湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



器楽曲C〜ショパン



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ショパン/CHOPIN


Classical Records
CR-048
24の前奏曲集、
前奏曲Op45、前奏曲(遺作)、即興曲(全4曲)
アンナ・マリコワ(P)

デジタル録音
“全曲隙なし!芸術的な高みに達したマリコワのピアニズム!”
過去12年間に誰も優勝できなかった超難関、ミュンヘン国際コンクールで、1993年にその栄光を手にしたアンナ・マリコワの円熟を示す1枚。
「前奏曲集」は最初の2〜3曲聴いただけで、歴代の名演と堂々肩を並べるべき名演であることを確信!テクニックに全く隙がないことはもちろん、全曲どれを取ってもニュアンスが完熟。第3曲の急速なアルペジョを一息で美しい弧として描ききる美しさは、練習曲集でも垣間見られた魅力ですが、ここでもその本領を発揮。第4曲では長い音価での呼吸、ニュアンスの持久力を発揮。有名な第7曲は、全てのフレーズ結尾に並ぶ同じ音3つの音に繊細なニュアンスを通わせているのが印象的。でいますが第12曲の拍節感と呼吸の膨らみの一体感、第16曲はマリコワが持ちうる最大の強打鍵を投入。第17曲の厚みを十分に湛えたハーモニーの格調の高さ、そして壮絶なうねりに激情を孕ませつつ、フォルムの美しさを保持した終曲の芸術性!
「即興曲集」
はオマケと思ったら大間違い!全4曲共に質の高い演奏は決して少なくないですが、この素晴らしさは別格!とりあえず最も有名な「幻想即興曲」だけでも聴いてみて下さい。「鮮やかなテクニック」とはまさにこの事!と叫ばずにいられない音楽的な説得力を兼ね備えたヴィルトゥオジティが高潔なタッチで淀みなくうねり、芸術的な高みを感じさせる妙技を披露しているのです。何度聴いても信じ難い名演奏です!第1番上品な滑り出しが艶やかに発展し、中間部で急に別世界へ誘う自然な牽引力も真の芸術家の証し。マリコワのピアニズムを現すキーワードの一つは「エレガンス」。それを深く感じさせる第3番も必聴。【湧々堂】


CLASSICO
CLASSCD-292
廃盤


T2CD-2012057
24の前奏曲集、夜想曲Op27-1/Op27-2
マズルカOp17-1,2,4、ワルツOp70-2.3
クリスティーナ・ビイェルケ(P)

録音:1999年
“女流ピアニストによる「前奏曲」では、アルゲリッチと並ぶ最高の名演!”
ビイェルケは1970年デンマーク出身のピアニスト。これがデビュー録音です。この「前奏曲」は、今まで様々な演奏を聴き尽くしてきた方も、きっと感動を新たにすること必至の完璧なまでの名演奏です!各曲を清潔なニュアンスで一貫させつつ、全曲を大きな構成で関連付けるセンスが並ではありません!タッチそのものが明確で、音同士の連なりにも細心の注意を払った1曲目から、その安定しきった構成力に確かな手ごたえを感じさせます。第3曲では左手16分音符の急速なパッセージが全く淀むことなく清冽な弧を描く様と全体に溢れる気品が印象的。第4曲、第6曲のメランコリックに浸り過ぎずに、目の詰んだフレージングにも、彼女の研ぎ澄まされた感性が脈々と浸透。第8曲もこれ以上望みようがないほど見事!指の練習曲に陥ることなく、終止鳴らされる32分音符にエレガンスを込めながら全体をしなやかに躍動させ、コーダでの微妙な転調の色合いを感じきったタッチの加減も、本当に音楽を心で理解している証しでしょう。第12曲もパーフェクト!左手の重量感が威圧的になる寸前でセーブされ、その上を右手が半音階で焦燥をじりじりと醸し出す、その見事な融合ぶり!「雨だれ」は、名曲集などに入れるのではなくこの曲集の15曲目に弾かれることで意味深く響くことをこれほど感じさせる演奏はなかなかありません!「音色の美しさ」という形容も、本来このような演奏を指すべきではないでしょうか。次の第16曲へは、その静けさの余韻を感じながら突入し、冒頭3連音の後半をアッチェレランド次第に高揚させる配慮!第17曲の格調名高さ、そして第18曲で遂に見せる強健打鍵の威力の説得力絶大で、第20曲の最後の和音の音割れ寸前の強靭な意思を閉じ込めた打鍵の素晴らしさにも唖然!カップリングの曲でも、彼女の詩的センスの確かさを痛感させられます。どれも全曲集を聴きたくなるほど芸術的な香りに溢れたものばかりです。採用しているテンポは、どれもが彼女が音楽を感じきることができるベストなものが自然に選択されていることがお分かりいただけることでしょう。とても20歳代の技とは思えないこの完熟の演奏を是非!【湧々堂】


EMI
5698002[EM]
24の前奏曲集、
夜想曲第2番、20番、21番、
カンタービレ、コントルダンス
ツィモン・バルト(P)

録音:1991年
繊細という一言で割り切れない、バルトの浮世離れした感性の結晶!”
「前奏曲は、各曲の性格を最大限に押し広げながら、全体を一貫したトーンでまとめ上げた名演奏です。暗い曲は徹底的に深く沈み、華やかな曲でも音を発散せず、内省的な佇まいを携えているのが特徴的。第1曲からフレーズの異様な揺れに只ならぬ予感がよぎりますが、決して奇を衒ったものではなく、本能的な音楽の湧き上がりとして、自然に心に訴え掛けるものがあります。第2曲の底なし沼のような暗さへの没入と孤独な空気は、この先どうなるか不安になるほどですか、微妙にタッチの色彩と呟きの表情を変え、単に雰囲気に流されて終わるのではない確信に彩られています。極端に音符の少ない第7曲は、一音ごとの音価が決して均一に並ぶことなく、見事なバランス感覚の上での深々とした息づかいが素晴らしく、音楽の呼吸が全く弛緩しません。第11曲のデリケートな語り掛けから滲む微笑も魅力的。有名な「雨だれ」がこれまた超絶品!とにかく緊張の持久力が尋常ではありません。テーマの繊細を極めた歌には一切表面的なごまかしがなく、とても並の感性では引き出しえない髪の毛一本の微妙な表情の揺れを丹念に表出。中間のドラマチックな構成も小手先のものではなく、3:50で突如フォルテからピアニッシモヘ移る俊敏さとその余韻効果は、何度聴いても鳥肌ものです。次の第16曲も鮮烈。冒頭の最後の和音をスパッと切り上げ、このたった3秒間で早くも独特の緊張の空気を発します。第19曲の大きなスパンでの呼吸の妙、色彩の艶やかさも見事。第19曲からアタッカで入る20曲も感動的!終結部分で失速寸前までテンポを落とし、出口の見えない闇をさまよう孤独なピアニッシモには、もう言葉を失います。22曲の激高の雄叫びも必聴。カップリングの夜想曲Op9-2も、一度聴いたら忘れられません!超スローテンポで全てを弱音で通すのも驚異的ですが、そこに漂うに気品と沈思の風情は比類なく、あまりの透徹された美しさに窒息しそうなほどです。他の2曲の夜想曲も同じ傾向の妙演。もし全曲録音がなされたら、歴史的な名演になることは間違いないでしょう。【湧々堂】


aura(Ermitage)
AUR-175

ショパン:練習曲集Op.25、
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番、
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集
ゲザ・アンダ(P)

録音:1965年9月16日モノラル・ライヴ
“エチュードOp.25-3に聴く奇跡のピアニズム!!”
表面的にパラパラと弾かれるピアノとは全く次元をことにする、アンダ独自のピアニズムが大全開!特にショパンは、12の宝石の普段は気付かない魅力まで浮き彫りにした超名演で、全24曲でないのがなんとも残念です。その中の作品25-3は、どんなに言葉尾尽くして言い表せないほどの素晴らしさ!重心を低く保ちながら、細かいタッチのニュアンスを完全表出しながらリズムは限りなく躍動し、後半にはそのリズムに、テンポの加速と共にいっそうの華やぎを加える絶妙さ!作品25-6の左手の怖いほどの表現力にもびっくりです。シューベルトも、メロディ自体を美しく歌わせるだけでなく、ハーモニーに厚みを持たせ、独自の色彩を醸し出しているのが特徴的。シューベルトらしいリリシズムを大切に育みながら、ベートーヴェンのような精神的な含みさえ感じさせるのです。なお、録音はモノラルですが、程よく擬似ステレオ効果が加えられており、実に自然な臨場感を確保しているのもありがたい限りです。【湧々堂】


LIVE CLASSICS
LCL-382
練習曲集(全曲) エリソ・ヴィルサラーゼ(P)

録音:1985年ステレオ・ライヴ
“「練習曲」という概念を突き抜けた、ヴィルサラーゼの凄腕!”
各曲の楽想をこれほどはっきりと打ち出し、一般的なこの曲集へのイメージを格段に広げたヴィルサラーゼの深いアプローチが実に画期的です。Op10-2は、ほとんどペダルを踏みっぱなしで、それでいて混濁がなく、幻想的な雰囲気を醸し出しているのに驚き!Op10-4の怖いほどの切迫感も、単に音を弾きこぼさないことに終始した演奏からは到底望めない手応えですし、“革命”のスケール感、うねりの大きさ、Op25-12の、この世の終わりのような激烈な表現も鮮烈。最大の聴きものはOp10-8!終演直後の聴衆の拍手が物語るとおり、音楽的にも技巧的にも全くパーフェクトです!【湧々堂】

EMI(CFP)
CDCFPSD-4748(2CD)
ショパン:練習曲集(全曲
ラフマニノフによるトランスクリプション
 メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」〜スケルツォ、<BR>
 クライスラー:愛の喜び、愛の悲しみ、
 バッハ:ガヴォット、
 R.コルサコフ:熊蜂の飛行、他
イアン・ホブソン(P)

ステレオ録音
“一世を風靡した名手ホブソンの目も眩む超絶技巧!!”
まず、なんとも瑞々しいタッチに心が奪われます!「練習曲集」OP10-2で、低音部に微妙な表情の変化を与えているのが衝撃的で、その潤いに満ちたタッチが、OP10-8ではエレガントな雰囲気にまで昇りつめるのです。この最後のアルペジョの可憐さもは必聴!“木枯らし”は、物々しさを避け、閃きの連続だけで淀みない流れを築き、その余韻はいつまでも消えません。ラフマニノフの小品編曲集も、後に再録音をするほどの十八番ですが、技巧の確かさはもちろんのこと、ここでも音色の美しさが忘れられません。「愛の悲しみ」と「ガヴォット」とでは見事にタッチを変えて、色彩の使い分けを見せるあたり、やはり只者ではありません。【湧々堂】


BMG(Melodiya)
74321-33215
ショパン:練習曲集(全曲)
リスト:メフィスト・ワルツ第1番
ウラディミール・アシュケナージ(P)

録音:
1959年〜1969年(モノラル)
“アシュケナージがソ連を離れる前の貴重な凄演!!”
デッカに録音したショパンのエチュードは、普段アシュケナージに興味を示さない人でも認めざるを得ない名演奏ですが、この時期の彼の豪放さ、瑞々しいタッチ、リズムの勢いは、かけがえのないものです。特に最近のロシア出身の若手が伝統を継承しつつも、どこか小さくまとまってしまったことを思うと、この時期のアシュケナージの魅力と衝撃度は、やはり只事ではありません。Op10-11の絶妙なテンポ・ルバートが醸し出すしゃれた味わい、“木枯らし”の内面指向型の深い表現も、滅多に聴けるものではありません。【湧々堂】


H.M.F
HMU-907201
練習曲集Op.10、ロンド(5曲) フレデリック・チュウ(P)

録音:1996年
“徹底的に各曲の難所に照準を合わせた痛快な妙技!”
指のための練習曲という概念を超えた純音楽的な完成度の点で、音楽史上に燦然と輝く曲集ですが、ここでは各曲の技巧的な難所をあえて強調し、それに打ち勝つ闘志をむき出しにすることで、結果的に豊かな起伏と色彩を全編に散りばめることに成功しています。Op10-4の主部など、両手に同等に要求される拷問的なパッセージに対して、悪魔の狂乱が追い討ちをかけるような凄みが壮絶!そのコーダでは、完全に怒りの爆発と化しています。【湧々堂】


EPIDAURE
EPI-10051(1CD)
ワルツ集
 第1番変ホ長調 Op.18
 第2番変イ長調 Op.34-1
 第3番イ短調 Op.34-2
 第4番ヘ長調 Op.34-3
 第5番変イ長調 Op.42
 第6番変ニ長調 Op.64-1
 第7番嬰ハ短調 Op.64-2
 第8番変イ長調 Op.64-3
 第9番変イ長調 Op.69-1*
 第10番ロ短調 Op.69-2*
 第11番変ト長調 Op.70-1
 第12番ヘ短調 Op.70-2*
 第13番変ニ長調 Op.70-3
 第14番変イ長調/第15番ホ長調
 第16番ホ短調/第17番イ短調
 第18番変ホ長調
クロード・カーン(P)

録音:2003年6月4-6日、ゲブヴィエル(フランス)、Dominicains de Haute-Alsace、DDD

※*は手稿譜による演奏
なんという軽やかで香り高いタッチ!エラールのピアノ?と思いきや、使用ピアノはスタインウェイ。クロード・カーンの打鍵方法自体がこの独特の風合いを生み出しているのです。4歳でマルグリット・ロンに師事し、その後イヴ・ナット、ナディア・ブーランジェの下でも学んだという成果が、演奏の上にしっかりと根づいており、その独自のピアニズムとこのショパンのサロン的な気品あふれる曲集の魅力が幸福に手を取り合って、うっとりするような空気を生み出してくれます。「第1番」で既に明らかなように、アゴーギクはかなり濃厚ですが古臭さは皆無で、むしろそれが仄かなノスタルジーを生んでおり、惹きつけられます。音楽的に内容の濃い「第3番」でも同様ですが、タッチがパステル調の色彩を湛えているので決して陰鬱な方向には向かず、むしろ希望の光さえ感じさせます。こういう演奏は、他の真似しようとしても不可能なのではないでしょうか?「第6番」は、子犬のワルツであることに一瞬気付かなかった自分にびっくり!それくらい「ワルツ」としてのエレガンスを湛えており、子犬が駆け回る様子に囚われた演奏が如何に多いことかに気付かされます。
明るいタッチにも微妙な陰影が息づいているカーンのピアニズム。それが最も端的に表出されるのが「第8番」と「第12番」。特に「第12番」は、レガートのセンスが抜群に高く、そのフレージングと共に色彩の波紋が変幻自在に移ろう様にウットリするばかり。攻撃的に演奏されることの多い「第16番」も、ワルツの揺れを大切にした艶やかさで魅了。
近年にめったに接することができなくなった匂いを立つワルツ集です!【湧々堂】


H.M.F
HMC-901927
ワルツ集
[第19番イ短調(遺作)/第7番嬰ハ短調Op.64-2/第4番ヘ長調Op.34-3「華麗なる円舞曲」/第8番変イ長調Op.64-3/第5番変イ長調「大円舞曲」/第12番ヘ短調Op.70-2/第13番変ニ長調Op.70-3/第15番ホ長調(遺作)/第14番ホ短調(遺作)/第3番イ短調Op.34-2「華麗なる円舞曲」/第10番ロ短調Op.69-2/第6番変ニ長調Op.64-1「小犬」/第11番変ト長調Op.70-1/第9番変イ長調Op.69-1「告別」/第16番変イ長調(遺作)/」第2番変イ長調Op.34-1「華麗なる円舞曲」/第17番変ホ長調(遺作) /第18番変ホ長調(遺作)/第1番変ホ長調Op.18「華麗なる大円舞曲」]
モンポウ:ショパンの主題による変奏曲
アレクサンドル・タロー(P)

録音:
2005年デジタル録音
“憂いが横溢!非の打ち所がない芸術的香気!!”
これは信じがたい芸術的センス!曲の配列が上記のとおり独自の配慮がなされていることからも分かるとおり、各曲のニュアンスが美しく連動するように配置されており、実際の演奏の素晴しさがその意義を確かなものにしています。いきなり陰りの濃い「第19番」で開始されますが、これでもうイチコロ!憂いと余韻を漂わせるセンス、汚れを知らぬタッチの妙、短い文節をしなやかに連鎖させる力量など、どこをとても惚れ惚れするばかりです。「第7番」はテンポ設定が実に見事。アゴーギクをアゴーギクと感じさせずにニュアンスを揺らし、明るい中間部ではカラッとしたタッチに変貌させますが、根底に潜む憂いの表情は決して捨て去りません。「第8番」も、スコアに込められた陰影がこれほど美しく立ち上る演奏も少ないでしょう。「第13番」は最初の2音がショッキング!前に進むのを拒むようなこの滑り出しの何という悲しさ!音のニュアンスを直感的に感じ取る力が尋常ではないことの証です!「第14番」は活力を何面に封じ込め、泣きじゃくりたい感情をひたひたと表出。一音たりとも聴き逃せません。「小犬」は、よくありがちな小犬が無邪気に駆け回る安直な描写とは比較にならない究極の逸品!愉しいニュアンスを生かしつつも、エレガントかつアンニュイな雰囲気を放ち、そのブレンド感がたまらない魅力です。「第10番」は、3拍子のリズムの民族色をかなり意識しているのが意外ですが、全く泥臭くならず、そればかりか、中間部のノスタルジックな表情と共に格調高い全体の構築を実現しているのには驚きを禁じ得ません。これらの雰囲気を引き継ぎながらさりげなく置かれた最後のモンポウも心を捉えます。タローの音楽センスを知る最適なCDであると共に、ショパンのワルツ集を前奏曲集のように一貫したコンセプトで描いた成功例として、不滅の価値を誇るは必定。録音もきわめて優秀です。【湧々堂】


VANGUARD
ATMCD-1187(2CD)
ワルツ集(全14曲)*、英雄ポロネーズ、
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、
幻想ポロネーズ、ポロネーズ第4番、
ポロネーズ第5番
ジャンヌ・マリー・ダルレ(P)*
アルフレート・ブレンデル(P)

録音:1966年*、1968年(全てステレオ)
“地に足をつけて弾む3拍子とフランスのエレガンス!!”
ダルレの弾く「ワルツ」は、1曲目の“華麗な大円舞曲”に象徴されるように、表面的な派手さとは全く無縁。3拍子のリズムを慈しむようにしっかり弾ませながら、内面から情感の膨らみを気品を持って表現。名作Op34-2やOp69-2の弱音は、人生を重ねた女性の心の呟きそのものです。Op70-1で、中間部のワルツに差し掛かるときの呼吸の潜め方も、何という美しさでしょう!胸に抱いて眠りたいほど、愛しさが込み上げる逸品です。一方、一般的に人気のないブレンデルの「ポロネーズ」ですが、どこにも非難されるよう要因がないばかりか、十分な共感と実にスタイリッシュなアゴーグと共に、ポロネーズ特有のリズムの沸き立ちを余すところなく再現し、第5番など全く非の打ち所がありません。それ以上に驚きは“華麗なる大ポロネーズ”で、ここにはあのストイックに凝り固まったブレンデルの姿などどこにもなく、縦横無尽にリズムが色めき立っています!
※このCDジャケットには、ロジーナ・レヴィン(中村紘子の先生)の弾く協奏曲第1番が収録されているように記載されています、ミスプリントです。

Arabesque
Z-6669


Helios
CDH-55381
ワルツ集(全20曲)
コントルダンス変ト長調KK.Anh.Ia-4
エコセーズ第3番変ニ長調Op.72-3
ギャリック・オールソン(P)
使用ピアノ:ベーゼンドルファー・インペリアル・グランドNo.33808

録音:1995年
“サロン的雰囲気と深い詩情を併せ持つ、感動のショパン!”
オールソンがArabesqueレーベルに入れたショパンは、どれも素晴らしいものばかりなのですが、このワルツは一際光った存在です!タッチの美しさは惚れ惚れするほどで、そこの独特の哀愁を漂わせるのです。有名な“華麗なる大円舞曲”にしても、一人で舞い上がってしまうのではなく、じっくりと聴き手に語りかけるゆとりが実に心地よく、改めて、ショパン・コンクール優勝時からの成熟の程を思い知らされます。【湧々堂】


Bearton
CDB-006
(ショパン・ナショナル・エディションVol.4)
スケルツォ第1番Op.20〜第4番Op.54、
華麗な変奏曲Op.12、子守歌Op.57
ヴォイチェフ・シフィタワ(P)

録音:1997年
※日本語解説付き
“圧倒的技巧と真の包容力を兼ね備えた、驚愕のショパン!”
シフィタワは、1967年ポーランド生まれ。1991年にシマノフスキ音楽院を首席で卒業。1990年のショパン・コンクールでポロネーズ賞、1992年のロン・ティボー・コンクールでは第2位に入賞。このナショナル・エディションの録音の中では最も知名度の低いピアニストですが、それだけに掘り出し度満点!スケルツォ第1番の鋭利なタッチを主縦横に張り巡らした打鍵の応酬は、感情の起伏と完全に一体化し、フォルティッシモでも音を割らず、弱音でも決して音が痩せず、クリスタルの純度を誇りながら、一定の緊張を保って情感が深々と醸しだされます。第2番も表現に一切の迷いがなく、常に確信に満ち溢れています。中間部の起伏の大きさは説得力絶大で、その後半の激しい追い込みはまさに入魂。しかも音楽の造形が全く破綻しません。コーダの畳み掛けは一気呵成。それでも音は決して汚れを見せません。第3番は、冒頭のオクターブ連打がかなりの高速で疾走しながら、これまた刃こぼれが一切無く、一気に緊張の糸を張り詰めます。続く「すだれ」状の下降アルペジョも技巧が完璧なだけでなく、全体のニュアンスの中で美しいコントラストを明確に打ち立てる意思が明確に盛り込まれています。第4番は、そんなシフィタワの表現の幅の広さを最も痛感させる名演。第1主題のメロディアスな側面とリズミカルな軽妙さをいとも鮮やかに同居させ、色彩も瞬時に変化。その色彩感覚のセンセーの鋭敏さは驚くばかりで、2:21からの左右の声部が融合と分離を繰り返しながら豊かな呼吸を伴いながら弛緩なくフレーズが流れるさまには息を呑むしかありません。中間部に入ると別人のように憂いに満ちたニュアンスで優しく語り、どこまでも澄んだ弱音が心に打ちます。アゴーギク、つまり間(ま)のセンスが抜群に良いからこそ生まれる説得力です。コーダはもちろん圧巻。
そして忘れてならないのが「子守歌」!文字通りの柔和なニュアンスでふんわりと聴かせるだけでもそれなりに美しいですが、シフィタワは作品のピアニスティックな側面の全てを表出しないと気が済みません。感覚的な美しさに溺れず、数々の装飾音の微妙な色合いの変化を敏感に感知しながら、息の長いフレージングが今まで聴いたこともないような有機性を持ってじっくりと聴き手に語りかけるのです。音楽的な度量の大きさの上にたった、真の包容力を兼ね備えた画期的な「子守歌」と言っても過言ではないでしょう。【湧々堂】


DORIAN
DOR-90140
スケルツォ(全4曲)、練習曲Op.25-7、Op25-1、マズルカOp41-1、Op68-4、Op7-5、Op56-2 イヴァン・モラヴェッツ(P)

録音:1989年
“「ペダリングの魔術師」の面目躍如!”
まず鮮烈な印象を残すのが、得も言われぬまろやかかな音色美!使用楽器はスタインウェイですが、ベーゼンドルファーのような深みを感じさせるのは、モラヴェッツの芸の賜物でしょう。どんなに音楽が熱しても決して音を叩きつけず、エッジの柔らかいタッチから気品溢れるニュアンスが零れます。特にスケルツォは鋭利なタッチで駆け抜ける演奏が多い中で、丹念な語り回しがじっくりと心の迫ります。有名な第2番の展開部の洗練された佇まい、コーダの気品に満ちた輝き、第3番の主題はインテンポを貫きながら呼吸がしっかりと息づき、第2主題のエレガントなアルベジョの下行ラインでは、師のミケランジェリ譲りのペダリングの妙をたっぷりと堪能できます。そのペダリングの素晴らしさで更に感動的なのが、練習曲Op25-1“エオリアン・ハープ”のコーダ!このタッチの色彩の完全なブレンドは奇跡的です!マズルカOp68-4の必要最小限のアゴーギクから滲み出る孤独の陰影、Op56-2の土俗的リズムが洗練のタッチで彩られる様も聴き逃せません。【湧々堂】


若林工房
WAKA-4101
スケルツォ(全4曲)、即興曲第1番、
夜想曲第20番(遺作)
イリーナ・メジューエワ(P)

録音:2002年
“迫真のダイナミズムが緻密な構築の中で限りなく飛翔!!”
有名なスケルツォ第2番が、まず絶品!冒頭の弱音の問いかけとフォルティッシモで突きつけられる答えをセットにしてフレージングを形作るために、フォルティッシモの楽句の最後の音を弱めのスタッカートにする配慮はメジューエワならではの真摯さを示し、全く皮相に響かず、自然な呼吸と溶け合いながら一気に駆け抜けます。トリオの入りも、全く間(ま)を空けずに静かな主題に滑り込むが洗練の極みで、しばらくたってから高音で奏でる嬰ハ短調の旋律の結晶化した美しさを際立たせるとは、全く並みのセンスではありません!展開部後半の感情の奔流も激烈なインパクトで迫り、コーダのドラマチックな畳み掛けも迫真!第3番は、序奏に陰影の深さと、第1主題の全ての音に込められた激情と、微妙な音価の伸縮から湧き出る壮絶なドラマに唖然!第2主題の“すだれ”下行アルペジョの美しさは、まさに天から降ってくるようにキラキラと光り、しかもフレーズ単位で明確に音を切り上げるので、雰囲気に流されず、折り目正しい風情を醸し出しています。第1番は、まさにロシアン・ピアニズムの真骨頂。鋭利なタッチで容赦なく襲い掛かりながら、その中に強弱のうねりと色彩の揺らめきたっぷり内包。コーダの骨太のパワーは数年前のメジューエワの演奏からは想像できないほどの威力です。夜想曲20番も滅多に聴けない名演奏です!協奏曲のモチーフが登場する中間部に差し掛かるまでに、テンポを多少なりとも揺らすのが普通ですが、ここでは完全にインテンポを守り、中間部の最後に至ってやっと失速。その失速の呼吸の潜ませ方と美しいタッチは感涙にむせび、続くテーマ再現時のドラマチックなフレージングは、どんな巨匠ピアニストも顔負けです。【湧々堂】


SISYPHE
SISYPHE-018(1CD)
アンリ・バルダ/紀尾井ホールライヴ
ブラームス:8つの小品op.76〜第1番奇想曲嬰ヘ短調/第2番奇想曲ロ短調/第3番間奏曲変イ長調/第4番間奏曲変ロ長調/第5番奇想曲嬰ハ短調
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調op.101
ショパン:舟歌
 バラード第1番〜第4番
アンリ・バルダ(P)

録音:2008年12月18日 紀尾井ホールライブ(会場ノイズ無し)
“ニュアンスの泉!驚異の洞察力に裏打ちされたバルダのピアニズム!”
アンリ・バルダ(1941-)はエジプトのカイロ生まれのフランスのピアニスト。幼少期よりポーランドの名手イグナツィ・ティーゲルマンに師事。16歳よりラザール・レヴィに学び、パリ国立高等学院を、ジュリアード音楽院を共に首席で卒業。力みを感じさせないフワっとした感覚はいかにもフランスのピアニズムの体現者といった雰囲気を湛え、時にフランソワを思わせる自由なアゴーギクが作品に独特の彩りを添えますが、フランソワが常にフランソワだったのに対し、バルダは各作品の楽想に応じて音楽と一体化している点ではないでしょうか。そこには知的な構築力が宿っているので、作品の姿がキリッと引き締まって炙り出されるのです。
ブラームスは詩的なニュアンスが横溢。1曲目の「奇想曲嬰ヘ短調」は、囲気満点の録音とも相まって、弱音の余韻に酔いしれるばかり。「奇想曲ロ短調」は、まさにバルダ節!洒落たリズムの湧き立ちと色彩の揺らぎはまさに名人芸。「奇想曲嬰ハ短調」での堰を切ったようなフレージングには、呪術的な求心力が!
ベートーヴェンもアゴーギクはかなり自由でありながら背後では常に知的は統制が効いているので気ままさは皆無。フレーズ結尾でふと力を抜くその柔軟なタッチによって、聴き手が想定している何倍もニュアンスが一気に広がるのです。第1楽章冒頭の確信を持って憧れのニュアンスを飛翔させる清々しさ!第2楽章は作品の骨格を強固に打ち出しながら、色彩はどこまで行っても垢抜けており、ただ高圧的な威容を誇示するだけのベートーヴェンを聞き慣れた耳には実に新鮮。そして、耽溺する素振りを一切見せず、まるでピアノが勝手に鳴っているような霊妙さを湛えた第3楽章。終楽章では硬質に輝くタッチの魅力が全開となり、あまりの音楽的な情報量の多さに唖然とするばかりです。
ショパンはこのアルバム最大の聴きもの!というより、ここまで作品の持つニュアンスを出し尽くされると、他のピアニストの出る幕などあるでしょうか?
「舟歌」は最初の和音からして思わずワーと声を発したくなる視覚的なイメージの凄さ!スケール感!!一瞬にして目の前に大河が表われ、大海へと漕ぎ意思を表すように最初の一石が投じられます。すぐさまテンポを速めてタッチが紡がれますが、それはまさに最初の一石の波紋のよう。第2部以降は感動の連続!混濁を許さないタッチの魅力が作品のニュアンスにこれほど直結している例は他に記憶がなく、特にトリルの決然とした響きは単に指が回るという次元ではなく心を抉るのです。後半7:18以降も、こんなドラマチックな演奏は他に類例がないでしょう。
同じく決定的名演と断言できるのがバラード全4曲!「第1番」冒頭30秒にバルダのピアニズムの全てが凝縮されてていると言っても過言ではありません。直感に任せて自由に振舞っているようでいて、楽譜の音価に細心の注意を払っていることに驚愕!例えば4小節目の最後の3つの音は3連符ですが、これが確実に3連符として奏でられ、同時にニュアンスが一気に拡散するような効果までもたらす演奏を他に知りません。「第2番」は冒頭の牧歌と続くプレストの対比が誰よりも激烈!単に音量のコントラトでは、完全に別人に変貌しています。1:59から鳴らされる単音の連続にその豹変の伏線が張られている点にも御注目。
これを書いている2013年現在、ダントツで名演の頂点に立つのが「第3番」と「第4番」。「第3番」では、ニュアンスの振幅の大きさにびっくり!特に速めのテンポで決然と進行する第2主題以降は、聴きながら呼吸困難に陥りそうなほど怒涛のニュアンス!「第4番」も演奏開始直後は何の曲が始まったのか戸惑うほど飄々と滑りだしながら、徐々にタッチに柔和さを加味しながら主題へと繋ぐとはなんと粋なこと!第2主題はエレガンスの極み。しかも、ふとした間合いにも生々しい吐息が伝わるほど、呼吸が音楽の核心に肉薄しているのですからいちいち心を打つのです。そして7:30からの胸が張り裂けんばかりの歓喜の放射!
アン・バルダの破格のニュアンスを誇るショパン。それら全てを受け入れる準備を整えてからじっくりとご堪能ください。【湧々堂】
※メーカーでは既に廃盤となっているようです。今後入手困難となりますので、お早めにどうぞ!


DECCA
448-645
廃盤

Universal
UCCD-3495
ワルツ集(全18曲)、
ポロネーズ第6番「英雄」、
夜想曲第20番(遺作)
ペーテル・ヤブロンスキ(P)

録音:1995年
“流麗で薫り高い、理想のワルツを披露!”
このワルツ集は、ヤブロンスキーというピアニストの、真のリリシズム、タッチのバランスの絶妙さを思い知らせれ、この作品の理想郷を示しているものとして、リパッティなどと共に決して忘れてはならない存在です。個性的な解釈で驚かせることはありませんが、何度も繰り返し聴きたくなる独特のエレガンスがたまらない魅力です!(5)の自然な音のときめき、(6)“小犬”中間部の微かに憂いを含んだ絶妙なミュアンスなど、魅力は尽きませんが、あえて1曲となれば(10)でしょう。静かな佇まいに宿る呼吸の妙はどうでしょう!じっくり耳を傾けてみて下さい。彼はもともと「アイドル」などではないのです。【湧々堂】


Arabesque
Z-6628
ピアノ・ソナタ集(全3曲) ギャリック・オールソン(P)

録音:1990年
“ショパンのソナタ全集の最高峰!”
米Arabesqueに録音したオールソンの一連のショパン全集の中で、「ワルツ集」と共に忘れられない1枚です。「第1番」からいきなり凄い!この曲に、こんなに膨大な音楽的要素が秘められていたとは、思いも寄りませんでした。「第2番」の葬送行進曲の中間部のもはや限界と思われるピアニッシモは、まさに天国的な美しさ!この結晶化された極上のタッチで醸し出されるニュアンスを前にすれば、「力任せのテクニシャン」という、ショパン・コンクール優勝時のイメージなど吹き飛ぶこと必至です。【湧々堂】


KLAVINS
KM-003
ピアノ・ソナタ第2番、バラード第1番、
子守歌、幻想曲、スケルツォ第2番
トーマス・デュイス(P)

録音:1989年8月26日
“血生臭い人間ドラマとして描き切った壮絶な「第2ソナタ」!”
Nakamichiの機材を用いて一日で一発録りされた録音。デュイスは1958年フランクフルト出身のピアニストで、凶暴ともいえる打鍵と詩的なタッチの使い分けの絶妙さ、全体の構成力の確かさに、芸術家魂を感じます。1曲目の「バラード第1番」は、冒頭から音の余韻を大切にしたタッチと深い息づかいに早速只ならぬ気配。第2主題の陶酔的な美しさにも耳を奪われ、これがギラギラとした太陽のように激しく高揚するまでの有機的な流れがまた見事!プレストからコーダにかけての重量級の打鍵の応酬にも唖然!決して感情に任せて叩き付けるのではなく、格調高い構築力が一貫して作用しているので説得力絶大です。「子守歌」のニュアンスの広がりも絶品!低音が良く響く録音のせいもあって、深いコクが全身を包み込んでくれます。しかし何と言っても凄すぎるのがソナタ!黒光りする激情をじりじりと燃やしながら頑丈な構築、重量級の打鍵、広大なダイナミックスで描き切った個性的な逸品なのです。第1楽章はテンポ自体は速くないですが、第1主題の内面からこみ上げる切迫感と第2主題の憧れに満ちたフレージングのコントラストが絶妙。第2楽章は悪魔的な凄みに満ち、中間部でさえ真の安らぎを示さず、不安の予兆を滲ませます。超低速でうねりまくる“葬送行進曲”は最大の聴きもの!このテンポで見事に深い呼吸と緊張を敷き詰めるセンスも並ではありませんが、重低音の脳天直撃の轟きは常軌を逸しています。一転してトリオの瞑想的な表情は胸に痛いほど迫りますが、それを一掃するように主題の再現が,とてつもないフォルティッシモで開始されるのには驚愕!その後次第にディミニュエンドしますが、これがまさに息が耐える瞬間の緊張そのもので、そこから終楽章の混沌の渦に突進するのですから、息つく暇もなく生々しいドラマに翻弄されること必定です。【湧々堂】


KING
KICC-300
ピアノ・ソナタ第2番、バラード第1番、
スケルツォ第2番、英雄ポロネーズ、
3つのエコセーズ、夜想曲嬰ハ短調
梯剛之(P)

録音:1999年
“これこそが一世一代の至純のピアニズム!”
コルトーを敬愛しているだけに、梯のショパンは実に変幻自在。しかも、全ての表情がそうせずにはいられないという素直な共感のほとばしりとなって、切々と訴え掛けます。「ソナタ」冒頭の異様に暗い空気から、急に憑かれたように驀進する主部の畳み掛けは、「純粋」という一言では済まない切迫感とスケール。第1楽章から第2楽章へ、あたっかで移行する自然さも、彼の並外れたセンスを示すものです。「英雄も感動的!これをそのままショパンコンクールの本選で弾いたら、ブーニン以来の事件となること必至!もちろんブーニンのような痛快さとは正反対で、こんなに全ての表情が瑞々しく、細部に渡って感じきった演奏は滅多に聴けません!これは、並外れた感性を持つピアニストが、音楽を心から感じようとするリスナーに贈る、最高のプレゼントです。【湧々堂】


MERIDIAN
ECD-84070
ピアノ・ソナタ第2番
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、
練習曲Op.10-3、Op10-4、夜想曲Op27-2
ジョン・ビンガム(P)

録音:1984年
“ハマると癖になる!ビンガムの霊妙ピアニズム!”
ソナタは序奏部から強烈に叩きつけるのではなく、繊細に強弱を配分して濃密な陰影を表出したかと思うと、主部最初の低音部を深々と轟かせて聴き手を死の淵へ誘います。第2主題の孤独な嘆きと美しいタッチにも、ビンガムの音楽性の深さを確信させるだけの魅力が横溢!展開部で主題音型を繰り返す箇所では、メゾ・フォルテほどで屈折した心情を吐露し、スタミナ満点で激高を煽る演奏とは一線を画しています。第2楽章も強烈で硬質なフォルティッシモはその使い所をわきまえ、スケツツォ的なリズムの躍動のみならず、内面的な深みを湛えています。第3楽章は、中間部の恐ろしいまでに美しい弱音ニュアンスにご注目!感覚美を超えた無垢な音楽性の発露にただ酔いしれるしかありません。楽章終結の緩やかなディミニュエンドと共に呼吸を沈静化していく手腕も、次第に血の気が失せていくような迫真の表現!打鍵の威力のみに頼る必要がないほど、表現イメージ次々と湧き上がる感動的な演奏です。しかし、更に素晴らしいのが「アンダンテ・スピアナート〜」。前半アンダンテ部分は、洗練されたタッチを繊細に散りばめて、この楽想のニュアンスを絶妙な間合いを持って描ききっていますが、ポロネーズの部分の表現の多彩さは空前絶後!これほど表現のパレットが豊富で、小手先の感じも与えずに一気に聴かせる演奏はそうそうありません!導入部でいかにも意味ありげに音量もペダルも抑えて進行するのが印象的ですが、そのニュアンスをスパッと断ち切るように鋭利なスタッカートを一撃。主部に入るといきなり猛進を開始するのではなく、再び囁きようなタッチで丹念に音符のニュアンスを紡ぎ出すことに余念がなく、このまま行くとどうなるのかと思いきや、タッチの洗練度はそのままに、場面転換ごとに違う表情で迫り、全く予想外でありながら、強く必然性を感じさせるその流れに完全に引き込まれてしまいます。アーティキュレーションもペダリングも独自の配慮がなされ、音楽味満点!そのどこか屈折を感じさせる音楽性といい、風貌といい、ジョン・オグドンを思わせるところもビンガム(彼も既に亡くなっています)の演奏は、一度はまると癖になるかもしれません。【湧々堂】


Centaur
CRC-2270
ピアノ・ソナタ第2番&第3番、
ポロネーズ第5番
ゾラ・ミハイロヴィチ(P)

デジタル録音
“知られざる名手ミハイロヴィチが描く怒涛のショパン!”
ミハイロヴィチは、ポゴレリチと同じユーゴスラビア出身で、ミケランジェリに指示したピアニスト。そのポゴレリチにも似て、作品への没入の深さ、フレージングの豊かさが尋常ではなく。それでいて流れは自然で気品に溢れ、まさに絶品の一言です!第2ソナタの第1楽章の展開部では、ぎりぎりまで激情を燃やし、第2楽章では悪魔的な足取りを誇示、第3楽章に至っては華麗なタッチがこの上なく魅力的で、特に中間部は、小さな宝石を敷き詰めたような究極の美感を引き出しています。ポロネーズも、滅多に聴けない鬼気迫る名演で、これが聴けるだけでもこのCDの存在価値は絶大です。雰囲気を生かした録音もまた素敵!【湧々堂】


Cannnel Classics
CCS-15998
ピアノ・ソナタ第2番、夜想曲Op32-1,2、
ワルツ「小犬」、Op64-2、Op70-1、
Op69-1、Op18、バラード第1番、
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ、他
デヤン・ラツィイク(P)

録音:2000年
“誰の亜流でもない独自の閃きを貫いた痛快なショパン!”
このCDにはRetrospection(回顧)というタイトルがついていますが、ユーゴ出身の俊英ラジッチが弾くショパンは、決してノスタルジーに浸っているだけではありません。まず「ソナタ」が鳴り出したとたんにビックリ!プレイヤーが壊れたかと思うほど異常な高速で第1主題を駆け抜け、続く第2主題の優しさと見事なコントラストを織り成しています。第2楽章も冒頭からマシンのように飛ばしまくりますが、アーティキュレーションが実に明確。第3楽章の中間部は、彼の気品に満ちた歌センス、弱音の美しさが際立ち、テクニック一辺倒のピアニストでないことが確信できます。「夜想曲Op32-1」では、しっとりと揺れる詩情が美しく、それを突然さえぎる全休止の意味深さも鮮烈。「小犬のワルツ」の鮮やかさはこのCDの白眉!快調なテンポを貫きながら、指が良く回ることに自己満足しているだけのピアニストとは比べ物にならない豊かな風情が醸し出されています。「バラードは一変してじっくりと構え、情感の沸き上がりを曲の構成にフィットさせていく手腕に驚かされます。コーダのプレストの部分はペダリングも含めて、瑞々しい色彩を放ちます。彼の破格の技巧を惜しげもなく発散させた大ポロネーズは、どんなピアニストもお手上げでしょう。ここまで楽しさ全開の演奏は、滅多に聴けません。実に様々なスタイルの曲が詰まったアルバムですが、見事に起承転結をつけ、それぞれに相応しいスタイルで曲の魅力を最大限に引き出すラジッチの力量は、間違いなく本物です。【湧々堂】


CLASSIC ARCHIVE
BBCL-4138
ピアノ・ソナタ第3番*、
スケルツォ第4番#、前奏曲OP.45+、
24の前奏曲 OP.28+
ヴラド・ペルルミュテール(P)

録音:1964年5月22日(モノラル)*
1971年12月8日(ステレオ)#、
1972年7月6日(ステレオ)+
“あらゆる条件が充足!第3ソナタの絶品演奏!!”
ペルルミュテールは後年にNimbusにショパンの主要作品をスタジオ録音しており、「スケルツォ第4番」以外は全てそこのも収録されていますが、この録音では、気力と精神力、技巧においてまさに円熟の頂点を極めたペルルミュテールの至芸を充分に堪能でき、Numbus盤をお持ちの方も改めて素晴らしさを実感されることでしょう。
まずは「第3ソナタ」。この作品は、全体をカチッと構築するのが困難なのかどうも緊張感に欠ける演奏が多く、なかなかこれといった演奏に巡り会えないのですが、その渇きを癒すのがこれ!まずタッチの何と艶やかなこと!その一音一音の内面は熟成され尽くされており、フレーズの連鎖が実に緊密。第1楽章開始直後、0:51からの左手の上行音型が洗練された美しさを上声部と融合する様に早速言葉を失います。そして第2主題の芳しい気品!この調子で全楽章通されたらとてつもない演奏になることを予感させ、事実そのとおおりの結果となるのです。第2楽楽章は軽やかであっても優美とはいえない演奏が多いですが、ペルルミュテールはもちろん共に兼備。トリオ部分で、静かな佇まい中でも音が内面から主張をし続けている点をどうぞお聴き逃しなく。第3楽章は最初の短い導入から求心力満点。決して高圧的な打鍵ではないですが、その訴えかけの強さはペルルミュテールの中で作品のイメージが強固に刻印されている証でしょう。極めて甘美である反面、時に「冗長」とも言われる楽章ですが、ここでのトリオなど、いつまでも浸っていたい心情に駆られます。そのトリオから再び主題に回帰してからは、左手声部の変化が粋な形で彩を添え、最後の和音のひそやかな置き方も心に染みます。終楽章は、冒頭の弱音から次第にクレッシェンドする楽譜どおりの演奏ですが、そのクレッシェンドそのものに緊張のドラマ性が孕んでいるのにハッとさせられ、そんな演奏は他では体験したことがありません。アゴーギクは最小限に抑えていますが、その表情の陰影の豊かさに引き込まれるばかりです。このソナタのみモノラルですが、スタジオでの録音で音質が極めて良好なのも嬉しいかぎりです。
「スケルツォ第4番」も決して鋭角的なタッチを用いずエレガンスト。1:29からの低音部の生かし方!ここはまさにハーモニーの豊かさを瞬時に引き出すセンスの賜物です。
「前奏曲集」がこれまた例えようもない素晴らしさ!タッチはまろやかでありながら内面に一貫したドラマ性を宿らせるピアにズムはここでも確実に息づいており、技巧も磐石。「第6番」の低音部が息の長いフレージングが、物々しい表情ではなくじりじりと胸に訴えかける様、「第7番」の間合いの抜群のセンスなどを魅力的な妙技の連続。鳥肌がサッと立つほど絶妙なのが、雨だれと知られる「第15番」0:24〜0:25の雰囲気と色彩の変え方!!最後の24番は、もっと感覚的に激しさを強調した演奏はいくらでもありますが、フランス・ピアニズムの水を結集したたちのニュアンスとショパンの心の葛藤を根底から汲み上げる迫真のニュアンスは比類なし。そんな中、1:27からの激高ぶりは異例とも言え、たがが外れたようなその激しさに戦慄を抑え切れません。  【湧々堂】


MANDARA
MAN-4801
ピアノ・ソナタ第3番、幻想ポロネーズ、
子守歌、舟歌、マズルカOp59-1,2,3、
夜想曲Op62-1,2
ドミニク・メルレ(P)

録音:1991年
“いかにも教師的な理論先行型演奏とは一線を画す、豊かな閃きの技!”
メルレはブーランジェ門下のフランスのピアニスト。コンサート・ピアニストというより、パリ音楽院で後進の指導にあたる教師としてのイメージが強いですが、ここでは、いかにも教師らしい厳格な構成力を見せながらも、アゴーギクのセンスと硬質にきらめくタッチ、フレージングの制御が一体となったが最高の芸術を堪能することができます。「幻想ポロネーズ」序奏部の大上段に構えない自然体の流れ、ポロネーズ特有のリズムの弾ませ方に香る気品に、さっそくメルレの音楽センスの高さを感じさせます。3つの「マズルカ」での慎ましくも毅然とした佇まい、「夜想曲Op59-2」の、メロディ・ラインを水平に連鎖させる絶妙なタッチから零れる詩情も実に魅力的。しかし、それ以上に感動で唖然とするばかりなのが、「舟歌」、「子守唄」、そして第3ソナタ!これらの曲をお好きな方は、とにかく必聴です!「子守唄」は第1音から結晶化したタッチが気品に溢れ、常に「語り」を伴うアゴーギクにうっとりすること必定。「舟歌」では、左手の小舟の揺れを思わせるリズムの自然さ、主題の途中に現われるパウゼの意味深さに息を呑み、第2部の16分音符で駆け上がるアルペジョ音型のタッチは、録音の良さと相俟って陶酔的な美を醸し出します。ソナタは、冒頭部のタッチが完璧なバランスで制御され、毅然とした空気を一気に築き、第2主題の格調高いフレージングとの連動も、これ以上望めないほど魅力的。第2楽章の急速な音型の輪郭の確かさ、第3楽章の疎かになりがちな左手リズムの着実な活かし方と、弛緩の一切ないカンタービレの有機性も、メルレの並外れた才能を証明するものですが、とかく霊感に欠けると言われがちな終楽章で、これほど一貫した緊張を携えながら格調高いドラマを築き、作品の奥深さを思い知らされる演奏も珍しく、一瞬たりとも気が抜けません。【湧々堂】

DECCA
575-8032
ピアノ・ソナタ第3番、練習曲Op25、他 ネルソン・フレイレ(P)

デジタル録音
“トリルの美しさに注目!変貌を遂げたフレイレが聴かせる堅固なショパン”
名手フレイレが、SONY以来久々のメジャー・レーベル返り咲きを遂げたCD。まず驚くのは、その間の彼のピアニズムの変貌ぶり!元来、万全のテクニックとしっかりとした構成力が際立ったピアニストではありましたが、それらの魅力がここではさらに進歩し、技巧派のイメージに偏りがちだった以前のイメージを払拭するほど、熟成された音楽が繰り広げられるのです。特に、低音部をたっぷりと響かせた堅固な構築力によって導かれるフレーズは説得力絶大!ソナタ冒頭から惜しげもなくバイタリティをぶつけるかと思うと、安易に触れると壊れそうなくらい繊細なピアニッシモと絶妙なアゴーギクで深いニュアンスを表出。第T楽章の00:48以降、低音からの上行音型の美しいタッチの粒立ちには息を呑みます。Op25-10“木枯らし”のダイナミックスの壮絶なコントラストには、安易な感傷など入り込む隙がありません。まさに大人のショパン!甘さ控えめのショパンをお望みの方に特にお勧めです。 【湧々堂】


SONY
5033922[SO]
バラード(全4曲)、
ピアノ・ソナタ第3番、ピアノ・ソナタ第2番
ロベール・カサドシュ(P)

録音:1960年、1964年、1946年(第3ソナタのみステレオ)
“カサドシュの意外な真価を思い知らされる「バラード」!”
フランス的なエレガンスに溢れたショパンとして真っ先にあげたいCD。相変わらずSONYのCDは録音データ表記が簡単すぎるのが残念ですが、この「バラード」は、フランスでしかCD化されなかった、1960年5月27日のアムステルダムでのライヴです。これがまず絶品!どこまで行っても自然な流れを絶やさず、全体のニュアンスで聴き手を包み込む独特の雰囲気は、土臭さ濃厚な演奏にはない魅力です。しかし、ふわふわとした雰囲気だけで済ませないのがカサドシュ。「第1番」の最後のプレストとのコーダの途中(6:38)で一瞬間を置いて、その先さらに絶妙なアゴーギクでニュアンスを膨らませるというセンス!そんな香り高いカサドシュの音楽性にぴったりなのが「第3番」。冒頭部の強弱対比の意味深い語り掛け、可憐なオクターブが囁き始める箇所では、キラキラとした色彩がこぼれます。コーダに差し掛かる頃には、カサドシュの演奏からあまり聴いたことのないブリリアントなタッチが縦横無尽に飛び交います。「第4番」も素晴しく、序奏からハッとさせられるものがありますが、主題を奏で始めると、これが優美さの極致!古今を通じて、この柔らかなフレーズの揺らめきに並ぶものはまずないでしょう。その後の高揚はかなり激烈ですが、高貴な佇まいは決して失いません。第3ソナタは、タッチの切れこそありませんが、一見不器用に思えるフレージングの端々から、甘いロマンがこぼれます。特に第3楽章は必聴! 【湧々堂】


APR
CDAPR-7009(2CD)
廃盤

各公演日ごとに
分売

APRCD-5623

APRCD-5622
ショパン:バラード第1番['49.11.11]、
 スケルツォ第3番['49.11.18]、

 夜想曲第8番['47.3.9]、
 即興曲第1番['47.11.11]、
 練習曲Op10-4.5.8['49.11.18]、
 アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ['49.2.7]、
シューマン:謝肉祭['49.11.18]、
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番['49.11.18]、
ウェーバー:ピアノ・ソナタ第1番〜第4楽章['46.11.18]
シモン・パレル(P)

録音:1946年〜1949年カーネギー・ホール
“「バラード第1番」の最高峰!!”
バレルは、1896年オデッサ生まれ。モスクワ音楽院でブリュンメンフェリトの下で学び、ホロヴィッツやグリンベルグと同門ということになります。ホロヴィッツの超人的な技巧はよく知られるところですが、彼のピアニズムは独特の体臭を感じさせ、それがまた魅力でもあるのに対し、バレルの超人ぶりは、人間臭さを突き抜けた高潔さが魅力。このアルバムは、「カーネギー・ホール・シリーズ」の第3巻にあたり、リストの作品だけでまとめた第1巻同様に、そのバレルの至芸を十分に堪能できますが、何としてもお聴きいただきたいのが「バラード第1番」!おそらく全4曲揃っていたら歴史的名演として広く認識されたと思いますが、この1番だけでも彼の功績は計り知れません!展開部、第1主題から第2主題が立ち昇ってくる箇所(4:11)で、暗い部屋に急に眩しい光が差し込んだように色彩がパッと華やぎ、鮮やかな場面転換を見せた演奏は、他にはホフマンぐらいしか例がなく、しかもそれらの各場面が有機的に連動して、見事な緊張に彩られたドラマと迫るのです!もう一つ忘れられないのが「夜想曲第8番」。これほど高潔な美しさに満ち溢れた演奏を聴いたことがありません。ウェーバーは、あのペトロフよりも高速!【湧々堂】
APRCD-5623…'47.11.11.カーネギーホール録音集[ゴドフスキー:《ルネサンス組曲》〜第8番/12番/6番、リスト:ピアノ・ソナタ、ショパン:バラード第1番、即興曲第1番、ブリューメンフェルド:左手のための練習曲、バラキレフ:イスラメイ、スクリャービン:練習曲Op.8-12、ラフマニノフ:V.R.のポルカ、シューマン:幻想小曲集Op.12〜夢のもつれ、ウェーバー:ピアノ・ソナタ第1番〜 プレスト]
APRCD-5622…'47.3.9.カーネギーホール録音集[ショパン:幻想曲、夜想曲第8番、リスト:ハンガリー狂詩曲第12番、ペトラルカのソネット104番、葬送曲、スクリャービン:練習曲Op.8-10、ラフマニノフ:前奏曲Op.32-12/Op.23-5]


VICTOR
VICC-60036(2CD)
ポロネーズ(全16曲)、
アンダンテ・スピアナーと華麗な大ポロネーズ
遠藤郁子(P)

録音:1997年
“渦巻く情念!民族舞曲を超越した決死のポロネーズ!”
人生の過酷な試練を体験しなければ表現し得ない、尋常ならざる緊張感漲るショパン!闘病生活を経て、丹田(おへその下)呼吸法を取り入れてから、自然にピアノを息づかせることができるようになったと言う彼女の真骨頂を示す名盤です。とりあえす1番〜3番あたりは聴き飛ばして…などということは、ここでは許されません!特に1番、2番といった曲でこれほどまでに“叫び”と“もがき”を感じさせる演奏は滅多に出会えません。第1番の短い序奏後、一気に空気を吸い込んで(まさに丹田効果か?)から、一気に大海に身を投げるような壮絶さで主部に突入するのには唖然!第2番の冒頭の暗さと静寂は、この世の終焉を映し出し、その後の感情のうねりは止まるところを知りません。“英雄”もスマートな痛快さとは無縁で、真の格調と色彩で横溢。そして白眉の“幻想”。【湧々堂】

BERLIN CLASSICS
BC-11202
24の前奏曲集、ピアノ・ソナタ第3番 マルク・ラフォレ(P)

デジタル録音
“ブーニンとは好対照をなすラフォレの洗練されたピアニズム!”
ショパンの本質に触れたい方、必聴です。ショパン・コンクール入賞から約10年後のこの録音は、各曲の風情、性格付けをきっちり行いながら自然な流れを描く、彼のひたむきな音楽性が存分に発揮されています。「前奏曲」は1曲目から深い抒情を込めて開始しながらも造型はしっかり保ち、一気に独特の気品溢れる空気を醸し出します。“雨だれ”の中間部で、音の厚みで威圧せず、静かな情念を感じさせる音彩を引き出しているのも、彼のセンスの賜物。ソナタは、終楽章冒頭の実に細やかなアーティキュレーションの処理が、彼のショパンに対する誠実さを物語っています。【湧々堂】


ORFEO DOR
ORFEOR-491981

ショパン:ワルツOp34-1,2,3
 スケルツォ第2番、舟歌、
ドビュッシー:版画、ベルガマスク組曲
ベートーヴェン:アンダンテ・フェヴォリ
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1977年 ステレオ・ライヴ
“孤独のピアニッシモ!全盛期のリヒテルの崇高ライヴ!!”
ショパンは、ワルツOp34-2が聴き逃せません!あのリパッティの名演が真っ先に脳裏に浮かぶ作品ですが、その至純の息遣いとはまさに対照的に、人間の情念の全てを内燃させ、絶望からの出口を塞いだまま徹底的に精神の暗闇を再現し続けます。冒頭のペダルの絶妙な扱いから、早速異様な空気が立ち込め、テンポは一貫して失速寸前。ワルツ集の中でも、サロン的雰囲気とはかけ離れたこの曲の存在意義をこれほど際立たせた演奏は、めったに聴けません。「舟歌」も作曲者の心象風景と完全に一体化したような、表情の揺らめきが印象的です。「ベルガマスクは、その録音(しかもステレオ!)自体が貴重ですが、これがまた、ロシアン・ピアニズムの究極を示した逸品!雰囲気で流れる場面はもちろん皆無。アゴーギクは、スタンダードなものと比べるとかなり独特ですが、違和感がないばかりか、タッチの重さを瞬時に変化させる鮮やかな“メヌエット”や、気の遠くなるような弱音と絶妙な間(ま)で陶酔させる“月の光”など、その変幻自在なニュアンスに息もつけないほどです。それ以上に、リヒテルの音楽性ともマッチして説得力に満ちているのが「版画」!これはリヒテルの全ドビュッシー録音の中でも特に傑出した名演奏です。“塔”の5音音階のエキゾチックな雰囲気、“雨の庭”での、激変する和声への完璧な再現を前にして、言葉を失うのみです。【湧々堂】


Victor
VICC-60120

幻想ポロネーズ、英雄ポロネーズ、
練習曲「黒鍵」/「革命」、第6番、
夜想曲第5番/7番/8番/13番、幻想曲、
マズルカ第31番/37番
エリック・ハイドシェック(P)

録音:1999年
“ありきたりの美演に殴りこみ!ハイドシェックの恐るべきショパン!”
モーツァルト、ベートーヴェンに集中していたハイドシェックが満を持して臨んだショパン。楽譜の表情記号を徹底遵守する箇所と、徹底無視して自身の閃きに忠実な部分とのコントラストが絶妙を極め、かつてない感動を呼び覚まします。「夜想曲第8番」は子守唄風の安らぎを超え、艶やかなタッチを生かして官能の香気を放ち、「夜想曲第5番」はトリオに差し掛かる直前の2つの音の可憐な弾ませ方に注目!圧巻は「英雄」で、テンポ・ルバート、強弱対比の大きさは古今を通じてトップクラス!ほんの些細なパッセージにも共感が漲り、このままいつまでも曲に浸っていたいと祈らずに居られないほど、内容満載です。トリオ後半の沈静しきった和音がこれほど濃厚な綾を表出した例も珍しく、しかも最後の3小節では、突如テンポを倍に上げて駆け抜ける解釈が痛快!【湧々堂】


若林工房
WAKA-4112
バラード(全4曲)、子守歌、舟歌 イリーナ・メジューエワ(P)

録音:2006年6月22〜23日新川文化ホール
“驚異的洞察力!「バラード」の新名盤!”
出る新譜がことごとく素晴らしいというピアニストは、このメジューエワの他にはキーシンなどごくわずかしか存在しないのではないでしょうか?このショパンも実に素晴らしく、メジューエワのショパン解釈の最高の成果として位置づけられることは間違いないでしょう。まさに「深化を止めないピアニスト」の面目躍如!「バラード第1番」冒頭の深い洞察力と確信に満ちたタッチから、「これだ!」と唸らせる説得力。主題は不安を抱きながら訥々と語り始め、タッチの深みをじりじりと高め、第2主題に入ると実にエレガントな雰囲気を醸し出します。再び暗い第1主題が回帰しますが、ここを緊張を孕んだ独特のルフトパウゼを挟みながら段階的に高揚させる手腕も見事!晴れやかな第2主題の高揚感も素晴らしく、S・バレルのような閃光型ではなく、地に足をつけた格調高い進行が比類なき風格美を生んでいます。後半の狂暴な走句も決してとs突進はせず、綿密なアーティキュレーションを維持しているので安定感が抜群。コーダでは、いったん失速寸前までテンポを落としてからゆっくりと浮上させる手法も独特ですが、これが小手先の技に聞えないことは言うまでもありません。「バラード第4番」は第1主題の香り高いニュアンスと陰影の濃さから惹きつけられます。展開部は強固な造形力と大きな呼吸感がますますさえますが、特にその呼吸の妙は、メジューエワ自身が呼吸するに止まらず、作品自体を自身の引き寄せながら息づかせるという究極の至芸!ショパンの作曲技法の粋を結集したコーダの凝縮力の高さとスケール感も圧巻です。「舟歌」は、ジナイダ・イグナツェワによる濃密な演奏に圧倒されたばかりですが、コノメジューエワの演奏も心を打ちます。自らリズムに揺られるのではなく、聴き手を洋上の風景に誘う牽引力と求心力!トリルが登場(1:33〜)以降のフレーズの膨らませ方、左右の声部の完璧な連携、第2部の厚いハーモニーの深遠なニュアンス等、最後まで聴き手の意識を現世王の世界に封じ込めて逃がしません。【湧々堂】


BMG
09026-63259

ショパン:バラード(全4曲)、子守歌、舟歌、スケルツォ第4番 エフゲーニ・キーシン(P)

デジタル録音
“既に巨匠の風格!ショパンの核心に迫る逸品!”
表面的な技巧、華やかさには背を向け、曲の核心だけを凝視するキーシンの姿勢が端的に示された1枚。「バラード第1番」の序奏の瞑想的な雰囲気には、先へ聴き進むのに覚悟を要するほど不思議な力が漲っています。「バラード第4番」のような無垢なタッチとフレージングは、デビュー時から変わらぬ魅力。しかし何と言っても圧倒的名演と叫びたくなるのが次の2曲!「子守歌の息を呑むピアニッシモの美しさとペダリングの絶妙さ、「スケルツォ第4番」の無邪気に弾ける生命力と中間部のまろやかな歌心との対比…。全てが頭で考えだけでは表出不可能な至芸なのです!【湧々堂】


ABC Classics
ABC-4764835(1CD)
夜想曲集
夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2
夜想曲第20番嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」
夜想曲第9番ロ長調Op.32-1
夜想曲第7番嬰ハ短調Op.27-1
夜想曲第5番嬰ヘ長調Op.15-2
夜想曲第13番ハ短調Op.48-1
夜想曲第11番ト短調Op.37-1
夜想曲第6番ト短調Op.15-3
夜想曲第19番ホ短調Op.72-1
夜想曲第14番嬰ヘ短調Op.48-2
夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2
エヴァ・クピーク(P)

録音:2011年5月15日−16日、ユージン・グーセンス・ホール(シドニー)
可憐にしてしなやか。ポーランドの名女流ピアニスト、エヴァ・クピークが夜想曲の柔和な雰囲気を更に押し広げた魅力的なニュアンスを丹念に紡ぎ出します。
Op.9-2は、誰もが思い浮かべるイメージ通りに進行しているようでいて、それだけでは済まない魅力が横溢。一音一音を大切に育みつつも、音楽の構えを決して小さくせず、気持ちが常に前向きで清々しい余韻を残します。遺作嬰ハ短調も悲嘆に暮れたまま終わるのではなく、明るく煌めくタッチの魅力を開花。中間部の間合いの良さとペダル操作のセンスにも息を呑みます。クピークがサロン的でムーディな夜想曲を目指しているのではないことは、Op.15-2でも明らか。強弱の幅が大きく、絞り出すようなアゴーギクを盛り込み、さり気なく低音域にスパイスを効かせる粋な計らい!この曲にこれほど多彩なニュアンスをバランスよく注入した例も稀でしょう。最後に置かれたOp.27-2では、最初の数秒で、これから敷き詰めようとするニュアンスがいかに豊かなものであるかを予見させ、実際に曲が進むにつれ、盤石の構築力を持ってドラマチックな幻想世界を築きあげるのです。この1曲だけでもクピークの凄さは十分に伝わります。
録音もまた雰囲気満点!【湧々堂】


SONY
SB2K-53249(2CD)
夜想曲(全21曲) フー・ツォン(P)

録音:1977年 ステレオ
“恍惚美!フー・ツォンが繰り広げるノクターンの究極の姿!”
極めつけと言われる演奏に触れても、更に別の感動を追い求めてしまうのが、クラシック・ファンの常ですが、これを聴いてしまったら、他の演奏のことなど考えられなくなってしまいます。ここにはタッチの美しさ、感情移入の深さ、リズムのしなやかさといった要素が、極限まで結晶化されていると言っても過言ではありません。全曲中でも特にセンチメンタルな20番など、フー・ツォン自身の苦悩を告白するような歌い口で、一層涙を誘います。テンポ、強弱の抑揚が大きな主情的な演奏ですが、大仰ではなく、そこには芳しい香気すら漂うのです。なおこれは、以前ビクターから発売されていたものと同一録音で、音質も極上です。【湧々堂】


APR
CDAPR-7010(2CD)
夜想曲第1番/2番/4番/5番/7番/8番/9番/11番/12番/14番/15番、
 ピアノ・ソナタ第2番、
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番「告別」、
グリーグ:バラード、シューマン:謝肉祭
レオポルゴ・ゴドフスキー(P)

録音:1928年〜1930年
“敏腕ピアニストが演奏活動休止直前に見せた美しい風情!!”
英COLUMBIAの1928年から1930年までの全録音集。たショパンのエチュードの超絶技巧編曲で知られる後とゴトフスキーが、病に倒れる直前の録音を集めたCDで、ルービンシュタイン以前のポーランドのピアニストの代表格として、また豪奢なテクニシャンぶりとはまた違う、彼の詩的センスを知る意味でも欠かせないものです。この「夜想曲」は決して大時代的な表現に傾いたものではなく、むしろ淡々と丁寧に作品の有りようをそのまま紡ぎ出す風情が実に美しく、時代を超えて訴え掛けるものがあります。第11番(Op37-1)や第15番(Op.35)など一見ぶっきらぼうなくらいですし、第5番(Op15-2)も、もっとコッテリと歌うことも可能でしょうが、ストイックなまでにテンポの制御が利き、さりげなく優しく微笑むニュアンスに耳を奪われるのです。有名な第8番でも、全体のトーンは悲しみに暮れていても、装飾音のさりげない鳴らし方に、正調ショパンの姿を聴く思いです。最後の箇所での実に自然な呼吸の潜め方も、一緒になって静かに呼吸したくなる魅力を湛えています。そんなゴトフスキーの特質を更に開花させたのが「第2ソナタ」。これを聴くと、第1楽章の主部をほとんどのピアニストのテンポが速すぎ、それによってかけがえのないニュアンスを逃がしていることか、痛感させられます。第2楽章も同様で、堂々たるテンポを崩さず、恐るべき内容量の音楽として迫ります。葬送行進曲のイン・テンポの意味深さも印象的で、中間部のタッチの美しさは例えようもありません。ちなみに、ゴドフスキーはこの演奏後に脳卒中(心臓病とする記述もある)で倒れ、演奏活動にピリオドを打つことになります。「謝肉祭」でのペダリングの絶妙さと、一途なインテンポが生み出す予想外のユーモラスなニュアンス(第3曲など)も味!録音も年代のわりには聴きやすいもので、タッチのニュアンスをしっかり感じ取ることができます。【湧々堂】


DENON
COCO-80763
廃盤

COCQ-84249
舟歌、マズルカ(6曲)、
ポロネーズ第1番&第2番、
幻想ポロネーズ、バラード第4番
オレグ・ボシュニアコーヴィチ(P)

録音:1969年、1972年、1975年、1987年(ポロネーズ第1番のみモノラル)
“ブリリアントなタッチが醸し出す、幻想的なプログラム!”
1曲目「舟歌」が、いきなり世紀の名演!冒頭の芳醇なニュアンスに引き込まれたら最後、ボシュニアコーヴィチの感情の鮮やかなうねりに酔いしれるしかありません。声を潜めて感情の起伏を抑え、平穏に流れて終わってしまう演奏が多い中で、深いドラマ性と格調を湛えたこの演奏は、聴き手の心に確実に訴え掛けるものがあります。「マズルカOp59-2」も涙もの!徐々にタッチに光を与ええゆく配慮、1:34以降の低音で再現されるテーマの風格は、単なる舞曲の延長という次元を遥かに超えています。「幻想ポロネーズ」も心を打ちます。冒頭の強い意志を持ったタッチと次の気品溢れる上行音型との美しい調和、ポロネーズ特有のリズムが始る直前の、軽く俊敏なスタッカートの絶妙な余韻など、感動の連続。とにかく、このCDには、心に響かないニュアンスなどどこを探しも見当たらないのです!【湧々堂】


RCD
RCD-16288
夜想曲Op.9-2
 マズルカ第12番/14番/24番/47番/48番
 ワルツ第6番/10番/13番、
シューマン:蝶々、

ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ、
シューベルト:即興曲Op90-1
ウラディーミル・ソフロニツキー(P)

録音:1946〜1953年 モノラル録音
“ソフロニツキーだけの恍惚の美学の結晶!”
ペテルブルク音楽院のニコラーエワ門下で、特にスクリャービンのエキスパートとして知られるソフロニツキーを今でも多くのピアニストが崇拝していると言う事実は、これ1枚だけでも十分納得です。ピアノ初心者が弾くことの多いベートーヴェンの曲は、第2主題への移行の間合いに突然神々しい光が差し、その先は天上の音楽と化します。シューベルトの素朴さを超越して高潔な精神、有名なショパンの夜想曲や小犬のワルツは、もはや涙の結晶です!録音年はまちまちですが、音質も彼のピアニズムの魅力を伝えるに不足のないものです。【湧々堂】


VAI
IPA-1020(2CD)
ショパン夜想曲Op.9-2、Op48-1、Op15-2
 バラード第1番、
 ワルツOp42、Op64-1、Op34-1、
 子守唄、練習曲Op25-9、
 アンダンテ・シピアナートと華麗な大ポロネーズ(2種)、
ルービンシュタイン:ピアノ協奏曲第4番、
ベートーヴェン(ルービンシュタイン編曲):トルコ行進曲、
モシュコフスキー:スペイン狂詩曲、他
ヨーゼフ・ホフマン(P)、
フリッツ・ライナー(指)カーチス音楽院O


録音:1937年、1945年 モノラル・ライヴ
“大きな人類愛で包み込む、ホフマンならではのショパン!”
1937年の「ゴールデン・ジュビリー・コンサート」のライヴを中心のまとめたもの。ほとんどの曲で、開始前に即興的なフレーズをパラパラッと弾いているのが、落語家の枕のような風情を醸しだしていて、なんとも粋!本編の演奏も慈愛に満ちた大きな表現で彩られたものばかりです。「バラード」は冒頭の音を強音で叩きつけず、自然発生的に開始。ビロードのようなタッチと深い息遣いで温かな情感を綿々と湛えています。そのニュアンスを壊さぬまま終わるのかと思いきや、展開部では、同じポーランド出身のパデレフスキにも似た重低音が轟くというように、表現の幅と、全体のしゃれた構成感も存分に堪能できるます。有名な「ワルツOp9-2」では、さりげなくトリルを長く引っ張ったり、ちょっとした装飾音にも華を感じさせ、しかもそれでいて古さを感じさせません。「華麗な大ポロネーズ」も絶品!ペダルをほとんど使わず、強弱の対比を徹底的に施しながらこの曲独特の華麗さ、可憐さを引き出すというホフマンだけの究極芸!「小犬のワルツ」は、最弱音のまま凄い速さで駆け抜け、しかもタッチの粒立ちが実に見事!まさに小犬がチョロチョロ動き回る様子が目に浮かびますが、ここでも締めくくりだけドカンと轟音を放つというオチが付いています。恩師ルービンシュタイン編曲の「トルコ行進曲」は楽しさ全開!このリズムの弾力にじっとしていられる人などいるでしょうか?ちなみに、ホフマンは1938年に、カーチス音楽院の院長に就任することになります。【湧々堂】

Erasmus
WVH-014
ショパン:ワルツOp.70-1.2.3
前奏曲Op.28-15「雨だれ」、p.28-20、
マズルカOp24-1、Op7-3、
夜想曲Op9-2、
ドビュッシー:沈める寺、
ブラームス:ワルツOp39-15、Op.39-2、
シューベルト:即興曲Op.142-2、
ハンス・オウデナーデン(P)

録音:1988年 デジタル
“ただただ酔いしれたい、ベーゼンドルファーの典雅な響き!”
1892年のベーゼンドルファー・インペリアルによる美しい小品集。とにかく、フォルテピアノと現代ピアノをブレンドしたような、その楽器の音色美そのものが感動的!ショパンやブラームスのワルツは、弱音のまろやかさに体が溶けそう。そうかと思うと、ドビュッシーでは荘厳な寺院の鐘そのものを思わせる強音を轟かせ、これがまたぞっとする美しさです。往年のピアニストたちがこういう楽器で日頃演奏していたのかと思うと、昨今のピアニストにはないイマジネーションを感じさせる演奏が多いのも十分うなずけます。この録音は、オウデナーデン自身の熱いリクエストによって実現した録音だけに、一曲ごとの愛情の込め方も実に入念!チャイコフスキー作品集でも聴かせてくれた持ち前のセンスで、リスニングルームに典雅な香りをもたらしてくれます。頭を空っぽにして浸りたいものです。【湧々堂】


LIVE CLASSICS
LCL-391
夜想曲Op.72、Op27-1,2
マズルカOp68-2、Op67-4、
 Op30-4、Op33-1.2、ワルツOp69-1、
 Op34-2、遺作、
小犬のワルツ、華麗なる大円舞曲、
英雄ポロネーズ、幻想ポロネーズ、子守歌
エリソ・ヴィルサラーゼ(P)

録音:1992年、1993年、1995年、1996年、1998年(デジタル・ライヴ)
“「夜想曲第8番」の奇跡的名演を含む逸品!”
ヤコフ・ザーク門下で、ベレゾフスキーの師としても知られるヴィルサラーゼの独自の緊張を孕んだピアニズムを体感できる一枚。感覚的な美しさとは一切無縁。硬質に結晶化したタッチを駆使して、聴き手を自分自身と共に作品のうねりの中に牽引する力を持つ独自のピアニズムが全曲に横溢しています。特に、マズルカOp68-2の孤独な呟き、夜想曲Op27-1の自然発生的に泉のように静かに湧き出るフレージングと内面からのドラマ性、マズルカ風のパッセージの厳格さ、「英雄ポロネーズ」でテーマが回帰する直前の弱音タッチの完璧な制御力、遺作のワルツでの色彩のきらめき等々、音符の少ない曲で気品と緊張を持って豊かにフレージングする妙には、只ならぬ才能を痛感させられます。中でも有名な夜想曲Op27-2(第8番)は滅多に聴けない奇跡的名演と言っても過言ではなく、どこまでも自然体でありながら、とてつもなく呼吸が深く、タッチの完璧な連鎖、色彩の微妙な移ろいが極美の音像として表出される様を前にして、言葉が出ません。【湧々堂】


MANDARA
MAN-4837
ポロネーズ第5番、夜想曲Op9-2、Op27-1、
マズルカOp63-1.2.3、幻想曲、即興曲第3番
スケルツォ第3番、バラード第4番、
3つの新練習曲
ドミニク・メルレ(P)

録音:1994年デジタル
“「バラード第4番」ファン必聴!メルレが築く迫真のドラマ性!”
ここには表面的なムードに流される甘さなど皆無。各フレーズに緊張を漲らせながら強固に連動し合い、豊かな呼吸で格調高く仕上げたショパンです。「ポロネーズ第5番」は、ことさら悪魔的な雰囲気を強調していませんが、強靭で研ぎ澄まされたタッチの一つ一つに意味があり、呼吸の振幅が持つ求心力もにも惹きつけられます。各テーマが切れぎれにならずに有機的な大きな流れとして現出させる手腕も熟練の極みです。不安の空気とドラマチックな高揚との差が激しい「バラード第4番」も超一級の名演!序奏から繊細すぎて音楽を小さくすることなく、明確なタッチで束の間の光を差し込ませるのにはハッとさせますが、テーマの色彩変化を確実に捉え、ニュアンスの陰影度合いに絶妙な変化を与えながらの進行には息を呑み、7:47以降のテーマの華やぎの妙からコーダにかけての起伏の築き方は、息もつかせぬ緊張!有名な「夜想曲Op9-2」は弟子たちの伝承をもとにした華麗な装飾音付きヴァージョン。この種の演奏は決して少なくありませんが、これはその装飾音が完全に音楽的な流れの中で意味を持って豊かな香りを放つ演奏としてかけがえのない存在で、メルレの弛緩のない構築性と真の歌心の結晶です。「夜想曲Op27-1」の重々しい沈鬱の空気もそれ自体を表面的に強調したものでなく、繊細なアーティクレーションを土台として、楽譜から濃厚な陰影を読み取って丹念に紡ぎ出した結果の表情なので、説得力が違います!後半のドラマチックな展開も迫真。最後のゆったりとした上行音型が、こんなに幸福感に満ちて響く例もめったにありません!これは、第3ソナタを収めた1枚と共に必聴です!【湧々堂】


PHILIPS
456784(2CD)
ショパン:バラード第3番、
ピアノ・ソナタ第2番(第3、4楽章のみ)

即興曲第2番、ポロネーズ「英雄」、第9番、
雨だれ前奏曲、Op28-19、夜想曲Op55-2、
マズルカOp7-1.2.3、Op33-2.3、Op24-4、
Op41-1、Op50-2、Op63-3、Op67-3,4、
Op68-2、子守歌、ワルツOp34-2、
小犬のワルツ、練習曲Op10-5「黒鍵」
Op10-7.12「革命」、Op25-6.9、
シューベルト(リスト編)聞け、ひばり、
リスト(ブゾーニ=フリードマン編):ラ・カンパネッラ、
 ハンガリー狂詩曲第2番、
フンメル:ロンド・ファヴォリ、
ルービンシュタイン:ワルツ・カプリース、
ウェーバー:舞踏への勧誘、
メンデルスゾーン:無言歌(9曲)、
 スケルツォOp16-2、
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」
イグナッツ・フリードマン(P)

1923年〜1936年 モノラル録音
“何が飛び出すか分からない!フリードマンの豪快ピアニズム!”
ポーランドの名ヴィルトゥオーゾ、フリードマンのピアニズムは、先輩のパデレフスキの数倍型破り!その無限とも言える表現の多様性と衝撃力はとにかく圧倒意的です!方言丸出しの「英雄ポロネーズ」「黒鍵」「小犬のワルツ」の面白さは未だに並ぶものがありません!「バラード第3番」は、第2主題を導く高音オクターブの跳躍の甘美な囁きと、その主題の大絵巻を思わせる華麗な展開や、「子守歌」の一筆書きのような呼吸に乗せた詩情と深いリリシズムが印象的。「ワルツOp34-2」ではアゴーギクの意味深さもさることながら、深みを湛えた弱音の美しさに涙を禁じ得ません。あまり弾かれない「ポロネーズ第9番」の閃光きらめく色彩放射パワーには、この曲を聴いたことがない人でも腰を抜かすこと必至!ショパン以外では、「月光ソナタ」の第2楽章で、遅めのテンポでしっかりと語りかける人間的な温もりが胸に迫り、ディニークのホラ・スタカートそっくりのフンメルの曲の遊び心や、本当に良質な演奏が少ない「舞踏への勧誘」の艶かしい風情も一興。電気録音前後の録音ですが、タッチの質までしっかり捉えた音質もありがたい限りです。【湧々堂】


ALTAMIRA
RJ-2723
軍隊ポロネーズ、英雄ポロネーズ
夜想曲Op.9-2/Op15-2、
ワルツOp.64-1,64-2、幻想即興曲、
練習曲Op10-3,Op10-12「革命」、
前奏曲Op28-7,Op28-15、
マズルカOp7-1,Op33-2、バラード第1番
ジョン・オグドン(P)

録音:1969年ステレオ(EMI音源)
“オグドンの天才性が充満!!”
精神に異常を来たしてて以降、晩年まで全盛期の輝きを取り戻すことなく亡くなってしまったオグドン。これは彼が真に光り輝いていた頃の最高のエッセンスです。内容はよくありがちなショパン名曲集ですが、その演奏内容はあまりにも壮絶!最初に置かれている「軍隊ポロネーズ」から尋常ならざる演奏です。快速テンポで勇猛に突き進みながら、強弱のメリハリも繊細に盛り込み、ポロネーズの中でも最も深みに欠けるといった印象など抱いている暇などありません!「英雄」はさすがに名演奏がひしめいていますが、その中でもこれはトップクラスの凄演!打鍵の威力、極度の集中力で一気に駆け抜けながら、ここでもその奥底に繊細な歌が脈打ち、恐ろしいまでの彫琢で迫り続けます。中間部でもインテンポを貫いて推進力を絶やさず、左手オクターブの進軍にみならず、その後の第3部では更にテンポを上げて没入を深めるのには唖然!主題に回帰する直前の弱音部分がこれほど緊張している演奏もありません。その激高モードから一転、「夜想曲Op9-2」での不気味なまでの陶酔的な美しさに触れると、その表現のあまり広さに、神経をすり減らすのも無理からぬことと思えてなりません。Op9-2の右手主旋律の一音一音が全て違う憂いの表情を浮かべるのには言葉を失いますが、コーダのトリル以降、こんなに美しく息を潜めていく演奏も珍しいでしょう。表面的な感傷には目もくれず、2度と同じ演奏はできないと思われる閃きの強さに打たれるのが「ワルツOp64-2」「雨だれ」では、ピアノ演奏においてタッチの美しさよりもフレージングが美しいこと、一つの音に多くの意味を込めルことの方が遥かに人の心を打つということを痛感させられます。中間の厚いハーモニー、重い打鍵で一貫した荘厳さは比類無し!「バラード第1番」でも凡百のピアニストの数倍のニュアンスをどうぞお聴き漏らしなく!特にコーダの緊張は空前絶後!


EMI
3518672[EM](2CD)
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、ワルツ第5番
ドビュッシー:月の光、
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番、
ファリャ:「はかなき人生」〜スペイン舞曲第1番*、「三角帽子」〜粉屋の踊り*、
グラナドス:「ゴイエスカス、
 恋をするマホたち」〜嘆きまたはマハとナイチンゲール*、
 「スペイン舞曲第5番」〜アンダルーサ*、
 オリエンタル*、
アルベニス:組曲「スペインの歌」〜セギディーリャ*、ゴルドバ、
「スペイン組曲」〜セビーリャ*、
「イベリア」第1巻〜エボカシオン*
、「イベリア」第2巻〜トリアーナ*、
ヴィラ=ロボス:「ブラジルの印象」〜吟遊詩人の印象*、奥地の祭り*、
「赤ちゃんの一族」〜道化人形*、
ショーロス第5番「ブラジルの心」#、
ブラジルの子供の謝肉祭」〜第1曲#、ピアノと管弦楽のための幻想曲#、
モンポウ:丹羽の乙女たち#、他
マグダ・タリアフェロ(P)
ヴィラ・ロボス(指)フランス国立放送O

1951年(モノラル)、
1960年(ステレオ)*、1972年(ステレオ)#
“ピアノを「奏でる」行為を超えた天才の芸術!”
コルトーの弟子たちの中でも、フランソワなどと異なり、早くから後進の指導に精力を傾けたせいか、広く認知はされていませんがタリアフェロの芸風はまさに唯一無二。閃きの連続です!まず手始めに「月の光」を聴いてみて下さい。骨太なタッチで濃密に描かれる音彩は普段聞きなれているこの曲のイメージとかなり異なりますが、これほどまでに情感に溢れ、一音一音が蜜の味のする演奏がありましょうか!ショパンのワルツも凄いイマジネーションの飛翔力!師のコルトー譲りの王密な感情が迸り、間の取り方、呼吸の瞬発力は空前絶後!ショパンがイメージした内容をはるかに上回ると思われる情報量が盛り込まれた演奏で、リパッティやフランスにもないこの魅力を堪能してください。更に信じられないのが「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ」!アンダンテの部分から濃厚な歌心に溢れ、小手先の演出は一切ないにも拘らず、生き生きとタッチが立ち上がるので軽く聞き流すわけにはいきません。ポロネーズ導入で通常演奏される連打音がカットされているのは、タリアフェロの趣味によるものだと思いますが、これもセンス満点!ポロネーズ主部は、もう居ても立ってもいられない興奮を誘うことしきりで、打鍵の強靭さ、奔放なダイナミズムもさることながら、常に神々しい香気をふんだんに漂わせているので、聴き手の体全体を異次元へとグイグイと引っ張る吸引力には全面降伏せざるを得ません。軽くあしらわれがちなこの作品にここまで全身全霊でぶつかった例が、他にあるとは思えません。シューマンは、第1楽章の序奏から沈鬱さよりも確固とした意思が漲りエキゾチックともいえる妖しい空気が漂います。主部冒頭は「ファンダンゴ」がベースになってるだけにタリアフェロの尋常ならざる共感が迸ります。第2楽章の強烈な香気を静かに抑えた佇まいが魅力で、主題のの高音部と深く食い入る低音部が絶妙なコントラストで迫ります。第3楽章はリズムの弾力にご注目!しっかり地に足をつけてからグワンと跳ね上がる生命力に満ちたこのリズムの冴えは誰にも真似できないでしょう。シューマンからこの曲を献呈されたクララが乗り移ったかのような迫真の名演奏です。グラナドスの「オリエンタル」にはギュラーによる気品溢れる名演もありますが。タリアフェロの演奏はより土臭く、生々しい吐息が聞こえそうなくらい孤独でやりきれない心情が色濃く表出されています。アルベニスの「セギディーリャ」は、まさに水を得た魚。リズミカルという言葉では済まないリズムの沸き立ちに言葉を失います。ヴィラ・ロボスでは、特に「ブラジルの印象」から「奥地の祭り」が腰を抜かす凄さ、この色彩のぶちまけ方は、体の芯まで共感していなければ不可能な技です!【湧々堂】


Classical Records
CR-079
ワルツOp64-2、ポロネーズ第1番、舟歌、
ポロネーズ第14番嬰ト短調、
夜想曲op.15-2、Op9-2、バラード第3番、
マズルカOp.33(4曲)、Op.67-4、Op.56-2
夜想曲Op.55-1、バラード第4番、
タランテラOp.43
ジナイダ・イグナツェワ(P)

録音:2005年10月28日ライヴ
“情報量満点!フェンベルク門下の逸材が放つ知られざる至芸!”
イグナツェワはフェインベルク門下で、師の演奏芸術を今に伝える貴重なピアニストの一人。22歳の時にショパン・コンクールに入賞。ルービンシュタインをはじめとする審査員からも高く評価されました。現在はモスクワ音楽院教授。このCDはショパン・ファン必聴です!最初のワルツOp.64-2はアゴーギクがかなり濃厚ですが、決して呼吸が間延びせず、官能的な雰囲気さえ漂わせながら気品溢れるタッチを紡ぎ出していて、さっそく虜になること必至。続く「ポロネーズ第1番」がこれまた説得力絶大!この曲の筆頭名演に挙げたい逸品です。なんと確信に満ちた造形力、打鍵の強靭さ!中間部は打って変わってエレガンスの極み。符点リズムに通わせる香気が独特の芳しさを放ちます。夜想曲では、打鍵の一定の重量感を終始保持することにより築かれる不動の安定感、スケール感が(指)のピアニズムを髣髴とさせ、リラクゼーション的な演奏とは一線を画します。あまりにも有名なOp.9-2。この曲がこんなに懐の深い作品だったとは!会場の一音も聞き漏らすまいという空気もひしひしと伝わるほどです。舟歌2つのバラードはもう圧巻!何のためらいもなく「女フェンイベルグ」と呼ばずにはいられないこのスケール感とパッションの凝縮力!言葉になりません。【湧々堂】


DUX
DUX-0239
バラード第1番、夜想曲Op.72-3、
ワルツOp64-1,2、舟歌、即興曲(全4曲)、
英雄ポロネーズ
イェルジー・ロマニウク(P)

録音:1991年
“ショパンの民族色を真の芸術に高めた稀有な名演!”
1991年デジタル録音。ロマニウクはヤコブ・ザーク門下。ショパンならではのアゴーギクの妙味をたっぷり堪能できます。「バラード第1番」は絶えずフレーズがエネルギーの伸縮を繰り返し、まさに音楽に人間の血を注入し尽くしたつくした演奏。「夜想曲第8番」のダンディズム溢れる演奏も魅力。「舟歌」は波紋を思わせる左手のリズムでさえ民族色を湛えて、濃厚な味わいですが、「英雄ポロネーズ」は更に名演中の名演!まさにリズムを最重要視した同曲の名演として欠かすことができない存在です。「ショパンはもう聴き飽きた」という方も、この1枚で再びときめきを取り戻すこと必至!【湧々堂】


PREISER
PRCD-90782
バッハ:パルティータ第1番変ロ長調BWV825
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.1
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
領家幸(P)

録音:2009年5月12・13日/ハンス・ロスバウト・ザール(バーデン・バーデン)
“流行とは無縁の端正なピアニズムが紡ぎ出す豊穣な音楽!”
ずっと気になりながら、やっとのことでCDを再生すると、これがとんでもなく感動的な名演奏!領家 幸(りょうけ・こう)は1953年神戸出身、1974年にデトモルト音楽大学に留学、フリードリヒ・シュヌアに師事、1978年からはマルグリスにも師事したピアニスト。 彼女のピアニズムは、ピアノを弾くというよりも、まさに「紡ぐ」という言葉がしっくり来きます。
1976年にフライブルクで古いスタインウェイのグランドピアノと出会い芸術観が一変したそうで、さらに古い奏法を研究することにより独自の音色を獲得するに至ったとのこと。その魅力は最初のバッハからはっきりと感じ取れます。
まず耳を捉えるのは独特の音色美。たおやかな表情を湛えながら、強弱対比を抑え、小器用に弾き飛ばす場面など一瞬も見せず、ゆとりを持って深い打鍵を緊密に連動させているのは、これまで領家が培った音が賜物の賜物でしょう。特に終曲「ジーグ」はめったに耳にすることのないペダルをふんだんに用いた豊かな音楽。勿論バッハの様式美からいささかも外れてはいません。
ベートーヴェンはその特質に強固な意志を持ったダイナミズムが加わり、これまた一瞬も聴き逃せません。あからさまの攻撃性とは違う風格を持った第2楽章が特に印象的。
それにしても彼女の音楽性の容量は無限大と思わせるのが、最後のショパン!なんというスケール感でしょう。辺りを払うような威圧感とはことなる懐の大きさがそのまま音楽に反映されたように、敷き詰められる空気感が広大なのです。第2楽章の速いパッセージをこれほど端正に紡ぎ、しかも推進力はしっかり確保されているというバランス感覚は見事という他ありません。第3楽章はポゴレリチのような陶酔型ではなく、楽器の音色美も手伝ってモーツァルトのように純朴。
終楽章は個人的には冒頭の和音の連続がどうも皮相的に感じられ、主部の展開にも閃きの弱さを常々感じているのですが、この音色、この打鍵で入念なフレージングを心掛けるとこうも素晴らしい音楽に変貌するものかと驚愕した次第。
しかし、こんなかけがえのないピアニズムを誇る領家幸は、2013年5月25日の逝去されたとのこと。ピアノ界にとって大損失です!【湧々堂】


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