King International
KKC-111(2CD)
intothefutureレーベルからのライセンス
日本限定発売

日本語解説付国内盤
税込定価

バッハ:イギリス組曲 BWV806-811
Disc1
第1番イ長調 BWV806
第2番イ短調 BWV807
第3番ト短調 BWV808
Disc2
第4番ヘ長調 BWV809
第5番ホ短調 BWV810
第6番ニ短調 BWV811
フラン チェスコ・トリスターノ(P)

録音:2022年12月/ヒンターランド・ラボ・パリ
ルクセンブルク生まれのピアニスト、フランチェスコ・トリスターノが、バッハのイギリス組曲全曲を録音しました。トリスターノ自身のレーベル「intothefuture」 からの記念すべき第1弾。日本限定発売タイトルです(intothefutureからのライセンス)。
イギリス組曲は、すべて前奏曲と舞曲から成る伝統的な組曲の形式をとっています。各舞曲のキャラクターは高貴さを保ちながら際立っており、優美な装飾も 施されています。急速なパッセージの楽曲もあるなど、奏者にはセンスと技巧が要求される作品です。トリスターノは抜群のリズム感覚と、聞き手の心にダイレ クトに響く彼独特の音色で、時には非常にシリアスに、時には鮮やかに音を躍らせながら、組曲を進めてゆきます。
トリスターノはこれまでにもバッハとケージを組み合わせたアルバムを発表、演奏会でもバッハをしばしば取り上げるなど、バッハは常に彼のそばにありました。 彼自身のレーベルintothefutureからは今後も様々なプロジェクトが控えているとのこと。今後の展開にも目が離せません! (Ki)


Melodiya x Obsession
SMELCD-1000554(1CD)
完全限定生産
ダニール・シャフラン 〜 アンコール集
シューマン
(F.グリュッツマッハー編):アダージョとアレグロ Op.70
バッハ(A.ジロティ編):トッカータ, アダージョとフーガ ハ長調 BWV564〜U アダージョ
ボッケリーニ(M.コルティ編):弦楽五重奏曲ホ長調 G275 より V メヌエット
シュニトケ(D.シャフラン編):古い様式の組曲〜アレグロ
ラフマニノフ(A.ストライマー編):ヴォカリーズ
プロコフィエフ(M.ロストロポーヴィチ編):歌劇 《三つのオレンジへの恋》〜行進曲
シチェドリン(G.シンガー編):歌劇 《愛だけでなく》〜カドリーユ
シチェドリン(A.ジョージアン編):アルベニス風に
チャイコフスキー(J.ファン・リール編):なつかしい土地の思い出よる Op.42〜メロディー
チャイコフスキー( S.ギンズブルク編):6つの小品〜感傷的なワルツ ヘ短調 Op.51-6
イベール(M.マレシャル編):小さな白いロバ
ドビュッシー(A.ロレンス編):月の光
ラヴェル(P.バズレール編):ヴォカリーズ−ハバネラ形式の小品
サン=サーンス:白鳥
ドビュッシー(G.ペッカー編):吟遊詩人
シューマン(K.ダヴィドフ編):トロイメライ
ダニール・シャフラン(Vc)
アントン・ギンズブルク(P)

録音:1991年
若きムスティスラフ・ロストロポーヴィチとコンクールでは度々競い合い、賞を分かち合った旧ソ連のチェロ楽派を代表する偉大なチェリスト、ダニール・シャフラン。レニングラード音楽院ではアレクサンドル・シトリメルに師事、1943年よりモスクワ・フィルのソリストを務め、1950年にはプラハの国際チェロ・コンクールで優勝、その後、チャイコフスキー・コンクールの審査員も務めました。
本アルバムでは、シューマンのトロイメライや、チャイコフスキーの白鳥をはじめとする名曲を中心に、原曲はチェロのために作曲されなかったが、シャフランの同僚たちによって20世紀初頭あるいはそれ以前に編曲された作品が収められています。「チェロの詩人」と称された名匠による傑出したテクニックと、抒情性に満ちた美しい音色に魅了されるアンコール集の登場です。
※当タイトルは完全限定生産(初回生産限定)のため、ご注文数に対して十分な数量をご提供出来ない可能性がございます。予めご了承下さい。初回生産分完売後は再生産時期未定となります。

Acte Prealable
AP-0532(1CD)
ルネ・ド・ボワドフル:ピアノ作品全集
ルネ・ド・ボワドフル
(1838-1906):4手のための組曲 Op.44
スケルツォ・セレナーデ Op.9(2台ピアノのための)
無言歌集 Op.1/無言歌集 Op.2
2つの小品 Op.7/12の小品 Op.38(抜粋)
小川のほとり Op.52
小川のほとり Op.52(ゴットフリート・H・フェダーラインによる編曲版)
アンナ・ミコロン(P)
ラファウ・レヴァンドフスキ(P)、
スタニスワフ・マリイェフスキ(Org)

録音:2021年4月1日&11月17日&12月1日
「4手のための組曲」で力強くスタートするこのアルバムには、連弾や2台ピアノの作品を含む、ピアノ作品が収録されており、ソナタのような大きな作品はありませんが、魅力的な作品が詰め込まれています。タイトルには全集とついているものの、1904年に出版された「12の小品」は、出版社が厳選した5曲(今回収録されている第5番、第6番、第7番、第8番、第10番)しかフランス国立図書館に送らなかったため、出版されたか、されなかったかも定かではなく、姿を消してしまっています。
Acte Prealable
AP-0561(1CD)
イグナツィ・クシジャノフスキ:ピアノ作品集 Vol.4
イグナツィ・クシジャノフスキ(1826-1905):序奏と夜想曲 ト長調 Op.3
クラコヴィアク ロ長調 Op.31-3
6つのバガテル 〜カイエ第1番
2つのマズルカ Op.7/夜想曲 変ニ長調 Op.22/ポロネーズ第4番変ニ長調 Op.30
クラコヴィアク 変ロ短調 Op.31-1
アンダンテ・カンタービレ 変ホ長調 Op.17
スケルツォ ハ短調 Op.21
ローラン・ラミー(P)

録音:2016年&2022年、ポーランド放送スタジオ
ポーランドのピアニスト&作曲家で、ヴァレンジュヴィル国際音楽祭の芸術監督を務めるローラン・ミラーが開拓を進めるクシジャノフスキのピアノ音楽第4巻。
イグナツィ・クシジャノフスキは当初音楽教師であった父親からピアノを習い、その後ヨーロッパで有名な音楽教師であったフランチシェク・ミレツキに師事し、演奏会などに出演するようになりました。そしてフランツ・リストの目に留まったクシジャノフスキはパリ音楽院で学ぶことを勧められて研鑽を積み、その間ショパンのレッスンも受けることが出来ました。イギリスでの初リサイタルで成功を収め、パリでも活躍していましたが健康上の理由でクラクフに戻り、その後はワルシャワを拠点に活動しました。
Acte Prealable
AP-0541(1CD)
ストヨフスキ:ピアノ作品全集 Vol.1
ジグムント・ストヨフスキ
(1870-1946):Deux Pensees musicales Op.1
2つの奇想練習曲 Op.2/3つの間奏曲 Op.4
4つの小品 Op.5/3つの小品 Op.8
2つのオリエンタル Op.10
カロル・ガルヴォリンスキ(P)

録音:2022年6月28日-30日
1870年生まれのピアニスト、作曲家のジグムント・ストヨフスキは、10代の終わりにパリへ留学し、作曲をレオ・ドリーブやテオドール・デュボワから学んでいます。1905年の渡米後はポーランドの作曲家として初めて、ニューヨークPOの演奏会で自作曲が披露され、偉大な音楽家として名を馳せました。残念ながらその名声は死後、20世紀半ばの音楽情勢の荒波に揉まれて長続きすることはありませんでしたが、近年その才能は再認識されつつあります。

Da Vinci Classics
C-00791(2CD)
ヘンデル:ハープシコード作品全集 Vol.1
ソナタ ハ長調 HWV577/カプリッチョ ヘ長調 HWV481/前奏曲とアレグロ ト短調 HWV574/ファンタジア ハ長調 HWV490/組曲 ニ短調 HWV447/組曲 ト短調 HWV452/カプリッチョ ト短調 HWV483/アルマンド イ長調 HWV477/アルマンド ヘ長調 HWV476/ジグ ヘ長調 HWV492/前奏曲 ニ短調 HWV561/ソナタ ヘ長調 HWV582/ソナタ 変ロ長調 HWV585/前奏曲 嬰ヘ短調 HWV570/エア イ長調 HWV468/ソナタ ハ長調 HWV578「音楽時計のための」/前奏曲 イ短調 HWV575/レッスン イ短調 HWV496/前奏曲 ト短調 HWV572/ソナタ ト長調 HWV579/組曲(パルティータ) ハ長調 HWV443/シャコンヌ ハ長調(49の変奏曲を含む) HWV484/パルティータ ト長調 HWV450/前奏曲 ニ短調 HWV563/前奏曲とカプリッチョ ト長調 HWV571/組曲 ト短調 HWV453/前奏曲 ニ短調 HWV564/アレグロ ハ長調 HWV472
フェルナンド・デ・ルカ(ハープシコード)

録音:2022年10月&11月&12月(イタリア)
「Da Vinci Classics」からヘンデルのハープシコード作品全集の企画がスタート!全11巻(CD20枚)に及ぶ好企画が2枚組の第1巻から始まります。49の変奏曲を含むHWV 564や現在は失われてしまったヘンデルの歌劇「ネロ」を題材にしたと思われる組曲 HWV453を収録するなど第1巻から目が離せない内容となっています。
1961年ローマ生まれのハープシコード奏者フェルナンド・デ・ルカは、ヘンデル演奏の第一人者でありこれまでにも数多くの演奏を行ってきました。今回の全集でもその深い知識を活かし、ヘンデルの新しい姿を見せてくれることでしょう。
Da Vinci Classics
C-007844(4CD)
バッハとイタリア Vol.6〜バッハ=ブゾーニ:ピアノ編曲作品全集
【CD1コラールと回想】
バッハ(ブゾーニ編):10のコラール前奏曲 BV B27
コラール前奏曲 「来たり給へ、創造主なる精霊よ」 after BWV667
(第2稿版) (世界初録音)
コラール前奏曲 「深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる」 after BWV686
ブゾーニ:バッハの断片に基づくコラール前奏曲 BV256A
バッハ(ブゾーニ,ベルトーリオ編):コラール前奏曲 「いまや汝は去り行きたもう、わがイエスよ」
after BWV500
ブゾーニ:3つのアルバムの綴りより 第3番「劇用コラールの様式で」 BV272A
バッハによる幻想曲 BV253
バッハ(ブゾーニ編):幻想曲、フーガ、アンダンテとスケルツォ BV B42after BWV905,969,844
ブゾーニ:小ソナチネ 「大ヨハン・セバスティアン氏に」 BV280

【CD2対位法】
バッハ(ブゾーニ編):ゴルトベルク変奏曲 BV B35after BWV988
バッハの 「音楽の捧げもの」 によるカノン風変奏曲とフーガ
BV B40after BWV1079
ブゾーニ:エレジー第3番- 悲歌集 「わが魂は汝に望みを託す」 BV249
対位法的幻想曲 BV256

【CD3ハープシコード】
ブゾーニ:献呈
バッハ(ブゾーニ,ベルトーリオ編):平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第2番前奏曲 after BWV847(世界初録音)
バッハ(ブゾーニ編):平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第3番前奏曲 after BWV848
ブゾーニ: 「青年に」 より 前奏曲とフーガ、フーガとフィグラータ
BV254after BWV850
バッハ(ブゾーニ編):平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第6番前奏曲 after BWV851
(世界初録音)
バッハ(ブゾーニ,ベルトーリオ編):平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第17番前奏曲 after BWV862(世界初録音)
バッハ(ブゾーニ編):平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第21番前奏曲 after BWV866
小前奏曲とフゲッタ after BWV999&961(世界初録音)
幻想曲、アダージョとフーガ BV B37after BWV906&968
デュエット第2番BV B33after BWV803(世界初録音)
半音階的幻想曲とフーガ BV B31after BWV 903
カプリッチョ 「最愛の兄の旅立ちに寄せて」 BV B34after BWV992
前奏曲、フーガとアレグロ BV B36after BWV998

【CD4オルガン】
バッハ(ブゾーニ編):前奏曲とフーガ(変ホ長調) BV B36after BWV552
オルガン-トッカータ(ハ長調) BV B29after BWV564
前奏曲とフーガ(ホ短調) after BWV533
前奏曲とフーガ(二長調) BV B20after BWV532
オルガン-トッカータ(二短調) BV B29after BWV565
シャコンヌ BV B24after BWV1004
キアラ・ベルトーリオ(P)

録音:2015年-2023年(イタリア)
パウル・バドゥラ=スコダの薫陶を受け、2005年にレオン・フライシャーの指揮でカーネギー・ホールへのデビューを果たしたイタリアの才媛、キアラ・ベルトーリオ。音楽的かつ知的な演奏を披露してくれるピアニストであると同時に、教皇庁アカデミーから表彰を受けるなど優秀な音楽学者でもあるベルトーリオによるバッハとイタリア楽壇の繋がり、関係を描くレコーディング・プロジェクトの第6巻となる4枚組ボックスが登場。
フェルッチョ・ブゾーニは、ドイツの巨匠と常に想像力豊かな対話を続けながら、多くの創作活動をバッハの音楽に捧げてきました。作品は、非常に有名なトランスクリプション(シャコンヌ、トッカータとフーガ ニ短調、コラール前奏曲など)、編曲(ゴルトベルク変奏曲、半音階的幻想曲など)、編集版(「平均律クラヴィーア曲集」など、新たに編集されたエチュードやパラフレーズ)、そして明らかにバッハの影響を受けたオリジナル作品(バッハによる幻想曲や対位法的幻想曲など)を残しており、この4枚組ボックスではバッハ=ブゾーニの作品全曲が初めて録音されました。
本アルバムは、バッハの音楽のスペシャリストでもあるベルトーリオ自身が完成させた、世界初演の作品やいくつかの作品で構成されており、2024年のフェルッチョ・ブゾーニ没後100周年(1924-2024年)を前に、ダ・ヴィンチ・クラシックスがブゾーニに捧げる好企画です。
Da Vinci Classics
C-00779(1CD)
ブラームス:ピアノ作品集
8つの小品 Op.76/3つの間奏曲 Op.117
6つの小品 Op.118
ルチア・パラディーゾ(P)

録音:2021年5月8日-9日(レノン、イタリア)
イタリア生まれのピアニスト、ルチア・パラディーゾはローマを中心にイタリア国内外で、ソリストとして定期的に演奏活動を行っています。また、2020年からはヴァイオリン、フルート、ピアノによる”Trio Caecilia”を結成し、アンサンブルでも活躍しています。
パラディーゾは2021年に、ブラームスのピアノ作品にフィーチャーしたコンサート・ツアーをイタリア、ドイツ、オランダ、スペインなどで開催し、ブラームスの晩年の作品を中心に演奏を行いました。そこで披露された楽曲の多くがこのアルバムに収録されています。
Da Vinci Classics
C-00780(1CD)
シューマン:ピアノ作品集
アベッグ変奏曲 Op.1/子供の情景 Op.15
アラベスク ハ長調 Op.18/森の情景 Op.82
ルカ・デッレ・ドンネ(P)

録音:2023年5月、ルーク・レコーディング・スタジオ(チヴィダーレ・デル・フリウーリ、イタリア)
1983年にイタリア北東部のトリエステで生まれたピアニストのルカ・デッレ・ドンネは、タルティーニ音楽院を非常に優秀な成績で卒業しています。ソリストとして、また室内楽奏者としてイタリアをはじめとするヨーロッパ全土、中国や日本、また南アメリカなど世界中で演奏活動を行う傍ら、マスタークラスも頻繁に開催しています。
前作(C00448)でもシューマン・アルバムを発表した彼が、今回もシューマンを取り上げ、最初期に作曲された「アベッグ変奏曲」から中期の「子供の情景」、「アラベスク」そして後期の「森の情景」と、さまざまな年代の楽曲で、ロマン派の美しい世界にいざないます。
Da Vinci Classics
C-00781(1CD)
アルベニス:イベリア第3巻&第4巻
アルベニス:組曲 《イベリア》 第3巻
トゥリーナ:幻想的舞曲集 Op.22
アルベニス:組曲 《イベリア》 第4巻
ラヴェル:スペイン狂詩曲(ルシアン・ガルバンによるピアノ編曲版)
アクセル・トロレセ(P)

録音:2023年5月3日-5日、トレバゼーレゲ(イタリア)
前作の「イベリア第1巻&第2巻」(C00375)の録音からおよそ3年の時を経て、ついにイベリア組曲の完結編が収録されました。今回も「イベリア組曲」の間にはスペインにまつわる楽曲が組み込まれ、スペインの風を存分に感じられるアルバムとなっています。
、ルイ・ロルティにも師事した1997年生まれのイタリア人ピアニスト、アクセル・トロレセは、ローマを中心に数々のコンサートホールで演奏を行い、2022年にはイタリア大統領及びサンタ・チェチーリア音楽院から”ジュゼッペ・シノーポリ”スカラシップを授与されています。
Da Vinci Classics
C-00789(1CD)
ブラームス:ピアノ4手連弾による交響曲全集 Vol.2
交響曲第2番(作曲者編曲によるピアノ4手連弾版)
悲劇的序曲(作曲者編曲によるピアノ4手連弾版)
マッシミリアーノ・バッジョ(P)
コッラード・グレコ(P)

録音:2022年6月30日、グリファ&フィーリ・スタジオ(ミラノ、イタリア)
自らの交響曲や管弦楽曲、ピアノ協奏曲、室内楽曲などの数多くの作品を「1台ピアノ4手連弾」に編曲したヨハネス・ブラームス。このブラームスが遺した「1台ピアノ4手連弾」のための編曲作品に着目したイタリアのピアニスト、コッラード・グレコとマッシミリアーノ・バッジョによるピアノ・デュオが、「1台ピアノ4手連弾版」による「交響曲全集」をレコーディング!
シリーズ第2弾となるこのアルバムに収録されたのは、前作に収録された第1番とは対照的に、穏やかで、しかしながら表情豊かな「交響曲第2番」。そして、その後には交響曲第2番と第3番の間に構想された「悲劇的序曲」が続きます。この序曲は前作に収録された、喜びを表す「大学祝典序曲」と対になる作品で、そのタイトルや構成から、ゲーテの『ファウスト』などから着想を得たのではないかと囁かれることもありましたが、ブラームス自身は「具体的な題材はない」とし、それを否定しています。
マッシミリアーノ・バッジョは、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院を最優秀で卒業した後にセルジオ・フィオレンティーノに師事。クリスチーナ・フロシーニとピアノ・デュオを結成し、イタリアにおいてシューベルトの4手連弾作品の全曲を演奏した演奏家となった後、2006年から母校で教鞭を執り、2016年からは副学長を務めている重鎮ピアニストの1人です。マスタークラスのため、ここ日本にも度々来日しています。
バッジョとデュオを組むコッラード・グレコはミラノでアルベルト・モッツァーティとブルーノ・カニーノにピアノを学び、ジョヴァンニ・ソッリマやマッシモ・クァルタ、タチアナ・ヴァシリエヴァといった著名なソリストたちと共演を重ねている実力派です。

Gutman Records
GUTMANCD-171(1CD)
追悼のための音楽
ラヴェル:前奏曲、クープランの墓
ルドルフ・エッシャー:アルカナ
マルタン:8つの前奏曲
トーマス・ベイエル(P)

録音:2012年7月&2013年10月
1988年生まれのオランダのピアニスト、トーマス・ベイエルは2019年からヤング・ピアニスト・ファウンデーションの芸術監督を務め、2022年にオランダの教育・文化・科学省からクラシック音楽家に与えられる最高の国家賞「オランダ音楽賞(Nederlandse Muziekprijs)」を受賞しました。ラヴェルの「クープランの墓」を中心にラヴェルから影響を受けた二人の作曲家、ルドルフ・エッシャーとフランク・マルタンの作品を繊細にそして美しく奏でます。

Avie
AV-2638(1CD)
they/beast〜チューバックスのための無伴奏作品集
シェリー・ワシントン(b.1991):MO’INGUS
フィリップ・グラス(b.1937):サクソフォンのための13のメロディ
バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
パット・ポージー(b.1978):賛歌
パット・ポージー(チューバックス)

録音:2023年3月10日&22日、インフィニットスピン・スタジオ(ロサンゼルス
グラミー賞にノミネートされたバンド、ワイルド・アップのメンバーで、演奏家、作曲家、教育者、そしてアドミニストレーターと多彩な顔を持つサクソフォン奏者パット・ポージーが、ドイツで発明されたコントラバス・サクソフォンの改良版である超低音楽器、チューバックスを用いた楽器マニア要注目のアルバムが登場。
バッハの無伴奏チェロ組曲から、フィリップ・グラスがニューヨーク・シアター・ワークショップのために作曲した 「サクソフォンのための13のメロディ」、ブルックリンを拠点に活動する作曲家、サクソフォン奏者のシェリー・ワシントンによるバッハにインスパイアされた 「MO’INGUS」 、そして、ポージー自作自演による重音を用いた新しい 「賛歌」 まで、この楽器が持つ音色の深さ、技術面での高い完成度、幅広い倍音がもたらす可能性を存分に発揮した好企画です!
パット・ポージーは、ロサンゼルスを拠点に、サンフランシスコ響、パシフィック響、ワシントン・ナショナル響、フィラデルフィア管、ロサンゼルス・フィルなどの著名なオーケストラと幅広く共演。プラハの春音楽祭では、ジョン・アダムズのサクソフォン協奏曲のソリストとして招かれ、カーネギーホールにおいてアダムズ、トーマス・アデス、ペーテル・エトヴェシュ、マイケル・ティルソン・トーマスらが自作を指揮するコンサートにも出演。2023年に公開された映画「トランスフォーマー/ビーストの覚醒」では、ジョングニック・ボンタンが書いた映画音楽でチューバックスを演奏しています。教育者としては、南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校の教授を務め、ミュージック・アカデミー・オブ・ザ・ウェストとジュリアード音楽院でも教鞭をとっています。

APR
APRCD-7317(3CD)
ヴィルヘルム・バックハウス〜初期録音集
【グラモフォン・カンパニー(ロンドン)/アコースティック録音】
(1)ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2/リスト:愛の夢第3番 S541-3
(2)グリーグ:通りゆく婚礼の行列 Op.19-2/パガニーニ(リスト編):ラ・カンパネラ S141-3/ショパン:前奏曲第1番ハ長調 Op.28-1、練習曲第1番ハ長調 Op.10-1/ヘンデル:調子の良い鍛冶屋/ウェーバー:無窮動(P・ソナタ第1番 Op.24より)/ショパン:幻想即興曲 Op.66
(3)バッハ:前奏曲とフーガ第3番嬰ハ長調(平均律クラヴィーア曲集第1巻より)/ショパン:練習曲第6番嬰ト短調 Op.25-6、練習曲第1番変イ長調 Op.25-1「エオリアン・ハープ」、練習曲第8番変ニ長調 Op.25-8、練習曲第9番変ト長調 Op.25-9「蝶々」、練習曲第5番変ト長調 Op.10-5「黒鍵」
(4)ゼーリンク:12の演奏会用練習曲第12番変ホ短調 Op.10-12
(5)グリーグ:ピアノ協奏曲(縮約版)*
(6)シューマン:ノヴェレッテ ホ長調 Op.21-7
(7)ショパン:ワルツ第5番変イ長調 Op.42、ワルツ第11番変ト長調 Op.70-1、ワルツ第14番ホ短調 Op.posth.
(8)スメタナ:ポルカ ヘ長調(チェコ舞曲集第1巻より第3番)/D.スカルラッティ:ソナタ ヘ長調 K525(L188)、ソナタ ト長調 K523(L490)
(9)リスト:ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調 S244/2/シューベルト:楽興の時第3番ヘ短調 D780-3(Op.94-3)/シューベルト(リスト編):きけきけ雲雀を S558-9/ショパン:練習曲第7番ハ長調 Op.10-7、ワルツ第6番変ニ長調 Op.64-1「子犬のワルツ」

【グラモフォン(ベルリン)/アコースティック録音】
(10)ショパン:ワルツ第6番変ニ長調 Op.64-1「子犬のワルツ」、練習曲第2番イ短調 Op.10-2、練習曲第3番ヘ長調 Op.25-3、練習曲第2番ヘ短調 Op.25-2/ルビンシテイン:ポルカ ト長調 Op.82-7、ロマンス 変ホ長調 Op.44/リスト:ハンガリー狂詩曲第12番嬰ハ短調 S244/12/ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 Op.35(縮約版)/ショパン:練習曲第11番イ短調 Op.25-11「木枯らし」、ポロネーズ第3番イ長調 Op.40-1「軍隊」

【HMV(ロンドン)/アコースティック録音】
(11)モーツァルト(バックハウス編):ドン・ファンのセレナーデ/ドリーブ(ドホナーニ編):ナイラ・ワルツ/リスト:愛の夢第3番 S541-3/スメタナ:ポルカ ヘ長調(チェコ舞曲集第1巻より第3番)
(12)シューマン(リスト編):献呈 S566/ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53「英雄」(縮約版)、ワルツ第5番変イ長調 Op.42/モシュコフスキ:スペイン奇想曲 Op.37
(13)ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 Op.35

【HMV(ロンドン)/電気録音】
(14)ショパン:前奏曲第1番ハ長調 Op.28-1、練習曲第1番ハ長調 Op.10-1、練習曲第2番イ短調 Op.10-2、練習曲第12番ハ短調 Op.10-12「革命」、練習曲第3番ヘ長調 Op.25-3、練習曲第7番ハ長調 Op.10-7
(15)ショパン:練習曲第1番ハ長調 Op.10-1
(16)ショパン:子守歌変ニ長調 Op.57/シューベルト:楽興の時第3番ヘ短調 D780-3(Op.94-3)
(17)シューベルト:楽興の時第3番ヘ短調 D780-3(Op.94-3)、4つの即興曲より第3曲変ロ長調 D935-3(Op.142-3)
(18)シューベルト:メヌエット(P・ソナタ第18番ト長調 D894(Op.78)より)
(19)シューベルト:楽興の時第6番変イ長調 D780-6(Op.94-6)
(20)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16**
ヴィルヘルム・バックハウス(P)

ランドン・ロナルド(指)*、
新SO(ロイヤル・アルバート・ホールO)*、
ジョン・バルビローリ(指)**、新SO**

(1)録音:1908年9月29日
(2)録音:1908年10月19日
(3)録音:1909年2月19日
(4)録音:1909年7月9日
(5)録音:1909年7月15日(世界初の協奏曲録音)
(6)録音:1910年7月12日
(7)録音:1911年6月13日
(8)録音:1911年6月28日
(9)録音:1913年5月20日
(10)録音:1916年
(11)録音:1923年10月15日(ヘイズ、ロンドン)
(12)録音:1923年11月15日(ヘイズ、ロンドン)
(13)録音:1924年12月5日(ヘイズ、ロンドン)
(14)録音:1925年11月2日
(15)録音:1933年10月30日
(16)録音:1927年1月28日、クイーンズ・ホール(ロンドン)
(17)録音:1928年1月4日、スモール・クイーンズ・ホール(ロンドン)
(18)録音:1928年6月18日、スモール・クイーンズ・ホール(ロンドン)
(19)録音:1936年1月27日、スモール・クイーンズ・ホール(ロンドン)
(20)録音:1933年10月23日、アビー・ロード・スタジオ1(ロンドン)
20世紀の偉大なピアニストたちの中でもひときわ伝説的な存在として今なお世界中で愛されるヴィルヘルム・バックハウス(1884-1969)。これまでもバックハウスの遺した録音をきわめて良質なリマスタリングで世に送り出してきたAP-Rレーベルが今回、バックハウスがレコーディング活動を開始した1908年から1936年までに録音された、すべてのアコースティック録音と初期の電気録音の一部を復刻。世界初の協奏曲録音となった1909年の「グリーグ:ピアノ協奏曲」(第1楽章と第3楽章のみ、縮約版)をはじめ、「鍵盤の獅子王」の異名をとりエキサイティングなヴィルトゥオーゾとして旋風を巻き起こしていた若きバックハウスの貴重な記録を余すところなく収録しました。非常に古い録音のため状態が悪い音源も一部ありますが、AP-Rが誇るセス・ウィンナー、アンドルー・ハリファックスの高度な技術によって可能な限りクリアで自然な音に仕上がっています。

DIVINE ART
DBU-20212(1CD)
NX-B07
ガブリエレ・ミケーリ(P)2021年アルド・チッコリーニ賞受賞記念コンサート
スカルラッティ(1686-1757):ソナタ イ短調 K.217
ブラームス:主題と変奏 ニ短調 Op. 18b
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 Op. 35第1部
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 Op. 35第2部
リスト:ノルマの回想 S.394
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ガブリエレ・ミケーリ(P)

録音:2021年10月 Trani(イタリア)
名ピアニストのアルド・チッコリーニが2015年に創設した欧州芸術アカデミー「アルド・チッコリーニ」は、若き才能の紹介 と、すでに国際的に活躍している演奏家の更なる研鑽を支援しています。コロナ禍の2020年に行われたコンクール 『チッコリーニ賞』では録音で審査を行い、ガブリエレ・ミケーリは第2位となりました。9歳でローマのサンタ・チェチーリア音 楽院に入学、2017年に優秀な成績で卒業し、すでに活躍の場を世界に広げているミケーリ、ここでは高度な技巧を 要するレパートリーを堂々と弾きこなしています。
DIVINE ART
DDX-21111(1CD)
NX-B07
ショパン:バラード(全4曲)
夜想曲 変ホ長調 Op.9No.2
夜想曲 ロ長調 Op.32No.1
夜想曲 ヘ長調 Op.15No.1
夜想曲 ヘ短調 Op.55No.1
夜想曲 ロ長調 Op.62No.1
ジョナサン・フィリップス(P)

録音:2020年7月、2021年9月
タイムズ誌で「真のクォリティと技巧を備えた音楽家」と称賛された英国のピアニスト、ジョナサン・フィリップ ス。前作「Tranquillity」(DDX-21102)では編曲版を含むバッハ作品を演奏。その格調高い演 奏で聴き手を魅了しました。今作はショパンのバラード全曲と夜想曲を選んで演奏。全ての曲を2つのテ イクだけで収録して編集を極力避け、ライヴのような一貫した流れを保とうとしています。

TOCCATA
TOCC-0361(1CD)
NX-B03
メル・ボニス(1858-1937):ピアノ曲全集 第1集
舟歌 変ホ長調 Op.71(1906年出版)
ぶらんこ Op.52(1901年出版)
伝説の女性(抜粋)(2003出版)
無言歌 Op.56(1905年出版)
マズルカ Op.26(1896年出版)
小雨 Op.102(1913年出版)
瞑想曲 Op.33(1905年出版)
5つの小品(1929年出版)
フォーレの「月の光」(メル・ボニス編)(1933年出版)
子供時代の情景(1912年出版)…世界初録音
5つの小品(1897年出版)
チェン・メンイイ(P)

録音:2021年12月8日、2022年7月22日、2023年4月26日
フランスのブルジョワジーの家庭に生まれたメラニー・ボニス。ピアノを独学で練習するなど幼い頃に楽才を示しましたが、その才能には無関心だった彼女の両 親を説得したのは、パリ音楽院でコルネットを教えていたアンリ・モリーでした。彼女は12歳頃から音楽を学び、やがてモリーの紹介でセザール・フランクに師 事。彼の勧めでパリ音楽院に入学します。ピエルネやドビュッシー、ショーソンが在籍していた音楽院で彼女は和声楽と作曲を学びましたが、当時のフランス では女性が作曲をすることは推奨されておらず、彼女はメラニーではなく、男性名の「メル・ボニス」で作品を発表。波乱万丈の生涯を送りながら、数多くのピ アノ曲や室内楽作品を作曲・出版しました。彼女の作品は初期には師フランクの影響が感じられるものの、やがて印象主義へと変遷していき、同時代のド ビュッシーを思わせる美しく幻想的な雰囲気を持っています。そのほとんどはサロン風の小品であり、このアルバムに収録された世界初録音となる「子供時代 の情景」は、彼女の母親としての優しい視点も感じさせます。演奏は1993年武漢生まれのチェン・メンイイ。地元の音楽院で学び、マンハッタン音楽学校 で更なる研鑽を積んだ実力派です。

Dynamic
CDS-8005(1CD)
NX-B03
メンデルスゾーン:幻想曲、カプリス、変奏曲
「夏の名残りのバラ」による幻想曲 ホ長調 Op. 15
3つの幻想曲あるいはカプリス Op.16
幻想曲 嬰ヘ短調 Op.28
3つのカプリス Op.33
厳格な変奏曲 ニ短調 Op.54
アンダンテと変奏 変ホ長調 Op.82
イ・シヒャン(P…Steinway & Sons D274)

録音:2023年2月
2018年にベルリンで開催された「フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ国際コンクール」で第1位と最優秀解 釈賞に輝いたイ・シヒャンのメンデルスゾーン・アルバム。代表作の一つ「厳格な変奏曲」をはじめ、イギリスとの関 連の深い「夏の名残のバラ」による幻想曲、自らが"スコットランド風ソナタ"と呼んだ「幻想曲 嬰ヘ短調」や、のどか なウェールズの雰囲気が織り込まれた「3つの幻想曲あるいはカプリス」を収録しています。

B RECORDS
LBM-055(1CD)
IMAGES 〜ドビュッシー、メシアン、ミュライユ、マヌリ、ベンジャミン
ドビュッシー:映像 第1集、第2集(1905-1907)
メシアン:鳥のカタログ(1956-1956) より
 第7巻12. クロサバクヒタキ
  第5巻8. ヒメコウテンシ
トリスタン・ミュライユ(1947-):ラ・マンドラゴール(1993)
フィリップ・マヌリ(1952-):練習曲集 第2巻(2021) 世界初録音
ジョージ・ベンジャミン(1960-):ピアノ・フィギュア(2004)
ロレンツォ・スーレ(P)

録音:2023年2月15日 オルレアン劇場(ライヴ/終演の拍手入り)
リヨン出身、エマールやラローチャに師事し2012年にはジュネーヴ国際コンクールで優勝を果たしているロ レンツォ・スーレのライヴ・アルバム。繊細でありながらも多彩、魅力あふれるその表現力がいかんなく発揮 されたプログラムです。

ALPHA
ALPHA-997(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調 Op.28(オリジナル版) 世界初録音
前奏曲集 Op.32〜-2/.-7
ルーカス・ゲニューシャス(P)
※使用楽器:スタインウェイからラフマニノフへ贈られた Model D

録音:2023年 ヴィラ・セナール、ヴェッギス、スイス
ショパン・コンクール、チャイコフスキー・コンクールなどで輝かしい受賞歴を誇るルーカス・ゲニューシャス。アスミク・グリゴリアンとの共演によるラフ マニノフに続くALPHA第2弾は、やはりラフマニノフによるピアノ・ソナタ第1番。しかもゲニューシャス自身がロシア国立音楽博物館にコンタクト を取り、そこに保管されているオリジナルの手稿譜を使っての初録音が実現しました。難曲として知られるこの作品ですが、1907年にドレス デンで作曲されるも周囲に受け入れられず、翌年初演を行うピアニスト、コンスタンティン・イグムノフらの提案で大幅なカットが施されていま す。しかしモスクワに保管されている未出版の手稿譜には元の形が完全に残されており、それは現在演奏されるものより100小節以上も? く、特に第1楽章後半、第3楽章の中盤以降に大きな違いが聴かれ、難易度はさらに上がっています。ゲニューシャスはこの作品に「圧倒的 な力強さと壮大さはピアノ協奏曲第3番に並ぶ」と惚れ込んでおり、持ち前の技術力と強靭な表現力でその魅力を最大限に引き出しまし た。今回はさらに、スイスのルツェルン湖畔に残るラフマニノフの別荘に於いて、彼の60歳の記念にスタインウェイが贈った楽器を使って録音。 生誕150年没後80年となる2023年にふさわしい、記念すべき一枚となりました。
ALPHA
ALPHA-984(1CD)
さすらい人
リスト:さすらい人 〜シューベルトの12の歌 S558
ワーグナー:私の眠りは夢を見ることで 〜「ジークフリート」第3幕 第1場*
シューベルト:3つのピアノ曲(即興曲) D946
◇はるかな土地で 〜白鳥の歌 D957-6*
マーラー:私はこの世に捨てられて 〜リュッケルト歌曲集*
シューベルト:さすらい人の夜の歌 II D768*
マーラー(ヨーゼフ・フォン・ヴェス編):友は馬から降りて 〜『大地の歌』第6楽章「告別」*

*=ジュリエット・ジュルノーによるトランスクリプション
ジュリエット・ジュルノー(P/STEINWAY & SONS MODEL D-274‘EDWARD’)

録音:2022年10月
 エウレジオ文化センター、マーラー・ホール、ドッビアーコ
フランス出身で数々のコンクールに入賞、歌劇・コミック座やリール・歌劇座などでコレペティートルとしても活躍したジュリエット・ジュルノー。日 本では、2018年に放送されたアニメ「ピアノの森」でソフィ・オルメッソンの吹き替えピアノを担当したことでも知られる彼女にとって、初めてのリ サイタル盤が登場です。「言葉のない”さすらい人”」というテーマからは孤独をイメージするところですが、彼女の表現はむしろ輝かしく、内面に 籠るだけではなく外に目を向けたときの美しさや憧憬を感じさせ、「さすらい人」に対する新しい感覚を聴く者に与えてくれるものとなっていま す。

SOMM
SOMMCD-0677(1CD)
NX-B04
ピアノ・デュオによるベートーヴェン 交響曲全集 第4集
交響曲第1番ハ長調 Op.21(フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカによるピアノ・デュオ版…世界初録音)
 交響曲第6番「田園」 Op.68( フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカによるピアノ・デュオ版…世界初録音)
ブゾーニ:モーツァルトの「ピアノ協奏曲第19番 K.459」のフィナーレによる協奏的小二重奏曲
テッサ・アイス(P)
ベン・スクーマン(P)

録音:2021年10月18-19日
全6集が予定されているフランツ・クサヴァー・シャルヴェンカの編曲による4手ピアノ版ベートーヴェンの交響曲 全集。今回の第4集で取り上げられているのは、交響曲第1番と第6番「田園」です。編曲をしたシャルヴェ ンカはポーランド系ドイツの作曲家。彼の兄ルートヴィヒ・フィリップ・シャルヴェンカも作曲家として知られていま す。シャルヴェンカ兄弟はツェルニーの弟子テオドール・クラクにピアノを師事しており、ここに聴く編曲にはツェル ニー直系のピアニズムや、その師ベートーヴェンへの敬意もうかがわれます。 アルバムの余白にはブゾーニによるモーツァルトのピアノ協奏曲を翻案した作品も収録。原曲に華やかな声 部を加えた華麗な編曲は聴きものです。 今作も南アフリカのケープタウン出身のピアニスト、テッサ・アイスと、同じく南アフリカ出身のペン・スクーマンに よるピアノ・デュオ。このシャルヴェンカ編曲による交響曲全9曲の録音を行うとともに、ロンドンを中心に各地 でコンサートを行い好評を得ています。
SOMM
SOMMCD-0675(1CD)
NX-B04
CASCADE カスケード
ベートーヴェン:バガテル ハ長調 WoO56
プロコフィエフ:束の間の幻影 Op. 22
シューマン:森の情景 Op.82
ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
コーデリア・ウィリアムズ(P)

録音:2023年1月21-22日
2006年のBBCヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー・コンクールのピアノ部門で第1位を獲得、世界的に 注目を浴びた英国出身のコーデリア・ウィリアムズ。これまでにSOMMレーベルからバッハ、シューベルト、 シューマンからペルトなどの作品を収録した4枚のアルバムを発表。海外の音楽誌で高く評価されました。 今回の「CASCADE=滝が落ちるように」と題されたアルバムでは、タイトル通り様々な小品が次々と現れる プログラム構成がユニーク。ベートーヴェンの「ちょっとしたもの」の意味を持つバガテル、万華鏡を見るかのよう なプロコフィエフ、森で出会う情景が描かれたシューマン。どこを聴いても楽しめます。

Orchid Classics
ORC-100266(1CD)
NX-B03
ベートーヴェン:ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲 ジョルジュ・ルポウ(P)

録音:2020年9月19-20日
ベートーヴェンの晩年の傑作「ディアベリ変奏曲」を、ベートーヴェンの生家の隣にあるベートーヴェン・ハウスの 室内楽ホールで録音したアルバム。粒の揃ったタッチと集中力溢れる演奏を披露するジョルジュ・ルボウはフ ランス系アメリカ人のピアニスト。国際ベートーヴェン・プロジェクトの創設者であり、これがベートーヴェン作品 シリーズの初録音となります。

MClassics
MYCL-00044(1CD)
税込定価
シューベルト:ロンド イ長調 作品107 D951
シューベルト:幻想曲 ヘ短調 作品103D940
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 作品163 D956(H.ウルリッヒによるピアノ連弾版)
寺田悦子(P)
渡邉規久雄(P)

録音:2023年6月25日 東京文化会館 小ホール(ライヴ)
互いがソリストとして活躍する傍ら、?年デュオとして共に歩んできた寺田 悦子と渡邉規久雄。待望の美しいシューベルトの連弾作品を収録。 2023年6月「シューベルト 奇跡の1828年」と題したコンサートのライヴ・ レコーディング盤です。収録曲は、31年という短い生涯の中の最後の一 年に書かれたシューベルト音楽の最高峰の傑作群で、シューベルトの崇高 な楽想と美しい調べ、音楽の神髄がそこにあります。まさに「奇跡」の一年 です。また寺田・渡邉がはじめてデュオを取り組むこととなった「幻想曲」。 珍しいH.ウルリッヒによる弦楽五重奏曲などシューベルトの世界に存分に 浸れるアルバムとなりました。ピアノ連弾による流麗な音楽をお聴き下さ い。

ONDINE
ODE-1431(1CD)
NX-B07
ショパン:マズルカ全集 第2集
6つのマズルカ Op. posth.
 1. 変ロ長調 B.16(1826)
 2. ト長調 B.16(1826)
 3. ニ長調 B.31(1829)
 4. 変ロ長調 B.73「ヴォウォフスカ」(1832)
 5. ハ長調 B.82(1833)
 6. 変イ長調 B.85(1834)
マズルカ No.50-51Op. posth(1840頃)
 7. 第51番イ短調 B.140「エミール・ガイヤール」
 8. 第50番イ短調 B.140「ノートル・タン」
マズルカ No.30-32Op.50(1841-1842)
 9. 第30番ト長調
 10. 第31番変イ長調
 11. 第32番嬰ハ短調
マズルカ No.33-35Op.56(1843)
 12. 第33番ロ長調
 13. 第34番ハ長調
 14. 第35番ハ短調
マズルカ No.36-38Op.59(1845)
 15. 第36番イ短調
 16. 第37番変イ長調
 17. 第38番嬰へ短調
マズルカ No.39-41Op.63(1846)
 18. 第39番ロ長調
 19. 第40番ヘ短調
 20. 第41番嬰ハ短調
マズルカ No.42-45Op.67(1835-49)
 21. 第42番ト長調(1835)
 22. 第43番ト短調(1849)
 23. 第44番ハ長調(1835)
 24. 第45番イ短調(1846)
マズルカ No.46-49Op.68(1827-49)
 25. 第46番ハ長調(1830)
 26. 第47番イ短調(1827)
 27. 第48番ヘ長調(1830)
 28. 第49番ヘ短調(1849)
ペーテル・ヤブロンスキー(P)

録音:2023年6月
好評の第1集(NYCX-10345/ODE-1412)に続く第2集は 第30番から第51番までの後期のマズルカと、遺作の6つのマズルカを収録。パリで活躍を始めたショパンが、生涯を通じてポーランドの作曲家としての心の 拠り所としていたマズルカをじっくり味わうことができます。とりわけ死の数週間前に作曲した第49番の悲痛な曲調は耳に残ることでしょう。遺作の6曲はショ パン10代から20代前半の作品。瑞々しい息吹に溢れた華麗な作風が聴きどころです。 今作でもヤブロンスキーは卓越したテクニックによって積年の演奏経験を通じて育んだショパンへの共感を表現。ブックレットに自ら解説を寄稿(共著、英 語)しています。

Grand Piano
GP-903(1CD)
NX-B03
ルチアーノ・ベリオ:ピアノ作品全集
小組曲(1947)
6つのアンコール(1965-90)
セクエンツァ IV(1966)
カンツォネッタ(1991) -4手ピアノのための
タッチ(1991) ?4手ピアノのための
5つの変奏曲(1952-53/1966改訂)
ラウンズ(1964-65)(P版1967)
ピアノ・ソナタ(2001)
マッテオ・ベヴィラクア(P…Fazioli F278)
ルカ・トラブッコ(P)

録音:2022年3月29日、2022年9月10日、2022年12月23日、2023年3月22日
生涯を通じてピアノ曲を作曲したルチアーノ・ベリオ。このアルバムには彼のピアノのための作品が全て収録されています。 活動の初期の作品で、バロックの様式に倣った魅力的な「小組曲」にはじまり、1960年代の代表作"4つのクラヴィア"を含む「6つのアンコール」では 実験的な作風が垣間見えます。ウェーベルンを思わせる簡潔な書法が際立つ「5つの変奏曲」や彼のライフワークの一つである「セクエンツァIV」、彼の 最後の作品のひとつで、様々な音による響きとリズムで構成された大作「ピアノ・ソナタ」まで、ベリオの多彩な作風を楽しむことができます。 巧みな演奏を披露するのはイタリア出身のマッテオ・ベヴィラクア。現在ベルギーのエリーザベト王妃礼拝堂のアーティスト・イン・レジデンスを務めるととも に、ビジュアルアートの世界でも活躍するピアニストです。

Hoxa
HS-190208(3CD)
NX-D05
シャルル・ケクラン:ネクテールの歌(全曲)
【CD1】
『ネクテールの歌』 第1集 Op.198
「アナトール・フランスの
   『天使たちの叛逆』による32編」
1. 序
2. 生命の誕生
3. 光の戯れ
4. 霊魂の光明
5. 世界の若さ
6. 知性の安らかなる光明は…
7. …過ちと愚かさに矢を浴びせる
8. 勝者の笑い
9. 光の快活さ
10. 虚しき争い(「何になろう?」)
11. 優しさ
12. ひとの嘆き
13. 夜
14. 海を渡る春の息吹
15. 光 ー 穏やかさ ー 均衡
16. 愛
17. 哀れみ
18. 苦しむ魂のために
19. ミューズたちの庭
20. 葡萄の樹の巻きひげ
21. 穏やかな時間
22. おそれ
23. 牧歌
24. 海上の月光
25. 生命への飛翔
26. 「世界を創る欲望」
27. 人間の努力
28. 敗者は想う
29. 夕べ
30. 賢者の落ち着き
31. 陽光に満ちた朝の楽しさ
32. ひとの苦しみについての瞑想
【CD2】
 『ネクテールの歌』 第2集 Op.199
 「古代の森にて、32編」
1. 春の爽快な朝、木陰にて
2. 明るい森
3. 林空での戯れ
4. 聖なる森
5. 葉擦れの音
6. 夏、木陰での宴
7. 陽光の下、ニンフたちの踊り
8. 水の精の戯れ
9. 山で迎える美しい朝の清々しさ
10. 山羊飼い
11. 牧神たちの踊り
12. 「木陰の心地よい眠りも」
13.限りないざわめきをたてる海
14. 牧者エンデュミオン(自作のカンタータ「エンデュミオン」の動機による)
15. サチュロス
16. 「高い山々の陰も?くなる」
17. 牧神の気紛れ
18. ある猫の死について
19. 砂浜での朝の清澄さ
20. 「幸せなる小さな牧者」
21. 夕べの静けさ
22. 海を渡る朝の清々しい微風
23. 「おお、あまりにも幸運な農夫よ」
24. 光に満ちた夕
25. 森の春の陽気さ
26. 「ティテュロスよ、君は広々としたブナの木陰に腰をおろし」
27. 森の中の踊り
28. 「けれども安らかな休息が……」 (自作のヴァイオリン・ソナタ第1番より)
29. 「美しき家畜を護る者は、自らも美しい」
30. 「鳥たちは酔い……」
31. セイレノス
32. ディオニュソスの祭りの行列のために
【CD3】
 『ネクテールの歌』 第3集 Op.200
 「親しき神々のための祈りと祭りと踊り、32編」
1. ドーリア調の祈り
2. 守護神の答え
3. ある病人の祈り
4. 若い娘たちの行列
5. 田舎での朝日の中の踊り
6. 青年たちの行列
7. 子供たちの祈り
8. 再び巡り来た春を迎える踊り
9. 祝婚歌
10. 戦に出かけた夫を持つ妻の祈り
11. 父の帰還を祝う踊り
12. 弔いの祈り
13. 幸せな婚約を祝う踊り
14. 孤児たちの祈り
15. 病める脳を治すための呪文
16. ティテュロスが神々に感謝する
17. 星降る夜を目にしての哲学者の讃歌
18. 幸福な家の前での若者たちの踊り
19. 古代の賢者たちの調和に満ちた生活を教師は生徒たちに教える
20. 花咲く野での喜びに満ちたロンド
21. 森の賢者たちへの祈り
22. 家を護る神々への祈り
23. ?老の祈り
24. ?老のもう一つの祈り
25. 「踊り」
26. 祭りの行列
27. 悪い精霊を遠ざけるための呪文
28. 親しき牧神たちの踊り
29. 祭りの行列
30. 病人を治すための祈り
31. 治療のためのもう一つの祈り
32. 神への感謝を表す祭りの行列
ニコラ・ウッドウォード(Fl)

録音:日時不明…CD1、2 2020年1-2月…CD 3
クリフトン大聖堂、ブリストル、イングランド
イギリスでソリストとして活躍するフルート奏者ニコラ・ウッドウォードによる、ケクランの大作『ネクテールの歌』全曲がセット化。アナトール・フラン スが1914年に発表した?編小説『天使たちの叛逆』に登場するフルートを吹く?老ネクテールの名を冠し、無伴奏フルートのために書かれ たこの作品は、Op.198、199、200という三部に分かれており、総演奏時間は3時間半近くにもなる大作。聴く者に語りかけるようなこの 作品を、ウッドウォードは大聖堂の響きも上手く取り込み、気高い緊張感を最後まで維持しながら聴かせます。 (各タイトルの日本語訳は相場ひろ氏による。)

SHINREC
SRCD-6002CD(1CD)
(HQCD)
TOHJIN classical guitarist
ショパン:プレリュード第7番1:05
ラモー:2つのメヌエット3:39
ソル:メヌエット Op.11-62:09
タレガ:アルハンブラの思い出4:04
ソル:アンダンティーノ Op.32-11:35
ソル:ワルツ Op.32-22:08
ソル:練習曲 第5番Op.35-222:08
トローバ:松のロマンス1:55
トローバ:ファンダンギーリョ2:10
リョベート 編曲:アメリアの遺言(カタロニア民謡) 2:33
ポンセ:ガボット3:33
クレスポ:ノルテーニャ4:28
ヘンデル:サラバンド3:40
グルック:バレー1:52
アルベニス:アストリアス7:34
レーラ:子守唄1:38
セゴビア 編曲:小さな逸話(ロシア民謡) 1:22
島崎陶人 (G)

録音:2020年9月28日及び30日、場所:ルネサンス クラシックス 芦屋 ルナ・ホール(無観客)
2本のマイクによるワンポイント録音、DSD5.6448MHz 音源をHQCD化
兵庫県神戸市出身で、関西中心に活動するクラシック・ギタリスト島崎陶人の初CD。
島崎は現在74才。キャリアは50年以上のベテランだが、これまで誰にも師事することが無く、演奏方法も独特なために異端児扱いされ、正当な評価を受ける ことなく今日に至っています。
収録された全17曲は殆どがよく知られたクラシックの小品だが、音が出た瞬間に立ち上がりがよく表情豊かな音に通常のクラシック・ギターとは異なる世界が 提示されます。
音の秘密は島崎が長い年月をかけて創りあげて来た独自の奏法と改造されたギターにある。前者は主に島崎がギターの弦を斜めに切るように弾くことだが、文 書で表現することは極めて困難です。後者はギターのサドル部分のみ残してブリッジを削り取った上でギターのトップ(表面板)に穴を開けて弦を固定する大胆 な改造を行うことにより成し得たものです。尚、ギターの改造は手先の器用な島崎本人の手による。
ジャケット及びブックレットには演奏とは趣の異なるほのぼのとしたイラストを用いているが、島崎の楽曲に対するイメージを表現したもの。因みにイラストは全 て島崎の一番弟子の女性によるもの。
本作は元々自主制作盤としてWaon Records傘下のAlquimista(アルケミスタ)レーベルから2021年11月にリリースされたものだが、今般オリジ ナルの状態で新レーベルShinRec(実際の本CD制作者)の名義で再発売する。島崎の唯一無二の演奏のみならずShinRecが信条とする2本のマイクと DSD5.6MHZによる高音質録音がもたらす空気感のある自然な音を是非お聴きになってください。
本作は「ステレオ誌」(2022年1月号)掲載の「音の余白に」に於いて岩出和美同誌編集顧問から、又「音楽現代誌」(2022年3月号)掲載の「音現新譜評」 に於いて保延裕史先生から演奏及び録音に対し高評価を頂いています。 ※WAON RECORDSより2021年11月19日に自主制作盤として発売されたCDの再発盤です。 (Ki)

Ars Produktion
ARS-38347(1SACD)
モーツァルト・ザ・プログレッシヴ〜モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番ヘ長調 KV.533/494/ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調 KV.570/ジグ ト長調 KV.574/メヌエット ニ長調 KV.355(576B)/ソナタ第18番ニ長調 KV.576
ミヒャエル・ヴェッセル(P)

録音:2023年3月14日-16日
バイロイトのプロテスタント教会音楽大学で教授を務めるピアニストのミヒャエル・ヴェッセルによる、モーツァルトのピアノ・ソナタ・シリーズの第3弾。
現代のベーゼンドルファー・コンサート・グランド・ピアノの豊かな音色で、モーツァルトの後期ピアノ・ソナタに新たな命を吹き込みます。
Ars Produktion
ARS-38356(1SACD)
フラワーズ・ウィー・アー
クルターグ(b.1926):「Games, Band VIII 」「Flowers we are ...」
バッハ
(クルターグ編):いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV.599
クルターグ:「Games, Band VIII」「One more voice from far away」
バッハ(クルターグ編):主キリスト、神のひとり子 BWV.601
クルターグ:「Games, Band VIII」「Responsorium (Pilinszky:A snow-white arm)」、「Homage to J. S. B.」
バッハ(クルターグ編):深き困窮より、われ汝に呼ばわる BWV.687
クルターグ:「Games, Band VIII」「Dirge」
バッハ
(クルターグ編):これぞ聖なる十戒 BWV.635
クルターグ:「Games, Band VIII」「Study to Pilinszky’s ‘Holderlin’ (Position exercise)」
バッハ
(クルターグ編):すべての人は死ななければならない BWV.643
クルターグ:「Games, Band VIII」「Beating - Quarrelling」、「A quiet farewell to Endre Szekely」
バッハ(クルターグ編):神よ、汝の慈悲によりて BWV.600
クルターグ
:「Games, Band VIII」「Janos Pilinszky:Waltz ? for two pianos」、「Faltering」
バッハ(クルターグ編):古き年は過ぎ去り BWV.614
クルターグ:「Games, Band VIII」「Flowers we are ... for Miyako」
バッハ(クルターグ編):神の時こそいと良き時 BWV.106
クルターグ:「Games, Band VIII」「In memoriam Seb?k Gyorgy」、「... goodbye Jan ...」
バッハ
(クルターグ編):おお、罪なき神の子羊よ BWV.618
クルターグ:「Games, Band VIII」「Flowers we are... (in another way) for Miyako」、「... a solemn melody ... 」
バッハ(クルターグ編):いと高きところには神にのみ栄光あれ BWV.711
クルターグ
:「Games, Band VIII」「Flowers we are... for piano, upright piano and percussion」
リゲティ:Funf Stucke fur Klavier zu vier Handen
アニ&ニア・スルハニシュヴィリ(P)

録音:2022年10月31日-11月2日
ハンガリーにルーツを持つ2人の作曲家、ジェルジュ・クルターグとジェルジュ・リゲティの作品を収録しています。
アニ&ニア・スルハニシュヴィリはジョージア出身の双子のピアノ・デュオ。双子ならではの息の合った演奏で、古典から現代音楽まで幅広い作品をレパートリーとしています。
Ars Produktion
ARS-38617(1CD)
海の物語
ブロッホ:海の詩
シュ・ゴンイ:序曲-スモール・ストリーム
サマズイユ:海の歌
ブリッジ:海の牧歌
ルビンシテイン:練習曲 Op.1オンディーヌ
マクダウェル:海の小品 Op.55
リディア・マリア・バーダー(P)

録音:2023年1月24日-26日
リディア・マリア・バーダーはこのアルバムで聴衆を海の冒険に招待したいと言います。その目的の通り海に関する作品が集められたこのアルバムでは、6つの曲それぞれが海の様々な側面を描いており、それをリディア・マリア・バーダーが見事に表現しています。

Chandos
CHAN-20307(11CD)
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集
ピアノ・ソナタ 第39番ニ長調 Hob.XVI:24/ピアノ・ソナタ 第47番ロ短調 Hob.XVI:32/ピアノ・ソナタ 第31番変イ長調 Hob.XVI:46/ピアノ・ソナタ 第49番嬰ハ短調 Hob.XVI:36/ピアノ・ソナタ 第48番ハ長調 Hob.XVI:35/ピアノ・ソナタ 第32番ト短調 Hob.XVI:44/ピアノ・ソナタ 第50番ニ長調 Hob.XVI:37/ピアノ・ソナタ 第19番ホ短調 Hob.XVI:47bis/ピアノ・ソナタ 第20番変ロ長調 Hob.XVI:18/ピアノ・ソナタ第29番変ホ長調Hob.XVI:45/ピアノ・ソナタ第33番 ハ短調 Hob.XVI:20/ピアノ・ソナタ第42番 ト長調 Hob.XVI:27/ピアノ・ソナタ第16番 ニ長調 Hob.XVI:14/ピアノ・ソナタ第38番 ヘ長調 Hob.XVI:23/ピアノ・ソナタ第40番 変ホ長調 Hob.XVI:25/変奏曲 ヘ短調 Hob.XVI:6/ピアノ・ソナタ第30番 ニ長調 Hob.XVI:19/変奏曲 ヘ短調 Hob.XVI:6の未出版のカデンツァ/ピアノ・ソナタ第15番 ホ長調 Hob.XVI:13/ピアノ・ソナタ第12番 イ長調 Hob.XVI:12/ピアノ・ソナタ第37番 ホ長調 Hob.XVI:22/ピアノ・ソナタ第54番 ト長調 Hob.XVI:40/ピアノ・ソナタ第55番 変ロ長調 Hob.XVI:41/ピアノ・ソナタ第56番 ニ長調 Hob.XVI:42/エピローグ/ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 Hob.XVI:2/ピアノ・ソナタ第43番 変ホ長調 Hob.XVI:28/ピアノ・ソナタ第35番 変イ長調 Hob.XVI:43/ピアノ・ソナタ第34番 ニ長調 Hob.XVI:33/ピアノ・ソナタ第36番 ハ長調 Hob.XVI:21/ピアノ・ソナタ第8番イ長調 Hob.XVI:5(ディヴェルティメント)/ピアノ・ソナタ第46番 ホ長調 Hob.XVI:31/ピアノ・ソナタ第13番 ト長調 Hob.XVI:6(パルティータ)/ピアノ・ソナタ第57番 ヘ長調 Hob.XVI:47/ピアノ・ソナタ第58番 ハ長調 Hob.XVI:48/ピアノ・ソナタ第5番ト長調 Hob.XVI:11/ピアノ・ソナタ第51番変ホ長調 Hob.XVI:38/アダージョ・マ・ノン・トロッポ ト長調/ピアノ・ソナタ第6番ハ長調 Hob.XVI:10/ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Hob.XVI:D1/「神よ、皇帝フランツを守り給え」による変奏曲 ト長調/ピアノ・ソナタ第59番変ホ長調 Hob.XVI:49/ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 Hob.XVI:1/ピアノ・ソナタ第44番ヘ長調 Hob.XVI:29/ピアノ・ソナタ第41番イ長調 Hob.XVI:26/ピアノ・ソナタ第2番ハ長調 Hob.XVI:7/ピアノ・ソナタ第52番 ト長調 Hob.XVI:39/ピアノ・ソナタ第53番 ホ短調 Hob.XVI:34/ピアノ・ソナタ第45番 イ長調 Hob.XVI:30/ピアノ・ソナタ第28番ニ長調 Hob.XIV:5/ピアノ・ソナタ第4番ト長調 Hob.XVI:G1/ピアノ・ソナタ第60番 ハ長調 Hob.XVI:50/ピアノ・ソナタ第3番ヘ長調 Hob.XVI:9/アリエッタと12の変奏 変ホ長調 Hob.XVII:3/ピアノ・ソナタ第1番ト長調 Hob.XVI:8/ピアノ・ソナタ第61番 ニ長調 Hob. XVI:51/幻想曲 ハ長調 Hob.XVII:4/アダージョ ヘ長調 Hob.XVII:9/ピアノ・ソナタ第14番ハ長調 Hob.XVI:3/ピアノ・ソナタ第9番二長調 Hob.XVI:4/カプリッチョ 「8人のへぼ仕立て屋に違いない」 ト長調 Hob.XVII:1/主題と6つの変奏 ハ長調 Hob.XVII:5/ピアノ・ソナタ第62番 変ホ長調 Hob.XVI:52/アレグレット ト長調 Hob.XVII:10
ジャン=エフラム・バヴゼ(P)

録音:2009年-2021年
世界屈指のフレンチ・ピアニズムの体現者として人気を博し、現在ではハイドン、ベートーヴェン、モーツァルトなど古典派作品の演奏&録音でも圧倒的な地位を確立してきたジャン=エフラム・バヴゼ。10年以上の歳月をかけて行われたハイドンのピアノ・ソナタ全曲録音プロジェクトが遂に完結し、全集盤として11枚組のBOXでリリースです!分売時は、英グラモフォン誌の「エディターズ・チョイス」や英BBCミュージック・マガジンの「インストゥルメンタル・チョイス」、英インターナショナル・ピアノ誌の「インターナショナル・ピアノ・チョイス」などに度々選出された名演奏の数々をたっぷりとお楽しみください。

Acte Prealable
AP-0474(1CD)
ユゼフ・ヴィエニャフスキ:ピアノ作品集 Vol.5
ユゼフ・ヴィエニャフスキ(1837-1912):8つの無言歌 Op.14
8つのマズルカ Op.23
アグニエシュカ・シュルツ=ブジスカ(P)

録音:2020年3月(ポーランド)
※全曲世界初録音
ヴァオリニスト、作曲家の兄ヘンリク・ヴィエニャフスキに比べ、ピアニスト、作曲家の弟ユゼフ・ヴィエニャフスキは現代あまり知られない存在となっています。しかしながら、兄に劣らず素晴らしい作品を遺したユゼフのピアノ曲集の第5弾です。
このアルバムには8曲からなる無言歌とマズルカが収録されており、この2曲はいずれも第1集の4曲と第2集の4曲で構成されています。
Acte Prealable
AP-0536(1CD)
スタトコフスキ:ピアノ作品集 Vol.3
ロマン・スタトコフスキ(1859-1925):クラコヴィアク Op.23-2ト長調
オベレク Op.22-4変ホ長調/ドゥムカ
4つのマズルカ Op.24/不滅 Op.19
クラコヴィアク Op.23-4 ヘ短調
アンナ・パラス(P)

録音:2021年12月11日(ポーランド)
※全曲世界初録音
1859年、ロマン・スタトコフスキはポーランド中心部のカリシュ市近郊の町、シュチピョルノで生まれました。サンクトペテルブルク音楽院でニコライ・ソロヴィエフとアントン・ルビンシテインに師事し、1905年にジグムント・ノスコフスキの後任としてワルシャワ音楽院の作曲科教授に任命され、亡くなる1925年まで務めました。スタトコフスキの作品はモニューシュコ以降の作曲家とシマノフスキの世代をつなぐものとして評されています。

GENUIN
GEN-23849(1CD)
マジカル・クリスマス・ファンタジーズ
バッハ:G線上のアリア(管弦楽組曲第3番より)
ランゲ:ピアノのための幻想曲「きよしこの夜」
ロベルト・レオナルド:クリスマス幻想曲 Op.99
バッハ:羊は安らかに草を食み
ランゲ:クリスマス幻想曲
カレル・スヴォボダ:灰かぶり姫の3つの木の実
バッハ
:主よ人の望みの喜びを
モーツァルト:きらきら星変奏曲
バッハ=グノー:アヴェ・マリア
シューマン:サンタクロース(子供のためのアルバムより)
チャイコフスキー:行進曲(くるみ割り人形より)
フリッツ・ヘルビッヒ:クリスマス幻想曲「高き天よりわれは来れ」
カール・ティーセン:「もみの木」による変奏曲
カロリーネ・フィッシャー(P)

録音:2021年8月21日
ベルリン生まれのピアニスト、カロリーネ・フィッシャーによるクリスマス・アルバム。古いものから新しいものまでさまざまな時代から厳選されたクリスマスにまつわる作品をソロ・ピアノで美しく紡ぎあげます。バッハの「(G線上の)アリア」に始まり、「きよしこの夜」、「主よ、人の望みの喜びを」やくるみ割り人形の「行進曲」など誰でも知っているメロディも、スタインウェイ国際ピアノ・コンクールなど様々な賞に輝き、国際的に活躍しているフィッシャーの瑞々しいタッチで新鮮にそして時には神秘的に響きます。クリスマス・シーズンにじっくりとお聴きいただきたい1枚となっています。

KAIROS
0022012KAI(1CD)

J0022012KAI(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

クラム:天界の力学、ツァイトガイスト、異世界の響き
ジョージ・クラム(1929-2022):
天界の力学[マクロコスモス 第4巻](1979年、改訂2012年)
(アンプリファイド・ピアノのための宇宙的舞曲、4手(と6手)のための)
T. ケンタウルス座 アルファ星
U. 白鳥座 ベータ星
V. りゅう座 ガンマ星
W. オリオン座 デルタ星

ツァイトガイスト(1988年)(2台のアンプリファイド・ピアノのための6つのタブロー、第1集)
T. 予兆
U. ふたりの道化師
V. モノコード(一絃琴)
W. 彗星の日
X. モルフェウスの国
Y. 残響

異世界の響き(タブロー、第2集)(2005年)
(2台のアンプリファイド・ピアノのための)
T. 二重らせん
U. 祝典と儀式
V. パリンプセスト
清水美子(P)

録音:2020年&2022年
新たな音楽語法、音響の開拓者として多大な功績を残してきた現代アメリカの大作曲家ジョージ・クラム(1929-2022)。そのクラムの音楽に魅入られ、日本におけるクラム演奏の第一人者として活躍するピアニスト、清水美子が捧げるジョージ・クラムへのメモリアル・アルバム。
2019年にリリースされ、レコード芸術「特選盤」に選ばれるなど高い評価を得たクラムの「マクロコスモスT〜V」(0015029KAI/P0015029KAI)に続く待望のクラム・アルバム第2弾では、「マクロコスモス」シリーズの第4作目にあたる4手(そして部分的には譜めくり人も加わって6手になる)連弾作品「天界の力学」を筆頭に、2台のアンプリファイド・ピアノのためのタブロー第1集「ツァイトガイスト」と第2集「異世界の響き」を、清水美子が多重録音を用いてひとりで演奏(これらの作品を「ソロ」で実現した唯一のピアニスト)。クラム本人とも親交を深めながら作品を掘り下げ、特殊奏法なども研究しつくした至高のアルバムが完成しました。

REFERENCE
FR-753(1CD)
シューベルト:ピアノ作品集〜楽興の時、即興曲
楽興の時Op.94(D.780)
即興曲Op.90(D.899)
スケルツォD.593
メヌエット嬰ハ短調D.600
セルゲイ・クヴィトコ(P)

録音:2022年4月7日、Hinves Pianos、マドリード(ライヴ)
ロシア出身で現在アメリカを拠点にピアニスト、作曲家など幅広く活躍するセルゲイ・クヴィトコが、2022年4月にスペインのマドリードで行ったシューベルト・ リサイタルの模様を録音したCDがリリースされます。演目は、「即興曲」と「楽興の時」のカップリング。19世紀に主としてピアノ曲のジャンルで広まった性格小 品「楽興の時」。シューベルトはこのタイトルの小品を1823年頃に6曲書いています。第3曲はこの曲集で最も有名な曲で、愛らしく親しみやすい魅力に満ちた 楽曲です。そしてシューベルトの代表的なピアノ曲に数えられる「即興曲」。ここでは歌心に溢れた美しい旋律に彩られた作品90の4曲を収録しています。 セルゲイ・クヴィトコは、6歳から音楽を学び、ミシガン州立大学に留学するために渡米、そこで第1回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの優勝者であるラ ルフ・ヴォタペックに師事。以降アメリカを拠点に世界各地で演奏会を行っています。また、ザ・レコーディング・アカデミー のメンバーであり米グラミー賞の投票権 を持っています。 (Ki)

Pentatone
PTC-5187113(1CD)
ラフマニノフ・リフレクションズ
交響的舞曲 Op.45(編):イノン・バルナタン)
(2)楽興の時 Op.16
ヴォカリーズ Op.34-14(編):イノン・バルナタン)
13の前奏曲 Op.32より第12番嬰ト短調
イノン・バルナタン(P)

録音:2023年5月15〜17日/サンフランシスコ音楽院内キャロライン・ハワード・ヒューム・ホール(カリフォルニア)
2023年のラフマニノフ・イヤーを記念し多くの演奏家が新録音を発表していますが、イノン・バルナタンは交響的舞曲とヴォカリーズをバルナタン編曲 のピアノ独奏版で録音しました!
1979年テルアビブに生まれたバルナタンは、3歳でピアノを始め、11歳でオーケストラ・デビューを果たした逸材。これまでにヴィクトル・デレヴィアンコ、マ リア・クルチョ、クリストファー・エルトン、レオン・フライシャーなどに師事。その後の活躍は目覚ましくニューヨーク・フィルハーモニックの初代アーティスト・イン・ アソシエーションに任命されたバルナタンは、3シーズンに渡るその任期の間に、同オーケストラと協奏曲や室内楽を演奏するなどアメリカを中心に活動の場を広げ ていきました。
バルナタンの魅力はなんといっても色彩感豊かなピアノの音色。ロンドンのイブニング・スタンダード紙では「洗練された、緻密で、確かな伝達力を持つ、鍵盤楽 器の真の詩人」と、BBCミュージック誌では「素晴らしい演奏。鋭い楽才、解釈における圧倒的な洞察力、優雅なピアニズム、それらすべてがほぼ完璧な均衡を成 している」など激賞されており、確かなテクニックに裏付けされた唯一無二の演奏で聴衆を虜にしています。
「交響的舞曲」は1940年作曲。ユージン・オーマンディ(指)フィラデルフィアOに献呈され、1941年同団が初演を行ったラフマニノフ晩年の名作で す。自作の交響曲第1番と「徹夜?」からの引用が見られ、サクソフォン、タムタム、シロフォンなど多様な楽器を用いた作品ですが、バルナタンはピアノ一台でカラ フルに演奏。この作品の新たな魅力を引き出しております。ラフマニノフ・イヤーにまた1枚、注目盤の登場です! (Ki)

King International
KKC-8836(10CD)
園田高弘バッハ集大成Box
DISC1、2;平均律クラヴィア曲集第1巻 BWV846~869
DISC3、4;平均律クラヴィア曲集第2巻 BWV870~893
DISC5、6;パルティータ全曲BWV825~830
DISC7;ゴルトベルク変奏曲BWV988
DISC8;2声のインヴェンションBWV772~786/3声のシンフォニアBWV787~801/4つのデュエットBWV802~805
DISC9;イタリア協奏曲BWV971/半音階的幻想曲とフーガBWV903/トッカータ ハ短調BWV911/ トッカータ ホ短調BWV914/トッカータ 嬰ヘ短調BWV910/フランス組曲第5番BWV816
DISC10(ボーナス盤);トッカータとフーガ ニ短調(ブゾーニ編)/シャコンヌ(ブゾーニ編)
園田高弘(P)

録音:Disc1-4;1992年4月13-16日府中の森ウィーン・ホール
Disc5-6;1985年7月7-8日バリオホール(東京)
Disc7;1994年3月16-18日軽井沢ウッドストックスタジオ
Disc8;1988年4月6-7日松本ハーモニーホール、1994年3月16-18日軽井沢ウッドストックスタジオ
Disc9;2001年12月1日東京歌劇シティコンサートホール(ライヴ)、1998年9月23日サントリーホール(ライヴ)、
1994年3月16-18日軽井沢ウッドストックスタジオ
Disc10;1989年7月21日バリオホール(東京)
20世紀日本を代表するピアニストで、教育面でも多大な功績を残した園田高弘。2024年は歿後20年にあたり、氏の偉大な業績を回顧するBoxシリーズを 開始します。いずれも氏が1983年に設立した個人レーベルEVICAの音源により、長らく入手困難だった名演の数々をお届けいたします。
第1弾は全10巻のバッハ作品集。園田のバッハといえば平均律クラヴィア曲集やインヴェンションとシンフォニアの校訂楽譜(春秋社刊)をはじめ我が国の権威 となっていますが、それらを円熟期の演奏でたっぷり堪能できる大企画。それも破格の価格にてご提供。
平均律クラヴィア曲集、パルティータ、インヴェンションとシンフォニアは全曲。またゴルトベルク変奏曲、イタリア協奏曲、半音階的幻想曲とフーガなどの名作も もれなく収録。さらに園田の師筋にあたるブゾーニ編曲のトッカータとフーガとシャコンヌも超貴重。
演奏は楷書的であいまいな所のないピアニズムと、大きな音楽性で説得力満点。現代のピアノでバッハを弾く意味と意義を示唆に富んだ解釈で伝えてくれます。 まさに日本・ピアノ演奏史の至宝というべき遺産です。 (Ki)

La Dolce Volta
LDV-119(1CD)
Do Brasil ド ブラジル〜ヴィラ=ロボス:ピアノ曲集
1. ショーロス第5番(ブラジルの魂) W2054:41
2. ショーロス第2番(作曲者によるピアノ用編曲版)W198 2:54
3. 波のように〜練習曲 作品31W824:12
シランダス W220(抜粋)
4. 第3番サンシャ夫人1:43
5. 第6番行け、行け、鷹よ1:22
6. 第15番何と美しい瞳4:31
7. 第10番カナイの画家1:57
8. 第9番トロロへ行った2:08
9. 第4番カーネーションはバラと仲違いした 1:46
10. 第2番伯爵夫人3:02
11. 第8番カルンガ山の向こう側へ行こう3:02
12. 第5番哀れな盲目の女1:25
13. 第16番ピヨピヨピヨ2:12
14. 壊れたオルゴール W2562:45
15. 赤子は眠りにつく(子どもの組曲 第1集) W532:46
16. ニューヨーク・スカイラン・メロディ W407 2:25
17. 野生の詩 W18420:40
ウィレム・ラチュウミア((P)

録音:2022年8月11-13日、シテ・ミュジカル=メス(メス音楽都市)大ホール
情熱的な音楽と、熱きヴィルトゥオジティのピアニスト、ラチュウミアがヴィラ=ロボスを録音しました。ヴィラ=ロボスは交響曲をはじめあらゆるジャンルに多く の作品を残していますが、ピアノも同様でした。ギターを愛していたヴィラ=ロボスはピアノ作品を書く際にもギターをイメージしながら書いていたと思われ、また、 最初の妻がピアニストだったことも影響しているのか、独特のヴィルトゥオジックな鍵盤書法がみられます。たとえばアルトゥール・ルービンシュタインがアンコール でしばしば取り上げていた「道化人形」は、ドビュッシーやストラヴィンスキーからも影響を受けたことが窺われるテンポの速い難曲です。音楽教育にも熱心に取り 組んだヴィラ=ロボスは、数々の童謡をもとにピアノ曲を書きました。本CDにも収録されている組曲「シランダス」もそのひとつ。聞き覚えのある旋律が登場しま す。ラチュウミアはとりわけ私たちが親しみを感じやすい楽曲を抜粋して収録しています。ヴィラ=ロボスの作品の粋がつまった1枚となっております。
ラチュウミアは1974年、リヨン生まれ。フランス国立リヨン高等音楽院のエリック・ハイドシェックおよびジェリー・ムティエのクラスで学び、同院にて審査員満場 一致・賞賛付の1等賞を獲得。同院の修士課程に進み、ムティエのもとで更なる研鑽を積んだ。クロード・エルフェにも師事し、メシアン夫人イヴォンヌ・ロリオや、ピ エール=ロラン・エマールらのマスタークラスも受講。音楽学の学士号も取得しています。2004年、ヒューレット・パッカード財団「明日の音楽家」賞を受賞。第12 回モンサルバーチェ国際現代音楽コンクール(スペイン・ジローナ)に入賞。2006年には、オルレアン国際20世紀ピアノ音楽コンクールで第1位/ブランシュ・セ ルヴァ特別賞に輝き、同時に他の五つの賞も授与された。 現代曲の初演や演奏に積極的に取り組み、、ブーレーズ、ジルベール・アミ、ジェラール・ペソン、フィリップ・エルサン、ミカエル・ジャレル、ジョナサン・ハー ヴェイ、ピエール・ジョドロフスキ、フランチェスコ・フィリデイらから信頼を寄せられております

新書館
DC23-0702(1CD)
税込定価
ブリリアンス・オブ・バレエ・ミュージック〜バレエ音楽の輝き/ 滝澤志野
1.チャイコフスキー:『眠れる森の美女』第3 幕 グラン・パ・ド・ドゥよりアダージオ(チャイコフスキー)
2.『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』よりアダージオ(チャイコフスキー)
3.『ジュエルズ』ダイヤモンドよりアンダンテ/交響曲第3 番第3楽章(チャイコフスキー)
4.『瀕死の白鳥』/「動物の謝肉祭」第13番「白鳥」(サン=サーンス)
5.『マノン』第3幕 沼地のパ・ド・ドゥ/宗教劇「聖母」より(マスネ)
6.『椿姫』第2幕/前奏曲第15番「雨だれ」変ニ長調(ショパン)
7. 『椿姫』第3幕 黒のパ・ド・ドゥ/バラード第1 番ト短調(ショパン)
8. 『ロミオとジュリエット』第1幕 バルコニーのパ・ド・ドゥ(プロコフィエフ)
9. 『くるみ割り人形』第1幕 情景「松林の踊り」(チャイコフスキー)
10. 『くるみ割り人形』第2幕 葦笛の踊り(チャイコフスキー)
11. 『くるみ割り人形』第2幕 花のワルツ(チャイコフスキー)
12.『くるみ割り人形』第2幕 グラン・パ・ド・ドゥよりアダージオ(チャイコフスキー)
滝澤志野(P)
ウィーン国立バレエ団専属ピアニスト、滝澤志野による初のピアノソロアルバム。既発CDにボーナストラックとして収録されたノーカットのバレエ曲ほか、未収録 6曲を加えたピアノ曲集。現代屈指のバレエピアニスト滝澤志野のピアノでバレエ音楽を堪能できる贅沢な一枚です。 (Ki)
■滝澤志野 Shino Takizawa
ウィーン国立歌劇場・バレエ団専属ピアニスト。大阪府出身。桐朋学園大学短期大学部ピアノ専攻卒業、同学部専攻科修了。在学時より歌劇とバレエの伴奏に携 わり、舞台芸術のコレペティを志す。新国立劇場バレエ団契約ピアニストを経て、2011年よりウィーン国立バレエ専属ピアニストに就任。ソリストとしても、ウィー ン国立歌劇場バレエ公演およびガラ公演で、バッハ「ピアノ協奏曲第3番」、モーツァルト「ピアノ協奏曲第23番」、グリーグ「ピアノ協奏曲」 、などを演奏しています。 新書館より5枚のバレエレッスンCDをリリース。国内のバレエショップを中心にベストセラーとなっています。Webメディア「バレエチャンネル」に『ウィーンのバレエ ピアニスト〜滝澤志野の音楽日記』を好評連載中。

Biddulph
BIDD-85037(1CD)
ミッシャ・エルマン モーツァルト/パガニーニ
(1)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
(2)パガニーニ:カプリース 第24番(エルマン編)
(3)ゴセック:ガヴォット ニ長調 長 歌劇「ロジーヌ」より
(4)ベートーヴェン:メヌエット ト長調 WoO Io-2(ブルマイスター編)
(5)キュイ:オリエンターレ Op.50 -9
(6)アレンスキー:セレナード ト長調 Op.30-2(エルマン編)
(7)ドリゴ(1846-1930):セレナード - バレエ「百万長者の道化師」より(アウアー編)
(8)ドルドラ(1868-1944):思い出
(9)エルマン(1891-1967):タンゴ
(10)ガエターノ・ブラーガ(1829-1907):天使のセレナード
(11) テレサ・デル・リエゴ(1876-1968):涙をぬぐえ
(12)オッフェンバック:舟歌 - 歌劇「ホフマン物語」より*
(13)マスネ:エレジー
ミッシャ・エルマン(Vn)
ジャン・ピアース(T)
リーゼ・スティーヴンズ(S)
ヴォルフガング・ローゼ(P)
ブルックス・スミス(P)*

録音:(1)1951年2月13、16日
(2)1951年4月3日
(3)1949年4月18日
(4)1949年4月19日
(5)1949年4月18日
(6)1949年4月19日
(7)1949年4月18日
(8)1949年4月19日
(9)1951年4月5日
(10)1951年
(11)1951年
(12)1951年12月29日
(13)1951年12月29

初出レコード番号
RCA LM1208
RCA DM1328
RCA WDM1625
RCA WDM1703
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:Dave(David)
Hermann
マスタリング:Rick Torres
Biddulphレーベルが注力しているレオポルト・アウアー門下のヴァイオリストの復刻の中でも、特に多いのがミッシャ・エルマンの復刻。今回はSPからLP への移行が進んでいた時期の音源を集めています。 78回転のSP盤に代わる毎分33+1/3回転、直径30cmのLP盤をコロンビアが実用化したのが1948年。RCAは対抗策として翌1949年に毎分 45回転、直径17cmのEP盤を市場投入しましたが、優勢となっていたLPに押され、間もなくLP発売に踏み切ります。1-4はそうした初期のLPのうち の一つ。優美なモーツァルトと火花の散るようなパガニーニというエルマンの両面を聴くことができます。パガニーニは当時、演奏者独自の版で演奏する ことが多く、ここに収録されたエルマン版はピアノ伴奏付きで、冒頭にピアノのイントロが置かれ、最後の第11変奏の代りに4つの変奏とコーダを独自に 書き足しています。このカプリースはEPでもリリースされ、トラック11はそのB面に収められていました。ヴァイオリンを緩急自在かつ表情豊かに歌わせると ころは、さすが自作自演と感心させます。5-10はエルマンのアメリカ・デビュー40周年を記念した「A Tribute To Mischa Elman On His40th Anniversary」からの復刻。これはSP3 枚、EP3枚でリリースされ、更にLPでも発売されたもの(LP発売時にはマスネのタイースの瞑想曲とドヴォルザークのユモレスクが追加されていました)。 12-15はGreat CombinationsというEP5枚組からの復刻。戦前からアメリカで流行していたスター歌手とスター・ソリストとのデュオをフィーチャーし たアルバムです。5枚の内2枚がエルマンに充てられ、他はマリアン・アンダーソンとピアティゴルスキー、ロバート・メリルとメニューイン、エツィオ・ピンツァとミ ルシテインという内容でした。 いずれのトラックでも(パガニーニでさえも)エルマンならではの余裕を感じさせるフレージング、効果的に使われるヴィブラート、そして定評の「エルマン・ トーン」と呼ばれる柔和さを失わない美音が堪能できます。
※ブックレットでトラック6から10の録音年が1951年となっていますが正しくは1949年です。

Biddulph
BIDD-85036(2CD)
NX-C03
アウアーのレガシー/キャスリーン・パーロウ〜HMV&米コロムビア録音全集&CBC放送録音集
【CD1】
●HMV録音集(1909)
1. パガニーニ:常動曲(無窮動) Op.11
2. バッハ:G線上のアリア(ヴィルヘルミ編)
3. ハルヴォルセン(1864-1935):『モザイク組曲』- 第4曲「ヴェスレモイの歌」
4. ハルヴォルセン:ノルウェー舞曲第2番イ短調
5. ショパン: 夜想曲 ニ長調 Op. 27-2(ヴィルヘルミ編)
●米コロムビア録音集(1912-1916)
6. シューベルト:楽興の時第3番
7. ドリゴ(1846-1930):火花のワルツ(アウアー編)
8. クライスラー:愛の喜び
9. ショパン:夜想曲 変ホ長調 Op.9-2(サラサーテ編)
10. ベートーヴェン:メヌエット ト長調(ブルメスター編)
11. トマス・ムーア(1779-1852):アイルランド民謡集 - 夏の名残りのぱら
12. ドヴォルザーク:ユモレスク ト長調
13. ルビンシテイン:メロディ ヘ長調
14. バッハ:ガヴォット - 無伴奏ヴァイオリンの為のパルティーダ 第3番BWV1006より
15. アレンスキー:セレナード
16. ドリゴ:セレナード Op.30-2(アウアー編)
17. マスネ:瞑想曲 - 歌劇「タイス」〜(マルシック編)
18. ドヴォルザーク:ヴァイオリン・ソナチネ ト長調 Op.100- 第2楽章(クライスラー編)
19. クライスラー:中国の太鼓 Op.3
20. ヴィエニャフスキ:グノーの「ファウスト」 - 庭園の情景
21. マスカーニ:間奏曲- 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より
22. メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 - 第2楽章
23. チャイコフスキー:メロディ 変ホ長調 Op.42-3(アウアー編)
24. ヨハン・スヴェンセン(1840-1911):ロマンス ト長調 Op.26
【CD2】
1. サラサーテ:カルメン幻想曲
2. ベートーヴェン:メヌエット ト長調(ブルマイスター編)(2nd recording)
3. シューベルト:楽興の時 第3番(2nd recording)
4. ムーア:アイルランド民謡集 - 夏の名残りのぱら(2nd recording)
5. ドリゴ:火花のワルツ(アウアー編)(2nd recording)
6. ショパン:夜想曲 変ホ長調 Op.9-2(サラサーテ編)(2nd recording)
7-9. メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
10. グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調 Op.13- 第1楽章
11. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV1003- III. Andante
12-16. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
キャスリーン・パーロウ(Vn)
CD1:1-5…ピアノ伴奏
CD1:6-13、20-22、CD22-4…オーケストラ伴奏
CD1:15-19、23-24…チャールズ・アダムズ・プリンス(P)
CD2:1、5、6…チャールズ・アダムズ・プリンス(P)
CD2:10…アーネスト・マクミラン(P)
CD2:2-4…オーケストラ伴奏
CD2:7-9…ジェフリー・ウォディントン(指)、CBC響

録音
【CD1】
1-5…1909年
6-13…1912年
14-15…1914年
16-24…1916年
【CD2】
1-6…1916年
7-9…1941年5月13日 放送
10…1941年11月13日 放送
11-16…1957年1月15日 放送
各曲の初出時のレコード番号とマトリックス番号はブックレットに記載されています。
20世紀初期に世界的な人気を博したキャスリーン・パーロウ。ワールド・ツアーで日本を訪れたこともある彼女の懐かしのSP復刻に加え、大注目の初 出音源を収録!
レオポルト・アウアーの門下の演奏家を紹介するBiddulphレーベル「アウアーのレガシー」シリーズ第2弾は、カナダ生まれの伝説的女性ヴァイオリニス ト、キャスリーン・パーロウ(1890-1963)です。パーロウは幼くして才能を発揮し、サンフランシスコでシュポアの弟子ヘンリー・ホルムズに師事、6歳でリ サイタル・デビュー。14歳でイギリスにデビューした際は、バッキンガム宮殿で国王エドワード2世のために演奏、その後LSOとベートーヴェン のヴァイオリン協奏曲を共演し、ベヒシュタイン・ホール(現ウィグモア・ホール)でリサイタルを行いました。 ミッシャ・エルマンの演奏を聴いて感銘を受けたパーロウは、エルマンの師レオポルト・アウアーに師事することを決め、16歳の年にサンクトペテルブルク音 楽院に入学。エルマン(パーロウの1歳下)、エフレム・ジンバリスト(1歳上)らと同じクラスで学びました。アウアーがノルウェーのクリスチャニア(現オスロ)で 夏期講座を行っていた縁で同地を訪れたパーロウは、ノルウェー国王夫妻の前で演奏し、ある富豪からヴィオッティが使っていた1735年製のグァルネ リ・デル・ジェスを贈られました。またハルヴォルセンはヴァイオリン協奏曲を作曲して彼女に献呈しています。 その後はイギリスを拠点として、欧州でビーチャムやワルターといった巨匠たちと共演を重ねて名声と人気を高めました。1909年にはHMVが当時のス ター歌手と並ぶ破格の条件で録音契約を提示、1912年にはビクターが擁するクライスラー、エルマン、モード・パウエルへの対抗馬として米コロムビア にスカウトされました。第1次世界大戦後はワールド・ツアーを敢行。1922年には日本を訪れ、ニッポノホンに録音も遺しましたが、1920年代末には コンサート・ツアーと録音から身を引き、1941年から1963年に亡くなるまでカナダに居を定めて、トロント大学で教育活動を行いつつ、折に触れて室 内楽や協奏曲の演奏を行いました。 このアルバムにはパーロウがイギリスHMVと米コロムビアに行った録音をすべて収録。加えてカナダCBCの放送音源も収録(初発売)しています。彼女 の演奏はルバートやポルタメントを多用した、非常にロマンティックなもの。現代の演奏とは趣が異なりますが、エレガントなヴィルトゥオジティは他に代え がたい魅力を放っています。パーロウの盤歴はSP時代で止まっていたため、そのレパートリーは小品主体だったのですが、今回発掘された放送音源を 通じてメンデルスゾーンやバッハの大作の演奏を聴くことができます。また、これまでほとんど知られていなかった50代、60代の演奏を聴けることはファン にとって嬉しい驚きでしょう。ゆったりとしたテンポで始まりポルタメントを多用するメンデルスゾーンは、典型的なロマンティック・スタイル。一方、バッハのパ ルティータは速めのテンポでグイグイと弾き進めつつ、対位法の綾をくっきりと浮かび上がらせる力強い演奏。13分40秒で弾き切ったシャコンヌは、テン ポとダイナミックスを控えめながら効果的に操作することで各変奏の性格をきっちりと描き出し、曲全体の構造とドラマティックな高揚を直結させた熱演 となっています。生演奏の一発録りのようで演奏上の傷はありますが、66歳のパーロウが達していた境地を印象強く伝えます。 ブックレット(英語)にはWayne Kileyの含蓄に富んだ解説に加え、パーロウが使っていたグァルネリ・デル・ジェスのカラー写真2枚、貴重なモノクロ写 真15枚(表紙含む)が掲載されており、「弦のBiddulph」らしい充実した作りとなっています。

MARCO POLO
MAR-8.225385(1CD)
NX-B03
ゴドフスキー:ピアノ作品集 第15集
ショパンのエチュードによる53の練習曲 第2集

 ゴドフスキー:ショパンのエチュードによる53の練習曲
1-14.7つの練習曲 Op.10
 1. 第2番:変ニ長調(原曲:Op.10-1第2稿)左手の為の
 2. 第3番:イ短調(原曲:Op.10-2第1稿)左手の為の
 3. 第8番:ハ長調(原曲:Op.10-5第2稿)白鍵上で
 4. 第9番:イ短調「タランテッラ」(原曲:Op. 10-5第3稿)
 5. 第10番:イ長調「カプリッチョ」(原曲:Op. 10-5第4稿)黒鍵と白鍵上で
 6. 第11番:変ト長調(原曲:Op.10-5第5稿)左手の為のインヴァーション(反行)
 7. 第12番:変ト長調(原曲:Op.10-5第6稿)右手の為のインヴァーション(反行)
 8. 第12番a:変ト長調(原曲:Op.10-5第7稿)左手の為の
 9. 第15番:変ト長調(原曲:Op.10-7第2稿)
 10. 第15番a:変ホ長調(原曲:Op.10-7第3稿)左手の為の
 11. 第16番a:変ト長調(原曲:Op.10-8第2稿)左手の為の
 12. 第18番:ヘ短調(原曲:Op.10-9第2稿)Op. 25-2の模倣
 13. 第18番a:嬰ヘ短調(原曲:Op.10-9第3稿)左手の為の
 14. 第19番:ニ長調(原曲:Op.10-10第1稿)
15-25.6つの練習曲 Op.25
 15. 第23番:変イ長調(原曲:Op.25-1第1稿)左手の為の
 16. 第24番:変イ長調(原曲:Op.25-1第2稿)
 17. 第26番:ヘ短調(原曲:Op.25-2第1稿)
 18. 第28番:ヘ短調(原曲:Op.25-2第3稿)ヴァージョンA
 19. 第28番:ヘ短調(原曲:Op.25-2第3稿)ヴァージョンB オクターヴ
 20. 第28番a:嬰ヘ短調(原曲:Op.25-2第4稿)左手の為の
 21. 第30番:へ長調(原曲:Op.25-3第2稿)左手の為の
 22. 第31番:イ短調(原曲:Op.25-4第1稿)左手の為の
 23. 第33番:ホ短調(原曲:Op.25-5第1稿)
 24. 第35番:変ロ短調(原曲:Op.25-5第3稿)左手の為の
 25. 第40番:変ト長調(原曲:Op.25-9第2稿)左手の為の
26-27.2つの練習曲、新練習曲
 26. 第45番a:変ニ長調(原曲:新練習曲 第2番 第2稿)左手の為の
 27. 第46番:ト長調「メヌエット」(原曲:新練習曲 第3番)
2つの練習曲 Op.10& Op.25
 28. 第47番:変ト長調「冗談」(原曲:Op.10-5&Op. 25-9)
 29. 第48番:へ長調(原曲:Op.10-11&Op.25-3)
30. ゴドフスキー:3つの演奏会用練習曲 Op. 11-3:変ホ長調(1899出版)
31. アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889):2つの性格的な練習曲 Op.2
 第6番:嬰へ長調「もし私が鳥だったら」(ゴドフスキー編1899/1931改訂)
 カデンツァ:L.ゴドフスキー
コンスタンチン・シェルバコフ(P)

録音:2022年10月6-8日
シェルバコフによる「ゴドフスキー:ピアノ作品集」のシリーズが始まったのが1996年。ファンの間でいつリリースされるのかと話題になっていた「ショパンの エチュードによる53の練習曲」が遂に完結しました。 1894年、23歳のゴドフスキーが構想し、そのおよそ20年後にようやく完成。音楽評論家のハロルド・ショーンバーグが「ピアノのために書かれた作品で これ以上ありえないほど難しい」と評したこの曲集は、もともと演奏困難なショパンの「練習曲=エチュード」にゴドフスキーが独自の編曲を加え、更に 難しく仕立てたもの。主として左手の鍛錬を目的として書かれており、いくつかの作品は左手のみで奏されますが、どれも複雑な声部を持ち、幾多の 旋律が絡み合い、曲によっては原曲の姿をとどめないほどに手が加えられるなど、演奏家だけでなく聴き手にとっても興味深い編曲がなされています。 この第2集には、複数の練習曲を同時に演奏するという試みがなされたトラック28,29などのまさに技巧の限りを尽くした作品が並びます。またゴドフス キーは「黒鍵のエチュード」として知られるOp.10-5を偏愛し、この曲だけで7つのヴァージョンを展開しています。 これまでに全曲録音をリリースしているのは、この曲集の知名度を高めたマルカンドレ・アムランなどの数人だけ。NAXOSレーベルきってのヴィルトゥオー ゾ、シェルバコフはこの曲集に果敢に挑み、鮮やかな技巧を駆使して全ての曲を完璧に制覇しています。

SILKROAD MUSIC
SRM-053SACD(2SACD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンの為の
ソナタとパルティータ BWV1001-1006
ルッジェーロ・リッチ(Vn )

録音:1981年2月27&28日、3月1〜3日/聖ジョージ殉教者教会(ロンドン)
Pressed at Sony DADC Austria
Pre-mastering by Pauler Acoustics - Hans-Jorg
20世紀を代表する大ヴァイオリニスト、ルッジェーロ・リッチの誉れ高き名盤、1981年録音のバッハの無伴奏全曲!当ディスクはUNICORNレーベルのライセ ンス盤で香港のSILKROAD MUSICレーベルからSACDハイブリッド盤でリリースします。
「パガニーニの生まれ」と称されたイタリア系アメリカ人のルッジェーロ・リッチ(1918-2012)。アマチュアのヴァイオリニストであった父から手ほどきを受け、 7歳からルイス・パーシンガーとエリザベス・ラッケイに師事。天賦の音楽的才能はたちまち開花し、10歳でカリフォルニアで初公演を行い、翌年にはカーネギー ホールでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏。その卓越したボウイングは聴衆から賞賛されました。
1930年代、リッチはライスラーの助言を受けベルリンに渡り、ゲオルク・クーレンカンプやミシェル・ピアストロの薫陶を受け、表現力はより幅広く 力強いものとなり、リッチ独自の非常に個性的なスタイルを確立しました。
リッチ2度目のバッハのセッション録音は、1981年にロンドンの聖ジョージ殉教者教会におけるセッション録音。数多くのヴァイオリンを所有していたリッチで すが、当録音ではクレモナのロレンツォ・ストリオーニが1779年に製作した銘器を演奏。ロマンティックでふくよかな艶のある音色が印象的で、各作品ワンテイク で演奏しているのも注目です。演奏時62歳のリッチの熟練ぶりを示した名盤です。
今回のSACD化により楽器の音はリアルさを増し、別次元の美しさがあらわれています。弦楽器の復刻で評価の高いSILKROAD MUSICレーベルからの注目 のリリースです! (Ki)

Willowhayne Records
WHR-080(1CD)
恋は野の鳥 〜フランスのオーボエ作品集
ビゼー:歌劇「カルメン」より *
 ハバネラ「恋は野の鳥」
 セギディーリャと二重唱
 ミカエラのアリア
アンリ・ブロ(1799-1893):歌劇「ランメルモールのルチア」の狂乱の場による幻想曲 Op.57
ブラス・マリア・コロメル(1833-1917):幻想曲
アンリ・ダリエ(1849-1934):ファンタジー=カプリース
デュティユー:オーボエ・ソナタ
プーランク:オーボエ・ソナタ FP185
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
サン=サーンス:オーボエ・ソナタ ニ長調 Op.166
クロード・アリュー(ルイーズ=マリー・シモン)(1903-1990):夜想曲 **
アリュー:即興曲 **

*…この編曲による世界初録音(編曲者不詳)
**…世界初録音
キャスリン・タナー=ウィリアムズ(Ob/Marigaux 901)
クリストファー・ウィリアムズ(P/Steinway Model D)

録音:2022年9月3、4日
ウェールズの首都カーディフのカムリO(Orchestra De Cymru)の首席オーボエ奏者を務め る、キャスリン・タナー=ウィリアムズの3枚目のアルバム。オーボエにとって重要なレパートリーであるフランス の作品に、親しみやすい名曲のアレンジも収録しています。
Willowhayne Records
WHR-088(1CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番、第4番、第6番 リンデン・クランハム(バロック・チェロ)

録音:2022年1月18-20日、2023年3月13-14日 セント・ピーター・アンド・セント・メアリー教会、フィッシュボーン、ウエスト・サセックス、UK
英国王立音楽院でチェロを学び、アメリカやニュージーランドで室内楽の活動の後バロック・チェロを志し たというリンデン・クランハム。エンシェント室内Oなどで活躍し、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ の一員としてガーディナーの「バッハ・カンタータ巡礼」のプロジェクトにも参加した彼女による無伴奏第2 弾。第1弾の録音は、ウエスト・サセックスで彼女が見つけた響きの美しい教会が、パンデミックの影響で 多くの集会が中止になったために実現したものでしたが、人々の活動が日常に戻ることで皮肉なことにス ケジュール確保が困難になる中、忍耐をもって全集録音を完成させることが出来ました。1750年頃ドイ ツ製の名器の音色が楽しめます。また第6番では、アイルランド出身で現在はイギリスのケントに工房を 持つヴィオラ・ダ・ガンバ製作者シェム・マッケイが、彼女のために製作した5弦チェロを使用しています。
Willowhayne Records
WHR-087(1CD)
NX-B05
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
第14番嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
第17番ニ短調 Op.31-2「テンペスト」
第21番ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」
ジュリアン・ジェイコブソン(P)

録音:2018年3月 ポットン・ホール、サフォーク、UK
強い影響力を持つコンポーザー・ピアニスト、ジュリアン・ジェイコブソンによるベートーヴェンの有名なソナタ 3曲を収録したアルバム。彼はベートーヴェン「マラソン」でも知られており、2022年11月にも自身の75 歳を記念し、32曲のソナタ全曲を暗譜で弾き切っています。

PROMINENT CLASSICS
2506-5617(1CD)
ショスタコーヴィチ(1906-75):交響曲第10番ホ短調Op.93(作曲者による4 手ピアノ編曲版)
2台のピアノの為のコンチェルティーノ イ短調Op.94*
ピアノデュオ・アナスタシア&リウボフ(4手ピアノ) 【アナスタシア・グロモグラソヴァ、リウボフ・グロモグラソヴァ】

録音:2023年8月13、16日フォンダチオーネ・パオロ・グラッシ(イタリア・マルティナ・フランカ)スタジオ録音、2011 年11月9日モスクワ、チャイコフスキー音楽院小ホール(ライヴ録音)*
ピアノ4手によるショスタコーヴィチ:交響曲全集の第二弾。交響曲第10番は 作曲者による編曲で初演は作曲者と作曲家ワインベルクによって行われまして、 このコンビによる録音もありますが入手困難。姉妹デュオ、アナスタシアとリウボフ は“聞かせる”技術に長けており、ピアノの打楽器的要素を巧みに生かして緊張 感のある名演を披露しております。特にあの陰々滅滅な第一楽章冒頭の処理は 見事なもので、ここが決まれば後の勝利は確実なものでしょう。今年 8月の最新 スタジオ録音。カプリングは珍しい「コンチェルティーノ」。交響曲第 10番とほぼ 同時期に作曲され初演もされた曲ですが、この曲は何故か顧みられることが少 なく、聞いてみれば面白さには舌を巻くばかり。こちらはモスクワでのライヴ録音 です。まさに息もピッタリの四手による名演集。ピアノはスタインウェイ。 ※ロシア語、英語、日本語によるライナーノート付。

Music&Arts
M&ACD-1306(1CD)
「フランスの花」〜タイユフェール ピアノ作品集
即興曲/ロマンス/速すぎずに/牧歌 ニ長調/ ドビュッシー讃/とても速く/シシリエンヌ/牧歌 変イ長調/
「フランスの花々」 〜8つの小品による子供の組曲
犬/インカの牧歌/メヌエット 変ロ長調/子守歌/ アルザスの家で/傘のフーガ/中国の歌
「通りのワシ」 〜5つの小品による組曲
パ・ド・ドゥ/パストゥレイユ/ラルゲット/ゆっくりしたワルツ/ ピアノの為のパルティータ/スカルラッティ風のソナタ/ 夢想/バルビゾン/ぶらんこ/しかめ面
クイン・グエン(P)

録音:2021年10月31日,2023年1月15日、ニューヨーク州 マウントバーノン7
フランス近代音楽好きには待望のタイユフェールのピアノ作品集。フランスの作曲家、タイユフェール は、フランス六人組の一人として有名でCD も多数ある一方で、女性作曲家と括られて扱われがちでもある。実 際にはタイユフェールは一切の括り無しで超一級の作曲家です。彼女のピアノ作品だけを集めた CD はあまりなかったの で、この新録音は歓迎されるでしょう。この CD にはタイユフェールのピアノ作品が年代順に収録されており、若い頃のベル・ エポックの香りが広がる作品から、1930年代の新古典主義風なもの、1950 年代以降の静かで少しモダンなもの、と作風の 変遷もよく分かる。彼女は1970年代になっても枯れることなく魅力的な作品を書き残した。 クイン・グエンのピアノも素晴らしい。ベトナム系の米国人。繊細で透明感と潤いのある音色でタイユフェールの美しさを引き 立てています。

MSR
MS-1796(1CD)
「マウンテン・ファンタジー」〜アラン・ホヴァネス:ピアノ作品集
ブルー・ジョブ・マウンテン・ソナタ(1979)
プロスペクト・ヒル・ソナタ(1980)
カターディン山ソナタ(1987)
パストラル第1番(1952)
チョコルア山への賛歌(1982)
12のアルメニア民謡(1943)
山への別れ(1946)
ハスケル・スモール(P)

録音:2013年7月14、16日、2014年7月7 日ウェストモアランド・キリスト連合教会メリーランド州ベセスダ
アラン・ホヴァネスはアルメニア系の父親とスコットランド系の母親のものマサチュー セッツに生まれ、その後、自身の精神的ルーツをアルメニアに求め、アルメニア民謡 やアジア音楽の要素を取り入れた夥しい作品を発表した。速筆で多作家だったホヴァ ネスの個々の作品のクオリティが玉石混交だったことは否定できないが、後に日本女 性と結婚し、西海岸に居を構えた(シアトル)ことから彼の作風はより東洋的なものに傾 斜する。今日、冷静に彼の音楽を聴いてみると、同世代のルー・ハリソンや少し前の アルメニア出身の神秘家・超能力者グルジェフの書いた音楽を思わせ甚だ興味深 い。この機会にエスニック・モダン・ミュージックの先駆者ホヴァネスの音楽に耳を傾け てみてはいかがだろうか
MSR
MS-1798(1CD)
20世紀の無伴奏チェロ作品集Vol.2
ブロッホ:無伴奏チェロ組曲第1 番(1956)
ガスパール・カサド(1897-1966):無伴奏チェロ組曲(1926)
ヒンデミット:チェロ・ソナタOp.25-3(1922)
ブリテン(1913-76):無伴奏チェロ組曲第2番Op.80(1967)
ベンジャミン・ウィットコム(Vc)

録音:2021年1月ウィスコンシン州タナー・モネイグル・スタジオ
ベンジャミン・ウィットコムの20世紀無伴奏チェロ作品集第2弾(第1集はレーガー: 組曲第2番、ブロッホ:組曲第2番、ムチンスキ:「ギャラリー」を収録、品番:MS1587)。 ブロッホの組曲は彼の代表作「シェロモ」を思わせる骨太な力作。カサドは 20世紀前 半を代表するチェリストだが、自ら作曲を行い、この組曲は彼の代表作。故郷バルセ ロナの民族音楽の影響が色濃い快活な秀作。自ら優れたヴィオラ奏者だったヒンデミ ットは協奏曲を含む優れたチェロ作品も作曲しており、この無伴奏チェロ・ソナタもそ のひとつ。ブリテンのチェロ組曲は名手ロストロポーヴィチのために書かれた傑作。 ウィットコムはアンコラSQのメンバーを務めるなど室内楽を中心に活躍す るアメリカのチェリスト。演奏者としてだけではなく、演奏理論や音楽理論に関する著 作や論文も多数発表しており、ウィスコンシン大学ホワイトウォーター校で教授も務め ています。
MSR
MS-1819(1CD)
「ルミナス」〜アフリカ系作曲家のピアノ作品+バッハ=ブラームス
コールリッジ=テイラー・パーキンソン(1932-2004):トッカータ
サミュエル・コールリッジ=テイラー(1875-1912):24の黒人の旋
Op.59
ユリシーズ・ケイ:8つのインヴェンション
ニーナ・オグウォ(b.1970):祝祷
ブラームス:シャコンヌ(バッハの無伴奏ヴァイオリンのためパルティータBWV1004 左手の為の編曲版)
ニーナ・オグウォ(P)

録音:2002年9月10、17、23日ニューヨーク、レザボワー・スタジオ
最後のブラームスを除いて全てアフリカ系の作曲家による作品を収録。ピアノを弾いているヌナ ナ・オグウォもアフリカ系であり、アフリカ系のクラシック作曲家の作品の歴史を辿る内容となってい る。サミュエル・コールリッジ=テイラーがこの中では最も有名でアフリカ系クラシック作曲家の先駆 的存在だが、アフリカ音楽の影響はそれほどなく、むしろ 19世紀後半のヨーロッパ音楽の諸傾向(ショパンからグリーグまで)の影響が感じられます。コールリッジ=テイラー・パーキンソンはサミュエ ル・コールリッジ・テイラーとは何の関係もなく、主にジャズ、映画音楽の分野で活躍した。彼のトッ カータはジャズ、ロックのテイストが感じられます。
MSR
MS-1841(1CD)
ハリー・オレ(1885-1972、ラトヴィア):ピアノ作品集
【東洋の民謡に基づく作品集】
南中国の幻想曲-淑女と花売りOp.17,NO1
5つの南中国の民謡Op.17,NO2
2つの南中国の旋律Op.18
マカオの子守歌Op.19
東洋音楽に基づく演奏会用組曲Op.23
【ラトヴィアの民謡に基づく作品集】
ラプソディ第1番Op.6
ラプソディ第2番Op.7
2つのラトヴィアのバガテルOp.21
ジャオイー・ロン(P)

録音:2022年12月7日、2023年3月1日オハイオ州シンシナティ大学ロバート・J・ワーナー・リサイタル・ホール
ハリー・オレはユダヤ系ラトヴィア人の作曲家、ピアニスト、教師。R.コルサコフに師事し、ピアニ ストとしてハルビン、上海ほか中国各地を演奏旅行し、その際耳にした中国の音楽に影響を受け て多くの中国風のピアノ曲を作曲した。いかにも西欧人が書きそうな典型的なシノワズリ(中国風) の音楽だが、ドビュッシーの影響が強く感じられます。ラトヴィア民謡に基づく作品の方が母国の音 楽だけあって彼の個性がより反映され、演奏効果の高い技巧が凝らされた秀作。今までほとんど 知られてこなかった近代ラトヴィアの作曲家のおそらく初めての作品集。

Hyperion
CDA-68409(1CD)
ドビュッシー:練習曲集、他
練習曲 L143/ピアノのために L95
レントより遅く L128/英雄の子守歌 L140
見出された練習曲
ティーヴン・オズボーン(P)

録音:2021年8月4日&2022年12月7日-9日、殉教者聖サイラス教会(ケンティッシュ・タウン、ロンドン)
1991年に権威あるクララ・ハスキル・コンクールで一等賞を獲得するとともに、1997年にはニューヨーク・ナウンバーグ国際ピアノ・コンクールでも一等賞を獲得している、スコットランド出身のピアニスト、スティーヴン・オズボーン。ピアノ王国ハイペリオン(Hyperion)を代表するピアニストの一人として活躍するオズボーンの最新作は、レコード芸術特選盤、グラモフォン誌の「Editor's Choice」に選ばれた前作ドビュッシーの初期&後期作品集(PCDA-68390/CDA-68390)に引き続きドビュッシーの作品集です。
今作ではショパンの「練習曲」と同じく、ピアニストに優れた技術と音楽性の高さを求める「練習曲」に、古典的な要素と近代的な要素が見事に組み合わされ、ドビュッシーの作品の転機となったと言われる「ピアノのために」が収録されています。「映像」や「版画」、「子供の領分」などを収録した名作集(CDA-68161)、前奏曲集(CDA-67530)、ポール・ルイスとのフレンチ・デュエット集(PCDA-68329/CDA-68329)など、いずれも名盤ばかり(すべてグラモフォン誌の「Editor's Choice」や「Recording of the Month」に選ばれています)をリリースしているオズボーンのドビュッシー演奏をお楽しみください。

CAvi music
85-53538(1CD)
アルベニス:ギター編曲集
エル・アルバイシン、エヴォカシオン(イベリアより)
アラゴン、カスティーリャ、アストゥリアス、グラナダ、カディス、セビーリャ、キューバ、カタルーニャ(スペイン組曲 第1集 Op.47より)
マラゲーニャ、カタルーニャ奇想曲(スペイン Op.165より)

※すべてギター独奏による演奏
ラウラ・ルーテンス(G)

録音:2021年11月(ドイツ、バイエルン)
世界で最も重要なギター・コンクールのひとつであるスペインのアンドレス・セゴビア・コンクール2022優勝の若きギタリスト、ラウラ・ルーテンスによるアルベニス!イベリア組曲「エル・アルバイシン」「エヴォカシオン」もギター独奏版で収録!本作におけるギター・トランスクリプションは、できるだけ原曲(P)に近づけ、複雑さを保持するように努めたといいます。1999年、ドイツ・バイエルン州マルクトオーバードルフ生まれのラウラ・ルーテンスは、14歳でフランツ・ハラース教授について学び、そのわずか1年後にクラシック・ギターの才能が認められ、ミュンヘン音楽・演劇大学に最年少の学生のひとりとして入学しました。同年ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」でオーケストラデビュー。その後2021年には、22歳という若さで同大学の教員に抜擢されています。

Da Vinci Classics
C-00775(3CD)
アブラハム・テナ・マンリケ:ピアノ独奏曲全集
【CD1】2つのアブセンスとエピローグ Op.2/カプリッチョ Op.3/2つの夜想曲 Op.4/別れ Op.5/ツァラトゥストラ Op.6/コンフェッション Op.8/夜想曲 Op.9/幻想曲 Op.10/2つの前奏曲 Op.11/3つのロマンス Op.12/Fur Rachel I/Fur Rachel II
【CD2】夜想曲 Op.13/サンライズ Op.14/トランスフギュレーション Op.15/秋、春…秋 Op.16/ロマンス Op.17/巡礼道 Op.20/バガテル 「アルボラーダ」 Op.23/Messogeios Thalassa Op.24/即興曲 OP.25/2つの前奏曲 Op.26/2つの前奏曲 Op.27/“L” Op.29
【CD3】Marcia Funebre Op.30-2/コンフェッション Op.31/Kharon I Op.32/Kharon II Op.33/Kharon III Op.34/コンフェッション Op.36/L’Absence Op.38/L’Absence Op.39/La Solitude Op.41
アブラハム・テナ・マンリケ(P)

録音:2023年2月20日
スペインの作曲家でありピアニストのアブラハム・テナ・マンリケは、国際コンクールにゲスト作曲家として参加もしており、スペインのWPTA IPCとイタリアのMIMAS音楽祭コンクールでは多数の参加者が彼の作品を演奏しました。その両コンクールともに、彼の作品を演奏した参加者に特別賞が授与されています。
2004年から2019年までの15年間に作曲されたピアノ・ソロ曲がすべて収められ、ユニークで個性的な音楽が展開されています。
Da Vinci Classics
C-00774(1CD)
マヌエル・ポンセ:ギター・ソナタ全集
ソナタ・メヒカーナ/ソナタ第3番
ソナタ・クラシカ 「フェルナンド・ソルを讃えて」
ソナタ・ロマンティカ「シューベルトを讃えて」
南国のソナチネ
シモーネ・リナルド(G)
名の通ったギター曲の作曲家はギタリストであることがほとんどですが、その中には特筆すべき例外というものも存在します。そのうちの1人がメキシコの作曲家マヌエル・ポンセ。自身はピアニストであったポンセは、ギターの名手アンドレス・セゴビアとの出会いにより、数多くのギターの名曲を生み出すこととなりました。
イタリアのギタリスト、シモーネ・リナルドは2013年にミラノ音楽院を卒業し、様々な国際コンクールで優秀な成績を収めました。現在、ヨーロッパを中心に精力的に演奏活動を行っています。
Da Vinci Classics
C-00766(1CD)
ビセンテ・アセンシオ:ギター作品全集
ビセンテ・アセンシオ(1908-1979):オマージュ組曲/バレンシア組曲/神秘的な組曲/バレンシア舞曲/内なる想い/冬の歌
アンジェロ・ジッロ(G)

録音:2022年3月、カステッラネータ(イタリア)
バレンシアという街に深い愛着を持ち、ナルシソ・イエペスを教えたスペインの作曲家ビセンテ・アセンシオ(1908-1979)のギター作品全集。アセンシオはプロのギター奏者ではありませんでしたが、ギターのための作品が最も良く知られており、イエペスにも大きな影響を与えました。ホアキン・トゥリーナにも学んだアセンシオは、1932年にカステリョン・デ・ラ・プラナに音楽院を設立、1953年以降はバレンシア音楽院で教鞭をとっています。オマージュ組曲にはドメニコ・スカルラッティ、マヌエル・デ・ファリャ、フェデリコ・ガルシーア・ロルカに捧げられた3つのオマージュ作品が含まれています。
Da Vinci Classics
C-00770(1CD)
バリオス:ギター作品集(グアラニーの伝承)
CAAZAPA/CHORO DA SAUDADE/AIRE DE ZAMBA/AIRE SURENO/CUECA/CANCION DE LA HILANDERA/DANZA PARAGUAYA NO.1/AIRES- CRIOLLOS/GRANO DE ARENA/DIVAGACIONES CRIOLLAS/RANCHO QUEMADO/ALTAIR/MAXIXE/SERENATA MORISCA/LEYENDA GUARANI
オザン・サリテペ(G)

録音:2023年4月&5月、ロッテルダム(オランダ)
20世紀初頭の最も偉大なギタリストのひとりであり、作曲家でもあるアグスティン・バリオス(1885-1944)のギター作品集。彼は国際的な名声を得た最初のパラグアイ人音楽家であり、バリオスのアイデンティティと音楽は、常にパラグアイのルーツと結びついていました。(彼は自身を「パラグアイのジャングルから来たギターのパガニーニ」と宣伝していました。)バリオスの音楽は西洋の伝統と、パラグアイやラテンアメリカの伝統のリズム、モード、サウンドを無理なく融合させており、ギタリストのジョン・ウィリアムズはバリオスについて「ギタリスト/作曲家として、時代に関係なく最高だ!そして時代を超越した方法で、それらすべてをより多く表現している」と称賛しました。アルバムの最後に収められ、アルバムタイトルにもなっている「グアラニーの伝承 LEYENDA GUARANI」のグアラニーとは、かつてパラグアイを含む南アメリカに住んでいた部族の総称です。

Eudora
EUDSACD-2306(1SACD)
1823〜シューベルト/アリュー:ピアノ作品集
シューベルト:楽興の時 D.780
マルティン・サンチェス=アリュー(1823-1858):ピアノ・ソナタ変ホ長調 Op.1(世界初録音)
ノエリア・ロディレス(P)

録音2023年2月27日-3月1日、サラゴサ・オーディトリアム、モーツァルト・ホール(スペイン)
スペインの高音質レーベル、Eudoraによる、SACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、アルバセーテ国際ピアノ・コンクール第1位に輝いたスペインの女流、ノエリア・ロディレスの新録音が登場。
ノエリア・ロディレスは、スペインのアルバセーテ国際ピアノ・コンクールで第1位と3つの特別賞を受賞し、同国内でセンセーションを巻き起こした女流ピアニスト。本アルバムでは、シューベルトが夭折した前年に作曲され、シューベルトのピアノ作品の中で最も愛されている作品群に属する 「楽興の時」 に、19世紀スペインの作曲家で、当時のマドリードの音楽シーンで確固たる地位を築いていた、マルティン・サンチェス=アリューの初録音となるソナタを組み合わせています。
フォーマットはSACD Stereo/MultichannelとMQA-CDのハイブリッドを採用しており、CD層はMQA対応機器を使用することにより、ハイレゾ音源として再生することができます。

Chopin University Press
UMFCCD-177(1CD)
20世紀ポーランドのピアノ作品集
タンスマン:太平洋横断ソナチネ
タデウシュ・シェリゴフスキ(1896-1963):ソナチネ
カジミエシュ・セロツキ(1922-1981):ソナチネ
ロムアルト・トヴァルドフスキ(b.1930):ソナタ・ブレーヴェ
イグナツィ・フリードマン:マズルカ Op.49-2
アルトゥル・マラフスキ(1904-1957):ハイランダー・トリプティク
マリアン・ボルコフスキ(b.1934):マズルカ
ヴィトルト・フリーマン(1894-1977):マズルカ Op.304-1
アンジェイ・ドゥトキエヴィチ(b.1942):マズルカ
マリアン・サヴァ(1937-2005):マズルカ
エルジュビエタ・カラシ=クラシュテル(P)

録音:2021年12月20日-21日&2022年3月31日&4月2日(ワルシャワ、ポーランド)
ショパン音楽大学で教鞭をとるエルジュビエタ・カラシ=クラシュテルは、国内外のコンクールで優秀な成績を収め、ヨーロッパ各地を中心に活躍するピアニストです。
20世紀のポーランドの作曲家の作品だけを集め、前半はソナチネ、後半はマズルカを中心に構成されています。

CAvi music
85-53531(1CD)
焔に向かって
スクリャービン:詩曲「焔に向かって」 Op.72
R.シュトラウス
(セヴェリン・フォン・エッカードシュタイン編):交響詩「死と変容」
メシアン:愛の教会の眼差し(幼子イエスに注ぐ20の眼差し より)/セヴェリン・フォン・エッカードシュタイン(b.1978):インプロヴィゼーション
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.11
セヴェリン・フォン・エッカードシュタイン(P)
C'Avi-musicからシューマン(8553366)やプロコフィエフ(8553034)のアルバムをリリースしてきた2003年のエリザベート王妃国際コンクール覇者、セヴェリン・フォン・エッカードシュタインの新録音は、これまでとは趣向を変えたこだわりが光るプログラム。聴く人を新しい意識レベルへと導いてくれるとてつもないパワーを放つ4つの作品を選んだといい、どれも聴き逃がせませんが特にエッカードシュタイン自らによるR.シュトラウス「死と変容」のピアノ独奏アレンジは聴きもの。自作のインプロヴィゼーションも交えつつ、ベートーヴェン最後のソナタで締めくくります。

Gutman Records
GUTMANCD-201(1CD)
FRAGILE〜無伴奏ヴァイオリン作品集
ヴァン・ヘイレン:暗闇の爆撃/ヴィヴァルディ:カデンツァ(Vn協奏曲ニ長調「グロッソ・モグール」 より)
マシュー・ベラミー:禁じられた欲望
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調 Op.27-6
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ:ポースリン
エドワード・トップ:ファスト・ゴースト
フィリップ・グラス:ニー・プレイ2(浜辺のアインシュタイン より)
ビートルズ:ヘルター・スケルター
バッハ
:ラルゴ(無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調 BWV1005より)
オージェイズ:ステアウェイ・トゥ・ヘヴン
パガニーニ:カプリス第16番ト短調
タリカ:バッテリー
ティエート・トップ(Vn)

録音:2019年3月1日-3日、RCOハウス(アムステルダム)
ロイヤル・コンセルトヘボウOのアソシエイト・第1コンサートマスターを務めるヴァイオリニスト、ティエート・トップの無伴奏ソロ・アルバム。ヴィヴァルディやバッハ、あるいはパガニーニやイザイといった伝統的な無伴奏ヴァイオリンの名曲の間に、ヴァン・ヘイレン、レッチリ、ビートルズなどのロックなナンバーを完璧な技巧で緩急自在に演奏。まるでジェットコースターに乗っているかのように目まぐるしくスリリングな48分間。 

カメラータ
CMCD-28388(1CD)
税込定価
2023年9月23日発売
佐藤聰明:橋(T〜X) 高橋アキ(P)

録音:2023年4月18日/三重
 佐藤聰明が幼いころに聞いた宮城に伝わる民話に由来する連作ピアノ 曲「橋」は、2000年より8年に渡り全5曲が作曲され、高橋アキに献呈され ました。  佐藤聰明のデビュー直後から彼の作品を弾き続ける高橋アキの依頼に より生まれた「橋」の全曲を、2023年4月に高橋がセッション録音により 収録しました。  薄暮の無窮の世界にかかる、死者の魂を渡すカササギの橋――佐藤聰 明が音楽で表現する清浄無垢な世界をお聴きください。(カメラータ)

EUROARTS
20-11018(8DVD)
伝説のピアニストたち
■DVD1(85分)〜デュオ・リサイタル
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番
フランク:ヴァイオリン・ソナタ
クライスラー:愛の悲しみ、美しきロスマリン
■DVD2(63分)
ドキュメンタリー『マルタ・アルゲリッチの音楽夜話』
■DVD3(137分)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
第7番ニ長調 Op.10-3/第8番ハ短調 Op.13『悲愴』/第9番ホ長調 Op.14-1/第10番ト長調 Op.14-2/第11番変ロ長調 Op.22/第12番変イ長調 Op.26/第13番変ホ長調 Op.27-1
■DVD4(125分)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
第29番「ハンマークラヴィーア」/第30番ホ長調Op.109/第31番変イ長調Op.110
第32番ハ短調Op.111
■DVD5(59分)
ドビュッシー:12の前奏曲第1巻〜ダニエル・バレンボイムの演奏と解説による』
1. イントロダクション/2. デルフィの舞姫/3. ヴェール/4. 野を渡る風/5. 夕べの大気に漂う音と香り/6. アナカプリの丘/7. 雪の上の足跡/8. 西風の見たもの/9. 亜麻色の髪の乙女/10. とだえたセレナード/11. 沈める寺/12. パックの踊り/13. ミンストレル/14. クレジット
■DVD6(105分)〜ピアノ・リサイタル・アット・コンセルトヘボウ
チャイコフスキー:四季 Op.72
シューマン:クライスレリアーナ
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章
リャードフ:音楽の玉手箱
シベリウス:エチュード イ短調 Op.76
スクリャービン:エチュード 嬰ニ短調Op.8-12「悲愴」
マツーエフ:ジャズ-即興
■DVD7(103分)
アヌシー音楽祭2014
リスト:ピアノ協奏曲第2番、死の舞踏S.126
スクリャービン:ピアノ・ソロの為のエレジー
ムソルグスキー:展覧会の絵*
エルガー:エニグマ変奏曲*、愛の挨拶*
■DVD8(97分)
シューベルト:4つの即興曲 D.899, Op.90
4つの即興曲 D.935, Op.142
楽興の時 D.780, Op.94
■DVD1(85分)
ガイ・ブラウンシュタイン(Vn)
マルタ・アルゲリッチ(P)
収録:2020年2月22日、ブーレーズ・ホール、ベルリン(ライヴ)
■DVD2(63分)
ジョルジュ・ガショ監督
制作:2002年
(日本語字幕付)
■DVD3(137分)
ダニエル・バレンボイム(P)
収録:1983-1984年、ウィーン、ロプコヴィツ宮、ラズモフスキー宮、キンス
キー宮、ヘッツェンドルフ宮(ライヴ)
監督:ジャン=ピエール・ポネル
■DVD4(125分)
ダニエル・バレンボイム(P)
収録:1983-1984年ウィーン、ラズモフスキー宮、(ライヴ)
監督:ジャン=ピエール・ポネル
■DVD5(59分)
ダニエル・バレンボイム(P、解説)
制作:1999年
監督:ポール・スマチュニュイ
■DVD6(105分)
デニス・マツーエフ(P)
収録:2015年アムステルダム、ロイヤル・コンセルトヘボウ(ライヴ)
映像監督:セバスティアン・グラス
■DVD7(103分)
サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーSO  
ゾルターン・コチシュ(指)
デニス・マツーエフ(P)
ユーリ・テミルカーノフ(指)*
収録:2014年8月アヌシー音楽祭(ライヴ)*
監督:ジャン=ピエール・ロワズィール
■DVD8(97分)
アンドラーシュ・シフ(P)
収録:1989年3月(1,2)、1990年4月(3)
収録方式:ライヴ
制作:メトロポリタン・ミュニク

画面:16:9,4:3NTSC
音声:PCMステレオ
リージョン:All
数量限定BOX
字幕:英独仏西
720分
DVD1は、2020年2月にベルリンのブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコンサートマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像。
DVD2には、ジョルジュ・ガショ監督による『マルタ・アルゲリッチの音楽夜話』。アルゲリッチがインタビューに応じ、自らについて語るというもの。作曲家や演奏、室内楽についての示唆に富む言葉の数々に、過去の映像や演奏風景が散りばめられるという印象的な構成になっており、ヨーロッパとアメリカでいくつもの賞を受賞しています。子供のころのベートーヴェンの協奏曲での出演前の恐怖の記憶や、グルダへの尊敬の念、バッハやベートーヴェン初期作品でのユーモアの感覚、シューマンやリストへの共感、ソロ演奏での孤独感など、アルゲリッチの音楽に興味のある方なら見逃せない話がたくさん含まれています。
DVD3と4にはダニエル・バレンボイムによるベートーヴェン。2020年には5度目のベートーヴェンのソナタを収録したバレンボイムですが、ここに収められているのは1980年代の演奏で、バレンボイムがウィーンの由緒ある宮殿4か所でおこなったコンサートの模様をライヴ収録したもの。
DVD5は、バレンボイムが印象派の巨匠ドビュッシーの音楽を深く掘り下げ、解説・演奏したドキュメンタリー映像です。バレンボイムは『前奏曲集第1巻』を題材とし、音楽を視覚的に解説しています。ドビュッシーの音楽の特色は、既存の音楽のスタイルにとらわれない、調性からの離脱、規則性のないリズム、自在に変化す
るテンポ、そして詩人のように光と影が綾なす色彩を表現しました。バレンボイムは、作曲者本人や友人らが残した言葉をもとに、ドビュッシーが表そうとした自然と静寂と孤独を解き明かしています。
DVD6と7には、1998年第11回チャイコフスキー・コンクールの優勝者、超絶技巧をもつピアニスト、デニス・マツーエフの演奏。一つは、マツーエフが2015年にアムステルダム、ロイヤル・コンセルトヘボウで行ったリサイタルの模様を収録した映像。演目は、チャイコフスキーの「四季」とストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」、それに加えシューマンのクライスレリアーナ、アンコールには自作のジャズ演奏も含んだ多彩なアンコール・ピースを披露しています。二つ目は、フランス南東部、ローヌアルプ地方に位置するアヌシーで2014年に開催されたアヌシー音楽祭のライヴ映像。マツーエフがゾルターン・コチシュ指揮サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーSOとともに演奏したリストのピアノ協奏曲第2番やテミルカーノフ指揮による「展覧会の絵」などを収録されています。
最後8枚目には、当代最高のシューベルト弾きのひとり」として評価の高いシフによるシューベルト。『即興曲集』と『楽興の時』のカップリングは、それぞれ1989年ミュンヘン、1990年ノイマルクトにおける2つのリサイタルから構成されたもの。とりわけ『即興曲集』と『楽興の時』はシフのお気に入りのレパートリーのようですが、実演におけるシフの姿を伝える貴重な映像といえるでしょう。 (Ki)
EUROARTS
20-55633(Bluray)
ギドン・クレーメル/バック・トゥ・バッハ
[コンサート]
無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第1番 BWV.1002
無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第2番 BWV.1004
無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第3番 BWV.1006
[ドキュメンタリー]
『バック・トゥ・バッハ』
ギドン・クレーメル(Vn)

収録:2001年9月、ロッケンハウス、聖ニコラウス教区教会
画面:HD1080i、16:9
音声:PCMステレオ
リージョン:All
原語:ドイツ語
字幕:独英仏西韓,日本語
132分(コンサート:74分 /ドキュメンタリー:58 分)
クレーメルの名ドキュメンタリー映像『バック・トゥ・バッハ』がブルーレイ&日本語字幕付で再登場しました! クレーメルのバッハといえば、まず思い浮かぶのが無伴奏ヴァイオリンの為の作品。中でもPHILIPS盤(1980)とECM盤(2001,02)の二つの全曲録音は 特に有名で、長年に渡って高い評価を獲得してきたPHILIPS盤、近年の思索的な芸風が如実に反映したECM盤ともにすでに広範な支持を得ています。クレーメ ルはそれ以前にも、ソ連時代の1975年にメロディア・レーベルでパルティータ3曲をレコーディングしており、また、さらに以前、1972年にパルティータ第1番 を録音していました。 本作には、ECM盤収録と同時期に演奏されたパルティータ3曲が収録されており、無伴奏ヴァイオリン作品集の中でもクレーメルが特に好んで取り上げるパル ティータを映像付きで楽しむことができます。 この「バック・トゥ・バッハ」、バッハへ帰れと題された映像集は、74分間に及ぶ「3つのパルティータ」の演奏風景と、58分間のドキュメンタリーという二部構成。 四半世紀にわたって演奏会では封印してきた無伴奏作品集へのクレーメルの関わり方が、21世紀に入って大きく変化したことを印象付けてくれます。ECMへの レコーディングを機に、イタリアを皮切りにコンサートで「3つのパルティータ」を取り上げるようになったクレーメル。シャープで緊迫感の強かった以前の解釈から、 もっと自然な語り口を持った解釈へと変貌を遂げたクレーメルのバッハ観がよく伝わる内容になっています。

NCM KLASSIK
NCMK-9015(1CD)
ショパン:24の練習曲
練習曲 Op.10/練習曲 Op.25
ノ・イェジン(P/スタインウェイD-274)

録音:2023年7月、ソウル大学コンサートホール(ソウル、韓国)
韓国に於ける3校の最難関大学「SKY」の1つである名門ソウル大学(国立ソウル大学校/Seoul National University)の音楽学部を卒業し、巨匠メナヘム・プレスラー、ブラジルの名匠アルナウド・コーエンにピアノを学んだノ・イェジン。
2017年のモントリオール国際ピアノ・コンクールではファイナリストに選出され、FVG(フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア)国際ピアノコンクール、高松国際ピアノコンクール、サン・アントニオ国際ピアノコンクールなど様々な国際コンクールでの受賞実績を持ち、2013年のエリザベート王妃国際コンクールではセミファイナルでの演奏が絶賛されるなど、国内外で目覚ましい活躍を見せています。
ノ・イェジンが2018年の「ハイドン」、2021の「リスト」に続く自身3作目となるレコーディングのプログラムに選んだのはショパンのエチュード。
ピアノの詩人ショパンを代表する名作としてあまりにも有名であり、同時にあらゆる技巧と音楽的センスを求められる難曲でもある24曲のエチュードにおいて、その卓越したヴィルトゥオージティを遺憾なく発揮してくれています。
NCM KLASSIK
NCMK-9001(1CD)
ハイドン:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第24番ニ長調 Hob.XVI-24
ピアノ・ソナタ第52番変ホ長調 Hob.XVI-52
ピアノ・ソナタ第46番変イ長調 Hob.XVI-46
ピアノ・ソナタ第48番ハ長調 Hob.XVI-48
ノ・イェジン(P)

録音:2018年9月26日&10月6日、ソウル大学コンサートホール(ソウル、韓国)
メナヘム・プレスラー、アルナウド・コーエンの薫陶を受けた韓国、ソウルのピアニスト、ノ・イェジンにとって記念碑的なファースト・アルバムとなったハイドンのソナタ集。
ノ・イェジンが選んだ1767年頃から1794年にかけて作曲された4曲のソナタからは、ハイドン特有のポジティブなエネルギーと遊び心、様々なリズムや和声を聴きとることができるでしょう。
また、ノ・イェジンの古典派音楽の基本と原則に忠実を大切にしながらも各曲に適したテンポ設定、巧みなデュナーミクのコントロールに基づく独自の洗練された表現と解釈が一瞬たりとも聴き逃せない没入感を引き出し、約60分の演奏時間が一瞬のように過ぎていきます。
惜しくも去る5月に他界したプレスラーが「間違いなくノ・イェジンは私が過去60年間に教えた中で最も才能のあるピアニストの一人です。」と称賛したピアニズムにご期待下さい。
NCM KLASSIK
NCMK-9010(1CD)
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
シューマン(リスト編):君に捧ぐ S.566a
リスト:ベルリーニの「ノルマ」の回想 S.394
 愛の夢第3番変イ長調 S.541-3
ノ・イェジン(P/Fazioli F278)

録音:2021年、ソウル大学コンサートホール(ソウル、韓国)
ノ・イェジンは「ロ短調ソナタ」で幕が上がる自身のセカンド・アルバム「リスト作品集」で音楽史上もっとも素晴らしい作曲家でありヴィルトゥオーゾでもあるリストの難易度が極めて高い作品を、巧みなテクニックと心に響く美しい見事な旋律で聴かせてくれています。
「ロ短調ソナタ」はもちろんのこと、ノ・イェジンにとって「ベルリーニの「ノルマ」の回想」も非常に思い出深く重要な作品だという。
アメリカ・インディアナ大学ジェイコブズ音楽院に留学していた頃、当時の師であるアルナウド・コーエンから「ノルマの回想」の演奏を強く勧められ、それ以降、ノ・イェジンはこの作品を積極的に演奏するようになり、その縁はソウル大学音楽学部の博士論文のテーマとして取り上げたことによりさらに強いものとなりました。
まさにノ・イェジンがリストの作品、特に「ノルマの回想」と共に歩み続けた末の1つの答えとして完成したレコーディングです。

ALTO
ALC-1485(1CD)
リヒテル・プレイズ・プロコフィエフ
(1)ピアノ・ソナタ第2番ニ短調 Op.14
(2)ピアノ・ソナタ第9番ハ長調 Op.103「スヴャトスラフ・リヒテルに捧ぐ」
(3)ピアノ協奏曲第1番変ニ長調 Op.10*
(4)ピアノ協奏曲第5番ト長調 Op.55**
スヴャトスラフ・リヒテル(P)、
カレル・アンチェル(指)*、
プラハSO*、
ヴィトルド・ロヴィツキ(指)**、
ワルシャワ国立PO**

録音:(1)1956年、(2):1958年、(3):1954年、(4):1959年
プロコフィエフとリヒテルは非常に懇意にしており、このアルバムに収められている「ピアノ・ソナタ第9番」はリヒテルに献呈されています。またこのアルバムには収められていませんが、「ピアノ・ソナタ第7番」は作曲者自身がリヒテルに初演をお願いしたという話も残っているほどリヒテルとプロコフィエフのきずなは深く、それだけにここに収められているプロコフィエフは特別といえるでしょう。

NORTHERN FLOWERS
NFPM-A99155(1CDR)
バンシコフ:ソナタ集
ゲンナジー・バンシコフ(b.1943):ピアノ・ソナタ(1974)
フルート・ソナタ(1975)*/バヤン・ソナタ(1987)
ヴィタリ・ベルゾン(P)、
ヴァレンティン・チェレンコフ(Fl)、
ゲンナジー・バンシコフ(P)*、
オレグ・シャロフ(バヤン)

録音:1981年(P、フルート/ADD)&1989年(バヤン/DDD)、レニングラード・レコーディング・スタジオ(ロシア)
1974年からレニングラード音楽院(現・サンクトペテルブルク音楽院)で
教育に携わってきた作曲家、ゲンナジー・バンシコフの3つの楽器の為のソナタ集の録音が初CD化。サンクトペテルブルク以外で最も過小評価されているロシア人作曲家の一人ともされるバンシコフの音楽はすべてが生き生きとし、明快かつ独創的なもの。ピアノ・ソナタ、フルート・ソナタに加え、ロシアやウクライナの民族楽器であるバヤン(ボタン式アコーディオンの一種)の為の珍しいソナタを聴くことができます。フルート・ソナタでは作曲者自ら伴奏を務めています。

MARSTON
MARS-53026-2(3CD)
ロバート・ゴールドサンド(1911-1991)/失われたリサイタル集
(1)クレメンティ:ピアノ・ソナタ 嬰ヘ短調 Op.25-5/グアルニエリ:ピアノ・ソナティーナ第3番 「ト音記号で」
(2)ショパン:新しい練習曲第1番ヘ短調/練習曲 ヘ短調 Op.25-2/ 練習曲 ヘ長調 Op.10-8/練習曲 ヘ長調 Op.25-3/ 練習曲 イ短調 Op.10-2/練習曲 イ短調 Op.25-11「木枯らし」/練習曲 ホ長調 Op.10-3/練習曲 嬰ト短調 Op.25-6/ 新しい練習曲第2番変イ長調/練習曲 ハ短調 Op.10-12「革命」
(3)ショパン:練習曲 変ト長調 Op.10-5「黒鍵」/練習曲 変ト長調 Op.25-9「蝶々」 /ゴドフスキー:ショパンの練習曲による学習曲集〜「からかい合い」/ショパン:舟歌 変二長調 Op.57/ワルツ 変イ長調 Op.42
(4)ショパン(ロザンタル編):ワルツ 変ニ長調 Op.64-1「子犬のワルツ」/モーツァルト:ジーグ ト長調 K.574
(5)シューベルト(ガンツ編):「ロザムンデ」からのバレエ音楽/(6)モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17番ニ長調 K.576
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調 Op.78
(7)シューマン:ノヴェレッテ 嬰ヘ短調 Op.21-8(短縮)
(8)ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲(短縮)
(9)ラフマニノフ:前奏曲 変ホ短調 Op.23-9/前奏曲 変ロ長調 Op.23-2/前奏曲 ト長調 Op.32-5/前奏曲 ト短調 Op.23-5/前奏曲 ロ短調 Op.32-10
(10)リスト:パガニーニによる6つの大練習曲 S.141
(11)ショパン:ポロネーズ ハ短調 Op.40-2/モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の「あそこで手を取り合って」による変奏曲 Op.2/プロコフィエフ:前奏曲 ハ長調 Op.12-7/行進曲 ヘ短調 Op.12-1/アルベニス:「イベリア」〜トリアーナ
(12)ヘンデル:組曲第2番ヘ長調〜第2楽章
(13)ゴドフスキー:ヨハン・シュトラウス「こうもり」の主題による交響的変容
(14)バッハ(ヘス編):主よ、人の望みの喜びよ
(1)録音:1977年9月30日 米国 ニューヨークシティ
(2)録音:1975年7月23日 米国 ニューヨーク州 シラキュース
(3)録音:1977年9月30日 米国 ニューヨーク市
(4)録音:1975年7月23日 米国 ニューヨーク州 シラキュース
(5)録音:1978年11月27日 米国 ニューヨーク市
(6)録音:1960年頃 英国 ロンドン
(7)録音:1956年10月17日 米国 ニューヨーク市
(8)録音:1952年頃 Concert Hall Society 録音
(9)録音:1963年4月30日 米国 ニューヨーク市
(10)録音:1956年1月24日 米国 ニューヨーク市
(11)録音時期場所不明
(12)録音:1956年1月24日 米国 ニューヨークシティ
(13)録音:1964年頃 Desto 録音
(14)録音:1960年12月9日 米国 ニューヨークシティ
ウ¥ィーン生まれで米国で活躍したピアニスト、ロバート・ゴールドサンドの貴重なライヴ録音集。ロバート・ゴールドサンドは 1911年3月17日、ウィーン生まれ。ウィーンで学んだ後、欧州で評判となり、そして1927 年、ニューヨークでの演奏会で米 国初登場。1930 年代初頭まで精力的に演奏会をこなしていたが、1935 年から40年までアルプスの麓で休養。しかし祖国 オーストリアがナチのドイツに併合され、米国に移住し市民権を得た。1950 年代以降は教職も引き受けるが、演奏活動は継 続した。彼のレパートリーはバッハから彼の同時代の作曲家の作品まで広く、特に同時代の作曲家の作品を積極的に取り 上げた。 ゴールドサンドは疑いなく20世紀半ばの名ピアニストの一人だった。ゴドフスキーの難曲「からかい合い」を(原曲のショパン の「黒鍵」と「蝶々」の後で)難なく弾きこなせるほど技術力は高く、音色はすこぶる美しく、そして音楽に詩情が宿っています。 なにせ CD1冒頭のクレメンティのソナタの、透明な響きがキラキラと輝きながら弾けるような演奏だけでも、彼を初めて聞くピ アノ好きは目を見張るでしょう。 にもかかわわらず彼の録音は極めて少ない。おそらく彼のCD は1枚も出ていなかったのではないだろうか。そこにmarston が、ニューヨークでのリサイタルのライヴ録音や放送録音、マイナーレーベルへの録音の復刻などを CD3枚たっぷり集め た。ゴールドサンドの素晴らしさを理解するには、とにかく聞いてみるのが一番でしょう。また一つ marston が見事な仕事を成 し遂げてくれた。
※CD1に不良が見付かったため、差し替えCD が付けられています。
※1970年代のライヴ録音にはステレオと思しきものも含まれますが、ピアノの音はほとんど左右に広がらず、実質モノラルと ご理解ください。

299 MUSIC
NIKU-9054(1CD)
税込定価
モーツァルト:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ へ長調 K.494/533
ロンド イ短調K.511
ロンド ニ長調K.485
幻想曲 ハ短調K.475
)ピアノ・ソナタ ハ短調K.457
長尾洋史(P)

録音:2023年6月5-6日 魚沼市小出郷文化会館「大ホール」
円熟期を迎えたモーツァルトの叡智が結集されたピアノ作品の真髄に迫る。精緻を極 めたタッチで極限までコントロールされた声部、無駄を削ぎ落とし質実と進んでいく均整 のとれた表現は、特異なバランス感覚で組み立てられた音楽の理想形を指し示す。
299 MUSIC
NIKU-9055(1CD)
税込定価
フォーレ:ピアノ作品集
3つの無言歌 Op.17
舟歌第3番変ト長調Op.42
舟歌第5番嬰ヘ短調Op.66
舟歌第6番変ホ長調Op.70
ヴァルス=カプリス第3番変ト長調Op.59
主題と変奏 嬰ハ短調Op.73
即興曲第4番変ニ長調Op.91
夜想曲第6番変ニ長調Op.63
夜想曲第7番嬰ハ短調Op.74
夜想曲第13番ロ短調Op.119
長尾洋史(P)

録音:2023年6月7-8日 魚沼市小出郷文化会館「大ホール」
中期から後期にかけて、フォーレが時流とは一線を画し極限にまで達した独自の 語法を詰め込んだ作品の真価を追い求める。精到な技術が彩る品格ある響きと、飾り 気のない整然とした表現は、楽曲それ自体が持つ趣と躍動感をあるがままの佇まい で伝えます。

オクタヴィア
TACD-00160(1CD)
税込定価
2023年9月27日発売
<松本和将ライヴシリーズ11>
フランツ・リスト〜聖なる悪魔の調べ

オーベルマンの谷/ラ・カンパネラ
愛の夢 第3番/バラード 第2番
ピアノソナタ ロ短調
松本和将(P)

録音:2022年11月17日東京文化会館小ホール・ライブ
フランツ・リスト〜ヨーロッパを席巻した大ヴィルトゥ オーゾにして革新的な手法を次から次へと採用した新時代 の作曲家。数々の女性たちを失神させる稀代のプレイボー イの隠された素顔と、ピアニスト松本和将が真っ向から向 き合う。誰も聴いたことのないソナタロ短調の構築性、新 たな発見に満ちたライナーノーツ、これは見逃せない。(オクタヴィア)

La Dolce Volta
LDV-109(2CD)
ラヴェル:ピアノ作品全集/ビアンコーニ
水の戯れ/鏡/古風なメヌエット
亡き王女の為のパヴァーヌ
ソナチネ/メヌエット 嬰ハ短調
高雅で感傷的なワルツ
グロテスクなセレナード
夜のガスパール
ハイドンの名によるメヌエット
ボロディン風に/シャブリエ風に
前奏曲/クープランの墓
マ・ メール・ ロワ(P4手連弾版)*
フィリップ・ビ アンコーニ(P)
*クレマン・ルフェーヴル(P)*

録音:2022年4月11-18日、アルセナル=メス、音楽都市
巨匠ビアンコーニによる、ラヴェル全曲録音の登場。イタリアの姓を持ち、ニースに生まれ育ち、世界でキャリアを築き、現在はエコール・ノルマルで教鞭を執る 巨匠ビアンコーニ。『最後のドビュッシー』でもきわめて高く評価されましたが、このたび、初めてラヴェルを録音してから約30年の時を経て、全集というかたち での新録音登場となります。高音の響きも美しい「水の戯れ」も、きらびやかな水の輝き、というよりもどこか暗さを感じさせ、決して重さはないのに煙たく澱ん だ空気をまとっています。ビアンコーニがたどりついた境地だからこそなしえたラヴェルの響きが実現されています。「道化師の朝の歌」でも、気品ある軽やかさ、 それでいてやはり朝のもやのかかった空気も感じさせます。ラヴェルの音楽の魔法のような響きと魅惑的でまばゆい外観の向こう側で、ビアンコーニは光と影のあ いだを揺れ動き、情熱と官能、深遠さを引き出しています。どの作品も、端正で完璧、それでいて思わぬ暗さにハッとさせられる演奏。新しい発見に満ちています。 「マ・メール・ロワ」ではEVIDENCEレーベルからCDをリリースしている1990年生まれの気鋭奏者、クレマン・ルフェーヴルをゲストに迎えました。「妖精の 園」では驚くべき深遠な世界が展開されています。 (Ki

SONARE
SONARE-1062(1CD)
税込定価
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
梯剛之(P)

ライヴ録音:2022年10月10日/東京文化会館(小ホール)
独特の感性で聴き手を魅了するピアニスト梯剛之。毎年、東京文化会館小ホールでのリサイタルを続けており、その演奏会を収録したCDをSONAREレーベル からリリースしております。当アルバムは2022年10月10日に行われたリサイタル「梯剛之 ベートーヴェン後期三大ソナタを弾く」で披露されたベートーヴェン のピアノ・ソナタ第30・31・32番です。
梯は演奏活動の中心にベートーヴェンが存在し、常に真摯に向き合ってきました。録音ではピアノ・ソナタ第31番は2009年、2016年に、それぞれライヴ収 録したCDをリリースしていますが、後期三大ソナタとしての録音はこれが初となります。繊細で洗練された優しい音が魅力の梯ですが、当演奏でも一音一音がク リアに光り輝き、淡々としながらも、音楽性は実に深く感動的です。
ピアノ・ソナタだけでなく、ヴォルフガング・ダヴィッドとヴァイオリン・ソナタも演奏してきた梯。自身が持つ温かい心が音楽に表れており、演奏全体にベートー ヴェンへの敬愛を感じます。演奏時45歳の梯が演奏家としての充実ぶりをこのベートーヴェンで聴くことができます。当曲集の新名盤誕生と申せましょう。
「ウィーンで育った梯はいつも自然とともにあり、その演奏にもベートーヴェンも吸ったであろう当地の空気感でさえも聞こえます。改めて梯の音楽家としての懐 の深さを思い知らされる名盤が生まれることは、本当に喜ばしい」(野平多美 ライナーノーツより)

APR
APRCD-7503S(5CD)
モーリツ・ローゼンタール(1862-1946) 〜 ザ・コンプリート・レコーディングス ――
■Disc1
(1)ローゼンタール:ヨハン・シュトラウスの主題による幻想曲
(2)ショパン:ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2、マズルカ第44番ト長調 Op.67-1、ワルツ第14番ホ短調 Op.posth
(3)ショパン:前奏曲第6番ロ短調 Op.28-6、前奏曲第11番ロ長調 Op.28-11、前奏曲第7番イ長調 Op.28-7、前奏曲第23番ヘ長調 Op.28-23、前奏曲第6番ロ短調 Op.28-6、前奏曲第11番ロ長調 Op.28-11、前奏曲第7番イ長調 Op.28-7、前奏曲第23番ヘ長調 Op.28-23、マズルカ第41番嬰ハ短調 Op.63-3、マズルカ第16番変イ長調 Op.24-3、マズルカ第44番ト長調 Op.67-1、マズルカ第41番嬰ハ短調 Op.63-3、マズルカ第16番変イ長調 Op.24-3、マズルカ第44番ト長調 Op.67-1、ワルツ第5番変イ長調 Op.42「大円舞曲」/ショパン(リスト/ローゼンタール編):乙女の願い(6つのポーランドの歌より)/ショパン:新しい練習曲第3番変イ長調、練習曲第1番ハ長調 Op.10-1、前奏曲第6番ロ短調 Op.28-6、前奏曲第7番イ長調 Op.28-7、練習曲第5番変ト長調 Op.10-5「黒鍵」、前奏曲第6番ロ短調 Op.28-6、前奏曲第7番イ長調 Op.28-7、練習曲第5番変ト長調 Op.10-5「黒鍵」、夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2
■Disc2
ショパン(リスト編):私のいとしい人(6つのポーランドの歌より)、ショパン:マズルカ第17番変ロ短調 Op.24-4、子守歌変ニ長調 Op.57、ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2、前奏曲第20番ハ短調 Op.28-20、前奏曲第1番ハ長調 Op.28-1、前奏曲第3番ト長調 Op.28-3、前奏曲第19番変ホ長調 Op.28-19、ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2、ワルツ第14番ホ短調 Op.posth/ローゼンタール:蝶々/ショパン:マズルカ第41番嬰ハ短調 Op.63-3、練習曲第5番変ト長調 Op.10-5「黒鍵」、マズルカ第41番嬰ハ短調 Op.63-3、練習曲第5番変ト長調 Op.10-5「黒鍵」、練習曲第1番ハ長調 Op.10-1、マズルカ第44番ト長調 Op.67-1/ドビュッシー:水に映る影/アルベニス:トゥリアーナ/リャードフ:音楽の玉手箱、前奏曲変ロ長調 Op.46-1/ローゼンタール:ウィーンの謝肉祭、ヨハン・シュトラウスの主題による幻想曲
■Disc3
(1)ショパン:ピアノ協奏曲第1番
(2)リスト:ハンガリー狂詩曲第2番〔カデンツァ:ローゼンタール〕、愛の夢第3番変イ長調/ショパン:子守歌変ニ長調 Op.57
(3)ローゼンタール:ウィーンの新しい謝肉祭/ショパン(リスト/ローゼンタール編):乙女の願い(6つのポーランドの歌より)/ショパン:ワルツ第5番変イ長調「大円舞曲」Op.42、夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2、練習曲第14番ヘ短調 Op.25-2、新しい練習曲第3番変イ長調、マズルカ第31番変イ長調 Op.50-2、練習曲第5番変ト長調 Op.10-5「黒鍵」
■Disc4
ショパン:ワルツ第5番変イ長調 Op.42「大円舞曲」、前奏曲第6番ロ短調 Op.28-6、前奏曲第3番ト長調 Op.28-3、前奏曲第7番イ長調 Op.28-7、マズルカ第31番変イ長調 Op.50-2、マズルカ第44番ト長調 Op.67-1、マズルカ第25番ロ短調 Op.33-4、ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2、夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2、夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2/ショパン(リスト/ローゼンタール編):乙女の願い(6つのポーランドの歌より)/ショパン:マズルカ第31番変イ長調 Op.50-2、マズルカ第23番ニ長調 Op.33-2、マズルカ第39番ロ長調 Op.63-1、マズルカ第44番ト長調 Op.67-1、マズルカ第16番変イ長調 Op.24-3、前奏曲第13番嬰ヘ長調 Op.28-13/シューベルト:楽興の時第3番ヘ短調 D.780-3/シューベルト(リスト編):音楽の夜会第6番/ローゼンタール:蝶々、新しいウィーンの謝肉祭
■Disc5
(1)ヘンデル:調子のよい鍛冶屋/ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58/ショパン(リスト編):私のいとしい人(6つのポーランドの歌より)/ショパン:タランテラ変イ長調 Op.43
(2)ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58より Largo
(3)ショパン:ピアノ協奏曲第1番より Romanza:Larghetto
ローゼンタール:ウィーンの謝肉祭
モーリツ・ローゼンタール(P)

■Disc1
(1)録音:1928年3月or4月
(2)録音:1928年3月or4月
(3)録音:1929年3月&4月

■Disc2
録音:1929年、1930年&1931年

■Disc3
(1)録音:1930年&1931年
フリーダー・ヴァイスマン(指)
ベルリン国立歌劇場O
(2)録音:1930年4月16日
(3)録音:1934年&1935年

■Disc4
録音:1935年-1937年

■Disc5
(1)録音:1939年6月&1942年3月
(2)録音:1935年3月24日
(3)フランク・ブラック(指)NBC響
録音:1937年12月19日
ポーランド出身のアメリカのピアニストであり、19世紀後半〜20世紀前半にかけての偉大なるヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして活躍したモーリツ・ローゼンタール(1862-1946)が遺した録音全集が、東京エムプラス創立30周年記念プロジェクトとして充実したブックレットの解説の日本語訳を新たに封入した完全限定盤としてリリース!
教師としてチャールズ・ローゼンやホルヘ・ボレットらを育てたことでも知られるローゼンタールは、晩年のフランツ・リストに直接教わった高弟であると同時にショパンの弟子で楽譜の校訂者であったカール・ミクリにも学んだ、リストとショパンという2人の巨星の流れを汲む貴重な存在。この全集には、ショパン、リスト、ドビュッシー、アルベニスらの作品のほかローゼンタール自身によるシュトラウス・パラフレーズなどが収録されており、中にはアルゼンチン、日本だけで発売されたアナログ盤からの復刻も含まれているという、ヒストリカル・ピアノ・ファン&コレクター必携のボックス・セット。2011年に一度リリースされたものの数年で廃盤となり長らく入手不可だった貴重な名盤が待望の復活です!

BRIDGE
BCD-9552(1CD)
「ハレルヤ・ジャンクション」〜4手ピアノによる20〜21 世紀作品集
ジョン・アダムズ(b.1947):ハレルヤ・ジャンクション
ポール・クレストン(1906-85):ルンバ=タランテラ
ポール・ボウルズ(1910-99):夜のワルツ
ポール・モラヴェク(b.1957):4本の手(クアトロ・マーニ)
ベント・ソアンセン(b.1958):6つの間奏曲
クアトロ・マーニ【スティーヴン・ベック(P)、スーザン・グレイス(P)】

録音:2019年7月 米国 コロラド州 コロラドスプリングス
20世紀の作曲家による2台ピアノ作品集。ジョン・アダムズ(1947-)の代表作の一つでミニマ ル・ミュージックの傑作「ハレルヤ・ジャンクション」から始まって、ポール・クレストン(1906-1985)、ポール・ボウルズ(1910-1999)、ポール・モラヴェク(1957-)と米国の作曲家の作品が並 び、最後はデンマークのベント・ソアンセン(1958-)の6 つの間奏曲。 クアトロ・マーニ(イタリア語で「4 本の手」の意味)は1989年結成のピアノ・デュオ。緻密な美が 素晴らしい。
BRIDGE
BCD-9578(1CD)
スクリャービン・リサイタル
スクリャービン:幻想曲 ロ短調 Op.28
ピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調 Op.19「幻想ソナタ」
ピアノ・ソナタ第3番嬰ヘ短調 Op.23
ピアノ・ソナタ第4番嬰ヘ短調 Op.30
2つの詩 Op.32/2つの小品 Op.57
2つの詩 Op.63/炎に向かって Op.72
キム・ユジョン(P)

録音:2019年7月16、17、18日
カナダのヴァンクーヴァーを拠点とする作曲家たちのバリトンによる現代歌曲集。イマン・ハビ ビ(1985- イラン=カナダ)、ジーン・クルサード(1908-2000)、ジョスリン・モーロック(1969-2023)、スティーヴン・チャットマン(1950-)、レスリー・ウィエダ(1953-)、メリッサ・ホイ(1966- 中 国=カナダ)、ジェフリー・ライアン(1962-)の作品を収録。 タイラー・ダンカンはカナダのバリトン。メトロポリタン歌劇場に54 回出演している実力者。

Chandos
CHAN-20276(1CD)
モンポウ:ピアノ作品集
風景、ショパンの主題による変奏曲、
歌と踊り
マリーナ・スタネヴァ(P)

録音:2023年4月1日&2日、ポットン・ホール(イギリス、サフォーク)
2022年のデビュー・アルバム「スラヴィック・ルーツ〜ヴラディゲロフ: ピアノ作品集」(CHAN-20251)で絶賛され、デビュー・リサイタルも好評を博したピアニスト、マリーナ・スタネヴァの2作目となるアルバム!
モンポウはスペイン北東部のカタルーニャ地方で1893年に生まれ、1987年に亡くなるまでの間に、主にピアノ曲を数多く作曲しました。本アルバムの冒頭を飾る「風景」ではスペインの様々な情景が描かれ、続く「ショパンの主題による変奏曲」ではクラシックとジャズの要素が見事なまでに絡み合い、最後はカタルーニャの民謡やリズム、ジャズの影響を受けたパッセージ、古典的なワルツの舞曲などを兼ね備えた「歌と踊り」で締め括られます。「歌と踊り」は全15曲で構成され、そのうち13曲がピアノ曲として書かれていますが、本アルバムには第1番〜第12番までの12曲が収められています。


Spectrum Sound
CDSMBA-151(1CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV1010
無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV1011
ピエール・フルニエ(Vc)

録音:1981年7月1日聖リュク教会、メネルブ(ステレオ・ライヴ)
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。毎回驚きの正規初出録音をリリースしておりますが、当アルバムはina&Radio Franceからのライセ ンスで、ピエール・フルニエ(1906-1986)が1981年7月に南仏メネルブ、聖リュク教会で行った演奏会を収録。バッハの無伴奏チェロ組曲第2、4、5番が 演奏されました!
「フルニエといえばバッハ」といえるほど、演奏活動晩年まで弾き続けた無伴奏組曲。1960年録音のDG盤は屈指の名盤として現在も大変人気ですが、フルニ エは生涯この作品と対峙してきました。CDとして日の目を見た当ライヴは演奏時75歳。歳を重ね、凄みさえ感じる品格のある演奏は圧巻。一音一音に魂がこめ られており、その演奏はまるでフルニエが語りかけているよう。ライヴならではの気迫に満ちたバッハは、感動的かつドラマティックです。
演奏中、会場の教会は水を打ったように静かですが、演奏後の鳴り止まぬ、カーテンコールを促す聴衆の拍手も収録。まるで演奏会場で聴いているような臨場感 です。弦楽器の復刻に高い評価を集めるスペクトラム・サウンドによる、フルニエの名演、嬉しいステレオ録音でのリリースです! (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめします。

En Phases
ENP-014(2CD)
NX-D09
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) ヴァレリー・エマール(Vc)
使用楽器…ミラノのグランチーノ(推定)1694年製作(モダン仕様)
弓…ジョゼフ・アンリ1850年製

録音:2022年5月26-28日、7月4-8日 アルスー聖母教会、アルスー (フランス南西部ピレネー=ザトランティーク地方)
ピアニストのピエール=ローラン・エマールの妹ヴァレリー・エマールが、満を持してバッハの傑作組曲を録音。パリ国立高等音楽院でミシェル・ ストロースとフィリップ・ミュレールに師事した後、ボザール・トリオのメンバーとしても名高いバーナード・グリーンハウス門下で大きな影響を受け、 マールボロ音楽祭などでも活躍してきた彼女は「コンクールに頻繁に出ていた頃から“あなたのバッハにとても惹かれた”と言われることが多かっ た、ただ書かれた音符と向き合っていただけなのに」と語ります。1980〜90年代に急速に注目が高まった古楽器演奏にも意識を向けつつ、 グリーンハウス門下では「自分を示せ」との教えを受けた彼女のバッハ解釈は、きわめて誠実でありながら凡庸とは程遠い、安定したテンポと 磨き抜かれた音の魅力で聴き手を捉えて離さない演奏に結晶しています。歴史的に貴重な銘器と弓を伝って響き渡る確かなバッハ像、じっ くりお楽しみください。

TOCCATA
TOCC-0697(1CD)
NX-B03
ウィリアム・ワーズワース(1908-1988):ピアノ独奏曲全集
ピアノ・ソナタ ニ短調 Op.13(1938-1939)
3つの小品 - ピアノのために*
チーズカム組曲 Op.27(1945)
バラード Op.41(1949)
昔の話(1952年出版)*
巨人の行進(1952年出版)*
ディン・ドン・ベル(1952年出版)*
雪片(1952年出版)*
ファイヤーサイド・ストーリー(1952年出版)*
ベッドタイム(6時)(1952年出版)*
ベッドタイム・ストーリー(1952年出版)*
ホーンパイプ(1952年出版)*
決別Op.82(1967)*
クリストファー・ギルド(P)

録音:2021-2023年
*…世界初録音
イギリス・ロマン派の詩人、ウィリアム・ワーズワース(1770-1860)の弟クリストファーのひ孫にあたる、詩人と同名の作曲家ワーズワース。ヴォーン・ウィリアム ズとシベリウスの影響を受けた自然を賛美した作品が近年注目を浴びています。このアルバムでは世界初録音を多数含む、彼のピアノ曲を全て収録。60 年ほど前に一度だけLPに収録された壮年期の作品「ピアノ・ソナタ」をはじめ、第二次世界大戦中に書かれた「チーズコム組曲」のほか、1952年に出版さ れた親しみやすい曲想を持つ子供向けの数々の小品などを、ロナルド・スティーヴンソンの一連のピアノ曲録音で高く評価されるクリストファー・ギルドが演奏 しています。

Pentatone
PTC-5187073(1CD)
復活の力
シュピルマン:マズルカ
 組曲「機械の生活」
ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ第1番Op.12
ヴァインベルク:ピアノ・ソナタ第4番ロ短調 Op.56
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番 変ロ長調 Op.84
ユリアンナ・アヴデーエワ(P)

録音:2020年12月、2021年3月/テルデックス・スタジオ
レコード芸術誌「特選盤」(2023年4月号)、朝日新聞夕刊For your Collection「推薦盤」、読売新聞夕刊REVIEW欄、毎日新聞夕刊「特薦盤」などで絶 賛されたユリアンナ・アヴデーエワの最新作「復活の力」(KKPT-2001)。2023年2月の来日公演でも話題となった当アルバムがPENTATONEレーベルより 直輸入盤でもリリースされます!
2010年第16回ショパン国際コンクール優勝者ユリアンナ・アヴデーエワ。最新アルバム「復活の力」は、社会的災害とその克服への希望というメッセージ性 の強いものとなっています。
収録されている20世紀の4作曲家は、いずれも社会と歴史に翻弄されながら創作への熱意を失わず、素晴らしい作品を世に問いました。ユダヤ人ゆえの迫害、 政策に沿わぬ作風の攻撃など背負った十字架はそれぞれですが、戦争が大きく関わることを示唆しています。
映画「戦場のピアニスト」で話題となったシュピルマンや再評価著しいヴァインベルクの作品に挑戦するのも聴きもので、アヴデーエワの演奏だと格段に芸術性 が増すのに驚かされます。若きショスタコーヴィチの破天荒な世界とプロコフィエフ後期の傑作では息をもつかせぬ壮絶な演奏を繰り広げ、母国の音楽ならではの 説得力を見せつけます。 (Ki)


Treasures
TRE-285(1CDR)
ヘブラー/シューマン&シューベルト
シューマン
:子供の情景Op.15*
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番D.664
 ピアノ・ソナタ第18番D.894「幻想」
イングリット・ヘブラー(P)

録音:1959年8月28-31日*、1960年4月(全てステレオ)
※音源:日Victor SFL-7992*、蘭PHILIPS 835363AY
◎収録時間:67:18
“ヘブラーのピアニズムの品格を支える恐るべき打鍵制御力!”
■音源について
ヘブラーがフィリップスへ録音を開始して間もない頃の録音を集めています。この頃の録音を日本のビクター盤で聞くとタッチがやや骨太に響く傾向があり、「子供の情景」第6曲ではその特徴がプラスに作用しています。一方のオランダ盤はそれとは好対照にすっきりとした響きが特徴的で、ピュアなシューベルトの音楽にピッタリと言えましょう。
ヘブラーが遺したシューマンのピアノ独奏曲の録音は、他には「蝶々」があるのみ。シューベルトの2曲は共に1969年の再録音もあり。

★シューマンの精神的な「闇」や「屈折」はどう考えてもヘブラーには不釣り合いですが、この「子供の情景」はヘブラーの慈愛に満ちた音作りと見事に合致しています。強調したいのは、その慈愛の表情に媚びる様子が皆無なこと。第4曲「おねだり」や第7曲「トロイメライ」などは、もっとしんねりとした表現も可能でしょうが、ヘブラーはルバートを最小限に抑えてタッチの柔らかさのみで勝負。第5,第6曲などは感覚的には淡白で、特に第6曲は、へブラーに対して「温和」なイメージしか抱いていない人にとって、このリズムの力感は意外かも知れません。
 シューベルトでも作品と一定の距離を保つことによる自然なニュアンス浮揚を目指していますが、シューマンよりも踏み込んだ解釈が聞かれます。実は私がヘブラーに対して巷間語られる「上品さ」だけではない直感力とタッチの制御力の凄さに気付いたのは、シューベルトの「幻想ソナタ」の第3楽章がきっかけで、モーツァルトの演奏の素晴らしさを本当に実感したのはその後でした。
 第1楽章は、自然発生的なニュアンスを大切に育み続け、思慮深くあろうとして流れが淀み、ニュアンスがやたらと曇っている演奏とは大違い。展開部の楽想の起伏の激しさも、純粋なシューベルトらしい「もがき」として迫り、決して大仰に傾きません。そして、大注目の第3楽章は、何度聴いても奇跡的な美しさ!いくら賞賛しても足りません!まずテンポがこれ以外のものを想定できませんし、何と言ってもリズム自体が微笑みながら語り続ける演奏など他にあり得ません!しかも驚くのは、9年後の再録音も、よほど慎重に聞かない限り区別がつかないほど表情がまるで瓜二つ!それほど作品に対するイメージとビジョンが体の中にしっかり根付いており、決して一時の思いつきではないということです。終楽章主題の8分音符の4連音の素晴らしさもこれに通じるところがあり、愛、気品、微笑み、語り口…全ての要素が芸術的に昇華し尽くすと、これほど得も言われぬ音になるのです!
 「第13番」第1楽章の主題は一度聴いたら耳から離れない名旋律ですが、この純真無垢な美しさを過剰なペダルやルバート、持って回った低速テンポで台無しにする演奏の何と多いことか!かねてからそう思う方なら、このヘブラーの演奏には大きく膝を打つことは必至!真のシューベルティアンと呼ぶのになんの躊躇もありません!第2楽章も小細工など無用。陰影の変化を丁寧に再現しているだけなのにこの余韻の深さ、手応え!終楽章は、全体の響きの凝縮力の高さが音楽に一層の気品と輝きをもたらし、見事な緊張感のうちにドラマを完結させます。硬軟自在に使わけるこのピアニズムは、へブラーはモーツァルト以外は聴いたことがないという方は、きっと衝撃を受けることでしょう。
 アーチストの中には極端にレパートリーを限定している人がおり、それは時にプロとしてあまりにも怠慢に感じられる場合ももありますが、ヘブラーのレパートリーの狭さはそれとは異なり、意味のある必然だったと言えましょう。ヘブラーは2023年に93歳で天寿を全うしましたが、その芸術の真価と本質は広く認識されたでしょうか?「教科書的にモーツァルトばかり弾いていた人」ではないということにこのシューベルトを通じて気づいてくれる人がいれば、彼女もきっと喜んでくれることでしょう。【2023年8月・湧々堂】


BIJIN CLASSICAL
BJN-1023(1CD)
ショパン:12のエチュード集 作品10
12のエチュード集 作品25
3つの新しいエチュード
イリーナ・メジューエワ(P)
(P/1925年製NYスタインウェイ CD135))

録音:2023年3月&6月、新川文化ホール(富山県魚津市)
イリーナ・メジューエワによるショパン:エチュード全集、待望の再録音 の登場です。前回録音から14年の歳月を経て更なる深化を遂げた演奏 解釈は、伝統的・正統的な佇まいの中に巨大なスケール感と繊細な表現 の共存する、時に凄みすら漂わせたものになりました。名器ヴィンテージ・ スタインウェイ(1925年ニューヨーク製)の生み出す多彩な音色が、ショパ ンの詩情をニュアンス豊かに表出します。極上のピアニズムをナチュラル なワンポイント録音でお楽しみください。


King International
KKC-103(1SACD)
リヒテル1979年日本ライヴV
シューベルト
:ピアノ・ソナタ第9番ロ長調Op.147D.575
ピアノ・ソナタ第11番ヘ短調D.625
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1979年2月7日東京文化会館、2月24日NHKホール*(ライヴ)
1979年、リヒテル3度目の来日公演は64歳直前の円熟期で、神業のような演奏が語り草となりました。それをビクター音楽産業株式会社(現・株式会社 JVCケンウッド・ビクターエンタテイメント)が当時最新の技術でライヴ収録。それを現在の最新技術でリマスタリング、驚きの音世界が蘇りました。
ソナタ第9番は楽譜に厳しく忠実ながら、まるで自由に即興を楽しんでいるような演奏。リヒテルはシューベルトの心の中に入り、シューベルトが求めたものを彼 自身のものかのように表しています。まさにリヒテルにしかできない至芸となっています。 (Ki)

King International
KKC-104(1SACD)
リヒテル1979年日本ライヴW
シューベルト
:ピアノ・ソナタ第13番イ長調Op.120D.664
ピアノ・ソナタ第14番イ短調Op.143D.784
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1979年2月1日東京厚生年金会館、2月7日東京文化会館*(2)(ライヴ)
1979年、リヒテル3度目の来日公演は64歳直前の円熟期で、神業のような演奏が語り草となりました。それをビクター音楽産業株式会社(現・株式会社 JVCケンウッド・ビクターエンタテイメント)が当時最新の技術でライヴ収録。それを現在の最新技術でリマスタリング、驚きの音世界が蘇りました。
同年の日本公演はすべて好調だったと伝えられますが、なかでもソナタ第13番は驚きの没入ぶりで聴衆を陶酔の世界に引き入れる名演でした。柔らかなタッ チ、自然なフレージングなどを極上の音質で追体験できます。シューベルトのソナタの美しさ、素晴らしさをたっぷり味わえます。 (Ki)

Hortus
HORTUS-102(1CD)
ドヴォルザーク(サットマリー編):交響曲第9番 ホ短調「新世界より」Op.95, B.178
リスト(ヴォシェ編):『詩的で宗教的な調べ』S173より第3曲「孤独の中の神の祝福」
ジャン=フランソワ・ヴォシェ(オルガン/ヴァルカー製作、クーン修復)

録音:2012年/サン・フランソワ教会(ローザンヌ)
19世紀後半に作曲された交響曲の中で最もよく知られたドヴォルザークの「新世界より」をオルガン独奏版で演奏!編曲はオルガンの巨匠ジグムント・サットマリー(1939-)です。この編曲版はサットマリーの自作自演の録音(BIS / BIS-1168)で知られますが、このアルバムではジャン=フランソワ・ヴォシェが、ローザンヌのサン・フランソワ教会の歴史的銘器(ヴァルカーが製作し、クーン社によって修復)で演奏しています。カップリングはヴォシェが編曲したリストの『詩的で宗教的な調べ』S173より第3曲「孤独の中の神の祝福」を録音。類まれな表現力でドヴォルザークとリストを演奏しております! (Ki)

Hortus
HORTUS-988(1CD)
リスト:ピアノ作品集
詩的で宗教的な調べ S.173より第3曲「孤独の中の神の祝福」
巡礼の年 第2年 イタリア S.161より第5曲「ペトラルカのソネット第104番」
6つのコンソレーショ S.172
巡礼の年 第2年 イタリア S.161より第7曲「ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」」
ゆりかごから墓場まで
ニコラ・スタヴィ(P)

録音:2011年1月13〜15日/フランス
名手ニコラ・スタヴィがリスト作品を録音しました。スタヴィは1975年生まれのフランスのピアニスト。ドミニク・メルレ門下で2000年の第14回ショパン国
際コンクール入賞の実力派です。演奏活動はもちろんのこと録音も積極的で、BISレーベルから「フォーレ:ピアノ作品集」(BIS SA-2389)、「ティシチェンコ:
ピアノ・ソナタ第7番&第8番」(BIS SA-2189)、「ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉」(BIS SA-2429)、「ショスタコーヴィチ:日の目を
見た作品集」(KKC-6625/ BIS SA-2550)をリリースしております。
文学からインスピレーションを得て作曲した作品も多いリスト。スタヴィは詩情豊かな演奏を聴かせてくれます。

Hanssler
HC-22055(1CD)
フランク:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第1番Op10(1835)
大カプリース第1番Op.5(1843)
前奏曲,アリアと終曲(1887)
前奏曲,コラールとフーガ(1884)
イングマル・ラザル(P)

録音:2023年2月3&4日/ベルドゥーゴ・スタジオ、クロアジー=シュル=セーヌ(フランス)
2022年に生誕200年を迎えたセザール・フランクのピアノ作品集。1835年2月、当時王立音楽院の学生だったフランクは故郷リエージュ でピアニストとしての初舞台を踏み、その演奏会は大成功をおさめました。翌年、父とともにパリに移り、パリ音楽院に入学しています。
この時期にフランクは3楽章からなるピアノ・ソナタ第1番を作曲。この作品は古典派の作曲家からの影響を色濃く示していますが、13歳のフランクが作曲家 としても神童であったことがわかります。
フランクは1840年以降オルガンに深い興味を示し、晩年には代表作を数多く残しています。ピアノ作品としては「前奏曲、アリアと終曲」と「前奏曲、コラール とフーガ」がその代表。惜しげもなく使う半音階や大胆な転調など、フランクのスタイルが確立した唯一無二のピアノ作品です。1993年、パリ郊外のサン=クルの 生まれのイングマル・ラザルが情感豊かに演奏しています。 (Ki)
Hanssler
HC-23048(1CD)
フィンランドのピアノ作品集
イルマリ・ハンニカイネン:気まぐれな変奏曲 Op.19(1923-24)
3つのかわいいワルツ
アーレ・メリカント(1893-1958):6つのピアノの小品
シベリウス:3つのソナティナ【Op.67
 フィンランディア Op.26(1899rev.1900)〜ピアノのための
テルヒ・ドスタル(P)

録音:2022年10月12&13日、10月19&20日/ベルリン=ブランデンブルク放送(RBB)、ザール3、ベルリン(ドイツ)
テルヒ・ドスタル(1978-)は、フィンランドのピアニスト。シベリウス・アカデミでエーリク・T・タヴァッシェルナ、マッティ・ラエカッリオ、イタリアのイモラ国 際ピアノアカデミーでボリス・ペトルシャンスキーに学びました。ブラームスを中心とする幅広いレパートリーをもち、ソリストとして、NIXピアノ四重奏団のメンバー として活動しています。
この『フィンランド・ピアノ作品集』は、『フィンランドの印象』(Alba / ABCD-514)につづく彼女のソロ・アルバム第2作です。ロマンティシズムと印象主 義のスタイルのピアノ曲と歌曲で知られるイルマリ・ハンニカイネンは、「2つのバラード」や「印象」といった小品が前のアルバムで演奏されていました。「気まぐ れな変奏曲」は、彼が手がけた規模の大きい作品のひとつ。「アンダンテ・ミステリオーソ」の「オリジナル主題」と19の変奏曲で書かれています。「3つのかわ いいワルツ」は、「印象」と並んで人気のある小品です。優雅でメランコリックな「クワジ・アレグレット」、「ショパンとおそらくスクリャービンのエコー」が聞こえる 「アレグレット・グラツィオーソ」、「ジャズ風の不協和音」も使われる「アンダンテ・エ・ルバート」の3曲。
アーレ・メリカントは、20世紀フィンランドでもっとも重要な作曲家のひとりに挙げられます。ライプツィヒでマックス・レーガーに学び、ナショナル・ロマンティ シズムが一般的だった1920年代、当時の聴衆と批評家から「反動的」と受け取られる作品を発表。人気作曲家だった父オスカルに助けられながら、作曲活動を 続けました。「6つのピアノの小品」は、彼が後期ロマンティシズムのスタイルを離れ、反動的な作風に移る前、1919年に出版された作品です。ドビューシーやラヴェ ルの姿もうかがわせる印象主義とネオクラシシズムの音楽は、アーレ・メリカントを有名にした管弦楽曲の陰に隠れた名品とみなされています。
シベリウスの「3つのソナティナ」は、交響曲第4番の翌年に書かれた作品です。「交響曲作家シベリウス」の手になるとわかる「第1番 嬰ヘ短調」、3曲のうち でもっとも陽気で明るい「第2番 ホ長調」。「第3番変ロ短調」は、シベリウスが、後の交響曲第5番にみられるのと同じ「形式の革新」を探っていたことを指摘 されている作品です。動機的につながりのある3つの楽章で構成され、「葬送行進曲」のような第2楽章「アンダンテ」と「バロックのジグ」を思わせる第3楽章「ア レグレット」は「ひとつの楽章」に融合されていたかもしれないと言われています。
「フィンランディア」は、シベリウス自身によるピアノ編曲版による演奏。ブックレットの曲目解説(ドイツ語・英語)は、テルヒ・ドスタルが執筆しました。

Evil Penguin Records
EPRC-0056(1CD)
イン・メモリアムII スコルダトゥーラ・アルバム
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV1011
ブリテン:無伴奏チェロ組曲第3番Op.87より IX.パッサカリア
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)

録音:2022年12月7・9・10日/ベルギー
ウィスペルウェイが亡き息子に捧げる2枚目のアルバム。2022年最新録音です。スコルダトゥーラ(変則調弦)に関連付けられた選曲で、A弦を全音低いGに 変えたバッハの5番と、C・G弦を半音低いH・Gesに変えたコダーイを収録。どちらもチェロのために書かれた輝かしい傑作であり、暗い色調を持ちながらも激 しく、純粋な音楽の力にあふれた作品。最後におかれたブリテンのパッサカリアもまた暗く、しかし力強く、複雑な不協和のなかに屈折した光を照射していくような 音楽です。ウィスペルウェイの演奏は音楽を奥底まで掘り下げた凄まじいもので、技術的な困難さをまったく表に出さず、とてつもない集中力と没入度で弾ききっ ています。どれも再録音となる楽曲ですが、改めてまっさらな状態から挑みかかったような凄味のある演奏がお聴き頂けます。 (Ki)

EVIDENCE
EVCD-098(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 濱田あや(チェンバロ/1624年ヨハネス・ルッカース製作、仏コルマール市、ウンターリンデン美術館所蔵)

録音:2023年4月22-25日、仏コルマール市、ウンターリンデン美術館
※日本語解説付き
ジュリアード音楽院古楽演奏科修士課程を、第一期生及び特待生として、最優秀の成績で修了した濱田あや。イタリア協奏曲ほかを収めたEVCD 074でも高く 評価されました。このたびEVIDENCEレーベル第2弾として、バッハのゴルトベルク変奏曲を録音しました。驚くほどに豊かな音色に驚かされると同時に、落ち着 いたテンポでそれぞれの楽章のキャラクターを際立たせながらも自然な流れにほっとするような演奏です。解説はライプツィヒのバッハ・アルヒーフ所長も務めた 世界的権威、クリストフ・ヴォルフによるもの(濱田による邦訳を掲載)。満を持してのリリース、注目です! (Ki)

APR
APRCD-7316(3CD)
シューラ・チェルカスキー〜78回転録音全集1923-1950
(1)ベートーヴェン:6つのエコセーズ WoO83(a)
メンデルスゾーン:前奏曲 ホ短調(前奏曲とフーガ Op.35-1より)(a)
メンデルスゾーン:スケルツォ ホ短調 Op.16-2(a)
(2)チェルカスキー:悲愴前奏曲(a)
(3)メンデルスゾーン:無言歌 「狩の歌」 Op.19b-3
(4)ショパン:ワルツ ホ短調 Op posth
(5)ラモー/ゴドフスキ:タンブーラン(ルネサンス第1巻より)
(6)マナ=ズッカ:前奏曲 Op.73
(7)ベートーヴェン:6つのエコセーズ WoO83(e)
(8)メンデルスゾーン:前奏曲 ホ短調(前奏曲とフーガ Op.35-1より)(e)
メンデルスゾーン:スケルツォ ホ短調 Op.16-2(e)
(9)チェルカスキー:悲愴前奏曲(e)
(10)ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19*
(11)グリンカ:タランテッラ イ短調
ウラディーミル・レビコフ:ワルツ(クリスマス・ツリー Op.21より)
チャイコフスキー:10月(四季 Op.37bより)
リャードフ:音楽の玉手箱 Op.32
スクリャービン:左手のための前奏曲 嬰ハ短調 Op.9-1
メトネル:おとぎ話 Op.34-2
プロコフィエフ:悪魔的暗示 Op.4-4
ハチャトゥリアン:トッカータ 変ホ短調
ショスタコーヴィチ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.34-10
ショスタコーヴィチ:前奏曲 ニ長調 Op.34-5
(12)リスト:ハンガリー狂詩曲第5番ホ短調 「悲しい英雄物語」 S244/5
リスト:ハンガリー狂詩曲第6番変ニ長調 S244/6
リスト:ハンガリー狂詩曲第11番イ短調 S244/11
リスト:ハンガリー狂詩曲第15番イ短調 「ラーコーツィ行進曲」 S244/15
(13)リスト:小人の踊り(2つの演奏会用練習曲 S145より)
ショパン:ポロネーズ第6番「英雄」
ベーア/ラフマニノフ:W.R.のポルカ
プーランク:トッカータ(3つのピアノ小品より)
モートン・グールド:前奏曲とトッカータ
モートン・グールド:ブギウギ・エチュード
(14)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44(ジロティ版)**
(15)ショパン:夜想曲 ホ短調 Op.72-1
(16)ショパン:マズルカ ニ長調 Op.33-2
ショパン:練習曲 嬰ハ短調 Op.10-4
ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49
サン=サーンス:前奏曲とフーガ ヘ短調(6つの練習曲 Op.52より)
(17)リスト:コンソラシオン(慰め) 第3番変ニ長調 S172/3
(18)シャミナード:オートルフォア(6つのユーモラスな小品 Op.87より)
シューラ・チェルカスキー(P)、
マルセル・ユベール(Vc)*、
ジャック・ラフミロヴィチ(指)**、
サンタ・モニカSO**


(1)録音:1923年10月31日

(2)録音:1924年3月20日

(3)録音:1925年7月29日

(4)録音:1925年8月25日

(5)録音:1925年6月26日

(6)録音:1925年8月25日

(7)録音:1928年5月2日

(8)録音:1928年4月4日

(9)録音:1928年5月2日

(10)マルセル・ユベール(Vc)
録音:1934年12月27日&1935年1月10日
※(a)=アコースティック・ヴァージョン、(e)=エレクトリック・ヴァージョン

(11)録音:1946年

(12)録音:1947年

(13)録音:1949年10月24日、ストックホルム音楽アカデミー


(14)ジャック・ラフミロヴィチ(指)、サンタ・モニカSO〕
録音:1946年

(15)録音:1950年5月31日

(16)録音:1950年6月1日

(17)録音:1950年5月31日

(18)録音:1950年6月1日
現ウクライナのオデッサで生まれ、ロシア革命の影響を避けるためアメリカへと亡命した20世紀の大ピアニスト、シューラ・チェルカスキー(1909-1995)。ヨゼフ・ホフマンの弟子という優れた血統を持ち、最後の「ロマン派」の一人と見なされていたチェルカスキーの数多くの録音のうち、Victor、Columbia、Vox、Cupol、HMVなどの78回転盤(SPレコード)に遺された初期の録音が初めて完全収録されました。レパートリーの多くは彼のディスコグラフィの中でもユニークなもので、唯一の室内楽録音であるラフマニノフのチェロ・ソナタも含まれています。また、チェルカスキーはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を複数回録音していますが、今回収録された1946年録音(ラフミロヴィチ(指)サンタ・モニカ響)は彼の最初期の協奏曲録音でもあり、これまで再発されたことはない貴重な初CD化音源となります。復刻を担当したのは、これまでグラミー賞の「Best Historical Album」に3度ノミネートしている名エンジニア、セス・ウィンナー(Seth Winner)です。

DUX
DUX-1941(1CD)
ポーランドのピアノ前奏曲集
ルツヤン・マルチェフスキ
(1879-1935):2つの古風な小プレリュード
ユゼフ・ホフマン(1876-1957):8つの前奏曲 Op.30
ヴィンツェンティ・フシャノフスキ(1878-1944):4つの前奏曲
ヴォイチェフ・ガヴロンスキ(1868-1910):4つの前奏曲 Op.14
ヤン・コノプカ(1855-1948):前奏曲第1番
タデウシュ・ヨテイコ(1872-1932):6つの前奏曲 Op.8
ルドミル・ルジツキ:5つの前奏曲 Op.2
イグナツィ・フリードマン:4つの前奏曲 Op.61
ユリウシュ・ヴェルトハイム(1880-1928):4つの前奏曲 Op.2
エヴァ・スカルドフスカ(P)

録音:2022年2月&3月&6月
本アルバムには、9人のポーランド人作曲家による20世紀前半に作曲されたピアノ前奏曲が収録されています。ホフマンやフリードマンなど著名なピアニストの作品から、今となってはその名を耳にすることのなくなってしまった作曲家の作品まで、幅広く取り上げられています。
ポーランド人ピアニストであるエヴァ・スカルドフスカは、ヨーロッパを中心とし世界中で演奏活動を行い、ポーランド人作曲家のピアノ・ソロ曲や室内楽曲の普及活動にも熱心に取り組んでいます。

Acte Prealable
AP-0558(1CD)
ハリーナ・クシジャノフスカ:ピアノ作品集 Vol.1
ハリーナ・クシジャノフスカ
(1867-1937):「ソナタ ニ短調」より「メヌエット」
ア・ラ・ガヴォット Op.11
ドゥムカ - 素朴な夢想 Op.12
セレナード Op.13/マズール Op.15
アリア Op.16/マズール第2番 Op.20
クラコヴィアク Op.21/メヌエット Op.22
ハンガリア Op.23/2つの小品
「ソナタ ヘ短調 Op.30」より「スケルツォ」
エルジュビェタ・ティシェツカ(P)

録音:2022年9月10日&10月8日
ポーランドの忘れられた作曲家の作品を広める「Acte Prealable」レーベルよりハリーナ・クシジャノフスカのピアノ作品集が登場。彼女はピアニストそして作曲家として活躍しました。 1878年から1883年にかけてパリ音楽院で教育を受け主にフランスでコンサート活動を行った彼女は、ポーランドでのコンサートの記録も残っています。作曲家としては交響曲から器楽曲まで幅広く作曲しており、その中でも特にピアノ作品を多く残しています。このアルバムでは、ピアノのために作曲されたと考えられる作品を集めて収録しています。
Acte Prealable
AP-0559(1CD)
ハリーナ・クシジャノフスカ:ピアノ作品集 Vol.2
ハリーナ・クシジャノフスカ
(1867-1937):3つのワルツ/子守唄 Op.41/Chasse Fantastique Op.45/タランテラ Op.48/抒情的小品 Op.50/Chevauchee Nocturne Op.53/インテルメッツォ Op.56/夢想/ロマンス/ワルツ-バレエ
エルジュビェタ・ティシェツカ(P)

録音:2022年9月10日&10月8日
フランスで活躍したピアニスト兼作曲家であるハリーナ・クシジャノフスカのピアノ作品集第2弾が登場。主にフランスで活動した彼女ではありますが、自分のルーツであるポーランドを忘れることはありませんでした。その影響は彼女の作品にも表れています。本アルバムではそのような彼女の作品をたっぷりとお楽しみいただけます。フランスのレンヌ音楽院で教育者としても活躍したクシジャノフスカの作品をご堪能ください。

Quartz
QTZ-2158(1CD)
シベリウス:ピアノ作品集 Vol.3
組曲「フロレスタン」 JS82
ラルゴ JS117/6つの即興曲 Op.5
8つの小品 Op.99/10の小品 Op.58
ジョセフ・トング(P)

録音:2022年8月17日-19日
イギリスのピアニスト、ジョセフ・トングはシベリウスのピアノ作品の研究に非常に熱心に取り組んでいます。シベリウスの故郷であるフィンランドにて定期的にコンサート・ツアーを行うなど、積極的に活動を続けており、本アルバムはトングの3枚目のシベリウス・アルバムとなります。

Nimbus
NI-5953(2CDR)
2台ピアノのためのフランス音楽
レイナルド・アーン:メランコリックなカプリス、
 12のワルツ集 「ほどけたリボン」、
 回復期の患者を慰めるために
ケクラン:組曲 Op.6、組曲 Op.19*、
 フランス風ソナチネ集 Op.60*
タイユフェール:野外遊戯、
 イマージュ*、ファンダンゴ、
 2つのワルツ、間奏曲、トッカータ、
 ソナタ、コラールと変奏曲集
*=4手連弾
マーティン・ジョーンズ(P)、
エイドリアン・ファーマー(P)

録音:2019年、2022年
マーティン・ジョーンズとエイドリアン・ファーマーによる知られざる2台ピアノのためのフランス音楽集。マーティン・ジョーンズは、1968年にマイラ・ヘス賞を受賞し、英国で最も高い評価を得ているピアニストの一人です。同年、クイーン・エリザベス・ホールでロンドン・デビュー、カーネギーホールでニューヨーク・デビューを果たすとリサイタルや協奏曲のソリストとして引っ張りだことなっています。共演のエイドリアン・ファーマーは、バーミンガム大学で音楽の学位を取得した後、マンチェスターの王立ノーザン音楽大学で伴奏者として研鑽を積みました。エイドリアンは、サイモン・キャラハンやニーナ・ウォーカーなどとNimbusレーベルで共演している他、これまでにもマーティン・ジョーンズとのコンビでもサン=サーンスの作品集をリリースするなどしています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Nimbus
NI-8113(1CDR)
フランシスコ・ミニョーネ:ピアノ作品集
奥地の伝説第8番/Cucumbizinho/エレガントなワルツ/ソナチネ第1番/奥地の伝説第6番/ユーモラスなセレナーデ/Congada/ソナチネ第2番/奥地の伝説第4番/タンゴ/4つのブラジルの小品/ソナチネ第3番/街角のワルツ第1番/Paulistana/ソナチネ第4番/街角のワルツ第12番
マーティン・ジョーンズ(P)

録音:2022年3月7日-8日
Nimbusレーベルからシリーズ化される南米ピアノ音楽の第1弾が登場。ブラジルの作曲家フランシスコ・ミニョーネの作品集です。ミニョーネは主に独奏曲とオーケストラ曲をメインに作曲しており、このアルバムに収められているピアノ独奏曲にも、オーケストラ曲の質感や和音の影響をしっかりと感じることが出来ます。
マーティン・ジョーンズは、1968年にマイラ・ヘス賞を受賞し、英国で最も高い評価を得ているピアニストの一人です。同年、クイーン・エリザベス・ホールでロンドン・デビュー、カーネギーホールでニューヨーク・デビューを果たすとリサイタルや協奏曲のソリストとして引っ張りだことなっています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

LAWO Classics
LWC-1263(1CD)
北極のサクソフォン
アレクサンデル・オーロエン(b.1993):心、高まる-子供のころの秋、春、季節はすべて過ぎゆく
アレクサンドル・マノツコフ(b.1972):7つの肖像-ミカエル、イェグディエル、ガブリエル、バラキエル、セアルティエル、ラファエル、ウリエル
テリエ・ビョルクルン(b.1945):北極の短詩-短いサーミの歌、北極の風、北極の風景、北極熊との戦い、北極の十一月、サーミの歌
オーラ・アスダール・ロッコネス(アルト・サクソフォン)、
アークティック・フィルハーモニック、
ペール・クリスチャン・スカルスタード(指)

録音:2021年4月26日-30日、グロンノーセン教会(トロムソ、ノルウェー)
オーラ・アスダール・ロッコネス(b.1983)は、ノルウェー北部、トロムソのサクソフォン奏者。ラーシュ・リーエン、ヴィーヴェケ・ブライアン、ジャン=イヴ・フルモー、ヨン=ポール・インデルベルグたちに学び、ジャズとクラシカル音楽の両分野で活動しています。パリのサクソフォン・メーカー、アンリ・セルマーの公式アンバサダーで、「トリオ・ブラクス Trio Brax」(LWC1248)のメンバーです。
『北極のサクソフォーン』は、ファビオ・マストランジェロ指揮サンクトペテルブルク・ノーザン・シンフォニアとの『ノルウェーのサクソフォーン』(LWC1162)に次ぐ、オーケストラ共演のアルバム。アレクサンデル・オーロエンは、ノルウェー北部に生まれ、オスロで活動しています。「心、高まる」 は、メロディと主題のはっきりした「リスナー・フレンドリー」なスタイルによる〈子供のころの秋〉〈春〉〈季節はすべて過ぎゆく〉の3曲の作品です。アレクサンドル・マノツコフは、ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。「7つの肖像」 は、北部ノルウェーと北西ロシアが緊密な関係にあったことから、「大天使の町」として知られるアルハンゲリスク市をインスピレーションに作曲されました。〈ミカエル〉から〈ウリエル〉まで、東方正教会の7人の大天使の名をつけた7曲の作品です。テリエ・ビョルクルンもメロディを書く作曲家です。1994年のリレハンメル冬季オリンピック大会で初演された弦楽四重奏のための 「カントス」 は、弦楽オーケストラ用にも編曲され、親しまれています。ロムソの南、車で数時間のナルヴィークの生まれ。サクソフォーン協奏曲 「北極の短詩」 は、「北極への頌歌」として作られました。3つの作品すべて、ロッコネスの委嘱作です。
トロムソとボードーのオーケストラ「アークティック・フィルハーモニック」を指揮するペール・クリスチャン・スカルスタード(b.1972)は、オスロSQ創設メンバー。指揮者としての活動が多くなり、テレマルク室内Oの芸術監督を務めています。

Stradivarius
STR-37266(1CD)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集第1集
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.6
ピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調 Op.19
ピアノ・ソナタ第3番嬰ヘ短調 Op.23
ピアノ・ソナタ第4番嬰ヘ短調 Op.30
ピアノ・ソナタ第9番Op.68「黒ミサ」
ピアノ・ソナタ第10番Op.70
マリアンジェラ・ヴァカテッロ(P)

録音:2023年2月 イタリア ウンブリア州 ペルージャ
イタリアのピアニスト、マリアンジェラ・ヴァカテッロのスクリャービンのピアノ・ソナタ全集の 第1集。マリアンジェラ・ヴァカテッロはナポリ近郊のカステッランマーレ・ディ・スタービアの 生まれ。1999年にオランダ、ユトレヒトのフランツ・リスト国際ピアノ・コンクールで第 2位を 受賞。すぐに世界中で活躍するようになります。2009 年にはヴァン・クライバーン国際ピアノ・コ ンクールに入賞(第1位は辻井伸行)、2007 年にはエリザベート王妃国際音楽コンクール のピアノ部門で入賞。既にBRILLIANT レーベルなどからCD も発売になっています。 ヴァカテッロは、リストの難曲、超絶技巧練習曲集を楽々と弾きこなすだけの技術力に、 華やかさと清潔な情感を兼ね備えており、それはここでのスクリャービンでも存分に生か されています。第2集が楽しみになる第1集だ。
Stradivarius
STR-37240(1CD)
「時の機(はた)」〜20世紀無伴奏クラリネット作品集
ヴァレンティーノ・ブッキ(1916-1976):無伴奏クラリネットのための協奏曲
ベリオ:歌/セクエンツァ9
ジェンティルッチ(1939-1989):時の機(はた)/断片/調べ
ドナトーニ:光〜クラリネットのための2つの小品
ジャン・マリア・マッテウッチ(Cl)

録音:2021年9月,2022年5月 イタリア エミリア=ロマーニャ州 ラヴェンナ カーゼムラーテ
20世紀の無伴奏クラリネット作品集。ベリオの他、ヴァレンティーノ・ブッキ(1916-76)、アルマン ド・ジェンティルッチ(1939-89)、フランコ・ドナトーニ(1927-2000)の作品を収録。 ジャン・マリア・マッテウッチは、イタリア、ラヴェンナ近郊のルーゴの生まれ。独奏や室内楽で活躍 しています。
Stradivarius
STR-37260(1CD)
レーガー:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集 Op.42
第1番ニ短調/第2番イ長調
第3番ロ短調 /第4番ト短調
アンカ・ヴァジーレ・カラマン(Vn)

録音:2021年12月23日 イタリア・ロンバルディア州イゼーオ
レーガーの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集 Op.42の全曲録音。明らかにバッハの無伴奏ヴァイオ リン・ソナタに触発された作品で、バッハ好きにも楽しめるもの。 アンカ・ヴァジーレ・カラマンはルーマニア出身。ローマのサンタ・チェチーリア音楽院で学び、イタリ アを中心に活躍しています。彼女は既にSTRADIVARIUSに、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナ タとパルティータ全曲(STR-37196)、パガニーニの24のカプリース(STR-37193)、イザイの無伴奏ヴァ イオリン・ソナタ Op.27(STR-37200)、テレマンの12の幻想曲(STR-37199)など無伴奏ヴァイオリン曲 を集中して録音しており、これはその最新刊でもある。

ODRADEK RECORDS
ODRCD-430(1CD)
メトネル:忘れられた調べ第1集 Op.38
4つの抒情的断章 Op.23
6つのおとぎ話 Op.51
ムーサ(フォルテ編) Op.29-1
ヴィットリオ・フォルテ(P)

録音:2022年9月19-22日 イタリア ・ペスカーラ州 モンテシルヴァーノ、
近年人気が大いに高まっているニコライ・メトネルのピアノ作品集。メトネルの音楽 は、たしかにロシアの香りがするものの、7歳上のラフマニノフのような豊かさ華麗さ ではなく、抒情的で内省的な音楽で、これは嵌るとたまらないもの。人気作である忘 れられた調べ第1集、4つの抒情的断章、6つのおとぎ話、に加え、フォルテ自身が ピアノ独奏用に編曲した歌曲「ムーサ」も収録。 ヴィットリオ・フォルテは、1977年、イタリア最南部のカラブリア州ロッサーノの生ま れ。1998年、スイスのジュネーヴに移り、アルゼンチンのピアニスト、エディト・ムラー ロに学び、さらにローザンヌ音楽院でクリスティアン・ファヴルにも学んだ。南イタリア 出身とはいえスイスで学んだフォルテの演奏は、上質なロマンティシズムに満ちてお り、メトネルの繊細な美感を見事に生かしています。メトネル・ファンの人はもちろん、ま だメトネルを聞いたことがない人への入門としてもお勧めできるCD だ。
ODRADEK RECORDS
ODRCD-416(1CD)
シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番イ短調 D845Op.42
ピアノ・ソナタ第20番イ長調 D959
ステファニア・カファーロ(P)

録音:2022年5月16-18日 イタリア ペスカーラ州 モンテシルヴァーノ
イタリアのピアニスト、ステファニア・カファーロによるシューベルトのピアノ・ソナタ 2曲。ステファニ ア・カファーロは、1972年、シチリア島のカターニアの生まれ。生地のベッリーニ音楽院で学んだ 後、シエナのアカデミア・キジアーナで修了証書を得る。カファーロのシューベルトは、すっきりした 音色こそイタリア人を感じさせるが、決して急いたり大仰に弾いたりすることなく、じっくりと作品に向 き合って作品の内面の情感を大切にしたもの。この CD には 静寂 Silence という題が掲げられて いるのだが、たしかに彼女の演奏の背後に広い静寂の空間が感じられるようだ。
ODRADEK RECORDS
ODRCD-438(1CD)
スティリャヌ:12の前奏曲 第1巻(2008-18) ニコラス・コスタンティヌ(P)

録音:2022年6月11-13日 キプロス
ストロヴォロス市立劇場
1972年、キプロス島生まれのコンスタンティノス・Y.スティリャヌの12 の前奏曲 第1巻。世界初 録音。各前奏曲は芸術作品に触発されたもので、たとえば第 9番は有名なクリムトの接吻に基づい ているという。そのため12 曲の性格は様々で変化に富んでいます。前衛的なところは皆無で、近代風 のピアノ曲が好きな人には歓迎されるでしょう。 ニコラス・コスタンティヌは、ブダペストのフランツ・リスト音楽院で学んだ後、ロンドンで修業を重ね、 非常に幅広いレパートリーで活躍しています。
ODRADEK RECORDS
ODRCD-439(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番ニ短調 Op.28
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36
コレッリの主題による変奏曲 Op.42
マチュー・ベルゴ(P)

録音:2022年10月4-5日 イタリア ・ペスカーラ州 モンテシルヴァーノ
フランスのピアニスト、マチュー・ベルゴの弾くラフマニノフのピアノ・ソナタ 2曲他。おそらくこれが マチュー・ベルゴの最初の CD と思われます。このラフマニノフは、いかにもフランス人ピアニストらし く、ロシア的な濃厚さは控えめで、鮮やかな色彩と香りに彩られたもの。技術もとても高度。ラフマニ ノフのピアノ・ソナタは2曲とも長いこと評価されなかったことでも知られるが、ベルゴの演奏はすこぶ る魅力的だ。まだ中堅のようなので今後が楽しみなピアニストです。

OEHMS
OC-483(1CD)
NX-B07
ブルックナー:前奏曲 ハ長調 WAB129「ペルク前奏曲」(1884)
フィリップ・マインツ(1977-):コラール前奏曲 第40番「テ・デウム」 - 独奏オルガンの為の(2023)
ブルックナー:交響曲第7番(エルヴィン・ホルンによるオルガン編)
ハンスイェルク・アルブレヒト(Org)

録音:2023年6月21-25日ゲヴァントハウス、ライプツィヒ(ドイツ)
2024年のブルックナー生誕200周年に向けての記念企画、全10巻からなるオルガン版ブルックナー交響曲全集第8弾です。このシリーズは指揮者クリス ティアン・ティーレマンの後援のもとに進められ、2024年に完結予定です。 番号順に進んで来た当プロジェクトもいよいよ第7番に到達。毎回異なるオルガンを使用してきましたが、今回は第7番初演の地ライプツィヒでの収録です。 オルガン編曲はシリーズの常連エルヴィン・ホルン。前半2楽章は美しく息の長い旋律に満ちていますが、第1楽章では壮大さよりも敬虔さを、ワーグナー追 悼が込められた第2楽章では詠嘆よりも瞑想や祈りを強く感じさせます。スケルツォの迫力と、対位法的に手の込んだフィナーレは、前半とは違ったオルガン の特性が活かされたダイナミックな演奏。録音会場となったのは、1981年に落成したホールに備えられた6638本のパイプを持つポツダム・シュッケ社のパイプ オルガン(東ドイツ時代に作られた最大のオルガン)で、その壮麗な響きも聴きどころです。 このシリーズでは「ブルックナー・フェンスター=ブルックナーの窓」と称して、ブルックナーの音楽にインスピレーションを得た新作も収録しています(Vol.5では収 録時間の関係で配信のみ)。ここではVol.0とVol.4にも登場したドイツの作曲家フィリップ・マインツによるコラール前奏曲「テ・デウム」を収録。交響曲第7 番の素材を用いた重厚な作品です。最初に置かれた前奏曲は1884年の作品。ブルックナーがワーグナー没後1周年のバイロイト音楽祭に赴いた際、意 気投合したペルクの革職人ディルンハーファーの依頼により作曲された27小節の短いオルガン曲で、ハ長調に基づきつつ半音階の使用が目立つワーグナー 風の音楽です。

Dynamic
CDS-7997(4CD)
NX-D03
バッハ:平均律クラヴィーア曲集 全集 BWV846-893 フランチェスコ・チェーラ(Cemb)
※使用楽器:ダニエレ・マリア・ジアーニ 2019年製作。アンリ・エムシュ 1736年製作の楽器に基く

録音:2021年10月、2022年4月
イタリアのチェンバロ/オルガン奏者・指揮者として活躍するフランチェスコ・チェーラが遂にバッハの「平均律」を録音。積年の経験を傾注して自ら調律にも 凝った力作です。1967年ボローニャに生まれたフランチェスコ・チェーラは、フェルディナンド・タリアヴィーニとグスタフ・レオンハルトに学び、イル・ジャルディーノ・アルモニコのチェン バロ/オルガン奏者を経て、ソリストとして、また自らのアンサンブルを指揮してルネサンスからバロック期の声楽・器楽曲の演奏と録音に取り組んで来ました。 そのチェーラがバッハの「平均律」を遂に録音。 チェーラは長年にわたり「平均律」の基本的性格を「規律」と「内面性」の2点からとらえて来たといいます。「規律」とは対位法に代表される厳格さであり、そ れを音として具現するために必要な頭と指のトレーニング。また「内面性」は楽想と構造が時に省察や瞑想へと導く性格を持っていること。これらを演奏で表 現する準備が整ったとして録音に臨みました。その上で重視したのが調律です。 曲集の原題の“Das wohltemperierte Klavier”(よく調律されたクラヴィア)についてチェーラは、特定の調律原理ではなく、曲に応じた演奏者の「良き 趣味」に任されていると理解しており、曲によって心地よく響く調律が正解の場合もあれば耳障りに響く調律が正解の場合もあるとしています。またバッハの 音楽がドイツ、イタリア、フランスの音楽の合流点であったという理解に基づいて各曲を解釈し、独自の調律を施したとのこと。その詳細は明かされていません が「ご判断はリスナーにお任せします。全面的に同意とはいかないかもしれませんが、私がすべての調を巡る旅において凝らした創意工夫に興味を感じて頂 ければ嬉しいです」と記しています。尚、第2巻についてはアルトニコル版の楽譜を参照し、後の時代の写本では削られてしまったヴァリアントも参考にしている とのこと。 録音に使われた楽器はチェーラが信頼しているダニエレ・マリア・ジアーニによるアンリ・エムシュのレプリカ。ボストン美術館所蔵の1736年製の楽器をモデルに していますが、この楽器が後世レストアされたものであることから、同時代のエムシュの楽器を多数参照し、またルイ15世時代の楽器や装飾の様式も研究 した上で独自制作の部品を加えた「想像上の再現楽器」とのこと。チェーラは、クラヴィコードやフォルテピアノの選択も検討した上で、バッハがこの曲集に込 めた多様な性格と響きは1台の楽器で弾いた方がはっきりとするとの考えで、この楽器を当録音に起用しました。

Gramola
GRAM-99291(1CD)
若き日の為のピアノ曲集
ノダル・ガブニア(1933-):とある学生の日記より
 Morning/On the Way to School
 School Bell/History Lesson
 Arithmetics/Singing Lesson
 Physics Lesson/On the Way Home
 In the Yard(on Horseback)
  Watching TV/Lullaby/Dream
バルトーク:子供のために 第1巻 BB53Sz.42
クルターグ(1926-):遊び
プロコフィエフ:子供の為の音楽 Op.6
 NO1. Matin
 NO3. Historiette
 NO8. La pluie et l’arc-en-ciel
 NO10. Marche
チャイコフスキー:子供のアルバム Op.39
シューマン:子供の為のアルバムOp. 68
ギオルギ・ユルダシェヴィ(P)

録音:2021年12月19-21日Atelier73, Unterretzbach ニーダーエスターライヒ州(オーストリア)
1995年トビリシ生まれのピアニスト、ギオルギ・ユルダシェヴィが弾く6人の作曲家たちの「子供の為の」作 品集。子供たちでも演奏できるように易しく書かれた曲や、作曲家が自身の若い頃に思いを馳せた曲など、 郷愁や夢が込められた多彩な作品を、ユルダシェヴィは共感を持って演奏しています。 ギオルギ・ユルダシェヴィは10歳でピアノを始め、12歳でトビリシ国立Oと共演。2014年にスイスに 移り、チューリヒ芸術大学でハンス・ユルグ・シュトループに師事しました。2018年、オルフェウム財団に選出 されポルトガルで開催されたマリア・ジョアン・ピレシュのマスタークラスに参加。現在も更なる研鑽を積んでい ます。

SWR music
SWR-19435CD(1CDR)
NX-B02
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番ト長調 D894Op.78
4つの即興曲 D899Op.90*
イングリット・ヘブラー(P)

録音:1957年2月1日、1954年6月8日*
(全てモノラル)
日本でもファンの多い名ピアニストの一人、イングリット・ヘブラー(1926/9‐2023)。 貴族階級の父を持ち、幼少期をポーランドで過ごした彼女の自宅には、エトヴィン・フィッシャー、ロベール・カサドシュ、クラウディオ・アラウ、ブロニスラフ・ フーベルマンらの音楽家たちがしばしば訪れ、幼い彼女はその薫陶を受けました。やがて第二次世界大戦が始まるとザルツブルクに移住。ザルツブル ク・モーツァルテウムでハインツ・ショルツに師事し、1949年に卒業します。その後は1952年と1953年のジュネーヴ国際音楽コンクールで第2位を獲 得し、1954年のミュンヘン国際音楽コンクールでは第1位に輝き、ウィーン国際シューベルト・コンクールでも第1位を獲得。この年にザルツブルク音楽 祭にデビューしました。 モーツァルトとベートーヴェンの演奏が広く知られていますが、シューベルトも彼女の得意なレパートリーです。 このアルバムに収録されたシューベルトの「4つの即興曲」は1954年、「ピアノ・ソナタ第18番」は1957年の録音。彼女の持ち味でもある美しいタッチ と端正な解釈が存分に発揮された若き日の名演です。
※当ディスクはCD‐Rになります。

Grand Piano
GP-851(1CD)
NX-B03
ニムロッド・ボーレンシュタイン(1969-):ピアノ作品集
練習曲集 Op.66…世界初録音
練習曲集 Op.86…世界初録音
ヴェニスの水滴 Op.75,-2(2019) …世界初録音
子守歌 Op.81a(2018) …世界初録音
チャ・グエン(P…Steinway モデルD)

録音:2023年2月4日、2023年2月5日
テルアヴィヴで生まれ、パリで音楽教育を受け、現在はイギリスに在住する作曲家ニムロッド・ボーレンシュタイン。 このアルバムでは、彼のピアノ曲に以前から興味を抱いていたというピアニスト、チャ・グエンが、世界初録音となる「12の練習曲」をはじめとした様々な 作品を演奏しています。複雑なポリフォニーを駆使した練習曲は、演奏の難度も高いものですが、グエンは作品を巧みに演奏。とりわけ、中国民謡 「康定情歌」をもとにした曲や「半月の練習曲」の響きの美しさが彼女のお気に入りということです。ボーレンシュタイン自身の幼少期の思い出が反映 された「子供の頃の思い出」の他、「ヴェニスの水滴」「子守歌」この世界初録音となる2曲も収録。インスピレーション溢れる作品を存分に楽しめま す。

Avie
AV-2635(1CD)
ラフマニノフ&ガーシュウィン〜アール・ワイルドによる編曲集
ラフマニノフ:アール・ワイルドによる歌曲編曲集
ガーシュウィン:3つのプレリュード
アール・ワイルド:ポーギーとベスによる幻想曲
ジョン・ウィルソン(P)

録音:2022年8月17日ー19日、アメリカ創価大学(カリフォルニア)
バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、北米を中心に活躍しているピアニスト、ジョン・ウィルソン(イギリスの指揮者とは別人)によるAvie第2弾は、アール・ワイルド・トランスクリプション・アルバム。ウィルソンはサンフランシスコSOの後援により行われたソロ・デビュー・コンサートにおいて、「ドビュッシーに期待される美しさと繊細さの全てを持っている」と好評を博しました。また数多くの世界初演に参加しており、師であるマイケル・ティルソン・トーマスのソロ・ピアノ作品から、ティモ・アンドレスとジュディス・ラング・ザイモントによるデュオ作品などを初演しています。ソリストとしてはサンフランシスコSOやニューワールドSOと共演。また数々の国際コンクールで受賞し、2019年にはレスピーギ国際コンクールで第1位を獲得するなど若き注目株の一人です。
師でもあるマイケル・ティルソン・トーマスの作品を中心としたアメリカン・アルバムでデビューを飾ったウィルソン。Avie第2弾は、ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして知られたアメリカの名手、アール・ワイルドによるラフマニノフ、ガーシュウィンの編曲作品に、ガーシュウィンの3つのプレリュードを組み合わせています。ジョン・ウィルソンはダイナミックな解釈でこれら名曲を見事に奏で、偉大なるピアニストの巨人の足跡を辿ります。
Avie
AV-2615(1CD)
ロマン派のヴァイオリン傑作集(クライスラー、アクロン、フバイほか)
コルンゴルト:シェイクスピアの「から騒ぎ」への付随音楽からの4つの小品 Op.11(作曲者自編)
ワーグナー:アルバムの綴り WWV94(アウグスト・ウィルヘルミ編)
ブラームス:ハンガリー舞曲 第17番(クライスラー編)
フバイ:酒場の情景 第3番「マロシュの水」 Op.18
ドホナーニ:ハンガリー牧歌 Op.32cよりアンダンテ・ルバート
ジョゼフ・アクロン:ラ・ロマネスカ、ヘブライ舞曲Op.35-1
レオ・ザイトリン:エリ・シオン(ジョゼフ・アクロン編)
ブロッホ:アヴォダ
クライスラー:ウィーン風狂想的幻想曲
ダンビ・ウム(Vn)、
エイミー・ヤン(P)

録音:2020年10月
超絶技巧と個性的な響き、解釈の繊細さで聴衆を魅了し、ストラッド誌でも絶賛されたヴァイオリニスト、ダンビ・ウムのソロ・デビュー・アルバムが登場!
ユーディ・メニューイン国際コンクールでは銀賞受賞の若手ヴァイオリニストが選ぶ、ヴァイオリン黄金時代の豪華絢爛な作品たち。ヴィルトゥオーゾ的な解釈と、1683年製のニコロ・アマティから引き出されるなふくよかな響きが印象的な1枚です。

Etcetra
KTC-1735(1CD)
目覚めよ〜ワウター・ドゥコーニンク:独奏ヴァイオリンのための作編曲集
ワウター・ドゥコーニンク(b.1981):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」
バッハ(ドゥコーニンク編)/ドゥコーニンク:無伴奏ヴァイオリンのための前奏曲(BWV534), フーガとシシリエンヌ・アン・ロンドー
ブクステフーデ(ドゥコーニンク編):無伴奏ヴァイオリンのためのパッサカリア ニ短調 BuxWV161
バッハ:シャコンヌ(パルティータ第2番ニ短調 BWV1004より)
ドゥコーニンク:無伴奏ヴァイオリンのための子守唄、
 すみだの花 (Vnとチェンバロのための)(ボーナストラック)
中丸まどか(バロックVn)

録音:2022年9月9日-11日、聖アウグスティヌス教会(ベールト、ベルギー)
1981年生まれ、ベルギーの気鋭の音楽家、ワウター・ドゥコーニンクが作曲した無伴奏ヴァイオリンのためのオリジナル作品とバッハやブクステフーデの編曲集。“ネオバロマンティック”とも呼ばれるドゥコーニンクの作風は「自然と古典的な言語で作曲すること」をベースに、バロックの文脈の中にもロマン主義が溢れるスタイルを特徴としています。中丸まどかはドゥコーニンクにこのアルバムの冒頭に収録されている「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」」を捧げられたその時から無伴奏ヴァイオリンの世界を探求する旅を始めたといい、ドゥコーニンクの作品を通じてバッハのシャコンヌを新しい視点から捉えた演奏へと導かれ、それはこのアルバムでも聴くことができます。低弦に独特の深みと高弦の輝きを持つバロック・ヴァイオリン(ヘンドリック・ヤコブス、アムステルダム、1690年頃製作)の音色で、リスナーを無伴奏ヴァイオリンの孤高の世界へ誘います。
ドゥコーニンクと同じ1981年生まれの中丸まどかは東京芸術大学器楽科ヴァイオリン専攻を卒業後、2006年に同大学院古楽科バロックヴァイオリン専攻を修了。文化庁及びベルギー政府の奨学金を受けてベルギーに渡り、ブリュッセル王立音楽院でシギスヴァルト・クイケンに学び2009年にディプロマを得てバロックヴァイオリン修士課程を修了しました。現在はベルギーを拠点とし、コンサートミストレスとしてコンサートやCD、テレビ、ラジオの収録など多数のオーケストラに招かれ、2015年にはベルギー王室で御前演奏した様子が世界中で放送されたほか、幅広いレパートリーで室内楽やソロでも活躍しています。中丸はライナーノーツ内でこのCDの制作に携わったすべての人に感謝を捧げ、「このCDがあなたのインスピレーションとなり、これらの作品が多くのヴァイオリニストの愛するレパートリーになることを願いつつ・・・」と思いを綴っています。

Da Vinci Classics
C-00760(1CD)
北海の真珠〜北欧のヴァイオリン傑作集
トゥール・アウリン(1866-1914):4つの水彩画
グリーグ:ノルウェーの山の歌より第4番(ニコライ・ハンセン編)
ハルヴォルセン:古風な組曲 Op.31よりブーレ
シンディング:ワルツ Op.59-3、
 ロマンス Op.30
フィニ・ヘンリケス(1867-1940):6つの易しい性格的小品
オルガ・グレーヴェンコプ・カーステンスキョル(1883-1978):告白
ニルス・ゲーゼ:子守唄 ト長調
エーギル・ハーダー(1917-1997):ロマンス第1番ニ長調
デュオ・シゴヴァ・ラシーネ〔ユリア・シゴヴァ(P)、アントン・ラシーネ(Vn)〕

録音:2022年5月、マルメ歌劇場(スウェーデン)
19世紀から20世紀にかけてのスカンディナヴィア音楽を代表する作曲家たちによるヴァイオリンとピアノのための傑作集。中には北欧音楽ファン以外にはほとんど知られていない作曲家の作品も含まれています。珠玉の音楽をひとつのネックレスを作るかのように集めた1枚で、聴き手は軽やかで繊細な音のニュアンスに満ちた北方の風景へと導かれることでしょう。
ユリア・シゴヴァ(1982-)は、ベラルーシのミンスク生まれ、スウェーデンのピアニスト。ミンスクのグリンカ音楽高等学校を卒業後、スウェーデンのマルメ音楽アカデミーに招かれ、ハンス・ポールソン教授の下でソリスト・ディプロマを取得しました。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーで学び、ロンドンのノーマ・フィッシャーとイタリアのコンスタンティン・ボギーノに師事しました。マルメを拠点にソリストと室内楽奏者として活動。国際ピアノ・スクールを創設したほか、彼女が始めたマルメ・ピアノ・コンペティションの芸術監督を務めています。
サンクトペテルブルク生まれのヴァイオリニスト、アントン・ラシーネは、リムスキー=コルサコフ音楽大学で学び、リムスキー=コルサコフ国立音楽院のソリスト・ディプロマを取得、ソリスト、室内楽奏者、オーケストラ・ミュージシャン、教師の資格をとって卒業しました。1994年にスカンディナヴィアに移り、マルメ音楽アカデミーでアレクサンデル・フィッシャーの下で学びました。デンマークとスウェーデンのオーケストラでコンサートマスターとして演奏、マルメ歌劇場Oのアシスタント・コンサートマスターを務めています。

NEOS
NEOS-12317(1CD)
ヤン・ミュラー=ヴィーラント(1966-):ピアノ作品集
TRAUMA UND RUCKGRAT(黒江尚子とMetoo運動に捧げる)
CAPRICCETTI(第1サイクル)
CAPRICCETTI(第2サイクル)
黒江尚子(P)

録音:2022年9月
ミュンヘン音楽・演劇大学で作曲の教授を務めるドイツの現代音楽作曲家、ヤン・ミュラー=ヴィーラント(1966-)のピアノ作品集。彼は現代における最も多様かつ生産的な作曲家のひとりであり、15の舞台作品や大規模な管弦楽作品を作曲しつつ、室内楽にも力を入れています。演奏はエドウィン・フィッシャーとアルトゥール・シュナーベルの弟子エリザ・ハンセンに師事し、ドイツで活躍中の日本人ピアニスト、黒江尚子。黒江によれば、ミュラー=ヴィーラントのピアノ作品は「ピアニズムの点で非常に革新的であり、クラシックの演奏技術で何が可能かを示している」とのこと。権力の乱用や背任、性的暴行を主題とした「TRAUMA UND RUCKGRAT」(2021)は黒江と#metoo運動の両方に捧げられた作品です。
NEOS
NEOS-12321(1CD)
ディートリヒ・マスト(1942-):ピアノ作品集
ラルゴ Op.11/思考 Op.12/ミニアチュール Op.13/アンダンテ Op.15/3つの前奏曲 Op.23/ラインハルトのためのシチリアーノ Op.28/6つのドデカフォニックなピアノ小品 Op.34/クラングシュテュック Op.35/インプロヴィゼーション Op.38-/高揚 Op.38-2/瞑想 Op.39a/ヴィジョン Op.39b/ピアノ小品 Op.1/幻想曲 Op.2b/前奏曲とフーガ Op.5/海の幻想曲 Op27b./タブローI Op.31/タブロー II Op.32/タブローIII Op.33/残響Op.36(Vn協奏曲 Op.16より)
イリーナ・エメリアンツェワ(P)

録音:2018年6月&2022年11月
全曲世界初録音
エアハルト・カルコシュカに作曲を師事したディートリヒ・マスト(1942-)のピアノ作品集。1959年から2016年の間に作曲された幅広いピアノ独奏作品を、サンクトペテルブルク音楽院でセルゲイ・スロムニスキに師事したロシアのピアニスト、イリーナ・エメリアンツェワが演奏します。マストは1963年から68年までシュトゥットガルト音楽演劇大学で音楽教育を、その後ベルリンとテュービンゲンで歴史学と音楽学を学んでいます。1980年にスクリャービン作品の構造と形式をテーマに博士号を取得。1977年からはドイツ・トロッシンゲン国立音楽大学で音楽理論の教鞭をとり、1995年から2006年退職するまで同大学の講師を務めました。
NEOS
NEOS-12319(1CD)
サイ:トロイ・ソナタ
ファジル・サイ(b.1970):トロイ・ソナタ Op.78
3つのバラード Op.12
ブラック・アース Op.8
ナタリヤ・トカチェンコ(P)

録音:2022年9月14日-15日&2023年4月25日-26日、ケンプテン市立劇場
ピアニストとして並外れた才能を持つファジル・サイは、作曲家としてもその能力をいかんなく発揮しています。その作品は5つの交響曲を始めとして多岐に渡り、2つのオラトリオ、協奏曲、その他にも室内楽曲から器楽曲にまで及びます。フランスのフィガロ紙は彼を「21世紀最大のアーティストであり、天才だ」と評しています。
ファジル・サイが2018年に作曲した「トロイ・ソナタ Op.78」を中心に収録された本アルバムでは曲の特色に合わせて2種類のピアノが用いられました。ウクライナ出身のピアニスト、ナタリヤ・トカチェンコによって選ばれたのは、「トロイ・ソナタ」では深みのある重低音が特徴であるスタインウェイ D-274が、そして「3つのバラード Op.12」と「ブラック・アース Op.8」ではより抒情的な音色が魅力のスタインウェイ O-180が用いられました。このことにより、サイの作品がより明確に表現されその魅力が存分に理解されることでしょう。

Sterling
CDA-18462(1CDR)
ヴァイオリン・ソロのための音楽
ユーハン・ヘルミク・ルーマン
:アッサッジョ ロ短調 BeRI324(Vn・ソロのための)
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27-4
プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.115
モーセス・ペルガメント(1893-1977):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
ハンス・エンフルー(Vn)

録音:2021年2月&2022年2月(プロコフィエフ)、ネースビュー・パルク(スウェーデン
ハンス・エンフルー(b.1945)は、ストックホルム生まれの音楽家、教育者、文化研究家、管理者で、グンナル・ヴィーク、スヴェン・カルペ、モーウンス・ハイマン、チャールズ・バルケル、ルイス・パーシンジャーにヴァイオリンを学び、マーセル四重奏協会で室内楽を演奏、ソリストとしても活動しました。
『ヴァイオリン・ソロのための音楽』では、彼がヴァイオリンを学ぶ課程やヴァイオリニストとして活動していて出会った作品を演奏しています。ニューヨークでルイス・パーシンジャーの下で学んでいた際、彼から教わったイザイとプロコフィエフの「ソナタ」。ストックホルムの楽譜店の棚で偶然見つけた、モーセス・ペルガメントの十二音技法による「ソナタ」。ルーマンの「アッサッジョ ロ短調」は、カルマル市郊外のルーマンが晩年を過ごしたハーラルスコーラ村で1979年に行われた記念碑の除幕式でエンフルーが演奏したという作品です。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Tactus
TC-780001(1CD)
マッツィーニのギターで演奏される手紙の音楽
パガニーニ:「気まぐれ」 MS.37より第16番、第17番、第20番、第31番、第37番、第38番
ルイジ・モレッティ(c.1765-c.1850):大ソナタ Op.2より「アンダンテ・グラツィオーソ」
ジュリアーニ:ジョヴァンニ・パチーニの歌劇「アマジリア」の「Lo ti vidi e t'adorai」の主題による変奏曲 Op.128、
 ロッシニアーナ第5番Op.123
レゴンディ(1822-1872):練習曲第1番
ヨハン・カスパール・メルツ(1806-1856):オペラ・レヴュー Op.8-29(ヴェルディ:歌劇「椿姫」より)
ルイジ・リナルド・レニャーニ(1790-1856):36のカプリス Op.20より第2番、第7番、第36番
マルコ・バッターリャ(G)

録音:2023年2月
19世紀の革命家、ジュゼッペ・マッツィーニは音楽に情熱を持ち、ロンドンに設立したイタリア学校への支援のために毎年コンサートを開催するほどでした。
マッツィーニはギターを愛し、彼が所有していた楽器は現在も博物館等に保管されています。本アルバムでは、ジェノヴァの博物館、ピサの博物館にそれぞれ保管されているギターと、音楽を奏でるマルコ・バッターリャ自身が個人でコレクションしているギターの3本を使用し、演奏されています。

Hyperion
CDA-68401(2CD)
バッハ:フランス組曲
フランス組曲第1番ニ短調 BWV812**
フランス組曲第2番ハ短調 BWV813**
フランス組曲第3番ロ短調 BWV814**
組曲変ホ長調 BWV819**
組曲ト短調 BWV822*
フランス組曲第4番変ホ長調 BWV815*
フランス組曲第5番ト長調 BWV816*
フランス組曲第6番ホ長調 BWV817*
組曲イ短調 BWV818**
マハン・エスファハニ(ハープシコード*、クラヴィコード**)

録音:2022年2月14日-17日、洗礼者聖ヨハネ教区教会(ラフトン、エセックス)
近年好調なリリースが続いており、その度に大きな話題を巻き起こす1984年テヘラン生まれのイラン系アメリカ人ハープシコード奏者、マハン・エスファハニが推し進めるバッハ・シリーズの次なる新録音は「フランス組曲」!2023年5月リリースの「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」(PCDA-68387/CDA-68387)に続きハープシコード、クラヴィコードと弾き分けたエスファハニならではの興味深いレコーディングとなりました。これまでのバッハの録音でもレコード芸術「特選盤」、BBCミュージック・マガジン「インストゥルメンタル・チョイス」、グラモフォン誌「エディターズ・チョイス」に選ばれ、ICMA(国際クラシック音楽賞)2019にもノミネートされるなど例外なく絶大な評価を得ているだけに今回の「フランス組曲」も話題必至でしょう。
エスファハニはハープシコード奏者として初めてBBCラジオ3の「ニュー・ジェネレーション・アーティスト」に選ばれた他、ボルレッティ=ブイトーニ財団賞受賞、2014年ロイヤル・フィルハーモニック協会賞の「インストゥルメンタリスト・オヴ・ジ・イヤー」と2014年グラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」にノミネートするという栄誉を、それぞれハープシコード奏者として初めて達成。2015年にはBBCミュージック・マガジンの「ニューカマー・オヴ・ジ・イヤー」に選ばれ、2015年と2017年にもグラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」にノミネートされるなど、今やHyperionレーベルの看板アーティストの一人として大活躍しています。
Hyperion
CDA-68421(2CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 Vol.2
ピアノ・ソナタ第9番ニ長調 K.311
ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
幻想曲ハ短調 K.396/幻想曲ニ短調 K.397
ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331「トルコ行進曲付き」
ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調 K.332
ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調 K.333
アンジェラ・ヒューイット(P)

録音:2022年12月13日-20日、マリーエンミュンスター文化財団(ドイツ)/※使用楽器:ファツィオリ
2016年から始まり、2022年5月の紀尾井ホールでの演奏をもって完結した、世界の各都市でバッハの主要な鍵盤曲を演奏するシリーズ「バッハ・オデッセイ」という偉業を成し遂げた鍵盤の女神アンジェラ・ヒューイット。
これまでに、バッハのピアノ作品、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲など、数々の録音プロジェクトを通して国際的な評価を確立してきたヒューイットによるモーツァルトのピアノ・ソナタ全集録音プロジェクトの第2弾では、当時流行していたトルコ趣味を取り入れて作曲された、モーツァルトのピアノ作品の中でも比較的ポピュラーなトルコ行進曲を含む、20代の頃に作曲された6つのソナタに、ヒューイットが若い頃からレパートリーにしてきた2つの幻想曲を組み合わせています。
モーツァルトが当時の楽器の響きを用いて描いたこれら作品の世界観を、ヒューイットが繊細で歌うような、そして正確なタッチで、現代の名器で再現します。

Paraty
PTY-1122111(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ブルーノ・プロコピオ(Cemb)

録音:2021年5月ロワイモヨン修道院
1976年ブラジル生まれのチェンバロ奏者ブルーノ・プロコピオはルセとランヌ門下でピエール・アンタイの秘蔵っ子。パリを本拠に演奏活動を行っていますが、 そのかたわらParatyレーベルを立ち上げ、現在社長を務める実業家でもあります。
彼が満を持して挑戦したバッハの「ゴルトベルク変奏曲」。チェンバロで古楽的解釈を基本としながらも21世紀的な感覚をみなぎらせた個性的演奏です。 (Ki)
Paraty
PTY-2722132(1CD)
ラフマニノフ:「音の絵」全曲
(1)練習曲「音の絵」Op.33
(2)練習曲「音の絵」Op.39
ジャン=ジャック・ベディキアン(P)

録音:2021年4月サル・コロンヌ
アルメニア系フランス人ピアニスト、ジャン=ジャック・ベディキアン。クラシックのみならずジャズや映画音楽も得意とする彼が、ラフマニノフの難曲中の難曲「音 の絵」に挑戦。速い指さばきや技巧の凄さはもちろんながら、ラフマニノフならではのメロディの美しさも存分に味わせてくれます。 (Ki)

SONARE
SONARE-1061(1CD)
税込定価
高橋愉紀/シューベルト&リスト
(1)シューベルト:即興曲第2番変イ長調 Op.142-2 D.935
(2)シューベルト:即興曲第1番ハ短調 Op.90-1 D.899
(3)シューベルト:即興曲第2番変ホ長調 Op.90-2 D.899
(4)シューベルト:即興曲第3番変ト長調 Op.90-3 D.899
(5)シューベルト:即興曲第4番変イ長調 Op.90-4 D.899
(6)シューベルト(リスト編):セレナーデ
(7)リスト:詩的で宗教的な調べ S.173/R.14A158より第7番「葬送」
(8)リスト:ペトラルカのソネット第104番 S.161/R.10-5
高橋愉紀(P)

録音:2023年4月13&14日五反田文化センター
桐朋学園大学卒業後、ウィーン国立音大学、シュトゥットガルト国立音楽で研鑽を積み、ハエン国際コンクールなどで入賞するなど、輝かしいキャリアを誇るピアニ スト高橋愉紀。当アルバムではシューベルトとリストを収録。シューベルトの即興曲、シューベルト(リスト編)のセレナーデ、とリストの詩的で宗教的な調べより第7 番「葬送」、そしてペトラルカのソネット第104番というプログラムです。
作品90、作品142それぞれ4曲からなるシューベルトの即興曲。抒情的な美しさに満ち、それぞれの作品が個性あふれるシューベルトの代表作です。高橋愉紀 は作品142の第2番と作品90の全4曲を収録しました。音楽の美しさを追い求めたという、高橋の思いがつまった渾身の演奏です。  (Ki)
「私は、シューベルトの音楽は、モーツァルトの音楽の延長上にあるという見解をもっています。モーツァルトと同様、彼の音楽も完全体です。不自然なところは、 全く見当たらない。彼の音楽の美しさを追い求めて、憧れのままに、私はまだまだシューベルトを弾いてみたいと考えている」(高橋愉紀〜ライナノーツより)


MELO CLASSIC
MC-1069(2CD)
ヴィルヘルム・ケンプ/フランスでのピアノ・リサイタル 1954-1962
(1)モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」
シューマン:ダヴィット同盟舞曲集
(2)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960
(3)バッハ(ケンプ編):「甘い喜びに」 BWV751
ヴィルヘルム・ケンプ(P)

(1)録音:1962年5月7日 フランス ブザンソン (モノラル・ライヴ)
(2)録音:1954年8月7日 フランス マントン (モノラル・ライヴ)
(3)録音:1948年12月6日 フランス パリ (モノラル・放送スタジオ録音)
偉大なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプの 3つの機会の録音集。いずれの曲も DG への 録音があるものの、ライヴでのケンプの魅力がたっぷり。1962 年のブザンソンでの録音は、 老境のケンプらしい早めのテンポで淡々と弾いているようで味わいたっぷりの音楽が素晴ら しい。一方1954年のマントンでの録音は、50 代の気力溢れるケンプの演奏に圧倒されます。 特にシューマンのクライスレリアーナでの取りつかれたような熱気はライヴならでは。一方でシ ューベルトのD960はしみじみと美しさが溢れます。あらためてケンプの偉大さを実感できます。 2分強のフランス語によるインタビュー付き。
MELO CLASSIC
MC-1070(2CD)
ゲザ・アンダ/オシアッハでのリサイタル1970-1971
(1)シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番イ長調 D664
 シューマン:ダヴィット同盟舞曲集 Op.6
 ショパン:12の練習曲 Op.25
(2)シューマン:交響的練習曲 Op.13(15曲)
 ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲
 ブラームス:間奏曲 変ホ長調 Op.117-1
ゲザ・アンダ(P)

(1)録音:1970年7月8日 オーストリア フェルトキルヒェン郡オシアッハ (ステレオ・ライヴ)
(2)録音:1971年7月9日 オーストリア フェルトキルヒェン郡オシアッハ (ステレオ・ライヴ)
ハンガリー出身のスイスの名ピアニスト、ゲザ・アンダがオーストリアのオシアッハで行った 2つのリサイタルのライヴ録音、しかもステレオ録音。アンダは DG に精力的に録音を行っていた ものの、54 歳で亡くなってしまったため録音はあまり多くなく、こうしたライヴは貴重。特にシュー ベルトはD960のソナタがあったくらいで、名曲D664 が出てきたのは大いに歓迎されるでしょう。 じっくりと情感を豊かに広げるまさにアンダならではの名演。もう一つの驚きはショパンの Op.25の練習曲。アンダは24の前奏曲 Op.28 は録音したが、他の曲は散発的に終わっています。抑え 気味弾きながら緩急と起伏を自由に操り、内側からグイッと出る充実感がたいへんに見事。もち ろんシューマン2作品、そしてベートーヴェンのディアベリ変奏曲は絶品。
MELO CLASSIC
MC-1072(2CD)
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン/ミュンヘン・リサイタル 1956-1960

(1)ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調 Op.5
(2)シューマン:ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調 Op.11
(3)ドビュッシー:子供の領分
(4)シューマン:交響的練習曲
(5)シューマン:子供の情景
(5)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 Op.26「葬送」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン(P)

(1)録音:1957年9月18日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・放送スタジオ録音)
(2)録音:1958年7月12日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・放送スタジオ録音)
(3)録音:1960年7月1日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・放送スタジオ録音)
(4)録音:1956年7月1日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・放送スタジオ録音)
(5)録音:1960年7月1日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・放送スタジオ録音)
(5)録音:1957年9月15日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (モノラル・放送スタジオ録音)
今回の MELOCLASSIC の新譜で最もお宝度が高い CD。アリーヌ・ヴァン・バレンツェン は、これまで本当に一部のピアノマニアにしか知られていなかった幻の名ピアニスト。1897 年、米国、マサチューセッツ州サマービルの生まれ、本名はアリーン・イザベル・ホイル。ヴ ァン・バレンツェンは母親の旧姓。天才ピアノ少女として話題となり、ニューヨークを経て幼く してパリに留学、パリ音楽院の準備コースでマルグリット・ロンに学んだ。1920 年代から30年 代まで欧州を中心に絶大な人気を誇り、特にパリでは様々な文化人と交流を結んだ文化界 の花形だった。戦後も活動し、1981年まで長命したにもかかわらず、バレンツェンの録音は 極めて少なく、CD は LP から起こした小品集がいくつかあった程度。2014 年に melo CLASSIC がバレンツェンの放送音源を CD1枚で発売して話題になったが、今回はたっぷ り2CD。どれもこれも貴重かつ素晴らしい演奏ばかりだが、特筆すべきは1960 年のドビュッ シーの「子供の領分」。気品のある美しい音色が煌めきながら舞い上がる演奏は、ベルエポ ックやレ・ザネ・フォルを肌で知っている時代の花だからこそのもの。これを聞けば誰もが即 座にバレンツィンの素晴らしさに仰天するでしょう。気品はバレンツェンの大きな特徴で、シュ ーマンの「交響的練習曲」ではさらに情熱が、「子供の情景」では女性的な柔らかさ加わる。 ベートーヴェンのソナタが2曲も見事。これまで謎に包まれていたバレンツェンの芸術を一 気に理解できるこの上ないCD だ。

オクタヴィア
OVCT-00207(1SACD)
2023年8月23日発売
谷昂登 IN CONCERT 【通常盤】
スクリャービン:幻想曲 ロ短調 作品28
シューマン:幻想曲 ハ長調 作品17
クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
谷 昂登(P)

録音:2022年1月16-19日高崎芸術劇場
※当商品はDVD無しでの仕様ですのでご注意ください
リサイタル・録音・映像によって才能あふれる若手 演奏家を多角的に紹介する、大友直人が贈る高崎芸術劇場の 「T ?s h o tシリーズ」第7弾「谷昂登 IN CONCERT 2022」初 回版(CD+DVD)は大好評のうちに完売しました。本ディスク はそのCDヴァージョンです。 弱冠18歳で第90回日本音楽コンクールピアノ部門第1位を受賞 ほか、多くの受賞歴を持つ谷昂登。繊細な弱音からダイナミッ クな強音まで、表現の幅の広さが生き生きとした輝きを放つ、 若き俊英の演奏をお楽しみください。(オクタヴィア)

ALBANY
TROY-1928(3CD)
「メニー・ハンズ」〜デイヴィッド・デル・トレディチ(b.1937):ピアノ作品集Vol.2〜4
■CD1
カリオカの少年=タンゴ(2004)*/3つのジムノペディ(2003)/独り言(1958)/マンダンゴ(2008)
■CD2
メニー・ハンズ(2008)/音楽への頌歌(2015)/ウェディング・ソング(2001)/相反するものは惹きあう(1996)/ワイルド・ウッド・エチュード(1996)/大切な名前によるファンタジー(2010)
■CD3
半戦(2012)/幻想的小品集(1959-60)/レイのバースデイ組曲(2008)
マーク・ポロキン(P)
デイヴィッド・デル・トレディチ(P)*

録音:2014年4月10-12日ニューヨーク、アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ
2019年6月28-30日/2019年8月12-13日コネチカット、ウェスタン・コネチカット・ステイト大学
童話「不思議の国のアリス」にインスパイアされた一連の作品で不動の地位を築いたデル・ト レディチのピアノ作品集第2弾。彼は明確な調性とロマン的な情緒、様々な音楽スタイルを折 衷したネオ・ロマン主義の作曲家として知られています。ここに収録された作品もおおよそ調性に 基づいたロマンティックもしくはポピュラー音楽の要素を取り入れた親しみ易い作品だが、初期 の作品(独り言など)は無調で書かれています。トレディチは初期に無調、セリエリズムで作曲して いたが、ある時期から明確な調性とロマン主義的姿勢を取るようになった。収められた作品の作 曲年代は多岐に渡るため、彼の作風と思考の変遷を辿る事ができ、その点でも興味深い。
ALBANY
TROY-1929(1CD)
「ファンタジーとラプソディ」
C.P.E.バッハ:ファンタジア 変ロ長調Wq.61:3,H.289
 ファンタジア ハ長調Wq.61:6,H291
ジョン・マッケイブ(1939-2015):リストの主題によるファンタジー
シューベルト:幻想曲ハ長調「グラーツ」D605A
エルンスト・フォン・ドホナーニ:4つのラプソディOp.11
ジェフリー・デュース(P)

録音:2022年7月19-22日イリノイ大学クラナート・センター・フォー・ザ・パフォーミング・センター
C.P.E.バッハからシューベルト、ドホナーニそしてアメリカの現代作曲家マッケイブまで彼ら のファンタジアとラプソディを題されたピアノ曲を収めた一枚。ファンタジーもラプソディも形式 に制約のない自由な楽曲で、そういう意味でいずれも自由奔放な曲です。C.P.E.バッハの 作品は父、大バッハとはかなり異なる作風で後期バロック時代から古典派へと変わりつつある ことを感じさせる。ドホナーニのラプソディは作曲者の母国ハンガリーの民族性とロマン派のヴ ィルトゥオジティが融合した華麗な作品。


Avanti Classic
AVA-10552(1CD)
オマージュ〜セルジオ・ティエンポ
ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調 Op.3**
ラヴェル:『マ・メール・ロワ』#〜I. 眠れる森の美女のパヴァーヌ/IV. 美女と野獣の対話
ブラームス:『ハンガリー舞曲集』## 〜第17番/第7番ヘ長調/第20番ホ短調/第5番 嬰へ短調
フランシスコ・ミニョーネ:コンガーダ+
カルロス・グアスタビーノ(1912-2000):バイレシート+
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 Op.65より III. ラルゴ**
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 Op.48(P連弾版/2台ピアノによる演奏)++
シューベルト:幻想曲 へ短調 D940*
セルジオ・ティエンポ(P)
ミッシャ・マイスキー(Vc)**
リル・ティエンポ(P第1パート)#
アラン・ワイス(P第2パート)##
ネルソン・フレイレ(P第2パート)+
カリン・レヒナー(第2ピアノ)++
マルタ・アルゲリッチ(P第2パート)*

録音:2016-2017年 ベルギー
セルジオ・ティエンポが、自らの芸術を形作るうえでの恩人たちとの、感謝の思いを込めた共演を集めたアルバム。アルゼンチンの同胞であり師 であり長年の友でもあるマルタ・アルゲリッチ、室内楽での共演を重ねているミッシャ・マイスキー、「マルタが音楽の母なら、ネルソンは父」とティ エンポが語るネルソン・フレイレ、実の母であり最初のピアノ教師でもあるリル・ティエンポ、デュオのパートナーとして共に活動する妹のカリン・レ ヒナーなどが参加。お互いを深く認め合う者同士の親密な演奏に心が温まる一枚です。 (Ki)

MDG
MDG-91822836
(1SACD)
ヴァインベルク:1951-1956年のピアノ作品
ソナチネOp.49(1951)
パルティータOp.54(全10曲)(1954)
ピアノ・ソナタ第4番Op.56(1955)
ピアノ・ソナタ第5番Op.58(1956)
シュテファン・イルマー(P)
※1901年製スタインウェイ

録音:2022年10月4-6日マリーエンミュンスター修道院コンツェルトハウス
近年録音が増えるヴァインベルク作品にMDGも挑戦。ユニークなレパートリーに高水準の演奏を見せるドイツの中堅シュテファン・イルマーも初挑戦です。
ヴァインベルクはナチスから逃れたものの、1950年代初めのスターリンのユダヤ人一掃のため無実の罪で投獄され、死刑宣告までされました。スターリン急逝 により奇跡的に生還したものの、投獄前と後では人生観が変わったことは間違いないでしょう。
このアルバムは逮捕前の1951年と解放後1945-6年にピアノ曲を集めています。この時期1948年から58年まで悪名高い「ジダーノフ批判」が席巻し、作 曲家たちはがんじがらめの制約を受けていました。51年のソナチネはショスタコーヴィチに献呈されたもので、技術的にも内容的にも分かりやすさが魅力。解放 直後のパルティータは釈放に尽力してくれた恩人アヴトミヤンに献呈されたもので、生前は出版されませんでした。彼が経験した精神的苦痛が音化されています。
ヴァインベルクのピアノ曲を代表するソナタ第4番は近年ではアヴデーエワも愛奏していますが、イルマーも熱演、さらに複雑な第5番もバッハすら思わせる深み を示しています。 (Ki)

ATMA
ACD2-2889(1CD)
フランソワ・ドンピエールを讃えて
フランソワ・ドンピエール(1943-):やさしさの魂(自作主題によるパラフレーズ)
束の間の幸せ*
ピアノのまわりで(古風な変奏曲)
過ぎゆく時*
バッハの前奏曲による冗談
アンナの為のソナチネ
ラヴェリエンヌの喚起
海とアンズタケのあいだ
9月/束の間の思い出
マリオ/回転扉
わが友マックス/悪魔の美しさ
それはオリヴィエだった/おとぎ話
ルイーズ・ベ セット(P)
フランソワ・ドンピエール(P)*

録音:2022年11月8-10日ケベック、ドメーヌ・フォルジェ、コンサートホール
ピアニストのルイーズ・ベセットによる、ケベック州を代表する作曲家フランソワ・ドンピエールの生誕80周年を祝うアルバムです。映画音楽や未発表作品、2 台ピアノ作品(作曲者自身との共演)などを収録。クラシックからジャズ、映画音楽まで、幅広いスタイルとジャンルを網羅した音楽が並びます。 (Ki)

アールアンフィニ
MECO-1078(1CD)
税込定価
鈴木大介/浪漫の薫り
シューベルト:音楽に寄せて 作品88-4 D.547(編):鈴木大介)
アヴェ・マリア 作品52-6D.839(編):ニコライ・アレクサンドロフ/鈴木大介)
子守唄 作品98-2D.498(編):ニコライ・アレクサンドロフ)
ショパン:マズルカ 第1番イ短調(嬰ヘ短調) 作品6-1(編):ヤン・ネポムツェン・ボブロヴィッツ)
マズルカ 第2番イ短調(嬰ハ短調) 作品6-2(編):ヤン・ネポムツェン・ボブロヴィッツ)
マズルカ 第3番ニ長調(ホ長調) 作品6-3(編):ヤン・ネポムツェン・ボブロヴィッツ)
マズルカ 第4番イ短調(変ホ短調) 作品6-4(編):ヤン・ネポムツェン・ボブロヴィッツ)
マズルカ 第5番イ長調(変ロ長調) 作品7-1(編):ヤン・ネポムツェン・ボブロヴィッツ)
マズルカ 第6番イ短調 作品7-2(編):ヤン・ネポムツェン・ボブロヴィッツ)
マズルカ 第7番イ短調(ヘ短調) 作品7-3(編):ヤン・ネポムツェン・ボブロヴィッツ)
マズルカ 第8番イ長調(変イ長調) 作品7-4(編):ヤン・ネポムツェン・ボブロヴィッツ)
メンデルスゾーン:ヴェネツィアの舟唄 第1番 ホ短調(ト短調) 作品19-6(編):鈴木大介)
ヴェネツィアの舟唄 第2番ニ短調(嬰ヘ短調) 作品30-6(編):鈴木大介)
ナポレオン・コスト:ジュラの思い出(アンダンテとポロネーズ) 作品44
ヨゼフ・カスパル・メルツ:ハンガリー風幻想曲 作品65-1
 シュルホフの思い出(コンサート・マズルカ)
 無言歌?吟遊詩人の歌 作品13より
鈴木大介(G)

録音:2022年9月6日&7日
クラシックギター界を代表する鈴木大介が、自身初となる8弦ギターでロマン派の作品を収録しました。 シューベルト、メンデルスゾーン、ショパンの名曲の数々、そして同時代のオリジナル作品であるJ.メルツやN.コスト等聴きどころ満載の意欲 作です。 クラシックギターならではの、そこはかとない薫り立つような響きをまといながら、往時のギタリストや作曲家たちのまほろばを、是非一緒に旅し て下さい。

CPO
CPO-555208(1CD)
NX-B02
ヤン・ラディスラフ・ドゥシェク/ヨーゼフ・ヴェルフル:ピアノ・ソナタ集
ヤン・ラディスラフ・ドゥシェク:ピアノ・ソナタ 変イ長調
  パリへの帰還 C.221
ヨーゼフ・ヴェルフル:ピアノ・ソナタ ホ長調 Op.50Le diable a quatre
ヴェルフル:ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op.41 Non plus ultra
ナターシャ・ヴェリコヴィッチ(P)

録音:2017年9月
ウィーン初期古典派作品を得意とするピアニスト、ナターシャ・ヴェリコヴィッチが弾くドゥシェック(ドゥシーク)とヴェルフ ルのピアノ・ソナタ。 ヤン・ラディスラフ・ドゥシェックはボヘミア出身、後にイギリスでキャリアを確立したピアニスト・作曲家。彼は楽器製 造家ジョン・ブロードウッドと親しく、楽器の性能の拡大を試み「ピアノを歌わせた」最初の一人であると言われてい ます。17曲のピアノ協奏曲と35曲ほどのピアノ・ソナタを書きましたが、どれもクレメンティの作品を思わせる古典的 な形式が用いられています。ヨーゼフ・ヴェルフルはザルツブルク出身。L・モーツァルトとM・ハイドン に音楽を学び、ピアニストとして活躍しますが、1799年にベートーヴェンとピアノで「決闘」し、敗北を喫したことで 人気が落ちてしまい、人気が落ちてしまい、パリを経て1805年からロンドンで第2の人生を送ることとなりました。 作品41のソナタは当時考えうる最高難度の技巧を凝らしています。

OUTHERE MUSIC
OMF-706(1CD)
NX-B10
ヴァイオリン小品集
オッフェンバック:.序曲(抜粋)〜歌劇「地獄のオルフェ(天国と地獄)」
ビゼー(ヒューズ・ボルサレッロ 編):耳に残るは君の歌声 〜歌劇「真珠採り」 第1幕
グノー(ジェローム・デュクロ 編):アヴェ・マリア
ヴュータン:II. Adagio 〜華麗な二重奏曲 Op.39
 アメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」 Op.17
ジャンゴ・ラインハルト(1910-1953)&ドビュッシー(1862-1918/マニュエル・ドゥトルラン 編):ヌアージュへの序奏
  ヌアージュ
サティ(デュクロ 編):ジムノペディ 第3番
マスネ:瞑想曲 〜歌劇「タイス」 第2幕
ゴセック(ドゥトルラン 編):ガヴォット ニ長調
サン=サーンス(ボルサレッロ 編)あなたの声に我が心は開く 〜歌劇「サムソンとデリラ」 第2幕
リュリ(ボルサレッロ 編):トルコ人の儀式の為の行進曲 〜歌劇「町人貴族」
ドビュッシー(カプレ編曲版に基づきJongin Moon 編):月の光 〜ベルガマスク組曲 L.75
ショーソン(1855-1899):II. シシリエンヌ:Pas vite 〜ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏の為のコンセール Op.21
ラヴェル(シキ・ゲン 編):フォーレの名による子守歌 M.74
ルクレール(ボルサレッロ 編): タンブーラン ハ長調
フォーレ:子守歌 Op.16
イザイ:貧しい子供の子守歌 Op. 20
ヒューズ・ボルサレッロ(Vn)
トマ・デュトロン(G)
フランク・ブラレイ(P)
ゴーティエ・カピュソン(Vc)
ブルターニュ国立O
アドリアン・ペリュション(指)

録音:2021年 フランス
1979年フランス生まれ、ラムルーOのソリストと芸術監督を務めるヒューズ・ボルサレッロのヴァイオリンによる名曲集。リュリから印象 派、ジャンゴ・ラインハルトまで、フランスとベルギー周辺を中心とした様々な時代の作品を並べています。ピアノのフランク・ブラレイ、チェロの ゴーティエ・カピュソン、ジャズ・ギタリスト、ヴォーカリストのトマ・デュトロンなどゲストも豪華。いかにも耳馴染みの良い美しい名曲ばかりが並ぶ ものの、どの曲も特性をつかんで豊かに、かつ大仰にならずにセンスよく歌い上げられており、良い意味でBGMにはならない、最後までじっくり と楽しめる一枚となっています。

Da Vinci Classics
C-00752(1CD)
無伴奏チェロ作品集〜古代ギリシャから現代まで
ルカ・パニッチャーリ(1980ー):Aireo、Dal profondo、Improvvisazione
アイルランド民謡:She Moved Through the Fair
トルコ民謡:Makam
ミシシッピ・ジョン・ハート(1892-1966):コーヒー・ブルース
ダウランド:戦いのガリアルド、闇の中に住まわせて
ニール・ガウ(1727-1807):ニール・ガウのラメント
「セイキロスの墓碑銘」よりパンドゥーラ
アルメニア民謡:Ene Sarere
ヨアン・アンブロシオ・ダルツァ(fl.1508):Calata ala Spagnola
ルカ・パニッチャーリ(Vc)

録音:2022年6月、サヴィリアーノ(イタリア)
完全な形で残っている世界最古の楽曲とされる古代ギリシャの「セイキロスの墓碑銘」から、アイルランドやトルコの伝統音楽、ルネサンスのリュート音楽、20世紀アメリカのブルース、そして21世紀の作品まで、チェリストのルカ・パニッチャーリがオリジナル作品と編曲作品を織り交ぜつつ、無伴奏チェロの世界を案内します。チェロの美質を堪能しつつ、伝統的なレパートリーの枠にとらわれないチェロ曲を発見することのできる1枚です。
Da Vinci Classics
C-00759(1CD)
パリー:ピアノ作品集 Vol.1
チャールズ・ヒューバート・パリ
ー:ピアノ・ソナタ第1番ヘ長調(1877年出版)
無言歌第1巻(1868年作曲、1869年出版)(世界初録音)
シュールブリード・チューンズ(1911ー13年作曲、1914年出版)
クリストファー・ハウエル(P)

録音:2021年6月&7月、ミラノ(イタリア)
19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したイギリスを代表する作曲家、チャールズ・ヒューバート・H・パリーのピアノ作品全集プロジェクトの第1弾。パリーはイギリス音楽の復興における重要人物であり、作曲だけでなく、学術的・学問的な分野でも活躍しました。代表作「イェルサレム」など、よく知られているのは声楽曲の分野(特に宗教音楽)ですが、彼のピアノ作品は再発見する価値があります。今日の英国シーンにおける最も興味深いピアニストのひとりであり、学術的な執筆活動でも高く評価されているクリストファー・ハウエルが、パリーのピアノ音楽の魅力と可能性を追究します。

GENUIN
GEN-23807(1CD)
デゲンホーフ・セッションズ
バッハ(ケンプ編):カンタータ 第29番「神よ、われら汝に感謝す」前奏曲
バッハ(バウアー編)::魂はイエスの手にて憩う
ビゼー(ゴドフスキー編):「アルルの女 第1組曲」よりアダージェット
カール・ボーム(ゴドフスキー編):夜のように静かに Op.326-27
シューマン(ゴドフスキー編):君は花のように Op.24-25
シューベルト(ゴドフスキー編):「ロザムンデ」よりバレエ音楽 D.797
ショパン(ゴドフスキー編):ワルツ第13番 変ニ長調 Op.70-3
ショパン(リスト編):「6つのポーランドの歌」より乙女の願い S.480
スメタナ:3つのサロン用ポルカ第1番嬰ヘ長調 Op.7-1
アドルフ・フォン・ヘンゼルト:もしも私が鳥だったら Op.2-6
モンポウ:「歌と踊り」より第1曲、第4曲、第6曲
モシュコフスキ(アルバート・ウルリッヒ編):「5つのスペイン舞曲」Op.12より第1曲、第2曲、第3曲
ゴドフスキー:「トリアコンタメロン、三拍子による30の雰囲気と光景」より第11曲、第19曲、第18曲、第11曲
ヨハン・シュトラウス2世(ゴドフスキー編):喜歌劇「こうもり」の主題による交響的変容
イグナーツ・フリードマン:侯爵と侯爵夫人 Op.22-4
ディルク・シェーフェル:五月の夜 Op.3-7
ヤコブ・ロイシュナー(P)

録音:2022年7月1日-3日
ヴァイオリニストの漆原啓子とのデュオでも知られる名手ヤコブ・ロイシュナーによるピアノ作品集。1880年頃から第二次世界大戦頃までほとんどのピアニストは、作曲家でもあり編曲家でもありました。そのような編曲作品を中心に集めたこのアルバムではピアノの「黄金時代」に編曲された珠玉の名曲たちをお楽しみいただけます。
GENUIN
GEN-23845(1CD)
躍動するリズム
ヒナステラ:クリオージョ舞踏組曲 Op.15
ヴィラ=ロボス:ブラジル風連作 W374
ムラヴィン・サンディ:Ritmos panteisticos Op.1a
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6
ホセ・ナバロ=ジルバーシュタイン(P)

録音:2022年7月21日
アントン・ルビンシテイン・コンクール、クラウディオ・アラウ・ピアノコンクールなど数々の国際コンクールで優勝し、現在はロンドンを拠点に活動している若きボリビアのピアニスト、ホセ・ナバロ=ジルバーシュタインによる「リズム」をテーマにしたアルバム。シューマンの「ダヴィット同盟舞曲集」に南米の作曲家たちの作品を合わせて収録し、ナバロ=ジルバーシュタインは、その卓越した技術で芸術性の高い音楽に仕上げています。
GENUIN
GEN-18603(1CD)
初紹介旧譜
モーツァルト、シューベルト&ブラームス:後期作品集
モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
シューベルト:4つの即興曲 Op.90, D899
ブラームス:ピアノのための6つの小品 Op.118
エリック・ルー(P)

録音(ライヴ):2017年(ニュルンベルク)
2015年にわずか17歳で挑んだ第17回ショパン国際ピアノ・コンクールで第4位に入賞、さらに2018年には名門リーズ国際ピアノ・コンクールも制し、大きな注目を集めているアメリカ出身の若手ピアニスト、エリック・ルー。2023年6月には読売日本SOに客演し、アレクサンダー・ガジェヴの代役を見事に務めあげました。
このディスクは2017年にエリック・ルーがドイツ国際ピアノ・アワードを受賞したおよそ半年後、ニュルンベルクで行われたライヴ録音を収録。モーツァルト、シューベルト、ブラームスの後期作品を集めた独墺系プログラムを、当時19歳の若き実力者が堂々と味わい深い演奏で聴かせてくれます。

Etcetra
KTC-1795(1CD)
ラフマニノフ:音の絵&前奏曲集
ラフマニノフ
:練習曲集「音の絵」 Op.33、
 前奏曲集 Op.23
ポリーナ・ナザイキンスカヤ:対話(...自分自身と)
オルガ・キルピチェワ(P)
ロシアとフランスのレパートリーに情熱を注ぐピアニスト、オルガ・キルピチェワによるラフマニノフ作品集。11歳の時にフランスのコルマールで開催されたウラディーミル・スピヴァコフ国際音楽祭に招待されたことをきっかけに国際的なキャリアをスタートさせたキルピチェワは、2013年に渡仏し、パリ国立高等音楽院に入学。欧州各地の国際コンクールで入賞、いまでは同世代で最も有望な若手ピアニストのひとりと見なされています。2022年からはアラブ首長国連邦のアブダビを拠点に、ジルベール・アミ、フィリップ・エルサン、ブルーノ・マントヴァーニ、ティエリー・エスケシュ、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェなどの現代音楽を含む多彩なレパートリーを開拓しています。

Danacord
DACOC-D-969(1CD)
2022年フーズム城音楽祭 第2弾
(1)ベートーヴェン:ポロネーズ ハ長調 Op.89
(2)シューベルト:ピアノ・ソナタ第8番より アンダンテ・モルト
(3)ヴァレンティン・シルヴェストロフ(b.1937):バガテル より アレグレット Op.1-1
(4)スクリャービン:欲望 Op.57-1、前奏曲 Op.37-1
(5)メル・ボニ:無言歌 Op.56
(6)シャミナード:荒れ果てた祖国にて Op.155
(7)イグナス・ストラスフォーゲル(1909-1994):よく知られた旋律による変奏曲
(8)フィリップ・シャルヴェンカ:5つのピアノ小品集 より アレグロ・ノン・トロッポ
(9)フリードリヒ・グルダ:プレイ・ピアノ・プレイ より 第6番
(10)バックス:オリヴァー・ツイスト より オリヴァーの眠れない夜
(11)ビリー・メイヤール:ジル・オール・アローン ト長調
(12)エンリケ・ソロ(1884-1954):アンダンテ・アパッショナート Op.2
(13)リッカルド・ピック=マンジャガッリ:3つの演奏会用練習曲 より ヴィヴァチッシモ
(14)アントニオ・ポンパ=バルディ(b.1974):チャップリンの「スマイル」によるインプロヴィゼーション
(15)リムスキー=コルサコフ(ヴィクトル・バビン編):歌劇「サトコ」 より 子守歌
(16)アレクサンドル・ツファスマン(1906-1971)(イーゴリ・ツィガンコフ編):「ザ・マン・アイ・ラヴ」による幻想曲
(1)マティアス・キルシュネライト(P)
(2)(3)ヴァディム・ホロデンコ(P)
(4)ジャン=ポール・ガスパリアン(P)
(5)ニコラ・スタヴィ(P)
(6)(7)コーリャ・レッシング(P)
(8)(9)ナデジダ・ブラエワ(P)
(10)(11)ポール・ギネリー(P)
(12)(13)(14)アントニオ・ポンパ=バルディ(P)
(15)(16)ベルリンスカヤ&アンセル・ピアノ・デュオ(P)

録音(ライヴ):2022年、フーズム城(ドイツ)
ドイツ北部のかつてのデンマーク領、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン(スレースヴィ=ホルステン)の港町フーズムで1987年に創設され、毎年開催されている「フーズム城音楽祭」(稀少ピアノ音楽祭。2020年はCOVID-19の影響により中止)。昨年11月にリリースされ、マルク=アンドレ・アムランや福間洸太朗の演奏の収録が話題となったアルバム(DACOC-D-949)に続いて、2022年のライヴ録音第2弾が登場!
35年を超える歴史を誇り、これまでもスティーヴン・ハフ、シプリアン・カツァリス、スティーヴン・オズボーン、アレクセイ・リュビモフなどといった錚々たる顔ぶれが知られざるレア・レパートリーを繰り広げ、ピアノ・マニアから熱狂的な支持を得ているフーズム城音楽祭。イグナス・ストラスフォーゲルやフィリップ・シャルヴェンカらの作品やフリードリヒ・グルダの傑作「プレイ・ピアノ・プレイ」など今回もなかなか耳にできない貴重なレパートリーの充実ぶりは健在な上、マティアス・キルシュネライトやヴァディム・ホロデンコ、ナデジダ・ブラエワなど注目ピアニストが目白押し。さらにはエンリケ・ソロやリッカルド・ピック=マンジャガッリの作品と共にチャップリンの有名な「スマイル」をオリジナルのインプロヴィゼーションで披露したアントニオ・ポンパ=バルディほか、アルバム全体にピアノの魅力が凝縮された大注目の内容です。

Chopin University Press
UMFCCD-135(2CD)
トマシュ・シコルスキ:ピアノ作品集
トマシュ・シコルスキ
(1939-1988):2つの前奏曲/ピアノ・ソナタ/ぼんやり眺めた窓からの眺め/Hymnos/Autograf/Eufonia/ロンド/Diafonia(2台ピアノのための)/Muzyka nas?ychiwana(2台ピアノのための)
カミル・ボルコフスキ(P)、
アレクサンデル・クシジャノフスキ(P)
理論家で作曲家のカジミエシュ・シコルスキ(1895-1986)の息子であり、パリでナディア・ブーランジェに師事したポーランドの作曲家&ピアニスト、トマシュ・シコルスキ(1939-1988)のピアノ作品全曲の初のスタジオ録音。
Chopin University Press
UMFCCD-122(1CD)
4手のためのモニューシュコ
モニューシュコ:「ヘトマンの恋人」より序曲
「寓話」より幻想的序曲/ポロネーズ ニ長調
紡ぎ手/歌劇「ハルカ」よりハイランダーの踊り
放浪者の歌/市民のポロネーズ
ウェディング・マズール ハ長調
ワルツ 変イ長調/4手のためのコントルダンス演奏会用ポロネーズ イ長調
ガブリシュ&クィン・ピアノ・デュオ
スタニスワフ・モニューシュコの4手のための作品を全作品録音したアルバム。4手のためのオリジナル作品に加え、歌劇などからのトランスクリプションも網羅しています。モニューシュコの4手のための作品はそれほど多くはないもののヴィルトゥオーゾ的な要素と室内楽的な要素をバランスよく携えており、ポーランドのピアノ作品の中でも注目に値する作品が含まれています。

Onyx
ONYX-4241(1CD)
ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲 Op.120 シャイ・ウォスナー(P)
1976年イスラエル出身のエリート・ピアニスト、シャイ・ウォスナー(シャイ・ウォスネル)によるベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」が登場!
シューベルト作品の演奏(ONYX-4073、ONYX-4217など)で極めて高い評価をうけ、偉大なシューベルト弾きの一人としての評価を確立したウォスナーが、いまだに聴く者を当惑させるベートーヴェンのピアノ独奏曲の最高峰のひとつに挑戦します。
1999年のエリザベート王妃国際コンクールで第4位入賞を果たし、2005年に権威あるエイヴリー・フィッシャー・キャリアー・グラントを受賞したウォスナーは、2008年にNHK-BSで放映されたバレンボイムのマスタークラス参加で一気に注目を集めました。英グラモフォン誌や英BBCミュージック・マガジンからは素晴らしい「シューベルティアン」として評価されています。何度か行われている来日公演でも人気を博しており、2023年にもピアノ・リサイタルやピンカス・ズーカーマンとのデュオで来日公演を成功させています。

RUBICON
RCD-1118(1CD)
ムソルグスキー:ピアノ作品集
禿山の一夜/クリミアの絵/夢
瞑想曲/展覧会の絵
ソニア・バッハ(P)
オイゲン・ダルベール国際音楽コンクール第1位!20世紀を代表する2人の偉大なピアニスト、アリシア・デ・ラローチャとラザール・ベルマンに師事しスタインウェイ・アーティストとして活躍するソニア・バッハの4thアルバムは、ムソルグスキーのピアノ作品集!
オイゲン・ダルベール国際音楽コンクールでの第1位&大賞受賞や第12回ヴィオッティ=ヴァルセージア国際音楽コンクールでの特別賞受賞など、順調にキャリアを重ねている彼女の演奏は、「表情豊かな正確性と完璧なテクニック...クリーンで宝石のようなトーン」(英BBCミュージック・マガジン)と高く評価されています。有名な「展覧会の絵」と「禿山の一夜」だけでなく、「クリミアの絵」や「瞑想曲」といった珍しい作品にも注目です。
RUBICON
RCD-1113(1CD)
遥かなる現前〜セヴラック、ビニェス、ラヴェル、フォーレ、サティ、モンポウ
セヴラック:ラングドックにて
リカルド・ビニェス:ピアノのための4つのオマージュ
ラヴェル:悲しい鳥たち(鏡 M.43より 第2曲)
フォーレ
:夜想曲第3番変イ長調 Op.33-3
サティ:自動記述法/モンポウ:子供の情景
ソフィア・メリキヤン(P)
スペイン、リナレスのマリサ・モンティエル国際ピアノ・コンクールやイビサ国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したアルメニアのピアニスト、ソフィア・メリキヤンのソロ・アルバム第3弾。
これまでも、グバイドゥーリナやサーリアホなどの女性作曲家の作品を集めたアルバム(IBS72018)や、ゴヤの絵画に多くのインスピレーションを受けたメリキヤンが、同じくゴヤの絵画に影響を受けたグラナドスの「ゴイェスカス」とモンポウの作品を組み合わせたスパニッシュ・アルバム(KTC-1607)など、含蓄のあるプログラムの録音で実績を積んできたメリキヤン。ニュー・アルバム『遥かなる現前(Presence lointaine)』も、ドビュッシーやラヴェルのピアノ作品の初演者として知られるフランスで活躍したスペインのピアニスト、リカルド・ビニェスを中心テーマに、ビニェスをとりまくスペインとフランスの作品(ビニェスに献呈された作品やビニェスが初演した作品等)を散りばめた意欲的なプログラムです。
1875年カタルーニャ生まれのリカルド・ビニェスは、パリ音楽院でピアノと作曲を学び、1895年にサル・プレイエルで初リサイタルを開いたのを皮きりに、40年以上にわたってスリリングで熱狂的なキャリアを築きました。当時の現代音楽、そして若い進歩的な作曲家たちの擁護者であり、ラヴェルの「鏡」、「古風なメヌエット」、「水の戯れ」、「逝ける王女のためのパヴァーヌ」、「夜のガスパール」、ドビュッシーの「ピアノのために」、「版画」、「仮面」、「喜びの島」、「映像第1集&第2集」、その他サティやファリャ、アルベニス、セヴラックなど作品の初演者として知られています。ムソルグスキーやバラキレフ、プロコフィエフ等のロシア音楽をフランスに紹介し、ピアノ教師としてはプーランクの師として知られ、またピカソやジッド、コレット、コクトーらの芸術家、詩人、小説家とも親交がありました。

FONE
SACD-003(1SACD)
クレモナのヴァイオリン〜クライスラーへのオマージュ 第1集
クライスラー:前奏曲とアレグロ(プニャーニの様式による)、
 メヌエット(ポルポラの様式による)、
 タンブーラン(ルクレールの様式による)
使用楽器:A.Amati作 “Carlo IX”(1566)
クライスラー:ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
グルック(クライスラー編):メロディ
クライスラー:アレグレット(ボッケリーニの様式による)
使用楽器:N.Amati作 “Hammerle”(1658)
リムスキー=コルサコフ(クライスラー編):歌劇「サトコ」より「インドの歌」
ショパン(クライスラー編):マズルカ イ短調 Op.67-4
使用楽器:G.Guarneri作 “Quarestani”(1689)
クライスラー:ジプシーの女
シューベルト(クライスラー編):即興曲 Op.90-3
クライスラー:愛の喜び
使用楽器:“Guarneri del Gesu” (1734)
クライスラー:中国の太鼓、カヴァティーナ、美しきロスマリン
ドヴォルザーク(クライスラー編):わが母の教え給いし歌 Op.55-4
ブラームス(クライスラー編):ハンガリー舞曲
リムスキー=コルサコフ(クライスラー編):歌劇「金鶏」より「太陽への賛歌」
アルベニス(クライスラー編):マラゲーニャ Op.165-3
クライスラー:愛の悲しみ
使用楽器:A.Stradivari作 “Cremonese”(1715)
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、
ラウラ・マンツィーニ(P)

録音:1993年11月6日-8日、カヴァルカボ宮殿(クレモナ、イタリア)
2021年に80歳を迎えたイタリアの偉大なるヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドが、16世紀のアンドレア・アマティから18世紀の“グァルネリ・デル・ジェス”まで、クレモナ派の幅広い年代のヴァイオリンを弾き分けた、クライスラーによる作編曲作品のコンピレーション・アルバム第1集。1993年にクレモナのカヴァルカボ宮殿で行われた録音で、有名な「愛の喜び」や「愛の悲しみ」をはじめ、ドヴォルザークやブラームスなどの作品の秀逸な編曲、さらにはショパンのマズルカの編曲版に至るまでクライスラーの魅力をたっぷり味わえる収録内容になっています。アッカルドが聴かせる5つの銘器の極上の音色を、Foneレーベルが誇る超高音質でお楽しみください。
FONE
SACD-030(1SACD)
クレモナのヴァイオリン〜クライスラーへのオマージュ 第2集
クライスラー:テンポ・ディ・メヌエット(プニャーニの様式による)、ルイ13世の歌とパヴァーヌ(ルイ・クープランの様式による)、コレッリの主題による変奏曲(タルティーニの様式による)
使用楽器:A.Amati作 “Carlo IX”(1566)
クライスラー:シチリアーノとリゴードン(フランクールの様式による)、アンダンティーノ(マルティーニの様式による)
使用楽器:N.Amati作 “Hammerle”(1658)
シューマン(クライスラー編):ロマンス イ長調
フォスター(クライスラー編):故郷の人々
使用楽器:G.Guarneri作 “Quarestani”(1689)
グラナドス(クライスラー編):スペイン舞曲
クライスラー:古いリフレイン
ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ舞曲第1番 ト短調 Op.46-1
使用楽器:“Guarneri del Gesu” (1734)
アルベニス(クライスラー編):タンゴ Op.165-2
シャミナード(クライスラー編):スペイン風セレナーデ
チャイコフスキー(クライスラー編):アンダンテ・カンタービレ
クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2
ドヴォルザーク(クライスラー編):インディアンの嘆歌 ト短調
ポルディーニ(クライスラー編):踊る人形
メンデルスゾーン(クライスラー編):「無言歌第5巻」より「5月のそよ風」 Op.62-1
アイルランド民謡(クライスラー編):ロンドンデリーの歌
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、
ラウラ・マンツィーニ(P)
使用楽器:A.Stradivari作 “Cremonese”(1715)


録音:1993年11月6日-8日、カヴァルカボ宮殿(クレモナ、イタリア)
2021年に80歳を迎えたイタリアの偉大なるヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルドが、16世紀のアンドレア・アマティから18世紀の“グァルネリ・デル・ジェス”まで、クレモナ派の幅広い年代のヴァイオリンを弾き分けた、クライスラーによる作編曲作品のコンピレーション・アルバム第2集。1993年にクレモナのカヴァルカボ宮殿で行われた録音で、クライスラーがいろいろな作曲家の様式に則って作曲した小品や、はじめからヴァイオリンのために書かれたかのような秀逸な編曲技法を味わえます。アッカルドが聴かせる5つの銘器の極上の音色を、Foneレーベルが誇る超高音質でお楽しみください。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0038(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 オリヴァー・シュニーダー(P;ベーゼンドルファー 280VC)

録音:2022年5月2-3日/スイス、チューリッヒ放送スタジオ
各声部を歌うのに最適な楽器としてベーゼンドルファーの280VCを使用。落ち着いたテンポとはっきりした発音からは楽曲をじっくり掘り下げ創りあげた深い 解釈が感じられ、アクセントやリピートでの独自の装飾からはさらなる即興性への挑戦がみられます。幼いころからバッハの音楽に魅了され続け、グールドのゴルト ベルク録音にもやはり衝撃を受けたというシュニーダーが、「今できる自分のバッハ演奏」を刻み込むべく丹精込めて録音した力強いゴルトベルクです。
オリヴァー・シュニーダーは1973年スイス生まれのピアニスト。これまでもSONY等からCDをリリースしています。 (Ki)
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0040(1CD)
ラヴェル:鏡
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番『月光』
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35
ジョルジアナ・プレテア(P;ベーゼンドルファー 280VC)
録音:2021年7月12-14日/チューリッヒ、ZKOハウス
数多くのコンクールで優勝しているバーゼル在住のルーマニア人ピアニスト、ジョルジアナ・プレテア(1993-)のデビュー盤。

Aulicus Classics
ALC-0092(1CD)
レスピーギ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ ヘ短調 P.16
6つの小品 P.044
リュートのための古風な舞曲とアリア (小舞踏曲“オルランド伯爵”/ヴィラネッラ/ガルアルダ/イタリアーナ/シチリアーナ/パッサカリア)
ヴィタントニオ・カローリ(P)

録音:2022年9月 イタリア プ―リア州 バーリ
レスピーギはローマ三部作があまりに強烈でそのイメージが強いが、彼は生涯の間 にかなり作風を変化させた作曲家です。1897 年、まだ10代だった頃のピアノ・ソナタ ヘ短調にはロマン主義が色濃く残っています。1901 年の6つの小品はサロン風の小品 集。一方有名な「リュートのための古風な舞曲とアリア」は、彼の古いイタリア音楽への 憧れが生み出した傑作。管弦楽曲をレスピーギ自分が4 手ピアノ用と独奏ピアノ用の編曲を作っており、これは独奏ピアノ版の演奏。 ヴィタントニオ・カローリはイタリアの中堅のピアニスト。かのアルド・チッコリーニの高弟 で、チッコリーニはカローリのピアノを絶賛していた。

BRINRINRI
KYBR-2301(1CD)
税込定価
原石〜伝説の誕生前夜、11歳から16歳までの秘蔵音源集
【山下和仁アーカイブ】
1. プレリュードホ長調(ヴァイス = ポンセ) Prelude (Weiss = Ponce)
2.2つのサラバンド(ラモー) Deux Sarabandes (Rameau)
3. エチュード第63番(プジョール) Etude No.63 (Pujol)
4. 前奏曲(早川正昭) Prelude (Masaaki Hayakawa)
5. セビリア(アルベニス) Sevilla (Albeniz)
6. スケルツィーノ・メヒカーノ(ポンセ) Scherzino Mexicano (Ponce)
7-10. ソナタ “ボッケリーニ讃” (カステルヌオーヴォ=テデスコ)
Sonata "Omaggio a Boccherini" Op.77 (C-Tedesco)
第1楽章/第2楽章/第3楽章/第4楽章
11. プレリュード、フーガ、アレグロ (バッハ)
Prelude, Fugue and Allegro, BWV998(Bach)
12-14. ギター協奏曲ニ長調(カステルヌオーヴォ=テデスコ)
Concerto No.1in D, Op.99(C-Tedesco)
第1楽章/第2楽章/第3楽章
15. グランソロ(ソル)Grand Solo Op.14(Sor)
山下和仁(G)

録音:1972年〜1977年
還暦を迎えた山下和仁のアーカイブシリーズがスタート。1977年、16歳で3つ の国際ギターコンクール全てで史上最年少優勝し衝撃のデビューをした生きる 伝説、山下和仁。それ以前、小学生の時に始まった師匠であり父親による秘蔵録 音は、デビューと共にメジャーレーベルでのレコーディングが始まる1978年まで 折に触れて行われていた。アルベニスのセビリアといったギター定番曲を学生時 代には弾いていたことがわかる貴重な録音資料。同曲を含め本CDの最初の5曲 は今まで録音物としては公表されていなかったもので、デビュー以来の山下和仁 のLPおよびCD全90タイトル未収録曲です。また、本CDの最後には、14歳での オーケストラとの初共演も収録。共演は、もう一人の師匠である小船幸次郎指揮 横浜SO。アンコールで演奏されたギターソロのためのグランソロも収録。16 ページからなるブックレットには当時のレパートリーや経歴なども掲載。 ※本CD には古いアナログテープの劣化に起因するノイズやライヴ演奏に伴う会 場ノイズ等がありますが御了承ください。
BRINRINRI
KYBR-2302(1CD)
税込定価
「新世界より」全楽章-ギター1本によるシンフォニー
【山下和仁アーカイブ】
ドヴォルザーク(山下和仁編):交響曲第9番『新世界より』
山下和仁(G)

録音:1989年1月14日カザルスホール(ライヴ)
還暦を迎えた山下和仁のアーカイブシリーズの第2弾。全世界で熱狂的に迎 えられた山下和仁自編ギターソロによるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界よ り」全楽章。80年代の山下和仁コンサートツアーは、Aプロ「展覧会の絵」、Bプロ 「新世界より」とほぼ日替わりで全国各地および全米各地、さらには欧州やアジア でも「新世界より」全楽章の公演が行われていた。87年録音発売のアルバムは超 ヒット作となり、全世界で発売され、現在でもリマスター盤CD (brinrinri:KYBR-1801)が発売中です。本CDはそれとは異なり、89年のカザルスホール特別企画 「山下和仁の世界」(全7公演)の第1回公演第2部を収録した、会場の熱気をも感 じられる貴重なライブ盤です。6本の弦で奏でられる山下和仁の真骨頂の交響 曲を肌で感じる奇跡の名盤。 ※本CDには古いアナログテープの劣化に起因するノイズやライヴ演奏に伴う会 場ノイズ等がありますが御了承ください。

ヴァデメクム
VMMM-1605(1CD)
税込定価
ヘンデル:組曲第2巻第1番変ロ長調 HWV434
組曲第1巻第7番ト短調 HWV432
組曲第1巻第3番ニ短調 HWV428
組曲第1巻第5番ホ長調 HWV430
シャコンヌ ト長調 HWV435
ヴァハン・マルディロシアン(P)

録音:2004年3月12日、14日 フランス国立音響音楽研究所ホール
今回で5枚目となるヴァハン・マルディロシアンのCD は、ヘンデルの鍵盤楽器 のための組曲集から主要な作品をまとめたもの。今からおよそ 300年前に、鍵盤 楽器のヴィルトゥオーゾとしてヨーロッパで名声を得ていたヘンデルが、当時として は斬新な方法で作曲した組曲集。ここにはヘンデルの魅力の一つである躍動感 溢れる音楽の喜びや劇的な音楽の作り、同時に聴く者の心に訴えかける親密で 悲哀に満ちたメロディーが盛り込まれています。そのような作品を現代のピアノで 甦らせたのが、ヴァイオリンの巨匠、故イヴリー・ギトリスがデュオのパートナーとし て全幅の信頼を寄せていたヴァハン・マルディロシアン。彼の素晴らしいテクニー クと多彩な表現力によってヘンデルの音楽が生き生きと表現されています。更に 『シャコンヌ』、『調子の良い鍛冶屋』やブラームスの有名な『ヘンデルの主題に基 づく変奏曲』の原曲が聴けるのもこのCD の魅力です。

OUR recordings
MAR-6.220681(1SACD)
NX-B06
無伴奏クラリネットの為の作品集
ニールセン:カデンツァ - クラリネット協奏曲より(1928
ストラヴィンスキー:無伴奏クラリネットの為の3つの小品(1919)
ベント・セアンセン(1958-):ワルツの断片(2012)*
メテ・ニルスン(1985-):アローン- バセット・クラリネットのために(2021:ヨナス・フローントのために)*
メシアン:鳥たちの深淵
〜世の終わりの為の四重奏曲より(1940-41)
グンナー・ベルグ(1909-1989):無伴奏クラリネットのために I(1957)*
ポウル・ルーザス(1949-):1人の奏者の為のタトゥー(1984)
ワーグナー:ソロ- 楽劇「トリスタンとイゾルデ」第3幕より(1859)**
シモン・ステーン=アナセン(1976-):深き淵より(2000/19)***
ヨナス・フローント(B♭管、A管クラリネット/A管バセット・クラリネット
/B♭管バス・クラリネット)

録音:2021年6月7-11日
*…世界初録音
**…原曲:コール・アングレのために/バス・クラリネットでの世界初録音
***…原曲:ソプラノ・サクソフォンのために/バス・クラリネットでの世界初録音
『SOLO ALONE AND MORE』は、コペンハーゲンのデンマーク王立音楽アカデミーで学び、パリ音楽院を卒業した若きクラリネット奏者ヨナス・フローントを 紹介する初のアルバムです。 アルバムを作成するにあたり、彼は様々なクラリネット…一般的なB♭管、A管だけでなく、A管バセット・クラリネット、B♭管バス・クラリネットを用いることで、 聴き手が多彩な音色を楽しめるように工夫を凝らしています。 プログラムには、彼が「あらゆる現代音楽の起源」と考えるワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」からの旋律や、ストラヴィンスキーの「3つの小品」、ソリストに打 楽器の演奏までを要求するステーン=アナセンの「深き淵より」の他、フローントのために書かれたメテ・ニルスンの「アローン」も含まれています。

Sono Luminus
DSL-92263(2CD)
NX-C03
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) サユウン・ソルステインスドッティル(Vc)

録音:2021年3月1-5日
バッハの無伴奏チェロ組曲全曲を「人間らしく生きる上でのエッセンス」と語るサユウン・ソルステインスドッティ ル。1番から6番への調の推移に必然性を感じる彼女は、その「流れ」をより強く感じるためにリピートを省いて 演奏しています。

JVCとキングインターナショナルのコラボ企画が始動!
JVCケンウッド・ビクターエンタテイメントとキングインターナショナルがレコード会社間の垣根を越えてコラボを開始。JVCが貴重な音源を製盤、キングインターナショナルが付属品(できる限りオリジナルを生かしたもの)と販売を担うもので、数年にわたり魅力的なシリーズをお届けする予定です。いずれも入手困難なものばかりですが、今回の発売にあたり、SACDハイブリッド化しているのも注目。旧ソ連の巨匠から人気邦人演奏家まで驚きのラインナップにご期待ください。

King International
KKC-101(1SACD)
リヒテル1979年日本ライヴT
シューマン:「ノヴェレッテ集」Op.21
ショパン:「24の前奏曲」Op.28
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1979年3月9日東京厚生年金会館(1)-(3)、
3月20日神奈川県民ホール(4)(ライヴ)
プロデューサー:野島友雄
エンジニア:服部文雄
1979年、リヒテル3度目の来日公演は64歳直前の円熟期で、神業のような演奏が語り草となりました。それをビクター音楽産業株式会社(現・株式会社 JVCケンウッド・ビクターエンタテイメント)が当時最新の技術でライヴ収録。
ショパンの前奏曲から13曲を抜粋。全曲を弾かないリヒテルならではのこだわりの選曲ですが、いずれも深い詩情にあふれながらも甘くなく、小品とは思えぬ 巨大な宇宙を形成。音色の微妙な変化も絶妙で、ショパンの作品を純音楽的に味わえます。 (Ki)
King International
KKC-102(1SACD)
リヒテル1979年日本ライヴU
シューベルト:楽興の時第1番ハ長調Op.94D.780の1
 楽興の時第3番ヘ短調Op.94D.780の3
 楽興の時第6番変イ長調Op.94D.780の6
 即興曲第2番変ホ長調Op.90の2
 即興曲第4番変イ長調Op.90の4
シューマン:幻想小曲集Op.12より
 第5曲 夜に/第7曲 夢のもつれ
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1979年2月1日東京厚生年金会館、2月13日東京文化会館(4)(5)、2月24日NHKホール(ライヴ)
プロデューサー:野島友雄
エンジニア:服部文雄
1979年、リヒテル3度目の来日公演は64歳直前の円熟期で、神業のような演奏が語り草となりました。それをビクター音楽産業株式会社(現・株式会社 JVCケンウッド・ビクターエンタテイメント)が当時最新の技術でライヴ収録。
録音嫌いとして知られるリヒテルは大半が古いメロディア盤か実況録音で、演奏の素晴らしさはわかるものの微妙なニュアンスは実演でなければ味わえませんで した。しかしビクターが時代を先んじてデジタル録音を採用、その結果最盛期リヒテルの柔らかくたっぷりした美音、ペダルの効果まで眼前に広がるかのように再 現できました。
リヒテルのシューベルトはまさに十八番ですが、人気の即興曲第2番と4番、楽興の時第3番をこの音質で堪能できるのは破格の贅沢。リヒテル・ワールドに引 き込まれます。 (Ki)

BIS
BISSA-2587(1SACD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ第2集
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調 BWV1001
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調 BWV1005
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn/1711年製ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」)

録音:2021年8月17-19日ドイチュラントフンク内室内楽ホール(ケルン)、2022年3月17、18日&2022年11月14、15日インマヌエル教会(ヴッパータール)
フランク・ペーター・ツィンマーマンが遂にバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータの録音を完成させました!第2集の当 アルバムにはソナタ第1番、パルティータ第1番、ソナタ第3番が収録されております。
1980年代半ばから世界の第一線で活躍してきたツィンマーマン。バロックから現代まで幅広いレパートリーを誇り、演奏・録音の両面で非常に高い評価を 得てきました。
バッハの録音といえば、ヴァイオリン・ソナタ全集をエンリコ・パーチェと録音。2006年のセッション録音【Sony Classical】と、2008年にライ ヴ収録したDVD【EUROARTS】20-64068)をリリースしています。ヴァイオリン協奏曲は1988年録音のジェフリー・テイト(指)イギリス室内O【旧 EMI、現Warner Classics】と、2017年録音のベルリン・バロック・ゾリステンと共演したアルバム【hanssler Classic】(CD:KKC-5922/ HC-17046、LP:KKC-1211)をリリース。この他、トリオ・ツィンマーマン編曲による弦楽トリオ版のゴルトベルク変奏曲【BIS】(KKC-6044 / BIS SA-2347)、『フーガの技法』から「12度のカノン」【ECM】を録音しております。しかし、無伴奏ヴァイオリン作品は演奏会では披露するものの、録音に関し ては慎重な姿勢をとってきました。そのツィンマーマンがコロナ禍に録音を決意。この度全曲録音が完成しました。
圧倒的なテクニックと優美で香り高い音色を奏でますが、このバッハでもその魅力が最大限現れており、完璧なアーティキュレーションと歌心に溢れる演奏は当 代最高の名演奏と申せましょう。
使用楽器はツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」です。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でその 音色はうっとりするほど美しく、ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でるバッハは格別の一言に尽きます。ソナタ第2番、パルティータ第2番、パルティー タ第3番を収めた第1集(KKC-6450/ BIS SA-2577)とあわせてお楽しみください! (Ki)

Pentatone
PTC-5187052(2CD)
リスト:超絶技巧練習曲集 S.139
ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
フランチェスコ・ピエモンテージ(P)

録音:2021年4月〜5月/オーディトリウム・ステリオ・モーロ、ルガーノ(スイス)
現在ヨーロッパを中心に大活躍の名手フランチェスコ・ピエモンテージ。近年はPENTATONEレーベルから積極的なリリースが続いております。当アルバムでは リストに挑み、「超絶技巧練習曲集」と「ピアノ・ソナタ」を演奏しました!
『すべての長・短調の練習のための48の練習曲』(1826)から『24の大練習曲』(1837)に改作され、1851年に第3稿として改編し翌1852年に出版 されたのが『超絶技巧練習曲集』で、チェルニーに献呈されています。リストの独創的なピアノの技巧が散りばめられ、リスト以前が作曲した練習曲とはまったく新し いスタイルをとっており、ドビュッシー、ラフマニノフ、バルトーク、リゲティなど、のちの作曲家のピアノ作品に多大な影響を与えています。全12曲の大半に副題 がついており、「マゼッパ」「鬼火」など有名な作品も含まれております。ピエモンテージは曲ごとのキャラクターを見事にあらわし、表現力豊かに演奏しております。
単一楽章で書かれたピアノ・ソナタではテクニックだけではなく音楽の構築力が求められますが、ピエモンテージは圧巻の出来栄えでこの大作を演奏しておりま す。今後の演奏活動にも一層期待が高まります!
■フランチェスコ・ピエモンテージ(P)
1983年スイス生まれ。アルフレート・ブレンデル、セシル・ウーセ、アレクシス・ワイセンベルク等、偉大なピアニストからも薫陶を受け、2007年エリザベート王 妃国際音楽コンクールで第3位受賞し注目されます。これまでに、バイエルンRSO、BBC響など、指揮者では、サカリ・オラモ、ミハイル・プレトニョ フ等と共演。特にマルタ・アルゲリッチからは絶賛され、ルガーノ音楽祭に度々出演しています。PENTATONEレーベルから『シューベルト:ピアノ・ソナタ第19〜 21番』(KKC-6272/3/ PTC-5186742)、『バッハ・ノスタルジア』(KKC-6354 / PTC-5186846)、『ラヴェル:ピアノ協奏曲、メシアン:「異国の 鳥たち」、シェーンベルク:ピアノ協奏曲』(KKC-6550 /PTC-5186949)をリリース。いずれもレコード芸術誌「特選盤」等、高く評価されています。 (Ki)

King International
KKC-100(1CD)
税込定価
子守歌ファンタジー
モーツァルト(ジェラルド・ムーア編):子守歌*
ブラームス(コルトー編):子守歌
シューベルト(フランシス・トーメ編):子守歌*
草川信(斎藤高順編):ゆりかごの歌*
ヴィノグラドフ編)):中国地方の子守歌
奥村一編:江戸子守歌
クープラン(ディエメ校訂):子守歌、揺籠の中のいとし子
シューマン:子守歌Op.124の16
サン=サーンス:子守歌*
ショパン:子守歌Op.57
ルフェビュール=ヴェリ:子守歌「ボンソワール」Op.110*
フーゴー・ヴォルフ:子守歌
リスト:子守歌
グリーグ:子守歌Op.38の1
チニャコーフ:子守歌Op.1の2*
サティ:子守歌
レーガー(作曲者編):マリアの子守歌
ドヴォルザーク(シュット編):わが母の教えたまいし歌*
ヴァイノ・ライティオ:猫の子守歌*
バーバー:小さな子守歌
ヴァインベルク:子守歌Op.1
ヴァーノン・デューク:真夜中の子守歌
チャイコフスキー(ラフマニノフ編):子守歌
ファリャ(E.アルフテル編):子守歌(7つのスペイン民謡より)*
ショスタコーヴィチ:子守歌
ラザール・レヴィ:子守歌
ニーノ・ロータ:子守歌
小平時之助:イフムケ(アイヌの子守歌)*
美智子上皇后:おもひ子
菊池洋子(P)

録音:2023年4月5日、12日 キング関口台第1スタジオ
*世界初録音
菊池洋子がキングインターナショナル登場。疫病や戦争で疲弊した現代、子守歌をテーマに歌ではなく彼女の楽器ピアノで古今東西29作品を奏で人々の心を 慰め元気づけてくれる、これまでありそうでなかったコンセプト・アルバムです。
「子守歌」と題された最初期の器楽曲クープランの300年前の作から現代まで多種多様な子守歌が描かれます。もちろんモーツァルト(フリース)、シュー ベルト、ブラームスの三大子守歌も収録。ジェラルド・ムーア、トーメ、コルトーの編曲というのも豪華。また日本を代表する子守歌3篇は奥村一、小津安二郎 の映画で知られる斎藤高順、日本にロシアピアニスムを伝えたヴィノグラドフの編曲によるのも興味津々。いずれも極上のピアノ曲に仕上がっています。
さらにサン=サーンス、バーバー、ヴァインベルク最初の作や、ラフマニノフ最後の仕事も意味深長。またロシアの詩人チニャコーフやジャズの大物ヴァーノン・ デューク、フィンランド・アヴァンギャルドのライティオの個性的作品、サティやニーノ・ロータの透明な詩情、ファリャやアイヌの子守歌のエキゾティシズムなど 変化に満ちています。世界初録音を多数含みますが、ショパン、シューマン、グリーグの名作ももれなく収録。
最後は美智子上皇后の御作「おもひ子」。上皇后は菊池洋子の恩師・田中希代子の熱烈なファンだったとされますが、疲弊した人々の心への国母の癒しのメッ セージを静かに代弁しました。子守歌が単に赤子を眠らせるものではなく、邪悪なものから守る母の思いでもあることを実感させてくれます。 (Ki)


BIS
BISSA-2614(1SACD)
シューベルト:4つの即興曲 Op.90D.899
4つの即興曲 Op.142D.935
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ/コンラート・グラーフ(1819年製作)のレプリカ、ポール・マクナルティ(2007年製作))

録音:2022年7月11-16日/インマヌエル教会(ヴッパータール)
鬼才フォルテピアノ奏者ブラウティハムがシューベルトの録音を開始。当アルバムは即興曲を収録しております。
作品90、作品142それぞれ4曲からなる即興曲。抒情的な美しさに満ち、それぞれの作品が個性あふれるシューベルトの代表作です。
ルドルフ・ゼルキンに師事したブラウティハムは古典派から初期ロマン派の作品を得意としているだけに、ロマン派の先駆者シューベルトの演奏は非常に期待が 高まります。
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの鍵盤作品を演奏・録音してきたブラウティハム。満を持してのシューベルトは絶品のひとこと。自然なアプローチは当演 奏でも光り、ブラウティハムが奏でるフォルテピアノの温もりのある音色が聴き手の心に届きます。
当演奏には現代の名工ポール・マクナルティが製作したコンラート・グラーフ(1819年製作)のレプリカを使用しております。マクナルティ製作の楽器を使用し て演奏・録音していることについて「マクナルティはピリオド楽器を研究して、それを新しく作り出してくれるという点だけでなく、彼の製作したレプリカを演奏し ていると、演奏解釈の面でも新しいインスピレーションを得ることができる」とブラウティハムは語っており、作品のイメージに合った楽器を使用することで、ブラ ウティハムはごく自然な雰囲気を作り出していることがわかります。

C Major
80-9308(DVD)

80-9404(Bluray)
エフゲニー・キーシン/ザルツブルク・リサイタル
ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1
フレンニコフ:ピアノのための3つの小品 Op.5-3「舞曲」
 ピアノのための5つの小品 Op.2
ガーシュウィン:3つの前奏曲
ショパン:夜想曲 第17番ロ長調Op.62-1
 即興曲 第1番変イ長調 Op.29
 即興曲 第2番嬰ヘ長調 Op.36
 即興曲 第3番変ト長調 Op.51
 スケルツォ 第1番ロ短調 Op.20
 英雄ポロネーズOp.53
[アンコール]
メンデルスゾーン:無言歌集 Op.38-6変イ長調「デュエット」
キーシン:4つのピアノ小品 Op.1-2「ドデカフォニック・タンゴ」
ショパン:スケルツォ 第2番変ロ短調 Op.31
ドビュッシー:月の光
エフゲニー・キーシン(P)

収録:2021年8月14日、ザルツブルク祝祭大劇場(ザルツブルク音楽祭ライヴ)
◆DVD
画面:NTSC,16:9
音声:PCMステレオ、DTS5.1
リージョン:All
DVD9、106分
◆Bluray
画面:1080i16:9FullHD
音声:PCMステレオ、DTS-HD
MA5.0
リージョン:All
BD50、106分
世界的な人気を誇るピアニスト、エフゲニー・キーシン。1971年モスクワ生まれ。2歳でピアノを弾き始め、6歳のときにグネーシン音楽学校に入学、10歳でデ ビューを果たし神童として注目を集めました。1986年には初の日本ツアーも開催し、以来日本でも高い人気を誇っています。 この映像は、50歳を迎える節目の年に登場したザルツブルク音楽祭の模様。キーシンは1987年の同音楽祭デビューから、その輝きに満ちた演奏で人々を魅了し 続けてきました。また、この演奏は自身の節目であると同時に、2021年7月27日98歳で亡くなったキーシンの恩師アンナ・パヴロヴナ・カントールに捧げるリサ イタルでもありました。カントール先生とはキーシンは、家族同然のお付き合いがあり長年進行を温めてきた、彼の唯一のピアノ教師でありました。 プログラムはベルク、ガーシュウィン、ショパン、そしてロシアの作曲家フレンニコフに、アンコールは4曲演奏しています。 (Ki)

BIS
BISSA-2541(1SACD)
バッハ:オルガン作品集 Vol.4
前奏曲とフーガ イ短調 BWV543
オルガン小曲集より
待降節のためのコラール
  いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV599
 神よ、汝の慈悲によりて BWV600
 主キリスト、神のひとり子 BWV601
 全能の神を誉めまつれ BWV602
クリスマスのためのコラール
 みどり子ベツレヘムに生まれたり BWV603
 誉められよ、イエス・キリスト BWV604
 かくも喜びあふれる日は BWV605
 高き天より、われは来たれり BWV606
  空から天使の群れが来たりて BWV607
 甘い喜びのうちで BWV608
 神を誉めまつれ、キリストの徒よ、もろともに BWV609
オルガン小曲集より
クリスマス、新年、祝日のためのコラール
 イエスよ、わが喜び BWV610
 今やキリストを誉めるべし BWV611
 われらキリストの徒は BWV612
 神の恵みを共にたたえん BWV613
 古き年は過ぎ去りぬ BWV614
 汝にこそ喜びあり BWV615
 平安と喜びのうちでわれ逝かん BWV616
 主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ BWV617
受難節のためのコラール
  おお、罪のない神の仔羊 BWV618
 キリストよ、汝、神の仔羊 BWV619
 キリストはわれらに至福を与え BWV620
 イエスが十字架にかかりしとき BWV621
 おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け BWV622
 われら汝に感謝す、主イエス・キリストよ BWV623
 神よ、われを助けて成し遂げさせたまえ BWV624
鈴木雅明(Org/クリストフ・トロイトマン(1737年製作))


録音:2022年8月12-17日聖ゲオルク教会、グラウホフ(ドイツ)
鈴木雅明のバッハのオルガン作品集第4弾は、ドイツのオルガンビルダー、クリストフ・トロイトマン(1674-1757)が製作 した歴史的楽器を演奏!前奏曲とフーガ イ短調 BWV543、同 ハ短調 BWV549、そして46曲(異稿BWV634を除くと45曲)からなるオルガン小曲集 の第1弾として26曲(BWV599〜BWV624)を収録しております。
ドイツ、ゴスラー近郊のグラウホフの聖ゲオルク教会に据え付けられたトロイトマン・オルガンはバッハ時代の現存する最も重要な楽器のひとつ。1734年か ら1737年にかけて製作、据え付けられ、以後、修復を重ねながらもオリジナルに忠実な状態で現在もその音色を聴くことができます。卓越した質の高さで知 られ、輝かしく透明な響きが最大の魅力。鈴木雅明はこの銘器の色彩豊かなパイプの音色を巧みに組み合わせ、見事な演奏を聴かせてくれます。
このアルバムに収録したオルガン小曲集は「待降節のためのコラール」、「クリスマスのためのコラール」、「クリスマス、新年、祝日のためのコラール」、「受 難節のためのコラール」の26曲。教会暦に沿ったこれらの作品は各曲1、2ページの短い作品ながらそのどれもが美しく、聴き手の心に響く名作です。鈴木 雅明の卓越した演奏をご堪能ください。
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、BISの技術陣による録音であることも注目。SACD層は5.0 Surround soundで収録されており、臨場感あふれる 名演奏をお楽しみください。

Ars Produktion
ARS-38501(1CD)
ピアノ・ワークス Vol.1
リスト:ヘンデルのジングシュピール「アルミーラ」によるサラバンドとシャコンヌ S.181
パガニーニ大練習曲 S.141(ブゾーニ編)
ダルゴムイシスキーのタランテッラ S.483
モーツァルトの「フィガロの結婚」の2つの主題による幻想曲(ブゾーニ補筆版)
ボリス・ブロッホ(P)

録音:1979年(モーツァルト幻想曲)、2003年(パガニーニ大練習曲)、2005年(32のタランテッラ)、2007年(サラバンドとシャコンヌ)
鬼才ボリス・ブロッホのリスト・アニヴァーサリー・アルバム!ウクライナのオデッサで生まれ育ったボリス・ブロッホは、モスクワのチャイコフスキー国立音楽院でタチアナ・ニコラーエワ、ドミトリー・バシキーロフに師事し、1978年にはブゾーニ国際ピアノコンクールで第1位を受賞した、"鬼才"や"奇才"といった表現がピッタリな知る人ぞ知る名ピアニスト。本作は彼がアルス・プロダクション(ARS- Produktion)で進めているシリーズ「ピアノ・ワークス」の第1集で、フランツ・リストの生誕200年を記念してリリースされました。全てライヴ録音です。「ピアノ演奏に改革をもたらした人物であり、我々の職業の父であり、作曲家、ピアニスト、指揮者、教師として4度の先見の明を持つ天才であるリストに対して、ささやかながらもより愛情深い賛辞を捧げ、深い感謝と尊敬の念をもって彼の前に頭を下げる、私にとって歓迎すべき機会です。」(ボリス・ブロッホ)


Onyx
ONYX-4095S(5CD)
日本語解説付限定盤
ドビュッシー:ピアノ作品全集
前奏曲集第1巻/前奏曲集第2巻/版画/組曲「子供の領分」/2つのアラベスク/ベルガマスク組曲/レントよりおそく/バラード/マズルカ/小さな黒人/映像第1集/映像第2集/喜びの島/スケッチ帳より/ピアノのために/英雄の子守歌/アルバムの1ページ/舞曲(スティリー風のタランテラ)/ハイドンを讃えて/夢/12の練習曲/マスク/夜想曲/エレジー/小組曲(4手連弾)*/スコットランド行進曲(4手連弾)*/古代の墓碑銘(4手連弾)*/白と黒で(2台ピアノ)*/リンダラハ(2台ピアノ)*
パスカル・ロジェ(P)、
アミ・ロジェ(P)*

録音:2004年-2011年、ラ・ショー=ド=フォン音楽ホール(スイス)
※パスカル・ロジェのドビュッシーBOXが限定再プレス!
※伊熊よし子氏書き下ろし日本語解説付き限定盤!
フレンチ・ピアニズムの巨匠パスカル・ロジェが2004年〜2011年に録音を行い、ドビュッシー生誕150周年の2012年に5巻セットの全集BOXとしてリリースされたドビュッシーのピアノ作品全集。近年はレーベル在庫切れ・入手困難が続いていた同BOXですが、2023年のオール・ドビュッシー・プログラムでの来日公演も記念して、ついに再生産が実現。伊熊よし子氏の書き下ろし日本語解説を付けた限定盤として新装リリースいたします。
あふれるフランスのエスプリ、空間に広がる印象派の色彩と響き。ロジェが「無限の発見への素晴らしい旅」と語り、21世紀のドビュッシー演奏の新たなスタンダードとなった不朽の名演にご期待ください。

Hunnia Records
HRCD-2240(2CD)
隠された声〜モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 Vol.1&2
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K.280/ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調 K.333/ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331「トルコ行進曲付き」/ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 K.332/ピアノ・ソナタ第15番ヘ長調 K.533/494/ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調 K.570
ギル・サリヴァン(P)

録音:2022年12月1日-14日、スーパーサイズ・レコーディング(ハンガリー)
世界最高のモーツァルト解釈者-かつてヨーロッパでのコンサート・ツアー中に現地の新聞からそう評されたこともあるモーツァルト演奏のエキスパート、ギル・サリヴァンが弾くピアノ・ソナタ集。サリヴァンはモーツァルトの全てのピアノ作品をレパートリーとしている世界でも数少ないピアニストの一人。モーツァルトの没後200周年にあたる1991年にピアノ・ソナタ全曲を含むリサイタル・シリーズを開催すると、2006年の生誕250周年イヤーにはモーツァルトが巡った都市や彼の知人たちを描いた現代絵画や、モーツァルトとその家族や恋人、友人からの手紙の朗読を盛り込んだマルチメディアの演出とともにモーツァルトを演奏するプログラムをオーストラリアやドイツ各地の音楽祭で上演してきました。
オーストラリアに生まれたギル・サリヴァンは母国で研鑽を積んだ後、ロンドンでマレイ・ペライアに、ウィーンでパウル・バドゥラ=スコダに師事。ニューヨークのカーネギー・ホールでは2度演奏し、アムステルダム・コンセルトヘボウやベルリン・コンツェルトハウスのステージにも立つなどオーストラリア国内はもとよりアジア、ヨーロッパ、アメリカなどで毎年精力的な演奏活動を行っています。
Hunnia Records
HRCD-2231(1CD)
大演奏会用独奏曲
リスト:大演奏会用独奏曲 R18, SW176、
 ノルマの回想
ドビュッシー:デルフィの舞姫たち、
 枯葉、ヒース、カノープ
ダーヴィド・バール(P)

録音:2022年10月12日-13日、スーパーサイズ・レコーディング(ハンガリー)
1982年ブダペスト生まれのピアニスト、ダーヴィド・バールのリスト&ドビュッシー・アルバム。後の「ロ短調ソナタ」にも繋がる特徴的な構造を持ったリストの「大演奏会用独奏曲」やドビュッシーの「前奏曲」からの抜粋などを収録。
ダーヴィド・バールはリスト・フェレンツ音楽大学の博士課程を修了し、同大学で教鞭をとりつつピアニストとして活動。2010年の仙台国際音楽コンクールでの聴衆賞受賞をはじめ多くのコンクールで入賞しています。これまで日本を含むおよそ30ヶ国で演奏経験を重ねており、ハンガリー国内においてもブダペスト祝祭Oやハンガリー国立フィルと定期的に共演しています。

Nimbus Alliance
NI-6418(1CDR)
ブラームス:変奏曲集
シューマンの主題による変奏曲 Op.9
創作主題による変奏曲 Op.21-1
ハンガリーの歌の主題による変奏曲 Op.21-2
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24
ウラディミール・フェルツマン(P)

録音:2018年4月21-22日
ピアニストとしてだけでなく指揮者としても活躍しているウラディミール・フェルツマンによるブラームスの変奏曲集が登場です。フェルツマンは、1952年にモスクワで生まれ、11歳の時にモスクワPOと共演しデビュー。1969年にはモスクワのチャイコフスキー国立音楽院に入学し研鑽を積みました。その後カーネギーホールにデビューするとアメリカのみならず、世界的なピアニストとしての地位を確立しました。現在ではアメリカを中心に国内外の主要なオーケストラとの共演や、世界的権威のある音楽祭などに度々登場しています。また、後進の指導にも力を入れており、ニューヨーク州立大学などで教鞭を執っています。このアルバムではバロックから20世紀の作品まで多岐に渡るレパートリーを誇るフェルツマンが、その深い知識と高い音楽性を持ってブラームスの変奏曲を奏でています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Chopin University Press
UMFCCD-114115(2CD)
モニューシュコ:ピアノ独奏曲全集
ポロネーズ ニ短調/小品集/夜想曲 変イ長調/6つのポロネーズ/エレジー 変ホ長調/ ポロネーズ 変ニ長調/ヴィラネッラ 変ロ長調/ヴィラネッラ 変ニ長調/ポロネーズ 変ホ長調/3つのワルツ/Co mowia ob?ocki o ksiezycu w pogodna noc wiosenna?/ワルツ 変イ長調/ワルツ ヘ長調/ワルツ 変イ長調「ポフランカ」/子守歌 ニ長調「喜びの日々」/ポルカ ハ長調/ポルカ イ長調「ダニエル」/ポルカ ロ長調「ガブリエラ」/ポルカ ヘ長調「春」/無言歌「Do odje?d?aj?cej」/マズルカ ロ長調/マズルカ ト長調/マズルカ イ短調/Anio? Pa?ski w wiejskim ko?cio?ku/マズルカ ト長調/マズルカ ニ長調/マズルカ ト長調「ヴィルニュスへの別れ」/マズルカ ニ長調/リトアニア人のため息/小さな音楽第1番/小さな音楽第2番/マリー・ペシュケのアルバムからのお土産/別れ
マルチン・タデウシュ・ウカシェフスキ(P)

録音:2018年5月1日-3日&2019年、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・ホール(ワルシャワ)
ワルシャワの優れたピアニストであり研究者でもあるマルチン・タデウシュ・ウカシェフスキが、ポーランド音楽出版社(PWM Edition)から1975年に出版されたクシシュトフ・マズル編纂による34巻の「スタニスワフ・モニューシュコ全集」より、ピアノ独奏のために書かれた50曲を収録。モニューシュコの多彩なピアノ曲は近年ようやく演奏される機会が増えてきているものの、オペラや歌曲に有名な傑作が多くあるためどうしてもその陰に隠れてしまい、かつてはほとんど忘れ去られていた時期もありました。しかしウカシェフスキは研究者としての視点から、19世紀のポーランド音楽の発展においてモニューシュコのピアノ曲は見過ごすことのできない重要な作品であると考えており、それは完成度の高い充実した演奏に加え、モニューシュコを分析的、歴史的観点から掘り下げたテキストが掲載されたポーランド語と英語による80ページを超えるブックレットからも伝わってきます。
Chopin University Press
UMFCCD-130(1CD)
アドルフ・グートマン 〜ショパンのお気に入りの弟子〜
アドルフ・グートマン(1819-1882):シャンブールシー, 華麗なる大円舞曲 変ホ長調 Op.15(4手のための)/「シンパシー」 ロンド=ワルツ 変イ長調 Op.39(4手のための)/2つの夜想曲 Op.8(4手のための)/「エレガント」 ワルツ 変ホ長調 Op.31(4手のための)/「海の静けさ」 舟歌 イ長調 Op.59(P独奏のための)/ワルツ第3番 ニ長調 Op.24(4手のための)/夜想曲 イ長調 Op.13-1(P独奏のための)/2つのマズルカ Op.9/別れ 変ニ長調 Op.45(P独奏のための)/「つむじ風」 華麗なるギャロップ 変ホ長調 Op.37(4手のための)
マリア・ガブリシュ=ヘイケ(フォルテピアノ/エラール)、
ドミトリー・アブロギン(フォルテピアノ/エラール)

録音:2019年9月30日-10月1日(ポーランド)
ショパンが自身の弟子の中でも特にお気に入りたったといわれているドイツ出身の作曲家、アドルフ・グートマンのピアノ独奏や連弾のための作品集。その音楽はどこか感傷的、抒情的で、様式や構造、旋律、和声、装飾のパターンなどにショパンの強い影響が見て取れます。19世紀には人気を博していた彼の作品も現代ではあまり顧みられなくなっていますが、マリア・ガブリシュ=ヘイケとドミトリー・アブロギンが1848/1849年製の歴史的なエラール製フォルテピアノを用いて、作曲された当時の雰囲気に言及しています。

DUX
DUX-19631964(2CD
フィリップ・グラス:エチュード全集
エチュード第1巻/エチュード第2巻
マチェイ・ガンスキ(P)

録音:2021年9月
アメリカの作曲家フィリップ・グラスのエチュード集全曲盤が登場です。この作品はグラス自身が当時の作曲の慣例に従い、技術的な練習曲として自分のために書いたとされており、21世紀初頭に約20年の歳月をかけてまとめられました。エチュードという短い作品の中でミニマリズムの可能性を追求し、これらの作品は壮大で華麗でありながら、瞑想的で明晰でもあります。2009年からグダンスク音楽アカデミーで教鞭を執るマチェイ・ガンスキは、ポーランド人で初めてこれらのエチュード全20曲を全曲録音することに成功しており、技術的な面はもちろん、音楽性の面でも高い演奏を聴かせ、グラスの音楽を深く探求することの出来るアルバムを完成させています。
DUX
DUX-1885(1CD)
エルスネル:4手のためのポロネーズ集
ユゼフ・エルスネル
(1769-1854):ポロネーズ ハ長調/ポロネーズ ト長調/ポロネーズ へ短調/ロドルフ・クロイツェルの歌劇「ロドイスカ」の主題によるポロネーズ ホ長調/ルイジ・ケルビーニの歌劇「二日間」の行進曲主題によるポロネーズ ホ長調
イェジー・ミハウ・ヴァルデンスキ、
マグダレナ・ボンク(ハープシコード)

録音:2022年8月
ショパンの師であり、モニューシュコの師でもあったドイツ系ポーランドの作曲家、ユゼフ・エルスネル(1769-1854、ドイツ語読みではヨーゼフ・エルスナー)の世界初録音とされる4手用のポロネーズを収録した貴重な1枚。フンメルのトランペット協奏曲に引用されていることでも有名な、ケルビーニの歌劇「二日間」からの行進曲を主題としたポロネーズも収録されており、楽しめます。

Avie
AV-2578(8CD)
ハイドン:48のピアノ・ソナタ
4つの初期ピアノ・ソナタ(1765年エントヴルフ・カタログによる)
Sonata in D Hob. XVI:4L.9
Sonata in G Hob. XVI:6L.13
Sonata in C Hob. XVI:3L.14
Sonata in D Hob. XVI:14L.16

6つのピアノ・ソナタ(1765-1772)
Sonata in E minor Hob. XVI:47bis L.19
Sonata in B flat Hob. XVI:18L.20
Sonata in E flat Hob. XVI:45L.29
Sonata in D Hob. XVI:19L.30
Sonata in A flat Hob. XVI:46L.31
Sonata in G minor Hob. XVI:44L.32

ニコラウス・エステルハージ侯爵に捧ぐ6つのピアノ・ソナタ(c.1773,1774年出版)
Sonata in C Hob. XVI:21L.36
Sonata in E Hob. XVI:22L.37
Sonata in F Hob. XVI:23L.38
Sonata in D Hob. XVI:24L.39
Sonata in E flat Hob. XVI:25L.40
Sonata in A Hob. XVI:26L.41

6つのピアノ・ソナタ(1774-1776?)
Sonata in G Hob. XVI:27L.42
Sonata in E flat Hob. XVI:28L.43
Sonata in F Hob. XVI:29L.44
Sonata in A Hob. XVI:30L.45
Sonata in E Hob. XVI:31L.46
Sonata in B minor Hob. XVI:32L.47

カタリーナ&マリアンナ・アウエンブルッガーに捧ぐ6つのピアノ・ソナタ(1780年出版)
Sonata in C Hob. XVI:35L.48
Sonata in C sharp minor Hob. XVI:36L.49
Sonata in D Hob. XVI:37L.50
Sonata in E flat Hob. XVI:38L.51
Sonata in G Hob. XVI:39L.52
Sonata in C minor Hob. XVI:20L.33

3つのピアノ・ソナタ(1783年ロンドンにて出版)
Sonata in A flat Hob. XVI:43L.35
Sonata in D Hob. XVI:33L.34
Sonata in E minor Hob. XVI:34L.53

マリア・エステルハージ候妃のための3つのピアノ・ソナタ(1784年出版)
Sonata in G Hob. XVI:40L.54
Sonata in B flat Hob. XVI:41L.55
Sonata in D Hob. XVI:42L.56

2つのピアノ・ソナタ(1789-1790)
Sonata in C Hob. XVI:48L.58
Sonata in E flat Hob. XVI:49L.59

3つのイングリッシュ・ソナタ(1794-1795)
Sonata in E flat Hob. XVI:52L.62
Sonata in C Hob. XVI:50L.60
Sonata in D Hob. XVI:51L.61

補遺:ハイドン作と広く推定されている9つの初期ピアノ・ソナタ
Sonata in C Hob. XVI:7L.2
Sonata in G Hob. XVI:8L.1
Sonata in F Hob. XVI:9L.3
Sonata in C Hob. XVI:10L.6
Sonata in G Hob. XVI:G1L.4
Sonata in D Hob. XVII:D1L.7
Sonata in A Hob. XVI:12L.12
Sonata in E Hob. XVI:13L.15
Sonata in B flat Hob. XVI:2L.11

ボーナス・トラック:
変奏曲 ヘ短調 Hob. XVII:6(1793)


※ホーボーケン及びランドンのカタログに掲載されているが、このサイクルには含まれていない初期の作品は以下となります。
●L.21?27(Hob. XVI:2)-おそらく火事で焼失
●L.17?18(Hob. deest), L.8(Hob. XVI:5), L.10(Hob. XVI:1)-真正性に深刻な疑問あり
●L.57-真作でないことが示されている(L.19 (Hob. XVI:47)から半音上げて移調した2つの楽章が含まれている)
●L.28(Hob. XIV:5), L.5(Hob. XVI:11)-断片としてのみ存在
●Hob. XVI:15-ディヴェルティメント Hob.II:11の編曲だがハイドンによるものではない
●Hob. XVI:16-真正性に深刻な疑問あり
●Hob. XVI:17-ヨハン・ゴットフリート・シュヴァネンベルガーによる作品
ダニエル=ベン・ピエナール(P)

録音:2020年9月13日&26日、10月17日、11月14日&21日、12月9日-11日、アンジェラ・バージェス・ホール(ロンドン)
Avieレーベルにバッハやベートーヴェン、モーツァルト、シューベルトらバロック〜古典派の偉大な作品を録音する傍ら、『長い17世紀』と題された凝ったアルバム(レコード芸術海外盤REVIEW、英グラモフォン誌、英BBCミュージック・マガジンで、それぞれ特選盤に選定)でも非凡な才覚を発揮しているピエナール。南アフリカ出身で現在はロンドンを拠点に活躍しており英国王立音楽アカデミー(RAM)のフェローとロンドン大学の教授としても知られています。またヴァイオリニストの川畠成道や、トランペッター&プロデューサーのジョナサン・フリーマン=アットウッドとの共演も行っています。
ピエナール自身の綿密な研究に基づき、1765年以降のハイドン作と証明されている39曲と、ハイドン作と広く推定されている初期の9曲、合わせて48曲のピアノ・ソナタが選ばれています。ハイドンの若かりし頃の作品の真偽については慎重な調査・研究が続けられていますが、アントニー・ヴァン・ホーボーケンとクリスタ・ランドンのリストに含まれている作品のうち、断片的な作品、偽作が証明された作品や重大な疑念が持たれている作品は除かれています。

Perfect Noise
PN-2305(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲全集
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007/無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV1008/無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009/無伴奏チェロ組曲 第4番変ホ長調 BWV1010/無伴奏チェロ組曲 第5番ハ短調 BWV1011/無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012
フローリアン・ベルナー(Vc)

録音:2020年9月21日-29日、サン・ロレンツォ教会(カスタニェート・カルドゥッチ、イタリア)&2023年1月30日-2月2日、ヨハン・セバスティアン・バッハ・ホール(ケーテン、ドイツ)
2021年5月にオーストリアにおけるiTunesのアルバム・チャートで2位にランクインするなど絶大な人気を誇り、今のオーストリアの音楽シーンをリードするウィーン出身のチェリスト、フローリアン・ベルナー。2021年にオーストリアのVMSレーベルからバッハの無伴奏チェロ組曲第1番〜第3番がリリースされ、ようやく日本でもこの素晴らしい才能に気軽に触れられる機会が訪れましたが、2023年初頭、長らくリリースが待たれていた残る3曲のレコーディングがついに実現し、第1番〜第3番の音源とセットとなってドイツのPerfect Noiseレーベルより全集として発売されます。
第1番〜第3番のレコーディングが行われたのは2020年の9月。Covid-19のパンデミックによってコンサートやリハーサルがなくなってしまい、楽器を介して人と直接コミュニケーションを図れないことに孤独感や苦痛を感じていた中、トスカーナに住む友人宅の近くにあった小さな教会でレコーディングされました。それから2年以上の月日が経過した2023年1月、トスカーナでの経験がずっと頭に残っていたベルナーは残る3曲もレコーディングしてひとつのアルバムを完成させたいと思い、Perfect Noiseレーベルの協力もあってこの作品が誕生したドイツのケーテンでレコーディングが実現しました。
フローリアン・ベルナーは1973年生まれ。ウィーン音楽大学でアンジェリカ・メイとアルバン・ベルクSQに師事したのち、イタリアでは世界的名手、マリオ・ブルネロにも学びました。1993年にフーゴ・ヴォルフSQを結成すると、同世代のSQの中でも最もエキサイティングな存在として国際的に名声を高め、現在まで活躍し続けています。ソリストとしては2007年から2013年までクラウディオ・アバドとダニエル・ハーディング指揮のマーラー室内Oに定期的に客演し、2007/08年にはニーダーエスターライヒOのゲスト・ソロ・チェリストを務めたほか、様々な音楽祭へ出演したり、テレビ東京でベートーヴェンのチェロ・ソナタのドキュメンタリーを制作するなど多方面で活動を行っています。

MUSICAPHON
M-56991(1CD)
ベートーヴェン:バガテル集 Op.119,126
シューマン:クライスレリアーナ
エウジェニオ・デ・ローザ(P/スタインウェイ)

録音:2021年5月10日-12日(ローマ)
30年以上にわたりイタリア国内、及び国際的に活躍してきたコンサート・ピアニスト、エウジェ二オ・デ・ローザが奏でるベートーヴェン&シューマン・アルバム。デ・ローザは、ローマの名門、サンタ・チェチーリア音楽院を優秀な成績で卒業。イタリアの2つの音楽院で院長を務め若手音楽家の育成にも力を注いでいます。

Raumklang
RK-4201(1CD)
ヴィジョンズ
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお, 偉大なる父よ、鳩はじっと見ていた
ハルトマン&ゲオルギイ・グルジェフ:ケルビム賛歌、Sayyid Chant and Dance No.8
マリー=ルイーズ・ヒンリクス:ロンドンの思い出
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお, 祝福された幼少期
チャイコフスキー:フランスの古い歌
ヒリンクス:ボロム
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお, なんと貴重なことか
ハルトマン&グルジェフ:アルメニアの歌第4番
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:聖霊は生の源の火よ
ハルトマン&グルジェフ:サイイドの歌と踊り第15番
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお, まことに愛らしき若枝よ
ハルトマン&グルジェフ:サイイドの歌と踊り第30番、ママシャ
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:O felix apparitio
ハルトマン&グルジェフ:サイイドの歌と踊り第34番
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:Favus distillans
マリー=ルイーズ・ヒンリクス(P)

録音:2022年10月
ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの歌曲をマリー=ルイーズ・ヒンリクスがピアノ版に編曲した本アルバム。マリー=ルイーズ・ヒンリクスは、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの楽曲を元々ピアノのために作られているかのように編曲し、時に即興的に独自のハーモニーとメロディを加え、新たな美しく純粋な響きを持った楽曲に生まれ変わらせています。彼女の並外れた感受性によって奏でられるこのアルバムをお楽しみください。

Hyperion
CDA-68331(2CD)
フォーレ:夜想曲&舟歌集
夜想曲第1番〜第13番
舟歌第1番〜第13番
ドリーOp.56(P連弾のための組曲)*
マルク=アンドレ・アムラン(P)、
キャシー・フラー(P)*

録音:2022年6月8日-11日&9月19日、殉教者聖サイラス教会(ケンティッシュ・タウン、ロンドン)
現代最高のスーパー・ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、マルク=アンドレ・アムラン。Hyperionの2023年9月新譜レコード・オヴ・ザ・マンスとなる新録音は、フォーレの夜想曲&舟歌全曲!
20世紀の多くの作曲家に影響を与えたフランスの大作曲家、ガブリエル・フォーレ。初期の作品は、親しみやすいロマンティックな曲が多く、年を重ねるにつれ、和声的、旋律的に複雑性を増した音楽へと変化していきました。そのどちらにもファンが多いですが、特に晩年の作品は傑作と称されています。
本アルバムでは、フォーレの作風の変遷を感じることができる代表的な作品である夜想曲と舟歌を全曲(各13曲)収録。アムランの卓越した繊細さと魔術的な鍵盤のタッチで、フォーレが極めた芸術の真髄を見事に伝えています。カップリングされている優しさと愛情に包まれたピアノ連弾の名曲 「ドリー」 では、WCRB〔ボストンのクラシック・ラジオ放送局〕のプロデューサーと司会者でもある最愛のパートナー、キャシー・フラーとの共演も注目すべてポイントです。

Ars Produktion
ARS-38636(1CD)
私のクライスラー・アルバム
クライスラー:プニャーニの様式によるプレリュードとアレグロ、美しきロスマリン、愛の喜び
メンデルスゾーン(クライスラー編):無言歌 Op.62-1
クライスラー:シンコペーション、W.F.バッハの様式によるグラーヴェ、ルイ・クープランの様式によるプロヴァンスの朝の歌、おもちゃの兵隊の行進曲、カルティエの様式によるカプリース「狩り」、フランクールの様式によるシシリエンヌとリゴードン
グルック(クライスラー編):歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より「精霊の踊り」
ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ舞曲 Op.46より第1番ハ長調
チャイコフスキー(クライスラー編):アンダンテ・カンタービレ Op.11
クライスラー:ウィーン小行進曲
アルベニス(クライスラー編):タンゴ Op.165-2
ポルディーニ(クライスラー編):踊る人形
クライスラー:ラ・ヒターナ
グラナドス(クライスラー編):スペイン舞曲第5番
クライスラー:愛の悲しみ、エピソード
ナタリア・ファン・デア・メルシュ(Vn)、
ナタリア・コヴァルゾン(P)

録音:2022年4月8日-10日
ドイツ出身のヴァイオリニスト、ナタリア・ファン・デア・メルシュは名教授であるザハール・ブロンに早くから才能を見出され、数々のオーケストラとの共演や音楽祭等で活躍しています。本アルバムでは、クライスラーのオリジナル作品や編曲作品、パスティーシュなど、次々に繰り出される名曲の数々が軽やかに奏でられています。
Ars Produktion
ARS-38358(1SACD)
献呈
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
ブラームス:間奏曲 イ長調 Op.118-2
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
ショレナ・ツィンツァバーゼ(P)

録音:2022年12月5日-7日
モスクワで生まれ育ち、モスクワ音楽院を卒業後、ソリストとしての活動の幅を広げるショレナ・ツィンツァバーゼ。本アルバムでは19世紀のロマン派を代表する3人の作曲家の作品を集めました。
シューマンは「幻想曲 ハ長調 Op.17」をリストに、リストは「ピアノ・ソナタ ロ短調」をシューマンにそれぞれ献呈し、ブラームスは「間奏曲 イ長調」を含む「6つの小品」を、シューマンの妻であるクララ・シューマンに献呈しています。同じ時代を生き、切っても切り離せない関係の3人の楽曲をじっくりと楽しめる1枚となっています。
Ars Produktion
ARS-38638(1CD)
瞬間
ノダル・ガブニア(1933-2000):大人のための子供の小品
ショパン:24の前奏曲 Op.28
ケテヴァン・セパシヴィリ(P)

録音:2023年2月1日-4日
ジョージア出身のピアニスト、ケテヴァン・セパシヴィリが本アルバムで取り上げたのは、同じくジョージア出身の20世紀のピアニストであり作曲家であるノダル・ガブニア。ガブニアが作曲した8曲からなるピアノ曲集「大人のための子供の小品」は、「大人のための」とタイトルにつく通り、子供時代の音楽のイメージを反映しながらも、子供向けの易しい楽曲ではなく、上級者向けの練習曲的な作品となっています。
Ars Produktion
ARS-38355(1SACD)
ギターのディーヴァたち
エミリア・ジュリアーニ=グリエルミ(1813-1850):前奏曲 第1番、ロッシーニの主題による変奏曲 Op.5
アンネ・エメリッヒ(1802-?):独奏ギターのための6つの変奏曲
カタリーナ・ジョセファ・プラッテン(1824-1895):ヴェニスの謝肉祭、とりとめのない考え、妖精のスケッチ「マブ女王」、妖精のスケッチ「パック」、魔女の踊り(ファンタジア・グロテスク)、5つのディヴェルティメント(モーツァルトの主題による変奏曲)、セレナーデ、スペインの踊り、ムーア人の踊り
マリア・ドロレス・デ・ゴニ(1813-1892):ラ・ホタ・アラゴネーサ、ヴェニスの謝肉祭、告別
ハイケ・マティーセン(G)

録音:2022年6月20日-22日
ペペ・ロメロに師事し、世界で活躍するソリストとなったハイケ・マティーセン。演奏の傍ら、近年は女性作曲家についての研究も重ねており、本アルバムは、19世紀の4人の女性作曲家にフォーカスした作品となっています。

TOCCATA
TOCC-0669((1CD)
NX-B03
ヘイノ・エッレル(1887-1970):ピアノ作品全集 第9集
瞑想曲 ロ長調(1938)*/小品 嬰ト短調(1916)*
トッカータ ロ長調(1919)
行進曲のテンポで ト長調(1919)*
行進曲のテンポで 変ホ長調*
アレグロ・モデラート ホ短調(1909)*
アンダンテ・エスプレッシーヴォ 変ロ長調*
ソステヌート 変ホ短調*
モデラート・コン・アニマ 変ロ短調*
ソステヌート 変ロ短調*
ワルツのテンポで ト長調*
アレグロ・ヴィヴァーチェ ホ長調*
小品 嬰ハ短調*/レント ハ短調*
ワルツ 変イ長調(1913)*
即興曲 ヘ短調(1910頃)*
ワルツ 変ロ長調(1913)*
アンダンテ・モデラート ト短調(1914/1942)*
フモレスケ:Une mouche importune (1916)*
4つの抒情小品(1947)
ソステヌート - 左手のために(1940)*
ピアノ・ソナタ第3番変ホ短調(1944)
ステン・ラスマン(P)

録音:2018年3月24-25日、6月18日
2008年から録音がはじまり、全巻を通じて演奏を担当したピアニスト、ステン・ラスマンは当初「全6集で完成」を予想していたとのことですが、調査を続ける うちに新しい曲が発見され、全206曲、9枚のアルバムからなる膨大な作品集となりました。 シリーズの最終巻となるこの第9集に収録されているのも、ほとんどが世界初録音。収録曲の大半はエッレルが得意とした小品ですが、初演時に賛否両論 を巻き起こしたという、22分に及ぶ「ピアノ・ソナタ第3番」も収録されています。 全集の最後を締めくくるのは、エストニアで良く知られる「故郷の調べ」と題された小品。エストニア愛国精神を象徴する旋律からは、全曲録音という偉業を 成し遂げたラスマンの達成感も感じられます。

Solo Musica
SM-439(1CD)
NX-B03
エコー・オブ・バッハ
クララ・ジャズ(1985-):Introduction イントロダクション
ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ(1656-1705):無伴奏ヴァイオリンのための組曲第5番 ニ短調
クララ・ジャズ:...Echo…
クララ・ジャズ:Vergissmeinnicht
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
クサヴィエ・ダイヤー(1972-):Cette ame a six ailes tout comme les Seraphins
イザイ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 Op.27
アガタ=マリア・ラーツ(Vn)

録音:2021年5月18日、6月23日
新世代ヴァイオリニスト・作曲家、アガタ=マリア・ラーツが弾く無伴奏ヴァイオリンのための作品集。 収録曲はバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番」を中心に、ヴァイオリンの名手としてバッハにも影響を与えたとされる初期バロックの作 曲家ヴェストホフの組曲、バッハ作品からインスピレーションを受け、ジャック・ティボーに献呈されたイザイのソナタ第2番。そしてラーツが作曲家として活動する 際に用いる名義“クララ・ジャズ”作の3曲に加え、スイスの作曲家クサヴィエ・ダイヤーの「Cette ame a six ailes tout comme les Seraphins=この 魂にはセラフィムと同じく6枚の翼がある」という変化に富んだプログラムです。 アガタ=マリア・ラーツは、11歳でポーランドのコシャリンSOと共演、コンサートデビューして以来、さまざまなオーケストラと頻繁に共演。各地の音楽祭 にも頻繁に招待されたほか、その音楽的功績が讃えられ、ポーランド文化大臣から特別賞を受賞しています。

オクタヴィア
OVCT-00205(1SACD)
税込定価
2023年7月19日発売
憧憬 ―Sehnsucht nach Leipzig
酒井有彩(P)

シューマン:アベッグ変奏曲 作品1
シューマン(レヴィンソン編):「ミルテの花」より「くるみの木」作品25-3
クララ・シューマン:「音楽の夜会」より「ノットゥルノ」作品6-2
メンデルスゾーン:厳格なる変奏曲 ニ短調 作品54
シューマン(サン=サーンス編):夕べの歌 作品85-12
ブラームス(フリードマン編):「16のワルツ」作品39より第15番 - 第2番
ギーゼキング:スカルラッティの主題によるシャコンヌ
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004より)
メンデルスゾーン(タールベルク編):歌の翼に(6つの歌 作品34-2)
酒井有彩(P)

録音:2023年4月20-21日 高崎芸術劇場
パリおよびベルリンで研鑽を積んだ実力派ピアニスト、 酒井有彩のCD第2弾は、音楽の街ライプツィヒをテーマ に、酒井自身のこだわりが凝縮されたアルバムとなって います。シューマンとメンデルスゾーンの「変奏曲」、 ギーゼキングとバッハ=ブゾーニの「シャコンヌ」をメ インに据え、有名な小品の美しい編曲版などで彩られた 選曲。19世紀ライプツィヒで活躍した大音楽家への憧れと敬意 が込められた演奏は、繊細な音色と歌心にあふれ、彼女 のさらなる飛躍を予感させます。(オクタヴィア)

Hanssler
HC-22025(1CD)
マイオーネ、バッハ、グラナドス、トゥルニエ、ムダーラ:ハープ作品集
マイオーネ:さまざまなカプリッチョ集 第1巻よりトッカータ第4番
バッハ:組曲第1番ホ短調 BWV996
マイオーネ:さまざまなカプリッチョ集 第2巻よりトッカータ第4番
グラナドス:詩的なワルツ集
マイオーネ:さまざまなカプリッチョ集 第1巻よりトッカータ第3番
トゥルニエ:ソナチネ Op.30
トゥルニエ:森の中の泉のほとりにて
ムダーラ:ティエント
マルクス・フォルカー・タールハイム(Hp)

録音:2022年9月〜2023年1月ストリートライフ・スタジオ、ヘルツォーゲンアウラハ(ドイツ)
1987年生まれシュトゥットガルト出身のハーピスト、マルクス・フォルカー・タールハイムのデビュー・アルバム。
収録作品はナポリ出身の作曲家アスカニオ・マイオーネ(1565頃-1627)とタールハイムが学生時代よく聴いていたというバッハ、グラナドス、トゥルニ エを交互に組み合わせた内容です。マイオーネはハーピスト、オルガニストとして活躍しながらこれらの楽器のための作品を中心に作曲しました。1603年出版の 〈さまざまなカプリッチョ集 第1巻〉、1609年出版の〈同 第2巻〉は代表作。優れた奏者であったマイオーネが当時としては斬新な響きをハープで表現してお ります。 (Ki)

CANARY CLASSICS
CC-23(1CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 Vol.4
ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調 K.280
ピアノ・ソナタ第1番ハ長調 K.279
ピアノ・ソナタ第6番ニ長調 K.284「デュルニツ」
オルリ・シャハム(P/Steinway D274)

録音:2019年7月21日、2019年8月27日、2020年9月3日/メカニクス・ホール、ウースター(マサチューセッツ州)
ギル・シャハムの妹でスタインウェイ・アーティストでもあるピアニスト、オルリ・シャハムによる新モーツァルト全集に基づくピアノ・ソナタ全曲録音の第4集が 登場しました。
オルリ・シャハムの魅力といえば色彩豊かなピアノの音色。兄ギルとのモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集(CC-01)でもその才能を高く評価されており、当 全曲録音は注目すべきもの。第1集(CC-19)、第2&3集(CC-21)も好評を博しております。
第4集には10代の頃に書かれた初期作を収録。革新的で巧妙な作品を残したモーツァルトの天才ぶりを再認識できます。シャハムは楽譜と対峙し、豊かな音楽 を奏でております。 (Ki)

Grand Piano
GP-934(1CD)
NX-B03
ルイーズ・ファランク(1804-1875):ピアノ作品全集 第2集
アリステッド・ファランクの主題による変奏曲 Op.2
「ル・プルミエ・パ」の旋律による大変奏曲 Op.4(P版)
ロッシーニの「チェネレントラ」の主題による華麗な変奏曲 Op.5*
「かわいいミュゼット」の旋律による変奏曲 Op.6*
スイス民謡による変奏曲 Op.7*
オンスロウの「行商人」の主題による華麗な変奏曲 Op.10
スイスへの別れ、ブリュギエールの主題と変奏*
主題と変奏 ヘ長調*
主題と変奏 ト長調*
マリア・ストラティグー(P…Steinway Model D)

録音:2022年12月19-21日
*…世界初録音
19世紀パリの音楽界で高く評価されたピアニスト、作曲家ルイーズ・ファランク。近年注目が高まる女性作曲家の 一人です。GRAND PIANOレーベルではファランクの没後150年にあたる2025年までに全6巻のピアノ作品全 集を完成させる予定です。 半分以上は世界初録音となるこのアルバムには、彼女が活躍した当時広く流行し、ファランク自身も得意としてい たジャンルである変奏曲が収録されています。冒頭の作品の主題は、彼女の夫でフルート奏者であったアリステッ ドによるもので、他にはロッシーニの「チェネレントラ」の「悲しみよ去りゆけ」の旋律を用いた変奏曲や、スイス民謡を 用いた変奏曲など、高い技巧を凝らした魅惑的な作品を楽しめます。 演奏するマリア・ストラティグーはルイーズ・ファランクの研究家で、練習曲に関する論文で博士号を取得しました。 ファランク作品の演奏や講演を欧州各地で行い、数多くの賞を受賞しています。

CPO
CPO-555635(3CD)
NX-D03
リスト:『巡礼の年』全曲 他
巡礼の年 第1年 スイス S160/R10
ピアノ・ソナタ ロ短調 S178/R21
巡礼の年 第2年 イタリア S161/R10b
子守歌 S198/R58
ハンガリーの歴史的肖像 S205/R112- 第7曲 ミハーイ・モショニ
リヒャルト・ワーグナーの墓に S202/R85
悲しみのゴンドラ S200/ R81(第2稿)
葬送前奏曲と葬送行進曲 S206/R83-84
巡礼の年 第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ S162/R10
巡礼の年 第3年 S163/R10
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2008年8月4-5日、1997年7月30日、2009年8月、2010年7月25、26日
コルスティックは1997年から2008年にかけてベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲をOEHMSレーベルに録音しており、それに続けて録音された「巡礼の年」で は、一段と進化・深化した解釈作品によって深い抒情や精神性の表出に成功しています。併録の「ピアノ・ソナタ ロ短調」のドラマティックな演奏や、リスト晩 年の瞑想的な作品も忘れがたい演奏です。

Ars Longa Records
AL-1(1CD)
税込定価
シューマン:蝶々 作品2
幻想曲 ハ長調 作品17
ウィーンの謝肉祭の道化 ― 幻想画集 作品26
上野真(フォルテピアノ)

録音:2021年3月25〜28日神奈川県立相模湖交流センター ラックスマンホール
使用楽器:J. B. Streicher,1861(ヤマモトコレクション所蔵)
シューマンが少年時代、父親に買ってもらったピアノは、マテーウス=アンドレアス・シュタインの手によるもの。シュタインは、本収録に使用されたピ アノの製造者ヨハン・バプティスト・シュトライヒャーの叔父に当たります。このヤマモトコレクション所蔵1861年製シュトライヒャーは、ハンマーを含む 殆どのパーツがオリジナルで、非常に良いコンディションを保っており、当時の響きを直に伝えてくれます。上野は、歴史的にも大変貴重なこの楽 器の特徴を最大限に活かし、繊細かつ力感に溢れた快演を繰り広げています。

Chandos
CHAN-20278(1CD)
神秘性〜タレガ、アルベニス、モンポウ、ドメニコーニ:ギター作品集
タレガ:アラビア風奇想曲
アルベニス:マラゲーニャ Op.165-3(スーフェイ・ヤン編)、
 前奏曲 Op.232-1(アンドレス・セゴビア編)
モンポウ:コンポステラ組曲
カルロ・ドメニコーニ:アナトリア民謡による変奏曲 Op.15、
 コユンババ Op.19
クシシュトフ・メイシンゲル(G)

録音:2022年10月、ポーランド放送ヴィトルト・?ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ポーランド、ワルシャワ)
1984年ポーランド生まれのカリスマ的クラシック・ギタリスト、クシシュトフ・メイシンゲルによるスペインものを中心としたギター作品集!アニエロ・デシデリオやクリストファー・パークニングといった音楽界の権威から多大な影響を受けたメイシンゲルは、ペペ・ロメロと比較されるほどの才能を発揮し、東京からロサンゼルス、ブエノスアイレスまで(ホールではウィーン楽友協会、ベルリン・フィルハーモニー、ロンドンのウィグモア・ホール、パリのシャトレ座など)世界各地で演奏を行っています。Chandosからの2枚目のアルバムとなる本作では、タレガの有名曲やアルベニスのピアノ曲のギター編曲版、セゴビアから委嘱されたモンポウの「コンポステラ組曲」といった、スペイン系の作品を中心に収録。トルコ音楽の研究を行っているイタリアのギタリスト・作曲家カルロ・ドメニコーニ(1947-)の作品も2曲取り上げ、個性豊かな演奏を聞かせます。ギターはイグナシオ・フレタのコピーにノブロックの弦を張ったものを使用しています。

APR
APRCD-6042(2CD)
ロベール・ロルタ録音全集
(1)ショパン:24の前奏曲 Op.28
(2)ワルツ集(第1番〜第14番)
(3)練習曲 Op.10/練習曲 Op.25
(4)ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35「葬送」
ロベール・ロルタ(P) 

(1)録音:1928年5月5日
(2)録音:1931年5月4日&12日
(3)録音:1929年10月3日-4日&7日&11月14日&1930年11月8日
(4)録音:1928年6月9日
ロルタの代名詞でもあるショパンを収録した貴重な復刻!
20世紀前半のフランスの演奏スタイルを代表する、忘れられがちなピアニストの重要な録音を紹介するAPRの「フレンチ・ピアノ・スクール French Piano School」シリーズの第10弾!ロベール・ロルタの録音全集が登場です。
第一次世界大戦に従軍後、持病に悩まされ早すぎる死を迎えなければ、間違いなく多くの録音を残し、20世紀最大のフランス人ピアニストの一人として記憶されたことだろうロベール・ロルタ(1885-1938)。彼はフォーレやドビュッシーを含む幅広いレパートリーを見事に演奏しましたが、特にショパンは彼の芸術の中心にありました。1912年には5回の演奏会でショパンの全曲演奏を成し遂げています。また「練習曲」全曲を録音したピアニストとしてはバックハウスに次いで二人目であり、コルトーより先に録音を行った点を考えても、いかにフランスで評価を受けていたかを証明するものと言えるでしょう。
これまでのロルタの録音はオリジナルの78回転SPレコードからのトランスファーが非常に悪いという問題がありましたが、マーク・オーバート=ソーンによる新しいトランスファーによって、これらの録音が新しくはるかに改善された光を放つことが期待されています。

NIFC
NIFCCD-077(1CD)
ショパンとフラメンコ
1. グラナイーナ
2. ペテネーラ/3. ファンダンゴ
4. ショパンのワルツ第3番イ短調 Op.34-2によるファルーカ
5. ショパンのマズルカニ長調 Op.33-3によるサパテアード
6. ショパンの夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2によるアレグリア
7. ショパンのワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2によるソレア
8. ショパンのポロネーズ第3番イ長調 Op.40-1によるハレオ 
※パコ・ペーニャによる編曲
パコ・ペーニャ(G)、パコ・ペーニャ・フラメンコ・カンパニー〔ラファエル・モンティーリャ(ギター/tr.3, 5-8)、アンヘル・ムニョス(ダンス/tr.4-7)、チャロ・エスピノ(ダンス/tr.6,8)、ホセ・アンヘル・カルモナ(ヴォーカル/tr.7-8)、サラ・デネス(ヴォーカル/tr.7-8)、ディエゴ・アルバレス・‘エル・ネグロ’(パーカッション(カホン)/tr.5-8)、オマール・アコスタ(フルート/tr.6-8)〕

録音:2010年8月11日、「ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)
2005年から、ショパンの故郷ワルシャワで夏に開催されている国際音楽祭「ショパンと彼のヨーロッパ」。ショパンを核に置きつつも、過去から現代音楽までの幅広いレパートリー、そして、ソロからオーケストラまでの多様なジャンル、また世界で活躍する一流音楽家が集うことでも知られています。
本アルバムでは、2010年の音楽祭でショパン生誕200周年を記念し、フラメンコ・ギターの名手、パコ・ペーニャがショパンの名曲をフラメンコのためにアレンジした委嘱作品を取り上げています。フラメンコの特徴である歌、踊り、ギターを紹介しつつ、ショパンの名曲が持つ要素を見事に取り入れており、これまでにはなかった新たな可能性を追求した意欲作です。
NIFC
NIFCCD-144145(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV.870-893 エヴァ・ポブウォツカ(P/Shigeru Kawai SK-EX)

録音:2021年6月27日-30日&2022年3月28日-4月1日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
1980年の第10回ショパン国際ピアノ・コンクールでの入賞とマズルカ賞受賞の実績を持つ現代ポーランドを代表するピアニストの1人、エヴァ・ポブウォツカ。2023年10月に予定されている第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールの審査員にも選ばれています。
2018年の来日記念盤として発売され、レコード芸術誌の「特選盤」や英グラモフォン誌の「レコーディング・オヴ・ザ・マンス」(2019年3月)に選ばれるなど国際的な高評価を獲得したバッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻」(NIFCCD-062063)に続く、待望の「第2巻」がリリース!
幼い頃からバッハの音楽と共にあり、マタイ受難曲とヨハネ受難曲を聴いて育ったというポブウォツカ。これまでも数多くのコンサート、コンクール、オーディションでバッハの作品を披露し、バッハ音楽史上もっとも偉大な演奏家の一人タチアナ・ニコラーエワとも、このポリフォニーの巨匠の作品の解釈を研究してきました。2018年から2022年にかけてはポーランドの主要ホールや日本、デンマーク、ドイツ、イギリスでバッハの「平均律クラヴィーア曲集」を数十回演奏し、ポーランド放送のプログラムでもバッハの音楽に特化したシリーズを展開。2023年後半には「ゴルトベルク変奏曲」のプロジェクトも予定しているといいます。
今回の録音でも前作同様、河合楽器製作所の最高級グランド・ピアノ「Shigeru Kawai」シリーズのSK-EXを使用。カワイの最高傑作から最良の音色を引き出し、モダンな感性と入念な解釈で紡がれた極上のバッハをお届けします。
バッハとワーグナーを専門とするポーランドの音楽学者シモン・パチュコフスキによる興味深い楽曲解説は日本語訳も掲載されています。

Chopin University Press
UMFCCD-146148(3CD)
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):ピアノ・デュエット全集
【Disc1】
山脈幻想曲(タトラ山脈ザコパネの2つの民謡による山脈幻想曲) Op.17クラコヴィアン・ダンス Op.7
ウクライナのメロディー Op.33
「村外れの小屋」からの2つの踊り Op.16
【Disc2】
クラコヴィアン・ダンス Op.25
序曲「モルスキエ・オコ」 Op.19
ポーランド組曲 Op.28
【Disc3】マゾヴィアン・ダンス Op.38
6つのポロネーズ Op.42
エキゾティック・ダンス Op.49
ラヴェル・ピアノ・デュオ〔カタジナ・エヴァ・ソコウォフスカ(P)、アグニエシュカ・コズウォ(P)〕

録音:2020年3月、8月、11月(ポーランド)
19世紀後半のポーランドの作曲家、ジグムント・ノスコフスキ。交響曲や室内楽、歌劇など幅広く作曲したノスコフスキはピアノ・デュオのために10の作品を遺し、本アルバムではポーランドを代表するピアノ・デュオである、ラヴェル・ピアノ・デュオがそれらを完全収録しました。
第11回シューベルト国際ピアノ・デュオ・コンクール第1位など、数多くの受賞歴のあるラヴェル・ピアノ・デュオはポーランドを中心に演奏や教育活動を続け、ポーランドの作曲家のピアノ・デュオ作品の研究や演奏・録音も精力的に行っています。

decurio
DEC-002(1CD)
孤独 〜アウフレッド・ナポレアン:ピアノ作品集
アウフレッド・ナポレアン(1852-1917):SOUPIRS DU TAGE (CAPRICE-ETUDE) Op.38/ロンド Op.47/前奏曲とフーガ Op.41/伝説 Op.39/アンダンテと演奏会用ポロネーズ Op.27/3つのロマンス Op.45
ダニエル・クーニャ(P)

録音:2018年2月12日&14日-15日(ポルトガル)
ポルトガル後期ロマン派の知られざる作曲家アウフレッド・ナポレアンの作品集。演奏するのはポルトガルのピアニスト、ダニエル・クーニャで、彼はカンザス大学のピアノ科で著名なピアニストであり教育者のセケイラ・コスタに師事しました。ヴィアナ・ダ・モッタ国際コンクール入賞、ヘレナ・サ・エ・コスタ賞第1位を獲得しています。近年ではアウフレッド・ナポレアンの作品に注力しており没後100年の2017年にはコンサートを行うなどしました。

ATMA
ACD2-2890(1CD)
伝説の女性 〜近現代フランス・ピアノ作品集
メル・ボニ:(1858-1937):伝説の女性 [メリザンド / デスデモーナ / オフィーリア / ヴィヴィアーヌ / フィービー/ サロメ / オムパレー]
デュティユー:波のまにまに [子守歌の前奏曲 / クラケット / 即興曲 / 無窮動 / バッハを讃えて / 練習曲]
アデス(1971-):歌劇『皆殺しの天使』より 子守歌(アデス編)
ブーランジェ:前奏曲 変ニ長調、3つの小品 [古い庭から / 明るい庭から / 行列]、主題と変奏 ハ長調
ドビュッシー:喜びの島 L.106
エリザベート・ピオン(1996-):水曜夜のバルコニー
デュティユー:波のまにまに〜 子守歌の前奏曲(装飾付き)
エリザベート・ピオン(P)

録音:2023年2月18-20日/ケベック
エリザベート・ピオンは1996年カナダのケベック生まれでイギリスでも活躍しているピアニスト。当盤がデビュー・アルバムになります。ずっと親しみを感じて いたというフランス音楽を集めた内容ですが、近現代のあまり知られていない作品を自然に取り上げているところに、彼女のきわだった個性を感じます。かろやか な旋律とにじむような色彩、幻惑的な美しさにつらぬかれた1枚。ドビュッシーの『喜びの島』で盛り上げたあと、自作を挟んで、ふたたびデュティユーの『子守歌 の前奏曲』を、今度は装飾付きの演奏で収録する流れも面白いです。 (Ki)

JAZZLINE
D-77130(2CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988(ビル・ドビンス編曲によるビッグバンド版) WDR Big Band
(1)(14)Brigitte Schreiner(fl)
Andy Harderer((15)tp, (1)(28)fh)、Wim Both(tp)、(8) (18)Rob Bruynen(tp)、Antoine Colin(tp)、Ruud Breuls((23)tp, (3)fh)、Carlo Nardozza(tp)、(5)(31)Ludwig Nuss(tb)、(2)(24)?Raphael Klemm(tb)、(9)(20)Andy Hunter(tb)、Wolf Schenk(tb)、Mattis Cederberg(b-tb)、Johan Horlen((29)ss, (26)as, (7)(14)cl)、Stefan Pfeifer-Galilea((29)as, (6)fl)、(13)(17)(26)Ben Fitzpatrick(ts)、(12)(27)Paul Heller(ts)、Jens Neufang((21)bs, (16)bcl)、(10)(22)John Goldsby(b)、(20)(32)Hans Dekker(dr)、(1)(4)(11)(14)(19)(25)(26)(30)Billy Test(p)
Jorg Achim Keller(conductor)
(上記数字=ソロ)
Producer:Christian Schmitt
Recording Engineer:Walter Platte
Recording Assistant:Dirk Franken
Mixing:Christian Schmitt & Walter Platte
Mastering:Christian Schmitt & Dirk Franken
数多の編曲作品が存在するバッハの「ゴルトベルク変奏曲」に新たな名盤登場!イェルク・アヒム・ケラー率いるWDRビッグバンドによる演奏で新たな命を吹き 込みます。
編曲はかつて当ビッグバンドの首席指揮者を務め、現在も客演や編曲で関わりの深いビル・ドビンスが担当しました。ニューヨークを中心に活動を続けるピアニ スト、ジャズ教師ドビンスは、これまでクラーク・テリー、アル・コーン、レッド・ミッチェル、フィル・ウッズなどの様々なジャンルの人気ミュージシャンと共演。また、 イーストマン・ジャズ・アンサンブル・オーケストラの指揮者としても知られ、WDRビッグバンド、オランダ・メトロポール・オーケストラ、スコットランド・ナショナル・ ジャズ・オーケストラのアーティスティック・ディレクターを務めています。演奏活動の傍らイーストマン音楽学校で教鞭を執っており、後進の育成にも力を注いで おります。
ドビンスは2010年にイギリスのアカペラ・グループ、ザ・キングズ・シンガーズとWDRビッグバンドのためにバッハのクリスマス・オラトリオを編曲しており、 ゴルトベルク変奏曲はそれから着想を得て編曲しました。
ビッグバンドを知り尽くしたドビンスだからこその充実の当編曲版。冒頭のアリア(ヘ長調に編)はピアノ・ソロと小編成の管楽器で構成。その後の変奏では 徐々に編成が拡大し、ファンキージャズの要素を伴いながら豊かな響きを作り上げます。バッハのサウンドにビッグバンドを融合し新しい体験に導く至高の演奏が ここに誕生しました! (Ki)


PROMINENT CLASSICS
2506-5614(2CD)

旧ADDA盤
バッハ:無伴奏チェロ組曲BWV.1007〜1012(全曲) ピエール・フルニエ(Vc)

録音:1959年10月スイス・ロマンド放送エスパス2、スタジオにおけるライヴ(モノラル)
フランス ADDA レーベルから発売されたフルニエの無伴奏ライヴは、1990 年の初出時に大変な話題となり、レコード芸術誌でも特選盤となりました。音 質の良さに加えライヴならではの熱気を孕んだ非の打ちどころのない名演で アルヒーフ盤よりも上と推す有識者も多いものです。初出はマルチケース仕 様、次いで2D ケース仕様となりましたがその後廃盤。後にACCORD から再 発された際(1997年頃)の音質はマスタリングしなおしたせいか初出盤とは似 ても似つかぬ、エッジを欠いたぬるま湯のようなものとなってしまいました。フ ァンの嘆きは覆い難く、今でも ADDA 盤の中古品を探し求める方々によって かなりの高値で取引されております。 この度スイス・ロマンド放送と密接なスイスEVASION MUSIC と契約するに及 びADDA 用のマスターを発見。松脂が飛び散るような激しさが甦ります。あえ てUHQCD でなくADDA 盤同様の通常のCD で発売となります。 国内盤初出時の那須田務氏の解説を一部修正して再掲載しております。写 真はブリテン・ピアーズ協会の提供による上品なポートレートを使用。

METIER
MEX-77114(1CD)
NX-B07
ドビュッシー:映像第1集/第2集
ジェニー・ベック(1960-):Stand Still Here
ドナルド・マルティーノ(1931-2005):幻想曲と即興曲
ジェイムズ W.アイマン(P)

録音:2022年
アメリカのピアニスト、ジェイムズ W. アイマンのアルバム第2集。製作に4年を費やしたこのアルバムでは、彼が得意 とするベック、マルティーノによる2作の現代作品とドビュッシーの「映像」を合わせています。見事なコントラストを見 せるドビュッシー、変幻自在な楽想を持つマルティーノ、シンプルな楽想が瞑想的に広がるベック。アイマンの作品へ の適切なアプローチは聴き手に多様な音楽体験を提供します。

TOCCATA
TOCC-0627(1CD)
NX-B03
エミール・ジャック=ダルクローズ(1865-1950):ピアノ作品集 第4集
ピアノのための3つの小品 Op.8(1890年代出版)- 第3番Valse-caprice ワルツ・カプリース
6つのロマンド舞曲 Op.37
12の舞曲(1911年出版)
Musiques en Zigzags -12petites pieces melodiques et rythmiques
ジグザグの音楽-12のメロディックでリズミカルな小品 (1930年頃)
アダルベルト・マリア・リーヴァ(P…Steinway D)

録音:2023年1月25-27日
全て世界初録音
スイスの作曲家ダルクローズのピアノ曲集第4集。ダルクローズは音楽学習の方法論の一つであるリトミックを発展さ せた功績で知られています。このアルバムに収録されているのは、彼の舞曲への強い関心が窺える作品で、同時代 の作曲家たち、シャブリエ、ドビュッシー、フォーレ、ラヴェルらの影響が感じられる陽気なワルツ・カプリースから民謡の 要素を持つものまでさまざまな趣を持つ曲が並んでいます。 アダルベルト・マリア・リーヴァはミラノ音楽院で学び、2018年にルガーノ音楽院で音楽教育学の修士号を取得し たピアニスト。知られざる作曲家の作品を紹介することに尽力、これまでにダルクローズ作品の他、ヨーゼフ・ヴェルフ ルやアドルフォ・フマガッリの作品の録音などで高い評価を受けています。

MIRARE
MIR-672(1CD)
ハンガリー風狂詩曲集
バルトーク:ピアノ・ソナタ Sz.80、野外にて
コダーイ:マロシュセーク舞曲集
リスト:ハンガリー狂詩曲第5番ホ短調 「悲しい英雄物語」、第16番 イ短調、第10番ホ長調 「前奏曲」
ロドルフ・メンギ(P)
1997年パリ生まれのフランスの気鋭ピアニスト、ロドルフ・メンギのデビューCD。バルトーク、コダーイ、そしてリストらの、ハンガリーの伝統音楽に関連する 音楽をプログラムしています。抜群のリズム感と鋼のような力強さとしなやかさを備えたタッチで、それぞれの作曲家のメッセージの雄弁な語り部となって、個々 の楽曲の世界を圧倒的なスケールで描きます。単にテクニックを誇示するだけない、迫力と説得力に満ちた演奏です。
2015年、パリ国立高等音楽院でドニ・パスカルとヴァルドゥイ・イェリツィアンのクラスに満場一致で入学。2018年、フィリップ・ジャルスキ・アカデミーの「ヤ ング・タレント」に選ばれました。ラ・ロック・ダンテロン音楽祭などでそのピアノで会場を魅了しているほか、ソロ・室内楽で、バロックから現代まで幅広いレパー トリーで活躍しています。 (Ki)

Indesens Calliope Records
IC-009(3CD)

JIC-009(3CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
4台のヴィオラで弾いたバッハの無伴奏チェロ組曲


CD1
〜組曲第1番ト長調 BWV 1007
組曲第2番ニ短調 BWV1008
CD2
組曲第3番ハ長調 BWV1009
組曲第4番変ホ長調 BWV1010
CD3
組曲第5番ハ短調 BWV1011
組曲第6番ニ長調 BWV1012
ピエール=アンリ・ズエレブ(ヴィオラ・ダモーレ、モダン・ヴィオラ、バロック・ヴィオラ、5弦ヴィオラ)

音:2021年5月(第1番〜第3番)&2022年7月(第4番〜第6番)

使用楽器詳細:
Suite BWV1007en sol majeur
Prelude:viole d’amour
Allemande:alto moderne
Courante:viole d’amour
Sarabande:alto baroque
Menuets1et2:alto baroque
Gigue:viole d’amour

Suite BWV1008en re mineur
Prelude:alto baroque
Allemande:alto moderne
Courante:alto moderne
Sarabande:alto baroque
Menuets1et2:alto baroque
Gigue:alto moderne

Suite BWV1009en do majeur
Prelude:alto moderne
Allemande:alto moderne
Courante:alto moderne
Sarabande:alto baroque
Bourrees1et2:alto baroque
Gigue:alto moderne
Suite BWV1010en mi bemol majeur
Prelude:alto moderne
Allemande:alto moderne
Courante:alto moderne
Sarabande:alto moderne
Bourree1:alto moderne
Bourree2:alto baroque
Gigue:alto moderne

Suite BWV1011en do mineur
Prelude (introduction:alto baroque)
(fugue:alto moderne)
Allemande:alto moderne
Courante:alto moderne
Sarabande:alto baroque
Gavotte1:alto moderne
Gavotte2:viole d’amour
Gigue:viole d’amour

Suite BWV1012en re majeur
sur alto a5cordes (avec corde aigue mi)
フランスの名ヴィオリスト、ピエール=アンリ・ズエレブが4台のヴィオラを弾き分けたバッハ無伴奏組曲全曲! 現代を代表するヴィオラ奏者の一人であるとともに、ヴィオラ・ダモーレの演奏・録音、パガニーニの「グラン・ヴィオラ協奏曲」やシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」そしてバッハの「無伴奏チェロ組曲第6番」の演奏のために、高いE弦が付いた5弦の「グラン・ヴィオラ」の製作・演奏など、極めて意欲的な活動を行ってきたズエレブが臨むバッハの「聖典」は、楽章ごとにヴィオラ・ダモーレ、モダン・ヴィオラ、バロック・ヴィオラを使い分け、最後の第6番では5弦ヴィオラを使用しているという要注目のプロジェクト。ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラやヴィオラ・ポンポーサのために作曲されたという説や、バッハ自身がヴァイオリンとヴィオラの名手であったこともあり、ヴィオラを含む様々な楽器で演奏・録音されているこの「無伴奏チェロ組曲」ですが、古い時代と現代を混在させ、4つの異なる楽器の音色で多彩な響きを生み出すこのアルバムはひと際異彩を放っているでしょう。
ピエール=アンリ・ズエレブ(ピエール=アンリ・ゼレブ)は、16歳でCNSM(フランス国立高等音楽院)のヴィオラ部門一等賞を受賞。ジュリアード音楽院で技術を磨き、19歳でピエール・ブーレーズのアンサンブル・アンテルコンタンポランのソロ・ヴィオラに任命。これまで70枚を超えるCDを録音し、コンサートツアーで世界各地を訪れ、最も権威のある室内楽音楽祭に招待されています。

Signum Classics
SIGCD-747(1CD)
夢のあとに〜ベル・エポック期のピアノの夜
フォーレ:夢のあとに(エマニュエル・デスパ編)
プーランク:ナゼールの夜
ドビュッシー
:月の光
サン=サーンス:死の舞踏(リスト&ホロヴィッツ編)
シャミナード:夜想曲 Op.165
ラヴェル:夜のガスパール
デュパルク:星に
エマニュエル・デスパ(P/ファツィオリ モデル278)

録音:2022年2月、メニューイン・ホール(イギリス、サリー)
ファツィオリ・ピアノで聴く美しき夜の音楽。英国王立音楽カレッジで名教師ルース・ナイにピアノを学び、クラウディオ・アラウの孫弟子にあたるファツィオリ・プレイヤー、エマニュエル・デスパ。ロマン派とポスト・ロマン派作品の優れたパフォーマーとして高い評価を築いているデスパの最新作は、夜をテーマにしたフランス近代のピアノ作品集!フランスのベル・エポック期のレパートリーへの賛歌である本作は、サン=サーンス、ドビュッシー、ラヴェルの有名作品に、デスパ編曲によるフォーレの「夢のあとに」、そしてシャミナードやプーランク、デュパルクらの演奏機会の少ない名作を組み合わせ、夜と夢の美しさを描いています。また本作は彼の祖父である詩人ジャック・シャルパントローに捧げられており、ブックレット(英語・フランス語)には彼の詩の一部と、彼が尊敬していた他の詩人の作品が掲載され、音楽を補完しています。

GENUIN
GEN-23841(1CD)
モーツァルト彼のヨーロッパ
C.P.E.バッハ:12の変奏曲 H.263、ロンド ハ長調 H.260
J.C.バッハ:ピアノ・ソナタ イ長調 Op.17-5
クレメンティ:ピアノ・ソナタ ヘ短調 Op.13-6
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K.333、アダージョ ロ短調 K.540、
 グルックの主題によるピアノのための10の変奏曲 ト長調 K.455
アナ・ホミチュコ(P)

録音:2022年10月24日-27日
SWR(南西ドイツ放送)の音源を用いたアナ・ホミチュコのデビュー・アルバム!このアルバムでは18世紀の作曲家の作品を集めており、モーツァルトと面識のあった C.P.E.バッハと、ライバル視していたとされるクレメンティの作品を集めています。作品の違いや共通点はもちろんのこと、作曲家の個性を、そのしなやかでクリアなピアノ演奏で明らかにしていきます。
ドイツを拠点として活動するロシアのピアニスト、アナ・ホミチュコは、バレンシア国際音楽祭2013音楽賞第1位、アントン・ルビンシテイン国際ピアノコンクール2018第2位などの実績を誇り、YouTubeやInstagramではクラシック音楽のブロガーとしても人気を得ています。

Delphian
DCD-34300(2CD)

XDCD-34300(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ&ソナタ集(全曲) BWV.1001-1006
CD1〜パルティータ第1番ロ短調 BWV1002/パルティータ第2番ニ短調 BWV1004/パルティータ第3番ホ長調 BWV1006/CD2〜ソナタ第1番ト短調 BWV1001/ソナタ第2番イ短調 BWV1003/ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
ボヤン・チチッチ(バロックVn/ジョヴァンニ・トノーニ1701)

録音:2021年2月7日-9日&4月29日-5月2日、クライトン・カレッジ教会(ミッドロージアン、スコットランド)
000年に創設され、2014年にグラモフォン賞の「レーベル・オブ・ジ・イヤー」を受賞したスコットランド有数のクラシック・レーベルDelphian(デルフィアン)が、記念すべき300番目のカタログ番号を割り振ったのは、クロアチアの名バロック・ヴァイオリニスト、ボヤン・チチッチのバッハ!
ブレコン・バロックやフロリレジウム、アルカンジェロ、エンシェント室内O、EUバロックOのコンサートマスターや中心メンバーとして活躍してきた古楽界のライジング・スターであり、新世代のバロック・ヴァイオリニストの旗手の1人、ボヤン・チチッチ。これまで様々な知られざるバロック作品を録音してきたチチッチですが、ギタリストのショーン・シベがスコットランドの15世紀の教会で録音したバッハ(PDCD-34233)を聴き、最初のロックダウン中にバッハの「パルティータ&ソナタ」という偉大な作品のレコーディングを決断。パンデミックも収まらない2021年の冬〜春にかけて、雪に覆われたスコットランドへ赴き、バッハの厳かなフーガと輝くようなパルティータを探求しました。このアルバムは、この録音計画が始動した数ヵ月後に亡くなったザグレブ出身のヴァイオリン教授Damir Kukuljに捧げられており、ブックレットには秀逸なバッハ録音も続ける奇才チェンバリスト、マハン・エスファハニが寄稿したエッセイが掲載されています(国内仕様盤には日本語訳も封入)。

Da Vinci Classics
C-00746(1CD)
フランシスコ・タレガ:ギター作品全集 Vol.1
アラビア風奇想曲/ムーア人の踊り/アデリータ/アルボラーダ/夢/ラ・カルタヘナ/オダリスクの踊り/マリエッタ/グラン・ワルツ/ゆりかご/マリア/ロシータ/パキート/ペピータ/イザベル/メヌエット/タンゴ/マズルカ ト長調/二人の幼い姉妹/パヴァーナ/ワルツ/マラゲーニャ/ホタ
ヴィンチェンツォ・サンドロ・ブランカッチョ(G)

録音:2022年8月(チーゴレ、イタリア)
イタリア、ナポリ出身のギタリスト、ヴィンチェンツォ・サンドロ・ブランカッチョによる、現代ギターのレパートリーの父、フランシスコ・タレガの作品全集がスタート。第1巻では主に舞曲に焦点を当てており、このジャンルにおいて、タレガは多くの短い傑作を残しています。マズルカ、ポルカ、ワルツのような東洋の舞曲については、ショパンとその細密な形式の扱いに触発され、「アラビア風奇想曲」、「ラ・カルタヘナ」、「ムーア人の踊り」などでは、スペイン人がアラブの文化や音楽様式に魅了されたことを示しています。これらの作品を通して、タレガの音楽の温かさ、情感、優雅さ、そして、洗練された音楽素材の扱いに魅了されることでしょう。
サンドロ・ブランカッチョは、2014年にはドイツ、コブレンツのライン州立POとの共演でロドリーゴのアランフェス協奏曲を演奏するなど、ヨーロッパを中心に世界各地へと活躍の場を広げているギタリスト。すでに10を超える国際コンクールでの優勝、入賞歴を持つなど実績も十分です。
Da Vinci Classics
C-00733(2CD)
バッハ:フランス組曲 BWV812ー817&フランス風序曲 BWV831 ピエトロ・ソラーチ(P/スタインウェイ)

録音:2021年、グリファ&フィリ・スタジオ(ミラノ、イタリア)
11歳の時にベッリーニ歌劇場Oとの共演でデビューを果たし、1985年の第11回ショパン国際ピアノ・コンクールでは参加したイタリア人の最高位となるなど、イタリア内外で目覚ましい活躍を展開してるピアニスト、ピエトロ・ソラーチ。鮮烈なストラヴィンスキー(Da Vinci/C00372)が印象的だったソラーチが進めているバッハのピアノ作品全曲録音の第7巻では、フランス組曲と、イタリア協奏曲とともに「クラヴィーア練習曲集」の第2巻として出版された「フランス風序曲」をカップリング。
べーレンライター社の後援を受けて行われたこの録音でも、前作同様クリティカル・エディションの楽譜が用いられており、その解釈や研究結果もポイントと言えるでしょう。ジャケット写真も非常に印象的で、日本の風景が採用されている当シリーズ。今作では、福岡県にある臨済宗妙心寺派の寺院「聖福寺」が採用されています。

Prima Facie
PFCD-189(1CD)
イン・ドリームス・プロジェクションズ…
サディ・ハリソン(b.1965):イチイの木の場所からのポートレイト(2020)
セシリア・マクドウォール(b.1951):海外からのノート(2021)
ハリソン:.on a name(2017)
アンドルー・ダウンズ(b.1950):Une Promenade Op.114a(2020)
ルース・バレット(b.1976):雪景色の絵(1993)
ジェニー・ピノック(b.1987):音楽的距離感(2020)
リチャード・フランシス(b.1946): Dirge for our troubles times(2020)
リチャード・パンチェフ(b.1959):"…thus in silence, in dreams' projections…"
ダンカン・ハニーボーン(P)

録音:2020年-2022年
イギリスのピアニスト、ダンカン・ハニーボーンのために様々な作曲家によって書かれた作品集。ハニーボーンはこれまでに70以上もの新作を初演してきています。彼は、イギリス、アイルランド、ヨーロッパを中心にツアーを行い、ラジオでの演奏活動も行っています。「同時代を生きる作曲家の作品を演奏出来ることは、私のキャリアの中で大きな喜びであり、特権のひとつです。ほとんどの作品は最近のものですが、このコレクションを締めくくるのは、現在イギリスで最も成功し、テレビと映画のための作曲家として人気のあるルース・バレットによる印象派の小品『雪景色の絵』です。これは私が初めて行った初演で、この作品にはずっと愛着を持っています」と語っています。

BMC
BMCCD-302(1CD)
コダーイ&リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ集
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8
リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ、無伴奏ヴィオラ・ソナタ(タマーシュ・ゼーテーニ編曲チェロ版)
タマーシュ・ゼーテーニ(Vc)

録音:2022年8月&9月、BMCスタジオ(ブダペスト)
ハンガリーのクラシック、コンテンポラリー、ジャズ、インプロヴィゼーションのシーンで活躍するチェリスト、タマーシュ・ゼーテーニの初のソロ・アルバム。20世紀におけるもっとも重要な弦楽器独奏曲として、ハンガリーのコダーイと生誕100周年を迎えたリゲティの無伴奏チェロ・ソナタを取り上げ、リゲティの無伴奏ヴィオラ・ソナタからのチェロ・アレンジ(自身で編)も収録。これらの作品からは、大バッハによって確立された弦楽器独奏というジャンルが、20世紀になって突如としてリヴァイヴァルした様子を窺い知ることができます。
1985年ブダペストに生まれ、5歳でチェロを始めたタマーシュ・ゼーテーニは、ハンガリーの様々な音楽シーンで活動し、Classicus Quartetのチェリスト、セーチェニ・イシュトヴァーン大学(ジェール大学)の講師を務めています。2022年にはハンガリーの作曲家マルセル・ダルガイとの共著で、バッハのリュート組曲BWV997のチェロ版楽譜も出版されました。

Danacord
DACOCD-965(1CD)
アメリカのピアノ音楽アンソロジーVol.5〜 アメリカン・ダンス
エイミー・ビーチ(1867-1944):チロリアン・ワルツ・ファンタジー Op.116
ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978):7つのトレーサリー より 第1曲「雲のゆりかご」
カルロス・トロイヤー(1837-1920):カイオワ・アパッチの出陣の踊り
ヘンリー・F.ギルバート(1868-1928):5つの黒人の踊り より 第5曲「踊り」
チャールズ・セオドア・パッケルベル(1690-1750):メヌエット
バーバー:スーヴェニール(思い出) Op.28
マイカ・トーマス(b.1997):ローテーション
ルイス・グルーエンバーグ(1884-1964):ジャズ・マスクU Op.30a
エドワード・マクダウェル:魔女の踊り Op.17-2
ゴットシャルク:大タランテッラ Op.67
セシル・リカド(P)

録音:2022年4月9日-12日、アメリカ芸術文学アカデミー(ニューヨーク)
の人気シリーズの一つ、「アメリカのピアノ音楽アンソロジー」から新作が登場。当シリーズは18世紀から21世紀にかけてのアメリカのピアノ独奏作品から、過小評価されてきた、あるいは忘れられてしまった傑作を掘り起こしてゆくという好企画。第5弾となる今回のテーマは“アメリカン・ダンス”。「カノン」で有名なドイツの作曲家、ヨハン・パッヘルベルの息子でありアメリカで活躍した18世紀の作曲家、チャールズ・セオドア・パッケルベルの作品から、ジュリアード音楽院のジャズ科で学び近年注目を集めている1997年生まれの新星ピアニスト、マイカ・トーマスの作品まで幅広い時代の、そして実に多様なスタイルやルーツを持った選りすぐりの「踊り」に関する作品が収録されており、その多くが世界初録音となります。
セシル・リカドはこれまでに、デビュー盤で共演したクラウディオ・アバドをはじめ、アンドルー・デイヴィス、シャルル・デュトワ、ネヴィル・マリナー、ズービン・メータ、小澤征爾、アンドレ・プレヴィンといった偉大な指揮者らと共演。Hyperionレーベルでのアルバン・ゲルハルトとの録音でも知られ、ザ・ニューヨーカー誌から「ピアニストの中のピアニスト(a pianist’s pianist)」と称賛されました。Danacordレーベルでは当シリーズの他に、フーズム城音楽祭ライヴ・シリーズでもオーンスタインなどの知られざる作品を披露しています。


CONTINUO Classics
CC777-829(1CD)

KKC-6727(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
コレット・マズ〜109歳の現役ピアニスト
(1)坂本龍一:「戦場のメリークリスマス」
(2)ドビュッシー:「忘れられた映像」より第1曲<ゆっくりと>
(3)ピアソラ:「忘却」
(4)ガーシュウィン:「私の愛する人」
(5)ガーシュウィン:3つの前奏曲より第2番嬰ハ短調
(6)シューマン:3つの幻想的小品 Op.111より第2曲<かなりゆっくりと> 変イ長調
(7)シューマン:子供の情景 Op.15(全曲)

※(1)(3)(4)(5)ピアノ&ギター版(編曲:ベルトラン・カゼ)
コレット・マズ(P/ スタインウェイ)
ベルトラン・カゼ(G)(1)(3)(4)(5)

録音:2022年〜2023年/パリ、フランス
国内盤解説:長井進之介
1914年(大正3年)6月16日、パリ生まれの現役ピアニスト、コレット・マズ。マズを特集したテレビ番組はフランスのみならずヨーロッパ各国で放映。 また新聞でも大きく取り上げられているまさに時の人です。そのマズは2023年の誕生日には109歳を迎えます。これを記念して2022年、2023年の最 新録音を発表しました!
収録作品は今年(2023年)3月28日に亡くなった坂本龍一の名曲「戦場のメリークリスマス」にはじまり、ドビュッシーの「忘れられた映像」より第1曲、 ピアソラの「忘却」、ガーシュウィンの「私の愛する人」、「3つの前奏曲」より第2番、シューマンの「3つの幻想的小品」より第2曲、そして「子供の情景」 全曲という充実の選曲。このうち坂本龍一、ピアソラ、ガーシュウィンの4曲はギタリスト、ベルトラン・カゼとの共演です。コルトーに師事したマズが「子供の情景」 を録音したことはまさに宝といえましょう。2023年の現在もピアノと真摯に向き合い「世にも尊き至芸」に磨きをかけるマズの演奏をお楽しみください。
2001年から2019年にかけて録音した3枚組の「ドビュッシー:ピアノ作品集」(CC777-818)も好評発売中です! (Ki)


King International
KKC-097(3CD)
国内製作
野島稔の芸術
■Disc1
(1)バッハ:平均律クラヴィア曲集第1巻〜第4番嬰ハ短調BWV849
(2)同:平均律クラヴィア曲集第1巻〜第7番変ホ長調BWV852
(3)同:平均律クラヴィア曲集第1巻〜第8番変ホ短調BWV853
(4)シューマン:交響的練習曲Op.13
■Disc2
(1)ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ(全8曲)
(2)プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調Op.84
(3)ラヴェル:蛾〜「鏡」より
(4)リスト:ラ・カンパネラ
■Disc3
(1)シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番ハ短調D.958
(2)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2の2
野島稔(P)

録音:1999年6月6日ザ・シンフォニーホール(Disc1,2)、1997年9月14日/大阪いずみホール(Disc3)(全てライヴ)
野島稔はその実力と業績に反し、録音物がほとんど存在していませんでした。今回1999年6月のザ・シンフォニーホールと1997年9月阪いずみホールの貴 重な音源が日の目を見ます。得意としたラヴェルとベートーヴェンをはじめ、端正の極みのバッハ、狂気のように燃えあがるシューマンをメインにした充実のライン ナップ。
野島のシャープでスピード感あふれる演奏は清潔で、音色は研ぎ澄まされクリアながら冷たくなく、温かみと滋味あふれる美しさ。プロコフィエフやリスト作品で は息もつかせぬ華麗なテクニックに驚嘆させられます。ことにリストの「ラ・カンパネラ」の胸のすくような快演はドラマのように聴き手に迫ります。ピアノの美しさ、 凄みを存分に味わせてくれます。前CD(野島稔ベートーヴェン・ライヴKKC-095/6)がレコード芸術特選に輝くなど注目されています。 (Ki)


BIS
BISSA-2681(1SACD)
リスト:超絶技巧練習曲集 S.139 ハオチェン・チャン(P/スタインウェイD )

録音:2022年7月28-31日バヴァリア・ムジークストゥーディオ(ミュンヘン)
世界的ピアニスト、ハオチェン・チャンのBISレーベル第4弾はリストの「超絶技巧練習曲集」です。「まるで巨匠の様な演奏だ!」 と激賞した故ロリン・マゼールをはじめ、巨匠をもうならせるハオチェン・チャンは、優しい抒情性と聴衆を魅了する強靭なテクニックをあわせもつ現代最高の ピアニストの一人。NHKSOとの共演などで日本でも知られる若手の名手です。
『すべての長・短調の練習のための48の練習曲』(1826)から『24の大練習曲』(1837)に改作され、1851年に第3稿として改編し翌1852 年に出版されたのが『超絶技巧練習曲集』で、チェルニーに献呈されています。リストの独創的なピアノの技巧が散りばめられ、リスト以前が作曲した練習曲と はまったく新しいスタイルをとっており、ドビュッシー、ラフマニノフ、バルトーク、リゲティなど、のちの作曲家のピアノ作品に多大な影響を与えています。全 12曲の大半に副題がついており、「マゼッパ」「鬼火」など有名な作品も含まれております。
粒立ちが揃い、輪郭のはっきりとした旋律、そして超絶技巧ながら演奏の難しさを感じさせない演奏は流石ハオチェン・チャン。その豊かな表現力に脱帽です。 新名盤登場と申せましょう! (Ki)

CLAVES
50-3060(1CD)
「神的なもの」
バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」BWV639
リスト:2つの伝説 S.175より第1曲「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」
バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659
メシアン:『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』より第5曲「御子に注ぐ御子のまなざし」
バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」BWV645
リスト:2つの伝説 S.175より第2曲「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」
バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「来たり給え、創造主なる聖霊よ」BWV667
メシアン:『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』より第14曲「天使たちのまなざし」
フランク:前奏曲,コラールとフーガ ロ短調 FWV21
ヨアキム・カール(P/スタインウェイD)

録音:2020年1月/スタムスンド教会、ロフォーテン諸島(ノルウェー)
2014年に開かれた第14回グリーグ国際ピアノ・コンクールで優勝したノルウェーのピアニスト、ヨアキム・カールがアルバム「神的なもの」をリリースしました。
スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングの自伝「思い出・夢・思想」に出てくるa numinosum(神的なもの)からインスピレーションを受けて選曲したこ のアルバムはバッハ=ブゾーニのコラール前奏曲とバッハの音楽的精神を受け継いだリスト、フランク、メシアンの作品を組み合わせた内容。クリスタルに輝くピア ノの音色がノルウェー、ロフォーテン諸島のスタムスンド教会に響き渡ります。 (Ki)

POLYMNIE
POL-214167(3CD)
2台ピアノによるラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集(第1〜5番)+α
(1)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1(2台ピアノ))
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18(2台ピアノ)
(3)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30(2台ピアノ)
(4)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40(2台ピアノ)
(5)ラフマニノフ:交響曲ニ短調「ユース・シンフォニー」(第1 楽章のみ)(2台ピアノ)
(6)ラフマニノフ(ヴァレンベルク編):ピアノ協奏曲 「第5番」(2台ピアノ)
(7)アレンスキー:ロシア民謡による幻想曲 Op.48(2 台ピアノ)
アンゲラン=フリードリシュ・リュール=ドルゴルキイ(P、(3)‐(7)
多重録音)
マヘリー・アンドリアナイヴォラヴェローナ(P(1)(2))

録音:2012年5月 フランス イル=ド=フランス地域圏 ヴァル=ドワーズ県 サルセル、2021年6月 フランス グラン・テスト地域圏 オーブ県 トロワ
Polymnie から意欲的なCD を立て続けに出しているピアニスト、アンゲラン=フリ ードリシュ・リュール=ドルゴルキイの新譜は、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集、2 台ピアノ演奏。かつてピアノ協奏曲は、オペラや管弦楽伴奏の声楽作品における ピアノ・ヴォーカルスコアと同様に、オーケストラ部分をピアノ用に編曲した楽譜が 出版されるのが普通だった。ラフマニノフのピアノ協奏曲第 1番から第4番までと アレンスキーのロシア民謡による幻想曲については作曲者自身の編曲による 2台 ピアノ譜が出版されており、それがここでも使用されていると思われます。 ラフマニノフの交響曲第2番を2007年にアレクサンドル・ヴァレンベルクが編曲し た「第5番」は既に録音はあるが、2台ピアノ演奏は初録音。またアレンスキーのロ シア民謡による幻想曲の2台ピアノ演奏も初録音とされます。大オーケストラをバック にピアノが華麗な独奏を繰り広げるオリジナルとは異なり、すべてがピアノの音で混 然一体となることで、全体像を俯瞰しながら聞くような新たな視点を得ることができ る。 アンゲラン=フリードリシュ・リュール=ドルゴルキイは、1975 年、パリ生まれのピア ニスト、作曲家。リムスキー=コルサコフのピアノ作品全集で注目を浴びたり、ジョ ン・ウィリアムズの映画音楽を2台ピアノで演奏したり、実に個性的な活動を繰り広 げる人だが、演奏は実に正攻法で誠実なもの。そのジョン・ウィリアムズの CD など で共演していたマヘリー・アンドリアナイヴォラヴェローナがピアノ協奏曲第 1番と 協奏曲第2番で第2ピアノを受け持っています。その他はリュール=ドルゴルキイに よる二重録音。

GALLO
GALLO-1686(1CD)
小川のせせらぎ(小川のなかのバッハ)
(1)18世紀のスウェーデン民謡*
(2)ガブリエリ(1659-1690):リチェルカーレ第3 番
(3)バッハ:無伴奏チェロ組曲第2 番
(4)ヴィターリ:パッサ・ガリ
(5)小川のなかのバッハ(水の歌、来たれ異教徒の救い主よBWV659)*
(6)ダラバーコ(1710-1805):カプリス第1番
(7)バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番
(8)ヴィターリ:ルジェーロ
エスメ・デ・フリース(バロック・チェロ)

録音:(2)-(4)(6)-(8)2021年11月16、18日サバニエール教会、
(1)(5)2021年11月初旬ジュラ川のほとり*
大変面白い企画。バッハの名曲、無伴奏チェロ組曲第2番、第3番を中心に置きながら バッハの前後の世代の作曲家が書いた無伴奏チェロの作品を収録。つまりバッハに影 響を与えた作曲家とバッハが影響を与えた作曲家の作品を並置することでバッハの名曲 がある時突然生まれたのではなく、川の流れのように時代の流れのなかから自ずと生ま れたことを私たちに知らせてくれるアルバム。洒落っ気のあるのはバッハの曲を小川(バッ ハとはドイツ語で小川の意味)のほとりで野外録音したトラックがあること。川のせせらぎの 音とともに聴くバッハは癒しの効果も満点。バロック・チェロのエスメ・デ・フリースはオラン ダのヨトレヒトで学んだ後、ガット弦によるバロック・チェロに転向、ソロから協奏曲まで多く のレパートリーを持っています。音楽のみならず地球規模の環境問題にも多大な関心を寄 せており、コンサートを通じて地球温暖化や環境保護についてのメッセージを伝え続け ています。

Stradivarius
STR-37247(1CD)
「ロマンシーリョ」〜スペインのギター作品集
ソル:練習曲 Op.35-18
アントニオ・ホセ:ギターのためのソナタ
 小ロマンス
リョベート:スケルツォ=ヴァルス
 5つの前奏曲
 カタルーニャ民謡(6曲)
R.サインス・デ・ラ・マーサ:神の境界(全5曲)
レオナルド・ロスパッルーティ(G)
ウンベルト・カファーニャ(G)
マウーロ・スクイッランテ(マンドリン)
プーリア・マンドリン・アッカデミア・オーケストラ

録音:2022年5月14,15日 イタリア・バーリ
イタリアの中堅のクラシック・ギター奏者、レオナルド・ロスパッルーティによるスペインの ギター曲集。フェルナンド・ソルを除くといずれも近代の人たち。近年名曲として人気が上 昇しながらも録音の少ないレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサの「神の境界」全5曲が収録さ れているのがありがたい。 レオナルド・ロスパッルーティはバーリ音楽院でセゴヴィアの弟子、リンダ・カルソラートに学 んだ。マンドリン奏者としてまた指揮者としても活躍しています。


Biddulph
BIDD-85031(1CD)
NX-B04
ミッシャ・エルマン・プレイズ・チャイコフスキー&ヴィエニャフスキ
●チャイコフスキー作品集
1. 無言歌 Op.2No.3(F. クライスラー編)
2. スケルツォ Op.42No.2(F. クライスラー編)
3. アンダンテ・カンタービレ - 弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.11より
4. 感傷的なワルツ Op.51No.6(D. J. Grunes編)
5. 弦楽セレナード Op.48〜ワルツ(L.アウアー編)
6. ただ憧れを知る者だけが Op.6No.6(M.エルマン編)
7. 『白鳥の湖』〜ロシアの踊り(Lange編)
●ヴィエニャフスキ作品集
8. レジェンデ Op.17
9. マズルカ ニ長調 「Dudziarz」 Op.19No. 2
10. マズルカ ト短調 「Chanson polonaise」 Op.12No.2
11. マズルカ イ短調 「Kujawiak」Op.3
12. ポロネーズ・ブリランテ 第1番ニ長調 Op. 4
13-15. ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op. 22
ミッシャ・エルマン(Vn)
ジョゼフ・シーガー(P)・・・1-12
ロビン・フッド・デルO・・・13-15
アレクサンダー・ヒルズバーグ(指)・・・13-15

録音:1952年9月23、25日、10月7、9、14日…1-12
ニューヨーク、Victor Studio No.2
/初出:RCA Victor LM1740
1950年6月23日…13-15
フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージック
/初出:RCA Victor LM5
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:Dave Hermann
マスタリング:Rick Torres
総収録時間:78分 「エルマン・トーン」と呼ばれる独特の美音を活かした演奏スタイルで日本の聴衆も魅了したミッシャ・エルマンがRCAに残した最後の録音をBiddulphがCD 化しました。エルマンは1891年にウクライナのユダヤ人居住区(ゲットー)でクレズマー音楽の演奏家の家に生まれました。4歳からヴァイオリンを始め、後にオ デーサ(オデッサ)のアカデミーで学び、11歳の時にレオポルト・アウアーの前で演奏すると、その才能に驚嘆したアウアーはペテルブルク音楽院の自らのクラスに 招きました。 アウアーは、エルマンが13歳の年にベルリン・デビューをお膳立てし、14歳の年にはグラズノフ:ヴァイオリン協奏曲のイギリス初演のソロを託します。エルマンは 1906年、15歳でフランス・パテからレコード・デビュー。1908年にカーネギーホールでアメリカ・デビューをセンセーショナルに飾るとRCAに迎えられ、40年以 上にわたり録音を続けました。RCAがハイフェッツを看板ヴァイオリニストに迎えると、エルマンはDeccaやVanguardに録音するようになったので、ここに収めら れたチャイコフスキーとヴィエニャフスキの小品集がRCAへの最後の録音となりました。シーガーは1950年代から60年代まで共演したピアニスト。エルマンが 好んで共演したため録音も多くあります。 ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番は、エルマンが11歳でアウアーに引き合わされた時に演奏して感嘆させ た曲で、その後も得意としていました。ロビン・フッド・デルOの実体はフィラデルフィアOで、同管が 行っていた夏の音楽祭の名前を使っています。指揮のヒルズバーグはヴィエニャフスキと同じポーランド生まれで、エ ルマンと同じくアウアーにヴァイオリンを学び、フィラデルフィア管のコンサートマスターを19年間務めた後に指揮者とな りました。 エルマンは1921年、37年、55年と3度にわたり来日。特に初来日時は欧米の一流の演奏家の来日が珍しかっ た時期で、大きな話題になったと伝えられています。当音源はモノラルの成熟期のセッション録音で、特にトラック1- 12はバランスがヴァイオリン寄りなこともあって、エルマンのヴィブラートのかけ方まで聴き取れそうな鮮明な音になっ ています。 ※チャイコフスキーの曲の編曲者についてはBiddulphの情報に従っています。

オクタヴィア
OVCT-00200(1SACD)
税込定価
2023年6月21日発売
スクリャービン・リサイタルU
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調作品6
第2番嬰ト短調「幻想ソナタ」作品19
第3番嬰ヘ短調作品23
第10番作品70
尾城杏奈(P)

録音:2022年5月10-12日高崎芸術劇場
東京藝術大学を卒業後、同大学院修士課程に在籍し、 現在パリ・エコールノルマル音楽院にて研鑽を積む 新進気鋭のピアニスト尾城杏奈。ライフワークとし て取り組むスクリャービンの作品を収めた〈スク リャービン・リサイタルU〉ピアノ・ソナタ全集 Vol.2の登場です。アルバムにはスクリャービンの初 期と最後のソナタをカップリング。近年益々活動の 場を広げる尾城杏奈の卓越したテクニックと澄んだ 音色で聴衆を魅了します。中期以降の作品を収めた 前作と併せてぜひお楽しみください。(オクタヴィア)

STEINWAY&SONS
STNS-30217(1CD)
NX-B07

NYCX-10407(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
リスト:超絶技巧練習曲 S.139 イム・ユンチャン(P)

録音:2022年6月10日 テキサス州フォートワース、
バス・パフォーマンス・ホール
ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール セミファイナルにおけるライヴ録音
2022年6月に開催されたヴァン・クライバーン国際コンクールにおいて史上最年少で優勝を飾ったイム・ユンチャン。加えて新作課題曲の最優秀演奏賞と 聴衆賞にも選ばれ、審査委員長のマリン・オルソップから「深い音楽性と並外れたテクニックが有機的に結びついた稀有なアーティスト」と称賛されました。 コンクールはインターネットでライヴ配信されましたが、特に評判になったのがセミ・ファイナルでのリスト:超絶技巧練習曲集全12曲の演奏。イギリスの『グラ モフォン』誌が「世界中のネット上のピアノ・ファンの間でバズった」と言及した演奏がCDでリリースされます。聴衆の拍手に迎えられたイムは拍手が続いている うちに演奏をスタート。この場に臨む気迫と集中を感じさせます。以後、難曲の連続ながら解釈も音も輝きを保ったまま硬直することがなく、緩急や明暗は 自在に推移し、全12曲を通しての巧みな設計のもとに演奏を楽しんでいるかのような雰囲気さえ感じられます。『ダラス・モーニング・ポスト』紙が「100万人 に1人の才能だ」と評したのも納得の、華やかな魅力ある演奏と言えるでしょう。 ※国内仕様盤にはクライバーン・コンクールを現地取材した高坂はる香氏による日本語解説が付属します。
STEINWAY&SONS
STNS-30211(1CD)
NX-B07
キム・スヨン〜モーツァルト・リサイタル
ジーグ ト長調「アイネ・クライネ・ジーグ(ライプツィヒ・ジーグ)」K. 574
12のコントルダンス K.269bより
 No.1ト長調/No.2ト長調
 No.3ハ長調/No.12ニ長調
ピアノ・ソナタ第9番ニ長調 K.311
アレグロ ト短調 K.312
アダージョ ロ短調 K.540
グルックの主題によるピアノのための10の変奏曲 ト長調 K.455
ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調 K.332
アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618(F.リスト編)
キム・スヨン(P)

録音:2022年10月12-13日
キム・スヨンは、韓国で学んだ後ザルツブルクのモーツァルテウム国立音楽大学に留学、パヴェル・ギリロフの教えを受けました。学士課程を最優秀成績で卒 業し、修士号も取得。リコ・グルダにも師事しています。2020年にモーツァルテウムが開催したモーツァルト国際コンクールで第2位、2021年のモントリオール 国際音楽コンクールで優勝して以降、国際的に活躍しています。 このSteinway & Sonsレーベルへのデビュー・アルバムでは、彼女が得意とするモーツァルトをフィーチャーしました。2つのソナタに加えて変奏曲やジーグ、リ スト編の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」など珍しいレパートリーも盛り込まれた多彩な選曲です。「モーツァルトの音楽は生命と力に満ちており、人間の感情の全 てを包み込み、あらゆる時代や文化の枠を超えています。このアルバムを作る過程で私は何度も喜びに浸り、モーツァルトの心との個人的なつながりを感じ ることができました」と語っています。

TYXart
TXA-22171(1CD)
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27(全6曲) エレーナ・デニソヴァ(Vn)
確かなキャリアに裏打ちされた実力が大いに発揮されたイザイの無伴奏全曲録音。エレーナ・デニソヴァは1963年モスクワ生まれでモスクワ音楽院に学んだ ヴァイオリニスト。90年代以降はオーストリアに移住し活躍を続けています。 (Ki)

La Dolce Volta
LDV-118(1CD)
AU CINEMA CE SOIR〜今夜は映画館で
『甘い生活(フェデリコ・フェリーニ,1960)』〜メイン・テーマ(ニーノ・ロータ)
『ベニスに死す(ルキノ・ヴィスコンティ,1971)』〜アダージェット(マーラー作曲、アレクサンドル・タロー編)
『許されざる者(ジョン・ヒューストン,1960)』〜ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
『恋人たち(ルイ・マル,1958)』〜ブラームス:主題と変奏 ニ短調 (ブラームス自身の編曲による弦楽六重奏曲作品18の第2楽章のピアノ独奏版)
『スティング(ジョージ・ロイ・ヒル,1973)』〜スコット・ジョプリン:ソラース
『マンハッタン(ウディ・アレン,1973)』〜ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
『ブレーでのランデヴー(アンドレ・デルヴォー, 1971)』〜ブラームス:3つの間奏曲 作品117
『カサノバ(フェデリコ・フェリーニ,1976)』〜ニーノ・ロータ:バッハの名による2つのワルツより 第1曲 サーカス・ワルツ
『ルートヴィヒ/神々の黄昏(ルキノ・ヴィスコンティ, 1973)』〜リヒャルト・ワーグナー:エレジー
『叫びとささやき(イングマール・ベルイマン, 1972)』〜ショパン:マズルカ イ短調 作品17-4
ジャン=マルク・ルイサダ(P)

録音:2022年7月2-5日、リエージュ・フィルハーモニー・ホール(ベルギー)
13歳で『ベニスに死す』を観て熱烈な映画ファンとなり、同時にプロの音楽家になろうと志したというルイサダ。『今夜は映画館で』と題したこのアルバムでは、 フランスの同タイトルのテレビ番組シリーズの司会者であったアルマン・パニジェルへのオマージュとして企画しました。パリ国立音楽院で学んでいたころも週に4 回は通っていたというルイサダの、映画への熱烈な愛が感じられる演奏となっています。『ベニスに死す』の音楽〈アダージェット〉が、タローの編曲というのも注 目です。 (Ki)

Hortus
HORTUS-211(1CD)
「イスラメイ」〜バラキレフ:ピアノ曲集
グリンカ(バラキレフ編):ひばり
バラキレフ:東洋風幻想曲「イスラメイ」Op.18
園にて 変ニ長調(牧歌的練習曲)
 マズルカ第3番ロ短調
 ロマンス/ワルツ第2番ヘ短調
 スケルツォ第3番嬰へ長調
 子守歌 変ニ長調/幻想小曲集
 ユモレスク ニ長調/紡ぎ女
カテリーヌ・ニキティーヌ(P)

録音:2022年/フランス
フランスの名手カテリーヌ・ニキティーヌが「イスラメイ」で有名なバラキレフの作品で堂々のソロ・デビューです!
ニキティーヌはソリストとして活躍する一方、オルガニスト、ヴェラ・ニキティーヌとの姉妹デュオとしてムソルグスキーの「展覧会の絵」とチャイコフスキーの「眠 れる森の美女」組曲を収めたアルバム『おとぎ話』(HORTUS-554)をリリースしております。
「イスラメイ」はカフカスのカバルディノおよびアドイゲイ地方の非常に速いテンポの民族舞曲で超難曲として知られます。華麗に奏でるニキティーヌの技量にも 驚きのアルバムが完成しました。
ピアノはステファン・ポレロ製作の楽器を使用。一音一音粒立ちのはっきりとした音色が魅力です。

EUROARTS
20-11877(1CD)
VIVUM〜ガーシュウィン、フンメル、シューベルト
ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー(ヨーヨー・クリステンによるピアノ・ソロ編曲版)
フランツ・フンメル(1939-):ピアノ協奏曲第2番「戦争と平和」(第3楽章:ヨーヨー・クリステン作曲)
シューベルト:4つの即興曲Op.90,D899
ヨーヨー・クリステン(P)
阪哲朗(指)
レーゲンスブルク・フィルハーモニック

録音:2018年10月9日、ノイトラウブリング(ガーシュウィン、シューベルト) 、2016年6月6日、レーゲンスブルク劇場、ライヴ(フンメル)
1996年生まれのピアニスト、ヨーヨー・クリステン。4歳からピアノをはじめ、6歳から作曲を行い、8歳でコンサートに出演するなど、幼少期からその才能を 発揮。2010年には日独交流150周年の記念行事の一貫として行われた演奏会に出演するために来日しています。TYXARTレーベルからも5枚のCDをリリー スし、すでにベテラン・ピアニストとして活躍を続けています。 今回は、ドイツの現代作曲家フランツ・フンメル(1939-)のピアノ協奏曲第2番「戦争と平和」を中心とした内容。クリステンは幼いころからフランツ・フンメル にピアノを師事しており、今回はクリステンが第3楽章を作曲した共作。本盤には2016年阪哲朗の指揮でレーゲンスブルク・フィルハーモニックにより初演され た際のライヴ録音が収録されています。カップリングには、クリステン編曲によるピアノ・ソロ版という個性的なガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」と 躍動的で流麗なシューベルトの4つの即興曲が収められています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72956(1CD)
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27(全6曲) ソルヴェイグ・ステインソルスドッティル(Vn)

録音:2022年10月3-5日スイス、ヴィンタートゥール、聖ミカエル教会
ソルヴェイグ・ステインソルスドッティルはアイスランド出身。3歳でヴァイオリンを始め、レイキャビク音楽大学、ベルリン芸術大学、チューリッヒ芸術大学で学び、 2013年にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でアイスランドSOと共演しソロ・デビュー。ヨーロッパ各地で様々なオーケストラと共演し、リサイタルや室 内楽の公演も行っています。
彼女の記念すべきデビュー盤となる今作は、難曲・イザイの無伴奏。若き奏者がヴァイオリン芸術の限界に果敢に挑みます。

APARTE
AP-317(1CD)
回想
(1)ラフマニノフ:音の絵Op.39の1
(2)シューマン:夜にOp.12の5
(3)スクリャービン:練習曲変ロ短調Op.8の11
(4)チャイコフスキー:サロン風ワルツOp.51の1
(5)ラフマニノフ:音の絵Op.39の8
 音の絵Op.39の4
(7)チャイコフスキー:秋の歌〜「四季」より
(8)ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調Op.32の12
 音の絵Op.39の5
(10)リスト:愛の夢
(11)シューマン:なぜ?Op.12の3
(12)クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ
(13)ラフマニノフ(コチシュ編):ヴォカリーズ
ラフマニノフ(作曲者編):ライラック
(15)スクリャービン:練習曲嬰ハ短調Op.42の5
(16)ラフマニノフ:前奏曲変ニ長調Op.32の13
ジーモン・ビュルキ(P)

録音:2022年12月/マーラー・ホール(ドッビアーコ)
2000年スイス生まれのピアニスト、ジーモン・ビュルキのデビュー・アルバム。ビュルキは5歳からウクライナのキーウでピアノを学び、モスクワ中央音楽学校 でさらなる研鑽を積みました。マツーエフに認められ、キーウ青年ピアニスト・コンクールで優勝、現在はニューヨークのジュリアード音楽学校でセルゲイ・ババヤン に師事しています。
アルバムは今年2023年が生誕150年のラフマニノフに捧げられ、彼の前奏曲と練習曲「音の絵」から数篇と編曲、さらにゆかりあるチャイコフスキーとスク リャービンほかを集めています。技巧も冴え、今後注目の逸材と申せましょう。 (Ki)

EVIDENCE
EVCD-097(1CD)
シランクス〜フランス・フルート作品集
ドビュッシー:シランクス
ドビュッシー(サマズイユ編):牧神の午後への前奏曲
ヴァレーズ:密度21.5
ボザ:イマージュ(映像)Op.38
フレデリック・シャスラン:フルート・ソナタ
オネゲル:牝山羊の踊り
プーランク:フルート・ソナタ
カール=ハインツ・シュッツ(Fl/ムラマツ24K製)、フレデリック・シャスラン(P YAMAHA)

録音:2020年8月26-27日コレジアル・サン=モール(アトンシャテル)
カール=ハインツ・シュッツは1975年オーストリア生まれのフルート奏者。ニコレとベルノーに学び、現在ウィーン・フィルの首席奏者を務めています。フレデリッ ク・シャスランが指揮者として来演した際に知り合い意気投合、シュッツの個性と演奏を想定してフルート・ソナタが生まれ、世界初録音となりました。ドビュッシー やプーランクに感じられる「パリの香り」が魅力。ムラマツ特製純金フルートの音色にも聴き惚れてしまいます。

AD VITAM
AV-230215(1CD)
ショパン:ワルツ集
(1)華麗なる大ワルツ変ホ長調Op.18/(2)華麗なワルツ変イ長調Op.34の1/(3)華麗なワルツ イ短調Op.34の2/(4)華麗なワルツ ヘ長調Op.34の3/(5)ワルツ第5番変イ長調Op.42/(6)ワルツ第6番変ニ長調Op.64の1「小犬」/(7)ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64の2/(8)ワルツ第8番変イ長調Op.64の3/(9)ワルツ第9番変イ長調Op.69の1「別れ」/(10)ワルツ第10番ロ短調Op.69の2/(11)ワルツ第11番変ト長調Op.70の1/(12)ワルツ第12番ヘ短調Op.70の2/(13)ワルツ第13番変ニ長調Op.70の3/(14)ワルツ変イ長調(遺作)/(15)ワルツ ホ長調(遺作)/(16)ワルツ ホ短調(遺作)/(17)ワルツ イ短調(遺作)
トリスタン・プァッフ(P)

録音:2022年10月2-5日/サル・シフラ(モントーバン)
マニアックなレパートリーを得意とするベロフ門下の技巧派トリスタン・プァッフ、ad vitamレーベル第8弾はショパンのワルツ集。それも編曲ではなく正攻法の オリジナル。ここでは17曲を早めのテンポで生き生きと再現しています。辛口のショパンをお求めの向きにオススメです。 (Ki)

Hanssler
HC-22020(1CD)
「黄昏」〜ピアノのための幻想曲集
シューベルト:「さすらい人幻想曲」 ハ長調 Op.15D760
メンデルスゾーン:幻想曲「スコットランド・ソナタ」 嬰ヘ短調 Op.28U92
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2「幻想曲風ソナタ」
ベートーヴェン:ピアノのための「幻想曲」 ニ長調/ニ短調 Unv12(未完のスケッチ)
マクシミリアン・シャイラー(P/スタインウェイD)

録音:2022年10月19-21日/ライツターデル(ノイマルクト)
Instagramのフォロアー数が7万超えのドイツ期待の星、スタインウェイ・アーティストのマクシミリアン・シャイラーのデビュー盤は、シューベルト、メンデルスゾー ン、ベートーヴェンの幻想曲集です。
1997年生まれのシャイラーはミヒャエル・ハウバーに師事し、これまでマレイ・ペライア、ロバート・レヴィン、マルティン・ヘルムヒェンなど世界的ピアニストの 演奏からインスピレーションを受けてきました。
このアルバムではシューベルトの「さすらい人幻想曲」にはじまり、スコットランドの牧歌的な風景を音化したメンデルスゾーンの「スコットランド・ソナタ」、ベー トーヴェンの「月光(幻想曲風ソナタ)」という直球勝負の名曲に加えて、ベートーヴェンの未完の作品、ピアノのための「幻想曲」を収録しました。
ベートーヴェンは数多くの草稿を残した作曲家で、ベートーヴェンの死後、彼の草稿はコレクターズ・アイテムとなり、収集家によって一冊の本にまとめられまし た。現在、大英博物館に所蔵されているヨハン・ネポムク・カフカ(1819-1886)の「カフカ・スケッチ集」は最も有名なコレクションで、当集には作品の断片、 草稿はもちろんのこと、他の作曲家の写譜などが含まれています。ピアノのための「幻想曲」は「カフカ・スケッチ集」に残っていた未完の作品。この貴重なコレク ションからシャイラーはこのアルバムで「幻想曲」というテーマを最大限表現しました。 (Ki)

Hanssler
HC-23017(1CD)
ギター・インターセクションズ
タレガ:ムーア風舞曲
タレガ:マリーア
ホセ:ソナタ
ファリャ:「漁夫の物語」〜『恋は魔術師』より
ファリャ:「きつね火の歌」〜『恋は魔術師』より
トローバ:カスティーリャ組曲
プジョル:セギディーリャ
プジョル:グアヒーラ
シルバ:練習曲第3、15、5番
イヴァン・ペトリチェヴィッチ(G)

録音:2021年10月31日〜11月1日、2021年12月11&12日/エンゲルベルト・フンパーディンク音楽学校(ジークブルク)
このアルバムには19世紀から20世紀に活躍した5人のスペインの作曲家とベネズエラの巨匠シルバのギター作品を収録しております。スペインの作曲家、ギタリ スト、そしてギター教師であったフランシスコ・タレガはスペインの民族楽器といえるギターのために数多くの作品を残しただけでなく、同時代そ して後世に活躍したスペイン人作曲家にも大きな影響を与えました。当アルバムではホセ、ファリャ、トローバ、プジョルのギター独奏作品をお楽しみいただけます。 (Ki)

Audite
AU-97811(1CD)
ショパン、シューマン、シュンケ、ブルクミュラー:初期ピアノ作品集
(1)ショパン:ラ・チ・ダレム変奏曲 Op.2(モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の『お手をどうぞ』による変奏曲)
(2)ショパン:ロンド ハ短調 Op.1
(3)ブルクミュラー:ラプソディ ロ短調 Op.13
(4)ブルクミュラー:ポロネーズ ヘ長調 Op.16
(5)ブルクミュラー:マズルカ 変ホ長調
(6)シュンケ:スケルツォ・カプリチオーソ Op.1【世界初録音】
(7)シュンケ:カプリース第1番ハ長調 Op.9
(8)シュンケ:郷愁
(9)シューマン:アベック変奏曲 Op.1
(10)シューマン:トッカータ ハ長調 Op.7
ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルト(P/スタインウェイD)

録音:2022年3月1-3日/シャフスタール、マリエンミュンスター
ショパン、シューマン、シュンケ、ブルクミュラーの4人の作曲家はいずれも1810年生まれ。このアルバムでは彼らの若い頃のピアノ作品を集めました。
彼らは互いに影響を与え合っていました。初期作品ながらそれぞれ作曲家の個性が発揮されているのが面白いところです。
ルートヴィヒ・シュンケ(1810-1834)は音楽一家に生まれ、11歳の時にシュポア指揮でフンメルのピアノ協奏曲第2番を演奏したという神童。パリではカル クブレンナー、レイハらの薫陶を受けています。ライプツィヒの下宿の隣部屋にはなんとシューマンが間借りしており、その後シュンケとシューマンは親友となりまし た。作曲家としての才能も見せるも結核により23歳で命を落としています。スケルツォ・カプリチオーソは付番されたシュンケの第1作で、この度世界初録音が実 現しました。
演奏は1970年フランクフルト・アム・マイン生まれのピアニスト、ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルトです。ヴェロニカ・ヨッフムやハルトムート・ヘルに師事し、 コンサート・ピアニストとして活躍するかたわら、2003年には生物学者の証も受けている知性派。バッハから現代音楽までレパートリーは広く、初演も多く行って います。auditeレーベルから「アメリカン・リサイタル」(AU-92702)、「アメリカン・リサイタル Vol.2」(AU-97740)をリリースしております。 (Ki)

MDG
MDG-90522826(1SACD)
フェルナンド・ソル:ギター名曲集Vol.2〜「告別」
静けさOp.50
ソナタ Op.15b
幻想曲第3番Op.10
6つのディヴェルティメンティOp.2
6つの小品Op.32
幻想曲第6番告別Op.21
フランク・ブンガルテン(G)
使用楽器:ゲルハルト・シュナーブル、スプルース/ブラジリアン・ローズウッド2003/2009年製

録音:2022年6月13-15日、、マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス
ドイツを代表するギタリスト、フランク・ブンガルテンによるソルのギター名曲集。カタルーニャ出身のソルは、ギターの地位を向上させ、クラシック・ギターの普 及に大きく貢献。ソル自身はオペラ作曲家としての名声を欲していましたが、彼の多くのギター作品は現在でも重要なレパートリーになっており、「魔笛の主題によ る変奏曲」を筆頭に「24の練習曲」など洗練された高い技巧のギター作品の数々を作曲し「ギターのベートーヴェン」と呼ばれていました。30代半ばに祖国スペ インから亡命、その後パリ、ロンドンを中心に活躍。このアルバムのタイトルとなっている「告別」は、幻想曲第6番としてサンクトペテルブルクで初演されました。 フランク・ブンガルテンによる洞察力のある正統的な演奏と、MDGの高音質録音によって、ソルの偉大な音楽をより実感することができます。 (Ki)

MDG
MDG-94022806(1SACD)

バッハ:パルティータ第3番イ短調 BWV827
フランス組曲 第2番ハ短調 BWV813
フランス組曲 第5番ト長調 BWV816
フランス組曲 第3番ロ短調 BWV814
クリスティアン・ツァハリアス(P)
使用楽器:1901年製スタインウェイ・コンサート・グランド・ピアノD,1901 ""Manfred Burki""
1950年ドイツ生まれのピアニスト、クリスティアン・ツァハリアス。1969年ジュネーヴ国際音楽コンクール2位、1973年ヴァン・クライバーン国際ピアノコン クール2位、1975年パリ・ラヴェル・コンクールで優勝、と華々しい実績を誇りピアニストとして国際的な活動を展開。1976年以降はレコーディングやテレビ・ ラジオ番組にも出演。1985年から”France-Musique”で司会を務めるなど多方面で活躍しています。また、1999/2000年シーズンからピアニストだけで はなく指揮者としての活動をスタート。1992年にスイス・ロマンドOを指揮してデビュー後は各地のオーケストラと共演を重ね、現在は、2020年からポル トガルのシンフォニカ・ド・ポルト・カーサ・ダ・ムジカの首席指揮者、2021/22年シーズンからグラナダ市Oの首席客演指揮者、またオーヴェルニュ管 弦楽団のアソシエイト・コンダクター、ジョルジェ・エネスコ国立PO の名誉指揮者に任命されるなど、精力的に指揮活動も続けています。
ツァハリアスはこれまでにも、MDGにモーツァルトのピアノ協奏曲をはじめ様々な録音を残しており、2022年末にはハイドンのピアノ・ソナタ選集(MDG-94022576)をリリース。今回はバッハのフランス組曲を中心としたプログラムを録音。バッハ自身が命名したタイトルではありませんが、洗練された音楽が フランス的な香りがする優雅で親しみやすい曲集。ツァハリアスは、洗練された解釈、一流のテクニックに裏付けされた格調高い演奏を聴かせてくれます。 (Ki)

MDG
MDG-10222892(14CD)
レーガー:オルガン作品全集
■CD1(71‘05)
(1)B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガ Op.46
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(2)第2番「いと高きところには栄光、神にあれ」
(3)第13番「イエス、わが信頼」
(4)第15番「力強き栄光の王なる主をたたえよ」
12の小品 Op.59(第1部)
(5)I:前奏曲
(6)II:パストラーレ
(7)III:間奏曲
(8)IV:カノン
(9) V:トッカータ
(10)VI:フーガ
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(11)第25番「目覚めよと呼ぶ声あり」
コラール幻想曲集 Op.52より
(12)第2番「目覚めよと呼ぶ声あり」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(13)第29番「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」
(14)船来たれり(作品番号なし)
(15)暁の星の輝きのいかに美しきかな(作品番号なし)
コラール幻想曲集 Op.40より
(16)第1番「暁の星の輝きのいかに美しきかな」
■CD2(75’41)
(1)創作主題による変奏曲とフーガ Op.73
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(2)第3番「深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる」
(3)第47番「目覚めよ、わが心よ」
13のコラール前奏曲 Op.79b
(4)第1番「神よ、私のもとを去らないで下さい」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(5)第5番「われらが神は堅き砦」
(6)コラール幻想曲「われらが神は堅き砦」Op.27
(7)ロマンス(作品番号なし)
(8)序奏とパッサカリア ニ短調(作品番号なし)
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(9)第19番「おお我に千の舌ありなば」
(10)第18番「いざもろびと神に感謝せよ」
7つのオルガン小品 Op.145より
(11)第6曲「フィングステン」
12のモノローグ Op.63より
(12)序奏 ヘ短調
(13)パッサカリア ヘ短調
■CD3(74’55)
(1)〜(3)序奏、パッサカリアとフーガ ホ短調 Op.127
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(4)第16番「戸を高く上げよ」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(5)第43番「目覚めよと呼ぶ声あり」
5つのやさしい前奏曲とフーガ Op.56
(6)第3番ト長調
7つのオルガン小品 Op.145
(7)第3曲「クリスマス」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(8)第24番「高き天よりわれは来れり」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(9)第42番「高き天よりわれは来れり」
(10)第30番「今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ」
(11)第20番「イエスは来たれり」
(12)第25番「汝らキリスト者よ、こぞりて主をたたえよ」
(13)第51番「暁の星のいと美しきかな」
13のコラール前奏曲 Op.79b
(14)第10番「安らぎと喜びもて、われはいま逝く」
(15)〜(17)オルガン・ソナタ第2番ニ短調 Op.60
■CD4(79’13)
(1)〜(10)12のモノローグ Op.63(第1〜10番)
7つのオルガン小品 Op.145
(11)第5番「復活祭」
13のコラール前奏曲 Op.79b
(12)キリストは甦りたまえり
(13)キリストは甦りたまえり(作品番号なし)
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(14)第8番「栄光の日は現われぬ」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(15)第7番「救いはわれらに来れり」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(16)第10番「救いはわれらに来れり」
(17)第27番「神よ、汝の善行にわれを向かわしめたまえ」
(18)第6番「われらが神は堅き砦」
(19)第13番「主よ、汝の御心のままにわれはあらん」
コラール幻想曲 Op.52
(20)第3番「ハレルヤ、ほむべき神はわが心の喜び」
■CD5(73‘46)
(1)(2)幻想曲とフーガ ニ短調 Op.135b
(3)〜(6)オルガン組曲第1番ホ短調『バッハの流儀による』 Op.16
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(7)第22曲「わが確き望みなるイエスは」
13のコラール前奏曲 Op.79b
(8)第9番「キリストこそ わが生命」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(9)第39番「腹立ちまぎれにわれを罰するな」
コラール幻想曲Op.40
(10)第2曲「腹立ちまぎれにわれを罰するな」
■CD6(75’19)
オルガンのための3つの小品 Op.7より
(1)第2曲 幻想曲「われら神であるあなたを讃えん」
30の小コラール前奏曲 Op.135a
(2)第10番「主なる神よ、われら汝を讃えまつる」
オルガンのための3つの小品 Op.7より
(3)第3曲「フーガ ニ短調」
13のコラール前奏曲 Op.79b
(4)第11曲「いざもろびとよ、神に感謝」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67
(5)第7曲「汝エホヴァがためにわれは歌わん」
(6)(7)幻想曲とフーガ ハ短調 Op.29
(8)〜(10)オルガン・ソナタ第1番嬰ヘ短調 Op.33
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(11)第26番「われはわがイエスを捨てず」
(12)第12番「天と地の神よ」
30の小コラール前奏曲 Op.135a
(13)第11番「主イエス・キリスト、われを顧みたまえ」
(14)(15)5つのやさしい前奏曲とフーガ Op.56-1
(16)〜(21)6つの三重奏曲 Op.47
■CD7(78’49)
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(1)第11番「おおわが魂よ、大いに喜べ」
(2)コラール幻想曲「おおわが魂よ、大いに喜べ」 Op.30
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(3)第14番「われ心よりこがれ望む」
(4)第5番「わが命なるキリスト」
(5)第34番「おお愛する魂よ、汝を飾れ」
(6)第35番「おお汝ら信仰深き者いかに幸いなるか」
(7)第37番「魂の花嫁」
(8)〜(14)オルガン組曲第2番ト短調 Op.92
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(15)第44番「われ神より去らじ」
30の小コラール前奏曲 Op.135a
(16)第14番「最愛のイエス、われらここ集いて」
(17)第27番「わが神の御心のままに」
(18)第28番「ただ愛する神の摂理にまかす者」
(19)第12番「エルサレムよ、かたく建てられし町よ」
12の小品 Op.59(第2部)
(20)VIIキリエ
(21)VIIIグロリア
(22)IXベネディクトゥス
(23)Xカプリッチョ
(24)XIメロディア
(25)XIIテ・デウム
■CD8(75’51)
(1)交響的幻想曲とフーガ Op.57
7つのオルガン小品 Op.145より
(2)第4番「受難」
(3)おお、血と涙にまみれ御頭よ(作品番号なし)
30の小コラール前奏曲 Op.135a
(4)第21番「おお、血と涙にまみれ御頭よ」
(5)おお悲しみ、おお心の悩み(作品番号なし)
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(6)第19番「イエスの悲しみと苦しみと死」
(7)第33番「おお、神の子羊、罪なくして」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(8)第1番「我等と共にあれ」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(9)第31番「おお、汝正しくして善なる神よ」
(10)第38番「神の歌なきに非ずも」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(11)第8番「まさにその時いたれり」
(12)第6番「悩みにただ一つ」
(13)第3番「すべては神の祝福のもとに」
(14)5つのやさしい前奏曲とフーガ Op.56-4
(15)後奏曲(作品番号なし)
(16)変奏曲とフーガ「皇帝陛下万歳」(作品番号なし)
7つのオルガン小品 Op.145より
(17)第1番「追悼頌歌
(18)第7番「勝利祝い」
■CD9(78’34)
(1)〜(12)12の小品 Op.65
(13)前奏曲とフーガ嬰ト短調(作品番号なし)
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(14)第41番「天にいますわれらの父よ」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(15)第26番「わが主のみわざは」
(16)第30番「素晴らしき主」
(17)第17番「我がイエスよ、我は離れず」
(18)第20番「おお神よ、汝義なる神よ」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(19)第4番「わが心の奥底から」
(20)第45番「何故にか我悲しまん」
?第46番「わが主のみわざは」
■CD10(78’59)
(1)前奏曲 ハ短調(作品番号なし)
(2)5つのやさしい前奏曲とフーガ ロ短調 Op.56-5
(3)前奏曲とフーガ 嬰ヘ短調(作品番号なし)
(4)〜(7)前奏曲とフーガ Op.85第1〜4番
13のコラール前奏曲 Op.79b
(8)第3番「主よ、今馬車の停止をも」
(9)第13番「なにゆえにわれ悲嘆すべき」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(10)第21番「イエス、わが喜び」
13のコラール前奏曲 Op.79b
(11)第12番「主よ、今馬車の停止をも」
(12)〜(21)10の小品 Op.69
■CD11(79’11)
コラール幻想曲 Op.52より
(1)第1番「すべての人は死ななければならない」
(2)〜(13)12の小品 Op.80
13のコラール前奏曲 Op.79b
(14)第2番「神はわがやぐら」
(15)第5番「安らぎ、喜びとともに私はいく」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(16)第18番「エルサレムよ、かたく建てられし町よ」
13のコラール前奏曲 Op.79bより
(17)第6番「わが終わりの近きをだれぞ知らん」
(18)第7番「汝は復活せん」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(19)第9番「大いに歓べ、わが魂よ」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(20)第32番「おおイエス キリスト、わが命の光」
?甘き死よ、来たれ(作品番号なし)
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
?第22番「おお世よ、われ汝より離れざるを得ず」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
?第50番「誰ぞ知らん、わが終わりの近きを」
?第52番「なにゆえに悲しむや、わが心」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
?第23番「偽りの世に 別れを告げん」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
?第40番「偽りの世に 別れを告げん」
?第2番「すべてのものは神の祝福により」
?第23番「来たれ、生命の霊よ」
?第17番「わが勇気をわれは愛さん」
?第36番「装いせよ、おお、愛する魂よ」
?第48番「ただ愛する神の力に委ねる者は」
?前奏曲とフーガ ニ短調(作品番号なし)
■CD12(78’17)
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(1),暁の星の輝きのいかに美しきかな
(2)コラール幻想曲「暁の星のいと美しきかな」 Op.40-1
オルガンのための3つの小品 Op.7
(2)第1番「前奏曲とフーガ ハ長調」
(4)5つのやさしい前奏曲とフーガ Op.56-2
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(5)第15番「天地こぞりてこの日の御業を」
(6)第9番「主イエス・キリストよ、われらを顧みたまえ」
(7)第49番「目覚めよ、わが心よ」
13のコラール前奏曲 Op.79b
(8)第4番「永遠の朝の輝き」
30の小コラール前奏曲 Op.135aより
(9)第4番「深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる」
52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
(10)第16番「われ汝に感謝す、尊き主よ」
(11)第24番「主をたたえよ」
(12)第28番「今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ」
(13)第1番「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」
(14)〜(22)9つのオルガン小品 Op.129
(23)7つのオルガン小品 Op.145-2

バッハのオルガンのための編曲作品全集
■CD13(77’20)
(1)幻想曲とフーガ ニ長調BWV912/912a
(2)幻想曲とフーガ イ短調 BWV904
(3)トッカータとフーガ ニ短調 BWV913
(4)トッカータとフーガ ト短調 BWV915
(5)インヴェンション1番ハ長調 BWV772
(6)インヴェンション1番ハ短調 BWV773
(7)インヴェンション3番ニ長調 BWV774
(8)インヴェンション4番ニ短調 BWV775
(9)インヴェンション5番変ホ長調 BWV776
(10)インヴェンション6番ホ長調 BWV777
(11)インヴェンション7番ホ短調 BWV778
(12)インヴェンション8番ヘ長調 BWV779
(13)インヴェンション9番ヘ短調 BWV780
(14)インヴェンション10番ト長調 BWV781
(15)インヴェンション11番ト短調 BWV782
(16)インヴェンション12番イ長調 BWV783
(17)インヴェンション13番イ短調 BWV784
(18)インヴェンション14番変ロ長調 BWV785
(19)インヴェンション15番変ロ短調 BWV786
(20)半音階的幻想曲とフーガ BWV903
■CD14(61’12)
(1)トッカータとフーガ ハ短調 BWV911
平均律クラヴィーア曲集 第1巻
(2)第22番前奏曲とフーガ BWV867変ロ短調
平均律クラヴィーア曲集 第2巻
(3)第1番前奏曲とフーガ BWV870ハ長調
(4)第5番前奏曲とフーガ BWV874ニ長調
(5)第3番前奏曲とフーガ BWV872嬰ハ長調
(6)第15番前奏曲とフーガ BWV884ト長調
(7)第16番前奏曲とフーガ BWV885ト短調
平均律クラヴィーア曲集 第1巻
(8)第21番前奏曲とフーガ BWV866変ロ長調
(9)第4番前奏曲とフーガ BWV849嬰ハ短調
(10)トッカータ 嬰ヘ短調 BWV910
ロザリンデ・ハース(Org)
使用楽器:フランクフルト、アルビーツ・オルガン

録音:CD1/2:1988年3月
CD3/4:1988年10月
CD5/6:1989年3月
CD7/8:1989年10月
CD9/10:1990年10月
CD11/12:1991年3月
CD13:1993年3月
CD14:1993年10月
2023年はマックス・レーガーの生誕150周年。メモリアルイヤーを記念してMDGレーベルの記念碑的な録音、ドイツのオルガニスト、ロザリンデ・ハースに よるレーガーの「オルガン作品全集」と「バッハ編曲作品全集」という14枚組ボックスが再発売されます。
ドイツ後期ロマン派の作曲家、マックス・レーガーは、43年という短い人生で、数多くのオルガン曲を残しています。バッハやベートーヴェン、 ブラームス、ワーグナーの影響を受けながらも、より複雑で重厚な独自の音楽世界を築き上げました。自身は敬虔なカトリック教徒でありながらプロテスタンの女 性と結婚し、カトリック教会から破門された人物でもありました。
演奏するロザリンデ・ハースは、教会オルガニストを務めていた父ものと1932年シュランベルクで生まれ、7歳からオルガンを学び、ヘルムート・ヴァルヒャや フェルナンド・ジェルマーニといった巨匠らに師事。このレーガーの全集は、彼女の長年に渡るオルガン音楽の演奏と研究により蓄積された膨大なノウハウが、晦 渋ともいわれるレーガーのオルガン作品を、表現力豊かに聴かせてくれ、編曲作品も含めて非常に魅力的な仕上がりとなっています。ニーダラートにあるアルビー ツ・オルガンは優れた機能性をもち、技巧的なパッセージや色彩豊かなレジストレーションが可能となり、ロザリンデ・ハースの機知に富んだ演奏がより一層際立 ちます。ブックレットには、レジストレーションの詳細も記載されています。また録音もMDGの名コンビ、ヴェルナー・ダブリングハウスとライムンド・グリムによる 優秀録音です。

PAN CLASSICS
PC-0450(2CD)
バッハ再考 Vol.2〜無伴奏チェロ組曲のヴァイオリン編曲版(1866)

バッハ:無伴奏チェロ組曲 BWV1007-1012
フェルディナンド・ダヴィッド編曲によるヴァイオリン独奏版(1866年ライプツィヒ)
[CD1]
第1番ト長調 BWV1007(ニ長調で演奏)
第2番ニ短調 BWV1008(イ短調で演奏)
第3番ハ長調 BWV1009(ト長調で演奏)
[CD2]
第4番変ホ長調 BWV1010(変ロ長調で演奏)
第5番ハ短調 BWV1011(ト短調で演奏)
第6番ニ長調 BWV1012
ホルヘ・ヒメネス(Vn;1680年フランチェスコ・ルッジェーリ製)

録音:2023年1月15日-19日/マドリッド、ロブレド・デ・チャベラ、VNスタジオ
カタルーニャのチェリスト、パブロ・カザルスが積極的に全曲を取り上げたことで世の中に広く普及したバッハの無伴奏チェロ組曲。同じカタルーニャ出身である ヴァイオリニスト、ホルヘ・ヒメネスも、このチェリストの偉大さにおおきな敬意を表しています。
とは言っても、カザルス以前にこの作品がまったく顧みられなかったわけではありません。19世紀のライプツィヒではメンデルスゾーンが『マタイ受難曲』を蘇 演(1841年)してバッハ・リヴァイヴァルの機運が高まり、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(1844年)の初演者でもあるフェルディナンド・ダヴィッドが 無伴奏チェロ組曲をヴァイオリン用に編曲(1866年)しています。当時としては珍しく演奏上の指示がたくさん書き込まれた楽譜で、ロマン派時代におけるバッ ハ受用のありかたを示す重要な資料でもあります。調性は楽器の調弦に合わせて自然に弾けるように、第5番までが完全5度上に移されています。
ヒメネスはこの編曲版を、1850年製オリジナルのロマン派の弓と、ガット弦を張ったヴァイオリンを用いて、当時のゲヴァントハウスのオーケストラで使われて いたピッチ(A=447Hz)を採用して演奏。19世紀に響いたであろうバッハが鮮やかによみがえります。
ヒメネスの「バッハ再考」シリーズ、第1弾は彼自身の編曲によるヴァイオリン版ゴルトベルク変奏曲(PC-10434)。こちらも要注目です。

Indesens Calliope Records
IC-001(1CD)
ポップ・ミーツ・クラシカル Vol.1
バッハ:リュート組曲ホ長調 BWV1006a より プレリュード
ボブ・マーリー:ジャミング
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」 Op.27-2より 第1楽章アダージョ・ソステヌート
スコーピオンズ:ウィンド・オブ・チェンジ
ドビュッシー:月の光
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ:カリフォルニケーション
ロッシーニ:ウィリアムテル序曲
ダフト・パンク:ハーダー・ベター・ファースター・ストロンガー、ゲット・ラッキー
ルイ=クロード・ダカン:かっこう
ニルヴァーナ:スメルズ・ライク・ティーン・スピリット
アレクサンドル・ボルダチョフ(Hp)

録音:2022年3月17日-19日、スタジオ12ter(モントルイユ、フランス)
9歳でリトアニア国立Oと共演し国際的なデビューを果たし、チューリッヒ芸術大学に留学。ザハール・ブロン・チェンバーのメンバーとして活躍した後、2015年からは名門ボリショイ劇場のゲスト・ソロ・ハーピストとしても活躍し、さらには「ハープ・フェスティヴァル・チューリッヒ」の創設、さらには2018年のサッカー・ワールドカップの開会式で演奏された楽曲の作曲を担当するなど、マルチな才能を発揮している現代有数のハーピストであるアレクサンドル・ボルダチョフ(アレクサンダー・ボルダチョフ、旧名サーシャ・ボルダチョフ)。
これまでにショパンのピアノ作品をハープで奏でた「フレデリック」(CAL2083)、母国のロシアをテーマにした「ハープと共にロシアから」(CAL2183)などをリリースしてきたボルダチョフが新たに挑むのは、バッハからニルヴァーナまで、クラシック、ポップス、ロックのヒット曲を網羅した、初のクラシック・クロスオーバー・ハープ・アルバム。アカデミックな音楽とクラシックのクロスオーバーというジャンルで、ハープを代表する演奏家の一人であり、即興演奏家、作編曲家として、個性的な音楽スタイルを持つ、ボルダチョフならではの好企画です。時代やスタイルも全く異なるこれら名曲の数々を、ハープの持つ美しい音色と、ボルダチョフの高難度のテクニックが美と感動を与えてくれます。

フォンテック
FOCD-9884(1CD)
税込定価
2023年6月14日発売
ジュリアーニ:私の愛する花の選集
モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲 WoO,G3-1
ソナチネ ハ長調 Op.71-1
ソナチネ ト長調 Op.71-2
ソナチネ ニ長調 Op.71-3
私の愛する花の選集 Op.46 【ミルテ/パンジー/ユリ(リス)/ジャスミン/ローズマリー(ロスマリン)/カーネーション(ナデシコ)/スイセン(ナルシス)/スミレ(ヴィオレット)/バラ(ローズ)/月桂樹(ローリエ) 】
大序曲 Op.61
益田正洋(G)
使用楽器:ハウザーI世(1936)

録音:2022 年12 月22-23 日 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
デビュー30 年を記念した「J.S.バッハ/6 つの無伴奏チェロ組曲」全曲録音(FOCD9845/9860) &全曲演奏プロジェクトを大成功のうちに完遂、躍進を果たした現代最高のギタリスト・益田正洋。 本作では「現代ギターの父」アンドレス・セゴビアが南米ツアーのために特別に作らせた究極の名器 “ハウザーI 世(1936)”を手に、古典期において最も成功したギター・ヴィルトゥオーゾの1人、マ ウロ・ジュリアーニの作品集をお届けします! 19 世紀初頭、ウィーンの楽壇において絶大な人気を博したジュリアーニ。ベートーヴェン《交響曲第 7 番》の初演に(恐らくチェリストとして)参加するなど、ギタリストとしての枠に収まらない活動の 記録も残っています。 10 の花の名を冠した表題曲集を含む、クラシックギターの美しく表現豊かな音色を知り尽くした名匠 の手による珠玉の名曲を、歴史的名器を手にした現代の天才ギタリストの演奏でお聴きください。 胸いっぱいに拡がる音の花束を貴方に――。(フォンテック)

カメラータ
CMCD-28387(1CD)
税込定価
2023年6月10日発売
ファンタスティック・ハーモニカ/崎元讓&美野春樹
T.ライリー:セレナーデ
美野春樹:遅き日
 ソネット〜夏の終わりに
 それぞれの秋/それぞれの冬
 思い出/タンゴ オブ エイジア
 おだやかな日々
宮前知永子:明けない夜
美野春樹:即興〜「月光」
M.ルグラン:リラのワルツ
 ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング
A.マンサネーロ:ソモス・ノビオス「私たちは恋人同士」(イッツ・インポッシブル)
C.ベラスケス:べサメ・ムーチョ
M.ポンセ:エストレリータ
チャイコフスキー:秋の歌
山田耕筰:赤とんぼ/J.コズマ:枯葉
ドヴォルザーク:家路〜交響曲第9番「新世界より」第2楽章
崎元讓(ハーモニカ)、美野春樹(P)

録音:2022年10月/東京(ライヴ録音)
 日本ハーモニカ界の至宝、崎元讓が1967年10月に東京で初リサイタル を開いてから55年を迎えた2022年10月、東京文化会館で55周年記念公演 が行われました。  演奏会のパートナーを務めたのは、崎元の長年の盟友、ピアニスト/ 作曲家の美野春樹。黄金のデュオが聴衆を魅了したライヴを完全収録し たアルバムの登場です。この日のために書かれた、もうひとりの盟友、宮 前知永子の新曲も花を添えています。年を経てますます磨きのかかる ハーモニカ&ピアノ・デュオを心ゆくまでお楽しみください。(カメラータ)

DIVINE ART
DDX-21237(2CD)
NX-B07
ギリシャ神話とピアノ曲
【CD1】
■Seduction 誘惑
1. ダンドリュー(1682-1738):2eme Livre,6eme Suite - La sirene ラ・シレーヌ
2. セヴラック(1834-1897):水の精と不謹慎な牧神
3. ディミトリ・テルツァキス(1938-):Satyr und Naiaden(2005)*
■Pathos パトス
4. ダンドリュー:2eme Livre,6eme Suite - La bacante
5. デュカス:牧神のはるかな嘆き - クロード・ドビュッシーの墓:第1曲
6. ジクーメンダキス(1959-):From Tethys to the Mediterranean
■Illusion 幻惑
7. フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集第23組曲 Les Satyres
8. ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(L.ボルヴィックによるピアノ編)
9. リナ・トニア(1985-):失われた夢の前奏曲(2020)*
■Metamorphosis 変容
10. F.クープラン:クラヴサン曲集第4組曲 Les Bacchanales - No.1Enjouements bachiques
11. ミッシャ・レヴィツキ(1898-1941):The enchanted nymph 魅せられた妖精
12. スカルコッタス:Echo, AK77 (1946)
■Transcendence 超越
13. F.クープラン:クラヴサン曲集第4組曲 Les Bacchanales - No.2Tendresses bachiques
14. F.クープラン:クラヴサン曲集第4組曲 Les Bacchanales -No.3Fureurs bachiques
15. フローラン・シュミット(1870-1958):蜃気楼 Op.70- No.1Et Pan, au fond des bles lunaires, s’accouda
16. ネスター・テイラー(1963-):Erinyes (Huit Closより2017)
17. スカルコッタス:Procession to Acheron, AK79c (1948)
【CD2】
■Instinct 本能
1. ラモー:クラヴサン小品集第3集 No.8Les cyclopes
2. マスネ:バッカス - Le bapteme par le vin(A. ペリオによるピアノ編)
3. ボルトキエヴィチ(1877-1952):3つの小品 Op.24- グロテスクなワルツ
4. テルツァキス:Ein Satyrspiel (2003)
■Catharsis カタルシス
5. ダカン(1694-1772):組曲第1巻 La ronde bachique
6. ドビュッシー:6つの古代のエピグラフ - 第1番夏の風の神、パンに祈るために
7. ドビュッシー:6つの古代のエピグラフ - 第4番カスタネットを持つ舞姫のために
8. ディミトリス・マランゴプーロス(1949-):Dionysus and the pirates, the voyage from Ikaria to Naxos (1998)
■Mythos ミトス
9-14. ハリー・ファージョン(1878-1948): ギリシャからの写真 Op.13 Paradox 逆説
15-23. パウル・ユオン(1872-1940):サテュロスとニンフ ピアノのための9つの小品 Op.18
■Transition 移行
24. アスパシア・ナソプールー(1972-):Krokeatis Lithos-Lakonia (from “Row rocks”,2017)*
ゾーイ・サムサレール(P)

録音:2022年4月27-28日
*…世界初録音
「Ek-stasis=恍惚」と題されたアルバム。フランスとギリシャのバロックから現代まで、様々な時代に活躍した作曲 家たちによる、神話世界の登場人物たちを描いた音楽集です。3つの世界初録音を含む収録曲はそれぞれテーマ に沿って並べられており、新鮮でエキサイティングなプログラムが楽しめます。 演奏はギリシャのピアニスト、ゾーイ・サムサレール。テッサロニキで考古学を学び、ギリシャ神話と地中海文明の研 究者でもある彼女は、博物館とコラボレーションによるリサイタルを開催し、好評を博しています。ブックレットにはサム サレール自身による解説が記載されており(英語のみ)各々の作曲家と作品についての詳細を知ることができます。

Orchid Classics
ORC-100248
NX-B03
ショパン:バラードとスケルツォ集
バラード第1番ト短調 Op.23
バラード第2番ヘ長調 Op.38
バラード第3番変イ長調 Op.47
バラード第4番へ短調 Op.52
スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
スケルツォ第2番変ロ短調 Op.31
スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
スケルツォ第4番ホ長調 Op.54
マリアンナ・シリニャン(P)

録音:2022年8月9-12日
アルメニア生まれのピアニスト、マリアンナ・シリニャンが弾くショパンの4つのバラードと4つのスケルツォ。 性格は異なるものの、どれもロマンティックな物語を内包するバラード、流動的で気まぐれな曲想を持つスケルツォ、 シリニャンは確かな技巧で各々の曲のキャラクターを際立たせながらその魅力を伝えています。 シリニャンは2006年ミュンヘン国際音楽コンクール第2位を含む5つの賞を受賞。現在はデンマーク王立音楽アカ デミーでピアノ科の教授を務めながら、デンマークを拠点にソリスト及び室内楽奏者として世界的な活躍をしていま す。

Etcetra
KTC-1689(2CD)
シメオン・テン・ホルト(1923-2012):カント・オスティナート(4台ピアノ版) シメオンクァルテット
※使用楽器:クリス・マーネ製作「Straight Strung Grand Piano」
現代オランダを代表する作曲家シメオン・テン・ホルト(1923-2012)による「カント・オスティナート」の新録音が登場!この作品はオランダ音楽を語る上で欠かすことの出来ない傑作でこれまでにも様々な楽器で演奏するために編曲されてきました。今回は原曲である「4台ピアノ版」でのリリースで改めてこの作品の原点ともいえる響きをお楽しみいただけます。演奏会によってはマットレスでの上で寝転んで観賞したり、グランドピアノの真下に寝転んで楽しむ聴衆がいるといい、なぜこれほどまでにこの作品が愛されたのか、作曲者であるシメオン・テン・ホルト自身も分からなかったと言います。「カント・オスティナート」が世に出てから約50年。改めてこの作品の魅力を考えてみる時が来ました。
演奏は1996年に結成されシメオン・テン・ホルトの名を冠した「シメオンクァルテット」で毎年「カント・オスティナート」を弾いています。彼らの中にはシメオン・テン・ホルトに師事し、共演経験もあるメンバーも含まれています。
ピアノは、2015年にダニエル・バレンボイムが弾いて話題となったクリス・マーネ(Chris Maene)の平行弦ピアノ(Straight Strung Concert Grand)。現代の一般的なグランド・ピアノのように弦が交差しておらず、フォルテピアノやチェンバロのようにすべて平行に張られているこのピアノは、フォルテ・ピアノとモダン・ピアノの特徴を併せ持った独特のサウンドをお楽しみいただけます。

TRPTK
TTK-0107(2SACD)
シューマン・コレクション Vol.2
暁の歌 Op.133
クライスレリアーナ Op.16
ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6
主題と変奏 WoO24
ニコラス・ファン・パウケ(P)
1992年、トランペット奏者の父とヴィオラ奏者の母の間に生まれたオランダのピアニスト、ニコラス・ファン・パウケ。オランダのDe Volkskrant紙に「真の詩的な音楽家」と評され、アムステルダムのコンセルトヘボウで行われたリサイタルのチケットが完売するなど今オランダで最も人気のある若手ピアニストの一人です。オランダ国外でもその実力は認められており、ベートーヴェンのピアノ協奏曲を弾いてロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールにもデビューを果たしました。2020年に開始したこのシューマンの作品集シリーズ、開始当初は彼が既にレパートリーとしていた3曲を収録するだけの予定でしたが、レコーディング後にその内容に満足したレーベルからの提案によって「コレクション」としてレコーディングを継続することになりました。第2巻の今回はクライスレリアーナなど初期の作品群と、現存する中では最後に作曲されたとされる作品「主題と変奏」を収録。今後は独奏作品だけでなく室内楽や歌曲、協奏曲もコレクションに加えていく予定だといいます。
TRPTK
TTK-0102(1SACD)
ハンス・ヘンケマンス:ピアノ作品集 (エクリプス Vol.2)
ハンス・ヘンケマンス(1913-1995):ピアノのためのソナチネ、
 アダージョと変奏、
 ピアノと弦楽のための協奏曲 Op.1*、
 アンダンテ・コン・モート、ピアノ・ソナタ
マティアス・スペイ(b.1997):間奏曲T、間奏曲U、間奏曲V、間奏曲W
マティアス・スペイ(P)、
南オランダPO*、
エト・スパンヤールト(指)*

録音:2022年6月、アイントホーフェン音楽堂(オランダ)
ダーフィト・クイケンやラルフ・ファン・ラートらに師事したオランダの新星ピアニスト、マティアス・スペイ(b.1997)は、2021年にTrptkレーベルからリリースしたベートーヴェンと同時代の作曲家、ヨーゼフ・ヴェルフルの作品集(エクリプス Vol.1)で名声を博し、一躍注目度を高めました。あまり知られていない珠玉の作品を宝探しのごとく取り上げることを好むスペイが取り組むシリーズ「エクリプス」の第2巻は、ピアニストとしてご存じの方もいるであろう20世紀オランダの音楽家、ハンス・ヘンケマンス(1913-1995)の作品集。北オランダ音楽院で作曲を教えていたこともあるヘンケマンスはピアノ曲をはじめ管弦楽曲や室内楽曲、オペラなどを作曲しており、その作品は師であるウィレム・ペイペルをはじめラヴェルやドビュッシーといったフランス音楽の影響も受けていると言われています。第1巻同様、各曲の間にスペイ自作の間奏曲を挟む構成をとっています。
TRPTK
TTK-0101(1SACD)
ブレスマーク
チョイ・キョンメ:Until Heard
ドビュッシー:前奏曲集第1集より「音と香りは夕暮れの大気に漂う」、「西風の見たもの」
ショパン:舟歌 Op.60
ヤロスウァフ・カプシチニスキ:Side Effects
ラモー:鳥のさえずり
スコット・オードウェイ:Breathmark
チョン・スージン(P)

録音:2022年6月21日-22日(ヒルフェルスム、オランダ)
既成概念にとらわれない没入感のあるパフォーマンスで国際的なキャリアを築き、コンサート・ピアニストやマルチメディア・アーティストとして活動するチョン・スージンのアルバム「ブレスマーク」は、気候問題や人種的不公平をテーマにしたマルチメディア・プロジェクト。このプロジェクトは2020年にオランダで開催されたグッドメッシュ・コンクールで最優秀賞を受賞しています。自然を自分の中の聖域とし、創造的なエネルギーの源とするチョン・スージンが、時には自然界の音(鳥の鳴き声など)のサウンド・エフェクトをも用いて私たちと自然とのユニークな関係を思い起こさせ、人々が自然や社会における問題に意識を向け、変化を促すことを願っています。

NIFC
NIFCCD-146(1CD)

NIFC(国内仕様盤)
PNIFCCD-146(1CD)
国内盤仕様
税込定価
幻想曲集〜レッセル、ハイドン、ヴォジーシェク
フランチシェク・レッセル(c.1780-1838):幻想曲ハ長調 Op.8
ハイドン:幻想曲(カプリッチョ)ハ長調 Hob.XVII-4
ヴォジーシェク(1791-1825):ソナタ Op.20への補遺、幻想曲風ソナタ Op.20
ベートーヴェン:32の変奏曲ハ短調
ショパン:夜想曲 第20番嬰ハ短調 WN37「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」、
 夜想曲第1番変ロ短調 Op.9-1、
 スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
トマシュ・リッテル(ピリオド・ピアノ)

※使用楽器:コンラート・グラーフ1819年頃製のレプリカ
録音:2020年7月20日-23日&2021年4月22日-23日、ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
※国内盤:解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き
2018年9月に記念すべき第1回が開催されピアノ・ファン、古楽ファンなどの間で話題となったショパン国際ピリオド楽器コンクールで見事優勝を飾ったポーランドの新星トマシュ・リッテル!コンクール・ライヴ盤に続くNIFC第2弾は、ハイドン、ベートーヴェン、ショパンの名作を中心に、レッセル、ヴォジーシェクといった希少な作品を取り上げています。2023年6月には、ショパン全書簡(岩波書店刊行)をテーマとしたレクチャー、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位の川口成彦によるプレゼンテーションとトマシュ・リッテルのリサイタルを組み合わせた興味深いイベントを予定。そして、2023年10月には第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール開催がされ、2024年3月には、ここ日本において、トマシュ・リッテル、川口成彦、そしてユリアンナ・アヴデーエワを加えた3人が18世紀オーケストラとの共演で、ショパンのピアノと管弦楽のための全6作品を演奏するプロジェクト(The Real Chopin X18世紀オーケストラ)など、一大イベントが連なっています。
トマシュ・リッテルは1995年ポーランドのルブリン生まれ。チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院では、ピアノをミハイル・ヴォスクレセンスキーに、チェンバロをマリア・ウスペンスカヤに、そしてピリオド・ピアノをアレクセイ・リュビモフに学び、アルトゥール・ルービンシュタイン国際ヤング・ピアニスト・コンクール(ポーランド)をはじめ、サン・セバスチャン(スペイン)、エンスヘーデ(オランダ)、プラハ音楽院(チェコ)など多くの国際コンクールで第1位を受賞しています。
リッテルの演奏活動において、HIP (Historically Informed Performance 歴史的知識にもとづく演奏)は重要な位置を占めており、 本アルバムでも、作曲家たちが描いたあるべき音楽の形を追求し、当時の多くの聴衆も耳にしたであろう響きを現代に再現します。

Acte Prealable
AP-0554(1CD)
イグナツィ・フェリクス・ドブジンスキ(1807-1867):ピアノ作品集 Vol.1
即興曲 変イ長調/思い出 -2つのマズルカ/ウクライナの思い出 - 性格的小品 イ短調 Op.64/3つのマズルカ Op.27/夜想曲 ヘ短調/大ワルツ-再構築 変ホ長調 Op.63/レシグナシオン 変イ長調 Op.48/マズール(クヤヴィアンカ)に基づく易しく華麗な様式による幻想曲と変奏曲 ト短調 Op.14
アダム・ゴジジェフスキ(P)

録音:2022年11月3日-5日
旧ポーランド領であったロマヌフに生まれたイグナツィ・フェリクス・ドブジンスキ(1807-1867)によるピアノ作品集。音楽一家に生まれた彼はフレデリック・ショパンの同級生としても知られており、1825年からワルシャワの高等音楽学校で学び、ユゼフ・エルスネルに師事しました。コンクールで高い評価を受けた彼の交響曲は後にメンデルスゾーンの指揮によって演奏された記録も残っています。ショパンとは対照的にポーランド国内で活躍した彼は、ピアノ作品だけでなく幅広いジャンルの作品を残し、またポーランドの音楽の発展に貢献しました。
Acte Prealable
AP-0551(1CD)
イグナツィ・クシジャノフスキ(1826-1905):ピアノ作品集 Vol.3
2つのマズルカ Op.15/エレジー第2番嬰ヘ短調 Op.29/クラコヴィアク第3番 「ポーランドの歌」 嬰ヘ長調 Op.26/アルバムのページ(夜想曲) 変ホ長調/6つのバガテル第2集/無言歌 変ホ長調 Op.32-2/ポロネーズ第5番変ホ長調 Op.34/2つのマズルカ Op.10/Allegro appassionato precede d’un andante affetuoso in E flat major Op.33
ローラン・ラミー(P)

録音:2016年-2022年
ポーランドの作曲家、イグナツィ・クシジャノフスキ(1826-1905)によるピアノ作品集第3弾!クシジャノフスキは当初音楽教師であった父親からピアノを習いました。その後ヨーロッパで有名な音楽教師であったフランチシェク・ミレツキに師事し、演奏会などに出演するようになりました。そしてフランツ・リストの目に留まったクシジャノフスキは、パリ音楽院で学ぶことを勧められ研鑽を積みその間ショパンのレッスンも受けることが出来ました。イギリスでの初リサイタルで成功を収め、パリでも活躍していましたが健康上の理由でクラクフに戻り、その後はワルシャワを拠点に活動しました。

Danacord
DACOCD-956(1CD)
ルイ・グラス(1864-1936):ピアノ作品集 Vol.1
春の気分 Op.9/戸外にて〔進行中(おだやかに)、ボート(やさしく優雅に)、森の冒険(ゆっくりと語るように-速く、城の廃墟(陰気に)、荒れ狂う春の朝(重くペダルを多用して)、屋内で(気品をもって)〕/抒情的なバガテル Op.26〔アンダンテ・コン・エスプレッショーネ、モデラート・アマービレ、パストラーレ、アモローゾ, マ・コン・モート、アンダンテ、ポコ・ヴィーヴォ〕/小さな音画 Op.39〔節度をもって、やさしく語るように、意気揚々と新鮮に、ためらい, そわそわと, だが急かないで、わかりやすく落ち着いて、ゆっくりと深い音で、落ち着き, たっぷり時間をとって、少し元気よくユーモアをもって〕/ピアノ小品集 Op.55〔クリスマスの朝(アンダンテ・コン・モート、花咲く樹の下で(コン・モート)、スケルツィーノ(気分よくエネルギッシュに)、前奏曲(ポコ・コン・モート)、パストラーレ(アレグロ・アマービレ)〕/ピアノ小品集 Op.66〔パストラーレ(モデラート)、夜想曲(アンダンテ・コン・モート)、エコセーズ(アレグロ)〕/クリスマスイブ(気分)/かわいいワルツ/気分(小さなアウネスへの勇気づけに)/ピエレッテへのヴィネット
ヤコプ・アルスゴー・ベーア(P)

録音:2022年6月30日-7月3日(デンマーク)
ルイ・グラス(1864-1936)は、デンマークの後期ロマンティシズム期にピアニスト、オルガニスト、音楽教師、指揮者、作曲家として活躍した、当時を代表する音楽家のひとりです。「森の交響曲」(第3番)「卍の交響曲」(第5番)「スキョル王の子孫」(第6番)など6曲の交響曲、管弦楽のための「夏の生活」、「ピアノと管弦楽のための幻想曲」といった作品がCDでリリースされ知られるようになりました。ピアノ作品も多く、シューマンやメンデルスゾーンのスタイルに倣った、作品番号をもつ曲集のほか、いくつもの小品を残しています。2018年にリリースされ大きな話題となったグラスの初めての交響曲全曲録音(DACOC-D-541544)を手がけたDanacord Recordsによる当シリーズにはグラスのすべてのピアノ作品が収録される予定です。
デンマークのピアニスト、ヤコプ・アルスゴー・ベーア(b.1984)は、オーフスのアカデミーでアネ・ウーランに学び、ソリストと室内楽奏者として活動しています。ミハエラ・オプレアのヴァイオリンと共演したデンマークとルーマニアの小品集『タンゴ・ジェラシー、ホラ・スタッカート』(DACOC-D-831)とカール・ニールセンとエネスコの「ヴァイオリン・ソナタ』(DACOC-D-879)がDanacord Recordsからリリースされています。

Chopin University Press
UMFCCD-157(1CD)
ミクリ&ミハウォフスキ:ピアノ作品集
カロル・ミクリ(1821-1897):夢 Op.9-6*、マズルカ ロ短調 Op11*、バラード 変ロ長調 Op.21*、スケルツィーノ 嬰へ長調 Op.9-5*、前奏曲とプレスト・アジタート へ短調 Op.1
アレクサンデル・ミハウォフスキ(1851-1938):夢 イ長調 Op.24*、ワルツ イ長調 Op.23*、ワルツ 変イ長調 Op.34-3*、前奏曲 変イ長調 Op33-5(左手のための)*、前奏曲 変ロ短調 Op9、メランコリックなワルツ 変ロ短調 Op.29、バラード 変ロ長調 Op.30*、即興曲 変ニ長調 Op.21*
マリア・ガブリス=ヘイク(P/1894年製ブロードウッド)

録音:2020年12月&2021年8月(ポーランド、ワルシャワ)
*世界初録音
ショパンの作品を愛するすべての人必聴!世界初録音を多数含む、ショパンの弟子ミクリとミクリの弟子ミハウォフスキのピアノ作品集! ショパンの弟子であるカロル・ミクリ(1821-1897)とミクリの弟子であるアレクサンデル・ミハウォフスキ(1851-1938)は、ショパン的な思想と美学を継承する優れた存在でした。彼らは非常に熱心な教育活動を行い、ラウル・コチャルスキ、ワンダ・ランドフスカ、ルドミル・ルジツキ、ピョートル・レイテル、ウワディスワフ・シュピルマン、イェジ・ジュラブレフといった数世代のピアニストに大きな影響を与えています。彼らはまた、いわゆる「ショパネスク・スタイル」の創造に貢献したという点でも重要な存在です。本作では優れたピリオド楽器の専門家であるマリア・ガブリス=ヘイクが1894年製のブロードウッドピアノを使用し、ミクリとミハウォフスキの作曲面における非凡な才能を明らかにします。

GENUIN
GEN-23833(1CD)
宇宙と断片
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27
ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
ウルリヒ・カルマイヤー(b.1963):チャールズ・ヒューバート・ヘイスティングス・パリーの讃歌「エルサレム」による6つの変奏曲(世界初録音)
マリー・ローザ・ギュンター(P)

録音:2022年1月18日&9月24日-25日、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・メンデルスゾーンザール(ドイツ)
マリー・ローザ・ギュンターは1991年、ドイツのブラウンシュヴァイク生まれ。バッハに傾倒し、当レーベルからリリースしたソロ・デビュー・アルバムでもいきなりゴルトベルク変奏曲を取り上げていましたが、今作は深遠で壮大なテーマを掲げたアルバムでまた違った一面を見せてくれます。ベートーヴェンとウェーベルンの作品に、彼女と同じブラウンシュヴァイク出身の作曲家、ウルリヒ・カルマイヤーの世界初録音となる作品を組み合わせています。
GENUIN
GEN-23829(1CD)
ラウダーテ・ドミヌム
マルティン・グスタフ・ノッテボーム(1817-1882):ヨハン・セバスティアン・バッハの主題による変奏曲 Op.17(フランス組曲第1番BWV812のサラバンドによる)
フリードリヒ・ニーチェ(1844-1900):2つのモノディ NWV39(P4手のための)
ミヒャエル・デンホフ(b.1955):(k)ein Choral(2004/世界初録音)
ピアソラ:フーガと神秘(歌劇 「ブエノスアイレスのマリア」より/パブロ・ツィーグラー編)
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲 K052(ショスタコ―ヴィチ編)
バッハ(クルターグ編:「主よ、人の望みの喜びよ」BWV147+怒りのコラール(遊戯第4巻より)
シュテンツル・ピアノ・デュオ〔ハンス=ペーター・シュテンツル(P)、フォルカー・シュテンツル(P)〕

録音:2022年8月&2013年3月、ドイツ
「4本の手を持つソリストのような自由」と称賛され、ARDミュンヘン国際音楽コンクール(1986年)やマイアミのドラノフ・コンクール(1989年)を含む11の国際コンクールで優勝してきたドイツの兄弟デュオ、「シュテンツル・ピアノ・デュオ」のニュー・アルバム。大バッハが生涯夢中になり続けてきた「ラウダーテ・ドミヌム(主をほめたたえよ)」に基づく、バロックから現代まで4世紀にまたがる音楽が集められています。ベートーヴェン研究者として知られるノッテボームの「バッハの主題による変奏曲」は、友人ブラームスと共に演奏したとされる作品。思想家として高名なニーチェの作曲作品やショスタコ―ヴィチがアレンジしたストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」など注目作品が並び、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」の間にクルターグの「怒りのコラール」を混ぜ込んだ刺激的な作品で締めくくります。
GENUIN
GEN-23827(1CD)
モメント・オヴ・エターニティ〜リスト、シューマン、シマノフスキ:ピアノ作品集
リスト:2つの伝説 S.175
シマノフスキ:仮面劇 Op.34
シューマン:謝肉祭 Op.9
ホン・ミンス(P)

録音:2022年4月、ドイツ
1993年釜山出身のピアニスト、ホン・ミンスのファースト・レコーディング。ブゾーニ国際ピアノ・コンクール、イサン・ユン国際コンクール、ユトレヒトのリスト国際ピアノ・コンクールなど多くのコンクールで入賞を果たしてきたホン・ミンスが、刹那のスケッチ、永遠の瞬間をテーマに魅力的で多様なプログラムを構成。ピアニスティックな技巧を発揮しながら、アイデンティティと外見、芸術と人生についての詩的な考察を提供します。
GENUIN
GEN-23822(1CD)
バリトンの狂気〜バリトン・サクソフォンのための作品集
クルターグ(b.1926):ジェルジ・クルーの追憶に
ペーテル・ヴィーグ(b.1987):三つ編み
ジュゼッペ・ルッジェーロ(1909-1977):アンダンティーノ=アレグロ
ルーカ・フランチェスコーニ(b.1956):ノットゥルノ
ヤン・メヌ(b.1962):Bit of Bit
ヤコブ・テル・フェルトハイス(b.1951):太陽が昇る遥か前に
マラン・マレ:「スペインのフォリア」による変奏曲
吉松隆(b.1953):エクローグ・モノローグ
野田燎(b.1948):ダンス・ダンス・ダンス
ブランフォード・マルサリス(b.1960):バリトン・サクソフォンのための小品
グレゴリー・ワナメイカー(b.1968):モノロジー
アルノ・ボーンカンプ(バリトンSax)

録音:2022年6月28日-30日、プロテスタント教会(オーステム、オランダ)
現代最高のクラシカル・サクソフォン奏者の一人、アルノ・ボーンカンプがバリトン・サクソフォン・アルバムをリリース!コンサートやレコーディングで幅広く活動するほか、1982年に結成し2017年に惜しまれつつ解散した名カルテット、アウレリア・サクソフォン四重奏団のテナー奏者として長年にわたって活躍してきたボーンカンプ。1840年頃にサクソフォンの生みの親、アドルフ・サックスが作った最初のサクソフォンが現在のバリトン・サクソフォンの音域を持つ楽器であり、サクソフォンの原点は低音域にあるということ、そしてコダーイの「無伴奏チェロ・ソナタ」に大きな衝撃を受け、サクソフォンという楽器にもこのクラスの作品、つまり、楽器が持つ魅力と可能性を最大限に引き出し、しかも幅広い聴衆にアピールできるほど洗練されたレパートリーが必要だと痛感したことを機にこのプロジェクトが生まれました。そしてかつてアウレリアで共に活動していたアンドレ・アレンズと共にマルチメディア・パフォーマンス・プロジェクト「リトル・ビッグ・ホーン」を立ち上げ、オランダの多くの舞台で公演を行い、CDを制作。このアルバムには「リトル・ビッグ・ホーン」のために書かれた新作が多く収録されており、これまでもサクソフォンという楽器のレパートリーの拡大に尽力してきたボーンカンプが今度はバリトン・サクソフォンの新境地を開拓します。5ヶ国から2人ずつ作曲家を選び、まず一方の作曲家の短い曲をいわば「前奏曲」として、その後にもう一方の作曲家の長い曲を演奏してゆくという拘ったプログラム構成にも注目。サクソフォン・プレイヤー、サクソフォン・ファン必携のアルバムです。
GENUIN
GEN-23832(1CD)
ヒンデミット、プロコフィエフ、クノール、ド・ゼーガン:無伴奏ヴァイオリン作品集
ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.11-6(1917/18)
エルンスト=ローター・フォン・クノール(1896-1973):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ト短調(1946)
プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115(1947)
ジャック=アルフォンス・ド・ゼーガン(1955-):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ「青い星 l’Astre Bleu」(2021)(マルケタ・ヤヌシュコヴァーに献呈、世界初録音)
マルケタ・ヤヌシュコヴァー(Vn)
チェコやスロバキアの民俗音楽から多くのインスピレーションを得て国際的に活躍するヴァイオリニスト、マルケタ・ヤヌシュコヴァーによる近現代の無伴奏ヴァイオリン作品集。1世紀にも及ぶこれらの作品は、それぞれの作曲家の非常に独特な音楽言語で作曲されている一方で、過去と現在を結びつける新古典主義的な様式への回帰という共通点をもっています。ベルギーの現代音楽作曲家、ジャック=アルフォンス・ド・ゼーガンの詩的な「l’Astre Bleu」はマルケタ・ヤヌシュコヴァーのために作曲されたもので、本作が世界初録音です。
GENUIN
GEN-23831(1CD)
20-21世紀の無伴奏クラリネット作品集
イヴァン・オレンチク(1952-):カプリース第18番
デヴィッド・ウィリアムズ(1952-):And in a moment(世界初録音)
ヴィラ=ロボス:ギターのための5つの前奏曲より第3番イ短調
アンテ・グルギン(1945-):カプリース第1番
イゴール・ドゥルク:詩篇
ラドスワフ・パラジュ(1973-):Ephesiaka
ジョン・ホーキンス(1949-):Mimes(世界初録音)
クラウディオ・ダッラルベロ:Variazioni su Hijazkar Romani(世界初録音)
エフゲニー・オーキン(1977-):ユダヤ組曲
アルベニス:スペイン組曲よりアストゥリアス
ユリア・ドゥルク(クラリネット、朗読)
サンクトペテルブルクとカールスルーエで学んだクラリネット奏者ユリア・ドゥルクによる近現代の無伴奏クラリネット作品集。収録曲はアルベニスを除いて20世紀と21世紀のもので、さまざまな地域のフォークロアにインスパイアされています。各作品は、若き音楽家であり詩人である彼女自身の詩によって彩られています。
GENUIN
GEN-23840(1CD)
ソッリマ、サイグン、サイ、カサド、ブロッホ:無伴奏チェロ作品集
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962-):ラ・フォリア(2007)、嵐(2001)
アフメト・アドナン・サイグン(1907-1991):無伴奏チェロのためのパルティータ Op.31(原典版/1955)
ファジル・サイ(1970-) :無伴奏チェロ・ソナタ Op.92b(2020)
ガスパール・カサド(1897-1966):チェロ組曲(1926)
ブロッホ(1880 -1959):無伴奏チェロ組曲第1番(1956)
ドルカン・ドルク(Vc)
ヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第2位、アントニオ・ヤニグロ・国際チェロ・コンクールやリーゼン国際チェロ・コンクール第1位のドルカン・ドルクが、トルコの作品を中心に聴かせる多彩な無伴奏プログラム!サイグンのベールに包まれた音楽からソッリマのヴィルトゥオーゾ的な奇想曲まで、斬新でエキサイティングな音世界をお楽しみください。
Eudora
EUDSACD-2303(1SACD)
When in Silence of the Soul〜ファニー・メンデルスゾーン:ピアノ作品集
ファニー・メンデルスゾー:ピアノ・ソナタ イ長調 「イースター・ソナタ」 H-U235
アレグロ・モルト ホ短調 H-U410(世界初録音)
ノットゥルノ H-U337
5つのピアノ小品より1. ヴィラ・メディチ, アレグロ・マエストーソ変イ長調 H-U353
ピアノのための4つの歌 Op.8
アンダンティーノ ロ長調 H-U102(世界初録音)
ピアノ小品 アレグロ, ハ短調 H-U139
ピアノ・ソナタ ト短調 H-U395
パウラ・リオス(P)

録音:2022年4月12日-14日、サラゴサ・オーディトリアム、モーツァルト・ホール(スペイン)
スペインの高音質レーベル、Eudoraによる、SACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、スペインのピアニスト、パウラ・リオスが奏でる世界初録音を含むファニー・メンデルスゾーンのピアノ作品集が登場。強い個性、洗練されたテクニック、独創性を備えたパフォーマーとして高い評価を得ているパウラ・リオスは、ビーゴ高等音楽院でコンスタンティーノ・ペレスに師事し、ピアノと理論の学位を優等賞と特別賞で取得しています。
ファニー・メンデルスゾーンは、19世紀前半における女性作曲家のパイオニアとして独自の音楽的道を歩み、400曲以上の作品を作曲した当代きってのピアニストの一人です。このアルバムのタイトルは、ゲーテの詩を音楽化したもので、非常に自発的で実験的な作品となっています。パウラ・リオスは、ファニー・メンデルスゾーンのピアノ作品に必要な輝きと感性をもたらし、2つの初録音を含む、ファニーのピアノ作品を探求しています。
フォーマットはSACD Stereo/MultichannelとMQA-CDのハイブリッドを採用しており、CD層はMQA対応機器を使用することにより、ハイレゾ音源として再生することができます。

IBS CLASSICAL
IBS-52023(2CD)
NX-C01
バッハ(1675-1750):無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲)
【CD1】
1-4. ソナタ第1番ト短調 BWV1001
5-12. パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
13-16. ソナタ第2番イ短調 BWV1003…14、15はアンサンブル付き
【CD2】
1-5. パルティータ第2番ニ短調 BWV1004…5はアンサンブル付き
6-9. ソナタ第3番ハ長調 BWV1005…7、8はアンサンブル付き
10-16. パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
パブロ・スアレス・カレロ(Vn)
アンサンブル…CD1:14、15、CD2:5、7、8
【Manon Chauvin(S)、Gabriel Diaz(C.T)、Fran Braojos(T)、Simon Millan(Bs)、Marco Pannaria(Vc)】

録音:2019年6月
パブロ・スアレス・カレロは1982年マドリード生まれ。ヴァイオリンをニコラス・チュマチェンコ、サルヴァトーレ・アッカル ド、オーギュスタン・デュメイに師事。母国スペインをはじめ、特にフランスと北欧諸国に招かれて演奏を重ねていま す。このCDでは、研究者ヘルガ・テーネが提唱するアンサンブルをいくつかの楽章で採用している点に注目。例えば 有名なニ短調のシャコンヌは、バッハが亡き妻マリア・バルバラを偲び、死者を追悼するコラールの旋律を織り込んで いるとの説に基づいて、歌手4声部にチェロが加わったアンサンブルが該当するコラールを演奏し、ヴァイオリンの独奏 との美しい絡み合いを聴かせます。グラナダ教会の美しい残響も敬虔な雰囲気を高めています。

IBS CLASSICAL
IBS-42023(1CD)
インティメイト INTIMATE
ソル(エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ編):ソルのエチュードロ短調のためのメロディ
ソル:ワルツ ホ長調 Op.32-2
ルイス・デ・ナルバエス(1500-1555):皇帝の歌
マテオ・カルカッシ(1792-1853):ラルゲット
山下洋輔(1972-):Dear M(挾間美帆編)
レス・リード&バリー・メイソン:最後のワルツ(武満徹編)
林光:波紋
三木稔:めばえ
ファリャ:ドビュッシー讃歌
ヴィラ=ロボス:前奏曲第4番ホ短調
 前奏曲第3番ハ長調
オクサナ・ゲラシメンコ:桜の花のワルツ
鈴木一郎(G)

録音:2021年10月1-5日
武満徹やブローウェルらのギター作品を初演した世界的ギタリスト鈴木一郎の75歳記念アルバムがスペインIbsから登場。彼自身とギター音楽の歴史が凝 縮されたような一枚です。1948年に神戸に生まれた鈴木はギターを小原安正に学んだ後、1970年に渡欧してアンドレス・セコビアに師事。ピアソラやポンセらのアドバイスも受けまし た。パリとバルセロナを拠点に音楽活動を行い、バルセロナ国際ギター・フェスティバルのディレクターを20年間務め、1989年にはスペイン国王ホアン・カルロス 1世からイザベル・ラ・カトリカ勲章を授与されました。2007年に帰国した後もヨーロッパをはじめ南北アメリカ、カリブ海諸国、東欧諸国、アジア諸国、南アフ リカ、オーストラリア等に招かれて演奏しています。 鈴木は同時代の作曲家への作品委嘱を積極的に行い、武満徹の「夢の縁へ」、平吉毅州の「レクイエム」、レオ・ブローウェルのギター協奏曲などを初演。 日本人作曲家の作品を広く海外へ紹介する一方、ジャズ奏者のラリー・コリエルや山下洋輔とのコラボレーションを行うなど、ギター音楽の地平を開拓し続け て来ました。このアルバムには彼の国際的なキャリアを凝縮するような作品が収められ、スペイン・ルネサンスの作曲家ナルバエスから山下洋輔の作品に至る 音楽の旅は、ウクライナのバンドーラ奏者ゲラシメンコが鈴木のために書いた「桜の花のワルツ」で結ばれ、深い余韻を残します。 ブックレットにはホセ・マヌエル・バエナ・エレーラによる解説の日本語訳が掲載されています。

Solo Musica
SM-423(1CD)
NX-B03
ステパン・エルマス(1862-1937):ピアノ・ソナタ全集 ヘヒネ・ラピヤン(P)

録音:2022年11月26-27日、12月17-18日
全て世界初録音
アルメニアの作曲家・ピアニスト、ステファン・エルマス。オスマン帝国のスミュルナ(現イズミル)の裕福な家庭に生ま れ、幼い頃から楽才を発揮し13歳の時には演奏会でフランツ・リストの作品を披露しました。1879年にはヴァイ マールに行き憧れのリストに会ったのち、彼の勧めでウィーンでピアノ演奏技術の研鑽を重ね、この地でピアニストと して活躍。並行して作曲活動も行い称賛を集めました。 このアルバムには、エルマスが書いた4曲のピアノ・ソナタを収録。演奏者のヘヒネ・ラピヤンは、これらをピアノ協奏 曲と並ぶエルマスの最高傑作と考え、時間と労力をかけてこの世界初録音を成し遂げたと語ります。ショパンを思 わせる、どことなく懐かしく哀愁が漂う旋律は聴き手を魅了します。 ヘヒネ・ラピヤンはアルメニアのカヴァル生まれ。3歳からピアノをはじめ、エレバンのチャイコフスキー音楽学校でアルメ ン・ババハニアンに学びました。15歳の時にエレバン国立音楽院に入学、最高の成績で卒業。 その後はザルツブ ルグのモーツァルテウム大学で研鑽を続けました。アルメニアの作曲家の作品の普及に努めています。

OUR recordings
MAR-8.226917(1CD)
NX-B06
ギター二重奏曲集
ヘンデル:シャコンヌ ト長調 HWV 435*
ソル(1778-1839):アンクラージュマン Op.34
グラナドス:詩的なワルツ集*
フォーレ:ドリー組曲 Op.56*
*=スカンジナヴィアン・ギター・デュオ編
スカンジナヴィアン・ギター・デュオ【ペア・ポールソン&イェスパー・シーヴェベク(G)】

録音:2021年4-8日オーデンセ、トマス・キンゴ教会 他
デンマーク生まれの二人のギタリスト、ペア・ポールソンとイェスパー・シーヴェベクによるスカンジナヴィアン・ギター・ デュオの結成30周年記念盤。二人は学生時代に出会い、1993年にデンマーク放送の室内楽コンクールで優 勝したのをきっかけにデュオ活動を本格的に開始。以来、デンマーク国内はもとより欧米アジアへの演奏旅行を行 うなど、活発な演奏活動を繰り広げて来ました。このアルバムに選ばれた4曲はいずれも彼らが自らアレンジして長 年弾き込んできた曲ばかりで、流麗で緩急強弱自在な演奏に感心させられます。

SOUPIR EDITIONS
S-252(1CD)
ノアンのショパン
ショパン:夜想曲 ロ長調 Op.62-1
子守歌 変ニ長調 Op.57
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
夜想曲 変ホ長調 Op.55-2
バラード ヘ短調 Op.52/幻想ポロネーズ
ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2
前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
ワルツ 変ニ長調 Op.64-1「小犬のワルツ」
夜想曲 ハ短調 Op.48-1
イヴ・アンリ(P/1839年製プレイエル)

録音:2019年7月15,16日 フランス サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏 ノアン
フランスのど真ん中に位置するノアンは、作家ジョルジュ・サンドが子供時代から過ごした館 があることから、彼女の恋人になったショパンも度々滞在し、いくつも作品を書いた。このCD に はノアンに縁のあるショパンの曲を集めています。さらにショパンの時代の 1839年製のプレイエ ルのピリオドのピアノ(いわゆるフォルテピアノ))を使用。ショパンのピアノ曲は長いこと大ホー ルでグランドピアノを轟かせる演奏が普通になっているが、本来はサロンのような小規模の空 間で当時の楽器で繊細に奏でられるものであることが、このCD から痛感させられます。 イヴ・アンリは1959年生まれのフランスのピアニスト。彼は既に「フレデリック・ショパン ノアンで 過ごした年1839-1846」(S2434CD)というショパンのノアンでの活動の集大成といったアルバ ムを発売しており、また1937年製プレイエルを用いてマズルカ全集(S 2493CD)や、1848年2月16日のショパンのパリでの最後の演奏会を再現したCD(S 2262CD)など意欲的なCD を SOUPIR EDITIONS からいくつも発表しています。このCD はアンリのこうしたショパンへの取り組 みの結実であり、単に時代楽器を用いたという以上の強い説得力と感動が得られるでしょう。
SOUPIR EDITIONS
S-254(1CD)
チェンバロによるモーツァルト作品集
ピアノ・ソナタ第1番ハ長調 K.279
「ああ、ママに言うわ」による12の変奏曲(キラキラ星変奏曲) ハ長調 K.265
ピアノ・ソナタ第18番ヘ長調 K.533, K.494
組曲 ハ短調 K.399
「リゾンは森で眠っていた」の主題による9 つの変奏曲 ハ長調 K.264
コンスタンス・タイヤール(Cemb)

録音:2021年6月10,11,12日 フランス イル=ド=フランス地域圏 オルヴィリエ
フランスのチェンバロ奏者、コンスタンス・タイヤールによるモーツァルト集。モーツァルトの生 きた時代は鍵盤楽器の主流がチェンバロから初期のピアノ(いわゆるフォルテピアノ)に移行す る頃で、モーツァルトは早くからピアノに可能性を見出して飛び付いたのだが、とはいえ当時は まだまだチェンバロは優勢だったので、モーツァルトの鍵盤作品をチェンバロで演奏することに は意義がある。ここでのタイヤールの演奏はチェンバロ演奏によるモーツァルトの可能性を存 分に引き出したものだ。20歳前後の作品であるピアノ・ソナタ第1 番とキラキラ星変奏曲、9つ の変奏曲にはまだチェンバロ的手法があちこちに残っていることがタイヤールによる演奏では っきりと聞いてとれます。特にモダンピアノでは可愛らしい曲になりがちなキラキラ星変奏曲が素 晴らしく華やかに響き渡るのは驚くべき発見だ。ウィーン時代のソナタと組曲もモダンピアノとも フォルテピアノとも異なった煌びやかな美しさにうっとりさせられます。 タイヤールはフランス最東部のアルザス地方の出身。パリ音楽院で学んだ後、主としてバロック 音楽の独奏また通奏低音に活躍しています。1735 年、ゴットフリート・ジルバーマン製作のチェン バロに基づいた、1995年、フレデリック・バルとアンソニー・サイディ製作のコピーを使用。
SOUPIR EDITIONS
S-257(1CD)
モンポウ:ひそやかな音楽(全曲)
ひそやかな音楽第1巻(全9曲)
ひそやかな音楽第2巻(全7曲)
ひそやかな音楽第3巻(全5曲)
ひそやかな音楽第4巻(全7曲)
テレーズ・マラングロー(P)

録音:2020年2月24-25日 フランス パリ
ここ十数年で人気が急上昇し録音も多々出ているモンポウの「ひそやかな音楽」、その全 曲にまた素晴らしい新録音が加わった。フェデリコ・モンポウ(1893―1987)はスペインと言っ てもカタルーニャの作曲家。近代フランス音楽の影響を受けつつも、内省的で繊細な、そして 時には小節線をとっぱらった自由な音楽を書いた。プーランクに絶賛された歌曲集「夢の戦 い」が代表作だが、10年以上かけて少しずつ書き進められたこの「ひそやかな音楽」もモンポ ウの傑作です。テレーズ・マラングローはベルギーのピアニスト。モンポウ独特の音楽に深 い共感を持った、静かで深みのある音楽を紡いでいます。
SOUPIR EDITIONS
S-259(1CD)
シューベルト:ピアノ・ソナタ第17番ニ長調 Op.53D850 イラクリ・アヴァリアーニ(P)

録音:2022年6月13-15日,7月1日
ジョージア出身のベテランのピアニスト、イラクリ・アヴァリアーニの弾くシューベルトのピア ノ・ソナタ第17番。イラクリ・アヴァリアーニは1950 年、ジョージアのトビリシの生まれ。ソヴィエ トのモスクワ音楽院で学んだ後、ソヴィエトでは不遇だったようで、一時故郷に戻っています。ベ ルリンの壁が崩壊した1989年にパリに移り、以来ここを拠点に活動しています。晩年のシューベ ルトにありがちなゆったりした演奏ではなく、硬質な響きでカッチリまとめ上げる演奏。ファツィ オーリのピアノを使用しています。

Forlane
FOR-16901(1CD)
シューマン:アラベスク ハ長調 Op.18
 子供の情景 Op.15
 3つのロマンス Op.28
ブラームス:間奏曲 ロ短調 Op.119-1
 4つのバラード Op.10
アンヌ・コンスタンタン(P)

録音:モスクワ,65'29
フランスのピアニスト、アンヌ・コンスタンタンのForlane への2枚目のCD。バ ッハ、ヘンデル、フランクだった1 枚目(FOR16885)と打って変わって、シューマ ンとブラームスのドイツ・ロマン派ど真ん中。響きこそフランス的な明るさが強い が、柔らかくジワッと広がる味わいは濃厚ロマンティシズム、有名なトロイメライは まさに夢見心地のうっとりした演奏。若いピアニストらしい切れ味の良い演奏もあ るが、豊かな情感を描くことに長けたピアニストであることがよく分かる。ブラーム スも渋くはないけれど深くしみじみしています。彼女は今後注目していくべき人だ ろう。


C Major
76-1804(Bluray)
ホロヴィッツ・イン・モスクワ
[コンサート]
スカルラッティ:ソナタ ロ短調 L33
スカルラッティ:ソナタ ホ長調 L23
スカルラッティ:ソナタ ホ長調 L224
モーツァルト:ソナタ 第10番ハ長調 K330
ラフマニノフ:前奏曲ト長調 op.32-5
ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調 op.32-12
スクリャービン:練習曲 嬰ハ短調 op.2-1
スクリャービン:練習曲 嬰ニ短調「悲愴」op.8-12
シューベルト:即興曲集変ロ長調 op.142-3
シューベルト(リスト編):ウィーンの夜会第6番イ長調
リスト:ペトラルカのソネット第104番ホ短調
ショパン:マズルカ嬰ハ短調 op.30-4
ショパン:マズルカ ヘ短調 op.7-3
ショパン:ポロネーズ変イ長調 op.53-6「英雄」
シューマン:子供の情景 op.15-7「トロイメライ」
モシュコフスキー:花火 op.36-6
ラフマニノフ:WRのポルカ変イ長調
ウラディミール・ホロヴィッツ(P)
収録:1986年4月20日、モスクワ音楽院大ホール
画面:1080i.4:3,NTSC
音声:PCMステレオ,
DTS-HD MA5.1
BD50
字幕:独、韓、日本語
言語:英語、108分
20世紀最大のピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツ(1903〜1989)。この映像は、1925年に故郷ロシアを離れて以来、61年ぶりにモスクワで行っ たリサイタルを模様とドキュメンタリーを収録したもので、ブルーレイでの発売は初。満席の聴衆の熱狂、熱気を克明に捉えたコンサート映像。そしてホロヴィッ ツ自身が昔を振り返り、家族との思い出、スクリャービンからの助言やラフマニノフとの逸話など貴重なインタビュー映像も必見です。 61年ぶりの帰国の理由についてホロヴィッツは「死ぬ前に自分の生まれた国を見ておきたかった」と語っており、さらにこのモスクワでのリサイタルには「平 和の大使として」という意味合いも強く、音楽の持つ力について改めて考えさせられる映像となっています。 (Ki)

H.M.F
HMM-902702(1CD)
ファンタジー〜7人の作曲家、7種の鍵盤楽器による

(1)バッハ:半音階的幻想曲とフ(2)C.P.E.バッハ:幻想曲嬰ヘ短調H.300, Wq.67
(3)モーツァルト:幻想曲ハ短調K.396/幻想曲ニ短調K.397
(4)メンデルスゾーン:幻想曲嬰ヘ短調Op.28
(5)ショパン:幻想曲ヘ短調Op.49
(6)ブゾーニ:古い旋法による幻想曲OP.33bの4
(7)シュニトケ:即興とフーガOp.38
アレクサンドル・メルニコフ(各種鍵盤楽器)

(1)リュッカース・モデルによるマルクス・フィッシンガー製2段鍵盤チェンバロ2019年
(2)クリストフ・フリードリヒ・シュマール製タンジェント・ピアノ1790年
(3)1795年アントン・ヴァルター・モデル、クリストフ・カーン製レプリカ・フォルテピアノ2014年
(4)グラーフ製フォルテピアノ1828年頃
(5)エラール1885年製
(6)ベヒシュタインB1905-10年頃製
(7)スタインウェイD-274

録音:2022年7月/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
歴史的な鍵盤楽器を数多くコレクションし、実際に演奏・録音しているメルニコフ。彼が7人の作曲家の7つの幻想曲を7つの楽器で弾き分けました。メル ニコフはアインシュタインの格言「過去、現在、未来の区別は幻想に過ぎない」をコンセプトに、バッハを基準点として300年におよぶ影響と、彼に帰結 する偉大さを示しています。7という聖なる数字にこだわっているのもメルニコフらしい深い意味がこめられています。
メルニコフは2021年1月にトッパンホールでほぼ同内容のコンサートを行い聴衆の度肝を抜きましたが、ここではさらなる完成度で神業を発揮しています。 楽器も単に時代を合わせているのではなく、作風、効果を考え抜いて選ばれています。最後に現代のスタインウェイの機能を駆使したシュニトケの「即興とフーガ」 が聴きもの。1966年の第3回チャイコフスキー国際コンクール用に作られた華麗な作品で、精神的にバッハへ先祖返りしていることを実証してくれます。

Simax
PSC-1374(2CD)
ノルウェー伝説〜 イザイ、ヴァイオリンとピアノのための作品
■CD1
[Disc1]
イザイ:ノルウェー伝説(1882)
演奏会マズルカOp.1(1882)
演奏会大ワルツOp.3(1882)
ポロネーズ第1番(1881)*
感傷的な情景(静けさ)(1885)
感傷的な情景 第5番(1885)
華麗なるポロネーズ(1885)*
3つのエチュード=ポエム(1900rev.1914)【第1〜3番】
小さなロマンティック幻想曲(1901)
■CD2
ショパン/イザイによるヴァイオリンのための編曲
バラード第1番ト短調Op.23
幻想即興曲Op.66
ショパンの8つのワルツ
・第1番イ長調(Op.34no.1)*
・第2番嬰へ短調(Op.70no.2)
・第3番イ短調(Op.34no.2)
・第4番イ長調(Op.64no.3)*
・第5番ニ短調(Op.64no.2)*
・第6番変イ長調 (Op.69no.1)*
・第7番変ホ長調(Op.64no.1)*
・第8番ホ短調(Op.post)
トール・ヨハン・ボーエン(Vn)
アイリク・ハウグ・ストムネル(P)

録音:2022年2月4日-6日、3月18日-20日 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)

*=世界初録音
ノルウェーのヴァイオリニスト、トール・ヨハン・ボーエンが、ウジェーヌ・イザイ による「知られていない作品とヴァイオリンとピアノのための編曲」の録音プロジェ クトは、彼がテキサス州ヒューストンのライス大学で「イザイの「2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲」の全楽章校訂」をテーマにした博士論文に取り組 んでいた際、イザイのヴァイオリンとピアノのための未出版作品のあることを知り、スタートしました。
時代を代表するヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストのイザイ(1858?1931)は、1882年の春、初めてノルウェーを訪れました。このツアーは、国際的にも知 られるヴァイオリンの名手だったオーレ・ブルの子、アレクサンデル・エティエンヌ・ブルによる計画と準備で行われ、コンサートによる収益が、ベルゲン市中央のエ ドヴァルド・グリーグ広場に建立されるオーレ・ブル像の資金にあてられました。イザイは、ノルウェー西岸を巡る途中の4月18日にはトロールハウゲンのグリー グ邸に招待されるなど、彼とノルウェーの関係は深まっていきました。
このアルバムで演奏される「ノルウェー伝説」、「ピアノをともなうヴァイオリンのため」の「演奏会マズルカ」(Op.1)、「管弦楽またはピアノをともなうヴァイオ リンのため」の「演奏会大ワルツ」(Op.3)の3曲は、イザイがツアーの間に作曲。「知られていない」その他の曲は、2つの「感傷的な情景」がコペンハーゲン、「華 麗なるポロネーズ」がラトビアのリガで書かれコペンハーゲンで改訂と、各地のコンサートに合わせ、折々に作曲、編曲されました。
トール・ヨハン・ボーエン(1971?)は、ノルウェー国立音楽大学を卒業後、アメリカでカミラ・ウィックスとセルジウ・ルカに師事。ピリオド楽器とモダン楽器 によるバロック音楽から20世紀の音楽、ハリングフェレを弾いた民俗音楽と、幅広いレパートリーで活動しています。「2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重 奏曲」を含むイザイの『弦楽のための三重奏曲集』(PSC 1295)や、クラウス・エッゲ(PSC1193)とファッテイン・ヴァーレン(PSC 1325)の室内楽作 品を録音。ゲイル・トヴェイトの『旅の日記から』(PSC 1222)を録音した「フラガリア・ヴェスカ(Fragaria Vesca)」や、「ポイボス弦楽三重奏団(Poebus String Trio)」の活動でも知られます。ピアノのアイリク・ハウグ・ストムネル (1993?)は、ノルウェー国立音楽大学でスメビュー教授とマリアンナ・シリニャン に学び、ソリスト・ディプロマを取得しました。ノルウェー放送Oと共演したデビュー・コンサートがノルウェー放送のテレビで全国に放映され、2019年に ベルゲン国際フェスティヴァルに初めて出演しました。ソリストと室内楽奏者として活動しています。
このアルバムで演奏される作品は、イザイによる版が出版された「ワルツ第8番 ホ短調」をのぞき、ボーエンによる版で演奏され、「ワルツ第5番」の失われた ピアノ・パートは、録音に際しボーエンが作曲しました。ボーエンのこれまでの録音に関わったスティーヴン・フロスト とピアニストのアイナル・ヘンニング・スメ ビューが制作、アルネ・アクセルベルグ がエンジニアリングを担当してオスロのソフィエンベルグ教会でセッション録音されました。収録曲の詳細なラーナーノーツ (ノルウェー語、英語、フランス語)は、ボーエンが執筆しています。 (Ki)

Profil
PH-23014(1CD)
ブルックナー(シャラー編):交響曲第5番変ロ長調(オルガン版) ゲルト・シャラー(Org)

録音:2022年11月28-31日/エーブラハ修道院
いまやブルックナーの権威として世界中から注目されるゲルト・シャラー。彼の指揮によるブルックナーの全管弦楽曲が2024年のブルックナー・イヤーに向け 録音が進んでいますが、オルガニストでもあるためブルックナーのオルガン作品にも強い関心を寄せています。
2021年の交響曲第9番(PH21010)に次ぐ第2弾、シャラー自身の編曲による交響曲第5番が登場します。シャラーによれば第5番は対位法的な書法の点 でオルガン編曲に適しており、多くのパッセージはオルガンを念頭に置いて作曲されたかと思えるとしています。
ただし原曲を熟知するシャラーだけに、特定の効果をそのままオルガンへ移しかえたり、オーケストラに挑むようなことはせず、ヴィエルヌやヴィドールのオルガ ン交響曲のような唯一無二の世界を作り上げています。ことに終楽章の大フーガが鮮烈なオルガン曲化しているのに注目です。
速めのテンポにより、エーブラハ修道院の4段鍵盤アイゼンバルト・オルガンの壮麗な響きも心を奪われます。要注目! (Ki)

FIRST HAND RECORDS
FHR-142(2CD)
ヘンデル:8つのチェンバロ組曲 HWV426-433
「CD1]
組曲第1番イ長調 HWV426
組曲第6番嬰へ短調 HWV431
組曲第5番ホ長調 HWV430
組曲第4番ホ短調 HWV429
シャコンヌ ト長調 HWV435
[CD2]
組曲第2番ヘ長調 HWV427
組曲第3番ニ短調 HWV428
組曲第8番へ短調 HWV433
組曲第7番ト短調 HWV432
小川麻子(Cemb)

録音:2022年8月27・29・31日/ロンドン、チョークファーム、救世主教会
同年生まれのバッハ、スカルラッティと同様に鍵盤の名手だったヘンデル。残された作品では1720年にロンドンで出版された「8つの組曲」がとくに重要です。 イタリアの洗練、フランスの優美さ、ドイツの伝統といった、さまざまな趣味が自在に統合された音楽であり、「大組曲」とあだ名される名作。フーガや変奏曲が散 りばめられながらも堅苦しさのない自由な語り口に彩られ、ヘンデルならではの魅力にあふれています。第5番は有名な「調子のよい鍛冶屋」を含む佳品。
ロンドンを拠点に活動する鍵盤奏者・小川麻子による雄弁な演奏。シャープ系の調を1枚目、フラット系の調を2枚目に配した構成で、それぞれの最後を「シャ コンヌ」と「パッサカリア」(第7番の終曲)という似た曲種にしているのが面白いところ。バッハの「6つのパルティータ」(FHR-92)に続くFirst Handレーベル第2弾アルバムです。 (Ki)

TOCCATA
TOCC-0693(1CD)
NX-B03
ホセ・F. バスケス(1896-1961):ピアノのための印象 全集
第1巻/第2巻
第3巻/第4巻/第5巻
ウラディーミル・クリエル(P)

録音:2022年8月17日、10月26日、12月8日
20世紀前半におけるメキシコのクラシック音楽界を牽引した作曲家の一人、ホセ・F.バスケス。優れたピアニスト、 指揮者、教育者として活躍し、多くの作品を遺しましたが、その楽譜の多くは死後行方不明になってしまったた め、演奏の機会がほとんどありませんでした。しかし、彼の息子で作家のホセ・ヘスス・バスケス・トーレスの40年に わたる研究の結果、失われた楽譜の多くを復元することができ、ようやくバスケスの音楽が再評価されるようになり ました。 この「ピアノのための印象」は1922年頃から1927年頃に作曲された全15曲、5巻からで構成された、フランスの 印象派、とりわけドビュッシーからの影響が強く感じられる内省的な雰囲気を湛えた曲集。シンプルなテクスチャーと 美しい響きが特徴です。 演奏はメキシコシティ生まれのピアニスト、ウラディーミル・クリエル。ケレタロを本拠地とする「Fortepiano Instituto de Perfeccionamiento Artistico y Musical」の創設者兼ディレクターを務め、不当に忘れられ たメキシコの作曲家の作品の発見、普及に尽力しています。
TOCCATA
TOCC-0674(1CD)
NX-B03
ポール・クレストン(1906-1985):ピアノ作品集
3つの物語 Op.79(1962)
リズミコン
 第7集(1971) 第99番- 第106番
 第8集(1973頃) 第107番- 第114番
 第9集(1974頃) 第115番- 第119番
 第10集(1974) 第120番? 第123番
マイロン・シルバースタイン(P)

録音:2022年6月20-22日
全て世界初録音
20世紀アメリカの作曲家ポール・クレストン(本名ジュゼッペ・グットヴェッジョ)。イタリア系移民の家庭に生まれ、オ ルガニストとして活躍しながら作曲を身に着けた彼は、ヘンリー・カウエルに認められて作曲家としてデビュー。ピアニ ストとしても才能を発揮しました。このアルバムに収録された「Three Narratives3つの物語」はフランツ・リストの 作品を現代的にしたような妙技を要するコンサートピースと言える作品です。「Rhythmicon」はさまざまなリズム が用いられた小品集。10巻全123曲で構成されており、シリーズが進むにつれて演奏も至難になっていきます。こ こでは第7集から第10集までを聴くことができ、讃美歌風の静かな曲からバルトーク風のエネルギッシュな曲、ジャ ズ風の楽しい曲まで25曲を楽しめます。これらを演奏するマイロン・シルバースタインは20世紀半ばの作品をとりわ け愛するピアニスト。なかでもパーシケッティ作品の録音で高く評価されています。

Grand Piano
GP-922(1CD)
NX-B03
20世紀のフォックストロット集 第5集 - スイス
1-2. アルベルト・メシンガー(1897-1985):
 1. Tallula, Foxtrott-Fantasie タルラ、フォックストロット幻想曲(1930頃)*
 2. Farewell Blues 別れのブルース(1930頃)*
3-4. ホセ・ベール(1874-1947):
 3. Marie, Foxtrot マリー、フォックストロット(1924)*
 4. One-Step uber2Schweizermelodien,2つのスイスのメロディによるワンステップ
  "Der Schweizerknabe - Thurgauerlied"「スイスの少年 - トゥールガウの歌」(1926)*
5. ウォルター・ラング(1896-1966):Ole ole!: オレ・オレ!
  Suenos de Espana,3preisgekronte Tanze: スペインの夢、3つの受賞歴のある舞曲(1928)*
- No.2. Dolderilla Fox-Trot (Charleston) ドルデリッラ・フォックストロット(チャールストン)
6-7. コンラート・ベック(1901-1989):2つの舞踏小品
 6. No.1. ボストン(短縮版)
 7. No.2. フォックストロット
8-11. アンドレ=フランソワ・マレスコッティ(1902-1995):
 8. Esquisses, Series1エスキース 第1集(1924):
  No.3. Negre au clair de lune月明かりの中の黒人
 9. Esquisses, Series2エスキース 第2集(1925):No. 1. Virtuose de rue
 10. Esquisses, Series2エスキース 第2集(1925):No. 2. Bluette
 11. Croquis, Series1クロッキー第1集(1941):No. 1. 青い少女*
12-14. リヒャルト・フルーリー:
 12. Halottria-Fox-Trot, "Fox-Trot No.1" フォックストロット第1番
   「ハロットリア・フォックストロット」(1929)
 13. Fox-Trot No.2フォックストロット第2番(1929)
 14. Die alte Truhe 古い駒:Tango タンゴ(1945)(U.J. フルーリーによるピアノ編2020*)
15-16. パウル・ブルクハルト(1911-1977):
 15. Slow-Fox スローフォックス(1930)*
 16. Tango for Piano ピアノのためのタンゴ(1934)*
17-18. ペーター・ミーグ(1906-1990):La fete de la ligne(1935)より*
 17. English Valtz イギリスのワルツ
 18. Tango タンゴ
19. エミール・ジャック=ダルクローズ(1865-1950):3 Entrees dansantes3つのダンス・エントランス
  - No.3Le fox-trot angoisse 苦悩のフォックストロット(1924頃)
20. オネゲル:Marthe Richard au service de la France 映画音楽「マルト・リシャール」 H.110(1937)
   - Tango de Charlotte シャルロットのタンゴ(P版)
21-23. オネゲル:LE JOURNAL TOMBE A5HEURES
 映画音楽「5時のニュース」 H.156(P版)(1942)より
 21. Bluse ブルース
 22. Villa Rabaud ヴィラ・ラボー
 23. Tango タンゴ
24-25マルゲリーテ・レスゲン=シャンピオン(1894-1976):4 PETITES PIECES4つの小品(1946)*より
 24. No.1. Jimmy-Blue ジミー・ブルー
 25. No.2. Daisy デイジー
26. レスゲン=シャンピオン:Tango タンゴ(1937)*
27. ルネ・ゲルバー(1908-2006):6つの小品 第4集(1945-1955) -No.1Slow-fox スロー・フォックス*
28-29. ジュリアン=フランソワ・ズビンデン(1917-2021):ジャズ・ソナチネ Op.11(1949-1950)
 28. I. Blues ブルース
 29. II. Improvisation インプロヴィゼーション
30. ウルス・ヨゼフ・フルリー(1941-):PROMENADEN-SUITE プロムナード組曲(1985?87)
 -VIII. フォックス・トロット(P版2020)*
ゴットリープ・ヴァリッシュ(P…Steinway, Model D)

録音:2022年2月21-23日
*…世界初録音
フォックストロットとはダンスのための音楽の1ジャンルで、もともとは19世紀末アメリカで生まれたラグタイムを前身と するスピーディーでアクションの激しい音楽です。第一次世界大戦後の1920〜30年代、ヨーロッパでは人々の憧 れであったアメリカ文化の象徴として流入してきたジャズやフォックストロットが大流行。観光名所であったスイスにも その流行は波及し、さる高級ホテルのオーナーが「本物のジャズが聴けるのは、こことロンドンのサヴォイ・ホテルだけ だ」と自慢したほどでした。 このアルバムにはスイスとフランスの二重国籍を持つオネゲルの映画音楽からのタンゴやブルースをはじめ、現代では ほとんど名前の知られていないスイスの作曲家たちの世界初録音を多数含むダンス音楽を収録。シリーズを通じて 演奏を担当するゴットリープ・ヴァリッシュの華麗な演奏でお楽しみいただけます。

STEINWAY&SONS
STNS-30129(1CD)
NX-B07
セルゲイ・ボルトキエヴィチ(1877-1952):手紙
リリカ・ノーヴァ Op.59- IV. Con slancio
3つの小品 Op.24No.1夜想曲 変ホ長調「ディアナ」
嘆きと慰め Op.17No.2慰め ニ長調
10の前奏曲 Op.33No.8変ニ長調 Andante sostenuto e cantabile
4つの小品 Op.3No.3ガヴォット- カプリース
10の前奏曲 Op.33No.7嬰ヘ長調Andantino
6つの前奏曲 Op.13No.4嬰ハ短調 Appassionato
ピアノのための小説 Op.35No.7手紙
6つの抒情的思索 Op.11NO.5変イ長調 Poco moto, con amabilita
ピアノのための小説 Op.35No.3Erwachende Liebe 愛の目覚め
リリカ・ノーヴァ Op.59- III. Andantino
リリカ・ノーヴァ Op.59- I. Con moto affettuoso
幻想小曲集 Op.61No.2夢
ジェニ・リ=コーエン(P)

録音:2018-2021年
セルゲイ・ボルトキエヴィチはロシア帝国時代のハリコフ(現ウクライナのハルキウ)でポーランド人貴族の家庭に生まれたピアニスト・作曲家。 ニューヨークを拠点に活躍するジェニ・リ=コーエンはボルトキエヴィチのピアノ曲を深く愛し、そこには人間的な感情のあらゆる要素が表現されていると語りま す。

Goodies
78CDR-3902(1CDR)
ジャック・ティボー/機械式(電気以前)の録音集
(1)ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 作品 2-8(ヴェラチーニ=サルモン編)
(2)「大洪水」前奏曲 作品45(サン=サーンス)(キズあり)
(3)小舟にて-「小組曲」より(ドビュッシー)(キズあり)
(4)セレニテ 作品45-5(ヴュータン)
(5)スラヴ舞曲第2番ト短調作品46-2(ドヴォルザーク=クライスラー編)
(6)楽興の時第3番ヘ長調 作品94-3(シューベルト)
(7)カプリス第18番ヘ長調「小さなカプリス」(ローデ=ティボー編)
(8)タンブーラン(ラモー=クライスラー編)
(9)サルタレッロ(ヴィニャフスキ=ティボー編)
ジャック・ティボー(Vn)
ハロルド・クラックストン(P)(トラック1&2)
他はピアニスト名不詳

(1)HMV DB801(Cc5352-1 & Cc5353-2)(Recorded 13 November 1924, Hayes, England)
(2)HMV DA620(A 29546-2)(Recorded 26 February 1924, Camden, U.S.A.)
(3)HMV DA620(A 29545-2)(Recorded 26 February 1924, Camden, U.S.A.)
(4)Victrola 66064(Bb979-2)(Recoreded 6 February 1922, Hayes, England)
(5)HMV 5-7956(Bb978-3)(Recorded 6 February 1922, Hayes, England)
(6)(7)HMV 5-7955(Bb 982-2)(Recoreded 7 February 1922, Hayes, England)
(8)(9)HMV 5-7953(Bb 983-1)(Recoreded 7 February 1922, Hayes, England)
ジャック・ティボー(1880-1953)は20世紀前半に活躍したフランスのヴァイオリ ン奏者。ボルドー出身。1893年からパリ音楽院でマルタン・マルシック(1848- 1924)に師事し、1896年に一等賞を得た。生活のためにカフェのコンセール・ ルージュで弾いていたところ、指揮者のエドゥアール・コロンヌ(1838-1910)に 見いだされ楽員に採用された。その時ティボーの親友で後にパリ音楽院の教授 になったジュール・ブーシュリ(1877-1962)もコロンヌ・オーケストラの楽員に なった。ここには1922年のHMVでの録音と1924年のアメリカVICTORへの録音と 1924年ティボー機械式録音最後のヴェラチーニが入っている。すべて超稀少 SPレコード。(グッディーズ)

Alba
ABCD-520(1CD)
バッハ::ゴルトベルク変奏曲 BWV988 ハンヌ・アラサーレラ(P)
[楽器/Piano:Steinway & Songs D514855, Hamburg1990]

録音:2021年8月2日-3日 オウル・ミュージックセンター「トゥリンドベリ室内楽ホール」(オウル、フィンランド)
フィンランドのピアニスト、ハンヌ・アラサーレラのデビュー・アルバム。 アラサーレラは、8歳からピアノを学び始め、最初のころはピアノという楽器を自分なりに探り、即興をやってみたり、ちょっとした作曲を楽しんでいたといいます。 そうした土台は後の彼の音楽に影響を及ぼし、「彼の演奏は、他の人たちとは違い、どんな伝統の流儀を示しているとも言えない」(YLE(フィンランド放送)」と いった評価を得ることにつながりました。彼の演奏をメディアは「明るく、感受性が鋭い。透明度が高く、リズムが柔軟で生気にみちている」(「HS(ヘルシンキ新 聞)」)「極めて洗練され、その優雅さは貴族的とさえいえる」(オウル「カレヴァ」紙)と評し、今後に期待を寄せています。 アラサーレラがオウルンサロ芸術学校時代に教わったキンモ・ピヒラヤマー Kimmo Pihlajamaa のプロデュースで録音した「ゴルトベルク変奏曲」は、そうした メディアの指摘がすべて「音」と「音楽」に創られた演奏です。最初の「アリア」から第1変奏、第2変奏とつづき、最後の第30変奏と「アリア」の再現まで、バッ ハが二段鍵盤のチェンバロのために書いた音楽を、アラサーレラが独自のピアノ音楽に創りあげました。 アラサーレラの書いた『自然の法則としての和声』とピヒラヤマーの『バロックの天才による詩的ファンタジー』と題したライナーノート(フィンランド語・英語)が ブックレットに掲載されています。 (Ki)


Treasures
TRE-298(1CDR)
ヴァーシャリのショパンVol.1
ピアノ・ソナタ第3番Op.58*
ワルツ集(全17曲)
 第1番変ホ長調Op.18《華麗なる大円舞曲》
 第2番変イ長調Op.34-1《華麗なる円舞曲》
 第3番イ短調Op.34-2《華麗なる円舞曲》
 第4番ヘ長調Op.34-3《華麗なる円舞曲》
 第5番変イ長調Op.42《大円舞曲》
 第6番変ニ長調Op.64-1《小犬のワルツ》
 第7番嬰ハ短調Op.64-2
 第8番変イ長調Op.64-3
 第9番変イ長調Op.69-1《別れのワルツ》
 第10番ロ短調Op.69-2
 第11番変ト長調Op.70-1
 第12番ヘ短調Op.70-2
 第13番変ニ長調Op.70-3
 第14番ホ短調遺作
 第15番ホ長調遺作
 第16番変イ長調遺作
 第17番変ホ長調遺作
タマーシュ・ヴァーシャリ(P)

録音:1963年5月17-20日*、1965年5月20-30日(全てステレオ)
※音源:DG 136450S-LPEM*、DG 104-367
◎収録時間:77:50
“激烈さとは無縁のヴァーシャリのショパンの最高峰!”
■音源について
使用した2枚のLPは、共にドイツ盤(チューリップ・ラベル)。ワルツ集は、8枚組のボックスから。

★ヴァーシャリのショパンは、不当に評価が低いように思います。確かに、強い構成力を持つ作品やシリアスな楽曲はヴァーシャリのピアニズムから最も遠い作品だと思われますが、リリシズムが優る作品では、ヴァーシャリのピアニズムが一気に輝きを放つという事実はもっと知られて然るべきです。
 その好例が「ソナタ第3番」。ソナタ形式の縛りを感じさせない優しい詩情が実に心地よく、素直に聴き手の迫ります。第1楽章でのヴァーシャリの持ち前のクリアで淀みない打鍵は、音楽への無垢な愛情をそのまま反映してかのよう。決して大向うを狙わないひたむきさが心を打ち続けます。第2主題の上品なルバートは決して取り繕ったものではなく、た至純そのもの。第2楽章は、無窮動的なテーマがこれ程丁寧に打鍵されるのも珍しく、それでいて清らかな推進性は保持。第3楽章はポゴレリッチのような耽溺とは好対照。素直で飾り気のないフレージングは、まさに今生まれた音楽のように息づきます。したがって、夢見心地の中間部も音楽がふわふわと彷徨うことなく、他の演奏では味わえない大らかで幸福な空気感を醸すのです。終楽章も、作品に内在する精神を掘り下げようと格闘するのではなく、音楽を「奏でる」ことに徹する姿勢を貫徹。ソナタを締めくくるに相応しい堂々たる威容とは一味違う世界感を醸成。
 構築性ありきの演奏では埋もれがちな瑞々しいニュアンスが散りばめられており、これこそがショパンが目指した世界では?と思えるほどの確かな説得力を誇る名演奏です。
 更にお勧めしたいのがワルツ!この趣味の良いサロン的な軽みと程よい甘さ、芳しさに触れると、頻繁に取り上げられる名演の多くは、立派に響き過ぎる気がしてきます。
第1番「華麗なる大円舞曲」からして素晴らし過ぎます!ふとした瞬間の息の抜き方と言い自然体のルバートと言いまさに理想の極みで、特に3:11からの第4部の可憐さは比類なし!第3番は、ヴァーシャリのルバートとのセンス、特に音価を極僅かに伸ばすことによる切なさの炙り出し方、リピートのたびにニュアンスを変える繊細なセンスに言葉を失い、リパッティの超名演の存在を忘れるほど。多くの演奏が豪放に走りがちな第4番「小犬」第14番は、まさに作品の実寸にフィットしたディティールを体現。第5番は、冒頭の自然発生的なトリルに4小節目から滑り込む左手声部の茫洋としたタッチの融合ぶりにハットさせるニュアンスが浮かび上がります。第7番は明るく透明なタッチが暗い楽想のニュアンスをむしろ引き立たており、1:33からの緩やかな加速の妙味も聴きもの。第9番は、マズルカ風の旋律Bを囁くのではなく、舞曲的な愉しさを表出しているのが印象的。
第10番11番は、特に声を大にして激賞したい超名演!ただただ美しい!ここに不足しているものが何かあるでしょうか?第15番の人懐っこさもアシュケナージ以上。アシュケナージといえば、第17番は恐ろしく重い演奏でしたが、ヴァーシャリはここでも好対照の屈託のない演奏を披露。とにかく魅力が尽きません!「ヴァーシャリのショパン」の最高峰と言っても過言ではないでしょう。【2023年4月・湧々堂】

オクタヴィア
OVCT-00204(1SACD)
税込定価
2023年5月24日発売
ENCORES-〜岡田奏
ドビュッシー:ゴリウォッグのケークウォーク
プーランク:プレスト変ロ長調FP70
ラフマニノフ:絵画的練習曲集ニ長調作品39-9
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
ラヴェル:水の戯れ
ショパン:ポロネーズ第6番「英雄」
ワルツ第6番変ニ長調作品64-1「子犬のワルツ」
バッハ:プレリュードとフーガホ長調BWV 854
モーツァルト:キラキラ星変奏曲
サン=サーンス:トッカータ(第5協奏曲のフィナーレによる)
シューマン:トロイメライ
ショパン:幻想即興曲嬰ハ短調作品66(遺作)
シューマン(リスト編):献呈S.566
岡田奏(P)

録音:2022年9月12-13日静岡、浜松市天竜壬生ホール
近年多岐にわたり目覚ましい活動を展開している注 目の若手ピアニスト岡田奏による最新盤「Encores」 が登場です。 岡田がこれまでの演奏会で頻繁に取り上げてきた思 い入れ御なるアンコールピースを自ら厳選。各曲と の出会いや思いを書き綴ったエッセイなど、岡田の センスが漲るアルバムとなりました。 「子犬のワルツ」「トロイメライ」といった名曲か ら、プーランクやサン=サーンスによる秘曲まで、 聴き手に寄り添い語りかける、心温まる一枚をお楽 しみください。(オクタヴィア)

NIFC
CNLDV-D1602(DVD)
(NTSC)
チョ・ソンジン〜第17回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ
ショパン:練習曲第1番ハ長調 Op.10-1/練習曲第10番変イ長調 Op.10-10/幻想曲ヘ短調 Op.49/バラード第2番ヘ長調 Op.38/ワルツ第4番ヘ長調 Op.34-3「華麗なる円舞曲」/4つのマズルカ Op.33
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
インタビュー
チョ・ソンジン(P)、
ヤツェク・カスプシク(指)ワルシャワPO
※使用ピアノ:スタインウェイ

録音(ライヴ):2015年10月3日(第一次予選)、10月9日(第二次予選)、10月14日(第三次予選)、10月21日(入賞者記念コンサート)、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)
2015年に行われた第17回ショパン国際ピアノ・コンクールで第1位&ポロネーズ賞を獲得したチョ・ソンジンのライヴ録音が映像(DVD)で登場! 2009年浜松国際ピアノ・コンクールの最年少優勝以来、2011年チャイコフスキー国際コンクール第3位、2014年ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクール第3位と輝かしい成績を収め、2015年ショパン国際ピアノ・コンクール優勝で更なる脚光を浴び、世界一流のピアニストの一人として活動を続けるチョ・ソンジン。第一次予選から第三次予選までの演奏からのセレクションと、入賞者記念コンサートで披露された圧巻のコンチェルトを収録しています。

Da Vinci Classics
C-00728(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.5
ピアノ・ソナタ第26番「告別」
ピアノ・ソナタ第27番ホ単調 Op.90
ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」
ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79
ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14-2
マウリツィオ・パチャリエッロ(ピリオド・ピアノ)

録音:2019年10月、サン・テレンツィアーノ教会(カプラニカ、イタリア)
現在のイタリア有数のベートーヴェン弾きとして評価を受けており、1998年の第48回ARDミュンヘン国際音楽コンクール入賞、2003年にはニューヨークのカーネギー・ホールへのデビューという実績を持つ鍵盤楽器奏者マウリツィオ・パチャリエッロ。現在はピリオド・ピアノでの演奏に情熱を注ぎ、イタリアにおけるこの分野の権威的存在として知られるパチャリエッロが、2017年の秋にスタートさせたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の第5巻では、「告別」、「テレーゼ」を含む珠玉の5作品を収録。これらの作品は、32曲のソナタの中では取り上げられる機会は少ないですが、いずれも独自のスタイルを持った傑作です。
1840年頃のフランスのボワスロや1885年のベーゼンドルファー、18世紀後期のクラヴィコードなど、様々なピリオド・ピアノを弾いてきたパチャリエッロが、楽聖が思い描いた当時のサウンドを現代に再現します。
Da Vinci Classics
C-00721(1CD)
ギターの魂 Vol.2
エドゥアルド・ロペス=チャバリ(1871ー1970):ギターのための7つの小品(世界初録音)
フアン・マネン(1883-1971):ファンタジア-ソナタ Op.A-22
カルロス・ペドレル(1878-1941):三人の囚われの姫君の踊り
マルコ・デル・グレコ(G)

録音:2021年11月16日-17日、サン・ミケーレ・アルカンジェロ(セルモネータ、イタリア)
マルコ・デル・グレコは、東京国際ギターコンクールでの優勝歴があり、細川俊夫も称賛したイタリアの名手。本アルバムは、20世紀初頭のスペインに目を向け、本物のクラシックギターの音色を追求した「オリジナル」を研究したプロジェクト。この楽器の歴史とレパートリーを築いた作曲家とギタリストの音楽を通して、この楽器の「魂」に迫るシリーズの第2弾です。
マルコ・デル・グレコは、名工マヌエル・ラミレス、サントス・エルナンデス、ドミンゴ・エステソが製作したオリジナルのギター3本を使用。アクイーラ製のガット弦を張って演奏しています。
Da Vinci Classics
C-00720(1CD)
夜〜20世紀のソロ・ハープによる夜想曲集
ヴィンセンツォ・ツィテロ(b.1956):PROLOGO VERSO LA NOTTE*
ベリオ:LOOSIN YELAV-, FROM FOLK SONGS
カルロ・ガランテ(b.1959):THE WANING MOON - POEMETTO NOTTURNO*
カルロス・サルセード:INTROSPECTION, FROM FIVE PRELUDES
スーザン・マクドナルド(b.1935)-リンダ・ウッド(b.1945):AFTER THE MOON-VIEWING, MY SHADOW…, FROM HAIKU*、DISTANT LIGHTS; THERE THEY LIVE…, FROM HAIKU*
アルベルト・ゼーベル(1834-1910):REVE D'AMOUR OP.21*
ヴァシリー・イヴァノヴィチ・ヴィノグラードフ:VARIATIONS ON THE RUSSIAN FOLK THEME “NOC-HENKA”*
ルニエ:FEUILLE D’AUTOMNE - ESQUISSE
クルト・ワイル:LE GRAND LUSTUCRU, FROM MARIE GALANTE
ベルナード・アンドレース:CALEMBREDAINE*
サルセード:LAMENTATION, FROM FIVE PRELUDES
マリウス・フロトホイス:POUR LE TOMBEAU D'ORPHEE - DANCE ELEGIAQUE OP.37
ジュリアーノ・マルコ・マッティオーリ(Hp)

録音:2022年
*世界初録音
20世紀の作曲家、またはハープ奏者によって作曲されたソロ・ハープによる夜想曲集。1980年生まれのハープ奏者ジュリアーノ・マルコ・マッティオーリは、18歳でハープを始め、2005年にA.ボイト音楽院を卒業しました。その後もマスタークラスなどで研鑽を積んだ彼は、「Riviera della Versilia” Camaiore」を始めとして数々の国際コンクールで優勝しています。現在ではハープ奏者として活動する他、ハープ自体の研究にも力を入れており、その歴史の探求も行っています。
Da Vinci Classics
C-00727(1CD)
リスト:ロッシニアンの夢〜トランスクリプション、変奏曲と即興曲
ロッシーニの主題による華麗な変奏曲 S.149、
 ロッシーニのトランスクリプション(スターバト・マーテルのアリア、慈愛) S.553、
 ロッシーニとスポンティーニの主題による華麗な即興曲 S.150
ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」序曲(編曲者不詳)
フィアメッタ・コルヴィ(P)

録音:2022年8月、コモ(イタリア)
イタリア・コモ出身のピアニスト、フィアメッタ・コルヴィによるリストのロッシーニ・トランスクリプション集。彼女はコモとブレシアで学び、アルド・チッコリーニやパウル・バドゥラ=スコダからもレッスンを受けています。「泥棒かささぎ」の序曲のみリストではなく、リコルディ社から出版された19世紀の無名の編曲者による版を使用していますが、この編曲版も作品の主題を見事に浮かび上がらせています。オペラがピアノでも楽しまれていた時代に思いを馳せることができる1枚です。
Da Vinci Classics
C-00726(1CD)
リスト:ワーグナーの再創造
「タンホイザー」よりヴァルトブルク城への客人の入場 S.445/1B、巡礼の合唱 S.443、おお, お前, 優しい夕星よ S.444
「さまよえるオランダ人」より紡ぎ歌 S.440
「ローエングリン」より【エルザの結婚の行進 S.445/エルザの夢 S.446/ローエングリンのエルザへの非難 S.446/祝典と結婚式の歌 S.446】
フィリッポ・テニスチ(P)

録音:2022年9月、チーゴレ(イタリア)
アルバニア出身の若きピアニスト、フィリッポ・テニスチ(1998-)がリストのワーグナー・トランスクリプションに新鮮かつみずみずしいアプローチで臨んだ1枚。彼の演奏は曲の深みと重厚さを保ちながら、軽やかさと簡潔さを兼ね備えており、こうした編曲もので陥りがちな冗長さをうまく回避しています。
Da Vinci Classics
C-00731(1CD)
シューベルト:後期ピアノ作品集
12の高雅なワルツ D.969
3つのピアノ曲 D.946
ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959
■デジタル・ボーナス・トラック〜アレグレット ハ短調 D.915(1827)
マルコ・タリエッロ(P)

録音:2022年9月、チーゴレ(イタリア)
※デジタル・ボーナス・トラックはCDには収録されておらず、CDに記載のURLよりダウンロードできます
イタリア・マントヴァに住む1998年生まれの若きピアニスト、マルコ・タリエッロによるシューベルトの晩年の作品を集めた1枚。シューベルト最期の年(1828年)に作曲された「3つのピアノ曲」「ピアノ・ソナタ第20番」と、その前年に出版された「12の高雅なワルツ」を収録しています。彼は幼少期から国内外のピアノコンクールで優勝しており、2017年にデュッセルドルフで開催されたアントン・ルービンシュタイン国際コンクールでもファイナリストという好成績を収めています。
Da Vinci Classics
C-00723(1CD)
クラーマー:ピアノのための練習曲集第1巻 Op.30より ベートーヴェンが選曲し注釈をつけた21曲
ヨハン・バプティスト・クラーマー(1771-1858):ピアノのための練習曲集第1巻 Op.30より ベートーヴェンが選曲し注釈をつけた21曲〔練習曲第1番 アレグロ ハ長調+、練習曲第2番プレスト ホ短調#、練習曲第3番 モデラート ニ長調*、練習曲第4番コン・モート ハ短調$、練習曲第5番アレグロ・モデラート ハ長調#、練習曲第6番ヴィヴァーチェ イ短調#、練習曲第7番 ピウットスト・モデラート 変ロ長調**、練習曲第8番 アレグロ ト短調##、練習曲第9番アレグリ・モデラート ト長調$、練習曲第12番モデラート・エスプレッシーヴォ イ短調**、練習曲第13番スピリトーゾ イ短調$、練習曲第15番 マエストーゾ 変ホ長調$、練習曲第16番モデラート・コン・エスプレッシオーネ ヘ短調$、練習曲第18番アレグロ ニ短調##、練習曲第21番 モデラート ト長調##、練習曲第23番コン・ブリオ イ長調##、練習曲第24番コン・モート ニ短調$、練習曲第27番 ヴィヴァーチッシモ 変イ長調##、練習曲第29番 プレスト ハ長調##、練習曲第30番モデラート・コン・エスプレッシオーネ 変ロ短調*、練習曲第41番「アリア」 モデラート ニ短調*〕/練習曲第14番モデラート ニ短調*/ベートーヴェンを偲ぶ音楽のマチネーのための即興曲, フランツ・リストに捧ぐ, Op.93*/歌劇「モリナレッラ」の五重唱「Il Villan Che Coltiva Il Giardino」によるピアノのための変奏曲*
ジュージ・デ・ベラルディニス(P)*、
ヴィットーリア・チッキエッロ(P)**、
アンドレア・コトゥーニョ(P)#、
ロレンツォ・デ・ビアーゼ(P)##、
マッティア・ディ・モーラ(P)+、
ヴィヴィアーナ・ディ・リータ(P)$

録音:2021年8月、ジョルダーノ音楽院(フォッジャ、イタリア)
クレメンティにもピアノを教わったドイツ生まれの作曲家、ヨハン・バプティスト・クラーマーの練習曲集は、ベートーヴェンの甥カールやクララ・シューマンも弾いていたといわれ、日本ではハンス・フォン・ビューローが改訂した楽譜がピアノを勉強する人々に定着しています。クラーマーと交流を持っており、クラーマーを高く評価していたベートーヴェンは自身の教育活動にこの曲集が適していると考え、最初に出版されたOp.30の曲集から21曲を選び、アクセントの扱いなど演奏的側面を含む様々な注釈をつけました。その注釈はベートーヴェンの秘書を務めベートーヴェンの伝記も記したアントン・シンドラーによって書き遺されて後世に伝えられており、それに基づいたアプローチで演奏し録音するという“ベートーヴェン研究”的なプロジェクトです。
ジョルダーノ音楽院の教授を務めるジュージ・デ・ベラルディニスは、自身が進めていたアクセントについての研究を機にこの曲集に着目し、同音楽院のピアノ科の優秀な生徒たちと共にこの21曲を分析、録音するというプロジェクトを完成させました。ブックレットには、ジュージ・デ・ベラルディニスによる解説とともに、21曲分のベートーヴェンによる注釈文(英語)も掲載されています。

Ars Produktion
ARS-38626(1CD)
票決
エルンスト・クルシェネク:ハープ・ソナタ Op.150
ジャン・クラ:ハープのための2つの即興曲
アルフレード・カゼッラ:ハープ・ソナタ Op.68アンドレ・カプレ:ハープのためのディヴェルティスメント
ブリテン:ハープ組曲
ハインツ・ホリガー:前奏曲,アリオーソ,パッサカリア
ジュリア・ワッカー(Hp)

録音:2021年
20世紀に作曲されたハープ作品集。ハープは他の楽器にはない独特な音色と特殊な演奏技術を持つ楽器で、作曲家に新たなインスピレーションを与えてくれます。このことは演奏家にとっても良い効果をもたらし楽器の新たな側面を知る機会を得ることになります。
ジュリア・ワッカーは、2006年からバーゼル・フェスティバル・オーケストラの首席ハープ奏者、2017年からはスイスのオーケストラ「バーゼル・シンフォニエッタ」に所属。ケルンWDRSO、ブランデンブルク州立・オーケストラ・フランクフルト、南西ドイツ・フィルハーモニーSOなどと共演しました。2017年には、フルート、ヴィオラ、ハープのトリオでルガーノで開催された国際室内楽コンクールに出場し、ファイナリストに選ばれました。
Ars Produktion
ARS-38629(1CD)
グラナドス:ゴイェスカス
組曲「ゴイェスカス」(愛の言葉、窓辺の語らい、燈火のファンダンゴ、嘆き,またはマハと夜泣きうぐいす、愛と死、終曲、わら人形)、歌劇「ゴイェスカス」より間奏曲
エミリ・ブルガリャ(P)

録音:2020年1月4日-6日
1982年、カタルーニャ音楽協会が主催する「若い音楽家コンテスト」で入賞したエミリ・ブルガリャは、同団体から得た奨学金でより研鑽を積みスペイン、イタリア、フランス、ドイツ、ブラジル、中央アメリカ、中東など様々な国で、ソロや室内楽グループと共演しました。しかしその後1995年、マリア・ジョアン・ピリスと知り合ったことで音楽への姿勢をより明確に出来たといいます。ソリストとして活躍するだけでなく、1998年以来トリオ・カンディンスキーのメンバーとしても活動するなど室内楽の分野でもその実力を発揮しています。
Ars Produktion
ARS-38340(1SACD)
通過儀礼
チャイコフスキー(プレトニョフ編):組曲「くるみ割り人形」Op.71A
ファジル・サイ:トロイ・ソナタ Op.78(抜粋)〔第3楽章「トロイの英雄」、第5楽章「ヘレン、愛」、第6楽章「トロイ」、第8楽章「戦争」、第10楽章「エピローグ」〕
シューベルト(リスト編):糸を紡ぐグレートヒェン S.558-8
リスト:メフィスト・ワルツ第1番 S.514
アナスタシヤ・ドランチュク(P)

録音:2022年9月2日-3日(ベルリン)
アナスタシヤ・ドランチュクのデビュー・アルバムとなる本作。そのプログラムにはチャイコフスキー、サイ、シューベルト、そしてリストのいずれも技術を要する作品が選ばれました。「通過儀礼」と銘打たれたこのアルバムは、幼年期から成人期、平和から戦争、誕生から死への移行を表現しています。デビュー・アルバムとは思えない堂々とした演奏、そして繊細なタッチから生まれる多彩な表現をお楽しみいただけます。
アナスタシヤ・ドランチュクは1989年にカザフスタン(当時はソ連)の音楽家の家庭に生まれ、2001年にベルリンに移住しハンス・アイスラー音楽大学で学びました。これまで、ホロヴィッツ国際コンクール(キーウ)で銅メダルと審査員特別賞を、スタインウェイ・コンクール(ベルリン)で第1位と聴衆賞&クラシック賞を、ドイツの子供&青少年向け国内コンクール「Jugend musiziert」でピアノ部門第1位等を獲得。2007年には、ベルリン首都賞「Goldener Julius Junior Young Talent」も受賞しています。

Indesens Calliope Records
IC-015(1CD)
1900年頃のパリの音楽 Vol.4〜ピアノの芸術
シャミナード:秋 Op.35-2(『6つの演奏会用練習曲』より)
サン=サーンス:アレグロ・アパッショナート
デュポン:星のきらめき(『砂丘の家』より)
セヴラック
:吟遊詩人と落ち穂拾いの女(『セルダーニャ』より)
サティ:ジムノペディ第1番、ジュ・トゥ・ヴー
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
フォーレ:舟歌第4番 Op.44、即興曲第5番Op.102
フローラン・シュミット:憂鬱(『夕べ』より)
メル・ボニ:ポイベー Op.30、メリザンド Op.109
ローラン・ヴァグシャル(P)

録音:2023年1月11日-12日(フランス、ムードン)
フランス音楽の名盤を次々と生み出し、メディアからも絶賛されているピアニスト、ローラン・ヴァグシャルが奏でる1900年周辺の『ピアノの芸術』!エリック・オービエとの『コルネットの芸術』(INDE152)、ヴァンサン・リュカとの『フルートの芸術』(INDE153)、アレクサンドル・ガテとの『オーボエの芸術』(INDE155)に続くシリーズ第4弾です。
20世紀が幕を開けたとき、ピアノのレパートリーには後期ロマン派、新古典派、モダニズム、印象派、あるいはジャズなど、さまざまな様式が混在し、大きな変化が起こっていました。それを証明する本作の多彩なプログラムは、最も生まれが早いサン=サーンスから1878年生まれのデュポンまで、1900年を超えて活動した作曲家の作品から選ばれています。ヴァグシャルは、今や定番のレパートリーとなっているドビュッシー、ラヴェル、サティ、フォーレの有名作品で妙味のある演奏を聴かせつつ、セヴラックやメル・ボニ(メラニー・ボニ)、シャミナード、フローラン・シュミット、デュポンといった、まだまだ一般の人々には知られていない作曲家の作品に光を当てています。フランス音楽の幅広いパノラマにおける、多様な音楽言語の探求を可能にする1枚です。
フランス音楽の解釈に情熱を注ぎ、忘れられた作曲家の熱心な擁護者でもあるローラン・ヴァグシャルは、これまでにサン=サーンス、フォーレ、フランク、ショーソン、ドビュッシー、さらにはマニャール、デュカス、ピエルネ、カプレ、ゴーベール、フローラン・シュミット、ヴィエルヌ、モーリス・エマニュエル、ジャン・クラ、フランセなどの録音(室内楽やピアノ曲)を残しており、彼のディスコグラフィはDiapason, Classica, Gramophone, The Guardianといったメディアから絶賛されています。

ALBANY
TROY-1910(3CD)
バッハ・トゥ・ブラック(Bach to Black)Vol.2 〜バッハ:パルティータ(全曲)+アフリカ系アメリカ人のピアノ作品集
バッハ:パルティータ第3番イ短調BWV827
ユリシーズ・シンプソン・ケイ:8 つのインヴェンション(1946)
バッハ:パルティータ第4番ニ長調BWV828
ハリー・サッカー・バーリー(1866-1949):「サウスランド」組曲より(1907)
バッハ:パルティータ第2番ハ短調BWV826
フローレンス・ベアトリス・プライス(1887-1953):7つの叙事的小品
バッハ:パルティータ第5番ト長調BWV829
モンタギュー・リング(1866-1956):「謝肉祭」〜5つのダンス組曲(1924)
バッハ:パルティータ第6番ホ短調BWV830
ジョイス・ソロモン・ムーアマン(b.1946):ピアノ組曲(1974)
バッハ:パルティータ第1番変ロ長調BWV825
ジョージ・テオフィラス・ウォーカー(1922-2018):5つの小品
ロシェル・セネット(P)

録音:2022年1-2月イリノイ大学クラナート・センター・オブ・パフォーミング・アーツ
アフリカ系作曲家のピアノ曲とバッハのイギリス組曲(全6 曲)を収録した第1弾(TROY-1869)に続くシリーズ第2 弾。ここ ではバッハの6つのパルティータを主軸にしつつ、その曲間にアフリカ系作曲家のピアノ曲を収録しています。 19世紀半ば頃より早くもアフリカ系の人々は白系人種の西洋音楽を学び、作曲を行っていたことに驚かされるが(時代背景 を考えると当然のことである)それら作品の完成度には更に驚かされます。彼らはバッハを模範としつつ、自分たちの民族性、 出自を模索しつつ創作していたことが分かる。ピアノのロシェル・セネットの清潔で凛としたピアノは大変素晴らしく、バッハ 演奏の新しいスタンダードの登場と言っても言い過ぎではない。この人のモーツァルトやベートーヴェンもぜひ聴いてみたい と思わせるアルバム。

GENUIN
GEN-23827(1CD)
リスト:2つの伝説 S.175
小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
シマノフスキ:仮面劇 Op.34
シューマン:謝肉祭 Op.9
ホン・ミンス(P)

録音:2022年4月28-30日 ドイツ フランクフルト・アム・マイン
永遠の瞬間」と題された、韓国出身のピアニスト、ホン・ミンス Minsoo Hong のおそらくCD デビュー。ホン・ミンスは 1993年、釜山の生まれ。韓国で学んだ後、2013 年にドイツのデトモ ルト音楽大学に留学。2017 年、オランダ、ユトレヒトでの国際フランツ・リスト・ピアノ・コンクー ルで第2位を獲得、一気に名を知られるようになります。ホンのピアノは技術が極めて高く、しかも 硬質な音色がたいへん美しい。リストの小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコの冒頭部 分の万華鏡のような音楽がキラキラ輝きつつも極めて良くコントロールされていて圧倒されます。 シマノフスキの仮面劇もホンの見事な技量と音楽性を伝えてくれます。シューマンの謝肉祭で は、この作品の賑やかな娯楽性を少し抑えて、充実した音楽をじっくり聞かせることに集中し ているようだ。
GENUIN
GEN-23829(1CD)
ノッテボーム(1817-1882):バッハの主題による変奏曲 Op.17
ニーチェ(1844-1900):2つのピアノのためのモノディ
デンホフ:[無]コラール
ピアソラ(ツィーグラー編):フーガと神秘
ストラヴィンスキー(ショスタコーヴィチ編):詩篇交響曲
バッハ:「イエスは私のもの」 BWV147第6曲+クルターク:怒ったコラール
シュテンツル・ピアノ・デュオ【ハンス=ペーター・シュテンツル(P)、フォルカー・シュテンツル(P)】

録音:2013年3月19―20,27―28日,2022年8月15―18日 ドイツ ケルン
ドイツのベテランのピアノ・デュオ、ハンス=ペーターとフォルカーのシュテンツル兄弟によ るシュテンツル・ピアノ・デュオの GENUIN への 4枚目の CD。今回は珍しい作品が主。マル ルティン・グスタフ・ノッテボーム(1817-1882)はブラームスの親友として知らるピアニスト、作 曲家。バッハの主題による変奏曲は、フランス組曲第 1番のサラバンドに基づく9つの変奏曲。フリードリヒ・ニーチェはあの有名な思想家ニーチェの作品。2 つのピアノのためのモノデ ィ(二人のためのモノディ)は知る人ぞ知る名曲。ニーチェが友人の結婚を祝って書いたもの で、おそらく2台のピアノが二人になぞらえられているのでしょう。ミヒャエル・デンホフは 1955年生まれの作曲家。[無]コラール [k]ein Chral は静かでしみじみとした佳作。ピアソラの「ブ エノスアイレスのマリア」の中のフーガと神秘は、兄弟の見事な絡み掛け合いが楽しめる。スト ラヴィンスキー詩篇交響曲をショスタコーヴィチが 2台ピアノのために編曲した作品は、存在 はよく知られているにもかかわらず録音があまりなく、ストラヴィンスキー・マニア、ショスタコー ヴィチ・マニアどちらからも歓迎されるでしょう。最後にバッハの有名な「主よ、人の望みの喜び よ」が演奏されて…と思ったら、これはジェルジ・クルタークが途中に自分の「怒ったコラール」 を挟み込んだもの。ニヤリとさせられます。 ちなみに二人の姓は、シュテンツェル ではなく シュテンツル Stenzl。

GEGA NEW
GD-423(1CD)
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 (全16曲) ピアノ・デュオ・デシスラーヴァ・シュテレヴァ&エフゲニア・シメオノヴァ【デシスラヴァ・シュテレヴァ(P)、エフゲニア・シメオノヴァ(P)】
ブラームスのハンガリー舞曲集(GD-396)から 6年ぶりのピアノ・デュオ・デシスラーヴァ・シ ュテレヴァ&エフゲニア・シメオノヴァの gega への新録音は、案の定というべきドヴォルザーク のスラヴ舞曲集。デシスラヴァ・シュテレヴァは、ブルガリア東部の黒海沿岸の街ブルガスで学 んだ後、モスクワのチャイコフスキー音楽院に留学、東欧を中心に活躍しています。エフゲニア・ シメオノヴァはブルガリアの中北部、プレヴェンの音楽院で学んだ後、プラハ音楽アカデミー で研鑽を積み、さらにパリやモスクワでも学んだ。二人のデュオは、2001 年に gega からリリースされた20世紀ブルガリアを代表する作曲家パンチョ・ヴラディゲロフのCD(GD-239)で国際 的にも名前が知られるようになった。スラヴ舞曲集ならばその気になればいくらでもエンターテ インメント性を煽ることもできそうだが、彼女たちの演奏は極めて誠実一路。有名なフリアントで も派手に盛り上げたりせず、またドゥムカでも大げさに起伏をつけたりせずあくまでしみじみ。 一歩間違えると地味になりそうなところだが、曲本来の味わいを大切にするとこんなに良い味 になると彼女たちが教えてくれるような素敵な演奏だ。

GALLO
GALLO-1678(1CD)
シューマン:8つのノヴェレッテ Op.21
フモレスケ 変ロ長調 Op.20
ボビー・ミッチェル(P)

録音:2021年 米国 カリフォルニア
州 サンフランシスコ
GALLO1618に続く米国のピアニスト、ボビー・ミッチェルによるシューマン。現代音楽を得 意とし、またフォルテピアノでハイドンを弾いたりするミッチェルは、シューマンでは意欲的で活 力ある演奏を繰り広げています。シューマンで連想される苔むした森のような陰ではなく、陽のシ ューマン、これがなかなか面白い。


Spectrum Sound
CDSMBA-136(1CD)
マリー=テレーズ・フルノーへのオマージュ
(1)ドビュッシー:ベルガマスク組曲
(2)ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
(3)ショパン:夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2
(4)ショパン:マズルカ第32番嬰ハ短調 Op.50-3
(5)ショパン:マズルカ第13番イ短調 Op.17-4
(6)モーツァルト:ドゥゼードの「ジュリ」の「リゾンは眠った」による9つの変奏曲 ハ長調 K.264
(7)シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化
マリー=テレーズ・フルノー(P)
(2)ピエール・バスー(Vc)

録音:(1)1975年3月29日メゾン・ド・ラジオ・フランス、107スタジオ(パリ)(ステレオ)
(2)1960年4月30日フランス放送協会内スタジオ(パリ)(モノラル)
(3)1965年11月27日、(4)(5)1965年2月28日、(6)(7)1969年12月20日/メゾン・ド・ラジオ・フランス、105スタジオ(パリ)(モノラル)
【全て初出音源】
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。好評のフランス国立視聴覚研究所(INA)保有音源からの正規初出復刻。当アルバムは20世紀に活躍 したフランスのピアニスト、マリー=テレーズ・フルノー(1927-2000)が1960年から75年にかけて放送用に収録した貴重音源が収録されております!
マルグリット・ロン(1874-1966)の愛弟子であるフルノーは1943年、16歳で挑んだロン=ティボー国際コンクールで第2位を受賞。この時、当時19歳 のサンソン・フランソワが優勝しております。フルノーは恩師ロンをはじめとするフランス・ピアニズムの継承者としてキャリアを積んでいきましたが、難病のため 演奏家人生は短く、ここに収めた放送用音源は彼女の演奏を聴くことができる非常に貴重な記録です。収録作品はドビュッシー、ショパン、モーツァルト、シューマ ンとディスクとして初レパートリーも数多く、この復刻はピアノ・ファン狂喜といえましょう。 (Ki)

※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文下をおすすめします。

Pentatone
PTC-5187045(1CD)
リスト:ピアノ曲集Vol.2
6つのコンソレーション S.172
3つのワルツ・カプリス S.214
即興ワルツ S.213
愛の夢―3つのノクターン S.541
2つの伝説 S.175
サスキア・ジョルジーニ(P/Bosendorfer 280VC)

録音:2022年11月12&13日/ライディング(オーストリア)
サルヴァトーレ・アッカルドから「確かなテクニック、美しく心動かされる音色、ファンタジーにあふれるフレージングと純粋な音楽性」と絶賛されるイタリアのピ アニスト、サスキア・ジョルジーニ。リストの「詩的で宗教的な調べ」(PTC-5186296)が高く評価されており、期待のリスト第2弾が登場!コンソレーション、愛 の夢など名曲を収録しております。
リストといえば「超絶技巧」という派手なイメージがありますが、一方で彼の音楽の多くは内省的で探求心に満ちています。6曲からなるコンソレーションは、フ ランスの詩人サント=ブーヴの詩集からその名がつけられました。ノクターン風の第3番が有名です。
リストの歌曲が原曲で自身がピアノ独奏用に編曲した「愛の夢」。天才リストの豊かな旋律と技巧を散りばめた作品で第3番が圧倒的に有名です。数々のコンクー ルで優勝し、そのテクニックに裏付けされた音の美しさ、そして豊かな歌心で評価されているサスキア・ジョルジーニが美しいリストの音楽の世界へと誘います。 83分長時間収録。

BIS
BISSA-2619(1SACD)
ザシモワ・プレイズ・ショパン
ショパン:マズルカ第1番嬰ヘ短調Op.6の1
マズルカ第2番嬰ハ短調Op.6の2
マズルカ第7番ヘ短調Op.7の3
バラード第4番ヘ短調Op.52
ノクターン第6番ト短調Op.15の3
マズルカ第43番ト短調Op.67の2
3つのマズルカOp.50
バラード第2番ヘ長調Op.38
マズルカ第44番ハ長調Op.67の3
4つのマズルカOp.41
ワルツ第8番変イ長調Op.64の3
スケルツォ第4番ホ長調Op.54
ワルツ ホ長調
ソステヌート 変ホ長調
カンタービレ 変ロ長調
モデラート ホ長調
アンナ・ザシモワ(P)

録音:2022年7月25-28日/ライディング・リストセンター(オーストリア)
アンナ・ザシモワは1976年モスクワ生まれ。グネシン音楽大学でトロップに師事、2002年からはドイツに住み活動しています。音楽学者として論文も発表す るほか、画家としても知られています。
今回のアルバムは得意のショパン。あえて人気作を選ばずに、作品番号のないものなどにも新しい魅力を発見させてくれます。小品の語り口の巧さに驚かされま すが、バラード第4番やスケルツォ第4番などの難曲でも余裕の技巧と造形感をみせています。 (Ki)

H.M.F
HMM-902469(3CD)


KKC-6714(3CD)
国内盤仕様
税込定価
バッハ:鍵盤のための作品全集 Vol.8〜ケーテン、1717-1723、マリア・バルバラに捧げる
[CD1]
ソナタ ニ短調 BWV964
シャコンヌ ニ短調 (原曲:ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004第5曲)
プレリュードとフーガ(原曲:ヴァイオリン・ソナタ 第1番ト短調 BWV1001第2曲)
アダージョ ト長調 BWV968(原曲:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 BWV1005第1曲)
ペダル練習曲 ト短調 BWV598*
ファンタジア ト短調*(ファンタジーとフーガ BWV542より)
[CD2]
バッハ
インヴェンション ハ長調 BWV772
シンフォニア ハ長調 BWV787
インヴェション ヘ長調 BWV779
シンフォニア ヘ長調 BWV794
インヴェンション ニ短調 BWV775
シンフォニア ニ短調 BWV790
インヴェンション ト長調 BWV781
シンフォニア ト長調 BWV796
インヴェンション ホ短調 BWV778
シンフォニア ホ短調 BWV793
インヴェンション イ長調 BWV783
シンフォニア ニ長調 BWV789
インヴェンション ニ長調 BWV774
インヴェンション ロ短調 BWV786
シンフォニア ロ短調 BWV801
F.クープラン:プレリュード ニ短調(“クラヴサン奏法”より)
バッハ:フランス組曲 第1番ニ短調 BWV 812
F.クープラン:プレリュード ト短調(“クラヴサン奏法”より)
バッハ:フランス組曲 第5番ト長調 BWV 816
F.クープラン:プレリュード ロ短調(“クラヴサン奏法”より)
31-36. バッハ:フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV814
[CD3]
バッハ
シンフォニア 変ホ長調 BWV791
インヴェンション 変ホ長調 BWV776
シンフォニア ハ短調 BWV788
インヴェンション ハ短調 BWV773
シンフォニア ヘ短調 BWV795
インヴェンション ヘ短調 BWV780
シンフォニア 変ロ長調 BWV800
インヴェンション 変ロ長調 BWV785
シンフォニア ト短調 BWV797
インヴェンション ト短調 BWV782
シンフォニア ホ長調 BWV792
インヴェンション ホ長調 BWV777
シンフォニア イ短調 BWV799
インヴェンション イ短調 BWV784
シンフォニア イ長調 BWV798
プレリュード 変ホ長調(フランス組曲第4番 変ホ長調より BWV815aの異稿)
フランス組曲 第4番変ホ長調 BWV815
プレリュード ハ短調 BWV999
フランス組曲第2番ハ短調 BWV813
F.クープラン:プレリュード ホ短調(“クラヴサン奏法”より)
バッハ:フランス組曲第6番ホ長調 BWV 817
バンジャマン・アラール
[CD1]および[CD2&3]インヴェンション&シンフォニア:クラヴィコード チェンバロ、2018年エミール・ジョバン製/
1773年クリスティアン・ゴットフリート・フリーデリキ製〜
*が付いているものはケンティン・ブルーメンレーダーによるペダル・ボードを使用して演奏
[CD2&3]プレリュードと組曲:ヨアンネス・クシェ製のチェンバロ(1720 年頃フランソワ=エティエンヌ・ブランシェ鑑定)、
Musee instrumental de Provinsコレクション

録音:2021年6月(プレリュード、組曲)および12月(インヴェンションとシンフォニア、その他の作品)
※国内盤:日本語帯・解説付
名手アラールによる偉大な挑戦、バッハの鍵盤作品全集第8集は、インヴェンションとシンフォニア、そしてフランス組曲ほかを収録。楽器は、チェンバロ、クラヴィコード、ペダル・クラヴィコードを用いています。
タイトルにある「マリア・バルバラ」(1684-1720)はバッハの最初の妻。彼女の父はオルガン奏者にして作曲家であり、父から音楽教育を受けたと考えられていますが、あまり詳しいことはわかっていません(W.F.バッハやC.P.E.バッハら、作曲家として現在にも名を残している息子はマリア・バルバラとの子供)。1717-23年頃に書かれた(と考えられる、あるいは浄書譜が残っている)作品には少なからずマリア・バルバラと生活を共にしていた時に完成、あるいは着想されたものが多数あるはず、ということで、アラールはこのアルバムに、「マリア・バルバラ」の名前を入れています。
「ケーテン時代」にバッハが仕えていたケーテン侯は、カルヴァン派(音楽が信仰の妨げになるという考え)だったため、バッハは教会カンタータは書きませんでした。この時期には世俗音楽を多数書き、「ブランデンブルク協奏曲」「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」「インヴェンション」「平均律第1巻」などがこの時代の自筆譜で伝えられています(すべてがこの時期に作曲・完成されたかどうかは不明)。1720年7月、バルバラが亡くなります。無伴奏ヴァイオリンの作品などは、マリア・バルバラの死への悲しみの感情が迸っていると言われることもあります。ここでは、無伴奏ヴァイオリンの作品を鍵盤で演奏しております(バッハもしばしばこのように演奏したと伝えられています)。
フランス組曲は1722-25年、アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集へ書き込まれる形で初稿譜が誕生しています。歴史的チェンバロ、1645年製のクーシェで演奏されており、フランス風の細密画の非常に特別な世界を垣間見せてくれます。F.クープランの手法で描かれた肖像画のようでもあります。アラールは、フランス組曲の第1,2,5,6番の前に、F.クープランの「クラヴサンの技法」から、関係調のプレリュードを配して演奏、これによりバッハ、F.クープランの作品がそれぞれより際立ってきます。
インヴェンションとシンフォニアもクラヴィコードでの演奏によりますが、バッハは、インヴェンションとシンフォニアのタイトルページで、これらの曲がクラヴィコード特有の「カンタービレ」の演奏スタイルを身につけるためのものであると明確に記しています。当時から1850年頃まで、ドイツ語圏ではクラヴィコードが音楽全般、特に鍵盤音楽を学ぶための基本的な道具でした。アラールの演奏により、インヴェンションとシンフォニアの、バッハが聴いていたであろう響きによる演奏を識ることができます。★通常オルガンで演奏される作品([CD1]の9および10)が、ここではペダル・クラヴィコードで演奏・録音されていることにもアラールのこだわりが。当時オルガンを実際に演奏するには、人力によってパイプに風を送り込まなければならず、いつも自由に演奏できるものではありませんでした。時に奏者はペダル・クラヴィコードで練習していたのです。BWV598のペダル練習曲は、大バッハのペダルの技術の驚異性を伝えるもので、エマヌエル・バッハの筆者譜によって伝えられています。アラールの足鍵盤の技術にも注目です。
バッハの作品ひとつひとつの完成度の高さに驚くとともに、バッハの生涯や生活、周囲の環境までにも思いを馳せながら聴くことができ、アラールがいよいよバッハに肉薄していることも感じられる、非常に濃い内容の3枚組となっております。

ANTARCTICA
ANTAR-043(1CD)
エネスコ:ピアノ・ソナタ 嬰へ短調 Op.24-1
ラヴェル:鏡
シリル・スコット:5つの詩
クリスティアン・サンドリン(P)

録音:2021年2月10-12日
Antarcticaレーベルが「Spring」と名付けた新シリーズを始動。個性あふれる才能を持つ魅力的な音楽家たちのデビュー録音に焦点を当てます。
シリーズ第1弾はルーマニアのピアニスト、クリスティアン・サンドリン。出身は違えどパリで活動した共通点を持つ3人の作曲家を選び演奏。ワーグナーが調性 を解体し、ドビュッシーが色彩と絵画を音楽に取り込み、視覚的イメージを想起させる音楽、またそこからさらに進んで観念的なイメージまでも伝える音楽が書かれ るようになった時代の作品たちです。 (Ki)

MIRARE
MIR-642(1CD)
ゾーイのためのダンス集
ブラームス:ワルツOp.39〜第1番ロ長調/第11番ロ短調/第6番嬰ハ長調/第3番嬰ト短調/第14番嬰ト短調/第15番変イ長調
スクリャービン:マズルカOp.25の2
トーマス・アデス:マズルカOp.27の2
(4)ラヴェル:メヌエット〜「クープランの墓」
C.P.E.バッハ:メヌエット
マタン・ポラト:ワルツ・フォー・ビル
ビル・エヴァンス:ワルツ・フォー・デビイ
ストラヴィンスキー:タンゴ
ナンカロウ(ポラト編):練習曲第6番「タンゴ」
ラモー:サラバンド〜組曲イ短調
サティ:サラバンド第3番
スクリャービン:ワルツOp.38
クープラン:フォルラーヌ〜王宮コンセール第4番
ラヴェル:フォルラーヌ〜「クープランの墓」
ラッヘンマン:影踊り〜「子供の遊び」
ショスタコーヴィチ:ワルツ・スケルツォ〜「人形の踊り」
マタン・ポラト(P)

録音:2022年5月23-25日/ノイマルクト・ライツターデル(ドイツ)
フォルジュルネ音楽祭でおなじみのマタン・ポラト。1982年テルアヴィヴ生まれのピアニストで、作曲家としても注目されています。最新盤は舞曲を集めたコン セプト・アルバム。タイトルは愛娘でピアニストのゾーイに捧げたためのこと。
クープランからアデスまでのさまざまな舞曲形式によるピアノ曲を集めていますが、選曲は凝っていてビル・エヴァンスのジャズの名作「ワルツ・フォー・デビイ」 をポラトの演奏で聴くことができるうえ、ポラトの「ワルツ・フォー・ビル」がその返し歌となっています。またナンカロウの自動ピアノのための練習曲をポラトが 人間用に編曲したものも聴きもの。2023/4年にこれを日本人ダンサー川口ゆいが振付け、ポラトの演奏と共演が予定されています。 (Ki)

Naive
V-7860[NA](1CD)
即興曲集
フォーレ:即興曲 第1番変ホ長調op.25
ショパン:即興曲 第1番変イ長調 op.29
フォーレ:即興曲 第2番ヘ短調 op.31
ショパン:練習曲 ヘ短調 op.25-2
フォーレ:即興曲 第3番変イ長調 op.34
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
フォーレ:即興曲 第4番変ニ長調 op.91
ショパン:即興曲 第2番嬰ヘ短調 op.36
フォーレ:即興曲 第5番嬰ヘ短調 op.102
ショパン:即興曲 第3番変ト長調 op.51
フォーレ:即興曲 第6番変ニ長調 op.86
ショパン:子守歌 変ニ長調 op.57
フォーレ:即興曲 嬰ハ短調 op.84
イスマエル・マルガン(b.1922):即興演奏
イスマエル・マルガン(P)

録音:2021年2月13-17日、パリ
1992年生まれのピアニスト、イスマエル・マルガンが「即興曲集」と題し、ショパンとフォーレを交互にプログラム、最後はリサイタルでよくやるように自分の即 興演奏をアンコールとして締めくくる、というCDをリリースします。CDを聴き進めてゆくうちに、調性やスタイルなど共通の部分を持ちながらも、それぞれの作 品の個性が浮き彫りにされてゆくさまが非常に見事です。マルガンの即興演奏もエスプリに満ちています。全体を通して辛口なタッチで、美しくも非常に切れ味鋭 い音色が冴えています。 イスマエル・マルガンは1992年、フランスのサルラで生まれ、ピアノ、フルート、サックス、ジャズ、作曲を学びました。その後、パリ国立高等音楽院(CNSMD) に入学し、ニコラ・アンゲリッシュ、ロジェ・ムラロ、ミシェル・ダルベルトらに師事。2012年、ロン=ティボー国際コンクールで優勝。その後、ヴィクトワール・ド・ ラ・ミュジークのソリスト・レヴェレーションにノミネートされた。ソロで活躍するほか、アレクサンドラ・スム、ルノー・カプソン、エドガー・モロー、ベルトラン・シャ マユやエルメスSQなどと共演もしています。ピアノ・デュオをギョーム・ベロンと組んで活動しています。2020年に発足したライブストリーミングプラット フォーム「RecitHall」の4人の共同創設者の一人でもある。 (Ki)
Naive
V-7959(2CD)
Im Freien〜野外にて
シューマン:森の情景 op.82
ラヴェル:鏡
リスト:〈鬼火〉〈雪あらし〉(「超絶技巧練習曲集」より)
ドレーゼケ(1835-1913):小さな物語(Petite Histoire)op.9
アドルフ・シュルツ=エヴレル(1852-1905):J.シュトラウスの「美しき青きドナウ」によるアラベスク
バルトーク:夜の音楽(「野外にて」より)
ズラータ・チョチエヴァ(P/ベヒシュタイン)

録音:2022年10月 B-SHARP、ベルリン
モスクワ生まれのズラータ・チョチエヴァの新譜は、「自然」にまつわる2枚組。朝目覚めたら森に散歩に出かけて、自然にまつわる様々な冒険や体験を経て、再 び眠りにつく、というストーリーを、シューマンの「森の情景」で始めて、バルトークの「野外にて」より「夜の音楽」に終わる、というこだわりのプログラムです。 森に出かけてからの自然にまつわる様々な冒険や体験は、どれも超絶技巧の曲が並びますが、その中でも特に注目なのが、難曲として名高いエヴレルの「青きドナ ウによるアラベスク」。これが可憐さも感じさせながら、たのしげな雰囲気たっぷり、余裕すら感じさせる演奏となっており、見事です!
ズラータ・チョチエヴァは1985年モスクワ生まれのピアニスト。14歳でプレトニョフに認められ教えを受けたほか、2008年からはモスクワ音楽院でネルセシ ヤンに、2012年からはザルツブルクのモーツァルテウム大学でジャック・ルヴィエに師事しました。現在はモーツァルテウムで教鞭をとっています。 (Ki)
Naive
V-5467[NA](1CD)
ショパン:ノクターン 変ホ長調 op.9-2(ポッパー編曲によるチェロとピアノ版)
 チェロ・ソナタ ト短調 op.65
 序奏と華麗なポロネーズ ハ長調 op.3
ショパン=フランショーム:マイアベーアの「悪魔のロベール」の主題による協奏的大二重奏曲 ホ長調 B.70
ショパン:ノクターン 嬰ハ短調 遺作(ピアティゴルスキー編曲によるチェロとピアノ版)
アンヌ・ガスティネル(Vc/1690年製テストーレ)
クレール・デゼール(P)

録音:2021年2月16-18日、MC2、グルノーブル(フランス)
アンヌ・ガスティネルがショパンを録音しました。長年共演を重ねている名手にして教師としても名高いクレール・デゼールとのデュオです。有名な変ホ長調ノク ターンのチェロとピアノ版によってCDは始まりますが、まるでショパンのサロンに足を踏み入れたかのような、実に親密な空気の演奏で、音と音の間に漂う薫り高 い空気までもが音楽となって聴こえてくるようです。ソナタでのデゼールの前奏はカッチリしていながら即興性と熱に満ちている品格漂うもの。続くガスティネルの ソロも、終始控えめな表現で、それが却って作品のドラマティックさを際立たせております。すべての楽曲において、自由な歌心が迸りながらも、品格と厳格さも兼 ね備えた、まさに大家の風格の演奏となっております。 (Ki)

ATMA
ACD2-2803(1CD)
ショパン・リサイタル 第4集
ポロネーズ イ長調 Op.40-1
ポロネーズ ハ短調 Op.40-2
バラード ト短調 Op.23
夜想曲 ヘ長調 Op.15-1
夜想曲 へ短調 Op.55-1
前奏曲 ホ短調 Op.28-4
前奏曲 イ長調 Op.28-7
前奏曲 変ホ長調 Op.28-19
華麗なる大円舞曲 Op.18
ワルツ第19番イ短調 Op. Posth.
子守歌 変ニ長調 Op.57
スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
ヤニーナ・フィアルコフスカ(P)

録音:2022年8月5-6日/ケベック、モンカルム宮殿
巨匠ルービンシュタイン最後の弟子にして「生来のショパン弾き」といわしめた名手フィアルコフスカによるショパン第4弾。フィアルコフスカは2005年に ATMAレーベルにデビューして以来、14枚もの録音をリリースし高い評価を受けています。15枚目となる今作でも美しく洗練された演奏を披露。歯切れのよい パリッとした明快なタッチにして絶妙な揺らぎもあり、おもしろく聴けます。 (Ki)
ATMA
ACD2-2861(1CD)
シェン・ツァイ、ラフマニノフを弾く
6つの楽興の時 Op.16
歌劇『アレコ』からの4つのピアノ編曲[序奏-女の踊り-男の踊り-間奏曲](シェン・ツァイ編)
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36(1913年版)
W.R.のポルカ(フランツ・ベーア作曲)
シェン ・ツァイ(P)

録音:2021年11月8-9日/ケベック、ドメーヌ・フォルジェ・コンサートホール
カナダのピアニスト、シェン・ツァイによるラフマニノフ・アルバム。サロン風音楽からより高められたロマン主義音楽へとうつる転機となった『楽興の時』、シュー マンの対位法・リストの名人芸・スクリャービンの恍惚が一体となったようなピアノ・ソナタ第2番などを収録。ソナタはより長大な初版を選び、巧みな技術で見 事に弾き切っています。『アレコ』の自らの手によるトランスクリプションも板についたもので、ピアノのソノリティが十全に発揮されています。
『W.R.のポルカ』はラフマニノフの父、ワシーリー・ラフマニノフが以前に弾いていた音楽をもとに、1911年にラフマニノフが編曲したもの。原曲はドイツの作 曲家フランツ・ベーア(1837-1898)によるものです。 (Ki)

MarchVivo
MV-008(1CD)
ノクターン 〜ショパンとフィールドから離れて
フレッド・ハーシュ(1955-):左手の為のノクターン 〜『3つの性格的練習曲』
バーバー:ノクターン(ジョン・フィールドへのオマージュ) Op.33
グリフィス(1884-1920):ノットゥルノ Op.6-2 〜『幻想小品集』
マルトゥッチ:ノットゥルノ 変ト長調 Op.70-1
レスピーギ:ノットゥルノ P44-3 〜『ピアノの為の6つの小品』
フォーレ:ノクターン 第6番変イ長調 Op.63
フォーレ:ノクターン 第13番ロ短調 Op.119
エネスコ:カリヨン・ノクターン Op.18-7〜組曲第3番『即興的小品集』
ヴラディゲロフ(1899-1978):ノクターン Op. 59-4〜『ノヴェレッテ』
ホス・デ・ソラウン(P)

録音:2019年3月30日 フアン・マルク財団、マドリード(ライヴ/最終トラックの演奏後に拍手入り)
ノクターン(夜想曲)といえば現代ではまずショパン、そしてその創始者と言われるフィールドが思い浮かぶところですが、このアルバムにはそのほ かの様々な作曲家によるノクターンが収められています。フォーレなどは比較的知られるところですが、レスピーギやバーバーといった作曲家の 名前も見られるのが嬉しいところで、フランス、イタリア、アメリカ、ルーマニア、ブルガリアと、様々な国の音楽が聴ける点もたいへん魅力的。い ずれの作品もロマンティックなショパンと比べると、より「夜」の印象が強い静けさを感じさせるもので、中でも鐘を模したエネスコの作品は非常 に興味深い響きとなっています。演奏はGRAND PIANOでのエネスコのピアノ作品全集や、NAXOS、Ibs CLASSICALでの録音でも高 い評価を得ているスペインのピアニスト、ホス・デ・ソラウン。それぞれの作品に深く寄り添った美しい演奏を聴かせています。フアン・マルク財団 のオーディトリアムで行われた「Musica en la noche 夜の音楽」というシリーズでのライヴ録音。

Dynamic
CDS-7984(1CD)
NX-B03
スクリャービン:前奏曲/練習曲 他
幻想曲 ロ短調 Op.28(1900)
2つの即興曲 Op.12(1895)
6つの前奏曲 Op.13(1895)
練習曲 Op.2-1(1887)
12の練習曲 Op.8(1894)
演奏会用アレグロ Op.18(1896)
ダニエラ・ローマ(P…Steinway D274)

録音:2022年3月15-17日 Studio Griffa、ミラノ(イタリア)
神秘主義者で、斬新な和声を駆使した前衛的な作品を書いたスクリャービンですが、若い頃はショパンの影響が 感じられるロマンティックな作品を多く書いています。このアルバムでは、そのような初期作品を中心に選曲。アルバ ム・タイトル通り、「夢想家にして詩人」としてのスクリャービンの世界へと誘います。演奏はイタリア出身のダニエラ・ ローマ。ヴィボ・ヴァレンティア音楽院で学んだ後、アムステルダムやザルツブルクで研鑽を積み、国際的なピアニスト として活躍しています。

IBS CLASSICAL
IBS-22023(1CD)
無伴奏チェロによるカザルスへのトリビュート
ガスパール・カサド(1897-1966):無伴奏チェロの為の組曲
バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV1008? サラバンド
エリセンダ・ファブレガス(1955-):Danses de la terra
大地の踊り(カタルーニャ舞曲)
マラン・マレ:人間の声(R.モレリョ・ロス編)
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV 1007? サラバンド
マルク・ミゴ(1993-):カザルスの名前による変奏曲
カタルーニャ民謡:鳥の歌(P. カザルス/R.モレリョ・ロス編)
バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV 1010- サラバンド
ロジェ・モレリョ・ロス(Vc)

録音:2022年12月2-4日
1993年にカタルーニャに生まれたモレリョ・ロスが、2023年に没後50周年を迎える郷里の偉大な先達カザルスに 捧げた1枚。カザルスの弟子カサドのソナタ、同郷カタルーニャの作曲家たちによる新作、カザルスの手によって新し い命を吹き込まれたバッハの「無伴奏チェロ組曲」、モレリョ・ロスが自ら編曲したマレの「人間の声」に、カザルスのト レードマークと言うべき「鳥の歌」が収められています。

DIVINE ART
DDX-21101(1CD)
NX-B07
ラフマニノフ:2台ピアノの為の組曲/ピアノ三重奏曲集
組曲第1番Op.5?2台ピアノの為の(1893)
悲しみの三重奏曲第1番ト短調(1882)
幻想的小品集 Op.3? 第1番エレジー(1882)
組曲第2番Op.17?2台ピアノの為の(1900-01)
ヴォカリーズ Op.34-14(J. コニュスによるピアノ三重奏編)
ミハウ・ロト(P)
フーベルマン・ピアノ三重奏団

録音:2022年9月14-15日、2022年11月28-29
ポーランドのピアニスト、バルバラ・カラシキエヴィチとミハウ・ロトによるラフマニノフの2台ピアノの為の作品集。 収録はポーランドの2か所のホールで行われました。またピアノ三重奏曲は、カラシキエヴィチの主導により結成され た"フーベルマン・ピアノ三重奏団"による演奏。このアンサンブル名はポーランド出身のヴァイオリニスト、ブロニスラ フ・フーベルマンにちなんで付けられたものです。
DIVINE ART
DDX-21102(1CD)
NX-B07
バッハ:Tranquillity
前奏曲 ヘ短調 BWV857
われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV 639
オルガン協奏曲 ニ短調 BWV596- Largo
いざ来ませ、異邦人の救い主よ BWV659a
ゴルトベルク変奏曲BWV988- Aria
前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 BWV849
前奏曲 ロ長調 BWV868
前奏曲 嬰へ短調 BWV883
前奏曲 ロ短調 BWV855a
オルガンの為の前奏曲 ホ短調 BWV533
オルガン・ソナタ第4番ホ短調 BWV528- Adagio
イタリア協奏曲 BWV971- Andante
イギリス組曲第2番イ短調 BWV807- Sarabande
フランス組曲第1番ニ短調 BWV812- Sarabande
協奏曲 ニ短調 BWV974(原曲:マルチェロのオーボエ協奏曲)
トッカータ ハ長調 BWV564- Adagio
前奏曲とフーガ BWV853- 前奏曲 変ホ短調
前奏曲とフーガ BWV853- フーガ 嬰ニ短調
前奏曲 変ロ短調 BWV867
神の時こそいと良き時(哀悼行事) BWV106- ソナチネ
ジョナサン・フィリップス(P)

録音:2019、2021年
タイムズ誌で「真のクォリティと技巧を備えた音楽家」と称賛された英国のピアニスト、ジョナサン・フィリップス。BBC をはじめ、ロシア、イタリア、スウェーデンのテレビとラジオに出演し、イギリス、ヨーロッパでリサイタルを行うベテランで す。この「Tranquillity」と題されたアルバムでは、バッハ作品の中から、静けさと瞑想的な雰囲気を湛えた作 品が集められています。演奏にはブゾーニやシロティによる編曲版を使用。
DIVINE ART
DDA-21240(2CD)
NX-C04
鳥の思い出
【CD1】
メシアン:鳥のカタログ第2巻 - Le Traquet Stapazin
サディ・ハリソン(1965-):Lunae4つの夜想曲
メシアン:鳥のカタログ第3巻 - La Chouette Hulotte
メシアン:鳥のカタログ第3巻 - L’Alouette Lulu
ジュリアン・アンダーソン(1967-):Sensation センセーション
【CD2】
メシアン:鳥のカタログ第4巻 - La Rousserolle Effarvatte
ベッツィ・ジョラス(1926-):Chanson d’Approche
メシアン:鳥のカタログ第5巻 - Alouette Calandrelle
メシアン:鳥のカタログ第5巻 - La Bouscarle
ドビュッシー:前奏曲第1巻 第4曲 夕べの大気に漂う音と香り
グリーグ:抒情小曲集第5巻 Op.54 − 第4曲 夜想曲
ロデリック・チャドウィック(P)

録音:2022年1月4-6日
メシアンやシュトックハウゼンのエキスパートである英国のピアニスト、ロデリック・チャドウィック。このアルバムは2020 年にリリースされた「La mer bleue」(DDA-25209)の続編となるもので、フランスのソローニュ地方の一日の景 色と音をイメージした雰囲気のある2枚組です。前作と同じくメシアンの「鳥のカタログ」からの抜粋と"鳥""夜"をイ メージさせるグリーグ、ドビュッシーのロマンティックな作品からサディ・ハリソンらのモダンな作品が並べられています。

BIJIN CLASSICAL
BJN-1022(1CD)
シューベルト作品集3
即興曲集 作品142D935
ディアベッリのワルツによる変奏曲 D718
アレグレット ハ短調 D915
ピアノ・ソナタ第14番イ短調 D784
イリーナ・メジューエワ(P)
(P/1925年製NYスタインウェイ CD135))

録音:2022年12月4日〜5日、新川文化ホール(富山県魚津市)
イリーナ・メジューエワによる新シューベルト・シリーズ第三弾。シューベ ルトのピアノ・ソナタ創作のうえで画期をなしたイ短調ソナタ(D784)と、晩 年の傑作「即興曲集 作品142」をメインにしたプログラム。いずれもメジュ ーエワにとって再々録音になりますが、更なる深化を遂げた演奏解釈は 必聴です。変幻自在のタッチが生み出す多彩な響きで、シューベルトの 名状しがたい孤独と人間的な温かみを見事に表現しています。カップリン グの小品2曲のしみじみとした味わいも格別。使用楽器は 1925年製ニューヨーク・スタインウェイ(CD135)。

CAvi music
85-53529(1CD)
ベートーヴェンへのオマージュ
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92より第2楽章アレグレット(フランツ・リストによるピアノ編曲版)
シューマン:ベートーヴェンの主題による自由な変奏形式の練習曲 WoO31
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101、希望に寄せて Op.94(アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルクによるピアノ編曲版)
アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルク(P)

録音:2022年6月(オーストリア、ウィーン)
ハンス・フォン・ビューロー国際ピアノ・コンクール第1位、ウィーン国際ベートーヴェン・ピアノ・コンクール第1位の受賞歴を持つ多才なピアニスト、アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルクがベートーヴェンに捧げたユニークな1枚!アルバムの冒頭はリストがピアノ独奏編曲した交響曲第7番の第2楽章アレグレットで幕を開けます。続くシューマンの変奏曲は同じ第7番のアレグレットを主題にしたもの。メインは後期ベートーヴェンへの入り口ともいえるピアノ・ソナタ第28番。最後はブレッテンベルクが本作のために特別に編曲を行ったベートーヴェンの歌曲「希望に寄せて」のピアノ独奏版でこれまでの音楽を振り返ります。深刻な雰囲気と希望に満ちた音楽の両方を組み合わせたプログラミングの妙にもご注目ください。

APR
APRCD-6041(2CD)
キャスリーン・ロング〜デッカ・ソロ・レコーディングス1941-1945
(1)作者不詳/レスピーギ:シチリアーナ(古風な舞曲とアリアより)
(2)D.スカルラッティ:ソナタ 嬰ハ短調 K247
D.スカルラッティ:ソナタ ト長調 K201
D.スカルラッティ:ソナタ ハ短調 K84
(3)・D.スカルラッティ:ソナタ嬰ヘ短調 K447
(4)D.スカルラッティ:ソナタ イ長調 K62
D.スカルラッティ:ソナタ 変ロ長調47
(5)D.スカルラッティ:ソナタ ヘ長調 K366
D.スカルラッティ:ソナタ ト長調 K235
(6)パラディエス:トッカータ(ソナタ第6番イ長調より)
バッハ:ファンタジア ハ短調 BWV906
バッハ/アルベール・レヴェク:羊は安らかに草を食み(カンタータ BWV208より)
(7)シューベルト:ソナタ イ短調 Op.164, D537
(8)シューベルト:ソナタ 変ホ長調 Op.122, D568
(9)グリーグ:蝶々(抒情小曲集 Op.43より)
グリーグ:羊飼いの少年(抒情小曲集 Op.54より)
(10)グリーグ:夜想曲(抒情小曲集 Op.54より)
(11)グリーグ:スケルツォ(抒情小曲集 Op.54より)
グリーグ:農民の歌(抒情小曲集 Op.65より)
(12)グリーグ:その昔(抒情小曲集 Op.71より)
(13)グリーグ:夏の夕べ(抒情小曲集 Op.71より)
グリーグ:パック(抒情小曲集 Op.71より)
(14)フォーレ:舟歌第2番ト長調 Op.41
フォーレ:夜想曲第6番変ニ長調 Op.63
(15)フォーレ:主題と変奏 Op.73
(16)ドビュッシー:前奏曲集第2巻
キャスリーン・ロング(P)


(1)録音:1941年10月27日
(2)録音:1943年5月3日
(3)録音:1943年11月29日
(4)録音:1945年3月5日
(5)録音:1945年3月5日
(6)録音:1942年2月20日
(7)録音:1941年9月18日
(8)録音:1944年11月20日
(9)録音:1942年9月3日
(10)録音:1943年2月5日
(11)録音:1942年9月3日
(12)録音:1943年2月5日
(13)録音:1942年9月3日
(14)録音:1944年10月16日
(15)録音:1943年9月20&11月29日
(16)録音:1941年9月16日&10月27日


※リマスタリング:アンドルー・ハリファックス
稀少なピアノ音源の発掘と良質な復刻で定評のあるイギリス「APR」より、1940年代に録音されたデッカ時代のキャスリーン・ロングのソロ録音集が登場!
イギリスの音楽シーンではあまり目立たない存在でありながらも、最高峰の音楽家であった20世紀イギリスのピアニスト、キャスリーン・ロング。英国王立音楽カレッジ(RCM)で44年間教鞭をとり、20年間デッカの主要アーティストとして活躍しました。
名エンジニア、アンドルー・ハリファックスのトランスファー&リマスタリングによる今回の復刻では、デッカでの最初のソロ・レコーディングとなった1941年録音のドビュッシーを始め、定評のあったスカルラッティやフォーレ等の名演を収録。彼女はフランス音楽への貢献(特にフォーレの演奏と録音)が認められ、フランス政府から勲章を授与され、フランス国立アカデミーの名誉会員にもなっています。

LAWO Classics
LWC-1249(1CD)
バッハ:パルティータ第1番、第5番&第6番
バッハ:パルティータ第6番ホ短調 BWV830
パルティータ第5番 ト長調 BWV829
第1番変ロ長調 BWV825
ニルス・アンデシュ・モッテンセン(P)

録音:2021年11月30日-12月1日、ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
ドビュッシー、グリーグ、バルトークを弾いた「戸外にて」、ブラームスの作品集「陰鬱な真夜中に」や、エンゲゴール四重奏団とのシューマンの室内楽作品集、そしてメゾ・ソプラノのマリアンネ・ベアーテ・シェラン(キーラント)との共演によるノルウェー歌曲のシリーズなどLawo Classicsの数多くのアルバムに登場しているノルウェーのピアニスト、ニルス・アンデシュ・モッテンセンが、バッハのパルティータ集の録音を開始。2019年にリリースしたフランス風序曲やイギリス組曲などを収録した作品集(LWC1174)以来となる彼のバッハ・アルバムとなります。残る第2番、第3番、第4番も今後リリースが予定されています。
ニルス・アンデシュ・モッテンセンは1971年、ノルウェーの港町フレッケフィヨルド生まれ。3歳でピアノを始め、1986年にノルウェー・ヤング・ピアニスト・コンクールで優勝。ノルウェー音楽アカデミー、パリのエコール・ノルマル音楽院などで学び、タチアナ・ニコラーエワやハンス・ライグラフにも教わったことがあります。ソリストとしてノルウェーの多くの主要オーケストラと共演しているほか、レコーディング活動も精力的に行っています。

Da Vinci Classics
C-00709(1CD)
20世紀の無伴奏クラリネット作品集
ニーノ・ロータ:6つの変奏曲と3つの提案
チャバ・デアーク:ソナチネ
エルンスト・クルシェネク:モノローグ
ジャコモ・ミルッチョ:狂詩曲
ゴードン・ジェイコブ:5つの小品
アーノルド:幻想曲
アゴスティーノ・ガブッチ:即興曲
ポール・ハーヴェイ:3つの練習曲
ピアソラ:タンゴ・エチュード 第3番
アルフレド・ヴェナ(Cl)

録音:2021年11月〜2022年5月、フルカルド(イタリア)
20世紀のヨーロッパにおけるクラリネットの様々なニュアンスを巡る内省的な旅路。19世紀には無伴奏のクラリネットのために書かれた作品はごくわずかしかありませんでした。本作には1950年〜1980年代に書かれたイタリア、イギリス、そして東欧の無伴奏クラリネット作品が集められています。ここに選ばれたすべての作品は、伝統との強いつながりを保ちつつ、クラリネットの声を表現するための新しい言語、新しいテクニック、新しいスタイルを見出そうとしています。
Da Vinci Classics
C-00710(1CD)
秘宝〜亡命者たちのハープ・ソナタ集
タイユフェール:ハープ・ソナタ
セルジュ・ナトラ(1924-2021):ソナチネ
ヒンデミット:ハープ・ソナタ
クルシェネク:ハープ・ソナタ Op.150
ミヨー:ハープ・ソナタ
アンナ・カステラーリ(Hp)

録音:2022年10月30日-31日、パラッツォ・チゴラ・マルティノニ(イタリア)
た女流ハーピスト、アンナ・カステラーリ。本アルバムでは、20世紀に書かれた最も重要なハープ作品を取り上げています。
スペインのハープ奏者、ニカノール・サバレタのために書かれたタイユフェールのソナタから、演奏者の技量を示し、イスラエル・ハープ・コンテストのために書かれたセルジュ・ナトラのソナチネ、第二次世界大戦直前に作曲者が生きた多くの苦難を明らかにし、ドイツ・ロマン派の詩人ルートヴィヒ・ヘルティに触発された無言歌を取り入れたヒンデミットのソナタなど、同時代におけるハープに対する様々な流派、ジャンル、アプローチのサンプルとして構成されています。
Da Vinci Classics
C-00718(1CD)
チレア:ピアノ作品集 Vol.2

朝の歌 Op.5/ラ・プティット・コケット Op.9
アルバムの綴り Op.41/祈り(第2版)
子守歌 Op.20/田園風アリア
カリブ風舞曲(1884)
ア・ラ・マズルケ Op.35
スケルツォ(1883)/3つの小品 Op.43
舞曲(「管弦楽のための小組曲」より)(1947)
2つの小品/セレナータ・ア・ディスペット
チェロ・ソナタ ニ長調 Op.38(初版、1888)*
サンドラ・コンテ(P/スタインウェイ&サンズ1950)、デュオ・コラールド=コンテ*

録音:2015年-2022年、プリヴァーテ・スタジオ(サン・ジョルジョ・ス・レニャーノ、イタリア)
名作「アドリアーナ・ルクヴルール」などを生み出し、19世紀後半から20世紀前半のイタリアを代表するオペラ作曲家としてその名を知られるチレア。オペラ作曲家としての評価によって却って不当に忘れ去られることになってしまったチレアの「器楽曲の作曲家」としての魅力、神髄を明らかにするピアノ作品集シリーズの第2巻。まだ作曲家としての個性が十分に発揮されておらず、過去の偉大な音楽家からの影響が見え隠れするような初期の作品から、最後のオペラ「グローリア」を作曲後、オペラの世界から離れた後に作曲された後期の作品まで、チレアの創造性の変遷を楽しむことができます。またディスクの最後には、チェリストであるルーカ・コラールドとのデュオ・コラールド=コンテによるチェロ・ソナタも収録。
サンドラ・コンテはピアニストとしてイタリアの主要な音楽祭やコンサートホールで演奏しているほか、カーネギーホールへのデビューも果たしているイタリアの女流ピアニスト。作曲家としてもイタリア国内外の重要な劇場などで作品が披露されています。今回共にチェロ・ソナタを演奏しているチェリストのルーカ・コラールドとは2009年から共演を継続中。
Da Vinci Classics
C-00712(1CD)
リャプノフ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ へ短調 Op.27
前奏曲とフーガ 変ロ短調 Op.58
舟歌 Op.46/ソナチネ 変ニ長調 Op.65
ロシアの主題による変奏曲とフーガ
エマヌエーレ・デルッキ(P)

録音:2022年、チーゴレ(イタリア)
ロシア・後期ロマン派の作曲家セルゲイ・リャプノフ(1859-1924)がピアノのために遺した傑作を集めた1枚。リャプノフの名前はあまり知られていませんが、ロシア国内では高く評価されており、特にピアノ作品には定評があります。このCDには、リストのロ短調ソナタを思わせるOp.27と、古典主義を連想させる純粋さを持つOp.65という、リャプノフとソナタとの関係を示す2つの例が含まれています。そのほかに感動的でどこかショパン風な「舟歌」、リャプノフが過去の音楽の再解釈を行ったといえる華麗な「前奏曲とフーガ」、力強い「ロシアの主題による変奏曲とフーガ」を収録。これらの作品には、リャプノフのフォークロアに対する関心も表れています。ロシア音楽を愛好する方必聴の一枚です。

Danacord
DACOCD-960(1CD)
プーランク:ピアノ作品集
8つの夜想曲〔ハ長調(1929)、イ長調「少女たちの舞踏会」(1933)、へ長調「マリーヌの鐘」(1934)、ハ短調「幽霊の舞踏会」(1934)、ニ短調「蛾」、ト長調(1934)、変ホ長調(1935)、ト長調「終曲にかえて」(1938)/無窮動(1918)/憂鬱(1940)/3つの間奏曲〔ハ長調(1934)、変ニ長調(1934)、変イ長調(1943)〕/3つの小品〔田園詩(1918-28)、賛歌(1928)、トッカータ(1938)〕
ヨン・ダムゴー(P)
デンマークのピアニスト、ヨン・ダムゴー(b.1941)の「ベートーヴェン、ショパン、ブラームス」(DACOCD-910)に続くアルバム。ダムゴーは学生時代、プーランクの「六重奏曲」をナディア・ブーランジェの前で弾いたことがあり、そのときのことについてこう話しています。「程度の差はあれ、平凡な主題をどう扱ったものか、不安だったので助けを求めた。ブーランジェが言うには、プーランクには確固としたユーモアのセンスがあり、それを極端に真面目な顔で表現するものだから、一層のユーモアをもたらすことになる、と。だから、プーランクの音楽はそれと同じ姿勢で扱わないといけない。いつも真面目に。」
この新しい作品集では、ダムゴーがプーランクのもっとも美しい小品のひとつに挙げた1928年の「田園詩」、もうひとつの美しい小品、パリがドイツ軍に占領された3ヶ月後の1940年8月に書かれた「憂鬱」、1929年から1938年にかけて作曲された「8つの夜想曲」といった曲が演奏されています。

EM Records
EMRCD-079(1CD)
エロイカ
ドナルド・フランシス・トーヴィー(1875-1940):無伴奏ヴァイオリンのための英雄的ソナタ Op.29
アルバート・エドワード・サモンズ:「超絶技巧練習曲」Op.21より第1番、第3番、第8番、第9番、第19番、第26番、第33番、第35番(世界初録音)
エルガー:無伴奏ヴァイオリンのための性格的練習曲 Op.24
ルパート・マーシャル=ラック(Vn)

録音:2016年3月22日-23日
アドルフ・ブッシュに捧げられたトーヴィーの「無伴奏ヴァイオリンのための英雄的ソナタ」は、このジャンルの他の作品同様、バッハの影響を多分に受けた作品で、随所にそのことを想起させる曲です。サモンズはエルガーなどと繋がりのあったヴァイオリニストとしても知られており、「超絶技巧練習曲」は、あるものはアルペジオを、あるものはボウイングといった様々な奏法を学べるものとなっています。

Kaleidos
KAL-63252(1CD)
月の光〜ハープのための名作集
シュポア:幻想曲 Op.35
フォーレ:即興曲 Op.86
ドビュッシー:月の光
ガーシュウィン:私の彼氏、サマータイム
ジョン・トーマス:吟遊詩人の故郷の別れ
ヘンデル:オルガン協奏曲第6番ロ長調 Op.4-6HWV294
C.P.E.バッハ
:ソナタ ト長調 Wq139
メンデルスゾーン:ロマンス Op.30-1、前奏曲 Op.35-1
ヴィルヘルム・ポッセ:ヴェニスの謝肉祭による変奏曲
エミリー・ジョルメ(Hp)

録音:2020年1月&6月&11月(ミュンヘン)
人類最古の楽器のひとつであるハープは、長い歴史の中で多くの作曲家にインスピレーションを与え、多くの傑作を生み出してきました。シュトゥットガルトPOのソロ・ハーピスト、エミリー・ジョルメの2枚目のソロ・アルバム「月の光」では、ハープのための傑作を厳選して紹介します。
本アルバムでは、ドイツの作曲家ルイ・シュポアのハープのための幻想曲Op.35、フォーレのハープのための即興曲 Op.86などのオリジナル作品から、・ガーシュウィンの「私の彼氏」と「サマータイム」では、ジャズ・バラードをソロ・ハープ用にアレンジした、聴く機会の少ない2曲をお届けします。
Kaleidos
KAL-63602(1CD)
メル・ボニ(メラニー・ボニ):ピアノ作品集
伝説の女性/舟歌 Op.71
無言歌 Op.56/5つの小品 Op.11
バラード Op.27
ディアナ・サハキアン(P)

録音:2021年7月(ドイツ、ケンペン)
アルメニア出身のピアニスト、ディアナ・サハキアンがフランスの女性作曲家メル・ボニ(本名メラニー・ボニ、1858-1937)の非凡さ、独創性を証明する1枚。メリザンド、オフィーリア、サロメ、オンファールなど文学や神話の有名な女性たちを音楽的に描いた「伝説の女性」をはじめ、彼女の作品はロマン派のピアノの伝統を守りつつも、実験的なハーモニーと印象派のスタイル(ドビュッシーの影響)を取り入れ、並外れたセンスを示しています。「5つの小品」のようにフランスのシューベルト、メンデルスゾーンのように聞こえる箇所もあります。ディアナ・サハキアンはKaleidosレーベルからファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルの作品集(KAL63592)もリリースしています。
Kaleidos
KAL-63612(1CD)
シューマン&プロコフィエフ:ピアノ作品集
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17、
 アラベスク ハ長調 Op.18
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 Op.83、年老いた祖母の話 Op.31
ネナド・レチッチ(P)

録音:2021年7月(ドイツ、ケンペン)
セルビアのピアニスト、ネナド・レチッチがシューマンとプロコフィエフの対照的な2つのピアノ作品を組み合わせ、複雑で相反する現代世界を表現した1枚。一見するとほとんど共通点のない2人ですが、どちらも生涯を通じて文学に強い関心を持ち、音楽を心の状態の表現として捉えていた作曲家です。音楽の持つ、異なる時代と文化を結びつける力を示したアルバムといえるでしょう。
Kaleidos
KAL-63622(1CD)
ピアノ・ファンタジーズ
バッハ:幻想曲とフーガ ハ短調 BWV906
ベートーヴェン:幻想曲 ト短調 Op.77
シューベルト:幻想曲 ハ短調 D2E
シューマン:3つの幻想的小品 Op.111
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
ブラームス:7つの幻想曲 Op.116
クラウディア・シェレンベルガー(P)

録音:2022年9月(ドイツ、マインツ)
約500年前に誕生し、着実に発展してきた音楽形式である「幻想曲」の多彩な世界を紹介する1枚。本作は、ピアノにとって重要な「バロック、クラシック、ロマン派」の3つの時代をカバーしており、バッハの幻想曲をはじめ、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ショパン、ブラームスといった偉大な作曲家たちのあまり知られていない作品を紹介します。名教師カール=ハインツ・ケマーリングに学んだクラウディア・シェレンベルガーの演奏で、幻想曲=自由な音楽的思考の世界をお楽しみください。

ALPHA
ALPHA-896(1CD)
シューマン:クライスレリアーナ、他
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
イェルク・ヴィトマン(1973-):11のユモレスク(フモレスケ)
シューマン:創作主題による変奏曲 WoO24
アーロン・ピルザン(P)

録音:2015年9月 ゼンテザール、ブレーメン、ドイツ
1995年オーストリア生まれのアーロン・ピルザンは、モーツァルテウムでカール=ハインツ・ケマーリングに学 んだのち、ハノーファー音楽学校のラルス・フォークトのもとで研鑽を積みました。2014年にCDデビュー、 2021年にはALPHAより、こだわりの不等分律によるバッハの「平均律」をリリースし、大きな話題を呼ん でいます。ALPHA第2弾となる今作ではシューマンの2作品と、シューマンから大きな影響を受けていると いうヴィトマンを収録。シューマン若き日の傑作の一つ「クライスレリアーナ」は際立った構成力で物語を 語るように聴かせ、シューマンの生涯最後の作品とされる変奏曲では、慈しむような美しいタッチで魅了 します。ヴィトマンによる「ユモレスク」はその第10曲に、後に収められたシューマンの変奏曲が1小節引用 されているなど、関連性の深い作品。ピルザンはこの作品でも持ち前のメリハリの効いたコントロールで、 現代的な音の間に散りばめられた美しいフレーズをごく自然に引き立て、浮かび上がらせています。

ANALEKTA
AN-29188(1CD)
シューベルト:ピアノ・ソナタ全集&主要ピアノ作品集 第8集
ピアノ・ソナタ 第9番ロ長調 D575
2つのスケルツォ D593
ピアノ・ソナタ 第19番ハ短調 D958
マチュー・ゴーデ(P)

録音:2022年12月12-14日 パレ・モンカルム・ラウル・ジョバン・ホール、ケベック
2019年に12回のリサイタルでシューベルトのソナタ全曲を弾き切ったマチュー・ゴーデ。その直後から開始されたソナタ全曲と主要ピアノ作品 を網羅するプロジェクトの第8弾。シューベルトが多くのピアノ・ソナタを書いた充実期に作曲された第9番、死の直前に生み出された最後の3 つのソナタの1つ第19番、愛らしいスケルツォを収録しています。

PROMETHEUS
NYCX-10365(1CD)
税込定価
ベリッシモ
ズガンバーティ(1841-1914):メロディー- グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」
ロッシーニ:タランテラ
ポンキエルリ:夜想曲「初恋」
レオンカヴァッロ:憂鬱なワルツ
レオンカヴァッロ:ヴェネツィアの舟歌
プッチーニ:小さなワルツ
プッチーニ:ピアノのためのアダージョ
チレア:へ調のメロディー
レスピーギ:夜想曲
レスピーギ:グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲第1番
カゼッラ:踊りの歌
ピツェッティ:夢
カステルヌオーヴォ=テデスコ:遠い声
マリオ・ピラティ(1903-1938):花のポルカ
ニーノ・ロータ:魔法の鳥
ロータ:前奏曲第13番
マスカーニ:間奏曲
西澤安澄(P)

録音:2020年9月23-25日富士見市民文化会館 キラリ ふじみ - メインホール
■このアルバムに寄せて
ピアノも、ピアノの祖先のチェンバロもイタリアで生まれました。モーツァルトもバッハも憧れていた音楽の先進国イタリア。でも、私達ピアニストは意外なほどイタ リアの曲を弾きません。ローマの友人カルロが教えてくれたロマン派以降のイタリアのピアノ曲。あまりの美しさにうっとりとして、練習しては携帯で録画してローマ に。また新しい曲を一緒に発見し、電話でやりとりする。これらの音楽に、2020年の私達―カルロと私―はどれだけ心を慰められたことでしょう。それぞれの 物語(音楽)は、穏やかなイタリアの自然の持つ優しい色彩(ハーモニー)をともないながら、お話(メロディー)となり、ピアノの周りに、マッチ売りの少女のともす 灯の幻影のように、現れます。そうして生まれたうたの、自然なあり様は、ピアノという楽器の存在を、ピアノがあることさえも忘れさせてしまう。私は、音楽の暖 かい腕の中に、すっぽりくるまっていました。あらためて感じました、音楽の裸の姿は、進化や変化とは無縁で、国境も、時代の隔てもない、と。これらの曲に よって少しでも心が軽くなったり、小さな微笑みをみなさまが誘われたりしたら、とても幸せに思います。 ――― 西澤安澄
※ブックレットに日本語解説付き
PROMETHEUS
NYCX-20012(1CD)
税込定価
ファリャ:ピアノ独奏のためのオリジナル作品全集
1. 夜想曲
2. マズルカ ハ短調
3. セレナータ アンダルーサ(アンダルシア風のセレナータ)
4. カンシオン(うた)
5. 気まぐれなワルツ
6. グノムの愛のかけひき
7. セレナータ
8. 演奏会用アレグロ
9.4つのスペイン小品 - No.1アラゴネーサ
10.4つのスペイン小品 - No.2クバーナ
11.4つのスペイン小品 - No.3モンタニィエサ
12.4つのスペイン小品 - No.4アンダルーサ
13. ファンタジア・ベティカ
14. ヴォルガの舟漕ぎの歌(ロシアの歌集から)
15. ポール・デュカを讃えて
西澤安澄(P)

録音:2010年1月26-28日
※旧品番PMCC-1962
このアルバムには、スペインが生んだ偉大な作曲家ファリャの、現存するオリジナルピアノ曲が全て収録されています。自分に対して非常に厳しかったファリャ は、1904年以前の作品を自身では過小評価していたものの、近年は魅力的な作品群として評価が高まっています。西澤は持ち味である音の美しさと切 れ味のよいリズム感で表現。ファリャの初期作品の録音は少なく、このアルバムはとても貴重なものとして評価されています。※ブックレットに日本語解説付き
PROMETHEUS
NYCX-20011(1CD)
税込定価
ファリャ:ピアノ編曲作品全集
1. バレエ音楽「恋は魔術師」:パントマイム
2. バレエ音楽「恋は魔術師」:情景 - 狐火の歌
3. バレエ音楽「恋は魔術師」:幽霊 - 恐怖の踊り
4. バレエ音楽「恋は魔術師」:魔法の輪 漁師のロマンス
5. バレエ音楽「恋は魔術師」:真夜中 - 火祭りの踊り
6.7つのスペイン民謡::ムーア人の織物
7.7つのスペイン民謡::ムルシア地方のセギディーリャ
8.7つのスペイン民謡::アストゥーリアス地方の歌
9.7つのスペイン民謡::ホタ
10.7つのスペイン民謡:ナナ(子守歌)
11.7つのスペイン民謡::歌
12.7つのスペイン民謡::ポーロ
13. 歌劇「はかなき人生」:スペイン舞曲第1番
14. 歌劇「はかなき人生」:スペイン舞曲第2番
15. 賛歌(ドビュッシーの墓のために)
16. バレエ音楽「三角帽子」:粉屋の女房の踊り
17. バレエ音楽「三角帽子」:近所の人々の踊り
18. バレエ音楽「三角帽子」:粉屋の踊り
19. バレエ音楽「三角帽子」:代官の踊り
20. バレエ音楽「三角帽子」:終幕の踊り

※1-6、13-20…ファリャによるピアノ版
6-12. エルネスト・アルフテルによるピアノ編)
西澤安澄(P)

録音:2010年12月 東京
※旧品番PMCC-1960
デビュー・アルバム「ファリャ:ピアノ独奏のためのオリジナル作品全集」に続く西澤のファリャ第2作。リズムへの敏感さとメロディーへの対応が際立つ西澤の演奏によって、ファリャの多彩なオーケストラ作品が見事なピアノ曲として生まれ変わっています。
※ブックレットに日本語解説付き

QUEEN ELISABETH COMPETITION
QECDUO-21(4CD)
NX-E02
エリザベート王妃国際音楽コンクール/ピアノ部門 2013&2016

【DISC1】
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第27番ホ短調 Op.90
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178

【DISC2】 
バッハ:パルティータ 第2番ハ短調 BWV826
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第9番「ジュノーム」 変ホ長調 K.271
ラヴェル:夜のガスパール

【DISC3】
ブラームス:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 Op.5
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番

【DISC4】
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番ハ長調 K.467
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42
リスト:ハンガリー狂詩曲 第12番嬰ハ短調 S.244/12
【DISC1】 
ボリス・ギルトブルグ(P)
2013年第1位、聴衆賞(Canvas-Klara Prize)
ワロニー王立室内O
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)
録音:2013年5月15日、18日 フラジェ、スタジオ4 ブリュッセル (ライヴ)
【DISC2】 
マテウシュ・ボロヴィアク(P)
2013年第3位、聴衆賞(Musiq3Prize)
ワロニー王立室内O
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)
録音:2013年5月15日、18日 フラジェ、スタジオ4 ブリュッセル (ライヴ)
【DISC3】
ルカーシュ・ヴォンドラーチェク(P)
2016年第1位、聴衆賞(Canvas-Klara Prize)
ベルギー国立O
マリン・オルソップ(指)
録音:2016年5月10日 フラジェ、スタジオ4 ブリュッセル (ライヴ) 、2016年5月26日 ファイン・アーツ・センター ブリュッセル (ライヴ)
【DISC4】
アルベルト・フェッロ(P)
2016年第6位、聴衆賞(Musiq3Prize)
ワロニー王立室内O
ポール・メイエ(指)
録音:2016年5月11日、14日フラジェ、スタジオ4 ブリュッセル (ライヴ)
難関で知られるエリザベート王妃国際音楽コンクールのライヴを集めた4枚組。2013年と2016年に行われたピアノ部門の音源より、第1位 と聴衆賞のアーティストたちの4人ライヴが、アーティストごとに1枚ずつのCDに収められています。今回が初発売の音源を多く含んでおり、中 でもギルトブルグの演奏は全て今回初登場というのが嬉しいところ。彼らの若き日の熱演をたっぷりと楽しむことが出来る素晴らしい企画で す。

ACCENTUS Music
ACC-80580CD(5CD)
シュ・シャオメイ〜CDボックス
■CD1
D・スカルラッティ(1685〜1757):17のソナタ集
1.ソナタニ短調K.32
2.ソナタホ長調K.531
3.ソナタホ短調K.98
4.ソナタト長調K.124
5.ソナタト長調K.125
6.ソナタロ短調K.87
7.ソナタロ短調K.27
8.ソナタヘ短調K.481
9.ソナタイ長調K.533
10.ソナタニ短調K.141
11.ソナタ嬰へ短調K.142
12.ソナタ嬰へ短調K.25
13.ソナタヘ短調K.69
14.ソナタヘ短調K386
15.ソナタ変ロ短調K.128
16.ソナタイ長調K.39
17.ソナタイ長調K.113
■CD2
ハイドン(1732〜1809):ソナタ集
ソナタ第38番Hob.XVI:23ヘ長調
ソナタ第53番Hob.XVI:34ホ短調
アンダンテと変奏曲Hob.XVII:6ヘ短調
ソナタ第60番Hob.XVI:50ハ長調
ソナタ第62番Hob.XVI:51ハ長調
■CD3
モーツァルト(1756〜1791):作品集
「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲(きらきら星変奏曲)K.265
ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330
ピアノ幻想曲ハ短調K.396
ピアノの為のアダージョロ短調K.540
9つのピアノ変奏曲ニ長調K.573
ピアノ・ソナタ第18番ニ長調K.576
自動オルガンの為のアンダンテヘ長調K.616
■CD4
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
シューベルト(1797〜1828):ピアノ・ソナタ第21(23)番変ロ長調D960
■CD5
シューマン(1810〜1856):作品集
ダヴィッド同盟舞曲集Op.6
子供の情景Op.15
シュ・シャオメイ(P)


■CD1
録音:1995年11月、
プラハ、ボフスラフ・マルティヌー・ホール(ライヴ)
■CD2
録音:2008年6月、
パリ、ボンスクール福音ルーテル教会
■CD3
録音:2011年3月、ポワティエ・オーディトリウム劇場
■CD4
録音:2004年、パリ、サンピエール福音ルーテル教会
■CD5
録音(ダヴィッド同盟):2002年6月、パリ、サンピエール福音ルーテル教会
録音(子供の情景):2011年3月、ポワティエ・オーディトリウム劇場
ヨーロッパを拠点とする中国人ピアニスト、シュ・シャオメイ。文化大革命を乗り越え新たな道を切り開いてきた彼女。そのような半生からは想像もできない、心 穏やかな音楽。彼女が得意とするゴルトベルク変奏曲をはじめとする一連のバッハの演奏は、緻密な構成力と洗練された表現力から生み出され、ただ純粋に音楽 が聴こえ聴く者の心に共鳴します。
今回、彼女がこれまでINA,MANDALA,MIRAREなど様々なレーベルで録音してきた音源を5枚組ボックスとしてリリースします。1枚目のスカルラッティは、 1995年11月にプラハでおこなったコンサートのライヴ録音。スカルラッティはスペインに移り住み、この555曲のソナタのほとんどを当地で作曲し、民族色の 濃いスペイン・イベリア半島の音楽の影響が感じられる作品も多くあります。この録音では、彼女のこだわりの選曲と曲順で構成し、強い太陽の日差しから生まれ る影を感じさせる陰影に富んだもの。2枚目はハイドン。彼女が最も敬愛し生涯の伴侶とまで言う作曲家。ここには60曲以上あるハイドンのソナタから音楽的にも 充実した中期から後期の作品、そして間に哀愁ただよう変奏曲が盛り込まれています。中でも最後のピアノ・ソナタ第62番は音楽性に富み、複雑な技巧を要する 作品。シュ・シャオメイの深い音楽性が作品の豊かさ、美しさを際立たせています。そして3枚目はモーツァルト。モーツァルトがパリへ移った1778年から亡くな る1791年の作品を年代順に収録したアルバム。1曲目は速めのテンポで始まる『きらきら星変奏曲』、そして純真無垢な『ハ長調のソナタ』、未完に終わった『幻 想曲』、モーツァルトには珍しい『ロ短調のアダージョ』、チェロ奏者ジャン・ピエール・デュポールの作品に基づいた『変奏曲』、モーツァルト最後のピアノ・ソナタ 『ニ長調K576』、亡くなる年に作曲された自動オルガンの為の『アンダンテ』。シュ・シャオメイの洗練された音色、響き、品格のある知性的な演奏、奥深い音 楽性がモーツァルトの晩年の透明感を見事に描き出しています。4枚目にはベートーヴェンとシューベルト、2人の大音楽家の最後のソナタを収録。緊張感のある強 靭なフォルティッシモと、寂寥感に満ちたピアニッシモの響きのコントラストに心揺さぶられ、改めてシュ・シャオメイの豊かな表現力に圧倒される名演です。最後5 枚目には、詩的な音楽家として尊敬するシューマン。時代に翻弄された彼女の波瀾の人生を思わせるドラマティカルな2曲『子供の情景』と『ダヴィッド同盟舞曲 集』を収録。ドラマティックな激しい表現と、暖かみのある抒情的な表現のコントラストにうっとりと聴き入る演奏です。 (Ki)

BIS
BISSA-2650(1SACD)
シューベルト+シェーンベルク
シューベルト:ピアノ・ソナタ第4番イ短調 D.537Op.164(1817)
シェーンベルク:3つの小品 Op.11(1909)
シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番イ長調 D.959(1828)
ジャン・チャクムル(P/Kawai SKEX(Shigeru Kawai Concert Grand))

録音:2022年3月21-26日/テスマー・トーンスタジオ(ハノーファー)
プロデューサー&サウンド・エンジニア:インゴ・ペトリ(Take5 Music Production)
リスト編曲のシューベルト『白鳥の歌』(KKC-6442 / BIS SA-2530)を録音してから3年、2018年第10回浜松国際ピア ノコンクール第1位のジャン・チャクムルが「シューベルト+」という新シリーズをスタートさせました!
当シリーズはシューベルトの主要作品と彼の音楽に影響を受けた作曲家の作品を並べることで、その作品に焦点を当てるだけでなく、それぞれの作品に新たな 魅力を感じてもらいたいというチャクムルの思いから企画が生まれました。
第1弾ではシューベルトの2つのソナタ(第4番 イ短調 D.537と第20番イ長調 D.959)の間に無調を試みたシェーンベルクの3つの曲Op.11を挟 み込んだ内容です。この組み合わせの理由は、第1にシューベルトの第4番の緩徐楽章の主題が第20番のフィナーレにも用いていること、第2にシューベル トとシェーンベルクは表現方法が違えども音楽の主観的表現の面で共通していることがあげられ、この組み合わせだからこそ聴こえてくるシェーンベルクの魅力も 際立ちます。2028年のシューベルト歿後200年に向けた一大プロジェクト始動です! (Ki)

MIRARE
MIR-656(1CD)
ドビュッシー:6つの古代墓碑銘
牧神の午後への前奏曲【ラヴェルによる4手連弾版、1910年】
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(作曲者自身による4手連弾版)
ガイスター・デュオ〈マニュエル・ヴィエイヤール(プリモ)、ダヴィド・サルモン(セコンド)〉

録音:2022年4月26-28日、ベルリン、エルベルク教会・トーンストゥディオ、ドイツ
フランスのピアノ・デュオ、ガイスター・デュオが20世紀初頭の作品を録音しました。彼らは2021年のミュンヘン国際コンクール・ピアノ・デュオ部門で優勝、 一躍世界の注目を集めている気鋭のデュオです。
ドビュッシーの6つの古代墓碑銘(エピグラフ)はドビュッシーの友人ピエール・ルイスの詩集『ビリティスの歌』の朗読を伴走するための付随音楽として、 1890年にもともとフルート、チェレスタ、ハープのために書かれましたがこれは演奏されず、1914年にピアノ連弾曲として完成されました。ドビュッシーのギリ シアへのあこがれが込められた作品で、それぞれの詩の世界が巧みに描きだされています。
ラヴェルは「牧神の午後への前奏曲」の初演の場に居合わせました。牧神にはドビュッシー自身による2台ピアノ用編曲版もありますが、ラヴェルがこの作品を 4手連弾版に編曲したのは1910年(もしかしたらドビュッシーはそのことを知り、演奏もしたかもしれません)。管弦楽の魔術師ラヴェルは、管弦楽の音色をピア ノに落とし込んで表現することにも非常な才能を持っていた証といえる作品です。ガイスター・デュオの演奏はオーケストラのよう。ピアノ1台から描きだされる美 の世界は圧巻です。
「ペトルーシュカ」は作曲者自身による4手連弾版。ストラヴィンスキーは「ペトルーシュカ」をもともとピアノ協奏曲として構想、1911年にバレエ・リュスのた めにピアノも活躍する管弦楽によるバレエ音楽に仕立てますが、平行してピアノ4手版も作っていました。ストヴィンスキーはふだんより、作曲の際ピアノを用いて いたといいますから、この2台ピアノ版は、管弦楽版のピアノ・リダクションというよりもむしろもともとのストラヴィンスキーのアイデアをより生々しく感じること のできる版かもしれません。ガイスター・デュオのふたりは管弦楽版の響きも丹念に研究しつつも、ピアノから信じられないくらいに豊かな響きを、驚異的な精確 さ、かつエネルギッシュなリズムと迫力で演奏しています。 (Ki)

La Dolce Volta
LDV-88(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲) BWV 1001-1006 ダヴィド・グリマル/ヴァイオリン(使用楽器:ストラディヴァリウス”ex-Roederer”(1710年製)、弓:トゥルテ(1740年))

録音:2021年2月10-18日、ロワイヨーモン修道院内食堂
※日本語帯・解説付
フランスのヴァイオリン奏者、ダヴィド・グリマルによる3度目のバッハ無伴奏ソナタ&パルティータの全曲録音の登場。50歳を目前に控えた時期の録音です。 使用している1710年製のストラディヴァリウスにはバスバー(表板を補強するための楽器内部の部材)がバロック・ヴァリオインとは違うように取り付けられて いるため、当時のピッチでは演奏できず、A=440Hzでの演奏。バッハがこれらの作品を作曲したのと同じ時期に製作された弓を用い、独特なアーティキュレーショ ン、重音奏法を引き出しています。当時と現代のまさに融合が図られた中での録音で、録音場所の音響の素晴らしさもあいまって、唯一無二のバッハの登場となり ました。 =ロワイヨーモン修道院は1228年に建設され、1927年に歴史的建造物に認定されました。パリを中心とするイル・ド・フランス地域圏で最大のシトー会修道院 建造物です。壮麗な回廊(クロイスター)と、フランスでもっとも美しいゴシック様式の大食堂を擁します。= ダヴィド・グリマルは、30年にわたって世界各地の主要な舞台に立ち、ソリストとして数々のオーケストラと定期的に共演を重ねてきた。グリマルのために、多くの 傑出した現代作曲家たちが新作を書き上げており、引く手あまたの室内楽奏者でもある彼は、屈指の国際 音楽祭から招かれ演奏しています。ソリストとしての活動と並行して、約15年前に“レ・ディソナンス”を創設。以来グリマルは、芸術監督として同楽団を率いてきた。 “レ・ディソナンス”は、世界で唯一、指揮者なしで定期的に主要な交響作品を奏でているオーケストラであり、これまでヨーロッパ中の一流コンサート・ホールで演 奏を披露しています。また同団を範として、多数の由緒あるオーケストラがグリマルに共演を依頼しています。 この“分かち合い”の精神の延長線上にある“ロートル・セゾン(L'Autre Saison)”は、グリマルがパリの野外生活者たちの支援を目的に立ち上げたコンサート・ シーズンです。 グリマルは、2008年にフランス共和国文化通信省から芸術文化勲章“シュヴァリエ”を受勲。ザールブリュッケン音楽大学でヴァイオリン演奏を指導するかたわら、 世界各地からたびたび招かれマスタークラスを開いています。 (Ki)

OUR recordings
OU-6.220677(2SACD)
NX-C09
メシアン(1808-1992):幼子イエスに注ぐ20のまなざし クリストファー・ヒルディグ(P)

録音:2021年3月1-18日
メシアンの演奏で特に高く評価されるクリストファー・ヒルディグによる「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」がSACDハイ ブリッド盤で登場。 ヒルディグはメシアンの作品に傾倒し、自らコペンハーゲン・メシアン四重奏団を創設し、「世の終わりのための四重 奏曲」を演奏。他にも「異国の鳥たち」やトゥーランガリラ交響曲、すべての歌曲を演奏し、歌曲集「ハラウィ」の録 音は英グラモフォン誌で特選盤となりました。ここではメシアンの神秘的な傾向が強く表れた大作「幼子イエスに注 ぐ20のまなざし」をとりあげ、コペンハーゲンにあるバロック様式のVor Frelser’s Church(救世主教会)で録音を 敢行。多彩な音のパレットと美しい教会の響きが魅力です。SACD層はStereoと5.0chです。

Goodies
78CDR-3902(1CD)
ジャック・ティボー機械式(電気以前)の録音集
(1)ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 作品2-8(ヴェラチーニ=サルモン編)
(2)「大洪水」前奏曲 作品45(サン=サーンス)(キズあり)
(3)小舟にて-「小組曲」より(ドビュッシー)(キズあり)
(4)セレニテ 作品45-5(ヴュータン)
(5)スラヴ舞曲第2番ト短調作品46-2(ドヴォルザーク=クライスラー編)
(6)楽興の時第3番ヘ長調 作品94-3(シューベルト)
(6)カプリス第18番ヘ長調「小さなカプリス」(ローデ=ティボー編)
(7)タンブーラン(ラモー=クライスラー編)
(8)サルタレッロ(ヴィニャフスキ=ティボー編)
ジャック・ティボー(Vn)
ハロルド・クラックストン(P) (トラック1&2) 他はピアニスト名不詳

(1) HMV DB801(Cc5352-1& Cc5353-2) (Recorded 13November1924, Hayes, England)
(2) HMV DA620(A29546-2) (Recorded26February 1924, Camden, U.S.A.)
(3) HMV DA620(A29545-2) (Recorded26February 1924, Camden, U.S.A.)
(4) Victrola66064(Bb979-2) (Recoreded6February 1922, Hayes, England)
(5) HMV5-7956(Bb978-3) (Recorded6February 1922, Hayes, England)
(6) (6) HMV5-7955(Bb982-2) (Recoreded7February 1922, Hayes, England)
(7) (8)
HMV5-7953(Bb983-1) (Recoreded7February 1922, Hayes, England)
ジャック・ティボー(1880-1953)は20世紀前半に活躍したフランスのヴァイオリ ン奏者。ボルドー出身。1893年からパリ音楽院でマルタン・マルシック(1848- 1924)に師事し、1896年に一等賞を得た。生活のためにカフェのコンセール・ ルージュで弾いていたところ、指揮者のエドゥアール・コロンヌ(1838-1910)に 見いだされ楽員に採用された。その時ティボーの親友で後にパリ音楽院の教授 になったジュール・ブーシュリ(1877-1962)もコロンヌ・オーケストラの楽員に なった。ここには1922年のHMVでの録音と1924年のアメリカVICTORへの録音と 1924年ティボー機械式録音最後のヴェラチーニが入っています。すべて超稀少 SPレコード。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル〔ゼロSP 78rpm〕(3mil 針)とコルグの[DS-DAC -10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

Sono Luminus
SLE-70028(1CD)
NX-B05
コロンビアの無伴奏チェロ作品集
ダミアン・ポンセ・デ・レオン(1980-):La Ruta de la Mariposa*
ホルヘ・ウンベルト・ピンソン・マラゴン(1968-):Mesonoxian メソノシアン
アルベニス:スペイン組曲 第1集 Op.47- 第5曲 アストゥリアス(伝説)(S. カニョン=バレンシアによるチェロ編)
レオナルド・フェデリコ・オヨス(1973-):Urban Rhapsody アーバン・ラプソディ*
サンティアゴ・カニョン=バレンシア(1995-):Ascenso Hacia lo Profundo*
サンティアゴ・カニョン=バレンシア(Vc)

録音:2021年10月11-13日
*…世界初録音
コロンビア生まれのチェロ奏者サンティアゴ・カニョン=バレンシアが母国の無伴奏作品を収めたソロ・アルバム。 カニョン=バレンシアは1995年生まれ。2017年のエリザベート王妃国際コンクールで第3位、2019年のチャイコ フ スキー国際コンクールでは第2位と聴衆賞を受賞。2022年にはBBCのネクスト・ジェネレーション・アーティストに 選ばれるなど国際的な注目を集めており、母国はもとよりドイツとアメリカを中心にオーケストラとの共演や室内楽、 リサイタル活動を展開しています。このCDでは、自らが愛奏する「アストゥリアス」を中央に置き、自作を含むコロン ビアの作品で構成しています。

NoMadMusic
NMM-108(1CD)
もうひとりの自分〜ショパンとモンポウ
(1)モンポウ:前奏曲第1番
(2)同:前奏曲第5番
(3)同:前奏曲第9番
(4)同:モンジュイックの橋
(5)ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
(6)モンポウ:「ひそやかな音楽」第15曲「ショピニアーナ」
(7)同:ショパンの主題による変奏曲
(8)同:君の上には花ばかり
セリメーヌ・ドーデ(P)、
マリー=ロール・ガルニエ(S)(8)
ショパンとモンポウは約1世紀の時代差がありますが、ともに「ピアノの詩人」でピアノの魂を心から表現し、楽器と深く結びついた作曲家でした。セリメーヌ・ ドーデがこのふたりの関係性と共通性に注目したアルバムの登場です。
このふたりの作曲家はメロディが魅力ですが、ピアノを歌わせる術を知っていました。モンポウの前奏曲3篇に続き、生前は未出版だった美しい「モンジュイック の橋」が大歓迎。ショパンのピアノ・ソナタ第3番もまるでモンポウの作品のように聴こえます。
後半は両者が類似性を越えてハイブリッド化した2篇。ホ短調の前奏曲を源泉とする「ひそやかな音楽」第15曲、イ長調の前奏曲(某胃腸薬のCM曲)に基づく 「ショパンの主題による変奏曲」で両者がひとつになっています。そして最後は絶美の「君の上には花ばかり」で本当に歌いだします。
セリメーヌ・ドーデは1977年エクサンプロヴァンス生まれのピアニスト。ハイチの血を引き、フランス的な洗練と南国的な熱さが個性的、悪魔的タッチの美しさ と感性が注目されています。 (Ki)

Naive
V-7958[NA](1CD)
ドビュッシー:前奏曲集 第1巻
版画
「春のロンド」〜管弦楽のための映像より第3曲(ガスパリアン編曲によるピアノ独奏版)
ジャン=ポール・ガスパリアン(P)

録音:2022年9月12-15日/シンガー=ポリニャック財団「音楽のサロン」(パリ)
2020年のグシュタード音楽祭のティエリー・シェルツ賞を受賞したジャン=ポール・ガスパリアン。naiveレーベルからの第1弾はドビュッシー・アルバムです!
アルメニアとセルビアの血を引くガスパリアンは1995年フランス生まれ。パリ音楽院でアルド・チッコリーニ、ジャック・ルヴィエ、ミシェル・ベロフ、ミシェル・ ダルベルトなど世界的ピアニストから薫陶を受けております。
CDはEVIDENCEレーベルから「ラフマニノフ:「音の絵」、スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番、プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番、他」(EVCD-048)、 「ショパン:バラード全曲、英雄ポロネーズ、他」(EVCD-059)、「ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番(1931年改訂版)、他」(EVCD-085)、Clavesレー ベルから「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&ババジャニャン:「英雄のバラード」」(50-3004)をリリースしており、強靭なテクニックと豊かな音楽性で高い 評価を得ております。
フランス・ピアニズムの継承者ガスパリアンのドビュッシーは、繊細なタッチと独特な語り口で魅了。「前奏曲集 第1巻」、「版画」は20代とは思えぬ驚くほどの 深みを感じさせ、ドビュッシーが妻エマに献呈した「春のロンド」(ガスパリアン編によるピアノ独奏版)では超絶技巧を聴かせながら見事な描写で演奏しておりま す。世界中で才能豊かな若手ピアニストが活躍する中、群を抜いた実力と存在感を示すガスパリアンが満を持して録音したドビュッシー、大注目です! (Ki)

コウベレックス
KRS-5617(2CD)
税込定価
松田康子ピアノリサイタル2022音の探検
ブラームス:ピアノのための6つの小品 作品118
ベートーヴェン:6つのバガテル 作品126
シューマン:クライスレリアーナ
松田康子(P)

録音:2022年10月16日豊中市立文化芸術センター アクア文化ホール(豊中市)ライヴ
長らく海外での演奏活動を経て、前回2017年に帰国コンサートを開催した際のラ イヴ録音:CD(国内ファーストアルバム)は広く注目され、高く評価された。「(C.P.E.バ ッハ、ベートーヴェン、シューベルト)3世代にわたる音楽文化の継承の見本といって いいほど… 演奏ぶりもすこぶる流れが良くニュアンスも豊かで第一級の快さ。さすが に年季を入れたピアニストは違う」とレコード芸術誌で評され特選盤に選出された。今 回のCD は2022年の豊中での演奏会のライヴで、楽器は1925 年製ニューヨーク・ス タインウェイ CD135を使用。ブラームスの「6 つの小品」も「クライスレリアーナ」も潜在 的な音の性格を丁寧に追求しつつ、全体はライヴならではの爽快な一期一会、最後 まで一気に聴かずにいられない。ベートーヴェンの「6 つのバガテル」では松田の音 楽への愛着が伝わってくる。色鮮やかなアルバムを愉しむことができるであろう。

Challenge Classics
CC-72950(1SACD)
Solo 〜サクソフォン独奏によるバッハ作品集
(1)ソナタ[アダージョ(BWV1001/1)―アレグロ(BWV1003/4)―ラルゴ(BWV1005/3)―
アレグロ・アッサイ(BWV1005/4)―グラーヴェ(BWV1003/1)―プレスト(BWV1001/4)]
(2)半音階的幻想曲 BWV903
(3)幻想曲 BWV922
(4)プレリュードとアレグロ BWV998より
(5)パルティータ BWV1013
ラーフ・ヘッケマ(サクソフォン、編)

使用楽器:
(1)Yanagisawa soprano saxophone (1992), mouthpiece Vandoren S27
(2)Buffet-Crampon Prestige alto saxophone (1984), vintage mouthpiece, refaced by Raaf Hekkema
(3)Yanagisawa soprano saxophone (1992), mouthpiece Vandoren S27
(4)Buescher straight alto saxophone (1927), mouthpiece by Buescher
(5)Buescher curved soprano saxophone (1924), mouthpiece by Buescher
録音:2022年10月25-27日/オランダ、アーネム
これまでもバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータや無伴奏チェロ組曲を自身で編曲しサックスで演奏してきた名手ラーフ・ヘッケマが、新たなバッハ・アル バムを発表。2020年から21年にかけてのパンデミックの憂鬱は、しだいに内省的な芸術へと目を向けさせ、バッハをより心地よく聴かせるためのプロジェクト を生むことになりました。最終的には、穏やかな気持ちで多くの時間を使い、製作に取り組むことができたといいます。
3曲ある無伴奏ヴァイオリン・ソナタは任意の楽章を抜粋し、1曲のソナタに再構成。サクソフォンの魅力を活かした独奏曲に仕立て上げられました。初期の鍵盤 曲『半音階的幻想曲』や『幻想曲』ではほとばしる熱気を失うことのないように効果的な編曲が試みられています。ヘッケマも敬う古楽界の巨匠、トン・コープマ ンに助言を乞い、練り上げたアレンジだそう。一方、同じ管楽器であるフルート独奏のために書かれたBWV1013は、とても素直な編曲で、曲本来の歌がそのま ま提示されます。 (Ki)

fra bernardo
FB-2279523(1CD)
バッハ:鍵盤作品集
バッハ:前奏曲 ニ短調 BWV926、
 フランス組曲第1番ニ短調 BWV812、
 フランス組曲第3番ロ短調 BWV814、
 フランス組曲第5番ト長調 BWV816
ジョゼフ=ニコラ=パンクラス・ロワイエ(1703-1755):L’Aimable, rondeau (Gracieux)
ティツィアン・ナエフ(ハープシコード)
※使用楽器:Neapolitan harpsichord after Giovanni Natale Boccalari (Naples1679) made from a kit (Marc Ducournet and Emanuel Danset) by Tizian Naef in2015. Disposition C-c3. 2X8'. Tuning pitch415Hz

録音:2022年5、マウアーバッハ・カルトジオ会修道院(オーストリア)
トロッシンゲン音楽大学の古楽研究所でマリーケ・スパーンスに、バーゼル・スコラ・カントルムでイェスパー・クリステンセンに学んだスイスの若きハープシコード奏者、ティツィアン・ナエフ。アンサンブル392のメンバーとして、ドイツ音楽コンクールでは決勝に進出し、アンサンブル392の複数のレコーディングにも参加しています。
ブクステフーデ、ベーム、ムファットら、バッハへと続く17世紀ドイツの鍵盤楽器作品を探求したデビュー・アルバム「ex g」(FB2272645)に続くセカンド・アルバムでは、音楽の父バッハの足跡を1722年まで辿る旅が描かれています。アンナ・マグダレーナのための音楽帳には「クラヴサンのための組曲」として、いわゆる「フランス組曲」のうちの5曲が収録されており、その中から第1番、第3番、第5番をレコーディング。余白には、ルイ15世の子どもの音楽教師も務めたフランス・バロックの作曲家&チェンバロ奏者、ジョゼフ=ニコラ=パンクラス・ロワイエの小品も収録。新鮮で物憂げな、技巧的で芸術的なこれらの音楽は、煌めく色彩のなかで多様な心の状態を探求します。

Etcetra
KTC-1757(1CD)
シューマン〜E.T.A.ホフマンへのオマージュ
シューマン:幻想小曲集 Op.12
クライスレリアーナ Op.16(初版)
マルコ・マントヴァーニ(P)
シューマンを最も愛する作曲家と語るイタリア生まれのピアニスト、マルコ・マントヴァーニの、デビュー・アルバムとなった前作(KTC-1756)に続くシューマン・アルバム。マリア・ジョアン・ピレシュにも称賛された1992年生まれの若き才能の2枚目のリリースは、シューマンに多大な影響を与えたドイツの作家、エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンにまつわる2作品を収録。
Etcetra
KTC-1788(1CD)
マスク
シマノフスキ:仮面劇 Op.34
エマニュエル・デュルレ(1893-1977):De legende der begoochelde torens
シューマン:謝肉祭 Op.9
ショパン:舟歌 Op.60
リスト:ウィーンの夜会第6番S.427
ヴァウテル・ファルフェケンス(P)
Covid-19の発生以来、それまでなかった新たな感情を呼び起こすようになった言葉「マスク」。まるで世界が仮面舞踏会をしているかのような奇妙な生活を強いられ、外にいる人たちはみな謎のベールに包まれているようでした。そういったマスクの存在に端を発して組まれた、仮面の謎に迫るプログラムを収録したアルバムです。
ヴァウテル・ファルフェケンスはアントワープ王立音楽院やロンドンの王立音楽アカデミーなどで学び、多くの国際コンクールで入賞。また室内楽においても、2020年にブリュッセルにてラジオ・クララの主催で行われた室内楽コンクール「スーパーノヴァ(Supernova)」で優勝を果たしたトリオ・アリエスの創設メンバーとして活躍しています。

Da Vinci Classics
C-00704(1CD)
シャンソンとメロディ
アントン・ガルシア・アブリル(1933-2021):ミランベルの前奏曲第1番
シャミナード:アラベスク Op.61、
 ピアノ・ソナタ ハ短調 Op.21
ショパン:夜想曲 変ニ長調 Op.27-2
プーランク:間奏曲 変イ長調 FP118、
 ナゼールの夜会 FP84
ディエゴ・カエターノ(P)

録音:2022年7月
このアルバムに集められている作品は、プロの演奏家のために作られたものではなく、アマチュアの演奏家のために作られたものです。ですがその内容はとても充実しており、美しさと豊富な表現力を持った名曲の数々です。スペイン人の作曲家アントン・ガルシア・アブリルの「ミランベルの前奏曲第1番」のように母国の伝統音楽からインスピレーションを受けて作曲されたものや、プーランクの「間奏曲」は感動的でありながらユーモラスな一面を持っている作品など、聴きどころにあふれています。

Indesens Calliope Records
IC-002(1CD)
モーツァルト:アリア編曲集〜フルート2本のための
歌劇「ドン・ジョバンニ」
1. 第2幕第10場:恋人を慰めて
2. 第2幕第3場:窓辺においでよ
3. 第1幕第7場:恋する娘さん年をとらぬうちが花よ
4. 第1幕第9場:お手をどうぞ
5. 第2幕第6場:恋人よ、さあこの薬で
歌劇「魔笛」
6. 第1幕第2場:私は鳥刺し
7. 第2幕第18場:愛の喜びは露と消え
8. 第2幕第8場:復讐の心は地獄のように胸に燃え
9. 第1幕第4場:何と美しい絵姿
10. 第1幕第14場:恋を知るほどのお方なら
11. 第1幕第15場:ああ、何と強力な魔法の音か
12. 第2幕第12場:この神聖な殿堂には
13. 第2幕第1場:おお、イシスとオシリスの神よ
14. 第2幕第23場:娘か女か、パパゲーノはどちらがほしい
歌劇「フィガロの結婚」
15. 第4幕第1場:失くしてしまった
16. 第1幕第8場:若い娘たちよ、花をまけ
17. 第1幕第8場:もう飛ぶまいぞ、この蝶々
18. 第2幕第2場:恋とはどんなものかしら

二重奏曲
19. アレグロ・モデラート
20. ロンド:アレグレット・スピリトーソ
フランク・マスクリエ(Fl)、
マルク・グローウェルス(Fl)

録音:2022年6月4日-5日、FUCAM研修用教会(ベルギー)
フランク・マスクリエとマルク・グローウェルスのフルート・デュオによるモーツァルトのアリア集。モーツァルトの有名なオペラから主要なアリアを厳選しフルート・デュオに編曲しています。こういった編曲は1950年代から流行しており、様々なアレンジや脚色を加えることにより18世紀の音楽の普及に貢献してきました。このアルバムもフルート・デュオという編成でモーツァルトの音楽の美しさを再発見させてくれています。

299 MUSIC
NIKU-9052(1CD)
ハープの香り/福井麻衣(Hp)
ベルナール・アンドレス(1941- ):デューク
タイユフェール:ハープの為のソナタ
ドビュッシー::亜麻色の髪の乙女
アンリエット・ルニエ:いたずら小鬼の踊り
ルーセル:即興曲Op.21
ドビュッシー:夢
ピエルネ:奇想的即興曲
フォーレ::即興曲Op.86
ドビュッシー:月の光
サン=サーンス:幻想曲(1893)
福井麻衣(Hp)

録音:2022年9月8-11日 相模湖交流センター(ラックスマン・ホール)
現代の日本人ハーピストの中でいま最も注目すべき存在はと問われたら私は躊躇無く「福井麻衣!」と答えるでしょう。その国 際的に通用する演奏能力ゆえではない。「風の時代」、すなわち業界の価値観がマスメディアを通じて押し付けられる時代で はなく、聴き手の個人個人が自らの趣味としてクラシック音楽を聴くようになる時代に対応できるハーピストと思うからだ。 (谷戸基岩/ライナー・ノーツより)

ALPHA
ALPHA-930(1CD)
MEETING MY SHADOW
ベートーヴェン:エロイカ変奏曲 Op.35
D・スカルラッティ:ソナタ ハ長調 K.487
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第9番Op.68「黒ミサ」
メシアン:XV. 幼子イエスの口づけ〜『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』 より
スカルラッティ:ソナタ ニ長調 K.29
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
スクリャービン:ワルツ 第4番変イ長調 Op. 38
ギオルギ・ギガシュヴィリ(P)

録音:2022年11月、12月
2000年ジョージア(グルジア)生まれのギオルギ・ギガシュヴィリ。現在ネルソン・ゲルナーに師事している彼は、2019年のブゾーニ国際ピアノ・ コンクール第3位と聴衆賞、2021年ゲザ・アンダ国際ピアノコンクールでオルタンス・アンダ=ビュールレ賞など数多くの受領歴を誇り、同じく ジョージア出身のヴァイオリニスト、リサ・バティアシュヴィリのアルバム(ドイツ・グラモフォン)ではフランクのソナタで共演しています。またエロクトロ・ ユニットTsdunebaのシンガーでもあり、ポップスを最も愛するという彼に、マルタ・アルゲリッチは「ピアノも一緒に続けるように」と強く勧めたとい います。そんな彼の初めてのアルバムがALPHAから登場。彼にとってクラシックのピアノ演奏は自分の「影」の面ということかもしれませんが、弱 冠22歳にしてその表現の幅広さと奥深さには驚くべきものがあり、時代も国も多岐にわたるプログラムに統一感と物語性を与える構成力も 素晴らしいものです。

Dynamic
CDS-7979(1CD)
NX-B03
愛する聴き手のために - 秘められた嘆き
シューマン幻想曲 ハ長調 Op.17(ほとんど演奏されることのない初稿のエンディングを伴う)
アルバムの綴り Op.124
「アレクシスに」によるカノン 変イ長調 H/WoO.4
ジュゼッペ・ロッシ(P…Steinway & Sons D)

録音:2022年4月13-16日
シューマンの様々な思いを伝える1枚。 冒頭に置かれている「幻想曲」はシューマンが「ボン・ベートーヴェン記念碑」のために構想したものですが、第1楽 章でベートーヴェンの歌曲集『遥かなる恋人に』第6曲から「この歌をどうか受け入れて/愛するあなたに歌ったこの 歌を」の部分の旋律を引用し、クララへの深い愛を託しています。当盤で注目すべきは第3楽章の最後で、ロッシ はシューマンの最初の構想によるエンディングを採用し、出版譜では静かな和音で締めくくられるところに上記の旋 律が回帰してクララへの思いの強さを強調しています。 「アルバムの綴り」は1853年出版。もともとは「子供の為のアルバム」Op.68のために書かれた小品集で、青春 の残像から娘マリーへの子守歌までさまざまな曲が散りばめられています。最後に置かれた「アレクシス」によるカノ ンは1830年代初頭の作品。シューマンのバッハ作品への敬愛を示す短い曲ですが、対位法の技術とシュー マンのインスピレーションが完璧に融合しています。 ジュゼッペ・ロッシはイタリア出身。サンタ・チェチーリア音楽院で学び2006年に卒業し、ヨーロッパ全域で演奏活動 を行いながら、ベートーヴェンとシューマン作品の研究に熱心に取り組んでいます。

MClassics
MYCL-000341(1CD)
税込定価
イザイ・オン・ピアノ
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27(大脇滉平編曲によるピアノ独奏版)
`島啓介(P)

録音:2022年8月12-15日 東京、稲城市立iプラザ
現在、弁護士として執務する傍ら、独自な音楽活動を続け多くの音楽 ファンから注目を集めるピアニスト`島啓介の最新アルバムです。ヴァイオリ ンにおいての芸術作品の頂点のひとつ、イザイの名作「無伴奏ヴァイオリ ン・ソナタ」をピアノ・アレンジし、世界初録音をしました。ピアニスト`島啓 介とアレンジャー大脇滉平の両者が長い期間を掛けて作品を紐解き「もし イザイがピアノを弾けたならば必ずこう書いたであろう」と確信を得る大作と なりました。原曲を最大限尊重しつつも、新たに構築された紛れもないピ アノ作品です。イザイのもつ豊かな和声感や色彩、構成美を、ピアノによっ てより強く感じられることでしょう。`島啓介の細部までコントロールされた 確固たる技術と流麗な音楽性。イザイの音楽に新たな光を照らす意欲作 です。

SOMM
SOMMCD-0666(1CD)
NX-B04
ピアノ・デュオによるベートーヴェン:交響曲全集 第3集
交響曲第2番ニ長調 Op.36(X. シャルヴェンカによる4手ピアノ編)…世界初録音
交響曲第7番イ長調 Op.92(X. シャルヴェンカによる4手ピアノ編)
テッサ・アイス(P)
ベン・スクーマン(P)

録音:2021年2月27-28日
第1集(SOMMCD0637)、第2集(SOMMCD0650)がヨーロッパの音楽誌で高く評価されたフランツ・クサ ヴァー・シャルヴェンカの編曲によるベートーヴェンの交響曲全集。全6集が予定されており、この第3集には4手版 の交響曲第2番と交響曲第7番が収録されています。 耳の不調に苦しんだ時期に作曲されるも、明るい曲想を持つ第2番、心地よいリズムに貫かれた第7番、とベー トーヴェン作品の中でも楽天的な2曲をテッサ・アイスとベン・スクーマンが息のあったデュオで聴かせます。 編曲をしたシャルヴェンカはポーランド系ドイツの作曲家。彼の兄ルートヴィヒ・フィリップ・シャルヴェンカも作曲家とし て知られています。兄弟はベルリンでツェルニーの弟子であったテオドール・クラクにピアノを師事しており、この編曲に もベートーヴェン直系の弟子(ツェルニーはベートーヴェンに直接師事していた)ならではの作品に対する敬愛が感じ られる見事な仕上がりを見せています。 演奏しているのは南アフリカのケープタウン出身のピアニスト、テッサ・アイスと、同じく南アフリカ出身のペン・スクーマ ンによるピアノ・デュオ。2020年にはベートーヴェン生誕250周年記念として、シャルヴェンカ編曲による交響曲全 9曲の録音を行うとともに、ロンドンを中心に各地でコンサートを行い好評を得ています。
SOMM
SOMMCD-0650(1CD)
NX-B04
ピアノ・デュオによるベートーヴェン:交響曲全集 第2集
:交響曲第5番「運命」(X. シャルヴェンカによる4手ピアノ編)
シューマン:アンダンテと変奏 Op. 46(2台ピアノ版)
サン=サーンス:ベートーヴェンの主題による変奏曲 Op. 35(2台ピアノ版)
テッサ・アイス(P)
ベン・スクーマン(P)

録音:2020年8月25日、2021年2月26日
第1集(SOMMCD0637)が好評を得たフランツ・クサヴァー・シャルヴェンカの編曲によるベートーヴェンの交響曲 全集。 編曲をしたシャルヴェンカはポーランド系ドイツの作曲家。彼の兄ルートヴィヒ・フィリップ・シャルヴェンカも作曲家とし て知られています。兄弟はベルリンでツェルニーの弟子であったテオドール・クラクにピアノを師事しており、この編曲に もベートーヴェン直系の弟子(ツェルニーはベートーヴェンに直接師事していた)ならではの作品に対する敬愛が感じ られる見事な仕上がりを見せています。 この第2集には4手版の交響曲第5番の他、シューマンの「アンダンテと変奏」、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第18 番Op.31-3の第3楽章を用いたサン=サーンスの「ベートーヴェンの主題による変奏曲」が収録されています。

TOCCATA
TOCC-0662(1CD)
NX-B03
ロナルド・スティーヴンソン(1928-):ピアノ作品集 第6集
ソナチネ第1番(1945)
ソナチネ第2番(1947)
ソナチネ第3番(1948)*
回想(1945頃)*
3つのキリスト降誕の小品(1949)
3つの抒情的な小品
クリストファー・ギルド(P…Steinway D)

録音:2022年5月29、30日
*…世界初録音
英国のピアニスト・作曲家ロナルド・スティーヴンソンは、ブゾーニの孫弟子であり、ベートーヴェンやショパ ン、ラフマニノフなどのピアノ音楽の伝統をスコットランドに持ち込み発展させました。また難解なカイホスルー・ソラブ ジの音楽を愛し、彼の後輩ジョン・オグドンに勧めたことでも知られています。 好評を博すクリストファー・ギルドによるスティーヴンソンのピアノ作品集シリーズ、今作の第6集では初期の作品を 紹介しています。これらはブゾーニとの決定的な出会いの後に生まれたもので、後年書かれた代表作「DSCHによ るパッサカリア」のような複雑な書法は用いられていません。当時のスティーヴンソンはまだスコットランドに移住してい ませんでしたが、作品にはすでにこの地の民謡からの影響も感じられます。ソナチネ第3番と「Retrospect」は世 界初録音です。

Mollis Records
ML SR12701(1CD)
税込定価
ジャン=ミシェル・ダマーズ(1928-2013):ピアノ作品集
献呈
演奏会用小品集-タランテラ
演奏会用小品集-鐘
おとぎ話 ピアノの為の16の小品 作品38
ピアノ・ソナタ 作品24
雨/朝に
山田磨依(P)

録音:2022年11月25日 稲城市立iプラザホール
2023年に没後10年を迎えたフランスの作曲家ジャン=ミシェル・ダマーズ のピアノ作品集を、ダマーズ演奏のスペシャリストである山田磨依が録音。 ラヴェルやドビュッシーをはじめとした輝かしいフランス音楽の作曲家の系譜 に繋がるダマーズ。彼のフルートやハープなどの室内楽作品は親しまれてい ますが、ダマーズ自身傑出したピアニストでもあり、魅力的なピアノソロ作 品も多数残しています。 本作は世界初録音作品やCD未収録曲を含む意欲作。特にダマーズ初 期の傑作である「ピアノ・ソナタ」は必聴です!

sonorite
SNRT-2302(1CD)
税込定価
クライスレリアーナ
モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
 ロンド ニ長調 K.485
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
 アラベスク Op.18
新井眞澄(P)

録音:2022年3月15-17日 府中の森芸術劇場 ウィーンホール、東京
在独60年、ベルリン芸術大学で教鞭も執ったピアニスト新井眞澄が、音 楽人生の集大成として制作したアルバムで、彼女が深い共感を寄せる モーツァルトとシューマンの作品を収録。表題作「クライスレリアーナ」は、 E.T.A.ホフマンの小説の作中人物にシューマンが自らを投影した音楽で、 音楽そのものが小説のような趣。新井のピアノは自然体で深い含蓄を湛 え、名人の朗読さながらに、聴き手をモーツァルトとシューマンの音楽世界 へと優しくいざなってくれます。

The Lost Recordings
(Fondamenta)
TLR-2203042(2CD)
ミケランジェリ・ロンドン・レコーディングス Vol.1
ラヴェル:ピアノ協奏曲*、
 夜のガスパール
クレメンティ:ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Op.12-1
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)、
セルジュ・チェリビダッケ(指)LSO*

録音:1959年6月30日、BBCスタジオ(ロンドン)(MONO)
1982年4月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ロンドン)(STEREO)*
フランスのレーベル "Fondamenta" が貴重音源を高音質に復刻するシリーズ「The Lost Recordings」が、レーベル名も「The Lost Recordings」へと変え、これまで「クラウディオ・アラウ」(TLR2103039)、「ヘンリク・シェリング」(TLR2203040)などの録音を復刻してきました。今回新たに復刻されるのは、20世紀を代表する伝説的ピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920-1995)。「ロンドン・レコーディングス Vol.1」と題され、BBCのアーカイヴから発掘された貴重なオリジナル・アナログ・テープから修復された2つのライヴ録音を収録。1つは1959年6月30日に行われた歴史的なライヴで披露された、ショパンとクレメンティのピアノ・ソナタ、ラヴェルの「夜のガスパール。そしてもう1つは、1982年4月8日にミケランジェリとセルジュ・チェリビダッケ、二人の巨匠が奇跡的な共演を成功させたラヴェルのピアノ協奏曲です。
フランスのオーディオ・メーカー"Devialet(ドゥヴィアレ)"のテクノロジーを駆使して開発した、アナログ録音の正確な復刻を可能にする独自の復元プロセス「Phoenix Mastering(フェニックス・マスタリング)」を用いて、フレデリック・ドリア=ニコラとニコラ・テリーズがリマスタリング。完璧主義者ミケランジェリの遺した芸術を完璧に再現する高品質復刻にご注目ください。


フォンテック
FOCD-9878(1CD)
税込定価
第7回仙台国際音楽コンクール優勝者〜チェ・ヒョンロク
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
 夜のガスパール
ショパン:24の前奏曲
チェ・ヒョンロク(P)

録音:2022年9月13〜14日 仙台市宮城野区文化センターパトナホール
“全てが完璧だからこそ引き出せる想像を絶する味わい!”
静謐な音楽のなかに、鋭意な実力を湛えるピアニスト、チェ・ヒョンロク。2019年6月に開催され た第7回仙台国際音楽コンクールでは、圧倒的な優勝を飾りました。 このCD録音は、22年9月おこなわれた同一プログラムによる東京・仙台でのリサイタルを経ての熟 成した環境での成果です。 耽美的とも言える「パヴァーヌ」の音色、冷色のパレットをさらに拡げる「ガスパール」。そして知 情合体の「前奏曲集」は一大絵巻です。 将来が嘱望される、若き韓流ピアニスト始動です。 (フォンテック)
チェ・ヒョンロク。その恐るべき才能の出現に興奮を抑えられません!3つの名曲全てが空前絶後の名演という信じがたいことが現実に起こったのです。!
 最初の「パヴァーヌ」冒頭の5秒で全身鳥肌!その温かなタッチとそこはかとない悲しみの滲み方には一切作為がなく、純粋そのもの。1:57のさりげないルフト・パウゼでは、並外れた天才を確信!3:33からのペダリングの俊敏なコントラスト付けの妙味、その先の中間部はタッチの潤いが加味、4:23からの装飾音をこれほど深く感じ切った例も他にはないでしょう。5:57からは水が砂に染み込むように音が消え入ったかと思うと、最後の最後で生命の輝きを放つ様は感動の極み!一体どんな環境で育てばこんな音のセンスが宿るのでしょうか?
 「夜のガスパール」が、これまた久々に誕生した同曲の超名演!安易な怪奇趣味に走らずしっとりとした詩情を大切にしたこのアプローチは奇跡の連続としか言いようがありません。“オンディーヌ”は、「パヴァーヌ」での見せた潤い満点のタッチの魅力を大発揮!特に上声部の煌めきと透明感は、単に高精度なタッチを目指しただけでは醸し出し得ない幻想を現出。最後の一音の余韻の意味深さも、並外れた感性の証し。“絞首台”は、ひんやりした空気感にびっくり!変ロ音で刻まれる鐘の音は、生々しい死そのものを予感させず、他の声部と美しい調和させながら虚無的な空間を導き出します。“スカルボ”は、この曲の再現に絶対的なヴィルトゥオジティが不可欠であることを再認識。持ち前の繊細な感受性を前提とした上での技巧の完璧さが、尋常ではない緊張感をもたらし、息をつく暇など皆無!タッチの俊敏さは今の時期でしかあり得ない瑞々しさを常に湛えながら、音量的にも色彩的にもこの上なくドラマティックにコントラストを施します。しかも、単純な激情や肉感的なタッチに傾かずに、血の気の引いた感触がむしろ不気味さを醸し出します。
 そしてショパン!24曲全てに宝石のような魅力が散りばめられています。「第1番」は、常套的なルバートのように見えてその内実は真の呼吸と濃密な詩情で充満。「第4番や「第6番」の、明るいタッチと淀みないフレージングとは裏腹の孤独な風情はどうでしょう!過去の名演もすべてが吹き飛ぶこの説得力と個性こそ天才の証し!「第7番」は、音のイメージには一切揺るぎがなく、内省的な美の極めます。「第12番」では、今まで一度も見せなかった鉛色のタッチを披露。彼には一体いくつの引き出しがあるのでしょう?「雨だれ」は、呼吸の持久性にご注目。、タッチの制御力には相変わらず寸分のブレがなく、中間部は長いスパンをかけてクレッシェンドし、繊細なニュアンスを維持したままffの頂点まで上り詰めるセンスは、他に類例があるでしょうか?「17番」がまた絶品!Bのテーマへ移る際の間合いの絶妙さと感度に打たれると、他の演奏の無頓着さが腹立たしくなるほどです。Cのニュアンスの多彩さもこれ以上は無理。最後に11回繰り返される変音のペダル音の混濁のなさも必聴です。「第18番」は、チェ・ヒョンロクの即興的な緩急入れ替え技の冴えと独自のドラマ表出センスに唖然。くどいようですが、彼の表現の幅は無限としか言いようがないのです。最後の「第24番」は、持てるヴィルトゥオジティの全てが炸裂。ラストで三度打ち鳴らされる低音も、ただの強打ではないことは言うまでもありません。
 というように、全てにおいて表現の幅と深さが尋常ではないのに、それを露骨に顕示せず、陶酔もせず、ただ聴き手に感動してもらうためだけに用いられる彼のピアニズムの凄さは、とても言葉では伝えきれません。是非ともその全てを漏らさず味わっていただきたいのですが、事前に体調を整えていただくことを強くお勧めします!【2023年3月・湧々堂】

PROMINENT CLASSICS
2506-5611(1CD)
ショスタコーヴィチ(1906-75):交響曲第1番(スラヴィンスキーYevgeni Slavinsky (1898-1978)編 4手ピアノ版)
交響曲第5番(アトヴミャーン Levon Atovmyan (1901-73)編 4手ピアノ版)
ピアノデュオ・アナスタシア&リウボフ(4手ピアノ) 【アナスタシア・グロモグラソヴァ、リウボフ・グロモグラソヴァ】

録音:2023年 1月 2-5日フォンダチオーネ・パオロ・グラッシ(イタリア・マルティナ・フランカ)スタジオ録音 (JASRAC R-2310158)
衝撃のリリース!チャイコフスキーやベートーヴェンの交響曲全集も好 評だったピアノデュオ・アナスタシア&リウボフによる4手ピアノ版ショスタコーヴィ チ:交響曲全集第1弾です。 交響曲第1番はアトヴミャーンの編曲。ショスタコーヴィチの映画作品の組曲版編 纂などでショスタコ・マニアには広く知られる作曲家です。ミヤスコフスキーの交響 曲第25番は彼に捧げられております。ピアノ版だと不協和音が強調され前衛音 楽に踏み込んでいます。第3楽章はしっとり感もあり中々に思索的で効果抜群。 第5番の編曲はスラヴィンスキー。サンクトペテルブルク音楽院でニコラ―エフ、 チェレプニンに学んだ作曲家。ミュージカル、バレエ作品の作曲に長じました。こ ちらは楽曲の古典性を白日の下に曝した明快な演奏。 録音は今まで通り名手コジモ・ガロッパが担当。クリスマスからお正月に掛けての 再会で一気に録音。息もピッタリの姉妹デュオ、アナスタシアとリウボフは今年も 好調です。ピアノはスタインウェイ。 ※英語、日本語によるライナーノート付。

Willowhayne Records
WHR-072(1CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番、第2番、第3番 パヴロス・カルバーリョ(Vc)

録音:2019年3-10月セント・マーガレット教会、イースト・サセックス、UK
イギリス、イタリア、ドイツ、ロシアとヨーロッパ各地のコンクールでの入賞歴を誇り、英国サセックスの弦楽 合奏団、アンサンブル・レザの音楽監督を務めるパヴロス・カルバーリョによる無伴奏第1弾。堂々とした 深い歌い込みと、豊かな表現がたいへん魅力的です。
Willowhayne Record
WHR-075(1CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番、第2番、第5番 リンデン・クランハム(バロック・チェロ)

録音:2020年12月8-10日、2021年4月 セント・ピーター・アンド・セント・メアリー教会、フィッシュボーン、ウエスト・サセックス、UK
英国王立音楽院でチェロを学び、アメリカやニュージーランドで室内楽の活動の後バロック・チェロを志し たというリンデン・クランハム。エンシェント室内Oなどで活躍し、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ の一員としてガーディナーの「バッハ・カンタータ巡礼」のプロジェクトにも参加した彼女による無伴奏第1 弾。1750年頃ドイツ製の名器の音色が楽しめます。
Willowhayne Record
WHR-074(1CD)
『海の壁画』〜フランスの知られざるハープ作品集 第1集
オーギュスト・シャピュイ(1858-1933):ハープ・エオリエンヌ
 カリヨン
 ダヴィド・ドヴァン・ラルシュ
アンリエット・ルニエ:朝の散歩道
アンリ・ビュッセル(1872-1973):日本歌曲による即興曲
 バラード 変イ長調 Op. 65
マルセル・トゥルニエ(1879-1951):海の壁画 Op. 46
ジャック・ピロワ(1877-1935)/マルセル・グランジャニー(1891-1975)編曲:2つの小品
オデット・モンテスキュー(1908-2002):前奏曲
マルセル・スラージュ(1894-1970):小品集
トゥルニエ:魔法の糸車 Op. 44
アレクサンダー・ライダー(1902年エラール製ハープ)

録音:2021年9月27-29日、2022年1月21日 セント・ピーター・アンド・セント・メアリー教会、フィッシュボーン、ウエスト・サセックス、UK
ヨーロッパ各地で活躍し、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティクやエンシェント室内O などの古楽オーケストラとの共演も多い英国の男性ハープ奏者、アレクサンダー・ライダーが奏でる19世 紀フランスの知られざるハープ作品集。どの作品もたいへん美しく、エラール製オリジナル楽器の響きも相 まって、非常に心地よいアルバムに仕上がっています。ビュッセルの即興曲では、日本人のよく知るメロ ディが飛び出します。

クァッドリーガ
QR-09005(1CD)
税込定価
リムスキー=コルサコフ:ピアノ作品集Vol.1
バッハの主題による6つの変奏曲 Op.10
3つの小品Op.15
マズルカ Op.38-2
熊蜂の飛行 〜歌劇「サルタン皇帝」第3幕 間奏曲 (編曲 広瀬美紀子)
インドの歌 〜歌劇「サトコ」第4場のアリア
歌劇「プスコフの娘」第2幕 間奏曲
交響組曲「シェヘラザード」第1楽章(編曲 広瀬美紀子)
スペイン奇想曲(編曲 広瀬美紀子)
広瀬美紀子(P)

録音:2022年8月27・28日 神奈川県立相模湖交流センター、ラックスマン・ホール
広瀬美紀子(P)の最新録音:2022年 8 月収録でリムスキー=コルサコフのピア ノ作品集が発売されました。2015 年「シンディング ピアノ作品集」、2017年「グノー ピ アノ作品集」に続いてクァッドリーガ・レーベルでの第3 弾になります。 作曲家の初期の秀作から円熟期の大作まで、ピアノオリジナル作品からオーケストラ 作品のピアノ編曲版まで収録されております。

MARCO CREATORS
MARCO-003(1CD)
税込定価
初回封入特典
カード型2023年カレンダー
ヴィラ=ロボス:ギター作品集
ブラジル民謡組曲
ヴァルス-ショーロ
12のエチュード
ショーロス第1番
メロディア・センティメンタル
大萩康司(G)

録音:2020年6月25?28日、軽井沢
大萩康司セルフレーベル第2弾、待望のソロ・アルバムの登場!ブラジルが誇る大作曲家エイトル・ヴィラ=ロボス(1887?1959)のギター作品集。「ブラジ ル民謡風組曲」「12のエチュード」の全曲録音に加え、2005年に発見された〈ヴァルス・ショーロ〉に〈ショーロス第1番〉、そしてヴィラ=ロボスの最晩年に 書かれた声楽と管弦楽のための「アマゾンの森」組曲から〈メロディア・センチメンタル〉(ギターソロ編曲版)が収録されています。自身と向き合い、現在の自 分しかできない表現を追求したという渾身の1枚です。 (Ki)

Cybele
CYBELE-162202S
(1SACD)
シモン・ラクス(1901-1983):ピアノ作品集
ソナチネ(1927)
18世紀ワルシャワの3つのポロネーズ
小ソナタ(1946)
バラード『ショパンを讃えて』(1949)
プレリュード、ブルースとポルカ
古風な組曲(1966)
鍛冶屋の娘(1964/2020)
ホルガー・グロショップ(P)
シモン・ラクス(1901-1983)はワルシャワ出身で、1926年からフランスに永住した作曲家。1941年にユダヤ人であることを理由に強制収容所に送られ ましたが、収容所のオーケストラで指揮をすることで生き延びることができました。ピアノ作品は生涯にわたって様々なスタイルで書かれており、ほとんどが生前未 発表の作品。パリ風、ワルシャワ風、新古典風など、作曲家の人生を反映した音楽になっています。
CYBELEレーベルならではのバイノーラル録音を含む高品質SACDハイブリッド盤。 (Ki)

Resonus
RES-10306(1CD)
NX-B05
エリザベス・ラッチェンス(1906-1983):ピアノ作品集 第2集
チェック・ブック…世界初録音
3つのインプロヴィゼーション
5つの間奏曲 Op. 9
5つのバガテル Op. 49
ピアノとフォルテ Op. 43…世界初録音
骨の環 Op. 106
28. Maybe - Encore Op. 159…世界初録音
ソナタの楽章 (Allegro molto)…世界初録音
マーティン・ジョーンズ(P)

録音:2022年4月28日
英国の近代作曲家、エリザベス・ラッチェンス。幼い頃から作曲家を志し、1922年、パリのエコールノルマル音楽院に留学した後、1926年から1930年に かけてロンドンの王立音楽大学で学びました。十二音技法から発展した独自の音列を採用するなど彼女自身のセリー形式を編み出した他、厚みのある 響きを好まず、少ない音のみで音楽を作り出すなど、豊かな探求心に支えられたモダンな音楽を作り出した作曲家として評価されています。 第2集となるこのアルバムには、子供のための12の小品「チェック・ブック」やドビュッシーの影響が感じられる「ピアノとフォルテ」、1982年に書かれた彼女の最 後のピアノ作品「Maybe ? Encore」、未発表の「ソナタの楽章」など、4つの世界初録音を含む、ラッチェンス初期から晩年の作品が収録されています。 演奏は第1集と同じくマーティン・ジョーンズ。ラッチェンスをはじめ、英国を中心とした知られざる作曲家の作品の紹介に力を尽くす英国のピアニストです。 ペア・ノアゴーとヨーン・ストルゴーズ
Resonus
RES-10307(1CD)
NX-B05
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Op. 10
ピアノ・ソナタ ハ短調 Op. 10No. 1
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op. 10No. 2
ピアノ・ソナタ ニ長調 Op. 10No. 3
ダニエル・トング(フォルテピアノ)
ポール・マクナルティによる1805年製アントン・ヴァルターの再現楽器

録音:2021年12月7-9日
コーンウォール生まれのピアニスト、ダニエル・トング初のソロ・アルバム。 1798年9月に出版されたベートーヴェンの作品10の3つのソナタは、この時期優れたピアニストとして活躍してい た彼の技巧と音楽性を、更にアピールするために書かれた曲集。明快な和声と、めりはりの効いた速度設定を 用いた結果、極めて引き締まった作品としての仕上がりを持つ、若き日のベートーヴェンの野心作です。トングは アントン・ヴァルターの再現楽器を用い、作曲当時の響きを丹念に紡いでいます。


Treasures
TRE-274(1CDR)
フー・ツォン〜若き日のショパン録音Vol.2
マズルカ集
 Op.6-2/ Op.7-4/ Op.17-2
 Op.41-3/ Op.17-4/ Op.24-2
 Op.59-1/第58番変イ長調.遺作
 第49番ヘ短調Op.68-4.遺作
 第52番変ロ長調.遺作
幻想ポロネーズ*
マズルカOp.67-2*/ Op.67-4*
夜想曲Op.62-1*/ Op.62-2*
マズルカOp.50-3*
フー・ツォン(P)

録音:1959年2月London, Conway Hall、1956年3月2-6日チェコ* (全てモノラル)
※音源:MFP MFP-2026、PARLIAMENT PLP-159*
◎収録時間:67:04
“身を粉にして心の呟きを吐露するフー・ツォンの独壇場!”
■音源について
前半のマズルカ集は、英W.R.Cのオリジナル録音。後半は、フー・ツォンのショパン・コンクール第3位&マズルカ集受賞の翌年にチェコを訪問した際の貴重な録音(Supraphon音源)。

★フー・ツォンの音楽性の本質を掴むのには、何と言っても「マズルカ」が不可欠!現にここに収録されているマズルカの全てが異次元の名演であることは明らかです。最初のOp.6-2から感動の極みで、これほど身を粉にし尽くした演奏が他の誰に可能でしょうか?第1音が鳴った瞬間、独り言のように暗く呟く風情に惹きつけられ、主部以降は心の律動と呼吸が絶妙なルバートに転嫁して揺らぎ続けます。同時に、吸い付くような弱音の感触に感涙!それに比べ、ただそれっぽくテンポを揺らしているだけの演奏がなんと多いことでしょう。
 そのルバートのセンスは、高速で駆け抜けるOp.7-4でも同じ。まさに天性の感受性の為せる技。長調作品であっても開けっぴろげの明るさに傾かないのもフー・ツォンならでは。Op.17-4はどこまでの繊細でありながら、そこに宿る精神は軟弱さとは無縁。その芯の強さが音楽の構成をキリッと引き締めているので、単に耽溺的に酔いしれる演奏では感じられない気品が常に備わっているのです。
 Op.59-1は、独創的な転調と共に音彩も確実に変化する様に息を呑みますが、特に中間部において、左右の声部の完璧なバランスをとりながらきめ細かくニュアンスを刻印し、かつドラマティックに音楽を押し上げるセンスにも唖然とするばかり。
 ショパンの「白鳥の歌」である「第49番」も、その沈みきった心情をフー・ツォン以外に代弁できる人を想定できません。
 チェコ録音も、全て聴き逃がせません。Op.62-2の至福感が曲の進行と共に増幅され、終いには全人類を大きな愛で包み込むような空気感まで醸し出すのも印象的ですが、幻想ポロネーズの素晴らしさは更に空前絶後!各主題の連動力と全体の凝縮力の高さ、マズルカの時とは異なる確信漲るタッチの魅力は他の追随を許しません。第2部後半の長いトリルも呼吸の持久力が維持され、第3部冒頭での序奏の再現での低音の響きの意味深さも必聴。【2022年8月・湧々堂】


Treasures
TRE-275(1CDR)
超厳選!赤盤名演集Vol.8
ギーゼキングのシューベル

3つの小品D.946〜第2番*
即興曲集Op.90&142(全8曲)
ワルター・ギーゼキング(P)

録音:1956年10月*、1955年9月(全てモノラル)
※音源:東芝 AB-9047-48
◎収録時間:70:04
“新即物主義者という縛りを解いて味わいたいギーゼキングの真心の歌!”
■音源について
東芝の「赤盤」をいろいろ比較試聴した結果、音が良いという噂は間違いではないという結論に至りました。音にしっかり芯が宿り、音場は豊かに広がり、音を発した瞬間に音の粒子まで感じさせる手応は格別で、英国EMIから技術者を招き、英仏メタルを用いてプレスしていた当時の川口工場(1955年発足)の優秀な技術が集約されています。残念ながら、1971年に御殿場に大工場を新設して以降の音質は下降の一途を辿り、赤盤もなくなりました。
 ただ、初期の赤盤はビニールの素材が関係しているのか微妙なチリチリノイズの混入率が高いので、CD-R復刻に際してはそれが回避された第二版以降の盤を選択せざるを得ません。採用したのは、英COLUMBIAと同一スタンパー XAXを使用した赤盤。LP2枚に「即興曲全8曲+3つの小品D.946」が収録されています。

★何度も申し上げて恐縮ですが、ギーゼキングは常に「新即物主義者」というイメージから、機械的で情に欠けるピアニストと捉えられがちで、特にモーツァルトの作品では、作曲当時には存在していなかったという理由でペダル不使用を原則としているため、感覚的にドライに感じやすいという点も、そのイメージに拍車を掛けたのかも知れません。しかし、そのピアニズムの本質は、聴けば聴くほど熱い共感を込めた「ひらめき型」であり、決して完璧を目指したものではないことはないことは明らかです。特にライヴ録音ではミスタッチも少なくなく、粗暴なまでに打鍵が飛び交うこともしばしばですし、本当に情に乏しいなら、切なさと慈しみに満ちた「トルコ行進曲」(1953年録音)は実現しなかったはずです。
 その独特の哀愁は決して偶然ではなく、真のロマンチストによる芸術だと確信させるのが、シューベルトの「即興曲集」です。中でもOp.142-3は驚くほどの低速で歌の限りを尽くし、これほど内面からじっくりと愛を紡ぐ演奏を他に知りません。しかも、音楽の楚々としたフォルムも同時に確保。それらの要素をバランスよく配置する感覚も音楽の感じ方と同様に理論先行ではなく、一瞬の閃きに拠るところが大。冒頭のテーマでは一音ごとに音価が異なって聴こえるほど絶妙なルバートを見せ、その過剰スレスレの入念なニュアンスは第4変奏までまで変わりません。第5変奏でようやく天衣無縫な流れが顔を出しますが、その上声部の可憐さが無類!終結のノスタルジーの湛え方も感動的です。
 Op.90-2は演奏時間が4分6秒と相当高速ながら、一息による軽やかなフレージングのために不可欠なテンポだと合点。録り直し可能なスタジオ録音にもかかわらずミスタッチをそのまま収録しているのは、無頓着というより、芸術の目標は「ノーミス」ではないという信念の表れではないでしょうか。
 Op.90-4の2小節目の最後の8分音符はペダルでふわっと流すのが通例ですが、ギーゼキングはそれを回避。孤独な呟きが一層リアルに迫ります。この箇所、ぜひ内田光子の演奏と聴き比べてみてください。中間部は太い芯を伴ってドラマティックに進行しますが、呼吸が実に深く心地よい緊張が持続し、シューベルトの音楽の繊細な佇まいを決して汚しません。
 シューベルトには「歌」は不可欠ですが、その音楽に相応しい歌い方があるはずで、それを直感的に感知してそのまま音化させたピアニストとして、ギーゼキングの存在を無視してよい理由など全く思い当たりません。ギーゼキングというピアニストに対して、ぼんやりとしたイメージしか持たれていない方にもオススメです!
なお、「即興曲集」のヘレン版の楽譜には、ギーゼキングによる運指が書かれており、その合理性に師のカール・ライマーとの共通点を垣間見ることができます。【2022年8月・湧々堂】

Sono Luminus
DSL-92258(1CD)
NX-B05
ベートーヴェン/ショパン/レクオーナ/D. スカルラッティ:ピアノ作品集
レクオーナ(1896-1963):スペイン組曲より「アンダルシア」
ショパン:3つのエコセーズ
ガーシュウィン:ガール・クレイジー - 第1幕 アイ・ガット・リズム(P
ベートーヴェン:エリーゼのために WoO 59
 レクオーナ:19世紀のキューバ舞曲集(抜粋)
ショパン:即興曲第3番変ト長調 Op. 51
レクオーナ:ジプシーのサンブラ(T. ティリノによるピアノ編)
スカルラッティ:ソナタ ホ長調 K.380/L.23/P.483
スカルラッティ:ソナタ ホ長調 K.135/L.224/P.234
アンドレイ・トゥーダー(1983-):ロンド・アラ・クレイジー
バラキレフ:スペインの旋律
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 Op. 66
レクオーナ:アフロ=キューバ舞曲集 - 第5番 ルクミ族の踊り
ショパン:エチュード集 Op. 10- 第12番ハ短調 「革命」
ガーシュウィン:レディ・ビー・グッド! - ザ・マン・アイ・ラヴ(P版)
ショパン:即興曲第1番変イ長調 Op. 29
レクオーナ:私はいつもあなたを愛している(T. ティリノによるピアノ編)
レクオーナ:森のワルツ(M. ヴァン・ブリンクによるピアノ編)
マテイ・ヴァルガ(P)

録音:2021年5月1-3日
新型コロナウイルスのパンデミックで世界が閉ざされた2020年、多くの人々が社会からの孤立に苦しみました。その中でルーマニア出身のピアニスト、マティ・ ヴァルガは、強制的に与えられた「オフ」をスケジュールに追われることから解放されて自分を成長させる機会と捉えました。 ピアノと一緒にいると、自分の内面 がよく見え、新しい発見の喜びを味わったというヴァルガ。 根っからの楽天家と自称する彼は、このアルバムが音楽の驚異的な力で聴く人に喜びをもたらすこと を願っています。

ヴァカンス・ミュジカル
VM-0004(2CD)
税込定価
知られざる山田耕筰のピアノ音楽
■DISC1
【古典様式による初期作品】
(1)メヌエット 変ホ長調
(2)(3)2つのソナチネ(T/U)
(4)(5)ソナタ ホ長調
(6)アレグロ・モデラート
(7)ソナタ ト長調/(8)ガヴォット ト長調
(9)マーチ ト長調
(10)A melody on an autumn day (秋の日のメロディ)
(11)無言歌/(12)変奏曲 ト短調
(13)変奏曲 イ長調/(14)変奏曲 ハ長調
(15)シャコンヌ ハ短調/(16)シャコンヌ ハ長調
(17)オリムピック行進曲「輝く朝日」
■DISC2
【山田耕筰歌曲によるピアノ編曲】
(1)からたちの花/山田耕筰編曲
(2)赤とんぼ/平野真奈編曲
(3)あわて床屋/平野真奈編曲
(4)ペチカ/平野真奈編曲
(5)この道/永井みなみ編曲
(6)鐘が鳴ります/青木聡汰編曲
(7)城ヶ島の雨/青木聡汰編曲
(8)砂山/青木聡汰編曲
(9)六騎/青木聡汰編曲
【未完の作品の補筆完成】
(10)アンプロンプチュ/榎政則補筆完成
(11)ソナタ・エクスタジエ/榎政則補筆完成
(12)セレナード/榎政則補筆完成
(13)Erinnerungen an mine Kobe zeit(わが神戸時代の想い出)/榎政則補筆完成
杉浦菜々子(P)

録音:2021年4月24日、2022年2月20日 ピアノサロンムー(P/スタインベルク・ベルリン)
日本近代音楽の礎を築いた山田耕筰には、全く知られていないピアノ音楽の傑作が数多く存在した! 一次資料を精査し、未出版の作品群を復刻・蘇演。知られざる山田耕筰の魅力に迫る出版連動プロジェクト。 ※出版は、昨年「埋もれた作品に光」として東京新聞一面を飾った出版社、ミューズ?プレスより、「山田耕筰ピアノ曲拾遺」(全 三巻)、解説:久暁(音楽学者・音楽評論家)、校訂・校閲:杉浦菜々子(ピアニスト) 。 演奏は、2018年「山田耕筰ピアノ作品集「子供と叔父さん(おったん)」でレコード芸術特選盤に選出された杉浦菜々子。 ※〜山田自身も愛奏した「幻のピアノ」スタインベルク・ベルリンのこの世ならざる幽玄な響きとヤマハが生み出した画期的新 モデルC3Xespressivo の圧倒的な輝きと深みによって、「知られざる山田耕筰ピアノ音楽」の魅力に迫る〜

Mats Bergstrom Musik
MBCD-06(1CD)
ウッレ・アドルフソン(1934-2004):ギターのための音楽
音楽のスケッチブックからギターのための11の小品
ギターのための4つの小品
4月のワルツ
マッツ・ベリストレム(G)

録音:2021年12月7日&2022年1月24日、ニレント・スタジオ(スウェーデン)
※使用楽器:Per Hallgren2015年製作(グローボ、スウェーデン)
北欧、スウェーデンの名ギタリスト、マッツ・ベリストレムが自身のレーベル「Mats Bergstrom Musik」から贈る新たなアルバムは、シンガーソングライター、詩人として活躍し、スウェーデンで親しまれているスタンダード曲も残しているウッレ・アドルフソンのギターのための作品集。
ストックホルム王立音楽大学やニューヨークのジュリアード音楽院で研鑽を積み、2011年のBBCプロムスではライヒの「エレクトリック・カウンターポイント」で大成功を収めたマッツ・ベリストレム。2006年にはスウェーデン王立音楽アカデミーの一員となり、2011年にはスウェーデン国王より栄誉ある文化功労賞(Litteris et Artibus)を授与されるなど、名実ともにスウェーデンを代表するギタリストの1人として活躍しています。本アルバムでは、若き日にアドルフソンのギターの演奏に惹かれ、自身にとってはアイドル的存在とも語るべリストレムが、一音一音に神経を集中させ、哀愁漂うメロディを奏でていきます。

sonorite
SNRT-2203(1CD)
税込定価
ワーグナー・トリビュート
ワーグナー:黒鳥館への到着 WWV 95
 パルジファル - 聖杯への厳かな行進曲 S450/R283(F. リスト編)
 パルジファル - 「聖金曜日の音楽」による音楽的印象(J. ルービンシュタイン編)
リスト:リヒャルト・ワーグナーの墓に S202/R85
ワーグナー:マティルデ・ヴェーゼンドンク夫人のアルバムのためのソナタ WWV 85
 ベッティ・ショット夫人のためのアルバムブラット WWV 108
リスト:R.W. - ヴェネツィア S201/R82
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」 - 前奏曲(Z. コチシュ編)
 楽劇「トリスタンとイゾルデ」 - 愛の死 S447/R280(F. リスト編)
 エレジー「あこがれ」 WWV 93
新野見卓也(P)
使用楽器:Steinway & Sons,
Hamburg Model D-274

録音:2021年8月3-5日稲城市立iプラザホール,東京
新野見卓也(1988-)はブダペスト在住の新鋭。国際基督教大学、一橋大 学大学院を経て、リスト音楽院に学んだ。本アルバムは、バイロイト詣が生き がいの “ワグネリアン”新野見が、深い共感と洞察をもって奏する、リヒャルト・ ワーグナーへのオマージュです。リスト、コチシュらによるワーグナーのオペラ・トラ ンスクリプション、ワーグナー自身の希少なピアノ曲、リストによるワーグナー追悼 作品を収録しています。新野見の演奏は俯瞰的でスケールが大きく、名人・横 山ペテロの調律と相まって、オーケストラのような色彩感と奥行きを醸し出す。 2021年8月、稲城市立iプラザでのワンポイント録音(エンジニア:北見弦 一)。新野見自身による書き下ろしライナーノーツも必読。「?トリスタン?冒 頭に書き込まれ、日本語ではしばしば「憧れをもって」と訳される Schmachtendという語以上にワーグナーの音楽を表すのにふさわしい言葉 はない。その音楽は、繰り延べられる旋律は、和声の宙づりは、つねになにかに 憧れている」(新野見卓也)

Willowhayne Records
WHR-073(2CD)
NX-C08
バッハ&シーボーン:トッカータとファ
ンタジア

【DISC 1】
バッハ:トッカータ 嬰ヘ短調 BWV 910
ピーター・シーボーン(1960-):トッカータ 第1番
 ファンタジア・ラクリマ(涙のファンタジア)
バッハ:トッカータ ハ短調 BWV 911
シーボーン:トッカータ 第2番
 ファンタジア・トラジカ(悲劇的なファンタジア)
バッハ:トッカータ ニ長調 BWV 912
シーボーン:トッカータ 第3番
 ファンタジア・テネブローサ(闇のファンタジア)
バッハ:トッカータ ニ短調 BWV 913
C.P.E.バッハ:ファンタジア 変ホ長調 H. 348
シーボーン:トッカータ 第4番
 ファンタジア・メディタティヴァ(瞑想的なファンタジア)
バッハ:トッカータ ホ短調 BWV 914
シーボーン:トッカータ 第5番
 ファンタジア・マリンコニア(憂鬱なファンタジア)
バッハ:トッカータ ト短調 BWV 915
シーボーン:トッカータ 第6番
 サラバンド風のアリアと変奏
バッハ:トッカータ ト長調 BWV 916
コンスタンチン・リフシッツ(P)

録音:2021年10月21日-24日スタインウェイ・レコーディング、フルベック、リンカンシャー (UK)
ウクライナ第2の都市ハリキウ(ハリコフ)に生まれたリフシッツ。バッハは当初から重要なレパートリーの一つで、1994年に録音したゴルトベルク 変奏曲は大きなセンセーションを巻き起こしました。これまでにフーガの技法や音楽の捧げもの、ピアノ協奏曲全集などをOrfeoに録音してき たリフシッツの最新作は、2022年5月の東京公演でもとりあげるバッハのトッカータに、イギリスの作曲家ピーター・シーボーンの作品を組み合 わせたもの。リフシッツはこのプログラムで、千変万化する音のテクスチャーとテンポによってピアノ演奏における技巧の魅力と心の深くに訴える 力の両方を伝えることを狙ったそうです。 1曲だけ収録されたC.P.E.バッハのファンタジアもリフシッツの本領が遺憾なく発揮され、大胆かつダイナミックな楽想の変化を聞かせます。

sonorite
SNRT-2202(1CD)
税込定価
Paysage ペイザージュ
プーランク:間奏曲 FP118
プーランク(内藤晃編):愛の小径
フォーレ:言葉のないロマンス Op.17-3
ショパン:ワルツ Op.64-2
セヴラック:「セルダーニャ」より
第2曲「祭?ピュイセルダの思い出?」
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
モンポウ:「風景」より 第2曲「湖」
フォーレ:舟歌 第6番op.70
 ノクターン 第6番Op.63
モンポウ:橋
セヴラック:「休暇の日々から」第1集より 第7曲「ロマンティックなワルツ」
内藤晃(P)

録音:2021年9月7-9日 小樽マリンホール
ソノリテ・レーベルを主宰するピアニスト内藤晃のセルフ・プロデュースによるアル バム第一弾。小樽マリンホールのスタインウェイで奏でる、フォーレ、セヴラック、 モンポウらの詩的な余韻を湛えた佳曲たち。内藤がディレクターをつとめた神谷 悠生の録音セッションの残り時間で“棚ぼた”的に生まれたこのアルバムは、気 負いのない楽器との戯れが心地よい空気を醸し出しています。 アルバムアートワークは、本間ちひろ(詩画家)が内藤の演奏にインスパイア されて描き下ろしたもので、日の出前の地球影を描いたもの。

ヴァリエテ
VA-09005(1CD)
税込定価
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35
ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
浅田 真弥子(P)

録音:2021年12月16日金沢市アートホール
■浅田 真弥子(P) Mayako ASADA, piano
母の手ほどきにより3才からピアノを始め、7 才より武蔵野音楽大学客員教授、クラウス・ カウフマン氏に師事。10才より桐朋学園大学教授、竹内啓子氏に師事。桐朋女子高等 学校音楽科に在学中、中部ショパン学生ピアノコンクール優勝。中日新聞社賞受賞。竹 内啓子氏の薦めにより桐朋学園大学音楽学部演奏学科在学中、フランスに留学。パリ のエコール・ノルマル音楽院にて、ピアノ及び室内楽の高等演奏課程卒業。更に同音 楽院最高課程修了、高等演奏家資格を取得。パリにて、コンクール“FLAME”入賞。同 コンクール審査員長、セルジオ・ペルティカローリ氏に招かれ、奨学生としてモーツァル テウム音楽院夏期講習(ザルツブルク)受講。盛岡青少年国際ピアノコンクール第1 位。 スペインのマリア・カナルス国際ピアノコンクール第3位。イタリアのマルサラ国際ピアノ コンクール第3位、及びセニガリア国際ピアノコンクール入賞。パリのユーハム国際コン クール室内楽部門第1位等、国内外のコンクールに多数入賞。さらにアルトゥール・ルー ビンシュタインの弟子であるユージン・インジック氏のもとで研鑽を重ね、インジック氏か ら驚嘆すべき演奏家であると高く評価されます。 これまでに、故・井上直幸、ヤンシン・アン、ピエール・レアック、ジュヌヴィエーヴ・マル ティニ(室内楽)、故・レオニード・ブルンベルグ、故・ヴェラ・ゴルノスタエヴァの各氏に師 事。2018年に最初のアルバム「リスト/ソナタロ短調」(品番:SHZ-IO2)、翌2019 年に「ド ビュッシー/前奏曲集第1巻・第2巻(品番:SHZ-IO3)」をリリース。

APK RECORD
APK-001(1CD)
税込定価
アラベスク
ドビュッシー:アラベスク 第1番
  前奏曲集 第1巻
 ベルガマスク組曲 - III.月の光
グラズノフ:牧歌 Op.103
ブルグミュラー:18の練習曲 Op. 109- No. 14 ゴンドラの船頭歌
山内敦子(P)

録音:2021年3月5日,3月11日碧南市芸術文化ホール エメラルドホール 愛知
フランスで学び名古屋を中心に活動するピアニスト山内敦子による ファースト・ソロアルバム。近年リサイタルにて取り組み好評を博している ドビュッシーを中心に、音で描かれた風景とも言える作品16曲を収 録。クラシックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、エレクトロニ クス、映像、演劇、映画など多方面とのコラボレーションを積極的に 行っている山内の表現力と世界観、ベーゼンドルファーの多彩な音色 を見事に捉えたアルバムです。また、ブックレットは映像作家の前田 真二郎氏がこのアルバムのために撮り下ろした作品で構成されています。
■山内敦子 Atsuko Yamauchi(piano)
愛知県立明和高等学校音楽科卒業後渡仏し、パリ・エコールノルマル音楽院修了。帰国後、愛知県立芸術大学音楽学部卒業。名古屋音楽大学大学院修士課程修了。第4回ノーヴィ国際音楽コンクール第1位。第5回チェコ音楽コンクール第1位。毎年のソロリサイタルの他、室内楽コンサート、エレクトロニクスや映像作家、ダンサー、俳優との共演など幅広い演奏活動を行っています。

Sono Luminus
DSL-92252(1CD)
NX-B05
ブリテン/コロンビ/サーリアホ/ショウ:無伴奏チェロのための作品集
ジュゼッペ・コロンビ(1635-1694):チャコーナ
カイヤ・サーリアホ(1952-):ドリーミング・シャコンヌ(G. コロンビのチャコーナによる)(2010)
キャロライン・ショウ(1982-):主よ、御身が手に(2009)
サーリアホ:7羽の蝶々(2000)
ブリテン:無伴奏チェロ組曲第1番Op. 72(1964)
トーマス・コチェフ(1988-):カデンツァ(With or without Haydn)(2020)
ハンナ・コリンズ(Vc)

録音:2020年10月1-4日
このアルバムのタイトル「Resonance linces 共鳴線」は物理学用語から採られたものですが、ここでは時代を超 えた作品同士の、また演奏家と作曲家との「共鳴」で生まれた作品群を指しています。サーリアホのドリーミング・ シャコンヌはコロンビのチャコーナによるもの、ショウの曲はタリスのモテットに基づく作品。サーリアホの7羽の蝶々は同 郷のチェリスト、アンッシ・カルットゥネンとのコラボレーションから生まれ、ブリテンの無伴奏組曲はロストロポーヴィチに 触発されて書かれました。コチェフの曲はハイドンのト長調のチェロ協奏曲用のカデンツァとして書かれましたが、この ように独立した作品として演奏することも意図されています。

BRAVO RECORDS
BRAVO-10006(1CD)
税込定価
ザ・ライブ U / 田尻洋一
ベートーヴェン(田尻洋一編):交響曲第3番「英雄」
序曲「コリオラン」*
「エグモント」序曲*
田尻洋一(P)

ライブ録音:(1)2011年9月11日伊丹アイフォニックホール
2012年5月19日いたみホール *
桐朋学園大学卒業後、イディル・ビレット女史の唯一の弟子として研鑽を積んだ田尻洋一。1996年から、作曲家ごとの全曲演奏というユニークなスタイルで活動を開始、2000年以降は、管弦楽曲を自身で編曲したソロを次々とプログラムに取り入れ、通常のピアノ演奏会の枠を大きく超えた新たなジャンルを確立しています。
今回リリースするベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」と「コリオラン」「エグモント」序曲は、2011年から12年にかけて開かれた田尻洋一ベートーヴェン交響曲連続演奏会におけるライブ録音で、第3番は初出、序曲は2020年にOTTAVARECORDSからリリースされたもの(OTTAVA-10004/廃盤)と同一音源です。今回のリイシューに向けて、レコーディング・エンジニアとして名高い藤田厚生氏が入念にリマスタリング、初リリースのときに入っていた不要な会場ノイズなどを出来る限り取り除きました。
田尻洋一は、ライナーノートの中で、第3番の演奏について次のように語っています。『(前略)この作品は、フィナーレに向かって高揚するエネルギーが途絶えることなく上昇していきますが、このトランス状態のような感覚も、狂信的なものではなく、ある種、健康的で道徳的な世界の中にあります。言い換えると、凄まじく高揚する音楽の中に、健全な心が内在しています。これこそが、ベートーヴェン芸術の底力だと実感しています』。
BRAVO RECORDS
BRAVO-10007(1CD)
税込定価
初回特典あり
リリコ・カンタービレ
1. エストレリータ(マヌエル・ポンセ/ヤッシャ・ハイフェッツ)
2. シャコンヌ ト短調(トマソ・ヴィターリ/レオポルド・シャルリエ)
3. 母が教えてくれた歌(アントニン・ドヴォルザーク/フリッツ・クライスラー)
4. G線上のアリア (ヨハン・セバスチャン・バッハ/アウグスト・ヴィルヘルミ)
5. タンゴ ニ長調 (イサーク・アルベニス/フリッツ・クライスラー)
6. 金髪のジェニー (スティーヴン・フォスター/ヤッシャ・ハイフェッツ)
7. 詩曲 (エルネスト・ショーソン)
8. ユーモレスク (アントニン・ドヴォルザーク/ヤッシャ・ハイフェッツ)
9. 思い出 (フランティシェク・ドルドラ)
10. 春の歌 (フェリックス・メンデルスゾーン/フリードリヒ・ヘルマン)
11. ロマンス(映画「馬あぶ」より)(ドミートリイ・ショスタコーヴィッチ/コンスタンティン・フォルトゥナトフ)
12. ツィガーヌ (モーリス・ラヴェル)
13. ロンドンデリーの歌 (アイルランド民謡/フリッツ・クライスラー)
木凜々子(Vn)
木凜々子(Vn)、三又瑛子(P)

録音:2022年1月17, 18, 19日/J:COM浦安音楽ホール
若手ナンバーワンの実力を誇る木凜々子が、最良の伴奏者を得て新アルバムをレコーディングしました。
「シャコンヌ」(ヴィターリ)、「詩曲」(ショーソン)、「ツィガーヌ」(ラヴェル)といった演奏時間10分をこえる大曲から、親しみやすい小品にいたるまで、バラエティ豊かな選曲で、木凜々子の魅力を堪能できます。
演奏楽器はストラディヴァリウス“LordBorwick”(1702)。豊かに響く中・低音と、輝く高音の伸び……、木凜々子が抜群のテクニックと豊かな歌心で、この歴史的名器の魅力を最大限に引き出しています。

レコーディング・エンジニアは、音の名匠・深田晃。あくまでもナチュラルな音響空間の表現と、演奏家の魂に肉迫するような音作りは、録音芸術の粋を堪能させてくれます。
フルカラー・24ページの豪華解説書は、この企画のために新たに撮り下ろした写真を満載、また、木凜々子自身による楽曲解説なども掲載されています。
●初回出荷分のみの特典として木凜々子のサイン色紙【CDサイズ】付!サインは木凜々子のみで色紙はOPP袋で加工し外付けで封入いたします。 (Ki)

RAVO RECORDS
BRAVO-10004(1CD)
税込定価
ザ・ライブ I / 田尻洋一
ベートーヴェン(田尻洋一編):交響曲第2番ニ長調 Op.36
 交響曲第7番イ長調 Op.92*
田尻洋一(P)

ライブ録音:2012年5月19日いたみホール
2012年2月26日伊丹アイフォニックホール *
桐朋学園大学卒業後、イディル・ビレット女史の唯一の弟子として研鑽を積んだ田尻洋一。1996年から、作曲家ごとの全曲演奏というユニークなスタイルで 活動を開始、2000年以降は、管弦楽曲を自身で編曲したソロを次々とプログラムに取り入れ、通常のピアノ演奏会の枠を大きく超えた新たなジャンルを確立し ています。
今回リリースするベートーヴェンの交響曲第2番と第7番は、2012年に開かれた田尻洋一ベートーヴェン交響曲連続演奏会におけるライブ録音で、第2番 は初出、第7番は2020年にOTTAVA RECORDSからリリースされたもの(OTTAVA-10004/廃盤)と同一音源です。今回のリイシューに向けて、レコー ディング・エンジニアとして名高い藤田厚生氏が入念にリマスタリング、初リリースのときに入っていた不要な会場ノイズなどを出来る限り取り除きました。
田尻洋一は、ライナーノートの中で、第7番の演奏について次のように語っています。『(前略)そのような魂の鼓動をベートーヴェンが表現すると、まるで地 球が地響きをたてて踊り狂うような、強力なエネルギーを感じさせる音楽になります。とてつもない熱量を放出する作品で、演奏していても、どんどんエネルギー が 湧 き 出 し て く る 感 覚 が あ り ま す( 後 略 )』。
2000年からプログラムに取り入れた管弦楽曲のオリジナル・ソロ編曲のジャンルでは、2012年にベートーヴェンの全交響曲、19年にはブラームスの全交 響曲、ほかに、「未完成」「新世界」「悲愴」「プラハ」などの交響曲をはじめ、ベートーヴェンの「皇帝」をはじめ、モーツァルト、シューマン、ブラームス、ショ パン、グリーグ、サン=サーンスなどのピアノ協奏曲のソロ編曲版を演奏しています。
ソロをはじめ、室内楽アンサンブル、オーケストラなどへの客演も数多く、日本各地での演奏会は2000回を超える数となり、2010年はアメリカ、2011 年からは毎年2回のペースで欧州リサイタル公演を継続しており、2014年には日本スイス国交樹立150年記念リサイタルに招聘されています。
国際的な活動が認められ、スタインウェイ・ハンブルク本社からスタインウェイ・アーティストの称号を与えられました。 (Ki)

MUSIS
MUSIS-03(1CD)
税込定価
『DREAMING 〜夢みる〜
ヘンデル:チャールズ・クレイ氏の音楽時計のための7つの小品
 1. ソナタ ハ長調 HWV 598
 2. ジーグ ハ長調 HWV 599
 3. 「天使の長行」のためのヴォランタリー ハ長調 HWV 600
 4. エアー ハ長調 HWV 601
 5. メヌエット イ短調 HWV 602
 6. メヌエット イ短調 HWV 603
 7. エアー イ短調 HWV 604
8-12. ジョン・ケージ:トイピアノのための組曲
ハイドン:音楽時計
 13. ハ長調 Hob.XIX:10
 14. ハ長調 Hob.XIX:19
 15. ハ長調 Hob.XIX:20
 16. ハ長調 Hob.XIX:11
17. アントニオ・マルティン・イ・コル(1650-1734):快活なエアー
川口成彦(トイピアノ)
使用楽器…ミシェルソンヌ (30鍵)…1-7、 10、11、13-17
ミシェルソンヌ (20鍵)…8、9、17
ジェイマール (30鍵)…12

録音:2020年3-18日 日本
 歴史的鍵盤楽器との様々な出会いを重ねていく中で、トイピアノの銘器であるフランスのミシェルソンヌ(Michelsonne)の美しい音色に興味を持ち、20鍵 と30鍵のミシェルソンヌを手に入れました。ミシェルソンヌは1939年から1970年にかけて楽器を製造したトイピアノ専門のメーカーで、当時は彼らの広告の 中でも「ベルトーンピアノ(鐘の音を持つピアノ)」と称されました。 この美しい音色と、数少ない鍵盤で私は何をしたいか…と色々考え、主に18世紀に栄えた「音楽時計」のための音楽をトイピアノで弾いてみたい!と思い つきました。ヘンデルやハイドン、W. F. バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンなどが音楽時計のために作品を書いています。「音楽時計」というのは決まった時間 に音楽を自動で奏でる機械仕掛けのオルガンで、偉大な作曲家たちが音楽時計のために特別に作った作品で時間を知ることが出来るなんて、当時の人た ちはなんと優雅なのだろうか!と感じます。今回使用したトイピアノの鍵盤の数で演奏可能だったのはヘンデルとハイドンの作品でした。ヘンデルの作品は当時 のロンドンの時計の名工であるチャールズ・クレイの音楽時計のために作られた7つの小品です。そしてハイドンは30曲以上残された音楽時計のための作品の 中から4曲を選びました。  今回やはりトイピアノのためのオリジナル作品も演奏してみたかったので、その代表作であるジョン・ケージの『トイピアノのための組曲』を収録しました。第1楽 章と第2楽章を20鍵のミシェルソンヌ、第3楽章と第4楽章を30鍵のミシェルソンヌ、そして第5楽章にアメリカ製のジェイマール(Jaymar)を使用しました。フ ランスのミシェルソンヌとアメリカのジェイマールの音色の大きな違いは面白く、トイピアノもなかなか奥深いなと演奏者として感じました。そして鍵盤の数が違う2 台のミシェルソンヌの音色も雰囲気が異なります。 ケージのこの作品はトイピアノでは不可能なほどの強弱の指示が沢山書かれています。その実現困難な指示をケージはあえて書いたわけですが、どうにか実 現してみたくて強弱が比較的付けやすかったミシェルソンヌを5曲中4曲で使用してみました。しかしながら「ベルトーン」の楽器たちの美音よりも、鍵盤のカタカ タというノイズが味のあるアメリカ製の楽器の方がこの組曲との相性は良いのかもしれないと思う部分もあります。けれど全楽章アメリカ製の楽器で行われた録 音は既に出回っているので、今回はミシェルソンヌの音色で奏でられるケージをお楽しみ頂けたらと思います(※5楽章はジェイマールです)。 CDの最後に収録したのはスペインのバロック時代の作曲家マルティン・イ・コルの『快活なエアー』です。この曲では2台のミシェルソンヌを同時に演奏してみま した。約20分の短いCDの小さな小さなエピローグです。 (川口成彦)

Poohs Hoop
PCD-2010(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 塚谷水無子(メロディカ)
使用楽器:Melodicas from the world / Hohner メロディカ、Suzuki メロディオン、Yamaha ピアニカほか

録音:2020年6月12日-10月2日(多重録音)/Pooh's Hoop 八ヶ岳スタジオ(山梨県)
日本語帯・解説付
前回のトイピアノでのゴルトベルク変奏曲【赤盤/2018年録音(PCD-1812)】と同様に、今回はメロディカでバッハのゴルトベルク変奏曲全曲を収録。 2020 年から現在に至るまで世界中がコロナ禍で活動停止してしまいました。ミュージシャンらの音楽やコンサート活動も瀕死の状況に。こんな月日を音楽家は いったいどう過ごせばいいのだろう?どう過ごせというのか?であれば発想を切り替え引き籠ってじっくり時間をかけ何かを創造しよう、、、そこからスタートした のがこの鍵盤ハーモニカ、ケンハモのゴルトベルク変奏曲です。
塚谷は2020年初夏から八ヶ岳山麓のスタジオに延べ5ヶ月間籠り、ゴルトベルク変奏曲という大曲を76台のケンハモに置き換えるために解体し再構築すると いう作業をコツコツと進め、多重録音にて制作。そしてついに完成しました。エディット&マスタリングは生形三郎が手掛けています。 ※鍵盤ハーモニカ(鍵ハモ・ケンハモ):Hohner 他欧米→メロディカ、SUZUKI→メロディオン、YAMAHA 他→ピアニカ、と商品名は様々です。

Poohs Hoop
PCD-2110(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 塚谷水無子(P/ベーゼンドルファー Bosendorfer model225)

録音:2021年10月20-22日立川Chabohibaホール
“ケンバニスト”塚谷水無子。ゴルトベルク変奏曲の演奏と研究をライフワークとし、これまでにリリースした録音は4種類。モーツァルト、メンデルスゾーン、リス トも弾いたといわれる聖バフォ教会のミューラー製作の大オルガンを演奏したアルバム【黒盤/2012年録音(PCD-1204)】はオルガンのアルバムとしては異 例のヒットをとばし、翌年には草苅徹夫製作のポジティフオルガンで演奏したアルバム【白盤/2013年(PCD-1305)】をリリース。その後ブゾーニ編曲版によ るピアノ演奏【橙盤/2017年録音(PCD-1712)】で新たな扉を開き、このアルバムも高く評価されました。ここで終わらないのが“ケンバニスト”塚谷水無子! なんと60台ものトイピアノを用いて演奏したアルバム【赤盤/2018年録音(PCD-1812)】を発表しました。まるでオルガンのレジストレーションを変えるかの ように何台ものトイピアノを弾き分けた当演奏は各誌で話題となりました。
黒盤のリリースから10年。尋常ではないこだわり「形」にしてきた塚谷の注目の新録音はピアノによる「原典版」【青盤/2021年録音(PCD-2110)】!今 回はすべてリピート無しで演奏しており、その演奏はまるでこれまでの歩みを綴るエピローグのよう。これまでの歩みとともに塚谷が一音一音、愛情と魂をこめて 奏でており、この10年間の取り組みと積重ねの集大成と言える当録音は彼女しか表現することのできない実に奥深いものです。
使用楽器は橙盤と同じく立川のChabohibaホールのベーゼンドルファーです。この楽器は92の鍵盤を有し、低音の深さ、高音の美しさが魅力です。「18世 紀の鍵盤奏法と様式と演奏マナーを守り演奏いたしました」と語る塚谷。その奥ゆかしい演奏をご堪能ください。なお、録音エンジニアはOMFレーベル小坂浩徳 が手掛けております。 (Ki)

EDITION ABSEITS
EDA-47(1CD)
クロスロード 〜20世紀の無伴奏チェロ作品集
シャーンドル・ヴェレシュ(1907-1992):無伴奏チェロ・ソナタ(1967)
ウルスラ・マムロック(1923-2016):無伴奏チェロの為の幻想変奏曲(1982)
マルセル・ミハロヴィチ(1898-1985):無伴奏チェロ・ソナタ Op.60(1949)
アフメト・アドナン・サイグン(1907-1991):パルティータ『シラーの追憶に』 Op.31(1955)
ヒナステラ:プネーニャ第2番『パウル・ザッハーへのオマージュ』 Op.45(1976)
アデ ル・ビッター(Vc)

録音:2020年/ベルリン、エミール・ベルリナー・スタジオ
ひとつの地で生活を続けることの出来なかった作曲家が選ばれており、人生と文化が交わるイメージから「クロスロード」と題さ れています。故郷を離れることを余儀なくされた音楽家たちが自らの心に準じた音楽語法を確立することは、新しい何かをまといつつ故郷に戻るということとも言 えるでしょう。チェロの表現力をたっぷりと生かして奏でられる、各作曲家の心の声をお聴きください。

sonorite
SNRT-2102(1CD)
税込定価
シューベルト・アルバム
シューベルト:ピアノ・ソナタ第3番ホ長調 D459
 3つの小品 D946
 アダージョ 変ニ長調 D505
シューベルト(R・シュトラウス編):クーペルヴィーザー・ワルツ
鶴澤奏(P)

録音:2021?年?6?月?23?日??25?日、コピスみよし
使用ピアノ:1982年製ハンブルク・スタインウェイD型
(タカギクラヴィア所蔵)
1994年生まれの鶴澤奏によるシューベルト・アルバム。謙虚で気負いのない自 然体のピアノが、シューベルトの佳曲の魅力を清々しく引き出しており、珍しい D459のソナタを含む選曲もたいへん素敵です。アルバム名のAn die Musik は、シューベルトの名歌曲のタイトルに、鶴澤の信条を重ね合わせたもの。凛とし て純度の高い音楽を奏でる、稀有な新進ピアニストのデビュー盤です。
■鶴澤奏(つるさわ かなで)
高校3年時にピティナ・ピアノコンペティション特級にて銅賞を受賞し、本格的に演 奏活動を始める。2016年に野島稔・よこすかピアノコンクールにて第1位を受賞 した際には審査委員長の野島稔氏から「自分の内にある音楽を極めて自然に 表出し(中略)作為のあとが見えない、けれん味のない音楽がそのまま楽曲の 満ち足りた表現として十分に聴き手に伝わる」と評された。 現在主に日本と北米を行き来しながら活発に演奏活動を行っています。2019年 にはカサルマッジョーレ音楽祭(イタリア)で弦楽器の公式伴奏者を務め、またカ ナダではバンクーバーSOの管楽器首席メンバーらと共演するなど、室内楽 奏者としての信頼も厚い。 菊地麗子、野島稔、清岡登志子、鈴木弘尚の各氏に師事し、東京音楽大学 ピアノ演奏家コースを首席で卒業。在学中ヤマハ音楽奨学金を受ける。2017 年よりバンクーバー音楽院に所属、Lee Kum-Sing氏のもと研鑽を積んでい る。

Virtus Classics
VTS-13(1CD)
税込定価
モダン・エチュード
ストラヴィンスキー:4つの練習曲 Op. 7
シマノフスキ:12の練習曲 Op. 33
ラフマニノフ:絵画的練習曲集 Op. 39
山田剛史(P)

録音:2021年2月16〜18日三重県総合文化センター
ピアノ:Steinway D,-527825
世界各地で芸術的想像力が花開いた1910年前後。この時期に書かれた3人の作曲家による「エチュード=練習曲」を収録した1枚。 冒頭に置かれたのは、1908年、若きストラヴィンスキーによる熱気と興奮が伝わる「4つの練習曲 Op. 7」。そして1916年にシマノフスキが自らの音楽 語法のショーケースとして書いた「12の練習曲 Op. 33」。最後に1916-17年に書かれたラフマニノフの磨きのかかったピアニズムが駆使された「絵画的 練習曲集 Op. 39」。 いずれの曲集も演奏家の指や技術の「練習」のために存在するのではなく、作曲家が、新しい音響、書法、発想を生み出すための「源泉」と捉える山 田剛史の演奏は、各々の曲集の特徴を際立たせながらも純粋に音を紡いでいくという真摯なもの。各々の作曲家たちの想いを秘めた技巧的で複雑 な総譜を、山田は丁寧に読み解き、充実した音楽へと練り上げていきます。山田の個性溢れるイマジネーション豊かな表現が聴き手の耳を魅了しま す。

sonorite
SNRT-2103(1CD)
税込定価
ラヴェル&ファリャ
ラヴェル:前奏曲/ソナチネ
 亡き王女の為のパヴァーヌ
 夜のガスパール
ファリャ:火祭りの踊り(「恋は魔術師」より)
 スペイン舞曲第1番(「はかなき人生」より)
神谷悠生[かみやゆうき](P)

録音:2021年9月、小樽マリンホール
※使用ピアノ:Steinway & Sons, Hamburg Model D-274
神谷悠生は1994年生まれの新鋭。その音楽は、感覚的な色彩美と立体感を 併せ持ち、あたかも音の粒子による工芸品のような趣で、聴き手の五感を刺激し ます。今回のデビューアルバムでも、持ち前の透明なタッチを駆使し、きわめて高 解像度の響きを描き出しており、ラヴェルとファリャの名曲が色鮮やかに躍動しま す。

Finetone
FTM-8057(1CD)
ソリチュード
フェデリコ・モレーノ・トローバ(1891-1982):松のロマンス
アグスティン・バリオス・マンゴレ(1885-1944):フリア・フロリダ、前奏曲 ハ短調、すべての祈り、人形の夢、前奏曲 ト短調 Op.5-1、ワルツ Op.8-3、ワルツ Op.8-4
ソル(1778-1839):練習曲 ニ長調 Op.35-17/練習曲 ロ短調 Op.35-22、練習曲 ホ短調 Op.6-11、メヌエット ハ長調 Op.22、メヌエット ニ長調 Op.11-5、メヌエット イ長調 Op.11-6
グイド・サントルソラ(1904-1994):前奏曲(古風な組曲)
アベル・カルレバーロ(1916-2001):ビダリータの歌、ミロンガ・オリエンタル
マルク・ザイフゲ(G)

録音:2019年9月&2020年8月、ドイツ
地元カールスルーエとケルンの音楽アカデミーで学び、エリオット・フィスクに師事したドイツのギタリスト、マルク・ザイフゲ(b.1956)が、初期と後期ロマン派のギターの為のオリジナル作品からセレクション。センシティヴな前奏曲や瑞々しい練習曲とメランコリックなワルツやメヌエットが組み合わされた、魅惑のギター独奏プログラムとなっています。
ザイフゲはソリストとして、またエストニア室内Oやチェコのシュターミッツ四重奏団など様々な団体と演奏。プロフェッショナルなサウンド・エンジニア、レコーディング・プロデューサーとしても活動しており、このアルバムも録音、編集、マスタリングまですべて自身で行っています。


Treasures
TRE-253(1CD)
ペナリオのドビュッシー
ドビュッシー:前奏曲集(全2巻)
レナード・ペナリオ(P)

録音:1965年3月15,16,26日(ステレオ)
※音源:日Victor SHP-2495-2496(2LP)
◎収録時間:71:48
“過度な緊張から開放したカラフルな前奏曲集!”
■音源について
ペナリオが遺した純クラッシック作品の中でも最も重要な録音の一つ。いわゆる白犬ラベルはどのレコードも微妙にノイズが混入しており、弱音部のニュアンスが削がれるのが難点でしたが、このビクター盤はもちろんその心配はなし。音にも量感があり、打鍵の色彩感と奥行きを十分に伝えてくれます。

★ペナリオが決してライト・クラシック専門のピアニストではないということを証明するのに、これ以上の録音は思いつきません!タッチの色彩の豊かさ、音楽の自然な流れの引き出し方が絶妙の極みで、ただ器用さに任せてレコードを量産していたのではないことは明らかです。
 ドビュッシーの作品は色彩が命とされますが、多くの演奏は色彩の幅はむしろ抑制的で、音楽の流れもガラス細工のような精巧さを目指すあまりどこか硬直し、推進性と大きな呼吸感が減退している気がしてなりません。
 第1巻の第1曲、冒頭の下降音型の温かみ、ハーモニーに細心の注意、音楽を萎縮させずに荘厳さとエレガンスを両立させるあたりに早速唸らされます。第2曲冒頭の32分音符の下降は喋り掛けるように一呼吸で過ぎ去って粋。喋るようなニュアンスは第11曲「パックの踊り」で更に開花。ここではペナリオのポップな色彩とリズムの軽みも最大に作用。続く「ミンストレル」や第2巻の第6曲もアカデミズムに拘泥していては現れようのないコミカルさ。単にリズムを柔軟に崩せばいいというものではないと気付かされます。
 第2巻の第5曲「ヒース」は、旋律美だけに焦点を当てず、りハーモニーから醸し出される色彩の揺らぎの表出が際立ちます。第9曲のストーリー性と壮大さ、第11曲の細かいパッセージにおける蝶や蛾の羽ばたきを思わせる視覚的な描写の的確さ、最後の「花火」等は、瞬発力が不可欠だと再認識。タッチの俊敏さだけではなく、硬軟や温度までも瞬時に対応させるそのテクニックは、真のヴィルトゥオーゾと言えましょう。
 40代の絶頂期にこの録音が行われたことにも感謝。色彩はポップでも、音楽への向き合い方は決して浮つかず、愛で埋め尽くしたドビュッシー。是非ご一聴を! 【2021年11月・湧々堂】


オクタヴィア
OVCT-00191(1CD)
税込定価
2021年11月26日発売
鈴木弘尚〜Etudes symphoniques
シューマン:交響的練習曲(遺作変奏曲つき)、
シューベルト(リスト編):水車屋と小川、
ラフマニノフ:「音の絵」〜Op.33-2/Op.33-7、
 前奏曲Op.32-12、
 幻想的小品集〜Op.3-1/3-2、
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲集
鈴木弘尚(P)

録音:2005年2月1-2日 埼玉・和光市民文化センター・サンアゼリア大ホール
※ハーモニー*HCC-2020からの移行再発売
「鈴木弘尚は、僕がこの数年に聴いた中で、最も天分豊かな他に類を見ないアーティストである。彼の驚くべきテクニックは、その極めて個性的な音楽へのアプローチと見事に調和している。初めて彼を聴いたときに感じたあの鮮烈な喜びを、聴衆が同じように味わってくれることを願う。」 (ミシェル・ベロフ)
作品に対するきめ細やかなアナリーゼ。そして、知的で感性豊かな演奏。鈴木弘尚が描
く世界観は聴く者を惹きつける魅力に満ち溢れ、ピアニズムの極致を聴かせています。多くのファンから再発売を待たれていたデビュー・アルバムと2ndアルバム“RACHMANINOFF”との同時復刻です!(オクタヴィア)

自己を厳しく律して作品の核心に切り込む厳格なピアニズム!第5回浜松国際ピアノコンクールの模様を収録した番組で,、特に心に止まったのが、須藤梨菜とこの鈴木弘尚の演奏でした。鈴木弘尚は見るからにスラッとしたイケメンで、女性の人気をさらう雰囲気十分でしたが、彼の演奏はそんな安易な表面性と全く無縁で、一言で言ってかなりストイック。ただでさえコンクール独特のプレッシャーがあるにもかかわらず、さらに自己を厳しく律して、曲の確信に納得いくまで迫ろうと格闘している姿が強烈な印象を残しました。放映されたチャイコフスキーの第1協奏曲も、曲の華やかさとともに、しっとりとした詩情を切々と通わせ、パワーで圧倒しようなどというそぶりを微塵も見せず、ただ作品に打ち込む姿を見て、自己を追い詰めすぎずに、自分だけの音楽をこのまま育み続けてほしいと願わずにはいられませんでした。それから2年、遂に登場したのがこのデビュー盤。 鈴木がライナーの中で記しているように、自身のライフワークというシューマンの「交響的練習曲」は、最初の主題に全てを集約し尽くそうとする意思が濃厚。最初の和音がゆっくりと下降する際の恐ろしいまでの深み、極めて低速で繊細な呼吸を込め抜くフレージングに完全にそれが反映しているのを目の当たりにして、彼が彼であり続けれくれたことに安堵するとともに、その深い精神的な歌の世界に引きずり込まれてしまいました。第2練習曲では、主旋律を構成する各音が吟味し尽くされ、唐突な激高にも音が割れず、美しいフォルムを維持。この演奏では5つの遺作変奏曲を各曲の間に散りばめる形が取られていますが、その第5変奏の高音域のきらめきは、コンクール時でも感じられたクリスタルな美しさ!この高音域への彼の嗜好が作品の持ち味とぴったり合致した時の見事さを象徴する瞬間です。第11練習曲の深い沈思から終曲へなだれ込む自然さも見事!終曲に入った途端、乱暴なマーチ風にはしゃぐピアニストもいますが、こんなに美しく声部バランスが保たれた演奏を聴いた他に聴いた記憶がありません!またこの終曲では、今まで温存していたかのように低音部の深みと、威圧感の与えない独特の重量感も最大に発揮されているのも印象的です。和音の変幻を心底感じきった「水車屋と小川」の美しさも必聴!ラフマニノフの「エレジー」は、ゴルノスタエーヴァがこの曲を弾くのを聴いてレガートの本質を学んだそうですが、印刷された音符から最大限にイマジネーションを膨らませて、聴き手の心の深部に迫る真のレガートを紡ぎ出す能力は、この1曲だけでも明らか。ヒナステラ(特に「はぐれもののガウチョの踊り」)はパワー全開。しかし豪放で脂ぎったそれではなく、緻密な構築の跡が窺えて、手ごたえ充分です。  【2005年・湧々堂】


アールアンフィニ
MECO-1068(1SACD)
税込定価
伊藤順一/プロフォンド
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調Op.60
 ノクターン 第17番ロ長調Op.62-1
 スケルツォ 第4番ホ長調Op.54
 マズルカ 第11番ホ短調Op.17-2
 ズルカ 第13番イ短調Op.17-4
 バラード 第2番ヘ長調Op.38
 マズルカ 第14番ト短調Op.24-1
 マズルカ 第15番ハ長調Op.24-2
ラヴェル:クープランの墓〜第5曲 メヌエット ト長調
ドビュッシー:アラベスク 第1番 ホ長調
 アラベスク 第2番ト長調
フォーレ:夜想曲 第4番変ホ長調Op.36
 夢のあとに ロ短調Op.7-1(アルトゥーロ・ルツァッティ編)
伊藤順一(P)

録音:2021年6月7日&8日
■デビューアルバムに寄せて
この度、デビューアルバム「プロフォンド」のリリースにあたり、ご尽力頂いた多くの方々に御礼申し上げます。 「プロフォンド」とはフランス語で、深みや奥行きのある、また心底からのという意味があります。奥行きのある立体的な音作りを常に考えなが ら、心底から好きなショパンとフランス作品を収録しました。 私自身、ショパンの作品には幼い頃から触れてきましたが、その作品を愛する気持ちや、作品を通して覚える感銘は年々増しています。と りわけ美しいメロディーや和声に感心することはもちろん、感情を荒げなくとも内に秘めた熱い想いを感じられるショパンの音楽に心を打たれま す。ショパンが過ごしたそれぞれの場所で作られた曲と共に、彼の心に常にあった祖国への深い愛情、各地で過ごした穏やかな日の思い出 などを感じ取って頂ければ幸いです。 アルバムの後半ではフランスを代表する3人の作曲家を取り上げましたが、フランス作品はどれも色彩が非常に豊かで、音から色や絵画、 景色を容易に連想させます。私は8年間にわたりフランスに留学していましたが、ラヴェル、ドビュッシーが暮らした家に足を運び、作曲家本人 が弾いていたピアノに触れたり、家の細かな装飾や周りの風景を感じたり、影響を受けた絵画や思想にも多数触れることが出来ました。この ような経験からフランス作品にも積極的に取り組んでいます。 世界の状況や考え方が大きく変わりつつある今、何百年と変わらず受け継がれてきた美しいピアノ曲で、少しでも安らぎを得て頂けたら嬉 しく思います。  最後になりますが、これまでご指導下さった先生方に心より感謝申し上げます。 【2021年 秋・伊藤順一】

★音楽の様式のみならず「匂い」まで伝える超繊細なピアニズム!伊藤順一が、2021年のショパン・コンクールで2次予選へ進めなかったのはなんとも残念でしたが、このデヴュー盤でも明らかなように、外面的な効果狙いとは無縁の音楽作りはどう考えてもコンクール向きではなく、音楽以外のアピールも含めた「対策」が万全だった2位入賞者は正反対ですが、湧々堂がどちらを推奨するかは言うまでもないでしょう。ここでのショパンの収録曲を見ても、ウケ狙いがまったくないのは一目瞭然。
 まず「舟歌」で、序奏のアルペジオ音型も含めて音の感じ方が尋常でなく繊細なことに驚かされます。主部への引き渡し前に、十分にイマジネーションを溜め込む度量と温かさは、伊藤の人間性を窺わせ、長いトリル後の5:50からの無心で彷徨いながら漂わせる寂しさも、ニュアンスとしてしっかり伝わり、その後はコーダにかけて大柄な造形と色彩美を披露しますが、あくまでも内省的な美しさは絶やしません。
 その内省美にエレガンスが加味された夜想曲も絶品。特に後半、深い沈思のニュアンスを湛えた後のトリルの何と意味深いこと!ショパン晩年の完熟の風情を充分に堪能させてくれます。
伊藤のピアニズムは、音楽の流れが素直で感じ方が純粋なので、表面的なパフォーマンスに響く瞬間が皆無。
 スケルツォ第4番においてはそのピュアな感性が最大に活き、ドラマチックでありながら威圧的な表情を一切見せず、丹念にショパンに寄り添う姿勢そのものも聴き手に安らぎを与えます。溢れんばかりの涙を静かにこらえた中間部の感動は格別!
 そしてマズルカ第13番!この繊細を極めた演奏の真価が、ショパンコンクールの会場の聴衆や審査員に100%感知できるとは到底思えません。しかし、リズムの切れよりも楽想の切なさに徹底的に寄り添う姿勢とその果実こそが伊藤のピアニズムの命なのです!
 陽気な「マズルカ15番」も決して陽気な舞曲ではなく、内声の深部まで感じ切ったニュアンスが結晶化され、芸術的な手応えと味わいが無類です。
 ドビュッシーの「アラベスク第2番」は、師のアンリ・バルダ譲りと思われ清潔なフォルム感の中で、フレーズが丁寧に呼吸。こんなドビュッシー作品集が出たら…と考えただけでもゾクゾクしますが、ゾクゾクどころではないのが、ラヴェル!「クープランの墓」のメヌエットは、正直、涙が止まりませんでした。様々なことがありすぎた年の瀬に聴いたせいもありますが、ペルルミュテールにもフランソワにもない、聴く人の心と共に優しく佇んでくれるこのニュアンスを前に、細部がどうのこうのという説明はもはや不要でしょう。この作品の美しさを際立たせるために策を弄した痕跡が全くない本当の美しさ!伊藤順一は、それを直感的に具現化できる稀有なピアニストだと確信して止みません!【2021年12月・湧々堂】

ANIMAL MUSIC
ANI-096(1CD)
ヴァインベルク:子供の雑記帳(全23曲) アネタ・マイェロヴァー(P)

録音:2021年6月2日/ジシコヴァー・アトリウム(チェコ)
1979年生まれのスロヴァキアの若手アネタ・マイェロヴァーはヴァインベルク作品に情熱を燃やし、2016年にピアノ五重奏曲(ANI-075)をアニマル・ミュー ジックからリリースしていました。今回、ピアノ五重奏曲と同じヴァインベルク初期の力作「子供の音楽帳」に挑戦。
「子供の音楽帳」は1944-5年に書かれた全3巻23曲のピアノ小品集。第2次世界大戦末期の厳しい時代の産物で、子供のピアノ教材的な目的で作られては いますが、ピアノの名手だったヴァインベルクの作だけに要求が厳しく、実際はプロ用の作品といえます。 ★作曲当時、ヴァインベルクはポーランドの親戚縁者すべてをナチスに殺され、自身も生命の危険におびえていました。23曲のほとんどはテンポを表す表記のみ ですが、15曲は「陰鬱な行進」、第23は「葬送」と題され、彼の心情が表されています。
ポーランドの隣国スロヴァキアのマイェロヴァーはヴァインベルクの音楽の持つポーランド性とユダヤ性を肌で理解しているようで、説得力満点です。

Sono Luminus
SLE-70023(1CD)
NX-B05
エレキギター・デュオによるラヴェルとバルトーク
ラヴェル:マ・メール・ロワ(2つのエレクトリック・ギター編)
バルトーク:44の二重奏曲 BB 104, Vol. 3 - 第28番悲しみ(2つのエレクトリック・ギター編)
44の二重奏曲 BB 104, Vol. 1(2つのエレクトリック・ギター編)(抜粋)【第19番 おとぎ話/第33番秋の歌/第22番蚊の踊り/第37番 前奏曲とカノン】
44の二重奏曲 BB 104, Vol. 4 - 第43番ピッツィカート(2つのエレクトリック・ギター編)
ハイ・ロー・デュオ(エレクトリック・ギター)
【メンバー】
ジャック・ペトルッツェッリ
キャメロン・グライダー
数多くのミュージシャンとコラボレーションしてきたギタリスト・作曲家キャメロン・グライダー。もともと地元のシンガーソン グライターと演奏していたグライダーは、クラシック音楽への興味が芽生えたのをきっかけに、音楽理論、ピアノ、指揮 を学び直し、現在は作曲とアレンジの両方面で活躍しています。またグラミー賞ノミネートの経験を持つギタリスト、 ジャック・ペトルッツェリとエレキギターのデュオ「ハイ・ロー・デュオ」を組み、ジャンルを問わない作品を演奏。このアルバ ムではラヴェルとバルトーク作品で斬新なアプローチによる演奏を聴かせます。

SOOND
SND-21017(1CD)
NX-B09
メシアン:『幼子イエスに注ぐ20の眼差し』(1944)よりI. 父の眼差し/XVI. 預言者たち、羊飼いたちと博士たちの眼差し/XVII. 沈黙の眼差し/XIII. 降誕祭/XI. 聖母の初聖体
『鳥のカタログ』(1956-1958)より第3巻 VI. モリヒバリ/第7巻 XIII. ダイシャクシギ/第5巻 VIII. ヒメコウテンシ/第7巻 XI. ノスリ
カッサンドル・マルファン(P)

録音:2021年3月8-10日 アルソニック・ホール、モンス、ベルギー
ブリュッセル出身の若きピアニスト、カッサンドル・マルファンによるメシアン。ピアノの為の代表作である2つの大作から、独自の感性で抜粋、構成しています。


Treasures
TRE-240(1CDR)
ヘブラー/シューベルト:ピアノ曲集
16のドイツ舞曲D.783
楽興の時D.780
ピアノ・ソナタ第21番D.960*
イングリット・ヘブラー(P)

録音:1960年4月、1967年10月22-27日*(全てステレオ)
※音源:日Victor SFL-7992、蘭PHILIPS 839700LY*
◎収録時間:73:00
“「いかにも名演」とは一線を画すヘブラーが目指した無垢なシューベルト!”
■音源について
「ソナタ」以外はあえて日本のビクター盤を採用。日本フォノグラムへ移行する前のビクター盤の音の良さを実感いただけると思います。

★シューベルトの純真さと素朴さをこれほど素のままに届けてくれる演奏も珍しいでしょう。ヘブラーといえばまずはモーツァルト。一般的にはその甘くまろやかなニュアンスが特徴的と受け取られていますが、演奏を聞けば聞くほど、内面に強い芯を湛え、リズムの腰もやや低めに保持されており、それが独特の安定感と平和な空気感を生んでいることを感じます。シューベルトも同じ。歌を意図的に前面には出さず、共感の無理強いもせず、その素直な屈託のない表情にシューベルトの真の姿を見る方も多いことでしょう。
 「ドイツ舞曲」では、ゆったりとした3拍子のリズムを刻む際のタッチの絶妙な粘度にご注目!ヘブラーのあの笑顔を思わせる特有のおやかさは、シューベルトの他の録音でも垣間見られる魅力で、この1点だけでもヘブラーの魅力が「甘さ」だけではないのは明白です。
 「楽興の時」はどの曲も唐突に始まり唐突に終わる印象を与えますが、その構えなのなさがこれまた「ヘブラーのシューベルト」の魅力。第1曲は肩の力の抜け切ったまま滑り出し、それでいて強弱変化への対応は機敏!中間部では楽想の明暗の切り替えも絶妙。暗いニュアンスはより暗く炙り出そうとしがちですが、ヘブラーはコントラスト付けをあえて避け、旋律線の美しさを保持。第5曲は先述の粘度を持つリズムの魅力が一杯。終曲では、ヘブラーのシューベルトに対する思いの全てが凝縮。平板に受け取られ兼ねないことも厭わず、フレーズの息の長さを大切に育み続けることで導き出される音楽は、まさに素顔のシューベルトそのもの!
 作品のありのままの息吹を大切に育むスタンスは、シューベルトの生涯最後のピアノ・ソナタでも変わりません。第1楽章の主題は徹底的に物憂げに、低音トリルは慟哭のように…といったイメージは皆無で、清潔なフォルムの中でただただ美しい旋律が息づくだけ。そこからじんわりと立ち昇る余韻をぜひ感じてください。それだけでは聴き映えがしないとばかりに、意味ありげな表情を加えた瞬間にシューベルトが死んでしまうことをへブラーは直感的に理解していたのでしょう。その点、提示部最後のニュアンスは最大限にコントラストを施しているのが意外ですが、展開部冒頭の沈んだニュアンスとの対比に繋がっており、それが計算なのか偶然なのか分からないのがまた絶妙!5:56以降、上下の声部が付かず離れず意思を交わす様も聴きもの。第2楽章も「これがシューベルトだ」と唸らせる名演。暗闇に閉じ込めすぎない主題もさることながら、中間部3:31からの晴朗さは古今随一で、その無垢な佇まいに涙を禁じえません。とにかく、全身でシューベルトだけを感じたい方必聴!終楽章冒頭0:22からの硬軟入り混じったようなリズムの独特の弾力性も、ヘブラーの音楽を光らせる重要な要素。
 「死」と直結させた解釈が当たり前のように思われているこのソナタ。その路線での感動的な演奏はたくさんありますが、作品の力を信じ切り、邪念を捨てて演奏に臨むことがいかに凄いことであるか、そして「名演らしくない名演」が明らかに存在することをどうか忘れないでください。【2021年10月・湧々堂】

Sono Luminus
DSL-92249(1CD)
NX-B05
白鍵と黒鍵の音
ハチャトゥリアン:バレエ音楽『仮面舞踏会』 - ワルツ
 バレエ音楽『スパルタクス』 - アダージョ(M.キャメロンによるピアノ編)
ピアノ・ソナチネ
 バレエ音楽『ガイーヌ』 - 子守歌(O.レヴァントによるピアノ編)
オスカー・レヴァント(1906-1972):ピアノ・ソナチネ…世界初録音
アール・ワイルド(1915-2010):ガーシュウィンによる7つの超絶技巧練習曲(抜粋)
ガーシュウィン:3つの前奏曲
ラプソディ・イン・ブルー(作曲家自身によるピアノ版)
ハチャトゥリアン:バレエ音楽『ガイーヌ』 - 剣の舞(O.レヴァントによるピアノ編)
ラフィ・ベサリアン(P)

録音:2020年9月14-19日
来日経験も多く、「ホロヴィッツらのロシアンピアニズムの正統を受け継ぐ存在」と『ショパン』誌で絶賛されたアルメニア出身のピアニスト、ラッフィ・ベサリ アンのアルバム。彼の母国を代表するハチャトゥリアンの作品と、彼が愛するアメリカの作曲家ガーシュウィンの作品を軸に、ハリウッド映画に出演したこ とでも知られるオスカー・レヴァントの「ソナチネ」(世界初録音)を配し、名ピアニスト、アール・ワイルドが編曲したガーシュウイン作品による超絶技巧 練習曲を添えた選曲は、現在のベザリアンの実力を余すことなく示すものとなっています。 【ラフィ・ベサリアン】 エレバンの「特別英才児の為のチャイコフスキー音楽学校」で学んだ後、コミタス音楽大学で博士号取得。その後、ローワン大学およびニューヨーク のマンハッタン音楽大学でバイロン・ジャニスに師事。学位を取得後、モスクワ国立音楽院に留学し、アレクセイ・ナセドキン、ヴィクトル・メルジァノフ、ナ ウム・シュタルクマンに師事し研鑽を積む。コンクール優勝歴も多く、ヨーゼフ・ホフマン国際コンクール、フリンナ・アーバーバック国際コンクール、 ニュー ヨーク・アーティスト国際コンクール、MTNAナショナルコンクールなどを制覇。ニュージャージー州のローワン大学音楽学部教授、ウイスコンシン州立大 学音楽学部教授を歴任し、現在ジョージア州立大学アトランタ校音楽学部で後進の指導にあたる。

Sono Luminus
DSL-92251
NX-B05
北欧のピアノ作品集
ラッセ・トゥーレセン(1949-):汚れなき光の祈り Op. 52- 1(2014)
アンナ・ソルヴァルドスドッティル(1977-):スケープ(2011)
ベント・セアンセン(1958-):12の夜想曲より(2000-2014)
カイヤ・サーリアホ(1952-):ピアノの為の前奏曲(2007)
ラミンタ・シェルクシュニューテ(1975-):ファンタジア(1997)
ペトリス・ヴァスクス(1946-):夏の夕暮れの音楽(2009)
トゥーレセン:上昇気流の祈り Op. 52- 2(2014)
イェヴァ・ヨコバヴィチューテ(P)

録音:2019年9月5-7日
北欧とバルト諸国の現代作曲家たちによる、北欧の自然風景、神話、伝説、民謡からインスパイアされた作品 を集めた1枚。シェルクシュニューテの「ファンタジア」を除き、どれも21世紀になってから書かれたものであり、時に は特殊奏法までもが用いられた多彩な作品を楽しむことができます。演奏はリトアニアのピアニスト、イェヴァ・ヨコ バヴィチューテ。五嶋みどりとの共演で日本でも知られる名手です。強靭なタッチから紡ぎ出されるきらめくような 美しい音色が魅力的な演奏です。

BRAVO RECORDS
BRAVO-10003(1CD)
税込定価
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 田尻洋一(P)

無観客ライブ録音:2020年7月28日/兵庫県立芸術センター
2020年、ピアノ独奏によるベートーヴェン:交響曲第7番をリリースして衝撃のCDデビューを飾った田尻洋一。演奏者自身の編曲の巧みさ、面白さに加え、ラ イブならではの壮絶な迫力に満ちた演奏を収めたCDは、各方面で高く評価されました。
今回リリースする作品は、前作とは対照的に、深く、静かに沈潜していく祈りの音楽。コロナ禍のために、ほぼ すべての演奏 会がキャンセルとなった田尻洋一が、 ひとりステージに立ち、バッハ作品との対話をつづけるという、まさに清冽な空気感あふれる作品となっています。
録音は2020年7月、兵庫県立文化センターにおいて、無観客ライブの形で行われました。即興性を重視したライブこそが音楽の真髄と語る田尻ですが、こ の姿勢は録音においても変わることがなく、何度も演奏した中で、よいテイクのみをつないで完成させるセッション録音とは無縁の、まさに一期一会の貴重な演 奏を記録したものとなっています。
悠然として揺るぐことのないテンポ設定、あえて装飾音をできるかぎり使わず、バッハが描く音の原風景に回帰していくような演奏は、予測困難な時代に生き る私たちへ向けての、深い癒しにみちた贈りものと言えます。
ライナーノートは、田尻自身が執筆しており、このCD作品への思いを込めた文章が掲載されています。以下はその抜粋です。 〜(前略)ただ、そのパッセージに宿る人間の細やかで奥深い感情のひだ、いわば、作曲家の喜怒哀楽のようなものを淡々と表現していくだけです。この作品か ら穏やかにこみあげてくる生きることへの喜び、人の愛情に触れたときの心からの微笑み、からだ全体を包み込んでくれる大自然への安堵感、甘酸っぱい思い出 と儚い想い、涙がこぼれそうな哀しみ、そして何よりも敬虔な祈り……、バッハの奥深い感情の流れを感じとる作業に終わりはありません。彼の曲に向き合うた びに生まれる新しい発見、それを音に表すことが、わたしにとって無常の喜びです。バッハの筆致を追いながら、彼のほとばしる感情の流れを現代のピアノでど のように表現するか。そのようなことを思いながらお聴きいただければと思います。 (Ki)

NovAntiqua Records
NA-56(1CD)
無伴奏クラリネットの為の20世紀音楽
オズヴァルド・ラセルダ(1927−2011):メロディア
ストラヴィンスキー:無伴奏クラリネットの為の3つの小品
メシアン:鳥たちの深淵
ケージ:クラリネットの為のソナタ
クラウディオ・サントロ(1919−1989):アメリカのファンタジー
アーノルド:ファンタジー
べリオ:セクエンツァIX
ロナルド・ミランダ(1948−):ルディカT
べリオ:リート(歌)
ガーシュウィン(ルチアーノ編):サマータイム
ルカ・ルチアーノ(Cl)

録音:2020年、ナポリ(イタリア)
イギリスのリーズ音楽大学でクラシック、ジャズ、コンテンポラリーを学び、その全てのジャンルで優秀な成績を収めたイタリアのコンポーザー=クラリネッティスト、ルカ・ルチアーノ。前作の自作自演集「フラグメンツ」(NA28)に続くセカンド・アルバムは、20世紀にクラリネットのために作曲された「無伴奏作品集」!ストラヴィンスキーやメシアン、アーノルド、ケージ、べリオの重要作に、ブラジルの作曲家であるラセルダとサントロ、ミランダの3作品をカップリング。
アンコールとしてルチアーノ自身の編曲によるガーシュウィンの「サマータイム」を収録しています。

EM Records
EMRCD-07071(2CD)
深き淵より
クリストファー・エドムンズ(1899−1990):ピアノ・ソナタ ロ短調(1938)*
エドガー・ベイントン(1880−1956):変奏曲とフーガ ロ短調 Op.1(1898)*
セシル・アームストロング・ギブス(1889−1960):エセックス狂詩曲(1921)*、バラッド 変ニ長調(1940)*
リチャード・パンチェフ(b.1959):ノクトゥルヌスX(2015)*
パリー(1848−1918):シュールブリード・チューンズ(1914)
エドガー・ベイントン:柳(1927)*、
 ザ・メイキング・オヴ・ザ・ナイチンゲール(1921)*
フランク・ブリッジ:ピアノ・ソナタ(1921−1924)
ブリテン:夜の小品(ノットゥルノ)(1963)
リチャード・パンチェフ:ピアノ・ソナタ(2017)*
ダンカン・ハニーボーン(P)

録音:2020年8月20日−21日、ポットン・ホール(サフォーク、イギリス)
*世界初録音
近代イギリスの知られざる作品や新作を続々と送り出しているthe English Music Festivalの自主レーベル「EM Records」より、20世紀から現代にかけて作曲された世界初録音を多数含む、ピアノのための作品集が登場。
1977年イギリス生まれのダンカン・ハニーボーンは近代イギリス音楽やアイルランド音楽のスペシャリストとして非常に高い評価を得ており、このアルバムは正に彼の真骨頂といったところ。ブリッジやブリテンといったイギリスを代表する作曲家の作品から、リチャード・パンチェフのような現在国際的な活躍を見せている現役の作曲家まで、色とりどりのイギリス音楽を質の高い演奏で楽しめるアルバムとなっています。

Sono Luminus
DSL-92247(1CD)
NX-B05
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番- 第3番(ヴィオラ編) ザカリー・カレッティン(Va)

録音:2020年4月29日-5月1日
アメリカのヴァイオリン&ヴィオラ奏者ザカリー・カレッティンによるバッハ:無伴奏チェロ組曲。彼はこの曲に四半世紀かけて取り組む間に、バッハ時代の 楽器・演奏習慣の研究が進んだ事で、自筆譜から見えてくる作品像と自分自身の作品理解の両方に大きな変化を経験したと言います。その思いが 「Metamorphosis 変容」というタイトルに込めらており、また、バッハの研究を長年共にして師と仰ぐ存在であった親友の死や、親族の相次ぐ逝去、そ して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行がもたらした変化などへの思いも込められています。カレッティンにとってそうした変化を可能 にするものが自由であり、ここでの演奏も歴史的奏法を踏まえつつ、大胆な装飾など自由度の高いもの。使用楽器は18世紀のオリジナルで、テナー・ ガンバ用の弓にガットの芯線に金属を巻いた弦を用いています。演奏されているピッチは半音ほど低いものとなっておりますが、ブックレットにはチューニング あるいは移調に関する記載がないため詳細は不明。しかしそれによって、味わい深い音色が紡ぎ出されています。
Sono Luminus
DSL-92245
NX-B05
夜明けへの前奏曲
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004 - V. シャコンヌ(J. ブラームスによるピアノ編)
リーム(1952-):6つの前奏曲〜No. 1:Sehr bewegt/ No. 2:Langsam und ausdrucksvoll
バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV 998
バッハ:目覚めよと呼ぶ声あり BWV 645(F. ブゾーニによるピアノ編)
ブラームス:11のコラール前奏曲 Op. 122 - 第10番わが心の切なる願い(F.ブソーニによるピアノ編)
ブラームス:主題と変奏 ニ短調(弦楽六重奏曲第1番 第2楽章のピアノ版)
ブルース・レヴィングストン(P)

録音:2020年9月3-8日
アメリカを拠点とするピアニスト、ブルース・レヴィングストンのバッハとブラームス、リーム作品を織り交ぜた新アルバム。新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)のパンデミック状況下、レヴィングストンは以前にも増してバッハの作品に魅せられているといい、バッハの音楽が時代を超えてブラームスと リームにインスピレーションを与えたことを、彼らの作品を並べることで確認するかのようです。ここでのレヴィングストンは、晩年のブラームスが書いた哀愁を 帯びたコラール前奏曲「わが心の切なる願い」での諦観や、リームの前奏曲での激しさと穏やかさの対比の妙を感じさせるとともに、バッハの「前奏曲、 フーガとアレグロ」や「目覚めよ、と呼ぶ声あり」などの明るい作品を演奏することで、人々の再生と新しい夜明けを予感させることに成功しています。


Treasures
TRE-260(1CDR)
フー・ツォン〜若き日のショパンVol.1
バラード(全4曲)/子守歌Op.57
夜想曲Op.15-2/ピアノ・ソナタ第3番*
フー・ツォン(P)

録音:1959年、1959年2月*(全てモノラル)
※音源:英WRC TP-48、英MFP MFP-2026*
◎収録時間:73:49
“歌に必ず詩情が寄り添うフー・ツォン独自のピアニズム!”
■音源について
フー・ツォンのショパンは1977年録音の「夜想全集」が最も有名ですが、その名演は決してにわかに実現したものではないことは、それ以前の録音を聞けば明白で、この1959年の録音も例外ではありません。

★バラードもソナタも作品の構成感を意識した演奏が多い中、フー・ツォンはあくまでも作品に宿る精神を丹念に抽出することに専心し続けます。
 バラード第1番冒頭部の含蓄力は数多の名演の中でもよ突出しており、4:40からの高揚でも、フレーズの根本を見つめつつ、単なる開放感への邁進ではない憂い感じさせます。曲の終盤はもっとヴォルテージ全開の演奏もありますが、特にコーダで顕著なように、音同士の間合いに言葉にならない声が充満しているのです。第3番、4:12からの絶妙で集中力に満ちたルバートから気品が溢れる様は、フー・ツォンの人間そのものを映すかのよう。コーダでは盤石の技巧で華やかな空気を広げますが、技術力も明るさも決して表面化せず、得も言われぬ聴後感。痛快さとは無縁のこのニュアンスをご堪能下さい。第4番は全4曲の中でも白眉!序奏の8分音符の音価が均等ではなく、フー・ツォンのイマジネーションが並外れていることを象徴。したがって、第1主題の変奏も単調さとは無縁。2:32以降の深いニュアンスは比類なく、展開部に至っては、これ以上表出不可能なほどの深遠さに息を呑むばかり。8:38からの緊密な音の連動力と育み方が天才の閃きに満ち溢れているのです。
 「子守歌」は、単純な旋律が大きな変化を見せないにもかかわらずニュアンスの豊穣さを感じさせ、なおかつ作品全体の密やかなニュアンスも保持するという奇跡の技!シンプルな低音部の静かな発言力にもご注目を。
 作品の構成を重層的築くのではなく、歌を貫くことで結果的に作品のフォルムを形成させるフー・ツォンの特質が最も発揮されているのが、ピアノ・ソナタ第3番。これも同曲屈指の名演であることは疑いようもありません。
 第1楽章第2主題は、幸せそのものの表現ではなく幸福への憧れであり、その儚さまでも予見するかのようなニュアンスが他の誰に可能でしょうか?2:15から数秒間の美しさや、2:58からのペダルを抑制したタッチの可憐さも例えようのない素晴らしさ!第2楽章はフー・ツォンの技巧力の凄さを痛感。トリオ以降の畳み掛けは、フー・ツォンには珍しい現象と言えますが、それが表面的に終止することがないのは言うまでもなく、テクニックとニュアンス完全に合体しているので、手応えも格別です。第3楽章(ラルゴ)のでは、音の空間に隙間風が通ることなく歌が充満。弱音に頼らずにむしろ音の輪郭を明確にしながら濃厚なロマンを敷き詰める確信的なアプローチを知った後では、他の演奏が感覚美に終止しているように思えてしまいます。
終楽章では更にタッチを深くし、リズムの重心も低く保って、リリカルな作品でこそ真価を発揮すると思われがちなフー・ツォンの重量級の妙技を披露。特に3:46からのテーマの再現で見せる濃密なうねりは意外さとも相まって強烈な印象を残し、盤石な安定感を誇るコーダまで緊張の糸が途切れません。
 決して録音は多いとは言えないフー・ツォンの命は、2020年12月に新型コロナウィルスが奪ってしまいましたが、繊細さと豊かさを兼ね備えたその稀有なピアニズムがメジャーレーベルのビジネスに餌食にならなかったのは、芸術家としては幸福だったかもしれません。【2021年7月・湧々堂】

The Lost Recordings
(Fondamenta)
TLR-2103039(1CD)
未発表ベートーヴェン・リサイタル1959
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番「告別」 変ホ長調 Op.81a、
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110、
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」 ヘ短調 Op.57
クラウディオ・アラウ(P)

録音:1959年3月12日、ベルリン音楽大学(ドイツ)〔モノラル〕
フランスのレーベル "Fondamenta" が貴重音源を高音質に復刻するシリーズ「The Lost Recordings」が、レーベル名も「The Lost Recordings」へと変えて始動。今回は20世紀を代表するピアニスト、クラウディオ・アラウの未発表リサイタル音源です。しかもアラウが得意としたベートーヴェン。ベルリン放送のアーカイヴにて発見された貴重な音源を、「The Lost Recordings」自慢の「Phoenix Mastering」(※)によって鮮やかに蘇らせました。
1903年チリに生まれたアラウは、ベルリンへ留学後マルティン・クラウゼに師事。1927年にはジュネーヴ国際ピアノ・コンクールにて第1位を獲得。ベートーヴェン、シューベルトなどを得意とした、20世紀を代表するピアニストのひとりです。
1959年3月12日にベルリンの音楽大学にて行われた演奏会で、アラウはこの時、56歳。まさにキャリアの頂点を迎えていた時期のリサイタルで、その演奏は最初から最後まで緊迫感あふれるものとなっています。特に「告別」での表現力の高さは素晴らしく、その完璧に習得されたフレージングと重厚な音は、アラウ・ファン、ベートーヴェン・ファンならずとも必聴の1枚です。また1962年からスタートするベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を録音する直前の演奏という点も注目です。
※「Phoenix Mastering(フェニックス・マスタリング)」とは、フランスのオーディオ・メーカー "Devialet(ドゥヴィアレ)"のテクノロジーを駆使して開発した、アナログ録音の正確な復刻を可能にする独自の復元プロセスです。

NovAntiqua Records
NA-28(1CD)
フラグメンツ〜ルチアーノ:クラリネットの為の室内楽作品集
ストラヴィンスキーの「3つの小品」による即興的変奏曲/2つのオマージュ的小品/2つの現代的練習曲/幻想曲/断章/蚊/3つのディヴェルティメント/4つのディヴェルティメント
ルカ・ルチアーノ(Cl)

録音:2007年−2015年
イギリスのリーズ音楽大学においてクラシック、コンテンポラリー、ジャズの各ジャンルで高い学術的地位を授与されたイタリアのコンポーザー=クラリネッティスト、ルカ・ルチアーノの自作自演集。
英国クラリネット&サクソフォン協会からは「現代クラリネットの顔としての地位を確立した」と称されるなど絶賛されている実力者です。
NovAntiqua Records
NA-25(2CD)
バッハ:リュート独奏の為の作品全集
ソナタ第1番ト短調 BWV.1001/前奏曲ハ短調 BWV.999/組曲ト短調 BWV.995/前奏曲、フーガとアレグロ変ホ長調 BWV.998/組曲ハ短調 BWV.997/組曲ホ短調 BWV.996/組曲ホ長調 BWV.1006a
アルベルト・クルニョーラ(Lute)

録音:2016年6月18日−23日、サン・ピエトロ・エ・ミケーレ教会(ピサ、イタリア)
イタリアのリュート界の世界的巨匠、アルベルト・クルニョーラによる、「リュート組曲」を含むバッハのリュート独奏作品の全曲録音!
パオロ・ケリーチやエドゥアルド・エグエスといった巨匠たちの薫陶を受け、1996年から2010年まで中世&ルネサンス音楽の演奏を目的とするフロリレジオ・アンサンブルのメンバーとしても活躍したクルニョーラ。
このバッハのリュート独奏作品全集はクルニョーラ自身の演奏活動の集大成として、同時に新たな音楽探求の第1歩として録音された同氏にとって記念碑的録音となった名演です。
プロデューサーとエンジニアは旧シンフォニア・レーベルのロベルト・メオとシグリット・リーの2人が担当。イタリア古楽界の伝説的レーベルの流れを汲む味わい深きバッハ・アルバムです。


Musica Viva
MV-127(2CD)
+
1Bonus DVD-PAL

国境を越えたモーツァルト
モーツァルト:交響曲第29番イ長調 K.201
ピアノ・ソナタ第8番イ短調 K.310
幻想曲ハ短調 K.475/幻想曲ニ短調 K.397
ピアノ・ソナタ第17番ニ長調 K.576
モルガン・イカルディ(指&P)、
モーツァルト・アクロス・バウンダリーズ・オーケストラ

録音:2020年10月−11月、APMスタジオ(サルッツォ、イタリア)
Facebookでは20万人以上という驚異的な数字のフォロワーを持つイタリアの神童にして14歳の天才指揮者、モルガン・イカルディのデビュー・アルバムとなるモーツァルト作品集「国境を越えたモーツァルト」が登場!
家族の仕事で引っ越していたアメリカ、ロサンゼルスから8歳の時にイタリアへと帰国したイカルディは、数多くの名手を育てた名教師アンナ・マリア・チゴリにピアノを師事。
瞬く間にピアニストとしての成長を遂げたイカルディは12歳でオヴィデュー・バランが指揮するルーマニアのバカウSOのソリストとして共演しモーツァルトの「ロンド K.386」を弾いた際、その演奏の中で指揮者の担う役割に心を打たれ「指揮者」の道を目指すことを決心します。
ウンブリア州で25年以上に渡り指揮法を指導してきたファブリツィオ・ドルシに師事したイカルディは2019年にモーツァルトの「ディヴェルティメント ヘ長調 K.138」で指揮者デビューを果たします(ちなみにイカルディは当時12歳。モーツァルトが「K.138」を作曲した時よりも4歳も年下でした)。
現在はミラノ市立クラウディオ・アバド音楽院のオーケストラ指揮科でレナート・リヴォルタに指揮法を師事するのと同時、指揮者としての成長のためにヴァイオリン、フルートも学ぶなどその音楽にかける熱意には驚かされます。
すでに指揮者としてのオーラを纏い、カリスマ性を発揮しているイカルディは今回の「交響曲第29番」のレコーディングのために編成されたオーケストラを完全に掌握。驚くべき完成度の演奏を披露してくれています。
彗星のごとくクラシック界に現れ、圧倒的な存在感を放つ天才コンダクター=ピアニスト、モルガン・イカルディの堂々たるデビューアルバムにどうぞご期待下さい!話題必至!

Willowhayne Records
WHR-066(1CD)
『エンゲルブルク・エクスペリエンス』〜エンゲルブルク修道院のオルガン
ロッシーニ:歌劇「ウイリアム・テル」序曲
バッハ:「羊は安らかに草を食み」 (カンタータ BWV 208 より)
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第8番Op. 46 No. 8
ビゼー:『子供の遊び』 より
スーザ:ワシントン・ポスト
バッハ:バディネリ (管弦楽組曲 第2番BWV 1067 より)
リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
ジェナロ・コディーナ:「サカテカス」 メキシカン・マーチ
ポンセ:間奏曲 第1番
ゼキーニャ・ジ・アブレウ:ティコ・ティコ
ポンセ:ガヴォット
スーザ:星条旗よ永遠なれ
アルフォード:「ボギー大佐」と「サントロペの憲兵」
ヘンデル:『王宮の花火の音楽』 より
ホセ・パブロ・モンカーヨ:ウアパンゴ
ゴットシャルク:トーナメント・ギャロップ
※全てマルクス・キューニスによる編曲
マルクス・キューニス(Org)

録音:2019年10月7-9日 エンゲルブルク修道院、スイス
スイスはエンゲルブルクの修道院にある、4段鍵盤137ストップ、9000ものパイプを持つゴル・オルガンを用いて、管弦楽の名曲からラテン・ナンバーまでを縦横無尽に弾いたアルバム。

QUEEN ELISABETH COMPETITION
QEC-2021(4CD)
NX-E07
『エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ部門2021』
【CD 1】
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op. 83
(2) ブルーノ・マントヴァーニ:妖精の庭から
(3) ピエール・ジョドロフスキ:夜想曲
【CD 2】
(1)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op. 30
(2) シューマン:ピアノ・ソナタ第3番へ短調(管弦楽のない協奏曲)Op. 14
(3)ショスタコーヴィチ:プレリュードとフーガ 変ニ長調 Op. 87-15
【CD 3】
(1) モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(2) モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
(3)ラモー:ガヴォットと6つのドゥーブル
【CD 4】
(1) リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
(2) ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op. 24
(3)ショパン:夜想曲第17番ロ長調 Op. 62-1
(4) ドビュッシー:レントより遅く
【CD 1】
(1)ジョナタン・フルネル(P)
(2) セルゲイ・レドキン(P)
(3) ジョナタン・フルネル(P)
【CD 2】
(1)セルゲイ・レドキン(P)
(2) ドミトリ・シン(P)
(3) 務川慧悟(P)
【CD 3】
(1)ヴィタリ・スタリコフ(P)
(2)務川慧悟(P)
(3)務川慧悟(P)
【CD 4】
(1) 阪田知樹(P)
(2) ジョナタン・フルネル(P)
(3)ジョナタン・フルネル(P)
(4)セルゲイ・レドキン(P)
ヒュー・ウルフ(指)ベルギー国立O
フランク・ブラレイ(指)ワロニー王立室内O

<エリザベート王妃国際音楽コンクールにおけるライヴ録音>
2021年5月10,12-15日 ブリュッセル、フラジェ、スタジオ4、2021年5月27日、29日 ブリュッセル、パレ・デ・ボザール
5月29日(日本時間30日)に閉幕したばかりのエリザベート王妃国際音楽コンクールから、熱演を収めたライヴ盤が早くも登場! エリザベート王妃国際音楽コンクールは、チャイコフスキー・コンクール、ショパン・コンクールと共に「世界三大コンクール」と呼ばれる屈指の名門 コンクール。前身のウジェーヌ・イザイ・コンクール時代を含めれば、ピアノ部門の優勝者には、エミール・ギレリス(1938)、レオン・フライシャー (1952)、ウラディーミル・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、フランク・ブラレイ(1991)、アンナ・ヴィニツカヤ (2007)、デニス・コジューヒン(2010)、ボリス・ギルトブルク(2013)など、錚々たる顔ぶれが並びます。 2021年のピアノ部門は、当初予定の2020年から(新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で)1年延期されて開催。パンデミック 後に開催される最初のメジャー・コンクールとして大きな注目を集めました。日本でも、ともに愛知県出身の務川慧悟と阪田知樹が入賞した ことから新聞・テレビで紹介されたので、ご覧になった方も多いと思います。 このアルバムにはセミ・ファイナルとファイナルから、入賞した6人のピアニストによる選りすぐりの演奏が収録されています。難関で知られるコン クールだけに、今年の入賞者6名は、すでにプロとしてのキャリアを築いている実力者が揃い、非常にハイ・レベルな演奏が繰り広げられまし た。 無観客で行われたので、演奏終了を待ちきれずに拍手が沸き起こるといった場面はありませんが、それだけに集中して聴けて余韻まで味わえ るのは2021年ならでは。どの演奏も高水準ですが、フルネルとレドキンは流石にどの曲も立派。そして第3位となった務川慧悟が弾くモーツァ ルト最後のピアノ協奏曲、第27番の味わい深さが印象的で、ラモーで聴かれるセンスもさすがです。フランツ・リスト国際ピアノ・コンクールの優 勝者、阪田知樹(第4位)の鬼気迫るロ短調ソナタも大きな聴きもの。 CD1の6はセミ・ファイナルの、5はファイナルのための新作課題曲です。

BRAVO RECORDS
BRAVO-10002(1CD)
日本語帯・解説付
税込定価
「1122」〜ニコライ・カプースチン:4手のためのピアノ作品集
スリー・フォー・トゥー〜2台ピアノのための3部作 Op.145*
連弾のためのカプリッチョ Op.146 *
ディジー・ガレスピーの”マンテカ”によるパラフレーズ Op.129
2つの楽章からなる協奏曲(P連弾版) Op.30
シンフォニエッタ Op.49
piaNA=ピアーナ(西本夏生、佐久間あすか)

録音:2020年10月2日、12月4日/五反田文化センター 音楽ホール
*=世界初録音
ニコライ・カプースチン(1937-2020)は、ウクライナに生まれの作曲家でピアニスト。モスクワ音楽院在学中にラジオで聴いたアメリカのジャズ音楽に興味を 持ち、クラシック音楽を土台にしつつ、ジャズの要素を取り入れた独自のサウンドを追究し始めました。のちに多くのピアニストが彼の作品を演奏するようになり、 その名は一躍世界にとどろくようになりました。
カプースチンの作品をライブなどで取り上げてきたピアノ・デュオ piaNAは、カプースチンと親交を深める中で、作曲家本人から2つの作品を献呈されるという 栄誉に輝きました。惜しくも、カプースチンは昨年世を去りましたが、献呈作品の世界初録音を含む4手ピアノの作品集が、piaNAの演奏で、ついに完成しました。
西本夏生はスペインに留学し、当地で本格的にクラシック音楽を学びました。古典から現代まで、幅広いレパートリーを持ち、コンクールでの入賞経験も多く、近 年はスペインの作曲家、パスカル・ヒメノの作品集をリリースしています。一方の佐久間あすかも子供時代からヨーロッパや日本で数々のコンクールを踏破したあ と、一旦はジャズやポップスの道に進みましたが、それらの経験を活かし、再びクラシックの世界に戻ってきた俊英ピアニスト。まさに、カプースチンの演奏にはうっ てつけのデュオと言えます。 録音はコロナ禍の中、2020年の10月と12月に慎重な感染対策を施した上で行われ、音の名匠・深田晃氏による透明感あふれる素晴らしい音響に圧倒され ます。 (Ki)

Prima Classic
PRIMA-008(1CD)
ふたつの世界〜ドビュッシー&ガーシュウィン:ピアノ作品集
ドビュッシー:子供の領分 L.113, Y
ガーシュウィン:ソング・ブック より ドゥ・イット・アゲイン、オー・レディ・ビー・グッド、スウィート・アンド・ロウ・ダウン
ドビュッシー:版画 L.100 より パゴダ、グラナダの夕べ、雨の庭
ガーシュウィン
:ソング・ブック より 素敵な気持ち、アイル・ビルド・ア・ステアウェイ・トゥ・パラダイス、誰かが私を恋している、アイ・ガット・リズム
ドビュッシー:西風の見たもの、亜麻色の髪の乙女
ガーシュウィン
:ピアノのための7つの前奏曲
ドビュッシー:喜びの島 L.106、月の光 L.75
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(アンドレイス・オソキンス編曲によるピアノ独奏版)、私の彼氏(アンドレイス・オソキンス編曲による左手独奏版)
アンドレイス・オソキンス(P/スタインウェイD)
ラトビアを代表する名手、アンドレイス・オソキンスが奏でるドビュッシー&ガーシュウィン・アルバム。オソキンスは、5歳でピアノを始め、14歳の若さでソロ・リサイタルを開催。これまでに第5回国際ドイツ・ピアノ賞で聴衆賞を受賞、2012年のダブリン国際ピアノ・コンクール第3位、リーズ国際ピアノ・コンクール第4位、2014年のアルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクール第4位など、数々の著名なコンクールで上位入賞を果たしています。
当アルバムでは、20世紀前半の同年代を生きた、ドビュッシー(フランス)とガーシュウィン(アメリカ)、それぞれの作風が多大な影響力を誇った作曲達の名作をカップリング。ドビュッシーの色彩感に溢れた作品、ガーシュウィンのジャズとクラシックの融合が生んだ作品、それぞれの魅力をオソキンスの繊細なタッチと磨き上げられた素晴らしい音楽性で描きます。アルバムの締めを飾る、オソキンス自身がアレンジを行った、管弦楽の厚みをピアノ独奏版に凝縮した 「ラプソディ・イン・ブルー」 、 片や、左手のみで奏でる 「私の彼氏」 の圧倒的テクニックとその表現力の広さは、ピアノ関係者だけでなく、アレンジ・ファンも唸らせること間違いないでしょう。

2L
2L-163SACD(1SACD)
おとぎ話
ゲイル・トヴェイト(1908-1981):風神の竪琴(1945)
クリスチャン・シンディング(1856-1941):ピアノ・ソナタ ロ短調 Op.91(1909)
アルフ・フールム(1882-1972):おとぎ話の国 Op.16[魔法にかけられた庭で/王女さまが金のリンゴで遊んでいる/三匹のトロル/雪やこんこん/鬼の宴/オーロラの娘たち]
グリーグ:バラード ト短調 Op.24(1875-76)
クリスチャン・グローヴレン(P)

録音:2019年11月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
ノルウェーの人たちは “eventyr” という言葉を聞くと、おとぎ話、冒険談、民話、幻想物語といったことを思い浮かべると言います。ノルウェーのピアニスト、 クリスチャン・グローヴレンは、このアルバムで、トヴェイト、シンディング、フールム、グリーグの作品を弾きました。「彼らの、狂気じみていたり、美しかったり、 悲しみと喜びにあふれ、魔法と愛がいっぱい『物語』と向き合っていること、それ自体が冒険の物語だった」と彼は語ります。「故郷に帰ったような気分だ」。
ゲイル・トヴェイト(ガイル・トヴァイト)(1908-1981)の「風神の竪琴」は、イェールハルド(ゲルハール)・ムンテの絵からインスピレーションを得て作曲さ れた作品です。「…翼をつけた竪琴が、荒れる海を渡ってゆく、空高く、煌く星を弦(つる)にのせて」。フランス印象主義、とりわけラヴェルの「夜のガスパール」 の影響が明らかな手法で書かれた、「険しい崖、深いフィヨルド、荒れた天気、そして、雲間から差し込む光がなによりも美しい、ノルウェー西岸を想起させる音 楽」(グローヴレン)。手稿譜の日付は「1945年6月22日」。トヴェイト自身の1949年の録音(Simax PSC1805)は、彼の「私的」な版で演奏されたため、初稿 を弾いたこの演奏がこの作品の事実上初めての録音です。
クリスチャン・シンディング(1856-1941)の「ピアノ・ソナタ ロ短調」は、1909年の作品です。シンディングの特徴が顕著に表れ、「「春のさざめき」という、たっ たひとつの作品でほとんどの人に知られている」彼の代表作のひとつとされています。「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」「アンダンテ」「ヴィヴァーチェ」の3楽章 の構成。この作品をグローヴレンは、この作品を「シンディングの吠え声」と呼び、「私にとっては、ヴァイキング船、大きく膨らんだ帆、ヴァイキングたちの略奪 と英雄的な行動という『サガ』のスタイルの作品」と語っています。アルフ・フールム(1882-1972)も、トヴェイトと同様、フランス音楽の影響を受けたひとりで す。1920年の「おとぎ話の国」は、妖精やトロルなどノルウェーの伝説を題材にした作品で知られるテオドール・キッテルセンの絵画に通じる雰囲気をもち、画 家でもあったフールムの「音の描画」と呼べる作品です。
エドヴァルド・グリーグの「バラード」は、1876年春、彼がさまざまな苦難をかかえていた時期に作曲されました。悲しい音調のヴァルドレス の民謡「北国の農民」を主題にした「変奏曲」の形式で書かれ、技術的、表現的なチャレンジと「冒険」を克服してはじめて、聴き手の心をとらえる輝かしい音楽 として示される作品です。グローヴレンをはじめとする多くのピアニストたちから、ノルウェーのピアノ音楽でもっとも重要な作品とみなされています。
クリスチャン・グローヴレン(1990-)は、ベルゲン生まれ。イジー・フリンカに教わった後、ノルウェー国立音楽大学でホーヴァル・ギムセとラーシュ・アンデ シュ・トムテルに学びました。ウィーン国立音楽大学に留学、王立デンマーク音楽アカデミーではイェンス・エルヴェケーアのソリスト・クラスで学んでいます。 ノルウェー国内の「青少年音楽コンペティション」には三度出場、第1位をソリストとして二度、室内楽奏者として一度獲得。ベルゲン・フィルハーモニックと共 演した2007年の回には「聴衆賞」に選ばれました。『おとぎ話』は、配信だけの『Bach - Inside Polyphony』(2L139)に続く彼のアルバム第2作です。グロー ヴレンが29歳だった2019年11月、ソフィエンベルグ教会でセッション録音されました。 (Ki)

MUSICAPHON
M-55726(1CD)
現代作曲家たちによる、ギター・ソロ作品集
アロイス・ブローダー(1961):輝く、光
ディーター・マック(1954):Saitenlinien
ウルリッヒ・ライエンデッカー:(1946):3つの夜想曲
マイケル・ウォーレン・バレット(1987):オーシャン・スティル
シドニー・コルベット(1960):Gertrude's Delirium
ティモ・ユーコ・ヘルマン(1978):オルフェオのリラ
マクシミリアン・マンゴールド(G)

録音:2016年7月 Auferstehungskirche Schwabisch Hall (ドイツ)
ドイツ人ギター奏者、マクシミリアン・マンゴールドによる現代作曲家によるギター・ソロ作品集。マンゴールドはGFA(アメリカギター財団)国際ギターコンクールをはじめとして、数々の受賞歴を持ち、古典やスペイン音楽など幅広いレパートリーを持っています。その中でも特に現代作曲家の作品に注力してきました。作曲家からも絶大な評価を受けており、今回のアルバムは、すべて彼のために作曲されたものです。いま最も注目すべきギター奏者の一人といえます。

OMF
KCD-2091(1CD)
税込定価
あなたとわたし〜スパニッシュギター秘曲集
ファリャ:讃歌「ドビュッシーの墓に捧げる」
フェレール(1835-1916):君がいない 作品61
 夜の深想 作品44
プラッテン夫人(1821-1895):人生のエピソード
 哀しみ/失われた愛/屋嘆き
タレガ:モーロ風舞曲
 アラビア風奇想曲(セレナーデ)
バリオス(1882-1964):オリーブの木立
 グラナダの花
 アルハンブラの小川/ 思い出
 トナディーリャ
カリェーハ(1891-1950):ロマンサ 作品62
ブロカ(1805-1882):黄昏
ソリア(1851-?):ラ・マンチャのセギディーリャ
 タンゴ
ウエルタ(1804-1875):悲しい思い出 作品62
アルカス(1832-1882):ボレロ
ボッシュ(1826-1895):パッサカリア
 モーロの嘆き 作品85
ヒメネス=マンホン(1866-1919):あなたとわたし(デュエット)
富川 勝智(G)
使用楽器:Arcangel Fernandez (1997)

録音:2020年10月4日-8日稲城市立iプラザ ホール
フランシスコ・タレガ。フェレール、ボッシュ、マンホン、プラッテン夫人など、近代ギター奏法の父と呼ばれる彼と同時代に 活躍したギタリスト達の作品を通じて、“スパニッシュギター” におけるロマン派音楽がどのような変遷を遂げたかを見ていく。 “スパニッシュギター” のロマン派は試行錯誤の連続であった。彼らの作品には必ずギターらしさが存在し、それは“スペイン 的なもの” と同義であった。彼らが求めた“スパニッシュギター” 音楽の書法や美学はその後も“ギターらしさ” として命脈を保 ち続ける。 マヌエル・デ・ファリャによる“ギタリスト以外による初の本格的なギター作品”(讃歌『ドビュッシーの墓に捧げる』)の登場 によって、クラシックギター音楽は20 世紀以降、数多くの近現代作品が生み出されます。だが、このファリャでさえも、この時 点までにギタリスト作曲家達が目指してきた“スパニッシュギター” の美学を忘れてはいない。 近現代以降のクラシックギターというジャンルを理解する上でも、タレガとその前後の時期に活動したギタリスト達の作品を 知ることは必須です。彼らの葛藤と試行錯誤の過程こそが、近現代ギター音楽への「道しるべ」となったのだから……

Musica Viva
MV-120(5CD)
ドビュッシー:ピアノ独奏作品全集
■CD1
3つの映像/映像第1集
映像第2集/ボヘミア舞曲
スラヴ風バラード
スティリー風タランテラ
ロマンティックなワルツ/マズルカ
アルバムの1ページ
■CD2
ベルガマスク組曲/おもちゃ箱
夜想曲/マスク/喜びの島
■CD3
組曲「子供の領分」/ピアノのために
版画/夢
かわいい黒人の子供
ハイドンを讃えて/レントより遅く
英雄の子守歌/スケッチ帳より
■CD4
前奏曲集第1巻/練習曲集第1巻
アラベスク第1番/アラベスク第2番
■CD5
前奏曲集第2巻/練習曲集第2巻
イェルク・デムス(P)
パウル・バドゥラ=スコダとフリードリヒ・グルダとともに「ウィーン三羽烏」と称され、2019年に90歳でこの世を去った巨匠イェルク・デムス(1928−2019)。
1956年のブゾーニ国際ピアノ・コンクールで優勝を果たし世界的ピアニストとしての名声を確立したデムスが生前に遺した名演の中で、代名詞的存在であるシューマンの全集、
バッハの一連の録音と並ぶ代表的名盤として知られる「ドビュッシーのピアノ独奏作品全集」がイタリアのMusica Vivaレーベルから復刻となりました。
同世代の独墺系ピアニストの中でも一際ドビュッシーの音楽に情熱を捧げ続けたデムス。ドビュッシーへの愛情と情熱が生み出した珠玉の全集録音です。


Treasures
TRE-251(1CDR)
ソンドラ・ビアンカ〜ショパン&リスト
リスト:ハンガリー幻想曲*
ショパン:ワルツ集(14曲)【第.2,3,8,6,9,7,11,1,4,10,13,14,12,5番】
ソンドラ・ビアンカ(P)
カール・バンベルガー(指)北ドイツSO*

録音:1950年代中期?(モノラル)
※音源:Musical Masterpiece Society MMS-166*、MMS-2131
◎収録時間:61:56
“ワルツ各曲の個性を絞り出した、ソンドラ・ビアンカの筆頭名盤!”
■音源について
日本では1970年代の廉価盤でお馴染みだったソンドラ・ビアンカは、コンサート・ホールやMGM、米Remingtonなどに録音がありますますが、その多くがヴィルトゥオーゾ作品で、「ハンガリー幻想曲」は、米Remington(彼女のデビュー録音で指揮はマルティノン!)に続く2度目の録音。

★ソンドラ・ビアンカは1930年ニューヨーク生まれ。幼少期にハロルド・バウアー門下のフランク・シェリダンに師事し、5歳で放送用のコンサートに参加、9歳でニューヨーク・フィルとモーツァルトの協奏曲で共演するなど、10歳になる以前にキャリアを確立するという神童でした。その後は欧米各地で好評を博しましたが、録音はマイナーレーベルばかりなので謎の部分が多く、日本では廉価盤でしか接する機会がなかったので今日まで「マニア向け」という範疇を超えないままですが、もしこのショパンの素晴らしさが広く知られていたら、状況は違っていたことでしょう。
 ワルツ集は「前奏曲集」のように個々の曲が緊密に関連付けられている作品ではないものの、全体を一貫したニュアンスで統一した演奏も少なくありません。ビアンカの演奏はそれとは正反対で、各作品の個性の炙り出しに全てを掛け、曲の配列も独自のもの。その表現手法は直感と知性の合せ技とも言うべき絶妙なもので、少なくとも完璧なフォルム確立が目的ではないことは明らかで、いわゆる「女性らしさ」という形容も無意味。とにかく、全てのニュアンスに奥行きあり、余韻が香り、何度聴いてもどこから聴いても絶品としか言いようがありません。
 名作第2番(Op.34-2)は冒頭から人生の悲哀を一身に背負った響き!4:09からの淡く明るい光を湛えた音色も忘れられません。第8番(Op.64-3)は、フレーズの頭にごく僅かに溜めを置くセンスと、中間の憂いのニュアンスと緊密に連動ブリに脱帽。第6番「小犬」では刃こぼれ皆無の軽妙なタッチでテンポを絶妙に伸縮させて、この曲の多面的な楽しさを再現し。第9番(Op.69-1)は、0:55からの笑顔で喋りかけるようなニュアンスにうっとり…。第11番は間違いなく同曲の究極名演!とてつもない速さで疾走しながら最高音に輝きを与え、中間部ではゴージャスで濃密なロマンが渦巻き、コーダでは冒頭同様の疾走のまま唐突に締めくくり、その後味が何とも粋!第1番(Op.18)は、ルバートのセンスが天才的で、単に慣習に則ったのではない正直な表現として説得力を誇ります。3:38で一旦テンポを落としてのテーマに戻るそのニュアンスも比類なし。第4番(Op.34-3)も第11番と並ぶ大名演。まず第2主題の空前絶後の雄弁さ!しかも0:45の左手の一瞬のアルペジオに変える洒落た感覚!0:58でのルフト・パウゼも閃き全開!第10番(Op.69-2)は全ての音を滑らかなタッチで統一し、0:16の装飾音を同音価に均すことも厭わず、結果的に憂いを湛えぬいたモデラートに結実。安易に酔いしれると演歌調になりがちな楽想が、嘘のない涙で敷き詰められるのです。第14番ホ短調(遺作)は、トリオのホ長調の旋律の結尾のニュアンスが刻々と変わる点にご注目を。特に1:51などでタッチを寝かせ、エレガンスな香気を振り撒くのには息を呑みます。【2021年4月・湧々堂】

Idil Biret Archive
NAXOS-8.571413
(1CD)
イディル・ビレット:アーカイヴ・エディション第20集
ラヴェル:夜のガスパール(3種の録音)
グロテスクなセレナード
イディル・ビレット(P)

録音:1965年 パリ、1975年 ニューヨーク、1984年 シュトゥットガルト
2021年11月に70歳の誕生日を迎える、トルコ生まれの女性ピアニスト、イディル・ビレット。このアルバムには、 彼女が得意とするレパートリーの一つ、ラヴェルの「夜のガスパール」の3種類の演奏が収録されています。20代 から40代まで、ほぼ10年ずつ間隔をあけた記録を聴き、ビレットの演奏の変化を辿るという興味深い1枚です。 各々の演奏におけるテンポの違いも面白く、なかでも第2楽章「絞首台」は1965年が6分58秒で演奏されて いるのに比べ、1975年が9分20秒と、かなりゆったりとしたテンポで弾かれていたりと、年代によって解釈が変 わっていることがわかります。 また、アルバムの最後には1984年の「グロテスクなセレナード」が添えられています。

Hoxa
HS-190207(1CD)
NX-B06
シャルル・ケクラン):『ネクテールの歌』 第3集 Op. 200
「親しき神々のための祈りと祭りと踊り、32編」
1. ドーリア調の祈り
2. 守護神の答え
3. ある病人の祈り
4. 若い娘たちの行列
5. 田舎での朝日の中の踊り
6. 青年たちの行列
7. 子供たちの祈り
8. 再び巡り来た春を迎える踊り
9. 祝婚歌
10. 戦に出かけた夫を持つ妻の祈り
11. 父の帰還を祝う踊り
12. 弔いの祈り
13. 幸せな婚約を祝う踊り
14. 孤児たちの祈り
15. 病める脳を治すための呪文
16. ティテュロスが神々に感謝する
17. 星降る夜を目にしての哲学者の讃歌
18. 幸福な家の前での若者たちの踊り
19. 古代の賢者たちの調和に満ちた生活を教師は生徒たちに教える
20. 花咲く野での喜びに満ちたロンド
21. 森の賢者たちへの祈り
22. 家を護る神々への祈り
23. 長老の祈り
24. 長老のもう一つの祈り
25. 「踊り」
26. 祭りの行列
27. 悪い精霊を遠ざけるための呪文
28. 親しき牧神たちの踊り
29. 祭りの行列
30. 病人を治すための祈り
31. 治療のためのもう一つの祈り
32. 神への感謝を表す祭りの行列
ニコラ・ウッドウォード(Fl)

録音:2020年1-2月 クリフトン大聖堂、ブリストル、イングランド
イギリスでソリストとして活躍するフルート奏者ニコラ・ウッドウォードによる、ケクランの大作『ネクテールの歌』の完結編となるアルバム。アナトー ル・フランスが1914年に発表した長編小説『天使たちの叛逆』に登場するフルートを吹く長老ネクテールの名を冠し、無伴奏フルートのために 書かれたこの作品は、Op. 198、199、200という三部に分かれており、総演奏時間は3時間半近くにもなる大作。聴く者に語りかけるよう なこの作品を、ウッドウォードは大聖堂の響きも上手く取り込み、気高い緊張感を最後まで維持しながら聴かせます。 (各タイトルの日本語訳は相場ひろ氏による。)
Hoxa
HS-190205(1CD)
NX-B06
ケクラン:ネクテールの歌 第2集
シャルル・ケクラン):『ネクテールの歌』 第2集 Op. 199
「古代の森にて、32編」
1. 春の爽快な朝、木陰にて
2. 明るい森
3. 林空での戯れ
4. 聖なる森
5. 葉擦れの音
6. 夏、木陰での宴
7. 陽光の下、ニンフたちの踊り
8. 水の精の戯れ 
9. 山で迎える美しい朝の清々しさ 
10. 山羊飼い
11. 牧神たちの踊り
12. 「木陰の心地よい眠りも」 
13.限りないざわめきをたてる海
14. 牧者エンデュミオン(自作のカンタータ「エンデュミオン」の動機による)
15. サチュロス
16. 「高い山々の陰も長くなる」
17. 牧神の気紛れ
18. ある猫の死について
19. 砂浜での朝の清澄さ
20. 「幸せなる小さな牧者」
21. 夕べの静けさ
22. 海を渡る朝の清々しい微風
23. 「おお、あまりにも幸運な農夫よ」
24. 光に満ちた夕
25. 森の春の陽気さ
26. 「ティテュロスよ、君は広々としたブナの木陰に腰をおろし」
27. 森の中の踊り
28. 「けれども安らかな休息が……」(自作のヴァイオリン・ソナタ第1番より)
29. 「美しき家畜を護る者は、自らも美しい」
30. 「鳥たちは酔い……」
31. セイレノス
32. ディオニュソスの祭りの行列のために
ニコラ・ウッドウォード(Fl)

録音:日時不明(2018-19年?)
クリフトン大聖堂、ブリストル、イングランド
イギリスでソリストとして活躍するフルート奏者ニコラ・ウッドウォードによる、ケクランの大作『ネクテールの歌』の第一弾 録音は、3集あるうちの第2集。アナトール・フランスが1914年に発表した長編小説『天使たちの叛逆』に登場するフ ルートを吹く長老ネクテールの名を冠し、無伴奏フルートのために書かれたこの大作は、1945年に4カ月以上を費やし て一気に書き上げられました。聴く者に語りかけるようなこの作品を、ウッドウォードは大聖堂の響きも上手く取り込み、 気高い緊張感を最後まで維持しながら聴かせます。(各タイトルの日本語訳は相場ひろ氏による。)
Hoxa
HS-190206(1CD)
NX-B06
ケクラン:ネクテールの歌 第1集
シャルル・ケクラン):『ネクテールの歌』 第1集 Op. 198
「アナトール・フランスの『天使たちの叛逆』による32編」
1. 序
2. 生命の誕生
3. 光の戯れ
4. 霊魂の光明
5. 世界の若さ
6. 知性の安らかなる光明は…
7. …過ちと愚かさに矢を浴びせる
8. 勝者の笑い
9. 光の快活さ
10. 虚しき争い(「何になろう?」)
11. 優しさ
12. ひとの嘆き
13. 夜
14. 海を渡る春の息吹
15. 光 ー 穏やかさ ー 均衡
16. 愛
17. 哀れみ
18. 苦しむ魂のために
19. ミューズたちの庭
20. 葡萄の樹の巻きひげ
21. 穏やかな時間
22. おそれ
23. 牧歌
24. 海上の月光
25. 生命への飛翔
26. 「世界を創る欲望」
27. 人間の努力
28. 敗者は想う
29. 夕べ
30. 賢者の落ち着き
31. 陽光に満ちた朝の楽しさ
32. ひとの苦しみについての瞑想
ニコラ・ウッドウォード(Fl)

録音:日時不明(2019-20年?) 
クリフトン大聖堂、ブリストル、イングランド
イギリスでソリストとして活躍するフルート奏者ニコラ・ウッドウォードによる、ケクランの大作『ネクテールの歌』の第二弾 は、3集あるうちの第1集。アナトール・フランスが1914年に発表した長編小説『天使たちの叛逆』に登場するフルート を吹く長老ネクテールの名を冠し、無伴奏フルートのために書かれたこの大作は、1945年に4カ月以上を費やして一 気に書き上げられました。聴く者に語りかけるようなこの作品を、ウッドウォードは大聖堂の響きも上手く取り込み、気 高い緊張感を最後まで維持しながら聴かせます。(各タイトルの日本語訳は相場ひろ氏による。)

Sheva
SH-163(1CD)
メシアン:『主の降誕』
「聖体秘蹟への奉納」
アンドルー・カニング(Org)

録音:2016年9月12-13日 ウプサラ大聖堂、スウェーデン
メシアンは1935年の夏、アルプスに近いフランスのグルノーブルで『主の降誕』を作曲しました。神学に加え、山々や中 世の大聖堂のステンドグラスからインスピレーションを得て作曲された9つの楽章のタイトルには、いずれも聖書の言葉が 引用されています。この録音で深淵なる宗教体験を表現しているカニングは、ロンドン出身で王立音楽院に学び、 1984年に英国のオルガン・コンクールで優勝している、この世代を代表するオルガン奏者の一人です。
Sheva
SH-170(1CD)
LIFETIME〜ピアノ・デュオ作品集
バーバー:スーヴェニール(思い出) Op. 28 (4手ピアノのための)
モーツァルト:幻想曲 ヘ短調 K. 608 (4手ピアノのための)
ラフマニノフ:組曲 第1番 「幻想的絵画」 Op. 5 (2台ピアノのための)
S&B ピアノ・デュオ【エレノーラ・スピーナ、ミケール・ベニニェッティ (P/YAMAHA CFX)】

録音:2016年10月27-28日 ヤマハ・ミュージック・ヨーロッパ・ブランチ、イタリア
2013年に結成され、ブラームスの2台ピアノ作品全集(Brilliant Classics)などで既に高い評価を得ているデュオに よる、4手あるいは2台ピアノの幅広い可能性を聴かせてくれるアルバム。
Sheva
SH-182(1CD)
Unending Love - Sound Poem
バッハ(ケンプ編):神よ、われら汝に感謝す BWV 29 - シンフォニア
チャイコフスキー(プレトニョフ編):バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲 Op. 71a
アルベニス(ゴドフスキー編):II. タンゴ - スペイン Op. 165 より
グルック(ズガンバーティ編):精霊の踊り - 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 より
リスト:巡礼の年 第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ S162/R10
エネスコ:組曲第2番ニ長調 Op. 10
シンジアーナ・ミルセア (P)

録音:2016年12月 シェヴァ・スタジオ、ヴィラ・ボッシ、イタリア
ブルガリア出身シンジナーナ・ミルセアによる、終わらない愛をテーマにしたアルバム。神の愛からおとぎ話の愛、神話の 愛など様々な愛を元にした作品を中心に選曲されています。

Sleeveless Records
SLV-1001(1CD)
NX-B06
『ムーンライト・セレナーデ』
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 悲愴」
ピアノ・ソナタ第14番「月光」
ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
ウォーレン・メイリー=スミス(P/スタインウェイ Model D)

録音:日時不詳
チャンプス・ヒル、サセックス、UK
オリジナル発売:2009年10月
イギリスで活躍するピアニスト、メイリー=スミスがベートーヴェンの人気の高い3つのソナタ、「悲愴」、「ワルトシュタイン」、「月光」 を録音。Sleevelessレーベルでのデビュー盤です。洗練されたパワフルなピアニズムと、スコアに忠実に、感傷に走らない絶妙な バランスで、ベートーヴェンと対峙しています。イギリスのサセックス州にあるチャンプス・ヒル(農場を営んでいたオーナーの個人音楽 ホール)の定評あるクリアな音質と、ウィグモアホールやカーネギーホールでリサイタルを行い、英国王室のためにも度々演奏を行う メイリー=スミスの演奏で、クオリティの高い録音に仕上がっています。
Sleeveless Records
SLV-1002(1CD)
NX-B06
『スーヴェニール〜思い出』
ショパン:即興曲 第4番嬰ハ短調 Op. 66 「幻想即興曲」
夜想曲 第8番変ニ長調 Op. 27-2
練習曲 変ト長調 Op. 10-5 「黒鍵」
夜想曲 第2番変ホ長調 Op. 9-2
練習曲 変イ長調 Op. 25-1 「エオリアン・ハープ」
前奏曲 第4番ホ短調 Op. 28-4
練習曲 ヘ長調 Op. 10-8
前奏曲 第15番変ニ長調 Op. 28-15 「雨だれ」
ワルツ 第6番変ニ長調 Op. 64-1 「小犬のワルツ」
ワルツ 第7番嬰ハ短調 Op. 64-2
夜想曲 第20番嬰ハ短調 Op. なし 「遺作」
練習曲 ハ短調 Op. 10-12 「革命」
変奏曲 イ長調 「パガニーニの思い出」
バラード 第1番ト短調 Op. 23
ウォーレン・メイリー=スミス(P)

録音:不詳
オリジナル発売:2009年11月
イギリスで活躍するピアニスト、メイリー=スミスが特に得意としているショパン。たくさんの有名作品から、まだ十代のショパンがパガ ニーニの演奏に接したあとに書いたと言われる変奏曲まで収録。ウィグモアホールやカーネギーホールでリサイタルを行い、英国王 室のためにも度々演奏を行うメイリー=スミスの演奏でお楽しみいただけます。
Sleeveless Records
SLV-1003(1CD)
NX-B06
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第9番ニ長調 K. 311
ピアノ・ソナタ 第8番イ短調 K. 310
ピアノ・ソナタ 第12番ヘ長調 K. 332
「トルコ行進曲」 - ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K. 331 より
ウォーレン・メイリー=スミス(P/スタインウェイ)

録音:2010年10月
オリジナル発売:2011年2月
イギリスで活躍するピアニスト、メイリー=スミスの洗練された演奏による、モーツァルトのソナタの傑作。音色の美しさと充実した音 楽性が大きな魅力で、たいへん個性的ながらも説得力のある構成力で聴かせています。モーツァルトのソナタの真骨頂である悲 劇的なソナタ第8番のあと、ほっと一息つくように、軽快な「トルコ行進曲」でディスクは幕を閉じます。BBC3ラジオのディスク・レ ビューでも高評価を得たアルバム。
Sleeveless Records
SLV-1005(1CD)
NX-B06
『描写』
リスト:メフィスト・ワルツ 第1番/愛の夢 第3番変イ長調/演奏会用練習曲 「小人の踊り」 「悲しみ」 「ため息」
巡礼の年 第3年〜エステ荘の噴水/リゴレット・パラフレーズ
コンソレーション第3番変ニ長調/ハンガリア狂詩曲 第2番嬰ハ短調
ウォーレン・メイリー=スミス(P)
イギリスで活躍するピアニスト、メイリー=スミスによる2011年のリスト生誕200年記念アルバム。悪魔的な「メフィスト・ワルツ」、華やかで表情豊かな「リゴレット・パラフレーズ」、対照的にしっとりとした「コンソレーション」や「ため息」、あまり演奏される機会のない「悲しみ」など、コントラストの効いたリストの魅力が味わえる1枚です。「メイリー=スミスがお馴染みのリストの人気曲を、まるで初めて発見したかのようなクオリティと、ヴェルヴェットのような質感で響かせる」とBBCミュージック・マガジンが評しています。

Prima Classic
PRIMA-006(1CD)
12弦ギターによるロマン派作品集
ベートーヴェン:アダージョ・カンタービレ Op.13
シューベルト:セレナーデ D.957、涙の賛美 D.711、住処 D.957
ショパン:華麗なる円舞曲 Op.34‐2、夜想曲 Op.9-2、前奏曲 Op.28-15
ナポレオン・コスト(1805−1883):夢 Op.53、オートゥイユの夜会 Op.23 より セレナーデ、スケルツォ
ヨハン・カスパール・メルツ(1806−1856):吟遊詩人の調べ Op.13 より ロマンス、マルヴィーナへ、愛の歌、ゴンドラ漕ぎ、フィンガルの洞窟、不安
アンデルス・ミオリン(12弦ギター DODEKA)
ドビュッシーやラヴェル、サティなど、クラシックのピアノ音楽をギター用に編曲したアルバムが好評を博したスウェーデン出身のギタリスト、アンデルス・ミオリンのロマン派アルバム。
各作品のアレンジはミオリン自身が行っており、ロマン派の先駆者ベートーヴェン、ショパン、シューベルト、そして6弦、7弦ギターのために作曲されたコスト、メルツの名曲を、特別な12弦ギター「DODEKA」の深みのある豊かなサウンドでお楽しみいただけます。

Alfa Music
AFPCD-219(1CD)
Beyond
ショパン:前奏曲 op.28 n.1 - ChOpen / 前奏曲 op.28 n.2 - A minor blues / 前奏曲 op.28 n.3 - Wind / 前奏曲 op.28 n.4 - Saudade da bossa / 前奏曲 op.28 n.10 - Tico Tico no Chopin / 前奏曲 op.28 n.11 - Like Chopin / 前奏曲 op.28 n.20 - Ballad con moto / 前奏曲 op.28 n.21 - Talking to myself
ジュゼッペ・ディ・マイオ(P)
ジャンルを越えたジュゼッペ・ディ・マイオ(piano)のプロジェクト。ショパンの前奏曲で感じた創造的なプロセスを表現したアルバム「Beyond」。前奏曲から即興へと繋がるパッセージは、ブルース、ボッサ、Tico Tico no Chopin、Like Chopinなどユニークに、そして楽しいスウィング風な即興で楽しめます。まさに柔軟性と高い芸術性が求められるこのプロジェクトは、彼の音楽人生そのものが表れた作品で、気鋭ぶりとその高い企画性が評価されています。Alfa Musicらしい雰囲気の音色もとてもいい。透き通るクリアなタッチでショパンを斬新にそして新鮮に描きます。ショパン・ファン、ジャズ・アレンジ愛好家は要注目。

EM Records
EMRCD-064(1CD)
ディッキー・バード・ホップ〜ライト・ミュージック・クラシックス
ジャック・ストレイチー:シアターランド/ジェフリー・トイ:ホーンテッド・ボールルーム/ロナルド・ガーリー:ディッキー・バード・ホップ/ベンジャミン・デイル:プルネラより インテルメッツォ/サー・ノエル・カワード :ロンドン・モーニングより マズルカ、パ・ド・ドゥ、ホーンパイプ/リチャード・アディンセル:インヴィテーション・ワルツ/ジャック・ストレイチー:イン・パーティー・ムード/エドウィン・ヨーク・ボウエン:シリアス・ダンス/ハイドン・ウッド:失恋/ヴィヴィアン・エリス:アルパイン・パスチャーズ/サンディー・ウィルソン:百寿者のワルツ/ヒューバート・バス:コーニッシュ・ラプソディー/ビリー・メイヤール:ジル・オール・アローン/マデリーン・ドリング:ピンク・マイナー、ブルー・エアー、ブラウン・スタディ/エリック・コーツヴァルス(世界初録音)/サー・アーノルド・バックス:オリバーの眠れない夜/ジェフリー・ライト:トランスアトランティック・ララバイ/リチャード・アディンセル:ワルソー・コンチェルト
ポール・ギネリー(P)

録音:2019年3月20日&21日、福音史家聖ヨハネ教会(オックスフォード、イギリス)
近代イギリスの知られざる作品や新作を続々と送り出しているthe English Music Festivalの自主レーベル「EM Records」より、20世紀半ばに作曲されたライト・ミュージックの作品集が登場。演奏は、BBCワールドサービスとラジオ3のスタッフアナウンサー、ディーリアス・トラストの会長も務めるポール・ギネリー。
EM Records
EMRCD-063(1CD)
ポール・ルイス(b.1943):ハープ作品集
ノスタルジックなワルツ*
子守唄とオルゴール・ワルツ*
ジェーン・オースティン組曲*
4つの古代の踊り**/2つの独り言**
2つのFi***/鈴の音***
フィオナ・ホスフォード(Hp)***、
カミラ・ペイ(Hp)*、
アレクサンダー・ライダー(Hp)**

録音:2018年9月24日、25日&30日、2018年10月9日&11日、セント・メアリー教区教会(イギリス)
(全曲世界初録音)
コメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」や「ベニー・ヒル・ショー」などの音楽で知られる1943年生まれのイギリスの作曲家、ポール・ルイスによるハープ作品集第2弾。半世紀近くテレビや映画の音楽を書いてきたポール・ルイスの作品は、ソロ楽器としてのハープの魅力を十分に引き出した美しいメロディや、豊かなハモニー、心地良いリズムが詰め込まれています。

「たまゆら」〜好評3点を再発売!!
キングインターナショナル自主レーベル「たまゆら」は2001年から約40タイトルのアルバムを録音・発売してきました。世 界初録音を中心に「ひと味異なる」制作方針が話題となりましたが、多くは現在廃盤となっています。今回ご要望の多い3点を再発売、SACDハイブリッド盤でのご提供となります。もともと192kHz.24bit高音質録音でもあり、SACD化によりさらにニュアンスも深まり、白石光隆の美音が光ります。
たまゆら
KKC-071(1SACD)
税込定価
大指揮者のピアノ
トスカニーニ:子守歌
アンセルメ:軍隊行進曲第1番
クナッパーツブッシュ:タランテラOp.7
セル:3つの小品Op.6
フルトヴェングラー:3つのピアノ曲
シューリヒト:ピアノ・ソナタ ヘ短調Op.1
ムラヴィンスキー:小アダージョ/前奏曲第1番 ヘ短調/前奏曲第4番「果てもなきロシアの自然に捧ぐ」/前奏曲第7番/前奏曲第8番「無力な者へ」/タンゴ/フォックス・トロット曲
白石光隆(P)

録音:2002年5月17日、7月26日、キング関口台第1スタジオ
2002年11月初リリース。音楽史上大指揮者となった人のなかには、フルトヴェングラーやバーンスタインのように、最後まで作曲家として認められること に固執し続けた向きもありますが、ここに収められた諸氏のほとんどは指揮者として大成して以降、筆を置いてしまいました。しかし、いずれも作曲家を志し、勉 強していただけあって、聴きごたえのある見事な作品になっています。また、どれもが若き日の産物なため、みずみずしくナイーヴな感覚が魅力。彼らの真摯な メッセージが時を越えて蘇りました。
いずれも興味津々ですが、シューリヒトの推進力あふれるピアノ・ソナタやセルのフランス印象派風繊細さと超絶技巧、まるでストラヴィンスキーのようなアンセ ルメ、指揮ぶりが目に浮かぶフルトヴェングラーと多彩。
さらにトスカニーニが少女趣味的な「子守歌」を、ムラヴィンスキーがポピュラー音楽のような「タンゴ」と「フォックストロット」を、クナッパーツブッシュが前 代未聞の遅い「タランテラ」を作っているなど驚きのピアノ曲が満載。
白石光隆が高度な技巧と透明な美音で、大作曲家たちの若き夢を実現させます。 (Ki)
たまゆら
KKC-072(1SACD)
税込定価
国歌ファンタジー
(1)ハイドン:皇帝賛歌による変奏曲 Hob.Vの77(ドイツ国歌)
(2)モーツァルト:「ヴィレム・ファン・ナッサウ」による変奏曲 K.25(オランダ国歌)
(3)ベートーヴェン:イギリス国歌による変奏曲 WoO.78
(4)リスト編)):ラ・マルセイエーズ(フランス国歌)
(5)ラフマニノフ編)):星条旗(アメリカ合衆国国歌)
(6)ショパン編)):ポーランド国歌
(7)グリーグ編)):ノルウェー国歌
(8)バイエル編)):デンマーク国歌
(9)バイエル編)):ハンガリー国歌
(10)バイエル編)):ブラジル国歌
(11)バイエル編)):ベルギー国歌
(12)バイエル編)):ボリビア国歌
(13)バイエル編)):チリ国歌
(14)アレクサンドロフ(作曲者編):ロシア国歌
(15)ノイマン(作曲者編):エクアドル国歌
(16)冬木透:チャイニーズ・ラプソディ(中国国歌)
(17)冬木透:君が代パラフレーズ(日本国歌)
(18)アウエルバッハ:タゴール幻想(インド国歌)
(19)イディル・オズカン:アナトリア悲歌(トルコ国歌)
(20)サマラス(作曲者編):オリンピック賛歌 (1896)
?ベートーヴェン(カラヤン編):EU賛歌(第9交響曲より)
エリカ・ヘルツォーク (P)

録音:2008年2月8、15日/キング関口台第1スタジオ
2009年5月初リリース。世界の国歌を大作曲家たちが編曲、あるいは素材として用いたピアノ曲を集めた世界初のアルバム。ハイドンとベートーヴェンの変 奏曲、リスト、ラフマニノフの編曲は比較的知られていますが、モーツァルトのオランダ国歌による変奏曲、ショパンやグリーグが祖国国歌を編曲していることは ファンの間でもあまり知られていない意外な驚きです。ことにショパンのポーランド国歌編曲は世界初録音。一聴してショパンとわかる美しい響きになっていて、 ショパン・ファン必聴です。ピアノの教則本で有名なバイエルが世界各国の国歌をピアニスティックに編曲しているのも、まさに秘宝の発見。
当アルバムのために4篇の新作が書き下ろし。「ウルトラセブン」等の音楽で人気の高い冬木透による「君が代」と、中国の国歌に基づく2作は非常に技巧的 で興味津々。また大詩人タゴールの作曲したインド国歌を、やはり詩人でもあるロシア出身の女性作曲家レーラ・アウエルバッハが料理した「タゴール幻想」も 個性的。トルコの女性作曲家イディル・オズカンの「アナトリア悲歌」は、国歌として類のない深い後悔と悲しみの念に満ち、同国の若い世代の歴史観を伺わせ ます。
さらにさらに注目なのは、開会式でオリンピック旗掲揚の際に奏されるオリンピック賛歌(ギリシャのオペラ作曲家スピロス・サマラス作)の作曲者自身によ るピアノ版と、ヨーロッパ賛歌(ベートーヴェンの第9交響曲「喜びの歌」)の、カラヤンによるピアノ編曲(世界初録音)も入っていること。カラヤンの作・編曲 は極めて珍しく、またピアノ独奏曲というのも意外なうえ、「カラヤンの第9」という燦然たる最強ナンバーでもあります。
たまゆら
KKC-073((1SACD)
税込定価
ピアノによるルロイ・アンダーソン
ルロイ・アンダーソン(作曲者編):舞踏会の美女
忘れられし夢/タイプライター
ブルー・タンゴ/ラッパ吹きの休日
ジャズ・ピッツィカート/ジャズ・レガート
鐘の歌/ファントム・レジメント
チャイナ・ドール
シンコペイテッド・クロック
サマー・スカイズ/フィドル・ファドル
ワルツィング・キャット
サンドペーパー・バレエ
スコットランドの釣鐘草
プロムナード
ペニー・ホイッスル・ソング
トランペット吹きの子守歌
プリンク・プレンク・プランク
サラバンド/セレナータ
春が来た/そりすべり
サテンを着た少女
白石光隆(P)

録音:2008年8月4日、2009年1月28日、3月12日/キング関口台第1スタジオ
2008年8月初リリース。ルロイ・アンダーソンの代表作25篇をアンダーソン本人がまずピアノ用に書いた版の世界初録音。人気曲はほぼ網羅。
アンダーソンといえばいずれも凝ったオーケストレーションで有名ですが、「ワルツィング・キャット」も「サンドペーパー・バレエ」もピアノだけでも魅力は半 減するどころか極上のピアノ曲となっています。健康的で陽性、聴く人をハッピーにする癒しの効果にも満ちています。ジャズをはじめアメリカ音楽にも抜群の 巧さを見せる白石光隆。彼にしかできない「ピアノのアンダーソン」が至福の時を与えてくれます。 (Ki)

Temperaments
TEM-316066(1CD)
NX-B09
『オルガン・トランスクリプションの芸術』
エリザベト・ジャケ・ド・ラ・ゲール(1665-1729):ソナタ ト短調
ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲
ムソルグスキー:展覧会の絵

※ 全てヴァンサン・ジャンヴランによる編曲
ヴァンサン・ジャンヴラン(Org/ゲルハルト・グレンツィング2015年製)

録音:2019年9月 ラジオ・フランス、オーディトリアム
ハイドンの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」のオルガン編曲(Hortus)も評価の高いジャンヴランによる、ワーグナーとムソルグス キー、そしてフランス・バロックの女性作曲家という興味深い組み合わせのアルバム。2015年にオープンしたラジオ・フランスの新しいコンサート ホール、オーディトリアムで録音されており、グレンツィング社製の大オルガンの表現力と、永田音響設計が手掛けた評判の音響を楽しむことが 出来ます。様々な音楽表現を聴かせてくれる『展覧会の絵』はまさにうってつけといえ、この編曲は既に世界中で様々なオルガニストに取り上 げられています。なおラヴェル編曲版などに倣い5回目のプロムナードは省かれています。

ソール・ブルー
SBCD-101(1CD)
税込定価
リスト:巡礼の年第1年 スイス S.160 青柳 晋(P)

録音:2020 年6 月3-5 日ハクジュ・ホール
使用ピアノ:スタインウェイD 型
青柳晋の久しぶりの新譜としてリストの「巡礼の年 第1 年スイス」を発売します。 彼は 2006 年より、リスト作品をメインに据えた自主企画リサイタルシリーズ「リストのいる部 屋」をスタートさせ、自身の1 年間の演奏活動を締めくくるコンサートを開催しています。今 年のコロナ禍で多くの演奏会が中止になった中、彼は改めてピアノとリストの音楽に向き合 い、これらの作品に磨きをかけてきました。その成果がこのアルバムに結実しています。 第1 曲の「ウィリアム・テルの聖堂」はその大伽藍を思わせるスケールの大きさと磨き抜かれ た音色に魅了されます。第 4 曲「泉のほとりで」では水のきらめきを表現する繊細な技巧と 詩的表現が見事に両立されています。第 5 曲「嵐」の壮絶なテクニックで表現される緊張 感。14 分近いバラード、第6 曲「オーベルマンの谷」での主人公の心の苦悩と葛藤を表現 する音楽的表現の深さは驚嘆に値します。 このアルバムを通して青柳晋は自ら「新しいリスト弾き」の誕生を表明しています。更にこの アルバムの発売にあたって自らのニューレーベル「Saules Bleus(ソール・ブルー=青い山 羊)」を立ち上げ、今後の制作拠点にすることも明らかにしています。今回のリストアルバム だけでなく今後に続く作品についても是非ご注目下さい。

GRAZIOSO
GNY-706(1CD)
(UHQCD)
吉野直子/ハープ・リサイタル6〜トゥルニエ・ルニエ・カプレ・カゼッラ・サルツェード・フォーレ
トゥルニエ:ハープのためのソナチネ Op.30
ルニエ:交響的小品(3つのエピソードによる)
カプレ:2つのディヴェルティスマン[嬉遊曲]
カゼッラ:ハープのためのソナタ Op.68
サルツェード:バラード Op.28
フォーレ:即興曲 Op.86
吉野直子(Hp)

録音:2020年7月6-8日、9月5-7日/軽井沢
『自主レーベル“grazioso”からの6枚目のCDは、ハープの重要なオリジナル作品を集めたアルバムです。どの曲も、ハープの幅広さと奥深さを伝えるため に欠かせないものばかりです。いかにもハープらしい響きはもちろん、ハープの少し意外な一面も発見していただけるのではないかと思います。』(吉野直子)
今回の収録作品はトゥルニエのハープのためのソナチネ、ルニエの交響的小品、カプレの2つのディヴェルティスマン、カゼッラのハープのためのソナタ、サル ツェードのバラード 、そしてフォーレの即興曲と、すべてハープのオリジナル作品を集めた充実のアルバムです。吉野直子が紡ぐ美しいハープの音色をご堪能くだ さい。
「ハープ・リサイタル〜その多彩な響きと音楽」(GNY 701)、「ハープ・リサイタル2〜ソナタ、組曲と変奏曲」(GNY 702)、「ハープ・リサイタル3〜バッハ・モー ツァルト・シューベルト・ブラームス 他」(GNY 703)、「ハープ・リサイタル4〜武満・細川・吉松・ケージ・サティ」(GNY 704)、「ハープ・リサイタル5〜そ の多彩な響きと音楽U」(GNY 705)も好評発売中。いずれもレコード芸術特選盤です。
本ディスクは原盤音質を極限まで再現する新技術であるUHQCD(Ultimate Hi Quality CD)が用いられております。


Treasures
TRE-236(1CDR)
ケンドラ〜MUZA録音集(リスト&ショパン)
ショパン:演奏会用ロンド「クラコヴィアク」Op.14*
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
 コンソレーション第3番
 パガニーニ大練習曲〜ラ・カンパネッラ
 ハンガリー狂詩曲第6番
 演奏会用パラフレーズ『リゴレット』
 愛の夢第3番/メフィスト・ワルツ第1番
 巡礼の年第2年イタリア〜ペトラルカのソネット第123番/第104番#
 忘れられたワルツ第1番#
ヴァディスワフ・ケンドラ(P)
ヴィトルド・ロヴィツキ(指)*
ワルシャワ国立PO*

録音:1960年6月28-29日*、1962年6月18-22日、1965年3月15-18,22日ベルリン、キリスト教会#(全てステレオ)
※音源:MUZA SX-0067*、MUZA SXL-0162、ETERNA 825-554#
◎収録時間:75:34
“ポーランドの名手、ケンドラが繰り広げるコクと香りを込めたリスト!!”
音源について
★ケンドラが1965年に録音したリスト作品集(ETERNA)は日本でもCDが広く流通しており名盤として名高いですが、それ以前にポーランドのMUZAにもほぼ同じ曲目の録音があることはあまり知られていないようです。両者とも演奏の特徴がほとんど同じなので、ケンドラが頻繁に演奏会でも取り上げていたお気に入りの選曲だったのでしょう。音質も共に明瞭ですが、ETERNAは、教会の残響を含んでいるので、MUZAの方がややピアノのタッチがが生々しく感じられます。ここでは、ETERNA盤でしか聴けない2曲を最後に収録しています。

★戦後初のショパン・コンクールで、ダヴィドヴィチ、ステファンスカと1位を競い合ったケンドラ(1918-1968)の比類なき音色の深み、呼吸の妙をたっぷり堪能できる一枚。指先の力だけで鍵盤を叩くのではなく、十分に弾き込んだ自信と確信に満ち溢れたピアニズムは新旧の録音に共通し、解釈もほとんど同じなのでとても優劣など付けられませんが、タッチに意思を明確に感じ取れるMUZA録音の方をまず第一に挙げたいと思います。
 中でも、明らかに新録音よりも魅力的なのは「ハンガリー狂詩曲第2番」。速いフリスカのリズムには足腰の強さと逞しさがあり、自作カデンツァの打鍵の威力、迫力、コーダの畳み掛けの決まり方も、こちらが優っています。
 「リゴレット・パラフレーズ」における、体全体で感じたリズムの惜しげもない表出ぶりが印象的。テーマをどこまでも愛おしんで歌い上げる様も清々しい限り。
 一方、ETERNAでまず印象的なのは教会の残響とブレンドした音像美。「ペトラルカのソネット第104番」などは、微かに鳥のさえずりが聞こえ、それらとのコラボレーションが独特の幻想的な空気を醸し出します。
 ETERNA(徳間)盤のレヴューに、「間のとり方に時代を感じる」とあるのを見たことがありますが、私にはどの部分を指しているのか見当がつきません。例えそうであっても、演奏の良し悪し、説得力、生命力とは何の関係もないはずです。古いせいで音楽の何かを歪めているのでしょうか?
 とにかく、このディスクから、ケンドラというピアニストの芸の粋を感じていただくことを願ってやみません。【2020年12月・湧々堂】

Musicaphon
M-56981(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 ジミン・オウ=ハヴェニート(P)

録音:2018年4月、イエス・キリスト教会(ドイツ、ダーレム
韓国の名ピアニスト、ジミン・オウ=ハヴェニートによる癒しの「ゴルトベルク変奏曲」!この作品は不眠症に悩む伯爵のために演奏されたという逸話がありますが、彼女自身不眠症に悩まされていた10年間に、ゴルトベルク変奏曲の演奏を通して大きな喜びと癒し得て、作品に対する理解を深めたといいます。一音一音を大切に演奏した、深みのあるゴルトベルクです。
「不眠症とは、身体的、神経的な苦悩であると同時に、自分自身との一体感を感じられないこと、世界との平和を感じられないことの表出でもあるのです。ゴルトベルク変奏曲は、これらの身体的、感情的、精神的なレベルのすべてに癒しをもたらすために、人生を肯定する音楽として作られました。この作品は、ただ聴くだけでなく、生きていける、生きていこうと思える作品です。」(ジミン・オウ=ハヴェニートによる「ゴルトベルク、バッハと私」より)
Musicaphon
M-56983(1CD)
バリオス:ギター作品集
サルヘント・カブラル/マシーシェ/郷愁のショーロ/糸紡ぎ娘の歌/オラシオン・ポル・タドス/ワルツ Op.8-3/グアラニの伝説/ワルツ Op.8-4/神様のお慈悲に免じてお恵みを(最後のトレモロ)/サンバ風に/人形の夢/フリア・フロリダ/パラグアイの流行歌/パラグアイ舞曲
マクシミリアン・マンゴルト(G/1985年製ダニエル・フリードリッヒ

録音:2018年9月
自身を「パラグアイのジャングルから来たギターのパガニーニ」と宣伝していたパラグアイのギタリスト、作曲家アグスティン・バリオス(1885-1944)の作品集。バリオスの作品は、ロマンティシズムと南アメリカの民族音楽から影響、そしてメロディックな独創性と魅力的なハーモニーが”ギターのための音楽として”組み合わされているのが特徴です。演奏はすでに20枚を超えるCDをリリースし、批評家から熱狂的に絶賛され、参考録音としても賞賛されているドイツのギタリスト、マクシミリアン・マンゴルト。彼はバリオスの叙情的で詩的な作品を好んで演奏しています。
Musicaphon
M-56986(1CD)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(ヘルマン・ベーンによる2台ピアノ版、抜粋) クリスティアーネ・ベーン、コード・ガーベン(ピアノ/1912年製スタインウェイ)

録音:2019年4月、ハンブルク(ドイツ)
マーラーの親しい友人であったヘルマン・ベーン(1859-1927)は、ブルックナーとラインベルガーに作曲を師事したドイツの音楽家。マーラー自身によって称賛された交響曲第2番「復活」のピアノ2台用編曲(M56915に収録)や、「リヒャルト・ワーグナーの楽劇からの50の交響的楽章」など、優れた編曲作品を残しています。ワーグナー作品の編曲では、和音を拡大し、弾くのが困難なほどに広い左手のフィンガリングを巧みに利用するなど、マーラー作品の編曲とは異なるアプローチをとっており、演奏者のコード・ガーベンは「その要求は家庭用音楽の域をはるかに超えている」と述べています。ベーンの編曲はハープのパートをピアノに組み込んでいるのも特徴で、奏者はペダルを十分に使用することで、ワーグナーのシンフォニックな音楽にふさわしい、豊かなサウンドを生み出すことができます。
ヘルマン・ベーンの子孫であるクリスティアン・ベーンと、古書店で「50の交響的楽章」の楽譜を発見したコード・ガーベンの両名は、この演奏不可能とさえ思えるような難しい楽譜から、ベーンが想定していたであろう見事な音楽を作り上げています。使用楽器もベーンに所縁のあるもので、ヘルマンのいとこ、ラファエル・ベーンが所有していた2台の1921年製スタインウェイ・ピアノを用いています。この楽器はマーラーも演奏したことがあるという、貴重なものです。「トリスタンとイゾルデ」の魅惑的な響きを、オールド・スタインウェイの柔らかく味わい深い音色で存分にお楽しみください。
Musicaphon
M-56922(4CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻&第2巻 BWV 846-893 ハイドルン・ホルトマン(P)

録音:2016年
ドイツのピアニスト、ハイドルン・ホルトマンによる明快でバランスの取れた平均律クラヴィーア曲集。ホルトマンはアンタル・ドラティ、イヴァン・フィッシャー、デイヴィッド・ジンマンなどの著名な指揮者と共演し、国際的な音楽祭にも頻繁に出演しています。ピアノ演奏に関しては、ニキタ・マガロフ、アルフレッド・ブレンデル、ウラジーミル・アシュケナージ、クリスチャン・ツィメルマンからも示唆を受けています。彼女のディスコグラフィには、シューマンのピアノとオーケストラのための作品全集やベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番と第4番の室内楽版が含まれており、バッハからショパン、ドビュッシー、シマノフスキ、現代のツヴィ・アヴニまで幅広いレパートリーを持っていることで知られています。
Musicaphon
M-56978(1CD)
ショパン&ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調「葬送」Op.35
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111
ジミン・オウ=ハヴェニート(P)

録音:2015年10月
韓国の名ピアニスト、ジミン・オウ=ハヴェニートによるショパン&ベートーヴェン!アルバムタイトルの『Piano Music Beyond Conventions』は、これらのソナタが当時の音楽的慣習を遥かに超えたものであることを示しています。彼女の演奏は弱音や緩徐部分が特に魅力的で、思わず聴き入ってしまう深みと美しさを兼ね備えています。

MARI OHKI
MOR-001(1CD)
税込定価
51鍵のラビリンス
パッヘルベル:フーガ ハ長調 “ナイチンゲール”
バッハ:前奏曲とフーガ ハ短調 BWV847
モーツァルト:小さなジーグ K.574
伊左治 直:橋を架ける者
スウェーリンク:緑の菩提樹の下で SwWV325
ブクステフーデ:フーガ ハ長調 BuxWV174
作者不詳::ラミレの上で
ブクステフーデ:プレリューディウム ト短調 BuxWV163
ダンクザークミュラー:カンティオ
モーツァルト:組曲 K.399
バッハ:小さな和声の迷宮 BWV591
大木 麻理(Org)
使用楽器:聖グレゴリオの家 宗教音楽研究所 所蔵、1996年J.アーレント製ポジティフ・オルガン

録音:2020年9月
華々しい経歴を持ち、ミューザ川崎シンフォニーホールでホールオルガニストを務める大木麻理による2枚目のソロ・アルバム。自主レーベルからの記念 すべき第1作目でもあります。持ち運び可能な小型のパイプオルガンであるポジティフ・オルガンを使用し、様々な国と時代から選んだ珠玉の小品を散りば めた1枚。51鍵で奏でる風の音が、喜びの迷宮へと聴く者を誘います。
コロナ禍において従来のコンサートが制限される中、演奏者が楽器とともに出向いて演奏を届けることが出来るポジティフ・オルガンに新たな可能性を感 じたことがこのアルバム制作の発端とのこと。大オルガンとは違った音色を活かし、その魅力が伝わる美しい小品を選曲。ナイチンゲールのさえずりとフー ガが呼応しあうパッヘルベルに始まり、モーツァルト後期の絶妙な名品『小さなジーグ』、ラ・ミ・レが低音で繰り返される作者不詳の作品、バッハにも多 大な影響を与えたオルガンの巨匠ブクステフーデなど様々な音楽が並び、最後は大胆な転調を見せる謎に満ちたバッハの『小さな和声の迷宮』で締めくくら れます。ささやかで温かく親密性がありながら、奥深く広がる音楽の世界に入り込んでいくような不思議な味わいを持ったアルバムです。 (Ki)

OTTAVA RECORDS
OTTAVA-10005(1CD)
税込定価
6手2台ピアノ作品集
ドビュッシー(アンドレ・カプレ編):交響的素描「海」
ファリャ(ギュスターヴ・サマズイユ編):「スペインの庭の夜」
グレインジャー「緑の茂み」

※すべて6手2台ピアノによる演奏
青柳いづみこ、森下唯、田部井剛(P)

録音:2020年2月18-20日/五反田文化センター、音楽ホール
ドビュッシーの「海」に関して、4手2台ピアノの演奏は広く知られていますが、6手(3人)2台による演奏はきわめて珍しく、録音されたものは今のところほかに見当たりません。
わが国のドビュッシー研究と演奏の第一人者である青柳いづみこ、アルカンの紹介に取り組むなど、独自の活動を展開する気鋭のピアニスト森下唯、指揮者として活躍するとともに、ピアニストとしても非凡な才能を発揮する田部井剛。個性あふれる3人の演奏家による豊穣な音世界が展開します。
ファリャの「スペインの庭の夜」は、ラテン的な官能と躍動するリズム感が持ち味の作品で、元はピアノとオーケストラの作品です。2台のピアノからあふれ出るオーケストラのような響きが印象的です。また、グレインジャーの「緑の茂み」は、スコットランド民謡をベースにした楽曲で、親しみやすい旋律が繰り返される楽しい佳曲です。
ダイナミックな響きと繊細な透明感をあわせ持つ名録音は、音の名匠・深田晃によるもの。3人の演奏家が弾く2台のピアノから溢れる壮大な音世界を見事に捉えています。
24ページにおよぶ解説書は、青柳いづみこと池原舞(音楽学者)が執筆しているほか、録音風景なども掲載されています。 (Ki)

Da Vinci Classics
C-00330(1CD)
アンドレイ・ガヴリーロフ〜生きていることを意識する音楽 第1集
シューマン:蝶々 Op.2、
 交響的練習曲 Op.13
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
アンドレイ・ガヴリーロフ(P/スタインウェイ)

録音:チェコ放送スタジオ1(プラハ、チェコ)
019年になんと18年ぶりとなる来日公演を行い、さらには新型コロナ禍の中、2020年11月に再来日を果たし、各地で聴衆に衝撃を与え大喝采を浴びたロシアのヴィルトゥオーゾ、アンドレイ・ガヴリーロフ。 ガヴリーロフが自身のオフィシャルサイト内で展開している「Unzipped Classical Music」と、「Da Vinci Classic」の共同プロジェクト第1弾としてリリースされる新録音は、2019年の来日公演でも演奏されたシューマンとムソルグスキー!
1974年に弱冠18歳でチャイコフスキー国際コンクールで優勝し、リヒテルの代役として出演したザルツブルク音楽祭での大成功を収めるものの、その後に待ち受けていたKGBからの迫害。そして一転、当時の共産党書記長ゴルバチョフが認めたことにより、亡命することなく国外に滞在する許可を与えられた旧ソ連における最初の芸術家となるなど、激動の人生を歩んできたガヴリーロフ。 強靭な打鍵、繊細なタッチによる劇的なデュナーミク。時にはピアノが壊れるのではないかと心配になるほどの凄まじいパワー。極端なまでの大胆さと繊細さが同居するその演奏は常に賛否両論を巻き起こしますが、90年代初頭までの全世界での大成功の後に待ち受けていた苦悩の日々、演奏活動休止を乗り越えて見事に復活を遂げ、ガヴリーロフがたどり着いた"現在"がここにあります。

MASATAKA HORI
MAND-04(1CD)
税込定価
田中常彦の生涯 - 堀 雅貴 Classical Mandolin Solo CD Vol.2
C.ムニエル (1859-1911):スペイン風奇想曲
G.B.ラ・スカラ (生没年不詳):第1タランテラ
ムニエル:マズルカ コンチェルト
A.サルコリ (1872-1936):セレナテルラ
ムニエル:愛の唄
 ワルツ コンチェルト
R.カラーチェ (1863-1934):前奏曲第2番
カラーチェ:サルタレッロ
田中常彦 (1890-1975):無言歌「ナポリの想い出 」
サルコリ:月に向かいて
カラーチェ:ポロネーズ
田中常彦:ゆりかご
堀 雅貴(マンドリン)
鈴木大介((G)
草間 葉月(P)

録音:2020年6月4,5,9日 パストラル・サウンド東京
日本を代表する実力派マンドリニスト堀 雅貴。第10回ラファエレ・カラーチェ国際マンドリン独奏コンクールにて第1位を獲得、国内外で高い評価を受 けています。 今回は、2020年生誕130年を迎えたマンドリン奏者である田中常彦に焦点を当てたアルバムをリリースします。西洋の楽譜を手に入れるのが決して容易で はなかった大正時代にマンドリンを手にし、日本で最初のプロマンドリニストとして活躍した田中常彦。慶應大学マンドリン倶楽部の創始者の一人として、そ して日本マンドリン連盟の初代会長、日本のマンドリン界の先駆者として活躍していました。本作は、田中常彦が実際に演奏したレパートリーから選出し、 田中常彦の演奏家としての活動および半生を表現しています。また、マンドリン・ソロ演奏だけではなく、田中常彦の活動に欠かせない人物、恩師サルコリ とピアニストであった堯子夫人の二人になぞらえて、ギタリストの鈴木大介とピアニストの草間葉月を共演者に迎え録音しています。 マンドリニスト田中常彦の足跡を追い、日本におけるマンドリンや西洋音楽の黎明期を時空を超えて体験できると貴重な1枚です。 (Ki)

冨田一樹レコーディングプロジェクト
KKTK-10011(1CD)
税込定価
バッハ 至高のオルガン芸術 〜魂のメッセージ〜
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
おお愛する魂よ、汝を飾れ BWV654
ペダル練習曲 ト短調 BWV598 (断片)※邦人初CD化
フーガ ト短調 BWV578 「小フーガ」
前奏曲とフーガ ハ長調 BWV547
アリア BWV1068-2 「G線上のアリア」
目覚めよと呼ぶ声あり BWV645
最愛なるイエス、我らここに集いて BWV731
パッサカリア ハ短調 BWV582
冨田一樹(Org)

録音:2020年7月9-10日/府中の森芸術劇場 ウィーンホール
全曲ストップ・レジストレーション表示付
日本語帯・解説付
2016年、27歳の若さでライプツィヒのバッハ国際コンクール・オルガン部門で日本人初の第1位、および聴衆賞に輝いた冨田一樹のオール・バッハ・ アルバム。今まで一般流通のCDがなかった冨田、今作が実質的にデビュー・アルバムと言えるリリースです。自身の最重要レパートリーであるバッハ の音楽を、惜しげもなく並べて真っ向からそれに挑んだ、まさに彼らしいプログラム。前衛的な書法が情熱的に表現される『トッカータとフーガ ニ短調』に 始まり、『小フーガ ト短調』、『G線上のアリア(冨田自身による編)』といった有名曲や美しいコラール前奏曲などを挟み、堂々たる重厚巨大な『パッサ カリア ハ短調』で締めくくる、聴きごたえたっぷりの一枚です。『前奏曲とフーガ ハ長調』『パッサカリア ハ短調』はバッハ国際コンクールでも演奏した曲目。 また『ペダル練習曲 ト短調』は意外と録音が少なく邦人ではこれが初録音となります。
使用された府中の森芸術劇場 ウィーンホールのパイプオルガンは、ヒンリッヒ・オットー・パーシェン社製( ドイツ、キール)。3段鍵盤ペダル付き、実働ストッ プ46、パイプ総本数3,636本。ブックレットには全曲のレジストレーションも記載されています。名技師・常盤 清氏によるセッション録音で音質面もすば らしく、冨田一樹のオルガン芸術の神髄が収められた注目のアルバムと言えます。
★「バッハはパイプオルガンを通じ、私たちに人生における重要な言葉を伝えてくれます。それは、ある時は「宇宙と真理」であり、ある時は「希望と安らぎ」 であり、私たちの生活を豊かにするのです。音楽の父バッハが紡ぎ出した数々の旋律とハーモニー、この奇跡を是非体験して頂ければ幸いです。」(冨田一樹)


Treasures
TRE-238(1CDR)
チェコのピアニズム〜ジョセフ・ブルヴァ・1
リスト:パガニーニによる大練習曲 S.141*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番Op.27-1
 ピアノ・ソナタ24番「テレーゼ」
 ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
ジョセフ・ブルヴァ(P)

録音:1966年5月23-27,31日*、1967年7月10-14,17日(全てステレオ)
※音源:SUPRAPHON SUAST-50891*、SUAST-50929
◎収録時間:70:29
“音に対するイメージ具現化のために全てをやり尽くす芸術家魂!
■音源について
ブルヴァのチェコ時代の録音はベートーヴェンとリスト(ハンガリー狂詩曲集)しか確認できません。そのリストの作品集が、初の本格的な録音だったと思われます。

★私が初めてジョセフ・ブルヴァ(1943-2020)の名前を意識したのは、1990年代に聴いたチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番のCDでした。ロシア的な野趣に背を向けたその演奏はまるでモーツァルトのようにピュアでリリカルな美しさを湛えていました。なぜこんな独特の感性の持ち主がメジャーレーベルに登場しないのか、色々想像を膨らませているうちに月日は経ってしまいました。ブルヴァはブルノ出身。ナパイェドラの音楽学校でヴァーツラフ・ランカに師事。13歳でリサイタルを開き将来を嘱望されていましたが、1971年の交通事故で演奏活動を一時中断。復帰後にルクセンブルクへ亡命。日本では殆ど知られていない存在でしたが、晩年のBMG録音等で少し認識されるようになった矢先、2020年8月に亡くなりました。
ここに聴く録音は、ブルヴァ20代、亡命前の貴重な録音で、既にブルヴァ以外にはあり得ない美意識とダイナミズムが確立しており、楽想の捉え方にはニュートラルな余白のない強固な確信が漲っています。
 リストは練習曲の概念を超えていることはもちろんのこと、その先のニュアンスの追求度が凡百のピアニストの及びもつかない次元に達しています。まず第1曲で、音の強弱の変化には常に緊張の増減も伴っていることを実感。スタインウェイ以外(ブランド名は記載無し)のピアノの選択も功を奏したトレモロの色彩変化も聴きもの。スタインウェイは和音が混濁するとの理由から使用を避けるピアニストがいますが、ブルヴァもその考えだったのかも知れません。特に音が入り組む終曲ではそう感じさせます。第2曲の急速に上下降するフレーズは、グリッサンド風にサクッと駆け抜けるのが通例ですが、ここでは可能な限り語らせるテンポを貫徹。その上でタッチの強弱と硬軟を徹底的に詰め込み、通常の何倍もの色彩を加味。「ラ・カンパネラ」も同様にタッチの粒立ちを極限まで突き詰めるために、遅めのテンポで開始。クリスタルなタッチと共に音楽の輪郭が明瞭に浮き上がると同時に、どこを取っても心からの歌が内在。1:58からの左手のリズムがこれほど研ぎ澄まされ、ニュアンスに富んでいる例が他にあるでしょうか?ブルヴァの凄さを最も端的に示す一曲です。
 曖昧さを許さないピアニズムは、ベートーヴェンでも同じ。ブルヴァは、何気ない純朴なフレーズにも豊かな表情を絶え間なく与えますが、その背後の知的な統制も忘れません。それによって音楽が高潔な美しさを放つことを痛感させるのがの第13番、第1楽章の主題。中間のアレグロとの対比と連動の微妙な間合いも流石。穏やかな第3楽章でも情に溺れず明快なタッチを維持。そこには、音楽のフォルムを曖昧にして豊かな音楽など実現できないという強い信念を感じさせ。そして心を捉えるのが、1:14から1:40にかけての息の長い呼吸の持続と広がり!終楽章は左右の声部が強固なユニットとして発言しまくり、「ソナタ形式的なロンド」の構築性を徹底再現、まさに盤石なベートーヴェンを体感できます。【2020年11月・湧々堂】

2L
2L-161SACD
(1SACD)
無垢と経験について
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
シューマン:子供の情景Op.19
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「 熱情」
クリスチャン・オフスタ・リンドベ ルグ(P)
[Piano:Steinway D-model]

録音:2019年11月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
リスチャン・オフスタ・リンドベルグの 2L レーベルの最初のアルバム。ウィリアム・ブレイクの詩集『無垢と経験の歌』からインスピレーションを得た コンセプトで作られ、『無垢と経験について(Of Innocence and Experience)』のタイトルがつけられました。「光と闇、生と死、天使の無垢と悪魔の情熱」。 リストの「ピアノ・ソナタ ロ短調」、シューマンの「子供の情景」、ベートーヴェンの 「熱情ソナタ」という、ピアニストたちがこぞって採りあげる作品によるプ ログラムを組み、リンドベルグが考察した解釈と表現による演奏が示されます。クリスチャン・オフスタ・リンドベルグは、1980年、オスロの生まれ。ノルウェー 国立音楽大学でアイナル・ステーン=ノクレベルグのクラスに入り、イェンス・ハーラル・ブラトリ、ベルリン芸術大学のラースロー・シモン、エコールノルマ ル音楽院のデジレ・ンカウアに学びました。2019年、「Det orkestrale klaveret(オーケストラのようなピアノ)」のプロジェクトでノルウェー国立音楽大 学の博士号を取得しました。ソリストとして各地をまわり、ベルリン・コンツェルトハウス、カーネギーホール、ウィグモアホール、京都府立府民ホールなど で演奏してきました。2019年11月、オスロのソフィエンベルグ教会で録音セッションが行われ、画家でもあるブレイクが描いた『The Great Dragon』と 『Woman Clothed with Sun』をあしらったアルバムのグラフィック・デザインをプロデューサーのモッテン・リンドベルグが担当。クリスチャン・オフスタ・ リンドベルグが、プログラム・ノート(英語、ノルウェー語)を執筆しました。

H.M.F
HMM-902441(1CD)
ベートーヴェン:後期ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
ピアノ・ソナタ第32番Op.111
ニコライ・ルガンスキー(P)

録音:2020年7月、モスクワ音楽院大ホール
ベートーヴェン・イヤーの2020年、ハルモニア・ムンディは特別なリリースを用意しています。その注目のひとつがニコライ・ルガンスキーによる後期ソナタ 集です。 後期の3つのソナタは、前期、中期の作品とは一線を画す、高い音楽性と孤高の音楽となっています。作品101(第28番)は、フーガが用いられ、それまでのピ アノソナタとは一線を画する内容を持ち、後期の入り口とされる作品。ルガンスキーは、ベートーヴェンの高まる芸術の萌芽を、丁寧に描き出そうとしています。 そして一筋の光が差すような温かな明るさを持った作品109(第30番)のソナタは、第3楽章に比重がおかれ、演奏者の構成力が試される作品ですが、緻密に 計算されたルガンスキーの構築力に改めて脱帽。作品111(第32番)は、「第9」や「荘厳ミサ」と並行して作曲されていた経緯もあり、ベートーヴェンのピアノ 音楽の最終地点でもあります。その深淵を極めたベートーヴェンの世界観を、限りない優しさに満ちた演奏でルガンスキーは見事に表現しています。 (Ki)

H.M.F
HMM-931927(1CD)
待望の再発売!(湧々堂・殿堂入り名盤)
ショパン:ワルツ(全19曲)
第19番イ短調 遺作/第7番嬰ハ短調 Op.64-2/第4番 ヘ長調「華麗なる円舞曲」Op.34-3/第8番変イ長調 Op.64-3/第5番変イ長調「大円舞曲」Op.42/第12番 ヘ短調 Op.70-2/第13番変ニ長調 Op.70-3/第15番 ホ長調 遺作/第14番ホ短調 遺作/第3番イ短調「華麗なる円舞曲」Op.34-2/第10番 ロ短調 Op.6-2/第6番変ニ長調「子犬のワルツ」Op.64-1/第11番 変ト長調 Op.70-1/第9番変イ長調「告別」Op.69-1/第16番 変イ長調 遺作/第2番変イ長調「華
麗なる円舞曲」Op.34-1/第18番変ホ長調「ソステヌート」 遺作/第17番変ホ長調 遺作/第1番変ホ長調「華麗なる
大円舞曲」Op.18
モンポウ:ショパンの主題による変奏曲
アレクサンドル・タロー(P/Steinway D)

録音:2005年12月/パリ
フランスの名ピアニスト、アレクサンドル・タロー。その繊細で薫り高い演奏で聴衆を虜にしています。そのタローの名を世界的なものにした名盤、2005 年録音のショパンのワルツ集が待望の再発売いたします!
信じがたい芸術的センス!曲の配列が上記のとおり独自の配慮がなされていることからも分かるとおり、各曲のニュアンスが美しく連動するように配置されており、実際の演奏の素晴しさがその意義を確かなものにしています。いきなり陰りの濃い「第19番」で開始されますが、これでもうイチコロ!憂いと余韻を漂わせるセンス、汚れを知らぬタッチの妙、短い文節をしなやかに連鎖させる力量など、どこをとても惚れ惚れするばかりです。「第7番」はテンポ設定が実に見事。アゴーギクをアゴーギクと感じさせずにニュアンスを揺らし、明るい中間部ではカラッとしたタッチに変貌させますが、根底に潜む憂いの表情は決して捨て去りません。「第8番」も、スコアに込められた陰影がこれほど美しく立ち上る演奏も少ないでしょう。「第13番」は最初の2音がショッキング!前に進むのを拒むようなこの滑り出しの何という悲しさ!音のニュアンスを直感的に感じ取る力が尋常ではないことの証です!「第14番」は活力を何面に封じ込め、泣きじゃくりたい感情をひたひたと表出。一音たりとも聴き逃せません。「小犬」は、よくありがちな小犬が無邪気に駆け回る安直な描写とは比較にならない究極の逸品!愉しいニュアンスを生かしつつも、エレガントかつアンニュイな雰囲気を放ち、そのブレンド感がたまらない魅力です。「第10番」は、3拍子のリズムの民族色をかなり意識しているのが意外ですが、全く泥臭くならず、そればかりか、中間部のノスタルジックな表情と共に格調高い全体の構築を実現しているのには驚きを禁じ得ません。これらの雰囲気を引き継ぎながらさりげなく置かれた最後のモンポウも心を捉えます。タローの音楽センスを知る最適なCDであると共に、ショパンのワルツ集を前奏曲集のように一貫したコンセプトで描いた成功例として、不滅の価値を誇るは必定。録音もきわめて優秀です。【湧々堂】


Treasures
TRE-232(1CDR)
超厳選!赤盤名演集Vol.3〜フランソワ絶頂期のショパン
即興曲集(全4曲)*
練習曲集Op.10/練習曲集Op.25
サンソン・フランソワ(P)

録音:1957年11月*、1958年9-10月&1959年2月(全てモノラル)
※音源:TOSHIBA CA-1015*、CA-1016
◎収録時間:77:58
“技巧を目的ではなく手段として使い切った閃き芸の極北!”
■音源について
フランソワが遺したショパンの作品が数多く遺しましたが、Op.10&25、4つの即興曲はその中の一部の抜粋を除き、ステレオ録音は存在しません。良質な赤盤(仏スタンパー)からの復刻で、まさに絶頂期の妙技を堪能していただけることでしょう。

★サンソン・フランソワ(1924-1970)没後50年記念復刻。演奏行為とは自己表現に他なりませんが、フランソワにとっては、自身の魂を曝け出すというよりも、本人にも制御不可能な発火装置の爆発感じられることが多々あります。即興曲第1番などはその典型。特に中間部後半1:33以降の激烈なうねりなど、人間が持ち得る感情を超越しおり、まさに究極の閃きとはまさにこのこと!即興曲第2番中間部、行進曲風の部分での美観度外視の大音量も同様。
 一方で、フランソワの演奏には、普通の人の何倍も濃密な人生を丸ごと暴露するような場面も多々ありますが、そんなとき私はそこに強烈なエロチシズムを感じずにいられません。幻想即興曲中間の美しいカンタービレを弱音でぼかすことなく、強固なタッチで刻印するたびにフランソワのフェロモンが押し寄せますが、逆にそれを流し去ったら抜け殻のような音になることは必至。どちらが存在価値のある芸術であるか、言わずもがなです。
 4つの即興曲は「第2番」以外の全てが3部形式で書かれていますが、形式を意識させずに文字通り即興的にニュアンスが導き出されるかが重要な鍵。その点でもフランソワの演奏は永遠に不滅でしょう。 
 エチュードと言えば、その究極形とも言えるポリーニ、アシュケナージの2大名演は無視できませんが、今やそれらに比肩する演奏は多く存在します。しかし、フランソワの感性の敏感さ、尋常ならざる色彩センスに肉薄し、「エチュード」の概念を突き破るほどの高みまで達した演奏は、出現したでしょうか?
Op.10-6は、暗く耽溺しないでロマンの香気を惜しげもなく醸し、Op.10-8でのこんな無邪気でチャーミングな付点リズムは他では聴けませんし、跡を濁さず清々しい香りのみを残るラストは、まさに名人芸。リズムそのものの発言力の凄さはOp.25-3も同様。Op.10-10は0:18からタッチの質感が変わる点にご注目!この絶妙なペダリングによるバラエティに富んだ色彩はコルトーを彷彿とさせますが、もちろんニュアンスの決まり方は一枚上。ポリーニの演奏でさえ無難な演奏に聞こえるほど、色彩の光の方向が千変万化する様をご堪能あれ。!Op.10-11は、極上のエレガンス!体の深部から滲みでるフェロモンがここでも横溢し、こでぞ愛の美醜を知る人間のみが表出可能な空気感です。Op.10-12「革命」は、テクニックの完璧さが目的ではないことはもちろん、波乱万丈の人生そのものを音化し尽くした稀有な例。気ままにも思えるルバートも聞けば聞くほど背後でコントロールが効いているのです。Op.25-12は、粘着性があってもべとつかず、真にドラマティックなレガートで魅了。中間部直前やコーダの激烈な衝撃力も破格。
そして怒涛の「木枯らし」!フランソワは「気に入らないフレーズは弾き飛ばす」というイメージを持っている人が今も昔も存在し、常人には真似のできないフランソワ独自のルバートを単なる「気まぐれ」としか捉えられない人に限って「技術的にも不備がある」とケチをつける傾向があるようです。「ミスタッチ=不備」ならば全盛期のホロヴィッツなど一昔前の大家の殆どは不備だらけになってしまいます。そんなミスタッチにしか反応しない残念な耳を改善する方法があるとすれば、この「木枯らし」を何回も聴き直しすことくらいでしょう。「木枯らし」どころの騒ぎではない決死のドラマを目の当たりにしても心が動かないのなら、音楽が生まれる衝撃や感動に興味がないわけですから、常識では測れないフランソワの芸術を的確に判断できる道理がないのです。的外れなイメージを安易に吹聴するなど謹んでいただきたいものです。【湧々堂】

Cybele
CYBELE-231903S
(2SACD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンの為のソナタとパルティータ BWV1001-1006 (ヴィオラ版) アティッラ・アルデミール(ヴィオラ;Pellegrino de Micheli, 1560)
バッハが好んで嗜んだ弦楽器であるヴィオラを用いての、バッハの無伴奏ヴァイオリン全曲録音。バッハゆかりの地ケーテンにある聖アグヌス教会での収録。 CYBELE レーベルならではのバイノーラル録音を含む高品質 SACD ハイブリッド盤で、美しい音響が余すことなく捉えられています。
アティッラ・アルデミールは 1975 年イスタンブール生まれ。2017 年 4 月〜MDR SOの首席ヴィオラ奏者を務めています。

AGLAE MUSICA
AMC-110(1CD)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第6番イ長調 Op.82
束の間の幻影(ピアノの為の) Op.22
アレックス・アルグアシル(P)

録音:2016年3月、スタジオ 44.1、ジロナ、カタルーニャ、スペイン
アレックス・アルグアシルはカタルーニャ(スペイン) のバルセロナに生まれ、バロセロナ市立音楽院、マンハッタン音楽院 (ニューヨーク、アメリカ合衆国) で学んだピアニスト。アリシア・デ・ラローチャにも師事し、2008年カーネギー・ホールにデビュー。2020年現在バルセロナのリセウ音楽院教授。日本でも演奏会やレッスンを行っています。
AGLAE MUSICA
AMC-113(1CD)
モーツァルト:鍵盤楽器の為の音楽
ピアノ・ソナタ 第1番ハ長調 K.279
ピアノ・ソナタ 第9番ニ長調 K.311
ピアノの為のロンド イ短調 K.511
ピアノ・ソナタ 第17番ニ長調K.576
ケネディ・モレッティ(P)

録音:2006年11月10日、国立音楽堂室内楽ホール、マドリード、スペイン
ケネディ・モレッティは1966年ブラジルのサンパウロに生まれ、サンパウロ大学、リスト・フェレンツ音楽大学、ウィーン国立音楽大学で学び、1994年以来スペインを本拠としているピアニスト。ソロ・ピアニスト、アンサンブル・プレーヤー、歌手の伴奏者、またスペイン各地の音楽院等での教育者として活躍しています。

Hoxa
HS-950701(1CD)
NX-B06
ピアノへのイントロダクション
ディアベリ:アレグレット ハ長調
C.P.E.バッハ:ラ・カロリーネ
アルカン:エスキース集 Op. 63- IV. 鐘/I. 幻影
ドビュッシー:子供の領分- VI. ゴリウォーグのケークウォーク
グリーグ:抒情小曲集 第1巻 Op. 12- I. アリエッタ/II. ワルツ/IV. 妖精の踊り
メンデルスゾーン:6つの子供の小品「クリスマス小品集」- I. Allegro non troppo
メンデルスゾーン:無言歌集 第1巻 Op. 19b - IV. A major:Moderato
シューベルト:ギャロップ ト長調 Op. 49/ワルツ 変イ長調 Op. 9-2
 ワルツ ロ短調 Op. 18-6
ショパン:カンタービレ 変ロ長調 B.84
パフルスキ:前奏曲 ハ短調 Op.8-1
ブルグミュラー:25の練習曲 Op.100- II. アラベスク/V. 無邪気
バッハ:アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳- I. ミュゼット ニ長調/II. メヌエット ニ長調
バッハ:12の小プレリュード - I. ハ長調/II. ハ長調
フィールド:ノクターン 変ロ長調 H 37
ハイドン:ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI:19 - III. Finale:Allegro assai
ベートーヴェン:11のバガテル Op. 119- I. ト短調/IX. イ短調
 7つのバガテル Op. 33 - III. Allegretto
 エリーゼのために WoO 59
クレメンティ:ソナチネ ヘ長調 Op. 36-4
チャイコフスキー:子供のためのアルバムOp. 39 - V. 木の兵隊の行進
 VII. お人形の葬式/VIII. ワルツ/XIV. ポルカ/XXI. 甘い夢
シューマン:子供のためのアルバム Op. 68 - I. メロディ
 VIII. 乱暴な騎手/X. 楽しき農夫、仕事の帰り道
シューマン:アルバムの綴り Op. 124 - 幻想的舞曲
アーン:メヌエットと変奏
バード:パヴァーヌと2つのガリヤード - ソールズベリー伯爵のパヴァーヌ
モーツァルト:アレグロ 変ロ長調
 ロンドンのスケッチブック K. 15- アレグロ ヘ長調/メヌエット ヘ長調
 ウィーンのソナチネ 第2番- I. Allegro
クリストファー・ノーザム(P)
このアルバムでは、初心者のためのピアノ曲の中でも特に優れた作品を紹介しています。イギリスのピアニスト、クリストファー・ノーザムの演奏 で、バードからドビュッシーまでの3世紀に渡る作曲家を網羅しており、どの年代の学習者にも満足していただけるようなピアノ音楽を厳選収録 しました。あまり録音されていない貴重な作品も多いため、より多くのピアノ・ファンにもお楽しみ頂ける内容となっています。バッハの「メヌエット ト長調」やベートーヴェンの「エリーゼのために」、ブルグミュラーの「25の練習曲」より“アラベスク”と“無邪気”などのピアノ学習者にはお馴染み の有名曲から、パフルスキ「前奏曲 第1番Op. 100」や、アルカンの「エスキース Op. 63」などのあまり顧みられることのなかった逸品も収録 されています。


Treasures
TRE-230(1CDR)
ノエル・リー〜シューベルト:ピアノ・ソナタ集Vol.1
ピアノ・ソナタ第14番イ短調D. 784
ピアノ・ソナタ第18番ト長調 「幻想」D. 894*
ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D. 958*
ノエル・リー(P)

録音:1966年10月、1968年2月*(全てステレオ)
※音源:Valois MB-762、MB-868*
◎収録時間:70:14
直感と知性の完全融合が生み出したシューベルトの多彩な魅力!”
■音源について
ノエル・リーが60年代末から70年代初頭に掛けて録音した、シューベルトのピアノ・ソナタ集(LP5枚分)から。ドビュッシー、ラヴェル同様、ここでもデンマークのホルヌンク&メラー製のピアノを使用。リーは同時期に「即興曲集」も録音しています。

★決して作品に耽溺せず、一定の距離を保って作品の持ち味を浮上させる姿勢は、ドビュッシー、ラヴェルと同じ。あのギーゼキングと通底するものがありますが、ギーゼキングが作品によって意外と大きくテンポを伸縮させ、濃厚なアゴーギクも厭わないのに対し、リーのテンポは低速に傾くことはなく、イン・テンポでどこまで心通う演奏ができるかを実証した画期的な演奏と言えます。
 第14番の第2楽章は、リリカルな囁きが心に染み、特に中間の盛り上がり直後の上声部の愛に満ちたタッチなど、むしろアゴークの注入は考えられません。第3楽章0:32以降では、ハーモニーの色合いの変化を繊細に感知。第2主題の幸せを噛みしめつつも軽やかに流れる風情にも、過剰な歌の押しつけは不要。
 第18番第1楽章は、そんなリーのスタイルを認識していたとしても、テンポの速さに最初はドキッとするかもしれませんが、無機質な響きなどどこにもなく、一息で歌い上げるような呼吸の妙味が、シューベルトの素の音楽性を露わにしていることに気付かれることでしょう。展開部の後半から再現部に入るまでの過程は、直感と知性の完全融合とも言うべき絶妙なバランス感覚!また、コーダ最終音の後の独特の余韻も、このテンポでなければ得られなかったことでしょう。第3楽章は健康的なリズムが心地良いですが、タッチの強弱のみならず、重みまで自在に加減しているのは流石。主題にさり気なく添えられている装飾音への心配りも作品への真の共感の証しで、イン・テンポによるクールさだけを売りにしているのではないことは明白です。終楽章は第1楽章同様にこれ以上ないほどの速いテンポでサラッと流しますが、常に淀みない歌と一体化しているのはもちろんのこと、この音楽にこれほど濃密な内容が充満していることに気付かされるこれ以上の演奏を他に知りません。そしてコーダの締めくくり方も鳥肌モノ!
 第19番も、シューベルトの音楽の「たおやかさ」以外の多様な要素が炙り出されて手応え満点。第1楽章だけでもお腹一杯になるほどですが、それを一気に消化してくれるのが第2楽章。ここでの歌の清潔さは尋常ではありません。弱音の美しさも使用楽器の特性とも相俟って心を打ちますが、もちろん柔和さ一辺倒ではありません。
終楽章はリーとシューベルトという2人の天才の共作というべき、音楽の凝縮力に釘付け!シューベルトの作品に相応しい程よい緊張が一貫し、そこから無尽蔵に楽想が溢れ出す様にグイグイ引き込まれます。
 そもそも、作品の旋律美を活かすには遅めのテンポを採用するのが当然と思われがちですが、それは想像力に限界がある人の逃げではないでしょうか?しかし、ノエル・リーの奏でる音楽はそんな風潮へのアンチとしての振る舞いとは感じられず(実は曲によってはアンチ性が表面化して流れが窮屈なものもある)、自身の感性と作品の魅力を信じ切ってた結果のピュアなな音だけで紡ぎ出されているのです。だからこそ、これほど心に響くのではないでしょうか。 【湧々堂】

FICTA
FCD-0003(1CD)
ファリウ・ガスイ(1959-):水上竜巻―ギター作品集
[ギター独奏曲]
コンサート・エチュード 第9番/ コンサート・エチュード 第10番
コンサート・エチュード 第11番/ コンサート・エチュード 第12番/ 夕暮れ [Capvespre]
瞑想的前奏曲 第1番/ 瞑想的前奏曲 第2番 / 瞑想的前奏曲 第3番/ 瞑想的前奏曲 第4番
[ギター二重奏曲]*
2つのギターの為の「盆栽」
第11番/ 第10番/ 第2番/ 第12番/ 第8番/ 第1番/ 第6番/ 第3番/ 第7番/ 第5番
第9番/ 第4番/ 第13番
[ギター伴奏歌曲] +
15分前 [Tres quarts] / ナニ・ナニ [Nani nani] / 夜の甘美な星 [Estel dolc de la nit]
永遠 [Etern]
ファリウ・ガスイ(G)
アスンプタ・マテウ(声 +)
ファリウ・ガスイ(フェリウ・ガスイ、ガスルとも) はバルセロナに生まれジュネーヴ音楽院(スイス)、インディアナ大学 (アメリカ合衆国) で学んだ、フラメンコとクラシカルの両ジャンルで活躍するギタリスト・作曲家。*は二重録音。

FICTA
FCD-0005(2CD)
フランセスク・シビル(1895-1990):ピアノ独奏作品全集
[CD 1]
印象 [Impressions]
コラール / 指慣らしの為の小エチュード / 朗報 / ビクトリアの噂 / 時間と忍耐 / 友情に歌う
懐かしさ / 不安 / すべて人生は美しいにもかかわらず!
ノクターン 変ト長調
パララダ [Peralada]
公園 / 城、城主とカスティリャの娘 / カルメル会の聖母への祈り / 庭園のニンフ
主題、変奏とフィナーレ / マリー=エルヴィル / トッカータ
[CD 2]
カタルーニャの歌の花束 / サンタ・クレウの祭り、フィゲイラにて (サルダナ)
サン・ジュアンの夜 / 帰還(サルダナ)
バレエ(またはダンス)・コレクション
スルゾナのパトゥム / カステイタルソルの舞曲 / サルダニャの舞曲 / サン・イジドラの舞曲
アスプニュレ / ムリスカ
Wilder
人形をあやす / おもちゃで遊ぶ* / 友達の間* / 海のそよ風 / メヌエット*
歌と舞曲
私のジョティカ / ラ・ヒラルダ(パソドブレ) / カタルーニャ・ラプソディ
ミケル・ビリャルバ(P)
フランセスク・シビルはカタルーニャ(スペイン) の作曲家・オルガンおよびピアノ奏者・著作家・教育家。ジロナ音楽院の創立に尽力しその院長を務めました。 「Wilder」はカタルーニャの作曲家ジュゼプ・ビアデル (1917-2012) との共作で、*はビアデルの作品。

INQUE DANZAS SONORAS
IDS-1156(3CD)
ホセ・フェルナンデス・ビデ(1893-1981):ピアノ曲 & ピアノ伴奏歌曲集
[CD 1] ピアノ独奏曲*
Do terra meiga. Suite galega
Paisaxe / Ante unvello cruceirO..! / Algueirada
Auria bella / Recordos / Sobrado
Un dia na aldea. Suite galega
O amanecer / Na hora do traballo / Camino do fiadeiro / Comezo do baile
A montanesa / Sarita / Serrania / Danzon
[CD 2] ピアノ独奏曲*
Ourense / Violetas / Potevedra / Conchita / Fiestas de oro / Vals X / Zaera / Peixe
Aires de Espana / Maria de los Angeles / Los arenaleses / Gref-Popeye / Partagas
Illusiones / Espinas y rosas
[CD 3] ピアノ伴奏歌曲 +
Que tarde tan meiga! / Quero morrer...! / Amor dondino / Gratitude / Desengano
Eu xa non durmo sen verte / Cantan os galos...! / Nena das soledades / Carballino
O neno na cuna / Oferenda / Quen? / Encomenda (Doora) / La alborada / Recuerdo triste
Mariposa / Bella mujer / Flor de Pasion / Aguas risuenas / Cubana ideal
La Santa de Aguas Santas / Mentira de amor
ノエミ・サロモン(P)
アナイス・フェルナンデス(S +)

録音:2018年2月7、21日、4月25日、8月4日、プリンシパル劇場 および
2018年7月9、17日、ポンテベドラ専門音楽院、ポンテベドラ、スペイン *
2018年7月2、9、17、19日、8月9日、9月14日、ポンテベドラ専門音楽院、ポンテベドラ、スペイン +
スペイン、ガリシア地方のオウレンセに生まれた作曲家・オルガン奏者・教育家ホセ・フェルナンデス・ビデの生誕125年を記念して制作されたCD。フェルナンデス・ビデは1924年から1932年までキューバに滞在し音楽院の創立に尽力、帰国後は "Mestre Vide"(ビデ先生) と呼ばれガリシア音楽界の重鎮として活躍しました。

INQUE DANZAS SONORAS
RSV-45000(1CD)
無伴奏チェロの為の音楽
イリス・アスキネセル:ベレシット [Bereshit] [動画]
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番ハ長調 BWV 1009 [動画]
イリス・アスキネセル:月に寄せる2つの舞曲 [Tres Danzas a la Luna]
Invocacion [動画]/ Sarabanda / Veima
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV 1010
イリス・アスキネセル:Nada te turbe(Santa Terresa en Seda) [動画]
イリス・アスキネセル(Vc)
1984年スペインのマドリード生まれのチェリスト、イリス・アスキネセルによるバッハの無伴奏組曲と自作を組み合わせたプログラム。

NON PROFIT MUSIC
NPM-1709(1CD)
ホルヘ・グルンドマン(1961-):ショア [Shoah]、無伴奏ヴァイオリンと神殿の為の (無伴奏ヴァイオインの為のパルティータ)
I  ヨム・ハショア(ショアの日) [Yom HaShoah]
II ワルシャワのゲットー [Getto Warszawskie]
III 子供たちの目を通して見たテレジーン [Terezin Through the Eyes of the Children]
IV バビ・ヤール [Babi Yar]
V  ベルゲン=ベルゼン [Bergen-Belsen]
VI 最期 [The Last Breath]
ビセンテ・クエバ(Vn)

録音:2017年1月27日−2月3日、セザンヌ・プロダクション、マドリード、スペイン
使用楽器:1691年、ストラディヴァリウス製 "Auer"
スペインの作曲家・音楽学者ホルヘ・グルンドマンがJ・S・バッハ の無伴奏ヴァイオリン・パルティータを意識して書き上げた、ショア (第二次世界大戦時のナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺、ホロコースト) をテーマとする作品の世界初録音。ヨム・ハショアはイスラエルが定めたホロコースト記念日。ゲットーはナチス・ドイツが侵攻した東欧諸国に設けたユダヤ人強制収容所。「子供たちの目を通して見たテレジーン」はチェコのテレジーン市に在ったゲットーで子供たちが描いた絵画に触発された楽章。バビ・ヤールはショアの場となったウクライナの峡谷。ベルゲン=ベルゼンはユダヤ人強制収容所が在ったドイツの都市。 ビセンテ・クエバはマドリード王立音楽院で学んだ後バルセロナでアグスティン・レオン・アラ (1936-) に、ウィーンでクララ・フリーダーに師事したスペインのヴァイオリニスト。スペイン国立RSO、スペイン国立Oの第1ヴァイオリン奏者、スペイン室内Oコンチェルティーノ=ディレクター等を歴任。 外装は縦横156mmほどの大型ハードカバーブック仕様。解説書は英語・フランス誤。スペイン語で48ページ。価格の高い当レーベルの中でさらに高価設定されています。

MUSICA VIVA
MV-122(2CD)
ハープの為の音楽−ドビュッシーからハーンスタインまで
ドビュッシー:ハープの為の舞曲 / 亜麻色の髪の乙女 / 月の光 / 小さな羊飼い / アラベスク 第1番
レイナルド・アーン(1874-1947):ハープの為の前奏曲
ジャン=ミシェル・ダマーズ(1928-2013):ハープの為の独奏曲集 / ハープの為のタンゴ / トリオ / ハープの為のコンチェルティーノ
ガーシュウィン:ポーギーとベス
クルト・ヴァイル:三文歌劇
バーンスタイン:「13の記念日」から
アーロン・スターンのために / クレイグ・アークハートのために
シャーリー・ガビス・ローズ・パールのために / スティーブン・ソンドハイムのために
「5つの記念日」から スザンナ・カイルのために
「13の記念日」から
ヘレン・コーツの追悼に / エレン・ゲッツの追悼に
ウェストサイド・ストーリー
カトリーヌ・ミシェル(Hp)
カトリーヌ・ミシェル(1948年生まれ) はパリ音楽院で学び、パリ・歌劇座O首席を務めたハープ奏者。映画音楽で名高い作曲家ミシェル・ルグラン (1932-2019) の妻でもありました(2013年に離婚)。

LARGHETTO
LARGH-037(1CD)
ウラジミール・コズマ(1940-):マンドリン独奏の為の24のカプリッチョ ヴァンサン・ビア=デマンダー(マンドリン)

OTTAVA RECORDS
OTTAVA-1000(1CD)
(UHQCD)
税込定価
The Live!
ベートーヴェン:交響曲第7番
序曲「コリオラン」*
「エグモント」序曲*
田尻洋一(P&編)

ライブ録音:2012年2月26日伊丹アイフォニックホール
2012年5月19日いたみホール*
桐朋学園大学卒業後、イディル・ビレット女史の唯一の弟子として研鑽を積んだ田尻洋一。1996年から、作曲家ごとの全曲演奏というユニークなスタイルで 活動を開始、2000年以降は、管弦楽曲を自身で編曲したソロを次々とプログラムに取り入れ、通常のピアノ演奏会の枠を大きく超えた新たなジャンルを確立し ています。
今回リリースするベートーヴェンの交響曲第7番と「コリオラン」「エグモント」は、共に2012年に伊丹市で開催されたリサイタルの鬼気迫るライブ録音で、 巨匠エンジニア・深田 晃氏が念入りにマスタリングを施しました。
今回のアルバムの解説で、田尻自身、次のように語っています。 『魂の鼓動をベートーヴェンが表現すると、まるで地球が地響きをたてて踊り狂うような、強力なエネルギーを感じさせる音楽になります。7番のシンフォニーは、 とてつもない熱量を放射する作品で、演奏していてもどんどんエネルギーが湧き出てくる感覚があります』。
2000年からプログラムに取り入れた管弦楽曲のオリジナル・ソロ編曲のジャンルでは、2012年にベートーヴェンの全交響曲、19年にはブラームスの全交 響曲、ほかに、「未完成」「新世界」「悲愴」「プラハ」などの交響曲をはじめ、ベートーヴェンの「皇帝」をはじめ、モーツァルト、シューマン、ブラームス、ショ パン、グリーグ、サン=サーンスなどのピアノ協奏曲のソロ編曲版を演奏しています。
ソロをはじめ、室内楽アンサンブル、オーケストラなどへの客演も数多く、日本各地での演奏会は2000回を超える数となり、2010年はアメリカ、2011年 からは毎年2回のペースで欧州リサイタル公演を継続しており、2014年には日本スイス国交樹立150年記念リサイタルに招聘されています。
国際的な活動が認められ、スタインウェイ・ハンブルク本社からスタインウェイ・アーティストの称号を与えられました。 (Ki)

DIGRESSIONE
DCTT-65(1CD)
バッハ:パルティータ ハ短調 BWV 997
ジューリオ・レゴンディ(1822-1872):序奏とカプリチョ
ヒナステラ(1916-1983):ギター・ソナタ Op.47
キアーラ・ファッブリ(G)

録音:2016年4月、ルター派サン・マルセル教会、パリ、フランス
DIGRESSIONE
DCTT-100(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):ピアノ作品集
イタリアの様式によるピアノの為の組曲 Op.138
カノン形式によるピアノの為の6つの小品
挨拶状 Op.170 から
リチェルカーレ(ルイージ・ダッラピッコラの名による) (NO17)
アンジェロ・アルチリョーネ(P)

録音:2019年7月、AREA DIG、モルフェッタ、バーリ県、イタリア

Velut Luna
CVLD-282(1CD)
ピアノ四手連弾のために編曲された「動物の謝肉祭」とラヴェルの作品
サン=サーンス/ルシアン・ガルバン (1877-1959)編):「動物の謝肉祭」(ピアノ四手連弾の為の版)
ラヴェル/ルシアン・ガルバン編):
ラ・ヴァルス(ピアノ四手連弾の為の版)
歌劇「子供と魔法」〜(ピアノ四手連弾の為の版)
とんぼのダンスとスフィンクス/五時のフォックストロット
高雅で感傷的なワルツ(ピアノ四手連弾の為の版)
エリアーナ・グラッソ、イレーネ・ヴェネツィアーノ (ピアノ四手連弾)

録音:2016年6月15-16日、スタジオ・ザンダ、カンポノガーラ、イタリア
Velut Luna
CVLD-309(1CD)
バッハとイタリア様式
バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調(クラヴィーアの為の)BWV 971
クラヴィーア独奏の為の協奏曲 ニ長調 BWV 972
(原曲 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン、弦楽と通奏低音の為の協奏曲 ニ長調 Op.3-9)
クラヴィーアの為のカプリッチョ 変ロ長調「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV 992
クラヴィーア独奏の為の協奏曲 ニ短調 BWV 974
(原曲 アレッサンドロ・マルチェッロ:オーボエ、弦楽と通奏低音の為の協奏曲 ニ短調)
イタリア風のアリアと変奏(クラヴィーアの為の)イ短調 BWV 989
クラヴィーア独奏の為の協奏曲 ハ長調 BWV 976
(原曲 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン、弦楽と通奏低音の為の協奏曲 ホ長調 Op.3-12)
ロベルト・ロレッジャン(Cemb)

録音:2018年9月11-13日、アンティーク・ピアノ博物館、マジエーロ & チェンタニン音楽財団、アルクア・ペトラルカ、イタリア
Velut Luna
CVLD-310(1CD)
ピアソラ−ソロ・ピアノ
アストル・ピアソラ(1921-1992)/
作曲者編):アディオス・ノニーノ(タンゴ・ラプソディ)[Adios Nonino, Tango Rhapsody]
ハイウェル・デイヴィーズ、ロレダーナ・ピルーゾ編):不在 [Ausencias]
山本京子編):タンゴの歴史 [Histoire du tango]
売春宿 1900 [Bordel 1900]/カフェ 1930 [Cafe 1930]/ナイトクラブ 1960 [Nightclub 1960]
現代のコンサート [Concert d'aujourd'hui]
ハイウェル・デイヴィーズ、ロレダーナ・ピルーゾ編):ムムキ [Mumuki]
山本京子編):リベルタンゴ [Libertango]
フアン・カルロス・スニニ、サウル・コンセンティノ編):忘却 [Oblivion]
マホメット・オコンサル、ロレダーナ・ピルーゾ編):
ブエノスアイレスの四季 [Estaciones portenas]
ロレダーナ・ピルーゾ(P)

録音:2018年9月3-5日、サンタポリナーレ教会、モンティチェッロ・ディ・ロニーゴ、イタリア
ロレダーナ・ピルーゾはシチリアに生まれ、長年ヴェネトを本拠に活躍しているイタリアのピアニスト。
Velut Luna
CVLD-312(1CD)
フルートとピアノで映画音楽の名曲を
モーリス・ジャール(1924-2009):「ドクトル・ジバゴ」- ララのテーマ
マックス・スタイナー(1888-1971):「風と共に去りぬ」- タラのテーマ
モーリス・ジャール:「アラビアのロレンス」
フランシス・レイ(1932-2018):「ある愛の詩」
チャップリン(1889-1977):「ライムライト」- エターナリー
サミー・フェイン(1902-1989):「慕情」
スコット・ジョプリン(1868-1917):「スティング」- エンターテイナー
ガーシュウィン:「パリのアメリカ人」/「ザ・マン・アイ・ラヴ」
バーンスタイン:「ウエストサイド物語」- トゥナイト,マリア
A・サルヴェーミニ:「Melodia Orientale」
ジョン・ウィリアムズ(1932-):「シンドラーのリスト」
ゲーゼ(1879-1963):「ジェラシー」
フランチェスカ・サルヴェーミニ(Fl)
シルヴァーナ・リバルド(P)

録音:2018年9月4日、アレア・マジステル・スタジオ、プレガンツィオル、イタリア
Velut Luna
CVLD-319(1CD)
パイプオルガンによるジョン・ウィリアムズの音楽
ジョン・ウィリアムズ(1932-)/ファブリツィオ・カスターニア (1976-)編):
「ジョーズ」- テーマ
「未知との遭遇」
「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」- 組曲
「スーパーマン」- 愛のテーマ
「シンドラーのリスト」- 組曲
「SAYURI」- テーマ
「太陽の帝国」- 組曲
「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」- レイア姫のテーマ
「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」- 王座の間とエンド・タイトル
ライモンド・マッツォン(Org)

録音:2019年9月27-28日、アウディトリウム・ポッリーニ、パドヴァ、イタリア
Velut Luna
CPRD-001(3CD)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ 第1番ヘ短調 Op.1(1)
ピアノ・ソナタ 第2番ニ短調 Op.14(2)
ピアノ・ソナタ 第3番イ短調 Op.28(3)
ピアノ・ソナタ 第4番ハ短調 Op.29(4)
ピアノ・ソナタ 第5番ハ長調 Op.38(5)
ピアノ・ソナタ 第6番イ長調 Op.82(6)
ピアノ・ソナタ 第7番変ロ長調 Op.83(7)
ピアノ・ソナタ 第8番変ロ長調 Op.84(8)
ピアノ・ソナタ 第9番ハ長調 Op.103(9)
ラハト=ビ・アブディサギン(ピアノ(1))
エリーザ・ダウリア(ピアノ(2))
カルメン・アナシタシオ(ピアノ(3))
サーラ・デ・アスカニース(ピアノ(4))
クリスティアン・モンティ(ピアノ(5))
クラウディオ・ボンフィーリョ(ピアノ(6))
ファビアーノ・カザノーヴァ(ピアノ(7))
シモーネ・ルガーニ(ピアノ(8))
マルティン・マルムグレン(ピアノ(9))

録音:2019年1月11-12日、ライヴ、アウディトリウム・ポッリーニ、パドヴァ、イタリア
パドヴァ音楽院でコンスタンチン・ボギーノのマスタークラスを受講した若きピアニストたちによる演奏。

SOLE RECORDINGS
SR-0005(1CD)
イザイ:6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27
第6番ホ長調/第2番イ短調/第3番ニ短調「バラード」/第1番ト短調/第4番ホ短調/第5番ト長調
パブロ・スアレス(Vn)

録音:2015年7月、サン・アンドレスデ・ベドリニャナ教会、ビリャビシオサ、アストゥリアス州、スペイン
パブロ・スアレスはニコラス・チュマチェンコ、サルヴァトーレ・アッカルド、オーギュスタン・デュメイに師事したスペインのヴァイオリン奏者。2020年現在アラゴン音楽院教授。
SOLE RECORDINGS
SR-0009(1CD)
イグナジ・カンブラ〜ライヴ・イン・バルセロナ
グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」Op.40
ラフマニノフ:前奏曲 嬰ト短調 Op.32-12
前奏曲 ロ長調 Op.32-10
前奏曲 ハ短調 Op.23-7
イグナジ・カンブラ(P)

録音:2016年3月、ライヴ、カタルーニャ音楽堂、バルセロナ、スペイン
1989年バルセロナ生まれのピアニスト、イグナジ・カンブラのデビューCD。外装表示は「SR 009」となっております。ディスクには「SR 0009」と印刷されており、弊社ではどちらでオーダーをいただいても対応いたします。


Treasures
TRE-226(1CDR)

シューラ・チェルカスキー・1968
バルトーク:ピアノ・ソナタ
バラキレフ:イスラメイ
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番D664
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番Op.5
シューラ・チェルカスキー(P)

録音:1968年、1968年11月7日クイーン・エリザベス・ホール(ロンドン)・ライヴ、全てステレオ
※音源:ASV ALH-965、ALH-948*
◎収録時間:73:08
"チェルカスキーの音楽を形作る理論では収まらない直感力!"
■音源について
チェルカスキーが1968年に行った演奏集。ここで用いた2種のレコードはCD化は確認できませんでした(2020年5月現在)。

★チェルカスキーの芸術はどこへ向かおうとしているのか、私にはずっと判然としないままでした。19世紀的ヴィルトゥオーゾ・タイプだというのは確かでしょうが、大向こうを唸らせるようなアクロバティックな痛快さや、ブライロフスキーのように突き抜ける感じが希薄で、かと言って精神的な深淵さを目指しているとも思えず、理論的な構築性とも縁遠い…などとモヤモヤの原因を考えているうちに演奏が終わってしまうのが常でした。技巧的なレパートリーを沢山抱えながら、派手なショーマン・シップにどっぷり浸からないもどかしさ。しかし、それこそがチェルカスキーのピアニズムを底光りさせている大きな魅力だと気づかせてくれたのは、まさにここに収録されているシューベルトのソナタなのです!
 派手な演出に走ることへにどこかはにかんでいるような雰囲気は、チェルカスキーの人間性そのものであり、それが作曲家の思いと一体化したときに作品が瑞々しく息づくという事実を目の当たりにしたのです。技巧が物を言う作品ばかりを聴いていては、この宝物に気付くことはなかったでしょう。
第1楽章の主題は、自由さと繊細さが同居した本能的な歌そのもの!譜面上の拍節にこだわっていては生まれようのない夢の世界が一気に広がります。シューベルトの歌は、心から丁寧に歌えば良いという単純なものではないのでしょう。第2楽章は、完全に心は現実世界から逃避。音楽がどこへ向かうかなど考えるだけ野暮。そもそもゴールなど決めていないのですから。全体を一息で流すような第3楽章も究極芸!終楽章も、全体をきっちりと締めくろうとする意図を持ち込まない点がミソ!演奏家の全人格をサラッと曝け出し、その結果実現したシューベルトの理想郷。もはやお手本にすらできない至芸です!
 構築力を最優先しないチェルスキーが弾くブラームスは、当然ながら深刻ぶることがなく、音色も無理にモノクロームに変換しないので、この曲の知られざる潜在的な魅力に気付かされることが多く、嬉しい発見の連続です!第1楽章第2主題にはシューベルトと通底する純粋な歌が流れ、3:01からの低音部のうねりは、音楽の捉え方の大きさと呼吸の深さにより清々しく音楽が羽ばたきます。直感に素直に従うだけで、これほど音楽の見通しが良くなるのです!更に唸らせるのは第2楽章!特に弱音の説得力は尋常ではなく、決して痩せることのないタッチの制御力が表現と完全に連動。中間部の甘美な佇まいはもちろん作り込んだものではなく、チェルカスキーの無垢な感性の結晶そのもの。ここでの絶妙なアゴーギクも、先述のシューベルトのテーマと同様、自然体に徹しているに過ぎないのです。第3楽章は、リズムに芯の強さというよりバネの強さを感じさせ、通常現出される世界よりもっと広範囲に聴き手を誘います。終楽章に至って、過去に聴いた演奏は、この作品の多面性をあえて狭めていたものばかりだったと思い知らせれました。0:50からの最初の中間旋律がこれほど愛らしく希望に溢れる楽想を宿していたことに初めて気づきましたし、第2の中間旋律が現れるまでの間は大抵の演奏は焦点がぼやけるところですが、それが皆無。そしてコーダの比類なき輝き!チェルカスキーの良い意味での楽天性を全面開放することで、立派な建造物を仰ぎ見る満足感以上の充足感を味わっていただけること必至です!
 バルトークも、一般的な名演の条件以上の要素が詰まった超名演。鋭利な打鍵の繰り返しという単純なものではなく、生々しい肉感的なタッチの醸成が見事。第2楽章の不協和音にこれほど人間的な体温を感じさせるのも珍しいでしょう。もちろんこれもチェルカスキーの「狙い」ではなく、直感的にそう弾くしかないというだけのこと。だからこそ、押し付けがましさが皆無であり、壮絶な技巧力が一人歩きすることもないのです。
 「イスラメイ」も同じく同曲屈指の名演。丹田から漲るようなエネルギーと、中間部の語りの妙と色彩の引き出しの多さは並ぶものなし!このコーダの畳み掛けも指が勝手に動いてしまったような自然発火的な推進力で、唖然とするばかり。【湧々堂】

Air Note
AIR-001-2009(1CD)
ヘンデル:チェンバロ組曲選集 (ピアノによる演奏)
組曲(第2巻 第1番) 変ロ長調 HWV 434 から メヌエット
組曲 第5番(第1巻 第5番) ホ長調 HWV 430
組曲 第3番(第1巻 第3番) ニ短調 HWV 428より アルマンド
組曲 第12番(第2巻 第5番) ホ短調 HWV 438 / 組曲 第8番(第1巻 第8番) ヘ短調 HWV 433
組曲 第9番(第2巻 第6番) ト短調 HWV 439 / 組曲 第2番(第1巻 第2番) ヘ長調 HWV 427
組曲 第3番(第1巻 第3番) ニ短調 HWV 428 〜アリア ニ短調
組曲 第4番(第1巻 第4番) ホ短調 HWV 429
ラシャ・アロダキ(P)

Idil Biret Archive
BIR-8.571407(1CD)
NX-B02
ビレット・ベートーヴェン・エディション 第20集
ディアベリのワルツによる33の変奏曲「ディアベリ変奏曲」*
32の変奏曲 ハ短調 WoO 80
イディル・ビレット(P)

録音:2020年3月9日 スレヤ・オペラ・ハウス,イスタンブール*
1975年12月2日 アリス・タリー・ホール・オブ・リンカーン・センター,ニューヨーク
ベートーヴェンへの深い愛を表明し、これまでに協奏曲やソナタの全曲録音を成し遂げているビレットですが、 「ディアベリ変奏曲」は初録音となります。晩年のベートーヴェンの作曲技法が極限まで追求されたさまざまな 変奏曲と、第32変奏に置かれた壮大なフーガ、そして最後の軽やかなメヌエットまで、ビレットは最後まで緊 張感を保ち、多彩な表現で演奏しています。ペダルをたっぷり使った残響の良い響きも聴きどころ。1975年 にアリス・タリー・ホールで演奏された『32の変奏曲』は、ニューヨークタイムズ紙で絶賛された演奏です。
Idil Biret Archive
BIR-8.571403(1CD)
NX-B02
ビレット・コンチェルト・エディション 第9集〜フランク:作品集
交響詩「Les Djinns 鬼神」M.45*
交響的変奏曲 M.46*
前奏曲、コラールとフーガ M.21
前奏曲、アリアと終曲 M.23
イディル・ビレット(P)
アラン・パリ(指)
ビルケントSO

録音:2005年12月16,18,19日 ビルケント・シンフォニー・ホール,アンカラ*
2017年3月 シャトー・ド・フラウィンヌ,ナミュール,ベルギー
1949年11月、8歳の時にパリのORTF(フランス国営放送)スタジオで初のレコーディングを行ったというイディ ル・ビレット。以来、彼女は古典派から現代作品まで、ありとあらゆる曲を演奏、録音してきました。このフラン ク、オーケストラとの2曲は2005年の録音でオーケストラと対等に張り合うビレットの力強さを感じさせます。ま た、後半の独奏曲2曲は2017年の録音。複雑な対位法が張り巡らされた、地味ながらも深い味わいを持 つフランク晩年の名作を、ビレットは自身の長い演奏家人生を振り返るように慈しみに満ちた演奏で表現し ています。
Idil Biret Archive
BIR-8.571404(1CD)
NX-B02
ビレット・アーカイヴ・エディション 第19集〜ラヴェル:作品集
組曲『鏡』/ラ・ヴァルス
『クープランの墓』*
イディル・ビレット(P)

録音:1987年 シュトゥットガルト、1965年 パリ*
1949年11月、8歳の時にパリのORTF(フランス国営放送)スタジオで初のレコーディングを行ったというイディ ル・ビレット。以来、彼女は古典派から現代作品まで、ありとあらゆる曲を演奏、録音してきました。 このアルバムには、ラヴェルの3作品を収録。若さに溢れ軽やかさの中に神秘的な雰囲気を秘めた1965年 録音の「クープランの墓」、その22年後に録音され「鏡」での変幻自在な表現、優雅さの中に荒々しさを感じ させる「ラ・ヴァルス」。ビレットの個性が遺憾なく発揮された名演をご堪能ください。
Idil Biret Archive
BIR-8.504055(4CD)
NX-B09
ベスト・オブ・ベートーヴェン
【Disc1】
ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」 Op.13
ピアノ・ソナタ 第14番「月光」Op.27 No.2
ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」Op.57
【Disc 2】
ピアノ・ソナタ 第7番ニ長調 Op.10 No.3
ピアノ・ソナタ 第21番「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ 第25番ト長調 Op.79
【Disc3】
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」Op.73
合唱幻想曲 ハ短調 Op.80
【Disc4】
ベートーヴェン(リスト編):交響曲第5番「運命」
交響曲第9番ニ短調「合唱」
イディル・ビレット(P)
【Disc1】
録音:2006年10月、2008年5月、2001年11月
【Disc 2】
録音:1994年5月
【Disc3】
エツゲチャン・ジェンチェル(S)
ギュルベン・エジシュク・チャヤン(S)
セマ・バイサル(A)
チャン・セルハト・サイギ(T)
エティム・デミール(T)
アリ・シナン・ギュルセン(Bs)
トルコ国立ポリフォニックcho
アントニ・ヴィト(指)
ビルケントSO
【Disc4】
録音:1985年7月、1986年4月
名手イディル・ビレットが1986年から2008年に渡って録音した、ベートーヴェンの全ピアノ・ソナタと協奏曲、 合唱幻想曲、そしてリストがピアノ独奏用に編曲した全交響曲の中からえりすぐりの作品をコンパイルした4枚 組BOX。【CD1】には3大ソナタ、【CD2】には「ワルトシュタイン」の他、珠玉のソナタ2曲を収録。【CD3】に はアントニ・ヴィトがバックを務めるピアノ協奏曲第5番と合唱幻想曲、【CD4】にはビレットが得意とするリスト 編曲の交響曲の中から第5番と、歌の部分まで全てをピアノに置き換えた第9番の終楽章を収録。ビレット の長い演奏活動の中でも特別な位置を占めるというベートーヴェンの作品の数々を、独自の解釈と超絶技 巧を駆使した演奏で存分にお楽しみいただけます。

BASSUS EDICIONES
BED-008(1CD)
19世紀スペイン・ピアノ音楽の巨匠たち
ニコラス・レデスマ(1791-1883):ピアノ作品集

大ソナタ 第3番
ソナティナ 第6番/ソナティナ 第1番
大幻想曲と「黄金の紐」による変奏曲
アナ・ベナビデス(P)

録音:2006、2008、2011年、マドリード、スペイン
「19世紀スペインの未出版ピアノ音楽」シリーズのCDに収録されていた音源を集成したものです。 ニコラス・レデスマはスペインのグリセル(現サラゴサ県)に生まれた作曲家。オルガン奏者としてスペイン国内各地で活躍し数多くの教会音楽を作曲。彼が書いたピアノの為の12の練習曲はマドリード王立音楽院で使用されています

eaSonus
EAS-29407(2CD)
シューマン:ピアノ曲集
アベッグ変奏曲Op.1
蝶々Op.2
交響的練習曲Op.13
交響的練習曲(遺作の5つの変奏曲)
天使の主題による変奏曲WoO24
ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.11
ピアノ・ソナタ第2番ト短調Op.22
エリーザベト・レオンスカヤ(P)

録音:2018年10月1日‐5日、2019年6月30日/ブレーメン・ゼンデザール
円熟著しいレオンスカヤ最新盤はシューマン作品集。2枚組で変奏曲形式のものがディスク1、2篇のピアノ・ソナタがディスク2に収められた力作で、 充実の至芸を堪能できます。
レオンスカヤといえば巨匠リヒテルから高く評価され可愛がられたことで知られていますが、このアルバムもシューマンを愛したリヒテルの影が見え隠れする選曲と演奏になっています。収録されている作品の多くはリヒテルの十八番で、交響的練習曲を遺作の5曲も加えているのも師ゆずり。
高度なテクニックと高い構成力が必要とされる2篇のピアノ・ソナタが驚愕の名演。落ち着いた音楽作りながら、激しい箇所は別人のような力で迫ります。
興味深いのは、精神の破綻が言行にあらわれ、厳寒のライン川に飛び込み自殺未遂をした頃のシューマンが、天使から授かったとされる主題に基づき作っ た変奏曲をレオンスカヤの演奏で味わえること。この不思議な作品を強い説得力で解き明かしてくれます。余裕のテクニックはもとより、たっぷりとした歌 い回しと深い音楽性で現役最高のピアニストのひとりと目されるレオンスカヤ。凄さに圧倒されます。 (Ki)

ACADEMY PRODUCTIONS
AP-2381(1CD)
ブラームス:ピアノ作品集
スケルツォ 変ホ短調 Op.4
ローベルト・シューマンの主題によるピアノのための変奏曲 Op.9
6つのピアノ小品 Op.118
ウィリアム・グラント・ナボレ (P)
ウィリアム・グラント・ナボレ (1941年生まれ) はアメリカ合衆国生まれのピアニスト。17歳でイタリアに渡りローマのサンタ・チェチーリア音楽院でカルロ・ゼッキに師事。2020年現在コモ湖国際ピアノ・アカデミーのアーティスティック・ディレクターを務めています。
ACADEMY PRODUCTIONS
AP-2421(1CD)
モーツァルト:ピアノ作品集−愛と喪失
ロンド イ短調 K.511
ピアノ・ソナタ 第2番ヘ長調 K.280/189e
幻想曲 ハ短調 K.475
ピアノ・ソナタ 第14番ハ短調 K.457
ウィリアム・グラント・ナボレ (P)
ACADEMY PRODUCTIONS
AP-2462(2CD)
ドメニコ・スカルラッティ:20のソナタ
K.426, L.128 (Andante) / K.135, L.224 (Allegro) / K.158, L.4 (Andante)
K.118, L.122 (Non presto) / K.119, L.415 (Allegro) / K.32, L.423 (Aria)
K.515, L.255 (Allegro) / K.213, L.108 (Andante) / K.425, L.333 (Allegro molto)
K.3, L.378 (Presto) / K.132, L.457 (Cantabile) / K.27, L.449 (Allegro)
K.262, L.448 (Vivo) / K.294, L.67 (Andante) / K.380, L.23 (Andante, commodo)
K.377, L.263 (Allegrissimo) / K.101, L.494 (Allegro) / K.125, L.487 (Vivo)
K.98, L.325 (Allegrissimo) / K.492, L.14 (Presto)
マルゲリータ・トレッタ (P)

録音:2019年4月14-16日、ラ・サーラ・ムジカーレ・ジャルディーノ、クレマ、イタリア
マルゲリータ・トレッタ (1986年生まれ) はプロのダンサーを目指していましたが、18歳の時に火災に遭い重症を負い、リハビリ後ピアノに転向。25歳でピアチェンツァ音楽院を卒業し、コモ湖国際ピアノ・アカデミーで5年間ウィリアム・グラント・ナボレに師事。その後ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院、ルガーノ音楽大学でも学びました。33歳、当盤にてCDデビューです。

CANTUS
C-9634(1CDR)
フランスのノクターン
ジャン=アンリ・ラヴィーナ (1818-1906): 夜想曲 変ニ長調 Op.13 (1843頃)
ルイ・ルフェビュール=ヴェリー (1817-1869):夜想曲 変イ長調「羊飼いの小さな鐘」[La Clochette du Patre] Op.102 (1850頃)
ジュール・エックハルト (1834-1867):
夜想曲 変イ長調「若い娘の瞑想」[Meditation d'une Jeune Fille] Op.41 (1859頃)
グノー:夜想曲 変ホ長調「回想」(1865)
レオン・ドラフォス (1874-1955):夜想曲 ト長調 (1900)
バンジャマン・ゴダール (1849-1895):夜想曲 ヘ長調 Op.68 (1882頃)
ビゼー:夜想曲 ニ長調 WD 55 (1868)
サン=サーンス:夜想曲 変ホ長調「夕べの鐘」[Les Cloches du Soir] Op.85 (1889)
レオン・ボエルマン (1862-1897)夜想曲 ハ長調 Op.36 (1896)
ダンディ (1851-1931):夜想曲 変ト長調 Op.26 (1886)
フォーレ:夜想曲 変ニ長調 L 82 (1892)
バルト・ファン・オールト (P)

録音:2015年4月22-24日、ウェストフェスト教会、スヒーダム、オランダ
使用楽器:エラール [Erard]、1849年製
バルト・ファン・オールトはオランダのユトレヒトに生まれたピアニスト。ハーグ音楽院でモダーン・ピアノを学ぶ傍らフォルテピアノをスタンレー・ホーホラント [Stanley Hoogland] に、さらにアメリカ合衆国コーネル大学でマルコム・ビルソンに師事。ハイドン、モールァルト、ショパン、フィールド等、古典派からロマン派にかけてのレパートリーに多数の録音を行っています。
CANTUS
C-9635(1CDR)
ショパン:24の前奏曲 ジャンマリア・ボニーノ (P)

録音:2010年5月、ミラノ、イタリア
使用楽器:プレイエル [Pleyel]、1839年製
調律:Bruder 1830 (A=430 Hz)
ジャンマリア・ボニーノはイタリアの鍵盤楽器奏者。リディア・バルデッキ・アルクーリ (ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院)、ミェチスワフ・ホルショフスキ (ルツェルン音楽院)にピアノを、アルダ・ベッラジックにチェンバロを師事。
CANTUS
C-9642(2CD)
J・S・バッハ:フランス組曲
フランス組曲第4番変ホ長調 BWV 815
第2番ハ短調 BWV 813
第6番ホ長調 BWV 817
第5番ト長調 BWV 816
第1番ニ短調 BWV 812
第3番ロ短調 BWV 814
イグナシオ・プレゴ (Cemb)

録音:2013年1月7-9日、ラ・ビリャ・デ・ロナルド、マドリード、スペイン
使用楽器:2011年、キース・ヒル製 (モデル:ルッカース/タスカン)


Treasures
TRE-216(2CDR)
ドミニク・メルレ・プレイズ・シューマン
幻想小品集Op.111
フモレスケOp.20*
交響的練習曲(変奏曲付き)*
ダヴィッド同盟舞曲集Op.6
ドミニク・メルレ(P)

録音:1965年9月、1968年*
※音源:仏Accord ACC-150.006
◎収録時間:102:46
“交錯する楽想を自然に浮上させる明快なタッチと造型力!”
■音源について
ドミニク・メルレによるLP2枚分のシューマン作品集から、TRE-204に収録した以外の作品を全てここに収めました。

★ドミニク・メルレは、1938年フランス・ボルドー出身。パリ・シュベリュールド音楽院で学び、1957年、ジュネーブ国際コンクールではアルゲリッチと共に優勝(2位はポリーニ)しました。
 メルレが奏でるシューマンは、各フレーズの意味を突き詰め過ぎて流れを停滞させることを避けた自然なフォルムが魅力。その特質が最大限に発揮されているのが「フモレスケ」でしょう。
 主題が多く、曲想が頻繁に入れ替わるこの作品において、その全てに配慮しながら有機的な流れに導くのは至難の業ですが、メルレは自然体に振る舞いながらそれを見事にやり遂げています。第2曲はまさに楽想の目まぐるしい変化への対応力を証明。それらを額面通りに対処していたら支離滅裂になりかねない危険性をするりと回避し、音楽的に結実させる技に唸らされます。第3曲も、冒頭の甘美な囁きと中間の異次元の急速な楽想を無理に関連付けるのではなく時の流れに身を委ねることで、かえってシューマンの息遣いが伝わり、第5曲でも、良い意味での勢いに任せた進行が、発作的な楽想の閃きを際立たせているのです。形式的につかみどころがなく雑多なフレーズの寄せ集めにも響きかねないこの難曲を、一人の作曲家から生まれた一つの芸術品としてサラッと構築する手腕は、この作品のためにあると言いたいほどです。
 感覚的にはサラッとしていても、決して効率重視で作品を軽く見ているのではなく、タッチの質感によるところが大きいことは、「ダヴィッド同盟舞曲集」を聴けば明らか。
楽想の変化を色彩の移ろいと共に感知する独特のピアニズムは、ドイツ流儀のピアニズムとは違う作品の掘り下げ方を見せます。例えば第5曲。このいかにもシューマン的な可憐な音楽に耽溺しすぎず、全体を美しく結晶化させる方向へ向かう手法は、メルレのシューマンに対するコンセプトの象徴と言えましょう。第12曲は、メルレの闊達で晴れやかなタッチの魅力が大全開。そして、最後の2曲は特にお聴き逃しなく!第17曲は、もっと思い入れたっぷりに弾き込むことも可能でしょうが、ここではまさに遠くからのこだまのような浮遊感を敷き詰めるところに深い見識が伺え、続く終曲と共に得も言われぬ余韻を残すのです。。【湧々堂】

EM Records
EMRCD-058(2CD)
グレアム・ウェッタム:無伴奏ヴァイオリン作品集
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番/ロマンス第1番/ロマンス第2番/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番(全曲世界初録音
ルパート・マーシャル=ラック(Vn)

録音:2018年6月19日−21日、セント・アンドルー教会(トディントン、イギリス)
近代イギリスの知られざる作品や新作を続々と送り出しているthe English Music Festivalの自主レーベル「EM Records」。
グレアム・ウェッタム(1927−2007)は主に独学で作曲を学びながら多くのジャンルで作品を残し、イギリスの作曲家組合では長く会長を務めた作曲家。
すべて世界初録音となる、ウェッタムの3つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタと2つのロマンス(ロマンツァ)を、「パリーのヴァイオリンとピアノのための作品全集(EMRCD 050-52)」でも素敵な音色を聞かせてくれたヴァイオリニスト、ルパート・マーシャル=ラックが優美に紡ぎます。


Treasures
TRE-217(2CDR)
ノエル・リー〜ラヴェル:ピアノ曲選集
鏡/高雅で感傷的なワルツ
ソナチネ/夜のガスパール*
亡き王女のためのパヴァーヌ*
水の戯れ*/クープランの墓*
ノエル・リー(P)
※使用ピアノ:ホルヌンク&メラー(デンマーク)

録音:1966年9月、1967年6月* コペンハーゲン(全てステレオ)
※音源:仏Valois MB-791、MB-792*
◎収録時間:106:40
“ミラクルなタッチで浮かび上がるラヴェル作品の色彩の深部!”
■音源について
ノエル・リーが遺したLP2枚分のラヴェル録音の全てを収録。ドビュッシー(TRE-114〜117)と同様、ここでもデンマークのホルヌンク&メラー製ピアノを使用。
★作品と絶妙な距離感を保ちながらも自己主張が際立ちすぎることなく、作品自らが自然と主張するような雰囲気を導き出すノエル・リーならではのピアニズムはここでも全開。
 最初に強調したいのは「亡き王女のためのパヴァーヌ」の素晴らしさ!冒頭テーマではあえてペダルを抑制してそこはかとない悲しみを滲ませ、2:10以降はわずかに色彩を加味して艶やかな幻想空間を表出。ホルヌンク&メラーの温かみのある音色美も効果絶大。打鍵後の音の余韻を充分の噛みしめるゆとりが、この曲の表現には不可欠であることも再認識させます。コーダで、希望の光を全身に浴び、ここまで強固な意思を漲らせた演奏も珍しいでしょう。
 「水の戯れ」が鳴り出した途端に水の泡立ちが目に浮かぶほど、意思を持たない水の流動性をこれほど完璧に表現した例が他にあるでしょうか?クライマックスのグリッサンドへの運び方も流麗の極み。3:55あたりから次第に生気を減じていくタッチの加減の見事さにも唖然。
 「クープランの墓」はまさに、ノエル・リー独自のミラクル・タッチの魅力が横溢!この作品を語る際に不可欠の超名演です。"プレリュード"では、無窮動な走句を一気呵成に走らせつつ、微妙な陰影は確実に表出。"フーガ"の音の積み上げは、堅牢でありながら力みのない自然体も併存。"フォルラーヌ"は、テーマの付点リズムをあえてぼかしている点に象徴されるように、音楽の水平的な流れを優先して、絶妙な浮遊感を演出。メランコリックな旋律に感情移入し過ぎると陳腐な曲に成り下がるということを十分に心得ているのでしょう。それを徹底すると後味が冷たくなりがちですが、そこで功を奏するのがこれまたホルヌンク&メラーの美音。 "リゴードン"では、一転して粘着質なタッチに変貌するのは想定外!リズムの重心もグッと落とします。この曲にこんな人間臭いニュアンスが隠れていたのかと、ハッとさせられます。"メヌエット"に至っては、躊躇なく今までに聴いた演奏の最高峰ど断言!タッチは徹底的に吟味し尽くされ、型通りではないアゴーギクののセンス、ほんのりと漂う寂寥感など全てが高次元。中間部の2拍目の高音の単音(2:11以降)は、他では絶対に聴けませんし、3:11からのテーマの再現で、左右の声部を対等に扱って予期せぬ幻想世界に誘うシーンも必聴。
 ラヴェルのピアノ作品の色彩的な特徴を引き出した名演は数々あれど、ここまで様々な角度から光を当て尽くした演奏は、後にも先にもないでしょう。 【湧々堂】

TC-Records
TCR-2016A(1CD)
税込定価
ヴァイオリン無伴奏作品集
バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番BWV 1004
バルトーク: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117 BB 124
バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番BWV 1005 - 第3楽章:ラルゴ*
伊藤 亜美(Vn)

録音:2015年10月26-27日聖ヨハネ ネポムク教会(ウィーン)
2016年3月30日紀尾井スタジオ(東京)*
「バッハからバルトークへ、その自然な移行に驚く。二人の作曲家の200年の隔たりを、いとも平然と超越してしまっています。とはいえ、それぞれの様 式感へのアプローチは、極めて正鵠を射ています。素直で知的な感性と技術だ。」(作曲家 池辺晋一郎)
2019年末リリースされた「ZINGARO!!!」で超人集団「Ensemble FOVE」を従え、超絶的なヴァイオリンを披露した伊藤亜美(尾池亜美)。 この2016年にリリースされた「A」では、バッハからバルトークに連なる「無伴奏ヴァイオリン作品」の流れを紐解いています。端正な表情を見せる バッハでは、長大なシャコンヌを頂点に見事な音による世界を構築、かたやバルトークでは「ZINGARO!!!」の奔放さを先取りするかのようなパ ワー溢れる演奏を繰り広げています。

Sono Luminus
DSL-92239(1CD)
NX-B05
バッハ:チェンバロ作品集
イタリア協奏曲 BWV971
フランス風序曲 BWV 831
半音階的幻想曲とフーガ BWV 903
前奏曲,アンダンテとフーガ BWV 894 & 1003
ジョリー・ヴィニクール(Cemb)
1738年 クリスティアン・ファーター製
トーマス&バーバラ・ヴォルフ 1995年復元モデル
シカゴで生まれ、パリで学び、1993年にワルシャワの国際チェンバロ・コンクールで1位を獲得、94年にプラハの春音楽祭 でデビューしたジョリー・ヴィニクールは、Sono Luminusより発売したラモー・チェンバロ作品全集などで過去2回、グラミー 賞にノミネートされた名奏者です。2019年には北米で最古の野外音楽祭であるラヴィニア音楽祭に初出演し、バッハの 「ゴルトベルク変奏曲」の演奏を披露しました。このアルバムでは、ドイツのジルバーマン・モデルをトム&バーバラ・ヴォルフ 夫妻が復元した楽器を用い、バッハの4つの名作を演奏しています。 最近では指揮者としての活動も増えているヴィニクール、ベルゲン・フィルや香港フィル、ロサンゼルス室内管などでの弾き 振りのほか、パーセルやモンテヴェルディのオペラなどを指揮しており、さらなる活躍が期待されています。
Sono Luminus
DSL-92236(1CD)
NX-B05
The Etudes Project エチュード・プロジェクトVol.1 アイスバーグ
マックス・グレイフ(1988-):アクリーション(2018)
メシアン:4つのリズムのエチュード第1番 火の島I (1949)
ヴィクター・バエズ(1985-):エチュード第1番「コロナ」(2018)
チン・ウンスク(1961-):エチュード第6番「種子」 (2000)
ユー・チュン・チェン(1987-):トゥ・ザ・コンヴァージョンズ (2018)
6.細川俊夫(1955-):練習曲第1番「2つの線」 (2011)
ウィル・ヒーリー(1990-):メランコリー・ロボットのための練習曲 第3番 トレイン (2018)
リゲティ:練習曲第1巻 第1番 デゾルドル (1985)
デレク・クーパー(1987-):練習曲第1番「アンリーシュド」 (2018)
ルース・クロフォード=シーガー(1901-1953):入り混じったアクセントによる練習曲 (1930)
ステファニー・アン・ボイド(1990-):ライラック (2018)
ドビュッシー:12の練習曲 第11番 組み合わされたアルペッジョのための
ドレイク・アンダーセン(1987-):ウォーク(2018)
スクリャービン:12の練習曲 Op.8 第2番 嬰ヘ短調
ハリー・スタフィラキス(1982-):練習曲 第1巻 オブスティナータ1「有刺鉄線」 (2018)
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」Op.33 第4番 ニ短調(モデラート)
ジョナサン・ルス(1985-):ナックルズ (2018)
フィリップ・グラス(1937-):練習曲第1集 練習曲第13番 (1994)
アレックス・ブルツォス(1985-):シュド・ザ・ワイド・ワールド・ロール・アウェイ (2018)
ショパン:12のエチュード Op.10 第4番 嬰ハ短調
ジェニー・リン(P)

録音:2019年4月15-17日
18世紀に生み出され、19世紀前半に一般的になった「エチュード(練習曲)」。 ニューヨーク・タイムズ紙などで絶賛されたピアニスト、ジェニー・リンが練習曲に焦点をあてた「ジ・エチュード・プロジェクト」を 立ち上げ、さまざまな作品を紹介しています。 第1弾となる本作は、ショパンやドビュッシー、ラフマニノフ、スクリャービン、メシアン、リゲティ、フィリップ・グラスに細川俊夫な どの良く知られた作曲家たちの「エチュード」に、現在ニューヨークで活躍する作曲家集団“アイスバーグ”のメンバー10名に よる作品を組み合わせた興味深い1枚。リンの持つ世界観が、繊細で緻密な演奏によってあますところなく表現されてい ます。

OMF
KCD-2070(1CD)
税込定価
藤枝守:ルネサンスの植物文様
植物文様第8集:pattern B
Patterns of Plants, the 8th collection: pattern B (1997)
植物文様第16集:pattern A
Patterns of Plants, the 16th collection: pattern A (2007)
植物文様第26集「茶の文様」:pattern B 「矢部」
Patterns of Plants, the 26th collection TEA PATTERNS: pattern B Yabe (2017)
植物文様第6集:pattern C
Patterns of Plants, the 6th collection: pattern C (1996)
植物文様ソングブック第2番:「マリアはバラを愛する II」
Patterns of Plants, Songbook no.2: Maria rosas amant II (1999)
植物文様第27集「台湾茶曲集-I」:pattern A
Patterns of Plants, the 27th collection TAIWAN TEA COLLECTION I: pattern A (2018)
植物文様第27集「台湾茶曲集-I」:pattern B
Patterns of Plants, the 27th collection TAIWAN TEA COLLECTION I: pattern B (2018)
植物文様第27集「台湾茶曲集-I」:pattern C
Patterns of Plants, the 27th collection TAIWAN TEA COLLECTION I: pattern C (2018)
植物文様第27集「台湾茶曲集-I」:pattern D
Patterns of Plants, the 27th collection TAIWAN TEA COLLECTION I: pattern D (2018)
植物文様第28集「台湾茶曲集-II」:pattern C
Patterns of Plants, the 28th collection TAIWAN TEA COLLECTION II: pattern C (2018)
植物文様第28集「台湾茶曲集-II」:pattern D
Patterns of Plants, the 28th collection TAIWAN TEA COLLECTION II: pattern D (2018)
植物文様第20集「ベゴニア・イン・マイ・ライフ」:pattern B
Patterns of Plants, the 20th collection BEGONIA IN MY LIFE: pattern B (2009)
植物文様第20集「ベゴニア・イン・マイ・ライフ」:pattern D
Patterns of Plants, the 20th collection BEGONIA IN MY LIFE: pattern D (2009)
植物文様ソングブック第1番「蘭の名前」:「パフィオペディラムの奴隷」
Patterns of Plants, Songbook no.1 THE NAMES OF ORCHIDS: Servus Paphiopedilum (1998)
植物文様第22集「ハーンの向日葵」:pattern D
Patterns of Plants, the 22th collection HEARN’S SUN-FLOWER: pattern D (2011)
西山まりえ(ルネサンスハープ、イタリアンCemb)

録音:2018年7月18日-2018年7月20日神奈川県立相模湖交流センター
アルカイックな音色によって奏でられる「植物文様」のなかに秘められた植物の神秘の声……。その声の始原の運動を聞くには、私たちの耳を古代人の耳へと調律し直さなければならない。今福龍太(文化人類学者)


Treasures
TRE-222(2CDR)
スメンジャンカ&スメテルリン〜ショパン名曲集
■レギーナ・スメンジャンカ
夜想曲ヘ短調Op.55-1
マズルカ第15番ハ長調Op.24-2
マズルカ第46番ハ長調Op.68-1
マズルカ第42番ト長調Op.67-1
幻想即興曲Op.66
即興曲第1番変イ長調Op.29
練習曲変ト長調Op.10-5 「黒鍵」
夜想曲第9番ロ長調op.32-1
夜想曲第2番変ホ長調op.9-2
夜想曲第10番変イ長調op.32-2
マズルカ.第3番ホ長調Op.6-3
練習曲ホ長調Op.10-3「別れの曲」
■ヤン・スメテルリン
マズルカ第20番変ニ長調Op.30-3
ワルツ第3番イ短調Op.34-2
マズルカ第25番ロ短調Op.33-4
マズルカ第17番変ロ短調Op.24-4
マズルカ第5番変ロ長調Op.7-1
ワルツ第1番変ホ長調Op.18「華麗なる大円舞曲」
ワルツ第6番変ニ長調Op.64-1「小犬のワルツ」
マズルカ第37番変イ長調Op.59-2
ワルツ第5番変イ長調Op.42-5
ワルツ第8番変イ長調Op.64-3
マズルカ第13番イ短調Op.17-4
マズルカ第42番ト長調Op.67-1
マズルカ第15番ハ長調Op.24-2
マズルカ第38番嬰ヘ短調Op.59-3
ワルツ第4番ヘ長調Op.34-3
レギーナ・スメンジャンカ(P)
ヤン・スメテルリン(P)

録音:全て1960年代初頭(?)。スメテルリンはステレオ。
※音源:蘭CNR FL-016-017
◎収録時間:92:28
“気品のスメンジャンカと、幸せオーラのスメテルリン!!”
■音源について
1960年代初頭に発売された2枚組LPの全てを収録。ただ、両者とも録音年がはっきりしません。スメテルリンはPHILIPSへの夜想曲全集の録音が比較的知られていますが、ステレオ録音となると皆無に近いので、これは貴重!スメンジャンカは、MUZAへの録音ではありません。

★レギーナ・スメンジャンカ(1924-2011)は、ショパン音楽アカデミーの教授を1996年まで務めたポーランドを代表するピアニストで、多くの門弟を世に送り出しています。誇張を排しつつも決して教科書的な演奏に傾くことなく、ショパンの比類なき芸術性を余すことなく後世に伝えた功績は計りしれず、ここに聴く演奏もその説得力は破格で、一つとして凡演なし。
 さっそく心を打つのが最初の夜想曲Op.55-1。前半の淡々とした進行の中で微妙なルバートが感情の微かな陰影を与えるセンス、中間部の決然としたタッチの威力、コーダの全てを浄化し尽くしたピュアな鎮静美と、全てがバランスよく配置された例は極めて稀。しかも予定調和感ゼロ!4つのマズルカはどれもリズムの弾力が筋金入りで、フレーズも歌うというより喋る風情。それでいて土臭さ色を全面に出さずに気品溢れる佇まいに転換させるところがスメンジャンカの凄さ。「黒鍵」は、これ以上の演奏を探すのは無茶というもの。タッチの硬軟、強弱が完全に呼吸とセットでフレーズを形成し、たおやかな雰囲気を湛えながらも音楽の根幹は緊張の糸がピンと張り詰めています。
 同じポーランド出身ながら、これと好対照なのがヤン・スメテルリン(1892-1967)。師のL・ゴドフスキーと通底するものが感じられ、晩年特有の達観とも相俟って、自身のイディオムと感性を惜しげもなくショパンに重ねます。と同時に、短調の曲でも根暗な表現に陥るのを避けているのが特徴的で、ワルツOp.34-2のような内省的な作品でも濃厚なアゴーギクを容赦なく注入。抑制したペダルが独特の悲哀を湛えますが、決して涙を想起させません。マズルカOp.33-4でも、前半の装飾音の音価を極限まで詰めたスウィング感が暗さを払拭。中間の2:19以降はスメテルリンの陽性の音楽性が見事に開花し、とことん甘美に歌い上げて幸福感が部屋一杯に広がります。表現自体が明るいうえに、それが曲想とマッチしていることを作品自体が喜んでいるように聞こえるのが、マズルカ第5番Op.7-1。マズルカの中で最も有名なこの曲は名演も数え切れませんが、これは絶対にトップ5にに入ります。華麗なる大円舞曲も同様。彼がいかに全身音楽漬けであったかを窺わせます。ただし、ミスタッチを数えながら聴くような方はご遠慮下さい。他にマズルカ第37番変イ長調Op.59-2など、特に長調作品は必聴! 【湧々堂】

grazioso
GNY-705(1CD)
UHQCD
吉野直子/ハープ・リサイタル5〜その多彩な響きと音楽U
アッセルマン(1845-1912):泉
リスト(編曲:アンリエット・ルニエ):夜鳴きうぐいす〜アリャビエフ作曲のロシアの旋律による
ジョゼフ・ジョンゲン:ワルツ Op.73
ドビュッシー(編曲:リリー・ラスキーヌ):ロマンティックなワルツ
ジャック・ド・ラ・プレール(1888-1969):雨にぬれた庭
グランジャニー(1891-1975):「子供の時間」組曲 Op.2
マルセル・トゥルニエ(1879-1951):妖精〜前奏曲と舞曲
ニーノ・ロータ:サラバンドとトッカータ
エカテリーナ・ヴァルター=キューネ(1870-1930):チャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オーネーギン」の主題による幻想曲
リスト(編曲:ルニエ):ため息
吉野直子(Hp)

録音:2019年9月&10月/軽井沢
『自主レーベル “grazioso” からの5枚目のCDは、1枚目の続編のような内容で、ハープの魅力を存分に引き出す小・中規模の作品を集めました。 まさに「ハープ音楽の宝石箱」のようなアルバム。このアルバムを通して、ハープが持つ多彩な表現力と音のパレットをあらためて感じていただければ嬉し く思います。(吉野直子)』
今回の収録作品はアッセルマンの「泉」、ジョンゲンの「ワルツ」、ドビュッシー(ラスキーヌ編)の「ロマンティックなワルツ」、ラ・プレールの「雨 にぬれた庭」、グランジャニーの「子供の時間」組曲、トゥルニエの「妖精」、ロータの「サラバンドとトッカータ」、ヴァルター=キューネの「「エフゲニー・ オーネーギン」の主題による幻想曲」、そしてリスト(ルニエ編)の「ため息」「夜鳴きうぐいす」と実に多彩なプログラム!吉野直子でしか表現するこ とのできない世界が広がります。吉野直子が紡ぐ美しいハープの音色をご堪能ください。
「ハープ・リサイタル・その多彩な響きと音楽」(GNY 701)、「ハープ・リサイタル2・ソナタ、組曲と変奏曲」(GNY 702)、「ハープ・リサイタル3・バッ ハ・モーツァルト・シューベルト・ブラームス 他」(GNY 703)、「ハープ・リサイタル4・武満・細川・吉松・ケージ・サティ」(GNY 704)も好評発 売中。いずれもレコード芸術特選盤です。
本ディスクは原盤音質を極限まで再現する新技術であるUHQCD(Ultimate Hi Quality CD)が用いられております。

AEVEA
AE-18080(1CD)
ムソルグスキー:ピアノ曲集
(1)展覧会の絵 (1874)
(2)クリミア南岸にて(全2曲)(1879)
(3)涙 (1880)
(4)子供の頃の思い出 (1857)
(5)乳母と私 (1865)
(6)村にて (1880頃)
(7)歌劇「ソロツィンスクの定期市」〜市場の場
(8)瞑想曲 (1880)
(9)歌劇「ソロツィンスクの定期市」〜ゴパーク
(10)旗手のポルカ (1852)
(11)夢想 (1865)
フランソワ・デュモン(P)
フランソワ・デュモンは1985年生まれのフランスの若手。ペライア、プレスラー、シュタイアーらに師事。2013年にオール・ショパン・プログラムで 来日公演を行い、その色彩的な音色と歌うような演奏が絶賛され、今年2020年3月の再来日も期待されています。 デュモンの最新盤はムソルグスキー作品集。「展覧会の絵」をメインに、彼の小品を集めていますが、ムソルグスキー13歳の処女作「旗手のポルカ」が入っ ていて貴重。後の作品からは想像できないような華麗な作品です。また、未完の歌劇「ソロツィンスクの定期市」からの2つの小品も興味津々。「ゴパーク」 は有名なラフマニノフの編曲ではなく、ムソルグスキーのオリジナルで武骨さが魅力です。 (Ki)
AEVEA
AE-18060(2CD)
フィリップ・グラス:エチュード集
エチュード集第1巻
エチュード集第2巻
ヤコポ・サルヴァトーリ(P)
ニマル・ミュージックの大御所フィリップ・グラスのエチュード集は、1990年代から2012年に書かれた、まさに私たちと同時代のピアノ音楽。エチュー ドという曲種らしく第2巻は指のテクニック向上に主眼が置かれ、第2巻はリズムと和声の練習となっていますが、グラスらしいポップでオシャレな感覚 にあふれた小品集に仕上がっています。グラス自身鍾愛の作で、来日時にも抜粋を自演しました。 ヤコポ・サルヴァトーリはベルリンを本拠に活動するピアニスト・コンポザー。作曲家らしい斬新な解釈でグラスの魅力を展開させています。 (Ki)


MARCO POLO
MAR-8.225372(1CD)
NX-B03
ゴドフスキー(1870-1938):ピアノ曲集 第14集

ショパンのエチュードによる53の練習曲
1.第1番:ハ長調(原曲:Op.10-1 第1版)
2.第4番:イ短調「鬼火」(原曲:Op.10-2 第2版)
3.第5番:変ニ長調(原曲:Op.10-3 左手のための)
4.第6番:嬰ハ短調(原曲:Op.10-4 左手のための)
5.第7番:変ト長調(原曲:Op.10-5 第1版)
6.第13番:変ホ短調(原曲:Op.10-6 左手のための)
7.第14番:ハ長調「トッカータ」(原曲:Op.10-7 第1版)
8.第16番:ヘ長調(原曲:Op.10-8 第1版)
9.第17番:嬰ハ短調(原曲:Op.10-9 第1版)
10.第20番:変イ長調(原曲:Op.10-10 左手のための 第2版)
11.第21番:イ長調(原曲:Op.10-11 左手のための)
12.第22番:嬰ハ短調(原曲:Op.10-12)
13.第25番:変イ長調(原曲:Op.25-1 第3版)
14.第27番:へ短調「ワルツ」(原曲:Op.25-2 第2版)
15.第29番:ヘ長調(原曲:Op.25-3 第1版)
16.第32番:へ短調「ポロネーズ」(原曲:Op.25-4 第2版)
17.第34番:嬰ハ短調「マズルカ」(原曲:Op.25-5 第2版)
18.第36番:嬰ト短調「三度の練習」(原曲:Op.25-6)
19.第38番:変ニ長調「六度の練習」(原曲:Op.25-8)
20.第39番:変ト長調(原曲:Op.25-9 第1版)
21.第41番:ロ短調(原曲:Op.25-10 左手のための)
22.第42番:イ短調(原曲:Op.25-11)
23.第43番:嬰ハ短調(原曲:Op.25-12 左手のための)
24.第44番:へ短調(原曲:新しい練習曲 第1番 左手のための)
25.第45番:ホ長調(原曲:新しい練習曲 第2番 第1版)
コンスタンティン・シェルバコフ(P)

録音:2019年1月28-30日
シェルバコフによる「ゴドフスキー:ピアノ作品集」のシリーズが始まったのが1996年。その時から、ファンの間でいつリリースされるのかと話題になっていた「ショパンのエ チュードによる練習曲」が遂に登場します。 音楽評論家のハロルド・ショーンバーグが「ピアノのために書かれた作品でこれ以上ありえないほど難しい」と評したこのゴドフスキーの曲集は、もともと演奏困難な ショパンの「練習曲=エチュード」にゴドフスキーが独自の編曲を加え、更に難しく仕立てたもの。主として左手の鍛錬を目的として書かれており、いくつかの作品は 左手のみで奏されますが、曲によっては、複数の練習曲を同時に演奏するという試みがなされているなど、まさに技巧の限りを尽くした作品が並びます。どの曲も複 雑な声部を持ち、幾多の旋律が絡み合い、曲によっては原曲の姿をとどめないほどに手が加えられるなど、演奏家だけでなく聴き手にとっても興味深い編曲がなさ れています。これまでに全曲録音をリリースしているのは、この曲集の知名度を高めたマルカンドレ・アムランをはじめ片手の指で数えられるピアニストのみ。2019年 には日本での全曲コンサート(ピアノはフランチェスコ・リベッタ)が行われ、日本中の「超絶技巧好き」が注目したのも記憶に新しい出来事でした。 NAXOSレーベルきってのヴィルトゥオーゾ、シェルバコフはこの曲集に果敢に挑み、鮮やかな技巧を駆使して全ての曲を完璧に制覇しています。

FUGA LIBERA
FUG-760(1CD)


NYCX-10127(1CD)
国内盤仕様
税込定価
『BACH - BUSONI』ブゾーニのバッハ、ブゾーニのピアノ作品 〜歴史的ピアノと現代ピアノで
バッハ(ブゾーニ編):ャコンヌ ニ短調
『12のコラール前奏曲』
来たれ、神なる創造主、聖なる霊 BWV 667
目を覚ましてあれ、と呼ぶ声が聴こえ BWV 645(140)
今ぞ来たれ、異邦人の救い主 BWV 659
来たりて集え、愛しき救世主に従う者たちよBWV 734a
われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV 639
主なる神、今こそ天をお開きください BWV 617
アダムの堕落により、人みな悪に染まりて BWV 637
アダムの堕落により、人みな悪に染まりて BWV 705
あなたにこそ喜びを見出します BWV 615
イエス・キリスト、我らが救い BWV 665
ブゾーニ:対位法的ファンタジア(1910)
ヤン・ミヒールス(P)
使用楽器:ベヒシュタイン1860年製オリジナル(クリス・マーネ・コレクション)
クリス・マーネ2015年製作による並行弦ピアノ

録音:2019年6月9〜10日、マーネ音楽堂、ライセレーデ(ベルギー)
【国内盤】
解説日本語訳:白沢達生
現代ピアノを知らなかったバッハが書いた音楽は、18世紀に存在していたチェンバロやバロック楽器で弾いてこそ真の姿に近づける――20世 紀に「古楽器演奏」という新たなムーヴメントが広まってゆく過程で、バッハの思い描いた作品像を大きく歪めたロマン派的解釈の象徴のよう に扱われるようになり、古楽器愛好者たちからは忌避されさえしたのが、20世紀初頭に活躍したブゾーニによるバッハ作品の編曲版でした。 しかし実際はブゾーニとて、私たち21世紀人たちから見れば100年前の音楽家です。弦楽器は羊腸弦がまだ主流で、リストやブラームスが 生演奏するピアノを聴いていた世代の多くと時代をともにしたこのピアニスト=作曲家のバッハ観を、スタインウェイのピアノが極東の津々浦々 まで普及した現代の「普通のピアノ感覚」と並列の認識でよいものでしょうか? マーラーやストラヴィンスキーの作品までピリオド楽器で演奏されるようになってきた今こそ、19世紀末当時の楽器と奏法でブゾーニのバッハ 編曲のありようを問い直す意義は大きいと言えるでしょう。すでに歴史的ピアノでの録音も複数存在するドビュッシーやサティと同年代でもあ るブゾーニ自身の作品も含めて演奏するのは、古楽大国ベルギーの名手ヤン・ミヒールス。『ドビュッシーのトンボー』(FUG590)でも絶賛を 博した歴史的ピアノ奏者がくりだす丁寧な解釈が、作曲家自身と同世代のベヒシュタイン・ピアノでいや増しに輝きます。19世紀末のピアノ の製作理念を取り入れ、ダニエル・バレンボイムの絶賛も受けたクリス・マーネの並行弦ピアノも適切な存在感をあらわす、21世紀ならではの 新録音です。

FUGA LIBERA
FUG-761(1CD)
ダヴィド・シャイユ(1971-):伝説 ラウラ・ミッコラ(P)

録音:2019年3月6-8日 シティ・オブ・ミュージック・アンド・ダンス、ソワソン
1970年生まれのシャイユが、過去と未来の境界線をぼかし、想像力からも解放されるといった方法を探 しながら作曲したという11の小品集『伝説』。生まれた作品には独特の美しさと緊張感があり、聴く者の 心の動きを通して様々な景色が見えてくるようです。現代作曲家たちからも信頼が深いだけでなく、 aeonレーベルでのラフマニノフやブラームスなどクラシックな演目での名演も高く評価されているフランスの フィンランド人ピアニスト、ラウラ・ミッコラの注目企画です。

Willowhayne Records
WHR-058(1CD)
セント・アサフ大聖堂のオルガン
1-2.バッハ:前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.547
3.クレイグ・セラー・ラング(1891-1971):序奏とパッサカリア イ短調
4.アンドレ・フルーリー(1903-1995):ブルゴーニュ地方のノエルによる変奏曲
5.レオン・ボエルマン(1862-1897):アヴェ・マリア
6.ジョン・ホスキング(1976-):トッカータ 嬰ヘ短調
7.ギョーム・コネソン(1970-):ハープ独奏のためのトッカータ
8.レオン・ボエルマン:アヴェ・ヴェルム・コルプス
9.リリー・ブーランジェ(1893-1918):ピエ・イエズ
10.ジョン・ホスキング:イン・ザ・ホールズ・オブ・アワ・パトロネージュ
11.ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933):交響的コラール「今憩え、すべての森よ」Op.87 No.3
12.マルセル・デュプレ(1886-1971):交響曲第2番 Op.26 より トッカータ
ジョン・ホスキング(Org)…1-6,8,9,11,12
オリヴィア・ハント(S)…5,8-11
ベサン・グリフィス(Hp)…5,7,9,10
ザンダー・クロフト(Vn)…5,11

録音:2018年11月21,22日
セント・アサフ大聖堂、ウェールズ
ウェールズのセント・アサフの大聖堂にある、200年近い歴史を持つオルガンを使用したアルバム。様々な形式の作 品を収めていますが、この大聖堂の副音楽監督と聖トリニティ教会の音楽監督を務めるオルガン奏者ホスキングの自 作も、祈りに満ちたたいへん美しいものです。
Willowhayne Records
WHR-060(1CD)
イーストボーン聖救世主教会のオルガン
スッペ:『軽騎兵』序曲 (レ・ドイチュ 編)
レジナルド・ゴス=カスタード(1877-1956):チェルシー・フェア
フランク:コラール第3番イ短調 FWV40
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ 第2番 ハ短調 Op.65-2
ウイリアム・ハリス:オルガンのための3つの前奏曲
ヒーリー・ウィラン:オルガンのための6つのコラール
ジューン・ニクソン(1952-):パスティッチョ
ロバート・ジョーンズ(1945-):バースデー・スーツ
スーザ:星条旗よ永遠なれ(エリザベート&レイモン・シュノーによる4手オルガン編)*
アレクサンダー・イードン(Org)
ポール・コリンズ(Org)*

録音:2019年7月1,2日 聖救世主教会、イーストボーン、イーストサセックス、UK
1882年に作られた英国南東部沿岸の町イーストボーンのオルガンによるアルバム。ケンブリッジ・キングスカレッジ合 唱団に所属していたというオルガニスト、イードンの感性豊かな演奏で多彩なオルガン曲を楽しむことが出来ます。ラ ストには、録音された聖救世主教会の音楽監督コリンズとのデュオで華やかなスーザが収録されています。
Willowhayne Records
WHR-059(1CD)
聖メアリー・レッドクリフ教会のオルガン
ブラームス:悲劇的序曲(ジョナサン・ホープ編) *
ニール・コックス(1955-):Creation Dance *
サン=サーンス:交響曲第3番より アダージョ (エミール・ベルナール編)
ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2 (ルイ・ヴィエルヌ編)
セシリア・マクドウォール(1951-):Sacred and hallowed fire *
アルフレッド・ホリンズ(1865-1942):コンサート・ロンド
エルガー:南国にて(アラッシオ) Op.50 (ジョナサン・ホープ編) *
ジョナサン・ホープ(Org)

録音:2019年2月15-16日、19日聖メアリー・レッドクリフ教会 ブリストル、UK
*=世界初録音
英国の西側、その名もブリストル海峡と呼ばれる大きな湾の奥にある港湾都市ブリストル。この聖メアリー・レッドクリフ 教会にある名物オルガンによるアルバム。演奏するのはブリストルの北東に位置するグロスターの大聖堂で副音楽監 督を務めるジョナサン・ホープ。彼はこれまで各地の教会で音楽監督を歴任し、Willowhayneレーベルからもすでに 5枚のCDをリリースしており、いずれも大きな評価を得ています。今回のアルバムも多彩な内容で、自ら編曲を手掛 けた管弦楽作品など、世界初録音多数。ダイナミックな演奏で楽しませてくれます。

Salisbury Cathedral
SCA-001(1CD)
フランク:オルガン作品集
「英雄的小品」 『大オルガンのための3つの小品』 (1878年)より第3番
「前奏曲、フーガと変奏曲」 Op.18 『オルガンのための6つの小品』 (1862年頃)より第3番
「カンタービレ」 『大オルガンのための3つの小品』 (1878年)より第2番『大オルガンのための3つのコラール』
ジョン・チャレンジャー(Org/ソールズベリー大聖堂ファザー・ウィルス・オルガン)

録音:2018年1月30,31日、2月1日ソールズベリー大聖堂、UK
1876年に建造され、修理と復元を重ねながら現在も素晴らしい音色を聴かせる、ソールズベリー大聖堂のファザー・ ウィルス・オルガンを用いたアルバム。その奥行きのある音色は、フランクの作品を素晴らしい相性で聴かせます。フラン クが亡くなる年に書かれたコラールも収録。演奏はソールズベリー大聖堂の副音楽監督ジョン・チャレンジャーで、既に 同じ楽器でエルガーのアルバムをリリースしており(Regentレーベル)、大きな評判となっています。今回のアルバムは、 ソールズベリー大聖堂自主レーベルからの第一弾リリースです。


khaggavisana
KHAGGA-001(1CD)
税込定価
PRINCIPES (プランシップス)
C.P.E.バッハ:ソナタ Wq.49/1 イ短調
 ソナタ Wq.65/17 ト短調
ベートーヴェン:ソナタ 第5番 ハ短調 Op.10-1
 ソナタ 第6番ヘ長調 Op.10-2
 ソナタ 第7番ニ長調 Op.10-3
尾関友徳(P)

録音:2019年2月6-7日大垣市スイトピアセンター
バロック期から古典派へ。時代の過渡期に活躍したC.P.E.バッハのギャラント様式による端正な作品と、その影響を強く受けながら、自身のスタイルの 確立を目指すベートーヴェンの初期の作品。尾関友徳は両者から共通項を見出しながらも、様式も楽器も大きく変化していく時代を見据え、その特 色を生かす中で豊かな表現を聴かせています。ロマン派の作品のように大きく歌うのではなく、あくまでも切れ味の鋭いタッチで作品を克明に描き出し ていくことで、ムダのない引き締まった音楽を生みました。録音から編集まで自身で監修したという「こだわりの音」にも注目です。
■尾関友徳/Tomonori OZEKI
1988年岐阜県可児出身。 菊里高等学校音楽科・東京音楽大学を卒業の後、2010年にフランスへと留学し、パリエコールノルマル・パリ地方音 楽院にて研鑽を積む。その後2013年よりベルギーのブリュッセル王立音楽院(CRB)修士課程へと進み、優秀賞付きで同課程を卒業する。 2015年からはブリュッセル王立音楽院(KCB)に籍を置いて古楽的なアプローチを学び、バロック・古典時代から息づく伝統の奏法をモダン演奏に 活かす研究を続けた。 現在は日本国内のみならず、海外でのソロリサイタルを毎年開催しており好評を博しています。また、仏語レッスン通訳としての活躍や、録音技師として 演奏会やコンクールの記録を担当する事を通して、クラシック音楽の普及と発展に貢献しています。 これまでに、在ベルギー日本大使館の大使公邸にて招待演奏をする他、マラガ国際音楽祭やニース国際音楽祭等、多くの国際音楽祭に参加しコ ンサートを行っています。室内楽においても、ベルギーラジオ局RTBF主催のMusiq 3音楽フェスティバルへの参加をはじめ、多数の演奏を引き受けてい る。 ピート・クイケン、ヨハン・シュミット、ビリー・エイディ、森本恵美子、寿明義和、各氏に師事。

Prelude Music
YSC-0002(1CD)
税込定価
2750★★
『メッセージ』
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
 月の光/夢
マスネ:タイスの瞑想曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
サティ:ジムノペディ第1番
フォーレ:「ドリー」〜子守歌
フォーレ:シシリエンヌ
サン=サーンス:白鳥
ヘンデル:オンブラ・マイ・フ
バッハ:G線上のアリア
フリース:モーツァルトの子守歌
パラディス:シチリアーノ
シューベルト:アヴェ・マリア
シューマン:トロイメライ
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲〜シチリアーナ
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
ショパン:ノクターン 嬰ハ短調[遺作]
関根悠乎:メッセージ〜バッハからのおくりもの〜
関根悠乎(Cl/ヴォーカル)
渡辺かや(Hp)

録音:2019年7月8-9日 五反田文化センター
ソロ・クラリネット奏者として各方面で活躍する、関根悠乎のセカンド・アルバム。阪神淡路大震災のある チャリティーコンサートで、その素晴らしさを実感して以来大切にしてきたハープとのアンサンブルという形 で、クラシックの名曲を収録しました。彼女が絶大な信頼をおいている渡辺かやとの息の合ったデュオで、 曲の美しさを十二分に引き立てる素晴らしい演奏を聴かせています。ラストには、関根悠乎自身がバッ ハの平均律クラヴィーア第1巻第1番プレリュードを元に作詞・作曲し、リサイタルではアンコールで必ず演 奏する「Message」を収録。
「誰もが一度は聴いたことのあるクラシックの名曲というのは、本当に美しく芸術的な曲だからこそ、名曲として語り継がれる曲です。そして、フ ルートとハープの二重奏曲はたくさんありますが、私はクラリネットとハープも同じように、あるいは全く違う魅力で、素晴らしく芸術的なアンサン ブルができることを知っています。見た目は地味ですが、柔らかい木の独特な温もりのあるクラリネットは、華やかな装いで元気にしてくれるとい うよりは、ゆっくり隣で寄り添って話を聞いてくれる、そんな存在なのだと思います。 収録している18曲のクラシック作品のうち、1曲でもあなたの心に届いて、一緒に生きていこうと、ささやいてくれる曲が見つかりますように。」 〜関根悠乎(ライナーノーツより)

FUGA LIBERA
FUG-759(1CD)
ギリシャ、アルメニア、トルコ、ユーゴスラビア、ベルギー、スイス、日本のピアノ作品
コンスタンティニディス(コスタス・ギアニディス) (1903-1984/ギリシャ):8つのギリシャ舞曲
アルノ・ババジャニアン(1921-1983):6つの素描
ウルヴィ・ジェマル・エルキン(1906-1972):『Duyu?lar(印象)』より 「嘘をつく子供(狼少年)」
モクラーニャッツ(1923-1984):6つの舞曲
ステファン・ガーランド(1969-):『遊戯』 「ユニゾン」 「ウェーヴス」 「トランス」
ブロッホ:捧げ物
フランク:ゆるやかな舞曲 へ短調
武満徹:リタニ(連祷)
イシュル・ベンギ(P)

録音:2019年7月、10月、マーネ音楽堂、ロイセルデ、ベルギー
イスタンブールに生まれベルギーで活躍するピアニスト、イシュル・ベンギによる、ドイツ・イタリア・フランスといったメインストリームをあえて外したピ アノ作品集。日本の武満で締めくくられるのも興味深いプログラムです。親密さと超絶技巧、優しさと暴力性、喜びと憤怒といった対照的な 曲想が並び、民族性豊かなものから前衛まで手法も様々。ベンギは個性あふれるそれぞれの作品に寄り添い、しなやかでダイナミックな表現 とテクニックで目の覚めるような演奏を聴かせ、素晴らしい聴き応えとなっています。トルコ出身という自らのルーツを探りながら、オスマン・トルコ が優勢だったバルカン半島をはじめ東西ヨーロッパからアジアまでの作品に向き合い、それぞれに秘められた物語を紐解いていきます。 今回のレコーディングには、歴史的ピアノの修復でも名高いベルギーのピアノ工房クリス・マーネと、東京国際フォーラムのデザインなどで知られ る世界的建築家ラファエル・ヴィニオリのコラボレーション・ピアノが初めて使用されています。これはクリス・マーネの平行弦ピアノとヴィニオリのデ ザインによる人間工学に基づいた鍵盤配置が組み合わされたもの。非常にユニークな見た目である以上に、たいへん美し響きを実現した楽 器です。

OTTAVA RECORDS
OTTAVA-10002
(1SACD)
税込定価
リスト・パラフレーズ/近藤嘉宏
(1)歌劇「清教徒」の回想S.390/R.129(ベッリーニ/リスト編)
(2)歌劇「ランメルモールのルチア」の回想S.397/R.151(ガエターノ・ドニゼッティ/リスト編)
(3)歌劇「ノルマ」の回想S.394/R.133(ベッリーニ/リスト編)
(4)死の舞踏S.555/R.240(サン=サーンス/リスト、ホロヴィッツ編)
(5)ラ・カンパネラS.141/R.3b
(6)楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「イゾルデの愛の死」S.447/R.280 (ワーグナー/リスト編)
(7)舞台神聖祝典劇「パルジファル」より「聖杯への厳かな行進」S.450/R.283(ワーグナー/リスト編)
近藤嘉宏(P)

録音:2019年7月31日、8月1日、2日/浦安音楽ホール
ACDハイブリッド盤。超絶技巧と深い音楽性、その華麗なピアニズムで聴衆を惹きつけてきた近藤嘉宏が、いよいよフランツ・リストのオペラ・パラフレー ズをレコーディングしました。
大のオペラ好きで知られる近藤は、過去の演奏会でもリストのオペラ・パラフレーズを演奏してきましたが、今回のようにまとめてレコーディングするの は初めてとなります。 プログラムはいずれも大曲揃い。リストのピアノ音楽を愛する方々をはじめ、オペラ・ファンの方々にも十分ご満足いただける選曲となっています。
録音は2019年7月31日から8月2日にかけて、音響の良さで知られる浦安音楽ホールで行われました。エンジニアは数々の名録音を世に出し続け ている巨匠・深田晃が担当、近藤の華麗なテクニックに裏づけられた深い音楽性を余すところなく捉えています。 (Ki)

299 MUSIC
NIKU-9023(1CD)
税込定価
メシアン:ピアノ作品全集3 〜8 つの前奏曲、ニワムシクイ、シャロットの貴婦人
メシアン: 8つの前奏曲(1928/29)
ニワムシクイ(1970)
シャロットの貴婦人(1917)「初稿版(未補筆版)」※世界初録音
宮崎明香(P)

録音:2019 年6 月25-27 日三重県総合文化センター 大ホール
深い愛着、いつくしみを感じると自身が語るメシアン初の出版作品「8 つの前奏 曲」、「鳥のカタログ」に匹敵する大作「ニワムシクイ」。前後期作品を通して一貫した 独自の書法が生み出す響きは、荘厳な音楽空間を創り出し音の迷宮へと誘う。メシ アンが8 歳で作曲した未出版作「シャロットの貴婦人」の初稿版は世界初録音。 パリに学び、メシアンの音楽に心を奪われた実力派ピアニスト 宮崎明香の新たな 魅力が香り立つ。 ※第1 集「鳥のカタログ第1, 2, 3, 5 巻」(NIKU-9003)はレコード芸術準特選。第2 集「鳥のカタログ第4, 6, 7 巻」はレコード芸術特選!


Treasures
TRE-210(1CDR)
バッカウアー/展覧会の絵、ペトルーシュカ他
ムソルグスキー:展覧会の絵*
リスト:ハンガリー狂詩曲第12番**
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲第2巻Op.35#
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3章##
ショパン(ブゾーニ編):ポロネーズ第6番「英雄」+
ジーナ・バッカウアー(P)

録音:1956年6月6-7日*、1963年2月26日**、1963年2月20日#、1963年2月26-27日##、1963年2月25日+(全てステレオ)
※音源:英EMI SXLP-30233*、米MERCURY SR-90349
◎収録時間:71:25
“強引さ皆無! ロマン溢れる風格美で聴き手を牽引する究極芸!”
■音源について
ギリシャが生んだ名ピアニスト、ジーナ・バッカウアー(1913-1976)の十八番集。彼女のピアニズムを端的に象徴する「英雄ポロネーズ」は、CD化されていないと思われます(2019年9月現在)。「展覧会の絵」も、かつて山野楽器がCD化したものがありましたが、その後CDを見たことがありません。ステレオ最初期の録音で、レコードは長らくモノラル・バージョンのみが流通していました。ホロヴィッツ同様、「サムエル・ゴールデンベルク…」後のプロムナードは割愛されています。

★真っ先に激賞したいのは「英雄ポロネーズ」!コルトー門下のバッカウアーのピアニズムは、アクロバット的な技巧が聴き手の耳を喜ばせることを十分に認識しつつもそれを目的化せず、感覚的な愉しさを音楽ニュアンスに完全転化。気がつくと元々そういう曲であるかのように聴き手を自然に納得させてしまう「閃きのパワー」に溢れています。この「英雄」はその魅力を知るのに不可欠であるばかりか、同曲トップクラスの超演です!ブゾーニ版で最も特徴的なのは中間部。左手のオクターブ連打を一切休止させることなく、急に歯止めが効かなくなったモーターのように進撃するシーン。ここで何が起こるか十分に知っているはずなのに、私は聴くたびに決まって背中に電流が走ります。彼女独自のヴィルトゥオジティを発揮させるために、このブゾーニ版の選択はいかに必然であったか、どなたもご納得いただけることでしょう。ちなみに、同版を用いた録音は、ブゾーニ自身のものやデジタル時代のものありますが、どれもバッカウアーとはランクが違いすぎます!
 他の作品も、各曲における屈指の名演揃いですが、もう1曲「ペトルーシュカ」だけは触れないわけにはいきません。作品に没入するというより、一歩引いて俯瞰しながらユーモアと悲哀をダイナミックな造形のうちに描き尽くします。“ロシアの踊り”のルバートのセンスは、19世紀ロマンティシズムの片鱗を垣間見せますが、古臭いどころか呼吸の深さと造形の大きさに圧倒されるばかりで、後半の打鍵も、殊更に強打鍵ではないにもかかわらずこの重量感。第3楽章は色彩の宝石箱!情報量が多すぎて窒息しそうなほどですが、とにかくこれほど全ての音に血肉を与え尽くした演奏は他にないでしょう。7:34からの、テンポ切り替えと同時にタッチも質感も完全に別物にすり替える凄技など、ただただ唖然。この演奏を聴くまで、あらゆる点でパーフェクトなポリーニ盤さえあれば十分と思っていましたが、浅はかでした!【湧々堂】

MARCO CREATORS
MARCO-001(2CD)
税込定価
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):プラテーロとわたし(全28編)(波多野睦美による新訳版朗読)
原作:フアン・ラモン・ヒメネス
■Disc-1 (52’25)
1 プラテーロ (第1巻第1曲)
2 白い蝶 (第3巻第1曲)
3 夕暮れの遊び (第2巻第3曲)
4 エル・ロコ 狂った男 (第2巻第5曲)
5 お告げの鐘 (第1巻第2曲)
6 つばめ (第4巻第2曲)
7 戻り道 (第1巻第3曲)
8 春 (第1巻第4曲)
9 四月の田園詩 (第3巻第2曲)
10 カナリアが飛んだ (第3巻第3曲)
11 友情 (第2巻第1曲)
12 子守娘 (第3巻第4曲)
13 結核の娘 (第2巻第6曲)
14 ロンサール (第2巻第4曲)
■Disc-2 ( 63’36)
1 道端の花 (第4巻第3曲)
2 井戸 (第1巻第5曲)
3 すずめ (第1巻第6曲)
4 日曜日 (第4巻第4曲)
5 月 (第2巻第2曲)
6 カナリアが死んだ (第3巻第5曲)
7 十一月の田園詩 (第3巻第6曲)
8 ジプシーたち (第4巻第5曲)
9 回復 (第4巻第1曲)
10 カーニバル (第4巻第6曲)
11 死 (第3巻第7曲)
12 ノスタルジア (第2巻第7曲)
13 メランコリー (第1巻第7曲)
14 モゲールの空にいるプラテーロへ (第4巻第7曲)
大萩康司(G/イグナシオ・フレタ I 世 1958)
波多野睦美(Ms、朗読)

録音:2018年4月18-25日、12月18?21日、軽井沢
Produced by Yasuji Ohagi
エンジニア:櫻井卓
ディレクター:野田智子
スペイン語監修:濱田吾愛
Art (Etching) :山本容子(銅版画家)
抜群のテクニックと深い表現力、多彩な音楽性で国内外の聴衆を魅了するギタリスト大萩康司。2020年にデビュー20周年を控え、遂に自身のレーベ ル「MARCO CREATORS」を立ち上げることとなりました。 その第1弾アルバムとなるのが『プラテーロとわたし』。スペインが生んだノーベル文学賞を受賞した詩人フアン・ラモン・ヒメネスの代表作『プラテー ロとわたし』にイタリアの作曲家マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコが作曲した、ギターと朗読のための傑作です。 若くして文壇デビューしたヒメネスが、心を休めるため故郷モゲールに戻った際に書いたこの作品は、故郷の自然と素朴な日常のなかにある美しさ、人生 の喜びと哀しみをロバのプラテーロに語りかけるかたちで綴られた138編からなる散文詩。その中からテデスコは28編を選び、ギターと朗読のための 作品を作曲しました。 大萩は、2016年から同作を波多野睦美とコンサートで取り上げており、当盤でも波多野睦美自身による新訳版朗読で全曲録音されました。ヒメネスの 温かいまなざしで語られる詩を、波多野が丁寧に日本語訳し、ときにアンダルシア地方の方言を宮崎弁(二人の出身地)とするなど、機知に富んだ表現で、 物語に新たな命を吹き込んでいます。そして“ギターの詩人、響の画家”と呼ばれる大萩のギターは、豊かな歌心をもって詩の情景を創り出しています。また、 ジャケット・デザインには、銅版画家の山本容子氏による作品を使用し、作品の持つ世界観を具現化しています。『詩画集 プラテーロとわたし』(山本容子=絵、波多野睦美=訳)も理論社(https://www.rironsha.com)より同時発売予定。 (Ki)

イプシロン・インターナショナル
YIL-005 (1CD)
税込定価
吉川隆弘/モーツァルト:ピアノ曲集
ピアノ・ソナタ第8 番イ短調 KV 310 (300d)
Iロンド ニ長調 KV 485 (6'48")
ロンド イ短調 KV 511 (10'12")
ピアノ・ソナタ第15 番へ長調 KV 533/494
吉川隆弘(P)

録音:2015-2016 年Studio Pianoforte、ピアノ:Steinway&sons C-227 n. 584042
ドビュッシー(YIL-002)、シューマン(YIL-003)、リスト(YIL-004)の各作品集がレコード 芸術特選になるなど、高評価が続くイプシロン・インターナショナル・レーベルでの吉川隆 弘第5弾! ※・・・そうした周到なプログラム構成と響き合うように、ここに聞こえてくるどの曲のどの一瞬 も、演奏家の緻密で厳格な意図を丁寧に映していないところはない。つまり、一瞬として、 モーツァルトは寝そべったり、鼻歌を歌ったり、あくびをしたりはしていない。それどころか、 全力で生きています。なんというひたむきさだろう、と聴き手は思わずにはいられない。そし て、彼が人生の瞬間をいかにていねいに生きていた人かということが、吉川隆弘の演奏を 通じた作品の息づかいから、丹念に伝わってくる。それは徹頭徹尾、人間的なものだ。 そのように私はこのアルバムを聴いた。吉川隆弘の弾くモーツァルトを。音楽を聴くこと は、弾き手の導きにそって、作曲家の内面に進行した感情の体験を生き直すことでもある。 モーツァルトはここで、ピアニストの丹念な仕事を通じて、やはりどこか正当に苛立っているのではないか。それが彼という、そ して他ならぬ私たちの生々しい、生のありようだからだ。 (青澤隆明 ライナーノーツより抜粋)

2L
2L-156SACD(1SACD)
メトネル:ピアノ作品集
4つの小品Op.4
3つの話Op.17
4つのおとぎ話Op.35
3つのおとぎ話Op.42
3つの労働の賛歌) Op.49
バラはもうしおれ Op.36 no.3
グンナル・サーマ(P)
[Piano: Bechstein Concert D282]

録音:2018年10月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
「1970年代のある日、耳慣れないピアノ音楽がラジオから聞こえてきた。独特な、何かを呼び起こすような、時として催眠術にでもかけるような音楽。 同時に、そこには豊富な対位法とはっきりした構造があった。手短に言うと、心と頭の両方のための音楽だ。ニコライ・メトネルの〈回想ソナタ〉、ピアニ ストは他ならぬエミール・ギレリスだった。この作品を弾ければ!……」(グンナル・サーマ)。ノルウェーのピアニスト、グンナル・サーマは、2000年、 最初のメトネル作品集(Lindberg Lyd PIANO-002)をリリース。当時、世界初録音の作品を2曲含む5つの作品を弾いていました。メトネルの第2作は、 2018年、前作と同じオスロのソフィエンベルグ教会でのセッション録音です。「ノームの嘆き」の副題をもつ〈楽興の時〉など、帝政ロシアの時代の「4 つの小品」。シューマンの「ノヴェレッテ」を思わせる曲名がつけられた「3つの話」。「おとぎ話」の曲名で書かれ個人的経験や人の内面の対立を語ると 言われる作品からは、1916年と1924年の2つの曲集。「ソ連」となった祖国を離れた後、1926年から1928年にかけて、プロテスタントの労働倫 理の表現とみなされる曲名で作曲した「3つの労働の賛歌」。アルバムの最後に歌曲集「プーシキンの6つの詩」の一曲をピアノ・ソロ曲に編曲した初録 音の作品が演奏されます。グンナル・サーマは、オスロのリヴ・グラーセルとローベット・リフリング、王立ノザーン音楽大学のリシャルト・バクスト、イ ジー・フリンカに学び、1975年にオスロでデビューしました。ノルウェー国立音楽大学で伴奏ピアニストを務め、ソリストとしても活動。一般的なレパー トリーに加え、メトネルの他、アルカン、ブゾーニ、シチェドリンといった比較的珍しい作曲家の作品を広く手がけています。このアルバムの録音には、メ トネルの気に入りの楽器といわれ彼がロンドンのアパートメントに置いていた Bechstein の新しいモデル D282 のピアノが使われました。 (Ki)

299 MUSIC
NIKU-9022(1CD)
税込定価
「セレンディピティ」〜ピアノ連弾作品集
クルターク・ジェルジュ(1926- ): 『ヤーテーコック 第8 集』(2001)より「花、人のように」(4 手連弾)
アレクサンドル・ローゼンブラット(1956- ):2つのロシア民謡によるコンチェルティーノ(1997)(4 手連弾)
マクダウェル(1860-1908):3 つの詩曲op.20 (1884/85)(4 手連弾)
ジョン・コリリアーノ(1938- ):ガゼボ舞曲集(1972)(4 手連弾)
バッハ(クルターク編):われらまさにキリストを讃うべし(1976)(2 台ピアノ)*
深き苦しみの淵よりわれ汝に呼ばわる(1985)(4 手連弾)
「神の時こそ、いと良き時」よりソナティーナ(1985)(4 手連弾)
リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012):カプリッチョ(4 手連弾)(1968).
クルターク・ジェルジュ(1926- ):『ヤーテーコック 第 8 集』より「花、人のように
…」〔もうひとつの〕(4 手連弾)

(*印:当録音では1台4手で演奏)
佐藤祐介(P)、大森ひろみ(P)

録音:2019年3月29 - 31日 相模湖交流センター
若くしてアメリカでデビューを果たし、帰国後も多彩な活躍をみせる大森ひろみ。多 種多様なコンセプトで演奏活動を展開し、人気を博す佐藤祐介。そんな二人の偶然の 出会いから始まった異色のピアノ・デュオによるファースト・アルバム。互いを尊重し合う からこそ生まれる躍動的な表現と絶妙なバランス感覚が、ピアノ連弾の名曲群に新たな 煌めきを与えます。

eaSonus
EAS-29342(4CD)
シューベルト:初期ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第1番ホ長調D.157
ピアノ・ソナタ第6番ホ短調D.566(第1、2楽章のみ)
ピアノ・ソナタ第4番イ短調D.537
ピアノ・ソナタ第2番ハ長調D.279 +アレグレット ハ長調D.346
ピアノ・ソナタ第3番ホ長調D.459(5楽章版)
ピアノ・ソナタ第5番変イ長調D.557
ピアノ・ソナタ第7番変ホ長調D.568
ピアノ・ソナタ第9番ロ長調D.575
ピアノ・ソナタ第11番ヘ短調D.625 + アダージョ変ニ長調D.505
ピアノ・ソナタ第13番イ長調D.664
さすらい人幻想曲D.760
エリーザベト・レオンスカヤ (P)

録音:2017年/ブレーメン・ゼンデザール
エリーザベト・レオンスカヤは1945年11月23日生まれの73歳。最新録音のシューベルトをメインにした超豪華装丁アルバムがリリースとなります。今回は2017年録音によるシューベルトの初期ソナタ集。断片しか現存しない第8番と10番を除く1番から13番までが収められ、前作EAS 29300の後期ソナタ集とあわせると全集完結となりました。レオンスカヤは昨2018年の東京・春・音楽祭で、この大半を演奏、聴衆を魅了しました。 通して聴くと4時間を要しますが、いつまででも聴いていたくなる絶品です。興味深いのは、第2、11番の欠落楽章ではないかとされる小品を挿入して 完成させていること。さらに第3番も「3つのピアノ曲」を加えた5楽章構成にしていて興味津々。ボルテージの高い「さすらい人幻想曲」が収められて いるのも嬉しい限り。
レオンスカヤは、同業者に不寛容だったリヒテルがほぼ唯一手放しで絶賛したピアニストですが、70代半ばとなり円熟の極地にあります。語り口の巧さ と優しい人柄のにじみ出る表現はまさに神業と申せましょう。レオンスカヤ最高の状態のシューベルトのソナタが残されたことは、まさに人類の遺産。
さらなる魅力は、LPサイズ48ページの解説書。内容はドイツ語と英語で、スペインの音楽学者でシューベルトのピアノ曲の権威ミゲル・アンヘルが最 新の研究に基づく詳細な各曲の解説が超貴重。シューベルトに興味を持つ方々なら興奮する一大研究書となっています。 (Ki)

Cybele
3D-001901(1SACD)
2台のオルガンと打楽器の為の編曲集 第2集
ホルスト:『惑星』 Op.32
デュカス:『魔法使いの弟子』
ヨルグ・エンデブロック(歴史的ヴァルカーオルガン)
スザンネ・レーン(クライスオルガン)
コンラード・グラーフ(打楽器)
ヘッドホンで聴くことにより最高音質の効果を発揮するように作られた「バイノーラル録音」を用いた、2台オルガンとパーカッションによる編曲シリーズ第2弾。 教会に鳴り響く大音響を余すことなく捉えた充実のディスクです(SACD層に通常の録音とバイノーラル録音の2種類が収められています。CD層は通常録音の み に な り ま す )。
第1弾(3D-001701)では『展覧会の絵』他を収録していましたが、今作はホルストの名作『惑星』を収録。大管弦楽のために書かれた豊饒な響きをその ままにアレンジし、高音質で収録するというシリーズの目的が表れている選曲と言えます。 (Ki)

Sono Luminus
DSL-92228(1CD)
NX-B05
ブルース・レヴィングストン〜ピアノ・リサイタル
ノーラン・ガッサー(1984-):アメリカ国民
ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978):3つの幻影-第2曲 サマーランド
ショパン:マズルカ 第2番嬰ハ短調 Op.6-2
 マズルカ 第15番ハ長調 Op.24-2
 マズルカ 第13番イ短調 Op.17-4
デイヴィッド・T・リトル(1978-):Accumulation of Purpose
オーギュスタ・グロス(1944-):3つの小品 「ロケーションズ・イン・タイム」
プライス・ウォールデン(1991-):神聖な空間
伝承曲:アメイジング・グレイス(P.ウォールデンによるピアノ編)
ブルース・レヴィングストン(P)

録音:2018年5月14-16日
アメリカで活躍するピアニスト、ブルース・レヴィングストンのコンセプト・アルバム。現代作品を得意とする彼は、アルバムを 制作する際、かならず「古典的な作品」と「現代作品」をバランスよく配置し、聴き手の注意を喚起します。このアルバム は、彼の生まれ故郷であるミシシッピの「シヴィル・ライツ・ミュージアム(公民権博物館)」からコンサートの招待を受け た際、この地の複雑な歴史について思いを馳せたことがきっかけとなり生まれたもの。多くの芸術家を輩出する一方、人 種差別、貧困、格差などの問題も抱え、戦いの爪痕もいたるところに残っているという地域で育った彼は、人々がお互 いを認め合うことが必要だと考えアルバム・タイトルを「シチズン=市民性」とし、民族意識の高い作曲家たちの作品を 選びました。多彩な曲が一堂に会し、作曲家とレヴィングストンそれぞれの想いが伝わります。
Sono Luminus
DSL-92229(1CD)
NX-B05
サイウン・ソルステインスドッティル〜チェロ・リサイタル
ラグナル・パールソン(1977-):Afterquake
スリドゥル・ヨンスドッティル(1967-):48 Images of the Moon
ハルドール・スマウラソン:O
.ハフリジ・ハルグリームソン(1941-):ソリティア Op.1
サイウン・ソルステインスドッティル(Vc)

録音:2018年3月12-16日
アイスランド系アメリカ人のチェリスト、サイウン・ソルステインスドッティルのリサイタル・アルバム。アイスランド以外の国でほ とんどの日々を過ごしてきたにもかかわらず、自身の言語体系はアイスランド語であり、倍音や音のテクスチュアにも敏感 に反応するのも、静寂を大切にし、無駄のない表現を好むのも、アイスランドの文化の特徴であると語るソルステインス ドッティル。このアルバムでは、探求心溢れる彼女自身が選んだ“ユニークな表現や考え方を共有できる作曲家”の作 品を演奏。未知の世界に果敢に挑戦する、若きチェリストの姿が鮮やかに描き出されています。
Sono Luminus
DSL-92231(1CD)
NX-B05
ルパート・ボイド〜ギター・リサイタル
アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994):フェリシダージ(R.ディアンスによるギター編)
白い道(P.ベッリナーティによるギター編)
ソル:モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲 Op.9
バッハ:リュート組曲 ホ長調 BWV1006a(ギター編)
グレアム・クーネ(1956-):A Closed World of Fine Feelings and Grand Design
レオ・ブローウェル(1939-):シンプルな練習曲
ピアソラ:天使のミロンガ(B.ベニテスによるギター編)
ピアソラ:天使の死(B.ベニテスによるギター編)
ジョン・レノン/ポール・マッカートニー:ジュリア(R.ボイドによるギター編)
ルパート・ボイド(G)

録音:2018年5月7-10日
ソリスト、室内楽奏者として活躍するルパート・ボイドのカジュアルなギター・アルバム。ソルとブローウェルを除き、ここに収 録されている作品のほとんどは他の楽器のために書かれたものですが、ボイドはギターの持つ可能性を極限まで引き出 し、これらの曲がまるでもともとギターのために書かれたかのように軽やかに弾き切っています。ジョビンの哀愁漂う2曲の 歌は歌詞がなくとも存分に雰囲気が伝わりますし、ピアソラのタンゴでもバンドネオンとは全く違う魅力が漂います。もとも とギターのためのソルとブローウェル作品は、まさに超絶技巧の嵐。最後の「ジュリア」での穏やかな歌い口も聴きどころで す。


Treasures
TRE-204(1CDR)
ドミニク・メルレ/シューマン&ブラームス:ピアノ曲集
シューマン:アラベスクOp.18*
 暁の歌Op.133*
ブラームス:ラプソディ第1番Op.79-1
 ラプソディ第2番Op.79-2
 ピアノ・ソナタ第3番Op.5
ドミニク・メルレ(P)

録音:1968年*、1967年
※音源:仏Accord ACC-150.006*、仏Cycnus 9.043A
◎収録時間:68:21
“クリスタルな精巧さの中に息づく密やかなポエジー!”
■音源について
LP3枚分のシューマン:ピアノ曲集は、シャルル・クロとフランス・アカデミーディスク大賞の2冠を受賞。同じく仏CYCNUSに録音したブラームスと共に、メルレの芸風を知る上で欠かせぬ遺産。

★ドミニク・メルレは、1938年フランス・ボルドー出身。パリ・シュベリュールド音楽院で学び、1957年、ジュネーブ国際コンクールではアルゲリッチと共に優勝(2位はポリーニ)しました。演奏・録音活動よりも、ルイサダを始めとする多くの逸材を育てた教育者としての実績のほうが有名かもしれませんが、ここで紹介するブラームスとシューマンはいくら称賛しても足りないほどの名演奏です。
 ブラームスは、知性的な構築美とカラッとしたタッチの色彩美が渾然一体となった独自の世界観を確立。特にピアノ・ソナタは、ドイツ風のくすんだ音色志向では感じにくいリアルな立体感の表出が見事で、第1楽章の高音域へ上り詰める際の眩いほどの精彩は比類なし。第2楽章も、ぬめりを取り去ったフレージングに漂う沈思のニュアンスが絶品で、中間部では、強弱変化以上の多様なニュアンスの移ろいに心奪われます。
 終楽章では、陰鬱に沈み込まないの志向は音色だけではなく、歌のセンスにも投影されていることを実感。単に心を込めて歌うのではなく、目線は遥か遠い未来に向けられ、その明るい未来の祝福するかのように堂々とに響きわたるのです。
 シューマンは、LP3枚分の録音からセレクト。アラベスクでの、ニュアンスのコントラストを明確に打ち出しながら淡い色彩美を大切に守り、そこはかとないロマンを漂わせるという巧妙な感情制御ぶりに、フランス・ピアニズムの真価を見る思いです。【湧々堂】

OMF
KCD-2069(1CD)
税込定価
R.S.デ・ラ・マーサ:ロンデーニャ
F.ガスイ:ファリャの主題による幻想曲
J.アルカス:ムーア人の織物による幻想曲(ハバナのプント)
タレガ:アルハンブラの想い出
A.ルイス・ピポー:歌と踊り第1番

踊り
スペイン民謡(R.S.デ・ラ・マーサ編):エル・ビート
J.マラッツ:スペイン・セレナーデ
アルベニス:マジョルカ
レイェンダ(プレリュード)
アストゥリアス
ソナチネF.M.トローバ
林祥太郎(G)
使用楽器:アルカンヘル・フェルナンデス 1972

録音:2018年7月9日-11日富士見市民文化会館(キラリふじみ)
スペインの民族的要素を含んだ作品を中心に、トレモ ロの名曲「アルハンブラの想い出」やデビューアルバ ムに続き邦人初録音となるF. ガスイ「ファリャの主題 による幻想曲」などのギターの魅力を散りばめた意欲 作。

Poohs Hoop
PCD-1812(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 塚谷水無子(トイピアノ/使用楽器: KAWAI製トイピアノほか)

録音:2018年12月15-17日/山梨県小淵沢、フィリア美術館
期待の新録音は、昭和の象徴的なおもちゃ楽器でもあり幼児音楽教育の扉でもあったトイピアノで「ゴルトベルク変奏曲」に挑戦します!!多くの職人 やメーカーや創り出してきた音色はさまざま、それらを組合わせて丁寧に仕上げていくプロセスはまさにオルガンのレジストレーションと同じ!音痴だった りメカ音がうるさかったり、、、小さな楽器たちに愛おしさを感ぜずにはいられないワンダーランドの音楽世界です。クラシック音楽ファシリテーターであり 自らもトイピアノ奏者である飯田有抄との化学反応コラボ。録音は今回もオーディオ誌でお馴染みの生形三郎が手掛けています。
なお、トラック33「Digital Aria Non da Capo」は、今回取り上げたおもちゃとしての幼児音楽教育としてのトイピアノというアナログの楽器が、すで にデジタル技術を使ったミニ・キーボードへ置き換えられており、その役目を終えようとしていること、消えつつあること、、、つまり昭和のあの時代へは立 ち戻ることはないことへの寂寞で複雑な思いを込めて作られています。

LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-017(3CD)
バッハ:6つのパルティータ(全曲)
[CD1]第1番 変ロ長調 BWV 825、第2番 ハ短調 BWV 826、第3番 イ短調 BWV 827(終曲のジーグは2つのヴァージョンを収録)
[CD2]第4番 ニ長調 BWV 828、第5番 ト長調 BWV 829
[CD3]第6番 ホ短調 BWV 830(テンポ・ディ・ガヴォッタとジーグはそれぞれ2つのヴァージョンを収録)
ロ バ ート・レヴィン(P)

録音:2017年7月21-26日
レヴィンは、モーツァルト作品の校訂(協奏交響曲の復元、レクイエムの校訂、鍵盤作品では演奏解釈を含む校訂報告を執筆)を行う学者でもあり、ホグウッ ドとのモーツァルト:ピアノ協奏曲全集、ガーディナーとのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集などでフォルテ・ピアノを演奏している名手でもあります。
学者としても名高いレヴィンだけに、気になるのが装飾音。パルティータ第2番ハ短調冒頭のシンフォニアも、装飾というよりも即興演奏のよう。また、楽曲によっ ては異版ヴァージョンを収録するなど、レヴィンならではの視点も光るパルティータ全曲の登場です。ブックレットには、レヴィンがパルティータについて語るイン タビューが掲載されています(英・仏語のみ。日本語訳はありません)。もちろん全体を通して素晴らしい演奏であることは言うまでもありません。 (Ki)
LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-016(2CD)
ショパン&リスト作品集
ショパン:24の前奏曲
 ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調、
 夜の賛歌(詩的で宗教的な調べ第2稿より)、
 葬送曲(詩的で宗教的な調べS.173)
  コンソレーション S.172(全6曲)
 水の上で歌う(シューベルト歌曲の編曲)
ヤ=フェイ・チャン(P)

録音:2016年
これまでにもECMなどでもリリースのあるアメリカで活躍するピアニスト、ヤ=フェイ・チャンによるショパンとリスト。ブレンデルも激賞しているとおり、ヴィ ルトゥオーゾ性とあふれる音楽性、そして熱い歌に一度聴いたらとりこになる魅惑のピアニストです。 (Ki)

OMF
KCD-2073(1CD)
バッハ:トッカータ集
ニ短調 作品913|Toccata d-moll, BWV 913
ニ長調 作品912|Toccata D-dur, BWV 912
嬰ヘ短調 作品910|Toccata ?s-moll, BWV 910
ホ短調 作品914|Toccata e-moll, BWV 914
ト短調 作品915|Toccata g-moll, BWV 915
ハ短調 作品911|Toccata c-moll, BWV 911
ト長調 作品916|Toccata G-Dur, BWV 916
西山まりえ(Cemb)
使用楽器:タスカン・モデル(1997年ブルース・ケネディ制作)
基準ピッチ:A= 415Hz

録音:2018年12月19日-21日神奈川県立相模湖交流センター
チェンバロとヒストリカル・ハープ、2種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサート、音楽祭や録音に参加。ルネ・ヤーコプス、ボブ・ヤング、「チーフタンズ」 のパディ・モローニ、カルロス・ヌニェス、ミカラ・ペトリ、コリーナ・マルティ、山下洋輔、波多野睦美、アンサンブル「アントネッロ」など、幅広いジャンルに渡る音楽家との共演は常に多くの 反響を呼んでいます。また音楽番組、教養情報番組などTV出演も多い。 国内外レーベルへの録音も多く、「バッハ インヴェンション&シンフォニア」「バッハ イタリア協奏曲&フランス風序曲」「スカルラッティ 伴盤の魔術師」以上はすべて「レコード芸術」誌特選盤。「バッ ハ イギリス組曲」「バッハ ゴルトベルク変奏曲」「バロック・ハープとの出会い」は、同誌準特選盤ほか、朝日新聞、毎日新聞などで採り上げられた。スペイン「エンキリアディス」レーベルより 欧州で発売されたCD「ファンタシーアの奏法〜イベリア半島の伴盤音楽」は「リトゥモ」誌(スペイン)の最優秀推薦盤に選ばれます。中世音楽のスペシャリストとしての評価も高く、ゴシック・ハー プとオルガネットを奏するCD「トリスタンの哀歌」は「レコード芸術」誌準特選盤、「ステレオ」特選盤、「音楽現代」推薦盤、「朝日新聞視聴室」個性派盤に選ばれた他、「BURRN!」「フォーブス」「ミ セス」「サライ」「暮らしの手帖」などの一般誌でも紹介され、古楽を多くの聴衆に広めています。2018年にリリースされた最新アルバム「C. B. バルバトル:クラヴサン曲集 第1巻」は、朝日新聞推薦 盤、『レコード芸術』誌特選盤に選ばれた他、様々な雑誌で採り上げられ話題となっています。東京音楽大学ピアノ科卒業、同大学研究科修了後、ミラノ市立音楽院、バーゼル・スコラ・カントールム に留学。第11回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門第1位(第23回同コンクール審査員)および栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。古楽ワークショップ「信州アーリーミュージック村」芸術監督。『レ コード芸術』誌「読者が選ぶピープル2007」、HMV「2008年度期待のアーティスト5名」に選出されます。現在、武蔵野音楽大学非常勤講師として後進の指導にあたっています。

EDITION RZ
RZ-1030(1CD)
ヤーコプ・ウルマン(b.1958):「ソロV」(2013/2014) 〜ピアノのための ルーカス・リックリ(P)
(推敲:ルーカス・リックリ&ゾラ・マルティ 2016/18)

録音:2018年5月18日カルトホイザー教
会,バーゼル、60:10
Edition RZより定期的に作品集をリリースしているヤーコプ・ウルマンの最新アルバム。彼はケ ージ、ノーノから強い影響を受け、作品は徹頭徹尾、ピアニッシモを貫く特異な作風を持つ作 曲家として知られます。この作品はピアノのための、と注釈があるものの音響上かなりのエフェクト がかけられており純粋な演奏会用のピアノ曲ではない。薄い墨が和紙に染みわたってゆくよう なリヴァーブ、意味深な効果音など、一種のアンビエント、メディテーション・ミュージックとして楽 しめる。ブライアン・イーノ、ハロルド・バッド、モートン・フェルドマンが好きな人にお薦め。

OUR RECORDINGS
MAR-6.220672
(1SACD)
NX-B06
アクセル・ボロプ=ヨアンセン(1924-2012):ギター作品集
"floating islands" Op.169:5a (2002)〜Swebend ? Intro
Tristrophoni Op.163:1 (2000)
praeambula Op.72 (1974-1976)
"floating islands" Op.169:0 (2000) 〜 Poco Slentando
morceaux Op.73 (1974-75)
"floating islands" Op.169:2 (2000)〜Ligesom lidt tovende
"fur gitarre" Op.86 (1978-79)
"floating islands" Op.169:5b (2000)〜Swebend
フレゼリク・モンク・ラーセン(G)

録音:2018年6月4、5日、11月26,27日フレデンスボー城教会、デンマーク
リコーダー奏者ミカラ・ペトリとも縁の深いデンマークの作曲家、ボロプ=ヨアンセンによるギター作品集。ほぼ独学で作曲を学び、 「詩的」と表現されるボロプ=ヨアンセンの作風ですが、ここに収められた数々のギター作品も、ぽつぽつと言葉少なく語るような 音で広い空間を感じさせるものが多くなっています。中心となるのは19世紀イングランドの女流詩人エリザベス・バレット・ブラウニ ングの詩句にもとづく、彼の代表的なギター作品"floating islands"。ハーモニクス(倍音だけを鳴らす奏法)のみによるこの連 作の間に、ほかの作品を挟んでいくという独自の構成となっています。ギタリストのラーセンは1974年生まれのデンマーク出身。 王立オーフス音楽院で後進の指導にもあたる彼が、近年再評価の機運が高まる故国の作曲家の遺産を、深い共感を持って 表現しています。

GEN RECORD
NYCC-13010(1CD)
税込定価
戸室玄〜フランシス・プーランク
プーランク:3つのノヴェレッテ
15の即興曲/ナポリ
戸室玄(P)

録音:2018年8月21日、8月22日、11月22日セント・マークス 教会、シティー・オブ・ウェストミンスター、ロンドン
1989年生まれの戸室玄。幼少期より海外で生活した体験を反映させた洒脱な演奏を聴かせるピアニストです。このアルバム は彼が最も愛するというプーランクの作品集。「3つのノヴェレッテ」で始まり、アルバムの中心に置かれているのは1932年に作曲 された「15の即興曲」。練習曲風でもありながら、プーランクの心情が丁寧に描かれたユニークな曲集になっています。なかでも 彼が心酔した歌姫のために書かれた第15番の「エディット・ピアフを讃えて」 はプーランクの洒脱さをよく示す作品と言えるでしょ う。作曲年代の幅広い3曲で構成された「ナポリ」も美しい曲。イタリアとフランスの良いところが融合した興味深い作品です。

Cybele
CYBELE-061807S
(2SACD)
ジグモンド・サットマリー:オルガン作品集
Cadenza con ostinati / B-A-C-H 」Hommage a…「 / Dies irae - Tage des Zorns / Feuertaufe / Bremer Dom-Musik / Strophen / Sonido Iberico / Sense of Rhythm / Moving Colours / Mors et vita
マルティン・シュメーディング(Org)
アニコ・サットマリー(Vn)
オラフ・ツショッペ(打楽器)
ヴォルフガング・コゲルト(Org)
ジグモンド・サットマリー(Org)
ジグモンド・サットマリーは1939年生まれのハンガリーの作曲家・オルガニストです。コダーイの孫弟子にあたり、バルトークやリゲティの系譜も感じる作風。 クラスメートにペーテル・エトヴェシュもいたそうです。 (Ki)

FUGA LIBERA
FUG-610(2CD)
NX-D07
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、他
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
コンスタン:「ペレアスの印象」
ドビュッシー:白と黒で
イング・スピネット&ヤン・ミヒールス(P/クリス・マーネ社製平行弦ピアノ)
「ペレアスの印象」
メリザンド:ロール・ビノン (S)
ペレアス:イヴ・サーレンス (T)
ゴロー:ピエール=イヴ・プリュヴォ (Br)
アルケル:テイル・ファフェイツ (Bs)
ジュヌヴィエーヴ:アンジェリク・ノルデュ (Ms)
イニョルド:カミーユ・バウアー (Ms)

録音:2018年4月6-10日ブリュッセル王立音楽院
歴史的ピアノで数々の実績をあげてきたベルギーの名手二人が弾く、『ペレアスとメリザンド』新体験。第一線の古楽器系製作家が手がけた歴史再現型ピアノによる演奏です。  サティ作品集の指揮者としても知られた作曲家マリユス・コンスタン[1925-2004]が、大胆なカットを施しつつも作品の魅力を削がないようピアノ伴奏版の楽譜を整え、作曲当時のドビュッシーがサロンで親しい友人たちと演奏したであろう縮小版を強く想起させる音作りになっています。  前後には、ドビュッシー自身の編曲による『牧神の午後への前奏曲』と『白と黒で』という2台ピアノのための作品を収録。  ダニエル・バレンボイムの提唱で作られた平行弦ピアノの製作者は、ピアノ修復と古楽器コレクションで専門家たちから絶大な信望を集めるベルギーのクリス・マーネ。歴史的ピアノでのドビュッシー・アルバムもあるヤン・ミヒールスが経験豊かなデュオ・パートナーと織り上げた、時代感あふれるフランス近代サウンドをどうぞ。

299 MUSIC
NIKU-9020(1CD)
税込定価
シューベルト:4 つの即興曲 Op.90 D899
ショパン:ピアノ・ソナタ第3 番
有吉亮治(P)

録音:2018 年9 月19-21 日長野市芸術館「リサイタルホール」
ヨーロッパで研鑽を積み、現在はリサイタルや著名な演奏家との共演など、多彩 な活躍をみせる有吉亮治のファースト・アルバム。繊細なタッチが紡ぎ出す彩り豊 かな響きと、的確な表現力が導く時の移ろいは、シューベルトとショパンの詩的世 界と感情の起伏をいっそう際立たせ、作品の持つ記憶や風景を呼び覚ます。

コウベレックス
KRS-5249(1CD)
土師さおり〜「謝肉祭」.他
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
シューマン:謝肉祭 Op.9
ブルクミュラー:25 の練習曲
土師さおり(P)

録音:2018 年12 月4- 5 日大和高田市さざんかホール(小)(奈良県)
「19 世紀の名ピアノ教師ブルクミュラーが、易しいエチュードをたくさん書いたのは、 それを入口としてクラシックの深く豊かな世界へ人々を誘うため ── このCD は、そ んな彼の思いを具現化した理想的なカップリングの一枚だと思う。」 北村智恵(音楽 教育家) ※国内外で精力的に演奏活動を繰り広げている土師さおりの 2 枚目となるアルバム は、得意とするフランスものの代表作ドビュッシーではじまる。「ベルガマスク組曲」は 土師らしい軽妙なニュアンスが心地よく、「月の光」の語り口は清楚でいて絶品。シュ ーマンの人気曲「謝肉祭」はカーニヴァルのざわめきや情景を快活に若々しく表現。 また、子供のための練習曲として知られる「ブルクミュラー25 の練習曲」は、全曲通し て聴くと、同じロマン派の世界観を持った魅力ある作品集となって輝きだす。

シャッツグレーバー
SHZ-IO3(1CD)
税込定価
ドビュッシー:前奏曲集第1巻、第2巻 浅田 真弥子(P)

録音:2018 年10 月30 日金沢市アートホール(ライヴ)
■浅田 真弥子(P)
Mayako ASADA, piano 母の手ほどきにより 3 才からピアノを始め、7 才より武蔵野音楽大学客員教授クラウス・カウフマン氏に師事。10 才より桐朋 学園大学教授 竹内啓子氏に師事。桐朋学園女子高等学校音楽科に在学中、中部ショパン学生ピアノコンクール優勝。 中日新聞社賞受賞。竹内啓子氏の薦めにより桐朋学園大学音楽学部演奏学科在学中、フランスに留学。パリのエコール・ ノルマル音楽院にて、ピアノ及び室内楽の高等演奏課程卒業。更に同音楽院最高課程修了、高等演奏家資格を取得。パ リにて、コンクール“FLAME”入賞。同コンクール審査員長、セルジオ・ペルティカローリ氏に招かれ、奨学生としてモーツァ ルテウム音楽院夏期講習(ザルツブルク)受講。盛岡青少年国際ピアノコンクール第 1 位。スペインのマリア・カナルス国際 ピアノコンクール第3位。イタリアのマルサラ国際ピアノコンクール第3位、及びセニガリア国際ピアノコンクール入賞。パリの ユーハム国際コンクール室内楽部門第1位等、国内外のコンクールに多数入賞。さらにアルトゥール・ルービンシュタインの 弟子であるユージン・インジック氏のもとで研鑽を重ね、インジック氏から驚嘆すべき演奏家であると高く評価されます。これま でに、故・井上直幸、ヤンシン・アン、ピエール・レアック、ジュヌヴィエーヴ・マルティニ(室内楽)、故・レオニード・ブルンベ ルグ、故・ヴェラ・ゴルノスタエヴァの各氏に師事。

コウベレックス
KRS-5248 (1CD)
税込定価
再発売
大竹道哉/バッハ:ピアノ・リサイタル
平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番ハ長調BWV846
トッカータホ短調BWV914
カンタータ「神よあなたに感謝を捧げます」よりシンフォニア(ケンプ編)
コラール「主よ、人の望みの喜びよ」(ケンプ編)
クラヴィーア協奏曲第5番より第2楽章ラルゴ(ケンプ編)
コラール前奏曲「イエス・キリストよ、わたしは主の名を呼ぶ」(ケンプ編)
コラール前奏曲「確かにそのときだ・いざともに喜べ、愛する信徒たち」(ケンプ編)
コラール前奏曲「目を覚ませと我らを呼ぶ声あり」(ケンプ編)
フランス組曲第1番二短調BWV812
半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903
オルガンのための前奏曲とフーガニ長調BWV532(ブゾーニ編)
メヌエットト長調BWVAnh.114(クリスチャン・ペッツォルトチェンバロ組曲より)
メヌエットト長調BWVAnh.116(作者不詳)
ガヴォット(フランス組曲第5番ト長調BWV860より)
ゴールトベルク変奏曲BWV988より「第30変奏クォドリペット」「終曲アリア」
大竹道哉(P)

録音:1997 年12 月6 日日本基督教団飯盛野教会(兵庫県加西市) ライブ
教会のブリュートナーで味わうバッハのライブ録音。 ヨーロッパ音楽の感性を、演奏や教育を通じて常に発信し続けている、大竹道哉によ る1997 年の教会でのライブ録音を好評につき再プレス。 J.S. バッハの鍵盤音楽を、カンタータやコラールなどの編曲作品を含めた趣向で、 一味違うバッハの愉しみへと誘う。大竹ならではの音作りの潔さや、深々とした流れ が、聴く人と共有され、崇高でかつ温かい演奏がそのまま収録されています。 飯盛野教会所有の楽器ブリュートナーNo.4 による音色が薫りたつ。

EM Records
EMRCD-045(2CD)
リチャード三世
ポール・カー:ソナティナ(世界初録音)
リチャード・パンチェフ:無伴奏ヴァイオリンのための組曲 「キング・リチャード三世」(世界初録音)*
フランシス・ポット:無伴奏ヴァイオリンのためのテネブレ(世界初録音)
ポール・ルイス:ヴァイオリンのためのスレナディ(哀歌) 「The Most Famous Prince of Blessed Memory」(世界初録音)
ライオネル・セインズベリー:独白
ルパート・マーシャル=ラック(Vn)、
エム・マーシャル=ラック(朗読)*

録音:2016年9月20日−21日、セント・メアリー&セント・アルケルダ教会(ヨークシャー、イギリス)
シェイクスピアの劇などでも知られ、イギリスの歴史でもっとも物議を醸している君主、イングランド王「リチャード三世」からインスピレーションを得た、無伴奏ヴァイオリンのための4つの作品。4作品とも、イングリッシュ・ミュージック・フェスティヴァル(EMF)の委嘱により作曲され、2015年のEMFで初演されたものです。
EM Records
EMRCD-040(2CD)
アンドルー・ダウンズ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第1番
ピアノ・ソナタ第2番(世界初録音)
2台ピアノのためのソナタ*
ソナティナ(世界初録音)
7つの前奏曲(世界初録音)
ハーバート・ハウエルズの思い出に(世界初録音)
7つの後奏曲(世界初録音)
ダンカン・ハニーボーン(P)、
キャサリン・ラム(P)*

録音:2016年11月7日−8日、ワイアストン・コンサート・ホール
20世紀イギリス&アイルランドのピアノ音楽のスペシャリスト、ダンカン・ハニーボーンが演奏するアンドルー・ダウンズのピアノ作品集。アンドルー・ダウンズ(b.1950)は、バーミンガム音楽院作曲科のヘッドを務めた作曲家。王立音楽カレッジではハウエルズに学んでおり、「ハウエルズの思い出に」はハウエルズの没後25周年に作曲されたもの。

Poohs Hoop
PCD-1810(1CD)
バッハ:オルゲルビュッヒライン BWV599-644 塚谷水無子(パイプオルガン)[使用楽器:ミュラー・オルガン、1738年製作]

録音:2018年10月3-5日/聖バフォ教会、ハーレム、オランダ
レコーディング・エンジニア:ダニエル・ファン・ホルセン
さまざまなアプローチで聴き手を圧倒する塚谷水無子が、バッハのオルゲルビュッヒライン(オルガン小曲集)を録音!オランダ、ハーレムの聖バフォ 教会に据え付けられた名器ミュラー・オルガン(1738 年制作)を使用しています。
かつてシュヴァイツァーはこの曲集を「音楽史における最大の出来事のひとつ」と呼ぶなど、高名な音楽家、音楽学者たちが挙って激賞する割に聴き手 からはそれに見合う評価を得てきたとは思いにくいオルゲルビュッヒライン。塚谷は当ミュラー・オルガンの全64のストップを使用した驚きのレジストレー ションとテンポで新たな解釈で演奏!名器ミュラー・オルガンを知り尽くした塚谷でしか表現のできない唯一無二の演奏を披露しております。
塚谷のさまざまなこだわりのもと収録した当曲集。塚谷は全46曲(「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV633の異稿BWV634も収録!) ののち、別テイクの第1曲「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV599でこの曲集をとじます。教会暦一年の循環を示すダ・カーポ、そしてゴルトベル クをライフワークとする奏者の成せる解釈と申せましょう。
演奏はもちろん、録音にもこだわりをもつ塚谷水無子。当録音も塚谷が絶大なる信頼を寄せるダニエル・ファン・ホルセンが担当しております。ホルセ ンは大学時代にオルガンを専攻していたこともあり、オルガン音楽、教会の響きの録音特性も知り尽くしていることからオルガンの録音には非常に定評が あります。当録音でもワンポイント録音を採用し、臨場感に富んだ演奏を楽しむことができます。
『クリスチャン・ミュラー・オルガンの64のストップを漏らさず使って録音出来たことが何よりの喜びだ。1738年に完成した世界最大の楽器にはバッ ハの時代にだけ存在した音色が数多く備わる。約6000本のオルガンパイプと巨大なふいごが生み出す音響。バッハが愛した32フィートが作り出す低音 のダイナミズム。』(塚谷水無子)

HAT HUT RECORDS
HATART-172(1CD)
シュトックハウゼン〜Klavierstuck I -VIII、XIの歴史的録音
1.Klavierstuck I
2.Klavierstuck II
3.Klavierstuck III
4.Klavierstuck IV
5.Klavierstuck V
6.Klavierstuck VI
7.Klavierstuck VII
8.Klavierstuck VIII
9.Klavierstuck XI/I
10.Klavierstuck XI/2
11.Klavierstuck XI/3
12.Klavierstuck XI/4
※1-4…マルセル・メルスニエに献呈、5-12…デイヴィッド・チューダーに献呈
デイヴィッド・チューダー(P)

録音:1958年9月19日…9-12
1959年9月27日…1-8
ドイツの現代作曲家シュトックハウゼン、初期のピアノ作品の歴史的初録音。シュトックハウゼンが万全の信頼を置いて いたピアニスト、デイヴィッド・チューダーの演奏です。活動の初期には新古典派主義の作風を採用するも、「ダルムシュ タット夏季現代音楽講習会」でメシアン作品を聴き、セリエリズム(十二音を更に発展させた厳格な音列技法)に目 覚めたというシュトックハウゼン。このアルバムに収録された「Klavierstuck」の中で I-IVまでは彼の最初のピアノ曲であ り、かなり実験的な要素が盛り込まれています。その翌年から着手されたV-Xでは新しい記譜法を模索、更に複雑な 書法が探求されています。
HAT HUT RECORDS
HATART-216(1CD)
フリッツ・ハウザー(1953-):LABORATORIO ラボラトリオ
1.第1番/2.第2番
3.第3番/4.第4番
5.第5番/6.第6番
フリッツ・ハウザー(パーカッション)
「空間と音の相関関係は常に私の音楽への原動力です」と語るスイス出身の作曲家、パーカッション奏者フリッツ・ハウ ザー。この録音は「架空のパーカッションセンター」を含む建築学科の学生によるプロジェクトから生まれたものです。存在 しないスペースのために音楽を作ることはとても刺激的であり、ハウザーのモチベーションを高めたということです。この録音 では彼が全ての演奏から録音までを一手に引き受け、多彩な音色を生み出しています。

grazioso
GNY-704(UHQCD)
吉野直子/ハープ・リサイタル4〜武満・細川・吉松・ケージ・サティ
サティ:グノシエンヌ第1番
ハインツ・ホリガー:「ヨハネ福音書」第1章32節によるセクエンツィア)
細川俊夫(1955-):回帰 II
サティ:グノシエンヌ第2番
武満徹:スタンザ II(ハープとテープのための)
ジョン・ケージ:ある風景の中で
サティ:グノシエンヌ第3番
吉松隆(1953-):ライラ小景 作品99
グレイス・ウィリアムズ(1906-1977):ヒラエス〔郷愁〕
吉野直子(Hp)

録音:2018年7月&9月軽井沢
日本語&英語解説付
吉野直子の自主レーベル “grazioso” からの4枚目となるアルバムでは、20世紀後半以降の作品を中心に集めました。
『核となるのは、ハインツ・ホリガー、細川俊夫、武満徹、ジョン・ケージ、そして吉松隆の作品です。ホリガーが優れたハープ奏者である妻ウルス ラのために書いた「セクエンツィア」は、無駄な音をすべてそぎ落としながらも豊かで多彩な表情をもつ作品です。それに続く細川俊夫の「回帰II」は、 2001年に初演させていただいたハープ協奏曲「回帰」のソロ・ハープ版です。ゆったりと流れる凝縮された時間の中に、宇宙や海の無限に拡がっていく 世界が表現されています。武満徹の「スタンザII」では、ハープがあらかじめ録音されたテープと共演します。一見機械的に処理されたような音の中にも、 武満さんならではの世界が広がります。ケージ30歳代の作品である「ある風景の中で」は、淡々と進む曲想の中にもケージ独特の世界観がとても印象 的です。2006年に初演させていただいた吉松隆の「ライラ小景」は、5つの小曲からなる組曲で、宇宙と星、そしてそこに関わる人間への優しい眼差し が物語のように表現されています。これらの核となる作品をつなぎ合わせる役目として、サティの「3つのグノシエンヌ」を合間に挟みこみました。アルバ ムを締めくくるのは、ハープと関係が深いウェールズ出身の作曲家ウィリアムズによる、「ヒラエス〔郷愁〕」です。ひとつの大きな物語を作るような感覚で、 このアルバムを構成しました。いろいろな聴きかたをしていただければ、嬉しく思います。(吉野直子)』
「ハープ・リサイタル〜その多彩な響きと音楽」(GNY 701)、「ハープ・リサイタル2〜ソナタ、組曲と変奏曲」(GNY 702)、「ハープ・リサイタル3〜バッ ハ・モーツァルト・シューベルト・ブラームス 他」(GNY 703)も好評発売中。いずれもレコード芸術特選盤です。
本ディスクは原盤音質を極限まで再現する新技術であるUHQCD(Ultimate Hi Quality CD)が用いられております。

コウベレックス
KRS-5247(1CD)
税込定価
馬渕清香/ソロ・リサイタル
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための 12 の幻想曲〜第 4 番 ニ長調
TWV40-17
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3 番ホ長調 BWV1006
イザイ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2 番イ短調作品27
レーガー:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番二短調作品42
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3 番ハ長調BWV1005
馬渕清香(Vn)

録音:2018 年9 月26 日寝屋川市立地域交流センター アルカスホール(セッション)
今日も忙しい一日が終わった。夜の帳(とばり)が降り、ホッとして窓の外を眺めると、 夜空にたくさんの星が瞬いている。ワインセラーからお気に入りのワインを取り出しグラ スに注ぐ。手の中のグラスを揺らしながらソファにゆったり腰をかけ再び窓の外を眺め る。しばらく静かに自分と対話した後、バッハを聴きたくなる。 往年の名ヴァイオリニストのメニューインはその著書の中で「ヴァイオリニストは、人 間を蒸留して希少な力を抽出したまことに珍しい存在だ―――その半分は虎で、半分 は詩人なのである。」と言った。このたびリリースされた馬渕清香の「SOLO RECITAL」 は、このメニューインの言葉を彷彿とさせる、彼女にとって初のソロ・アルバムである。こ の演奏を聴いていると、古今東西の名演がある中で、敢えて今リリースを決意したこと に強く共感するものがある。演奏にはいろいろな演奏家の「良さ」あるいは「個性」が共 存しているであろうが、この演奏は、酒造りの杜氏が「水を磨く」ように、テレマンの、バッ ハの、イザイの、レーガーの、それぞれの曲が求めている音色や解釈、グルーブをシン プルな形に磨きあげ、聴く者に彼女独特の「天から降りてくるもの」を感じさせるまでに 昇華されている点が魅力的である。更に、音楽専用ホールの豊かな音響、経験豊富な レコーディング・エンジニアの全面協力を得て入念に製作された点においても完成度 が高く、一聴に値する一枚である。(崎本哲生)

b-sharp
KKC-4167(1SACD)
ノルベルト・ブルグミュラー:ピアノ・ソナタ ヘ短調Op.8
ルートヴィヒ・シュンケ(1810-1834):ピアノ・ソナタ ト短調作品3「グランド・ソナタ」
ヨハン・ネポムク・フンメル(1778-1837):ピアノ・ソナタ第5番嬰ヘ短調Op.81
ハイディ・ツァイ(フォルテピアノ)
使用楽器:コンラート・グラーフ1819年製コピー、ポール・マクナルティ作

録音:2016年4月10-14日b-sharpスタジオ、ベルリン
ヨーロッパを中心に活躍する古楽奏者でありフォルテピアノ奏者であるハイディ・ツァイによるベートーヴェンとシューマンの間にはさまれた 3 人の作曲 家 の ピ アノ ・ ソナ タ 集 。 彼女は、アンサンブル「バルセロナ・バロック」を設立、フォルテピアノ奏者としてヨーロッパ各地、上海などで演奏活動を行うほか、現在はフランス在 住で後進の指導にもあたっています。 本アルバムは、ロマン派初期に作曲されたフンメル、ブルグミュラー、シュンケの 3 人の作曲家のピアノ・ソナタを収録しています。時代の過渡期にあり 現在でこそほとんど知られていないピアノ・ソナタでありますが、ベートーヴェンからシューマンへと続く道に少なからずとも影響を与えた作品群です。 ベートーヴェンと同時代に生きたフンメル。ピアニストとして名声をほしいままにしていたフンメルですが、作曲家としてベートーヴェンに大きく引き離され ることとなります。しかし、このピアノ・ソナタ第 5 番についてはベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」を凌駕するような新境地を開いた作品となっ ています。そして 1810 年にデュッセルドルフで生まれたノルベルト・ブルグミュラー(教則本で有名なのは兄ヨハン・フリードリヒ・フランツ)は、メン デルスゾーンやシューマン、ショパンらと同世代。幼少より音楽の才能を発揮しましたが、体が弱く26 歳という若さでこの世を去っています。シューマン は彼の才能を認めており彼の未完の交響曲を補筆しています。ブルグミュラーがまだ 10 代の頃に作曲されたピアノ・ソナタ。ベートーヴェンの「熱情」 を模範とし、ショパンのピアノ・ソナタ第 2 番を予感させるような野心的な作品となっています。そしてルートヴィヒ・シュンケ。滞在先のライプツィヒでシュー マンと親しくなり、この作品 3 のピアノ・ソナタはシューマンに捧げられています。シュンケはピアニストとして華々しく活躍していましたが、肺結核にかか り 2 4 歳で亡くなっています。 17 世紀から 21 世紀まで、そしてチェンバロ、フォルテピアノ、ピアノを巧みに操るハイディ・ツァイならではの好企画盤となっています。

ANIMAL MUSIC
ANI-076(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) イルジー・バールタ(Vc;作者不詳(プラハ/1700年代))

録音:2018年7月-10月/ソノ・レコーズ(チェコ)
チェコを代表するチェリスト、イルジー・バールタ久々の新録音は、23年ぶりの再録となるバッハの無伴奏チェロ組曲全曲、ガット弦を使用しての録音 です。これまでの演奏経験、また人生経験から培った新鮮な解釈で挑んだ全曲録音。まず驚かされるのは組曲第1番前奏曲のテンポ設定。バロック弓を 使いながらも驚くほど遅いテンポで始まりつい聴き入ってしまいます。軽やかな演奏にして一音一音たっぷりと聴かせるバールタの演奏で、当作品の新た な魅力にも気づかされます。途中、急にテンポ設定も変わり、前奏曲だけでも驚きの連続です。6つの組曲を “6楽章の交響曲” と位置付け、全曲を聴 くことで現在のバールタが思い描くバッハの大宇宙が広がります。 (Ki)

FUGA LIBERA
FUG-744(1CD)

NYCX-20001(1CD)
国内盤
税込定価
シューベルト:ピアノ作品集
シューベルト:ハンガリーの調べ ロ短調 D817
シューベルト:アダージョ ホ長調 D612
シューベルト:幻想曲 ハ長調「さすらい人幻想曲」 D760
リスト:しぼめる花 〜「シューベルトの六つの歌曲」S563 より
 粉挽き職人と小川〜「シューベルトの水車小屋の連作歌曲」S565 より
シューベルト:即興曲集 D899
シューベルト:クーペルヴィーザー・ワルツ D Anh.I/14
(採譜・校訂:R・シュトラウス 1864〜1949)
川口成彦(フォルテピアノ)
使用楽器:ウィーンのコンラート・グラーフ(1782〜1851)1817 年製モデルに基づく
クリス・マーネ製作による再現古楽器

録音:2017年4月2-4日 メルセン教会・ベルギー北西部オーストフランデレン地方
【国内盤解説】・・・川口成彦
20 歳の時に “アントン・ヴァルター” (18 世紀後半から 19 世紀にかけて活躍したウィーンの鍵盤楽器製作者)のフォルテピアノの精巧な 再現楽器に出会い、この時代の楽器のすばらしさに開眼したというピアニスト、川口成彦。ピリオド楽器の持つ繊細かつ多彩な音色に魅入 られた彼は、楽器の魅力と性能を極限まで研究し、19 世紀の音の再現に力を尽くしています。2017年に録音されたこのシューベルトは、 当時の彼の思いを伝えるものであり、新たな飛躍の幕開けともなった 1 枚です。ピアノの歴史は「発掘」ではなく「変容」であり、作品が生ま れた当時の楽器によってようやく表現できる微妙なニュアンスというものが多々あると語る川口の演奏。その美しく変幻自在な響きをお楽しみ ください。

Tonar
TONAR-70901(1CD)
ウカシュ〜ホセ、タンスマン、ルトスワフスキ作品集
アントニオ・ホセ:ギター・ソナタ
アレクサンドル・タンスマン:カヴァティーナ
ルトスワフスキ:民謡集
タンスマン:ポーランド風組曲
ウカシュ・クロパチェフスキ(G)

録音:2008年、2012年、ポーランド
ウカシュ・クロパチェフスキは、ポーランド出身、東京国際ギター・コンクール第2位など各地のコンクールで入賞し、アメリカでマヌエル・バルエコに師事、現在はポーランドのポズナン音楽アカデミー教授、ポーランド・ギター・アカデミー・フェスティヴァルの芸術監督を務める俊英ギタリスト。ポーランド放送からリリースされながらも入手困難となっていた録音の嬉しい復刻。
Tonar
TONAR-40515(1CD)
チャイナ・ウェスト
バッハ(バルエコ編):ソナタ第6番ト長調 BWV.1019
モレノ・トローバ:版画
ピアソラ(アサド編):フーガと神秘、レビラード
陳怡(チェン・イ)(バルエコ編):組曲 「チャイナ・ウェスト」
アサド:エンチャンテッド・アイランド(世界初録音)
チャップリン(アサド編):チャップリン・メドレー(伯爵夫人、ライムライト、モダン・タイムス、犬の生活)
マヌエル・バルエコ(G)、
北京ギター・デュオ
キューバの伝説的ギタリスト、マヌエル・バルエコと、その弟子である北京ギター・デュオ(王雅夢、蘇萌)によるギター三重奏。バッハのヴァイオリン・ソナタやピアソラ、チャップリンのアレンジなど魅力的なプログラム。
Tonar
TONAR-11015(1CD)
バッハ・トゥ・タン・ドゥン
スカルラッティ:ソナタ ロ短調 K.173、
 ソナタ ニ短調 K.141
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ソナティナ・カノニカ Op.196
グラナドス
:詩的なワルツ集
タン・ドゥン:ウォーターカラーの中の8つのメモリー Op.1(世界初録音)
北京ギター・デュオ

録音:2010年、2011年
バルエコに学んだ中国の注目ギタリスト、メン・スー(蘇萌)、ヤメン・ワン(王雅夢)からなるギター・デュオ。スカルラッティから、バッハ、カステルヌオーヴォ=テデスコ、グラナドスを経て、祖国中国のタン・ドゥン(譚盾)の世界初録音曲まで、多彩なリサイタル・アルバム。バッハの「シャコンヌ」は、ピアノ・アレンジで知られるブゾーニ編曲版をベースに、U.シュトラッケがギター二重奏版へと編曲したもの。

Willowhayne Records
LCSCD-006(1CD)
バッハ:オルガン作品集
オルガン協奏曲第5番ニ短調 BWV596 (ヴィヴァルディ:「調和の霊感」Op3-11 RV565の編)
コラール前奏曲 「我汝の名を呼ぶ、主イエス・キリストよ」 BWV639
パッサカリアとフーガ BWV582
コラール前奏曲 「今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ」 BWV734
奏曲とフーガ BWV552 変ホ長調 「聖アン」
コラール前奏曲 「最愛のイエスよ、我らここに集いて」 BWV731
幻想曲とフーガ ハ短調 BWV537
コラール前奏曲 「我、心よりこがれ望む」 BWV727
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903 (M.レーガーによるオルガン用編曲版)
ニコラス・キナストン (Org)

録音:1994年3月24-26日アモールバッハ修道院教会
バイエルン州の都市アモールバッハ。この街の起源でもある修道院には、ヨハン・フィリップ・シュトゥム(1705-1776)とヨ ハン・ハインリヒ・シュトゥム(1715-1788)の兄弟により制作された、三段鍵盤と46のストップを持つ最大のシュトゥム・ オルガンがあります。200年以上の歴史を持つこの楽器は、度重なる修復と改修を経て現在まで大切に使われてお り、南部ドイツにフランスの技法も取り入れたシュトゥム家によるオルガン作りの代表とされる重要なものです。この歴史 的な楽器を用いてワイマール時代を中心としたバッハ作品を奏でるのは、英国のオルガン奏者ニコラス・キナストン。通 好みのする選曲を、柔らかなものを中心としたストップ選択で美しく聴かせています。レーガーがオルガン用に編曲した 「半音階的幻想曲とフーガ」の収録も嬉しいところ。

EM Records
EMRCD-048(1CD)
ポール・ルイス:ハープのための音楽
パリからの葉書
4つのジャズ・エイジ・ダンス 「DECOSPHERICS」
ヒネ・エ・ヒネによる変奏曲 「マオリの子守歌の黙想」
サタデー・ナイト・ジャズ組曲
ガブリエッラ・ダッローリオ(Hp)

録音:2014年11月&2017年7月
(全曲世界初録音)
ポール・ルイスといってもピアニストではなく、コメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」や「ベニー・ヒル・ショー」などの音楽で知られる1943年生まれのイギリスの作曲家、ポール・ルイスによるハープ作品集。半世紀近くTVや映画の音楽を書いてきたポール・ルイスの作品は優美でキャッチーなメロディや心地よいリズムが満載。フランスのシャンソンやアメリカのジャズ、ニュージーランドのマオリ族の音楽などを取り入れた作品です。
ハープを演奏するガブリエッラ・ダッローリオは、トリニティ・ラバン音楽院でハープを教えるイタリア出身の名手。

アンシェル
ENCL-0001(2CD)
税込定価
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) ドミトリー・フェイギン(Vc)

録音:2018 年4 月5、6、23、24 日、5 月30、31 日、きらりふじみ野
■ドミトリー・フェイギン (Vc)
ロシア人チェリスト、ドミトリー・フェイギンは、有名なチェリストであった父、ヴァレンティ ン・フェイギンと、有名なチェロ教師であった母、ガリーナ・ズーヴァレヴァのもとに、モス クワに生まれます。その後、モスクワ音楽院中央付属音楽学校にて英才教育を受け、後 にモスクワ音楽院へ入学、同大学院を卒業。その間、父にチェロを、室内楽をショスタ コヴィッチ室内楽団のチェロ奏者アレクサンドル・カルチャーギンなどに師事する。 モスクワ音楽院在学中、1991 年にモスクワ音楽院大ホールにて指揮者アレクサンド ル・ヴェデルニコフ(現ボリショイ劇場常任)指揮により、チャイコフスキー作曲『ロココの テーマによる変奏曲』でデビューする。今までにショスタコヴィッチ室内楽コンクール、 日本のヴィヴァ・チェロコンクールなど数々の賞を受賞。ショスタコヴィッチ室内楽コンク ールではショスタコヴィッチ夫人から特別にソナタ賞を授与されます。 1 9 8 6 年からロシア国内外で演奏活動をはじめ、NEW-VIKTRING フェスティバル や CARINTHISHER フェスティバル(墺)、カルマール・フェスティバル(仏、主催はロシ ア人ヴァイオリニスト、スピヴァコフ)、オレグ・カガン・フェスティバル(露、ナタリア・グッド マン主催)、モスクワ11 月芸術祭などに出演する。'95 年からはモスクワ・コンサート・フ ィルハーモニー協会のソリストを務め、モスクワ音楽院付属音楽学校で教えます。'99 年 にはロシア人指揮者、イリヤ・ムーシンなどと共演する。'06 年からはモスクワフィルハー モニア協会主催による定期演奏会に、毎年、チェロとピアノ、デュオ室内楽のシリーズ に新見・フェイギン・浩子(P)と連続出演しています。 最近では、小林研一郎、広上淳一など世界的な指揮者と共演する。今まで、日本の読 売日本SO、名古屋フィルハーモニーSO、京都市SO、仙台フィル ハーモニーOなどと共演する。近年では又ロシア、韓国、日本などのコンクー ルの審査員も務めています。現在、東京音楽大学の教授を務める。日本、ロシア、アジア などを中心にソロ、室内楽で活躍しています。

コウベレックス
KRS-52451(1CD)
税込定価
ペトル・エベン(1929-2007):オルガン組曲「ヨブ」(朗読付き)
1. 運命/2. 信仰/3. 苦難の受容/4. 死への憧憬/5. 絶望と諦め/6. 創造の神秘/7. 改悛と理解/8. 神の報い
山田早苗(Org)
丸山靖人(朗読)

録音:2018 年8 月17 日-18 日所沢市民文化センターミューズ ・アークホール(ライヴ録音)
ペトル・エベン(1929-2007)はチェコを代表する作曲家のひとりで、宗教作品やオ ルガン曲も多い。旧約聖書のヨブ記を題材にした組曲「ヨブ」は、聖書の内容を深く 掘り下げた8章からなる作品。エベン自身がナチス収容所で体験した凄惨な日々や 苦悩はこれらの作曲活動と強いつながりが感じられ、朗読がはさまれるのは、エベン 自身の指示による。 山田早苗はオルガンと教会音楽を専門に学び、ドイツでの活動を経て現在、国内で 教会オルガニスト及び指導家として信望を集めています。エベンとの出会いから約30 年の集大成として所沢市ミューズのオルガンで収録した渾身の演奏。リーガー社製 の4 段鍵盤 75 ストップの国内最大級の楽器は「ヨブ」を表現するにふさわしい壮大 なスケールを持つ。苦難が襲う重低音の唸りや荒涼とした世界を描きつつ、第7 曲で は恍惚と聴こえてくるグレゴリオ聖歌”Veni Creator Spiritus”の旋律が天国的に響き わたる。

SILKROAD MUSIC
SRM-044SACD
(1SACD)
ヴィルトゥオーゾ!〜ヴァイオリン・アンコール名作集
1.クライスラー:コレルリの主題による変奏曲
2.フォーレ:子守唄
3.マスネ(マルシック編):タイスの瞑想曲
4.ドヴォルザーク(ゼンガー編):ユモレスク
5.サラサーテ:祈り Op.23-1
6.ニン(コハンスキ編):グラナディーナ
7.シューベルト(ウィルヘルミ編):アヴェ・マリア
8.ベンジャミン:サン・ドミンゴから
9.ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌
10.シューベルト:蜂
11.ドビュッシー(ハルトマン編):亜麻色の髪の乙女
12.ドビュッシー(ローレンス編):月の光
13.ブラームス(クレンゲル編):ハンガリー舞曲第2番
14.ファリャ(コハンスキ編):ナナ
15.ファリャ(コハンスキ編):ホタ
16.パラディス(ドゥシュキン編):シチリアーナ
17.ヴィエニャフスキ(クライスラー編):エチュード・カプリース イ短調
18.ガーシュウィン(ハイフェッツ編):ベス、お前は俺のもの
19.クライスラー:ラ・ギターナ
20.クライスラー:美しきロスマリン
21.クライスラー:愛の悲しみ
22.クライスラー:愛のよろこび
ハイメ・ラレード(Vn)、
マーゴ・ギャレット(P)

録音:1990年9月/トロイ貯蓄銀行ホール(ニューヨーク)
かつて古楽、室内楽を中心に数々の名盤をリリースしたニューヨークのDorian Recordingsは2005年にバージニア州に 拠点を構えるSONO LUMINUS レーベルに買収されました。当ディスクはSONO LUMINUSレーベルからのライセンス盤で、香港のSILKROAD MUSICレーベルから発売したSACD Hybrid盤です。
1941年のハイメ・ラレードはボリビア出身のアメリカで活躍するヴァイオリニスト。名教師として知られるフランク・ハウザー、ジョーゼフ・ギンゴールド、 ヴァン・ガラミアンらの薫陶を受けました。その後、1960年10月に開いたカーネギーホールでのリサイタルが高く評価され世界的に活動の幅を広げました。 名だたる演奏家の共演の中でもグレン・グールドが共演した最後のヴァイオリニストであることでも有名です。
当録音はピアニスト、マーゴ・ギャレットと共演したラレードが愛奏するヴァイオリンのアンコール名作集です。潤い豊かで艶やかな音色が魅力のラレー ドが奏でる魅力的な録音です。演奏の素晴らしさはもちろんのこと、優秀録音として評価の高いDorian Recordingsの名盤がSACDハイブリッド盤で 聴けるのは非常に喜ばしいことです。 (Ki)

Chateau
KKC-4149(1CD)
坂本龍一:ピアノワークス3
1 Dear Liz
2青猫のトルソ
3坂本龍一へのオマージュ、グレイテスト・アーティスト(ハープ、チェレスタ、プリペアド・ピアノ、マリンバ、微分音のための
「ブリッジ」のモチーフによる主題と変奏)
4 ブリッジ- Music for Yohji Yamamoto Collection 1995(1995年秋冬プレタポルテの山本耀司パリコレクション)
5 Lonliness from "The Sheltering Sky"
6 ゴリラがバナナをくれる日
7 Dream from "Lack of Love"
8 Yamazaki 2002
9 Career Girl
岡城千歳(P)

録音:(1)(2)(4)(5)(6)(7)(8)(9)2004年長野県文化会館ホクトクホール、ライヴ/(3)2017年スタジオ録音
「「Chateau」アメリカのピアノ専門レーベル、プロピアノレコードから「スクリャービン「法悦」ピアノ編曲版多重録音」「スクリャービン練習曲全曲」「ワー グナー超絶技巧編曲集」「チャイコフスキー「悲愴」ピアノ編曲」「坂本龍一ピアノワークス1&2」など、ピアノファン注目のリリースを相次いで発表して いた岡城千歳が、2002年自らオーナーとなってニューヨークに設立、立ち上げたレーベル。シャトーから発表しヒットチャート入りした超絶技巧「マーラー 「巨人」交響曲ピアノソロ編曲」「ビートルズピアノトランスクリプション」の後、休止活動に入っていたが、この度「坂本龍一ピアノワークス3」を引き下 げて復活しました。
BTTB」からの選曲と前衛作品や習作時代のピアノソロ作品を含む「坂本龍一ピアノワークス1」、映画音楽を中心とした「ピアノワークス2」に続く 岡城千歳による坂本龍一ピアノワークス第 3 弾。坂本自身も推薦文を寄せているように、岡城独自の解釈とダイナミックな演奏スタイルで、坂本作品の真 価を全く別方向から新発見・再認識できる一枚。 「ブリッジ」は、山本耀司 1995 年秋冬プレタポルテのパリ・コレクションショーのために作曲された、坂本龍一の30 分のピアノ曲。ミニマル的「ブリッジ」は、 曲を構成する要素が最小限に抑えられており、その密やかで孤独な憂いに満ちたモチーフが微妙なニュアンスの変化を伴いながら展開していき、最終的に 悲嘆で爆発していく。坂本の和声のこだわり、アコースティック、ミニマリズム、静謐さ、抒情性、センチメンタリズム、そういったものが集大成され、コ アな坂本ファンの間で最高傑作との呼び声が高い楽曲。演奏は、坂本が「静」「静謐」とすれば岡城は「動」「ダイナミック」。モデルが歩くテンポ感、服 の色彩の移ろいよる音色感、山本耀司のショウの全体的構成、こういったものすべての要素を包括的にとらえ、表現したものが坂本ヴァージョンとすれば、 岡城ヴァージョンは視覚を一切排除し、岡城が坂本作品に対してピアノワークスシリーズを通して一貫して行ってきている、純粋に楽譜から音楽を読み取り、 曲を再創造しています。 岡城はこの新譜で「坂本龍一へのオマージュ、グレイテスト・アーティスト」という新曲を坂本に献呈しています。しばらくしてピアニストとして活動休止し ていた岡城千歳のピアニストとして復帰第一弾に、これまで困難を乗り越える勇気をくれた坂本作品へ感謝と尊敬を込めてオマージュの新曲を捧げた。ま ず坂本に相談し「主題と変奏」の作曲技法と曲の構想とアイディアを伝えた。坂本より編曲の許可を得た後も、新曲完成後 CD 全曲を何度も聴いてもらい、 CD のマスタリングの音質への指導なども受けながら CD を完成。この録音を非常に喜んだ坂本からライナーノートへの推薦文とエールを送ってもらったと いう。 (Ki)

299 MUSIC
NIKU-9018(1CD)
税込定価
「メッセージ」〜佐藤祐介×中川俊郎
中川俊郎(b.1958):断編残簡(17 の小品) (2018)
ピアノのための19 の展開 19 Developments for piano (2013-2018)
ソナチネ 第1番(こどものためのピアノ曲集「聞こえなくなった汽笛」より)(2011)
ソナチネ 第2番(こどものためのピアノ曲集「どこでも大発見」より)
(2017)
ソナチネの遺跡(石) Stonehenge of Sonatinas (2017-2018)
佐藤祐介(P、語り)
中川俊郎(P)

録音:2018 年5 月9-11 日、三重県総合文化センター 大ホール
繊細な表現と自由な発想で存在感を強める新感覚ピアニスト佐藤祐介と、独自の感性に基づく斬新な書法で異彩を放つ作曲家・ピアニストの中川俊郎。この二人の引き起こす化学反応は、かつてない時の流れを構築し、数多ある“音の葉”が新しくも懐かしい世界へと誘う。

EDITION RZ
RZ-1038(2CD)
ヤーコプ・ウルマン(b.1958):作品集
(1)「ミュンツァーの星」(2014-2015)
(2)「ソロII」(2010)
ダフネ・ヴィセンテ=サンドヴァル(Fg)

録音:(1)2016 年7 月26 日、(2)2016 年11 月10 日 カルトイザー教会、バーゼル
ヤーコプ・ウルマンはフライブルク出身のドイツの前衛作曲家。ドレスデンで教会音楽の研究に打ち込む一方、現代音楽の作曲家として活動し現在はバーゼル音楽大学で教鞭も執っています。これまでにも当Edition RZより作品集を数枚リリースしているが、いずれもひとつかふたつの音が超弱音(ppp!) で延々と続くというもの。この作品集はファゴット・ソロのために書かれたものでいずれも静かな持続の中、時折り、呼吸の音やキリキリとノイズが入る、生楽器で行う一種のテープ音楽、ミュージック・コンクレートとも言えます。ひとつの音を徹底的に聴き込もうとする姿勢はジャチント・シェルシ、瞑想的な雰囲気はラ・モンテ・ヤング、アルヴィン・ルシエ(脳波で作曲する異色の作曲家)、フェルドマン、シュトックハウゼンの継承者と言えます。ブックレットに一部記載されたグラフィック・スコアには奏法、音色の変化が細かく指定されており、こういう所はいかにもドイツの作曲家という趣き。和紙に滲んでゆく墨を見るような、ある意味日本的でスピリチュアルな世界。神秘的な音楽、アンビエント、トリップ、瞑想系の音楽が好きな人にお薦め。


りゅーとぴあ
RYUTSA-0002(1SACD)
シングルレイヤー
税込定価

RYUT-0003(1CD)
税込定価
山本真希/バロック時代を彩る名曲〜グレンツィングオルガンの魅力V
バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
 「われら悩みの極みにありて」 BWV641
 「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」 BWV622
 パッサカリア.ハ短調 BWV582
ゲオルク・ベーム:「天にまします我らの父よ」
フローベルガー:トッカータ ト長調 FbWV103
スヴェーリンク:半音階的幻想曲
ペドロ・デ・アラウホ:バッターリャ
山本真希(Org)

ライヴ録音:2018年3月21日/りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
大反響を呼んでいるりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館の自主レーベルのディスク。当ホールの専属オルガニスト山本真 希独奏、飯森範親(指)東京SOの演奏によるサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(RYUTSA 0001)は「まさに深い感動を与えた 演奏をライヴ一発録りで、捉えたSACDの超盤だ。」とオーディオ評論家角田郁雄氏が激賞した名盤でオーディオ・ファンの間でも評価の高いアルバムです。
当ディスクは2018年3月21日のライヴ収録で名曲トッカータとフーガを含むバロック時代を彩る名曲集です。今回の注目としてコンサートホール及 びホールに備え付けられたパイプオルガンの改修後初の録音で、今回ももちろん録音家・オーディオ研究家の下山幸一氏による渾身の録音です!
録音へのこだわりとして2階席側方、3階席側方約330席の座席裏面の吸音シャッターを動作しないように加工。さらに、舞台のセリを上げて音を拡 散させることで、コンサートホールを超える「響き」を可能としました。そして録音は、高音質な録音形式であるPCM 384kHz 32bitで行いました。こ れは、CDの約17倍(2chステレオの場合)と圧倒的なデータ情報量を誇り、オーディオファイル垂涎の録音形式であるDSD 11.2MHzを超えています。 当ホールを知りつくし適切な音響空間を実現させた大注目の録音です!山本真希の端正な演奏でオルガンの多彩な音色を楽しむことができます。 (Ki)
※RYUTSA-0002はSACD 対応プレーヤー専用ディスクです。通常のCD プレーヤーでは再生することができません。

ヴァデメクム
VMMM-1603(1CD)
税込定価
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番イ長調 D. 664
即興曲集 Op.90,D. 899
「さすらい人」幻想曲 Op.15,D. 760
ヴァハン・マルディロシアン(P)

録音:2001 年 9 月 2-5 日サル・アディアール(パリ)
このアルバムではヴァハン・マルディロシアンの優れた演奏を通じて、シューベルト のピアノ作品の3 つの特徴的な側面を楽しむことができます。 1つ目はシューベルトがその短い生涯を通じて追求し続けたピアノ・ソナタ。その中か ら全3 楽章が全て長調の、アマチュアピアニストであった18 歳の令嬢の為に書かれ たソナタ 13 番イ長調。愛らしく生命感に溢れた、シューベルトの青春の歌とも言える コンパクトにまとめられたピアノ・ソナタ。 2つ目は小品におけるシューベルトの天才が遺憾無く発揮された有名な即興曲集作 品 90。ボヘミアの作曲家、ヴォルジーシェクが初めて用いた即興曲というタイトルのも と、シューベルトの楽想が長調と単調が絶妙なバランス、コントラストを見せながら縦 横無尽に展開された作品。 最後は後にフランツ・リストが画期的な一楽章ソナタを書く先駆けとなった、ピアノ音 楽史上最も重要な作品の一つであるさすらい人幻想曲。シューベルトが初期の頃か ら好んで用いた幻想曲というタイトルのもとに、本来であれば 4 楽章のピアノ・ソナタ の形の曲が、彼の歌曲「さすらい人」のテーマによって展開された連続した 1 楽章に まとめられた正に天才的な作品。 以上のようなシューベルトのピアノ音楽の魅力が凝縮されたCD です。
■ヴァハン・マルディロシアン(ピアノ、指揮、作曲)
アルメニア、エレヴァン生まれ。幼少よりピアノの勉強および作曲を始める。旧ソ連邦で数々のコンサートを行い、その後は パリ音楽院でジャック・ルヴィエに師事し1996 年にピアノのプルミェ・プリ獲得。その非凡な才能をフランスの著名な現代作 曲家、エリック・タンギーとヴァイオリンの巨匠、イヴリー・ギトリスに見いだされ楽壇デビュー。タンギーからはピアノ・ソナタ第 2番を献呈されCD も録音。ル・モンド紙が「驚くべきピアニスト!」の見出しでその才能を絶賛。ギトリスとは最も信頼出来る ピアニストとして10 年以上にわたり共演し、毎年のように日本で演奏を行う。指揮者としても優れた才能を示し、現在はフラ ンス、ノルマンディーのカーン市SOの常任指揮者・音楽監督を務める。パリを拠点にフランス国立O、プラハ 放送Oなどをはじめヨーロッパ各地の有名なオーケストラで客演し、日本ではNHK SOなどを指揮する。ピア ノ・ソロ、室内楽、歌曲の伴奏と多忙な音楽活動を展開しています。作曲家としても「アルメニア作品集」のCD の中で自らの 作品を演奏しています。現在迄にリリースしたCD は10 枚以上。

Euterpe Musica
EMCD-1720(1CD)
ギターのための美しい音楽
アラン・トマス(1968−):子守歌(Cradle Song)
アルベニス(グンナル・スピュート編):入江のざわめき(Rumores de la Caleta)
ファリャ(スピュート編):漁夫の物語(Romance del Pescador)、きつね火の歌(Cancion del Fuego Fatou)
マキシモ・ディエゴ・プジョル(ロベール・ド・ヴィゼー、スピュート編):組曲 イ長調〔アルマンド、クラント、サラバンド、ジグ〕
アルベニス:グラナダ、カディス(Cadiz)
バートウィッスル(1934−):ギターと白い手(Guitar and White Hand)
マイケル・バークリー(1948−):即興曲(Impromptu)
アーネスト・シャンド(1868−1924):シャンソン(Chanson)、沈思の人(Il Pensieroso)、勝利の行進曲(Marche Triumphale)
タレガ:涙(Lagrima)
グンナル・スピュート(G)
※使用楽器:Fritz Ober(ミュンヘン 2015)
※CD-EXTRA仕様:「入江のざわめき」のボーナス・ビデオ・データを収録。

録音:マルメ音楽大学ルーセンベリホール
グンナル・スピュート Gunnar Spjuth(1952−)は、現代スウェーデンを代表するギタリストのひとり。マルメ音楽大学でペール=オーロフ・ユーンソン、ピテオーでヨーゼフ・ホレチェクに学び、1975年、北欧協会(Foreningen Norden)主宰のコンペティションで第1位、王立デンマーク音楽アカデミーの奨学金を獲得。1976年春、ストックホルムでデビュー・コンサートを行いました。1974年からマルメ音楽大学のクラシカル・ギターと室内楽のクラスで教え、コンサート活動を行っています。1987年のスウェーデン・グラミー賞にノミネートされた『スペインとスウェーデンのギター音楽』(dB Productions dBCD69)のほか、録音もいくつかリリースしています。アラン・トマスの「子守歌」に始まり、タレガの「涙」で閉じるアルバム。アルベニスが描いた「スペインの旅」、ピカソの作品からインスピレーションを得たというバートウィッスルの「ギターと白い手」。スピュートが編曲したファリャの「恋は魔術師」の〈漁夫の物語〉は、スウェーデンのへーレンスタムもリサイタル・アルバム(DAPHNE1053)で弾いた作品です。

Altus Records
ALU-0013(1CD)
ハーヴェイ:ピアノ・ソロのための「シナリオ」 ジョン・レネハン(P)
イギリスのトラッド、プログレ・グループ「グリフォン」の創立メンバーとして活躍したマルチ・インストゥルメンタリストであり、英国アカデミー賞(BAFTA)の受賞歴を持つ映画音楽作曲家としても高名なリチャード・ハーヴェイ(1953−)。
イギリスの実力派ピアニスト、ジョン・レネハンが演奏する英国映画界の名匠ハーヴェイの曲集「シナリオ」は、印象主義への追憶、地中海の陽射し、リリカルなメロディなど、カラフルな表情を持った20の珠玉のピアノ小品を集めた作品集です。
また、ブラック・ボックス・レーベル(Black Box)の創設者であり、SONY BMGなどの要職を歴任した敏腕プロデューサーであるクリス・クレイカーの存在も、期待を高めてくれるポイントと言えるでしょう。ピアノ・ファン、映画音楽ファンの皆様、どうぞご注目下さい!

Sono Luminus
DSL-92223(1CD)
NX-B05
Early Departures-早い出発
トゥーダー・ドゥミトレスク(1957-1977):7つの前奏曲
 前奏曲 嬰ハ短調
 前奏曲 ロ短調
ディヌ・リパッティ:ソナタ・ロマンティカ
 小組曲-前奏曲
 夜想曲 イ短調(モルダヴィアの主題による)
 夜想曲 嬰ヘ短調
ヤナーチェク:霧の中で
バッハ:ピアノ協奏曲 ニ短調BWV974-第2楽章 Adagio(原曲:マルチェッロのオーボエ協奏曲)
マテイ・ヴァルガ(P)

録音:2017年5月1-3日
「どんなに楽しく明るい音楽にも、根底には深い悲しみが宿っている。」ピアニスト、マテイ・ヴァルガは幼い頃、彼のピア ノの師からこの言葉を聞き、長い間その意味を探求してきたといいます。愛する人との別離や、遺恨の意、時には作 曲家自身の早すぎる死など、様々な人生観が作品に反映されていると考えた彼は、それらを1枚のアルバムにまとめ ることを思い立ちました。コンセプトに沿って集められた4人の作品はどれも静かな美しさを放っています。

299 MUSIC
NIKU-9016(1CD)
税込定価
ファンタジー/大伏啓太
シューマン(リスト編):献呈S.566
ブラームス:8つの小品Op.76
シューマン:幻想曲 ハ長調Op.17
 アラベスクOp.18
大伏啓太(P)

録音:2016 年9 月26、28、29 日、都の杜 うぐいすホール
2015 年ピアナーレ国際ピアノコンクール優勝など、多数の受賞歴を持つ大伏啓 太がデビュー・アルバムのために満を持して選んだのは、リスト、ブラームス、シュ ーマンの名曲群。的確かつ流麗な表現が誘う幻想世界と、磨き抜かれたタッチが 紡ぎ出す豊潤な響きによって、作品の更なる魅力が薫り立つ。

Vanitas
VA-12(1CD)
スカルラッティ:17のソナタ集
スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.213、ソナタ ニ長調 K.435、ソナタ ヘ長調 K.437、ソナタ ヘ長調 K.525、ソナタ イ長調 K.286、ソナタ 嬰ヘ短調 K.67、ソナタ ロ短調 K.87、ソナタ ヘ短調 K.463、ソナタ ヘ長調 K.150、ソナタ ニ短調 K.417、ソナタ 変ロ長調 K.472/ゴメス:前奏曲 変ホ長調/スカルラッティ:ソナタ 変ホ長調 K.253、ソナタ ハ短調 K.56、ソナタ ホ短調 K.291、ソナタ ト長調 K.79、ソナタ ト短調 K.30、ソナタ ト短調 K.43
アンドレス・アルベルト・ゴメス(Cemb)
ハーグ王立音楽院でジャック・オッホに、カタルーニャ高等音楽学校でベアトリス・マルタンに学んだスペイン出身のチェンバロ奏者、アンドレス・アルベルト・ゴメス。ピリオド・アンサンブル"ラ・レベレンシア"の創設者兼ディレクターも務めるゴメスが、その独特のタッチ・コントロールを駆使して表現するドメニコ・スカルラッティのソナタ集。

Poohs Hoop
PCD-1712(1CD)
ブゾーニ版の《ゴルトベルク変奏曲》
バッハ
(ブゾーニ編):ゴルトベルク変奏曲
「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」 BWV 639
「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 BWV 659
塚谷水無子(P;ベーゼンドルファー Bosendorfer model225(2009))

録音:2017年12月26-28日/チャボヒバホール(立川/東京)
バッハの作品を現代ピアノで演奏することに於いて、ピアノという「楽器」を知り尽くしたブゾーニの編曲の手法やピアニスティックな響きへの置き換え などその叡智を知ることは、バッハ作品自体の素晴らしさを深め開眼させてくれます。バッハ《ゴルトベルク変奏曲》のブゾーニ編曲版は、多くが20変 奏前後に省略した「コンサート版」だったり、楽譜の細かなところまで精査し演奏したものが皆無だったりします。今回、塚谷水無子は、ブゾーニ楽譜の 細部、書き換えた音符の意味を探り、Ossia(簡略譜ではなく、むしろ出来ればこうして弾いて欲しいんだが… )の指示や演奏至難過ぎて別書きにした NB譜など徹底的に読み砕き拾い上げて、「ブゾーニ・ゴルトベルクのMAX」で演奏し収録しています。バロックの響きを現代ピアノでどう響かせるか? に腐心したブゾーニの楽譜を紐解き忠実に演奏することで、改めてバッハ・オリジナルの《ゴルトベルク変奏曲》へ立ち返っていきます。また名曲「われ 汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」 BWV 639、「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 BWV 659も収録しております。録音は今回もオーディオ誌でお 馴染みの生形三郎氏が手掛けています。 (Ki)


King International
KKC-2064(9CD)
新リマスタリング
UHQCD限定生産


ウィルヘルム・ケンプ1961年ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲連続演奏会ライヴ
■Disc 1
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.2の1
ケンプの挨拶(通訳付き)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2の2
 ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2-3
モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397
■Disc 2
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7
 ピアノ・ソナタ第5番ハ短調Op.10の1
 ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2
 ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
■Disc 3
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10の3
バッハ(ケンプ編):シチリアーノ〜フルート・ソナタ第2番BWV1031より
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番ホ長調Op. 14の1
 ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14の2
 ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22
■Disc 4
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番「葬送」
 ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.27の1
 ピアノ・ソナタ第14番「月光」
 バガテルOp.33の4
 ピアノ・ソナタ第15番「田園」
■Disc 5
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31の1
 ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
 ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31の3
 エコセーズ WoO.86(ケンプ編)
グルック(ブラームス編):ガヴォット〜「アウリスのイフゲニア」より
■Disc 6
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49の1
 ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
 ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 Op.54
 ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」
■Disc 7
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49の2
バッハ(ケンプ編):ラルゴ〜チェンバロ協奏曲第5番BWV1056より
ブラームス:間奏曲Op.117の2
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」*
 ピアノ・ソナタ第26番「告別」*
 ピアノ・ソナタ第25番「かっこう」*
 ピアノ・ソナタ第27番ホ短調* Op.90
■Disc 8
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
 ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィア」
モーツァルト:ピアノ・ソナタイ長調K.331〜トルコ行進曲
 ロンド.ト長調Op.51の2
■Disc 9
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
 ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
 ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
バッハ(ケンプ編):シンフォニア〜カンタータ第29番「神よ、あなたに感謝を捧げます」BWV29より
ウィルヘルム・ケンプ(P)

■Disc 1〜1961年10月10日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 2〜1961年10月10日(Op.7)、12日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 3〜1961年10月12日、14日(Op.22)

■Disc 4〜1961年10月14日、16日(Op.28) /文京公会堂(ライヴ)

■Disc 5〜1961年10月16日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 6〜1961年10月26日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 7〜1961年10月26日、1961年10月27日*/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 8〜1961年10月30日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 9〜1961年10月30日/文京公会堂(ライヴ)

全曲、NHKによる収録

美麗函+ケース入
2013年8月に発売され、レコード芸術誌で特選に選ばれるなど、大きな話題となったウィルヘルム・ケンプ1961年ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ 全曲ライヴ。限定生産ゆえ現在入手難となっておりますが、ご要望の多さからアンコール・プレスを行うこととしました。加えてマスタリングを徹底的にや り直し、UHQCD盤での登場となります。この機会をお見逃しないよう、よろしくお願い致します。
ドイツの巨匠ピアニスト、ウィルヘルム・ケンプ(1895-1991)は1961年10月に来日し、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を7夜にわたり連続 演奏しました。単独のピアニストが集中してベートーヴェンのピアノ・ソナタを全曲演奏することは日本初だったとされ、日本音楽界の一大イベントとして 話題になりました。
当時ケンプは66歳。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は、1950-6年のモノラルと1964-5年のステレオの2種のセッション録音が存在し、いず れも最高の名盤ですが、その中間期、ケンプ最盛期の全集がもうひとつ存在したことは驚愕の極み。すべてNHKがラジオ放送用に収録したもので、当 時最高の技術が駆使されています。ケンプはライヴで良さが発揮されるピアニストのため、この音源はピアノ音楽史上の至宝と申せましょう。 (Ki)

コウベレックス
KRS-5239(2CD)
税込定価
松田康子・ピアノリサイタル
C.P.E.バッハ:専門家と愛好家のための6 つのソナタ〜ウオットケン55-4 イ長調
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 Op.2-2
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D959
松田康子(P)

録音:2017 年12 月10 日伊丹アイフォニックホール(伊丹市)ライヴ
■松田康子 プロフィール
京都生まれ。13 歳で大阪フィルハーモニー交響楽団と共演。京都市立堀川高校音楽科から東京芸術大学、同大学大学院 に学ぶ。伊奈和子、土肥みゆき、田村宏、永井進、園田高弘の各氏に師事。73 年渡独。ミュンヘン音大でローズル・シュミッ トに師事。国家芸術家試験に最優秀賞で合格。78 年ヴィット-リオ・グイ室内音楽コンクール入賞。84 年セルジュ・チェリビダ ッケ指揮ミュンヘンフィルに招かれラヴェル「ピアノ協奏曲」で共演、急激に活動を開始する。88 年・90 年・94 年・96 年ベルリ ン・フィルハーモニーホールでのモーツァルト・ピアノ協奏曲ツィクルス(コンラート・ラッテ指揮)。著名指揮者との共演は若杉 弘指揮ミュンヘンフィル、マルク・アンドレ指揮のハイドン・オーケストラ 他にペーター・マーク、カール・エステルライヒャー、 デヴィッド・シャローン、ユッカ・ペッカ・サラステ、ユベール・スダーン、ゲオルク・シュムーエ、朝比奈隆、小泉和裕など。室内 楽にも積極的に取り組んでおり、バイエルン放送交響楽団コンサートマスターのフロリアン・ゾーンライトナー、州立歌劇場管 弦楽団元首席チェロ奏者ペーター・ヴェットケ、バイエルン放送交響楽団元首席フルーティストのアンドラーシュ・アドリアンら としばしば舞台を共にしている。またブゾーニ、カサ・グランデ、ポルト、ポッツォーリ、サンレモ、アンドーラ、ピネロロなどの国 際ピアノコンクール、トリオ・デ・トリエステ室内楽、ヴィットーリオ・グイといった室内楽コンクールの審査員を務める。2001 年に はミャンマー文化庁と日本大使館の招待を受け、首都ヤンゴンでリサイタルを開いた。2005 年から京都市立芸術大学助教 授として活動。2009 年再びドイツに戻り、ミュンヘン音楽大学教授として後進の指導にあたり退官後はヨーロッパ各地での演 奏会、および国際コンクールでの審査員として音の探検を続けている。2016 年日本で 10 年ぶりとなるリサイタルを伊丹アイ フォニックホールにて開催。ショパンのバラード全曲を中心としたプログラムで満席のファンを魅了した。CD は2017 年のリサ イタルでの録音。


ALPHA
ALPHA-386
NX-B10
ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲 ハ長調 Op. 120 マルティン・ヘルムヒェン(P)

録音:2017年3月
“伸びやかさと繊細さが完全同居する類まれなピアニズム!”
 屈 託のない明るい音色と伸びやかな感性が魅力のヘルムヒェンの資質が最大に 生きた名演奏! 変奏曲の様式の堅牢性を殊更強調することなく「語り」に徹したそのアプローチ は、聴く者の心にスッと入り込みます。
 第3変奏の弱音の優しい幻想、第4〜第5変 奏の独りよがりにならないリズムの愉悦、第6変奏のタッチの粒立ちの良さ、第9 変奏のリズムの重心の張り巡らせ方、第10変奏のタッチの鮮やかな飛翔、22変奏 の微妙な間合いのさじ加減により天然のユーモラスが湧き立つ様など、印象的な 瞬間は数え切れませんが、ヘルムヒェンの才能が最も高次元で開花しているのは 、音符の少ない第14、20、29変奏!緊張感がしなやかに持続し、イマジネーショ ン豊かな静謐美を瞬時に築く手腕に触れたら、彼のセンスが並外れて高いことを 誰も否定できないでしょう。
 「爽やかで瑞々しい」演奏は数々あれど、そこに無限の含蓄を湛える演奏となる と、滅多に出会えるものではありません。【湧々堂】

Virtus Classics
VTS-3(1CD)
NX-C01
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 「1905年」(作曲家自身によるピアノ4手連弾版)
タヒチ・トロット Op.16(ショスタコーヴィチによるユーマンス作「二人でお茶を」のピアノ編曲版)
伊賀あゆみ&山口雅敏(ピアノ・デュオ)

録音:2017年2月14-16日三重県総合文化センター 大ホール
※世界初録音
「まだ誰も録音していないショスタコーヴィチを弾いてみないか?」 この沖秀明氏の言葉から始まったというプロジェクト。 数多くの難曲をレパートリーに持ち、常に新しいレパートリーの探求を続けることで(時には自身で編曲も行うほど)、「進化系デュオ」と異名を取る伊賀あ ゆみ&山口雅敏の2人にとって、このプロジェクトがどれほど魅力的であったか想像もつきません。譜面を手にした彼らは、すぐに演奏に取り組みますが、難題 にも突き当たります。 テクニカルな問題はやすやすとクリアした彼らでしたが、この作品の重要なファクターである「第4楽章の最後で鳴らされる象徴的な鐘の音」がショスタコーヴィチ の譜面には記載されていなかったのです。 そこで彼らは自ら鐘の音を再現する試みを行いました。 そして、トラック5に付け加えられたヴァージョンは、彼らが導き出した結果の一つです。 様々な思いが込められた交響曲 第11番Op.103のピアノ連弾版。 オーケストラで聴く「1905年」とは全く違う、ピアノの響きのみが醸し出す緊張感に満ちた静寂と、音の交錯が聴きものです。 もちろん世界初録音です。

Sono Luminus
DSL-92220(1CD)
NX-B05
グレン・グールドへ
ギボンズ:ソールズベリー卿のパヴァーヌとガイヤルド MB18/19
スウェーリンク(1562-1621):ファンタジア ニ長調
バッハ:シンフォニア 第7番 ホ短調 BWV793
 シンフォニア 第8番 ヘ長調 BWV794
 シンフォニア 第14番 変ロ長調 BWV800
 シンフォニア 第11番 ト短調 BWV797
 シンフォニア 第4番 ニ短調 BWV790
 パルティータ 第5番 ト長調 BWV829
ブラームス:間奏曲 イ長調 Op.118-2
 間奏曲 嬰ハ短調 Op.117-3
ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1
バッハ:ゴルトベルク変奏-アリア
スチュワート・グッドイヤー(P)

録音:2017年5月15-17日
数多ひしめく中堅ピアニストの中に於いて、1978年カナダ生まれのスチュワート・グッドイヤーはその活躍が最も期待されてい る一人です。このアルバムは、彼と同郷の天才ピアニスト、グレン・グールドが大切にしていたレパートリーを再現することで、 グールドへの強い思いが表明されています。グッドイヤーが初めてグールドの名前を耳にしたのは4歳の時。初めて魅了された のはバッハの演奏でした。魅力的で妥協のない音がまっすぐに心に届いたのだそうです。彼がこの録音を思い立ったのは、モン トリオールで同じプログラムを演奏した時のことであり、グールドへの敬意を払いながらも、グッドイヤーならではの解釈も施すと いう、実に濃密なアルバムです。
Sono Luminus
DSL-92221(1CD)
NX-B05
Four Strings Around the World 世界を巡る4本の弦
【東西ヨーロッパの音楽】
エネスコ:ルーマニア民謡の様式によるアリア
デイヴ・フリン(1977-):Tar Eis an Caoineadh…世界初録音
パガニーニ:カプリース 第24番
クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ Op.6
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004-シャコンヌ
【中東とアジア、南北アメリカの音楽】
レザ・ヴァリ(1952-):カリグラフィ 第5番
シリシュ・コルデ(1945-):Vak(ヴァイオリンと電子ドローンのための)…世界初録

ブライト・シェン(1955-):The Stream Flows:II 小川の流れ
ピアソラ:タンゴ・エチュード 第3番
ジェロッド・テイト(1968-):Oshta (Four)…世界初録音
マーク・オコーナー(1961-):クリケット・ダンス
イリーナ・ムレサヌー(Vn)

録音:2017年2月8.9日、4月12日、5月19.24日、9月7日
ルーマニア出身のヴァイオリニスト、イリーナ・ムレサヌー。ボストン・グローブ誌で「あまりにも魅力的な」と絶賛され、そのエレガ ントな演奏は、すでに批評家と聴衆の心を掴んでいます。 この「世界各国の無伴奏ヴァイオリンのための作品」を集めた1枚は、彼女がマーク・オコーナーの「クリケット・ダンス」に取り組 んだ時に、制作を思いついたというもの。この作品が、これまでの古典的な曲とは全く違うスタイルで書かれていると感じた彼 女が、「世界にはもっと違う音楽があるのではないか」と探求を重ね、様々な様式の曲を選び抜き、出来上がった力作です。 耳慣れた旋律から実験的な曲まで、興味深い作品が並んでいます。

ANTARCTICA
ANTAR-007(1CD)
ワルド・ゴインス(b.1981):ひとめぼれ
グラナドス:ゴイェスカス〔第1部「愛の言葉」、「窓辺の語らい」、「燈し火のファンダンゴ」、「嘆き、またはマハと夜泣きうぐいす」/第2部「愛と死」、「終曲〈幽霊のセレナード〉」〕
ワルド・ゴインス(P)

録音:2017年12月
レイグラフらに師事したピアニスト、ワルド・ゴインス。哲学家、音楽学者。ゴイェスカスについての書籍も出版している知性派です。グラナドスの作品 も実に素直に響いてきます。 (Ki)



オクタヴィア
OVCT-00147(1SACD)
2018年4月18日発売
ショパン ピアノ曲集
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
スケルツオ 第2番 変ロ長調 Op.31
バラード 第1番 ト短調 Op.23
バラード 第4番 ヘ短調 Op.2
ポロネーズ 第7番 変イ長調Op.61「幻想」
練習曲 Op.25 第9番 変ト長調 「蝶々」
練習曲 Op.25 第1番 変イ長調 「エオリアン・ハープ」
北村陽子(P)

録音:2017年11月6-8日東京・稲城@プラザ
“「幻想ポロネーズ」は世界遺産級の名演奏!”
技巧の高さや構成の緻密さなどの基本条件を備えた上で、更にその先の境地で展開される至芸l
「舟歌」は安易なエレガンスとは無縁であることは、冒頭和音の深淵さからも明らか。リズムは失して淀むことなく、アーティキュレーションと一体化したペダリングも絶妙。中間部では弱音を強調せず、明確なタッチを保持しながら強固な意志を貫徹。5:41からのアルペジョ風の走句の艶やかな色彩には息を呑むばかり。絵画的表現と決別したこれ程い大きな表現力は、古今を通じて屈指の逸品です!
 スケルツォは、この作品の刃物のような鋭利なダイナミズムや激情以外の魅力を存分に引き出して見せます。中間部への入の際に全く間を開けずに一息で滑り込ませるセンスは鳥肌モノ!
 濃密な表現に溢れる「蝶々」も忘れがたいですが、なんと言っても白眉は「幻想ポロネーズ」!全く構えずに唐突に開始される第一音の意味深さにまず言葉を失います。彼女の演奏には、表面的にそれらしく聴かせるという瞬間が微塵も存在せず、強弱のコントラストもあえて無視。何よりも音楽を息づかせることが最優先なのです。特に傾聴していただきたいのは7:05以降。楽想ごとに分節を区切らず、直前で神妙に構えることなく直截な表現をとるのは他の曲でも同じですが、その手法がここでは最大に活かされ、音楽の根底に潜む魅力を余すことなく抽出するので、その情報量は尋常ではありません。
 窮屈なアカデミズムを突き抜けた肝のすわったピアニズムに触れると、「繊細な表現」とは、決して小さい音で丁寧に弾くことではないということをまざまざと思い知らされます。【湧々堂】

Kanon Music
NYCC-13003(1CD)
税込定価
Smile - スマイル
1. ニュー・シネマ・パラダイス 〜 愛のテーマ、初恋
2. 美女と野獣 〜 メインタイトル
3. 海の上のピアニスト 〜 愛を奏でて
4. シンドラーのリスト 〜 メイン・テーマ
5. モダン・タイムス 〜 スマイル
6. 戦場のピアニスト 〜 ノクターン No.20
7. カヴァレリア・ルスティカーナ 〜 前奏曲 & 間奏曲
8. ラ・ラ・ランド 〜 アナザー・デイ・オブ・サン
9. 80日間世界一周 〜 アラウンド・ザ・ワールド
10. サウンド・オブ・ミュージック 〜 前奏曲
11. タンゴ・レッスン 〜 リベルタンゴ
12. エンリコW世 〜 アヴェ・マリア
13. 恋するガリア 〜 アリオーソ
14. 馬あぶ 〜 ロマンス
荒庸子(Vc)、山田武彦(P&編曲)

録音: 2017年11月28日、12月11日 洗足学園音楽大学 前田ホール
ソリスト、室内楽、オーケストラ…幅広い活動で知られるチェリスト、荒庸子による待望の映画音楽集第2弾!今回は14曲の「映画にまつわる小品」を収 録。誰もが一度は聴いたことのある名曲や映画の名シーンで使用された美しいメロディをたっぷりお楽しみいただけます。映画を彩る名曲を通じて聴く人を 「笑顔」にしたいという願いが込められたこのアルバムは、ピアノの優しい響きに乗せて、チェロの美しく深い音色がそっと微笑みを届けます。

Solo Musica
SM-276(1CD)
NX-B03
フィリップ・アントルモン〜シューベルトを弾く
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960
幻想曲 ヘ短調 Op.103 D940(連弾)*
軍隊行進曲 第1番 ニ長調 Op.51-1 D733(連弾)*
フィリップ・アントルモン(P)
戸室 玄(P)
1934年、フランス生まれのフィリップ・アントルモン。ピアニストとしてだけでなく指揮者としても活躍、ウィーン室内Oで は指揮、音楽監督を30年間にも渡って務め、現在では終身桂冠指揮者の地位にあります。18歳のときにカーネギーホー ルでデビュー・コンサートを行って以来、様々な作品を演奏してきたアントルモンですが、彼が半世紀以上魅せられ続けてい た作品がシューベルトのピアノ・ソナタ第21番でした。彼はこの魅力的な作品を何度も録音したいという思いにかられつつも、 その都度「時期尚早である」と思いとどまり、ようやく2009年になってから「このソナタと、やはり晩年の傑作である幻想曲 D940を一緒に録音したらどうか」とひらめいたといいます。この味わい深い作品でデュオのパートナーを務めるのは1989年東 京生まれの戸室玄。フランスで開催されたフォンテーヌブロー城音楽祭でアントルモンに才能を見出され、パリに移住したとい う俊英です。
Solo Musica
SM-272(1CD)
NX-B03
Violon2ello
ロンベルク(1767-1841):ソナタ ハ長調 Op.43-2
作者不詳:グラウンドへのグリーンスリーヴス(H=H.ギンツェル編)
クンマー(1797-1879):ボレロ OP.103-4
バッハ:アリア(H=H.ギンツェル編)
セバスチャン・リー(1805-1887):二重奏曲 ト短調 Op.60-6
ドッツァウアー(1783-1860):モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」「お手をどうぞ」による5つの変奏曲
ショパン:ワルツ 第3番 イ短調 Op.34-2(H=H.ギンツェル編)
ドビュッシー:組曲「子供の領分」より第6曲「ゴリウォーグのケークウォーク」(H=H.ギンツェル編)
ペーター・ミーク(1906-1990):「エピナルの印象」より第1番
ミーク:「エピナルの印象」より第4番
オッフェンバック:二重奏曲 Op.52-3
エルガー:愛のあいさつ Op.12(H=H.ギンツェル編)
ライナー・ギンツェル:ハイドンの楽しみ
ライナー・ギンツェル(Vc)
ハンス=ヘニング・ギンツェル(Vc)
ミュンヘン音楽大学の教授を務めるライナー・ギンツェル(父)と気鋭のチェリスト、作曲家ハンス=ヘニング・ギンツェル(息 子)という2人のチェリストによる息のあったデュオ曲集。19世紀の名チェリスト、リーやドッツァウアーなどの普段耳にすることの ないレアな作品が数多く収録された楽しい1枚です。息子ギンツェルによるピアノ曲からの編曲作品も魅力的。チェロの響き を存分に楽しめます。

MELISM
MLS-006(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) クセニア・ヤンコヴィチ(Vc)

録音:2006年3月、サン=マルセル福音教会、パリ、フランス
クセニア・ヤンコヴィチは1958年セルビアのニシュに生まれたセルビア系ロシアのチェロ奏者。9歳でベオグラードPOと共演。11歳より政府給費留学生としてモスクワ音楽院中央音楽学校でステファン・キリアノフ、ムスティスラフ・ロストポーヴィチに師事。1981年ガスパル・カサド国際コンクール(フィレンツェ)優勝。ソリストおよびアンサンブル・プレーヤーとして活躍。1990年から2004年までヴュルツブルク音楽大学教授。2004年以来2018年現在デトモルト音楽大学教授。

Finetone
FTM-8042(1CD)
むなしい望みのファンシー〜J.Sバッハ、ダウランド、ナルバエス、ミラン:ギター作品集
ムダーラ:ファンタジア
ルイス・ミラン:和声と音階的パッセージのファンタジア、
 第4旋法によるファンタジア
ナルバエス:「牛を見張れ」による4つの変奏曲、
 Otras tres diferencias hechas por otra parte、
 ジョスカン・デ・プレの「千々の悲しみ」による皇帝の歌
ダウランド:エセックス伯のガリアード、
 ライル卿のガリアード、
 ハンズドン嬢のパフ、
 ファンタジア第7番、
 カエルのガリアード、
 虚しい望みのファンシー
フレスコバルディ:アリアと変奏
バッハ:リュート組曲 イ短調 BWV.997
マルク・ザイフゲ(G)

録音:2017年8月、ドイツ
使用楽器:Achim-Peter Gropius, Reutlingen 2001
地元カールスルーエとケルンの音楽アカデミーで学び、エリオット・フィスクに師事したドイツのギタリスト、マルク・ザイフゲ(b.1956)が、ナルバエスからバッハまで、約2世紀にわたる音楽をギターで表現。ザイフゲはソリストとして、またエストニア室内Oやチェコのシュターミッツ四重奏団など様々な団体と演奏。プロフェッショナルなサウンド・エンジニア、レコーディング・プロデューサーとしても活動しており、このアルバムも、編曲&演奏から、録音、編集、マスタリングまですべて自身でおこなっています。

Idil Biret Archive
8.501065(11CD)
NX-F01
イディル・ビレット・アーカイブ/ラフマニノフ・エディション
【CD1】…8.554477
ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 Op.1
ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 Op.4
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
【CD2】…8.554376
ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 OP.18
ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
【CD3】…8.550348
10の前奏曲 Op.23
5つの幻想的小品 OP.3
【CD4】…8.550466
13の前奏曲 Op.32
クライスラー=ラフマニノフ:愛の悲しみ
クライスラー=ラフマニノフ:愛の喜び
【CD5】…8.550347
練習曲集「音の絵」Op.33
練習曲集「音の絵」Op.39
【CD6】…8.553003
ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調 Op.28
ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36(1913年版)
【CD7】…8.550349
ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36(1931年版)
コレッリの主題による変奏曲 Op.42
楽興の時 Op.16
【CD8】…8.554426
ショパンの主題による変奏曲 Op.22
楽興の時 Op.16-2(1940年版)
無言歌:レント ニ短調
カノン ホ短調/フゲッタ ホ長調
幻想的小品 ト短調
小品 ニ短調(カノンのスタイルで)
断章/東洋のスケッチ
前奏曲 ヘ長調
前奏曲 ニ短調:アンダンテ・マ・ノン・トロッポ
【CD9】…8.553004
3つの夜想曲/4つの小品
サロン風小品 Op.10
【CD10】…8.550978
ラフマニノフによるトランスクリプションと編曲集
J.S.バッハ:前奏曲、ガヴォットとフーガ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 BWV1006より)
シューベルト:どこへ
メンデルスゾーン:真夏の夜の夢-スケルツォ
リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番
ムソルグスキー:歌劇「ソロチンスクの定期市」-ゴパーク
ビゼー:「アルルの女」第1組曲-メヌエット
リムスキー=コルサコフ: くまんばちの飛行
チャイコフスキー:子守歌
ラフマニノフ:ひな菊 Op.38-3
ラフマニノフ:リラの花 Op.21-5
ラフマニノフ:歌劇「アレコ」-若いジプシー娘の踊り
クライスラー:愛の悲しみ/愛の喜び
ベーア:冗談ポルカ「笑う小娘」
スミス:星条旗
【CD11】…ボーナスCD
1-3.Broadcast by WGBH, Boston, 1963年11月22日
4-7.ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
8-9.Re-broadcast by WQXR, New York, 1963年11月23日
録音:1963年11月23日 ボストンSO
イディル・ビレット(P…スタインウェイ)

【CD1】…8.554477
アントニ・ヴィト(指)/ポーランド国立RSO
録音:1998年9月,12月 Polish National Radio Hall, Katowice, Poland

【CD2】…8.554376
アントニ・ヴィト(指)/ポーランド国立RSO
録音:1998年1月 Polish National Radio Hall, Katowice, Poland

【CD3】…8.550348
録音:1989年10月,1990年10月 Tonstudio van Geest, Heidelberg

【CD4】…8.550466
録音:1989年10月,1990年10月 Tonstudio van Geest, Heidelberg

【CD5】…8.550347
録音:1989年10月 Tonstudio van Geest, Heidelberg, Germany

【CD6】…8.553003
録音:1994年,1995年 Tonstudio van Geest, Sandhausen, Germany

【CD7】…8.550349
録音:1989年10月 Tonstudio van Geest, Heidelberg, Germany

【CD8】…8.554426
録音:1996年7月12-14日 Tonstudio van Geest, Heidelberg

【CD9】…8.553004
録音:1996年2月 Tonstudio van Geest, Heidelberg

【CD10】…8.550978
録音: 1991,1995,1996年 Tonstudio van Geest, Heidelberg

【CD11】
1-3.Broadcast by WGBH, Boston, 1963年11月22日
4-7.ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
8-9.Re-broadcast by WQXR, New York, 1963年11月23日
録音:1963年11月23日 ボストンSO
イディル・ビレットによるラフマニノフのピアノ作品全集。 協奏曲やソナタなどの大曲をはじめ、珍しい編曲作品も全て網羅されています。 ボーナスCDは、彼女がボストンSOとの共演でアメリカにデビューした際の録音。 奇しくもケネディ大統領暗殺の日であり、当時のニュース録音も同時収録された貴重なアルバムです。
Idil Biret Archive
8.509004(9CD+DVD)
NX-E10
イディル・ビレット・アーカイブ/フランツ・リスト:生誕200年記念BOX
【CD1】…8.571273
ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調 S124/R455
ピアノ協奏曲 第2番 イ長調 S125/R456
死の舞踏 S126/R457
【CD2】…8.571282
ピアノ・ソナタ ロ短調 S178/R21
パガニーニ大練習曲 S141/R3b
【CD3】…8.571286
24の大練習曲 S136/R1
3つの演奏会用練習曲 S144/R5
2つの演奏会用練習曲 S145/R6
リゴレット・パラフレーズ S434/R267
ワーグナー=リスト:歌劇「タンホイザー」-序曲
【CD4】…8.571287
12の大練習曲 S137/R2a
【CD5】…8.571284
ベルリオーズ=リスト:幻想交響曲
【CD6】…8.571285
ベルリオーズ=リスト:イタリアのハロルド
【CD7】…9.70871(CD未発売)
シューベルト=リスト:歌曲編曲集
シューベルトの12の歌 S558/R243(抜粋)
第2番:水の上で歌う/第3番:君はわが憩い/第4番:魔王/第6番:若い尼/第8番:糸を紡ぐグレートヒェン/第11番:さすらい人/第9番:セレナード(聴け聴けひばり)/第12番:アヴェ・マリア
美しき水車小屋の娘 S565/R249(抜粋)
第5番:どこへ/第6番:焦燥
白鳥の歌 S560/R245
第10番:愛の使い/第7番:セレナード
.冬の旅 S561/R246-第5番 菩提樹
【CD8】…9.70872(CD未発売)
ワーグナー=リスト:歌劇編曲集
歌劇「リエンツィ」からの主題による幻想的小品 S439/R272
歌劇「タンホイザー」と「ローエングリン」からの2つの小品 S445/R278-第2曲「エルザの結婚の行進」
歌劇「さまよえるオランダ人」のバラード S441/R274
歌劇「タンホイザー」-序曲 S442/R275
楽劇「マイスタージンガー」から「冬の静かな炉ばたで」 S448/R281
楽劇「パルジファル」から聖杯への厳かな行進曲 S450/R283
楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」 S447/R280
【CD9】…8.571290(BOXのみの発売)
ベートーヴェン=リスト:交響曲編曲集
交響曲 第2番 ニ長調-第2楽章
交響曲 第3番 変ホ長調-第2楽章
交響曲 第5番 ハ短調-第2楽章
交響曲 第7番 イ長調-第2楽章
交響曲 第9番 ニ短調-第3楽章
【DVD】 …PAL方式
A)
バッハ=リスト:幻想曲とフーガ ト短調
リスト:2つの伝説/3.リスト:大練習曲 第1番&第2番
ワーグナー=リスト:歌劇「タンホイザー」-序曲
第2部
リスト:巡礼の年 第2年「イタリア」より「婚礼」「物思いに沈む人」「サルヴァトーレ・ローザのカンツォネッタ」
リスト:巡礼の年 第3年より「エステ荘の噴水」
リスト:大練習曲 第9番&第12番
リスト:巡礼の年 第2年補遺「ゴンドラの歌」「カンツォーネ」「タランテッラ」
アンコール
ヴェルディ=リスト:リゴレットによる演奏会用パラフレーズ
B)
リスト:伝説-鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
イディル・ビレット(P)

【CD1】…8.571273
エミール・タバコフ(指)
ビルケントSO
録音:2004年6月、2007年5月

【CD2】…8.571282
録音:2010年1月 Bilkent Hall, Ankara、1987年12月 Brussels

【CD3】…8.571286
録音:2011年4月 Tonstudio Teije van Geest, Heidelberg

【CD4】…8.571287
録音:2011年4月 Teije van Geest Studio, Heidelberg

【CD5】…8.571284
録音:1978年7月 Town Hall, New York

【CD6】…8.571285
ルーゼン・ギュネス(Va)
録音:2011年1月 Bilkent Symphony Hall

【CD7】…9.70871(CD未発売)
録音:1984年1月 Stuttgart

【CD8】…9.70872(CD未発売)
録音:1987年4月 Stuttgart

【DVD】 …PAL方式
A)2011年6月6日 イスタンブール音楽祭ライヴ
B)2011年5月21日 ワイマール、リストのピアノで
リスト生誕200年記念として発売されたBOX。技巧派のビレットらしく、演奏困難な編曲ものや、珍しい初稿版などが多く、 リストの超絶技巧性が存分に楽しめる選曲です。 付録のDVDは、PAL方式のため通常の再生機器では再生できません。 パソコン、もしくはPAL方式に対応した機器でお楽しみください。
Idil Biret Archive
8.501402(14CD)
NX-E07
イディル・ビレット・アーカイブ/LPオリジナルス・エディション
【CD1】…8.571279
シューマン:幻想小曲集 Op.12
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
【CD2】…8.571295
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24
 パガニーニの主題による変奏曲 Op.35
【CD3】…8.571296
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 Op.83
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 BB68
 組曲 Op.14
 ミクロコスモス 第6巻 BB105
 第148曲-第153曲 6つのブルガリアのリズムによる舞曲
 アレグロ・バルバロ 【CD4】…8.571299…未リリース
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第15番 ニ長調 Op.28
ブラームス:8つの小品 Op.76
【CD5】…8.571289
ラフマニノフ:楽興の時 Op.16
コレッリの主題による変奏曲 Op.42
13の前奏曲 Op.32より第1番:ハ長調/第5番:ト長調/第12番 嬰ト短調
【CD6】…8.571277
ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1
ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27
ブーレーズ:ピアノ・ソナタ 第2番
【CD7】…8.571274
ラヴェル:グロテスクなセレナード
 夜のガスパール
ストラヴィンスキー:5本の指で
 子供たちのワルツ
 ペトルーシュカからの3楽章
【CD8】…8.571275
ショパン:マズルカ 第13番 イ短調 Op.17-4
 マズルカ 第33番 ロ長調 Op.56-1
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 Op.70
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第2番 ニ短調 Op.14
 ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 Op.83
【CD9】…8.571276
ブクレシュリエフ(1925-1997):アルキペル 4 Op.10
カスティリオーニ(1932-1996):カンジアンティ
ブローウェル(1939-):ピアノとフォルテのソナタ
ミマールオール(1926-):セッション
【CD10】…8.571284
ベルリオーズ=リスト:幻想交響曲 S470/R134-136
【CD11】…8.571281
ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ヘ短調 Op.13
 ピアノ・ソナタ 第3番 ハ短調 Op.19
リスト:暗い雲 S470/R134-136
 悲しみのゴンドラ S200/ R81(第1稿)
スクリャービン:5つの前奏曲 Op.74
ラフマニノフ:幻想的小品集 Op.3-第2曲 前奏曲 嬰ハ短調「鐘」
【CD12】…8.571278
マーラー:ピアノ四重奏曲 イ短調
フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調
【CD13】…8.571283
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」Op.13
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番 「ハンマークラヴィーア」Op.106
【CD14】…8.571256
ベートーヴェン(リスト篇):交響曲 第4番 変ロ長調
交響曲 第5番「運命」
イディル・ビレット(P)

【CD1】…8.571279
録音:1959年7月 Maronite Church, Rue d'Ulm, Paris, France
Original LP no:Pretoria 30 CL 8015

【CD2】…8.571295
録音:1961年11月 Ave. Wagram, Paris, France
Original LP no:Vega C 30 A 345

【CD3】…8.571296
録音:1961年11月 Ave. Wagram, Paris, France
Original LP no:Vega C 30 A 346

【CD4】…8.571299…未リリース
録音:1961年,1962年 Paris
Original LP no:Vega 30 MT 10.214

【CD5】…8.571289
録音:1972年 Maronite Church, Rue d’Ulm, Paris
Original LP no:Decca 7.143

【CD6】…8.571277
録音:1972年 Atlantic Recording Studios, New York
Original LP nos:Atlantic/Finnadar SR 9004
(Boulez, Webern) and SR 9008 (Berg)

【CD7】…8.571274
録音:1975年
Columbia 30th St. Studio, New York, USA…1-6
EMI Abbey Road, Studio 1, London…7-9
Original LP no:Atlantic/Finnadar SR 9013

【CD8】…8.571275
録音:1976年 RCA recording studios, Studio A, New York, USA
Original LP no:Atlantic/Finnadar SR 125

【CD9】…8.571276
アーサー・レヴィ(ナレーター)
スティーヴ・ゴールドスタイン(ナレーター)
ジョン・デイヴィッド・カロドナー(ナレーター)
イディル・ビレット(ナレーター)
録音:1976年 Atlantic Recording Studios, New York
Original LP no:Atlantic/Finnadar SR 9021

【CD10】…8.571284
録音:1978年7月 Town Hall, New York
Original LP no:Atlantic/Finnadar SR 9023

【CD11】…8.571281
録音:1978年、1979年 Town Hall, New York
Original LP no:Atlantic/Finnadar SR 9029

【CD12】…8.571278
ロンドンSQ
録音:1980年9月 CBS Studios, London, England
Original LP no:Atlantic/Finnadar SR 9035

【CD13】…8.571283
録音:1985年 Augustinum, Stuttgart, West Germany
Original LP no:Atlantic/Finnadar 90460 -1- E

【CD14】…8.571256
録音:1985年7月 Brussels
Original LP no: EMI/HMV 27 0480 1
(from the 6LP box set 27 0479 3)
若い頃は「現代音楽の名手」として活躍したビレット。彼女と同世代の作曲家の作品を積極的に紹介し、作品普及に努め たことで知られています。CD6のベルク、ウェーベルン、ブーレーズも発売当時、大きな話題を呼びました。 このBOXでは、LP発売当時のジャケットが再現されています。
Idil Biret Archive
8.501503(15CD)
NX-G05
イディル・ビレット・アーカイブ/ショパン・エディション
【CD1】…8.554527 バラードと幻想曲
バラード (全4曲)
子守歌 変ニ長調 Op.57
3つの新しい練習曲
幻想曲 ヘ短調 Op.49
ギャロップ・マルキ 変イ長調
ラルゴ 変ホ長調
葬送行進曲 ハ短調 Op.72-2
カンタービレ 変ロ長調
【CD2】…8.554528 練習曲集
練習曲 Op.10/練習曲 Op.25
【CD3】…8.554529 マズルカ集 第1集
4つのマズルカ Op.6/5つのマズルカ Op.7/4つのマズルカ Op.17/4つのマズルカ Op.24/4つのマズルカ Op.30/4つのマズルカ Op.33
マズルカ 第26番 嬰ハ短調 Op.41-1
【CD4】…8.554530 マズルカ集 第2集
.3つのマズルカ Op.41 2-4/3つのマズルカ Op.50/3つのママズルカ Op.56/3つのマズルカ Op.59/3つのマズルカ Op.63/4つのマズルカ Op.67/4つのマズルカ Op.68/マズルカ 第50番 イ短調「ノートル・タン」Op.posth
マズルカ 第51番 イ短調「エミール・ガイヤール」Op.posth
【CD5】…8.554531 夜想曲集 第1集
第1番:変ロ短調 Op.9-1/第2番:変ホ長調 Op.9-2/第3番:ロ長調 Op.9-3/第4番:ヘ長調 Op.15-1/第5番:嬰ヘ長調 Op.15-2/第6番:ト短調 Op.15-3/第7番:嬰ハ短調 Op.27-1/第8番:変ニ長調 Op.27-2/第9番:ロ長調 Op.32-1.第10番:変イ長調 Op.32-2/第21番:ハ短調 Op.posth/第20番:嬰ハ短調 Op.posth
【CD6】…8.554532 夜想曲集 第2集
第11番:ト短調 Op.37-1/第12番:ト長調 Op.37-2/第13番:ハ短調 Op.48-1/第14番:嬰ヘ短調 Op.48-2/第15番:ヘ短調 Op.55-1/第16番:変ホ長調 Op.55-2/第17番:ロ長調 Op.55-3/第18番:ホ長調 Op.62-2/第19番:ホ短調 Op.72-1
【CD7】…8.554533 ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ (全3曲)
【CD8】…8.554534 ポロネーズ集 第1集
第1番:嬰ハ短調 Op.26-1/第2番:変ホ短調 Op.26-2/第3番:イ長調「軍隊」Op.40-1/第4番:ハ短調 Op.40-2
第5番:嬰ヘ短調 Op.44/第6番:変イ長調「英雄」Op.53/第7番:変イ長調「幻想」Op.61
【CD9】…8.554535 ポロネーズ集 第2集
第8番:ニ短調 Op.71-1/第9番:変ロ長調 Op.71-2/第10番:ヘ短調 Op.71-3/第11番:ト短調/第12番:変ロ長調/第13番:変イ長調/第14番:嬰ト短調/第15番:変ロ短調/第16番:変ト長調
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
【CD10】…8.554536 前奏曲集と舟歌
24の前奏曲 Op.28
前奏曲 第26番 変イ長調/前奏曲 第25番 嬰ハ短調 Op.45
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60/ボレロ Op.19
ブーレ I/30.ブーレ II
アンダンティーノ ト短調(原曲:春 Op.74-2)
モデラート ホ長調/33.フーガ
【CD11】…8.554537 ロンドと変奏曲集
ロンド Op.1/マズルカ風ロンド Op.5
ロンド Op.16/ロンド Op.7/マズルカ 第55番 ト長調 K.IIa/2
マズルカ 第56番 変ロ長調 K.IIa/3/マズルカ 第57番 変ロ長調 K.IVb/1
マズルカ 第61番 ハ長調 K.IVb/3
マズルカ 第8番 変イ長調 Op.7-4(第1稿)
マズルカ 第64番 ニ長調 K.IVa/7/華麗なる変奏曲 変ロ長調 Op.12
ドイツ民謡による変奏曲
ベッリーニの「清教徒」の行進曲による変奏(ヘクサメロンより)
変奏曲 イ長調「パガニーニの思い出」
2台のピアノのための変奏曲 ニ長調
【CD12】…8.554538 スケルツォ/即興曲/演奏会用アレグロ
スケルツォ (全4曲)
即興曲 (全4曲)
演奏会用アレグロ イ長調 Op.46
【CD13】…8.554539 ワルツ集 他
ワルツ 第1番 変ホ長調「華麗なる大円舞曲」Op.18/ワルツ 第2番 変イ長調「華麗なる円舞曲」Op.34-1/ワルツ 第3番 イ短調「華麗なる円舞曲」Op.34-2
ワルツ 第4番 ヘ長調「華麗なる円舞曲」Op.34-3/ワルツ 第5番 変イ長調 Op.42/ワルツ 第6番 変ニ長調「子犬のワルツ」Op.64-2/.ワルツ 第7番 嬰ハ短調 Op.64-2/ワルツ 第8番 変イ長調 Op.64-3/ワルツ 第9番 変イ長調「告別」Op.69-1/ワルツ 第10番 ロ短調 Op.69-2/ワルツ 第11番 変ト長調 Op.70-1/ワルツ 第12番 ヘ短調 Op.70-2/ワルツ 第13番 変ニ長調 Op.70-3/ワルツ 第16番 変イ長調 Op.posth/ワルツ 第15番 ホ長調 Op.posth/ワルツ 第14番 ホ短調 Op.posth/ワルツ 第19番 イ短調 Op.posth/ワルツ 第18番 変ホ長調「ソステヌート」Op.posth/ワルツ 第17番 変ホ長調 Op.posth
コントルダンス 変ト長調
3つのエコセーズ Op.72-3
タランテッラ 変イ長調 Op.43
【CD14】…8.554540 ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.18
ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.22
【CD15】…8.554541 管弦楽とピアノのための作品集
ポーランドの歌による幻想曲 イ長調 Op.13
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 変ロ長調Op.2
演奏会用ロンド「クラコヴィアク」ヘ長調 Op.14
イディル・ビレット(P)

【CD1】
録音:1992年2月,3月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg, Germany

【CD2】
録音:1990年3月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg, Germany

【CD3】
録音:1990年3月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg, Germany

【CD4】
録音:1990年3月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg, Germany

【CD5】
録音:1991年7月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg, Germany

【CD6】
録音:1991年7月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg, Germany

【CD7】
録音:1990年9月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg,
Germany

【CD8】
録音:1991年4月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg,
Germany

【CD9】
録音:1991年5月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg,
Germany

【CD10】
録音:1991年9月,1992年3月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg,
Germany
【CD11】
マルティン・ザウアー(第2ピアノ)…15
録音:1991年3,4月,9月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg,
Germany

【CD12】
録音:1990年12月/1991年3月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg, Germany

【CD13】
録音:1991年9月
Tonstudio van Geest (Clara Wieck Auditorium), Heidelberg, Germany

【CD14】
ロベルト・スタンコフスキー(指)
スロヴァキア国立コシツェPO
録音:1990年11月
House of Arts, Kosice, Slovakia

【CD15】
ロベルト・スタンコフスキー(指)
スロヴァキア国立コシツェPO
録音:1991年6月
House of Arts, Kosice, Slovakia
イディル・ビレット(ピアノ…ベーゼンドルファー)
初期のNAXOSレーベル録音で“金字塔”とも言えるショパンのピアノ曲全集を録音したのがイディル・ビレットその人。当時出版された作品を全曲録音、その中にはマズルカ Op.7-4(第1稿)などの本当に珍しい作品も含まれています。

Sono Luminus
DSL-92218(1CD)
NX-B05
ブルース・レヴィングストン〜リサイタル
デヴィッド・ブルース(1970-):The Shadow of the Blackbird…世界初録音
シューマン:子供の情景
 アラベスク Op.18
ジェームス・マセソン:ウィンドウズ…世界初録音
ブルース・レヴィングストン(P)

録音:2017年5月8-13日
1枚1枚に強いメッセージを込めたアルバムを制作することで知られるイギリスのピアニスト、ブルース・レヴィングストン。これま でに“光と闇”“深い眠り”“静かな音”などのコンセプトによって、古典作品から現代作品までを網羅したアルバムをリリースし ていた彼、今作では“文学や絵画など複数の芸術にインスパイアされた作曲家の作品”を集めて演奏しています。文学性 漂うシューマンの曲、ウォーレス・スティーヴンスの詩から着想を得たブルースの「The Shadow of the Blackbird -黒鳥 の影」、聖書とステンドグラスからイメージを受けたマセソンの瀟洒な「ウィンドウズ」。どれも豊かな感性に裏打ちされた美し い作品であり、レヴィングストンの楽しんで演奏している様子も伝わります。 *ブルース・レヴィングストンの名前表記について・・・以前はブルース・リヴィングストンと表記していましたが、レヴィングストン で統一します。


Treasures
TRE-191(1CDR)
ノエル・リー/ブラームス&バルトーク
ブラームス
:ワルツ集Op.39*
バルトーク:3つの練習曲Op.18 Sz.72
戸外にて Sz.81
組曲Op.14 Sz.62
ピアノ・ソナタ Sz.80
ノエル・リー(P)

録音:1964年3月*、1966年頃 (共にステレオ)
※音源:仏Valois MB-986*、仏chaiers du disque JM-046
◎収録時間:65:47
“打楽器的アプローチだけでは気づかないバルトークのピアノ曲の本質!”
■音源について
TRE-114〜同様、デンマークのホルヌンク&メラー製のピアノを使用した録音。

★バルトークのピアノ曲の録音は年々増えつつありますが、ピアノの打楽器的な側面を際立たせた演奏が多く、その背後にあるリリシズムや色彩の陰影まで的確に感じきった演奏はまだまだ少ないのが現状です。そんな中、バルトークのピアノ曲の多様な魅力を伝える演奏として絶対に外せないのがノエル・リーの録音。特に、バルトークの後期の幕開けを象徴する1926年の傑作、「戸外にて」「ピアノ・ソナタ」の素晴らしさは、他に類を見ません。
「戸外にて」の1曲目から、タッチは吟味しつくされ、凶暴さに逃げないニュアンスの深みにハッとさせられます。描写的性格の強い作品ながら、より高度に昇華した純音楽的なアプローチが見事に結実。第3曲の色彩の揺らぎの妙と共に説得力が際立つのは、第4曲の密やかな息遣いと神秘性!旋律線が表面化する1:56以降の切ない語り口や、4:20以降の翳りのある旋律と明るいリズムの融合など、作品の核心に迫ろうとする気概の結晶といえましょう。
ピアノ・ソナタも、この音楽に打楽器的な要素以外の魅力がふんだんに盛り込まれています。第1楽章の単純なマーチ調の進行からして、凡百の演奏とは別次元!一見肉食系のようでいて芯が脆弱な荒っぽいだけの演奏がいかに多いことか、思い知らされます。リーは民族的な野趣を削ぎ落としているのではなく、それを洗練させた上で音楽の形式の中に確実に根付かせています。終楽章では、縱にリズムを放射しながら和声の混濁は皆無。そのバランス感覚と集中力が、激烈なコーダに神々しささえ与えており、これぞまさに、バルトークが表現したかった音楽ではないでしょうか。
作品の様式への配慮とタッチの緻密な積み重ねに全く弛緩を見せない名演実現には、ドビュッシーの全集でも採用していたホルヌンク&メラー製ピアノの音色美も大きく貢献。ブラームスをお聴きになれば、この楽器はロマン派以前の小規模な作品にこそ本来ふさわしいと思われる方が多いことでしょう。しかし、その可能性をバルトークで極限まで拡張させたという点でも、実に画期的な録音だと思うのです。【湧々堂】

Nilento
NILCD-1705(1CD)
ドビュッシー:前奏曲集第1巻
月の光(ベルガマスク組曲より)
クリスティーナ・スヴァンベリ(P)

録音:2017年、ニレント・スタジオ(ヨーテボリ、スウェーデン)
クリスティーナ・スヴァンベリ(1949ー)は、スウェーデンのカールスクーガ生まれ。室内楽のピアニスト、ソリスト、音楽教師として活動しています。ブラームス、ラフマニノフ、ショパンを弾いた『クリスティーナ・スヴァンベリ』(NILCD514)に次ぐ Nilento Records 第2作。
〈デルフォイの舞姫〉〈アナカプリの丘〉〈亜麻色の髪のおとめ〉〈沈める寺〉〈吟遊詩人〉など「前奏曲集 第1巻」の全12曲と「ベルガマスク組曲」の〈月の光〉のプログラム。スウェーデンの名スタジオ、ニレント・スタジオでの優秀録音もポイント。

The Gothenburg Combo
COMBOCD-005(1CD)
海景色〜海底2万マイル
バニコロ/黒潮/紅海/極楽鳥/失われた大陸/大渦巻き/深い眠りに落ち/サンゴ礁/ネモ船長の最後の言葉/そこに真実の存在がある)
ヨーテボリ・コンボ〔ダーヴィド・ハンソン(G)、トマス・ハンジ(G)〕

録音:2017年春、スウェーデン
ヨーテボリ・コンボは、2004年、フランスのモンテリマールで開催された第13回国際ギター・デュオ・コンペティションで第1位と聴衆賞を獲得したダーヴィド・ハンソンとトマス・ハンジのアンサンブル。彼らの自主レーベルの第5作。ジュール・ヴェルヌの小説にちなむサブタイトルがつけられ、海とその秘密と美しさが2本のアコースティック・ギターで描かれます。「ネモ船長も脱帽しそうだ」(ヤン・グランドヴァル)、「驚くほど美しく、ダイナミック」(マッツ・ハルベリ)、「信じがたい流れをもった音楽」(P・M・ヨンソン)、「ハンソンとハンジ、ふたりの見事な音楽の交流から、果てしなく素晴らしい旅が生まれる」(トビアス・マグヌソン)とスウェーデンの各メディアから評されたアルバムです。

シャッツグレーバー
SHZ-IO2 (1CD)
税込定価
浅田真弥子/リスト:ピアノ曲集
リスト:ピアノ・ソナタ.ロ短調 S.178
コンソレーション 第3 番 変ニ長調 S.172-3
愛の夢 第3番 変イ長調 S.541-3 “おお、愛しうる限り愛せ”
3つの演奏会用練習曲 第3 番 変ニ長調 S.144-3 “ため息”
リゴレット・パラフレーズ S.434
浅田 真弥子(P)

録音:2017 年10 月23 日金沢市アートホール(ライヴ録音)
017 年10 月23 日金沢市アートホールでのライヴ録音収録で浅田真弥子さんの CD が発売されます。
■浅田 真弥子(ピアノ) Mayako ASADA, piano
母の手ほどきにより 3 才からピアノを始め、7 才より武蔵野音楽大学客員教授、クラ ウス・カウフマン氏に師事。10 才より桐朋学園大学教授、竹内啓子氏に師事。桐朋 学園女子高等学校音楽科に在学中、中部ショパン学生ピアノコンクール優勝。中 日新聞社賞受賞。竹内啓子氏の薦めにより桐朋学園大学音楽学部演奏学科在学 中、フランスに留学。パリのエコール・ノルマル音楽院にて、ピアノ及び室内楽の高 等演奏課程卒業。更に同音楽院最高課程修了、高等演奏家資格を取得。パリに て、コンクール“FLAME”入賞。同コンクール審査員長、セルジオ・ペルティカローリ 氏に招かれ、奨学生としてモーツァルテウム音楽院夏期講習(ザルツブルク)受講。 盛岡青少年国際ピアノコンクール第1 位。スペインのマリア・カナルス国際ピアノコン クール第3位。イタリアのマルサラ国際ピアノコンクール第3位、及びセニガリア国際 ピアノコンクール入賞。パリのユーハム国際コンクール室内楽部門第1位等、国内 外のコンクールに多数入賞。さらにアルトゥール・ルービンシュタインの弟子であるユ ージン・インジック氏のもとで研鑽を重ね、インジック氏から驚嘆すべき演奏家である と高く評価される。これまでに、故・井上直幸、ヤンシン・アン、ピエール・レアック、ジ ュヌヴィエーヴ・マルティニ(室内楽)、故・レオニード・ブルンベルグ、故・ヴェラ・ゴ ルノスタエヴァの各氏に師事。

Mats Bergstrom Musik
MBCD-05(2CD)
バッハ(マッツ・ベリストレム編曲):無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV.1001−1006(ギター独奏版) マッツ・ベリストレム(G)
※使用楽器:ラーシュ・ヨンソン2006年製作(ダーラリョー、スウェーデン)
※使用弦:Oasis trebles (Normal tension)/Savarez Corum basses (hard tension)

録音:2016年4月18日−22日&10月27日、ニレント・スタジオ(スウェーデン)
ギタリストの感性と視点によるバッハの無伴奏ソナタ&パルティータの「ギター独奏版」を2012年に完成させたマッツ・ベリストレム。大バッハが遺したヴァイオリニストのためのバイブルが、スウェーデンの名ギタリストの手により、ギタリストのためのバイブルとして響き渡ります。
ストックホルム王立音楽大学やニューヨークのジュリアード音楽院で研鑽を積み、2011年のBBCプロムスではライヒの「エレクトリック・カウンターポイント」で大成功を収めたマッツ・ベリストレム。
2006年にはスウェーデン王立音楽アカデミーの一員となり、2011年にはスウェーデン国王より栄誉ある文化功労賞(Litteris et Artibus)を授与されるなど、名実ともにスウェーデンを代表するギタリストの1人として活躍しています。
※ハードカバータイプ仕様のため、限定生産となる可能性がございます。

2L
2L-142SACD
(1SACD)
『燃え上がる感情から』
グリーグ:ピアノ・ソナタ ホ短調 Op.7
シグネ・ルン
 5つの小品(Cinq Morceaux) Op.34
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57《熱情》
ティーナ・マルガレータ・ニルセン(P)

録音:2016年10月 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
ティーナ・マルガレータ・ニルセンは、スイス生まれ、ノルウェーのピアニスト。トロンハイムで育ち、ヨルゲン・ラーシェン、イジー・フリンカ、ドイ ツのハイデ・ゲルツ、イェンス・ハーラル・ブラトリにピアノを学びました。師のハイデ・ゲルツとデーナ・ピアノデュオを結成、『モーツァルト/グリーグ 第1集』(2L40SACD)、『モーツァルト/グリーグ 第2集』(2L57SABD)、『グリーグへのオマージュ』(2L094SABDJ)の3つのアルバムを 2L レー ベルに録音しています。初めてのソロアルバム。「人生の喜び、婚約したばかりの気分」に特徴づけられ、高度な技術の求められる「青年」グリーグのソ ナタ。まったく新しい創造をめざす戦いと苦悩の映されるベートーヴェンの《熱情》ソナタ。ピアニストのスタンダード・レパートリーに含まれる2曲の間 にノルウェーの女性作曲家シグネ・ルンド(1868?1950)の《5つの小品》が演奏されます。ルンドは、グリーグの故郷でもあるベルゲン生まれ。クリ スチャニア(現 オスロ)でエリカ・リ・ニッセンにピアノ、音楽理論と作曲をイーヴェル・ホルテルに学びました。《5つの小品》は、力強くエネルギッシュ な〈即興曲〉に始まる、予期せぬハーモニーの展開、変化に富んだ音楽の色彩が特徴的な作品です。1897年に作曲され、1905年に出版されました。 初録音の作品です。 (Ki)

HATART
HATART-202(1CD)
ユディト・ヴェグマン:時の息づかい
I (9:07) - II (5:22) - III (5:18) - IV (4:38) - V (7:28) - VI (4:35) - VII (5:20) - VIII (9:45) - IX (5:02) - X (3:11
ユディト・ヴェグマン(P・即興)

録音:2016年2、3月
イスのジャズ即興家にしてクラシックのピアニスト、ユディト・ヴェグマンの自作自演集。プリペアード・ピアノでかつてない音色を引き出す天才です。 スイスの音楽院などで、ジャズを学びました。クラシックの室内楽奏者としての活動から、プリペアード・ピアノを用いたジャズの即興まで、非常に幅広い 音楽をこなす才能の持ち主です。 (Ki)
HATART
HATART-205(2CD)
モートン・フェルドマン(1926-1987):三和音の記憶(1981)
ピアノ(1977)
ジョン・スナイダーズ(P)

録音:2000年10月
フェルドマンのピアノ曲を2曲収録。「三和音の記憶」は3つの楽章からなり、それぞれ約30分ずつという長大な作品です。おぼろげな記憶の中から 調性的な三和音を手繰り寄せるように和声が変容していく、幻想的でとても美しい曲。この音色感覚はたまりません。対する「ピアノ」は完全に無調の和 声を用いて中心音もなく、さらに響きを断絶する短い休符が多く現れ、前の曲から続けて聴くと一変殺伐とした雰囲気。と言ってもフェルドマンらしい作 風なのはこちらでしょうか。これもまた大変心地よし。対照的な書法が興味深いアルバムです。 (Ki)

クアッドリーガ
QR-09004(1CD)
税込定価
グノー:ピアノ作品集Vol.1
アヴェ・マリア-J.S.バッハのハ長調の前奏曲による瞑想(グノー自身によるピアノ独奏版)
操り人形の葬送行進曲
月の朝(遺作)
バルカローレ(ベネチアの女)
セレナーデ
ピッフェラーリ(ピッファロ吹き達)
歌劇「ファウスト」第5幕より
ヴァルプルギスの夜(広瀬美紀子編)
バレエ音楽第1曲「ヌビア人の乙女達の踊り」(グノー編)
バレエ音楽第2曲「クレオパトラと黄金の杯」(広瀬美紀子編)
バレエ音楽第3曲「ヌビアの奴隷と踊り」(広瀬美紀子編)
バレエ音楽第4曲「クレオパトラと奴隷の踊り」(広瀬美紀子編)
バレエ音楽第5曲「トロイの乙女達の踊り」(広瀬美紀子編)
バレエ音楽第6曲「鏡の踊り」(広瀬美紀子編)
バレエ音楽第7曲「フリネの踊り」(広瀬美紀子編)
三重唱アリアと終結部(広瀬美紀子編)
コラールとミュゼット
交響曲第2番 変ロ長調 から 第2楽章(グノー編)
広瀬美紀子(P)

録音:2017 年8 月31 日三鷹市芸術文化センター風のホール
2018 年は生誕200 年を迎えるフランスの作曲家グノーの注目のアルバム「グノー: ピアノ作品集 Vol.1」。今回はオリジナル作品(「操り人形の葬送行進曲」は有名!)に加え作 曲家であるグノーや演奏者である広瀬美紀子がピアノ版に編曲した、グノーの代表作「アヴ ェ・マリア」や「ファウスト」からのバレエ音楽なども収録。ライナーノートも広瀬自身による意欲 作となっております。

Sono Luminus
SLE-70010(2CD)
NX-C03
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番-第6番 リチャード・ナロウェイ(Vc)

録音:2015年6月29日-7月4日
1台のチェロのみで奏でるバッハの深淵なる世界。全てのチェリストが一度は演奏したいと憧れる究極の名曲が「無伴奏 チェロ組曲」です。シンプルな音で構成されているにもかかわらず、演奏は大変に困難であるとともに、最初の音を弾いた だけで、チェリストの力量が判断されてしまうこともあるという試練の曲でもあります。 ここでその難曲に取り組んでいるのは1991年生まれ、オーストラリア出身の若手ナロウェイ。幼いころからチェロを学び、 数多くのコンクールで入賞、最近ではクラシック音楽を幅広い聴衆に聴いてもらうためのプロジェクトにもり組んでいます。

eaSonus
EAS-29330(1CD)
レオンスカヤ〜サウダーデ
チャイコフスキー:ピアノ・ソナタ ト長調Op.37
ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番ロ短調Op.61
ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調Op.3の2
 前奏曲嬰ト短調Op.32の12
 前奏曲変ホ長調Op.23の12
 エレジーOp.3の1
エリーザベト・レオンスカヤ(P)

録音:2017年2月20-21日/ブレーメン・ゼンデザール
かのリヒテルが手ばなしで称賛し可愛がったピアニスト、エリーザベト・レオンスカヤ。彼女も今年72歳で、現在数少ない巨匠芸を味あわせてくれる 存在となりました。★ポルトガル語で「郷愁」を意味する「サウダーデ」と題されたアルバム、ラテン作品集かと思いきや、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ショスタコーヴィ チらロシアの作品が集められた最新録音。最近のレオンスカヤは神業のようなシューベルトで絶賛されていますが、当然ロシア作品も同じくらい素晴らしく、 それを聴きたいという声がたくさんありました。 チャイコフスキーの「ピアノ・ソナタ ト長調」は何故か最近録音が増えていますが、リヒテルの古い録音がボルテージの高さとダイナミックな技巧で代 表盤とされています。レオンスカヤは終始堂々としながら、盛り上がる箇所では華々しいテクニックを披露するなど、最良のロシア・ピアニズム健在ぶりを 示しています。またショスタコーヴィチのピアノ・ソナタ第2番は、1992年のテルデック盤から四半世紀ぶりの再録音。それも素晴らしい演奏でしたが、 さらなる円熟味を増しほとんど神業。誰にも真似できない説得力に脱帽させられます。
さらに嬉しいのがラフマニノフ。レオンスカヤのラフマニノフの独奏曲は意外になく、ほとんど初めて接する世界と申せましょう。それも浅田真央が使っ て人気の「前奏曲嬰ハ短調」や、同じ組曲の第1曲で若きラフマニノフのナイーヴさが心を打つ「エレジー」など宝物にしたくなる素晴らしさ。シューベ ルト以上にレオンスカヤの魅力と凄さを実感させてくれる一枚です。 (Ki)

Cybele
CYBELE-061701S
(1SACD)
オスカー・ゴットリープ・ブラー(1934-):オルガン作品集
4つの舞曲
3つのアルバムの綴り
5つの詠唱
バッハ杯(序奏、パッサカリアとコラール)
マルティン・シュメーディング(Org)

録音:2017年/デュッセルドルフ、ネアンダー教会
1934年生まれのポーランドの作曲家オスカー・ゴットリープ・ブラーのオルガン作品集。2007年から2017年までに書かれた最新作を収録しています。 『バッハ杯(Der Bach-Pokal)』は、演奏効果満点の大作。パッサカリアでは無調の点描的パッセージが控えめに奏でられ、じっくりと展開し壮大な音響に発 展。コラールは平穏と不穏が混在したような静寂に満たされています。ドイツのエコー・クラシック賞受賞者でもあるキュベレ・レコーズの名オルガニスト、シュ メーディングによる荘厳な演奏を高音質でお楽しみください。 (Ki)

Cybele
3D-001701(1SACD)
2台のオルガンと打楽器のための編曲集 第1集
ラインベルガー:オルガン協奏曲第2番ト短調 Op.177
ムソルグスキー:展覧会の絵
ヨルグ・エンデブロック(歴史的ヴァルカーオルガン)
スザンネ・レーン(クライスOrg)
コンラード・グラーフ(打楽器)

録音:2017年6月14-16日/ヴィースバーデン、ルーテル教会
ヘッドホンで聴くことにより最高音質の効果を発揮するように作られた「バイノーラル録音」はCYBELEレーベルが積極的に取り入れている仕様のひとつ です。その録音に特化した新シリーズが始まりました。第1弾は2台オルガンとパーカッションという豪華編成のための作品集。教会に鳴り響く大音響を余す ことなく捉えた充実のディスクです。(※SACD層に通常の録音とバイノーラル録音の2種類が収められています。CD層は通常録音のみになります)
ラインベルガーのオルガン協奏曲はオーケストラ・パートもオルガンにアレンジ。華麗な掛け合いが聴きものです。『展覧会の絵』も2台のオルガンで色彩豊 か、音量の幅も大胆!豊饒で壮大な世界が広がります。全編通してパーカッションは割とクラシカルな用法に留まり、ここぞというところでティンパニやバスド ラムを炸裂させ、音楽により一層の深みを与えています。サウンドのユニークさよりも音楽的表現に重きを置いたアレンジに好感が持てます。 (Ki)
Cybele
CYBELE-161702S
(1SACD)
ミヒャエル・デンホフ(1955-):バッハ変奏曲Op.114〜ピアノのための ビルギッタ・ヴォレンヴェーバー(P;スタインウェイD)

録音:2017年4月5-7日
デンホフにとってバッハの音楽は特別なものであり、グレン・グールドの81年ステレオ録音盤『ゴルトベルク変奏曲』を聴いたときは大きな衝撃を受けた と言います。『バッハ変奏曲』と名付けられたこのピアノ曲は直接的にバッハの素材が出てくるという訳でもないようですが、音型の展開法や音楽の雰囲気に バッハ晩年のカノンやフーガに通じる厳しさを感じます。テーマはG-Es-H-C-Asという音列によるハ短調のインヴェンション。次第に半音階や不協和な響き も現れ調性を離れていきますが、最後に変化を伴いながらもテーマが回帰するあたりは『ゴルトベルク変奏曲』を思い起こさせます。 ピアノを弾くヴォレンヴェーバーはデンホフ音楽のスペシャリスト。デンホフはチェロ奏者としても活動していますが、そのデュオ・パートナーも務めて います。 (Ki)

BEAUX ARTS
KLANSKY-1(2CD)
クラーンスキー・プレイズ・ショパン
練習曲ホ長調 Op.10-3
ワルツ変イ長調 Op.34-1
夜想曲変ニ長調 Op.27-2
華麗な変奏曲変ロ長調 Op.12
マズルカ ヘ短調 Op.63-2
ポロネーズ嬰ハ短調 Op.26-1
夜想曲ヘ長調 Op.15-1
前奏曲変ニ長調「雨だれ」Op.28-15
練習曲変イ長調 Op.25-1
前奏曲ホ短調 Op.28-4
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ Op.22
バラード ト短調 Op.23
前奏曲変イ長調 Op.28-17
夜想曲ハ短調 Op.48-1
マズルカ変イ長調 Op.50-2
ワルツ イ短調 Op.34-2
練習曲ヘ長調 Op.10-8
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
マズルカ嬰ハ短調 Op.63-3
マズルカ イ短調 Op.17-4
バラード ヘ短調 Op.52
ワルツ変イ長調「告別」WN 47
イヴァン・クランスキー(P)

録音:2014年2月1-2日、2015年6月26-27日、マルチヌー・ホール、リヒテンシュタイン宮、プラハ、チェコ
017年現在プラハ音楽院鍵盤楽器科長を務めているチェコのピアノ界の大物イヴァン・クラーンスキー(1948年生まれ、クランスキーとも表記)。日本のリスナーにはグアルネリ・トリオのメンバーとして知られているかもしれませんが、数々の要職を歴任し、また教育者としても高名であり彼の指導や講習を受けた日本のピアニストも少なくありません。
小規模流通商品のため高価格となり、早々の完売も予想されます。本体・外装に規格番号表示がございません。ご了承ください。


若林工房
WAKA-4205(1CD)
月の光〜1927年製エラールの響き/上野真
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
ラヴェル:水の戯れ
 ソナチネ
ドビュッシー:前奏曲集第1巻
上野真(P)

使用楽器:エラールモデル260フルコンサートグランド、1927年製、90鍵のエクストラベース付
録音:2016年11月22〜25日、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール小ホール
"エラール・ピアノの特性を活かして入念の描いたドビュッシー"
音楽を弄ぶことなく誠実に色彩の彩を現出させる姿勢が一貫し、洒落た雰囲気を無理やり施さない姿勢が清々しく感じます。「ベルガマスク組曲」第2曲、中間の下降音型以降の呟きは、もっと羽のように軽いタッチで弾かれることが多いですが、ここではタッチの質感をあえて際立たせて独特の風格美を与えている点がポイント。終曲「パスピエ」は小気味良い推進力と哀愁のさじ加減が絶妙で、音楽をこじんまりとさせないところにセンスの高さが窺えます。上野のピアノは、十分に音を感じて歌いつつも、決して耽溺せず、常に緻密な構成の上に音像を築き、超優秀録音にも関わらずそれに寄りかかって聴き手を感覚的に酔わせるのではなく、音楽の実態を突きつけます。「前奏曲集」では、その姿勢が一層顕著に現れ、曖昧模糊な雰囲気に逃げない芯の強さが印象的。第1曲「デルフィの舞姫」最終音の意味深い色彩、第3曲「野を渡る風」は音の瞬発力を誇示せず、内的なニュアンスの表出が見事。第9曲「とだえたセレナード」はスペイン的なエキゾチシズムを感じさせる演奏が意外に少ないだけに、この地に足のついなニュアンスは訴求力満点。【湧々堂】

THE CHOIR OF KINGS COLLEGE
KGS-0026(1CD)
ケンブリッジからローマへ〜テヒラーのチェロ
(1)オラ・イェイロ(b.1978):Serenity (O Magnum Mysterium)
(2)デイヴィッド・マシューズ(b.1943):Ein Celloleben(無伴奏チェロ)
(3)ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番 ニ長調 op.70-1「幽霊」
(4)マーク・シンプソン(b.1988):Un Regalo
(5)バリエール(1705ca.-1747):2台のチェロのためのソナタ第4番 ト長調(6つのソナタ、第4巻より)
(5)シャーロット・ブレイ(b.1982):Perseus
(7)レスピーギ:アダージョと変奏
ガイ・ジョンストン(Vc)
(1)スティーヴン・クレオベリー(指)ンブリッジ・キングズ・カレッジcho
(3)トム・ポスター(P)、マグヌス・ジョンストン(Vn)
(5)シェク・カンネ=メイソン
(6)トム・ポスター(P)
(7)カルロ・リッツァーリ(指)ローマ聖チェチーリア音楽院O

録音:2016年5月10日、2017年2月1日
1714年製のテヒラーのチェロを演奏して活躍している、イギリスの俊英チェリスト、ガイ・ジョンストン。1981年、英国の芸術的一家に生まれ、ケンブリッ ジ・キングズ・カレッジ合唱団で音楽のキャリアをスタート。その後チェロでめきめきと頭角を現し、2000年、BBCヤング・ミュージシャン・オブ・ジ・ イヤーを受賞。イッサーリスにも師事していました。ジョンストンは、自分に課せられたチェリストとしての使命は何か、テヒラーが300年前に作り上げ た名器を演奏しながら自問するようになり、イギリス作曲家3名に、「過去の3世紀のチェロの役割を考えると同時に、彼らのイマジネーションをほとば しらせるような」作品を委嘱。From Cambridge to Romeというタイトルのとおり、英国の現代の作曲家の作品に始まりレスピーギの作品で終わる、と いう時空を超えたプログラムを通して、ガイ・ジョンストンの魅力に耳を傾けるとともに、チェロという楽器が持つ無限の可能性にあらためて驚かされる1 枚です。 (Ki)


Treasures
TRE-179(1CDR)
ベラ・シキ/ショパン:スケルツォ&バラード
スケルツォ第1番 ロ短調 Op. 20
スケルツォ第2番 変ロ短調 Op. 31
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op. 39
スケルツォ第4番 ホ長調 Op. 54
バラード第1番 ト短調 Op. 23*
バラード第2番 ヘ長調 Op. 38*
バラード第3番 変イ長調 Op. 47*
バラード第4番 ヘ短調 Op. 52*
ベラ・シキ(P)

録音:1953年5月、1952年4月*
※音源:英PARLOPHONE PMA-1011、PMA-1008*
◎収録時間:73:50
“明晰なタッチでショパンを哲学する、ベラ・シキ独自のピアニズム!”
■音源について
ベラ・シキは、1950年代にショパン作品のうちソナタ、即興曲などをParlophoneに集中的に録音しており、このスケルツォ、バラードもその一環。LP2枚分を全て収録。

★ベラ・シキは、1932年ハンガリー生まれ。あのディヌ・リパッティの弟子で、若き日は「コンクール荒らし」と言われるほど数々の国際コンクールに入賞しましたが、次第に活動の場を教育に移し、多くの門下生を輩出。日本の宮沢明子もその一人です。したがって、録音の数は極めて少なく、中でも知られているのは、同郷のゲザ・アンダと録音したサン・サーンスの「動物の謝肉祭」(指揮はマルケヴィチ)でしょうか。。そしてこのショパンを聴いて最初に感じたのは、師のリパッティの影響よりも、まさにそのゲザ・アンダとの共通点。アンダはベラ・シキの10歳年上で、共にブタペスト音楽院でエルンスト・フォン・ドホナーニに学んでいるので、兄弟子となりますが、雰囲気に流されない実直さ、明晰な打鍵など、ベラ・シキとよく似ています。
スケルツォ第1番は、ベラ・シキの硬派なピアノズムとの相性が抜群。前半と後半の厳しい切れ味にその特質が最大限に生きていますが、中間部の聴き手に媚びないけ高潔なピアニズムもまたベラ・シキならでは。スケルツォ第3番、第2主題に現れる下降アルペジオも決してパラパラ散らず、一音一音の意思を注入するかのよう。スケルツォ第4番は特筆すべき名演!冒頭主題での音の跳躍とリズムにも浮かれることなく品格の空気を敷き詰めた後、中間部では表面的な美しさを超えた至純の精神が脈打ち、汚れなきタッチが真の美を導くのです!
バラード第1番は、標準的なアプローチによる推進性、ドラマ性とは異なり、極めて思索的に進行。そのため3:14からのフレーズの全ての間合いに思いが充満。4:25からの第2主題の飛翔でも開放感を封印。音のニュアンスを厳しく吟味。このシーンで陽の光を取り込まない真意は、コーダでのどこか物憂げなニュアンスと通底するものを感じさせます。
バラード第4番のコーダ前も露骨に強打をぶつけることも可能でしょうが、内面のニュアンスを見失うことなく、コーダでは爽快な切れ味とは違う余韻を携えながら締めくくられるのです。
作品の構成を見据えながら、自らを厳しく律し、ショパンの思いに少しでも近づこうとする真摯な姿勢は、手っ取り早く効果を狙う昨今の演奏家とは全然違い、そもそも音楽をする目的自体が異なるとしか思えません。【湧々堂】

MPMP
MPMP-13(1CD)
ジョアン・ドミンゴス・ボンテンポ(1775-1842):ピアノ・ソナタ全集 Vol.2
3つの大ソナタ Op.9
 第1番変ホ長調
 第2番ハ長調
 第3番ホ短調(ピアノとヴァイオリンの為の)*
フィリップ・マルケス(P)
タミーラ・ハランブラ(Vn)*

録音:2015年1月26-28日、小コンサートホール、ベレン文化センター、リスボン、ポルトガル
使用楽器:Steinway & Sons, model D(1992年、ハンブルク)
ジョアン・ドミンゴス・ボンテンポはイタリア人音楽家を父にポルトガルのリスボンに生まれ、父の後を継いで王室宮廷礼拝堂に仕えた後、1801年にパリに赴きピアニスト・作曲家として名を上げ、クレメンティと交友、その後ロンドン、リスボン、パリを行き来したのち1820年にリスボンに戻りました。リスボンではフィルハーモニー協会を創設して演奏会を開き、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらの作品を採り上げ、1835年にはリスボン音楽院初代院長に就任するなど、ポルトガル音楽の改革者として大いに活躍しました。
モダーン・ピアノによるボンテンポのピアノ・ソナタ全集。ポルトガルの若きピアニスト、フィリップ・マルケスがコンサートとの同時進行で録音していく予定です。*でオブリガートを付けるタミーラ・ハランブラはウクライナのヴァイオリニスト。
MPMP
MPMP-14(1CD)
ジョアン・ギリェルメ・ダッディ(1813-1887):ピアノ作品集
ドゥーロ/美しい夜の印象
アデライーデ/メランコリー
アンダンテ・カンタービレ/嘆き
甘美な幻想
ハンガリーの主題による国王陛下の為の幻想曲
八田智大(P)

録音:2016年4月24-25日、サロン・ノブレ、リスボン国立音楽院、リスボン、ポルトガル
ジョアン・ギリェルメ・ダッディはポルトガルの作曲家・ピアニスト。イタリア人と英国人を祖先に持つ家に生まれ、9歳でピアニストとして、10歳で歌手として、12歳で指揮者・作曲家としてデビューという神童ぶりを発揮。国内外で名声を高め、1845年にはリスボンを訪れたリストに2台ピアノ曲の共演者として抜擢されました。歌劇をはじめあらゆるジャンルの作品を書き、また1874年にはクラシック・コンサート協会を創設する等、当時のポルトガルを代表する音楽家として活躍しました。当盤に収録された作品はすべて世界初録音です。ポルトガルの作曲家アルフレド・カイル(1850-1907)のピアノ作品集(MPMP-9)でデビューした八田智大(はった ともひろ、1986年生まれ)のセカンド・ディスク。

アール・アンフィニ
MECO-1039(1SACD)
税込定価
河野智美/ザ・バッハ
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV 1005 (河野智美編)
ゴルトベルク変奏曲〜アリア (河野智美編)
コラール「主よ、人の望みの喜びよ」 BWV 147 (デヴィッド・ラッセル編)
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番〜第5曲 シャコンヌ (河野智美編)
G線上のアリア(デヴィッド・ラッセル編)
ブランデンブルク協奏曲 第6番 変ロ長調 BWV 1051 〜第2楽章(アムステルダム・ギター・トリオ 〜 河野智美編)*
河野智美 (G)
大沢美月(G)*, 田中春彦(G)*

録音:2017年3月1日〜3日 五反田文化センター
河野智美のサード・アルバム「ザ・バッハ」は、アーティスト自身による編曲 など、バッハにおける長年の研究研鑽の真価を問う試金石です。そこには才能、 美意識、審美眼、技術等持てるその全てが発露されているといっても過言では ないでしょう。今ここに、ギターならではの孤高の世界へと昇華したバッハの 精髄が昇陽します。

アール・アンフィニMECO-1040(1SACD)
税込定価
實川風/プレイズ・ショパン
ショパン:前奏曲第15番変ニ長調Op.28-15「雨だれ」
スケルツォ第2番変ロ短調Op.31
夜想曲第20番嬰ハ短調遺作
「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」
幻想即興曲嬰ハ短調Op.66
幻想曲ヘ短調Op.49
練習曲第13番変イ長調Op.25-1「エオリアンハープ」
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調Op.22
ワルツ第6番変ニ長調Op.64-1「小犬」
マズルカ第25番ロ短調Op.33-4
練習曲第12番ハ短調Op.10-12「革命」
ポロネーズ第6番変イ長調Op.53「英雄」
實川風(P)

録音:2017年1月30日〜2月1日 五反田文化センター
2015 年ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール第3位入賞に輝いた若き ピアノの貴公子、實川風が贈るファン待望のオール・ショパン・アルバムです。 本人が厳選を重ねたショパン名曲の数々には、虚飾を排したまさに王道のピア ニズムが遺憾なく発揮されています。至福のピアニッシモから重厚なフォルテ ィッシモまで、その丁寧に奏でられる音楽は深く醸成されて、聴く人を感動の 境地へと誘います。

シャッツグレーバー
SHZ-IO1(1CD)
税込定価
中川京子〜バッハ、モーツァルト、ショパン
バッハ:フランス組曲第3番 ロ短調 BWV 814
 フランス組曲第5 番 ト長調 BWV 816
モーツァルト:ピアノソナタ第5番 ト長調 K. 283
ショパン:夜想曲第20番 嬰ハ短調(遺作)
 夜想曲第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
 ワルツ第6番 変ニ長調 Op.64-1「小犬のワルツ」
 マズルカ第5番 変ロ長調 Op.7-1
中川京子(P)

録音:2016 年9 月27 日 富士見市民文化会館キラリふじみ
■中川 京子(P)
東京藝術大学卒。第47 回日本音楽コンクールピアノ部門第2 位。1991 年「大阪文化祭賞」本賞受賞。オール・ショパン・プログラムのリサイタル多数。オーケストラとの共演、FM や TV 番組、ヤマハやソニー音楽芸術振興会主催コンサート出演など、各方面にわたり活動中。アドヴァイスレッスン、学校クラスコンサートなど教育指導にも力を注ぐ。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会正会員、審査員。第1 回ヨーロッパ・ジュニア特別優秀指導者賞受賞。【CD 「Mozart/Chopin〜中川京子ピアノ・リサイタルより〜」 】

Musica Ficta
MF-8025(1CD)
ヘンデル:クラヴサン組曲集
ヘンデル:組曲第9番変ロ長調 HWV.434、
 組曲ニ短調 HWV.437
バベル:ヘンデルの「リナルド」から 「私を泣かせてください」
ヘンデル:歌劇「ラダミスト」より ドルチェ・ベーネ
バベル:ヘンデルの「リナルド」から「私は戦いを挑み」
ヘンデル:組曲ホ長調 HWV.430、
 組曲ヘ長調 HWV.427、
 シャコンヌ ト長調 HWV.435
パオロ・ザンズ(ハープシコード)

録音:2015年9月14日−15日、サン=レミ教会(フラン=ワレ、ベルギー)
古楽界で頭角を現すチェンバリストが、1995年にパリでアンソニー・サイディとフレデリック・バルによって製作されたゴットフリード・ジルバーマン(1735年頃)・モデルのジャーマン・チェンバロで、名曲「調子の良い鍛冶屋」を含むヘンデルのクラヴサン組曲と、ヘンデルと同世代のイギリスの作曲家ウィリアム・バベル(ca.1690−1723)の編曲による「リナルド」の名旋律を奏でた珠玉のヘンデル・プログラム!1984年、イタリアのカリアリ出身のパオロ・ザンズは、2010年のブルージュ国際古楽コンクールのチェンバロ部門で第3位入賞を果たし、2011年にはブリュッセル王立音楽院の通奏低音科の教授に就任。ルーヴル宮音楽隊、イングリッシュ・バロック・ソロイスツなどで通奏低音奏者として活躍するのと同時に、レザール・フロリサンではウィリアム・クリスティのアシスタントを務め、2016年にはリュリのコメディ=バレ「プルソニャック氏」(新演出)を指揮して絶賛を博すなど、古楽界で大きな注目を集めている俊英です。
様々な古楽系レーベルやアーティストからの信頼が厚い名プロデューサー、マニュエル・モヒノの存在も古楽ファンならば見逃せないポイントです。


Treasures
TRE-174(1CDR)
フランティシェク・ラウフ/ベートーヴェン&ショパン
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番*
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送」
 ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58
フランティシェク・ラウフ(P)

録音:1965年11月15,18-19日*、1966年11月-12月(全てステレオ)
※音源:SUPRAPHON SUAST-50743*、SUAST-50893
◎収録時間:70:13
“ラウフの高貴で敬虔なピアニズムが十二分に生かされた不朽の名演!”
■音源について
ラウフによるスプラフォンのステレオ録音のなかで、TRE-173の収録曲とともに重要な名演!

★フランティシェク・ラウフ(1910〜1996)は、チェコを代表するピアニスト。プラハ芸術アカデミーでの教育活動が中心だったので、フィルクスニーやモラヴィッツ等のような知名度はありませんが、その配慮の行き届いたピアニズムは教育者らしい堅実さにとどまらず、独特の閃きと奥ゆかしさを湛えています。
ベートーヴェンの「第12番」第1楽章の主題をツェルニーは「高貴で敬虔」と評しましたが、これはそのままラウフのピアニズムに当てはまります。各変奏の表情を丹念に表出しながら、同時に豊かな流動性も確保しているので、変奏曲形式が苦手な方もこれには心奪われることでしょう。第3楽章は「英雄の死を悼む葬送行進曲」という副題の意味に囚われない実直さで一貫。それだけに、消え行くコーダでの静かな余情が際立ちます。
ショパンがまた言葉で言い尽くせないほどの大名演!少なくとも2つのソナタを収めたれレコードとしては、史上屈指の存在だと確信しています。
「第2番」は、荒々しいタッチで劇的な楽想に追い打ちをかける手法とは異なり、ラウフが目指すのはあくまでも内面性の微妙な移ろい。第1楽章第2主題が誰よりも浄化しきった精神を湛えていること、展開部のドラマ性が打鍵の強さではなく内的な葛藤から生じているのを目の当たりにすると、ラウフの思慮深さ、芸の深さを痛感するばかりです。第2〜3楽章も、精神的な高潔さは比類なし。特に第3楽章は中間部に突如として繊細な静謐美を注入する例が多いですが、ラウフのピアノは最初からピュアなので、中間部でも唐突な印象を与えず、連綿と美しいニュアンスが続くのです。
「第3番」は、日頃からどこか底の浅い演奏が多いと感じていますが、この演奏にはそんな瞬間は皆無。第2楽章は、意外にもピアニスティックな効果を発揮しますが、そこにも懐の深さを感じます。第3楽章は豊かなホールトーンとも相まって高潔な幻想性が広がり、皮相な演奏との違いをまざまざと思い知ります。特に中間部のラストは必聴!終楽章も驚異的!ラウフの演奏で聴くと、ショパンがソナタの最後を締めくくる音楽を築くのに苦心した形跡など感じさせず、まさにショパンの等身大の音楽としてストレートに迫ってくるのです。造形美を立体的に再現しつつ、音楽を硬直化させないセンスも超一級!この作品、ピアニストの技巧が音楽的な感度と一体化したものかどうかを量る試金石かもしれません。【湧々堂】

DACAPO
MAR-6.220631
NX-B06
ルーズ・ランゴー(1893-1952):ピアノ作品集 第3集
Som en Tyv om Natten 夜、盗人のように BVN211a(1930)…世界初録音
昆虫館 BVN134(1917)
ピアノのための9つの頭を悩ます絵画
ピアノのための幻想曲「Skyggeliv」 影の生活 BVN307(1914-1915)
I det blafrende Efteraarslygteskar 秋、ランプの光がちらつく中で
BVN206(1930-1933)
Le Beguinage ベギンホフ-小さなピアノ・ソナタ
Chiesa madre 母の教会-小さなソナタ…世界初録音
Sponsa Christi tadium vita 生活に疲れたキリストの花嫁…世界初録音
ベーリト・ヨハンセン・タンゲ(P)

録音:2016年6月25日、2016年6月26日、2016年9月20日、2016年11月4日
後期ロマン派に属するデンマークの作曲家、オルガニスト、ルーズ・ランゴーの作品集。20世紀初頭のデンマークにおける同世代の 作曲家に比べると、かなり前衛的な作品を書き、各々の曲の特異なタイトルでも知られる人です。このピアノ作品集第3集でも世 界初録音を3曲含む興味深い作品を聴くことができますが、なかでも「昆虫館」がユニーク。昆虫たちがゾクゾクするほどの精緻な 描写で音にされた組曲です。作曲されたのは1917年ですが、一部でピアノの内部奏法が用いられていたりと、時代を先取りした 作品です。シリーズを通じて演奏しているのはデンマークのピアニスト、ベーリト・ヨハンセン・タンゲ。ランゴーのオーソリティです。


Treasures
TRE-169(1CDR)
ブランカール〜モーツァルト&シューマン
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第3番変ロ長調 K.281
 ピアノ・ソナタ第5番ト長調 K.283
 ピアノ・ソナタ第15番ハ長調 K.545
シューマン:ノヴェレッテンOp.21*
ジャクリーヌ・ブランカール(P)

録音:1951年10月、1955年*
※音源:日King LY-34、英DECCA LXT-5120*
◎収録時間:78:08
“音楽の自律的な推進性を引き出すブランカールの至芸!”
■音源について
モーツァルトは、あえて国内初期盤を採用。当時のプレスの優秀さを実感いただきたいと思います。LXT-5120はチリパチが気になるものが多く、3度目にようやく良質盤に出会えました。

★ジャクリーヌ・ブランカール(1909-1979)はパリ出身の女流ピアニスト。パリ音楽院でイジドール・フィリップに師事。国際フォーレ・コンクルで優勝して注目を浴び、ラヴェル:左手のピアノのための協奏曲の世界初録音を果たしたことでも知られますが、録音数はごくわずか。コルトーが書いた『ピアノ・テクニックの合理的原理』を初心者向けに要約した『初心者のためのピアノ・テクニックの基本原理』の著作でも知られるように、コルトーの良き協力者でもありました。
モーツァルトの国内盤のジャケット解説には、ブランカールのピアノの特徴を「いかにも女性らしい」とか「フランス風」といったいう紋切り型の説明しかありませんが、明晰なタッチで作品のフォルムをきちんと描き、聴き手に迎合するような安直な表現に流れず、まさに時代を問わない普遍的な洗練スタイルは、もっと注目されるべきだと思います。フランス的な香りは結果的に後から付いてくる程度。フレージングは常に自然体。しかがって、L・クラウスのような、人間味を全面に押し出すスタイルとは対極的と言えましょう。その特徴は、K.281の第1楽章でも明らかですが、同3楽章のとぼけたような和声の変化にも身じろがず、誇張もせず、それによってかえって音楽の面白さを増しています。単に「女性的」という表現で済まされないことを最も痛感するのが、K.545。タッチ自体はデリケートですが、音楽の芯は骨太。それが展開部では見事な生命感として放出されます。注目は第2楽章!なんと凄い曲なのでしょう!特に中間部では内面からドラマを一気に引き出し、一瞬で聴き手を別世界に引き込んでしまう、その牽引力を体感して下さい!
ノヴェレッテンは、クララのために書かれた幸福感溢れる小品集ですが、ブランカールの演奏は、その情感を無理に演奏に投影するのではなく、作品を大きく捉えて音楽を伸びやかに推進させます。第1番などぶっきらぼうに聞こえるほどですが、決して乱暴ではなく、純粋な活力が音楽を息づかせます。急速な第2番も一見淡白ですが、中間部の媚びないエレガンスに触れると、それら全てが有機的に連動しているに唸らされます。フランス流エレガンスと言えば、第4番。「舞踏会のテンポで」と書かれていますが、ブランカールはそれを意識して凝ったアゴーギクなど見せず、フワッと香る余韻で魅了。第7番も、音楽の多彩な側面が自然に炙り出されます。
アンドラーシュ・シフのような入念さ、ソフロニツキーの独特の奥深さ等とと聴き比べるのも一興かと思います。【湧々堂】


Treasures
TRE-167(1CDR)
アントルモン〜ショパン&「展覧会の絵」
ショパン:バラード第3番/夜想曲Op.27-2
 即興曲第1番Op.29/タランテラOp.43
 スケルツォ第1番/ポロネーズ第5番
 軍隊ポロネーズOp.40-1
ムソルグスキー:展覧会の絵*
フィリップ・アントルモン(P)

録音:1958年(モノラル)
※音源:米EPIC LC-3316、米COLUMBIA ML-5301*
◎収録時間:78:49
“誰も語ってくれないアントルモンの本来の実力!”
■音源について
アントルモンのメジャー・デビュー当時の録音。ショパンは、後年のステレオ録音は繰り返し発売されていますが、このモノラル盤の説得力には遠く及ばないと思います。

★「なぜアントルモン?」と怪訝に思われるかもしれませんが、ここに収録した録音は、「アントルモンの最高傑作」であるだけでなく、有名名盤と堂々比肩し得る超名演だと断言させて頂きます。アントルモンというピアニストには、レパートリーは広く、技巧も申し分ないのに、どこか物足りなさを感じる方が多いと思います。米コロンビアは、この若手ピアニストを強力に売りこもうとしていたことはバーンスタイン、オーマンディという看板指揮者と惜しげもなく有名協奏曲の録音の機会を与えたことでも明白ですが、その期待とは裏腹に、ホロヴィッツ、ゼルキンという巨匠とも比較されたことでしょう。そんなジレンマの中、とにかく録音スケジュールをこなすことに追われて、自己を見つめる余裕などなかったのが、その要因かもしれません。少なくとも、M・ロンやJ・ドワイアン門下であることを窺わせる香りはほとんど感じ取れません。ところが、ここに聴くアントルモンは違います!20代前半の演奏ですので、感覚的に瑞々しいのは当然ながら、感じたままをそのまま表面化するのではなく、更に思慮深く音楽を見つめ、内省的な美しさも湛えながら一本筋の通った名演奏を展開しているのです。それもショパンで言えば、たまたま1、2曲が良いのではなく、7曲全てが絶品!今の自分の表現で納得できる作品だけを厳選したと思われる選曲も、成功の大きな要因だと思われます。
バラード第3番は、第2主題が現れるまでの間だけでも聴きどころ満載。拍節感を保持しながら音楽を停滞させず、1:40からの高音の可憐な囁きでも魅了。第2主題直前の間合いの良さは空前絶後。その第2主題は、ニュアンスを十分に発揮しつ制御が効いているので、音楽の豊かさ、深さが一層際立ちます。夜想曲第8番は流麗な中にも芯の強さがあり、ニュアンスが結晶化された逸品。あえてベスト1を選ぶならこれ!…と思いましたが、他の曲を外す理由が見つかりません。スケルツォ第1番は鋭利なダイナミズムのみに走らず、根底からフレーズを突き動かしながら歌い、聴き手の心に根付く表現を慣行。中間部のフレージングは、それこそ後年の録音からは感じにくい有機的ニュアンスの連続。実は、私がアントルモンのイメージを一旦リセットする必要性を感じたのは、ポロネーズ第5番をある場所で聴いたのがきっかけでした。瑞々しいのに若さに任せず、ドラマチックなのに誇張を感じさせないそのセンス!一音ごとのニュアンスの吟味の深さも尋常ではありません。
「展覧会の絵」も、アントルモンの身の丈にあったスケール感を素直に表出した名演。各曲の性格描写には一切誇張や嘘がなく、聴き手にダイレクトに訴えかける力があります。“テュイルリーの庭”は、強弱の盛り込みが全てツボにはまり、続く“ビドロ”は、変に大風呂敷を広げず、後半の鎮静に向かうシーンには一抹の郷愁さえ感じます。
CD時代に入って、アントルモンの名を目にするのは、寄せ集め名曲集の類いばかり。一体誰が彼をそんな扱いにしてしまったのでしょうか? 【湧々堂】

Euterpe Musica
EMCD-1619(1CDR)
密の彼方
アイヴズ:ピアノ・ソナタ第2番「マサチューセッツ州コンコード、1840年−1860年」
ブーレーズ:フルートとピアノのためのソナティナ
インゲマル・フリデル(P)、
アンデシュ・ユンガル=シャプロン(Fl)
インゲマル・フリデル(1949−)は、スウェーデン、ルンド大学の教授。コンサートピアニストとして、ショパン、シューベルト、ラフマニノフ、ガーシュウィンを弾いたアルバム『Rhapsody of Piano Delights』(EMCD1114)を録音しています。ウォールデン・ポンドのほとりにたたずむソローをイメージしたとされる「コンコード・ソナタ」終楽章のフルートと、ブーレーズの初期の作品のひとつ「フルートとピアノのためのソナティナ」を担当するアンデシュ・ユンガル=シャプロンは、フリデルと一緒に「デュオ・コンコルド」としてスウェーデン、フランス、南アメリカでコンサートを行っています。

THE CHOIR OF KINGS COLLEGE
KGS-0020(1SACD)
キングズ・カレッジ聖堂の大オルガン、改修後初の新録音
サイモン・プレストン:Alleluyas
バッハ:「われらみな唯一なる神を信ず」BWV680
 「われらの主キリスト、ヨルダン川に来り」BWV684
 「聖霊なる神よ」BWV671
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.65-1
ハーヴェイ・グレース:Resurgam
フランク:英雄的小品
バッハ:「汝にこそわが喜びあり」BWV615
 「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」BWV622
 「この日神の子は勝利した」BWV630
ジョージ・ベイカー:Procession Royale
スティーヴン・クレオベリー(Org;ハリソン&ハリソン制作オルガン)

録音:2017年1月16&17日/キングズ・カレッジ聖堂(ケンブリッジ)
ングズ・カレッジ聖堂に据え付けられた大オルガンは2016年1月から約9ヵ月メンテナンスに入り4300本ものパイプの 全てが調性されました。当録音は改修後初となる2017年1月の最新録音です。演奏は30年以上にわたりケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団の 音楽監督にしてオルガニストのスティーヴン・クレオベリーです。 曲目はイギリスが誇る名オルガニスト、サイモン・プレストン作曲の「Alleluyas」にはじまり、バッハ、メンデルスゾーン、フランクといった多くのオル ガン作品をメインに構成しています。この大オルガンを熟知したクレオベリーならではのレジストレーションで聴く、新たに生まれ変わったオルガンの音色 を十分に堪能できる充実のアルバムです! (Ki)

ELOQUENTIA
EL-1130(1CD)
リスト:肖像ピアノ作品集
音楽の夜会 S.424から 踊り(ナポリのタランテッラ)
詩的で宗教的な調べ S.173〜 葬送曲
無調のバガテルS.216a
伝説 S.175から 波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ
コンソラシオン [慰め] S.172(全4曲)
巡礼の年 第1年 スイスS.160〜 オーベルマンの谷
愛の夢(3つの夜想曲)
ハンガリー狂詩曲第2番嬰
ギヨーム・コッポラ(P)

録音:2011年10月
ELOQUENTIA
EL-1445(1CD)
シューベルト:高雅なワルツと感傷的なワルツ
12の高雅なワルツ Op.77 D.969
ピアノ・ソナタ第4番イ短調 Op.164 D.537
34の感傷的なワルツ Op.50 D.779
ハンガリーのメロディー ロ短調 D.817
ギヨーム・コッポラ(P)

録音:2014年

DACAPO
MAR-8.226122
NX-B06
ゲーゼ(1817-1890):ピアノ作品集
水彩画 Op.19-第1集(1849)
ピアノ・ソナタ.ヘ短調 Op.28(1839-1854)
水彩画 Op.19-第2集
民族舞曲-幻想曲集 Op.31(1855)
新しい水彩画 Op.57(1881)
デンマークの歌(1885)
マリアンナ・シリンヤン(P)

録音:2016年12月3.4.11日,2017年1月15日
2017年、生誕200年の記念年を迎えるニルス・ウィルヘルム・ゲーゼ。もともとヴァイオリニストとして活動 を開始し、後にゲヴァントハウスOの首席指揮者としても活躍しましたが、作曲家としては、ピアノ 曲に強い関心を抱き、印象的な作品を何曲も残しています。「ソナタヘ短調」は21歳の時に着想したも のの、完成までに15年の長き年月を要した力作。オーケストラを思わせる立体的な響きに溢れており、 作品は尊敬していたフランツ・リストに捧げられました。ゲーゼが愛着を持っていた一連の「水彩画」は、 シューマンを思わせる内省的な小品集です。 収録作品はすべて、2015年に刊行された新ゲーゼ・エディションに基づいて演奏されています。

ZED Classics
ZED-17001(1CD)
ジェームズ.W.イマン・プレイズ・シェーンベルク、ブーレーズ、ウェーベルン、アミ
シェーンベルク:3つのピアノ小品 Op.11
ブーレーズ:ピアノ・ソナタ第3番
ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27
アミ:ピアノ・ソナタ
ジェームズ.W.イマン(P)

録音:2015年12月27日ー29日、ベルギー
ピッツバーグを拠点に、20世紀〜21世紀の音楽を専門として活動するアメリカの若手ピアニスト、ジェームズ.W.イマンのデビュー・レコーディング。シェーンベルク、ウェーベルン、ブーレーズといった十八番のレパートリー、そして彼が米国初演も行っているジルベール・アミのピアノ・ソナタはこの録音が世界初録音。ピアニストとしての活動のほか、1900年以降の音楽やアヴァンギャルドの美学についての講義、作曲のワークショップなども行うジェームズ.W.イマン。コンテンポラリー・ピアノ・ファン要注目!

Cybele
CYBELE-KIG006S
(3SACD)
ギュンター・ベッカー(1924-2007):ピアノ作品集
4つのバガテル(1954)
3つのフェーズ(1965)
和音についての研究(1970)
ミクログラフィア(1973)
2台ピアノのためのタイム・トレース(1987/88)*

ミリャム・ヴィーズマンとルース・ベッカーの会話(2011)
ミリャム・ヴィーズマンとライナー・ペータースの会話(2015)
オスカー・ゴットリープ・ブラー:ギュンター・ベッカーへの1994年のバースデイ・レター(2015)
【ドイツ語による語り、合計時間:138’43’’】
ベンジャミン・コブラー(P)
ロ ーラ・アル バレス(P)*
ピュアDSDレコーディングによるSACDハイブリッド盤。オーケストラ、室内楽、電子音楽など幅広い作品を残し、ダルムシュタット音楽祭でも多く の作品を発表したドイツの作曲家ギュンター・ベッカーのピアノ作品をまとめた貴重なアルバムです。ピアノを弾くコブラーはベッカー作品のスペシャリス トであり作曲家の意図を汲んだ演奏を聴かせています。
キュベレ・レコーズ創始者の1人で女優でもあるミリャム・ヴィーズマンが聴き手を務めた、ベッカーの妻ルース・ベッカーや、ベッカーの長年の友で ありオーボエ奏者のライナー・ペータースとの会話なども収録しています。 (Ki)


MELODIYA
MEL-1002488(1CD)
NX-B04
チャイコフスキー:ピアノ作品集
子供のためのアルバム Op.39
四季 Op.37a
ポーリナ・オセチンスカヤ(P)

録音:2016年
1975年生まれのピアニスト、ポーリナ・オセチンスカヤは、モーツァルトの協奏曲で心を打つ名演を聴かせてくれましたが、遂にメロディアによる本格的ソロ録音が実現!円熟味を加えた彼女のピアニズムは、決して難易度が高くないこれらの作品に奥行きを深みを与え、とかく軽視されがちなチャイコフスキーのピアノ曲の真価を思い知らされます。
「四季」は、繊細なニュアンスを込めながらもたんに脆弱なだけの演奏とは一線を画すことは、第1曲目の滑り出しからして明らか。“2月”では、骨太で強靭なタッチが粘り腰のリズムと共に紡ぎ出され、これぞロシアピアニズムの醍醐味!この微妙な「重み」がないといかに軽い音楽に成り下がるか、容易に想像できましょう。“5月”での優しい微笑みかけを引き継ぐように語られる、次の“舟歌”がまた素敵なこと!悲しみの淵に沈み込まず、そこはかとない悲哀だけさりげなく表出します。“7月”と“11月-トロイカ”では、テンポ・ルバートのセンスが光ります。
「子供のためのアルバム」は、チャイコフスキーの甥に捧げられた作品。「四季」の“舟歌”にも似た第16曲の“フランスの古い歌”はとくんき聴きもの。「白鳥の湖」にも登場する第18曲“ナポリの歌”は、これまたリズムの粘着力が独特の説得力!第22曲では、連続する装飾音の粒立ちが完全に均質に保たれて鳴らされることで清潔なフォルムが育まれ、そこに純粋な共感が息づきます。【湧々堂】
MELODIYA
MEL-1002454(5CD)
NX-D07
J.S.バッハ:チェロ作品集/フランス組曲
【CD1】
1.無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
2.無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008
3.チェロ・ソナタ.第1番 ト長調 BWV1027
4.チェロ・ソナタ.第2番 ニ長調 B
【CD2】
1.無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009
2.無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010
3.チェロ・ソナタ.第3番 ト短調 BWV1029
【CD3】
1.無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011
2.無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012
【CD4】
1.フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV812
2.フランス組曲 第2番 ハ短調 BWV813
3.フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV814
【CD5】
4.フランス組曲 第4番 変ホ長調 BWV815
5.フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816
6.フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV817
【CD1】
アレクサンドル・ザゴリンスキー(Vc)
アイナル・ステーン=ノックレベルク(P)
【CD2】
アレクサンドル・ザゴリンスキー(Vc)
アイナル・ステーン=ノックレベルク(P)
【CD3】
アレクサンドル・ザゴリンスキー(Vc)
【CD4】【CD5】
アイナル・ステーン=ノックレベルク(P)

録音:2016年
1962年生まれのチェリスト、アレクサンドル・ザゴリンスキーは、モスクワ音楽院を卒業後、1988年まで名教授ナタリア・ シャコフスカの助手を務めながら、数々のコンクールに入賞。1991年から2000年にはモスクワ・フィルの首席奏者として 活躍「ロシア名誉芸術家」の称号を授与されています。彼のレパートリーはとても広く、バロックから現代まで4世紀に渡 る作品を自在に演奏することでも知られています。共演のアイナル・ステーン=ノックレベルクは1944年、ノルウェー生ま れのピアニストでグリーグのオーソリティです。生まれも経歴も全く異なる2人ですが、2002年から共演を重ね、これまで にもロマン派の作品を集めたアルバムでの「2人の音楽性」が高く評価されています。今回のバッハ作品では、独奏曲で は各々の個性を最大に発揮しながら、共演曲ではその独自の個性をぴったり融合させるという素晴らしい演奏が繰り広 げられており、デュオ曲、独奏曲、どこからでも楽しめるBOXです。

現代ギター
GGBD-3032(1CD)
税込定価
ミス・アモーレス
ラウレンス:我が愛しのミロンガ
ブスタマンテ:ミシオネラ
プホール:イタリア広場
ヴィラ=ロボス:プレリュード第1番
シューベルト(安藤初代編曲):あふるる涙
ソル:モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲
タレガ:アランブラの想い出
 アラビア風奇想曲
アルカス:ヴェルディの「椿姫」の主題による幻想曲
安藤初代(G)
安藤初代は1943年生まれ。6歳よりギターを始め、世界的女性ギタリストであるマリア・ルイサ・アニードの来日レセプションで演奏を行ない、19 歳でデビューリサイタルを開催するなど、若き頃よりその逸材ぶりを高く評価された、日本の女性クラシック・ギタリストの草分け的存在である。結婚・ 出産等を契機に永らく後進の指導に当たって来たが、近年、本格的に演奏の第一線に復帰するや、その卓越したテクニックと詩情溢れる音楽解釈が各所 で奇跡的と評判を呼び絶賛される。本盤は安藤初代の待望久しい初のレコーディング・アルバムであり、彼女が長年大切にしてきた愛奏曲の数々が収録 されている。74歳にしてこの瑞々しい感性、奇跡のアルバムをぜひ一聴されたい。 (Ki)

DACAPO
MAR-6.220635
(1SACD)
NX-B06
ニールセン(1865-1931):オルガン作品集
祝祭前奏曲「世紀の変わり目にて」FS24(F.ヴィデロによるオルガン編)
29の小前奏曲 Op.51 FS136〜第1番−第5番
宗教的合唱と歌曲 FS83(抜粋)
 第33番:私が時と日を考慮するとき
 第12番:聖なる生涯、祝福された死
29の小前奏曲 Op.51 FS136〜.第6番-第14番
宗教的合唱と歌曲 FS83(抜粋)
第13番:驚くべき話
第16番:立ち上がれ、もう一度
29の小前奏曲 Op.51 FS136〜第15番-第24番
宗教的合唱と歌曲 FS83(抜粋)
 第1番:ああ、私のばらが枯れてしまっ

 第20番:群れの中の神の御使い
29の小前奏曲 Op.51 FS136〜第25番-第29番
2つの前奏曲 FS137
トルステン・ニールセン(Br)
ビーネ・カトリーネ・ブリンドルフ(Org)

録音:2016年2月14-16日
交響曲や協奏曲など、大規模な作品で知られるデンマークの作曲家ニールセン。しかし、彼の作品リストを詳細に眺めてみると、 室内楽や合唱作品などあらゆるジャンルに名曲が存在することに気がつくのではないでしょうか?このアルバムに収録されたオルガン 曲は、合唱団とともに演奏するための平易な作品から、彼の最後の作品である「コムモーティオ(心の震えの意味)」まで、本当に 多彩な表情を持っています。 中でも、1931年に完成された長大で神秘的な「コムモーティオ」はニールセンの創作技術の結晶とも言える内容を持ち、1913年 頃から彼がずっと温めてきた「オルガン作品への構想と、内なる衝動」が昇華されたというニールセンにとっても自信作となった1曲で す。コペンハーゲンのNikolaj Kunsthal教会のオルガンは、一度は1795年に焼失するも、20世紀初頭に再建されたデンマーク を代表する楽器であり、ロマン派の作品を演奏するにふさわしい音色を備えています。

コウベレックス
KRS-5228(1CD)
税込定価
スクリャービン:練習曲 嬰ハ短調 Op.2-1
 練習曲 嬰ハ短調 Op.42-5
 練習曲 嬰ハ長調 Op.65-2
 練習曲 嬰ニ短調 Op.8-12
 幻想曲 ロ短調 Op.28
プロコフィエフ:悪魔的暗示 Op.4-4
ラフマニノフ:楽興の時Op.16
久納卓(P)

録音:2016年10月21日、2017年1月27日淡路市立サンシャインホール
ロシアのクラシック音楽史において20世紀への橋渡しをした3 の作曲 、スクリャービン、プロコフィエフ、ラフマニノフの ピアノ独奏作品を集めたアルバム。 超絶技巧といわれる「楽興の時」は、全曲を通して、ラフマニノフの詩的、絵画的な世界を含む作品、これまで久納がコン サートでレパートリーとしてきた情熱豊かな音楽への思いが存分に発揮されている。スクリャービンのop.8-12「悲愴」をはじ め魅力的な4 つの練習曲及び幻想曲を収録し、プロコフィエフの風刺的な小品「悪魔的暗示」に遊び心を込めた、聴き応 えのある1 枚。
■久納 卓 Kuno Taku
2008 年日本音楽芸術振興会主催第1 回日本グランドソリストコンクールピアノ部門において第1位を受賞し、脚光を浴びる。 ドイツ国立ロストック音楽演劇大学で学び、演奏 ディプロムを取得。ヨーロッパや全国各地で演奏活動を展開。 現在、 大阪駅前第2ビル「ジー・クレフ音楽教室」コンサートディレクターとして演奏指導及びコンサート企画・製作に携わる。 また、淡路島の地方創世プロジェクトにも参加。淡路島内のイベント等でも活躍し、農業や、廃校を理活用した地域活性の 取り組みにも力を注いでいる。

クアッドリーガ
VMMM-1601(1CD)
税込定価
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 『月光』
ピアノ・ソナタ第15番『田園』
ピアノ・ソナタ第17番2『テンペスト』
ヴァハン・マルディロシアン(P)

録音:2009年8 月22、23日、サンボネ劇場,ブールジュ(Maestria Records)
2009 年 仏 Maestria Records より発売されておりましたヴァハン・マルディロシアンのベートーヴ ェン・アルバム「Neuvieme Vague」より日本国内盤として「月光」「田園」「テンペスト」を発売! ※ベートーヴェンは同時代のハイドン、モーツァルト、クレメンティ、デュセック、ヴォルフルなどと相 互に刺激、影響を受けながら生涯に32 曲のピアノ・ソナタを遺しました。その作曲の道程は一言で 言えば改革と革新の連続で、一曲ごとに新たなピアノ・ソナタを創造していったといっても決して過 言では無いでしょう。このCD に収録されている1801 年から1802 年のこの時期は、『悲愴ソナタ』 以降に新たなる道を求めて意欲的に創作活動を続けていた時期で、悪化する難聴により聴覚を失 うという絶望の中で有名なハイリゲンシュタットの遺書を書いた時期とも重なっています。 このようなベートーヴェンの多彩な世界が広がるピアノ・ソナタを演奏するのは決して容易なことで ありませんが、それに挑んだのがアルメニア出身でフランス在住のヴァハン・マルディロシアンです 。ピアニストしてはヘンデル、バッハから現代曲に至るまで膨大なレパートリーを有し、同時に作曲 も指揮もこなすという本来あるべき音楽活動を展開しているヴァハン。指揮者、ピアニストとしてヨー ロッパ各地を転々とする多忙な日々の中で、新たな解釈のヒントを求め譜読み没頭する彼は、常に 最新の原点版と過去の様々な解釈版との比較に余念がありません。日頃の彼との対話の中でも中 心を占めるのは過去の名演奏や解釈版のこと。筆者私蔵の膨大な量の初版譜や種々の解釈版の 閲覧を求められ、その都度尽きることのない創造的な話が膨らみますが、そんなヴァハンのモット ーは本来あるべき音楽の姿を楽譜を通じて再現すること。最もシンプルで同時に最も困難な営み。 これこそが音楽のエネルギーを我々が生きている現代という時空間に解き放つことでしょう。 (Itaru Haba)

SILKROAD MUSIC
SRM-039SACD
(1SACD)
ジャン・ギュー〜「展覧会の絵」「ペトルーシュカ」
ムソルグスキー(ジャン・ギュー編):「展覧会の絵」
ストラヴィンスキー(ジャン・ギュー編):「ペトルーシュカ」組曲
ジャン・ギュー(Org;クロイカー=シュタインマイヤー・オルガン)

録音:1988年1月/チューリッヒ・トーンハレ
オーディオマニアの間で誉れ高き優秀録音として語り草となっているジャン・ギューの「展覧会の絵」と「ペトルーシュカ」の 録音がSACDハイブリッド盤で登場します。米Dorian Recordingsの代表盤のひとつであったこの録音は、32フィート菅から出される16Hzの重低音 をノンカットで収録していることでも注目されておりました。 なんといってもギューによる見事なレジストレーションと個性的なアーティキュレーションで、まるでオーケストラのような豊かなサウンドを聴くことがで き、さらに効果的なペダルを使用することによってホールの空気感、立体感、臨場感を味わえます。ギューの圧倒的なテクニックによってこのオルガンの響 きをご堪能いただけます。 (Ki)

SILKROAD MUSIC
SRM-039LP(1LP)
ジャン・ギュー〜「展覧会の絵」「ペトルーシュカ」
■Side A
ムソルグスキー(ジャン・ギュー編):「展覧会の絵」【第1プロムナード/T.小人/第2プロムナード/U.古城/第3プロムナード/V.テュイルリーの庭/W.牛車/第4プロムナード/X.卵の殻をつけた雛の踊り/Y. サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ/第5プロムナード/Z.リモージュの市場/[.カタコンベ-ローマ時代の墓】
■Side B
ムソルグスキー(ジャン・ギュー編):「展覧会の絵」【\.鶏の足の上に建つ小屋/].キエフの大門】
ストラヴィンスキー(ジャン・ギュー編曲):「ペトルーシュカ」組曲【T.ロシアの踊り/U.ペトルーシュカの部屋/V. 謝肉祭】
ジャン・ギュー(Org;クロイカー=シュタインマイヤー・オルガン)

録音:1988年1月/チューリッヒ・トーンハレ
53’28’、ドイツ・プレス、180g重量盤
オーディオマニアの間で誉れ高き優秀録音として有名なジャン・ギューの「展覧会の絵」と「ペトルーシュカ」の録音のLP盤。米Dorian Recordings の代表盤のひとつであったこの録音は、32フィート菅から出される16Hzの重低音をノンカットで収録していることでも注目されておりました。 なんといってもギューによる見事なレジストレーションと個性的なアーティキュレーションで、まるでオーケストラのような豊かなサウンドに驚かされます。 そして、効果的なペダルを使用することによってホールの空気感、立体感、臨場感を味わえます。ギューの圧倒的なテクニックによってこのオルガンの響き を堪能することができます。重低音も見事に再現されているのも嬉しいところです。 (Ki)

DiscAuvers
DAS-016(1CD)
シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
子供の情景 Op.15
ルカ・オクロス(P)

録音:2015年11月
ルカ・オクロスは1991年トビリシ生まれ。モスクワ音楽院にてセルゲイ・ドレンスキーに師事しました。18歳でカーネギー・ホール・デビューを果 たした他、ウィグモア・ホールなど世界の名だたるホールでコンサートを開き活躍しています。2016年には第4回香港国際ピアノコンクールで第1位を 獲得。注目の若きピアニストです。 なかなか解決されない不安定な属九の和音で始まるロマンティックな『幻想曲』と、有名な「トロイメライ」を含む人気曲『子供の情景』を収録。奥 の深い世界観と親しみやすいメロディが同居するシューマンの音楽をお楽しみください。 (Ki)


Global Culture Agency
GCAC-1002(2XRCD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001〜1006(全曲)
[CD1]
ソナタ第1番ト短調 BWV1001
パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
ソナタ第2番イ短調 BWV1003
[CD2]
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
ヨゼフ・シゲティ(Vn)

録音:1955、56年(モノラル)
xrcd24RD
HR カッティング
CD1:72’21’’
CD2:74’51’’
シゲティのバッハ無伴奏と言えば泣く子も黙る超名盤。強烈なまでに愚直な歌いっぷり、芯のある骨太の音色、決して緩むことのない緊張度、妥協なき 世界。その演奏はまさに至高、バッハ演奏の神髄。しかしその一方で、音質面ではファンを悩ませ続け、なかなか決定盤たる音質のディスクに出会えない 録音でもあったと言えるかも知れません。今回ご紹介するディスクはVanguard Classic提供の公式音源に名エンジニア杉本一家氏がリマスターを施し、 通常CDプレーヤーで再生できる高音質フォーマットであるXRCDとして作られたもの。CDに限定すれば間違いなく当録音の決定盤です。眼前にくっき りと現れる、鬼気迫るようなシゲティのヴァイオリン。聴く者の魂を打ち震わせる全音楽愛好家必需の逸品です。
幼少時に大ヴァイオリニストのヨアヒムや大ピアニスト・作曲家のブゾーニと出会い、その音楽的才能を大きく開花させたヨゼフ・シゲティ(1892-1973)。バッハの無伴奏と言えば『シャコンヌ』等ほんの一部が技巧的ショウピースとして取り上げられるのみだった時代において、他ならぬ彼こそが全曲 を演奏し聴かせる先駆者だったことも忘れてはなりません。それでいて現在なお至上の名演として君臨する彼のバッハ録音は、カザルスの『無伴奏チェロ 組曲』録音と双璧を成す、世にまたと無い「偉業」と言えるでしょう。 (Ki)

2L
2L-131SABD
(Bluray Disc Audio
+ SACD Hybrid)

『物語』
1.Varmlandsvisan(ヴェルムランドの歌)(Swedish trad.) 
2.The Elder(Hoff)
3.Playground(Hoff) 
4.God Only Knows(Brian Wilson) 
5.Absence(Hoff) 
6.Figment I(Hoff)
7.Good Things(Hoff) 
8.Answer Me(Gerhard Winkler) 
9.Figment II(Hoff) 
10.Within(Hoff)
11.Stranger(Hoff) 
12.Blossom(Hoff) 
13.Figment III(Hoff) 
14.Journey Home(Hoff)
15.Reminiscence(Hoff)
ヤン・グンナル・ホフ(P)

録音:2016年8月 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
「ピアニスト、作曲家の私にとって音楽とは、深みの探求であり、いろいろな感情とピアノをつなぐ架け橋を探り求めることでもある。旅は私をどこへ連 れていくのか、旅はどう終わるのか。最初は、はっきりとはわからない。忘れてならないことは、作曲と即興から構成される全体像をどう自然な姿に作る かといことだ。《神のみぞ知る》のような古典的な歌は、ひとつひとつが物語であり、それぞれのスタイルで語られなければならない。そうした歌をアルバ ムに作りあげることは、心躍り、実りあることだった」(ヤン・グンナル・ホフ)。ノルウェーのジャズ・ミュージシャン、ヤン・グンナル・ホフの 2L レー ベルのソロアルバム第3作『物語』。ホフのオリジナル曲、スウェーデン民謡の《ヴェルムランドの歌》、ブライアン・ウィルソンが作曲、ビーチ・ボーイ ズのアルバム『ペット・サウンズ』に収録された《神のみぞ知る》、ゲルハルト・ヴィンクラーの《Answer Me》。2016年8月、オスロのソフィエンベ ルグ教会でのセッション録音です。
5.1 DTS-HD MA, 9.1 Auro-3D, Dolby Atoms と 2.0 LPCM の音声を収録した Pure Audio Blu-ray ディスクと、SACD ハイブリッドディスクをセッ トにしたアルバムです。Pure Audio Blu-ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクは通常のCDプレー ヤーでも再生できますが、Pure Au-dio Blu-ray ディスクは Blu-ray プレーヤーもしくは Blu-ray 対応のPCをお使いください。

6×8
6x8-1013(1CD)
フェルナンド・エスピ(1975-):ギター作品集
エリック・サティへのオマージュ Op.2(ギターの為の;1999 & 2001)
 サティアーナ第1番 / サティアーナ第2番
3つのヒホン民謡 Op.6(ギターの為の;2005)
 Romanc de Cecilieta / La Lluneta es ma Padrina / Doneu-me Tonyetes
カプスベルガーへのオマージュ Op.7(ギターの為の;2005)
スペインのラ・フォリアによる前進的変奏曲 Op.8(ギターの為の;2005)
J・S・バッハへのオマージュ Op.9(ギターの為の;2006)
アルナウの為の子守歌 Op.11(ギターの為の;2009)
ミゲル・エルナンデスへのオマージュ Op.15(ギターの為の;2010)
 前奏曲 / 間奏曲 / 後奏曲
スペイン変奏曲、民謡の主題による Op.18(ギターの為の;2013)
 主題とトロバの様式で / アルベニスの様式で / ファリャの様式で
 タレガの様式で / ロドリーゴの様式で / トゥリーナの様式で / エスピの様式で
フェルナンド・エスピ(G)


オクタヴィア
OVCT-00129(1SACD)
税込定価
2017年1月25日発売
北村陽子
ドビュッシー:前奏曲集(全2巻)
北村陽子(P)

録音:2016年9月5-7日 東京・稲城iプラザ
“円熟を誇示せず、ドビュッシーの真価だけを伝え尽くした驚異の名演!”
イヴ・ナット、ピエール・サンカン等に師事した、北村陽子の本格的な初レコーディング!
まず驚くのは、音楽の掴みの大きいこと!ドビュッシーはガラス細工のように精巧で繊細に奏でるべきという固定観念を一蹴し、温かみのあるタッチで緊張に裏打ちされたフレージングを絶やしません。これぞまさに、音楽理論と技巧が体内で完全融合し、作品の真髄を知り尽くし、あとは感性一つで音楽を紡ぐだけという一握りの演奏家だけに可能な究極技!とにかく、チマチマした要素がどこにもないのです。第2曲“帆”も弱音に囚われず、全声部をたっぷり響かせながら、ドビュッシーの筆致の多彩さを実証。“野を渡る風”はペダリングの巧妙さと言い、瞬発的なタッチの切り替えといい枯淡とは無縁で、そこから泉の如く湧き出る生命感に唖然…。精緻な造型が精緻なまま表出されるのではなく、大きな音像を築く土台として作用し、終始淀みも力みも見せず、誇張もせず、気づくと壮麗なフォルムに結実している“沈める寺”は、この1曲だけでも奇跡的なこと。“花火”は、テクニックの盤石さだけでなく、音の粒の全てが意味を持って迫り、グリッサンドをスパークの頂点としない思慮深さ!…というように、全24曲漏れなく聴きどころ満載なので、とてもその全てを書き切れません。
深みを湛えた素晴らしい演奏に出会うと、単に技巧をクリアしただけでレコーディングに走る若手奏者に、まずこういう演奏を聞いてからししてほしいと思うのが常ですが、この演奏は安易に真似してもらっては困ります。ここに充満しているのは、人生経験と音楽研鑽を積み上げて初めて実現可能となるニュアンスばかりなのですから。むしろ彼女の演奏からは、若手に対して「今を精一杯生きよ!」という熱いメッセージが聞こえてきます。
人口臭を感じさせない優秀録音も特筆もの。なお、最終トラックの最後は、演奏後の余韻を無音で加工せず、奏者が立ち去る瞬間までを捉えているのが粋な計らい!是非このクオリティで全集完成を実現してほしいものです!できればラヴェルも!!【湧々堂】

1957年にパリ国立音楽院ピアノ科を卒業し、1960年にはジュネーブ国際コンクール最高位に入選、帰国後、桐朋学園で現在活躍する名ピアニストを多数育て上げた北村陽子女史初のスタジオ収録によるアルバム。 コンサートの一期一会を最高の「音楽の場」として活動していたため、教育以外、自身の名を冠した商業レコーディングは今まで一切行わなかった。しかし今回、その集大成としての音楽を残すというプロジェクトの一環で、満を持してのアルバム制作が行われた。 レコーディングセッションの場でも、ある意味コンサート同様に、全曲を通して収録、試聴後必要最小限のリテイクだけを慣行、全体の構成、音楽の呼吸間や色彩の変移を損なわない北村女史がこれまでに培った孤高のピアニズムをここに披露している。 (オクタヴィア)

grazioso
GNY-702(1CD)
吉野直子/ハープ・リサイタル2〜ソナタ、組曲と変奏曲
ブリテン:ハープのための組曲 Op.83
タイユフェール(1892-1983):ハープのためのソナタ
ヒンデミット:ハープのためのソナタ
クシェネク(1900-1991):ハープのためのソナタ Op.150
サルツェ−ド(1885-1961):古代様式の主題による変奏曲 Op.30[完全版]
吉野直子(Hp)

録音:2016年4月12-15日&10月11日/軽井沢
日本語帯・日本語&英語解説付
『自主レーベルgraziosoからの2枚目のCDは、20世紀の重要な作曲家たちがハープのために 書いた4つの作品に加え、ハープの新しい音世界を創り出したサルツェードの代表作を収めたソロ・ アル バ ムで す。い ず れも 、私 に とって 欠 か す こと の で き な い 大 切 な レパートリ ーで す。( 吉 野 直 子 )』
世界的ハーピスト、吉野自主レーベルのグラツィオーソ(grazioso)からのソロ録音シリーズ。好評を博した第1弾「ハープ・リサイタル 〜その多彩な 響きと音楽」(GNY 701)に続く期待の第2弾は、20世紀の重要な作曲家たちによって書かれた「ソナタ」と「組曲」に加え、名ハーピスト、作曲家であっ たサルツェードの代表作である「変奏曲」を収録しております。いずれもハープ・ソロの可能性・芸術性を深く掘り下げた作品であり、充実した聴きごたえ をもっております。 ブリテンとヒンデミットは、ハープ音楽の最重要レパートリーとも言える名曲であり、吉野直子は数多くの演奏体験を重ねたうえで、今回満を持して初録 音に臨みました。クシェネク、タイユフェール、サルツェードは、ソニー時代に高い評価を得た録音がありますが、今回はさらに研ぎ澄まされ深みのある演 奏を聴かせてくれます。なお、サルツェードは、省略版ではなく完全版での初録音です。
★本ディスクは原盤音質を極限まで再現する新技術であるUHQCD(Ultimate Hi Quality CD)が用いられております。

コウベレックス
KRS-5220(1CD)
税込定価
チャルダーシュ(中村徹の世界)
中村徹:連弾のためのピアノ・ソナタ ト短調
「あやめ(連弾)」
連弾のための8つのチャルダーシュ
「音の手紙」お母さんのために(「24のプレリュード」より第20 番)※ピアノ独奏
中村徹、中村健(ピアノ連弾)

録音:2016 年9 月、レ・ヌーヴォレ中津(大阪市)
中村徹は生まれて間もない 1 歳の頃より、ことさら音に強い関心を抱き、幼児期には 「音の高さに異常にこだわり、曲を聴いたらそれを高さごと記憶していた。」(CD ジャケッ トの紹介文より)。自閉症という特徴を持ち、その後音楽大学と専攻科で学び、現在は創 作に打ち込みながら作曲や編曲作品発表の場を広げている。今回は自作の連弾曲を 父親である中村健(神戸女学院大学名誉教授)との共演で収録。 「3 の倍数と、3のつく数字の箇所でアクションをする」あるお笑い芸人さんのギャグから ヒントを得たリズムに着目し躍動的なスケルツォが第 3 楽章におかれる”連弾のためのソ ナタ ト短調”は、徹氏の茶目っ気も見え隠れしてコンサートでも人気作品である。 アルバムの中心になっている「8つのチャルダーシュ」は、チャルダーシュ特有のテン ポ感や強弱の変化、転調などに強く惹かれた徹氏が、新しいテーマを次々と組み立て 8 曲にまとめたもの。いずれも 3 部形式で、8 曲とも”粘っこい”ラッサンと”忙しい”フリシュ カを提示される主題の中に巧妙に織り込んでいて”愉快と真面目”を交互に体感できる。 親子共演ならではの息の合った演奏であり、随所に温かい表情を持ちながら、徹氏の 若い情感と音に対する探究心に満ちたファーストアルバム。


Cybele
CYBELE-161405S (4SACD)
ロシア・アヴァンギャルドのピアノ音楽
■Disc1
オブーホフ:2つの喚起(1916)
 2つの小品【星は語る、不吉な反映】(1915)
 改心(全4曲(1915))
 3つのイコン(1915)
 黄金の創造T&U(1916)
ヴィシネグラツキー:2つの前奏曲Op.2(1916)
プロトポポフ:ピアノ・ソナタ第2番Op.5(1924)
ヴィシネグラツキー:音の魔方陣による練習曲Op.40(1957)
オブーホフ:お互い好きなように(1942)
 調停された平和(1948)
 神殿は測られる、聖霊は降臨する
 愛するキリスト(1945)
■Disc2
ルリエ:5つの脆い前奏曲Op.1(1908-10)
 2つの詩曲Op.8(1912)
 4つの詩曲Op.10(1912)
 5つの合成Op.16(1914)
 大気のかたち(1915)
 日課(全5曲)(1915)
プロトポポフ:ピアノ・ソナタ第3番Op.6(1924-8)
■Disc3
モソロフ:ピアノ・ソナタ第2番ロ短調Op.4(1923/4)
 ピアノ・ソナタ第1番ハ短調Op.3(1924)
 2つの夜想曲Op.15(1926)
 ピアノ・ソナタ第4番Op.11(1925)
 ピアノ・ソナタ第5番ニ短調Op.11(1925)
■Disc4
スクリャービン:2つの小品Op.57(1909)
ストラヴィンスキー:ピアノ・ラグ・ミューッジック(1919)
ロスラヴェッツ:アルカディ・アバザー追悼の前奏曲(1915)
 2つの小品(1915)/5つの前奏曲(1919-1922)
プロトポポフ:ピアノ・ソナタ第1番Op.1(1920-2)
スクリャービン:2つの舞曲Op.73(1914)
 5つの前奏曲Op.74(1914)
 ピアノ・ソナタ第7番Op.64「白ミサ」(1911)
オブーホフ:愛するキリスト(異版)(1945)
トーマス・ギュンター(P)

録音:2008年11月1-4日(CD1)、2010年2月22-26日(CD2)、2012年3月1-5日(CD3)、2014年2月27日-3月3日(CD4)/ドイツ放送室内楽ザール(ケルン)
帝政末期、革命直前のロシアは「銀の時代」と呼ばれ、象徴主義的芸術が盛り上がりを見せました。音楽ではスクリャービン を創始とする未来派が驚くべき先進性を示しましたが、社会主義リアリズムの台頭とともに駆逐、発展を阻止され、作曲家は改心か亡命を強いられ、人によっ ては粛清されました。
ロシア音楽ながら、ソ連時代はタブー視されていたため研究も進んでおらず、音で聴くことも難しかった作品の数々。それを4枚のアルバムで体系的に 俯瞰できる好企画の登場。 ニコライ・オブーホフ(1892-1954)は、プロコフィエフと同世代の作曲家。彼はシェーベルクよりも早い1914年に十二音技法を開拓し、1916年の「2 つの喚起」で実践。その貴重な作品をここで聴くことができます。革命後はパリに移り、「クロワ・ソノール」という十字架状の電子楽器を開発しますが、 アヴァンギャルドな傾向は徐々に宗教的なものに変わります。ここではその変遷も確認できます。 微分音で知られるイワン・ヴィシネグラツキー(1893-1979)、ピアノ音楽史上最も不可解な作品とされるセルゲイ・プロトポポフ(1893-1954)の3 つのソナタ、ショパン風の繊細な叙情の世界からシェーンベルク調の音楽へと変貌していくルリエ、騒音をオーケストラで描いた「鉄工場」のアレクサンド ル・モソロフが改心する前の急進性、いずれも驚きの音響の世界が繰り広げられます。 ピアノ独奏はドイツのベテラン、トーマス・ギュンター。バッハやシューベルトを得意とするだけでなく、ロシア未来派や独墺ユダヤ系作曲家など閑却さ れた作品普及に熱意を見せています。 SACD録音がロシア・アヴァンギャルド独特なピアノの響きをとらえています。

Cybele
CYBELE-031517S
(1SACD)
バッハ:チェンバロ作品集
トッカータ ニ長調BWV912
組曲 ホ短調BWV996
前奏曲とフーガ BWV894
パルティータ第4番ニ長調BWV828
フリッツ・ジーベルト(チェンバロ:ブルクハルト・ツァンダー1999年製/17世紀中期ルュッカースのレプリカ)
フリッツ・ジーベルトは、1979年ハノーファー出身のチェンバロ奏者。ピアノ、クラリネット、トラヴェルソを地元の音楽学校で習得した後、マリーナ・ ザゴルスキ、ウルフェルト・シュミットらにオルガンを師事、1997年アウンドル国際オルガン音楽祭で優勝。その後チェンバロに興味を持ち、2000年に はベルリンで行われたドイツ連邦選抜若い音楽家のためのコンクール、チェンバロ部門で優勝を果たした実力者。ジーベルトの使っている楽器は17世紀 フランドルの代表的な製作家であったルュッカースの楽器をベースにブルクハルト・ツァンダーが製作したもの。フリッツ・ジーベルトの独特で的確な解釈 に、楽器の自然でドラマティックな響き、さらに高音質録音という魅力的なアルバムに仕上がっています。 (Ki)
Cybele
CYBELE-131302S
(2SACD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1集(BWV846-869)
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集〜小プレリュード
(BWV846a,847,851,850,855a)
トーマス・ギュンター(ピアノ:スタインウェイD)
平均律クラヴィーア曲集は、「ピアノ音楽の旧約聖書」と呼ばれるほど、ピアニストにとって大切な作品です。24の調性を網羅する全曲を通しての演奏は、 一流のピアニストにとっても、類まれな構築力と表現力が必要となります。 当ディスクで演奏するのはトーマス・ギュンター。彼はエッセン・フォルクヴァング音楽大学とベルリン芸術大学で学び、ロンドンで、アルトゥール・シュナー ベルの弟子マリア・クルシオに、ニューヨークでコンラート・ヴォルフに師事。1980年、ドイツの奨学金を得て、1981年フォルクヴァングコンクールで 優勝、1983年にベルリン音楽祭で演奏をする。翌年には、ベートーヴェンの協奏曲第5番「皇帝」をベルリン・フィルと共演し、国内外の音楽祭に出演。 1980年終わりからバッハの鍵盤楽器作品や解釈で高い評価を得ており、平均律曲集、ゴルトベルク変奏曲のコンサートを定期的に行っています。現在は エッセン・フォルクヴァング音楽大学教授として後進の指導にもあたっています。 当盤では、その確かな洞察力で熟達した技量が存分に生かされ、演奏を披露しています。 (Ki)
Cybele
CYBELE-131518S
(1SACD)
バッハ:音楽の捧げものBWV1079
イタリア協奏曲BWV971
4つのデュエットBWV802-805
フランス風序曲BWV831
トーマス・ギュンター(ピアノ:スタインウェイD)
ドイツのエッセンを拠点とするピアニスト、トーマス・ギュンターによるバッハ鍵盤作品集。フリードリヒ大王が与えたテーマをリチェルカーレ、カノンと さまざまに展開させてゆく「音楽の捧げ物」。バッハのライプチッヒ時代に書かれたヴィヴァルディなどの協奏曲様式を模倣して作られた「イタリア協奏曲」。 「ドイツ・オルガン・ミサ」として知られるクラヴィーア練習曲集第3部に含まれる「4つのデュエット」。優美でエレガントな「フランス風序曲」を収録 しています。当時のヨーロッパで流行していた様式に則った音楽を作った一方で、王から与えられたひとつの主題の即興演奏をもとに発展させたりと、様々 な形式を内包したバッハの鍵盤楽曲の魅力あふれる1枚です。 (Ki)

Mats Bergstrom Musik
MBCDBD-02
(1CD+Bluray)
Dadodado〜ギター作品集
ビョーン・ハルマン、アンデシュ・ヒルボリ、アンデシュ・ニルソン、ユーハン・ベルケ、ウッレ・オドルフソン、アナ・エリクソン、他の作品
マッツ・ベリストレム(G)、
ビョーン・ハルマン・ストリング・アンサンブル

録音:2011年−2013年
ライヒのエレクトリック・カウンターポイント(MBCDBD 01)が好評を博したスウェーデンの名ギタリスト、マッツ・ベリストレムの自主レーベル第2弾。Blu-ray Discでは各作曲家のポートレイトを背景に演奏を聴くことができます。

CAM JAZZ
CAMJ-7907(1CD)
アメリカス
グアスタビーノ:「3つのアルゼンチンのロマンス」〜フヘーニの子供たち
コープランド:キューバ舞曲
ピアソラ:「ブエノスアイレスのマリア」〜フーガと神秘
ウィリアム・ボルコム:「エデンの園」〜昔のアダム
グアスタビーノ:「3つのアルゼンチンのロマンス」〜サンタフェの娘たち
ピアソラ:天使のミロンガ
ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム変奏曲
ピアソラ:天使の死
エンリコ・ピエラヌンツィ、ブルーノ・カニーノ(2台ピアノ)

録音:2015年12月8-10日 バウアー・スタジオ(ドイツ)
現代イタリアにおいて最高のリスペクトを受けるジャズピアノの巨匠エンリコ・ピエラヌンツィ(1949-)が、同郷のクラシックの奇才ブルーノ・カニーノ (1935-)とクラシックの2台ピアノに挑戦しました。 繊細なタッチ、叙情性豊かな歌い回しと美しいタッチで世界のジャズ・ファンを魅了するピエラヌンツィ。彼は、かつてスカルラッティのソナタ・アルバ ムをリリースしましたが、ジャズならではのインプロヴィゼーションに満ちた素晴らしいものでした。今回は2台ピアノということもあり、楽譜に忠実な演 奏を披露。これも神業を聴かせてくれます。
共演のブルーノ・カニーノは日本でもおなじみのピアニストで、古典から現代まで明快かつ個性的な演奏を聴かせ、根強いファンを持っています。 アルバム・テーマは複数形の「アメリカ」。ピエラヌンツィが子供の頃、「アメリカ」と口にすると父から「それはアメリカ合衆国だ。アメリカといっても 南北ふたつあるのだよ」と教えられ、ジャズからタンゴまですべて「アメリカなのだ」と意識するようになったといいます。ここにはピエラヌンツィの「アメ リカ」観が詰まっています。 アルゼンチンの作曲家グアスタビーノ:「3つのアルゼンチンのロマンス」はアルゲリッチも録音している魅力作ですが、ピエラヌンツィのジャズ的なタッ チも新鮮。ピアソラ作品ともにラテンの香りが心地よく響きます。 コープランドの「キューバ舞曲」は作曲者とバーンスタインが初演し、作曲者とポール・ジェイコブスが録音している作品。2台ピアノの効果を存分に 発揮する技巧的作品となっています。一番の興味はやはりガーシュウィンの「アイ・ガット・リズム変奏曲」。この語りの巧さはクラシック専門のピアニス トには出来ないもので、興奮のひとときを味わえます。 (※エンリコ・ピエラヌンツィは映画『ニューシネマ・パラダイス』のピアノも演奏したアーティストでイタリアにとって国民的アーティストでもあります) (Ki)

Nilento
NILCD-154(1CD)
クリスティーナ・スヴァンベリ・プレイズ・ブラームス、ショパン、ラフマニノフ
ブラームス:シューマンの主題による変奏曲 Op.9
ラフマニノフ:前奏曲ロ短調 Op.32-10、
 前奏曲ト長調 Op.32-5、
 前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2、
 前奏曲変ト長調 Op.23-10
ブラームス:間奏曲イ長調 Op.118-2
ショパン:幻想曲 Op.49
クリスティーナ・スヴァンベリ(P)

録音:2015年6月、ニレント・スタジオ(スウェーデン)
スウェーデンのピアニスト、音楽教師として活躍するクリスティーナ・スヴァンベリ。スウェーデン放送においても多くのコンサートをこなしてきたベテラン女流ピアニストが弾く、ブラームス、ラフマニノフ、ショパンの幻想的な作品集。

ELOQUENTIA
EL-1652(1CD)
ウィーン・ラプソディ
ブラームス:ハンガリー舞曲集第2, 4, 8, 11番
シューベルト:ハンガリー風ディヴェルティメント Op.54 D.818
ブラームス:16のワルツ Op.39
エルヴェ・ビヨー、
ギヨーム・コッポラ(P)
エルヴェ・ビヨーは1964年フランスのヴィルフランシュ=シュル=ソーヌに生まれ、リヨン国立地方音楽院に10歳で入学、パリ音楽院でジェルメーヌ・ムニエ、ジャン・ユボー他に師事。1983年ロン=ティボー国際コンクール第3位。2016年現在リヨン国立地方音楽院およびパリ音楽院教授。ギヨーム・コッポラはフランスのブザンソンに生まれ、パリ音楽院でブルーノ・リグットに師事。2009年CDデビュー。


Treasures
TRE-138(1CDR)
アシュケナージ/ソ連時代のショパン
バラード第2番Op.38*
夜想曲第3番Op.9-3*
練習曲集Op.10/練習曲集Op.25
ヴラディーミル・アシュケナージ(P)

録音:1959年*、1959-1960年(全てモノラル)
※音源:MELODIYA OS-2101、 OS-2132*
◎収録時間:76:14
“若さだけではない!ソ連時代のアシュケナージの入念な表現力!”
■音源について
アシュケナージが、エリザベート・コンクール優勝、欧米での演奏旅行を果たした後、ソ連本国で行なった重要な録音。アシュケナージの「練習曲集」は、70年代デッカの録音が名盤としてあまりにも有名ですが、詩的なニュアンスが比類なき魅力を誇る一方で、当時のデッカのピアノ録音の特徴であるペラペラなサウンドが悔やまれます。その点この録音には、盤石のヴィルトゥオジティを湛えた当時のアシュケナージの等身大の音楽性がしっかり刻まれており、モノラル録音のハンデも感じさせません。普段アシュケナージに関心のない方でも、ピアノ音楽に少しでも興味をお持ちなら必聴の名盤だと思います。

★アシュケナージのピアニズムの本質は、何と言っても、技巧の誇示や威圧とは無縁の人間味溢れる語り口でしょう。一方で、氏自身も語っているように、チャイコフスキーの協奏曲のような大向こうを唸らせる作品は、決してアシュケナージにピッタリの作品とは言えないようです。実際、若き日にイワーノフと共演したチャイコフスキーの録音でも、一見若さを爆発させた熱演に聞こえますが、聴衆がこの曲に期待するスリリングな迫力へ無理に照準を合わせているような感が終始付きまとっていました。その点、この「練習曲集」は、嘘偽りのない等身大の音楽性を余すことなく注入し尽くした真の名演です!Op.10-1の推進力と打鍵に込められた揺るぎない意志は、アシュケナージをデッカ録音でしか聴いたことがない方は驚かれるはず。しかしそのキレの有るタッチは、決して技巧優先型でなはなく、ロシア・ピアニズムの誇示とも一線を画し、アシュケナージの生来の人間性を直接反映した独自の情感に満ちており、それこそがまさに、全曲を貫く最大の魅力と言えましょう。13:37以降の上声部のタッチの明晰さも、音楽の魅力と完全に一体化していることにハッとさせられます。Op.10-2は、タッチの粒立ちを確保しながら、全体を自然に大きなレガートで弧を描く素晴らしさ!自分の引き出しの全てを活用することによる説得力を思い知るのが、Op.1-4。コーダの1:42からの下降音型は、曲の確信を抉ろうとする意思の強さと、曲を決して上から目線で捉えない優しさが融合しており、心を打つのです。Op.10-11、Op.25-1は、エレガンスという月並みな形容では収まりません。音色のコントロールといい、楽想と常に一体化したルバートの妙といい、聴き手の心の襞に触れるシーンの連続!【湧々堂】


たまゆら
KKC-044(1CD)
クリスマス・ファンタジー
●サルツェード編曲によるクリスマス・キャロル集
ジングル・ベル/牧人ひつじを
「ひいらぎ飾ろう」による演奏会用変奏曲
天なる神には/天は栄え
荒野の果てに
「もみの木」による演奏会用変奏曲
世の人忘るな/飼葉の桶で(1)
「神の御子は今宵しも」による演奏会用変奏曲
「ウェンセスラスはよい王様」による演奏会用変奏曲
ああベツレヘムよ
我らはきたりぬ/飼葉の桶で(2)
御使いうたいて(グリーンスリーヴス)
ロンドンデリーの歌
ブラームスの子守歌/聖しこの夜
●クリスマス・ソング集
サンタが街にやってきた
ママがサンタにキスをした
素晴らしき冬景色
ザ・クリスマス・ソング
アンダーソン:そりすべり(レイ・プール編)
赤鼻のトナカイ
「クリスマスおめでとう」による変奏曲(スーザン・マクドナルド編)
中村愛(Hp)

録音:2015年11月18日、2016年6月13日、7月5日/キング関口台第1スタジオ
「風と愛〜日本のハープ音楽80年」で注目された中村愛の第2弾はクリスマス・アルバム。伝説的な名手カルロス・サルツェードが腕によりをかけて編曲したキャ ロルとクリスマスらしいクラシック名曲をメインに、人気クリスマス・ソングも加え1枚に集めた最強アルバムです。クリスマスの季節に耳にする曲はほぼ網羅。 ハープの典雅で高貴な響きはクリスマスにぴったりながら、なぜか録音に恵まれず、まさに待望の登場。キラキラと輝く世界はBGMとしても最高の雰囲気を演出 してくれます。 カルロス・サルツェード(サルセード)(1885-1961)はフランス生まれ、ボルドーとパリの音楽院で学び、1909年にトスカニーニに招かれメトロポリタン歌劇 場の首席ハープ奏者を務めました。自身がヴィルトゥオーゾだった彼は、近代ハープ奏法と効果を飛躍的に発展させ、それに基づく魅力的なハープ曲や編曲を多数 残しました。ゆえに技巧的で、かつ大きな手の広がりを要求される難曲揃いとなっています。キャロルの編曲は主に1954-5年のクリスマス時期に行われ、「ひいらぎ飾ろう」「もみの木」「神の御子は今宵」は華麗な変奏曲となりました。ハープならでは のグリッサンドやアルペジオはもちろんながら、鐘やオルゴール、オルガンやリュートを思わす多彩な効果に驚かされます。今年のクリスマスはこれで決まり! (Ki)

Sono Luminus
DSL-922052(1CD)
NX-B03
フィリップ・グラス:ピアノ作品集
エチュード第2番
エチュード第11番
《イリュージョニスト(幻影師アイゼンハイム)》組曲
エチュード第16番
エチュード第17番
Wichita Vortex Sutra
Dreaming Awake
エチュード第1番
エチュード第5番
エチュード第6番
エチュード第12番
エチュード第9番
エチュード第10番/メタモルフォシスII
イーサン・ホーク(語り)
ブルース・リヴィングストン(P)

録音:2015年1月12-16日.2016年2月1-6日ヴァージニアボイス、ソノ・ルミナス・スタジオ
フィリップ・グラス(1937-)と長く親交のあるアメリカのピアニスト、ブルース・リヴィングストンによるグラス作品集。2004 年、グラスが長年の親友である画家チャック・クロースのために書いた作品を初演したのがリヴィングストンであり、その翌 年には、リヴィングストンが友人で俳優のイーサン・ホークをフィーチャーしたデュオ・コンサートを開催しました。グラス はピアノ・デュオに加わり、ホークはこのCDに収録されている「WichitaVortexSutra」の朗読を担当したのでした。他に も、グラスとリヴィグストンは「浜辺のアインシュタイン」のフィナーレを演奏したり、2014年にはリヴィングストンがニ ューヨークでグラスの「エチュード」完全版の初演を行うなど、絶賛されました。 この世界初録音を含む2枚組は、名ピアニストによる現代最高の作曲家に捧げる個人的な賛辞でもあり、21世紀における新 しい音楽を模索するための必須アイテムです。
Sono Luminus
DSL-92207(1CD)
NX-B05
America Again‐アメリカよ、再び
モートン・グールド:アメリカン・カプリース
ルー・ハリソン:ニューヨーク・ワルツ
伝承曲:シェナンドー
エイミー・ビーチ:黒鳥の丘から
サミュエル・コールリッジ=テイラー:深い川
ダン・ヴィスコンティ:ロンサム・ロードからの夜想曲
アーネスト・ブロック:海にて
ガーシュウィン:アイ・ラヴ・ユー、ポーギー(ニーナ・シモン編)
アンジェリカ・ネグロン:Sueno Recurrente-夢の還流
バーンスタイン:スティーヴィン・ソンドハイムへのアニヴァーサリー
サンフォード:約束
ハワード・ハンソン:眠りの歌
スコット・ジョプリン:グラジオラス・ラグ
アーヴィン・バーリン:ブルー・スカイ(アート・テイタム編)
フローレンス・プライス:ファンタジー・ネグレ
コープランド:感傷的なメロディ
デューク・エリントン:メランコリア
ロイ・ハリス:Li'lBoy Named David‐少年の名前はデイヴィッド
ハロルド・アーレン:Overthe Rainbow‐虹を越えて
ララ・ダウンズ(P)

録音:2016年3月7-11日ヴァージニアボイス、ソノ・ルミナス・スタジオ
SteinwayandSonsレーベルからアメリカのピアノ作品を中心にアルバムをリリースしている女性ピアニスト、ララ・ダウ ンズ。このDorianレーベルへのデビュー盤も、彼女が最も得意とするアメリカ近現代の小品を集めたもので、およそ100 年の間に渡って書かれた多様な作品からは、黒人たちの苦難の歴史や、多くの人々が抱いた愛と憧れ、自由を求めての戦い、 マーティン・ルーサー・キング牧師の活躍など、たくさんの事が読み取れます。そして、現在の混沌とした世界に住む人々が もういちど夢を見ることを願った彼女は、希望の象徴である「OvertheRainbow」でこのアルバムを締めくくっています。

Cybele
CYBELE-030802S
(1SACD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲(オルガン版) マルティン・シュメーディング(Org;ジルバーマン1755年製作)

録音:2009年3月31日-4月3日/カトリック宮廷教会(ドレスデン)
当録音で使用したオルガンは、ドレスデンのカトリック宮廷教会に据え付けられたジルバーマン製作の名器です。オルガン音楽の黄金期を支え、バッハ の同時代を生き、バッハのオルガン作品に大きな影響を与えたオルガン・ビルダー、ゴットフリート・ジルバーマン(1683-1753)。ジルバーマンは兄ア ンドレアスとともに生涯50基のオルガンを製作。聖ゲオルク教会(レータ)、聖ヤコブ教会(フライベルク)など、現在も現役で演奏され続けている名器 をのこしました。なお、ジルバーマンは1753年8月4日にドレスデンで亡くなっており、当オルガンは兄アンドレアスの息子でオルガン職人のヨハネス・ ダニエルにより完成されました。ジルバーマン・オルガンの特徴である壮麗な響きと美しいたたずまいは、圧倒的な存在感です。
演奏のマルティン・シュメーディングは1975年ミンデン生まれ。教会音楽、音楽教育、合唱、指揮、ハープシコードを学ぶ一方、リコーダー、オルガ ンでディプロマを取得。これまでに、ヘルムート・ヴァルヒャ、ジャン・ボワイエ、ジャック・ヴァン・オールトメルセンなど世界的なオルガニストに師事し、 独自の演奏スタイルを確立しました。当録音では、各変奏にてストップをかえ、また繰り返しのパートでは品のよい装飾を加え、音楽・音響の両面から立 体的な演奏を楽しむことができます。ゴルトベルク変奏曲ファンならずともお聴きいただきたいディスクです。 なお、当盤は2009年にドイツ・レコード批評家賞を、また2010年にエコー賞クラシック部門の最優秀器楽奏者賞を受賞した名盤です。 (Ki)

SONARTI
RT-01(1CD)
デュセック夫妻のハープ作品集
ヤン・ラディスラフ・デュセック(ドゥシーク):ハープ・ソナタ 変ホ長調Op.34の1/同ヘ長調「リッチモンド・ヒルの乙女」/大ソナタ変ロ長調
ソフィア・ジュスティーナ・デュセック:ハープ・ソナタ変ロ長調Op.2の1/同ト長調Op.2の2/同ハ短調Op.2の3/ソナチネ第1番ハ長調C160/同第2番ヘ長調C161/同第3番ト長調C162/同第4番変ロ長調C163/同第5番へ長調C164/同第6番変ホ長調C165
キョンヘ・キム=シュトー ル(Hp)

録音:1997年12月/コケル城(フランス)
キョンヘ・キム=シュトールはソウル出身、8歳から生地で始め、アメリカのカーティス音楽学校でマリリン・コステロに、インディアナ大学でスザーン・ マクドナルドに師事、国際的に活躍する韓国の大ハープ奏者。ヤン・ラディスラフ・デュセック(ドゥシーク)(1760-1812)はボヘミア出身のピアニスト で作曲家。絶世の美男子で女性ファンが多く、ロシアのエカテリーナ二世やフランスのマリー・アントワネットからも寵愛を受けてスターとなりました。母 がハープ奏者だったためか彼はハープを弾く女性が好きで、ソフィアと結婚しました。彼女のためにハープ・ソナタをせっせと作曲するだけでなく、ソフィ ア自身も美しい作品を残しています。ここでは愛から生まれた両者のハープ曲をたっぷり味わえます。 (Ki)

299 MUSIC
NIKU-9005(1CD)
税込定価
エリオトロープ
イベール:戯れ(ソナチネ)
ピエルネ:セレナードOp.7
 カンツォネッタ Op.19
ドビュッシー:夢
フォーレ:コンクール用小品
 小品/シシリエンヌ Op.78
ゴーベール:子守唄
 フルート・ソナタ
ルーセル:アリア
ボザ(1905-1991):アリア
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ピエルネ:フルート・ソナタOp.36
寺田 愛(Fl)、瀬尾 和紀(P)

録音:2016 年3 月8-10 日 栃木市岩舟文化会館 コスモースホール
19 世紀末から20 世紀前半に黄金期を迎えたフランス音楽においてフルートほど重要な役割を担った楽器はなかったかもし れない。ピエルネ、ゴーベール、イベールらが残した作品は、ときに憂いを帯びながらも流麗な美しさに溢れ、聴き手にあたた かな余韻を残す。フランスで学び、彼らの音楽に魅了されたフルーティスト 寺田愛が色彩豊かに描く渾身の1st アルバム。
■寺田 愛(フルート)
茨城県ひたちなか市出身。4 歳よりピアノ、9 歳よりフルートを始める。桐朋学園大学附属 子供のための音楽教室(水戸教室)を 経て、2009 年桐朋学園大学音楽学部演奏学科卒業。日本フルート協会東京部会主催第36 回デビューリサイタルに出演。同年8 月より渡仏し、フランス国立オールネイ・スー・ボワ音楽院(Conservatoire de musique et de danse a rayonnement departemental d’Aulnay-sous-Bois)フルート科においてパトリック・ガロワ氏に師事する。同音楽院最終課程を満場一致でPrix d’Excellenceを 得て修了。併せてピッコロ、室内楽ともに修了。渡仏中、オランダ・フルート・アカデミーにてエミリー・バイノン氏に師事。2013 年8 月帰国。翌年、帰国記念リサイタルを開催し好評を博す。日本、フランスをはじめ国内外で多数演奏会に出演。 これまでにフルートを市毛里香、野口龍、瀬尾和紀、パトリック・ガロワの各氏に、ピッコロをピエール・キャロン氏に、室内楽を白 尾彰、一戸敦、神田寛明、有田正広、藤井一興、篠崎史子、アン・ビアンコの各氏に師事。現在、ソロ、室内楽、オーケストラ客演 等幅広く活躍している。

LOTOS
LT-0162-2(1CD)
コンスタンチン・リフシッツ〜クトナー・ホラ国際音楽祭 2015
バッハ:フランス組曲第1番ニ短調BWV812+
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109#
シューマン:ピアノ五重奏曲変ホ長調 Op.44*
コンスタンチン・リフシッツ(P)
ベネヴィッツSQ*
[ヤクプ・フィシェル(Vn1)
シュチェパーン・イェジェク(Vn2)
イジー・ピンカス(Va)
シュチェパーン・ドレジャル(Vc) ]

録音:2015年6月10日*、11日+、12日#、ライヴ、クトナー・ホラ国際音楽祭、聖バルボラ教会、クトナー・ホラ、チェコ
チェコで最も活気溢れる室内楽イヴェントとなったクトナー・ホラ国際音楽祭。チェコのチェロ奏者イジー・バールタを芸術監督に迎えて第1回が開催されたのは2008年。以来毎年1つのCDまたはDVDが記念盤として発売されてきましたが、2015年版はこの音楽祭の常連出演者であるコンスタンチン・リフシッツが登場した3つのプログラムから選ばれた3曲を収録。いずれも彼にとっては初の音盤録音となるもので、得意のバッハ、ベートーヴェンはもちろん、チェコの代表するクアルテットに成長しつつあるベネヴィッツSQとの共演によるシューマンにも注目したいところです。収録時間は71分半ほどです。

AGLAE MUSICA
AMC-108
(1CD)
練習曲集
カール・チェルニー:練習曲イ短調 Op.740-17
 練習曲ト短調 Op.740-50
リスト:パガニーニ練習曲嬰ト短調「ラ・カンパネッラ」S.141-3
 パガニーニ練習曲変ニ長調「ため息」S.144-3
 演奏会用練習曲「こびとの踊り」S.145-2
メンデルスゾーン:練習曲ロ短調 Op.104b-1
 練習曲イ短調 Op.104b-3
ショパン:練習曲嬰ハ短調 Op.10-4
 練習曲変イ長調 Op.25-1
 練習曲ヘ短調 Op.25-2
 練習曲ハ短調 Op.25-12
シベリウス:練習曲 Op.76-2
ドビュッシー:半音階の為の練習曲(練習曲集第2巻 から-1)
 反復音の為の練習曲(練習曲集第2巻 から-3)
スクリャービン:練習曲ロ長調 Op.8-4
 練習曲嬰ニ短調 Op.8-12【録音セッションの動画】(リンクOK)
プロコフィエフ:練習曲ニ短調 Op.2-1
 練習曲ハ短調 Op.2-4
ラウタヴァーラ(1928-):練習曲「四度」Op.42-4
 練習曲「五度」Op.42-6
アルバ・ベントゥラ(P)

録音:2015年10月、アウディトリ、ジロナ、カタルーニャ、スペイン
アルバ・ベントゥラはドミトリー・バシキーロフ(マドリードのソフィア王妃高等音楽学校)、イリーナ・ザリツカヤ(ロンドンのパーセル・スクールおよび王立音楽学校)他に師事したスペインのピアニスト。13歳にしてネヴィル・マリナー指揮カダケス管弦楽との共演でマドリードの国立音楽堂でコンサート・デビュー。世界的に演奏活動を展開すると共にバルセロナのリセウ音楽院教授も務めています。

AGLAE MUSICA
AMC-105(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ミケル・ビリャルバ(P)

録音:2014年7月28-30日、アウディトリ、ジロナ、カタルーニャ、スペイン
ミケル・ビリャルバはモンセラート修道院聖歌隊員としてイレネウ・セガラの指導を受けた後、バルセロナ市立音楽院でアントニ・ベサス(ベセス、1945-)に師事、さらにクロード・エルフェ(1922-2004)、フレデリク・ジュヴェール(1923-1997)に師事したカタルーニャ(スペイン)のピアニスト。Naxosレーベルにカタルーニャ出身の作曲家マヌエル・ブランカフォルト(1897-1987)のピアノ作品全集(CD5枚)他の録音があります。

ARS HARMONICA
AH-243(1CD)
水とワイン〜ギター二重奏の為の音楽
パウロ・ベリナチ(1950-):ジョンゴ(ギター二重奏の為の)
バルトーク(1カスナー=クヴァー・ギター・デュオ編):ルーマニア民俗舞曲(ギター二重奏版)
マリオ・ガンジ(1923-2010):イタリア組曲(ギター二重奏の為の)
エグベルト・ジスモンチ(1947-):水とワイン(ギター二重奏の為の)
レオ・ブローウェル(1939-):ミクロピエサス、ダリウス・ミヨーへのオマージュ(ギター二重奏の為の)
ピアソラ(デュオ・ルビオ=フランク編):リベルタンゴ(ギター二重奏版)/アディオス・ノニーノ(ギター二重奏版)
デュオ・ルビウ・フランク
[マイタ・ルビウ、ミリアム・フランク(G) ]

録音:2016年6月23-25日、パノラマ1526(スタジオ)、ビラファン、カタルーニャ、スペイン
デュオ・ルビウ・フランクはバルセロナのリセウ音楽院で学んだ女性ギター奏者二人が1996年に結成。

SOLE RECORDINGS
SR-0001(1CD)
無伴奏ヴァイオリンの為のカタルーニャ音楽
ジョルディ・サルバリョ(1935-):無伴奏ヴァイオリンの為のカプリッチ第2番 [Caprocci n.2]
アルベルト・ギヌバルト(1962-):見えないヴァイオリン [El violi invisible] (無伴奏ヴァイオリンの為の)*
ジョルディ・サルバリョ:無伴奏ヴァイオリンの為のカプリッチ第4番 [Caprocci n.2]
フランセスク・グズマン(1991-):無伴奏ヴァイオリンの為の序曲 [Overture]*
ペプ・マサーナ:パリ 2002 [Paris 2002]
ジュゼプ・スレ(1935-):マティルダに [A Matilde] (無伴奏ヴァイオリンの為の)
サルバド・ブルトンス(1959-):地には平和 [Et in terra pax] (無伴奏ヴァイオリンの為の)
ガスパル・カサド(ジュゼプ・クルメ編): 間奏曲とフィナーレの踊り [Intermezzo et danse finale] (無伴奏ヴァイオリンの為の版)
バッハ:サラバンド [Sarabande] (無伴奏ヴァイオリンの為の)
ジュゼプ・クルメ(Vn)

録音:2013年12月2-3日、アウディトリ・ジュゼプ・カレラス、ビラ=セカ、カタルーニャ、スペイン
ジュゼプ・クルメは1979年カタルーニャのサバデイに生まれたヴァイオリニスト。4歳の時に父からヴァイオリンの手ほどきを受け、1988年から1998年までキューバ出身のヴァイオリニスト、エベリオ・ティエレス・フェレルに師事。18歳でバルセロナのリセウ音楽院を最優秀の成績で卒業。さらにフライブルク音楽大学でニコラス・チュマチェンコ(ヤッシャ・ハイフェッツの教え子)に、シカゴのノーザン・イリノイ大学でシュムエル・アシュケナジおよびフェルメールSQに師事。16歳でのデビュー以来世界的に活躍。当盤は地元カタルーニャの作曲家たちによる無伴奏リサイタル・アルバム。バッハのサラバンドがアンコール的に置かれています。*は世界初録音。

フィンムジック
TIAA-1036(1CD)
北欧ピアノ曲集
グリーグ:抒情小曲集から(メロディ Op.47-3 、過ぎ去りし日々Op.57-1、
 トロルハウゲンの婚礼の日Op.65-6)
 4つのピアノ小品Op.1
 4つのアルバムブレットOp.28
ヴァーレン(1887-1952):伝説Op.1
ヨハンセン(1888-1974):ノーランの風景 Op.5
正木文惠(P)

録音:2016 年6 月25、26日 Studio SHIMIZU
ノルウェーの政府奨学生としてグリーグを学び、北欧音楽を得意とするピアニスト正木文 惠のグリーグ曲集第2 弾。この曲集は、グリーグのピアノ曲と後世の作曲家ヴァーレン、ヨハ ンセンのピアノ曲から厳選、豊かな感性と卓越したピアニズムで北欧詩情を味わい深く描 写しています。グリーグ自身、ドイツ機能和声法からノルウェーの民族音楽を素材とし常識 を覆す奇想天外な音楽様式を樹立した、いわばノルウェー音楽界の先駆者パイオニア、で ありますが、同郷ヴァーレン、ヨハンセンにおいても偉大なる作曲家グリーグの後期ロマン 主義の影響を受け、ベルリン、パリへの留学を経て、調性音楽から無調性音楽そして印象 主義音楽へと作曲様式の幅を広げた革新者イノベーターでもあります。この CD では、グリ ーグの〔抒情小品集からメロディ、過ぎ去りし日々、トロルハウゲンの婚礼の日〕、〔4つのピ アノ小品〕、〔4つのアルバムブレット〕の後期ロマン主義の特色が強い作品と、北欧神話を 題材としたヴァーレンの〔伝説レジェンド〕、ノルウェーの民族観や自然を描写したヨハンセ ンの〔ノーランの風景〕を収録、美しい抒情性と洗練された和声の響き、北欧をモチーフに ノベリティ豊かな印象主義音楽が淡い音色で表現されています。そして、透明感あふれる 美音で奏されたメロディは、北欧音楽の世界へと誘います。
■正木文惠(まさきふみえ)
武蔵野音楽大学ピアノ科卒業、 鳴門教育大学大学院修了、同大学助手(ピアノ)を務める。本多万里子、村澤由利子各氏 に師事する。ウィーン国立音楽大学教授ヴァイスハール・ドヴォラック、アレキサンダー・イエンナー、パウル・バドゥラ= スコダ 各氏に師事する。ドイツにて、スコダ氏主催の選抜演奏会に出演する。助手在任中、グリーグの論文を発表し、グリーグピアノ リサイタルを東京、徳島で開催する。ノルウェー政府奨学生として国立オスロ大学音楽学部に留学、アルヴィド・O.ヴォルスネ ス、アナリーネ・リースネス各氏、ノルウェー王立音楽院教授アイナル・ステーン=ノックレベルグ氏に師事する。現地にて、ピ アノ・リサイタルを多数開催、好評を博す。一方、エリザベス・タンドベルグ(ソプラノ歌手)、ヴォディル・ヴィクトリア・アーネセン (ソプラノ歌手)、ヤン・ビョーランゲル(ヴァイオリニスト)他ノルウェーの著名な音楽家とも共演する。現在では、日本とノルウェ ーを拠点に演奏活動を行い、多数の演奏会に出演する。CD「GRIEG PIANOWORKS(TIAA-1021)」をリリース。現在、目白大 学非常勤講師、日本グリーグ協会理事。各種の音楽・ピアノコンクール審査員。


Treasures
TRE-135(1CDR)
ギーゼキング/シューベルト&ブラームス
シューベルト
:ピアノ・ソナタ第18番ト長調D894*
ブラームス:間奏曲変ロ短調Op.117-2#
 6つの小品〜第5曲「ロマンス」Op.118-5#
 ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調Op.5**
ワルター・ギーゼキング(P)

録音:1947年10月12日*、1939年ベルリン#、1948年9月フランクフルト**
※音源:伊MOVIMENT MUSICA 01.063*、Melodiya M10-43395-B
◎収録時間:70:45
“虚飾を排して作品の発言力だけを徹底追求する技巧と直感!”
■音源について
ギーゼキングの芸の本質に触れる上で、シューベルトは不可欠だと思いますが、ステレオ期以前は、シューベルトのソナタ自体が軽視されていたという時代背景があったせいか、シューベルトのピアノ・ソナタを英コロンビアに1曲も録音していないので、この「18番」は実に貴重。ブラームスのソナタもセッション録音を一切遺しておらず、これが唯一の録音(放送用音源)と思われます。ブラームスの間奏曲冒頭でわずかに欠落があります。

★ギーゼキングに常につきまとう「新即物主義の旗手」というイメージは、精緻な和声構造を持つドビュッシーの音楽にいかにも相応しく、誰も異論を挟めない名演となっていますが、現代の耳で聞くと意外とロマンティックな「歌」を感じさせる面が多々あります。この事実だけでも、ギーゼキングが決して感情の注入を抑え、楽譜の忠実な再現だけを目指していたのではないことは明らかです。ただ、その「歌」は演奏家本位のものではなく、あくまでも作曲者の意図に寄り添うものでなければならなぬという強い信念が常に宿っているので、単に「心を込めて歌う」以上の芸術作品として再現されるところが、口先だけで作曲家への忠誠を誓っているピアニストとの大きな違いです。
シューベルト冒頭の穏やかな主題が流れる最中、ギーゼキングが優しく微笑みながら鍵盤をタッチしている姿など、脳裏に浮かぶでしょうか?そこには、ただただ美しいシューベルトの音楽があるのみ。ギーゼキングは、音楽自体が自発的に発言できるように少し手を差し伸べているだけに過ぎずません。シンプルな楽想に工夫を凝らせば、もっと分かりやすい形で聴き手に語りかけることも可能でしょう。しかし、それをしないので、どこかとっつきにくいと感じる人がいても不思議ではありません。しかし、そこに「音楽自体が息づいていること」を感じ取れれば、決してギーゼキングを情感に乏しいピアニストと決めつけることなどないでしょう。
作曲家の心情に寄り添うことや、曲の持ち味を活かすことは、演奏家なら誰しも考えることですが、作曲家がなぜその音符を選択したのかを直感で捉え、確信を持って表現しなければ、音楽は生き生きと迫って来ません。ブラームスのソナタでは、ギーゼキングのその直感力と確信力が並外れていることを思い知らされます。強靭なタッチに宿る強固な意志は、ギーゼキングのものというよりブラームス自身のものとして生々しく放射。第1楽章再現部冒頭などはかなり激烈な表現を取り、終楽章のコーダに至っては若さと幸福の絶頂を表現しますが、どれもピアニストが上から目線で植えつけた印象を与えないのです。
ギーゼキングは、驚異的な記憶力と打鍵技術を武器にしてほとんど練習を要しなかったことでも知られていますが、じっくり楽譜を読み込みもしないそんな即席の演奏で心を打つはずがないという思い込みも、今日までに定着してしまった気がしてなりません。しかし、常人なら出来るはずのないことが出来てしまっているという現実がここにはあるのです!【湧々堂】

299 MUSIC
NIKU-9003(1CD)
税込定価
メシアン ピアノ作品全集1
鳥のカタログ
●第5 巻 5e Livre
第8 番 ヒメコウテンシ(5:16)/第9 番 ヨーロッパウグイス(11:32)
●第3 巻 3e Livre
第5 番 モリフクロウ(7:52)/第6 番 モリヒバリ(8:17)
●第2 巻 2e Livre
第4番 カオグロヒタキ(14:58)
●第1 巻 1er Livre
第1 番 キバシガラス(9:03)/第2 番 キガシラコウライウグイス(9:20)/ 第3 番 イソヒヨドリ(13:20)
宮崎 明香(P)

録音:2016 年2 月16 日、4 月22 日 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
DSD レコーディング Total time 79’58
製造・発売元:Recording Laboratory, LLC.
★鳥たちの歌声が織りなす極彩色の音絵巻
メシアン ピアノ・ソロ作品全曲録音プロジェクト第1弾! 全13 曲からなる大作「鳥のカタログ」は、自然への帰結を追い求 めたメシアンがたどり着いた、壮大な自然への叙事詩である。樹々の間や水辺を飛びまわる鳥たちのさえずり、そして日の 光に照らされ黄金色に輝く翼の色彩を、作曲家は豊かな響きのなかに映し出す。パリに学び、メシアンに並々ならぬ情熱 を傾ける実力派ピアニストによる渾身のデビュー盤。
■宮崎 明香(ピアノ)
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学を卒業後渡仏し、パリ国立地方音楽院に入学。在学中よりピティナピアノコンペ ティション特級全国大会入選、メドック・アキテーヌ国際コンクール第 2 位、フェルディ・リリ国際コンクール現代曲特別賞、現 代音楽演奏コンクール「競楽IX」入選など、国内外のコンクールに多数入賞。同音楽院を1 等賞で卒業する。審査員満場一 致の特別賞を得て、同音楽院研究科を首席で卒業後、さらにジュネーヴ音楽院をコンサートディプロマを得て卒業。 パリ日仏文化センターにおける定期的なリサイタルなど、フランスを中心にスイス、スペイン等欧州各国で演奏活動を展 開。NHK 教育テレビ「スーパーピアノレッスン・フランス音楽の光彩 講師ミシェル・ベロフ」や湘南ケーブルテレビ等に出 演。パリ国立地方音楽院オーケストラ、東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団などのオーケストラと共演。 ピアノを山田朋子、竹内啓子、ジャンマリー・コテ、パスカル・ドゥヴァイヨンの各氏に師事。ジャック・ルヴィエ、ジャンマル ク・ルイサダ両氏にも定期的に指導を受け研鑽を積む。 2011 年、10 年間に渡るパリでの生活から東京へ拠点を移し、王子ホール、浜離宮朝日ホールにてリサイタルを開催、各 誌で好評を博す。ソロはもとより室内楽、現代アンサンブルとしてASEAN-China フェスティバルに招かれるなど国内外で精 力的に活動しながら、コンクール審査や、マスタークラス講師、東京成徳短期大学、桐朋学園大学付属子供のための音楽 教室講師として後進の指導にも力を注いでいる。http://harukamiyazaki.com

SILKROAD MUSIC
SRM-038SACD
(1SACD)
サラサーテへのオマージュ
サラサーテ:アンダルシアのセレナード Op.28
ミラマール=ソルツィーコ Op.42
序奏とタランテラ Op.43
スペイン舞曲集【マラゲーニャ Op.21-1/ハバネラOp.21-2/アンダルシアのロマンス Op.22-1/ホタ・
ナバーラ Op.22-2/祈り Op.23-1/サパテアード Op.23-2/スペイン舞曲第7番 イ短調 Op.26-1/スペイン舞曲第8番 ハ長調 Op.26-2】
ムイニエラ Op.32
カルメン幻想曲 Op.25
レイチェル・バートン(Vn)
サミュエル・サンダース(P)

録音:1992年2月/トロイ貯蓄銀行ホール(ニューヨーク)
かつて古楽、室内楽を中心に数々の名盤をリリースしたニューヨークのDorian Recordings。当レーベルは2005年にバージニア州に拠点を構える SONO LUMINUSレーベルに買収されました。当ディスクはSONO LUMINUSレーベルからのライセンス盤で、香港のSILKROAD MUSICレーベル からのリリースです。
アメリカ生まれの実力派ヴァイオリニスト、レイチェル・バートンによる「サラサーテへのオマージュ」がSACDハイブリッド盤で復活致します。バート ンは10歳でシカゴ響との共演をきっかけに注目され、その後さまざまなコンクールに入賞し10代にして世界的ヴァイオリニストの仲間入りを果たしまし た。しかし21 歳となった1995年、列車からの降車の際、肩にかけていたヴァイオリン・ケースのストラップが閉じたドアに挟まれ列車に引きずられてし まい、その結果片足切断の大怪我を負ってしまうという悲惨な出来事に見舞われてしまいました。しかし、大怪我から見事復帰して現在も多くのレパートリー を武器に演奏活動を続けております。
当アルバムはバートン18歳であった1992年に収録された貴重な記録です。同年バートンはヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクール優勝、ヨー ゼフ・シゲティ・ヴァイオリン・コンクール第2位、フリッツ・クライスラー国際コンクール第2位と3つのコンクールで輝かしい結果を残しました。当 演奏では才気あふれる名演でのびやかに美しくサラサーテを奏でております。ピアノのサミュエル・サンダースはイツァーク・パールマンが絶大なる信頼を おいている演奏者で当演奏も万全です。 (Ki)
SILKROAD MUSIC
SRM-038LP(2LP)
サラサーテへのオマージュ
■LP-1 Side A
サラサーテ:アンダルシアのセレナード Op.28
ミラマール=ソルツィーコ Op.42
序奏とタランテラ Op.43
■LP-1 Side B
スペイン舞曲集より【マラゲーニャ Op.21-1/ハバネラ Op.21-2/アンダルシアのロマンス Op.22-1/ホタ・ナバーラ Op.22-2】
■LP-2 Side A
スペイン舞曲集より【祈り Op.23-1/サパテアード Op.23-2/スペイン舞曲第7番 イ短調 Op.26-1/スペイン舞曲第8番 ハ長調 Op.26-2】
■LP2- Side B
ムイニエラ Op.32
カルメン幻想曲 Op.25
レイチェル・バートン(Vn)
サミュエル・サンダース(P)

録音:1992年2月/トロイ貯蓄銀行ホール(ニューヨーク)
180g重量盤、78’29”
アメリカ生まれの実力派ヴァイオリニスト、レイチェル・バートンによる「サラサーテへのオマージュ」のLP盤が登場。バートンは10歳でシカゴ響と の共演をきっかけに注目され、その後さまざまなコンクールに入賞し10代にして世界的ヴァイオリニストの仲間入りを果たしました。しかし21歳となっ た1995年、、列車からの降車の際、肩にかけていたヴァイオリン・ケースのストラップが閉じたドアに挟まれ列車に引きずられてしまい、その結果片足切 断の大怪我を負ってしまうという悲惨な出来事に見舞われてしまいました。しかし、大怪我から見事復帰して現在も多くのレパートリーを武器に演奏活動 を続けております。
当アルバムはバートン18歳であった1992年に収録された貴重な記録です。同年バートンはヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクール優勝、ヨー ゼフ・シゲティ・ヴァイオリン・コンクール第2位、フリッツ・クライスラー国際コンクール第2位と3つのコンクールで輝かしい結果を残しました。当 演奏では才気あふれる名演でのびやかに美しくサラサーテを奏でております。ピアノのサミュエル・サンダースはイツァーク・パールマンが絶大なる信頼を おいている演奏者で当演奏も万全です。2枚組の当LPは各面20分以内におさめた贅沢カッティングとなっております。オーディオ・ファン必聴の盤です! ドイツ・プレス、180g重量盤。 (Ki)

VIXEN
V1-3902(1CD)
現代チェコのギター音楽
イヴォ・ブラーハ(1936-):動物園のレッスン(ギターの為の)
シュチェパーン・ウルバン(1913-1974):ギターの為の即興曲
オルドジフ・セメラーク(1932-):ギターの為のおどけた組曲
エドゥアルト・ドウシャ(1951-):ギターの為の幻想変奏曲*
ヤン・フランク・フィシェル(1921-2006):ギターの為の前奏曲集*
ヤルミル・ブルクハウセル(1921-1997):ギターの為のサラバンドとトッカータ*
ヤナ・オブロフスカー(1930-1987):日本の4つの印象(ギターの為の)
ヴァーツラフ・クチェラ(1929-):日々(チェ・ゲバラへのオマージュ、ギターの為の)
シュチェパーン・ラク(1945-):菩提樹の周りで踊る(ギターの為の)*
ヨセフ・マザン(G)

録音:2013年6月10日、アトリエ・プロデューシング&レコーディング・スタジオ、プラハ、チェコ
プラハ音楽アカデミーでシュチェパーン・ラクに師事、たびたび日本を訪れギター・ファンにはおなじみのヨセフ(ヨゼフ)・マザン。*世界初録音。

SILKROAD MUSICE
SRM-037SACD
(1SACD)
「悲嘆」〜ヴァイオリンのためのロマンティック・アンコール集
ショパン(ミルシテイン編):夜想曲第20番嬰ハ短調(遺作)
エルガー:愛の挨拶
ラフマニノフ(M.プレス編):ヴォカリーズホ短調
クライスラー:愛の悲しみ
 昔の歌
リスト(ミルシテイン編):コンソレーション第3番変ニ長調
ンゲル(ジンバリスト編):貝殻
マスネ:タイスの瞑想曲
チャイコフスキー:感傷的なワルツOp.51-6
ショパン(ヴィルヘルミ編):夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2
ラヴェル(コハンスキ編):亡き王女のためのパヴァーヌ
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しい夕暮れ
ワーグナー(ヴィルヘルミ編):アルバムの綴り
プッチーニ(コルホネン編):私のお父さん〜歌劇「ジャンニ・スキッキ」より
洪蘭坡(ホウ・ナンパ):哀愁
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ブラームス(ハイフェッツ編):コンテンプレーションOp.105-1
エリッサ・リー・コルホネン(Vn;ロレンツォ・ストリオーニ1787年製作)
ロバート・ケーニッグ(P)

録音:1998年9月/トロイ貯蓄銀行ホール(ニューヨーク)

※SONO LUMINUSレーベルからのライセンス盤
エリッサ・リー・コルホネンによるヴァイオリン名曲集。コルホネンはカール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞 後に一躍注目を集めたアメリカのヴァイオリニストで、フィラデルフィア管、ボストン・ポップス、ミネソタ管、ヘルシンキ・フィルなどの主要なオーケスト ラとの共演を果たし、現在もアメリカ国内外で活躍しております。 「ヴァイオリンのためのロマンティック・アンコール集」と題された当アルバムは、どこか往年の巨匠の演奏を想わせる “泣きの音色” が魅力で、洗練 の極致とも言える柔らかく甘美な演奏に驚かれます。今回のリマスタリングにより微に入り細に渡り繊細なコルホネンの演奏に陶酔できます。ヴァイオリン・ ファン、オーディオ・ファンにおすすめの録音です!き
SILKROAD MUSIC
SRM-037LP(2LP)
「悲嘆」〜ヴァイオリンのためのロマンティック・アンコール集
■LP-1SideA
ショパン(ミルシテイン編):夜想曲第20番嬰ハ短調(遺作)
エルガー:愛の挨拶
ラフマニノフ(M.プレス編):ヴォカリーズホ短調
クライスラー:愛の悲しみ
■LP-1SideB
クライスラー:昔の歌
リスト(ミルシテイン編):コンソレーション第3番変ニ長調
エンゲル(ジンバリスト編):貝殻
マスネ:タイスの瞑想曲
チャイコフスキー:感傷的なワルツOp.51-6
■LP-2SideA
ショパン(ヴィルヘルミ編):夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2
ラヴェル(コハンスキ編):亡き王女のためのパヴァーヌ
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しい夕暮れ
ワーグナー(ヴィルヘルミ編):アルバムの綴り
■LP-2SideB
プッチーニ(コルホネン編):私のお父さん〜歌劇「ジャンニ・スキッキ」より
洪蘭坡(ホウ・ナンパ):哀愁
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ブラームス(ハイフェッツ編):コンテンプレーションOp.105-1
エリッサ・リー・コルホネン(Vn;ロレンツォ・ストリオーニ1787年製作)
ロバート・ケーニッグ(P)

録音:1998年9月/トロイ貯蓄銀行ホール(ニューヨーク)
180g重量盤、70’11”
※SONO LUMINUSレーベルからのライセンス盤
エリッサ・リー・コルホネンによるヴァイオリン名曲集のLP盤。コルホネンはカール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞後に一躍注目を 集めたアメリカのヴァイオリニストで、フィラデルフィア管、ボストン・ポップス、ミネソタ管、ヘルシンキ・フィルなどの主要なオーケストラとの共演を果たし、 現在もアメリカ国内外で活躍しております。 「ヴァイオリンのためのロマンティック・アンコール集」と題された当アルバムは、どこか往年の巨匠の演奏を想わせる “泣きの音色” が魅力で、洗練 の極致とも言える柔らかく甘美な演奏に驚かれます。今回のリマスタリングにより微に入り細に渡り繊細なコルホネンの演奏に陶酔できます。2枚組のLP は各面20分以内におさめた贅沢カッティングとなっております。オーディオ・ファン必聴の盤です!ドイツ・プレス、180g重量盤。

Willowhayne Records
WHR-039(1CD)
バッハ、ショパン、ヤナーチェク、カプースチン:ピアノ作品集
バッハ:パルティータ第2弾ハ短調 BWV.826
ショパン:夜想曲嬰ハ短調 Op.posth.、
 練習曲第19番嬰ハ短調 Op.25-7
 夜想曲第13番ハ短調 Op.48-1
 練習曲第8番ヘ長調 Op.10-8
 バラード第4番ヘ短調 Op.52
ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ 「1905年10月1日 街頭にて」
カプースチン:8つの演奏会用練習曲より 第6番「パストラーレ」
ヤスミン・ロウ(P)

録音:2015年12月18日−21日、イギリス
イギリスの女流ピアニスト、ヤスミン・ロウのデビュー・アルバムは、バッハ、ショパンの名曲に加えて、ヤナーチェクのソナタ、そしてカプースチンの練習曲を収録した極めて意欲的なプログラム。バックインレイにはジャン=エフラム・バヴゼから称賛のコメントが寄せられています。

Resonus
RES-10167(1CD)
バルトーク&クルターグ:無伴奏ヴァイオリン作品集
クルターグ:サイン、ゲーム&メッセージ
バルトーク:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ Sz.117
サイモン・スミス(Vn)

録音:2015年7月27日−29日、イギリス
アカデミー室内Oとの全米ツアー、バーミンガム大学での教鞭、アングリア室内オーケストラの芸術監督など、ソリスト、室内楽奏者、教師として国際的に活躍するヴァイオリニスト、サイモン・スミスが弾く、バルトーク&クルターグの無伴奏作品集。


Treasures
TRE-134(1CDR)
ダヴィドヴィチ〜ショパン:ワルツ集.他
マズルカ第7番ヘ短調Op.7-3
マズルカ第36番イ短調Op.59-1
マズルカ第50番イ短調遺作
3つのエコセーズOp.72
ワルツ集(全14曲)*
ベラ・ダヴィドヴィチ(P)

録音:1950年代中頃、1950年代後期*(全てモノラル)
※音源:Melodiya 06437-6438、011653-54*
◎収録時間:60:45
“気品溢れる造形美で魅了する「ワルツ集」の歴史的名盤!”
■音源について
亡命前のダヴィドヴィチによるメロディア録音の中でも傑出した名演。特に「ワルツ集」は何度も再発売を繰り返している名盤ですが、やっと良質な盤に出会えました。

★少なくともモノラル録音の中で時代を問わず普遍的な魅力を放つと確信できる名演として、リパッティ盤(スタジオ録音)と共に決して外せないのがダヴィドヴィチ盤。ロシアピアニズムの魅力をふんだんに湛えた芯の強固なタッチを活かしながらも、表情が大味に傾かず、気品溢れるリズムとセンス満点のアゴーギクによって、「サロン風」から一歩踏み込んだ芸術的な高みに達した名演です。モノラル後期の録音なので、音質も良好。
「第2番」の序奏から主部への確かな意志を伴った移行、格調高く躍動する第1主題と決して沈み込まずに克明に表情を際立たせる第2主題の連動ぶりは、実に鮮やか。「小犬」は音楽の軽妙さはそのままに、全体の構成への見通しが効いた息遣いに一切の弛緩がなく、比類なき安定感と存在感を誇ります。ロシアの悲哀を持ち込んだようなニュアンスが涙を誘う「第10番」や、吸い付くようなアゴーギクが絶妙なペダリングによって達成している「第12番」など、魅力の全ては到底語り尽くせませんが、どうしても一曲だけ強調したいのが、Op.64-2「第7番」!あまりも有名なこの作品が、これほど神々しく迫る例を他に知りません。タッチを曖昧に滑らせることなく、全体を大きなレガートで包括するセンスと意思が張り巡らされ、まさにパーフェクトといえる造形美を確立しているのです。特に息を呑むのが、中間部直前の絶妙な間合い(1:14〜)!テーマの憂鬱を断ち切れそうで断ち切れない揺れ動く心情が、その一瞬の間に凝縮されているとでも言いましょうか。そして、その中間部のアゴーギクがこれまた絶品!表面的にそれらしく行なったものとは違う、心から入念を極めたニュアンスに言葉も出ません。【湧々堂】


Treasures
TRE-130(1CDR)
プエヨ〜バッハ&グラナドス
バッハ:パルティータ第1番BWV.825*
グラナドス:スペイン舞曲集(全12曲)
エドゥアルト・デル・プエヨ(P)

録音:1959年*、1956年8月29-30日(全てモノラル)
※音源:蘭fontana 698-042CL*、蘭PHILIPS A00388L
◎収録時間:70:36
“打鍵の後の余韻に滲むスペイン情緒と色香!”
■音源について
プエヨがフィリップスに遺した録音の中から、ベートーヴェン以外の名演奏を収録。なお、グラナドスのほとんどの曲間には、ペダル音と思われる「ゴトッ」という異音が聞かれますが、音の余韻と被らないものはフェード処理しています。

★スペインの巨匠、プエヨの堅固なタッチと色彩力が生きた名演2曲。バッハは、臆することなくアゴーギクを随所に織り込みながら造型美は一切崩さず、各フレーズの意味を着実に刻印し続けようとする意志の力が横溢。第4曲で顕著なように、弱音でもタッチが痩せず、男性的な筆致で入念に語り尽くすピアニズムが胸に迫りますが、加えてそこに多彩な色彩まで注入するので、様式偏重型の無機質なバッハとは違う「人間バッハ」を見る思いです。
色彩力と言えば、グラナドスの魅力は破格!モノラルでありながら、タッチの色艶、香気を感じさせ、どこかドライであらながらメランコリックなグラナドスの空気感をこれほど身を持って体現した例は稀でしょう。第1曲、第3曲、第6曲などは、重量感がありながら鈍重に陥らない打鍵でリズムが根底から沸き立つだけでなく、長い音価を引き伸ばした際の余韻の感じ方を目の当たりにすると、やはり血の為せる技には敵わないと痛感するばかり。第11曲、終曲は、リズム自体が強烈に語り掛け、肉感的でありながら品位を落とさないセンスに唖然。安易に真似などできない奥義です。有名な第2曲“オリエンタル”は、説明不要でしょう。泣けます!【湧々堂】


Treasures
TRE-131(1CDR)
ロジータ・レナルド〜カーネギー・ホール・ライヴ
バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番 イ短調K.310
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲Op.54
モーツァルト:ロンド.ニ長調K.485
ショパン:練習曲〜[Op.10-11, 25-5, 10-3, 25-8, 25-4, 10-2]
 マズルカOp.30-4
メンデルスゾーン:前奏曲 変ロ長調Op.104-1
ショパン:練習曲〜[Ops.25-2, 25-3, 10-4]
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ドビュッシー:舞曲
ショパン:マズルカ 嬰へ短調Op.59-3
ロジータ・レナルド(P)

録音:1949年1月19日カーネギー・ホール(ライヴ)
※音源:米IPA 120-121
◎収録時間:79:53
“高度な技巧を聴き手に意識させない天才的閃きの連続!”
■音源について
チリの出身の天才、ロジータ・レナルド (1894-1949)の録音は非常に少なく、他にはブランズウィックなどに見られる程度。これは死の4ヶ月前に行われた演奏会の貴重なライヴ。その模様を収めた2枚組LPの全てを収録しました。

★ロジータ・レナルドは、リストの弟子のマルティン・クラウゼに師事。そのクラウゼの門下には、E・フィッシャー、C・アラウなどがいますが、アラウをクラウゼに引き合わせたのは他ならぬレナルドでした。録音が少ないので認知度は低いですが、これらの収録曲のどをつまみ聴きしても、そのオーラが尋常ではないことに気づかれるはず。それはもはや、ピアノを弾いているというよりも、天から容赦なく音楽が降り注ぐような…と形容するしかありません。例えば、バッハやモーツァルトの音楽はつまらないと思う人でも、このレナルドの演奏を聴けば一気に惹き込まれることでしょう。特に、モーツァルトのソナタ!速いテンポで疾走しながら、音の粒に込められたニュアンスは破格。全走句が大きな弧を描き、音楽の持つ表情の全てが一気に押し寄せます。第2楽章も、これを聴いてしまったピアニストは、聴かなかったふりをするか、廃業するしかないのでは?終楽章は単なる一気呵成ではなく、直感的なアーティキュレーションが音楽に気品を与えていることにご注目を。間違いなく、イ短調ソナタの別格の名演です。
もう一つ挙げるとすればラヴェル。こちらも全曲10分程度という相当速めのテンポですが、その中に息づく即興的な語りの妙味に時を忘れること必至!タッチの連なりで音楽を構成しているというより、全フレーズが一度に押し寄せるという現象を、少なくともこの曲で体験したことは他にありません。
ショパン以降は、小品中心に演奏されますが、その曲間にグランド・スタイル的な優雅さも漂いますが、スタイルの古さなど意識する暇などありません。幸いにも音質も良好。全ピアノ・ファン、必聴です!【湧々堂】

EM Records
EMRCD-034(1CD)
西洋の国境〜イギリスのピアノ作品集
ウォルフォード・デイヴィス:主題と変奏(世界初録音)
フランシス:幻想ソナタ(世界初録音)
ガーニー:5つの西洋の水彩画(世界初録音)
エルガー:演奏会用アレグロ
フランシス:性格的小品第1巻(世界初録音)
ダンカン・ハニーボーン(P)

録音:2015年7月27日−28
20世紀イギリス&アイルランドのピアノ音楽のスペシャリスト、ダンカン・ハニーボーンが演奏するのは、ウォルフォード・デイヴィスやガーニーなどのイギリス作品。エルガーの「演奏会用アレグロ」を除く全ての作品が世界初録音となります。優しく美しい旋律を、ハニーボーンの繊細なタッチで作品を奏でてゆきます日の録音。

Shane Thomas
SJT-110515(1CD)
ノート・マイ・ドリーム
シェーン・トマス:ジョシュアとルビー
メロディ・フォー・ナナ/Mrs.マティス
ニワシドリの踊り/カム・アライヴ/火と水
影/グランド・ソナタ/ワルツ第1番
レインフォール/リミニシング
月の光(原曲:ドビュッシー)
シェーン・トマス(P)
7歳でピアノを始めわずか数ヶ月で難しいクラシック曲やスタンダードを弾くようになり、聞いた曲をすぐに演奏するなどの神童ぶりを発揮し、「現代のモーツァルト」と地元メディアで報じられたシェーン・トマス。モーツァルトのように作曲でも早くから非凡な才能を見せたシェーン・トマスのオリジナル(なんと8歳〜14歳の頃の作品)を収録したアルバム。

Velut Luna
CVLD-125(1SACD)
ヴァイオリンと管弦楽の為の作品集
サラサーテ:歌劇「カルメン」の主題による演奏会用幻想曲 Op.25
 ツィゴイネルワイゼン Op.20
パガニーニ:ヴェネツィアの謝肉祭
バッツィーニ(ジョヴァンニ・アンジェレーリ管弦楽編):妖精の踊り(幻想的スケルツォ)Op.25
ヴィエニャフスキ:伝説 Op.17
 演奏会用ポロネーズ Op.4
ジョヴァンニ・アンジェレーリ(Vn,指)
ヴェネツィアO

録音:2001年、旧大聖堂、モンセリーチェ、パドヴァ県、イタリア


Treasures
TRE-100(2CDR)
ブライロフスキー/リスト:ハンガリー狂詩曲集(全15曲)
●Disc1:第1番嬰ハ短調、第2番嬰ハ短調,
第4番変ホ長調、第14番ヘ短調,
第9番変ホ長調、第6番変ニ長調、
●Disc2:第13番イ短調、第10番ホ長調,
第3番変ロ長調、第7番ニ短調、
第8番嬰ヘ短調、第12番嬰ハ短調、
第5番ホ短調、第11番イ短調、
第15番イ短調「ラコッツィ行進曲」
(以上、LP収録順と同じ)
アレクサンダー・ブライロフスキー(P)

録音:1953年-1956年
※音源:伊RCA B12R-0256/7
◎収録時間:62:14+62:24
“ふんだんに色気を放ちながら古臭さを感じさせない理想の名演!”
■音源について
ブライロフスキーは、一部の曲をSP期にも録音していますが、これはモノラル末期にまとめて録音され、2枚組LPで発売されたもの。ここではその全てを収録。曲の配列が独特ですが、これがオリジナルです。ちなみにこの15曲は1846年〜53年、16〜19番は1882年〜85年に作曲されています。

★キエフ出身。レシェティツキ門下でショパンの名手として知られるブライロフスキー(1896−1976)の最大の魅力の一つは、華麗さと気品の見事な融合ぶり。暴力的な打鍵で威圧するのではなく、さり気なく、かつ確実に聴き手に語りかけるピアニズムは、この曲集の持ち味を活かすのにうってつけと言えましょう。殆どの場合、この曲集を全曲通して聴くのはしんどいものですが、ここでは語り口の巧さと程よい軽みによって、時を忘れて聴き入ってしまう方も多いはず。曲前半の緩やかな部分(ラッサン)の人懐っこい表情からして、深刻ぶった大仰なアプローチとは無縁であることを示しており、後半の速い部分(フリスカ)での屈託のない華やぎへの連動も、変に構えず自然そのもの。
「第1番」の後半(11:18〜)で繰り返される「タッタララー」のリズムのなんという人間味!しかも野暮ったく響かないその見事なさじ加減も、ブライロフスキーのこの曲集への愛情の賜物でしょう。
有名な「第2番」終盤のカデンツァはブライロフスキーの自作と思われますが、技巧の誇示ではなく、濃厚な色気と媚びない洒落っ気が横溢。こんな風合いは、現代のピアニストにはなかなか望めません。
昔のピアニストは、それぞれが独特の色香を誇っていましたが、ブライロフスキーの凄さは、そこに古臭さを感じさせないところ。この曲集の名演として永遠に聴かれるべき逸品だと確信します。【湧々堂】

ZED Classics
ZED-15001(1CD)
ピエール=アルノー・ダブルモン・プレイズ・バッハ
バッハ:トッカータ ホ短調 BWV.914
パルティータ第1番変ロ長調 BWV.825
パルティータ第6番ホ短調 BWV.830
ピエール=アルノー・ダブルモン(P)

録音:2014年10月28日−29日、Flagey studio 4(ブリュッセル、ベルギー)
1979年パリ生まれ、パリとプラハの音楽院で学び、現在はブリュッセルを拠点とするピアニスト、ピエール=アルノー・ダブルモンのサード・アルバムが、ベルギーの新興レーベル、ZED Classicsからリリース!ZED Classicsは、ピアニストのピエール=アルノー・ダブルモンと、プロデューサー&エンジニアのRmain Zemiriによって2015年夏に立ち上げられたばかりのレーベル。ブリュッセルの伝説的スタジオ、Flagey studio 4で録られた高音質録音で、バッハの名曲が輝かしいスタインウェイの音色で響きわたります。

スロヴァキア音楽財団
SF-0084-2(1CD)
シューマン、ショパン、シューベルト:ピアノ作品集
シューマン:ピアノ・ソナタ.ト短調 Op.22
ショパン:3つのマズルカ Op.59
シューベルト:ピアホ・ソナタ第21番変ホ長調 D.960
ダニエラ・ヴァリーンスカ(P)

録音:2014年6月28-29日、ドヴォラナ・コンサートホール、ブラチスラヴァ、スロヴァキア


299 MUSIC
NIKU-9001(1CD)
税込定価
平野義久:作品集
ピアノ・ソナタ(2015)
優雅で感傷的なラジオ体操(2015)
(序奏/第一の体操/第二の体操/第三の体操/第四の体操/第五の体操/第六の体操/深呼吸)
クロックワーク・ラグ(2015)
丹鶴姫の夜想曲(2015)
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』に基づく“コント” (2006)
(ジョバンニ〜午后の授業/活版所/家路/家/ケンタウルス祭の夜/銀河ステーション/ジョバンニ/カムパネルラ/北十字星/プリシオン海岸/大学士と助手/鳥を獲る人/青年と幼姉弟/りんご/とうもろこし畑/
インデアン/ジョバンニ/南十字星/ジョバンニ/カムパネルラ/ジョバンニ〜別れ/目が醒めて/ジョバンニ〜跋)
佐藤祐介(P)

録音:2015 年12 月16-17日、和光市民文化センター「サンアゼリア」、DSD 録音
制作:合同会社 録音研究室(レックラボ)
■佐藤祐介(ピアノ)
11 歳より作曲、12 歳よりピアノを始める。14 歳より本格的なレッスンを受け始め、15 歳でリサイタルでデビューする。2005 年にクラシックとデジタルミュージックで構成される音楽プロジェクト「Yu-suke Project」を立ち上げ、アルバム2 枚を同時に リリース。演奏、即興、作曲、レコーディング、楽曲提供などを積極的に行う。“ 2012 年、日本で唯一の現代音楽演奏コンクールである、第10 回現代音楽演奏コンクール“競楽X”(朝日新聞社・日本 現代音楽協会主催)において優勝を果たし、さらに第22 回朝日現代音楽賞および聴衆賞を受賞して注目を集める。それ までにも2004 年U.F.A.M. 国際音楽コンクール第2 位(フランス)、第16 回若い才能のためのスタインウェイ・ピアノコンク ール第3 位(フランス)、第3 回三善晃ピアノコンクール第1 位および三善作品特別賞、第9 回チェコ音楽コンクール第1 位および全音楽譜出版社賞、第 12 回フッペル鳥栖平和祈念ピアノコンクール第 1 位および東洋新薬特別賞などをはじ め、国内外で数々の受賞歴を持つ。2011 年、第15 回浜松国際ピアノアカデミーを受講。 近年は、ソロや室内楽など幅広い活動を展開し、イタリア、フランス、ドイツ、ルーマニアをはじめ、国内外で数多くの演奏 会に出演。 知的な解釈に加え、ダイナミックかつ繊細な演奏に定評があり、ドイツ・フランスのバロック音楽、後期ロマン派、チェコの 古典派や現代音楽、21 世紀の諸作品、邦人作品まで多種多様なレパートリーを誇る。演奏される機会の少ない作曲家や 埋もれた作品にも光をあて、積極的に取り上げるユニークな活動を行っている。また、数多くの国内外の作曲家の新作初 演にも携わり、献呈・委嘱作品も多い。独自の視点をもった若手ピアニストの一人として、これからの活動が大きく期待され ている。 http://yusukesatoh.sakura.ne.jp


若林工房
WAKA-4192(2CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 vol.3
ピアノ・ソナタ.第1番 ハ長調 K.279 (189d)
サリエリの主題による6つの変奏曲 ト長調 K.180 (173c)
ピアノ・ソナタ.第6番 ニ長調 K.284 (205b)
ピアノ・ソナタ.第7番 ハ長調 K.309 (284b)
ピアノ・ソナタ.第13番 変ロ長調 K.333 (315c)
ピアノ・ソナタ.第15(18)番 ヘ長調 K.533/494
ピアノ・ソナタ.第18番ニ長調K.576
イリーナ・メジューエワ(P)

録音: 2015 年11 月〜12 月、新川文化ホール(富山県魚津市)
いかにもメジューエワらしい、作品の構築性を重視したアプローチと芯を湛えたタッチは今回も全開ですが、「ソナタ第1番」を聴いてハッとしたのは、そこにエレガントな佇まいが加味され、リズムには構成の枠をはみ出そうとする勢いが注入されていること。このリズムの勢いは「ソナタ第6番」冒頭でいよいよ顕著に。前のめり寸前のテンポを持ち前の求心力で制御した芸術性の高い推進力に生の喜びが満ち溢れています。同終楽章は、ペダルの使用がエレガンスの極み。克明なアーティキュレーションで楽想を紡ぎつつ、そのペダリングの巧妙さでシルキーな流れを見せる「ソナタ13番」も聴きもの。以前にも申したと思いますが、メジューエワのピアノには、リズムそのものにニュアンスがあり、旋律を躍動させる役割にとどまりません。同終楽章はそのことを改めて痛感させ、その結果導かれる音楽には、聴き手の想像を超える多彩な表情が横溢!テーマに戻る直前の5:21から語りと間合いの絶妙さなど信じ難いほどの素晴らしさ!まさに目の前にモーツァルトを感じさせてくれる稀有な名演です。【湧々堂】


Treasures
TRE-109(1CDR)
ギーゼキング〜シューマン:ピアノ曲集
シューマン:3つのロマンスOp.28
ピアノ・ソナタ第1番Op.11*
幻想曲ハ長調Op.17#
ワルター・ギーゼキング(P)

録音:1951年7月9日ザールブリュッケン、1942年ベルリン*、1947年10月フランクフルト#
※音源:米Discocorp RR-492、露Melodya M10-49335 *,#
◎収録時間:69:27
“ギーゼキングとシューマンとの相性を如実に示す名演集!”
■音源について
ギーゼキングが決して即物的で冷たい演奏する人ではないということを実証する意味でも、シューマンは特に重要な作曲家だと思いますが、録音は意外に少なく、EMIへのセッション録音は、協奏曲以外には「謝肉祭」「子供の情景」「アルバムの綴り」「予言の鳥」があるくらい。ここに収録したのは全て放送用音源で、明瞭な音質でギーゼキングのアグレッシブな演奏を堪能できます。

★ギーゼキングを情を欠いた即物主義者と捉える人たちは、「ロマンス」第2曲の、単に弱々しいだけではない慈愛に満ちた歌をどう捉えるのでしょう?常識や理論先行型のピアニストではないことも、この演奏の「大きさ」が示していると思います。
シューマンは、いわゆるソナタ形式の作品が不得意だとよく言われますが、その形式との葛藤がよ、自身の精神的な苦悩が、第1ソナタの第1楽章序奏からはっきり感じ取れるのも、ギーゼキングの表現意欲の賜物。主部以降の直感的な閃きの放射にも、突き放した冷たさなどあるでしょうか?そして、第2楽章の可憐さ。なんという表現の振れ幅!これこそシューマンを聴く醍醐味と言えましょう。
定石のソナタ形式から独自の進化を成し遂げた「幻想曲」第1楽章でも、ギーゼキングの表現の飛翔は無限大。聴き進むにつれ、開放的な第1主題が束の間の光としての存在感を放っていることに気付かされます。終楽章では、音の余韻の育みが尋常ではありません。タッチするたびに、和声の色合いを感じ、耳を澄ますような風情は、この楽章に不可欠でしょう。【湧々堂】

Sono Luminus
DSL-92199(1CD)
コリー・ヒルズ:ドラム・ファクトリー
イントロ/ドラム・ファクトリー
明るい、緑の葉/私はわが祖父
ドラム・インターリュード
おっほん!/ハエを飲み込んだ老婦人
黒いクマと山のライオン
メタル・インターリュード
ハクリング/アウトロー
コリー・ヒルズ(パーカッション&ナレーション)

録音:2015年6月18日USヴァージニアボイス,ソノ・ルミナス・スタジオ
パーカッション奏者で作曲家、その他マルチな才能を持つコリー・ヒルズ(1981-)。彼のファースト・アルバム「失われた自転車」はアメリカ国内で幾つかの賞を獲得、とりわけ子供を持つ親御さんたちから絶大な評価を受けています。彼はグラミー賞にノミネートされた「ロサンゼルス・パーカッション四重奏団」のメンバーでもあり、こちらのアルバムもBlu-rayAUDIOを用いた革新的な音響も含め、広範囲に影響を与えています。この「ドラム・ファクトリー」も子供たち向けのアイデアが凝らされており、すでに8カ国で400回も公演を行い、トータルで50,000人の子供たちがこの物語を楽しんだというものです。多彩なパーカッションの音色はもちろん大人が聞いても充分楽しめます!


eaSonus
EAS-29300
(4CD+DVD)
DVD=PAL
レオンスカヤ生誕70年記念
◆CD
シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番イ短調D.784
ピアノ・ソナタ第18番ト長調D.894
ピアノ・ソナタ第16番イ短調D.845
ピアノ・ソナタ第17番ニ長調D.850
ピアノ・ソナタ第15番ハ長調D.840
ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959
ピアノ・ソナタ第19番ハ短調D.958
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960
◆Bonus DVD(PAL方式:82分)
モーツァルト(グリーグ編):ピアノ・ソナタ第5番ト長調K.283
幻想曲ハ短調K.475
ピアノ・ソナタ第15番ハ長調K.545
ピアノ・ソナタ ヘ長調K.533 / 494
エリーザベト・レオンスカヤ(P)
録音:2015年/ベルリン・マイスターザール

◆DVD
エリーザベト・レオンスカヤ & スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ・デュオ)
収録:1993年7月26日/モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)
エリーザベト・レオンスカヤは1945年11月23日生まれ。先日70歳を迎えた記念に、最新録音のシューベルトをメインにした超豪華装丁アルバムがリリー スとなりました。今回は昨1995年最新録音によるシューベルトの後期ソナタ集。14番から21番までの魔術的な名曲を聴かせてくれます。シューベルトの後期作品は、単に 技巧だけで解決できない別世界の音楽といえますが、レオンスカヤは全く奇を衒わず、明快かつ優しい音色で表現。その円熟に驚かされます。いずれも長大で、 通して聴くと5時間近くかかりますが、いつまででも聴いていたくなる陶酔の世界。まさに絶品と申せましょう。
もうひとつの魅力が、彼女を絶賛していたリヒテルとの共演の映像がボーナスDVD化されていること。ベストセラーとなったワーナーのCDと同じ1993年 にモスクワ音楽院大ホールで行われたコンサートのライヴですが、こちらはさらにピアノ・ソナタ第5番も入った計82分な点が注目。カラーで画質はあまりよく ありませんが、演奏はまさに神業。リヒテルの悠然たる弾きぶりを見るだけでも価値があります。
さらなる魅力は、LPサイズ48ページの解説書。内容は英語で、彼女の伝記からインタビュー、天使のような少女時代からアイドル風な10-20代の貴重な 写真満載。この写真からも彼女の優しい人間性が伝わってきます。 *このDVDはPAL方式によりますため、通常のDVDプレイヤーでは再生できません。パソコンでならばご覧になることができます。予めご了承下さい。 (Ki)


Treasures
TRE-121(1CDR)
レギーナ・スメンジャンカ/ショパン:ワルツ集.他
ショパン:3つのエコセーズOp.72
タランテラOp.43
ワルツ第1番〜14番
ワルツ第19番イ短調(遺作)
ワルツ第18番変ホ長調(遺作)
子守歌Op.57
レギーナ・スメンジャンカ(P)

録音:1959-1960年(ステレオ)
※音源:MUZA SX-0068、 SX-0069*
◎収録時間:64:02
“解釈の痕跡を感じさせず、ショパンの心情を余すことなく代弁!”
■音源について
ショパンの生誕150年(1960年)を記念して、ポーランドMUZAが制作したショパン全集の中から、スメンジャンカのソロ作品を収録。

★レギーナ・スメンジャンカ(1924-2011)は、ショパン音楽アカデミーの教授を1996年まで務めたポーランドを代表するピアニストで、多くの門弟を世に送り出しています。そのショパン演奏は、深い見識と共感に裏打ちされていることは言うまでもありませんが、決して権威のひけらかしに走らず、作品の骨格を丁寧に炙り出しながら、気品のあるニュアンスを表出する点が最大の魅力ではないでしょうか。ワルツ第1番の冒頭の2分音符は長く伸ばし、4拍子のように聞こえるほどですが、体の芯から溢れる歌と同時に導かれるので、不自然どころか、譜面通りに弾けばショパンの意図に忠実と勘違いしているピアニストからは得られない、広がりのあるニュアンンスに心打たれます。ワルツ第3番、第7番も、ショパンにおけるルバートの最高の実現例。呼吸は弛緩せず、しなやかなレガートが導かれ、孤独の表情を強調することよりも、書かれている音符をあるべきタイミングで紡ぎ出すことが大切であることを改めて思い知らされます。「小犬」も、一音ごとのニュアンス吟味のなんと深いこと!これよりテンポが速いとそれはままならず、遅すぎては音楽が死んでしまうでしょう。遺作のイ短調のワルツは、同じテーマを繰り返しながら進行するだけの作品ですが、その中に盛り込む強弱変化が絶妙の極み。【湧々堂】


たまゆら

KKC-042(1CD)
DSD録音
風と愛〜日本のハープ音楽80年
伊福部昭:ビルマの竪琴組曲 (1956)
  【No.4未使用曲)/埴生の宿/荒城の月/斥候(コガネムシ)/仰げば尊し】
石田一郎:牧歌 (1936)
福田幸彦(蘭童):映画「新道 前篇朱実の巻」より (1936)
露木次男:花 (1938)【月見草/三色すみれ/虞美人草】
山田耕筰(冬木透編):赤とんぼ (1968)
岡野貞一(冬木透編):もみじ (1968)
雨田光平:初夏草心抄 (1948)
モルナール:さくらさくら (1960年代)
イギリス曲(冬木透編):グリーンスリーヴス (1968)
清瀬保二:小品三章より第1曲 (1971)
早坂文雄:雨月物語よりNo.13 (1953)
伊福部昭:「ゴジラ対モスラ」〜モスラ宇宙へ (1992)
冬木透:かがりの風と愛/姉と弟 (1967/2015)
平田智暁:アンティークの首飾り (2015)
江原大介:ハープ・ドリームズ (2015)
薮田翔一:セレーネ (2015)
中村愛(Hp)

録音:2015年9月24日、10月19日、11月18日、2016年1月26日/キング関口台第1スタジオ
驚くべきアルバムの出現です。これまで邦人のハープ作品集といえば、前衛的なものか、ハープ界だけで有名な作品ばかりでした。しかし、なんと伊福部昭、 早坂文雄、清瀬保二がオリジナルのハープ曲を残していました。 日本人の手による最初のハープ曲は、1936 年に石田一郎作曲した「牧歌」といわれていますが、今回ほぼ同時期に福田蘭童が五所平之助の映画のためにハー プ曲を作っていたのを発見。80 年間の日本のハープ曲のうち、前衛的でなく美しいメロディに満ちたものの系譜を俯瞰します。
注目は伊福部昭が映画「ビルマの竪琴」のために書いた 5 曲。伊福部は「埴生の宿」「荒城の月」「仰げば尊し」など既存曲をそのまま使わず、全部自分 流に書き直しています。凄まじいのが中山晋平の有名な「コガネムシ」。完全に伊福部ワールドで、重量感のあるオスティナート、fff のグリッサンドが渦を巻 きます。映画中、音楽はみなフェードアウトしているため、初の完全録音の登場となります。さらに未使用ナンバーも日の目を見ます。これまた伊福部調でファ ン狂喜。 「ウルトラセブン」の冬木透が人気時代劇「風」のために作曲したハープ・ナンバーを、今回の録音のために改訂。冬木ファン感激の美しすぎる世界。作 曲者立ち会いの録音場面をここで観ることができます。https://www.youtube.com/watch?v=oNyG0LnPBVU また、冬木がハープ用に編曲した「赤とんぼ」「もみじ」「グリーンスリーヴス」も貴重。「ウルトラセブン」と同時期の作で、「もみじ」の序奏には、円谷特撮 サウンドがエコーします。 もうひとつの注目は、友人の作曲家たちが、彼女に捧げた新作。昨年 11 月に日本人として初めてジュネーヴ国際コンクール作曲部門で優勝して、注目の 藪田翔一の最新作を聴くことができます。まさに「小室サウンド」の美しくポップな曲で、癒されます。 演奏の中村愛(なかむらめぐみ)は人目を引く美貌の持ち主ながら、伊福部や清瀬作品を熱愛する貴重な逸材。解説も恩師モルナールを軸に、ハープ奏者 たちと日本の作曲家の創作の関係を綴った興味津々の力作を自身執筆しています。
美しいメロディにあふれる曲ばかりですが、ハープの優雅さはもちろんながら、あるときはオーケストラ、あるときは箏、あるときはオルゴールになる想像以 上の表現力に、目から鱗が落ちます。今年上半期最大の衝撃盤の登場です。
■中村愛(なかむらめぐみ)
千葉県出身。4 歳よりピアノを始め、12 歳よりハープを始める。ハープをヨセフ・モルナール、木村茉莉、篠崎史子の各氏に、室内楽を故・島崎説子女史に師事。 第 9 回大阪国際音楽コンクールハープ部門第 3 位。ハープ協会主催新人演奏会、東京音楽大学千葉県支部主催新人演奏会出演。 2011 年 2 月、すみだトリフォニーホールにて初リサイタルを開催、好評を博す。ソロ・室内楽の演奏会を中心に、群馬交響楽団、ベトナム国立交響楽団、中国・ 武漢管弦楽団等との共演から、ブラス、オペラまで活動も行う。最近は講演や講義を行うなど、活動の幅を広げている。東京音楽大学大学院科目等履修修了

EDTION ABSEITS
EDA-41(2CD)
ヨーク・ヘラー:ピアノ曲集
(1)5つの小品 (1964)
(2)2台のピアノのためのディアフォニー (1965)
(3)ピアノ・ソナタ第1番 (1968)
(4)ピアノ・ソナタ第2番 (1986)
(5)2台のピアノのためのパルティータ (1996)
(6)ピアノ・ソナタ第3番 (2010/11)
(7)2台のピアノのためのドッペルシュピール (2009/12)
(8)モノグラム(全14曲)(1988/2003)
(9)トッカータ〜5つの小品より
(1)(2)(3)(5):クリスティ・ベッカー(P)
(2)(4)(4):ピーシェン・チェン(P)
(6):ファビオ・マルティーノ(P)
(7)(8):タマーラ・ステファノヴィチ(P)
(7):ファビアン・ミュラー(P)
(9):ヨーク・へラー(P)
現代ドイツを代表する作曲家ヨーク・ヘラーのピアノ曲を集めたアルバム。とは言っても新録音ではなく、CD1はCPOレーベルからリリースされていた もの。CD2もピアノ・ソナタ第3番はOehms Classics、残りはルール・ピアノ音楽祭のシリーズからリリースされていました。それらがまとまって聴くこ とができるのは朗報。またオマケとして、ヘラー自身の妙技にふれることもできます。 (Ki)

Velut Luna
CVLD-250(1CD)
コダーイ、コスマン、ダッラピッコラ:無伴奏チェロ作品集
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8
ベルンハルト・コスマン(1822-1910):チェロの為の5つの演奏会用練習曲 Op.10 から 第3番ハ長調
ダッラピッコラ(1904-1975):シャコンヌ、間奏曲とアダージョ
ジャンバッティスタ・ヴァルデッターロ(Vc)
ジャンバッティスタ・ヴァルデッターロはナポリ音楽院でヴィリー・ラ・ヴォルペに、チューリヒでピエール・フルニエに師事し、1965年に演奏活動を開始したイタリアのチェリスト。1971年から2009年まで長くパドヴァ音楽院で教職に就いていました。
Velut Luna
CVLD-271(1CD)
マッシモ・ゴン・プレイズ・ショパン
夜想曲ハ短調 Op.48-1
幻想即興曲嬰ハ短調 Op.66
即興曲変イ長調 Op.29
即興曲嬰ヘ長調 Op.36
即興曲変ト長調 Op.51
バラード第1番 Op.23
バラード第2番ヘ長調 Op.38
バラード第3番変イ長調
バラード第4番ヘ短調 Op.52
ポロネーズ変イ長調「英雄」 Op.53
マッシモ・ゴン(P)
マッシモ・ゴンはトリエステのタルティーニ音楽院でルチアーノ・ガンテ(1915-)に師事したイタリアのピアニスト。リストの「ピアノの為の大練習曲集 Op.6」(CVLD-92)が好評を得ましたが、残念ながら廃盤となりました。
Velut Luna
CVLD-274(1CD)
アルベルト・ボイスキオ・プレイズ・ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第8番「熱情」Op.13
ピアノ・ソナタ第13番「幻想曲風ソナタ」Op.27-1
ピアノ・ソナタ第14番「月光」Op.27-2
アルベルト・ボイスキオ(P)
アルベルト・ボイスキオはパドヴァのチェーザレ・ポッリーニ音楽院でガブリエーレ・ディ・トーマに、ローザンヌ国際ピアノ学校でファウスト・ザドラに師事したイタリアのピアニスト。当レーベルの中心アーティストの一人です。


Treasures
TRE-114(1CDR)
ノエル・リー/ドビュッシー:ピアノ曲全集Vol.1
前奏曲集第1巻/前奏曲集第2巻*
ノエル・リー(P)

録音:1959年、1962年*(共にステレオ)
※音源:日COLUMBIA OS-671VL、OS-672VL*(全てValois原盤)
◎収録時間:73:18
“楽器の魅力と奏者の感性が完全融合した、ドビュッシー録音の金字塔!”
■音源について
素晴らしさはもちろんのこと、ステレオでの世界初のドビュッシーのピアノ曲全集企画であること、デンマークのホルヌンク&メラー製のピアノを使用している点で、まさに記念碑的録音です。なんと、リーは同じValoisレーベルに70年代にも同じ楽器を使ってドビュッシーのピアノソロ作品集を再録音(曲の内訳は少し異なる)していますが、演奏内容の素晴らしさは、この第1回録音が優ります。使用したのは、ほぼ未通針の白盤。

ノエル・リー(1924-2013)は、中国・南京生まれのアメリカ人ピアニスト。パリ音楽院ではブーランジェの薫陶を受けています。ドビュッシーはクリスタルのような硬質のタッチでクールに奏でなければならないという先入観は、この演奏で完全に払拭されるでしょう。まず心を捉えるのは、ホルヌンク&メラー特有の音色。決して時代掛った響きではない、人肌の温もりを持つ音色が何とも魅力的で、第1巻第5曲「アナカプリの丘」のコーダで明らかなように、決して高音域でもキンキンしません。その楽器の特質と余韻を十分に感じたノエル・リーのフレージングに対する鋭敏な感性が作品と一体化し、イマジネーション豊かな演奏を展開します。第1巻第6曲「雪の上の足跡」など、表面的な弱音とは次元が異なり、優しい風合いを心からの共感を持って統制した呼吸の妙味は比類なし!「沈める寺」は、中盤と後半の盛り上がりでも決して鍵盤を叩きつけず、これほど和声の色彩の拡散を醸成する演奏も稀有でしょう。
第2巻第6曲「ラヴィーヌ将軍」では、ドビュッシーのリズムの真髄を余すことなく体現。表情に明確なコントラストを付けようと奮闘しなくても、音楽がこれほど生き生きと弾むのです。第7曲「月の光が降り注ぐテラス 」も、信じがたい完成度!冒頭の下降音型の一音一音にニュアンスを充満させつつ、ふわっと力を減衰させる様は、ドビュッシーのピアノ曲への共鳴度が尋常でないことの証し。終曲「花火」では、遂にこの楽器の性能を極限まで使い切ります!冒頭、上声部のオークターブ打鍵を意外なほど無節操に叩いた上に、土砂崩れのように急降下する例が多い中、常にハーモニーの淡い色彩の根幹を維持しながら、流動的なダイナミズムをがっちり獲得!これほど全ての要素を制御し尽し、凝縮しきった演奏はめったにありません。曲が凄すぎるので技巧的に完璧なだけでもそれなりの手応えは得られますが、それだけでは追いつかない要素がいかに多いか、リー以上に思い知らされる演奏を他に知りません。【湧々堂】

Treasures
TRE-115(1CDR)
ノエル・リー/ドビュッシー:ピアノ曲全集Vol.2
ピアノのために/子供の領分*
12の練習曲集*
ノエル・リー(P)

録音:1958年頃、1962年#(全てステレオ)
※音源:日COLUMBIA OS-674VL、OS-675VL*、OS-673VL#* (全てValois原盤)
◎収録時間:75:01
★ノエル・リーのピアニズムの最大の魅力は、テンポの緩急に関わらず、音の各粒に宿るニュアンスを瞬時に感じきる力だと思います。例えば、「ピアノのために」第3曲。過度にいきり立つことなく速い走句を流しつつ、一音一音が着実にニュアンスを発していることに驚くばかりです。「子供の領分」第3曲“象の子守歌”は、子供が聴いて納得するような漫画チック描写では決して滲み出ることのない和声の陰影に息を呑むばかり。“ゴリーウォーグのケークウォーク”は、「ベルガマスク組曲」の“パスピエ”同様、リズムを「ノリ」で誤魔化さず、感じながらフレーズを息づかせるセンスが尋常ではありません。
「練習曲」は、文字通りの指の訓練という意義を遥かに超えた、純音楽的なニュアンスが心を掴んで離しません。チェルニーへの皮肉とされる第1曲は、楽器の特性を生かした艶やかの響きに、皮肉よりも敬意を表しているとさえ感じられます。東洋的な第4曲では、その音色の余韻の魅力が横溢。絶妙なペダリングで余韻を醸した上に次の音をのせる際のハーモニーのコクと味わいは、他の演奏では見出しにくいもの。速いパッセージが連続する第6曲では、途中に挟まれるグリッサンドもさりげなく通過しながら冷たさは皆無。全体を一呼吸でしなやかに走らせて、その残り香で全てを語らせるような風情が魅力。「ゴリーウォーグ…」を思わせる滑稽さが光る第9曲でも、リーは殊更に表情を際立たせず淡々と進行しますが、なんと豊かな閃き!白眉は第11曲!着地が見えないフレーズと和声が満載のこの曲を絶妙な呼吸の振幅とタッチの制御によって、幻想的な色彩が更に倍増!作品に深く心酔し、信じ切きる力を持つピアニストだけが表出可能な音のパノラマをご堪能下さい。【湧々堂】
Treasures
TRE-114-115(2CDR)
ノエル・リー/ドビュッシー:ピアノ曲全集Vol.1&2
上記2点のセット化
ノエル・リー(P)

Treasures
TRE-116(1CDR)
ノエル・リー/ドビュッシー:ピアノ曲全集Vol.3
喜びの島
ベルガマスク組曲*/版画#
映像第1巻#/映像第2巻#
ノエル・リー(P)

録音:1958年頃、1959年*(全てステレオ)
※音源:日COLUMBIA OS-672VL、OS-675VL*、OS-674VL#(全てValois原盤)
◎収録時間:62:55
★まず強調したいのは、「ベルガマスク組曲」の、とてつもない素晴らしさ!ドビュッシーの演奏に関しては、繊細なハーモニーばかりが注目されがちですが 、リーの演奏を聴くと、リズムも不可欠な要素であることを思い知らされます。 表面的にはさらさらと流れているようでいて、タッチの粒を十分に吟味しながら曲自体に語らせる第1曲からして、リズムが根底でニュアンスの根幹を成していることは明白。第2曲は更にそれを痛感し、決してブンチャカチャッチャと野暮ったく刻まず、速めのテンポで過ぎ去りながら、サラッと艶やかな色彩を導きます。2:54あたりからの空気感は、ホルヌンク&メラーの音色美とも相俟って鳥肌ものです! そして極めつけは、終曲「パスピエ」!この曲を速いテンポで弾くと、痛快な疾走感しか伝わらない場合がほとんどですが、この演奏は違います。全体を大きな呼吸で包括するセンスと、一音ごとの色彩の感じ方、リズムの感じ方が尋常ではない証拠です。
「喜びの島」は、冒頭のトリルがこれほど物を言っている演奏も稀有。鋭敏な感覚を駆使しながら、出てくる音の感触が決して冷たくならないのは、楽器の特性だけでなく、フレーズを有機的に醸し出す術が体に染み付いているからでしょう。曲の最後のタッチの打ち込み方は、アクロバット的な派手さとはなんという次元の違いでしょう!
「版画」第2曲“グラナダの夕べ”の漆黒の潤い!「映像第1集」の“水の反映”では、水の波紋までリアルに現出されますが、単なる描写音楽に堕さず、詩的なニュアンスと憧憬が心を掴んで離しません。

Treasures
TRE-117(1CDR)
ノエル・リー/ドビュッシー:ピアノ曲全集Vol.4
アラベスク第1番&第2番
舞曲(スティリー風タランテラ)
スケッチ帳より/仮面#
白と黒で*/リンダラハ*
6つの古代の墓碑銘*/小組曲*
ノエル・リー(P)
ジャン=シャルル・リシャール(P)*

録音:1959年、1962年*(全てステレオ)
※音源:日COLUMBIA OS-675VL、OS-676VL*、OS-671VL# (全てValois原盤)
◎収録時間:64:17
★ノエル・リーは、1970年にもウェルナー・ハースと4手作品集を録音(PHILIPS)しており、よく知られていますが、大きな魅力を誇るのは、断然こちらのステレオ初期の録音。
「小組曲」第1曲冒頭で、甘い囁きと共に潤いと温かみのある音色が一瞬で心を捉えるのは、単に楽器の特性だけでなく、リシャールとの一体感が大きく功を奏しているように思われます。ハースとの共演では、音の粒は見事に揃い、繊細な音色の志向性も共通しながらも、これほどのニュアンスの広がりは感じられませんでした。特にリズミカルな終曲では、テンポこそほぼ同じですが、そのリズム自体にもニュアンスが溢れ、語りかけの豊かさに大きな開きがあります。
「白と黒で」第2曲後半では、ホルヌンク&メラーがユニゾンで鳴らされる際に木目調の風合いが更に倍増することを実感。ドビュッシーの4手作品の数ある録音の中でも、突出した名演です。【湧々堂】
Treasures
TRE-116-117(2CDR)
ノエル・リー/ドビュッシー:ピアノ曲全集Vol.3&4
上記2点のセット化
ノエル・リー(P)
ジャン=シャルル・リシャール(P)(4手作品)

Christopher Nupen Films
A-19CND(DVD)
ダニール・トリフォノフ〜音楽の魔術
ドキュメンタリー
カステルフランコ.ヴェネト,テアトロ・アカデミコでのコンサート
1.ショパン:エチュードヘ長調Op.10-8
2.スクリャービン:エチュード第5番嬰ハ短
調Op.42
3.ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲Op.22
4.ヨハン・シュトラウス/ダニール・トリフォノフ編「こうもり序曲」
ダニール・トリフォノフ(P)
クリストファー・ヌーペン監督

収録時間:103分(ドキュメンタリー…60分,コンサート…43分)
音声:ステレオ2.0
字幕:仏,独,伊,西,日本語,西,中
画面:16:9
REGION All(Code:0)
ロシア、ニジニ・ノヴゴロドに生まれ、5歳からピアノを始めたダニール・トリフォノフ。グネーシン音楽学校ではタチアナ・ゼリグマンに師事、研鑽を重ねます。才能あるピアニストの例にもれず、彼も幼い頃からその才能を存分に発揮し、17歳くらいからは数々の国際コンクールで上位入賞を果たします。2009年にはグネーシン音楽大学を卒業、クリーブランド音楽院でセルゲイ・ババヤンに師事。2010年の第16回ショパン国際ピアノ・コンクールで第3位を獲得し一躍世界中の注目を浴びることとなります。その翌年にはルービンシュタイン国際コンクールを制覇、また第14回チャイコフスキー国際コンクールでも第1位を獲得。現在「向かうところ敵なし」の若手最有望株の一人です。このヌーペンによるドキュメンタリーでは、5歳のときに彼がピアノを始めたのは、実はピアノを弾きたかったからではなく「作曲をしたかった」からだそうで、その時点ですでに彼がどれほど非凡な才能を有していたかがわかることでしょう。そしてそれは、20歳のときのルービンシュタイン、チャイコフスキーの両コンクールで優勝を飾ることになるための導火線のようなものでした。彼が演奏についての類い稀なるテクニックを有していることは誰の目にも明らかですが、作曲家としての彼も、すでに独自の作風を確立していることに注目してください。すでに国際ツアーでは自作のソナタ(17分ほど)を演奏し、好評を得ていますが、この映像のなかでも自身のピアノ協奏曲を演奏している姿がとても印象的です。またコンサートの映像のなかでも自分で編曲した「こうもり序曲」を演奏。こちらも素晴らしいものなのです。

たまゆら
KKC-041(1CD)
税込定価
トルストイのワルツ〜ロシア文豪の作品集
トルストイ(作家):ワルツ ヘ長調(ピアノ)
パステルナーク(作家):ピアノソナタ
 2つの前奏曲(ピアノ)
グリボエードフ(作家):2つのワルツ(ピアノ)
オドエフスキー(作家):ワルツ/子守歌
 カノン/センチメンタルなワルツ(ピアノ)
バランシン(バレエ):ヴァルス・レント(ピアノ)
ポレーノフ(画家):別れの歌(ピアノ)
 海へ/わが心は暗い(歌曲)
フェドートフ(画家):可愛い女
 カッコウ(歌曲)
ディアギレフ(バレエ):憶えているかい,マリア(歌曲)
レーラ・アウエルバッハ(P)
浦野智行(Br)

録音:2004年1月27-30日/キング関口台第1スタジオ
2004年に発売され話題となった「トルストイのワルツ」。長らく入手困難な状態が続いていましたが、 演奏者レーラ・アウエルバッハがピアニストとして久々の来日公演を行うため、値下げ再発となります。 「戦争と平和」のトルストイ、「ドクトル・ジバゴ」のパステルナーク、バレエのディアギレフやバランシンら、音楽以外のロシア芸術に名を残す偉人たちが 作曲を残していました。自身が詩人としても注目される天才レーラ・アウエルバッハがピアニストとして神業で再現。バッハ・コレギウム・ジャパンでおなじみ のバス、浦野智行はロシア歌曲のエキスパートとしても知られていますが、ここでも美声を発揮。ロシア文化の奥深さを再認識させてくれます。 (Ki)
たまゆらKKC-5611(1CD)
税込定価
レーラ・アウエルバッハ: 24の前奏曲Op.40 (1999)
10の夢Op.45 (1999)
前奏曲,フーガと後奏曲Op.31 (1994/2003)
レーラ・アウエルバッハ(P)

録音:2004年7月/旧ストックホルム音楽アカデミー
作曲家としては世界的演奏家に演じされ、作家としても世界的な賞を受賞するマルチ・タレントの天才レーラ・アウエルバッハ。彼女はすべての調による24 の前奏曲という形式に特別な興味を持ち、ピアノ独奏、ヴァイオリンとピアノ、チェロとピアノの全く別な「24の前奏曲」を発表しています。ここではピアノ作 品を自作自演。2016年東京・春音楽祭でも演奏予定。誰も真似のできない世界を作り上げます。「10の夢」はBIS社社長ロベルト・フォン・バールに献 呈された曲集。これも独特な音世界に酔いしれます。 (Ki)

Malachite
Cu-20301(1CD)
リスト:ピアノ曲集
バッハの「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」の主題による変奏曲 S.180
巡礼の年第2年 「イタリア」 より〜ペトラルカのソネット第47番 S.161-4、
ペトラルカのソネット第104番 S.161-5、
ペトラルカのソネット第123番 S.161-6
ピアノ・ソナタ.ロ短調 S.178
マリア・ラズモフスカヤ(P)

録音:2014年8月7日−8日、ワイアストン・ホール(UK)
「The GEMMA Classical Music Trust」がサポートするGEMMAアーティストの一人、マリア・ラズモフスカヤは、ロンドン王立音楽アカデミーでルステム・ハイルディノフに、王立音楽大学でドミトリー・アレクセーエフにピアノを学び、ピアノ演奏だけでなく、教育、執筆活動と幅広く活躍する才女。美しきヴィルトゥオーゾが、リストのロ短調ソナタという大曲でレコーディング・デビューを果たします。
☆YouTubeにて、ロ短調ソナタの録音をご試聴いただけます!
https://www.youtube.com/watch?v=tUhr6Ubl5Do

Pentland Music
PeCD-01(1CD)
クラシカル・アコーディオン
バッハ:前奏曲とフーガ ニ短調 BWV.554
ラモー:エジプトの女
ナガエフ:ソナタ第1番
アンジェリス:ロマンス
ハチャトゥリアン:トッカータ
モシュコフスキ:スペイン奇想曲
ポール・チェンバレン(アコーディオン)

録音:2011年6月メイバンク・スタジオ(グラスゴー)
スコットランド王立音楽院を卒業し、ヨーロッパ各地の音楽祭で活動、「スコティッシュ・タンゴ・アンサンブル」のリーダーも務めるアコーディオン奏者、ポール・チェンバレンのファースト・アルバム。A.ナガエフ、F.アンジェリスのアコーディオン・オリジナル作品に、バッハ、ラモー、ハチャトゥリアンそしてモシュコフスキのアレンジ作品を組み合わせた興味深いプログラム。

MUSICA VIVA
EMA-40029(1CD)

グレゴリオ・フラッキア:自作を含むギター音楽
マウリツィオ・コロンナ(1959-):舞曲 [Dance] ("Moments Live in My Memory" から)
グレゴリオ・フラッキア(1996-):秘密 [Secret] ("Playing" から)
アグスティン・バリオス・マンゴレ(1885-1944):蜜蜂 [Las Abejas]
グレゴリオ・フラッキア:海 [The Sea] ("Ianus" から)*
 冗談(カトゥッロへのオマージュ) [Nugae (Homage to Catullo)] ("Playing" から)
ポンセ:ワルツ [Valse]*
ロベルト・ファッブリ(1964-):ベオグラードの夜 [Notte a Belgrad]
マウリツィオ・コロンナ:シンクロニエ [Sincronie]
ビセンテ・エミリオ・ソホ(1887-1974):ガレロン [Galeron] (ベネズエラの5つの小品 から)
アンドリュー・ヨーク(1958-):子守歌 [Lullaby]
マウリツィオ・コロンナ:ゲルニカ(パブロ・ピカソへのオマージュ) [Guernica (Homage to Pablo Piccaso)]
グレゴリオ・フラッキア:夜に [At Night] ("Playing" から)
不詳(アリリオ・ディアス編):ミケレンマ [Michelemma] (ナポリ歌曲集 [Neapolitan Songs] から)
グレゴリオ・フラッキア:ライフ [Life] ("Playing" から)
不詳(カタルーニャ古謡):聖母の御子 [El noi de la mare]*
アントニオ・ラウロ(1917-1986):セイス・ポル・デレチョ [Seis por derecho]
ルイス・バカロフ(グレゴリオ・フラッキア編):映画「イル・ポスティーノ」のテーマ [Main these from "Il Postino"]
マウリツィオ・コロンナ:平易な練習曲第12番 [No.12 from "12 Simple Studies]
アンドリュー・ヨーク:サンバースト [Sunburst]

グレゴリオ・フラッキア(G)

録音:時期の記載なし、ライヴ*
グラナダ大学法学部講堂、グラナダ、スペイン/ボッコーニ大学、ミラノ、イタリア
ヤギェウォ大学会堂、クラクフ、ポーランド/トル・ヴェルガータ大学、ローマ、イタリア
制作、(C):EMA Records
グレゴリオ・フラッキアは1996年9月20日イタリアのトリノに生まれたギター奏者。現時点(2016年1月)で19歳です。6歳でギターを始め、10歳でトリノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院に入学し全優で卒業。レオ・ブローウェル、オスカル・ギリア、マウリツィオ・コロンナ、ルイージ・テッサロッロ(ジャズ・ギタリスト)らの講習に参加。作曲も行い、2014年7月、17歳でギター曲集 "Playing"、続いて "Ianus" を出版。2014年には哲学的エッセイ "Smart-phone" を、2015年にはギター曲集 "Tri(a)logia" を出版。

Orlando Records
OR-0021(1CD)
エステルハーツィ宮殿での流行り歌
C.P.E.バッハ:オルガン・ソナタ ヘ長調 Wq70/3 H84
ベートーヴェン:音楽時計の5つの小品 WoO33 より<第5 番:メヌエット/第2 番:スケルツォ>
モーツァルト:アンダンテ ヘ長調 K616
ヴァイグル(1766-1846):「海賊」から船乗りの愛(J.ヴェルフル編)
ノイコム(1781-1854):ハイドン「天地創造」のロンドによる変奏曲 ヘ長調より第1.3-5 変奏
ハイドン:フルート・クロックのための作品集 HobXIX より<第25 番:行進曲/第27 番:アレグレット>
フォークト(1778-1858):主題と変奏 ヘ長調
モーツァルト:アダージョ ハ長調 K356(617a)
C.P.E.バッハ:おもちゃとバレルオルガンのための30 の小品集 Wq193 H635 <第9 番:メヌエットI.II/第16 番:行進曲I>
アルブレヒツベルガー(1736-1809):パストラール ハ長調
レオポルド・モーツァルト:「朝と晩」より<第9 番:秋の月 狩り/第10 番:ワインの月 メヌエット>
ハイドン:「神よ、皇帝フランツを守り給え」の主題による変奏曲 ト長調 Hob.III:77(II)
アントン・ホルツァプフェル(Org)

録音: 2014 年11 月17-18 日 オーストリア,アイゼンシュタット エステルハーツィ宮殿
アイゼンシュタットのエステルハーツィ宮殿に所蔵されているオルガンを演奏したアルバムです。ハイドンはこの楽器を実際に演奏し、貴族たちを楽しませていたのです。当時、宮殿で演奏されていた曲を追いながら、壮麗な響きから可愛らしい響きまで色々な音色が楽しめます。


grazioso
GNY-701(1CD)
吉野直子/ハープ・リサイタル〜その多彩な響きと音楽
トゥルニエ:朝に
フォーレ:塔の中の王妃 Op.110
ブラームス:間奏曲 イ長調 Op.118-2
ルニエ:伝説〜ルコント・ド・リールの詩「妖精」による
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
ワトキンズ:火の踊り〜小組曲 より
リスト(ルニエ編):愛の夢第3番
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女 〜前奏曲集 第1巻 より〜
ルニエ:いたずら小鬼の踊り
ドビュッシー:月の光〜ベルガマスク組曲 より
グランジャニー:狂詩曲
ルニエ:黙想
吉野直子(Hp)

録音:2015年4月/軽井沢
※吉野直子による曲目ノート、日本語・英語解説書付
grazioso
世界的ハーピスト吉野直子が満を持しての自主レーベル「grazioso」を立ち上げました。このレーベルでは吉野が心のそばにおいて大切にしてきた作品を中心に収録していくプロジェクトで今回リリースされる第1弾「ハープ・リサイタル 〜その多彩な響きと音楽」を皮切りに、ブリテンや細川俊夫など、意欲的なプログラムのディスクが予定されています。今後数か年にわたる体系的な新たなプロジェクト。期待のレーベル始動です!

吉野直子は1985年にイスラエル国際ハープ・コンクールに優勝し、世界的ハーピストとしての活動を本格化し てから2015年で30周年となりました。その間、ソリストとしては無論のこと、室内楽やオーケストラの分野でも、 国内外でさまざまに活躍を続けてきました。小澤征爾、アーノンクール、メータ、ブロムシュテット、アバド、メニュー イン、クレーメル、ハーゲン、ニコレ、シュルツ、パユ、バボラーク、メイエなど世界超一流のアーティストと数多 くの共演を重ねる中で、ハーピストとして音楽家として急ぐことなく確実に自らの芸術を深めてきました。その吉野 直子が満を持しての自主レーベル「grazioso」を立ち上げました。graziosoはイタリア語で「優美に、優雅に」 を意味します。記念すべき第1弾は「ハープ・リサイタル 〜その多彩な響きと音楽」と題され、世界的ハーピスト 吉野直子が心のそばにおいて大切にしてきた作品の数々を、新たに選りすぐって新録音しました。ハープのために 書かれた名曲中の名曲はもとより、モーツァルトの幻想曲 ニ短調 K.397、ブラームスの間奏曲 イ長調 Op.118-2、ドビュッシーの「月の光」など、吉野ならではのレパートリーも加えた聴きどころ満載のアルバムで、幅広い音 楽ファンに聴いていただきたい内容です。自主レーベル「grazioso」の始動を皮切りにコンサート・シリーズも企画。 今後数か年にわたる体系的な新たなプロジェクトが開始します! (Ki)

Signature
SIG-11098(1CD)
ノリジン〜無伴奏ヴァイオリン
ジャック・エテュ(カナダ):変奏曲Op.11
スヴァンテ・ヘンリソン(スウェーデン):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
エサ=ペッカ・サロネン(フィンランド):学ばざる笑い
セルジュ・アルキュリ(カナダ):ソリローク1
カール・ニールセン:前奏曲、主題と変奏Op.48
エレーヌ・コルレット(Vn)

録音:2014年3月/ラジオ・フランス
フランス国立放送管弦楽団のコンサート・ミストレスを務めるエレーヌ・コルレット。彼女が生まれ故郷のカナダからフランスまで辿った北半球の旅を、 無伴奏ヴァイオリン曲で表現しました。「無伴奏=ひとりぼっち」を反語的に表現し、人類みな仲間という結論へ誘います。興味深いのがスウェーデンのヘヴィ メタおよびジャズ・ベーシストのスヴァンテ・ヘンリソン作曲のソナタ。クラシック音楽とヘヴィメタの融合が興味津々。 (Ki)


Treasures
TRE-082(1CDR)
エドゥアルド・デル・プエヨ〜フランク&ベートーヴェン
フランク:前奏曲,コラールとフーガ*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番「告別」
 ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィア」
エドゥアルド・デル・プエヨ(P)

録音:1959年10月3-5日アムステルダム・バッハザール*、1958年5月7-15日アムステルダム・コンセルトヘボウ小ホール(共にモノラル)
※音源:蘭fontana 698-042CL*、英fontana CFL-1037
◎収録時間:79:29
“タッチの色彩力と直感的な構築力の非凡さ!”
■音源につい
プエヨがPHILIPSに遺した録音には、他にバッハ、グラナドスもありますが、全てが聴き逃せない名演ばかり。極めて良質なモノラル録音。

★エドゥアルド・デル・プエヨ(1905-1986)は、スペイン出身。ブリュッセル王立音楽院、エリザベート王妃音楽大学などで後進の指導に当たりましたが、録音はごく少数。ベートーヴェンの権威として知られ、後にはユニークなアゴーギクを盛り込んだ全集も完成していますが、このプエヨ50代のフィリップス録音では、作品の造型美を堅固に守りながら、闊達な打鍵と意志の力で圧倒的なスケールの音楽を展開。特にフォルティッシモでも音の芯がぶれない打鍵の訴求力は、尋常ではありません。
「告別」の第1楽章序奏で、早速その意志の強さと、独特の色艶を持つ音色に魅了されます。主部第1主題は、ペダルを排して果敢に推進。しかも、何という呼吸の深さ!打鍵ごとの音価が自在に伸縮するフレージングは、これみよがしのルバートとは一線を画します。第2楽章でも、痩せたピアニッシモなどお呼びではなく、色香を濃厚に湛えながら深い瞑想感を表出。終楽章は、淀みのないリズムの切れをもって生命力を一途に放射します。
「ハンマークラヴィア」は、更に絶品!頭で音楽を構築している痕跡を感じさせない自然発火的な熱と推進力には、ベートーヴェンはこうでなければ!という強い信念が漲っているので、その求心力は破格!展開部のフガートが高揚するたびに、フレーズの間合いそのものにもニュアンスが充満していく様をお聴き逃しなく。第2楽章は、割れない強打鍵の魅力が全開。第3楽章は、主題の暗い瞑想に束の間の光が差し込む瞬間(0:57付近など)のコントラストがこれほど鮮烈な演奏も珍しいでしょう。まさに色彩への鋭敏なセンスの賜物です。そして、圧巻は終楽章!恐ろしく高度な構造を誇るこの楽章を取り零しのないよう音化することに終止するピアニストが多い中、プエヨの演奏は、その構築する過程そのものが音楽的なニュアンスを伴っているので、迫り来る情報量はあまりにも膨大!是非、それを受け止めきれるだけの心のスペースを確保した上で、お聴き下さい。【湧々堂】

Resonus
RES-10151(1CD)
ベートーヴェン(ツェルニー編):交響曲第1番(4手ピアノ版)
交響曲第5番「運命」(4手ピアノ版)
ヴィッキー・ヤヌーラ&ゲオルゲ=エマヌエル・ラザリディス(ピアノ・デュオ/スタインウェイ・モデルD)

録音:2015年2月11日−12日、セント・ジョン・ザ・エヴァンジェリスト教会(オックスフォード、イギリス)
ベートーヴェンからリストへと続く系譜の橋渡し的役割も担ったツェルニーが完成させた「4手ピアノ版」を繰り広げるのは、ギリシャの名手デュオ、ゲオルゲ=エマヌエル・ラザリディスとヴィッキー・ヤヌーラ。リストの「ピアノ・ソナタ ロ短調(Linn)」が大絶賛を受けたラザリディス、2台ピアノ&4手連弾のスペシャリストであるヤヌーラが、ツェルニーがベートーヴェンの音楽に施したアレンジという名の魔法の効果を存分に披露してくれます。


Treasures
TRE-112(1CDR)
フランシス・プランテ〜全録音集
ボッケリーニ(プランテ編):メヌエット
グルック(プランテ編):ガヴォット
ベルリオーズ(ルドン編):メフィストのセレナード
メンデルスゾーン:スケルツォ.ホ長調 Op.16-2
 無言歌集〜Op.19-3「狩の歌」/Op.67-4「紡ぎ歌」/Op.67-6「セレナード」/Op.62-6「春の歌」
シューマン(ドビュッシー編):子供のための12の4手用曲集Op.85〜第9曲「噴水にて」
シューマン:4つの小品〜ロマンスOp.32-2
 3つのロマンス〜第2曲Op.28-2
ショパン:練習曲Op.10-4/Op.10-5「黒鍵」
 Op.10-7/Op.25-1/Op.25-2
 Op.25-9「蝶々」/Op.25-11「木枯らし」
フランシス・プランテ(P)

録音:1928年7月3-4日フランス、ランド県モン=ド=マルサン
※音源:Private ZRC-1003
◎収録時間:44:03
“明瞭な電気録音で遺された老巨匠の奇跡的な妙技!”
■音源について
フランシス・プランテ(1839-1934)の正規録音は、仏コロンビアに遺したSP9枚分のみ。元々プランテはレコード録音を嫌っていましたが、依頼された演奏会に出演できなくなったため、録音の報酬を寄付するという条件を受け入れ実現したもので、ここではその全録音曲収録。PearlからもLP復刻されていますが、音の生々しさはこのZRC盤の方が上回ります。短時間収録につき、特別価格。

★リスト、ブラームス等と同時代を生きたフランスの名手、プランテの妙技をが極めて明瞭な録音で味わえるのは嬉しい限りです。古い録音をあえてご紹介するのは、もちろんただのノスタルジーではなく、プランテが誇る語り口の豊かさと、“Floting tone”として一世を風靡した独自の音色美が、時代を超えて精彩を放つと確信するからです。弱音のフレージングでも音楽のエネルギーが減退せず、大きな包容力と生命力を絶やさないスタミナも尋常ではありません。録音当時プランテは89歳で、ミスタッチは皆無ではないものの、そこに息づく精神には老化の影など微塵もなし。
特にメンデルスゾーンの作品には、その瑞々しさが横溢。しかもスケールの大きいこと!ショパンの「黒鍵」は、この曲の史上最もニュアンスの質量が豊穣な名演の一つ。徹底して主旋律を基調とした声部バランスを維持しながら、遅めのテンポで拍を克明に打鍵し、眩いほどの色彩を放射します。Op.25-1「エオリアン・ハープ」のアルペジョは可憐さとは程遠い濃厚さで、まるで大聖堂のステンドグラスを仰ぎ見るよう。エラール・ピアノの音色の魅力も全開です。Op.10-7の最後の和音は物凄い音で締めくくりますが、その後に「Bien!(いいぞ)」というプランテ本人の声が聞かれます。ちなみに、ヴラディーミル・ド・パハマンは、演奏中に喋り出す奇癖で有名ですが、それはプランテ(パハマンより9歳年長)からヒントを得たと、パハマン自身が認めています。【湧々堂】

ACADEMY PRODUCTIONS
AP-4131(1CD)
レクオーナ(1895-1963):ピアノ作品集
エルエスコリアルへ/夜の前奏曲
アフロキューバ舞曲集
19世紀の様式によるキューバ舞曲集〜最初の額のしわ/彼女と私/途切れた舞曲/カルデナスの女/古風に/やっと会えた!
4分の3拍子で
アンダルシア(アンダルシア組曲)
マルコス・マドリガル(P)

録音:2014年7月24-25日、コルティチェッレ・デ・ピエーヴェ、ブレシア県、イタリア
キューバの作曲家レクオーナの作品をキューバ出身のマルコス・マドリガルが演奏。マルコス・マドリガルは1984年ハバナに生まれ、キューバ芸術大学で学び、15歳でオーケストラをバックにコンサート・デビュー。2015年現在イタリア在住。
ACADEMY PRODUCTIONS
AP-4141(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 BWV846-869 エリン・ヘイルズ(P)

録音:2014年3月28-29日、コモ湖国際ピアノ・アカデミー、ドンゴ、コモ県、イタリア
エリン・ヘイルズはアメリカ合衆国アリゾナ州スコッツデールに生まれ、パーク大学(ミズーリ州)でスタニスラフ・ユデニッチに師事したピアニスト。録音時点でイタリアのコモ在住。
ACADEMY PRODUCTIONS
AP-4531(1CD)
シューマン:アベッグ変奏曲 Op.1
蝶々 Op.2/幻想曲ハ長調 Op.17
暁の歌 Op.133
アレッサンドロ・デリャヴァン(P)

録音:2014年7月22-23日、コルティチェッレ・デ・ピエーヴェ、ブレシア県、イタリア
アレッサンドロ・デリャヴァンはペルシャ人の父、イタリア人の母を持つイタリアのピアニスト。ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院卒業後、コモ湖国際ピアノ・アカデミーでウィリアム・グラント・ナボレに師事。2015年現在バーリ(イタリア)のニコロ・ピッチンニ音楽院およびロカルノ(スイス)のヴィヴァルディ・アカデミー・ピアノ科教授。本体、外装とも規格品番表示がございません。

LUNA
LN-1301(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調「テンペスト」Op.31-2
ピアノ・ソアナ第8番ハ短調「悲愴」Op.13
ピアノ・ソアナ第26番変ホ長調「告別」Op.81a
サリエリの歌劇「ファルスタッフ」の二重唱「まさにその通り」による10の変奏曲 WoO.73
エドナ・スターン(P)
エドナ・スターン(ステルン)は1977年ベルギーのブリュッセルに生まれイスラエルで育ったピアニスト。テルアヴィヴ(イスラエル)のルービン音楽アカデミーで学んだ後、ブリュッセルでマルタ・アルゲリッチに、バーゼルでクリスティアン・ツィメルマンに、ボルチモア(アメリカ合衆国)でレオン・フライシャーに師事。2009年以来2015年現在イギリスの王立音楽カレッジ教員。Ambroisie, Orchid Classics, Zig-Zag Territoires等のレーベルに録音があります。
LUNA
LN-1302(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ長調「熱情」Op.57
ピアノ・ソアナ第19番ト短調「悲愴」Op.49-1
ピアノ・ソアナ第1番ヘ短調 Op.2-1
エリーゼのために イ短調 WoO.59
エドナ・スターン(P)

Sleeveless Records
SLV-1010(1CD)
ラプソディ・イン・ブルー
リムスキー=コルサコフ(ラフマニノフ編):熊蜂の飛行
ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2、
 前奏曲ト短調 Op.23-5
サティ:ジムノペディ第3番
ゴットシャルク:アンダルシアの思い出Op.22
ベートーヴェン:エリーゼのために
シューベルト:即興曲変ホ長調 Op.90-2、
 即興曲変ト長調 Op.90-3
グリーグ:トロールハウゲンの婚礼の日Op.65-6
ドビュッシー:アラベスク第1番/月の光
ガーシュウィン:前奏曲第1番、
 前奏曲第2番、前奏曲第3番、
 ラプソディ・イン・ブルー
ウォーレン・メイリー=スミス(P)

録音:2013年10月、ポットン・ホール(サフォーク、イギリス)
2011年にロイヤル・フィルとの共演によるベートーヴェンの「皇帝」で鮮烈なデビューを飾ったイギリスの俊英ピアニスト、ウォーレン・メイリー=スミス。これまでに30回以上にわたり、英国王室からの招きによりバッキンガム宮殿でそのピアノを披露するなど、英国内外での存在感が急上昇中。
メイリー=スミスの美麗な音色、軽やかなタッチ、優れた技巧が繰り広げる"ピアノのためのヴィルトゥオーゾ・ショーピース集"には、ピアノ独奏版の「ラプソディ・イン・ブルー」や「熊蜂の飛行」、「エリーゼのために」などを収録。

SOJUZ
SOCD-0003(1CD)
2台のピアノの為のロシアとアルメニアの音楽
ハチャトゥリアン:バレエ「スパルタクス」〜ガディスの娘たちの踊り/スパルタクスの若い兵士たちの踊り/エジプトの踊り/エギナの踊り
バレエ「カヤネー」〜乙女たちの踊り/子守歌/ワルツ/ヌーネのヴァリアシオン/剣の舞/歓迎の踊り
チェレプニン(1899-1977):幻想曲
アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012)&アルノ・ババジャニアン(1921-1983):アルメニア幻想曲
ハチャトゥリアン:3つの小品[オスティナート/ロマンス/幻想的ワルツ ]
デュオ・レーヌ・エリザベート
[ロルフ・プラッゲ、ヴォルフガング・マンツ(P) ]

発売:2002年
デュオ・レーヌ・エリザベートはドイツのピアニスト、ロルフ・プラッゲとヴォルフガング・マンツが1988年に結成。おそらくロシアの倉庫における保管状況に問題があったため紙部分(ブックレットとインレイ)に歪みや汚れが付いている可能性がございますが、希少流通商品につきご容赦ください。なお、この点の周知が難しくなった場合は供給を早期に打ち切る可能性もございますので、ご了承ください。

SOUPIR EDITIONS
S-233(1CD)
コレスポンダンスショパン、スクリャービン、ラヴェルのピアノ曲と詩の朗読
ハインリヒ・ハイネ(1797-1856):ショパンの肖像*
ショパン:マズルカ.ト短調.Op.67-2
スクリャービン:マズルカ.ト短調.Op.3-3
 ショパンの肖像*
ショパン:マズルカ.ホ短調.Op.17-2
スクリャービン:練習曲嬰ヘ短調.Op.8-2
 「アクト・プレアラブル」から.詩*
 練習曲ホ長調.Op.8-5
ショパン:マズルカ.ハ長調.Op.68-1
 マズルカ変ニ長調.Op.30-3
スクリャービン:「アクト・プレアラブル」から.詩*
 練習曲嬰ハ短調.Op.42-5
ショパン:マズルカ.ヘ短調.Op.68-4
スクリャービン:マズルカ.ホ短調.Op.3-7
 「アクト・プレアラブル」から.詩*
 ポロネーズ変ロ短調.Op.21
アロイジウス・ベルトラン(1807-1841):オンディーヌ*
ラヴェル:夜のガスパール〜オンディーヌ
アロイジウス・ベルトラン:絞首台*
ラヴェル:夜のガスパール.から.絞首台
アロイジウス・ベルトラン:スカルボ*
ラヴェル・夜のガスパール.から.スカルボ.
コリンヌ・クロスカ(P)(*以外))
ブリジット・フォッセー(朗読*)

録音:2014年10月、2015年6月、フレデリク・ショパン・スタジオ、アンドル、フランス
アロイジウス・ベルトランの詩集を題材にラヴェルが作曲した「夜のガスパール」にインスピレーションを得たコリンヌ・クロスカ(ポーランド・イタリア系フランスのピアニスト)が発案し、同国の名女優ブリジット・フォッセー(映画「禁じられた遊び」のポーレット役でデビュー)との出会いによって実現した、詩の朗読(フランス語)とピアノ演奏によるプログラム。アルバム・タイトルの「コレスポンダンス」は対応、交信、符合、調和、等の意味を持つ言葉です。
SOUPIR EDITIONS
S-231(2CD)
ショパン、シューマン、リストをプレイエルとエラールのピリオド・ピアノで
[CD 1]*
シューマン:ショパンの夜想曲による変奏曲
ショパン:バラード第2番ヘ長調 Op.38
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
[CD 2]+
シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
リスト:ソナタ ロ短調 S.178
 詩的で宗教的な調べ S.173〜葬送曲(No.7)
イヴ・アンリ(P)

録音:2010年4、5月、フレデリック・ショパン・スタジオ、アンドル、フランス
使用楽器:1837年、プレイエル製*/1845年、エラール製+
シューマンを軸に、彼が高く評価したショパン、互いに高く評価しながら対立することもあったリストの作品で構成されたプログラム。イヴ・アンリ(1959年生まれ)はパリ音楽院でピエール・サンカン(1916-2008)、アルド・チッコリーニ(1925-2012)に師事したフランスのピアニスト。前作「ショパン、パリでの最後の演奏会 1848年2月16日」(S 226)に続きピリオド楽器を演奏しています。

ARCO DIVA
UP-0174-2(1CD)
無伴奏ヴィオラの為の音楽
ミクロス・ローザ(1907-1995):序奏とアレグロ Op.44
ヴラディミール・ゴダール(1956-):おお、十字架よ(瞑想曲)
ペンデレツキ:カデンツァ
ハチャトゥリアン:ソナタ=ソング
ストラヴィンスキー:悲歌
シルヴィエ・ボドロヴァー(1954-):ジャ・モレ
ペンデレツキ:サラバンド「J・S・バッハの記念に」
クリスチナ・フィアロヴァー(Va)

録音:2015年2月25-26、28日、3月1日、リヒテンシュタイン宮殿マルチヌー・ホール(プラハ音楽アカデミー)、プラハ、チェコ
クリスチナ・フィアロヴァーはブルノ音楽院、プラハ音楽アカデミー、デンマーク王立音楽アカデミー、ドレスデンのカール・マリア・フォン・ヴェーバー音楽大学で学んだチェコのヴィオラ奏者。2015年の「プラハの春」音楽祭でソロ・リサイタルを行いました。

UNIVERSAL ITALY
DECCA-4812361(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV870-893 ピエトロ・デ・マリア(P)
ピエトロ・デ・マリアは1967年ヴェネツィア生まれ。ヴェネツィア音楽院を卒業後ジュネーヴ音楽院でマリア・ティーポに師事し1988年最高栄誉付き一等ヴィルトゥオーゾ賞を受賞。バッハからリゲティにわたるレパートリーを擁し、またショパンのピアノ独奏用全作品を公開演奏した最初のイタリア人ピアニストでもあります。

ESTONIAN CLASSICS
EC-016(1CD)
リスト:愛の夢〜ピアノ作品集
夜想曲「愛の夢」第3番
巡礼の年 第2年「イタリア」〜ペトラルカのソネット 第47番/ペトラルカのソネット第104番/ペトラルカのソネット 第123番
詩的で宗教的な調べ から 愛の賛歌
ヴァルド・ルメッセン(P)
ヴァルド・ルメッセン(1942-2015)はタリン音楽院で学んだピアニスト・音楽学者。エストニアの作曲家の他、バッハ、ショパン、ブラームス、ラフマニノフ、スクリャービンを得意としていました。

CONTINUO RECORDS
CONTINUO-CR112(1CD)
アレッサンドロ・ステッラ/ライヴ・イン・ローマ
ショパン:夜想曲嬰ハ短調 Op. posth.
リスト:夜想曲「夢のなかに」S.207
グリーグ:抒情小曲集第10巻 Op.76〜森の静けさ(No.4)
ドビュッシー:前奏曲集第2巻〜ヒースの荒野
 前奏曲集第1巻〜沈める寺
アレッサンドロ・ステッラ(P)

録音:2013年2月3日、ギオーネ劇場、ローマ、イタリア

Roven Records
RR-51115(1CD)
アコーディオンの劇場
ばらの騎士
セントルイス・ブルース*
ヴォツェック、ザ・ウィナー
ソナタ・フォー・フィドラー
ディスカード・メロディ
アコーディング・トゥ・シェーンベルク
ミクロベッラ/ヴェニスの謝肉祭
クラシカル・ブルーグラス
キャンディード序曲/マーラー9*
ウィリアム・シンメル(アコーディオン)、
ウィントン・マルサリス(Tp)
ジュリアード音楽院で研鑽を積み、現在はアメリカを代表するヴィルトゥオーゾ・アコーディオニストとして目覚ましい活躍を展開しいているウィリアム・シンメル(1946−)。自らのアレンジによる"アコーディオン版"の「キャンディード序曲」や「ヴェニスの謝肉祭」、「ばらの騎士」などでは、その圧巻のヴィルトゥオージティを存分に披露。ウィントン・マルサリスのゲスト参加も大きなポイント!

現代ギター
GGBD-3031(1CD)
税込定価
「タンゴ名曲集」〜カナロからピアソラまで
ピアソラ:アディオス・ノニーノ
マフィア:ベンタロン*
ピアソラ:チキリン・デ・バチン〜バチンの男の子
ビジョルド:エル・チョクロ
ピアソラ:オブリビオン〜忘却*
ガルデル:ポル・ウナ・カベサ〜首の差で
ピアソラ:ブエノスアイレス午前零時
デ・カロ:黒い花
モレス:タキート・ミリタル〜軍靴の響き
バルディ:恋人もなく
ピアナ&カスティージョ:シルバンド〜口笛を吹きながら
コビアン:リアチュエロの霧
ビジョルド:エル・チョクロ(初級用)
カナロ:ティエンポス・ビエホス〜古き時代
トロイロ:下町のロマンス
ガルデル:想いの届く日
フレウリ:テ・バス・ミロンガ*
レオナルド・ブラーボ(G)
*=多重録音によるブラーボの二重奏

録音:2015年7月7,8日ソウル
アルゼンチン出身で日本を拠点に活躍中の名ギタリスト、レオナルド・ブラーボの編曲・演奏による「タンゴ名曲集」。伝統的タンゴから革命児ピアソラまで、 アルゼンチン・タンゴの各時代を代表する作品を収録しました。本場生まれのレオナルド・ブラーボならではのキレの良いリズム感と気迫に溢れる演奏はタ ンゴの概念を一新させること間違いなし!タンゴの神髄と呼べる名演をお届けします。  (Ki)
■レオナルド・ブラーボ(ギター)
アルゼンチン共和国生まれ。国立ロサリオ大学芸術学部音楽学科修了。国内外で、ギタリスト、また作曲家として数々の賞を受賞。2003年11月来日、 2004年ギターソロの日本デビューリサイタルを行い、日本各地での演奏活動を開始する。2010年レオナルド?ブラーボタンゴ楽団を結成し、ザ?シンフォ ニーホールでデビューコンサートを行い評判となった。現在日本を拠点に、韓国、中国、台湾、アメリカ合衆国で演奏活動をおこなっている。

Hush Collection
HUSH-010(1CD)
ソングス・ウィズ・ストリングス
L・グリゴリアン:ディスタンス
S・グリゴリアン:ウィリアム・ローズの主題による幻想曲
L・グリゴリアン:イルミネイテッド
ショーン・リグニー:プレイヤー・フラッグス・イン・ブライト・ウィンド
E・グリゴリアン:ソング・フォー・イリーナ
ベンジャミン・ノーシー:バトン&ポケット
リューク・ハワード:パン
チャイコフスキー(E・グリゴリアン編):四季より 4月
モンポウ(W・ラヴレディ編):ショパンの主題による変奏曲第8変奏
ショーン・リグニー:ケイプ・オヴ・グッド・ホープ
スラヴァ・グリゴリアン(G)、
レオナルド・グリゴリアン(G)

録音:2010年6月、メルボルン
オーストラリアのHUSH音楽財団によるHush Collectionは、難病に苦しむ子どもと親を支援するため、プロのミュージシャン達がボランティアで参加し製作され、オーストラリア各地の病院で使用されています。第10弾は、オーストラリアの天才ギター兄弟デュオ、スラヴァ&レオナルド・グリゴリアンを招いて贈る癒やしの音楽。

Psalmus
PSAL-022(2CD)
ジャン=パトリス・ブロスの「フーガの技法」!
バッハ:フーガの技法 BWV1080
ジャン=パトリス・ブロス(Cemb)
ジャン=パトリス・ブロスは1950年フランスのル・マンに生まれ、ル・マン音楽院、キジアーナ音楽アカデミー(シエナ、イタリア)、エコール・ノルマル音楽院で学んだチェンバロおよびオルガン奏者。1970年代から現在に至るまでソリスト、伴奏者、アンサンブル奏者として常に第一線に立ち続けています。Pierre Verany レーベルの看板アーティストとして知られる他、Arion, EMI等にも録音があります。ブロスにとってバッハの作品はフランス・バロックと並ぶ主要レパートリーですが、意外にも「フーガの技法」はこれが初録音。60代半ばを迎え円熟の境地にさしかかったブロスが満を持して取り組んだものと思われます。

クアッドリーガ
QR-09003(1CD)
税込定価
シンディング:ピアノ作品集Vol.1
クリスチャン・シンディング(1856-1941): 春のささやきOp.32-3(1896)
プレリュードOp.34-1(1896)
「15 のカプリス」Op.44(1898)より
(II. Andante con moto /III. Marcato /V.Allegretto /VII.Allegretto Scherzando/VIII.Animato/XII Allegretto)
アンダンティーノOp.24-3(1894)
「スケッチ町」Op.82.(全曲)(1908)
(I.決意/II.即興曲/III.スケッチ/IV.絶え間ない動き/V.ステュディエ/VI.追憶/VII.気まぐれ/VIII.エチュード/IX.盃と伴に/X.ユーモレスク)
広瀬美紀子(P)

録音:2015年10月22日(シャッツグレーバー)
シンディング(1856-1941)はグリーグ(1843-1907)と共に19 世紀から20 世紀への時代の変わり目に活躍したノルウェーの作曲家である。グリーグ亡き後、しばしばグリーグの後継者とみなされる著名で重要な作曲家である。その音楽からはスカンディナヴィア地方の風土の中、大自然から行ける「自然と光に寄せる強い感情」が感じとられる。また更に、約40 年間を過したドイツの文化・音楽からの影響は計り知れない。とりわけ、ヴァーグナー、リストからの影響は色濃く、その土壌の中から若き頃より独自の様式を築きあげた。中でも、和声の扱い方、転調、半音階進行等はリストに負う所も大きいとされている。めまぐるしい転調の連続がしばしば見られるが、調性を破壊するような傾向はみられない。彼の作品の音楽的特徴ははつらつとした力強い希望に満ちた戦慄やまた繊細で色彩豊かな、きらめくような情感など起伏に富んだ音楽的展開にある。めまぐるしい転調による波動型伴奏がそれを支えていく。若い頃、ヴァイオリニストを志したシンディングの音楽語法が根底に流れていると思われる。このロマンティシズムにより、後期ロマン派の北欧における復興者として自国で迎え入れられ、グリーグの死後、生涯を通して国際的地位を保ち続けた。(ブックレットから抜粋)
クアッドリーガ
QR-09001(1CD)
税込定価
ヴィラ=ロボス:ピアノ作品集Vol.1
ワルツ・スケルツォ(1913)
波に揺れて〜練習曲(1914)
ニューヨーク・スカイライン(1940)
ブラジル風バッハ第4番(1930-41)
神秘的なワルツ(1918)
真実の詩〜飾りのない詩(1942)
白いインディオの踊り(1936)
悲嘆(1910)
ロマンティックなワルツ(1912)
苦悩のワルツ(1932 or 1938)
広瀬美紀子(P)

録音:2009 年5 月27日


Treasures
TRE-105(2CDR)
ティート・アプレア〜ショパン:ポロネーズ集
ポロネーズ第9番Op. 71-2
ポロネーズ第1番Op. 26-1
ポロネーズ第3番Op. 40-1「軍隊」
ポロネーズ第4番Op. 40-2
ポロネーズ第13番変イ長調
ポロネーズ第2番Op. 26-2
ポロネーズ第6番「英雄」
ポロネーズ第5番Op. 44
ポロネーズ第8番Op.71-1
ポロネーズ第15番変ロ長調
ポロネーズ第10番Op. 71-3
ポロネーズ第16番変ト長調
ポロネーズ第14番嬰ト短調
ティート・アプレア(P)

録音:1960年代初頭(モノラル)
※音源:伊RCA VICTROLA KV-17/18
◎収録時間:92:35
“ショパンのポロネーズ演奏史上、無類の含蓄を誇る超名盤!”
■音源について
1964年に発売されたイタリア・ローカル発売盤2枚分(セットものではない)の全曲を収録。イタリアはステレオの普及が遅かったせいか、これもモノラルでのリリースですが、もちろん音質は極めて明瞭。曲の配列は、オリジナルどおりです。

★ティート・アプレア(1904-1989)は、イタリアのピアニスト、作曲家、指揮者。ピアニストとしての録音は、他にはデ・ヴィートとの伴奏盤がある程度なので、このショパン極めて貴重。しかも同曲の演奏史上に燦然と輝く大名演です。「幻想」が収録されていないのが残念ですが、演奏を聴けば、本来のポロネーズのリズムを主体とした作品群で構成した意図がご理解いただけるはずです。重要なのは、その民族舞曲のリズムを自身の感性から正直に発することで、借り物のローカル色から脱した芸術的な風格美を打ち立てている点。それが結果的に、有名作品以外においても、類例のない説得力を持つ演奏に結実しているのです。例えば最初の「第9番」。こんな大きな構えで語り尽くした演奏を他に知りません。続く「第1番」も、序奏部からして見せかけではない渾身のスケール感を見せ、中間部は甘美な流れの中にも求心力の高さを失いません。とかく軽視されがちな「軍隊」も、その芸術的昇華力に唖然。「第4番」冒頭はペダルを避け、旋律を克明に表出することで、感覚的な重厚感とは異なる生々しいドラマ性を現出。そして言葉を失うのが、「第2番」冒頭の8分音符と16分音符による、ピアニッシモの和音!こんな凍てつくような寒さと孤独を投影した響きが他で聴けましょうか。「英雄」は勇壮に仕立てようとすればするほど軽薄になりがちですが、一切遊びを持ち込まずに、人間的な度量の大きさで推進させるアプレアには、そんな心配は無用。トリオ後半の静かな部分は、この録音の核となっているアプレアのルバートのセンスの宝石箱!「第5番」から2枚目のレコードへ移りますが、ほとんど初期の作品で構成されているのが、驚くべきこと。これを単独で発売したのでしょうか?しかし、更に驚くのはその内容!持ち前の入魂のルバートをふんだんに注入したフレージングで、作品としての内容の薄さなど微塵も感じさせないどころか、後期作品と同列の大きなうねりを一貫して維持しているところに、アプレアの自信と確信の程が窺えます。特に「第10番」の素晴らしさ!【湧々堂】

Treasures
TRE-107(2CDR)
フルゴーニ〜ショパン:マズルカ全集
第1番Op.6-1〜第51番遺作
オラツィオ・フルゴーニ(P)

録音:1960年代初頭(ステレオ)
※音源:仏Musidisc RC-887/888
◎収録時間:105:09
“軽さにこそ意味がある!マズルカの民族色を超えた息吹”
■音源について
2枚組のLPの全曲を収録。

★オラツィオ・フルゴーニ(1921-1997)はイタリア出身。ファシストの台頭を逃れてアメリカへ移住。ショパン・コンクール等の審査員を務めるなど、生涯を通じて教育活動にも取り組むましたが、録音は少なく、あとは米VOXに少し遺した程度。その演奏スタイルは、同じイタリア出身でも、「ポロネーズ集」で紹介したアプレアとは好対照です。
まず触れておきたいのが、「あっけらかんと明るく、まるで深刻味がない」(佐藤泰一著:「ショパン・ディスコロジー」より)という、この演奏に関する記述。これは佐藤氏の個人的な趣味に過ぎず、これを鵜呑みにして凡演と決めつけてはならないということ。確かに感覚的に軽いです。これは、ルバートを強調せず、2拍目、3拍目のアクセントも強く押し込まない(第23番で顕著)ことによるものですが、その軽さ自体に意味があり、それが、3部形式を基調とした作品のシンプルな様式を蘇らせることに繋がりるというフルゴーニの確固たるでヴィジョンであり、何よりも真の共感が全曲に首尾一貫していることは見過ごせません。第一、無機質な音などどこにも存在しません。
「第2番」の1:13から長調に転じた時の自然な華やぎ、1:40からの装飾音の色彩に、早速その「軽さ」の意味が感じられます。軽いタッチが土臭さよりもメルヘンを浮き上がらせるのが、「第5番」。「第7番」で、テーマを一筆書きのように一気に走らるのを「無造作」と捉えるのはいかにも表面的。全体像を見据えた上で優美な凝縮が確実に効いているのですから。「第10番」は、誰もが納得せざるを得ない無理のないニュアンス配置。こう弾かなければ曲が生きないでしょう。それでも物足りないというなら「第13番」!この演奏のどこがあっけらかんだと言うのでしょう!「第16番」最後のアルペジオの美しさ、「17番」のサラッとしたルバートの中に光るさりげない陰影も必聴。
「41番」も冒頭のタッチは軽やかですが、各音の後に確実に余韻が伴い、後半でのテーマの対話も濃密さを演出しない潔さが、音楽を結晶化。「47番」は、徹底的に拍節感を減じることで色彩が陽炎のように揺らめき、「深刻さ」とはことなる儚さが心に迫るのです。
過剰な鎧を脱ぎ捨て、人間の自然な息遣いと瑞々し息吹を投影した珠玉のマズルカ集。是非、好みや固定観念と切り離して、無心で味わっていただくこと願ってやみません。【湧々堂】

Sheva Collection
SH-136(1CD)
シーボーン:ステップス Vol.5〜磔刑の前の16のシーン アレッサンドロ・ヴィアーレ(P)

録音:2015年
ケンブリッジ大学でロビン・ホロウェイに作曲を学んだイギリス出身の作曲家、ピーター・シーボーンの近現代ピアノ作品集。グラモフォン誌やピッチカート、ミュージック・ウェブ・インターナショナルなどで多くの国際的なピアニストに評価されているシリーズの最新作は、カラヴァッジョの絵画からインスピレーションを得た音楽。キリストではなく、使徒ペテロとアンデレの磔が描かれています。

33 Records
33Xtreme-005(1CD)
ジョン・ロウ:オープニング
バッハ:ゴルトベルク変奏曲(アリア、30の変奏、アリア)
ジョン・ロウ:クロージング
ジョン・ロウ(P)

録音:2013年12月、キーフォード・スタジオ
ジャズ、クラシック、コンテンポラリーと新たな地平を開拓し続ける野心家ピアニスト、ジョン・ロウ。新たなプロジェクトは、なんとヨハン・セバスティアン・バッハの「ゴルトベルク変奏曲」全曲!通常演奏されるアリアと30の変奏に加え、オリジナルのオープニングとクロージングを前後に加えたジョン・ロウならではの「ゴルトベルク」。ジャズ・ピアノ・ファンからバッハ・ファンまで要注目のアルバムです!

Cantloupe
CA-21112(1CD)
ジョン・ルーサー・アダムズ:Ilimaq
Descent/UndertheIce
The Sunken Gamelan
Untunethe Sky
Ascension
グレン・コッチェ(パーカッション)
グラミー賞を受賞した作曲家ジョン・ルーサー・アダムズ(1953-)。彼の「Become Ocean」での神秘的で雄大な音楽は各方面で高い評価を受けましたが、今作の「Ilimaq」ではノイズも含めた音を駆使し、更なる精神世界の深部を探ることに執心しています。次々と変化していくパーカッションの響きの波、これをマッピングしていくことで出来上がっていく48分の作品は、少しずつ聴き手の精神を侵食し、別世界へといざないます。

VERMEER DIGITAL
VERMEER-40003(1CD)
ハープによるロッシーニ
ロッシーニ(ボクサ編):「セビリアの理髪師」より「そっと静かに」によるロンド
ロッシーニ:アレグレット/ソナタ
ラバール:「ウィリアム・テル」による幻想曲Op.44
 「コリントの包囲」による幻想曲と変奏Op.25
 「音楽の夜会」による幻想曲Op.75
パオラ・ペルッチ(ハープ)

録音:2014年8月27日サン・ミケーレ・アルカンジェロ教会、ペサロ
イタリアのハープ奏者パオラ・ペルッチによるアルバム。ロッシーニのハープ曲、そしてロッシーニのオペラの主題を用いたボクサとラバールのハープ作 品を収録しています。 ニコラ・シャルル・ボクサとテオドール・ラバールはフランスのハープ奏者であり作曲家。ボクサはハープをナーデルマンとマラン学び、ハープ奏者として は技巧と表現力の多彩さで名声を博し、作曲家としてもハープの新しい可能性を追求した作風でフランス・ハープ界の発展に大きく貢献しました。またそ のボクサにラバールは師事、大胆で華やかな作品を生み出しました。

Diligence
DCTT-56(1CD)
スクリャービン:幻影の肖像
マズルカ ホ短調 Op.3-7
24の前奏曲 Op.11
ソナタ第2番嬰ト短調「幻想ソナタ」Op.19
ソナタ第4番嬰ヘ長調 Op.30
ソナタ第9番「黒ミサ」Op.68
フィリッポ・バルドゥッチ(P)
フィリッポ・バルドゥッチはスクリャービンを得意とするイタリアのピアニスト。「音楽の黙示録:スクリャービンの革命(Musica dell'apocalisse: la rivoluzione di Scriabin)」というエッセイも執筆しています。

ARTALINNA
ATL-A010(1CD)
中国の新星ラン・ジアのシューベルト
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 Op.posth D.960
ピアノ・ソナタ第13番イ長調 Op.120 D.664
ラン・ジア(P)

録音:2014年11月5-6日、ヒストリッシャー・ライトシュターデル、ノイマルクト、ドイツ
ラン・ジアは中国生まれの女性ピアニスト。(生年については情報未入手ですが2015年現在で24歳くらいと推測されます。)カーティス音楽学校(アメリカ合衆国フィラデルフィア)でゲイリー・グラフマンに師事し、2005年11月グラフマンとの共演でリンカーン・センターのアリス・タリー・ホールにデビュー。2010年マイアミ国際ピアノ・フェスティヴァルに出演した際のライヴが VAIレーベルから発売されています。
ARTALINNA
ATL-A011(1CD)
フランソワ・デュモンのバッハ
イギリス組曲第2番イ短調 BWV807
パルティータ第1番変ロ長調 BWV825
パルティータ第2番ハ短調 BWV826
フランス組曲第3番ロ短調 BWV814
フランソワ・デュモン(P)

録音:2014年11月3-4日、ヒストリッシャー・ライトシュターデル、ノイマルクト、ドイツ
フランソワ・デュモンは1985年フランスのリヨンに生まれ、パリ音楽院でブルーノ・リグットに、コモ湖国際ピアノ・アカデミーでマレイ・ペライア、レオン・フライシャー、ドミートリー・バシキーロフ、パウル・バドゥラ=スコダ、ピエール=ローラン・エマールらに師事。2010年ショパン国際ピアノ・コンクール第5位。
ARTALINNA
ATL-A009(1CD)
フィリップ・ギヨン=エルベール/ショパン&リスト
ショパン:バラード第4番ヘ短調 Op.52
 前奏曲嬰ハ短調 Op.25-7
  前奏曲ハ短調 Op.25-12
リスト:2つの伝説 S.175 から 波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ
ショパン:前奏曲ハ長調 Op.10-1
 前奏曲変ト長調 Op.10-
  前奏曲ホ長調 Op.10-6
 前奏曲ロ短調 Op.25-10
リスト:バラード第2番ロ短調 S.171
  メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」S.514
フィリップ・ギヨン=エルベール(P)
フィリップ・ギヨン=エルベールはパリ音楽院およびフライブルク音楽大学でミシェル・ベロフ、ジャン=フランソワ・エセールらに師事したフランスのピアニスト。


Audiophile
APCER-101101(1CD)
スルヤディ〜ヴレデンベルグ・コンサート・ホール・ライヴ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
ラフマニノフ:前奏曲 Op.32-5、
 前奏曲 Op.23-2
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調 Op.22
リスト:孤独な中の神の祝福、
 モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の回想
ショパン:夜想曲 Op. Posth.
ウィビ・スルヤディ(P)

MARCO POLO
MAR-8.225367(1CD)
ゴドフスキー:ピアノ作品集第13集
ゴドフスキー:瞑想曲(左手のための)
 即興曲(左手のための)
 カプリッチョ(左手のための)
 間奏曲(左手のための)
 悲歌ロ短調(左手のための)
 死の練習曲(左手のための)
ビゼー:アルルの女組曲第1番-第3曲アダージェット(ゴドフスキー編)
ゴダール:ロマンティック協奏曲Op.35-第3楽章カンツォネッタ(ゴドフスキー編)
ウェーバー:モメント・カプリッチョーソOp.12(ゴドフスキー編)
ショパン:ロンド変ホ長調Op.16(ゴドフスキー編)
サン=サーンス:動物の謝肉祭-白鳥(ゴドフスキー編)
アルベニス:イベリア第2集-第3曲トリアーナ(ゴドフスキー編)
 スペインOp.165-タンゴ(ゴドフスキー編)
ビショップ:埴生の宿(ゴドフスキー編)
スミス:星条旗
J.シュトラウス:最後のワルツ(ゴドフスキー編)
 J・シュトラウスの主題による3つの交響的変容-第2番こうもり
コンスタンティン・シチェルバコフ(P)

録音:2014年11月12-13日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
ポーランドで生まれ、アメリカで活躍した天才ピアニスト、レオポルド・ゴドフスキー。彼の「難攻不落」のテクニックを要する作品群は、今日も世界中のチャレンジャーに愛されています。この第13集には、一連の「左手のための」作品と、他の作曲家の作品を元にした「パラフレーズ」=「元々の作品を置き換えること、編曲の意味もある」が収録されています。彼のオリジナル作品もそれは見事ですが、やはり聴きものは「パラフレーズ」でしょう。ある楽曲を他の楽器に移し変える「トランスクリプション」よりも自由度の高い「パラフレーズ」の形式は、ほとんどの場合、原曲を自由に解釈し、新たな命が吹き込まれることが常であり、もちろんゴドフスキーもオリジナル作品に実にユニークな編曲を施しています。サン=サーンスの「白鳥」は比較的耳にする機会が多い曲ですが、他の作品も聴いてみてください。特に最後の「こうもり」は彼の代表作の一つです。名手シチェルバコフのテクニックはここでも冴えまくっています。

Syrius
SYR-141448(1CD)
ヴィエルヌ:ピアノ作品集
ブルゴーニュ組曲 Op.17
夜想曲第3番/4月の歌
ピアノのための小品 Op.49
12の前奏曲 Op.38
ジャン・デュベ(P)

録音:2011年6月、フランス
長年ノートルダム寺院のオルガニストという名誉ある職に就くなど、優れたオルガニスト、ピアニストとして活躍した盲目の作曲家のルイ・ヴィエルヌ(1870−1937)のピアノ作品集。2002年の第6回リスト国際ピアノ・コンクールを制覇したフランスのピアニスト、ジャン・デュベは、Syriusレーベルを中心に数多くの録音を残しており、ジャン・アランやジャン=ポール・プナンなどのフランスの珍しいピアノ作品集にも定評があります。
Syrius
SYR-141462(1CD)
デニス・ヴィスヴィキス:ピアノのための三部作 「星々」
命の星/光の星/愛の星
ジャン・デュベ(P)

録音:2014年5月、フランス
ギリシャとフランス国籍の作曲家、デミス・ヴィスヴィキスが1998年〜2001年にかけて作曲したピアノ三部作「星々(Les Astres)」は、星をテーマにしたミステリアスな作品。
Syrius
SYR-141464(1CD)
バッハ:オルガン作品集Vol.8
幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.537
コラール 「汝を飾れ」 BWV.180
「汝を飾れ、おお愛する魂よ」 BWV.654
コラール 「われ神より去らじ」 BWV.418
「われ神より去らじ」 BWV.658
コラール 「来ませ、精霊なる神よ」 BWV.226/幻想曲 「来ませ、精霊なる神よ」 BWV.651
コラール 「いと高きところにまします神にのみ栄光あれ」 BWV.260
「いと高きところにまします神にのみ栄光あれ」 BWV.663
コラール 「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 BWV.62
「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 BWV.661
「おお汚れなき神の小羊」 BWV.656
コラール 「われらが救い主イエス・キリスト」 BWV.363
「われらが救い主イエス・キリスト」 BWV.665
コラール 「われらが救い主イエス・キリスト」 BWV.363
「われらが救い主イエス・キリスト」 BWV.666
コラール 「バビロン川のほとりで」 BWV.267
「バビロン川のほとりで」 BWV.653b
幻想曲ハ短調 BWV.562
ヘルガ・シャウエルテ(Org)

録音:2012年9月(第9巻)、2013年9月(第8巻)、ドイツ
パリでナディア・ブーランジェに学び、パリのドイツ・ルター派教会でオルガニストを務めてきた女流オルガニスト、ヘルガ・シャウエルテのバッハ第9巻と第8巻。
Syrius
SYR-141458(1CD)
バッハ:オルガン作品集Vol.9
幻想曲ト短調 BWV.542/コラール 「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 BWV.62/トリオ 「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 BWV.660/コラール 「バビロン川のほとりで」 BWV.267/「バビロン川のほとりで」 BWV.653/「来ませ、創り主にして聖霊なる神よ」 BWV.667/コラール 「来ませ、創り主にして聖霊なる神よ」 BWV.370/コラール 「来ませ、聖霊、主なる神よ」 BWV.226/「来ませ、聖霊、主なる神よ」 BWV.652/コラール 「主なるイエス・キリストよ、われらを顧みたまえ」 BWV.332/トリオ 「主なるイエス・キリストよ、われらを顧みたまえ」 BWV.655/コラール 「いざもろびと神に感謝せよ」 BWV.386/「いざもろびと神に感謝せよ」 BWV.657/コラール 「いと高きところにまします神にのみ栄光あれ」 BWV.104/「いと高きところにまします神にのみ栄光あれ」 BWV.662/トリオ 「いと高きところにまします神にのみ栄光あれ」 BWV.664/コラール 「われら悩みの極みにありて」 BWV.432/「われら悩みの極みにありて」 BWV.668a/フーガ ト短調 BWV.542
ヘルガ・シャウエルテ(Org)


Treasures
TRE-096(1CDR)
ワルター・ハウツィッヒ〜シューベルト他
ヘンデル:調子の良い鍛冶屋
ブラームス:ワルツ第15番Op.39-15
リスト:巡礼の年第2年への追加;ヴェネツィアとナポリ〜タランテラ
シューベルト:即興曲Op.142-2
 楽興の時Op.94(全6曲)*
 幻想曲ハ長調「さすらい人」Op.15*
ワルター・ハウツィッヒ(P)

録音:1956年11月28-29ビクター・スタジオ(日本)、1955年ニューヨーク* (全てモノラル)
※音源:Victor LS-2104、 Victor LH-32*
◎収録時間:71:03
“小品専門家ではない!ハウツィッヒの知られざる洞察力と直感力!”
■音源について
シューベルトの「楽興の時」と「さすらい人」は、ハウツィッヒが本格的に演奏活動はじめた直後の米Haydn Societyへの録音を原盤としています。

★ハウツィッヒ(1921-)はオーストリア出身。ナチスのユダヤ人迫害を逃れて、イスラエル、アメリカへと移住。後にシュナーベルに認められて短期間師事しましたが、カーティス音楽院で系統的に学ぶことを選択し、ブゾーニ門下のミエティスラフ・ムンツに師事。卒業後は世界各地で演奏活動を展開。1950年代に日本のビクターの担当者がハウツィッヒのレコードに注目したのがきっかけで、以来ビクターで有名小品を中心に録音を開始したことと、全国での公演を通じて広く知られるようになりました。ただ、残念ながら小品専門ピアニストというイメージが付いてしまったことは否めませんし、さすがに小品だけでは、ハウツィッヒの芸の本質は掴みきれません。
そこでまず強調したいのは、「さすらい人」の素晴らしさ!広いレパートリーを持ち、確かな技巧でそれぞれの様式を踏まえた演奏を聴かせるハウツィッヒですが、中でも重要なのがシューベルトで、ここでは瑞々しさと高潔さを兼ね備えた推進力を基調として、シューベルトの心の歌を素直に着実に紡ぎ出した名演奏を繰り広げています。第1楽章だけでも、シュナーベルが認め、カーティス音楽院の入学時の試験官の一人だったゼルキンが激賞した才能は存分に伺えますが、第2楽章の長い音価での呼吸の深さ、3:24からの心の奥から発したフレージングは格別。終楽章のアルペジョの難所も難なくこなすだけでなく、全ての音に前向きな意志が漲り、最後まで聴き手を惹きつけて離しません。 【湧々堂】


Poohs Hoop
PCD-7004(1CD)
初CD化
日本語解説付
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 神西敦子(P)

録音:1970年4月27&28日/日本コロムビア第1スタジオ(旧赤坂スタジオ)
※日本コロムビア音源(1970年)マスターテープからのリマスタリング
日本人演奏家で初めて「ゴルトベルク変奏曲」をオフィシャルにレコーディングし世に出したのはピアニストの神西敦子です。1970年4月に収録され、 日本コロムビアよりLPとしてリリースされたその伝説の音源を今回マスターテープからリマスタリングしてCD化しました。神西の師であるヘルムート・ ロロフが『貴婦人のようなピアノ』と称したその演奏は、日本人初という貴重さだけでなく、1音1音を実に丁寧、正確精緻に弾いている名演奏です。「ゴ ルトベルク変奏曲」のレコーディング史の中で決して忘れてはならない演奏のひとつと言えましょう。
「アリアが始まった途端、「昭和の令嬢」が奏でる音楽のチャーミングなエロキューション、作品と向き合う誠実な佇まいに魅了される。変奏は克明か つ芯のある打鍵で始まり、ドイツ音楽に欠かせない低音の土台の上にしっかりしたリズムを刻む。繰り返しを省き、無駄口もたたかず、颯爽としたテンポ。 弱音でも「像」はくっきり美しく、玉を転がすようなタッチであっても各声部のラインは明瞭に保たれ、聴く者への語りかけを一瞬たりとも疎かにしない。」(池 田卓夫)
■神西敦子(ピアノ)
東京藝大で永井進と園田高弘に学び、卒業後、1961年同大学院専攻科修了後ドイツに留学し、ベルリン大学でヘルムート・ロロフに師事する。1965 年に帰国、武蔵野音楽大学で教鞭をとる傍ら、1976〜7年、「NHKピアノのおけいこ」に出演する。また、ピアノ学習者が必ず出会う小品、名曲を集 めた「ピアノ名曲集」のCDは、模範とするに足る演奏として学習者に喜ばれている。京都市立芸術大学名誉教授。現在も後進の育成に力を注いでいる。


CAvi
4260085-533329(1CD)
ムソルグスキー:展覧会の絵
スクリャービン:前奏曲Op.11〜第1、2、5、10、12、14、21、19番
アルバムの綴りOp.45-1
ピアノ・ソナタ第5番Op.53
2つの作品Op.59〜詩曲/前奏曲、
詩曲Op.69-2、前奏曲Op.67-1、詩曲Op.71-1
アントニー・バリシェフスキー(P)

録音:2015年2月
第14回ルービンシュタイン国際ピアノコンクール優勝のウクライナ出身のアントニー・バリシェフスキーのソロ・アルバム。ルービンシュタイン国際ピア ノコンクールは、1974年の開催以来、3年毎にイスラエルで開催されています。2014年の第14回は、40周年という節目の年であり、高い実力をも つピアニストが集結、2位にスティーヴン・リン(台湾/米)、3位にチョ・ソンジン(韓国)が入賞し、激戦が繰り広げられました。アントニー・バリシェ フスキーは1989年ウクライナ、キエフ出身。ウクライナ音楽アカデミーでヴァレリイ・コズロフ氏に、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてマリアン・リビッ キ氏に師事。2011年ブゾーニ国際ピアノコンクール第2位、ハエン国際ピアノコンクール第1位と他の国際コンクールでも高く評価されています。独特 の感性と音楽性を持つ新鋭ピアニストとして注目され、今回のコンクールでは現代イスラエル課題曲優秀賞を受賞しており、現代音楽の解釈と音の美しさ でも他を圧倒していました。 本アルバムでは、ムソルグスキーの展覧会の絵とスクリャービンのピアノ作品を収録。「展覧会の絵」は、管弦楽的色彩、ダイナミズムを追求した力演。 スクリャービンはバリシェフスキー独特の色彩感覚が見事。今後にますます注目です。き


Ambroisie
AM-214(1CD)
シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D.958
4つの即興曲 Op.142 (D.935)
ニコライ・ルガンスキー(P)

録音:2015年5月28-31日ポットン・ホール(イギリス)
最近円熟著しいルガンスキー。冷静かつ完璧な演奏に加え、師ニコラーエワを思わす深みと説得力で魔術のような世界を作り上げています。 演目はロシア作品ではなくシューベルト。それも死の年1828年の最後の3つのソナタのうち唯一の短調作品である第19番ハ短調D.958。ベートーヴェ ンのような激しい感情に満ちた力作を、ルガンスキーは恐るべき集中力とエネルギーで再現。ごく正統的ながら、シューベルトの無限の闇を感じさせます。 カップリングはやはりシューベルト最晩年の人気作、即興曲Op.142。有名なロザムンデの主題による第3曲も単に幸福で上品なだけでない死の匂い を感じさせる音楽となっています。最近のルガンスキーの音楽性の物凄さを実感させてくれます。 (Ki)

Paradizo
PA-0014(1CD)
2台のチェンバロ〜スキップ・センペ&オリヴィエ・フォルタン
バッハ:プレリュードとフーガ.ハ長調 BWV 545(原曲:オルガン)
ラルゴ〜無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 BWV 1005 ハ長調より
アダージョ.ニ短調 BWV 974〜マルチェッロのオーボエ協奏曲の編曲
アダージョ ト長調 BWV 968〜無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調より
プレリュードとフーガ ト長調 BWV 541(原曲:オルガン)
協奏曲 ト長調 BWV 592a(原曲:エルンスト公子作のヴァイオリン協奏曲)
プレリュード 変ホ長調 BWV 1010〜無伴奏チェロ組曲 第4番より
プレリュード.ハ長調 BWV 966〜ラインケン作のソナタに基づく
プレリュードとフーガ.ハ長調 BWV 547(原曲:オルガン)
協奏曲 ハ長調 BWV 595(原曲:エルンスト公子のヴァイオリン協奏曲)
アダージョ.イ短調 BWV 965〜ラインケン作のソナタに基づく
協奏曲 イ短調 BWV 593〜ヴィヴァルディ:「調和の霊感」第8番の編曲
プレリュード.イ長調 BWV 1006〜無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より
スキップ・センペ&オリヴィエ・フォルタン(Cemb)

録音:1998年
スキップ・センペとオリヴィエ・フォルタン、現代における最高峰のチェンバロ奏者2名による、2台チェンバロのCD。アストレより1998年にリリー スされたタイトルの再発売です。バッハの作品で、オルガン、独奏ヴァイオリンあるいは独奏チェロ、あるいはバッハ自身による同時代の他の作曲家作品 を鍵盤楽器用に編曲をしたものを、センペとフォルタンがさらに2台のチェンバロ用に重編曲したものを収録しています。 (Ki)

Aurora
ACD-5090(1CD)
ヨン・ペーシェン(1941-2014):エレクトロニック作品集
NotaBene - The Title is a Lie(1982)
Thing Take Time(1985)
ヨン・ペーシェン(エレクトロニクス)

録音:2012年 聖ヨハネ教会(リガ、ラトビア)
ノルウェーの作曲家ヨン・ペーシェンは、ノルウェー北部の町で19世紀の半ばに起きた「カウトケイノ蜂起」を題材にした1985年のオペラ《十字架 と王冠の下で》と、このオペラを管弦楽のために改作した1999年の《十字架と王冠を越えて》(Aurora AD5039)に代表される、アクースティック楽 器のための作品がもっとも知られています。ペーシェンがエレクトロニック作品を手がけるきっかけとなったのは1979年。ペーシェンが、アマチュア音楽 家の技術向上を目的に1984年まで行われたサマースクール「Forward Music!」を引き受け、その際にローランドのシンセサイザー Ju-piter6 を購入、 「DIY」の曲作りが始まりました。
このアルバムには、エレクトロニクスによる「アクースティク楽器」の音楽を基本とする彼の代表作、新しい音楽のテクノロジー研究と教育のためノルウェー の文化省をはじめとする機関が財政支援して1992年に設立された NOTAM(ノルウェー科学技術・音響・音楽ネットワーク)の歴史にとって重要とさ れる2曲が収録されています。新しい音のパレットを求め、アナログ楽器、とりわけ打楽器の音を目立たせた1982年の《NotaBene ? The Title is a Lie》(25’ 41)は未発表の作品。「聴衆が自由に出入りできる6時間のコンサート」として構想された『Againt Cold Winds(冷たい風に逆らい)』の 素材を使った1985年の《Things Take Time》(29’ 48)は、1987年にLP(NC4930) (Ki)

MUSICE
MUSICE-CD0115(1CD)
ギターの芳香−「頌歌」
アルフレート・フェーンストラ:コルドバ
アルベニス:アストゥリアス(伝説)
アルフレート・フェーンストラ:最初の歌
マウロ・ジュリアーニ(1871-1829):スペインのフォリアの主題による変奏曲 Op.45
フランシスコ・タレガ(1852-1909):アラブ奇想曲/涙
ピアソラ:ブエノスアイレスの春
 ブエノスアイレスの夏
 ブエノスアイレスの秋
 ブエノスアイレスの冬
トニ・コトリ(G)

録音:時期の記載なし、ベナビテスの塔、ベナビテス、バレンシア県、スペイン
トニ・コトリはバレンシアのホアキン・ロドリーゴ音楽院、バルセロナの弦楽器学校、デュッセルドルフ音楽大学(ドイツ)で学んだ後、カセレス音楽大学(スペイン)でリカルド・ガレンに師事したスペインのギター奏者。当盤が5枚目のCDとのことです。

ESTONIAN RECORD PRODUCTIONS
ERP-8014(1CD)
ショパン:ピアノ作品集
24の前奏曲 Op.28
バラード第4番ヘ短調 Op.52
練習曲イ短調 Op 10 No 2
練習曲嬰ハ短調 Op.10 No 4
練習曲変ト長調 Op.10 No 5
ポロネーズ変イ長調 Op.53
スケルツォ第2番変ロ短調 Op.31
ラルフ・タール(P)

録音:2012年5月、エストニア音楽アカデミー、タリン、エストニア
ラルフ・タールは1974年エストニアの首都タリンに生まれ、タリン高等音楽学校、エストニア音楽アカデミーで学んだピアニスト。2005年現在エストニア国立歌劇のコレペティートル、エストニア音楽アカデミーおよびタリン・ゲオルグ・オツ音楽学校教師。


ESTONIAN CLASSICS
EC-014(2CD)
ショパン:ピアノ作品集 I−II
■前奏曲集
ハ長調 Op.28-1/ホ短調 Op.28-3
イ長調 Op.28-7/嬰ヘ短調 Op.28-8
イ短調 Op.28-2/嬰ハ短調 Op.28-10
ロ長調 Op.28-11/変ホ短調 Op.28-14
変ニ長調 Op.28-15
夜想曲嬰ハ短調 Op.posth
■マズルカ集
ホ短調 Op.41-2/イ短調 Op.17-4
ト短調 Op.24-1/ハ短調 Op.30-1
ヘ短調 Op.63-2/ヘ短調 Op.68-4
嬰ト短調 Op.33-1/ロ短調 Op.33-4
イ短調 Op.68-2/嬰ハ短調 Op.63-3
幻想即興曲嬰ハ短調 Op.66
スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
■練習曲集
ヘ短調 Op.posth./変イ長調 Op.25-1
変ホ短調 Op.10-6/変ト長調 Op.10-6
変ホ長調 Op.9-2/ト短調 Op.27-2
ヘ短調 Op.55-1
■ワルツ集
イ短調 Op.34-2/ロ短調 Op.69-2
変イ長調 Op.69-1/ヘ短調 Op.70-2
子守歌変ニ長調 Op.57
ポロネーズ.ハ短調 Op.40-2
バラード第3番変イ長調 Op.47
ヴァルド・ルメッセン(P)

録音:2010年10月27日、11月13日、12月5日、2014年3月5-6日、エストニア・コンサートホール、タリン、エストニア
ヴァルド・ルメッセン(1942年生まれ)はタリン音楽院で学んだピアニスト・音楽学者。エストニアの作曲家の他、バッハ、ショパン、ブラームス、ラフマニノフ、スクリャービンを得意としています。

フィンムジック
TIAA-1021(1CD)
税込定価
グリーグ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ ホ短調 作品7
ホルベルグ組曲 作品40
抒情小品集から(アリエッタOp.12-1、蝶々Op.43-1、夜にOp.54-4)
正木文惠(P)

録音:2004 年2 月 Studio I・S CREATE
日本とノルウェーを拠点に演奏活動しているピアニスト正木文惠のグリーグアルバム第 1 弾!グリーグの音楽には、北欧情緒に満ちた抒情性豊かな旋律にノルウェー民俗音楽様式が加わり、その響きはとても独特で力強く、かつ斬新的です。北欧の美しい大自然と共存するグリーグの研ぎ澄まされた感性が、現実から夢想を追い求めているかのようで、作品を通して、グリーグの純心性と野望、そして淡いロマンティシズムが感じられます。ライプツィヒ留学時代に培ったドイツ音楽様式を軸に、それまでの常識を覆すかのような独創的な作曲思想を固持し続けたグリーグのピアノ作品。その中から、代表作とも言うべき、「ピアノ・ソナタ」、「ホルベルグ組曲」、「抒情小品集からアリエッタ、蝶々、夜に」を、ノルウェーに音楽留学した正木文惠が、パステル画のように色彩に豊んだ珠玉のグリーグ作品をお届けします。


Evil Penguin Records

EPRC-020(1CD)
Lignes claires〜光の線
ラヴェル:高貴で感傷的なワルツ
 クープランの墓
リパッティ(1917-1950):夜想曲、
 左手のためのソナチネ
ジュリアン・リベール(P)

録音:2013年8月&2015年8月
ベルギーが生んだ俊英ピアニスト、ジュリアン・リベール。ピリスの秘蔵っ子でもあります。「完璧な音楽家。いかなる音楽の瞬間にも、作品への真の理解、 微細なものに対しての知的なアプローチと間違いない本能を統合することができる」とピリスが絶賛するリベールは1987年生まれ。リベールは6歳でピ アノを始め、ピリスとの出会いをきっかけに、世界的に活躍の場を広げることとなりました。 このアルバムでは、ラヴェルとリパッティの作品を収録。二人の天才は完璧主義で非常に自己に対して厳しかったという共通点(光の線)で結ばれている とリベールは語っています。リベールの真摯な音楽性が光る1枚です (Ki)

フィンムジック
TIAA-1021(1CD)
税込定価
グリーグ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ ホ短調 Op.7
ホルベルグ組曲 Op.40
抒情小品集から(アリエッタOp.12-1、蝶々Op.43-1、夜にOp.54-4)
正木文惠(P)

録音:2004 年2 月 Studio I・S CREATE
日本とノルウェーを拠点に演奏活動しているピアニスト正木文惠のグリーグアルバム第 1 弾!グリーグの音楽には、北欧情緒に満ちた抒情性豊かな旋律にノルウェー民俗音楽様式が加わり、その響きはとても独特で力強く、かつ斬新的です。北欧の美しい大自然と共存するグリーグの研ぎ澄まされた感性が、現実から夢想を追い求めているかのようで、作品を通して、グリーグの純心性と野望、そして淡いロマンティシズムが感じられます。ライプツィヒ留学時代に培ったドイツ音楽様式を軸に、それまでの常識を覆すかのような独創的な作曲思想を固持し続けたグリーグのピアノ作品。その中から、代表作とも言うべき、「ピアノ・ソナタ」、「ホルベルグ組曲」、「抒情小品集からアリエッタ、蝶々、夜に」を、ノルウェーに音楽留学した正木文惠が、パステル画のように色彩に豊んだ珠玉のグリーグ作品をお届けします。


JCH PRODUCTIONS
JCH-2014-01(1CD)
ジャン・ミュレール
リスト(ブゾーニ、ホロヴィッツ編):メフィスト・ワルツ第1番 S.514
リスト:超絶技巧練習曲 S.139
ジャン・ミュレール(P)

録音:2013年7月5-8日、フィルハーモニー・ルクセンブルク、ルクセンブルク
ジャン・ミュレールは1979年ルクセンブルクに生まれ、6歳にしてルクセンブルク音楽院で最初のレッスンを受け、一年後にはルクセンブルの作曲家の新作初演でデビューするという天才児ぶりを発揮。テオフィルス・ビツィス(ラトヴィアのリガ音楽院)、エフゲニー・モギレフスキー、ゲルハルト・オピッツ、ユージン・インジック、ミヒャエル・シェーファーに師事。1994年以来12の国際コンクールで優勝。ルクセンブルクを代表するピアニストとして活躍しています。

Discovery
DMV-114(1CD)
秘蔵のクラシック
クライスラー:前奏曲とアレグロ
バッハ/グノー:アヴェ・マリア(ヴァイオリンとヴィオラ版/ガマロワ編)
グルック:メロディ(ヴァイオリンとピアノ版/クライスラー編)
モーツァルト(クライスラー編):ロンド ト長調
チャイコフスキー:メロディ
ヴィエニャフスキ:伝説曲ト短調Op.17
ブラームス:ハンガリー舞曲第2番(ヴァイオリンとピアノ版 ガマロワ編)
ヴラディゲロフ:ブルガリア組曲Op.21より 歌
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲
ショスタコーヴィチ:ロマンス(ヴァイオリンとピアノ版/ガマロワ編)
サン=サーンス:歌劇「サムソンとダリラ」〜 あなたの声にわが心は開く(ヴァイオリンとピアノ版/ガマロワ編)
マスネ:タイスの瞑想曲
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20
デヴォリナ・ガマロワ(Vn、Va)、
クラッシミール・タスコフ(P)

録音:2014年9月
デヴォリナ・ガマロワは、東欧ブルガリア出身で、ソフィア、ドレスデン、ロンドンで研鑽を積み、ドイツのノイエ・エルプラント・フィルなどで活躍した女流ヴァイオリニスト。

Ty Cerdd
TCR-010(1CDR)
バルトーク&ジョーンズ:バガテル集
ジョーンズ:バガテル集
バルトーク:バガテル集
スィール・ウィリアムズ(P)
20世紀ウェールズの作曲家ダニエル・ジョーンズ(1912−1993)とバルトークのバガテルをカップリング。
※「Ty Cerdd」はレーベルオフィシャルのCD-R盤となります。
Ty Cerdd
TCR-011(1CDR)
タン:静寂の7つの詩 ガイ・ジョンストン(Vc)
ウェールズの女流作曲家ヒラリー・タン(1947−)の無伴奏チェロのための作品。R.S.トーマスによる詞の朗読付き。
※「Ty Cerdd」はレーベルオフィシャルのCD-R盤となります。

Discovery
DMV-111(1CD)
時間の色
ショパン:前奏曲嬰ハ短調、
 夜想曲ヘ長調、
 ピアノ協奏曲第1番〜 Larghetto Romance(ピアノ独奏版/ズック編)、
 夜想曲嬰ハ短調、パガニーニの想い出
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
シマノフスキ:9つの前奏曲
マグダレーナ・ズック(P)

録音:2014年3月
マグダレーナ・ズックは、ポーランド、ヴロツワフのカロル・リピンスキ音楽アカデミーとイギリスの王立音楽アカデミーでピアノを学び、2011年にはポローニャ・テレビより文化功労章を贈られたポーランドの才女。母国のショパン、シマノフスキ、得意とするフランスのドビュッシーとラヴェルでは、ズックの知性とセンスが光ります。

MARCO POLO
MAR-8.225814(1CD)
杜鳴心:10の新疆ウイグル族の踊り
私は夜明けまであなたを待ちます(カザフ民謡)
わが花(カザフ民謡)/ガオリタ(カザフ民謡)
マイラ(カザフ民謡)
銀の月の下で(タタール民謡)
前に進む(ウイグル民謡)
ドゥダールとマリア(カザフ民謡)
美しいパミール(タジク民謡)
ああ、わが愛しい人(カザフ民謡)
ハレの日の歌と踊り(ウイグル民謡)
西崎崇子(Vn)
ヘイ・チョー(指)シンガポールSO

録音:1985年6月3-7日シンガポールヴィクトリア・メモリアル・ホール
中華人民共和国の西端にある「新疆ウイグル自治区」。ここは中国最大の地方行政区域であり、160万平方キロメートルという広大な土地にウイグル族をはじめ、漢族、カザフ族、キルギス族、モンゴル族などのさまざまな民族が居住し、古くから文化、経済交流の重要なエリアとして機能してきました。そんな地に根付く音楽も、これまた多彩で豊かなものばかり。どの曲も親しみやすく、ちょっと泣かせる旋律を持っていて、これには同じアジアの血が流れる日本人も強く共感を覚えるのではないでしょうか。この杜鳴心(ドゥーミンシン)がアレンジした10曲の民謡は、ヴァイオリンとオーケストラの協奏曲の形でかかれていて、甘い旋律を奏でるヴァイオリンとオーケストラの絶妙な対話を楽しむことができるものです。ここでヴァイオリンを演奏しているのは、NAXOSが誇る名手西崎崇子。まさに文化の架け橋たる最強の1枚と言えるでしょう。

PAVIAN
PM-0077-2(1CD)
ブルラス、ゴダール:ピアノ作品集
マルチン・ブルラス(1955-):紙の王様は眠りに落ちる(1983-1984)/列車の来ない線路(1983)
  鍵盤楽器の為の子守歌(1982)
ヴラジミール・ゴダール(1956-):エンメレイア(1994)/グラーヴェ、パッサカ
リア(1983)/トリグラム(1972-1973)
マロシュ・クラーチク(P)

録音:2013年9月12-14日、ライディング、オーストリア
スロヴァキアの同学年の作曲家で、国営出版社OPUSの音楽部門の同僚でもあった二人を取り上げたディスク。マルチン・ブルラスはユライ・ハトリーク(1941-)に作曲の個人教授を受けた後、ブラチスラヴァ音楽アカデミーでヤーン・ツィッケル(1911-1989)に師事。ヴラジミール・ゴダールはブラチスラヴァ音楽院でユライ・ポスピーシル(1931-2007)に作曲を師事した後、ブラチスラヴァ音楽アカデミーでデジデル・カルドシュ(1914-1991)に作曲を師事。マロシュ・クラーチクはブラチスラヴァ音楽院、ブルノ音楽アカデミー(チェコ)、ブラチスラヴァ音楽アカデミー、ドレスデン音楽大学で学んだスロヴァキアのピアニスト。2008年ヨーロッパ・ヤマハ音楽財団より第1位表彰。

Sono Luminus
DSL-92190
(BD-Audio+CD)
ドビュッシー:前奏曲第1集他
版画
アラベスク第1番
ゴリウォッグのケークウォーク
燃える炭火に照らされた夕べ
星の夜(K.アットウッドによるピアノ編)
前奏曲第1集
マイケル・レヴィン(P)

録音:2014年7月7-8日USAヴァージニアボイス,ソノ・ルミナス
5.1 DTS HD MA 24/192khz, 7.1 DTS HD MA 24/96khz, 2.0 LPCM 24/192khz
第1集(DSL92175)に続く、ピアニスト、マイケル・レヴィンのドビュッシー作品集です。今作はメインに前奏曲第1集をおき、他に3つの「版画」とアラベクス第1番、そして「子どもの領分」からゴリウォッグのケークウォーク、あまり耳にすることのない「燃える炭火」、18歳の時に作曲された歌曲から編曲された「星の夜」という組み合わせです。録音のよさも相俟ってか、まず、彼のピアノの音色のすばらしさに感嘆です。ドビュッシーの音楽の持つ流線型的なメロディと、目も眩むような響きの陰影が丁寧に刻まれています。もちろんこれはレヴィンの高い技巧に裏打ちされたものであり、深みのある低音から煌く高音までが、まるで光の束のように耳になだれ込んでくる瞬間は、音楽を聞く喜びに心が打ち震えることでしょう。

Psalmus
PSAL-005(1CD)
復活祭の主題によるオルガンの為の変奏曲集
ジャン=フランソワ・ダンドリュー(1682-1738):おお、息子らよ(復活の主日ためのオフェルトリウム)
「おお、息子らよ娘らよ」による変奏曲
ジャン=ジャック・ボーヴァルレ=シャルパンティエ(1734-1794):
「おお、息子らよ娘らよ」による変奏曲
アレクサンドル・ピエール・フランソワ・ボエリ(1785-1858):復活の主日ためのオフェルトリウム
ジャック=ニコラ・レメンス(1823-1881):ソナタ第2番「おお、息子らよ」
アレクサンドル・ギルマン(1837-1911):「おお、息子らよ」によるオフェルトリウム
アンドレ・フルーリ(1903-1995):「おお、息子らよ」による変奏曲
ピエール・コシュロー(1924-1984):序奏とコラール「おお、息子らよ娘らよ」による変奏曲
ポーリーヌ・クンドゥノ=シャベール(Org)

録音:2008年4、10月、聖カプレ大聖堂、アジャン、ロット=エ=ガロンヌ県、フランス
使用楽器:1859年、Stoltz製(2004/2007年、Charles Emmanuel Sarelot, Claude Berger修復)
フランスのコンポーザー=オルガニストたちの作品集。ポーリーヌ・クンドゥノ=シャベール(1983年生まれ)はサン=モール=デ=フォッセ地方音楽院でエリク・ルブリュンに、トゥールーズ音楽・舞踊高等研究センターでミシェル・ブヴァールおよびヤン・ウィレム・ヤンセンに師事したフランスのオルガン奏者。ブックレットにはフランス語と英語の解説が記載されています。
Psalmus
PSAL-006(1CD)
ペトル・エベン(1929-2007):ヨブ(聖書による連作オルガン曲;1987)
 運命/ヨブ記第1章によるレクツィオ/信仰
 レスポンソリウム「われらは受け取るのか」/苦難の受忍
 レスポンソリウム「わが生きる日々はいくばくもなく」/死への願望
 オフェルトリウム「その地にヨブという名の者が居た」/絶望と諦め
 イントロイトゥス「御意のままに」/創造の神秘
 グラドゥアーレ「主よ、われらの避難所よ」/懺悔と認識
 ヨブ記第42章によるレクツィオ/神の報い
エルヴェ・ラミー(グレゴリオ聖歌唱)
オリヴィエ・ドルメソン(Org)

録音:2008年7月、2009年2月、サンタントワーヌ・デ・キャンズ・ヴァン教会、パリ、フランス(Org)
2008年9月、2009年2月、聖ピエール教会、ラ・レオル、ジロンド県、フランス(歌唱)
使用楽器:1894年、カヴァイエ=コル製(2004年、イヴ・フォセール修復)
チェコの作曲家ペトル・エベンが、数々の苦難の中で信仰を貫いた旧約聖書ヨブ記の主人公ヨブの生涯を描いた作品。オリヴィエ・ドルメソンは1983年パリ生まれのオルガン奏者・作曲家。1997年よりフレデリク・デザンクロにオルガンを習い、ルヴァロワ=ペレ音楽院でオリヴィエ・ウエットに、2003年から2007年までサン=モール=デ=フォッセ地方音楽院でエリク・ルブリュンに師事。ブックレットにはフランス語と英語の解説、原語(ラテン語)歌詞・フランス語訳が記載されています。

Sheva Collection
SH-052(2CD)
リスト・スピリチュアル
2つの伝説:小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ、水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
詩的で宗教的な調べ:祈り、アヴェ・マリア、孤独の中の神の祝福、死者の追憶、主の祈り、眠りから覚めた子供への賛歌、葬送曲、パレストリーナによるミゼレーレ、無題(アンダンテ・ラクリモーソ)、愛の賛歌
イワン・ドンチェフ(P)

録音:2011年3月12日−6月21日
若き実力者が華麗にリストを奏でる。ブルガリア出身のピアニスト、イワン・ドンチェフは、5歳で音楽を始め、その翌年にはリサイタルを開催した天才。1993年には、ブルガスフィルハーモニーOとのハイドン・ピアノ協奏曲でデビューを果たしています。
Sheva Collection
SH-056(2CD)
イタリアのイギリス人〜イタリアに影響を受けたイギリスのピアノ音楽
ベイチュ:イタリアの思い出Op.19
ウォレス:ゴンドラ:ヴェネツィアの思い出、
 歌劇「ラ・ファヴォリータ」よりAnge si pur、
 ルクレツィア・ボルジャのモティーフによる華麗なファンタジー
スミス:ピッフェラーリ‐ミュゼット・モダーンOp.183、
 シエスタ‐空想Op.180、
 ヴェネツィアのセレナーデOp.201、
 ナポリの踊り‐コンサートピースOp.33
ウルステンホルム:ヴェニス‐デュエット
サマヴェル:タランテラ イ短調
ヴァレリー・ホワイト:イオニア海より‐4.素描
ジャーマン:タランテラ
ファージョン:ヴェネツィアの田園詩Op.20、
 舟歌
メリック:タランテラOp.5
マーカム・リー:ヴェニスの夜
ファニング:ソレント‐タランテラのような踊り
ゲール:ナポリ湾‐イタリアの組曲
スワフィールド:ラパロ
スコット:タランチュラ
ファージョン:ピアノ連弾のための2つのイタリアの素描
クリストファー・ハウエル(P)、
エルマンノ・デ・ステファニ(P)


録音:2011年4月16日−7月30日、2012年1月14日
ロンドン出身のピアニスト、クリストファー・ハウエルが奏でるイギリスのピアノ音楽作品集。ハウエルは、14歳という若さでリサイタルを開き、自身で作曲した作品を披露するなどその才能を発揮した。Sheva Collectionに多くの録音を残しています。
Sheva Collection
SH-106(1CD)
ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲Op.120 ウィリアム・グラント・ナボレ(P)

録音:(D.840)2005年6月4日−6日、(D.959)2005年6月25日−27日
コモ湖国際ピアノアカデミーの理事を務め、緻密なアナリーゼや広範な知識に定評があるピアニスト、ウィリアム・グラント・ナボレによるベートーヴェン晩年の傑作ディアベリ変奏曲。ベートーヴェンの後期の作品の中でも、難解と言われているこの曲を見事なテクニックで聴かせてくれます。

GADGAD MUSIC
G4D-27(1CD)
アンドレス・バレロ=カステルス(1973-):ピアノ作品集
マ=チャコナ [Ma-Chacona] (2004)
そよ風のように穏やかに [Zeffiroso] (2008)
ゴルトベルクのアリアの注釈 [Eisegesis del Aria-Goldberg] (2013)
ロマンス(2013)
3つの小品 [Tres piezas]
ガラテア [Galatea] (2005)
憂鬱なラルゲット [Larguetto Malincolico] (2004)
ベアトリスとアロンソ [Beatriz y Alonso] (2005)
ラ・トルトゥーガ(亀) [La Tortuga] (2014)
夜想曲第3番変ホ短調 [Nocturno no.3 en Mib menor] (1991)
ミゲル・アルバレス=アルグド(P)

録音:2014年12月5日、ラウディトリ、ジャフラ、ジロナ県、スペイン
アンドレス・バレロ=カステルスはスペインのバレンシア県シリャに生まれ、バレンシアおよびムルシア音楽院でエンリケ・ガルシア・アセンシオ(1937-)、マヌエル・ガルドゥフ・ベルデゲル(1940-)他に師事した作曲者・指揮者・音楽教育者。2004年以来2015年現在バレンシアのホアキン・ロドリーゴ高等音楽院作曲家教授。ミゲル・アルバレス=アルグドは1964年バレンシアに生まれ、バレンシア音楽院を卒業後ウィーン、フライブルク、ザルツブルク、ロンドンで学んだピアニスト。スペイン音楽を得意とし、中でもバレンシア地方の音楽の紹介に力を入れています。ブックレットにスペイン語と英語の解説を記載。
GADGAD MUSIC
E2O-02A(1CD)
ホセ・ルイス・ゴンサレスへのオマージュ ギターの為の音楽
トゥリーナ(1882-1949):セビリャ幻想曲
タレガ(1852-1909):マズルカ集
   マリエタ/夢/アデリタ/マズルカ ト長調
トロバ(1891-1982):スペインの城 から
  セゴビアのアルカサル/マンサナレス・エル・レアル/トゥレガノ/アルカニス
  ラ・マンチャの歌 から ラ・セギディリャ
ファリャ:ドビュッシーの墓碑銘の為の賛歌
トゥリーナ:ソナタ Op.61
ビセンテ・アセンシオ(1908-1979):バレンシア組曲; 前奏曲/カンソネタ/踊り
フェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)/ルベン・パレホ編):スペイン古謡集 より
   小さな巡礼者たち/セビリャの子守歌/トランプのキングたち
   ジプシーのソロンゴ
ルベン・パレホ:J・L・ゴンサレスへのオマージュ (J・L・ゴンサレスの未出版曲「私の子供たち」の主題による)
ルベン・パレホ(G)

発売:1998年
スペインのクラシカル・ギターの巨匠にして名教師ホセ・ルイス・ゴンサレス(1932-1998)の急逝に際し、弟子の一人であるスペインのギター奏者ルベン・パレホが師に捧げたCD。ジャケットは二つ折りの紙一枚で解説書はありません。外装に規格品番が無く、またレーベル名らしい表示もありませんが、は配給元である GADGAD MUSICの商品として取り扱います。
GADGAD MUSIC
G2N-02(1CD)
19世紀終盤から20世紀初頭にかけてのバレンシアにおけるピアノ
ビセンテ・ペイドロ(1861-1938):ピアノの為の15の練習曲(1882)
ロベルト・セグラ(1849-1902):演奏会用セレナード(ピアノの為の;1874)
ラモン・マルティネス(1872-1966):葬送行進曲(ピアノの為の;1930頃、手稿譜)
ホセ・サルバドル(1874-1947):筆使い(ピアノ四手連弾の為のリリパット組曲;1930頃)**
ラモン・マルティネス:2台のピアノの為のダブルノート練習曲(1915頃、手稿譜)**
マヌエル・ペネリャ(1847-1909):トルトラの未亡人(ビクトル・イランソ・シモンの詩による;1879頃)*
ビセンテ・ペイドロ:Me muic(ビクトル・イランソ・シモンの詩による;1880頃)*
  なぜ?(ビクトル・イランソ・シモンの詩による;1882頃)*
ラモン・マルティネス:ゲーテの詩による2つの歌(1909、手稿譜)+; 夢と幸せ/カタリナ
  歌詞のないロマンス(チェロとピアノの為の;1925頃、手稿譜)#
  子守歌(ヴァイオリン、チェロとピアノの為の;1913頃、手稿譜)(+/#)
チャロ・バリェス(S)*
ビセンテ・タロンチェル(Vn)+
ハビエル・ペリャス(Vc)#
アドルフォ・ブエソ(P)**
ビクトリア・アレマニ(P)

録音:2012年7月17-18日、10月10日、コンサートホール、ホアキン・ロドリーゴ高等音楽院、バレンシア、スペイン
バレンシアのローカル作曲家たちの、他ではまったく聴く機会がないと言ってよい作品をバレンシアのローカル演奏家たちが弾いた極めてマニアックなCD。ブックレットの解説はスペイン語のみですが内容は充実しています。歌詞は原文(スペイン語)のみ記載。

GADIRAIFA
GAC-1025(1CD)
世紀末のギター
ローラン・ディアンス(1955-):サウダーデ第3番
 リブラ・ソナチネ/ワルツ・アン・スカイ  タンゴ・アン・スカイ
フランシス・クレンジャンス(1951-):最後の日の夜明け
レオ・ブローウェル(1939-):黒いデカメロン
ホルヘ・カルドソ(1949-):ミロンガ
カチョ・ティラオ(1941-2007):ソンベリ
マリオ・ガンジ(1923-2010):たくさんの優しさを込めて
ホルヘ・オロスコ(G)

録音:1998年夏
ブックレットにスペイン語と英語の解説を記載。
GADIRAIFA
GAC-1029(2CD)
バレンシアのピアノ音楽史
トマス・シウラナ(1761-1829):ソナタ変ホ長調
ホセ・エスピ(1849-1905):勇敢な人
ルペルト・チャピ(1851-1909):黄金の伝説
ビセンテ・ペイドロ(1861-1938):奇想曲
エドゥアルド・ロペス・チャバリ(1871-1970):アルバイダ舞曲
オスカル・エスプラ(1886-1976):民謡の主題によるマズルカ
フランシスコ・クエスタ(1890-1921):バレンシア舞曲
マヌエル・パラウ(1893-1967):鐘
ホセ・モレノ・ガンス(1897-1976):牧歌
ロドリーゴ:別れのソナタ
ビセンテ・アセンシオ(1903-1979):バレンシア舞曲
リカルド・オルモス(1905-1986):舞踊楽章
ホセ・バゲナ=ソレル(1908-1996):トカタ・アカデミカ(アカデミック・トッカータ)
フランシスコ・リャセル・プラ(1918-2002):打楽器的対句
マティルデ・サルバドル(1918-2007):ソナティナ
ルイス・ブラネス(1929-2009):ソナティナ
アマンド・ブランケル(1935-2005):香水
ホセ・エバンヘリスタ(1943-):ビス
 エドゥアルド・モンテシノス(1945-):前奏曲
ラファエル・ミラ(1951-):フェイント
ラモン・ラモス(1954-2012):アルマゲドン
エンリケ・サンス=ブルゲテ(1957-):セオレーンのテトラクト
エミリオ・カランディン(1958-):折句形式の
セサル・カノ(1960-):腹黒い女詐欺師
ラモン・パストル(1962-):前奏曲 III
ミゲル・アルバレス=アルグド(1964-):コンテンプストゥディオ Op.2-1
リカルド・バイシャウリ(1965-):前奏曲とフーガ
フェレル・フェラン(1966-):間奏曲第1番
ルイス・ユステ(1969-):3つの小品
アンドレス・バレロ・カステルス(1973-):マ=シャコンヌ
セルヒ・パストル(1976-):サラバンド(組曲ハ長調 から)
ミゲル・アルバレス=アルグド(P)

録音:2004年10、11月、ラウディトリ、ジャフラ、ジロナ県、スペイン
バレンシアのピアノ音楽史を作曲家の生年順に下って行くという希少にして貴重な録音。2枚組で1枚分の価格です。ブックレットに記載の解説はスペイン語のみ。

Willowhayne Records
WHR-034(1CD)
ケープ・タウン・エクスペリエンス
ウィットロック:オルガン・ソナタ.ハ短調
テミング:オルガンのための3つの小品
フランク:コラール第2番 ロ短調
エルガー:オルガン・ソナタ.ト長調 Op.28
グラント・ブレスリー(Org)
イギリスの作曲家、ウィットロック、テミング、エルガーとフランスで活躍した作曲家、フランクのオルガン作品集。ケープタウンにあるセント・ジョージ大聖堂のオルガンを、2013年にセント・ジョージ大聖堂の専属オルガン奏者となったグラント・ブレスリーが奏でます。
Willowhayne Records
WHR-035(1CD)
グロスター・エクスペリエンス
エルガー:イギリス行進曲(マーティン編)
サンダース:ソリロキー、トッカータ
ホスキング:オマージュ・ア・パリ
ロイプケ:詩篇94番によるオルガン・ソナタ
ジョナサン・ホープ(Org)
グロスター大聖堂でアシスタント・ディレクターを務めているジョナサン・ホープのソロとしてのデビュー・アルバム。19世紀のオルガン作品で最高傑作の一つとされるロイプケの「詩篇94番によるオルガン・ソナタ」をメインに、19世紀から21世紀までのオルガン作品をグロスター大聖堂のオルガンで演奏します。

Sheva Collection
SH-075(1CDR)
ワーグナー&ヴェルディ:レア・トランスクリプション&パラフレーズ集
ブラッサン:ワーグナーの 「ニーベルングの指環」 よりヴァルハル、ジークムントの愛の歌、魔の炎、ワルキューレの騎行、森のささやき/ジュノ:楽劇 「ラインの黄金」 よりDie Fahr nach Nibelheim、歌劇 「ローエングリン」 よりReminiszenen/ゴリネッリ:マクベスの思い出/ラフ:ヴェルディの歌劇 「椿姫」 Op.70-2よりラルゴ・デル・フィナーレII/ジャエル:歌劇 「シチリア島の夕べの祈り」 よりボレロ/ビューロー:仮面舞踏会の思い出/ジュノ:歌劇 「オテロ」 より嵐の後の静けさ
マッシミリアーノ・ジュノ(P)

録音:(ブラッサン)2003年12月6日−7日、(ジュノ/ラフ/ジャエル/ビューロー)2003年8月28日−29日
ワーグナー、ヴェルディの往年の名曲を見事に弾きこなす。コンポーザー=ピアニストであるマッシミリアーノ・ジュノは、ブゾーニ国際コンクールなどの国際的なコンクールで多くの賞を獲得している実力者。※Sheva Collectionはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Sheva Collection
SH-078(1CDR)
ヴェルディ:4手連弾によるオペラ・アリアからのピアノ・トランスクリプション集
ヴェルディ:歌劇 「椿姫」より/歌劇 「エルナーニ」 より/歌劇 「ジャンヌ・ダルク」 より/歌劇 「イル・トロヴァトーレ」 より/歌劇 「ナブッコ」 より/フェラーリ:ヴェルディのオペラによる組曲
ジュゼッペ・ブルーノ(P)、
パオロ・ヴァルチェピーナ(P)

録音:2013年2月3日、(ルッカ、イタリア)
19世紀を代表するイタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディの遺したオペラ作品のピアノ・トランスクリプション・アルバム。イタリア出身の2人の名ピアニストが華麗に奏でます。
※Sheva Collectionはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Sheva Collection
SH-105(1CD)
シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番イ長調 D.959
ピアノ・ソナタ第15番ハ長調 D.840 「レリーク」
ウィリアム・グラント・ナボレ(P)

録音:(D.840)2005年6月4日−6日、(D.959)2005年6月25日−27日
コモ湖国際ピアノアカデミーの理事を務め、緻密なアナリーゼや広範な知識に定評があるピアニスト、ウィリアム・グラント・ナボレによるシューベルトのピアノ・ソナタ第20番と第15番。
※Sheva Collectionはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Nonclassical
NONCLSS-020(1CD)
クラヴィコン
Angelus/Oram Her Toye/Aviary/Biome/Kontrapunkd/B.A.C.H/Piano Beat #10/Dust/Rorscach/Rhinelead/The Nights Music/Croix/IronCross/Wave
レオン・ミッチェナー(プリペアド・アンプリファイド・ピアノ)
ガブリエル・プロコフィエフが主宰するNonclassicalからイギリスの新たな才能が登場!王立音楽院とトリニティ・カレッジでクラシック・ピアノと作曲を学んだピアニスト、レオン・ミッチェナーによる、プリペアド・ピアノ(弦に物を乗せて様々な音色、効果を出すピアノ)とエレクトロニクスの新感覚ワールド。ジョン・ケージが発明したプリペアド・ピアノを進化発展させたミッチェナー。ループやオーバー・ダビングを使わず、リアル・タイムにアンプリファイド・プリペアド・ピアノを操る新しいパフォーマンスです!

HATART
HATART-192(1CD)
クリストファー・フォックス(b.1955):ピアノ作品集
1. エレベーター 
2. 時の淵に
3. Thermogenesis 
4. 共和制のバガテル
フィリップ・トーマス(P)

録音:2013年9月3,4日
英国の作曲家、クリストファー・フォックスのピアノ作品集。1984年から94年までダルムシュタットの作曲スタッフを務めていました。ねじふせられてしまうような説得力、どの作品も強い素材をもっており明確、すぐにその作品世界に引きずり込まれてしまうような魅力に満ちています。ダイナミックなリズム感覚の「エレベーター」、果てしなくこのままなのだろうかと不安になるような「時の淵に」など、どれも明確なキャラクターをもった作品が並びます。 (Ki)

GADGAD MUSIC
G-21YAG(1CD)
エスタニスラオ・マルコ(1873-1954):ギター作品集 Vol.3
昔の思い出 [Recuerdos de antano] (タンゴ)/ペニャルバ [Penalva] (セレナード)
それがどうした! [!A mi, que!] (チョティス)
カルメンチタ [Carmencita] (ガヴォット)/くすぐったさ [Cosquillas] (ワルツ)
おもしろい! [!Graciosa!] (スペインの歌)/優美 [Gentileza] (タンゴ)
山の人 [Serrano] (チョティス)/アンパリン [Amparin] (マズルカ)
メヌエット {Minueto]/マドリガル I [Madrigal I]/クレオールの歌 [Cancion criolla]
秋の歌 [Cancion de otono]/兄弟の [Fraternal] (ワルツ)
あなたの高潔な精神に [A tu alma virtuosa]/感謝(瞑想) [Gratitud (Meditacion)]
心からの涙 [Lagrimas sinceras] (歌)/幸せな時間 [Horas felices] (歌のメロディ)
祈り [Plegari] (メロディ)/ハネムーン(夢) [Luna de miel (ensueno)]
愛撫(月の夜) [Caricia (noche de luna)]
ホルヘ・オロスコ(G)

録音:2010年11月
エスタニスラオ・マルコはスペインのバレンシアで活躍したギター奏者・作曲家。ナルシソ・イエペスの少年時代の師の一人です。収録曲はバレンシア市立作曲家ライブラリー所蔵のテナ神父コレクションから新たに発見された未出版作品。1935年から1953年までに書かれたもので、もちろん世界初録音。ホルヘ・オロスコは1961年バレンシア生まれのギター奏者。エスタニスラオ・マルコの当シリーズ Vol.1から演奏を担当しています。

ALAMEDA
G-4N25(1CD)
エスタニスラオ・マルコ(1873-1954):ギター作品集 Vol.4
ロリタ [Lolita] (ワルツ)/喜び [Alegrias] (性格的ワルツ)
愛撫 [Caricias] (タンゴ)/ブルレスク [Burlesca] (奇想曲)
カンツォネッタ [Canzonetta]/私の歌 [Mi Cancion]
ソナティナ [Sonatina]/おじぎそう [Sensitiva] (トレモロ・メロディ)
アルボラダ [Alborada] (ガリシアの歌)/即興曲 [Impromptu]
夜明け [Aurora] (パソドブレ)/フベナル [Juvenal] (行進曲)
グレナデン・シロップ [Granadina]/メヌエット [Minueto]
孤独 [Solea] (アンダルシアのカンティガ)/ナポリの歌 [Cancion Napolitana]
アンダルシアのスケッチ [Boceto Andaluz]
山々の間に [Entre Montanas] 第1番−第8番
ホルヘ・オロスコ(G)

録音:2014年11月、リトル・キャニオン・スタジオ、ブルハソト、バレンシア州、スペイン
収録曲はバレンシア市立作曲家ライブラリー所蔵のテナ神父コレクションから新たに発見された未出版作品。1922年から1951年までに書かれたもので、もちろん世界初録音。

GADIRAIFA
GAC-1010(1CD)
エスタニスラオ・マルコ(1873-1954):ギター作品集 Vol.2
ホベル/ドロラ/双子の魂(精神の同志)/コンチタ
トリニ/バラとジャスミン/子守歌/希望/忘却/思い出/苦しみ
永遠の平和/アンダンテ・レリジオーソ/スコットランド風
マドリガル II/幻影/被昇天/マラゲニャス
ホルヘ・オロスコ(G)

ARCO DIVA
UP-0173-2(1CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007
無伴奏チェロ組曲第2番 BWV1008
無伴奏チェロ組曲第3番 BWV109
イトカ・ヴラシャーンコヴァー(Vc)
イトカ・ヴラシャーンコヴァーはプラハ音楽院および音楽アカデミーで学んだチェコのチェロ奏者。1976年プラハ音楽院在学中にマルチヌーSQの創設に参加、2015年現在も在籍しています。

LOTOS
LT-0124-2(1CD)
イトカ・チェホヴァー/ピアノ・リサイタル
ヤナーチェク:ソナタ変ホ短調「1905年10月1日、街頭にて」
ベートーヴェン:ソナタ第23番「熱情」
スメタナ:マクベス/3つのサロン・ポルカ Op.7
 演奏会用練習曲ハ長調
イトカ・チェホヴァー(P)

録音:2002年11月、、スタジオ・ドモヴィナ、プラハ、チェコ


ARTALINNA
ATL-A007(1CD)
恍惚の詩〜フォーレ、スクリャービン:ピアノ作品集
フォーレ:夜想曲第4番変ホ長調 Op.36
 舟歌第5番嬰ヘ短調 Op.66
スクリャービン:おどけた詩曲 Op.45-2
 悪魔的詩曲 Op.36(1903)
フォーレ:夜想曲第7番嬰ハ短調 Op.74
 舟歌第9番イ短調 Op.101(1909)
スクリャービン:ソナタ第9番 Op.68
フォーレ:夜想曲第8番変ニ長調 Op.84-9
 夜想曲第11番嬰へ短調 Op.104-1
 夜想曲第13番ロ短調 Op.119
スクリャービン:けだるい詩曲 Op.52-3
 2つの詩曲 Op.71
 詩曲「焔に向かって」Op.72
フォーレ:夜想曲第4番変ホ長調 Op.36
ロマン・デシャルム(P)

録音:2014年3月10-13日、レスカール(芸術文化センター)、トゥルヌフイユ、オート=ガロンヌ県、フランス
フランスのフォーレとロシアのスクリャービンを組み合わせるというユニークなプログラム。ロマン・デシャルムは1990年に生まれ、ジャック・ルヴィエ、ブルーノ・リグット、クリスチャン・イヴァルディに師事したフランスのピアニスト。2006年ダブリン国際ピアノ・コンクール第1位。Auditeレーベルにラヴェルの録音があります。

MPMP
MM-0114(1CD)
ベートーヴェン:ポロネーズ.ハ長調 Op.89
バガテル.ハ短調 WoO 52
 ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994):ピアノ・ソナタ第3番 Op.72(1952)
マルタ・メネゼス(P)

録音:2014年7月14-16日、小コンサートホール、ベレン文化センター、リスボン、ポルトガル
使用楽器:Steinway & Sons, model D (Hamburg)
マルタ・メネゼスはリスボン高等音楽学校でミゲル・ゴンザルヴェス・エンリケスに師事した後、ロンドンの王立音楽アカデミーでドミトリー・アレクセーエフの指導を受け2013年修士課程を修了、2014年以来2015年現在アメリカ合衆国インディアナ大学博士課程に在籍しアルナルド・コーエンの指導を受けているピアニスト。ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタの後に20世紀ポルトガルを代表する作曲家の一人ロペス=グラサのソナタという大胆なプログラム。
※本体・外装ともにレーベル名・規格品番表示がありません。マルタ・メネゼスの自主制作的CDをMPMPが配給している形になりますので、MPMPの商品として扱います。
MPMP
MPMP-10(1CD)
ジョアン・ドミンゴス・ボンテンポ(1775-1842):ピアノ・ソナタ全集 Vol.1
大ソナタ [Grande Sonata] Op.5
平易なソナタ [Sonata Facil] Op.13
ソナタ Op.15-1/ソナタ Op.15-2
フィリップ・マルケス(P)

録音:2013年9月9-10日、小コンサートホール、ベレン文化センター、リスボン、ポルトガル
使用楽器:Steinway & Sons, model D (Hamburg, 1992)
ジョアン・ドミンゴス・ボンテンポはイタリア人音楽家を父にポルトガルのリスボンに生まれ、父の後を継いで王室宮廷礼拝堂に仕えた後、1801年にパリに赴きピアニスト・作曲家として名を上げ、クレメンティと交友、その後ロンドン、リスボン、パリを行き来したのち1820年にリスボンに戻りました。リスボンではフィルハーモニー協会を創設して演奏会を開き、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらの作品を採り上げ、1835年にはリスボン音楽院初代院長に就任するなど、ポルトガル音楽の改革者として大いに活躍しました。
モダーン・ピアノによるボンテンポのピアノ・ソナタ全集。ポルトガルの若きピアニスト、フィリップ・マルケスがコンサートとの同時進行で録音していく予定です。

Continuum
CCD-1040(1CD)
ベスト・オブ・ブリティッシュ
ブリッジ:ピアノ・ソナタ*
ランバート:ピアノ・ソナタ**
ライゼンシュタイン:ピアノ・ソナタ第2番 Op.40***
ピーター・ジェイコブ(P)*、
ジョン・マッケイブ(P)**、
フィリップ・マーティン(P)***

録音:1989年***、1990年*、1991年**
20世紀イギリスの作曲家、フランク・ブリッジ(1879−1941)と同世代の、コンスタント・ランバート(1905−1951)、フランツ・ライゼンシュタイン(1911−1968)のピアノ・ソナタ集。ピーター・ジェイコブ、ジョン・マッケイブ、フィリップ・マーティンの名ピアニストたちによる洗練された演奏で。
Continuum
CCD-1044(1CD)
デイル:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ ニ短調
即興曲 「ナイト・ファンシーズ」
プルーネラ
ピーター・ジェイコブ(P)

録音:1991年12月10日−12日
ヨーク・ボーウェン(1884−1961)やアーノルドバックス(1883−1953)と同世代の作曲家、ベンジャミン・デイル(1885−1943)の代表作「ピアノ・ソナタ」を収録したピアノ作品集。近代イギリスの知られざる傑作を、シャミナードのピアノ作品集(Helios)など知られざる作品の発掘と再興のスペシャリスト、ピーター・ジェイコブが弾きます。

Continuum
CCD-1066(1CD)
ピーター・ジェイコブ・ピアノ・コレクション Vol.5〜ホルド:ピアノ作品集
ケンプのナイン・デイズ・ワンダー
「リルフォードのフクロウ」より 10の小品
6つのカレイドスコープ
ピーター・ジェイコブ(P)

録音:1987年1月
イギリス、ノーサンプトン出身の作曲家トレヴァー・ホルド(1939−2004)のピアノ作品集という近現代イギリス音楽ファンならば見逃せないレアなプログラム。演奏は、シャミナードのピアノ作品集(Helios)など知られざる作品の発掘と再興のスペシャリスト、ピーター・ジェイコブ。
Continuum
CCD-1078(1CD)
スモーリー:アコード
フォルモサ:Pour les vingt doigts
ラムズデーヌ:フライツ
ダニエル・ヘルスコヴィチ(P)、
エルジェーベト・マロシュゼキ(P)

録音:1995年5月10日
ケルンでシュトックハウゼンに作曲を学び、ハリエット・コーエン国際音楽賞の受賞歴を持つロジャー・スモーリーなどの作品による近現代の2台ピアノのための作品集。


Naxos Japan
NYCC-10004(1CD)
税込定価
ミュージック・イン・ライフ
ショパン:エチュード第5番変ト長調作品10「黒鍵」
ノクターン第 21 番 ハ短調「遺作」
エチュード第6番嬰ト短調Op.25
ノクターン第20番嬰ハ短調「遺作」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」
ドビュッシー:月の光(ベルガマスク組曲)
ガーシュウイン:3つの前奏曲
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調K331
「トルコ行進曲付き」
ショパン:スケルツォ第1番Op.20
ウミ・ギャレット(P)
ジャケットでにっこり微笑む可憐な少女・・・ウミ・ギャレット。 しかし、この少女の指から生まれてくる「力強い音と類い稀なる表現力」には、誰もが震撼せずにはおれないでしょう。これがなんと、ウミ12歳の時の録音というのですから感嘆する他ありません。 アメリカ在住の彼女、4歳でピアノを始め、すぐに世界各国のオーケストラと共演する他、多くの音楽祭で演奏、2013年の「浜松ピアノ・アカデミー」にも参加するなど、その才能を着々と進化させています。また、2011年の震災の惨状を目の当たりにした彼女は、すでにいくつかの被災地で演奏会を行うなど、復興に向けて力を注いでいることも忘れてはなりません。 まだまだ日本での評価は未知数の彼女ですが、このアルバムを一度でも聴けば、これからの輝かしい将来が目に浮かぶことは間違いありません。私たちは「素晴らしい才能と未来」をこのCDで発見することができます。10年後、間違いなく彼女は世界を席巻することでしょう。

Eudora
EUDSACD-1402(1SACD)
対話
モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397
ショパン:エコセーズ第1番ニ長調 Op.72-1
モーツァルト:ロンド ニ長調 K.485
ショパン:エコセーズ第2番ト長調 Op.72-2
モーツァルト:ジーグ ト長調 K.574
ショパン:前奏曲第3番ト長調 Op.28-3、
 前奏曲第6番ロ短調 Op.28-6
モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
ショパン:前奏曲第4番ホ短調 Op.28-4、
 ワルツ第3番イ短調 Op.34-2、
 前奏曲第7番イ長調 Op.28-7
モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
ショパン:マズルカ第13番イ短調 Op.17-4、
 前奏曲第18番ヘ短調 Op.28-18、
 前奏曲第20番ハ短調 Op.28-20
モーツァルト:幻想曲ハ短調 K.475
ショパン:バラード第1番ト短調 Op.23
ジョゼップ・コロン(P/スタインウェイ)

録音:2013年7月21日−24日
スペイン、バルセロナの知る人ぞ知る名ピアニスト、ジョゼップ・コロン(1947−)が奏でる"モーツァルト"と"ショパン"の対話。ファリャなどスペイン音楽の大家として高名なジョゼップ・コロンの煌めく美しき音色とピアニズム、卓越したビジョンが、2人の天才、モーツァルトとショパンの音楽の対話を詩情豊かに紡いでゆきます。演奏はもちろんのこと、録音も非常に優秀。
Eudora
EUDSACD-1401(1SACD)
ソル:ギター・ソナタ集
グランド・ソナタ.Op.25/ソナタ.Op.15
グラン・ソロ Op.14
グランド・ソナタ.Op.22
リカルド・ガレン(ロマンティックG)

録音:2013年9月5日−7日
ギターのソロ楽器としての地位を高め、黄金期に導いたスペイン・ギター界の巨匠フェルナンド・ソル(1778−1839)。ソルの4つの名作を弾くリカルド・ガレンは、1972年、スペイン、バルセロナ出身の実力派ギタリスト。1820年頃に製作されたファブリカトーレのギターのレプリカ(アルノルド・ガルシア製)から響くスペイン・ギターの巨星の音楽に魅了されます。録音も要注目。

Willowhayne Records
WHR-033(1CD)
ワイルド・アバウト・トランスクリプションズ
クライスラー(ヴァネイエフ編):前奏曲とアレグロ
ブゾーニ:ショパンの前奏曲による9つの変奏
ラヴェル:ソナチネ
バーバー:ピアノ・ソナタ
ワイルド:ガーシュウィンの「ポーギーとベス」による幻想曲
ドミニク・ジョン(P)
1980年イギリス出身、第22回ブラント国際ピアノ・コンクール第1位、ブリティッシュ・ミュージック・ソサエティ・アウォード、RCMチャペル・ゴールド・メダルなど、すでに数多くの受賞歴を誇る気鋭のピアニスト、ドミニク・ジョンが放つ"トランスクリプション"と2つのソナタ!中でも20世紀アメリカのヴィルトゥオーゾ、アール・ワイルドの手により約28分間の"ファンタジー"へと生まれ変わった「ポーギーとベス」のピアノ・トランスクリプションが聴きどころ。
Willowhayne Records
WHR-032(1CD)
トランス・ヨーロッパ・エクスペリエンス
アンドリーセン:主題と変奏
ラヴァネッロ:アドラツィオーネ
ギユー:トッカータ Op.9
ハーフォード:組曲「ラウダーテ・ドミヌム」
ニールセン:コモーティオ Op.58
クーニス:スイスの歌曲による変奏曲
キース・ジョン(Org)
アムステルダム、ヴェネツィア、パリ、ロンドン、コペンハーゲンとチューリッヒ。ヨーロッパの各都市をオルガン作品で巡る「トランス・ヨーロッパ・エクスペリエンス」。イギリスの名オルガニスト、キース・ジョンがグロスター大聖堂のオルガンで、20世紀のオルガン作品を奏でます。

ARDENS
ARS 2014-01(1CD)
C.P.E.バッハ鍵盤楽器ソナタ集
ト短調 Wq.65-17 (H.47)
ハ短調 Wq.65-31 (H.121)
ト長調 Wq.62-19 (H.119)
嬰ヘ短調 Wq.52-4 (H.37)
イ長調 Wq.65-32 (H.135)
エレーナ・フィロノヴァ(P)

録音:2014年、ウジェーヌ・ナポレオン財団礼拝堂、パリ、フランス
エレーナ・フィロノヴァはフランスのピアニスト。ソヴィエト時代のロシアに生まれ、モスクワ音楽学校でエミール・ギレリスに、モスクワ音楽院附属音楽学校でパーヴェル・メスネルに、モスクワ音楽院でエフゲニー・マリーニンに師事。卒業後すぐにソロ・ピアニストとして地位を確立しニューヨークのカーネギー・ホールで招待演奏を行い、その後国際的な活躍を続けながら出身校等で後進の指導にも尽力しています。Calliope等フランスのレーベルからCDをリリース。
当商品にはCDエクストラとしてレコーディング・メイキング映像のトラック(約11分)が収録されておりますが、弊社はその再生の保証をいたしません。ご了承ください。

PASSAVANT MUSIC
PAS-225043(2CD)
ガブリエル・デュポン(1878-1914):ピアノ曲集「憂鬱な時間」(全14曲)
  ピアノ曲集「砂丘に建つ家」(全10曲)
ベルナール・ポール=レイニエ(P)

録音:2008年、パッサヴァン・アコースティック・スタジオ、パッサヴァン、フランス
ガブリエル・デュポンはマスネ、ギルマン、ヴィドールらに師事したフランスの作曲家・ピアニスト。歌劇で成功しましたが結核のため36歳の若さで亡くなりました。2014年が生誕100年だったため再生産されたものと思われます。

Quintone
Q-14004(3CD)
バッハの無伴奏チェロ組曲と現代作曲家&即興の結合
バッハ:組曲第1番ト長調 BWV.1007
グバイドゥーリナ:無伴奏チェロのための10の前奏曲より 第3番 Con sordino - Senza sordino
バッハ:組曲第2番ニ短調 BWV.1008
クルターグ:メッセージ=コンソレーション
バッハ:組曲第3番ハ長調 BWV.1009
ペンデレツキ:スラヴ風に
バッハ:組曲第4番変ホ長調 BWV.1010
ブリテン:テーマ・ザッハー
バッハ:組曲第5番ニ短調 BWV.1011
シュニトケ:音の手紙
バッハ:組曲第6番ニ長調 BWV.1012
エレクトリック・チェロによるインプロヴィゼーション:コンスタント、ディスタント
マイケ・ラーデマーカース(Vc、エレクトリックVc)

録音:2013年9月、2014年2月&7月
オランダの女流チェリスト、マイケ・ラーデマーカースによる意欲的なバッハ録音が登場。チェロの聖典、バッハの「無伴奏チェロ組曲」全曲を番号順に並べ、1曲ごとに、ソフィア・グバイドゥーリナ、ジョルジュ・クルターグ、クシシュトフ・ペンデレツキ、ベンジャミン・ブリテン、アルフレット・シュニトケら近現代作曲家による独奏チェロのための作品を挟み、最後にエレクトリック・チェロ(Yamahaのサイレント・チェロ SV-110)によるインプロヴィゼーションを収録。
バッハと現代の作品を組み合わせることによって、ヒストリカルなパフォーマンスが注目されがちな現代に於いて、より現代的なアプローチからバッハを読み解き、真に"オーセンティック"な組曲を目指したラーデマーカース。確かな実力と優れた解釈でバッハと現代作曲家、そして即興を結びつけ、新たな「聖典」の姿を魅せてくれます。

Raumklang
RK-3206(2CD)
スカルラッティ:ソナタ集
ソナタ イ長調 K.24/ソナタ ニ短調 K.32
ソナタ ヘ長調 K.44/ソナタ ト長調 K.105
ソナタ ヘ長調 K.107/ソナタ イ短調 K.109
ソナタ ト長調 K.124/ソナタ ハ長調 K.132
ソナタ ホ長調 K.135/ソナタ イ短調 K.175
ソナタ ホ短調 K.198/ソナタ イ長調 K.208
ソナタ ニ短調 K.213/ソナタ ヘ短調 K.239
ソナタ ヘ長調 K.296/ソナタ ホ短調 K.394
ソナタ ヘ短調 K.466/ソナタ ヘ短調 K.467
ソナタ ニ長調 K.492/ソナタ ニ短調 K.516
ソナタ イ短調 K.532/ソナタ ト長調 K.547
エゴン・ミハイロヴィチ(Cemb)

録音:2001年7月
フラメンコやスペインの舞曲の形式から影響を受けたドメニコ・スカルラッティ(1685−1757)の22曲のソナタを奏でるチェンバリストは、エゴン・ミハイロヴィチ。
1972年、スロベニアのポストイナ出身のエゴン・ミハイロヴィチは、ドイツ、フランクフルトへ渡り、チェンバロをはじめとするピリオド楽器を専攻。タリアヴィーニやアスペレンの薫陶を受けたスロベニアの名手は、2009年よりリュブリャナ音楽大学でチェンバロの教授を務めています。


Treasures
TRE-066(1CDR)
カール・エンゲル/モーツァルト他
モーツァルト:幻想曲ニ短調K.397
 ロンド.ニ長調K.485*
 ピアノ・ソナタ第13番K.333
 ピアノ・ソナタ第5番K.283
 ロンド.イ短調K.511
シューベルト:即興曲Op.142-1&3#
カール・エンゲル(P)

録音:1959年(全てモノラル)
※音源:独ELECTOROLA E-80461、E-60732*、C-60730#
◎収録時間:78:15
“作曲家の代弁者に徹するカール・エンゲルの信念!”
■製作メモ
使用した3枚のレコードは全て10インチ盤。エンゲルによるモーツァルトのピアノ・ソロ作品の録音は、80年代の録音が有名ですが、このELECTRORA録音も決して無視できません。1959年の録音ながらステレオ盤は存在しないようですが、エンゲルのタッチの魅力を味わうのに何の不足もありません。シューベルトの即興曲は、PHILIPSのモノラル録音(全8曲)とEURODISCのステレオ盤(Op.90のみ)も存在しますが、これは勿論それらとは別の録音。

★ヘルマン・プライ等の歌手の伴奏ピアニストとして高名なカール・エンゲル(1923-2006)のピアニズムは、多くの歌曲伴奏者同様、強烈な個性を放射するタイプではありませんが、決して地味な印象にとどまらず、作品の持ち味と自身の感性を一体化した上での伸びやかな表現が魅力。その「一体化」はどんな作品でも容易に実現できるとは思えず、エンゲルのレパートリーがかなり限定的だったのも納得できます。
「幻想曲」は、前半は過剰な暗さに埋没せず、長調に転じてからも明るさを際立たせることのない優しい語り口ですが、それはコントラストを意図的に抑制したものではなく、全てがモーツァルトの素の言葉のように心に響きます。「ロンド K485」は、まろやかでありながら克明なタッチにも心奪われますが、最大の魅力は、技巧の彫琢を第一に考えるピアニストには到底実現できない間合いの絶妙さ!フレーズを恣意的に歌わせている箇所など皆無で、体から自然に湧き上がる音楽とはまさにこの事。しかも、こんな単純な楽想から無限と思えるニュアンスが広がるとは!これ以上の魅力を持つK485の演奏を他に知りません。「ソナタK.333」の第3楽章も、全ての要素がバランスよく共存。少ない音符のどこにも隙間風を感じさせず、フレーズが生き生きと流れるという理想の極地を実現。「ソナタ283」の第2楽章は、もはや説明など無粋の極み。ただただ無垢な音楽が存在するだけ。一体どういう人生を送ればこういう音が出せるのでしょう?
シューベルトになると当然ながら強弱の振幅は大きくなり、タッチにも強靭な芯を宿しますが、自身の解釈を主張するのではなく、作品側から表情を引き出す姿勢はモーツァルトと同じ。Op.142-1の2:37から上声部と下声部が対話するシーンは、まさに愛の囁き!その対話の微妙な陰影は刻々と変化し続けますが、愛の意味を身をもって知っている人間でなくては、説明調に傾かずにこれほど淀みないフレージングに結実させることなど不可能でしょう。【湧々堂】

Sono Luminus
DSL-92187
(Bluray Audio+CD)
ラッフィ・ベサリアン/ピアノ・リサイタル
ラフマニノフ:幻想的小品集Op.3-2前奏曲嬰ハ短調
 10の前奏曲Op.23-第5番ト短調
 10の前奏曲Op.23-第6番変
ホ長調
 10の前奏曲Op.23-第7番ハ短調
 13の前奏曲Op.32-第5番ト長調
 13の前奏曲Op.32-第10番ロ短調
 13の前奏曲Op.32-第12番嬰ト短調
 絵画的練習曲集
Op.33第6番変ホ短調
 絵画的練習曲集Op.39第1番ハ短調
 絵画的練習曲集Op.39第5番変ホ短調
 絵画的練習
曲集Op.39第6番イ短調
 コレルリの主題による変奏曲Op.42
アルノ・ババジャニアン(1921-1983):前奏曲
 メロディとユモレスク-メロディ
 ババジャニアン:エレジー
 ババジャニアン:ヴァガルシャパ
ラッフィ・ベサリアン(P)

録音:2014年4月29日-5月1日USAヴァージニア,ボイス,ソノルミナス<BD-A>5.1
「ホロヴィッツらのロシアンピアニズムの正統を受け継ぐ存在」とショパン誌でも絶賛されたアルメニア系のアメリカ人ピアニスト、ラッフィ・ベザリアンのリサイタル・アルバムです。カーネギー・ホールで正式なニューヨーク・デビューを果たし、日本にも来日、その技巧と音楽性を存分に見せつけた若手です。このアルバムでは、彼が得意としているラフマニノフの前奏曲、練習曲、変奏曲と、ラフマニノフから強い影響を受けたアルメニアの作曲家ババジャニアンの小品が収録されています。彼の強靭な打鍵から生まれる音は、ラフマニノフ作品に底知れぬパワーと奥行きを与えるとともに、メロディにも滴り落ちるような哀愁を与えています。近年人気が高まっているババジャニアンの作品は、ロシアのイディオムにアルメニアの伝統を加え、時に現代的なジャズ風な動きを与えたもの。ハチャトゥリアンの思い出のために書かれたトラック37の「エレジー」は一度聴いたら忘れられないほどの魅力を有しています。
Sono Luminus
DSL-92188
海の風景〜ジャニス・ウェーバー:ピアノ・リサイタル
スメタナ:海辺にて
ボルトキェヴィチ:クリミアのスケッチOp.8-第2番海のカプリース
ウジューヌ・ギヨーム(1882-1940?):海にて<輝ける朝/岩場/荒れ狂う海>
アレク・ロウリー(1892-1958):海の月明かり
エミール・フォン・ザウアー(1862-1942):演奏会用練習曲第7番ホ短調「海の炎」
ブルーメンフェルト(1863-1931):練習曲「海」Op.14
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):海藻Op.12
ブロッホ:海の詩(ピアノ版)<波/船頭の歌/海にて>
マルセル・ド・マンツィアーリ(1899-1989):海の印象<第1番:砂浜/第2番:灰色の日に/第3番:晴れた日に>
アーサー・ファーウェル(1872-1952):2つの音画Op.104-第2番海
レオ・サワビー(1895-1968):北の土地からH167-第5番輝く大海
シリル・スコット(1879-1970):溶け込む海
テオドール・レシェティツキ(1830-1915):組曲「ア・ラ・カンパーニュ」Op.40-第1番波の戯れ
アレック・テンプルトン(1909-1963):空の変奏曲
ジャニス・ウェーバー(P)

録音:2013年8月19-21日USAヴァージニア,ボイス,ソノルミナス
ピアノの88鍵を全て使って、海の風景を表現すること……古今東西の作曲家たちが幾度となく試み、それぞれの世界を描き出して来ました。このアルバムでは、そんな様々な「海の風景」を楽しむことができます。どちらかと言うと、嵐の海や、迫り来る波などが描写されることが多く、冒頭のスメタナの作品を聴いただけでも、その鮮やかさに驚くことでしょう。空の色を克明に写した海、多くの川が溶け込む海、海に漂う海藻、そして船頭の歌。どこまでもイメージが広がるステキな1枚です。ピアニストのジャニス・ウェーバーはニュージャージー州生まれ。早くから音楽の才能を顕し、イーストマン音楽学校を首席で卒業しています。数多くのリサイタルを開いていますが、中でもリストの「超絶技巧練習曲の第2稿(1838年版)」の世界初演はタイム誌でも絶賛されました。また彼女は作家という別の顔を持っており、1985年、最初に出版された「エヴァ・アサウェイの秘密の生活」は多くの読者の心を掴んだようで、現在は6作目までが出版されています。
Sono Luminus
DSL-92189
(Bluray Audio+CD)
ZOFO・プレイズ・テリー・ライリー
テリー・ライリー(1935-)
「オールド・カントリー」よりエチュード
ジャズ・タイム/タンゴ・ダブル・ラディアード
半狼、月下に狂う/シモーヌの子守歌
Gソング/カマキリのラグ
カリスマスのためのワルツ/シンコ・デ・マヨ
ZOFO(中越啓介&エヴァ-マリア・ツィマーマン:ピアノ・デュエット)

録音:2014年12月16-19日USAヴァージニア,ボイス,ソノルミナス
独自の道を歩んでいる孤高のピアノ・デュオ「ZOFO」。これまでのアルバムも革新的で挑戦的、そして見事な技巧に支えられたある意味「意表をつくもの」でした。この最新盤は最初から作曲家テリー・ライリーとコラボレーションし創り上げた1枚。まるでオーケストラで音を鳴らすように、4つの手がピアノを奏でていきます。もともとクロノス・カルテットのために書かれた「Half-WolfDancesMadinMoonlight」や「シモーヌの子守歌」などの見事なアレンジはもちろんのこと、ZOFOのために作曲された「カマキリのラグ」など、今回も多彩な響きを味わうことができます。連弾曲の可能性に挑戦し続ける彼ら、これからも楽しみです。

STUDIO CHORUS
CH-0007-2(1CD)
ブラームス、ヴィドール、デュプレ:オルガン作品集
ブラームス:前奏曲とフーガ.ト短調
ヴィドール:交響曲第7番ト短調 Op.42〜第1楽章,第2楽章
デュプレ:交響曲第2番 Op.26〜第1楽章
マリエ・ザフラートコヴァー(1987-):即興演奏
 鐘/聖母マリア戴冠画/十字架への道/天使たち/聖バルトロメイ
マリエ・ザフラートコヴァー(Org)

録音:2013年3月12-13日、9月19-20日、聖バルトロメイ教会、ザーブジェフ、チェコ
使用楽器:リーガー=クロス製 Op.3180

THE CHOIR OF KINGS COLLEGE
KGS-0010(1SACD)
リスト、メンデルスゾーン:オルガン作品集
リスト:コラール「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ S259/R380
メンデルスゾーン:ソナタ第6番 ニ短調(op.65-6)
ユリウス・ロイプケ:詩篇94に基づくソナタ.ハ短調
スティーヴン・クレオベリー(Org)

録音:2013年5月、キングズ・カレッジ聖堂(ケンブリッジ)
使用オルガン:ハリソン&ハリソン
キングズ・カレッジ聖堂のオルガンの素晴らしさを堪能できる1枚。30年以上にわたりケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団の音楽監督を務める クレオベリーの独奏です。マイヤーベーアのオペラの旋律を主題にとったリストの壮麗な世界、メンデルスゾーンの厳粛な雰囲気、そしてユリウス・ロイプ ケの作品はゴシック建築を思わせます。 (Ki)


CONTINUO Classics
CC777-801(1CD)
中野真帆子
ルーセル:3つの小品 Op.49、
 ソナティナ Op.16
サティ:ジムノペディ第1番*、
 グノシエンヌ第1~3番*
プーランク:トッカータ、即興曲第15番
メシアン:前奏曲集〜「鳩」「軽快な風刺」「夢の中のかすかな音」「静かな訴え」「風に映る影」
武満徹:閉じた眼
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲集 Op.2
中野真帆子(P)

録音:1997年、2000年東京文化会館小ホール、2003年紀尾井ホール* (以上ライヴ)
国内外で活躍する実力派ピアニスト、中野真帆子によるライヴ録音のリリースです。収録曲はお得意曲であるサティ、プーランク、ヒナステラ、メシアン、 ルーセル、武満徹を収録しました。ライヴならではの臨場感あふれる録音です。 中野真帆子〜プロフィール 4歳よりピアノを始め、10 歳の時、NHK教育TV「ピアノのおけいこ」にレギュラー出演。ウィーン国立音楽芸術大学を経て、パリ・エコールノルマル音 楽院コンサーティストを審査員全員一致で修了後、カナダ・バンフセンターにて研鑽を積む。ロヴェーレ・ドーロ国際音楽コンクー ル優勝をはじめ、アルベー ル・ルーセルピアノ国際音楽コンクール第4 位、及びルーセル賞、マスタープレイヤーズ国際音楽コンクールピアノ部門第1位など、ヨーロッパ各地のコ ンクール入賞を機に、ソリスト・室内楽奏者としてアジア・カナダ・ヨーロッパの音楽祭に参加。帰国後はフェリス女学院大学音楽学部で後進の指導に あたる傍ら、国内外での演奏、各種コンクールの審査員、TV・ラジオへのメディア出演、音楽雑誌への執筆・翻訳など、多方面で活躍中。


DiscAuvers
DAS-013(1CD)
ショパン:練習曲集 op.10 & 25 ミロスラフ・クルティシェフ(P)

録音:2014年6月19日、オーヴェル=シュル=オワーズ教会(ライヴ)
2007年の第13回チャイコフスキー国際コンクールでピアノ部門最高位に輝いたクルティシェフによる、ショパンの練習曲(全曲)の登場。彼はまた、 2010年の第16回ショパン国際ピアノ・コンクールのファイナリストでもあります(この年の優勝者はアヴデーエワ、第3位はトリフォノフ)。近年では 神尾真由子との共演でも話題となっています。技巧派でありながら、美しいタッチと独特の艶のある歌いまわしが魅力のクルティシェフ。非常にきめこまや かで、スピード感もたっぷりのショパンのエチュードを一気呵成に聴かせます。
このCDは、2014年、パリ近郊、セーヌ川の支流・オワーズ川右岸に位置する自然豊かな村、オーヴェル=シュル=オワーズで行われた音楽祭でのラ イヴを収録したもの。この地はゴッホが多くの作品を描き、また、その最期を迎えた場所としても知られています。この演奏も、ゴッホが描いた教会で行 われたもの。毎年6月に行われる音楽祭は30回以上を数えており、人気イベントのひとつとなっています。 (Ki)

DIGRESSIONE
DCTT-38(1CD)
チェロで聴く名曲集
ファリャ:7つのスペイン民謡〜アストゥリアナ+
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第5番+
サン=サーンス:動物の謝肉祭〜白鳥*
ハイメ・ミルテンバウム・セナモン(1953-):ドロロソ(悲しみ)*
ファリャ:7つのスペイン民謡〜モーロの織物+,子守歌*
ブルクミュラー(1806-1874):夜想曲第1番+
ピアソラ:オブリビオン(忘却)*
ラフマニノフ:前奏曲 Op.23-10*
フォーレ:シシリエンヌ Op.78*
ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34-14*
マルコ・レカ(Vc)
マウリツィオ・ザッカリア(P)*
ヴィンチェンツォ・ジューラ(G)+

録音:2014年2月、スタジオ・フォー・ウォールズ、ジョヴィナッツォ、バーリ県、プーリャ州、イタリア
マルコ・レカはイタリア、バーリのニコロ・ピッチンニ音楽院を2000年に卒業したチェロ奏者。2010年バーリにヌオーヴァ・アルモニア財団およびヌオーヴァ・アルモニアSOを創設、2015年現在その総裁を務めています。ハイメ・ミルテンバウム・セナモンはボリビア出身のギタリスト・作曲家。1980年から1992年までベルリン音楽アカデミーで教え、現在はブラジル在住。


Diligence
DIL-141516(3CD)
シューマンの交響的練習曲
シューマン:交響的練習曲 Op.13(初版;1837)
5つの練習曲(遺作)
変奏曲(未完、ピエール・ブワイエ補筆完成版)  
[CD 2]
シューマン:5つの練習曲(遺作) 第1変奏,第4変奏
12の交響的練習曲 Op.13 第3番,第9番
5つの練習曲(遺作)第2変奏,第3変奏
変奏曲(未完、ピエール・ブワイエ補筆完成版)
5つの練習曲(遺作)第5変奏
変奏曲形式による練習曲集 Op.13(第2版;1852)

[CD 3] グローバル・ヴァージョンの一提案
シューマン:交響的練習曲 Op.13 第1番(第1変奏)
5つの練習曲(遺作)第1変奏
交響的練習曲 Op.13 第2番(第2変奏)
交響的練習曲 Op.13 第3番
交響的練習曲 Op.13 第4番,第5番(第3変奏,第4変奏)
5つの練習曲(遺作)から 第4変奏
交響的練習曲 Op.13 第6番−第8番(第5変奏−第7変奏)
交響的練習曲 Op.13 第9番
5つの練習曲(遺作)第2変奏、第3変奏
交響的練習曲 Op.13 第10番(第8変奏)
5つの練習曲(遺作)第2変奏、第5変奏
交響的練習曲 Op.13 第10番(第8変奏) ダ・カーポ
変奏曲(未完、ピエール・ブワイエ補筆完成版)
交響的練習曲 Op.13 第11番(第9変奏),第12番(フィナーレ)
ピエール・ブワイエ(フォルテピアノ、ピアノ)

使用楽器:1837年、エラール製フォルテピアノ(ピエール・ブワイエ私蔵)[CD 1]
1856年、シュタイアー製フィルテピアノ(トーマス・アルベルトゥス・インベルガー私蔵) [CD 2]
1995年、ファツィオリ製ピアノ "Mago Merlino" [CD 3]
録音:2011年6月6日、アカデミー・ホール、シント・トロイデン、ベルギー [CD 1]
2011年8月4日、モーツァルト・ホール、インベルガー財団、ザツツブルク、オーストリア [CD 2]
2011年7月27日、ファツィオリ・コンサートホール、サチーレ、イタリア [CD 3]
シューマンの交響的練習曲の版の変遷とともに楽器も時代を下っていくという興味深い企画。3枚のディスクいずれも20トラックで順番を変えながらも同じ楽曲を聴くことができます。ブックレットは三分冊で合計60ページですがフランス語のみ、英語版の製作は未定です。総収録時間は約2時間ですが企画を生かすために3枚組としたようです。レギュラー・プライス2枚分の価格ですのでご容赦ください。

EM Records
EMRCD-012-013(2CD)
モーラン:ピアノ独奏作品全集
モーラン:スタルハム川、主題と変奏
ハウエルズ:ピアノのためのソナチナ
モーラン:2つの民謡の編曲
フレイシュマン:ピアノのための組曲(世界初録音)
スワフィールド:ラパッロ、
 セイリング・アロング(世界初録音)、
 牧歌的な間奏曲(世界初録音)
モーラン:伝説
ハウエルズ:選ばれた旋律
モーラン:3つのピアノ小品、5月の朝に
ピットフィールド:前奏曲、
 メヌエットとリール
モーラン:3つのファンシー
ベインズ:7つの前奏曲
ヴォーン・ウィリアムズ:ギボンズの歌曲第13番による讃美歌前奏曲、
 山の中の湖
モーラン:トッカータ、夏の谷、
 バンク・ホリデー、2つの小品
ダンカン・ハニーボーン(P)

録音:2012年12月27日−28日
イギリスの民謡から大きな影響を受け、その美しき旋律を自らの作風に採り入れたアーネスト・ジョン・モーラン(1894−1950)のピアノ・ソロのための作品全集。モーランのイギリスとアイルランドの同世代の作曲家たち、ヴォーン・ウィリアムズやハウエルズの優美なピアノ作品がからも、イギリスの風景が見えきます。アロイス・フレイシュマン(1910−1992)やロナルド・スワフィールド(1889−1962)の世界初録音作品を発掘し、プログラムに加えてくるあたりは、さすが近代英国ピアノ作品の達人ダンカン・ハニーボーン。


Treasures
TRE-058(1CDR)
フォルデス/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」Op.13*
ピアノ・ソナタ第19番ト短調Op.49-1
ピアノ・ソナタ第26番「告別」Op.81a*
ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
アンドール・フォルデス(P)

録音:8番:1961年11月2-9日(第8番)、1960年(第19番)、1961年11月3-4, 6, 8-9(第26番)、1960年5月16-17日(第28番)、1960年2月3-4日(第30番) 全てステレオ
※音源:DG 135064(De)*、GRAMMOPHON SLGM-1127 (Jp)
◎※収録時間:76:50
デフォルメに頼らずベートーヴェンの精神を表出する透徹のピアニズム!
■製作メモ
フォルデスよるベートーヴェンのソナタと協奏曲の録音計画は途中で中断。巨匠ケンプがそれをそっくり受け継ぐ形で完成させた全集は、バックハウスと並ぶ最も有名な名盤となりました。一方でフォルデスの録音は一般的には完全に忘れ去られ、すっかりマニア向け遺産となってしまいましたが、誰もが唸る名演となると、技巧面も含めてフォルデスに軍配を上げる人がい多いのではないでしょうか?使用したのは再発の独盤と日本の初期盤ですが、共に黄白盤よりフォルデスの明晰なタッチをダイレクトに感じられます。ジャケ写は、日本盤を採用。

★アンドール・フォルデス(1913-1992)は、ハンガリー出身。リスト音楽院でドホナーニ、バルトーク等の薫陶を受けました。録音ではモノラル期のハンガリー作品や、DGを離れた後のEMIへの録音も無視できませんが、フィルデスの魅力を痛切に感じさせるのは、モノラル後期からステレオ初期にかけてのDG録音でしょう。この時期は、ザール音楽院のピアノ科教授を務め、演奏旅行も積極的に行っており、公私ともに絶頂期だったのかもしれません。
その演奏の第一の魅力は、誇張を避けた明晰さ。「悲愴」第1楽章中部直前の急降下タッチは、まさに鉄壁の粒立ち!第1主題の細かい音型の淀みのなさも驚異的ながら突き放したような冷たさはなく、むしろ包み込むような温かみさえ感じられます。展開部冒頭の割れそうで割れない強打鍵も、フォルデスの魅力の一つ。一切音像を混濁させることなく心からフレーズを紡ぐ第2楽章は、時代の新旧を問わない普遍的価値を痛感させ、中間部のペダリングのセンスも特筆もの。「第28番」第2楽章中間部のカノンにおける、柔らかな緊張の持久力も忘れられません。終楽章の序奏十分に瞑想的でありながら希望の光が満ち、そこから活気ある主部への移行の自然さにも息を呑みますが、主部後半で、音楽の伸びやかさを確保すると当時に、強固な作品フォルムを打ち出す様は、何度聴いて心打たれます。【湧々堂】

Melodia Records
MELREC-1002362
(1CD)
幽霊と影〜スペインのギター音楽
アロンソ・ムダーラ(c. 1510−1580):ルドヴィーコの手法によってハープを模したファンタジア第10番
タレガ:アルハンブラの思い出、
 練習曲第6番ニ長調「蝶々」
ファリャ:ドビュッシーの墓に捧げる讃歌
トローバ:組曲「スペインの城」
ロドリーゴ:祈りと踊り〜ファリャ讃歌
 ソナタ・ジョコーサ.イ長調
アルチョム・デルヴォード(G)

録音:2014年12月27日−28日&2015年1月16日−17日、モスクワ音楽院大ホール(ロシア)/ディジパック仕様
1981年、ロシアのロストフ・ナ・ドヌ出身のアルチョム・デルヴォード。13歳の時に獲得したモスクワ「若い音楽家のための国際コンクール」での優勝を皮切りに、1994年から2014年にかけて、2006年ミケーレ・ピッタルーガ国際ギターコンクール(イタリア)第1位、2010年ジョアン・ファレッタ国際ギター協奏曲コンクール(アメリカ)第1位など、37の国際コンクールでの入賞、16回の第1位受賞を誇る、ギター界の次代を担う若き巨匠です。ロシアのヴォルトゥオーゾが、カール・ハインツ・ルーミッヒ(ドイツ)とガブリエル・ローディ(イタリア)のギターで奏でるスペインの名作の数々。ロシアが世界に誇るギターの才能をご堪能あれ!

AYVA MUSICA
AVD-102
(2CD+1DVD PAL)
バッハと海/オンダリビアのチェロ組曲
[CD]
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007
無伴奏チェロ組曲第2番 BWV1008
無伴奏チェロ組曲第3番 BWV1009
無伴奏チェロ組曲第4番 BWV1010
無伴奏チェロ組曲第5番 BWV1011
無伴奏チェロ組曲第6番 BWV1012
[DVD]
組曲第1番「川の誕生」
組曲第2番「技術」/組曲第3番「美食」
組曲第4番「スポーツ」/組曲第5番「石」組曲第6番「海と漁師」
[CD]
イニャキ・エチェパレ(Vc)
録音:2009年5-6月、アルベルト・ムラレダ・スタジオ、ラ・ガリガ、バルセロナ県、スペイン
[DVD]
エクストラ・マテリアル
イニャキ・エチェパレ(出演、演出)
ギリェム・ロマ(演出)
イニャキ・エチェパレは1971年スペイン・バスク地方のフランスと国境を接するイルンに生まれたチェリスト。フランスのバイヨンヌ国立音楽学校で学んだ後パリでグザヴィエ・ガニュパン、フィリップ・ミュレールに師事。2000年、バルセロナのリセウ音楽院チェロ科教授に就任。エチェパレは「バッハ」がドイツ語で「小川」を意味することから、スペイン・バスクの観光都市オンダリビアを舞台に「小川のせせらぎから大海に至る水の流れと人々の暮らし」をテーマとする映像作品をバッハの無伴奏チェロ組曲の音楽と組み合わせるというアイデアを思いつき、映像作家ギリェム・ロマと組んでこのCD+DVDアルバムを制作しました。当DVDの再生にはPAL方式対応のプレーヤーが必要です。弊社はパソコンでの再生も保証いたしません。ご注意ください。

NICO BALTHUSSEN
DD-2644(2CD)
バッハの無伴奏ヴァイオリン&カスタネット・パルティータ?
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 BWV1001
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 BWV1002(サラバンド&ドゥブル*
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 BWV1003
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV1004(サラバンド&ジグ*)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 BWV1005
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 BWV1006(ルール、ガヴォット・アン・ロンドー、ブレー&ジグ*)
ニコ・バルトゥッセン(Vn)
ルドヴィカ・モスカ(カスタネット*)

録音:2011年12月、ブルデルス校のネ・ゴシックの礼拝堂、シント=ニクラース、ベルギー
「バッハ・プロジェクト」と題したユニークなコンサートを展開しているニコ・バルトゥッセンとルドヴィカ・モスカ。ニコ・バルトゥッセンはベルギーのシント=ニクラース音楽アカデミーおよびルーヴェンのレメンス音楽院で教職に就いているヴァイオリニスト。ジャズやジプシー、クレズマーのミュージシャンとのコラボレーションも行っています。ルドヴィカ・モスカはスペインの舞踊家でカスタネット奏者、ピアニスト、さらに画家という驚くべき才女。本体・外装に規格品番表示がございません。なにとぞご了承ください。

Resonus
RES-10147(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV.1007/無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV.1009/無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV.1011/無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV.1008/無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV.1010/無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV.1012
デイヴィッド・ワトキン(バロックVc)

録音:2013年3月26日、6月19日、6月21日−22日&12月10日−12日、ロビン・チャペル(エジンバラ)
ウィリアム・プリースの弟子であり、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック、エイジ・オヴ・インライトゥメントO、そしてスコットランド室内Oの首席チェロ奏者を歴任してきた名手、デイヴィッド・ワトキンによる"チェロ聖典"バッハの「無伴奏チェロ組曲」!スコットランド室内管では、マッケラスのモーツァルトやティチアーティのベルリオーズなど、名演の誉れが高い演奏でチェロ・セクションをリードしてきたワトキン。クレモナのアントニオ・ルジェリ(1670年頃製作)のチェロと、アントニオ&ヒエロニムス・アマティ(1600年頃)のチェロ(第6番)で、深遠なるバッハの世界を奏でてゆきます。

STERMARIA
STER-001(1CD)
マチェイ・ピクルスキ
ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2
前奏曲嬰ト短調 Op.32-12
絵画的練習曲変ホ短調 Op.39-5
前奏曲ハ短調 Op.23-7
前奏曲ト長調 Op.32-5
前奏曲ト短調 Op.23-5
絵画的練習曲ハ短調 Op.39-1
前奏曲ニ長調 Op.23-4
絵画的練習曲嬰ヘ短調 Op.39-3
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35
マチェイ・ピクルスキ(P)

録音:2008年10月21-22日、Haras de la Cense、フランス
マチェイ・ピクルスキは1969年ポーランドのクラクフに生まれ、パリ音楽院でドミニク・メルレに師事したピアニスト。ジョゼ・ヴァン・ダム、フェリシティ・ロット、ルネ・フレミング、パトリシア・プティボンといった歌手たちの伴奏や室内楽奏者として高名ですが、ピアノ・ソロ・アルバムは当盤が唯一かもしれません。

AGLAE
AMC-106.07(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)
第1番ト長調 BWV1007/第2番ニ短調 BWV1008/第3番ハ長調 BWV1009
第4番変ホ長調 BWV1010/第5番ハ短調 BWV1011/第6番ニ長調 BWV1012
アルナウ・トマス(Vc)

録音:2014年7月、聖マルティ教区教会、グラネラ、バルセロナ県、スペイン
アルナウ・トマスは1973年スペインのバルセロナに生まれ、イヴァン・モニゲッティ、フランス・ヘルメルソンに師事したチェロ奏者。カザルス・クアルテット(弦楽四重奏、Harmona Mundiレーベルに録音)およびルートヴィヒ・トリオ(ピアノ三重奏)の創設メンバー。2014年現在カタルーニャ高等音楽学校教授およびケルン音楽大学客員教授。


Treasures
TRE-055(1CDR)
コンラート・ハンゼンのモーツァルト
ピアノ・ソナタ第1番ハ長調K.279
ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調K.280
ピアノ・ソナタ第3番変ロ長調K.281
ピアノ・ソナタ第4変ホ長調K.282
ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
コンラート・ハンゼン(ハンマークラヴィア)

録音:1956〜1957年(モノラル)
※音源:DG LPM 18320、GRAMMOPHON LGM-1136(JP)*
◎※収録時間:69:39
“ハンマークラヴィアで弾きたいという音楽的衝動がもたらす説得力!”
■製作メモ
ハンゼンは、モーツァルトの時代のハンマークラヴィアを用いたソナタ集のレコードを5枚完成しましたが、ステレオに移行する直前に録音は途絶え、全集には至らなかったのは痛恨の極みですが、ハンゼンの数少ないディスコグラフィの中でも最重要録音と言えましょう。オリジナルのジャケット・デザインは、どれも黄白の統一デザインですので、ここでは日本盤のジャケット採用しました。

★ベームやパウムガルトナーなど、かつて博士とか教授といった呼称がピタリとはまるアーチストが多く存在しましたが、彼らの引き出す音楽は、深い見識に基づきながらもそれを直接的な武器にはせず、聴き手に確実に音楽的な手応えと味わいをもたらしてくれました。コンラート・ハンゼンも、デトモルトやハンブルクの音楽学校の「教授」という指導者、学者のイメージが先行しがちですが、ここに聴くモーツァルトは、あえてモーツァルトの時代のハンマークラヴィアを用いながらも、学究的な主張を表面化させることなく、一途に音楽のありのままの魅力だけを伝えてくれます。特別なことは何もせず、イン・テンポを崩さず淡々と進行するだけですが、つかみ所のない地味なだけの演奏に陥っていないのは、ちょっとした間合いにも耳を傾け、音楽を感じている証しでしょう。左右の声部は、常に完璧なバランスを保ち、生徒に「モーツァルトはタッチが命」と語り、些細な伴奏音型でさえ何度も弾き直しさせたハンゼンのこだわりも全編に漲っています。
それにしても、「第1番」の第1楽章、なんという音楽でしょう!これほどモーツァルトの天才性が泉のように湧き出る演奏を聴いたことがありません。
「第8番」で注目すべきは、第1楽章開始早々(0:11)に聴かれる“半スタッカート”的な音の跳ね上げ方。このニュアンスのためだけにこの楽器を選んだのでは?と思えるほどで、ハンマーの軽い叩きによる愛おしい表情は、スタインウェイでは不可能でしょう。イ短調という調性ながら、その悲劇性や特殊性を強調する素振りなどもちろん皆無。
「過去の習慣を洗い流しスコアに立ち返る」という大義名分のもと、スコアをほじくり返して新鮮味を出しているだけの演奏とは、琴線に触れる度合いが違うのです。
かつてオイゲン・ヨッフムは、スコアにないティンパニ追加や管楽器を重ねる処理についてその真意を尋ねた聞き手に「その方が美しいでしょ?」と一蹴しましたが、おそらくハンゼンがこの古楽器を選択した理由も、その響きに純粋に惚れ込んだだけで、いわゆる学術的な意味合いなどあまりなかったのかもしれません。あったとしても、それを咀嚼し、結局主役は音楽であることを実感させる、その凄さを実感していただければと思います。
ちなみに、モーツァルトが好んだのは、ウィーン・アクションと呼ばれるハンマークラヴィアで、ここでもそれが使用されているものと思われます。ベートーヴェンが好んだのは、もっと重量感のあるフォルテを出せる、イギリス・アクションでした。【湧々堂】

Ameson
ASCP-1223
(CD+DVD/PAL)
ユーフォニア・デュオ・ア・テンポ
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第3番ト短調 BWV.1029(チェロ版)
ブゼイル:エスケープ
マーラー:交響曲第5番〜「アダージェット」
サラサーテ:サン・フェルミンのホタ
ラヴェル:マ・メール・ロワ
ピアソラ:天使の死、ミロンガ・アン・レ、
 リベルタンゴ
マイタネ・セバスティアン(Vc)、
フィリップ・ド・エスクーラ(アコーディオン)

録音:2012年4月
フランスを拠点に演奏活動を行っているスペイン出身の若手女流チェリスト、マイタネ・セバスティアン。バッハやマーラー、ラヴェルからピアソラなどの作品をアコーディオンとのデュオで演奏。世界でも有数のアコーディオン奏者であるフィリップ・ド・エスクーラとの共演も聴きどころ。バッハの美しい旋律からピアソラまで見事に弾きこなす。
※特典DVDはPAL方式のため、PAL方式対応の再生機器のみで試聴可能です。予めご了承ください。

eaSonus
EAS-29271(1CD)
ハイドン:ピアノ・ソナタ第37番ニ長調]Y:37
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14の2
シューマン:謝肉祭Op.9
リスト:メフィスト・ワルツ第1番
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ BWV1004
タマール・ベラヤ(P)

録音:2013年11月15-17日/バイエルン放送スタジオ1
タマール・ベラヤは1987年グルジア生まれの女性ピアニスト。トビリシ音楽院を経てルツェルン音楽アカデミーでイヴァーン・クラーンスキーに師事、 現在スイスを拠点に活動を繰り広げています。若さに似合わず、彼女は独墺系の辛口な大曲をメイン・レパートリーとし、真摯な演奏を特色としています。 当アルバムもきわめて王道。曖昧なところのない楷書的ですが、リストやシャコンヌで見せる凄みに満ちた技巧も注目。久々のいさぎ良い正統派ピアニス トの登場と申せましょう。 (Ki)

EM Records
EMRCD-024(1CD)
アイルランド牧歌
ローゼンソール:3つのアイルランドのパステル、
 子守歌「ねんねんころりよ、
 木の上で」による変奏曲
スタンフォード:バラード.ト短調 Op.170
ローゼンソール:4つの間奏曲、
 モーリーン
バックス:山の雰囲気
ローゼンソール:アイリッシュ・ジグ
ベケット:3つの前奏曲
ローゼンソール:舟歌、
 性格的小品による小組曲「四季」
スタンフォード:夜想曲ト短調 Op.148-1
ローゼンソール:「へそ曲がりのメリー」による6つの変奏とフーガ
ベケット:ギルフォイルの木
ダンカン・ハニーボーン(P)

録音:2014年2月14日−15日、ターナー・シムズ・コンサート・ホール
世界初録音を多数収録!ダブリン生まれの知られざるコンポーザー=ピアニスト、アーチー・ローゼンソール(1874−1947)の珠玉のピアノ作品をメインとした、美しく、ロマンティックなアイリッシュ・プログラム。レシェティツキとゴドフスキからピアノを学び、グリーグの親友でもあったローゼンソールは、同郷のスタンフォードの次世代にあたる音楽家。20世紀イギリス&アイルランドのピアノ音楽のスペシャリスト、ダンカン・ハニーボーンのピアノが、ローゼンソールのアイルランド民謡の旋律を題材とした優しく美しい旋律の数々を、パステル画のように淡くやわらかな色彩で描いてゆく――。

LIR Classics
LIR-025(2CD)
ノーザン・ライツ
マックスウェル・デイヴィス:「おお、大いなる神秘」による幻想曲、3つのオルガン・ヴォランタリー
ゲール:シャコンヌ
スティーヴンソン:ワーグナーの主題によるコラール前奏曲とフーガ
サージャント:トッカータ(世界初録音)
バッセイ:そして古い白い家は・・・
マニング:パック
バッセイ:3つのボーダー・スタディーズ
エマ・ニールセン:エレヴェイテッド・エコーズ
カーペンター:オルガンのための変奏曲
マックスウェル・デイヴィス:さらばストロムネス
トム・ベル(Org)

録音:2007年10月
ピーター・マックスウェル・デイヴィスやロナルド・スティーヴンソンなど、近現代のイギリスを代表する作曲家たちのオルガン作品集。ブラックバーン、セント・メアリー大聖堂のオルガンによる演奏。


eaSonus
EAS-29237(1CD)
パリ〜レオンスカヤ
ラヴェル:優雅で感傷的なワルツ
エネスコ:ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.24
ドビュッシー:前奏曲集〜野を渡る風/亜麻色の髪の乙女/花火
 レントよりも遅く
エリーザベト・レオンスカヤ(P)

録音:2013 年 7月14-15日/ベルリン・マイスターザール
「東京の春」音楽祭出演のため、もうすぐ待望の来日を果たすレオンスカヤ。それにあわせて久々の新譜がリリースとなります。
「パリ」と題されたアルバムで、この地で活躍したドビュッシー、ラヴェル、エネスコの作品を集めています。いずれも彼女の初レパートリーですが、ベ テランならではの説得力あふれる名演を繰り広げています。リヒテルが絶賛したタッチは明晰で清潔、ドビュッシーの音楽の印象が変わります。また録音 の少ないエネスコのピアノ・ソナタ第1番は、技巧的にも非常に難しいにもかかわらず、全く曖昧な所のない堂々たる演奏。しばしば無調的で難解な印象 の曲ですが、レオンスカヤの語り口の巧さで素晴らしさを再確認できます。 

Sono Luminus
DSL-92183(1CD)
Heavy Sleep-深い眠り〜ブルース・リヴィングストン:ピアノ・リサイタル
ティモ・アンドレス(1985-):深い眠り
バッハ:わが心の切なる願いBWV727(レーガー編)
 前奏曲ロ短調BWV544(シロティ編)
 平均律ピアノ曲集第1巻-前奏曲とフーガ.ロ短調BWV869
 半音階的幻想曲とフーガ.ニ短調BWV.903
 神の時こそ、いと良き時BWV106(クルターク編)
モハメド・フェイルーズ(1985-):神よ、大いなる慈悲を-ジェルジ・リゲティの思い出への祈り<神よ、大いなる慈悲を/我、丘の上で花を摘む/我、山からお体を運び出した/我、辞書のうち、ほんの少しの言葉を使う/我、謎を解読することに努める>
ブルース・リヴィングストン(P)

録音:2014年11月7-10日ヴァージニアボイス,Sono Luminusスタジオ
常に思慮深く演奏し、また凝ったプログラムで聴き手を魅了するピアニスト、ブルース・リヴィングストンの最新アルバムです。1枚目のアルバム(DSL-92137)ではシューマンのクライスレリアーナと現代曲を併せ、2枚目(DSL-92148)ではシューベルト、ショパン、サティとペルトなどのやはり現代曲を組み合わせるという意欲的なプログラムを用意した彼、今作は更に踏み込み、バッハ作品と、最近人気の若手作曲家フェイルーズ、そしてアルバム・タイトルである「深い眠り」の作者ティモ・アンドレスを組み合わせ、1枚のアルバムとしたのです。どの曲も瞑想的でありながらも刺激的な表情を持ち、間に挟まれた耳慣れたはずのバッハ作品でさえ、なんとなくいつもと違った味わいを醸し出しているところが面白いものです。

スロヴァキア音楽財団
SF-0079-2(1CD)
スロヴァキアの作曲家のピアノ作品集
ロマン・ベルゲル(1930-):ソフト・ノヴェンバー・ミュージック
ミロ・バーズリク(1931-):6つのエピグラム*
ユライ・ベネシュ(1940-2004):
アリスは飽き飽きし始めていた、土手で姉の隣に座って何もすることがないことに+
ペテル・ザガル(1961-):ブルメンタール舞曲第3番
トマーシュ・ボロシュ(1971-):3つのリフレクション#
イリス・セギ(1956-):ボレロ=ブルース
エレナ・レトニャコヴァー(P)

録音:2008、2011年、ライヴ、フォルフェスト音楽祭、クロムニェジーシュ、チェコ(無印)
2011年、ライヴ、パールフィ宮、ブラチスラヴァ、スロヴァキア*
2013年、ドヴォラナ・コンサートホール、ブラチスラヴァ、スロヴァキア+
2004年、ライヴ、スロヴァキア放送#
エレナ・レトニャコヴァーは1942年スロヴァキアのブラチスラヴァに生まれ、ブラチスラヴァ音楽アカデミー、ワルシャワのショパン音楽アカデミー、スロヴァキア国立コメニウス大学で学んだピアニスト。1984年アメリカ合衆国に移住して以来教育者としても活躍しています。
スロヴァキア音楽財団
SF-0082-2(1CD)
バーバー、ハトリーク、ラヴェル:ピアノ作品集
バーバー(1910-1981):ソナタ Op.26
ユライ・ハトリーク(1941-):ソナタ=シャコンヌ [Sonata-Ciacona]
ラヴェル:夜のガスパール
ダニエラ・ヴァリーンスカ(P)

録音:2013年12月、ブラチスラヴァ、スロヴァキア
ダニエラ・ヴァリーンスカはブラチスラヴァ音楽院、レーニングラード(現サンクトペテルブク)音楽院、ブラチスラヴァ音楽アカデミーで学んだスロヴァキアのピアニスト。バロック(チェンバロも演奏)から現代スロヴァキア作曲家の新作に至る幅広いレパートリーを持ち、社会主義チェコスロヴァキア時代から西欧や北米に進出、1991年からは母校ブラチスラヴァ音楽アカデミー教授を務めています。


Treasures
TRE-044(1CDR)
シューマン:交響的練習曲*
ショパン:24の前奏曲集Op.28#
 ワルツ第3番Op.34-2/第7番Op.64-2/第8番Op.64-3/第9番Op.69-1
モーラ・リンパニー(P)

録音:1949年6月16日*、1954年11月18日#、1958年8月15日(全てモノラル)
※音源:RCA,HMV LHMV-1013*、HMV CLP-1051#、CLP-1349
◎※収録時間:74:52
“絶頂期のリンパニーを象徴する二大名演!”
■製作メモ
シューマンは米初出LPを使用。APRの2枚組CDでも良い演奏だということは伝わりますが、この演奏の命ともいえるフワ〜ッと一瞬で包み込むような空気感が半減しています。ショパンのワルツ集はステレオも存在しますが、ここではアンコール代わりにモノラル・バージョンを収録。ジャケット・デザインは、「前奏曲集」の豪初出LP。

★シューマンもショパンも、これらの曲の最高位に位置する大名演!あくまでもロマン派作品であることにこだわり、微妙な感情の揺れを確信を持って注入している点で共通しています。
「交響曲練習曲」は、主題の第一音から実に霊妙なオーラが漂い、一気に惹き込まれます。第2練習曲のアゴーギクや、第3練習曲の憂いに満ちたフレージングに触れると、「交響的」な「練習曲」と呼ぶに相応しい立派な造形を優先し過ぎる演奏が多いことに気付かされます。フィナーレで、これほど心の奥底から歌を感じた演奏も稀でしょう。
「24の前奏曲」でも、リンパニーは自身が感じた詩的なニュアンス注入は、一切揺るぎません。第2番の左手声部のやるせなさと、コーダでの一瞬のアルペジョの余韻、第4番の最後の最弱音や、第8番コーダのさりげない転調のニュアンスを生かし切った究極バランス美は、絶頂期のリンパニーを象徴するもの。プレストで猛進する第16番も声部バランスが絶妙で、アクロバット的な物々しさとは無縁の品格が滲みます。第17番は43小節以降の呼吸の妙味といい、終結で低音変イ音を持続して響かせる技といい、全く苦心の跡を感じさせず自然な佇まいを維持しているのには驚きを禁じえません。【湧々堂】

ARS HARMONICA
AH-235(1CD)
くつろぎのギター・リサイタル
ジュゼプ・ブルカ(1805-1882):アンダンテ ニ長調
セバスティアン・イラディエル(フランシスコ・タレガ編):ラ・パロマ(ハバネラ)
フランシスコ・タレガ:タンゴ
ジュゼプ・ファレ(1835-1916):わが竪琴の嘆き
アントニオ・アルバ(1873-1940):エミリア(ハバネラ)
ホアキン・カサノバス(1862-1924):コロンビーナ(ポルカ)
ファリャ(ジュゼプ・マンザーノ編):粉屋の踊り
カタルーニャ民謡(F・アロンソ編):鳥の歌
カタルーニャ民謡(ミゲル・リョベト編):聖母の御子
セバンスティアン・ピアナ(G・ビアンキ・ピニェロ編):感傷的なミロンガ
ジャンゴ・ラインハルト(ジュゼプ・マンザーノ編):涙
コンスエロ・バスケス(1ジュゼプ・マンザーノ編):ベサメ・ムチョ
ルイス・ボンファパラス・デル・モラル編:謝肉祭の朝
スタンリー・マイヤーズ(ジョン・ウィリアムズ編):カヴァティーナ
ポール・マッカートニー(ジョー・ワシントン編):ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア
エリック・クラプトン(ジュゼプ・マンザーノ編):ワンダフル・トゥナイト
エリック・クラプトン&ウィル・ジェニングス(ステファン・レーフヴェニウス編):ティアーズ・イン・ヘヴン
カルロス・サンタナ(ジュゼプ・マンザーノ編):君に捧げるサンバ
マーク・ノップラー(1949-):「ローカル・ヒーロー」から 野性のテーマ
ペプ・サラ(ジュゼプ・マンザーノ編):君に夢中
ジュゼプ・マンザーノ(G)

録音:2013年秋-2014年5月、ビラブラレシュ、ジローナ県、カタルーニャ州、スペイン
ジュゼプ・マンザーノはスペイン・カタルーニャ州ジローナに生まれ、ギターを独学の後マヌエル・ゴンサレスに師事。当盤では得意のポピュラー・ナンバーを披露しています。

Aurora
ACD-5068(2CD)
銀河 − ギターのための現代音楽
ビョルン・フォンゴール(1919-1980):Inventions Op.32(1964)(四分音ギターのための)
ブライアン・ファーニホウ(1943-):Renvoi/Shards(2010)(四分音ギターと四分音ヴィブラフォーンのための)*
ビョルン・フォンゴール(1919-1980):3つのコンチェルティーノOp.36(1964)(四分音ギターと打楽器のための)**,
Reflections Op.33(1964)(四分音ギターと声のための)
オーレ=ヘンリク・モー(1966-):KRAV(2007)(エレクトリックギターと微分音打楽器のための) *
ビョルン・フォンゴール(1919-1980):ソナタ第1番 Op.48(1971)(微分音ギターのための),ソナタ第2番 Op.58(1975)(微分音ギターのための)
ビョルン・フォンゴール(1919-1980):銀河(Galaxe/Galaxy) Op.46(1966), Aphorisms Op.61(1967)(微分音ギターのための), Novations Op.62(1967)(微分音ギターのための), Apho-risms Op.63(1967)(微分音ギター、声と打楽器のための)#, Improvisations Op.81(1968)(微分音ギターのための)
オイヴィン・トルヴン(1976-):ぬかるみの中のギター(Guitars in the Mud)(2014)(録音スキッフルベース、エレクトリックギターとリングモジュレーターのための)
ビョルン・フォンゴール(1919-1980):Sinfonia Microtonalis NO1(1970)
アンデシュ・フォリスダール(四分音エレクトリックギター、声、打楽器 #)
アイリク・ラウデ(打楽器)**
ホーコン・ステーネ(打楽器)*/**
ギタリストのアンデシュ・フォリスダール(1977-)は、ノルウェー、フレドリクスタ生まれ。ノルウェー音楽アカデミーで学び、アルド・クレメンティ の音楽をテーマに修士号を取得。。2010年から2013年まで音楽アカデミーの作曲・音楽理論・音楽テクノロジー学部の博士課程に所属し、現代の演 奏様式を研究しました。フォリスダールはソリストとしての活動とともにさまざまなアンサンブルと共演。2002年には、前衛音楽に興味をもつノルウェー の音楽家たち、ピアニストのエレン・ウゲルヴィーク、クラリネット奏者クリスティーネ・チョーゲシェン、チェリストのターニャ・オルニング、打楽器奏者ホー コン・ステーネとアンサンブル「asamisimasa」を結成しました。多弦ギター、微分音ギター(可動フレットギター)といった珍しい楽器を演奏。ブライアン・ ファーニホウ、ロジャー・レッドゲイト、マイケル・フィニシー、クリス・デンチ、ブリン・ハリソン、クラウス・ラング、オーレ=ヘンリク・モーが彼のた めに作曲しています。アルバム『銀河』のメインプログラムの曲を作曲したビョルン・フォンゴールはノルウェーの作曲家でギタリストです。微分音や四分 音といった音階システムを探求し、20世紀の音楽シーンでもユニークな位置にあるとされています。2曲のソナタ、「Improvisations(即興)」「Sinfonia Microtonalis NO1(微分音シンフォニア)」「Reflections(反射)」「Reflections(警句)」「Inventions(創造)」「3つのコンチェルティーノ」「Novations(更 改)」。彼の作品は作曲者自身による録音も残されており、フォリスダールは、長年、彼の音楽に関心を寄せていたと言います。フォンゴールの曲と合わせ て収録された3曲は、このアルバムのプロジェクトのため、個人的、芸術的につながりをもつ作曲家たちにフォリスダールが委嘱した作品です。フォンゴー ルの初期の四分音作品に関連させ、フランス語の「renvoi(反致)」と英語の「shards(破片)」を曲名に採ったファーニホウの作品。「音の微小な変質」 を紡いだというノルウェーのオーレ=ヘンリク・モーの「KRAV」。演奏様式、楽器構造、テクノロジーを探求し独自の音世界を求めている、同じノルウェー のオイヴィン・トルヴンの「ぬかるみの中のギター」。このプロジェクトの録音には、ノルウェーの打楽器奏者ふたり、シェルブレードの作品を演奏した『波 動と中断』(2L103 PABD)のアイリク・ラウデ(1973-)と、asamisimasa のメンバーでもあるステーネ(1977?)が参加しています。 (Ki)


LE PALAIS DES DEGUSTATEURS
PDD-003(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 Op.10-1
エロイカ変奏曲変ホ長調 Op.35
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
ドミニク・メルレ(P)

録音:2014年1月7-8日、ジャコバン修道院、ボーヌ、フランス
“曖昧さを寄せ付けないメルレの決然としたピアニズムは健在!”
ブーランジェ門下のフレンチ・ピアニズムの継承者、名教師としても知られるフランスのピアニスト、ドミニク・メルレ待望のベートーヴェン。かつてMANDARAレーベルから発売されたショパンはあまりにも素晴らしく、迷わず「殿堂入り」に組み入れましたが、現在は入手困難。それから20年を経てのこのベートーヴェンでも、結晶化しきったタッチの冴え、全体の構築を見据える揺るぎない意志は健在。
ソナタ「第5番」第1楽章再現部の一切混濁感のない和声、「アダージョ」の指示とは裏腹に、安易な安らぎに甘んじず、明確な意志を伴って音楽を推進させる第2楽章の素晴らしさは、特に絶品。「エロイカ変奏曲」では、主題提示において並外れた色彩感覚を大発揮!まるで、夜空の星の瞬きを思わせます。変奏後の左右声部の絡みの緊密ぶりにも釘付け!第13変奏の装飾音の洒落っ気を衒いなく発揮できるピアニストが何人いるでしょうか。この作品がこんなに愉しい作品であったのかと気づかれる方も多いはず。そして、学究的な堅苦しさとは無縁の最後のフーガ!何という清々しさでしょう。これでこそ音楽!と叫びたくなります。変奏曲という形態の作品をここまで多彩に表現したしたという点でも、これは画期的名演です。
持って回ったような表現を嫌うメルレのピアニズムに掛かると、「第32番」の冒頭は健康的に聞こえるかもしれませんが、よく聞かれる苦渋に満ちた響きによって埋没していたニュアンスの多さに気付かされます。タッチはもちろん混濁皆無。主題提示後のフレージングで呼吸が停滞する演奏も多いですが、メルレにはそんなことはあり得ません。第2楽章も沈鬱さに埋没せず、常に音像は明快。特に、低音部を研ぎ澄ますことで醸し出される響きは、全ての無駄を排した精神の浄化を反映しているかのようです。【湧々堂】

CONTINUO RECORDS
CONTINUO-CR111(1CD)
バッハ、ヒンデミット、ブゾーニ:オルガン作品集
バッハ:「高き天よりわれは来たり」によるカノン風変奏曲 BWV769
ヒンデミット:古い民謡によるソナタ第3番
バッハ:6つのシュープラー・コラール BWV645-650
ブゾーニ:コラールによる前奏曲(バッソ・オスティナート)と二重フーガ Op.7 & Op.76
リヴィア・マッツァンティ(Org)

録音:2013年6月14-15日、7月26-27日、10月17-18日、2014年1月10-11日、ルター派福音教会 [Chrituskirche]、ローマ、イタリア
使用楽器:1930年、シュタインマイヤー製
バッハと彼の影響を強く受けたブゾーニのコラールに基づく作品、およびヒンデミットが民謡の旋律をバッハのコラール楽曲風に処理した作品で構成されたプログラム。リヴィア・マッツァンティは1995年以来ローマのルター派福音教会とコラボレーションを続けているイタリアのオルガン奏者。

ESTONIAN RECORD PRODUCTIONS
ERP-7414(1CD)
シューマン:子供の情景 Op.15
アラベスク ハ長調 Op.18
ダヴィト同盟舞曲集 Op.6
オルガ・タンブレ(P)

録音:2013年5月4-5日、エストニア音楽アカデミー室内楽ホール、タリン、エストニア
オルガ・タンブレはエストニアのピアニスト。1946年、父親の流刑地であった北シベリアに生まれました。一家はエストニアに戻り、オルガはタリン音楽院を卒業後モスクワ音楽院でヴィクトル・メルジャーノフに師事。1976年から2013年までタリン音楽院(1993年にエストニア音楽アカデミーに改称)で教職に就きました。
ESTONIAN RECORD PRODUCTIONS
ERP-4811(1CD)
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
6つのピアノ小品 Op.118
4つのピアノ小品 Op.119
2つの狂詩曲 Op.79
オルガ・タンブレ(P)

録音:2005年10月29日、12月29日、サウンド・レコーディング・スタジオ、リガ、ラトヴィア

STUDIO CHORUS
新規扱い
CH-0009-2(1CD)
リトムニェジツェ教区諸聖教会のオルガン
メンデルスゾーン:ソナタ変ロ長調 Op.65-4
アレクサンドル・ギルマン(1837-1911):祈り 変ロ長調 Op.47-4
 前奏曲変ホ長調 Op.41-1
 悲歌 ヘ長調 Op.55-3
ヨゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(1839-1901):前奏曲ハ短調
 デュエット.ヘ長調
ブラームス:おお、世よ、われは汝より離れればならぬ Op.156-11
一輪のばらが咲き(エサイの根より)Op.156-8
ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933):3つの印象 Op.72
アレシュ・ノセク(Org)

録音:2013年11月15-16日、リトムニェジツェ教区諸聖教会、リトムニェジツェ、チェコ
使用楽器:1883年、ヴィルヘルム・ザウアー製

Alison Smith
ASRCD-01(1CD)
記憶〜ギター作品集
ヴィラ=ロボス:練習曲第11番
ソル:モーツァルトの主題による変奏曲 Op.9
ショパン:2つのワルツ Op.69
バリオス・マンゴレ:大聖堂
ディアンス:サウダージ第3番
タレガ:アラビア風奇想曲、
 アルハンブラの思い出
横尾幸弘:さくらの主題による変奏曲
ブローウェル:11月のある日
トゥリーナ:ソナタ Op.61
アリソン・スミス(G)
トリニティ音楽院出身の女流ギタリスト、アリソン・スミスによる、ギターのためのオリジナルとトランスクリプションを合わせたクラシック・ギターのための作品集。スペイン、ラテン・アメリカ、日本など、リズムや色彩感の異なる哀愁漂う作品の数々。ステファン・ゴードンやジェラルド・ガルシアに学んだギタリズムを温かい音色で聴かせてくれます。
Alison Smith
ASICD-02(1CD)
白熱灯〜ギター作品集
アルベニス:スペイン組曲〜第5番 「アストゥリアス」
コッタム:マーサによる奇想曲
ジュリアーニ:ヘンデルの主題による変奏曲
バッハ:ソナタ BWV.1003よりアンダンテ,アレグロ
タレガ:ヴェルディの「椿姫」による幻想曲
ライアン:ケリー・カラ
ラヴレディ:呪文第1番、第2番、第6番、第7番
メルツ:ハンガリー幻想曲第1番 Op.65
アリソン・スミス(G)

録音:2013年
白熱灯のように強烈な輝きを放つ曲を集めたという「白熱灯〜ギター作品集」では、バッハ、アルベニス、タレガなどよく知られた作品を通して、ギターの豊富な音色やニュアンスが見事に表現し、アリソン・スミスの表現力の高さを感じることができます。

Sheva Collection
SH-104(1CDR)
シーボーン:ステップス Vol.4〜イタリアの歌曲集
命の歌/問い/夜の旅/他
ファビオ・メンケッティ(P)

録音:2014年
ケンブリッジ大学でロビン・ホロウェイに作曲を学んだイギリス出身の作曲家、ピーター・シーボーンの近現代ピアノ作品集。イタリアの文化に触発され、大胆さと繊細さを兼ね備えた作品集を、イタリアの若きヴィルトゥオーゾが見事に表現します。

The Gothenburg Combo
ComboCD-004(1CD)
ギタースケープス
ヨーテボリ・コンボ:アメリカ
テリー・ライリー:In C
ヨーテボリ・コンボ〔ダーヴィド・ハンソン(G)、トマス・ハンジ(G)〕

録音:2014年8月
スウェーデン、ヨーテボリの音楽アカデミーでクラシック・ギターを学んだ2人のギタリストによって結成されたギター・デュオ"ヨーテボリ・コンボ"。ヨーテボリ・コンボのオリジナルと、アメリカのミニマリスト、テリー・ライリーの音楽で、ギター・デュオによるミニマル・ワールドを繰り広げます!

Daphne
DAPHNE-1047(1CD)
アンドレー:ピアノ作品全集
3つの音の描画 Op.4/ソナタ.Op.3/5つの小さな音の連作画 Op.7/4つのピアノ小品/カプリース/クリスマスの気分/子供の音楽−行進曲/歯痛のフゲッタ/子供時代の小品〜アンダンテ 変ホ長調、アレグレットヘ長調、クリスマスのポルスカ、小品 変ホ長調、クリスマスのワルツ、アンダンテ 変イ長調、ソナタ1o
オスカル・エークベリ(P)

録音:2014年4月
エーテボリ大聖堂のオルガニストとして活躍するなど、近代スウェーデンにおいて女流音楽家の存在感の向上、地位の確立に多大な貢献を果たしたエルフリーダ・アンドレー(1841−1929)のピアノ作品全集。
「3つの音の描画」や「ソナタ.Op.3」などの出版作品から、幼少期に作曲された未出版の手稿譜を用いた作品を収めたアンドレーのピアノ作品全集は、ロマンティシズムにあふれたスウェーデンの美しく抒情的なピアノ作品の宝庫です。

Air Note
AIR-004(1CD)
ピアノ・デ・リュミエール
ガルッピ:ソナタ.ハ短調、ソナタ.ニ短調
バッハ:幻想曲とフーガ.ハ短調BWV.906
ハイドン:カプリッチョ.ト長調Hob.XVII-1
 アンダンテと変奏曲ヘ短調Hob.XVII-6
モーツァルト:「ああ、ママに言うわ」 による12の変奏曲ハ長調K.265(キラキラ星変奏曲)
C.P.E.バッハ:幻想曲嬰ヘ短調Wq.67
エドナ・ステルン(P)
ベルギー生まれのイスラエル人女流ピアニスト、エドナ・ステルン。2000年イタリアのセニガッリア国際ピアノ・コンクールで優勝の経歴を持つ彼女が弾くモーツァルトなどのピアノ作品集。

Poohs Hoop
PCD-1409(1CD)
ヴァレンティン・シルヴェストロフ:ピアノ作品集
“天使(メッセンジャー)”(1996-97)
3つの小品(2001)/
追伸のついた2つのディアローグより「ウェディング・ワルツ」(2001/2002)
3つのバガテル Op.1(2005)
4つの小品Op. 2 (2006)
3つのバガテル Op. 4 (Jan. 2006)
後奏曲 Op. 5 (2005)
塚谷水無子(P;YAMAHA C7LA Artist Edition, 2004)

録音:2014年9月2、3日/スタジオ・ノア下北沢
レコーディング、エディット、マスタリング:生形三郎
塚谷水無子、Pooh’ s Hoopレーベル 第3弾はヴァレンティン・シルヴェストロフのピアノ作品集です。2012年にはオランダ、ハーレムの聖バフォ 教会のミューラー・オルガンを使用してゴルトベルク(PCD 1204)を、2013年にはポジティフオルガンを使用してゴルトベルク(PCD 1305)をそ れぞれリリースし、オーディオ各誌で話題となりました。
今回塚谷はヨーロッパで研鑽した運指を駆使し、オルガン領域から鍵盤楽器領域へ、そしてバロックからコンテンポラリへと飛翔していきます。収 録作品はウクライナの現代音楽作曲家、ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1927〜)のピアノ作品集です。重なり合う音が織りなす美しい響きこそシ ルヴェストロフ作品の真骨頂。今回のCDでは、その響きの美しさ、そしてピアノのサスティンに堪能し埋没できるよう、オーディオ誌でお馴染みの生 形三郎氏が録音を手掛けています。
「知る人ぞ知るウクライナの作曲家、ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-)のピアノ音楽の魅力にとりつかれた誰かが、いつかきっと現れて、 こういうアルバムを録音するに違いない、そしてそれは時間の問題だろうと思っていた。(中略)塚谷さんの解釈が興味深いのは、そこにひとつの明確 さを加えていることである。一見ソフトなシルヴェストロフの音楽をそのまま演奏するのではなく、底にあるクリアな強さをみてとっている。そこが非 凡である。」林田直樹(ライナーノーツより)

Stellamaris
SM-201401(1CD)
ゲトヴァイヒのパルティータ
作曲者不詳:パルティータ第2番ホ短調
パルティータ第7番ニ長調
パルティータ第3番ニ短調
パルティータ第1番イ長調
パルティータ第12番ホ短調
パルティータ第13番ロ短調
変奏曲ト長調(全曲世界初録音)
リディア・マリア・ブランク(Cemb)

録音:2008年9
オーストリア、ゲトヴァイヒのライブラリーに所存されている未出版の写本(Kerkk 2)からのパルティータ集は全曲世界初録音。時の皇帝レオポルド1世の宮廷オルガニスト、フランツ・マシアス・テシェルマン(c.1649−1714)の作品ではないかとされるパルティータは、フローベルガーやパッヘルベル、ビーバーの音楽を彷彿とさせます。

CAM JAZZ
CAMJ-7880(1CD)
境界のない音楽
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ドビュッシー:ベルガマスク組曲〜前奏曲/メヌエット/月の光/パスピエ
 夢想/子供の領分
ラヴェル:鏡〜鐘の谷/悲しき鳥
 道化師の朝の歌
ハビエル・ジロット(Sax)、
ミケーレ・カンパネッラ(P)

録音:2014 年 3 月バイヤー・スタジオ
アルゼンチン出身、現在イタリアのジャズ・シーンを牽引し続けるサックス奏者奇才ハビエル・ジロット。彼がイタリアの正統派クラシック・ピアニス トのミケーレ・カンパネッラと異種共演に挑戦しました。ドビュッシーとラヴェルの有名作が見事に融合。カンパネッラはそれぞれを何の衒いもなく原 曲通りに弾き、途中からジロットが加わりソプラノとバリトン・サックスを吹き分けてインプロヴィゼーションを展開。ジロットの鮮やかな神業ぶりに聴 き惚れますが、カンパネッラの巧さも特筆で、ジロットのファンタジーの飛躍にピッタリ付いています。
もともとドビュッシーとラヴェルは、クラシックの作曲家のなかで最も早くジャズに着目していて、ジャズ的な感性や影響を内包しています。ジロット は、それを自然に引き出し巧みに発展させており、クラシック・ファンも目から鱗の落ちる発見と驚きに満ちています。ことにラヴェルの「亡き王女の ためのパヴァーヌ」やドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」はジャズの王道ナンバーのような説得力。オシャレなBGMとしても最高、ドビュッ シー、ラヴェル・ファン必携の一枚です。 (Ki)


NIGHTFROG
NF-2013(DVD)
ドキュメンタリー 「希望の音楽」
(1)練習風景(ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調『雨の歌』Op.78より第1楽章の抜粋
(2)モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219より第3楽章の抜粋
(3)The old Lady〜1716年ストラディヴァリウス「ブース」について
(4)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 Op.27より4楽章の抜粋
(5)ブラームスのヴァイオリン・ソナタの録音風景
(6)タングルウッド音楽祭
(7)津波の記憶
(8)子供時代
(9)日本到着
(10)釜石市でのコンサート
(11)A Jazz Clup
(12)吉里吉里コンサート

■ボーナス映像
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
クライスラー:レスタティーヴォとスケルツォ(アンコール)
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn)

(1)ロリン・マゼール(指)ミュンヘンPO
 ライヴ収録:2013年1月4日 

(5) ロベルト・クーレック(P)

■ボーナス映像
マルク・アルブレヒト(指)イェーテボリSO
ライヴ収録:2014年1月16日

撮影:ドロテ・ビンディング、ベネディクト・ミロウ
ドキュメンタリー 44分
ボーナス 27分
NTSC
リージョン:All
原語:ドイツ語
(吹き替え:英語)
※日本語字幕はございません。
日本語帯付き
近年、目を瞠る活躍の麗しきヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハー初のドキュメンタリー映像。世界的ヴァイオリニスト・シュタインバッハーの様々な表情を見ることができる充実の内容です。
【貴重な映像の数々】
ヨガ・クッションに座りながらリラックスした状態での朝の練習風景(ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」より)、日本音楽財団から貸与されている1716年製のストラディヴァリウス「ブース」について熱く語るシーン、子供時代について、そして東日本大震災についてなど、シュタインバッハーの様々な顔を見ることができます。
【充実の演奏風景・ライヴ映像】
当ドキュメンタリーには様々な演奏風景・ライヴ映像が収録されております。2014年7月に惜しまれつつ亡くなった巨匠ロリン・マゼール指揮、ミュンヘン・フィルとのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」からの抜粋、ピアニスト、ロベルト・クーレックとのブラームスのヴァイオリン・ソナタのレコーディング風景、イザイの無伴奏ソナタ第2番の抜粋、さらには幼少時代に演奏した「ラ・フォリア」など非常に充実の内容となっております。またボーナス映像として、マルク・アルブレヒト指揮、イェーテボリ交響楽団の共演でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番が収録されております。
【東日本大震災への思い、被災地での演奏会】
ミュンヘンにてドイツ人の父と日本人の母との間に生まれたシュタインバッハーにとって、日本は第2の故郷であり、2011年の東日本大震災は特に大きな衝撃をうけました。シュタインバッハーは、2011年12月に被災地である岩手県釜石市に訪れ、バッハのシャコンヌを含む作品を演奏しました。この演奏会の終わりにシュタインバッハーの演奏とともに被災者が赤とんぼを歌う姿は涙なしではみられません。


LIMEN Classic
CDVD024-C024
(1CD+DVD)
グレゴリオ・ナルディ・リサイタルVol.2
リスト:バッハの名による前奏曲とフーガ
 バッハの「泣き、嘆き、悲しみ。おののき」による前奏曲
ショパン:バラード第1番ト短調Op.23
前奏曲嬰ハ短調Op.45
シューマン:フォン・フリッケンの主題による変奏曲
ベートーヴェン:前奏曲ヘ短調WoO55
 ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
グレゴリオ・ナルディ(P)

録音:2013 年リメン音楽スタジオ
シューマンの初期未知作品の録音で注目されたイタリアのピアニスト、グレゴリオ・ナルディ待望の新譜登場です。1964 年生まれで、ヴィルヘルム・ ケンプ最後の弟子だった祖父にピアノの手ほどきを受け、ルービンシュタイン国際コンクール等に入賞しています。音楽学者としても健筆をふるい、ピ アニズムの歴史やユダヤ人作曲家の研究は高い評価を受けています。
今回のアルバムはリスト、ショパン、シューマン、ベートーヴェンの作品を集めていますが、シューマンの「フォン・フリッケンの主題による変奏曲」 は世界初録音とされています。しかし、主題を聴けば名作「交響的練習曲」と同じことに驚かれるはず。交響的練習曲の初版は1837年に出版されま したが、難産で1834年来試作が繰り返されました。「フォン・フリッケンの主題による変奏曲」はその最初のもので、主題と8つの変奏から成ります。 変奏のいくつかは決定稿や遺作変奏と同じですが、全く未知なものもあり興味津々。シューマンに関心のある向き必携です。
ナルディの演奏は楷書的な正確さに加え、透明な味わいに富む清潔なもので、非常に魅力的。オルガン曲が原作のリスト作品や、ショパンのバラー ドも語り口の巧さに引き込まれます。またベートーヴェンの31番も浄化された天上の世界に浸れます。
このアルバムの特徴は、CD盤と同内容のDVDが収められていること。全曲の指遣いやペダルが非常な参考になります。 (Ki)
LIMEN Classic
CDVD015-C015
(1CD+DVD)
レティシア・ミキエロン・リサイタル Vol.2
ドビュッシー:前奏曲集第2巻
ラヴェル:ラ・ヴァルス
レティシア・ミキエロン(P)

録音:2013 年リメン音楽スタジオ
イタリアの才媛レティシア・ミキエロンは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集やショパンの全ピアノ曲録音に挑戦していますが、今回のアルバムは ドビュッシー。作曲家でもある彼女独自の解釈が新鮮。「影の神秘」というアルバム・タイトルが付けられ、印象主義音楽の光と影を絶妙に表現してい ます。 CD盤と同内容のDVDが収められていて、全曲の指遣いやペダルが非常な参考になります。 (Ki)

Rondeau
KL-1405(1CD)
橋の上で踊ろう
伝承曲:春の川を渡る月の光
伝承曲:Det obe off em Bergli
マニ・マッター(1936-1972):I han es Zundholzli azundt
マニ・マッター:Dr Eskimo
インプロヴィゼーション:古き町にて
伝承曲:浮遊する花
インプロヴィゼーション:ルツェルンの湖の静かな反射
伝承曲:春の雪
ヤン・ジン(琵琶)
ヴォルフガンク・ジーバー(Org)

録音:ルツェルンホフ教会
1972年、36歳の若さで自動車事故により命を落としたスイス、ベルンのシンガー・ソングライター、マニ・マッター。彼の名は日本ではほとんど知られていませんが、一部の熱烈なファンの間では普遍の人気を誇っています。このアルバムは、そのマッターの歌と、中国の伝承歌の両方を、琵琶とオルガンという不思議な取り合わせで演奏します。この異文化の融合から生まれる響きはユニークであり、強烈な印象を残すものです。
Rondeau
KL-1505(1CD)
王の給仕
C.P.E.バッハ:ソナタ第4番イ長調Wq55/4
クリストフ・ニヒェルマン(1717-1762):ソナタ第6番ヘ長調
C.P.E.バッハ:スペインのフォリアによる12の変奏曲Wq118/9
C.P.E.バッハ:ソナタハ短調
Wq65/31
C.F.C.ファッシュ(1736-1800):チェンバロのためのソナタヘ長調
イェルマイネ・シュプロッセ(ハープシコード&フォルテピアノ)

録音:2013年8月12-14日聖ペーター&パウル・アルシュヴィルアルテ・ドルフ教会
2014年に生誕300年を迎えたカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作品を中心に、フリードリヒ2世に使えた音楽家たちの作品を収録したアルバムです。王自身も芸術的才能の持ち主であり、フルート演奏が巧みであったため、彼の周囲には第一級の音楽家たちが集っていました。C.P.E.バッハは1740年から1767年までチェンバロ奏者として王に仕え、王と父バッハの関係を取り持ったことでも知られています。この当時の音楽はバロックから古典派への移行期間でもあり、特にC.P.E.バッハの鍵盤作品は後世の作曲家に強く影響を与えたものでした。ここで演奏してるシュプロッセは少年聖歌隊員として音楽をはじめ、クリスティーネ・ショルンスハイムにチェンバロを学び、スイスとドイツで奨学金を得た後、ベルリン古楽アカデミーやラウテン・カンパニーなどとソリストとして共演、数多くのコンクールでも賞を獲得するなど、古楽界で注目を浴びている若手です。
Rondeau
KL-1507(1CD)
チェロ・コン・フォーコ
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV1011
リゲティ:無伴奏チェロのた
めのソナタ
コダーイ:無伴奏チェロのためのソナタOp.8
ヴェロニカ・ヴィルヘルム(Vc)

録音:2013年6月10-12日グンドルファー教会
「コン・フォーコ」とは音楽用語で「熱烈に」や「火のように」といった意味を持ちます。このアルバムはそのタイトル通り、チェロがまるで炎のように情熱的な音楽を奏でます。チェリスト、ヴェロニカ・ヴィルヘルムはハンガリーの血を引くチェリストであり、5歳からチェロを始め、ベルリンのハンス・アイスラー音楽院で本格的に学びます。ゲヴァントハウスOのチェリストを務めながら、教育の分野でも力を発揮、数多くの後進たちの指導に当たっています。そんな彼女が演奏するこの独奏チェロのための作品集には、バッハ、リゲティ、コダーイの3人の作品が収録されていますが、バッハでは伝統を重んじた堅固な表現であり、リゲティとコダーイは自らのルーツを辿るかのような情熱的な表現が聞かれ、とても興味深いものとなっています。
Rondeau
ROP-6089(1CD)
ファイアワークス〜サクソフォンとオルガンのための作品集
ショスタコーヴィチ:組曲-第7楽章ワルツ第2番
バルトーク:ルーマニアのクリスマスの子供の歌BB67
フェリックス・ボロウスキ(1872-1956):アドレーション
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
クロフォード(1943-):「ああ、お母さん聞いて」による主題と変奏
ヴィドール(1844-1937):オルガン交響曲第5番より第4楽章
ヴィドール:オルガン交響曲第5番より第5楽章「トッカータ」
デュボワ(1930-1995):ダンスへの10のフィギュアより<ブランシー/パヴァーヌ/パスピエ/コンプレイント/リゴードン>
シューマン:12のピアノ小品Op.85-「夕べの歌」
フォーレ:夢のあとに
エルガー:行進曲「威風堂々」第1番
スティーヴン・アダムス(1841-1913):聖なる都
ジャクソン・クロフォード(Sax)
ウルフェルト・シュミット(Org)

録音:2014年1月6.7日ハノーヴァーマルクト教会ライヴ収録
サクソフォンとオルガン!なんとまあ不思議な音色の取り合わせでしょう。しかしそんな疑問も最初の曲で氷解します。あのショスタコーヴィチの「名曲」が至って普通の顔をして現れる様子と言ったら!なんだかとても懐かしい気分がするのは、昔遊園地で聞いたメリーゴーランドの音色に似ているせいでしょうか。とにかく、全曲に渡ってまばゆい色と爽快なサウンドは新鮮な驚きをもたらします。バルトークの「ルーマニアのクリスマスの子供の歌」のなんと親しげなこと。思わず笑ってしまうこと間違いなし。ヴィドールのようなオルガンのソロもあり、こちらは煌くような音の洪水となっています。サクソフォンのソロでは、誰もが知っている「ああ、お母さん聞いて(きらきら星)」のメロディを主題にしたクロフォードの変奏曲が聴きものです。
Rondeau
ROP-6092(1CD)
聖トーマス教会オルガニスト、ウルリッヒ・ベーメ
リスト:BACHの名による前奏曲とフーガ
バッハ:トッカータとフーガニ長調BWV540
ブラームス:コラール前奏曲「わが心の切なる願い」Op.122-10
ラインベルガー(1839-1901):幻想的ソナタ変イ長調Op.65
カール・ピウッティ(1846-1902):祝祭讃歌Op.20
レーガー:ベネディクトゥスOp.59-9
 コラール前奏曲「神はわがやぐら」Op.135a-5
 「われらが神はかたき砦」によるコラール幻想曲Op.29
ウルリヒ・ベーメ(Org…ライプツィヒ,トーマス教会ザウアー・オルガン)

録音:1992年2月23-25日、2014年4月29日 ライプツィヒ,トーマス教会
現在、聖トーマス教会のオルガニストを務めているウルリッヒ・ベーメによる納得のオルガン演奏を。壮大なリストの作品で幕を開け、バッハ、ブラームス、レーガーとドイツのオルガン音楽の伝統を辿りつつ、ラインベルガーとピウッティの作品を挟むという個性的なプログラムは、神を賛美するための楽器としての「オルガン」の機能をフルに用い、オルガニストとしての技巧を存分に見せつけながら、この響きに浸る楽しみをも与えてくれるという素晴らしいものです。1956年生まれのオルガニスト、ウルリッヒ・ベーメは13歳からオルガン演奏を始め、ケムニッツの聖十字架教会でカントールとオルガニストを務めた後、ライプツィヒの聖トーマス教会のオルガニストに応募し、数多くのライバルを制してこの地位を得た人です。2000年に建立されたバロック様式のザウアーオルガンは彼の手によって新たな命を与えられたと言っても過言ではありません。
Rondeau
ROP-6093(1CD)
風変わりな店
シュポア:ハープのための幻想曲Op.35
グリンカ:モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲変ホ長調
レスピーギ:風変わりな店−ワルツ(C.ウールリッジによるハープ編)
アルヴァース(1808-1849):ベッリーニの「ノルマ」の主題による序奏と変奏曲Op.36
プロコフィエフ:ロメオとジュリエットOp.64-朝のセレナーデ(V.デュロヴァによるハープ編)
ファリャ:歌劇「はかなき人生」-スペイン風ダンス(M.グランドジャニーによるハープ編)
ヴァルター=クーネ(1870-1931):チャイコフスキーの「エウゲニ・オネーギン」の主題による幻想曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(M.グラーフによるハープ編)
スメタナ:モルダウOp.43(H.トルネチェクによるハープ編)
マリア・グラーフ(ハープ)

録音:2012年4月2.3日シュトゥットガル,トリトヌス・ムジクプロダクション
ハープの響きをたっぷりと楽しむ1枚です。オリジナルの作品から編曲まで様々な曲が用意されています。シュポアやラインベルガーのオリジナル作品の、まるで妖精の羽のような繊細な美しさはもちろんのこと、彼女自身の編曲によるラヴェルの「なき王女のためのパヴァーヌ」やトルネチェク編曲のスメタナ「モルダウ」、そしてアルバムタイトルのレスピーギ作品などの、ハープで演奏することなど想像もできないような曲まで、何ともヴァラエティに富んだこれらの編曲は、人々がハープという楽器に対して抱いているイメージを根底から覆すような驚きに満ちています。ここでハープを演奏しているマリア・グラーフはカラヤンやチェリビダッケからも信頼されていたミュンヘン生まれの世界的ハープ奏者で、1997年からベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学のハープ科教授も務めています。

UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0064(1CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331
グルックの歌劇「メッカの巡礼」の「われら愚かな民の思うは」による変奏曲 K.455
ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調 K.570
ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調 K.332
ダヴィデ・カバッシ(P)
ダヴィデ・カバッシは1976年イタリアのミラノに生まれ、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院を1995年に卒業後、コモ湖のカデナッビア国際ピアノ財団で5年間、ロザリン・トゥレック、レオン・フライシャーに師事。2005年の第12回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール・ファイナリスト。

UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0205(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
サリーム・アブード・アシュカール(P)
アイヴァー・ボルトン(指) NDR響
サリーム・アブード・アシュカールは1976年ナザレに生まれたパレスチナ系イスラエルのピアニスト。ロンドン王立音楽アカデミー、ハノーファー音楽大学(ドイツ)で学び、17歳でズービン・メータ指揮イスラエルPOと共にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏しプロ・デビューしました。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0575(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
 ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
 ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
スクリャービン:練習曲嬰ヘ短調 Op.8-2
マリア・ペロッタ(P)

録音:2013年2月26日、ライヴ、ボッコーニ大学講堂、ミラノ、イタリア
マリア・ペロッタはイタリア南端部カラブリア州コゼンツァに生まれたピアニスト。11歳でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番のソリストとしてデビュー。ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院、パリのエコール・ノルマル音楽院で学んだ後ローマのサンタ・チェチーリア音楽院を2007年に卒業。2008年ミラノ・シューラ・チェルカスキー国際ピアノ・コンクール優勝。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-1194(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 マリア・ペロッタ(P)

録音:2012年1月12日、ライヴ、ロッシーニ劇場、ルーゴ、ラヴェンナ県、イタリア
Cinik Records から発売されている盤とは別の録音です。

UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0647(1CD)
バッハ:2声のインヴェンション BWV772-786
3声のシンフォニア BWV787-801
前奏曲、
フーガとアレグロ変ホ長調 BWV998
序曲ヘ長調 BWV820
組曲イ長調 BWV832
リュート組曲ホ短調 BWV996〜サラバンド
ラミン・バーラミ(P)
ミン・バーラミは1976年イランのテレラン生まれのピアニスト。裕福な家庭に生まれながら1979年のイラン革命により父親は投獄され(1991年に刑務所で死亡)、本人は11歳の時にヨーロッパへの移住を余儀なくされました。在テヘラン・イタリア大使館のはからいで奨学金を得てミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院、イーモラ国際ピアノ・アカデミー、シュトゥットガルト音楽大学で学びました。幼時よりバッハに興味を持っていたラミン・バーラミはすでにバッハの多くの作品を録音しています。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0794(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番ニ短調 Op.28
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36
アレクサンドル・ロマノフスキー(P)
アレクサンドル・ロマノフスキーは1984年ウクライナ生まれのピアニスト。1997年イタリアに移住し、イーモラ国際ピアノ・アカデミーでレオニード・マルガリウスに、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックでドミートリー・アレクセーエフに師事。2007年ローマ法王の御前で演奏。2013年以来2014年現在モスクワの「若いピアニストの為のクライネフ国際コンクール」芸術監督。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0797(1CD)
D.スカルラッティ:16のソナタ
ハ長調 K.515 (L.255)/イ短調 K.383 (L.134)/変ホ長調 K.371 (L.17)
変ロ長調 K.439 (L.47)/ニ長調 K.443 (L.418)/ハ長調 K.159 (L.104)
ヘ短調 K.466 (L.118)/ト長調 K.454 (L.184)/ロ短調 K.173 (L.447)
ニ短調 K.90 (L.106)/変ホ長調 K.162 (L.21)/ト長調 K.477 (L.290)
嬰ヘ長調 K.319 (L.35)/ヘ長調 K.437 (L.278)/ホ長調 K.380 (L.23)
ハ長調 K.460 (L.324)
マウリツィオ・バリーニ(P)
マウリツィオ・バリーニは1975年イタリアのピサに生まれのピアニスト。2004年以来2014年現在アミアータ・ピアノ・フェスティヴァル(イタリア)の芸術監督を務めています。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-1010(3CD)
メンデルスゾーン:初めから終わりまで ピアノ作品集
[CD 1: 変奏曲、前奏曲とフーガ]
厳格な変奏曲ニ短調 Op.54 MWV U.156(1841)*
4つの厳格な変奏曲(1841)
変奏曲変ホ長調 Op.82 MWV U.158(1841)
変奏曲変ロ長調 Op.83 MWV U.159(1841頃)
6つの前奏曲とフーガ Op.35(1827頃-1837)
 MWV U.116, 66, 129, 105, 131, 91, 122, 108, 126, 106, 135, 128
前奏曲とフーガ ホ短調 MWV U.157, U.65(1841, 1827)
[CD 2: ピアノ小品と練習曲]
7つの性格的小品 Op.7 MWV U.56, 44, 59, 55, 60, 61, 62(1824-1827)
アンダンテとプレスト・アジタート ロ長調・短調 MWV U.141(1838)
6つの子供の小品 Op.72 MWV U.171, 170, 164, 169, 166, 168(1842)
2つのピアノ小品(音楽のスケッチ)MWV U.93, 94(1833)
3つの前奏曲 Op.104a MWV U.132, 123, 127(1836)
3つの練習曲 Op.104b MWV U. 117, 100, 142(1384-1838)
練習曲ヘ短調 MWV U.125(1836)
アルバムの綴り ホ短調 Op.117 MWV U.134(1836頃)
無窮動 ハ長調 Op.119 MWV U.58(1826)
[CD 3: 初期作品と未出版作品]
6つのピアノ小品 MWV U.1-4, 18, 22(1820)(U.1以外*)
(変奏曲)ニ長調 MWV Z.1/119(1820)
(組曲)ト長調・短調 MWV Z.1/105-108(1820)*
ピアノ小品ホ短調 MWV U.12(1820)*
ラルゴ ニ短調 MWV U.9(1820)*
ピアノ小品ヘ短調 MWV U.10(1820)*
アレグロ(練習曲)イ短調 MWV U.28(1821)*
ラルゴとアレグロ・ディ・モルト ハ長調 MWV U.31(1821頃)*
ピアノ小品(ワルツ)ト長調・ニ長調 MWV U.38(1822頃)*
ワルツ ニ長調 MWV U.39(1822頃)*
アンダンテ ホ長調 MWV U.40(1822)*
プレスティッシモ ヘ短調 MWV U.45(1824)
ヴィヴァーチェ ハ短調 MWV U.52(1826)
主題とコーダ イ長調 MWV U.63(1827)*
アンダンテ・マエストーソ ヘ長調 MWV U.81(1830)*
コン・モート イ長調 MWV U.88(1831)*
アレグレット イ短調 MWV U.160(1842)*
カノン嬰ヘ短調 MWV U.163(1842)*
アンダンテ変ホ長調 MWV U.165(1842)*
ソステヌート ヘ長調 MWV U.166(1842)*
ピアノ小品ホ短調 MWV U.173(1842)*
熊の踊り ヘ長調 MWV U.174(1842)*
アンダンテ・コン・モート ホ短調 MWV U.179(1843)*
ピアノ小品イ短調 MWV U.186(1843)*
2声のカノン ロ短調 MWV Y.13(1844)*
Wie die Zeit lauft! ト短調 MWV U.196(1847)
Auf frohliches Wiedersehn, fur Minna Berndt MWV U.197(1847)*
ロベルト・プロッセダ(P)

*世界初録音。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-1028(1CD)
シューベル:ピアノ四手連弾作品集
アレグロ・モデラートとアンダンテ イ短調 D.968
4つのレントラー D.814
2つのトリオをもつドイツ舞曲と2つのレントラー D.618
序奏と自作主題による変奏曲変ロ長調 Op.posth.82/2 D.968a
フランスの歌による8つの変奏曲ホ短調 Op.10 D.624
幻想曲ヘ短調 Op.posth.103 D.940
マルコ・スキアーヴォ、
セルジョ・マルケジャーニ(P)
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0866(1CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調 K.310
ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調 K.333
前奏曲(幻想曲)とフーガ ハ長調 K.394(383a)
ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調 K.570
ジャンルカ カシオーリ(P)
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0913(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ヘ短調「月光」Op.27-2
シューベルト:「さすらい人」による幻想曲ハ長調 Op.15 D.760
シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
ジュゼッペ・アルバネーゼ(P)
ジュゼッペ・アルバネーゼは1979年イタリアのレッジョ・カラブリアに生まれ、ペーザロのG・ロッシーニ音楽院、イーモラ国際ピアノ・アカデミーで学んだピアニスト。1997年ヴェネツィア賞国内コンクール1等、2002年フェルッチョ・ブゾーニ国際ピアノ・コンクール最優秀現代作品演奏特別賞、2003年ヴァンドーム賞国際ピアノ・コンクール第1位。

Ameson
ASCP-1325(1CD)
バッハ〜ペール・エ・フィス
W.F.バッハ:ソナタ.イ短調 FKnv.8(世界初録音)
C.P.E.バッハ:ソナタ.ロ短調 Wq.55/3, H245、
 ソナタ嬰へ短調 Wq.52/4, H37
バッハ:トッカータ.ホ短調 BWV.914、
 幻想曲ハ短調 BWV.906
J.C.バッハ:ソナタ.ハ短調 Op.5
ダヴィド・ビスマス(P)

録音:2013年6月
14歳でパリ国立高等音楽院に入学し、1等賞で卒業を果たすなど、早くからその才能が注目されてきたダヴィド・ビスマス。そして2010年にはピリスとの共演でパリOデビューを飾り、さらなる飛躍が期待されるフランスのピアニストです。今回のテーマは"バッハと息子たち"。ビスマスの華麗なテクニックと、シュタイングレーバーの音色が、バッハ一族の音楽の系譜を鮮やかに描く。W.F.バッハの「ソナタ.イ短調」は世界初録音。

BELVEDERE
BELVED-10148(1CD)
バックハウスのモーツァルト
ロンド,イ短調 KV.511*
ピアノ・ソナタ.ヘ長調 KV.332
ピアノ・ソナタ.ハ長調 KV.330*
ピアノソナタ.ト長調 KV.283
幻想曲 ハ短調 KV.475*
ピアノ・ソナタ.ハ短調 KV.457
ヴィルヘルム・バックハウス(P)

録音:1956年1月23日*、1967年1月24日/モーツァルト週間音楽祭(ライヴ)
ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院大ホール(モノラル、ステレオ)
バックハウス(1884- 1969)は、1956年と67年の2回にわたって、モーツァルト週間音楽祭に2度出演しています。1956年の時点ですでに 70歳を超えていたバックハウスですが、イ短調のロンドの清き高貴な表情は他では聞けないもの。ハ長調 KV.330のソナタも、第2楽章の集中、終 楽章の鮮やかさも見事です。1967年のハ短調の幻想曲、そして続くソナタなどは、「鍵盤の獅子王」とも称されたバックハウスならではの、楽器が芯 までなっているような強靭な音色、ゆるぎない解釈による、説得力に満ちた演奏です。貴重な記録となっています。 ※パッケージに「Stereo」の表記がありますが、モノラル音源も収録されています。 (Ki)
≪BELVEDERE≫〜新規レーベル
Bel Airのプロデューサー、フランソワ・デュプラ氏が2006年に設立したレーベルです。劇場作品の映像作品をリリー スしており、ドイツ語圏で人気があります。このたび、BELVEDEREレーベルから、国際モーツァルテウム財団との協同シリーズが始動します。 1956年、まさにモーツァルト生誕200年記念となる1月27日(モーツァルトは1月27日生まれ)、第1回が開催されたモーツァルト週間。ザル ツブルクの風物詩ともいえるこの音楽祭は、現在ミンコフスキが音楽監督を務めており、さらなる展開が注目されているところです。この音楽 祭の第1回から収録を行ってきたORF放送局所蔵のテープを使い、Ton Eichinger Wienがデジタル・リマスタリングを施し、初期から今日に 至るまでの「モーツァルト週間」音楽祭のライヴをお届けします。伝説となっている過去の演奏会から、近年に行われた、モーツァルトが使っ ていたヴァイオリンを使用しての演奏会など、音楽的にも歴史的にも興味深いさまざまな演奏会のCDおよび映像が予定されています。


Treasures
TRE-033(1CDR)
ノヴァエス〜ショパンのマズルカ&前奏曲集
マズルカ〜Op.33-2/Op.41-1
 Op.33-4/Op.17-4/Op.24-4
 Op.56-2/Op.59-1/Op.33-3
 Op.63-1/Op.59-2/Op.24-2
24の前奏曲Op.28*
ギオマール・ノヴァエス(P)

録音:1954年、1953年*(全てモノラル)
※音源:米VOX PL-7920、独OPERA-PANTHEON XP-2150*
◎※収録時間:70:12
“ノヴァエス天性のリズムと色彩感覚が織り成すの豊穣なショパン!”
■製作メモ
VOX時代の2枚のLPの全てを1枚に収録。「前奏曲集」は、良好なOPERA-PANTHEON盤(ドイツ初出)を用いました。

★ノヴァエスは、ショパンの主要作品のほとんどを録音していますが、特に傑出して素晴らしいのが「マズルカ」と「前奏曲集」!同じショパンでも、「練習曲集」などはノヴァエスと作品の一体感がやや希薄だったのに対し、ここでの収録曲には、確実に入念にノヴァエス独自の世界感が投影されています。最初のマズルカOp.33-2では、単純な楽想による主題が、人間味溢れるリズムと絶妙なスイング感によって華やぎを持ち、フレーズ結尾の0:17では微妙にタッチをずらし、更に芳しい香りを添えます。この「ずらし技」は、ほとんど気づかない程度のものも含めて他の曲でも随所に聞かれますが、それによる色彩の広がりには是非ともご注目を。Op.33-4は、憂いの表情を湛えながらそれに埋没せず、些細な装飾音の意味まで直感的に捉えたニュアンスが素晴らしく、これほど内容が詰まった演奏は滅多に聴けません。Op.59-1もノヴァエスだけが可能なエレガンス!フレーズ末端でフッと肩の力を抜くことで気品が一気に醸し出されるのがたまりません選曲も配列も当然ノヴァエス自身が決めたのでしょうが、個々の作品に「これしかあり得ない!」という表情を与え、克明なタッチで再現し尽くした感動的なマズルカ集です。
「前奏曲集」は、この先どんな名演が誕生しても、当方が推奨盤のベスト5から漏れることは決してないでしょう。これはまさに、全24曲で構成される壮大な人間ドラマです!まず第1番。一見何の変哲もない演奏ですが、この先どこへ向かうかわからない幻想的な空気感に一気に惹き付けられます。第2番は、ボソボソと繰り返される左手の分散和音に対して微妙にエネルギーの増減を加味し、上声部との絶妙な緊張感を形成。そしてコーダの意味深な余韻!有名な第7番では、ノヴァエスの天賦の感性を端的に実証!この間合いの絶妙さは、古今を通じてダントツでしょう。打鍵の威力で圧倒するのではなく、またプレストの性格だけを際立たせることなく、精神の飛翔力で勝負する第16曲も必聴。何度聴いても目頭が熱くなるのが、第17番!第1主題から第2主題へ移る際の恐るべき呼吸の浸透力!というように、魅力は尽きませんが、技巧と感性の絶妙なバランス、どんな弱音でも音像を決してぼかすことなく多様な色彩を表出するタッチも魅力をとくとご堪能ください。【湧々堂】


UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0087(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ集
ソナタ第1番ト短調 BWV1001
パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
ソナタ第2番イ短調 BWV1003
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
ソニグ・チャケリアン(Vn)
ソニグ・チャケリアン(1960年生まれ)はアルメニア出身のイタリアのヴァイオリン奏者。ジョヴァンニ・グリエルモ、サルヴァトーレ・アッカルド、ナタン・ミルシテインに師事。2009/2010年度より2014年現在ローマのサンタ・チェチーリア音楽院教授。
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0555(1CD)
ル・ヴィオロン・ノワール(黒いヴァイオリン)
パガニーニ:魔女たちの踊り(ジュスマイヤーの主題による変奏曲)Op.8
24の奇想曲〜第13曲変ロ長調「悪魔の笑い」*
ラヴェル:亡き王女の為のパヴァーヌ
ルイージ・ジャンネッラ(1778-1817):陰鬱な協奏曲
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ.イ短調 Op.27-2 から 第1楽章「妄執」*
ジョン・ウィリアムズ:映画「シンドラーのリスト」のテーマ
タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ.ト短調「悪魔のトリル」Op.1-4
グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」〜精霊の踊り
グイード・リモンダ(Vn、指(*以外))
カメラータ・ドゥカーレ(*以外)
UNIVERSAL MUSIC ITALY
481-0025(1CD)
パガニーニ:24の奇想曲 Op.1 フランチェスカ・デーゴ(Vn)
フランチェスカ・デーゴ(1989年生まれ)はサルヴァトーレ・アッカルド他に師事し、シュロモ・ミンツと出会い大きな影響を受けたイタリアのヴァイオリン奏者。

Silverdoor
BVHaast-1505(1CD)
ロジャー・ドイル:ベイビー・グランド ロジャー・ドイル(P)、
トレヴァー・ナイト(シンセサイザー)
鬼才ロジャー・ドイルが30年の間に作曲した、ピアノ作品のコンピレーション・プログラム。

EM Records
EMRCD-022(1CD)
忘れられたイングランドのロマン主義〜クック、ホルスト、ヴォーン・ウィリアムズ:ピアノ作品集
クック:ゴシック風前奏曲、
 ハイ・マーリー・レスト、ささやく柳
ホルスト:夜想曲
クック:大聖堂にて、組曲「丘を越えて」、
 ソング・プレリュード、
 コルモラント・クラッグ、
 組曲「バーゲン・ベースメント」
ヴォーン・ウィリアムズ:リトル・ピアノ・ブック
クック:ハルドンの丘、シモツケソウ、
 3つの小品、日没、葉の終わり
ダンカン・ハニーボーン(P)

録音:2014年2月14日−15日
英国ピアノ界の名教師トバイアス・マッセイの弟子であり、11歳で自作をベヒシュタイン・ホール(ウィグモア・ホール)で披露した経歴を持つ、イギリスのコンポーザー=ピアニスト、グレヴィル・クック(1894−1989)。イングランド教会の司祭、英国王立アカデミーの教授を務め、同門のヘス、シャーラー、コーエン、カーゾン、ジョイス、リンパニーたちとは違う道を歩んだ、知られざる英国の音楽家です。その美しいピアに作品は、アルバム・タイトルの通り、まさに"忘れらたイギリスのロマンティシズム"。クックの作品は全曲世界初録音。


Treasures
TRE-029(1CDR)
マルクジンスキ〜ブラームス&ショパン
ブラームス
:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガOp.24
 6つの小品〜間奏曲変ホ短調Op.118-6
 ラプソディー第2番 ト短調Op.79-2
パデレフスキ:幻想的クラカウ舞曲Op.14-6#
シマノフスキ:練習曲変ロ短調Op.4-3#
ショパン:マズルカ第47番イ短調Op.68-2#
 ワルツ第14番(遺作)#
 ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2#
 ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調「葬送」*
ヴィトルド・マルクジンスキ(P)

録音:1954年、1954年6月9-11日#、1953年3月5日*、(全てモノラル)
※音源:米Angel 33549、、日COLUMBIA XL-5229#、伊Columbia 33QCX-194*
◎収録時間:77:01
“マルクジンスキによる「葬送ソナタ」の最高名演!”
■製作メモ
マルクジンスキは、ショパンの第2ソナタをCOLUMBIAへ少なくとも5回(1943年,1947年,1953年,1958年,1961年)録音していますが、最も傑出しているのはこの1953年盤(ICONボックスは1958年盤を収録)。ブラームスもショパンと並ぶ重要なレパートリーでしたが、Columbiaヘのソロ作品録音はこの3曲のみ。軽視されがちなAngel盤を用いましたが、ICONボックスのマイルドな音とは大違いです。アンコール・ピースを収めた日本Columbia盤は、当時のプレス技術の高さを窺わせるもので、打鍵の芯のニュアンスまでしっかり感じさせます。

★まずは、ブラームスのヘンデル変奏曲のなんと素晴らしいこと!さり気なく口ずさむような主題のニュアンスは、一見リラックスした雰囲気を持ちつつも、作品のフォルム内にカチッとニュアンスを凝縮し、各変奏を緊密に連携させる手腕は見事という他ありません。第4変奏や第10変奏で見せる、中低音を基調とした響きの豊かさと意味深さ、第5変奏の可憐な歌の呼吸感など魅力満載。第15〜第16変奏は、俊敏なレスポンスを見せながらも決して腰が浮くことのない盤石の安定感で、これぞブラームス!と叫びたくなること必至。
マルクジンスキが繰り返し録音したショパンの第2ソナタは、どれもが独自の魅力を誇りますが、あえて一つ選ぶならこの1953年盤!第1楽章の導入の底なしのような闇の深さに、まず息を呑みます。第1主題の音価を若干詰めてリズムを際立たせ、悪魔が忍び寄るような不安を煽るという生々しさ、第2楽章の第1音の後に一呼吸を入れる意味深さなど、明らかにこの録音が最も顕著。しかし、ドロドロの感情で塗り潰して終わるのではなく、全ての響きに高雅な精神が宿り、芸術的に昇華し尽くしている点に、マルクジンスキの偉大さを感じずにはいられません。【湧々堂】


Treasures
TRE-030(1CDR)
O・レヴァント〜ショパン、ドビュッシー他
ショパン:夜想曲Op.9-2 /Op.15-2
 練習曲Op.10-3,4,5,12
 子守唄/軍隊ポロネーズ
 ワルツOp.70-1 /Op.64-2
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ*
 「クープランの墓」〜フォルラーヌ*/メヌエット*
ドビュッシー:「子供の領分」〜人形のセレナード*/小さな羊飼い#/ゴリーウォーグのケークウォーク#
 亜麻色の髪の乙女#
 映像第1集〜水に映る影#
 沈める寺#/月の光#/レントより遅く#
オスカー・レヴァント(P)

録音:1946年頃(ショパン)、1944-1947年
※音源:COLUMBIA ML-4147、ML-5324*、CL-1134#
“気負わず繊細に歌い上げる、O・レヴァントの知られざる音楽センス!”
■製作メモ
オスカー・レヴァントのピアノ・ソロ録音のLPは、それほど多くありません。ML-4147はショパンの作品だけで構成されたLP。他はオムニバス的な内容。ここではそれらの中から、3人の作曲家の作品をチョイスしました。

★オスカー・レヴァント(1906-1972)は、『アメリカ交響楽』、『巴里のアメリカ人』などの映画に出演したことから、まず俳優として認識されがちですが、幼少期からピアノの才能を見せ、シェーンベルクにも師事。20代後半からはガーシュウィンとの親交を深め、映画やTVへの出演で広く知られるようになりましたが、あくまでもキャリアの出発点はクラシック・ピアニストであり、演奏を聴けば明らかなように、決して趣味の延長で器用にピアノを弾きこなしているだけの代物ではありません。ピアニストとしての録音では、オーマンディと共演した「ラプソディ・イン・ブルー」が有名ですが、レヴァントの音楽センスの素の部分をよりダイレクトに感じさせるのが、これらの小品。クラシック作品としての様式感を踏まえつつもアカデミズムに縛られず、引き出されるニュアンスには羽が生えているかのよう。気負いを感じさせないタッチは、作品の持ち味を優しく引き出し、ハリウッド的な派手さとはかけ離れたエレガンスを醸し出すのです。
つい遊び心を出したくなる「軍隊ポロネーズ」でさえ、いたって誠実なアプローチ。ラヴェルでは独特のアゴーギクを見せながらも音楽の根幹を歪めることなく、淀みない歌心が素晴らしい求心力を持って迫ります。最大の魅力は、弱音のセンス!「ゴリーウォーグのケークウォーク」のフレーズ結尾に置かれる可憐なタッチは、決して作り込んだものではなく、レヴァントの繊細な感性の賜物と言えましょう。
レヴァントは、一見華やかな活躍ぶりとは裏腹に、本質的にかなりナイーブな性格だったらしく、後年は精神的に病み、薬漬けとなったそうですが、演奏にもそういう資質が少なからず影響しているように思われます。自信満々にパフォーマンスに耽るのとは違う、音楽に対する真っ直ぐな慈しみがここにはあります。【湧々堂】

Diligence
DIL-4(1CD)
モーツァルト〜パリ、1778年
モーツァルト:「美しいフランソワーズ」による12の変奏曲変ホ長調 K.353
ピアノソナタ第8番イ短調 K.310
「リゾンは眠った」による9つの変奏曲ハ長調 K.264
「私はランドール」による12の変奏曲変ホ長調 K.354
「きらきら星」変奏曲(「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲)K.265*
ピエール・ブワイエ(フォルテピアノ)
使用楽器:マルク・デュコルネ製(モデル:1780年頃、ウィーン、シュタイン製)

録音:1998年9月5-10日、ルレー・ド・ミュジーク、モンタルロ=レ=リオ、オート=ソーヌ県、フランス
*が別のCD(DIL-4B)に収められた実質「1CD+1CDシングル」仕様となっております。
Diligence
DIL-5(1CD)
モーツァルト〜ロンドン、1764年
モーツァルト:前奏曲ト長調 K.15g
シンフォニア ト長調 K.15p, K.15pp, K.15r
ソナティネ変ロ長調 K.15q, K.15gg
アレグロ.ヘ長調(断章)K.15nn
シンフォニア ヘ長調 K.15t, K.15ii, K.15m & 15f, K.15v
フーガ.ハ長調(断章)K.15ss
ソナタ.ハ長調 K.9a, K.1e & 1f, K.15b
ソナタ.ヘ長調 K.15x, K.15n, K.15h, K.15hh
アンダンテ 変ト長調(断章)K.9b
ソナタ.ニ長調 K.15d, K.15bb
バッロ K.15e & 15o, K.15y & 15c, K.15l, K.15i & 15k
ソナタ.変ロ長調 K.15w, K.15mm, K.15aa
セレナード変ホ長調 K.15kk, K.15dd, K.15qq & 15ff, K.15z, K.15cc
メヌエット(断章)K.15rr
ロンド.ヘ長調 K.15a, 15s & 15u
ピエール・ブワイエ(フォルテピアノ)
使用楽器:マルク・デュコルネ製(モデル:1780年頃、ウィーン、シュタイン製)

録音:1998年9月6-10日、ルレー・ド・ミュジーク、モンタルロ=レ=リオ、オート=ソーヌ県、フランス
Diligence
DIL-6(1CD)
ベートーヴェンとエラールのフォルテピアノ(2手および4手の為の変奏曲と様々な小品)
ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO.57
前奏曲ヘ短調 WoO.55
創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80
バガテル(アレグレット)ハ短調 WoO.56
「君を思いて」と6つの変奏曲ニ長調 WoO.74*
行進曲ハ長調 Op.45-1*
「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲ハ長調 WoO.78
行進曲変ホ長調 Op.45-2*
「ルール・ブリタニア」による5つの変奏曲ニ長調 WoO.79
行進曲(ヴィヴァーチェ)ニ長調 Op.45-3*
メヌエット変ホ長調 WoO.82
6つのエコセーズ変ホ長調 WoO.83
2つのカノン Hess-274
ピエール・ブワイエ(フォルテピアノ)
ソフィー・リジェ(フォルテピアノ連弾*)
使用楽器:アラン・モイザン製(モデル:1803年、セバスチャン・エラール製)

録音:2007年12月1-5日、モンメイユール城、サン=ボディル=エ=ピペ、イゼール県、フランス
Diligence
DIL-7(1CD)
ベートーヴェン:3つのピアノ・ソナタ.1803-1806年
ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ.ヘ長調 WoO.57
ソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」Op.53
ソナタ第22番ヘ長調 Op.54
ソナタ第23番「熱情」Op.57
ピエール・ブワイエ(フォルテピアノ)
使用楽器:1803年、ウィーン、ローゼンベルガー製(エドウィン・ブーンク・コレクション)

録音:2008年1月8-10日、デーフェンテル、オランダ
Diligence
DIL-91011E(3CD)
シューマン〜3つのピアノ−エラール、シュトライヒャー、ファツィオリ
シューマン:クライスレリアーナ Op.16(1838/改訂:1850)
幻想曲 Op.19(1839)
ピエール・ブワイエ(フォルテピアノ、ピアノ)

使用楽器:1837年、エラール製フォルテピアノ(ピエール・ブワイエ私蔵)[CD 1]
1856年、シュタイアー製フィルテピアノ(トーマス・アルベルトゥス・インベルガー私蔵) [CD 2]
1995年、ファツィオリ製ピアノ [CD 3]

録音:2011年6月4-5日、アカデミー・ホール、シント・トロイデン、ベルギー [CD 1]
2011年8月2-3日、モーツァルト・ホール、インベルガー財団、ザツツブルク、オーストリア [CD 2]
2011年7月25-26日、ファツィオリ・コンサートホール、サチーレ、イタリア [CD 3]
同じ楽曲を3種の楽器で弾き分けた興味深い企画。ブックレットは三分冊で合計56ページ。3枚組ですがレギュラー・プライス2枚分の価格です。

ENCELADE
TRO-CD01443(1CD)
無伴奏ヴァイオリンの為の音楽 Vol.6
イザイ:無伴奏ヴァイオリンの為の6つのソナタ(1923-1924)
 第1番ト短調(ヨゼフ・シゲティに献呈)
 第2番イ短調(ジャック・ティボーに献呈)
 第3番ニ短調「バラード」(ジョルジュ・エネスコに献呈)
 第4番ホ短調(フリッツ・クライスラーに献呈)
 第5番ト長調(マテュー・クリックボームに献呈)
 第6番ホ長調(マヌエル・キロガに献呈)
 ロドリーゴ:奇想曲「サラサーテに捧げる」(1944)
レナーテ・エッゲブレヒト(Vn)

録音:2013年3月13-18日、クララ=ヴィーク=アウディトリウム、ザントハウゼン、ドイツ
先行した Vol.7「J・S・バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ」(TRO-CD 01444)に続いて、レナーテ・エッゲブレヒトによるイザイの無伴奏ソナタが登場。レナーテ・エッゲブレヒトは1944年ドイツ、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州のゼレントに生まれたヴァイオリン奏者。1986年にファニー・メンデルスゾーンSQを結成、1991年にトルーバディスク・レーベルを創設し女性作曲家の作品を中心に録音を開始。2001年からは無伴奏ヴァイオリン音楽のシリーズを開始しました。

AYRE CLASSICS
AYCD-200901(1CD)
ダニエル・マトローヌ:Rivages incertains(7つのオルガン曲;2008)
 前奏曲/大天使祭の為のカリヨン/後奏曲/幻想曲「王の御旗」
 フランシス・プーランクを記念するパストラーレとトッカータ
 前奏曲とフーガ ハ長調/ある大西洋の礼拝堂の為のトッカータ
ダニエル・マトローヌ(Org)

録音:2008年11月、サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会、ローマ、イタリア
使用楽器:メルクリン製
ダニエル・マトローヌはアルジェリア生まれのフランス人作曲家・オルガン奏者。トゥールーズ音楽院で学んだ後パリでマリー=クレール・アラン(Org)、イヴォンヌ・ルフェビュール(P)、モーリス・デュリュフレ(作曲、即興演奏)を師事。1999年以来2014年現在ローマのサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会(カラヴァッジョの祭壇画で有名なローマ在住フランス国民教会)のオルガン奏者を務めています。「Rivages incertains」の直訳は「不確かな岸辺」。
AYRE CLASSICS
AYCD-200902(1CD)
メンデルスゾーン:オルガン作品集
ソナタ第3番イ長調 Op.65-3*/ソナタ第2番ハ短調 Op.65-2+
前奏曲とフーガ ハ短調 Op.37-1*/ソナタ第5番ニ長調 Op.65-6+
ソナタ第6番ニ短調 Op.65-6*
リヴィア・マッツァンティ(Org)*
フランチェスコ・フィノッティ(Org)+

録音:2009年10月20、22日、ライヴ、クリストゥス教会、ローマ、イタリア
使用楽器:シュタインマイヤー製
メンデルスゾーンの生誕200年を記念してローマのルター派プロテスタント教会で行われたオルガン・コンサートのライヴ録音。
AYRE CLASSICS
AC-201101(1CD)
グリーグ:夜想曲〜ピアノ&歌曲集
抒情小曲集 から
 アリエッタ Op.12-1/アルバムの綴り Op.47-2/夜想曲 Op.54-4
 ゲーゼ Op.57-2/ノルウェーの農民行進曲 Op.54-2/ワルツ Op.38-7
 子守歌 Op.38-1
6つの歌曲 Op.48 から あいさつ(No.1)*
抒情小曲集 から 悲歌 Op.47-7
6つの歌曲 Op.48 から いつの日か、わが思いは(No.2)*
抒情小曲集 から 思い出 Op.71-7
6つの歌曲 Op.48 から 世の成り行き(No.3)*
抒情小曲集 から あなたのそばに Op.68-3
6つの歌曲 Op.48 から 沈黙したナイチンゲール(No.4)*
抒情小曲集 から 蝶 Op.43-1
6つの歌曲 Op.48 から 青春時代(No.5)*
抒情小曲集 から 夏の夕べ Op.71-2
6つの歌曲 Op.48 から ある夢(No.6)*
抒情小曲集 から
 春に寄す Op.43-6/小人の行進 Op.54-3/過ぎ去った日々 Op.57-1
 夢想 Op.62-5/ゆりかごの歌 Op.68-5/小妖精 Op.71-3
ノルウェー舞曲集 Op.35 から Nos.2 & 3+
抒情小曲集 から
 家路 Op.62-6/森の静けさ Op.71-4
アレッサンドロ・ステッラ(P)
ジョルジャ・ミラネージ(S)*
ジョルジャ・トマッシ(P)+

録音:2010年4月
スイスのルガーノで開催される「マルタ・アルゲリッチ・プロジェクト」の常連となっているローマ生まれのピアニスト、アレッサンドロ・ステッラによるグリーグ。ジョルジャ・ミラネージはローマに生まれ1999年に歌劇・デビューしたソプラノ。
AYRE CLASSICS
AC-1102(1CD)
リスト:ピアノ・ソナタ.ロ短調
ドビュッシー:前奏曲集第1巻
アレッサンドロ・ドラーゴ(P)

録音:2010年4月
アレッサンドロ・ドラーゴは1956年ローマに生まれ、グイード・アゴスティ(1901-1989、マリア・ティーポの師)に師事したピアニスト。

CONTINUO RECORDS
CONTINUO-CR101
(2CD)
無伴奏オーボエの為の音楽
 [CD 1]
バッハ:パルティータ.イ短調 BWV1013
C・P・E・バッハ:ソナタ.イ短調 Wq.132
マラン・マレ(1656-1728):スペインのフォリア
テレマン:12の幻想曲 から
 第2番 TWV40:3/第6番 TWV40:7/第8番 TWV40:9/第10番 TWV40:11
 [CD 2]
ブルーノ・ベッティネッリ(1913-2004):協奏的練習曲(1977)
ブリテン:オヴィディウスによる6つのメタモフォーゼ Op.49(1951)
ラッセ・ヤラヴァ(1951-):Pirpana Op.23-1(1993)
トム・ジョンソン(1939-):タイル・ワーク「3つの交差」(2003)
ボジダル・クンツ(1903-1964):舞曲 Op.62(1950)
ジョン・ラシュビー=スミス(1929-):モノローグ(オーボエ/オーボエ・ダモーレの為の)1970)
ロバート・シッビング(1929-):4つの楽曲(オーボエまたはサクソフォンの為の1986)
オイスタイン・ソンメルフェルト(1919-1994):ディヴェルティメント Op.41(1974)
マリカ・ロンバルディ(Ob)

録音:2011年4月
フルート(バッハ父子、テレマン)、ヴィオラ・ダ・ガンバ(マレ)のために書かれたバロック音楽作品をディスク1に、20世紀に書かれたオーボエの為のオリジナル作品をディスク2に収録。ベッティネッリはイタリア、ヤラヴァはフィンランド、ジョンソンとシッビングはアメリカ合衆国、クンツはクロアチア、ラシュビー=スミスはイギリス、ソンメルフェルトはノルウェーの作曲家。マリカ・ロンバルディはミラノのG・ヴェルディ音楽院で学び1988年にデビュー、さらにパリで学んだイタリアのオーボエ奏者。
CONTINUO RECORDS
CONTINUO-CR102
(1CD)
フィルム・ノワール ガック、ヘフナー:ピアノ作品集
ジェイ・アンソニー・ガック(1955-):ソナタ第4番「フィルム・ノワール」(2004)
ポール・ヘフナー:水越しの3つの遠景(2006)
 万年雪が溶けて激流に、別名「タニヤの為の幻想曲」
 水に浮かぶ睡蓮の葉の上で休む(…の前の静けさ)/津波
5?の平易な楽曲(2008)から 四度で楽しむ,アルバンのために
ジェイ・アンソニー・ガック:ソナタ第3番(1998)
ポール・ヘフナー:チックとマッコイ(2009)*
ジェイ・アンソニー・ガック:ラウンドとラウンド・ダンス集(1997-2002)* から
 リング=ア=ラウンド(No.3)/プロセッショナル(No.4)
 ウエスタン・ラウンド(No.5)
進め!(ピアノと弦楽の為のコンチェルティーノ;2011)+
エリッツァ・ハルボヴァ(P)
ティツィアーノ・レオナルディ(P)*
ピッコラ・オルケストラ '900+
シモーネ・ベッチア(指)+

録音:2011年6月、11月
ジェイ・アンソニー・ガック、ポール・ヘフナーはともにアメリカ合衆国の作曲家。「フィルム・ノワール」とは「虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画」のこと(Wikipediaによる)。エリッツァ・ハルボヴァはイタリアを本拠に活躍するブルガリアのピアニスト。
CONTINUO RECORDS
CONTINUO-CR106
(DVD-PAL)
ショパン:24の前奏曲 Op.28
ドビュッシー:ベルガマスク組曲〜月の光
ラヴェル:夜のガスパール
アレッサンドラ・アマラ(P)

収録:2012年11月、夏の食堂、キージ宮、アリッチャ、ローマ県、イタリア
監督:ピエトロ・タリアフェッリ
ヴィスコンティの映画「山猫」(1963)の撮影に使われたことでも知られるローマ近郊アリッチャのキージ宮で行われたピアノ・リサイタル。アレッサンドラ・アマラはフィレンツェのL・ケルビーニ音楽院およびイーモラのピアノ・アカデミーで学んだイタリアのピアニスト。Artsレーベルにシューマン、ショパン、ラヴェル、シェルシの録音があります。
日本の一般的なDVDプレーヤーでは再生できないPAL方式です。PAL方式DVDの再生にはPAL対応プレーヤーが必要です。パソコンでの再生も弊社は保証いたしません。ご了承ください。

WAON RECORDS
WAONXA-278
(2DVD-ROM)
5.6448MHz DSDIFF
WAONXA-276
(DVD-ROM)
192kHz 24bit WAVE
カンシオン
ラミレス(1921-2010):アルフォンシーナと海(ホセ・ルイス・ゴンザレス編)
ポンセ:サラバンド
ヴィラ=ロボス:エチュード第11番、第1番
トロバ(1891-1982):ブルガレーサ(柴田健編) 
モンポウ:カンシオン(〈カンシオンとダンス〉第6番より) (柴田健編)
ソル:魔笛の主題による変奏曲
アルベニス(1860-1909):アストゥリアス
バリオス
(1885-1944):大聖堂
ヴァイス(1687-1750):シャコンヌ、パッサカリア
ルビラ:ロマンス(ジャック・マーシャル編) 
タレガ:アルハンブラの想い出、ラグリマ
福山 敦子[G/使用楽器:Ignacio Fleta (1957) No.107]

録音:2013年7月23-25日/滋賀県高島市立ガリバーホール
[5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing]
WAONCD 270のハイレゾ音源。 関西出身の天才少女ギタリストとして注目された福山敦子。人生の伴侶でもある優れたギター奏者、柴田健とのデュオ活動でも知られていますが、そんな福山の ソロ・アルバム。彼女の詩的情緒がいかんなく発揮された「アルフォンシーナと海」やアルバムのタイトルにもなっているモンポウの「カンシオン」は心に沁みる 演奏です。 (Ki)
【再生上の注意】
ワオンレコードのオリジナルマスターをあまさず収めたこの高音質音源をお楽しみ頂くには、DVD-ROM を読み込み可能なディスクドラ イブを接続したパソコンと、適切なソフトウェア、オーディオ・インターフェース機器をご用意いただく必要があります。通常のCD、SACD、DVD プレーヤー では再生できません。

MPMP
MPMP-9(1CD)
知られざるポルトガル・ロマン派の作曲家
アルフレド・カイル(1850-1907):詩的印象 Op.12
12のメロディー Op.9
八田智大(P)

録音:2013年7月30日-8月2日、リスボン国立音楽院サロン・ノブレ、リスボン、ポルトガル
使用楽器:1876年、グロトリアン=シュタインヴェーク製
【ピアノの画家 アルフレド・カイル】
 収録作品の楽譜の再版に合わせて発売されるこのCDは、3つ−1人の作曲家、1人のピアニスト、1台のピアノ−の発見をする機会を与えてくれます。これは注目に値することであり、アルフレド・カイルの音楽を聴く機会という意味だけでも長らく待ち望まれていたと言えるでしょう。カイルのピアノ作品の録音は今までいくつかのCDに少しずつ収録されていただけで、まとまった形のCDが発売されたことがないのは信じ難いことです。そして、彼の最も重要な作品である歌劇「セラナ」のDVDどころかCDさえ存在しないという事実に、信じ難い思いはいっそう強まります。
 カイルのピアノ作品集のCDの解説を書くにあたってこの有名な歌劇のことを思い出したのは別におかしな話ではないでしょう。なぜなら、「セラナ」と彼のピアノ作品との間に興味深い共通点を見出すことができるからです。
 最も明らかな第一の点は、情熱あふれる、繊細で上品で快活なリリシズムです。ほとんどの作品は歌詞があれば歌うことができそうですが、それは彼のピアノ書法が語法的であるからに他なりません。もし実際に歌詞を付けてピアノ伴奏歌曲に書き換えたらむしろ漫画的に聴こえてしまうでしょう。カイルはピアノだけで歌を思わせるように極めて巧妙に書き上げているのです。実のところ、歌詞は存在するとも言えます。物語は曲集のプログラム通り、各曲のタイトルによって語られているのです。そしてまさにこの点が、八田智大がこの録音のために選ばれた楽器の「歌うピアノ」という特質をみごとに引き出すきっかけにもなっているのです。このピアノは1876年グロトリアン=シュタインヴェーク製の現在個人蔵となっている稀少品で、クララ・シューマンが所有したものに近似しています。
 第二の点は、より主観的ですが、「ポルトガルらしさ」志向です。それはかすかに立ちのぼる芳香のようなものであり、タイトルに示されているわけでもそれらしい音楽素材が指摘されるわけでもありません。全体としては未だシューマン的ロマンティシズムの影響下にあり、カイル以前や同時代の数多くの作曲家たちのロマンティックな小品を思い起こさせます。しかしながら、たとえば「海の歌」を聴くと、海にまつわる叙事詩に登場するポルトガルの男の姿がどうしても思い浮かんでしまうのです。一連の力強いコントラスト、ノスタルジックなメロディー、ポルトガルギター的な装飾とカデンツァ、それらにはファドを思わせる何かが有りはしないでしょうか?
 カイルのピアノ作品が持つ親密な資質は、大ホールより家庭的なサロンやプライベート・コンサートで演奏するのにふさわしいものです。つまりこれらはリスト的な技巧誇示とは対極にあるレパートリーということになります。しかしそれは必ずしもカイルの曲の演奏が容易であることを意味するわけではありません。カイルはおそらく音楽愛好家・趣味でピアノを弾く人・感性と才能ある良家の女性などが弾くことを想定して書き始めたにもかかわらず、中には難易度が高くなっているものもあるのです−純粋でときに儚げな美質がパトスを覆い隠している(たとえば「祈り」、「後悔」)、アマチュアの手には負えない鋭敏なテクニックが要求される(たとえば「蝶」、「夢想」)など。「12のメロディー」はポルトガル国王ドン・ルイス1世に、「詩的印象」はスペイン王妃ドナ・マリア・クリスティナに献呈されました。
 これら2つの曲集がカイルのピアノ作品のすべてではありません。彼はこのジャンルに他にもたくさんの作品を残しています。それらのほとんどは同じく気取らないもので、カイルの絵画におけるタッチの柔らかさに通じる純粋に甘美な作品が目立ちます。しかし残念なことにそれらの大半は手稿譜の形でしか残っておらず、それらを良好なコンディションで演奏し普及させるためには音楽学的研究と校訂の作業を待たねばなりません。2つのピアノ曲集を初めて全曲収録したこのCDが、この非凡な作曲家のピアノ作品全集の最初の一巻となることを願っています。
 ― エドワルド・ルイス・アイレス・ダブレウ
【アルフレド・クリスティアノ・カイル】
アルフレド・クリスティアノ・カイルは1850年7月3日、ポルトガルのリスボンに生まれた。父はドイツのハノーヴァーからポルトガルに政治亡命したヨハン・クリスティアン・カイル、母はアルザス系ドイツ人ヨゼフィーナ・シュテルフルーク。ヨハン・クリスティアンは当時最も有名な仕立屋であり、国王ドン・ルイス他ポルトガル内外の貴族から注文を受けるほどであった。
 ヨハン・クリスティアンは他にも様々な事業に投資を行い成功したので、カイル家はたいへん裕福であった。そのおかげでアルフレドは最高水準の教育を受けることができた。サン・アントニオ学院に入学、8歳でアントニオ・ソレル(Antonio Soller, 1840-?)の生徒となり音楽の勉強を始め、その後リスボンの英国人学校に進学しヨーロッパを旅した。彼の作品1「Pensee musicale」は12歳の時に書き母に捧げたピアノ曲である。18歳を前にニュルンベルク(ドイツ)の芸術アカデミーに入学。しかし1870年普仏戦争のため帰国を余儀なくされ、その後絵画をミゲル・ルピ(1826-1883)に、デッサンをジョアキム・プリエトに、音楽をアントニオ・ソアレス、エルネスト・ヴィエイラ(1848-1915)、オスカル・デ・ラ・シナ(1836-1906)に師事。画家として受賞を重ね、マドリード、パリ、リオデジャネイロで作品が展示され成功を収めた。
 作曲家としては1883年トリンダーデ劇場(リスボン)で上演された歌劇「スザンナ」でデビュー。1888年にサン・カルロス劇場で初演されたアルメイダ・ガレット(1799-1854)の叙事詩による歌劇「ドンナ・ビアンカ」は年内上演30回を数え翌年に引き継がれ、リオデジャネイロのリリコ劇場でも成功を収めた。1890年イギリスがポルトガルに軍のアフリカからの撤退を要求する最後通告を行うと、カイルは愛国歌「A Portuguesa」を作曲、これが後に現ポルトガル国歌に制定されることになる。1893年歌劇「イレーネ」をトリノ(イタリア)で初演、イタリア国王ウンベルトから勲章を贈られた。歌劇に熱中したカイルはヴェルディ、マスネと交流し彼らから自作への称賛を得た。
 カイルの歌劇の中で最も有名かつ重要なのは1899年に初演された、エンリケ・ロペス・デ・メンドンサ(1856-1931)台本による「セラナ」である。初演はイタリア語で歌われたが、後に上演されたポルトガル語版はサン・カルロス劇場においてポルトガル語で歌われた最初の歌劇となった。「セラナ」はポルトガルの作曲家が書いたポルトガル語の歌劇の中で20世紀に最も数多く上演された作品となっている。カイルの才能は絵画と音楽にとどまらなかった。彼は詩人でもあり楽器コレクターでもあった。没後、詩集「エニシダとローズマリー」が出版され、400を超えるたいへん貴重な楽器コレクションはポルトガル音楽博物館の所蔵品となっている。アルフレド・クリスティアノ・カイルは1907年10月4日、57歳で没した。厖大な数の絵画(2,000点以上)と音楽作品(目録には未収録)が残された。2つの歌劇「シマゥン、赤毛の男」と「インディア」が残念ながら未完に終わった。
【八田智大】(はった ともひろ)
 1986年札幌市生まれ。5歳よりピアノを始め、10歳より札幌コンセルヴァトワールで学ぶ。日本国内のコンクールでは、PTNA全国決勝大会F級にて2年連続で銅賞・銀賞、洗足学園前田賞受賞をはじめ、その他数々のコンクールで上位入賞を果たす。2005年、北海道札幌平岸高等学校を学校名誉賞を受賞し卒業後、渡仏。パリ・エコール・ノールマル音楽院に入学し、ピアノ科の高等課程ディプロマ(満場一致)、最高課程ディプロマを取得。その間、フジテレビ奨学金を受ける。2008年、パリ国立地方音楽院に入学し2011年に審査員満場一致の首席でディプロマを取得し卒業。2013年、国立ジュヌヴィリエ地方音楽院室内楽科にて審査員満場一致の最高位でディプロマ取得。2010年にはそれまでの実績が認められポルトガルのカステロ・ブランコ国立芸術大学の大学卒業資格を取得し、続いて大学院へ同大学院過去最高得点の満点にて入学。現在もカステロ・ブランコ国立芸術大学音楽学部・大学院にてパウロ・アルヴァレシュ氏に師事、研鑽を積んでいる。これまでに、遠藤真紀子、宮澤功行、ビリー・エイディ、カイオ・パガノ各氏に師事。
 ルドルフ・フィルクシュニー国際ピアノコンクール第3位とスメタナ賞、ララ・マリアム王女国際ピアノコンクール第3位と特別賞、アレクサンドル・スクリャービン国際コンクール第2位、そしてマリア・カンピーナ国際コンクール審査員満場一致の賞賛付での第1位を受賞。ポルトー国際ピアノコンクール最年少セミファイナリスト。ロン・ティボー国際ピアノコンクール・セミファイナリスト。
 17歳でロシア・サンクトペテルブルグ・シェレメーチェフスキー宮殿にて、サンクトペテルブルグSOとコンチェルト初共演。2009年にはフランスのメザン・アカデミー・オーケストラと共演を果たした。これまでにチェコ・フィルの本拠地ルドルフィヌム・ドヴォルザーク大ホール、アンヴァリッド・グランド・サロン、パリ・ショパン協会主催・第25回パリ・ショパン・フェスティバル、パリ日仏文化センターでの日仏交流150周年記念コンサートなど演奏してきたコンサートは国内外数多く、第11回・第12回カレ・ダス若き演奏家達の音楽祭での演奏は“ラ・レプブリック”紙をはじめ各地方誌等でも取り上げられ、高い評価を得た。
 2009年、ヴァイオリニストのクリストフ・ブリエール氏とフランスのパリとメザンで共演し、グリーグのヴァイオリンソナタのCDを収録。12月30日、ポルトガル国営ラジオ放送ANTENA2にて、“2010年度、ショパンの年・オープニングコンサート”を任され世界ネットで生放送され、大成功を収めた。2010年、パリ、プレイエル・ホールでの“Bon Anniversaire Monsieur Chopin”の演奏がテレビ・フランス3にて放送されたほか、フランスのラジオRGB、ラジオAligreでも名古屋、ポルトガルでのコンサートの演奏が放送されなど、メディアからも注目されるようになった。2010年は日葡修好通商条約150周年としてポルトガル人ピアニスト、リカルド・ヴィエイラとポルトガル、日本(名古屋、札幌)、そしてフランスのパリ・ポルトガル大使館で共演を果たした。
 2011年はポルトガル・リスボンにて国営ラジオで2度目のライブ録音・コンサートとサンタレンでチャリティーコンサート、パリ日本文化会館でコンサート。カーボヴェルデ共和国ではポルトガル大使館・カモンイス院の招待によりプライア、ミンデロで日本人で初めてコンサートを行った。2012年、ポルトガルでカステロ・ブランコ国際芸術フェスティバルでのオープニングコンサートとコインブラの2都市でのリサイタル。その他2012年はスロベニアでのイマゴ音楽祭、インドのニューデリーとゴアでの音楽祭等でも演奏した。
 2013年トルコのイスタンブールで開催されたイスタンブール・オーケストラシオン国際ピアノコンクールで第3位を受賞した。現在、ピアノ連弾デュオ”MusicOrba”としてポルトガル人ピアニスト、リカルド・ヴィエイラとのコンサート活動も行っている。現在、クードレー・モンソー市立とヴォレアル市立音楽院ピアノ講師。

Capriccio
C-5215D(1CD)
ウィーン奇想曲
クライスラー:ウィーン風小行進曲
 愛の喜び/愛の悲しみ
 ウィーン奇想曲Op.2
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
ラヴェル:ツィガーヌ
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調Op.25
ルカ・クストリッヒ(Vn)
ドラ・デリイスカ(P)

録音:2014年6月20-23日ウィーン,4TUNEスタジオ
1991年、ウィーン生まれのヴァイオリニスト、ルカ・クストリッヒ。芸術家の家庭に生まれた彼は幼い頃から才能を発揮し、演奏家としてだけでなく、俳優としても認められ、舞台、テレビなどで幅広く活躍しています。しかし彼の本当の夢は偉大なる演奏家になること。ゆくゆくはヴァイオリンの教授になりたいと語り、また演奏技術も極めたいのだそうです。2005年に初来日、その才能の片鱗を見せ付けた彼ですが、その才能は順当に成熟しているようです。このアルバムでは、難曲であるエネスクのソナタをはじめ、ラヴェルのツィガーヌで目の覚めるような名演を披露、そしてクライスラー、ブラームスの作品では柔軟な表現力を見せています。確かに将来が楽しみな若手です。

Nilento
NIL-CD133(1CD)
パガニーニ:24のカプリース Op.1 ヤン・スティグメル(Vn)

録音:2012年2月26日−27日&3月4日
カメラータ・ルーマン、クリスチャンサン室内Oのリーダーを務めるなど、北欧、スウェーデンを代表するヴァイオリニストの1人として活発な活動を展開しているヤン・スティグメル。スカンジナヴィアのヴァイオリニストによる初の全曲録音となったスティグメルが奏でるパガニーニの「24のカプリース」。その卓越したテクニックと音楽性が生み出す華麗な演奏が、「24のカプリース」が難曲中の難曲であることをしばしの間、忘れさせてくれます。

Ictus
IMP-1317(1CD)
バッハ・フェイマス・アレンジメンツ
バッハ:シンフォニア〔カンタータ第29番より〕(デュプレ編)
ソナチナ〔カンタータ第106番より〕(ギルマン編)
アリオーソ〔カンタータ第156番より〕(フォックス編)
シシリエンヌ〔フルート・ソナタより〕(ウィドール編)
目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声〔カンタータ第140番より〕
いざもろびと神に感謝せよ〔カンタータ第192番より〕(フォックス編)
アリア〔管弦楽組曲第3番より〕(カルク=エラート編)
羊は安らかに草をはみ〔カンタータ第208番より〕(フォックス編)
イエスは変わらざるわが喜び〔カンタータ第147番より〕(デュリュフレ編)
シンフォニア〔クリスマス・オラトリオより〕(カルク=エラート編)
甘き死よ、来たれ(フォックス編)
アダージョ・カンタービレ〔ヴァイオリン・ソナタ第2番より〕(フォックス編)
Mattheus-Final〔マタイ受難曲より〕(ウィドール編)
ラルフ・グスタフソン(Org)

録音:2012年11月
デュプレやギルマン、ウィドール、デュリュフレなど、音楽史にその名を残す大オルガニストたちによるバッハのオルガン・トランスクリプション集。フロール・ペーテルスとジャン・ボワイエに師事したスウェーデンの名オルガニスト、ラルフ・グスタフソンが、ストックホルム、マリア・マグダレナ教会のオーケルマン&ルンド・オルガン(1927年製)を弾きます。

Euterpe Musica
EMCD-1317(1CD)
テグネール:ミュージック・フォー・ドリーマーズ ペーター・テグネール(G)
コンポーザー=ギタリスト、プロデューサー、ソングライターなど、様々な姿を持つスウェーデンのマルチプレーヤー、ペーター・テグネールの自作自演集。紙ケース仕様。

ジェイズ・ミュージック
JMCC-20220(1CD)
税込定価
ベラ・ノッテ〜美しき夜
ニュー・シネマ・パラダイス(ニュー・シネマ・パラダイス)
初恋(ニュー・シネマ・パラダイス)
愛のテーマ(ニュー・シネマ・パラダイス)
愛のテーマ(ひまわり)
ムーン・リバー(ティファニーで朝食を)
ベラ・ノッテ(ワンワン物語)
白い恋人たち(白い恋人たち)
私のお気に入り(サウンド・オブ・ミュージック)
恋のアランフェス(ブラス!)
太陽がいっぱい(太陽がいっぱい)
夜想曲 嬰ハ短調「遺作」(戦場のピアニスト)
追憶(追憶)/星に願いを(ピノキオ)
慕情(慕情)
魅惑のワルツ(昼下がりの情事)
パガニーニの主題による狂詩曲(サブリナ)
これが恋かしら(シンデレラ)
スマイル(モダン・タイムス)
エンターティナー(スティング)
松本花奈(ハープ)

録音:2014年9月1日、2日,横須賀芸術劇場
ディレクター:大政直人
録音:昼田純一
ウィーンで認められたハーピスト、松本花奈のセカンド・アルバム。珠玉の映画音楽をオリジナル・アレンジにより、美しく奏でる。大政直人(作曲家)他による芳醇なアレンジにより、数々の映画音楽がよみがえる。この演奏の楽譜も次々発売予定。
※ハーピスト・松本花奈さんに出会ったのは2014 年3 月21 日の紀尾井ホールでした。私が理事をしている日本作曲家協議会の「こどもたちへ」というコンサートで知人の女性作曲家から紹介されました。それ以来松本さんの編曲の手直しや私の編曲を提供する事になり、演奏に接するようになりました。そして驚いたのは音がとても美しいという事です。私は常々一流の演奏家に演奏してもらい、また私自身がヴァイオリンを指導している事もあり、音にはとても敏感なつもりでいます。そして感じている事は「音が美しい事」それが音楽家にとっての第一歩であり究極の目標である、という事です。 このCDでは理屈抜きに松本さんの美しい音の世界を堪能出来ると思います。そして心の中に幸せな映画音楽の世界を構築する事が出来ると確信しています。(大政直人,作曲家)

C&L Music
1990年にSockgoo Choi氏、Tai Lee氏の両氏により設立された韓国のレコード会社、C&L Musicが、キングレコード録音によるゲリー・カーの名盤をライセンス契約のもとLP化しました。オーディオ・マニア狂喜の超重低音をLPでご堪能いただけます。LPは180g重量盤でドイツプレスです。限定プレスとなりますので、この機会をお見逃しなく!

C&L Music
CNLR-1334(1LP)
限定生産
アルペジョーネ・ソナタ〜神技のコントラバス
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ
ラフマニノフ:ヴォカリーズ op.34-14
サン=サーンス:白鳥
ジョプリン:ジ・エンターテイナー
滝廉太郎:荒城の月
まどろみの夜明け(ノヴァ・スコシア民謡)
マリアの御子(カタロニア民謡)
フーム、フーム(カタロニア民謡)
鳥の歌(カタロニア民謡)
ゲリー・カー(Cb/1611年アマティ制作)、ハーモン・ルイス(ピアノ/スタインウェイ)

録音:1980年5月28、29日、キングレコード、音羽第1スタジオ
※180g重量盤・ドイツプレス
C&L Music
CNLR-1335(1LP)
限定生産
コル・ニドライ〜神技のコントラバス
ブルッフ:コル・ニドライ
・ブロッホ:祈り「ユダヤ人の生活のスケッチ」
クーセヴィツキー:悲しみの歌*
ワイルダー:コントラバスとピアノのための小組曲より第2曲、第4曲
ゲーンズ:スケルツォ
ゴセック:ガヴォット
浜辺の歌
バッハ:チェンバロ協奏曲第5番より「アリオーソ」
深い河
ゲリー・カー(Cb/1611年アマティ制作)、ハーモン・ルイス(ピアノ/スタインウェイ)

録音:1980年5月29日、キングレコード音羽第1スタジオ/1985年6月6日、代々木・宗教法人妙智会教会本殿
※180g重量盤・ドイツプレス
C&L Music
CNLR-1336(1LP)
限定生産
アルビノーニのアダージョ
アルビノーニ:アダージョ
ベートーヴェン:ソナチネ
フランク:小品第5番
ヘンデル:ソナタ ロ短調
バッハ=グノー:アヴェ・マリア
ゲリー・カー(Cb/1611年アマティ制作)、ハーモン・ルイス(オルガン/スイス、クーン社製)

録音:1981年 9月22日、宝塚ベガ・ホール
※180g重量盤・ドイツプレス
C&L Music
CNLR-1337(1LP)
限定生産
夢のあとに
フォーレ:夢のあとに
ロレンツィーティ:ガヴォット
グラナドス:マドリガル イ短調
グルック:精霊の踊り
ガーシュウィン:サマータイム
ワーグナー:夕星の歌(歌劇「タンホイザー」より)
グリーン:プレイフル・ロンド
ヒンデミット:コントラバスとピアノのためのソナタ
ゲリー・カー(Cb/1611年アマティ制作)、ハーモン・ルイス(ピアノ/スタインウェイ)

録音:1981年9月20、21日、宝塚ベガ・ホール
※180g重量盤・ドイツプレス
C&L Music
CNLR-1338(1LP)
限定生産
「祈り」
エリ・エリ(祈り)
アダン:オー・ホーリー・ナイト
アルカデルト:アヴェ・マリア
ビゼー:神の小羊 (「アルルの女」間奏曲より)
ハーライン:星に願いを
シューベルト:アヴェ・マリア
A.ホヴァネス:聖グレゴリーの祈り
黒人霊歌:誰も知らないわたしの悩み
黒人霊歌:スウィング・ロウ、スウィート・チャリオット
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618
(ゲリー・カーによる編曲)
ゲリー・カー(Cb/1611年アマティ制作)、ハーモン・ルイス(オルガン)

録音:1985年6月10、11日、松戸聖徳学園、川並記念講堂
※180g重量盤・ドイツプレス


ELOQUENTIA
EL-1445(1CD)
シューベルト:ピアノ作品集
高雅なワルツ集 op.77 D969
ピアノ・ソナタ第4番 イ短調 op.164 D537
34の感傷的なワルツ(全曲) op.50 D779
ハンガリーのメロディ ロ短調 D817
ギョーム・コッポラ(P)

録音:2014年
パリ音楽院リグット門下の逸材、ギョーム・コッポラによるシューベルト作品集。34の感傷的なワルツ全曲が入っているのも貴重。 (Ki)


Treasures
TRE-026(1CDR)
エゴン・ペトリ〜バッハ&ブゾーニ:ピアノ曲集
バッハ(ブゾーニ編):トッカータとフーガ.二短調BWV.565*
 トッカータ,アダージョとフーガ.ハ長調BWV.564*
 前奏曲とフーガ.変ホ長調BWV.552*
 前奏曲とフーガ.ニ長調BWV.532*
 コラール「目覚めよと,われらに呼ばわる物見らの声」BWV.645
 コラール「汝にこそ,わが喜びあり」BWV.615
 コラール「われ汝に呼ばわる,主イエス・キリストよ」BWV.639
ブゾーニ:対位法的幻想曲
エゴン・ペトリ(P)

録音:1956年6月22日(モノラル)
※音源:Westminster XWN-18910*、XWN-18844
◎※収録時間:79:06
“バッハの精神とブゾーニの意思を具現化した、ペトリの圧倒的なピアニズム!”
■製作メモ
2011年に発売された「リスト・レガシー」と称する10枚組のCDボックスには、このペトリを含む5人のピアニストの初CD化音源が収録されていましたが、肝心のリストの曲はほどんどなく、各ピアニストの音楽性を味わう上でも中途半端な印象を拭えませんでした。ここでは、ペトリがバッハの音楽をどう捉え、師匠ブゾーニのピアニズムの何を守ろうとしたかを十分にご理解いただけることでしょう。かなりヘヴィーなラインナップですが、間に収録したコラール前奏曲集でいったん心を和ませてから、是非ブゾーニの大曲「対位法的幻想曲」を!

★バッハ=ブゾーニのピアノ曲は、現代ピアニストの必須レパートリーとも言えますが、それらの多くは、その超絶技巧ぶりが目立つ演奏ばかりのような気がします。しかし、ブゾーニの弟子で、その教えを忠実に継承したペトリの演奏で聴くと、ブゾーニがバッハの作品を編曲したのは、決して派手なヴィルトゥオジティを誇示するためではなく、ピアノの機能性を最大限に活用することで、バッハの音楽の構成美と精神を現代に息づかせるためだった、ということがひしひしと実感できます。
また、エゴン・ペトリというピアニストに対しては、厳格な学者肌というイメージを持たれる方が多いようですが、細部に囚われたチマチマした演奏とは正反対。音楽を根底から大きく呼吸させながら、聴き手の感情にストレートに訴えかける人間的な包容力を、ここに収録した全ての作品から体感することができます。
技巧的な素晴らしさは言うまでもありませんが、それは正確さを目的としたものではなく、あくまでも音楽表現の手段として活用されているので、無機質な印象を与えることがありません。例えば、BWV.552のフーガ後半における怒涛の轟音!造形の破綻寸前まで音楽を肥大化させながら、強固な集中力と気力で高揚させる手腕は、ペトリの真骨頂と言えましょう。また、BWV.564のアダージョで明らかなように、過度なロマン性とも無縁で、近年のピアニストで技巧派と呼ばれる人たちでも、これよりよほどロマンティックに歌い込んでいる例が少なくありません。しかし、全音域に緊張感を漲らせたペトリの打鍵の魅力は、安易なフレージングとは全く次元が異なる荘厳な世
界に誘ってくれるのです。バッハ=ブゾーニのピアノ作品の醍醐味は、エゴン・ペトリの演奏抜きには語れません!【湧々堂】

MA Recordings
MA-J510(1CD)
バッハ:鍵盤楽器のための作品集
パルティータ第4番 BWV 828 ニ長調、
幻想曲とフーガBWV 904 イ短調
フランス組曲第5番 BWV 816 ト長調
パルティータ第6番 BWV 830 ホ短調
金子陽子(フォルテピアノ)
使用楽器:アントン・ワルター/クリストファー・クラーク(2004年製)

録音:2014年7月ポール・ロワイヤル修道院、フランス
エンジニア、編集、マスタリング:タッド・ガーフィンクル
録音方式:ワンポイント、5.6Mhz DSDレコーディング
マイクロフォン:米谷淳一氏による無志向性振動版、DC電源のライン出力
ケーブル:クリスタルケーブル、ステレオラボ・トンボ
フランス在住のフォルテピアノ奏者、金子陽子によるJ.S.バッハの鍵盤作品集。録音は、天才エンジニアとして高い評価を得ているタッド・ガーフィンクル。 金子陽子の繊細なタッチ、豊かな和声、煌きと閃きに富んだ演奏を見事に捉えています。 バッハの鍵盤楽器のための作品は、主にハープシコードのために書かれています。しかし晩年にはフォルテピアノを知っており、使用していたと推測されます。 今回の録音に使用したフォルテピアノは、クリストファー・クラークが2004年に製作した18世紀末のアントン・ワルターによる楽器のレプリカ。全体が 木製で、金属枠を全く使用していないことから、倍音の構成や大きさなどは、バッハがその50年程前に弾いていたフォルテピアノにより近いと言えるでしょ う。金子陽子の演奏は、フォルテピアノによって生み出すことのできる、音色の豊かさを聴かせてくれています。 (Ki)

Capriccio
C-5201-D(1CD)
C.P.E.バッハ:ロンドと幻想曲集〜専門家と愛好家のためのロンド付きソナタと自由な幻想曲集より
幻想曲第1番変ホ長調Wq58/6
ロンド第3番変ロ長調Wq58/5
ロンド第2番ハ短調Wq58/4
ロンド第1番ハ長調Wq56/1
ロンド第3番イ短調Wq56/5
ロンド第2番ホ長調Wq58/3
幻想曲第2番ハ長調Wq59/6
ロンド第2番ト長調Wq57/3
ロンド第3番ヘ長調Wq57/5
ロンド第2番ニ短調Wq61/4
幻想曲第1番ヘ長調Wq59/5
ロンド第1番ホ長調Wq57/1
幻想曲第2番ハ長調Wq61/6
クリスティーネ・ショルンスハイム(タンジェント・ピアノ)

録音:2013年3月4-8日
優れた奏者として、また楽器の研究家としても名高いクリスティーネ・ショルンスハイム。今回は2014年に生誕300年を迎えるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作品集です。C.P.E.バッハ(1714-1788)は、父よりもテレマンの様式を受け継いだ作曲家として知られ、古典派音楽の基礎を築いたとされるなど、その演奏様式についても慎重な研究を重ねる必要があると彼女は言います。チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノなど楽器についても選択の余地がありますが、彼女が選んだのは、ピアノの初期の形である「タンジェントピアノ(木片で弦を突き上げて音を出すタイプ)」でした。彼女は楽器だけでなく、演奏する曲も丁寧に選び抜いて、この楽器にふさわしい作品だけを丁寧に引いています。冒頭の「幻想曲」での自由なパッセージの飛翔こそ、ショルンスハイムの理念を表出しているものだといえるでしょう。

Christopher Nupen Films
A-11CND(DVD)
ゾンマー・ヘルツ:全ては現状
アリス・ゾンマー・ヘルツへのインタビュー
■音楽集
シューベルト:即興曲変イ長調D935
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」第1楽章
アリス・ゾンマー・ヘルツ(P)

収録時間:54分/音声:ステレオ2.0
字幕:独・西・仏・英・伊・日本語
画面:16:9/REGION All(Code:0)
撮影当時98歳のピアニスト、アリゼ・ゾンマー・ヘルツ(1908-2014)のポートレートです。彼女はその活動の絶頂期にあの
テレジエンシュタットに収容され、母親と夫を奪われ、言いようのない残虐行為を受けました。そして処刑を目前にしたのですが、奇跡的に、何とか生き残ったのです。その後の彼女はイギリスに定住し、ピアニストとしての活動を続けますが、彼女は迫害者たちを決して憎むことはなく、常に博愛の精神で向き合いました。そして彼女のポリシーは「楽観的に生きること」。これは彼女の経験から生まれた言葉です。そんな彼女は104歳になって世界中から注目されます。それは彼女が出版した著書「地獄の中のエデンの庭」が7か国語で出版されベストセラーとなったからです。彼女の慈愛溢れる言葉と、師シュナーベル直伝のシューベルトとベートーヴェンの演奏は、全ての人に感動を与えることでしょう。
Christopher Nupen Films
A-12CND(DVD)
パガニーニの悪魔性 ギドン・クレーメル
ジョン・ウィリアムズ
スイス・イタリアーナO
スイス・イタリアーナ放送Cho
ローレンス・フォスター(指)他

収録時間:79分/音声:ステレオ2.0
字幕:独・西・仏・伊・日本語
画面:4:3/REGION All(Code:0)
パガニーニは西洋のクラシック音楽の全ての器楽奏者の中で、最も精巧、かつ魅力的な演奏をする人だったと伝えられています。あまりにも素晴らしい演奏をするので、巷の人々は彼を「悪魔と契約した」とまで囁きました。また本人も自身を神秘的に見せたたため、多くの人たちは本当にその噂を信じてしまったのです。しかし、本当にそんな人物だったのか?と疑問を持ったクリストファー・ヌーペンは、この芸術家の真の姿を洗い出すために、多くの手紙やエピソードを検証し、それらと彼の音楽を結び付けながら、新しい人物像を描き出すことに成功しました。最後に深い感動を齎すこの映像、数々のメディアでも絶賛されています。
Christopher Nupen Films
A-15CND(DVD)
セゴビア:ポートレイト
セゴビア・アット・ロス・オリボス
ギターの歌
アンドレス・セゴビア(G)

収録時間:151分/音声:ステレオ2.0
字幕:英・独・西・仏・伊
画面:4:3/REGION All(Code:0)
1967年に収録された最初の映像は、スペイン南部のセゴビアの新しく建てられた家で収録されたもの。スタジオでは緊張していたと言われる彼が、とてもリラックスした雰囲気の中で、彼自身の信念や音楽について語っています。そして、バッハ、モレノ・トローバ、リョベート、タレガ、カステルヌォーヴォ・テデスコ、グラナドスの作品を演奏します。もう一つの映像は、1976年にアルハンブラ宮殿で撮影されたもの。こちらも彼のギターについての思いが語られていきます。独学でギターを学び、世界中で活動を行い「現代クラシック・ギター奏法の父」と讃えられるセゴビアの静かな語り口は感動ものです。こちらではアルベニス、グラナドス、スカルラッティ、ラモー、ソル、ポンセ、アグアド、バッハ、ショパン、モレノ・トローバを演奏しています。1977年ブザンソン音楽祭でPrixduPublic(観客賞)を受賞した素晴らしい映像です。
Christopher Nupen Films
A-17CND(DVD)
カリム・サイドのドキュメンタリー
カリムの旅
カリム・サイド

収録時間:58分/音声:ステレオ2.0
字幕:/画面:16:9
REGION All(Code:0)
ロンドンを基点に活躍するヨルダン生まれのピアニスト、カリム・サイドのドキュメンタリー・フィルムです。彼は2009年にコリン・デイヴィスが指揮するイギリス室内Oのバックを得てバービカン・センターでデビュー・コンサートを果たしたのを皮切りに、世界各国のコンサート・ホールを次々と制覇しています。2007年にロンドンのパーセル音楽学校を卒業した後、奨学金を得て、王室音楽学校に進学、タチアナ・サルキッソヴァに師事します。そして2008年にBBCで放送するためにクリストファー・ヌーペンがこのドキュメンタリー映像を制作しました。この映像はBBCを通じて、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ベルギー、オーストラリア、エストニア、ロンドンのバービカン・センターでテレビ放送されて、高い評価を受けています。
Christopher Nupen Films
A-18CND(DVD)
エフゲニー・キーシン〜音楽の贈り物
エフゲニー・キーシン:音楽の贈り物
.ロイヤル・アルバート・ホールのアンコール集
エフゲニー・キーシン

収録時間:104分/音声:ステレオ2.0
字幕:英・独・西・仏・日・中
画面:16:9/REGION All(Code:0)
「真の神童」として讃えられるピアニスト、エフゲニー・キーシン。彼は1971年10月10日にモスクワで生まれ、ようやくピアノの鍵盤にに背が届いた2歳の時から演奏を始めました。10歳でモーツァルトの協奏曲第23番を演奏してデビュー、11歳で初リサイタルを開き、その才能が注目されるようになります。そして12歳で、ドミトリー・キタエンコの指揮によるモスクワPOとの共演でショパンのピアノ協奏曲を録音。これは批評家たちも絶賛し、彼の名前は世界中に知られるようになりました。通常のピアニストならば、ここから数々のコンクールに挑戦し、そのテクニックと音楽性に磨きをかけていくのですが、彼にはその必要はなく、そのためコンクール歴もほとんどありません。彼の成功物語はとても稀なものといえるでしょう。この映像は、彼へのインタビュー、リハーサル風景、そして演奏で構成されています。また1997年8月にロイヤル・アルバート・ホールで行われた「プロムス103年目」祝賀演奏会でのアンコールも収録されています。6000を越える聴衆を魅了したパフォーマンスです。

KML Recordings
KML-2124(1CD)
カティア&マリエル・ラベック〜シスターズ
チャイコフスキー(ドビュッシー編):「白鳥の湖」 Op.20〜 「ロシアの踊り」
ブラームス:ハンガリー舞曲〜第1番ト短調、第20番ホ短調、第5番嬰ヘ短調
ドヴォルザーク:「スラヴ舞曲集」〜〜「ドゥムカ」 Op.72-2、「フリアント」 Op.46-8
ビゼー:「子供の遊び」 Op.22〜 第11曲「小さい旦那様と小さい奥様」
J・シュトラウス&ヨーゼフ・シュトラウス:ピツィカート・ポルカ
J・シュトラウス:ポルカ 「狩り」 Op.373
フォーレ:組曲 「ドリー」 Op.56〜 「子守歌」
プーランク:2台のピアノのためのヴァルス・ミュゼット 「シテール島への船出」
ミヨー:2台ピアノのための組曲「スカラムーシュ」 Op.165b〜 「ブレジレイラ」
グレインジャー:カントリー・ガーデン
ガーシュウィン:3つの前奏曲
ストラヴィンスキー:3つのやさしい小品〜「ワルツ」、
 5つのやさしい小品〜「ギャロップ」
ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲
アドルフォ・ベリオ:ポルカ
カミロ:トロピカル・ジャム
カティア・ラベック(P)、マリエル・ラベック(P)
姉妹が6歳と8歳の時に弾いたフォーレの「子守歌」に始まり、母親の生徒が弾いているのをしばしば聞いていたミヨーの「スカラムーシュ」、父親が家で弾くのを聞いていたブラームスの「ハンガリー舞曲集」やドヴォルザークの「スラヴ舞曲集」など、音楽に囲まれて育ったラベック姉妹の子供時代が想像されます。また、作曲者の孫であるルチアーノ・ベリオから与えられたアドルフォ・ベリオの「ポルカ」、最初のリサイタルで弾いたルトスワフスキの「パガニーニ変奏曲」、アメリカ・デビューを飾ったガーシュウィンの「3つの前奏曲」、ニューイヤー・コンサートの休憩中に演奏しORF(オーストリア放送協会)で放映されたヨハン・シュトラウスの「ポルカ」など、姉妹にとっての想い出の名曲の数々を収録。ラベック姉妹の愛した音楽たち。きらびやかで美しく、また楽しくわくわくするような珠玉の名曲集の完成です!

TYXart
TXA-14040(1CD)
バッハ:パルティータ第6番ホ短調BWV830
シューマン:蝶々Op.2
アレキサンダー・マリア・ワーグナー:インフェルノ
シューマン:謝肉祭Op.9
アレキサンダー・マリア・ワーグナー(P)

録音:2014 年2月
アレキサンダー・マリア・ワーグナーは1995年生まれの19歳。幼少期から作曲の才能を開花させ、作曲とピアノをフランツ・フンメル氏、パヴェル・ ギリロフ氏に師事し研鑽を積んでいます。このアルバムは、感性豊かな瑞々しい演奏で華やかに聴かせてくれます。また3つの小品からなる自作の「インフェ ルノ」も収録。得意の即興性を反映した自由な作風で今後の活躍に期待が高まります。 (Ki)
TYXart
TXA-14044(1CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第9番ニ長調K311
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.2-1
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番イ長調Op.posth
クリストフ・プライス:東洋風幻想曲、
 モーツァルトのピアノ協奏曲第23番のカデンツァ
クリストフ・プライス(P)

録音:2014 年
TYX artのプロデューサーが惚れ込んだ才能は12歳のピアニストでした。この度デビューするクリストフ・プライスは、2001年生まれ。10歳の頃 ドイツのテレビ番組にも取り上げられ「奇跡の子」として多くのメディアに登場しました。その卓越した演奏だけではなく、作曲も行い、その音楽的才能 は人々を驚かせています。このアルバムには、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの初期のピアノ・ソナタに加え、クリストフ・プライスが書いた「東 洋風幻想曲」とモーツァルトのピアノ協奏曲第23番のカデンツァが収録されています。 (Ki)

マルクジンスキ
Treasures
TRE-021(1CDR)
マルクジンスキ〜ショパン&リスト
ショパン
:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調*
リスト:ピアノ・ソナタ.ロ短調**
 ピアノ協奏曲第2番イ長調#
ヴィトルド・マルクジンスキ(P)
ワルター・ジュスキント(指)
フィルハーモニアO

録音:1952年1月1日*、1953年3月7-11日**、1953年3月2日&4日#(全てモノラル)
※音源:伊Columbia 33QCX-194*、仏CLUB NATIONAL DU DISQUE CND-585**,#
◎※収録時間:74:20
“詩的ニュアンスを確実に引き出すマルクジンスキの美学貫徹!”
■製作メモ
マルクジンスキによるショパンの第3ソナタは、EMIへはこの録音と後年のステレオ録音の2種があるのみ。リストの2曲は、CLUB NATIONAL DU DISQUE盤を採用。英COLUMBIAやVOXなどの音源をリリースしていたフランスのレーベルですが、実に良い音です。ICONシーリズのボックスに収録されているものとは、音の奥行き、豪華さが全然違います。ジャケ写にはフランス盤。

ショパンでは、マルクジンスキの大きな構成感と深い打鍵に宿る毅然とした精神力によって、独特の格調美を確立。第1楽章第2主題でもアゴーギクを最少に抑えることで、安易な甘美さとは無縁の緊張が維持されます。第3楽章は、イン・テンポを基本としつつも微妙に音価を伸縮させているのは、まさに血の為せつ技。後半の再現で、主旋律の濃密な歌い口に低音部が確実に密着しながら盤石の下地を敷き詰める様も流石。このソナタの終楽章は、特に最初の導入が、どんな演奏でもやや安直な音楽に感じてしまうのは感じてしまうのは私だけかもしれませんが、主部直など嘘のように消え去ります。
同じロ短調のリストのソナタは、悪魔的な雰囲気を煽ることのない純音楽的アプローチに徹していますが、ここでも全体を大きく俯瞰する持ち前の包容力が発揮し安定感抜群の妙技を披露。特に“アンダンテ・ソスティヌート”での気品溢れるレガート、漆黒に燐くタッチの妙味は聴きもの。
協奏曲では、華麗なグランド・スタイルの雰囲気を湛えながらも、アクロバット的な誇張とはきっぱり決別した辛口の表現を貫徹。タッチの美しさそのもので聴き手に訴えかけたり、視覚的なニュアンスをそのまま音にするような手法は、どんな作品であっても決して採用しません。それでいながら、理で固めたような窮屈さにも陥らず、内面からの詩的ニュアンスを確実に抽出するというのは、まさに奥義と呼ぶに相応しいものでしょう。チェロ独奏との対話を交える“アレグロ・モデラート”(トラック11)や、終盤のグリッサンドでも全くこれ見よがしのポーズを取らない点などで、そのことを痛感する次第です。【湧々堂】

CONTINUO RECORDS
CONTINUO-CR109
ローマのサン・ルイージ・デ・フランチェージ教会のメルクリン・オルガン
フロール・ペーテルス(1903-1986):アヴェ・マリス・ステラによるトッカータ、フーガと賛歌 Op.28
フランク:コラール第1番ホ長調 FWV38
 コラール第2番ロ短調 FWV39
グレープ・ニクーリン(1974-):過ぎ越しのいけにえ [Victimae paschali laudes] Op.22
ヴィエルヌ:月の光 Op.53-5
マルコ・エンリコ・ボッシ(1861-1925):ラルゲット Op.132-1
フロール・ペーテルス:フランドル狂詩曲 Op.37
ナターリア・バギンスカヤ(Org)

録音:2013年9月23-26日、サン・ルイージ・デ・フランチェージ教会、ローマ、イタリア
使用楽器:1880年、ヨゼフ・メルクリン製
カラヴァッジョの祭壇画でも有名なローマのサン・ルイージ・デ・フランチェージ教会(ローマ在住のフランス人のために建てられた教会、1589年完成)に1880年に設置されたヨゼフ・メルクリン(1819-1905)製のオルガンを演奏。メルクリンはドイツのオーバーハウゼンに生まれ、ブリュッセルでオルガン製作家としての活動を開始。パリ、リヨンに拠点を移動し1870年にはフランス国籍を取得、アリスティド・カヴァイエ=コル(1811-1899)のライバルとも称されました。サン・ルイージ・デ・フランチェージ教会のオルガンはローマでは珍しいフランス式で、当録音でもこの楽器にふさわしい楽曲が選ばれています。ボッシはイタリア、ペーテルスはベルギー、ニクーリンはロシアの作曲家。

スロヴェニア放送
ZKP-113192(1CD)
イザイ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集
ソナタ第1 番 ト短調 「ヨゼフ・シゲティに」
ソナタ第2 番 イ短調 「ジャック・ティボーに」
ソナタ第3 番 ニ短調 「ジョルジュ・エネスコに」
ソナタ第4 番 ホ短調 「フリッツ・クライスラーに」
ソナタ第5 番 ト長調 「マチュー・クリックボームに」
ソナタ第6 番 ホ長調 「マヌエル・デ・キローガに」
ジガ・ブランク((Vn)

録音:2009年5 月8-9日,2011年6 月15日,2012年1月31日,2月28日,11月6日,12月4日
ジガ・ブランクはスロヴェニアで活発に活動するヴァイオリニスト。スロヴェニア国立劇場交響楽団のコンサートマスターを務めた後、現在はリュブヤーナ音楽・バレエ学院の教授。緊張感の高い演奏の中に、じわりと素朴な味わいが広がる演奏です

LIR Classics
LIR-027(1CD)
バッハ・リサイタル〜バッハ:鍵盤作品、トランスクリプション集
幻想曲とフーガ.ト短調 BWV.542(リスト編)
6つの小前奏曲
イタリア協奏曲ヘ長調 BWV.971
カンタータ第147番〜コラール「主よ人の望みの喜びよ」 BWV.147(ヘス編)
カンタータ第4番「イエス・キリスト、神の御子」 BWV.4(ルンメル編)
コラール「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」 BWV.639(ブゾーニ編)
カンタータ第22番「汝の善行により我らを浄めたまえ」 BWV.22(ルンメル編)
前奏曲とフーガ.イ短調 BWV.543(リスト編)
ペネロペ・スウェイツ(P)

録音:2013年2月4日−6日
シャンドス(Chandos)で「ピアノ独奏作品集Vol.3〜フォスターに捧ぐ子守歌(CHAN-10205)」や「グレインジャー・エディション第17巻ピアノ独奏作品集2(CHAN-9919)」でなど多くの作品を録音している女流ベテラン・ピアニスト、ペネロペ・スウェイツによるバッハの鍵盤作品集。1991年に国際パーシー・グレインジャー協会のメダリオンに輝くなどグレインジャーのスペシャリストとしても知られるペネロペ・スウェイツ。柔軟かつ繊細なタッチでバッハの作品も見事に表現します。

CONTINUO Classics
FM-1401(1CD)
ドビュッシー:ピアノ曲集
月の光/版画
子供の領分/レントより遅く
コレット・マーズ(P)

録音:2003 年、パリ
1914年生まれの女流ピアニスト、コレット・マーズ。1935年から40年までパリ・エコール・ノルマル音楽院で、アルフレッド・コルトーに師事した マーズは、コルトーの演奏法を実践する最後の愛弟子です。マーズの演奏は珠を転がすような美しいタッチで、コルトーを思わせる独創的かつ感受性とイメー ジに富んだアプローチが特徴で、それぞれの声部に与えるべき色合いや響きを探求し、空気感や雰囲気抜群の演奏を聴かせてくれます。 ★2003年に録音されたこのアルバムの4曲はどれもマーズが子供時代に魅了され好んで演奏してきたもので、これら作品について「官能と感傷をひとつ に混ぜ合わせ、情緒を超越して黙想に向かう」と語っております。 (Ki)

LORELEY PRODUCTION
LY-054(1CD)
ラウテンヴェルクで聴くバッハ
バッハ:・プレリュード.ハ短調 BWV 999
リュート組曲(パルティータ)ハ短調 BWV 997
リュート組曲 ホ短調 BWV 996
プレリュード,フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV 998
半音階的幻想曲とフーガ.ニ短調 BWV 903
ポロネーズ(管弦楽組曲第2番 BWV 1067「ポロネーズ」より)(J.C.バッハ編)
オリヴィエ・ボーモン(ラウテンヴェルク/ Willard Martin(1991, ペンシルヴェニア))
ラウテンヴェルクとは、外見はチェンバロですが、通常の金属の弦ではなく、リュートに用いられるガット弦が張られた楽器のこと。リュートのようなや わらかな音色が特徴です。18世紀中頃のヨーロッパ、とくにドイツでは、このガット弦を張ったチェンバロは比較的多く存在していたようで、バッハもこ の楽器の音色を好んでいたといいます。BWV 996の筆写譜には、「ラウテンヴェルクのために」という記述もあります。「半音階的幻想曲とフーガ」をリュー トのような音色で聴けるのも興味津々。フランスの中堅実力派、ボーモンの独白のような演奏に静かに耳を傾けたくなる1枚です。 (Ki)

DiscAuvers
DAS-011(1CD)
ラフマニノフ:音の絵Op.33
音の絵Op.39
サーニャ・ビジャーク(P)【使用楽器:Yamaha CFX】

録音:2012年7月/カンピュス・ヴェオリア・ホール(ジュイ・ル・ムチエ)
美人ピアノ・デュオとして、フォルジュルネ音楽祭でもおなじみのビジャーク姉妹。妹のサーニャのソロ・アルバムの登場です。セルビア出身で、 パリ音楽院にてジャック・ルヴィエに師事しましたが、生地での最初の師はネイガウス門下のモスクワ派ピアニストで、さらにエリソ・ヴィルサラー ゼ、ドミートリー・アレクセーエフ、オレグ・マイセンベルクのレッスンも受けた正統派ロシア・ピアニズムの系譜上にもあります。 ★ゆえにラフマニノフは得意中の得意。このアルバムには演奏至難なことで名高い練習曲「音の絵」を全17曲収録。サーニャは何と9歳からこれ らの作品に取り組んでいて、15年間の成果として披露することとなりました。ヤマハCFXの深い響きから、リヒテルの演奏さえ想起させるよう な見事な出来となっています。 (Ki)


MSR
MS-1467(1CD)
ベートーヴェン・オデッセイ第3集
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2 番イ長調Op.2-2
ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」Op.31-2
ピアノ・ソナタ第26番「告別」Op.81a
ジェームズ・ブローン(P)

録音:2013年7月22-24日,ポットン・ホール、サフォークUK
“奇を衒わずに伸びやかに歌うことで見えてくる新たなベートーヴェン像!”
あのソウル・ミュージックの帝王ジェームズ・ブラウン(James Brown)とは綴りが一文字違いのジェームズ・ブローン(James Brawn)は、1971年イギリス出身のピアニスト。
「第2番」が鳴り出した途端、思わず息を呑みました!なんと健康的で伸びやかな歌心でしょう!第1楽章は転調の妙を丹念に救い上げながら自然にフレージングを形成する力量に驚かされ、和声にも一切混濁を見せないず、おおらかに音楽を息づかせています。第2楽章のとりとめのないような呟きには、自己のアプローチをひけらかす嫌らしさなど無縁の至純の佇まい。そんなブローンの清潔なピアニズムは終楽章で最高に結晶化されます。
「テンペスト」は、第1楽章冒頭の緩急のコントラストを緊張感を持って導く例が意外と少ない中で、ブローンの精妙な構成力は実に見事。特に主部における推進力が上滑りすることなく、かつ過剰な重圧感を避けながら漲るのには驚きを禁じえません。更に、展開部の気負いの一切ない高揚感!終楽章ではテンポ配分の絶妙さに感服。同じ楽想が漫然と繰り返されるだけの印象しか残らない演奏が少なくない中、この細やかで着実なニュアンスの表出ぶりだけをとっても、只者でないことは明らかです。
「告別」では、打鍵に幾分重みを加え、絶妙なアゴーギクも交えつつ、豊かなニュアンスが紡がれます。殊更に大規模な作品に見せようとするハッタリがないので、後味が実に清々しいのです。
熟練の深みと伝統の重みを携えたバックハウスの名演と、進化を遂げたベートーヴェン像を確立したブローンの演奏を、その日の気分でチョイスできる私達は、なんと幸せなことでしょう!【湧々堂】


フォンテック
FOCD-9644(1SACD)
2014年8月6日発売
夜の肖像〜北村朋幹
クルターグ:花、人間は・・・
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調 Op.27-1《幻想曲風ソナタ》
シューマン:夜曲 Op.23
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番「月光」
バルトーク:戸外にて Sz.81 BB 89
北村朋幹(P)

録音:2013年12月23-26日 相模湖交流センター
“音の行間に潜むニュアンスを捉える北村朋幹の類稀なるセンス!”
かねてから、北村朋幹の音の余韻を感じ取るセンスは尋常ではないと思っていましたが、このアルバムではまさにその資質が徹底注入されています。
演奏時間1分にも満たない最初のクルターグからそれは明らか。たった7つの単音だけで終わってしまいますが、その音の隙間のニュンアンスをビシビシ感じている空気感が胸に迫ります。そして、おもむろに始まるベートーヴェンの「13番」。これがまた素晴らしい!第1楽章の音階の連続のようなフレーズの端々まで慈しみ抜き、中間の速い走句でもまろやかタッチを保持して瑞々しいニュアンスを放ちます。リズム感が際立つ第2楽章は、音の清潔さに心を奪われると主に、そのリズムの背後には詩的なニュアンスが充満!音楽を単に感覚だけで捉えていない証しです。
シューマンでは、内省的なニュアンスが明確な主張と共に聴き手に迫ります。シューマンならではの繊細さに拘泥しすぎて、音楽を萎縮させるような心配も無用。音楽はあくまでの伸びやかに息づくのです。特に終曲は、ペダリングの絶妙さ、真の歌が宿るレガートの美しさなど、多くのピアニストにとっても羨望の的でしょう。
そして、白眉のベートーヴェンの「14番」!まず、あまりにも有名な第1楽章が、初めて聴く作品のような妙なる表情を湛えて流れます。明らかに「月光」という表題のイメージとは違う、独自の感性で捉えた「幻想世界」が現出されており、聴き手の想像力優しく引き出すような、そんな演奏が今まであったでしょうか?終楽章に入ると、今までの最弱を打ち消すように爆発する演奏が多い中で、ここではこれまでの幻想的なニュアンスを常に奥底に携えている点に、驚愕を禁じえません。打鍵の凄みとは異なるこの独特の緊張感。やはり他に類を見ません。
「戸外にて」は、ピアノ・ソナタと共に、バルトークの「後期」の幕開けを示す重要作品。第1曲「笛と太鼓」で、単調な行進曲のリズムに自然の生命力を素直に反映させ、しかも極端に粗野に傾きすぎないこの演奏に触れると、今まで聴いてきた演奏は、あまりにも冷徹というか、プロコフィエフのように響くものが多かったことに気付かされます。そして、北村朋幹の鋭敏な感性が最も燐くのが、第4曲「夜の音楽」。
今後、北村朋幹の音楽は更に熟成を続けるとは思いますが、“今”ならではの瑞々しさ溢れる演奏に触れられることの幸せを感じずにはいられません。【湧々堂】

スロヴァキア音楽財団
SF-0081-2(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」Op.27-2
ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」Op.57
ダニエラ・ヴァリーンスカ(フォルテピアノ)

録音:1991年12月、ドルナー・クルパー城、トルナヴァ、スロヴァキア
使用楽器:推定1800年、プラハ、Jacob Wiemar製
ダニエラ・ヴァリーンスカはブラチスラヴァ音楽院、レーニングラード(現サンクトペテルブク)音楽院、ブラチスラヴァ音楽演劇アカデミーで学んだスロヴァキアのピアニスト。バロック(彼女はチェンバロも演奏)から現代スロヴァキア作曲家の新作に至る幅広いレパートリーを持ち、社会主義チェコスロヴァキア時代から西欧や北米に進出、1991年からは母校ブラチスラヴァ音楽演劇アカデミー教授を務めています。ヴァリーンスカは2004年から2008年にかけてモダーン楽器を弾いてベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を録音しています(Diskantレーベル、DK 0118-2)が、当録音はそのプロジェクトの13年前にオリジナルのピリオド楽器を用いて行われたものです。

MUGUEL AMARAL
AMARAL-1(1CD)
ミゲル・アマラル/斜めに降る雨
ミゲル・アマラル(1982-):
海辺 [A Praia] (ソフィア・デ・メロ・ブレイネル・アンドレセンの詩による)
練習曲「プロコフィエフ的暗示」(セルゲイ・プロコフィエフの記念に)Op.2-1
 [Estudo "Sugestao Prokofiolica (a memoria de Sergey Prokofiev)]
フェルナンド・ペソアの詩による2つの絵
  [Dois Quadros Sobre Poemas de Fernando Pessoa]
 斜めに降る雨(リカルド・ロシャに) [Chuva Obliqua (ao Ricardo Rocha)]
 満月(武満徹の記念に) [Plenilunio (a memoria de Toru Takemitsu)]
マリオ・ラジニャ(1960-):ソナタ
イゴル・C・シルヴァ(1989-):モノローグV「半ダースの冗談」 [Monologo V "Meia Duzia de Brincadeiras"]
ダニエル・モレイラ(1983-):迷宮 [Labirinto]
ミゲル・アマラル:永遠の帰還 [O Eterno REgresso]
ディミトリス・アンドリコプーロス(1971-):弔いの鐘の音(ガルシア・ロルカの詩による、
ポルトガルギターとエレクトロニクスの為の)
  [Clamor (sobre o poema de Garcia Lorca)]
ミゲル・アマラル(ポルトガルギター)
ポルトガルギター奏者ミゲル・アマラルの自主制作によるデビューCD。ミゲル・アマラルは1982年ポルトに生まれ、サムエル・カブラルとジョゼ・フォンテス・ロシャにポルトガルギターを師事、2005年にファドの伴奏者としてデビュー。しかしソリストとして活動することを決意しペドロ・カルデイラ・カブラルとリカルド・ロシャにポルトガルギターを、さらに和声と対位法をダニエル・モレイラに、作曲をディミトリス・アンドリコプーロスに師事。2009年ポルトでのソロ・リサイタルを大成功させ、以後ポルトガル国内各地で活躍しています。

PICCOLO
PC-201402(1CD)
プロノモス/21世紀のフルート
日本尺八古典本曲:手向
ドビュッシー(フリアン・エルビラ編):シリンクス V.P. [Syrinx V.P.]
フリアン・エルビラ(1973-):建築家の家 [La casa del arquitecto]
 ターラ [Tala]/ラーガ [Raga]
マラン・マレ(1656-1728)
 フリアン・エルビラ編):スペインのフォリアによる変奏曲
ヘスス・ナバロ(1980-):白鳥の預言 [Swan's Prophecy]
日本古謡(フリアン・エルビラ編):さくらさくら
フリアン・エルビラ(プロノモス・フルート)

録音:データ記載なし
使用楽器:スティーヴン・ウェッセル製
スペインのフルート奏者フリアン・エルビラ(1973年生まれ)が自ら10年以上をかけて開発した高機能フルート「プロノモス・フルート(Promonos Flute)」を演奏。詳しくはプロノモス・フルートのウェブサイト(スペイン語、一部英語)にて。

HUGO VASCO REIS
REIS-1(1CD)
ウゴ・ヴァスコ・レイス/ポエマ・アナクロニコ(時代遅れの詩)
アントニオ・ヴィクトリノ・ダルメイダ(1940-):トッカータ、幻想曲とソナティナ(ポルトガルギターとピアノの為の)Op.133*
ウゴ・ヴァスコ・レイス(1981-):ポルトガルギター独奏の為の組曲 Op.4
カルロス・セイシャス(1704-1742):ソナタ.ハ短調 K.14+
 ソナタ.ロ短調 K.80+/ソナタ.ホ短調 K.37+
ウゴ・ヴァスコ・レイス(ポルトガルギター)
カンディド・フェルナンデス(P)*
フィリパ・メネゼス(ヴィオラ・ダ・ガンバ+)

録音:2013年、リスボン音楽院小コンサートホール、リスボン、ポルトガル
ポルトガルギター奏者ウゴ・ヴァスコ・レイスの自主制作によるデビューCD。ウゴ・ヴァスコ・レイスは1981年リスボンに生まれ、ポルトで土木工学を修めた後ポルト・ジャズ学校でジャズ・ギターと音楽理論を学ぶと同時にポルト音楽院でカルロス・ジェズスとヌノ・ディアスにポルトガルギダーを師事、さらにペドロ・カルデイラ・カブラルとサムエル・カブラルのプライヴェート・クラスで学びました。また、和声と対位法をジョアン・エイトル・リガウドに学び、アントニオ・ピニョ・ヴァルガスの作曲セミナーにも参加。2014年現在ポルトガル国内各地で演奏活動を行いながらリスボン音楽院で作曲を学んでいます。
彼を高く評価しているアントニオ・ヴィクトリノ・ダルメイダのオリジナル作品、自身のソロ作品、そして師ペドロ・カルデイラ・カブラル譲りのポルトガルギター版セイシャスで構成されたプログラム。収録時間こそ41分弱と短いながらその内容の充実ぶりに驚かされます。

HEVHETIA
HV-0054-2(1CD)
ツィンバロムの為の現代音楽
ヴラジミール・ボケス(1946-):エニケーのチャールダーシュ [Csardas Enik?nek] (2004)
イシュトヴァーン・ラーング(1933-):コンチェル・ドゥオタンテ [Concer duotante](2010)*
テオ・ブラントミュラー(1948-2012):5つの夜の絵 [Bilder der Nacht] (2004/2005)
ハンス・ヨアヒム・ヘスポス(1938-):サントゥール [Santur] (1972)
ルイージ・マンフリン(1961-):あふれるクリスタル II [Overflowing Crystals II] (2009)*
ユライ・ハトリーク(1941-):エニケーのために [Fur Enik?] (2009-2011)
瞳の涙/難しい決断/穏やかな光
ヘッセへのオマージュ
エニケー・ギンゼリ(ツィンバロム)
アンドラーシュ・フェイェール(トロンボーン*)
ハンガリーを中心とする地域の民族楽器ツィンバロムのために書かれた作品集。ボケスとハトリークはスロヴァキア、ラーングはハンガリー、ブラントミュラーとヘスポスじゃドイツ、マンフリンはイタリアの作曲家。エニケー・ギンゼリはスロヴァキアの首都ブラチスラヴァで生まれ(たぶんハンガリー系)、ブラチスラヴァ音楽院、フランツ・リスト音楽院(ブダペスト、ハンガリー)で学んだ後、ザール音楽大学(ザールブリュッケン、ドイツ)を2005年に卒業したツィンバロム奏者(女性)。中世から現代に至る幅広いレパートリーを持つヴィルトゥオーゾであり、特にソロおよび他の楽器とのアンサンブルに精力的に取り組む彼女は多くの作曲家を触発し、数々の新作を捧げられています。

CONTINUO RECORDS
CONTINUO-CR-108
(DVD-PAL)
ペダルピアノ・リサイタル
シューマン:ペダルピアノの為の4つのスケッチ Op.58
 カノン形式によるペダルピアノの為の6つの練習曲 Op.56
アレクサンドル・ピエール・フランソワ・ボエリ(1785-1858):ペダルピアノの為の幻想曲とフーガ Op.18-6
グノー(ジュゼッペ・ルピス編):操り人形の葬送行進曲
アルカン:ペダルピアノの為のベネディクトゥス Op.54*
 オルガンまたはペダルピアノの為の12のペダル練習曲から 第1番*
 ペダルピアノの為の11の大練習曲 Op.88 から 第3&4番*
ロベルト・プロッセダ(ペダルピアノ)

収録:2012年6月、テアトロ・オリンピコ、ヴィチェンツァ、イタリア
使用楽器:Pinchi Pedal Piano System with FAZIOLI F278 & F228 grand pianos
監督:ピエトロ・タリアフェッリ
ペダルピアノとはパイプオルガンの足鍵盤と同じ配列の足鍵盤を持つピアノで、通常のピアノの下に足鍵盤で鳴らされるもう一台のピアノが置かれたような形をしています。パイプオルガンの練習用として作られたペダルチェンバロ(ペダルハープシコード)から発展したもので、バッハ(ペダルクラヴィコード)、モーツァルト(ペダルフォルテピアノ)もこのタイプの楽器を所有したことがあります。19世紀に入ってからもメンデルスゾーン、シューマン、リスト、アルカン、フランクらが興味を示しいくつかの作品を書きましたが、珍しい楽器の域を出ないまま終わってしまいました。しかし、2000年にイタリアの新興ピアノ・メーカー、ボルガートが現代に復活させたペダルピアノ「ドッピオ・ボルガート」(英語でダブル・ボルガート)の生産を開始したことで注目が高まり、ペダルピアノの為の新作や新編曲版も発表されるようになりました。
当録音に使用されたペダルピアノはイタリアのオルガン製作家クラウディオ・ピンキにより構成されたもので、ファツィオリのコンサート・グランドピアノF278と、61の「足鍵盤」に連結した一回り小さいファツィオリのグランドピアノF228が上下に組み合わされています。
ロベルト・プロッセダは1975年ローマ近郊のラティーナに生まれたイタリアのピアニスト。メンデルスゾーンの未出版作品の紹介やイタリア人作曲家の知られざるピアノ作品の発掘といった活動で「ピアノおたく」たちを喜ばせてきましたが、2011年からはついにペダルピアノの演奏も開始、史上初となるこのペダルピアノ・リサイタルDVDに登場することとなりました。*はペダルピアノによる世界初録音です。
※日本の一般的なDVDプレーヤーでは再生できないPAL方式です。PAL方式DVDの再生にはPAL対応プレーヤーが必要です。


Treasures
TRE-001(1CDR)
マルクジンスキ〜ショパン・リサイタル
ワルツ第1番Op.18「華麗なる大円舞曲」*
夜想曲第13番Op.48-1*/夜想曲第5番Op.15-2*
スケルツォ第3番Op.39*/バラード第2番Op.38
夜想曲第15番Op.55-1/夜想曲第7番Op.70-1
ワルツ第11番Op.64-1/ワルツ第6番Op.54-1「小犬」
マズルカ第21番Op.30-4/マズルカ第45番Op.67-4
マズルカ第25番Op.33-4/即興曲第1番Op.29
スケルツォ第2番Op.31
ヴィトルド・マルクジンスキ(P)

録音:1958年3月&5月*、1955年6月-7月
※音源:英COLOMBIA 33CX-1369*、33CX-1338(全てモノラル)
◎収録時間:67:29
“ステレオ再録音では感じられない漆黒の色彩!”
■製作メモ
2枚の「ショパン・リサイタル」から、「ピアノ・ソナタ第2番」以外の全てを収録。2枚ともオリジナルのモノラル録音で、ステレオは存在しません。スケルツォ第2&3番と夜想曲第5番&13番は、8枚組CDボックスにも収録されていますが、マルクジンスキ特有の打鍵の色彩も深みも減退しています。

★ポーランドには名教師と言われる権威あるピアニストが多く存在しますが、マルクジンスキほど、教条的なアカデミズムを感じさせず、ショパンの音楽の有り様を芸術的な香りとともに示してくれるピアニストはいないのではないでしょうか?
1曲目の「ワルツ第1番」は可憐なニュアンスを引き出そうとしますが、マルクジンスキの構築力は厳格そのもの。しかしそこから音楽自体に宿っている華やぎが丹念に紡ぎ出されます。「夜想曲第15番」の低音域は、まさに漆黒の艷!「バラード第2番」は1963年にステレオでセッション録音を行っていますが、冒頭アンダンティーノから突然プレストに転じる衝撃と迫力の差は歴然。「マズルカ」も、後年の再録音より表情がアグレッシブ。
最大のお薦めは、「夜想曲第7番」。腕が立つだけではどうにもならない大曲で見せるマルクジンスキの自然な構成力と感情の制御力にはあまりにも素晴らしく、中間部の高揚が力尽きた後の左手オクターブのレチタティーボから、冒頭主題に戻る間合いに良さは、マルクジンスキの真骨頂と言えましょう。【湧々堂】

CLA XL
HCD-0808(1CD)
メーカー在庫限り
ウィルヘルム・ケンプ・イン・ポツダム
バッハ:フランス組曲第5番BWV.816
シューベルト:4つの即興曲Op.90 D.899
ブラームス:カプリッチョOp.76-2
 ラプソディOp.79-2
ヴィルヘルム・ケンプ(P)

録音:1963 年10 月7 日ニコライザール、ポツダム、モノラル
ライセンス:DRAドイツ放送アルヒーフ(ライヴ)
009年のレコード芸術でドイツの音楽評論家ペーター・コッセ氏のリポートで絶賛されていたものの、日本では流通しなかった幻の CD です。その中でコッセ氏は「1963 年に行われたライヴの大部分を収録した録音は、最高の質を保っています。1920 年から豊かに増え続けたケンプのディスコグラフィーのみならず、あらゆる時代のピアノ演奏を比べて、もっとも心を動かされる録音です」と述べています。 ※こちらの商品はメーカー在庫僅少のため、万一供給が足りなかった場合はご了承ください。

GPR Records
GPR-10014(1CD)
ショパン:ピアノ作品集
ワルツ第6番変ニ長調「子犬のワルツ」Op.64-1
ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
舟歌嬰ヘ長調Op.60
夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2
マズルカ第13番イ短調Op.17-4
バラード第1番ト短調Op.23
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズOp.22
マズルカ第62番変イ長調Op.posth
幻想即興曲嬰ハ短調Op.66
夜想曲第20番嬰ハ短調Op.posth
スケルツォ第3番嬰ハ短調Op.39
ジェフリー・ビーゲル(P)

録音:パトリッチ・サウンド・スタジオ
NAXOSレーベルやSteinwayand Sonsレーベルへのいくつかの名録音で知られるジェフリー・ビーゲルによる渾身のショパン・アルバムです。彼は国際的に知られたピアニストであると同時に素晴らしいアレンジャーでもあり、例えばヴィヴァルディの「四季」のピアノ編曲ヴァージョンは、NAXOSスタンダード盤の中でもトップクラスの売り上げを誇っています。彼のこれまでの録音は、どちらかというと珍しい曲目が中心で(もちろんバッハもあるのですが)、このショパンは彼にしては珍しいほど正統派のレパートリーといえそうです。しかしながら「子犬のワルツ」での煌くような音の粒の美しさ。これこそ彼の本領ではないでしょうか。光が揺らめくような舟歌や夜想曲にも心奪われます。最後のスケルツォでも決して乱暴になることはなく、品の良い音の乱舞が楽しめます。

Sono Luminus
DSL-92175
(CD+Blu-rayAudio)
ドビュッシー:ピアノ作品集
美しき夕暮れ(ピアノ編)
喜びの島
子供の領分-小さな羊飼い
スティリー風タランテッラ
エレジー
12の練習曲-第5番オクターブのために
ロマンティックなワルツ
レントよりもおそく
前奏曲集第2集
マイケル・レヴィン(P)

<BD> 7.1 24-bit/96kHz-MA,5.1 24-bit/192kHz-MA,2.0 24-bit/192kHz LPCM
現在、アメリカでカリスマ的人気を誇るピアニスト、マイケル・レヴィン。1984年にリンカーン・センターで行われたデビュー・コンサートにおいて、ニューヨーク・タイムズ誌が「はかり知れない才能と技術は、彼に際立った成功をもたらす」と絶賛したことでも知られています。彼は40曲以上のピアノ協奏曲のレパートリーを持ち、世界中のオーケストラと共演、着々と大家への道を歩んでいるのです。そんな彼の新作は「美しき夕暮れ」と題されたドビュッシー(1862-1918)の前奏曲第2巻をメインとした作品集です。メインとなる前奏曲第2集の完成度の高さはもちろんのこと、彼自身がセレクトしたという小品の表現力が半端なく素晴らしいのです。例えば、ついつい聞き流しがちな「レントよりもおそく」。ここでの不思議な旋律の、行間に張り巡らされた緻密な和声についてここまで丁寧に解きほぐした演奏があるでしょうか?もちろんこのレーベルが自慢する素晴らしい録音技術も手伝って、ピアノが放つ無限の響きの色がきちんと捉えられているからこその、この浮遊感ある美しさが実現したに違いありません。ドビュッシーの磨きこまれた音が聞きたい人にオススメしたい1枚です。
Sono Luminus
DSL-92178
(CD+Blu-rayAudio)
ZOFORBIT-スペース・オデッセイ
ウルマス・シサスク(1960-):4手ピアノのためのソナタ「ミルキー・ウェイ」Op.24
ホルスト:組曲「惑星」(4手ピアノ編)
ジョージ・クラム(1929-):マクロコスモスIV「天界の力学」より<アルファ・ケンタウリ/ベータ・シグニ>
デイヴィッド・ラング(1957-):グラヴィティ
ZOFO(ピアノ・デュエット)

<BD> 7.1 24-bit/96kHz-MA,5.1 24-bit/192kHz-MA,2.0 24-bit/192kHz LPCM
グラミー賞にもノミネートされたZOFOアンサンブル。卓越した技術を持つピアノ・デュオである彼らによる新しいアルバムは、「スペース・オデッセイ」と名付けられた心躍るもの。メインはホルストの「惑星」(ピアノ連弾版)ですが、それを彩る小惑星や恒星たちの姿も聞き逃せません。シサスクの「ミルキー・ウェイ(天の川)」は、キラキラと煌く最初のメロディが少しずつ増幅し、低音の不気味な響きがここにアクセントを付けていくという印象深い始まり方。基本的なメロディは変わらないのですが、曲が進むに従い、柔軟に変化するリズムが心地よくなっていきます。まるでマイナスイオンがでているかのような音の流れは快感としかいいようがありません。ジョージ・クラムの「天界の力学」では、既にピアノの音は超越してしまったかのよう。この不思議な響きは刺激的過ぎるものです。熱狂的なファンを持つデイヴィッド・ラングの作品は瞑想的であり、宇宙をさまよっているかのような不安感と、大いなるものに包まれているような安心感のどちらも感じさせる音楽です。


MA Recordings
M-089A(1CD)
税込定価
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 Vol.2
無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010 (4弦使用)
無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011 (4弦使用)
無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012 (5弦使用)
マーティン・ツェラー(バロックVc)
使用楽器:4弦/1780年頃作;イタリアのジェノヴァ、5弦/18世紀、ドイツ、ミッテンヴァルト

録音:2010年、2011年、ベルギー、フランク・ワレ、サン=レミ教会(5.6 MHz/DSD ワンポイント録音)
録音機:KORG MR2000s
ケーブル:アメリカ・STEREOLAB社特注品
マイクロフォン:M・Aレコーディングズ&米谷淳一氏共同開発したDC電源、ラインレベルマイクロフォーン2本(第4&6番)、DPA4006無指向性マイク2本(第5番)
スイス出身のチェリスト、マルティン・ツェラーによる名器シュタイナーで演奏されたJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2弾が遂に発売となります。 2007年に発売された第1弾(M073A)でも好評だったM・Aレコーディングズの天才エンジニア、タッド・ガーフィンクルのワンポイント録音で、これ 以上ない美音を聴かせてくれています。 第1弾と同じベルギーのフランク・ワレのサン=レミ教会で5.6 MHz/DSDワンポイントで収録。タッド・ガーフィンクル氏は基本的にはシンプルな録 音機器で録音しており、ワンペアのマイクロフォンで録られた彼の音は、非常に豊かな響きを持っており、音楽家が生み出した音楽を、音はもちろんその 場の空気までを鮮明に捉えているのです。
演奏するマルティン・ツェラーはチューリッヒとロンドンの音楽院でチェロを学んだ後、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の巨匠アウグスト・ヴェンツィンガー がスイスに開いた「バーゼル・スコラ・カントルム」にてクリストフ・コワンにバロック・チェロをパオロ・パンドルフォにヴィオラ・ダ・ガンバを師事。 現在はチューリッヒ音楽大学教授、ヒンデミット財団所属の音楽センターでバロック・チェロを教えています。第1弾では、ドイツ・チロルの名器、ヤコブ・ シュタイナー(1673年製)も用いていましたが、今回のアルバムは、4弦と5弦の2つのチェロを弾き分けています。 (Ki)

K617
K617-244(1CD)
モーツァルト:4手のための作品集
ソナタ.ハ長調 KV 521
ロンド.イ短調 KV 511
ソナタ.ヘ長調 KV 497
アンダンテと変奏 ト長調 KV 501
アリーン・ジルベライヒ&マルタン・ジェステル(フォルテピアノ)
名手ジルベライヒとマルタン・ジェステルによるモーツァルトの4手のピアノのための作品集。のだめカンタービレでも広く親しまれることとなったハ長 調KV521のソナタも、フォルテピアノの響きで聴くとまた新しい魅力を感じ取ることができます。余裕のある息遣いのアンサンブルで、ゆったりとたのし める1枚となっています。
ジルベライヒは、パリ国立高等音楽院をアナリーゼ、音楽史、そしてクラヴサンのクラスを首席で卒業後、トン・コープマンに薫陶を受けました。ミン コフスキ率いるレ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴル―グルノーブルなどとも共演を重ねているベテランです。 (Ki)


Cameo Classics

CC-9023CD(1CDR)
【未案内旧譜】
ロシアのピアノ曲集
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3章
アレンスキー:3つの小品Op.42
スクリャービン:2つの詩曲Op.69
ラフマニノフ:前奏曲集Op.23
パナギオティス・トゥロコポウロス(P)

デジタル録音(録音年の記載なし)
デイヴィッド・ケント・ワトソンのプロデュース録音。トゥロコポウロスは、1982年ギリシャ出身。モスクワ音楽院でニコライ・ペトロフの下で研鑽を積みました。いずれ作品においても、師のペトロフを思わせる重厚な打鍵と、弾丸のような切れ味で聴者を魅了します。アレンスキーの可憐な小品でも、慎ましく収まることなく、濃厚なロマンを積極的に放ち、原色タッチの魅力も隅々まで浸透。特に2曲目の“ロマンス”は聴きもの。ラフマニノフのOp.23-2では、凶暴なまでの打鍵の威力で圧倒。Op.23-3は、リズムの粘着性といい、深い情念といい、まさにロシアンピアニズムを象徴する響き。最近のロシアのピアニストは小ぶりになったとお嘆きの方は、是非ご一聴を。【湧々堂】
※Cameo ClassicsはレーベルオフィシャルのCD-R盤となります。


日本伝統文化振興財団
SACG-30015
(4SACD)
園庭4枚組豪華BOX
村治佳織コレクション U
■Disc 1(SACG 30015)
「カヴァティーナ」
ヨーク:サンバースト
バリオス:森に夢みる
サグレーラス:はちすずめ
ラウロ〜A.ディアス編:ベネズエラ風ワルツ第3番
プホール:あるタンゴ弾きへの哀歌
マイヤーズ〜J.ウィリアムス編:カヴァティーナ〜映画「ディア・ハンター」
ラウロ〜A.ディアス編:ベネズエラ風ワルツ第2番
ブローウェル:黒いデカメロン
ヨーク:ララバイ
ロジャース〜B.スターク、佐藤弘和編:マイ・フェイヴァリット・シングズ〜映画「サウンド・オブ・ミュージック」
テルソン〜B.スターク、佐藤弘和編:コーリング・ユー〜映画「バグダッド・カフェ」
■Disc 2(SACG 30016)
「アランフェス協奏曲」
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲第1番 ニ長調 Op.99
ディアンス:タンゴ・アン・スカイ(ギターと弦楽合奏版)
■Disc 3(SACG 30017)
「レスプランドール」
ロドリーゴ:(1)ある貴紳のための幻想曲/(2)3つのスペイン風小品〜ファンダンゴ/(3)『スペインの野辺を通って』〜高原を下りながら/(4)ギター讃歌/(5)3つの小品(羊飼い達は行ってしまう/サンティアゴへの道/小さなセビリャーナス)
■Disc 4(SACG 30018)
「スペイン」
ファリャ:粉屋の踊り
E.サインス・デ・ラ・マーサ:暁の鐘
ロドリーゴ:古風なティエント
ロドリーゴ:3つの小品〜III.小さなセビリャーナス
ロドリーゴ:ギター讃歌〜III.アレグロ
アグアド:序奏とロンド Op.2-2
ロドリーゴ:3つのスペイン風小品
ロドリーゴ:ヘネラリーフェのほとり
ロドリーゴ:春の小鳥
トゥリーナ:ファンダンギーリョ
ファリャ:ドビュッシー讃歌
村治佳織(G)

■Disc 1(SACG 30015)
セッション録音:1998年6月、9月、パリ、草津国際コンサート・ホール

■Disc 2(SACG 30016)
新日本フィルハーモニーSO
山下一史(指)
セッション録音:1999年12月28-30日、すみだトリフォニーホール

■Disc 3(SACG 30017)
ロドリーゴCO(1)

録音:(1)2001年6月21&23日、スペイン、ガンディア&クサヴィア(ライヴ)/(2)-(5)2002年2月23-25日、
マドリード、プレクトラム・スタジオ(セッション)
非凡なる才能と抒情性豊かなギタリスト村治佳織のビクター時代全録音集の第2弾4枚組が早くも登場!今回は当時、村治自身初となる協奏曲録音な ど演奏・内容ともより充実した時期の録音です。 ★日本伝統振興財団は前身がビクター伝統振興財団であったゆえの大企画です。今後ビクターエンターテインメントでの村治佳織のSACD での発売予定 はないため、ビクター録音については当盤が唯一のSACD 盤となります。 ★今回のSACD シングルレイヤー化に際し、彼女の才能をいち早く見出したビクターの野島友雄プロデューサーもマスタリングに参加し、「今まで実現で きなかったことが、このSACD ではじめて達成することが出来た」と快心の出来に満足。ギターの紡ぎだす音がより柔らかく、ふくよかな響きを楽しむこ とができます。 ★「今回のマスターテープの音に限りなく近づいたSACDシングルレイヤーの音を聴いて、真っ先に思ったことは、演奏者村治佳織さんにまず、一番にこ の素晴らしい音を聴いて欲しいということでした。」(プロデューサー 野島友雄)
※初回イニシャル分の特典としまして、カードカレンダーをお付けする予定です。
※これらのディスクはSACD 対応プレーヤー専用ディスクです。通常のCD プレーヤーでは再生することができません。

スロヴェニア放送
ZKP-113413(1CD)
ギター・デュオ作品集
ローズ(1602-45):二つのギターのための組曲
ソル(1778-1839):二人の友
イェルコ・ノヴァク(b.1957):アプロディテ
イベール:寓話集
ボグダノビッチ(b.1955):3 つの雲
ガンジ(1923-2010):イタリア組曲
グラナドス:スペイン舞曲 Op.37-2
イェルコ・ノヴァク(G)
ジャルコ・イグニャトヴィチ(G)

録音:2013 年12 月,リュブリャナ
ギター・デュオの曲集。ウィリアムズ・ローズの二つのギターのための組曲や、マリオ・ガンジ(Gangi, ガンギに非ず)のイタリア組曲といった定番曲から、今人気のデュージャン・ボグダノビッチの 2004 年の作「3 つの雲」まで、興味深い選曲である。イェルコ・ノヴァクはスロヴェニアを代表するクラシック・ギタリスト。ジャルコ・イグニャトヴィチはクロアチアのプーラの出身。1984 年以降リュブリャナに在住している。二人は共にグラーツ音楽アカデミーで学んでおり、息の合ったデュオを聞かせてくれる。 ※なお CD の収納が特別なのでご注意を。ポスターのような大判の解説紙に直接 CD 留めがついており、それを折り畳んでスリップケースに入れる仕様。解説紙を広げる時にCD が落ちる危険があるので、取り扱いにご注意ください。
スロヴェニア放送
ZKP-113383(1CD)
ヤンコ・シェティンクによるフランス作品集
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
 水の反映
ラヴェル:ソナチネ
フォーレ:ピアノ四重奏曲第1 番 ハ短調 Op.15*
ヤンコ・シェティンク(P)
スロヴェニア・ピアノ四重奏団*
【ヤンコ・シェティンク(P)、
ゴリャン・コシュタ(Vn)、
チルト・シシュコヴィッチ(Va)、
ミロシュ・ムレイニク(Vc)】

録音:1983 年9 月26 日、1979 年4 月17 日、1980 年3-4 月
シェティンクのピアノを中心とした CD。ヤンコ・シェティンクは 1932 年、マーリボルの生まれ。スロヴェニアを代表するピアニストとして長年活躍しています。


Dynamic
CDS-7697B(1CD)
ドビュッシー:ピアノ作品集
ベルガマスク組曲/映像第1集
子どもの領分/2つのアラベスク
セルジオ・チオメイ(P)

録音:2001年ジェノヴァ
セルジオ・チオメイは、1965年イタリア生まれ。フランコ・トラブッコにピアノを学び、アンドラーシュ・シフにも師事したことがある逸材。1991年にはザルツブルク・モーツァルテウム主催のコンクールで第2位を獲得したことで国際的名声を得ました。ピアノと並行して、チェンバロをクリストフ・ルセ、フォルテピアノをアンドレアス・シュタイアーに学ぶなど、バロック音楽にも造詣の深い人です。
最初の「ベルガマスク組曲」だけでも、チオメイのセンスの才能の高さは明らか。これほど閃きに満ち溢れたドビュッシーに触れるのは何年ぶりでしょう。“前奏曲”では、単に繊細さな雰囲気を醸し出すだけではなく、ペダリングにも緻密に工夫を凝らしながら、生き生きとニュアンスを浮上させるスタイルに、作為性など微塵もなし。“”メヌエット”の最後の2音に込められた息を呑むニュアンス、“月の光”の感覚美により寄りかからない息遣いの深さも、チオメイの音楽性の深さが遺憾なく発揮されていますが、“パスピエ”の素晴らしさは別格!この曲は個人的にはあのフランソワの存在をいかに消せるかが勝負だと思っているのですが、チオメイ、フランス風の淡い色彩に縛られず、やや原色よりの色彩で一貫。ハイセンスなリズムの弾力性をベースにして繊細に、しかも感じたままのニュアンスを見事に統合し、過去の演奏の比較など持ち出すまでもない独自の世界観を築いています。テンポが速過ぎるとニュアンスが死んでしまい、遅すぎると途端に野暮ったくなる(特に中間部)曲でもありますが、その辺のさじ加減も完璧!
「映像」も頬をそっと撫でるような柔らかさより、明確なタッチを旨としながら、まさにイタリアの太陽のように光に満ちた色彩と独特のぬくもりを表出している点に注目。【湧々堂】

WILLIAM RECORDING
新規扱い
WR-001(1CD)
ソロ・ギター・リサイタル
カルロ・ドメニコーニ(1947-):ジミ・ヘンドリックスへのオマージュ
ヤナ・オブロフスカー(1930-1987):前奏曲集〜モデラート/アダージョ/アレグロ・モデラート/フーガ・アンダンテ/アレグロ・ヴィヴァーチェ
ヤナーチェク:「草陰の小径で」〜ふくろうは飛び去らなかった
ヤナ・オブロフスカー:ゴシックのコラールへのオマージュ
ヤナーチェク:「草陰の小径で」〜散りゆく木の葉
ヤナ・オブロフスカー:前奏曲集〜レント
パヴェル・ステイドル(1961-):…そして君もイタカに行く…
ヤナーチェク:「草陰の小径で」〜おやすみ
パヴェル・ステイドル(G)
パヴェル・ステイドルは1961年チェコのラコヴニクに生まれ、ミラン・ゼレンカ、シュチェパーン・ラクらに師事したギター奏者。1982年ラジオ・フランス国際コンクール優勝。1987年オランダを本拠に活動しています。

JCW RECORDINGS
JCW-1(1CD)
ジョン・ウィリアムズ:ギター作品集
ハロー・フランシス/歌のための前奏曲
オープン・エンド/無言歌
スロー・チェンジ/欄外の注釈
鳥から/る犬/一日の終わり
はじめの光/大潮
ターロック・キャロラン(1670-1738):コンチェルト(J.ウィリアムス編)
キャロラン:小さくて偉大な山脈(J.ウィリアム編)
伝承曲:パンチボールの底に-ツバメの尾-タリバーディン候(J.ウィリアムス編)/
.伝承曲:ジャクソンの朝の茂み(J.ウィリアムス編)
キャロラン:微笑みの力(J.ウィリアムス編)
ジョン・ウィリアムズ(G)

録音:2008年9月17-21日ロンドンエア・スタジオ
JCW RECORDINGS
世界的なギタリスト、ジョン・ウィリアムズが主宰するレーベル。彼はオーストラリア、メルボルンに生まれ、その後父の出身地イギリスに移住し、ロンドンの王立音楽学校や、アンドレアス・セゴビアにギターを学びました。デビュー後は現代最高のギタリストとして世界中で活躍。その活動はクラシックのみにとどまらず、ポップスやジャズなどの分野でも幅広く活動しています。2013年には演奏活動を引退することを表明し、多くのファンを悲しませましたが、彼の音楽は永遠に不滅です。

ジョン・ウィリアムズ(1941-)を包括的に知るための1枚がこれ。彼の代表作である「ハロー・フランシス」を始めとした自作自演、そしてアイルランド民謡の編曲など、まさにジョン・ウィリアムズならではの世界が見えてきます。
JCW RECORDINGS
JCW-2(1CD)
STEPPING STONES-跳ねる石
横尾幸弘(1925-):さくら
ジョン・ウィリアムズ(1941-):跳ねる石
ジョン・ウィリアムズ:奇数
スティーブン・ゴス(1964-):メリールボーン
ピーター・スカルソープ(1929-):ジリル(S.ウィングフィールドによるギター編)
グレアム・クーネ(1956-):A Closed World of Fine Feelings and Grand Design
フィリップ・ホートン(1954-):キンカチョウ,
アイ・ラヴ・ユー
スティーヴン・ダッジソン(1924-):生のさなかにも
フレデリック・ハンド(1947-):祈り*
ジョン・ウィリアムズ(G)
ティモシー・ケイン((G)*

録音:2013年3月9日,4月2-4日ロンドンエア・スタジオ
クロスオーヴァー的な雰囲気を持つ1枚。ギターの持つ可能性をとことんまでに追求したというゴスやスカルソープの作品を始め、横尾幸弘の「さくら」での絢爛豪華な佇まいまで、現代のギター作品と一言で括ったとしても、これほどまでに多彩な表情を見せるのかと驚くばかりの楽しさです。


Capriccio
C-5028D(2CD)
シューベルト:即興曲と楽興の時他
即興曲D899/楽興の時D780
ピアノソナタ第18番D894ト長調
ツィモン・バルト(P)

録音:2007年11月29-30日、2008年9月19日
最近、その独特な演奏と解釈で俄然注目を浴びているピアニスト、ツィモン・バルト。彼の演奏の一つの特徴として、極端な弱音とデリケートな感情表現が挙げられますが、このシューベルトでもそれが炸裂しています。冒頭の「即興曲ハ短調Op.90-1」から、これまで聴いたことのないような不思議な音楽となっています。有名な「楽興の時第3番」や「ソナタト長調」でも新しい発見があるはずです。これはもしかしたら、かのアファナシエフを超える名演と呼ばれるようになるかもしれません。
Capriccio
C-5196D(1CD)
フェルナンド・ロペス=グラサ:作品集
9つの小さな舞曲(1938-1948)
ポルトガルの有名な主題による変奏曲(1927)
ピアノソナタ第2番Op.26(1939)
年と時間に沿って
アルトゥール・ピツァッロ(P)

録音:2012年6月11-15日ベルリンジーメンスヴィラ
ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(1890-1955)、ジョリ・ブラガ・サントス(1924-1988)、そしてこのフェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994)。この3人が近代ポルトガル音楽の巨匠と呼ばれる人たちです。ただ3人の作風には違いがあり、ドイツとフランスで学んだブランコはドイツ後期ロマン派の?影響が感じられる作品を書き、サントスの作品は民族音楽からの影響を半音階的進行に閉じ込めたもの。そしてこのロペス=グラサは、パリでシャルル・ケクランに学び、ポルトガルのポピュラー音楽とバルトークやヒナステラなどの他の国の現代作品との融合を図った音楽を書いたのです。彼はポルトガル共産党に入党したことで、強い迫害を受けたことでも知られますが、それにもめげず強靭な音楽を残しています。このピアノ曲集は、彼の作風を端的に知ることができるでしょう。
Capriccio
C-5198D(2CD)
ブゾーニ:バッハによる編曲集
前奏曲とフーガ.ニ長調BWV532
トッカータとフーガBWV565
オルガン前奏曲より第1集<来たれ、創り主にして聖霊なる神よBWV667/目覚めよと呼ぶ声ありBWV645
.いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV659/今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たちよBWV734/主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶBWV639>
オルガン前奏曲より第2集<主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえBWV617/アダムの罪により全ては失われぬBWV637/アダムの罪により全ては失われぬBWV705/汝のうちに喜びありBWV615/われらが救い主イエス・キリストBWV665>
トッカータBWV564
コラール前奏曲
カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992
ファンタジア,アダージョとフーガ<ファンタジアBWV906/アダージョBWV968/フーガBWV906a>
音楽の捧げものよりカノン変奏曲とフーガ
「ノミのジャンプ」2声と通奏低音のためのカノン…初録音:
.DasCalvarium(断片)…初録音:
バッハのコラール《幸なるかな》による即興曲(グロショップによるピアノ独奏編)…初録音:
オルガンコラール「甘き喜びのうちに」BWV751
シチリアーノBWV1031
狩のカンタータ「わが楽しみは元気な狩のみ」BWV208より“羊は安らかに草を食み”
《ボーナス・トラック》
.アンナ・ヴァイス=ブゾーニ(1833-1909):サロン・ポルカ「フェルッチョ」
ホルガー・グロショップ(P)

録音:2011年5月17-20日ベルリン,ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ
すでにリリースされている、グロショップのブゾーニ(1866-1924):ピアノ作品集(C7015…4枚組)には、バッハを始めとした17人の作曲家たちの作品のトランスクリプションが収録されていますが、実はそこには、ブゾーニがバッハ作品を編曲したものの全てが含まれていたわけではありません。この2枚組はそんな不足分を補うものと言えるでしょう。この録音:の中には、グロショップ自身のバッハ作品の編曲や、優れたピアニストであったブゾーニの母アンナ=ヴァイスの作品までをも収録。

ALMAVIVA
DS-0156(1CD)
現代スペイン女性作曲家たちのハープ作品集
ラウラ・ベガ(1978-):私を覆う夜を超えて [Mas alla de la noche que me cubre...]
マリア・ホセ・アレナス(1983-):マクトゥーブ II [Maktub II]
メルセデス・サバラ(1963-):雪の上の雪 [Nieve sobre nieve]
 降りしきる雪 [Incesante nieve]
ロサ・マリア・ロドリゲス・エルナンデス:ルスエロ [Luzeulo]
ディアナ・ペレス・クストディオ(1970-):オルフェオ・ジップ [L'Orfeo.zip]
コンスエロ・ディエス(1958-):存在と時間 [Ser y Tiempo]
ドロレス・セラノ・クエト(1967-):裂かれた道 [Caminos rasgados]
マリサ・マンチャド(1956-):アンヘラの為の7つの小品 [Siete piezas para Angela]
マリア・ルイサ・オサイタ(1938-):幻想曲 [Fantasia]
 思い出 [Recuerdos]
イルミナダ・ペレス・フルトス(1972-):ハープのタペストリーの上で [Sobre el tapiz del arpa]
カルメ・フェルナンデス・ビダル(1970-):灰色の霧 [Brume Grisatre]
クリスティナ・モンテス・マテオ(Hp)
クリスティナ・モンテス・マテオは1984年スペインのセビリャに生まれ、セビリャのマヌエル・カスティリョ音楽院、ロンドンの王立音楽アカデミーで学び、シュターツカペレ・ベルリン・オーケストラ・アカデミーのメンバーとしてダニエル・バレンボイムの指導を受けたハープ奏者。日本ハープコンクール他数々の国際コンクール入賞。2013年現在バレンシア州立O(ロリン・マゼール音楽監督)のメンバー。

LIR Classics
LIR-023(1CD)
チェロ・エレジー&ロマンスVol.2
ラフマニノフ:ロマンス
フォーレ:エレジー Op.24
ミヨー:エレジー
オアー:真夏の踊り
ドビュッシー:ソナタ
モシュコフスキ:ギター Op.45-2
ダンロップ:チェロとピアノのための組曲
レイトン:エレジー
ポッパー:マズルカ Op.51
ペネロペ・ライネックス(Vc)、
アレグザンダー・ウェルズ(P)

録音:2004年&2006年
ラフマニノフ、フォーレ、ミヨー、レイトンなど、様々な作曲家たちによる、チェロのための「エレジーとロマンス」をテーマとしたプログラムの第2弾。近年注目を集めているダーヴィド・ポッパーの「マズルカ」も収録。

Clarinet Classics
CC-0067(1CD)
インナー・タイム
ブーレーズ:「ドメンヌ・カイエ」〜イ長調/ホ長調/ハ長調/ロ長調/ニ長調/ヘ長調/ヘ短調/ニ短調/ロ短調/ハ短調/ホ短調/イ短調
シェルシ:イクソル
ラドゥレスク:インナー・タイム
 「インナー・タイム」〜イントロデュースとパフォーム
ロジャー・ヒートン(Cl)

録音:2011年9月15日−17日
クラリネット奏者で指揮者のロジャー・ヒートンが演奏するのは、ピエール・ブーレーズ(1925−)、ジャチント・シェルシ(1905−1988)、ホウラチ・ラドゥレスク(1942−2008)、の20世紀中期からのコンテンポラリー・ワークス。無伴奏クラリネットの超絶技巧はお見事。

MN Records
MNRCD-131(1CD)
THE PIANO SINGS 2
1. ビカミング・ジェローム(映画「ガタカ」より)
2. ハウス・オン・ファイヤ(映画「The Actors」より)
3. デジタル・トラジェディ(映画「カメラを持った男」より)
4. Zinc Bar(映画「The Actors」より)
5. The Mood That Passes Through You(あのとき芽生えた気持ち)(映画「ピアノ・レッスン」より)
6. Silver-Fingered Fling(映画「ピアノ・レッスン」より)
7. さよならモルチェ(映画「アンネ・フランクの日記」より)
8. Through the Only Window
9. Song for Sadir
10. 光学理論の眼識(映画「英国式庭園殺人事件」より)
11. Dolores(映画「The Actors」より)
12. The 7th visit(映画「いとしきエブリデイ」より)
13. ミストレス(映画「リバティーン」より)
14. ハウス・オン・ファイヤ(映画「The Actors」より(2回目))
15. フランクリン(映画「ワンダーランド」より)
マイケル・ナイマン(P)

録音:2013年3月25-26日、5月6日
ナイマンといえばピアノ。マイケル・ナイマン自身のピアノによる、ナイマンのピアノ作品集の登場です。2005年にリリースされたTHE PIANO SINGS につづく続編となります。映画音楽の作品に、映画音楽以外の2曲も収録された注目盤。ナイマンのピアノの音色は非常に深く、色調も控えめで、どこか ほの暗さも秘めた独特のもの。それでいて優しいまなざしにも満ちており、ここに収められた作品のひとつひとつを丹念に紡いでいます。 (Ki)

Satirino
SR-141(4CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻&第2巻 BWV.846-893 ケネス・ワイス(Cemb)

録音:2013年6月&12月パリ音楽博物館
ニューヨーク生まれ、スヴェーリンク音楽院でレオンハルトに学び、レザール・フロリサンでウィリアム・クリスティのアシスタントとして活動。現在はパリ音楽院、ジュリアード音楽院で手腕を発揮するアメリカの名チェンバリスト、ケネス・ワイス。
「ゴルトベルク変奏曲」の録音やリサイタル(2011年には来日公演でも披露)が話題を呼んだケネス・ワイスのバッハ新録音は、鍵盤音楽史に輝く聖典「平均律クラヴィーア曲集」の全曲。フランス各地やサンフランシスコ、ニューヨークなどでも「平均律」のコンサートを行い、2015年には日本ツアーも予定するなど、ケネス・ワイスが今もっとも重点を置いているプログラムです。
使用楽器は、フレミッシュ・チェンバロの名工、アンドレアス・ルッカース1646年製、パスカル・タスカン1780年改作のヒストリカル・チェンバロ(パリ音楽博物館コレクション)。
Richard Langham Smithによる解説やルッカーズ=タスカンのチェンバロについての詳細な情報を掲載したブックレット。ドイツの若き写真家Moritz Kerkmannによる美麗な写真をあしらったスリムBOX仕様。パッケージ商品としての完成度も一級品です。

Aurora
ACD-5079(1CD)
瞑想〜シェル・モルク・カールセン(1947-):宗教作品集
キリストの瞑想(Christus-Meditationen) Op.120(1997)(オルガンのための)
ソナタ《エフタの娘(Daughter of Jephthah)》 Op.152B(チェロ独奏のための)
黙示録の瞑想(Offenbarungs-Meditationen) Op.155(2006/07)(オルガンのための)
インゲル=リーセ・ウルスルード((Org)[ウラニエンボルグ教会のクーン・オルガン]
フリーダ・フレドリッケ・ヴォーレル・ヴェールヴォーゲン(Vc)

録音:2013年9月2日-4日ウラニエンボルグ教会(瞑想)、10月28日ノルウェー・オペラハウス(ソナタ)(オスロ)
ノルウェー作曲家協会のレーベル Aurora は、シェル・モルク・カールセンの作品集をこれまでに2枚制作してきました。新しいアルバムでは、オルガニスト、 教会音楽家として活躍するカールセンの『聖書』に題材を採った作品が紹介されます。イエス・キリストの生涯に題材を採った7つの曲から構成される《キリス トの瞑想》と『ヨハネの黙示録』に拠る、ロマンティシズムの伝統に則った《黙示録の瞑想》。オルガンのための《瞑想》は両曲ともベルゲン大聖堂の委嘱によ り作曲され、マグナル・マンゲシュネスが初演した作品です。新しいアルバムのオルガニストはインゲル=リーセ・ウルスルード(1963?)。彼はノルウェー音楽 アカデミーの教授を務め、即興演奏のマスタークラスを定期的に開催。彼女が首席オルガニストを務めるオスロのウラニエンボルグ教会は響きの豊かさで知られ、 Aurora、Simax、2L のアルバムの録音場所として使われています。この教会にオルガンが設置されたのは1884年。数度の修復と追加が行われ、2009年にクーン・ オルガン工房の手で現在の姿に整備されました。《エフタの娘》はチェロ独奏のための作品です。「わたしがアンモンとの戦いから無事に帰るとき、わたしの家の 戸口からわたしを迎えに出て来る者を主のものといたします。わたしはその者を、焼き尽くす献げ物といたします」(『旧約聖書』「士師記」(11節)新共同訳による)。 イスラエルの指導者エフタの主への祈りと、主への誓いを果たすための犠牲となった娘への「悲歌」から出発し、「歴史を通じ、苦しまねばならなかった無実の 者たちすべての永遠の嘆きの余韻」として完成しました。《ソナタ》は、2006年のチェロと管弦楽のための協奏曲(Op.152)をチェロ独奏のために改訂した作 品です。フリーダ・フレードリケ・ヴォーレル・ヴェールヴォーゲン(1988?)は、ノルウェー国立音楽アカデミーのオーゲ・クヴァルバインとトルルス・モルク、 ケルン音楽大学のフランス・ヘルメション、ストックホルムの王立音楽大学のトゥールレイフ・テデーエンに師事、アンサンブル・アレグリアの首席チェロ奏者を 務め、ノルウェー室内Oにも定期的に参加しています。デクストラ・ムジカから貸与された1823制作のニコラ・デュポのチェロを弾いています。 (Ki)


ORF
ORFCD-3169(1CD)
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
6つの小品 Op.118
ルカーシュ・ヴォンドラーチェク(P)

録音:2012年4月29日,2013年5月3日
“鮮烈な彫琢力と瑞々しい歌心で、渋いブラームス像を刷新!”
ルカーシュ・ヴォンドラーチェクは、1986年、チェコ出身のピアニスト。そのピアニズムの魅力は、何と言っても強固な打鍵力と、既成概念にとらわれない確信に満ちたアプローチの説得力。
ピアノ・ソナタは、導入部での切り込みの鋭さ、彫琢の深さにまず驚かされます。音の末端まで鳴らしきる意志の力が徹底的に投影されており、音の輪郭がこれほど生々しく迫る例も珍しいでしょう。そこには「作り込んだ威厳」とは異なる瑞々しさが溢れており、ただ物々しいだけになりかねない音楽を逆手に取り、その特徴を徹底的に掘り下げる潔さ!展開部の弱音も意味深く、コーダの強打鍵も決して割れず、スケール感は盤石。第2楽章の歌は、ノスタルジーに浸ったものではなく、まさに現在進行形の恋を思い返しているような新鮮さ!3楽章もなんとなく鳴っているだけの音など皆無。やり過ぎなほど楽想の特徴を極限まで押し広げますが、そこに作為性がないので説得力は絶大。第4楽章でも内面へと沈殿せず、静かな闘志を宿しつつ、高い集中力でフレージングを大きく飛翔させます。終楽章では、それが生の喜びヘ発展。この全てを突き破った清々しい進行を聴くと、この作品がブラームス最後のピアノ・ソナタとはいえ、20歳時の作品であることを再認識させられます。渋く塗り固められた演奏に慣れている耳には多くの発見があるはずです。
晩年の作品「6つの小品」においても、孤独の風情に傾かず、今のヴォンドラーチェク自身の感性に忠実なアプローチに徹し、音楽を大きく展開させます。第2曲の「間奏曲」など、もっと可憐な表情を湛えた演奏もありますが、心の奥底から出た本物の歌心は、やはり聴き手を打ちます。第3曲の強靭なリズムや、第6曲の寂寥の佇まいと中間部の逞しい隆起との恐ろしいまでのコントラストは、ヴォンドラーチェクの劇的ピアニズムの真骨頂!そしてこの第6曲の最後の数小節では、全体を通じて最高の美しさを湛えた絶妙なタッチを披露するのです!【湧々堂】


Classical Records
CR-155(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ作品集
ラフマニノフ:悲歌 Op.3-2
 前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2
 前奏曲変ロ長調 Op.23-2
 前奏曲ト短調 Op.23-5
 前奏曲ト長調 Op.32-5
 前奏曲ロ短調 Op.32-10
チャイコフスキー(ラフマニノフ編):子守歌
ラフマノノフ:楽興の時 ロ短調 Op.16-3
 絵画的練習曲変ホ短調 Op.39-5
 ピアノ・ソナタ第2番ロ短調(第2版)
ユーリー・ディジェンコ(P)
ユーリー・ディジェンコは1966年ウクライナ生まれ。Classical Recordsには、ヴィクトル・メルジャーノフ門下のピアニストによる素晴らしい演奏が多く存在しますが、彼もモスクワ音楽院でメルジャーノフに師事しています。
まず印象的なのが、タッチの清潔さ。ラフマニノフの前奏曲Op.3-2でも鉛のような重厚感を全面に出すのではなく、音彩の繊細なニュアンスに焦点を当てています。そうかと思うと、Op.23-2では、左手の声部を際立たせて、音楽のアグレッシブな躍動感を惜しげもなく表出するなど、表現の引き出しが豊富であることを窺わせます。
第2ソナタでは、隠し球の強靭打鍵を遂に披露しますが、最も心を捉えるのは、第2楽章のリリシズム。【湧々堂】
Classical Records
CR-156(1CD)
シューベルト、シューマン、リスト:ピアノ作品集
シューベルト:即興曲 Op.90 D.899
シューマン:3つの幻想的小品 Op.111
 ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26
リスト:スペイン狂詩曲
カテリーナ・ザイツェヴァ(P)
カテリーナ・ザイツェヴァはロシに生まれアメリカ合衆国ノース・テキサス大学でホアキン・アチュカロに師事したピアニスト。

Classical Records
CR-157(1CD)
シューマン:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調 Op.11
4つの小品 Op.32
3つの幻想的小品 Op.111
ナージャ・ピサレヴァ(P)
ナジェージダ・ピサーレヴァ(ナージャ・ピサレヴァ)はモスクワに生まれ、モスクワ音楽院でセルゲイ・ドレンスキーに師事。2010年に卒業、さらにベルリン芸術大学でクラウス・ヘルヴィヒに師事したピアニスト。父はピアニストのアンドレイ・ピサレフ(1962年生まれ。ドレンスキー門下。1983年ラフマニノフ・コンクール優勝)。
声部間の見通しが良く、響きを混濁させない趣味の良いピアニズムで魅了します。ソナタ第1楽章のファンダンゴのリズムには、土臭さを排除した洗練されたニュアンスが宿り、その洗練美は第2楽章で一層開花します。第3楽章中間部の豊かな歌謡性にもご注目を。【湧々堂】


Hyperion
CDA-68028(1CD)
チャイコフスキー:四季 Op.37b、
6つの小品 Op.19
パヴェル・コレスニコフ(P)

録音:2013年8月16日−18日ワイアストン・コンサート・ホール(モンマス)
“全てが驚異!「四季」全12曲を真に描き切った世紀の名演!”
コレスニコフは、1989年ロシアのノヴォシビルスクに生まれ、2012年には「ホーネンス国際ピアノ・コンクール」で優勝しています。
「○○以来の名演」という文言はよく見かける常套句ですが、この「四季」はリヒテル以来の感動ものと言わずにはいられません!否、作品の自然な佇まい活かしながら、思いもよらないニュアンスの多彩さを示したという点で、リヒテル以上かも知れません。事前にYouTubeの動画を見て、只者ではないと思たのは、偶然ではありませんでした。
まずはバランス感覚が驚異的!部分的なデフォルメを用いずに、各曲の個性が引き立つ術を完全に心得ているのです。そしてニュアンスの幅広さ!音のパレットはまさに無限。そのため、予定調和的に音楽が進行することがないのです。
第1曲目の「1月」。作曲家の心象風景にしっかりと焦点を当てながら、じっくりと語ります。中間部の内省的な深みは尋常ではありません。それが「2月」では、別人のように骨太タッチで容赦なくリズムを弾ませ、こんなアドレナリンをどこに隠していたのか全く不思議ですが、音楽のフォルム感を全く崩さない制御力にも唖然。「5月」は、冒頭アルペジョから可憐な詩情がふわっと香り、思わずうっとり。これが20代の若者の技でしょうか?この前半と後半の音の少ない箇所で、ニュアンスが途切れず、聴き手の意識を惹きつける手腕、本当に信じられません。「舟歌」は、作為的なアゴーギクなど欠片もなく、リヒテルのような瞑想に入り込むこともなく、それでいて孤独の哀愁が切々と流れます。「物悲しさ」以上のニュアンスを音に乗せることができる鋭敏な感覚は、どこから来るのでしょうか?相当に心の傷を負った人間にしか実現不可能だと思うのですが。最終曲では、ショパンの名演を期待せずにいられないほど,リズムとフレージングが完全に一体化!
「四季」を全曲通して聴くことは殆どないという方も多いと思いますが、この演奏ばかりは、途中で切り上がることはできないでしょう。
「6つの小品」も聴き出したら最後、音楽の深さに完全に取り込まれること必至。第4曲の単純でわかりやすいメロディーが、これほど切実に胸に迫ったことはありません。【湧々堂】

※2012年ホーネンス・コンクールでの「チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番」がYouTubeでご覧になれます!
https://www.youtube.com/watch?v=VDQCuTDCNC8

Auris Subtilis
ASC-5064(1CD)
J.S.バッハ〜ヴァルテンブルク城にて
パルティータ第1番ロ長調BWV825
前奏曲とフーガ嬰ヘ短調BWV859
前奏曲とフーガ.イ長調BWV864
前奏曲とフーガ.ホ短調BWV878
フランス組曲 変長調BWV815
イタリア協奏曲 ヘ長調BWV971
コルネリア・オステルヴァルト(Cemb)

録音:2013年
ドイツの鍵盤奏者コルネリア・オステルヴァルトによるバッハ作品集。ドイツの古城街道の街ヴァルテンブルクにある城で録音されました。ヴァルテンブ ルク城は、1859年にシェーンブルク=ヴァルデンブルクの王子のための邸宅として建てられ、その後1909〜1912年にザクセン宮廷の建築士グスタフ・ フレーリッヒ によって改装ました。1947年から1998年まで病院として使われ、2005年に大規模な改築が行われ、現在はコンサートなどに使用され ています。グスタフ・レオンハルトやアンドレアス・シュタイアーなどチェンバロの大家に師事し、研鑽を積んだ実力派コルネリア・オステルヴァルトの歯 切れのよい演奏と、美しいヴァルデンブルク城の美しい響きが堪能できる1枚です。
Auris Subtilis
ASF-5063(1CD)
HARFHORN/シュテファン・ヴァイ
1.イントラーダ
2.クリストフ・パムプッフ:朝の挨拶
3.ダウランド:おいで、もう一度
4.モンテヴェルディ:トッカータ
5.シュテファン・ヴァイ:雪解けの風
6.ヘンデル:調子のより鍛冶屋
7.ヘンデル:王宮の花火〜「平和」
8.ヘルタ・リッポルド:
 シュテファンのためのヒルテン・ムジーク
9.レオポルド・モーツァルト:ヴァルトホルン・デュオ
10.メヌエット
11.ヴェイヴァノフスキー:イントラーダ
12.キュフナー:レントラー
13.モディーニャ
14.妖精の愛の歌
15.シュテファン・ヴァイ:幻想曲ヘ長調
シュテファン・ヴァイ(ハーフHrn、ビュッヘル、ボヘミアンHap)
ハープ奏者であり、ホルン奏者でもあるシュテファン・ヴァイによるハーフホルン、ビュッヘル(アルプスホルン)、ボヘミアン・ハープを用いたアルバム。 ハーフホルンは、ハープとアルプスホルンを融合し両方の楽器の響きを持った楽器でシュテファン・ヴァイが開発しました。ビュッヘルはスイスのアルプス ホルンの携帯用に作られた楽器で、高くクリアな音色が特徴です。またボヘミアン・ハープは音楽の歴史上もっとも古い楽器です。それはギリシャ神話に 登場するハープの名奏者オルフェウスが弾いていた楽器がモデルとなっています。18世紀半ばにボヘミアの森からドイツとチェコの国境線に位置するエル ツ山地の小さな町プリースニツに持ち込まれ演奏されたのがはじまりといわれています。非常に美しい木材を使い、シンプルで透き通った音が特徴です。 (Ki)


日本伝統文化振興財団
SACG-30011(4SACD)
シングルレイヤー
村治佳織コレクション 〜「エスプレッシーヴォ」「グリーンスリーヴス」「シンフォニア」「パストラル」

■Disc 1(SACG 30011)「エスプレッシーヴォ」
パガニーニ〜福田進一編:カプリスop.1-24
ソル:第2幻想曲op.7〜第1楽章 ラルゴ・ノン・タント&第2グランド・ソナタop.25〜第4楽章 メヌエット
ジュリアーニ:私の愛する花op.46-4〜ジャスミン〈3つのカプリス〉
レニャーニ:36のカプリスop.20より第13番 ニ短調、第27番 ト長調、第5番 ニ長調
コスト:秋の木の葉op.41-3
メルツ:ウェーバーの主題によるカプリスop.50
ジュリアーニ:私の愛する花op.46-5〜ロスマリン〈3つのカプリス〉
レニャーニ:36のカプリスop.20より第19番 ロ長調、第22番 ハ短調、第7番 イ長調
ジュリアーニ:私の愛する花op.46-9〜ばら
アグアド:序奏とロンドop.2-2
メルツ:愛の歌

■Disc 2(SACG 30012)「グリーンスリーヴス 〜シェークスピア時代の音楽」
バッチュラー:ムッシュー・アルメイン
キレゾッティ編:16世紀の7つのイタリア・リュート音楽
ダウランド:サー・ジョン・スミスのアルメイン
ダウランド:蛙のガリアード
バード:ウイロビー卿のご帰館
ダウランド:メランコリー・ガリアード
4つのスコットランドの古謡
グリーンスリーヴス(カッティング編)
ダウランド:ハンソン夫人のパフ
3つの宮廷のダンス【パドゥアーナ/パッサメッゾ/ブランル・ゲイ】
ノイジドラー:イタリア舞曲と後奏舞曲
アテニャン:バスダンス『マグダレーナ』
ダウランド:ファンタジー
アテニャン〜濱田三彦編:花咲く命あるかぎり
アテニャン:サルタレロ
ダウランド:涙のパヴァン
ダルツァ:スペイン風カラータ
ダルツァ:サルタレロ

■Disc 3(SACG 30013)「シンフォニア」
D.スカルラッティ〜バルエコ編:ソナタ K.380 / L.23
D.スカルラッティ〜リマ編:ソナタK.391 / L.79
D.スカルラッティ〜ブローウェル編:ソナタ K.146 / L.349
J.S.バッハ(村治佳織編):メヌエットBWV Anh.114
J.S.バッハ(村治佳織編):メヌエット BWV Anh.115
J.S.バッハ(村治佳織編):シンフォニア〜カンタータ第156番 BWV.156より
D.スカルラッティ〜ブローウェル編:ソナタ K.1 / L.366
D.スカルラッティ、プジョール編:ソナタ“田園"K.9 / L.413
D.スカルラッティ〜セゴヴィア編:ソナタ K.11 / L.352
D.スカルラッティ〜アンディア編:ソナタ K.262 / L.446
ヘンデル〜福田進一編:ソナタ op.1-15
C.P.E.バッハ(村治佳織編):マーチ BWV Anh.122
C.P.E.バッハ(村治佳織編):ポロネーズ BWV Anh.125
C.P.E.バッハ、村治佳織編:マーチ BWV Anh.124
J.S.バッハ(村治佳織編):ミュゼット ニ長調 BWV Anh.126
ヘンデル(村治佳織編):オンブラ・マイ・フ

■Disc 4(SACG 30014)「パストラル」
ロドリーゴ:ヘネラリーフェのほとり
古風なティエント/ソナタ・ジョコーサ
小麦畑で/3つのスペイン風小品
春の小鳥/はるかなるサラバンド
祈りと踊り/パストラル
村治佳織(G)

■Disc 1(SACG 30011)
録音:1993年5月3&4日、秩父ミューズパーク音楽堂

■Disc 2(SACG 30012)
録音:1994年5月、9月、秩父ミューズパーク音楽堂

■Disc 3(SACG 30013)
録音:1996年3月、秩父ミューズパーク音楽堂

■Disc 4(SACG 30014)
録音:1997年7月、8月、秩父ミューズパーク音楽堂
いまや人気・実力ともに日本を代表するギタリストの村治佳織。そのデビューからの軌跡とも言えるビクター録音全8作品が、2つのボックス(各4枚組) に分かれ発売されることになりました。 CDデビュー以前「これほどすぐれた音楽的能力を身につけた若いギタリストに、かつて会ったためしがない」と激賞したのは名手デーヴィッド・ラッセル。 自身のマスタークラスで感嘆の面持ちを隠さずにこう述べたほどの才能は、すぐに開花し、日本ギター界をリードするギタリストに成長しました。
日本伝統振興財団は前身がビクター伝統振興財団であったゆえの大企画です。今後ビクターエンターテインメントでの村治佳織のSACDは発売予定は ないため、ビクター録音については当盤が唯一のSACD盤となります。
今回のSACDシングルレイヤー化に際し、彼女の才能をいち早く見出したビクターの野島友雄プロデューサーもマスタリングに参加し、「今まで実現で きなかったことが、このSACDではじめて達成することが出来た」と快心の出来に満足。ギターの紡ぎだす音がより柔らかく、ふくよかな響きを楽しむこ とができます。
村治佳織コレクションU【「カヴァティーナ」、「アランフェス協奏曲」、「レスプランドール」、「スペイン」】(SACG 30015/8)は6月下旬発売予定です。 (Ki)


Etcetra
KTC-1469(10CD+DVD)
ユーリ・エゴロフ〜ア・ライフ・イン・ミュージック

(1)ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番
(2)シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」
(3)シューベルト:ヴァイオリン・ソナタOp.162, D.574、
  ヴァイオリン・ソナチネ第3番ト短調 D.408
(4)ショパン:ピアノ協奏曲第2番
(5)バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第2番
(6)ブラームス:ピアノ五重奏曲ヘ短調
(7)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
(8)ベートーヴェン:合唱幻想曲ハ短調 Op.80
(9)ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
(10)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番
(11)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
(12)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(13)ショパン:12の練習曲 Op.10、
  12の練習曲 Op.25
(14)シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番D.958
(15)シューベルト:楽興の時 D.780

■DVD(PAL)
シューマン:謝肉祭 Op.9
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調*
リスト:ラ・カンパネラ*
全て、ユーリ・エゴロフ(P)

(1)エミー・ヴェルヘイ(Vn)
 録音:1979年3月17日
(2)オルランドSQ
 録音:1987年11月27日
(3)エミー・ヴェルヘイ(Vn)
 録音:1977年8月22日
(4)デイヴィッド・ジンマン(指)ユトレヒトSO
 録音:1982年9月26日
(5)バエミー・ヴェルヘイ(Vn)
 録音:1982年2月4日
(6)オルランドSQ
 録音:1977年8月
(7)ハンス・フォンク(指)アムステルダムPO
 録音:1978年1月19日
(8)ヴィレム・ファン・オッテルロー(指)
 オランダ放送PO、オランダ放送Cho
 録音:1978年3月10日
(9)ヴィレム・ファン・オッテルロー(指)
 オランダ放送PO
 録音:1978年3月10日
(10)ロベルト・ベンツィ(指)オランダ放送PO
 録音:1974年11月2日
(11)ロエロフ・ヴァン・ドリーステン(指)
 アムステルダムPO
 録音:1981年8月25日
(12)アダム・ゲートハウス(指)オランダ・ユースSO
 録音:1986年1月3日
(13)録音:1979年12月
(14)録音:1984年9月22日
(15)録音:1987年11月27日 全てステレオ

■DVD
録音:1984年9月22日、年月日不詳*
“ロシアン・ピアニズムの枠を超えた驚異的感性の昇華型!”
これは、全てのピアノ・ファン必携のセット!ユーリ・エゴロフ(1954−1988)は、旧ソ連のカザン(現タタールスタン共和国の首都)生まれ。モスクワ音楽院でヤコフ・ザークに師事し、1974年のチャイコフスキー国際ピアノ・コンクールで第3位、1975年のエリザベート王妃国際音楽コンクールでも第3位入賞を果たし将来を嘱望されながらも、エイズのため1988年に33歳という若さでこの世を去りました。このセットは、亡命先のオランダに遺されていた1970年代から死の前年までのエゴロフのピアニズムをぎっしり収録。EMIへの一連の録音以外では、“Channel Classics ”の「エゴロフ・レガシー」(全4枚)がなんといっても重要な録音でしたが、、その一部がここに加えられている点も嬉しい限りです。
エゴロフのピアニズムは、いわゆる「ロシアン・ピアニズム」の範疇には収まりきらない、鋭敏で繊細な感性に基づく奥深いニュアンスの連続!自身の直感力をベースにして、それぞれの作品が持つ「美の本質」にこれほど肉薄し、知的に凝縮させるピアニストは、古今を通じても極めて稀でしょう。したがって、演奏に出来不出来の差がほとんど存在しないので、ここでの収録曲も全てが名演なのですが、以下では“超”の付く名演に絞ってご紹介…のつもりでしたが、結局ほとんど書かざるを得なくなりました。
●ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番
エミー・ヴェルヘイは、1949年オランダ生まれのヴァイオリニスト。相当熱のこもった演奏で、エゴロフ共々、作品の内面へ食い入るような集中力で一貫。第2楽章では、平和な空気感のうちに、ロマンの香りをふんだんに放射。
シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」
死のわずか半年前のライヴ。オルランドQのしなやかなアンサンブルに完全に溶け合うエゴロフのピアノに、死の影など全く存在しません。第1楽章展開部のさりげなく呟くようなタッチの妙は、まさにエゴロフの鋭敏な感性の賜物。第2楽章は、第一音からタッチの彩りが夢のよう。第3楽章は、四重奏とピアノの融合の理想型。通常は、ピアノの縦割りのリズムがどうしても際立ちがちですが、節度を持ちつつ、音楽全体を根底から湧き立たせる役割を確実に果たしています。第4楽章冒頭は不思議な切なさが漂い、それだけでも心に染みますが、そこへエゴロフのピアノが加わると更に幻想味が倍加!
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタOp.162
この作品に馴染みがない方も、これを聴けばその魅力の虜になること必定!シューベルトは、エゴロフにとって最も大切な作曲家の一人。ヴェルヘイのヴァイオリンは音色的な魅力に加え、楽想の意味合いを確実に汲みとって音化し尽くしており、実に素晴らしいものですが、エゴロフの尋常ではない共感力が、全体のニュアンスを決定づけていると言っても過言ではありません。終楽章の第2主題など、弾きながら涙しているのではないでしょうか?
●ショパン:ピアノ協奏曲第2番
第1楽章で出だしは、通常よりむしろ淡白に思えるくらい、アゴーギクを最小限に抑え、これ見よがしのリリシズムの押し付けを回避。極めて洗練されたスタイルを見せますが、いわゆるクールに澄ました演奏ではなく、その音の全ては涙で滲んでいます。そして信じ難い第2楽章!この演奏によってこの楽章の本当の美しさと大きさが初めて明らかになった!と叫ばずにはいられません。リパッティにはこの曲の録音は存在しませんが、その渇きを補って余りある世紀の名演です。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
一貫して憧れの風情を浮かべ、独特の余韻を残す名演奏。ガッチリとた構成感を全面に出すのではなく、あくまでも詩情を大切にしたそのスタイルが最大に生きたのが、白眉の第2楽章!この陶酔的な美しさには言葉を失い、時間が止まったような異次元へ聴き手を誘います。打って変わって終楽章は、憑かれたような切迫した推進力を見せます。単にサラサラと流すだけではない、優しさと緊張を兼ね備えたその流れに感動必至!なお、ここの録音は、左右チャンネルが逆転しており、代理店に調査を依頼中です。
●ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
エゴロフのピアニズムには、ロシアン・ピアニズム特有の結晶度の高い打鍵の魅力が十分に生きているものの、土臭さはすっきりと浄化されています。ここでも、クリスタルなタッチの魅力と心の底からリリカルに歌うセンスが際立ち、強烈にフォルティッシモも、決して暴力的になりません。音量のパワーで圧倒せずとも、音に強靭な芯があるので、十分に迫力あるタッチとして伝わり、鮮烈な印象をもたらします。有名な18変奏は、比類なき温かさ!
●ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
エゴロフのタッチは、純度が命!ここでもブラームスにつきまとう雑味は一切なく、共感の眼差しで育んだ透徹タッチが横溢し、音楽を生まれたてのように瑞々しく、伸びやかに再現。有り余る想像力と表現力は決して表面化させずに音楽の中に完全に注入しきっているので、その解釈の妙味が説明調にならず、高い求心力で聴き手を最後まで繋ぎ止めるのです。第1楽章の熱いコーダで、ここまで高潔なタッチを貫徹している例は稀。終楽章でのタッチの隈取の克明さも驚異的。ベートーヴェンの第3協奏曲終楽章で見せた、前のめりになる寸前の推進力はここでも発揮。ヘヴィーな演奏を装う素振りは一切無いにもかからわず、音楽的な情報量と手応えはまさに重量級!曲が進みに連れてその威力は増すばかりで、最後はあまりの内容量の多さに窒息しそうなほど。こんなに鳥肌が立ったのは、カーゾン&セル以来です!オケの充実ぶりも特筆もの。
●ショパン:練習曲集Op.10&Op.25
Op.10のみ1980年のライヴが「エゴロフ・レガシー」に収録されていましたが、この全24曲はそのわずか1ヶ前の録音(板起こしと思われます)。各曲のニュアンスは当然良く似ていますが、スタジオ録音のため、そのニュアンスは更にはっきりと刻印されています。「練習曲」の概念を超えて、内省的で詩的なものを目指し、それ以外の要素は不純物の要素は一切排除。特にかつてないほどの悲しげな表情を浮かべるOp.10-2、その余韻を残しつつ少しだけ作り笑顔を浮かべたような「別れの曲」の2曲がセットで胸に迫るのは特筆もの。Op.25-1のフレージングのしなやかで流麗なこと!孤独のどん底で静かに身を焦がすOp.25-7は、全曲を通じて白眉!
●シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番、楽興の時
この1枚だけはは、全ての雑事を完全に終えて、無心でお聴き下さい!「エゴロフ・レガシー」(「殿堂入り」レヴューはこちら)と全く同じカップリンですが、ソナタはその2年後の録音、「楽興の時」は全く同じ録音で、エゴロフの生涯最後のリサイタル・ライヴ!この2曲は、このボックスの最高峰の名演というだけでなく、史上最も感動的な演奏と言えましょう。髪を振り乱すような苦悩ではなく、繊細な感性故に一人思い悩むシューベルトの心情と完全に一体化した信じ難いほど奥深いニュアンスの連続です。ソナタ第1楽章は決然としたタッチで切り出しますが、その質感は鋭利ではなく常に涙が融合。第2楽章は、純粋とか繊細といった形容で済みません!これこそ音楽の美しさの極地で、涙なしで聴けません!きません!
「楽興の時」録音時、エゴロフは迫り来る死を十分覚悟していたそうですが、演奏に精神的な弱さなど微塵も流れず、むしろ清々しい心持ちでひたむきに楽想を紡ぐ姿勢に涙を禁じえません。繊細さを装っただけの演奏との違いを、これをど痛感させる演奏もありません。特に第2曲は、ソナタの第2楽章同様、言葉が出ません…。この後に4曲を続けて聴くには、相当気持ちを振り絞らなければなりませんが、出てくる音と言ったら…。これを的確に言い表す言葉などこの世に存在するとは思えません!【湧々堂】

※DVDはPAL方式のため、PAL方式対応のプレーヤーでのみ視聴可能です。予めご了承下さい。

CONTINUO Classics
CC777-703(1CD)
女性作曲家の美しいピアノ曲
シャミナード:演奏会用練習曲「秋」Op.35
メル・ボニ:秋の思いOp.19
 無言歌Op.56/子守歌Op.23の1
 前奏曲Op.10/ うららかな春Op.11
 牧歌Op.12/メヌエットOp.14
クララ・シューマン:スケルツォOp.14
 夜想曲Op.6の2/ロマンス変奏曲Op.3
マリアンナ・フォン・マルティネス:ピアノ・ソナタ第3番ホ長調
ディディエ・カストル=ジャコマン(P)

録音:2011年7月13-15/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
ディディエ・カストル=ジャコマンはレンヌとニースの音楽院で学んだピアニスト。ファウスト・ザドラ門下のフランスの中堅で、これまでもCalliopeレー ベル等に録音がありました。当アルバムは女性作曲家のピアノ曲を集めたもので、フランスのシャミナードとボニ、ドイツのクララ・シューマン、オースト リアのマルティネスらの魅力的な作品を楽しめます。いずれもサロン的な内容ですが、非常にピアニスティックで技巧的なものが多く、カストル=ジャコマ ンの腕の冴えが光ります。女性作曲家ファン必携の一枚と申せましょう。 (Ki)


Hyperion
CDA-67996(1CD)
イン・ザ・ナイト
シューマン:幻想小曲集〜「夜に」Op.12-5
ベートヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」
ショパン:夜想曲第7番嬰ハ短調 Op.27-1、
 夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
ハフ:ピアノ・ソナタ第2番 「夜の光」
シューマン:謝肉祭 Op.9
スティーヴン・ハフ(P)

録音:2013年5月9日−10日、ワイアストン・コンサート・ホール(イギリス)
“健康的なのに高密度!全てハフのための作品として響く素晴らしさ”
「夜」にまつわる曲を集めたアルバムですが、しんねりとした表情を決して取らないのがハフらしいところ。
「月光」第1楽章は、精妙にアゴーギクを盛り込みつつも、サラッとしなやかに曲を前に進め、それでいながら余情を引き出す手腕に感服。第2楽章は、全楽章の弱音の美しさをそのまま踏襲した導入の洗練美が素晴らしく、チャーミングな表情を湛えながらも、0:44からは音の立体感、左右声部の対比感を強調し、音楽の平板化を避けるセンスも流石。終楽章で見せる和声の見通しの良さは当代随一!
ハフのクリスタル・タッチによる静謐美が光る、、ショパンの夜想曲第7番も必聴。前半の決して痩せて聞こえることのない最弱音からの盛り上げは、健康的でありながら、主張が一杯!
ハフ自作のソナタは、大傑作!和声の独特の色彩は完全に制御され、強弱対比の妙を再現する為の集中力は、並大抵のものではありません。曲後半の眩い光彩の大放射は、ドビュッシーへのオマージュのよう。
直接「夜」とは関係ないシューマンの「謝肉祭」は、1曲目との関連で置かれたのだと思いますが、こんな面白く聴き通した「謝肉祭」は久々です。素直で健康的な進行はいつものことですが、些細な走句に至るまで深い含蓄が底流し、それらをサラリと統合しながら、音楽を前へ前へと進める求心力に脱帽するばかりです。ちょっと意外なのは、第14曲「再開」のアプローチ。かつてのW.ケンプを思わせる、ゆったりと語りかけるテンポを採用し、一気に温かな空気が流れます。次の曲とのコントラストも考慮してのことでしょうが、改めてハフの表現の幅広さを思い知らせれます。終曲は、通常の威厳的な演奏とは正反対。こんなに人懐っこい表情を浮かべたまま締めくくられる「謝肉祭」を今まで聴いたことがありません。
人と違う解釈で驚かせようという魂胆など微塵も感じさせず、結果的に画期的な名演を成し遂げているのです!【湧々堂】

TYXart
TXA-14038(1CD)
バッハ:オルガン作品集
幻想曲ト長調BWV571
ソナタ.ニ長調BWV963
古き年は過ぎ去りBWV1091/
われを憐れみたまえ、おお主なる神よBWV721
神のひとり子となる主キリストBWV Anh55
われらイエスのともがらBWV1090
トッカータ.ニ短調BWV913
カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992
フーガ.ホ短調BWV945
パルティータ「ああ罪人なるわれ何をなすべきか」BWV770*
セシル・マンスゥイ(Org、Cemb*)

録音:2011 年 8 月、10 月チューリッヒ
鍵盤奏者セシル・マンスゥイ。彼女は幼いころからチェンバロの音色に魅せられ、チェンバロ奏者で音楽家としてのキャリアをスタートしました。このア ルバムではオルガンとチャンバロの2台の楽器を用いて収録。前半はオルガン、後半にチェンバロを持っていき、教会の音響効果とチェンバロの親密な響 きを楽しむように構成されています。 (Ki)


MUSO
MU-007(1CD)
J.S.バッハ:トッカータ全曲集
トッカータ.ハ短調 BWV 911
トッカータ.ト長調 BWV 916
トッカータ.ト短調 BWV 915
トッカータ.嬰へ短調 BWV 910
トッカータ.ホ短調 BWV 914
トッカータ.ニ短調 BWV 913
トッカータ.ニ長調 BWV 912
アマンディーヌ・サヴァリー(P)

録音:2013年4月2-4日
アマンディーヌ・サヴァリーは、1985年生まれのフランスのピアニスト。ダリ・ピアノ・トリオのピアニストとしても活躍しています。
これは、「トッカータ」の全曲を1枚に収めたCDとしては屈指の名演!フランスのピアニストらしい透明感あふれるタッチと鋭敏な感性が、バッハの厳格なイメージを払拭し、瑞々しい演奏を繰り広げます。
BWV911の長大なフーガは、最後まで緊張が途切れず、堅固な構築に終始するのではなく、詩的なニュアンスも流れます。
続くBWV916は当然明るい響きが飛び込んで来ますが、品格あふれる推進力で魅了。そして後半の詩的な静寂美!最後に置かれたBWV912は、導入部に続くアレグロでの多彩なニュアンスにびっくり。これ見よがしにニュアンスを散りばめるのではなく、泉のように自発的に湧き出るそれぞれの表情が緊密に連動。リズムのセンスと、弱音の語りの巧みさも必聴です。【湧々堂】


TYXart
TXA-13028(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
リスト:ピアノ・ソナタ.ロ短調
カスパース:幽霊
ヨーヨー・クリステン(P)

録音:2013年6月
ドイツの天才ピアニスト、ヨーヨー・クリステン。1996年生まれの17歳。4歳からピアノをはじめ、6歳から作曲を行い、8歳でコンサートに出演するなど、 その神童ぶりで話題となっています。2010年に、日独交流150周年の記念行事の一貫として行われた演奏会に出演するために来日しています。15歳の 時発売されたデビュー・アルバム(TXA-12001)では、モーツァルト、ベートーヴェンの作品とともに自作の曲も収録し、その豊かな才能をみせつけま した。今回は難曲リストのピアノ・ソナタに挑戦。完璧なテクニックと無限の可能性を感じさせる音楽性で聴かせます。また建築家、造形芸術家として活 動しているクラウス・カスパースが、ヨーヨーの才能に惚れ初演を委託したグラフィックメモ「幽霊」も収録されています。 (Ki)
TYXart
TXA-13036(1CD)
バッハと20世紀の作曲家たち
バッハ:トッカータ.ハ短調 BWV911
グバイドゥリーナ:トッカータ・トゥロンカータ
ペルト:アリーナに
バッハ:イギリス組曲BWV807
チェン・シャオユン:ダイアリーV
テリー・ライリー:G-Song
デュティユー:「バッハへのオマージュ」〜波のまにまにより
バッハ:プレリュードとフーガ.ニ短調BWV851
ショスタコーヴィチ:プレリュードとフーガ.ニ短調Op.84
アレクサンドラ・ソストマン(P)

録音:2013 年9月、ハンブルク
ドイツのピアニスト、アレクサンドラ・ソストマン。ハンブルク音楽大学でフォルカー・バンフィールドとエフゲニー・コロリオフに学び、ユディス・モシュ と「デュオ・ヴィラルソー」として活動しています。 今回はJ.S.バッハの鍵盤作品を軸にグバイドゥリーナ、ペルト、デュティユーなどの現代作曲家たちの曲を交互に配置した内容。バッハのフーガをモチー フとしたテリー・ライリーの「G-Song」は、クロノス・カルテットのためにはじめて書いた作品で、「Lifespan」という映画音楽に使われ、後にピアノ・ ソロに編曲されました。デュティユーの「バッハへのオマージュ」はピアノ・ソロのための6つの小品集「波のまにまに」の中の1曲。「バッハの平均率ク ラヴィア曲集に倣って、一定の形象的内容を持つ小品の対位法様式による一大曲集にすることにした」とショスタコーヴィチ自身が語っているように、バッ ハと同じく「前奏曲&フーガ」というスタイルを踏襲したプレリュードとフーガ。それぞれの作曲家がバッハの音楽をモチーフに作曲した作品や、オマージュ を捧げた作品を、バッハの作品とともに収録し、鍵盤楽器の歴史の多様性を追求しています。 (Ki)

ART DEL SO
ADS-10(1CD)
カルロス・パラシオ(1911-1997):ピアノ曲集「わが心のスペイン」
第1巻
 昨日のソナタ/楽しい踊りと悲しい歌/眠れない子の為の子守歌
 五月の夜(ホタ)/山で/松(夜想曲)/幸せな行進曲/農夫の歌
 春、1937年/兵士の歌、マドリード、1937年/…秋が来る
 アントニオ・マチャドの墓前で/グラナダ(ある詩人の悲歌)
第2巻
 古きカスティリャ/森は夜明けに歌う
 優しい別れ
 トレドのビサグラ門の前で/古い庭
 墓前での瞑想(ミゲル・エルナンデスに)
 ある墓に来た春(モーリス・ラヴェルの生誕百年に)
 星の夜(夜想曲)/朝の踊り/平原
マリサ・ブラネス(P)

録音:2007年12月4、26日、クレメンテ・ホール、バレンシア、スペイン
カルロス・パラシオはアルコイ(アリカンテ県、バレンシア州)に生まれたスペインの作曲家。スペイン内戦時代に共和国政府の要請で共和国軍兵士や国際旅団の賛歌を作曲。戦後はパリで亡命生活を送りました。マリサ・ブラネスは同じくアルコイに生まれ、バレンシア音楽院、ローベルト・シューマン音楽学校(現大学)、ケルン音楽大学で学んだピアニスト。1991年以来バレンシア音楽院教授を務めています(2013年現在)。

Forgotten Records
fr-906(1CDR)
ジャン・ピエール・マルティ/ショパン
タランテッラ,舟歌,
幻想ポロネーズ,幻想即興曲,
子守歌,幻想曲Op.49
ジャン・ピエール・マルティ(P)

録音:1958年(モノラル)
※音源:La Voix de Son Maitre FALP 504
ジャン・ピエール・マルティ は、1932 年フランス生まれ。20歳の時、腕の故障でピアニストの道を一時断念。後にJ.B.ポミエとの共演で指揮者として録音があり、ピアニストとしてはDECCA のカッチェンと共にブラームスのハンガリー 舞曲を録音していますが、故障前のソロ録音はこれが唯一と思われ、非常に貴重。【湧々堂】


ONDINE
ODE-1230C(2CD)
パガニーニによる変奏曲と狂詩曲
リスト:パガニーニによる大練習曲S141
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲Op.35
ルトスワフスキ:2台のピアノのための「パガニーニ変奏曲」*
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲#
ツィモン・バルト(P,*のみ多重録音)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭O

録音:2009年9月15-17日、2009年3月22日オランダオンデル・デ・リンデン
2010年7月16日ドイツリューベックコングレス・ザール#
“ラフマニノフ、第18変奏の驚異的な美しさ!”
ツィモン・バルトのデビュー当時の猛烈な技巧と深い沈思を共存させたピアニズムはそのままに、更にスケール感を増した近年のピアニズムを惜しげもなく披露。
リストでのフレーズ同士の間合いにおける深い呼吸とリズムの跳躍との対比は、作品に目の覚めるようなコントラストを醸成。第5曲「狩り」のリリカルな弱音の魅力も必聴。「ラ・カンパネッラ」は、衒いを見せずにこのニュアンスの多彩さ!
ブラームスはクリスタル・タッチの魅力が際立ちます。渋く重厚な響きに向かい素振りは一切なく、タッチの粒立ち同士に淀みは皆無。この曲のヴィルトゥオジティを徹底的に引き出しつつ無機質なものに貶めないバルトの鋭敏な感性に、改めて感服。
5分ほどのルトスワフスキがこれまた鮮烈!体内から吹き出すアドレナリンをダイレクトに反映したようなリズムの冴えを見せながら、その悦に浸ることなく、後半以降は緊張感を煽り続けます。
ラフマニノフは、期待以上の濃密な超名演!冒頭から快調に飛ばすのではなく、地に足をつけてじっくり進行することで主題を克明に刻印。タッチの隈取りがどこを切り取っても第6変奏の終わりや、第7変奏のクールな歌心、第11変奏の夜露に濡れたように煌めく色彩もお聴き逃しなく。第16変奏では、まずエッシャンバッハが導く霊妙なニュアンスにびっくり!これは明らかに伴奏を域を超えており、バルトの精妙な表現力が一瞬霞むほど魅力的。その雰囲気を引き継いだまま滑りこむ第18変奏は、空前絶後の美しさ!!あまりにも有名な超甘美なメロディー以外の魅力、つまり表現力の素晴らしさによって心を揺さぶられた経験は過去に一度もありません!第24変奏からの緊張感の増幅には全く弛緩がないばかりか、熟考しきった表現の連続に鳥肌が立ちっぱなし!
パガニーニのカプリースに基づく作品集は今後も登場すると思いますが、これ以上の完成度を誇るものが出てくるとは思えません。【湧々堂】
ONDINE
ODE-1232(1CD)
D・スカルラッティ:ソナタ.集
ソナタ.ハ短調K22/ソナタ.ハ短調K11
ソナタ.ハ長調K159「狩り」/ソナタ.ハ短調K129
ソナタ.ヘ長調K6/ソナタ.ヘ短調K386
ソナタ.ヘ短調K19/ソナタ.ヘ短調K519
ソナタ.ホ長調K135/ソナタ.ホ短調K203
ソナタ.ト長調K13/ソナタ.ト短調K30
ソナタ.ト短調K12/ソナタ.ニ短調K1
ソナタ.ニ短調K52/ソナタ.ニ長調K140
ヤンネ・ラットゥア(アコーディオン)

録音:2013年6月24-26日オーストリアグラーツ,シュトラスガンク・プファール教会
1974年生まれのフィンランド・アコーディオン界の第一人者ヤンネ・ラットゥア。これまでも度々の来日で、その素晴らしい技巧と音楽性、そして編曲の妙でアコーディオンの素晴らしさを広めています。既にONDINEレーベルには、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」の録音(ODE1209)がありますが、こちらはあの音の多い楽譜を、忠実に一台のアコーディオンで演奏していることに驚いた人も多いことでしょう。もちろんこのスカルラッティ(1685-1757)のソナタ.もアコーディオンで丁寧に、かつ軽やかに演奏しています。アコーディオン演奏の可能性をここまで高めたラットゥアの才能には、ただただ感嘆する他ありません。
ONDINE
ODE-1248(C2CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ.集
ピアノ・ソナタ.第1番ヘ短調Op.2-1
ピアノ・ソナタ.第2番イ長調Op.2-2
ピアノ・ソナタ.第3番ハ長調Op.2-3
ピアノ・ソナタ.第28番イ長調Op.101
ピアノ・ソナタ.第29番「ハンマークラヴィーア」
パーヴァリ・ユンパネン(P)

録音:2011年6月、2012年6月 フィンランドクーモ・アーツ・センター,レントゥア・ホール
ピアニスト、ユンパネンは第1番のソナタ.の提示部の繰り返しで、あっと思うような捻り技を繰り出してくるのには驚いてしまいました。最近はモーツァルトなら自由に装飾を付けるのが当たり前ですが、あまりベートーヴェンではやらないのでは?そんなこんなで、第1番だけでなく他のソナタ.も発見がたっぷり。くすくす笑いが聞こえてくるようなベートーヴェン(1770-1827)です。そしてCD2の後期の2曲は打って変って、荘厳、重厚。ハーマークラヴィーアの第3楽章での晦渋な表現も見事としか言いようがありません。初期と後期、2つの味が楽しめるソナタ.集です。 

EURICO PEREIRA
560445-6023061(1CD)
ポルトガルの4人の作曲家のギター作品集
エウリコ・カラパトゾ(1962-):ジミ・ヘンドリックスに [A Jimmy Hendrix]
 Ex abrupto,Purple landscape,Feroce
ジョゼ・ペイショト(1960-):よそ者 [O estranho]/待ち時間に [Quando o tempo para, a espera]
黄色とその他の色合い [Amarelos e outros tons]
フェルナンド・ダス・ネヴェス・ロボ(1974-):ケツァールの為の音楽 [Musica para um Quetzal]
 舞曲 [Danca],フーガ [Fuga],賛歌 [Cantico]
セルジオ・アゼヴェド(1968-):ソナタ
 タンブラ [Tambura],無窮動 [In moto perpetuum],
 シャコンヌ [Chaconne],リトミコ [Ritmico]
エウリコ・ペレイラ(G)

発売:2002年
リスボン音楽院でマヌエル・モライスに師事したポルトガルのギター奏者エウリコ・ペレイラの自主制作デビューCD。CD本体、外装ともにレーベル・規格番号表記がございません。弊社は演奏者名をレーベル名、バーコード数字列を規格番号として扱います。

PORTUGALSOM
PS-870032(1CD)
マリア・デ・ロールデス・マルティンス(1926-2009):ピアノ作品集
グロテスク(1950)/ソナタ第2番(1957)
3つのワルツ(1960)/ソノリタ(1970)
トッカティーナ(1976)/キャッチ(1981)
リトミテ(1983)
5音による8つの小品(子供の為の;1960)
エルジェーベト・トゥサ(P)

録音:1986年11月11-13日、フンガロトン・スタジオ、ブダペスト、ハンガリー、AAD
発売:1992年
マリア・デ・ロールデス・マルティンスはポルトガルのリスボンに生まれた作曲家・ピアニスト・教育者。リスボン音楽院教師としてオルフの教育システムを導入しました。エルジェーベト・トゥサ(1928-)はハンガリーのピアニスト。
PORTUGALSOM
PS-870033(1CD)
カンディド・リマ(1939-):砂のロボット(1978/1984)
ネプチューンの伝説(1987)
大洋(1978/1979)
カンディド・リマ(電子音楽制作)

録音:1987年、スタジオRM(Fortea & Rangel. Lda.)、ポルト、ポルトガル、AAD
発売:1992年


Chandos
CHAN-10807(1CD)
シューベルト:ピアノ独奏作品集Vol.1
幻想曲ハ長調 D.760,Op.15「さすらい人」
君はわが憩い D.776, Op.59-3(リスト編)
いらだち D.795, Op.25-7(リスト編)
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960, Op.post
バリー・ダグラス(P)

録音:2013年9月27日&28日
“ダグラスの器の大きなピアニズムがシューベルトの世界を拡張!”
既成概念にとらわれず、大きな構えで伸び伸びと歌わせたシューベルト。「第21番」冒頭でも、リリカルに歌いつつも思索にふけることはありません。もちろんダグラスの持ち前の力感はセーブしていますが、音楽を決して萎縮させず、素直に思いを紡ぎだす姿勢に、ダグラスのシューベルトに対するアプローチが凝縮されているようです。第1楽章第2主題の左右声部の均衡の保ち方、提示部集結での強弱のコントラスの克明さは、現在のダグラスの円熟を象徴。展開部に入った途端に音色トーンをガラッと変える技も聴きもの。第2楽章も音楽が停滞せず、悲しみを入念に刻印。終楽章は、やや早めにテンポながら対旋律、裏の声部への配慮も行き届き、タッチのコントロールが絶妙で。
「さすらい人」は物怖じしないダグラス位のピアニズムにピッタリの作品。ここでは、タッチの強さよりも精神的な強靭さか来るスケール感が印象的で、ここでもダグラスが良好なペースで音楽性を進化させていることが窺えます。「この音楽から生きる勇気をもらいました」というのは現実にはあり得ないことと思うのですが、この演奏の4:04からの高揚感、決して自己顕示に傾かない確信に満ちたタッチを聴くと、それもあり得るのでは、と思えるほど。第2楽章は、人に見せたくない男の涙!コーダでの上声部の希望の光と下声部のいらだちのニュアンスの同居加減は必聴!【湧々堂】


Tony Palmers Film
TPDVD-121(DVD)
内田光子
モーツァルト・イン・ジャパン
内田光子(P、指)
イギリス室内O、他

収録時間:64分
NTSC(ALL/Region:0)
16:9COLOUR
新規取扱いレーベル!「トニー・パーマー・フィルム(Tony Palmer's Film)」!
イギリスの映画監督である、トニー・パーマーが監修するドキュメンタリーDVDレーベル「Tony Palmer's Film」。名アーティストのコンサート、オペラ、リハーサル、舞台裏、普段では見られない様子をドキュメンタリー化!

日本が世界に誇るピアニスト、内田光子のドキュメンタリー。1986年に開館したサントリーホールのオープニング・シリーズで来日公演を行った、弾き振りでのモーツァルトのピアノ協奏曲全曲公演の模様やリハーサル、内田光子のインタビューなどを収録。2012年に内田光子がイギリスのロイヤル・フィルハーモニック協会からゴールド・メダルを受賞した記念で作成されたドキュメンタリーDVDです。インタビューでは内田光子のモーツァルトへ対する熱い想い、コンサートで演奏した楽曲へのアプローチや解釈など自身の考えを熱く語っています。

Intim
IMCD-119(1CD)
リサイタル・シリーズVol.1
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」、
 ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ヨン=チュン・パク(P)

録音:2012年3月18日ライヴ
スウェーデン、クングスバッカのコンサート・ホールのライヴ・レコーディング・シリーズ第1弾は、イギリス在住の韓国人ピアニスト、ヨン=チュン・パク。モーツァルト、ベートーヴェンのソナタ3作品を組み合わせたプログラムを奏でるヨン=チュン・パクは、9歳でソウルSOと共演を果たし、ジュリアード音楽院やミュンヘン音楽大学で研鑽を積んだ実力派。


GENUIN
GEN-14296(1CD)
シュヌアー〜オジコンド(Otjikondo)のために弾く
モーツァルト:幻想曲ニ短調K.397
 アダージョ.ロ短調K.540
 デュポール変奏曲K.573
ベートーヴェン:エリーゼのために
 ロンドOp.51-1
シューベルト:即興曲Op.142-2
メンデルスゾーン:無言歌Op.67〜第1、4番
バッハ(M.ヘス編):「主よ人の望みの喜びよ」
フリードリヒ・ヴィルヘルム・シュヌアー(P)

録音:2013年3月16-17日、デトモルト・コンツェルトハウス
“ドイツの伝統を受け継ぐピアニズムの凝縮した宝石箱!”
ケンプ門下のドイツの重鎮、シュヌアー84歳時の堅実で端正なピアニズムを味わい尽くせる一枚。これは単なる小品集ではなく、まさに宝石箱です!
最初のモーツァルトに、そのシュヌアーの特質は凝縮されています。モーツァルトだからと言って慎ましく可憐に…などといった後付けのニュアンスは全くなく、表情を作品の骨格を見据えて着実に足場を固めながら有機的な流れをひたすら醸し出すセンス一本で勝負。「デュポール変奏曲」など、楽譜を有るがままに弾いているだけのようでいて、これほど含蓄に富んだ音楽と再現されるのです。極めて均整のとれたタッチも健在。
慎ましくリリカルに奏でられることの多い「エリーゼのために」も構成感が盤石で、歌はそこはかとなく浮かび上がる程度。ベートーヴェンの作品であることをこれほど思い知る演奏もなかなかありません。感涙を禁じ得ないのが、次の「ロンド」。この上なくシンプルで屈託のない楽想から、無限の愛が溢れます。ホルショフスキの晩年のように、これは技術や理性を超越した、着実に年輪を重ねた一握りの音楽家だけが為せる技と言えましょう。
これと並んで、シューベルトも信じがたい名演奏!ホールの響きとの融合も素晴らしく、シュヌアーの高潔なタッチが一層開花。モーツァルト同様、ここでもそれらしく振る舞う素振りは一切なく、作品を全面的に信頼した結果に滲み出るニュアンスに息の飲むばかりです。
これを聴くと、この先もシュヌアーのピアニズムが「枯淡」に向かうことなど想像できません。録音がまた絶品!【湧々堂】

CNM
CNM-170(1CD)
バッハ:ピアノ・トランスクリプションズ集
バッハ(フェインベルク編):トリオ・ソナタ第5番ハ長調 BWV529〜ラルゴ(第2楽章)
ヴィヴァルディ(1J・S・バッハ編):オルガンの為の協奏曲イ短調 BWV593(原曲:ヴァイオリン協奏曲イ短調 RV522)〜アレグロ(第1楽章)
鍵盤楽器の為の協奏曲ニ長調 BWV972(原曲:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 RV230)
バッハ(ジロティ編):前奏曲ホ短調 BWV855a
バッハ(ブゾーニ編):無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第2番ニ短調 BWV1004〜シャコンヌ
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 から 前奏曲とフーガ.ハ長調 BWV872
フィリペ・ピント=リベイロ(P)

発売:2006年
CNM
CNM-373(1CD)
アントニオ・ヴィクトリノ・ダルメイダ バッハ、ベートーヴェン、アルベニスを弾く
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 〜前奏曲とフーガ(第8番)変ホ短調 BWV853
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」
 ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79
アルベニス:「イベリア」第1巻〜エル・プエルト
「旅の思い出」〜入り江のざわめき
アルベニス(セヴラック補完):ナバラ
アントニオ・ヴィクトリノ・ダルメイダ(P)

発売:2012年
CNM
CNM-374(1CD)
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994):ピアノ・ソナタ第3番 Op.72
ピアノ・ソナタ第1番 Op.14
3つの古いポルトガルのファンダンゴ Op.82
オルガ・プラツ(P)

発売:2012年


Sleeveless Records
SLV-1003(1CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第9番ニ長調 K.311
ピアノ・ソナタ第8番イ短調 K.310
ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調 K.332
ピアノソナタ第11番イ長調 K.331〜トルコ行進曲
ウォーレン・メイリー=スミス(P/スタインウェイ)

録音:2010年10月、ワイアストン・ホール(モンマス)
ペーター・フォイヒトヴァンガーとロナルド・スミスからピアノを学び、英国王室からバッキンガム宮殿やハイグローヴ・ハウス、サンドリンガム・ハウスに招かれ演奏を披露。2011年にはロイヤル・フィルとの共演で本格的なコンチェルト・デビューも果たした英国ピアノ界の俊英ウォーレン・メイリー=スミス。
モーツァルトの「ピアノ・ソナタ集」でも、リストやベートーヴェン、ショパンで聴かせてくれたメイリー=スミスの持ち味である軽やかなタッチと美麗な音色が際立っています。1つ1つの音色が輝きながら音楽を創り上げていくメイリー=スミスのモーツァルトは、若き才能が輝く好演です。

Cello Classics
CC-1030(1CD)
インスパイラルズ
ビゼー(ゾリ編):カルメニアーナ
トルトゥリエ:サクセ
ポッパー:セレナード
フィッツェンハーゲン:カプリッチョ
ボッタームント(シュタルケル編):パガニーニ変奏曲
シュテュッチェスキー:東洋の踊り
ポッパー:スピニング・ソング
カサド:無伴奏チェロ組曲
ロストロポーヴィチ:ユモレスク
トルトゥリエ:スパイラルズ
カサド:緑の悪魔の踊り
ポッパー:ヴェネツィアの舟歌
ピアッティ:タランテラ
ヒレル・ゾリ(Vc)、アーノン・エレツ(P)

録音:2010年2月&9月
ヒレル・ゾリは、1986年のマリア・カナルス国際コンクールでのゴールド・メダル、ロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールでのデュティユー賞の受賞など、多くの実績を誇るイスラエル、テル・アヴィヴ出身の実力派チェリスト。偉大なるチェロの先人たちへのオマージュ・アルバムでもあるこの「インスパイラルズ」。ビゼーの「カルメン」を題材とした「カルメニアーナ」のチェロ&ピアノ・ヴァージョンは、このレコーディングで初披露。チェロとピアノの白熱のコラボーレションが魅力の作品です。

Hortus
HORTUS-097(1CD)
レーガー:オルガン作品全集Vol.2
幻想曲とフーガ.ハ短調 Op.29
12の小品 Op.59
ジャン=バプティスト・デュポン(Org)
※ルクセンブルクの聖マーティン教会にあるシュタールフート・オルガン
フランスのオルガニストによる19世紀後期〜20世紀初期ドイツ・オルガン界の巨人マックス・レーガー(1873−1916)の「オルガン作品全集」の第2弾! 演奏者に抜擢されたのは、トゥールーズのサン・セルニン教会のアシスタント・オルガニストを務める1979年生まれの有望株。
Hortus
HORTU-103(1CD)
エルガー:希望と栄光の国
イギリス行進曲 Op.32
11の晩祷のヴォランタリー Op.14
オルガン・ソナタ第1番ト長調 Op.28
夜の歌 Op.15-1/朝の歌 Op.15-2
エニグマ変奏曲 Op.36
行進曲「威風堂々」第1番ニ長調 Op.39-1
ジャン=リュック・エティエンヌ(Org)

録音:2012年7月17−19日の
フランスのコンポーザー=オルガニスト、ジャン=リュック・エティエンヌのエルガーの作品集。1986年にトゥールーズ国際オルガン・コンクールでファイナリスト、2007年にトゥール地方音楽院の教授に就くなど実力は折り紙つき。ルクセンブルクのサン・マルタン教会のオルガンでエルガーの音楽を荘厳、壮麗にに響かせます。

MUSIC MASTERS
BB-1305(1CD)
MEDITATION
グラズノフ:メディテイションop.32
ブルッフ:スウェーデン舞曲集 op.63
ブルッフ:コル・ニドライop.47
アクロン:ヘブライの旋律 op.33
 舞踏風即興曲 op.37
グリーグ:抒情小曲集 第2巻 op.38より〔民謡のふし、メロディー、悲歌、ワルツ〕
ブロッホ:バアル・シェム〔T懺悔 Uニグン Vシムハト・トーラー〕
江口有香(Vn)、藤田雅(P)

録音:2012年2月27-29日びわ湖ホール 小ホール
日本フィルのソロ・コンサートマスター、江口有香のソロ・アルバム。「MEDITATION」と題したアルバムの第1曲目はグラズノフの「メディテイション(瞑 想曲)」。ロシアで最も美しいヴァイオリン作品といわれる抒情たっぷりの旋律を、あたたかみに満ちた音色で美しく歌い上げています。ブルッフやアクロン、 ブロッホの作品のユダヤの哀愁を帯びた旋律で聴かせる厚みのある音色、また、グリーク小品集で魅せる語り口など、江口の魅力を味わいつくせる1枚です。 ピアノの藤田も、江口の表情にぴたりと寄り添った演奏。極上のアンサンブルを展開しています。
■江口有香(ヴァイオリン)
3歳よりヴァイオリンを始める。桐朋女子高等学校音楽科に在学中、第55回日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門にて第1位(1986年)。その後渡米し、インディアナ州立大学音楽学部に入学、在学中にワシントン国際コンクール第4位(1991年)。同大学を卒業後、同年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール第3位(1993年)。帰国後は、NHK FMリサイタル、新日鉄プロミッシング・アーティスト・シリーズ・リサイタルなどに出演。ソロ活動の他、アンサンブル活動や後進の指導にもあたるなど、幅広く活躍中。現在、日本フィルハーモニー交響楽団ソロ・コンサートマスター。国内オーケストラのゲスト・コンサートマスターも務める。2006-2011年トウキョウ・モーツァルト・プレーヤーズ・コンサートマスターを務める。桐朋学園子供のための音楽教室非常勤講師。
■藤田雅(ピアノ)
桐朋学園、インディアナ大学、ジュリアード音楽院にて研鑽を積む。ジュリアード音楽院スタッフ・ピアニスト、サンフランシスコ歌劇場オペラセンター全 米ツアー副指揮者を経て帰国。これまでにP.シュミードル、G.ヘグナー、W.シュルツ、M.ヘフス、D.パイアット、時任和夫、横川晴児、豊嶋泰嗣等、 著名な演奏家と国内外で数多く共演、アンサンブル・ピアニストとしての優れた音楽性とパートナーシップは高い評価を受けている。2003年新日本フィ ルを指揮。平成18年度文化庁芸術祭参加。洗足学園音楽大学非常勤講師(オーケストラ・室内楽担当)。


韓国Nimbus
CSM-1033(16CD)
オスカー・シュムスキーの芸術
■CD1
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番ト短調 BWV 1001 17:04
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV 1004 31:59
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV 1005 23:45
■CD2
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番 ロ短調 BWV 1002 31:22
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV 1003 23:17
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV 1006 19:40
■CD3
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ協奏曲イ短調 BWV 1041
オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060
ヴァイオリン協奏曲ホ長調 BWV 1042
つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043
■CD4
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第25番 ト長調 K. 301
ヴァイオリン・ソナタ第26番 変ホ長調 K. 302
ヴァイオリン・ソナタ第27番 ハ長調 K. 303
ヴァイオリン・ソナタ第28番 ホ短調 K. 304
ヴァイオリン・ソナタ第29番 イ長調 K. 305
「羊飼いの娘セリメーヌ」による12の変奏曲ト長調 K. 359 14:16
■CD5
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第24番 ハ長調 K. 296
ヴァイオリン・ソナタ第32番 ヘ長調 K. 376
ヴァイオリン・ソナタ第30番 ニ長調 K. 306
ヴァイオリン・ソナタ第33番 ヘ長調 K. 377
■CD6
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第34番 変ロ長調 K. 378
ヴァイオリン・ソナタ第35番 ト長調 K. 379
ヴァイオリン・ソナタ第36番 変ホ長調 K. 380
ヴァイオリン・ソナタ第40番 変ロ長調 K. 454
■CD7
モーツァルト: 「泉のほとりで」の主題による6つの変奏曲 ト短調 K. 360 10:16
ヴァイオリン・ソナタ第41番ホ長調 K. 481
ヴァイオリン・ソナタ第42番イ長調 K. 526
ヴァイオリン・ソナタ第43番ヘ長調 K. 547
ヴァイオリン・ソナタ第31番変ロ長調 K. 372
■CD8
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番 
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
■CD9
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op. 78
ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op. 100
ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op. 108
■CD10
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第1番へ短調 Op. 120, No. 1
ヴィオラ・ソナタ第2番 変ホ長調 Op. 120, No. 2
■CD11
ブラームス(ヨアヒム編曲):21のハンガリー舞曲集
■CD12
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調'バラード'
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番ト長調
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番ホ長調 ■CD13
クライスラー:オーストリア皇帝賛歌
ウィーンの奇想曲/愛の喜び
愛の悲しみ/美しきロスマリン
ウィーン狂詩曲風幻想曲
プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
ボッケリーニの様式によるアレグレット
ポルポラの様式によるアレグレット
カルティエの様式によるシャセ
W. F.バッハの様式によるグラーヴェ
フランクールの様式によるシチリアーノとリゴードン
プニャーニの様式によるテンポ・ディ・メヌエット
ドヴォルザーク(クライスラー編曲):ユーモレスク 3:23
スラヴ舞曲第1 番ト短調
スラヴ舞曲第2 番ホ短調
スラヴ舞曲第3 番ト長調
インディアン・ラメント/スラヴ幻想曲
■CD14
クライスラー:ジプシーの女
カヴァティーナ/おもちゃの兵隊の行進曲
レシタティーヴォとスケルツォ=カプリース
羊飼いのマドリガル
ジプシー・カプリース
タルティーニ(クライスラー編曲):7.コレッリの主題による変奏曲
フーガ 3:38
コレッリ(クライスラー編曲):9.サラバンドとアレグレット
ラ・フォリア
タルティーニ: ヴィヴァルディの形式による変奏曲
タルティーニ(クライスラー編曲):14.悪魔のトリル
■CD15
クライスラー:中国の太鼓
チャイコフスキー(クライスラー編曲):アンダンテ・カンタービレ
ユモレスク /無言歌/スケルツォ
民謡:Londonderry Air (“Danny Boy”) 4:34
グレインジャー(クライスラー編曲):岸辺のモリー

Works “in the style of”:
クープランの様式によるルイ13世の歌とパヴァーヌ
ディッタースドルフの様式によるスケルツォ
クープランの様式による貴婦人
マルティーニの様式によるアンダンティーノ
ルクレールの様式によるタンブラン
クープランの様式によるプロヴァンスの朝の歌
ポルポラの様式によるメヌエット
■CD16
シューベルト(クライスラー編曲):即興曲
ロザムンデからのバレエ音楽
楽興の時
ウェーバー:ラルゲット
ハイドン:ハンガリー風ロンド
グルック: 精霊の踊り
モーツァルト:「ハフナー」よりロンド
ブラームス:ハンガリー舞曲
シューマン:ロマンス
メンデルスゾーン:無言歌
アルベニス:マラゲーニャ/タンゴ
グラナドス:スペインの踊り
ファリャ:スペイン舞曲
全て、オスカー・シュムスキー(Vn)


■CD3
スコットランドCO
ロビン・ミラー(Ob)
ジョン・タンネル(指)


■CD4
アルトゥール・バルサム(P)


■CD5
アルトゥール・バルサム(P)


■CD6
アルトゥール・バルサム(P)


■CD7
アルトゥール・バルサム(P)


■CD8
モーツァルト
ヤン・パスカル・トルトゥリエシ
スコットランドCO


■CD9
オスカー・シュムスキー(Vn,Va)
レオニード・ハンブロ(P)


■CD10
オスカー・シュムスキー(Vn,Va)
レオニード・ハンブロ(P)


■CD11
フランク・マウス(P)


■CD13
ミルトン・ケイ(P)


■CD14
ミルトン・ケイ(P)


■CD15
ウィリアム・ウォルフラム(P)


■CD16
ウィリアム・ウォルフラム(P)
美麗紙ボックス仕様、ブックレット(英語表記)、内袋入りの各ディスクは、それぞれオリジナル・デザインが印刷された紙ジャケットに収納されてます。

WERGO
WER-6768(1CD)
ジョン・ケージ:ピアノのためのソロ(Solo for Piano)(1957-58) ザビーネ・リープナー(P)

録音:2012年 5月
この「ピアノのためのソロ」は、ケージの「ピアノとオーケストラのための協奏曲」(1957-58作曲)のピアノ・パートのこと。普通に鍵盤を押すことによっ て発せられる音、内部奏法の音色、ピアノの弦をこする音など様々な音が交錯しますリープナーは、ケージの「南のエチュード」(WER 6740)や、アール・ ブラウンの「抽象的なサウンド・オブジェクト」(WER 6745)などを手掛けた現代音楽のスペシャリスト。ここでも、ケージの謎のような楽譜を見事に 音楽化しています!
ケージが心がけていたのは、「非主体的な音」、音自体にいかなる方向性や意味、色や記憶や伝統などを持たせないことでした。50年代は主に2つの 手法によってこの音を求めるようになります。まず、「偶然性」。中国の易経に基づいて算出された要素に基づいて音を構築していく、いわば作曲行為時に 不確定要素が盛り込まれるように作曲しました。そして、50年代後半になると、易経に基づいて決められたことを楽譜化するのではなく、むしろ楽譜自 体に不確定性をもたせ、音符や楽譜上ではなく、「偶然性」(チャンス・オペレーション)が演奏時に初めて形になるように、演奏者に委ねられるようにな りました。このスタイルで生み出された初期の作品のひとつが1957-58年に書かれた「ピアノとオーケストラのための協奏曲」で、この協奏曲のピアノ・パー トが「ピアノのためのソロ(Solo for Piano)」として独立した作品となっています。63ページ、84の異なるタイプのグラフィック譜から成ります。この 楽譜は、一見すると楽譜のようですが、実際の音の高さやリズムなどは指定されていないもので、いわば演奏者への「提案」のようなもの。リープナーは 内部奏法も巧みに取り入れながら、ケージの音世界を展開しています。なお、本来、この作品は楽章分けされていませんが、聴き手が作品を味わいやす いようにと、7つにトラック分けされています。 (Ki)


若林工房
WAKA-4175(2CD)
舞踏への勧誘/ラ・カンパネッラ〜ピアノ名曲集
スカルラッティ:3つのソナタ(ロ短調K.87, ロ短調K.27, 変ホ長調K.193)
モーツァルト:トルコ行進曲
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14 番「月光」
ウェーバー:舞踏への勧誘
ショパン:華麗なる大円舞曲変ホ長調op.18
 軍隊ポロネーズop.40-1
 3つのワルツop.64
リスト:コンソレーション第3番
 ラ・カンパネッラ
ラフマニノフ:2つのプレリュード(ト長調op.32-5, 嬰ハ短調op.3-2)
ショパン:ワルツ.ヘ短調op.70-2
シューマン:トロイメライ
メンデルスゾーン:「春の歌」op.62-6

■ボーナス・トラック
メンデルスゾーン:2つの無言歌(「甘い思い出」op.19-1, 「羊飼いの嘆き」op.67-5)
メトネル:プリマヴェラ(春)op.39-3
イリーナ・メジューエワ(P)

録音: 2013 年8 月30 日、新川文化ホール、富山県魚津市
(※ボーナス・トラック以外はコンサート・ライヴ録音)
“軽い気分で聴き流せない、完璧に練り上げられたピアノ小品集!”
若林工房創立10周年記念コンサートのライヴ。今まで一貫してぶれない真摯さで高次元の名盤を連発し続けてきたメジューエワですが、ここではこのコンサートのために用意された1925年製のスタインウェイとの相性が抜群と見えて、ピアニズムが一層スケールアップした近年のメジューエワのピアニズムが、恐るべき説得力を持って迫る続けます。
スカルラッティは、実にピアニスティックで詩的なイメージを換気させ、陶酔的な美しさ。モーツァルトでは高潔なタッチが気高く連動し、リリー・クラウスを思わせる強靭な意志も垣間見られ、この1曲だけで手応え十分。これまた十八番のベートーヴェン「月光」は、第1楽章を幾分粘着質のアゴーギクを用いながらも音楽がべたつかず、第2楽章では大きな起伏を伴ったニュアンスと自然に沸き立つリズムの表情が印象的。終楽章ではスピード感が空転せず、中低域を核とした響きに風格美が溢れます。
「舞踏への勧誘」は、近年絶えて久しかった名演の誕生!サロン的な軽さの中に、オーケストラを思わせるキラキラしさ色彩が散りばめられて最後まで聴き入ること必至。一段テンポを速める第2ワルツに漂う洗練美も、メジューエワの資質が存分に発揮されています。
以前よりも表情が大きく、濃厚となったメジューエワのピアニズムを最も強く感じさせるのが、ショパンの作品。解釈が完全に練り上げられていることは言うまでもなく、育んできたロシアンピアニズムと持ち前の高潔な精神注入が一体化した、これぞ一級の芸術品です!
「カンパネッラ」は、もちろんアクロバティックな技巧が先に立つことなく、じっくりとしたテンポを貫きつつ音の跳躍の妙味をつぶさに表出。細かい走句でも打鍵に力感が充満し、音楽全体を大きく展開させる技も、近年のメジューエワの進化と言えましょう。
進化といえば、ラフマニノフでさらに痛感!Op.3-2の2:00以降の強打鍵の迫力は、小さい体からは想像うできないほどで、天上から重くのしかかるような漆黒の空間表出を完璧に実現しているのです。【湧々堂】

ARS HARMONICA
AH-232(1CD)
ギター二重奏の為のスペインとラテンアメリカの音楽
ピアソラ:タンゴ組曲
グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37より オリエンタル(No.2),アラゴネサ(No.6)
ジャン=マルク・ルノー(1954-):ラティテュード・タンゴ[緯度のタンゴ]
ホルヘ・カルドソ(1949-):組曲「ポルテニャ」 から ワルツ,ミロンガ
リチャード・エグエス(1923-2006):エル・ボデゲロ
ハダメス・ニャタリ(1906-1988):組曲「肖像」からアナクレオ・デ・メデイロス,シキニャ・ゴンザガ
ポンセ:間奏曲
ファリャ:バレエ「三角帽子」より 代官の踊り
 歌劇「はかない人生」より 舞曲
デュオ・ラティテュード
[セヴリーヌ・フォルジュロン、グウェン・レノン(G) ]

録音:2011年2月、ノワイヨン・ホール、ノワイヨン、ピカルディ地域圏、フランス
パリ音楽院およぶエコール・ノルマル音楽院で出会った二人の女性ギター奏者が2006年に結成したデュオ・ラティテュードのデビューCD。

Deux-Elles
DXL-1152(2CD)
ノクターン〜フレデリック・ショパンのロマンティック・ライフ
ショパン:夜想曲第13番ハ短調Op.48-1
ポロネーズ第3番イ長調Op.40-1 「軍隊」
ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
練習曲第13番変イ長調Op.25-1 「エオリアン・ハープ」
マズルカ第23番ニ長調Op.33-2
バラード第3番変イ長調Op.47
マズルカ第47番イ短調Op.67-4
前奏曲第15番変ニ長調Op.28-15 「雨だれ」
前奏曲第22番ト短調Op.28-22
ワルツ第6番変ニ長調Op.64-1「小犬」
夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2
バラード第4番ヘ短調Op.52
ルーシー・パラム(P)、
ハリエット・ウォルター&サミュエル・ウェスト(ナレーション)

録音:2010年8月2日、2011年2月18日&5月26日、ポットン・ホール(サフォーク)
現代イギリスの名女流ピアニスト、ルーシー・パラムによるショパン・アルバムは、イギリスの俳優、ハリエット・ウォルターとサミュエル・ウェストによるナレーション付き!
1984年にBBC Young Musician of the Yearに選ばれ、16歳でロイヤル・フェスティヴァル・ホールにデビュー。コンチェルトやリサイタルだけでなく、ショパン、リスト、ドビュッシー、シューマン夫妻のポートレートを音楽と言葉によって描くオリジナル・コンセプトで人気を博しています。
この「フレデリック・ショパンのロマンティック・ライフ」は2010年にウィグモア・ホールで初演されたプログラム。手紙や日記からショパンとジョルジュ・サンドの物語を構成し、ジョルジュ・サンドとの逸話で有名な「雨だれ前奏曲」や「小犬のワルツ」をはじめ、ショパンがサンドとマジョルカ島で暮らした1938年〜1947年頃の作品が物語に合わせて演奏されます。

Deux-Elles
DXL-1163(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集第3巻(クーパー新校訂版)
ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調Op.78 「テレーゼ」
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
マーティン・ロスコー(P)

録音:2009年4月5日−6日、ポットン・ホール(サフォーク)
Deux-Elles
DXL-1164(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集第4巻(クーパー新校訂版)
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調Op.14-1
ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14-2
ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22
ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26 「葬送」
マーティン・ロスコー(P)

録音:2008年1月28日、9月7日−8日、ポットン・ホール(サフォーク)
ベートーヴェンの「交響曲第10番第1楽章」を補筆完成させたことでも有名なベートーヴェン研究の世界的権威、バリー・クーパーによる新校訂版を使用した"世界初"のピアノ・ソナタ全集。バリー・クーパーが、スコアの全てを見直して完成させた新校訂譜を弾くのは、ピアノ王国Hyperionにも名を連ねるイギリスの名手マーティン・ロスコー。各巻にサブタイトルが付けられており、第3巻は楽聖のピアノ・ソナタ集大成となる「後期三大ソナタ」、第4巻は初期から中期への作品群「葬送行進曲」。ギルドホール音楽学校の教授職をはじめ、BBCプロムスへの度々の出演、BBCラジオ3へのレギュラー出演など幅広く活躍するマーティン・ロスコーの熟達の腕で、新たな楽聖の姿が浮かび上がります。

TYXart
TXA-13032(1CD)
ピアノ・デュオのための現代音楽作品集〜ゆらぎ―ヴァリエーション
フレデリック・ボリ(1953-):ソナタ.ロ長調、12カ月(I dodici mesi)
ホルマー・ベッカー(1955-):幻想曲、ディヴェルティメント
ハンス・クラウス・ヒューブナー(1941-):ヒアートゥスT-V、変奏曲(Schwankungen)
カーチャ&イネス・リュンケンハイマー(ピアノ・デュオ)

録音:2011年6月、2012年6月
ドイツの現代作曲家によるピアノ・デュオ作品集。それぞれの個性を持ちながらも、共通の音楽認識を持つ現代作曲家による刺激的なアルバムが完成 しました。 ここに収録されている3人の作曲家は、難解な現代音楽ではなく、音楽の構成や伝統的な響きに準じた作品を世に出すという同じ信念のもと、作曲家と して活動しているグループです。 演奏しているピアノ・デュオ、カーチャ&イネス・リュンケンハイマーのスリリングな妙技も注目できます。卓越した想像力とピアノから色鮮やかな音色を引 き出し、繊細に時には大胆に演奏しています。 特にアルバム・タイトルにもなっているハンス・クラウス・ヒューブナーの変奏曲(Schwankungen)は、ソロ、デュオ、楽器1台、2台へと編成の変化、 そして1つの音律から異なる音律へ、1つのタクトから新たなタクトへと多種多様に変化する変奏曲となっており、まさに今2人のピアニストの手から音 楽が生み出されているような感覚になる輝かしく新鮮な演奏を聴かせてくれます。 (Ki)

NEWAY MUSIC
NM-0413001(1CD)
比石妃佐子/日本・スペイン交流400周年
モンポウ:内なる印象
モンサルバジェ:オスカル・エスプラを記念する子守歌
 忘れられた作者の主題による3つのディヴェルティメント
グラナドス:演奏会用アレグロ
アルベニス:パヴァーヌ−カプリッチョ
三善晃:アン・ヴェール[En vers]
伊福部昭:日本組曲
比石妃佐子(P)

録音:2012年7月24日、2013年2月16日、3月23日、スタジオ・アウディトリウム、ジャフラ、ジロナ県、スペイン
慶長遣欧使節団のスペイン訪問(2013-2014)400周年を記念して、スペインと日本の作曲家のピアノ作品を取り上げたアルバム。

神戸ユビノ企画
OHPM-0001(1CD)
税込定価
ワン・ハンド・ピアノ・ミュージック・シリーズ1〜「はじまり」
ブルーメンフェルト:練習曲 変イ長調Op.36
サン=サーンス:左手のための6つの練習曲Op.135
バッハ(ブラームス編):シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV.1004ニ短調より)
スクリャービン:前奏曲と夜想曲Op.9
左手のアーカイブ初級楽譜(有馬圭亮 編曲):かたつむり
瀬川泰代(左手P)

録音:2012年9月3日、原宿アコスタジオ

※紙ジャケ仕様
「左手のピアノ演奏」の社会化を目指す団体「左手のアーカイブ」プロジェクトが送り出す新人・瀬川泰代の心温まる演奏は、聞く者の心を癒し、勇気を与えます。バッハ、スクリャービンの名曲から、同団体が障がいのある子どもの為に編曲した「かたつむり」など幅広い選曲になっており、彼女の魅力を存分に味わえるCD になっています。

現代ギター
GGBD-5009(1CD)
税込定価
コスト:25の練習曲Op.38 稲垣 稔(G)

録音:1996年 4月
※旧品番:GGBD-5003
ナポレオン・コストは、ロマン派を代表するフランスのギタリスト兼作曲家。そのエッセンスを凝縮したような《25の練習曲Op.38》はまさに名作揃い。 ロマン派作品演奏の恰好の手引きと言えるでしょう。さまざまな魅力に溢れたこれらの曲を名手、稲垣 稔の演奏でお届け致します。稲垣稔は2013年6 月26日、ガンのため惜しまれつつ世を去った早世の天才ギタリスト。その音色の美しさと確実なテクニックには定評がありました。このCD は1996年 4月に録音された全曲演奏で、練習の参考用としてのみならず、コスト作品が持つ魅力を余すところなく伝える貴重なものです。 (Ki)

Dal Segno
DSPRCD-039(1CD)
ザ・グレート・フレンチ・ピアニスト
サン=サーンス:かわいいワルツ Op.104、
 死の舞踏 Op.40、
 歌劇「サムソンとデリラ」〜即興曲, あなたの声に私の心は開く
 マズルカ第3番変ロ長調 Op.66、
 マズルカ第1番ト長調 Op.21−1 のんきなワルツ Op.110
ドビュッシー:沈める寺、
 パックの踊り、レントより遅く、
 子供の領分、亜麻色の髪の乙女 グラナダの夕べ
シャミナード:アメリカ風行進曲 Op.131、枯れ葉 Op.146
フォーレ:パヴァーヌ、
 子守唄 Op.56−6
オッフェンバック:地獄のオルフェ
カミーユ・サン=サーンス(P)、
クロード・ドビュッシー(P)、
セシル・シャミナード(P)、
ガブリエル・フォーレ(P)、
オイゲン・ダルベール(P)、
ルドルウ・ガンツ(P)、
アルフレッド・コルトー(P)
フランスを代表する大作曲家たちの、自作自演を含むオリジナル・ピアノ・ロール・レコーディングス。1908年〜1933年に作製されたピアノロールで1992年に録音され、作曲家自身の解釈を聴くことのできる貴重な作品集。ピアニスト、ヒストリカル・ファン、ピアノロール・コレクター必聴の1枚です。

MUSIC VARS
VA-0010-2(1CD)
未案内旧譜
チェコのピアノ音楽
ヤン・ラディスラフ・ドゥシーク(1760-1812):ソナタ Op.10-2
スメタナ:バガテルと即興曲集
 海辺にて(演奏会用練習曲)Op.17
ドヴォルザーク:シルエット Op.8
ヤナーチェク:霧の中で
マルティヌー:練習曲とポルカ集 H.308〜パストラーレ/ポルカ.ニ長調/練習曲ヘ長調
ハナ・ドヴォジャーコヴァー(P)

録音:1991年7-9月


韓国Nimbus
CSM-1032(14CD)
ヴラド・ペルルミュテール〜The Nimbus録音集
■CD1
ショパン:1. 夜想曲 Op. 9, 第3番ロ長調
夜想曲 Op. 15, 第1番へ長調
夜想曲 Op. 15, 第2番嬰へ長調
夜想曲 Op. 15, 第3番ト短調
夜想曲 Op. 27, 第1番嬰ハ短調
夜想曲 Op. 27, 第2番変ニ長調
夜想曲 Op. 48, 第1番ハ短調
夜想曲 Op. 48, 第2番嬰へ短調
夜想曲 Op. 55, 第2番変ホ長調
夜想曲 Op. 62, 第1番ホ長調
■CD2
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番
ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op. 58
舟歌嬰へ長調 Op. 60
■CD3
ショパン:24の前奏曲 Op. 28
前奏曲第25番嬰ハ短調Op. 45
幻想曲へ短調 Op. 49
子守歌変ニ長調 Op. 57
■CD4
ショパン:練習曲Op. 10
練習曲Op. 25
3 つの練習曲(遺作)
■CD5
ショパン:バラード〜第4番
ポロネーズ第5番嬰へ短調 Op. 44
ポロネーズ第7番「幻想」
■CD6
ショパン:スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op. 39
マズルカ第36番イ短調Op. 59-1
マズルカ第37番変イ長調 Op. 59-2
マズルカ第38番嬰へ短調 Op. 59-3
マズルカ第39番ロ長調 Op. 63-1
マズルカ第40番ヘ短調 Op. 63-2
マズルカ第41番嬰ハ短調Op. 63-3
マズルカ第15番ハ長調Op. 24-2
マズルカ第25番ロ短調Op. 33-4
マズルカ第27番ホ短調 Op. 41-1
マズルカ第29番変イ長調Op. 41-4
マズルカ第34番ハ長調 Op. 56-2
マズルカ第35番ハ短調Op. 56-3
マズルカ第49番ヘ短調 Op. 68-4
マズルカ第13番イ短調 Op. 17-4 4:08
マズルカ第21番嬰ハ短調 Op. 30-4
マズルカ第32番嬰ハ短調 Op. 50-3
タランテラ変イ長調 Op. 43

■CD7
ラヴェル:鏡
水の戯れ 5:32
亡き王女のためのパヴァーヌ
夜のガスパール
■CD8
ラヴェル:ソナチネ
高雅で感傷的なワルツ
クープランの墓/前奏曲
ボロディン風に
シャブリエ風に
古風なメヌエット(ピアノ版)
ハイドンの名によるメヌエット
■CD9
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「情熱」
ピアノ・ソナタ第26番「告別」
エロイカ変奏曲
■CD10
シューマン:クライスレリアーナOp. 16
交響的練習曲 Op. 13
■CD11
シューマン:幻想曲ハ長調Op. 17
リスト ピアノ・ソナタ.ロ短調
■CD12
フォーレ:主題と変奏嬰ハ短調 Op. 73
夜想曲第1番変ホ短調Op. 33-1
間奏曲第2番へ短調 Op. 31
夜想曲第6番変ニ長調 Op. 63
舟歌第5番嬰へ短調 Op. 66
夜想曲第7番嬰ハ短調 Op. 74
間奏曲第5番嬰へ短調 Op. 102
夜想曲第12番ホ短調 Op. 107
夜想曲第13番ロ短調 Op. 119
■CD13
バッハ:イタリア協奏曲へ長調 BWV 971,
ドビュッシー: ピアノのために
 映像第1集/喜びの島
ショパン:マズルカ第13番イ短調 Op. 17-4
 マズルカ第21番嬰ハ短調 Op. 30-4
 マズルカ第32番嬰ハ短調 Op. 50-3
 タランテラ Op. 43
■CD14
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタン」
ショパン:スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op. 39
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 ニ短調 Op. 54
ラヴェル:マ・メール・ロワ(4手のピアノのための)
■CD1
Recorded at Wyastone Leys on 28 & 29 January 1984 (DDD)

■CD2
Tracks 1-8 Recorded at Nimbus Birmingham on 8th January 1974 (ADD)
Track 9 Recorded at Wyastone Leys in March 1982 (DDD)

■CD3
Recorded at Wyastone Leys.
Preludes (Tracks 1-25): March 1981(ADD)
Fantasy and Berceuse(Tracks 26-27): March 1982 (DDD)

■CD4
Recorded at Wyastone Leys. (DDD)
Track 1-12 & 25-27 on 28&29 March 1983
Track 13- 24 on 8&9 June 1982

■CD5
Tracks 1-4 recorded at Nimbus Recording Studios, Birmingham, January 1974 (ADD)
Tracks 5-6 recorded at Wyastone Leys, Monmouth, March 1981 (ADD)

■CD6
Recorded at Wyastone Leys.
Track 1 on 9 October 1990, Track 2-14 on 1-3 July 1992 (DDD)
Track 15-17 on 21&22 May 1986, Track 18 on 29 March 1983 (DDD)

■CD7
Recorded at the Nimbus Studios, Birmingham, 26th July- 2nd August 1973 (ADD)

■CD8
Recorded at the Nimbus Studios, Birmingham, 26th July- 2nd August 1973 (ADD)
■CD9
Tracks 1-6 recorded at Wyastone Leys, 18th December 1987 (DDD)
Tracks 7-23 recorded at Nimbus Recording Studio, Birmingham 1974 (ADD)
Cover photo of Vlado Perlemuter by Gerald Reynolds

■CD10
Tracks 1-10 recorded at Wyastone Leys, 9 June 1982 (DDD)
Tracks 11-28 recorded at Wyastone Leys, 9 December 1985 (DDD)

■CD11
Tracks 1-3 recorded October 9-11, 1990 at Wyastone Leys, Monmouth (DDD)
Track 4-6 recorded on October 21-22, 1974 at Nimbus Studio, Birmingham (ADD)

■CD12
Recorded Wyastone Leys
Tracks 1-12 March 9th 1982 (DDD)
Tracks 13-20 September 21st, 22nd 1982 (DDD)

■CD13
Recorded at Wyastone Leys
Track 1-6 and 10 on 9th & 10th December 1985.
Track 7-9 and track 11-13 on 21st & 22nd may 1986.
Track 14 on 29th March 1983

■CD14
Recorded at Wyastone Leys, Monmouth
Track 5-9 March 9th 1982.
Track 4 May 21st 1986.
Tracks 1-3 October 9th-11th 1990.
美麗紙ボックス仕様(サイズ:縦130mm×横130mm×奥行50mm)、ブックレット(英語表記)、内袋入りの各ディスクは、それぞれオリジナル・デザインが印刷された紙ジャケットに収納されてます。

WERGO
WER-6783(1CD)
マーク・アンドレ:作品集
S1 (2台ピアノのための)(2009-2012)*
Un-fini III (ピアノのための)(1993-95)
iv 11a (ピアノのための)(2011)
iv 11b (ピアノのための)(2011)
コントラプンクトゥス(ピアノのための)(1998-99)
iv 1(ピアノのための)(2010)*
Tomoko Hemmi(P)
Yukiko Sugawara(P)*

録音:2012年5月
マーク・アンドレのピアノ作品集。アンドレが、消え去ってしまう「音」の反射と衰退を緻密に研究した成果に基づいています。トーン・クラスター、弦 を指でさすって音を出すなどの様々な音色が聴かれます。さらに、その音色がもたらす残響効果もバッチリ録音されています。アンドレ自身が最も信頼して いる楽器・ピアノで音・音色・音響を極限まで追及した成果がここにあります。 マーク・アンドレは1964パリ生まれの作曲家。パリ国立高等音楽院にてクロード・バリフとジェラール・グリゼイに師事、その後シュトゥットガルトでラッ ヘンマンの薫陶を受けています。ドナウエッシンゲン音楽祭などでオーケストラ賞など数々の名誉ある賞を受賞。2012年にはモーツァルト週間のコンポー ザー・イン・レジデンスを務めるなど、今もっとも注目されている作曲家です。現在は、ドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽院で教授 を務めています。ベルリン在住。 (Ki)

WERGO
WER-6762(1CD)
ジョージ・アンタイル:ピアノ曲集
ジャズ・ソナタ(1923)
ラジオのためのソナチネ(1929)
花火と世俗的なワルツ(1919)
黄金の鳥(1921)
飛行機ソナタ(1922)
スウェル・ミュージック(1928)
ピアノ・ソナタ第3番「機械の死」(1923)
ピアノ・ソナタ第5番(1923)
野蛮なソナタ(1923)
リトル・シミー(1923)
メルレのために(1925)
オペラ「トランスアトランティック」〜序曲とタンゴ(1930)
4手のための組曲(全14曲)(1939)*
機械仕掛けの蛇(リヴィングストン編:ピアノ6手)(1921)#
ギー・リビングストン(P)、
フィリップ・ケレル(P)*.#、
ステファーヌ・レアシュ(P)#

録音:2013年5-6月/聖マルセル教会(パリ)
ジョージ・アンタイル(1900-1959)はアメリカの未来派作曲家。高名な割には、あまり音のイメージが湧かない作曲家なので、ピアノ曲をこれだけま とめたアルバムは大歓迎と申せましょう。コープランドと同年生まれで、ガーシュウィンより2歳、ヘンリー・カウエルより3歳年少ですが、いずれとも作 風は異なり、意外にも近代ロシアのピアノ音楽を思い起させます。名前を伏せて聴けば、ストラヴィンスキーかショスタコーヴィチの未知の作品かと見紛 う個性的な面白さに満ちています。
アンタイルは多才で興味深い人物だったようで、音楽家のみならず、エズラ・パウンド、ジョイス、イェーツら文学者やピカソと親しく、また発明の才に も恵まれ、今日の無線LANや携帯電話の原理となるものも、彼が絡んでいると言われています。そうした才気が彼の音楽にも充溢しています。
ジャズ・ソナタはわずか1分49秒の作品で、「自動ピアノのように弾け」という指示があります。また「飛行機ソナタ」では最尖鋭の文明機器を、「野 蛮なソナタ」では原始主義を見事に昇華、芸術作品に仕立てています。ピアノの打楽器的な用法、敏捷な指の動きは痛快でストレス解消にもオススメです。 演奏者ギー・リビングストンはパリ在住のアメリカ人奇人ピアニスト。アンタイル研究家としても知られ、これ以上ない説得力を示しています。 (Ki)

CERNITORI
888174-070339(1CD)
ニュー・ワールド・チェロ
ヒナステラ:パンペアナ第2番 Op.21
レーラ・アウエルバッハ(1973-):無伴奏チェロ・ソナタ Op.72
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番 から アリア
ミヨー:ブラジルの郷愁 Op.67 から ティジュカ
ホセ・ブラガト(1915-):グラシエラとブエノスアイレス
ファーディ・グローフェ(1892-1972):クリスティーヌ
ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌
ボリビア伝承曲:ア・ラス・モンタニャス・イレ、ヤラビ
ポンセ:小さな星
コロンビア伝承曲:私の黒い花
カルロス・ガルデル(1887-1935):ポル・ウナ・カベサ
ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
ティリー・チェルニトーリ(Vc)
マリアンジェラ・ヴァカテッロ(ピアノ(*以外))

録音:2012年、モーツァルト・ホール、ザルツブルク、オーストリア
イタリア人の父、日本人の母を持つローマ生まれのチェロ奏者ティリー・チェルニトーリ(本名アッティラ・キョーコ・チェルニトーリ)の自主製作盤。
※本体、外装にレーベル名、規格番号の表示がございません。

MIRARE
MIR-232(1CD)
ラヴェル:ピアノ作品集
夜のガスパール
高雅にして感傷的なワルツ
クープランの墓
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)

録音:2013年5月 フェルム・ドゥ・ヴィユファヴァール
“フランソワ盤を超えるラヴェルはないと信じる方にこそお薦め!”
このラヴェルはあまりにも素晴らしすぎます!いかにもフレンチ・ピアニズムを象徴する繊細なタッチで一貫しながら、ニュアンスの幅は広く、知的制御も常に音楽的に作用。過去のほとんどの名盤から聴き取れなかった表情が随所に沸き立ち、その発想力はひけらかしに終わらず、清々しい空気を運び込むのです。
1曲目の「ガスパール」からもう釘付け!青光りする色彩とグロテスクな表情を際立たせることが多い中、ヌーブルジェが敷き出す音楽はそんな一面では済みません。“オンディーヌ”のアルペジオ音型の繊細な呟きから心奪われ、硬質でキラキラしたタッチにはまろやかさが加味されています4:21以降の盛り上がりも音を割らず自然な語り口を堅持。“絞首台”は過度な物々しさをさらっと回避。優しい詩情すら漂います。2:22付近のハーモニーのミステリアスな色彩は軽い衝撃。“スカルボ”でもタッチの軽妙さを維持したままグロテスクな表情に逃げず、色彩の移ろいとリズムの運動性を見事に浮かび上がらせ、音楽自体に語らせることに成功しています。
「高雅にして感傷的なワルツ」も、1曲目を聴き出したらそのニュアンスの虜になること必定。全曲が緊密に連動し、しなやかで有機的な流れを形成。特に印象的なのが第5曲。左右の声部が違う表情を見せたかと思うと互いに擦り寄るような可憐な表情を浮かべる、というようにそのさじ加減が絶妙の極み!肩の力を一切感じさせず、無限のニュアンスの広がりに聴き手を引き入れる優しい吸引力に身を委ねるしかありません。
そして「クープランの墓」。ここでも全てのニュアンスが新鮮。衒いが一切ないのはもちろんのこと、予定調和的な美しさに傾ここともなく、この作品の内面的な美しさに光を当てた演奏は滅多にありません。“フォルラーヌ”の中間部では、一切作為がないにも関わらず心の陰影が確実に音化されて胸に迫り、後半ではタッチの軽さを維持しつつ内容味が満点。“リゴードン”では意外にもやや重めのタッチを見せ、それがユーモラスな雰囲気に結実。“メヌエット”は、この曲で泣きたい人は必聴!弱音でごまかすことなく、音の行間から微かに香るニュアンスをこれほど感じ取った演奏は近年稀です。“トッカータ”も、ヌーブルジェの豊かな音楽性と趣味を象徴する一曲。技巧の誇示とは無縁で、硬質なタッチとタイトなフォルム感から、単なる猛進モードでは感じ取れないめくるめく色彩放射の魅力を堪能させてくれるのです。
全収録曲の隅々まで思慮深い楽譜の読みと感性が息づいていることを実感させられ、しかも全ての楽音が瑞々しい、そんなラヴェルは、ここ10年なかったように思います。【湧々堂】

Sono Luminus
DSL-92174 (CD+Blu-ray AUDIO)
トッカータ 〜ハープシコードのための近代アメリカ音楽集
メル・パウエル(1923-1998):レチタティーヴォとトッカータ・ペルコッサ(1953)
カウエル(1897-1965):オスティナート(4 つのセットから)(1960)
ネッド・ローレム(1923-):スパイダーズ(1968)
サミュエル・アドラー(1928-):ソナタ(1982)
ロバート・ムチンスキー(1929-2010):プロフィール(1982)
トーマス・ベンジャミン(1940-):3 つの楽章(1988)
ロバート・メーヴス(1920-2007):サラバンド(1986)
スティーブン・ブルンバーグ:ジャイル(1991)
パトリシア・モアヘッド(1940-):Tourbillon Galaxy(2012)
ハロルド・メルツァー(1966-):5 つのトッカータ(2005)
ジョリー・ヴィニクール(ハープシコード)
Sono Luminus レーベルの名ハープシコード奏者、ヴィニクールをフィーチャーした興味深い1 枚です。バッハやラモー、クープランなどのバロックの作曲家に愛されたハープシコードですが、古典派からロマン派の時代は、ピアノの勢いに押されて活躍の場を失っていました。しかし20 世紀の初めになると、この楽器に魅せられたポーランドの奏者ワンダ・ランドフスカによって近代ハープシコードが生まれ、新たな楽器としての可能性が広がることになります。ファリャやプーランクを始めとした新しい作品も書かれ、人々はこの楽器の音色に着目しました。このアルバムはヴィニクールが作曲家の友人たちに曲を委嘱した新作も含め、魅力的で斬新な作品が並んでいます。ミニマル的な音楽、驚くほどロマンティックな音楽など様々な表情をお楽しみいただけます。この先鋭的な音色を存分に捉えた高音質Blu-ray 盤も同梱されています。ハープシコードの音色はこのメディアの特質を見事に具現化しています。

VERMEER DIGITAL
VERMEER-40002(1CD)
ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ集
ヘ短調K466/L118(アンダンテ)、
ハ長調K159/L104(アレグロ)、
ト長調K146/L349、
ト長調K336/L337(アレグロ)、
イ長調K321/L257(アレグロ)、
ホ長調K403/L470(アレグロ)、
変ロ短調K87/L33、
嬰ヘ短調K25/L481(アレグロ)、
イ長調K322/L483(アレグロ)、
ニ短調K32/L423(アリア)、
ト長調K391/L79(アレグロ)、
ト短調K8/L488(アレグロ)、
ハ長調K421/L252(アレグロ)、
ヘ長調K349/L170(アレグロ)、
ヘ短調K69/L382
ロベルト・ロッソ(P)

録音:2012年 5月
ドメニコ・スカルラッティが書いた555曲の鍵盤楽器のためのソナタから、15曲を選んで収録したアルバム。イタリアのピアニスト、ロベルト・ロッソ が演奏しています。堅実なテクニックの上に表現力で芸術性を兼ね備え、各曲の描き分けを見事に行っています。現代ピアノで弾くスカルラッティの数ある 演奏の中でも、印象に残る演奏といえるでしょう。 (Ki)

FFV RECORDS
FFV-02(2CD)
ポーランドのヴァイオリンのパワー
カロル・リピンスキ(1790-1861):ヴァイオリン協奏曲第3番 Op.24(1830頃)*
ロッシーニの歌劇「チェネレントラ」の主題による変奏曲 Op.11(1818)+
ズビグニェフ・トゥルスキ(1908-1978):ヴァイオリン協奏曲第1番(1951)#
バルトシュ・コヴァルスキ(1977-):小ポーランド協奏曲(2010)**
イグナツィ・ヤン・パデレフスキ(1860-1941):演奏会用アレグロ ト短調(1890?)++
スワヴォミル・トマシク(Vn)
ポーランドRSO(*/+/#)
スタニスラフ・マツラ(指)*
マッシミリアーノ・カルディ(指)+
スワヴォミル・フシャノフスキ(指)#
スビト・ストリングス**
バルトシュ・コヴァルスキ(指)**
ロベルト・モラフスキ(P)++

録音:2000年10月24日*、2007年2月25日+、1998年3月21日#、
グジェゴシュ・フィテルベルク・ホール、カトヴィツェ、ポーランド(*/+/#)
2012年10月30日**、2012年12月27日++、
フリデリク・ショパン音楽大学コンサートホール、ワルシャワ、ポーランド(**/++)
使用楽器(Vn):17世紀、マルチン・グロブリチ製(モダーン仕様)
ポーランドのヴァイオリン製作家 Marcin Groblicz(1540頃-1609頃)の手になる銘器で、リピンスキから現代に至るポーランドのヴァイオリン音楽を聴かせてくれる好企画盤。スワヴォミル・トマシクはフリデリク・ショパン音楽アカデミー(現大学)でヤン・タヴロシェヴィチ、クシシュトフ・ヤコヴィチにヴァイオリン師事し1983年に卒業、ケルン音楽大学でアマデウスSQに室内楽を師事した後、ポーランドの名ヴァイオリン教師タデウシュ・ヴロンスキ(1915-2000)の教えを受けたポーランドのヴァイオリン奏者。2013年現在、フリデリク・ショパン音楽大学教授を務めています。

MEDICI CLASSICS
M-60089
(Bluray)
ジェロ−ム・ローズ、ベートーヴェン・ライヴVol.2
ピアノソナタ第8番ハ短調Op.13「悲愴」
ピアノソナタ第14番嬰ハ短調Op.27の2「月光」
ピアノソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」
ピアノソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
ピアノソナタ第26番変ホ長調Op.81a「告別」
ジェローム・ローズ(P)

リージョン :ALL
カラー
ワイドスクリーン
[HD 1080i]
PCM Stereo/95mm
1938年生まれ、1961年ブゾーニ国際コンクール優勝に輝くアメリカの重鎮ピアニスト、ジェローム・ローズ。ニューヨークのマネス音楽院教授をは じめ各国でマスタークラスを開講するなど教育面でも著名。日本にも数多くの教え子がいるうえ、昨年の浜松国際ピアノコンクールの審査員も務めるなど、 縁の深い巨匠と申せましょう。彼の演奏は曖昧な所が微塵もない楷書風のもので、非常にオーソドックス。しかし大きな音楽性と深い情感はまさに巨匠な らでは。彼はCD時代からベートーヴェンのソナタに定評があり、ことに「熱情」の素晴らしさは知る人ぞ知る最高の名演とされてきました。ここではブルーレ イによる最新鮮明画像でタッチから指遣い、ペダルの秘宝をすべて公開。得る所の多すぎる、ピアノ関係者必携のアルバムです。 (Ki)

La Dolce Volta
LDV-13(1CD)
チッコリーニ〜ワルツ選集
シャブリエ:アルバムの綴り
ショパン:華麗なワルツ イ短調Op.34の2
ピエルネ:ウィーン風Op.49bis
グリーグ:思い出Op.71の7
サティ:お前がほしい
セヴラック:ロマンティックなワルツ
シューベルト(R.シュトラウス編):クーペルヴィーザー・ワルツ
ドビュッシー:レントよりも遅く
マスネ:非常にゆっくりとしたワルツ
シベリウス(作曲者編):悲しきワルツOp.44
フォーレ:ヴァルス・カプリス第3番変ト長調Op.59
ブラームス:ワルツ変イ長調Op.39の5
タイユフェール:ヴァルス・レント
アルド・チッコリーニ(P)【YAMAHA使用】

録音:2013 年 5月21-24日ボンセクール教会(パリ)
※日本語ライナーノートつき
1925年生まれのチッコリーニ88歳の最新録音。現役ピアノの最巨匠のひとりである彼が、3拍子の小品だけを集めたアルバムをリリース。大半は彼 が1960年代後半の若き日にEMIに録音して、今日でも名盤の誉れ高い十八番作品の再録となりますが、その深みと成熟ぶりはほとんど神の域に達して いると申せましょう。なかでもサティ、セヴラック、マスネのピアノ曲はチッコリーニの名演でファンになった方も多いという思い出のもの。若き日の颯爽と した快演とは異なる悠然とした構え、何のけれんみもない、人生経験を感じさせる深々とした音色と語り口でひれ伏したくなるほどの凄さです。
1曲目に収められたシャブリエの「アルバムの綴り」はさほど有名な曲ではありませんが、彼の作品中でも白眉の逸品。チッコリーニはしっとりと情感 深く奏で、気絶するほどの美しさ。またグリーグの「思い出」は全66曲から成る「叙情小曲集」のいちばん最後の曲。いちばん最初の曲である「アリエッ タ」のメロディが3拍子になって現れ意味深です。 (Ki)

La Dolce Volta
LDV-09(1CD)
ショパン:24の前奏曲Op.28
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35「葬送」
ジャン=フィリップ・コラール(P)

録音:2013 年 4月9-11日/ボンセクール教会(パリ)
※日本語解説付き
“長年の迷いを払拭して臨んだ、強固な確信に満ちたショパン!”
これは画期的とも言えるショパン!ライナーにあるインタビュー(日本語でも掲載)によると、10代の頃に女性的に捉えられていたショパンのイメージと、コラール自身の音楽性との折り合いがつかず、ショパンとは長年距離を置いていたとのこと。つい最近、ようやく解釈に確信を持てたことでこの録音に踏み切ったそうですが、その言葉通り、その吹っ切れた思いを存分に注入し、明確な意志をを宿したショパン像を築いています。昨今では女性的という狭いイメージで演奏に臨む人はほとんどいませんし、演奏スタイルも多様化しているとは言え、まさに苦難に満ちた人生ドラマを丸ごと肯定するような内面的強さを孕む「前奏曲集」は、過去にあまり例がなかったように思います。第8曲、第9曲あたりで特にそれを痛感します。
J.P.コラールならではの、硬質で曖昧さを残さないタッチはもちろん健在。陽の光を一杯に受けた第11曲も明るさの中に静かな闘志が宿ります。第17曲もここまでメランコリーを削ぎ落とし、大理石の神殿のような造型美をもって再現した例も稀。エレガンス溢れる第23曲でも、感覚的に酔いしれることを禁じる厳しさが貫かれています。
「ソナタ」がこれまた絶品!第1楽章はバリバリ弾けばそれなりに熱演風に聴こえますが、J.P.コラールは、破綻のないテクニックはもちろんのこと、一気に長い呼吸で駆け抜ける際の求心力が尋常ではなく、タッチの粒立ちにも混濁皆無。響きの徹底的な制御とそうせずにいられないという切迫した表現が完全に一体化した凄さに圧倒されっぱなしです。第2楽章では、表面的にはかなり荒くれた推進力を見せますが、独特かつセンス満点のルバートによって、泥臭さとは無縁の潔さに溢れ、圧倒的な彫琢美を確立。
ショパンの演奏において「男性的」とい形容があり得るとしたら、第3楽章はまさにその典型。他の楽章にも言えますが、J.P.コラールのアプローチには、フレーズ感の間合いを長めに取って情緒的に流れることを意識的に避けており、その既存とした姿勢がこの第2主題の天国的な美しさに確固とした存在感を与えており、単なる陶酔美では済まないのです。
聴後に心地よい疲労を覚えるショパンに久々に出会えました。日本語解説も、読み応えあり!【湧々堂】

La Dolce Volta
LDV-12(1CD)
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番 ト長調 D894
モーツァルト:ロンド.イ短調 K511
ベートーヴェン:バガテルop.126
メナヘム・プレスラー(P/スタインウェイ(ハンブルク製、インディアナ大学・ブルーミントン音楽学校蔵))

録音:2013年5月22,23日(ブルーミントン、インディアナ大学ジェイコブス・スクール)

※日本語ライナーノートつき
シューベルトのト長調ソナタについて、プレスラーは『ある意味では、この音楽には悲劇はありません。第1楽章の「モルト・モデラート・エ・カンター ビレ」は幻想曲ですが、演奏家自身がまさに「幻想曲」であることを感じ取らなければ、その性格を表現することはできません。ピアノ曲ではありますが、 シューベルトはピアノを「忘れて」いると思われます。』と語っています。円熟の極みにあるからこそ成し得た奇跡的な名演がここにあります。モーツァルト のロンドに関しても、『この音楽にはあまりに多くの悲しみと喜びが、自分が体験しないと表現できないことがつまっています」「過去の幸福を思いだしてい るモーツァルトが思い浮かびます』と、意味深な言葉を寄せていますが、一音一音に魂がこもった神の領域の演奏といえるでしょう。ベートーヴェンも肩 の力が抜けきった、天上の響き。巨匠が誘う絶美の世界です。 (Ki)


Virtus Classics
VTS-2(1CD)
進化系ピアノ連弾
スーザ:星条旗よ永遠なれ
(V.ホロヴィッツ、 山口雅敏&伊賀あゆみ 編)
G.アンダーソン:J.シュトラウスUの「美しき青きドナウ」幻想曲
ラフマニノフ:ヴォカリーズ (G. アンダーソン編)※
ハチャトゥリアン:剣の舞 (G. アンダーソン編)
ガブリーリン:バレエ音楽「アニュータ」による4 手のためのスケッチ
チャイコフスキー:フランスの古い歌 作品39-16(プトゥーシュキン編)
ツファスマン:インテルメッツォ (ナザロフ編)
ビカノフ:ロココ (ナザロフ編)
ローゼンブラット:アヴェ・マリア
ローゼンブラット:2つのロシアの主題によるコンチェルティーノ
W.ゴメス:アヴェ・マリア (山口雅敏編)
メンデルスゾーン:「結婚行進曲」と変奏曲(V. ホロヴィッツ編 / 山口雅敏編)
伊賀あゆみ & 山口雅敏(Pデュオ
プリモ:伊賀あゆみ セコンド:山口雅敏
※トラック3 のみ、プリモ:山口雅敏 セコンド:伊賀あゆみ

使用ピアノ:1912 年製ニューヨーク・スタインウェイ《CD368》
アクロバッティックな4 手の交差、ダイナミックな体の動き、そして個と個による異次元への化学反応。視覚を も魅力する連弾作品のみならず、オリジナル編曲や知られざる作曲家の作品を手掛ける伊賀あゆみ&山口雅敏ピ アノデュオによるデビューアルバム。そのエンターテイメント性と鍵盤上のバトルともいえる演奏スタイルは正 に“進化系連弾”。収録曲の核となる連弾ヴィルトゥオーゾ(超絶技巧)曲は、銘器と謳われた1912 年製ニューヨー ク・スタインウェイによりその輝きを一層増している。話題のデュオ”アンダーソン&ロウ”による斬新な編曲、現 代ロシアバレエ音楽の名匠ガヴリーリン、ロシア・ジャズのツファスマン、そしてクラシックとジャズを融合させ たローゼンブラット、ビカノフらの作品にも光を当てる。2 人が敬愛するホロヴィッツの超絶ピアノ独奏用編曲を さらに華麗にリメイクさせたオリジナル連弾編曲など、数多くの作品が世界初録音!!!ピアノ連弾の新時代、 今はじまる・・・ 。

CRQ Editions
CRQCD-105(1CDR)


Adelina de Lara
アデリーナ・デ・ララ/シューマン
シューマ
ン:謝肉祭
幻想曲ハ長調*
ウィーンの謝肉祭の道化
アデリーナ・デ・ララ(P)

録音:1952年*、1951年
※音源:Lara recording Trust*、The Record Society
“クララ・シューマン最後の弟子が披露する確信のピアニズム!”
アデリーナ・デ・ララ(1872-1962)は、クララ・シューマンに5年間師事した(最後の弟子)イギリスの女流ピアニスト。アイリーン・ジョイスなどを育てたことでも知られています。
まず驚くのは、当時80歳とは思えぬ闊達なテクニック。「謝肉祭」は、沸き立つ感情をストレートにぶつけた豪放な快演。一部リピートを省略しているので20分弱という演奏時間。テンポ自体も概して速めですが、たっぷりと深く打鍵すること生まれる多彩なニュアンスから香気がふんだんに放たれます。15曲目「パンタロンとコロンビーヌ」の表情の振幅の大きさ。17曲目「告白」は、そっと呟くどころか、言いたいことが山ほどあると言わんばかりの主張の強さ!しかもタッチはデリカシーに富んでいるので自然と吸い寄せられます。ちなみにこの曲の作曲家のテンポ指示は“Prestissimo”(極めて速く)となっています。この上なく刺激的でありながら、感覚的な凄みを持ち出す箇所は皆無で、一人の人間の実体験を激白しているような生々しさが壮絶な力を持って迫るのです。
「幻想曲」はまさに激流のごとし。ここでも老の影など微塵も感じさせず、あまりのニュアンスの豊富さに、第1楽章だけでも満腹。第2楽章はホロヴィッツのような強打鍵を駆使して、単に陽気に沸き立つのではなく、心の襞にビリビリ迫る表情を最後の一滴まで絞りだすという意志の強さに唖然とするばかり。静かに勝利を噛みしめる第3楽章も、弱音を慎ましい弱い音として再現することがないので、言いたいことがダイレクトに迫ります。
「ウィーンの謝肉祭の道化」は全声部を均等に惜しみなく打鍵することで得られる響きの厚み、重み、華やぎを徹底的に印象付け、これまた息を呑むばかり。1曲目の主題+5つのエピソードという構成を、このようにメリハリと流れの大きさを兼ね備えながら再現した例はあまり無いような気がします。【湧々堂】

K617
K617-245(1CD)
フランク&ブラームス:オルガン作品集
フランク:コラール第1番ホ長調 
ブラームス:「わがイエスよ、われを導き給え」Op.122-1
 「敬愛するイエスよ」Op.122-2
 「一輪のばらが咲いて」Op.122-8
 「おお汝、信心深い人はいかに至福なるか」Op.122-6
フランク:コラール第2番 ロ短調
ブラームス:「わが心は喜びにみちて」Op.122-4
 「おお神よ、汝やさしき神よ」Op.122-7
 「装え、愛する魂よ」Op.122-5
 「心から私は願う」Op.122-9
 「心から私は願う」Op.122-10 
フランク:コラール第3番 イ短調 
ブラームス:「おおこの世よ、われ汝より去らねばならぬ」Op.122-3
 「おおこの世よ、われ汝より去らねばならぬ」Op.122-11
ベンジャミン・リゲッティ(Org)
1982年生まれのスイス期待のオルガニスト、ベンジャミン・リゲッティ。前作J.S.バッハのトリオ・ソナタ(K617 223)に続くK617レーベルからの セカンド・アルバムはフランクの3つのコラールとブラームスの11のコラール前奏曲、ともに晩年の作品です。
フランクの3つのコラールはオルガン作品の中でもひと際有名な傑作で、この曲はフランクが生涯の最後に作曲した作品です。とりわけ有名な第3番は 演奏機会にも恵まれている華麗な作品です。バッハ風のトッカータ主題とアルペジオが交互にあらわれた後、コラール旋律が演奏され、その後イ長調の叙 情的なアダージョを経て、再びコラール旋律とトッカータがからみ合いながら、最後は大音響と共に壮大な結末へと到達します。まるで、フランクの人生 の最後を飾るような壮大な作品です。
一方、ブラームスの11のコラール前奏曲 Op.122。この作品は1896年5月20日にクララ・シューマンが他界してしまったあと、ブラームスは「こ の世では,すべてが空しい」と語り、その後作曲されました。翌年自身の生涯を閉じることになったということを考えると祈りに満ちた非常に感慨深い作 品です。 (Ki)

Louhi Records
LP-07001(1CD)
パリの印象
サルマント:レ・リラ
ミュゼ・グレヴァン
ピスト・シクラーブル
スタシオン・サン・ミシェル
サン・ジュリアン・デ・ポーヴル
カナル・ド・ルルキ
シェ・シャルティエ
レ・チュイルリー
バラード・アン・モアノ/他
イルマリ・ライコネン(P)

録音:2007年
フィンランドのジャズ・ピアニスト、作曲家であるヘイッキ・サルマント(1939−)。サルマントは、1970年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでピアノ&コンボの両部門で優勝し、フィンランドの "ジャズ・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー" に選出されました。クラシック、ジャズ、映画音楽など多分野に渡り活躍するサルマントが "世界で最も美しい場所" と称し、愛してやまないパリへの想い綴ったピアノ作品集。パリを彷彿とさせるアンニュイな雰囲気漂う美メロを、国内外でクラシックとジャズの両面で活躍するフィンランドのピアニスト、ライコネンが奏でます。

Sleeveless Records
SLV-1001(1CD)
ムーンライト・セレナーデ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ第14番嬰「月光」
ウォーレン・メイリー=スミス(P)
フランスのピアニストを想わせるクリアな美音と真摯なアプローチで、独自の個性を鮮明に打ち出した英国の若手ピアニスト、ウォーレン・メイリー=スミス。前作ショパンの作品集はレコード芸術でも称賛され、ウィグモア・ホールでのデビュー以降、国内外で精力的に演奏活動を続けています。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ集でも、流れるようなトレモロとトリルを披露。美しく上品な疾走感が心地よいウォーレン・メイリー=スミスのベートーヴェン・プログラム、要注目です!

NHK名演奏家・幻のライヴ・シリーズ第2弾
大好評で迎えられたウィルヘルム・ケンプ1961年ベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全曲ライヴに続く「NHK名演奏家幻のライヴ・シリーズ」第2弾は、リリー・クラウスとフリードリヒ・グルダ。クラウスは戦後初来日時と1967年の演奏。グルダも貴重な初来日時のコンサート・ライヴ。ジャズもこなす奇才として非常な話題となりました。どちらも当時、日本の音楽界を騒がした大イベントとして伝説化していました。NHKに奇跡的に残されていた音源が初めて日の目を見ます。

King International
KKC-2073(1CD)
リリー・クラウス/戦後初来日時のNHK録音
ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番変ホ長調 Hob.]Y.52
モーツァルト:幻想曲ハ短調K.475
 ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457
 グルックの主題による10の変奏曲K.455
リリー・クラウス(P)

録音:1963年1月27日、NHKによるスタジオ・モノラル録音
リー・クラウス2度目(戦後初)の来日時の演奏が残されていました。クラウス一家は第2次世界大戦中、ジャワで日本軍に抑留された経験を持つだけに、 デリケートな事情の絡む来日として話題になりました。意外にもコンサートのライヴでなく、スケジュールの合間にNHKのスタジオで録音された放送用セッ ション。そのため拍手などの会場ノイズはありません。モノラルではありますが、鮮明なピアノの音に当時のNHKの録音技術の高さが伺えます。 いずれもクラウスが絶対の自信をもつ逸品。モーツァルトでもハイドンでも、クラウスの演奏は優雅で繊細というより、おきゃんで生命力満点。非常な 魅力に満ちています。クラウスならではの、クリスタルのように結晶化したピアノの音色を存分に味わえます。 今回も来日時のインタビュー、批評など興味深く貴重な資料を満載しています。

King International
KKC-2074(2CD)
リリー・クラウス1967年6月14日東京文化会館ライヴ
シューベルト:4つの即興曲Op.90
 楽興の時Op.94の1-3
 優雅なワルツOp.77(全12曲)
 ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959
モーツァルト:トルコ行進曲
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
シューベルト:グラーツのギャロップ D.925
リリー・クラウス(P)

録音:1967年6月14日/東京文化会館(モノラル・ライヴ)
シューベルトの「即興曲」といえば、数ある名盤のなかでも、リリー・クラウスの1967年録音ヴァンガード盤が屈指の名演とされています。同じ年に 東京でそれを実演、NHKが収録した世にも貴重なライヴ音源が残っていました。天下の名盤と同時期の日本公演が残っていたのはまさに奇跡、日本ピア ノ音楽演奏史上の宝の発見と申せましょう。さらにこれが、かの名盤に優るとも劣らぬ名演。研ぎ澄まされた音色と端正な演奏はクラウスならでは。さら に日本の聴衆を前に興が乗り、セッション録音以上の渾身の魔術を聴かせてくれます。さらに大作「ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959」も披露。これも硬質な音色と引き締まった解釈で長さを感じさせない名演。非常に感動的。さら にアンコールで弾かれたバルトークの独特の節回しはハンガリーの血を感じさせます。当時のプログラム、批評も収録。史料としても価値があります。 (Ki)

King International
KKC-2076(1CD)
フリードリヒ・グルダ1967年2月東京文化会館ライヴ
バッハ:イタリア協奏曲BWV971*
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」
 エコセーズWoO.83
 ピアノ・ソナタ第20番ト長調Op.49-2〜メヌエット
フリードリヒ・グルダ(P)

録音:1967年2月16日*、2月25日/東京文化会館(モノラル・ライヴ)
グルダは1930年生まれながら初来日は1967年2月で、すでに欧米で高い評価を受けている大物だったため、非常な話題となりました。東京で2 回リサイタルを行ないましたが、そのなかから選りすぐりの3曲とアンコール2篇をNHKが収録、放送しました。その音源がNHKに残されていて、今 回初めて日の目を見ました。気品あふれる大人の音楽はグルダならではで、明晰で清澄な音色が魅力。モーツァルトの「ピアノ・ソナタ第11番」第1楽 章では、各変奏の繰り返しで楽譜にない装飾音の多用が日本の聴衆を驚かせました。ベートーヴェンの「月光」も1964年ザルツブルク音楽祭のライヴ 録音を彷彿させる名演。くぐもった音色で淡々と進めながらも滋味あふれる音楽性が独特で新鮮。語り草になっていた演奏、グルダの魅力を満喫できます。 (Ki)

Pavane
ADW-7547(1CD)
モルテルマンス:ピアノ&声楽作品集
秋のムード/メモリーズ
ユーモレスク/夜曲
即興曲ロ短調/ノスタルジア
ムード・ピクチャー/メランコリア
セシリア/間奏曲イ長調
ヘゼレの詩による3つの歌*/他
ピーテル・ファンホーフ(P)、
ユーリ・ミネンコ(C.T)*

録音:2012年4月28日−30日、ブリュッセル王立音楽院ホール
ベルギーの作曲家ロードヴェイク・モルテルマンス(1868−1952)のピアノ作品集に、3曲の歌曲をカップリング。ロマン派から初期印象派への橋渡しを担ったモルテルマンスの作品は、旋律と和声がなんとも美しい。19世紀フランドルの偉大な詩人ヒド・ヘゼレの詩による数々の歌曲は彼の最高傑作とも言われています。ビゼーのピアノ作品集(ADW-7515)で名を響かせたベルギーの俊英ピアニスト、ピーテル・ファンホーフが、きらびやかなモルテルマンスの世界を描く。逸材ユーリ・ミネンコの歌声にも注目。

KVINTA PRAGUE
KV-4011-2(1CD)
ヴェンツェル・ヴィルヘルム・ヴュルフェル(1790-1832):ピアノ作品集
オーベールの歌劇「許婚者」の周知の主題とスペインの歌「A pesar de los bai benes」による優雅な幻想曲 Op.45
華麗な大ロンド Op.30
華麗なロンド Op.24
周知のマズルカによる変奏曲 Op.17
周知のマズルカによる変奏曲 Op.19
2つの悲愴なポロネーズ Op.27
憂鬱なポロネーズ Op.26-2
2つのポロネーズ Op.21
ヴァーツラフ・ヤン・トマーシェク(1774-1850):牧歌 Op.83-2
マルチン・ヴォイチーシェク(P)

録音:2012年?9月、10月、プラハ音楽院コンサートホール、プラハ、チェコ
ヴェンツェル・ヴィルヘルム・ヴュルフェルはチェコのプラナニに生まれ、ヴァーツラフ・ヤン・トマーシェクに師事した作曲家・オルガン奏者・ピアニスト・指揮者。1815年から1824年までワルシャワ音楽院の教師を務め、オルガンの生徒の中には若きショパンもいました。その後ウィーンのケルントナートール劇場の指揮者を務め、ウィーンに没しました。

FC RECORDS
FCRCD-9750(1CD)
ゲーゼ、グリーグ:ピアノ作品集
ゲーゼ(1817-1890):水彩画 Op.19〜舟歌(No.5),悲歌(No.1)
ソナタ.ホ短調 Op.28
グリーグ:抒情小曲集第6巻 Op.57〜ゲーゼ(No.2)
抒情小曲集第5巻 Op.54〜夜想曲(No.4)
ソナタ.ホ短調 Op.7
ヨウニ・ソメロ(P)

TR
MHH-0023(1CD)
税込定価
砂の器U〜星に願いを
カッチーニ:アヴェ・マリア
ショパン:ノクターンOp.15-2
ショパン:ノクターン嬰ハ短調 遺作
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
シューマン:トロイメライOp.15-7
ドビュッシー:月の光
プーランク:即興曲第13番
 即興曲第15番(エディット・ピアノに捧ぐ)
ピアソラ:さらばパリ
ヒナステラ:粋な娘の踊り
ナザレー:ワルツ「しのびやかな愛」
ハーレイン:星に願いを
千住 明:「砂の器」〜「宿命」(TBSテレビ)
菅野光亮:「砂の器」〜「宿命」(松竹映画)*
広瀬美紀子(P)

録音:2005年5月26日、2000年7月11日 八王子芸術文化会館いちょうホール(小) *
広瀬さんの「砂の器」は、かつての作曲家菅野さんの演奏を彷彿とさせるだけでなく、彼女の明るく透明感のあるピアノの音色はむしろ、悲しい中に仄かな光から未来への希望を見いだす力を我々に与えてくれるのだ。(北條直彦,CD ライナーノーツより抜粋) ※広瀬美紀子の「砂の器〜おぼろ月夜〜」はアートユニオンから発売になっています。


BIS
BISSA-1999
(1SACD)
メナヘム・プレスラーの至芸
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調Op.110
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調D.960
ショパン:夜想曲第20番嬰 ハ短調 遺作
メナヘム・プレスラー(P)

録音:2012年2月、3月/サフォーク州、ポットンホール、イギリス
89歳にして到達した、おおらかな至芸!
ボザール・トリオの創設メンバーとして活躍。1996年には72歳にしてカーネギーホールでリサイタル・デビューした大器晩成のピアニスト、プレスラーの至芸。
ここに漂う空気感は、ホルショフスキが最晩年に遺した、今まで培った人間性が丸ごと紡ぎ出されたあの雰囲気にも似て、単なる美しさを超越した芸の深みにただただ息を呑むばかりです。
先ずベートーヴェンの虚飾のなさと無垢な共感。テンポはゆったり目ですが、リズムは終始生き生きとしており、第2楽章の中低域をがっちり確保した和声の厚みにも自然な息づきを感じさせます。終楽章も過度に神妙にならず、あくまでも「語り」重視。
必要以上に弱音を用いずに、また脆弱な芯を欠くタッチを避けながら淡々と進行するショパンも、安易に真似したら単にぶっきらぼうな演奏になりかねないでしょう。
最高の聴きものは,何と言ってもシューベルト!第1楽章冒頭の朴訥さの背後には、考えすぎて音楽を萎縮させてしまうアプローチへのアンチテーゼのように響き、その後も肩の力を抜いて味愛に満ちた歌一本で勝負する心意気が脈々と流れます。精妙さ、繊細さにこだわり過ぎることで見失うものがいかに多いか、この演奏は教えてくれます。提示部終盤4:32から骨太なタッチを臆せず表出するのはそのほんの一例。展開部に入ると一層主張が強まり、同じ音型の連続も冗長に陥らず、緊張感が見事に保たれます。第2楽章は暗い闇に埋没せず、健康的な歌をベースとして息の長い大きなフレージングを実現。第3楽章は、リズム乗ることよりも小節ごとに丹念に語りかけることをここまで重視した演奏は珍しいでしょう。終楽章は左右のパートを可能な限り平等に発言させることによって広がる厚みのある音像に、プレスラーの音楽作りの大きさを感じずにいられません。決して細部にこだわらないという意味ではなく、そのこだわりを表面化させず音楽に完全に内包させるというまさに名人芸!とくとご堪能あれ!【湧々堂】

OBSIDIAN
OBSCD-710(1CD)
シェーンベルク:レチタティーヴォによる変奏曲Op.40
レーガー:ベネディクトゥスOp.59-9
 創作主題による変奏とフーガOp.73
マルティン・ザウター(Org)
シェーンベルクとレーガーのオルガン作品集。シェーンベルクの「レチタティーヴォによる変奏曲」は、1941年に作曲された唯一のオルガン作品で、主題、 10の変奏曲、カデンツァとフーガからなります。1943年に出版されたスコアは、アメリカのプリンストン大学の教会にある1928年に建造されたスキナー・ オルガンのレジストレーションが記されています。本アルバムは、そのオルガンを使って録音され、1940年代の音楽様式を反映したものとなっています。 続いてオルガン音楽の巨匠レーガー。5分程の短い作品である「ベネディクトゥス」は、次の40分近く演奏時間がかかる大作「変奏とフーガ」の序奏の ような形で、収録されています。そして、その「変奏とフーガ」は、30分にわたる変奏曲が核となる作品で、優れたハーモニーと堅固な構造は、プリン ストンのオルガンの特色にあった作品と言えるでしょう。 (Ki)


Poohs Hoop
PCD-1305(1CD)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988(ポジティフオルガンによる演奏) 塚谷水無子(ポジティフオルガン; 草苅徹夫2004年製作)

録音:2013年5月4-6日、草苅オルガン工房、小淵沢
エンジニア:四方善郎(Pooh's Hoop)、
エディット&マスタリング:行方洋一

日本語解説付
2012年にリリースされた塚谷水無子のアルバムはオランダ、ハーレムの聖バフォ教会の世界最大級かつ歴史的なクリスティアン・ミュラー・オルガン 使用したゴルトベルク変奏曲(PCD 1204)で、各誌話題となりました。このリリースから1年、早くも同曲を録音!!これには驚きです。しかし、単 同曲のゴルトベルクを録音と言うことではなく、リリースには次のような意味を持っております。それは、聖バフォ教会での録音を踏まえ、同曲を最小の ジティフオルガンで表現し切ってみる試みで180度真逆のアプローチを行うことにより、塚谷水無子が求める全く特性の違う2つのゴルトベルク変奏曲 完結するからです。『《ゴルトベルク》の譜読みは絡み合った糸をほぐす作業に似ていた。ひとつひとつ糸がほぐれていくと《ゴルトベルク》はバッハの解 新書、魅力満載の宝石箱だった。(塚谷水無子・著『《ゴルトベルク変奏曲》を聴こう』)より』と語る塚谷が今考える現在進行形で斬新なゴルトベルク。 作(PCD 1204)と合わせて2つの世界をお楽しみください。 使用楽器は日本が誇るカリスマ・オルガンビルダーの草苅徹夫氏が2004年に製作したポジティフオルガンでストップは3つという小さな楽器です。し し、音色の美しさ豊かさは、教会内に据えつけられた足鍵盤つきの大オルガンにも匹敵するほどです。また編集&マスタリングは行方洋一が担当しており、 ーディオ面からも推薦できる優秀録音と言えましょう。 (Ki)


Wigmore Hall
WHLIVE-0061(2CD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集Vol.1
ピアノ・ソナタ第1番ハ長調K279
ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調K280、
ピアノ・ソナタ第8番(第9番)ニ長調K311
ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調K570
ピアノ・ソナタ第9番(第8番)イ短調K310
クリスチャン・ブラックショウ(P)

録音:2012年1月6日ウィグモア・ホール、ロンドン・ライヴ(モーツァルトのソナタ連続演奏会から)
“永遠に愛され続けるモーツァルト!”
クリスチャン・ブラックショウは、1949年1月イギリスに生まれ。マンチェスター王立大学とロイヤル・アカデミーで学び、レニングラード音楽院に入学。後にクリフォード・カーゾンにも師事しています。長らく音楽シーンから離れていましたが、このウィグモア・ホールでの連続演奏会は「ここ数年で最高のモーツァルト」と絶賛されたそうです。その賛辞は決して眉唾ではなく、第1番のソナタの第1音が鳴り出した途端に大いに納得!まろやかで慈愛に満ちたタッチには、先鋭的なアプローチをしようとする邪念は微塵もなく、ただただ音楽を紡ぐことに専心。その第1番の第2楽章中間の短調フレーズが、全く構えることなく仄かな悲しみを浮かべる様には、これぞ真のモーツァルト弾きであると実感。
第8番(通常は第9番とされる曲)も、どこを取ってもモーツァルトしか存在せず、第1楽章最後のタッチの鎮め方など、本物の愛の証し。第2楽章は、モーツァルトを歌わせるとはこういうこと再認識。終楽章は強弱のコントラストのさじ加減が絶妙!
収録曲の全てが絶品ですが、あえて一つ挙げるなら「第17番」。師のカーゾンを思わせる無垢なタッチの魅力が満開です!【湧々堂】

現代ギター
GGBD-5008(1CD)
税込定価
カルカッシ:25の練習曲Op.60、〈月の光〉の主題による変奏曲Op.7 稲垣稔(G)

録音:1995 年11月
19世紀のイタリアのギタリスト、マテオ・カルカッシは優れた教則本と練習曲集を残したことで知られていますが、中でも作品60の〈25 の練習曲〉 は作品59の〈完全ギター教本〉(いわゆる “カルカッシのギター教本”)を追補する形で発表され、今日に至るまでギタリストの必須課題として広く愛奏 されてきました。稲垣稔は2013年6月26日、ガンのため惜しまれつつ世を去った早世の天才ギタリスト。その音色の美しさと確実なテクニックには定 評がありました。このCDは1995年11月に録音された全曲演奏で、練習の参考用としてのみならず、カルカッシの歌心を余すところなく伝える貴重な ものです。(GGBD 5002の価格改定・再発売)

TYXart
TXA-13023(1CD)
ハラルド・ゲンツマー(1909-2007):オルガン作品集
祝典前奏曲GeWV407、
イースターコンサートGeWV400、
コラール幻想曲「日の光は落ちて」GeWV411、
聖霊降臨節コンサートGeWV399、
交響的協奏曲GeWV409
ゲルハルト・ワインベルガー(Org)

録音:2013年3月聖ヨハン・バプティスト教会、パーダーボルン-ヴェヴェル
ヒンデミットの弟子で最も優秀であったドイツ現代音楽の作曲家ハラルド・ゲンツマー。彼の多彩な作品の中でもオルガン音楽は重要な位置を占めてい ます。ゲンツマーのオルガン作品を長年研究し、共に協力してきたオルガニスト、ゲルハルト・ワインベルガーによる演奏です。ワインベルガーのゲンツマー の作品を数多く初演し、このアルバムは世界初録音となっています。 (Ki)

Sleeveless Records
SLV-1005(1CD)
リストの描写
リスト:メフィスト・ワルツ第1番
愛の夢第3番変イ長調
2つの演奏会用練習曲〜第2番嬰ヘ短調「こびとの踊り」
3つの演奏会用練習曲〜第1番変イ長調「悲しみ」/第3番変ニ長調「ため息」
エステ荘の噴水
ヴェルディ(リスト編):「リゴレット」による演奏会用パラフレーズ
コンソレーション第3番変イ長調 S.172-3
ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調 S.244-2
ウォーレン・メイリー=スミス(P)

録音:2011年4月14日&6月17日
数々の受賞歴を持ち、ウィグモア・ホール、カーネギー・ホールで華々しいデビューを飾った英国ピアニスト、ウォーレン・メイリー=スミス。前作ショパンに続くのはピアノの魔術師、フランツ・リストの作品集。超絶技巧の光る「メフィスト・ワルツ」や、柔らかな響きが秀逸な「愛の夢」など、リストの甘美な旋律とウォーレン・メイリー=スミスの悠然なピアニズムが相俟った好演。
Sleeveless Records
SLV-1006(1CD)
愛の挨拶
ガーシュウィン:アイ・エント・ネセサリー・ソー
マスネ:タイスの瞑想曲
ショパン:夜想曲嬰第20番ハ短調 Op.posth
 夜想曲第27番変ニ長調 Op.27-2
エルガー:愛の挨拶 Op.12
フォーレ:夢のあとに
ポンセ:エストレリータ
カスピ:ラ・トレンツァ
モンティ:チャルダッシュ
シューベルト:即興曲変ト長調 Op.90-3
ハーン:夜想曲
アイルランド:カヴァティーナ
シベリウス:ロマンス Op.78-2
クライスラー:前奏曲とアレグロ
伝承曲:スオ・ガン
マシュー・ジョーンズ(Vn)、
アナベル・スウェイツ(P)

録音:2011年7月26日&27日
2007年のメルボルン国際室内楽コンクールで、バドクSQのメンバーとして参加し優勝に輝いたヴァイオリニスト、マシュー・ジョーンズ。キャスリーン・フェアリー賞の受賞歴を持ち、ソリスト、室内楽奏者として活躍するピアニスト、アナベル・スウェイツと奏でる最新作は、ショパンやエルガーなど抒情的な小品集。歌心たっぷりに奏でたスウェイツのピアノ・ソロと、情感溢れるデュオが魅了する表情豊かな作品集。

Arts et Spectacles
ASCD-130501(1CD)
ストラヴィンスキー(プルーデルマッハー編):春の祭典(ピアノ独奏版)
ジョルジュ・パチンスキ:祭典から戦いへ*
ジョルジュ・プルーデルマッハー(P)、
ジョルジュ・パッチンスキー(Drums)*

録音:2013年2月1日/セルジー・ポントワーズ(フランス)(ライヴ)
2011年4月22日、東日本大震災直後にもかかわらず来日し、東京のトッパン・ホールで自編の「春の祭典」を披露して聴衆の度肝を抜いたジョルジュ・ プルーデルマッハー。元来が大管弦楽のための複雑巧緻な「春の祭典」を、10本の指で弾くことは誰もが無理と思いますが、プルーデルマッハーは東京 でも、この録音のフランスでも公衆の面前で立派に証明しています。東京での演奏を、片山杜秀氏は朝日新聞紙上に「上手に指に収まる編曲で破綻なく まとめるつもりは微塵もない。ドンキホーテ的に突撃する。ほとんどアナーキー。壊れている。しかしこの無茶からこそ〈春の祭典〉の圧倒的な色彩と力 がピアノ1台で蘇る。はじめ呆然、やがて陶酔」と評しています。山下洋輔ばりにひじや腕でのクラスター奏法や強音主体の演奏ゆえ、ピアノの音が渦を 巻いて鳴り響きます。
プルーデルマッハーは教育面でも活躍していますが、自身の演奏・解釈は伝統や常識に則すという気はさらさらなく、音譜を素材に、それだけ気ままに 流動し、豊かな響きが奏でられるか実験するという、ジャズの即興の精神に近いものがあります。それゆえか、ジャズ・ドラムのジョルジュ・パチンスキ(日 本ではパッチンスキーと表記される)との共演で、31分にわたるエキサイティングな即興を聴かせてくれます。彼らは10年にわたりクラシックとジャズの 内的融合を探求し、スタンダードな即興から、あらゆる枠をとりはらった斬新な境地に至りました。その実践がここに収められた「祭典から戦いへ」。こ れもほとんどアナーキー、壊れた世界が続きます。プルーデルマッハー、恐るべきピアニストと申せましょう。 (Ki)

Pro Musica
PPC-9066(1CD)
タンゴに蘇る〜ギィ・ ボヴェの《12の教会タンゴ》から
ギィ・ボヴェ(1942-):バッタリアのスタイルによる第 6旋法のタンゴ
ヨハン・カスパール・ケルル(1627-1693):バッタリア
ギィ・ ボヴェ:ボサノヴァ形式による第 11 旋法のタンゴ
パブロ・ブルーナ(1611-1679):右手の第1旋法のティエント)
ギィ・ ボヴェ:賛美歌『アヴェ・マリス・ステッラ』に基づくカノン形式による第1旋法のタンゴ
ニコラ・ド・グリニ(1672-1703):アヴェ・マリス・ステッラ
ギィ・ボヴェ:聖体奉挙のための不協和音をもつ第4旋法のタンゴ
フレスコバルディ:聖体奉挙のためのトッカータ第4番
ギィ・ボヴェ:猫という名の第10旋法のタンゴ
D.スカルラッティ:ソナタ.ト短調 K.30 (L.499)《猫のフーガ》
バッハ:前奏曲とフーガ.ハ長調 BWV545
ギィ・ボヴェ:タンゴの中のタンゴ
イネス・マイドレ(Org)
[聖クインティヌス大聖堂(ハッセルト、ベルギー)の Binvignat & Houdtappel オルガン(1791年-1793年)]

録音:2011年5月16日-17日 聖クインティヌス大聖堂(ハッセルト、ベルギー)
録音:クヌート・ベッカー
ギィ・ ボヴェは、ジャン・アランの研究家として知られるスイスのオルガニスト、作曲家です。オルガンのための《12の教会タンゴ》 (2000) は、フランス、 イタリア、スペイン、ドイツのバロック期の音楽を「タンゴ」として再生した作品です。「聖と俗」を融合させることはオルガン音楽では過去にも行われてき たものの、「俗」の色彩がきわめて濃いタンゴと結びつけるという彼の着想は、かなりの好奇の目で見られたと言われます。エストニアのオルガニスト、イネス・ マイドレのアルバム『タンゴに蘇る』は、ボヴェの「タンゴ」を6曲選び、オリジナル曲と対比させることで、彼のイマジネーションと音楽の変貌を探るこ とを目指しています。彼女が選んだ楽器は、ベルギー、ハッセルトの聖クインティヌス大聖堂の Binvignat & Houdtappel オルガン。16世紀末のオルガ ンのパイプの多くをそのまま使い、1791年から1793年にかけて建造された楽器です。 [プロフィール] イネス・ マイドレ。タリンのエストニア音楽アカデミーを卒業。パリのダニエル・ロトの下で学び、ヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリ カの大聖堂のコンサートやフェスティヴァルで演奏。チェンバロ奏者として古楽アンサンブルと共演。ヴァイオリン、金管楽器、パーカッション、シンセサイザー の音楽家やダンサーとコラボレートする多彩な活動をしています。ベルゲン大学グリーグ・アカデミーのオルガン科准教授。 (Ki)

現代ギター
GGCV-1007(1CD)
ヴァリエ2〜金庸太
リベラ:練習曲
ダンジェロ:2つのリディア調の歌
ウォルトン:5つのバガテル
カントール:プーナとカルージョ(練習曲第1番)
ブローウェル:フーガ第1番
アセンシオ:内なる想い
アリラン(韓国民謡〜金 庸太 編)
金 庸太(G)
れた新人アーティストを紹介する、福田進一プロデュースのレーベルの第2弾として発売された金 庸太のソロ・デビュー・アルバム「ヴァリエ2 〜 内なる想い」がこの度、新品番・価格改定で再リリースされます。 金 庸太にとっての遅すぎるほどのデビュー盤でしたが、満を持してのアルバムだけあって演奏・曲目ともに充実の内容です。現代の作品を中心とした構 成ですが、血の通った音楽的な表現に溢れ、聴く人の心を捉えます。レコード芸術誌特選盤となった名盤の嬉しい復活です。(原盤番号:GGCV 1002)
■金 庸太(キム・ヨンテ) プロフィール
13歳よりギターを始め、大谷環、尾尻雅弘、福田進一に師事。93年名古屋ギターコンクール、94年スペインギターコンクールにおいて第1位受賞。 94年及び98年東京国際ギターコンクール第2位受賞。95年に渡仏、パリ・エコールノルマル音楽院にてアルベルト・ポンセに師事。97年、同音楽 院ギター科を審査員全員一致の第1位で修了。翌98年、同音楽院の演奏家ディプロマを審査員全員一致の首席で取得。同年ベルギーに移り、王立アン トワープ音楽院スペシャライズコースに 在籍、ローランド・ブロックスの下で研鑽を積む。その間、ギターをアルバロ・ピエッリ、ジェラール・ヴェルバに、 アナリーゼをナルシス・ボネに師事し、ヨーロッパ各地で演奏活動を行う。2000年に帰国、以降ソロ、室内楽、オーケストラとの共演など、幅広く活動 中。現在、聖徳大学、現代ギターGG学院講師。

ARS HARMONICA
AH-228(1CD)
ラテンアメリカのピアノ音楽
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲集
ペドロ・ウンベルト・アリェンデ(1885-1959、チリ):チリ民謡風のトナダ集
エンリケ・イトゥリアガ(1918-、ペルー):プレゴンと踊り
セルソ・ガリド=ロルカ(1926-、ペルー):前奏曲とトッカータ
マウリシオ・アレナス=フエンテス(1964-、チリ):
「人生よ、ありがとう」による変奏曲/魔法の箱
ミゲル・ファリアス(1983-、チリ):インパルス
マリア=パス・サンティバネス(P)

録音:2012年1月、スタジオ・セクエンツァ、モントルイユ、フランス

Sleeveless Records
SLV-1002(1CD)
ショパンの思い出
ショパン:幻想即興曲嬰ハ短調 Op.66-4
夜想曲第8番変ニ長調 Op.27-2
練習曲第5番変ト長調 Op.10-5「黒鍵」
夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2
練習曲第13番変イ長調 Op.25-1「エオリアン・ハープ」
前奏曲第4番ホ短調 Op.28-4
練習曲第8番ヘ長調 Op.10-8
前奏曲第15番変ニ長調Op.28-15「雨だれ」
ワルツ第6番変ニ長調 Op.64-1「小犬」
ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2
夜想曲第20番嬰ハ短調 Op.posthum
練習曲第12番ハ短調 Op.10-12「革命」
パガニーニの思い出イ長調
バラード第1番ト短調 Op.23
ウォーレン・メイリー=スミス(P)

録音:2008年8月&2009年6月
英国を中心に活躍する若手ピアニスト、ウォーレン・メイリー=スミス。数々の受賞歴を持ち、ウィグモア・ホール、カーネギー・ホールでデビューを飾った彼の演奏は批評家たちの間で"ファンタスティック"、"センセーショナル"と称賛を浴び、2011年にはRPOとの共演も果たしています。ウォーレン・スミスのショパンは、オーソドックスな解釈だが決して退屈さを感じさせない、悠然たる好演。内に秘めた情感がクリアな美音となって静かに零れ落ちる、心地よい演奏です。

Silverdoor
SIDO-012CD(1CD)
ドイル〜リマスター版初期作品集
ビター・スウィート・スイート/セオル・シー/オルッツォ・ノー/オブスティナート/フルートと弦楽のための2つのムーヴメント/エムティゴンのテーマ/エクストラ・ビット/ベイビー・グランド/タリア/ソーラー・アイズ
ロジャー・ドイル(スペシャル・ピアノ、電子&コンクリート音、ドラムキット、ギター)、他

録音:2002年
演劇、映画、ダンスなど幅広い舞台で活躍するアイルランドの電子音楽作曲家、ロジャー・ドイル(1949−)。フランスのブールジュ国際電子音楽コンクールで、1997年にプログラム賞を、2007年に教導職賞受賞という経歴を持つドイル。ピアノ、電子音、ドラムキットなど、あらゆる音を駆使して繰り広げるドイルの初期作品集は、『オルッツォ・ノー(1975年)』と『タリア(1978年)』のLPからのリマスター・アルバム。



WERGO
WER-4043(4CD)
グレーテ・スルタン/ピアノ・シーズンズ
[CD1]バロック音楽
バッハ:ゴルトベルク変奏曲
[CD2]古典派の音楽
ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲Op.120
 6つのバガテルOp.126
[CD3]ロマン派の音楽
シューベルト:ピアノ・ソナタ.イ短調 Op.42(D845)
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17*
[CD4]20世紀の音楽
シェーンベルク:5つのピアノ小品Op.23
コープランド:ピアノ・ソナタ*
ベン・ウェーバー(1916-1979):ピアノのためのエピソード**
ウォルペ(1902-1972):ピアノのための形式#
アラン・ホヴァネス:Yenovk ##
ジョン・ケージ:危険な夜+
一柳慧:ジョン・ケージの思い出に++
グレーテ・スルタン(P)

[CD1]録音:1959年
[CD2]録音:1969年
[CD3]録音:1969年、1969年*
[CD4]録音:1990年、1969年*、1986年**、1972年#、1969年##、1969年+、2000年(世界初録音)++
ケージとスルタングレーテ・スルタン(1906-2005)は、古典および現代音楽の名高い解釈者で、ケージと親交があったピアニストとしても名を遺す、20世紀の最も 重要な音楽家のひとりといえるでしょう。1906年、ベルリン在住のユダヤ系の上流家庭に生まれましたが、戦争の影響を受け、1941年にニューヨーク に亡命し、この地でピアニスト、教師として活躍しました。1969年にはニューヨークで「ゴルトベルク変奏曲」の演奏会を開催。当時は15曲目のあと に休憩をはさみ(トゥーレックやランドフスカらも休憩をはさみました)、休憩後、まずアリアを弾いてから再開するというスタイルがとられることが多かっ た当時に、全曲を通しで休憩なしで、しかも繰り返しも実施、もちろんそのたびに装飾も変える、といったことを敢行したのは彼女でした。また、ニューヨー クで彼女が住んでいたアパートの一階上の部屋にはカニングハムが住んでいて、そこをしばしば訪れていたケージと出会い、彼女はケージのよきチェス仲 間となりました。そして、ケージがもっとも信頼をおく音楽家の一人として活躍するようになりました。スルタンは、古典も現代も一切の違いを感じさせず、 「実験的」あるいは「難解」とされるシェーンベルクやケージの作品を、詩的情緒をもって演奏することができる稀有な芸術家として貴重な存在だったと いえるでしょう。
この「ピアノ・シーズンズ」ボックスは、グレーテ・スルタンの初出音源を含む音源集で、その作品ジャンルは、バロック、古典、ロマンから現代音楽まで、 広域にわたっていますが、どれもがスルタンらしい演奏となっています。歴史の波に翻弄されながらも芸術の道を歩み続けた一人の女性ピアニストの軌跡 をたどる、貴重なボックスセットといえるでしょう。一柳慧の「ジョン・ケージの思い出に」は初録音というのも注目ポイントです。 (Ki)


MUSO
QEC-2013(4CD)
エリザベート王妃国際コンクール2013年ピアノ部門
[CD1]
(1)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
(2)ラフマニノフ:音の絵 Op.39-7
(3)ジェフスキ:夢
(4)ミシェル・ペトロシアン:In the Wake of Ea
[CD2]
(1)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番
(2)ラヴェル:夜のガスパール
(3)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番
(4)プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第4番
[CD3]
(1)ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
[CD4]
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番*
(2)バッハ:パルティータ第2番BWV 826
(3)バッハ:パルティータ第4番BWV 828
[CD1]
ボリス・ギルトブルク(P)

[CD2]
(1)レミ・ジュニエ(P)
(2)マテウシュ・ボロヴィアク(P)
(3)マテウシュ・ボロヴィアク(P)
(4)レミ・ジュニエ(P)

[CD3]
(1)スタニスラフ・フリステンコ(P))
(2)チャン・ツォー(P)

[CD4]
(1)アンドリュー・タイソン(P)
(2)マテウシュ・ボロヴィアク(P)
(3)レミ・ジュニエ(P)

マリン・オールソップ(指)ベルギー国立O
ミヒャエル・ホフシュテッター(指)ワロニー室内王立O*
2013年に開催されたエリザベート王妃国際音楽コンクール(今年はピアノ部門でした)のライヴ演奏音源ボックス。ファイナルでの協奏曲、そ してセミ・ファイナルなどで絶賛されたソロ演奏を収録。オールソップが指揮をつとめているものもあり、注目です。 (Ki)
■2013年入賞者
 ボリス・ギルトブルク(第1位/イスラエル)、レミ・ジュニエ(第 1 位/フランス)、マテウシュ・ボロヴィアク(第3位/英・ポーランド)、スタニスラフ・フリステンコ(第 4 位/ロシア)、チャン・ツォー(第5位/中国)、アンドリュー・タイソン(第6位/アメリカ)


King International
KKC-2064(9CD)
初回限定生産
ウィルヘルム・ケンプ1961年ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲連続演奏会ライヴ
■Disc 1
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.2の1
ケンプの挨拶(通訳付き)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2の2
 ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2-3
モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397
■Disc 2
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7
 ピアノ・ソナタ第5番ハ短調Op.10の1
 ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2
 ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
■Disc 3
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10の3
バッハ(ケンプ編):シチリアーノ〜フルート・ソナタ第2番BWV1031より
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番ホ長調Op. 14の1
 ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14の2
 ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22
■Disc 4
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番「葬送」
 ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.27の1
 ピアノ・ソナタ第14番「月光」
 バガテルOp.33の4
 ピアノ・ソナタ第15番「田園」
■Disc 5
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31の1
 ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
 ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31の3
 エコセーズ WoO.86(ケンプ編)
グルック(ブラームス編):ガヴォット〜「アウリスのイフゲニア」より
■Disc 6
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49の1
 ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
 ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 Op.54
 ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」
■Disc 7
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49の2
バッハ(ケンプ編):ラルゴ〜チェンバロ協奏曲第5番BWV1056より
ブラームス:間奏曲Op.117の2
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」*
 ピアノ・ソナタ第26番「告別」*
 ピアノ・ソナタ第25番「かっこう」*
 ピアノ・ソナタ第27番ホ短調* Op.90
■Disc 8
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
 ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィア」
モーツァルト:ピアノ・ソナタイ長調K.331〜トルコ行進曲
 ロンド.ト長調Op.51の2
■Disc 9
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
 ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
 ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
バッハ(ケンプ編):シンフォニア〜カンタータ第29番「神よ、あなたに感謝を捧げます」BWV29より
ウィルヘルム・ケンプ(P)

■Disc 1〜1961年10月10日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 2〜1961年10月10日(Op.7)、12日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 3〜1961年10月12日、14日(Op.22)

■Disc 4〜1961年10月14日、16日(Op.28) /文京公会堂(ライヴ)

■Disc 5〜1961年10月16日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 6〜1961年10月26日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 7〜1961年10月26日、1961年10月27日*/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 8〜1961年10月30日/文京公会堂(ライヴ)

■Disc 9〜1961年10月30日/文京公会堂(ライヴ)

全曲、NHKによる収録

美麗函+ケース入
ドイツの巨匠ピアニスト、ウィルヘルム・ケンプ(1895-1991)は1961年10月に来日し、ベートーヴェンのピアノソナタ全曲を7夜にわたり連続演 奏しました。単独のピアニストがベートーヴェンのピアノソナタを全曲集中して演奏することは日本初だったとされ、日本音楽界の一大イベントとして非常 な話題となりました。
当時ケンプは66歳。ベートーヴェンのピアノソナタ全集は、1950-6年のモノラルと1964-5年のステレオの2種のセッション録音が存在し、いずれ も最高の名盤ですが、その中間期、ケンプ最盛期の全集がもうひとつ存在したことは驚愕の極み。すべてNHKがラジオ放送用に収録したもので、当時 最高の技術が駆使されています。ケンプはライヴで最良の面が発揮されるピアニストのため、まさにピアノ音楽史上の至宝の音源と申せましょう。
回を重ねるごとに自由かつ雄弁となり、後期作品では人間業とは思えぬ境地に至っています。毎回弾かれたアンコールも収録。これがまたケンプならで はの滋味あふれる絶品。最終夜、全ソナタを弾き終えた後、鳴りやまぬ拍手に応えて弾いたバッハは涙なしに聴けません。偉業を成し終えた後、「神よ、 あなたに感謝を捧げます」と題されたカンタータの前奏曲しか弾くことができなかったケンプの、全力を尽くしきった姿は真に感動的です。
当時の雰囲気、臨場感を味わっていただくため、ブックレットには都民劇場の事前宣伝、プログラム、音楽雑誌の特集、記者会見、演奏会評を可能な 限り収録。興味津々なのが、当時影響力のあった大物評論家、寺西春雄、野村光一、遠山一行、吉田秀和各氏の対談。彼らが俎上に載せ、論じている 演奏をまさに自分の耳で確認できるのも大きな楽しみと申せましょう。当時の関係者たちの熱い思いが伝わってきます。
初回生産のみのため、機会を逸すると入手は極めて難しくなり、対応できかねることもございます。余裕をもったオーダーをお願い致します。また、キ ングインターナショナル独自制作のため、輸入盤は存在しません。 (Ki)

EURARTE
EA-0074(2CD)
ヴェルディの音楽によるオルガン作品集
アルフレッド・ルボー(1835-1906):ヴェルディの「レクイエム」のレクイエム(イントロイトゥス)(+)
リスト:ヴェルディの「レクイエム」のアニュス・デイ(+)
カルロ・フマガッリ(1822-1907):「トロヴァトーレ」によるエレヴァツィオーネ(聖体奉挙)
コンスマツィオーネ(聖体拝領)
「オベルト、サン・ボニファーチョ伯爵」によるコンスマツィオーネ
「スティッフェーリオ」によるグローリアの為のヴェルセット(4曲)
「スティッフェーリオ」によるオフェルトリウム
「仮面舞踏会」の二重唱
オルガンのために縮減された「仮面舞踏会」のリッカルドのソルティータ(退場曲)
オルガンのために縮減された「仮面舞踏会」のレナートの場面とカンタービレ
オルガンのために縮減された「仮面舞踏会」の二重唱の終結部
オルガンのために縮減された「仮面舞踏会」の五重唱
「椿姫」によるによるグローリアの為のヴェルセット(4曲)#
「椿姫」によるオフェルトリウム#
「椿姫」によるエレヴァツィオーネ#
ガエターノ・フォスキーニ(1836-1908):「トロヴァトーレ」のアリア「この恋は言葉では言い表せない」+
エドウィン・ルメア(1865-1934):「トロヴァトーレ」の鍛冶屋の合唱+
フランチェスコ・アルマージオ(1846-1871):「運命の力」序曲+
不詳(19世紀):行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って(「ナブッコ」)
カルロ・フマガッリ:「アイーダ」によるミサ・ソレムニス*
「ジョヴァンナ・ディ・グズマン(シチリア島の夕べの祈り)」によるミサ・ソレムニス*
「シモン・ボッカネグラ」」によるミサ・ソレムニス#
「アイーダ」によるミサの後の行進曲#
エンニオ・コミネッティ(Org)

録音:2012年11月、教区教会、ヴィヴェローネ、ビエッラ県、ピエモンテ州、イタリア(無印)
 2012年12月、教区教会、ゴットロ・ディ・カルラッツォ、コモ県、ロンバルディア州、イタリア#
 2013年1月、教区教会、ブリエンノ、コモ県*、ロンバルディア州、イタリア*
 2013年4月、教区教会、ブルナーテ、コモ県+、ロンバルディア州、イタリア+
使用楽器:1818年、セラッシ製 Op.367(1999-2000年、イタロ・マルツィ修復)(無印)
 1858年、セラッシ製 Op.653(修復:1993年、マシオーニ修復)#
 1782年、セラッシ製 Op.199(修復:2007年、コルツァーニ修復)*
 1774年、セラッシ製(2005年、コルツァーニ復元)+
ヴェルディの音楽をイタリアの歴史的オルガンで聴かせてくれる、ヴェルディ生誕200年(2013)ならではの好企画。普段はオルガン音楽を敬遠しがちな歌劇・ファンの方々にも聴いていただきたいプログラムです。

BOLAMAR
BMM-0508(2CD)
アントン・ガルシア・アブリル(1933-):ピアノ作品集
ミクロの春[Microprimaveras]
アレクサンドリアの3つの小品
3つの小バラード/月との対話
星との対話
愛好家の3つの小品/遠景
抒情的変奏曲/5つの小品
イローナ・チムチェンコ(P)

録音:2010-2011年、モヌメンタル劇場、マドリード、スペイン

La Dolce Volta
LDV-118(3CD)
バッハ:オルガン作品集(協奏曲、トリオ・ソナタ、オルガンと管弦楽のための作品)
協奏曲 ニ短調 BWV 1052a
ソナタ(トリオ・ソナタ)第3番 ニ短調 BWV 527
協奏曲 ハ長調
ソナタ(トリオ・ソナタ)第2番 ハ短調 BWV 526
シンフォニア.ニ長調 (カンタータ「われら汝に感謝す、神よ、われら汝に感謝す」BWV 29より第1曲)
協奏曲 二短調 BWV 1059a (カンタータBWV 35より)
ソナタ(トリオ・ソナタ)第4番 ホ短調 BWV 528
協奏曲 ト長調 BWV 592(ヨーハン・エルンスト公子自作のヴァイオリン協奏曲の編曲)
ソナタ(トリオ・ソナタ)第5番 ハ長調 BWV 529
協奏曲 イ短調 BWV 593(ヴィヴァルディの調和の霊感第8番の編曲)
協奏曲 ニ短調 BWV 596(ヴィヴァルディの「調和の霊感」op.3-11の編曲)
ソナタ(トリオ・ソナタ) ト長調 BWV 530
協奏曲 ニ長調 BWV 1053a
協奏曲 ハ長調 BWV 595 (ヨーハン・エルンスト公子のヴァイオリン協奏曲)
ソナタ(トリオ・ソナタ)第1番 変ホ長調 BWV 525
アンドレ・イゾワール(Org)
マルタン・ジェステル(指)
ル・パルルマン・ドゥ・ムジーク

録音:1979, 1988, 1993年
アンドレ・イゾワールがCalliopeレーベルにのこした録音から、バッハを選りすぐってお買得ボックス化。イゾワールは1935年ザン=ディズィエ生まれ。 セザール・フランク音楽院でオルガンをエドゥアール・スーベルビエルに、ピアノをジェルメーヌ・ムニエに学んだ。オランダ・ハーレムのコンクールでは、 1966, 67, 68年と3年連続で一位に輝き、「チャレンジ賞」受賞。サン・ジェルマン・デ・プレ教会の名誉オルガニスト。今や世界的なオルガンの巨匠 の一人です。彼によるバッハは、人を威圧するような緊張感はなく、聴いていて包み込まれるような心地よいもの。巨匠の風格漂うバッハの名演の数々を お楽しみいただきたいボックスです。 「教会に入って、暗がりの中できらきらと輝く金属製のパイプを見て、たったひとりの人間がこれらすべてを鳴らしているところを想像すれば、おそろく、 誰もがその人間になりたいと思うに違いない。オルガンは人を虜にする楽器ということを認めざるを得ないだろう。」(アンドレ・イゾワール)

WERGO
WER-6783(1CD)
マーク・アンドレ:作品集
S1 (2台ピアノのための)(2009-2012)*
Un-fini III (ピアノのための)(1993-95)
iv 11a (ピアノのための)(2011)
iv 11b (ピアノのための)(2011)
コントラプンクトゥス(ピアノのための)(1998-99)
iv 1(ピアノのための)(2010)*
Tomoko Hemmi(P)
Yukiko Sugawara(P)*

録音:2012年5月
マーク・アンドレのピアノ作品集。アンドレが、消え去ってしまう「音」の反射と衰退を緻密に研究した成果に基づいています。トーン・クラスター、弦 を指でさすって音を出すなどの様々な音色が聴かれます。さらに、その音色がもたらす残響効果もバッチリ録音されています。アンドレ自身が最も信頼して いる楽器・ピアノで音・音色・音響を極限まで追及した成果がここにあります。 マーク・アンドレは1964パリ生まれの作曲家。パリ国立高等音楽院にてクロード・バリフとジェラール・グリゼイに師事、その後シュトゥットガルトでラッ ヘンマンの薫陶を受けています。ドナウエッシンゲン音楽祭などでオーケストラ賞など数々の名誉ある賞を受賞。2012年にはモーツァルト週間のコンポー ザー・イン・レジデンスを務めるなど、今もっとも注目されている作曲家です。現在は、ドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽院で教授 を務めています。ベルリン在住。

King International
KKC-4013(1CD)
チェロ作品集〜my cello my soul
グラズノフ:吟遊詩人の歌Op.71
チャイコフスキー:ペッツォ・カプリチオーゾOp.62
レスピーギ:アダージョと変奏(1921)
ドヴォルザーク:ロンドOp.94
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン作品20(編曲:鈴木・ライナー・龍一)
ブルッフ:コル・ニドライOp.47
ポッパー:ハンガリー狂詩曲Op.68(カデンツァ:鈴木・ライナー・龍一)
R.シュトラウス:ロマンスOp.AV75
鈴木・ライナー・龍一(Vc)
エバーハルト・ハーゼンフラッツ(P)

録音:2010 年9月18日ハインリッヒ=ハインツ・ホール、ハンブルク、ドイツ
日本語解説書帯付
チェリビダッケの薫陶を受け、ドイツの音楽伝統を引き継ぐベルリン生まれの本格派チェリスト、鈴木・ライナー・龍一。チェリビダッケ時代のミュンヘ ン・フィルで首席コントラバス奏者代行(1971-2005年)を務めた鈴木良範氏の息子として早くから音楽的な環境で育ち、幼少の頃から親交のあったチェ リビダッケにも師事し、音楽的に多大な影響を受けています。2000年からはハンブルク州立歌劇場及びハンブルク・フィルの次席奏者を務めるほか、ソ リストとしても活躍している注目のチェリストです。このCDは、グラズノフやチャイコフスキーの難曲かつ珠玉の名作を取り上げ、また自身の編曲による「ツィ ゴイネルワイゼン」などヴィトゥオーゾを追求した内容となっています。既に巨匠の風格を漂わせる彼の音楽性に心酔する1枚です。 (Ki)


Forgotten Records
FR-825(1CDR)
ヴェンシスラフ・ヤンコフ/ショパン作品集
ピアノ・ソナタ第2番
マズルカOp.6-2,3
練習曲Op.1-3
幻想即興曲Op.66
ワルツOp.69-1/ワルツOp.64-2
ワルツOp.18
ヴェンシスラフ・ヤンコフ(P)

録音:1961年(モノラル)
※音源:Club National du Disque CND 16
“邪念皆無!ブルガリアの名手ヤンコフが放つ高潔ピアニズム!”
軟弱なショパンは御免!という方は必聴!一点一画をおろそかににしない厳格な造形力、強靭な芯を宿したタッチを武器に、ダンディなピアニズムを披露するヴェンティスラフ・ヤンコフはブルガリア出身。マルグリット・ロン、エドウィン・フィッシャー、ヴィルヘルム・ケンプ等の薫陶を受け、1949年のロン=ティボーコンクールでは、チッコリーニと共に1位を獲得しています。
「ソナタ」は、冒頭からもって回ったテンポの変動など微塵も見せないのに、不思議な緊張が横溢。第1主題はペダル使用を抑制して乾いた切迫感を描き出し、第2主題はタッチを柔和に変化させつつも情に溺れることはありません。第2楽章も音の輪郭が極めて克明。低音部の土台が盤石なので、普段聴き慣れたものよりも音楽が断崖のように聳え立ちます。第2主題の透き通ったハーモニーも必聴。第3楽章は他に類例を見ない演奏。タッチはむしろ通常よりも温かみを感じさせますが、テンポはやや早めのイン・テンポで淡々と進行。このギャップが音楽に絶妙な奥行きを与えます。中間部も一切媚びることなくスコア通りの音楽を紡いでいるだけですが、全ての音に独特の余韻が感じられるのです。ゲザ・アンダに似ているとも言えそうですが、やはりこの霊妙さはヤンコフ独自のもの。そしてこの楽章の最終音ドッと暗い色調を敷き詰め、怒涛の終楽章へ雪崩れ込みます!霊妙さがを思わせる面もあります。
この独自のピアニズムを携えるのですから、他の小品もとても気楽に聴ける代物ではありません。
マズルカはあくまでも音楽のフォルムをきっちり描くことが第一義。その上でリズムが根幹から弾むので、音楽が高潔に煌めくのです。
練習曲Op.10-3 は、「別れの曲」というイメージを徹底的に払拭。あくまでも純粋な詩的な音楽として描ききります。中間部でペダル使用をバッサリ中断する効果も聴きもの。
ワルツは当然サロン的なエレガンスからは程遠く、終始ニコリともせず愚直なまでに造形を炙り出します。特にOp.69-1トリオの一音一音の噛み締め方は、元来そういう音楽であったかのような自然さ。つまりヤンコフのピアニズムには邪念がないのです。楚々とした美しさを放つ「華麗なる大円舞曲」Op.18もお聴き逃しなく。【湧々堂】

Digressione
DCTT-26(1CD)
無窮動〜アコーディオンの為の音楽
アンドリーセン(1939-):オルフェウスへの序曲(1982)
ルンドクヴィスト(1920-2000):変容(1965)
 細川俊夫(1945-):メロディア(1978)
パラッツォ(1969-):無窮動(2002)/悲歌(2009)
オーレ・シュミット(1928-2010):トッカータ第1番 Op.24(1962)
サルヴァトーレ・ディ・ジェズアルド(1940-2012):即興曲第1番(1973)
グバイドゥーリナ(1931-):ソナタ「死者の復活を待ち望む」I-II-III-IV-V(1985)
タイユフェール(1892-1983):夜想曲(1977)
フランチェスコ・パラッツォ(アコーディオン)

録音:2006年12月-2011年7月、バーリ、イタリア
フランチェスコ・パラッツォは1969年イタリア、プーリア州タラント県マルティーナ・フランカに生まれ、フィレンツェのルイージ・ケルビーニ音楽院でサルヴァトーレ・ディ・ジェズアルドに師事したアコーディオン奏者・作曲家。演奏・録音・作曲・編曲活動の他、1993年以来バーリのニコロ・ピッチンニ音楽院で教えています。

Lindoro
NL-3015(1CD)
ショパン:ピアノ・ソナタ第1番ハ短調 Op.4
ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
アンヘレス・イグレシアス(P)

録音:2012年4月、カハソル財団ホアキン・トゥリーナ・ホール
アンヘレス・イグレシアスはスペインのセビリャ生まれのピアニスト。セビリャとマドリードで学んだ後ウィーン音楽大学でハンス・グラーフに師事。マヌエル・デ・ファリャ・コンクール(カディス、スペイン)第1位入賞。2013年現在マドリードを本拠に演奏・教育の場で活躍しながらブラジリア大学(ブラジル)教授も務めています。

Atoll
ACD-600(1CDR)
オルガンのためのボンボン
ルノー:トッカータ.ニ短調
ヘンデル:シバの女王の入城
モーツァルト:エルヴィラ・マディガン
アルント:ノラ
デュボワ:フィアット・ルックス
セッシェル:3つの小品による組曲
ワトソン:ハッピー・バースデー,ヒアー・バッハ
ナレ:アレース・ワズ・ドゥ・ビスト
スーザ:ワシントン・ポスト・マーチ
フォーレ:子守歌、シシリエンヌ
ヴェルディ:凱旋行進曲
ダカン:かっこう
サン=サーンス:白鳥
ボヴェ:ピンク・パンサーによるフーガ
リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
ムーレ:ロンド/カンプラ:リゴードン
グノー:あやつり人形の葬送行進曲
ボヴェ:ハンバーガーの死の舞踏
マーティン・セッチェル(Org)

録音:2000年11月18−19日
イングランド生まれのマーティン・セッチェルはニュージーランドのカンタベリー大学の准教授で、クライストチャーチ・タウン・ホールのオルガン・キュレーター、リーガー・オルガンの奏者として活躍中。今回のプログラムはヴェルディのアイーダからボヴェのピンク・パンサーまで幅広いジャンルが魅力。
※Atollはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。予めご了承ください。
Atoll
ACD-641(1CDR)
ジョン・ウェルス〜オークランド・タウン・ホール・オルガン
スタンフォード:4つの間奏曲 Op.189〜「マルチア・エロイカ」
ヴィエルヌ:幻想的小品 Op.55〜第4番「水の精」
バティスト:グランド・オッフェルトリウム Op.8
ブクステフーデ:前奏曲ト短調 BuxWV149
ラトクリフ:カプリース
バッハのカンタータ「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」のコンティヌオによる変奏曲
山之内:オルガンのための詩曲
サワビー:オルガンのための組曲〜アリアと変奏曲
ウェルス:コカコ・ファンファーレとマーチ
ウォルステンホム:フィナーレ変ロ長調 Op.11−2
ジョン・ウェルス(Org)
ニュージーランド生まれのオークランド市のオフィシャル・オルガニストで作曲家のジョン・ウェルスが弾くオルガン作品集。このアルバムは2011年2月22日、クライストチャーチでの地震により亡くなったオルガン製作者のニール・ストッカー、スコット・ルーシー、ポール・ダンロップに捧げられています。
※Atollはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。予めご了承ください。

Sedem
SEDEMCD-29(1CD)
スペインのピアノ四手連弾音楽(1830-1900)
ジュゼプ・テオドル・ビラル(1836-1905):スケルツァンド
ペドロ・ティントレル(1814-1891):ソナタ第5番イ長調
 ソナタ第6番変ホ長調
 ソナタ第7番ヘ長調
 ソナタ第8番ホ長調
マルシアル・デ・アダリド(1826-1881):ソナタ ト長調
ペドロ・ティントレル(1814-1891):ソナティナ第1番ト長調
 ソナティナ第2番ヘ長調
 ソナティナ第3番ヘ長調
ペドロ・アルベニス(1795-1855):ヴェルディの「第一回十字軍のロンバルディア人」による幻想曲
フェリペ・ペドレイ(1841-1922):ファウスト(狂詩曲)
マルティン・サンチェス・アリュ(1821-1858):「悪魔の尻尾」の主題によるディヴェルティメント
サンティアゴ・デ・マサルナウ(1805-1880):メランコリー
オリベル&ホセ・マリア・クルベロ(P)

LAWO Classics
LWC-1035(2CD)
バッハ:オルガンのための協奏曲&コラール前奏曲集
オルガン協奏曲第1番ト長調BWV.592/オルガン協奏曲第3番ハ長調BWV.594/オルガン協奏曲第2番イ短調BWV.593/オルガン協奏曲第4番ハ長調BWV.595/コラール・パルティータ「ようこそ、イエスさま」 BWV.768/コラール「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」 BWV.717/コラール「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」 BWV.711/コラール「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」 BWV.715/コラール「いざ喜べ、尊きキリストのともがらよ」 BWV.734/コラール「おお主なる神、われを憐れみたまえ」 BWV.721/コラール「キリストは死のとりことなられても」 BWV.718/コラール「愛しきイエスよ、われらはここに」 BWV.731/コラール「おお主なる神、われを憐れみたまえ」 BWV.695/コラール「わが心からの望み」 BWV.727/コラール「イエスよ、わが喜び」 BWV.713/コラール「主イエス・キリスト、われを顧みたまえ」 BWV.709/コラール「主イエス・キリスト、われを顧みたまえ」 BWV.726/コラール「われ汝に別れを告げん」 BWV.736/コラール「われ汝に別れを告げん」 BWV.735/コラール「わが魂は主をあがめ」 BWV.733
コーレ・ノールストーガ(Org)

録音:2011年10月10日−12日
オスロ大聖堂のオルガニスト、ノルウェー国立音楽アカデミーの教授として活躍するノルウェーのオルガニスト、コーレ・ノールストーガが弾く大バッハの協奏曲とコラール前奏曲。スイス、アルレスハイム大聖堂のジルバーマン・オルガンの音色と大聖堂の響きが、輝かしきバッハの音楽の世界を創り出しています。


廃盤復活!
DBCD-144
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111*
ハンス・レイグラフ(P)

録音:1973年12月26日、1980年7月7日* スウェーデン・ラジオP2提供音源

[リマスタリング:2010-2011年、エリック・ニルソン(dB Productionsプロデューサー)]
スウェーデンのレーベルdB-Productionsのプロデューサー、エリック・ニルソンが思いをこめてリマスタリングしたスウェーデンの名ピアニスト、ハンス・レイグラフの渾身のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、第32番の初出録音です。その並々ならぬ思いを彼は次のように述べています。「2009年、私はハンス・レイグラフに彼のコンサートで弾いていたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番を録音しないかと提案しました。すると彼からは前向きな返事がきました。しかし、2010年の年末、彼の体調に異変があらわれ2011年2月にストックホルムの自宅で帰らぬ人となってしまいました。私はあの時録音しておけばよかったと後悔にしました…しかし、彼が1973年と1980年にベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31、32番をスウェーデン・ラジオに録音していたことを知り、彼のトリビュート・アルバムを作成することを決めました。彼の素晴らしい音楽を皆さまに届けたいと思いで。」―エリック・ニルソン(dB-Productionsプロデューサー)
教育者としても有名だったレイグラフはザルツブルク・モーツァルテウム大学の講師として後進の育成に携わり、永井幸枝、伊藤恵など彼に師事した著名な日本人ピアニストも多くいます。ここに収録されたベートーヴェンはいずれもたっぷりとした出だしから神がかったほど透き通るタッチで弾き、一度聴いたら耳から離れません。これだけ美しい奏法は他のピアニスト、特に現代では聴くことのできない貴重な宝と言えましょう。なお、このCDは完全限定盤となっております。 (Ki)

SILKROAD MUSIC
HCD-0863(1CD)
顧聖嬰〜ショパン:ピアノ曲集
ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」op.61
 練習曲ヘ長調op.10-8
 練習曲嬰ハ短調op.25-7
ドビュッシー:喜びの島
シューマン:献呈
リスト:ハンガリー狂詩曲第12番
シャン・シンハイ:三首哈薩克舞曲
ショパン:前奏曲第2番イ短調op.28-2
前奏曲第8番op.28-8.嬰ヘ短調
前奏曲第24番ニ短調op.28-24
練習曲変ト長調『蝶々』op.25-9
練習曲嬰ト短調op.25-6
練習曲変イ長調op.10-10
練習曲嬰ハ短調op.10-4
ピアノ・ソナタ第3番ロ短調op.58
顧聖嬰[ク・シャンイン](P)

録音:1960-1962年
今は亡き中国人名ピアニスト、顧聖嬰(ク・シャンイン)の貴重なレコーディング集。顧聖嬰は1937年上海生まれ。5歳でピアノをはじめ幼少時より その才能を開花させました。1954には上海交響楽団にソリストとして入団し、以後は国内外で活躍、スイス、ポーランド、ブルガリア、フィンランド、ハ ンガリーではリサイタルも開き好評を博しました。ここに収録された録音は彼女が得意としていたショパンを中心とした1960-1962年の貴重な録音です! (Ki)

ETENDUE
AIQ-1002(1SACD)
市橋若菜〜オンド・マルトノの世界I
沖縄民謡:田首里殿内
ドビュッシー:シランクス
オネゲル:雌ヤギの踊り
エドワード・ミカエル:神秘の詩
ジョリヴェ: 呪文…像が象徴となるための
エドワード・ミカエル:月の典礼
沖縄民謡 (編曲:古庄奈穂子):てぃんさぐぬ花 *
弘田龍太郎 (編曲:古庄奈穂子):浜千鳥 *
佐々木すぐる (編曲:古庄奈穂子):月の沙漠 *
日本古謡 (編曲:古庄奈穂子): さくらさくら *
山田耕筰 (編曲:古庄奈穂子):赤とんぼ*
海沼實 (編曲:古庄奈穂子):里の秋 *
岡野貞一 (編曲:古庄奈穂子):故郷 *
草川信:夕焼小焼*
市橋若菜(オンド・マルトノ)
中野真帆子(P)*

録音:2008年11月、2009 年1月 名古屋市熱田文化小劇場ホール
ETENDUE
AIQ-1003(1SACD)
市橋若菜〜オンド・マルトノの世界U
ケクラン:モノディー「太陽に向かって」Op.174 より
原田節:フリーウェイ
ジャック・シャルパンティエ: カルナティック組曲
池辺晋一郎:熱伝導率
エドワード・ミカエル:ステンドグラスを通して*
柴田恭男:夢*〜オランジュリー「睡蓮の間」、水の記憶
市橋若菜(オンド・マルトノ)
本荘麻梨(P)*

録音:2008年11月、2009年1月 名古屋市熱田文化小劇場ホール
オンド・マルトノは1928 年にフランスで発明された電波楽器です。チェロ奏者であり電気技師でもあったモリス・マルトノ(1898-1980)によって製 作されました。電気を使った楽器としては世界で最も古いもののうちのひとつに挙げられています。演奏者それぞれが独自の音楽表現を生み出すことので きる洗練された楽器として、今日までにフランスをはじめとする各国の様々な音楽家たちに取り上げられてきました。オリヴィエ・メシアン、アンドレ・ジョ リヴェ、ダリウス・ミヨー、アルテュール・オネゲルといった作曲家をはじめ、20 世紀の音楽史上重要な作品がこの楽器と共に数多く生まれています。 今回のSACD ではオンド・マルトノのスピーカーからの音の放射の様子を捉えるべく独自のマイクアレンジを考案、楽器に触れるような明瞭な音像、舞台 上に広がる楽器配置の定位感、そしてホール空間に浸透する音の道筋まで、遠近感あるサウンドをSACDサラウンド形式で表現しました。 両アルバム共にVIVA SACDアワード2010サラウンド部門グランプリ受賞!! (Ki)


King International
KKC-4009(2CD)
チョン・キョンファ/衝撃の東京ライヴ第1夜
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ長調「二重奏曲」 D.574 Op.162
 幻想曲 ハ長調 D.934 Op.159
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調 Op.121
バッハ:G線上のアリア BWV1068-2
クライスラー:愛の哀しみ
ポルディーニ(クライスラー編):踊る人形
ドヴォルザーク:ユモレスク
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しい夕暮れ
チョン・キョンファ(Vn)、
イタマール・ゴラン(P)

ライヴ録音:1998年4月26日、サントリーホール、東京(ライヴ)
語り草となっている、1998年4月、チョン・キョンファの東京ライヴがついに正規盤で登場!ただならぬ集中力と緊迫感さえ伝わってくる衝撃のライヴ です。情熱的で自由に演奏しているようでいて、ピアニストのイタマール・ゴランと一糸乱れぬ演奏をしております。ライヴでありながらこの完成度に驚き を隠せません。アンコールを含む1夜のライヴが再現された、チョン・キョンファのライヴ史上最高の演奏です。ブックレットも充実で当日の公演に足を 運んでいた許光俊氏、平林直哉氏が当日の演奏について、またチョン・キョンファの来日公演の仕掛け人である泉 征郎氏がチョン・キョンファとの出会い からこれまでの来日公演についてそれぞれ熱く語っております。  (Ki)
「人々を驚かせたのは彼女の演奏の比類なき燃焼度の高さだった。小柄な東洋の女性が強烈な存在感で舞台を支配する姿に世界が息をのんだのだった。 細かいことをあれこれ言うのも愚かしいと思われるほどの、音楽が持つ根源的な力にじかに触れるような衝撃性があったのである。」(ライナーノーツより  許光俊)

King International
KKC-4011(2CD)
チョン・キョンファ/衝撃の東京ライヴ第2夜
バッハ:G線上のアリア BWV1068-2
ストラヴィンスキー:協奏的ニ重奏曲
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第2番
ラヴェル:ツィガーヌ
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
クライスラー:美しきロスマリン
 中国の太鼓
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しい夕暮れ
チョン・キョンファ(Vn)、
イタマール・ゴラン(P)

ヴ録音:1998年4月28日、サントリーホール、東京(ライヴ)
チョン・キョンファ、衝撃の東京ライヴ第2夜(1998年4月28日)。当初、プログラムの予定にはなかったG線上のアリアを冒頭に演奏!キョンファ が愛奏したバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番とバルトーク、そしてラヴェルの作品を披露しました。当日演奏会に足を運んでいたポリーニ も激賞したと言われている衝撃のリサイタルです。  (Ki)
(中略)「極めつけはバッハのパルティータ第2番である。彼女は1983年に同じ曲を弾き、聴衆を金縛りにしたが、この第2夜はそれを上回ったのである。 その時の様子が、このディスクではかなり忠実に再現されているのが何よりも嬉しい。バルトークの切れ味、ラヴェルの自在な表情と蠱惑的な音色も最高 である。」(ライナーノーツより 平林直哉)

WERGO
WER-2062
(DVD-PAL)
Spectral Strands(縒られた恐怖)〜ヴィオラとヴィジュアルのための
シェルシ:マントT(1966)〜ソロ・ヴィオラのための
シャッリーノ:ノットゥルノ・ブリリアンテT〜ソロ・ヴィオラのための
ジェラール・グリゼイ(1946-1998):
 プロローグ(1976/2001)〜ソロ・ヴィオラと電子楽器のための(電子楽器:ゲーツ・ディッパー)
シャッリーノ:ノットゥルノ・ブリリアンテU(1974)〜ソロ・ヴィオラのための
マイケル・エドワーズ(b.1968):24/7: freedom fried (2006)〜ヴィオラ・ダ・モーレと電子楽器のための(電子楽器:マイケル・エドワーズ)
シャッリーノ:ノットゥルノ・ブリリアンテV(1974)〜ソロ・ヴィオラのための
サーリアホ(b.1952):ノクターンの風(2006)〜ソロ・ヴィオラと電子楽器のための(電子楽器:ヨアヒム・ゴスマン)
ガース・ノックス(Va)
ブライアン・オライリー(映像)
現代音楽を代表する作曲家達が書いたヴィオラ作品を集めたもので、電子楽器を伴うもの、伴わないものが収録されています。アンサンブル・アンテル コンタンポランで活躍し、その後アルディッティ弦楽四重奏団のヴィオラ奏者も務めたことのある、現代を弾かせたらピカ一のヴィオラ奏者であるガース・ノッ クスによる演奏というのが注目ポイント。収録されている楽曲もかなりキワモノですが、その演奏につけられた映像は、シンガポール在住の、映像とサウ ンドを融合させた作品や、インスタレーションを得意とするブライアン・オライリーによる、恐怖のイメージをあおるもの。ですが、よく見てみると、演奏 している映像を特殊加工したもの。音楽と映像のコラボに興味のある方には是非お手に取って頂きたい1枚です。 (Ki) 
※このタイトルはPAL 方式で記録されており、DVD 再生が可能なWindows PC やMac のほか、マルチシステム対応AV 機器などで再生することが可能です。通常のNTSC 方式のDVD プレーヤーやTV では再生することができません。  

スロヴァキア音楽財団
SF-0054-2(1CD)
ペテル・マハイジーク(1961-):作品集

(1)She will be picked by herself(2006)

(2)Namah(2000)

(3)Nell'autunno del suo abbraccio insonne(2003)

(4)Sadness of flowing(2003/2007)*

(5)To the rainbow so close again(2004)

(6)Painting(1999/2000)

(7)Obscured Temptations(2003)

(8)Water forgives(2007)

(9)Lullaby(1999)
(1)木田真優子(P) 録音:2008年5月、ブラチスラヴァ国立音楽院、スロヴァキア
(2)アニタ・ミロッサヨヴァー(指)ヤーン・ペシュル青年弦楽合奏団
 録音:2007年10月、ヤーン・ペシュル芸術学校、プレショフ、スロヴァキア
(3)フロラレーダ・サッキ(Hp)
 録音:2008年1月、エクスクレイム・スタジオ、オルジアーテ・コマスコ、コモ県、イタリア
(4)ジョン・アンダーソン(歌)、ドミニク・メリハーレク(Ob)、ズザナ・ウシュコヴィチョヴァー(Vn)、木田真優子(P)
 録音:2003年3月、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ
2007年11月、オピオ・スタジオ、サンルイスオビスポ、アメリカ合衆国
(5)イカルスSQ 録音:2008年1月、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ
(6)グイード・アルボネッリ(バスクラリネット)
 録音:1999年10月、ピーラ・ベルージャ、イタリア
(7)ダニエル・ガレル(P) 録音:2003年3月、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ
(8)エニケー・ギンゼリ(ツィンバロン)
 録音:2008年1月、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ
(9)ヨゼフ・ルプターク(P) 録音:2001年2月、スロヴァキア放送、ブラチスラヴァ
(10)ュリー・ハンソン・ガイスト(S)、デイヴィッド・モス(声、ドラムス、エレクトロニクス)、グイード・アルボネッリ(バスクラリネット)、ダリー・ドレザル(Vc)、ペテル・マハイジーク(エレクトロニック・サウンド&テープ)
 録音:2001年10月、セントキャサリン音楽カレッジ、ペンシルヴァニア州、アメリカ合衆国
1999年10月、ピーラ・ベルージャ、イタリア
1994年5月、ウルリヒスベルガー・カレイドフォン、オーストリア
2007年6月、ブライト・ムーン・スタジオ、ブラチスラヴァ、スロヴァキア
*はイギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの元ヴォーカリスト、ジョン・アンダーソン(1944-)が歌詞とメロディーを書いた共同作品。

HUDOBNE CENTRUM
HC-10034(1CD)
ヤーン・ツィッケル(1911-1989):ピアノ作品集
子守歌/ソナティナ Op.12-1
年少者の為の2つの作品 Op.27
スロヴァキア民謡によるピアノ変奏曲
7つのフーガ〜4曲
主題と変奏曲 Op.14-1
子供たちが私に語ること(ピアノの水彩画)
タトラの小川(3つの練習曲)
ヨルダナ・パロヴィチョヴァー(P)

録音:2011年7月23日、10月31日、11月1日、ファトラ芸術館、ジリナ、スロヴァキア

WERGO
WER-6757(1CD)
リゲティ:ムジカ・リチェルカータ(1951-53)/シュステックによるオルガン版(原曲:ピアノ
 オルガンのための2つの習作[1. ハーモニーズ/2. クレ(流出)(1967/69)]
ドミニク・シュステック(b.1977):話すシグナル(オルガンのための即興(2012))
リゲティ:ヴォルーミナ(1961/62, 1966改訂)
ドミニク・シュステック(Org)

録音:2012年8月6-9日聖ペテロ文化ステーション(ケルン)
シュトックハウゼンの「星座のための12のメロディー」オルガン版(WER 6736)で強烈な印象をあたえたドミニク・シュステックが、今度はリゲティ に挑戦!
リゲティは、オルガンのためにのこした作品は3曲のみ(ヴォルーミナ、ハーモニーズ、クレ)ですが、リゲティの作曲の発展過程において重要な足跡となっ ているだけでなく、現代のオルガン作品の新しい道を切り開いたといえるでしょう。
「ヴォルーミナ」は、トーン・クラスターの作品。メロディー、リズム、ハーモニー(方向運動を伴うもの)を排したもの。時間的な芸術というより、 空間的な芸術として聴き手に届く作品で、オルガンならではの迫力と、シュステックの巧みな音色選び、そして素晴しい残響が、この大規模な作品を見事 に響かせます。「2つの習作」の「ハーモニーズ」は、たえず10の音からなる和音が鳴り響き、その和音が少しずつ変容していくというもの。「クレ」は 虫の羽音のように細かく動き続ける音型が、アメーバのように形を変えていきます。
ムジカ・リチェルカータは、リゲティが30歳になる前頃に書いた作品。11曲から成り、もともとはピアノの作品ですが、オルガンで聴いてもこれがま た面白い!第1曲はラの音のみで構成され、単音、オクターブで重ねられるラの音、そしてリズムという要素で構成されています(一番最後にレの音が現 れる)。オルガンの残響や、様々な音色で次々と現れるラの音を聴いていると、精緻に織り上げられた響きにだんだんがんじがらめにされていくような気分 になります。ピアノでは味わえない迫力があると申せましょう。続く楽曲も、音の素材を極限まで制限したものが続き、4曲目は「手回しオルガン風ワルツ」 ですが、大道芸人がひろばでまわしている手回しオルガンとは違い、どちらかといえば不気味さ濃厚のワルツで、これがまたオルガンで聴くと効果抜群!8 曲目の有名なセリー音楽的な曲も、軽快なリズムで、様々なストップを駆使して実に効果的に響かせています。シュステックは、リゲティが織り上げた緻 密な音の細密画を、オルガンによって、空間に見事に再現しています。
シュステックの即興作品は、単なるオルガンとは思えないような、ノイズとしか思えない音や、ウィンドチャイムを思わせるような響きやマリンバ的な音 色など、様々な音色を駆使したもの。楽器が壊れないかと心配になるほど、シュステックが楽器を弾きまくっています。 2013年はリゲティ生誕90周年、彼の記念碑的オルガン作品を核とした、非常に魅力的なディスクの登場といえるでしょう! (Ki)


BELLA MUSICA
BM31.2393(1CD)
岡野知佐子/ピアノ・リサイタル
モンポウ:前奏曲第5番,第7番,第9番
リスト:バラード第2番 ロ短調
 「旅のアルバム」第1巻〜オーベルマンの谷
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻〜前奏曲とフーガ第8番嬰ニ短調BWV877
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K.475
岡野知佐子(P)
“驚異的な集中力から生み出される潔癖なフレージングの絶妙さ!”
岡野知佐子は大阪生まれ、1992年に東京芸術大学を卒業後、カールスルーエ音楽大学でさらに研鑽を積み、ドイツを中心に活躍しているピアニスト。
収録曲を暗い色彩の作品で統一しているのがミソで、そういった作品こそが岡野の感性が最もストレートに反映されるということが、聴き進むに連れて実感出来ます。
まず、艷やかなタッチを生かしつつも乾いた詩情が漂うモンポウから惹きつけられます。特に速いパッセージにおけるクールな進行は独特のエキゾチシズムを誘います。リストは透徹された弱音が美しく煌めきますが、シューベルトのような純朴さとは正反対の静かな狂気が宿ります。岡野のクールで安易な感傷を排したピアニズムは、バッハにはうってつけ。単に機械的に響きかねない淡々とした進行が無味乾燥に陥らず、強固な集中力で作品の構成を確実に炙り出してくれます。全ての曲の中で最も心を打つのがモーツァルト!ここでも一見淡白に音楽が流れますが、長調に転じる第2主題(3:20〜)の単にリリカルなだけではない至純のフレージングとタッチは絶品で、その直後の激しい高揚とのコンロラストがこれまた絶妙!この作品に盛り込まれた多様な楽想が緊密な連携を取りながら全体が統合されていく演奏に久しぶりに出会えました!【湧々堂】、


日本伝統文化振興財団
XRCG-30029
(6XRCD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集
Disc 1
ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 K.279(189d)/ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K.280(189e)/
ピアノ・ソナタ第3番 変ロ長調 K.281(189f)/ピアノ・ソナタ第4番 ヘホ長調 K.282(198g)
Disc 2
ピアノ・ソナタ第5番 ト長調 K.283(189h)/ピアノ・ソナタ第6番 ニ長調 K.284(205b)/
ピアノ・ソナタ第7番 ハ長調 K.309(284b)/ピアノ・ソナタ第9番 ニ長調 K.311(284c)
Disc 3
ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K.310(300d)/ピアノ・ソナタ第10番 K.330(300h)/ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K.331(300i)
Disc 4
ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 K.332(300k)/ピアノ・ソナタ第13番 変ロ長調 K.333(315c)/幻想曲 ハ短調 K.475/
ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K.457
Disc 5
ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.533&K.494/ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 K.545/ピアノ・ソナタ第16番 変ロ長調 K.570/
ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 K.576
Disc 6
幻想曲 ニ短調 K.397(385g)
デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 ニ長調 K.573/ロンド イ短調 K.511/「ああ、お母さん、あなたに話しましょう」の
主題による変奏曲 ハ長調 K.265(300e)《きらきら星変奏曲》
宮沢明子(P)
※ベーゼンドルファー
録音:(Disc1-5)1973年9月9,10,17,18,27日、(Disc6)1973年10月9日、青山タワー・ホール
使用器材:ノイマンU-87、アンペックスAG-440B
音の優秀さも抜群ですが、宇野功芳氏もほめたたえた名演でもあり『ここまでやって下さるとは夢にも思わなかった』『30代の若さでこんな才能はお そろしいくらい』『フレージングの美しさは名人芸』『全曲にわたって旋律が歌い抜かれ、哀しいくらい訴えて来る』と評された心に残る演奏です。 今回もビクター中央林間スタジオでオリジナルテープからの緻密な復刻がなされており、プレスも通常とは別ラインの特別版でなされました。世界録音 遺産ともいえる菅野録音の代表作が見事によみがえりました。 (Ki)


MELODIYA
MELCD-1002066(1CD)
ショパン:24の前奏曲Op.28
スクリャービン:24の前奏曲Op.11*
ルドルフ・ケレル(P)

録音:1970年、1976年8月24日*(共にステレオ)
“打鍵の威力に頼らない確信に満ちたピアニズム!”
ルドルフ・ケレルは、1923年、グルジアの首都トビリシ出身。15歳の時にチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」でデビュー。第2次世界大戦の影響でピアニストとしての活動を中断。スターリンの死後に本格的にピアニストに復帰を果たし、38歳の時には全ソ連音楽コンクール(1961年)で優勝。同年モスクワ音楽院教授となり、1990年からワイマールやウィーンで後進の指導にあたっています。
若きの日のケレルは強烈な打鍵で知られましたが、ここではいかにも「ロシアン・ピアニズム」といったメリハリの強さと量感に持ちたタッチは維持しつつも、そこに詩的ニュアンスが絶妙に配合されたピアニズムが成熟された形で表出され、独特の味わいを持つ名演奏を繰り広げています。
ショパンは第1曲から感覚的にはゴツゴツとした印象を与えますが、フレージング自体は大きく流麗に流れ、力みを感じさせずに自然体。次の第2曲もバリバリの技巧派のイメージからは遠い、自然発生的な空気感を導き出し、左右の声部のコントラストも霊妙そのもの。第3曲ではヴィルトゥオーゾとしてのケレルが顔を出しますが、タッチの粒立ちばかりに拘泥せず、フレーズを大きくレガートで歌わせながら余音を残す粋なセンスは溜息が出るほど魅力的です。第8曲はそこへ色彩的な広がりも加わり、この時期のケレルがひとつの絶頂を迎えていたことを伺わせます。第17曲でこれほど全体のハーモニーが渾然一体となって響くことは実に稀!ペダリングの難所も含めて音楽を一切弛緩させずにコクのあるニュアンスを醸し出します。なお、ケレルは同曲を1998年にもライヴ録音(解釈は大差ない)をしており、より綺麗な音で聴くことはできますが、特にこの第17曲のような微妙なニュアンスは、ホールの残響に邪魔されない分この1970年盤の方がインパクト大。そして終曲コーダの確信力!
スクリャービンも必聴。ショパン同様に特別な構えは見せずに、ルーバとも最小限に押さえ、自然と聴き手を惹きつけてしまうしなやかな牽引力は最後まで一貫。雰囲気に流されない決然とした意志を湛えながら、スクリャービン特有の不安げな色彩の綾を明確に打ち出します。抒情的な楽想をダンディに抽出する第4曲、優しい語り口にも強さが宿る第5曲、力感が空回りせず焦燥感を引き出す第14曲など、聴きどころは尽きません。【湧々堂】


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