湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


ナクソス廉価盤・新譜速報1




NAXOS 2025年2月発売 (1)
NAX-8.574617(1CD)

NYCX-10511(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
バッハ:無伴奏チェロ組曲集 第1集
第1番、第4番、第5番(テオルボ編)
今村泰典(テオルボ)

録音:Roman Catholic Church, オーバーブッフシテン(スイス)
2022年7月20-27日、2023年7月17-25日
 - 今回の録音において、私はテオルボ版の編曲に関して自身なりの解答を見出すことができたと考えています。本演奏を通じて、皆様に共感を抱い ていただければ幸甚に思います。…今村泰典
日本語解説より 大バッハのリュート作品全集(8.573936)で高い評価を受けた今村泰典が、名作「無伴奏チェロ組曲」に取り組みます。今村はこの組曲を演奏す るにあたり、リュート属の中で音域がチェロに非常に近いテオルボで演奏することを選択。チェロの旋律に対する通奏低音のバスを補完することが、バ ロックのスタイルに最も忠実であると考え、曲によっては新たな装飾を付け加えるなど、豊かな演奏経験に裏打ちされた解釈を披露しています。 ※国内仕様盤には今村泰典氏による日本語解説が付属いたします。
NAX-8.574601(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.28(1907-08)
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36(1931年改訂版)
交響詩「死の島」 Op.29(1909)(G. キルコール/B. ギルトブルグによるピアノ編)
ボリス・ギルトブルグ(P)

録音:2023年8月26-28日
ギルトブルグが弾くラフマニノフはこれまでにも高く評価されており、ピアノ協奏曲第1番と第4番のアルバム(8.574528)は、BBCミュージックマガジンで「個 性的で繊細、技術的に素晴らしい」と評されました。このアルバムに収録されているピアノ・ソナタ第1番は、知名度と演奏頻度こそ第2番に譲るものの、シ ンフォニックなスケールと素晴らしいドラマ性を持つ優れた作品です。傑作として名高く、演奏機会の多い第2番では改訂版を使用。引き締まった造形、豊 かな感情表現、ダイナミックなピアニズムが聴かれます。交響詩『死の島』は、マックス・クリンガーの「死の島(ベックリンの絵画による)」にインスパイアされた陰 鬱な管弦楽曲。不規則な5/8拍子と「怒りの日」(Dies Irae)のモチーフが用いられ、不安にうねる波と舟の漕ぎ手の動きが描写されています。この録音 では、ゲオルギー・キルコールが1957年に行ったピアノ編曲版をもとに、ギルトブルグ自身が大幅に改訂した版を使用。彼は、オリジナルの管弦楽版の複雑 な構造をピアノで忠実に再現しようと試み、演奏しやすさを犠牲にしながらも原作の忠実な再現を目指しました。ブックレットにはギルトブルグ自身による作 品の詳細な解説(英語)が記載されています。
NAX-8.579180(1CD)
ダロン・ハーゲン:Everyone, Everywhere 誰でも、どこでも
ダロン・ハーゲン(1961-):
Everyone, Everywhere 誰でも、どこでも(2023)
An Irish Airman Forsees His Death
アイルランドの飛行士は死を予知する(2017)
The Bixby Letter ビクスビーの手紙(2015)
ニューヨーク・セシリアO&cho
マーク・シャピロ(音楽監督・指揮)
ガブリエレ・バルキジヤ(Ms)
ブライアン・マレー(Br)
エヴリ・ヴォイス・ジェネレーションズ合唱団
ニコル・ベッカー(合唱指揮)
シャヴォン・ロイド(Br)
アミール・ファリード(P)

録音:2023年10月16日(ライヴ) カーネギーホール、ニューヨーク、2024年1月17日
全て世界初録音
2023年12月16日、ニューヨークのカーネギーホールで初演されたダロン・ハーゲンの「Everyone, Everywhere 誰でも、どこでも」は、ニューヨーク・セシリ ア合唱団の委嘱により、世界人権宣言(UDHR)採択75周年を記念して作曲された壮大なカンタータです。この作品は5楽章構成で、合唱団、児童合 唱団、2人のソリスト、オーケストラによる演奏を通じて、UDHRの条項や人権擁護者たちの言葉を音楽的に表現します。音楽はドラマティックかつ説得力 があり、ベートーヴェンやブリテンの作品を思わせる規模と深みを持ちながら、現代的で緊迫感のある表現を追求するもので、第1楽章は明るいファンファー レで始まり、第2楽章では痛ましくも美しい音楽が展開します。第3楽章は子供たちが歌うラプソディを中心に据え、第4楽章では「私は人間です」という静 かな主張が響き渡ります。最終楽章では、高揚感に満ちた喜びの音楽が繰り広げられ、最後は穏やかに終結します。ニューヨーク周辺に在住する奏者た ちがこの日のために結集したオーケストラの力強い演奏も聴きどころです。 アルバムには、ウィリアム・バトラー・イェイツが描く第一次大戦で戦死したグレゴリー少佐のエピソードに基づく曲と、エイブラハム・リンカーンが南北戦争で息 子を失った未亡人に宛てた手紙を題材にした曲が添えられており、戦争の人的犠牲がしめやかに歌われます。
NAX-8.660568(1CD)
チレア:歌劇「グロリア」 グロリア…アナスタジア・バルトリ(S)
リオネット…カルロ・ヴェントレ(T)
バルド…フランコ・ヴァッサッロ(Br)
アクイランテ…ラマス・チクヴィラゼ(Bs)
司教…アレッサンドロ・アビス(Bs)
シエナの女…エーレナ・スキッル(S)
伝令…アレッサンドロ・フラボッタ(Bs)他
カリアリ歌劇場O&cho
フランチェスコ・チッルッフォ(指)

録音:2023年2月15、17、19日
カリアリ歌劇場(イタリア)
チレアは代表作「アドリアーナ・ルクヴルール」(1902年)に続き、オペラ「グロリア」を作曲しましたが、1908年のミラノ初演(トスカニーニ指揮)は失敗に終わ り、作曲活動を断念しました。その後、教育者として活動する中で出版社の要請に応じて改訂し、1932年にナポリで再演され好評を得ましたが、イタリア の情勢もあり、レパートリーとして定着するには至りませんでした。本作は、埋もれた歌劇作品の蘇演を旺盛に展開するサルデーニャのカリアリ歌劇場の新 制作。表題役を歌うのは2021年東京・春・音楽祭のリッカルド・ムーティ指揮「マクベス」のマクベス夫人役で日本デビューを果たした新星アナスタジア・バ ルトリ。ドラマティックでありながら、優れた歌唱技術に裏づけられた清冽な表現が光る知性派ソプラノです。リオネット役は、伸びやかで輝かしい歌声を持つ 日本でもお馴染みのカルロ・ヴェントレ。さらに世界の檜舞台で活躍するヴェルディ・バリトンのフランコ・ヴァッサッロが、暗い情念を歌う敵役として見事な歌 唱を聴かせます。近現代の作品を中心レパートリーとするフランチェスコ・チッルッフォが導くカリアリ歌劇場のオーケストラが、優れた歌唱陣と共に作曲家最 後の歌劇に新たな光をもたらしています。
NAXOS Idil Biret Archive
NAX-8.571431(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第24集〜バッハの作品
1-3. ピアノ協奏曲 ニ短調 BWV1052
4-6.2台のピアノのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060
7-9.3台のピアノのための協奏曲協奏曲 ハ長調 BWV1064
10-12.4台のピアノのための協奏曲協奏曲 イ短調 BWV1065
イディル・ビレット(P)
アイシェギュル・サルツァ(P)…4-12
ハンデ・ダルキリチ(P)…7-12
エロル・エルディンチ(P)…10-12
ビルケントSO
ギュレル・アイカル(指)…1-3
エロル・エルディンチ(指)…4-12

録音:1998年12月25日…1-3、2002年3月12日…4-12
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、イディル・ビレットは幼少期からバッハの音楽に触れており、とりわけ、4歳の時に78回転レコードで聴いたエトヴィン・ フィッシャーが弾く「平均律クラヴィーア曲集第2巻」のヘ短調を聴いて深い感銘を受けたと言います。その後はバッハの鍵盤のための協奏曲や室内楽作品 を多く演奏し、特にニ短調協奏曲は彼女のコンサートにおける定番曲となりました。彼女はバッハの作品を「時代を超えた存在」として捉え、回顧録やイン タビューでは「バッハが音楽の核心にあり、彼への信頼は変わらない」と語っています。2002年、トルコの指揮者エロル・エルディンチの提案により、イディル・ ビレット、アイシェギュル・サルツァ、ハンデ・ダルキリチがバッハの鍵盤のための協奏曲を演奏するプロジェクトが実現。なかでもハンデはイディルのコンサートで 譜めくりを務め、アイシェギュルからピアノを学んだ経験を持ち、この共演を大変光栄に感じていました。リハーサルでは、イディルの提案による「ノン・レガート」 での演奏など、特別な経験を得たことを述べています。 アイシェギュル・サルツァはイスタンブール音楽院とパリ音楽院で学んだトルコを代表するピアニストで、作曲家ジェマル・レシット・レイの作品の録音でも知られ ています。ハンデ・ダルキリチはビルケント音楽大学で博士号を取得し、現在ハジェテペ大学で教鞭を執るとともに、トルコの作曲家の作品を積極的に演奏 しています。エロル・エルディンチはトルコとフランスで音楽を学び、1983 年から2000年までイスタンブール国立SOの首席指揮者を務める他、ビル ケント大学の音楽学部長を務めました。ギュレル・アイカルはロンドンのギルドホール音楽院やイタリアのサンタ・チェチーリア音楽院で指揮を学び、トルコに 戻ってからは数多くのオーケストラを(指)1981年にトルコの「国家芸術家」の称号を受けました。

NAXOS 2025年1月発売(2)
NAX-8.574616(1CD)
パウル・ヴラニツキー:管弦楽作品集 第8集
交響曲 変ホ長調「狩りの交響曲」 P31(1790年代)…世界初録音
交響曲 ニ長調 P17(1790年代)…世界初録音
交響曲 ハ短調「フランス共和国との和平に」 Op.31(1797年出版)
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2023年11月20-22日
ヴラニツキーは、モラヴィアのノイライシュ(現チェコ)で生まれ、地元の修道院で音楽教育を受けました。ウィーン大学で神学を学びながら大学の音楽監督を 務めた後、1783年にハイドンの雇用主の遠縁にあたるエステルハージ伯爵の音楽監督となり、フリーメイソンロッジ「希望の王冠」に加入しました。この時期 には、作曲家ヨーゼフ・マルティン・クラウスやモーツァルトとの交流をもっています。1785年からはウィーンの主要な劇場で監督を務め、最初の舞台作品「オ ベロン、妖精の王」が成功を収めた他、ベートーヴェンの「交響曲第1番」の初演も(指)宮廷でも皇后マリー・テレーズのお気に入りの作曲家として、彼女 のために作品を提供するなど幅広く活動しました。ヴラニツキーの交響曲は、45曲が現存しており、このアルバムには3曲が収録されています。「狩りの交響 曲」はフェルディナンド3世(トスカーナ大公)の音楽コレクションに残る未出版の作品。荘重な序奏、ホルンを生かしたソナタ形式とロンド形式が融合した第 1楽章、嵐を描写する第2楽章、短いメヌエットを経て狩猟の喜びを表現するロンドで締めくくられます。「交響曲 ニ長調」も未出版の作品。付点リズムを 特徴とする序奏、簡潔なモチーフが展開する第1楽章、哀愁漂うアンダンテと喜ばしいファンファーレを交えた第2楽章、リズムの妙技を楽しむメヌエット、明 るいロンドで締めくくられます。交響曲「フランス共和国との和平に」はフランス革命の勃発から和平交渉までを描いた4楽章構成。各楽章には革命の進捗 を表す副題がつけられており、最後は和平交渉が成功、喜びのフィナーレで幕を閉じます。この作品は政治的理由で初演を禁じられたものの、宮廷で私 的に演奏されました。ベートーヴェンの『英雄交響曲』を予見する作品です。 (Ki)
NAX-8.574595(1CD)
フランシスコ・ミニョーネ:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1964)…世界初録音
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1966)…世界初録音
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1966)…世界初録音
ヴァイオリン・ソナタ イ長調(1919)
ヴァイオリン・ソナタ ト長調(1916)
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
ルーカス・トマジーニョ(P)

録音:2023年1月31日、2023年2月1日、2023年2月2日
フランシスコ・ミニョーネは、20世紀ブラジル音楽界の中心的人物であり、ヴィラ=ロボスとともにブラジル音楽 の発展に貢献しました。このアルバムには彼のヴァイオリン・ソナタ全曲を収録。番号を持たない初期の2つの ソナタはフォーレやドビュッシーなどのフランス音楽の影響を受けており、美しく流麗な旋律に彩られた作品。 以降、ミニョーネは40年以上、このジャンルに取り組むことはありませんでした。1960年代に書かれた第1番 から第3番の3つのソナタは世界初録音ですが、内容的にはブラジルで生まれたヴァイオリンとピアノのための 最も重要な作品とも言うべきもの。第1および第2番のソナタは、調性や拍子のさまざまな形態を並置した 断片的で実験的な性格を持っており、当時彼が取り組んでいた無調の響きも感じられます。第3番はブラジ ルのリズムやメロディの要素を活かした情熱的な作品です。演奏はイタリア出身のヴァイオリニストバルディー ニ。2005年からブラジルに居住し、サンパウロSOのコンサートマスターを務めるほか、指揮者としても 活躍しています。
NAX-8.574633(1CD)
D・スカルラッティ:ソナタ全集 第29集
1. ソナタ ハ短調 K.73/L.217/P.80
2. ソナタ ハ長調 K.166/L.51/P.190
3. ソナタ 変ホ長調 K.192/L.216/P.322
4. ソナタ イ短調 K.188/L.239/P.213
5. ソナタ ヘ長調 K.275/L.328/P.430
6. ソナタ ト長調 K.103/L.233/P.233
7. ソナタ ハ短調 K.303/L.9/P.212
8. ソナタ ヘ長調 K.85/L.166/P.24
9. ソナタ ニ長調 K.223/L.214/P.188
10. ソナタ ハ長調 K.117/L.244/P.181
11. ソナタ 変ロ長調 K.57/L.S38/P.108
12. ソナタ ニ長調 K.137/L.315/P.231
13. ソナタ ヘ長調 K.150/L.117/P.205
14. ソナタ ニ長調 K.236/L.161/P.201
15. ソナタ ホ短調 K.263/L.321/P.283
16. ソナタ 変ロ長調 K.249/L.39/P.424
エマヌイル・イヴァノフ(P)

録音:2023年8月29-31日
ドメニコ・スカルラッティの555曲の鍵盤ソナタは、ポルトガルのマリア・バルバラ王女のために書かれたと考えら れます。このアルバムには16曲のソナタを収録。初期のものはイタリア風の様式に基づいており、ト長調ソナ タ(K.103)は長調と短調を行き来する特徴があります。K.137やK.303のエキゾチックな装飾や刺激的 な和声進行からは、スペインのフラメンコギターの影響も感じられます。演奏するエマヌイル・イヴァノフはブルガ リア出身。2019年、フェルッチョ・ブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝し国際的な注目を集めました。2023 年には来日公演でスカルラッティを演奏、こちらも好評を博しています。
NAX-8.660570(2CD)
ヘンデル:歌劇「ロタリオ」 アデライーデ:イタリア王妃…フランチェスカ・ロンバルディ・マッズーリ(S)
ロタリオ:ドイツの王…カルロ・ヴィストーリ(C.T)
マティルデ…アンナ・ボニタティブス(Ms)
ベレンガーリオ…クリスティアン・アダム(T)
イデルベルト…ラファウ・トムキェヴィチ(C.T)
クロドミロ…パク・キヒョン(Bs)
ハレ・ヘンデル祝祭O(古楽器使用)
アッティリオ・クレモネージ(指)

録音:2023年6月8-10日(ライヴ)
王位継承権をもつイタリア王妃アデライーデ。夫はすでにスポレート公のベレンガーリオとその妻マティルデに よって亡き者にされており、彼女はベレンガーリオの息子イデルベルトとの結婚を迫られています。これを拒否 したアデライーデは窮地に立たされますが、それを救ったのがドイツの王ロタリオでした。戦いの末、勝利を収め たロタリオは全ての人を許し、物語はハッピーエンドを迎えます。 ヘンデルのイタリア語オペラの成功は1720年代の終わりには翳りを見せ始めます。そんな中に書かれた「ロタ リオ」は英雄物語への関心を再燃させることを目的とした、新しいシリーズの最初の作品でした。ヘンデルの 歌劇の中では、あまり演奏されることがありませんが、ここで繰り広げられる音楽は、説得力のあるドラマを作 り上げ、豊かな旋律を持つ充実したアリアが際立つことで高く評価されています。この演奏は、ハレ・ヘンデル 音楽祭のライヴ収録。マッズーリやヴィストーリら歌手たちの生き生きとした歌唱に加え、クレモネージ指揮の ハレ・ヘンデル祝祭Oが素晴らしい演奏を聴かせます。

NAXOS 2025年1月発売
NAX-8.574565(1CD)
フランツ・リスト:ピアノ曲全集 第64集
2つのスイスの旋律によるロマンティックな幻想曲 S157/R9(1835-36)
交響的幻想曲「神曲のパラリポムネス」 S.158a(1839)
アダージョ ハ長調 S158d(1841)
巡礼の年 第3年より
  守護天使に S162a/i (1877)(earlier version)
 守護天使に S162a/i (1877)(later version)
 エステ荘の糸杉に S162b(1872)(第1稿)
 ものみな涙あり S162c/ii (1877)(intermediate version)
 マクシミリアン1世の思い出に、葬送行進曲 S162d(1867)(early version)
 後奏曲「スルスム・コルダ!」 S162e(1877)(early version)
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2023年12月12-14日
冒頭の「2つのスイスの旋律によるロマンティックな幻想曲」は、リストとしては珍しく改訂されることのなかった作品。導入部では、アルプホルンの「牛の鳴き 声」モチーフとスイス民謡のテーマが提示される他、巡礼の年第1年の「郷愁」の旋律も現れる大規模な曲です。次の「神曲のパラリポムネス」は1839年の 「ピアノのための交響的幻想曲」の初版。改訂を重ね、巡礼の年第2年 イタリアの「ダンテを読んで」に発展します。初版は対位法的エピソードが長く、コ ラールの主題も重要な役割を果たします。次の「アダージョ」にもこの曲の2番目のコラールの素材が用いられています。 巡礼の年第3年は1860年代から1877年頃までに書かれた曲集で、晩年に傾倒した宗教音楽からの影響や、不協和音、曖昧な調性感など若い頃の 華麗なピアニズムはほとんど感じられません。この曲集からの5つの作品はどれも改訂を繰り返す過程のもの。2つのヴァージョンの「守護天使」は、現行 ヴァージョンよりはかなり短く、リストは改訂を加えるごとに素材を増やしていったようです。この時期のリストが作品を仕上げる際の試行錯誤がうかがえます。 セルジオ・ガッロはブラジル出身の技巧派ピアニスト。ロマン派作品とブラジルの作品を得意としています。
NAX-8.574619(1CD)
フォーレ:組曲『ペレアスとメリザンド』 Op.80
劇音楽『ペレアスとメリザンド』 Op. 80- 第3幕 第1場 メリザンドの歌 (C. ケクランによる歌とオーケストラ編 第2稿)
抒情悲劇「プロメテ」より(J.R.デュカスとフォーレによる1917年改訂版)
 第1幕への前奏曲
 第2幕への前奏曲
 第3幕への前奏曲
 第3幕:清流と湧水(合唱)
 第1幕 Arrete Promethee(ガイア)
祈りながら(声と管弦楽版)(1890)
漁師の歌 Op.4No.1(1872)(声と管弦楽版)
イスファハーンのばら Op.39No.4(1884)(声と管弦楽版)
タランテラ Op.10No.2(1873頃)(A. メサジェによる2声と管弦楽編)
劇音楽『シャイロック』 Op.57
タラ・エロート(S)
ルース・ロジク(S)
ジュリアン・ドラン(T)
アイルランド室内cho
アイルランド国立SO
ジャン=リュック・タンゴー(指)

録音:
2023年7月12-14日、2024年1月6-9日ダブリン、ナショナル・コンサート・ホール(アイルランド)
このアルバムにはフォーレの舞台音楽とオーケストラ伴奏の歌曲が収録されています。メーテルリンクの戯曲を素材とした『ペレアスとメリザンド』はドビュッシー が同名の歌劇を書いたことでも知られる作品。ここでは良く知られる「シシリエンヌ」を含む組曲に加え、歌を伴う「メリザンドの歌」をケクランによるオーケストラ 編で聴くことができます。『シャイロック』はシェイクスピアの「ヴェニスの商人」がテーマですが、悪徳商人シャイロックを主人公とするのではなく、ポーシャとバサー ニオの愛と友人アントーニオの試練と物語が描かれており、フォーレの素晴らしいオーケストレーションによる緻密な音楽が楽しめます。『プロメテ』ではワーグ ナー的な濃密な音楽が展開されています。またフォーレは生涯100曲以上の歌曲を書き残しましたが、ほとんどはピアノ伴奏で、オーケストレーションが施さ れたのは数曲だけ。なかでも美しい愛の歌「イスファハーンのばら」の美しさが印象に残ります。フランス物のスペシャリスト、ジャン=リュック・タンゴーがすっきり とした響きで全体をまとめています。
NAX-8.660565(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「当惑した家庭教師」 ドン・ジューリオ … アレッサンドロ・コルベッリ(Br)
グレゴーリオ … アレックス・エスポージト(Bs-Br)
エンリーコ … フランチェスコ・ルチイ(T)
ジルダ … マリレーナ・ルータ(S)
ピッペット … ロレンツォ・マルテッリ(T)
レオナルダ … カテリーナ・デッラエレ(Ms)
シモーネ … ロレンツォ・リベラーリ(Bs)
ドニゼッティ・オペラcho
ドニゼッティ歌劇場O
ヴィンチェンツォ・ミッレタリ(指)

録音:2022年11月17日、20日、26日ドニゼッティ音楽祭ソチャーレ劇場、ベルガモ(イタリア)
若きドニゼッティが作曲した歌劇「当惑した家庭教師」は1824年、ローマで初演され大好評を博したと伝えられています。本作は、ドニゼッティの生地ベル ガモのドニゼッティ財団と市の共同プロジェクトとして2015年に発足し、ドニゼッティの作品上演に革新的な新風を吹き込んできた「ドニゼッティ音楽祭」の 新制作となるローマ初演版のライヴ録音です。ドン・ジューリオ役のアレッサンドロ・コルベッリ、家庭教師グレゴーリオ役のアレックス・エスポージトというオペラ・ ブッファの重鎮たる二人の名歌手を中心に、ドニゼッティ劇場財団が運営するマスタークラス「ボッテーガ・ドニゼッティ」の研修生から選抜された活きの良い若 手歌手たちが、1990年生まれの新鋭ヴィンチェンツォ・ミッレタリの軽快で瑞々しいタクトに導かれた音楽に応えて、溌剌とした歌唱を繰り広げます。
NAX-8.571429(2CD)
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第22/23集 - プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ集
【CD1】
トッカータ Op.11
ピアノ・ソナタ 第7番Op.83(1961年録音)
ピアノ・ソナタ 第9番Op.103
ピアノ・ソナタ 第4番Op.29
【CD2】
ピアノ・ソナタ 第8番Op.84
ピアノ・ソナタ 第2番Op.14
ピアノ・ソナタ 第7番Op.83(1977年録音)
イディル・ビレット(P)

録音:1960-1977年フランス、西ドイツ、スイス、トルコ、USA、ソ連
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、イディル・ビレットは16歳でデビューし、半世紀以上にわたりその卓 越した技巧と音楽性で聴衆を魅了してきました。本作は、プロコフィエフのソナタを集めた2枚組アルバムで す。トッカータの録音は、ビレットが19歳の時、1960年に初めてモスクワで行ったリサイタルでの演奏です。 CD1に収められたピアノ・ソナタ第7番は1961年11月にパリで録音されました。第9番、第8番、第4番は、 1964年のドイツ、1971年のスイス、1973年のトルコでのラジオ放送音源が使用されています。ピアノ・ソナ タ第2番とCD2の第7番の録音は、1977年にニューヨークのRCAスタジオで直接ディスクに録音されました。 なお、第2番と2種類の第7番以外のラジオ録音はすべて編集のない「一発録り」とされています。

NAXOS 2024年12月発売 (1)
NAX-8.579139(1CD)
アレクセイ・ショール:作曲家のノート 第1集
アレクセイ・ショール
(1970-):ピアノと管弦楽のための組曲第1番「トラベル・ノートブック」(2016)(Pと弦楽オーケストラ版 2019)
ヴァイオリン協奏曲第4番ロ短調(2021)(Vnと弦楽オーケストラ版2022)*
アンナ・ウライエヴァ(P)
マルク・ブシュコフ(Vn)
キーウ・ヴィルトゥオージ
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
ジョン・ワーナー(指)

録音:2023年2月22日*
※全て世界初録音
アレクセイ・ショール(ショア)はウクライナで生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動する作曲家です。アメリカで数学を学び、博士号を取得した後、2016 年までは数学者として働きながら、幼い頃から好きだったクラシック音楽の作曲にも挑戦してきました。ヴィオラ奏者デイヴィッド・アーロン・カーペンターがコン サートで彼の作品をアンコール曲として演奏したことで一躍注目を集め、以降、ウィーン楽友協会、ベルリン・フィルハーモニー、カーネギーホール、ケネディセ ンターなど、世界中の著名なコンサートホールで多くの演奏家たちが演奏、録音を行い、メディアでも広く紹介されています。2017年からはアルメニア国立 SOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めており、2024〜26シーズンにはオックスフォードPOのコンポーザー・イン・レジデンス も務める予定です。 このアルバムにはショールの2作品を収録。彼が様々な地を訪れた際の印象を音楽に込めた「トラベル・ノートブック」は7つの小品で構成された組曲で、旅 への想いを綴った「旅人の祈り」で始まり、続く6曲は特定の場所から得たインスピレーションが描かれています。街のエネルギーを表現した「ランブラス通り」や 過去へのオマージュとほろ苦い別れの感情が込められた「アディオ」、究極の美とロマンスが描かれた「リュクサンブール庭園」の他、ジュリアス・シーザーの歴史 的決断に基づく「ルビコン」、ヴェネツィアの現代の課題に対する作曲家の悲しみを表現した「悲しみ」、ロイヤルアスコットへの訪問後、競馬の独特の興奮、 エネルギー、騒動を描写した「騎手」と多様なテーマが含まれています。ヴァイオリン協奏曲第4番ロ短調は、2021年に新型コロナウイルス感染症の世界 的拡大の中で作曲された作品。メロディーや調性へのこだわりを反映しつつ、初期の作品とは異なる音色とスタイルを持つ、ロマンティックな雰囲気と情熱 的なメロディーが特徴です。
NAX-8.574612(1CD)
ハインリヒ・オーギュスト・マルシュナー:ピアノ三重奏曲集 第1集
ピアノ三重奏曲第1番イ短調 Op.29(1823年出版)
ピアノ三重奏曲第7番ヘ長調 Op.167(1855年出版)
グールド・ピアノ・トリオ
ルーシー・グールド(Vn)
リチャード・レスター(Vc)
ベンジャミン・フリス(P)

録音:2023年11月7-8日
ハインリヒ・マルシュナーは、ウェーバーとワーグナーの間の世代におけるドイツ・ロマン派オペラの代表的な作曲 家として知られていますが、その優れた室内楽作品はしばしば見過ごされがちです。とりわけ彼はピアノ三重 奏曲を愛し、生涯で7曲を作曲。友人であったシューマン夫妻からも高く賞賛されています。このシリーズ第1 集には初期の第1番と円熟期の第7番を収録。抒情的でコントラストに富んだ第1番は軽快なリズムと清々 しい旋律が特徴。第7番はより洗練されたスタイルで、エネルギッシュで力強いテーマと、内省的なセクション が交互に現れる中、3つの楽器が巧みに対話を繰り広げます。古典派から現代まで幅広いレパートリーを持 つグールド・ピアノ・トリオの演奏で。
NAX-8.579159(1CD)
アルトゥル・マラフスキ:管弦楽作品集
アルトゥル・マラフスキ(1904-1957):序曲(1948)
交響的練習曲(1947)
グラル山岳民族の三部作(1949)(K. ヴィウコミルスキによる管弦楽編 1988)
小管弦楽のためのトッカータ(1947)
ポピュラー組曲(1952)
ベアタ・ビリンスカ(P)
アルトゥル・マラフスキPO
マリウシュ・スモリー(指)

録音:2024年1月3-5日
アルトゥル・マラフスキは、ポーランドの作曲家、ヴァイオリニスト、指揮者。若くしてヴァイオリンの名手として期 待されましたが、左手の怪我により演奏活動を断念し、教育と作曲に専念しました。クラクフ音楽院で教鞭 を執りながら再度作曲を学び、多くの優れた作曲家を育てました。1957年に53歳で急逝しましたが、彼の 作品は高く評価され、ポーランド現代音楽の発展に大きく貢献しています。マラフスキの管弦楽曲は、民族 的要素と力強い曲想を特徴とし、同時代の作曲家ルトスワフスキとの共通点が見られます。その音楽は、 多彩なリズムとコントラストの強い旋律の組み合わせが特徴で、強い印象を与えます。このアルバムには、ピ アノとオーケストラの対話が印象的な1947年の「交響的練習曲」、ソ連の影響下で書かれたにもかかわら ず独創的な表現に満ちた「ポピュラー組曲」、ルトワフスキ作品を思わせる「序曲」と「トッカータ」に加え、作 曲家によって破棄された「グラル山岳民族の三部作」を収録。こちらは1988年にチェロ奏者、指揮者、作 曲家のカジミエシュ・ヴィウコミルスキによって残存資料から再構成された作品です。
NAX-8.574628(1CD)
ジュゼッペ・マルトゥッチ:ピアノ作品集
やさしいロマンス(1889)
カプリッチョとセレナータ Op.57(1886)
6つの小品 Op.38(1878)*
ノットゥルノ「ミラノの思い出」 Op. 25(1875)*
メヌエットとテンポ・ディ・ガヴォット Op. 55(1880/88)*
やさしいソナタ Op.41(1878)*
3つのスケルツォ Op.53- 第2番ホ長調(1880)
2つの夜想曲 Op.70- 第1番変イ長調(1891)
6つの小品 Op.44- 第6曲 タランテッラ(1880)
舟歌第1番Op.20(1874)*
マッテオ・ジェネラーニ(P)

録音:2023年4月25-27日
*=世界初録音
ジュゼッペ・マルトゥッチは、19世紀後半のイタリア器楽音楽の復興に尽力した作曲家です。彼の管弦楽作 品はマーラーやトスカニーニから高く評価され、特にピアノ協奏曲は多くのファンを魅了しました。しかし、彼の ピアノ作品は、アルフレード・カゼッラから「サロン風である」と厳しく批判されたことも影響し、これまであまり演 奏されることはありませんでした。このアルバムには、ショパンやメンデルスゾーンの影響を受けたマズルカや夜 想曲、スカルラッティを思わせる「やさしいソナタ」、古典的な形式にロマン派の語法を採り入れた「メヌエットと テンポ・ディ・ガヴォット」、各々の曲にフランス語のタイトルが付けられた「6つの小品」、リストを思わせる「タラ ンテッラ」など、世界初録音を含む作品が収録されており、どの曲も優れたピアニストでもあったマルトゥッチな らではの優雅な旋律と華やかな技巧に彩られています。イタリアのピアニスト、マッテオ・ジェネラーニは、ジュ ゼッペ・マルトゥッチの研究者であり、彼のピアノ作品の演奏、録音、普及に尽力しています。
NAX-8.579167(1CD)
クリスティアン・カラーラ:作品集
クリスティアン・カラーラ(1977-):悪魔の橋(2021)
エヴリン(2016)
砂漠の花(2021)
4つの情緒(2021)
エリカ・ピッコッティ(Vc)
ソニア・プリーナ(C.A)
マッシモ・メルチェッリ(Fl)
FVGO
ニール・カバレッティ(指)

録音:2021年12且7-8日
※全て世界初録音
今やアルゼンチン・タンゴの象徴的存在であるバンドネオンですが、元をたどると1850年頃にドイツのクレー フェルトでハインリッヒ・バンドによって発明されたもの。そのクレーフェルトでは1985年からバンドネオン・フェス ティバルが行われています。2023年の同フェスティバルで受賞したマッサとパルフェノフのプロジェクト「バンドネ オン・ストーリー」は、ドイツで歌や民俗音楽の伴奏に使われていたバンドネオンが移民や船乗りによってブエ ノスアイレスに持ち込まれてタンゴ・アンサンブルの一部となり、やがて労働者階級の連帯の象徴になってゆく 過程を音楽で描いたものです。ピアソラの影響を強く感じさせるモダンでエモーショナルな音楽絵巻です。
NAX-8.579168(1CD)
クラリネットとギターのための21世紀作品集
ジャコモ・スザーニ(1995-):クラリネットとギターのためのソナタ(2022)*
アントニオ・ジャコメッティ(1957-):アマゾンの森の誇り高き叫びOp.191, Op. Br.31(2022)*
ジャン・フレイドリン(1944-):カフカ・ソナタ(2004)
ロベルト・シエッラ(1953-):クラリネットとギターのためのデュオ・ソナタ(2021)*
フレイドリン:Mist Over the Lake 湖にかかる霧(1985/1999)
アンドレアス・ヘルマンスキ(Cl)
エミリー・フェンド(G)

録音:2022年12且8-10日
*=世界初録音
ギターとクラリネットのデュオ作品の普及を目指し、現代作曲家に新たなレパートリーを委嘱しているアンドレ アス・ヘルマンスキとエミリー・フェンド。このアルバムでは、4人の作曲家による多彩な作品を演奏しています。 優れたギタリストでもあるスザーニのソナタは3つの楽章で構成されており、曲の中心を成すのは第2楽章。 第1楽章と第3楽章は軽快でリズミカルな響きの中に、第2楽章と共通のモチーフが展開されます。イタリアの ジャコメッティによる「アマゾンの森の誇り高き叫び」は、自然音を楽器で象徴的に表現し、アマゾンの危機を 描いています。ロシア出身のフレイドリンの「カフカ・ソナタ」は、暗く複雑な心理的風景を表現しており、「湖に かかる霧」は憂鬱でありながらも、抒情的な旋律が特徴です。プエルトリコの作曲家シエッラのデュオソナタ は、古典的な形式と現代的な音楽語法を融合させた作品です。 (Ki)
NAX-8.574561(1CD)
ヨハネス・ブラームス:歌曲全集 第6集
1-4.4つの二重唱曲 Op.28(1860-62)
14-21.8つのリートと歌 Op.58(1871年出版)
22-26.5つの歌 Op.72(1876-77)
エスター・ヴァレンティン=フィーグト(Ms)…1-6、8、10-13、22、23、25
コンスタンティン・インゲンパス(Br)…1-4、7、9、14-21、24、26
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:SWR ハンス・ロスバウト・スタジオ(ドイツ)
2023年6月5-7日…1-17、19、22、23、25、26
2023年8月28日…18、20、21、24
NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第6集には4曲の二重唱曲と、円熟期の独唱曲が収録されています。ブラームスは、独唱曲だけでなく二重唱曲 においても深い表現力を示しており、作曲家20代後半に書かれたOp. 28では、人間関係の複雑さ、愛の喜びと苦しみ、そして人生の深遠な問いが表 現されています。Op.69の「9つの歌」は詩の世界観を音楽で豊かに表現しており、文学作品との深い関わりが感じられるもの。Op. 58もさまざまな表情 を見せる曲集で「セレナード」ではイタリア的な軽やかさも感じられます。Op. 72はより個人的で内省的な内容を持ち全曲にわたり「人生の儚さ」が描かれ ています。ケルン音楽舞踊大学でマリオ・ホフとウルリッヒ・アイゼンロールに師事し2022年からはバイエルン放送合唱団のメンバーとして活動するエスター・ ヴァレンティン=フィーグトと、このシリーズで民謡曲集(8.574345、8.574346)を歌ったコンスタンティン・インゲンパスの演奏です。

NAXOS 2024年11月発売 (2)
NAX-8.574597(1CD)
ダニエル=フランソワ・オーベール:序曲集 第7集
歌劇「青銅の馬」 S.25序曲
歌劇「青銅の馬」 バレエ音楽 S.47…世界初録音
歌劇「妖精たちの湖」 S.32〜序曲/第3幕3人の王の行列…世界初録音/第3幕 学生のワルツ…世界初録音
歌劇「マルコ・スパダ」 S.43序曲
歌劇「マルコ・スパダ」 S.46第3幕 Pas de Mme Rosati
歌劇「ジェニー・ベル」 S.44序曲
歌劇「青銅の馬」 S.25序曲(E. フンパーディンク編)…世界初録音
ヤナーチェクPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2023年9月12-14日
かつてはロッシーニやスッペ作品と肩を並べるほどの人気を誇ったオーベールの歌劇。かのチャイコフスキーも高く評価したと伝えられますが、現在では一部を 除きほとんど上演されることがありません。そんなオーベールの序曲シリーズ、この第7集に収録されているのは「青銅の馬」を中心とした4作品の管弦楽曲。 「青銅の馬」は魔法の世界の神秘的な力が表現されており、1857年のオペラ・バレエ版に挿入されたバレエ音楽では、エキゾチックな中国趣味を味わえま す。詩的で優雅な「妖精の湖」はドイツで高く評価され、ワーグナーにも影響を与えました。彼はパリでこの作品を観ています。「マルコ・スパダ」は、完成度が 高く、最後まで緊張感を湛えたヴェルディを思わせる作品です。「ジェニー・ベル」の序曲が続き、最後に置かれているのはエンゲルベルト・フンパーディンクが 編曲した世界初録音となる「青銅の馬」の序曲です。オーケストレーションの違いをお楽しみください。
NAX-8.574486(1CD)
サントロ:ピアノ・ソナタ全集
クラウジオ・サントロ(1919-1989):ソナタ1942(1942)
ピアノ・ソナタ第1番(1945)
ピアノ・ソナタ第2番(1948)
ピアノ・ソナタ第3番(1955)
ピアノ・ソナタ第4番「ファンタジア」(1957)
ピアノ・ソナタ第5番(1988)
アレッサンドロ・サントロ(P)

録音:2021年4月18日、2021年8月2日、2022年2月25日
ブラジル外務省主導のプロジェクト「Brasil em Concerto」は、19世紀から20世紀にかけて作曲された 約100曲のブラジル音楽を、ブラジルのオーケストラが演奏・録音する企画です。今後は室内楽と声楽の録 音も追加される予定で、多くの作品が世界初録音となります。 このアルバムは、14曲の交響曲を遺したクラウジオ・サントロのピアノ・ソナタ全曲を収録した1枚です。サント ロが46年かけて作曲した6つのピアノ・ソナタは、彼の音楽的進化を記録するもの。20代前半の作品である 「ソナタ1942」は、初期の抒情的な作風によるものですが、1945年の第1番からは12音技法の使用が 始まり、やがてブラジル民族主義へと発展します。第4番では、ボサノバのリズムを予感させるフレーズも登場 し、晩年の第5番は彼が数十年にわたって使用してきたさまざまな表現法を総合したものです。これは初の サントロのピアノ・ソナタ全曲録音で、演奏者アレッサンドロ・サントロは作曲者の息子です。リオデジャネイロ 生まれのアレッサンドロ・サントロは、チャイコフスキー音楽院でピアノを学び、その後ハーグ王立音楽院でチェ ンバロの修士号を取得、同音楽院の教授に就任しました。現在はサンパウロ州立音楽学校(EMESP)で チェンバロと通奏低音の教授を務めています。また、ラ・プティット・バンドや18世紀オーケストラのメンバーとし てヨーロッパ各地で演奏し、デン・ハーグ・バロック・オーケストラの創設者でもあります。1989年以来、彼は 父の作品の編集と出版、およびヴァーチャル・アーカイブの管理を行っています。
NAX-8.574613(1CD)
フェルッチョ・ブゾーニ:ピアノ作品集 第13集
前奏曲とフーガ ハ短調 Op.21BV85
バッハ(1975-1750):カプリッチョ 変ロ長調「最愛の兄の旅立ちに」 BWV992(F. ブゾーニ編)
メヌエット・カプリチオーソ Op.61BV 124
ベートーヴェン:エコセーズ 変ホ長調 WoO86(F. ブゾーニによるコンサート・バージョン)
5部からなるピアノ練習曲集(初版) 第1部- 6つの練習曲と前奏曲より(1918年出版)
5部からなるピアノ練習曲集(初版) 第2部- 3つの練習曲と前奏曲より(1919年出版)
5部からなるピアノ練習曲集(初版) 第3部- 第3部「ロ・スタッカート」-第6番a メンデルスゾーンによる(夏の夜の夢より)(1921年出版)
5部からなるピアノ練習曲集(初版) 第5部- 無窮動(P・コンチェルティーノ Op.54BV292-第2楽章による)(1922年出版)
ヴォルフ・ハーデン(P)

録音:2023年10月26-27日
2000年に録音が開始された、ヴォルフ・ハーデンによるフェルッチョ・ブゾーニのピアノ作品集最終巻であるこ のアルバムには、初期と晩年という両端の作品を収録しています。初期の小品にはブゾーニが12歳の時に 作曲した「前奏曲とフーガ」や、同じく10代の「メヌエット・カプリチオーソ」の他、バッハやベートーヴェンの作品 を編曲したものが含まれており、原曲を尊重しつつその作りを分析して、魅力をさらに引き立てる絶妙なアレ ンジが楽しめます。晩年の「5部からなるピアノ練習曲集」からの抜粋には、自身が初期に作曲した作品の 編曲や他の作曲家の音楽が取り入れられており、彼のピアノ演奏におけるテクニックの粋が表現されたもの で、このシリーズの締めくくりとしてふさわしい内容と言えるでしょう。ヴォルフ・ハーデンの演奏は「ブゾーニ作品 における現在の明確な基準」として高く評価されています。
NAX-8.559944(1CD)
現代アメリカの合唱作品集
ジョセフ・トゥリン(1947-):そして再び紅い薔薇は美しく咲く(2018)
リチャード・エインホーン(1952-):The Luminous Ground 光る大地
(2023)
ジルダ・ライアンズ(1975-):モモトンボ(2022)
フレデリカ・フォン・シュターデ(Ms)
エリン・センセニグ(S)
ムジカ・ヴィーヴァ・NY合唱団
ムジカ・ヴィーヴァ・NYO
アレハンドロ・エルナンデス=バルデス(指)

録音:2023年12月5-6日
※全て世界初録音
このアルバムには、3曲の世界初録音となる合唱作品が収録されています。 ジョセフ・トゥリンは、ニューヨーク・フィルハーモニックやリンカーン・センターなどの著名な団体から委嘱を受ける 作曲家です。彼のカンタータ「そして再び紅い薔薇は美しく咲く」は、第一次世界大戦をテーマに、戦争で戦 い命を落とした人々の声を反映するために膨大な詩や手紙を調査し、選び出したテキストで構成されていま す。タイトルは、婚約者を戦争で失ったヴェラ・ブリテンの詩「Perhaps」の一節から取られており、この詩は名 歌手フレデリカ・フォン・シュターデによって歌われています。リチャード・エインホーンは、オペラ、映画音楽、バ レエ音楽など幅広いジャンルで活躍する作曲家です。彼の作品「光る大地」は、仏教哲学者ナーガール ジュナの思想にインスパイアされたもので、言葉のないコーラス、弦楽器、ピアノが絡み合い、瞑想的で徐々 に変化する響きを持つ音楽です。ジルダ・ライアンズは、作曲家、ヴォーカリスト、ビジュアルアーティストとし て、さまざまな音楽スタイルを融合した情感豊かな作品を生み出しており、その音楽は高く評価され、数多く のレーベルからリリースされています。この「モモトンボ」は、彼女の母親の故郷であるニカラグアの火山をテーマ にした合唱曲で、詩人ルベン・ダリオの詩からインスピレーションを受け、彼の詩や歴史的な資料を引用しな がら永遠に存在する火山と変わりゆく人間の命の対比を描いています。
NAX-8.660540(2CD)
マスネ:歌劇「エロディアード」 エロド王…エティエンヌ・デュピュイ(Br)
エロディアード…クレメンティーヌ・マルガイーネ(Ms)
サロメ…ニコール・カー(S)
ジャン…マシュー・ポレンザニ(T)
ファニュエル…マルコ・ミミカ(Bs-Br)
ヴィテリウス…ディーン・マーフィー(Br)
大司祭…カイル・ミラー(Br)
声…トーマス・チッルッフォ(T)
バビロニアの娘…スア・チョ(S)
ベルリン・ドイツ・オペラO&cho
エンリケ・マッツォーラ(指)

録音:2023年6月13、15、18日
ベルリン・ドイツ・オペラ
R・シュトラウスがサロメと洗礼者ヨハネを題材にしたオペラを作曲するはるか以前の1878年に、 マスネは同じ関係性を「エロディアード」で探求していました。しかし、オスカー・ワイルドが描いた残 忍な側面を持つサロメとは異なり、マスネのオペラでは、復讐心に燃えるエロディアード(サロメの母)が洗礼者 ジャンの首を要求し、無邪気で純真な娘サロメは主役ではありません。エロディアードは、母親であることをサ ロメに打ち明けられないという心理的葛藤を抱えており、夫エロド王はサロメに邪な恋愛感情を、そしてサロ メはジャンに恋愛感情を抱いています。こうした感情を濃密に描いたオペラの叙情的な内面性は、当時とし ては非常に革新的と見なされていました。このアルバムでエロディアードを歌うのはフランスのメゾ・ソプラノ、ク レマンティーヌ・マルガイーネ、エロド王をカナダのバリトン、エティエンヌ・デュプイ、サロメ役をオーストラリア出身 のソプラノ、ニコール・カーが演じています。
NAX-8.574558(1CD)
エーリヒ・ J・ヴォルフ(1874-1913):歌曲全集 第3集
ツェーザル・フライシュレンの「ヨースト・セイフライド」による9つの詩 Op.19(1909年出版)
リヒャルト・デーメルの6つの詩 Op.8-No. 1. Drum sollst du dulden, Mensch(1907年出版)
2つの歌曲 Op.10-No.1. Hyperions Schicksalslied(1907年出版)
フランツ・エヴァースの2つの詩 Op.11a ? No. 2. Der Steinklopfer(1907年出版)
様々な詩人による6つの歌 Op.13(1907年出版)より
 No.2. Tag meines Lebens
 No.5. Schliese mir die Augen beide
 No.6. Ich bin eine Harfe
6つの歌 Op.18- No.4. Todessehnen(1908年出版)
様々な詩人による7つの歌 Op.22? No. 1. Die alte Geige(1910年出版)
ペーター・ヤコブゼンによる6つの歌 Op. 26(1913年出版)より
  No.1. Landschaft
 No.3. Ewig
エミール・ファクトルの詩による8つの歌(1910-13年出版)より
 No.4. Der Wanderer
 No.6. Entsagung
 No.7. Dir
ゲオルク・フリードリヒ・ダウマーの「Hafis」による14の歌Op. 30(1910-13年出版)より
 No.11. Stark wie der Tod ist die Liebe
 No.12. Viel bin ich umhergewandert
 No.14. Wo ist der Ort, an dem du weilst?
ハンス・クリストフ・ベーゲマン(Br)
クラウス・ジモン(P)

録音:2023年5月30日-6月1日
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家で、シェーンベルクやツェムリンスキーと親交を結びました。彼は38歳の若さで亡くなるまでに、 少なくとも168曲の歌曲を作曲し、全て存命中に発表されて高く評価されましたが、現在では演奏の機会はほとんどありません。そこでNAXOSが全曲録 音をスタート。この第3集は、1909年の作品19の歌曲集で始まります。老境に達した男性が手の届かない若い女性に恋をするテーマが描かれ、春と若さ を象徴する明るい調性が多く使用されており、ヴォルフの後期ロマン主義的な作風を反映しています。また、リヒャルト・デーメルの詩による「Drum sollst du dulden, Mensch この理由から、おお、人よ」はヴォルフが書いたバリトンのための唯一の歌曲。他にはフリードリヒ・ニーチェやテオドール・シュトルムの 詩を基にした作品も含まれています。特にエヴァースの詩を用いた「Steinklopfer 石を砕く人」では、労働者階級の苦しみが繊細に描かれ、音楽的にも 強い印象を残します。生前、最後に出版されたヤコブゼンの詩を用いた歌曲集では印象派風の音楽が聴かれ、ペルシャの詩人ハーフィスの詩をダウマーが ドイツ語に翻訳したものを基にした14曲からなる歌曲集である作品30では、東洋的な音楽表現も試みられています。これら、ヴォルフの作品は人間の感 情の深淵を探求し、音楽的にも詩的にも非常に多様で奥深いものです。本作では、ハンス・クリストフ・ベーゲマンが巧みな歌唱を披露し、ブックレットに詳 細な解説(ドイツ語・英語)を寄せるクラウス・ジモンが見事な伴奏を付けています。
NAX-8.551464(1CD)
エーリッヒ・ツァイスル(1905-1959):歌曲集 第2集
5つの夜の歌
Stilleben 静物(1931)
Armkrautchen 小さなハープ(1931)
Der Tag erwacht 夜明け(1931)
Voglein Schwermut 憂鬱な小鳥 (1929)
Abendstimmung 夕暮れの雰囲気(1931)
Wiegenlied 子守歌(1928)
Das trunkene Lied 酔いしれた歌(1931)
Die funf Huhnerchen5羽の小さなニワトリ(1932)
Die Nichtgewesenen 存在しなかったものたち(1925)
Ein ganzes Leben ひとつの人生(1931)
ir ist so weh 私はとても辛い
Lass mich in deinen stillen Augen ruh’n 静かな君の目に私を休ませて(1931)
5つの黒人霊歌
Prayer 祈り (1945)
ミシェル・デヤング(Ms)
ジェレミー・リーガー(P)

録音:2021年9月15-16日
エーリヒ・ツァイスルはウィーンのユダヤ人家庭に生まれ、幼少期から音楽の才能を示しました。14歳でウィーン音楽院に入学し、リヒャルト・シュテールらに師 事、1920年代にはウィーンで作曲家として成功しましたが、1938年のドイツによるオーストリア併合によりキャリアが崩壊し、アメリカに亡命します。アメリカ ではハンス・アイスラーの紹介で映画音楽に携わりましたが、製作主との主張の違いなどの理由で、その才能を十分に発揮することはできなかったようです。 亡命後、彼はリートの作曲をやめましたが、1940年代にはユダヤ音楽に関心を向け、ホロコースト犠牲者に捧げた「ヘブライ・レクイエム」を作曲しました。 「5つの黒人霊歌」もこの時期の作品です。ウィーン時代に作曲された100曲近いリートは、夜や死、皮肉やユーモアをテーマにしたものが多く、いずれも後 期ロマン主義の伝統に則った旋律豊かな作品です。ミシェル・デヤングはグラミー賞受賞経験もあるメゾ・ソプラノ。マーラーやワーグナーなどの後期ロマン派 作品やバーンスタインの「エレミア」などの歌唱が高く評価されています。

NAXOS 2024年11月発売 (1)
NAX-8.559954(1CD)
アイヴズ:管弦楽作品集
1. ラグタイム・ダンス第1番(J. シンクレア編 2022)
2. ラグタイム・ダンス第2番(J. シンクレア編 2022)
3. ラグタイム・ダンス第3番(J. シンクレア編 2022)
4. ラグタイム・ダンス第4番(J. シンクレア編 2022)
5.4つの調によるフーガ「輝く岸辺」(J. カークパトリック編)
6. 池(J. シンクレア編)
7. 虹(J. シンクレアによるフルート、コールアングレ、ハープ、オルガンと弦楽編)*
8. 錯乱した古き歌(K. シングルトン編)
9. ダンベリー・フェアのためのスキット(J. シンクレア編)*
10. かぎ付きゴングとはしご「メイン・ストリートの消防士のパレード」(J. シンクレアによる管弦楽編)
11. Chromatimelodtune (K. シングルトン編)
12. 音の道第1番(R. スウィフトによる室内オーケストラ編)
13. 音の道第3番(J. シンクレア編)
14. 未完の作品と断片集(K. シングルトン、J. シンクレアによる管弦楽編)*
15. 行進曲第2番「ギャンボリーの息子」(K. シングルトン編)
16. 行進曲第3番「ケンタッキーの我が家」(K. シングルトン編)
17. 行進曲「サーカス・バンド」(K. シングルトン編)*
18. シューベルト:3つの軍隊行進曲 Op.51, D.733- 第1番ニ長調(C.アイヴズによる管弦楽編、J. シンクレアによる補筆完成版)
19. シューマン:謝肉祭 Op.9- 第4曲 高貴なワルツ(C. アイヴズ、J. シンクレアによる管弦楽編)*
20. シューベルト:4つの即興曲 Op.90D.899 - 第1番ハ短調
オーケストラ・ニュー・イングランド…1-17
ナバラSO…18-20
ジェイムズ・シンクレア(指)

録音:2023年10月24-25日、2024年3月12-14日
*…世界初録音
チャールズ・アイヴズの多彩な小品コレクション。このアルバムには、7曲の世界初演作を含む彼の代表的なラグタイムや行進曲など、様々な作品が収録さ れています。賛美歌の旋律をラグタイムに取り入れた「ラグタイム・ダンス」や、十二音技法を使用し、絶え間ないピアノのアルペジオに乗って弦楽器や管楽 器が独自の旋律を奏でる実験的でユニークな作品「Chromatimelodtune(クロマティック、タイム、メロディー、チューンを組み合わせた造語)」や「4つの 調によるフーガ」も、多調性を取り入れたアイヴズの音楽の特徴を示しています。 さらに、「池」や「虹」といった作品では、多彩な楽器が使用され、アイヴズの創造性が発揮されています。特に「虹」は、ウィリアム・ワーズワースの詩から想起 された、詩的な表現が反映された曲です。また、「An Old Song Deranged 錯乱した古き歌」は、アイヴズが母親に捧げた美しい歌曲を編曲したもの。 他には彼が手がけたシューベルトの行進曲やシューマンのワルツの編曲も含まれています。演奏は、アイヴズ研究の第一人者であるジェイムズ・シンクレアが 指揮するオーケストラ・ニュー・イングランド(または一部はナバラSO)によるもので、曲ごとに最適な編成が組まれ、作品への深い理解と愛情に裏打ち された素晴らしい演奏を楽しめます。
NAX-8.574587(1CD)
フォーレ:ヴァイオリン協奏曲より、子守歌、エレジー 他
歌劇「ペネロープ」 - 前奏曲(1913)
. ヴァイオリン協奏曲 二短調 Op.14- 第1楽章 アレグロ(1878-79未完)
子守歌 Op.16(1878-79/ヴァイオリンと管弦楽版 1880)
エレジーOp.24(1880/チェロと管弦楽版1901出版)
ロマンス 変ロ長調 Op.28(1877)(P. ゴーベールによるヴァイオリンと管弦楽編 1913)
幻想曲 Op.79(1898)(L. オーベールによるフルートと管弦楽編 1957)
ドリー組曲 Op.56(1893-96)(H. ラボーによる管弦楽編 1906)
ピエール・フシュヌレ(Vn)
マーティン・ジョンソン(Vc)
カトリオーナ・ライアン(Fl)
アイルランド国立SO
ジャン=リュック・タンゴー(指)

録音:2023年7月12-14日、2024年1月6-9日…1、4
フォーレの隠れた名作で、唯一の歌劇「ペネロープ」からの前奏曲と、未完となったヴァイオリン協奏曲に加 え、彼のピアノ曲や器楽曲を、他の作曲家たちがオーケストラ版に編曲した作品を収録した1枚。 1878年 から79年にかけて書かれたヴァイオリン協奏曲は、第1楽章と第2楽章が完成したものの、現存するのは第 1楽章のみ。この第1楽章の素材は弦楽四重奏曲の元になり、失われた第2楽章は後年「アンダンテ」作品 75として改作されました。このアルバムではフランスの人気ヴァイオリニスト、ピエール・フシュヌレがソリストとし て演奏。伸びやかな美音を生かし、フォーレならではの美しい旋律を歌わせています。 他には子守歌やエレジーなどの人気作と、ピアノ・デュオの名作「ドリー組曲」のオーケストラ版も収録。
NAX-8.660531(3CD)
ブゾーニ:歌劇「ドクトル・ファウスト」 ドクトル・ファウスト…ディートリヒ・ヘンシェル(Br)
メフィストフェレス…ダニエル・ブレンナ(T)
ワーグナー/式部官.…ヴィルヘルム・シュヴィングハマー(Bs)
パルマ公爵/兵士…ジョセフ・ダーダー(T)
パルマ公爵夫人…オルガ・ベスメルトナ(S) 他
アンドレア・ゼヴェリ(Org)
フィレンツェ五月音楽祭O&cho
コルネリウス・マイスター(指)

録音:2023年2月14日(ライヴ)
フィレンツェ五月音楽祭歌劇場(イタリア)
フェルッチョ・ブゾーニ没後100年を記念する特別企画!19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した多 才な音楽家、ブゾーニの代表作である「ドクトル・ファウスト」は、中世のファウスト伝説とクリストファー・マーロ ウの戯曲『フォースタス博士』を基にしています。ブゾーニは自ら台本を執筆しましたが、彼の死によって未完 のまま遺されました。作品は1925年に弟子のフィリップ・ヤルナッハによって完成され、ドレスデンで初演され ました。ブゾーニの作風はR・シュトラウスやピエトロ・マスカーニとは異なり、「起こり得ないことの現実 性による劇作法」を掲げ、その独自性が再評価されています。1997年、リヨン歌劇場でファウスト役を演じ て以来、この役を嵌まり役とするディートリヒ・ヘンシェル、加えてウィーン国立歌劇場でそのキャリアを築いてき た、パルマ公爵夫人役のオルガ・ベスメルトナを始めとした粒ぞろいの歌手たちを起用。近現代の作品をその 中心レパートリーとするコルネリウス・マイスターの雄弁なタクトが、複雑に構成されたブゾーニの音楽から劇的 な響きと抒情的な陰影を見事に引き出しています。
NAX-8.574505(1CD)
ヴィットーリオ・リエーティ(1898-1994):ピアノ協奏曲第1番(1926)*
ピアノ協奏曲第2番(1937)*
ピアノ協奏曲第3番(1955年初稿版)*
2台のピアノのための協奏曲(1951)#
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
オラツィオ・ショルティーノ(P)#
ミラノSO
ジュゼッペ・グラツィオーリ(指)

録音:2022年8月20-21日、2023年8月17-20日
*…世界初録音
ヴィットーリオ・リエーティはイタリア移民の第3世代としてエジプトで生まれ、第一次世界大戦後にイタリアに 移住し、レスピーギやカゼッラに作曲を学びました。1925年にはパリで更なる研鑽を積み、バランシンのため にバレエ曲を作曲、その後は1940年にアメリカに移住し、1944年に市民権を取得します。以降、アメリカと ヨーロッパを行き来しながら、管弦楽曲、室内楽、映画音楽など多様なジャンルの作品を書き上げました。 このアルバムには彼の全ピアノ協奏曲を収録。ピアノ協奏曲第1番は、1920年代のパリで書かれ、プーラン クに捧げられました。曲の明るい雰囲気はリエティ自身の結婚と息子ファビオの誕生の喜びが反映されていま す。第2番は、もともとワンダ・ランドフスカのためのチェンバロ協奏曲として作曲されましたが、後にピアノ協奏 曲として改作されました。第3番のピアノ協奏曲は、深い感情を込めた緩徐楽章が特徴的で、ここでは改作 される前の初稿版が演奏されています。一方、2台のピアノとオーケストラのための協奏曲は、映画音楽を 思わせるテーマを取り入れた溢れるような活力に満ちた作品です。
NAX-8.574677(1CD)
ウクライナのクリスマス
1-4. ウクライナの伝承キャロル
 1. Po vsiomu svitu 世界中に朗報を
 2. Dobryi vechir tobi! あなたに良い夜を
 3. Shcho to za predyvo 何と素晴らしいこと
 4. Boh sia rozhdaie 御子が生まれた
5. ヴァシル・ズダンキン(1958-2019):Narodyvsia Boh na saniakh そりに乗って神は生まれた(1988)
6-9. ウクライナの伝承キャロル
 6. Nova radist' stala 新たな喜びが生まれた
 7. Slava vo vyshnikh Bohu 至高なる神に栄光あれ
 8. Pavochka khodyt' 孔雀の散歩
 9. Malanka マランカ
10. ボーダン・クリヴォプスト(1975-):Fantasia 幻想曲(2023)
11. グルーバー(1787-1863):きよしこの夜(1818)
12. ウクライナの伝承キャロル:Shchedryi vechir 豊かな夕べ

※全てボーダン・クリヴォプストによるヴァイオリンと管弦楽編
ソロミヤ・イヴァヒフ(Vn)
リヴィウ国立フィルハーモニーSO
セルヒー・ホロヴェツ(指)

録音:2023年11月25-26日、2024年2月22-23日
Liudkevych Hall, Myroslav Skoryk Lviv National
Philharmonic, Lviv(ウクライナ)
世界初録音
ウクライナには長く活気に満ちたクリスマスキャロルの伝統があり、そのメロディーと意味は、今、これまで以上に国民の心の中で重要な位置を占めています。 キャロルの多くは、さまざまなテーマを持っていますが、どれも天上と地上の美しさと、救世主の到来への感謝という共通の想いで結びついています。このアル バムでは、ウクライナの作曲家ボーダン・クリヴォプストが伝統のキャロルに華やかなアレンジを加え、ヴァイオリニスト、イヴァヒフが演奏。旋律の美しさを引き立 てるとともに、祝祭ムードを盛り上げます。アルバムにはクリヴォプスト自身の「幻想曲」と、誰もが知っている「きよしこの夜」も収録されています。
NAX-8.574588(1CD)

NYCX-10498(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
リスト・フェイヴァリッツ(日本語解説付)
1.19のハンガリー狂詩曲 S244/R106- 第2番 嬰ハ短調*
2. 愛の夢 S541/R211- 第3番夜想曲 変イ長調
3. シューベルトの12の歌 S558/R243- 第4曲 魔王*
4. シューベルト:白鳥の歌 S560/R245- 第7曲 セレナード*
5.4つの忘れられたワルツ S215/R37- 忘れられたワルツ第1番
6. 即興ワルツ S213/R36*
7. コンソレーション(慰め)S172/R12- 第3番 変ニ長調(レント・プラーチド)
8. リゴレット・パラフレーズ S434/R267*
9. 巡礼の年 第2年 イタリア S161/R10b - 第5曲 ペトラルカのソネット第104番*
10. 巡礼の年 第2年 イタリア S161/R10b - 第7曲 ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
11. 巡礼の年 第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ S162/R10- 第3曲 タランテッラ*
12. パガニーニによる大練習曲 S141/R3b - 第2番 変ホ長調*
13. パガニーニによる大練習曲 S141/R3b - 第3番 嬰ト短調「ラ・カンパネッラ(鐘)」*
*…ゴラン・フィリペツ版
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2024年1月3-4日
ゴラン・フィリペツはリスト作品の研究と演奏で特に名高いヴィルトゥオーゾタイプのピアニスト。ジュネーヴ・フランツ・リスト協会の共同創設者で会長を 務め、『リスト:パガニーニ練習曲』(国内仕様盤 NYCX-10139/輸入盤8.573458)と『リスト:ハンガリー幻想 曲』(NYCX-10188国内仕 様盤/8.573866輸入盤)の録音はブダペスト・リスト協会のグラン・プリを受賞しました。このアルバムは彼の「お気に入り」を集めた1枚。フィリペツは 往時の名ピアニストたちが即興やトランスクリプション(編曲、アレンジ)を重視していたことに基づき、楽譜通りの演奏にこだわらず「創造的精神に基づ く自由なアレンジ」を加えて弾くことで作品に生命を吹き込むことをモットーにしていますが、もともと演奏難度の高いこれらの作品においても華麗なパッ セージが一層引き立つように様々なアレンジを加え、作品の新たな魅力を引き出しています。アルバムの最後に置かれた「ラ・カンパネッラ」では2つの 版を組み合わせ、自由な装飾を施したアレンジが聴き圧巻です。リスト・ファン、ピアノ音楽ファン注目の一品です。
※国内仕様盤にはゴラン・フィリペツによる原盤解説の日本語訳が付属いたします。

NAXOS 2024年10月発売 (3)
NAX-8.574564(1CD)
ジョン・ラター:ブラス・アット・クリスマス
ジョン・ラター(1945-):
1. 手を打ち鳴らせ(1973)*
2. 天使のキャロル(1988)
3. 東方三博士のキャロル(2009)
4. リジョイス・アンド・ビー・メリー(2004)
5. こころみの世にあれど(1989)
6. スター・キャロル(1972)
7. おやすみ、イエスよ(1999)
8. 降誕のキャロル(1963)*
9. 伝承曲:ヒア・ウィ・カム・ア・ワッセイリング
10. ニュー・イヤー(2006)
11. 羊飼いの唄うキャロル(1965)
12. クリスマスの子守歌(1989)
13. 御子イエス(1973)
14. キャンドルライト・キャロル(1984)
15. テ・デウム(1988)*
16. 伝承曲:クリスマスおめでとう

L. ヴェルトメンによる合唱とブラスバンド編…1、8、15
L. ヴェルトメンによるブラスバンド編…2-7、10、14
J. ラター、L. ヴェルトメンによる合唱とブラスバンド編…9
P. グレーアムによるブラスバンド編…11
J. クレイによるブラスバンド編…12
E. ウィルソンによるブラスバンド編…13
J. ラター、E. ウィルソンによる合唱とブラスバンド編…16
ブラック・ダイク・バンド
シェフィールド・フィルハーモニーcho…1、8、15
ニコラス・チャイルズ(指)
ダリウス・バッティワラ(指)*

録音:2023年6月26日、2023年11月9日、2023年11月20日
美しい旋律と豊かなハーモニーが広く愛されている英国の作曲家ジョン・ラターのキャロルを、1855年からの長い歴史を持ち、世界で最も成功したブラスバンド の一つ、ブラック・ダイク・バンドが演奏。このアルバムでは、ラターの名クリスマスキャロルをブラスバンド用に新しくアレンジ。それぞれ異なる歴史や背景を持ち、合 唱やオーケストラで繰り返し演奏されてた作品に新しい生命が吹き込まれています。アルバムは輝かしい「手を打ち鳴らせ」で始まり、伝承曲「クリスマスおめでと う(We Wish You a Merry Christmas)」の見事なアレンジで締めくくられます。クリスマスを彩る華やかな1枚です。
NAX-8.504059(4CD)
NX-D05
フランツ・シュミット:交響曲全集、管弦楽曲集

■CD1
交響曲第1番ホ長調(1896-99)
歌劇「ノートルダム」 Op.2(1903) より第1幕:序曲/ 第1幕:間奏曲/第1幕:謝肉祭の音楽
■CD2
交響曲第2番変ホ長調(1911-13)
荘厳なフーガ(1937)- オルガン,16管楽器とパーカッションのために
■CD3
交響曲第3番イ長調(1927-28)
シャコンヌ ニ短調(原曲:オルガン1925/管弦楽編 1931)
■CD4
交響曲第4番ハ長調(1932-33)
軽騎兵の歌による変奏曲(1930)
マルメSO
ヴァシリー・シナイスキー(指)
■CD1
アンデシュ・ヨンソン(Org)
録音:2007年8月22-23日、2007年8月27-30日マルメ・コンサートホール(スウェーデン)
■CD2
録音:2007年5月28日-6月1日 マルメ・コンサートホール(スウェーデン)、2007年8月24-25日 St Petri Church, マルメ(スウェーデン)
■CD3
録音:2008年8月25-30日、2009年6月2-3日マルメ・コンサートホール(スウェーデン)
■CD4
録音:2008年5月26-31日、2009年6月4-5日マルメ・コンサートホール(スウェーデン)
シェーンベルクと同じ年に生まれ、ウィーン音楽院でブルックナーに学んだフランツ・シュミット。1899年から1933年にかけて作曲された4曲の交響曲は、オース トリア・ドイツ音楽の伝統を踏襲しながら、彼が終生憧れを抱いていたロマン派への傾倒も感じられます。対位法の巧みさが光る交響曲第1番、第2楽章に精 巧な変奏曲が置かれた第2番、1928年「シューベルト没後100周年記念式典」のために書かれた第3番、娘エマへのレクイエムでもある深い悲しみが全体を 支配する第4番。それぞれの作品に、歌劇「ノートル・ダム」からの管弦楽曲や軽騎兵の歌による変奏曲、シャコンヌなど主要な管弦楽作品を併せて収録して います。 ヴァシリー・シナイスキーとマルメSOによる、2008年から2009年のこの一連の録音はBBC ミュージック マガジンなど各誌で高い評価を受けました。
NAX-8.574646(1CD)
ホルンの黄金時代2つのホルンのための協奏曲集
フリードリヒ・ヴィット(1770-1836):2つのホルンのための協奏曲(第3番) ヘ長調 (1797)
フランツ・アントン・ホフマイスター:2つのホルンのための協奏曲第3番 変ホ長調(1783)*…世界初録音
レオポルド・モーツァルト:2つのホルンのための協奏曲 変ホ長調(1752)**
フランチシェク・クサヴァー・ポコルニー(1729-1794):2つのホルンのための協奏曲 ヘ長調(作曲年不詳)#
ヤチェク・ムズィク(第1ホルン)
ダニエル・ケルデレヴィチ(第2ホルン)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2022年3月17日、2023年9月27日*、2022年3月16日**、2022年3月20日#
狩猟時の信号用楽器を原点とするホルンは、18世紀になるとソロ楽器としての地位を確立し、ハイドンやモー ツァルトをはじめとする数多くの作曲家たちがホルンのための作品を作曲、その中には2本以上のホルンのため の作品も多く含まれます。このアルバムに収録されたホルン協奏曲は、いずれも当時のホルン奏者の技術的進 歩と作曲技法の充実を示しています。ベートーヴェンと同じ年に生まれたフリードリヒ・ヴィットの作品は、力強い 第1楽章、優雅なロマンス、舞曲を思わせる終楽章で構成されており、ホフマイスターの作品は、親しみやすい テーマと技巧的な展開を特徴としています。レオポルト・モーツァルトの協奏曲では、ホルンと弦楽器が緊密に 絡み合い、軽快なリズムと技巧的な要素が加わっています。ポコルニーのヘ長調の協奏曲は、2本のフルート がソロ・パートに彩りを加え、優雅なラルゲットが生き生きとした楽章に挟まれています。 バッファロー・フィルの首 席ホルン奏者ヤチェク・ムズィクと副首席ホルン奏者ダニエル・ケルデレヴィチが巧みなソロを披露します。
NAX-8.574537(1CD)
東ドイツのフルート協奏曲集
ギュンター・コーハン(1930-2009):フルート・コンチェルティーノ(1964)
ギスベルト・ネーター(1948-2021):フルート協奏曲 Op.125(2007)
ジークフリート・マトゥス(1934-2021):フルート協奏曲(1978)
クラウディア・シュタイン(Fl)
フランクフルト・ブランデンブルク州立O
デイヴィッド・ロバート・コールマン(指)

録音:2023年2月16-18日
※全て世界初録音
ドレスデン育ちのフルート奏者クラウディア・シュタインが自身のルーツに関わる作品を紹介する1枚。シュタイン は23歳の時にバレンボイムからベルリン・シュターツカペレの首席奏者にスカウトされた名手で、ここでは東ドイツ の時代を経験した作曲家によるフルート協奏曲を収録しています。 ギュンター・コーハンのコンチェルティーノは新古典主義の影響を受けつつも、現代的な和声を用いたユニークな 作品。比較的シンプルなソナタ形式の第1楽章から始まり、表情豊かなアンダンティーノと活発なヴィヴァーチェ で締めくくられます。ギスベルト・ネーターの協奏曲はシュタインのために書かれた作品で、古典派の作曲家ヨハ ン・ヨアヒム・クヴァンツの影響を受けつつも、現代的な内容と表現が特徴です。音楽全体はフルートが支配 し、軽やかなパッセージを伴う動きのある第1楽章や静かなアンダンテなど、変化に富んだ構成を持っています。 ジークフリート・マトゥスの作品は、5楽章構成。セリエル要素を用いた音楽で、ソリストとオーケストラの変化す る関係を描写しています。
NAX-8.660563(2CD)
パイジェッロ:歌劇「見せかけの恋人」 カミレッタ…エレーナ・ツェトコヴァ(S)
ジェリーノ…ダニエーレ・デ・プロスペーリ(T)
ドン・ジローネ…アントワーヌ・ベルネム(Br)
エストリンO
ステファノ・パリッセ(チェンバロ・指揮)

録音:2019年4月8-11、13日テルブルク(ロシア)
※世界初録音
ジョヴァンニ・パイジェッロは、18世紀後半のイタリアで活躍したオペラ作曲家。80以上の歌劇を作曲し、その 中にはモーツァルトに匹敵すると評価される作品も含まれます。 1776年、ナポリで成功を収めていたパイジェッロは、トンマーゾ・トラエッタの後任として、ロシアのエカチェリーナ2 世によりサンクトペテルブルクの宮廷指揮者に任命されました。同地では聴衆に分かりやすい音楽が求められ たため、ロシア滞在中にその作風は変化、目も眩むような超絶技巧を駆使した華やかな作品が次々と生まれ ました。この歌劇「見せかけの恋人」は、ロシア時代の作品で、登場人物は3人のみ。カミレッタが恋人のジェ リーノとともに、年配で裕福なドン・ジローネを騙し、危険な結果を招く画策に巻き込んでいくというコメディが、 パイジェッロの生来の劇的感覚によって見事に描かれています。作品所縁の地での上演を収録したアルバムで す。
NAX-8.573089(1CD)
シューベルト:ピアノのための舞曲集
34の感傷的なワルツ Op.50D779
12の高雅なワルツ Op.77D969
ワルツ(アルバムブラット)ト長調 D844
12のグラーツのワルツ Op.91D924
16のドイツ舞曲Op.83D783
ワルツ 変イ長調 D978
ワルツ ト長調 D979
2つのワルツ D980
ワルツ ハ長調 D980d
3つのドイツ舞曲 D972
2つのドイツ舞曲 D974
ドイツ舞曲 ニ長調 D975
ドイツ舞曲とトリオ ホ長調 D135
2つの舞曲のスケッチ D980e
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第8番 ニ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第9番 ニ長調(early version)
20のワルツ Op.127D146:ワルツ第2番イ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779
- ワルツ第12番ニ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779
- ワルツ第14番ニ長調(early version)
16のドイツ舞曲と2つのエコセーズ Op.33D 783  - ドイツ舞曲第6番変ロ長調(early version)
20のワルツ Op.127D146- ワルツ第13番ハ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第1番 ロ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第2番 ロ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第4番 ト長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第33番 変イ長調(early version)
20のワルツ Op.127D146:ワルツ第5番ヘ長調(第2稿)
2つのメヌエットからの主題 D. deest (断章)
98.2つのメヌエットからの主題 D. deest (断章)
クッペルヴィーザー・ワルツ D. AI/14(R・シュトラウス編)
ドミニク・ケリ(P)

録音:2022年22-24日
シューベルト自身はあまりダンスを踊らなかったと言われていますが、パーティや友人たちの集まりの際には率先してピアノを演奏し、場を盛り上げる作品を提供 しました。このアルバムでは、ワルツやレントラーといった軽やかなダンス曲に焦点を当て、シューベルトならではの美しくバランスの取れた旋律美を楽しむことができ ます。どの曲もほとんど1分以内と短いながら、調性の変化にも細心の注意が払われており、技術的には比較的容易に演奏できるため、ピアニストにとっても親 しみやすいものばかりです。また、「34の感傷的なワルツ」の初期稿が含まれている他、アルバムの最後には1943年にR・シュトラウスが編曲した「クッペ ルヴィーザー・ワルツ」も収録されています。ドミニク・ケリはアメリカ合衆国セントルイス生まれ。ジェームズ・コンロンやジェラード・シュワルツをはじめとする指揮者と 共に、アメリカ国内の数多くのオーケストラと共演しており、リサイタルも多数行っています。また、ヴィジェイ・グプタ、増田喜嘉とともにダルシャン・トリオの一員とし ても活躍しています。

NAXOS 2024年10月発売 (2)
NAX-8.574570(1CD)
フォーレ&プーランク
フォーレ:バラード 嬰ヘ長調 Op. 19(Pと管弦楽版)
プーランク:ピアノ協奏曲 FP146)
フォーレ:幻想曲 Op.111
プーランク:オーバード FP51
ロマン・デシャルム(P)
マルメ歌劇場O
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2023年8月29日-9月2日
マルメ歌劇場(スウェーデン)
フォーレとプーランク、フランスの二人の作曲家によるピアノとオーケストラの作品集。フォーレのバラードは優雅で控え目な雰囲気で始まるも、最後はリストを思 わせる華やかなパッセージで曲を閉じます。幻想曲は円熟期の作品らしく、ピアノの動きは控え目ながらもフォーレ独自の和声進行が用いられた流麗な旋律を 持っています。「オーバード」はピアノと18の楽器のために書かれた舞踏を伴う作品。神話のエピソードを元にしたシナリオをプーランク自身が作って作曲しまし た。ストラヴィンスキーの影響が垣間見えます。 2006年に開催されたダブリン国際ピアノコンクールの優勝者で、NAXOSにはサン=サーンスのピアノ協奏曲全集などの録音がある名手、ロマン・デシャルムが 端正なピアニズムで作品の魅力を引き出しています。
NAX-8.551473(1CD)
R・シュトラウス:ホルン協奏曲集
ホルン協奏曲第1番変ホ長調 Op.11TrV117
アンダンテ ハ長調 TrV155(ラルス・オプファーマンによるホルンと室内オーケストラ編)
4つの最後の歌 TrV296(エベルハルト・クロークによ室内オーケストラ編)*
アルプホルン TrV64(L. オプファーマンによるソプラノ、ホルンと室内オーケストラ編)
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 TrV283
クリストフ・エス(Hrn)
ソーニャ・ゴルニク(S)*
アーヘンSO
クリストファー・ウォード(指)

録音:2019-2023年
18歳のR・シュトラウスが作曲した「ホルン協奏曲第1番」は、ミュンヘン宮廷楽団の首席ホルン奏者を 務めた父フランツに捧げられた作品です。シュトラウスは幼い頃からホルンに親しみ、12歳の時に「アルプホル ン」、24歳の時に「アンダンテ」を作曲(このアルバムにはL. オプファーマンによる室内オーケストラ伴奏版が収録 されています)、また以降のオーケストラ作品でもホルンは重要な役割を果たしており、この楽器に深い愛着を 抱いていたことが感じられます。老境に差し掛かったシュトラウスは、2番目のホルン協奏曲を完成させ、「父の 思い出に捧ぐ」として1943年にザルツブルク音楽祭で初演。この協奏曲は第1番と同じ変ホ長調で書かれて おり、モーツァルトを思わせる懐古的な曲調の中で、ホルンが超絶技巧を駆使して旋律を堂々と歌い上げる、 若々しいダイナミズムを持った作品です。エーベルハルト・クロークによる室内オーケストラのための『4つの最後の 歌』の編曲は、この晩年の名作に透明感溢れる新たな魅力を加えています。「九月」の最後のホルン・ソロも 印象的。 独奏はバンベルクSOの首席ホルン奏者を務めるクリストフ・エス。ミュンヘン国際音楽コンクール (ARD)、R・シュトラウス・コンクールなど、多くの国際コンクールで賞を受賞、2010年にはホルン四重奏 団「ジャーマン・ホルンサウンド」を創設し、室内楽奏者としても活躍しています。
NAX-8.579151(1CD)
イェ・シャオガン(1955-):消失的銀杏 Op.92(2019/2023年改訂版)
言葉のない告別の歌 Op.61B(2010/18)
ユー・ユアンチュン(琵琶)
リュー・ツェシャン(京胡)
チェン・ホンファン(笛)
北京オペラ・パーカッション(アンサンブル)
杭州PO
ヤンヤン(指)

録音:2023年5月29-31日
※全て世界初録音
1955年に上海で生まれたイェ・シャオガンは、現代中国を代表する作曲家の一人です。彼は、自作に中国 の民間伝承のエピソードや風景、自然などのモチーフを取り入れることで知られ、演奏会用の音楽だけでなく、 数多くの映画音楽でも権威ある賞を受賞するなど、その作品は高く評価されています。 このアルバムには2つの作品を収録。「言葉のない告別の歌」は、精緻で美しいメロディーと洗練されたオーケス トレーションが特徴で、芸術的創造のインスピレーションや死というテーマに深く迫ったストーリー性のある作品で す。琵琶や京胡、笛など、中国の伝統的な楽器が巧みに用いられています。 「消失的銀杏」は、イェ・シャオガンが愛する「イチョウの木」をモチーフにした植物シリーズの最新作。優雅で繊 細な音色の変化が美しいこの曲には、中国に数億年前から存在するイチョウへの想いが込められるとともに、 未知のものに対する人間の探究心と好奇心、そして人間と自然の相互依存への関心、さらに人間の心の奥 底にある美への深い洞察が表現されています。
NAX-8.551467(1CD)
イタリア・バロックのトランペット協奏曲集
1-3. ヴィヴァルディ:協奏曲 ニ長調 RV230- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
4-7. アンドレア・グロッシ(1660頃-1696):5声のソナタ Op.3No.11- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
8-13. ツィポーリ:組曲 ヘ長調- トランペット、オルガンと弦楽合奏のために(アネッテ・ラウスによるトランペット編)
14-18. コレッリ:4声のソナタ ニ長調 WoO4- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
19-21. ドメニコ・ナタレ・サッリ(サッロ)(1679-1744):歌劇「Le gare generose 勇敢なる競演」よりシンフォニア ニ長調- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために…世界初録音
22-24. アルビノーニ:トランペット協奏曲 変ロ長調 Op.7No.3(原曲:オーボエ協奏曲)
25-27. バルダッサーレ(1680頃-1768):ソナタ第1番 ヘ長調- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
28-30. トレッリ(1658-1709):ソナタ ニ長調(G13)- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
31-33. トレッリ:トランペットを伴うシンフォニア G.14- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
トーマス・ライナー(Tp)
インテルプレーティ・ヴェネツィアーニ(ヴェネツィア室内合奏団)

録音:2021年9月20日、2023年9月4-6日、10月30-31日
前作『ドイツ・バロックのトランペット協奏曲集』(8.551419)の演奏がFanfare誌によって「第一級で活気に 満ちている」と評されたトーマス・ライナー。今作ではイタリア・バロックの作品に挑みます。いずれも速い楽章での 華麗な技巧と緩徐楽章での息の長い歌がききものです。アルビノーニの見事な装飾音や、ヴィヴァルディの協 奏曲で聴かれる輝かしい技巧など、それぞれの作曲家のユニークな個性が前面に表れています。また、ドメニ コ・サッリの「シンフォニア」は世界初録音となります。 トーマス・ライナーは1969年ドイツ生まれ。12歳の時にモーリス・アンドレの演奏に触れたことで奏者を志し、活 躍してきました。バックをつとめるインテルプレーティ・ヴェネツィアーニ(ヴェネツィア室内合奏団)は1987年創設 のヴェネツィアのモダン楽器アンサンブル。ヴィヴァルディの作品を得意とするほか、現代作品や古典派作品の演 奏にも定評があります。
NAX-8.574160(1CD)
レスピーギ:管弦楽伴奏歌曲集
子守歌, P.38(1902)(S. ディ・ヴィットリオ編)
3つの歌曲 P.99a(1906-12/1913オーケストラ伴奏編未完)(S. ディ・ヴィットリオによる声と管弦楽編補筆)…この版による全曲世界初録音
アリアンナの嘆き P.88(C. モンテヴェルディによる)(1908)(S. ディ・ヴィットリオ編)
日没 P.101(1914)(声と弦楽オーケストラ版)
カンタータ「アレトゥーザ」 P.95(1910-11)
アレッサンドラ・ヴィセンティン(C.A)
ニューヨーク室内O
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指)

録音:2022年4月18-22日
レスピーギによる声楽とオーケストラのための作品集。モンテヴェルディの失われたオペラ「アリアンナ」の一部とし て伝わる「アリアンナの嘆き」にレスピーギがオーケストレーションを施したものは、レスピーギの評価を高めまし た。「子守歌」は1902年に作曲された弦楽器のための小品。ワーグナーを思わせる「日没」と「アレトゥーザ」 は、いずれもイングランドの詩人シェリーの詩に基づいており、『ローマの泉』の前兆ともいえるドラマティックな雰 囲気を持っています。『3つの歌曲』は、もともとメゾソプラノとピアノのために別々に作曲された3つの歌曲をまと めたもので、レスピーギ自身がオーケストレーションを行うも未完となっていた曲集。「霧」と「雨」は、パヴァロッ ティの歌唱でも知られています。レスピーギの作品カタログ編纂者がこの曲集を発見し、作品リスト出版後に新 たにP.99aと附番し追加。作曲家でもあるサルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオは、レスピーギの姪にあたる人物の 個人的な依頼を受けて、2013年に出版された批判校訂版のためにオーケストレーションを完成させました。 アレッサンドラ・ヴィセンティンは、ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院とクラウディオ・アバド音楽院で学んだコントラルト。 これまでにミラノのスカラ座、ニューヨークのカーネギーホール、ランス歌劇場、ザルツブルク音楽祭、ラヴェンナ音 楽祭などに出演しており、リッカルド・ムーティ、ズービン・メータ、リッカルド・シャイーなど、多くの名指揮者と共 演、その魅力的な声が高く評価されています。
NAX-8.660552(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「キアラとセラフィーナ」 キアラ…グレタ・ドヴェーリ(S)
セラフィーナ…ファン・ジョウ(Ms)
ドン・メスキーノ…ピエトロ・スパニョーリ(Br)
ドン・アルヴァロ/ドン・フェルナンド…マティアス・モンカーダ(Bs)
ドン・ラミーロ…ヒョンソ・ダヴィデ・パク(T)
ピカロ…スンファン・ダミエン・パク(Br)
リゼッタ…バレンティーナ・プルジニコワ(A)
アニェーゼ…マーラ・ガウデンジ(Ms)
スパラトロ…アンドレア・タンジッロ(T)
ジェンナーロ…ジュゼッペ・デ・ルーカ(Bs)
スカラ座アカデミアcho
オーケストラ・リ・オリジナーリ(古楽器使用)
セスト・クアトリーニ(指)

録音:ドニゼッティ音楽祭2022年12月4日
【同内容の映像】 DYNAMIC
DVD…DYNDVD37987
Blu-ray…NYDX50346(国内仕様盤)
DYNBRD57987(輸入盤)
舞台は17世紀、マヨルカ島。船長ドン・アルヴァロは、娘のキアラを連れて地中海を航海中に海賊に襲われ、 奴隷として売られてしまいます。ドン・アルヴァロの盟友だったドン・フェルナンドは、その不在につけ込んで、ドン・ アルヴァロのもうひとりの娘セラフィーナを籠絡して、その財産を乗っ取ろうと画策しますが、セラフィーナには既に 結婚を誓った恋人ドン・ラミーロがいました。そこに長く苦しい奴隷生活から解放されたドン・アルヴァロとキアラが 帰還し……
このアルバムは、初演から200年を経た2022年12月、ドニゼッティの生地、ベルガモでの復活蘇演の収録で す。19世紀のオペラをピリオド楽器で演奏する目的で創設されたオーケストラ、リ・オリジナーリを、このジャンル のエキスパート、セスト・クアトリーニが率い、新国立歌劇場の「フィガロの結婚」(2017年)のアルマヴィーヴァ伯 爵役で日本でもお馴染みのピエトロ・スパニョーリを中心に、スカラ座アカデミアの若手歌手を起用しました。
NAX-8.574599(1CD)
アイヴァー・ガーニー(1890-1937):歌曲集 第2集
1.10の歌 第1巻 - 第4曲 Down by the salley gardens サリー・ガーデン
(1920)
2.10の歌 第5巻 - 第7曲 野原に夏が満ちている(1921頃)
3. アドレストロップ(1921)*
4. 鷹とバックル(1921)
5. イン・メモリアム(イースター1915) (1921)*
6. 女性の声(1924頃)*
7. 湖の島イニスフリー(1918)*
8. 軍隊の休止(1919)*
9.10の歌 第5巻 - 第3曲 セヴァーンの牧草地(1917)
10.10の歌 第2巻 - 第5曲 Blaweary(1920)
11.5つのエリザベス朝の歌 - 第4曲 眠り(1914)
12.5つの歌 - 第5曲 赤いバラ(1918)
13.10の歌 第3巻 - 第7曲 雪(1921)
14. オランダの低地(第1作)(1918)*
15. タランテッラ(1921)
16.10の歌 第5巻 - 第9曲 二羽のカラス(1914/1915改訂)
17. ナルシスの哀歌のこだま(1921頃)*
18. 幽霊(1920)
19. 君よ知るや南の国(1914頃)*
20. ルパート・ブルックの5つの歌 - 第2曲 女性には知恵がある(1921)*
21. 強盗の歌(1920)*
22. あなたは、おお最も誠実で真実な人よ(1908?/1925改訂)*
23. シー・イズ・フル・オブ・ワンダリング・フォーム(1908)*
24. 来たれ、死よ(1920)*
25. ワールド・ストレンジネス(1925)*
26. 西の船乗りたち(1926)
マーカス・ファーンズワース(Br)
エリック・マッケロイ(P)

録音:2024年3月20-21日
*…世界初録音
スタンフォードに学び、ハーバート・ハウエルズと親交の深かった作曲家アイヴァー・ガーニーは、第一次世界大戦の従軍体験を元にして書いた2つの詩集を始め とした多くの詩作で「偉大なる詩人」としても知られています。歌曲を書く時には、現代の詩人から伝承のバラッド、エリザベス朝やジャコビアン時代の詩人、さら には自作の詩まで幅広くテキストを選びました。このアルバムには、彼の代表作である「眠り」や「セヴァーンの牧草地」などが含まれているだけでなく、世界初録 音の歌曲も14曲含まれています。2009年ウィグモア・ホール/コーン財団国際声楽コンクールで第1位を獲得したマーカス・ファーンズワースの表現力豊かな 歌唱でお楽しみください。

NAXOS 2024年10月発売 (1)
NAX-8.574519(1CD)

NYCX-10491(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ハイドン:後期交響曲集 第4集
交響曲第102番変ロ長調 Hob.I:102
交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」 Hob.I:103
.交響曲第104番ニ長調「ロンドン」 Hob.I:104
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)

録音:2023年10月14-16日
コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
※国内仕様盤には音楽評論家、大津聡氏の解説が付属します。
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャーが、デンマーク室内Oの 首席指揮者就任25年を記念してスタートさせたハイドンの後期交響曲の再録音シリーズ、「ロンドン・セット」の完結編となる第4集の登場です。今 回の演奏も近年の歴史的アプローチから得た経験や情報を参考にしつつも、フィッシャーがオペラやオーケストラの演奏で積み重ねてきた様々な表現 の手法を駆使して迫力と遊び心を存分に備えた個性的なもので、ハイドンの作品が演奏者に許容する懐の深さも感じさせるものとなっています。 第102番は1795年、ロンドンの国王劇場で第1回オペラコンサートのプログラム第2部の最初の曲目として初演されました。第2楽章では独奏チェロ が活躍します。第103番は、第1楽章の冒頭と終結部にティンパニの長い連打があることから「太鼓連打」と呼ばれる作品。ハイドンはこのティンパニ に変ホのロールを指定していますが、指揮者によっては独自のリズムと音を加える場合があります。アダム・フィッシャーもオーストリア・ハンガリー・ハイドン 管との旧録音では楽譜通りの演奏でしたが、今回は工夫を凝らしており、シリーズを通してティンパニに重要な役割を持たせるフィッシャーの面目躍如 といった溌剌とした演奏です。第104番はハイドンが2度目の凱旋訪問中にロンドンで作曲した彼の最も壮大な交響曲。第2楽章の中間部の荒々 しい表現が「疾風怒濤」の時代を彷彿とさせる、ハイドンの交響曲の集大成といえる堂々たる作品です。

NAXOS 2024年9月発売 (2)
NAX-8.574380(1CD)
リスト:ピアノ曲全集 第63集 - クリスマス・ツリー他
クリスマス・ツリーS186/R71(1876)(初稿 MS-181, フランス国立図書館、パリ)
悲しみのゴンドラ II 「エレジー第3番」 S200/ R81(1882年版)
悲しみのゴンドラ II 「エレジー第3番」 S200/ R81(1883年版)
子守歌 S198/R58(1881)
エレジー第1番「墓の中の子守歌」 S196/ R76 (初稿)
ペテーフィの追悼に S195/R111(1877)(改訂版)
「皇帝ヴィルヘルム!」 S197b(1876)
ハンガリーの歴史的肖像 S205/R112ー第7曲 ミハーイ・モショニ(1885)
諦め S263/S187a/R388(1877)(第2稿)
コサックの歌 S249c(1871頃)
ヴォイチェフ・ヴァレチェク(P)

録音:2023年7月5-7日
NAXOSのリスト:ピアノ曲全集、第63集は、1876年の『クリスマス・ツリー』初稿を中心に晩年の小品を収録しています。 リストが孫娘ダニエラのために作曲した『クリスマス・ツリー』は、伝統的なキャロル、子供から見たクリスマス、大人の思い出の3つのグループに分かれています。 現在一般的に演奏されているのは1882年の改訂版ですが、ここでは初稿を演奏しています。悲しみのゴンドラ II「エレジー第3番」は、リストがリヒャルト・ ワーグナーの死を予感して作曲した作品で、ここには1882年の初稿と1883年の改訂版を収録(その後の改訂版も存在します)。「子守歌」は弟子のため に作曲されたシンプルな旋律の作品で、1958年に初めて出版されました。エレジー第1番「墓の中の子守歌」は、リストが弟子のマリー・ムハノフに捧げた作 品で1875年に発表されました。「ペテーフィの追悼に」は、ハンガリーの詩人シャーンドル・ペテーフィを題材にした作品です。「皇帝ヴィルヘルム!」は、リスト が皇帝ヴィルヘルム1世との謁見後に作曲したと考えられる短い行進曲で、2003年まで出版されることはありませんでした。『ハンガリーの歴史的肖像』第7 曲「ミハーイ・モショニ」は、ハンガリー文化を讃えた晩年の曲集の中の1曲で、ミハーイ・モショニは作曲家。「諦め」はオルガン作品として知られていますが、ここ ではピアノ用に改訂された第2稿を収録。「コサックの歌」は、リストの友人ザモイスカ伯爵夫人の蔵書から発見された短く華やかな作品。1960年に初めて 自筆譜が出版されました。 ポーランド出身でリスト作品を得意とするヴォイチェフ・ヴァレチェクの演奏です。
NAX-8.574572(1CD)
クラウジオ・サントロ:交響曲全集 第4集
愛と平和の歌(1950)
交響曲第4番「平和の交響曲」(1953-54)
テナー・サクソフォンと管弦楽のための協奏的ショーロ(1951)
交響曲第6番(1957-58)
ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲(1959-60/1980改訂)
ペドロ・ビッテンクール(テナーSax)
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
ゴイアス交響cho、ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2018年11月12-13日、2019年11月28日、2023年5月22日、2022年4月25-30日
ブラジルを代表するシンフォニストであるクラウジオ・サントロの交響曲全集。この第4集には1950年代の4作 品が収録されています。「愛と平和の歌」はサントロがセリエリズムから民族主義へ移行を試みていた時期の 作品。交響曲第4番は彼の作品の中で人気あるものの一つ。ソ連で出版・録音され、ハチャトゥリアンやカバ レフスキーが熱烈に支持しました。交響曲第6番は、緩徐楽章とスケルツォを速い楽章がはさむ4楽章形式 の古典的な形式にモダンな音楽を盛り込んだ作品。サントロはまた、いくつかの協奏的作品も作曲しており、 1951年のサクソフォンのための「協奏的ショーロ」では彼特有のノリのよいリズムと、巧みなオーケストレーショ ンが映えています。1959年から1960年にかけて作曲された「ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲」は 1980年に改訂、彼自身の指揮で初演。この幻想曲は切れ目のない2つの部分からなり、抒情的な前半 部と技巧的な後半部で構成されています。
NAX-8.574457(1CD)
ピアソラ:ギター音楽集〜タンゴ組曲、オブリビオン、天使の死、タンゴ・エチュード
ピアソラ:タンゴ組曲(1984) ー ギター二重奏のために*
オブリビオン(忘却)(1984)(Y. リベルゾンによるギター編)(2019)…この編曲による世界初録音
天使の死(1962)(L. ブローウェルによるギター編)(2015)
5つの小品(1980)
タンゴ・エチュード集(1987)(M. バルエコによるギター編)(2011)
ユーリ・リベルゾン(G)
ピョートル・パホムキン(G)*

録音:2023年4月9-11日
タンゴにクラシックやジャズの要素を融合させた「タンゴ・ヌエボ」を生み出したアストル・ピアソラの名曲をギター で演奏したアルバム。収録されているのは、ギター・デュオのアサド兄弟のために作曲された「タンゴ組曲」、ピ アソラ初のギター曲「5つの小品」のほか、リベルソンによる「オブリビオン」の編曲、ブローウェルによる「天使の 死」の編曲、バルエコによる「タンゴ・エチュード」です。どの曲もギターの幅広い音域を生かした編曲が聴きどこ ろ。アメリカ西海岸で意欲的な活動を繰り広げるユーリ・リベルゾンンによる演奏です。
NAX-8.574562(1CD)
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第7集
交響曲 ニ長調「Con musica turca トルコ音楽風」(1790代)
歌劇「メルクリウス、結婚仲介人」 より
交響曲 ハ長調 Op.35No.1(1799年頃出版)
歌劇「復讐」ー第1幕 序奏(アンダンテ・コン・モート)
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2023年1月30日-2月3日
※全て世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァル トと交流を深めウィーン音楽界における重要な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアの お気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼されました。同い年生ま れのモーツァルトとも交友を深め、モーツァルトの死後は未亡人コンスタンツェが亡き夫の作品を出版するため の手助けをしたことでも知られています。このアルバムでは2曲の交響曲と、歌劇からの序曲、シンフォニアを 収録。どれも彼の巧みな管弦楽法が発揮されており、なかでも「交響曲ニ長調」の最終楽章には、トライア ングル、シンバル、トルコ式のドラムを採り入れたことで、当時流行していた「トルコ音楽」風の響きが存分に 味わえます。
NAX-8.660547(2CD)
ムソルグスキー:歌劇「ソロチンスクの定期市」(1874-80)(F. ボロン版2021年)
歌劇「サランボー」組曲(1863-66)(F. ボロン校訂)*
ソローヴィ・チェレヴィーク…タイル・タジグロフ(Bs)
ヒーヴリャ…グレタ・バギヤン(Ms)
パラーシャ…カリーナ・シュミーガー(S)
クム…ハンス・グレーニング(Bs-Br)
グリツィコ…タマチ・ナッタボン(T)
ジプシー/チェルノボーク…リー・ジンソク(Bs) 他
カントゥス・ユヴェヌム・カールスルーエ
フライブルク劇場オペラ合唱団のメンバー
リリーズ・プロジェクト
ファブリース・ボロン(指)
リリーズ・プロジェクト*
ファブリース・ボロン(指)*

録音:2023年9月6、7、11日、2023年9月5日*
※全て世界初録音
モデスト・ムソルグスキーの未完となった歌劇「ソロチンスク(ソローチンツィ)の定期市」。ニコライ・ゴーゴリの原 作をもとに、ムソルグスキー自身が台本を作成したこの歌劇は、恋愛にまつわるごたごたと悪魔の呪いが交錯 するコメディーです。彼の死後、何人かの作曲家が作品の補筆を行いましたが、このファブリース・ボロンの版 はムソルグスキーによる音楽だけを用いた室内楽伴奏版です。アルバムには同じボロンが「サランボー」の音楽 を演奏会用組曲に編んだものを収録。こちらはムソルグスキーがフローベールの同名小説をもとに作曲、未 完のまま終わった彼の初の歌劇です。「テーマとアイデアの美しさ」がリムスキー=コルサコフに称賛されました。

NAXOS 2024年9月発売
NAX-8.503300(3CD)
トニー・バンクス(1950-):7・6・5- オーケストラのための18作品
【CD1】
セヴン- オーケストラのための組曲(S. ヘイル編)

【CD2】
シックス- オーケストラのための6つの小品(P. イングリッシュビー編)

【CD3】
ファイヴ(N. イングマン編)
【CD1】
トニー・バンクス(P)…1、4、7
LPO
マイク・ディクソン(指)
録音:2022年7月3-5日、8-9日
【CD2】
チャーリー・シーム(Vn)
マーティン・ロバートソン (アルト・サクソフォン)
プラハ市PO
ポール・イングリッシュビー(指)
録音:2011年3月13-17日
【CD3】
トニー・バンクス(P、チェレスタ)
ジョン・バークレー(コルネット、トランペット)
マーティン・ロバートソン(サクソフォン/ドゥドゥク)
フランク・リコッティ(打楽器)
スカイラ・カンガ(Hp)
チェコ・ナショナル交響合唱団
チェコ・ナショナルSO
ニック・イングマン(指)

録音:2017年3月22-26日
70年代のプログレッシブ・ロックのレジェンド『ジェネシス』のキーボード奏者トニー・バンクス。彼は以前からオー ケストラのサウンドにも魅了されており、まずサウンドトラックの作曲で成功を収めたのち、2002年に「セヴン」、 2011年に「シックス」、2014年に「ファイヴ」を書き上げ、これまで3枚のアルバムとしてナクソスからリリースしま した。今回、その3作品がセットになって再発売されます。どれも、特定のクラシックの形式等を意識したもので はない、バンクス・ワールドというべきものになっています。各曲のオーケストレーションはバンクス自身が監修し、 彼が求めた理想の音に仕上げています。「セヴン」と「ファイヴ」ではバンクス自身が演奏するピアノにも注目で す。 ※参加アーティストたちの写真を掲載した20ページの美麗ブックレット(英語のみ)が付属します。
NAX-8.574529(1CD)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.5No.1
モーツァルトの「魔笛」の「恋人か女房か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66
チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5No. 2
モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
ガブリエル・シュヴァーベ(Vc)
ニコラス・リンマー(P)

録音:2023年2月14-16日
フォイアマン、ロストロポーヴィチ、フルニエ、名手の名を冠した3つの国際チェロ・コンクールで受賞経験を持つ ガブリエル・シュヴァーベによるベートーヴェンのチェロ作品全曲録音の第1集。このアルバムでは、20代半ばの ベートーヴェンがデュポール兄弟と初演、フリードリヒ・ヴィルヘルム2世に献呈したソナタ第1番、第2番と、モー ツァルトの歌劇「魔笛」のアリアに基づく2作の変奏曲を収録。1695年製のジュゼッペ・グァルネリのチェロを駆 使して、共演のイギリスのピアニスト、ニコラス・リマーとともに、若々しく情感豊かな表現で聴かせます。
NAX-8.660561(2CD)
ラフ:歌劇「嫉妬深い人々」 ベッピーノ…マティアス・バイン(Br)
ニネッタ…ミリヤム・フェスラー(Ms)
ドンナ・ローザ…セラフィナ・ジャンノーニ(S)
ドンナ・ビアンカ…ライザ・イエローネ(Ms)
ドン・クラウディオ…ベンジャミン・ポプソン(T)
ドン・ジェロニモ…・マルティン・ロト(Bs)
ドン・ジュリオ…バルドゥイン・シュネーベルガー(Br)
オーケストラ・オヴ・ヨーロッパ
ヨーナス・ピトカネン(指)

録音:2022年9月16-18日
※世界初録音
ヨアヒム・ラフが死の数週間前に完成させた最後の歌劇「嫉妬深い人々」。舞台で上演される見込みもない まま書き上げたこの作品は、他愛もない筋書きを持つ2時間以上の滑稽劇で、イタリアのベルカントとモーツァ ルトのオペラの影響が感じられます。登場人物は貴族階級のカップル2組、召使いのカップル1組、そして家 父長的なドン・ジェロニモの計7名で構成されており、召使役の2人が物語を進行させる重要な役割を果たし ます。ドイツ・オペラを得意とするマティアス・バインとミリヤム・フェスラーをはじめとした歌手たちの見事な歌唱を 収録。世界初録音。
NAX-8.501804(18CD)
NX-M09
ブルックナー:交響曲全集(全11曲・全18稿)
■CD1
1-4. 交響曲 ヘ短調(ノーヴァク版)
■CD2
1-4. 交響曲 ニ短調(ノーヴァク版)
■CD3
1-4. 交響曲第1番ニ短調(第1稿/レーダー版)
■CD4
1-4. 交響曲第1番ニ短調(第2稿/ブロシェ版)
5. スケルツォ旧稿(グランジャン版)
■CD5
1-4. 交響曲第2番ハ短調(第1稿/キャラガン版)*
■CD6
1-4. 交響曲第2番ハ短調(第2稿/ホークショー版)
■CD7
1-4. 交響曲第3番ニ短調(第1稿/ノーヴァク版)*
■CD8
1-4. 交響曲第3番ニ短調(第2稿/ノーヴァク版)*
5. アダージョ第2番(ノーヴァク版)
■CD9
1-4. 交響曲第3番ニ短調(第3稿/ノーヴァク版)
■CD10
1-4. 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(第1稿/コーストヴェット版)*
■CD11
1-4. 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(第2稿/コーストヴェット版)
5. 第4楽章旧稿「民衆の祭り」(コーストヴェット版)*
■CD12
1-4. 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(第3稿/コーストヴェット版)*
■CD13
1-4. 交響曲第5番変ロ長調(ノーヴァク版)*
■CD14
1-4. 交響曲第6番イ長調(ウィリアムソン版)
■CD15
1-4. 交響曲第7番ホ長調(ホークショー版)*
■CD16
1-4. 交響曲第8番ハ短調(第1稿/ホークショー版)
■CD17
1-4. 交響曲第8番ハ短調(第2稿/ノーヴァク版)
■CD18
1-3. 交響曲第9番ニ短調(ノーヴァク版)
リンツ・ブルックナーO
ウィーンRSO*
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2018年、2021年〜2024年
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年に向けて全交響曲のすべての稿(バージョン)を新たに録音する企画 「#bruckner2024」。2024年7月に最終巻の第9番&ヘ短調がリリースされたばかりですが、はやくもNAXOSレーベルからBOXで登場します。同一指 揮者による全稿録音は史上初の快挙ですが、最新の知見を援用した解釈と、ブルックナーの細かい指示を丹念に踏まえたポシュナーの指揮によって新たな ブルックナー像を提示することに成功。「私たちが習慣にしてきた聴き方と伝統と見なしてきたものを問い直す企画」としてICMA(International Classical Music Award)2024の特別賞を受賞しました。 伝統的なブルックナー演奏においては、テンポをあまり細かく動かさず(または動かしたと感じ取らせず)、丸く溶け合った響きで旋律を息長く歌うなど、教会で 聴くオルガンや合唱のように演奏する傾向が見られましたが、ポシュナーはこれらの交響曲は教会音楽ではないとの理解に徹し、作曲者のテンポや強弱記 号を仔細に読み込んで克明に反映しています。例えば第3稿第2楽章の4種の稿では、アンダンテとアダージョの間を揺れ動く、それぞれに異なる速度記号 の微妙な違いが生み出す効果を実際の音できちんと聞き取れるなど、稿の違いを聴き比べるのに好適な演奏が揃っています。また第3番(第1稿と第2稿) 第4楽章コーダにおける弦楽器の扱いなど、演奏者の負担が大きく作曲家としての未熟さと見なされてきた箇所も真摯に再現。そのカドを丸めない姿勢は 特に初期稿の持つ斬新なアイディアや効果を余すところなく伝えるものとなっています。ブルックナー研究家のウィリアム・キャラガンはブルックナーの異稿につい て「自分の好み、理想の姿、究極の形を探すのはやめよう。すべてのスコアには価値がある」と語っていますが、その言葉に感じるところのあるファンには是非 聞いて頂きたいセットです。尚、CD5の第2番第1稿は第2楽章と第3楽章を出版楽譜とは逆の順で演奏しています。 全178ページのブックレット付(英語とドイツ語)
【当プロジェクトにおけるブルックナーの交響曲の「稿」について】
ポール・ホークショー(イェール大学名誉教授)
アントン・ブルックナーの音楽の愛好家のみなさんは、当プロジェクトで収録されるブルックナーの交響曲の稿が全部で18しかないことを不思議に思うかもしれ ません。20世紀半ば以来、音楽雑誌やレコード業界のマーケティングによって、彼がもっと多くの稿を残したかのような誤ったイメージが作られてしまったので す。ブルックナーのすべての自筆資料のあらゆる変更を特定しようとする音楽学的な関心の結果、彼自身が明確に「稿」と捉えていたものに至る途中で行わ れた修正まで含めた版がやたら増えてしまったのです。本来こうした修正は、スコアではなく、校訂報告に含めるべき情報です。また、レコード・プロデューサー たちが新しいリリースのたびに、ハース版かノーヴァク版かを表記することにこだわったために、この二人の学者がブルックナーの1番から9番まですべての交響曲 について明確に異なる版をそれぞれ出版したかのような誤解を与えてしまいました。実は、交響曲第8番の第2稿を除けば、ハースとノーヴァクの版はかなり 似通っているのです。本全集を収録するにあたって、演奏者たちは目下オーストリア国立図書館の後援の下で準備されている『新アントン・ブルックナー全 集』の校訂者たちが決めた「稿」の定義を採用しています。新全集では、ブルックナーの交響曲のそれぞれの「稿」を、彼の歴史的な節目――「たとえば交響 曲の演奏、出版、または献呈など、ある作品について彼がひとつの段階を終えたことを示す出来事」――によって区別しています。したがって、本録音では、 新全集の校訂者たちが同定した「稿」が収められており、各CDの原盤解説には、その特定の「稿」を同定した理由について詳しく論じています。この録音に は、作曲者の関与なく出版された初版楽譜――いわゆるシャルク、レーヴェなどのもの――は含まれていません。わかっている限りでは、ブルックナーが同意し た初版楽譜は、第3番、第4番、第7番のみであり、それらの内容は、本セットでは最終稿(もちろん第7番はひとつしか稿がありませんが)の楽譜に組み込ま れています。可能な限り、演奏は新ブルックナー全集のためにすでに完成しているスコアとパート譜に基づいています。

NAXOS 2024年8月発売 (3)
NAX-8.574448(1CD)
ユージン・ザードル(1894-1977):作品集
アコーディオン協奏曲(1972)
ロマンス(1920年代初期)(M. スモリーによるチェロと弦楽編)*
金管楽器のための組曲(1961)
子守歌(1972頃)(M. スモリーによるヴァイオリンと弦楽編)*
ハンガリー幻想曲(1943頃)(M. スモリーによるヴァイオリンと弦楽編)*
ピアノ五重奏曲(1933)(M. スモリーによるピアノと弦楽編)*
クラウディウシュ・バラン(アコーディオン)
リハールト・ロージャ(Vc)
ダーヴィド・ピンテール(Vn)
アンナ・グレツカ(P)
ブダペストSO
マリウシュ・スモリー(指)

録音:2023年6月26-29日
*…世界初録音
ハリウッド・サウンドの発展に寄与したザードルの協奏的作品を中心としたアルバム。ザードルはハンガリー生まれで、ウィーンとライプツィヒで学び、1939年に渡 米。ハリウッドでミクローシュ・ローザの映画音楽のオーケストレーションを担当して壮麗なハリウッド・サウンドの発展に貢献しました。主役(ソロ)を演じることの少な い楽器のための作品作りにやりがいを感じていたというザードルらしさが現れたのがアコーディオン協奏曲。著名なアコーディオン奏者アントニー・ガラ=リニのために 書かれたもので、終楽章にはザードルの故郷ハンガリーの旋律が用いられた快活な作品です。金管楽器のための組曲は、ホルン4本、トランペット4本、トロン ボーン3本、テューバ1本という編成で書かれ、ザードルが得意とした映画音楽を思わせる華麗な作品。他には当アルバムの指揮者、スモリーが弦楽伴奏版に 編曲した4作品が収録されており(いずれも世界初録音)、特に渡米前の作品でハンガリー国家賞に輝いた「ピアノ五重奏曲」が聴きごたえあります。
NAX-8.559936(1CD)
アメリカのオルガン協奏曲集
ホレイショ・パーカー(1863-1919):オルガン協奏曲 変ホ短調 Op. 55(1901-02)
ウェイン・オーキン(1977-):レジリエンス(2015)*
クリストファー・ラウズ(1949-2019):オルガン協奏曲(2014)*
アイヴズ:アメリカ変奏曲(1891-92)(E. パワー・ビッグズによる1949年編)
ポール・ジェイコブス(Org)
ナッシュヴィルSO
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)

録音:2019年10月27-30日(ライヴ)
2023年2月23-25日*
2024年3月19日#
アメリカ近現代の作曲家によるオルガン協奏曲を、グラミー賞受賞アーティストのコンビで収録したアルバム。冒 頭のホレイショ・パーカーは チャールズ・アイヴズの師で、ミュンヘンに留学しヨーゼフ・ラインベルガーに師事した作 曲家。その作風はドイツの伝統を継承しており、このオルガン協奏曲もメンデルスゾーンやブラームスを思わせる 重厚な雰囲気を持っています。続くオーキンの「レジリエンス」は、スペース・ファンタジー映画が似合いそうなスペ クタクルな音楽。協奏曲という形式を好んだラウズのオルガン協奏曲は、ポール・ジェイコブスに捧げられたもの で、古典的な急-緩-急の楽章形式で書かれています。最後に収められているのは、アイヴズのオルガン・ソ ロ作品。曲名は「アメリカ変奏曲」ですが、英国国歌「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」を主題としています。アイヴズ自 身の教会での演奏経験を活かしたオルガン特有の効果や技巧が盛り込まれています。
NAX-8.559942(1CD)
ジョージ・ウォーカー(1922-2018):ピアノ作品全集 第2集
リーヴィング(1971)(A. ドッシンによるピアノ編 2022)
ピアノ協奏曲(1975)
ピアノ・ソナタ第4番(1984)
グイドの手- ピアノのための5つの小品(1987)
ピアノ・ソナタ第5番(2003)
アレクサンダー・ドッシン(P)
オレゴン大学フィルハーモニア
デイヴィッド・M・ジェイコブス(指)

録音:2023年1月8-10日、2023年4月2日 、2023年11月20日 Beall Hall(USA)(ライヴ)、2023年11月27、29日
1996年に「ライラック」でピューリッツァー賞を受賞したアフリカ系アメリカ人作曲家ジョージ・ウォーカー。このアル バムは第1集(8.559916)と合わせてウォーカーのピアノ作品全集となります。ピアノ協奏曲は古典的な形式 の中にさりげなくデューク・エリントンの旋律が採り入れた作品。「グイドの手」はソルフェージュの原形を考え出し たグイド・ダレッツォにちなんだタイトルですが、この曲にもエリントンの影響が感じられます。冒頭の「リーヴィング (去り行く、の意)」はピアノ協奏曲のアンコールとしてドッシンがピアノ独奏用に編曲したもの。
NAX-8.579153(1CD)
チン・ウェンチャン(1966-):雲の川、神々の光、音を探して
雲の川 - 笙と管弦楽のための協奏曲(2017)
神々の光 - オーケストラのために(2018)
音を探して - 伶倫からインスピレーションを得た絵画(管弦楽のための舞踏組曲)(2018)
大地の詩(笙、箏と管弦楽版)(2017/20)
チェン・ヤン(笙)
ソン・シンシン(箏)
ウィーンRSO
ゴットフリート・ラブル(指)

録音:2023年8月1-4日
モンゴル生まれのチン・ウェンチャン(秦文?)の近作の管弦楽曲を収めたアルバム。彼の作品は文学、神話、 自然からインスピレーションを受けており、当アルバムの最初と最後の曲では、中国の伝統楽器特有のサウンド を活かしつつ、民族的要素に頼らず、西欧現代音楽の語法の中に取り込んでいるのが印象的です。笙と管 弦楽のための協奏曲「雲の川」は空を漂う雲をモチーフにした作品。長く引き延ばされた笙のサウンドが神秘的 な雰囲気を醸しています。「神々の光」は中国の現代詩人海子(Hai Zi) の俳句「チベット」に基づく作品で、 詩人が描いた瞑想的な世界を音楽で表しています。管弦楽のための組曲「音を探して」は古代中国における 音楽の創始者「伶倫」の伝説による曲。数万里を旅してついに聖地の崑崙山にたどり着いた伶倫が、自然の 力を借りて楽器や音階を生み出したというエピソードがもとになっています。「大地の詩」は笙と箏が主役を務め る作品です。
NAX-8.574557(1CD)
エーリヒ・ジャック・ヴォルフは・ヴォルフ(1874-1913):歌曲全集 第2集
4つのリート Op.3- 第4曲 Sehnsucht 郷愁(1903年出版)
リヒャルト・デーメルの6つの詩 Op.8 - 第5曲 Stimme im Dunkeln暗闇の中の声(1907年出版)
2つの歌 Op.10- 第2曲 Felsenstimmen(1907年出版)
4つのヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩 Op.14(1907年出版)より
 4. No.1. Gebet 祈り
 5. No.2. Waldeinsamkeit 森の孤独
 6. No.4. Gottes Segen 神の祝福
6つのリート Op.18(1908年出版)より
 7. No.2. Dann losch das Licht
 8. No.3. Sommernacht
 9. No.5. Madchenfrage
リヒャルト・デーメルの4つの子供の歌 Op.21(1909年出版)
 10. No.1. Die Reise
 11. No.2. Fitzebutze
 12. No.3. Das grose Karussell
 13. No.4. Furchtbar schlimm
7つのリート Op.22- 第4曲 墓地(1910年出版)
「子供の魔法の角笛」による11の歌 Op. 28(1910-13年頃より
 15. No.2. Der suse Schlaf, der sonst stillt alles wohl
 16. No.4. Die widerspenstige Braut
 17. No.5. Ich wollt', das der verhindert mich an meinem Gluck
ゲオルク・フリードリヒ・ダウマーの「Hafis」からの14の歌 Op.30(1910-13年頃)より
 18. No.3. Ein solcher ist mein Freund
 19. No.4. Entzucket dich ein Wunderhauch?
 20. No.6. Horch, horst du nicht vom Himmel her?
 21. No.8. O hattest du!
22-24.11の歌 Op.3(1910-13年頃)3より
 22. No.2. Alles still!
 23. No.8. Das kranke Kind
 24. No.10. Mein Meister
イダ・アルドリアン(Ms)
クラウス・ジモン(P)

録音:2023年2月4-6日
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家。シェーンベルクやツェムリンスキーと親交を結び、38歳の若さで亡くなるまでに書いた歌曲は少な くとも168曲、全て存命中に発表されて高く評価されましたが、現在では演奏の機会はほとんどありません。このアルバムに収録されたのは、彼の人生最後の 10年間に作曲されたもの。明るく魅力的な子供向けの連作歌曲「リヒャルト・デーメルの4つの子供の歌」や、陰鬱な「墓地の歌」など多彩な作品を聴くことがで きます。それらは時折大胆な和声進行があるものの、無調に踏み込むことはなく、ロマンティックな味わいを留めています。ピアノ・パートは高度な技法で書かれ、 歌を引き立てながらも強い存在感を発揮しています。オーストリア出身のメゾ・ソプラノ、イダ・アルドリアンの歌唱に、今作でもブックレットに詳細な解説(ドイツ 語・英語)を寄せるクラウス・ジモンが巧みな伴奏を付けています。

NAXOS 2024年8月発売 (2)
NAX-8.574271(1CD)
アルベルト・フランケッティ(1860-1942):交響曲 ホ短調(1884)
フランケッティ:交響的印象「黒き森にて」(1900)#
ヴォルフ=フェラーリ:室内交響曲 変ロ長調 Op.8(1901)*
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ミンアンサンブル*

録音:2011年7月1-2日OSR Studios, ローマ(イタリア)
2011年7月8-9日OSR Studios, ローマ(イタリア)#
1995年10月12-17日Alter Pfarrsaal, ネッティンゲン(ドイツ)*

*…MARCO POLO8.223868より移行
イタリアの後期ロマン派の作曲家、アルベルト・フランケッティとエルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ。両者とも優れた歌劇を遺しましたが、生粋のイタリア人でなかっ たことも共通点として挙げられます。イタリア貴族の父とウィーン出身の母の下に生まれたフランケッティは何不自由ない少年時代を送り、ヴェネツィアとドイツ で学びました。このアルバムに収録された交響曲ホ短調は、ドレスデン音楽院の卒業試験の一環として書かれた曲。ドイツ伝統の形式に則った荘厳かつ色 彩豊かなオーケストラの音色を駆使した作品です。40歳の時の交響的印象「黒き森にて」はライン渓谷の森と自然の美しさからインスピレーションを得た描 写的な曲。角笛の響きを思わせる冒頭に始まり、全編穏やかな曲調で書かれています。ドイツ人の画家の父とイタリア人の母を持つヴォルフ=フェラーリは 「マドンナの宝石」や「スザンナの秘密」などの歌劇が知られています。この室内交響曲は彼が長年過ごしたドイツで作曲されたもので、小ぶりな編成から生ま れる透明感溢れる響きが魅力的。ピアノを交えた各々の奏者の技巧が際立つ美しい作品です。
NAX-8.574566(1CD)
タネーエフ:ヴァイオリン・ソナタ イ短調(1911)
ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.30(1910-11)
スペクトラム・コンサーツ・ベルリン

録音:2023年11月21-22日
作曲家としても教育者としても賞賛されていたロシアの作曲家タネーエフ。民族主義的な傾向ではなく、見 事な対位法を駆使するなど、ヨーロッパ古典派の作曲技法を完璧にマスターしたその作品、とりわけ室内楽 作品は同時代のウィーンの巨匠たちのものと同等にみなされるほどに絶賛されました。 しかしタネーエフ自身が作品の出版に無頓着だったためか、残された作品が少なく、亡くなった後これらはほと んど演奏される機会を失ってしまいました。このアルバムに収録された2つの作品のうち、ヴァイオリン・ソナタは 美しい旋律線を持つベートーヴェンを思わせる古典的な作品。第3楽章にメヌエットがおかれているところも 優雅な雰囲気を醸し出します。それに対しピアノ五重奏曲は壮大なスケールと華やかな曲想に満ちた作 品。技巧的なピアノ・パートは優れたピアニストであったタネーエフならではの聴きどころです。エルダー・ネボル シンをメンバーとするスペクトラム・コンサーツ・ベルリンは19〜20世紀を中心とした知られざる室内楽作品の 演奏に力を入れるアンサンブル。曲の編成に柔軟に対応し見事な演奏を聴かせます。
NAXOS Idil Biret Solo Edition
NAX-8.571333(1CD)
イディル・ビレット/ソロ・エディション 第
13集

シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 Op.120D664
ピアノ・ソナタ 第12番ヘ短調 D625(未完)
  即興曲 変ト長調 D899No.3
  幻想曲 ハ長調「さすらい人」 Op.15D760
イディル・ビレット(P)

録音:2016年7月
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビュー、以降半世紀以上に渡ってその技巧と音 楽性で聴衆を魅了しています。このアルバムは2016年に収録されたシューベルトの作品集。比較的小規 模ながらも、第2楽章での長調と短調の交錯や、モーツァルトを思わせる第3楽章といったシューベルトらしい 優雅な第13番のソナタと、幻想曲「さすらい人」をメインに置き、未完のソナタヘ短調と即興曲を組み合わ せた聴きごたえのある1枚です。
NAXOS Idil Biret Solo Edition
NAX-8.571428(1CD)
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第21集 - ワルツと舞曲集
ショパン:タランテッラ
ベルリオーズ(リスト編):舞踏会 ? 幻想交響曲
リスト:タランテッラ - 『巡礼の年』第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ 第3曲
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ドビュッシー:レントより遅く
ラフマニノフ(クライスラー編):愛の悲しみ
ストラヴィンスキー:子供たちのワルツ
ストラヴィンスキー:ロシアの踊り - 『ペトルーシュカ』
バルトーク:6つのルーマニア舞曲
バルトーク:ブルガリアのリズムによる6つのダンス ? ミクロコスモス
イルハン・ミマルオグル(1926-2012):感傷的な小品
J・シュトラウス(ゴドフスキー編):芸術家の生涯
イディル・ビレット(P)

録音:1961-2018年ベルギー、フランス、ドイツ、トルコ
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビュー、以降半世紀以上に渡ってその技巧と音 楽性で聴衆を魅了しています。彼女はゴドフスキーらによる数多くのワルツのピアノ編曲版を録音したいと考 えて、まずは1970年代に好んで演奏した「芸術家の生涯」から始める予定でした。ところが2021年に彼女 は病を得たため、同時に進行していたハイドンのソナタの録音とともに、ワルツのプロジェクトも中止となったの です。しかし、1975年に演奏した「芸術家の生涯」の名演がインターネット上で評判となったことを受け、 1961年から2018年までの過去の様々な録音からワルツと舞曲を選び、このアルバムが制作されました。難 度の高い技巧が駆使された華やかな作品が並ぶ、ビレットならではの1枚です。

NAXOS 2024年8月発売 (1)
NAX-8.574518(1CD)

NYCX-10482(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ハイドン:後期交響曲集 第3集
交響曲第99番変ホ長調 Hob.I:99
交響曲第100番ト長調「軍隊」 Hob.I:100
.交響曲第101番ニ長調「時計」 Hob.I:101
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)
録音:2023年10月12-14日
コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャーが、デンマーク室内Oの 首席指揮者就任25年を記念してスタートさせたハイドンの後期交響曲の再録音、第3集です。演奏は彼自身の旧全集に比べると更にシェイプアッ プ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈。随所に即興的な装飾を加えるなど、ディテールにも凝っています。 近年の歴 史的アプローチから得た経験や情報を参考にしつつも、フィッシャーがオペラやオーケストラの演奏で積み重ねてきた様々な表現の手法を駆使して迫 力と遊び心を存分に備えた個性的な演奏は、ハイドンの作品が演奏者に許容する懐の深さも感じさせるものとなっています。 この第3集には表題付きの2曲を含む第99番から第101番の3曲を収録。第99番は1793年、ロンドン再訪の出発直前にウィーンもしくはアイゼン シュタットで作曲され、翌年の2月10日にロンドンで初演されました。クラリネットが編成に入る初の交響曲です。第100番は、当時流行していた「ト ルコ風」の楽器、シンバルとトライアングルの両方が用いられており、また第2楽章に使われたトランペットが軍隊ラッパを模していることから「軍隊」と呼 ばれる作品。もともとこの第2楽章は『2つのリラ・オルガニザータのための協奏曲第3番 ト長調』からの転用ですが、最後にティンパニとトランペットが加 えられて盛大に盛り上がります。第101番は、第2楽章の弦楽器とファゴットの刻むリズムから、長い間「時計」というあだ名が付けられてきました。 ※国内仕様盤には音楽評論家、八木宏之氏の解説が付属します。
NAX-8.574507(1CD)
アルベルト・ディートリッヒ (1829-1908):序曲 ハ長調 Op.35(1882年出版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.30(1874年出版)
交響曲 ニ短調 Op.20
クライディ・サハチ(Vn)
ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク
クリストフ・ケーニヒ(指)

録音:2021年10月18、2021年5月31日、2019年2月4日
アルベルト・ディートリッヒ、ドイツのロマン派時代の作曲家で指揮者。ブラームスやシューマンのファンならば、FAEのソナタの共作者として見覚えのある名前で しょう。シューマンに作曲を師事していたディートリッヒは、そこでブラームスと出会って親交を結び、後に指揮者としてブラームス作品のよき理解者となりまし た。彼の回想録『ブラームスの思い出』は、その時代の息吹を生き生きと伝える第一級の資料とされています。ここでは彼の大規模な管弦楽作品を収録。 メンデルスゾーンのように屈託を感じさせない抒情的ロマン派といった趣の楽想に、シューマンやブラームスに通じる語法や響きをまとわせており、ドイツ・ロマン 派好きの人ならばきっと楽しめる仕上がりです。欧州の腕利き演奏家を集めたソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクが力強いサウンドを響かせています。中 でもヨアヒムを念頭において書かれたヴァイオリン協奏曲は高度な技巧の見せ場の多い華麗な作品で、クライディ・サハチが献身的な演奏を聴かせます。
NAX-8.5790961CD)
カタルーニャのヴァイオリン作品集 - グラナドス、モンポウ、カサド、モンサルバーチェ、セルベリョの作品
グラナドス:スペイン舞曲集 Op. 37- 第6番ロンダーリャ・アラゴネーサ(1888 -90頃)(Vnとピアノ編)
グラナドス:ロマンス 変ホ長調(1971年出版)
モンポウ:エレジア - 原曲:夢の戦い - 第1曲 君の上には花ばかり(1942)  (X. トゥルユによるヴァイオリンとピアノ編)(1963)
ガスパール・カサド(1897-1966):ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(1926年出版)
モンポウ:Altitud 高地(1928)
グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37- 第5番 アンダルーサ(祈り)(1880-90頃)(F. クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37- 第2番 オリエンタル(1888-90頃)(Vnとピアノ編)
グラナドス:3つの前奏曲(1971年出版)
モンポウ:子供の情景 - 庭の乙女たち(1918)(J. シゲティによるヴァイオリンとピアノ編)(1937)
グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37- 第10番 メランコリカ(悲しき舞曲)(1880-90頃)(Vnとピアノ編)
ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002):5つの黒人の歌-第4曲 黒人の子供のための子守歌(1945)
ジョルディ・セルベリョ(1935-): ヴァイオリンのためのプローヴァ(2012)
ヤンナ・ガンデルマン(Vn)
ライア・マルティン(P)

録音:2022年10月10-11日
20世紀前半のカタルーニャではグラナドスやアルベニスが民謡を採り入れた多くのピアノ曲を書き、カサドやカザルスがチェロの分野で活躍していました。それに 比べヴァイオリン曲はあまり書かれていません。しかしその憂愁に溢れたピアノ曲や歌曲の旋律に魅せられたクライスラーやシゲティらがこれらをヴァイオリン用に 編曲、旋律の魅力と名人芸を聴かせる格好の小品として生まれ変わらせています。またアルバムにはヴァイオリンのオリジナル作品も収録。チェロの名手カサ ドが、1915年に世を去った兄アウグスティンを偲んで作曲したヴァイオリン・ソナタや、モンポウがパリ時代に作曲した唯一のヴァイオリン作品「Altitud 高 地」、グラナドスの死後に出版された「ロマンス」や「3つの前奏曲」などを聴くことができます。最後におかれた「ヴァイオリンのためのプローヴァ」の作曲家ジョル ディ・セルベリョは1935年バルセロナ生まれ。もともとヴァイオリニストとして活躍するも、交通事故のためキャリアを中断し作曲活動に専念しました。彼の数多 くの技巧的なヴァイオリン作品は、聴き手を21世紀の新しいカタルーニャ音楽へと導きます。 エルサレムSOのコンサートマスター、ジャンナ・ガンデルマンが情感に満ちた演奏を聴かせます。
NAX-8.574650(4CD)
NX -K01
ニールセン:交響曲全集


■CD1
(1)交響曲第1番ト短調 Op.7FS16
(2)交響曲第2番ロ短調「四つの気質」 Op.16 FS29

■CD2
(1).交響曲第3番ニ短調「広がりの交響曲」 Op.27FS60
(2)交響曲第4番「滅ぼし得ざるもの(不滅)」 Op.29FS76

■CD3
(1)交響曲第5番Op.50FS97
(2)交響曲第6番「素朴な交響曲」 FS116

■CD4
(1)クラリネット協奏曲 Op.57FS129
(2)歌劇「仮面舞踏会」序曲
全て、デンマーク王立O

■CD1
(1)初CD化
 トーマス・セナゴー(指)
(2)初CD化
 アレクサンドル・ヴェデルニコフ(指)
■CD2
(1)ルート・グルドベク(S)、ニルス・モラー(T)、レナード・バーンスタイン(指)
(2)初CD化
 サイモン・ラトル(指)
■CD3
(1)初CD化
 ミヒャエル・ボーダー(指)
(2)パーヴォ・ベルグルンド(指)
■CD4
(1)初CD化
 ヨン・クルーセ(Cl)、アレクサンドル・ヴェデルニコフ(指)
(2)ミハエル・シェンヴァント(指)

録音:
■CD1
(1)2022年8月24日(ライヴ)
(2)2020年9月4日(ライヴ)
コペンハーゲン、デンマーク王立歌劇場(デンマーク)
■CD2
(1)1965年5月16日Odd Fellow Palace、コペンハーゲン(デンマーク)
(2)2013年2月2日(ライヴ)
DR コンサート・ホール、コペンハーゲン(デンマーク)
■CD3
(1)2015年9月11日(ライヴ)
デンマーク王立歌劇場(デンマーク)
(2)1989年8月17-19日
Odd Fellow Palace、コペンハーゲン(デンマーク)
■CD4
(1)2020年9月4日(ライヴ)
(2)2006年11月13、15日(ライヴ)
デンマーク王立歌劇場(デンマーク)
初出多数!2023年に創設575周年を迎えたデンマーク王立O(RDO)ならではの記念企画、ニールセンの交響曲全集です。RDOは1448年にデンマーク王クリスチャン 1世が臨席する場面で演奏するためのトランペット・バンドとして発足しました。その後の拡充や改編を経て今日に至りますが、驚くことに初代メンバーから名簿が残って おり、通し番号が振られていて、その中にはダウランド(140番)やシュッツ(259番)の名前も見られます。デンマークを代表する作曲家ニールセンは1889年から1905 年までヴァイオリン奏者(647番)として在籍し、その後も指揮者として度々登場。その主要作品の数々をここで初演したため、楽団には「ニールセンのオーケストラ」とし ての特別な自負が今もあると言います。このボックスでは、バーンスタインの第3番はCBS(現ソニークラシカル)、ベルグルンドの第6番はRCA(同)、シェンヴァントの「仮 面舞踏会」序曲はDACAPOからのライセンスですが、他はすべてアーカイヴから厳選した音源で、初CD化となります。 第1番の指揮は2005年に初登場して以来、良好な関係を続けるセナゴー。第2番は2018年から首席指揮者を務め大いに期待されていたヴェデルニコフ。この演奏 の2か月足らず後にコロナ禍に倒れて不帰の人となりました。バーンスタインはニールセンの生誕100年にあたる1965年にデンマークで最高の音楽賞とされるレオニー・ ソニング音楽賞を受賞し、その記念コンサートで第3番を指揮しました。ここに収められた演奏はそのコンサート前日にセッション録音されたものですが、ライヴのような高 揚感に満ちていて早くから名演の評判を得ています。 2013年に同じくレオニー・ソニング音楽賞を受賞したのがラトル。この第4番は記念コンサートのライヴです。ラトルは 第4番に早くから特別なシンパシーを感じていたようで、1984年のバーミンガム市響との録音は今も高い評価を得 ています。ここでも曲を手中に収めた指揮でオーケストラから渾身の演奏を引き出し、特に終楽章では静と動の強 烈な対比や息の長い高揚が圧巻、聴衆の大歓声も納得の出来。ニールセン生誕150年にあたる2015年のヨー ロッパ・ツアーで第5番を指揮して楽団の評価を一段と高めたのが、2012年から16年まで首席指揮者を務めた ボーダー。ここではツアーに先立って本拠で行われた、いわば壮行演奏会のライヴを収録。第6番は1993年から98 年まで首席指揮者を務めたベルグルンド。彼らしい理知的で透明度の高い演奏です。 CD4はボーナスディスク。クラリネット協奏曲は、ニールセンがRDOのソロ奏者オーゲ・オクセンヴァド(楽団員番号 706番)のために書いたもので、作曲家と楽団との特別な絆の一つ。ここではその後輩にあたるヨン・クルーセ(946 番)がソロを務め、偉大な伝統へのトリビュートとしています。 特別仕様のボックスに英語とデンマーク語の充実した解説、写真を多数掲載した36ページのブックレットが付属す る豪華仕様となっています。

NAXOS 2024年7月発売 (1)
NAX-8.574573(1CD)
フランシスコ・ミニョーネ:ギター協奏曲(1975)*…世界初録音
クラリネット小協奏曲(1957)
ファゴット小協奏曲(1957)
ヴァイオリン協奏曲(1960)…世界初録音
ファビオ・ザノン(G)
オバニル・ブオジ(Cl)
アレクサンドリ・シウヴェリオ(Fg)
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
サンパウロSO
ニール・トムソン(指)*
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)*

録音:2021年9月8-1日、2022年8月4-6、8日、2022年7月27-29日、8月1日サラ・サンパウロ(ブラジル)
イタリアから移り住んだフルート奏者アルフェリオの息子として生まれたミニョーネは、13歳でピアニスト=指揮者として活動するなど幼い頃から楽才を発揮しま した。サンパウロ音楽院とミラノ音楽院で学び、ブラジルに戻ってからは教職と作曲を両立させ、数多くの作品を書き上げ、ヴィラ=ロボス以降のブラジルにお ける最も重要な作曲家の一人と称えられています。このアルバムには4曲の協奏曲を収録。オーケストラとソリストがブラジルの詩と歌の形式である素早いエ ンボラーダ(掛け合い)を駆使する彼の協奏曲は、ドラマティックかつ、陽気さと豊かな情緒を備えており、どれも聴きごたえのあるものばかり。なかでも「ブラジル 音楽史上、この挑戦??的なジャンルの最高傑作」と評されたヴァイオリン協奏曲では、サンパウロSOのコンサートマスター、エマヌエーレ・バルディーニがソ リストを務めます。
NAX-8.579165(1CD)
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調「死と乙女」 D.810(1824) (G. マーラーによる弦楽オーケストラ編)
アイラト・イシュムラトフ(1973-):合奏協奏曲第3番「リヒテンシュタイン」 Op.68(2021)*
LGTヤング・ソロイスツ
アレクサンダー・ギルマン(指揮・芸術監督)

録音:2023年5月24-25日 Henry Wood Hall,London(UK)
2022年3月19-21日 Teldex StudioBerlin(ドイツ)
*…世界初録音
世界20か国以上から集まった13歳から23歳までの若き才能による弦楽アンサンブル、LGTヤング・ソロイスツの水際立った演奏が聴きもののアルバム。 シューベルトの名作弦楽四重奏曲「死と乙女」はマーラーによる弦楽合奏版で、コントラバスのパートを加えて響きに厚みが増し、音楽の劇的な側面が一 層強調されています。もう1曲の作曲家アイラト・イシュムラトフはソ連で生まれで、今はカナダを拠点として指揮活動にも注力しています。 合奏協奏曲第3番はリヒテンシュタインの豊かな自然にインスパイアされた作品で、鳥の鳴き声を模した音も聞こえてきます。
NAX-8.574414(1CD)
ヴィータウタス・バツェヴィチウス(1905-1970):ピアノ協奏曲第1番
「Sur des themes lithuaniens リトアニアの主題による」(1929)
ピアノ協奏曲第2番Op.17(1933)*
交響曲第3番Op.33(1944)*
ガブリエリウス・アレクナ(P)
リトアニア国立SO
クリストファー・リンドン=ジー(指)

録音:2021年10月11-15日
*…世界初録音
バチェヴィチウスは、もともとピアニストとして名声を博し、数多くの演奏会に出演していましたが、1939年に 南アメリカで演奏旅行を行っている時に第二次世界大戦が勃発。その翌年、祖国リトアニアがソビエト連邦 に併合されたため、アメリカ合衆国へ渡りそこに留まりました。このアルバムに収録されている交響曲第3番 は、アメリカに到着して間もなく作曲された作品。新天地に対する楽観的な希望が、牽引力ある力強い曲 調で描かれており、曲の最後はアメリカ国歌「星条旗」で高らかに締めくくられます。2つのピアノ協奏曲は大 戦前のパリ留学時の作品。第1番ではリトアニアの民俗音楽の旋律が用いられており、彼の故郷への郷愁 が窺えます。第2番の協奏曲にも民謡の要素が使われており、その曲の歌詞がバツェヴィチウスによって総譜 内に書き込まれています。どちらの曲も装飾的なピアノ・パートを持ち、オーケストラの伴奏がこれを彩ります。 リトアニアのピアニスト、ガブリエリウス・アレクナはTOCCATAレーベルからバツェヴィチウスのピアノ曲をこれまで に3枚リリースした他、このシリース第1集の協奏曲でもピアノを担当しています。
NAX-8.574515(1CD)
マルコ・エンリコ・ボッシ(1861-1925):ヴァイオリン・ソナタ第1番 ホ短調 Op.82(1892)
ヴァイオリン・ソナタ第2番ハ長調 Op. 117(1899)
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
ルカ・デッレ・ドンネ(P)

録音:2022年8月28日、2022年9月4日
イタリアの作曲家エンリコ・ボッシのヴァイオリン・ソナタ。19世紀終わりから20世紀初頭にかけて、オペラ全盛 期を迎えていたイタリアで、ボッシは終生オルガニストとして活躍。イタリアの器楽曲復興に力を尽くしました。 オルガンのための作品が知られていますが、数少ない室内楽作品も歌心溢れる旋律と抒情性に満ちてお り、どれも聴きごたえのあるものです。第1番のソナタは情熱的な主題で始まる作品。セザール・フランクのソ ナタのような循環形式が取り入れられた実験的な側面も持ち合わせています。第2番のソナタはベートーヴェ ンやブラームスを思わせる古典的な4楽章形式による作品。第1楽章のピアノの幅広いアルペッジョに乗って 歌われる旋律が印象的です。イタリアに生まれ、サンパウロSOのコンサートマスターを務めるバルディー ニが情熱歴な演奏を聴かせます。
NAX-8.579160(1CD)
ジョン・コリリアーノ(1938-):ミスター・タンブリンマン - ボブ・ディランによる7つの詩
(2000)(ソプラノと六重奏版2009)
ヴィンセント・ホー(1975):Gryphon Realms グリフォン・レルムス(2015)
ローラ・ハインズ(S)
マリー・サリヴァン(Fl)
セドリック・ブラリー(Cl)
カイル・ユースタス(パーカッション)
カール・ヒルツァー(指)
ランズ・エンド・アンサンブル(P・トリオ)

録音:2022年10月30日、11月6日、2022年12月4日、2023年5月24日
全て世界初録音
現代アメリカを代表する作曲家の一人、ジョン・コリリアーノ。クラシック音楽とポピュラー音楽の要素を融合し たその作品は世界中で愛されています。この『ミスター・タンブリンマン』は2000年にボブ・ディランの詩に作曲 した7曲からなる歌曲集。2008年に発表されたソプラノと管弦楽版の録音(8.559331)は2009年のグラ ミー賞を受賞。大きな話題をさらいました。このアルバムでは、コリリアーノが2009年に室内楽用にアレンジし たヴァージョンを収録。小さな編成による音楽は風通しよく、アンプリファイド(電気的に増幅された)・ソプラノ による歌唱を引き立てており、管弦楽版とは違った味わいを楽しめます。カナダのソプラノ、ローラ・ハインズの 美しい歌声も聴きもの。同時に収録された「グリフォン・レルムス」はニューヨーク・タイムズ誌で作品を高く評 価されるヴィンセント・ホーの作品。数々の賞を受賞し、2007年から2014年までウィニペグSOのコン ポーザー・イン・レジデンスを務めるなど広く活躍しています。この作品は伝説上の生物グリフォンの物語にイ ンスパイアされたピアノ三重奏曲で、ヴァイオリンとチェロが奏でるグリフォンの鳴き声や、第2楽章の東洋的な 旋律が神秘的な雰囲気を盛り上げます。

NAXOS 2024年6月発売 (3)
NAX-8.574317(1CD)
カール・タイケ(1864-1922):行進曲集 第1集
1. 行進曲「アルブレヒト王子」(グートツァイトによる吹奏楽編)
2. 行進曲「旧友」
3. 行進曲「ポツダム万歳」(H. アーレンスによる吹奏楽編)
4. 行進曲「ボルシア」
5. 行進曲「ゆるがぬ忠誠」
6. 行進曲「皇太子」(C. スンドベリによる吹奏楽編)
7. 行進曲「偵察員」(C. スンドベリによる吹奏楽編)
8. ワルツ=ロンド「Nur ein Versuch」
9. 行進曲「Der Fahne nach」 (H. アーレンスによる吹奏楽編)
10. 行進曲「士官候補生」(H. アーレンスによる吹奏楽編)
11. 行進曲「連隊の仲間」
12. 行進曲「大胆な逢い引き」
13. 行進曲「勇敢な攻撃」
14. 行進曲「戦友と共に」
15. 行進曲「最前線」(H. アーレンスによる吹奏楽編)
16. 行進曲「Allen Voran」(D. マーシャルによる吹奏楽編)
17. 行進曲「若者は自ら進んで」(H. アーレンスによる吹奏楽編)
王立スウェーデン海軍バンド
アレクサンドル・ハンソン(指)

録音:Sparresalen, Karlskrona(スウェーデン)
2022年3月28日-4月1日…1-6、10、13-15
2023年10月9-12日…7-9、11、12、16、17
幼い頃から軍楽に接していたというタイケですが、あまりにも謙虚な人柄だったためか、軍楽隊に入隊しても高い階級に達することはありませんでした。19歳 で歩兵第123「国王カール」連隊(ヴュルテンベルク歩兵第5連隊)に入隊、駐在していたシュヴァーベンの都市ウルムで何曲かの行進曲を作曲した後、 1889年に退役するにあたり「旧友」を書き上げ上官パウル・エールテに贈ったものの、常々タイケに嫌がらせをしていたエールテはこの作品を「ストーブで燃や すべきだ」と酷評したというエピソードが伝えられています。警察官となり1895年にウルムからポツダムへ居を移した頃から彼の作品が人気を集め、 「Schutzmannschaft=音楽家の警察官」として国外でも知られるようになります。やがて肺炎を患い警察官を辞め、1909年にはブランデンブルクのラン ツベルク・アン・デア・ヴァルテの地方公務員になりました。彼が生涯に書いた100曲以上の行進曲や舞曲は、出版者のヘルマン・ジルヴェデルによって出版さ れドイツ国内外で人気を博しましたが、作品の権利を譲渡してしまったタイケ自身は富を得ることはできず、貧困のまま同地で生涯を終えました。 このシリーズでは、タイケの胸が沸き立つような行進曲や舞曲を何人かのアレンジャーによる吹奏楽版でお楽しみいただけます。
NAX-8.574514(1CD)
モーツァルト:三位一体の祝日のためのミサ ハ長調 K.167(1773)
ミサ・ブレヴィス ニ長調 K.194(1774)
ミサ・ブレヴィス 変ロ長調 K.275(1777)
カロリーナ・ウルリヒ(S)
エルヴィラ・ビル(A)
パトリック・グラール(T)
ドミニク・ケニンガー(Bs)
ケルン西ドイツ放送cho
ケルン室内O
クリストフ・ポッペン(指)

録音:2021年10月7-9日、11-16日、2022年9月26日-10月2日
クリストフ・ポッペンが指揮するケルン西ドイツ放送合唱団とケルン室内OによるNAXOSのモーツァル トのミサ曲全集シリーズ。この第3集には10代後半から20代前半、ザルツブルク時代の作品が収録されて います。「三位一体の祝日のためのミサ」K. 167は、当時の大司教コロレドの「ミサは短く簡潔に」の命に従 い書かれたためか、モーツァルトのミサ曲の中でも唯一ソリストを持たない曲となっていますが、作品は堂々た る風格と壮麗なフーガを備えた見事な仕上がりとなっています。続く2曲のミサ・ブレヴィス(=小さなミサ曲)も 大司教の好みにあわせコンパクトに書かれた作品。オーケストラの前奏なしに合唱が歌い始める1774年作 曲のニ長調はモーツァルトの死後に出版された最初の作品と考えられています。変ロ長調のミサは恐らくコロ レドのために書いた最後の典礼作品であり、ザルツブルク時代の卒業作品といえるものです。当時の宗教音 楽としては挑戦的な調性を用い、あっさりとしたクレド、異様に長いアニュス・デイの締めくくりの言葉「Dona nobis pacem」ではパリで流行していたガヴォットのリズムを用いるなど挑発的な箇所が散見される作品で す。
NAX-8.574579(1CD)
フェルッチョ・ブゾーニ:ピアノ作品集 第12集
前奏曲とフーガ ハ長調 Op.36BV.180(1880-81)
ソナチネ第1番BV.257(1910)
ソナチネ第2番BV.259(1912)
3つのピアノ曲 Op.11 - 第2曲 Masige(1909年 F. ブゾーニ編、原曲:シェーンベルク)
ソナチネ第4番「キリスト生誕1917年の日に」 B.V.274(1917)
クリスマスの夜 B.V.251(1908)
3つのアルバムの綴り B.V.251(1908)
ヴォルフ・ハーデン(P)

録音:2023年4月20-21日
フェルッチョ・ブゾーニはイタリア生まれですが、その生涯のほとんどをドイツで過ごし、晩年はベルリン芸術アカ デミーで作曲の教鞭もとっていました。彼はリストを尊敬していたヴィルトゥオーソ・ピアニストで、そのピアノ作 品は高水準の出来栄えを示しています。 このピアノ作品集第12集は、3つのソナチネとその他の作品を収録しています。冒頭に置かれた「前奏曲と フーガ ハ長調」は初期の重要作「24の前奏曲」と同時期の作品。10代の作品でありながら、すでに成熟 した仕上がりを見せています。1910年代に書かれた3つのソナチネは、どれも短いながらも技巧的で意欲的 な作品。自作を上手く転用しつつ変奏曲形式で書かれた第1番、調号や拍子記号、さらにはほとんどの小 節線までもが省かれた第2番(これは1902年にシェーンベルクから楽譜が送られ、ブゾーニ自身が演奏会 ヴァージョンとしてさまざまな拡張を試みた「3つのピアノ曲」に触発され書かれたものです)。シチリアとドイツの キャロルが控え目に引用された比較的穏やかな第4番。ここには1908年に書かれた「クリスマスの夜」との共 通性も見られます。最後に置かれた「アルバムの綴り」はブゾーニの最も厳格かつ深遠な作品の一つです。 シリーズを通じてドイツのピアニスト、ヴォルフ・ハーデンが演奏を担当しています。
NAX-8.574356(1CD)
ペトロス・ペトリディス(1892-1977):オラトリオ「聖パウロ」/交響曲第1番 他
【CD1】
オラトリオ「聖パウロ」(1950) ? 第1部
オラトリオ「聖パウロ」- 第2部
【CD2】
オラトリオ「聖パウロ」- 第2部(続き)
交響曲第1番ト短調「ギリシャ」(1926/28-30改訂)(B. フィデツィスによる復元版)
クレフティコ舞曲集(1922)
マルタ・アラピス/ソフィア・キャニドウ(S)
イネス・ジコウ(Ms)
ヤニス・クリストプーロス/アンゲロ・シモス/ディミトリス・シガロス(T)
ディミトリス・ティリアコス(Br)
クリストフォロス・スタンボグリス/パンテリス・プシュハス(Bs)
ブルガリア国立放送cho
ブルガリア国立RSO
バイロン・フィデツィス(指)

録音:Concert Hall (Large Studio) of Bulgarian Radio、 ソフィア(ブルガリア)
2004年7月16-20日…オラトリオ「聖パウロ」
1984年1月18-20日…交響曲第1番
1985年9月30日…クレフティコ舞曲集
※全て世界初録音
トルコのカッパドキア近郊出身の作曲家ペトロス・ペトリディス。イスタンブールの高校を卒業し、1911年から パリで法律を学ぶも、翌年からバルカン戦争に従軍。帰還後は音楽家を目指し、ほぼ独学で作曲技法を 習得しました。1913年にはギリシャに帰化、その後はパリとアテネを行き来しながら音楽評論家としても活 動。「皇帝コンスタンティノス・パレオロゴスのためのレクイエム」など、中世ビザンチン聖歌を用い、複雑なポリ フォニーを駆使した作品が高く評価されています。当盤に収録されたオラトリオ「聖パウロ」も同様で、聖書の 使徒行伝中の聖パウロに関するエピソードが朗読、独唱、合唱が歌う14のコラールを交えドラマティックに綴 られます。アルバムには1933年にディミトリ・ミトロプーロスが初演を行った「交響曲第1番」と、ペトリティスに とって初の大規模なオーケストラ作品となった「クレフティコ舞曲集」も収録されています。

NAXOS 2024年6月発売 (2)
NAX-8.574630(1CD)
マルコ・トプチィ〜ギター・リサイタル
ルーセル:セゴビア Op.29(1925)
バリオス(1885-1944):森に夢みる(1918以前)
プーランク:サラバンド FP179(1960)
ジラルディーノ(1941-2022):超絶技巧練習曲(1981-88)より
  No.18. El Rosario
 No.32. Embarquement pour Cythere
 No.19. Jondo
デュモン(1950-):5つのフランスのオマージュ- 第5番ラヴェルへのオマージュのように(1998)
ダウランド(1563頃-1626):ファンタジア ト短調 P.71
フレデリック・ハンド(1947-):アンダーカレンツ(2023)
コンスタンティン・ブリオフ(1976-):ギター・ソナタ第6番「ハルキウ」 Op.48(2021)…世界初録音
グレアム・クーネ(1956-):A Closed World of Fine Feelings and Grand Design(1997)
マルコ・トプチィ(G)

録音:2024年1月19、20日
1991年、ウクライナ生まれのギタリスト、マルコ・トプチィ。4歳からギターをはじめたトプチィはこれまでに国際的なギター・コンクールで55回もの優勝歴を誇り ます。2013年の東京国際ギターコンクールに優勝したことで2014年には日本ツアーを行い、以来、日本国内でも数多くのファンの心を掴んでいます。この アルバムは2023年のGFA(Guitar Foundation of America=アメリカ・ギター財団)国際ギター・コンクールの優勝記念として製作されたもので、ルネサ ンス期のダウランドから、トレモロ奏法が素晴らしい効果をあげるバリオスの「森に夢見る」など20世紀初頭のロマンティックな作品、そして現代の前衛的、実 験的な作品まで、彼の幅広いレパートリーと技巧に裏打ちされた豊かな音楽性を楽しめます。ルーセルとプーランクの唯一のギター作品を収めているのも貴 重。ギター・ソナタ第6番「ハルキウ」の作曲家コンスタンティン・ブリオフはウクライナ生まれで、現在東京を拠点に活躍しています。新型コロナウイルス感染症 のパンデミックの際はウクライナで2年間を過ごし、日本に戻ってすぐに祖国で戦争が勃発するという状況の中、ブリオフは自身の生地をタイトルにしたこの曲 に特別な思いを託したと語ります。ト調を基調にしながらも12音をくまなく使うことで不安な感情が描かれたこの曲でもトプチィは共感溢れる演奏を聴かせま す。トプチィは2024年4月の来日公演でもこの曲を演奏しました。
NAX-8.574309(1CD)
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994):ポルトガル語による合唱曲集
2つの古いロマンス(1956)
ポルトガル地方の3つの歌(1970/77)
最初のクリスマス・カンタータから8つの歌(1945/50)
カモンイスの詩による3つのカスティーリャの歌(1954/55)
ポルトガル地方の3つの歌(1957/65/70)
20-22.3つの合唱曲(1946)
コーロ・カーサ・ダ・ムジカ(声楽アンサンブル)
ポール・ヒリアー(指)

録音:2020年2月2-5日
20世紀のポルトガル音楽界において重要な位置を占める作曲家フェルナンド・ロペス=グラサ。彼のポルト ガル民謡や伝統音楽の研究と知識は、バルトークのハンガリー民謡研究に匹敵する業績と言えるでしょう。 古典的な形式に民俗音楽の旋律やリズムを落とし込んだ作品を数多く遺しており、このアルバムに収録され た無伴奏合唱曲はまさに創作の頂点をなすもの。民謡風の旋律がストレートに歌われる作品や、複雑な 和声が用いられ、時には無調とも思えるほどの大胆な響きを駆使した実験的な作品、民謡の旋律を用い ながらも、まるでルネサンス時代の合唱曲を思わせるような見事な対位法を駆使した作品など様々な歌を 聴くことができます。「最初のクリスマス・カンタータから8つの歌」(とりわけ第1曲が聴きもの)での敬虔な旋律 が民謡風に変貌する様子も聴きどころ。 2009年に設立され、2019年までポール・ヒリアーが首席指揮者を務めたポルトガルの声楽アンサンブル 「コーロ・カーサ・ダ・ムジカ」の真摯かつ清冽な声を存分にお楽しみください。
NAX-8.574580(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲第1番ト長調 Op.58(1929)…世界初録音
弦楽四重奏曲第2番ヘ短調 Op.139(1948)…世界初録音
弦楽四重奏曲第3番ヘ長調「カーザ・アル・ドーノ」 Op.203(1964)
アドルノQ

録音:2023年6月26-27日
優れたギター作曲家として知られるマリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコの弦楽四重奏曲集。 ピツェッティに師事しカゼッラに認められたカステルヌオーヴォ=テデスコは、1920年代のイタリアにおける 前途有望な新進作曲家の一人として活躍しました。この時期に書かれた第1番は田園地帯の風景を 描写したかのような素朴な味わいを持つ若々しく美しい作品です。その後彼はムッソリーニのファシスト 政権の圧迫によりイタリアを離れアメリカに亡命、映画音楽の作曲家として活躍しますが、終戦後に訪 れたイタリアでその変わってしまった姿を目の当たりにします。その時に抱いた複雑な感情が第2番の四 重奏曲にも反映されたようで、この曲には不協和音と落ち着きのない旋律が至るところに現れます。 1964年の第3番は「カーザ・アル・ドーノ」の副題を持ち、4つの楽章にはそれぞれ「ヴァッロンブローザへ の帰還」「修道院」「小さな列車」「議論と日没」のタイトルが付されており、これらは故郷と友情への思 い出からインスピレーションを得て明るさを取り戻したかのような描写的な作品です。
NAX-8.559933(1CD)
マーガレット・ブラウワー(1940-):管弦楽作品集
The Art of Sailing at Dawn(2020)
狂詩曲、管弦楽のための協奏曲(2009/2021改訂)
交響曲第1番「Lake Voices 湖の声」(1997)
Path at Sunrise, Masses of Flowers(2010)
プルート(1997)(管弦楽版)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2023年13-14日、2023年3月24日
ニューヨーク・タイムズ紙で「独特の魅惑的なハーモニーの世界に棲んでいる」と称賛されたアメリカの作曲家 マーガレット・ブラウワー。1996年から2008年までクリーヴランド音楽院作曲科の主任教授を務め、数々の 名誉ある賞を受賞、オーケストラや演奏家からも数多くの委嘱を受けています。このアルバムには5つの作品 を収録。交響曲第1番には、彼女が幼い頃に過ごしたオランダ系アメリカ人のコミュニティで耳にしていたオラ ンダの賛美歌が繰り返し現れます。「狂詩曲、管弦楽のための協奏曲」では様々な楽器が色彩豊かに用い られており、まばゆいばかりの響きです。1996年、ホルストの「惑星」の続編として作曲された「プルート=冥 王星」は冥府を司る神をモティーフに破壊と再生が描かれた作品。「海王星」のラストを受けて初演版では 女声合唱が入りますが、この作曲家自身による編曲では、声の代わりにフルートとオーボエが太陽の温かさ を描き出します。他には、早朝の静けさの中に咲く花々を描いた「Path at Sunrise, Masses of Flowers」、夜明けの航海の様子を描いた「The Art of Sailing at Dawn」を収録。マリン・オルソップが ウィーン放送響とともに常に自然に寄り添うブラウワー作品の抒情的な魅力を丁寧な仕事で隅々まで伝え ます。
NAX-8.660556(2CD)
ロッシーニ:歌劇「エルミオーネ」 エルミオーネ…セレーナ・ファルノッキア(S)
アンドロマカ…アウローラ・ファッジョーリ(A)
ピッロ…モイセス・マリン(T)
オレステ…パトリック・カボンゴ(T)
ピラーデ…ワン・チュアン(T)
フェニーチョ…ガブリエル・パク・ジュソン(Bs)
クレオーネ…マリアーナ・ポルトラク(S)
チェフィーザ…カタジナ・グラン(S)
アッターロ…バルトシュ・ヤンコフスキ(T)
クラクフPO&cho
アントニーノ・フォリアーニ(指)

録音:2022年7月16-23日「ヴィルトバートのロッシーニ」音楽祭
晩年のロッシーニが滞在したことにちなんで毎年夏に開催される 「ヴィルトバートのロッシーニ」音楽祭から歌 劇「エルミオーネ」が登場。2022年のライヴです。 ギリシア悲劇を基にトットーラが台本を作成、名歌手イザベラ・コルブランのために書かれたこの歌劇は、コル ブランをはじめとした名歌手を揃えて初演に臨んだにもかかわらず不評に終わり、結局5回のみ上演されて 以降は忘れられてしまいました。とはいえロッシーニ自身はこの作品を気に入っており、生涯楽譜を保存して いたといいます。やがて、1977年にシエナで蘇演が行われてから人気が盛り返し、現在ではしばしば世界各 地で上演されています。 この2022年の上演ではエルミオーネ役をセレーナ・ファルノッキア、その婚約者で彼女を裏切るピッロ役をモイ セス・マリンが歌い、圧倒的な存在感と輝かしい声で聴衆を魅了しました。脇を固めるカボンゴとファッジョーリ らの素晴らしい歌声も聴きどころ。2004年から音楽祭に出演しているアントニーノ・フォリアーニもオーケスト ラと合唱団から最高の響きを紡ぎ出しています。
NAX-8.574497(1CD)
フランツ・クレメント(1780-1842):無伴奏ヴァイオリン作品集
12のカプリース - 第2番、第3番、第10番
メユールの歌劇「ジョゼフ」のロマンスによる変奏曲
12のカプリース - 第4番- 第6番
パントマイム『Die3Sclaven』の主題による変奏曲
12のカプリース - 第7番- 第9番
J. ヴァイグルの歌劇「スイスの家族」のアリア「Wer horte wohl iemals mich klagen」による変奏曲
12のカプリース - 第1番、第11番、第12番
サリエリの歌劇「黒人」の行進曲による8つの変奏曲
リン・ハオリ(Vn)

録音:2023年6月25-28日、7月2-4日
※全て世界初録音
【ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲初演者クレメントの魅力的な作品集!】 オーストリア生まれのヴァイオリニスト、作曲家フランツ・クレメント。幼い頃から神童ぶりを発揮、14歳の時に はその演奏を聴いて感激したベートーヴェンと親交を結び、後に彼のヴァイオリン協奏曲を初演しています。ク レメント自身も多数のピアノ、または管弦楽伴奏のヴァイオリン曲や無伴奏ヴァイオリン曲を作曲、なかでも 「12のカプリース」は、パガニーニを思わせるヴィルトゥオジティを持つとともに、美しい旋律と抒情性を備えてい ます。また当時人気のあった歌劇やバレエの旋律を用いた変奏曲も、技巧を要する装飾的な旋律が展開 します。演奏は2008年の中国国際ヴァイオリン・コンクールで最年少優勝を果たし、中国をはじめ、東南ア ジア、アメリカで活躍するリン・ハオリ。1732年製ニコロ・ガリアーノの美音を生かし、超絶技巧を聴かせま す。
NAX-8.559950(1CD)
ブルース・ブロートン(1945-):管弦楽作品集
そして6日目には
弦の理論/ホルン協奏曲
オリヴィエ・スタンキエヴィチ(Ob)
ウィリアム・フェルミューレン(Hrn)
LSO
ジョナサン・ブロックスハム(指)

録音:202年7月16、18、19日
エミー賞10回受賞、映画『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』の作曲家ブルース・ブロートンの作品集。 創世記の第1章をモティーフにした「そして6日目には」は3楽章からなるオーボエ協奏曲。混沌とした世界の 始まりから日没、翌朝へと変化してゆく情景を通じて人間世界の始まりを描きます。この曲を初演したロンド ン響首席奏者のスタンキエヴィチによる演奏です。「弦の理論」は前奏に続き17の変奏で構成された変奏 曲。各々の変奏で様々な技法が披露されていき、フィナーレでこれらを組み合わせて輝かしい結末を導きま す。「ホルン協奏曲」は急緩急の古典的な形式で、モーツァルトやR・シュトラウスの流れを汲んだと思 われるロマンティックでメロディアスな楽想も魅力。初演者でヒューストン響首席フェルミューレンの演奏です。 ブロートンはオーケストラを良く鳴らし、各楽器のサウンドを活かした書法で効果を上げています。

NAXOS 2024年6月発売
NAX-8.574412(1CD)

NYCX-10473(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

オスカル・ロレンゾ・フェルナンデス(1897-1948):組曲「田園風東方の三博士祭」(1930)
交響曲第1番(1945)…世界初録音
交響曲第2番「エメラルド・ハンター」 (1946-47)
ミナスジェライスPO
ファビオ・メケッティ(指)

録音:2022年9月24,26-30日
20世紀に活躍したブラジルの多くの作曲家と同様、フェルナンデスは民族主義的な作風から出発し、それらを国際的な技法や様式と統合することを試みま した。「田園風東方の三博士祭」組曲は初期の民族主義的な路線による代表作。クリスマスをモチーフにした親しみ易い音楽で、特に覚えやすくノリ易い 第3曲「バトゥーキ」はブラジル管弦楽名曲集の定番の一つ。2022年に東京で行われたブラジル独立記念200周年コンサートでも演奏され喝采を博しま した。交響曲第1番はバルトークに影響されて書いた4楽章形式の力作。古典的な構成による純粋音楽を目指しつつもブラジルらしいリズムや旋律が随所 に顔を出します。エメラルドを求めて密林に入り、先住民や大自然の脅威に直面した冒険家を描いた第2番は標題音楽の性格が強く、ドラマティックな作 品。作曲者は初演を聴くことなく世を去りました。
※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。

NAXOS 2024年5月発売 (2)
NAX-8.559914(1CD)
ダロン・アリック・ハーゲン(1961-):平家組曲
平家組曲第1番「アパッショナート」(2015)
平家組曲第2番「カンタービレ」(2016)
平家組曲第3番「ミステリオーソ」(2017)
平家組曲第4番「グランディオーソ」(2018)
平家組曲第5番「アポセオシス」(2022)
デュオ夢乃
木村伶香能(歌/箏)
玉木光(歌/Vc)
ダロン・アリック・ハーゲン(エレクトロ・アコースティック)

録音:2022年6月27-28日彩の国さいたま芸術劇場
全て世界初録音
アメリカの現代作曲家ダロン・アリック・ハーゲンが『平家物語』を基に描いた音楽物語。日本の箏とチェロの二重奏に、地声によるヴォーカルも加わり、幻想 的な平家絵巻が描かれています。更に、最終章ではエレクトロニクス・アコースティックも重なり、浄土の世界へと誘います。デュオ夢乃はニューヨークと日本を 拠点に邦楽とクラシックの伝統に根ざしつつ新しい室内楽を開拓しており、これまでに一柳慧、ダロン・ハーゲンなど国際的に活躍する現代作曲家に新作を 委嘱。ニューヨークの音楽シーンで活躍する作曲家の新作初演にも多く携わり、その演奏はニューヨークタイムズ、ニューヨーク・クラシカル・レビュー等において 高い評価を得ています。ブックレットの解説は英語のみですが、日本語解説と歌詞はインレイ面記載のアドレスにアップロードされて読むことができます。
箏と弦楽四重奏の為のコンチェルトにおいて、私は日本の古典文学「源氏物語」の音楽化を試みた。今回、箏とチェロの二重奏組曲を作曲するにあたり、 諸国を廻り歩く琵琶法師たちが語り継いできた軍記物語、「平家物語」を題材とする事にした。『驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も 遂には滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。』と始まる冒頭は、物語の核心である仏教的無常観を表しています。この連作では、時勢を率いた武士ではなく、 戦乱の世に翻弄された女性たちに視点を当て、平家の世界を描くことを試みた。取り上げた3人の女性たちはいずれも晩年に仏門に入っています。この「平 家組曲」は2015年から2022年にかけて作曲し、デュオ夢乃に捧げられた。私を日本の歴史と文学の世界へと導き、その成果として誕生したこの連作を数 多くの場所で演奏し続けているデュオに対する感謝の念が、ここに結実しています。ーー ダロン・アリック・ハーゲン
NAX-8.574546(1CD)
リスト:ピアノ曲全集 第62集〜宗教作品編曲集
アッシジの聖フランチェスコの太陽の賛歌 S499/R191(1881)
聖フランチェスコ(アッシジの聖フランチェスコの太陽賛歌のための前奏曲)S498d/R392(1880)
エクセルシオール!(シュトラスブルク大聖堂の鐘のための前奏曲) S500/R337(1874頃-76)
幻想小曲集「Liebesszene und Fortunas Kugel 愛の情景とフォルトゥナの水晶球」
- A.ゴルトシュミットのオラトリオ「7つの大罪」より(1880)
◇愛の情景/フォルトゥナの水晶球
ロッシーニによる2つのトランスクリプション(1847)
ロッシーニの「La Charite 慈悲」によるアルモニー S701j(1847)(断章)
システィーナ礼拝堂で S461/R114- アレグリのミゼレーレとモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス(1862)(初稿/レスリー・ハワード編)
モーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスS461a(1861頃)
マーティン・カズン(P)

録音:2023年2月16-17日
若い頃には超絶技巧ピアニストとして名を馳せたフランツ・リスト。そんな彼が1865年に僧籍に入ったことに は多くの人が衝撃をうけました。しかし、それまで女性関係や家族関係、芸術的な確執など多くの問題に悩 まされていた彼が宗教的な世界に救いを求めたことは、とりわけ不思議なことではありませんでした。この頃に は「詩的で宗教的な調べ」などの内省的な曲集が書かれていますが、更に年を重ねると一層精神的な深み を追求した作品が多く書かれるようになります。このアルバムに収録されたのは、ロッシーニのトランスクリプショ ンを除き全て晩年の作品。和声はシンプルになり、時に粗削りともいえるようなゴツゴツとした旋律も現れま す。リストが最期に求めた魂の平穏の昇華とも言える珠玉の曲集です。
NAX-8.559938(1CD)
ルーカス・フォス:交響曲第1番/ルネッサンス協奏曲 他
オード(1944/1958改訂)
ルネッサンス協奏曲(1985)
3つのアメリカの小品(1944-45、ヴァイオリンと管弦楽版 1989)
交響曲第1番ト長調(1944)
エイミー・ポーター(Fl)
ニッキ・チューイ(Vn)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2022年6-7日
ベルリン生まれのフォスは地元で初期の音楽教育を受け、1933年パリに留学。その後、1937年にア メリカにわたりフィラデルフィアのカーティス音楽学校に入学しフリッツ・ライナーから指揮法を学ぶとともに、 イェール大学ではパウル・ヒンデミットから作曲を学んでいます。彼の作品には様々な作曲スタイルが混 在しますが、1940年代の3作品は新古典派的なスタイルで書かれており、自身の言葉である「未来に 大きく足を踏み入れるには、過去に大きく足を踏み入れなければならない」を具現化したものといえるで しょう。とりわけ交響曲第1番は抒情的かつ田園的な雰囲気の中に、微妙にジャズの影響が感じられる ユニークな作品です。「オード」は第二次世界大戦中に失われた命への追悼曲。「3つのアメリカの小 品」はヴァイオリンとピアノのために書かれましたが、後に管弦楽伴奏に編曲された作品。コープランド風 の親しみやすい雰囲気に満ちています。1985年の「ルネッサンス協奏曲」はフォスが“世紀を超えた握 手”と呼んだ曲。ラモーやモンテヴェルディ作品を借用しながらも、巧みな転調を採り入れたモダンな曲調 が魅力的です。表現力豊かなジョアン・ファレッタの指揮でお聴きください。
NAX-8.574577(1CD)
ルーセル:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調 Op.11
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.28
弦楽三重奏曲 Op.58(
デイヴィッド・ボウリン(Vn)
トニー・チョー(P)
カーステン・ドクター(Va)
ドミートリー・コウゾフ(Vc)

録音:2023年2月21日、2023年2月23日、2023年3月23日
フランスの作曲家アルベール・ルーセルは交響曲や『くもの饗宴』などのバレエ作品で知られていますが、あまり 耳にすることはないとは言え見事な室内楽作品も書いています。ルーセルは青年時代のおよそ5年間を海 軍に従事、退役した後に本格的に音楽を学び1902年に作曲家としてデビュー。1890年代の作品をほと んど破棄し、デビュー以降の作品をカタログ化したため、すでに書かれていたヴァイオリン・ソナタは破棄され、 このアルバムに収録された1907-08年のソナタが第1番となりました。ロマンティックな楽想を持つ美しい作 品です。第2番のソナタは1924年の作品。無調に近いものの少しだけ東洋的な響きを纏った15分ほどのコ ンパクトな作品です。最後の弦楽三重奏曲は1937年、ルーセルの最後の完成作品。簡潔な形式の中に 全体的な統一感が感じられ、各パートが複雑に絡み合いながら曲がすすみ最後は唐突に終わります。 2003年ワシントン国際コンクールで優勝し、現在はオバーリン音楽院で教えるヴァイオリニスト、デイヴィッド・ ボウリンを中心としたアンサンブルの演奏です。
NAX-8.660554(2CD)
ロッシーニ:歌劇「アルミーダ」 アルミーダ…ルート・イニエスタ(S)
リナルド…ミケーレ・アンジェリーニ(T)
ゴッフレード…モイセス・マリン(T)
イドラオテ…ガブリエル・パク・ジュソン(Bs-Br)
ジェルナンド…パトリック・カボンゴ(T)
エウスタツィオ…マヌエル・アマティ(T)
ウバルド…セサール・アリエータ(T)
カルロ…チュアン・ワン(T)
アスタロッテ…シ・ツォン(Bs)
クラクフPO&cho
ホセ・ミゲル・ペレス=シエーラ(指)

録音:2022年7月15、20日  ヴィルトバートのロッシーニ音楽祭
晩年のロッシーニが滞在したことにちなんで毎年夏に開催される 「ヴィルトバートのロッシーニ」音楽祭から、6 人のテノール歌手を要する「アルミーダ」が登場。2022年のライヴです。 タッソの叙事詩『エルサレム解放』に登場する魔女アルミーダと十字軍の英雄リナルドの物語は、バロック時 代以降数多くの作曲家が題材に用いましたが、ロッシーニもその一人。彼は1817年にこの歌劇を作曲、そ の前年に火災に遭ったナポリのサン・カルロ劇場の再開?落としで初演が行われました。当時ロッシーニの恋 人で後に妻となった歌姫イザベラ・コルブランが創唱した題名役には「D'amore al dolce impero=甘き 愛の帝国では」などのコロラトゥーラの難曲があり、また6人ものテノール歌手を必要とするため上演困難な作 品としても知られていますが、この公演は「まるで魔法のようなキャスティング」と評されるほどの高水準な出来 となり、題名役のルート・イニェスタのコロラトゥーラと、リナルド役のミケーレ・アンジェリーニの輝かし い高音も 高く評価されました。ホセ=ミゲル・ペレス =シエーラはジャンルイジ・ジェルメッティに師事、アルベルト・ゼッダ のアシスタントを務めていた指揮者で、NAXOSレーベルのロッシーニ・オペラの録音は高い評価を得ていま す。

NAXOS 2024年4〜5月発売
NAX-8.574413(1CD)
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):献呈/後奏曲
ヴァイオリンと管弦楽のための交響曲「献呈」(1990-91)
後奏曲 - ピアノと管弦楽のための(1984)
ヤヌシュ・ヴァヴロフスキ(Vn)
ユルギス・カルナヴィチウス(P)
リトアニア国立SO
クリストファー・リンドン=ジー(指)

録音:2022年5月2-6日
現在ベルリンで生活を送るキーウ出身の作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフ。活動の初期の頃は前衛的な作品を書いていたものの、1974年にソ連作 曲家同盟から除名されてしまい公の場での活躍が難しくなりました。彼はこの頃から作風を変換、後期ロマン派を思わせる美しい響きを用いた懐古的な作 品を書き始め、これらは現在までに多くの人に愛されています。このアルバムに収録されているのは、彼の6番目の交響曲にあたる「献呈」と80年代の代表 作の一つ「後奏曲」の2作。「献呈」はシルヴェストロフの親友でもあるヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルのために作曲され、ミュンヘンでクレーメルによって初 演されました。冒頭こそ不協和音に満ちていますが、曲の白眉はマーラーのアダージェットを思わせる最終楽章にあり、自身の演奏の録音を聴いたクレーメル が思わず「映画『ヴェニスに死す』の世界のようだ」と叫んだというほどに、安らぎと憧れに満ちた世界が広がります。「後奏曲」も冒頭こそ十二音音楽を思わせ る激しい曲想ですが、少しずつピアノの優しく懐かしい響きが曲を支配し、最後は静寂の中に音が消えていきます。どちらもシルヴェストロフらしい、調性や伝 統的な旋法を用いながらも、ドラマティックさと抒情性が交錯する独自の作風で書かれています。 「献呈」でヴァイオリンを演奏するのはポーランドの名手ヤヌシュ・ヴァヴロフスキ。ポーランド現代作品の初演を数多く行うとともに、録音でも高く評価されてお り、このアルバムでも1685年製の銘器ストラディヴァリを駆使して,美しい音色でシルヴェストロフの音楽を歌い上げています。
NAX-8.660558(3CD)
マイアベーア:歌劇「アフリカの女(ヴァスコ・ダ・ガマ)」 ヴァスコ・ダ・ガマ…マイケル・スパイアーズ(T)
セリカ…クラウディア・マーンケ(Ms)
イネス…キルステン・マキノン(S)
ネルスコ…ブライアン・マリガン(Br)
ドン・ペドロ…アンドレアス・バウアー・カナバス(Bs)
ドン・ディエゴ…トーマス・フォークナー(Bs)
アンナ…ビアンカ・アンドルー(Ms)
ドン・アルヴァロ…マイケル・マカウン(T) 他
フランクフルト歌劇場O&cho
アントネッロ・マナコルダ(指)

録音:2018年3月2日-4月2日(ライヴ)フランクフルト歌劇場(ドイツ)
マイアベーアの最後のグランド・オペラとなった「アフリカの女」。もともとポルトガルの航海士をモデルにした「ヴァ スコ・ダ・ガマ」として構想し、大合唱やバレエを含む壮大な作品として書き上げましたが、完成直後にマイア ベーアは初演を観ることなく死去。そのためリハーサルを行ったフランソワ=ジョゼフ・フェティスがカットを施すな ど作品を改訂し、台本も変更、タイトルを「アフリカの女」と改め初演を行いました。 現在はマイアベーアの原案通り「ヴァスコ・ダ・ガマ」のタイトルで上演されることもありますが、この上演では一 般的なタイトルの「アフリカの女」も併記されています。ただし、使用したスコアは2013年に作成された比較 校訂版で、オリジナルのスコアと、未完で遺された膨大な素材をもとにしたマイアベーアの当初の意図を反映 したものとなっています。 この演奏ではバリトンからテノールまで広い音域を持つ「バリテナー」として人気を集めるマイケル・スパイアーズ に注目。有名な第4幕のアリア「おお、天国よ」を美しい声で聴かせます。クラウディア・マーンケとキルステン・ マキノンなど女声陣も充実。指揮のマナコルダは古典派・ロマン派の交響曲録音で注目されていますが、オ ペラでの活躍はそれ以上で、メトロポリタン、コヴェント・ガーデン、ウィーン、バイエルンなどの名門歌劇場で高 く評価されています。
NAX-8.574550(1CD)
Folk Tales2民話/第2集
イギリスとアイルランドの小品集

1. ブリッジ:子守歌(Vcとピアノ版)
2. ブリッジ:セレナード イ長調(Vcとピアノ版)
3. ブリッジ:エレジー
4. エルガー:愛の挨拶 Op.12(Vcとピアノ編)
5. レベッカ・クラーク:エピローグ
6. クラーク:パッサカリア(Vcとピアノ版)
7. クラーク:わが心に静まれと命じよう(Vcとピアノ版)
8. アイアランド(1879-1962):デコレーションズ- 第1曲 The Island Spell 島の呪文
9. アイアランド:コロンビーヌ
10. アイアランド:春の悲しみ (J. ロイド・ウェバーによるチェロとピアノ編)
11. アイアランド:4つの前奏曲 - 第3番 聖なる少年(Vcとピアノ版)
12. バックス:ネレイド
13. 伝承曲:夏のなごりのバラ(庭の千草)(G. ペレグリンによるチェロ編)
14. ハーバート・ヒューズ: サリー・ガーデン(L. オコーナー、G. ペレグリンによるヴァイオリンとチェロ編)
15. マイレ・ブレトナック(1956-):レクール湖の白鳥(Vn版)
16. 伝承曲:金髪乙女(M. エスポジト、G. ペレグリンによるチェロ編)
17. 伝承曲:She Moved Through the Fair シー・ムーヴド・スルー・ザ・フェアー
 (L. オコーナー、G. ペレグリンによるヴァイオリンとチェロ編)
18. 伝承曲:The Lark in the Clear Air 澄みきった空に歌うヒバリ(T.C. ケリーによるピアノ三重奏編)
19. レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:旅の歌
- 第1曲 放浪者(Vcとピアノ版)
20. ヴォーン・ウィリアムズ:How Can the Tree but Wither?(Vcとピアノ版)
21. ヴォーン・ウィリアムズ:旅の歌 - 第7曲 私はいずこにさすらうか(Vcとピアノ版)
ジェラルド・ペレグリン(Vc)…1-7、10-11、13-14、16-21
アンソニー・イングラム(P)…1-12、18-21
リンダ・オコーナー(Vn)…14-15、17-18

録音:2023年4月26-28日
ジェラルド・ペレグリンとアンソニー・イングラムは、第1集(8.574035)に続くこのアルバムで、ヨーロッパの伝統 と英国民謡の融合を図った20世紀イギリスの作曲家たちが模索した「新しい英国音楽」を更に探求。伝承 曲からあまり耳にすることのない曲まで様々な曲を紹介しています。アルバムの中にはペレグリンがコロナ禍の パンデミック中に各種施設で行ったコンサートで披露した曲も含むなど、心の琴線にふれる詩的な小品を聴 くことができます。前作はチェロとピアノの二重奏曲のみが選曲されていましたが、今作ではヴァイオリニストで アレンジャーのリンダ・オコーナーも演奏に加わり、ピアノ・ソロから三重奏、チェロとヴァイオリンのデュオなど多 彩な編成も楽しめます。
NAX-8.574532(1CD)
オーベール(1872-1871):序曲集 第6集
1. 歌劇「女大使」 S.28- 序曲(1836)
2. 歌劇「悪魔の取り分、またはカルロ・ブロスキ」 S.36- 序曲(1843)
3. 歌劇「エイデ、または秘密」 S.40 - 序曲(1847)
4-13. 歌劇「ドン・ファン」 - 第2幕 ディヴェルティスマン(1866)…世界初録音
 4. 序曲
 5. メヌエット、アレグレット ? トリオ(モーツァルトの交響曲第40番 K.550による)
 6. ディヴェルティスマン第1番:アレグロ・マ・ノン・トロッポ
 (モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K. 421」による)
 7. ディヴェルティスマン第2番:(アレグロ)(モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K.421」による)
 8. ディヴェルティスマン第3番:メヌエット・アレグレット
 (モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K. 421」による)
 9. ディヴェルティスマン第4番:トリオ(モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K.421」による)
 10. ディヴェルティスマン第5番:(モデラート)
 11. ディヴェルティスマン第6曲:(モルト・モデラート)
 (モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K. 421」による)
 12. ディヴェルティスマン第7番:メヌエット・アレグレット
 (モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K. 421」による)
 13. ディヴェルティスマン第8曲:(トルコ行進曲)アレグロ
 (モーツァルトの「ピアノ・ソナタ第11番 K. 331」による)
14. 歌劇「ガルベの王の婚約者」 S.49 - 第2幕 終幕のバレエ音楽(アレグロ)(1864)…世界初録音
15.歌劇「幸福の第一日」 S.50- 序曲(1868)
16-20. 歌劇「神とバヤデール」 S.19(1830)より
 16. 序曲
 17. 第1幕 エール・ド・ダンス「パ・ド・シャール」
 18. 第1幕 バレ「パ・ド・シャールのあとに」(1866)…世界初録音
 19. 第2幕 エール・ド・ダンスと情景「ファトメの踊りとゾロエの踊り」…世界初録音
 20. 第2幕 エール・ド・ダンスと情景「ゾロエの踊り」…世界初録音
カルロヴィ・ヴァリSO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2022年10月31日-11月2日
かつてはロッシーニやスッペ作品と肩を並べるほどの人気を誇ったオーベールの歌劇。かのチャイコフスキーも高く評価したと伝えられますが、現在では一部を 除きほとんど上演されることがありません。ここで聴けるのは、オーベールの最高傑作と呼ばれたこともある「女天使」をはじめとする歌劇の序曲やバレエ音楽。 どの曲もオーベールらしい優美な旋律、繊細な響き、軽やかな音楽が魅力です。変わり種は、1866年にパリのオペラ座でモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」 が上演された際に第2幕に挿入されたディヴェルティスマン。モーツァルトの短調作品のモチーフをふんだんに散りばめたメドレー風の音楽で、最後は有名なト ルコ行進曲で締めくくられます。この分野の第一人者ダリオ・サルヴィの指揮で。
NAX-8.574308(1CD)
ピアソラ:ヴァイオリンと弦楽のための編曲集
チン・チン(1978-79)*
天使の復活(1965)*
ムムキ(1984)*
ソレダッド(孤独)(1968)*
トロイロ組曲 - 第3曲 シータ(1975)*
ブエノスアイレスの四季(1965-70)**
セロス(嫉妬)(1979)*
フガータ(1969)*

*…ケン・セルデンによるヴァイオリンと弦楽編(2021)
**…レオニード・デシャトニコフによるヴァイオリンと弦楽編(1999)
トーマス・コーティク(Vn)
マーティンゲイル・アンサンブル
ケン・セルデン(指)

録音:2022年6月27日-28日
アストル・ピアソラの『Nuevo Tango=新しいタンゴ』はタンゴというカテゴリーを超え、全世界の人々に影響 を及ぼすほどの人気を獲得しています。このアルバムでは、ピアソラが自身の五重奏団のために作曲した器 楽作品を、独奏ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために編曲したヴァージョンを演奏。最も有名なのはレオ ニード・デシャトニコフによる「ブエノス・アイレスの四季」でしょう。他の7曲は、ポートランド州立大学管弦楽 団の音楽監督を務める指揮者ケン・セルデンが編曲。ピアソラのオリジナル演奏の録音を参考にしたという 即興演奏も組み込まれるなど、創意工夫が凝らされています。ヴァイオリン独奏はNAXOSに2枚のピアソ ラ・アルバムを録音しているトマス・コーティク。ヴァイオリンとピアノのための編曲集(8.573789)でも「ブエノス アイレスの四季」を披露していますが、今回では更に華やかな演奏を聴かせます。
NAX-8.574541(1CD)
バッハ:ギターのための編曲作品集
リュート組曲 ホ長調 BWV1006a (T. ホップストックによるギター編)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV 1001(M. バルエコによるギター編)
前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV 998(T. ホップストックによるギター編)
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004- 第5曲 シャコンヌ(P. ペゴラーノによるギター編)
ゲオルギ・ディミトロフ(G)

録音:2023年7月7-9日
2022年に開催された第1回「European Bach Guitar Award ヨーロッパ・バッハ・ギター・アワード」コン クールで第1位を獲得した期待の新人ゲオルギ・ディミトロフのバッハ・アルバム(同コンクールでは山下愛陽が 第3位に入りました)。2000年ブルガリア生まれのディミトロフは幼い頃からギターをはじめ、パコ・デ・ルシアに 賞賛された才能の持ち主。ブルガリアの国立音楽アカデミーで学び数多くの賞を受賞,その後はグラーツ音 楽舞台芸術大学での研鑽を積みながらバロック・ギターとヴィオラ・ダ・ガンバのクラスも受講し、現在はロンド ンの王立音楽アカデミーで学んでいます。 このアルバムでは、彼が得意とするバッハのギター用に編曲された作品を演奏。バッハ自身が無伴奏ヴァ イオリン・パルティータをリュート用に編曲した組曲第4番 BWV1006aを冒頭に置き、バルエコが編曲した 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番、リュートとチェンバロのどちらでも演奏できるBWV 998、そして最後に無 伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のシャコンヌが壮大なクライマックスを築きます。
NAX-8.574451(1CD)
エーリヒ・J・ヴォルフ(1874-1913):歌曲全集 第1集
1-6. Einen Sommer lang 夏の遊び Op. 17(1908年出版)
 1. No.1. Sommer
 2. No.2. Sehnsucht
 3. No.3. Zuversicht in Pan
 4. No.4. Einen Sommer lang
 5. No.5. Ein Sonntag
 6. No.6. Gluckes genug
7-9.6つの歌 Op.1(1902年頃出版)より
 7. No.2. Ein Musikant, ein Schwarmer, auf einen Jahrmarkt ging
 8. No.4. War eine Maid, die emsig spann
 9. No.6. Genrebild
10-11. リヒャルト・デーメルの6つの詩 Op. 8(1907年出版)より
 10. No.2. Erhebung
 11. No.3. Immer wieder
12-14. 「子供の魔法の角笛」による6つの詩 Op.9(1907年出版)より
 12. No.2. Frau Nachtigall
 13. No.4. Knabe und Veilchen
 14. No.5. Tanzreim
15-16. トラ・ツー・オイレンブルクの2つの詩 Op.11b(1907年出版)
 15. No.3. Sturmflut
 16. No.4. Trinklied
17-20.9つの歌 Op.12より
 17. No.1. Spaziergang
 18. No.4. Das mitleidige Madel
 19. No.9. Traurige Mar
 20. No.7. Im Kahn
21.7つの歌 Op.22- No.6. Liebesmelodie 愛の旋律(1910年出版)
22-24.6つの歌 Op.26(1913年出版)より
 22. No.2. Seidenschuh' uber Leisten von Gold
 23. No.4. Flieg' hin, mein Kiel!
 24. No.6. Meine Braut fuhr' ich heim
25. エミール・ファクターの詩による8つの歌 Op.32? No.1. Der tote Lenz(1914年出版)
26-28.3つのメロドラマ - ピエロ=ツィクルス Op.27(1914年出版)
 26. No.1. Serenade
 27. No.2. Intermezzo
 28. No.3. Finale
ダニエル・ヨハンセン(テノール…1-25)、(朗読…26-28)
サマンサ・ガウル(S)…13-14
クラウス・ジモン(P)

録音:2022年11月21-23日
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家。現在ではその名前を知る人はほとんどいませんが、38歳の若さで亡くなるまでに少なくとも 168曲の歌曲を書き、全て存命中に発表されています。1927年に出版された書籍『2000 der beliebtesten Kunstlieder 最も人気のある芸術歌 曲2000』では同名のヴォルフやR・シュトラウスやマーラーの歌曲に次ぐ人気を博していました。このアルバムは、ヴォルフの歌曲全てを録音するシリー ズの第1集で、マーラーも素材とした「子供の魔法の角笛」を用いた歌曲や、リヒャルト・デーメルの詩を用いた歌曲などを聴くことができます。彼は時折大胆 な和声進行を用いるものの、無調に踏み込むことはなく、曲はどれもロマンティックな味わいを持っています。また高度な技法で描かれたピアノ・パートにも注 目、歌を引き立てながらも存在感の強い旋律が耳に残ります。バロックから古典派作品を得意とするテノール、ヨハンセンとロマン派作品を得意とするソプラ ノ、ガウルが見事な歌唱を聴かせ、ヴォルフ作品を愛しブックレットに詳細な解説(ドイツ語・英語)も書いたジモンが伴奏を務めます。
NAX-8.559935(1CD)
ジョン・アダムズ(1947-):シティ・ノワール 他
シティ・ノワール (2009)
フィアフル・シンメトリーズ (1988)*
黄金の西部の娘- ローラ・モンテスはスパイダー・ダンスを踊る(2016/2020改訂)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:ウィーン、楽友協会大ホール及びオーストリア放送協会大ホール
2022年5月31日-6月2日、2022年12月1、3日*
現代アメリカを代表する作曲家の一人、ジョン・アダムズの作品集。このアルバムには、彼の代表作「シティ・ノワール」を含む3つの作品が収録されています。 冒頭の「シティ・ノワール」は1940年代から50年代のロサンゼルスの文化と社会史からインスピレーションを受けた“想像上の映画音楽”と彼が呼ぶ作品。 巨大なオーケストラを縦横無尽にあやつるアダムズの手腕を知ることができます。「フィアフル・シンメトリーズ」は彼が「中国のニクソン」を成功させた時期の作 品。管弦楽にシンセサイザー、サクソフォンなど多彩な楽器を加えた、いわば変型版ビッグバンドとも言える編成で、打楽器などのサンプリング音源も用い、蒸 気機関で動く機械を連想させるミニマル風の曲です。 指揮者のマリン・オルソップはカブリヨ現代音楽祭で活動を始めた30年以上も前からアダムズと協働を続け、その間に彼の作品を数多く演奏してきました。 今回は彼女の手兵であるウィーンRSOとともに愛するアダムズの作品を演奏、共感溢れる音楽を披露しています。アルバムの最後に置かれた 「ローラ・モンテスはスパイダー・ダンスを踊る」は、オルソップがカブリヨ現代音楽祭を離れる時にアダムズが彼女のために書いた曲で、短いながらも温かい心 情、ユーモアにあふれた作品です。
NAX-8.573391(1CD)
トゥリーナ:弦楽のための作品集
La oracion del torero 闘牛士の祈り Op. 34(1925)(トゥリーナによる弦楽オーケストラ編)
3つのアンダルシア舞曲 Op.8- 第2番 タンゴ(1912)(弦楽オーケストラ編)
Las musas de Andalucia アンダルシアのムーサたち Op.93 - 第3曲 タリア「ナランホスとオリボス」(1942)(弦楽オーケストラ編)…世界初録音
La Anunciacion 受胎告知 Op.27- 大天使の出現 - 間奏曲(1942)(Pと弦楽オーケストラ版)
セレナータ Op.87(1934)(G. デ・ガルベスによる弦楽オーケストラ編)
絵画的組曲「セビリア」 Op.2- 第2曲 真夜中の聖木曜日(1908))(1937年 ピアノと弦楽オーケストラ版)
アンダルシアのムーサたち Op.93- 第9曲 カリオペ「讃歌」(1942)(Pと弦楽オーケストラ版)…世界初録音
交響詩「幻想舞曲集」 Op.22- 第3楽章 オルジア(1919)(1930年頃 R. コルによるピアノと弦楽オーケストラ編)
ロベルト・ジョルダーノ(P)
コンセルト・マラガ
ヒル・デ・ガルベス(指)

録音:2023年10月1-3日
イタリア系スペイン人のトゥリーナは、セビリアに生まれ1905年から1914年までパリのスコラ・カントルムで作 曲をヴァンサン・ダンディに、ピアノをモシュコフスキーに師事、1914年に帰国してからはアンダルシアの民俗音 楽の要素を採り入れたスペイン民族色の濃い作品を数多く発表しました。2024年はホアキン・トゥリーナの 没後75周年にあたります。このアルバムでは彼の作品の中でもよく知られる「闘牛士の祈り」や「タンゴ」「セ レナータ」をはじめ、ピアノを加えた4作品まで、2曲の世界初録音を含むトゥリーナの代表的な名作を弦楽 オーケストラ用にアレンジしたものを収録、トゥリーナのノスタルジックな曲調を存分にお楽しみいただけます。
NAX-8.574533(1CD)
フランコ・アルファーノ(1875-1954):ロマンティックな組曲/ディヴェルティメント 他
ロマンティックな組曲(1906-08)
舞曲(1948-50)
葬送歌- 無伴奏アコーディオンのために(1951)
ディヴェルティメント ? 小オーケストラとオブリガートピアノのために(1934)
愛…愛…(1901)(1928頃 管弦楽版)
ダヴィデ・ヴェンドラミン(アコーディオン)
ヴィットーリオ・ラバリアーティ(P)
ミラノSO
ジュゼッペ・グラツィオーリ(指)

録音:2022年8月16-19日
プッチーニの死後、歌劇「トゥーランドット」の補筆を行ったことで知られるイタリアの作曲家フランコ・アルファー ノの管弦楽作品集。ナポリで学んだ後、ライプツィヒ音楽院に留学、ザーロモン・ヤーダスゾーンに作曲を師 事した彼は、ピアニストとして活躍する傍ら、トルストイの『復活』を題材にした同名歌劇で名を上げ、「シラ ノ・ド・ベルジュラック」など10作ほどの歌劇を書き上げます。このアルバムには“イタリアを旅する二人の恋人の 心情“を描き出した「ロマンティックな組曲」から、ドビュッシーを思わせる印象派風の「舞曲」、無伴奏アコー ディオンのための物悲しい「葬送歌」、新古典派的な作風で書かれた「ディヴェルティメント」と、軽妙なワルツ 「Amour… Amour…」の5曲が収録されており、アルファーノの豊かな表現法を知ることができます。
NAX-8.579157(1CD)
ジャ・ダーチュン(1955-):作品集
交響的協奏組曲「押し寄せる思考の波」(2020-21)
交響的前奏曲「巴蜀奇想曲」(1996/2018年改訂版)
ヤクブ・ハウファ(Vn)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ミハウ・クラウザ(指)

録音:2023年9月10-12日
世界初録音
現代中国を代表する作曲家の一人ジャ・ダーチュン(??群)。数多くの作品を発表、とりわけオーケストラ 作品で世界的な高い評価を受けています。このアルバムに収録された「The Wave of the Surging Thoughts 押し寄せる思考の波」は、チェロの深い音色をフィーチャーした第1楽章、パーカッションセクショ ンが活躍する第2楽章、ヴァイオリン・ソロが際立つ第3楽章、主題がさまざまな形で執拗に繰り返される第 4楽章、華やかな金管を特徴とし、ワーグナーの「タンホイザー序曲」を思わせる勇壮な第5楽章の5つの楽 章で構成されています。一連の流れは古典的な交響曲の基本パターンである「苦悩から勝利へ」に基づい ており、高度な統一感を持つ音楽です。最後に置かれた「巴蜀奇想曲」の「巴蜀」とは四川省の古い名称 で、この地に根付く文化的伝統を表現した見事な作品です。
NAX-8.574589(1CD)
エリザベッタ・ブルーサ(1954-):管弦楽作品集 第5集
レクイエム Op.25(2020-21)
-独唱、合唱とオーケストラのために
スターバト・マーテル Op.24 -ソプラノとオーケストラのために(2020)
レーカ・クリストーフ (S)
ドロティア・ラーング(A)
イシュトヴァーン・ホルヴァート(T)
マルセル・バコニー(Bs)
ハンガリー放送cho
ハンガリーRSO
リッカルド・フリッツァ(指)

録音:2023年6月26-28日
世界初録音
1954年ミラノ生まれの女性作曲家、エリザベッタ・ブルーサの管弦楽作品集。2002年からゆっくりとした ペースで進むシリーズ第5集には、彼女の最新の合唱を伴う作品が収録されています。以前からレクイエム を作曲したいと願っていたものの、人生経験の不足などからどうしても納得のいくものが書けなかったというブ ルーサ、これまでに様々な試作を重ねてきたといいます。しかしヤコポーネ・ダ・トーディの『スターバト・マーテ ル』のテキストを読み、その苦しみに対する表現の豊かさに衝撃を受け、レクイエムの足掛かりとしてまずソプ ラノ独唱を伴う『スターバト・マーテル』を作曲、次いで『レクイエム』を書き上げたのです。完成した作品はどち らも調性感を伴う古典的な雰囲気を纏いながらも、熟達したオーケストラの使用法が際立つ堂々たる風格 を備えています。
NAX-8.660549(3CD)
ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリート」 レオノール…アンナリーザ・ストロッパ(Ms)
フェルナン…ハビエル・カマレナ(T)
アルフォンス11世…フロリアン・センペイ(Br)
バルタザール…エフゲニー・スタヴィンスキー(Bs)
ドン・ガスパール…エドアルド・ミッレッティ(T)
イネス…カテリーナ・ディ・トンノ(S)
重臣…アレッサンドロ・バルバリア(T)他
ドニゼッティ歌劇場cho&スカラ座アカデミアcho
ドニゼッティ歌劇場O
リッカルド・フリッツァ(指)

録音:2022年11月15、18日ドニゼッティ歌劇場、ベルガモ(イタリア)
【同内容の映像】
DYNAMIC*DYNDVD37992
DYNBRD57992(輸入盤)
「お気に入り、愛妾」を意味する「ラ・ファヴォリート」は、ドニゼッティが1839年に作曲した「ニシダの天使」を 転用し、フランス語の台本を用いて書き上げた作品。1840年のパリ・オペラ座での上演は大成功を収めま した。「ラ・ファヴォリータ」として知られるイタリア語版が、20世紀の後半に至るまで、世界各地での上演の主 流となりましたが、近年、ドニゼッティの作品を作曲家の意図したオリジナルの姿で上演する機運が高まり、ド ニゼッティ音楽祭2022における本上演でも、レベッカ・ハリス=ウォリックによるオリジナルのフランス語台本に よる、比較校訂版スコア(1997リコルディ社)が用いられています。 レオノール役のアンナリーザ・ストロッパ、フェルナン役のハビエル・カマレナ、アルフォンス11世役のフロリアン・セ ンペイ、バルタザール役のエフゲニー・スタヴィンスキーら錚々たる歌唱陣が歌い上げる名アリアと重唱の数々 に彩られたこの壮大な作品を、ドニゼッティ音楽祭の音楽監督を務めるリッカルド・フリッツァの引き締まったタ クトが表情豊かに描き尽くしています。

   NAXOS 2024年3月発売 (3)
NAX-8.559941(1CD)
フローレンス・ベアトリス・プライス(1887-1953):弦楽四重奏曲第2番イ短調(1935)
レオ・サワビー(1859-1968):弦楽四重奏曲 ト短調 H.226(1935)…世界初録音
プライス:ネグロ・フォークソング・イン・カウンターポイント(1951)
アヴァロンSQ

録音:2022年9月9日、10月1、4日、2022年9月10、30日、2022年9月30日-10月1日
2020年代に入って急速に脚光を浴びる作曲家フローレンス・プライス。その弦楽四重奏曲第2番をメインに、彼女の師匠ともいえるサワビーの作品を合わ せて紹介する、NAXOSのアメリカン・クラシックらしい1枚。 「アメリカ初の黒人女性作曲家」と呼ばれるプライスは、2021年のBBCプロムスで交響曲第3番の第3楽章が演奏され、2022年には交響曲第1番と第3 番を収めたアルバムがグラミー賞を受賞、2023年には「アメリカにおけるエチオピアの影」が神奈川フィルにより日本初演されるなど、世界的に脚光を浴びて います。彼女の作品の多くは死後も未発表のままで、その真価や全貌はまだ発掘途上と言えます。 プライスの1世代上に当たるレオ・サワビーは、ローマのアメリカン・アカデミーのローマ賞やピューリッツァー賞を受賞するなど国際的な名声を得ていました。プラ イスとサワビーは共に1930年代から40年代にかけてシカゴの音楽コミュニティのメンバーで、プライスがサザビーから教えを受けていたこともあり、お互いの作 品を尊敬していたことが知られています。このアルバムには両者の弦楽四重奏曲を収めています。最後に置かれたプライスの「ネグロ・フォークソング・イン・カウ ンターポイント」は5つの民謡旋律に基づくアフリカ由来のリズムや黒人霊歌を大胆に取り入れた作品。とりわけ第2曲の旋律は「雪山讃歌」として誰もが耳 にしたことがあるのではないでしょうか。
NAX-8.574545(1CD)
リスト:ピアノ曲全集 第61集
マイアーベーアの歌劇「ユグノー教徒」の主題による大幻想曲 S412/R211(1836)(初稿)
イタリア・オペラのメロディとメルカダンテの歌劇「誓い」による幻想曲「スカラ座の回想」 S458/ R294(1838-39)
スペインの主題による幻想的ロンド「マヌエル・ガルシアの密輸人」 S252(1836)
ワーグナーの歌劇「ローエングリン」 - 祝典と婚礼の歌 S446/1/R279/1(1854)(初稿)
ドリーブの歌劇「ニヴェルのジャン」によるバラード「マンドラゴラ」 S698/R666(1881)(断章)
マーティン・カズン(P)

録音:2023年2月13-15日
このアルバムには、若い頃のリストが得意としていたオペラの旋律のトランスクリプション5作が収録されて います。 冒頭に置かれたマイヤベーアの「ユグノー教徒」の旋律を用いた幻想曲は1836年の作曲。リストはこの 曲を3回改訂していますが、改訂ごとに曲が整理されたため、この初稿が一番長いものとなっています。 2曲目のメルカダンテの旋律による「スカラ座の回想」にはメルカダンテの他、誰のものかは特定できない 旋律も使われています。幻想的ロンドは、スペインの作曲家マヌエル・ガルシアのサルスエラ「密輸人」の 旋律に基づく作品。スペイン風の情熱的なリズムに支えられた技巧的な手の跳躍が使われた「ラ・カン パネラ」を思わせる曲です。「ローエングリン」のトランスクリプションは、比較的原曲に忠実なアレンジが施 されています。最後の「マンドラゴラ」はリスト晩年の作品。37小節のみの断片ですが、当時リストが試 みていた無調の使用など実験的な要素が見られます。演奏はイギリスのピアニスト、マーティン・カズン。 オスカー獲得の映画『シャイン』でピアニストの“手”を演じたことでも知られています。
NAX-8.574524(1CD)
ヨハン・ジモン・マイール(1763-1845):ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲) ニ短調(1820-34頃) アンナ・ファイト(S)
ボグナ・ベルナギエヴィチ(S)
フレイア・アプフェルスタット(A)
マルクス・シェーファー(T)
ファン・ジー(T)
ニクラス・マルマン(Bs)
ジモン・マイールcho
コンチェルト・デ・バッスス(古楽器オーケストラ)
フランツ・ハウク(指)

録音:2022年7月18-24日
世界初録音
ヨハン・ジモン・マイールの音楽を積極的に紹介するフランツ・ハウクとコンチェルト・デ・バッスス。今回のアルバ ムでは200年ほどの間、顧みられることのなかったマイールの「ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)」を演奏しました。 この作品は、以前NAXOSからリリースされた「グローリア・ミサ」(8.574203)と同じく、17世紀イタリアで流 行した「ミサ・コンチェルタータ」(各々の曲は連続せず、独立して奏される)の様式に根差しており、歌い手と オーケストラが巧みな掛け合いを聴かせ、とりわけ「オーケストラ・パートの優れた対位法の書法は当時の聴 衆に強烈な印象を与えた」と、マイールの最初の伝記作家ジローラモ・カルヴィ(1791-1872)が書き残した ほどです。70作以上の歌劇を残したマイールの抒情的な旋律美は、これらの宗教的作品でも健在です。
NAX-8.579103(1CD)
カサド/モンポウ:ギター作品全集
ガスパール・カサド(1897-1966):カタラネスカ(1922)
 前奏曲とサルダーナ(1965)
 フィンランドの民謡による2つの歌(オリジナル・エンディングとコーダ)(2003年出版)
 レオナルドの歌(1951)
 キジアナのサルダーナ(1951)(A. セゴビア編纂の手稿譜)
 カタルーニャの伝説(1952年12月14日以前)
モンポウ:歌と踊り 第10番(1953)(ギター編)):2001年出版)
 歌と踊り 第13番(1972)(最終稿)
エウジェニオ・デラ・キアーラ(G)

録音:2022年12月3-5日
カタルーニャの同世代の作曲家ガスパール・カサドとフェデリコ・モンポウのギターのための全作品を収録し たアルバム。優れたチェリストであったカサドはアンドレス・セゴビアと親交を深め、6曲のギター作品を書き 上げました。これらはどれもカタルーニャの民族舞曲に基づいています。ピアニストであったモンポウが残し た作品のほとんどはピアノ曲ですが、「歌と踊り 第10番」は原曲のピアノ曲をモンポウ自身がギターへと 編曲、そして「コンポステラ組曲」はセゴビアに献呈されました。どれもモンポウ独特の瞑想的なピアノ曲 に通じる抒情的な雰囲気を持つ作品です。 演奏するエウジェニオ・デラ・キアーラは、1990年ペーザロ生まれのギタリスト。日本やヨーロッパ各地で 演奏会を行い、これまでにDECCAから3枚のアルバムをリリースした他、現代音楽の作曲家とも積極 的にコラボレーションを行い、20曲以上の作品の献呈を受けています。
NAX-8.579150(1CD)
レザ・ヴァリ(1952-):管弦楽曲と管弦楽伴奏歌曲
ラヴァン(2013)
民謡集 第16集「ビーイング・オヴ・ラヴ」(2005)
ジャンナ・ベイティ(Ms)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
ファウジ・ヘイモア(指)

録音:2022年6月7-10日
全て世界初録音
数多くの受賞歴を持つイラン出身の作曲家レザ・ヴァリ。テヘランで音楽の基礎を学び、1972年ウィーン国 立音楽大学に留学。その後アメリカのピッツバーグ大学で博士号を取得し、現在はアメリカを拠点に活躍し ています。彼は故郷の旋法体系「ダストガー(即興演奏を行う上での基礎となる旋律の集まり)」をヨーロッパ の音楽に融合させたエキゾチックな作品を書くことで知られており、このアルバムでも華麗なオーケストラ作品 である「ラヴァン」をはじめ、3世紀ペルシャの詩人兼神秘家ルーミーのテキストや自身の言葉を用いた民謡 集「ビーイング・オヴ・ラヴ」、彼が2000年から取り組んでいる『カリグラフィ』シリーズの第16番「イスファハン」、 これらユニークな3作品をお聴きいただけます。「ビーイング・オヴ・ラヴ」でソロを歌うジャンナ・ベイティは現代 作品を得意とするメゾ・ソプラノ。これまでにもヴァリの民謡集第10集(8.572224)やアイヴズの歌唱で高い 評価を得ています。

   NAXOS 2024年3月発売 (2)
NAX-8.573924(1CD)

NYCX-10461(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
セーザル・ゲーハ=ペイシ(1914-1993):ラグーナからの撤退(管弦楽作品集)
ラグーナからの撤退(1971)
独奏ヴァイオリンと室内管弦楽のためのコンチェルティーノ(1972)
インコフィデンシア博物館(1972)
アブネル・ランディム(Vn)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音2015年9月26-28日、2019年11月29日
「交響的組曲第1番、第2番」のCD(NYCX-10322/8.573925)が『レコード芸術』や『朝日新聞』等で称賛され、突如として注目を集めた20世紀ブラ ジルの作曲家セーザル・ゲーハ=ペイシ、待望の新録音が登場。「ラテンのノリ」というイメージに相応しいリズムと色彩に、時としてショスタコーヴィチを思わせ る劇的でシリアスな場面描写を伴う作品群に注目です。 ゲーハ=ペイシは、ポルトガル移民でアマチュアの音楽家だった父からギターを学び、音楽学校でヴァイオリンを学んだ後、指揮者・教育者として活躍。 ラジ オ・テレビ番組や映画のための音楽も手掛け、ブラジルのフォーク・ミュージックの要素を取り入れた作品を残しています。 冒頭の「ラグーナからの撤退」は、1867年のブラジルとパラグアイの戦争を描いた小説にインスパイアされた交響組曲風の作品。演奏時間40分余りの大作 で、勇壮で高揚感のある第1部、恐怖、飢饉、疫病などさまざまな危機に直面するブラジル軍を描いた第2部、戦死者たちを悼みながら撤退する兵士たち を描く第3部で構成されており、最後は悲劇を浄化し平和を願うかのような抒情的な旋律で締めくくられます。最後の 「インコフィデンシア博物館」は、ポルト ガルからの独立運動の引き金となった事件の指導者で悲劇的な死を遂げたチラデンテスへのオマージュ的作品です。両曲とも場面や心情描写に長けた ゲーハ=ペイシの手腕が遺憾なく発揮されており、熱気をはらみ、時として鬼気迫るようなサウンドと共に、聴く人の心にストレートに迫る力をもっています。 悲劇的要素の強い2作に挟まれた「独奏ヴァイオリンと室内管弦楽のためのコンチェルティーノ」は、ヴァイオリニストでもあったゲーハ=ペイシの面目躍如とした 陽気でエンターテインメント性の高いコンサート・ピース。ブラジル北部の民族文化を取り入れながら新しい作品の創作をめざす「アルモリアル運動」から生ま れた作品で、民族色豊かな旋律とリズムに乗ってソロが華麗な技巧を披露してゆく音楽は理屈抜きに楽しめるものです。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。
NAX-8.559898(1CD)
ポール・リール(1943-2020):American Mosaic アメリカン・モザイク
チェロ協奏曲「Live Free or Die 自由に生きる、さもなくば死を」(2018)*
ピアノ協奏曲第1番(1986/2020改定)*
ピアノ・ソナタ第6番「荒地」(1992/2007改定)
キム・クック(Vc)
ジョン・ジェンセン(P)
ポール・リール(P)
ウィリアム・ボートン(指)イェールSO

録音:2007年3月15日、2007年10月1-2日、2022年11月12日
*=世界初録音
ニュージャージー生まれのポール・リール。もともとは英文学と自然科学の研究者でしたが、ロックバーグとクラムの作品に触れて作曲に興味を持ち、2年間ほ ど作曲法を学んだ後、12曲のピアノ・ソナタやチェロ・ソナタなど数多くの独創的な作品を発表。これらは晩年に相次いで録音され高く評価されました。 このアルバムの冒頭に収録されたチェロ協奏曲は、彼が長年構想を温めていた曲ですが、2018年に末期の病気と診断されたことをきっかけに僅か17日で 完成させたというもの。バロックの対位法やジャズのイディオム、無調が採り入れられており、副題として「Live Free or Die 自由に生きる、さもなくば死を」と いう、彼が2歳の時に住んでいたニューハンプシャー州の公式標語が用いられています。ピアノ協奏曲第1番は1986年の作品。ロイ・ハリスやデイヴィッド・ダ イアモンドら先人作曲家たちへのオマージュであり、また1940年代のジャズへの傾倒も見られますが、リールは仕上がりに満足しておらず、2016年と2020 年に改訂を施しています。ピアノを演奏しているのは、1986年の初演時の演奏と同じジョン・ジェンセン。リールが「私の作品の理想的な演奏者」と絶賛した ピアニストです。ピアノ・ソナタ第6番はジョン・エリオットの詩からインスパイアされた、映画音楽を思わせる描写的な作品。こちらはリール自身の演奏です。
NAX-8.669052(2CD)
マイケル・デライラ(1949-):歌劇「山猫(Leopard)」 全2幕(2018) ドン・ファブリツィオ・コルベラ…キム・ヨセフソン(Br)
タンクレイディ・ファルコネリ…ミンハオ・リュウ(T)
ステラ:サリナの王女…ロビン・レドモン(Ms)
ピローネ神父…フランク・ラグズデール(T)
モンテルズオーロの騎士シュヴァレー…ケヴィン・ショート(Bs-Br)
コンチェッタ…マルガリータ・パルサミアン(S)
アンジェリカ…ヤン・ヤキ(S) 他
フロストSO
フロスト歌劇場cho
ジェラード・シュワルツ(指)

録音:2022年3月5-6日
世界初録音
ニューヨークの作曲家マイケル・デライラは、若い頃にはギタリスト、ドラマー、ソングライターとして活動したのち、作曲家 に転向、彼が影響を受けたというストラヴィンスキー風の劇音楽や歌劇作品で高い評価を受けています。この歌劇 「山猫(Leopard)」は、イタリアの作家ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサが1958年に著した小説『山猫』(ヴィ スコンティ監督による同名映画の原作)をもとに、詩人J. D. マクラッチーが台本を作成。「イタリア統一運動」下の社 会的、政治的大変動に翻弄され「山猫」と呼ばれた貴族ファブリツィオ・コルベラと、若き理想主義者のタンクレイ ディ、そして彼らをめぐる人々の姿を描いています。主役コルベラを歌うのはメトロポリタン歌劇場を中心に活躍するベ テラン、キム・ヨセフソン。タンクレイディ役は2020年にペーザロ国際音楽コンクールで優勝した若手、ミンハオ・リウが 担当。作品の初演はジェラード・シュワルツの指揮で行われ、Opera Magazine誌によって「見事に作りこまれてい る」と絶賛されました。

   NAXOS 2024年3月発売
NAX-8.574551(1CD)

NYCX-10455(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

R・シュトラウス:バレエ音楽『ヨゼフ伝説』 Op.63TrV231 シュターツカペレ・ハレ
ファブリース・ボロン(指)

録音:2022年11月1-3日
1914年、第1次世界大戦による世界情勢不安の時期に誕生したR・シュトラウスのバレエ『ヨゼフの伝説』。 1912年、ディアギレフのロシア・バレエ団(バレエ・リュス)の公演に感銘を受けた詩人ホフマンスタールが、バレエ団のために作品を書くことを構想。友人のケス ラー伯爵とともに、旧約聖書から「エジプト王宮の侍従長ポティファルの妻の誘惑を拒み、苦境に陥る若者ヨゼフの物語」をもとに台本を作成し、シュトラウス に作曲を依頼しましたが、シュトラウスは、この清廉潔白な物語になじめず「退屈なものに音楽をつけるのは難しい」と語り、最初につけた音楽はモーツァルトを 思わせる18世紀風のものでした。このバレエをニジンスキーに踊ってもらうことを想定していたホフマンスタールはこの音楽に満足することなく、ケスラーと共に台 本を修正、作曲を渋るシュトラウスを再度奮い立たせることで、ようやくコントラファゴットまでを用いた大編成のオーケストラによるエキゾチックな響きが存分が 盛り込まれた煌びやかな作品が完成しました。 しかし、初演時にニジンスキーがバレエ団を離れてしまったため、主役はレオニード・マシーンが躍ることになるなどトラブルが続出。実は、シュトラウスは若きマ シーンを評価していませんでしたが、それでも1914年5月14日のパリ・オペラ座初演は成功裡に終わり、上演後にシュトラウスは盛大なカーテンコールを受け ています。その後ロンドンでトーマス・ビーチャムの指揮で6回公演が行われるなど、一時的に人気を博しました。戦時中は演奏されることがありませんでした が、戦後に各地で演奏されるようになり、作品の再評価が進みました。 作曲家、アレンジャーとしても活躍する指揮者ファブリース・ボロンが、シュターツカペレ・ハレから官能的な響きを紡ぎだしています。
※国内仕様盤には広瀬大介氏による日本語の解説が付属します。
NAX-8.574420(1CD)
バルトーク:ピアノ作品集 第9集
1-4. ピアノ・ソナタ Op.19BB12/DD51(1898)
 (ゴラン・フィリペツによる演奏会用編曲版)
5. ラヨシュ・ワルツ BB1DD28(1893)
6. ガビ ポルカ BB1DD12(1891)
7. レントラー 第2番BB1DD18(1891)
8. いろいろな小品 BB1DD2(1890)
9-56. 『ピアノ・メソード』より
 9. No.7. Legato and Non-legato Exercises
 10. No.8. Legato and Non-legato Exercises
 11. No.13. Legato and Non-legato Exercises
 12. No.14. Legato and Non-legato Exercises
 13. No.16. Wrist Exercises
 14. No.17. Wrist Exercises
 15. No.20. Playing with Hands Together
 16. No.21. Playing with Hands Together
 17. No.22. Ledger-lines
 18. No.24. Ledger-lines
 19. No.25. Ledger-lines
 20. No.26. Ledger-lines
 21. No.29. Development of the Accuracy of Touc
 22. No.33. Playing Staccato
 23. No.36. Staccato and Legato Alternating
 24. No.40. Exercises with Non-adjacent Fingers
 25. No.44. Exercises with Non-adjacent Fingers
 26. No.46. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 27. No.51. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 28. No.55. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 29. No.56. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 30. No.57. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 31. No.59. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 32. No.68. Two-note Chords
 33. No.73. Two Parts with One Hand
 34. No.77. Two Parts with One Hand
 35. No.78. Two Parts with One Hand
 36. No.82. Two Parts with One Hand
 37. No.83. Tempo (Indication of Speed): Allegro
 38. No.89. Increasing the Hand-span (Sixths): Andante
 39. No.92. Changing Fingers on One Key: Lento
 40. No.94. Changing Fingers on One Key: Allegro
 41. No.95. Whole Tones and Semitones: Andante
 42. No.97. Whole Tones and Semitones: Andantino
 43. No.99. Whole Tones and Semitones: Moderato
 44. No.101. Scales:Allegro deciso
 45. No.102. Scales:Adagio
 46. No.105. Syncopation:Andante
 47. No.108. Syncopation:Allegro moderato
 48. No.109. The Harmonic Minor Scale: Allegro
 49. No.110. The Harmonic Minor Scale: Andante
 50. No.114. Playing Chords:Allegro
 51. No.115. Playing Chords:Allegro moderato
 52. No.116. Playing Chords:Moderato
 53. No.117. Playing Chords:Vivace
 54. No.118. Playing Chords:Allegro deciso
 55. No.119. Playing Chords:Tempo di valse
 56. No.120. Playing Chords:Allegro moderato
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2023年3月28-29日
NAXOSの人気シリーズ、バルトークのピアノ作品集。この第9集にはリスト作品の名演で名高いゴラン・フィ リペツの演奏で2つの重要な作品を収録。ピアノ・ソナタ Op.19は17歳のバルトークがブダペストに留学する 前に書いたもので、公に発表されることのなかった作品。長い間失われていたとされましたが、フィリペツが自 筆譜をもとに作曲家の意図を反映し修正や調整を行い、演奏会用ヴァージョンを作成して今回録音に至り ました。ブラームスを思わせる後期ロマン派の雰囲気をたたえた曲調ですが、若いバルトークの意欲も感じさ せる力作です。他の初期作品も珍しいものです。『ピアノ・メソード』は、バルトークが、ブダペスト音楽院のピ アノ科の教授を務めたレショフスキー(1887-1967)と協力して学生教育用に書き上げた教材集。1913 年に音楽学者アンタル・モルナールが「初心者向けながら生き生きとしており、魂を揺さぶり心を動かす作 品」と絶賛したこの曲集には、2人の作品のほかに、チェルニーら他の作曲家の作品も含まれています。この アルバムにはバルトークの手による48曲を収録。技術的には容易であるものの、どの曲も洗練されており、 彼のピアノ教育のアイデアを知る良い機会となっています。
NAX-8.579146(1CD)
ウクライナのヴァイオリン・ソナタ集
ヴィクトル・コセンコ(1896-1938):ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.18…世界初録音
ミロスラフ・スコリク(1938-2020):ヴァイオリン・ソナタ第2番
セルゲイ・ボルトキエヴィチ(1877-1952):ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.26
ソロミヤ・イヴァヒフ(Vn)
スティーヴン・ベック(P)

録音:2022年10月23日、2022年11月26日
ウクライナの3人の作曲家によるヴァイオリン・ソナタ集。 サンクトペテルブルクに生まれ、後半生をウクライナで過ごしたコセンコのソナタは1927年の作品。2楽章で 構成されており、刻々と変化する曲想が魅力的な第1楽章に、美しい緩徐楽章が続きます。スコリクはリ ヴィウ生まれ。1988年にウクライナ作曲家連盟のリヴィウ支部の会長に就任し、2011年にキーウ国立歌 劇場の芸術監督に就任するなど、ウクライナの音楽文化の発展に寄与しました。このソナタ第2番にはベー トーヴェンを暗示する旋律があるとともに、時にはプロコフィエフやガーシュウイン、ジャズの影響も感じさせるさ まざまなイディオムが組み込まれています。ハルキウ生まれのボルトキエヴィチのト短調のヴァイオリン・ソナタ は、彼の室内楽作品の中でも、音楽言語が最も鮮やか、かつ直接的に伝わる作品として際立っています。 賑やかで快活な終楽章にはシンコペーションの効いた民族音楽の引用も聞かれます。
NAX-8.574048(1CD)
A&M. ボーラー:ヴァイオリンと
チェロのための協奏曲集

アントワーヌ&マックス・ボーラー:大軍隊交響曲(1820頃出版)
第1楽章のカデンツァ…F.A.クマーとフランソワ・シューベルトのデュオ Op.52No.1「Souvenir de Fra Diavolo」の主題より(F.アイヒホルン&A.ヒュルスホフ編)
第4楽章のカデンツァ…F.アイヒホルン&A.ヒュルスホフ作

アントワーヌ・ボーラー:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.9(1809出版)
第1.2楽章のカデンツァ…F.アイヒホルン作

マックス・ボーラー:チェロ協奏曲第1番ニ長調 Op.1(1809頃出版)
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
イエナPO
ニコラ・パスケ(指)

録音:2020年10月-11月
全て世界初録音
マンハイム宮廷のトランペット奏者を務めるとともにコントラバスの名手としても知られたカスパール・ボーラーを父に持つ、アントワーヌとマックス。兄アントワーヌ はクロイツァーにヴァイオリンを学び、後にミュンヘン宮廷Oで演奏、パガニーニから「24のカプリース」の中の1曲を献呈されるほどの名手であり、同時 にダンツィらから作曲も学びました。弟マックスはチェリストとして活躍、同じくミュンヘンの宮廷Oに加わりましたが、兄ほどの名声を得ることはなかったよ うです。 彼らは共同でいくつかの作品を作曲し「大軍隊交響曲」を含む傑作を生み出しました。これらの作品は大胆な技巧と印象的なテーマを特徴としています。 アントワーヌのヴァイオリン協奏曲ホ短調は、パガニーニを思わせる高度な技術を必要とする作品。マックスのチェロ協奏曲第1番はバイエルン王に献呈され た曲。フルート、オーボエ2本、ファゴット2本、 2本のホルンとティンパニ、弦楽器という小さな編成の管弦楽伴奏を持ち、ダブル・ストップが多用されるなど、 19世紀初頭にチェロの演奏技法がどれほど急速に進化したかがうかがえます。ドイツのヴァイオリニスト、フリーデマン・アイヒホルンと、同じくドイツ出身のチェリ スト、アレクサンダー・ヒュルスホフが知られざる作品の魅力を紹介します。
NAX-8.574490(1CD)
ブラームス:歌曲全集 第5集
5つの歌曲 Op.71(1877)
4つの歌曲 Op.70(1875-77)
7つの歌曲 Op.95(1883-84)
6つの歌曲 Op.97(1885)
5つの歌曲 Op.107(1886-88)
5つのオフェーリアの歌 WoO22(1873)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
キーラン・カレル(T)
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:2022年6月13-15日、2022年10月4-6日
NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第5集には円熟期に書かれた5つの歌曲集と、A.W.シュレーゲルがドイツ語に翻訳したシェイクスピアの「ハムレット」
からの詩にブラームスが旋律をつけた「5つのオフェーリアの歌」を収録。5つの歌曲集はどれも名作揃いで、とりわけOp.71には人気の高い「Minnelied 愛の
歌」が含まれています。過去、現在、未来を主題にしたOp.70の歌曲、そして民謡素材が効果的に用いられたOp. 95とOp.97、愛をテーマにしたOp.
107とどれもブラームス独自の旋律美にあふれています。第4集と同じく、クリストフ・プレガルディエンに師事したテノールのカレルと、オペラ、コンサートの両面
で活躍するソプラノ、ヴンダーリンの演奏で。NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第5集には円熟期に書かれた5つの歌曲集と、A.W.シュレーゲルがドイツ語に翻訳したシェイクスピアの「ハムレット」 からの詩にブラームスが旋律をつけた「5つのオフェーリアの歌」を収録。5つの歌曲集はどれも名作揃いで、とりわけOp.71には人気の高い「Minnelied 愛の 歌」が含まれています。過去、現在、未来を主題にしたOp.70の歌曲、そして民謡素材が効果的に用いられたOp. 95とOp.97、愛をテーマにしたOp.107とどれもブラームス独自の旋律美にあふれています。第4集と同じく、クリストフ・プレガルディエンに師事したテノールのカレルと、オペラ、コンサートの両面 で活躍するソプラノ、ヴンダーリンの演奏で。
NAX-8.579138(1CD)
ルクセンブルクの現代音楽 第3集
1. リュック・グレーテン(1964-):Upswing アップスウィング(2016)
2. ガスト・ヴァルツィング(1956-):Princesses Don't Grow Old(2019)
3. アーニー・ハンメス(1968-):ピッコロ・トランペット、ジャズ・クインテットと室内オーケストラによるコンチェルティーノ第1番(2019)
4. ハンメス:Booboo ブーブー(2017)
5. ハンメス:Tuna Melt ツナ・メルト(2017/2019改訂)
6. ハンメス:ウェスト・エンド・アヴェニュー(2018/2019改定)
7. カトリン・コンツ(1976-):The Waves ウェーヴズ(2020)
8-11. オリヴエ・ダルテヴェル(1957-):新しいアンティゴネ(2021)
アーニー・ハンメス(ピッコロ・トランペット…3/トランペット…4-6)
ダヴィド・アスカーニ(Sax)…3-6
ボリス・シュミット(Cb)…3-6
ピエール=アラン・グラルシュ(P)…3-6
ニールス・エンゲル(ドラムス)…3-6
ソリステス・ヨーロピアンズ・ルクセンブルグ
クリストフ・ケーニヒ(指)

録音:2016年9月19日…1
2019年10月21日…2
2019年11月25日…3-6
2020年9月18日…7
2021年10月18日…8-11
全て世界初録音
ルクセンブルクの現代音楽を紹介するシリーズ。第1集(8.579059)は『ファンファーレ』によって「傑出したディスク」と称賛され、第2集(8.579116)ではマ ルコ・ピュッツの音楽が紹介されています。 第3集で中心となるのは、ジャズとクラシック双方のジャンルで活躍するトランペッター&作曲家アーニー・ハンメスの音楽。ルクセンブルクのアンサンブル “Solistes Europeens”から委嘱されたコンチェルティーノでは、自身がトランペットを吹き、作品の魅力を存分に伝えています。バロックの協奏曲が始まる かと思わせてジャズ風の曲調に移っていくところがなんとも心憎い作品です。「ブーブー」は彼の息子の誕生を機会に書かれた曲。幼子をめぐる喜び、驚き、 他の感情が描かれています。「Tuna Melt」と「West End Avenue」も彼の思い入れの強い作品です。他には同じく“Solistes Europeens”のために書 かれたグレーデンの「アップスイング」、ヴァルツィングの「Princesses Don't Grow Old 王女は年をとらない」、ヴァージニア・ウルフの「The Waves」にインス パイアされたカトリン・コッツの「The Waves」や、ギリシャ神話から発想を得たダルテヴェルの「新しいアンティゴネ」など興味深い作品が並びます。

   NAXOS 2024年2月発売
NAX-8.574581(1CD)

NYCX-10450(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

カール・ツェルニー:夜想曲集
8つの夜想曲 Op.368(1830-1835)
シュトラウスのお気に入りのモティーフ「アレクサンドラのワルツ」による感傷的で華麗な夜想曲 Op.537 (1931年出版)…世界初録音
さまざまな性格のロマンティックな8つの夜想曲 Op.604(1843年出版)
ロベルテ・マムー(P)

録音:2022年8月22-25日Dada Studios, ブリュッセル(ベルギー)
日本ではもっぱら「練習曲の作曲家」として知られているカール・ツェルニー。しかし最近では研究も進み、ベートーヴェンの弟子であり、リストの師としての人物 像に光があたるようになってきました。66年の生涯に、未出版も含め1000曲以上の作品を残し(作品番号付きは861作)ており、近年では宗教曲やオルガ ン作品なども演奏される機会があるなど、注目が高まっています。 このアルバムに収録されているのは、ツェルニーの一連の夜想曲。このジャンルの先駆者としてはアイルランド出身の作曲家ジョン・フィールドが 知られており、その作品の柔らかく気怠い雰囲気は、彼の「8つの夜想曲 Op.368」にも受け継がれています。美しい旋律を湛えながらも、それほど技巧を必 要としないこれらの作品は当時の中流階級の家庭での演奏に適したエレガントな佇まいを持っています。トラック9『シュトラウスのお気に入りのモティーフ「アレク サンドラのワルツ」による感傷的で華麗な夜想曲』は、ロシアのニコライ1世の皇后アレクサンドラ・フョードロヴナにヨハン・シュトラウス1世が捧げたワルツの第2主 題をモティーフにした作品。穏やかな曲調で始まるものの「華麗な」のタイトルとおり中間部では華やかな曲調に変化します。 1843年に出版された「さまざまな性格のロマンティックな8つの夜想曲 Op.604」はOp.368に比べ、リストの作品ほどではないものの、はるかに上級者向け に書かれており、感情表現も豊かになっています。ベートーヴェンのソナタ楽章を思わせるエネルギッシュな曲から、ヨハン・シュトラウス風のワルツや、ショパンの 練習曲「革命」を彷彿させるドラマティックな曲など、単なる夜想曲の括りには収めきれないほどの多彩な曲集になっています。 演奏は古典派からロマン派作品を得意とするベルギーのピアニスト、ロベルテ・マムー。シューマンやモーツァルト、ジョン・フィールド作品の録音が高く評価されて います。  
※国内仕様盤には音楽学者でツェルニーの研究をしている中川航氏の解説が付属します。
NAX-8.559934(1CD)
ガーシュウイン:ラプソディ・イン・ブルー 他
ガーシュウィン:キューバ序曲(1932)*
 ラプソディ・イン・ブルー(F. グローフェによるピアノと管弦楽編)(1942年出版)*
 第2ラプソディ - ピアノと管弦楽のために(1931)*
ジョン・タワー(1938-):1920/2019(2019-20)
スティーヴン・スタッキー(1949-2016):ドリームワルツ(1986)
ケヴィン・コール(P)…
ナショナル・オーケストラ・インスティテュート・フィルハーモニック
デイヴィッド・アラン・ミラー(指)
録音:2023年6月15-17日

*=ガーシュウィン・クリティカル・エディションによる世界初録音
ミシガン大学と、ガーシュウィン家の協力により2013年から始まった「ガーシュウィン・クリティカル・エディション」を用いた初の録音となる3作品を収録したアル バム。既存のすべての資料に加えて、ピアノ・ロールなどありとあらゆるソースを使用して、作曲家の意図を最も正確に表現することを目指したこのプロジェクト による演奏は、すでに「パリのアメリカ人」(8.559859)で聴くことができますが、このキューバ序曲、第2ラプソディ、ラプソディ・イン・ブルーの3曲にも新たな研 究成果が反映されています。とりわけ「ラプソディ・イン・ブルー」は、原曲の2台ピアノ版から、オーケストレーションが不得手だったガーシュウィンに代わり、グ ローフェがオリジナルのジャズ・バンド稿を作成、その後さまざまな稿が作られたという複雑な経緯を持つだけでなく、グローフェのオーケストラ版でさえ複数の ヴァージョンがあり、なかなか本当の姿を洗い出すのは困難な作品です。ここではグローフェのシンフォニック・アレンジに基づく版が用いられていますが、ピアニス トのコールはもともとのジャズ・バンド稿にあった44小節を加え演奏しているところも聴きどころです。他にジョン・タワーの推進力に満ちたリズムがはじける 「1920/2016」と、スタッキーの幽玄な「ドリームワルツ」が収録されています。
NAX-8.579149(1CD)
アンリ・ヴュータン:ヴァイオリン希少作品集
ロマンス「友情の思い出」 Op.8bis(1840年代)…世界初録音
フェレンツ・エルケル/ヴュータン:ハンガリー民謡による幻想曲の形式による華麗な二重奏曲(1837)
親密な声 Op.45(1875)
ベートーヴェンの「ロマンス第1番ト長調」の主題による変奏曲(1838)
(O. アドラーによるヴァイオリンとピアノ編 2021年出版)
エレジーOp.30(Vnとピアノ版)(1848)
私の葬送行進曲 Op.58(1879)…世界初録音
声、ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲(1848)…世界初録音(P. レリオによる声、ヴァイオリンとピアノ編2023年出版)
ヴィルモシュ・チコシュ(Vn)
オリヴィエ・ルシャルドゥール(P)
マノン・ラメゾン(S)

録音:2023年2月17-19日、2023年7月5日
19世紀のヴァイオリン奏法に革命をもたらしたアンリ・ヴュータン。彼の弟子であったウジェーヌ・イザイは「師の作品はどんな犠牲を払ってでも守られるべき宝 物」であり、「その全貌が知られるべきである」と主張しましたが、2020年のヴュータン生誕200年は、まさにその機会となり、作曲家の家族にのみ受け継が れた未発表の作品が発掘されました。このアルバムには未発表、世界初録音を3曲含む演奏機会の多くないヴュータン作品を収録。ロマンス「友情の思い 出」はヴュータンと彼の5歳年上の妻ジョセフィーヌとの最初の出会いを暗示しているとされる小さな曲。「私の葬送行進曲」はヴュータンが病に倒れ、体の自 由を失い自身の死を思いつつ書いた悲痛な作品。「声、ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲」(この録音では管弦楽パートをP.レリオがピアノに編曲した版 を使用)は、彼の師シャルル=オーギュスト・ド・ベリオの妻となった高名な歌手マリア・マリブランの素晴らしい歌唱に感銘を受けたヴュータンが、コロラトゥーラ・ ソプラノのエルミニア・フレッツォリーニのために書いた作品。歌パートはすべてヴォカリーズで書かれ、ベルカントの妙技をヴァイオリンと競います。ほかにはハンガ リーの作曲家エルケルとの共作「華麗な二重奏曲」、ベートーヴェンのロマンスを主題とした変奏曲、ヴュータンの作曲活動の絶頂期でありながら、自身の子 供を失った頃に書かれた「エレジー」、ジョセフィーヌの死後、友情を育んだマチルド・ルジューヌに向けて書いた自身の心の告白とも言える曲集「親密な声」が 収録されています。 ヴァイオリンを演奏するのはベルギー出身で2020年にヴェルヴィエで開催されたアンリ・ヴュータン国際ヴァイオリン・コンクールの優勝者、ヴィルモシュ・チコシュ です。
NAX-8.660538(2CD)
ロッシーニ:歌劇「イングランドの女王エリザベッタ」 エリザベッタ…セレーナ・ファルノッキア(S)
レイチェステル…パトリック・カボンゴ(T)
ノルフォルク…メルト・スング(T)
マティルデ…ヴェロニカ・マリーニ(S)
エンリーコ…マーラ・ガウデンツィ(Ms)
グリエルモ…ルイス・アギラル(T)
クラクフ・フィルハーモニーcho
クラクフPO
アントニーノ・フォリアーニ(指)

録音:2021年7月3-4日、2021年7月21日
ロッシーニ15番目の歌劇となる「イングランドの女王エリザベッタ」は、彼が北イタリアの劇場で名を上げたの ち、ナポリのサン・カルロ劇場のために作曲した最初の作品。序曲やいくつかのアリアは「セヴィリアの理髪師」 などの過去作から転用されているものの、初演は大成功をおさめ、ロッシーニは当時のイタリア音楽界におけ る最も重要な都市ナポリにおける歌劇作曲家としての地位を確立することができました。この作品を初演す るために、当時のスター歌手たちが集結。その中にはのちにロッシーニの妻となるイザベラ・コルブランも含まれ ており、彼はイザベラのために超絶技巧を駆使したアリアを書いています。この演奏は、2021年バート=ヴィ ルトバート・ロッシーニ音楽祭での上演記録と、その直前にポーランドのクラクフで行われたオペラ・フェスティ ヴァルの記録を組み合わせたもの。新型コロナウィルスのパンデミック下という難しい時期の上演でしたが、主 役のエリザベッタを歌うセレーナ・ファルノッキアは、低音から高音までむらのない響きを持つ声を生かしながら 難しいコロラトゥーラを見事に決めています。物語で重要な役割を担う2人のテノールは、パトリック・カボンゴ とメルト・スングが担当。やはり素晴らしい声を披露しました。指揮のアントニーノ・フォリアーニは、クラクフ・フィ ルハーモニーOとともに「典型的なロッシーニ・スタイル」を詳細に練り上げ、歌手たちとともに拍手喝 采を浴びました。

   NAXOS 2024年1月発売(2)
NAX-8.574401(1CD)
ポルトガルのピアノ三重奏曲集 第3集
アルマンド・ホセ・フェルナンデス(1906-1983):3声のソナタ ニ長調(1980)
ヌノ・コルテ=レアル(1971-):ソナタ・オランデーサ Op.30(2002/2007改訂)…世界初録音
ホセ・ヴィアナ・ダ・モッタ(1868-1948):ピアノ三重奏曲 ロ短調(1888-89)
トリオ・パンゲア【Leo Belthoise(Vn)、Sara Chorda(Vc)、Bruno Belthoise(P)】

録音:2022年12月26-28日
NAXOSならではの秘曲シリーズ「ポルトガルのピアノ三重奏曲集」。第3集には、およそ3つの世紀にまたがって書かれた3人のピアノ三重奏曲が収録されて います。 ホセ・フェルナンデスは20世紀半ばに活躍した作曲家。この「3声のソナタ」は彼が愛着を抱いていた古典派の様式に基づいたスタイルで作曲されています。 次のコルテ=レアルは1971年生まれ。ポルトガル作曲家協会の最優秀クラシック作品賞を受賞するなど注目の作曲家で、この「ソナタ・オランデーサ」は激 しい曲想と夢のように優しい曲想が入り混じるユニークな作品です。かたやヴィアナ・ダ・モッタは後期ロマン派の作曲家。ベルリンに留学したことで、当時のド イツ音楽の様式を学び、ピアニストとして活動した後に帰国。リスボン国立音楽院の院長を務めるなどポルトガルの音楽発展に寄与しました。この作品は彼 の唯一のピアノ三重奏曲で、ブラームスの影響を色濃く感じさせる美しい旋律を持つものです。 ポルトガルのピアノ三重奏曲を積極的に紹介するトリオ・パンゲアの演奏でお楽しみください。
NAX-8.574498(1CD)
ファブリース・ボロン(1965-):『タロの素晴らしき世界 - 時空を超える音楽の旅』
タロの素晴らしき世界 組曲第1番
タロの素晴らしき世界 組曲第2番
タロの素晴らしき世界 組曲第3番
ルネ・ミュンヒ(マリンバ)
イエナPO
ファブリース・ボロン(指)

録音:2022年2月6日
世界初録音
指揮者としての活躍に加え、最近は「子羊から聞こえるあなたの声」(8.574015)や「生まれない孫たち」(8.574456)の作曲者として、またヤナー チェクの歌劇「利口な女狐の物語」の室内楽版編曲者として、活動の幅を広げているファブリース・ボロン。このアルバムに収録された『タロの素晴らし き世界 - 時空を超える音楽の旅』は2017年に南西ドイツ放送(SWR)SOの委嘱で書かれた作品。子供たちや、クラシック音楽になじみの ない大人たちのための一種の入門編であり、"トルヒーリョ"という惑星に住む324歳(!)の子供タロは「イヤーワームの穴」を使って惑星から惑星へと 飛び回り、さまざまな音の世界を発見するという物語です。作品中にはヴィヴァルディ、ラヴェル、グリーグ、チャイコフスキーらのお馴染みの旋律や、時 にはロックやジャズまで多彩な音楽が現れ、これらはボロンの手によって再構築され新たな世界を作り上げます。途中で聴こえてくるマリンバの音はタロ を表し、その音は背景の音と混然一体となって、聴き手をクラシックの世界へといざなうという趣向です。CDにはナレーションなしのヴァージョンが収録さ れていますが、ドイツ語ナレーション付きのデジタル限定バージョン(9.70356)も用意されています。

   NAXOS 2024年1月発売
NAX-8.574538(1CD)
スッペ:交響的幻想曲/序曲と前奏曲集
劇音楽『詩人と農夫』 - 序曲
交響的幻想曲(1859)…世界初録音
歌劇「水夫の帰国」 第1幕 前奏曲
歌劇「水夫の帰国」 第1幕第1場 バレエ音楽「キャビンボーイの踊り」
カール劇場の展示会のための序曲(前奏曲)…世界初録音
劇音楽『ウィーンの朝・昼・晩』序曲
トーンキュンストラーO
オーラ・ルードナー(指)

録音:2022年10月27-29日
このアルバムの指揮者オーラ・ルードナーは、ウィーン・フォルクスオーパー管やウィーン響のコンサートマスターを歴任し、ウィンナ・オペレッタを熟知しています。 彼は、スッペに大オーケストラのための「幻の交響曲」があることを知り、ウィーンの博物館・図書館に遺されたスッペの手稿譜を丹念に調査して見つけたのが ここに収められた「交響的幻想曲」。当盤が初録音となります。全4楽章、演奏時間30分余りの作品で、ドラムロールで始まる長大な序奏のついた第1楽 章、典雅という言葉がぴったりくるアンダンテの第2楽章、スケルツォ風の陽気な第3楽章、対位法的な展開を織り交ぜつつ見事に盛り上げる終楽章と聴き どころ満点。ロマン派交響曲のファンには見逃せない作品です。冒頭と最後に有名曲を置き、あまり知られていない作品をはさんだ構成も巧みで、ウィーンを 拠点とするトーンキュンストラーOの美しいサウンドと相まって、スッペの管弦楽作品の醍醐味を味わえるアルバムとなっています。
NAX-8.574536(1CD)
フランク:交響曲 ニ短調 M.48
ショーソン(1855-1899):交響曲 変ロ長調 Op. 20
ベルリンRSO
ジャン=リュック・タンゴー(指)

録音:2023年11月1-4日
フランクとショーソン、それぞれ唯一の交響曲をフランス出身のジャン=リュック・タンゴーが演奏したアルバム。 ベートーヴェンの影響を受けながらも、当時、革新的な循環形式を用いたフランクの「交響曲ニ短調」、フラ ンクの弟子であり、やはり循環形式を用いつつ、ワーグナーの影響が感じられるショーソンの「交響曲変ロ長 調」。タンゴーはベルリンRSOの力強い響きを生かしながら、各々の作品の素晴らしさを引き出し ています。なお、ショーソンの交響曲については、出版されている総譜には多くの疑問点を持つというタンゴー 自身が自筆譜を入念に研究し、細心の注意を払って校訂した版を用いて演奏しているところにも注目で す。
NAX-8.574459(1CD)
ヘセンジ・ジ・アウメイダ・プラド(1943-2010):ヴァイオリンとチェロのための作品集
シャンゴの魔法の本(1985)…世界初録音
シランダス(1999)…世界初録音
四季(1983)
コンスタンサとアナ・ルイサのためのカプリッチョ(1998)…世界初録音
前奏曲(2004)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(2000)…世界初録音
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
ハファエル・セザリオ(Vc)

録音:Jacaranda Audio, サンパウロ(ブラジル)
2022年2月6日、2022年10月8日
ナクソスがブラジル外務省との提携で進めているブラジル音楽のシリーズの最新作は、アウメイダ・プラドのヴァ イオリンとチェロのための作品集。20世紀後半から21世紀初頭にかけてブラジルで活躍したプラドは、小鳥 のさえずりから緑豊かな森の音、銀河系の星々、そして民間伝承まであらゆるものにインスピレーションを見 出し、様々な編成の作品を書き上げました。このアルバムの冒頭に収録されている「シャンゴの魔法の本」は 以前発売された「オリシャーたちの交響曲」(NYCX-10400国内仕様盤/8.574411輸入盤)と同じ時期 に書かれた作品で、アフリカ由来の伝統宗教に登場する神々たちが描かれています。1999年の「シランダ ス」は、彼の友人たちに捧げられた、民俗舞踊の要素が強く表れた耳なじみの良い音楽。生き生きとした無 伴奏ヴァイオリン・ソナタと抒情的なカプリッチョは、ヴァイオリンの表現力を最大限に引き出すものであり、優 れたヴァイオリニストとなった彼の娘コンスタンサのために書かれました。「四季」はブラジル音楽に取り組む若 い音楽家のコンクールの課題曲として作曲されたもので、各楽章では奏者の技術が試されるように工夫され ています。
NAX-8.574513(1CD)
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第2番、バガテル集、ロンド
バガテル集 Op.47, B.79(1878)
弦楽四重奏曲第2番変ロ長調 Op.4, B.17(1868-70)
ロンド ト短調 Op.94, B.171(1891)
ファイン・アーツQ
諸岡亮子(ハルモニウム)
ステパン・シモニアン(P)

録音:2022年12月20-21日、2021年9月20日、2020年3月7日
1995年にスタートしたNAXOSのドヴォルザーク弦楽四重奏曲全集、途中で演奏者がプラハ・ヴラフ四重奏団から ファイン・アーツSQに代わり、作曲家の没後100年目についに完結です。弦楽四重奏曲第2番は1869 年頃に書かれた、演奏時間50分余りの大曲。当時ワーグナーの音楽に魅了されていた若き作曲家による、半音階 的な和声と転調が多用された野心的な作品です。後にドヴォルザークはこの譜面を破棄してしまいますが、20世紀 になってパート譜の写しが発見され、1932年に初演、1962年にようやく出版されました。民謡の要素は薄く、全体 の構成も比較的自由に書かれています。アルバムの最初に収められた「バガテル」は1878年の作品。2つのヴァイオリ ン、チェロとハルモニウムという珍しい編成で書かれており、古いボヘミアの民謡からの旋律が効果的に用いられた魅力 的な曲集です。ハルモニウムを演奏している諸岡亮子は、ドイツを拠点に演奏と教育で活躍するオルガン奏者。最 後に置かれた「ロンド」は、ドヴォルザークがニューヨークに旅立つためのお別れツアーで演奏された小品。耳なじみよい 旋律とチェロの妙技が際立ちます。
NAX-8.551477(1CD)
フォーレ/エネスコ:ピアノ四重奏曲集
フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 Op.15
エネスコ:ピアノ四重奏曲第1番 ニ長調 Op.16
カン・スヨン(Vn)
ロリーナ・エレラ(Va)
アンドレイ・イオニーツァ(Vc)
カタリン・シェルバン(P)

録音:2022年11月14-16日
ルーマニアのピアニスト、カタリン・シェルバンを中心に、優れた3人の音楽家たちが集まりフォーレとエネスコの ピアノ四重奏曲を演奏した1枚。アルバムのメインはシェルバンの同郷の作曲家、エネスコのピアノ四重奏曲 ですが、シェルバンはこの曲にはエネスコの師、フォーレのピアノ四重奏曲を併せることが理想的だと語ってい ます。1876年頃から構想されたフォーレのピアノ四重奏曲第1番は、当時のフランスでは一般的ではなかっ たピアノ四重奏の分野の先駆けとなった作品で、ブラームスの影響を感じさせながらも、フォーレならではの流 麗な旋律美にあふれています。一方、1909年に作曲されたエネスコのピアノ四重奏曲第1番は、シェルバン が強く魅了されたという、ドイツ後期ロマン派の影響が感じられる作品。大胆な和声と巧みな対位法に支え られています。どちらの作品もメランコリックな緩徐楽章が特徴で、2人の作曲家のスタイルの違いの中にも親 和性が感じられます。
NAX-8.660534(2CD)
ヴェルディ:歌劇「エルナーニ」 エルナーニ … フランチェスコ・メーリ(T)
エルヴィーラ … マリア・ホセ・シーリ(S)
ドン・カルロ … ロベルト・フロンターリ(Br)
ドン・ルイ・ゴメス・デ・シルヴァ … ヴィタリー・コワリョフ(Bs)
ジョヴァンナ … クセニア・ツィウヴーラス(Ms)
ドン・リッカルド … ジョセフ・ダーダー(T)
ヤーゴ … ダヴィデ・ピーヴァ(Bs)他
フィレンツェ五月祭O&cho
ジェイムズ・コンロン(指)

録音:2022年11月10日サーラ・ズービン・メータ(フィレンツェ五月音楽祭歌劇場)イタリア

【同内容の映像】
DYNAMIC
DVD…DYNDVD37972
Blu-ray…NYDX50316(国内仕様盤)
DYNBRD57972(輸入盤)
歌劇「エルナーニ」は、ヴェルディがその素材をフランス・ロマン派演劇の嚆矢とされるヴィクトル・ユゴーの戯曲 『エルナニ』に求め、台本をフランチェスコ・マリア・ピアーヴェに依頼した作品。複雑な関係にある登場人物一 人ひとりの心の動きを、アリアと重唱によって巧みに表現するという、ヴェルディの音楽的な劇作法の進境が 著しい作品として知られています。エルナーニ役の気品溢れるテノールのフランチェスコ・メーリ、エルヴィーラ役 のドラマティックな高揚感が目覚ましいソプラノのマリア・ホセ・シーリ、国王ドン・カルロ役のヴェルディ・バリトン として名高い、ロベルト・フロンターリ、そしてシルヴァ役の性格俳優的なバスのヴィタリー・コワリョフと、万全の 布陣がなされた歌手陣と、名匠ジェイムズ・コンロンが率いるオーケストラと合唱団による演奏で、若きヴェル ディの鮮烈なドラマをご堪能ください。

   NAXOS 2023年12月発売
NAX-8.579097(1CD)
カタルーニャのチェロ曲集
ガスパール・カサド(1897-1966):愛の言葉(1931)
グラナドス:マドリガーレ イ短調(1915)
グラナドス:ガレガ舞曲(1899)
パブロ・カザルス(1876-1973):ロマンス− チェロとピアノのために(1899)
グラナドス:ゴイェスカス 第1部 - 第4曲 嘆き、またはマハとナイチンゲール(1911)(F. マーシャルによるチェロとピアノ編)…世界初録音
カサド:スペイン古典様式によるソナタ(1925)
ベネト・カサブランカス(1956-):フェデリコ・モンポウのための歌「回想」(1993)
モンポウ:歌と踊り(1918) - 第1曲 カルメシーの娘/カステルテルソルの踊り(G. カサドによるチェロとピアノ編)…世界初録音
カザルス:夢(1896)
カザルス:アルバムの綴り(1897)
グラナドス:ゴイェスカス 第1部 - 間奏曲(1915)(G. カサドによるチェロとピアノ編)
ドミトリ・ヤブロンスキー(Vc)
ライア・マルティン(P)

録音:2021年11-13日、2022年10月11日
20世紀前半のカタルーニャ音楽を語るには、名チェロ奏者・作曲家として活躍したパブロ・カザルスを筆頭とするチェロの演奏家や、作曲家たちの存在が欠 かせません。このアルバムにはカザルスの作品をはじめ、カザルスの弟子ガスパール・カサドによる「スペイン古典様式によるソナタ」や「愛の言葉」、カザルスより 少し前の世代にあたるグラナドスの「ゴイエスカス」や、モンポウの「歌と踊り」の中の曲をカサドがチェロとピアノ用に編曲したもの、また現代の作曲家カサブラン カスによるモンポウへのオマージュ作品など、様々な繋がりのある曲を収録。どれも情熱的な音楽です。演奏は指揮者としてもおなじみドミトリ・ヤブロンス キー。哀愁に満ちた旋律や楽し気な舞曲を朗々と歌い上げています。
NAX-8.574477(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番、第25番(イグナツ・ラハナー[1807-1895]による弦楽四重奏とコントラバス伴奏版)
ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459(第3楽章カデンツァ:モーツァルト)
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503(第1楽章カデンツァ:A. ゴールドスタイン)
アーロン・ゴールドスタイン(P)
ファイン・アーツQ【ラルフ・エヴァンス(Vn1)、エフィム・ボイコ(Vn2)、ジル・シャロン(Va)、ニクラス・シュミット(Vc)】
リジー・バーンズ(Cb)

録音:2022年7月20日、2022年7月21日
※全て世界初録音
1781年、ウィーンに戻ってからのモーツァルトは、フリーの音楽家として精力的に作曲活動を始めました。 1784年の後半に書かれたピアノ協奏曲第19番は、この年に書かれた6曲のピアノ協奏曲の最後を飾るも ので、のちの1790年10月にはレオポルト2世の戴冠式を祝して催された演奏会でモーツァルト自身がピアノ を演奏したことでも知られます。第25番は1786年の作品。最も編成の大きな第24番に比べ、クラリネット は加わらないものの、トランペットとティンパニを加えた編成から生まれる華麗なオーケストラと精緻なピアノ・ パートが特徴です。 ラハナーの編曲は、ピアノ・パートにはほとんど手を加えず、伴奏部の弦楽四重奏にコントラバスを加えること で豊かな響きが味わえるとともに、管楽器パートの旋律もうまく弦楽器へと移し替えられています。また第25 番第1楽章のカデンツァはゴールドスタイン自身によるものです。
NAX-8.573272(1CD)
ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914):シンフォニア・フェスティヴァ/ピアノ協奏曲
シンフォニア・フェスティヴァ(祝祭序曲)(1878-79)…世界初録音
ピアノ協奏曲 ト短調 Op.15(1879-80)
マッシミリアーノ・ダメリーニ(P)
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)

録音:2012年2月26-27日…1
2013年4月14-15日(ライヴ)…2-4
イタリア人の父とイギリス人の母の下に生まれたジョヴァンニ・ズガンバーティ。トレヴィで初期の音楽教育を受 けたあと、1860年にローマに移住。当時ローマに住んでいたフランツ・リストに師事するとともに親交を結び、 師から多大な影響を受けました。またワーグナーの音楽にも接したことで、当時ベルカント・オペラが支配して いたイタリアの音楽界にドイツ音楽を採り入れ、オーケストラ音楽の普及に力を尽くしたことでも知られていま す。 このアルバムには、優れたピアニストでもあったズガンヴァーティの技巧がうかがえる華麗な「ピアノ協奏曲」と、 短いながらも、ベートーヴェンの第7交響曲を彷彿させる舞踏的な性格を持つ「シンフォニア・フェスティヴァ」の 2曲を収録。既発の交響曲第1番(8.573007)と同じく、フランチェスコ・ラ・ヴェッキアが指揮するローマ交 響楽団の演奏です。
NAX-8.579132(1CD)
20世紀のピッコロ協奏曲集
アンドレアス・バクサ(1950-2015):ピッコロ協奏曲 Op.54(2012)…世界初録音
ウロシュ・クレーク(1922-2008):ピッコロ・コンチェルティーノ(1967)
ボリス・パパンドプロ(1906-1991):ピッコロ協奏曲- ピッコロと弦楽合奏のために(1977)
フリジェシュ・ヒダシュ(1928-2007):オーボエ協奏曲(1951) (F. ヴィオラによるピッコロと管弦楽編 2019)…世界初録音
フランチェスコ・ヴィオラ(ピッコロ)
マンハイム国立劇場O
サルヴァトーレ・ペルカッチョーロ(指)

録音:2022年11月2-5日
20世紀初頭にはあまり書かれることのなかったピッコロのための協奏曲ですが、現在では多くの作曲家たちがこのジャンルの作品を手掛けています。このアル バムの演奏者、1987年生まれのフランチェスコ・ヴィオラは、2015年に開催されたセヴェリーノ・ガッゼッローニ国際コンクールのピッコロ部門で優勝し現在マン ハイム国立劇場とフィレンツェ五月祭Oでピッコロを担当しています。このアルバムではルーマニアのバクサ、スロヴェニアのクレーク、クロアチアのパパンド プロとハンガリーのヒダス、4人の東ヨーロッパの作曲家たちの作品を取り上げています。どの作品もピッコロの妙技が遺憾なく発揮されていますが、とりわけバク サから大きな影響を受けたというヴィオラは、このアルバムを手がかりにバクサの音楽に親しんでほしいとブックレットに記しています。
NAX-8.574220(1CD)
ノスコフスキ/ジェレンスキ:ヴァイオリン・ソナタ集
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):ヴァイオリン・ソナタ イ短調
ウワディスワフ・ジェレンスキ(1837-1921):ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op.30
ロロンス・カヤレイ(Vn)
バーナーディーン・ブラハ(P)

録音2022年12月17-18日、2022年12月18-19日
19世紀後半、ポーランドの国民楽派として活動した2人の作曲家、ノスコフスキとジェレンスキのヴァイオリン・ ソナタ集。交響曲の作曲家として知られるノスコフスキのイ短調ソナタは、ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナ タ」とブラームスからの影響を感じさせる雄大な作品。第1楽章冒頭の印象的なユニゾンを幕開けに、ヴァイ オリンとピアノが流麗な旋律を奏でます。第2楽章は「クロイツェル・ソナタ」に倣うかのような変奏曲形式で書 かれており、第3楽章ではタランテッラ風のリズムが弾む情熱的な音楽が展開します。 ジェレンスキはポーランド民俗音楽を採り入れた歌劇「ヤネク」で知られる作曲家であるとともに、教師として も広く活躍しました。このヴァイオリン・ソナタは1879年頃の円熟期の作品で、活発な表情を持つ第1楽 章、マズルカ風のリズムによる第2楽章、ゆったりとした序奏に導かれた情熱的な第3楽章と、伝統的な作 風を守りながら雄弁な音楽が展開されています。演奏はラフやメトネルなどのヴァイオリン・ソナタの録音で知 られるスイス出身のロロンス・カヤレイ。1742年製のピエトロ・グァルネリから紡ぎだされる音色が魅力です。
NAX-8.574569(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/エンジェル・スタニスラフ・ワン
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178/R21
グラナドス:ゴイェスカス 第1部 - 第3曲 燈火のファンダンゴ
ラウラ・ベガ(1978-):永遠の愛への詩曲(2020)…世界初録音
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57
エンジェル・スタニスラフ・ワン(P)
ブレトンSQ【Anne-Marie North(Vn1)、Antonio Cardenas(Vn2)、Rocio Gomez(Va)、Carlos Sanchez Munoz(Vc)】

録音:I2022年4月4-8日(ライヴ)、2022年5月2日
中国系ロシア人でアメリカ在住のピアニスト、エンジェル・スタニスラフ・ワン。 彼は2022年に開催された第63回ハエン国際ピアノ・コンクールの優勝者で、このアルバムにはコンクールで 演奏した4曲が収録されています。このコンクールは、スペインの現代作曲家の作品の演奏が必須であり、 第63回で新作を提供したのはグラン・カナリア島出身のラウラ・ベガでした。同じくグラン・カナリア島出身の詩 人サンティアゴ・ジルの愛と死をモティーフとした詩からインスパイアされたという彼の作品は、決して超絶技巧 を要求するのではなく、演奏者に詩人としての役割を求めたもの。8分程度の長さでありながら、起伏に富ん だ内容をもっています。他にはリストのソナタとグラナドス、そしてブレトンSQとの共演によるショスタ コーヴィチのピアノ五重奏の演奏を披露しています。
NAX-8.574489(1CD)
ブラームス:歌曲全集 第4集
6つの歌曲 Op.6(1852-53)
8つの歌とロマンス Op.14(1858)
5つの詩 Op.19(1858-59)
7つの歌 Op.48(1853-68)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
キーラン・カレル(T)
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:2022年6月13-16日、2022年10月4-6日
NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第2集と第3集は民謡集でしたが、第4集では20代の頃に書かれた独唱のための歌曲に焦点が当てられていま す。ボレロのリズムによる「スペインの歌」を含むOp. 6は20歳頃の作品。Op.14は彼の恋人となったアガーテ・フォン・シーボルトとの出会いがきっかけで書か れたと言われる歌曲集。どちらの曲集も、当時彼が魅了されていた民謡をベースとした簡素な作風でありながら、ブラームスらしい旋律美があふれています。 「Op.19のタイトルは「歌(Gesange、Lieder、Romanzeなど)」ではなく「詩(Gedichte)」とされているのが特徴。どの曲もピアノ・パートにも重要な役割 が与えられています。「7つの歌」Op. 48は約10年の歳月をかけて書かれたもので、スイス民謡からの影響が感じられる「恋しい人のもとへ」や、コラールを思 わせる「心変わり」、シューベルトを思わせる長調と短調がめまぐるしく交代する「涙の中の慰め」など聴きどころの多い曲集です。クリストフ・プレガルディエンに 師事したテノール、カレルと、オペラ、コンサートの両面で活躍するソプラノ、ヴンダーリンの演奏で。
NAX-8.660536(2CD)
カヴァッリ:歌劇「セルセ」 セルセ … カルロ・ヴィストーリ(C.T)
アマストレ … エカテリーナ・プロツェンコ(S)
アルサメーネ … ガイア・ペトローネ(Ms)
ロミルダ … カロリーナ・リッポ(S)
アデランタ … ディオクレア・ホッジャ(S)
アリオダーテ … カルロ・アッレマーノ(T)
アリストーネ … ニコロ・ドニーニ(Bs)
ペリアルコ … ニコロ・バルドゥッチ(C.T)
エルヴィーロ … アコ・ビシェヴィチ(C.T) 他
オーケストラ・バロッカ・モード・アンティクオ(古楽器使用)
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指)

録音:2022年7月25日、29日、31日ヴァッレ・ディトリア音楽祭、ヴェルディ劇場、マルティーナ・フランカ(イタリア)
ペルシャ王セルセ(クセルクセス)はスシア王オッターネの娘アマストレという婚約者があるにも関わらず、弟アルサメーネの恋人ロミルダに横恋慕。そのロミル ダの妹アデランタはアルサメーネを愛しているが故に、ロミルダにセルセの愛を受け入れるようそそのかしますが… 興味深い蘇演プロジェクトの数々で話題を集めるヴァッレ・ディトリア音楽祭より、イタリア・バロック・オペラの創始者モンテヴェルディの高弟として、17世紀中 盤に絶大な人気を誇ったフランチェスコ・カヴァッリの歌劇「セルセ」、DYNAMICから発売され好評を博した映像のCDが登場です。 「セルセ」といえば、ヘンデルのオペラがその冒頭のアリア〈オンブラ・マイ・フ〉と共によく知られていますが、この台本は作家ニコロ・ミナートが元々はカヴァッリのた めに書いたもの。作品は1655年ヴェネツィア初演の後1660年パリで再演され、カヴァッリの声価はフランスでも大いに高まりました。 外題役のカルロ・ヴィストーリ、セルセの弟アルサメーネ役のガイア・ペトローネら中堅、若手を中心としたフレッシュな歌手陣による歌唱は、バロック・オペラの 名匠、フェデリコ・マリア・サルデッリ率いるオーケストラ・バロッカ・モード・アンティクオの伸びやかな演奏と相まって、この隠れていた名作を見事、現代に蘇らせて います。

   NAXOS 2023年11月発売 (2)
NAX-8.559911(1CD)
アメリカの協奏曲と管弦楽組曲集
コープランド:組曲「入札地」(1958)
クレストン(1906-1985):サクソフォン協奏曲 Op.26(1941)*
ユリシーズ・ケイ:ピエタ(1950)*
ピストン(1894-1976):バレエ組曲「不思議な笛吹き」(1940)
アンナ・マティクス(コールアングレ)
ティモシー・マカリスター(アルトSax)
ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2022年6月16-18日
*…世界初録音
20世紀半ばのアメリカ音楽の形成に貢献した4人の傑出した作曲家たちの作品を集めたアルバム。 コープランドの「入札地」は高校卒業を間近に控えた少女を巡る、米国中西部の農家の出来事を題材にした歌劇からの組曲。のどかな牧場風景と 都会への憧れがコープランドらしい明快な曲調で描かれています。歌劇では合唱が入る「The Promise of Living 生活の約束」もここではオーケス トラのみで奏されます。 クレストンの「サクソフォン協奏曲」は、1930年代のアメリカにサクソフォンを広めた奏者セシル・リーソンのために書かれた曲。 ジャズ・バンドで活躍することの多かったこの楽器の"本当に美しい音色と可能性"を追求した作品として評価されています。コールアングレと弦楽オー ケストラのための「ピエタ」を作曲したユリシーズ・ケイはローマ賞を受賞した初の黒人作曲家。彼がローマに赴いた際、現在バチカン市国のサン・ピエト ロ大聖堂に安置されているミケランジェロの有名な同名彫刻にインスピレーションを得た作品とされています。ソリスト、アンナ・マティクスがこの作品を発 見し、ファレッタに演奏を持ちかけたというものです。ピストンの「不思議な笛吹き」は、1938年にアーサー・フィードラーがボストン・ポップス・オーケストラ のために依頼した作品。聞く人の悲しみを癒すことができる魔法の音楽家が率いる旅するサーカス団を描いたバレエ音楽です。ファレッタの巧みな指 揮が各作品のすばらしさを際立たせています。
NAX-8.574504(1CD)
ハイドン:バリトン三重奏曲集 第2集
バリトン三重奏曲第67番ト長調 Hob.XI:67
バリトン三重奏曲第6番イ長調 Hob.XI:6
バリトン三重奏曲第113番ニ長調 Hob.XI:113
バリトン三重奏曲第71番イ長調 Hob.XI:71
バリトン三重奏曲第35番イ長調 Hob.XI:35
バリトン三重奏曲第93番ハ長調 Hob.XI:93
バレンシア・バリトン・プロジェクト
【メンバー】
マシュー・ベイカー(Br)
エステバン・デ・アルメイダ・レイス(Va)
アレックス・フリードホフ(Vc)

録音:2022年10月18-20日
ハイドンは、ほぼ25年間にわたり、裕福なエステルハージ家の宮廷音楽家として奉職していました。とりわけ彼が宮廷楽長を務めていた時期の当 主ニコラウス1世(1714-1790)は音楽に深い理解を示し、ハイドンの活動を奨励したため、ハイドンはそれに応えるべく数多くの作品を生み出し、熱心に演 奏したのです。そのニコラウス1世が好んだのが「バリトン」でした。これは17世紀後半に発案されたヴィオール属の擦弦楽器で、通常6本〜7本のガット弦 と、前面を板で覆われた9本から24本(12本が多い)の金属弦を持っており、こちらは共鳴弦であると同時に、左手の親指ではじくことが出来るというもの。 しかし、弦が多いため調弦も演奏も難しく、19世紀にはほとんど廃れてしまいました。ハイドンはこの楽器についてほとんど知識がなかったようですが、主君の ために楽器を研究し、バリトンとヴィオラ、チェロによる126曲もの三重奏曲をはじめ、二重奏曲や協奏曲を作曲しています。これらの三重奏曲は5巻のシ リーズで出版されましたが、楽器の希少性のためか、現在ではほとんど演奏されることがありません。尚、この楽器に最も適した調性はイ長調なので、多くの 曲はイ長調で書かれています。 第1集(8.574188)に続くこのアルバムにも6曲のバリトン三重奏曲を収録、マシュー・ベイカーが演奏するのは2004年に制作されたOwen Morse- Brownによる復元楽器で、18世紀の典雅な響きが忠実に再現されています。
NAX-8.574509(1CD)
メンデルスゾーン:稀少ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ ヘ短調 MWV U23(1820)
ピアノ・ソナタ ホ短調 MWV U19(1820)
無言歌 変ホ長調 MWV U68(1828)
無言歌集 第7巻 Op.85- 第5番イ長調 MWV U191(1847年版)
無言歌 ニ長調 MWV U178(1843)
無言歌 ヘ長調 MWV U150(1841頃)
無言歌 嬰ヘ短調 MWV U124(1836)
アレグレット イ長調 MWV U138(1837)
アンダンテ イ長調 MWV U76(1830)
無言歌集 第1巻 Op.19b - 第2番MWV U80(1830年初稿)
無言歌 変ホ長調 MWV U82(1830年以降)(R.L. トッドによる補筆完成版)
アンダンテ・コン・モート イ長調 アルバムの綴り「5月21日」 MWV U75(1830)
コン・モート イ長調 MWV U88(1831)
時間の経過とともに MWV U196(1847)
主題と変奏 ニ長調MWV Z1, No.119(1820頃)
ピアノ小品 ト長調 MWV U38(1822)
アンダンテ 変ホ長調 MWV U165(1842)
ソステヌート ヘ長調 MWV U167(1842)
カノン 嬰ヘ短調 MWV U163(1842年版)
カプリッチョ 変ホ短調 MWV U43(1824)
アレグロ ヘ長調「Barentanz」 MWV U174(1842)
クリストファー・ウィリアムズ(P)

録音:2022年12月19-20日
早熟の天才で「神童」とも呼ばれたメンデルスゾーンは、幼少の頃からピアノ曲や室内楽曲、弦楽のための 交響曲など数多くの作品を書きました。しかしそのほとんどは、内輪の演奏会用に作曲されたもので、長い 間出版されることはありませんでした。また長じてからは、やはりたくさんの作品を書いたものの、自己批判に より生前に出版されなかった作品も多く、これらは最近になってようやく出版され、その正確な作曲年代が判 明するようになりました。このアルバムにはそんなあまり知られていない作品を収録。11歳頃の初期の曲から 晩年の作品、稿違いなど珍しい曲を聴くことができます。とりわけ冒頭に置かれた2曲のソナタは、ベートー ヴェンの影響も感じさせながら、驚くほどの成熟を示しています。 ピアニスト、クリストファー・ウィリアムズはウェールズ出身、現在カーディフ大学のピアノ講師を務める傍ら、ソリ スト、室内楽奏者として活躍、希少作品の紹介にも力を注いでいます。
NAX-8.551484(1CD)
ドイツの受難曲〜17世紀の四旬節と復活祭の時期の音楽集
1. ブクステフーデ(1637頃-1707):イエスよ、わが命の命 BuxWV62
2. ヨハン・クリストフ・デマンティウス:Weissagung des Leidens und Sterbens Jesu Christi
3. シュッツ(1585-1672):優しく、親しく、慈しみ深い主イエス・キリストよ SWV285
4. ハンス・レオ・ハスラー(1564-1612):おお、血と涙にまみれた御頭よ
5. ヤーコプ・ハンドル(1550-1591):見よ、正しき者のいかに死せるとも
6. ディートリヒ・ベッカー(1623頃-1679):イエス、わが喜び
 Trauer - und Begrabnis - Musik 悲しみと葬送の音楽 - シンフォニア
7. ジーズ・デ・フリエス(1973-):イエス、わが喜び オルガン即興
8. ヨハン・ミヒャエル・バッハ(1648-1694):イエス、わが喜び Halt was du hast
9. アンドレアス・ハンマーシュミット(1611-1675):ああ、イエスは死なん
10. マティアス・ヴェックマン(1616-1674):泣かないで
11. グレゴリオ聖歌:キリストは死の絆につかせたまえり - 復活のいけにえ
12. ハインリヒ・シャイデマン(1595-1663):キリストは死の絆につかせたまえり - 復活のいけにえ
13. シャイデマン:キリストは死の絆につかせたまえり Variation1
14. ハスラー:キリストは死の絆につかせたまえり Hymnus
15. ザムエル・シャイト(1587-1654):キリストは死の絆につかせたまえり Motet
16. ブクステフーデ/ヨハン・クリューガー(1598-1662):今日、神の子は勝利なさった
マルガレータ・コンソート(声楽&古楽器アンサンブル)
ソプラノ2/アルト/テノール/バリトン/バス/各種ヴィオール/ヴィオローネ/ヴァイオリン2/ポジティフ・オルガン/オルガン
マリト・ブルクルーロフス(指)

録音:2023年2月25-28日
12世紀頃、神聖ローマ帝国の中で皇帝に直接忠誠を誓う帝国自由都市が連合し、14世紀中頃までの最盛期には100以上の都市が加盟していた「ハ ンザ同盟」。北海・バルト海沿岸と内陸の北ドイツから西はフランドル、東は現在のポーランド・バルト諸国・ロシアにおよぶ地域の商業都市が結成したこの 同盟は16世紀に衰退しましたが、ハンザが築いた巨大な富は各地の壮大な大聖堂に反映されました。この聖堂の空間の豊かな音響を満たすために書か れた創意工夫に溢れた復活祭を中心とする教会音楽を集めた1枚。即興演奏や、様々な作曲家が「キリストは死の絆につかせたまえり」などの元の譜面を 翻案し、テキストを強化した作品など多彩な曲が収録されています。演奏は、2009年設立のオランダを拠点に活動する「マルガレータ・コンソート」。精鋭の 奏者たちによる演奏です。
NAX-8.551480(1CD)
ヴァイオリンとピアノのためのリトアニアの音楽集
ユオザス・グルオディス(1884-1948):ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(1922)
カジミエラス・ヴィクトラス・バナイティス(1896-1963):ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(1935)
スタシス・ヴァイニウナス(1909-1982):ヴァイオリン・ソナタ Op.38(1971)
ユリウス・ユゼリューナス(1916-2001):ヴァイオリン・ソナタ(1972)
シモーナ・ヴェンスロヴァイテ(Vn)
ヴェロニカ・コプヨーヴァ(P)

録音:2021年8月2-6日
20世紀のリトアニアで書かれたヴァイオリン・ソナタ4編を収めたアルバム。かつてリトアニア大公国として繁栄 を誇りながら、17世紀後半以降、長期間にわたって国土の分裂と異民族による支配を受けて来たリトアニ アでは、民族のアイデンティティの一つとして民族舞踏や民謡が守られてきました。このアルバムでは、モダニズ ムの洗礼を受けた作曲家たちが民族音楽の素材を消化して書いた四者四様のヴァイオリン・ソナタを収めて います。リトアニア音楽史上初のヴァイオリン・ソナタとされるグルオディスの作品と、リトアニア唯一の印象派と されるバナイティスの作品は、両大戦間のリトアニア第一共和国時代に書かれたもの。悲劇的なトーンを持 つヴァイニウナスのソナタと、第2次大戦後のリトアニア音楽の発展に貢献したユゼリューナスのソナタはソ連時 代の1970年代の作品。個性的な創作であると同時に時代の空気をも伝えてくれます。

   NAXOS 2023年11月発売
NAX-8.574563(1CD)
ピーター・グレイアム(1958-):ブラスバンド作品集
トリケトラ、「オールド・ハンドレッドス」による幻想曲(2023)*
マスター・オヴ・サスペンス(2023)*
ブラムのための讃歌(2023)*
ハイパーリンク(2022)*
フォース・オヴ・ネイチャー(2023)*
時の勝利、ブラスバンドのための変奏曲(2014)
レックス・リチャードソン(トランペット/フリューゲルホルン)
デイヴィッド・チャイルズ(ユーフォニアム)
ブラック・ダイク・バンド
ニコラス・チャイルズ(指)

録音:2022年10月31日、2022年11月24日、2023年3月9日、2023年5月17日、2023年5月30日
*…世界初録音
アメリカ吹奏楽指導者協会により、年に1回優れた吹奏楽曲の作曲家に与えられるオストウォルド賞(Ostwald Band Composition Award)を2002年に受賞したピーター・グレイアム。彼は同世代を代表するブラスバンド曲の作曲家の一人であり、これまでにも数多くの作品を発表。2018年、NAXOSか ら発売した「メトロポリス1927」(8.573968)はニコラス・チャイルズが指揮するブラック・ダイク・バンドの名演も相俟って高い評価を受けました。このアルバム では再びブラック・ダイク・バンドが演奏、ヒッチコックの映画からインスパイアされたトランペット協奏曲(第2楽章はフリューゲルホルン持ち替え)「マスター・オヴ・ サスペンス」や、アーネスト・ヘミングウェイの人生を辿ったユーフォニアム協奏曲「フォース・オヴ・ネイチャー」など5曲の世界初録音を含む作品が収録されてい ます。
NAX-8.574408(1CD)
エジノ・クリーゲル(1928-2022):管弦楽作品集
ファンファーレとシークエンス(1970)…世界初録音
諸要素の変奏曲(1964)
カンティクム・ナトゥラーレ(1972)
エストロ・アルモニコ(1975)
ノバ・フリブルゴの3つの映像(1988)
交響的な遊び(1965)
フラヴィア・フェルナンデス(S)
サンパウロ交響cho
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2021年10月8-13日
エジノ・クリーゲルは幼いころからヴァイオリンの才能を発揮。リオデジャネイロでブラジル作曲界の指導的な存在であったケルロイターに作曲を学んだ後、コープ ランドの招きで渡米してタングルウッドやジュリアードなどで学びました。一旦帰国した後、英国王立音楽院でバークリー(に師事。帰国後は作曲を続ける傍 ら、放送局付きのオーケストラの指揮者及び音楽番組のディレクターとして欧米の最新の動向を紹介するなどしてブラジル音楽界に影響を与えました。その 作風はセリー主義、新古典主義を経て、伝統と前衛の融合が図られており、作曲年代によってさまざまな表現が楽しめます。アルバムには6作品が収録さ れていますが、その中でも「カンティクム・ナトゥラーレ」は広大なアマゾンを音で描いたクリーゲルの代表作の一つです。世界初録音となる「ファンファーレとシー クエンス」は合唱を伴う5分程度の小品。3つのトランペットと4つのホルンが呼び交わす中で奏されます。「Variacoes Elementares=諸要素の変奏曲」 は短い旋律がモティーフとして用いられた10の変奏からなる作品。17世紀のポリフォニーも駆使しながら発展していく音楽です。また「ノバ・フリブルゴの3つの 映像」はリオデジャネイロ州の山岳地帯ノバ・フリブルゴ市からの委嘱作。弦楽オーケストラとチェンバロのために書かれており、弦の特殊奏法など楽器テクニッ クを要する作品です。 ブラジル音楽シリーズでおなじみのニール・トムソンが指揮するゴイアスPOによる演奏です。
NAX-8.573990(1CD)
ウォルトン:チェロ協奏曲(1956)(A. セローヴァによるヴィオラと管弦楽編2018)
ロベルト・モリネッリ(1963-):ウォルトン夫人の庭(2017)
ウィリアムの岩(2018)
ミッシング・E(2022)*
アンナ・セローヴァ(Va)
シギ・ベラスケス(ケーナ/ケナーチョ)
ドナルド・モーリス(ヴィオラ・ダ・モーレ)
リッカルド・ベルトッツィーニ(エレクトリック・ギター)
ジャンルカ・ペルシケッティ(ギター/カヴァキーニョ)
ソニア・マウラー(バンドネオン)
アントニオ・イッポーリト(バンドネオン)
ステファノ・ロッシーニ(パーカッション)
ボルツァーノ・トレント・ハイドンO
ロベルト・モリネッリ(指揮,(エレクトロニクス*

録音:2018年9月6-10日 、2022年11月11日*
※全て世界初録音
アンナ・セローヴァ(Va) シギ・ベラスケス(ケーナ/ケナーチョ)…8 ドナルド・モーリス(ヴィオラ・ダ・モーレ)…7 リッカルド・ベルトッツィーニ(エレクトリック・ギター)…7 ジャンルカ・ペルシケッティ(ギター/カヴァキーニョ)…8 ソニア・マウラー(バンドネオン)…8アントニオ・イッポーリト(バンドネオン)…8 ステファノ・ロッシーニ(パーカッション)…8 ボルツァーノ・トレント・ハイドンO…1-7 ロベルト・モリネッリ(指揮…1-7)(エレクトロニクス…8) 録音:2018年9月6-10日 Auditorium di Bolzano(イタリア)…1-7 2022年11月11日 Recantus Studios Roma(イタリア)…8
NAX-8.559923(1CD)
ルイス・ウェイン・バラード(1931-2007):悪魔の遊歩道、他
悪魔の散歩道(1973)
アボリジニ幻想曲第3番「ココペリ」(1977)
4つの月(バレエ・パ・ド・カトル)(1967)
「インディアンの生活」からの情景(1994年版)
フォート・スミスSO
ジョン・ジーター(指)

録音:2023年4月24日
※全て世界初録音
ルイス・ウェイン・バラードは最初の北米先住民族の音楽家の一人であり、居住区のクアポー語で「ホンガノゼ=鷲とともに立つ」を意味する別名でも知られ ています。彼はタルサ大学で音楽を学び、卒業後はニューメキシコ州サンタフェのアメリカン・インディアン・アート研究所(IAIA)で働きました。当時この地域の 若い学生たちは自分たちの部族の歌を知らなかったため、バラードは先住民たちの歌を集め、これらについて講義したり教えたりしています。北米の民俗音 楽や舞曲、そして神話から影響を受けた彼の作品は12音を採り入れながらも、調性的であり、ユニークな打楽器の用い方でも異彩を放ちます。このアルバ ムには4作品を収録。 クアポー族の舞曲と楽器を用いた「悪魔の散歩道」、6つの「アボリジニ幻想曲」から音楽の神の名を持つ第3番「ココペリ」、オクラホマ州創立60周年を記 念して作曲されたバラードの3番目のバレエ音楽「4つの月」、2つの部族の会話を風刺的に扱った「インディアンの生活」からの情景。どれもリズミカルな要素 を持つ親しみやすい音楽です。
NAX-8.660543(2CD)
リムスキー=コルサコフ:歌劇「クリスマス・イヴ」 ヴァクーラ … ゲオルギー・ヴァシリエフ(T)
オクサーナ … ユリア・ムジチェンコ(S)
ソローハ/紫色の鼻の女 … エンケレイダ・シュコーザ(Ms)
チューブ … アレクセイ・ティホミーロフ(Bs)
悪魔 … アンドレイ・ポポフ(T)
パナス … アンソニー・ロビン・シュナイダー(Bs)
村? … セバスティアン・ゲイアー(Br)
輔祭 … ピーター・マーシュ(T)
女帝 … ビアンカ・アンドリュー(Ms)
パツューク … トーマス・フォークナー(Bs)
普通の鼻の女 … バルバラ・ツェヒマイスター(S)他
フランクフルト歌劇場O&cho
セバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音:2021年12月17-19日、2022年1月8日(ライヴ)フランクフルト歌劇場(ドイツ)
コサックの娘オクサーナは、自分が一番美しいと思い、愛の告白をしてきたヴァクーラに「女帝の靴が欲しい」と無理難題を吹っ掛けます。一方ヴァクーラの母 ソローハは魔女で、悪魔と愛し合っています。その悪魔を捕まえたヴァクーラは、「女帝の靴」を手に入れるために十字架の力で悪魔を手下にして・・・ 作家ニコライ・ゴーゴリが1832年に出版した創作民話集『ディカーニカ近郷夜話』の中の1編『クリスマス・イヴ』を原作に、リムスキー=コルサコフが独創的な 和声法によるオーケストレーションを駆使して作曲。その音楽は初演当時から高く評価されたものの、舞台演出の難しさから上演される機会が少なかった作 品です。こちらは先行する同キャストによる映像の音声をCDに収録したものです。 歌唱陣では主役ヴァクーラに、美声テノールのゲオルギー・ヴァシリエフ、オクサーナ役に表情豊かな新鋭ソプラノのユリア・ムジチェンコ、ソローハ役にベテラン、 エンケレイダ・シュコーザ、悪魔役にアンドレイ・ポポフらを配し、日本でもおなじみの名指揮者セバスティアン・ヴァイグレ率いるフランクフルト歌劇場の合唱団、 オーケストラが、リムスキー=コルサコフの豊潤な音楽を鮮やかに奏でます。
NAX-8.574575(1CD)
クリスマスの合唱作品集
1. 伝承曲:久しく待ちにし(D. ヒルによる合唱とオルガン編)
2. 伝承曲:コヴェントリー・キャロル(R. アランによる合唱編)
3. リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012): さまよいながら私は不思議に思う(K. グラフトンによる合唱編)
4. ジョン・ジュベール(1927-2019):トーチ Op. 7a
5. ウィリアム・J・カークパトリック(1838-1921):まぶねの中で(D. ヒルによる合唱とオルガン編)
6. ホルスト:おねむりなさい、いとしい子よ Op.34, No.2
7. ロバート・ルーカス・ピアサル(1795-1856):甘き喜びのうちに Op.10
8. 伝承曲:天使は乙女に(B. ローズによる合唱とオルガン編)
9. フランツ・クサーヴァー・グルーバー(「1787-1863):きよしこの夜(D. ヒルによる合唱編)
10. ミヒャエル・プレトリウス(1751-1621):賛美の歌を響かせよ(D. ハイリーによる合唱編)
11. ケネス・レイトン(1929-1988):ワールド・デザイア - クライスト・チャイルド・レイ
12. ピーター・ウォーロック(1894-1930):ベツレヘム・ダウン(D. ヒルによる合唱とオルガン編)
13. ハウエルズ:久しき昔
14. エイドリアン・ピーコック(1962-):Venite, Gaudete!
15. エリック・ウィテカー(1970-):黄金の光(ルクス・アルムク)
16. ジョン・タヴナー:聖母マリアより - 第8曲 ロッキング
17. 伝承曲:囚われのアダムは横たわり
18. 伝承曲:ディンドン空高く(S. ニコルソンによる合唱とオルガン編)
19. ジョン・フランシス・ウェイド(1711-1786):神の御子は今宵しも(編曲:D. ヒル)
デイヴィッド・ダネット(Org)
アイコン(合唱)
デイヴィッド・ヒル(指)

録音:2009年7月20-21日
※The Gift of Music* CCLCDG1232より移行盤(2011)
伝承曲から1970年生まれのウィテカーまで、多彩なクリスマス・キャロルを収録した1枚。素朴な曲から「きよしこの夜」など、曲に合わせたアレンジが楽しめる 心地よい1枚です。 「アイコン」はディヴィッド・ヒルが結成した合唱団、メンバーはソプラノ5、アルト4、テノール4、バス4の精鋭歌手によって構成されています。

   NAXOS 2023年10月発売
NAX-8.574482(1CD)
ハインリヒ・オーギュスト・マルシュナー(1795-1861):序曲と舞台音楽集 第2集
劇音楽『ホンブルクの公子』(1821)より
 第1幕 間奏曲
 第2幕 間奏曲
 第3幕 間奏曲
 第4幕 間奏曲
 第4幕 終幕のシンフォニー
劇的カンタータ『東方からの響き』 Op.109(1842) - 序曲
歌劇「皇帝アドルフ・フォン・ナッサウ」 Op. 130(1845)より
 第1幕 バッロ
 第2幕 行進曲
歌劇「アウスティン」(1850-51)より
 序奏
 第2幕 戴冠式行進曲
 第3幕 バッロ
ヴァーツラフ・ザイーツ(Vn)
ペトル・リチー(Vc)
フラデツ・クラーロヴェー・フィルハーモニー
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2022年9月1-3日
全て世界初録音
ウェーバーとワーグナーを繋ぐドイツ・歌劇の作曲家の一人マルシュナーの舞台音楽を発掘するシリーズ、第2集。こんにちでは舞台上演に出会うことはめっ たにない彼の作品、ロマンティックな旋律と華麗なオーケストレーションで彩られた管弦楽曲だけでも楽しめます。ここでは初期と円熟期の作品から序曲、間 奏曲、行進曲、バッロ(舞曲)を収録。この分野の第一人者サルヴィがチェコの古都フラデツ・クラーロヴェーのオーケストラを指揮してお届けします。
NAX-8.574484(1CD)
ペロージ:ピアノ五重奏曲第3番、第4番
ピアノ五重奏曲第3番イ短調(1931)
ピアノ五重奏曲第4番イ長調(1931)
弦楽三重奏曲第1番ト短調(1928)
弦楽三重奏曲 ハ長調(1920代)*
弦楽三重奏曲 ニ短調(1924)*
弦楽三重奏曲 変ホ長調(1920代)(A. サッケッティ版)
弦楽三重奏曲 変ホ長調(1920代)*
弦楽三重奏曲 ホ長調(1920代)*
弦楽三重奏曲 ト短調(習作)(1920代)*
弦楽三重奏曲 ハ短調「フーガ・フェナローリ」(1920代)*
マッテオ・ベヴィラクア(P)…1-6
ローマ・トレ・オーケストラ・アンサンブル
【メンバー】
レオナルド・スピネディ(Vn)
河崎日向子(Vn2)…1-6
ロレンツォ・ルンド(Va)
アンジェロ・マリア・サンティージ(Vc)

録音:2022年6月6-9日
*…世界初録音
プッチーニも脱帽したペロージの豊かなメロディに浸るシリーズ第2作。ペロージはピエモンテ州トルトーナに生まれミラノの音楽院で学び、ヴェネツィアのサン・ ルコ大聖堂の楽長を務め、オラトリオなどの宗教的な声楽作品で国際的な名声を得ました。 そんなペロージ、1920年代には一時的に精神疾患を患い休職せざるを得ませんでしたが、回復後は職務に復帰するとともに作曲活動も再開しました。 のアルバムの後半に収録された番号なしの弦楽三重奏曲は、復帰した時期に書かれた10曲の中の6曲で、どれも断片的であるものの、自身の作曲技法 の更なる向上を目指すための対位法の研究や、ハーモニーの工夫が反映されています。2曲のピアノ五重奏曲は1931年作曲。当時もまた重病を患いな がらも旺盛な創作意欲に掻き立てられていたペロージの豊かなアイデアが感じられる充実した作品です。第1番の番号が振られた弦楽三重奏曲は、急- -急の伝統的な書法で書かれており、合唱作品を得意としたペロージらしい歌心に溢れた作品です。 演奏は2005年に設立されたローマ・トレ・オーケストラのメンバーによるアンサンブル。ローマとラツィオで生まれた最初の大学オーケストラで、若い世代に素 らしい音楽を広めることを目的として活動しています。ヴァイオリンの河崎日向子さんはローマ在住。いくつものアンサンブルに参加し活躍しています。
NAX-8.574479(1CD)
アイヴァー・ガーニー(1890-1937):ピアノ作品集
5つの前奏曲(1919-20)
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調(1910)*
ピアノ・ソナタ第3番ニ短調(1919)*
ピアノの為の2つの詩(1912) - 第1番 秋*
ピアノ・ソナタ第2番ニ長調(1919) - 第2楽章 アダージョ*
ジョージ・ローリー(P)

録音:2023年3月15-16日
*…世界初録音
英国歌曲に関心のある人には「5つのエリザベス朝歌曲」の作曲家として知られるアイヴァー・ガーニーのピアノ曲を集めた珍しい1枚。ガーニーは少年時代か ら音楽の才能を発揮し、グロスター大聖堂の聖歌隊員を務めながらオルガンを学び、王立音楽大学に入学してスタンフォードから作曲を学びました。第1次 世界大戦で従軍中に負傷し、その後遺症に悩みつつ47歳でこの世を去りました。現在では作曲家としてのみならず、詩人としても非常に高く評価されてい ます。 ここで聴けるピアノ曲はガーニー20代の作品で、第1次世界大戦をはさんで書かれたもの。シューマンや初期のスクリャービンを思わせる抒情的な「5つの前 奏曲」で始まり、しっとりとした雰囲気を持つピアノ・ソナタ第1番、ブラームス風の内省的なソナタ第3番と続き、静かで抒情的な「秋」がアンコールのように置 かれています。最後には、3楽章の作品として構想されながら作曲に難渋したソナタ第2番から、唯一完成された第2楽章で静かにプログラムを終えます。 演奏するジョージ・ローリーは王立バーミンガム音楽院でマーク・ベッビントンに師事し、数多くのコンクールに入賞。現在チェルトナムレディースカレッジのピアノ 科で教えるベテラン奏者です。
NAX-8.574556(1CD)

NYCX-10431(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ他
組曲『ハーリ・ヤーノシュ』
夏の夕べ(1906/1929-30改訂)
交響曲 ハ長調(1930年代-61)
チェスター・エングランダー(ツィンバロム)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2022年5月12日、2022年11月14日
20世紀ハンガリーを代表する作曲家の一人、ゾルターン・コダーイ。彼は祖国の民俗音楽を丹念に収集・研究し、バルトークと共に民謡集の出版を行 います。また音楽教育の分野でも活躍、教育用の曲を多数書き、その手法は「コダーイ・メソッド」と呼ばれるほどにハンガリー内外に重要な影響を与え ました。彼の管弦楽作品はどれも色彩的でリズミカル。このアルバムの中心となる『ハーリ・ヤーノシュ』は彼の同名の歌劇からの管弦楽組曲で、原作は ハンガリーの詩人、ガライ・ヤーノシュ(1812-1853)の叙事詩。元軍人のハーリ・ヤーノシュが酒場で語る波乱万丈の冒険談が描かれています。組曲 は歌劇の進行とは関係なく組まれており、第3曲と第5曲では伝統楽器ツィンバロムが使用されているのも特色です。 「夏の夕べ」は作曲家自身が「牧歌」と呼んだ作品で、もともとはハンガリー王立音楽院の卒業作品として書かれたもの。1906年に初演された以降は 忘れられてしまったものの、1929年にアルトゥーロ・トスカニーニの勧めにより改訂が行われ、1930年にトスカニーニが指揮するニューヨーク・フィルにより 演奏されました。 交響曲はトスカニーニのすすめにより1930年代に構想されましたが、完成したのは1961年のこと。1957年に世を去ったトスカニーニの思い出に捧げら れたこの曲は、1961年にフェレンツ・フリッチャイ(指)ルツェルン祝祭Oによって初演されました。急緩急の3楽章構成、演奏時間27分ほど で、ルーセルやストラヴィンスキーを思わせる新古典主義のスタイルによる作品です。明瞭な調性をもとにした晦渋さのない楽想、抒情に満ちた緩徐楽 章を生気とユーモアに富んだ両端楽章がはさみ、結尾へ向けての盛り上げ方など、一聴しただけでは1960年代の作品と思えない親しみ易さの中にコ ダーイ晩年の境地が滲む魅力的な音楽です。 演奏はジョアン・ファレッタが指揮するバッファローPO。機動力とパワーを生かした闊達な音楽が紡ぎ出されています。 ※国内仕様盤には、東欧の音楽史と民族音楽学を専門とし、『中東欧音楽の回路』(サントリー学芸賞受賞)等の著書のある伊東信宏氏の日本 語解説が付属します。
NAX-8.574050(1CD)
ペンデレツキ:トランペット・コンチェルティーノ(2015)
ヴァイオリンとヴィオラの為の二重協奏曲(2012)
交響曲第6番「中国の歌」(2008-17)
ダヴィド・ゲリエ(Tp)
アレクサンドラ・クルス(Vn)
ヤロスラフ・ブレンク(Bs-Br)
チェ・ハヨン(Vc)
シン・シャオリン(二胡)
ノールショピングSO
アントニ・ヴィト(指)

録音:2022年6月20日、2022年6月21日、2022年6月22-23日
ペンデレツキの交響曲第6番は、バス・バリトンと小オーケストラの為の作品。ハンス・ベトゲがドイツ語に翻案した「中国の詩」を用いた8楽章で構成されて おり、要所要所に二胡のソロが挿入されています。第6番と附番されていますが、長い間スケッチのみが知られていたものを、第8交響曲『はかなさの歌』を完 成させた後の2008年再度とりあげ、およそ9年の歳月をかけて完成させた、実質ペンデレツキ"最後の交響曲"となります。ベトゲの詩から想起するのはマー ラーの「大地の歌」ですが、この交響曲はまさにマーラー風の響きを持つ後期ロマン派の作風に倣ったもの。哀愁を帯びた旋律が耳に残ります。2012年の ヴァイオリンとヴィオラの為の二重協奏曲(この演奏はチェロとヴァイオリン)と2015年のトランペット協奏曲は新古典派風の活発な作品。トランペット協奏曲 でソロを吹くダヴィド・ゲリエは2003年ミュンヘン国際コンクール・トランペット部門で1位受賞。2004〜2009年フランス国立O、2009〜2010年 ルクセンブルク・フィルのソロ・ホルン奏者を務めたトランペットとホルン二刀流の名手。ここでは超絶技巧を駆使した素晴らしいトランペットを披露しています。
NAX-8.574535(1CD)
20世紀アルメニアのヴァイオリンとピアノの為の作品集
コミタス(1869-1935):Tsirani Tsar あんずの木(1905-06) (A. ガブリエリアンによるヴァイオリンとピアノ編)
コミタス:Kagavik ヤマウズラの歌(1908)(A. ガブリエリアンによるヴァイオリンとピアノ編)
コミタス:ヴァガルシャパトの踊り(1891)(K. ドムバエフによるヴァイオリンとピアノ編)
コミタス:K'eler, tsoler 彼は輝き、歩いた(1902-06)(K. ドムバエフによるヴァイオリンとピアノ編)
コミタス:Krounk 鶴(1911)(S.Z. アスラマジアンによるヴァイオリンとピアノ編)
サルキス・バルフダリアン(1887-1972):Sirouhis 最愛の人へ(1936)
ハチャトゥリアン:舞曲 変ロ長調 Op.1(1926)
エドゥアルド・アブラミャン(1923-1986):ヴァイオリンとピアノの為の演奏会用スケルツォ(1954)
アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012):ヴァイオリンとピアノの為の舞曲(1947)
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」(1942) - 第3幕 アダージョ(A. ヤンポリスキーによるヴァイオリン編)
ハチャトゥリアン:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番(1972) - 第1楽章 グラーヴェ
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」(1942) - 第1幕 ウズンダーラ (M. フィフテンホルツによるヴァイオリン編)
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「スパルタクス」 (1950-54)- 第2幕 スパルタクスとフリーギアのアダージョ(H. スムバチャンによるヴァイオリンとピアノ編)
エドゥアルド・バグダサリアン(1922-1987):夜想曲 イ長調(1957)
エドヴァルド・ミルゾイアン(1921-2012):序奏と常動曲 - 常動曲(1957)(Vnとピアノ版)
ニコライ・マドヤン(Vn)
アルミネ・グリゴリアン(P)

録音:2001年6月4-5日、2003年9月8日、2018年7月17日
小品ながらも芸術性に富んだ曲を集めた、ヴァイオリンとピアノの為の「アルメニア作品集」。アルバムの前半におかれた5作品はアルメニアの司祭、音楽学 者、作曲家、歌手、聖歌隊指揮者であり、アルメニア近代音楽の擁護者として知られるコミタスの作品。どの曲にも抒情的な雰囲気がありますが、なかでも 「鶴」はアルメニアの賛歌の象徴として強い存在感を放ちます。他にはハチャトゥリアンの『ガイーヌ』、『スパルタクス』からの音楽や、彼の作品番号1となった 「舞曲 変ロ長調」、トビリシとモスクワのアルメニア文化施設で作曲を学び、アルメニアの伝承音楽の研究に力を尽くしたアブラミャンの色彩感に満ちた「スケ ルツォ」、現代アルメニアの音楽発展に多大なる貢献を果たし、1963年には芸術功労者(名誉芸術家)に認定されたバグダサリアンの美しい「夜想曲」な ど、アルメニアの優れた作曲家たちの作品を紹介。アジアの民謡にも通じる懐かしい旋律が聴き手のノスタルジックな感情を呼び起こします。
NAX-8.574165(1CD)
シューベルト:ピアノの為の舞曲集
38のワルツ、レントラーとエコセーズ Op.18 D14
12のエコセーズ D299(1815)
20のワルツ Op.127D146(1815-23)(自筆譜第2稿による)
12のエコセーズ D781長 レントラー第2番-第12番(1823)
エコセーズ ニ長調 D782(1823頃)
12のレントラーD681- レントラー第5番 - 第12番(1815頃)
ギャロップと8つのエコセーズ Op.49 D735(1822頃)
8つのエコセーズ D529(1817)
6つのエコセーズ D421(1816)
ドイツ舞曲 嬰ハ短調 - エコセーズ 変ニ長調 D643(1819)
エコセーズ 変ホ長調 D511(1817頃)
ディディエ・カストル=ジャコマン(P)

録音:2021年8月17-18日
2022年4月12-15日
生粋のウィーンっ子だったシューベルト。社交界の付き合いとして、ウィーンにオープンした数多くのサロンや、彼の仲間たちの集い「シューベルティアーデ」のため に多くの舞曲を作曲しました。これらは大評判となり、若きシューベルトは楽譜の出版と販売の機会を得ることができました。どれも小さいながら、ウィットに富 んだメロディとハーモニーを持ち、時にはスイスのヨーデルの模倣さえも聴かれる、湧き上がるような自然な楽想に満ちています。また『12のエコセーズ』 D299はリンツに住み、彼と生涯にわたる友情を結んだヨーゼフ・フォン・シュパウンの妹マリーに献呈されており、ウィーン市以外で演奏されたシューベルトの初 めての曲とされています。自筆譜は一部のみが現存するだけですが、ここでは、初版と筆写譜に基づいた1982年のヘンレ版を用いて演奏しています。
NAX-8.660529(2CD)
リュリ:歌劇「アシスとガラテア」 アシス…ジャン=フランソワ・ロンバール(T)
ガラテア…エレナ・ハルシャーニ(S)
ディアナ/ナイアス II/シラ…ヴァレーリア・ラ・グロッタ(S)
アボンダンス/アメント/ナイアス I…フランチェスカ・ロンバルディ・マッズッリ(S)
コーモス/ティルシス…マルクス・ヴァン・アルスデール(T)
アポロン/ユノーの祭司/テレモス…セバスティアン・モンティ(T)
ポリュペモス…ルイージ・デ・ドナート(Bs)
ネプチューン…グイド・ロコンソロ(Br)他

フィレンツェ五月音楽祭O&cho
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指)

録音:2022年7月9日フィレンツェ五月音楽祭歌劇場
 (ズービン・メータ・ホール)
フランス・バロックの作曲家、ジャン=バティスト・リュリが不慮の事故による病で他界する前年、1686年 に貴族の祝宴のために作曲し、作曲家最後の完成した歌劇となった牧歌劇「アシスとガラテア」。ルイ 14世の王太子ルイ・ド・フランスがアネット城を訪問した際、彼をもてなすために書かれた作品で、フラン ス風序曲で荘重に始まり、数々の歌唱とバレ(舞踊)が繰り広げられ、華々しいパッサカリアで締めくく られるというリュリならではの秀作です。ガラテア役にはエレナ・ハルシャーニ、アシス役にはジャン=フランソ ワ・ロンバールと優れた若手歌手を起用、フィレンツェ五月音楽祭オーケストラがピリオド楽器に持ち替 え、活気と古雅な味わいに満ちた演奏を繰り広げます。
NAX-8.574542(1CD)
クリスマスの朝に
フィンジ:イン・テラ・パックス(地に平和を) Op.39(1954)(M. フォードによる2声、合唱とオルガン編)
伝承曲:サセックス・キャロル「クリスマスの夜に」(D. ウィルコックスによる合唱とオルガン編)
ジョン・ラター(1945-):クリスマスの子守歌(1989)(合唱とオルガン版)
ハウエルズ:汚れなきバラ(1919)
エイドリアン・ピーコック(1962-):ヴェニーテ、ガウデーテ(2009)
ヘレナ・ペイシュ(2002-):クリスマスの朝に(2020)…世界初録音
ラター:おやすみ、イエスよ(1999)
ボブ・チルコット(1955-):荒野の果てに(2006)
伝承曲:このすてきな香りはなんだろう?(D. ウィルコックスによる声、合唱とオルガン編)
伝承曲:ディンドン空高く(S. ニコルソンによる合唱とオルガン編)
ラター:キャンドルライト・キャロル(1984)(合唱とオルガン版)
ウィリアム・ルウェリン(1925-2023):ロンドン・ウェイツ(1986)
イアイン・ファーリントン(1977-):ノヴァ!ノヴァ!(2022)
伝承曲:眠れ、イエスよ、眠れ(R. パヌフニクによる声、合唱とピアノ編)
ア・メリー・リトル・クリスマス(あなたに楽しいクリスマスを メドレー)(1992)
ウィンター・ワンダーランド - レット・イット・スノー - ホワイト・クリスマス - ジングル・ベル) (G. リチャーズによる合唱とピアノ編)
伝承曲:クリスマスおめでとう(B. チルコットによる合唱とピアノ編)
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
ジョセリン・サマービル(S)
エリザベス・リム(S)
マーティン・フォード(P,Org)
)
ヴァサーリ・シンガーズ
ジェレミー・バックハウス(指)

録音:2021年10月17日、2023年2月11-12日
2012年に発売された「冬の光」(8.573030)に続くヴァサーリ・シンガーズのクリスマス・アルバム。穏やかで 伝統的なキャロルから熱烈な祈りの時まで、特別な音楽体験をする時期にふさわしい1枚です。フィンジの 「地には平和を」やラターの「クリスマスの子守歌」など良く知られる作品をはじめ、多くの人々に歌われる「ディ ンドン空高く」などの伝承曲、ヴァサーリ・シンガーズ結成40周年を記念して2022年に委嘱されたヘレナ・ペ イシュによる「クリスマスの朝に」など様々な作品が均整のとれた美しいハーモニーで歌われています。楽しいメ ロディが次々と現れる「ア・メリー・リトル・クリスマス」も聴きどころです。
NAX-8.574517(1CD)

NYCX-10430(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ハイドン:後期交響曲集 第2集
交響曲第96番ニ長調「奇跡」 Hob.I:96
交響曲第97番ハ長調 Hob.I:97
交響曲第98番変ロ長調 Hob.I:98
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)

録音:2022年9月3-4、6-7日、11月14日コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内Oの 首席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第2集となる今回の演奏も、オースト リア・ハンガリー・ハイドンOとの旧全集録音に比べると更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈。 まさに見通しのよいすっきりとしたハイドン像が構築されています。 この第2集には、交響曲「奇跡」を含む第96番から第98番の3曲を収録。第96番のニックネーム「奇跡」とは初演時に会場のシャンデリアが落下す るも、観客がハイドン見たさのためにステージ近くに集まっていたため、けが人が出なかったというエピソードに由来するもの(しかし近年の研究では、この 出来事は102番の初演時だったということが判明しています)。他には第2楽章に弦楽器の特殊奏法である「スル・ポンティチェロ」が用いられた第97 番、終楽章にチェンバロが使用されることで知られる第98番を収録。どの曲も小回りの利いたオーケストラの奏者たちの演奏技術も存分に発揮され ています。 当盤の3曲とも第3楽章にはメヌエットが置かれており、ここでも第1集と同じく、ティンパニの打撃が良いアクセントとなった、滑らかなリズムと疾走感に あふれた爽やかな音楽が楽しめます。 ※国内仕様盤には「M・ハイドン・プロジェクト」創設者で、古楽から実験音楽のパフォーマーとしても活躍する布施砂丘彦氏の解説が付属し ます。

   NAXOS 2023年9月発売(2)
NAX-8.579107(1CD)
エドゥアルド・グラウ(1919-2006):協奏曲集
ユステ協奏曲 Op.88(1966)- ヴァイオリン、ピアノ、ティパニと弦楽オーケストラのために
ヴィオラとピアノの為の二重コンチェルティーノ Op.124(1972) - ヴィオラ、ピアノと弦楽オーケストラのために
クラリネット協奏曲 Op.184(1985)- クラリネットと弦楽オーケストラのために
グニードの花へ Op.198(1988)- フルート、弦楽オーケストラとピアノのために
アナ・マリア・バルデラマ(Vn)
ミクローシュ・シタ(ティンパニ)
ファビオ・バネガス(P)
ダヴィド・フォンス(Va)
ジモン・ライトマイアー(Cl)
ヤナ・ヤルコフスカー(Fl)
アニマ・ムジカ室内O
フランシスコ・ヴァレラ(指)

録音:2022年4月19-27日
全て世界初録音
バルセロナに生まれ、8歳の時に家族とともにアルゼンチンに移住した作曲家エドゥアルド・グラウ。彼はこの地で晩年を過ごしていたファリャに作曲を師事、同 じくブエノスアイレスに亡命していた音楽学者ハイメ・パヒサからオーケストレーションを学びました。グラウは200曲以上の多彩な作品を遺しましたが、そのどれ からもスペイン風の要素が感じれらます。このアルバムに収録されているのは4つの協奏的作品で、スペインのユステ修道院から感銘を受け書かれた、抒情 的で神秘的な雰囲気を持つ「ユステ協奏曲」、ヴィオラとピアノが活躍する「二重コンチェルティーノ」、アルゼンチンの陽気な民族舞踊「チャカレーラ」を素材に 使用した「クラリネット協奏曲」、スペイン・ルネサンス期を代表する詩人の一人ガルシラソ・デ・ラ・ベガの詩からインスピレーションを受けた「グニードの花へ」を 聴くことができます。
NAX-8.559918(1CD)
ジョン・ハービソン(1938-):ピアノ作品集
夜想曲(2018)…世界初録音
ギャツビー・エチュード集(1999)
4つのモア・オケージョナル・ピース(1987-91)…世界初録音
タンゴ「シーン・フロム・グラウンド・レヴェル」(ミロ・フェインバーグのために、アランとジャネットのためにも)
レナード・ステイン・アナグラムス(2009)…世界初録音
ピアノ・ソナタ第1番「ロジャー・セッションの追悼に」(1985)…世界初録音
ジン・セヒ(P)

録音:2020年9月6-7日、2022年5月11-12日
1987年にピューリッツァー賞を受賞した作曲家ジョン・ハービソン。歌劇や合唱作品を含む300作以上を発表、その中にはジェームズ・レヴァインのメトロポリ タン歌劇場音楽監督就任25周年を記念しての委嘱作「The Great Gatsby 華麗なるギャツビー」が含まれるなど、アメリカの主要な音楽機関から多くの 委嘱を受けています。 このアルバムには世界初録音を含む、1980年代から現在までのピアノ曲を収録。瞑想的な「夜想曲」、前述の「華麗なるギャツビー」から素材を転用した 技巧的な「ギャツビー・エチュード」、彼に関連する人々のために書かれた「4つのモア・オケージョナル・ピース」、南カリフォルニア大学の「アーノルド・ショーン バーグ研究所」の音楽監督を務め2004年にこの世を去ったレナード・ステインの遺稿を元にした「レナード・ステイン・アナグラムス」。そして名ピアニスト、アー シュラ・オッペンス、ロバート・シャノン、アダン・フェインバーグのために書かれた「ピアノ・ソナタ第1番」を聴くことができます。 ピアノを演奏するジン・セヒはタングルウッドでハービソンに会って以来、彼の作品に魅せられ、その作品を探求しています。
NAX-8.574423(1CD)
アンソニー・バージェス(1917-1993):ギター四重奏曲全集
ギター四重奏曲第1番 「ラヴェルへのオマージュによる四重奏曲」(1986)
ホルスト:組曲「惑星」 Op. 32- 第3曲 水星 翼の神(1916)(A. バージェスによるギター四重奏編)(1987)
バージェス:ギター四重奏曲第2番
3つのアイルランドの小品(A. バージェスによるギター四重奏編)(1988)…世界初録音
バージェス:ギター四重奏曲第3番(1989)
ウェーバー:歌劇「オベロン」 序曲(A. バージェスによるギター四重奏編)(1987)…世界初録音
メーラ・ギターQ

録音:All Saints Church, Weston(UK)
作曲家としてよりも小説家として知られるアンソニー・バージェス。彼は東南アジア、アメリカ合衆国、中央ヨーロッパなどの様々な場所で暮らすことで培った広 範な知識を、その作品に活かしました。1986年、モンテカルロに住んでいた彼はこの地で活躍していた「Aighetta Guitar Quartet アイゲッタ・ギター四重奏団(1979年結成)」と出会い、彼ら のために数多くのオリジナル作品と編曲作品を書き上げています。 アイゲッタ・ギター四重奏団はバージェスとのコラボレーションを通じて高い名声を獲得、国 際的な音楽祭に出演し、多くの賞を獲得しました。このアルバムに収録された作品も、全てアイゲッタ・ギター四重奏団のために書かれたもので、ラヴェルへの オマージュが織り込まれた第1番を含む、3曲のバージェスのオリジナル四重奏曲のほか、ホルストとウェーバー作品の編曲とアイルランドの旋律まで、ギターの 音色を存分に生かした作品を楽しめます。
NAX-8.574526(2CD)
アントニオ・サッキーニ(1730-1786):オラトリオ『聖フィリッポ・ネリの富の放棄』 聖フィリッポ…ソ・イェリ(S)
ポヴェルタ…ケテヴァン・チュンティシュヴィリ(S)
ファスト…マルクス・シェーファー(T)
インガンノ…ダニエル・オチョア(Bs)
コンチェルト・デ・バッスス(古楽アンサンブル)
ジョヴァンニ・ミケリーニ(チェンバロ&オルガン)
フランツ・ハウク(チェンバロ&指揮)

録音:2022年5月23-28日
世界初録音
フィレンツェに生まれ、ナポリ音楽院の前身の1つにあたるサントノフリオ・ア・ポルタ・カプアーナ音楽院で 音楽教育を受けたアントニオ・サッキーニ。当時隆盛を極めた“ナポリ楽派”の一員として歌劇を書き上 げた後、ロンドンを経てパリへ移住。この地で生涯を終えました。このオラトリオ『聖フィリッポ・ネリの富の 放棄』は、16世紀に実在した聖者の物語。オラトリオですが、レチタティーヴォとアリアが交互に歌われる ナポリ楽派の他の歌劇と同じ形式で書かれており、若きフィリッポ・ネリ(ソプラノが歌う)が将来の生き方 について悩んだ末、全ての財を投げ打ち、取り巻く欺瞞と精神的試練を乗り越えながら、神への祈りと 美徳の道を求める姿がドラマティックに描かれます。1765年の四旬節に初演されたこのオラトリオは大 成功を収め、翌年も再演されました。聖フィリッポ役を歌うのは韓国のソプラノ歌手ソ・イェリ(徐藝俐)。 華やかで技巧的なアリアを見事にこなし、マルクス・シェーファーら他の歌手の歌唱も万全。ジモン・マ イールの数々の歌劇録音で知られるフランツ・ハウクが指揮するコンチェルト・デ・バッススも素晴らしい演 奏を聴かせます。
NAX-8.574531(1CD)

NYCX-10420(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ヴィラ=ロボス:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲第1番Op.50(1915)
チェロ協奏曲第2番(1953)
.幻想曲 - チェロと管弦楽のために(1945)
アントニオ・メネセス(Vc)
サンパウロSO
イサーク・カラブチェフスキー(指)

録音:2021年9月27-28日、2022年4月18-21日
ヴィラ=ロボスにとって最も身近な楽器はチェロであった。そんな彼が書いたチェロとオーケストラの為の作品が面白くないわけがない。「チェロ協奏曲第1番」 は作曲家としてのキャリアの最初期に手がけた作品。一方で、ブラジル的な要素が横溢する「チェロ協奏曲第2番」は最晩年の作品にして、初演者のアル ド・パリソと共に作り上げた「オーダーメイド」の大作です。チェロを知り尽くしたこの作曲家ならではの歌と技巧が炸裂!とくに第2楽章の旋律は「ブラジル風 バッハ第5番」のアリアのように、どこまでも大らかで美しい…。
※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者、日本ヴィラ=ロボス協会会長)による日本語解説が付属します。
NAX-8.574549(1CD)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
交響曲第9番*
香港PO
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指)

録音:2022年12月1-3日*、2022年12月9日…1-4
マーラーとショスタコーヴィチの「交響曲第10番」に続く香港POとヤープ・ヴァン・ズ ヴェーデンの新録音はショスタコーヴィチの2つの交響曲です。収録されているのは第5番と第9番。2012年 よりオーケストラの音楽監督を務めるズヴェーデンはかつて香港ポスト誌のインタヴュー (http://www.hkpost.com.hk/history/index2.php?id=16468)で「オーケストラはカメレオンのよ うでなければならないと考えます」と語ったように、このアルバムでもオーケストラの高い機能性を用い、性格の 異なる2つの交響曲(重厚、複雑な第5番、かたや新古典的な様式を持つ軽妙な第9番)を鮮やかに描き わけ、ショスタコーヴィチの多面性を際立たせています。
NAX-8.559894(1CD)
ポール・チハラ(1938-):ピアノ作品全集
協奏曲 - 幻想曲(2019-21)…世界初録音
バガテル集(2セットの7つの俳句)(2010/2011改訂)
4つのベートーヴェン幻想 - ピアノのために(2021年版)
アミ -4手ピアノのために(2008)*
クィン・グエン(P)
相沢 吏江子(P)*
スティーヴン・バーロウ(指)LSO

録音:2022年1月19日、2022年8月31日
日系アメリカ人作曲家ポール・チハラ。彼は1975年に発表されたアメリカ映画「デス・レース2000年」のエキサイティングな音楽をはじめ、100作以上 の映画やテレビの音楽の他、オーケストラ、合唱、室内楽作品など数多くの作品を発表、国内外で高い評価を得ています。また彼はネヴィル・マリ ナーの下で発足したロサンゼルス室内Oの最初のコンポーザー・イン・レジデントを務めた他、多くのオーケストラからの委嘱作も手がけました。 このアルバムに収録された世界初録音となる「協奏曲 - 幻想曲」は、ベトナムのピアニスト、クィン・グエンのために作曲されたもので、伝統的なベトナ ム音楽からインスパイアされた旋律を持ち、時にジャズ風な味わいを見せながらも、平和な過去への憧れが表現されています。ほかに、親しみやすい 作風の「4つのベートーヴェン幻想」、俳句に題材を求めた「バガテル集」を収録。そしてピアニスト、パスカル・ロジェとアミ夫人の結婚を祝して書かれた 連弾曲「アミ」は、第4曲目の素材に「赤とんぼ」が使われるなど日本に縁がある作品で、この演奏には相沢吏江子が参加しています。
NAX-8.573938(1CD)
D.スカルラッティ:ソナタ全集 第28集
1. ソナタ イ短調 K.7/L.379/P.63
2. ソナタ ト短調 K.31/L.231/P.19
3. ソナタ ト長調 K.55/L.335/P.117
4. ソナタ 変ホ長調 K.68/L.114/P.7
5. ソナタ ト長調 K.80/P.28
6. ソナタ ニ短調 K.89/L.211/P.12
7. ソナタ ト短調 K.108/L.249/P.92
8. ソナタ ト短調 K.121/L.181/P.93
9. ソナタ 嬰ヘ短調 K.142/P.240
10. ソナタ ハ長調 K.156/L.101/P.248
11. ソナタ ハ短調 K.174/L.410/P.149
12. ソナタ ニ短調 K.191/L.207/P.18
13. ソナタ イ長調 K.219/L.393/P.278
14. ソナタ ト短調 K.234/L.49/P.286
15. ソナタ ヘ短調 K.239/L.281/P.56
16. ソナタ ロ長調 K.245/L.450/P.299
17. ソナタ ニ長調 K.258/L.178/P.494
カン・サンウ(P)

録音:2019年8月1、2日、2022年8月20、21、24日
D・スカルラッティのソナタは、現在600曲ほどの存在が確認されています。 NAXOSのソナタ全曲録音のシリーズでは、各々のアルバムで異なるピアニストをフィーチャーすることで、作 品だけでなく演奏家の個性を味わう趣向も凝らされています。この第28集に収録されているのは快活なイ 短調のソナタ K.7や、三拍子で書かれたト長調のソナタ K.55、スペインのフラメンコのリズムを想起させるソ ナタ嬰ヘ短調 K.142など全17曲。どれもスカルラッティの汲めども尽きぬアイディアに貫かたものばかりです。 演奏は韓国出身、ジュリアード音楽院で学んだピアニスト、カン・サンウ。2013年録音の「モーツァルト: フーガ、ロンドと幻想曲集」(8.573114)も高く評価されています。
NAX-8.555541(1CD)
ラフ:交響曲第5番「レノーレ」
序曲「われらが神は堅き砦」 Op.127*
スロヴァキア国立コシツェPO
ウルス・シュナイダー(指)

録音:1992年4月13-15日、1993年3月5日*
※MARCO POLO8.223455のレーベル移行盤
ヨアヒム・ラフが書いた10曲以上の交響曲の中で、最も人気を博したのが1872年に作曲された交響曲第 5番。「レノーレ」の副題を持つこの作品は、ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーが三十年戦争を題材にして 書いたバラード『レノーレ』に基づいたもので、戦争によって引き裂かれた恋人たちの悲劇が音楽で描かれて います。ワーグナーを思わせる愛の情景描写や勇壮な行進曲、全てを締めくくる長大な終楽章など聴きどこ ろの多い作品です。 末尾に収録された序曲「われらが神は堅き砦」は1865年の作品。ハンス・フォン・ビューローに捧げられてお り、こちらも三十年戦争に関連しています。ゆったりとした序奏に導かれ、有名なルターの賛美歌が木管楽 器で奏されます。そして旋律は次々と展開し、最後は高らかに勝利が歌われます。

   NAXOS 2023年9月発売(1)
NAX-8.574434(1CD)
愛の死〜ヴァイオリンとピアノの為の作品集
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調 Op.105
シューマン:3つのロマンス Op.94(Vnとピアノ版)
シューマン,ブラームス,A. ディートリッヒ:ヴァイオリン・ソナタ 「F.A.E.ソナタ」
アルベルト・ディートリッヒ(1829-1908):第1楽章 アレグロ イ短調
シューマン:第2楽章 間奏曲 WoO22Bewegt, doch nicht zu schnell
ブラームス:第3楽章 スケルツォ ハ短調 WoO2Allegro
シューマン:第4楽章 フィナーレ WoO22Markiertes, ziemlich lebhaftes Tempo
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より(F. サイによるヴァイオリンとピアノ編)…世界初録音
 第1幕 前奏曲
 第3幕 イゾルデの愛の死「おだやかに静かに彼がほほえんで」
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
ファジル・サイ(P)

録音:2022年1月30日-2月2日
トルコの鬼才コンポーザー・ピアニスト、ファズル・サイの新しいアルバムは、彼の長年の友人フリーデマン・アイヒホルンとのデュオ。選ばれた作品はシューマンの 晩年のヴァイオリン・ソナタ第1番と、3つのロマンス。そしてシューマンとブラームス、ディートリヒの合作「F.A.E.ソナタ」です。ヨアヒムに献呈されたこのソナタは、 第1楽章をディートリヒが作曲、第2楽章と第4楽章はシューマン、第3楽章のスケルツォはブラームスが作曲しました。のちにシューマンが自身の筆になる部 分に手を加え、新たにヴァイオリン・ソナタ第3番として完成させていますが、こちらの「F.A.E.ソナタ」の全曲を耳にすることはあまりありません。ここでのアイヒホ ルンとサイは緊張感あふれる演奏を披露しています。そして最後に置かれたワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」からの2曲が圧巻。世界初録音となるこの ヴァージョンでは、サイのアレンジの妙が生かされており、ワーグナーのうねるような官能的な響きを存分に堪能できます。

   NAXOS 2023年8月発売(2)
NAX-8.574436(1CD)
トポス〜20世紀ギリシャの管弦楽作品集
ソロン・ミカエリデス(1905-1979):パルテノン神殿の夜明け(1934/36)
マノリス・カロミリス(1883-1962):島の絵(1928/1939改訂)
ヤニス・コンスタンティニディス(1903-1984):ドデカネス組曲第1番(1948)
コンスタンティニディス:ドデカネス組曲第2番(1949)
スカルコッタス:5つのギリシャ舞曲 AK11b(1933/36)(N. スカルコッタス、W. ゲールによる弦楽オーケストラ編 1938/1940-47)
ノエ・乾(Vn)
テッサロニキ州立SO
ゾイ・ツォカン(指)

録音:2021年3月19、22-24、26日、5月24-28日
ギリシャがオスマン帝国からの独立を宣言したのは1821年。当時からウィーンやベルリンに出て音楽を勉強した人たちがいました。20世紀の初めに は、彼らの弟子たちや、新たにドイツやオーストリアに留学した人たちが盛んに作品を書いていて、ギリシャ政府も伝統を採り入れた教育活動に力を 入れていました。このCDの収録曲は、そのようにして生まれた作品です。テッサロニキ国立SOが持っている楽譜から選ばれていて、未出版の曲 もあります。 録音はコロナで演奏会がキャンセルになっている時期だったので、特別な感慨がありました。ヨーロッパとアジアの境目にあるギリシャでは、ヨーロッパの影 響もアジアの影響も強く感じられます。このアルバムではギリシャの民族音楽特有のポリリズム的な要素を持った曲が多く、ギリシャ独特の色が出てい ると思います。みなさんもお楽しみ下さい。 【ノエ・乾】
20世紀ギリシャの作曲家による管弦楽作品集。アルバムは、フランス印象派からの影響が感じられるミカエリデスの「パルテノン神殿の夜明け」で幕を 開け、リムスキー=コルサコフを思わせる官能的な響きが特徴のカロミリスの「島の絵」が続きます。地中海の夜明けを思わせる伸びやかな第1曲から 祝祭的な雰囲気の民族舞踏を描いた第3楽章まで、卓越したヴァイオリンを披露するのはギリシャ人の母を持つノエ・乾です。コンスタンティニディスの 2つの組曲は独特な音階とリズムが特徴。スカルコッタスの「5つのギリシャ舞曲」は、様々な楽器編成の為の「36のギリシャ舞曲」から作曲家が5曲 を選んで弦楽四重奏にしたものを、ドイツ生まれの指揮者・作曲家ワルター・ゲールがコントラバス・パートを加えて弦楽合奏にしたもの。バルトークの 「ルーマニア民俗舞曲」のギリシャ版といった感じの楽しく躍動感ある音楽で、本物の民謡に加えてスカルコッタスが民謡に似せて創った素材を使ってい て遊び心が感じられます。
NAX-8.573927(1CD)
アルベニス:ピアノ作品集 第9集
1. スペイン狂詩曲 Op.70(1886)(1887年2台ピアノ版)
2. スペイン組曲 第1集 Op.47- 第6曲 アラゴン(幻想曲)(1886)*
3. スペインのセレナード Op.181(1886-87)*
4. 旅の思い出 Op.71- 第5曲 ティエラの門(ボレロ)(1890頃)*
5. パヴァーヌ=カプリース Op.12(1883)*
6. スペイン組曲 第1集 Op.47- 第3曲 セビーリャ(セビリャナス)(1886)
7. 子守歌 T.114bis(1890)
8-12. スペインの歌 Op.232(1891-94)

※L. エスパダス=フリアスによる2台ピアノ編(2019)…2-6
ミゲル・アンヘル・R・ライス(P)
サンティアゴ・L・サクリスタン(P)…1-6

録音:2016年1月8日the Estudios FJR…8-12
2016年11月29日 Auditorio Manuel de Falla, Granada,
Spain…1
2019年12月23日 Auditorio Manuel de Falla, Granada,
Spain…2-7

*…世界初録音
スペインのピアニスト、ギレルモ・ゴンザレスが「アルベニス:ピアノ作品全曲録音」という野心的なプロジェクト を開始したのは今から25年ほど前のこと。これまでに計8集のアルバムがリリースされましたが、これらは全てゴ ンザレスと彼の弟子たちによって録音が行われたものです。 シリーズの集大成となるこの第9集にはアルベニスの創作における変遷を感じさせる作品と、彼がスペイン民 俗音楽からインスピレーションを受け書き上げた作品を収録。冒頭の「スペイン狂詩曲」はアルベニス自身が ピアノとオーケストラの為の作品を2台ピアノ版に編曲したものですが、続く5つの作品はこの録音のために 特別に2台ピアノのためにアレンジされた版が用いられています。落ち着いた雰囲気の「子守歌」は最近発 見された小品。そしてシリーズを締めくくるのはアルベニスの代表作の一つ「スペインの歌」。鮮やかで刺激的 なリズム漲る作品をお楽しみください。
NAX-8.579042(1CD)
フランコ・アルファーノ(1875-1954):弦楽四重奏曲全集
. 弦楽四重奏曲第1番ニ長調(1914-18/1924年改訂版)
弦楽四重奏曲第2番ハ長調(3つの繋がった楽章による)(1925-26)
弦楽四重奏曲第3番ト短調(1945)
エルミラ・ダルヴァローヴァ(Vn1)
メアリー・アン・マム(Vn2)
クレイグ・マム(Va)
サミュエル・マギル(Vc)

録音:2022年9月21-23日
全て世界初録音
ナポリの作曲家フランコ・アルファーノ。20代でドイツに留学、ライプツィヒ音楽院でザロモン・ヤーダスゾーンに 師事しました。もっぱら歌劇の作曲家であり、自作の他にはプッチーニの「トゥーランドット」の補筆完成版で 知られています。このアルバムには、世界初録音となる3曲の弦楽四重奏曲を収録。第一次世界大戦中 に書かれた第1番は“ニ長調”とされているものの調性感は希薄であり、冒頭から無調に近いながらも推進 力ある音楽が繰り広げられます。チェロの独奏が美しい第2楽章が続き、劇的な終楽章でクライマックスを迎 えます。第2番は「3つの繋がった楽章による」と記された作品。重々しい第1楽章にはじまり、第2楽章では 親しみやすい旋律が顔を見せ、荒々しい終楽章へと続きます。第3番は、彼の妻の死の翌年1944年に作 曲を開始、1945年に完成しました。第1楽章の悲痛な旋律は妻への想いが込められています。軽快な第 2楽章が続き、最終楽章では古代ローマを思わせる祝典行進曲が用いられ、曲は盛り上がりを見せて終わ ります。
NAX-8.579120(1CD)
アルベルト・ウィリアムス(1862-1952):1-4. ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.51(1906)
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ長調 Op.53(1907)
デュオAM【アレハンドロ・アルダーナ(Vn)、ファビオ・マルティーノ(P)】

録音:2022年2月28日-3月2日
アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれの作曲家アルベルト・ウィリアムス。幼い頃からピアノの演奏に長けてお り、7歳の時に演奏会を開いたという記録もあります。地元の学校で音楽を学んだ後、奨学金を得て1880 年代にはフランスに留学。フランクに師事するとともに、当時流行していたワーグナーの音楽に傾倒 し、これらに影響を受けた作品を書きました。彼のヴァイオリン・ソナタ第2番は、確かにフランク風であるととも に、ブラームスのヴァイオリン・ソナタを思わせる抒情性も持ち合わせています。その翌年に作曲された第3番 は、シンコペーションのリズムで始まる野心作。ピアノとヴァイオリンが対等に扱われ、まるで協奏曲を思わせる かのような対立を感じさせるほどにピアノ・パートが重要な働きを見せます。まるでシューベルトのような軽やか な第2楽章も魅力的。3拍子で書かれた第3楽章は、全音階的な和声進行と目まぐるしく変化する楽想が 特徴。最後は転調を繰り返し、ピアノのオクターヴの連打で曲を閉じます。

   NAXOS 2023年8月発売
NAX-8.574516(1CD)


NYCX-10408(1CD)
日本語解説付国内盤
ハイドン:後期交響曲集 第1集
交響曲第93番ニ長調 Hob.I:93(1791)
交響曲第94番ト長調 「驚愕」 Hob.I:94(1791)
交響曲第95番ハ短調 Hob.I:95(1791)
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)

録音:2022年9月2、5、日、11月14日
コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
※国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説が付属します。
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内Oの首 席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第1集はロンドン交響曲から人気作「驚 愕」を含む3曲を収録。旧盤との違いも大きく、全編通じてエキサイティングかつ魅力的な音楽が展開し、今後への期待が大いに募ります。 アダム・フィッシャーはハイドンの全交響曲を演奏するためにオーストリア・ハンガリー・ハイドンOを組織し、ハイドンゆかりのエステルハージ宮で 1987年から2001年にかけてNimbusレーベルに録音を行いました。それらは50人ほどに絞り込まれたオーケストラによる見通しの良いサウンドと、緩 急のコントラストが利いた解釈、録音会場の音響を生かしたまろやかなサウンドが印象的に残るものです。 デンマーク室内管との再録音はそれらに比べると、更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈になっていま す。流れるようなスピード感のあるフレージングには古楽演奏の影響が聞き取れますが、オーケストラの伸縮自在な演奏ぶりからは、このスタイルが彼ら のスタンダードとなっていることがうかがわれます。弓使いにも工夫を凝らし、通常よりも生き生きとした効果が得られるためのリコシェ(跳弓)などのテクニッ クを意図的に使っています。 新旧比較で顕著な違いがあるのはメヌエット楽章で、恰幅の良い旧盤に対して新盤のステップの速さと滑らかさは別次元。他にも第93番の最終楽 章は「これぞプレスト!」と快哉を叫びたくなる疾走感、第94番の第2楽章冒頭での無音かと思えるほどの再弱音から一転しての強烈な一撃はまさ に「驚愕」。原盤解説で「コンサートと同じようにレコーディングでも聴衆を魅了することを願っています」とアダム・フィッシャーが語るように、ライヴ感に満ち た演奏で、大注目のプロジェクトです。
NAX-8.559913(1CD)
ジェニファー・ヒグドン(1962-):デュオ・デュエル(2020)…世界初録音
. 管弦楽のための協奏曲(2002)
マシュー・ストラウス(パーカッション)
スヴェト・ストヤノフ(パーカッション)
ヒューストンSO

録音:2022年5月6-8日、2015年4月17-19日
シカゴ・サンタイムズ紙が「モダンでありながら時代を超えている」と絶賛する作曲家ヒグドン。メロディとハーモニーを効果的に使うネオ・ロマン主義的な 作風とオーケストラがよく鳴るスコアを書く技術で、アメリカで最も人気のある作曲家の一人です。 初録音となる「デュオ・デュエル」は単一楽章、演奏時間24分近い作品。二人のパーカッション奏者とオーケストラのための協奏曲で、パーカッションが 繰り広げる「デュエル」に対し、オーケストラが時に冷静になれと呼びかけるように、時に激しく盛り上げるように絡んでゆきます。 「管弦楽のための協奏曲」はフィラデルフィアOの創立100周年を記念して委嘱された作品で、2002年6月12日にヴォルフガング・サヴァリッ シュの指揮で初演されました。バルトークの同名作品と同じ5楽章構成で、フィラデルフィア管の腕利き奏者を想定した名人芸が至る所に発揮されて います。祝祭的な雰囲気を湛えた第1楽章、弦楽器をフィーチャーした第2楽章、緩徐楽章に相当し各楽器のソロを堪能できる第3楽章、静と動の 対象が印象的でパーカッションが活躍する第4楽章、エネルギッシュな音の動きが見事な最終楽章と、オーケストレーショ ンの名手ヒグドンの手腕が十 二分に発揮された名作です。 指揮者のスパーノはヒグドンと一歳違いで早くから交流があり、ヒグドン作品を積極的にとりあげています。「管弦楽のための協奏曲」は2003年録音 のTelarc盤以来の再録音。作品のすみずみまでを知り尽くした見事な演奏を聴かせます。
NAX-8.574487(1CD)
ジョルジェ・エネスコ:初期室内楽作品集
ピアノ五重奏曲 ニ長調(1896)
前奏曲とガヴォット(1898)
オーバード(朝の歌)ハ長調(1899)
パストラーレ、悲しきメヌエットと夜想曲(1900)
2つのルーマニア狂詩曲 Op.11- 第1番 イ長調(1901)(J. エノックによるピアノと弦楽五重奏編 1957)
ファイン・アーツ四重奏団【Ralph Evans(Vn)、Efim Boico(Vn)、Gil Sharon(Va)、Niklas Schmidt(Vc)】
アレクサンダー・ビッカルト(Cb)
ジゼル・ヴィトコフスキ(P)
ファビオ・ヴィトコフスキ(P)

録音:2022年10月22-25日
優れたヴァイオリニストで教育者、そしてルーマニアを代表する作曲家ジョルジェ・エネスコ。若い頃にはパリに留学して作曲をマスネとフォーレに学びまし たが、その頃に書いた作品の多くは長い間出版されませんでした。このアルバムは、そのパリ時代の作品を中心にしています。冒頭のピアノ五重奏曲 は、エネスコのヴァイオリンの師マルタン・ピエール・マルシックに捧げられ、その精緻な筆致にはエネスコが尊敬していたブラームスの影響が窺われます。 ヴァイオリン、チェロと2台のピアノのための「前奏曲とガヴォット」、エネスコ唯一の弦楽三重奏曲「オーバード」、ヴァイオリンとピアノの連弾による「パスト ラーレ、悲しきメヌエットと夜想曲」からは若きエネスコの意欲が感じられます。最後には、1901年の初演当時から人気を博していた「ルーマニア狂詩 曲第1番」をエネスコの死後にピアノと弦楽五重奏用に編曲した版が演奏され、アルバムを華やかに締めくくります。NAXOSにも数多くの録音がある ファイン・アーツ四重奏団が中心となって、生き生きとした音楽を生み出しています。
NAX-8.660516(2CD)
モニューシュコ:歌劇「パリア」 イダモール…ドミニク・ストヴィチ(T)
ネアラ…イヴォナ・ソボトカ(S)
ラテフ…ピオトル・フリーベ(T)
アケバル…ラファウ・コルピク(Bs)
ジャレス…スタニスワフ・クフリュク(Br)
巫女…アレクサンドラ・キエドロフスカ(S)
ポズナン国立モニューシュコ・オペラO&cho
ヤチェク・カスプシク(指)

録音:2022年4月12日
「ハルカ」(CD:8.660485-86)や「幽霊屋敷」などの作品で「ポーランド歌劇の父」とも呼ばれるスタニスワフ・モニューシュコ。この「パリア」は彼が完 成させた最後の歌劇で、南インドを舞台に不条理な身分差別と闘い翻弄される人々を描く悲劇です。 カーストの最下層に生まれたイダモールは新たな人生を歩むために故郷も家族も捨て、別人になりすまして屈強な戦士に成長。戦いの功績により神 官アケバルの娘ニーラとの結婚を許されます。祝賀ムードに包まれた村に現れたのがイダモールの父ジャレス。彼はかつてカーストの掟を破って森に踏 み込み、神聖な場所を汚すという重大な罪を犯して追放されたのでした。アケバルはジャレスに死刑を宣告しますが、イダモールが自分はジャレスの子 であると名乗り出て、激昂した人々により殺されてしまいます。ニーラはイダモールへの愛が真実であったと気づき、自らジャレスの娘であると宣言して追 放の刑を受けて村を去るのでした。 凄惨な結末ゆえか、初演時には不評でしたが、不条理な社会体制がもたらす悲劇というテーマは現代世界で強い訴求力を発揮します。指揮者ヤ チェク・カスプシクの下、歌手たちが渾身の歌唱を聴かせます。
NAX-8.579136(1CD)
中国のロマンス
シァ・ウェイナン(1981-)
1. The Flow 水云?(2016)*
2. Swan and Maiden 白鳥と乙女(2016)*
3. Whisper of the Wind 風のささやき(2016)*
4. Love at Night of Tulips チューリップの夜の恋(2018)*
5. The Little Match Girl マッチ売りの少女(2016)*
ファン・タオ(1983-)
6. In the Moonlight月明かりの中で(2018)*
7. Her 彼女(2018)*
8. The Rain Outside the Window 窓の外の雨(2018)*
9. Whisper ささやき(2020)*
10.83Munan Road 睦南道83号(2020)*
11. Farewell 告別(2021)*
12. Serendipity 偶然の出会い(2018)*
リン・ファンキ(1985-)
13. Lonely Soul 孤魂(2017)
14. Gone with the Wind 風と共に去りぬ(2015)
15. Oh My Little Imaginary Love オー・マイ・リトル・イマジナリー・ラヴ(2017)
16. Sadness 悲しみ(2014)*
17. Tenderness 優しさ(2014)*
18. Lullaby 子守歌(2017)
19. Promise without Words 言葉のない約束(2017)
20. Reminiscence 回想(2017)
リウ・シャンイ(G)

録音:2022年6月25日、2022年6月10日、2022年8月18日
*・・・世界初録音
『中国のロマンス』と題された現代中国のギター作品集。現代の作品ではありながら、どれも調性を持つ美しい曲想によって書かれています。 シァ・ウェイナンは中国生まれ。幼いころから音楽に興味を抱き父親から教えを受けました。10代の頃にはロックに夢中になり中国のロックバンドでギ ターを弾く他、ソングライター、レコーディングエンジニア、音楽プロデューサーを務めるなど、音楽業界で豊富な経験を持っています。中央音楽院ではク ラシックの奏法も学びました。冒頭の五音音階を用いた中国風の導入で始まる「The Flow 水云?」は湖の上に浮かぶボートを表現。バリオスの 「森で夢見る」を思わせるトレモロの使用が印象的です。 ファン・タオは中国全土でギター・リサイタルを行う人気者。2020年にはインターネットメディアの企画・運営を行うXimalayaが主催した「the National Love-Music」のトップ10入りを果たし、テレビ出演も行っています。彼の作品も、どこか懐かしく哀愁を湛えた旋律に満ちています。 リン・ファンキは中国のギター作曲家の中でも、最も多作で知られる人。すでに100曲以上の作品を発表し、ギタリストとしては2018年に発表したア ルバム「モノローグ」が大好評を博しています。このアルバムには比較的ゆったりとしたテンポを持つ抒情的で優しい曲が収録されています。 2016年に開催されたフランシスコ・タルレガ国際ギター・コンクールで中国人として初の優勝を飾ったリウ・シャンイが共感溢れる演奏を聴かせます。

   NAXOS 2023年7月発売(2)
NAX-8.574454(1CD)
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第6集
劇音楽『ペルーのスペイン人、またはロラの死』 (1795)
劇音楽『イオランタ、エルサレムの女王』 (1797)
劇音楽『アフメットとツェニーデ』 (1796)
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2022年2月21日、2022年2月22日、2022年2月23日、2022年2月24日
全て世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァルトと交流を深めウィーン楽壇における重要 な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアのお気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼さ れました。現存している彼の数少ない舞台音楽の楽譜にはどの表紙にも「シンフォニア」のタイトルが付いており、これは彼にとって大きな仕事であった 交響曲の制作と同じように重要であるという意味が込められているようです。そこには各幕のための序曲や行進曲などが含まれており、実際、後に彼 はこれらを素材として交響曲を書いています。 ここのアルバムに収録された作品は、どれもウィーンのブルク劇場で初演されたもの。『ペルーのスペイン人、またはロラの死』は1795年6月13日の初 演で、1532年のフランシスコ・ピサロによるインカ帝国の血なまぐさい征服から題材を得た作品です。第3幕と第5幕の序曲は、後に交響曲に転用さ れたためこの録音では割愛されています。『イオランタ、エルサレムの女王』は1797年4月17日に初演。舞台は1135年のエルサレムで、若い女王に 対抗する求婚者たちと攻撃してくるイスラム軍、そしてテンプル騎士団の新たな団長の選出など陰謀渦巻く物語です。『アフメットとゼニード』は1796 年10月28日の初演。当時人気のあったトルコ音楽が採り入れられており、オーケストラの編成にはピッコロと、オスマン帝国の歩兵軍団「イェニチェリ」 の音楽を表現するのに特徴的なトライアングル、シンバル、バスドラムが用いられた多彩な響きを楽しめます。前5作に続き、マレク・シュティレツが指揮 するチェコ室内Oパルドビツェの見事な演奏で。
NAX-8.574432(1CD)
シューマン:オルガン作品全集
ペダル・ピアノのためのスケッチ Op.58
ペダル・ピアノのための練習曲集 Op.56
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2022年7月12-13日St Matthai, Gronau(ドイツ)
1844年、ライプツィヒを去りドレスデンに移住したシューマンは、かねてから研究していたバッハ作品に再 び向き合いました。彼は「フーガの厳密な形式と19世紀のロマン派の精神をどうすれば両立させることができ るのだろうか?」を念頭に置き、1845年に足鍵盤(ペダル)を備えた「ペダルピアノ」を手に入れ、バッハのオル ガン曲を研究。そのフーガへの熱意からこのアルバムに収録された作品が生まれました。とりわけOp. 56は シューマン自身がピアノ三重奏に編曲したほか、他の作曲家たちも様々な編曲を施したほど芸術性の高い 作品です。ここでウィンペニーは、ドイツのグローナウにある歴史的な"フルトヴェングラー・オルガン(1860年 製)"を使用。このオルガンは、ドイツ・ロマン派時代に作られた現存するオルガンの中で2番目に大きな楽器 で、シューマンの表現豊かな作品に合う幅広い響きを奏でます。
NAX-8.555499(1CD)
ラフ:交響曲第8番、第9番
交響曲第8番イ長調 「春の響き」 Op.205(1876)
交響曲第9番ホ短調 「夏に」 Op.208(1878)
スロヴァキア国立コシツェPO
ウルス・シュナイダー(指)

録音:1990年10月26日-11月1日
※MARCO POLO8.223362のレーベル移行盤
スイス出身の作曲家ヨアヒム・ラフ。フランツ・リストの演奏に感銘を受け弟子となり、ピアニストとして活動しな がら、作曲家として未完も含めた11曲の交響曲の他、協奏曲や室内楽など多数の作品を遺しました。 このアルバムには彼の晩年の作である2曲の交響曲を収録。「春の響き」と題された第8番、「夏に」と題され た第9番。どちらもドイツ・ロマン派の伝統を継承しながらも、ワーグナーのような半音階を用いることはない、 メンデルスゾーンを思わせる端正な作品に仕上がっています。
NAX-8.660526(2CD)
ヤナーチェク:歌劇「利口な女狐の物語」 他
ヤナーチェク:歌劇「利口な女狐の物語」(1923)
 ファブリース・ボロンによる室内楽伴奏編曲版(2020)
 歌劇「シャールカ」 JW I/1(1887) - 抒情的二重奏曲(ファブリース・ボロンによるヴァイオリンとチェロ編)(2021)
ファブリース・ボロン(1965-):レオシュのための12の百合(2021)
女狐…サマンサ・ガウル(S)
森番…ミヒャエル・ボルト(Br)
雄狐…パク・イリーナ・ジェウン(S)
校長/蚊…イ・ヨンブン(T)
森番の妻/フクロウ…アニャ・ユンク(A)
あなぐま/司祭…ペーテル・ナイデノフ(Bs)
ラパーク/パーセクの妻/きつつき…カテリーナ・ヘベルコヴァー(Ms)
ハラシュタ…ハンス・グレーニング(Bs)
おんどり…デヴォニー・スミス(Ms) 他
カントゥス・ユヴェヌム・カールスルーエ(合唱)
フライブルク劇場オペラ合唱団のメンバー
ミュリエル・カントレッギ(Vn)
ディナ・フォルトゥナ=ボロン(Vc)
リリーズ・プロジェクト(アンサンブル)
ファブリース・ボロン(指)

録音:2021年9月7日、2021年10月11日
指揮者・作曲家ファブリース・ボロンによってオーケストラ・パートを室内楽編成にアレンジされたヤナー チェク:歌劇「利口な女狐の物語」。これは大規模なオーケストラの使用ができなかった新型コロナウイ ルスのロックダウン中に製作されたもので、金管楽器を用いず、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1、コント ラバス1の弦楽器と、フルート1、オーボエ1(コールアングレ持ち替え)、クラリネット1、ファゴット1の木管 楽器、ハープ1、鍵盤楽器1、パーカッション1の合計12名の小編成アンサンブルで歌を支えています。 単なる縮小版ではなく、新しい音の組み合わせを提唱したというアレンジは、ヤナーチェクの歌劇をより 親しみやすいものにしています。ボロンは「シャールカ」からの二重唱をヴァイオリンとチェロ用にアレンジ、そ してヤナーチェク作品の様々な旋律に新たなオーケストレーションを施した「レオシュのための12の百合」 も収録。これらはヤナーチェクへのトリビュートです。
NAX-8.574442(1CD)
子供の領分〜ギターのための編曲集
シューベルト:魔王 Op.1D.328
ドビュッシー:子供の領分
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調 K.545
シューマン:子供の情景 Op.15
グラナドス:若き日の物語 Op.1, DLR IV:2

※全てヨハン・スミスによるギター編
ヨハン・スミス(G)

録音:2022年8月7-9日
2019年のGFA(全米ギター協会)国際ギターコンクールでの優勝をはじめ、数多くのコンクール受賞歴を持つヨハン・スミス。彼はこのアルバムのために5人の 作曲家が思い思いに描いた「子供時代」をギターのためにアレンジ、繊細かつ表現力豊かな音色で演奏しています。冒頭に置かれたシューベルトの『魔王』 では巧みなテクニックを存分に発揮し、子供、父、魔王をギターで見事に弾き分けています。 ヨハン・スミスは1990年にジュネーヴで生まれ、ローザンヌ大学で大学院の学位を取得。ダゴベルト・リニャレスに師事しギターを学びました。演奏家、教師と して活動するかたわら、メタル・バンド"Stortregn"を率い世界中をツアー、更にグラフィック・デザインを手掛けるという多才なアーティストです。

NAX-8.574374(1CD)

スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第27集
1. ソナタ ト短調 K.12/L.489/P.68
2. ソナタ ホ短調 K.15/L.374/P.71
3. ソナタ イ短調 K.36/L.245/P.91
4. ソナタ 変ロ長調 K.42/L.S36/P.120
5. ソナタ ハ短調 K.48/L.157/P.87
6. ソナタ ヘ長調 K.59/L.71/P.22
7. ソナタ ト短調 K.76/L.185/P.23
8. ソナタ ハ長調 K.86/L.403/P.122
9. ソナタ ト短調 K.88/L.36/P.8
10. ソナタ ヘ長調 K.106/L.437/P.197
11. ソナタ ハ短調 K.116/L.452/P.111
12. ソナタ 変イ長調 K.130/L.190/P.272
13. ソナタ ト長調 K.144/P.316
14. ソナタ ト長調 K.152/L.179/P.114
15. ソナタ ハ長調 K.165/L.52/P.292
16. ソナタ ハ長調 K.157/L.405/P.391
17. ソナタ 変ロ長調 K.172/L.S40/P.313
18. ソナタ 変ロ長調 K.189/L.143/P.257
19. ソナタ(フーガ) ニ短調 (MSS FF232、KK 96、ボローニャ国際音楽博物館&図書館)*
20. ソナタ ト短調(MS KK96、ボローニャ国際音楽博物館&図書館)
21. G.U.ハフナー編纂のチェンバロ独奏のためのソナタ集 第2巻 - ソナタ第5番ハ長調
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2022年9月19-20日
*=世界初録音
NAXOSの人気シリーズ、ドメニコ・スカルラッティのソナタ集。この第27集には、彼の初のソナタ集 「Essercizi per gravicembalo」からの2曲(K.12、K.15)を含む、スペインとポルトガルの舞踊の要素を 取り入れた作品が収録されています。また、スカルラッティのソナタはかつて全555曲とされていましたが、最 近の研究により実際には600曲近く存在することが判明しています。このアルバムにはボローニャの博物館に 所蔵されているソナタ ニ短調(世界初録音)とソナタ ト短調の2曲が収録されており、これらは研究者 カークパトリックが「スカルラッティの作品と考えられる」と述べています。さらに、スカルラッティの同時代の作曲 家で出版業も営んでいたヨハン・ウルリッヒ・ハフナー(1711 -1767)によって編纂された曲集に含まれる、花 火を思わせる快活な音にあふれたソナタ ハ長調も収録されています。演奏は、ブラジル出身のピアニストで 数多くの受賞歴を持つセルジオ・ガッロが担当しています。

   NAXOS 2023年7月発売
NAX-8.101201(12CD)
NX-J06
エンリコ・カルーソー 録音全集 1902-1920
■CD1〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第1集(1902 -1903)8.110703
1. アルベルト・フランケッティ(1860-1942):歌劇「ジェルマニア」 - 学生諸君、聞きたまえ
2. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - ああ、こちらへ…目を閉じないで
3. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第1幕 あれかこれか
4. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
5. マスネ:歌劇「マノン」 - 目を閉じれば(夢の歌)
6. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙
7. ボーイト:歌劇「メフィストフェレ」 - 第1幕 野原から、牧場から
5. ボーイト:歌劇「メフィストフェレ」 - 最後のときがやってきた(エピローグ)
9. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
10. マスカーニ:歌劇「イリス」 - 第1幕 窓を開けよ
11. ボーイト:歌劇「メフィストフェレ」 - 第1幕 野原から、牧場から
12. ジョルダーノ(1867-1948):歌劇「フェドーラ」 - 第2幕 愛さずにはいられぬこの思い
13. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
14. ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」 - 第2幕 空と海
15. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」 - 第1幕 衣装をつけろ
16. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - ローラよお前は花のように美しい(シチリアーナ)
17. デンツァ(1846-1922):君なんかもう
18. トスティ:私の歌
19. チレア:歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」
- いいえ、あなたは女王よりも高貴です
20. レデント・ツァルド(1850-1910):貞節な月
21. ロッコ・トリマルキ(1861-1936):もう一度口づけを
22. ツァルド:貞節な月
23. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙
24. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
25. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - いとしき目を閉じたもうな
26. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 風の中の羽のように(女心の歌)
27. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - ローラよお前は花のように美しい(シチリアーナ)
■CD2〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第2集(1903 -1906)8.110704
1. アントニオ・ピーニ=コルジ(1858-1918):君はもう愛していないんだ
2. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
3. ジャコモ・マイアベーア:歌劇「ユグノー教徒」 - この空の下に
4. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第1幕 あれかこれか
5. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 風の中の羽のように(女心の歌)
6. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙
7. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
8. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第1幕 妙なる調和
9. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
10. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」- ローラよお前は花のように美しい(シチリアーナ)
11. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」 - 第1幕 衣装をつけろ
12. マスネ:歌劇「マノン」 - 第2幕 目を閉じれば(夢の歌)
13. レオンカヴァッロ:朝の歌(マッティナータ)
14. ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 第3幕 耳に残る君の歌声
15. ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」 - なんと快い(セレナータ)
16. ビゼー:歌劇「カルメン」 - 第2幕 お前が投げたこの花は(花の歌)
17. マイアベーア:歌劇「ユグノー教徒」 - 第1幕 アルプスの雪より白く
18. ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」 - 第2幕 空と海
19. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - 第1幕 乾杯の歌
20. フロトウ(1812-1883):歌劇「マルタ」 - 第3幕 夢のごとく(イタリア語歌唱)
21. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第1幕 つめたい手を
22. グノー:歌劇「ファウスト」 - 第3幕 この清らかな住まい
23. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第3幕 見よ、恐ろしい火を
24. ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリータ」 - 第4幕 優しい魂よ
■CD3〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第3集(1906 -1908)8.110708
1. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
2. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第3幕 最後の頼みだ
3. リカルド・バルテルミ(1869-1955):さびしい帰郷
4. トスティ:理想の人
5. マイアベーア:歌劇「アフリカの女」 第4幕 おお、パラダイス
6. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 美しい乙女よ
7. ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」 - 第1幕 ある日青空をながめて
8. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」 - 第1幕 衣装をつけろ
9. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第4幕 ああミミ、君はもう帰ってこない
10. ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 第1幕 聖なる神殿の奥深く
11. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第1幕 ああ、麗しの乙女
12. ドニゼッティ:歌劇「ドン・セバスチャン」 - 誰もいないこの荒野に
13. ドニゼッティ:歌劇「ドン・セバスチャン」 - 誰もいないこの荒野に
14. バルテルミ:すばらしい心痛
15. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 美しい乙女よ
16. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」 - 第2幕 六重唱 じゃまするのは誰だ
17. プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 ? 第1幕 ああ、なんて沢山の散りばめられた目が
18. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 ? 第3幕 さようなら、甘いめざめよ
19. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 美しい乙女よ
■CD4〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第4集(1908 -1910)8.110719
1. アルトゥーロ・ブッツィ=ペッチャ(1854-1943):ロリータ
2. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第1幕 あれかこれか
3. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 「風の中の羽のように(女心の歌)
4. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第3幕 ああ、美しい人
5. ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」 - 第4幕 二重唱 われらの山へ
6. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
7. トスティ:口づけのために
8. エマヌエレ・ヌティーレ(1862-1932):母さま、何が知りたいの?
9. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第3幕 おお、あなたは天使の胸に抱かれ
10. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第1幕 妙なる調和
11. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
12. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第4幕 死の石は私の上に閉ざされた
13. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第4幕 二重唱 おお、大地よさらば
14. ゴルトマルク:歌劇「シバの女王」 ? 第2幕 すてきな調べ
15. ビゼー:歌劇「カルメン」 - 第2幕 お前が投げたこの花は(花の歌)
16. ビゼー:歌劇「カルメン」 - 第2幕 お前が投げたこの花は(花の歌)
17. マイアベーア:歌劇「ユグノー教徒」 - 第1幕 アルプスの雪より白く
18. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第4幕 ミゼレーレ
19. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第4幕 ミゼレーレ
19. フロトウ:歌劇「マルタ」 - 第1幕 祖国に捨てられ,ただひとり
■CD5〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第5集(1908 -1910)8.110720
1-9. グノー:歌劇「ファウスト」より
 1. 第1幕:ああ、すばらしい
 2. 第3幕:何とすばらしいその装い
 3. 第3幕:何ですって!いつもひとりきりなの?
 4. 第3幕:夜もふけたので
 5. 第3幕:永遠のよろこびに
 6. 第4幕:何しに来た?(決闘の三重唱)
 7. 第5幕:心は恐れに満ちて
 8. 第5幕:待て!道はある
 9. 第5幕:早く!でないと破滅してしまいますぞ!
10. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - 第1幕 学生諸君、聞きたまえ
11. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - いとしき目を閉じたもうな
12. プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 - 第1幕 恋か気まぐれか
13. プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 - 第3幕 わしが言っていただろう?
14. ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」 - 第2幕 空と海
15. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」 - 第2幕 違う!俺は道化師じゃない
16. ヴェルディ:歌劇「オテロ」 - 第2幕 おお!清らかな思い出は、遠い彼方に
17. ヘンリー・ゲール(1881-1961):あなただけに
18. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - ローラよお前は花のように美しい(シチリアーナ)
19. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第2幕 私はあなたの子ではないのか
20. ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」 - 第4幕 二重唱 われらの山へ
21. トスティ:さようなら
22. ヴェルディ;歌劇「アイーダ」 - 第4幕 二重唱 すでに神官たちが待っている
23. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第4幕 二重唱 みじめさだけを私にお与えになり
■CD6〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第6集(1911 -1912)8.110721
1. ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」 - 第1幕 今度の航海は無事だろうか
2. アンジェロ・マスケローニ(1855-1905):永遠に
3. レオンカヴァッロ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第2幕 わたしは貧しいねぐらしかない
4. レオンカヴァッロ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第3幕 ミュゼッテ…いとしい面影
5. ゴメス(1836-1896):歌劇「捕らわれ人」 - 第2幕…おまえが生まれたとき
6. サルヴァトーレ・カルディッロ(1874-1947):カタリ・カタリ(つれない心)
7. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第4幕 アルヴァーロよ、隠れようとしても無駄だ…
8. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第4幕 脅しとその激しい言葉は
9. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙
10. デ・クルティス:私のために歌っておくれ
11. エドワード・テシェマッヒャー(1876-1940)&クラレンス・G・ガルトナー(生没年不詳):愛はわたしのもの
12. ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」 - 第3幕 おそらく彼女は到着している…永久に君を失えば
13. マスネ:歌劇「マノン」 - 第3幕 やっと一人になれた…ああ!消え去れ、優しい面影よ
14. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 もし私がその戦士であったなら...清きアイーダ
15-18. フロトウ:歌劇「マルタ」
 15. 第2幕 さあ着いたぞ,娘たち
 16. 第2幕 この部屋はあなたのために!…何がそんなことを言いたがるのか?
 17. 第2幕 急いで、急いで行こう
 18. 第2幕 君に追いついた、哀れなことに!...さあ、お眠り
■CD7〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第7集(1912 -1913)8.110724
1. ヴェルディ:歌劇「第1回十字軍のロンバルディア人」 - 第3幕 喜びが血を沸き立たせる
2. フォール(1830-1914):クルチフィクス
3. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」 - 第2幕 六重唱 じゃまするのは誰だ
4. ヴィンチェンツォ・デ・クレッシェンツォ(1875-1964):まことのタランテラ
5. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 美しい乙女よ
6. ロッシーニ:音楽の夜会 - 第8曲 踊り(ナポリのタランテッラ)
7. エンリコ・カルーソー:むかしの夢
8. アーサー・サリヴァン:失われた和音
9. ギィ・ダルドロ(1858-1936):ビコーズ
10. ジャン・グラニエ:オザンナ
11. マスネ:歌劇「マノン」 - 第2幕 マノンと申します
12. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第1幕 ああ、麗しの乙女
13. ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」 - 第2幕 天に勇気を求めなさい...われらの胸に友情を
14. ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」 - 第4幕 二重唱 われらの山へ
15. チャイコフスキー:6つの歌 Op.38-
   第6番ピンピネッラ, フィレンツェの歌
16. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第2幕 あの娘は攫われてしまった!…あの娘の涙が見えるようだ
17. ビゼー:アニュス・デイ
18. プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」 - 第1幕 なんと素晴らしい美人
19. ペルキヴァル・ベネディクト・カーン(1880-1966):アヴェ・マリア
20. マスネ:エレジー
■CD8〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第8集(1913 -1914)8.110726
1. レオンカヴァッロ:私の愛を
2. デ・クレッシェンツォ:月を見て
3. ジェフリー・オハラ:あなたの瞳が教えてくれた
4. テオドーロ・コットラウ(1827-1879):光さす窓辺
5. ロッシーニ:スターバト・マーテル - 聖母の魂を剣が刺し貫いていた
6. フォール:枝の主日
7. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - 母さん、あの酒は強いね
8. ヴェルディ:歌劇「オテロ」 - 第2幕 おお!恐ろしい罪だ...神かけて誓う
9. チャイコフスキー:6つの歌 Op.38- 第1曲 ドン・ファンのセレナード
10. ヴィンチェンツォ・リッチャルディ(1873-1950):アモール・ミオ
11. ヴィンチェンツォ・ヴァレンテ(1855-1921):わたしの小さな牛
12. フォール:枝の主日
13. テシェマッヒャー&ガルトナー:真実の瞳
14. ランドン・ロナルド(1873-1938):スペインのセレナード
15. トスティ:Parted 別れて
16. ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」 - 第1幕 もう一度彼女に会える
17. ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」 - 第1幕 こんな占いはあてにならない
18. フェルミン・マリア・アルバレス(1833-1898):別れ
19. ルペルト・チャピ(1851-1909):サルスエラ「聖母の奇蹟」 - すばらしく美しい花
■CD9〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第9集(1914 -1916)8.110750
1. ヴェルディ:歌劇「椿姫」 - 第1幕 友よ、さあ飲み明かそう(乾杯の歌)
2. ゴメス:歌劇「グアラニー族の男」 - 第1幕 激しい力を感じて
3. ユゼフ・ジグムント・スルク:愛のおののき
4. ビゼー:歌劇「カルメン」第1幕 母のたよりを聞かせてよ(未発表バージョン)
5. ビゼー:歌劇「カルメン」第1幕 母のたよりを聞かせてよ(SP未発売バージョン)
6. トスティ:私の歌
7. エリコ・ペンニーノ:なぜ?
8. ミケーレ・サルヴァトーレ・チョチャーノ(1874-1944):トルコの空
9. ヴェルディ:レクイエム - われあやまちを嘆く
10. ドニゼッティ:歌劇「アルバ公爵」 - 第4幕 清く美しい天使
11. デンツァ:もしわかっていたら
12. レオンカヴァッロ:2つのセレナーデ
13. フランク:聖なる行列
14. マスネ:歌劇「ル・シッド」 - 第3幕 おお君主よ、審判者よ、父上よ
15. トスティ:夏の月よ
16. エドゥアルド・ディ・カプア(1864-1917):オー・ソレ・ミオ
17. グノー:歌劇「シバの女王」 - 第2幕 我に霊感を与えたまえ、神々よ
18. アウグスト・ロトーリ(1847-1904):私の花嫁は私の旗
19. ヴェルディ:歌劇「マクベス」 - 第4幕 お前たちを守る父の手は
20. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第4幕 年老いた外套よ
21. アダン:オー・ホーリー・ナイト
■CD10〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第10集(1916 -1917)8.110751
1. フォーレ:聖なるマリアよ
2. カルーソー:いにしえ
3. 伝承曲:サンタ・ルチア
4. チャイコフスキー:6つの歌 Op.6- 第6曲 ただ憧れを知る者だけが
5. チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」 - 第2幕 青春は遠く過ぎ去り(フランス歌唱)
6. ゴダール(1849-1895):六月の歌
7. ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」 - 第4幕 五月のある晴れた日のように
8. カミーユ・サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」
 - 第3幕 ごらんくださいこの惨めさ、ああこの苦しさ!
9. ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 第1幕 耳に残る君の歌声
10. ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 第2幕 私の愛する人、眠りの花よ
11. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第4幕 四重唱 美しい乙女よ
12. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第4幕 四重唱 美しい乙女よ
13. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」 - 第2幕 六重唱 じゃまするのは誰だ
14. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」 - 第2幕 六重唱 じゃまするのは誰だ
15. フロトウ:歌劇「マルタ」 - 第3幕 夢のごとく(イタリア語歌唱)
16. スタニスラス・ガスタルドン(1861-1939):禁じられた音楽
17. デ・クレッシェンツォ:清らかな瞳
18. トスティ:暁は光から闇をへだて
19. トスティ:暁は光から闇をへだて
20. A・ルビンシテイン:歌劇「ネロ」 - ああ、太陽の光よ
21. A.ルビンシテイン:歌劇「ネロ」 - ああ、太陽の光よ
■CD11〜エンリコ・カルーソー:全集 第11集(1918 -1919)8.110752
1. ガスパール・アントニオ・オラヴァリア・マイティン(1840-1891):月光の中に
2. パスクァーレ・マリオ・コスタ(1858-1933):わが人生にきみはすでになし
3. アルバレス:別れ
4. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第3幕 ほんの一瞬たりとて私には与えられないのだ 、静かな時は
5. ジョージ・M・コーハン(1878-1942):オーヴァー・ゼア
6. アブラム・ルイ・ニデルメイエール(1802-1861):主よ、憐れみたまえ
7. アルバレス:グラナダへ
8. ヴィンチェンツォ・ビッリ(1869-1938):夕べの鐘
9. アレッシオ・オリヴィエーリ:ガリバルディ賛歌
10. コルンボ・アローナ(1820-1869):サン・ジュストの鐘
11. ロベール・プランケット(1848-1903):サンブル・エ・ミューズ連隊行進曲
12. サルヴァトーレ・フチート(1875-1929):あなたにだけ
13. サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」 - 第1幕:私は勝利をお祝いに来ました
14. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 20スクードで!
15. トスティ:かわいい口もと
16. 伝承曲:海に来たれ
17. デ・クルティス:泣かないお前
18. コットラウ:さらばナポリ
■CD12〜エンリコ・カルーソー:全集 第12集(1902 -1920)8.110753
1. ヴィンチェンツォ・チャンピ(1719-1762):ニーナは三日も床に伏し
2. デ・クレッシェンツォ:最初の愛撫
3. デ・クルティス:孤独
4. ゴメス:歌劇「サルヴァトール・ローザ」 - 第1幕 私のかわいい人
5. C・アドルフォ・ブラッコ(1860-1905):セレナータ
6. フチート:Scordame
7. アントニオ・セッキ(1761-1833):私を愛していようといまいと
8. ヘンデル:歌劇「セルセ(クセルクセス)」
  - 第1幕 オンブラ・マイ・フ
9. グリエルモ・ポサダス(1886?1937):幸せな夜
10. アレヴィ:歌劇「ユダヤの女」 - 第4幕 ラシェルよ、主の恵みにより
11. ヨゼフ・ジョーエ(1890-1957):ナポリの思い出
12. ドナウディ(1879-1925):限りなく優雅な絵姿
13. マイアベーア:歌劇「アフリカの女」 - 第3幕 船を見つけに共に行こう
14. リュリ:歌劇「アマディス」 - 第2幕 暗い森は陰を濃くして
15. ジェームズ・キャロル・バートレット(1850-1929):夢
16. ロッシーニ:小荘厳ミサ曲 - 神なる主
17. ロッシーニ:小荘厳ミサ曲 - 十字架にかけられ
付録
18. カルーソー:自由よ永遠に*
19. ガス・エドワーズ(1879-1945):我が従兄カルーソー*
20. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - 学生諸君、聞きたまえ**
■CD1
ジョルダーノ(P)…12
チレア(P)…19
サルヴァトーレ・コットーネ(P)…1-11、13-18、20
スタジオ・ピアニスト…21-27
録音:1902年-1903年

■CD2
スタジオ・ピアニスト…1-12,14-19
ルッジェーロ・レオンカヴァッロ(P)…13
スタジオ・オーケストラ…20-24
スタジオ・コンダクター…20-24
録音:1903年-1906年

■CD3
ベッシー・アボット(S)…6、19
ネリー・メルバ(S)…11
マルセラ・ゼンブリヒ(S)…15、16
ジェラルディン・ファーラー(S)…17、18
ルイーズ・ホマー(Ms)…6、19
ジーナ・セヴェリーナ(Ms)…15、16
ジーナ・ヴィアフォーラ(Ms)…18
アントニオ・スコッティ(Br)…2、6、9、15、16、18、19
マリオ・アンコーナ(Br)…10
フランチェルコ・ダッディ(Br)…16
マルセル・ジュルネ(Bs)
スタジオ・オーケストラ
スタジオ・コンダクター
録音:1906-1908年

■CD4
ヨハンナ・ガトスキ(S)…13
フランス・アルダ(S)…18、19
ルイーズ・ホマー(Ms)…5
マルセル・ジュルネ(Bs)
メトロポリタン歌劇場合唱団…19
ビクターO
指揮者不詳
録音:1908-1910年

■CD5
ジェラルディン・ファーラー(S)…2、4、5、7-9
ガーデン・ファララ(S)…3
ガブリエーレ・ジルベール(Ms)…2、3
ルイーズ・ホマー(Ms)…19、20、22、23
アントニオ・スコッティ(Br)…6、13
マルセル・ジュルネ(Bs)…1、2、3、6、9
フランシス・ラピティーノ(Hp)…18
ビクターO
指揮者不詳
録音:1908-1910年

■CD6
フランス・アルダ(S)…15-18
ジョセフィーヌ・ジャコビー(Ms)…15-18
パスクアーレ・アマート(Br)…7、8
マルセル・ジュルネ(Bs)…15-18
メトロポリタン歌劇場合唱団…1
ビクターO
指揮者不詳
録音:1911-1912年

■CD7
フランス・アルダ(S)…1
ルイーザ・テトラッツィーニ(S)…3、5
ジェラルディン・ファーラー(S)…11、12
ジョセフィーヌ・ジャコビー(Ms)…3、5
エルネスティーネ・シューマン=ハインク(Ms)…14
アンジェロ・バーダ(Br)…3
パスクアーレ・アマート(Br)…3、5
アントニオ・スコッティ(Br)…13
マルセル・ジュルネ(Bs)…1-3
ミッシャ・エルマン(Vn)…19、20
パーシー・カーン(P)…19、20
ガエターノ・スコニャミリオ(P)…15、17
A・レジス・ロッシーニ(Hp)…18
ビクターO…1-14、16、18
ワルター・B・ロジャーズ(指)…1-4
スタジオ・コンダクター…5-14、16、18
録音:1912-1913年

■CD8
フリーダ・ヘンペル(S)…16、17
デュシェンヌ・マリア(Ms)…17
ティッタ・ルッフォ(Br)…8
Leon Rothier (Bs)…16、17
Andres De Segurola (Bs)…16、17
フランシス・ラピティーノ(Hp)…2
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場合唱団…16、17
ビクターO
ガエターノ・スコニャミリオ(指)…12-17
ガエターノ・スコニャミリオ(P)…18-19
録音:1913-1914年

■CD9
アルマ・グルック(S)…1
エミー・デスティン(S)…2
フランス・アルダ(S)…4
ミッシャ・エルマン(Vn)…11、12
ガエターノ・スコニャミリオ(P)…11、12
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場合唱団…1、2
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場O…1、2
ジュリオ・セッティ(指)…1、2
ビクターO…3-10、13-21
ワルター・B・ロジャーズ(指)…3-10、13-21
録音:1914-1916年

■CD10
アメリータ・ガリ=クルチ(S)…11-14
フローラ・ペリーニ(Ms)…11、12
ミニー・エゲナー(Ms)…13、14
アンジェロ・バーダ(T)…13、14
ジュゼッペ・デ・ルカ(Br)…11-14
マルセル・ジュルネ(Bs)…13、14
フランシス・ラピティーノ(Hp)…17-21
ビクターO
メトロポリタン歌劇場合唱団…8
ワルター・B・ロジャーズ(指)…1-5
ジョセフ・A・パステルナック(指)…6-21
録音:1916-1917年

■CD11
ルイーズ・ホマー(Ms)…13
エミリオ・デ・ゴゴルツァ(Br)…1
ジュゼッペ・デ・ルカ(Br)…4、14
ヴィンチェンツォ・ベレッツァ(P)…2
ビクターO…1、3-18
ジョセフ・A・パステルナック(指)…1、3-18
録音:1918-1919年

■CD12
フランシス・ラピティーノ(Hp)…8
ビリー・マレイ(ヴォーカル)・・・19
ビクターO・・・1-17、19-20
ビクター・ミリタリー・バンド・・・18
ジョセフ・A・パステルナック(指)
*トラック18と19ではカルーソーは歌っていません。
**CD12トラック20はCD1トラック1と同一音
源で、新たに発見されたファーストプレスのミント盤からの復刻。
録音:1902-1920年
伝説的なテノール、エンリコ・カルーソーが生まれて2023年で150周年となるのを記念してNAXOS Historicalの復刻盤を集成しました。1903年にニューヨークのメトロポリタン歌劇場にデビューしたカルー ソーは、たちまち人気沸騰して国民的なスターとなります。それと前後して米ビクターに録音を開始。彼のレ コードは大ヒットを記録して、揺籃期のレコード産業が成長するのに貢献しました。日本でもRCAレッドシー ルにちなんだ通称「赤盤」でリリースされて人気を博しました。 当セットの収録曲はオペラ・アリアから歌曲、ナポリ民謡、ポップソング、自作曲と幅広く、一部の曲では別テ イクも収録。有名作曲家が自らピアノを弾いて伴奏した音源や、今日では聞く機会が少ない曲もあって資 料としても貴重です。 復刻を担当したのはMarston Recordsの主宰者ウォード・マーストン。1952年生まれのマーストンは歴史 的音源の復刻で世界的に高く評価されており、RCA音源を中心とするそのプロジェクトはグラミー、グラモフォ ン、ICMAなど国際的な賞を受賞しています。カルーソーの時代は電気録音が実用化される前のアコース ティック録音/機械吹込みで、物理的な音質や情報量では限界がありますが、いわゆる「一発録り」による 無編集の歌唱は、100年以上の時を経てカルーソーの声と歌い回しをリアルに伝えてくれます。
NAX-8.574410(1CD)

NYCX-10406(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
クラウジオ・サントロ(1919-1989):交響曲全集 第3集
チェロ協奏曲(1961)*
交響曲第8番(1963)*
3つの抽象(1966)*
Interacoes Assintoticas(1969)
One Minute Play(1966-1967)*
マリーナ・マルチンス(Vc)
デニーシ・ジ・フレイタス(Ms)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2018年11月10-11日、2019年11月27-28日、2019年8月12-15日、2019年8月19日
*…世界初録音
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケスト ラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。その中でもブラジルを代表するシンフォニストであるクラウジオ・サントロの交響曲全集は注目の企 画です。 このアルバムには1960年代の作品を収録。この時期は波乱に富んだサントロの人生の中でも特筆に値する激動の時代であり、単に交響曲全集のうちの1枚というだ けでなく、その時代を映した選曲がなされていることも興味を惹きます。 1960年、サントロは西ドイツ(当時)政府の招きでケルンを訪れ、その後電子音楽を研究するためにベルリンへ移ります。そこで体調を崩し資金にも難渋したサントロに 支援を申し出たのが東ドイツの作曲家連盟で、彼は1961年夏を東ベルリンで迎え、8月13日のベルリンの壁着工を目撃することとなりました。チェロ協奏曲の第1楽 章の自筆譜には「1961年8月」、第2楽章には「1961年8月28日」の日付があり、全曲が完成したのは同年10月。サントロはこれが標題音楽と見られることを拒 否しましたが、緊張感の高い荒々しい音楽は闘争や不安を感じさせます。演奏時間32分余り。チェロ独奏には強靭なヴィルトゥオジティが求められます。 その後ブラジルに戻ったサントロは1962年に首都にあるブラジリア大学に新設された音楽学部の学部長に招かれます。その翌年に生まれた交響曲第8番は急-緩-急 の3楽章からなる演奏時間15分ほどの作品。12音技法と表現主義の語法とを統合しようとした形跡があり、第2楽章では女声のヴォカリーズが使われています。 1964年に軍事クーデターによってブラジルに独裁政権が成立すると、サントロは左翼的な思想を理由に大学の職から追われ、ドイツへ渡りました。ドイツでは電子音 楽に加えて偶然性の音楽などを研究。そこから生まれたのが「3つの抽象」などの作品になります。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者、日本ヴィラ=ロボス協会会長)による日本語解説が付属します。

   NAXOS 2023年6月発売 (2)
NAX-8.574560(1CD)
ヴァイオリンとピアノのための作品集
アラン・ロースソーン:ヴァイオリン・ソナタ(1958)
ジョーゼフ・ホロヴィッツ(1926-2022):ディブク・メロディ(1980)*
エロリン・ウォーレン(1958-):ソジャーナ・トゥルース(2021)*
ウェンディ・ヒスコックス(1963-):カプリース(1990-)*
ヒスコックス:ドライ・ホワイト・ファイアー(2010)*
ダグラス・ネーハンス(1957-):ミスト・ウェーブズ(2019)*
シア・マスグレイヴ(1928-):対談(1960)
マーティン・バトラー(1960-)舟歌(2020)*
リチャード・ブラックフォード(1954-):ワールズ・アパート(2020)
ケヴィン・マローン(1958-):ユア・コール・イズ・インポータント・トゥ・アス(2022)*
ハワード・ブレイク(1938-):氷の女王とスノーマン Op.699(Vnとピアノ版)*
マデリーン・ミッチェル(Vn)

アンドルー・ボール(P)
エロリン・ウォーレン(P)
ウェンディ・ヒスコックス(P)
ナイジェル・クレイトン(P)
イアン・ペイス(P)
マーティン・バトラー(P)…
ハワード・ブレイク(P)

録音:1996年2月20日、2022年1月30日、2月12日、2022年3月17日、2022年4月23日、2022年8月31日、12月20日、2022年12月20日、2023年2月12日

*…世界初録音
ヴァイオリニストのマデリーン・ミッチェルによるアルバム。ソリスト、室内楽奏者として50か国以上で活躍、数多 くの賞を受賞し、ジェームス・マクミランやマイケル・ナイマン(など錚々たる作曲家が彼女のため作品を書いてい ます。これまでにも現代の作曲家たちの新しい作品に影響を与えてきたミッチェル、今作では友人の7人のピ アニスト(うち4人は作曲家)とともに「会話」を繰り広げています。世界初録音を数多く含む収録作品は、自 然現象を描いたものや、自由への探求、そして愛のデュエットなど、様々なテーマが探求されており、多彩な 音楽と雰囲気を楽しむことができます。またこのアルバムは2022年にこの世を去ったピアニスト、アンドルー・ ボールへのオマージュでもあり、1996年に録音されたロースソーンのソナタを冒頭に置き、彼女と20年にわ たって築き上げたパートナーシップが称えられています。
NAX-8.579127(1CD)
ナイジェル・クラーク(1960-):マーリンの予言(2021) -ヴァイオリンとオーケストラのための交響曲 ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn)
アレクサンドル・コズマ(Fg)
ウィーンRSO
ニール・トムソン(指)

録音:2022年8月29日、2022年8月30日、2022年8月31日
世界初録音
リムスキー=コルサコフのシェヘラザードの舞台を中世イギリスに移したような、ドラマティックな新作が登場。 英国出身で現在はブリュッセルを拠点に活躍する作曲家ナイジェル・クラーク。現代的な音楽語法による吹 奏楽作品を中心に人気があります。この「マーリンの予言」は、「ヴァイオリンを伴う交響曲」と銘打たれてお り、ソロ・ヴァイオリンが全曲を通じて活躍する交響的組曲のような作品です。ヴァイオリンが演じるのは12世 紀にジェフリー・オブ・モンマスが書いた「ブリタニア列王史」に出て来る予言者・魔術師のマーリン。5つの楽章 はマーリンが登場する場面を描いたもので、森や海を舞台に嵐のような激しさから神秘的で瞑想的な表現ま で、この作品の発案者でもある名手ピーター・シェパード・スケアヴェズが縦横無尽に演奏し、ニール・トムソン が指揮するウィーンRSOもダイナミックにサポートしています。
NAX-8.579135(1CD)
シンセティスト再訪
ジュール・ストレンス(1893-1971):交響的変奏曲「ジル・ブラス」 Op.2(1921)
マルセル・ポート(1901-1988):ユーモラスな組曲「タルタラン・ド・タラスコン」(1921)
フランシス・ド・ブルギニョン(1890-1961):レチタティーヴォとロンド Op. 94(1951)
ガストン・ブレンタ(1902-1969):舞踏幻想曲「ゾーハル」(1928)
テオ・デ・ヨンカー(1894-1964):ギャミヌリィ(作曲年不詳)
モーリス・シューメーカー(1890-1964):交響的変奏曲「ブリューゲル組曲」(1928年吹奏楽版)
王立ベルギー空軍バンド
マッティ・シリセン(指)

録音:2022年7月4-7日

全て世界初録音
1925年9月、作曲家ポール・ギルソンの60歳の誕生日を記念して、彼に師事する7人の学生たちがブリュッ セルに集まり、ベルギー音楽史上初となる作曲家集団「Les Synthetistes」を結成しました。「フランス六 人組」のベルギー版とも言えるこのメンバーたちは、後期ロマン派のスタイルとは一線を画す最先端の音楽を 模索しながら、当時、SOが少なかったベルギーにおいて、吹奏楽のためにオリジナル作品の作曲と編 曲を行いました。彼らは1918年から45年までベルギー・ギィデ交響吹奏楽団の指揮者を務めたアルテュー ル・プレヴォーと協力し、ブリュッセルでモダンな音楽を生み出したのです。しかし、現代ではこれらのレパート リーはすっかり忘れられてしまいました。このアルバムでは地元である王立ベルギー空軍バンドの演奏で、メン バーの内の6人の作品を聴くことができます。 (ポール・ギルソンと7番目のメンバーであるルネ・ベルニエの作品は配信限定で6月にリリース予定。商品番 号9.70351)
NAX-8.574321(1CD)
ナポレオン・コスト(1805-1883):ギター作品全集 第6集
交響的幻想曲 Op.28b
妖精の狩猟 Op.29
セレナード Op.30
劇的幻想曲「旅立ち」 Op.31
マズルカ Op.33
アンダンテとメヌエット Op.39
アン・トラン(G)

録音:2022年6月5-7日
フェルナンド・ソルの弟子、友人であったナポレオン・コスト。彼はスペインからフランスに赴き革新的な作品を 次々を発表しました。しかし当時ギター音楽の人気が凋落気味であり、また彼自身も腕の故障で60歳を目 前に公開演奏が不可能となってしまったため、次第にその作品は忘れられてしまいました。そんなコスト、 1980年代に全作品のファクシミリ版が出版され、録音が相次いで発表されました。NAXOSからも2000年 までに通算5枚のアルバムが発表されましたが、その後20年以上を経てこの第6集の録音が完成。オーケス トラを思わせる「交響的幻想曲」、彼の全作品の中でも人気の高い劇的幻想曲「旅立ち」など魅力的な作 品を聴くことができます。 演奏はベトナム出身のギタリスト、アン・トラン。10以上の国際コンクールで優勝を飾り、現在はイリノイ大学 シカゴ校と北イリノイ大学で教鞭をとっています。使用楽器はステファン・コナー。
NAX-8.573978(1CD)
ポーランドの弦楽四重奏曲集
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):ヴィオッティの主題による変奏曲とフーガ(1873)
スタニスワフ・モニューシュコ:弦楽四重奏曲第1番ニ短調(1837-40)
モニューシュコ:弦楽四重奏曲第2番ヘ長調(1837-40)
カロル・カジミェシュ・クルピンスキ(1785-1857):弦楽四重奏曲のための幻想曲 ハ長調(1823)
ルトスワフスキQ

録音:2018年5月7-9日、2021年8月17日
このアルバムは、ポーランドの民族主義を追求した作曲家たちの半世紀にわたる業績をたどるものです。カロ ル・クルピンスキはショパンよりも一世代前の作曲家。ポーランド音楽の国民的なスタイルの基礎を築いた人 で、彼の弦楽四重奏のための幻想曲は整った形式を持つ作品です。スタニスワフ・モニューシュコは「ハルカ」 や「幽霊屋敷」などのオペラを作曲し、"ポーランド・オペラの父"と称えられています。彼の四重奏曲は賛美歌 などシンプルな旋律を採り入れた、活気に満ちた力強い作風が魅力です。 ジグムント・ノスコフスキはポーランド有数の作曲家・教師として活躍し彼に続く世代の音楽家たちを数多く育 てあげました。アルバムに収録されているのはヴィオッティの旋律をテーマにした変奏曲とフーガで、先鋭的では ないものの、機知に富んだ作風が窺えます。演奏はポーランドを代表するアンサンブル、ルトスワフスキ四重 奏団。共感溢れる演奏を聴かせます。

   NAXOS 2023年6月発売
NAX-8.559937(1CD)
ジョージ・アンタイル:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1923)
ヴァオリン・ソナタ第2番(1923)*
ヴァオリン・ソナタ第3番(1924)
ヴァイオリン・ソナタ第4番(1947-1948)
ティアンワ・ヤン(Vn)
ニコラス・リンマー(P、ドラムス*)

録音:2021年10月14-17日
ニュージャージー生まれのジョージ・アンタイルは、1920年代にヨーロッパで演奏旅行を行い「狂乱の時代」のパリではピカソやストラヴィンスキーらと交 流を持ち、ピアニスト兼作曲家としての経歴を確立させました。 このアルバムに収録された4曲のソナタのうち、最初の3曲はこの時代に作曲されたもので、第1番は詩人エズラ・パウンドの恋人でヴァイオリニストのオ ルガ・ラッジのために作曲されており、ストラヴィンスキーの影響と、当時のパリの洒脱な雰囲気を併せ持ったユニークな作品です。よりジャジーな第2番 は、20世紀初めのフランスに起こった前衛美術運動「キュビズム」を音楽で表現しようと試みた作品もので、雑多な旋律の中にドラムが効果的に使わ れています。第3番はストラヴィンスキーの激しいリズムを更に追求した作品です。1947年から48年にかけて作曲された第4番は、バロック時代の様 式を採用。とりわけ第2楽章は6小節の主題が10回変奏されるというパッサカリアの形式が用いられています。華麗な終楽章「トッカータ」も機知に富 んだ音楽です。
NAX-8.559917(1CD)
アイヴズ:室内オーケストラのためのセット全集
室内オーケストラのためのセット第1番(1915-16頃)
室内オーケストラのためのセット第2番(1916-17頃)
室内オーケストラのためのセット第3番(1919頃)
室内オーケストラのためのセット第4番「3人の詩人と人間性」(1925-30頃)…世界初録音
室内オーケストラのためのセット第5番 「Other Side of Pioneering, or Side Lights on American Enterprise」 (1925頃以降)
室内オーケストラのためのセット第6番「フロム・ザ・サイド・ヒル」(1925-30頃)
室内オーケストラのためのセット第7番「水彩画」 (1925-30頃)
室内オーケストラのためのセット第8番「無言歌」 (1930頃)…世界初録音
室内オーケストラのためのセット第9番(1934?)…世界初録音
室内オーケストラのためのセット第10番(1934?)…世界初録音
劇場オーケストラのためのセット(K. シングルトン版)(1915頃)
オーケストラ・ニュー・イングランド
ジェイムズ・シンクレア(指)

録音:2022年3月8-9日
全曲収録は世界初録音
保険会社で働きながら作曲を続けたため、日曜作曲家とも呼ばれるアイヴズ。管弦楽作品が広く知られる彼ですが歌曲も多く残しており、1915年から1930年代中 盤にかけて、これらの歌曲を数曲ずつ集めて、数人から20人に満たないような室内オーケストラ(コネティカットやニューヨークの小劇場のオーケストラ)が歌無しで演奏する ために編曲した「セット」を組みました。これらに含まれる曲はいずれも1分未満から長くても3分程度というごく短いもので、アイヴズらしいウィットに富んだ曲想が次々と現 れ、たいへん愛着の湧く作品となっています。さらに演奏する楽団の編成や掛け持ち楽器などの事情に合わせ、楽器の選択がフレキシブルに変更できるよう注意書きなど が添えられているほか、状況によってさらなる楽器の置き換えがありうることも想定して構成されました。演奏はアイヴズの研究家として知られるジェイムズ・シンクレアの指 揮するオーケストラ・ニュー・イングランド。曲ごとに最適な編成が組まれ、作品への深い理解と愛情に裏打ちされた素晴らしい演奏を聴かせています。第10番までのセッ トと「劇場オーケストラのためのセット」を含む全曲録音は、今回が初めてという貴重なものです。
NAX-8.660521(2CD)
ウワディスワフ・ジェレンスキ(1837-1921):歌劇「ヤネク」 ブロンカ…マウゴジャタ・グジェゴジェヴィチ=ロデク(S)
マリンカ…アグニェシュカ・クク(S)
ヤネク…ウカシュ・ガイ(T)
スタフ…パヴェウ・トロヤク(Br)
マレク…ダリウシュ・グルスキ(Bs) 他
ルブリン・フィルハーモニー女声cho
イ・シニョーリ・メンズ・ヴォーカル・アンサンブル
ルブリンPO
ヴォイチェフ・ロデク(指)

録音:2021年10月20-22日
世界初録音
ポーランド、クラクフ出身のウワディスワフ・ジェレンスキ。プラハとパリで学び、1888年からは新設されたクラク フ音楽アカデミーの院長をつとめ、作曲家としては交響曲、歌劇から管弦楽曲、声楽曲まで多数の作品を 遺し、モニューシュコと並ぶポーランドのロマン派を代表する作曲家として活躍しました。この歌劇「ヤネク」は 強盗団のリーダー、ヤネク(英語ではジョニー)を主人公とする物語。タトラ山脈を舞台に、彼の婚約者マリン カと、強盗のスタク、そしてスタクの婚約者ブロンカの波乱に満ちた恋模様が描かれています。ジェレンスキは ポーランドの民俗音楽やタトラ地方の音楽を採り入れることで全体を魅力的な作品に仕立てあげました。張 りのある輝かしい声で題名役ヤネクを歌うのは、シマノフスキ音楽アカデミー出身のウカシュ・ガイ。40 作を超えるオペラ、オペレッタのレパートリーと持ち、ポーランドを中心に活躍するテノールです。
NAX-8.574539(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/ロヴロ・ペレティッチ
スカルラッティ: ソナタ ホ長調 K.380/L.23/P.483(1754) (C. マルキオーネによるギター編)
ソナタ ニ長調 K.178/L.162/P.392(1752) (L. ペレティッチによるギター編)
カレル・アルノルドゥス・クライファンガー(1817-1868):「魔弾の射手」の主題による序奏と変奏 Op.3(1851頃)
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117- 第1番変ホ長調(1892)(L. ペレティッチによるギター編)*
バリオス(1885-1944):マズルカ・アパショナータ(1919頃)
ドビュッシー:ボヘミア舞曲(1880)(A. クラウゼによるギター編)*
  マズルカ(1890頃)(A. クラウゼによるギター編)*
モーリス・オアナ(1913-1992):月時計 - 第1曲 らんちき騒ぎ(1981)
ヘンツェ(1926-2012):王宮の冬の音楽 - ギター・ソナタ第2番(1979)(編曲:R. エヴァース)
ロヴロ・ペレティッチ(G)

録音:2022年11月27-29日
*…編曲版世界初録音
1985年クロアチア生まれのロヴロ・ペレティッチのアルバム。ザグレブ音楽院を卒業後、ジュネーヴ音楽院で ジュディカエル・ペロワに学び、2022年に開催されたGFA国際ギターコンクールで優勝を飾りました。2023 年と2024年には全米各地とカナダで大規模なコンサート・ツアーが予定されているなど、その将来を嘱望さ れています。 このアルバムでは18世紀から現代にいたる作品をチョイス。バリオスの官能的な作品やヘンツェのソナタなどを 見事な技巧で弾き切るとともに、スカルラッティのソナタやブラームスの間奏曲では自身で編曲も行い、その
NAX-8.579131(1CD)
フランチェスコ・ドゥランテ:詩篇とマニフィカト集
1. ジョヴァンニ・サルヴァトーレ(1611-1688頃):トッカータ イ短調(ナポリ写本34.5.28、音楽院図書館)
2-4. フランチェスコ・ドゥランテ: 主は言われた(4声) 詩篇109
 われ主に感謝せん(4声) 詩篇110
 主を恐れるものは幸いなり(4声) 詩篇111
 サルヴァトーレ自然的第9旋法によるフランス風カンツォン第2番
6-8. ドゥランテ:主の僕たちよ、主をほめたたえよ(4声) 詩篇112
9. サルヴァトーレ:第1旋法によるカプリッチョ(ナポリ写本 34.5.28、音楽院図書館)
10-12. ドゥランテ:主がシオンの繁栄を回復された時(4声) 詩篇125
 主が家を建てられるのでなければ(4声) 詩篇126
 エルサレムよ、主を讃めたたえよ(4声) 詩篇147
サルヴァトーレ:第1旋法によるフランス風カンツォン第3番
14. ドゥランテ:マニフィカト (4声) ルカによる福音書第1章:46-55

2-4、6-8、10-12、14…フォンド・ノセダ、ミラノ、ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院図書館写本による(アッチャイ編)
ノヴァ・アルス・カンタンディ(ヴォーカル・アンサンブル)…2-4、6-8、10-12、14
 アレッサンドロ・カルミニャーニ(S)
 アンドレア・アッリヴァベーネ(C.A)
 ジャンルカ・フェッラリーニ(T)
 マルチェッロ・ヴァルジェット(Bs)
イヴァナ・ヴァロッティ(Org)
ジョヴァンニ・アッチャイ(指)…2-4、6-8、10-12、14

録音:2021年9月18-22日
世界初録音
18世紀のナポリにおいて、アレッサンドロ・スカルラッティの没後に数々の音楽院の院長を歴任し、ペルゴレー ジをはじめとした多くの作曲家を育てたフランチェスコ・ドゥランテ。作曲家としても高く評価され、バッハも ライプツィヒで彼の作品を上演したとされています。このアルバムに収録されているのは、ドゥランテのさまざまな 「詩篇」と、彼よりも70年ほど前に生まれ、同じくナポリで活躍した作曲家ジョヴァンニ・サルヴァトーレの独創 的なオルガン曲を組み合わせたプログラム。精緻に張り巡らされた対位法と、表現力豊かな音楽をお楽しみ いただけます。 ローマRAI室内合唱団とトリノRAI合唱団の指揮者を歴任、現在「ジュゼッペ・ヴェルディ」ミラノ音楽院の音 楽学コースの音楽古学の名誉教授を務めるジョヴァンニ・アッチャイ率いる、4名の歌手で構成されたノヴァ・ アルス・カンタンディによる演奏です。
NAX-8.574452(1CD)
サン=ジョルジュ(1745-1799):ヴァイオリン協奏曲集 第3集
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op.2No. 1(1773年出版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.2No. 2(1773年出版)
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.7No. 1(1777年出版)
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 Op.7No. 2(1777年出版)
毛利文香(Vn)
チェコ室内Oパルドビツェ
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2022年3月21日-23日
カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のサン=ジョルジュ。アフリカ系の母親の血を引いたため褐色の肌を持っ た彼は、アスリートで剣の達人であるとともに、優れたヴァイオリニスト&作曲家として18世紀後半のフランスで活 躍、「黒い肌を持つモーツァルト」の異名をとりました。彼のヴァイオリン協奏曲は14作が確認されており、その多くは 2曲づつペアで出版されています。このアルバムにもそうした2組、4曲の協奏曲が収録されており、どの曲も技巧的 なヴァイオリン独奏パートを中心として、モーツァルトを思わせる魅力的で多彩な楽想が展開します。今作で独奏 ヴァイオリンを演奏するのは、日独で活躍の場を急速に広げている毛利文香。彼女自身によるカデンツァも聴きど ころです。

   NAXOS 2023年5月発売 (2)
NAX-8.574478(1CD)
アダン:バレエ音楽『オルファ』 カリーナ・フリストヴァ(コンサートマスター、ヴァイオリン・ソロ)
ヴェセラ・トリチコヴァ(Hp)
ソフィアPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音2022年4月15日、2022年4月16日
全て世界初録音
総収録時間:89分
『ジゼル』が名高いアドルフ・アダンが書いた14作のバレエ曲、その最後から2番目の作品が『オルファ』です。シナリオは北欧神話から採られ、親子二 代にわたる神々の対立を描いたもの。ロキ(ローゲ)やオーディン(ヴォータン)が登場するストーリーは、ワーグナーの「ニーベルングの指環」や映画『マイ ティー・ソー』にも使われた、人気のある定番素材の一つです。初演では、当時大人気を誇っていたイタリアのバレエ・ダンサーで振付師ファニー・チェッ リートをタイトルロールに起用し、大ヒットを記録しました。音楽的には、いくつもの楽器に華やかなソロ・パートがあるのも特徴です。世界初録音となる この演奏は、フランス国立図書館に所蔵されたアダンの自筆総譜からコピーされた新版を用いています。オーベールやマイアベーア作品でおなじみのダ リオ・サルヴィの指揮は、ソフィアPOから華やかでスペクタルな音色を存分に引き出すとともに、各楽器の見せ場を引き立てて います。
NAX-8.574506(1CD)
イムレ・セーチェーニ(1825-1898):ピアノ作品集
1. Wiesbaden-Polka ポルカ「ヴィースバーデン」
2. Herbst-Polka ポルカ「秋」
3. La Brigantine Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「ブリガンティーヌ」
4. Bliktri-Polka ポルカ「ブリクトリ-ポルカ」
5. Datscha-Polka ポルカ「ダーチャ」
6. Valdine Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「ヴァルディーネ」
7. Zither-Polka ポルカ「ツィター」
8. Velloni-Polka ポルカ「ヴェローニ」
9. La Marguerite Mazurka マズルカ「ラ・マルゲリーテ」
10. Leopoldinen-Polka ポルカ「レオポルディーネ」
11. Tommy-Polka ポルカ「トミー」
12. Polka-Mazurka in A Minor ポルカ=マズルカ イ短調
13. Serenade in A Minor セレナード イ短調(2台ピアノ)
14. La Tulipe Mazurka マズルカ「チューリップ」
15. La Neige (Schnee) Polka ポルカ「雪」
16. Les Vagues Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「波」
17. Une polka pretentieuse ポルカ「うぬぼれ」
18. Felicetta-Polka ポルカ「フェリチェッタ」
19. L'Eventail Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「扇」
20. Georginen-Polka ポルカ「ダリア」
21. Pretchistinka-Polka ポルカ「プレチスティンカ」
22. Le Caprice-Polka ポルカ「ル・カプリース」
ジェルジ・ラーザール(P)
イシュトヴァーン・カッシャイ(P)

録音:2022年2月12日、2022年2月13日、2022年2月19日、2022年2月20日
全て世界初録音
総収録時間:78分
19世紀から20世紀のハンガリーで隆盛を誇ったセーチェーニ家。自由主義の指導的な地位に立つ人材を 多く輩出した彼らの中でも、イムレ・セーチェーニは傑出した人物でした。彼は有能な外交官で、ベルリン駐 在のオーストリア・ハンガリー大使も務め、リスト、ヨハン・シュトラウス2世、スッペ、ワルトトイフェル、ビスマルク など、当時の有力な音楽家や政治家たちと親交を結びつつ、作曲家としてシュトラウス一族を思わせる親し みやすいメロディ・ラインを持つ小品を数多く書き上げています。彼が最も得意としたのは舞曲で、マズルカ、 ポルカ、セレナードは多くの人々を魅了しました。既発アルバム(8.573807)で、彼自身がオーケストレー ションを施した様々な舞曲を聴くことができますが、ここではピアノによる22曲をお楽しみいただけます。演奏 は「セーチェーニ家のピアノ曲」(GP786)と同じくカッシャイとラーザールの2人が担当。
NAX-8.574397(1CD)
ジェルジ・リゲティ:ピアノ練習曲 全集
練習曲集 第1巻(1985)
練習曲集 第3巻(1995-2001)
練習曲集 第2巻(1988-94)
チェン・ハン(P)

録音:2022年6月3日、2022年6月4日、2022年6月5日
リゲティ後期の代表作の一つ「ピアノのための練習曲集」は、ピアノの音色表現の可能性を徹底的に探究 し、複雑なリズムと幾何学模様を思わせる音の組み合わせによって独特の世界を構築しています。当初は ドビュッシーの練習曲に倣って12曲になるはずでしたが、構想が膨らみ全18曲になりました。このアルバムに は1947年に書かれた2曲のカプリッチョも収録。ユーモラスな第1番とバルトーク風の 第2番、どちらもキャラ クターのはっきりした音楽です。 演奏は1992年生まれのチェン・ハン。2013年の中国国際ピアノ・コンクー ルで第1位を獲得、以降超絶技巧の持ち主としてアデス(8.574109)、リスト(8.573415)、ルビンシテイ ン(8.573989)他、様々な作品のアルバムを発表。注目を高めています。
NAX-8.579129(1CD)
韓国女性作曲家によるアート・ソング集
1. イム・キュンシン(1969-):You, My Courage あなたは私の勇気(2017)*
2. イム・キュンシン:Letter of Autumn Rain 秋の雨の手紙(2019)
3. イム・キュンシン:To You あなたに(2017)*
4. イ・ナムリム(1959-):Night 夜(2021)*
5. イ・ボクナム(1965-):Poet Dong-Ju Yoon ユン・ドンジュの詩(2016)
6. イ・ヘソン(1961-):Prayer No.5, "Love Is" 祈り第5番「愛とは」
(2021)*
7. アン・カロリーネ・キョンア(1975-):My Little One マイ・リトル・ワン(2020)*
8. キム・ジヨン(1969-):Star Cultivating Child 星を耕す子供(2004)*
9. イム・キュンシン:If You Would Come もしあなたが来たら(2021)
10. キム・ジヨン:Because You Are Here あなたがここにいるから(2021)*
11. カン・ジョンヒ(1976-):You and I あなたと私(2021)*
12. カン・ジョンヒ:Spring Rain 春の雨(2020年、声とピアノ版) (2020)*
13. カン・ジョンヒ:Two Ways2つの道(2016)
14. イム・キュンシン:Lake of My Beloved 私の恋人の湖(2018)*
15. キム・ミラン(1976):Nil ri ri ya(2016)*
16. キム・ミラン:Gyeongbokgung Palace Taryung 景福宮の歌(2021)*
17. イ・ナムリム:アリラン(2022)*
チョ・ギョン(S)…1-3、6-8、11-14、17
チョ・ウォン(Bs)…1、4-6、9-11、14-17
パク・ウンヒ(P)

録音:2021年11月、12月、2022年1月
*…世界初録音
日本ではあまり耳にすることのない韓国の歌曲集。この国でも声楽への愛は深く、Ga-Gok または‘Art Song’と呼ばれる一連の歌曲は国の激動の歴史を通じて存在感を維持してきました。このアルバムには現 代の韓国を代表する女性作曲家たちの独唱と二重唱曲を収録。どの曲も新鮮な音の使い方を聴かせな がらも、基本的には調性を用いた耳なじみのよいものとなっています。言葉の柔らかい響きを活かした歌の 数々をお楽しみください。とりわけ最後に収録された「アリラン」は圧巻の仕上がりです。
NAX-8.574411(1CD)

NYCX-10400(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ジョゼ・アントニオ・レセンデ・ジ・アルメイダ・プラド(1943-2010):作品集
詩人カルロス・マリア・ジ・アラウジョへのささやかなる葬送歌(1969)
クラリッサ・カブラル(Ms)
サバ・テイシェイラ(Bs-Br)
サンパウロSO&cho
ニール・トムソン(指)

録音:2022年2月14-16日、2022年11月10-11日
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作 品をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 このアルバムに登場するアルメイダ・プラドは、20世紀後半から21世紀初頭にかけてブラジルで活躍した作曲家。 カマルゴ・グァルニエリから音楽を学んだプラドは、やがてシュトックハウゼンやブーレーズ、リゲティの作品に興味を持ち、奨学 金を得てパリに留学。ナディア・ブーランジェに教えを請うとともに、メシアンの神秘主義からも影響を受け、自国のブラジル音 楽にこれらのエッセンスを融合させ、ピアノ曲集『カルタス・セレステス=天体の図表』などに見られる独自の作風を確立しま した。このアルバムに収録されている2つの作品は、作曲年代がほぼ20年離れており、彼の異なるスタイルが反映されていま す。初期の作品「詩人カルロス・マリア・ジ・アラウジョへのささやかなる葬送歌」は若くして命を落とした詩人に捧げる嘆きの 調べ。合唱とパーカッションが効果的に用いられたオーケストラのための作品です。対してカンピーナス市立SO設立 10周年のために書かれた「オリシャたちの交響曲」はブラジルの伝統的宗教と儀式、大いなる自然への賛美が描かれてお り、緻密なオーケストレーションと沸き立つようなリズム使用が際立つ作品です。深い森を思わせる神秘的な音色あり、原 始的・異教的なリズムとサウンドの炸裂ありで、「春の祭典」のブラジル版と呼べるかもしれません。
※ 国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語訳解説が付属します。

   NAXOS 2023年5月発売
NAX-8.559930(1CD)
コリリアーノ:ピアノ作品全集
ピアノ協奏曲(1968)
オスティナートによる幻想曲(1985)
ポールのための前奏曲(2021)
幻想的練習曲(1976)
Winging It (2008)
フィリップ・エドワード・フィッシャー(P)
オールバニSO
ディヴィッド・アラン・ミラー(指)

録音:2019年6月2日、2021年1月21-22日、2022年8月15日
歌劇「ヴェルサイユの幽霊」や映画『レッド・バイオリン』の音楽などを手掛けたアメリカの作曲家ジョン・コリリアーノがこれまでに書いたソロ・ピアノ曲のす べてと、ピアノ協奏曲を収録したCD。1968年作曲の「ピアノ協奏曲」は基本的に無調が用いられた4楽章形式の曲。疾走する第1楽章、軽やかな 第2楽章のスケルツォ、抒情的な第3楽章、印象的なフーガで始まる終楽章と聴きどころ満載です。1986年に開催された"第7回ヴァン・クライバーン 国際ピアノコンクール"の課題曲として書かれた「オスティナートによる幻想曲」は、演奏家のミニマリストとしての資質を試すもの。執拗な音の繰り返し が特長です。コリリアーノの友人でバイオテクノロジーの専門家、アマチュア・ピアニストであるPaul Sekhriのために書かれた前奏曲では、ラフマニノフ作 品からの引用も聴くことができます。他には、左手のための練習曲を含む技巧的な「幻想的練習曲」、自身の即興演奏を元にした「Winging It」を 収録。演奏はヘンデルからロシア音楽まで幅広いレパートリーを持つイギリス出身のピアニスト、フィリップ・エドワード・フィッシャーです。
NAX-8.574391(1CD)
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 第8集
ピアノ三重奏曲第6番ヘ長調 Hob.XV:6(1784)
ピアノ三重奏曲第13番ハ短調 Hob.XV:13(1788-89)
ピアノ三重奏曲第5番ト長調 Hob.XV:5(1784頃)
ピアノ三重奏曲第7番ニ長調Hob.XV:7(1785)
ディヴェルティメント ハ長調  Hob.XIV:C1(1766頃)
アクィナス・ピアノ三重奏団【ルース・ロジャース(Vn)、キャスリーン・ジェンキンソン(Vc)、マーティン・カズン(P)】

録音:2022年4月12日、2022年4月13日
2008年から継続するNAXOSのハイドン「ピアノ三重奏曲」シリーズ第8集。演奏はシリーズ第5集から引き 続きアクィナス・ピアノ三重奏団が担当しています。このアルバムには、1780年以降の円熟期に書かれた作 品と、1766年に書かれた規模の小さいディヴェルティメントを収録。この時代にウィーンで出版されたピアノ 三重奏曲のほとんどは、貴族階級の女性たちのための作品と考えられており、彼女たちが自宅で楽しむこと を主として書かれていたようです。第6番はウィーンのアルタリア社から出版された作品。2つの楽章で構成さ れていますが、簡潔な第1楽章に比べ、第2楽章はテンポがゆったりとした長大なメヌエットになっています。 第13番ハ短調は第1楽章が2つの主題を持つ変奏曲形式で書かれており、第2楽章は意表を突く転調と 長大なコーダを備えた充実した構成を持っています。第5番はヴァイオリンと鍵盤楽器のための二重奏曲が 原曲で、チェロ・パートは後に別人の手で加えられたとされています。第7番はソナタ形式を用いずに書かれ、 様々な工夫が凝らされています。
NAX-8.574458(1CD)
ツェルニー:ピアノ・コンチェルティーノ集
ピアノ・コンチェルティーノ ハ長調 Op.78(1824)
ブランギーニのロマンスによる幻想曲と華麗な変奏曲 Op.3(1819) (Pと管弦楽のためのオリジナル・バージョン)
ピアノ・コンチェルティーノ ハ長調 Op.650(1841)
ローズマリー・タック(P)
イギリス室内O
リチャード・ボニング(指)

録音:2022年3月15-17日
全て世界初録音
現在ではピアノ練習曲の作曲家として知られるカール・ツェルニーは、ベートーヴェン、クレメンティ、フンメルの 弟子で、リストの師。19世紀のウィーンにおいてファッショナブルな作品で高い人気を誇り、数多くの練習曲 で新しいピアノ演奏の技術を開発することで名声を得ていました。このアルバムには世界初録音となる3つの 作品が収録されています。1824年のピアノ・コンチェルティーノはディアベリ社から出版された明るく軽快な作 品です。第1楽章の上昇する音階はいかにも練習曲風ですが、第2楽章はモーツァルトの第21番の協奏 曲の緩徐楽章を思わせる美しい旋律に満たされており、ポロネーズのリズムが楽しい第3楽章で締めくくられ ます。1819年に書かれた「ブランギーニのロマンスによる幻想曲と華麗な変奏曲」は激しいニ短調の序奏で はじまり、すぐに穏やかな主題が登場、長調と短調を行ったりきたりしながら様々な装飾を施され展開してい きます。 Op.650のコンチェルティーノは、この形式による最後の作品。単一楽章の中に序奏とロンドが組み込まれ ています。ピアノの超絶技巧も至るところに盛り込まれた華やかな作品です。
NAX-8.574496(1CD)
パーヴェル・チェスノコフ(1877-1944):宗教的合唱曲集
1. Cherubic Hymn Op.7No.1(1897)
2. Spaseniye sodelal(Salvation is Created) Op.25No.5(1909-10)
3. Angel vopiyashe (The Angel Cried Out) Op.22No.18(1909)
4. O Tebe raduyetsia (All of Creation Rejoices) Op.15No.
11(1908)
5-14. All-Night Vigil 徹夜祷 Op.44(1912)
ジェシカ・キニー(S)
ナタリー・マニング(A)
トム・バトラー(Br)
セント・ジョンズ・ヴォイセス(合唱)
ケンブリッジ大学室内cho
グラハム・ウォーカー(指)

録音:2022年3月25日、2022年3月26日、2022年3月27日
ラフマニノフと同世代でロシア正教聖歌の伝統を継承する作曲家チェスノコフの作品集。モスクワで労働者 階級の家庭に生まれたチェスノコフは5歳で合唱団で歌い始め、後にタネーエフやイッポリトフ=イワノフらに 師事して作曲を学びます。合唱指揮者、教師としても優れた技量を発揮し、モスクワ音楽院で後進の指導 にあたりました。2つの「徹夜祷」を含む500以上の作品があり、ここではその中から2作目の「徹夜祷」他を 収録。いずれもソ連による宗教音楽抑圧を経験する前の帝政時代の作品で、チャイコフスキーやラフマニノ フの合唱曲に聞かれる、敬虔かつロマンティックで壮大な音響世界が広がっています。
NAX-8.551474(1CD)
ディーテル・アマン(1962-):Core - Turn - Boost/unbalanced instability
1. unbalanced instability ? ヴァイオリンと室内オーケストラのために(2013
2. Core - オーケストラのために(2002)
3. Turn - オーケストラのために(2010)
4. Boost - オーケストラのために(2000/2001改訂)
シモーネ・ツグラッゲン(Vn)
バーゼル・シンフォニエッタ
バルドゥア・ブレニマン(指)

録音:2022年5月26日(ライヴ)
フリー・ジャズと即興演奏で活躍したスイスの異色作曲家ディーテル・アマンの60歳を記念したアルバム。アマ ンは1980年代初頭からフリー・ジャズ・バンド「Donkey Kong's Multi Scream」でベース、トランペット、 キーボードを演奏し、国際的なフェスティヴァルで演奏しています。同時にバーゼルの音楽アカデミーで音楽 理論と作曲を学び、ヴォルフガング・リームとヴィトルト・ルトスワフスキのマスタークラスを受講。現代音楽の作 曲家としても一目置かれるようになりました。 このアルバムにはヴァイオリン協奏曲として書かれた 「unbalanced instability」と、オーケストラのための三部作 「Core」「Turn」「Boost」を収録。「Core」 と「Turn」はルツェルン音楽祭の委嘱作で、「Turn」の初演を指揮したピエール・ブーレーズは「自発性を最 高水準の芸術性にまで考え抜くというパラドックス」を達成していると称賛しました。「Boost」はジョナサン・ ノット指揮のルツェルンSOが初演しています。

   NAXOS 2023年4月発売(3)
NAX-8.559927(1CD)
ジョナサン・レシュノフ(1973-):作品集
エレジー(2022)
ヴァイオリン協奏曲第2番(2017)
Of Thee I Sing(2020)
ノア・ベンディックス=バルグリー(Vn)
カンタベリー・ヴォイシズ
オクラホマ・シティ・フィルハーモニック
アレクサンダー・ミッケルスウェイト(指)

録音:全てライヴ
2022年3月22日
2022年3月4-5日
2020年1月31日、2月1日
全て世界初録音
グラミー賞にもノミネートされ、ニューヨーク・タイムズ紙で「現代アメリカのリリシズムを牽引する人」と評された作曲家ジョナサン・レシュノフ。NAXOSレーベルへ の5枚目となるこのアルバムには「思い出」「追憶」「希望」をテーマとした世界初録音となる3作が収録されています。ホロコーストの被害者を偲んで2022年 に書かれた「エレジー」は「バーバーのアダージョ」を思わせる哀しみに溢れた抒情的で美しい曲。2017年のヴァイオリン協奏曲は、彼が長年にわたり追求し ているユダヤ神秘主義の影響が反映された第2楽章を中心に、ユーモラスな表情を持つスケルツォなどの4つの楽章が密接に絡み合ったドラマティックな作品 です。合唱を伴う「Of Thee I Sing」は1995年に発生した"オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件"から25年を経てのメモリアルとして書かれた作品。脈 打つような弦のさざめきに始まり、後半では合唱がサミュエル・フランシス・スミスの作詞による「My Country, 'Tis of Thee」を高らかに歌い、最後は瞑想 的に曲を閉じます。 ヴァイオリン協奏曲でソリストを務めるのはベルリン・フィルの第1コンサートマスター、ノア・ベンディックス=バルグリー。ソリストとしても世界中のオーケストラと共 演するほか、教育者としても活躍しています。
NAX-8.574369(1CD)
ヴィチェスラフ・ノヴァーク(1870-1949):管弦楽作品集 第2集
スロヴァツカ組曲(モラヴィア-スラヴ組曲) Op. 32(1903管弦楽版)
2つのヴァラシュスコ舞曲 Op.34(1904)(1906管弦楽版)…世界初録音
深き淵〜Op.67(1941)
パヴェル・スヴォポダ(Org)
ヤナーチェクPO
マレク・シュティレツ(指)

録音:2021年3月16-17日、2021年3月22-23日
19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したチェコの作曲家ヴィチェスラフ・ノヴァーク。このアルバムには彼の 最も人気の高い作品2作が収録されています。 まず、ピアノ曲を原曲とする、スロヴァキアの村で一日を過ごす恋人たちの情景を描いた「スロヴァッカ(モラヴィア-ス ラヴ)組曲」。ここではのどかな旋律とスロヴァキア民謡が融合した色彩豊かな音楽を楽しめます。 「2つのヴァラシュスコ舞曲」。1897年にノヴァークとヤナーチェクがピアノで演奏した4手ピアノ用の作品で、ピアノ独 奏用に編曲された後、オーケストレーションが行われました。こちらのオーケストラ版は演奏されることなく忘れられて しまい、今回初めて録音されたものです。 最後に置かれた「深き淵より」は第二次世界大戦の、ナチス占領下における暗い世情の中で書かれた作品で、オ ルガンが重要な役割を受け持ち、最後は勝利を表すかのように勇壮華麗に曲を閉じます。
NAX-8.574392(1CD)
ローラン・プティジラール(1950-):バレエ音楽『西遊記』(2019-20) ハンガリーSO
ローラン・プティジラール(指)

録音:2021年10月21-24日Studio22ブダペスト(ハンガリー)
歌劇「エレファント・マン」やバレエ音楽『星の王子さま』などの作品で多くの賞を受賞したフランスの作曲家ローラ ン・プティジラール。今作で彼がテーマにしたのは日本でもおなじみの物語『西遊記』です。唐の時代に中国から釈 迦の国インドに渡り、仏教の経典を持ち帰った玄奘三蔵の苦難の旅を元にした冒険活劇は、16歳のプティジラー ルが兄から本をプレゼントされすっかり魅了されたもの。それから50年以上の時を経てようやく音楽化されたという 力作で、ここにはもちろん孫悟空、猪八戒、沙悟浄の3キャラクターも登場します。全体は基本的に無調で、中 国的な音階などは用いられていませんが、キャラクターの特徴が生かされた物語に追随した音楽は、舞台を見なく ても存分に楽しめることでしょう。 プティジラール自身の指揮によりハンガリーSOが表情豊かな演奏を繰り広げます。
NAX-8.574427(1CD)
ルビンシテイン:ピアノ作品集
自由な形式による6つの前奏曲とフーガ Op.53(1857)
3つの小品 Op.71(1867)
演奏会用練習曲 ハ長調 「間違った音で」(1868)
マーティン・カズン(P)

録音:2022年1月6-7日
ピアニストとして高い名声を誇るとともに、交響曲、歌劇から協奏曲を含む数多くのピアノ曲などを書き上げ、人気作曲家として世界中にその名を轟かせた ロシア出身の作曲家ルビンシテイン。このアルバムでは1857年に作曲された「6つの前奏曲とフーガ」と、1867年の「3つの小品」を収録。前奏曲と フーガは、各々の曲が当時の名奏者や作曲家に捧げられており、曲には彼らの性格がほのめかされています。抒情的な前奏曲に導かれたフーガは、厳格 な対位法が用いられていながらも、歌うような旋律が散りばめられたロマンティックさも持ち合わせています。「3つの小品」はサロン風の音楽。「間違った音で」 と題された練習曲は、ミスタッチを思わせる音が面白い作品です。 マーティン・カズンはルビンシテインの「6つの前奏曲と練習曲」(8.574426)で高く評価されたピアニスト。このアルバムでも技巧的なパッセージを弾きこなすと ともに、ルビンシテインの美しい旋律を歌い上げています。
NAX-8.574555(1CD)
ピアノバッソ コントラバスとピアノで奏でる名曲集
サティ:ジムノペディ 第1番
バッハ:シチリアーノ
ドビュッシー:夢
ショパン:夜想曲第20番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 - 第2楽章
バッハ:マタイ受難曲 - 憐れみ給え、わが神よ
シューベルト:アヴェ・マリア
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 ? 間奏曲
ペッテション=ベリエル:気分
アルヴェーン:夕べ
※全てトーマス・グスタフソンによるピアノとコントラバス編
ピアノバッソ【トーマス・グスタフソン(P)、アンドレアス・グスタフソン(Cb)】
スウェーデンの二人組による、ピアノとコントラバスという異色の組み合わせが奏でる夢のように美しいクロスオーバー音楽。全ての曲のアレンジはピアニストの トーマス・グスタフソンの手によるものです。過去の名作に即興的なフレーズを加えたアレンジが心地よく、粒立ちのよいピアノの響きを支えるコントラバスは、 時にはジャズ風のリズムを刻みながらそっと音楽に寄り添います。アルヴェーンやペッテション=ベリエルといった北欧ならではの作品が含まれているところも聴き どころです。
NAX-8.574095

NYCX-10392(1CD)
国内盤仕様
税込定価
リスト:ピアノ作品全集 第60集 シューベルト歌曲編曲集 第3集
シューベルトの12の歌(1840)〜第1曲 セレナード S559a(第1稿)
シューベルトの12の歌 S558/R243(1837-38)より
第6曲 若い尼僧
第10曲 休みなき愛
シューベルトの12の歌 S558bis(1876頃?79)より
第3曲 君はわが憩い(G.フィリペツ版)
第4曲 魔王(G.フィリペツ版)
第7曲 春のおもい
第8曲 糸を紡ぐグレートヒェン(L.ハワード版)
第9曲 シェイクスピアのセレナード
第11曲 さすらい人
リスト:6つのシューベルトの歌曲 S563/R248(1844)より
第1曲 告別
第2曲 乙女の嘆き
第3曲 葬列の鐘
第6曲 ます
第6曲 ます(異稿)
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2019年5月28-29日、2021年11月22日

※ 国内仕様盤には内藤 晃氏による日本語訳解説が付属
脈々と続くNAXOSのリスト:ピアノ作品全集。記念すべき第60巻はシューベルト歌曲の編曲集で、異稿・異版をまじえた内容になっています。リストは シューベルトの歌曲を敬愛し、歌のパートとピアノ伴奏のパートを1台のピアノ用に編曲して自ら演奏しました。それはピアノ曲としての効果を意図したもの で、多くの場合、元になったシューベルトの歌曲よりも「リストのピアノ曲」としての面が強く出ています。演奏は難しく、特に歌の旋律を効果的に浮かびがらせ ねばなりません。演奏者のゴラン・フィリペツは『リスト:パガニーニ練習曲』(国内仕様盤 NYCX-10139/輸入盤8.573458)と『リスト:ハンガリー幻想 曲』(NYCX-10188国内仕様盤/8.573866輸入盤)で、ブダペスト・リスト協会の“Grand Prix International du Disque”を受賞した名手。目 覚ましいテクニックで難関をクリアしてゆきます。更に、全曲に渡って三連符の激しい打鍵が続く「魔王」で低音に新たな音を加えるなど、曲によって自らのア レンジも加えて一層華やかな仕上がりとしています。「糸をつむぐグレートヒェン」はリストの研究者で全曲録音でも知られるレスリー・ハワードが編集した版を 用いての演奏。「ます」の編曲にはいくつかの異稿が存在しますが、ここではよく演奏される1844年の初稿版S.563と、リスト自身によるOssia(選択可能 な別バージョン)で演奏した2ヴァージョンが収録されています。多くの点で興味がひかれる1枚です。

   NAXOS 2023年4月発売(2)
NAX-8.574246(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギターのためのグリーティング・カード(1954-67) アンドレア・デ・ヴィティス(G)

録音:2022年4月17-19日
イタリアの作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコは、1953年から1967年にかけて52曲の器楽あるいはアンサンブルのための作品を書き、これらを「グリーティン グ・カード」と名づけました。このうち21曲は、彼がアンドレス・セゴビアを初めて聴いて以来、ずっと魅了されていたギターのために書かれています。このアルバム にはその21曲を収録。各々の曲はカステルヌオーヴォ=テデスコが尊敬する作曲家や演奏家、そして彼の友人たちが音で描かれており、献呈相手の国籍に ちなんだリズムが用いられるなど工夫が凝らされた親密な音楽となっています。また作曲家自身が「アルファベット・ピース」と表現したように、音とアルファベット を組み合わせた半音階的な旋律を主題に用いるといった意欲的な作風も見てとれます。 演奏するアンドレア・デ・ヴィティスは1985年イタリア生まれの気鋭のギタリスト。GFA国際ギター・コンクールなど多くの国際コンクールでの入賞経験を持ち、 活発なコンサート活動を行っています。NAXOSには2枚のタンスマン:独奏ギター全集(8.573983/8.573984)の録音があり、どちらも高く評価されてい ます。
NAX-8.559896(1CD)
21世紀の管弦楽と室内楽作品集
リー・シューイン(1989-):The Last Hive Mind (2019)
ジェス・ラングストン・ターナー(1983-):Burning Music バーニング・ミュージック(2010)
ケン・ステーン(1958-):D?PO FLUX(2014)*
ギルダ・ライオンズ(1975-):la flor mas linda 最も美しい花(2018)*
ロバート・カール(1954-):Open/Empty オープン/エンプティ(2014)*
ジョゼフ・トゥリン(1947-):Equinox イクイノックス(ナレーション付き2020年版)
ロバート H.デイヴィス(ナレーター)
アンマリー・ケリー・デイヴィス(ナレーター)
ハート・スクール・フット・イン・ザ・ドアー・アンサンブル
グレン・アドシット(指)
エドワード・カミング(指)*
「フット・イン・ザ・ドアー(FITD)」はハートフォード大学ハート音楽院の同時代音楽のためのアンサンブル。アンサン ブル名はアメリカの実業家アルフレッド・フラーの自伝のタイトルから採られており、「フット・イン・ザ・ドアー=ドアに足 を踏み入れる」をモットーにしています。彼らは2015年、レイキャビクで開催された"Dark Music Days Festival"に招待され演奏を披露するなど、国際的に活躍しています。 このアルバムに登場する作曲家は全てハート音楽院の卒業生や教授、元教授たちで、どの曲もこのアンサンブルの ために書かれたものです。英国のテレビシリーズ"ブラック・ミラー"にインスパイアされたリー・シューインの「The Last Hive Mind」、様々な火の形を探求したというラングストン・ターナーの「Burning Music」、2015年のレイキャビ クで演奏されたステーンの「D?PO FLUX」、2018年に起きたニカラグアの抗議デモに触発されたライオンズの「la flor mas linda」、呼吸のプロセスから着想を得たというカールの「Open/Empty」、春の目覚めと新生活を表 現した、アルバムタイトルでもあるトゥリンの「Equinox=春分」とどれも独創的な内容を持つ作品が並びます。

   NAXOS 2023年4月発売(1)
NAX-8.574528(1CD)

NYCX-10386(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
パガニーニの主題による狂詩曲
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
ボリス・ギルトブルグ(P)
ブリュッセルPO
ヴァシリー・シナイスキー(指)

録音:2022年8月29日、2022年8月30、31日、2022年8月31日、9月1日
ボリス・ギルトブルグによるラフマニノフのピアノ協奏曲全集が完結。 収録されたのはピアノ協奏曲第1番と第4番、そして人気の高い「パガニーニの主題による狂詩曲」の3曲。ギルトブルグは7歳か8歳の時に初めて第1番を 聴いて以来、愛着を感じていて「こんなに美しいメロディに満ちた曲がいま一つ人気が無いのは理解できない」というコメントから始めて、この曲の魅力と聞き どころを熱く仔細に原盤解説に綴っており、満を持しての録音にかける意気込みが感じられます。第4番とパガニーニ狂詩曲についてもギルトブルグは洞察に 富んだ解説を寄せていますが、何よりも彼の切れ味の良いピアニズムがこれら3曲の作品のドラマティックな構成を鮮やかに伝えるものとなっている点が当ディ スクの一番の魅力です。 第2番と第3番でのカルロス・ミゲル・プリエト指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管に代わり、今回はロシア音楽に素晴らしい解釈を示すヴァシリー・シナイ スキがブリュッセル・フィルを指揮してバックを務めています。
※日本仕様盤にはギルトブルグ自身による原盤解説の日本語訳解説が付属します。

   NAXOS 2023年3月発売(2)
NAX-8.574480(1CD)
ヴィエルヌ:ピアノ作品全集 第2集
12の前奏曲 OP.36(1914-15)
Solitude 孤独 Op.44(1918)
ピアノのための小品 Op.49
舞踏の調べ(1910)
舞踏の調べ(1911-12頃)
 No.2. Le vieux berger年老いた羊飼い
 No.3. Les esprits de la nuit 夜の精霊
セルジオ・モンテイロ(P)

録音:2022年5月15日、2022年5月16日
荘厳なオルガン作品で知られるルイ・ヴィエルヌのピアノ作品全集。シリーズ第2集では、第1次世界大戦が勃発した1914年にヴィエルヌが作曲を開 始した「12の前奏曲」を中心に様々な曲を聴くことができます。 「12の前奏曲」は各々の曲に象徴的なタイトルが付されており、その多くはロマンティックなものですが、激しさを増す戦時状況や、当時悪化した緑内 障の治療を受けたことなど心身ともに疲れていた彼の心情を反映してか、悲観的なタイトルが多く曲調も暗めになっています。次の「孤独」は1918年 の作品。弟でオルガニストだったルネと長男ジャックを戦争で失くした彼の絶望が表れた悲しい曲調が印象的です。他は「ツァラトゥストラはかく語りき」 と題された死後出版の「ピアノのための小品 Op.49」やノスタルジックな「舞踏のエール」などを収録。第1集と同じくブラジル出身のピアニスト、セルジ オ・モンテイロの演奏で。
NAX-8.555880(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第15集
フィリップ・レイン(1950-):作品集

London Salute ロンドン・サリュート(1982)
パガニーニの主題による気晴らし(1989)
コッツウォルド舞曲集(1973)
ディヴェルティメント(1994)(クラリネット、弦楽とハープ版 2000年)
3つのクリスマスの絵(1980年代)
海の序曲(1982)
3つの航海の小品(1980-2000)
プレストバリー・パーク(1975)(管弦楽版 1978年)
ヴェリティ・バトラー(Cl)
ロイヤル・バレエ・シンフォニア
ギャビン・サザーランド(指)

録音:2001年2月19-21日
ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン(UK)
※MARCO POLO8.225185のレーベル移行盤
英国の作曲家・音楽学者フィリップ・レーンの作品集。幼い頃から作曲をはじめ、その作品は学生時代から オーケストラで演奏されるなど注目を集めていました。彼は作曲家としても知られる第14代バーナーズ卿 (1883-1950)の研究家としても知られ、バーナーズ卿の作品全ての録音を監修し、最終的にはバーナー ズ家の財産の管財人になったほどでした。また映画音楽の再構築も手掛け、失われたサウンドトラックの復 元にも尽力しました。彼自身の作品も、どれも豊かなオーケストラの響きを重視した華麗なもので、現在でも 多くの人々に愛されています。 このアルバムには彼の代表作を収録。BBCの60周年を記念して書かれた「ロンドン・サリュート」やもともとは 金管五重奏のために書かれた「パガニーニの旋律による気晴らし」、彼の幼い頃の思い出を反映した「コッツ ウォルド舞曲集」、自身の作品を引用した「ディヴェルティメント」、そして人気の高い「スレイベル・セレナード」 など聴きごたえのある作品が並びます。2008年から2022年までイングリッシュ・ナショナル・バレエの音楽監 督をつとめたヴェテラン、ギャビン・サザーランドの2001年の演奏です。
NAX-8.574240(1CD)
カルロ・ドメニコーニ(1947-):ギター独奏のためのおとぎ話「シンドバッド」
ギター独奏のためのおとぎ話「シンドバッド」 Op.49
1. Cycle I:No.1. Bagdad (Baghdad)
2. Cycle I:No.2. Sindbad
3. Cycle I:No.3. Sindbads Reise (Sindbad's Journey)
4. Cycle I:No.4. Der Kampf mit den Wellen (The Battle with the Waves)
5. Cycle I:No.5. Das Ei des Vogels Ruch (The Bird's Egg)
6. Cycle I:No.6. Diamantenfischer im Schlangental
  (Diamond Fishers in the Valley of Snakes)
7. Cycle I:No.7. Gluckliche Reise (Homeward Bound)
8. Cycle II:No.1. Der Sturm (The Storm)
9. Cycle II:No.2. Das rettende Holz (The Rescuing Driftwood)
10. Cycle II:No.3. Sindbads Verzweiflung (Sindbad's Despair)
11. Cycle II:No.4. Die kleinen Mannchen und der Riese (The Little Men and the Giant)
12. Cycle II:No.5. Die Flucht (The Escape)
13. Cycle II:No.6. Heirat mit der Prinzessin (The Wedding with the Princess)
14. Cycle II:No.7. Zwangsbegrabnis (Buried Alive)
15. Cycle III:No.1. Reise nach Indien (Journey to India)
16. Cycle III:No.2. Der unterirdische Fluss (The Underground River)
17. Cycle III:No.3. Am Grab der Geisterkonige (At the Tomb of the Spirit King)
18. Cycle III:No.4. Der Flug (The Flight)
19. Cycle III:No.5. Sindbads Verklarung (Sindbad's Transfiguration)
20. Cycle III:No.6. Serendip (Serendipity)
21. Cycle III:No.7. Ruckkehr nach Bagdad (Return to Baghdad)
シェリル・レフィク・カヤ(G)

録音:2022年5月8-9日St. Paul's Anglican Church,
Newmarket、オンタリオ(カナダ)
全て世界初録音
「コユンババ」の作曲者として知られるカルロ・ドメニコーニの長編大作が登場。その名も『シンドバッド』。イタリ アで生まれドイツに学んだドメニコーニは、3年間滞在したトルコで東洋文化の大きな影響を受けました。ここ では有名な船乗りシンドバッドのストーリーを、ペルシャの音階や中東の楽器ウードを模した音などを随所に 織り込み、異国情緒豊かな組曲に仕立てています。『シェエラザード』のギター版と呼ぶこともできそうな出来 栄え。トルコ系アメリカのギタリスト、レフィク・カヤが、2018年に発表したアルバム(8.573675)に続き卓越 した技巧と音楽性を披露しています。
NAX-8.574464(1CD)
レーラ・アウエルバッハ(1973-):24の前奏曲 - ヴァイオリンとピアノのために(1999) クリスティン・ベルンシュテッド(Vn)
ラメズ・マーンナ(P)

録音:2022年4月16-17日、6月25-26日、7月30-31日
ロシアのピアニスト・作曲家レーラ・アウエルバッハ。2002年に自作の『ヴァイオリンとピアノ、管弦楽のための 組曲』の演奏でカーネギー・ホールにデビュー(Vnはギドン・クレーメル)し注目を浴び、以降精力的な 活動を行っています。アウエルバッハはこれまでに「24の前奏曲」を3組作曲しており、どれもショパンの前奏曲 に倣って12音全ての長調、短調を用いて書かれています。この「ヴァイオリンとピアノのための前奏曲」は 1999年の作品。ヴァイオリニストのヴァディム・グルズマン、ピアニストのアンジェラ・ヨッフェに捧げられており、明 瞭なコントラストを持つ凝縮した小品で構成されています。時には調性感が希薄になることもあるものの、 バッハからショパンそしてショスタコーヴィチへと受け継がれた伝統を大切にした色彩豊かな音楽です。ヴァイオ リンを演奏するのは1994年デンマーク生まれのクリスティン・ベルンシュテッド。2021年にカトヴィツェで開催さ れた「ミェチスワフ・ヴァインベルク国際コンクール」に入賞後、ポーランド系の作品の紹介に努めています。
NAX-8.574495(1CD)
レオーネ・シニガーリャ(1868-1944):弦楽四重奏曲全集 第2集
ロマンス Op.3(1889) - 弦楽四重奏とホルンのために*
アヴェ・マリア(1888) - 弦楽四重奏曲のための
アレグロ・エネルジコ(作曲年不明)
弦楽四重奏曲のためのガヴォッタ(1888)
ノヴェレッタ(作曲年不明)
モデラート・モッソ(作曲年不明)
スケルツォ ニ長調(1888)
アダージョ(作曲年不明)
モメント・アンティコ(弦楽四重奏版)(1888)
弦楽三重奏曲 イ長調(1889)
トリオ=セレナータ(セレナード) Op. 33(1906)
ヴァヴジニェツ・シマンスキ(Hrn)
アルコス四重奏団

録音:2021年7月
*以外=世界初録音
イタリア、トリノ出身の作曲家・登山家シニガーリャの弦楽四重奏曲集。ユダヤ系であったため、ナチス・ドイツ に弾圧され悲劇的な死を迎えたシニガーリャですが、その作品はどれも彼が愛した山々のような清々しい美 しさを誇っています。第1集(8.574183)に続くこの第2集には弦楽四重奏のために書かれた小品を中心に 収録しています。彼はヴァイオリニスト、ジョヴァンニ・ボルツォーニの弟子であり、弦楽器の扱いのうまさは師匠 譲りのものでした。このアルバムでは主として1888年から89年に書かれた初期の作品を聴くことができます が、いくつかの作品は作曲年不明となっています。ホルンをフィーチャーした「ロマンス」や、シンプルでありながら 半音階的なハーモニーが印象的な「アヴェ・マリア」など、イタリアのオペラ・アリアを思わせる抒情あふれる旋律 が心に残ります。また1906年の作品で、バロックの様式を感じさせる「トリオ=セレナータ」も聴きどころです。
※こちらのCDは長時間の収録になっているため、一部のプレイヤー では正常に再生できない可能性がございます。予めご了承ください。
NAX-8.574409(1CD)


NYCX-10384(1CD)
国内盤仕様
税込定価
カルロス・ゴメス(1836-1896):オペラ序曲と前奏曲全集
歌劇「Il Guarany グアラニー族の男」(1870) - 序曲
歌劇「Maria Tudor メアリー・テューダー」(1878) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Condor コンドル」(1890) - 第1幕 前奏曲
歌劇「コンドル」 - 第3幕 夜想曲
歌劇「Fosca フォスカ」(1873) - 序曲
歌劇「Joana de Flandres」(1862) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Salvator Rosa サルヴァトール・ローザ」(1874) - 序曲
歌劇「A noite do castelo 城の夜」(1861) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Lo schiavo 奴隷」(1889) - 第1幕 前奏曲
歌劇「奴隷」 - 第4幕 前奏曲「夜明け」
ミナス・ジェライスPO
ファビオ・メケッティ(指)

録音:2022年2月20-24日
今作はヨーロッパで成功を収めたブラジル人作曲家の草分け的存在、カルロス・ゴメスの作品です。リオデジャネイロ音楽院でイタリア人作曲家ジョアッキー ノ・ジャンニに学び、卒業後すぐの1861年に最初の歌劇「城の夜」を上演。その2年後には2作目の「Joana de Flandres」でも人気を獲得。この2作の 成功により当時の皇帝ドン・ペドロ2世から奨学金を授与され、1864年にイタリアへ留学してミラノ音楽院でラウロ・ロッシに学びます。1870年にはブラジル の先住民の物語を題材にした「グワラニー族の男」をスカラ座で初演し、ロッシーニやヴェルディと比肩されるほどの評判となりました。その後はブラジルとイタリ アを行き来しながら創作活動を続け、60歳で亡くなるまでに全8作の歌劇と合唱曲、ピアノ曲などを遺しましたが、何と言ってもオペラ作曲家として高く評価 されています。 このアルバムにはゴメスが書いた全8作の歌劇の序曲(前奏曲)他を収録。ゴメスの音楽には、20世紀に活躍したブラジル人作曲家の持つ民族的な雰囲 気が前面に出ることはありませんが、ヴェリズモ・オペラの名旋律に通じる、パワフルで感情にダイレクトに訴えかける魅力があります。 ファビオ・メケッティはサンパウロ生まれの指揮者。ジュリアード音楽院で学び、ニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝。ワシントン・ナショナルSO でロストロポーヴィチのアシスタントを務めました。2008年にミナス・ジェライス・フィルが創設されて以来指揮者を務め、このコンビの録音はグラミー賞に2度ノ ミネートされるなど、国際的に注目されています。 ※国内仕様盤には木許裕介(指揮者・日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語解説が付属します。

   NAXOS 2023年3月発売
NAX-8.503278(3CD)
NX-C04
ラフマニノフ:交響曲全集
【CD1】
交響詩「死の島」 Op. 29
交響曲第1番ニ短調 Op. 13
ヴォカリーズ ホ短調(管弦楽版)
交響曲第2番ホ短調 Op. 27
交響曲第3番イ短調 Op. 44
交響的舞曲 Op. 45
デトロイトSO
レナード・スラットキン(指)

録音:2012年10月19-21日、2012年11月9-11日、2009年9月24-27日、2011年11月25-27日、2012年2月9-11日
2022年11月にも来日、NHKSOを指揮して見事な演奏を披露した指揮者レナード・スラットキン。 この交響曲全集は2009年から2012年にかけて録音されたもので、初出時には「理想的で心に残る解釈」(グラモフォン誌)と高く評価されました。 基本的にはセントルイス響盤の解釈を引き継いでいますが、第2番だけはすべての楽章で演奏時間が短くなり、情緒に溺れることなくスタイリッシュな 演奏に仕上がっています(この曲のみ最後に拍手あり)。デトロイト響の力強く輝かしくゴージャスな響きを余すことなく捉えた高音質の録音が魅力を 増しています。
NAX-8.559925(1CD)
ダニー・エルフマン(1953-):ヴァイオリン協奏曲 「イレヴン・イレヴン」(2017)
アドルファス・ヘイルストーク(1941-):ピアノ協奏曲第1番(1992)*
サンディ・キャメロン(Vn)
スチュワート・グッドイヤー(P)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音(ライヴ):2019年10月18-19日、2022年2月18-19日
20世紀半ばに生まれた2人のアメリカ人作曲家による協奏曲集。 一人はロックバンドのオインゴ・ボインゴの元リーダーで、『バットマン』や『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』など数 多くの映画音楽で知られるダニー・エルフマン。このヴァイオリン協奏曲は、作曲中に知り合ったヴァイオリニス ト、サンディ・キャメロンのために書かれており、彼の作品の中で初めて古典的な様式に沿って作曲されたも のです。「イレヴン・イレヴン」というタイトルは、全曲がちょうど1,111小節で構成されていることによるもので、 またエルフマンの苗字の中にはドイツ語の11(elf)も隠されているという偶然もありました。ショスタコーヴィチや プロコフィエフを思わせる雰囲気も持ちながら、極めて個性的な作風が楽しい作品です。 対するヘイルストークの作品は、アフリカ系アメリカ人としてのルーツとジャズへの愛が感じられるとともに、グレ ゴリオ聖歌などの西洋の古典的な伝統に対する畏敬の念も込められており、ブルースの豊かな伝統を反映 したエネルギーと高揚感にあふれた協奏曲に仕上がっています。この作品でピアノを演奏しているのはカナダ の中堅、スチュワート・グッドイヤー。卓越した技術と切れの良いリズム感が楽しめます。
NAX-8.574428(1CD)
コルンゴルト:弦楽四重奏曲第1番- 第3番
弦楽四重奏曲第1番イ長調 Op. 16(1922-23)
弦楽四重奏曲第2番変ホ長調 Op. 26(1933)
弦楽四重奏曲第3番ニ長調 Op. 34(1945)
ティペットQ【ジョン・ミルズ(Vn1)、ジェレミー・イサーク(Vn2)、リディア・ラウンズ=ノースコット(Va)、ボジダル・ヴコティッチ(Vc)】

録音:2021年11月8-10日
コルンゴルトは少年期から円熟期にかけて10作ほどの室内楽作品を遺しました。 この3つの弦楽四重奏曲は第1番は20代、第2番は30代、第3番は40代後期とそれぞれ作曲時期が異 なっており、その作風にも違いが感じられます。1924年に初演された第1番は、躍動感と魅力的なハーモ ニー、そして饒舌な和声が融合した作品で、当時の音楽界における彼の地位をより堅固なものとしました。 その10年後に書かれ、アメリカで出版された第2番は、素直で明瞭な旋律と勢いの良いリズムが特徴です。 そして第二次大戦後に書かれブルーノ・ワルターに献呈された第3番は、すでにヨーロッパでの彼の人気が凋 落していた失意の時期の作品ですが、古典的な作風と現代的な味わいが並存し、曲の最後は喜びに満た されるという予想外の展開が耳に残ります。イギリスのティペット四重奏団の演奏です。
NAX-8.574262(1CD)
ユージン・ザードル(1894-1977):管弦楽作品集全集 第7集
ハンガリー風スケルツォ(1975)
ホルン、弦楽と打楽器のための組曲(1972)
ホルンとピアノのための子守歌(1973)(M. スモリーによるホルンと弦楽オーケストラ編 2022)
室内協奏曲(1931)
8つのチェロのための組曲(1966)
Celebration Music 祝祭の音楽(1968)
ゾルターン・セーケ(Hrn)
イムレ・コヴァーツ(Hrn)
バーリント・ケーピーロー(Hrn)
カタリン・サルカディ(P)
MAV-ブダペストSO
MAV-ブダペストSO弦楽セクション
MAV-ブダペストSOチェロ・セクション
マリウシュ・スモーリー(指)

録音:2022年6月21-26日、2020年6月25-29日
全て世界初録音
ハンガリーのバータセクで生まれ、1939年にヨーロッパからアメリカに移住、1940年代のアメリカ映画音楽の発展に 著しく寄与したユージン・ザードル。彼の作品は巧みなオーケストレーションと躍動感あふれるリズム、そして調性へのこ だわりと時にアクセントとして用いられる不協和音が特徴で、NAXOSレーベルへの7枚目となるこのアルバムにも、彼 らしい作品が収録されています。室内協奏曲は、ザードルがまだウィーンにいた頃に書かれたもの。「ホルン、弦楽と打 楽器のための組曲」は彼の死後、初めて演奏された作品。他、「1975年のハンガリー風スケルツォ」など40年以上 にわたるザードルの創作活動における作風の変遷が味わえます。また、アルバムの最後には人生の喜びを歌い上げる 華やかな「祝祭の音楽」が置かれています。マウリシュ・スモーリーはポーランド出身、世界中で活躍する指揮者。 NAXOSには、一連のザードル作品の他、アンジェイ・パヌフニクやミクローシュ・ロージャ、グラジナ・バツェヴィチなどの 録音があります。
NAX-8.559928(1CD)
フレデリック・ジェフスキー(1938-2021):後期ピアノ作品集
夢(2014)(抜粋)
 Part II:No. 7Ruins 廃墟
 Part II:No. 8Wake Up 目覚め
戦争の歌(2008)
冬の夜(2015)
聖者と罪人(2016)
ボビー・ミッチェル(P)

録音:2022年2月12日、2022年2月13日
全て世界初録音
「不屈の民」変奏曲ばかりではない、ジェフスキー後期作品を所縁のピアニストが収録。 フレデリック・ジェフスキーは、20世紀から21世紀にかけて活躍したポーランド系アメリカ人の作曲家・ピアニストで、 1975年作曲の「不屈の民」変奏曲が代表作。このアルバムには彼と親交のあったボビー・ミッチェルの演奏で後期の 作品を収録しています。「戦争の歌」は中世フランスの流行歌「ロム・アルメ(武装した人)」から20世紀に至るフラン ス、イギリス、アイルランド、ドイツ、アメリカの反戦歌と戦争に関わる歌計6曲を素材に編み上げた作品で、ジェフス キーらしいメッセージ性の高い作品。一方、他の作品ではテーマはより抽象的・一般的となり、音符の密度も減って 瞑想的な傾向が見られるようになります。アルバム最後に置かれた「聖者と罪人」は、ジェフスキーの親族から葬儀に 招かれたミッチェルが葬儀の後で演奏した曲。ミッチェルが自ら書いたライナー(英語のみ)によれば、ジェフスキーは彼に 自分の葬儀ではブラームスの間奏曲作品118の第2番を弾いて欲しいと繰り返し言っていたそうで(ミッチェルはこの 曲も演奏したそうです)、ジェフスキーのロマンティックな一面を伝えるエピソードと言えるでしょう。
NAX-8.574424(2CD)
ブラームス:ハンガリー舞曲集と
ハンガリーの伝統音楽

【CD1】
1. ミスカ・ボルゾー:A haromszeki leanyok ハーロムセークの少女 - Maros vize folyik csendesen(G. カールディによる2声とピアノ編)
2. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第1番ト短調
3. ボルゾー:Isteni csardas イシュテニ・チャールダーシュ - 白鳥の歌(O. ペテーニによるピアノ編)
4. モール・ヴィント:Emma csardas エマ・チャールダーシュ
5. 伝承曲:Azt szoktak szememre vetni 人々は私が愛するには若すぎると言う(B. エグレッシ、I. ボグナルによる声とピアノ編)
6. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第2番ニ短調
7. 伝承曲:Tolnai lakodalmas トルナの婚礼の踊り(J. リスネルによるピアノ編)
8. 伝承曲:Be szep a katona 兵士はどれほど素晴らしいか(B. エグレッシ、K. シクラヴァーリによる声とピアノ編)
9. エデ・レメーニ:Allegro Ungharese ハンガリー風アレグロ
10. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第3番 ヘ長調
11. ナンドール・メールティ:Kalocsai emlek カロチャの思い出
12. エレメル・センティルマイ:Edes titkok 甘い秘密
13. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第4番 ヘ短調
14. ヨシ・チラグ:Keglevich notaケグレヴィチの歌
15. ベーラ・ケラー:Bartfai emlek バルデヨフの思い出、チャールダーシュ Op. 31(P版)
16. 伝承曲:Uccu bizony megerett a kaka 池に茂るは(I. ボグナルによる声とピアノ編)
17. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第5番 嬰ヘ短調
18. ミクローシュ・コンコリ=テゲ:Egri csardas エゲルのチャールダーシュ
19. 伝承曲:Csillag eleg ragyog…星かげ冴ゆれと(N. ネルティによる声とピアノ編)
20. フェレンツ・パティカールス:Barandi emlek バランドの思い出 - Lassu I-II - Friss I-II
21. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第6番 変ニ長調
22. 伝承曲:Nem vagyok en szerelmes 私は恋をしていない(A. ティサによる声とピアノ編)
23. レメーニ:Friss フリス
24. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第7番 イ長調
25. イグナーツ・フランク:Lujza csardas ルイザのチャールダーシュ
26. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第8番 イ短調
27. ヤーノシュ・トラヴニク:Makoi csardas マコーのチャールダーシュ
28. 伝承曲:Ne, ne busulj 悲しむことはない(J. セルダヘイ、I. ボグナルによる声とピアノ編)
29. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第9番 ホ短調
【CD2】
1. 伝承曲:Van-e a korsoban…このワインジャーには何か入っていますか?(B. エグレッシ、I. ボグナルによる2声とピアノ編)
2. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第10番 ホ長調
3. 伝承曲:ハンガリー舞曲 ニ短調(P編)
4. フェレンツ・ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第7番 ニ短調(F. ブンコによるピアノ編)
5. ヨージェフ・セルダヘイ:A Csikos:Tanc 馬に乗る人 - 舞曲 (P編)
6. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第11番 ニ短調
7. エレメル・センティルマイ:Tiz par csokot egyvegbul 10組のキスをひとつに(P編)
8. カーロリー・パティカールス伝/エデ・バルタイ:Galgoczi emlek ガルゴーツの思い出「Morog a brugo」(E. バルタイによるピアノ編)
9. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第12番 ニ短調
10. ラースロー・ジマイ:Edes rozsam 私の甘いバラ
11. 伝承曲:Barna legeny ブラウン・ラッド(E. エルケルによる声とピアノ編)
12. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第13番 ニ長調
13. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第14番 ニ短調
14. エグレッシ:Abrand 幻想曲
15. エグレッシ:Farsangi iskola 謝肉祭時期の学校:Hej, haj, magyar ember ヘイ、ヘイ、ハンガリー(I. ボグナルによる声とピアノ編)
16. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第15番 変ロ長調
17. ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第5番ニ長調(F. ブンコによるピアノ編)
18. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第16番 ヘ短調
19. ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第3番 イ短調(F. ブンコによるピアノ編)
20. カールマン・シモンフィ:Ez az en szeret?m 私の愛する人(M. モショニによる2声とピアノ編)
21. 伝承曲:Mariskam, Mariskam! 私のかわいいマリシュカ(E. エルケルによる声とピアノ編)
22. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第17番 嬰ヘ短調
23. 伝承曲:Harom alma, meg egy fel りんご3つと半分以上(I. ボグナルによる声とピアノ編)
24. ヨージェフ・ケチケメーティ:Turai emlek トゥラの思い出
25. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第18番 ニ長調
26. ケチケメーティ:Egressy halotti harangozasa ベーニ・エグレッシのための弔いの鐘
27. フェレンツ・サールケジ伝:Kis szekeres, nagy szekeres 小さな戦車兵、大きな戦車兵(K. アブラニによる声とピアノ編)
28. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第19番 ロ短調
29. ヤーノシュ・ネポムク・サスティツ:Erzes hangjai 感情の音
30. 伝承曲:Honved dal es csardas 兵士の歌とチャールダーシュ第2番 ニ短調 (P編)
31. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第20番 ホ短調
32. フェレンツ・パティカールス:Barandi emlek バランドの思い出 - フリス III
33. コンコリ=テゲ:Tobb is veszett Mohacsnal - Helyre Kati あなたのウォーター・ルーにはあわない ? かわいいケイト(M. コンコリ=テゲによるピアノ編)
34. コンコリ=テゲ:Helyre Kati かわいいケイト(F. タリツキ、I. カッシャイによる声とピアノ編)
35. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第21番 ホ短調
アドリエン・ミクシュ(S)…CD1:1、5、19、28/CD2:1、11、20、27
ヤーノシュ・バーンディ(T)…CD1:1、8、16、22/CD2:1、7、10、15、21、23、34
フェレンツ・セチェーディ(Vn)…CD1:9、23
シルヴィア・エレク(フォルテピアノ…CD1:1、3、5、12、14、18-20、28/CD2:3、4、11、19、20、26、27、29、30、32)
(P…CD1:2、6、10、13、17、21、24、26、29/CD2:2、6、12、13、16、18、22、25、28、31、35)
イシュトヴァーン・カッシャイ(フォルテピアノ…CD1:4、7、8、11、15、16、22、25、27/CD2:1、5、7、8、10、14、15、17、21、23、24、33、34)
(P…CD1:2、6、10、13、17、21、24、26、29/CD2:2、6、9、12、13、16、18、22、25、28、31、35)

録音:2019年8月26-30日、2021年9月2-5日
大ヒット作『ハンガリー舞曲集』と、そのルーツを探る2枚組! 20歳のブラームスは、ハンガリー出身のユダヤ系ヴァイオリニスト、エドゥアルト(エデ)・レメーニと知り合い、レメーニの伴奏者として演奏旅行に出かけました。 この時、ハンガリーの伝統音楽やロマの民族音楽に触れ合う機会を持つとともに、ヨーゼフ・ヨアヒムと会ったことが、彼のその後の創作活動に大きな影響を 及ぼしたことは良く知られています。このアルバムでは、ブラームスの代表作の一つである『ハンガリー舞曲』のピアノ4手版を中心に、ブラームスが聴いたハンガ リーの旋律や、ほぼ名も知れぬ作曲家たちによる膨大な作品をとりまぜて紹介。アルバムに収録されている素朴な民謡や勇壮な舞曲、変奏曲などを聴く と、ブラームスがこれらの原曲を、どのように自らの作品の素材として用いたかが垣間見えることでしょう。ハンガリーを中心に活躍する奏者たちによる演奏で す。

   NAXOS 2023年2月発売(2)
NAX-8.559926(1CD)
ケヴィン・プッツ(1972-):マリンバ協奏曲/シティ/月の光
マリンバ協奏曲(1997/2021改訂)
シティ(2016)
オーボエ協奏曲第2番「月の光」(2018)
ジス・ジン(マリンバ)
キャスリーン・ニードルマン(Ob)
ボルティモアSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2021年6月3-4日、2016年4月15日(ライヴ)、2018年11月15日(ライヴ)
全て世界初録音
2012年、歌劇「きよしこの夜」でピューリッツァー賞を受賞したアメリカの作曲家ケヴィン・プッツ。メトロポリタン・オペラ、フィラデルフィアOを含む 世界の主要な団体から作品を委嘱され、そのどれもが高く評価されています。このアルバムには、彼の学生時代の「マリンバ協奏曲」から最近書かれ た「オーボエ協奏曲」までの3作品を収録。イーストマン音楽学校の大学院に在籍していたプッツが、マリンバ奏者の名倉誠人とコラボレーションを組み 書き上げたのが1997年の「マリンバ協奏曲」。冒頭の変ホ長調の旋律は、彼が愛するモーツァルトの変ホ長調のピアノ協奏曲をモデルとしているとい い、これをマリンバが装飾的に彩っていきます。第2楽章は弦楽器の伴奏でマリンバがエレガントに歌い、第3楽章では激しいダンスの中に第1楽章の 旋律が回帰し、全体をまとめています。 「シティ」はボルティモアという都市にインスパイアされたカーネギーホールとの共同作品。2015年4月に起きた「フレディー・グレイの死」による騒乱事件 を含む、この街のさまざまな側面が万華鏡のように描かれています。2016年の大統領選挙をきっかけにプッツが覚えたという動揺と深い幻滅感、これ を解消した映画「ムーンライト」の印象が作品の根底にあるという「オーボエ協奏曲」には、プッツの今の思いがこめられています。
NAX-8.574399(1CD)
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第5集
バレエ音楽ずる賢い村娘』(1795年頃-1805)
バレエ・ディヴェルティスマン『Vorstellungen』(1803年2月13日)
クォドリベット(1803年2月13日) - 終幕のコントルダンス
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2021年9月22-25日、 9月26日、9月27日
全て世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァル トと交流を深めウィーン楽壇における重要な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアのお 気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼されました。このバレエ『ずる 賢い村娘』もマリア・テレジアのコレクションの一つです。上演年は不明、台本も残っていませんが、フォークダ ンス風の生き生きとした音楽が魅力で、同時代の同じタイトルを持つ作品から類推すると、田舎を舞台にし た恋の駆け引きを描いた作品だったと思われます。 バレエ・ディヴェルティスマン『Vorstellungen(想像力、演技などの意味)』は1803年の皇帝の誕生日のた めの作品。こちらもシナリオは残っていませんが、ニ短調の重々しい序奏に始まり、ドラマティックで多彩なパン トマイムが繰り広げられたものと推測されています。『クォドリベット』も同じ日のための作品で、ここには最後の コントルダンスのカラフルな音楽が収録されています。
NAX-8.555228(1CD)
エドワード・ジャーマン(1862-1936):交響曲第2番/ウェールズ狂詩曲
交響曲第2番イ短調 「ノリッジ」(1893)
交響組曲 ニ短調 「リーズ」 - 第2曲 優美なワルツ(1895/1915改訂)
ウェールズ狂詩曲(1904)
アイルランド国立SO
アンドルー・ペニー(指)

録音:1994年3月29-30日
National Concert Hall, Dubli
※MARCO POLO 8.223726より移行盤
英国シュロップシャー州ホイットチャーチで生まれた作曲家エドワード・ジャーマン。彼は「トム・ジョーンズ」 (NAXOS 8.660270)や「メリー・イングランド」(組曲は8.555171に収録)などの舞台作品で成功を収 め、コミック・オペラの大家アーサー・サリヴァンの後継者として認められるほどに高く評価されましたが、彼自身 の創作の原点は管弦楽作品にありました。当時のイギリスではそれほど一般的ではなかったフランスやロシア 音楽の様式をいち早く取り入れた彼の作品は、どれも傑出した仕上がりを見せており、とりわけ「ノリッジ」は 19世紀末英国を代表する交響曲の一つと言えるでしょう。「優美なワルツ」は長大な演奏会用組曲「リー ズ」の中の1曲で、サックス、ハープが効果的に用いられたテンポの速いワルツです。またジャーマン作品のなか でも演奏機会の多い「ウェールズ狂詩曲」は、1904年のカーディフ音楽祭のために書かれた曲。切れ目なく 演奏される4つの部分で構成され、ジャーマン自身も愛した、この地域に伝わる民謡が効果的に用いられて います。
NAX-8.579114(1CD)
ポルトガルの弦楽四重奏曲集
エルリコ・カラパトゾ(1962-):ラソス、コントルダンスとデスカンテ(2016)
テルモ・マルケス(1963-):幸福の島(2016)
セルジオ・アゼヴェード(1968-):
ポプラルスキア I(2017)
フェルナンド・C・ラパ(1950-):Suite Mirandesa ミランダ組曲(弦楽四重版)(2017)
マトジニョシュSQ【ビクトル・ビエリラ(Vn1)、フアン・カルロス・マッジオラーニ(Vn2)、ホルヘ・アルベス(Va)、マルコ・ペレイラ(Vc)】

録音:2020年9月21-23日
全て世界初録音
アルバムタイトルの「Raizes」とは、ポルトガル語の「ルーツ」の意。このアルバムに収録されているのは、全てマ トジニョシュSQの委嘱による新作で、ポルトガルの伝統的な民謡の旋律や、舞曲、物語からイ ンスピレーションを得た作品が並びます。ゆったりとした哀愁漂う旋律と、軽やかな舞曲が交互に置かれたカ ラパトゾの「ラソス、コントルダンスとデスカンテ」とラパの「ミランダ組曲」はどちらも北ポルトガルに伝わる舞曲と 物語が元になったもの。幾分現代的なハーモニーが楽しいマルケスの「幸福の島」のルーツはアゾレス島とマ デイラ島の神話であり、アゼヴェードの「ポプラルスキア I」は民俗音楽の研究で知られるロペス=グラサとベー ラ・バルトークらの思い出に捧げられた作品です。
NAX-8.574426(1CD)
A.ルビンシテイン:6つの前奏
曲/6つの練習曲

6つの前奏曲 Op. 24(1854)…全曲の世界初録音
6つの練習曲 Op.81(1870)
「オンディーヌ」練習曲 Op. 1(1842)
ピアノ練習曲 ハ長調(1868)…世界初録音
マーティン・カズン(P)

録音:2022年1月4-5日
ロシア出身のアントン・ルビンシテインは、ピアニストとしてフランツ・リストと並ぶ名声を誇るとともに、協奏曲を 含む数多くのピアノ曲を書き上げ、人気作曲家として世界中にその名を轟かせました。ロシア音楽に多大な 貢献をしたにもかかわらず、ドイツ・ロマン派の流れを汲む保守的な作風は当時全盛を誇っていた「ロシア5 人組」に受け入れられることがなく、賛否両論を巻き起こした彼の作品は次第に忘れられてしまいました。し かし、近年再評価が進み、交響曲や歌曲などの録音が増えています。このアルバムにはクララ・シューマンに 献呈された「6つの前奏曲」と、ルビンシテインの高い技術と音楽性、そして彼自身の手の大きさがうかがえる ダイナミックな「6つの練習曲」を中心に収録。そして、「オンディーヌ」練習曲は彼の初出版作品で、ハ長調 の練習曲は世界初録音です。
NAX-8.574395(1CD)
UNICUM ユニクム - 1470年代、ルーヴェンの新しい歌
1. ワルター・フライ(1475年以前):AV-e regina celorum
2. 作者不詳:Ou beau chastel est prisonnier mon cueur
3. バービニャン(1445-60頃活躍):Au trAV-ail suis que peu de gens croiroient
4.オケゲム(1410-97):Ma maistresse et ma plus qu’aultre amye
5. 作者不詳:Par Malle Bouche la cruelle
6. 作者不詳:Par Malle Bouche la cruelle
7. 作者不詳:Donnez l’aumosne, chiere dame
8. 作者不詳:Tousdis vous voit mon souvenir
9. 作者不詳:En atendant vostre venue
10. 作者不詳:Escu d’ennuy, seme de plours
11. 作者不詳:J’ay des semblans tant que je vueil
12. アレクサンドル・アグリコラ(1456頃-1506)もしくは作者不詳:Si vous voullez que je vous ame
13. ジル・ド・バン・ディ・バンショワ(1400頃-60):Comme femme desconfortee
14. 作者不詳:Vraiz amans pour Dieu supplies
15. フィルミヌス・キャロン(1460-75頃活躍)もしくは
 アントワーヌ・ビュノワ(1430頃-92):Cent mil escuz quant je vouldroye
16. 作者不詳:Henri Phlippet, le vert me fais porter
17. ビュノワ:Est il mercy de quoy l’on sceust finer
18. 作者不詳:Helas mon cueur, tu m’occiras
19. 作者不詳:Oublie, oublie
アンサンブル・レオネス(古楽アンサンブル)
【ヴォーカル】
エルス・ヤンセンス=ファンミュンスター/グレース・ニューコム/テッサ・
ロース
ライティス グリガリス/マルク・モイヨン/ジェイコブ・ローレンス
バティスト・ロマン(ルネサンス・ヴァイオリン/中世フィドル)
エリザベス・ラムゼイ(ヴィオラ・ダルコ)
マルク・レヴォン(指揮/テノール/リュート/シターン)

録音:2021年7月15-17日
2015年にルーヴェンのアラミレ財団によって発見された15世紀の羊皮紙製写本には、これまで知られてい なかった12曲の無名のシャンソンが含まれていました。これは恐らく1470年頃にロワール渓谷で写されたと 思われる写本で、アラミレ財団はベルギー政府にこの重大な発見を伝え、現在は財団本部のあるルーヴェ ンのパーク修道院に保管されています。この写本は開いた状態でも120o×170oととても小さく、収録数 も50曲とそれほど多くありません。ほとんどが作者不詳で、三声のために書かれており、同じころに遠く離れた サヴォワで作られたシャンソニエ・コルディフォルム(ハート形のシャンソン集)に近い内容を持っています。演奏 するアンサンブル・レオネスは以前このシャンソニエ・コルディフォルムからの曲も録音しており(8.573325)、 今回もア・カペラから器楽とのアンサンブルまでさまざまな演奏の可能性を探求しています。

   NAXOS 2023年2月発売
NAX-8.574152(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op. 37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op. 58
ボリス・ギルトブルグ(P)
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2019年5月13日、2022年4月30日
ボリス・ギルトブルグとヴァシリー・ペトレンコ指揮リヴァプール・フィルとのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集が遂に完結。ギルトブルグにとって個人的に思い入 れの深い2曲を繊細かつ雄弁に奏でています。 クラシック音楽の魅力を伝えるブログや解説動画を得意としているギルトブルグは、当盤にも魅力的で説得力のある解説を寄稿しています。第3番について は、子供の時にベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で最も強烈に魅了されていたこと、特に曲が始まってしばらく続くハ短調の暗い闘争的なドラマに心酔して いたこと、演奏を重ねるうちに、優しく抒情的でユーモラスでさえある第2主題の長調部分とのコンビネーションこそ真の天才の業と気づいたこと。また第4番に ついては、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で技術的には最も難しいとしつつ、より難しいのは「すべての音を繊細微妙に呼吸するような詩情で満たすこと」 と綴っています。 幼少時から親しんだ第3番はダイナミックなドラマを感じさせる演奏。第4番はギルトブルグ自身が挙げた課題を見事にクリアした演奏で、録音がコロナ禍で 再々の延期を余儀なくされた間にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を録音したことが、彼の解釈を一層成熟させたのかもしれません。ギルトブルグにとって 一つの集大成であると同時に、新たな出発を予感させる仕上がりとなりました。
NAX-8.574139(1CD)
スクリャービン:交響曲第4番「法悦の詩」 Op. 54
交響曲第2番ハ短調 Op. 29(1901
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音2019年2月27日、2022年3月7日
大編成の作品を得意とするジョアン・ファレッタとバッファロー・フィルが持てる力を最大限発揮したスクリャービン・アル バム。1901年に完成された「交響曲第2番」は5つの楽章で構成され、フランクを思わせる循環形式を用いてい ます。ワーグナーの「ジークフリート」からの引用や、メシアン作品に通じる部分もあるなど、意欲的かつ先進的なも のでしたが、1902年に初演された際は、指揮をしたリャードフのみならず同時代の人々からも理解不能とされ、ス クリャービン自身も高い評価を与えませんでした。しかし現代では、初期から中期への転機となる作品として注目 されています。「交響曲第4番」は1908年の作品。スクリャービンが神秘主義に転じてから書かれた単一楽章から なるこの曲は「法悦の詩」と題されており、性的な官能と宗教的な歓びの感情を同一視して表現しようとしたも の。オルガン、ハープ、鐘などを含む大編成のオーケストラで奏でられる神秘的な響きが特徴で、圧倒的なクライ マックスでの弦のうねりと金管の咆哮が法悦のヴィジョンを音で伝えます。
NAX-8.559924(1CD)
ジャスティン・ホランド(1819-1887):ギター作品と編曲集
1. アルフレッド・ハンフリーズ・ピーズ(1838-1882):大行進曲「デルタ・カッパ・エプシロン」*
2. 伝承曲:夏のなごりのバラ(庭の千草)
3. 伝承曲:スペインのファンダンゴ
4. 伝承曲:あなたの甘い思い出(J. ホランドによる「母に祝福あれ」のギター編)
5. フェルディナント・バイエル(1806-1863):音楽の夜会 Op. 109:No. 7
狂人の最後のワルツ
6. ビショップ(1786-1855)埴生の宿(ホーム・スイート・ホーム)*
7. バダジェフスカ(1834-1861):乙女の祈り Op. 4*
8. W.H.ルリソン(生没年不詳):ロチェスター・ショティッシュ
9. アルフォンス・ツィブルカ(1842-1894):ステファニー=ガヴォット Op. 312*
10. ジャスティン・ホランド(1819-1887):アン・アンダンテ ハ長調
11. ピーズ:ポルカ・マズルカ「アントワネット」*
12. アルフォンス・ルデュック(1804-1868):ポルカ・マズルカ「露の真珠」*
13. ホランド:L. メイソンの「主よ、御許に近づかん」による変奏曲 ホ長調*
14. 伝承曲:幻想曲「ヴェニスの謝肉祭」

1-9、11-12、14…ジャスティン・ホランドによるギター編
クリストファー・マレット(G)

録音:2022年1月7-8日、15日
*…世界初録音
19世紀アメリカを代表するギタリストの一人と評価されたジャスティン・ホランドの妙技が蘇るCD。ホランドはバージ ニア州ノーフォーク生まれのアフリカ系アメリカ人で、幼くして音楽の才能を発揮。14歳で両親を亡くし てから移住 したボストンで出会ったスペイン人ギタリスト、マリアーノ・ペレスからギターを学ぶために、働きながら研鑽を積みまし た。彼が書いたギター教本は、同種のものとしてアメリカで初めて出版されてベストセラーを記録。また公民権運動 を強く支持しました。ホランドは教会音楽や流行曲の編曲や変奏が巧みで、「ヴェニスの謝肉祭」による幻想曲は 彼の演奏・作曲技法のエッセンスが凝縮されています。カリフォルニアを拠点に活動するギタリスト、クリストファー・マ レットの妙技をご堪能ください。
NAX-8.574346(1CD)
ブラームス:歌曲全集 第3集
49のドイツ民謡集 第6集 WoO 33(1893-94)
49のドイツ民謡集 第7集 WoO 33(1893-94)
子供のための15の民謡 WoO 31(1857)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
エスター・ヴァレンティン=フィーグト(Ms)
キーラン・カレル(T)
コンスタンティン・インゲンパス(Br)
ウルリヒ・アイゼンロール(フォルテピアノ…ヨハン・バブティスト・シュトライヒャー製)

録音:2021年4月26-28日、2021年6月21-23日、2021年7月26-27日
ブラームスの歌曲全集第3集は、前作に続きブラームスを魅了した民謡による創作を集めています。 ブラームスはドイツ・リートの作曲にも熱意を注ぎ、生涯を通じて約300作にも及ぶ歌曲を作るとともに、ドイツ民謡を元にした歌曲も多く遺しました。ブラー ムスにとって民謡は学問的研究の対象ではなく、音楽創作上のインスピレーションの源でした。『49のドイツ民謡集』はドイツの言語学者アントン・ヴィルヘル ム・ズッカルマリオとアンドレアス・クレッチュマーが編纂した「ドイツ民謡集」に収められた旋律を元に、ブラームスがピアノ伴奏を付けたもの。第1集から第5集 は当シリーズの「歌曲全集第2集」(8.574345)に収録され、当CDには残る第6集と第7集が収められています。第6集までは独唱および二重唱の曲で すが、第7集は四重唱曲で、民謡の旋律を元にした声楽アンサンブルの可能性を示しています。第49曲「ひっそりと月が昇る」の旋律はピアノ・ソナタ第1番 (1853)の第2楽章「主題と変奏」の主題で、彼が若い頃からこの旋律に魅了されていたことが窺えます。愛らしい第4曲「眠りの精」が有名な『子供のため の15の民謡』は一層素朴な味わいを持つ曲集。ブラームスの巧妙なピアノ伴奏が旋律に彩りを添えています。 ウルリヒ・アイゼンロールはシュトライヒャー製 のフォルテピアノによる素晴らしい演奏で歌手たちをサポートするとともに、ブックレット(英語・ドイツ語)に詳細な解説を書いています。

   NAXOS 2023年1月発売(2)
NAX-8.574430(1CD)

NYCX-10368(1CD)
国内盤仕様
税込定価
シューマン:交響曲第3番「ライン」 Op. 97(G.マーラーによる編曲版)
交響曲第4番(G. マーラーによる編曲版)
マリン・オルソップ(指)
ウィーンRSO

録音:2020年10月19-23日Musikverein Wien and ORF Funkhaus Studio 6(オーストリア)
ドイツ・ロマン派を代表する作曲家シューマンが完成させた交響曲は4曲ありますが、これらを近代以降のオーケストラで演奏すると、音が濁ったり、 バランスが取れなかったりすることが多く、指揮者泣かせの曲と言われてきました。この難題に大胆な回答を出したのが、作曲家にして当代屈指の名指揮者 でもあったマーラー。彼の時代のオーケストラで聴き映えがするよう、4曲の交響曲のスコアに数多くの改変やカットを加えました。それらの多くは打楽器や金 管の増減などによってマーラーが重要と見なすモチーフを補強し、そうでないと考えた部分を抑えるというものでしたが、今ではシューマン自身が書いた通りで はないという理由で敬遠されがちです。オルソップはマーラーのオーケストレーションを再評価すべく、ウィーン放送響と全4曲を収録。こちらは第2弾となる第3 番「ライン」と第4番が収録されています。 交響曲第3番「ライン」は1850年作曲、1851年にシューマン自身によって初演されました。ラインというタイトルはシューマン自身の命名ではありませんが、 悠然たる河の流れを思わせる雄大な作品です。マーラーの編曲はとりわけ管楽器の削減が特徴で、ホルン・パートの修正や第5楽章の冒頭など耳に残る 部分が数多くあります。 交響曲第4番は、第1番の完成から間もなく構想され、1841年に完成した際は誕生日プレゼントとして妻のクララに贈られました。もともとは単一楽章で書 かれていたせいか初演時に好評を得ることができず、10年を経てシューマンは作品に大幅な改訂を施します。現在知られているのはこちらの改訂稿で、マー ラーもこの改訂稿に手を加えていますが、この曲での彼の改訂はそれほど目立つものではありません。オルソップは全体的にテンポを速めにとり、全曲をすっき りとした印象に仕上げています。 ※国内仕様盤には相場ひろ氏による日本語解説が付属します。
NAX-8.555175(1CD)
ケテルビー:管弦楽作品集
修道院の庭にて(管弦楽版)
序曲「冒険者たち」(管弦楽版)
序曲「チャル・ロマーノ(ジプシーの少年)
ロマンティックな組曲
ピアニスティックな奇想曲
時計とドレスデン人形(Pと管弦楽版)
コクニー組曲(抜粋)
月の光に
ウェッジウッドの青(管弦楽版)
牧場を渡る鐘(管弦楽版)
ファントム・メロディ(管弦楽版)
ペルシャの市場にて(男声合唱付き管弦楽版)
スロヴァキア・フィルハーモニー男声cho
スロヴァキアRSO
エイドリアン・リーパー(指)

録音:1992年1月13-18日
※MARCO POLO 8.223442のレーベル移行盤
「ペルシャの市場にて」など、耳なじみの良い旋律による作品で知られる英国の作曲家アルバート・ケテルビー。 幼い頃から音楽の才能を発揮、11歳の時には習作のピアノ・ソナタをウォーチェスター音楽祭で演奏、エドワー ド・エルガーに称賛されました。13歳の時にはヴィクトリア女王の奨学金を受け、トリニティ音楽カレッジに入学。 グスターヴ・ホルストに師事、研鑽を積み16歳でウィンブルドンのセント・ジョン教会のオルガン奏者に就任、契 約終了後はヴォードヴィル劇場の音楽監督となり、ライト・ミュージックの世界で大活躍します。このアルバムには 冒頭で紹介した「ペルシャの市場にて」(男声合唱入り)や鳥のさえずりが描写されている「修道院の庭にて」な ど、彼の代表作を収録。イマジネーション豊かな音楽は、聴き手の想像力を刺激します。
NAX-8.573632(1CD)
カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993):ピアノ作品集 第2集
即興曲集第1番- 第10番
ヴァルサ集第1番- 第10番
モメント集第1番- 第10番
マックス・バロス(P)

録音:2016年6月、7月、2021年12月、2022年2月
ブラジルの作曲家グァルニエリの父はイタリア系の移民で音楽を愛し、子供たちにはモーツァルト、ロッシーニ、ベッ リーニ、ヴェルディと名付けました。カマルゴ・グァルニエリの本名はモザルト(モーツァルト)で、母親から手ほどきを 受けたピアノ演奏と作曲で早熟の天才ぶりを発揮し、後にはヴィラ=ロボスに次ぐ世代の作曲家として活躍しま したが、モーツァルトの名前は恐れ多いと感じたのか、Mozartの代りにM.とだけ書き、母の旧姓カマルゴをもらっ て筆名としました。 リリー・ブーランジェに師事し、ヨーロッパ音楽の最先端に触れた彼ですが、自分の音楽はブラジルに根差したも のであるべきと考えていたようです。このアルバムに収められたのは「インプロヴィーゾ(即興)」「モメント(瞬間、少 しの間)」「ヴァルサ(ブラジル風ワルツ)」と名付けられた小品で、インプロヴィーゾやモメントは2分前後の曲が多 く、ヴァルサは少し長くて3,4分程度。バーで弾かれていても似合いそうな、メロディアスで哀愁の陰りを帯びた曲 調が魅力です。ナザレーの曲に通じるブラジル的な情緒を感じる人も多いでしょう。インプロヴィーゾ第2番はヴィ ラ=ロボス、モメント第7番はエンリキ・オズワルドに捧げられています。演奏はカリフォルニアで生まれ、ブラジルで 育ったピアニスト、マックス・バロス。サンパウロ音楽批評家協会のメンバーとして、ブラジル音楽の紹介に努めて います。
NAX-8.579128(1CD)
ルイス・ウンベルト・サルガード(1903-1977): 室内楽作品集 第1集
ヴィオラ・ソナタ(1973)
セレーネ、トリオ・プログラマティコ(1969)
チェロ・ソナタ(1962)
木管五重奏曲(1958)
カンザス・ヴィルトゥオージ【ダニエル・ヴェラスコ(Fl)、マルガレート・マルコ(Ob) 、エミリー・フォルツ(コールアングレ)、ステファニー・ゼルニック(Cl)、エリック・ストンバーグ(Fg)、ポール・スティーヴンス(Hrn)、ボリス・ヴァイネル(Va)、ハンナ・コリンズ(Vc)、エレン・ソマー(P)】

録音:2020年1月16日、2020年2月13日、2021年5月10日、2021年5月11日
全て世界初録音
エクアドル生まれの作曲家ルイス・ウンベルト・サルガードの作品集。作曲家の父のもとに生まれ、8歳で首都キ トの国立音楽院に入学、ピアノと作曲を学びましたが、当時のエクアドルには十二音音楽や新古典派音楽と いった欧州楽壇の新しい潮流に通じている教師はいませんでした。サルガードは最新の音楽を学ぶべく欧州留 学を目指すも奨学金が得られず断念、本やレコードを通してほぼ独学で現代音楽の手法を学び、これをエクア ドルの民俗音楽と融合させようと試みました。彼の作品は、モダンで洗練されたハーモニーの中にエクアドルの先 住民サンフアニートの舞曲を織り込み、生き生きとした音楽として結実しています。このCDには、新古典派の作 風によるチェロ・ソナタや、多彩なアイディアを盛り込んだ木管五重奏曲、アポロ11号の月面着陸成功にインス パイアされた「セレーネ(ギリシャ神話の月の女神の名前)」などが収録されています。


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