湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


ナクソス廉価盤・新譜速報1




NAXOS 2024年12月発売 (1)
NAX-8.579139(1CD)
アレクセイ・ショール:作曲家のノート 第1集
アレクセイ・ショール
(1970-):ピアノと管弦楽のための組曲第1番「トラベル・ノートブック」(2016)(Pと弦楽オーケストラ版 2019)
ヴァイオリン協奏曲第4番ロ短調(2021)(Vnと弦楽オーケストラ版2022)*
アンナ・ウライエヴァ(P)
マルク・ブシュコフ(Vn)
キーウ・ヴィルトゥオージ
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
ジョン・ワーナー(指)

録音:2023年2月22日*
※全て世界初録音
アレクセイ・ショール(ショア)はウクライナで生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動する作曲家です。アメリカで数学を学び、博士号を取得した後、2016 年までは数学者として働きながら、幼い頃から好きだったクラシック音楽の作曲にも挑戦してきました。ヴィオラ奏者デイヴィッド・アーロン・カーペンターがコン サートで彼の作品をアンコール曲として演奏したことで一躍注目を集め、以降、ウィーン楽友協会、ベルリン・フィルハーモニー、カーネギーホール、ケネディセ ンターなど、世界中の著名なコンサートホールで多くの演奏家たちが演奏、録音を行い、メディアでも広く紹介されています。2017年からはアルメニア国立 SOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めており、2024〜26シーズンにはオックスフォードPOのコンポーザー・イン・レジデンス も務める予定です。 このアルバムにはショールの2作品を収録。彼が様々な地を訪れた際の印象を音楽に込めた「トラベル・ノートブック」は7つの小品で構成された組曲で、旅 への想いを綴った「旅人の祈り」で始まり、続く6曲は特定の場所から得たインスピレーションが描かれています。街のエネルギーを表現した「ランブラス通り」や 過去へのオマージュとほろ苦い別れの感情が込められた「アディオ」、究極の美とロマンスが描かれた「リュクサンブール庭園」の他、ジュリアス・シーザーの歴史 的決断に基づく「ルビコン」、ヴェネツィアの現代の課題に対する作曲家の悲しみを表現した「悲しみ」、ロイヤルアスコットへの訪問後、競馬の独特の興奮、 エネルギー、騒動を描写した「騎手」と多様なテーマが含まれています。ヴァイオリン協奏曲第4番ロ短調は、2021年に新型コロナウイルス感染症の世界 的拡大の中で作曲された作品。メロディーや調性へのこだわりを反映しつつ、初期の作品とは異なる音色とスタイルを持つ、ロマンティックな雰囲気と情熱 的なメロディーが特徴です。
NAX-8.574612(1CD)
ハインリヒ・オーギュスト・マルシュナー:ピアノ三重奏曲集 第1集
ピアノ三重奏曲第1番イ短調 Op.29(1823年出版)
ピアノ三重奏曲第7番ヘ長調 Op.167(1855年出版)
グールド・ピアノ・トリオ
ルーシー・グールド(Vn)
リチャード・レスター(Vc)
ベンジャミン・フリス(P)

録音:2023年11月7-8日
ハインリヒ・マルシュナーは、ウェーバーとワーグナーの間の世代におけるドイツ・ロマン派オペラの代表的な作曲 家として知られていますが、その優れた室内楽作品はしばしば見過ごされがちです。とりわけ彼はピアノ三重 奏曲を愛し、生涯で7曲を作曲。友人であったシューマン夫妻からも高く賞賛されています。このシリーズ第1 集には初期の第1番と円熟期の第7番を収録。抒情的でコントラストに富んだ第1番は軽快なリズムと清々 しい旋律が特徴。第7番はより洗練されたスタイルで、エネルギッシュで力強いテーマと、内省的なセクション が交互に現れる中、3つの楽器が巧みに対話を繰り広げます。古典派から現代まで幅広いレパートリーを持 つグールド・ピアノ・トリオの演奏で。
NAX-8.579159(1CD)
アルトゥル・マラフスキ:管弦楽作品集
アルトゥル・マラフスキ(1904-1957):序曲(1948)
交響的練習曲(1947)
グラル山岳民族の三部作(1949)(K. ヴィウコミルスキによる管弦楽編 1988)
小管弦楽のためのトッカータ(1947)
ポピュラー組曲(1952)
ベアタ・ビリンスカ(P)
アルトゥル・マラフスキPO
マリウシュ・スモリー(指)

録音:2024年1月3-5日
アルトゥル・マラフスキは、ポーランドの作曲家、ヴァイオリニスト、指揮者。若くしてヴァイオリンの名手として期 待されましたが、左手の怪我により演奏活動を断念し、教育と作曲に専念しました。クラクフ音楽院で教鞭 を執りながら再度作曲を学び、多くの優れた作曲家を育てました。1957年に53歳で急逝しましたが、彼の 作品は高く評価され、ポーランド現代音楽の発展に大きく貢献しています。マラフスキの管弦楽曲は、民族 的要素と力強い曲想を特徴とし、同時代の作曲家ルトスワフスキとの共通点が見られます。その音楽は、 多彩なリズムとコントラストの強い旋律の組み合わせが特徴で、強い印象を与えます。このアルバムには、ピ アノとオーケストラの対話が印象的な1947年の「交響的練習曲」、ソ連の影響下で書かれたにもかかわら ず独創的な表現に満ちた「ポピュラー組曲」、ルトワフスキ作品を思わせる「序曲」と「トッカータ」に加え、作 曲家によって破棄された「グラル山岳民族の三部作」を収録。こちらは1988年にチェロ奏者、指揮者、作 曲家のカジミエシュ・ヴィウコミルスキによって残存資料から再構成された作品です。
NAX-8.574628(1CD)
ジュゼッペ・マルトゥッチ:ピアノ作品集
やさしいロマンス(1889)
カプリッチョとセレナータ Op.57(1886)
6つの小品 Op.38(1878)*
ノットゥルノ「ミラノの思い出」 Op. 25(1875)*
メヌエットとテンポ・ディ・ガヴォット Op. 55(1880/88)*
やさしいソナタ Op.41(1878)*
3つのスケルツォ Op.53- 第2番ホ長調(1880)
2つの夜想曲 Op.70- 第1番変イ長調(1891)
6つの小品 Op.44- 第6曲 タランテッラ(1880)
舟歌第1番Op.20(1874)*
マッテオ・ジェネラーニ(P)

録音:2023年4月25-27日
*=世界初録音
ジュゼッペ・マルトゥッチは、19世紀後半のイタリア器楽音楽の復興に尽力した作曲家です。彼の管弦楽作 品はマーラーやトスカニーニから高く評価され、特にピアノ協奏曲は多くのファンを魅了しました。しかし、彼の ピアノ作品は、アルフレード・カゼッラから「サロン風である」と厳しく批判されたことも影響し、これまであまり演 奏されることはありませんでした。このアルバムには、ショパンやメンデルスゾーンの影響を受けたマズルカや夜 想曲、スカルラッティを思わせる「やさしいソナタ」、古典的な形式にロマン派の語法を採り入れた「メヌエットと テンポ・ディ・ガヴォット」、各々の曲にフランス語のタイトルが付けられた「6つの小品」、リストを思わせる「タラ ンテッラ」など、世界初録音を含む作品が収録されており、どの曲も優れたピアニストでもあったマルトゥッチな らではの優雅な旋律と華やかな技巧に彩られています。イタリアのピアニスト、マッテオ・ジェネラーニは、ジュ ゼッペ・マルトゥッチの研究者であり、彼のピアノ作品の演奏、録音、普及に尽力しています。
NAX-8.579167(1CD)
クリスティアン・カラーラ:作品集
クリスティアン・カラーラ(1977-):悪魔の橋(2021)
エヴリン(2016)
砂漠の花(2021)
4つの情緒(2021)
エリカ・ピッコッティ(Vc)
ソニア・プリーナ(C.A)
マッシモ・メルチェッリ(Fl)
FVGO
ニール・カバレッティ(指)

録音:2021年12且7-8日
※全て世界初録音
今やアルゼンチン・タンゴの象徴的存在であるバンドネオンですが、元をたどると1850年頃にドイツのクレー フェルトでハインリッヒ・バンドによって発明されたもの。そのクレーフェルトでは1985年からバンドネオン・フェス ティバルが行われています。2023年の同フェスティバルで受賞したマッサとパルフェノフのプロジェクト「バンドネ オン・ストーリー」は、ドイツで歌や民俗音楽の伴奏に使われていたバンドネオンが移民や船乗りによってブエ ノスアイレスに持ち込まれてタンゴ・アンサンブルの一部となり、やがて労働者階級の連帯の象徴になってゆく 過程を音楽で描いたものです。ピアソラの影響を強く感じさせるモダンでエモーショナルな音楽絵巻です。
NAX-8.579168(1CD)
クラリネットとギターのための21世紀作品集
ジャコモ・スザーニ(1995-):クラリネットとギターのためのソナタ(2022)*
アントニオ・ジャコメッティ(1957-):アマゾンの森の誇り高き叫びOp.191, Op. Br.31(2022)*
ジャン・フレイドリン(1944-):カフカ・ソナタ(2004)
ロベルト・シエッラ(1953-):クラリネットとギターのためのデュオ・ソナタ(2021)*
フレイドリン:Mist Over the Lake 湖にかかる霧(1985/1999)
アンドレアス・ヘルマンスキ(Cl)
エミリー・フェンド(G)

録音:2022年12且8-10日
*=世界初録音
ギターとクラリネットのデュオ作品の普及を目指し、現代作曲家に新たなレパートリーを委嘱しているアンドレ アス・ヘルマンスキとエミリー・フェンド。このアルバムでは、4人の作曲家による多彩な作品を演奏しています。 優れたギタリストでもあるスザーニのソナタは3つの楽章で構成されており、曲の中心を成すのは第2楽章。 第1楽章と第3楽章は軽快でリズミカルな響きの中に、第2楽章と共通のモチーフが展開されます。イタリアの ジャコメッティによる「アマゾンの森の誇り高き叫び」は、自然音を楽器で象徴的に表現し、アマゾンの危機を 描いています。ロシア出身のフレイドリンの「カフカ・ソナタ」は、暗く複雑な心理的風景を表現しており、「湖に かかる霧」は憂鬱でありながらも、抒情的な旋律が特徴です。プエルトリコの作曲家シエッラのデュオソナタ は、古典的な形式と現代的な音楽語法を融合させた作品です。 (Ki)
NAX-8.574561(1CD)
ヨハネス・ブラームス:歌曲全集 第6集
1-4.4つの二重唱曲 Op.28(1860-62)
14-21.8つのリートと歌 Op.58(1871年出版)
22-26.5つの歌 Op.72(1876-77)
エスター・ヴァレンティン=フィーグト(Ms)…1-6、8、10-13、22、23、25
コンスタンティン・インゲンパス(Br)…1-4、7、9、14-21、24、26
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:SWR ハンス・ロスバウト・スタジオ(ドイツ)
2023年6月5-7日…1-17、19、22、23、25、26
2023年8月28日…18、20、21、24
NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第6集には4曲の二重唱曲と、円熟期の独唱曲が収録されています。ブラームスは、独唱曲だけでなく二重唱曲 においても深い表現力を示しており、作曲家20代後半に書かれたOp. 28では、人間関係の複雑さ、愛の喜びと苦しみ、そして人生の深遠な問いが表 現されています。Op.69の「9つの歌」は詩の世界観を音楽で豊かに表現しており、文学作品との深い関わりが感じられるもの。Op. 58もさまざまな表情 を見せる曲集で「セレナード」ではイタリア的な軽やかさも感じられます。Op. 72はより個人的で内省的な内容を持ち全曲にわたり「人生の儚さ」が描かれ ています。ケルン音楽舞踊大学でマリオ・ホフとウルリッヒ・アイゼンロールに師事し2022年からはバイエルン放送合唱団のメンバーとして活動するエスター・ ヴァレンティン=フィーグトと、このシリーズで民謡曲集(8.574345、8.574346)を歌ったコンスタンティン・インゲンパスの演奏です。

NAXOS 2024年11月発売 (2)
NAX-8.574597(1CD)
ダニエル=フランソワ・オーベール:序曲集 第7集
歌劇「青銅の馬」 S.25序曲
歌劇「青銅の馬」 バレエ音楽 S.47…世界初録音
歌劇「妖精たちの湖」 S.32〜序曲/第3幕3人の王の行列…世界初録音/第3幕 学生のワルツ…世界初録音
歌劇「マルコ・スパダ」 S.43序曲
歌劇「マルコ・スパダ」 S.46第3幕 Pas de Mme Rosati
歌劇「ジェニー・ベル」 S.44序曲
歌劇「青銅の馬」 S.25序曲(E. フンパーディンク編)…世界初録音
ヤナーチェクPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2023年9月12-14日
かつてはロッシーニやスッペ作品と肩を並べるほどの人気を誇ったオーベールの歌劇。かのチャイコフスキーも高く評価したと伝えられますが、現在では一部を 除きほとんど上演されることがありません。そんなオーベールの序曲シリーズ、この第7集に収録されているのは「青銅の馬」を中心とした4作品の管弦楽曲。 「青銅の馬」は魔法の世界の神秘的な力が表現されており、1857年のオペラ・バレエ版に挿入されたバレエ音楽では、エキゾチックな中国趣味を味わえま す。詩的で優雅な「妖精の湖」はドイツで高く評価され、ワーグナーにも影響を与えました。彼はパリでこの作品を観ています。「マルコ・スパダ」は、完成度が 高く、最後まで緊張感を湛えたヴェルディを思わせる作品です。「ジェニー・ベル」の序曲が続き、最後に置かれているのはエンゲルベルト・フンパーディンクが 編曲した世界初録音となる「青銅の馬」の序曲です。オーケストレーションの違いをお楽しみください。
NAX-8.574486(1CD)
サントロ:ピアノ・ソナタ全集
クラウジオ・サントロ(1919-1989):ソナタ1942(1942)
ピアノ・ソナタ第1番(1945)
ピアノ・ソナタ第2番(1948)
ピアノ・ソナタ第3番(1955)
ピアノ・ソナタ第4番「ファンタジア」(1957)
ピアノ・ソナタ第5番(1988)
アレッサンドロ・サントロ(P)

録音:2021年4月18日、2021年8月2日、2022年2月25日
ブラジル外務省主導のプロジェクト「Brasil em Concerto」は、19世紀から20世紀にかけて作曲された 約100曲のブラジル音楽を、ブラジルのオーケストラが演奏・録音する企画です。今後は室内楽と声楽の録 音も追加される予定で、多くの作品が世界初録音となります。 このアルバムは、14曲の交響曲を遺したクラウジオ・サントロのピアノ・ソナタ全曲を収録した1枚です。サント ロが46年かけて作曲した6つのピアノ・ソナタは、彼の音楽的進化を記録するもの。20代前半の作品である 「ソナタ1942」は、初期の抒情的な作風によるものですが、1945年の第1番からは12音技法の使用が 始まり、やがてブラジル民族主義へと発展します。第4番では、ボサノバのリズムを予感させるフレーズも登場 し、晩年の第5番は彼が数十年にわたって使用してきたさまざまな表現法を総合したものです。これは初の サントロのピアノ・ソナタ全曲録音で、演奏者アレッサンドロ・サントロは作曲者の息子です。リオデジャネイロ 生まれのアレッサンドロ・サントロは、チャイコフスキー音楽院でピアノを学び、その後ハーグ王立音楽院でチェ ンバロの修士号を取得、同音楽院の教授に就任しました。現在はサンパウロ州立音楽学校(EMESP)で チェンバロと通奏低音の教授を務めています。また、ラ・プティット・バンドや18世紀オーケストラのメンバーとし てヨーロッパ各地で演奏し、デン・ハーグ・バロック・オーケストラの創設者でもあります。1989年以来、彼は 父の作品の編集と出版、およびヴァーチャル・アーカイブの管理を行っています。
NAX-8.574613(1CD)
フェルッチョ・ブゾーニ:ピアノ作品集 第13集
前奏曲とフーガ ハ短調 Op.21BV85
バッハ(1975-1750):カプリッチョ 変ロ長調「最愛の兄の旅立ちに」 BWV992(F. ブゾーニ編)
メヌエット・カプリチオーソ Op.61BV 124
ベートーヴェン:エコセーズ 変ホ長調 WoO86(F. ブゾーニによるコンサート・バージョン)
5部からなるピアノ練習曲集(初版) 第1部- 6つの練習曲と前奏曲より(1918年出版)
5部からなるピアノ練習曲集(初版) 第2部- 3つの練習曲と前奏曲より(1919年出版)
5部からなるピアノ練習曲集(初版) 第3部- 第3部「ロ・スタッカート」-第6番a メンデルスゾーンによる(夏の夜の夢より)(1921年出版)
5部からなるピアノ練習曲集(初版) 第5部- 無窮動(P・コンチェルティーノ Op.54BV292-第2楽章による)(1922年出版)
ヴォルフ・ハーデン(P)

録音:2023年10月26-27日
2000年に録音が開始された、ヴォルフ・ハーデンによるフェルッチョ・ブゾーニのピアノ作品集最終巻であるこ のアルバムには、初期と晩年という両端の作品を収録しています。初期の小品にはブゾーニが12歳の時に 作曲した「前奏曲とフーガ」や、同じく10代の「メヌエット・カプリチオーソ」の他、バッハやベートーヴェンの作品 を編曲したものが含まれており、原曲を尊重しつつその作りを分析して、魅力をさらに引き立てる絶妙なアレ ンジが楽しめます。晩年の「5部からなるピアノ練習曲集」からの抜粋には、自身が初期に作曲した作品の 編曲や他の作曲家の音楽が取り入れられており、彼のピアノ演奏におけるテクニックの粋が表現されたもの で、このシリーズの締めくくりとしてふさわしい内容と言えるでしょう。ヴォルフ・ハーデンの演奏は「ブゾーニ作品 における現在の明確な基準」として高く評価されています。
NAX-8.559944(1CD)
現代アメリカの合唱作品集
ジョセフ・トゥリン(1947-):そして再び紅い薔薇は美しく咲く(2018)
リチャード・エインホーン(1952-):The Luminous Ground 光る大地
(2023)
ジルダ・ライアンズ(1975-):モモトンボ(2022)
フレデリカ・フォン・シュターデ(Ms)
エリン・センセニグ(S)
ムジカ・ヴィーヴァ・NY合唱団
ムジカ・ヴィーヴァ・NYO
アレハンドロ・エルナンデス=バルデス(指)

録音:2023年12月5-6日
※全て世界初録音
このアルバムには、3曲の世界初録音となる合唱作品が収録されています。 ジョセフ・トゥリンは、ニューヨーク・フィルハーモニックやリンカーン・センターなどの著名な団体から委嘱を受ける 作曲家です。彼のカンタータ「そして再び紅い薔薇は美しく咲く」は、第一次世界大戦をテーマに、戦争で戦 い命を落とした人々の声を反映するために膨大な詩や手紙を調査し、選び出したテキストで構成されていま す。タイトルは、婚約者を戦争で失ったヴェラ・ブリテンの詩「Perhaps」の一節から取られており、この詩は名 歌手フレデリカ・フォン・シュターデによって歌われています。リチャード・エインホーンは、オペラ、映画音楽、バ レエ音楽など幅広いジャンルで活躍する作曲家です。彼の作品「光る大地」は、仏教哲学者ナーガール ジュナの思想にインスパイアされたもので、言葉のないコーラス、弦楽器、ピアノが絡み合い、瞑想的で徐々 に変化する響きを持つ音楽です。ジルダ・ライアンズは、作曲家、ヴォーカリスト、ビジュアルアーティストとし て、さまざまな音楽スタイルを融合した情感豊かな作品を生み出しており、その音楽は高く評価され、数多く のレーベルからリリースされています。この「モモトンボ」は、彼女の母親の故郷であるニカラグアの火山をテーマ にした合唱曲で、詩人ルベン・ダリオの詩からインスピレーションを受け、彼の詩や歴史的な資料を引用しな がら永遠に存在する火山と変わりゆく人間の命の対比を描いています。
NAX-8.660540(2CD)
マスネ:歌劇「エロディアード」 エロド王…エティエンヌ・デュピュイ(Br)
エロディアード…クレメンティーヌ・マルガイーネ(Ms)
サロメ…ニコール・カー(S)
ジャン…マシュー・ポレンザニ(T)
ファニュエル…マルコ・ミミカ(Bs-Br)
ヴィテリウス…ディーン・マーフィー(Br)
大司祭…カイル・ミラー(Br)
声…トーマス・チッルッフォ(T)
バビロニアの娘…スア・チョ(S)
ベルリン・ドイツ・オペラO&cho
エンリケ・マッツォーラ(指)

録音:2023年6月13、15、18日
ベルリン・ドイツ・オペラ
R・シュトラウスがサロメと洗礼者ヨハネを題材にしたオペラを作曲するはるか以前の1878年に、 マスネは同じ関係性を「エロディアード」で探求していました。しかし、オスカー・ワイルドが描いた残 忍な側面を持つサロメとは異なり、マスネのオペラでは、復讐心に燃えるエロディアード(サロメの母)が洗礼者 ジャンの首を要求し、無邪気で純真な娘サロメは主役ではありません。エロディアードは、母親であることをサ ロメに打ち明けられないという心理的葛藤を抱えており、夫エロド王はサロメに邪な恋愛感情を、そしてサロ メはジャンに恋愛感情を抱いています。こうした感情を濃密に描いたオペラの叙情的な内面性は、当時とし ては非常に革新的と見なされていました。このアルバムでエロディアードを歌うのはフランスのメゾ・ソプラノ、ク レマンティーヌ・マルガイーネ、エロド王をカナダのバリトン、エティエンヌ・デュプイ、サロメ役をオーストラリア出身 のソプラノ、ニコール・カーが演じています。
NAX-8.574558(1CD)
エーリヒ・ J・ヴォルフ(1874-1913):歌曲全集 第3集
ツェーザル・フライシュレンの「ヨースト・セイフライド」による9つの詩 Op.19(1909年出版)
リヒャルト・デーメルの6つの詩 Op.8-No. 1. Drum sollst du dulden, Mensch(1907年出版)
2つの歌曲 Op.10-No.1. Hyperions Schicksalslied(1907年出版)
フランツ・エヴァースの2つの詩 Op.11a ? No. 2. Der Steinklopfer(1907年出版)
様々な詩人による6つの歌 Op.13(1907年出版)より
 No.2. Tag meines Lebens
 No.5. Schliese mir die Augen beide
 No.6. Ich bin eine Harfe
6つの歌 Op.18- No.4. Todessehnen(1908年出版)
様々な詩人による7つの歌 Op.22? No. 1. Die alte Geige(1910年出版)
ペーター・ヤコブゼンによる6つの歌 Op. 26(1913年出版)より
  No.1. Landschaft
 No.3. Ewig
エミール・ファクトルの詩による8つの歌(1910-13年出版)より
 No.4. Der Wanderer
 No.6. Entsagung
 No.7. Dir
ゲオルク・フリードリヒ・ダウマーの「Hafis」による14の歌Op. 30(1910-13年出版)より
 No.11. Stark wie der Tod ist die Liebe
 No.12. Viel bin ich umhergewandert
 No.14. Wo ist der Ort, an dem du weilst?
ハンス・クリストフ・ベーゲマン(Br)
クラウス・ジモン(P)

録音:2023年5月30日-6月1日
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家で、シェーンベルクやツェムリンスキーと親交を結びました。彼は38歳の若さで亡くなるまでに、 少なくとも168曲の歌曲を作曲し、全て存命中に発表されて高く評価されましたが、現在では演奏の機会はほとんどありません。そこでNAXOSが全曲録 音をスタート。この第3集は、1909年の作品19の歌曲集で始まります。老境に達した男性が手の届かない若い女性に恋をするテーマが描かれ、春と若さ を象徴する明るい調性が多く使用されており、ヴォルフの後期ロマン主義的な作風を反映しています。また、リヒャルト・デーメルの詩による「Drum sollst du dulden, Mensch この理由から、おお、人よ」はヴォルフが書いたバリトンのための唯一の歌曲。他にはフリードリヒ・ニーチェやテオドール・シュトルムの 詩を基にした作品も含まれています。特にエヴァースの詩を用いた「Steinklopfer 石を砕く人」では、労働者階級の苦しみが繊細に描かれ、音楽的にも 強い印象を残します。生前、最後に出版されたヤコブゼンの詩を用いた歌曲集では印象派風の音楽が聴かれ、ペルシャの詩人ハーフィスの詩をダウマーが ドイツ語に翻訳したものを基にした14曲からなる歌曲集である作品30では、東洋的な音楽表現も試みられています。これら、ヴォルフの作品は人間の感 情の深淵を探求し、音楽的にも詩的にも非常に多様で奥深いものです。本作では、ハンス・クリストフ・ベーゲマンが巧みな歌唱を披露し、ブックレットに詳 細な解説(ドイツ語・英語)を寄せるクラウス・ジモンが見事な伴奏を付けています。
NAX-8.551464(1CD)
エーリッヒ・ツァイスル(1905-1959):歌曲集 第2集
5つの夜の歌
Stilleben 静物(1931)
Armkrautchen 小さなハープ(1931)
Der Tag erwacht 夜明け(1931)
Voglein Schwermut 憂鬱な小鳥 (1929)
Abendstimmung 夕暮れの雰囲気(1931)
Wiegenlied 子守歌(1928)
Das trunkene Lied 酔いしれた歌(1931)
Die funf Huhnerchen5羽の小さなニワトリ(1932)
Die Nichtgewesenen 存在しなかったものたち(1925)
Ein ganzes Leben ひとつの人生(1931)
ir ist so weh 私はとても辛い
Lass mich in deinen stillen Augen ruh’n 静かな君の目に私を休ませて(1931)
5つの黒人霊歌
Prayer 祈り (1945)
ミシェル・デヤング(Ms)
ジェレミー・リーガー(P)

録音:2021年9月15-16日
エーリヒ・ツァイスルはウィーンのユダヤ人家庭に生まれ、幼少期から音楽の才能を示しました。14歳でウィーン音楽院に入学し、リヒャルト・シュテールらに師 事、1920年代にはウィーンで作曲家として成功しましたが、1938年のドイツによるオーストリア併合によりキャリアが崩壊し、アメリカに亡命します。アメリカ ではハンス・アイスラーの紹介で映画音楽に携わりましたが、製作主との主張の違いなどの理由で、その才能を十分に発揮することはできなかったようです。 亡命後、彼はリートの作曲をやめましたが、1940年代にはユダヤ音楽に関心を向け、ホロコースト犠牲者に捧げた「ヘブライ・レクイエム」を作曲しました。 「5つの黒人霊歌」もこの時期の作品です。ウィーン時代に作曲された100曲近いリートは、夜や死、皮肉やユーモアをテーマにしたものが多く、いずれも後 期ロマン主義の伝統に則った旋律豊かな作品です。ミシェル・デヤングはグラミー賞受賞経験もあるメゾ・ソプラノ。マーラーやワーグナーなどの後期ロマン派 作品やバーンスタインの「エレミア」などの歌唱が高く評価されています。

NAXOS 2024年11月発売 (1)
NAX-8.559954(1CD)
アイヴズ:管弦楽作品集
1. ラグタイム・ダンス第1番(J. シンクレア編 2022)
2. ラグタイム・ダンス第2番(J. シンクレア編 2022)
3. ラグタイム・ダンス第3番(J. シンクレア編 2022)
4. ラグタイム・ダンス第4番(J. シンクレア編 2022)
5.4つの調によるフーガ「輝く岸辺」(J. カークパトリック編)
6. 池(J. シンクレア編)
7. 虹(J. シンクレアによるフルート、コールアングレ、ハープ、オルガンと弦楽編)*
8. 錯乱した古き歌(K. シングルトン編)
9. ダンベリー・フェアのためのスキット(J. シンクレア編)*
10. かぎ付きゴングとはしご「メイン・ストリートの消防士のパレード」(J. シンクレアによる管弦楽編)
11. Chromatimelodtune (K. シングルトン編)
12. 音の道第1番(R. スウィフトによる室内オーケストラ編)
13. 音の道第3番(J. シンクレア編)
14. 未完の作品と断片集(K. シングルトン、J. シンクレアによる管弦楽編)*
15. 行進曲第2番「ギャンボリーの息子」(K. シングルトン編)
16. 行進曲第3番「ケンタッキーの我が家」(K. シングルトン編)
17. 行進曲「サーカス・バンド」(K. シングルトン編)*
18. シューベルト:3つの軍隊行進曲 Op.51, D.733- 第1番ニ長調(C.アイヴズによる管弦楽編、J. シンクレアによる補筆完成版)
19. シューマン:謝肉祭 Op.9- 第4曲 高貴なワルツ(C. アイヴズ、J. シンクレアによる管弦楽編)*
20. シューベルト:4つの即興曲 Op.90D.899 - 第1番ハ短調
オーケストラ・ニュー・イングランド…1-17
ナバラSO…18-20
ジェイムズ・シンクレア(指)

録音:2023年10月24-25日、2024年3月12-14日
*…世界初録音
チャールズ・アイヴズの多彩な小品コレクション。このアルバムには、7曲の世界初演作を含む彼の代表的なラグタイムや行進曲など、様々な作品が収録さ れています。賛美歌の旋律をラグタイムに取り入れた「ラグタイム・ダンス」や、十二音技法を使用し、絶え間ないピアノのアルペジオに乗って弦楽器や管楽 器が独自の旋律を奏でる実験的でユニークな作品「Chromatimelodtune(クロマティック、タイム、メロディー、チューンを組み合わせた造語)」や「4つの 調によるフーガ」も、多調性を取り入れたアイヴズの音楽の特徴を示しています。 さらに、「池」や「虹」といった作品では、多彩な楽器が使用され、アイヴズの創造性が発揮されています。特に「虹」は、ウィリアム・ワーズワースの詩から想起 された、詩的な表現が反映された曲です。また、「An Old Song Deranged 錯乱した古き歌」は、アイヴズが母親に捧げた美しい歌曲を編曲したもの。 他には彼が手がけたシューベルトの行進曲やシューマンのワルツの編曲も含まれています。演奏は、アイヴズ研究の第一人者であるジェイムズ・シンクレアが 指揮するオーケストラ・ニュー・イングランド(または一部はナバラSO)によるもので、曲ごとに最適な編成が組まれ、作品への深い理解と愛情に裏打ち された素晴らしい演奏を楽しめます。
NAX-8.574587(1CD)
フォーレ:ヴァイオリン協奏曲より、子守歌、エレジー 他
歌劇「ペネロープ」 - 前奏曲(1913)
. ヴァイオリン協奏曲 二短調 Op.14- 第1楽章 アレグロ(1878-79未完)
子守歌 Op.16(1878-79/ヴァイオリンと管弦楽版 1880)
エレジーOp.24(1880/チェロと管弦楽版1901出版)
ロマンス 変ロ長調 Op.28(1877)(P. ゴーベールによるヴァイオリンと管弦楽編 1913)
幻想曲 Op.79(1898)(L. オーベールによるフルートと管弦楽編 1957)
ドリー組曲 Op.56(1893-96)(H. ラボーによる管弦楽編 1906)
ピエール・フシュヌレ(Vn)
マーティン・ジョンソン(Vc)
カトリオーナ・ライアン(Fl)
アイルランド国立SO
ジャン=リュック・タンゴー(指)

録音:2023年7月12-14日、2024年1月6-9日…1、4
フォーレの隠れた名作で、唯一の歌劇「ペネロープ」からの前奏曲と、未完となったヴァイオリン協奏曲に加 え、彼のピアノ曲や器楽曲を、他の作曲家たちがオーケストラ版に編曲した作品を収録した1枚。 1878年 から79年にかけて書かれたヴァイオリン協奏曲は、第1楽章と第2楽章が完成したものの、現存するのは第 1楽章のみ。この第1楽章の素材は弦楽四重奏曲の元になり、失われた第2楽章は後年「アンダンテ」作品 75として改作されました。このアルバムではフランスの人気ヴァイオリニスト、ピエール・フシュヌレがソリストとし て演奏。伸びやかな美音を生かし、フォーレならではの美しい旋律を歌わせています。 他には子守歌やエレジーなどの人気作と、ピアノ・デュオの名作「ドリー組曲」のオーケストラ版も収録。
NAX-8.660531(3CD)
ブゾーニ:歌劇「ドクトル・ファウスト」 ドクトル・ファウスト…ディートリヒ・ヘンシェル(Br)
メフィストフェレス…ダニエル・ブレンナ(T)
ワーグナー/式部官.…ヴィルヘルム・シュヴィングハマー(Bs)
パルマ公爵/兵士…ジョセフ・ダーダー(T)
パルマ公爵夫人…オルガ・ベスメルトナ(S) 他
アンドレア・ゼヴェリ(Org)
フィレンツェ五月音楽祭O&cho
コルネリウス・マイスター(指)

録音:2023年2月14日(ライヴ)
フィレンツェ五月音楽祭歌劇場(イタリア)
フェルッチョ・ブゾーニ没後100年を記念する特別企画!19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した多 才な音楽家、ブゾーニの代表作である「ドクトル・ファウスト」は、中世のファウスト伝説とクリストファー・マーロ ウの戯曲『フォースタス博士』を基にしています。ブゾーニは自ら台本を執筆しましたが、彼の死によって未完 のまま遺されました。作品は1925年に弟子のフィリップ・ヤルナッハによって完成され、ドレスデンで初演され ました。ブゾーニの作風はR・シュトラウスやピエトロ・マスカーニとは異なり、「起こり得ないことの現実 性による劇作法」を掲げ、その独自性が再評価されています。1997年、リヨン歌劇場でファウスト役を演じ て以来、この役を嵌まり役とするディートリヒ・ヘンシェル、加えてウィーン国立歌劇場でそのキャリアを築いてき た、パルマ公爵夫人役のオルガ・ベスメルトナを始めとした粒ぞろいの歌手たちを起用。近現代の作品をその 中心レパートリーとするコルネリウス・マイスターの雄弁なタクトが、複雑に構成されたブゾーニの音楽から劇的 な響きと抒情的な陰影を見事に引き出しています。
NAX-8.574505(1CD)
ヴィットーリオ・リエーティ(1898-1994):ピアノ協奏曲第1番(1926)*
ピアノ協奏曲第2番(1937)*
ピアノ協奏曲第3番(1955年初稿版)*
2台のピアノのための協奏曲(1951)#
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
オラツィオ・ショルティーノ(P)#
ミラノSO
ジュゼッペ・グラツィオーリ(指)

録音:2022年8月20-21日、2023年8月17-20日
*…世界初録音
ヴィットーリオ・リエーティはイタリア移民の第3世代としてエジプトで生まれ、第一次世界大戦後にイタリアに 移住し、レスピーギやカゼッラに作曲を学びました。1925年にはパリで更なる研鑽を積み、バランシンのため にバレエ曲を作曲、その後は1940年にアメリカに移住し、1944年に市民権を取得します。以降、アメリカと ヨーロッパを行き来しながら、管弦楽曲、室内楽、映画音楽など多様なジャンルの作品を書き上げました。 このアルバムには彼の全ピアノ協奏曲を収録。ピアノ協奏曲第1番は、1920年代のパリで書かれ、プーラン クに捧げられました。曲の明るい雰囲気はリエティ自身の結婚と息子ファビオの誕生の喜びが反映されていま す。第2番は、もともとワンダ・ランドフスカのためのチェンバロ協奏曲として作曲されましたが、後にピアノ協奏 曲として改作されました。第3番のピアノ協奏曲は、深い感情を込めた緩徐楽章が特徴的で、ここでは改作 される前の初稿版が演奏されています。一方、2台のピアノとオーケストラのための協奏曲は、映画音楽を 思わせるテーマを取り入れた溢れるような活力に満ちた作品です。
NAX-8.574677(1CD)
ウクライナのクリスマス
1-4. ウクライナの伝承キャロル
 1. Po vsiomu svitu 世界中に朗報を
 2. Dobryi vechir tobi! あなたに良い夜を
 3. Shcho to za predyvo 何と素晴らしいこと
 4. Boh sia rozhdaie 御子が生まれた
5. ヴァシル・ズダンキン(1958-2019):Narodyvsia Boh na saniakh そりに乗って神は生まれた(1988)
6-9. ウクライナの伝承キャロル
 6. Nova radist' stala 新たな喜びが生まれた
 7. Slava vo vyshnikh Bohu 至高なる神に栄光あれ
 8. Pavochka khodyt' 孔雀の散歩
 9. Malanka マランカ
10. ボーダン・クリヴォプスト(1975-):Fantasia 幻想曲(2023)
11. グルーバー(1787-1863):きよしこの夜(1818)
12. ウクライナの伝承キャロル:Shchedryi vechir 豊かな夕べ

※全てボーダン・クリヴォプストによるヴァイオリンと管弦楽編
ソロミヤ・イヴァヒフ(Vn)
リヴィウ国立フィルハーモニーSO
セルヒー・ホロヴェツ(指)

録音:2023年11月25-26日、2024年2月22-23日
Liudkevych Hall, Myroslav Skoryk Lviv National
Philharmonic, Lviv(ウクライナ)
世界初録音
ウクライナには長く活気に満ちたクリスマスキャロルの伝統があり、そのメロディーと意味は、今、これまで以上に国民の心の中で重要な位置を占めています。 キャロルの多くは、さまざまなテーマを持っていますが、どれも天上と地上の美しさと、救世主の到来への感謝という共通の想いで結びついています。このアル バムでは、ウクライナの作曲家ボーダン・クリヴォプストが伝統のキャロルに華やかなアレンジを加え、ヴァイオリニスト、イヴァヒフが演奏。旋律の美しさを引き立 てるとともに、祝祭ムードを盛り上げます。アルバムにはクリヴォプスト自身の「幻想曲」と、誰もが知っている「きよしこの夜」も収録されています。
NAX-8.574588(1CD)

NYCX-10498(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
リスト・フェイヴァリッツ(日本語解説付)
1.19のハンガリー狂詩曲 S244/R106- 第2番 嬰ハ短調*
2. 愛の夢 S541/R211- 第3番夜想曲 変イ長調
3. シューベルトの12の歌 S558/R243- 第4曲 魔王*
4. シューベルト:白鳥の歌 S560/R245- 第7曲 セレナード*
5.4つの忘れられたワルツ S215/R37- 忘れられたワルツ第1番
6. 即興ワルツ S213/R36*
7. コンソレーション(慰め)S172/R12- 第3番 変ニ長調(レント・プラーチド)
8. リゴレット・パラフレーズ S434/R267*
9. 巡礼の年 第2年 イタリア S161/R10b - 第5曲 ペトラルカのソネット第104番*
10. 巡礼の年 第2年 イタリア S161/R10b - 第7曲 ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
11. 巡礼の年 第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ S162/R10- 第3曲 タランテッラ*
12. パガニーニによる大練習曲 S141/R3b - 第2番 変ホ長調*
13. パガニーニによる大練習曲 S141/R3b - 第3番 嬰ト短調「ラ・カンパネッラ(鐘)」*
*…ゴラン・フィリペツ版
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2024年1月3-4日
ゴラン・フィリペツはリスト作品の研究と演奏で特に名高いヴィルトゥオーゾタイプのピアニスト。ジュネーヴ・フランツ・リスト協会の共同創設者で会長を 務め、『リスト:パガニーニ練習曲』(国内仕様盤 NYCX-10139/輸入盤8.573458)と『リスト:ハンガリー幻想 曲』(NYCX-10188国内仕 様盤/8.573866輸入盤)の録音はブダペスト・リスト協会のグラン・プリを受賞しました。このアルバムは彼の「お気に入り」を集めた1枚。フィリペツは 往時の名ピアニストたちが即興やトランスクリプション(編曲、アレンジ)を重視していたことに基づき、楽譜通りの演奏にこだわらず「創造的精神に基づ く自由なアレンジ」を加えて弾くことで作品に生命を吹き込むことをモットーにしていますが、もともと演奏難度の高いこれらの作品においても華麗なパッ セージが一層引き立つように様々なアレンジを加え、作品の新たな魅力を引き出しています。アルバムの最後に置かれた「ラ・カンパネッラ」では2つの 版を組み合わせ、自由な装飾を施したアレンジが聴き圧巻です。リスト・ファン、ピアノ音楽ファン注目の一品です。
※国内仕様盤にはゴラン・フィリペツによる原盤解説の日本語訳が付属いたします。

NAXOS 2024年10月発売 (3)
NAX-8.574564(1CD)
ジョン・ラター:ブラス・アット・クリスマス
ジョン・ラター(1945-):
1. 手を打ち鳴らせ(1973)*
2. 天使のキャロル(1988)
3. 東方三博士のキャロル(2009)
4. リジョイス・アンド・ビー・メリー(2004)
5. こころみの世にあれど(1989)
6. スター・キャロル(1972)
7. おやすみ、イエスよ(1999)
8. 降誕のキャロル(1963)*
9. 伝承曲:ヒア・ウィ・カム・ア・ワッセイリング
10. ニュー・イヤー(2006)
11. 羊飼いの唄うキャロル(1965)
12. クリスマスの子守歌(1989)
13. 御子イエス(1973)
14. キャンドルライト・キャロル(1984)
15. テ・デウム(1988)*
16. 伝承曲:クリスマスおめでとう

L. ヴェルトメンによる合唱とブラスバンド編…1、8、15
L. ヴェルトメンによるブラスバンド編…2-7、10、14
J. ラター、L. ヴェルトメンによる合唱とブラスバンド編…9
P. グレーアムによるブラスバンド編…11
J. クレイによるブラスバンド編…12
E. ウィルソンによるブラスバンド編…13
J. ラター、E. ウィルソンによる合唱とブラスバンド編…16
ブラック・ダイク・バンド
シェフィールド・フィルハーモニーcho…1、8、15
ニコラス・チャイルズ(指)
ダリウス・バッティワラ(指)*

録音:2023年6月26日、2023年11月9日、2023年11月20日
美しい旋律と豊かなハーモニーが広く愛されている英国の作曲家ジョン・ラターのキャロルを、1855年からの長い歴史を持ち、世界で最も成功したブラスバンド の一つ、ブラック・ダイク・バンドが演奏。このアルバムでは、ラターの名クリスマスキャロルをブラスバンド用に新しくアレンジ。それぞれ異なる歴史や背景を持ち、合 唱やオーケストラで繰り返し演奏されてた作品に新しい生命が吹き込まれています。アルバムは輝かしい「手を打ち鳴らせ」で始まり、伝承曲「クリスマスおめでと う(We Wish You a Merry Christmas)」の見事なアレンジで締めくくられます。クリスマスを彩る華やかな1枚です。
NAX-8.504059(4CD)
NX-D05
フランツ・シュミット:交響曲全集、管弦楽曲集

■CD1
交響曲第1番ホ長調(1896-99)
歌劇「ノートルダム」 Op.2(1903) より第1幕:序曲/ 第1幕:間奏曲/第1幕:謝肉祭の音楽
■CD2
交響曲第2番変ホ長調(1911-13)
荘厳なフーガ(1937)- オルガン,16管楽器とパーカッションのために
■CD3
交響曲第3番イ長調(1927-28)
シャコンヌ ニ短調(原曲:オルガン1925/管弦楽編 1931)
■CD4
交響曲第4番ハ長調(1932-33)
軽騎兵の歌による変奏曲(1930)
マルメSO
ヴァシリー・シナイスキー(指)
■CD1
アンデシュ・ヨンソン(Org)
録音:2007年8月22-23日、2007年8月27-30日マルメ・コンサートホール(スウェーデン)
■CD2
録音:2007年5月28日-6月1日 マルメ・コンサートホール(スウェーデン)、2007年8月24-25日 St Petri Church, マルメ(スウェーデン)
■CD3
録音:2008年8月25-30日、2009年6月2-3日マルメ・コンサートホール(スウェーデン)
■CD4
録音:2008年5月26-31日、2009年6月4-5日マルメ・コンサートホール(スウェーデン)
シェーンベルクと同じ年に生まれ、ウィーン音楽院でブルックナーに学んだフランツ・シュミット。1899年から1933年にかけて作曲された4曲の交響曲は、オース トリア・ドイツ音楽の伝統を踏襲しながら、彼が終生憧れを抱いていたロマン派への傾倒も感じられます。対位法の巧みさが光る交響曲第1番、第2楽章に精 巧な変奏曲が置かれた第2番、1928年「シューベルト没後100周年記念式典」のために書かれた第3番、娘エマへのレクイエムでもある深い悲しみが全体を 支配する第4番。それぞれの作品に、歌劇「ノートル・ダム」からの管弦楽曲や軽騎兵の歌による変奏曲、シャコンヌなど主要な管弦楽作品を併せて収録して います。 ヴァシリー・シナイスキーとマルメSOによる、2008年から2009年のこの一連の録音はBBC ミュージック マガジンなど各誌で高い評価を受けました。
NAX-8.574646(1CD)
ホルンの黄金時代2つのホルンのための協奏曲集
フリードリヒ・ヴィット(1770-1836):2つのホルンのための協奏曲(第3番) ヘ長調 (1797)
フランツ・アントン・ホフマイスター:2つのホルンのための協奏曲第3番 変ホ長調(1783)*…世界初録音
レオポルド・モーツァルト:2つのホルンのための協奏曲 変ホ長調(1752)**
フランチシェク・クサヴァー・ポコルニー(1729-1794):2つのホルンのための協奏曲 ヘ長調(作曲年不詳)#
ヤチェク・ムズィク(第1ホルン)
ダニエル・ケルデレヴィチ(第2ホルン)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2022年3月17日、2023年9月27日*、2022年3月16日**、2022年3月20日#
狩猟時の信号用楽器を原点とするホルンは、18世紀になるとソロ楽器としての地位を確立し、ハイドンやモー ツァルトをはじめとする数多くの作曲家たちがホルンのための作品を作曲、その中には2本以上のホルンのため の作品も多く含まれます。このアルバムに収録されたホルン協奏曲は、いずれも当時のホルン奏者の技術的進 歩と作曲技法の充実を示しています。ベートーヴェンと同じ年に生まれたフリードリヒ・ヴィットの作品は、力強い 第1楽章、優雅なロマンス、舞曲を思わせる終楽章で構成されており、ホフマイスターの作品は、親しみやすい テーマと技巧的な展開を特徴としています。レオポルト・モーツァルトの協奏曲では、ホルンと弦楽器が緊密に 絡み合い、軽快なリズムと技巧的な要素が加わっています。ポコルニーのヘ長調の協奏曲は、2本のフルート がソロ・パートに彩りを加え、優雅なラルゲットが生き生きとした楽章に挟まれています。 バッファロー・フィルの首 席ホルン奏者ヤチェク・ムズィクと副首席ホルン奏者ダニエル・ケルデレヴィチが巧みなソロを披露します。
NAX-8.574537(1CD)
東ドイツのフルート協奏曲集
ギュンター・コーハン(1930-2009):フルート・コンチェルティーノ(1964)
ギスベルト・ネーター(1948-2021):フルート協奏曲 Op.125(2007)
ジークフリート・マトゥス(1934-2021):フルート協奏曲(1978)
クラウディア・シュタイン(Fl)
フランクフルト・ブランデンブルク州立O
デイヴィッド・ロバート・コールマン(指)

録音:2023年2月16-18日
※全て世界初録音
ドレスデン育ちのフルート奏者クラウディア・シュタインが自身のルーツに関わる作品を紹介する1枚。シュタイン は23歳の時にバレンボイムからベルリン・シュターツカペレの首席奏者にスカウトされた名手で、ここでは東ドイツ の時代を経験した作曲家によるフルート協奏曲を収録しています。 ギュンター・コーハンのコンチェルティーノは新古典主義の影響を受けつつも、現代的な和声を用いたユニークな 作品。比較的シンプルなソナタ形式の第1楽章から始まり、表情豊かなアンダンティーノと活発なヴィヴァーチェ で締めくくられます。ギスベルト・ネーターの協奏曲はシュタインのために書かれた作品で、古典派の作曲家ヨハ ン・ヨアヒム・クヴァンツの影響を受けつつも、現代的な内容と表現が特徴です。音楽全体はフルートが支配 し、軽やかなパッセージを伴う動きのある第1楽章や静かなアンダンテなど、変化に富んだ構成を持っています。 ジークフリート・マトゥスの作品は、5楽章構成。セリエル要素を用いた音楽で、ソリストとオーケストラの変化す る関係を描写しています。
NAX-8.660563(2CD)
パイジェッロ:歌劇「見せかけの恋人」 カミレッタ…エレーナ・ツェトコヴァ(S)
ジェリーノ…ダニエーレ・デ・プロスペーリ(T)
ドン・ジローネ…アントワーヌ・ベルネム(Br)
エストリンO
ステファノ・パリッセ(チェンバロ・指揮)

録音:2019年4月8-11、13日テルブルク(ロシア)
※世界初録音
ジョヴァンニ・パイジェッロは、18世紀後半のイタリアで活躍したオペラ作曲家。80以上の歌劇を作曲し、その 中にはモーツァルトに匹敵すると評価される作品も含まれます。 1776年、ナポリで成功を収めていたパイジェッロは、トンマーゾ・トラエッタの後任として、ロシアのエカチェリーナ2 世によりサンクトペテルブルクの宮廷指揮者に任命されました。同地では聴衆に分かりやすい音楽が求められ たため、ロシア滞在中にその作風は変化、目も眩むような超絶技巧を駆使した華やかな作品が次々と生まれ ました。この歌劇「見せかけの恋人」は、ロシア時代の作品で、登場人物は3人のみ。カミレッタが恋人のジェ リーノとともに、年配で裕福なドン・ジローネを騙し、危険な結果を招く画策に巻き込んでいくというコメディが、 パイジェッロの生来の劇的感覚によって見事に描かれています。作品所縁の地での上演を収録したアルバムで す。
NAX-8.573089(1CD)
シューベルト:ピアノのための舞曲集
34の感傷的なワルツ Op.50D779
12の高雅なワルツ Op.77D969
ワルツ(アルバムブラット)ト長調 D844
12のグラーツのワルツ Op.91D924
16のドイツ舞曲Op.83D783
ワルツ 変イ長調 D978
ワルツ ト長調 D979
2つのワルツ D980
ワルツ ハ長調 D980d
3つのドイツ舞曲 D972
2つのドイツ舞曲 D974
ドイツ舞曲 ニ長調 D975
ドイツ舞曲とトリオ ホ長調 D135
2つの舞曲のスケッチ D980e
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第8番 ニ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第9番 ニ長調(early version)
20のワルツ Op.127D146:ワルツ第2番イ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779
- ワルツ第12番ニ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779
- ワルツ第14番ニ長調(early version)
16のドイツ舞曲と2つのエコセーズ Op.33D 783  - ドイツ舞曲第6番変ロ長調(early version)
20のワルツ Op.127D146- ワルツ第13番ハ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第1番 ロ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第2番 ロ長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第4番 ト長調(early version)
34の感傷的なワルツ Op.50D779- ワルツ第33番 変イ長調(early version)
20のワルツ Op.127D146:ワルツ第5番ヘ長調(第2稿)
2つのメヌエットからの主題 D. deest (断章)
98.2つのメヌエットからの主題 D. deest (断章)
クッペルヴィーザー・ワルツ D. AI/14(R・シュトラウス編)
ドミニク・ケリ(P)

録音:2022年22-24日
シューベルト自身はあまりダンスを踊らなかったと言われていますが、パーティや友人たちの集まりの際には率先してピアノを演奏し、場を盛り上げる作品を提供 しました。このアルバムでは、ワルツやレントラーといった軽やかなダンス曲に焦点を当て、シューベルトならではの美しくバランスの取れた旋律美を楽しむことができ ます。どの曲もほとんど1分以内と短いながら、調性の変化にも細心の注意が払われており、技術的には比較的容易に演奏できるため、ピアニストにとっても親 しみやすいものばかりです。また、「34の感傷的なワルツ」の初期稿が含まれている他、アルバムの最後には1943年にR・シュトラウスが編曲した「クッペ ルヴィーザー・ワルツ」も収録されています。ドミニク・ケリはアメリカ合衆国セントルイス生まれ。ジェームズ・コンロンやジェラード・シュワルツをはじめとする指揮者と 共に、アメリカ国内の数多くのオーケストラと共演しており、リサイタルも多数行っています。また、ヴィジェイ・グプタ、増田喜嘉とともにダルシャン・トリオの一員とし ても活躍しています。

NAXOS 2024年10月発売 (2)
NAX-8.574570(1CD)
フォーレ&プーランク
フォーレ:バラード 嬰ヘ長調 Op. 19(Pと管弦楽版)
プーランク:ピアノ協奏曲 FP146)
フォーレ:幻想曲 Op.111
プーランク:オーバード FP51
ロマン・デシャルム(P)
マルメ歌劇場O
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2023年8月29日-9月2日
マルメ歌劇場(スウェーデン)
フォーレとプーランク、フランスの二人の作曲家によるピアノとオーケストラの作品集。フォーレのバラードは優雅で控え目な雰囲気で始まるも、最後はリストを思 わせる華やかなパッセージで曲を閉じます。幻想曲は円熟期の作品らしく、ピアノの動きは控え目ながらもフォーレ独自の和声進行が用いられた流麗な旋律を 持っています。「オーバード」はピアノと18の楽器のために書かれた舞踏を伴う作品。神話のエピソードを元にしたシナリオをプーランク自身が作って作曲しまし た。ストラヴィンスキーの影響が垣間見えます。 2006年に開催されたダブリン国際ピアノコンクールの優勝者で、NAXOSにはサン=サーンスのピアノ協奏曲全集などの録音がある名手、ロマン・デシャルムが 端正なピアニズムで作品の魅力を引き出しています。
NAX-8.551473(1CD)
R・シュトラウス:ホルン協奏曲集
ホルン協奏曲第1番変ホ長調 Op.11TrV117
アンダンテ ハ長調 TrV155(ラルス・オプファーマンによるホルンと室内オーケストラ編)
4つの最後の歌 TrV296(エベルハルト・クロークによ室内オーケストラ編)*
アルプホルン TrV64(L. オプファーマンによるソプラノ、ホルンと室内オーケストラ編)
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 TrV283
クリストフ・エス(Hrn)
ソーニャ・ゴルニク(S)*
アーヘンSO
クリストファー・ウォード(指)

録音:2019-2023年
18歳のR・シュトラウスが作曲した「ホルン協奏曲第1番」は、ミュンヘン宮廷楽団の首席ホルン奏者を 務めた父フランツに捧げられた作品です。シュトラウスは幼い頃からホルンに親しみ、12歳の時に「アルプホル ン」、24歳の時に「アンダンテ」を作曲(このアルバムにはL. オプファーマンによる室内オーケストラ伴奏版が収録 されています)、また以降のオーケストラ作品でもホルンは重要な役割を果たしており、この楽器に深い愛着を 抱いていたことが感じられます。老境に差し掛かったシュトラウスは、2番目のホルン協奏曲を完成させ、「父の 思い出に捧ぐ」として1943年にザルツブルク音楽祭で初演。この協奏曲は第1番と同じ変ホ長調で書かれて おり、モーツァルトを思わせる懐古的な曲調の中で、ホルンが超絶技巧を駆使して旋律を堂々と歌い上げる、 若々しいダイナミズムを持った作品です。エーベルハルト・クロークによる室内オーケストラのための『4つの最後の 歌』の編曲は、この晩年の名作に透明感溢れる新たな魅力を加えています。「九月」の最後のホルン・ソロも 印象的。 独奏はバンベルクSOの首席ホルン奏者を務めるクリストフ・エス。ミュンヘン国際音楽コンクール (ARD)、R・シュトラウス・コンクールなど、多くの国際コンクールで賞を受賞、2010年にはホルン四重奏 団「ジャーマン・ホルンサウンド」を創設し、室内楽奏者としても活躍しています。
NAX-8.579151(1CD)
イェ・シャオガン(1955-):消失的銀杏 Op.92(2019/2023年改訂版)
言葉のない告別の歌 Op.61B(2010/18)
ユー・ユアンチュン(琵琶)
リュー・ツェシャン(京胡)
チェン・ホンファン(笛)
北京オペラ・パーカッション(アンサンブル)
杭州PO
ヤンヤン(指)

録音:2023年5月29-31日
※全て世界初録音
1955年に上海で生まれたイェ・シャオガンは、現代中国を代表する作曲家の一人です。彼は、自作に中国 の民間伝承のエピソードや風景、自然などのモチーフを取り入れることで知られ、演奏会用の音楽だけでなく、 数多くの映画音楽でも権威ある賞を受賞するなど、その作品は高く評価されています。 このアルバムには2つの作品を収録。「言葉のない告別の歌」は、精緻で美しいメロディーと洗練されたオーケス トレーションが特徴で、芸術的創造のインスピレーションや死というテーマに深く迫ったストーリー性のある作品で す。琵琶や京胡、笛など、中国の伝統的な楽器が巧みに用いられています。 「消失的銀杏」は、イェ・シャオガンが愛する「イチョウの木」をモチーフにした植物シリーズの最新作。優雅で繊 細な音色の変化が美しいこの曲には、中国に数億年前から存在するイチョウへの想いが込められるとともに、 未知のものに対する人間の探究心と好奇心、そして人間と自然の相互依存への関心、さらに人間の心の奥 底にある美への深い洞察が表現されています。
NAX-8.551467(1CD)
イタリア・バロックのトランペット協奏曲集
1-3. ヴィヴァルディ:協奏曲 ニ長調 RV230- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
4-7. アンドレア・グロッシ(1660頃-1696):5声のソナタ Op.3No.11- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
8-13. ツィポーリ:組曲 ヘ長調- トランペット、オルガンと弦楽合奏のために(アネッテ・ラウスによるトランペット編)
14-18. コレッリ:4声のソナタ ニ長調 WoO4- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
19-21. ドメニコ・ナタレ・サッリ(サッロ)(1679-1744):歌劇「Le gare generose 勇敢なる競演」よりシンフォニア ニ長調- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために…世界初録音
22-24. アルビノーニ:トランペット協奏曲 変ロ長調 Op.7No.3(原曲:オーボエ協奏曲)
25-27. バルダッサーレ(1680頃-1768):ソナタ第1番 ヘ長調- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
28-30. トレッリ(1658-1709):ソナタ ニ長調(G13)- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
31-33. トレッリ:トランペットを伴うシンフォニア G.14- トランペット、弦楽合奏と通奏低音のために
トーマス・ライナー(Tp)
インテルプレーティ・ヴェネツィアーニ(ヴェネツィア室内合奏団)

録音:2021年9月20日、2023年9月4-6日、10月30-31日
前作『ドイツ・バロックのトランペット協奏曲集』(8.551419)の演奏がFanfare誌によって「第一級で活気に 満ちている」と評されたトーマス・ライナー。今作ではイタリア・バロックの作品に挑みます。いずれも速い楽章での 華麗な技巧と緩徐楽章での息の長い歌がききものです。アルビノーニの見事な装飾音や、ヴィヴァルディの協 奏曲で聴かれる輝かしい技巧など、それぞれの作曲家のユニークな個性が前面に表れています。また、ドメニ コ・サッリの「シンフォニア」は世界初録音となります。 トーマス・ライナーは1969年ドイツ生まれ。12歳の時にモーリス・アンドレの演奏に触れたことで奏者を志し、活 躍してきました。バックをつとめるインテルプレーティ・ヴェネツィアーニ(ヴェネツィア室内合奏団)は1987年創設 のヴェネツィアのモダン楽器アンサンブル。ヴィヴァルディの作品を得意とするほか、現代作品や古典派作品の演 奏にも定評があります。
NAX-8.574160(1CD)
レスピーギ:管弦楽伴奏歌曲集
子守歌, P.38(1902)(S. ディ・ヴィットリオ編)
3つの歌曲 P.99a(1906-12/1913オーケストラ伴奏編未完)(S. ディ・ヴィットリオによる声と管弦楽編補筆)…この版による全曲世界初録音
アリアンナの嘆き P.88(C. モンテヴェルディによる)(1908)(S. ディ・ヴィットリオ編)
日没 P.101(1914)(声と弦楽オーケストラ版)
カンタータ「アレトゥーザ」 P.95(1910-11)
アレッサンドラ・ヴィセンティン(C.A)
ニューヨーク室内O
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指)

録音:2022年4月18-22日
レスピーギによる声楽とオーケストラのための作品集。モンテヴェルディの失われたオペラ「アリアンナ」の一部とし て伝わる「アリアンナの嘆き」にレスピーギがオーケストレーションを施したものは、レスピーギの評価を高めまし た。「子守歌」は1902年に作曲された弦楽器のための小品。ワーグナーを思わせる「日没」と「アレトゥーザ」 は、いずれもイングランドの詩人シェリーの詩に基づいており、『ローマの泉』の前兆ともいえるドラマティックな雰 囲気を持っています。『3つの歌曲』は、もともとメゾソプラノとピアノのために別々に作曲された3つの歌曲をまと めたもので、レスピーギ自身がオーケストレーションを行うも未完となっていた曲集。「霧」と「雨」は、パヴァロッ ティの歌唱でも知られています。レスピーギの作品カタログ編纂者がこの曲集を発見し、作品リスト出版後に新 たにP.99aと附番し追加。作曲家でもあるサルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオは、レスピーギの姪にあたる人物の 個人的な依頼を受けて、2013年に出版された批判校訂版のためにオーケストレーションを完成させました。 アレッサンドラ・ヴィセンティンは、ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院とクラウディオ・アバド音楽院で学んだコントラルト。 これまでにミラノのスカラ座、ニューヨークのカーネギーホール、ランス歌劇場、ザルツブルク音楽祭、ラヴェンナ音 楽祭などに出演しており、リッカルド・ムーティ、ズービン・メータ、リッカルド・シャイーなど、多くの名指揮者と共 演、その魅力的な声が高く評価されています。
NAX-8.660552(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「キアラとセラフィーナ」 キアラ…グレタ・ドヴェーリ(S)
セラフィーナ…ファン・ジョウ(Ms)
ドン・メスキーノ…ピエトロ・スパニョーリ(Br)
ドン・アルヴァロ/ドン・フェルナンド…マティアス・モンカーダ(Bs)
ドン・ラミーロ…ヒョンソ・ダヴィデ・パク(T)
ピカロ…スンファン・ダミエン・パク(Br)
リゼッタ…バレンティーナ・プルジニコワ(A)
アニェーゼ…マーラ・ガウデンジ(Ms)
スパラトロ…アンドレア・タンジッロ(T)
ジェンナーロ…ジュゼッペ・デ・ルーカ(Bs)
スカラ座アカデミアcho
オーケストラ・リ・オリジナーリ(古楽器使用)
セスト・クアトリーニ(指)

録音:ドニゼッティ音楽祭2022年12月4日
【同内容の映像】 DYNAMIC
DVD…DYNDVD37987
Blu-ray…NYDX50346(国内仕様盤)
DYNBRD57987(輸入盤)
舞台は17世紀、マヨルカ島。船長ドン・アルヴァロは、娘のキアラを連れて地中海を航海中に海賊に襲われ、 奴隷として売られてしまいます。ドン・アルヴァロの盟友だったドン・フェルナンドは、その不在につけ込んで、ドン・ アルヴァロのもうひとりの娘セラフィーナを籠絡して、その財産を乗っ取ろうと画策しますが、セラフィーナには既に 結婚を誓った恋人ドン・ラミーロがいました。そこに長く苦しい奴隷生活から解放されたドン・アルヴァロとキアラが 帰還し……
このアルバムは、初演から200年を経た2022年12月、ドニゼッティの生地、ベルガモでの復活蘇演の収録で す。19世紀のオペラをピリオド楽器で演奏する目的で創設されたオーケストラ、リ・オリジナーリを、このジャンル のエキスパート、セスト・クアトリーニが率い、新国立歌劇場の「フィガロの結婚」(2017年)のアルマヴィーヴァ伯 爵役で日本でもお馴染みのピエトロ・スパニョーリを中心に、スカラ座アカデミアの若手歌手を起用しました。
NAX-8.574599(1CD)
アイヴァー・ガーニー(1890-1937):歌曲集 第2集
1.10の歌 第1巻 - 第4曲 Down by the salley gardens サリー・ガーデン
(1920)
2.10の歌 第5巻 - 第7曲 野原に夏が満ちている(1921頃)
3. アドレストロップ(1921)*
4. 鷹とバックル(1921)
5. イン・メモリアム(イースター1915) (1921)*
6. 女性の声(1924頃)*
7. 湖の島イニスフリー(1918)*
8. 軍隊の休止(1919)*
9.10の歌 第5巻 - 第3曲 セヴァーンの牧草地(1917)
10.10の歌 第2巻 - 第5曲 Blaweary(1920)
11.5つのエリザベス朝の歌 - 第4曲 眠り(1914)
12.5つの歌 - 第5曲 赤いバラ(1918)
13.10の歌 第3巻 - 第7曲 雪(1921)
14. オランダの低地(第1作)(1918)*
15. タランテッラ(1921)
16.10の歌 第5巻 - 第9曲 二羽のカラス(1914/1915改訂)
17. ナルシスの哀歌のこだま(1921頃)*
18. 幽霊(1920)
19. 君よ知るや南の国(1914頃)*
20. ルパート・ブルックの5つの歌 - 第2曲 女性には知恵がある(1921)*
21. 強盗の歌(1920)*
22. あなたは、おお最も誠実で真実な人よ(1908?/1925改訂)*
23. シー・イズ・フル・オブ・ワンダリング・フォーム(1908)*
24. 来たれ、死よ(1920)*
25. ワールド・ストレンジネス(1925)*
26. 西の船乗りたち(1926)
マーカス・ファーンズワース(Br)
エリック・マッケロイ(P)

録音:2024年3月20-21日
*…世界初録音
スタンフォードに学び、ハーバート・ハウエルズと親交の深かった作曲家アイヴァー・ガーニーは、第一次世界大戦の従軍体験を元にして書いた2つの詩集を始め とした多くの詩作で「偉大なる詩人」としても知られています。歌曲を書く時には、現代の詩人から伝承のバラッド、エリザベス朝やジャコビアン時代の詩人、さら には自作の詩まで幅広くテキストを選びました。このアルバムには、彼の代表作である「眠り」や「セヴァーンの牧草地」などが含まれているだけでなく、世界初録 音の歌曲も14曲含まれています。2009年ウィグモア・ホール/コーン財団国際声楽コンクールで第1位を獲得したマーカス・ファーンズワースの表現力豊かな 歌唱でお楽しみください。

NAXOS 2024年10月発売 (1)
NAX-8.574519(1CD)

NYCX-10491(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ハイドン:後期交響曲集 第4集
交響曲第102番変ロ長調 Hob.I:102
交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」 Hob.I:103
.交響曲第104番ニ長調「ロンドン」 Hob.I:104
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)

録音:2023年10月14-16日
コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
※国内仕様盤には音楽評論家、大津聡氏の解説が付属します。
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャーが、デンマーク室内Oの 首席指揮者就任25年を記念してスタートさせたハイドンの後期交響曲の再録音シリーズ、「ロンドン・セット」の完結編となる第4集の登場です。今 回の演奏も近年の歴史的アプローチから得た経験や情報を参考にしつつも、フィッシャーがオペラやオーケストラの演奏で積み重ねてきた様々な表現 の手法を駆使して迫力と遊び心を存分に備えた個性的なもので、ハイドンの作品が演奏者に許容する懐の深さも感じさせるものとなっています。 第102番は1795年、ロンドンの国王劇場で第1回オペラコンサートのプログラム第2部の最初の曲目として初演されました。第2楽章では独奏チェロ が活躍します。第103番は、第1楽章の冒頭と終結部にティンパニの長い連打があることから「太鼓連打」と呼ばれる作品。ハイドンはこのティンパニ に変ホのロールを指定していますが、指揮者によっては独自のリズムと音を加える場合があります。アダム・フィッシャーもオーストリア・ハンガリー・ハイドン 管との旧録音では楽譜通りの演奏でしたが、今回は工夫を凝らしており、シリーズを通してティンパニに重要な役割を持たせるフィッシャーの面目躍如 といった溌剌とした演奏です。第104番はハイドンが2度目の凱旋訪問中にロンドンで作曲した彼の最も壮大な交響曲。第2楽章の中間部の荒々 しい表現が「疾風怒濤」の時代を彷彿とさせる、ハイドンの交響曲の集大成といえる堂々たる作品です。

NAXOS 2024年9月発売 (2)
NAX-8.574380(1CD)
リスト:ピアノ曲全集 第63集 - クリスマス・ツリー他
クリスマス・ツリーS186/R71(1876)(初稿 MS-181, フランス国立図書館、パリ)
悲しみのゴンドラ II 「エレジー第3番」 S200/ R81(1882年版)
悲しみのゴンドラ II 「エレジー第3番」 S200/ R81(1883年版)
子守歌 S198/R58(1881)
エレジー第1番「墓の中の子守歌」 S196/ R76 (初稿)
ペテーフィの追悼に S195/R111(1877)(改訂版)
「皇帝ヴィルヘルム!」 S197b(1876)
ハンガリーの歴史的肖像 S205/R112ー第7曲 ミハーイ・モショニ(1885)
諦め S263/S187a/R388(1877)(第2稿)
コサックの歌 S249c(1871頃)
ヴォイチェフ・ヴァレチェク(P)

録音:2023年7月5-7日
NAXOSのリスト:ピアノ曲全集、第63集は、1876年の『クリスマス・ツリー』初稿を中心に晩年の小品を収録しています。 リストが孫娘ダニエラのために作曲した『クリスマス・ツリー』は、伝統的なキャロル、子供から見たクリスマス、大人の思い出の3つのグループに分かれています。 現在一般的に演奏されているのは1882年の改訂版ですが、ここでは初稿を演奏しています。悲しみのゴンドラ II「エレジー第3番」は、リストがリヒャルト・ ワーグナーの死を予感して作曲した作品で、ここには1882年の初稿と1883年の改訂版を収録(その後の改訂版も存在します)。「子守歌」は弟子のため に作曲されたシンプルな旋律の作品で、1958年に初めて出版されました。エレジー第1番「墓の中の子守歌」は、リストが弟子のマリー・ムハノフに捧げた作 品で1875年に発表されました。「ペテーフィの追悼に」は、ハンガリーの詩人シャーンドル・ペテーフィを題材にした作品です。「皇帝ヴィルヘルム!」は、リスト が皇帝ヴィルヘルム1世との謁見後に作曲したと考えられる短い行進曲で、2003年まで出版されることはありませんでした。『ハンガリーの歴史的肖像』第7 曲「ミハーイ・モショニ」は、ハンガリー文化を讃えた晩年の曲集の中の1曲で、ミハーイ・モショニは作曲家。「諦め」はオルガン作品として知られていますが、ここ ではピアノ用に改訂された第2稿を収録。「コサックの歌」は、リストの友人ザモイスカ伯爵夫人の蔵書から発見された短く華やかな作品。1960年に初めて 自筆譜が出版されました。 ポーランド出身でリスト作品を得意とするヴォイチェフ・ヴァレチェクの演奏です。
NAX-8.574572(1CD)
クラウジオ・サントロ:交響曲全集 第4集
愛と平和の歌(1950)
交響曲第4番「平和の交響曲」(1953-54)
テナー・サクソフォンと管弦楽のための協奏的ショーロ(1951)
交響曲第6番(1957-58)
ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲(1959-60/1980改訂)
ペドロ・ビッテンクール(テナーSax)
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
ゴイアス交響cho、ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2018年11月12-13日、2019年11月28日、2023年5月22日、2022年4月25-30日
ブラジルを代表するシンフォニストであるクラウジオ・サントロの交響曲全集。この第4集には1950年代の4作 品が収録されています。「愛と平和の歌」はサントロがセリエリズムから民族主義へ移行を試みていた時期の 作品。交響曲第4番は彼の作品の中で人気あるものの一つ。ソ連で出版・録音され、ハチャトゥリアンやカバ レフスキーが熱烈に支持しました。交響曲第6番は、緩徐楽章とスケルツォを速い楽章がはさむ4楽章形式 の古典的な形式にモダンな音楽を盛り込んだ作品。サントロはまた、いくつかの協奏的作品も作曲しており、 1951年のサクソフォンのための「協奏的ショーロ」では彼特有のノリのよいリズムと、巧みなオーケストレーショ ンが映えています。1959年から1960年にかけて作曲された「ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲」は 1980年に改訂、彼自身の指揮で初演。この幻想曲は切れ目のない2つの部分からなり、抒情的な前半 部と技巧的な後半部で構成されています。
NAX-8.574457(1CD)
ピアソラ:ギター音楽集〜タンゴ組曲、オブリビオン、天使の死、タンゴ・エチュード
ピアソラ:タンゴ組曲(1984) ー ギター二重奏のために*
オブリビオン(忘却)(1984)(Y. リベルゾンによるギター編)(2019)…この編曲による世界初録音
天使の死(1962)(L. ブローウェルによるギター編)(2015)
5つの小品(1980)
タンゴ・エチュード集(1987)(M. バルエコによるギター編)(2011)
ユーリ・リベルゾン(G)
ピョートル・パホムキン(G)*

録音:2023年4月9-11日
タンゴにクラシックやジャズの要素を融合させた「タンゴ・ヌエボ」を生み出したアストル・ピアソラの名曲をギター で演奏したアルバム。収録されているのは、ギター・デュオのアサド兄弟のために作曲された「タンゴ組曲」、ピ アソラ初のギター曲「5つの小品」のほか、リベルソンによる「オブリビオン」の編曲、ブローウェルによる「天使の 死」の編曲、バルエコによる「タンゴ・エチュード」です。どの曲もギターの幅広い音域を生かした編曲が聴きどこ ろ。アメリカ西海岸で意欲的な活動を繰り広げるユーリ・リベルゾンンによる演奏です。
NAX-8.574562(1CD)
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第7集
交響曲 ニ長調「Con musica turca トルコ音楽風」(1790代)
歌劇「メルクリウス、結婚仲介人」 より
交響曲 ハ長調 Op.35No.1(1799年頃出版)
歌劇「復讐」ー第1幕 序奏(アンダンテ・コン・モート)
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2023年1月30日-2月3日
※全て世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァル トと交流を深めウィーン音楽界における重要な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアの お気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼されました。同い年生ま れのモーツァルトとも交友を深め、モーツァルトの死後は未亡人コンスタンツェが亡き夫の作品を出版するため の手助けをしたことでも知られています。このアルバムでは2曲の交響曲と、歌劇からの序曲、シンフォニアを 収録。どれも彼の巧みな管弦楽法が発揮されており、なかでも「交響曲ニ長調」の最終楽章には、トライア ングル、シンバル、トルコ式のドラムを採り入れたことで、当時流行していた「トルコ音楽」風の響きが存分に 味わえます。
NAX-8.660547(2CD)
ムソルグスキー:歌劇「ソロチンスクの定期市」(1874-80)(F. ボロン版2021年)
歌劇「サランボー」組曲(1863-66)(F. ボロン校訂)*
ソローヴィ・チェレヴィーク…タイル・タジグロフ(Bs)
ヒーヴリャ…グレタ・バギヤン(Ms)
パラーシャ…カリーナ・シュミーガー(S)
クム…ハンス・グレーニング(Bs-Br)
グリツィコ…タマチ・ナッタボン(T)
ジプシー/チェルノボーク…リー・ジンソク(Bs) 他
カントゥス・ユヴェヌム・カールスルーエ
フライブルク劇場オペラ合唱団のメンバー
リリーズ・プロジェクト
ファブリース・ボロン(指)
リリーズ・プロジェクト*
ファブリース・ボロン(指)*

録音:2023年9月6、7、11日、2023年9月5日*
※全て世界初録音
モデスト・ムソルグスキーの未完となった歌劇「ソロチンスク(ソローチンツィ)の定期市」。ニコライ・ゴーゴリの原 作をもとに、ムソルグスキー自身が台本を作成したこの歌劇は、恋愛にまつわるごたごたと悪魔の呪いが交錯 するコメディーです。彼の死後、何人かの作曲家が作品の補筆を行いましたが、このファブリース・ボロンの版 はムソルグスキーによる音楽だけを用いた室内楽伴奏版です。アルバムには同じボロンが「サランボー」の音楽 を演奏会用組曲に編んだものを収録。こちらはムソルグスキーがフローベールの同名小説をもとに作曲、未 完のまま終わった彼の初の歌劇です。「テーマとアイデアの美しさ」がリムスキー=コルサコフに称賛されました。

NAXOS 2024年9月発売
NAX-8.503300(3CD)
トニー・バンクス(1950-):7・6・5- オーケストラのための18作品
【CD1】
セヴン- オーケストラのための組曲(S. ヘイル編)

【CD2】
シックス- オーケストラのための6つの小品(P. イングリッシュビー編)

【CD3】
ファイヴ(N. イングマン編)
【CD1】
トニー・バンクス(P)…1、4、7
LPO
マイク・ディクソン(指)
録音:2022年7月3-5日、8-9日
【CD2】
チャーリー・シーム(Vn)
マーティン・ロバートソン (アルト・サクソフォン)
プラハ市PO
ポール・イングリッシュビー(指)
録音:2011年3月13-17日
【CD3】
トニー・バンクス(P、チェレスタ)
ジョン・バークレー(コルネット、トランペット)
マーティン・ロバートソン(サクソフォン/ドゥドゥク)
フランク・リコッティ(打楽器)
スカイラ・カンガ(Hp)
チェコ・ナショナル交響合唱団
チェコ・ナショナルSO
ニック・イングマン(指)

録音:2017年3月22-26日
70年代のプログレッシブ・ロックのレジェンド『ジェネシス』のキーボード奏者トニー・バンクス。彼は以前からオー ケストラのサウンドにも魅了されており、まずサウンドトラックの作曲で成功を収めたのち、2002年に「セヴン」、 2011年に「シックス」、2014年に「ファイヴ」を書き上げ、これまで3枚のアルバムとしてナクソスからリリースしま した。今回、その3作品がセットになって再発売されます。どれも、特定のクラシックの形式等を意識したもので はない、バンクス・ワールドというべきものになっています。各曲のオーケストレーションはバンクス自身が監修し、 彼が求めた理想の音に仕上げています。「セヴン」と「ファイヴ」ではバンクス自身が演奏するピアノにも注目で す。 ※参加アーティストたちの写真を掲載した20ページの美麗ブックレット(英語のみ)が付属します。
NAX-8.574529(1CD)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.5No.1
モーツァルトの「魔笛」の「恋人か女房か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66
チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5No. 2
モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
ガブリエル・シュヴァーベ(Vc)
ニコラス・リンマー(P)

録音:2023年2月14-16日
フォイアマン、ロストロポーヴィチ、フルニエ、名手の名を冠した3つの国際チェロ・コンクールで受賞経験を持つ ガブリエル・シュヴァーベによるベートーヴェンのチェロ作品全曲録音の第1集。このアルバムでは、20代半ばの ベートーヴェンがデュポール兄弟と初演、フリードリヒ・ヴィルヘルム2世に献呈したソナタ第1番、第2番と、モー ツァルトの歌劇「魔笛」のアリアに基づく2作の変奏曲を収録。1695年製のジュゼッペ・グァルネリのチェロを駆 使して、共演のイギリスのピアニスト、ニコラス・リマーとともに、若々しく情感豊かな表現で聴かせます。
NAX-8.660561(2CD)
ラフ:歌劇「嫉妬深い人々」 ベッピーノ…マティアス・バイン(Br)
ニネッタ…ミリヤム・フェスラー(Ms)
ドンナ・ローザ…セラフィナ・ジャンノーニ(S)
ドンナ・ビアンカ…ライザ・イエローネ(Ms)
ドン・クラウディオ…ベンジャミン・ポプソン(T)
ドン・ジェロニモ…・マルティン・ロト(Bs)
ドン・ジュリオ…バルドゥイン・シュネーベルガー(Br)
オーケストラ・オヴ・ヨーロッパ
ヨーナス・ピトカネン(指)

録音:2022年9月16-18日
※世界初録音
ヨアヒム・ラフが死の数週間前に完成させた最後の歌劇「嫉妬深い人々」。舞台で上演される見込みもない まま書き上げたこの作品は、他愛もない筋書きを持つ2時間以上の滑稽劇で、イタリアのベルカントとモーツァ ルトのオペラの影響が感じられます。登場人物は貴族階級のカップル2組、召使いのカップル1組、そして家 父長的なドン・ジェロニモの計7名で構成されており、召使役の2人が物語を進行させる重要な役割を果たし ます。ドイツ・オペラを得意とするマティアス・バインとミリヤム・フェスラーをはじめとした歌手たちの見事な歌唱を 収録。世界初録音。
NAX-8.501804(18CD)
NX-M09
ブルックナー:交響曲全集(全11曲・全18稿)
■CD1
1-4. 交響曲 ヘ短調(ノーヴァク版)
■CD2
1-4. 交響曲 ニ短調(ノーヴァク版)
■CD3
1-4. 交響曲第1番ニ短調(第1稿/レーダー版)
■CD4
1-4. 交響曲第1番ニ短調(第2稿/ブロシェ版)
5. スケルツォ旧稿(グランジャン版)
■CD5
1-4. 交響曲第2番ハ短調(第1稿/キャラガン版)*
■CD6
1-4. 交響曲第2番ハ短調(第2稿/ホークショー版)
■CD7
1-4. 交響曲第3番ニ短調(第1稿/ノーヴァク版)*
■CD8
1-4. 交響曲第3番ニ短調(第2稿/ノーヴァク版)*
5. アダージョ第2番(ノーヴァク版)
■CD9
1-4. 交響曲第3番ニ短調(第3稿/ノーヴァク版)
■CD10
1-4. 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(第1稿/コーストヴェット版)*
■CD11
1-4. 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(第2稿/コーストヴェット版)
5. 第4楽章旧稿「民衆の祭り」(コーストヴェット版)*
■CD12
1-4. 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(第3稿/コーストヴェット版)*
■CD13
1-4. 交響曲第5番変ロ長調(ノーヴァク版)*
■CD14
1-4. 交響曲第6番イ長調(ウィリアムソン版)
■CD15
1-4. 交響曲第7番ホ長調(ホークショー版)*
■CD16
1-4. 交響曲第8番ハ短調(第1稿/ホークショー版)
■CD17
1-4. 交響曲第8番ハ短調(第2稿/ノーヴァク版)
■CD18
1-3. 交響曲第9番ニ短調(ノーヴァク版)
リンツ・ブルックナーO
ウィーンRSO*
マルクス・ポシュナー(指)

録音:2018年、2021年〜2024年
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年に向けて全交響曲のすべての稿(バージョン)を新たに録音する企画 「#bruckner2024」。2024年7月に最終巻の第9番&ヘ短調がリリースされたばかりですが、はやくもNAXOSレーベルからBOXで登場します。同一指 揮者による全稿録音は史上初の快挙ですが、最新の知見を援用した解釈と、ブルックナーの細かい指示を丹念に踏まえたポシュナーの指揮によって新たな ブルックナー像を提示することに成功。「私たちが習慣にしてきた聴き方と伝統と見なしてきたものを問い直す企画」としてICMA(International Classical Music Award)2024の特別賞を受賞しました。 伝統的なブルックナー演奏においては、テンポをあまり細かく動かさず(または動かしたと感じ取らせず)、丸く溶け合った響きで旋律を息長く歌うなど、教会で 聴くオルガンや合唱のように演奏する傾向が見られましたが、ポシュナーはこれらの交響曲は教会音楽ではないとの理解に徹し、作曲者のテンポや強弱記 号を仔細に読み込んで克明に反映しています。例えば第3稿第2楽章の4種の稿では、アンダンテとアダージョの間を揺れ動く、それぞれに異なる速度記号 の微妙な違いが生み出す効果を実際の音できちんと聞き取れるなど、稿の違いを聴き比べるのに好適な演奏が揃っています。また第3番(第1稿と第2稿) 第4楽章コーダにおける弦楽器の扱いなど、演奏者の負担が大きく作曲家としての未熟さと見なされてきた箇所も真摯に再現。そのカドを丸めない姿勢は 特に初期稿の持つ斬新なアイディアや効果を余すところなく伝えるものとなっています。ブルックナー研究家のウィリアム・キャラガンはブルックナーの異稿につい て「自分の好み、理想の姿、究極の形を探すのはやめよう。すべてのスコアには価値がある」と語っていますが、その言葉に感じるところのあるファンには是非 聞いて頂きたいセットです。尚、CD5の第2番第1稿は第2楽章と第3楽章を出版楽譜とは逆の順で演奏しています。 全178ページのブックレット付(英語とドイツ語)
【当プロジェクトにおけるブルックナーの交響曲の「稿」について】
ポール・ホークショー(イェール大学名誉教授)
アントン・ブルックナーの音楽の愛好家のみなさんは、当プロジェクトで収録されるブルックナーの交響曲の稿が全部で18しかないことを不思議に思うかもしれ ません。20世紀半ば以来、音楽雑誌やレコード業界のマーケティングによって、彼がもっと多くの稿を残したかのような誤ったイメージが作られてしまったので す。ブルックナーのすべての自筆資料のあらゆる変更を特定しようとする音楽学的な関心の結果、彼自身が明確に「稿」と捉えていたものに至る途中で行わ れた修正まで含めた版がやたら増えてしまったのです。本来こうした修正は、スコアではなく、校訂報告に含めるべき情報です。また、レコード・プロデューサー たちが新しいリリースのたびに、ハース版かノーヴァク版かを表記することにこだわったために、この二人の学者がブルックナーの1番から9番まですべての交響曲 について明確に異なる版をそれぞれ出版したかのような誤解を与えてしまいました。実は、交響曲第8番の第2稿を除けば、ハースとノーヴァクの版はかなり 似通っているのです。本全集を収録するにあたって、演奏者たちは目下オーストリア国立図書館の後援の下で準備されている『新アントン・ブルックナー全 集』の校訂者たちが決めた「稿」の定義を採用しています。新全集では、ブルックナーの交響曲のそれぞれの「稿」を、彼の歴史的な節目――「たとえば交響 曲の演奏、出版、または献呈など、ある作品について彼がひとつの段階を終えたことを示す出来事」――によって区別しています。したがって、本録音では、 新全集の校訂者たちが同定した「稿」が収められており、各CDの原盤解説には、その特定の「稿」を同定した理由について詳しく論じています。この録音に は、作曲者の関与なく出版された初版楽譜――いわゆるシャルク、レーヴェなどのもの――は含まれていません。わかっている限りでは、ブルックナーが同意し た初版楽譜は、第3番、第4番、第7番のみであり、それらの内容は、本セットでは最終稿(もちろん第7番はひとつしか稿がありませんが)の楽譜に組み込ま れています。可能な限り、演奏は新ブルックナー全集のためにすでに完成しているスコアとパート譜に基づいています。

NAXOS 2024年8月発売 (3)
NAX-8.574448(1CD)
ユージン・ザードル(1894-1977):作品集
アコーディオン協奏曲(1972)
ロマンス(1920年代初期)(M. スモリーによるチェロと弦楽編)*
金管楽器のための組曲(1961)
子守歌(1972頃)(M. スモリーによるヴァイオリンと弦楽編)*
ハンガリー幻想曲(1943頃)(M. スモリーによるヴァイオリンと弦楽編)*
ピアノ五重奏曲(1933)(M. スモリーによるピアノと弦楽編)*
クラウディウシュ・バラン(アコーディオン)
リハールト・ロージャ(Vc)
ダーヴィド・ピンテール(Vn)
アンナ・グレツカ(P)
ブダペストSO
マリウシュ・スモリー(指)

録音:2023年6月26-29日
*…世界初録音
ハリウッド・サウンドの発展に寄与したザードルの協奏的作品を中心としたアルバム。ザードルはハンガリー生まれで、ウィーンとライプツィヒで学び、1939年に渡 米。ハリウッドでミクローシュ・ローザの映画音楽のオーケストレーションを担当して壮麗なハリウッド・サウンドの発展に貢献しました。主役(ソロ)を演じることの少な い楽器のための作品作りにやりがいを感じていたというザードルらしさが現れたのがアコーディオン協奏曲。著名なアコーディオン奏者アントニー・ガラ=リニのために 書かれたもので、終楽章にはザードルの故郷ハンガリーの旋律が用いられた快活な作品です。金管楽器のための組曲は、ホルン4本、トランペット4本、トロン ボーン3本、テューバ1本という編成で書かれ、ザードルが得意とした映画音楽を思わせる華麗な作品。他には当アルバムの指揮者、スモリーが弦楽伴奏版に 編曲した4作品が収録されており(いずれも世界初録音)、特に渡米前の作品でハンガリー国家賞に輝いた「ピアノ五重奏曲」が聴きごたえあります。
NAX-8.559936(1CD)
アメリカのオルガン協奏曲集
ホレイショ・パーカー(1863-1919):オルガン協奏曲 変ホ短調 Op. 55(1901-02)
ウェイン・オーキン(1977-):レジリエンス(2015)*
クリストファー・ラウズ(1949-2019):オルガン協奏曲(2014)*
アイヴズ:アメリカ変奏曲(1891-92)(E. パワー・ビッグズによる1949年編)
ポール・ジェイコブス(Org)
ナッシュヴィルSO
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)

録音:2019年10月27-30日(ライヴ)
2023年2月23-25日*
2024年3月19日#
アメリカ近現代の作曲家によるオルガン協奏曲を、グラミー賞受賞アーティストのコンビで収録したアルバム。冒 頭のホレイショ・パーカーは チャールズ・アイヴズの師で、ミュンヘンに留学しヨーゼフ・ラインベルガーに師事した作 曲家。その作風はドイツの伝統を継承しており、このオルガン協奏曲もメンデルスゾーンやブラームスを思わせる 重厚な雰囲気を持っています。続くオーキンの「レジリエンス」は、スペース・ファンタジー映画が似合いそうなスペ クタクルな音楽。協奏曲という形式を好んだラウズのオルガン協奏曲は、ポール・ジェイコブスに捧げられたもの で、古典的な急-緩-急の楽章形式で書かれています。最後に収められているのは、アイヴズのオルガン・ソ ロ作品。曲名は「アメリカ変奏曲」ですが、英国国歌「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」を主題としています。アイヴズ自 身の教会での演奏経験を活かしたオルガン特有の効果や技巧が盛り込まれています。
NAX-8.559942(1CD)
ジョージ・ウォーカー(1922-2018):ピアノ作品全集 第2集
リーヴィング(1971)(A. ドッシンによるピアノ編 2022)
ピアノ協奏曲(1975)
ピアノ・ソナタ第4番(1984)
グイドの手- ピアノのための5つの小品(1987)
ピアノ・ソナタ第5番(2003)
アレクサンダー・ドッシン(P)
オレゴン大学フィルハーモニア
デイヴィッド・M・ジェイコブス(指)

録音:2023年1月8-10日、2023年4月2日 、2023年11月20日 Beall Hall(USA)(ライヴ)、2023年11月27、29日
1996年に「ライラック」でピューリッツァー賞を受賞したアフリカ系アメリカ人作曲家ジョージ・ウォーカー。このアル バムは第1集(8.559916)と合わせてウォーカーのピアノ作品全集となります。ピアノ協奏曲は古典的な形式 の中にさりげなくデューク・エリントンの旋律が採り入れた作品。「グイドの手」はソルフェージュの原形を考え出し たグイド・ダレッツォにちなんだタイトルですが、この曲にもエリントンの影響が感じられます。冒頭の「リーヴィング (去り行く、の意)」はピアノ協奏曲のアンコールとしてドッシンがピアノ独奏用に編曲したもの。
NAX-8.579153(1CD)
チン・ウェンチャン(1966-):雲の川、神々の光、音を探して
雲の川 - 笙と管弦楽のための協奏曲(2017)
神々の光 - オーケストラのために(2018)
音を探して - 伶倫からインスピレーションを得た絵画(管弦楽のための舞踏組曲)(2018)
大地の詩(笙、箏と管弦楽版)(2017/20)
チェン・ヤン(笙)
ソン・シンシン(箏)
ウィーンRSO
ゴットフリート・ラブル(指)

録音:2023年8月1-4日
モンゴル生まれのチン・ウェンチャン(秦文?)の近作の管弦楽曲を収めたアルバム。彼の作品は文学、神話、 自然からインスピレーションを受けており、当アルバムの最初と最後の曲では、中国の伝統楽器特有のサウンド を活かしつつ、民族的要素に頼らず、西欧現代音楽の語法の中に取り込んでいるのが印象的です。笙と管 弦楽のための協奏曲「雲の川」は空を漂う雲をモチーフにした作品。長く引き延ばされた笙のサウンドが神秘的 な雰囲気を醸しています。「神々の光」は中国の現代詩人海子(Hai Zi) の俳句「チベット」に基づく作品で、 詩人が描いた瞑想的な世界を音楽で表しています。管弦楽のための組曲「音を探して」は古代中国における 音楽の創始者「伶倫」の伝説による曲。数万里を旅してついに聖地の崑崙山にたどり着いた伶倫が、自然の 力を借りて楽器や音階を生み出したというエピソードがもとになっています。「大地の詩」は笙と箏が主役を務め る作品です。
NAX-8.574557(1CD)
エーリヒ・ジャック・ヴォルフは・ヴォルフ(1874-1913):歌曲全集 第2集
4つのリート Op.3- 第4曲 Sehnsucht 郷愁(1903年出版)
リヒャルト・デーメルの6つの詩 Op.8 - 第5曲 Stimme im Dunkeln暗闇の中の声(1907年出版)
2つの歌 Op.10- 第2曲 Felsenstimmen(1907年出版)
4つのヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩 Op.14(1907年出版)より
 4. No.1. Gebet 祈り
 5. No.2. Waldeinsamkeit 森の孤独
 6. No.4. Gottes Segen 神の祝福
6つのリート Op.18(1908年出版)より
 7. No.2. Dann losch das Licht
 8. No.3. Sommernacht
 9. No.5. Madchenfrage
リヒャルト・デーメルの4つの子供の歌 Op.21(1909年出版)
 10. No.1. Die Reise
 11. No.2. Fitzebutze
 12. No.3. Das grose Karussell
 13. No.4. Furchtbar schlimm
7つのリート Op.22- 第4曲 墓地(1910年出版)
「子供の魔法の角笛」による11の歌 Op. 28(1910-13年頃より
 15. No.2. Der suse Schlaf, der sonst stillt alles wohl
 16. No.4. Die widerspenstige Braut
 17. No.5. Ich wollt', das der verhindert mich an meinem Gluck
ゲオルク・フリードリヒ・ダウマーの「Hafis」からの14の歌 Op.30(1910-13年頃)より
 18. No.3. Ein solcher ist mein Freund
 19. No.4. Entzucket dich ein Wunderhauch?
 20. No.6. Horch, horst du nicht vom Himmel her?
 21. No.8. O hattest du!
22-24.11の歌 Op.3(1910-13年頃)3より
 22. No.2. Alles still!
 23. No.8. Das kranke Kind
 24. No.10. Mein Meister
イダ・アルドリアン(Ms)
クラウス・ジモン(P)

録音:2023年2月4-6日
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家。シェーンベルクやツェムリンスキーと親交を結び、38歳の若さで亡くなるまでに書いた歌曲は少な くとも168曲、全て存命中に発表されて高く評価されましたが、現在では演奏の機会はほとんどありません。このアルバムに収録されたのは、彼の人生最後の 10年間に作曲されたもの。明るく魅力的な子供向けの連作歌曲「リヒャルト・デーメルの4つの子供の歌」や、陰鬱な「墓地の歌」など多彩な作品を聴くことがで きます。それらは時折大胆な和声進行があるものの、無調に踏み込むことはなく、ロマンティックな味わいを留めています。ピアノ・パートは高度な技法で書かれ、 歌を引き立てながらも強い存在感を発揮しています。オーストリア出身のメゾ・ソプラノ、イダ・アルドリアンの歌唱に、今作でもブックレットに詳細な解説(ドイツ 語・英語)を寄せるクラウス・ジモンが巧みな伴奏を付けています。

NAXOS 2024年8月発売 (2)
NAX-8.574271(1CD)
アルベルト・フランケッティ(1860-1942):交響曲 ホ短調(1884)
フランケッティ:交響的印象「黒き森にて」(1900)#
ヴォルフ=フェラーリ:室内交響曲 変ロ長調 Op.8(1901)*
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ミンアンサンブル*

録音:2011年7月1-2日OSR Studios, ローマ(イタリア)
2011年7月8-9日OSR Studios, ローマ(イタリア)#
1995年10月12-17日Alter Pfarrsaal, ネッティンゲン(ドイツ)*

*…MARCO POLO8.223868より移行
イタリアの後期ロマン派の作曲家、アルベルト・フランケッティとエルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ。両者とも優れた歌劇を遺しましたが、生粋のイタリア人でなかっ たことも共通点として挙げられます。イタリア貴族の父とウィーン出身の母の下に生まれたフランケッティは何不自由ない少年時代を送り、ヴェネツィアとドイツ で学びました。このアルバムに収録された交響曲ホ短調は、ドレスデン音楽院の卒業試験の一環として書かれた曲。ドイツ伝統の形式に則った荘厳かつ色 彩豊かなオーケストラの音色を駆使した作品です。40歳の時の交響的印象「黒き森にて」はライン渓谷の森と自然の美しさからインスピレーションを得た描 写的な曲。角笛の響きを思わせる冒頭に始まり、全編穏やかな曲調で書かれています。ドイツ人の画家の父とイタリア人の母を持つヴォルフ=フェラーリは 「マドンナの宝石」や「スザンナの秘密」などの歌劇が知られています。この室内交響曲は彼が長年過ごしたドイツで作曲されたもので、小ぶりな編成から生ま れる透明感溢れる響きが魅力的。ピアノを交えた各々の奏者の技巧が際立つ美しい作品です。
NAX-8.574566(1CD)
タネーエフ:ヴァイオリン・ソナタ イ短調(1911)
ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.30(1910-11)
スペクトラム・コンサーツ・ベルリン

録音:2023年11月21-22日
作曲家としても教育者としても賞賛されていたロシアの作曲家タネーエフ。民族主義的な傾向ではなく、見 事な対位法を駆使するなど、ヨーロッパ古典派の作曲技法を完璧にマスターしたその作品、とりわけ室内楽 作品は同時代のウィーンの巨匠たちのものと同等にみなされるほどに絶賛されました。 しかしタネーエフ自身が作品の出版に無頓着だったためか、残された作品が少なく、亡くなった後これらはほと んど演奏される機会を失ってしまいました。このアルバムに収録された2つの作品のうち、ヴァイオリン・ソナタは 美しい旋律線を持つベートーヴェンを思わせる古典的な作品。第3楽章にメヌエットがおかれているところも 優雅な雰囲気を醸し出します。それに対しピアノ五重奏曲は壮大なスケールと華やかな曲想に満ちた作 品。技巧的なピアノ・パートは優れたピアニストであったタネーエフならではの聴きどころです。エルダー・ネボル シンをメンバーとするスペクトラム・コンサーツ・ベルリンは19〜20世紀を中心とした知られざる室内楽作品の 演奏に力を入れるアンサンブル。曲の編成に柔軟に対応し見事な演奏を聴かせます。
NAXOS Idil Biret Solo Edition
NAX-8.571333(1CD)
イディル・ビレット/ソロ・エディション 第
13集

シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 Op.120D664
ピアノ・ソナタ 第12番ヘ短調 D625(未完)
  即興曲 変ト長調 D899No.3
  幻想曲 ハ長調「さすらい人」 Op.15D760
イディル・ビレット(P)

録音:2016年7月
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビュー、以降半世紀以上に渡ってその技巧と音 楽性で聴衆を魅了しています。このアルバムは2016年に収録されたシューベルトの作品集。比較的小規 模ながらも、第2楽章での長調と短調の交錯や、モーツァルトを思わせる第3楽章といったシューベルトらしい 優雅な第13番のソナタと、幻想曲「さすらい人」をメインに置き、未完のソナタヘ短調と即興曲を組み合わ せた聴きごたえのある1枚です。
NAXOS Idil Biret Solo Edition
NAX-8.571428(1CD)
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第21集 - ワルツと舞曲集
ショパン:タランテッラ
ベルリオーズ(リスト編):舞踏会 ? 幻想交響曲
リスト:タランテッラ - 『巡礼の年』第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ 第3曲
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ドビュッシー:レントより遅く
ラフマニノフ(クライスラー編):愛の悲しみ
ストラヴィンスキー:子供たちのワルツ
ストラヴィンスキー:ロシアの踊り - 『ペトルーシュカ』
バルトーク:6つのルーマニア舞曲
バルトーク:ブルガリアのリズムによる6つのダンス ? ミクロコスモス
イルハン・ミマルオグル(1926-2012):感傷的な小品
J・シュトラウス(ゴドフスキー編):芸術家の生涯
イディル・ビレット(P)

録音:1961-2018年ベルギー、フランス、ドイツ、トルコ
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビュー、以降半世紀以上に渡ってその技巧と音 楽性で聴衆を魅了しています。彼女はゴドフスキーらによる数多くのワルツのピアノ編曲版を録音したいと考 えて、まずは1970年代に好んで演奏した「芸術家の生涯」から始める予定でした。ところが2021年に彼女 は病を得たため、同時に進行していたハイドンのソナタの録音とともに、ワルツのプロジェクトも中止となったの です。しかし、1975年に演奏した「芸術家の生涯」の名演がインターネット上で評判となったことを受け、 1961年から2018年までの過去の様々な録音からワルツと舞曲を選び、このアルバムが制作されました。難 度の高い技巧が駆使された華やかな作品が並ぶ、ビレットならではの1枚です。

NAXOS 2024年8月発売 (1)
NAX-8.574518(1CD)

NYCX-10482(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ハイドン:後期交響曲集 第3集
交響曲第99番変ホ長調 Hob.I:99
交響曲第100番ト長調「軍隊」 Hob.I:100
.交響曲第101番ニ長調「時計」 Hob.I:101
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)
録音:2023年10月12-14日
コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャーが、デンマーク室内Oの 首席指揮者就任25年を記念してスタートさせたハイドンの後期交響曲の再録音、第3集です。演奏は彼自身の旧全集に比べると更にシェイプアッ プ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈。随所に即興的な装飾を加えるなど、ディテールにも凝っています。 近年の歴 史的アプローチから得た経験や情報を参考にしつつも、フィッシャーがオペラやオーケストラの演奏で積み重ねてきた様々な表現の手法を駆使して迫 力と遊び心を存分に備えた個性的な演奏は、ハイドンの作品が演奏者に許容する懐の深さも感じさせるものとなっています。 この第3集には表題付きの2曲を含む第99番から第101番の3曲を収録。第99番は1793年、ロンドン再訪の出発直前にウィーンもしくはアイゼン シュタットで作曲され、翌年の2月10日にロンドンで初演されました。クラリネットが編成に入る初の交響曲です。第100番は、当時流行していた「ト ルコ風」の楽器、シンバルとトライアングルの両方が用いられており、また第2楽章に使われたトランペットが軍隊ラッパを模していることから「軍隊」と呼 ばれる作品。もともとこの第2楽章は『2つのリラ・オルガニザータのための協奏曲第3番 ト長調』からの転用ですが、最後にティンパニとトランペットが加 えられて盛大に盛り上がります。第101番は、第2楽章の弦楽器とファゴットの刻むリズムから、長い間「時計」というあだ名が付けられてきました。 ※国内仕様盤には音楽評論家、八木宏之氏の解説が付属します。
NAX-8.574507(1CD)
アルベルト・ディートリッヒ (1829-1908):序曲 ハ長調 Op.35(1882年出版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.30(1874年出版)
交響曲 ニ短調 Op.20
クライディ・サハチ(Vn)
ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク
クリストフ・ケーニヒ(指)

録音:2021年10月18、2021年5月31日、2019年2月4日
アルベルト・ディートリッヒ、ドイツのロマン派時代の作曲家で指揮者。ブラームスやシューマンのファンならば、FAEのソナタの共作者として見覚えのある名前で しょう。シューマンに作曲を師事していたディートリッヒは、そこでブラームスと出会って親交を結び、後に指揮者としてブラームス作品のよき理解者となりまし た。彼の回想録『ブラームスの思い出』は、その時代の息吹を生き生きと伝える第一級の資料とされています。ここでは彼の大規模な管弦楽作品を収録。 メンデルスゾーンのように屈託を感じさせない抒情的ロマン派といった趣の楽想に、シューマンやブラームスに通じる語法や響きをまとわせており、ドイツ・ロマン 派好きの人ならばきっと楽しめる仕上がりです。欧州の腕利き演奏家を集めたソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクが力強いサウンドを響かせています。中 でもヨアヒムを念頭において書かれたヴァイオリン協奏曲は高度な技巧の見せ場の多い華麗な作品で、クライディ・サハチが献身的な演奏を聴かせます。
NAX-8.5790961CD)
カタルーニャのヴァイオリン作品集 - グラナドス、モンポウ、カサド、モンサルバーチェ、セルベリョの作品
グラナドス:スペイン舞曲集 Op. 37- 第6番ロンダーリャ・アラゴネーサ(1888 -90頃)(Vnとピアノ編)
グラナドス:ロマンス 変ホ長調(1971年出版)
モンポウ:エレジア - 原曲:夢の戦い - 第1曲 君の上には花ばかり(1942)  (X. トゥルユによるヴァイオリンとピアノ編)(1963)
ガスパール・カサド(1897-1966):ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(1926年出版)
モンポウ:Altitud 高地(1928)
グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37- 第5番 アンダルーサ(祈り)(1880-90頃)(F. クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37- 第2番 オリエンタル(1888-90頃)(Vnとピアノ編)
グラナドス:3つの前奏曲(1971年出版)
モンポウ:子供の情景 - 庭の乙女たち(1918)(J. シゲティによるヴァイオリンとピアノ編)(1937)
グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37- 第10番 メランコリカ(悲しき舞曲)(1880-90頃)(Vnとピアノ編)
ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002):5つの黒人の歌-第4曲 黒人の子供のための子守歌(1945)
ジョルディ・セルベリョ(1935-): ヴァイオリンのためのプローヴァ(2012)
ヤンナ・ガンデルマン(Vn)
ライア・マルティン(P)

録音:2022年10月10-11日
20世紀前半のカタルーニャではグラナドスやアルベニスが民謡を採り入れた多くのピアノ曲を書き、カサドやカザルスがチェロの分野で活躍していました。それに 比べヴァイオリン曲はあまり書かれていません。しかしその憂愁に溢れたピアノ曲や歌曲の旋律に魅せられたクライスラーやシゲティらがこれらをヴァイオリン用に 編曲、旋律の魅力と名人芸を聴かせる格好の小品として生まれ変わらせています。またアルバムにはヴァイオリンのオリジナル作品も収録。チェロの名手カサ ドが、1915年に世を去った兄アウグスティンを偲んで作曲したヴァイオリン・ソナタや、モンポウがパリ時代に作曲した唯一のヴァイオリン作品「Altitud 高 地」、グラナドスの死後に出版された「ロマンス」や「3つの前奏曲」などを聴くことができます。最後におかれた「ヴァイオリンのためのプローヴァ」の作曲家ジョル ディ・セルベリョは1935年バルセロナ生まれ。もともとヴァイオリニストとして活躍するも、交通事故のためキャリアを中断し作曲活動に専念しました。彼の数多 くの技巧的なヴァイオリン作品は、聴き手を21世紀の新しいカタルーニャ音楽へと導きます。 エルサレムSOのコンサートマスター、ジャンナ・ガンデルマンが情感に満ちた演奏を聴かせます。
NAX-8.574650(4CD)
NX -K01
ニールセン:交響曲全集


■CD1
(1)交響曲第1番ト短調 Op.7FS16
(2)交響曲第2番ロ短調「四つの気質」 Op.16 FS29

■CD2
(1).交響曲第3番ニ短調「広がりの交響曲」 Op.27FS60
(2)交響曲第4番「滅ぼし得ざるもの(不滅)」 Op.29FS76

■CD3
(1)交響曲第5番Op.50FS97
(2)交響曲第6番「素朴な交響曲」 FS116

■CD4
(1)クラリネット協奏曲 Op.57FS129
(2)歌劇「仮面舞踏会」序曲
全て、デンマーク王立O

■CD1
(1)初CD化
 トーマス・セナゴー(指)
(2)初CD化
 アレクサンドル・ヴェデルニコフ(指)
■CD2
(1)ルート・グルドベク(S)、ニルス・モラー(T)、レナード・バーンスタイン(指)
(2)初CD化
 サイモン・ラトル(指)
■CD3
(1)初CD化
 ミヒャエル・ボーダー(指)
(2)パーヴォ・ベルグルンド(指)
■CD4
(1)初CD化
 ヨン・クルーセ(Cl)、アレクサンドル・ヴェデルニコフ(指)
(2)ミハエル・シェンヴァント(指)

録音:
■CD1
(1)2022年8月24日(ライヴ)
(2)2020年9月4日(ライヴ)
コペンハーゲン、デンマーク王立歌劇場(デンマーク)
■CD2
(1)1965年5月16日Odd Fellow Palace、コペンハーゲン(デンマーク)
(2)2013年2月2日(ライヴ)
DR コンサート・ホール、コペンハーゲン(デンマーク)
■CD3
(1)2015年9月11日(ライヴ)
デンマーク王立歌劇場(デンマーク)
(2)1989年8月17-19日
Odd Fellow Palace、コペンハーゲン(デンマーク)
■CD4
(1)2020年9月4日(ライヴ)
(2)2006年11月13、15日(ライヴ)
デンマーク王立歌劇場(デンマーク)
初出多数!2023年に創設575周年を迎えたデンマーク王立O(RDO)ならではの記念企画、ニールセンの交響曲全集です。RDOは1448年にデンマーク王クリスチャン 1世が臨席する場面で演奏するためのトランペット・バンドとして発足しました。その後の拡充や改編を経て今日に至りますが、驚くことに初代メンバーから名簿が残って おり、通し番号が振られていて、その中にはダウランド(140番)やシュッツ(259番)の名前も見られます。デンマークを代表する作曲家ニールセンは1889年から1905 年までヴァイオリン奏者(647番)として在籍し、その後も指揮者として度々登場。その主要作品の数々をここで初演したため、楽団には「ニールセンのオーケストラ」とし ての特別な自負が今もあると言います。このボックスでは、バーンスタインの第3番はCBS(現ソニークラシカル)、ベルグルンドの第6番はRCA(同)、シェンヴァントの「仮 面舞踏会」序曲はDACAPOからのライセンスですが、他はすべてアーカイヴから厳選した音源で、初CD化となります。 第1番の指揮は2005年に初登場して以来、良好な関係を続けるセナゴー。第2番は2018年から首席指揮者を務め大いに期待されていたヴェデルニコフ。この演奏 の2か月足らず後にコロナ禍に倒れて不帰の人となりました。バーンスタインはニールセンの生誕100年にあたる1965年にデンマークで最高の音楽賞とされるレオニー・ ソニング音楽賞を受賞し、その記念コンサートで第3番を指揮しました。ここに収められた演奏はそのコンサート前日にセッション録音されたものですが、ライヴのような高 揚感に満ちていて早くから名演の評判を得ています。 2013年に同じくレオニー・ソニング音楽賞を受賞したのがラトル。この第4番は記念コンサートのライヴです。ラトルは 第4番に早くから特別なシンパシーを感じていたようで、1984年のバーミンガム市響との録音は今も高い評価を得 ています。ここでも曲を手中に収めた指揮でオーケストラから渾身の演奏を引き出し、特に終楽章では静と動の強 烈な対比や息の長い高揚が圧巻、聴衆の大歓声も納得の出来。ニールセン生誕150年にあたる2015年のヨー ロッパ・ツアーで第5番を指揮して楽団の評価を一段と高めたのが、2012年から16年まで首席指揮者を務めた ボーダー。ここではツアーに先立って本拠で行われた、いわば壮行演奏会のライヴを収録。第6番は1993年から98 年まで首席指揮者を務めたベルグルンド。彼らしい理知的で透明度の高い演奏です。 CD4はボーナスディスク。クラリネット協奏曲は、ニールセンがRDOのソロ奏者オーゲ・オクセンヴァド(楽団員番号 706番)のために書いたもので、作曲家と楽団との特別な絆の一つ。ここではその後輩にあたるヨン・クルーセ(946 番)がソロを務め、偉大な伝統へのトリビュートとしています。 特別仕様のボックスに英語とデンマーク語の充実した解説、写真を多数掲載した36ページのブックレットが付属す る豪華仕様となっています。

NAXOS 2024年7月発売 (1)
NAX-8.574573(1CD)
フランシスコ・ミニョーネ:ギター協奏曲(1975)*…世界初録音
クラリネット小協奏曲(1957)
ファゴット小協奏曲(1957)
ヴァイオリン協奏曲(1960)…世界初録音
ファビオ・ザノン(G)
オバニル・ブオジ(Cl)
アレクサンドリ・シウヴェリオ(Fg)
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
サンパウロSO
ニール・トムソン(指)*
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)*

録音:2021年9月8-1日、2022年8月4-6、8日、2022年7月27-29日、8月1日サラ・サンパウロ(ブラジル)
イタリアから移り住んだフルート奏者アルフェリオの息子として生まれたミニョーネは、13歳でピアニスト=指揮者として活動するなど幼い頃から楽才を発揮しま した。サンパウロ音楽院とミラノ音楽院で学び、ブラジルに戻ってからは教職と作曲を両立させ、数多くの作品を書き上げ、ヴィラ=ロボス以降のブラジルにお ける最も重要な作曲家の一人と称えられています。このアルバムには4曲の協奏曲を収録。オーケストラとソリストがブラジルの詩と歌の形式である素早いエ ンボラーダ(掛け合い)を駆使する彼の協奏曲は、ドラマティックかつ、陽気さと豊かな情緒を備えており、どれも聴きごたえのあるものばかり。なかでも「ブラジル 音楽史上、この挑戦??的なジャンルの最高傑作」と評されたヴァイオリン協奏曲では、サンパウロSOのコンサートマスター、エマヌエーレ・バルディーニがソ リストを務めます。
NAX-8.579165(1CD)
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調「死と乙女」 D.810(1824) (G. マーラーによる弦楽オーケストラ編)
アイラト・イシュムラトフ(1973-):合奏協奏曲第3番「リヒテンシュタイン」 Op.68(2021)*
LGTヤング・ソロイスツ
アレクサンダー・ギルマン(指揮・芸術監督)

録音:2023年5月24-25日 Henry Wood Hall,London(UK)
2022年3月19-21日 Teldex StudioBerlin(ドイツ)
*…世界初録音
世界20か国以上から集まった13歳から23歳までの若き才能による弦楽アンサンブル、LGTヤング・ソロイスツの水際立った演奏が聴きもののアルバム。 シューベルトの名作弦楽四重奏曲「死と乙女」はマーラーによる弦楽合奏版で、コントラバスのパートを加えて響きに厚みが増し、音楽の劇的な側面が一 層強調されています。もう1曲の作曲家アイラト・イシュムラトフはソ連で生まれで、今はカナダを拠点として指揮活動にも注力しています。 合奏協奏曲第3番はリヒテンシュタインの豊かな自然にインスパイアされた作品で、鳥の鳴き声を模した音も聞こえてきます。
NAX-8.574414(1CD)
ヴィータウタス・バツェヴィチウス(1905-1970):ピアノ協奏曲第1番
「Sur des themes lithuaniens リトアニアの主題による」(1929)
ピアノ協奏曲第2番Op.17(1933)*
交響曲第3番Op.33(1944)*
ガブリエリウス・アレクナ(P)
リトアニア国立SO
クリストファー・リンドン=ジー(指)

録音:2021年10月11-15日
*…世界初録音
バチェヴィチウスは、もともとピアニストとして名声を博し、数多くの演奏会に出演していましたが、1939年に 南アメリカで演奏旅行を行っている時に第二次世界大戦が勃発。その翌年、祖国リトアニアがソビエト連邦 に併合されたため、アメリカ合衆国へ渡りそこに留まりました。このアルバムに収録されている交響曲第3番 は、アメリカに到着して間もなく作曲された作品。新天地に対する楽観的な希望が、牽引力ある力強い曲 調で描かれており、曲の最後はアメリカ国歌「星条旗」で高らかに締めくくられます。2つのピアノ協奏曲は大 戦前のパリ留学時の作品。第1番ではリトアニアの民俗音楽の旋律が用いられており、彼の故郷への郷愁 が窺えます。第2番の協奏曲にも民謡の要素が使われており、その曲の歌詞がバツェヴィチウスによって総譜 内に書き込まれています。どちらの曲も装飾的なピアノ・パートを持ち、オーケストラの伴奏がこれを彩ります。 リトアニアのピアニスト、ガブリエリウス・アレクナはTOCCATAレーベルからバツェヴィチウスのピアノ曲をこれまで に3枚リリースした他、このシリース第1集の協奏曲でもピアノを担当しています。
NAX-8.574515(1CD)
マルコ・エンリコ・ボッシ(1861-1925):ヴァイオリン・ソナタ第1番 ホ短調 Op.82(1892)
ヴァイオリン・ソナタ第2番ハ長調 Op. 117(1899)
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
ルカ・デッレ・ドンネ(P)

録音:2022年8月28日、2022年9月4日
イタリアの作曲家エンリコ・ボッシのヴァイオリン・ソナタ。19世紀終わりから20世紀初頭にかけて、オペラ全盛 期を迎えていたイタリアで、ボッシは終生オルガニストとして活躍。イタリアの器楽曲復興に力を尽くしました。 オルガンのための作品が知られていますが、数少ない室内楽作品も歌心溢れる旋律と抒情性に満ちてお り、どれも聴きごたえのあるものです。第1番のソナタは情熱的な主題で始まる作品。セザール・フランクのソ ナタのような循環形式が取り入れられた実験的な側面も持ち合わせています。第2番のソナタはベートーヴェ ンやブラームスを思わせる古典的な4楽章形式による作品。第1楽章のピアノの幅広いアルペッジョに乗って 歌われる旋律が印象的です。イタリアに生まれ、サンパウロSOのコンサートマスターを務めるバルディー ニが情熱歴な演奏を聴かせます。
NAX-8.579160(1CD)
ジョン・コリリアーノ(1938-):ミスター・タンブリンマン - ボブ・ディランによる7つの詩
(2000)(ソプラノと六重奏版2009)
ヴィンセント・ホー(1975):Gryphon Realms グリフォン・レルムス(2015)
ローラ・ハインズ(S)
マリー・サリヴァン(Fl)
セドリック・ブラリー(Cl)
カイル・ユースタス(パーカッション)
カール・ヒルツァー(指)
ランズ・エンド・アンサンブル(P・トリオ)

録音:2022年10月30日、11月6日、2022年12月4日、2023年5月24日
全て世界初録音
現代アメリカを代表する作曲家の一人、ジョン・コリリアーノ。クラシック音楽とポピュラー音楽の要素を融合し たその作品は世界中で愛されています。この『ミスター・タンブリンマン』は2000年にボブ・ディランの詩に作曲 した7曲からなる歌曲集。2008年に発表されたソプラノと管弦楽版の録音(8.559331)は2009年のグラ ミー賞を受賞。大きな話題をさらいました。このアルバムでは、コリリアーノが2009年に室内楽用にアレンジし たヴァージョンを収録。小さな編成による音楽は風通しよく、アンプリファイド(電気的に増幅された)・ソプラノ による歌唱を引き立てており、管弦楽版とは違った味わいを楽しめます。カナダのソプラノ、ローラ・ハインズの 美しい歌声も聴きもの。同時に収録された「グリフォン・レルムス」はニューヨーク・タイムズ誌で作品を高く評 価されるヴィンセント・ホーの作品。数々の賞を受賞し、2007年から2014年までウィニペグSOのコン ポーザー・イン・レジデンスを務めるなど広く活躍しています。この作品は伝説上の生物グリフォンの物語にイ ンスパイアされたピアノ三重奏曲で、ヴァイオリンとチェロが奏でるグリフォンの鳴き声や、第2楽章の東洋的な 旋律が神秘的な雰囲気を盛り上げます。

NAXOS 2024年6月発売 (3)
NAX-8.574317(1CD)
カール・タイケ(1864-1922):行進曲集 第1集
1. 行進曲「アルブレヒト王子」(グートツァイトによる吹奏楽編)
2. 行進曲「旧友」
3. 行進曲「ポツダム万歳」(H. アーレンスによる吹奏楽編)
4. 行進曲「ボルシア」
5. 行進曲「ゆるがぬ忠誠」
6. 行進曲「皇太子」(C. スンドベリによる吹奏楽編)
7. 行進曲「偵察員」(C. スンドベリによる吹奏楽編)
8. ワルツ=ロンド「Nur ein Versuch」
9. 行進曲「Der Fahne nach」 (H. アーレンスによる吹奏楽編)
10. 行進曲「士官候補生」(H. アーレンスによる吹奏楽編)
11. 行進曲「連隊の仲間」
12. 行進曲「大胆な逢い引き」
13. 行進曲「勇敢な攻撃」
14. 行進曲「戦友と共に」
15. 行進曲「最前線」(H. アーレンスによる吹奏楽編)
16. 行進曲「Allen Voran」(D. マーシャルによる吹奏楽編)
17. 行進曲「若者は自ら進んで」(H. アーレンスによる吹奏楽編)
王立スウェーデン海軍バンド
アレクサンドル・ハンソン(指)

録音:Sparresalen, Karlskrona(スウェーデン)
2022年3月28日-4月1日…1-6、10、13-15
2023年10月9-12日…7-9、11、12、16、17
幼い頃から軍楽に接していたというタイケですが、あまりにも謙虚な人柄だったためか、軍楽隊に入隊しても高い階級に達することはありませんでした。19歳 で歩兵第123「国王カール」連隊(ヴュルテンベルク歩兵第5連隊)に入隊、駐在していたシュヴァーベンの都市ウルムで何曲かの行進曲を作曲した後、 1889年に退役するにあたり「旧友」を書き上げ上官パウル・エールテに贈ったものの、常々タイケに嫌がらせをしていたエールテはこの作品を「ストーブで燃や すべきだ」と酷評したというエピソードが伝えられています。警察官となり1895年にウルムからポツダムへ居を移した頃から彼の作品が人気を集め、 「Schutzmannschaft=音楽家の警察官」として国外でも知られるようになります。やがて肺炎を患い警察官を辞め、1909年にはブランデンブルクのラン ツベルク・アン・デア・ヴァルテの地方公務員になりました。彼が生涯に書いた100曲以上の行進曲や舞曲は、出版者のヘルマン・ジルヴェデルによって出版さ れドイツ国内外で人気を博しましたが、作品の権利を譲渡してしまったタイケ自身は富を得ることはできず、貧困のまま同地で生涯を終えました。 このシリーズでは、タイケの胸が沸き立つような行進曲や舞曲を何人かのアレンジャーによる吹奏楽版でお楽しみいただけます。
NAX-8.574514(1CD)
モーツァルト:三位一体の祝日のためのミサ ハ長調 K.167(1773)
ミサ・ブレヴィス ニ長調 K.194(1774)
ミサ・ブレヴィス 変ロ長調 K.275(1777)
カロリーナ・ウルリヒ(S)
エルヴィラ・ビル(A)
パトリック・グラール(T)
ドミニク・ケニンガー(Bs)
ケルン西ドイツ放送cho
ケルン室内O
クリストフ・ポッペン(指)

録音:2021年10月7-9日、11-16日、2022年9月26日-10月2日
クリストフ・ポッペンが指揮するケルン西ドイツ放送合唱団とケルン室内OによるNAXOSのモーツァル トのミサ曲全集シリーズ。この第3集には10代後半から20代前半、ザルツブルク時代の作品が収録されて います。「三位一体の祝日のためのミサ」K. 167は、当時の大司教コロレドの「ミサは短く簡潔に」の命に従 い書かれたためか、モーツァルトのミサ曲の中でも唯一ソリストを持たない曲となっていますが、作品は堂々た る風格と壮麗なフーガを備えた見事な仕上がりとなっています。続く2曲のミサ・ブレヴィス(=小さなミサ曲)も 大司教の好みにあわせコンパクトに書かれた作品。オーケストラの前奏なしに合唱が歌い始める1774年作 曲のニ長調はモーツァルトの死後に出版された最初の作品と考えられています。変ロ長調のミサは恐らくコロ レドのために書いた最後の典礼作品であり、ザルツブルク時代の卒業作品といえるものです。当時の宗教音 楽としては挑戦的な調性を用い、あっさりとしたクレド、異様に長いアニュス・デイの締めくくりの言葉「Dona nobis pacem」ではパリで流行していたガヴォットのリズムを用いるなど挑発的な箇所が散見される作品で す。
NAX-8.574579(1CD)
フェルッチョ・ブゾーニ:ピアノ作品集 第12集
前奏曲とフーガ ハ長調 Op.36BV.180(1880-81)
ソナチネ第1番BV.257(1910)
ソナチネ第2番BV.259(1912)
3つのピアノ曲 Op.11 - 第2曲 Masige(1909年 F. ブゾーニ編、原曲:シェーンベルク)
ソナチネ第4番「キリスト生誕1917年の日に」 B.V.274(1917)
クリスマスの夜 B.V.251(1908)
3つのアルバムの綴り B.V.251(1908)
ヴォルフ・ハーデン(P)

録音:2023年4月20-21日
フェルッチョ・ブゾーニはイタリア生まれですが、その生涯のほとんどをドイツで過ごし、晩年はベルリン芸術アカ デミーで作曲の教鞭もとっていました。彼はリストを尊敬していたヴィルトゥオーソ・ピアニストで、そのピアノ作 品は高水準の出来栄えを示しています。 このピアノ作品集第12集は、3つのソナチネとその他の作品を収録しています。冒頭に置かれた「前奏曲と フーガ ハ長調」は初期の重要作「24の前奏曲」と同時期の作品。10代の作品でありながら、すでに成熟 した仕上がりを見せています。1910年代に書かれた3つのソナチネは、どれも短いながらも技巧的で意欲的 な作品。自作を上手く転用しつつ変奏曲形式で書かれた第1番、調号や拍子記号、さらにはほとんどの小 節線までもが省かれた第2番(これは1902年にシェーンベルクから楽譜が送られ、ブゾーニ自身が演奏会 ヴァージョンとしてさまざまな拡張を試みた「3つのピアノ曲」に触発され書かれたものです)。シチリアとドイツの キャロルが控え目に引用された比較的穏やかな第4番。ここには1908年に書かれた「クリスマスの夜」との共 通性も見られます。最後に置かれた「アルバムの綴り」はブゾーニの最も厳格かつ深遠な作品の一つです。 シリーズを通じてドイツのピアニスト、ヴォルフ・ハーデンが演奏を担当しています。
NAX-8.574356(1CD)
ペトロス・ペトリディス(1892-1977):オラトリオ「聖パウロ」/交響曲第1番 他
【CD1】
オラトリオ「聖パウロ」(1950) ? 第1部
オラトリオ「聖パウロ」- 第2部
【CD2】
オラトリオ「聖パウロ」- 第2部(続き)
交響曲第1番ト短調「ギリシャ」(1926/28-30改訂)(B. フィデツィスによる復元版)
クレフティコ舞曲集(1922)
マルタ・アラピス/ソフィア・キャニドウ(S)
イネス・ジコウ(Ms)
ヤニス・クリストプーロス/アンゲロ・シモス/ディミトリス・シガロス(T)
ディミトリス・ティリアコス(Br)
クリストフォロス・スタンボグリス/パンテリス・プシュハス(Bs)
ブルガリア国立放送cho
ブルガリア国立RSO
バイロン・フィデツィス(指)

録音:Concert Hall (Large Studio) of Bulgarian Radio、 ソフィア(ブルガリア)
2004年7月16-20日…オラトリオ「聖パウロ」
1984年1月18-20日…交響曲第1番
1985年9月30日…クレフティコ舞曲集
※全て世界初録音
トルコのカッパドキア近郊出身の作曲家ペトロス・ペトリディス。イスタンブールの高校を卒業し、1911年から パリで法律を学ぶも、翌年からバルカン戦争に従軍。帰還後は音楽家を目指し、ほぼ独学で作曲技法を 習得しました。1913年にはギリシャに帰化、その後はパリとアテネを行き来しながら音楽評論家としても活 動。「皇帝コンスタンティノス・パレオロゴスのためのレクイエム」など、中世ビザンチン聖歌を用い、複雑なポリ フォニーを駆使した作品が高く評価されています。当盤に収録されたオラトリオ「聖パウロ」も同様で、聖書の 使徒行伝中の聖パウロに関するエピソードが朗読、独唱、合唱が歌う14のコラールを交えドラマティックに綴 られます。アルバムには1933年にディミトリ・ミトロプーロスが初演を行った「交響曲第1番」と、ペトリティスに とって初の大規模なオーケストラ作品となった「クレフティコ舞曲集」も収録されています。

NAXOS 2024年6月発売 (2)
NAX-8.574630(1CD)
マルコ・トプチィ〜ギター・リサイタル
ルーセル:セゴビア Op.29(1925)
バリオス(1885-1944):森に夢みる(1918以前)
プーランク:サラバンド FP179(1960)
ジラルディーノ(1941-2022):超絶技巧練習曲(1981-88)より
  No.18. El Rosario
 No.32. Embarquement pour Cythere
 No.19. Jondo
デュモン(1950-):5つのフランスのオマージュ- 第5番ラヴェルへのオマージュのように(1998)
ダウランド(1563頃-1626):ファンタジア ト短調 P.71
フレデリック・ハンド(1947-):アンダーカレンツ(2023)
コンスタンティン・ブリオフ(1976-):ギター・ソナタ第6番「ハルキウ」 Op.48(2021)…世界初録音
グレアム・クーネ(1956-):A Closed World of Fine Feelings and Grand Design(1997)
マルコ・トプチィ(G)

録音:2024年1月19、20日
1991年、ウクライナ生まれのギタリスト、マルコ・トプチィ。4歳からギターをはじめたトプチィはこれまでに国際的なギター・コンクールで55回もの優勝歴を誇り ます。2013年の東京国際ギターコンクールに優勝したことで2014年には日本ツアーを行い、以来、日本国内でも数多くのファンの心を掴んでいます。この アルバムは2023年のGFA(Guitar Foundation of America=アメリカ・ギター財団)国際ギター・コンクールの優勝記念として製作されたもので、ルネサ ンス期のダウランドから、トレモロ奏法が素晴らしい効果をあげるバリオスの「森に夢見る」など20世紀初頭のロマンティックな作品、そして現代の前衛的、実 験的な作品まで、彼の幅広いレパートリーと技巧に裏打ちされた豊かな音楽性を楽しめます。ルーセルとプーランクの唯一のギター作品を収めているのも貴 重。ギター・ソナタ第6番「ハルキウ」の作曲家コンスタンティン・ブリオフはウクライナ生まれで、現在東京を拠点に活躍しています。新型コロナウイルス感染症 のパンデミックの際はウクライナで2年間を過ごし、日本に戻ってすぐに祖国で戦争が勃発するという状況の中、ブリオフは自身の生地をタイトルにしたこの曲 に特別な思いを託したと語ります。ト調を基調にしながらも12音をくまなく使うことで不安な感情が描かれたこの曲でもトプチィは共感溢れる演奏を聴かせま す。トプチィは2024年4月の来日公演でもこの曲を演奏しました。
NAX-8.574309(1CD)
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994):ポルトガル語による合唱曲集
2つの古いロマンス(1956)
ポルトガル地方の3つの歌(1970/77)
最初のクリスマス・カンタータから8つの歌(1945/50)
カモンイスの詩による3つのカスティーリャの歌(1954/55)
ポルトガル地方の3つの歌(1957/65/70)
20-22.3つの合唱曲(1946)
コーロ・カーサ・ダ・ムジカ(声楽アンサンブル)
ポール・ヒリアー(指)

録音:2020年2月2-5日
20世紀のポルトガル音楽界において重要な位置を占める作曲家フェルナンド・ロペス=グラサ。彼のポルト ガル民謡や伝統音楽の研究と知識は、バルトークのハンガリー民謡研究に匹敵する業績と言えるでしょう。 古典的な形式に民俗音楽の旋律やリズムを落とし込んだ作品を数多く遺しており、このアルバムに収録され た無伴奏合唱曲はまさに創作の頂点をなすもの。民謡風の旋律がストレートに歌われる作品や、複雑な 和声が用いられ、時には無調とも思えるほどの大胆な響きを駆使した実験的な作品、民謡の旋律を用い ながらも、まるでルネサンス時代の合唱曲を思わせるような見事な対位法を駆使した作品など様々な歌を 聴くことができます。「最初のクリスマス・カンタータから8つの歌」(とりわけ第1曲が聴きもの)での敬虔な旋律 が民謡風に変貌する様子も聴きどころ。 2009年に設立され、2019年までポール・ヒリアーが首席指揮者を務めたポルトガルの声楽アンサンブル 「コーロ・カーサ・ダ・ムジカ」の真摯かつ清冽な声を存分にお楽しみください。
NAX-8.574580(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲第1番ト長調 Op.58(1929)…世界初録音
弦楽四重奏曲第2番ヘ短調 Op.139(1948)…世界初録音
弦楽四重奏曲第3番ヘ長調「カーザ・アル・ドーノ」 Op.203(1964)
アドルノQ

録音:2023年6月26-27日
優れたギター作曲家として知られるマリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコの弦楽四重奏曲集。 ピツェッティに師事しカゼッラに認められたカステルヌオーヴォ=テデスコは、1920年代のイタリアにおける 前途有望な新進作曲家の一人として活躍しました。この時期に書かれた第1番は田園地帯の風景を 描写したかのような素朴な味わいを持つ若々しく美しい作品です。その後彼はムッソリーニのファシスト 政権の圧迫によりイタリアを離れアメリカに亡命、映画音楽の作曲家として活躍しますが、終戦後に訪 れたイタリアでその変わってしまった姿を目の当たりにします。その時に抱いた複雑な感情が第2番の四 重奏曲にも反映されたようで、この曲には不協和音と落ち着きのない旋律が至るところに現れます。 1964年の第3番は「カーザ・アル・ドーノ」の副題を持ち、4つの楽章にはそれぞれ「ヴァッロンブローザへ の帰還」「修道院」「小さな列車」「議論と日没」のタイトルが付されており、これらは故郷と友情への思 い出からインスピレーションを得て明るさを取り戻したかのような描写的な作品です。
NAX-8.559933(1CD)
マーガレット・ブラウワー(1940-):管弦楽作品集
The Art of Sailing at Dawn(2020)
狂詩曲、管弦楽のための協奏曲(2009/2021改訂)
交響曲第1番「Lake Voices 湖の声」(1997)
Path at Sunrise, Masses of Flowers(2010)
プルート(1997)(管弦楽版)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2023年13-14日、2023年3月24日
ニューヨーク・タイムズ紙で「独特の魅惑的なハーモニーの世界に棲んでいる」と称賛されたアメリカの作曲家 マーガレット・ブラウワー。1996年から2008年までクリーヴランド音楽院作曲科の主任教授を務め、数々の 名誉ある賞を受賞、オーケストラや演奏家からも数多くの委嘱を受けています。このアルバムには5つの作品 を収録。交響曲第1番には、彼女が幼い頃に過ごしたオランダ系アメリカ人のコミュニティで耳にしていたオラ ンダの賛美歌が繰り返し現れます。「狂詩曲、管弦楽のための協奏曲」では様々な楽器が色彩豊かに用い られており、まばゆいばかりの響きです。1996年、ホルストの「惑星」の続編として作曲された「プルート=冥 王星」は冥府を司る神をモティーフに破壊と再生が描かれた作品。「海王星」のラストを受けて初演版では 女声合唱が入りますが、この作曲家自身による編曲では、声の代わりにフルートとオーボエが太陽の温かさ を描き出します。他には、早朝の静けさの中に咲く花々を描いた「Path at Sunrise, Masses of Flowers」、夜明けの航海の様子を描いた「The Art of Sailing at Dawn」を収録。マリン・オルソップが ウィーン放送響とともに常に自然に寄り添うブラウワー作品の抒情的な魅力を丁寧な仕事で隅々まで伝え ます。
NAX-8.660556(2CD)
ロッシーニ:歌劇「エルミオーネ」 エルミオーネ…セレーナ・ファルノッキア(S)
アンドロマカ…アウローラ・ファッジョーリ(A)
ピッロ…モイセス・マリン(T)
オレステ…パトリック・カボンゴ(T)
ピラーデ…ワン・チュアン(T)
フェニーチョ…ガブリエル・パク・ジュソン(Bs)
クレオーネ…マリアーナ・ポルトラク(S)
チェフィーザ…カタジナ・グラン(S)
アッターロ…バルトシュ・ヤンコフスキ(T)
クラクフPO&cho
アントニーノ・フォリアーニ(指)

録音:2022年7月16-23日「ヴィルトバートのロッシーニ」音楽祭
晩年のロッシーニが滞在したことにちなんで毎年夏に開催される 「ヴィルトバートのロッシーニ」音楽祭から歌 劇「エルミオーネ」が登場。2022年のライヴです。 ギリシア悲劇を基にトットーラが台本を作成、名歌手イザベラ・コルブランのために書かれたこの歌劇は、コル ブランをはじめとした名歌手を揃えて初演に臨んだにもかかわらず不評に終わり、結局5回のみ上演されて 以降は忘れられてしまいました。とはいえロッシーニ自身はこの作品を気に入っており、生涯楽譜を保存して いたといいます。やがて、1977年にシエナで蘇演が行われてから人気が盛り返し、現在ではしばしば世界各 地で上演されています。 この2022年の上演ではエルミオーネ役をセレーナ・ファルノッキア、その婚約者で彼女を裏切るピッロ役をモイ セス・マリンが歌い、圧倒的な存在感と輝かしい声で聴衆を魅了しました。脇を固めるカボンゴとファッジョーリ らの素晴らしい歌声も聴きどころ。2004年から音楽祭に出演しているアントニーノ・フォリアーニもオーケスト ラと合唱団から最高の響きを紡ぎ出しています。
NAX-8.574497(1CD)
フランツ・クレメント(1780-1842):無伴奏ヴァイオリン作品集
12のカプリース - 第2番、第3番、第10番
メユールの歌劇「ジョゼフ」のロマンスによる変奏曲
12のカプリース - 第4番- 第6番
パントマイム『Die3Sclaven』の主題による変奏曲
12のカプリース - 第7番- 第9番
J. ヴァイグルの歌劇「スイスの家族」のアリア「Wer horte wohl iemals mich klagen」による変奏曲
12のカプリース - 第1番、第11番、第12番
サリエリの歌劇「黒人」の行進曲による8つの変奏曲
リン・ハオリ(Vn)

録音:2023年6月25-28日、7月2-4日
※全て世界初録音
【ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲初演者クレメントの魅力的な作品集!】 オーストリア生まれのヴァイオリニスト、作曲家フランツ・クレメント。幼い頃から神童ぶりを発揮、14歳の時に はその演奏を聴いて感激したベートーヴェンと親交を結び、後に彼のヴァイオリン協奏曲を初演しています。ク レメント自身も多数のピアノ、または管弦楽伴奏のヴァイオリン曲や無伴奏ヴァイオリン曲を作曲、なかでも 「12のカプリース」は、パガニーニを思わせるヴィルトゥオジティを持つとともに、美しい旋律と抒情性を備えてい ます。また当時人気のあった歌劇やバレエの旋律を用いた変奏曲も、技巧を要する装飾的な旋律が展開 します。演奏は2008年の中国国際ヴァイオリン・コンクールで最年少優勝を果たし、中国をはじめ、東南ア ジア、アメリカで活躍するリン・ハオリ。1732年製ニコロ・ガリアーノの美音を生かし、超絶技巧を聴かせま す。
NAX-8.559950(1CD)
ブルース・ブロートン(1945-):管弦楽作品集
そして6日目には
弦の理論/ホルン協奏曲
オリヴィエ・スタンキエヴィチ(Ob)
ウィリアム・フェルミューレン(Hrn)
LSO
ジョナサン・ブロックスハム(指)

録音:202年7月16、18、19日
エミー賞10回受賞、映画『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』の作曲家ブルース・ブロートンの作品集。 創世記の第1章をモティーフにした「そして6日目には」は3楽章からなるオーボエ協奏曲。混沌とした世界の 始まりから日没、翌朝へと変化してゆく情景を通じて人間世界の始まりを描きます。この曲を初演したロンド ン響首席奏者のスタンキエヴィチによる演奏です。「弦の理論」は前奏に続き17の変奏で構成された変奏 曲。各々の変奏で様々な技法が披露されていき、フィナーレでこれらを組み合わせて輝かしい結末を導きま す。「ホルン協奏曲」は急緩急の古典的な形式で、モーツァルトやR・シュトラウスの流れを汲んだと思 われるロマンティックでメロディアスな楽想も魅力。初演者でヒューストン響首席フェルミューレンの演奏です。 ブロートンはオーケストラを良く鳴らし、各楽器のサウンドを活かした書法で効果を上げています。

NAXOS 2024年6月発売
NAX-8.574412(1CD)

NYCX-10473(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

オスカル・ロレンゾ・フェルナンデス(1897-1948):組曲「田園風東方の三博士祭」(1930)
交響曲第1番(1945)…世界初録音
交響曲第2番「エメラルド・ハンター」 (1946-47)
ミナスジェライスPO
ファビオ・メケッティ(指)

録音:2022年9月24,26-30日
20世紀に活躍したブラジルの多くの作曲家と同様、フェルナンデスは民族主義的な作風から出発し、それらを国際的な技法や様式と統合することを試みま した。「田園風東方の三博士祭」組曲は初期の民族主義的な路線による代表作。クリスマスをモチーフにした親しみ易い音楽で、特に覚えやすくノリ易い 第3曲「バトゥーキ」はブラジル管弦楽名曲集の定番の一つ。2022年に東京で行われたブラジル独立記念200周年コンサートでも演奏され喝采を博しま した。交響曲第1番はバルトークに影響されて書いた4楽章形式の力作。古典的な構成による純粋音楽を目指しつつもブラジルらしいリズムや旋律が随所 に顔を出します。エメラルドを求めて密林に入り、先住民や大自然の脅威に直面した冒険家を描いた第2番は標題音楽の性格が強く、ドラマティックな作 品。作曲者は初演を聴くことなく世を去りました。
※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。

NAXOS 2024年5月発売 (2)
NAX-8.559914(1CD)
ダロン・アリック・ハーゲン(1961-):平家組曲
平家組曲第1番「アパッショナート」(2015)
平家組曲第2番「カンタービレ」(2016)
平家組曲第3番「ミステリオーソ」(2017)
平家組曲第4番「グランディオーソ」(2018)
平家組曲第5番「アポセオシス」(2022)
デュオ夢乃
木村伶香能(歌/箏)
玉木光(歌/Vc)
ダロン・アリック・ハーゲン(エレクトロ・アコースティック)

録音:2022年6月27-28日彩の国さいたま芸術劇場
全て世界初録音
アメリカの現代作曲家ダロン・アリック・ハーゲンが『平家物語』を基に描いた音楽物語。日本の箏とチェロの二重奏に、地声によるヴォーカルも加わり、幻想 的な平家絵巻が描かれています。更に、最終章ではエレクトロニクス・アコースティックも重なり、浄土の世界へと誘います。デュオ夢乃はニューヨークと日本を 拠点に邦楽とクラシックの伝統に根ざしつつ新しい室内楽を開拓しており、これまでに一柳慧、ダロン・ハーゲンなど国際的に活躍する現代作曲家に新作を 委嘱。ニューヨークの音楽シーンで活躍する作曲家の新作初演にも多く携わり、その演奏はニューヨークタイムズ、ニューヨーク・クラシカル・レビュー等において 高い評価を得ています。ブックレットの解説は英語のみですが、日本語解説と歌詞はインレイ面記載のアドレスにアップロードされて読むことができます。
箏と弦楽四重奏の為のコンチェルトにおいて、私は日本の古典文学「源氏物語」の音楽化を試みた。今回、箏とチェロの二重奏組曲を作曲するにあたり、 諸国を廻り歩く琵琶法師たちが語り継いできた軍記物語、「平家物語」を題材とする事にした。『驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も 遂には滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。』と始まる冒頭は、物語の核心である仏教的無常観を表しています。この連作では、時勢を率いた武士ではなく、 戦乱の世に翻弄された女性たちに視点を当て、平家の世界を描くことを試みた。取り上げた3人の女性たちはいずれも晩年に仏門に入っています。この「平 家組曲」は2015年から2022年にかけて作曲し、デュオ夢乃に捧げられた。私を日本の歴史と文学の世界へと導き、その成果として誕生したこの連作を数 多くの場所で演奏し続けているデュオに対する感謝の念が、ここに結実しています。ーー ダロン・アリック・ハーゲン
NAX-8.574546(1CD)
リスト:ピアノ曲全集 第62集〜宗教作品編曲集
アッシジの聖フランチェスコの太陽の賛歌 S499/R191(1881)
聖フランチェスコ(アッシジの聖フランチェスコの太陽賛歌のための前奏曲)S498d/R392(1880)
エクセルシオール!(シュトラスブルク大聖堂の鐘のための前奏曲) S500/R337(1874頃-76)
幻想小曲集「Liebesszene und Fortunas Kugel 愛の情景とフォルトゥナの水晶球」
- A.ゴルトシュミットのオラトリオ「7つの大罪」より(1880)
◇愛の情景/フォルトゥナの水晶球
ロッシーニによる2つのトランスクリプション(1847)
ロッシーニの「La Charite 慈悲」によるアルモニー S701j(1847)(断章)
システィーナ礼拝堂で S461/R114- アレグリのミゼレーレとモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス(1862)(初稿/レスリー・ハワード編)
モーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスS461a(1861頃)
マーティン・カズン(P)

録音:2023年2月16-17日
若い頃には超絶技巧ピアニストとして名を馳せたフランツ・リスト。そんな彼が1865年に僧籍に入ったことに は多くの人が衝撃をうけました。しかし、それまで女性関係や家族関係、芸術的な確執など多くの問題に悩 まされていた彼が宗教的な世界に救いを求めたことは、とりわけ不思議なことではありませんでした。この頃に は「詩的で宗教的な調べ」などの内省的な曲集が書かれていますが、更に年を重ねると一層精神的な深み を追求した作品が多く書かれるようになります。このアルバムに収録されたのは、ロッシーニのトランスクリプショ ンを除き全て晩年の作品。和声はシンプルになり、時に粗削りともいえるようなゴツゴツとした旋律も現れま す。リストが最期に求めた魂の平穏の昇華とも言える珠玉の曲集です。
NAX-8.559938(1CD)
ルーカス・フォス:交響曲第1番/ルネッサンス協奏曲 他
オード(1944/1958改訂)
ルネッサンス協奏曲(1985)
3つのアメリカの小品(1944-45、ヴァイオリンと管弦楽版 1989)
交響曲第1番ト長調(1944)
エイミー・ポーター(Fl)
ニッキ・チューイ(Vn)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2022年6-7日
ベルリン生まれのフォスは地元で初期の音楽教育を受け、1933年パリに留学。その後、1937年にア メリカにわたりフィラデルフィアのカーティス音楽学校に入学しフリッツ・ライナーから指揮法を学ぶとともに、 イェール大学ではパウル・ヒンデミットから作曲を学んでいます。彼の作品には様々な作曲スタイルが混 在しますが、1940年代の3作品は新古典派的なスタイルで書かれており、自身の言葉である「未来に 大きく足を踏み入れるには、過去に大きく足を踏み入れなければならない」を具現化したものといえるで しょう。とりわけ交響曲第1番は抒情的かつ田園的な雰囲気の中に、微妙にジャズの影響が感じられる ユニークな作品です。「オード」は第二次世界大戦中に失われた命への追悼曲。「3つのアメリカの小 品」はヴァイオリンとピアノのために書かれましたが、後に管弦楽伴奏に編曲された作品。コープランド風 の親しみやすい雰囲気に満ちています。1985年の「ルネッサンス協奏曲」はフォスが“世紀を超えた握 手”と呼んだ曲。ラモーやモンテヴェルディ作品を借用しながらも、巧みな転調を採り入れたモダンな曲調 が魅力的です。表現力豊かなジョアン・ファレッタの指揮でお聴きください。
NAX-8.574577(1CD)
ルーセル:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調 Op.11
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.28
弦楽三重奏曲 Op.58(
デイヴィッド・ボウリン(Vn)
トニー・チョー(P)
カーステン・ドクター(Va)
ドミートリー・コウゾフ(Vc)

録音:2023年2月21日、2023年2月23日、2023年3月23日
フランスの作曲家アルベール・ルーセルは交響曲や『くもの饗宴』などのバレエ作品で知られていますが、あまり 耳にすることはないとは言え見事な室内楽作品も書いています。ルーセルは青年時代のおよそ5年間を海 軍に従事、退役した後に本格的に音楽を学び1902年に作曲家としてデビュー。1890年代の作品をほと んど破棄し、デビュー以降の作品をカタログ化したため、すでに書かれていたヴァイオリン・ソナタは破棄され、 このアルバムに収録された1907-08年のソナタが第1番となりました。ロマンティックな楽想を持つ美しい作 品です。第2番のソナタは1924年の作品。無調に近いものの少しだけ東洋的な響きを纏った15分ほどのコ ンパクトな作品です。最後の弦楽三重奏曲は1937年、ルーセルの最後の完成作品。簡潔な形式の中に 全体的な統一感が感じられ、各パートが複雑に絡み合いながら曲がすすみ最後は唐突に終わります。 2003年ワシントン国際コンクールで優勝し、現在はオバーリン音楽院で教えるヴァイオリニスト、デイヴィッド・ ボウリンを中心としたアンサンブルの演奏です。
NAX-8.660554(2CD)
ロッシーニ:歌劇「アルミーダ」 アルミーダ…ルート・イニエスタ(S)
リナルド…ミケーレ・アンジェリーニ(T)
ゴッフレード…モイセス・マリン(T)
イドラオテ…ガブリエル・パク・ジュソン(Bs-Br)
ジェルナンド…パトリック・カボンゴ(T)
エウスタツィオ…マヌエル・アマティ(T)
ウバルド…セサール・アリエータ(T)
カルロ…チュアン・ワン(T)
アスタロッテ…シ・ツォン(Bs)
クラクフPO&cho
ホセ・ミゲル・ペレス=シエーラ(指)

録音:2022年7月15、20日  ヴィルトバートのロッシーニ音楽祭
晩年のロッシーニが滞在したことにちなんで毎年夏に開催される 「ヴィルトバートのロッシーニ」音楽祭から、6 人のテノール歌手を要する「アルミーダ」が登場。2022年のライヴです。 タッソの叙事詩『エルサレム解放』に登場する魔女アルミーダと十字軍の英雄リナルドの物語は、バロック時 代以降数多くの作曲家が題材に用いましたが、ロッシーニもその一人。彼は1817年にこの歌劇を作曲、そ の前年に火災に遭ったナポリのサン・カルロ劇場の再開?落としで初演が行われました。当時ロッシーニの恋 人で後に妻となった歌姫イザベラ・コルブランが創唱した題名役には「D'amore al dolce impero=甘き 愛の帝国では」などのコロラトゥーラの難曲があり、また6人ものテノール歌手を必要とするため上演困難な作 品としても知られていますが、この公演は「まるで魔法のようなキャスティング」と評されるほどの高水準な出来 となり、題名役のルート・イニェスタのコロラトゥーラと、リナルド役のミケーレ・アンジェリーニの輝かし い高音も 高く評価されました。ホセ=ミゲル・ペレス =シエーラはジャンルイジ・ジェルメッティに師事、アルベルト・ゼッダ のアシスタントを務めていた指揮者で、NAXOSレーベルのロッシーニ・オペラの録音は高い評価を得ていま す。

NAXOS 2024年4〜5月発売
NAX-8.574413(1CD)
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):献呈/後奏曲
ヴァイオリンと管弦楽のための交響曲「献呈」(1990-91)
後奏曲 - ピアノと管弦楽のための(1984)
ヤヌシュ・ヴァヴロフスキ(Vn)
ユルギス・カルナヴィチウス(P)
リトアニア国立SO
クリストファー・リンドン=ジー(指)

録音:2022年5月2-6日
現在ベルリンで生活を送るキーウ出身の作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフ。活動の初期の頃は前衛的な作品を書いていたものの、1974年にソ連作 曲家同盟から除名されてしまい公の場での活躍が難しくなりました。彼はこの頃から作風を変換、後期ロマン派を思わせる美しい響きを用いた懐古的な作 品を書き始め、これらは現在までに多くの人に愛されています。このアルバムに収録されているのは、彼の6番目の交響曲にあたる「献呈」と80年代の代表 作の一つ「後奏曲」の2作。「献呈」はシルヴェストロフの親友でもあるヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルのために作曲され、ミュンヘンでクレーメルによって初 演されました。冒頭こそ不協和音に満ちていますが、曲の白眉はマーラーのアダージェットを思わせる最終楽章にあり、自身の演奏の録音を聴いたクレーメル が思わず「映画『ヴェニスに死す』の世界のようだ」と叫んだというほどに、安らぎと憧れに満ちた世界が広がります。「後奏曲」も冒頭こそ十二音音楽を思わせ る激しい曲想ですが、少しずつピアノの優しく懐かしい響きが曲を支配し、最後は静寂の中に音が消えていきます。どちらもシルヴェストロフらしい、調性や伝 統的な旋法を用いながらも、ドラマティックさと抒情性が交錯する独自の作風で書かれています。 「献呈」でヴァイオリンを演奏するのはポーランドの名手ヤヌシュ・ヴァヴロフスキ。ポーランド現代作品の初演を数多く行うとともに、録音でも高く評価されてお り、このアルバムでも1685年製の銘器ストラディヴァリを駆使して,美しい音色でシルヴェストロフの音楽を歌い上げています。
NAX-8.660558(3CD)
マイアベーア:歌劇「アフリカの女(ヴァスコ・ダ・ガマ)」 ヴァスコ・ダ・ガマ…マイケル・スパイアーズ(T)
セリカ…クラウディア・マーンケ(Ms)
イネス…キルステン・マキノン(S)
ネルスコ…ブライアン・マリガン(Br)
ドン・ペドロ…アンドレアス・バウアー・カナバス(Bs)
ドン・ディエゴ…トーマス・フォークナー(Bs)
アンナ…ビアンカ・アンドルー(Ms)
ドン・アルヴァロ…マイケル・マカウン(T) 他
フランクフルト歌劇場O&cho
アントネッロ・マナコルダ(指)

録音:2018年3月2日-4月2日(ライヴ)フランクフルト歌劇場(ドイツ)
マイアベーアの最後のグランド・オペラとなった「アフリカの女」。もともとポルトガルの航海士をモデルにした「ヴァ スコ・ダ・ガマ」として構想し、大合唱やバレエを含む壮大な作品として書き上げましたが、完成直後にマイア ベーアは初演を観ることなく死去。そのためリハーサルを行ったフランソワ=ジョゼフ・フェティスがカットを施すな ど作品を改訂し、台本も変更、タイトルを「アフリカの女」と改め初演を行いました。 現在はマイアベーアの原案通り「ヴァスコ・ダ・ガマ」のタイトルで上演されることもありますが、この上演では一 般的なタイトルの「アフリカの女」も併記されています。ただし、使用したスコアは2013年に作成された比較 校訂版で、オリジナルのスコアと、未完で遺された膨大な素材をもとにしたマイアベーアの当初の意図を反映 したものとなっています。 この演奏ではバリトンからテノールまで広い音域を持つ「バリテナー」として人気を集めるマイケル・スパイアーズ に注目。有名な第4幕のアリア「おお、天国よ」を美しい声で聴かせます。クラウディア・マーンケとキルステン・ マキノンなど女声陣も充実。指揮のマナコルダは古典派・ロマン派の交響曲録音で注目されていますが、オ ペラでの活躍はそれ以上で、メトロポリタン、コヴェント・ガーデン、ウィーン、バイエルンなどの名門歌劇場で高 く評価されています。
NAX-8.574550(1CD)
Folk Tales2民話/第2集
イギリスとアイルランドの小品集

1. ブリッジ:子守歌(Vcとピアノ版)
2. ブリッジ:セレナード イ長調(Vcとピアノ版)
3. ブリッジ:エレジー
4. エルガー:愛の挨拶 Op.12(Vcとピアノ編)
5. レベッカ・クラーク:エピローグ
6. クラーク:パッサカリア(Vcとピアノ版)
7. クラーク:わが心に静まれと命じよう(Vcとピアノ版)
8. アイアランド(1879-1962):デコレーションズ- 第1曲 The Island Spell 島の呪文
9. アイアランド:コロンビーヌ
10. アイアランド:春の悲しみ (J. ロイド・ウェバーによるチェロとピアノ編)
11. アイアランド:4つの前奏曲 - 第3番 聖なる少年(Vcとピアノ版)
12. バックス:ネレイド
13. 伝承曲:夏のなごりのバラ(庭の千草)(G. ペレグリンによるチェロ編)
14. ハーバート・ヒューズ: サリー・ガーデン(L. オコーナー、G. ペレグリンによるヴァイオリンとチェロ編)
15. マイレ・ブレトナック(1956-):レクール湖の白鳥(Vn版)
16. 伝承曲:金髪乙女(M. エスポジト、G. ペレグリンによるチェロ編)
17. 伝承曲:She Moved Through the Fair シー・ムーヴド・スルー・ザ・フェアー
 (L. オコーナー、G. ペレグリンによるヴァイオリンとチェロ編)
18. 伝承曲:The Lark in the Clear Air 澄みきった空に歌うヒバリ(T.C. ケリーによるピアノ三重奏編)
19. レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:旅の歌
- 第1曲 放浪者(Vcとピアノ版)
20. ヴォーン・ウィリアムズ:How Can the Tree but Wither?(Vcとピアノ版)
21. ヴォーン・ウィリアムズ:旅の歌 - 第7曲 私はいずこにさすらうか(Vcとピアノ版)
ジェラルド・ペレグリン(Vc)…1-7、10-11、13-14、16-21
アンソニー・イングラム(P)…1-12、18-21
リンダ・オコーナー(Vn)…14-15、17-18

録音:2023年4月26-28日
ジェラルド・ペレグリンとアンソニー・イングラムは、第1集(8.574035)に続くこのアルバムで、ヨーロッパの伝統 と英国民謡の融合を図った20世紀イギリスの作曲家たちが模索した「新しい英国音楽」を更に探求。伝承 曲からあまり耳にすることのない曲まで様々な曲を紹介しています。アルバムの中にはペレグリンがコロナ禍の パンデミック中に各種施設で行ったコンサートで披露した曲も含むなど、心の琴線にふれる詩的な小品を聴 くことができます。前作はチェロとピアノの二重奏曲のみが選曲されていましたが、今作ではヴァイオリニストで アレンジャーのリンダ・オコーナーも演奏に加わり、ピアノ・ソロから三重奏、チェロとヴァイオリンのデュオなど多 彩な編成も楽しめます。
NAX-8.574532(1CD)
オーベール(1872-1871):序曲集 第6集
1. 歌劇「女大使」 S.28- 序曲(1836)
2. 歌劇「悪魔の取り分、またはカルロ・ブロスキ」 S.36- 序曲(1843)
3. 歌劇「エイデ、または秘密」 S.40 - 序曲(1847)
4-13. 歌劇「ドン・ファン」 - 第2幕 ディヴェルティスマン(1866)…世界初録音
 4. 序曲
 5. メヌエット、アレグレット ? トリオ(モーツァルトの交響曲第40番 K.550による)
 6. ディヴェルティスマン第1番:アレグロ・マ・ノン・トロッポ
 (モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K. 421」による)
 7. ディヴェルティスマン第2番:(アレグロ)(モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K.421」による)
 8. ディヴェルティスマン第3番:メヌエット・アレグレット
 (モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K. 421」による)
 9. ディヴェルティスマン第4番:トリオ(モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K.421」による)
 10. ディヴェルティスマン第5番:(モデラート)
 11. ディヴェルティスマン第6曲:(モルト・モデラート)
 (モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K. 421」による)
 12. ディヴェルティスマン第7番:メヌエット・アレグレット
 (モーツァルトの「弦楽四重奏曲第15番 K. 421」による)
 13. ディヴェルティスマン第8曲:(トルコ行進曲)アレグロ
 (モーツァルトの「ピアノ・ソナタ第11番 K. 331」による)
14. 歌劇「ガルベの王の婚約者」 S.49 - 第2幕 終幕のバレエ音楽(アレグロ)(1864)…世界初録音
15.歌劇「幸福の第一日」 S.50- 序曲(1868)
16-20. 歌劇「神とバヤデール」 S.19(1830)より
 16. 序曲
 17. 第1幕 エール・ド・ダンス「パ・ド・シャール」
 18. 第1幕 バレ「パ・ド・シャールのあとに」(1866)…世界初録音
 19. 第2幕 エール・ド・ダンスと情景「ファトメの踊りとゾロエの踊り」…世界初録音
 20. 第2幕 エール・ド・ダンスと情景「ゾロエの踊り」…世界初録音
カルロヴィ・ヴァリSO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2022年10月31日-11月2日
かつてはロッシーニやスッペ作品と肩を並べるほどの人気を誇ったオーベールの歌劇。かのチャイコフスキーも高く評価したと伝えられますが、現在では一部を 除きほとんど上演されることがありません。ここで聴けるのは、オーベールの最高傑作と呼ばれたこともある「女天使」をはじめとする歌劇の序曲やバレエ音楽。 どの曲もオーベールらしい優美な旋律、繊細な響き、軽やかな音楽が魅力です。変わり種は、1866年にパリのオペラ座でモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」 が上演された際に第2幕に挿入されたディヴェルティスマン。モーツァルトの短調作品のモチーフをふんだんに散りばめたメドレー風の音楽で、最後は有名なト ルコ行進曲で締めくくられます。この分野の第一人者ダリオ・サルヴィの指揮で。
NAX-8.574308(1CD)
ピアソラ:ヴァイオリンと弦楽のための編曲集
チン・チン(1978-79)*
天使の復活(1965)*
ムムキ(1984)*
ソレダッド(孤独)(1968)*
トロイロ組曲 - 第3曲 シータ(1975)*
ブエノスアイレスの四季(1965-70)**
セロス(嫉妬)(1979)*
フガータ(1969)*

*…ケン・セルデンによるヴァイオリンと弦楽編(2021)
**…レオニード・デシャトニコフによるヴァイオリンと弦楽編(1999)
トーマス・コーティク(Vn)
マーティンゲイル・アンサンブル
ケン・セルデン(指)

録音:2022年6月27日-28日
アストル・ピアソラの『Nuevo Tango=新しいタンゴ』はタンゴというカテゴリーを超え、全世界の人々に影響 を及ぼすほどの人気を獲得しています。このアルバムでは、ピアソラが自身の五重奏団のために作曲した器 楽作品を、独奏ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために編曲したヴァージョンを演奏。最も有名なのはレオ ニード・デシャトニコフによる「ブエノス・アイレスの四季」でしょう。他の7曲は、ポートランド州立大学管弦楽 団の音楽監督を務める指揮者ケン・セルデンが編曲。ピアソラのオリジナル演奏の録音を参考にしたという 即興演奏も組み込まれるなど、創意工夫が凝らされています。ヴァイオリン独奏はNAXOSに2枚のピアソ ラ・アルバムを録音しているトマス・コーティク。ヴァイオリンとピアノのための編曲集(8.573789)でも「ブエノス アイレスの四季」を披露していますが、今回では更に華やかな演奏を聴かせます。
NAX-8.574541(1CD)
バッハ:ギターのための編曲作品集
リュート組曲 ホ長調 BWV1006a (T. ホップストックによるギター編)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV 1001(M. バルエコによるギター編)
前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV 998(T. ホップストックによるギター編)
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004- 第5曲 シャコンヌ(P. ペゴラーノによるギター編)
ゲオルギ・ディミトロフ(G)

録音:2023年7月7-9日
2022年に開催された第1回「European Bach Guitar Award ヨーロッパ・バッハ・ギター・アワード」コン クールで第1位を獲得した期待の新人ゲオルギ・ディミトロフのバッハ・アルバム(同コンクールでは山下愛陽が 第3位に入りました)。2000年ブルガリア生まれのディミトロフは幼い頃からギターをはじめ、パコ・デ・ルシアに 賞賛された才能の持ち主。ブルガリアの国立音楽アカデミーで学び数多くの賞を受賞,その後はグラーツ音 楽舞台芸術大学での研鑽を積みながらバロック・ギターとヴィオラ・ダ・ガンバのクラスも受講し、現在はロンド ンの王立音楽アカデミーで学んでいます。 このアルバムでは、彼が得意とするバッハのギター用に編曲された作品を演奏。バッハ自身が無伴奏ヴァ イオリン・パルティータをリュート用に編曲した組曲第4番 BWV1006aを冒頭に置き、バルエコが編曲した 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番、リュートとチェンバロのどちらでも演奏できるBWV 998、そして最後に無 伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のシャコンヌが壮大なクライマックスを築きます。
NAX-8.574451(1CD)
エーリヒ・J・ヴォルフ(1874-1913):歌曲全集 第1集
1-6. Einen Sommer lang 夏の遊び Op. 17(1908年出版)
 1. No.1. Sommer
 2. No.2. Sehnsucht
 3. No.3. Zuversicht in Pan
 4. No.4. Einen Sommer lang
 5. No.5. Ein Sonntag
 6. No.6. Gluckes genug
7-9.6つの歌 Op.1(1902年頃出版)より
 7. No.2. Ein Musikant, ein Schwarmer, auf einen Jahrmarkt ging
 8. No.4. War eine Maid, die emsig spann
 9. No.6. Genrebild
10-11. リヒャルト・デーメルの6つの詩 Op. 8(1907年出版)より
 10. No.2. Erhebung
 11. No.3. Immer wieder
12-14. 「子供の魔法の角笛」による6つの詩 Op.9(1907年出版)より
 12. No.2. Frau Nachtigall
 13. No.4. Knabe und Veilchen
 14. No.5. Tanzreim
15-16. トラ・ツー・オイレンブルクの2つの詩 Op.11b(1907年出版)
 15. No.3. Sturmflut
 16. No.4. Trinklied
17-20.9つの歌 Op.12より
 17. No.1. Spaziergang
 18. No.4. Das mitleidige Madel
 19. No.9. Traurige Mar
 20. No.7. Im Kahn
21.7つの歌 Op.22- No.6. Liebesmelodie 愛の旋律(1910年出版)
22-24.6つの歌 Op.26(1913年出版)より
 22. No.2. Seidenschuh' uber Leisten von Gold
 23. No.4. Flieg' hin, mein Kiel!
 24. No.6. Meine Braut fuhr' ich heim
25. エミール・ファクターの詩による8つの歌 Op.32? No.1. Der tote Lenz(1914年出版)
26-28.3つのメロドラマ - ピエロ=ツィクルス Op.27(1914年出版)
 26. No.1. Serenade
 27. No.2. Intermezzo
 28. No.3. Finale
ダニエル・ヨハンセン(テノール…1-25)、(朗読…26-28)
サマンサ・ガウル(S)…13-14
クラウス・ジモン(P)

録音:2022年11月21-23日
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家。現在ではその名前を知る人はほとんどいませんが、38歳の若さで亡くなるまでに少なくとも 168曲の歌曲を書き、全て存命中に発表されています。1927年に出版された書籍『2000 der beliebtesten Kunstlieder 最も人気のある芸術歌 曲2000』では同名のヴォルフやR・シュトラウスやマーラーの歌曲に次ぐ人気を博していました。このアルバムは、ヴォルフの歌曲全てを録音するシリー ズの第1集で、マーラーも素材とした「子供の魔法の角笛」を用いた歌曲や、リヒャルト・デーメルの詩を用いた歌曲などを聴くことができます。彼は時折大胆 な和声進行を用いるものの、無調に踏み込むことはなく、曲はどれもロマンティックな味わいを持っています。また高度な技法で描かれたピアノ・パートにも注 目、歌を引き立てながらも存在感の強い旋律が耳に残ります。バロックから古典派作品を得意とするテノール、ヨハンセンとロマン派作品を得意とするソプラ ノ、ガウルが見事な歌唱を聴かせ、ヴォルフ作品を愛しブックレットに詳細な解説(ドイツ語・英語)も書いたジモンが伴奏を務めます。
NAX-8.559935(1CD)
ジョン・アダムズ(1947-):シティ・ノワール 他
シティ・ノワール (2009)
フィアフル・シンメトリーズ (1988)*
黄金の西部の娘- ローラ・モンテスはスパイダー・ダンスを踊る(2016/2020改訂)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:ウィーン、楽友協会大ホール及びオーストリア放送協会大ホール
2022年5月31日-6月2日、2022年12月1、3日*
現代アメリカを代表する作曲家の一人、ジョン・アダムズの作品集。このアルバムには、彼の代表作「シティ・ノワール」を含む3つの作品が収録されています。 冒頭の「シティ・ノワール」は1940年代から50年代のロサンゼルスの文化と社会史からインスピレーションを受けた“想像上の映画音楽”と彼が呼ぶ作品。 巨大なオーケストラを縦横無尽にあやつるアダムズの手腕を知ることができます。「フィアフル・シンメトリーズ」は彼が「中国のニクソン」を成功させた時期の作 品。管弦楽にシンセサイザー、サクソフォンなど多彩な楽器を加えた、いわば変型版ビッグバンドとも言える編成で、打楽器などのサンプリング音源も用い、蒸 気機関で動く機械を連想させるミニマル風の曲です。 指揮者のマリン・オルソップはカブリヨ現代音楽祭で活動を始めた30年以上も前からアダムズと協働を続け、その間に彼の作品を数多く演奏してきました。 今回は彼女の手兵であるウィーンRSOとともに愛するアダムズの作品を演奏、共感溢れる音楽を披露しています。アルバムの最後に置かれた 「ローラ・モンテスはスパイダー・ダンスを踊る」は、オルソップがカブリヨ現代音楽祭を離れる時にアダムズが彼女のために書いた曲で、短いながらも温かい心 情、ユーモアにあふれた作品です。
NAX-8.573391(1CD)
トゥリーナ:弦楽のための作品集
La oracion del torero 闘牛士の祈り Op. 34(1925)(トゥリーナによる弦楽オーケストラ編)
3つのアンダルシア舞曲 Op.8- 第2番 タンゴ(1912)(弦楽オーケストラ編)
Las musas de Andalucia アンダルシアのムーサたち Op.93 - 第3曲 タリア「ナランホスとオリボス」(1942)(弦楽オーケストラ編)…世界初録音
La Anunciacion 受胎告知 Op.27- 大天使の出現 - 間奏曲(1942)(Pと弦楽オーケストラ版)
セレナータ Op.87(1934)(G. デ・ガルベスによる弦楽オーケストラ編)
絵画的組曲「セビリア」 Op.2- 第2曲 真夜中の聖木曜日(1908))(1937年 ピアノと弦楽オーケストラ版)
アンダルシアのムーサたち Op.93- 第9曲 カリオペ「讃歌」(1942)(Pと弦楽オーケストラ版)…世界初録音
交響詩「幻想舞曲集」 Op.22- 第3楽章 オルジア(1919)(1930年頃 R. コルによるピアノと弦楽オーケストラ編)
ロベルト・ジョルダーノ(P)
コンセルト・マラガ
ヒル・デ・ガルベス(指)

録音:2023年10月1-3日
イタリア系スペイン人のトゥリーナは、セビリアに生まれ1905年から1914年までパリのスコラ・カントルムで作 曲をヴァンサン・ダンディに、ピアノをモシュコフスキーに師事、1914年に帰国してからはアンダルシアの民俗音 楽の要素を採り入れたスペイン民族色の濃い作品を数多く発表しました。2024年はホアキン・トゥリーナの 没後75周年にあたります。このアルバムでは彼の作品の中でもよく知られる「闘牛士の祈り」や「タンゴ」「セ レナータ」をはじめ、ピアノを加えた4作品まで、2曲の世界初録音を含むトゥリーナの代表的な名作を弦楽 オーケストラ用にアレンジしたものを収録、トゥリーナのノスタルジックな曲調を存分にお楽しみいただけます。
NAX-8.574533(1CD)
フランコ・アルファーノ(1875-1954):ロマンティックな組曲/ディヴェルティメント 他
ロマンティックな組曲(1906-08)
舞曲(1948-50)
葬送歌- 無伴奏アコーディオンのために(1951)
ディヴェルティメント ? 小オーケストラとオブリガートピアノのために(1934)
愛…愛…(1901)(1928頃 管弦楽版)
ダヴィデ・ヴェンドラミン(アコーディオン)
ヴィットーリオ・ラバリアーティ(P)
ミラノSO
ジュゼッペ・グラツィオーリ(指)

録音:2022年8月16-19日
プッチーニの死後、歌劇「トゥーランドット」の補筆を行ったことで知られるイタリアの作曲家フランコ・アルファー ノの管弦楽作品集。ナポリで学んだ後、ライプツィヒ音楽院に留学、ザーロモン・ヤーダスゾーンに作曲を師 事した彼は、ピアニストとして活躍する傍ら、トルストイの『復活』を題材にした同名歌劇で名を上げ、「シラ ノ・ド・ベルジュラック」など10作ほどの歌劇を書き上げます。このアルバムには“イタリアを旅する二人の恋人の 心情“を描き出した「ロマンティックな組曲」から、ドビュッシーを思わせる印象派風の「舞曲」、無伴奏アコー ディオンのための物悲しい「葬送歌」、新古典派的な作風で書かれた「ディヴェルティメント」と、軽妙なワルツ 「Amour… Amour…」の5曲が収録されており、アルファーノの豊かな表現法を知ることができます。
NAX-8.579157(1CD)
ジャ・ダーチュン(1955-):作品集
交響的協奏組曲「押し寄せる思考の波」(2020-21)
交響的前奏曲「巴蜀奇想曲」(1996/2018年改訂版)
ヤクブ・ハウファ(Vn)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ミハウ・クラウザ(指)

録音:2023年9月10-12日
世界初録音
現代中国を代表する作曲家の一人ジャ・ダーチュン(??群)。数多くの作品を発表、とりわけオーケストラ 作品で世界的な高い評価を受けています。このアルバムに収録された「The Wave of the Surging Thoughts 押し寄せる思考の波」は、チェロの深い音色をフィーチャーした第1楽章、パーカッションセクショ ンが活躍する第2楽章、ヴァイオリン・ソロが際立つ第3楽章、主題がさまざまな形で執拗に繰り返される第 4楽章、華やかな金管を特徴とし、ワーグナーの「タンホイザー序曲」を思わせる勇壮な第5楽章の5つの楽 章で構成されています。一連の流れは古典的な交響曲の基本パターンである「苦悩から勝利へ」に基づい ており、高度な統一感を持つ音楽です。最後に置かれた「巴蜀奇想曲」の「巴蜀」とは四川省の古い名称 で、この地に根付く文化的伝統を表現した見事な作品です。
NAX-8.574589(1CD)
エリザベッタ・ブルーサ(1954-):管弦楽作品集 第5集
レクイエム Op.25(2020-21)
-独唱、合唱とオーケストラのために
スターバト・マーテル Op.24 -ソプラノとオーケストラのために(2020)
レーカ・クリストーフ (S)
ドロティア・ラーング(A)
イシュトヴァーン・ホルヴァート(T)
マルセル・バコニー(Bs)
ハンガリー放送cho
ハンガリーRSO
リッカルド・フリッツァ(指)

録音:2023年6月26-28日
世界初録音
1954年ミラノ生まれの女性作曲家、エリザベッタ・ブルーサの管弦楽作品集。2002年からゆっくりとした ペースで進むシリーズ第5集には、彼女の最新の合唱を伴う作品が収録されています。以前からレクイエム を作曲したいと願っていたものの、人生経験の不足などからどうしても納得のいくものが書けなかったというブ ルーサ、これまでに様々な試作を重ねてきたといいます。しかしヤコポーネ・ダ・トーディの『スターバト・マーテ ル』のテキストを読み、その苦しみに対する表現の豊かさに衝撃を受け、レクイエムの足掛かりとしてまずソプ ラノ独唱を伴う『スターバト・マーテル』を作曲、次いで『レクイエム』を書き上げたのです。完成した作品はどち らも調性感を伴う古典的な雰囲気を纏いながらも、熟達したオーケストラの使用法が際立つ堂々たる風格 を備えています。
NAX-8.660549(3CD)
ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリート」 レオノール…アンナリーザ・ストロッパ(Ms)
フェルナン…ハビエル・カマレナ(T)
アルフォンス11世…フロリアン・センペイ(Br)
バルタザール…エフゲニー・スタヴィンスキー(Bs)
ドン・ガスパール…エドアルド・ミッレッティ(T)
イネス…カテリーナ・ディ・トンノ(S)
重臣…アレッサンドロ・バルバリア(T)他
ドニゼッティ歌劇場cho&スカラ座アカデミアcho
ドニゼッティ歌劇場O
リッカルド・フリッツァ(指)

録音:2022年11月15、18日ドニゼッティ歌劇場、ベルガモ(イタリア)
【同内容の映像】
DYNAMIC*DYNDVD37992
DYNBRD57992(輸入盤)
「お気に入り、愛妾」を意味する「ラ・ファヴォリート」は、ドニゼッティが1839年に作曲した「ニシダの天使」を 転用し、フランス語の台本を用いて書き上げた作品。1840年のパリ・オペラ座での上演は大成功を収めま した。「ラ・ファヴォリータ」として知られるイタリア語版が、20世紀の後半に至るまで、世界各地での上演の主 流となりましたが、近年、ドニゼッティの作品を作曲家の意図したオリジナルの姿で上演する機運が高まり、ド ニゼッティ音楽祭2022における本上演でも、レベッカ・ハリス=ウォリックによるオリジナルのフランス語台本に よる、比較校訂版スコア(1997リコルディ社)が用いられています。 レオノール役のアンナリーザ・ストロッパ、フェルナン役のハビエル・カマレナ、アルフォンス11世役のフロリアン・セ ンペイ、バルタザール役のエフゲニー・スタヴィンスキーら錚々たる歌唱陣が歌い上げる名アリアと重唱の数々 に彩られたこの壮大な作品を、ドニゼッティ音楽祭の音楽監督を務めるリッカルド・フリッツァの引き締まったタ クトが表情豊かに描き尽くしています。

   NAXOS 2024年3月発売 (3)
NAX-8.559941(1CD)
フローレンス・ベアトリス・プライス(1887-1953):弦楽四重奏曲第2番イ短調(1935)
レオ・サワビー(1859-1968):弦楽四重奏曲 ト短調 H.226(1935)…世界初録音
プライス:ネグロ・フォークソング・イン・カウンターポイント(1951)
アヴァロンSQ

録音:2022年9月9日、10月1、4日、2022年9月10、30日、2022年9月30日-10月1日
2020年代に入って急速に脚光を浴びる作曲家フローレンス・プライス。その弦楽四重奏曲第2番をメインに、彼女の師匠ともいえるサワビーの作品を合わ せて紹介する、NAXOSのアメリカン・クラシックらしい1枚。 「アメリカ初の黒人女性作曲家」と呼ばれるプライスは、2021年のBBCプロムスで交響曲第3番の第3楽章が演奏され、2022年には交響曲第1番と第3 番を収めたアルバムがグラミー賞を受賞、2023年には「アメリカにおけるエチオピアの影」が神奈川フィルにより日本初演されるなど、世界的に脚光を浴びて います。彼女の作品の多くは死後も未発表のままで、その真価や全貌はまだ発掘途上と言えます。 プライスの1世代上に当たるレオ・サワビーは、ローマのアメリカン・アカデミーのローマ賞やピューリッツァー賞を受賞するなど国際的な名声を得ていました。プラ イスとサワビーは共に1930年代から40年代にかけてシカゴの音楽コミュニティのメンバーで、プライスがサザビーから教えを受けていたこともあり、お互いの作 品を尊敬していたことが知られています。このアルバムには両者の弦楽四重奏曲を収めています。最後に置かれたプライスの「ネグロ・フォークソング・イン・カウ ンターポイント」は5つの民謡旋律に基づくアフリカ由来のリズムや黒人霊歌を大胆に取り入れた作品。とりわけ第2曲の旋律は「雪山讃歌」として誰もが耳 にしたことがあるのではないでしょうか。
NAX-8.574545(1CD)
リスト:ピアノ曲全集 第61集
マイアーベーアの歌劇「ユグノー教徒」の主題による大幻想曲 S412/R211(1836)(初稿)
イタリア・オペラのメロディとメルカダンテの歌劇「誓い」による幻想曲「スカラ座の回想」 S458/ R294(1838-39)
スペインの主題による幻想的ロンド「マヌエル・ガルシアの密輸人」 S252(1836)
ワーグナーの歌劇「ローエングリン」 - 祝典と婚礼の歌 S446/1/R279/1(1854)(初稿)
ドリーブの歌劇「ニヴェルのジャン」によるバラード「マンドラゴラ」 S698/R666(1881)(断章)
マーティン・カズン(P)

録音:2023年2月13-15日
このアルバムには、若い頃のリストが得意としていたオペラの旋律のトランスクリプション5作が収録されて います。 冒頭に置かれたマイヤベーアの「ユグノー教徒」の旋律を用いた幻想曲は1836年の作曲。リストはこの 曲を3回改訂していますが、改訂ごとに曲が整理されたため、この初稿が一番長いものとなっています。 2曲目のメルカダンテの旋律による「スカラ座の回想」にはメルカダンテの他、誰のものかは特定できない 旋律も使われています。幻想的ロンドは、スペインの作曲家マヌエル・ガルシアのサルスエラ「密輸人」の 旋律に基づく作品。スペイン風の情熱的なリズムに支えられた技巧的な手の跳躍が使われた「ラ・カン パネラ」を思わせる曲です。「ローエングリン」のトランスクリプションは、比較的原曲に忠実なアレンジが施 されています。最後の「マンドラゴラ」はリスト晩年の作品。37小節のみの断片ですが、当時リストが試 みていた無調の使用など実験的な要素が見られます。演奏はイギリスのピアニスト、マーティン・カズン。 オスカー獲得の映画『シャイン』でピアニストの“手”を演じたことでも知られています。
NAX-8.574524(1CD)
ヨハン・ジモン・マイール(1763-1845):ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲) ニ短調(1820-34頃) アンナ・ファイト(S)
ボグナ・ベルナギエヴィチ(S)
フレイア・アプフェルスタット(A)
マルクス・シェーファー(T)
ファン・ジー(T)
ニクラス・マルマン(Bs)
ジモン・マイールcho
コンチェルト・デ・バッスス(古楽器オーケストラ)
フランツ・ハウク(指)

録音:2022年7月18-24日
世界初録音
ヨハン・ジモン・マイールの音楽を積極的に紹介するフランツ・ハウクとコンチェルト・デ・バッスス。今回のアルバ ムでは200年ほどの間、顧みられることのなかったマイールの「ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)」を演奏しました。 この作品は、以前NAXOSからリリースされた「グローリア・ミサ」(8.574203)と同じく、17世紀イタリアで流 行した「ミサ・コンチェルタータ」(各々の曲は連続せず、独立して奏される)の様式に根差しており、歌い手と オーケストラが巧みな掛け合いを聴かせ、とりわけ「オーケストラ・パートの優れた対位法の書法は当時の聴 衆に強烈な印象を与えた」と、マイールの最初の伝記作家ジローラモ・カルヴィ(1791-1872)が書き残した ほどです。70作以上の歌劇を残したマイールの抒情的な旋律美は、これらの宗教的作品でも健在です。
NAX-8.579103(1CD)
カサド/モンポウ:ギター作品全集
ガスパール・カサド(1897-1966):カタラネスカ(1922)
 前奏曲とサルダーナ(1965)
 フィンランドの民謡による2つの歌(オリジナル・エンディングとコーダ)(2003年出版)
 レオナルドの歌(1951)
 キジアナのサルダーナ(1951)(A. セゴビア編纂の手稿譜)
 カタルーニャの伝説(1952年12月14日以前)
モンポウ:歌と踊り 第10番(1953)(ギター編)):2001年出版)
 歌と踊り 第13番(1972)(最終稿)
エウジェニオ・デラ・キアーラ(G)

録音:2022年12月3-5日
カタルーニャの同世代の作曲家ガスパール・カサドとフェデリコ・モンポウのギターのための全作品を収録し たアルバム。優れたチェリストであったカサドはアンドレス・セゴビアと親交を深め、6曲のギター作品を書き 上げました。これらはどれもカタルーニャの民族舞曲に基づいています。ピアニストであったモンポウが残し た作品のほとんどはピアノ曲ですが、「歌と踊り 第10番」は原曲のピアノ曲をモンポウ自身がギターへと 編曲、そして「コンポステラ組曲」はセゴビアに献呈されました。どれもモンポウ独特の瞑想的なピアノ曲 に通じる抒情的な雰囲気を持つ作品です。 演奏するエウジェニオ・デラ・キアーラは、1990年ペーザロ生まれのギタリスト。日本やヨーロッパ各地で 演奏会を行い、これまでにDECCAから3枚のアルバムをリリースした他、現代音楽の作曲家とも積極 的にコラボレーションを行い、20曲以上の作品の献呈を受けています。
NAX-8.579150(1CD)
レザ・ヴァリ(1952-):管弦楽曲と管弦楽伴奏歌曲
ラヴァン(2013)
民謡集 第16集「ビーイング・オヴ・ラヴ」(2005)
ジャンナ・ベイティ(Ms)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
ファウジ・ヘイモア(指)

録音:2022年6月7-10日
全て世界初録音
数多くの受賞歴を持つイラン出身の作曲家レザ・ヴァリ。テヘランで音楽の基礎を学び、1972年ウィーン国 立音楽大学に留学。その後アメリカのピッツバーグ大学で博士号を取得し、現在はアメリカを拠点に活躍し ています。彼は故郷の旋法体系「ダストガー(即興演奏を行う上での基礎となる旋律の集まり)」をヨーロッパ の音楽に融合させたエキゾチックな作品を書くことで知られており、このアルバムでも華麗なオーケストラ作品 である「ラヴァン」をはじめ、3世紀ペルシャの詩人兼神秘家ルーミーのテキストや自身の言葉を用いた民謡 集「ビーイング・オヴ・ラヴ」、彼が2000年から取り組んでいる『カリグラフィ』シリーズの第16番「イスファハン」、 これらユニークな3作品をお聴きいただけます。「ビーイング・オヴ・ラヴ」でソロを歌うジャンナ・ベイティは現代 作品を得意とするメゾ・ソプラノ。これまでにもヴァリの民謡集第10集(8.572224)やアイヴズの歌唱で高い 評価を得ています。

   NAXOS 2024年3月発売 (2)
NAX-8.573924(1CD)

NYCX-10461(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
セーザル・ゲーハ=ペイシ(1914-1993):ラグーナからの撤退(管弦楽作品集)
ラグーナからの撤退(1971)
独奏ヴァイオリンと室内管弦楽のためのコンチェルティーノ(1972)
インコフィデンシア博物館(1972)
アブネル・ランディム(Vn)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音2015年9月26-28日、2019年11月29日
「交響的組曲第1番、第2番」のCD(NYCX-10322/8.573925)が『レコード芸術』や『朝日新聞』等で称賛され、突如として注目を集めた20世紀ブラ ジルの作曲家セーザル・ゲーハ=ペイシ、待望の新録音が登場。「ラテンのノリ」というイメージに相応しいリズムと色彩に、時としてショスタコーヴィチを思わせ る劇的でシリアスな場面描写を伴う作品群に注目です。 ゲーハ=ペイシは、ポルトガル移民でアマチュアの音楽家だった父からギターを学び、音楽学校でヴァイオリンを学んだ後、指揮者・教育者として活躍。 ラジ オ・テレビ番組や映画のための音楽も手掛け、ブラジルのフォーク・ミュージックの要素を取り入れた作品を残しています。 冒頭の「ラグーナからの撤退」は、1867年のブラジルとパラグアイの戦争を描いた小説にインスパイアされた交響組曲風の作品。演奏時間40分余りの大作 で、勇壮で高揚感のある第1部、恐怖、飢饉、疫病などさまざまな危機に直面するブラジル軍を描いた第2部、戦死者たちを悼みながら撤退する兵士たち を描く第3部で構成されており、最後は悲劇を浄化し平和を願うかのような抒情的な旋律で締めくくられます。最後の 「インコフィデンシア博物館」は、ポルト ガルからの独立運動の引き金となった事件の指導者で悲劇的な死を遂げたチラデンテスへのオマージュ的作品です。両曲とも場面や心情描写に長けた ゲーハ=ペイシの手腕が遺憾なく発揮されており、熱気をはらみ、時として鬼気迫るようなサウンドと共に、聴く人の心にストレートに迫る力をもっています。 悲劇的要素の強い2作に挟まれた「独奏ヴァイオリンと室内管弦楽のためのコンチェルティーノ」は、ヴァイオリニストでもあったゲーハ=ペイシの面目躍如とした 陽気でエンターテインメント性の高いコンサート・ピース。ブラジル北部の民族文化を取り入れながら新しい作品の創作をめざす「アルモリアル運動」から生ま れた作品で、民族色豊かな旋律とリズムに乗ってソロが華麗な技巧を披露してゆく音楽は理屈抜きに楽しめるものです。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。
NAX-8.559898(1CD)
ポール・リール(1943-2020):American Mosaic アメリカン・モザイク
チェロ協奏曲「Live Free or Die 自由に生きる、さもなくば死を」(2018)*
ピアノ協奏曲第1番(1986/2020改定)*
ピアノ・ソナタ第6番「荒地」(1992/2007改定)
キム・クック(Vc)
ジョン・ジェンセン(P)
ポール・リール(P)
ウィリアム・ボートン(指)イェールSO

録音:2007年3月15日、2007年10月1-2日、2022年11月12日
*=世界初録音
ニュージャージー生まれのポール・リール。もともとは英文学と自然科学の研究者でしたが、ロックバーグとクラムの作品に触れて作曲に興味を持ち、2年間ほ ど作曲法を学んだ後、12曲のピアノ・ソナタやチェロ・ソナタなど数多くの独創的な作品を発表。これらは晩年に相次いで録音され高く評価されました。 このアルバムの冒頭に収録されたチェロ協奏曲は、彼が長年構想を温めていた曲ですが、2018年に末期の病気と診断されたことをきっかけに僅か17日で 完成させたというもの。バロックの対位法やジャズのイディオム、無調が採り入れられており、副題として「Live Free or Die 自由に生きる、さもなくば死を」と いう、彼が2歳の時に住んでいたニューハンプシャー州の公式標語が用いられています。ピアノ協奏曲第1番は1986年の作品。ロイ・ハリスやデイヴィッド・ダ イアモンドら先人作曲家たちへのオマージュであり、また1940年代のジャズへの傾倒も見られますが、リールは仕上がりに満足しておらず、2016年と2020 年に改訂を施しています。ピアノを演奏しているのは、1986年の初演時の演奏と同じジョン・ジェンセン。リールが「私の作品の理想的な演奏者」と絶賛した ピアニストです。ピアノ・ソナタ第6番はジョン・エリオットの詩からインスパイアされた、映画音楽を思わせる描写的な作品。こちらはリール自身の演奏です。
NAX-8.669052(2CD)
マイケル・デライラ(1949-):歌劇「山猫(Leopard)」 全2幕(2018) ドン・ファブリツィオ・コルベラ…キム・ヨセフソン(Br)
タンクレイディ・ファルコネリ…ミンハオ・リュウ(T)
ステラ:サリナの王女…ロビン・レドモン(Ms)
ピローネ神父…フランク・ラグズデール(T)
モンテルズオーロの騎士シュヴァレー…ケヴィン・ショート(Bs-Br)
コンチェッタ…マルガリータ・パルサミアン(S)
アンジェリカ…ヤン・ヤキ(S) 他
フロストSO
フロスト歌劇場cho
ジェラード・シュワルツ(指)

録音:2022年3月5-6日
世界初録音
ニューヨークの作曲家マイケル・デライラは、若い頃にはギタリスト、ドラマー、ソングライターとして活動したのち、作曲家 に転向、彼が影響を受けたというストラヴィンスキー風の劇音楽や歌劇作品で高い評価を受けています。この歌劇 「山猫(Leopard)」は、イタリアの作家ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサが1958年に著した小説『山猫』(ヴィ スコンティ監督による同名映画の原作)をもとに、詩人J. D. マクラッチーが台本を作成。「イタリア統一運動」下の社 会的、政治的大変動に翻弄され「山猫」と呼ばれた貴族ファブリツィオ・コルベラと、若き理想主義者のタンクレイ ディ、そして彼らをめぐる人々の姿を描いています。主役コルベラを歌うのはメトロポリタン歌劇場を中心に活躍するベ テラン、キム・ヨセフソン。タンクレイディ役は2020年にペーザロ国際音楽コンクールで優勝した若手、ミンハオ・リウが 担当。作品の初演はジェラード・シュワルツの指揮で行われ、Opera Magazine誌によって「見事に作りこまれてい る」と絶賛されました。

   NAXOS 2024年3月発売
NAX-8.574551(1CD)

NYCX-10455(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

R・シュトラウス:バレエ音楽『ヨゼフ伝説』 Op.63TrV231 シュターツカペレ・ハレ
ファブリース・ボロン(指)

録音:2022年11月1-3日
1914年、第1次世界大戦による世界情勢不安の時期に誕生したR・シュトラウスのバレエ『ヨゼフの伝説』。 1912年、ディアギレフのロシア・バレエ団(バレエ・リュス)の公演に感銘を受けた詩人ホフマンスタールが、バレエ団のために作品を書くことを構想。友人のケス ラー伯爵とともに、旧約聖書から「エジプト王宮の侍従長ポティファルの妻の誘惑を拒み、苦境に陥る若者ヨゼフの物語」をもとに台本を作成し、シュトラウス に作曲を依頼しましたが、シュトラウスは、この清廉潔白な物語になじめず「退屈なものに音楽をつけるのは難しい」と語り、最初につけた音楽はモーツァルトを 思わせる18世紀風のものでした。このバレエをニジンスキーに踊ってもらうことを想定していたホフマンスタールはこの音楽に満足することなく、ケスラーと共に台 本を修正、作曲を渋るシュトラウスを再度奮い立たせることで、ようやくコントラファゴットまでを用いた大編成のオーケストラによるエキゾチックな響きが存分が 盛り込まれた煌びやかな作品が完成しました。 しかし、初演時にニジンスキーがバレエ団を離れてしまったため、主役はレオニード・マシーンが躍ることになるなどトラブルが続出。実は、シュトラウスは若きマ シーンを評価していませんでしたが、それでも1914年5月14日のパリ・オペラ座初演は成功裡に終わり、上演後にシュトラウスは盛大なカーテンコールを受け ています。その後ロンドンでトーマス・ビーチャムの指揮で6回公演が行われるなど、一時的に人気を博しました。戦時中は演奏されることがありませんでした が、戦後に各地で演奏されるようになり、作品の再評価が進みました。 作曲家、アレンジャーとしても活躍する指揮者ファブリース・ボロンが、シュターツカペレ・ハレから官能的な響きを紡ぎだしています。
※国内仕様盤には広瀬大介氏による日本語の解説が付属します。
NAX-8.574420(1CD)
バルトーク:ピアノ作品集 第9集
1-4. ピアノ・ソナタ Op.19BB12/DD51(1898)
 (ゴラン・フィリペツによる演奏会用編曲版)
5. ラヨシュ・ワルツ BB1DD28(1893)
6. ガビ ポルカ BB1DD12(1891)
7. レントラー 第2番BB1DD18(1891)
8. いろいろな小品 BB1DD2(1890)
9-56. 『ピアノ・メソード』より
 9. No.7. Legato and Non-legato Exercises
 10. No.8. Legato and Non-legato Exercises
 11. No.13. Legato and Non-legato Exercises
 12. No.14. Legato and Non-legato Exercises
 13. No.16. Wrist Exercises
 14. No.17. Wrist Exercises
 15. No.20. Playing with Hands Together
 16. No.21. Playing with Hands Together
 17. No.22. Ledger-lines
 18. No.24. Ledger-lines
 19. No.25. Ledger-lines
 20. No.26. Ledger-lines
 21. No.29. Development of the Accuracy of Touc
 22. No.33. Playing Staccato
 23. No.36. Staccato and Legato Alternating
 24. No.40. Exercises with Non-adjacent Fingers
 25. No.44. Exercises with Non-adjacent Fingers
 26. No.46. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 27. No.51. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 28. No.55. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 29. No.56. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 30. No.57. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 31. No.59. Accented and Unaccented Beats of a Bar
 32. No.68. Two-note Chords
 33. No.73. Two Parts with One Hand
 34. No.77. Two Parts with One Hand
 35. No.78. Two Parts with One Hand
 36. No.82. Two Parts with One Hand
 37. No.83. Tempo (Indication of Speed): Allegro
 38. No.89. Increasing the Hand-span (Sixths): Andante
 39. No.92. Changing Fingers on One Key: Lento
 40. No.94. Changing Fingers on One Key: Allegro
 41. No.95. Whole Tones and Semitones: Andante
 42. No.97. Whole Tones and Semitones: Andantino
 43. No.99. Whole Tones and Semitones: Moderato
 44. No.101. Scales:Allegro deciso
 45. No.102. Scales:Adagio
 46. No.105. Syncopation:Andante
 47. No.108. Syncopation:Allegro moderato
 48. No.109. The Harmonic Minor Scale: Allegro
 49. No.110. The Harmonic Minor Scale: Andante
 50. No.114. Playing Chords:Allegro
 51. No.115. Playing Chords:Allegro moderato
 52. No.116. Playing Chords:Moderato
 53. No.117. Playing Chords:Vivace
 54. No.118. Playing Chords:Allegro deciso
 55. No.119. Playing Chords:Tempo di valse
 56. No.120. Playing Chords:Allegro moderato
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2023年3月28-29日
NAXOSの人気シリーズ、バルトークのピアノ作品集。この第9集にはリスト作品の名演で名高いゴラン・フィ リペツの演奏で2つの重要な作品を収録。ピアノ・ソナタ Op.19は17歳のバルトークがブダペストに留学する 前に書いたもので、公に発表されることのなかった作品。長い間失われていたとされましたが、フィリペツが自 筆譜をもとに作曲家の意図を反映し修正や調整を行い、演奏会用ヴァージョンを作成して今回録音に至り ました。ブラームスを思わせる後期ロマン派の雰囲気をたたえた曲調ですが、若いバルトークの意欲も感じさ せる力作です。他の初期作品も珍しいものです。『ピアノ・メソード』は、バルトークが、ブダペスト音楽院のピ アノ科の教授を務めたレショフスキー(1887-1967)と協力して学生教育用に書き上げた教材集。1913 年に音楽学者アンタル・モルナールが「初心者向けながら生き生きとしており、魂を揺さぶり心を動かす作 品」と絶賛したこの曲集には、2人の作品のほかに、チェルニーら他の作曲家の作品も含まれています。この アルバムにはバルトークの手による48曲を収録。技術的には容易であるものの、どの曲も洗練されており、 彼のピアノ教育のアイデアを知る良い機会となっています。
NAX-8.579146(1CD)
ウクライナのヴァイオリン・ソナタ集
ヴィクトル・コセンコ(1896-1938):ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.18…世界初録音
ミロスラフ・スコリク(1938-2020):ヴァイオリン・ソナタ第2番
セルゲイ・ボルトキエヴィチ(1877-1952):ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.26
ソロミヤ・イヴァヒフ(Vn)
スティーヴン・ベック(P)

録音:2022年10月23日、2022年11月26日
ウクライナの3人の作曲家によるヴァイオリン・ソナタ集。 サンクトペテルブルクに生まれ、後半生をウクライナで過ごしたコセンコのソナタは1927年の作品。2楽章で 構成されており、刻々と変化する曲想が魅力的な第1楽章に、美しい緩徐楽章が続きます。スコリクはリ ヴィウ生まれ。1988年にウクライナ作曲家連盟のリヴィウ支部の会長に就任し、2011年にキーウ国立歌 劇場の芸術監督に就任するなど、ウクライナの音楽文化の発展に寄与しました。このソナタ第2番にはベー トーヴェンを暗示する旋律があるとともに、時にはプロコフィエフやガーシュウイン、ジャズの影響も感じさせるさ まざまなイディオムが組み込まれています。ハルキウ生まれのボルトキエヴィチのト短調のヴァイオリン・ソナタ は、彼の室内楽作品の中でも、音楽言語が最も鮮やか、かつ直接的に伝わる作品として際立っています。 賑やかで快活な終楽章にはシンコペーションの効いた民族音楽の引用も聞かれます。
NAX-8.574048(1CD)
A&M. ボーラー:ヴァイオリンと
チェロのための協奏曲集

アントワーヌ&マックス・ボーラー:大軍隊交響曲(1820頃出版)
第1楽章のカデンツァ…F.A.クマーとフランソワ・シューベルトのデュオ Op.52No.1「Souvenir de Fra Diavolo」の主題より(F.アイヒホルン&A.ヒュルスホフ編)
第4楽章のカデンツァ…F.アイヒホルン&A.ヒュルスホフ作

アントワーヌ・ボーラー:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.9(1809出版)
第1.2楽章のカデンツァ…F.アイヒホルン作

マックス・ボーラー:チェロ協奏曲第1番ニ長調 Op.1(1809頃出版)
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
イエナPO
ニコラ・パスケ(指)

録音:2020年10月-11月
全て世界初録音
マンハイム宮廷のトランペット奏者を務めるとともにコントラバスの名手としても知られたカスパール・ボーラーを父に持つ、アントワーヌとマックス。兄アントワーヌ はクロイツァーにヴァイオリンを学び、後にミュンヘン宮廷Oで演奏、パガニーニから「24のカプリース」の中の1曲を献呈されるほどの名手であり、同時 にダンツィらから作曲も学びました。弟マックスはチェリストとして活躍、同じくミュンヘンの宮廷Oに加わりましたが、兄ほどの名声を得ることはなかったよ うです。 彼らは共同でいくつかの作品を作曲し「大軍隊交響曲」を含む傑作を生み出しました。これらの作品は大胆な技巧と印象的なテーマを特徴としています。 アントワーヌのヴァイオリン協奏曲ホ短調は、パガニーニを思わせる高度な技術を必要とする作品。マックスのチェロ協奏曲第1番はバイエルン王に献呈され た曲。フルート、オーボエ2本、ファゴット2本、 2本のホルンとティンパニ、弦楽器という小さな編成の管弦楽伴奏を持ち、ダブル・ストップが多用されるなど、 19世紀初頭にチェロの演奏技法がどれほど急速に進化したかがうかがえます。ドイツのヴァイオリニスト、フリーデマン・アイヒホルンと、同じくドイツ出身のチェリ スト、アレクサンダー・ヒュルスホフが知られざる作品の魅力を紹介します。
NAX-8.574490(1CD)
ブラームス:歌曲全集 第5集
5つの歌曲 Op.71(1877)
4つの歌曲 Op.70(1875-77)
7つの歌曲 Op.95(1883-84)
6つの歌曲 Op.97(1885)
5つの歌曲 Op.107(1886-88)
5つのオフェーリアの歌 WoO22(1873)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
キーラン・カレル(T)
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:2022年6月13-15日、2022年10月4-6日
NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第5集には円熟期に書かれた5つの歌曲集と、A.W.シュレーゲルがドイツ語に翻訳したシェイクスピアの「ハムレット」
からの詩にブラームスが旋律をつけた「5つのオフェーリアの歌」を収録。5つの歌曲集はどれも名作揃いで、とりわけOp.71には人気の高い「Minnelied 愛の
歌」が含まれています。過去、現在、未来を主題にしたOp.70の歌曲、そして民謡素材が効果的に用いられたOp. 95とOp.97、愛をテーマにしたOp.
107とどれもブラームス独自の旋律美にあふれています。第4集と同じく、クリストフ・プレガルディエンに師事したテノールのカレルと、オペラ、コンサートの両面
で活躍するソプラノ、ヴンダーリンの演奏で。NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第5集には円熟期に書かれた5つの歌曲集と、A.W.シュレーゲルがドイツ語に翻訳したシェイクスピアの「ハムレット」 からの詩にブラームスが旋律をつけた「5つのオフェーリアの歌」を収録。5つの歌曲集はどれも名作揃いで、とりわけOp.71には人気の高い「Minnelied 愛の 歌」が含まれています。過去、現在、未来を主題にしたOp.70の歌曲、そして民謡素材が効果的に用いられたOp. 95とOp.97、愛をテーマにしたOp.107とどれもブラームス独自の旋律美にあふれています。第4集と同じく、クリストフ・プレガルディエンに師事したテノールのカレルと、オペラ、コンサートの両面 で活躍するソプラノ、ヴンダーリンの演奏で。
NAX-8.579138(1CD)
ルクセンブルクの現代音楽 第3集
1. リュック・グレーテン(1964-):Upswing アップスウィング(2016)
2. ガスト・ヴァルツィング(1956-):Princesses Don't Grow Old(2019)
3. アーニー・ハンメス(1968-):ピッコロ・トランペット、ジャズ・クインテットと室内オーケストラによるコンチェルティーノ第1番(2019)
4. ハンメス:Booboo ブーブー(2017)
5. ハンメス:Tuna Melt ツナ・メルト(2017/2019改訂)
6. ハンメス:ウェスト・エンド・アヴェニュー(2018/2019改定)
7. カトリン・コンツ(1976-):The Waves ウェーヴズ(2020)
8-11. オリヴエ・ダルテヴェル(1957-):新しいアンティゴネ(2021)
アーニー・ハンメス(ピッコロ・トランペット…3/トランペット…4-6)
ダヴィド・アスカーニ(Sax)…3-6
ボリス・シュミット(Cb)…3-6
ピエール=アラン・グラルシュ(P)…3-6
ニールス・エンゲル(ドラムス)…3-6
ソリステス・ヨーロピアンズ・ルクセンブルグ
クリストフ・ケーニヒ(指)

録音:2016年9月19日…1
2019年10月21日…2
2019年11月25日…3-6
2020年9月18日…7
2021年10月18日…8-11
全て世界初録音
ルクセンブルクの現代音楽を紹介するシリーズ。第1集(8.579059)は『ファンファーレ』によって「傑出したディスク」と称賛され、第2集(8.579116)ではマ ルコ・ピュッツの音楽が紹介されています。 第3集で中心となるのは、ジャズとクラシック双方のジャンルで活躍するトランペッター&作曲家アーニー・ハンメスの音楽。ルクセンブルクのアンサンブル “Solistes Europeens”から委嘱されたコンチェルティーノでは、自身がトランペットを吹き、作品の魅力を存分に伝えています。バロックの協奏曲が始まる かと思わせてジャズ風の曲調に移っていくところがなんとも心憎い作品です。「ブーブー」は彼の息子の誕生を機会に書かれた曲。幼子をめぐる喜び、驚き、 他の感情が描かれています。「Tuna Melt」と「West End Avenue」も彼の思い入れの強い作品です。他には同じく“Solistes Europeens”のために書 かれたグレーデンの「アップスイング」、ヴァルツィングの「Princesses Don't Grow Old 王女は年をとらない」、ヴァージニア・ウルフの「The Waves」にインス パイアされたカトリン・コッツの「The Waves」や、ギリシャ神話から発想を得たダルテヴェルの「新しいアンティゴネ」など興味深い作品が並びます。

   NAXOS 2024年2月発売
NAX-8.574581(1CD)

NYCX-10450(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

カール・ツェルニー:夜想曲集
8つの夜想曲 Op.368(1830-1835)
シュトラウスのお気に入りのモティーフ「アレクサンドラのワルツ」による感傷的で華麗な夜想曲 Op.537 (1931年出版)…世界初録音
さまざまな性格のロマンティックな8つの夜想曲 Op.604(1843年出版)
ロベルテ・マムー(P)

録音:2022年8月22-25日Dada Studios, ブリュッセル(ベルギー)
日本ではもっぱら「練習曲の作曲家」として知られているカール・ツェルニー。しかし最近では研究も進み、ベートーヴェンの弟子であり、リストの師としての人物 像に光があたるようになってきました。66年の生涯に、未出版も含め1000曲以上の作品を残し(作品番号付きは861作)ており、近年では宗教曲やオルガ ン作品なども演奏される機会があるなど、注目が高まっています。 このアルバムに収録されているのは、ツェルニーの一連の夜想曲。このジャンルの先駆者としてはアイルランド出身の作曲家ジョン・フィールドが 知られており、その作品の柔らかく気怠い雰囲気は、彼の「8つの夜想曲 Op.368」にも受け継がれています。美しい旋律を湛えながらも、それほど技巧を必 要としないこれらの作品は当時の中流階級の家庭での演奏に適したエレガントな佇まいを持っています。トラック9『シュトラウスのお気に入りのモティーフ「アレク サンドラのワルツ」による感傷的で華麗な夜想曲』は、ロシアのニコライ1世の皇后アレクサンドラ・フョードロヴナにヨハン・シュトラウス1世が捧げたワルツの第2主 題をモティーフにした作品。穏やかな曲調で始まるものの「華麗な」のタイトルとおり中間部では華やかな曲調に変化します。 1843年に出版された「さまざまな性格のロマンティックな8つの夜想曲 Op.604」はOp.368に比べ、リストの作品ほどではないものの、はるかに上級者向け に書かれており、感情表現も豊かになっています。ベートーヴェンのソナタ楽章を思わせるエネルギッシュな曲から、ヨハン・シュトラウス風のワルツや、ショパンの 練習曲「革命」を彷彿させるドラマティックな曲など、単なる夜想曲の括りには収めきれないほどの多彩な曲集になっています。 演奏は古典派からロマン派作品を得意とするベルギーのピアニスト、ロベルテ・マムー。シューマンやモーツァルト、ジョン・フィールド作品の録音が高く評価されて います。  
※国内仕様盤には音楽学者でツェルニーの研究をしている中川航氏の解説が付属します。
NAX-8.559934(1CD)
ガーシュウイン:ラプソディ・イン・ブルー 他
ガーシュウィン:キューバ序曲(1932)*
 ラプソディ・イン・ブルー(F. グローフェによるピアノと管弦楽編)(1942年出版)*
 第2ラプソディ - ピアノと管弦楽のために(1931)*
ジョン・タワー(1938-):1920/2019(2019-20)
スティーヴン・スタッキー(1949-2016):ドリームワルツ(1986)
ケヴィン・コール(P)…
ナショナル・オーケストラ・インスティテュート・フィルハーモニック
デイヴィッド・アラン・ミラー(指)
録音:2023年6月15-17日

*=ガーシュウィン・クリティカル・エディションによる世界初録音
ミシガン大学と、ガーシュウィン家の協力により2013年から始まった「ガーシュウィン・クリティカル・エディション」を用いた初の録音となる3作品を収録したアル バム。既存のすべての資料に加えて、ピアノ・ロールなどありとあらゆるソースを使用して、作曲家の意図を最も正確に表現することを目指したこのプロジェクト による演奏は、すでに「パリのアメリカ人」(8.559859)で聴くことができますが、このキューバ序曲、第2ラプソディ、ラプソディ・イン・ブルーの3曲にも新たな研 究成果が反映されています。とりわけ「ラプソディ・イン・ブルー」は、原曲の2台ピアノ版から、オーケストレーションが不得手だったガーシュウィンに代わり、グ ローフェがオリジナルのジャズ・バンド稿を作成、その後さまざまな稿が作られたという複雑な経緯を持つだけでなく、グローフェのオーケストラ版でさえ複数の ヴァージョンがあり、なかなか本当の姿を洗い出すのは困難な作品です。ここではグローフェのシンフォニック・アレンジに基づく版が用いられていますが、ピアニス トのコールはもともとのジャズ・バンド稿にあった44小節を加え演奏しているところも聴きどころです。他にジョン・タワーの推進力に満ちたリズムがはじける 「1920/2016」と、スタッキーの幽玄な「ドリームワルツ」が収録されています。
NAX-8.579149(1CD)
アンリ・ヴュータン:ヴァイオリン希少作品集
ロマンス「友情の思い出」 Op.8bis(1840年代)…世界初録音
フェレンツ・エルケル/ヴュータン:ハンガリー民謡による幻想曲の形式による華麗な二重奏曲(1837)
親密な声 Op.45(1875)
ベートーヴェンの「ロマンス第1番ト長調」の主題による変奏曲(1838)
(O. アドラーによるヴァイオリンとピアノ編 2021年出版)
エレジーOp.30(Vnとピアノ版)(1848)
私の葬送行進曲 Op.58(1879)…世界初録音
声、ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲(1848)…世界初録音(P. レリオによる声、ヴァイオリンとピアノ編2023年出版)
ヴィルモシュ・チコシュ(Vn)
オリヴィエ・ルシャルドゥール(P)
マノン・ラメゾン(S)

録音:2023年2月17-19日、2023年7月5日
19世紀のヴァイオリン奏法に革命をもたらしたアンリ・ヴュータン。彼の弟子であったウジェーヌ・イザイは「師の作品はどんな犠牲を払ってでも守られるべき宝 物」であり、「その全貌が知られるべきである」と主張しましたが、2020年のヴュータン生誕200年は、まさにその機会となり、作曲家の家族にのみ受け継が れた未発表の作品が発掘されました。このアルバムには未発表、世界初録音を3曲含む演奏機会の多くないヴュータン作品を収録。ロマンス「友情の思い 出」はヴュータンと彼の5歳年上の妻ジョセフィーヌとの最初の出会いを暗示しているとされる小さな曲。「私の葬送行進曲」はヴュータンが病に倒れ、体の自 由を失い自身の死を思いつつ書いた悲痛な作品。「声、ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲」(この録音では管弦楽パートをP.レリオがピアノに編曲した版 を使用)は、彼の師シャルル=オーギュスト・ド・ベリオの妻となった高名な歌手マリア・マリブランの素晴らしい歌唱に感銘を受けたヴュータンが、コロラトゥーラ・ ソプラノのエルミニア・フレッツォリーニのために書いた作品。歌パートはすべてヴォカリーズで書かれ、ベルカントの妙技をヴァイオリンと競います。ほかにはハンガ リーの作曲家エルケルとの共作「華麗な二重奏曲」、ベートーヴェンのロマンスを主題とした変奏曲、ヴュータンの作曲活動の絶頂期でありながら、自身の子 供を失った頃に書かれた「エレジー」、ジョセフィーヌの死後、友情を育んだマチルド・ルジューヌに向けて書いた自身の心の告白とも言える曲集「親密な声」が 収録されています。 ヴァイオリンを演奏するのはベルギー出身で2020年にヴェルヴィエで開催されたアンリ・ヴュータン国際ヴァイオリン・コンクールの優勝者、ヴィルモシュ・チコシュ です。
NAX-8.660538(2CD)
ロッシーニ:歌劇「イングランドの女王エリザベッタ」 エリザベッタ…セレーナ・ファルノッキア(S)
レイチェステル…パトリック・カボンゴ(T)
ノルフォルク…メルト・スング(T)
マティルデ…ヴェロニカ・マリーニ(S)
エンリーコ…マーラ・ガウデンツィ(Ms)
グリエルモ…ルイス・アギラル(T)
クラクフ・フィルハーモニーcho
クラクフPO
アントニーノ・フォリアーニ(指)

録音:2021年7月3-4日、2021年7月21日
ロッシーニ15番目の歌劇となる「イングランドの女王エリザベッタ」は、彼が北イタリアの劇場で名を上げたの ち、ナポリのサン・カルロ劇場のために作曲した最初の作品。序曲やいくつかのアリアは「セヴィリアの理髪師」 などの過去作から転用されているものの、初演は大成功をおさめ、ロッシーニは当時のイタリア音楽界におけ る最も重要な都市ナポリにおける歌劇作曲家としての地位を確立することができました。この作品を初演す るために、当時のスター歌手たちが集結。その中にはのちにロッシーニの妻となるイザベラ・コルブランも含まれ ており、彼はイザベラのために超絶技巧を駆使したアリアを書いています。この演奏は、2021年バート=ヴィ ルトバート・ロッシーニ音楽祭での上演記録と、その直前にポーランドのクラクフで行われたオペラ・フェスティ ヴァルの記録を組み合わせたもの。新型コロナウィルスのパンデミック下という難しい時期の上演でしたが、主 役のエリザベッタを歌うセレーナ・ファルノッキアは、低音から高音までむらのない響きを持つ声を生かしながら 難しいコロラトゥーラを見事に決めています。物語で重要な役割を担う2人のテノールは、パトリック・カボンゴ とメルト・スングが担当。やはり素晴らしい声を披露しました。指揮のアントニーノ・フォリアーニは、クラクフ・フィ ルハーモニーOとともに「典型的なロッシーニ・スタイル」を詳細に練り上げ、歌手たちとともに拍手喝 采を浴びました。

   NAXOS 2024年1月発売(2)
NAX-8.574401(1CD)
ポルトガルのピアノ三重奏曲集 第3集
アルマンド・ホセ・フェルナンデス(1906-1983):3声のソナタ ニ長調(1980)
ヌノ・コルテ=レアル(1971-):ソナタ・オランデーサ Op.30(2002/2007改訂)…世界初録音
ホセ・ヴィアナ・ダ・モッタ(1868-1948):ピアノ三重奏曲 ロ短調(1888-89)
トリオ・パンゲア【Leo Belthoise(Vn)、Sara Chorda(Vc)、Bruno Belthoise(P)】

録音:2022年12月26-28日
NAXOSならではの秘曲シリーズ「ポルトガルのピアノ三重奏曲集」。第3集には、およそ3つの世紀にまたがって書かれた3人のピアノ三重奏曲が収録されて います。 ホセ・フェルナンデスは20世紀半ばに活躍した作曲家。この「3声のソナタ」は彼が愛着を抱いていた古典派の様式に基づいたスタイルで作曲されています。 次のコルテ=レアルは1971年生まれ。ポルトガル作曲家協会の最優秀クラシック作品賞を受賞するなど注目の作曲家で、この「ソナタ・オランデーサ」は激 しい曲想と夢のように優しい曲想が入り混じるユニークな作品です。かたやヴィアナ・ダ・モッタは後期ロマン派の作曲家。ベルリンに留学したことで、当時のド イツ音楽の様式を学び、ピアニストとして活動した後に帰国。リスボン国立音楽院の院長を務めるなどポルトガルの音楽発展に寄与しました。この作品は彼 の唯一のピアノ三重奏曲で、ブラームスの影響を色濃く感じさせる美しい旋律を持つものです。 ポルトガルのピアノ三重奏曲を積極的に紹介するトリオ・パンゲアの演奏でお楽しみください。
NAX-8.574498(1CD)
ファブリース・ボロン(1965-):『タロの素晴らしき世界 - 時空を超える音楽の旅』
タロの素晴らしき世界 組曲第1番
タロの素晴らしき世界 組曲第2番
タロの素晴らしき世界 組曲第3番
ルネ・ミュンヒ(マリンバ)
イエナPO
ファブリース・ボロン(指)

録音:2022年2月6日
世界初録音
指揮者としての活躍に加え、最近は「子羊から聞こえるあなたの声」(8.574015)や「生まれない孫たち」(8.574456)の作曲者として、またヤナー チェクの歌劇「利口な女狐の物語」の室内楽版編曲者として、活動の幅を広げているファブリース・ボロン。このアルバムに収録された『タロの素晴らし き世界 - 時空を超える音楽の旅』は2017年に南西ドイツ放送(SWR)SOの委嘱で書かれた作品。子供たちや、クラシック音楽になじみの ない大人たちのための一種の入門編であり、"トルヒーリョ"という惑星に住む324歳(!)の子供タロは「イヤーワームの穴」を使って惑星から惑星へと 飛び回り、さまざまな音の世界を発見するという物語です。作品中にはヴィヴァルディ、ラヴェル、グリーグ、チャイコフスキーらのお馴染みの旋律や、時 にはロックやジャズまで多彩な音楽が現れ、これらはボロンの手によって再構築され新たな世界を作り上げます。途中で聴こえてくるマリンバの音はタロ を表し、その音は背景の音と混然一体となって、聴き手をクラシックの世界へといざなうという趣向です。CDにはナレーションなしのヴァージョンが収録さ れていますが、ドイツ語ナレーション付きのデジタル限定バージョン(9.70356)も用意されています。

   NAXOS 2024年1月発売
NAX-8.574538(1CD)
スッペ:交響的幻想曲/序曲と前奏曲集
劇音楽『詩人と農夫』 - 序曲
交響的幻想曲(1859)…世界初録音
歌劇「水夫の帰国」 第1幕 前奏曲
歌劇「水夫の帰国」 第1幕第1場 バレエ音楽「キャビンボーイの踊り」
カール劇場の展示会のための序曲(前奏曲)…世界初録音
劇音楽『ウィーンの朝・昼・晩』序曲
トーンキュンストラーO
オーラ・ルードナー(指)

録音:2022年10月27-29日
このアルバムの指揮者オーラ・ルードナーは、ウィーン・フォルクスオーパー管やウィーン響のコンサートマスターを歴任し、ウィンナ・オペレッタを熟知しています。 彼は、スッペに大オーケストラのための「幻の交響曲」があることを知り、ウィーンの博物館・図書館に遺されたスッペの手稿譜を丹念に調査して見つけたのが ここに収められた「交響的幻想曲」。当盤が初録音となります。全4楽章、演奏時間30分余りの作品で、ドラムロールで始まる長大な序奏のついた第1楽 章、典雅という言葉がぴったりくるアンダンテの第2楽章、スケルツォ風の陽気な第3楽章、対位法的な展開を織り交ぜつつ見事に盛り上げる終楽章と聴き どころ満点。ロマン派交響曲のファンには見逃せない作品です。冒頭と最後に有名曲を置き、あまり知られていない作品をはさんだ構成も巧みで、ウィーンを 拠点とするトーンキュンストラーOの美しいサウンドと相まって、スッペの管弦楽作品の醍醐味を味わえるアルバムとなっています。
NAX-8.574536(1CD)
フランク:交響曲 ニ短調 M.48
ショーソン(1855-1899):交響曲 変ロ長調 Op. 20
ベルリンRSO
ジャン=リュック・タンゴー(指)

録音:2023年11月1-4日
フランクとショーソン、それぞれ唯一の交響曲をフランス出身のジャン=リュック・タンゴーが演奏したアルバム。 ベートーヴェンの影響を受けながらも、当時、革新的な循環形式を用いたフランクの「交響曲ニ短調」、フラ ンクの弟子であり、やはり循環形式を用いつつ、ワーグナーの影響が感じられるショーソンの「交響曲変ロ長 調」。タンゴーはベルリンRSOの力強い響きを生かしながら、各々の作品の素晴らしさを引き出し ています。なお、ショーソンの交響曲については、出版されている総譜には多くの疑問点を持つというタンゴー 自身が自筆譜を入念に研究し、細心の注意を払って校訂した版を用いて演奏しているところにも注目で す。
NAX-8.574459(1CD)
ヘセンジ・ジ・アウメイダ・プラド(1943-2010):ヴァイオリンとチェロのための作品集
シャンゴの魔法の本(1985)…世界初録音
シランダス(1999)…世界初録音
四季(1983)
コンスタンサとアナ・ルイサのためのカプリッチョ(1998)…世界初録音
前奏曲(2004)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(2000)…世界初録音
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
ハファエル・セザリオ(Vc)

録音:Jacaranda Audio, サンパウロ(ブラジル)
2022年2月6日、2022年10月8日
ナクソスがブラジル外務省との提携で進めているブラジル音楽のシリーズの最新作は、アウメイダ・プラドのヴァ イオリンとチェロのための作品集。20世紀後半から21世紀初頭にかけてブラジルで活躍したプラドは、小鳥 のさえずりから緑豊かな森の音、銀河系の星々、そして民間伝承まであらゆるものにインスピレーションを見 出し、様々な編成の作品を書き上げました。このアルバムの冒頭に収録されている「シャンゴの魔法の本」は 以前発売された「オリシャーたちの交響曲」(NYCX-10400国内仕様盤/8.574411輸入盤)と同じ時期 に書かれた作品で、アフリカ由来の伝統宗教に登場する神々たちが描かれています。1999年の「シランダ ス」は、彼の友人たちに捧げられた、民俗舞踊の要素が強く表れた耳なじみの良い音楽。生き生きとした無 伴奏ヴァイオリン・ソナタと抒情的なカプリッチョは、ヴァイオリンの表現力を最大限に引き出すものであり、優 れたヴァイオリニストとなった彼の娘コンスタンサのために書かれました。「四季」はブラジル音楽に取り組む若 い音楽家のコンクールの課題曲として作曲されたもので、各楽章では奏者の技術が試されるように工夫され ています。
NAX-8.574513(1CD)
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第2番、バガテル集、ロンド
バガテル集 Op.47, B.79(1878)
弦楽四重奏曲第2番変ロ長調 Op.4, B.17(1868-70)
ロンド ト短調 Op.94, B.171(1891)
ファイン・アーツQ
諸岡亮子(ハルモニウム)
ステパン・シモニアン(P)

録音:2022年12月20-21日、2021年9月20日、2020年3月7日
1995年にスタートしたNAXOSのドヴォルザーク弦楽四重奏曲全集、途中で演奏者がプラハ・ヴラフ四重奏団から ファイン・アーツSQに代わり、作曲家の没後100年目についに完結です。弦楽四重奏曲第2番は1869 年頃に書かれた、演奏時間50分余りの大曲。当時ワーグナーの音楽に魅了されていた若き作曲家による、半音階 的な和声と転調が多用された野心的な作品です。後にドヴォルザークはこの譜面を破棄してしまいますが、20世紀 になってパート譜の写しが発見され、1932年に初演、1962年にようやく出版されました。民謡の要素は薄く、全体 の構成も比較的自由に書かれています。アルバムの最初に収められた「バガテル」は1878年の作品。2つのヴァイオリ ン、チェロとハルモニウムという珍しい編成で書かれており、古いボヘミアの民謡からの旋律が効果的に用いられた魅力 的な曲集です。ハルモニウムを演奏している諸岡亮子は、ドイツを拠点に演奏と教育で活躍するオルガン奏者。最 後に置かれた「ロンド」は、ドヴォルザークがニューヨークに旅立つためのお別れツアーで演奏された小品。耳なじみよい 旋律とチェロの妙技が際立ちます。
NAX-8.551477(1CD)
フォーレ/エネスコ:ピアノ四重奏曲集
フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 Op.15
エネスコ:ピアノ四重奏曲第1番 ニ長調 Op.16
カン・スヨン(Vn)
ロリーナ・エレラ(Va)
アンドレイ・イオニーツァ(Vc)
カタリン・シェルバン(P)

録音:2022年11月14-16日
ルーマニアのピアニスト、カタリン・シェルバンを中心に、優れた3人の音楽家たちが集まりフォーレとエネスコの ピアノ四重奏曲を演奏した1枚。アルバムのメインはシェルバンの同郷の作曲家、エネスコのピアノ四重奏曲 ですが、シェルバンはこの曲にはエネスコの師、フォーレのピアノ四重奏曲を併せることが理想的だと語ってい ます。1876年頃から構想されたフォーレのピアノ四重奏曲第1番は、当時のフランスでは一般的ではなかっ たピアノ四重奏の分野の先駆けとなった作品で、ブラームスの影響を感じさせながらも、フォーレならではの流 麗な旋律美にあふれています。一方、1909年に作曲されたエネスコのピアノ四重奏曲第1番は、シェルバン が強く魅了されたという、ドイツ後期ロマン派の影響が感じられる作品。大胆な和声と巧みな対位法に支え られています。どちらの作品もメランコリックな緩徐楽章が特徴で、2人の作曲家のスタイルの違いの中にも親 和性が感じられます。
NAX-8.660534(2CD)
ヴェルディ:歌劇「エルナーニ」 エルナーニ … フランチェスコ・メーリ(T)
エルヴィーラ … マリア・ホセ・シーリ(S)
ドン・カルロ … ロベルト・フロンターリ(Br)
ドン・ルイ・ゴメス・デ・シルヴァ … ヴィタリー・コワリョフ(Bs)
ジョヴァンナ … クセニア・ツィウヴーラス(Ms)
ドン・リッカルド … ジョセフ・ダーダー(T)
ヤーゴ … ダヴィデ・ピーヴァ(Bs)他
フィレンツェ五月祭O&cho
ジェイムズ・コンロン(指)

録音:2022年11月10日サーラ・ズービン・メータ(フィレンツェ五月音楽祭歌劇場)イタリア

【同内容の映像】
DYNAMIC
DVD…DYNDVD37972
Blu-ray…NYDX50316(国内仕様盤)
DYNBRD57972(輸入盤)
歌劇「エルナーニ」は、ヴェルディがその素材をフランス・ロマン派演劇の嚆矢とされるヴィクトル・ユゴーの戯曲 『エルナニ』に求め、台本をフランチェスコ・マリア・ピアーヴェに依頼した作品。複雑な関係にある登場人物一 人ひとりの心の動きを、アリアと重唱によって巧みに表現するという、ヴェルディの音楽的な劇作法の進境が 著しい作品として知られています。エルナーニ役の気品溢れるテノールのフランチェスコ・メーリ、エルヴィーラ役 のドラマティックな高揚感が目覚ましいソプラノのマリア・ホセ・シーリ、国王ドン・カルロ役のヴェルディ・バリトン として名高い、ロベルト・フロンターリ、そしてシルヴァ役の性格俳優的なバスのヴィタリー・コワリョフと、万全の 布陣がなされた歌手陣と、名匠ジェイムズ・コンロンが率いるオーケストラと合唱団による演奏で、若きヴェル ディの鮮烈なドラマをご堪能ください。

   NAXOS 2023年12月発売
NAX-8.579097(1CD)
カタルーニャのチェロ曲集
ガスパール・カサド(1897-1966):愛の言葉(1931)
グラナドス:マドリガーレ イ短調(1915)
グラナドス:ガレガ舞曲(1899)
パブロ・カザルス(1876-1973):ロマンス− チェロとピアノのために(1899)
グラナドス:ゴイェスカス 第1部 - 第4曲 嘆き、またはマハとナイチンゲール(1911)(F. マーシャルによるチェロとピアノ編)…世界初録音
カサド:スペイン古典様式によるソナタ(1925)
ベネト・カサブランカス(1956-):フェデリコ・モンポウのための歌「回想」(1993)
モンポウ:歌と踊り(1918) - 第1曲 カルメシーの娘/カステルテルソルの踊り(G. カサドによるチェロとピアノ編)…世界初録音
カザルス:夢(1896)
カザルス:アルバムの綴り(1897)
グラナドス:ゴイェスカス 第1部 - 間奏曲(1915)(G. カサドによるチェロとピアノ編)
ドミトリ・ヤブロンスキー(Vc)
ライア・マルティン(P)

録音:2021年11-13日、2022年10月11日
20世紀前半のカタルーニャ音楽を語るには、名チェロ奏者・作曲家として活躍したパブロ・カザルスを筆頭とするチェロの演奏家や、作曲家たちの存在が欠 かせません。このアルバムにはカザルスの作品をはじめ、カザルスの弟子ガスパール・カサドによる「スペイン古典様式によるソナタ」や「愛の言葉」、カザルスより 少し前の世代にあたるグラナドスの「ゴイエスカス」や、モンポウの「歌と踊り」の中の曲をカサドがチェロとピアノ用に編曲したもの、また現代の作曲家カサブラン カスによるモンポウへのオマージュ作品など、様々な繋がりのある曲を収録。どれも情熱的な音楽です。演奏は指揮者としてもおなじみドミトリ・ヤブロンス キー。哀愁に満ちた旋律や楽し気な舞曲を朗々と歌い上げています。
NAX-8.574477(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番、第25番(イグナツ・ラハナー[1807-1895]による弦楽四重奏とコントラバス伴奏版)
ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459(第3楽章カデンツァ:モーツァルト)
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503(第1楽章カデンツァ:A. ゴールドスタイン)
アーロン・ゴールドスタイン(P)
ファイン・アーツQ【ラルフ・エヴァンス(Vn1)、エフィム・ボイコ(Vn2)、ジル・シャロン(Va)、ニクラス・シュミット(Vc)】
リジー・バーンズ(Cb)

録音:2022年7月20日、2022年7月21日
※全て世界初録音
1781年、ウィーンに戻ってからのモーツァルトは、フリーの音楽家として精力的に作曲活動を始めました。 1784年の後半に書かれたピアノ協奏曲第19番は、この年に書かれた6曲のピアノ協奏曲の最後を飾るも ので、のちの1790年10月にはレオポルト2世の戴冠式を祝して催された演奏会でモーツァルト自身がピアノ を演奏したことでも知られます。第25番は1786年の作品。最も編成の大きな第24番に比べ、クラリネット は加わらないものの、トランペットとティンパニを加えた編成から生まれる華麗なオーケストラと精緻なピアノ・ パートが特徴です。 ラハナーの編曲は、ピアノ・パートにはほとんど手を加えず、伴奏部の弦楽四重奏にコントラバスを加えること で豊かな響きが味わえるとともに、管楽器パートの旋律もうまく弦楽器へと移し替えられています。また第25 番第1楽章のカデンツァはゴールドスタイン自身によるものです。
NAX-8.573272(1CD)
ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914):シンフォニア・フェスティヴァ/ピアノ協奏曲
シンフォニア・フェスティヴァ(祝祭序曲)(1878-79)…世界初録音
ピアノ協奏曲 ト短調 Op.15(1879-80)
マッシミリアーノ・ダメリーニ(P)
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)

録音:2012年2月26-27日…1
2013年4月14-15日(ライヴ)…2-4
イタリア人の父とイギリス人の母の下に生まれたジョヴァンニ・ズガンバーティ。トレヴィで初期の音楽教育を受 けたあと、1860年にローマに移住。当時ローマに住んでいたフランツ・リストに師事するとともに親交を結び、 師から多大な影響を受けました。またワーグナーの音楽にも接したことで、当時ベルカント・オペラが支配して いたイタリアの音楽界にドイツ音楽を採り入れ、オーケストラ音楽の普及に力を尽くしたことでも知られていま す。 このアルバムには、優れたピアニストでもあったズガンヴァーティの技巧がうかがえる華麗な「ピアノ協奏曲」と、 短いながらも、ベートーヴェンの第7交響曲を彷彿させる舞踏的な性格を持つ「シンフォニア・フェスティヴァ」の 2曲を収録。既発の交響曲第1番(8.573007)と同じく、フランチェスコ・ラ・ヴェッキアが指揮するローマ交 響楽団の演奏です。
NAX-8.579132(1CD)
20世紀のピッコロ協奏曲集
アンドレアス・バクサ(1950-2015):ピッコロ協奏曲 Op.54(2012)…世界初録音
ウロシュ・クレーク(1922-2008):ピッコロ・コンチェルティーノ(1967)
ボリス・パパンドプロ(1906-1991):ピッコロ協奏曲- ピッコロと弦楽合奏のために(1977)
フリジェシュ・ヒダシュ(1928-2007):オーボエ協奏曲(1951) (F. ヴィオラによるピッコロと管弦楽編 2019)…世界初録音
フランチェスコ・ヴィオラ(ピッコロ)
マンハイム国立劇場O
サルヴァトーレ・ペルカッチョーロ(指)

録音:2022年11月2-5日
20世紀初頭にはあまり書かれることのなかったピッコロのための協奏曲ですが、現在では多くの作曲家たちがこのジャンルの作品を手掛けています。このアル バムの演奏者、1987年生まれのフランチェスコ・ヴィオラは、2015年に開催されたセヴェリーノ・ガッゼッローニ国際コンクールのピッコロ部門で優勝し現在マン ハイム国立劇場とフィレンツェ五月祭Oでピッコロを担当しています。このアルバムではルーマニアのバクサ、スロヴェニアのクレーク、クロアチアのパパンド プロとハンガリーのヒダス、4人の東ヨーロッパの作曲家たちの作品を取り上げています。どの作品もピッコロの妙技が遺憾なく発揮されていますが、とりわけバク サから大きな影響を受けたというヴィオラは、このアルバムを手がかりにバクサの音楽に親しんでほしいとブックレットに記しています。
NAX-8.574220(1CD)
ノスコフスキ/ジェレンスキ:ヴァイオリン・ソナタ集
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):ヴァイオリン・ソナタ イ短調
ウワディスワフ・ジェレンスキ(1837-1921):ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op.30
ロロンス・カヤレイ(Vn)
バーナーディーン・ブラハ(P)

録音2022年12月17-18日、2022年12月18-19日
19世紀後半、ポーランドの国民楽派として活動した2人の作曲家、ノスコフスキとジェレンスキのヴァイオリン・ ソナタ集。交響曲の作曲家として知られるノスコフスキのイ短調ソナタは、ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナ タ」とブラームスからの影響を感じさせる雄大な作品。第1楽章冒頭の印象的なユニゾンを幕開けに、ヴァイ オリンとピアノが流麗な旋律を奏でます。第2楽章は「クロイツェル・ソナタ」に倣うかのような変奏曲形式で書 かれており、第3楽章ではタランテッラ風のリズムが弾む情熱的な音楽が展開します。 ジェレンスキはポーランド民俗音楽を採り入れた歌劇「ヤネク」で知られる作曲家であるとともに、教師として も広く活躍しました。このヴァイオリン・ソナタは1879年頃の円熟期の作品で、活発な表情を持つ第1楽 章、マズルカ風のリズムによる第2楽章、ゆったりとした序奏に導かれた情熱的な第3楽章と、伝統的な作 風を守りながら雄弁な音楽が展開されています。演奏はラフやメトネルなどのヴァイオリン・ソナタの録音で知 られるスイス出身のロロンス・カヤレイ。1742年製のピエトロ・グァルネリから紡ぎだされる音色が魅力です。
NAX-8.574569(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/エンジェル・スタニスラフ・ワン
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178/R21
グラナドス:ゴイェスカス 第1部 - 第3曲 燈火のファンダンゴ
ラウラ・ベガ(1978-):永遠の愛への詩曲(2020)…世界初録音
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57
エンジェル・スタニスラフ・ワン(P)
ブレトンSQ【Anne-Marie North(Vn1)、Antonio Cardenas(Vn2)、Rocio Gomez(Va)、Carlos Sanchez Munoz(Vc)】

録音:I2022年4月4-8日(ライヴ)、2022年5月2日
中国系ロシア人でアメリカ在住のピアニスト、エンジェル・スタニスラフ・ワン。 彼は2022年に開催された第63回ハエン国際ピアノ・コンクールの優勝者で、このアルバムにはコンクールで 演奏した4曲が収録されています。このコンクールは、スペインの現代作曲家の作品の演奏が必須であり、 第63回で新作を提供したのはグラン・カナリア島出身のラウラ・ベガでした。同じくグラン・カナリア島出身の詩 人サンティアゴ・ジルの愛と死をモティーフとした詩からインスパイアされたという彼の作品は、決して超絶技巧 を要求するのではなく、演奏者に詩人としての役割を求めたもの。8分程度の長さでありながら、起伏に富ん だ内容をもっています。他にはリストのソナタとグラナドス、そしてブレトンSQとの共演によるショスタ コーヴィチのピアノ五重奏の演奏を披露しています。
NAX-8.574489(1CD)
ブラームス:歌曲全集 第4集
6つの歌曲 Op.6(1852-53)
8つの歌とロマンス Op.14(1858)
5つの詩 Op.19(1858-59)
7つの歌 Op.48(1853-68)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
キーラン・カレル(T)
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:2022年6月13-16日、2022年10月4-6日
NAXOSのブラームス歌曲全集シリーズ。第2集と第3集は民謡集でしたが、第4集では20代の頃に書かれた独唱のための歌曲に焦点が当てられていま す。ボレロのリズムによる「スペインの歌」を含むOp. 6は20歳頃の作品。Op.14は彼の恋人となったアガーテ・フォン・シーボルトとの出会いがきっかけで書か れたと言われる歌曲集。どちらの曲集も、当時彼が魅了されていた民謡をベースとした簡素な作風でありながら、ブラームスらしい旋律美があふれています。 「Op.19のタイトルは「歌(Gesange、Lieder、Romanzeなど)」ではなく「詩(Gedichte)」とされているのが特徴。どの曲もピアノ・パートにも重要な役割 が与えられています。「7つの歌」Op. 48は約10年の歳月をかけて書かれたもので、スイス民謡からの影響が感じられる「恋しい人のもとへ」や、コラールを思 わせる「心変わり」、シューベルトを思わせる長調と短調がめまぐるしく交代する「涙の中の慰め」など聴きどころの多い曲集です。クリストフ・プレガルディエンに 師事したテノール、カレルと、オペラ、コンサートの両面で活躍するソプラノ、ヴンダーリンの演奏で。
NAX-8.660536(2CD)
カヴァッリ:歌劇「セルセ」 セルセ … カルロ・ヴィストーリ(C.T)
アマストレ … エカテリーナ・プロツェンコ(S)
アルサメーネ … ガイア・ペトローネ(Ms)
ロミルダ … カロリーナ・リッポ(S)
アデランタ … ディオクレア・ホッジャ(S)
アリオダーテ … カルロ・アッレマーノ(T)
アリストーネ … ニコロ・ドニーニ(Bs)
ペリアルコ … ニコロ・バルドゥッチ(C.T)
エルヴィーロ … アコ・ビシェヴィチ(C.T) 他
オーケストラ・バロッカ・モード・アンティクオ(古楽器使用)
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指)

録音:2022年7月25日、29日、31日ヴァッレ・ディトリア音楽祭、ヴェルディ劇場、マルティーナ・フランカ(イタリア)
ペルシャ王セルセ(クセルクセス)はスシア王オッターネの娘アマストレという婚約者があるにも関わらず、弟アルサメーネの恋人ロミルダに横恋慕。そのロミル ダの妹アデランタはアルサメーネを愛しているが故に、ロミルダにセルセの愛を受け入れるようそそのかしますが… 興味深い蘇演プロジェクトの数々で話題を集めるヴァッレ・ディトリア音楽祭より、イタリア・バロック・オペラの創始者モンテヴェルディの高弟として、17世紀中 盤に絶大な人気を誇ったフランチェスコ・カヴァッリの歌劇「セルセ」、DYNAMICから発売され好評を博した映像のCDが登場です。 「セルセ」といえば、ヘンデルのオペラがその冒頭のアリア〈オンブラ・マイ・フ〉と共によく知られていますが、この台本は作家ニコロ・ミナートが元々はカヴァッリのた めに書いたもの。作品は1655年ヴェネツィア初演の後1660年パリで再演され、カヴァッリの声価はフランスでも大いに高まりました。 外題役のカルロ・ヴィストーリ、セルセの弟アルサメーネ役のガイア・ペトローネら中堅、若手を中心としたフレッシュな歌手陣による歌唱は、バロック・オペラの 名匠、フェデリコ・マリア・サルデッリ率いるオーケストラ・バロッカ・モード・アンティクオの伸びやかな演奏と相まって、この隠れていた名作を見事、現代に蘇らせて います。

   NAXOS 2023年11月発売 (2)
NAX-8.559911(1CD)
アメリカの協奏曲と管弦楽組曲集
コープランド:組曲「入札地」(1958)
クレストン(1906-1985):サクソフォン協奏曲 Op.26(1941)*
ユリシーズ・ケイ:ピエタ(1950)*
ピストン(1894-1976):バレエ組曲「不思議な笛吹き」(1940)
アンナ・マティクス(コールアングレ)
ティモシー・マカリスター(アルトSax)
ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2022年6月16-18日
*…世界初録音
20世紀半ばのアメリカ音楽の形成に貢献した4人の傑出した作曲家たちの作品を集めたアルバム。 コープランドの「入札地」は高校卒業を間近に控えた少女を巡る、米国中西部の農家の出来事を題材にした歌劇からの組曲。のどかな牧場風景と 都会への憧れがコープランドらしい明快な曲調で描かれています。歌劇では合唱が入る「The Promise of Living 生活の約束」もここではオーケス トラのみで奏されます。 クレストンの「サクソフォン協奏曲」は、1930年代のアメリカにサクソフォンを広めた奏者セシル・リーソンのために書かれた曲。 ジャズ・バンドで活躍することの多かったこの楽器の"本当に美しい音色と可能性"を追求した作品として評価されています。コールアングレと弦楽オー ケストラのための「ピエタ」を作曲したユリシーズ・ケイはローマ賞を受賞した初の黒人作曲家。彼がローマに赴いた際、現在バチカン市国のサン・ピエト ロ大聖堂に安置されているミケランジェロの有名な同名彫刻にインスピレーションを得た作品とされています。ソリスト、アンナ・マティクスがこの作品を発 見し、ファレッタに演奏を持ちかけたというものです。ピストンの「不思議な笛吹き」は、1938年にアーサー・フィードラーがボストン・ポップス・オーケストラ のために依頼した作品。聞く人の悲しみを癒すことができる魔法の音楽家が率いる旅するサーカス団を描いたバレエ音楽です。ファレッタの巧みな指 揮が各作品のすばらしさを際立たせています。
NAX-8.574504(1CD)
ハイドン:バリトン三重奏曲集 第2集
バリトン三重奏曲第67番ト長調 Hob.XI:67
バリトン三重奏曲第6番イ長調 Hob.XI:6
バリトン三重奏曲第113番ニ長調 Hob.XI:113
バリトン三重奏曲第71番イ長調 Hob.XI:71
バリトン三重奏曲第35番イ長調 Hob.XI:35
バリトン三重奏曲第93番ハ長調 Hob.XI:93
バレンシア・バリトン・プロジェクト
【メンバー】
マシュー・ベイカー(Br)
エステバン・デ・アルメイダ・レイス(Va)
アレックス・フリードホフ(Vc)

録音:2022年10月18-20日
ハイドンは、ほぼ25年間にわたり、裕福なエステルハージ家の宮廷音楽家として奉職していました。とりわけ彼が宮廷楽長を務めていた時期の当 主ニコラウス1世(1714-1790)は音楽に深い理解を示し、ハイドンの活動を奨励したため、ハイドンはそれに応えるべく数多くの作品を生み出し、熱心に演 奏したのです。そのニコラウス1世が好んだのが「バリトン」でした。これは17世紀後半に発案されたヴィオール属の擦弦楽器で、通常6本〜7本のガット弦 と、前面を板で覆われた9本から24本(12本が多い)の金属弦を持っており、こちらは共鳴弦であると同時に、左手の親指ではじくことが出来るというもの。 しかし、弦が多いため調弦も演奏も難しく、19世紀にはほとんど廃れてしまいました。ハイドンはこの楽器についてほとんど知識がなかったようですが、主君の ために楽器を研究し、バリトンとヴィオラ、チェロによる126曲もの三重奏曲をはじめ、二重奏曲や協奏曲を作曲しています。これらの三重奏曲は5巻のシ リーズで出版されましたが、楽器の希少性のためか、現在ではほとんど演奏されることがありません。尚、この楽器に最も適した調性はイ長調なので、多くの 曲はイ長調で書かれています。 第1集(8.574188)に続くこのアルバムにも6曲のバリトン三重奏曲を収録、マシュー・ベイカーが演奏するのは2004年に制作されたOwen Morse- Brownによる復元楽器で、18世紀の典雅な響きが忠実に再現されています。
NAX-8.574509(1CD)
メンデルスゾーン:稀少ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ ヘ短調 MWV U23(1820)
ピアノ・ソナタ ホ短調 MWV U19(1820)
無言歌 変ホ長調 MWV U68(1828)
無言歌集 第7巻 Op.85- 第5番イ長調 MWV U191(1847年版)
無言歌 ニ長調 MWV U178(1843)
無言歌 ヘ長調 MWV U150(1841頃)
無言歌 嬰ヘ短調 MWV U124(1836)
アレグレット イ長調 MWV U138(1837)
アンダンテ イ長調 MWV U76(1830)
無言歌集 第1巻 Op.19b - 第2番MWV U80(1830年初稿)
無言歌 変ホ長調 MWV U82(1830年以降)(R.L. トッドによる補筆完成版)
アンダンテ・コン・モート イ長調 アルバムの綴り「5月21日」 MWV U75(1830)
コン・モート イ長調 MWV U88(1831)
時間の経過とともに MWV U196(1847)
主題と変奏 ニ長調MWV Z1, No.119(1820頃)
ピアノ小品 ト長調 MWV U38(1822)
アンダンテ 変ホ長調 MWV U165(1842)
ソステヌート ヘ長調 MWV U167(1842)
カノン 嬰ヘ短調 MWV U163(1842年版)
カプリッチョ 変ホ短調 MWV U43(1824)
アレグロ ヘ長調「Barentanz」 MWV U174(1842)
クリストファー・ウィリアムズ(P)

録音:2022年12月19-20日
早熟の天才で「神童」とも呼ばれたメンデルスゾーンは、幼少の頃からピアノ曲や室内楽曲、弦楽のための 交響曲など数多くの作品を書きました。しかしそのほとんどは、内輪の演奏会用に作曲されたもので、長い 間出版されることはありませんでした。また長じてからは、やはりたくさんの作品を書いたものの、自己批判に より生前に出版されなかった作品も多く、これらは最近になってようやく出版され、その正確な作曲年代が判 明するようになりました。このアルバムにはそんなあまり知られていない作品を収録。11歳頃の初期の曲から 晩年の作品、稿違いなど珍しい曲を聴くことができます。とりわけ冒頭に置かれた2曲のソナタは、ベートー ヴェンの影響も感じさせながら、驚くほどの成熟を示しています。 ピアニスト、クリストファー・ウィリアムズはウェールズ出身、現在カーディフ大学のピアノ講師を務める傍ら、ソリ スト、室内楽奏者として活躍、希少作品の紹介にも力を注いでいます。
NAX-8.551484(1CD)
ドイツの受難曲〜17世紀の四旬節と復活祭の時期の音楽集
1. ブクステフーデ(1637頃-1707):イエスよ、わが命の命 BuxWV62
2. ヨハン・クリストフ・デマンティウス:Weissagung des Leidens und Sterbens Jesu Christi
3. シュッツ(1585-1672):優しく、親しく、慈しみ深い主イエス・キリストよ SWV285
4. ハンス・レオ・ハスラー(1564-1612):おお、血と涙にまみれた御頭よ
5. ヤーコプ・ハンドル(1550-1591):見よ、正しき者のいかに死せるとも
6. ディートリヒ・ベッカー(1623頃-1679):イエス、わが喜び
 Trauer - und Begrabnis - Musik 悲しみと葬送の音楽 - シンフォニア
7. ジーズ・デ・フリエス(1973-):イエス、わが喜び オルガン即興
8. ヨハン・ミヒャエル・バッハ(1648-1694):イエス、わが喜び Halt was du hast
9. アンドレアス・ハンマーシュミット(1611-1675):ああ、イエスは死なん
10. マティアス・ヴェックマン(1616-1674):泣かないで
11. グレゴリオ聖歌:キリストは死の絆につかせたまえり - 復活のいけにえ
12. ハインリヒ・シャイデマン(1595-1663):キリストは死の絆につかせたまえり - 復活のいけにえ
13. シャイデマン:キリストは死の絆につかせたまえり Variation1
14. ハスラー:キリストは死の絆につかせたまえり Hymnus
15. ザムエル・シャイト(1587-1654):キリストは死の絆につかせたまえり Motet
16. ブクステフーデ/ヨハン・クリューガー(1598-1662):今日、神の子は勝利なさった
マルガレータ・コンソート(声楽&古楽器アンサンブル)
ソプラノ2/アルト/テノール/バリトン/バス/各種ヴィオール/ヴィオローネ/ヴァイオリン2/ポジティフ・オルガン/オルガン
マリト・ブルクルーロフス(指)

録音:2023年2月25-28日
12世紀頃、神聖ローマ帝国の中で皇帝に直接忠誠を誓う帝国自由都市が連合し、14世紀中頃までの最盛期には100以上の都市が加盟していた「ハ ンザ同盟」。北海・バルト海沿岸と内陸の北ドイツから西はフランドル、東は現在のポーランド・バルト諸国・ロシアにおよぶ地域の商業都市が結成したこの 同盟は16世紀に衰退しましたが、ハンザが築いた巨大な富は各地の壮大な大聖堂に反映されました。この聖堂の空間の豊かな音響を満たすために書か れた創意工夫に溢れた復活祭を中心とする教会音楽を集めた1枚。即興演奏や、様々な作曲家が「キリストは死の絆につかせたまえり」などの元の譜面を 翻案し、テキストを強化した作品など多彩な曲が収録されています。演奏は、2009年設立のオランダを拠点に活動する「マルガレータ・コンソート」。精鋭の 奏者たちによる演奏です。
NAX-8.551480(1CD)
ヴァイオリンとピアノのためのリトアニアの音楽集
ユオザス・グルオディス(1884-1948):ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(1922)
カジミエラス・ヴィクトラス・バナイティス(1896-1963):ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(1935)
スタシス・ヴァイニウナス(1909-1982):ヴァイオリン・ソナタ Op.38(1971)
ユリウス・ユゼリューナス(1916-2001):ヴァイオリン・ソナタ(1972)
シモーナ・ヴェンスロヴァイテ(Vn)
ヴェロニカ・コプヨーヴァ(P)

録音:2021年8月2-6日
20世紀のリトアニアで書かれたヴァイオリン・ソナタ4編を収めたアルバム。かつてリトアニア大公国として繁栄 を誇りながら、17世紀後半以降、長期間にわたって国土の分裂と異民族による支配を受けて来たリトアニ アでは、民族のアイデンティティの一つとして民族舞踏や民謡が守られてきました。このアルバムでは、モダニズ ムの洗礼を受けた作曲家たちが民族音楽の素材を消化して書いた四者四様のヴァイオリン・ソナタを収めて います。リトアニア音楽史上初のヴァイオリン・ソナタとされるグルオディスの作品と、リトアニア唯一の印象派と されるバナイティスの作品は、両大戦間のリトアニア第一共和国時代に書かれたもの。悲劇的なトーンを持 つヴァイニウナスのソナタと、第2次大戦後のリトアニア音楽の発展に貢献したユゼリューナスのソナタはソ連時 代の1970年代の作品。個性的な創作であると同時に時代の空気をも伝えてくれます。

   NAXOS 2023年11月発売
NAX-8.574563(1CD)
ピーター・グレイアム(1958-):ブラスバンド作品集
トリケトラ、「オールド・ハンドレッドス」による幻想曲(2023)*
マスター・オヴ・サスペンス(2023)*
ブラムのための讃歌(2023)*
ハイパーリンク(2022)*
フォース・オヴ・ネイチャー(2023)*
時の勝利、ブラスバンドのための変奏曲(2014)
レックス・リチャードソン(トランペット/フリューゲルホルン)
デイヴィッド・チャイルズ(ユーフォニアム)
ブラック・ダイク・バンド
ニコラス・チャイルズ(指)

録音:2022年10月31日、2022年11月24日、2023年3月9日、2023年5月17日、2023年5月30日
*…世界初録音
アメリカ吹奏楽指導者協会により、年に1回優れた吹奏楽曲の作曲家に与えられるオストウォルド賞(Ostwald Band Composition Award)を2002年に受賞したピーター・グレイアム。彼は同世代を代表するブラスバンド曲の作曲家の一人であり、これまでにも数多くの作品を発表。2018年、NAXOSか ら発売した「メトロポリス1927」(8.573968)はニコラス・チャイルズが指揮するブラック・ダイク・バンドの名演も相俟って高い評価を受けました。このアルバム では再びブラック・ダイク・バンドが演奏、ヒッチコックの映画からインスパイアされたトランペット協奏曲(第2楽章はフリューゲルホルン持ち替え)「マスター・オヴ・ サスペンス」や、アーネスト・ヘミングウェイの人生を辿ったユーフォニアム協奏曲「フォース・オヴ・ネイチャー」など5曲の世界初録音を含む作品が収録されてい ます。
NAX-8.574408(1CD)
エジノ・クリーゲル(1928-2022):管弦楽作品集
ファンファーレとシークエンス(1970)…世界初録音
諸要素の変奏曲(1964)
カンティクム・ナトゥラーレ(1972)
エストロ・アルモニコ(1975)
ノバ・フリブルゴの3つの映像(1988)
交響的な遊び(1965)
フラヴィア・フェルナンデス(S)
サンパウロ交響cho
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2021年10月8-13日
エジノ・クリーゲルは幼いころからヴァイオリンの才能を発揮。リオデジャネイロでブラジル作曲界の指導的な存在であったケルロイターに作曲を学んだ後、コープ ランドの招きで渡米してタングルウッドやジュリアードなどで学びました。一旦帰国した後、英国王立音楽院でバークリー(に師事。帰国後は作曲を続ける傍 ら、放送局付きのオーケストラの指揮者及び音楽番組のディレクターとして欧米の最新の動向を紹介するなどしてブラジル音楽界に影響を与えました。その 作風はセリー主義、新古典主義を経て、伝統と前衛の融合が図られており、作曲年代によってさまざまな表現が楽しめます。アルバムには6作品が収録さ れていますが、その中でも「カンティクム・ナトゥラーレ」は広大なアマゾンを音で描いたクリーゲルの代表作の一つです。世界初録音となる「ファンファーレとシー クエンス」は合唱を伴う5分程度の小品。3つのトランペットと4つのホルンが呼び交わす中で奏されます。「Variacoes Elementares=諸要素の変奏曲」 は短い旋律がモティーフとして用いられた10の変奏からなる作品。17世紀のポリフォニーも駆使しながら発展していく音楽です。また「ノバ・フリブルゴの3つの 映像」はリオデジャネイロ州の山岳地帯ノバ・フリブルゴ市からの委嘱作。弦楽オーケストラとチェンバロのために書かれており、弦の特殊奏法など楽器テクニッ クを要する作品です。 ブラジル音楽シリーズでおなじみのニール・トムソンが指揮するゴイアスPOによる演奏です。
NAX-8.573990(1CD)
ウォルトン:チェロ協奏曲(1956)(A. セローヴァによるヴィオラと管弦楽編2018)
ロベルト・モリネッリ(1963-):ウォルトン夫人の庭(2017)
ウィリアムの岩(2018)
ミッシング・E(2022)*
アンナ・セローヴァ(Va)
シギ・ベラスケス(ケーナ/ケナーチョ)
ドナルド・モーリス(ヴィオラ・ダ・モーレ)
リッカルド・ベルトッツィーニ(エレクトリック・ギター)
ジャンルカ・ペルシケッティ(ギター/カヴァキーニョ)
ソニア・マウラー(バンドネオン)
アントニオ・イッポーリト(バンドネオン)
ステファノ・ロッシーニ(パーカッション)
ボルツァーノ・トレント・ハイドンO
ロベルト・モリネッリ(指揮,(エレクトロニクス*

録音:2018年9月6-10日 、2022年11月11日*
※全て世界初録音
アンナ・セローヴァ(Va) シギ・ベラスケス(ケーナ/ケナーチョ)…8 ドナルド・モーリス(ヴィオラ・ダ・モーレ)…7 リッカルド・ベルトッツィーニ(エレクトリック・ギター)…7 ジャンルカ・ペルシケッティ(ギター/カヴァキーニョ)…8 ソニア・マウラー(バンドネオン)…8アントニオ・イッポーリト(バンドネオン)…8 ステファノ・ロッシーニ(パーカッション)…8 ボルツァーノ・トレント・ハイドンO…1-7 ロベルト・モリネッリ(指揮…1-7)(エレクトロニクス…8) 録音:2018年9月6-10日 Auditorium di Bolzano(イタリア)…1-7 2022年11月11日 Recantus Studios Roma(イタリア)…8
NAX-8.559923(1CD)
ルイス・ウェイン・バラード(1931-2007):悪魔の遊歩道、他
悪魔の散歩道(1973)
アボリジニ幻想曲第3番「ココペリ」(1977)
4つの月(バレエ・パ・ド・カトル)(1967)
「インディアンの生活」からの情景(1994年版)
フォート・スミスSO
ジョン・ジーター(指)

録音:2023年4月24日
※全て世界初録音
ルイス・ウェイン・バラードは最初の北米先住民族の音楽家の一人であり、居住区のクアポー語で「ホンガノゼ=鷲とともに立つ」を意味する別名でも知られ ています。彼はタルサ大学で音楽を学び、卒業後はニューメキシコ州サンタフェのアメリカン・インディアン・アート研究所(IAIA)で働きました。当時この地域の 若い学生たちは自分たちの部族の歌を知らなかったため、バラードは先住民たちの歌を集め、これらについて講義したり教えたりしています。北米の民俗音 楽や舞曲、そして神話から影響を受けた彼の作品は12音を採り入れながらも、調性的であり、ユニークな打楽器の用い方でも異彩を放ちます。このアルバ ムには4作品を収録。 クアポー族の舞曲と楽器を用いた「悪魔の散歩道」、6つの「アボリジニ幻想曲」から音楽の神の名を持つ第3番「ココペリ」、オクラホマ州創立60周年を記 念して作曲されたバラードの3番目のバレエ音楽「4つの月」、2つの部族の会話を風刺的に扱った「インディアンの生活」からの情景。どれもリズミカルな要素 を持つ親しみやすい音楽です。
NAX-8.660543(2CD)
リムスキー=コルサコフ:歌劇「クリスマス・イヴ」 ヴァクーラ … ゲオルギー・ヴァシリエフ(T)
オクサーナ … ユリア・ムジチェンコ(S)
ソローハ/紫色の鼻の女 … エンケレイダ・シュコーザ(Ms)
チューブ … アレクセイ・ティホミーロフ(Bs)
悪魔 … アンドレイ・ポポフ(T)
パナス … アンソニー・ロビン・シュナイダー(Bs)
村? … セバスティアン・ゲイアー(Br)
輔祭 … ピーター・マーシュ(T)
女帝 … ビアンカ・アンドリュー(Ms)
パツューク … トーマス・フォークナー(Bs)
普通の鼻の女 … バルバラ・ツェヒマイスター(S)他
フランクフルト歌劇場O&cho
セバスティアン・ヴァイグレ(指)

録音:2021年12月17-19日、2022年1月8日(ライヴ)フランクフルト歌劇場(ドイツ)
コサックの娘オクサーナは、自分が一番美しいと思い、愛の告白をしてきたヴァクーラに「女帝の靴が欲しい」と無理難題を吹っ掛けます。一方ヴァクーラの母 ソローハは魔女で、悪魔と愛し合っています。その悪魔を捕まえたヴァクーラは、「女帝の靴」を手に入れるために十字架の力で悪魔を手下にして・・・ 作家ニコライ・ゴーゴリが1832年に出版した創作民話集『ディカーニカ近郷夜話』の中の1編『クリスマス・イヴ』を原作に、リムスキー=コルサコフが独創的な 和声法によるオーケストレーションを駆使して作曲。その音楽は初演当時から高く評価されたものの、舞台演出の難しさから上演される機会が少なかった作 品です。こちらは先行する同キャストによる映像の音声をCDに収録したものです。 歌唱陣では主役ヴァクーラに、美声テノールのゲオルギー・ヴァシリエフ、オクサーナ役に表情豊かな新鋭ソプラノのユリア・ムジチェンコ、ソローハ役にベテラン、 エンケレイダ・シュコーザ、悪魔役にアンドレイ・ポポフらを配し、日本でもおなじみの名指揮者セバスティアン・ヴァイグレ率いるフランクフルト歌劇場の合唱団、 オーケストラが、リムスキー=コルサコフの豊潤な音楽を鮮やかに奏でます。
NAX-8.574575(1CD)
クリスマスの合唱作品集
1. 伝承曲:久しく待ちにし(D. ヒルによる合唱とオルガン編)
2. 伝承曲:コヴェントリー・キャロル(R. アランによる合唱編)
3. リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012): さまよいながら私は不思議に思う(K. グラフトンによる合唱編)
4. ジョン・ジュベール(1927-2019):トーチ Op. 7a
5. ウィリアム・J・カークパトリック(1838-1921):まぶねの中で(D. ヒルによる合唱とオルガン編)
6. ホルスト:おねむりなさい、いとしい子よ Op.34, No.2
7. ロバート・ルーカス・ピアサル(1795-1856):甘き喜びのうちに Op.10
8. 伝承曲:天使は乙女に(B. ローズによる合唱とオルガン編)
9. フランツ・クサーヴァー・グルーバー(「1787-1863):きよしこの夜(D. ヒルによる合唱編)
10. ミヒャエル・プレトリウス(1751-1621):賛美の歌を響かせよ(D. ハイリーによる合唱編)
11. ケネス・レイトン(1929-1988):ワールド・デザイア - クライスト・チャイルド・レイ
12. ピーター・ウォーロック(1894-1930):ベツレヘム・ダウン(D. ヒルによる合唱とオルガン編)
13. ハウエルズ:久しき昔
14. エイドリアン・ピーコック(1962-):Venite, Gaudete!
15. エリック・ウィテカー(1970-):黄金の光(ルクス・アルムク)
16. ジョン・タヴナー:聖母マリアより - 第8曲 ロッキング
17. 伝承曲:囚われのアダムは横たわり
18. 伝承曲:ディンドン空高く(S. ニコルソンによる合唱とオルガン編)
19. ジョン・フランシス・ウェイド(1711-1786):神の御子は今宵しも(編曲:D. ヒル)
デイヴィッド・ダネット(Org)
アイコン(合唱)
デイヴィッド・ヒル(指)

録音:2009年7月20-21日
※The Gift of Music* CCLCDG1232より移行盤(2011)
伝承曲から1970年生まれのウィテカーまで、多彩なクリスマス・キャロルを収録した1枚。素朴な曲から「きよしこの夜」など、曲に合わせたアレンジが楽しめる 心地よい1枚です。 「アイコン」はディヴィッド・ヒルが結成した合唱団、メンバーはソプラノ5、アルト4、テノール4、バス4の精鋭歌手によって構成されています。

   NAXOS 2023年10月発売
NAX-8.574482(1CD)
ハインリヒ・オーギュスト・マルシュナー(1795-1861):序曲と舞台音楽集 第2集
劇音楽『ホンブルクの公子』(1821)より
 第1幕 間奏曲
 第2幕 間奏曲
 第3幕 間奏曲
 第4幕 間奏曲
 第4幕 終幕のシンフォニー
劇的カンタータ『東方からの響き』 Op.109(1842) - 序曲
歌劇「皇帝アドルフ・フォン・ナッサウ」 Op. 130(1845)より
 第1幕 バッロ
 第2幕 行進曲
歌劇「アウスティン」(1850-51)より
 序奏
 第2幕 戴冠式行進曲
 第3幕 バッロ
ヴァーツラフ・ザイーツ(Vn)
ペトル・リチー(Vc)
フラデツ・クラーロヴェー・フィルハーモニー
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2022年9月1-3日
全て世界初録音
ウェーバーとワーグナーを繋ぐドイツ・歌劇の作曲家の一人マルシュナーの舞台音楽を発掘するシリーズ、第2集。こんにちでは舞台上演に出会うことはめっ たにない彼の作品、ロマンティックな旋律と華麗なオーケストレーションで彩られた管弦楽曲だけでも楽しめます。ここでは初期と円熟期の作品から序曲、間 奏曲、行進曲、バッロ(舞曲)を収録。この分野の第一人者サルヴィがチェコの古都フラデツ・クラーロヴェーのオーケストラを指揮してお届けします。
NAX-8.574484(1CD)
ペロージ:ピアノ五重奏曲第3番、第4番
ピアノ五重奏曲第3番イ短調(1931)
ピアノ五重奏曲第4番イ長調(1931)
弦楽三重奏曲第1番ト短調(1928)
弦楽三重奏曲 ハ長調(1920代)*
弦楽三重奏曲 ニ短調(1924)*
弦楽三重奏曲 変ホ長調(1920代)(A. サッケッティ版)
弦楽三重奏曲 変ホ長調(1920代)*
弦楽三重奏曲 ホ長調(1920代)*
弦楽三重奏曲 ト短調(習作)(1920代)*
弦楽三重奏曲 ハ短調「フーガ・フェナローリ」(1920代)*
マッテオ・ベヴィラクア(P)…1-6
ローマ・トレ・オーケストラ・アンサンブル
【メンバー】
レオナルド・スピネディ(Vn)
河崎日向子(Vn2)…1-6
ロレンツォ・ルンド(Va)
アンジェロ・マリア・サンティージ(Vc)

録音:2022年6月6-9日
*…世界初録音
プッチーニも脱帽したペロージの豊かなメロディに浸るシリーズ第2作。ペロージはピエモンテ州トルトーナに生まれミラノの音楽院で学び、ヴェネツィアのサン・ ルコ大聖堂の楽長を務め、オラトリオなどの宗教的な声楽作品で国際的な名声を得ました。 そんなペロージ、1920年代には一時的に精神疾患を患い休職せざるを得ませんでしたが、回復後は職務に復帰するとともに作曲活動も再開しました。 のアルバムの後半に収録された番号なしの弦楽三重奏曲は、復帰した時期に書かれた10曲の中の6曲で、どれも断片的であるものの、自身の作曲技法 の更なる向上を目指すための対位法の研究や、ハーモニーの工夫が反映されています。2曲のピアノ五重奏曲は1931年作曲。当時もまた重病を患いな がらも旺盛な創作意欲に掻き立てられていたペロージの豊かなアイデアが感じられる充実した作品です。第1番の番号が振られた弦楽三重奏曲は、急- -急の伝統的な書法で書かれており、合唱作品を得意としたペロージらしい歌心に溢れた作品です。 演奏は2005年に設立されたローマ・トレ・オーケストラのメンバーによるアンサンブル。ローマとラツィオで生まれた最初の大学オーケストラで、若い世代に素 らしい音楽を広めることを目的として活動しています。ヴァイオリンの河崎日向子さんはローマ在住。いくつものアンサンブルに参加し活躍しています。
NAX-8.574479(1CD)
アイヴァー・ガーニー(1890-1937):ピアノ作品集
5つの前奏曲(1919-20)
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調(1910)*
ピアノ・ソナタ第3番ニ短調(1919)*
ピアノの為の2つの詩(1912) - 第1番 秋*
ピアノ・ソナタ第2番ニ長調(1919) - 第2楽章 アダージョ*
ジョージ・ローリー(P)

録音:2023年3月15-16日
*…世界初録音
英国歌曲に関心のある人には「5つのエリザベス朝歌曲」の作曲家として知られるアイヴァー・ガーニーのピアノ曲を集めた珍しい1枚。ガーニーは少年時代か ら音楽の才能を発揮し、グロスター大聖堂の聖歌隊員を務めながらオルガンを学び、王立音楽大学に入学してスタンフォードから作曲を学びました。第1次 世界大戦で従軍中に負傷し、その後遺症に悩みつつ47歳でこの世を去りました。現在では作曲家としてのみならず、詩人としても非常に高く評価されてい ます。 ここで聴けるピアノ曲はガーニー20代の作品で、第1次世界大戦をはさんで書かれたもの。シューマンや初期のスクリャービンを思わせる抒情的な「5つの前 奏曲」で始まり、しっとりとした雰囲気を持つピアノ・ソナタ第1番、ブラームス風の内省的なソナタ第3番と続き、静かで抒情的な「秋」がアンコールのように置 かれています。最後には、3楽章の作品として構想されながら作曲に難渋したソナタ第2番から、唯一完成された第2楽章で静かにプログラムを終えます。 演奏するジョージ・ローリーは王立バーミンガム音楽院でマーク・ベッビントンに師事し、数多くのコンクールに入賞。現在チェルトナムレディースカレッジのピアノ 科で教えるベテラン奏者です。
NAX-8.574556(1CD)

NYCX-10431(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ他
組曲『ハーリ・ヤーノシュ』
夏の夕べ(1906/1929-30改訂)
交響曲 ハ長調(1930年代-61)
チェスター・エングランダー(ツィンバロム)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2022年5月12日、2022年11月14日
20世紀ハンガリーを代表する作曲家の一人、ゾルターン・コダーイ。彼は祖国の民俗音楽を丹念に収集・研究し、バルトークと共に民謡集の出版を行 います。また音楽教育の分野でも活躍、教育用の曲を多数書き、その手法は「コダーイ・メソッド」と呼ばれるほどにハンガリー内外に重要な影響を与え ました。彼の管弦楽作品はどれも色彩的でリズミカル。このアルバムの中心となる『ハーリ・ヤーノシュ』は彼の同名の歌劇からの管弦楽組曲で、原作は ハンガリーの詩人、ガライ・ヤーノシュ(1812-1853)の叙事詩。元軍人のハーリ・ヤーノシュが酒場で語る波乱万丈の冒険談が描かれています。組曲 は歌劇の進行とは関係なく組まれており、第3曲と第5曲では伝統楽器ツィンバロムが使用されているのも特色です。 「夏の夕べ」は作曲家自身が「牧歌」と呼んだ作品で、もともとはハンガリー王立音楽院の卒業作品として書かれたもの。1906年に初演された以降は 忘れられてしまったものの、1929年にアルトゥーロ・トスカニーニの勧めにより改訂が行われ、1930年にトスカニーニが指揮するニューヨーク・フィルにより 演奏されました。 交響曲はトスカニーニのすすめにより1930年代に構想されましたが、完成したのは1961年のこと。1957年に世を去ったトスカニーニの思い出に捧げら れたこの曲は、1961年にフェレンツ・フリッチャイ(指)ルツェルン祝祭Oによって初演されました。急緩急の3楽章構成、演奏時間27分ほど で、ルーセルやストラヴィンスキーを思わせる新古典主義のスタイルによる作品です。明瞭な調性をもとにした晦渋さのない楽想、抒情に満ちた緩徐楽 章を生気とユーモアに富んだ両端楽章がはさみ、結尾へ向けての盛り上げ方など、一聴しただけでは1960年代の作品と思えない親しみ易さの中にコ ダーイ晩年の境地が滲む魅力的な音楽です。 演奏はジョアン・ファレッタが指揮するバッファローPO。機動力とパワーを生かした闊達な音楽が紡ぎ出されています。 ※国内仕様盤には、東欧の音楽史と民族音楽学を専門とし、『中東欧音楽の回路』(サントリー学芸賞受賞)等の著書のある伊東信宏氏の日本 語解説が付属します。
NAX-8.574050(1CD)
ペンデレツキ:トランペット・コンチェルティーノ(2015)
ヴァイオリンとヴィオラの為の二重協奏曲(2012)
交響曲第6番「中国の歌」(2008-17)
ダヴィド・ゲリエ(Tp)
アレクサンドラ・クルス(Vn)
ヤロスラフ・ブレンク(Bs-Br)
チェ・ハヨン(Vc)
シン・シャオリン(二胡)
ノールショピングSO
アントニ・ヴィト(指)

録音:2022年6月20日、2022年6月21日、2022年6月22-23日
ペンデレツキの交響曲第6番は、バス・バリトンと小オーケストラの為の作品。ハンス・ベトゲがドイツ語に翻案した「中国の詩」を用いた8楽章で構成されて おり、要所要所に二胡のソロが挿入されています。第6番と附番されていますが、長い間スケッチのみが知られていたものを、第8交響曲『はかなさの歌』を完 成させた後の2008年再度とりあげ、およそ9年の歳月をかけて完成させた、実質ペンデレツキ"最後の交響曲"となります。ベトゲの詩から想起するのはマー ラーの「大地の歌」ですが、この交響曲はまさにマーラー風の響きを持つ後期ロマン派の作風に倣ったもの。哀愁を帯びた旋律が耳に残ります。2012年の ヴァイオリンとヴィオラの為の二重協奏曲(この演奏はチェロとヴァイオリン)と2015年のトランペット協奏曲は新古典派風の活発な作品。トランペット協奏曲 でソロを吹くダヴィド・ゲリエは2003年ミュンヘン国際コンクール・トランペット部門で1位受賞。2004〜2009年フランス国立O、2009〜2010年 ルクセンブルク・フィルのソロ・ホルン奏者を務めたトランペットとホルン二刀流の名手。ここでは超絶技巧を駆使した素晴らしいトランペットを披露しています。
NAX-8.574535(1CD)
20世紀アルメニアのヴァイオリンとピアノの為の作品集
コミタス(1869-1935):Tsirani Tsar あんずの木(1905-06) (A. ガブリエリアンによるヴァイオリンとピアノ編)
コミタス:Kagavik ヤマウズラの歌(1908)(A. ガブリエリアンによるヴァイオリンとピアノ編)
コミタス:ヴァガルシャパトの踊り(1891)(K. ドムバエフによるヴァイオリンとピアノ編)
コミタス:K'eler, tsoler 彼は輝き、歩いた(1902-06)(K. ドムバエフによるヴァイオリンとピアノ編)
コミタス:Krounk 鶴(1911)(S.Z. アスラマジアンによるヴァイオリンとピアノ編)
サルキス・バルフダリアン(1887-1972):Sirouhis 最愛の人へ(1936)
ハチャトゥリアン:舞曲 変ロ長調 Op.1(1926)
エドゥアルド・アブラミャン(1923-1986):ヴァイオリンとピアノの為の演奏会用スケルツォ(1954)
アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012):ヴァイオリンとピアノの為の舞曲(1947)
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」(1942) - 第3幕 アダージョ(A. ヤンポリスキーによるヴァイオリン編)
ハチャトゥリアン:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番(1972) - 第1楽章 グラーヴェ
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」(1942) - 第1幕 ウズンダーラ (M. フィフテンホルツによるヴァイオリン編)
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「スパルタクス」 (1950-54)- 第2幕 スパルタクスとフリーギアのアダージョ(H. スムバチャンによるヴァイオリンとピアノ編)
エドゥアルド・バグダサリアン(1922-1987):夜想曲 イ長調(1957)
エドヴァルド・ミルゾイアン(1921-2012):序奏と常動曲 - 常動曲(1957)(Vnとピアノ版)
ニコライ・マドヤン(Vn)
アルミネ・グリゴリアン(P)

録音:2001年6月4-5日、2003年9月8日、2018年7月17日
小品ながらも芸術性に富んだ曲を集めた、ヴァイオリンとピアノの為の「アルメニア作品集」。アルバムの前半におかれた5作品はアルメニアの司祭、音楽学 者、作曲家、歌手、聖歌隊指揮者であり、アルメニア近代音楽の擁護者として知られるコミタスの作品。どの曲にも抒情的な雰囲気がありますが、なかでも 「鶴」はアルメニアの賛歌の象徴として強い存在感を放ちます。他にはハチャトゥリアンの『ガイーヌ』、『スパルタクス』からの音楽や、彼の作品番号1となった 「舞曲 変ロ長調」、トビリシとモスクワのアルメニア文化施設で作曲を学び、アルメニアの伝承音楽の研究に力を尽くしたアブラミャンの色彩感に満ちた「スケ ルツォ」、現代アルメニアの音楽発展に多大なる貢献を果たし、1963年には芸術功労者(名誉芸術家)に認定されたバグダサリアンの美しい「夜想曲」な ど、アルメニアの優れた作曲家たちの作品を紹介。アジアの民謡にも通じる懐かしい旋律が聴き手のノスタルジックな感情を呼び起こします。
NAX-8.574165(1CD)
シューベルト:ピアノの為の舞曲集
38のワルツ、レントラーとエコセーズ Op.18 D14
12のエコセーズ D299(1815)
20のワルツ Op.127D146(1815-23)(自筆譜第2稿による)
12のエコセーズ D781長 レントラー第2番-第12番(1823)
エコセーズ ニ長調 D782(1823頃)
12のレントラーD681- レントラー第5番 - 第12番(1815頃)
ギャロップと8つのエコセーズ Op.49 D735(1822頃)
8つのエコセーズ D529(1817)
6つのエコセーズ D421(1816)
ドイツ舞曲 嬰ハ短調 - エコセーズ 変ニ長調 D643(1819)
エコセーズ 変ホ長調 D511(1817頃)
ディディエ・カストル=ジャコマン(P)

録音:2021年8月17-18日
2022年4月12-15日
生粋のウィーンっ子だったシューベルト。社交界の付き合いとして、ウィーンにオープンした数多くのサロンや、彼の仲間たちの集い「シューベルティアーデ」のため に多くの舞曲を作曲しました。これらは大評判となり、若きシューベルトは楽譜の出版と販売の機会を得ることができました。どれも小さいながら、ウィットに富 んだメロディとハーモニーを持ち、時にはスイスのヨーデルの模倣さえも聴かれる、湧き上がるような自然な楽想に満ちています。また『12のエコセーズ』 D299はリンツに住み、彼と生涯にわたる友情を結んだヨーゼフ・フォン・シュパウンの妹マリーに献呈されており、ウィーン市以外で演奏されたシューベルトの初 めての曲とされています。自筆譜は一部のみが現存するだけですが、ここでは、初版と筆写譜に基づいた1982年のヘンレ版を用いて演奏しています。
NAX-8.660529(2CD)
リュリ:歌劇「アシスとガラテア」 アシス…ジャン=フランソワ・ロンバール(T)
ガラテア…エレナ・ハルシャーニ(S)
ディアナ/ナイアス II/シラ…ヴァレーリア・ラ・グロッタ(S)
アボンダンス/アメント/ナイアス I…フランチェスカ・ロンバルディ・マッズッリ(S)
コーモス/ティルシス…マルクス・ヴァン・アルスデール(T)
アポロン/ユノーの祭司/テレモス…セバスティアン・モンティ(T)
ポリュペモス…ルイージ・デ・ドナート(Bs)
ネプチューン…グイド・ロコンソロ(Br)他

フィレンツェ五月音楽祭O&cho
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指)

録音:2022年7月9日フィレンツェ五月音楽祭歌劇場
 (ズービン・メータ・ホール)
フランス・バロックの作曲家、ジャン=バティスト・リュリが不慮の事故による病で他界する前年、1686年 に貴族の祝宴のために作曲し、作曲家最後の完成した歌劇となった牧歌劇「アシスとガラテア」。ルイ 14世の王太子ルイ・ド・フランスがアネット城を訪問した際、彼をもてなすために書かれた作品で、フラン ス風序曲で荘重に始まり、数々の歌唱とバレ(舞踊)が繰り広げられ、華々しいパッサカリアで締めくく られるというリュリならではの秀作です。ガラテア役にはエレナ・ハルシャーニ、アシス役にはジャン=フランソ ワ・ロンバールと優れた若手歌手を起用、フィレンツェ五月音楽祭オーケストラがピリオド楽器に持ち替 え、活気と古雅な味わいに満ちた演奏を繰り広げます。
NAX-8.574542(1CD)
クリスマスの朝に
フィンジ:イン・テラ・パックス(地に平和を) Op.39(1954)(M. フォードによる2声、合唱とオルガン編)
伝承曲:サセックス・キャロル「クリスマスの夜に」(D. ウィルコックスによる合唱とオルガン編)
ジョン・ラター(1945-):クリスマスの子守歌(1989)(合唱とオルガン版)
ハウエルズ:汚れなきバラ(1919)
エイドリアン・ピーコック(1962-):ヴェニーテ、ガウデーテ(2009)
ヘレナ・ペイシュ(2002-):クリスマスの朝に(2020)…世界初録音
ラター:おやすみ、イエスよ(1999)
ボブ・チルコット(1955-):荒野の果てに(2006)
伝承曲:このすてきな香りはなんだろう?(D. ウィルコックスによる声、合唱とオルガン編)
伝承曲:ディンドン空高く(S. ニコルソンによる合唱とオルガン編)
ラター:キャンドルライト・キャロル(1984)(合唱とオルガン版)
ウィリアム・ルウェリン(1925-2023):ロンドン・ウェイツ(1986)
イアイン・ファーリントン(1977-):ノヴァ!ノヴァ!(2022)
伝承曲:眠れ、イエスよ、眠れ(R. パヌフニクによる声、合唱とピアノ編)
ア・メリー・リトル・クリスマス(あなたに楽しいクリスマスを メドレー)(1992)
ウィンター・ワンダーランド - レット・イット・スノー - ホワイト・クリスマス - ジングル・ベル) (G. リチャーズによる合唱とピアノ編)
伝承曲:クリスマスおめでとう(B. チルコットによる合唱とピアノ編)
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
ジョセリン・サマービル(S)
エリザベス・リム(S)
マーティン・フォード(P,Org)
)
ヴァサーリ・シンガーズ
ジェレミー・バックハウス(指)

録音:2021年10月17日、2023年2月11-12日
2012年に発売された「冬の光」(8.573030)に続くヴァサーリ・シンガーズのクリスマス・アルバム。穏やかで 伝統的なキャロルから熱烈な祈りの時まで、特別な音楽体験をする時期にふさわしい1枚です。フィンジの 「地には平和を」やラターの「クリスマスの子守歌」など良く知られる作品をはじめ、多くの人々に歌われる「ディ ンドン空高く」などの伝承曲、ヴァサーリ・シンガーズ結成40周年を記念して2022年に委嘱されたヘレナ・ペ イシュによる「クリスマスの朝に」など様々な作品が均整のとれた美しいハーモニーで歌われています。楽しいメ ロディが次々と現れる「ア・メリー・リトル・クリスマス」も聴きどころです。
NAX-8.574517(1CD)

NYCX-10430(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価

ハイドン:後期交響曲集 第2集
交響曲第96番ニ長調「奇跡」 Hob.I:96
交響曲第97番ハ長調 Hob.I:97
交響曲第98番変ロ長調 Hob.I:98
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)

録音:2022年9月3-4、6-7日、11月14日コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内Oの 首席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第2集となる今回の演奏も、オースト リア・ハンガリー・ハイドンOとの旧全集録音に比べると更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈。 まさに見通しのよいすっきりとしたハイドン像が構築されています。 この第2集には、交響曲「奇跡」を含む第96番から第98番の3曲を収録。第96番のニックネーム「奇跡」とは初演時に会場のシャンデリアが落下す るも、観客がハイドン見たさのためにステージ近くに集まっていたため、けが人が出なかったというエピソードに由来するもの(しかし近年の研究では、この 出来事は102番の初演時だったということが判明しています)。他には第2楽章に弦楽器の特殊奏法である「スル・ポンティチェロ」が用いられた第97 番、終楽章にチェンバロが使用されることで知られる第98番を収録。どの曲も小回りの利いたオーケストラの奏者たちの演奏技術も存分に発揮され ています。 当盤の3曲とも第3楽章にはメヌエットが置かれており、ここでも第1集と同じく、ティンパニの打撃が良いアクセントとなった、滑らかなリズムと疾走感に あふれた爽やかな音楽が楽しめます。 ※国内仕様盤には「M・ハイドン・プロジェクト」創設者で、古楽から実験音楽のパフォーマーとしても活躍する布施砂丘彦氏の解説が付属し ます。

   NAXOS 2023年9月発売(2)
NAX-8.579107(1CD)
エドゥアルド・グラウ(1919-2006):協奏曲集
ユステ協奏曲 Op.88(1966)- ヴァイオリン、ピアノ、ティパニと弦楽オーケストラのために
ヴィオラとピアノの為の二重コンチェルティーノ Op.124(1972) - ヴィオラ、ピアノと弦楽オーケストラのために
クラリネット協奏曲 Op.184(1985)- クラリネットと弦楽オーケストラのために
グニードの花へ Op.198(1988)- フルート、弦楽オーケストラとピアノのために
アナ・マリア・バルデラマ(Vn)
ミクローシュ・シタ(ティンパニ)
ファビオ・バネガス(P)
ダヴィド・フォンス(Va)
ジモン・ライトマイアー(Cl)
ヤナ・ヤルコフスカー(Fl)
アニマ・ムジカ室内O
フランシスコ・ヴァレラ(指)

録音:2022年4月19-27日
全て世界初録音
バルセロナに生まれ、8歳の時に家族とともにアルゼンチンに移住した作曲家エドゥアルド・グラウ。彼はこの地で晩年を過ごしていたファリャに作曲を師事、同 じくブエノスアイレスに亡命していた音楽学者ハイメ・パヒサからオーケストレーションを学びました。グラウは200曲以上の多彩な作品を遺しましたが、そのどれ からもスペイン風の要素が感じれらます。このアルバムに収録されているのは4つの協奏的作品で、スペインのユステ修道院から感銘を受け書かれた、抒情 的で神秘的な雰囲気を持つ「ユステ協奏曲」、ヴィオラとピアノが活躍する「二重コンチェルティーノ」、アルゼンチンの陽気な民族舞踊「チャカレーラ」を素材に 使用した「クラリネット協奏曲」、スペイン・ルネサンス期を代表する詩人の一人ガルシラソ・デ・ラ・ベガの詩からインスピレーションを受けた「グニードの花へ」を 聴くことができます。
NAX-8.559918(1CD)
ジョン・ハービソン(1938-):ピアノ作品集
夜想曲(2018)…世界初録音
ギャツビー・エチュード集(1999)
4つのモア・オケージョナル・ピース(1987-91)…世界初録音
タンゴ「シーン・フロム・グラウンド・レヴェル」(ミロ・フェインバーグのために、アランとジャネットのためにも)
レナード・ステイン・アナグラムス(2009)…世界初録音
ピアノ・ソナタ第1番「ロジャー・セッションの追悼に」(1985)…世界初録音
ジン・セヒ(P)

録音:2020年9月6-7日、2022年5月11-12日
1987年にピューリッツァー賞を受賞した作曲家ジョン・ハービソン。歌劇や合唱作品を含む300作以上を発表、その中にはジェームズ・レヴァインのメトロポリ タン歌劇場音楽監督就任25周年を記念しての委嘱作「The Great Gatsby 華麗なるギャツビー」が含まれるなど、アメリカの主要な音楽機関から多くの 委嘱を受けています。 このアルバムには世界初録音を含む、1980年代から現在までのピアノ曲を収録。瞑想的な「夜想曲」、前述の「華麗なるギャツビー」から素材を転用した 技巧的な「ギャツビー・エチュード」、彼に関連する人々のために書かれた「4つのモア・オケージョナル・ピース」、南カリフォルニア大学の「アーノルド・ショーン バーグ研究所」の音楽監督を務め2004年にこの世を去ったレナード・ステインの遺稿を元にした「レナード・ステイン・アナグラムス」。そして名ピアニスト、アー シュラ・オッペンス、ロバート・シャノン、アダン・フェインバーグのために書かれた「ピアノ・ソナタ第1番」を聴くことができます。 ピアノを演奏するジン・セヒはタングルウッドでハービソンに会って以来、彼の作品に魅せられ、その作品を探求しています。
NAX-8.574423(1CD)
アンソニー・バージェス(1917-1993):ギター四重奏曲全集
ギター四重奏曲第1番 「ラヴェルへのオマージュによる四重奏曲」(1986)
ホルスト:組曲「惑星」 Op. 32- 第3曲 水星 翼の神(1916)(A. バージェスによるギター四重奏編)(1987)
バージェス:ギター四重奏曲第2番
3つのアイルランドの小品(A. バージェスによるギター四重奏編)(1988)…世界初録音
バージェス:ギター四重奏曲第3番(1989)
ウェーバー:歌劇「オベロン」 序曲(A. バージェスによるギター四重奏編)(1987)…世界初録音
メーラ・ギターQ

録音:All Saints Church, Weston(UK)
作曲家としてよりも小説家として知られるアンソニー・バージェス。彼は東南アジア、アメリカ合衆国、中央ヨーロッパなどの様々な場所で暮らすことで培った広 範な知識を、その作品に活かしました。1986年、モンテカルロに住んでいた彼はこの地で活躍していた「Aighetta Guitar Quartet アイゲッタ・ギター四重奏団(1979年結成)」と出会い、彼ら のために数多くのオリジナル作品と編曲作品を書き上げています。 アイゲッタ・ギター四重奏団はバージェスとのコラボレーションを通じて高い名声を獲得、国 際的な音楽祭に出演し、多くの賞を獲得しました。このアルバムに収録された作品も、全てアイゲッタ・ギター四重奏団のために書かれたもので、ラヴェルへの オマージュが織り込まれた第1番を含む、3曲のバージェスのオリジナル四重奏曲のほか、ホルストとウェーバー作品の編曲とアイルランドの旋律まで、ギターの 音色を存分に生かした作品を楽しめます。
NAX-8.574526(2CD)
アントニオ・サッキーニ(1730-1786):オラトリオ『聖フィリッポ・ネリの富の放棄』 聖フィリッポ…ソ・イェリ(S)
ポヴェルタ…ケテヴァン・チュンティシュヴィリ(S)
ファスト…マルクス・シェーファー(T)
インガンノ…ダニエル・オチョア(Bs)
コンチェルト・デ・バッスス(古楽アンサンブル)
ジョヴァンニ・ミケリーニ(チェンバロ&オルガン)
フランツ・ハウク(チェンバロ&指揮)

録音:2022年5月23-28日
世界初録音
フィレンツェに生まれ、ナポリ音楽院の前身の1つにあたるサントノフリオ・ア・ポルタ・カプアーナ音楽院で 音楽教育を受けたアントニオ・サッキーニ。当時隆盛を極めた“ナポリ楽派”の一員として歌劇を書き上 げた後、ロンドンを経てパリへ移住。この地で生涯を終えました。このオラトリオ『聖フィリッポ・ネリの富の 放棄』は、16世紀に実在した聖者の物語。オラトリオですが、レチタティーヴォとアリアが交互に歌われる ナポリ楽派の他の歌劇と同じ形式で書かれており、若きフィリッポ・ネリ(ソプラノが歌う)が将来の生き方 について悩んだ末、全ての財を投げ打ち、取り巻く欺瞞と精神的試練を乗り越えながら、神への祈りと 美徳の道を求める姿がドラマティックに描かれます。1765年の四旬節に初演されたこのオラトリオは大 成功を収め、翌年も再演されました。聖フィリッポ役を歌うのは韓国のソプラノ歌手ソ・イェリ(徐藝俐)。 華やかで技巧的なアリアを見事にこなし、マルクス・シェーファーら他の歌手の歌唱も万全。ジモン・マ イールの数々の歌劇録音で知られるフランツ・ハウクが指揮するコンチェルト・デ・バッススも素晴らしい演 奏を聴かせます。
NAX-8.574531(1CD)

NYCX-10420(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ヴィラ=ロボス:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲第1番Op.50(1915)
チェロ協奏曲第2番(1953)
.幻想曲 - チェロと管弦楽のために(1945)
アントニオ・メネセス(Vc)
サンパウロSO
イサーク・カラブチェフスキー(指)

録音:2021年9月27-28日、2022年4月18-21日
ヴィラ=ロボスにとって最も身近な楽器はチェロであった。そんな彼が書いたチェロとオーケストラの為の作品が面白くないわけがない。「チェロ協奏曲第1番」 は作曲家としてのキャリアの最初期に手がけた作品。一方で、ブラジル的な要素が横溢する「チェロ協奏曲第2番」は最晩年の作品にして、初演者のアル ド・パリソと共に作り上げた「オーダーメイド」の大作です。チェロを知り尽くしたこの作曲家ならではの歌と技巧が炸裂!とくに第2楽章の旋律は「ブラジル風 バッハ第5番」のアリアのように、どこまでも大らかで美しい…。
※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者、日本ヴィラ=ロボス協会会長)による日本語解説が付属します。
NAX-8.574549(1CD)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
交響曲第9番*
香港PO
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指)

録音:2022年12月1-3日*、2022年12月9日…1-4
マーラーとショスタコーヴィチの「交響曲第10番」に続く香港POとヤープ・ヴァン・ズ ヴェーデンの新録音はショスタコーヴィチの2つの交響曲です。収録されているのは第5番と第9番。2012年 よりオーケストラの音楽監督を務めるズヴェーデンはかつて香港ポスト誌のインタヴュー (http://www.hkpost.com.hk/history/index2.php?id=16468)で「オーケストラはカメレオンのよ うでなければならないと考えます」と語ったように、このアルバムでもオーケストラの高い機能性を用い、性格の 異なる2つの交響曲(重厚、複雑な第5番、かたや新古典的な様式を持つ軽妙な第9番)を鮮やかに描き わけ、ショスタコーヴィチの多面性を際立たせています。
NAX-8.559894(1CD)
ポール・チハラ(1938-):ピアノ作品全集
協奏曲 - 幻想曲(2019-21)…世界初録音
バガテル集(2セットの7つの俳句)(2010/2011改訂)
4つのベートーヴェン幻想 - ピアノのために(2021年版)
アミ -4手ピアノのために(2008)*
クィン・グエン(P)
相沢 吏江子(P)*
スティーヴン・バーロウ(指)LSO

録音:2022年1月19日、2022年8月31日
日系アメリカ人作曲家ポール・チハラ。彼は1975年に発表されたアメリカ映画「デス・レース2000年」のエキサイティングな音楽をはじめ、100作以上 の映画やテレビの音楽の他、オーケストラ、合唱、室内楽作品など数多くの作品を発表、国内外で高い評価を得ています。また彼はネヴィル・マリ ナーの下で発足したロサンゼルス室内Oの最初のコンポーザー・イン・レジデントを務めた他、多くのオーケストラからの委嘱作も手がけました。 このアルバムに収録された世界初録音となる「協奏曲 - 幻想曲」は、ベトナムのピアニスト、クィン・グエンのために作曲されたもので、伝統的なベトナ ム音楽からインスパイアされた旋律を持ち、時にジャズ風な味わいを見せながらも、平和な過去への憧れが表現されています。ほかに、親しみやすい 作風の「4つのベートーヴェン幻想」、俳句に題材を求めた「バガテル集」を収録。そしてピアニスト、パスカル・ロジェとアミ夫人の結婚を祝して書かれた 連弾曲「アミ」は、第4曲目の素材に「赤とんぼ」が使われるなど日本に縁がある作品で、この演奏には相沢吏江子が参加しています。
NAX-8.573938(1CD)
D.スカルラッティ:ソナタ全集 第28集
1. ソナタ イ短調 K.7/L.379/P.63
2. ソナタ ト短調 K.31/L.231/P.19
3. ソナタ ト長調 K.55/L.335/P.117
4. ソナタ 変ホ長調 K.68/L.114/P.7
5. ソナタ ト長調 K.80/P.28
6. ソナタ ニ短調 K.89/L.211/P.12
7. ソナタ ト短調 K.108/L.249/P.92
8. ソナタ ト短調 K.121/L.181/P.93
9. ソナタ 嬰ヘ短調 K.142/P.240
10. ソナタ ハ長調 K.156/L.101/P.248
11. ソナタ ハ短調 K.174/L.410/P.149
12. ソナタ ニ短調 K.191/L.207/P.18
13. ソナタ イ長調 K.219/L.393/P.278
14. ソナタ ト短調 K.234/L.49/P.286
15. ソナタ ヘ短調 K.239/L.281/P.56
16. ソナタ ロ長調 K.245/L.450/P.299
17. ソナタ ニ長調 K.258/L.178/P.494
カン・サンウ(P)

録音:2019年8月1、2日、2022年8月20、21、24日
D・スカルラッティのソナタは、現在600曲ほどの存在が確認されています。 NAXOSのソナタ全曲録音のシリーズでは、各々のアルバムで異なるピアニストをフィーチャーすることで、作 品だけでなく演奏家の個性を味わう趣向も凝らされています。この第28集に収録されているのは快活なイ 短調のソナタ K.7や、三拍子で書かれたト長調のソナタ K.55、スペインのフラメンコのリズムを想起させるソ ナタ嬰ヘ短調 K.142など全17曲。どれもスカルラッティの汲めども尽きぬアイディアに貫かたものばかりです。 演奏は韓国出身、ジュリアード音楽院で学んだピアニスト、カン・サンウ。2013年録音の「モーツァルト: フーガ、ロンドと幻想曲集」(8.573114)も高く評価されています。
NAX-8.555541(1CD)
ラフ:交響曲第5番「レノーレ」
序曲「われらが神は堅き砦」 Op.127*
スロヴァキア国立コシツェPO
ウルス・シュナイダー(指)

録音:1992年4月13-15日、1993年3月5日*
※MARCO POLO8.223455のレーベル移行盤
ヨアヒム・ラフが書いた10曲以上の交響曲の中で、最も人気を博したのが1872年に作曲された交響曲第 5番。「レノーレ」の副題を持つこの作品は、ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーが三十年戦争を題材にして 書いたバラード『レノーレ』に基づいたもので、戦争によって引き裂かれた恋人たちの悲劇が音楽で描かれて います。ワーグナーを思わせる愛の情景描写や勇壮な行進曲、全てを締めくくる長大な終楽章など聴きどこ ろの多い作品です。 末尾に収録された序曲「われらが神は堅き砦」は1865年の作品。ハンス・フォン・ビューローに捧げられてお り、こちらも三十年戦争に関連しています。ゆったりとした序奏に導かれ、有名なルターの賛美歌が木管楽 器で奏されます。そして旋律は次々と展開し、最後は高らかに勝利が歌われます。

   NAXOS 2023年9月発売(1)
NAX-8.574434(1CD)
愛の死〜ヴァイオリンとピアノの為の作品集
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調 Op.105
シューマン:3つのロマンス Op.94(Vnとピアノ版)
シューマン,ブラームス,A. ディートリッヒ:ヴァイオリン・ソナタ 「F.A.E.ソナタ」
アルベルト・ディートリッヒ(1829-1908):第1楽章 アレグロ イ短調
シューマン:第2楽章 間奏曲 WoO22Bewegt, doch nicht zu schnell
ブラームス:第3楽章 スケルツォ ハ短調 WoO2Allegro
シューマン:第4楽章 フィナーレ WoO22Markiertes, ziemlich lebhaftes Tempo
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より(F. サイによるヴァイオリンとピアノ編)…世界初録音
 第1幕 前奏曲
 第3幕 イゾルデの愛の死「おだやかに静かに彼がほほえんで」
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
ファジル・サイ(P)

録音:2022年1月30日-2月2日
トルコの鬼才コンポーザー・ピアニスト、ファズル・サイの新しいアルバムは、彼の長年の友人フリーデマン・アイヒホルンとのデュオ。選ばれた作品はシューマンの 晩年のヴァイオリン・ソナタ第1番と、3つのロマンス。そしてシューマンとブラームス、ディートリヒの合作「F.A.E.ソナタ」です。ヨアヒムに献呈されたこのソナタは、 第1楽章をディートリヒが作曲、第2楽章と第4楽章はシューマン、第3楽章のスケルツォはブラームスが作曲しました。のちにシューマンが自身の筆になる部 分に手を加え、新たにヴァイオリン・ソナタ第3番として完成させていますが、こちらの「F.A.E.ソナタ」の全曲を耳にすることはあまりありません。ここでのアイヒホ ルンとサイは緊張感あふれる演奏を披露しています。そして最後に置かれたワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」からの2曲が圧巻。世界初録音となるこの ヴァージョンでは、サイのアレンジの妙が生かされており、ワーグナーのうねるような官能的な響きを存分に堪能できます。

   NAXOS 2023年8月発売(2)
NAX-8.574436(1CD)
トポス〜20世紀ギリシャの管弦楽作品集
ソロン・ミカエリデス(1905-1979):パルテノン神殿の夜明け(1934/36)
マノリス・カロミリス(1883-1962):島の絵(1928/1939改訂)
ヤニス・コンスタンティニディス(1903-1984):ドデカネス組曲第1番(1948)
コンスタンティニディス:ドデカネス組曲第2番(1949)
スカルコッタス:5つのギリシャ舞曲 AK11b(1933/36)(N. スカルコッタス、W. ゲールによる弦楽オーケストラ編 1938/1940-47)
ノエ・乾(Vn)
テッサロニキ州立SO
ゾイ・ツォカン(指)

録音:2021年3月19、22-24、26日、5月24-28日
ギリシャがオスマン帝国からの独立を宣言したのは1821年。当時からウィーンやベルリンに出て音楽を勉強した人たちがいました。20世紀の初めに は、彼らの弟子たちや、新たにドイツやオーストリアに留学した人たちが盛んに作品を書いていて、ギリシャ政府も伝統を採り入れた教育活動に力を 入れていました。このCDの収録曲は、そのようにして生まれた作品です。テッサロニキ国立SOが持っている楽譜から選ばれていて、未出版の曲 もあります。 録音はコロナで演奏会がキャンセルになっている時期だったので、特別な感慨がありました。ヨーロッパとアジアの境目にあるギリシャでは、ヨーロッパの影 響もアジアの影響も強く感じられます。このアルバムではギリシャの民族音楽特有のポリリズム的な要素を持った曲が多く、ギリシャ独特の色が出てい ると思います。みなさんもお楽しみ下さい。 【ノエ・乾】
20世紀ギリシャの作曲家による管弦楽作品集。アルバムは、フランス印象派からの影響が感じられるミカエリデスの「パルテノン神殿の夜明け」で幕を 開け、リムスキー=コルサコフを思わせる官能的な響きが特徴のカロミリスの「島の絵」が続きます。地中海の夜明けを思わせる伸びやかな第1曲から 祝祭的な雰囲気の民族舞踏を描いた第3楽章まで、卓越したヴァイオリンを披露するのはギリシャ人の母を持つノエ・乾です。コンスタンティニディスの 2つの組曲は独特な音階とリズムが特徴。スカルコッタスの「5つのギリシャ舞曲」は、様々な楽器編成の為の「36のギリシャ舞曲」から作曲家が5曲 を選んで弦楽四重奏にしたものを、ドイツ生まれの指揮者・作曲家ワルター・ゲールがコントラバス・パートを加えて弦楽合奏にしたもの。バルトークの 「ルーマニア民俗舞曲」のギリシャ版といった感じの楽しく躍動感ある音楽で、本物の民謡に加えてスカルコッタスが民謡に似せて創った素材を使ってい て遊び心が感じられます。
NAX-8.573927(1CD)
アルベニス:ピアノ作品集 第9集
1. スペイン狂詩曲 Op.70(1886)(1887年2台ピアノ版)
2. スペイン組曲 第1集 Op.47- 第6曲 アラゴン(幻想曲)(1886)*
3. スペインのセレナード Op.181(1886-87)*
4. 旅の思い出 Op.71- 第5曲 ティエラの門(ボレロ)(1890頃)*
5. パヴァーヌ=カプリース Op.12(1883)*
6. スペイン組曲 第1集 Op.47- 第3曲 セビーリャ(セビリャナス)(1886)
7. 子守歌 T.114bis(1890)
8-12. スペインの歌 Op.232(1891-94)

※L. エスパダス=フリアスによる2台ピアノ編(2019)…2-6
ミゲル・アンヘル・R・ライス(P)
サンティアゴ・L・サクリスタン(P)…1-6

録音:2016年1月8日the Estudios FJR…8-12
2016年11月29日 Auditorio Manuel de Falla, Granada,
Spain…1
2019年12月23日 Auditorio Manuel de Falla, Granada,
Spain…2-7

*…世界初録音
スペインのピアニスト、ギレルモ・ゴンザレスが「アルベニス:ピアノ作品全曲録音」という野心的なプロジェクト を開始したのは今から25年ほど前のこと。これまでに計8集のアルバムがリリースされましたが、これらは全てゴ ンザレスと彼の弟子たちによって録音が行われたものです。 シリーズの集大成となるこの第9集にはアルベニスの創作における変遷を感じさせる作品と、彼がスペイン民 俗音楽からインスピレーションを受け書き上げた作品を収録。冒頭の「スペイン狂詩曲」はアルベニス自身が ピアノとオーケストラの為の作品を2台ピアノ版に編曲したものですが、続く5つの作品はこの録音のために 特別に2台ピアノのためにアレンジされた版が用いられています。落ち着いた雰囲気の「子守歌」は最近発 見された小品。そしてシリーズを締めくくるのはアルベニスの代表作の一つ「スペインの歌」。鮮やかで刺激的 なリズム漲る作品をお楽しみください。
NAX-8.579042(1CD)
フランコ・アルファーノ(1875-1954):弦楽四重奏曲全集
. 弦楽四重奏曲第1番ニ長調(1914-18/1924年改訂版)
弦楽四重奏曲第2番ハ長調(3つの繋がった楽章による)(1925-26)
弦楽四重奏曲第3番ト短調(1945)
エルミラ・ダルヴァローヴァ(Vn1)
メアリー・アン・マム(Vn2)
クレイグ・マム(Va)
サミュエル・マギル(Vc)

録音:2022年9月21-23日
全て世界初録音
ナポリの作曲家フランコ・アルファーノ。20代でドイツに留学、ライプツィヒ音楽院でザロモン・ヤーダスゾーンに 師事しました。もっぱら歌劇の作曲家であり、自作の他にはプッチーニの「トゥーランドット」の補筆完成版で 知られています。このアルバムには、世界初録音となる3曲の弦楽四重奏曲を収録。第一次世界大戦中 に書かれた第1番は“ニ長調”とされているものの調性感は希薄であり、冒頭から無調に近いながらも推進 力ある音楽が繰り広げられます。チェロの独奏が美しい第2楽章が続き、劇的な終楽章でクライマックスを迎 えます。第2番は「3つの繋がった楽章による」と記された作品。重々しい第1楽章にはじまり、第2楽章では 親しみやすい旋律が顔を見せ、荒々しい終楽章へと続きます。第3番は、彼の妻の死の翌年1944年に作 曲を開始、1945年に完成しました。第1楽章の悲痛な旋律は妻への想いが込められています。軽快な第 2楽章が続き、最終楽章では古代ローマを思わせる祝典行進曲が用いられ、曲は盛り上がりを見せて終わ ります。
NAX-8.579120(1CD)
アルベルト・ウィリアムス(1862-1952):1-4. ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.51(1906)
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ長調 Op.53(1907)
デュオAM【アレハンドロ・アルダーナ(Vn)、ファビオ・マルティーノ(P)】

録音:2022年2月28日-3月2日
アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれの作曲家アルベルト・ウィリアムス。幼い頃からピアノの演奏に長けてお り、7歳の時に演奏会を開いたという記録もあります。地元の学校で音楽を学んだ後、奨学金を得て1880 年代にはフランスに留学。フランクに師事するとともに、当時流行していたワーグナーの音楽に傾倒 し、これらに影響を受けた作品を書きました。彼のヴァイオリン・ソナタ第2番は、確かにフランク風であるととも に、ブラームスのヴァイオリン・ソナタを思わせる抒情性も持ち合わせています。その翌年に作曲された第3番 は、シンコペーションのリズムで始まる野心作。ピアノとヴァイオリンが対等に扱われ、まるで協奏曲を思わせる かのような対立を感じさせるほどにピアノ・パートが重要な働きを見せます。まるでシューベルトのような軽やか な第2楽章も魅力的。3拍子で書かれた第3楽章は、全音階的な和声進行と目まぐるしく変化する楽想が 特徴。最後は転調を繰り返し、ピアノのオクターヴの連打で曲を閉じます。

   NAXOS 2023年8月発売
NAX-8.574516(1CD)


NYCX-10408(1CD)
日本語解説付国内盤
ハイドン:後期交響曲集 第1集
交響曲第93番ニ長調 Hob.I:93(1791)
交響曲第94番ト長調 「驚愕」 Hob.I:94(1791)
交響曲第95番ハ短調 Hob.I:95(1791)
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)

録音:2022年9月2、5、日、11月14日
コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
※国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説が付属します。
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内Oの首 席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第1集はロンドン交響曲から人気作「驚 愕」を含む3曲を収録。旧盤との違いも大きく、全編通じてエキサイティングかつ魅力的な音楽が展開し、今後への期待が大いに募ります。 アダム・フィッシャーはハイドンの全交響曲を演奏するためにオーストリア・ハンガリー・ハイドンOを組織し、ハイドンゆかりのエステルハージ宮で 1987年から2001年にかけてNimbusレーベルに録音を行いました。それらは50人ほどに絞り込まれたオーケストラによる見通しの良いサウンドと、緩 急のコントラストが利いた解釈、録音会場の音響を生かしたまろやかなサウンドが印象的に残るものです。 デンマーク室内管との再録音はそれらに比べると、更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈になっていま す。流れるようなスピード感のあるフレージングには古楽演奏の影響が聞き取れますが、オーケストラの伸縮自在な演奏ぶりからは、このスタイルが彼ら のスタンダードとなっていることがうかがわれます。弓使いにも工夫を凝らし、通常よりも生き生きとした効果が得られるためのリコシェ(跳弓)などのテクニッ クを意図的に使っています。 新旧比較で顕著な違いがあるのはメヌエット楽章で、恰幅の良い旧盤に対して新盤のステップの速さと滑らかさは別次元。他にも第93番の最終楽 章は「これぞプレスト!」と快哉を叫びたくなる疾走感、第94番の第2楽章冒頭での無音かと思えるほどの再弱音から一転しての強烈な一撃はまさ に「驚愕」。原盤解説で「コンサートと同じようにレコーディングでも聴衆を魅了することを願っています」とアダム・フィッシャーが語るように、ライヴ感に満ち た演奏で、大注目のプロジェクトです。
NAX-8.559913(1CD)
ジェニファー・ヒグドン(1962-):デュオ・デュエル(2020)…世界初録音
. 管弦楽のための協奏曲(2002)
マシュー・ストラウス(パーカッション)
スヴェト・ストヤノフ(パーカッション)
ヒューストンSO

録音:2022年5月6-8日、2015年4月17-19日
シカゴ・サンタイムズ紙が「モダンでありながら時代を超えている」と絶賛する作曲家ヒグドン。メロディとハーモニーを効果的に使うネオ・ロマン主義的な 作風とオーケストラがよく鳴るスコアを書く技術で、アメリカで最も人気のある作曲家の一人です。 初録音となる「デュオ・デュエル」は単一楽章、演奏時間24分近い作品。二人のパーカッション奏者とオーケストラのための協奏曲で、パーカッションが 繰り広げる「デュエル」に対し、オーケストラが時に冷静になれと呼びかけるように、時に激しく盛り上げるように絡んでゆきます。 「管弦楽のための協奏曲」はフィラデルフィアOの創立100周年を記念して委嘱された作品で、2002年6月12日にヴォルフガング・サヴァリッ シュの指揮で初演されました。バルトークの同名作品と同じ5楽章構成で、フィラデルフィア管の腕利き奏者を想定した名人芸が至る所に発揮されて います。祝祭的な雰囲気を湛えた第1楽章、弦楽器をフィーチャーした第2楽章、緩徐楽章に相当し各楽器のソロを堪能できる第3楽章、静と動の 対象が印象的でパーカッションが活躍する第4楽章、エネルギッシュな音の動きが見事な最終楽章と、オーケストレーショ ンの名手ヒグドンの手腕が十 二分に発揮された名作です。 指揮者のスパーノはヒグドンと一歳違いで早くから交流があり、ヒグドン作品を積極的にとりあげています。「管弦楽のための協奏曲」は2003年録音 のTelarc盤以来の再録音。作品のすみずみまでを知り尽くした見事な演奏を聴かせます。
NAX-8.574487(1CD)
ジョルジェ・エネスコ:初期室内楽作品集
ピアノ五重奏曲 ニ長調(1896)
前奏曲とガヴォット(1898)
オーバード(朝の歌)ハ長調(1899)
パストラーレ、悲しきメヌエットと夜想曲(1900)
2つのルーマニア狂詩曲 Op.11- 第1番 イ長調(1901)(J. エノックによるピアノと弦楽五重奏編 1957)
ファイン・アーツ四重奏団【Ralph Evans(Vn)、Efim Boico(Vn)、Gil Sharon(Va)、Niklas Schmidt(Vc)】
アレクサンダー・ビッカルト(Cb)
ジゼル・ヴィトコフスキ(P)
ファビオ・ヴィトコフスキ(P)

録音:2022年10月22-25日
優れたヴァイオリニストで教育者、そしてルーマニアを代表する作曲家ジョルジェ・エネスコ。若い頃にはパリに留学して作曲をマスネとフォーレに学びまし たが、その頃に書いた作品の多くは長い間出版されませんでした。このアルバムは、そのパリ時代の作品を中心にしています。冒頭のピアノ五重奏曲 は、エネスコのヴァイオリンの師マルタン・ピエール・マルシックに捧げられ、その精緻な筆致にはエネスコが尊敬していたブラームスの影響が窺われます。 ヴァイオリン、チェロと2台のピアノのための「前奏曲とガヴォット」、エネスコ唯一の弦楽三重奏曲「オーバード」、ヴァイオリンとピアノの連弾による「パスト ラーレ、悲しきメヌエットと夜想曲」からは若きエネスコの意欲が感じられます。最後には、1901年の初演当時から人気を博していた「ルーマニア狂詩 曲第1番」をエネスコの死後にピアノと弦楽五重奏用に編曲した版が演奏され、アルバムを華やかに締めくくります。NAXOSにも数多くの録音がある ファイン・アーツ四重奏団が中心となって、生き生きとした音楽を生み出しています。
NAX-8.660516(2CD)
モニューシュコ:歌劇「パリア」 イダモール…ドミニク・ストヴィチ(T)
ネアラ…イヴォナ・ソボトカ(S)
ラテフ…ピオトル・フリーベ(T)
アケバル…ラファウ・コルピク(Bs)
ジャレス…スタニスワフ・クフリュク(Br)
巫女…アレクサンドラ・キエドロフスカ(S)
ポズナン国立モニューシュコ・オペラO&cho
ヤチェク・カスプシク(指)

録音:2022年4月12日
「ハルカ」(CD:8.660485-86)や「幽霊屋敷」などの作品で「ポーランド歌劇の父」とも呼ばれるスタニスワフ・モニューシュコ。この「パリア」は彼が完 成させた最後の歌劇で、南インドを舞台に不条理な身分差別と闘い翻弄される人々を描く悲劇です。 カーストの最下層に生まれたイダモールは新たな人生を歩むために故郷も家族も捨て、別人になりすまして屈強な戦士に成長。戦いの功績により神 官アケバルの娘ニーラとの結婚を許されます。祝賀ムードに包まれた村に現れたのがイダモールの父ジャレス。彼はかつてカーストの掟を破って森に踏 み込み、神聖な場所を汚すという重大な罪を犯して追放されたのでした。アケバルはジャレスに死刑を宣告しますが、イダモールが自分はジャレスの子 であると名乗り出て、激昂した人々により殺されてしまいます。ニーラはイダモールへの愛が真実であったと気づき、自らジャレスの娘であると宣言して追 放の刑を受けて村を去るのでした。 凄惨な結末ゆえか、初演時には不評でしたが、不条理な社会体制がもたらす悲劇というテーマは現代世界で強い訴求力を発揮します。指揮者ヤ チェク・カスプシクの下、歌手たちが渾身の歌唱を聴かせます。
NAX-8.579136(1CD)
中国のロマンス
シァ・ウェイナン(1981-)
1. The Flow 水云?(2016)*
2. Swan and Maiden 白鳥と乙女(2016)*
3. Whisper of the Wind 風のささやき(2016)*
4. Love at Night of Tulips チューリップの夜の恋(2018)*
5. The Little Match Girl マッチ売りの少女(2016)*
ファン・タオ(1983-)
6. In the Moonlight月明かりの中で(2018)*
7. Her 彼女(2018)*
8. The Rain Outside the Window 窓の外の雨(2018)*
9. Whisper ささやき(2020)*
10.83Munan Road 睦南道83号(2020)*
11. Farewell 告別(2021)*
12. Serendipity 偶然の出会い(2018)*
リン・ファンキ(1985-)
13. Lonely Soul 孤魂(2017)
14. Gone with the Wind 風と共に去りぬ(2015)
15. Oh My Little Imaginary Love オー・マイ・リトル・イマジナリー・ラヴ(2017)
16. Sadness 悲しみ(2014)*
17. Tenderness 優しさ(2014)*
18. Lullaby 子守歌(2017)
19. Promise without Words 言葉のない約束(2017)
20. Reminiscence 回想(2017)
リウ・シャンイ(G)

録音:2022年6月25日、2022年6月10日、2022年8月18日
*・・・世界初録音
『中国のロマンス』と題された現代中国のギター作品集。現代の作品ではありながら、どれも調性を持つ美しい曲想によって書かれています。 シァ・ウェイナンは中国生まれ。幼いころから音楽に興味を抱き父親から教えを受けました。10代の頃にはロックに夢中になり中国のロックバンドでギ ターを弾く他、ソングライター、レコーディングエンジニア、音楽プロデューサーを務めるなど、音楽業界で豊富な経験を持っています。中央音楽院ではク ラシックの奏法も学びました。冒頭の五音音階を用いた中国風の導入で始まる「The Flow 水云?」は湖の上に浮かぶボートを表現。バリオスの 「森で夢見る」を思わせるトレモロの使用が印象的です。 ファン・タオは中国全土でギター・リサイタルを行う人気者。2020年にはインターネットメディアの企画・運営を行うXimalayaが主催した「the National Love-Music」のトップ10入りを果たし、テレビ出演も行っています。彼の作品も、どこか懐かしく哀愁を湛えた旋律に満ちています。 リン・ファンキは中国のギター作曲家の中でも、最も多作で知られる人。すでに100曲以上の作品を発表し、ギタリストとしては2018年に発表したア ルバム「モノローグ」が大好評を博しています。このアルバムには比較的ゆったりとしたテンポを持つ抒情的で優しい曲が収録されています。 2016年に開催されたフランシスコ・タルレガ国際ギター・コンクールで中国人として初の優勝を飾ったリウ・シャンイが共感溢れる演奏を聴かせます。

   NAXOS 2023年7月発売(2)
NAX-8.574454(1CD)
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第6集
劇音楽『ペルーのスペイン人、またはロラの死』 (1795)
劇音楽『イオランタ、エルサレムの女王』 (1797)
劇音楽『アフメットとツェニーデ』 (1796)
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2022年2月21日、2022年2月22日、2022年2月23日、2022年2月24日
全て世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァルトと交流を深めウィーン楽壇における重要 な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアのお気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼さ れました。現存している彼の数少ない舞台音楽の楽譜にはどの表紙にも「シンフォニア」のタイトルが付いており、これは彼にとって大きな仕事であった 交響曲の制作と同じように重要であるという意味が込められているようです。そこには各幕のための序曲や行進曲などが含まれており、実際、後に彼 はこれらを素材として交響曲を書いています。 ここのアルバムに収録された作品は、どれもウィーンのブルク劇場で初演されたもの。『ペルーのスペイン人、またはロラの死』は1795年6月13日の初 演で、1532年のフランシスコ・ピサロによるインカ帝国の血なまぐさい征服から題材を得た作品です。第3幕と第5幕の序曲は、後に交響曲に転用さ れたためこの録音では割愛されています。『イオランタ、エルサレムの女王』は1797年4月17日に初演。舞台は1135年のエルサレムで、若い女王に 対抗する求婚者たちと攻撃してくるイスラム軍、そしてテンプル騎士団の新たな団長の選出など陰謀渦巻く物語です。『アフメットとゼニード』は1796 年10月28日の初演。当時人気のあったトルコ音楽が採り入れられており、オーケストラの編成にはピッコロと、オスマン帝国の歩兵軍団「イェニチェリ」 の音楽を表現するのに特徴的なトライアングル、シンバル、バスドラムが用いられた多彩な響きを楽しめます。前5作に続き、マレク・シュティレツが指揮 するチェコ室内Oパルドビツェの見事な演奏で。
NAX-8.574432(1CD)
シューマン:オルガン作品全集
ペダル・ピアノのためのスケッチ Op.58
ペダル・ピアノのための練習曲集 Op.56
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2022年7月12-13日St Matthai, Gronau(ドイツ)
1844年、ライプツィヒを去りドレスデンに移住したシューマンは、かねてから研究していたバッハ作品に再 び向き合いました。彼は「フーガの厳密な形式と19世紀のロマン派の精神をどうすれば両立させることができ るのだろうか?」を念頭に置き、1845年に足鍵盤(ペダル)を備えた「ペダルピアノ」を手に入れ、バッハのオル ガン曲を研究。そのフーガへの熱意からこのアルバムに収録された作品が生まれました。とりわけOp. 56は シューマン自身がピアノ三重奏に編曲したほか、他の作曲家たちも様々な編曲を施したほど芸術性の高い 作品です。ここでウィンペニーは、ドイツのグローナウにある歴史的な"フルトヴェングラー・オルガン(1860年 製)"を使用。このオルガンは、ドイツ・ロマン派時代に作られた現存するオルガンの中で2番目に大きな楽器 で、シューマンの表現豊かな作品に合う幅広い響きを奏でます。
NAX-8.555499(1CD)
ラフ:交響曲第8番、第9番
交響曲第8番イ長調 「春の響き」 Op.205(1876)
交響曲第9番ホ短調 「夏に」 Op.208(1878)
スロヴァキア国立コシツェPO
ウルス・シュナイダー(指)

録音:1990年10月26日-11月1日
※MARCO POLO8.223362のレーベル移行盤
スイス出身の作曲家ヨアヒム・ラフ。フランツ・リストの演奏に感銘を受け弟子となり、ピアニストとして活動しな がら、作曲家として未完も含めた11曲の交響曲の他、協奏曲や室内楽など多数の作品を遺しました。 このアルバムには彼の晩年の作である2曲の交響曲を収録。「春の響き」と題された第8番、「夏に」と題され た第9番。どちらもドイツ・ロマン派の伝統を継承しながらも、ワーグナーのような半音階を用いることはない、 メンデルスゾーンを思わせる端正な作品に仕上がっています。
NAX-8.660526(2CD)
ヤナーチェク:歌劇「利口な女狐の物語」 他
ヤナーチェク:歌劇「利口な女狐の物語」(1923)
 ファブリース・ボロンによる室内楽伴奏編曲版(2020)
 歌劇「シャールカ」 JW I/1(1887) - 抒情的二重奏曲(ファブリース・ボロンによるヴァイオリンとチェロ編)(2021)
ファブリース・ボロン(1965-):レオシュのための12の百合(2021)
女狐…サマンサ・ガウル(S)
森番…ミヒャエル・ボルト(Br)
雄狐…パク・イリーナ・ジェウン(S)
校長/蚊…イ・ヨンブン(T)
森番の妻/フクロウ…アニャ・ユンク(A)
あなぐま/司祭…ペーテル・ナイデノフ(Bs)
ラパーク/パーセクの妻/きつつき…カテリーナ・ヘベルコヴァー(Ms)
ハラシュタ…ハンス・グレーニング(Bs)
おんどり…デヴォニー・スミス(Ms) 他
カントゥス・ユヴェヌム・カールスルーエ(合唱)
フライブルク劇場オペラ合唱団のメンバー
ミュリエル・カントレッギ(Vn)
ディナ・フォルトゥナ=ボロン(Vc)
リリーズ・プロジェクト(アンサンブル)
ファブリース・ボロン(指)

録音:2021年9月7日、2021年10月11日
指揮者・作曲家ファブリース・ボロンによってオーケストラ・パートを室内楽編成にアレンジされたヤナー チェク:歌劇「利口な女狐の物語」。これは大規模なオーケストラの使用ができなかった新型コロナウイ ルスのロックダウン中に製作されたもので、金管楽器を用いず、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1、コント ラバス1の弦楽器と、フルート1、オーボエ1(コールアングレ持ち替え)、クラリネット1、ファゴット1の木管 楽器、ハープ1、鍵盤楽器1、パーカッション1の合計12名の小編成アンサンブルで歌を支えています。 単なる縮小版ではなく、新しい音の組み合わせを提唱したというアレンジは、ヤナーチェクの歌劇をより 親しみやすいものにしています。ボロンは「シャールカ」からの二重唱をヴァイオリンとチェロ用にアレンジ、そ してヤナーチェク作品の様々な旋律に新たなオーケストレーションを施した「レオシュのための12の百合」 も収録。これらはヤナーチェクへのトリビュートです。
NAX-8.574442(1CD)
子供の領分〜ギターのための編曲集
シューベルト:魔王 Op.1D.328
ドビュッシー:子供の領分
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調 K.545
シューマン:子供の情景 Op.15
グラナドス:若き日の物語 Op.1, DLR IV:2

※全てヨハン・スミスによるギター編
ヨハン・スミス(G)

録音:2022年8月7-9日
2019年のGFA(全米ギター協会)国際ギターコンクールでの優勝をはじめ、数多くのコンクール受賞歴を持つヨハン・スミス。彼はこのアルバムのために5人の 作曲家が思い思いに描いた「子供時代」をギターのためにアレンジ、繊細かつ表現力豊かな音色で演奏しています。冒頭に置かれたシューベルトの『魔王』 では巧みなテクニックを存分に発揮し、子供、父、魔王をギターで見事に弾き分けています。 ヨハン・スミスは1990年にジュネーヴで生まれ、ローザンヌ大学で大学院の学位を取得。ダゴベルト・リニャレスに師事しギターを学びました。演奏家、教師と して活動するかたわら、メタル・バンド"Stortregn"を率い世界中をツアー、更にグラフィック・デザインを手掛けるという多才なアーティストです。

NAX-8.574374(1CD)

スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第27集
1. ソナタ ト短調 K.12/L.489/P.68
2. ソナタ ホ短調 K.15/L.374/P.71
3. ソナタ イ短調 K.36/L.245/P.91
4. ソナタ 変ロ長調 K.42/L.S36/P.120
5. ソナタ ハ短調 K.48/L.157/P.87
6. ソナタ ヘ長調 K.59/L.71/P.22
7. ソナタ ト短調 K.76/L.185/P.23
8. ソナタ ハ長調 K.86/L.403/P.122
9. ソナタ ト短調 K.88/L.36/P.8
10. ソナタ ヘ長調 K.106/L.437/P.197
11. ソナタ ハ短調 K.116/L.452/P.111
12. ソナタ 変イ長調 K.130/L.190/P.272
13. ソナタ ト長調 K.144/P.316
14. ソナタ ト長調 K.152/L.179/P.114
15. ソナタ ハ長調 K.165/L.52/P.292
16. ソナタ ハ長調 K.157/L.405/P.391
17. ソナタ 変ロ長調 K.172/L.S40/P.313
18. ソナタ 変ロ長調 K.189/L.143/P.257
19. ソナタ(フーガ) ニ短調 (MSS FF232、KK 96、ボローニャ国際音楽博物館&図書館)*
20. ソナタ ト短調(MS KK96、ボローニャ国際音楽博物館&図書館)
21. G.U.ハフナー編纂のチェンバロ独奏のためのソナタ集 第2巻 - ソナタ第5番ハ長調
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2022年9月19-20日
*=世界初録音
NAXOSの人気シリーズ、ドメニコ・スカルラッティのソナタ集。この第27集には、彼の初のソナタ集 「Essercizi per gravicembalo」からの2曲(K.12、K.15)を含む、スペインとポルトガルの舞踊の要素を 取り入れた作品が収録されています。また、スカルラッティのソナタはかつて全555曲とされていましたが、最 近の研究により実際には600曲近く存在することが判明しています。このアルバムにはボローニャの博物館に 所蔵されているソナタ ニ短調(世界初録音)とソナタ ト短調の2曲が収録されており、これらは研究者 カークパトリックが「スカルラッティの作品と考えられる」と述べています。さらに、スカルラッティの同時代の作曲 家で出版業も営んでいたヨハン・ウルリッヒ・ハフナー(1711 -1767)によって編纂された曲集に含まれる、花 火を思わせる快活な音にあふれたソナタ ハ長調も収録されています。演奏は、ブラジル出身のピアニストで 数多くの受賞歴を持つセルジオ・ガッロが担当しています。

   NAXOS 2023年7月発売
NAX-8.101201(12CD)
NX-J06
エンリコ・カルーソー 録音全集 1902-1920
■CD1〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第1集(1902 -1903)8.110703
1. アルベルト・フランケッティ(1860-1942):歌劇「ジェルマニア」 - 学生諸君、聞きたまえ
2. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - ああ、こちらへ…目を閉じないで
3. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第1幕 あれかこれか
4. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
5. マスネ:歌劇「マノン」 - 目を閉じれば(夢の歌)
6. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙
7. ボーイト:歌劇「メフィストフェレ」 - 第1幕 野原から、牧場から
5. ボーイト:歌劇「メフィストフェレ」 - 最後のときがやってきた(エピローグ)
9. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
10. マスカーニ:歌劇「イリス」 - 第1幕 窓を開けよ
11. ボーイト:歌劇「メフィストフェレ」 - 第1幕 野原から、牧場から
12. ジョルダーノ(1867-1948):歌劇「フェドーラ」 - 第2幕 愛さずにはいられぬこの思い
13. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
14. ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」 - 第2幕 空と海
15. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」 - 第1幕 衣装をつけろ
16. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - ローラよお前は花のように美しい(シチリアーナ)
17. デンツァ(1846-1922):君なんかもう
18. トスティ:私の歌
19. チレア:歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」
- いいえ、あなたは女王よりも高貴です
20. レデント・ツァルド(1850-1910):貞節な月
21. ロッコ・トリマルキ(1861-1936):もう一度口づけを
22. ツァルド:貞節な月
23. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙
24. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
25. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - いとしき目を閉じたもうな
26. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 風の中の羽のように(女心の歌)
27. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - ローラよお前は花のように美しい(シチリアーナ)
■CD2〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第2集(1903 -1906)8.110704
1. アントニオ・ピーニ=コルジ(1858-1918):君はもう愛していないんだ
2. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
3. ジャコモ・マイアベーア:歌劇「ユグノー教徒」 - この空の下に
4. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第1幕 あれかこれか
5. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 風の中の羽のように(女心の歌)
6. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙
7. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
8. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第1幕 妙なる調和
9. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
10. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」- ローラよお前は花のように美しい(シチリアーナ)
11. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」 - 第1幕 衣装をつけろ
12. マスネ:歌劇「マノン」 - 第2幕 目を閉じれば(夢の歌)
13. レオンカヴァッロ:朝の歌(マッティナータ)
14. ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 第3幕 耳に残る君の歌声
15. ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」 - なんと快い(セレナータ)
16. ビゼー:歌劇「カルメン」 - 第2幕 お前が投げたこの花は(花の歌)
17. マイアベーア:歌劇「ユグノー教徒」 - 第1幕 アルプスの雪より白く
18. ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」 - 第2幕 空と海
19. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - 第1幕 乾杯の歌
20. フロトウ(1812-1883):歌劇「マルタ」 - 第3幕 夢のごとく(イタリア語歌唱)
21. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第1幕 つめたい手を
22. グノー:歌劇「ファウスト」 - 第3幕 この清らかな住まい
23. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第3幕 見よ、恐ろしい火を
24. ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリータ」 - 第4幕 優しい魂よ
■CD3〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第3集(1906 -1908)8.110708
1. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
2. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第3幕 最後の頼みだ
3. リカルド・バルテルミ(1869-1955):さびしい帰郷
4. トスティ:理想の人
5. マイアベーア:歌劇「アフリカの女」 第4幕 おお、パラダイス
6. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 美しい乙女よ
7. ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」 - 第1幕 ある日青空をながめて
8. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」 - 第1幕 衣装をつけろ
9. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第4幕 ああミミ、君はもう帰ってこない
10. ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 第1幕 聖なる神殿の奥深く
11. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第1幕 ああ、麗しの乙女
12. ドニゼッティ:歌劇「ドン・セバスチャン」 - 誰もいないこの荒野に
13. ドニゼッティ:歌劇「ドン・セバスチャン」 - 誰もいないこの荒野に
14. バルテルミ:すばらしい心痛
15. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 美しい乙女よ
16. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」 - 第2幕 六重唱 じゃまするのは誰だ
17. プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 ? 第1幕 ああ、なんて沢山の散りばめられた目が
18. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 ? 第3幕 さようなら、甘いめざめよ
19. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 美しい乙女よ
■CD4〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第4集(1908 -1910)8.110719
1. アルトゥーロ・ブッツィ=ペッチャ(1854-1943):ロリータ
2. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第1幕 あれかこれか
3. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 「風の中の羽のように(女心の歌)
4. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第3幕 ああ、美しい人
5. ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」 - 第4幕 二重唱 われらの山へ
6. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 清きアイーダ
7. トスティ:口づけのために
8. エマヌエレ・ヌティーレ(1862-1932):母さま、何が知りたいの?
9. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第3幕 おお、あなたは天使の胸に抱かれ
10. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第1幕 妙なる調和
11. プッチーニ:歌劇「トスカ」 - 第3幕 星は光りぬ
12. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第4幕 死の石は私の上に閉ざされた
13. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第4幕 二重唱 おお、大地よさらば
14. ゴルトマルク:歌劇「シバの女王」 ? 第2幕 すてきな調べ
15. ビゼー:歌劇「カルメン」 - 第2幕 お前が投げたこの花は(花の歌)
16. ビゼー:歌劇「カルメン」 - 第2幕 お前が投げたこの花は(花の歌)
17. マイアベーア:歌劇「ユグノー教徒」 - 第1幕 アルプスの雪より白く
18. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第4幕 ミゼレーレ
19. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第4幕 ミゼレーレ
19. フロトウ:歌劇「マルタ」 - 第1幕 祖国に捨てられ,ただひとり
■CD5〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第5集(1908 -1910)8.110720
1-9. グノー:歌劇「ファウスト」より
 1. 第1幕:ああ、すばらしい
 2. 第3幕:何とすばらしいその装い
 3. 第3幕:何ですって!いつもひとりきりなの?
 4. 第3幕:夜もふけたので
 5. 第3幕:永遠のよろこびに
 6. 第4幕:何しに来た?(決闘の三重唱)
 7. 第5幕:心は恐れに満ちて
 8. 第5幕:待て!道はある
 9. 第5幕:早く!でないと破滅してしまいますぞ!
10. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - 第1幕 学生諸君、聞きたまえ
11. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - いとしき目を閉じたもうな
12. プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 - 第1幕 恋か気まぐれか
13. プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 - 第3幕 わしが言っていただろう?
14. ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」 - 第2幕 空と海
15. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」 - 第2幕 違う!俺は道化師じゃない
16. ヴェルディ:歌劇「オテロ」 - 第2幕 おお!清らかな思い出は、遠い彼方に
17. ヘンリー・ゲール(1881-1961):あなただけに
18. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - ローラよお前は花のように美しい(シチリアーナ)
19. ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」 - 第2幕 私はあなたの子ではないのか
20. ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」 - 第4幕 二重唱 われらの山へ
21. トスティ:さようなら
22. ヴェルディ;歌劇「アイーダ」 - 第4幕 二重唱 すでに神官たちが待っている
23. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第4幕 二重唱 みじめさだけを私にお与えになり
■CD6〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第6集(1911 -1912)8.110721
1. ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」 - 第1幕 今度の航海は無事だろうか
2. アンジェロ・マスケローニ(1855-1905):永遠に
3. レオンカヴァッロ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第2幕 わたしは貧しいねぐらしかない
4. レオンカヴァッロ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第3幕 ミュゼッテ…いとしい面影
5. ゴメス(1836-1896):歌劇「捕らわれ人」 - 第2幕…おまえが生まれたとき
6. サルヴァトーレ・カルディッロ(1874-1947):カタリ・カタリ(つれない心)
7. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第4幕 アルヴァーロよ、隠れようとしても無駄だ…
8. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第4幕 脅しとその激しい言葉は
9. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙
10. デ・クルティス:私のために歌っておくれ
11. エドワード・テシェマッヒャー(1876-1940)&クラレンス・G・ガルトナー(生没年不詳):愛はわたしのもの
12. ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」 - 第3幕 おそらく彼女は到着している…永久に君を失えば
13. マスネ:歌劇「マノン」 - 第3幕 やっと一人になれた…ああ!消え去れ、優しい面影よ
14. ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 - 第1幕 もし私がその戦士であったなら...清きアイーダ
15-18. フロトウ:歌劇「マルタ」
 15. 第2幕 さあ着いたぞ,娘たち
 16. 第2幕 この部屋はあなたのために!…何がそんなことを言いたがるのか?
 17. 第2幕 急いで、急いで行こう
 18. 第2幕 君に追いついた、哀れなことに!...さあ、お眠り
■CD7〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第7集(1912 -1913)8.110724
1. ヴェルディ:歌劇「第1回十字軍のロンバルディア人」 - 第3幕 喜びが血を沸き立たせる
2. フォール(1830-1914):クルチフィクス
3. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」 - 第2幕 六重唱 じゃまするのは誰だ
4. ヴィンチェンツォ・デ・クレッシェンツォ(1875-1964):まことのタランテラ
5. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 美しい乙女よ
6. ロッシーニ:音楽の夜会 - 第8曲 踊り(ナポリのタランテッラ)
7. エンリコ・カルーソー:むかしの夢
8. アーサー・サリヴァン:失われた和音
9. ギィ・ダルドロ(1858-1936):ビコーズ
10. ジャン・グラニエ:オザンナ
11. マスネ:歌劇「マノン」 - 第2幕 マノンと申します
12. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第1幕 ああ、麗しの乙女
13. ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」 - 第2幕 天に勇気を求めなさい...われらの胸に友情を
14. ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」 - 第4幕 二重唱 われらの山へ
15. チャイコフスキー:6つの歌 Op.38-
   第6番ピンピネッラ, フィレンツェの歌
16. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第2幕 あの娘は攫われてしまった!…あの娘の涙が見えるようだ
17. ビゼー:アニュス・デイ
18. プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」 - 第1幕 なんと素晴らしい美人
19. ペルキヴァル・ベネディクト・カーン(1880-1966):アヴェ・マリア
20. マスネ:エレジー
■CD8〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第8集(1913 -1914)8.110726
1. レオンカヴァッロ:私の愛を
2. デ・クレッシェンツォ:月を見て
3. ジェフリー・オハラ:あなたの瞳が教えてくれた
4. テオドーロ・コットラウ(1827-1879):光さす窓辺
5. ロッシーニ:スターバト・マーテル - 聖母の魂を剣が刺し貫いていた
6. フォール:枝の主日
7. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - 母さん、あの酒は強いね
8. ヴェルディ:歌劇「オテロ」 - 第2幕 おお!恐ろしい罪だ...神かけて誓う
9. チャイコフスキー:6つの歌 Op.38- 第1曲 ドン・ファンのセレナード
10. ヴィンチェンツォ・リッチャルディ(1873-1950):アモール・ミオ
11. ヴィンチェンツォ・ヴァレンテ(1855-1921):わたしの小さな牛
12. フォール:枝の主日
13. テシェマッヒャー&ガルトナー:真実の瞳
14. ランドン・ロナルド(1873-1938):スペインのセレナード
15. トスティ:Parted 別れて
16. ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」 - 第1幕 もう一度彼女に会える
17. ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」 - 第1幕 こんな占いはあてにならない
18. フェルミン・マリア・アルバレス(1833-1898):別れ
19. ルペルト・チャピ(1851-1909):サルスエラ「聖母の奇蹟」 - すばらしく美しい花
■CD9〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第9集(1914 -1916)8.110750
1. ヴェルディ:歌劇「椿姫」 - 第1幕 友よ、さあ飲み明かそう(乾杯の歌)
2. ゴメス:歌劇「グアラニー族の男」 - 第1幕 激しい力を感じて
3. ユゼフ・ジグムント・スルク:愛のおののき
4. ビゼー:歌劇「カルメン」第1幕 母のたよりを聞かせてよ(未発表バージョン)
5. ビゼー:歌劇「カルメン」第1幕 母のたよりを聞かせてよ(SP未発売バージョン)
6. トスティ:私の歌
7. エリコ・ペンニーノ:なぜ?
8. ミケーレ・サルヴァトーレ・チョチャーノ(1874-1944):トルコの空
9. ヴェルディ:レクイエム - われあやまちを嘆く
10. ドニゼッティ:歌劇「アルバ公爵」 - 第4幕 清く美しい天使
11. デンツァ:もしわかっていたら
12. レオンカヴァッロ:2つのセレナーデ
13. フランク:聖なる行列
14. マスネ:歌劇「ル・シッド」 - 第3幕 おお君主よ、審判者よ、父上よ
15. トスティ:夏の月よ
16. エドゥアルド・ディ・カプア(1864-1917):オー・ソレ・ミオ
17. グノー:歌劇「シバの女王」 - 第2幕 我に霊感を与えたまえ、神々よ
18. アウグスト・ロトーリ(1847-1904):私の花嫁は私の旗
19. ヴェルディ:歌劇「マクベス」 - 第4幕 お前たちを守る父の手は
20. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 - 第4幕 年老いた外套よ
21. アダン:オー・ホーリー・ナイト
■CD10〜エンリコ・カルーソー:録音全集 第10集(1916 -1917)8.110751
1. フォーレ:聖なるマリアよ
2. カルーソー:いにしえ
3. 伝承曲:サンタ・ルチア
4. チャイコフスキー:6つの歌 Op.6- 第6曲 ただ憧れを知る者だけが
5. チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」 - 第2幕 青春は遠く過ぎ去り(フランス歌唱)
6. ゴダール(1849-1895):六月の歌
7. ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」 - 第4幕 五月のある晴れた日のように
8. カミーユ・サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」
 - 第3幕 ごらんくださいこの惨めさ、ああこの苦しさ!
9. ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 第1幕 耳に残る君の歌声
10. ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 第2幕 私の愛する人、眠りの花よ
11. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第4幕 四重唱 美しい乙女よ
12. ヴェルディ:歌劇「リゴレット」 - 第4幕 四重唱 美しい乙女よ
13. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」 - 第2幕 六重唱 じゃまするのは誰だ
14. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」 - 第2幕 六重唱 じゃまするのは誰だ
15. フロトウ:歌劇「マルタ」 - 第3幕 夢のごとく(イタリア語歌唱)
16. スタニスラス・ガスタルドン(1861-1939):禁じられた音楽
17. デ・クレッシェンツォ:清らかな瞳
18. トスティ:暁は光から闇をへだて
19. トスティ:暁は光から闇をへだて
20. A・ルビンシテイン:歌劇「ネロ」 - ああ、太陽の光よ
21. A.ルビンシテイン:歌劇「ネロ」 - ああ、太陽の光よ
■CD11〜エンリコ・カルーソー:全集 第11集(1918 -1919)8.110752
1. ガスパール・アントニオ・オラヴァリア・マイティン(1840-1891):月光の中に
2. パスクァーレ・マリオ・コスタ(1858-1933):わが人生にきみはすでになし
3. アルバレス:別れ
4. ヴェルディ:歌劇「運命の力」 - 第3幕 ほんの一瞬たりとて私には与えられないのだ 、静かな時は
5. ジョージ・M・コーハン(1878-1942):オーヴァー・ゼア
6. アブラム・ルイ・ニデルメイエール(1802-1861):主よ、憐れみたまえ
7. アルバレス:グラナダへ
8. ヴィンチェンツォ・ビッリ(1869-1938):夕べの鐘
9. アレッシオ・オリヴィエーリ:ガリバルディ賛歌
10. コルンボ・アローナ(1820-1869):サン・ジュストの鐘
11. ロベール・プランケット(1848-1903):サンブル・エ・ミューズ連隊行進曲
12. サルヴァトーレ・フチート(1875-1929):あなたにだけ
13. サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」 - 第1幕:私は勝利をお祝いに来ました
14. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 20スクードで!
15. トスティ:かわいい口もと
16. 伝承曲:海に来たれ
17. デ・クルティス:泣かないお前
18. コットラウ:さらばナポリ
■CD12〜エンリコ・カルーソー:全集 第12集(1902 -1920)8.110753
1. ヴィンチェンツォ・チャンピ(1719-1762):ニーナは三日も床に伏し
2. デ・クレッシェンツォ:最初の愛撫
3. デ・クルティス:孤独
4. ゴメス:歌劇「サルヴァトール・ローザ」 - 第1幕 私のかわいい人
5. C・アドルフォ・ブラッコ(1860-1905):セレナータ
6. フチート:Scordame
7. アントニオ・セッキ(1761-1833):私を愛していようといまいと
8. ヘンデル:歌劇「セルセ(クセルクセス)」
  - 第1幕 オンブラ・マイ・フ
9. グリエルモ・ポサダス(1886?1937):幸せな夜
10. アレヴィ:歌劇「ユダヤの女」 - 第4幕 ラシェルよ、主の恵みにより
11. ヨゼフ・ジョーエ(1890-1957):ナポリの思い出
12. ドナウディ(1879-1925):限りなく優雅な絵姿
13. マイアベーア:歌劇「アフリカの女」 - 第3幕 船を見つけに共に行こう
14. リュリ:歌劇「アマディス」 - 第2幕 暗い森は陰を濃くして
15. ジェームズ・キャロル・バートレット(1850-1929):夢
16. ロッシーニ:小荘厳ミサ曲 - 神なる主
17. ロッシーニ:小荘厳ミサ曲 - 十字架にかけられ
付録
18. カルーソー:自由よ永遠に*
19. ガス・エドワーズ(1879-1945):我が従兄カルーソー*
20. フランケッティ:歌劇「ジェルマニア」 - 学生諸君、聞きたまえ**
■CD1
ジョルダーノ(P)…12
チレア(P)…19
サルヴァトーレ・コットーネ(P)…1-11、13-18、20
スタジオ・ピアニスト…21-27
録音:1902年-1903年

■CD2
スタジオ・ピアニスト…1-12,14-19
ルッジェーロ・レオンカヴァッロ(P)…13
スタジオ・オーケストラ…20-24
スタジオ・コンダクター…20-24
録音:1903年-1906年

■CD3
ベッシー・アボット(S)…6、19
ネリー・メルバ(S)…11
マルセラ・ゼンブリヒ(S)…15、16
ジェラルディン・ファーラー(S)…17、18
ルイーズ・ホマー(Ms)…6、19
ジーナ・セヴェリーナ(Ms)…15、16
ジーナ・ヴィアフォーラ(Ms)…18
アントニオ・スコッティ(Br)…2、6、9、15、16、18、19
マリオ・アンコーナ(Br)…10
フランチェルコ・ダッディ(Br)…16
マルセル・ジュルネ(Bs)
スタジオ・オーケストラ
スタジオ・コンダクター
録音:1906-1908年

■CD4
ヨハンナ・ガトスキ(S)…13
フランス・アルダ(S)…18、19
ルイーズ・ホマー(Ms)…5
マルセル・ジュルネ(Bs)
メトロポリタン歌劇場合唱団…19
ビクターO
指揮者不詳
録音:1908-1910年

■CD5
ジェラルディン・ファーラー(S)…2、4、5、7-9
ガーデン・ファララ(S)…3
ガブリエーレ・ジルベール(Ms)…2、3
ルイーズ・ホマー(Ms)…19、20、22、23
アントニオ・スコッティ(Br)…6、13
マルセル・ジュルネ(Bs)…1、2、3、6、9
フランシス・ラピティーノ(Hp)…18
ビクターO
指揮者不詳
録音:1908-1910年

■CD6
フランス・アルダ(S)…15-18
ジョセフィーヌ・ジャコビー(Ms)…15-18
パスクアーレ・アマート(Br)…7、8
マルセル・ジュルネ(Bs)…15-18
メトロポリタン歌劇場合唱団…1
ビクターO
指揮者不詳
録音:1911-1912年

■CD7
フランス・アルダ(S)…1
ルイーザ・テトラッツィーニ(S)…3、5
ジェラルディン・ファーラー(S)…11、12
ジョセフィーヌ・ジャコビー(Ms)…3、5
エルネスティーネ・シューマン=ハインク(Ms)…14
アンジェロ・バーダ(Br)…3
パスクアーレ・アマート(Br)…3、5
アントニオ・スコッティ(Br)…13
マルセル・ジュルネ(Bs)…1-3
ミッシャ・エルマン(Vn)…19、20
パーシー・カーン(P)…19、20
ガエターノ・スコニャミリオ(P)…15、17
A・レジス・ロッシーニ(Hp)…18
ビクターO…1-14、16、18
ワルター・B・ロジャーズ(指)…1-4
スタジオ・コンダクター…5-14、16、18
録音:1912-1913年

■CD8
フリーダ・ヘンペル(S)…16、17
デュシェンヌ・マリア(Ms)…17
ティッタ・ルッフォ(Br)…8
Leon Rothier (Bs)…16、17
Andres De Segurola (Bs)…16、17
フランシス・ラピティーノ(Hp)…2
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場合唱団…16、17
ビクターO
ガエターノ・スコニャミリオ(指)…12-17
ガエターノ・スコニャミリオ(P)…18-19
録音:1913-1914年

■CD9
アルマ・グルック(S)…1
エミー・デスティン(S)…2
フランス・アルダ(S)…4
ミッシャ・エルマン(Vn)…11、12
ガエターノ・スコニャミリオ(P)…11、12
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場合唱団…1、2
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場O…1、2
ジュリオ・セッティ(指)…1、2
ビクターO…3-10、13-21
ワルター・B・ロジャーズ(指)…3-10、13-21
録音:1914-1916年

■CD10
アメリータ・ガリ=クルチ(S)…11-14
フローラ・ペリーニ(Ms)…11、12
ミニー・エゲナー(Ms)…13、14
アンジェロ・バーダ(T)…13、14
ジュゼッペ・デ・ルカ(Br)…11-14
マルセル・ジュルネ(Bs)…13、14
フランシス・ラピティーノ(Hp)…17-21
ビクターO
メトロポリタン歌劇場合唱団…8
ワルター・B・ロジャーズ(指)…1-5
ジョセフ・A・パステルナック(指)…6-21
録音:1916-1917年

■CD11
ルイーズ・ホマー(Ms)…13
エミリオ・デ・ゴゴルツァ(Br)…1
ジュゼッペ・デ・ルカ(Br)…4、14
ヴィンチェンツォ・ベレッツァ(P)…2
ビクターO…1、3-18
ジョセフ・A・パステルナック(指)…1、3-18
録音:1918-1919年

■CD12
フランシス・ラピティーノ(Hp)…8
ビリー・マレイ(ヴォーカル)・・・19
ビクターO・・・1-17、19-20
ビクター・ミリタリー・バンド・・・18
ジョセフ・A・パステルナック(指)
*トラック18と19ではカルーソーは歌っていません。
**CD12トラック20はCD1トラック1と同一音
源で、新たに発見されたファーストプレスのミント盤からの復刻。
録音:1902-1920年
伝説的なテノール、エンリコ・カルーソーが生まれて2023年で150周年となるのを記念してNAXOS Historicalの復刻盤を集成しました。1903年にニューヨークのメトロポリタン歌劇場にデビューしたカルー ソーは、たちまち人気沸騰して国民的なスターとなります。それと前後して米ビクターに録音を開始。彼のレ コードは大ヒットを記録して、揺籃期のレコード産業が成長するのに貢献しました。日本でもRCAレッドシー ルにちなんだ通称「赤盤」でリリースされて人気を博しました。 当セットの収録曲はオペラ・アリアから歌曲、ナポリ民謡、ポップソング、自作曲と幅広く、一部の曲では別テ イクも収録。有名作曲家が自らピアノを弾いて伴奏した音源や、今日では聞く機会が少ない曲もあって資 料としても貴重です。 復刻を担当したのはMarston Recordsの主宰者ウォード・マーストン。1952年生まれのマーストンは歴史 的音源の復刻で世界的に高く評価されており、RCA音源を中心とするそのプロジェクトはグラミー、グラモフォ ン、ICMAなど国際的な賞を受賞しています。カルーソーの時代は電気録音が実用化される前のアコース ティック録音/機械吹込みで、物理的な音質や情報量では限界がありますが、いわゆる「一発録り」による 無編集の歌唱は、100年以上の時を経てカルーソーの声と歌い回しをリアルに伝えてくれます。
NAX-8.574410(1CD)

NYCX-10406(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
クラウジオ・サントロ(1919-1989):交響曲全集 第3集
チェロ協奏曲(1961)*
交響曲第8番(1963)*
3つの抽象(1966)*
Interacoes Assintoticas(1969)
One Minute Play(1966-1967)*
マリーナ・マルチンス(Vc)
デニーシ・ジ・フレイタス(Ms)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2018年11月10-11日、2019年11月27-28日、2019年8月12-15日、2019年8月19日
*…世界初録音
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケスト ラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。その中でもブラジルを代表するシンフォニストであるクラウジオ・サントロの交響曲全集は注目の企 画です。 このアルバムには1960年代の作品を収録。この時期は波乱に富んだサントロの人生の中でも特筆に値する激動の時代であり、単に交響曲全集のうちの1枚というだ けでなく、その時代を映した選曲がなされていることも興味を惹きます。 1960年、サントロは西ドイツ(当時)政府の招きでケルンを訪れ、その後電子音楽を研究するためにベルリンへ移ります。そこで体調を崩し資金にも難渋したサントロに 支援を申し出たのが東ドイツの作曲家連盟で、彼は1961年夏を東ベルリンで迎え、8月13日のベルリンの壁着工を目撃することとなりました。チェロ協奏曲の第1楽 章の自筆譜には「1961年8月」、第2楽章には「1961年8月28日」の日付があり、全曲が完成したのは同年10月。サントロはこれが標題音楽と見られることを拒 否しましたが、緊張感の高い荒々しい音楽は闘争や不安を感じさせます。演奏時間32分余り。チェロ独奏には強靭なヴィルトゥオジティが求められます。 その後ブラジルに戻ったサントロは1962年に首都にあるブラジリア大学に新設された音楽学部の学部長に招かれます。その翌年に生まれた交響曲第8番は急-緩-急 の3楽章からなる演奏時間15分ほどの作品。12音技法と表現主義の語法とを統合しようとした形跡があり、第2楽章では女声のヴォカリーズが使われています。 1964年に軍事クーデターによってブラジルに独裁政権が成立すると、サントロは左翼的な思想を理由に大学の職から追われ、ドイツへ渡りました。ドイツでは電子音 楽に加えて偶然性の音楽などを研究。そこから生まれたのが「3つの抽象」などの作品になります。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者、日本ヴィラ=ロボス協会会長)による日本語解説が付属します。

   NAXOS 2023年6月発売 (2)
NAX-8.574560(1CD)
ヴァイオリンとピアノのための作品集
アラン・ロースソーン:ヴァイオリン・ソナタ(1958)
ジョーゼフ・ホロヴィッツ(1926-2022):ディブク・メロディ(1980)*
エロリン・ウォーレン(1958-):ソジャーナ・トゥルース(2021)*
ウェンディ・ヒスコックス(1963-):カプリース(1990-)*
ヒスコックス:ドライ・ホワイト・ファイアー(2010)*
ダグラス・ネーハンス(1957-):ミスト・ウェーブズ(2019)*
シア・マスグレイヴ(1928-):対談(1960)
マーティン・バトラー(1960-)舟歌(2020)*
リチャード・ブラックフォード(1954-):ワールズ・アパート(2020)
ケヴィン・マローン(1958-):ユア・コール・イズ・インポータント・トゥ・アス(2022)*
ハワード・ブレイク(1938-):氷の女王とスノーマン Op.699(Vnとピアノ版)*
マデリーン・ミッチェル(Vn)

アンドルー・ボール(P)
エロリン・ウォーレン(P)
ウェンディ・ヒスコックス(P)
ナイジェル・クレイトン(P)
イアン・ペイス(P)
マーティン・バトラー(P)…
ハワード・ブレイク(P)

録音:1996年2月20日、2022年1月30日、2月12日、2022年3月17日、2022年4月23日、2022年8月31日、12月20日、2022年12月20日、2023年2月12日

*…世界初録音
ヴァイオリニストのマデリーン・ミッチェルによるアルバム。ソリスト、室内楽奏者として50か国以上で活躍、数多 くの賞を受賞し、ジェームス・マクミランやマイケル・ナイマン(など錚々たる作曲家が彼女のため作品を書いてい ます。これまでにも現代の作曲家たちの新しい作品に影響を与えてきたミッチェル、今作では友人の7人のピ アニスト(うち4人は作曲家)とともに「会話」を繰り広げています。世界初録音を数多く含む収録作品は、自 然現象を描いたものや、自由への探求、そして愛のデュエットなど、様々なテーマが探求されており、多彩な 音楽と雰囲気を楽しむことができます。またこのアルバムは2022年にこの世を去ったピアニスト、アンドルー・ ボールへのオマージュでもあり、1996年に録音されたロースソーンのソナタを冒頭に置き、彼女と20年にわ たって築き上げたパートナーシップが称えられています。
NAX-8.579127(1CD)
ナイジェル・クラーク(1960-):マーリンの予言(2021) -ヴァイオリンとオーケストラのための交響曲 ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn)
アレクサンドル・コズマ(Fg)
ウィーンRSO
ニール・トムソン(指)

録音:2022年8月29日、2022年8月30日、2022年8月31日
世界初録音
リムスキー=コルサコフのシェヘラザードの舞台を中世イギリスに移したような、ドラマティックな新作が登場。 英国出身で現在はブリュッセルを拠点に活躍する作曲家ナイジェル・クラーク。現代的な音楽語法による吹 奏楽作品を中心に人気があります。この「マーリンの予言」は、「ヴァイオリンを伴う交響曲」と銘打たれてお り、ソロ・ヴァイオリンが全曲を通じて活躍する交響的組曲のような作品です。ヴァイオリンが演じるのは12世 紀にジェフリー・オブ・モンマスが書いた「ブリタニア列王史」に出て来る予言者・魔術師のマーリン。5つの楽章 はマーリンが登場する場面を描いたもので、森や海を舞台に嵐のような激しさから神秘的で瞑想的な表現ま で、この作品の発案者でもある名手ピーター・シェパード・スケアヴェズが縦横無尽に演奏し、ニール・トムソン が指揮するウィーンRSOもダイナミックにサポートしています。
NAX-8.579135(1CD)
シンセティスト再訪
ジュール・ストレンス(1893-1971):交響的変奏曲「ジル・ブラス」 Op.2(1921)
マルセル・ポート(1901-1988):ユーモラスな組曲「タルタラン・ド・タラスコン」(1921)
フランシス・ド・ブルギニョン(1890-1961):レチタティーヴォとロンド Op. 94(1951)
ガストン・ブレンタ(1902-1969):舞踏幻想曲「ゾーハル」(1928)
テオ・デ・ヨンカー(1894-1964):ギャミヌリィ(作曲年不詳)
モーリス・シューメーカー(1890-1964):交響的変奏曲「ブリューゲル組曲」(1928年吹奏楽版)
王立ベルギー空軍バンド
マッティ・シリセン(指)

録音:2022年7月4-7日

全て世界初録音
1925年9月、作曲家ポール・ギルソンの60歳の誕生日を記念して、彼に師事する7人の学生たちがブリュッ セルに集まり、ベルギー音楽史上初となる作曲家集団「Les Synthetistes」を結成しました。「フランス六 人組」のベルギー版とも言えるこのメンバーたちは、後期ロマン派のスタイルとは一線を画す最先端の音楽を 模索しながら、当時、SOが少なかったベルギーにおいて、吹奏楽のためにオリジナル作品の作曲と編 曲を行いました。彼らは1918年から45年までベルギー・ギィデ交響吹奏楽団の指揮者を務めたアルテュー ル・プレヴォーと協力し、ブリュッセルでモダンな音楽を生み出したのです。しかし、現代ではこれらのレパート リーはすっかり忘れられてしまいました。このアルバムでは地元である王立ベルギー空軍バンドの演奏で、メン バーの内の6人の作品を聴くことができます。 (ポール・ギルソンと7番目のメンバーであるルネ・ベルニエの作品は配信限定で6月にリリース予定。商品番 号9.70351)
NAX-8.574321(1CD)
ナポレオン・コスト(1805-1883):ギター作品全集 第6集
交響的幻想曲 Op.28b
妖精の狩猟 Op.29
セレナード Op.30
劇的幻想曲「旅立ち」 Op.31
マズルカ Op.33
アンダンテとメヌエット Op.39
アン・トラン(G)

録音:2022年6月5-7日
フェルナンド・ソルの弟子、友人であったナポレオン・コスト。彼はスペインからフランスに赴き革新的な作品を 次々を発表しました。しかし当時ギター音楽の人気が凋落気味であり、また彼自身も腕の故障で60歳を目 前に公開演奏が不可能となってしまったため、次第にその作品は忘れられてしまいました。そんなコスト、 1980年代に全作品のファクシミリ版が出版され、録音が相次いで発表されました。NAXOSからも2000年 までに通算5枚のアルバムが発表されましたが、その後20年以上を経てこの第6集の録音が完成。オーケス トラを思わせる「交響的幻想曲」、彼の全作品の中でも人気の高い劇的幻想曲「旅立ち」など魅力的な作 品を聴くことができます。 演奏はベトナム出身のギタリスト、アン・トラン。10以上の国際コンクールで優勝を飾り、現在はイリノイ大学 シカゴ校と北イリノイ大学で教鞭をとっています。使用楽器はステファン・コナー。
NAX-8.573978(1CD)
ポーランドの弦楽四重奏曲集
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):ヴィオッティの主題による変奏曲とフーガ(1873)
スタニスワフ・モニューシュコ:弦楽四重奏曲第1番ニ短調(1837-40)
モニューシュコ:弦楽四重奏曲第2番ヘ長調(1837-40)
カロル・カジミェシュ・クルピンスキ(1785-1857):弦楽四重奏曲のための幻想曲 ハ長調(1823)
ルトスワフスキQ

録音:2018年5月7-9日、2021年8月17日
このアルバムは、ポーランドの民族主義を追求した作曲家たちの半世紀にわたる業績をたどるものです。カロ ル・クルピンスキはショパンよりも一世代前の作曲家。ポーランド音楽の国民的なスタイルの基礎を築いた人 で、彼の弦楽四重奏のための幻想曲は整った形式を持つ作品です。スタニスワフ・モニューシュコは「ハルカ」 や「幽霊屋敷」などのオペラを作曲し、"ポーランド・オペラの父"と称えられています。彼の四重奏曲は賛美歌 などシンプルな旋律を採り入れた、活気に満ちた力強い作風が魅力です。 ジグムント・ノスコフスキはポーランド有数の作曲家・教師として活躍し彼に続く世代の音楽家たちを数多く育 てあげました。アルバムに収録されているのはヴィオッティの旋律をテーマにした変奏曲とフーガで、先鋭的では ないものの、機知に富んだ作風が窺えます。演奏はポーランドを代表するアンサンブル、ルトスワフスキ四重 奏団。共感溢れる演奏を聴かせます。

   NAXOS 2023年6月発売
NAX-8.559937(1CD)
ジョージ・アンタイル:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1923)
ヴァオリン・ソナタ第2番(1923)*
ヴァオリン・ソナタ第3番(1924)
ヴァイオリン・ソナタ第4番(1947-1948)
ティアンワ・ヤン(Vn)
ニコラス・リンマー(P、ドラムス*)

録音:2021年10月14-17日
ニュージャージー生まれのジョージ・アンタイルは、1920年代にヨーロッパで演奏旅行を行い「狂乱の時代」のパリではピカソやストラヴィンスキーらと交 流を持ち、ピアニスト兼作曲家としての経歴を確立させました。 このアルバムに収録された4曲のソナタのうち、最初の3曲はこの時代に作曲されたもので、第1番は詩人エズラ・パウンドの恋人でヴァイオリニストのオ ルガ・ラッジのために作曲されており、ストラヴィンスキーの影響と、当時のパリの洒脱な雰囲気を併せ持ったユニークな作品です。よりジャジーな第2番 は、20世紀初めのフランスに起こった前衛美術運動「キュビズム」を音楽で表現しようと試みた作品もので、雑多な旋律の中にドラムが効果的に使わ れています。第3番はストラヴィンスキーの激しいリズムを更に追求した作品です。1947年から48年にかけて作曲された第4番は、バロック時代の様 式を採用。とりわけ第2楽章は6小節の主題が10回変奏されるというパッサカリアの形式が用いられています。華麗な終楽章「トッカータ」も機知に富 んだ音楽です。
NAX-8.559917(1CD)
アイヴズ:室内オーケストラのためのセット全集
室内オーケストラのためのセット第1番(1915-16頃)
室内オーケストラのためのセット第2番(1916-17頃)
室内オーケストラのためのセット第3番(1919頃)
室内オーケストラのためのセット第4番「3人の詩人と人間性」(1925-30頃)…世界初録音
室内オーケストラのためのセット第5番 「Other Side of Pioneering, or Side Lights on American Enterprise」 (1925頃以降)
室内オーケストラのためのセット第6番「フロム・ザ・サイド・ヒル」(1925-30頃)
室内オーケストラのためのセット第7番「水彩画」 (1925-30頃)
室内オーケストラのためのセット第8番「無言歌」 (1930頃)…世界初録音
室内オーケストラのためのセット第9番(1934?)…世界初録音
室内オーケストラのためのセット第10番(1934?)…世界初録音
劇場オーケストラのためのセット(K. シングルトン版)(1915頃)
オーケストラ・ニュー・イングランド
ジェイムズ・シンクレア(指)

録音:2022年3月8-9日
全曲収録は世界初録音
保険会社で働きながら作曲を続けたため、日曜作曲家とも呼ばれるアイヴズ。管弦楽作品が広く知られる彼ですが歌曲も多く残しており、1915年から1930年代中 盤にかけて、これらの歌曲を数曲ずつ集めて、数人から20人に満たないような室内オーケストラ(コネティカットやニューヨークの小劇場のオーケストラ)が歌無しで演奏する ために編曲した「セット」を組みました。これらに含まれる曲はいずれも1分未満から長くても3分程度というごく短いもので、アイヴズらしいウィットに富んだ曲想が次々と現 れ、たいへん愛着の湧く作品となっています。さらに演奏する楽団の編成や掛け持ち楽器などの事情に合わせ、楽器の選択がフレキシブルに変更できるよう注意書きなど が添えられているほか、状況によってさらなる楽器の置き換えがありうることも想定して構成されました。演奏はアイヴズの研究家として知られるジェイムズ・シンクレアの指 揮するオーケストラ・ニュー・イングランド。曲ごとに最適な編成が組まれ、作品への深い理解と愛情に裏打ちされた素晴らしい演奏を聴かせています。第10番までのセッ トと「劇場オーケストラのためのセット」を含む全曲録音は、今回が初めてという貴重なものです。
NAX-8.660521(2CD)
ウワディスワフ・ジェレンスキ(1837-1921):歌劇「ヤネク」 ブロンカ…マウゴジャタ・グジェゴジェヴィチ=ロデク(S)
マリンカ…アグニェシュカ・クク(S)
ヤネク…ウカシュ・ガイ(T)
スタフ…パヴェウ・トロヤク(Br)
マレク…ダリウシュ・グルスキ(Bs) 他
ルブリン・フィルハーモニー女声cho
イ・シニョーリ・メンズ・ヴォーカル・アンサンブル
ルブリンPO
ヴォイチェフ・ロデク(指)

録音:2021年10月20-22日
世界初録音
ポーランド、クラクフ出身のウワディスワフ・ジェレンスキ。プラハとパリで学び、1888年からは新設されたクラク フ音楽アカデミーの院長をつとめ、作曲家としては交響曲、歌劇から管弦楽曲、声楽曲まで多数の作品を 遺し、モニューシュコと並ぶポーランドのロマン派を代表する作曲家として活躍しました。この歌劇「ヤネク」は 強盗団のリーダー、ヤネク(英語ではジョニー)を主人公とする物語。タトラ山脈を舞台に、彼の婚約者マリン カと、強盗のスタク、そしてスタクの婚約者ブロンカの波乱に満ちた恋模様が描かれています。ジェレンスキは ポーランドの民俗音楽やタトラ地方の音楽を採り入れることで全体を魅力的な作品に仕立てあげました。張 りのある輝かしい声で題名役ヤネクを歌うのは、シマノフスキ音楽アカデミー出身のウカシュ・ガイ。40 作を超えるオペラ、オペレッタのレパートリーと持ち、ポーランドを中心に活躍するテノールです。
NAX-8.574539(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/ロヴロ・ペレティッチ
スカルラッティ: ソナタ ホ長調 K.380/L.23/P.483(1754) (C. マルキオーネによるギター編)
ソナタ ニ長調 K.178/L.162/P.392(1752) (L. ペレティッチによるギター編)
カレル・アルノルドゥス・クライファンガー(1817-1868):「魔弾の射手」の主題による序奏と変奏 Op.3(1851頃)
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117- 第1番変ホ長調(1892)(L. ペレティッチによるギター編)*
バリオス(1885-1944):マズルカ・アパショナータ(1919頃)
ドビュッシー:ボヘミア舞曲(1880)(A. クラウゼによるギター編)*
  マズルカ(1890頃)(A. クラウゼによるギター編)*
モーリス・オアナ(1913-1992):月時計 - 第1曲 らんちき騒ぎ(1981)
ヘンツェ(1926-2012):王宮の冬の音楽 - ギター・ソナタ第2番(1979)(編曲:R. エヴァース)
ロヴロ・ペレティッチ(G)

録音:2022年11月27-29日
*…編曲版世界初録音
1985年クロアチア生まれのロヴロ・ペレティッチのアルバム。ザグレブ音楽院を卒業後、ジュネーヴ音楽院で ジュディカエル・ペロワに学び、2022年に開催されたGFA国際ギターコンクールで優勝を飾りました。2023 年と2024年には全米各地とカナダで大規模なコンサート・ツアーが予定されているなど、その将来を嘱望さ れています。 このアルバムでは18世紀から現代にいたる作品をチョイス。バリオスの官能的な作品やヘンツェのソナタなどを 見事な技巧で弾き切るとともに、スカルラッティのソナタやブラームスの間奏曲では自身で編曲も行い、その
NAX-8.579131(1CD)
フランチェスコ・ドゥランテ:詩篇とマニフィカト集
1. ジョヴァンニ・サルヴァトーレ(1611-1688頃):トッカータ イ短調(ナポリ写本34.5.28、音楽院図書館)
2-4. フランチェスコ・ドゥランテ: 主は言われた(4声) 詩篇109
 われ主に感謝せん(4声) 詩篇110
 主を恐れるものは幸いなり(4声) 詩篇111
 サルヴァトーレ自然的第9旋法によるフランス風カンツォン第2番
6-8. ドゥランテ:主の僕たちよ、主をほめたたえよ(4声) 詩篇112
9. サルヴァトーレ:第1旋法によるカプリッチョ(ナポリ写本 34.5.28、音楽院図書館)
10-12. ドゥランテ:主がシオンの繁栄を回復された時(4声) 詩篇125
 主が家を建てられるのでなければ(4声) 詩篇126
 エルサレムよ、主を讃めたたえよ(4声) 詩篇147
サルヴァトーレ:第1旋法によるフランス風カンツォン第3番
14. ドゥランテ:マニフィカト (4声) ルカによる福音書第1章:46-55

2-4、6-8、10-12、14…フォンド・ノセダ、ミラノ、ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院図書館写本による(アッチャイ編)
ノヴァ・アルス・カンタンディ(ヴォーカル・アンサンブル)…2-4、6-8、10-12、14
 アレッサンドロ・カルミニャーニ(S)
 アンドレア・アッリヴァベーネ(C.A)
 ジャンルカ・フェッラリーニ(T)
 マルチェッロ・ヴァルジェット(Bs)
イヴァナ・ヴァロッティ(Org)
ジョヴァンニ・アッチャイ(指)…2-4、6-8、10-12、14

録音:2021年9月18-22日
世界初録音
18世紀のナポリにおいて、アレッサンドロ・スカルラッティの没後に数々の音楽院の院長を歴任し、ペルゴレー ジをはじめとした多くの作曲家を育てたフランチェスコ・ドゥランテ。作曲家としても高く評価され、バッハも ライプツィヒで彼の作品を上演したとされています。このアルバムに収録されているのは、ドゥランテのさまざまな 「詩篇」と、彼よりも70年ほど前に生まれ、同じくナポリで活躍した作曲家ジョヴァンニ・サルヴァトーレの独創 的なオルガン曲を組み合わせたプログラム。精緻に張り巡らされた対位法と、表現力豊かな音楽をお楽しみ いただけます。 ローマRAI室内合唱団とトリノRAI合唱団の指揮者を歴任、現在「ジュゼッペ・ヴェルディ」ミラノ音楽院の音 楽学コースの音楽古学の名誉教授を務めるジョヴァンニ・アッチャイ率いる、4名の歌手で構成されたノヴァ・ アルス・カンタンディによる演奏です。
NAX-8.574452(1CD)
サン=ジョルジュ(1745-1799):ヴァイオリン協奏曲集 第3集
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op.2No. 1(1773年出版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.2No. 2(1773年出版)
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.7No. 1(1777年出版)
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 Op.7No. 2(1777年出版)
毛利文香(Vn)
チェコ室内Oパルドビツェ
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2022年3月21日-23日
カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のサン=ジョルジュ。アフリカ系の母親の血を引いたため褐色の肌を持っ た彼は、アスリートで剣の達人であるとともに、優れたヴァイオリニスト&作曲家として18世紀後半のフランスで活 躍、「黒い肌を持つモーツァルト」の異名をとりました。彼のヴァイオリン協奏曲は14作が確認されており、その多くは 2曲づつペアで出版されています。このアルバムにもそうした2組、4曲の協奏曲が収録されており、どの曲も技巧的 なヴァイオリン独奏パートを中心として、モーツァルトを思わせる魅力的で多彩な楽想が展開します。今作で独奏 ヴァイオリンを演奏するのは、日独で活躍の場を急速に広げている毛利文香。彼女自身によるカデンツァも聴きど ころです。

   NAXOS 2023年5月発売 (2)
NAX-8.574478(1CD)
アダン:バレエ音楽『オルファ』 カリーナ・フリストヴァ(コンサートマスター、ヴァイオリン・ソロ)
ヴェセラ・トリチコヴァ(Hp)
ソフィアPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音2022年4月15日、2022年4月16日
全て世界初録音
総収録時間:89分
『ジゼル』が名高いアドルフ・アダンが書いた14作のバレエ曲、その最後から2番目の作品が『オルファ』です。シナリオは北欧神話から採られ、親子二 代にわたる神々の対立を描いたもの。ロキ(ローゲ)やオーディン(ヴォータン)が登場するストーリーは、ワーグナーの「ニーベルングの指環」や映画『マイ ティー・ソー』にも使われた、人気のある定番素材の一つです。初演では、当時大人気を誇っていたイタリアのバレエ・ダンサーで振付師ファニー・チェッ リートをタイトルロールに起用し、大ヒットを記録しました。音楽的には、いくつもの楽器に華やかなソロ・パートがあるのも特徴です。世界初録音となる この演奏は、フランス国立図書館に所蔵されたアダンの自筆総譜からコピーされた新版を用いています。オーベールやマイアベーア作品でおなじみのダ リオ・サルヴィの指揮は、ソフィアPOから華やかでスペクタルな音色を存分に引き出すとともに、各楽器の見せ場を引き立てて います。
NAX-8.574506(1CD)
イムレ・セーチェーニ(1825-1898):ピアノ作品集
1. Wiesbaden-Polka ポルカ「ヴィースバーデン」
2. Herbst-Polka ポルカ「秋」
3. La Brigantine Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「ブリガンティーヌ」
4. Bliktri-Polka ポルカ「ブリクトリ-ポルカ」
5. Datscha-Polka ポルカ「ダーチャ」
6. Valdine Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「ヴァルディーネ」
7. Zither-Polka ポルカ「ツィター」
8. Velloni-Polka ポルカ「ヴェローニ」
9. La Marguerite Mazurka マズルカ「ラ・マルゲリーテ」
10. Leopoldinen-Polka ポルカ「レオポルディーネ」
11. Tommy-Polka ポルカ「トミー」
12. Polka-Mazurka in A Minor ポルカ=マズルカ イ短調
13. Serenade in A Minor セレナード イ短調(2台ピアノ)
14. La Tulipe Mazurka マズルカ「チューリップ」
15. La Neige (Schnee) Polka ポルカ「雪」
16. Les Vagues Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「波」
17. Une polka pretentieuse ポルカ「うぬぼれ」
18. Felicetta-Polka ポルカ「フェリチェッタ」
19. L'Eventail Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「扇」
20. Georginen-Polka ポルカ「ダリア」
21. Pretchistinka-Polka ポルカ「プレチスティンカ」
22. Le Caprice-Polka ポルカ「ル・カプリース」
ジェルジ・ラーザール(P)
イシュトヴァーン・カッシャイ(P)

録音:2022年2月12日、2022年2月13日、2022年2月19日、2022年2月20日
全て世界初録音
総収録時間:78分
19世紀から20世紀のハンガリーで隆盛を誇ったセーチェーニ家。自由主義の指導的な地位に立つ人材を 多く輩出した彼らの中でも、イムレ・セーチェーニは傑出した人物でした。彼は有能な外交官で、ベルリン駐 在のオーストリア・ハンガリー大使も務め、リスト、ヨハン・シュトラウス2世、スッペ、ワルトトイフェル、ビスマルク など、当時の有力な音楽家や政治家たちと親交を結びつつ、作曲家としてシュトラウス一族を思わせる親し みやすいメロディ・ラインを持つ小品を数多く書き上げています。彼が最も得意としたのは舞曲で、マズルカ、 ポルカ、セレナードは多くの人々を魅了しました。既発アルバム(8.573807)で、彼自身がオーケストレー ションを施した様々な舞曲を聴くことができますが、ここではピアノによる22曲をお楽しみいただけます。演奏 は「セーチェーニ家のピアノ曲」(GP786)と同じくカッシャイとラーザールの2人が担当。
NAX-8.574397(1CD)
ジェルジ・リゲティ:ピアノ練習曲 全集
練習曲集 第1巻(1985)
練習曲集 第3巻(1995-2001)
練習曲集 第2巻(1988-94)
チェン・ハン(P)

録音:2022年6月3日、2022年6月4日、2022年6月5日
リゲティ後期の代表作の一つ「ピアノのための練習曲集」は、ピアノの音色表現の可能性を徹底的に探究 し、複雑なリズムと幾何学模様を思わせる音の組み合わせによって独特の世界を構築しています。当初は ドビュッシーの練習曲に倣って12曲になるはずでしたが、構想が膨らみ全18曲になりました。このアルバムに は1947年に書かれた2曲のカプリッチョも収録。ユーモラスな第1番とバルトーク風の 第2番、どちらもキャラ クターのはっきりした音楽です。 演奏は1992年生まれのチェン・ハン。2013年の中国国際ピアノ・コンクー ルで第1位を獲得、以降超絶技巧の持ち主としてアデス(8.574109)、リスト(8.573415)、ルビンシテイ ン(8.573989)他、様々な作品のアルバムを発表。注目を高めています。
NAX-8.579129(1CD)
韓国女性作曲家によるアート・ソング集
1. イム・キュンシン(1969-):You, My Courage あなたは私の勇気(2017)*
2. イム・キュンシン:Letter of Autumn Rain 秋の雨の手紙(2019)
3. イム・キュンシン:To You あなたに(2017)*
4. イ・ナムリム(1959-):Night 夜(2021)*
5. イ・ボクナム(1965-):Poet Dong-Ju Yoon ユン・ドンジュの詩(2016)
6. イ・ヘソン(1961-):Prayer No.5, "Love Is" 祈り第5番「愛とは」
(2021)*
7. アン・カロリーネ・キョンア(1975-):My Little One マイ・リトル・ワン(2020)*
8. キム・ジヨン(1969-):Star Cultivating Child 星を耕す子供(2004)*
9. イム・キュンシン:If You Would Come もしあなたが来たら(2021)
10. キム・ジヨン:Because You Are Here あなたがここにいるから(2021)*
11. カン・ジョンヒ(1976-):You and I あなたと私(2021)*
12. カン・ジョンヒ:Spring Rain 春の雨(2020年、声とピアノ版) (2020)*
13. カン・ジョンヒ:Two Ways2つの道(2016)
14. イム・キュンシン:Lake of My Beloved 私の恋人の湖(2018)*
15. キム・ミラン(1976):Nil ri ri ya(2016)*
16. キム・ミラン:Gyeongbokgung Palace Taryung 景福宮の歌(2021)*
17. イ・ナムリム:アリラン(2022)*
チョ・ギョン(S)…1-3、6-8、11-14、17
チョ・ウォン(Bs)…1、4-6、9-11、14-17
パク・ウンヒ(P)

録音:2021年11月、12月、2022年1月
*…世界初録音
日本ではあまり耳にすることのない韓国の歌曲集。この国でも声楽への愛は深く、Ga-Gok または‘Art Song’と呼ばれる一連の歌曲は国の激動の歴史を通じて存在感を維持してきました。このアルバムには現 代の韓国を代表する女性作曲家たちの独唱と二重唱曲を収録。どの曲も新鮮な音の使い方を聴かせな がらも、基本的には調性を用いた耳なじみのよいものとなっています。言葉の柔らかい響きを活かした歌の 数々をお楽しみください。とりわけ最後に収録された「アリラン」は圧巻の仕上がりです。
NAX-8.574411(1CD)

NYCX-10400(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ジョゼ・アントニオ・レセンデ・ジ・アルメイダ・プラド(1943-2010):作品集
詩人カルロス・マリア・ジ・アラウジョへのささやかなる葬送歌(1969)
クラリッサ・カブラル(Ms)
サバ・テイシェイラ(Bs-Br)
サンパウロSO&cho
ニール・トムソン(指)

録音:2022年2月14-16日、2022年11月10-11日
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作 品をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 このアルバムに登場するアルメイダ・プラドは、20世紀後半から21世紀初頭にかけてブラジルで活躍した作曲家。 カマルゴ・グァルニエリから音楽を学んだプラドは、やがてシュトックハウゼンやブーレーズ、リゲティの作品に興味を持ち、奨学 金を得てパリに留学。ナディア・ブーランジェに教えを請うとともに、メシアンの神秘主義からも影響を受け、自国のブラジル音 楽にこれらのエッセンスを融合させ、ピアノ曲集『カルタス・セレステス=天体の図表』などに見られる独自の作風を確立しま した。このアルバムに収録されている2つの作品は、作曲年代がほぼ20年離れており、彼の異なるスタイルが反映されていま す。初期の作品「詩人カルロス・マリア・ジ・アラウジョへのささやかなる葬送歌」は若くして命を落とした詩人に捧げる嘆きの 調べ。合唱とパーカッションが効果的に用いられたオーケストラのための作品です。対してカンピーナス市立SO設立 10周年のために書かれた「オリシャたちの交響曲」はブラジルの伝統的宗教と儀式、大いなる自然への賛美が描かれてお り、緻密なオーケストレーションと沸き立つようなリズム使用が際立つ作品です。深い森を思わせる神秘的な音色あり、原 始的・異教的なリズムとサウンドの炸裂ありで、「春の祭典」のブラジル版と呼べるかもしれません。
※ 国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語訳解説が付属します。

   NAXOS 2023年5月発売
NAX-8.559930(1CD)
コリリアーノ:ピアノ作品全集
ピアノ協奏曲(1968)
オスティナートによる幻想曲(1985)
ポールのための前奏曲(2021)
幻想的練習曲(1976)
Winging It (2008)
フィリップ・エドワード・フィッシャー(P)
オールバニSO
ディヴィッド・アラン・ミラー(指)

録音:2019年6月2日、2021年1月21-22日、2022年8月15日
歌劇「ヴェルサイユの幽霊」や映画『レッド・バイオリン』の音楽などを手掛けたアメリカの作曲家ジョン・コリリアーノがこれまでに書いたソロ・ピアノ曲のす べてと、ピアノ協奏曲を収録したCD。1968年作曲の「ピアノ協奏曲」は基本的に無調が用いられた4楽章形式の曲。疾走する第1楽章、軽やかな 第2楽章のスケルツォ、抒情的な第3楽章、印象的なフーガで始まる終楽章と聴きどころ満載です。1986年に開催された"第7回ヴァン・クライバーン 国際ピアノコンクール"の課題曲として書かれた「オスティナートによる幻想曲」は、演奏家のミニマリストとしての資質を試すもの。執拗な音の繰り返し が特長です。コリリアーノの友人でバイオテクノロジーの専門家、アマチュア・ピアニストであるPaul Sekhriのために書かれた前奏曲では、ラフマニノフ作 品からの引用も聴くことができます。他には、左手のための練習曲を含む技巧的な「幻想的練習曲」、自身の即興演奏を元にした「Winging It」を 収録。演奏はヘンデルからロシア音楽まで幅広いレパートリーを持つイギリス出身のピアニスト、フィリップ・エドワード・フィッシャーです。
NAX-8.574391(1CD)
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 第8集
ピアノ三重奏曲第6番ヘ長調 Hob.XV:6(1784)
ピアノ三重奏曲第13番ハ短調 Hob.XV:13(1788-89)
ピアノ三重奏曲第5番ト長調 Hob.XV:5(1784頃)
ピアノ三重奏曲第7番ニ長調Hob.XV:7(1785)
ディヴェルティメント ハ長調  Hob.XIV:C1(1766頃)
アクィナス・ピアノ三重奏団【ルース・ロジャース(Vn)、キャスリーン・ジェンキンソン(Vc)、マーティン・カズン(P)】

録音:2022年4月12日、2022年4月13日
2008年から継続するNAXOSのハイドン「ピアノ三重奏曲」シリーズ第8集。演奏はシリーズ第5集から引き 続きアクィナス・ピアノ三重奏団が担当しています。このアルバムには、1780年以降の円熟期に書かれた作 品と、1766年に書かれた規模の小さいディヴェルティメントを収録。この時代にウィーンで出版されたピアノ 三重奏曲のほとんどは、貴族階級の女性たちのための作品と考えられており、彼女たちが自宅で楽しむこと を主として書かれていたようです。第6番はウィーンのアルタリア社から出版された作品。2つの楽章で構成さ れていますが、簡潔な第1楽章に比べ、第2楽章はテンポがゆったりとした長大なメヌエットになっています。 第13番ハ短調は第1楽章が2つの主題を持つ変奏曲形式で書かれており、第2楽章は意表を突く転調と 長大なコーダを備えた充実した構成を持っています。第5番はヴァイオリンと鍵盤楽器のための二重奏曲が 原曲で、チェロ・パートは後に別人の手で加えられたとされています。第7番はソナタ形式を用いずに書かれ、 様々な工夫が凝らされています。
NAX-8.574458(1CD)
ツェルニー:ピアノ・コンチェルティーノ集
ピアノ・コンチェルティーノ ハ長調 Op.78(1824)
ブランギーニのロマンスによる幻想曲と華麗な変奏曲 Op.3(1819) (Pと管弦楽のためのオリジナル・バージョン)
ピアノ・コンチェルティーノ ハ長調 Op.650(1841)
ローズマリー・タック(P)
イギリス室内O
リチャード・ボニング(指)

録音:2022年3月15-17日
全て世界初録音
現在ではピアノ練習曲の作曲家として知られるカール・ツェルニーは、ベートーヴェン、クレメンティ、フンメルの 弟子で、リストの師。19世紀のウィーンにおいてファッショナブルな作品で高い人気を誇り、数多くの練習曲 で新しいピアノ演奏の技術を開発することで名声を得ていました。このアルバムには世界初録音となる3つの 作品が収録されています。1824年のピアノ・コンチェルティーノはディアベリ社から出版された明るく軽快な作 品です。第1楽章の上昇する音階はいかにも練習曲風ですが、第2楽章はモーツァルトの第21番の協奏 曲の緩徐楽章を思わせる美しい旋律に満たされており、ポロネーズのリズムが楽しい第3楽章で締めくくられ ます。1819年に書かれた「ブランギーニのロマンスによる幻想曲と華麗な変奏曲」は激しいニ短調の序奏で はじまり、すぐに穏やかな主題が登場、長調と短調を行ったりきたりしながら様々な装飾を施され展開してい きます。 Op.650のコンチェルティーノは、この形式による最後の作品。単一楽章の中に序奏とロンドが組み込まれ ています。ピアノの超絶技巧も至るところに盛り込まれた華やかな作品です。
NAX-8.574496(1CD)
パーヴェル・チェスノコフ(1877-1944):宗教的合唱曲集
1. Cherubic Hymn Op.7No.1(1897)
2. Spaseniye sodelal(Salvation is Created) Op.25No.5(1909-10)
3. Angel vopiyashe (The Angel Cried Out) Op.22No.18(1909)
4. O Tebe raduyetsia (All of Creation Rejoices) Op.15No.
11(1908)
5-14. All-Night Vigil 徹夜祷 Op.44(1912)
ジェシカ・キニー(S)
ナタリー・マニング(A)
トム・バトラー(Br)
セント・ジョンズ・ヴォイセス(合唱)
ケンブリッジ大学室内cho
グラハム・ウォーカー(指)

録音:2022年3月25日、2022年3月26日、2022年3月27日
ラフマニノフと同世代でロシア正教聖歌の伝統を継承する作曲家チェスノコフの作品集。モスクワで労働者 階級の家庭に生まれたチェスノコフは5歳で合唱団で歌い始め、後にタネーエフやイッポリトフ=イワノフらに 師事して作曲を学びます。合唱指揮者、教師としても優れた技量を発揮し、モスクワ音楽院で後進の指導 にあたりました。2つの「徹夜祷」を含む500以上の作品があり、ここではその中から2作目の「徹夜祷」他を 収録。いずれもソ連による宗教音楽抑圧を経験する前の帝政時代の作品で、チャイコフスキーやラフマニノ フの合唱曲に聞かれる、敬虔かつロマンティックで壮大な音響世界が広がっています。
NAX-8.551474(1CD)
ディーテル・アマン(1962-):Core - Turn - Boost/unbalanced instability
1. unbalanced instability ? ヴァイオリンと室内オーケストラのために(2013
2. Core - オーケストラのために(2002)
3. Turn - オーケストラのために(2010)
4. Boost - オーケストラのために(2000/2001改訂)
シモーネ・ツグラッゲン(Vn)
バーゼル・シンフォニエッタ
バルドゥア・ブレニマン(指)

録音:2022年5月26日(ライヴ)
フリー・ジャズと即興演奏で活躍したスイスの異色作曲家ディーテル・アマンの60歳を記念したアルバム。アマ ンは1980年代初頭からフリー・ジャズ・バンド「Donkey Kong's Multi Scream」でベース、トランペット、 キーボードを演奏し、国際的なフェスティヴァルで演奏しています。同時にバーゼルの音楽アカデミーで音楽 理論と作曲を学び、ヴォルフガング・リームとヴィトルト・ルトスワフスキのマスタークラスを受講。現代音楽の作 曲家としても一目置かれるようになりました。 このアルバムにはヴァイオリン協奏曲として書かれた 「unbalanced instability」と、オーケストラのための三部作 「Core」「Turn」「Boost」を収録。「Core」 と「Turn」はルツェルン音楽祭の委嘱作で、「Turn」の初演を指揮したピエール・ブーレーズは「自発性を最 高水準の芸術性にまで考え抜くというパラドックス」を達成していると称賛しました。「Boost」はジョナサン・ ノット指揮のルツェルンSOが初演しています。

   NAXOS 2023年4月発売(3)
NAX-8.559927(1CD)
ジョナサン・レシュノフ(1973-):作品集
エレジー(2022)
ヴァイオリン協奏曲第2番(2017)
Of Thee I Sing(2020)
ノア・ベンディックス=バルグリー(Vn)
カンタベリー・ヴォイシズ
オクラホマ・シティ・フィルハーモニック
アレクサンダー・ミッケルスウェイト(指)

録音:全てライヴ
2022年3月22日
2022年3月4-5日
2020年1月31日、2月1日
全て世界初録音
グラミー賞にもノミネートされ、ニューヨーク・タイムズ紙で「現代アメリカのリリシズムを牽引する人」と評された作曲家ジョナサン・レシュノフ。NAXOSレーベルへ の5枚目となるこのアルバムには「思い出」「追憶」「希望」をテーマとした世界初録音となる3作が収録されています。ホロコーストの被害者を偲んで2022年 に書かれた「エレジー」は「バーバーのアダージョ」を思わせる哀しみに溢れた抒情的で美しい曲。2017年のヴァイオリン協奏曲は、彼が長年にわたり追求し ているユダヤ神秘主義の影響が反映された第2楽章を中心に、ユーモラスな表情を持つスケルツォなどの4つの楽章が密接に絡み合ったドラマティックな作品 です。合唱を伴う「Of Thee I Sing」は1995年に発生した"オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件"から25年を経てのメモリアルとして書かれた作品。脈 打つような弦のさざめきに始まり、後半では合唱がサミュエル・フランシス・スミスの作詞による「My Country, 'Tis of Thee」を高らかに歌い、最後は瞑想 的に曲を閉じます。 ヴァイオリン協奏曲でソリストを務めるのはベルリン・フィルの第1コンサートマスター、ノア・ベンディックス=バルグリー。ソリストとしても世界中のオーケストラと共 演するほか、教育者としても活躍しています。
NAX-8.574369(1CD)
ヴィチェスラフ・ノヴァーク(1870-1949):管弦楽作品集 第2集
スロヴァツカ組曲(モラヴィア-スラヴ組曲) Op. 32(1903管弦楽版)
2つのヴァラシュスコ舞曲 Op.34(1904)(1906管弦楽版)…世界初録音
深き淵〜Op.67(1941)
パヴェル・スヴォポダ(Org)
ヤナーチェクPO
マレク・シュティレツ(指)

録音:2021年3月16-17日、2021年3月22-23日
19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したチェコの作曲家ヴィチェスラフ・ノヴァーク。このアルバムには彼の 最も人気の高い作品2作が収録されています。 まず、ピアノ曲を原曲とする、スロヴァキアの村で一日を過ごす恋人たちの情景を描いた「スロヴァッカ(モラヴィア-ス ラヴ)組曲」。ここではのどかな旋律とスロヴァキア民謡が融合した色彩豊かな音楽を楽しめます。 「2つのヴァラシュスコ舞曲」。1897年にノヴァークとヤナーチェクがピアノで演奏した4手ピアノ用の作品で、ピアノ独 奏用に編曲された後、オーケストレーションが行われました。こちらのオーケストラ版は演奏されることなく忘れられて しまい、今回初めて録音されたものです。 最後に置かれた「深き淵より」は第二次世界大戦の、ナチス占領下における暗い世情の中で書かれた作品で、オ ルガンが重要な役割を受け持ち、最後は勝利を表すかのように勇壮華麗に曲を閉じます。
NAX-8.574392(1CD)
ローラン・プティジラール(1950-):バレエ音楽『西遊記』(2019-20) ハンガリーSO
ローラン・プティジラール(指)

録音:2021年10月21-24日Studio22ブダペスト(ハンガリー)
歌劇「エレファント・マン」やバレエ音楽『星の王子さま』などの作品で多くの賞を受賞したフランスの作曲家ローラ ン・プティジラール。今作で彼がテーマにしたのは日本でもおなじみの物語『西遊記』です。唐の時代に中国から釈 迦の国インドに渡り、仏教の経典を持ち帰った玄奘三蔵の苦難の旅を元にした冒険活劇は、16歳のプティジラー ルが兄から本をプレゼントされすっかり魅了されたもの。それから50年以上の時を経てようやく音楽化されたという 力作で、ここにはもちろん孫悟空、猪八戒、沙悟浄の3キャラクターも登場します。全体は基本的に無調で、中 国的な音階などは用いられていませんが、キャラクターの特徴が生かされた物語に追随した音楽は、舞台を見なく ても存分に楽しめることでしょう。 プティジラール自身の指揮によりハンガリーSOが表情豊かな演奏を繰り広げます。
NAX-8.574427(1CD)
ルビンシテイン:ピアノ作品集
自由な形式による6つの前奏曲とフーガ Op.53(1857)
3つの小品 Op.71(1867)
演奏会用練習曲 ハ長調 「間違った音で」(1868)
マーティン・カズン(P)

録音:2022年1月6-7日
ピアニストとして高い名声を誇るとともに、交響曲、歌劇から協奏曲を含む数多くのピアノ曲などを書き上げ、人気作曲家として世界中にその名を轟かせた ロシア出身の作曲家ルビンシテイン。このアルバムでは1857年に作曲された「6つの前奏曲とフーガ」と、1867年の「3つの小品」を収録。前奏曲と フーガは、各々の曲が当時の名奏者や作曲家に捧げられており、曲には彼らの性格がほのめかされています。抒情的な前奏曲に導かれたフーガは、厳格 な対位法が用いられていながらも、歌うような旋律が散りばめられたロマンティックさも持ち合わせています。「3つの小品」はサロン風の音楽。「間違った音で」 と題された練習曲は、ミスタッチを思わせる音が面白い作品です。 マーティン・カズンはルビンシテインの「6つの前奏曲と練習曲」(8.574426)で高く評価されたピアニスト。このアルバムでも技巧的なパッセージを弾きこなすと ともに、ルビンシテインの美しい旋律を歌い上げています。
NAX-8.574555(1CD)
ピアノバッソ コントラバスとピアノで奏でる名曲集
サティ:ジムノペディ 第1番
バッハ:シチリアーノ
ドビュッシー:夢
ショパン:夜想曲第20番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 - 第2楽章
バッハ:マタイ受難曲 - 憐れみ給え、わが神よ
シューベルト:アヴェ・マリア
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 ? 間奏曲
ペッテション=ベリエル:気分
アルヴェーン:夕べ
※全てトーマス・グスタフソンによるピアノとコントラバス編
ピアノバッソ【トーマス・グスタフソン(P)、アンドレアス・グスタフソン(Cb)】
スウェーデンの二人組による、ピアノとコントラバスという異色の組み合わせが奏でる夢のように美しいクロスオーバー音楽。全ての曲のアレンジはピアニストの トーマス・グスタフソンの手によるものです。過去の名作に即興的なフレーズを加えたアレンジが心地よく、粒立ちのよいピアノの響きを支えるコントラバスは、 時にはジャズ風のリズムを刻みながらそっと音楽に寄り添います。アルヴェーンやペッテション=ベリエルといった北欧ならではの作品が含まれているところも聴き どころです。
NAX-8.574095

NYCX-10392(1CD)
国内盤仕様
税込定価
リスト:ピアノ作品全集 第60集 シューベルト歌曲編曲集 第3集
シューベルトの12の歌(1840)〜第1曲 セレナード S559a(第1稿)
シューベルトの12の歌 S558/R243(1837-38)より
第6曲 若い尼僧
第10曲 休みなき愛
シューベルトの12の歌 S558bis(1876頃?79)より
第3曲 君はわが憩い(G.フィリペツ版)
第4曲 魔王(G.フィリペツ版)
第7曲 春のおもい
第8曲 糸を紡ぐグレートヒェン(L.ハワード版)
第9曲 シェイクスピアのセレナード
第11曲 さすらい人
リスト:6つのシューベルトの歌曲 S563/R248(1844)より
第1曲 告別
第2曲 乙女の嘆き
第3曲 葬列の鐘
第6曲 ます
第6曲 ます(異稿)
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2019年5月28-29日、2021年11月22日

※ 国内仕様盤には内藤 晃氏による日本語訳解説が付属
脈々と続くNAXOSのリスト:ピアノ作品全集。記念すべき第60巻はシューベルト歌曲の編曲集で、異稿・異版をまじえた内容になっています。リストは シューベルトの歌曲を敬愛し、歌のパートとピアノ伴奏のパートを1台のピアノ用に編曲して自ら演奏しました。それはピアノ曲としての効果を意図したもの で、多くの場合、元になったシューベルトの歌曲よりも「リストのピアノ曲」としての面が強く出ています。演奏は難しく、特に歌の旋律を効果的に浮かびがらせ ねばなりません。演奏者のゴラン・フィリペツは『リスト:パガニーニ練習曲』(国内仕様盤 NYCX-10139/輸入盤8.573458)と『リスト:ハンガリー幻想 曲』(NYCX-10188国内仕様盤/8.573866輸入盤)で、ブダペスト・リスト協会の“Grand Prix International du Disque”を受賞した名手。目 覚ましいテクニックで難関をクリアしてゆきます。更に、全曲に渡って三連符の激しい打鍵が続く「魔王」で低音に新たな音を加えるなど、曲によって自らのア レンジも加えて一層華やかな仕上がりとしています。「糸をつむぐグレートヒェン」はリストの研究者で全曲録音でも知られるレスリー・ハワードが編集した版を 用いての演奏。「ます」の編曲にはいくつかの異稿が存在しますが、ここではよく演奏される1844年の初稿版S.563と、リスト自身によるOssia(選択可能 な別バージョン)で演奏した2ヴァージョンが収録されています。多くの点で興味がひかれる1枚です。

   NAXOS 2023年4月発売(2)
NAX-8.574246(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギターのためのグリーティング・カード(1954-67) アンドレア・デ・ヴィティス(G)

録音:2022年4月17-19日
イタリアの作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコは、1953年から1967年にかけて52曲の器楽あるいはアンサンブルのための作品を書き、これらを「グリーティン グ・カード」と名づけました。このうち21曲は、彼がアンドレス・セゴビアを初めて聴いて以来、ずっと魅了されていたギターのために書かれています。このアルバム にはその21曲を収録。各々の曲はカステルヌオーヴォ=テデスコが尊敬する作曲家や演奏家、そして彼の友人たちが音で描かれており、献呈相手の国籍に ちなんだリズムが用いられるなど工夫が凝らされた親密な音楽となっています。また作曲家自身が「アルファベット・ピース」と表現したように、音とアルファベット を組み合わせた半音階的な旋律を主題に用いるといった意欲的な作風も見てとれます。 演奏するアンドレア・デ・ヴィティスは1985年イタリア生まれの気鋭のギタリスト。GFA国際ギター・コンクールなど多くの国際コンクールでの入賞経験を持ち、 活発なコンサート活動を行っています。NAXOSには2枚のタンスマン:独奏ギター全集(8.573983/8.573984)の録音があり、どちらも高く評価されてい ます。
NAX-8.559896(1CD)
21世紀の管弦楽と室内楽作品集
リー・シューイン(1989-):The Last Hive Mind (2019)
ジェス・ラングストン・ターナー(1983-):Burning Music バーニング・ミュージック(2010)
ケン・ステーン(1958-):D?PO FLUX(2014)*
ギルダ・ライオンズ(1975-):la flor mas linda 最も美しい花(2018)*
ロバート・カール(1954-):Open/Empty オープン/エンプティ(2014)*
ジョゼフ・トゥリン(1947-):Equinox イクイノックス(ナレーション付き2020年版)
ロバート H.デイヴィス(ナレーター)
アンマリー・ケリー・デイヴィス(ナレーター)
ハート・スクール・フット・イン・ザ・ドアー・アンサンブル
グレン・アドシット(指)
エドワード・カミング(指)*
「フット・イン・ザ・ドアー(FITD)」はハートフォード大学ハート音楽院の同時代音楽のためのアンサンブル。アンサン ブル名はアメリカの実業家アルフレッド・フラーの自伝のタイトルから採られており、「フット・イン・ザ・ドアー=ドアに足 を踏み入れる」をモットーにしています。彼らは2015年、レイキャビクで開催された"Dark Music Days Festival"に招待され演奏を披露するなど、国際的に活躍しています。 このアルバムに登場する作曲家は全てハート音楽院の卒業生や教授、元教授たちで、どの曲もこのアンサンブルの ために書かれたものです。英国のテレビシリーズ"ブラック・ミラー"にインスパイアされたリー・シューインの「The Last Hive Mind」、様々な火の形を探求したというラングストン・ターナーの「Burning Music」、2015年のレイキャビ クで演奏されたステーンの「D?PO FLUX」、2018年に起きたニカラグアの抗議デモに触発されたライオンズの「la flor mas linda」、呼吸のプロセスから着想を得たというカールの「Open/Empty」、春の目覚めと新生活を表 現した、アルバムタイトルでもあるトゥリンの「Equinox=春分」とどれも独創的な内容を持つ作品が並びます。

   NAXOS 2023年4月発売(1)
NAX-8.574528(1CD)

NYCX-10386(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
パガニーニの主題による狂詩曲
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
ボリス・ギルトブルグ(P)
ブリュッセルPO
ヴァシリー・シナイスキー(指)

録音:2022年8月29日、2022年8月30、31日、2022年8月31日、9月1日
ボリス・ギルトブルグによるラフマニノフのピアノ協奏曲全集が完結。 収録されたのはピアノ協奏曲第1番と第4番、そして人気の高い「パガニーニの主題による狂詩曲」の3曲。ギルトブルグは7歳か8歳の時に初めて第1番を 聴いて以来、愛着を感じていて「こんなに美しいメロディに満ちた曲がいま一つ人気が無いのは理解できない」というコメントから始めて、この曲の魅力と聞き どころを熱く仔細に原盤解説に綴っており、満を持しての録音にかける意気込みが感じられます。第4番とパガニーニ狂詩曲についてもギルトブルグは洞察に 富んだ解説を寄せていますが、何よりも彼の切れ味の良いピアニズムがこれら3曲の作品のドラマティックな構成を鮮やかに伝えるものとなっている点が当ディ スクの一番の魅力です。 第2番と第3番でのカルロス・ミゲル・プリエト指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管に代わり、今回はロシア音楽に素晴らしい解釈を示すヴァシリー・シナイ スキがブリュッセル・フィルを指揮してバックを務めています。
※日本仕様盤にはギルトブルグ自身による原盤解説の日本語訳解説が付属します。

   NAXOS 2023年3月発売(2)
NAX-8.574480(1CD)
ヴィエルヌ:ピアノ作品全集 第2集
12の前奏曲 OP.36(1914-15)
Solitude 孤独 Op.44(1918)
ピアノのための小品 Op.49
舞踏の調べ(1910)
舞踏の調べ(1911-12頃)
 No.2. Le vieux berger年老いた羊飼い
 No.3. Les esprits de la nuit 夜の精霊
セルジオ・モンテイロ(P)

録音:2022年5月15日、2022年5月16日
荘厳なオルガン作品で知られるルイ・ヴィエルヌのピアノ作品全集。シリーズ第2集では、第1次世界大戦が勃発した1914年にヴィエルヌが作曲を開 始した「12の前奏曲」を中心に様々な曲を聴くことができます。 「12の前奏曲」は各々の曲に象徴的なタイトルが付されており、その多くはロマンティックなものですが、激しさを増す戦時状況や、当時悪化した緑内 障の治療を受けたことなど心身ともに疲れていた彼の心情を反映してか、悲観的なタイトルが多く曲調も暗めになっています。次の「孤独」は1918年 の作品。弟でオルガニストだったルネと長男ジャックを戦争で失くした彼の絶望が表れた悲しい曲調が印象的です。他は「ツァラトゥストラはかく語りき」 と題された死後出版の「ピアノのための小品 Op.49」やノスタルジックな「舞踏のエール」などを収録。第1集と同じくブラジル出身のピアニスト、セルジ オ・モンテイロの演奏で。
NAX-8.555880(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第15集
フィリップ・レイン(1950-):作品集

London Salute ロンドン・サリュート(1982)
パガニーニの主題による気晴らし(1989)
コッツウォルド舞曲集(1973)
ディヴェルティメント(1994)(クラリネット、弦楽とハープ版 2000年)
3つのクリスマスの絵(1980年代)
海の序曲(1982)
3つの航海の小品(1980-2000)
プレストバリー・パーク(1975)(管弦楽版 1978年)
ヴェリティ・バトラー(Cl)
ロイヤル・バレエ・シンフォニア
ギャビン・サザーランド(指)

録音:2001年2月19-21日
ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン(UK)
※MARCO POLO8.225185のレーベル移行盤
英国の作曲家・音楽学者フィリップ・レーンの作品集。幼い頃から作曲をはじめ、その作品は学生時代から オーケストラで演奏されるなど注目を集めていました。彼は作曲家としても知られる第14代バーナーズ卿 (1883-1950)の研究家としても知られ、バーナーズ卿の作品全ての録音を監修し、最終的にはバーナー ズ家の財産の管財人になったほどでした。また映画音楽の再構築も手掛け、失われたサウンドトラックの復 元にも尽力しました。彼自身の作品も、どれも豊かなオーケストラの響きを重視した華麗なもので、現在でも 多くの人々に愛されています。 このアルバムには彼の代表作を収録。BBCの60周年を記念して書かれた「ロンドン・サリュート」やもともとは 金管五重奏のために書かれた「パガニーニの旋律による気晴らし」、彼の幼い頃の思い出を反映した「コッツ ウォルド舞曲集」、自身の作品を引用した「ディヴェルティメント」、そして人気の高い「スレイベル・セレナード」 など聴きごたえのある作品が並びます。2008年から2022年までイングリッシュ・ナショナル・バレエの音楽監 督をつとめたヴェテラン、ギャビン・サザーランドの2001年の演奏です。
NAX-8.574240(1CD)
カルロ・ドメニコーニ(1947-):ギター独奏のためのおとぎ話「シンドバッド」
ギター独奏のためのおとぎ話「シンドバッド」 Op.49
1. Cycle I:No.1. Bagdad (Baghdad)
2. Cycle I:No.2. Sindbad
3. Cycle I:No.3. Sindbads Reise (Sindbad's Journey)
4. Cycle I:No.4. Der Kampf mit den Wellen (The Battle with the Waves)
5. Cycle I:No.5. Das Ei des Vogels Ruch (The Bird's Egg)
6. Cycle I:No.6. Diamantenfischer im Schlangental
  (Diamond Fishers in the Valley of Snakes)
7. Cycle I:No.7. Gluckliche Reise (Homeward Bound)
8. Cycle II:No.1. Der Sturm (The Storm)
9. Cycle II:No.2. Das rettende Holz (The Rescuing Driftwood)
10. Cycle II:No.3. Sindbads Verzweiflung (Sindbad's Despair)
11. Cycle II:No.4. Die kleinen Mannchen und der Riese (The Little Men and the Giant)
12. Cycle II:No.5. Die Flucht (The Escape)
13. Cycle II:No.6. Heirat mit der Prinzessin (The Wedding with the Princess)
14. Cycle II:No.7. Zwangsbegrabnis (Buried Alive)
15. Cycle III:No.1. Reise nach Indien (Journey to India)
16. Cycle III:No.2. Der unterirdische Fluss (The Underground River)
17. Cycle III:No.3. Am Grab der Geisterkonige (At the Tomb of the Spirit King)
18. Cycle III:No.4. Der Flug (The Flight)
19. Cycle III:No.5. Sindbads Verklarung (Sindbad's Transfiguration)
20. Cycle III:No.6. Serendip (Serendipity)
21. Cycle III:No.7. Ruckkehr nach Bagdad (Return to Baghdad)
シェリル・レフィク・カヤ(G)

録音:2022年5月8-9日St. Paul's Anglican Church,
Newmarket、オンタリオ(カナダ)
全て世界初録音
「コユンババ」の作曲者として知られるカルロ・ドメニコーニの長編大作が登場。その名も『シンドバッド』。イタリ アで生まれドイツに学んだドメニコーニは、3年間滞在したトルコで東洋文化の大きな影響を受けました。ここ では有名な船乗りシンドバッドのストーリーを、ペルシャの音階や中東の楽器ウードを模した音などを随所に 織り込み、異国情緒豊かな組曲に仕立てています。『シェエラザード』のギター版と呼ぶこともできそうな出来 栄え。トルコ系アメリカのギタリスト、レフィク・カヤが、2018年に発表したアルバム(8.573675)に続き卓越 した技巧と音楽性を披露しています。
NAX-8.574464(1CD)
レーラ・アウエルバッハ(1973-):24の前奏曲 - ヴァイオリンとピアノのために(1999) クリスティン・ベルンシュテッド(Vn)
ラメズ・マーンナ(P)

録音:2022年4月16-17日、6月25-26日、7月30-31日
ロシアのピアニスト・作曲家レーラ・アウエルバッハ。2002年に自作の『ヴァイオリンとピアノ、管弦楽のための 組曲』の演奏でカーネギー・ホールにデビュー(Vnはギドン・クレーメル)し注目を浴び、以降精力的な 活動を行っています。アウエルバッハはこれまでに「24の前奏曲」を3組作曲しており、どれもショパンの前奏曲 に倣って12音全ての長調、短調を用いて書かれています。この「ヴァイオリンとピアノのための前奏曲」は 1999年の作品。ヴァイオリニストのヴァディム・グルズマン、ピアニストのアンジェラ・ヨッフェに捧げられており、明 瞭なコントラストを持つ凝縮した小品で構成されています。時には調性感が希薄になることもあるものの、 バッハからショパンそしてショスタコーヴィチへと受け継がれた伝統を大切にした色彩豊かな音楽です。ヴァイオ リンを演奏するのは1994年デンマーク生まれのクリスティン・ベルンシュテッド。2021年にカトヴィツェで開催さ れた「ミェチスワフ・ヴァインベルク国際コンクール」に入賞後、ポーランド系の作品の紹介に努めています。
NAX-8.574495(1CD)
レオーネ・シニガーリャ(1868-1944):弦楽四重奏曲全集 第2集
ロマンス Op.3(1889) - 弦楽四重奏とホルンのために*
アヴェ・マリア(1888) - 弦楽四重奏曲のための
アレグロ・エネルジコ(作曲年不明)
弦楽四重奏曲のためのガヴォッタ(1888)
ノヴェレッタ(作曲年不明)
モデラート・モッソ(作曲年不明)
スケルツォ ニ長調(1888)
アダージョ(作曲年不明)
モメント・アンティコ(弦楽四重奏版)(1888)
弦楽三重奏曲 イ長調(1889)
トリオ=セレナータ(セレナード) Op. 33(1906)
ヴァヴジニェツ・シマンスキ(Hrn)
アルコス四重奏団

録音:2021年7月
*以外=世界初録音
イタリア、トリノ出身の作曲家・登山家シニガーリャの弦楽四重奏曲集。ユダヤ系であったため、ナチス・ドイツ に弾圧され悲劇的な死を迎えたシニガーリャですが、その作品はどれも彼が愛した山々のような清々しい美 しさを誇っています。第1集(8.574183)に続くこの第2集には弦楽四重奏のために書かれた小品を中心に 収録しています。彼はヴァイオリニスト、ジョヴァンニ・ボルツォーニの弟子であり、弦楽器の扱いのうまさは師匠 譲りのものでした。このアルバムでは主として1888年から89年に書かれた初期の作品を聴くことができます が、いくつかの作品は作曲年不明となっています。ホルンをフィーチャーした「ロマンス」や、シンプルでありながら 半音階的なハーモニーが印象的な「アヴェ・マリア」など、イタリアのオペラ・アリアを思わせる抒情あふれる旋律 が心に残ります。また1906年の作品で、バロックの様式を感じさせる「トリオ=セレナータ」も聴きどころです。
※こちらのCDは長時間の収録になっているため、一部のプレイヤー では正常に再生できない可能性がございます。予めご了承ください。
NAX-8.574409(1CD)


NYCX-10384(1CD)
国内盤仕様
税込定価
カルロス・ゴメス(1836-1896):オペラ序曲と前奏曲全集
歌劇「Il Guarany グアラニー族の男」(1870) - 序曲
歌劇「Maria Tudor メアリー・テューダー」(1878) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Condor コンドル」(1890) - 第1幕 前奏曲
歌劇「コンドル」 - 第3幕 夜想曲
歌劇「Fosca フォスカ」(1873) - 序曲
歌劇「Joana de Flandres」(1862) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Salvator Rosa サルヴァトール・ローザ」(1874) - 序曲
歌劇「A noite do castelo 城の夜」(1861) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Lo schiavo 奴隷」(1889) - 第1幕 前奏曲
歌劇「奴隷」 - 第4幕 前奏曲「夜明け」
ミナス・ジェライスPO
ファビオ・メケッティ(指)

録音:2022年2月20-24日
今作はヨーロッパで成功を収めたブラジル人作曲家の草分け的存在、カルロス・ゴメスの作品です。リオデジャネイロ音楽院でイタリア人作曲家ジョアッキー ノ・ジャンニに学び、卒業後すぐの1861年に最初の歌劇「城の夜」を上演。その2年後には2作目の「Joana de Flandres」でも人気を獲得。この2作の 成功により当時の皇帝ドン・ペドロ2世から奨学金を授与され、1864年にイタリアへ留学してミラノ音楽院でラウロ・ロッシに学びます。1870年にはブラジル の先住民の物語を題材にした「グワラニー族の男」をスカラ座で初演し、ロッシーニやヴェルディと比肩されるほどの評判となりました。その後はブラジルとイタリ アを行き来しながら創作活動を続け、60歳で亡くなるまでに全8作の歌劇と合唱曲、ピアノ曲などを遺しましたが、何と言ってもオペラ作曲家として高く評価 されています。 このアルバムにはゴメスが書いた全8作の歌劇の序曲(前奏曲)他を収録。ゴメスの音楽には、20世紀に活躍したブラジル人作曲家の持つ民族的な雰囲 気が前面に出ることはありませんが、ヴェリズモ・オペラの名旋律に通じる、パワフルで感情にダイレクトに訴えかける魅力があります。 ファビオ・メケッティはサンパウロ生まれの指揮者。ジュリアード音楽院で学び、ニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝。ワシントン・ナショナルSO でロストロポーヴィチのアシスタントを務めました。2008年にミナス・ジェライス・フィルが創設されて以来指揮者を務め、このコンビの録音はグラミー賞に2度ノ ミネートされるなど、国際的に注目されています。 ※国内仕様盤には木許裕介(指揮者・日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語解説が付属します。

   NAXOS 2023年3月発売
NAX-8.503278(3CD)
NX-C04
ラフマニノフ:交響曲全集
【CD1】
交響詩「死の島」 Op. 29
交響曲第1番ニ短調 Op. 13
ヴォカリーズ ホ短調(管弦楽版)
交響曲第2番ホ短調 Op. 27
交響曲第3番イ短調 Op. 44
交響的舞曲 Op. 45
デトロイトSO
レナード・スラットキン(指)

録音:2012年10月19-21日、2012年11月9-11日、2009年9月24-27日、2011年11月25-27日、2012年2月9-11日
2022年11月にも来日、NHKSOを指揮して見事な演奏を披露した指揮者レナード・スラットキン。 この交響曲全集は2009年から2012年にかけて録音されたもので、初出時には「理想的で心に残る解釈」(グラモフォン誌)と高く評価されました。 基本的にはセントルイス響盤の解釈を引き継いでいますが、第2番だけはすべての楽章で演奏時間が短くなり、情緒に溺れることなくスタイリッシュな 演奏に仕上がっています(この曲のみ最後に拍手あり)。デトロイト響の力強く輝かしくゴージャスな響きを余すことなく捉えた高音質の録音が魅力を 増しています。
NAX-8.559925(1CD)
ダニー・エルフマン(1953-):ヴァイオリン協奏曲 「イレヴン・イレヴン」(2017)
アドルファス・ヘイルストーク(1941-):ピアノ協奏曲第1番(1992)*
サンディ・キャメロン(Vn)
スチュワート・グッドイヤー(P)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音(ライヴ):2019年10月18-19日、2022年2月18-19日
20世紀半ばに生まれた2人のアメリカ人作曲家による協奏曲集。 一人はロックバンドのオインゴ・ボインゴの元リーダーで、『バットマン』や『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』など数 多くの映画音楽で知られるダニー・エルフマン。このヴァイオリン協奏曲は、作曲中に知り合ったヴァイオリニス ト、サンディ・キャメロンのために書かれており、彼の作品の中で初めて古典的な様式に沿って作曲されたも のです。「イレヴン・イレヴン」というタイトルは、全曲がちょうど1,111小節で構成されていることによるもので、 またエルフマンの苗字の中にはドイツ語の11(elf)も隠されているという偶然もありました。ショスタコーヴィチや プロコフィエフを思わせる雰囲気も持ちながら、極めて個性的な作風が楽しい作品です。 対するヘイルストークの作品は、アフリカ系アメリカ人としてのルーツとジャズへの愛が感じられるとともに、グレ ゴリオ聖歌などの西洋の古典的な伝統に対する畏敬の念も込められており、ブルースの豊かな伝統を反映 したエネルギーと高揚感にあふれた協奏曲に仕上がっています。この作品でピアノを演奏しているのはカナダ の中堅、スチュワート・グッドイヤー。卓越した技術と切れの良いリズム感が楽しめます。
NAX-8.574428(1CD)
コルンゴルト:弦楽四重奏曲第1番- 第3番
弦楽四重奏曲第1番イ長調 Op. 16(1922-23)
弦楽四重奏曲第2番変ホ長調 Op. 26(1933)
弦楽四重奏曲第3番ニ長調 Op. 34(1945)
ティペットQ【ジョン・ミルズ(Vn1)、ジェレミー・イサーク(Vn2)、リディア・ラウンズ=ノースコット(Va)、ボジダル・ヴコティッチ(Vc)】

録音:2021年11月8-10日
コルンゴルトは少年期から円熟期にかけて10作ほどの室内楽作品を遺しました。 この3つの弦楽四重奏曲は第1番は20代、第2番は30代、第3番は40代後期とそれぞれ作曲時期が異 なっており、その作風にも違いが感じられます。1924年に初演された第1番は、躍動感と魅力的なハーモ ニー、そして饒舌な和声が融合した作品で、当時の音楽界における彼の地位をより堅固なものとしました。 その10年後に書かれ、アメリカで出版された第2番は、素直で明瞭な旋律と勢いの良いリズムが特徴です。 そして第二次大戦後に書かれブルーノ・ワルターに献呈された第3番は、すでにヨーロッパでの彼の人気が凋 落していた失意の時期の作品ですが、古典的な作風と現代的な味わいが並存し、曲の最後は喜びに満た されるという予想外の展開が耳に残ります。イギリスのティペット四重奏団の演奏です。
NAX-8.574262(1CD)
ユージン・ザードル(1894-1977):管弦楽作品集全集 第7集
ハンガリー風スケルツォ(1975)
ホルン、弦楽と打楽器のための組曲(1972)
ホルンとピアノのための子守歌(1973)(M. スモリーによるホルンと弦楽オーケストラ編 2022)
室内協奏曲(1931)
8つのチェロのための組曲(1966)
Celebration Music 祝祭の音楽(1968)
ゾルターン・セーケ(Hrn)
イムレ・コヴァーツ(Hrn)
バーリント・ケーピーロー(Hrn)
カタリン・サルカディ(P)
MAV-ブダペストSO
MAV-ブダペストSO弦楽セクション
MAV-ブダペストSOチェロ・セクション
マリウシュ・スモーリー(指)

録音:2022年6月21-26日、2020年6月25-29日
全て世界初録音
ハンガリーのバータセクで生まれ、1939年にヨーロッパからアメリカに移住、1940年代のアメリカ映画音楽の発展に 著しく寄与したユージン・ザードル。彼の作品は巧みなオーケストレーションと躍動感あふれるリズム、そして調性へのこ だわりと時にアクセントとして用いられる不協和音が特徴で、NAXOSレーベルへの7枚目となるこのアルバムにも、彼 らしい作品が収録されています。室内協奏曲は、ザードルがまだウィーンにいた頃に書かれたもの。「ホルン、弦楽と打 楽器のための組曲」は彼の死後、初めて演奏された作品。他、「1975年のハンガリー風スケルツォ」など40年以上 にわたるザードルの創作活動における作風の変遷が味わえます。また、アルバムの最後には人生の喜びを歌い上げる 華やかな「祝祭の音楽」が置かれています。マウリシュ・スモーリーはポーランド出身、世界中で活躍する指揮者。 NAXOSには、一連のザードル作品の他、アンジェイ・パヌフニクやミクローシュ・ロージャ、グラジナ・バツェヴィチなどの 録音があります。
NAX-8.559928(1CD)
フレデリック・ジェフスキー(1938-2021):後期ピアノ作品集
夢(2014)(抜粋)
 Part II:No. 7Ruins 廃墟
 Part II:No. 8Wake Up 目覚め
戦争の歌(2008)
冬の夜(2015)
聖者と罪人(2016)
ボビー・ミッチェル(P)

録音:2022年2月12日、2022年2月13日
全て世界初録音
「不屈の民」変奏曲ばかりではない、ジェフスキー後期作品を所縁のピアニストが収録。 フレデリック・ジェフスキーは、20世紀から21世紀にかけて活躍したポーランド系アメリカ人の作曲家・ピアニストで、 1975年作曲の「不屈の民」変奏曲が代表作。このアルバムには彼と親交のあったボビー・ミッチェルの演奏で後期の 作品を収録しています。「戦争の歌」は中世フランスの流行歌「ロム・アルメ(武装した人)」から20世紀に至るフラン ス、イギリス、アイルランド、ドイツ、アメリカの反戦歌と戦争に関わる歌計6曲を素材に編み上げた作品で、ジェフス キーらしいメッセージ性の高い作品。一方、他の作品ではテーマはより抽象的・一般的となり、音符の密度も減って 瞑想的な傾向が見られるようになります。アルバム最後に置かれた「聖者と罪人」は、ジェフスキーの親族から葬儀に 招かれたミッチェルが葬儀の後で演奏した曲。ミッチェルが自ら書いたライナー(英語のみ)によれば、ジェフスキーは彼に 自分の葬儀ではブラームスの間奏曲作品118の第2番を弾いて欲しいと繰り返し言っていたそうで(ミッチェルはこの 曲も演奏したそうです)、ジェフスキーのロマンティックな一面を伝えるエピソードと言えるでしょう。
NAX-8.574424(2CD)
ブラームス:ハンガリー舞曲集と
ハンガリーの伝統音楽

【CD1】
1. ミスカ・ボルゾー:A haromszeki leanyok ハーロムセークの少女 - Maros vize folyik csendesen(G. カールディによる2声とピアノ編)
2. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第1番ト短調
3. ボルゾー:Isteni csardas イシュテニ・チャールダーシュ - 白鳥の歌(O. ペテーニによるピアノ編)
4. モール・ヴィント:Emma csardas エマ・チャールダーシュ
5. 伝承曲:Azt szoktak szememre vetni 人々は私が愛するには若すぎると言う(B. エグレッシ、I. ボグナルによる声とピアノ編)
6. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第2番ニ短調
7. 伝承曲:Tolnai lakodalmas トルナの婚礼の踊り(J. リスネルによるピアノ編)
8. 伝承曲:Be szep a katona 兵士はどれほど素晴らしいか(B. エグレッシ、K. シクラヴァーリによる声とピアノ編)
9. エデ・レメーニ:Allegro Ungharese ハンガリー風アレグロ
10. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第3番 ヘ長調
11. ナンドール・メールティ:Kalocsai emlek カロチャの思い出
12. エレメル・センティルマイ:Edes titkok 甘い秘密
13. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第4番 ヘ短調
14. ヨシ・チラグ:Keglevich notaケグレヴィチの歌
15. ベーラ・ケラー:Bartfai emlek バルデヨフの思い出、チャールダーシュ Op. 31(P版)
16. 伝承曲:Uccu bizony megerett a kaka 池に茂るは(I. ボグナルによる声とピアノ編)
17. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第5番 嬰ヘ短調
18. ミクローシュ・コンコリ=テゲ:Egri csardas エゲルのチャールダーシュ
19. 伝承曲:Csillag eleg ragyog…星かげ冴ゆれと(N. ネルティによる声とピアノ編)
20. フェレンツ・パティカールス:Barandi emlek バランドの思い出 - Lassu I-II - Friss I-II
21. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第6番 変ニ長調
22. 伝承曲:Nem vagyok en szerelmes 私は恋をしていない(A. ティサによる声とピアノ編)
23. レメーニ:Friss フリス
24. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第7番 イ長調
25. イグナーツ・フランク:Lujza csardas ルイザのチャールダーシュ
26. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第8番 イ短調
27. ヤーノシュ・トラヴニク:Makoi csardas マコーのチャールダーシュ
28. 伝承曲:Ne, ne busulj 悲しむことはない(J. セルダヘイ、I. ボグナルによる声とピアノ編)
29. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第9番 ホ短調
【CD2】
1. 伝承曲:Van-e a korsoban…このワインジャーには何か入っていますか?(B. エグレッシ、I. ボグナルによる2声とピアノ編)
2. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第10番 ホ長調
3. 伝承曲:ハンガリー舞曲 ニ短調(P編)
4. フェレンツ・ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第7番 ニ短調(F. ブンコによるピアノ編)
5. ヨージェフ・セルダヘイ:A Csikos:Tanc 馬に乗る人 - 舞曲 (P編)
6. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第11番 ニ短調
7. エレメル・センティルマイ:Tiz par csokot egyvegbul 10組のキスをひとつに(P編)
8. カーロリー・パティカールス伝/エデ・バルタイ:Galgoczi emlek ガルゴーツの思い出「Morog a brugo」(E. バルタイによるピアノ編)
9. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第12番 ニ短調
10. ラースロー・ジマイ:Edes rozsam 私の甘いバラ
11. 伝承曲:Barna legeny ブラウン・ラッド(E. エルケルによる声とピアノ編)
12. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第13番 ニ長調
13. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第14番 ニ短調
14. エグレッシ:Abrand 幻想曲
15. エグレッシ:Farsangi iskola 謝肉祭時期の学校:Hej, haj, magyar ember ヘイ、ヘイ、ハンガリー(I. ボグナルによる声とピアノ編)
16. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第15番 変ロ長調
17. ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第5番ニ長調(F. ブンコによるピアノ編)
18. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第16番 ヘ短調
19. ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第3番 イ短調(F. ブンコによるピアノ編)
20. カールマン・シモンフィ:Ez az en szeret?m 私の愛する人(M. モショニによる2声とピアノ編)
21. 伝承曲:Mariskam, Mariskam! 私のかわいいマリシュカ(E. エルケルによる声とピアノ編)
22. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第17番 嬰ヘ短調
23. 伝承曲:Harom alma, meg egy fel りんご3つと半分以上(I. ボグナルによる声とピアノ編)
24. ヨージェフ・ケチケメーティ:Turai emlek トゥラの思い出
25. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第18番 ニ長調
26. ケチケメーティ:Egressy halotti harangozasa ベーニ・エグレッシのための弔いの鐘
27. フェレンツ・サールケジ伝:Kis szekeres, nagy szekeres 小さな戦車兵、大きな戦車兵(K. アブラニによる声とピアノ編)
28. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第19番 ロ短調
29. ヤーノシュ・ネポムク・サスティツ:Erzes hangjai 感情の音
30. 伝承曲:Honved dal es csardas 兵士の歌とチャールダーシュ第2番 ニ短調 (P編)
31. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第20番 ホ短調
32. フェレンツ・パティカールス:Barandi emlek バランドの思い出 - フリス III
33. コンコリ=テゲ:Tobb is veszett Mohacsnal - Helyre Kati あなたのウォーター・ルーにはあわない ? かわいいケイト(M. コンコリ=テゲによるピアノ編)
34. コンコリ=テゲ:Helyre Kati かわいいケイト(F. タリツキ、I. カッシャイによる声とピアノ編)
35. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第21番 ホ短調
アドリエン・ミクシュ(S)…CD1:1、5、19、28/CD2:1、11、20、27
ヤーノシュ・バーンディ(T)…CD1:1、8、16、22/CD2:1、7、10、15、21、23、34
フェレンツ・セチェーディ(Vn)…CD1:9、23
シルヴィア・エレク(フォルテピアノ…CD1:1、3、5、12、14、18-20、28/CD2:3、4、11、19、20、26、27、29、30、32)
(P…CD1:2、6、10、13、17、21、24、26、29/CD2:2、6、12、13、16、18、22、25、28、31、35)
イシュトヴァーン・カッシャイ(フォルテピアノ…CD1:4、7、8、11、15、16、22、25、27/CD2:1、5、7、8、10、14、15、17、21、23、24、33、34)
(P…CD1:2、6、10、13、17、21、24、26、29/CD2:2、6、9、12、13、16、18、22、25、28、31、35)

録音:2019年8月26-30日、2021年9月2-5日
大ヒット作『ハンガリー舞曲集』と、そのルーツを探る2枚組! 20歳のブラームスは、ハンガリー出身のユダヤ系ヴァイオリニスト、エドゥアルト(エデ)・レメーニと知り合い、レメーニの伴奏者として演奏旅行に出かけました。 この時、ハンガリーの伝統音楽やロマの民族音楽に触れ合う機会を持つとともに、ヨーゼフ・ヨアヒムと会ったことが、彼のその後の創作活動に大きな影響を 及ぼしたことは良く知られています。このアルバムでは、ブラームスの代表作の一つである『ハンガリー舞曲』のピアノ4手版を中心に、ブラームスが聴いたハンガ リーの旋律や、ほぼ名も知れぬ作曲家たちによる膨大な作品をとりまぜて紹介。アルバムに収録されている素朴な民謡や勇壮な舞曲、変奏曲などを聴く と、ブラームスがこれらの原曲を、どのように自らの作品の素材として用いたかが垣間見えることでしょう。ハンガリーを中心に活躍する奏者たちによる演奏で す。

   NAXOS 2023年2月発売(2)
NAX-8.559926(1CD)
ケヴィン・プッツ(1972-):マリンバ協奏曲/シティ/月の光
マリンバ協奏曲(1997/2021改訂)
シティ(2016)
オーボエ協奏曲第2番「月の光」(2018)
ジス・ジン(マリンバ)
キャスリーン・ニードルマン(Ob)
ボルティモアSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2021年6月3-4日、2016年4月15日(ライヴ)、2018年11月15日(ライヴ)
全て世界初録音
2012年、歌劇「きよしこの夜」でピューリッツァー賞を受賞したアメリカの作曲家ケヴィン・プッツ。メトロポリタン・オペラ、フィラデルフィアOを含む 世界の主要な団体から作品を委嘱され、そのどれもが高く評価されています。このアルバムには、彼の学生時代の「マリンバ協奏曲」から最近書かれ た「オーボエ協奏曲」までの3作品を収録。イーストマン音楽学校の大学院に在籍していたプッツが、マリンバ奏者の名倉誠人とコラボレーションを組み 書き上げたのが1997年の「マリンバ協奏曲」。冒頭の変ホ長調の旋律は、彼が愛するモーツァルトの変ホ長調のピアノ協奏曲をモデルとしているとい い、これをマリンバが装飾的に彩っていきます。第2楽章は弦楽器の伴奏でマリンバがエレガントに歌い、第3楽章では激しいダンスの中に第1楽章の 旋律が回帰し、全体をまとめています。 「シティ」はボルティモアという都市にインスパイアされたカーネギーホールとの共同作品。2015年4月に起きた「フレディー・グレイの死」による騒乱事件 を含む、この街のさまざまな側面が万華鏡のように描かれています。2016年の大統領選挙をきっかけにプッツが覚えたという動揺と深い幻滅感、これ を解消した映画「ムーンライト」の印象が作品の根底にあるという「オーボエ協奏曲」には、プッツの今の思いがこめられています。
NAX-8.574399(1CD)
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第5集
バレエ音楽ずる賢い村娘』(1795年頃-1805)
バレエ・ディヴェルティスマン『Vorstellungen』(1803年2月13日)
クォドリベット(1803年2月13日) - 終幕のコントルダンス
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2021年9月22-25日、 9月26日、9月27日
全て世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァル トと交流を深めウィーン楽壇における重要な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアのお 気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼されました。このバレエ『ずる 賢い村娘』もマリア・テレジアのコレクションの一つです。上演年は不明、台本も残っていませんが、フォークダ ンス風の生き生きとした音楽が魅力で、同時代の同じタイトルを持つ作品から類推すると、田舎を舞台にし た恋の駆け引きを描いた作品だったと思われます。 バレエ・ディヴェルティスマン『Vorstellungen(想像力、演技などの意味)』は1803年の皇帝の誕生日のた めの作品。こちらもシナリオは残っていませんが、ニ短調の重々しい序奏に始まり、ドラマティックで多彩なパン トマイムが繰り広げられたものと推測されています。『クォドリベット』も同じ日のための作品で、ここには最後の コントルダンスのカラフルな音楽が収録されています。
NAX-8.555228(1CD)
エドワード・ジャーマン(1862-1936):交響曲第2番/ウェールズ狂詩曲
交響曲第2番イ短調 「ノリッジ」(1893)
交響組曲 ニ短調 「リーズ」 - 第2曲 優美なワルツ(1895/1915改訂)
ウェールズ狂詩曲(1904)
アイルランド国立SO
アンドルー・ペニー(指)

録音:1994年3月29-30日
National Concert Hall, Dubli
※MARCO POLO 8.223726より移行盤
英国シュロップシャー州ホイットチャーチで生まれた作曲家エドワード・ジャーマン。彼は「トム・ジョーンズ」 (NAXOS 8.660270)や「メリー・イングランド」(組曲は8.555171に収録)などの舞台作品で成功を収 め、コミック・オペラの大家アーサー・サリヴァンの後継者として認められるほどに高く評価されましたが、彼自身 の創作の原点は管弦楽作品にありました。当時のイギリスではそれほど一般的ではなかったフランスやロシア 音楽の様式をいち早く取り入れた彼の作品は、どれも傑出した仕上がりを見せており、とりわけ「ノリッジ」は 19世紀末英国を代表する交響曲の一つと言えるでしょう。「優美なワルツ」は長大な演奏会用組曲「リー ズ」の中の1曲で、サックス、ハープが効果的に用いられたテンポの速いワルツです。またジャーマン作品のなか でも演奏機会の多い「ウェールズ狂詩曲」は、1904年のカーディフ音楽祭のために書かれた曲。切れ目なく 演奏される4つの部分で構成され、ジャーマン自身も愛した、この地域に伝わる民謡が効果的に用いられて います。
NAX-8.579114(1CD)
ポルトガルの弦楽四重奏曲集
エルリコ・カラパトゾ(1962-):ラソス、コントルダンスとデスカンテ(2016)
テルモ・マルケス(1963-):幸福の島(2016)
セルジオ・アゼヴェード(1968-):
ポプラルスキア I(2017)
フェルナンド・C・ラパ(1950-):Suite Mirandesa ミランダ組曲(弦楽四重版)(2017)
マトジニョシュSQ【ビクトル・ビエリラ(Vn1)、フアン・カルロス・マッジオラーニ(Vn2)、ホルヘ・アルベス(Va)、マルコ・ペレイラ(Vc)】

録音:2020年9月21-23日
全て世界初録音
アルバムタイトルの「Raizes」とは、ポルトガル語の「ルーツ」の意。このアルバムに収録されているのは、全てマ トジニョシュSQの委嘱による新作で、ポルトガルの伝統的な民謡の旋律や、舞曲、物語からイ ンスピレーションを得た作品が並びます。ゆったりとした哀愁漂う旋律と、軽やかな舞曲が交互に置かれたカ ラパトゾの「ラソス、コントルダンスとデスカンテ」とラパの「ミランダ組曲」はどちらも北ポルトガルに伝わる舞曲と 物語が元になったもの。幾分現代的なハーモニーが楽しいマルケスの「幸福の島」のルーツはアゾレス島とマ デイラ島の神話であり、アゼヴェードの「ポプラルスキア I」は民俗音楽の研究で知られるロペス=グラサとベー ラ・バルトークらの思い出に捧げられた作品です。
NAX-8.574426(1CD)
A.ルビンシテイン:6つの前奏
曲/6つの練習曲

6つの前奏曲 Op. 24(1854)…全曲の世界初録音
6つの練習曲 Op.81(1870)
「オンディーヌ」練習曲 Op. 1(1842)
ピアノ練習曲 ハ長調(1868)…世界初録音
マーティン・カズン(P)

録音:2022年1月4-5日
ロシア出身のアントン・ルビンシテインは、ピアニストとしてフランツ・リストと並ぶ名声を誇るとともに、協奏曲を 含む数多くのピアノ曲を書き上げ、人気作曲家として世界中にその名を轟かせました。ロシア音楽に多大な 貢献をしたにもかかわらず、ドイツ・ロマン派の流れを汲む保守的な作風は当時全盛を誇っていた「ロシア5 人組」に受け入れられることがなく、賛否両論を巻き起こした彼の作品は次第に忘れられてしまいました。し かし、近年再評価が進み、交響曲や歌曲などの録音が増えています。このアルバムにはクララ・シューマンに 献呈された「6つの前奏曲」と、ルビンシテインの高い技術と音楽性、そして彼自身の手の大きさがうかがえる ダイナミックな「6つの練習曲」を中心に収録。そして、「オンディーヌ」練習曲は彼の初出版作品で、ハ長調 の練習曲は世界初録音です。
NAX-8.574395(1CD)
UNICUM ユニクム - 1470年代、ルーヴェンの新しい歌
1. ワルター・フライ(1475年以前):AV-e regina celorum
2. 作者不詳:Ou beau chastel est prisonnier mon cueur
3. バービニャン(1445-60頃活躍):Au trAV-ail suis que peu de gens croiroient
4.オケゲム(1410-97):Ma maistresse et ma plus qu’aultre amye
5. 作者不詳:Par Malle Bouche la cruelle
6. 作者不詳:Par Malle Bouche la cruelle
7. 作者不詳:Donnez l’aumosne, chiere dame
8. 作者不詳:Tousdis vous voit mon souvenir
9. 作者不詳:En atendant vostre venue
10. 作者不詳:Escu d’ennuy, seme de plours
11. 作者不詳:J’ay des semblans tant que je vueil
12. アレクサンドル・アグリコラ(1456頃-1506)もしくは作者不詳:Si vous voullez que je vous ame
13. ジル・ド・バン・ディ・バンショワ(1400頃-60):Comme femme desconfortee
14. 作者不詳:Vraiz amans pour Dieu supplies
15. フィルミヌス・キャロン(1460-75頃活躍)もしくは
 アントワーヌ・ビュノワ(1430頃-92):Cent mil escuz quant je vouldroye
16. 作者不詳:Henri Phlippet, le vert me fais porter
17. ビュノワ:Est il mercy de quoy l’on sceust finer
18. 作者不詳:Helas mon cueur, tu m’occiras
19. 作者不詳:Oublie, oublie
アンサンブル・レオネス(古楽アンサンブル)
【ヴォーカル】
エルス・ヤンセンス=ファンミュンスター/グレース・ニューコム/テッサ・
ロース
ライティス グリガリス/マルク・モイヨン/ジェイコブ・ローレンス
バティスト・ロマン(ルネサンス・ヴァイオリン/中世フィドル)
エリザベス・ラムゼイ(ヴィオラ・ダルコ)
マルク・レヴォン(指揮/テノール/リュート/シターン)

録音:2021年7月15-17日
2015年にルーヴェンのアラミレ財団によって発見された15世紀の羊皮紙製写本には、これまで知られてい なかった12曲の無名のシャンソンが含まれていました。これは恐らく1470年頃にロワール渓谷で写されたと 思われる写本で、アラミレ財団はベルギー政府にこの重大な発見を伝え、現在は財団本部のあるルーヴェ ンのパーク修道院に保管されています。この写本は開いた状態でも120o×170oととても小さく、収録数 も50曲とそれほど多くありません。ほとんどが作者不詳で、三声のために書かれており、同じころに遠く離れた サヴォワで作られたシャンソニエ・コルディフォルム(ハート形のシャンソン集)に近い内容を持っています。演奏 するアンサンブル・レオネスは以前このシャンソニエ・コルディフォルムからの曲も録音しており(8.573325)、 今回もア・カペラから器楽とのアンサンブルまでさまざまな演奏の可能性を探求しています。

   NAXOS 2023年2月発売
NAX-8.574152(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op. 37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op. 58
ボリス・ギルトブルグ(P)
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2019年5月13日、2022年4月30日
ボリス・ギルトブルグとヴァシリー・ペトレンコ指揮リヴァプール・フィルとのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集が遂に完結。ギルトブルグにとって個人的に思い入 れの深い2曲を繊細かつ雄弁に奏でています。 クラシック音楽の魅力を伝えるブログや解説動画を得意としているギルトブルグは、当盤にも魅力的で説得力のある解説を寄稿しています。第3番について は、子供の時にベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で最も強烈に魅了されていたこと、特に曲が始まってしばらく続くハ短調の暗い闘争的なドラマに心酔して いたこと、演奏を重ねるうちに、優しく抒情的でユーモラスでさえある第2主題の長調部分とのコンビネーションこそ真の天才の業と気づいたこと。また第4番に ついては、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で技術的には最も難しいとしつつ、より難しいのは「すべての音を繊細微妙に呼吸するような詩情で満たすこと」 と綴っています。 幼少時から親しんだ第3番はダイナミックなドラマを感じさせる演奏。第4番はギルトブルグ自身が挙げた課題を見事にクリアした演奏で、録音がコロナ禍で 再々の延期を余儀なくされた間にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を録音したことが、彼の解釈を一層成熟させたのかもしれません。ギルトブルグにとって 一つの集大成であると同時に、新たな出発を予感させる仕上がりとなりました。
NAX-8.574139(1CD)
スクリャービン:交響曲第4番「法悦の詩」 Op. 54
交響曲第2番ハ短調 Op. 29(1901
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音2019年2月27日、2022年3月7日
大編成の作品を得意とするジョアン・ファレッタとバッファロー・フィルが持てる力を最大限発揮したスクリャービン・アル バム。1901年に完成された「交響曲第2番」は5つの楽章で構成され、フランクを思わせる循環形式を用いてい ます。ワーグナーの「ジークフリート」からの引用や、メシアン作品に通じる部分もあるなど、意欲的かつ先進的なも のでしたが、1902年に初演された際は、指揮をしたリャードフのみならず同時代の人々からも理解不能とされ、ス クリャービン自身も高い評価を与えませんでした。しかし現代では、初期から中期への転機となる作品として注目 されています。「交響曲第4番」は1908年の作品。スクリャービンが神秘主義に転じてから書かれた単一楽章から なるこの曲は「法悦の詩」と題されており、性的な官能と宗教的な歓びの感情を同一視して表現しようとしたも の。オルガン、ハープ、鐘などを含む大編成のオーケストラで奏でられる神秘的な響きが特徴で、圧倒的なクライ マックスでの弦のうねりと金管の咆哮が法悦のヴィジョンを音で伝えます。
NAX-8.559924(1CD)
ジャスティン・ホランド(1819-1887):ギター作品と編曲集
1. アルフレッド・ハンフリーズ・ピーズ(1838-1882):大行進曲「デルタ・カッパ・エプシロン」*
2. 伝承曲:夏のなごりのバラ(庭の千草)
3. 伝承曲:スペインのファンダンゴ
4. 伝承曲:あなたの甘い思い出(J. ホランドによる「母に祝福あれ」のギター編)
5. フェルディナント・バイエル(1806-1863):音楽の夜会 Op. 109:No. 7
狂人の最後のワルツ
6. ビショップ(1786-1855)埴生の宿(ホーム・スイート・ホーム)*
7. バダジェフスカ(1834-1861):乙女の祈り Op. 4*
8. W.H.ルリソン(生没年不詳):ロチェスター・ショティッシュ
9. アルフォンス・ツィブルカ(1842-1894):ステファニー=ガヴォット Op. 312*
10. ジャスティン・ホランド(1819-1887):アン・アンダンテ ハ長調
11. ピーズ:ポルカ・マズルカ「アントワネット」*
12. アルフォンス・ルデュック(1804-1868):ポルカ・マズルカ「露の真珠」*
13. ホランド:L. メイソンの「主よ、御許に近づかん」による変奏曲 ホ長調*
14. 伝承曲:幻想曲「ヴェニスの謝肉祭」

1-9、11-12、14…ジャスティン・ホランドによるギター編
クリストファー・マレット(G)

録音:2022年1月7-8日、15日
*…世界初録音
19世紀アメリカを代表するギタリストの一人と評価されたジャスティン・ホランドの妙技が蘇るCD。ホランドはバージ ニア州ノーフォーク生まれのアフリカ系アメリカ人で、幼くして音楽の才能を発揮。14歳で両親を亡くし てから移住 したボストンで出会ったスペイン人ギタリスト、マリアーノ・ペレスからギターを学ぶために、働きながら研鑽を積みまし た。彼が書いたギター教本は、同種のものとしてアメリカで初めて出版されてベストセラーを記録。また公民権運動 を強く支持しました。ホランドは教会音楽や流行曲の編曲や変奏が巧みで、「ヴェニスの謝肉祭」による幻想曲は 彼の演奏・作曲技法のエッセンスが凝縮されています。カリフォルニアを拠点に活動するギタリスト、クリストファー・マ レットの妙技をご堪能ください。
NAX-8.574346(1CD)
ブラームス:歌曲全集 第3集
49のドイツ民謡集 第6集 WoO 33(1893-94)
49のドイツ民謡集 第7集 WoO 33(1893-94)
子供のための15の民謡 WoO 31(1857)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
エスター・ヴァレンティン=フィーグト(Ms)
キーラン・カレル(T)
コンスタンティン・インゲンパス(Br)
ウルリヒ・アイゼンロール(フォルテピアノ…ヨハン・バブティスト・シュトライヒャー製)

録音:2021年4月26-28日、2021年6月21-23日、2021年7月26-27日
ブラームスの歌曲全集第3集は、前作に続きブラームスを魅了した民謡による創作を集めています。 ブラームスはドイツ・リートの作曲にも熱意を注ぎ、生涯を通じて約300作にも及ぶ歌曲を作るとともに、ドイツ民謡を元にした歌曲も多く遺しました。ブラー ムスにとって民謡は学問的研究の対象ではなく、音楽創作上のインスピレーションの源でした。『49のドイツ民謡集』はドイツの言語学者アントン・ヴィルヘル ム・ズッカルマリオとアンドレアス・クレッチュマーが編纂した「ドイツ民謡集」に収められた旋律を元に、ブラームスがピアノ伴奏を付けたもの。第1集から第5集 は当シリーズの「歌曲全集第2集」(8.574345)に収録され、当CDには残る第6集と第7集が収められています。第6集までは独唱および二重唱の曲で すが、第7集は四重唱曲で、民謡の旋律を元にした声楽アンサンブルの可能性を示しています。第49曲「ひっそりと月が昇る」の旋律はピアノ・ソナタ第1番 (1853)の第2楽章「主題と変奏」の主題で、彼が若い頃からこの旋律に魅了されていたことが窺えます。愛らしい第4曲「眠りの精」が有名な『子供のため の15の民謡』は一層素朴な味わいを持つ曲集。ブラームスの巧妙なピアノ伴奏が旋律に彩りを添えています。 ウルリヒ・アイゼンロールはシュトライヒャー製 のフォルテピアノによる素晴らしい演奏で歌手たちをサポートするとともに、ブックレット(英語・ドイツ語)に詳細な解説を書いています。

   NAXOS 2023年1月発売(2)
NAX-8.574430(1CD)

NYCX-10368(1CD)
国内盤仕様
税込定価
シューマン:交響曲第3番「ライン」 Op. 97(G.マーラーによる編曲版)
交響曲第4番(G. マーラーによる編曲版)
マリン・オルソップ(指)
ウィーンRSO

録音:2020年10月19-23日Musikverein Wien and ORF Funkhaus Studio 6(オーストリア)
ドイツ・ロマン派を代表する作曲家シューマンが完成させた交響曲は4曲ありますが、これらを近代以降のオーケストラで演奏すると、音が濁ったり、 バランスが取れなかったりすることが多く、指揮者泣かせの曲と言われてきました。この難題に大胆な回答を出したのが、作曲家にして当代屈指の名指揮者 でもあったマーラー。彼の時代のオーケストラで聴き映えがするよう、4曲の交響曲のスコアに数多くの改変やカットを加えました。それらの多くは打楽器や金 管の増減などによってマーラーが重要と見なすモチーフを補強し、そうでないと考えた部分を抑えるというものでしたが、今ではシューマン自身が書いた通りで はないという理由で敬遠されがちです。オルソップはマーラーのオーケストレーションを再評価すべく、ウィーン放送響と全4曲を収録。こちらは第2弾となる第3 番「ライン」と第4番が収録されています。 交響曲第3番「ライン」は1850年作曲、1851年にシューマン自身によって初演されました。ラインというタイトルはシューマン自身の命名ではありませんが、 悠然たる河の流れを思わせる雄大な作品です。マーラーの編曲はとりわけ管楽器の削減が特徴で、ホルン・パートの修正や第5楽章の冒頭など耳に残る 部分が数多くあります。 交響曲第4番は、第1番の完成から間もなく構想され、1841年に完成した際は誕生日プレゼントとして妻のクララに贈られました。もともとは単一楽章で書 かれていたせいか初演時に好評を得ることができず、10年を経てシューマンは作品に大幅な改訂を施します。現在知られているのはこちらの改訂稿で、マー ラーもこの改訂稿に手を加えていますが、この曲での彼の改訂はそれほど目立つものではありません。オルソップは全体的にテンポを速めにとり、全曲をすっき りとした印象に仕上げています。 ※国内仕様盤には相場ひろ氏による日本語解説が付属します。
NAX-8.555175(1CD)
ケテルビー:管弦楽作品集
修道院の庭にて(管弦楽版)
序曲「冒険者たち」(管弦楽版)
序曲「チャル・ロマーノ(ジプシーの少年)
ロマンティックな組曲
ピアニスティックな奇想曲
時計とドレスデン人形(Pと管弦楽版)
コクニー組曲(抜粋)
月の光に
ウェッジウッドの青(管弦楽版)
牧場を渡る鐘(管弦楽版)
ファントム・メロディ(管弦楽版)
ペルシャの市場にて(男声合唱付き管弦楽版)
スロヴァキア・フィルハーモニー男声cho
スロヴァキアRSO
エイドリアン・リーパー(指)

録音:1992年1月13-18日
※MARCO POLO 8.223442のレーベル移行盤
「ペルシャの市場にて」など、耳なじみの良い旋律による作品で知られる英国の作曲家アルバート・ケテルビー。 幼い頃から音楽の才能を発揮、11歳の時には習作のピアノ・ソナタをウォーチェスター音楽祭で演奏、エドワー ド・エルガーに称賛されました。13歳の時にはヴィクトリア女王の奨学金を受け、トリニティ音楽カレッジに入学。 グスターヴ・ホルストに師事、研鑽を積み16歳でウィンブルドンのセント・ジョン教会のオルガン奏者に就任、契 約終了後はヴォードヴィル劇場の音楽監督となり、ライト・ミュージックの世界で大活躍します。このアルバムには 冒頭で紹介した「ペルシャの市場にて」(男声合唱入り)や鳥のさえずりが描写されている「修道院の庭にて」な ど、彼の代表作を収録。イマジネーション豊かな音楽は、聴き手の想像力を刺激します。
NAX-8.573632(1CD)
カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993):ピアノ作品集 第2集
即興曲集第1番- 第10番
ヴァルサ集第1番- 第10番
モメント集第1番- 第10番
マックス・バロス(P)

録音:2016年6月、7月、2021年12月、2022年2月
ブラジルの作曲家グァルニエリの父はイタリア系の移民で音楽を愛し、子供たちにはモーツァルト、ロッシーニ、ベッ リーニ、ヴェルディと名付けました。カマルゴ・グァルニエリの本名はモザルト(モーツァルト)で、母親から手ほどきを 受けたピアノ演奏と作曲で早熟の天才ぶりを発揮し、後にはヴィラ=ロボスに次ぐ世代の作曲家として活躍しま したが、モーツァルトの名前は恐れ多いと感じたのか、Mozartの代りにM.とだけ書き、母の旧姓カマルゴをもらっ て筆名としました。 リリー・ブーランジェに師事し、ヨーロッパ音楽の最先端に触れた彼ですが、自分の音楽はブラジルに根差したも のであるべきと考えていたようです。このアルバムに収められたのは「インプロヴィーゾ(即興)」「モメント(瞬間、少 しの間)」「ヴァルサ(ブラジル風ワルツ)」と名付けられた小品で、インプロヴィーゾやモメントは2分前後の曲が多 く、ヴァルサは少し長くて3,4分程度。バーで弾かれていても似合いそうな、メロディアスで哀愁の陰りを帯びた曲 調が魅力です。ナザレーの曲に通じるブラジル的な情緒を感じる人も多いでしょう。インプロヴィーゾ第2番はヴィ ラ=ロボス、モメント第7番はエンリキ・オズワルドに捧げられています。演奏はカリフォルニアで生まれ、ブラジルで 育ったピアニスト、マックス・バロス。サンパウロ音楽批評家協会のメンバーとして、ブラジル音楽の紹介に努めて います。
NAX-8.579128(1CD)
ルイス・ウンベルト・サルガード(1903-1977): 室内楽作品集 第1集
ヴィオラ・ソナタ(1973)
セレーネ、トリオ・プログラマティコ(1969)
チェロ・ソナタ(1962)
木管五重奏曲(1958)
カンザス・ヴィルトゥオージ【ダニエル・ヴェラスコ(Fl)、マルガレート・マルコ(Ob) 、エミリー・フォルツ(コールアングレ)、ステファニー・ゼルニック(Cl)、エリック・ストンバーグ(Fg)、ポール・スティーヴンス(Hrn)、ボリス・ヴァイネル(Va)、ハンナ・コリンズ(Vc)、エレン・ソマー(P)】

録音:2020年1月16日、2020年2月13日、2021年5月10日、2021年5月11日
全て世界初録音
エクアドル生まれの作曲家ルイス・ウンベルト・サルガードの作品集。作曲家の父のもとに生まれ、8歳で首都キ トの国立音楽院に入学、ピアノと作曲を学びましたが、当時のエクアドルには十二音音楽や新古典派音楽と いった欧州楽壇の新しい潮流に通じている教師はいませんでした。サルガードは最新の音楽を学ぶべく欧州留 学を目指すも奨学金が得られず断念、本やレコードを通してほぼ独学で現代音楽の手法を学び、これをエクア ドルの民俗音楽と融合させようと試みました。彼の作品は、モダンで洗練されたハーモニーの中にエクアドルの先 住民サンフアニートの舞曲を織り込み、生き生きとした音楽として結実しています。このCDには、新古典派の作 風によるチェロ・ソナタや、多彩なアイディアを盛り込んだ木管五重奏曲、アポロ11号の月面着陸成功にインス パイアされた「セレーネ(ギリシャ神話の月の女神の名前)」などが収録されています。

   NAXOS 2023年1月発売
NAX-8.507014(7CD)
NX-F05
バックス:交響曲全集&管弦楽作品集
【CD1】…8.553525
1. 交響詩「妖精の丘に」(1909/1921改訂)
2. 交響詩「ファンドの園」(1913-16)
3-5. 交響曲第1番変ホ長調(1921-22)
【CD2】…8.554093
1-3. 交響曲第2番ホ短調&ハ長調(1924-26)
4. 交響詩「11月の森」(1917)
【CD3】…8.553608
1-3. 交響曲第3番(1928-29)
4. 管弦楽のための自然詩「幸福の森」(1914-21)
【CD4】…8.555343
1. 悪漢喜劇への序曲(1930)
2. 自然交響詩「ニンフォレプト」(1912-15)
3-5. 交響曲第4番(1930-31)
【CD5】…8.554509
1-3. 交響曲第5番嬰ハ短調(1931-32)
4. 交響詩「松の木のおはなし」(1931)
【CD6】…8.557144
1-3. 交響曲第6番(1933-35)
4. 交響詩「黄昏に」(1908)
5. 夏の音楽(1921/1932改訂)
【CD7】…8.557145
1. 交響詩「ティンタジェル城」(1917-19)
2-4. 交響曲第7番(1938-39)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)

録音:1995年8月…CD2
1996年1月31日…CD1、CD3:4
1996年5月30日…CD3:1-3
1996年5月31日…CD5:1-3
1996年6月31日…CD5:4
2000年8月24-25日…CD4
Glasgow Royal Concert Hall, Scotland(UK)
2002年8月3-4日…CD6
2002年8月21-22日…CD7
2023年に生誕140年、没後70年となるアーノルド・バックス。数多くの交響曲が書かれた19世紀末から20世紀 半ばのイギリスにあって、ケルト文化の影響を感じさせる神秘的・幻想的な作風で根強い人気があります。このボック スでは彼の書いた7曲の交響曲をすべて収録。加えて多くの交響詩を含む管弦楽曲が収録されており、バックスの音 楽の魅力にどっぷりと浸ることが出来ます。 ロンドンに生まれたバックスはW.B.イェーツの『ケルトの薄明』に接してアイルランドとケルト文化に魅了され、ダブリンに 移り住んで当地の文学サークルで活動したこともあります。バックスのケルトへの関心は自然崇拝や妖精物語、民間 伝承や神話といった精神的なもの、世界観へ向けられ、後にアーサー王伝説や北欧神話にも広がってゆきます。彼 の交響詩や交響曲の多くはそのような関心が育んだ自然現象や伝説の幻想的な表現で、そこでは静まり返った森、 荒れ狂う海、古代遺跡が誘う夢想などが、練達の管弦楽法により、時に印象派音楽、時に映画音楽のような効果 を伴って描き出されています。 7つの交響曲は1921年から39年までの時期に書かれました。北方的なものに惹かれていたバックスは1932年にシ ベリウスと会って意気投合し、第5番をシベリウスに献呈しています。その後も意欲的に創作を続けたバックスですが、 第2次世界大戦の勃発後は作品数が激減し、交響曲はシベリウスと同じく第7番が最後となりました。オペラ指揮 者としても高く評価されていたデイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(1934-2022)が指揮するロイヤル・スコティッシュ・ナ ショナルOの演奏は、ダイナミックで意欲的なもの。『グラモフォン』など英国内外で高く評価されています。
NAX-8.574407(1CD)
クラウジオ・サントロ(1919-1989):南アメリカ幻想曲集/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
1. 無伴奏フルートのための南アメリカ幻想曲(1983)
2. Transicoes para um Encontro de 3Fantasias
- 第1番アンダンテ(1984)*
3. 無伴奏オーボエのための南アメリカ幻想曲(1983)*
4. Transicoes para um Encontro de 3Fantasias
- 第2番エクスプレッシーヴォ・レント(1984)*
5. 無伴奏クラリネットのための南アメリカ幻想曲(1983)
6. Transicoes para um Encontro de 3Fantasias
- 第3番レント(1984)*
7. 無伴奏ファゴットのための南アメリカ幻想曲(1983)
8. Transicoes para um Encontro de 3Fantasias
- 第4番フィナーレ(アレグロ)(1984)*
9. 独奏ギターのための南アメリカ幻想曲(1983)
10. 無伴奏ホルンのための南アメリカ幻想曲(1983)*
11. 無伴奏トランペットのための南アメリカ幻想曲(1983)*
12. 無伴奏トロンボーンのための南アメリカ幻想曲(1983)
13. 無伴奏チューバのための南アメリカ幻想曲(1983)
14. 独奏ピアノのための南アメリカ幻想曲(1983)*
15. 無伴奏ヴァイオリンのための南アメリカ幻想曲(1983)
16. 無伴奏ヴィオラのための南アメリカ幻想曲(1983)*
17. 無伴奏チェロのための南アメリカ幻想曲(1983)*
18. 無伴奏コントラバスのための南アメリカ幻想曲(1983)*
19. 声とピアノのための南アメリカ幻想曲(1983)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(1940)
ナタリア・アウレア(S)…19
クラウディア・ナシメント(Fl)…1
アルカディオ・ミンチュク(Ob)…2-4、6、8
オバニル・ブオシ(Cl)…2、4-6、8
アレシャンドリ・シウヴェリオ(Fg)…2、4、6-8
ルイス・ガルシア(Hrn)…10
フェルナンド・ディセーニャ(Tp)…11
ワーグナー・ポリスチュク(Tb)…12
フィリペ・ケイロス(チューバ)…13
ダヴィ・グラトン(Vn)…15
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)…20-23
オラシオ・シェーファー(Va)…16
ロドリーゴ・アンドラーデ(Vc)…17
ペドロ・ガデーリャ(Cb)…18
ファビオ・ザノン(G)…9
オリガ・コピロヴァ(P)…14、19

録音2019年5月27日…1、3、13/30日…11/31日…17、18
2019年6月2日…12、14/13日…10/27日…15、16/28日…20-23
2019年9月13日…7/28日…2、4-6、8
2019年10月11日…9/12日…19
*…世界初録音
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」の1枚。19世紀から20世紀にかけて作 曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大が かりな企画です。 このアルバムでは、14の交響曲を含む600曲にものぼる作品を書いたクラウジオ・サントロの室内楽曲を聴く ことができます。 1983年、リオデジャネイロで開催された若手音楽家のコンクール用に課題曲を求められた ことがきっかけとなり、サントロは15曲から成る「南アメリカ幻想曲集」を作曲しました。当時彼が傾倒してい た十二音と無調を基調としつつ、多彩なスタイルを持ち、高度な技巧を要求するこれらの作品は、 現在ブ ラジルの器楽奏者たちの重要なレパートリーとなっています。またトラック2,4,6,8はブラジリア大学の3人の 教授からの依頼で作曲された、オーボエ、ファゴット、クラリネットのための短い作品で「南アメリカ幻想曲」の 素材が用いられています。最後に置かれた 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタは、21歳の若きサントロの実 験的な作品。サントロ自身によって初演されており、素材の用い方などは後の「南アメリカ幻想曲」に通じる ものがあります。
NAX-8.579137(1CD)
ホルン三重奏曲集
レノックス・バークリー(1903-1989):ホルン三重奏曲 Op. 44(1952)
ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op. 40(1865)
ジョナサン・レシュノフ(1973-):ホルン、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲(2016)*
デイヴィッド・クーパー(Hrn)
アレクサンダー・カー(Vn)
オライオン・ワイス(P)

録音:2017年9月5-7日
*=世界初録音
1865年に完成されたブラームスのホルン三重奏曲。ブラームスのホルンを用いた室内楽作品はこの曲のみ ですが、彼は幼い頃に父からナチュラルホルンを学んでいたこともあり、楽器については熟知したようです。同 年に死去した母への追悼の思いや、ドイツの古いコラールなどが織り込まれたこの曲は、完成度の高さによっ て、以降の作曲家たちに大きな影響を与えました。20世紀になってこの形式に注目したのが英国の作曲家 レノックス・バークリー:(。彼の友人のピアニストから委嘱され、書き上げた三重奏曲は独創的なフレーズと緊密 なアンサンブルを要する見事な作品。終楽章には変奏曲が置かれるなど工夫が凝らされています。現代アメ リカで高い人気を誇るレシュノフの「ホルン三重奏曲」は、ブラームスだけではなく、彼が敬愛するベートーヴェ ンからも影響を受けた作品。「闇から光へ」というモットーに基づき、ヴァイオリンの豊かな旋律にはじまり3つの 楽器が親密な対話を繰り返しながら、楽しくリズミカルな音楽に変化していきます。 シカゴSOの首席ホルン奏者デイヴィッド・クーパー、ロイヤル・コンセルトヘボウOのコンサート・ マスターを務めた経験のあるヴァイオリニスト、アレクサンダー・カー、アメリカを中心に数多くのオーケストラと共 演するピアニスト、オライオン・ワイスの3人が素晴らしいアンサンブルを披露しています。
NAX-8.660514(2CD)
オーベール:歌劇「媚薬」 ギヨーム…パトリック・カボンゴ(T)
ジョリ=クール…エマニュエル・フランコ(Br)
フォンタナローズ…エウジェニオ・ディ・リエート(Bs)
テレジーネ…ルイザ・ファトヨル(S)
ジャンネッテ…アディーナ・ヴィリキ(S)
クラクフ・フィルハーモニーO&cho
ルチアーノ・アコチェッラ(指)

録音:2021年7月13-15日 バート=ヴィルトバート・ロッシーニ音楽祭
フランスの歌劇作曲家フランソワ・オーベール。19世紀前半のパリではワーグナーと人気を二分し、またその 才能はロッシーニにも比肩するとまで賞賛されましたが、やがてオーベールの人気は下火となり、現在では「フ ラ・ディアヴォロ」などの一部の作品が上演されるのみです。 この歌劇「媚薬」はウジェーヌ・スクリーブの台本によるもので、フランス田園地方に住む人々の恋愛模様が 描かれています。ロッシーニの「オリー伯爵」から影響を受けたとされる筋書きは、村娘テレジーネに恋するギ ヨームの行動と心の動きが面白可笑しく描写されており、美しい音楽と、生き生きとしたアリアとカヴァティーナ で彩られています。1831年に初演された際は200回以上も再演されるほどの大成功を収め、ベルリン、ブ リュッセル、ロンドン、ミラノなどの他のヨーロッパの首都で上演され、やがてニューヨークにまで到達。またこの作 品はドニゼッティの「愛の妙薬」にも大きな影響を与えました。この演奏は2021年バート=ヴィルトバート・ ロッシーニ音楽祭の上演記録です。
NAX-8.579116(1CD)
ルクセンブルクの現代音楽 第2集
マルコ・ピュッツ(1958-):管弦楽作品集

ムード(2013)
人生の章(チューバと管弦楽版)(2010)
エレジア(2009/2021改訂)
ユーフォニアの声(2019)
海流(2014)
カール・ベルケル(チューバ)
フィリップ・シュヴァルツ(ユーフォニアム)
コットブス州立劇場PO
アレクサンダー・メルツィン(指)

録音:2021年6月11-12日
1を除き世界初録音:1958年ルクセンブルクで生まれた作曲家マルコ・ピュッツ。リエージュでサックスと作曲、指揮法を学び、 1987年から作曲家として活動をはじめ、シンフォニック・ウィンド・バンド、室内楽、子供向けミュージカル、弦 楽四重奏、オーケストラのために100曲近い作品を書き上げ、多くの賞を獲得。国際的に知られるようにな りました。 彼の音楽は、聴衆と演奏家の双方にとって親しみやすく楽しいことが中心的となっています。 収録作は「ムード」を除いて世界初録音。「ユーフォニアの声」はあまり注目されることのない楽器の表現力 を探求した作品であり、「人生の章」では喜びと悲しみのコントラストが描かれています。また「エレジー」では バッハのコラールが主題に用いられていますが、旋律はさまざまな形に変形されていきます。「海流」はルクセ ンブルク文化省の委嘱作品。流動的な旋律がやがてクライマックスを形成し、最後は穏やかな雰囲気に包 まれ曲を閉じます。

   NAXOS 2022年12月発売(2)
NAX-8.574449(1CD)
マルシュナー:序曲と舞台音楽集 第1集
歌劇「キフホイザー山」 - 序曲(1816)*
ジングシュピール「美しいエラ」 (1823)より*
  序曲/第2幕 間奏曲
 第2幕 バレエ音楽/第3幕 間奏曲
 第4幕 間奏曲
 第4幕 戦士と少女の行進曲
 第5幕 間奏曲
 歌劇「アリババ 、または40人の盗賊」(1823)より*
 序曲/第2幕 メロドラマ
 第2幕 終曲/第3幕 バレエ音楽
  第3幕 終曲
歌劇「木材泥棒」(1823) -序曲
歌劇「ベルリンのウィーンっ子」- 序曲*
チェコ室内Oパルドビツェ
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2022年1月24-26日、31日
*=世界初録音
ウェーバーとワーグナーを繋ぐドイツ・オペラの作曲家の一人ハインリヒ・マルシュナー。1817年に初めて歌劇の作曲に着手し、以降、歌劇「吸血鬼」などいく つかの作品の完成を経て、1833年には代表作「ハンス・ハイリング」がベルリンで初演され、マルシュナーの名声は頂点に達しました。現在、マルシュナーの 作品を耳にすることはあまりありませんが、彼の作品の特徴とも言える華麗なオーケストレーションと、極めてロマンティックな旋律、巧妙に用いられたシュプレヒ ゲザングは、ワーグナーら次世代の作曲家たちにも多大なる影響を与えました。NAXOSではマルシュナーの序曲と舞台音楽集のシリーズを開始、第1集で は幽霊や盗賊が活躍する物語を題材にした「美しいエラ」と「アリババ」からの音楽を中心に収録。マルシュナーの旋律美を存分に楽しめます。オーベールや マイアベーアの序曲の録音でおなじみのダリオ・サルヴィとチェコ室内Oパルドビツェの演奏で。
NAX-8.572686(1CD)
ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914): 交響曲第2番、他
交響曲第2番変ホ長調(1883)(ロザリンド・トリュープガーによる2011年復元版)
シンフォニア・エピタラミオ(1887)
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)

録音:2012年12月19-24日
全て世界初録音
イタリア生まれの作曲家ジョヴァンニ・ズガンバーティの作品集。イタリア人の父とイギリス人の母のもとにローマ で生まれ、父の死を機にトレーヴィに移住、ここで歌手、指揮者として活躍しました。その後、ワーグナーを敬 愛していた彼は、1860年にローマに戻り、当時イタリアで演奏されることが稀であったドイツ音楽の普及に力 を尽くしました。またフランツ・リストとも親交を結んだことでも知られています。 このアルバムには彼の2つの作品を収録。ワーグナーを思わせる半音階進行を積極的に用いたドイツ・ロマン 派風の様式を持つ交響曲第2番は、1881年にローマで初演、フィレンツェ、ミラノで相次いで演奏され大成 功を収めました。その翌年にはロンドン、1884年にはパリで演奏されたものの、なぜか出版されることがなく、 彼の死後の追悼演奏会で演奏されて以降、総譜は行方不明となり、オーケストラのパート譜のみが残存。 21世紀になって音楽家ロザリンド・トリュープガーが3年がかりで作品を復元し、2012年にこの録音が実 現、2014年に改めて演奏会が行われました。同じく世界初録音となる「シンフォニア・エピタラミオ(婚礼の 交響曲)」は1888年9月12日、サヴォイア公アマデオの結婚式で演奏された曲。3つのパート、5つの楽章 で構成され、各々のパートには結婚式に関連した場所にちなんだタイトルが付されており、全体的に祝祭 ムードが漂う美しい作品に仕上がっています。
NAX-8.574508(1CD)
ニクラス・シーヴェレフ(1968-):交響曲第1番&第5番
交響曲第1番「ノルディコ」(2013)
交響曲第5番「管弦楽のための協奏曲」(2020)
マルメ歌劇場O
ヨアキム・グスタフソン(指)

録音:2021年6月7-18日マルメ(スウェーデン)
スウェーデン出身のピアニスト・作曲家ニクラス・シーヴェレフによる2曲の交響曲。6歳からオルガンを学び、 14歳でピアノに転向、17歳の時にストックホルム王立音楽院に入学し、作曲とピアノを学んだシーヴェレフは 演奏家として活躍するかたわら、交響曲も積極的に作曲。この10年間で6曲を完成させ、現在7作目に取 り掛かっているということです。 2013年に書かれた交響曲第1番は、この年に息子が生まれたことで創作意欲を高めたシーヴェレフによる 作品で、彼の故郷であるスウェーデン北部の風景と、シベリウスの影響が感じられる色彩的な音楽です。パ ワフルな打楽器セクションとピアノ・パートを持ち、激しいリズムの応酬と金管楽器のコラールを特徴とします。 交響曲第5番は「オーケストラのための協奏曲」。とはいえ各楽器に名人芸が求められるのではなく、2つの 楽章はAdagioのゆったりしたテンポで進み、あくまでも内省的に静かな楽想が発展します。第2楽章の主 題は、彼が愛猫のために作曲したジャズ・バラードが元になっており、ブルースの影響を受けたハーモニーが心 地よく耳に残ります。
NAX-8.574456(1CD)
ファブリース・ボロン(1965-):生まれない孫たち/コーダニアの秘密の花園
生まれない孫たち(2014/2021)-ゲオルク・トラクルの詩による声とエレクトリック・チェロのための歌曲集
コーダニアの秘密の花園
イリーナ・ジェウン・パク(S)
ナッタポン・タマチ(T)
ヨハネス・モーザー(エレクトリック・チェロ)

録音:2021年5月14-16日、2021年10月17日
オーストリアの表現主義作家ゲオルク・トラークルの詩を用いて書かれた歌曲集「生まれない孫たち」。 指揮者・作曲家として活躍するファブリース・ボロンのこの作品は、もともと2014年にテノール、ソプラノ、室 内オーケストラのために書かれたもので、2021年にエレクトリック・チェロと歌のために改訂されました。奇妙な タイトルは、トラークルの詩の最終行に由来し、第一次世界大戦で兵士の亡骸を目にしたトラークルの「もう 彼には決して孫や子孫が生まれることはない」という悲痛な心の叫びが凝縮されています。ピッツィカートをは じめとした多彩な音色を活かした、時にはグロテスクとも言えるエレクトリック・チェロの響きにのって歌いかわす ソプラノとテノールの印象的な歌唱は、現代音楽の予期せぬ新しい方向性を切り開くものとして注目される ことでしょう。また、ボロンがチェリストの妻に捧げた作品「コーダニアの秘密の花園」は、多重録音を駆使した エレクトリック・チェロのための刺激的な作品です。
NAX-8.555218(1CD)
アーチボルド・ジョイス(1873-1963):管弦楽作品集
ドリーミング
プリンス・オブ・ウェールズの大行進曲
秋の歌(秋の夢)/ポルカ「フルー=フルー」
一千回のキス/キャラバン組曲
あなたの夢/アイリス、バレエの舞曲
過ぎ行くサロメ/音楽喜劇「トト」(抜粋)
RTEコンサート・オーケストラ
アンドルー・ペニー(指)

※MARCOPOLO 8.223694のレーベル移行盤
アーチボルド(アーチバルド)・ジョイスは英国の作曲家。擲弾兵部隊の楽長を務めた父のもと、幼いころから ヴァイオリンとピアノを学び、10代のころから舞踊学校やダンスホールなどで演奏し、1900年代初頭には自 身のダンス・オーケストラを率いてさまざまな場所で演奏会を行うなど大活躍。彼が作曲したワルツは大評判 となり、やがて「イギリスのワルツ王」「イギリスのワルトトイフェル」などと呼ばれるようになります。このアルバムに は彼のさまざまな作品を収録。代表作「ドリーミング」や、彼の作品の中で最も多く録音された作品の一つ 「秋の歌」、東洋的な雰囲気を持つ「キャラバン組曲」など美しく親しみやすい曲が並びます。
NAX-8.574300(1CD)
アントン・ルビンシテイン:ピアノ作品集
3つの小品 Op. 16(1855)
3つのカプリース Op. 21
2つの小品 Op. 28
6つの小品 Op. 51
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2021年12月3日
ロシアのピアニスト、アントン・ルビンシテインのピアノ作品集。作曲家としては、ベートーヴェンを思わせる壮大 な交響曲がロシア音楽ファンの間で人気を集めていますが、ピアノ曲は「天使の夢」などの一部の作品以 外、あまり演奏される機会がありませんでした。しかしNAXOSからもジョセフ・バノウェツの演奏によるいくつか の作品の録音が発売されるなど、近年再評価が進んでいます。このアルバムでは1850年代半ばに作曲さ れた一連の作品に焦点をあて、リストやベートーヴェンを得意とするピアニスト、セルジオ・ガッロの演奏でこれ らをお楽しみいただけます。冒頭に置かれた、せわしないモティーフが印象的な「即興曲 Op.16No.1」や、 夜想曲とカプリス、この対照的な性格が際立つ「2つの小品 Op. 28」、そして技巧的な側面が際立つ「6つ の小品 Op. 51」など優れたピアニストとして活躍したルビンシテインならではの華麗な作品をお聴きくださ い。
NAX-8.574468(1CD)
期待の若手演奏家シリーズ/ヴァレンティン・マリーニン(P)
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 Op. 57
グラナドス:ゴイェスカス 第2部 エピローグ(幽霊のセレナード)
スクリャービン:ワルツ 変イ長調 Op. 38
プロコフィエフ:4つの練習曲 Op. 2
ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 「イスカテリ」 (V. マリーニン編)
ヴァレンティン・マリーニン(P)
ブレトンSQ【アン=マリー・ノース(Vn1)、アントニオ・カールデナス(Vn2)、ロシオ・ゴメス(Va)、ジョン・ストークス(Vc)】

録音:2021年4月14日(ライヴ)、2021年4月20日、2021年6月27日
2021年にスペインで開催された「第62回ハエン賞国際ピアノコンクール」で優勝したロシア出身のピアニス ト、ヴァレンティン・マリーニン。このアルバムではコンクールでの演奏と、その後に収録された演奏からマリーニン 自身が選んだ曲を並べたプログラムが楽しめます。ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲はマリーニンの高いアン サンブル能力が聴きどころで、聴衆からの温かい拍手も聞かれます。続くグラナドス作品は、コンクールの特 色の一つである「優れたスペイン音楽の解釈者」たる資質を問う曲。冥界から帰ってきた亡霊が愛する人の ために奏でるセレナードをマリーニンは巧みに弾きこなしました。コンクール後にロシアで録音されたスクリャービ ンとプロコフィエフ作品は、ロシア出身のマリーニンが大切にしているレパートリー。また最後に置かれたビゼー の「「真珠採り」より"耳に残るは君の歌声"」では、ラヴェルを思わせる曲調による大胆なアレンジを披露して います。
NAX-8.571383(1CD)
ハーバート・ハウエルズ:ピアノ作品集 第2集
鹿がため息をつくように(1963)
アラブの歌(1908)/野の花へ(1908)
ロマンス(1908)/メロディ(1909)
伝説(1909)/選ばれた旋律(1920)*
マージーの旋律(1924)
田舎の行列(1928)
小さな踊りの本(1928)
水夫の旋律(1930)/3つの旋律(1932)
ウルズラのためのメヌエット(1935)
少女たちのための散歩道(1938)
2少年たちのための散歩道(1938)
今もいつも(メヌエット風に)(1967)
ピアノ・ソナチネ(M.シェルホーン編)(1971)
マシュー・シェルホーン(P)

録音:2021年12月21日-23日
※*以外=世界初録音
20世紀英国の作曲家ハーバート・ハウエルズ。グロスタシャーのリドニーで生まれ、アマチュアのオルガニストだった父の下、幼い頃から音楽の才能を発揮しま した。グロスター大聖堂のオルガン奏者ハーバート・ブルワーに師事し、英国王立音楽大学に入学、ここではスタンフォードらから教えを受けました。円熟期 以降は宗教音楽の作曲に力を注いだことでも知られます。この第2集もハウエルズの研究者であるマシュー・シェルホーンがピアノを演奏。10代に作曲された 詩的な雰囲気を持つ小品から、英国風の洒落た旋律を持つ「田舎の行列」、晩年の神秘的な舞曲「今もいつも」まで多彩な作品を通じて、ハウエルズの 作風の変遷を辿ることができます。アルバムにはシェルホーンが編集した1971年作曲の「ピアノ・ソナチネ」も含まれるなど、貴重な音源を含む作品集に仕 上がっています。 マシュー・シェルホーンは1977年生まれの英国のピアニスト。幅広いレパートリーを持つだけでなく、現代英国の作曲家の作品を中心に、100曲以上の初 演を行うなど現代音楽の探求にも力を注いでいます。
NAX-8.551462(1CD)
ヴィクトル・バビンへのオマージュ
チャイコフスキー:弦楽セレナード- ワルツ
 歌劇「エフゲニー・オネーギン」- ワルツ
 バレエ『白鳥の湖』 -ワルツ
 バレエ『くるみ割り人形』-ワルツ
リムスキー=コルサコフ:歌劇「サトコ」- 子守歌
 歌劇「雪娘」- 軽業師の踊り
ラフマニノフ:ここはすばらしい場所 Op. 21No. 7
 春の洪水 Op. 14No. 11
 ヴォカリーズ Op. 34No. 14
ボロディン(1883-1887):歌劇「イーゴリ公」-だったん人の踊り
ヴィクトル・バビン(1908-1972):古風な主題による3つの幻想曲*

*以外=ヴィクトル・バビンによる2台ピアノ編
カテリーナ・モスカレヴァ(P)
アレクセイ・プディノフ(P)

録音:2022年5月10-12日
30年以上にわたる世界中での活躍が知られる夫婦のピアノ・デュオ「ヴロンスキー&バビン」。2022年は夫 でアレンジャーでもあったヴィクトル・バビンの没後50年にあたります。 このアルバムは、カテリーナ・モスカレヴァとアレクセイ・プディノフによる「TWO4PIANO」が、バビンが2台ピアノ のために編曲し、レパートリーとしていたチャイコフスキーのロマンティックなワルツや、リムスキー=コルサコフ、ラ フマニノフ、ボロディンの名作を熱演。ピアノの華麗な響きを存分にいかした迫力ある2台ピアノのためのアレン ジの数々をお楽しみいただけます。また、新たに発見されたバビンのオリジナル作品も演奏されており、彼の 作曲家としての才能も味わえます。 "TWO4PIANO"はカナダ、バンクーバーで開催された「ノースウェスト国際ピアノ・アンサンブル・コンクール 2018」で第1位を獲得、ドイツ国内外で幅広く活躍しているピアノ・デュオ。このアルバムがNAXOSデビュー となります。
NAX-8.660518(3CD)
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「天国の衣」 王女…アンジェリーナ・ルザファント(S)
王子…ジブランド・バーザ(T)
校長…ラインハルト・ライゼンハイマー(T)
コービニアン王子…シュテファン・アダム(Br)
グドリン王子/物乞い…セルジオ・ゴメス(Bs)
フリードリン王子…ペール=マルティン・シュトゥルム(T)
ピッピン王子…ミヒャエル・クルツ(T)
月の妖精…アンナ=マリーア・ドゥア(Ms)
ハーゲン歌劇場cho
ハーゲンPO
ゲルハルト・マークソン(指)

録音:1996年1月22-26日
※MARCOPOLO 8.223261-63のレーベル移行盤
「Das Himmelskleid 天国の衣」は、1927年にハンス・クナッパーツブッシュの指揮によってミュンヘンで初 演されたエルマンノ・ヴォルフ=フェラーリの歌劇です。原作はシャルル・ペローのお伽噺「ロバの皮」で、傲慢な 若い王女が財産、愛など全てを失うという苦難の末、死を前にして自身の欠点に気付き、探し求めていた 「天国の衣」はもともと身に着けていたことを知るという"人間の魂の成長"を描いた大作。それまで喜歌劇で 注目されていたヴォルフ=フェラーリ初のロマンティックな作品であったためか、聴衆の反応と批評家の評価は まちまちで、舞台が大成功を収めることはなく、そのまま忘れられてしまいましたが、1995年、忘れられた作 品の再発見に定評のあるハーゲン歌劇場が「天国の衣」を再演。大きな注目を集めました。この録音は再 演の翌年、当時ドイツで活躍していた歌手たちを起用して実現したものです。
NAX-8.574345(1CD)
ブラームス:歌曲全集 第2集
49のドイツ民謡集 第1集-第5集(1893-94)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
エスター・ヴァレンティン=フィーグト(Ms)
キーラン・カレル(T)
コンスタンティン・インゲンパス(Br)
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:2021年4月26-28日、6月21-23日
シューベルト、シューマンの伝統に連なる、19世紀のドイツにおけるリート(歌曲)発展の立役者の一人がブ ラームスです。彼は生涯を通じて約300作にも及ぶ歌曲を作るとともに、ドイツ民謡を元にした歌曲も多く遺 しています。このアルバムに収録されたのは、後者の代表作の一つ「49のドイツ民謡集」第1集-第5集の35 曲です。ドイツの言語学者アントン・ヴィルヘルム・ズッカルマリオとアンドレアス・クレッチュマーが編纂した「ドイ ツ民謡集」に収められた旋律を元に、ブラームスが見事なピアノ伴奏を付け、愛や嘆き、ユーモア、悲しみな どのテーマ毎に分けられたこの曲集は、どれも素朴な旋律を持ちながら、時には親密に、時には緊迫した情 景が描かれた曲ばかり。ブラームスが愛したドイツ民謡が持つ豊かな世界がお楽しみいただけます。アルバム では4人の歌手たちが分担して、それぞれが曲に寄り添った歌唱を聴かせます。ピアノ伴奏のウルリヒ・アイゼ ンロールは素晴らしい演奏で歌手たちをサポートするとともに、ブックレット(英語)に詳細な解説を書いていま す。

   NAXOS 2022年12月発売(1)
NAX-8.507015(7CD)
NX-F05

NYCX-10361(7CD)
税込定価
アルヴェーン(1872-1960):交響曲全集・管弦楽曲集
【CD1】…8.553962
祝典序曲 Op. 25
組曲『山の王』
スウェーデン狂詩曲第2番「ウプサラ狂詩曲」 Op. 24
交響曲第1番ヘ短調 Op. 7
【CD2】…8.555072
バレエ組曲「放蕩息子」
交響曲第2番ニ長調 Op. 11
【CD3】…8.553729
スウェーデン狂詩曲第3番「ダーラナ狂詩曲」 Op. 47
岩礁の伝説 Op. 20
交響曲第3番ホ長調 Op. 23
【CD4】…8.557284
交響曲第4番ハ短調 「海辺の岩礁から」Op. 39
祝典序曲 Op. 52
【CD5】…8.557612
交響曲第5番イ短調 Op. 54
黙示録カンタータ Op. 31- アンダンテ・レリジオーソ
【CD6】…8.557828
組曲『ソルバッケンのシュネーヴィ』 Op. 50(エドゥアルド・フラディッシュによる室内管弦楽編)
組曲『田舎の物語』 Op. 53
エレジーOp. 38
【CD7】ボーナスCD…8.553115
スウェーデン音楽名曲集
アウグスト・セーデルマン(1832-1876):スウェーデン祝祭音楽
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927:カンター『歌』 - 間奏曲
ラーシュ=エリク・ラーション: 田園組曲
ラーション:「冬物語(または、ある冬の物語)」 - エピローグ
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル:「フレースエーの花々」より(管弦楽編)
 第3集 第2曲 夏の牧場に歩み入る
 第1集 第2曲 夏の歌
 第1集 第5曲 祝福
 第1集 第6曲 フレースエーの教会にて
アルヴェーン:組曲『放蕩息子』 - ポルカ
ダグ・ヴィレーン(1905-1986):弦楽のためのセレナード - 行進曲
アルヴェーン:組曲『グスタフ・アドルフ2世』 - エレジー
アルヴェーン:スウェーデン狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」Op.19
【CD1-6】
ニクラス・ヴィレーン(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO(CD1&3)
アイルランド国立SO(CD2)
アルンディス・ハーラ(ソプラノ:CD4)
ヨハン・ヴァルディマルソン(テノール:CD4)
アイスランドSO(CD4)
ノールショピングSO(CD5&CD6)
【CD7】
オッコ・カム(指)
ヘルシンボリSO

録音
CD1:1996年5月21日&22日 グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール
CD2:2000年5月29日-31日 ダブリン、ナショナル・コンサート・ホール
CD3:1996年2月1日&2日 グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール
CD4:2003年6月10日-13日 レイキャビク、ハスコラビオ
CD5:2004年6月15日-17日、2005年5月23日-27日 ノールショピング、ド・イェール・ホール
CD6:2004年6月17日&18日、2005年5月23日-27日 ノールショピング、ド・イェール・ホール
CD7:1994年8月30日-9月1日 ヘルシンボリ・コンサート・ホール
ヒューゴ・アルヴェーンはステーンハンマルと並ぶ近代スウェーデンを代表する作曲家。1872年にストックホルムに生まれ、1887年から91年まで王立音楽大 学でヴァイオリンを専攻し、並行して作曲のプライベート・レッスンも受けました。在学中の1890年から王立歌劇場のヴァイオリン奏者としても活動。その後、 ヨーロッパでヴァイオリンと指揮を学び、帰国後の1910年にはウプサラ大学の音楽監督に就任、同時に世界屈指の男声合唱団オルフェイ・ドレンガーの指 揮者を37年間にわたって務めるなど、指揮者としても活躍しました。 アルヴェーンの交響曲第1番が書かれたのは1897年。その作曲家としての活動の大半は20世紀ですが、彼は調性に基づく後期ロマン派のスタイルによる 作品を書き続けました。そのため保守的な作曲家と見なされたこともありますが、抒情的なメロディと情緒豊かな和声に彩られた作品群は親しみやすく、時 代を越えた魅力をもっています。特にスウェーデン狂詩曲第1番『夏至の徹夜祭』はパーシー・フェイスやマントヴァーニがカバー。日本でもNHK「みんなのう た」で「風のくれたひみつ(スウェディッシュラプソディ)」として発表されたこともあります。アルヴェーンは水彩画を得意とし、画家として身を立てようとした時期も ありました。アルヴェーンの音楽が北欧の自然や情景を想起させるのは、そのような才能と無関係ではないのでしょう。 ちなみに、アルヴェーンの甥ハンネス(ハンス)は1970年にノーベル物理学賞を受賞しました。アルヴェーンの「祝典序曲 作品25」はノーベル賞の授賞式にお けるレパートリーの一つとなっているので、その折にも演奏されたのかもしれません。
CD1から6を指揮するニクラス・ヴィレーンは、1961年生まれ。アルヴェーンと同じくストックホルムに生まれ、王立 音楽大学で学びました。ロイヤル・ストックホルム・フィルの首席客演指揮者、ケルン放送Oの首席指揮 者をはじめ、主にスカンジナビア諸国とイギリス、ドイツで活動しています。 今回のボックス化に際して、当初はCD6までの計画でしたが、『夏至の徹夜祭』を入れて欲しいとの強い要望が あり、CD7が追加されました。名匠オッコ・カムの指揮するスウェーデン音楽の名曲集です。合わせてお楽しみくだ さい。
※国内仕様盤には、スウェーデン音楽の紹介に取り組んでいるステーンハンマル友の会代表でピアニストの和田 記代氏による日本語解説が付属します。

   NAXOS 2022年11月発売(3)
NAX-8.574200(1CD)
ベートーヴェン:グランド・シンフォニー集第2集
交響曲第6番ヘ長調 「田園(J.N. フンメルによるフルートとピアノ三重奏編)
交響曲第2番ニ長調 Op. 36(J.N. フンメルによるフルートとピアノ三重奏編)
ウーヴェ・グロット(Fl)
ペットマン・アンサンブル【カート・トンプソン(Vn)、エディト・ザルツマン(Vc)、ミヒャエル・エンドレス(P)】

録音:2019年10月2-5日
19世紀にはレコードなどの録音はありませんでしたが、楽譜出版が盛んになり、大規模な管弦楽作品を室内楽編成に編曲して演奏する「ハウスムジーク」 が流行しました。ベートーヴェンより8歳年下のフンメルも、モーツァルトやベートーヴェンの交響曲や協奏曲の室内楽版を作っています。ここに収録された第6 番「田園」と第2番では、原曲のオーケストラとは一味違って、演奏者の繊細な会話にも似た味わいを楽しむことができます。フルートは前作と同じウーヴェ・ グロットで、彼が参加するペットマン・アンサンブルが見事な演奏を聴かせます。今回はピアノにヴェテラン奏者、ミヒャエル・エンドレスが加わり活気に満ちた演 奏を繰り広げています。
NAX-8.574417(1CD)
モーツァルト:ミサ曲全集 第2集
ミサ曲第18番ハ短調 「大ミサ曲」 K. 427(F. バイヤーによる補筆完成版)
ミサ・ブレヴィス ハ長調 「シュポウル・ミサ」 K. 258
カタリナ・コンラディ(S)
サラ・ロンベルガー(Ms)
マルタン・ミッタールッツナー(T)
ミハイル・ティモシェンコ(Bs)
ケルン西ドイツ放送cho
ケルン室内O
クリストフ・ポッペン(指)

録音:2021年10月8-15日
第1集(8.574270)が好評を博したNAXOSの新シリーズ、クリストフ・ポッペンが指揮するケルン西ドイツ放送 合唱団とケルン室内Oの演奏によるモーツァルトのミサ曲全集。第2集では未完成となったものの規模 の大きさで知られる「大ミサ」ハ短調 K.427と1776年にシュポウル(シュパウアー)伯爵のために書かれたとされ る「ミサ・プレヴィス」K.258の2曲を収録。 1782年に作曲された「大ミサ」は妻コンスタンツェがソプラノ・パートを歌い初演された作品で、クレドとアニュス・ デイは未完成のまま残されており、近年、複数の補筆版が作成されています。この録音では音楽学者でモー ツァルト研究のオーソリティであるフランツ・バイヤーが補筆し1989年に出版した版が用いられました。 ハ長調の「ミサ・ブレヴィス(短いミサの意)」はシュポウル伯爵の聖職受任式のための曲と考えられており、全体 が祝祭的な雰囲気に包まれた、簡素ながらも明るさを持つ作品です。 今作でも、ドイツの歌劇場やオーケストラ出演で活躍する4人のソリストが起用されており、各々が素晴らしい 歌唱を披露しています。とりわけソプラノのカタリナ・コンラディの清冽な歌唱が聴きどころです。ポッペンは今作で も作品の厳粛な美しさを引き出しています。
NAX-8.559920(1CD)
フローレンス・ベアトリス・プライス(1887-1953): 管弦楽作品集
演奏会用序曲第1番(1939) (黒人霊歌「罪人よ、この収獲を枯らさないで」に基づく)
演奏会用序曲第2番(1943)
(黒人霊歌「行け、モーゼ」「精霊を感じるたびに」
 「誰も知らない私の悩み」に基づく)(エンディングA)
交響詩「オークの歌」(1943)…世界初録音
交響詩「オーク」(1943)(エンディングB)
コロニアル・ダンス(作曲年不明)…世界初録音
舞踏組曲(作曲年不明)…世界初録音
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
ジョン・ジーター(指)

録音:2022年4月20日、2022年4月21日、2022年4月22日
国際的に注目度急上昇中の作曲家フローレンス・プライス。「黒人女性初の交響曲作曲家」と呼ばれるプライスの 音楽は、アフリカ由来のリズムや黒人霊歌を大胆に取り入れて親しみやすさと感情に訴える個性的な魅力を備え ています。2021年のBBCプロムスのラスト・ナイトで演奏された交響曲第1番の第3楽章「ジュバ・ダンス」がその典 型。このアルバムの収録曲にもそうした魅力が発揮されています。交響詩ではハリウッドの映画音楽の影響を受けた 華やかで色彩感豊かなオーケストレーションも楽しめます。 交響曲第1番でアメリカの作曲賞を受賞し、初演も大好評を得たプライス。黒人霊歌を採り入れた「演奏会用序 曲第1番」はシカゴSOでの演奏がテレビ放送され、人気を博しました。舞踊組曲は、ピアノのための「3つの 小さな黒人のダンス」をプライス自身がオーケストレーションしたもの。こちらも歌心溢れる旋律と陽気なリズムが随所 に聴かれます。同じく黒人霊歌を採り入れた「演奏会用序曲第2番」や交響詩「オークの歌」は、その総譜の存在 が2009年まで知られずにいましたが、プライス再評価が進んで陽の目を見たものです。NAXOSレーベルに交響曲 第1番&第4番(8.559827)と交響曲第3番(8.559897)を録音するなど、プライス作品の演奏に取り組んでい る指揮者ジョン・ジーターによる演奏です。
NAX-8.574371(1CD)
ドヴォルザーク:グレイテスト・メロディーズ(ピーター・ブレイナーによるピアノ編)
1. ピアノ五重奏曲 イ長調 Op. 81B. 155(1887) - 第2楽章 ドゥムカ
2. ピアノ五重奏曲 イ長調 Op. 5B. 28(1872) - 第2楽章 アンダンテ・ソステヌート
3. 夕べの歌 Op. 31(1876) - 第2曲 小さなおまえたち、小鳥よ
4. スラヴ舞曲第10番ホ短調 Op. 72, B. 145, No. 2(1886)
5. ロマンス ヘ短調 Op. 11B. 38(1877)
6. セレナード ホ長調 Op. 22B. 52(1875) - 第1楽章 モデラート
7. セレナード ホ長調 Op. 22B. 52- 第2楽章 テンポ・ディ・ヴァルス
8. セレナード ホ長調 Op. 22B. 52- 第4楽章 ラルゲット
9. セレナード ニ短調 Op. 44B. 77(1878) - 第1楽章 モデラート・クアジ・マルチア
10. セレナード ニ短調 Op. 44B. 77- 第2楽章 メヌエット
11. ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 「ドゥムキー」 Op. 90B. 166(1891)
 - 第2楽章 ポーコ・アダージョ
12. ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 「ドゥムキー」 Op. 90B. 166- 第3楽章 アンダンテ(パートI)
13. ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 「ドゥムキー」 Op. 90B. 166- 第3楽章 アンダンテ(パートII)
14. ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 「ドゥムキー」 Op. 90B. 166- 第4楽章 アンダンテ・モデラート
(クアジ・テンポ・ディ・マルチア)
15. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163(1889) - 第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ
16. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163- 第2楽章 アダージョ(パートI)
17. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163- 第2楽章 アダージョ(パートII)
18. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163- 第3楽章 アレグレット・グラツィオーソ
19. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163- 第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
20. 交響曲第9番ホ短調 「新世界より」 Op. 95B. 178(1893) - 第1楽章 アダージョ
21. 交響曲第9番ホ短調 「新世界より」 Op. 95B. 178- 第1楽章 アレグロ・モルト
22. 交響曲第9番ホ短調 「新世界より」 Op. 95B. 178- 第2楽章 ラルゴ
23. 交響曲第9番ホ短調 「新世界より」 Op. 95B. 178- 第4楽章 アレグロ・コン・フォーコ
24. ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 53B. 96(1879) - 第2楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ
25. ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 53B. 96 - 第3楽章 フィナーレ
(アレグロ・ジョコーソ、マ・ノン・トロッポ)(パートI)
26. ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 53B. 96 - 第3楽章 フィナーレ
(アレグロ・ジョコーソ、マ・ノン・トロッポ)(パートII)
27. チェロ協奏曲 ロ短調(1895) Op. 104B. 191- 第1楽章 アレグロ
28. 弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 「アメリカ」 Op. 96B. 179(1893) - 第2楽章 レント
29. ロンド ト短調 Op. 94, B. 171(1891)
30. 弦楽五重奏曲 変ホ長調 Op. 97B. 180(1893) - 第2楽章 アレグロ・ヴィーヴォ
31. 弦楽五重奏曲 変ホ長調 Op. 97B. 180- 第3楽章 ラルゲット
32. ジプシーの歌 Op. 55B. 104(1880) - 第4曲 我が母の教え給いし歌
33. 歌劇「ルサルカ」 Op. 114B. 203(1900) - 第1幕月に寄せる歌
全てピーター・ブレイナーによるピアノ編
ピーター・ブレイナー(P)

録音:2021年4月22-23日、2022年2月2-3日
NAXOSが誇る名アレンジャー、ピーター・ブレイナー。 今作ではブレイナーが長らく魅了されていたという、クラシック音楽界屈指のメロディメーカー、ドヴォルザークの名作を癒しのピアノ独奏曲にアレンジしていま す。 交響曲第8番や第9番「新世界より」などのオーケストラ作品から2つのセレナード、「我が母の教え給いし歌」「月に寄せる歌」まで様々な作品の聴きどころ が33曲のセンスの良いピアノ曲として生まれ変わっており、改めてドヴォルザークの旋律美を堪能できます。
NAX-8.555219(1CD)
エドワード・ジャーマン(1862-1936):作品集
付随音楽「リチャード3世」 - 序曲
主題と6つのダイヴァージョン
交響組曲『四季』(1899年版)
RTEコンサート・オーケストラ
アンドルー・ペニー(指)

録音:1994年1月6-7日
※MARCO POLO 8.223695のレーベル移行盤
英国シュロップシャー州ホイットチャーチの小さな市場町に生まれたエドワード・ジャーマン。 父は醸造家を営みつつ地域の教会オルガニストを務め、母はアマチュアの歌手という家庭に育ったジャーマンは、幼 い頃から音楽の才能を発揮します。成長してからはヴァイオリニストとして活動するかたわら作曲も手掛け、1888 年にはロンドンのグローブ座の音楽監督に就任。キャリアの早い段階で指揮生活には終止符を打ち、以降作曲家 として活動、コミック・オペラの大家アーサー・サリヴァンの後継者として認められるなど高く評価されました。このアルバ ムには代表作の一つ『四季』をはじめ、友人エルガーの提案で書かれた「主題と6つのダイヴァージョン」、シェイクスピ アの戯曲のための「リチャード3世」の序曲を収録。ジャーマンの持ち味である巧みなオーケストレーションによる華や かな作品を味わえます。
NAX-8.574394(1CD)
現代のギター作品集
スティーヴ・ライヒ(1936-):エレクトリック・カウンターポイント(1987)
ジョン・ケージ:ルーム(1943)(A. タッリーニによるプリペアド・ギター編 2021)
エリオット・カーター:チェンジ(1983)
ジェイムズ・ダショウ(1944-):アイピース(2019)…世界初録音
アルトゥール・カンペーラ(1960-):パーカッション・スタディ III(1997)…世界初録音
ケージ:夢(1948)(A. タッリーニによるギター編 2021)
アルトゥーロ・タッリーニ
(エレクトリック・ギター/プリペアド・ギター/クラシック・ギター/ヴォカリーズ)
ドメニコ・アッシオーネ(あらかじめ録音されたエレクトリック・ギターでの演奏)
ジェイムズ・ダショウ(エレクトロニクス)

録音:2021年7月10日
2021年8月10日、8月27日、8月28日
2021年10月29日
21世紀に入ってからギターのレパートリーは一層充実し奏者の技術も向上、エレクトリック・ギターや多重録音を導 入するなど様々に発展しています。 1987年に開催された第20回ミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクールで優勝したアルトゥーロ・タッ リーニも様々なギターを弾きこなす名手の一人。このアルバムではパット・メセニーのために書かれたスティーヴ・ライヒ の名作「エレクトリック・カウンターポイント」を冒頭に置き、彼の友人であった亡きギタリスト、ドメニコ・アッシオーネが 録音してあったテープ録音に併せソロ・パートを演奏しています。他には自身がプリペアド・ギターのためにアレンジし たケージの「ルーム」や、世界初録音を2作含むクラシック・ギターのための4曲を演奏。カンペーラの「パーカッション・ スタディ」では歌やつぶやきも合わせながら超絶技巧を披露します。
NAX-8.574150(1CD)
近代英国のヴィオラを伴う室内楽作品集
ヨーク・ボーエン(1884-1961):C線上のメロディOp. 51, No. 2(1918頃)
 演奏会用アレグロ Op. 21, No. 2(1906)(ヴィオラとピアノ版)
イモージェン・ホルスト(1907-1984):4つのやさしい小品(1935)
ブリテン:ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op. 6(1934-35)- 第5曲 ワルツ(ヴィオラとピアノ版)
ボーエン:ヴァイオリンとヴィオラのための3つの二重奏曲(1940年代後期)
 ロマンス イ長調 Op. 21, No. 1(ヴィオラとピアノ版)
イモージェン・ホルスト:ヴィオラとピアノのための二重奏曲
ボーエン:ロマンス 変ニ長調(1900/1904改訂)(ヴィオラとピアノ版)
 G線上のメロディ Op. 47(1917頃)(ヴィオラとピアノ版)
 ヴィオラとピアノのための狂詩曲 ト短調 Op. 149(1955)
ユエ・ユー(Va)
アンソニー・ヒューイット(P)
ジェフリー・アームストロング(Vn)

録音:2019年9月9-11日
ロンドン出身のヨーク・ボーエンは王立音楽アカデミーで学び、後に教職に就いた作曲家。自身はホルンとヴィオラを演奏、ヴァイオリンよりもヴィオラの音色を 好んだとされています。ライオネス・ターティスの名技に触発され、彼のためにいくつかの作品を書くとともに伴奏者としても活躍しました。アルバムに収録されて いる力強い楽想を持つ「ヴィオラとピアノのための狂詩曲」は彼のもっとも重要な作品の一つとみなされています。グスターヴ・ホルストを父にもつイモージェン・ ホルストは、主として父の作品の編曲者として知られていますが、ブリテンの協力者としても活躍、1956年からはオールドバラ音楽祭の芸術監 督を務めたことでも知られています。「4つのやさしい小品」と「ヴィオラとピアノのための二重奏曲」では彼女の作曲家としての才能が発揮されています。ブリテ ンの「ワルツ」は本来ヴァイオリンのための作品ですが、ここではヴィオラ版が演奏されています。20代の作曲家によるウィンナ・ワルツへの辛辣なパロディです。 ヴィオラを演奏するユエ・ユーは2022年の"CLASSIC FMライジングスター"の一人に選ばれた奏者。数多くのコンクール入賞歴を持ち、現在はザルツブル ク・モーツァルテウム大学で更なる研鑽を積んでいます。
NAX-8.551470(1CD)
ラ・ファム - 女性作曲家の旅 東方から西方へ
スアド・ブシュナック(1982-):The Borrowed Dress(K. ガシによる管弦楽編)
ディマ・オルショー(1975-):Those Forgotten on the Banks of the Euphrates(K. ガシによる2声と管弦楽編)
ヤスミン・ロイター(1981-):Salomea
ウクライナ伝承曲:Oi ne sviti misecenku(Z. クシュプラーによる2声、ヴァイオリンとピアノ編)
イルゼ・ウェバー(1903-1944):Wiegala
マリア・テレジア・フォン・パラディス(1759-1824):Sicilienne(伝 M.T. フォン・パラディス)(T. ミテヴァによるチェロと管弦楽)
ニルファー・ヌールバフシュ(1992-):The Window
フラカ・ゴランチ(1985-):The Speech of Love(F. ゴランチ、T. シャウアーによるナレーター、声と管弦楽編)
ドーラ・ペヤチェヴィチ(1885-1923):花の一生 Op. 19- 第5曲 薔薇
エラ・ミルヒ=シェリフ(1954-):Zeh hayofi
アンナマリア・コヴァルスキー(1991-):Perpetuo(2020年アンコール・バージョン)
12. カッシア(810頃)Pelagia(T. ミテヴァによる声とチェロ編)
アルベーナ・ペトロヴィチ=ヴラチャンスカ(1965-):Peperuga
ナジフェ・ギュラン(1921-1993):3つの演奏会用練習曲 - 第1番 ダンテル
マセドニア伝承曲:惨めな星の下に生まれた(V. ヴェルコフスカ=トラヤノフスカによる声と管弦楽編)
イジドラ・ゼベリャン(1967-2020):Sarabande(クラリネット、ヴァイオリンとピアノ版)
フランチェスカ・カッチーニ(1587-1641):Il primo libro delle musiche: Chi desia di saper 音楽 第1巻- 愛がどんなものか知りたい者がいれば(K. ゴスティンスキによる声と管弦楽編)
ポーリーヌ・ガルシア=ヴィアルド(1821-1910):6Melodies et une havanaise: No. 4. Hai luli!, VWV 1106
エリオナ・ルシティ(1971-):Hana ハナ
コンスエロ・ベラスケス(1916-2005):Besame mucho ベサメ・ムーチョ(T. シャウアーによる声と管弦楽編)
ミリアム・マケバ(1932-2008):Pata Pata パタ・パタ(T. シャウアーによる声と管弦楽編)
フラカ・ゴランチ(Ms)
ワールド・チェンバー・オーケストラ
コンスタンティノス・ディミナキス(指)
ディマ・オルショー(S)
ゾリアナ・クシュプラー(Ms)
マキシミリアン・ブラット(Vn)
テオドラ・ミテヴァ(Vc)
ドンカ・アンガチェヴァ(P)

録音:2021年12月10-12日、2022年2月13日
西欧(オクシデント)から東洋(オリエント、ここでは中東あたりまで)にいたる諸国の女性作曲家の作品を集めた1枚。伝承曲や有名なパラディスのシチアーノ などもありますが、20世紀後半から21世紀にかけて書かれた「今」の作品を多く含んでいるのが特徴です。収録作品のテイストは、民俗音楽の影響が濃い ものや実験的な現代音楽風など様々で、「女性だから」とひとくくりには出来ない創作の多様性を聞かせます。 アルバムで中心的役割を成すフラカ・ゴランチはコソボ共和国出身、オーストリアで学んだメゾ・ソプラノ。「カルメン」などオペラハウスで活躍するとともに、多く の曲と詞を書き、女性のためのプロジェクトを企画。女性活躍の可能性を広げる活動を続けています。

   NAXOS 2022年11月発売(2)
NAX-8.574372(1CD)

NYCX-10360(1CD)
国内盤仕様
税込定価
マーラー:交響曲第10番嬰ヘ長調(1910)(W. メンゲルベルク&C. ドッパー、による演奏会用版)…世界初録音
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番
香港PO
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指)

録音:2019年12月13-14日(ライヴ)
2019年12月13日と14日、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンの指揮する香港フィルは「”9番”の呪縛を越えて」と題するコンサートを行いました。前半がマーラー の交響曲第10番よりアダージョ(第1楽章)とプルガトリオ(通常は第3楽章、メンゲルベルク版では第2楽章と表記)、後半がショスタコーヴィチの交響曲第 10番という重量級のプログラムで、特に注目を集めたのがメンゲルベルクの校訂版を使ったマーラー。 マーラーが未完成で遺した第10番について、アルマ・マーラーはベルクとクシェネクのサポートを受け、アダージョとプルガトリオはほぼ演奏可能な状態と判断、 クシェネクに補筆を依頼しました。アルマはメンゲルベルクに初演を託したかったようですが、実際は1924年10月12日にフランツ・シャルク指揮ウィーン・フィル により初演されます。同年11月27日にはメンゲルベルク指揮コンセルトヘボウOがオランダ初演を行いましたが、この際にメンゲルベルクはマーラーの 遺した資料に加えてシャルクが初演に使ったスコアを提供され、アルマから独自の改訂を行う同意を得ました。メンゲルベルクは、コンセルトヘボウ管の副指揮 者で作曲家だったコルネリウス・ドッパーをアシスタントとしてスコアをブラッシュアップ。そのスコアはハーグのメンゲルベルク・アーカイヴに、パート譜はコンセルトヘ ボウ管のライブラリーに保存されています。大手楽譜出版のショット社はメンゲルベルク財団及び音楽学者マリヌス・デーヘンカンプとの共同作業で、この「メン ゲルベルク版」を校訂して出版。その初演を託されたのがアムステルダム生まれで、コンセルトヘボウ管のコンサートマスターを務めたズヴェーデンでした。彼は 香港での初演の翌2020年1月8日に、メンゲルベルク自身がこの曲を指揮したコンセルトヘボウ管とともにアムステルダムで演奏しました。 注目度という点ではマーラーが勝ってしまいますが、地元紙が「正確無比な演奏が非情さと恐怖さえ呼び覚ま す」と評したショスタコーヴィチの第10番の演奏も素晴らしい出来栄えで、このコンビのベスト・ディスクの一つとな ることでしょう。ちなみにショスタコーヴィチは1942年にマーラーの10番の補筆を依頼されましたたが断っています。 ※国内仕様盤には増田良介氏による日本語解説が付属します。

   NAXOS 2022年11月発売
NAX-8.574406(1CD)


NYCX-10358(1CD)
国内盤仕様
税込定価
クラウジオ・サントロ(1919-1989):交響曲全集 第2集
合奏協奏曲 ? 弦楽四重奏と管弦楽のために(1980)…世界初録音
交響曲第11番(1984)…世界初録音
B-A-C-Hによる3つの断章(1985)
交響曲第12番「9人のソリストのための協奏交響曲」(1987/1988-89改訂)…世界初録音
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)
アブネル・ランディム(Vn)
シモーネ・エレンチュク(Vn)
クレヴァーソン・クレーマー(Va)
エマーソン・ナザリオ(Vc)
ラウル・メゼネス(Fl)
ヨスエ・フェリペ(Ob)
パトリック・ヴィリオーニ(Cl)
イーゴリ・ユーリ・ヴァスコンセロス(Hrn)
マウロ・スタール・ジュニア(Tp)
ヘリントン・ゴンサルヴェス(Tb)
ルチアーノ・ポンテス(Va)

録音:2019年11月27日-12月2日、2022年4月25-30日
クラウジオ・サントロは、ブラジルの作曲家としては屈指の多さである14曲の交響曲をはじめとした、600作に及ぶ多くの作品を遺しています。こちらはこのア ルバムに収録されているのは、全てサントロの最晩年の10年間に書かれた作品。合奏協奏曲と「B-A-C-Hによる3つの断章」は、彼が晩年に力を尽くした ブラジルの音楽教育の一環である学生オーケストラのための作品ですが、彼の弦楽器の扱いの巧みさによって充実した響きを持つ作品に仕上がっていま す。世界初録音となる交響曲第11番は、終楽章の低弦の扱いなどがブラームスの交響曲第1番の冒頭を思わせる音楽であり、アルバム中最も濃密で劇 的な作品と言えるでしょう。また交響曲第12番は9人のソリストとオーケストラのための合奏協奏曲の形式で書かれています。民族主義的音楽から、十二 音技法を用いた無調音楽に至る幅広い作風が窺えるこれらの作品からは、彼の音楽的境地が窺えるものです。時に特殊奏法を駆使するソリストたちの 演奏にも注目です。演奏は、前作と同じくニール・トムソンが指揮するゴイアス・フィルハーモニックOです。 ※国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏の日本語解説が付属します。 ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケスト ラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。
NAX-8.574463(1CD)
サン=サーンス:舞曲とバレエ音楽集
歌劇「エティエンヌ・マルセル」(1877-78) - 第3幕 バレエ音楽
 大学生と娼婦の入場
 戦いのミュゼット/パヴァーヌ
 ワルツ/ボヘミア人の入場
 終曲
歌劇「ヘンリー8世」(1881-82)より
 前奏曲/第2幕 間奏曲
 第3幕 シノードの行進
 第4幕第1場 アレグロ・モデラート
 第4幕第2場 アンダンテ・ソステヌート
付随音楽『パリュサティス』 (1902) - エール・ド・バレ
 アントレー(クアジ・アダージョ)
 アレグロ・ノン・トロッポ
 モデレ(sans lanteur)
 モルト・アレグロ
歌劇「ヘンリー8世」 - 第2幕 民衆の祭り、バレ=ディヴェルティスマン
 序奏 氏族の入場
 スコットランドの牧歌
 民衆の祝祭
 ジプシー女の踊り
 スケルツェット
 ジーグとフィナーレ
歌劇「サムソンとデリラ」 Op. 47(1859-77)より
 第1幕 竜の司祭の踊り
 第3幕 バッカナール
ハーグ・レジデンティO
準・メルクル(指)

録音:2022年3月29日-4月1日
準・メルクルが指揮するサン=サーンスの管弦楽作品集。今作にはハーグ・レジデンティOとの共演で"舞曲とバレエ音楽"を収録しています。 若い頃はワーグナーやリストといった先進的な人物を支持していたというサン=サーンスですが、円熟期以降になるとリュリやラモーら、フランス・バロック の先達が築いた音楽に傾倒するなど、保守的な姿勢を見せています。またチューダー王朝や中世フランスの君主らにも興味を抱き、これらを題材をし た音楽を書くようになりました。このアルバムに収録されているのは、サン=サーンスが探求した過去の物語や形式を題材にしながらも、彼らしい華やか なオーケストレーションが施された音楽です。グノーに賞賛されたという歌劇「エティエンヌ・マルセル」からはバロック舞曲の形式を模したバレエ音楽を、 歌劇「ヘンリー8世」からは威厳たっぷりの場面にふさわしい数々の音楽や、様々な国の人々を表したバレエ音楽を収録。1902年に初演され、当時 は大好評を博したという『パリュサティス』からの音楽は、古代の楽器「クロタル=フィンガーシンバル」を使ったエール・ド・バレ4曲が演奏されています。 また、サン=サーンスの舞台作品の中で最も有名な歌劇「サムソンとデリラ」からは、アドレナリン全開の「バッカナール」、「竜の司祭の踊り」の2曲を収 録。アルバムの締めくくりにふさわしい盛り上がりが楽しめます。
NAX-8.574419(1CD)
シベリウス:劇音楽『テンペスト』 Op. 109 王立デンマークO・歌劇場cho
オッコ・カム(指)

録音:2021年10月10日
1925年から1926年、交響詩「タピオラ」と並行して作曲が進められた劇音楽『テンペスト』。シェイクスピアの同 名戯曲につけたこの音楽は、シベリウスの創作活動の末期、いわゆる"ヤルヴェンパーの沈黙"に入る直前に書か れたものですが、スケールの大きいシンフォニックな仕上がりのため、シベリウス屈指の名作のひとつとされています。 もともと1901年に友人から『テンペスト』への音楽を作ることを提案されていたシベリウスは、当時からシェイクスピア 作品の持つ世界観に魅せられていましたが、1925年に再び作曲を依頼されたことで、想像力を存分に生かした 作品を書き上げました。冒頭の難破船の恐ろしい音像から、幽玄な歌、騒々しい人物描写、驚くべき自然の喚 起など原作の持つ不思議な世界のテーマを、自由な発想で独自の音として描き出したのです。とはいえ、全5幕 34曲(後に1曲追加)で構成されたこの作品は、全曲が演奏されることは稀であり、現在ではシベリウス自身が編 纂した組曲として演奏されます。 北欧音楽の名匠、オッコ・カムの指揮によるこの全曲盤は作品が初演された劇場でのデンマーク語による演奏。 作品の正しい姿を伝えるにふさわしい1枚と言えるでしょう。
NAX-8.573802(1CD)
複数ピアノと管弦楽のための作品集
マルタン(1891-1974):小協奏交響曲(トメル・レフによる3台のピアノと2つの弦楽オーケストラ編)…この編曲による世界初録音
プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調 FP 61
ショスタコーヴィチ:2台のピアノのためのコンチェルティーノ Op.94(T. レフによる2台のピアノと弦楽オーケストラ編)…この編曲による世界初録音
アリエ・レヴァノン(1932-):Land of Four Languages 四つの言葉を持つ国(2012-13)(2台8手ピアノと弦楽オーケストラ編)…世界初録音
マルチピアノ(アンサンブル)【トメル・レフ、ベレニカ・グリックスマン、ダニエル・ボロヴィツキー、アルモグ・セーガル、ニムロッド・メイリー=ハフテル】
ロイヤルPO
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)

録音:2017年4月4-5日
第一次世界大戦後、盛り上がりを見せていた新古典主義音楽の流れの中で、それまで顧みられることの少なかった"コンチェルト・グロッソ=合奏協奏曲" のジャンルが活性化しました。なかでもよく知られているのがプーランクの「2台のピアノのための協奏曲」であり、モーツァルトを思わせるエスプリに満ちた旋律 に、ストラヴィンスキーのような力強く激しいリズムを併せ持つこの作品は、当時の聴き手の心を惹きつけました。このアルバムにはそのような複数のピアノのた めの協奏曲を収録。フランク・マルタンの「小協奏交響曲」は第二次世界大戦の暗い緊張感が反映された作品で、もともとはピアノ、チェンバロ、ハープと管 弦楽のために書かれましたが、今作では独奏部が3台のピアノのために編曲されており、華麗な響きを纏っています。ショスタコーヴィチの「2台のピアノのため のコンチェルティーノ」はもともと伴奏の付かない2台ピアノのための作品。ここでは弦楽オーケストラの伴奏で演奏されています。 アーリエ・レヴァノンの「四つの言葉を持つ国」はイスラエルの平和を願い、4言語による民謡の旋律が引用されたポップスを思わせる耳なじみの良い作品で す。 「マルチピアノ」はテルアヴィヴとイスラエルPOの共同機関であるブッフマン=メタ音楽院によって2011年に開始されたプロジェクトの中 枢を担うアンサンブル。アレンジャーでもトメル・レフの主導のもと、さまざまな複数ピアノのための作品を演奏し、好評を博しています。
NAX-8.551419(1CD)
ドイツ・バロックのトランペット協奏曲集
シュテルツェル(1690-1749):協奏曲 ニ長調-トランペットと弦楽のための(1739以前)
ファッシュ(1695-1770頃):6声の協奏曲 変ホ長調-トランペット、ヴァイオリンと弦楽のための(1731以前)・・・世界初録音
テレマン:協奏曲 ハ短調 TWV 51:c1(1740頃)
 協奏曲 ニ長調 TWV 51D:8(1740頃) (フリューゲルホルンのために変ホ長調に移調)
フランツ・ラインハルト(1682-1727):トランペットのためのソナタ ハ長調(1727以前)…世界初録音
ヘンデル:協奏曲 変ロ長調 HWV 301(1706-1710)
ビーバー:祭壇または宮廷用ソナタ 第4番ハ長調(1676)
ヨハン・クリスティアン・シックハルト(1682-1762):無伴奏トランペットのための小品 Op. 17第12番(1712) - II. Allemanda
トーマス・ライナー(Tp)
インテルプレーティ・ヴェネツィアーニ

録音:2021年9月20-24日
バロック時代のトランペットは現代のようにバルブを有していなかったため、旋律を滑らかに吹くことは困難であり、作 曲家たちもこの楽器のための協奏曲をそう多くは書いていません。そのため現代、トラッペットでこの時代の作品を 吹くためにはオーボエやリコーダーのための作品を転用することが多くあります。このアルバムではシュテルツェルや、ヨ ハン・フリードリヒの弟であるヨハン・ミヒャエル・ファッシュのオリジナル・トランペット作品の他、テレマンとヘンデルのオー ボエ協奏曲や、シックハルトのリコーダー・ソナタをアレンジ、見事なトランペットのための作品として聴かせます。演 奏は1969年、ドイツ生まれのトーマス・ライナー。12歳の時にモーリス・アンドレの演奏に触れたことで奏者を志 し、活躍してきたヴェテラン奏者です。バックをつとめるインテルプレーティ・ヴェネツィアーニは設立35周年を迎えた ヴェネツィアのモダン楽器アンサンブル。ヴィヴァルディの作品を得意とするほか、現代作品や古典派作品の演奏に も定評があります。
NAX-8.574431(1CD)
ポーランドのアコーディオン協奏曲集
マルチン・ブワジェヴィチ(1953-2021):アコーディオン協奏曲(2012)…世界初録音
ブロニスワフ・カジミェシュ・プシビルスキ(1941-2011):ポーランド協奏曲(1973)
ミコワイ・マイクシャク(1983-):コンチェルト・クラシコ(2001)
クラウディウシュ・バラン(アコーディオン)
ポーランドRSO
クラウザ・ミハウ(指)

録音:2015年12月4日、2016年6月24日、2016年11月30日
1960年代頃から、ポーランド国内でアコーディオン協奏曲が注目されるようになりました。このアルバムで演奏する クラウディウシュ・バランのような名手が登場したこともあり、近年は一層多くのアコーディオンのための作品が書かれ るようになっています。ここでは1973年から2012年にかけて書かれた3曲のアコーディオン協奏曲が演奏されてい ます。冒頭の作曲家、マルチン・ブワジェヴィチはポーランド現代音楽を牽引した一人で、この世界初録音となるア コーディオン協奏曲は華やかなパッセージと絡みあう旋律が特徴。緊張感に満ちた第1楽章、東洋風の味わいを 持つ第2楽章、推進力を持つオーケストラの伴奏にのってアコーディオンが大活躍する第3楽章と聴きごたえたっぷ りです。プシビルスキの「ポーランド協奏曲」はこの国の民俗学への関心が感じられる作品。伝統舞曲のリズム・パ ターンが使われたユニークな味わいを持っています。マイクシャクの「コンチェルト・クラシコ」は、タイトル通りの古典的 な作風によるものではなく、過去の伝統を新たに解釈することで生まれた斬新な作品です。最終楽章での疾走 感溢れるアコーディオンの旋律が見事です。
NAX-8.574475(1CD)
クリスマスの合唱曲集
1. 伝承曲:明日は私が踊りましょう(S. ニコルソンによる合唱とオルガン編)
2. ホルスト:わびしき真冬に(O. イェイロによる合唱編)
3. ジョン・ジェイコブ・ナイルズ(1892-1980): さまよいながら私は不思議に思う
 (M. オドノヴァンによる合唱とオルガン編)
4. スウェーリンク(1562-1621): 今日キリストが生まれた SwWV 163(N. エジソンによる合唱とオルガン編)
5. 伝承曲:聖デイのキャロル(J. ラターによる合唱編)
6. ボリス・オード(1897-1961):囚われのアダムは横たわり
7. 伝承曲:山を登りて告げよ(P. ハレーによる合唱編)
8. エリック・ウィテカー(1970-):黄金の光(ルクス・アルムク)
9. ヴォーン・ウィリアムズ: 5つのイギリス民謡- 第5曲 ワッセイリング・ソング
10. サリー・ビーミッシュ(1956-):静かな夜に
11. 伝承曲:ディンドン空高く(C. ウッド、M. ラーキンによる合唱とオルガン編)
12. 伝承曲:このうえなく清きおとめ(編曲:C. ウッド)
13. ヒーリー・ウィラン:今日キリストが生まれた
14. 伝承曲:コヴェントリー・キャロル(M. ショウによる合唱編)
15. フランツ・クサヴァー・ビーブル(1906-2001): アヴェ・マリア(お告げの祈り)(2つの混声合唱版)
16. 伝承曲:私が踊る日(B. チルコットによる合唱編)
17. グルーバー(1787-1863): きよしこの夜
 (S. シンセンによる合唱とオルガン編)
18. 伝承曲:まきびとひつじを(P. ハレー、J. ステイナーによる合唱とオルガン編)
マシュー・ラーキン(Org)…1、3-5、11、17、18
エジソン・シンガーズ
ノエル・エジソン(指)

録音:2022年4月2-4日
カナダを拠点に活動する「エジソン・シンガーズ」は、2019年に合唱指揮者ノエル・エジソンによって設立された室内合唱団です。彼らは年に一度、定期的 にオーディションを実施し、団のクォリティを維持することで素晴らしいハーモニーを作り上げています。このアルバムではさまざまなクリスマス・キャロルを演奏。グ レゴリオ聖歌や、16世紀の舞踊曲、伝承曲から現代作品までを網羅、もちろん「きよしこの夜」や「まきびとひつじを」などの有名曲も含まれており、聖夜にふ さわしい1枚に仕上がっています。
NAX-8.551468(2CD)
クラシック音楽と映画の出会い
【CD1】
1. 『ジェームズ・ボンド 007』 - ゴールデンアイ
2. 『ジェームズ・ボンド 007』 - スカイフォール
3. 『ジェームズ・ボンド 007』 - 死ぬのは奴らだ
4. 『グラディエーター』- Now We Are Free
5. 『パッチ・アダムス』- メイン・タイトル
 『アメリ』 より
6. La Valse d'Amelie
7. Le Moulin
8. L’apres midi
9. La Dispute
10. Comptine d’ ete No. 2
11. Comptine d’ ete No. 3
12. 『パレーツ・オブ・カリビアン』 - 彼こそは海賊
13. 『パール・ハーバー』 - Tennessee
14. 『ライオン・キング』 - Circle of Life
15. 『スーツ』 - Viva la Vida 美しき生命
【CD2】
『ミッション:インポッシブル』 - メイン・テーマ
『ピアノ・レッスン』 - The Heart Asks Pleasure First 楽しみを
希う心
『シンドラーのリスト』 - テーマ
. 『ハリー・ポッター』 - メドレー
『真珠の耳飾りの少女』 - Griet’s Theme
スカルラッティ:His Music and His World
ソナタ K. 141/L. 422
ソナタ K. 380/L. 23
ソナタ K. 159/L. 104
アルベニス:スペインの歌 Op. 232
アンナ・シェプス(P)

録音:2019年9月25-28日
モスクワ生まれ、現在ドイツで活動するピアニスト、アンナ・シェプスが弾く美しい映画音楽集。 彼女は6歳でモスクワ音楽院付属中央音楽学校に入学、その後ドイツからイギリスに移り音楽を学んだ後、2000年から2006年まではヴュルツブルク音楽 大学でベルント・グレムザーに師事、更なる研鑽を積みました。 一時期音楽活動を休止していたものの2015年からは音楽教育に復帰、2017年より「Classic Meets Movie」の名を冠したプログラムでツアーを行い好 評を博しています。このアルバムには、『ミッション: インポッシブル』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』のメイン・テーマなどの誰もが耳にしたことのある人気映画の テーマ曲が並んでいて、理屈抜きで楽しめます。余白にスペイン情緒のあるスカルラッティとアルベニスを収めています。


   NAXOS 2022年10月発売(2)
NAX-8.574316(1CD)
マイアベーア:序曲と舞台音楽集
マイアベーア/ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー(1749-1814):歌劇「提督、または失われたプロセス」序曲…世界初録音
マイアベーア:バレエ音楽『漁師と乳搾り女、または口づけの騒動』序曲/第1場-第21場
歌劇「ブランデンブルク門」序奏…世界初録音
歌劇「主人と客」より…世界初録音
 序曲/ 第2幕 トルコ行進曲
歌劇「ロミルダとコンスタンツァ」 序曲
チェコ室内Oパルドビツェ
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2021年8月27-30日
「悪魔のロベール」や「ユグノー教徒」などのオペラが有名なマイアベーアの、若き日の舞台音楽を集めたアルバムが登場。ベルリンの裕福な家庭に生まれたマ イアベーアは早くから音楽の才能を示し、いち早くピアニストとして名声を得ますが、20代前半で挑戦したオペラではすぐに成功を得ることが出来ませんでし た。転機となったのは、師のサリエリの勧めで1816年にイタリアに赴き、ロッシーニの作品に感化されたこと。翌1817年の作品「ロミルダとコンスタンツァ」で早く も成功を収めます。 このアルバムに収録されているのは前述の「ロミルダとコンスタンツァ」序曲を含む、マイアベーア10代の終わりから20代前半の作品で、中でもバレエ音楽『漁 師と乳搾り女、または口づけの騒動』は彼の初の舞台作品とされています。 細かいシナリオは残っていませんが、ロココ時代の牧歌的な物語にマイアベーア はモーツァルトを思わせる軽快な22曲の音楽を付けています。この中には当時のバレエ・ディヴェルティスマンに要求された牧歌から狩りの情景までが一通り 含まれています。歌劇「提督、または失われたプロセス」の序曲は、ベルリンを離れたマイアベーアが師事したゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラーとの共作と考えられ ており、珍しい楽器「ストローフィドル(木製のハーモニカ)」が使用されています。他には「主人と客」と同じくドイツ語による歌劇「ブランデンブルク門」(マイア ベーアの生前には演奏されなかった)の序奏も収録。オーベールの序曲集など、この分野での仕事ぶりが際立つダリオ・サルヴィの指揮で。
NAX-8.574212(1CD)
ヴァイオリンと打楽器オーケストラのための作品集
ロバート・ゼイビア・ロドリゲス(1946-):ショチケツァル(2014)…世界初録音
ルー・ハリソン:ヴァイオリンと打楽器オーケストラのための協奏曲(1940-59)
カティ・アゴーチ(1975-):ヴァイオリンと打楽器オーケストラのための協奏曲(2018)…世界初録音
ニコラス・キッチン(Vn)
ニューイングランド音楽院パーカッション・アンサンブルのメンバー
フランク・エプスタイン(指)

録音:2015年5月5日、2016年11月22日、2020年2月14日
このアルバムには「ヴァイオリンと打楽器オーケストラ」というユニークな編成による作品が3曲収録されています。この斬新な組み合わせは1959年にルー・ハリ ソンによって発案されたもので、クラシック音楽の伝統に根差した作品を生み出しながらも、東洋の楽器の音を好んで採り入れていたハリソンならではの実験 的な音使いは次世代の作曲家たちにも確実に影響を与えています。 このハリソンの協奏曲は、シンバル、マラカス、ゴング、タムタム、バスドラムなど従来の楽器に加え、吊り下げられた2つの洗濯桶、共鳴する2つの時計のコイ ルから6つの植木鉢までを用いる他、仰向けに置いたコントラバスをスティックで叩くなど、様々な響きを追求。独奏ヴァイオリンの旋律を彩ります。 1946年生まれのロバート・ゼイビア・ロドリゲスはナディア・ブーランジェやエリオット・カーターに学んだ作曲家。この「ショチケツァル」はヴァイオリンと打楽器六重 奏のための協奏曲で、古代マヤの音楽、舞踊、美、愛、豊穣を司る女神の名前から採られたタイトル通り、メキシコ民謡に由来するエキゾチックな旋律がふ んだんに用いられた技巧的な作品です。 1975年生まれのアゴーチは、ハンガリー人とアメリカ人の両親を持つ女性作曲家。この協奏曲は、6人の打楽器奏者が奏でる5つのティンパニ、木琴、ビブ ラフォン、マリンバ、6種類のシンバルとヴァイオリンの掛け合いによるもので、フロム音楽財団からの委嘱作。全体はコンパクトにまとめられており、最終楽章で の激しく力強いリズムは、彼女の中に流れるハンガリーの血を感じさせます。作品全体を通して、その豊かな表現力に驚かされます。
NAX-8.574324(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第12集
アンソニー・ヘッジス(1931-2019):キングストンのスケッチ
4つのブレトンのスケッチ Op. 79
カンティレーナ Op. 87a
ハイガム・サウンド Op. 72
4つの小舞曲 Op. 28
ハンバーからの情景 Op. 90
キングストン・スケッチ Op. 36
RTEシンフォニエッタ
アンソニー・ヘッジス(指)

録音:1995年11月1-2日
※MARCO POLO 8.223886のレーベル移行盤
児童文学者シドニー・ヘッジスを父として、英国のオックスフォードシャーで生まれたアンソニー・ヘッジス。6歳で初の作品を作曲、ピアニストとしても才能を発 揮し、オックスフォード大学のキーブル・カレッジで音楽を学びました。グラスゴーのスコットランド王立音楽院で講師を務め、ハル大学では名誉教授に任命さ れるなど、教育者としても高く評価されています。 作曲家としては、交響曲から協奏曲、児童合唱のための作品から歌劇まで多岐にわたるジャンルの作品を遺し、これらは英国内外で300回以上も演奏、 放送されるなど人気を博した他、教育音楽の出版も積極的に行いました。 このアルバムには、彼の本領とも言えるオーケストラのための軽音楽を、自らがRTEシンフォニエッタを指揮した演奏で収録。代表作の一つでテレビ番組の オープニング・テーマとして書かれた「キングストン・スケッチ」やBBCの音楽番組のBGMとして使用された「ハンバーからの情景」、各々の楽章に彼の子供たち の名前が付された「4つの小舞曲」、家族で休暇を過ごしたブルターニュの風景が織り込まれた「4つのブレトンのスケッチ」など、どれも快活さに溢れた親しみ やすい作品です。

   NAXOS 2022年10月発売 (1)
NAX-8.574429(1CD)

NYCX-10348(1CD)
国内盤仕様
税込定価
シューマン:交響曲第1番、第2番(マーラー編)
交響曲第1番変ロ長調 「春」 Op. 38(G. マーラーによる編曲版)
交響曲第2番ハ長調 Op. 61(G. マーラーによる編曲版)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2020年2月20-23日
※国内盤日本語解説=相場ひろ
ドイツ・ロマン派を代表する作曲家シューマンが完成させた交響曲は4曲ありますが、これらを近代以降のオーケストラで演奏すると、音が濁ったり、 バランスが取れなかったりすることが多く、指揮者泣かせの曲と言われてきました。この難題に大胆な回答を出したのが、作曲家にして当代屈指の名指揮者 でもあったマーラー。彼の時代のオーケストラで聴き映えがするよう、4曲の交響曲のスコアに数多くの改変やカットを加えました。それらの多くは打楽器や金 管の増減などによってマーラーが重要と見なすモチーフを補強し、そうでないと考えた部分を抑えるというものでしたが、今ではシューマン自身の意図した響き ではないと批判される傾向があります。オルソップはマーラーのオーケストレーションを再評価すべく、ウィーン放送響と全4曲を収録。第1弾となるこのアルバム には第1番と第2番が収録されています。 シューマンがたった4日でスケッチを完成させたという第1番。曲に付された副題の「春」は、当時のシューマンが関心を抱いていたドイツの詩人アドルフ・ベル ガーの詩から発想したもので、1841年にメンデルスゾーンの指揮するライプツィヒ・ゲヴァントハウスOで初演されました。その際、楽器の機能上の制 約からファンファーレの音程を変更していますが、マーラーはこれをシューマンが当初考えた通りに戻しています。第2番は1846年に完成し、同じくメンデルス ゾーンとライプツィヒ・ゲヴァントハウスOが初演を行いました。マーラーは楽器編成を変更した他、終楽章のコーダに大幅なカットを施していますが、こ のオルソップの演奏ではカットは採用していません。
NAX-8.579117(1CD)
トランペット協奏曲集
アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012):トランペット協奏曲(カデンツァ: ティモフェイ・ドクシツェル)
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):トランペット協奏曲第1番変ロ長調 Op. 94
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番(T. ドクシツェル、P. メルケロによるトランペット・パート拡張版)
ポール・メルケロ(Tp)
チョ・ジェヒョク(P)…5-8
ロシア・ナショナルO
ハンス・グラーフ(指)

録音:2019年6月8-12日
1995年からモントリオールSOの首席奏者を務めているポール・メルケロが重量級のアルバムでNAXOSに初登場。幼いころにトランペットの演奏を聴 いてプロ奏者を志したというメルケロ。彼の人生を変えた演奏者はウクライナ出身の偉大なトランペット奏者ティモフェイ・ドクシツェルでした。ソビエト時代に作 曲された3曲のトランペット協奏曲を収めたこのアルバムは、メルケロからドクシツェルへのオマージュになっています。 アルメニア民謡のメロディとリズムが特徴的で、今やハイドンやフンメルと並ぶトランペット協奏曲の定番レパートリーとなったアルチュニアン。マーラーの交響曲 第5番、メンデルスゾーンの結婚行進曲、ビゼーの「カルメン」、リムスキー=コルサコフの「金鶏」などのメロディが引用されており、謎めいた遊び心を感じさせる ヴァインベルク。この2曲はドクシツェルのために作曲されました。 ショスタコーヴィチが20台後半に作曲した「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲」(P協奏曲第1番)も自他の作品からの引用が散りばめられ たコラージュ風の作品で、ユーモアと華麗な超絶技巧が魅力の人気曲。ここではドクシツェルが作曲家の承諾を得てトランペット・パートを編曲(拡張)し、ト ランペットを主役に仕立て上げた版を使用していることに注目。冒頭からトランペットがピアノのパートを吹いたり、更にはオーケストラ・パートまで演奏します。 高度な技術と持久力が必要なため、録音はこれまでドクシツェル自身のものしかなく、この録音は貴重。トランペット・ファン必聴です。
NAX-8.574336(1CD)
フェルステル:交響曲第1番/祝典序曲 他
祝典序曲 Op. 70(1907)
交響曲第1番ニ短調 Op. 9(
『シェイクスピアより』 Op. 76(1908-10)
ヤナーチェクPO
マレク・シュティレツ(指)

録音:2021年1月6-7日
プラハで音楽家の父のもとに生まれたヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル。プラハ音楽院で学び、ドヴォルザークに続く世代の作 曲家として活躍しました。歌劇から室内楽曲、管弦楽曲まで200曲を超える作品は、ドヴォルザークの伝統を継承したロ マン派風の重厚な響きと哀愁を感じさせる旋律を持っています。このアルバムにはフェルステルのオーケストラ作品から彼の 作風を概観できる3作を収録。スメタナの作品を想起させる「祝典序曲」はチェコの民俗的な色彩にウィーン風のエレガンス を融合させています。20代の終わりに書かれた「交響曲第1番」は闇から光への物語を感じさせ、曲の最後に奏される高ら かなコラールが印象的です。若い頃に演劇に傾倒したフェルステルはシェイクスピアを愛読しました。その情熱が注がれた 『シェイクスピアより』は、『冬物語』『十二夜』『マクベス』『じゃじゃ馬ならし』に登場する4人の女性を描いた連作交響詩風 の作品です。
NAX-8.574376(1CD)
ディーリアス/スマイス:弦楽四重奏曲集
エセル・スマイス(1858-1944):弦楽四重奏曲 ホ短調(1902/1912改訂)
ディーリアス:弦楽四重奏曲 ハ短調(1888)(D.M. グリムリーによる復元版)…世界初録音
ヴィリアーズQ【ケイティ・スティルマン(Vn1)、タマキ・ヒガシ(Vn2)、カーメン・フローレス(Va)、レオ・メルヴィン(Vc)】

録音:2022年3月14-15日、2022年3月15-16日
このアルバムでは、まず後半に置かれたディーリアス作品に注目。学生時代の作品で、初演をシンディングに託したものの、 楽譜はおそらく演奏されないまま作曲家のもとへ返送されてきました。失意のディーリアスはこの作品を無かったものとし(第 2楽章のスケルツォだけは1917年に書いた「弦楽四重奏曲」に転用)、この曲の前半の2楽章は散逸したと考えられてい ました。ところが2018年にオークションに出された楽譜がこの作品と判明。校訂と編集を経て全4楽章の作品として復元さ れ、ヴィリアーズ四重奏団によって2020年10月にストリーミング・コンサートで初演されました。このCDが初録音となりま す。若きディーリアスの野心的な作風が窺える音楽で、この作曲家のファンならば聴かずにいられないでしょう。 19世紀後半から20世紀に活躍した女性作曲家のなかでも一際独創的な人物として評価されるエセル・スマイス。当時 女性には閉鎖的であった英国音楽界に於いて名をあげると同時に、女性解放運動の旗手としても熱心に活動しました。 この弦楽四重奏曲は1900年代初頭に第1楽章と第2楽章が書かれ、その後10年を経て第3楽章と終楽章が追加され た熟考の作品。10年間の隔たりを感じせない統一感を持ち、彼女が愛したヴィオラが活躍する、若干の遊び心が加えられ た大胆な作品です。 前半2楽章と後半2楽章が時を隔てて結ばれるという物語が伏線となっているアルバムです。
NAX-8.551475(1CD)
ギター六重奏のための作品集
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV 1048(ハラルド・シュタンパ&ジェンス・スティバル編)
マルコ・デ・ビアージ(1977-):Ipercubo イペルクボ Op. 18(2010)
ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲(カルロ・マルキオーネ編)
アタナス・ウルクズノフ(1970-):Codex Bulgaricus(2018) - ギター六重奏のために
ラヴェル:マ・メール・ロワ(1910)(カルロ・マルキオーネ編)
トビアス・クレープス(1993):Suite panamericana 組曲『パンアメリカン』(2013)
セルジオ・アサド(1952-):Juan Sebastian’s Bar(2017) - ギター六重奏のために
ギターラ・ア・セイス(ギター六重奏団)【マティアス・クレーガー、トビアス・クレープス、エドゥマルロ・デ・オリベイラ、アダム・オレンチャク、ハラルド・シュタンパ、ジェンス・スティバル】

録音:2021年2月13、15、19、21日
2012年にチューリヒで結成されたギター六重奏団「ギターラ・ア・セイス」。メンバーの出身国はドイツ、ブラジル、ポーランド、 スイスと多岐にわたり、個性も弾き方も多彩。収録曲の作曲家もバロックから現代まで、ドイツ、イタリア、ブルガリア、フラン ス、スイス、ブラジルにまたがり、6本のギターという珍しい演奏フォーマットの持つ表現力を様々に引き出しています。ブランデ ンブルク協奏曲第3番の第3楽章の対位法に乗って競い合うような演奏、ロッシーニ・クレッシェンドの高揚感、マ・メール・ロ ワでの繊細さなど、どれも魅力的。現代曲ではシリアスな作品もあれば、メンバーのクレープスによる「パンアメリカン」組曲の ようなポップスのノリもあり。バッハの名前をもじったセルジオ・アサドの「フアン・セバスチャンのバー」は思い切りポップなブラジリ アン・サウンドの中に突如バッハの旋律が顔を出すユーモラスな作品。ライヴなら拍手喝采間違いなしのプログラム、難しく 考えずに楽しみたい1枚です。
NAX-8.660511(1CD)
ヨハン・ジモン・マイール(1763-1845):歌劇「ラカデミア・ディ・ムジカ」 グリエルモ…フィリッポ・モラーチェ(Br)
ヴァレリオ…セサル・コルテス(T)
アンネッタ…エレオノーラ・ベッロッチ(S)
チェッキーノ…リカルド・セゲル(Br)
ヴェスピーナ…マリア・デル・マール・ウマネス(S)
モモレット/マルフィーサ…フィリッポ・ピーナ・カスティリオーニ(T)
クラクフ・パッショナルトO
ニコラ・パスコーニ(指)

録音:2019年7月20、26日ヴィルトバートのロッシーニ音楽祭2019
世界初録音
ヨハン・ジモン・マイールの歌劇「ラカデミア・ディ・ムジカ(音楽の学校)」は1799年秋にヴェネツィアのサン・サムエレ劇場で初 演されました。作品自体が短かったため別の作曲家のファルサ(笑劇)と組み合わされての上演で、少なくとも2回上演され た記録がありますが、以降忘れられてしまいました。とはいえ、「劇中劇」やオペラの一環として行われるコンサートなど18世 紀の伝統を継承する聴きごたえのある興味深い作品です。 この物語は、もともと1780年代に戯曲作家アルベルガーティ・カパチェッリが書いた同名の2幕のコメディを元にしており、息 子のヴァレリオに財産を渡したくない金持ちの老人グリエルモが、自身が結婚しようと小間使いのヴェスピーナを誘惑するも、 彼女は召使のチェッキーノと相思相愛の仲。一方、美しいヴェネツィア娘アンネッタと恋に落ちたヴァレリオは、結婚の許しを 得るために彼女を「アカデミーの主催者」として父に紹介。一旦はアンネッタになびいたグリエルモですが、最後は2組の若者 たちの結婚を認めるというもの。ここではグリエルモ役のフィリッポ・モラーチェが強靭かつコミカルな歌を披露、老いても盛んな グリエルモを見事に演じました。また2018年国際ベルカント賞を受賞したエレオノーラ・ベッロッチも魅力的なコロラトゥーラを 披露。会場を沸かせています。音楽祭デビューとなるクラクフ・パッショナルトOの熱演も聴きどころ。
NAX-8.574416(1CD)
イギリスの宗教合唱曲集
ヴォーン・ウィリアムズ:手を打ち鳴らせ(合唱とオルガン版)
エルガー:永遠の光(原曲:エニグマ変奏曲 Op. 36- 第9変奏 ニムロッド)(J. キャメロンによる合唱編)
ホルスト:2つの詩篇 - 詩篇第148篇 「Lord, Who hast made us for thine own」(M. フォードによる合唱とオルガン編)
ハロルド・ダーク(1888-1976):おお喜ばしき光よ Op. 38No. 2
ハーバート・ハウエルズ:4つのアンセム- 第3番Like as the hart 鹿が谷川を慕いあえぐように
エルガー:詩篇第29篇 「主に帰せよ」 Op. 74(合唱とオルガン版)
ウェズリー(1810-1876):わたしの咎をことごとく洗い
ヴォーン・ウィリアムズ:味わい、見よ
ウェズリー:主なる神に祝福あれ
スタンフォード:聖書の歌 Op. 113- 第6曲 My Beloved Spake 知恵の歌(合唱とオルガン版)
パトリック・ハドリー(1899-1973):わが愛する者語りて(合唱とオルガン版)
ヴォーン・ウィリアムズ:5つの神秘的な歌(M. フォードによる声、合唱とオルガン編)
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
ジュリア・スミス(S)
エリザベス・リム(S)
レイチェル・リム(S)
ケイト・ジャーカ(S)
マーティン・フォード(Org)
ヴァサーリ・シンガーズ
ジェレミー・バックハウス(指)

録音:2021年10月17日、2021年10月22-24日
2022年10月に生誕150年を迎えるヴォーン・ウィリアムズを記念するアルバム。 名バリトン、ロデリック・ウィリアムズを独唱者に迎えた「5つの神秘的な歌」をはじめとした宗教的合唱曲を中心に、19世紀から20世紀初頭の英国教会音 楽を組み合わせることで、ヴォーン・ウィリアムズからスタンフォード、エルガー、ハウエルズなど近代英国の作曲家たちのインスピレーションの源を探っていきま す。彼らの多くが作品のテキストとして用いたのは、格調高い英語で綴られた1611年出版の『欽定訳聖書』であり、ヴォーン・ウィリアムズも「英国人の誰も が忘れようもないほど心に刻まれた言葉」として大切にしていたもの。20世紀半ばに誤訳の訂正を兼ねて現代的な言語で出版するという動きがあった際に は、彼は落胆の思いを手紙にして友人に送ったほどでした。他の作曲家の作品も、繊細に紡がれた旋律と言葉への感性で、英国合唱作品ならではの表 現が生み出されています。エルガーの名曲「ニムロッド」が無伴奏合唱にアレンジされた「永遠の光」も荘厳な美しさが耳に残ります。

   NAXOS 2022年9月発売(2)
NAX-8.574366(1CD)
エドワード・エルガー:オルガン作品全集
オルガン・ソナタ第1番Op. 28
カンティーク Op. 3No. 1(オルガン版)
荘厳行進曲 - 黒騎士 Op. 25第4場より「豪勢な宴会へ」(オルガン版)
晩課のヴォランタリーOp. 14
ラフバラー・メモリアル・チャイム(オルガン版)
オルガン・ソナタ第2番Op. 87a(I. アトキンズによる「セヴァーン組曲 Op. 87」からの編)
帝国行進曲 Op. 32(G.C. マーティンによるオルガン編)
エニグマ変奏曲 Op. 36- 第9変奏 ニムロッド(A.J. イェーガー)(W.H. ハリスによるオルガン編)
行進曲「威風堂々」 Op. 39- 第4番ト長調(G.R. シンクレアによるオルガン編)
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2021年7月14-15日
「愛の挨拶」などで知られるイギリスの作曲家エドワード・エルガーは、若い頃にヴァイオリン奏者として活動しましたが、故郷のウスターにあるセント・ジョージ・カ トリック教会のオルガニストを務めていた時期もあり、彼にとってオルガンは音楽的素養の形成に欠かせない楽器のひとつでもありました。このアルバムでは 1895年作曲の「オルガン・ソナタ第1番」を中心に、エルガーのオルガンのためのオリジナル作品すべてと、エルガー自身による編曲、および現代の著名なオル ガニスト4人による編曲を聴くことができます。オルガン・ソナタ第1番はアメリカの教会音楽家たちがウスターを訪れた際、エルガーの親友であったオルガニス ト、ヒュー・ブレアから依頼を受け書き上げたもの。多彩な音色を駆使した交響的な作品で、一部の主題はエルガーがブレアに献呈したカンタータ『黒騎士』 のテーマに似ているといわれています。エルガーの友人であるアイヴァー・アトキンスは「セヴァーン組曲」をオルガン用に編曲することをエルガーに勧めましたが、 彼はアレンジすることなく、アトキンスが着手。各々の楽章にタイトルが付いた「オルガン・ソナタ第2番」として仕上げています。
NAX-8.574396(1CD)
スッペ:劇付随音楽『八十日間世界一周』(1874) ヤナーチェクPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2021年5月3-7日
世界を80日間で一周しようと試みるイギリス人資産家フィリアス・フォッグの奮闘を描いたジュール・ヴェルヌの冒険 小説『八十日間世界一周』。この小説が出版された1873年の時点では、船と陸路による世界一周旅行は命が けの冒険で、主人公がイギリスから東へ向かってアラビア半島、インド、中国をめぐり、日本(横浜)から太平洋を渡 りアメリカへ、そして大西洋を越えて帰国する物語は大ヒットとなりました。 小説はすぐに舞台化され、ウィーンのカール劇場で1875年3月に舞台上演された際には、ここに収録されたスッペ の音楽が使われました。スッペは、主人公フォッグが経験する異国での風物や冒険を音で描き、ゴールド・ラッシュに 沸くアメリカの印象も取り込んでいて、現代の映画音楽のよう。このサルヴィによる演奏では台詞を省き、スッペのカ ラフルで雄弁な音楽を十分に楽しめます。
NAX-8.555193(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第11集〜ロン・グッドウィンの作品
633爆撃隊 - メイン・タイトル・テーマ(1963)
組曲『ドレイク400』(1980)
あやつり人形のセレナード(1961)
ニュージーランド組曲(1983)
アラビアの祝い(1988)
ヴィーナス・ワルツ(1958)
捕虜の行進曲 「クリーギー」(1980)
メヌエット・イン・ブルー(1974)
野獣の抱擁 - メインテーマ 「ロンドン・マラソンのテーマ」(1966)
夢見る少女(1964)
ランスロットとグィネヴィア - メインテーマ(1962)
ニュージーランドSO
ロン・グッドウィン(指)

録音:1993年11月
※MARCOPOLO 8.223518のレーベル移行盤
ロン・グッドウィン(本名:ロナルド・アルフレッド・グッドウィン)はイギリスの作曲家。華麗な映画音楽で知られ、ゴールデングローブ賞やアイヴァー・ノヴェロ賞など 数多くの受賞経験を持っています。とりわけ、彼が得意としたのは戦争映画のための音楽で、アルバムに収録された『633爆撃隊』はグッドウィンにとって初と なる戦争映画音楽への挑戦であり、ノルウェーにあるドイツの軍需工場が空襲されるというストーリーに沿った雄大な音楽は絶大な人気を誇りました。もちろ ん彼は戦争映画の音楽だけを書いたわけではなく、世界一周の旅を終えて帰還したフランシス・ドレイク卿を讃えた『ドレイク400』や、彼が1970年代から 定期的に訪れていたニュージーランドにまつわる『ニュージーランド組曲』などでも、オーケストレーションの妙を活かした素晴らしい作品を書き上げています。 このアルバムはグッドウィン自身がニュージーランドSOを指揮した演奏を収録したもの。まさにベスト・アルバムと言える1枚です。
NAX-8.579119(1CD)
21世紀のトランペットと管弦楽のための作品集
ガブリエル・ロベルト(1972-):ソラリア(2021)
セリエ・ドミートリー・セルヴォ(1968-):ブラジル 2010No. 10「ブラジルの四季」 Op. 61(2018-19)(トランペットと管弦楽版 2020)
ニコラ・テスカリ(1972-):トランペット協奏曲 「9つのムード」(2021)
メナヘム・ズール(1942-):深き淵より(2019)
ガブリエル・ロベルト:東京組曲(2015)
ファビオ・ブルム(Tp)
B♭管トランペット
C管トランペット
B♭管コルネット
C管コルネット
F管コルネット
B♭管フリューゲルホルン
セビーリャ王立SO
ノアム・ズール(指)

録音:2021年7月21日
全て世界初録音
ブラジルのリオデジャネイロ出身のトランペット奏者ファビオ・ブルム。30か国以上でソリスト、オーケストラ・メンバー、教師として演奏した経験があります。 この「Alchemiy 錬金術」と名付けたアルバムでは、錬金術師が4つの元素を組み合わせて新しい物質を作るように、4人の作曲家による多彩な作品を紹 介しています。ガブリエル・ロベルトがブルムのために作曲した「ソラリア」はコロナ禍によって委縮した社会が息を吹き返す様子をイメージし、セルヴォの 「ブラジ ルの四季」は自然界の色彩豊かなパノラマを表現しています。最初のロックダウン下で書かれたテスカリの「9つのムード」は激しく揺れ動く気分を表現、ズール の「深き淵より」は祈りと瞑想的な雰囲気に支配されています。最後に収録された「東京組曲」は日本フィルの委嘱作品で、2015年12月にオッタビアーノ・ クリストーフォリをソリストに東京で初演されました。高層ビル群や群衆行き交う街の喧騒から静かな神社仏閣まで、日本が外国からの旅人に見せる多種多 様な顔と、それに触れた旅人の心に湧き上がる驚き、困惑、興奮、感動などを描いています。
NAX-8.551459(1CD)
エーリッヒ・ツァイスル(1905-1959):歌曲集
1. 伝承曲:Swing Low, Sweet Chariot スウィング・ロー・スウィート・チャリオット(E.ツァイスルによる声とピアノ編)*
2. Liedercyklus 連作歌曲集:No. 1. Seufzer der Sehnsucht 憧れのため息*
3. Seit Du fort bist あなたが去ったので*
4. Komm heil'ge Nacht 来たれ、聖なる夜よ
5. Der tote Arbeiter 死んだ労働者*
6. 伝承曲:Go Down Moses 行け、モーゼ(E.ツァイスルによる声とピアノ編)*
7. Stille 静寂*
8. Vale ヴェール*
9. Untreue 裏切り*
10. Ein Stundlein wohl vor Tag 6つの歌 - 第3曲 夜明け前の心地よいひととき
11. Ja, ich weiss woher ich stamme (Ecce homo)
そうだ、私は知っている、私がどこから来たのかは!(見よ、この人を )
12. 伝承曲:Little David 小さなダヴィデ(E.ツァイスルによる声とピアノ編)*
13. Liedercyklus 連作歌曲集:No. 5. So regnet es sich langsam ein
そしてゆっくりと雨が降る
14. Es spinnt sich ein, Stachlige Ballade*
15. Schrei 6つの歌 - 第4曲 叫び
16. Liedercyklus 連作歌曲集:No. 9. Der Briefmark 切手*
17. Abendstimmung 夕べの気分*
18. Lied im Herbst 秋の歌*
19. Ein buckliger Waisenknabe singt*
20. Ich kann es nicht vergessen*
21. Die Arbeiter 労働者*
22. Regen 雨*
23. Wanderers Nachtlied さすらい人の夜の歌*
24. Helle Nacht 明るい夜*
25. Liedercyklus 連作歌曲集:No. 13. Grabschrift 墓碑銘
26. 伝承曲:Waterboy(E.ツァイスルによる声とピアノ編)*
27. Liedercyklus 連作歌曲集:No. 3. Letzter Tanz, Ballade 最後の踊り、バラード
28. 伝承曲:Deep River 深い河(E.ツァイスルによる声とピアノ編)*
ウルフ・ベストライン(Br)
チャールズ・スペンサー(P)

録音:2022年1月3-6日
*=世界初録音
ウィーンに生まれ、早くから音楽の才能を発揮、14歳でウィーン音楽院に入学し15歳で最初の歌曲を書いたという作曲家エーリッヒ・ツァイスル。ウィーンで 華々しい活躍を始めるも、ユダヤ系であった彼はナチスの侵攻に伴いニューヨークに亡命、ハンス・アイスラーの口添えでハリウッドにて映画音楽の作曲に携わ ります。いくつかの映画のために曲を書いたものの、製作主との主張の違いから存分に力を発揮することができなかったツァイスルは、「ヘブライ・レクイエム」など の宗教色の強い作品などを手掛けることで自身の方向性を見出していきます。このアルバムに収録された彼の歌曲はすべて1939年の亡命前に作曲された ものであり、どれも不協和音にも時折美しい響きが感じられる、後期ロマン派風の半音階的和声を伴う旋律が特徴です。また曲間に挿入された伝承曲の 編曲については、書かれた年代は不明ですが、ツァイスル自身の作品とは違い親しみやすい曲調が耳に残ります。 「メロディーは音楽の核心であり、メロディーを構築することはできない。メロディーは音楽的才能の本質である」。と語ったというツァイスルのメッセージが込めら れた歌曲集、21曲が世界初録音です。

   NAXOS 2022年9月発売
NAX-8.574405(1CD)
小管弦楽のためのブラジル音楽集
カルロス・ゴメス(1836-1896):弦楽のためのソナタ(1894)
フランチスコ・ブラーガ(1868-1948):マドリガル=パバーナ(1901)
アウベルト・ネポムセーノ(1864-1920):古風な組曲 Op. 11(弦楽オーケストラ版)
ネポムセーノ:セレナータ(1902)
レオポウド・ミゲス(1850-1902):古風な組曲 Op. 25(1893)
イギリス室内O
ニール・トムソン(指)

録音:2022年1月17日、2022年1月18日
ナクソスがブラジル外務省との提携で進めているブラジル音楽のシリーズ、2022年はブラジル独立200周年にあたることもあって一層活性化しています。 1822年に独立したブラジルは89年までポルトガル王家に連なる国王が収めます。アルバムに登場する作曲家たちは王政時代の生まれで、国の奨学金を 得てヨーロッパで学びました。収録された作品は「古風な組曲」の名前から想像されるようにバロック風の曲想を持つものが多く、レスピーギの「リュートのため の古風な舞曲」やグリーグの「ホルベアの時代から」が好きな人なら大いに楽しめることでしょう。 サンパウロで生まれたゴメスはミラノで学び、1870年にミラノ・スカラ座で初演された歌劇 「グワラニー族の男」で成功を収めました。「弦楽のためのソナタ」もイ タリア風の明るい曲調が魅力で、ロッシーニの弦楽ソナタを思わせます。プラーガはリオデジャネイロ生まれ。パリ国立高等音楽院に留学し、マスネに作曲を 師事しました。この「マドリガル=パバーナ(パヴァーヌ風のマドリガル)」は軽やかなリズムに乗った爽やかな作品です。ネポムセーノはローマのサンタ・チェチーリア 音楽院で学び、その後ドイツでハインリッヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクとブルッフに学んでいます。この「古風な組曲」は当初4楽章のピアノ組曲とし て書かれ、親交のあったグリーグの自宅で初演されました。ここに収録された3楽章の管弦楽版は後に作られたもので、ベルリン・フィルが初演しました。優美 な第1主題で始まる「セレナータ」もロマンティックです。 リオ・デ・ジャネイロで生まれたミゲスは幼い頃に家族とともにスペインに移住。その後ポルトガルでヴァイ オリンと作曲を学び、20歳でブラジルに戻りますが、12年後にフランスに留学してパリ音楽院院長のアンブロワーズ・トマやセザール・フランクから強い影響を 受けました。この「古風な組曲」は生き生きとした旋律が魅力です。
NAX-8.574404(1CD)
ブラジル皇帝ペドロ1世(1798-1834):テ・デウム/クレド
クレド(1821頃)/序曲(1821頃)
テ・デウム(1820)…世界初録音
ブラジル独立讃歌(1822)(アントニオ・ジ・アシス・レプブリカーノ編)
カルラ・コッテイーニ(S)
ルイサ・フランチェスコーニ(Ms)
クレイトン・プルジ(T)
リチオ・ブルーノ(バス=バリトン)
Concentus Musicum de Belo Horizonte(合唱)
ミナスジェライスPO
ファビオ・メケッティ(指)

録音:2022年5月23-27日
ナポレオン戦争に巻き込まれたポルトガルの政治体制が混乱する中で、ポルトガル王家の王太子ペドロを初代皇 帝ペドロ1世としてブラジルが独立したのが1822年9月7日。彼の言葉「独立か死か」はブラジル帝国のスローガン の一つとなりましたが、ペドロ1世は音楽の才能も優れ、「本格的な作曲家」として語ることが出来る歴史上稀な王 侯貴族の一人です。当盤収録の「序曲」が1832年にパリで演奏された際は、この曲はロッシーニのものだと信じた 聴衆が続出したといいます。長男の洗礼を祝って書かれた「テ・デウム」はオペラを思わせるドラマティックな曲想を持 ちます。「クレド」は歓喜に溢れ、ペドロ1世の作品の中でも演奏機会が多い曲の一つ。そして「ブラジル独立讃歌」 は1822年から1831年頃までブラジル帝国の国歌として用いられた愛国歌であり、現在でもなおブラジルで愛唱さ れています。
NAX-8.579091(1CD)
アンリ・トマジ(1901-1971):ヴァイオリン作品全集
ヴァイオリン協奏曲 「ユリシーズの旅」 (1962)*
カプリッチョ(1931/1950年ヴァイオリンと管弦楽版)
ヘブライの歌(Vnと管弦楽版)(1929)
アンタールの悲しみ(1931)
ヴァイオリンとピアノのための詩曲(1923頃)
コルシカの歌、ヴォカリーズ・エチュード(Vnとピアノ版)(1932)
パギエラ、コルシカのセレナード(1928)
ステファニー・モラリー(Vn)
ダヴィッド・ロマン(P)
ギャルド・レピュブリケーヌO
セバスティアン・ビヤール(指)

録音:2020年12月6日、2020年12月20日、2020年12月21日、2021年7月22日
*以外=世界初録音
マルセイユ出身の作曲家アンリ・トマジのヴァイオリン作品集。管楽器を用いた曲が良く知られる彼の作品の中では あまり知られていないジャンルですが、これらは20世紀フランスにおける作曲の方向性をコンパクトに見て取ることが できる特徴ある作品といえるでしょう。 ヴァイオリン協奏曲「ユリシーズの旅」は作曲家後期に書かれたもので、技巧的なヴァイオリンの旋律と色彩豊かに響 くオーケストラの音色が絡み合う作品。「カプリッチョ」は優雅で上品な曲調を持ち、感情の起伏の激しい緩徐楽章 に続く輝かしい終楽章が魅力です。他の5曲はどれもトマジの活動の初期に作曲されたもの。彼の両親の出身地で あるコルシカ島の伝統音楽をを引用したエキゾチックな雰囲気を持っています。
NAX-8.574378(1CD)
ウォルトン:ファサード(全曲) ヒラ・プリットマン(ナレーター)
フレッド・チャイルド(ナレーター)
ケヴィン・ディーズ(ナレーター)
ヴァージニア・アーツ・フェスティバル・チェンバー・プレイヤーズ
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2021年6月14-15日
ウィリアム・ウォルトンが英国の女性詩人イーディス・シットウェル(1887-1964)に出会ったのは1916年頃、ウォルト ンがオックスフォード大学クライスト・チャーチ校に入学し、イーディスの弟サシェヴェレルと親友になったことがきっかけで した。後に大学を退学したウォルトンはシットウェル家に住み込み、作曲家を志します。イーディスとウォルトンの共作 『ファサード』は1922年に発表され、ウォルトン最初の成功作となりました。イーディスの詩はヴィクトリア朝末期のブ ルジョワの世界を風刺的かつ痛烈に描き、ウォルトンは言葉に即したユーモアとウィットに富んだ音楽を付けていま す。このアルバムでは、1922年に書かれた「世間話」の初録音に加え、ウォルトンが削除した3曲を追加ナンバーと して収録。ジョアン・ファレッタが指揮するヴァージニア・アーツ・フェスティバル・チェンバー・プレイヤーズの演奏と、 歌手 としても活躍するプリットマンら3人の歌手による軽妙な語りでお楽しみください。
NAX-8.559922(1CD)
リチャード・ダニエルプール(1956-):ピアノのための12の練習曲 他
ピアノのための12の練習曲(2011-12)
ピアノ幻想曲「いつの日か、われ去り逝くとき」(2008)
子守歌(2021)/無言歌(2021)
ステファノ・グレコ(P)

録音:2022年9月20-23日
全て世界初録音
アメリカを拠点に活躍するリチャード・ダニエルプールは、初期は規則性に基づくセリエル音楽の形式を用いて作品を 書いていましたが、1980年代後半に「旋律的な音楽」へと作風を転向、以降は調性感のある耳なじみの良い音 楽を数多く生み出しています。この「12の練習曲」はヴァンダービルト大学の委嘱作で2011年から12年にかけて作 曲されました。それぞれの曲は大学に在籍する3人のピアニストをはじめ、レオン・フライシャーやヨゼフ・カリヒシュタイ ン、フィリップ・アントルモンなど著名なピアニストに捧げられており、どの曲も技巧的、かつ独立した物語を持つコン サートピースとして構想されています。アルバムのピアニスト、ステファノ・グレコがエチュードの全曲を演奏したいと作曲 家に持ち掛けた際、最初は逡巡したもののグレコの卓越した芸術性に感動。驚きと喜びを感じたとダニエルプールは 語っています。他にはバッハの「マタイ受難曲」に引用されたコラールに基づく「ピアノ幻想曲」と小品2曲が収録されて います。
NAX-8.559903(1CD)
20世紀と21世紀アメリカのヴァイオリンとピアノのための音楽集
ジョージ・ツォンタキス(1951-):3つのため息、3つの変奏曲(1981)
セバスティアン・カリアー(1959-):デジタル・ミスト(2010)*
ネイサン・カリアー(1960-):子羊の静かな叫び(1993)*
チェン・イ 陳怡(1953-):ロマンスと踊り(1998)(Vnとピアノ版)
チェン・イ:漁師の歌
 古い北京民話から*
パトリック・イム(Vn)
キウトゥン・プン(P)
セバスティアン・カリアー(Pre-recordedサウンド・サンプル)

録音:2021年2月22-24日、2021年4月1-2日
*=世界初録音
1980年から2010年にかけて、アメリカで活躍する4人の作曲家によるヴァイオリンとピアノのための作品集。アルバ ムには3曲の世界初録音が含まれるとともに、中国民謡に触発されたヴァイオリンとピアノのためのチェン・イの作品を 全て収録していることにも注目です。グラミー賞に2回ノミネートされたクレタ島出身のツォンタキスの「3つのため息、3 つの変奏曲」は後に彼の「ファンタジア・ハバネラ」の基礎となった作品。セバスティアン・カリアーの「デジタル・ミスト」は 作曲家自身がエレクトロニクスのパートをあらかじめ録音しておき、そこに実際の演奏をあわせた曲。ヴァイオリンとピ アノの響きは靄がかかったような幽玄な佇まいを聴かせます。この録音が行われるまでには、演奏家と各々の作曲 家たちが何時間にもわたりヴィデオ会議を行い、数えきれないほどのメールがやりとりされたということです。

   NAXOS 2022年8月発売(2)
NAX-8.574363(1CD)
ヴュータン:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
ベートーヴェンの「ロマンス第1番ト長調」の主題による変奏曲(1837-38)(O. アドラーによるヴァイオリンと管弦楽のための復元版)
幻想曲 ホ長調 「ラ・センティメンターレ」 Op. 9b(1838)
アリアと変奏第3番(1833年以前)(Vnと管弦楽版)
ベッリーニの歌劇「ノルマ」の主題による変奏曲 ト長調 Op. 2(1833-34)
ヴァイオリン協奏曲第8番ロ短調 Op. 59- 第1楽章 アレグロ・マエストーソ(カデンツァ:アルベルト・マルコフ)(C. バウムガルテンによるヴァイオリンと管弦楽編 2020年)
歌劇「メッシーナの花嫁」 - 第3幕 バレエの場面(M.K. マイクシャクによる管弦楽編 2020年)
アレクサンドル・マルコフ(Vn)
ゴータ=アイゼハナ・チューリンゲンPO
マルクス・フーバー(指)

録音:2021年5月18-22日
世界初録音
19世紀におけるヴァイオリン演奏の技術と美学を一変させるほどの影響力を持ち、名演奏家、作曲家としてパガニーニの後継者にふさわしいと賞賛されたア ンリ・ヴュータンの作品集。このアルバムに収録された彼の作品は、未完のヴァイオリン協奏曲第8番を除き、全てヴュータンの死後に発見されたものです。 ここで聴けるいくつかの作品でも顕著なように、彼はとりわけ変奏曲の形式を好んだようで、一つの主題を感情を込めながら発展させつつ、名人芸を発揮す る場として作品を練り上げています。中でも、ベートーヴェンのロマンス第1番の主題による変奏曲や、ベルカントの影響を受けた幻想曲ホ長調「ラ・センティメ ンターレ」は、彼の演奏会用作品の中でも最も素晴らしいものの一つです。彼が完成させたヴァイオリン協奏曲は全7曲ですが、このアルバムに収録された未 完の「第8番」はヴュータンの最後の作品で彼の弟子であるウジェーヌ・イザイに捧げられました。 演奏者アレクサンドル・マルコフはユーディ・メニューインに絶賛されたヴァイオリニスト。16歳でカーネギーホールでソロ・デビューを飾り、以降ロリン・マゼールや シャルル・デュトワら世界的な指揮者と共演。パガニーニの「24のカプリース」などの19世紀ロマン派音楽から、ロックまで幅広いレパートリーを誇ります。
NAX-8.555171(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第10集
エドワード・ジャーマン(1862-1936): 管弦楽作品集

組曲「ネル・グウィン」
ジプシー組曲(4つの性格的舞曲)
ヘンリー8世
劇付随音楽「テンプター」 - 子守歌
ロミオとジュリエット
歌劇「トム・ジョーンズ」 - 第3幕 フォー・トゥナイト 「ソフィアのワルツ・ソング」
歌劇「メリー・イングランド」組曲
スロヴァキアRSO
エイドリアン・リーパー(指)

録音:1991年9月14-19日
※MARCO POLO 8.223419のレーベル移行盤
好評のブリティッシュ・ライト・ミュージック・シリーズ、第10集は英国シュロップシャー州ホイットチャーチの小さな市場町に生まれたエドワード・ジャーマンの作品 集。父は醸造家を営みつつ地域の教会オルガニストを務め、母はアマチュアの歌手という家庭に育ったジャーマンは、幼い頃から音楽の才能を発揮します。 成長してからはヴァイオリニストとして活動するかたわら作曲も手掛け、1888年にはロンドンのグローブ座の音楽監督に就任。コミック・オペラの大家アーサー・ サリヴァンの後継者として認められるなど高く評価されました。このアルバムには彼の管弦楽作品が収録されており、これらの曲は、どれも美しい旋律と英国風 の品の良い佇まいを持っています。とりわけ組曲「エル・グウィン」は、作曲者の生涯の友人であるウィリアム・ハーバート・スコットが「緑の森の香り高いエッセン スで満たされている」と称賛したほどでした。初期の作品「ヘンリー8世」は彼の名声を高める役割を果たし、また「ジプシー組曲」からはドヴォルザークの影響 も感じられます。
NAX-8.559912(1CD)
デレク・バーメル(1967-):クラリネットと弦楽器のための作品集
イントネーションズ(2016)
リトルネッロ(2011)(エレクトリック・ギターと弦楽四重奏版)
トラキアのスケッチ(2003)
ヴァイオリン練習曲集(2009-16)
ア・ショート・ヒストリー・オブ・ザ・ユニヴァース(2013)- ニマ・アルカニ=ハメッド氏による
デレク・バーメル(Cl)
クリストファー・オットー(Vn)
ヴィーク・ヘイマンス(エレクトリック・ギター)
ジャックQ【 クリストファー・オットー(Vn)、オースティン・ウゥリマン(Vn)、アリ・ストリーズフェルド(Vn)、ジョン・ピックフォード・リチャーズ(Va)、ジェイ・キャンベル(Vc)、ケヴィン・マクファーランド(Vc)】

録音:2011年5月23日、2013年1月31日、2013年10月15日、2017年4月18日、2020年7月27日
世界初録音
グラミー賞に2度ノミネートされたアメリカの作曲家・クラリネット奏者のデレク・バーメルは、ウィリアム・ボルコムをはじめ、アンリ・デュティユー、オランダのルイ・アン ドリーセンらに師事、作曲を学びました。彼の作品には東洋の音楽やジャズ、ボルコム譲りのラグタイムなど様々な要素に加えて、コミカルとシリアス、2つの相 反する性質が融合されて予測不可能な展開を見せるものが多くあります。このアルバムに収録されている「イントネーションズ」やエレキ・ギターの音色をユ ニークに用いた「リトルネッロ」はまさにそんな作品。不気味な前奏が突然賑やかな雰囲気に変わるなど興味深い音楽です。クラリネット独奏による「トラキア のスケッチ」はブルガリアの民俗音楽の探求から生まれたもの。バーメル自身の演奏です。「ア・ショート・ヒストリー・オブ・ザ・ユニヴァース」は彼がプリンストン高 等研究所のアーティスト・イン・レジデンスを務めていた際、物理学者ニマ・アルカニ=ハメッド氏の講義にインスパイアされて書かれた曲。ヴァイオリン練習曲 集は無伴奏ヴァイオリンの可能性を追求した作品です。
NAX-8.574315(1CD)
コンスタンティン・ヴァシリエフ(1970-):ギター作品集 第1集
トム・ジョビンへのオマージュ(2016)
カヴァティーナ(2015)
雪の中のバラ(2019)/宿命(1996)
時間の放浪者(2010)
ジャズ・ストーリー(2016)
歌と踊り(2017)/魔法の灯台(2018)
オブリオ(2013)
シネスタ(2014)(A. スクリャービンの「ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op. 20- 第1楽章 アレグロ」による)
フォルタレザの踊り - 第7番シンデレラ(2010)
2つのロシアの小品
ユーリ・リベルゾン(G)
パトリック・オコンネル(G)

録音:2021年10月3-5日
ロシアのノヴォアルタイスクで生まれ、ノボシビルスク音楽院でギターと作曲を学んだコンスタンティン・ヴァシリエフ。卒業後はドイツに移り、ミュンスターのデトモル ト音楽大学でラインベルト・エバーズの下、更にギターの勉強をつづけました。1999年にはオスナブリュックで開催されたギター・フェスティヴァル 「OpenStrings」の作曲コンクールに入賞、以降ギターを中心としたアンサンブルのために数多くの作品を発表しており、ジャズ、ロシア民謡、現代西洋の伝 統など様々なスタイルを統合した彼の作品は、福田進一を始めとした名奏者たちも愛奏しています。 彼と同郷のギタリスト、ユーリ・リベルゾンもヴァシリエフ作品に心酔しており、系統的な録音を作るべく彼にこのアルバムの企画を持ちかけたということです。こう して出来上がったアルバムには、ヴァシリエフが20年以上の年月をかけて作曲した作品を収録。リベルゾンのために作曲された「カヴァティーナ」「ジャズ・ストー リー」「雪の中のバラ」の3作品も含まれています。2台ギターのための作品まで幅広く収録するというこのシリーズからは、ヴァシリエフの幅広い才能が窺えま す。

   NAXOS 2022年8月発売

NAX-8.574465(4CD)
NX-C09
ブラームス:交響曲全集(全4曲) アダム・フィッシャー(指揮)
デンマーク室内O

録音:2021年5月10-18日、7月3-6日、9月23-25日、2022年2月12-14日王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
デンマーク室内管弦楽団は、以前はデンマーク放送所属の団体(デンマーク放送 シンフォニエッタからデンマーク国立室内管弦楽団に改称)でしたが、2015年より 現在の名称で独立した団体として活動しています。アダム・フィッシャーとは1987年 初共演。1998年には首席指揮者に迎え、以来四半世紀の長きにわたり良好な 関係を築いています。 これまでにもさまざまなオーケストラとブラームスを演奏してきたフィッシャーですが、彼 はオーケストラの特性を重視し、各々の個性と可能性を引き出すことを目指してい るとブックレット(英語)に記載されたインタビューで語っています。「私のブラームス」で はなく「私たちのブラームス」、その言葉通りの充実した演奏です。 1998年からデンマーク室内管弦楽団(DCO)の首席指揮者を務めるアダム・フィッシャー。2006年から13年 にかけてモーツァルトの交響曲全集(DACAPO)、2016年から19年にかけてベートーヴェンの交響曲全集 (NAXOS)を録音し、批評家と聴衆双方から高い評価を得ました。特にベートーヴェンの交響曲全集では欧 州各国で賞賛され、ICMA((International Classical Music Award)ではベートーヴェン・イヤーに出た すべてのCDの中のベストの評価を得ました。フィッシャーのDCO首席指揮者25周年を迎える2023年へ向け て録音されたブラームスの交響曲全集もこれまで以上の挑戦が聞かれる注目作です。 フィッシャーとDCOのアプローチは、ヴィブラートを控えめにした透明感の高いサウンドと、速めのテンポでアクセン トをしっかりと出した、いわゆるHIPスタイルが基調ですが、長年の研究に加えてフィッシャーの情熱的な性格も 反映したと思われる大胆なフレージング、管と弦のバランスの巧みな操作などから生まれる新鮮な響きが随所 に聴かれます。またヴァイオリン両翼配置と明確なボウイングさばきにより、例えば第1番第4楽章などに頻発す る第1第2ヴァイオリン間でのフレーズの受け渡しの効果などが大変刺激的。ブラームスの交響曲を聞き込んだ 人ほど驚きの瞬間が多々味わえるスリリングな演奏となっています。 交響曲第1番は終始快速テンポを貫きながらも、要所要所にタメをいれることで曲全体にメリハリをつけていま す。落ち着いた第2楽章での表現や終楽章でのクライマックスに向けての盛り上がりが聴きどころです。 第2番では、艶やかな弦の響きと対比する金管の高らかな音色が印象的。極めて弱音で始まり、突然の音の 爆発が心地よい終楽章もフィッシャーならではの解釈と言えるでしょう。 第3番は、とりわけデュナーミクやテンポの処理が大変印象的。思わずスコアを再確認したくなるほどの細やかな 指揮に応えるオーケストラの手腕を存分に楽しめます。 フィッシャーのピリオド解釈が光る第4番は、楽章ごとの性格が良く描き分けられており、息をもつかせぬ音楽が 紡がれていきます。
NAX-8.573583(1CD)
ヴォルフ=フェラーリ:ヴェネツィア組曲他
ヴェネツィア組曲 Op. 18(1935)
三部作 ホ長調 Op. 19(1936)
ディヴェルティメント ニ長調 Op. 20(1936)
アラベスク ホ短調 Op. 22(1937)
オビエド・フィラルモニア
フリードリヒ・ハイダー(指)

録音:2008年10月13-15日、2008年10月14-16日、2009年5月27-29日、2006年6月1-2日
「マドンナの宝石」や「せんさく好きな女たち」など、18世紀ヴェネツィア文化を20世紀に反映した歌劇作品で知られるヴォルフ=フェラーリ。とりわけポール・ モーリアの編曲版でも知られる歌劇『マドンナの宝石』の間奏曲はその甘く美しい旋律で多くの人々の心をとらえています。 このアルバムに収録された管弦楽作品はヴォルフ=フェラーリの晩年の作品で、初期の歌劇とはまた異なる表現方法が魅力的。冒頭に置かれた「ヴェネツィ ア組曲」の憂愁に満ちた佇まいから、遊び心たっぷりの「ディヴェルティメント」、瞑想的でありながら強い情熱を秘めた「三部作」が並びます。また、彼の旧友 でヴェネツィアの画家エットーレ・ティート(1859-1941)を念頭に置いて書かれた「アラベスク」では「ティートの主題」と呼ばれるシンプルな旋律が、力強い フーガを頂点とする見事な変奏曲として展開していきます。オペラ指揮者として名高いフリードリヒ・ハイダーは2003年からヴォルフ=フェラーリの研究に多くの 時間を充てています。
NAX-8.579125(1CD)
20世紀アンデス地方のフルートとピアノのための作品集
シクスト・マリア・デュラン・カルデナス(1875-1947):インカの伝説(1916頃)(フルートとピアノ版)
ヤシント・フレイレ(1950-):フルートとピアノのための組曲(1982)
ヘラルド・ゲバラ(1930-):対話(1982)
レオナルド・カルデナス(1968-):世界と時間の中心で(2019)…世界初録音
サミュエル・ジーマン(1956-):フルート・ソナタ第1番(1994)
ダニエル・ヴェラスコ(Fl)
エレン R.ソマー(P)

録音:2020年12月8-11日
アンデス地方、エクアドルの近現代作曲家による作品を中心に収録した、南米の音楽が持つ豊かな色彩感とリズムが満載のアルバム。デュラン・カルデナス の「インカの伝説」は名曲"コンドルは飛んでいく"を思わせる冒頭の幅広い旋律が印象的。また軽快な後半部はドップラーの"ハンガリー幻想曲"も想起させ ます。ハシント・フレイレの『組曲』はエクアドルの舞曲がテーマ。異なる楽想による3つの曲が紹介されています。同じくエクアドルの作曲家ヘラルド・ゲバラはパ リのエコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェに作曲、ソルボンヌ大学で音楽学を学んだ人。この「Dialogos 対話」はエクアドルの民族的要素と現 代的なテクニックを組み合わせた作品。フルートの超絶技巧が聴きどころです。レオナルド・カルデナスの「En el Centro del Mundo y el Tiempo 世界 と時間の中心で」はアンデスの風景からインスパイアされた曲。こちらも伝統的なエクアドルの旋律が随所に用いられています。最後に置かれたメキシコの作 曲家サミュエル・ジーマンの「フルート・ソナタ第1番」は、1996年、シカゴで開催された全米フルート協会の大会において、ベネズエラのフルート奏者マルコ・グ ラナドスが演奏して評判になり、以来フルート奏者のレパートリーとなった曲です。
NAX-8.579073(1CD)
ジョン・バージ(1961-):弦楽オーケストラのための作品集
シンフォニア・アンティクァ(2001)
忘れられし夢(フルートと弦楽オーケストラ版)
一つの帆
アッパー・カナダ・フィドル組曲
ジュリアン・アーマー(Vc)
ジョアンナ・グッフレラー (Fl)
レイチェル・マーサー(Vc)
マヌエラ・ミラーニ(Vn)
サーティーン・ストリングス室内オーケストラ
ケヴィン・マロン(指)

録音:2019年9月14-16日
カナダの作曲家ジョン・バージの作品集。オンタリオ州ドライデンで生まれカルガリーでピアノを学んだ彼は、トロント大 学とブリティッシュコロンビア大学で作曲と理論の学位を取得。1987年以来キングストンのクイーンズ大学で教鞭を 執っています。長年にわたり作品を発表、器楽から声楽まで幅広いジャンルにわたる曲は高く評価され、2009年に はカナダの権威ある音楽賞「ジュノー賞」を受賞しました。バージはとりわけ弦楽器のための作品に力を入れており、 このアルバムに収録された作品はどれもサーティーン室内オーケストラからの委嘱作です。 バロック音楽の形式を借りた「シンフォニア・アンティクワ」は祝祭的な雰囲気を持つ陽気な作品。フルートが活躍す る瞑想的な「忘れられし夢」と、詩的なイメージを音楽化した「ワン・セイル」に続き、18世紀末から19世紀にかけて 存在したイギリスの植民地に伝わる音楽をイメージした「アッパー・カナダ・フィドル組曲」ではフォーク・ダンスを思わせ る弦の響きを存分に活かした3つの曲が楽しめます。

   NAXOS 2022年7月発売(2)
NAX-8.574418(1CD)
アントニオ・ソレール:ソナタ第96番 - 第98番
ソナタ第96番変ホ長調 Op. 4No. 6
ソナタ第97番イ長調 Op. 8No. 1
ソナタ第98番変ロ長調 Op. 8No. 2
ダウマンツ・リエピンシュ(P)

録音:2021年11月15-19日
スペインの作曲家アントニオ・ソレールの鍵盤楽器のためのソナタ集。NAXOSでは、コンクールで優勝した若手ピアニストたちが分担して録音を進めており、 今回は2019年に開催されたマリア・カナルス国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したダウマンツ・リエピンシュの登場です。 ソレールは教会音楽家としての訓練を受け、王立サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院のオルガニストを務めたことで、フェリペ2世の宮廷で働いていた ドメニコ・スカルラッティなどの音楽家と親交を結び、その影響を受けたソナタを数多く遺しました。この巻に収録された3曲は当時流行していたウィーン前古典 派の流れも意識しているとされ、牧歌的な雰囲気や洗練された繊細さ、そして卓越した技巧を要する華やかな仕上がりが特徴です。 演奏しているダウマンツ・リエピンシュはラトヴィア出身のピアニスト。2017年にはラトヴィアの音楽賞「Liel? m?zikas balva」のヤング・アーティスト賞を受賞 し注目を浴び、また2020年には英国の"Pianist Magazine"で「注目すべき4人のピアニスト」に選出されたほか、数多くのコンクールの入賞経験を誇りま す。
NAX-8.574386(1CD)
2つのチェロのための作品集
ロンベルク(1767-1841):2つのチェロのためのコンチェルティーノ イ長調 Op. 72(1841)
アントン・クラフト(1749-1820):2つのチェロのための大二重奏曲 ト短調 Op. 5(1808出版)
 2つのチェロのための二重奏曲 ニ長調 Op. 6(1808出版)
ニコラウス・クラフト(1778-1853):
2つのチェロのためのコンチェルティーノ ハ長調(作曲年不詳)…世界初録音
アレクサンドル・ルーディン(第1チェロ/第2チェロ、指揮)
エミン・マルティロシアン(第1チェロ/第2チェロ)
ムジカ・ヴィーヴァ室内O

録音:2020年7月23日、2020年11月13日、2020年12月3日
19世紀に入ってチェロが独奏楽器として活躍するようになると、作曲家たちは複数のチェロをソリスティックに組み合 わせた作品も書くようになりました。ロンベルクはチェロ奏者として高く評価され、友人であったベートーヴェンと共に彼 のチェロ・ソナタOp.5をウィーンで演奏したことでも知られています。ここに収録された「2つのチェロのためのコンチェル ティーノ」は晩年の作品で、成熟した作風がうかがえます。アントン・クラフトもチェロの名手で、その名技に感銘を受 けたハイドンは彼のために協奏曲を作曲しました。その息子ニコラウスも優れたチェリストで、ここに収録されたアントン の「大二重奏曲」は、ニコラウスとともに演奏するために書かれたと考えられています。 アルバムで演奏する1960年生まれのチェリスト、アレクサンドル・ルーディンと1987年生まれのエミン・マルティロシア ンはこれまでにも長らく共演を続けており、ここでも絶妙のハーモニーを聴かせます。
NAX-8.559906(1CD)
ウィリアム・マクレラン(1950-):声楽と合唱作品集
1. Cadmon's Hymn カエドモンの賛歌(2018)
2. Autumnal 秋の(2005)
3. Autumn 19641964年の秋(1995)
4. Going ゴーイング(1993)
5. Poem Composed in Sleep 眠りの中で作曲された詩(1997)
6. Sea Rose シー・ローズ(2002)
7. Labrador ラブラドール(1990)
8. Storm 嵐(2011)
9. Hail Lovely and Pure ヘイル・ラヴリー・アンド・ピュア(2011)
Five for Piano ピアノのための5つの小品(2006)
10. No. 1. June-bug Serenade コガネムシのセレナード
11. No. 2. Shadow No More シャドウ・ノー・モア
12. No. 3. Demon Cloud デーモン・クラウド
13. No. 4. A Trace ア・トレース
14. No. 5. The Jolly Mortals ジョリー・モータルズ
15. The Fields of November 11月の野原(2013)
16. Insomnia インソムニア(1987)
17. Memory of Summer Facing West 西向きの夏の思い出(1975)
18. The Defective Record ディフェクティヴ・レコード(2005)
19. Snowstorm in the Midwest 中西部の吹雪(1989)
20. The Politician ポリティシャン(1998)
21. Garden Abstract ガーデン・アブストラクト(2008)
22. To One Who Revisited an Old Garden
古い庭を再訪した人へ(2005)
23. These Last Gifts 最後の贈り物(2015)
クリスタ・リヴァー(Ms)…2、5、6、16、17、21、22
トーマス・メリオランツァ(Br)…3、4、7、8、15、18-20
アレックス・ゲレーロ(T)…23
ロバート・メイ/マーガレット・ダッドリー/トーマス・マッカーガー/スザンネ・
シュヴィンク(ナレーター)…1
ドナルド・バーマン(P)…2-8、15-22
ブレア・マクミレン(P)…10-14
デイヴィッド・エンロウ(Org)…1
ニューヨーク・ヴァーチュオーソ・シンガーズ…1、9、23
ハロルド・ローゼンバウム(指)…1、9、23

録音:2016年9月28日 American Academy of Arts and
Letters(USA)…9、23
2017年5月8日 Westchester Studios(USA)…10-14
2019年9月4日 Church of the Resurrection(USA)…1
2019年10月15-16日 Recital Hall, Performing Arts
Center, Purchase College, State University of New
York, Purchase, New York(USA)…2-8、15-22

世界初録音
デトロイト生まれの作曲家・ピアニスト、ウィリアム・マクレラン。特に合唱音楽の作曲家としてアメリカで人気があります。冒頭の「カエドモンの賛歌」は7世紀の イギリスで書かれたテキストによるもので、4人の合唱団員による古代英語の朗読ではじまり、それに続く合唱とオルガンが世界の創造の物語を描きます。 「ヘイル・ラヴリー・アンド・ピュア」は15世紀に北イングランドで書かれた神秘劇「ウェイクフィールド・マスター」に作曲したもの。「最後の贈り物」は、古代ローマ の詩人ガイウス・ウァレリウス・カトゥルスが書いた、亡くなった兄弟を悼む哀悼詩。同じ経験を持つマクレランはこの詩に強い共感を抱き、素晴らしい作品を書 き上げました。「ピアノのための5つの小品」も詩からインスピレーションを得た作品で、初演者のブレア・マクミレンによる録音です。歌曲には時に民謡風な味 わいも感じられ、アルバムに彩りを添えています。
NAX-8.579104(1CD)
ケマル・ベレヴィ(1954-):ヴァイオリンとギターのための作品集
ギターのための5つのロマンティックな小品 - 第4曲 キャッチ22(1985)(Vnとギター版)
キプリアーナ(2007)(Vnとギター版)*
Clouds クラウズ(2020)*
ワルツ イ長調(2020)*
ある夏の日 - 第10曲月(1987)(Vnとギター版)
エアーとダンス(2001)
7ワルツ第3番(2019)*
ヴァイオリンとギターのための4つのスケッチ(2020)*
キプロス組曲(2001)(Vnとギター版)
シルヴィア・グラッソ(Vn)
リヴィオ・グラッソ(G)

録音:2021年6月4-6日
*=世界初録音
キプロス共和国の首都ニコシアに生まれたギタリスト=作曲家ケマル・ベレヴィの作品集。11歳でギターを始め、当 初は兄弟でバンドを組んでロックやポップスを演奏していましたが、ロンドンでクラシック・ギターを学び、近年は作曲家 としても注目されています。その作風はギリシャやトルコ、中東など地中海に面した諸国の伝統的な音楽が感じられ る、エキゾチックで詩情あふれるもの。2020年にリリースされた「ギター・デュオ作品集」(8.574081)も人気を博し ました。 「キプリアーナ(キプロス風)」と題されたこのアルバムは、ギターとヴァイオリンのための作品を収録し、ヴァイオリンによる 「歌う」要素がより前面に出ています。タイトル曲の「キプリアーナ」や「4つのスケッチ」はキプロスの民謡を思わせる、 美しく親しみやすい音楽。最後に置かれた「キプロス組曲」は演奏者であるシルヴィアとリヴィオ・グラッソのために特別 に編曲されたものです。

   NAXOS 2022年7月発売
NAX-8.559915(1CD)
ピーター・ボイヤー(1970-):管弦楽作品集
カーテン・レイザー(2017/2020年管弦楽版)
バランス・オブ・パワー(2019)
ア・センス・オブ・ヒストリー
ア・センス・オブ・ユーモア(スケルツォ・ポリティコ)
ア・センス・オブ・ダイレクション
明日へのファンファーレ(2021)(管弦楽版)
ローリング・リヴァー(シェナンドーによるスケッチ)(2014)*
エレジー(2021)
8イン・ザ・コーズ・オブ・フリー(2017)*
ラディアンス
ファンファーレ、賛歌と終曲(2018/2020)
クリスティン・ペンドリル(コールアングレ)
ブリン・ルイス(Hp)
ジェイムズ・ファウンテン(Tp)
LSO
ピーター・ボイヤー(指)LSO

録音:2022年1月28-29日
*以外=世界初録音
ピーター・ボイヤーは1970年アメリカのロードアイランド州に生まれた作曲家。ロードアイランド大学で学士号を、ハートフォード大学ハート音楽院で音楽修 士号と音楽芸術博士号を取得し、ニューヨークでジョン・コリリアーノに師事。その後はUSCソーントン音楽学校で映画とテレビの音楽制作を学び、この分野 でも大活躍しています。2003年録音のグラミー賞にノミネートされた「エリス島 - ドリーム・オブ・アメリカ」(8.559246)は世界中で250回以上演奏され、ア メリカ公共放送サービス(PBS)でテレビ放映もされました。 このアルバムには最新作の8曲を収録。収録曲の「バランス・オブ・パワー」はヘンリー・キッシンジャー元米国国務長官の95歳の誕生日のための委嘱作。ま た「明日へのファンファーレ」は2021年のジョー・バイデン大統領就任式のために書かれた輝かしい作品です。他には、まるでハリウッド映画の音楽のような広 がりが感じられる「ローリング・リヴァー」や、このアルバムのために作曲された『ラディアンス』など、どの曲からもボイヤーならではの鮮やかなオーケストレーション と、現代アメリカ的なクールな感性、そしてセンスの良さが感じられます。LSOの輝かしい演奏が曲の魅力を一層引き立てています
NAX-8.574375(1CD)
ロレンツォ・ペロージ(1872-1956):ピアノ五重奏曲、他
ピアノ五重奏曲第1番ヘ長調(1930)
弦楽三重奏曲第2番イ短調(1928)
マッテオ・ベヴィラクア(P)
ローマ・トレ・オーケストラ・アンサンブル【レナード・スピネディ(Vn)、河崎 日向子(Vn)、ロレンツォ・ルンド(Va)、アンゲロ・マリア・サンティージ(Vc)】

録音:2021年4月29-30日
かつてプッチーニが「彼の頭の中には、私とマスカーニの頭の中よりも多くの音楽がある」と称賛したというイタリアの作 曲家ロレンツォ・ペロージ。ミラノ音楽院で学び、1894年からヴェネツィアの聖マルコ大聖堂の合唱指揮者として活 躍、その後聖職に就き、1890年代後半までにはオラトリオ「イエス・キリストの変容」などの宗教作品で国際的な名 声を得た人です。このアルバムには彼の3つの室内楽曲が収録されており、その端正な作風を存分に味わうことがで きます。冒頭の湧き上がるようなピアノのパッセージが印象的なピアノ五重奏第1番と、悲痛な旋律で始まるピアノ 五重奏曲第2番は、ともに弟を亡くした悲しみの中で書かれた曲。どちらもコラール風の旋律を持つ美しい緩徐楽 章が置かれ、活発な終楽章で曲が閉じられます。伝統的な作風による弦楽三重奏曲第2番にも、慎ましさの中に 大胆なリズムが用いられており、当時のイタリア音楽が求める新しい道行を探求しています。 演奏は2005年に設立されたローマ・トレ・オーケストラのメンバーによるアンサンブル。ローマとラツィオで生まれた最 初の大学オーケストラで、若い世代に素晴らしい音楽を広めることを目的として活動しています。ヴァイオリンの河崎 日向子さんはローマ在住。いくつものアンサンブルに参加し、高く評価される奏者です。
NAX-8.574323(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第9集〜ロバート・ファーノン(1917-2005): 管弦楽作品集
ポートレート・オブ・ア・フラート
なんと美しいこの夜/メロディ・フェア
泉のほとり/ピーナツ・ポルカ
オーケストラのための3つの印象:No. 2. 穏やかに
西部への道/ジャンピング・ビーン
燃やされる絵/ 小さなミス・モリー
コルディッツ・マーチ/スター誕生
ウェストミンスター・ワルツ
オーケストラのための3つの印象:No. 3.
マッハッタンのプレイボーイ
森の湖/ダービー・デイ/国家行事
スロヴァキアRSO
エイドリアン・リーパー(指)

録音:1991年3月14-17日
※MARCOPOLO 8.223517のレーベル移行盤
ロバート・ファーノンはカナダ生まれの指揮者、作曲家。19歳の時にカナダ放送協会に入局、パーシー・フェイス・オー ケストラの第一トランペットを務めました。その後は作曲とアレンジにも力を入れ、ポール・ホワイトマンやアンドレ・コス テラネッツのために曲を作るようになります。第二次世界大戦中には連合国軍(SHAEF)カナダ軍楽隊の指揮者と なり英国などで演奏、その後、彼はイングランドを第二の故郷とし、多彩なジャンルにわたる数多くの作品を生み出 すとともに、数多くのミュージシャンと共演、世間に強いインパクトを与え続け、4つの「アイヴァー・ノヴェロ賞」を獲得、 また1996年にはJ・J・ジョンソンと共演した「ラメント」でグラミー賞「ベスト・インストゥルメンタル・アレンジメント」部門 を受賞しています。 このアルバムには「ジャンピング・ビーン」や「コルディッツ・マーチ」など、彼の大ヒット作を収録。親しみやすく美しい旋 律を、エイドリアン・リーパーが指揮するスロヴァキアRSOによる演奏でお楽しみください。
NAX-8.555668(1CD)
タールベルク:ポジリッポの夜会 - ロッシーニを讃えて: 24の音楽的思考(1862) フランチェスコ・ニコロージ(P)

録音:1995年10月22、23日

※MARCO POLO 8.223807(原盤)
NAXOS 8.506042の分売
スイス出身のピアニスト・作曲家、ジギスムント・タールベルク。14歳の時にロンドンでモシェレスにピアノを学び、同年5月に最初の公開演奏会を開催。以 降、フンメルやツェルニーに指導を受け、1835年にパリへ赴きピアニストとして喝采を浴びます。作曲家としてはフランツ・リストを凌駕するほどの華麗なピアニ ズムが味わえるオペラのトランスクリプションやピアノ協奏曲を残しました。 この『ポジリッポの夜会』は2021年5月に発売された6枚組BOXからの分売で(原盤はMARCO POLO)、タールベルクが晩年を過ごしたポジリッポ(ポジリ ポ)の生活から生まれた小品と、タイトルが示すようにロッシーニのアリアを素材とする曲が混在する全24曲で構成された曲集。彼の出版社は各々の曲にメ ンデルスゾーンの『無言歌』のようなタイトルを付けることを提案しましたが、彼はそれを拒否。基本的に速度記号のみが記されています。どの曲も若い頃の タールベルク作品のような派手な技巧を誇示することはありませんが、甘く美しい旋律に溢れ、簡素でありながら上品な味わいを持っています。 演奏は1954年イタリア生まれのフランチェスコ・ニコロージ。超絶技巧の持ち主で、タールベルク国際研究センターの会長として作品の研究、普及に努めて います。
NAX-8.573925(1CD)

NYCX-10322(1CD)
国内盤仕様
税込定価
ゲーハ=ペイシ:交響的組曲第1番、第2番他
交響的組曲第1番「パウリスタ」(1955)
ローダ・デ・アミーゴス 友達の輪(1979)
交響的組曲第2番「ペルナンブーコ」(1955)
ラウル・メネゼス (Fl)
プブリオ・ダ・シウバ (Ob)
パトリック・ヴィリオーニ (Cl)
フェリペ・アルーダ (Fg)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2016年11月5-8日
※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。
ナクソスがブラジル外務省の提携で進めているブラジル音楽のシリーズ、2022年はブラジル独立200周年にあたることもあって一層活性化しています。 最新作はセーザル・ゲーハ=ペイシの交響的組曲集。ゲーハ=ペイシはポルトガル移民でアマチュアの音楽家だった父からギターを学び、更に音楽学校でヴァイ オリンを学んだ後、指揮者・教育者として活躍。ラジオ・テレビ番組や映画のための音楽も手掛けました。オーケストレーションのうまさは特に高く評価されていま す。その手腕とブラジルのフォーク・ミュージックの要素が結びついた「交響的組曲」は、絵に描いたような「ラテンのノリとリズム」が鳴りっぷりのいいオーケストラで奏 でられる、無類に楽しい音楽です。「ローダ・デ・アミーゴス」は、ゲーハ=ペイシの音楽仲間へのトリビュートで、それぞれの友人が演奏していた管楽器を主役に 立てた協奏的断章といった趣の作品。20世紀ブラジルの作曲家の例にもれず12音技法に心酔した時期もあったゲーハ=ペイシですが、ここに収められた曲は 理屈抜きに楽しめるものとなっています。
NAX-8.508013(8CD)
NX-F10

NYCX-10318(8CD)
国内盤仕様
税込定価
ヴィラ=ロボス:ピアノ作品全集
■CD1… 第1集…8.554489
1-8. A Prole do Bebe 赤ちゃんの一族 第1組曲「お人形たち」(1918)
9-24. Cirandas シランダス(1926)
25-26. Hommage a Chopin ショパンへのオマージュ(1949)
■CD2… 第2集…8.554827
1. A Lenda do Caboclo カボークロの伝説(1920)
2. 練習曲 Op. 31? Ondulando 波のように(1914)
3. Valsa da Dor 苦悩のワルツ(1932)
4-12. A Prole do Bebe 赤ちゃんの一族 第2組曲 「小さい動物たち」(1921)
13-24. Cirandinhas シランディーニャ(1925)
■CD3… 第3集…8.555286
1-3. Suite Floral 花の組曲
4-7. Ciclo Brasileiro ブラジルの詩
8-13. Brinquedo de Roda 輪になって遊ぼう
14-16. Dancas Caracteristicas Africanas アフリカ的性格舞曲
17. Tristorosa トリストローザ
18. Choros No. 1ショーロ第1番"Choro tipico"
19. Choros No. 2ショーロ第2番
20. Choros No. 5ショーロ第5番"Alma brasileira" 「ブラジルの魂」
■CD4… 第4集…8.555717
1-4. Bachianas brasileiras No. 4ブラジル風バッハ第4番(P版)(1930-1941)
5. Poema singelo 単純な詩(1938-42)
6-13. Carnaval das Criancas 子供たちのカーニバル(1920)
14. Francette et Pia フランセットとピア(1928)
15. A Fiandeira 糸を紡ぐ女(1921)
16-18. Simples Coletanea 単純な選集(1917-1919)
19. Valsa Romantica ロマンティックなワルツ(1909)
6-14…With タチアナ・ランコヴィチ(P)
■CD5… 第5集…8.570008
1-5. Guia pratico I 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第1巻
6-10. Guia pratico II 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第2巻
11-15. Guia pratico III 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第3巻
16-20. Guia pratico IV 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第4巻
21-25. Guia pratico V 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第5巻
26-30. Guia pratico VI 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第6巻
31-35. Guia pratico VII 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第7巻
36-42. Guia pratico VIII 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第8巻
43-48. Guia pratico IX 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第9巻
■CD6… 第6集…8.557735
1. Sul America 南アメリカ(1925)
2. New York Sky Line Melody ニューヨーク・スカイライン・メロディ(1939)
3-5. As tres Marias 三つの星(3人のマリア) (1939)
6-7. Saudades das selvas brasileiras ブラジルの密林の思い出(1927)
8. O Gato e o rato ねことねずみ(1914)
9-14. Petizada 小さな子供たち(1912)
15. Caixinha de musica quebrada 壊れたオルゴール(1931)
16. A menina das nuvens:Valsa ワルツ(1952)
17. Bailado infantil 子供の踊り(1911)
18. Carnaval de Pierrot ピエロのカーニバル(1910)*
19. Melodia da montanha, "Serra da Piedade de Belo Horizonte" 敬虔なる山脈の美しい地平線(1938?)*
20. Rudepoema 野性の詩(1921-26)
*…世界初録音
■CD7… 第7集…8.570503
1. Amazonas アマゾナス(P版)(1917)
2-6. 5Preludes 5つの前奏曲(1940)(J.V. ブランダーオによるピアノ編)
7. Bachianas brasileiras No. 2ブラジル風バッハ第2番 「カイピラの小さな汽車」 - 第3曲 踊り(藪の思い出)(1930)(P編)
8. Valsa Scherzo ワルツ・スケルツォ(1907)
9. Bailado infernal 地獄の踊り(1920)
10. Feijoada sem perigo 危なくないフェジョアーダ(豆と肉の料理)(1955)*
11-14. Historias da Carochinha おとぎ話(1919)
15-19. Cancoes de Cordialidade 心からの歌(作曲年不詳) *
20. Cortejo Nupcial 婚礼の随行(1919) *
21. Valsa Lenta ワルツ・レント(断章) (1911) *
*…世界初録音
■CD8… 第8集…8.570504
1-6. Guia pratico X 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第10巻(1932)
7-12. Guia pratico XI 実用の手引き(ブラジル音楽の手引き) 第11巻(1949)
13. Ibericarabe イベリカラーベ(1914)
14-17. Suite infantil No. 1子供の組曲 第1巻(1912)
19-22. Suite infantil No. 2子供の組曲 第2巻(1913)
サントス侯爵夫人の嘆き(1938)(P編)より…世界初録音
23. III. Gavota-Choro ガヴォット - ショーロ
24. II. Valsinha Brasileira ブラジル風ワルツ
25-51. 実用の手引き 第1巻(P編)(1932) 抜粋
ソニア・ルビンスキー(P)

録音:1994年10月20-21日 Fisher Hall、Santa Rosa、California(USA)…CD1
2000年4月25-27日 Grace Church on the Hill, Toronto(カナダ)…CD2
2000年9月19-23日 Grace Church on the Hill, Toronto(カナダ)…CD3
2003年10月10-17日 Grace Church on the Hill, Toronto(カナダ)…CD4
2006年1月2-5日 Performing Arts Center, The Country Day School, King City, Ontario(カナダ)…CD5
2006年3月 Eglise Evangelique Saint-Marcel, Paris(フランス)…CD6
2007年2月21-22日 Eglise Evangelique Saint-Marcel, Paris(フランス)…CD7
2007年4圧18-19日 Eglise Evangelique Saint-Marcel, Paris(フランス)…CD8

※国内仕様盤にはピアニストで日本ヴィラ=ロボス協会副会長の清水安紀氏の日本語解説が付属します。
あらゆるジャンルに膨大な作品を残したブラジルの巨匠・ヴィラ=ロボス。そのピアノ作品の全てをお楽しみいただけるBOXの登場です。 第1集と第2集は、ドビュッシーの影響が感じられる組曲「赤ちゃんの一族」と豊かな民族色に彩られた「シランダス」、初心者でも演奏しやすい「シランディー ニャ」を中心に、機知に富んだ小品が並べられています。第3集の「ブラジルの詩」や第4集の「単純な詩」、そしてブラジル風バッハ第4番の堂々たる風格 や、「ロマンティックなワルツ」のサロン風でセンチメンタルな味わいは、この作曲家「らしさ」を強く感じます。第5集と第8集に収録された「実用の手引き」は、 採集されたブラジルの民謡を元にヴィラ=ロボスが教育的な見地を含めて編んだピアノ曲集で、高い演奏効果をめざした華やかな作品です。第6集と第7 集は、西洋古典音楽の枠に収まらないヴィラ=ロボスの創造性と想像力が端的に伝わる内容。都市の景観や自然からインスピレーションを受けた曲や前 衛的な技巧を要する曲もあり、バレエ音楽「アマゾナス」には驚くほどの実験的要素が感じられます。 演奏するソニア・ルビンスキーはブラジルのピアニスト。ポーランド人の母とリトアニア人の父のもとに生まれ、5歳で 初リサイタル、12歳でオーケストラと初共演。カンピーナス音楽院で学んだ後イスラエルに留学し、そこで出会った ルービンシュタインに音楽性を賞賛され、北米やヨーロッパで活躍しています。このヴィラ=ロボス:ピアノ曲全集 の録音は2009年のラテン・グラミー賞を受けるなど国際的に高く評価されています。

   NAXOS 2022年6月発売 (2)
NAX-8.50180(18CD)
特価
NX-I05
ブラームス:4手と2台ピアノのため
の作品全集

【CD1】…8.553139
シューマンの主題による変奏曲 変ホ長調 Op. 23(1861)(4手ピアノ)
16のワルツ Op. 39(1865)(4手ピアノ)
ロシアの思い出 Anh. IV/6(1852出版)(4手ピアノ)
34-48. ワルツ集 「新・愛の歌」 Op. 65a(1875)(4手ピアノ版)
【CD2】…8.553140
ハンガリー舞曲集 WoO 1(1858-80)(4手ピアノ版)
ワルツ集 「愛の歌」 Op. 52a(1874)(4手ピアノ編)
【CD3】…8.553654
2台のピアノのためのソナタ ヘ短調 Op. 34b(1864)
ハイドンの主題による変奏曲 Op. 56b(1873) (2台ピアノ編)
【CD4】…8.553726
セレナード第1番ニ長調 Op. 11(1857)(1859-60 4手ピアノ編)
セレナード第2番イ長調 Op. 16(1858-59) (1875 4手ピアノ編)
【CD5】…8.554115
ドイツ・レクイエム(18684手ピアノ編)
【CD6】…8.554119
交響曲第1番ハ短調 Op. 68(1862-76) (1877 4手ピアノ編)
凱旋の歌 Op. 55(1870-71) (18734手ピアノ編)
【CD7】…8.554822
交響曲第2番ニ長調 Op. 73(1877)(4手ピアノ編)
交響曲第3番ヘ長調 Op. 90(1883)(4手ピアノ編)
【CD8】…8.554117
交響曲第4番ホ短調 Op. 98(1884)(18864手ピアノ編)
悲劇的序曲 Op. 81(1880)(4手ピアノ編)
【CD9】…8.554116
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op. 15(1854-59)(1864 4手ピアノ編)
大学祝典序曲 Op. 80(1880)(4手ピアノ編)
【CD10】…8.557056
弦楽四重奏曲 ハ短調 Op. 51No. 1(1868-73)(1873頃 4手ピアノ編)
弦楽四重奏曲 イ短調 Op. 51No. 2(1873)(4手ピアノ編)
【CD11】…8.554272
弦楽四重奏曲第3番変ロ長調 Op. 67(1875)(4手ピアノ編)
弦楽五重奏曲第1番ヘ長調 Op. 88(1882)(4手ピアノ編)
【CD12】…8.554412
弦楽五重奏曲第2番ト長調 Op. 111(1890)(4手ピアノ編)
ピアノ四重奏曲第1番ト短調 Op. 25(1861)(1870 4手ピアノ編)
【CD13】…8.554817
弦楽六重奏曲第1番変ロ長調 Op. 18(1859-60)(1861頃 4手ピアノ編)
弦楽六重奏曲第2番ト長調 Op. 36(1864-65)(1865-66 4手ピアノ編)
【CD14】…8.554821
ピアノ四重奏曲第2番イ長調 Op. 26(1861)(1875頃 4手ピアノ編)
5つのワルツ Op. 39(1865)(18672台ピアノ編)
【CD15】…8.557685
交響曲第3番ヘ長調 Op. 90(1883)(2台ピアノ編)
交響曲第4番ホ短調 Op. 98(1884)(18852台ピアノ編)
【CD16】…8.555848
シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op. 47(1842)(1855ブラームスによる4手ピアノ編) Anh. Ia/8
ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907):ハムレット序曲 Op. 4(1853)(1853-54ブラームスによる4手ピアノ編) Anh. Ia/3
シューベルト:20のレントラー D. 366, D. 814(1816-24)(1869ブラームスによる4手ピアノ編) Anh. Ia/6
【CD17】…8.555849
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op. 15(1854-59)(1873 2台ピアノ編)
ヨアヒム:ディミートリアス序曲 Op. 6(1865 ブラームスによる2台ピアノ編) Anh. Ia/4
【CD18】…8.570143
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op. 83(1878-81)(1881 2台ピアノ編)
ヨアヒム:シェイクスピアの「ヘンリー4世」 Op. 7(1853)(1855ブラームスによる2台ピアノ編)
ジルケ=トーラ・マティース(P)
クリスティアン・ケーン(P)


録音:1995年9月4-9日…CD1、CD2
1996年11月9-11日…CD3
1996年2月19-21日…CD4
1996年11月28-30日…CD5
1996年4月15-20日…CD6、CD7
1996年9月2-7日…CD8、CD9
1997年8月7-9日…CD10
1997年11月9-11日…CD11
1998年4月1-3日…CD12
1999年11月2-4日…CD13
2000年10月31日-11月6日…CD14、CD15
2001年5月25-27日…CD16
2001年12月10-12日…CD17
2012年10月10-13日…CD18
ブラームスは管弦楽作品や比較的規模の大きな室内楽を書く際に、しばしば2台ピアノもしくは4手連弾版を作りました。それらは、友人たちを交え た試演のためであったり、より多くの人々に家庭などの場で親しんでもらうためであったりしましたが、ピアノを知り尽くしたブラームスならではの工夫が凝 らされています。特に管弦楽作品の編曲版では作品の骨格や構造が透けて見えるような効果があり、ピアノ版と比べることでブラームスの作曲や編 曲技法の奥義に迫ることが出来ます。 このBOXはブラームス没後100年を記念して1997年に発売開始した一連の録音を集成したもので、彼の4手連弾と2台ピアノのための編曲作品 全てを収録しています。交響曲や管弦楽曲、ピアノ協奏曲や室内楽の編曲に加え、17歳の時に作曲した「ロシアの思い出」、ハンガリー舞曲、2台 のピアノのためのソナタなど、4手/2台ピアノ用のオリジナル曲も含まれています。CD16-18には、あまり耳にする機会のないシューマン、シューベル ト、ヨアヒム作品の編曲が収録されており、とりわけヨアヒム作品は演奏される機会が少なく、貴重な録音です。 演奏するジルケ=トーラ・マティースとクリスティアン・ケーンは、各々が優れたソリストとして活躍する傍ら、大学でピアノを教える教育者としても活躍。 ケーンはベーレンライター社から出版されている「ブラームス: 4手ピアノ作品」の編集者も務めています。
NAX-8.574367(1CD)
タネーエフ:弦楽三重奏曲/ピアノ四重奏曲
弦楽三重奏曲 変ホ長調 Op. 31(1910-11)
ピアノ四重奏曲 ホ長調 Op. 20(1906)
スペクトラム・コンサーツ・ベルリン【ボリス・ブロフツィン(Vn)、ギャレス・ルベ(Va)、アレクセイ・スタドレル(Vc)、エルダー・ネボルシン(P)…5-7
フランク・サムナー・ダッジ(芸術監督)】

録音:2021年4月21-23日
チャイコフスキーに教えを受け、作曲家・ピアニストとして活躍したタネーエフ。教師としても才能を発揮、スクリャービンやラフマニノフの師として名を遺していま す。生前は対位法の理論家としても広く知られたタネーエフらしく、ここに収録された2曲もその持ち味が最大限生かされており、さらに哀愁漂う美しいメロディ も満載の聴きごたえある作品です。 弦楽三重奏曲 Op. 31はもともとヴァイオリン、ヴィオラ、テナー・ヴィオラという珍しい編成で書かれた作品。テナー・ヴィオラとは大きなヴィオラのような形をして いて、通常のヴィオラよりも低い調弦をする楽器です。初演はこの楽器によって行われましたが、楽器自体が廃れてしまったため、現在ではヴァイオリン、ヴィオ ラ、チェロのトリオで演奏されます。古典的な形式による明るい第1楽章、湧き上がるような曲調を持つ第2楽章、讃美歌のような旋律によるゆったりとした第 3楽章、そして快活な終楽章は、第1楽章の素材が時折姿を見せながら曲を盛り上げます。 ピアノ四重奏曲ホ長調 Op. 20は名ピアニストであったタネーエフならではの技巧的なピアノ・パートが聴きどころです。情熱的なモティーフに彩られた第1楽 章、旋律美が魅力の第2楽章、タネーエフの特徴といえる対位法の技術が最大に発揮された終楽章を持つ充実した曲です。 スペクトラム・コンサーツ・ベルリンは、1988年にアメリカ人チェリスト、フランク・サムナー・ダッジによって設立されたアンサンブルです。
NAX-8.574385(1CD)
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第7集
ピアノ三重奏曲第16番ニ長調 Hob.XV:16
ピアノ三重奏曲第35番イ長調 Hob.XV:35
ピアノ三重奏曲第37番ヘ長調 Hob.XV:37
ピアノ三重奏曲第41番ト長調 Hob.XV:41
ピアノ三重奏曲第19番ト短調 Hob.XV:19
オーバリン・トリオ【デイヴィッド・ボウリン(Vn)、ドミトリー・コウゾフ(Vc)、ソン・ヘイワン(P)】

録音:2021年5月11-13日
NAXOSの人気シリーズ、「ハイドンのピアノ三重奏曲」の第7集です。今作には5曲の三重奏曲を収録。第16番 は1790年6月にロンドンで出版された作品で、ヴァイオリン・パートはフルートでも演奏できるように書かれており(ア ルバムではヴァイオリンで演奏)、速い楽章とゆっくりとした楽章の対比が見事な仕上がりを見せています。第35番は 1764〜65年頃の作品で、華麗なピアノ・パートが特徴です。第37番は1766年以前に作曲され、フンメル社から 出版されました。ゆったりとしたアダージョで始まり、颯爽とした第2楽章とさわやかなメヌエットが続きます。第41番は 1767年以前の作品。3つの楽器は対等に扱われています。第19番は1794年にロンドンで出版された作品。二 重変奏曲の形式による第1楽章、高音域の旋律が魅力的な第2楽章、ト長調に転じる第3楽章とまとまりの良い 構成です。 演奏は1982年にオーバリン音楽大学の教員たちによって結成されたオーバリン・トリオが担当しています。
NAX-8.555192(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第8集〜トレヴァー・ダンカン(1924-2005):管弦楽作品集
20世紀急行(1951)
小組曲(1959)
ハイ・ヒール(1949)
公園の子供たち(1954)
マエストロ変奏曲 - セレナード(シューベルトの形式で)(1967)
コルシカから来た少女(1958)
草原の霧(1954)
ミニョネットのワルツ(1959)
ワイン祭(1958)
シックスペニー・ライド(1964)
魅惑の4月(1958)
セント・ボニフェイス・ダウン(1956)
灼熱(1958)
組曲「夢想家」 - 大行進曲(1957)
かわいいデビー(1959)
スロヴァキアRSO
アンドルー・ペニー(指)

録音:1993年4月23-30日

MARCOPOLO 8.223517のレーベル移行盤
トレヴァー・ダンカンは1924年生まれのイギリスの作曲家。幼少時にほぼ独学で作曲とピアノを学んだ彼は、18歳 でBBCに入社、ラジオドラマの制作に携わります。1943年に従軍、47年に退役してからは、BBCの録音エンジニ アとして復帰、この時に管弦楽とスコアの知識を身に付けるとともに、名指揮者レイ・マーティンの励ましを受け、自 身でも作品を書くようになりました。しかし、BBCでは副業が禁止されていたため、本名のレナード・チャールズ・トレビ ルコック(後にトレビルコに短縮)を用いることができず、ニックネームであったトレヴァー・ダンカンをペンネームに採用した という経緯があります。1950年代には多くのライトミュージックを作曲、中も「コルシカから来た少女」はラジオで毎日 のように放送されるほどの人気作となりました。その後、BBCを退社したダンカンは、イギリスでライトミュージックの流 行が下火になっても作曲を続けました。このアルバムには彼の全盛期である1950年代の作品を中心に収録。さわ やかな情景描写と、官能的なロマンス、繊細な詩情などが盛り込まれた美しい作品をお楽しみください。
NAX-8.574400(1CD)
イタリアのギター音楽秘曲集
マリピエロ:前奏曲(1958)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:花咲くオレンジ Op. 87a(1936)
ジュゼッペ・アントニオ・ブレシャネッロ(1690-1758): パルティータ第7番ハ長調 (G. ブシェミによるギター編)…世界初録音
ブルーノ・ベッティネッリ(1913-2004):5つの前奏曲(1971)
パガニーニ:気まぐれ MS 43- 第22曲 イ長調(ラルゲット)(1820)
 ギター・ソナタ第33番ハ短調 MS 84(1800-20頃)
 ギター ソナチネ第4番MS 85(1804)
ジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニ(1892-1965):協奏的練習曲(1959)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:3つの地中海前奏曲 Op. 176(1955)
ジュリアーニ:ロッシーニアーナ第2番Op. 120(1821頃)
ジュゼッペ・ブシェミ(G)

録音:2021年6月3-7日
バロックから現代の巨匠まで、イタリア音楽にとって重要な役割を担ってきたギターのために書かれた珠玉の作品を集めた1枚。最も時代が古いのはブレシャ ネッロの「パルティータ第7番」で、こちらは、もともとリュートに似た弦楽器"コラシオーネ"のために書かれた『18の組曲』の中の1曲。複雑な装飾と抒情的な 曲調は多くのギタリストたちの注目を集めています。このアルバムではブシェミ自身がギター用にアレンジ、作品の素晴らしさを伝えています。他にはヴァイオリン と同じくギターを愛したパガニーニの作品やジュリアーニの見事な「ロッシーニアーナ」、イタリアの現代作曲家ベッティネッリの荘厳な前奏曲の他、カステルヌオー ヴォ=テデスコ、マリピエロ、ゲディーニの技巧的、かつ珍しい作品を聴くことができます。
NAX-8.559908(1CD)
21世紀アメリカ、憧れの歌
エディー・ヒル(1962):The Giver of Stars - エイミー・ローウェルの6つの詩
(2012)
ジョナサン・サントーレ(1963-):スルピシアの2通の手紙(声とエレクトロニクス版)(2011/2021)
クレイグ・ブランドウェイン(1959-):ジョン・チャールズ・マクニールの詩による4つの歌(2016-17)
ジェシカ・ルドマン(1982-):私たちを隔てるこれらのもの(2018)
ブランドウェイン:3つのリルケの歌(2018)
エミリー・ジョウォルスキー・コリアース (Ms)
タッド・コリアース (P)
ジョナサン・サントーレ (エレクトロニクス)
クレイグ・ブランドウェイン (エレクトロニクス)

録音:2021年6月14-18日
世界初録音
現代アメリカで活躍する4人の作曲家の声楽作品を収録した1枚。現代的なサウンドによりつつ、物理的・心理的な隔たりを越えようとする愛や憧れを歌っ ています。冒頭のエディー・ヒルの「The Giver of Stars - エイミー・ローウェルの6つの詩」は音楽誌で「神秘に満ちた」と評価された作品。サントーレの「ス ルピシアの2通の手紙」はエレクトロニクスを使ってボーカルラインを補強しています。エミー賞にノミネートされたブランドウェインの「4つの歌」はシンプルな旋律を 持つ美しい歌曲集。アルバム・タイトルでもあるルドマンの「These Distances Between Us」は個人的なつながりの不安定さを強調した歌曲で、不協和 音やため息のような響きが多用されています。ブランドウェインの「3つのリルケの歌」も耳当たりの良い旋律を持っていますが、エレクトロニクスによる伴奏が多 彩な美しさを放ちます。

   NAXOS 2022年6月発売
NAX-8.503303(3CD)
NX-C01

NYCX-10314(3CD)
国内盤仕様
税込定価

ボリス・リャトシンスキー:交響曲全集・グラジーナ
【CD1】
交響曲第1番イ長調 Op. 2(1917-19)
【CD2】
交響曲第2番Op. 26(1935-36/1940改訂)
交響曲第3番ロ短調 Op. 50(1951/1954改訂)
【CD3】
交響曲第4番変ロ短調 Op. 63(1963)
交響曲第5番ハ長調 「スラビャンスカヤ」 Op. 67(1965-66)
ウクライナ国立SO
テオドレ・クチャル(指)

録音:1994年5月8、13-15日…CD1
1993年6月4-9日…CD2
1993年12月27-30日…CD3
ニューヨークでウクライナ系の家庭に生まれたテオドレ・クチャルは、クリーヴランド音楽院でヴィオラを学び、オーケストラでも演奏。後にボストンSOの奨 学金を得てタングルウッドで指揮を学び、アメリカ、オーストラリア、チェコ、ベネズエラのオーケストラで首席指揮者や音楽監督を務めています。1992年には ウクライナ国立SOの首席客演指揮者、94年から2000年まで音楽監督権首席指揮者を務め、退任に際しては桂冠指揮者の称号を贈られまし た。クチャルとウクライナ国立響の録音は数多くありますが、リャトシンスキーの交響曲は代表作の一つで国際的にも高い評価を得ています。 ※国内仕様盤には増田良介氏よる日本語の解説が付属します。 1919年に完成された交響曲第1番は学生時代の作品「抒情詩」を改訂したものを第2楽章とし、前後の楽章を加えて1923年に初演されました。抒情 的なメロディにあふれ、金管群が活躍する高揚感に満ちた終楽章も聴きごたえがあります。 1935年から36年に書かれた交響曲第2番は、西欧の前衛的な音楽の影響と当時の政治的状況を反映した不穏な暗さを感じさせる音楽。ソ連政府の 推進する社会主義リアリズムに沿わないと見なされたか、演奏が禁じられ、初演は1964年まで待たねばなりませんでした。 交響曲第3番は第2番の苦い経験を踏まえて政府の意向を反映したのか、モダンで闘争的な作品。要所に正教会の聖歌を思わせる旋律が現れ、最後 は輝かしい高揚で結ばれます。当初は「平和が戦争に勝利する」という言葉が終楽章に付されていました(後に検閲で削除)。1955年にムラヴィンスキー 指揮レニングラード・フィルが初演すると評判となり、すぐにモスクワ、キーウをはじめソ連の主要都市で演奏されました。クチャルはこの曲を「ウクライナの交響 楽の精華であり、20世紀の交響曲の中でも最も重要なものの一つ」としています。 1963年に完成した第4番は現代音楽の語法を用いつつも調性を捨てることなく、ウクライナの民俗音楽も採り入れた作品。1965年にリャトシンスキーが 70歳の誕生日を記念して自ら指揮した演奏は、批評家と聴衆から絶賛され、この曲を「バルトーク、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、オネゲル、シマノフス キらの傑作に匹敵する」「ウクライナ音楽への大きな貢献」と称賛されました。 彼の民俗音楽への思いは「スラビャンスカヤ(スラヴの意味)」の副題を持つ交響曲第5番に結晶します。第1楽章は伝説の戦士「イリヤ・ムローメツ」を歌った ロシアの古い民謡に基づく荘厳な旋律で始まり、第2楽章にはブルガリアや古代スラヴの民謡が登場。終楽章では冒頭でムローメツの歌が高らかに奏でら れた後ドラマティックな展開となり、最後はムローメツの歌が再帰した後で教会の鐘を思わせる響きが鳴り渡り、曲が結ばれます。 1955年に書かれた交響的バラード「グラジーナ」は、ポーランドの偉大な詩人アダム・ミツキェヴィチの没後100周年を記念して書かれたもの。リトアニアの神 話に登場する女性騎士を主人公としたミツキェヴィチの詩がスコアの冒頭に付され、戦いに身を投じ悲劇的な死を迎える彼女の姿が劇的に描かれていま す。
NAX-8.573075(1CD)
マリピエロ:ヴァイオリン協奏曲第1番(1932)
ある騎士道の物語のために1914-15/1920頃改訂)…世界初録音
ヴァイオリン協奏曲第2番(1963)
パオロ・キアヴァッチ(Vn)
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)

録音:2012年6月15-16日
イタリア近代の作曲家マリピエロ。ヴェネツィアの貴族の家系に生まれ、6歳でヴァイオリンを学びはじめながらも、父の浪費のために家庭が貧困に陥り音楽の 勉強を継続することができず、苦労を重ねながらモンテヴェルディやフレスコバルディのような古いイタリアの音楽を書き写すことで音楽を学んだという彼がはじ めてヴァイオリン協奏曲を書いたのは、50歳の誕生日を迎える1カ月前のことでした。それまでのマリピエロの作品の多くは、短いパッセージを並べ曲を作って いくという手法に基づくものでしたが、この曲は、長く歌うスペイン風の旋律とリズムを特徴とする快活な作品です。1933年3月にヴァイオリニストのヴィオラ・ ミッチェルとピエール・モントゥー指揮によって初演されています。その30年後に書かれた第2番の協奏曲はショスタコーヴィチやプロコフィエフを思わせる陰鬱な 作品。第1番とは違った印象を与えますが、根底に流れる抒情性は変わることがありません。世界初録音となる『ある騎士道物語のために』は、作曲者が 「Illustrazioni sinfoniche per orchestra オーケストラのための交響的描写」と呼ぶように華麗な音絵巻で、愛、戦い、英雄物語などの情景を想起さ せるサウンドが展開します。
NAX-8.570621(1CD)
タン・ドゥン 譚盾(1957-):ピアノ作品集
水彩による8つの思い出(1978/2002改訂)
C-A-G-E- (ジョン・ケージの思い出に)(1993)
フィルム・ミュージック・ソナタ(2016)
火(ラルフ・ファン・ラートに)(2020)…世界初録音
ブルー・オーキッド(ベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」による変奏曲)(2020)
ラルフ・ファン・ラート(P)

録音:2020年8月24-25日
中国の長沙市に生まれた作曲家タン・ドゥン。西洋の様式を用いながらも東洋的要素を前面に出した作風と、特 殊な楽器を用いた管弦楽作品が知られます。ここで聴くことのできるピアノ曲もどれもが技巧的でドラマティック。「水 彩による8つの思い出」は中国の五音音階が効果的に用いられており、時折ドビュッシーを思わせる色彩豊かな響 きも感じられる組曲。続く「C-A-G-E-」は彼が師と仰ぐジョン・ケージへのオマージュ。ここでも中国的な音使いが印 象的。「フィルム・ミュージック・ソナタ」は映画音楽「The Banquet(邦題『女帝』)」からの4つの曲が用いられていま す。「トレース」は音と静寂のバランスが見事な曲。ピアニスト、ラルフ・ファン・ラートのために書かれた「火」では、タン・ ドゥンの最もヴィルトゥオーゾ的でドラマチックな面を味わえます。最後に置かれた「ブルー・オーキッド」はベートーヴェン のディアベッリ変奏曲の冒頭のモチーフが原型を留めぬほど様々な形に変奏され、鮮やかなドラマを作り上げました。 NAXOSレーベルで数々の現代作品を演奏するラルフ・ファン・ラートが繊細なタッチで全曲を聴かせます。
NAX-8.555503(1CD)
タールベルク:ヴェルディ、ロッシーニ、ベッリーニのオペラによる幻想曲集
ヴェルディの歌劇「椿姫」による演奏会用大幻想曲 Op. 78(1862)
ヴェルディの歌劇「イル・トロヴァトーレ」」による演奏会用大幻想曲 Op. 77(1862)
ヴェルディの歌劇「仮面舞踏会」の思い出 Op. 81(1864)
ヴェルディの歌劇「リゴレット」の思い出 Op. 82(1864)
ロッシーニの歌劇「コリントの包囲」による幻想曲 Op. 3(1853)
ピアノに応用された歌の技法 Op. 70-第19番 ベッリーニの歌劇「ノルマ」の「清らかな女神よ」(1853)
フランチェスコ・ニコロージ(P)

録音:1993年11月10-14日

※8.506042BOXからの分売
初出:MARCO POLO 8.223367
スイス出身のピアニスト・作曲家、ジギスムント・タールベルク。14歳の時にロンドンでモシェレスにピアノを学び、同年 5月に最初の公開演奏会を開催。以降、フンメルやツェルニーに指導を受け、1835年にパリへ赴きピアニストとして 喝采を浴びます。作曲家としてはフランツ・リストを凌駕するほどの華麗なピアニズムが味わえるオペラのトランスクリプ ションやピアノ協奏曲を残しました。このアルバムは2021年5月に発売された6枚組BOXからの分売で(原盤は MARCO POLO)、ヴェルディ、ロッシーニ、ベッリーニの歌劇の旋律をもとにした6作品が収録されています。ゆった りとした序奏に導かれ、歌劇の名旋律に華麗な装飾が施されたこれらの作品は、タールベルク自身が演奏するため に書かれ、当時高い人気を博しました。時には彼のライヴァルと目されたリストもタールベルクの作品を演奏し、「新し い芸術の創造者」と称賛したと伝えられます。 演奏は1954年イタリア生まれのフランチェスコ・ニコロージ。超絶技巧の持ち主であるだけではなく、タールベルク国 際研究センターの会長として作品の研究、普及に努めています。
NAX-8.574373(1CD)
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994): ディヴェルティメント/シンフォニエッタ
ディヴェルティメント Op. 107(1957)
シンフォニエッタ 「ハイドンへのオマージュ」 Op. 220(1980)
5つの古いポルトガルのロマンス Op. 98(1951-56)…世界初録音
4つのインヴェンション Op. 148(1981)
ポルトガルSO
ブルーノ・ボラリーニョ(指,Vc)

録音:2021年10月21-23日
20世紀ポルトガルを代表する作曲家の一人、フェルナンド・ロペス=グラサの作品集。 リスボン音楽院で学び、その後パリへ留学、ケクランに作曲と管弦楽法を学んだロペス=グラサは、教育者としても 名高く、1941年からポルトガルで教鞭をとり、数多くの音楽家を育てました。 ポルトガルの民謡やポピュラー音楽を題材にすることの多い彼の作品は、とても耳に馴染みやすく、またドラマティック な面も持ち合わせています。このアルバムの冒頭に置かれたディヴェルティメントは、管楽器とティンパニ、打楽器に、 チェロとコントラバスを加えたユニークな編成による作品。常に変化する調性の中で、多彩な旋律が賑やかに展開す るロペス=グラサ独特のスタイルに貫かれており、彼の感性が見事に表現されたものです。この作品は1957年に開 催されたローザンヌ万国博覧会におけるポルトガル館のBGMとして作曲されました。また、簡潔な構成で書かれた シンフォニエッタでは、ハイドンへの敬愛が示されています。「5つの古いポルトガルのロマンス」は伝統的なバラードに 基づく作品で、「4つのインヴェンション」では無調による劇的な表現が探求されています。
NAX-8.574301(1CD)
48 Strings
アルフレード・ピアッティ(1822-1901):12のカプリース Op. 25
ポッパー:2つのチェロのための組曲 Op. 16*
フィッツェンハーゲン(1848-1890):演奏会用ワルツ Op. 31? 4つのチェロのために**
クリンゲル(1859-1933):賛歌 Op. 57- 12のチェロのために#
【チェリスト】
アンドレアス・ブランテリド
インゲマール・ブランテリド*,**,#
ヘンリク・ダム・トムセン**,#
フレゼリク・シェーリン**
オイスタイン・ソンスタード#
ニルス・ウルナー#
エミール・エスケア#
ヤコブ・ラ・クール#
ルイーザ・シュヴァブ#
モルテン・ツォイテン#
ライヴ・ヨハンソン#
サミラ・ダヤーニ#
リー・ブレンダル#

録音:2020年6月2-4日 Sollerod Kirke, Holte、
19世紀から20世紀前半に活躍した4人のチェリスト=作曲家が書いたチェロのための作品集。ピアッティ、ポッ パー、フィッツェンハーゲン、クリンゲルの4人とも音楽一家に生まれ、オーケストラでは優れたソリストとして演奏し、教 師として多くの後進を指導、さらに曲も書くという共通点を持っています。このアルバムでは彼らのチェロ曲の中から、 無伴奏、2つのチェロ、4台チェロ、そして12台のチェロのための曲を選び、曲ごとに奏者を増やしながら、つややかな チェロの響きを十二分に味わえるという趣向が凝らされています。技巧的なピアッティの「12のカプリース」、ポッパーの 美しい「組曲」、4台のチェロが高音域で見事な旋律を奏でる「演奏会用ワルツ」、そして48本の弦が高らかに歌う 「賛歌」を収録、聴きごたえのある1枚です。
NAX-8.574433(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/ビョン・ボギョン(G)
カステルヌオーヴォ=テデスコ::3つの地中海前奏曲 Op. 176
ポンセ:主題,変奏と終曲(1926年第1版)
(2018)
ジェリル・レフィク・カヤ(1991-):ギター・ソナタ第1番ニ長調(2017)
エンジェル・ラム(1978-):小雪
カルロス・デ・セイシャス(1704-1742):ソナタ第23番ニ短調- 第1楽章 アダージョ(1720頃-42)(R. オリヴェイラによるギター編)
セイシャス:ソナタ第24番ニ短調- アレグロ(1720頃-42)(R. オリヴェイラによるギター編)
レオ・ブローウェル(1939-):ラ・グラン・サラバンダ(拡張バージョン)
クラリス・アサド(1978-):最後の歌(B. フォーゴ、D. ラッセル、O. ヴェセリによるギター編)
ビョン・ボギョン(G)
録音:2021年12月20-21日
ソウル生まれのギタリスト、ビョン・ボギョン。6歳でギターを始め、ジュリアード音楽院で音楽学士号と音楽修士号を 取得。2018年に開催されたジョアン・ファレッタ国際ギターコンクールで優勝するなど、数々の国際コンクールの入賞 経験を持ち、現在はカリフォルニア州立大学フラトン校のギター科教授を務めています。2021年のGFA国際ギター コンクールでの優勝記念として制作されたこのアルバムでは、様々な時代に書かれた作品を演奏、豊かな才能と技 術を存分に聴かせています。
NAX-8.574381(1CD)
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集 Op. 5, No. 9-12(1734出版)
ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op. 5, No. 9
ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 Op. 5, No. 10
ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op. 5, No. 11
ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op. 5, No. 12
エイドリアン・バターフィールド(Vn)
サラ・マクマホン(Vc)
シラス・ウォルストン(Cemb)
クレア・サラマン(ハーディ=ガーディ)

録音:2021年3月12-13日
生誕325周年、フランス18世紀前半を代表するヴァイオリン音楽の大家、ルクレールの代表作であるヴァイオリン・ソナタ集第3巻全12曲の録音も、第9番 から第12番を収録したこの第3巻で完結となります。 ルクレールが活躍した18世紀当時は、コレッリやヴィヴァルディなどのイタリアのヴァイオリン音楽が大流行しており、彼はこの華麗な様式をフランス伝統の舞曲 形式に融合させることでその作風を発展させていきました。このアルバムに収録された4つのソナタには、その特質が顕著に表れており、とりわけ第10番の終 楽章「タンブーラン」ではハーティ=ガーディもアンサンブルに参加、低音を持続することで作品に民謡風の味わいが加味されました。また第12番の終楽章 「チャコーナ」はヴァイオリンの卓越した技巧が要求される難曲で、名ヴァイオリニストとして活躍したルクレールの面目躍如といった作品に仕上がっています。今 作も、バターフィールドを中心に、マクマホン、ウォルストンの3人が、巧みな技術を用いて見事なアンサンブルを披露しています。
NAX-8.660512(2CD)
ロッシーニ:歌劇「絹のはしご」 ドルモン…レミー・ブルネンス(T)
ジュリア…クラウディア・ウッル(S)
ルチッラ…ミーガン・シル(S)
ドルヴィル…ミケーレ・アンジェリーニ(T)
ブランサック…エウジェニオ・ディ・リエート(Bs)
ジェルマーノ…エマヌエル・フランコ(Br)
クラクフPO
ホセ・ミゲル・ペレス=シエーラ(指)

録音:2021年7月20日
ドルヴィルと結婚していることを秘密にしているジューリア。毎夜、絹のはしごを使ってドルヴィルと逢瀬を重ねていま す。彼女は後見人のドルモンから名門の令息ブランザックとの結婚を勧められていますが、どうにかそれを回避したい と願っており、召使のジェルマーノを抱き込み、従姉妹のルチッラとブランザックを結婚させようと画策します… ロッシーニがこの「絹のはしご」の作曲を依頼されたのは20歳の1812年のこと。同年の5月にヴェネツィアで初演され 大成功を収めました。台本がチマローザの「秘密の結婚」と酷似していることが問題視されたものの、この年に4つの 歌劇を書き上げたロッシーニは、一躍時の人となりました。 2015年にデビューしたばかりのウッルをはじめ、芸達者な歌手たちが登場するこの上演、なかでも存在感の強いド ルモンを歌うブルネンスはスイスを中心に活躍するテノール歌手で、全体を見事に引き締めています。ホセ・ミゲル・ペ レス=シエーラが指揮するクラクフPOは、1990年までクシシュトフ・ペンデレツキが芸術監 督を務めた名門オーケストラ。ポーランド作品を得意としていますが、このロッシーニでは軽妙な演奏を披露していま す。

   NAXOS 2022年5月発売(2)
NAX-8.504060(4CD)
NX-D03
タネーエフ:交響曲・管弦楽作品集
【CD1】
交響曲第3番ニ短調
交響曲第1番ホ短調
【CD2】
交響曲第2番変ロ長調(V. ブロクによる補筆完成版)
交響曲第4番ハ短調 Op. 12
【CD3】
歌劇「オレステイア」序曲
歌劇「オレステイア」第3幕間奏曲 「デルフォイのアポロ神殿」
アダージョ ハ長調
ロシアの主題による序曲
モスクワのプーシキン記念館の除幕のためのカンタータ
カンツォーナ/序曲ニ短調
【CD4】
カンタータ『聖イオアン・ダマスキン』 Op. 1
協奏的組曲 Op. 28
ノヴォシビルスク国立フィルハーモニー室内cho
スタニスラフ・ヤンコフスキー(Cl)
グネーシン・アカデミーcho
イリヤ・カーラー(Vn)
ノヴォシビルスク・アカデミーSO
ロシアPO
トーマス・ザンデルリンク(指)

録音:2006年9月(CD1)、2008年9月(CD2)、2007年9月1-15日(CD3)、2007年5月2、3、6日、9月13日(CD4)
19世紀から20世紀にかけてのロシア音楽界を代表的存在セルゲイ・タネーエフ。モスクワ音楽院でニコライ・ルビン シテインとピョートル・チャイコフスキーに師事、卒業後はピアニスト、作曲家として活躍するとともに、母校のモスクワ 音楽院で後進を指導。ラフマニノフやスクリャービン、プロコフィエフやメトネルを育てました。 このアルバムにはトーマス・ザンデルリンクの指揮による交響曲全曲に加え管弦楽曲とカンタータを収録。ロマン派の 影響が感じられる初期の作品から、大規模な傑作となった最後の第4交響曲まで、その作風の発展を辿ることがで きます。また交響詩のような風格を持つ巨大な序曲「オレステイア」や、タネーエフが初めて手掛けたヴァイオリンと オーケストラのための作品「協奏的組曲」、古代の聖歌が表情豊かに織り込まれたカンタータ『聖イオアン・ダマスキ ン(ダマスカスのヨハネ)』も収録。 対位法を巧みに駆使した緻密な構築力によって"ロシアのブラームス"と呼ばれたタネーエフを存分に味わえます。
NAX-8.574383(1CD)
スッペ:劇付随音楽『モーツァルト』
歌劇「アフリカ旅行」:Overture 序曲(原典版)
ユリエ・スヴェツェナー(Vn)
パヴェル・リブカ (Org)
ヤナーチェクPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2021年5月3-7日
世界初録音
NAXOSのオーベール序曲集のシリーズでファンを獲得しているダリオ・サルヴィ指揮の新譜はフランツ・フォン・スッペ。 1854年にアン・デア・ウィーン劇場で上演されたレオンハルト・ヴォールムートによる劇『モーツァルト』のための音楽で す。劇のストーリーはモーツァルトの人生とそこに関わった人たちを描いたもので、序曲が「フィガロの結婚」の音楽で 始まると1分ほどで「ドン・ジョヴァンニ」の音楽に。その後も「劇場支配人」「魔笛」やハイドンの「驚愕」交響曲等など が顔を出し、最後はレクイエムの音楽で閉じられます。その間をつなぐスッペの音楽が実に巧みで、どこまでがモーツァ ルトでどこからがスッペか区別が付かないほど。このディスクではナレーションを省いていますが、この音楽の巧みさはス トーリー不要とさえ思えます。喜歌劇の達人、スッペの面目躍如、モーツァルト・ファンに是非聴いて頂きたい一枚で す。
NAX-8.574360(1CD)
サン=ジョルジュ(1745-1799):6つの協奏的四重奏曲
弦楽四重奏曲第1番変ロ長調
弦楽四重奏曲第2番ト短調
弦楽四重奏曲第3番ハ長調
弦楽四重奏曲第4番ヘ長調
弦楽四重奏曲第5番ト長調
弦楽四重奏曲第6番変ロ長調
アラベラSQ【ジュリー・エスカー(Vn)、ザリタ・クヴォーク(Vn)、エットーレ・カウザ(Va)、アレクサントル・ルカルメ(Vc)】

録音:2021年6月14-15日
カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のサン=ジョルジュ。アフリカ系の母親の血を引いたため褐色の肌色を 持った彼は、偏見にも負けず、優れた剣士、運動選手、ヴァイオリンの名手、そして作曲家として18世紀後半のフ ランスで大活躍しました。このアルバムに収録された一連の弦楽四重奏曲は、各奏者に腕前を競わせるのではな く、アンサンブルとしての音色の妙を追求し、豊かな抒情性も備えた聴きごたえのあるもので、当時のフランスで未だ 黎明期にあったこのジャンルに一石を投じました。演奏するアラベラSQはイェール大学で出会った音楽 家たちのアンサンブルです。
NAX-8.579130(1CD)
3つのポルトガルのオーケストラ
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」 - 序曲
モーツァルト:交響曲曲第35番「ハフナー」
ワーグナー:「ローエングリン」 第3幕-前奏曲
R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
 「サロメ」 - 7つのヴェールの踊り
ジョリー・ブラガ・サントス(1924-1988):スタッカート・ブリリャンテ Op. 69*
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
 ハンガリー舞曲第5番(M. シュメリング編)
シャブリエ:スペイン
ヌォヴァ・フィラモニカ・ポルトゥゲサ
オルケストラ・シンフォニカ・ポルトゥゲサ
オルケストラ・ドゥ・アルガルベ
アルヴァロ・カッスート(指)

Radio e Televisao de Portugal 所蔵の音源
録音:1988-2003年(ライヴ、*以外)
*のみMARCO POLO 8.225271
*以外=初発売
指揮者アルヴァロ・カッスートをフィーチャーした1枚。1938年、ポルトガルのポルトで生まれ、リスボン大学で法学の 学位を取得、その1年後にはウィーン国立音楽大学で指揮の学位を取得したカッスート、作曲家としても評価が高 く、ポルトガルとアメリカの音楽機関から作品の委嘱を受けています。ポルトガル各地のオーケストラを指揮するだけ でなく、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルOやロイヤル・リヴァプールPOをはじめ、 数々の名門オーケストラを指揮しています。 このアルバムでカッスートが指揮している3つのオーケストラは、全て彼が創設した団体で、どの曲にも熱のこもった演 奏を披露しています。また彼が敬愛するジョリー・ブラガ・サントスの音楽を広めるための運動にも力を入れており、こ こではMARCO POLOへの多数の録音から選ばれた1曲「スタッカート・ブリリャンテ」を聴くことができます。
NAX-8.573941(1CD)
シューベルト:ドイツ舞曲、レントラーとエコセーズ集
1. ドイツ舞曲とトリオ 嬰ハ短調 D. 139
2. ドイツ舞曲 変ト長調 D. 722
3. 8つのエコセーズ D. 977
4. 2つのドイツ舞曲 D. 841
5. 12のドイツ舞曲(レントラー)Op. 171, D. 790
6. 3つのドイツ舞曲 D. 971
7. 3つのドイツ舞曲 D. 973
8. 6つのドイツ舞曲 D. 820
9. コティヨン 変ホ長調 D. 976
10. 2つのレントラー 変ホ長調 D. 980b
11. 6つのレントラー D. 970
12. 2つのドイツ舞曲 D. 769
13. 4つのユーモラスなレントラー D. 354(P版)
14. 3つのエコセーズ D. 816
15. 12のウィーン(ドイツ)舞曲 D. 128
16. 6つのメヌエット D. 2d - 第1番ハ長調(Pのための草稿)/2つのレントラー
変ニ長調 D. 980- レントラー第2番(リュウ・ヤンによる補筆完成版) - 6つのメヌエット D. 2d - 第2番ヘ長調(Pのための草稿)…世界初録音
17. 36のオリジナル舞曲(最初のワルツ)D. 365
18. グラーツのギャロップ ハ長調 D. 925
リュウ・ヤン(1、2、16、17…フォルテピアノ:1820年代製コンラート・グラーフの複
製楽器/3-15、18…スタインウェイ)

録音:2018年3月23-25日
歌曲王として知られるシューベルトですが、31年という短い生涯を通じてピアノ曲も夥しい数を遺しています。ワルツやドイツ舞曲などの小品のほとんどは、彼 の友人たちの前で即興的に演奏した曲をもとに書き留められたとされており、親しみやすく、ピアノの心得のある人ならば、誰でも気軽に演奏が可能です。1 曲1曲は短めに書かれており、踊りの間は繰り返して演奏できます。このディスクでは ドイツ舞曲にレントラー(3拍子の田舎風の踊り)やエコセーズ(スコットラ ンド由来の舞曲)を交えて変化を演出しています。 ピアニスト、リュウ・ヤンはスタインウェイと、1820年代のフォルテピアノのレプリカを弾き分け、アルバム全体に変化をつけています。またトラック16はいくつかの 草稿を組み合わせたもの。未完の曲についてはリュウ・ヤン自身が補筆しています。
NAX-8.555502(1CD)
タールベルク:ドニゼッティの歌劇による幻想曲集
「連隊の娘」による幻想曲 Op. 68
ドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」による幻想曲 Op. 67
歌劇「ルクレツィア・ボルジア」による幻想曲 Op. 50
歌劇「ランメルモールのルチア」によるアンダンテ・フィナーレOp. 44
歌劇「愛の妙薬」の「舟歌」による序奏と変奏曲 Op. 66
フランチェスコ・ニコロージ(P)

録音:1991年1月7-12日
8.506042BOXからの分売
初出:MARCO POLO 8.223365
スイス出身のピアニスト・作曲家、ジギスムント・タールベルク。14歳の時にロンドンでモシェレスにピアノを学び、同年 5月に最初の公開演奏会を開催。以降、フンメルやツェルニーに指導を受け、1835年にパリへ赴きピアニストとして 喝采を浴びます。 1837年にリストと直接対決を行い「タールベルクは世界一のピアニスト、リストは世界で唯一のピアニスト」と賞賛さ れたというエピソードも伝えられます。このアルバムは2021年5月に発売された6枚組BOXからの分売で(原盤は MARCO POLO)、ドニゼッティの歌劇の旋律をもとにした5作品が収録されています。華やかな技巧が存分に用い られているとともに、ドニゼッティの美しい旋律をスタイリッシュに仕上げた曲はどれも魅力的です。演奏は1954年イタ リア生まれのフランチェスコ・ニコロージ。超絶技巧の持ち主であるだけではなく、タールベルク国際研究センターの会 長として作品の研究、普及に努めています。
NAX-8.559867(1CD)
ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978): サマーランド 他:管弦楽作品集
キャント・ユー・ライン・エム(1940)
3つの幻影-サマーランド(1936)(Vnと管弦楽版)
クイット・ダット・フールニッシュ(1935)(Vnと管弦楽版)
パストレーラ(1946)(Vnと管弦楽版)
アメリカ組曲(1918頃)
第99戦闘機中隊のためのファンファーレ(1945)
セレナード(1957)
ヴァイオリンとピアノのための組曲(1943)(Vnと管弦楽版)
哀歌:In Memory of Jean Sibelius
ジャン・シベリウスの思い出に(1965)
ジーナ・シフ(Vn)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
アヴラナ・アイゼンバーグ(指)

録音:2018年8月16-17日
世界初録音
アフリカ系アメリカ人作曲家ウィリアム・グラント・スティル。ミシシッピ州ウッドヴィルの教育者の両親の下に生まれ、第一次世界大戦中はアメリカ海軍に従 軍。一時は医学を志すも、音楽の道に進み、1919年頃から1930年頃まで盛んであった「ハーレム・ルネサンス=アフリカ系アメリカ人のアート活動」にかか わりを持ちました。 ヴァレーズとチャドウィックに作曲を師事、アフリカ系アメリカ人の霊歌やジャズやブルースなどのイディオムと、クラシック音楽の形式を融合させる方式により、9 作のオペラと5つの交響曲を含む200作近くの作品を遺しています。 このアルバムに収録された作品はすべて世界初録音。スティルの信仰心や、アフリカへの深い愛が込められているほか、トラック3「Quit Dat Fool’nish」に は、彼のいたずら好きの愛犬シェプへの愛情が溢れています。またトラック13の「哀歌」は、シベリウスの生誕100周年記念コンサートのために指揮者ファビエ ン・セヴィツキーから委嘱された、心にしみる別れの曲。マイアミ大学SOによって初演され、その翌年の1966年にはフィンランド国営ラジオでも放送さ れました。

   NAXOS 2022年5月発売
NAX-8.660498(3CD)
マイアベーア:歌劇「北極星」 カトリーヌ…エリザベス・フートラル(S)
ペーテル(ピョートル大帝)…ウラディーミル・オグネフ(Bs)
プラスコヴィア…ダリーナ・タコヴァ(S)
ダニロヴィッツ…アレッド・ホール(T)
グリツェンコ…クリストファー・モルトマン(Br)
ジョルジュ…フアン・ディエゴ・フローレス(T) 他
ウェックスフォード・フェスティバル・オペラcho
アイルランド国立SO
ウラディーミル・ユロフスキ(指)

録音:1996年10月27、30日、11月2日
MARCO POLO*8.223829-31のレーベル移行盤
この歌劇「北極星」は、1844年にベルリンで初演した「シュレージエンでの野営」の人気を受け、フランス語ヴァージョンをオペラ=コミック座で上演したいという 申し出を受けたマイアベーアが、この歌劇の曲を素材として改作した作品です。ウジェーヌ・スクリーブによるフランス語の台本が用いられており、牧歌的な恋 愛の駆け引きと、軍隊生活の様子が混在する独特の筋書きが特徴。喜劇でもあり、シリアスな劇でもあるというユニークな性格を持ち、華やかなオーケスト レーションによる音楽と迫力ある合唱が多用された聴きごたえのある歌劇に仕上がっています。終盤に置かれたカトリーヌの「狂乱の場」も聴きどころ。この演 奏は1996年に開催されたウェックスフォード音楽祭の上演を収録したもの。デビュー直後のフローレスをはじめとした若手キャストによるみずみずしい歌声と華 やかなオーケストラを、ウラディーミル・ユロフスキが手堅くまとめています。
NAX-8.574362(1CD)
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 第6集
ピアノ三重奏曲第15番ト長調 Hob.XV:15
ピアノ三重奏曲第38番(ディヴェルティメント) 変ロ長調Hob.XV:38
ピアノ三重奏曲第32番ト長調 Hob.XV:32
ピアノ三重奏曲第40番(ディヴェルティメント) ヘ長調 Hob.XV:40
ピアノ三重奏曲第39番ヘ長調 Hob.XV:39
ピアノ三重奏曲 ニ長調 Hob.deest
アクィナス・ピアノ三重奏団【ルート・ロジャーズ(Vn)、キャサリン・ジェンキンソン(Vc)、マーティン・カズン(P)】

録音:2021年2月18-19日
2008年から継続するNAXOSのハイドン「ピアノ三重奏曲」シリーズの第6集は、第5集に続き、演奏をアクィナス・ ピアノ三重奏団が担当。 ハイドンのピアノ三重奏曲の多くは、用いられる楽器がチェンバロからフォルテピアノへと移行するとともに、ソナタ形式 がある程度定まった時期に書かれました。これらは弦楽四重奏曲とほぼ平行して書き続けられており、1755年頃に 書かれたへ長調 Hob.XV:40のような初期の作品はディヴェルティメント、もしくはパルティータと呼ばれるほか、第 15番ト長調 Hob.XV:15のようにヴァイオリンの代わりにフルートでも演奏可能とされている作品などその内容は多 彩です。軽やかで風通しのよいハーモニーを特徴とする6曲をお楽しみください。 【アクィナス・ピアノ三重奏団】2015年12月にウィグモア・ホールでデビュー。ロンドンを中心に演奏活動を行うととも に、サン=サーンスやメンデルスゾーンの三重奏曲の録音で高く評価される英国のアンサンブルです。
NAX-8.574223(1CD)
エドワード・グレグソン(1945-):室内楽作品集
弦楽四重奏曲第1番(2014)
ジヴェルニーの庭(1964/2016)(コールアングレと弦楽四重奏版)
三部作(2011/2020年ヴァイオリン版)
ミサ・ブレヴィス・パーチェム - ベネディクトゥス
(1988/2021アルト・サクソフォンと弦楽四重奏版)
弦楽四重奏曲第2番(2017)
アリソン・ティール(コールアングレ)
ロブ・バックランド(アルト・サクソフォン)
ナバラQ【ベンジャミン・マーキス・ギルモア(Vn)、バルトシュ・ヴォロフ(Vn)、サーシャ・ボータ(Va)、ライアン・オケーン(Vc)】

録音:2021年11月20、21日(作曲者立ち合いのもと録音)
世界初録音
1945年、イングランド出身の作曲家エドワード・グレグソン。王立音楽アカデミーで作曲とピアノをアラン・ブッシュに 師事、作曲部門で5つの賞を獲得しました。その後は優れた作曲家として、BBCフィルハーモニックやロイヤル・リヴァ プールPO、ボーンマスSOやハレOなどから委嘱を受ける他、さまざまな著名 ソリストのために協奏曲を作曲、また吹奏楽や金管アンサンブルのための作品も多く、2016年にはブラック・ダイク・ バンドに作品を提供するなどこの分野の貢献度の高さも知られています。1970年代から80年代にかけての彼の作 品は、どちらかというと抽象的なコンセプトに基づくものが多かったのですが、近年、とりわけ21世紀になってからは、表 現力に磨きがかかり、情感豊かな作品が増えています。批評家に「厳格さと静謐さを併せ持つ、驚くべき作品」と絶 賛された弦楽四重奏曲第1番や、超絶技巧を駆使した「三部作」、まろやかで色彩的な音使いが美しい弦楽四 重奏曲第2番など、現在のグレグソンの心情を端的に表すかのような曲が並びます。
NAX-8.574322(1CD)
ロバート・ドッカー(1918-1992):管弦楽作品集
伝説…世界初録音
舞踏会の情景
オーボエと弦楽のための3つのコントラスト
タバリナージュ/バレエの情景
エアーとジグ - エアー/カンブリアの魂
妖精のリール・ダンス
ブルー・リボン…世界初録音
パスティーシュ変奏曲…世界初録音
ウィリアム・デイヴィス(P)
デイヴィッド・プレスリー(Ob)
RTEコンサート・オーケストラ
バリー・ナイト(指)

録音:1995年3月27-28日
※MARCO POLO*8.223837のレーベル移行盤
1945年生まれ、ロバート・ドッカーは英国のライト・ミュージックの作曲家、ピアニスト。アレンジャーとしてもさまざまな作品をオーケストラのために編曲していま す。 パディントンの労働者家庭に生まれた彼は、ロンドン議会の奨学金の助けを借り、王立音楽院でヴィオラ、ピアノ、作曲を学びました。第二次世界大戦にラ イフル隊の軍曹として従軍、その後は結婚しサフォークに住み、作曲活動に励みながら、晩年の20年間には多くのコンサートやテレビ番組に出演しました。最 高傑作とされるピアノとオーケストラのための「伝説」と各々の変奏曲が異なる作風によって書かれた「バスティーシュ変奏曲」は、彼の存命時にアディンセルの 「ワルソーコンチェルト」と並ぶ人気を博しました。また機知に富んだ旋律が楽しい「タバリナージュ」もドッカーの優れたオーケストレーションの妙が味わえます。 「オーボエと弦楽のための3つのコントラスト」はBBCコンサート・オーケストラの首席奏者リンデン・ハリスのために5年ほどの間に書いたコンチェルト・スタイルの3 つの曲を集めたもの。「カンブリアの魂」はウェールズの伝統的な4つの旋律をアレンジしたもの。ここでもドッカーのアレンジャーとしての才能が強く発揮されてい ます。
NAX-8.554475(1CD)
ロード・バーナーズ(1883-1950):歌曲集/ピアノ音楽集
ポルカ(1941)
歌曲集 - ドイツ風の3つの歌(1913-18)
Le poisson d'or (1915)
Dispute entre le papillon et le crapaud (1915頃)
3つのシャンソン(1920)
3つの小葬送行進曲(1916)
3つのイギリスの歌(1920)
心理学的断章(1916頃)
トム・フィルターと「犬泥棒ネッドの傍らの男」の対話(1924)
行進曲(1945)/楽園からの追放(1945)
3つの歌(1921)/ワルツ(1943)
赤いばらと赤い鼻(1940頃)
おいで、アルジャーノン(1944)
イアン・パートリッジ(T)
レン・ヴォースター(P)

録音:1998年10月1-3日、11月30日-12月2日
※MARCO POLO*8.225159のレーベル移行盤
イギリスの作曲家・小説家・画家、ロード・バーナーズ(バーナーズ卿)。本名はジェラルド・ヒュー・ティアウイット=ウィルソンという名門バーナーズ家の第14 代男爵です。イートン・カレッジで学び爵位を継承するまでは外交官として活躍、ヨーロッパ旅行で得た経験を生かし、ストラヴィンスキーから助言と励ましを 受けながら、基本的に独学で作曲を学び音楽家としても才能を発揮、主としてバレエ音楽の分野で活躍しました。 このアルバムには歌曲とピアノ曲を収録。ハイネの詩を用いた「ドイツ風の3つの歌」などウィットに富んだ歌曲や、バーナーズがストラヴィンスキーに捧げた自作 の詩「 Le poisson d'or =黄金の魚」によるピアノ曲、人生に対するバーナーズの鋭い視点が生きた「3つの小葬送行進曲」など、さまざまな表情を持つ 作品が並びます。見事な歌唱を聴かせるのはイギリス歌曲のオーソリティ、イアン・パートリッジです。
NAX-8.579121(1CD)


NYCX-10308(1CD)
国内盤仕様
税込定価
吉松隆:左手のためのピアノ曲集
タピオラ幻景 Op. 92(2004)
アイノラ抒情曲集 Op.95(2006)
ゴーシュ舞曲集 Op.96(2006)
大嶋・ライアン・ユミコ(P)

録音:2014年8月2日、2015年6月25日&8月8日、2019年10月20日
吉松隆が親交のある舘野泉のために書いた左手のためのピアノ曲の代表作を、アメリカで活動する大嶋・ライアン・ユミコの演奏で収めた1枚。 1964年からヘルシンキを拠点に活動してきた舘野は、2001年1月に演奏会の最後に脳出血で倒れ右半身に麻痺が残りましたが、左手でのレ パートリーによる演奏活動開始を決意。舘野を慕う作曲家たちが続々と新作を寄せました。中でもフィンランドの作曲家シベリウスを敬愛する吉松 隆による作品群は、その澄んだサウンドと親しみやすい楽想によって人気を得ています。 「タピオラ幻景」はフィンランド神話の森の神タピオの国の光景、「アイノラ抒情小曲集」はシベリウスが後半生を送った山荘のイメージから生まれまし た。どちらも抒情的で美しい作品。フランス語の「左手」から名付けたゴーシュ舞曲集は吉松らしいジャンル越境型の楽しい作品です。 大嶋・ライアン・ユミコは東京生まれ。桐朋学園で学び、シンシナティ大学音楽院で音楽芸術の博士号を取得。1995年からは日本の現代作品を レパートリーに取り入れて、東京、トロント、サンファンなどで演奏してきました。ミネソタ州グスタヴァス・アドルフス・カレッジのピアノ教授を務めています。 彼女はこれらの作品について「風、水、光、鳥たち、森の神タピオといった自然のイメージから生まれた作品ですが、病に倒れた舘野さんのために書か れた音楽ゆえに、困難に立ち向かい乗り越えようとする力を呼び覚まします。これらの曲を弾くたびに、人の魂に働きかける音楽の力の偉大さを実感 するのです」と語っています。 *国内仕様盤には大嶋ライアン・ユミコによる日本語解説が付属します。
NAX-8.574403(1CD)


NYCX-10307(1CD)
国内盤仕様
税込定価
カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993):ショーロ集 第2巻
クラリネットと管弦楽のためのショーロ(1956)
ピアノと管弦楽のためのショーロ(1956)
トレメンベーの花(1937)
ヴィオラと管弦楽のためのショーロ(1975)
チェロと管弦楽のためのショーロ(1961)
オバニル・ブオジ(Cl)
オリガ・コピロヴァ(P)
オラシオ・シャエファー(Va)
マティアス・デ・オリベイラ・ピント(Vc)
サンパウロSO
ロベルト・チビリサ(指)

録音:2020年11月19日〜22日、2021年11月22日〜25日サラ・サン・パウロ(ブラジル)
*国内仕様盤には指揮者で日本ヴィラ=ロボス協会会長の木許裕介氏の解説が付属。
グァルニエリの父はイタリア系の移民で音楽を愛し、子供たちに付けた名前は、モーツァルト、ロッシーニ、ベッリーニ、ヴェルディ。カマルゴ・グァルニエリの 本名はモザルト(モーツァルト)で、母親から手ほどきを受けたピアノ演奏と作曲で早熟の天才ぶりを発揮しましたが、後にはMozartの代りにM.と だけ書き、母の旧姓カマルゴをとって名前としたそうです。 グァルニエリは、ブラジルの作家・詩人・民俗学者で音楽研究者でもあるマリオ・ジ・アンドラージの民族主義的思想に影響を受け、西洋クラシック音 楽をブラジル音楽の語法によって革新しようとしました。彼のショーロのほとんどは、ブラジルの伝統的なショーロとは異なり、3楽章または3部分構成の 協奏曲スタイルで書かれています。サンパウロ近郊の町にちなむ「トレメンベーの花」も3部分構成で、特に第3部分はラテンのノリが全開。20世紀音 楽の語法を用いながら、緩徐楽章の哀感も急速楽章のホットな情熱も、これぞブラジル!といった雰囲気が満点です。 サンパウロ生まれのロベルト・チビリサの(指)サンパウロSOと、その首席奏者を中心としたメンバーによる演奏です。
※当ディスクは、ブラジル外務省の主導により19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作品をブラジルのオーケストラが演奏・録音する大 プロジェクト「Brasil em Concerto」の一環です。

   NAXOS 2022年4月発売(2)
NAX-8.574351(1CD)
ジャン=マリー・ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集 第3巻 第2集
ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Op. 5, No. 5
ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 「トンボー」 Op. 5, No. 6
ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op. 5 No. 7 
ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op. 5, No. 8
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)
サラ・マクマホン(バロック・チェロ)
サイラス・ウォルストン(Cemb)

録音:2020年12月11日、2021年3月11日
ルクレールが活躍した18世紀当時は、コレッリやヴィヴァルディなどのイタリアのヴァイオリン音楽が大流行しており、彼はこの華麗な様式をフランス伝統の舞曲 形式に融合させることでその作風を発展させていきました。このアルバムに収録された4曲は、繊細な金細工を思わせる旋律への華麗な装飾や、重音奏法 などさまざまな技巧が用いられながら、旋律はあくまでも美しく、時には、追悼作品として書かれた第6番「トンボー」のように、切なさを感じさせるほどに情感に 満ちています。 またニ長調のソナタは、後に書かれるヴァイオリン協奏曲集Op.7の予行演習ともいえる作品で、第1楽章の冒頭部分はオーケストラのトゥッティ(総奏)を思 わせるとともに、全体的にヴァイオリンの独奏が引き立つように書かれており、ルクレールの飽くなき創作意欲が感じられます。 このアルバムでも、前作と同じくバターフィールドを中心に、マクマホン、ウォルストンの3人が、巧みな技術を用いて見事なアンサンブルを披露しています。
NAX-8.551454(1CD)
デュオ・ディヴァージタズ
バッハ:ソナタ ト短調 BWV 1020(ティルマン・ホップシュトックによるフルートとギター編 イ短調で演奏)
モーツァルト:二重奏曲 ト長調 K 423
シューベルト:ソナタ ニ長調 D384 Op. 137-1
ロッシーニ(リスト編):『ロッシーニの音楽の夜会』から「踊り 「ナポリ風タランテッラ」(デュオ・ディヴァージタス編)
チャイコフスキー:『四季』より (アナスタシア・ヴェドヤコヴァ/デュオ・ディヴァージタス編)
 4月 松雪草/6月 舟歌
クライスラー:美しきロスマリン (デュオ・ディヴァージタス編)
ハンス・ハウク(1900-1967):カプリッチョ - フルートとギターのために
デュオ・ディヴァージタズ【マリサ・ミンダー(G)、エフゲニヤ・スパリンガー(Fl)】

録音:201年8月9-11日
ギターのマリサ・ミンダーとフルートのエフゲニヤ・スパリンガーによって2015年に設立されたデュオ・ディヴァージタスは、 クロアチアとハンガリーの国際室内楽コンクールで1位を獲得し、国際的な活躍を始めました。このデビュー作となるラ テン語の「EX AEQUO=同等に、一緒に」をタイトルに据えたアルバムには、バロック期の作品から古典派、ロマン 派、有名曲の編曲、デュオのために書かれたハンス・ハウクの「カプリッチョ」まで多岐にわたる作品が収録されており、 まさにアンサンブル名の「Diversitas=多様性」を表すものとなっています。二人の息のあった演奏は聴き手を魅了 します。
NAX-8.551433(1CD)
ゲオルク・フィリップ・テレマン: ファゴットとギターによる作品集
ソナタ ヘ短調 - ファゴットと通奏低音のために TWV 41:f1
ファンタジア第2番ニ長調- ヴィオラ・ダ・ガンバのために TWV 40:27 (ダニエル・ヴァレンティン・マルクスによる独奏ギター編)
ソナチネ ハ短調 - ファゴットと通奏低音のために TWV 41:c2
ソナチネ イ短調 - ファゴットと通奏低音のために TWV 41:a4
ファンタジア第12番変ホ長調 - 独奏ファゴットのために(ユリー・レオノヴィチ編)
.ソナタ 変ホ長調 - ファゴットと通奏低音のために TWV 41:Esa4(イムレ・ルーダス&ダニエル・ヴァレンティン・マルクス編)
ライナー・ザイデル(Fg)
ダニエル・ヴァレンティン・マルクス(G)

録音:2021年8月13-15日
後期バロック音楽を代表するドイツの作曲家テレマン。彼は管弦楽曲、歌劇、室内楽曲、宗教曲から器楽曲な ど、ほとんどのカテゴリーに属する音楽を書き18世紀ドイツ音楽の発展に寄与しました。彼はほぼ独学で音楽を学 び、12歳の時に最初の歌劇を作曲、フルート、ヴァイオリン、トロンボーン、チェロなど数多くの楽器を演奏することが できたといわれています。このアルバムは、テレマンがハンブルクで活躍していた時期に書いたさまざまな作品をファゴッ トとギターで演奏したもの。ザイデルとマルクスの見事な演奏もあり、あたかもテレマンがこれらの楽器のために書いた 作品のように聴こえます。また、2曲のファンタジアは、1735/36に出版された「無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバのための 12のファンタジア」が原曲で、ニ長調はマルクス自身が編曲しギターで演奏、変ホ長調のファンタジアはレオノヴィチが チェロ用に編曲したものを更にファゴットで演奏しています。
NAX-8.574353(1CD)
ゲオリオス・アクシオティス(1875-1924):管弦楽作品集
日没
前奏曲とフーガ*
愛の三部作、交響的印象
舞踏会の思い出
抒情的間奏曲
ゲームのように
※全てバイロン・フィデツィス(1945-)による復元版
ソフィア・ニュー・フェスティバル・オペラ=シンフォニーO
バイロン・フィデツィス(指)

録音:2003年5月1-2日
※*以外=世界初録音
1875年、ウクライナで貿易商を営む父の下に生まれ、1887年に父の帰国に伴い、家族とともにアテネに定住しま す。1892年頃、ロースクールに入学すると同時に音楽の勉強をはじめ、1895年頃にナポリへ留学。ナポリ・サン・ピ エトロ・ア・マジェラ音楽院で3年間学び、イタリアのヴェリズモ主義に通じる感情表現方法を吸収し、優秀な成績を 収め卒業、以降、友人で学友のゲオルク・ランベレットとともにギリシャに帰国します。当時ドイツ志向だったギリシア の音楽教育に反発して、音楽教育改革を目指した書物「Kritiki」を出版するなど教育改革運動を起こしますが、 強い反対に遭って音楽活動から引くこととなりました。そうした経緯もあってか、彼の作品は出版も演奏も進みませ んでした。 このアルバムでは指揮者バイロン・フィデツィスによって校訂・復元された6つの作品を聴くことができます。楽器のバラ ンスと音色に対する並外れた感性を持ってたアクシオティスの作品は、後期ロマン派に通じる抒情性と、巧みな自然 描写により、まるで映画音楽を思わせる壮大な仕上がりが特徴です。
NAX-8.579110(1CD)
サンドロ・フーガ(1906-1994):ピアノ・ソナタ第1番 - 第3番
ピアノ・ソナタ第1番(1957)
ピアノ・ソナタ第2番(1976)*…世界初録音
ピアノ・ソナタ第3番(1980)#…世界初録音
ジャコモ・フーガ(P)
カルロッタ・フーガ(P)*
クラウディオ・ヴォゲーラ(P)#

録音:2021年3月25-26日
20世紀半ばのトリノの音楽界を牽引する存在として活躍した作曲家サンドロ・フーガの3つのピアノ・ソナタ。高名な 画家ルイジ・ノーノ(1850-1918)を祖父に持つヴェネツィアの名家に生まれ、芸術と音楽に対する情熱を受け継い だ彼は、1919年からトリノの「ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院」でピアノ、オルガン、作曲を学び、卒業後は教師として アルファーノやゲディーニを指導しています。また彼の作品は国際コンクールで数々の賞を受賞、作曲家としても高く 評価されました。自らを「ロマン派の生き残り」と称し、音楽は感情の表出であると信じたフーガは、同世代の作曲 家があまり手掛けることのなかった「ソナタ」の形式に目を向け、前衛的な要素を極力排した、3つの素晴らしいソナ タを書き上げました。これらは彼のピアノ音楽の頂点をなすものといえるでしょう。フーガの2人の子供たちジャコモとカ ルロッタ兄妹と、フーガの直系の弟子であるトリノ出身のクラウディオ・ヴォゲーラによる演奏で。
NAX-8.574261(1CD)
シューマン:歌曲集 第11集
リートと歌 第2集 Op. 51(1840-49)
リートと歌 第2集 Op. 77(1840-50)
兵士の歌 WoO 6(1844)
3つの歌 Op. 83(1850)
6つの詩 Op. 89(1850)
リートと歌 第4集 Op. 96(1850)
3つの詩 Op. 119(1851)
5つの陽気な歌 Op. 125(1850-51)
11の若者の歌 Anhang M2(1827)より
 No. 1. Die Weinende 涙を流すひと
 No. 5. Sehnsucht 憧れ
 No. 10. Erinnerung 思い出
 No. 6. Der Fischer 漁師
  No. 9. Hirtenknabe 羊飼いの少年
カロリーネ・メルツァー(S)
ジモン・ボーデ(T)
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)

録音:2020年6月15-18日
NAXOSの好評シリーズ、シューマン歌曲集の最終巻となる第11集。今作もカロリーネ・メルツァーとジモン・ボーデの繊細な歌唱をアイゼンロールが素晴らし いピアノで支えています。読書好きの父の影響を受けたシューマンは幼いころからゲーテやバイロンなど数多くの書物を読み、そのエッセンスを自作に反映させ ていました。その嗜好は歌曲の詩の選択の際にも発揮され、多彩な詩人の詩を採り上げ、美しい歌曲へと昇華させています。このアルバムに収録されている 3組の「リートと歌」は彼の最も表現力豊かな作品群に含まれるもので、自然への愛、季節の移り変わり、恋人との別れ、水の精の魅力などロマンテックな題 材がふんだんに盛り込まれています。また1827年の「11の若者の歌」は彼が自分の将来を模索していた時期の作品。こののち、シューマンは一旦歌曲の創 作から離れピアノ曲に没頭し、10年後にまた歌曲の世界へと戻ることになります。
NAX-8.579088(1CD)
イェ・シャオガン(1955-):臨安の7つのエピソード
チベットの夕暮れ Op. 41- テノール、ホルンと管弦楽のために(2002)
臨安の7つのエピソード Op. 63 ソプラノ、テノール、バリトンとオーケストラのために(2011)
天津組曲 Op. 75 - オーケストラのために(2015-16)
ソン・ユアンミン(S)
シー・イージェ(T)
リウ・ソンフー(Br)
グー・ツォン(Hrn)
ラインランド=プファルツ州立PO
シュテファン・マルツェフ(指)
フランク・オルー(指)

録音:2014年10月27-31日、2016年12月19-23日
世界初録音
1955年、上海で生まれたイェ・シャオガンは、中国を代表する現代作曲家の一人です。1978年から1983年まで中国中央音楽院の作曲科で学び、 1987年からイーストマン音楽学校に留学。サミュエル・アドラーやルイ・アンドリーセンに師事。1994年に帰国後は中央音楽院の作曲部の教授を務める傍 ら、中国を中心に様々な音楽祭の芸術監督を務め、音楽文化の発展に寄与してきました。2013年から、彼の「中国のさまざまな地域」をテーマにした作 品をフィーチャーしたコンサート・シリーズが始まり、ニューヨークや北京など各地で演奏会が行われています。このアルバムに収録されているのはヒマラヤの風景 を描いた「チベットの夕暮れ」、声楽を伴う「臨安の7つのエピソード」と、歴史ある都市、天津の多様性を描いた「天津組曲」の3作品。伝統と現代音楽の テクスチャーを組み合わせ、見事な作品に作り上げるイェ・シャオガンの手腕が発揮された聴き応えある作品です。

   NAXOS 2022年4月発売
NAX-8.574377(1CD)
ロシアのバラード集
プロコフィエフ:バラード ハ短調 Op. 15(1912)
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op. 40(1934)
エフゲニー・キーシン(1971-):チェロ・ソナタ ハ長調 Op. 2(2016)
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ Op. 119(1949)
  アダージョ Op. 97bis-バレエ組曲『シンデレラ』 Op. 87より
ガブリエル・シュヴァーベ(Vc)
ローランド・ペンティネン(P)

録音:2021年4月14-16日
20世紀のロシアからは、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチをはじめとした著名なチェリストが数多く登場するとともに、そうした優れた演奏家に刺激された作曲家 たちが多彩な作品群を生みだしました。このアルバムでは、その中から代表的な5つの作品を聴くことができます。 冒頭の「バラード」はプロコフィエフが作曲を始めたばかりの頃に書いたもので、若き作曲家の意欲を感じさせる作品です。即興演奏を思わせる自然な流れのピ アノ伴奏にのってチェロが情熱的な旋律を歌い上げながら曲は少しずつ高潮し、突然気まぐれな旋律が現れてチェロとピアノの激しい対話となり、最後はそっと 閉じられます。 ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタは、ボリショイ劇場の首席チェリストだったヴィクトル・ルヴォヴィチ・クバツキーの勧めによって書かれ、1934年12月25日にクバツ キーのチェロ、作曲者自身のピアノで初演されました。基本的に古典的な楽章構成に拠って書かれており、チェロの表現力を存分に引き出したショスタコーヴィ チ初期の名作の一つです。 現代最高のピアニストの一人、エフゲニー・キーシンは10年ほど前から作曲活動も本格的に開始。このチェロ・ソナタは2016年に完成し、ゴーティエ・カピュソン とユジャ・ワンが初演しました。2021年11月には佐藤晴真と阪田知樹によって日本初演が行われています。単一楽章による10分ほどの作品で、哀愁を感じ させるチェロの旋律が印象的です。 プロコフィエフのチェロ・ソナタは1947年から49年の作品。作曲中に公にされたジダーノフ批判を意識したのか、耳なじみの良い旋律を駆使したシンプルな表現 に終始しており、現代でも演奏頻度の高い作品の一つです。初演は1949年、ロストロポーヴィチのチェロ、スヴャトスラフ・リヒテルのピアノで行われました。これ らの作品をスウェーデン出身のピアニスト、ペンティネンとともに現代の名手、ガブリエル・シュヴァーベがしなやかに演奏しています。 *国内仕様盤には増田良介氏の日本語解説が付属します。
NAX-8.508021(8CD)
NX-F05
ヴォーン・ウィリアムズ・アンソロジー/交響曲から合唱曲まで

【CD1】…8.557059
交響曲第1番「海の交響曲」

【CD2】…8.550734
交響曲第2番「ロンドン交響曲」
『すずめばち』-序曲

【CD3】…8.550738
交響曲第5番ニ長調
交響曲第9番ホ短調

【CD4】…8.555867
トマス・タリスの主題による幻想曲
ノーフォーク狂詩曲第1番ホ短調
沼沢地方にて
「グリーンスリーヴス」による幻想曲
合奏協奏曲

【CD5】…8.573530
ソレント/幻想曲
6つの短い小品
ロマンス 「揚げひばり」

【CD6】…8.555300
幻想的五重奏曲
弦楽四重奏曲第1番ト短調
弦楽四重奏曲第2番イ短調

【CD7】…8.557798
未知の世界
柳の木…世界初録音
モテット「旋風からの声」
「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント
カンタータ『光の息子たち』

【CD8】…8.572465
モテット「旋風からの声」
真理のために勇敢に
ミサ曲 ト短調
3つの合唱による讃歌
ジョージ5世の死を悼む涙
航空機のヴィジョン
正義の精神/賛美のコラール
【CD1】…8.557059
ジョアン・ロジャース(S)
クリストファー・モルトマン(Br)
ボーンマス交響合唱団
ボーンマスSO
ポール・ダニエル(指)
録音:2002年1月8-10日
【CD2】…8.550734
ボーンマスSO
ケース・バケルス(指)
録音:1993年4月5-6日
【CD3】…8.550738
ボーンマスSO
ケース・バケルス(指)
録音:1996年9月7-13日
【CD4】…8.555867
ニュージーランドSO
ジェイムス・ジャッド(指)
録音:2001年6月28-30日
【CD5】…8.573530
シナ・クローケ(P)
ジェニファー・パイク(Vn)
ニューヨーク室内O
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指)
録音:2015年5月16-17日、10月20日
【CD6】…8.555300
ガーフィールド・ジャクソン(Va)
マッジーニQ
録音:2000年6月13-15日
【CD7】…8.557798
ロデリック・ウィリアムズ(Br)・・・2
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー合唱団
ロイヤル・リヴァプールPO
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
録音:2005年2月20日、5月8日
【CD8】…8.572465
アショク・グプタ(Org)
ジェイムズ・マクヴィニー
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊
ティモシー・ブラウン(指)
録音:2009年7月16-17日
ヴォーン・ウィリアムズが作曲家として認められたのは、30歳頃と遅咲きだったにもかかわらず、9曲の 交響曲をはじめ、管弦楽作品から協奏的作品、室内楽曲、声楽曲、歌曲にわたる幅広いジャンルの作品を残し ており、イギリスの田園風景を思わせる牧歌的な作風による作品は、多くの人々に愛されています。このBOXではグ ラモフォン誌で絶賛された交響曲第1番「海」を含む4曲の交響曲を中心に、トマス・タリスの主題による幻想曲、 「グリーンスリーヴス」による幻想曲、ヴァイオリン協奏曲ともいえる「揚げひばり」などの代表的な管弦楽曲をはじめ、 ヴォーン・ウィリアムズ作品における最良の解釈を聞かせるマッジーニ四重奏団による2曲の弦楽四重奏、英国合唱 作品の伝統を継承する「ミサ曲ト短調」やカンタータ『光の息子たち』などの声楽作品を収録。ヴォーン・ウィリアムズ の多岐にわたる創作から選んだ名曲をCD8枚にまとめました。 ポール・ダニエル、ケース・バケルス指揮のボーンマスSO、デイヴィッド・ロイド=ジョーンズが指揮するロイヤル・ リヴァプールPOをはじめ、ジェイムス・ジャッド指揮のニュージーランドSO、サルヴァトー レ・ディ・ヴィットリオが指揮するニューヨーク室内Oたちまで、真摯で熱の入った演奏でお楽しみいただける BOXです。
NAX-8.5743931CD)
マリピエロ/ゲディーニ/カゼッラ:チェロと管弦楽のための作品集
マリピエロ:チェロ協奏曲(1937)
ゲディーニ(1892-1965):2つのチェロと管弦楽のための協奏曲「オルメネータ」(1951)
カゼッラ:夜想曲とタランテッラ Op. 54(1934)
ニコライ・シュガーエフ(Vc)
ドミートリー・プロコフィエフ(Vc)
ロストフ・アカデミーSO
ヴァレンティン・ウリュービン(指)

録音:2020年10月11日、2020年10月12日、2020年12月14日
このアルバムに採り上げられた3人の作曲家は、いずれもチェロとのかかわりが深く、マリピエロの甥リッカルドはミラノ・ス カラ座のチェロ奏者を務め、ゲディーニは自身が幼い頃からチェロを学んでいます。またカゼッラは父、叔父、祖父が チェリストという家系に生まれており、子供時代からチェロを弾いていましたが、ピアノのほうが才能があることがわかり、 転向したという経歴を持っています。 そんな3人のチェロのための作品は、どれもソリストとオーケストラが協力して様々な雰囲気を探求するもので、チェロ のみが名人芸を発揮することはありません。マリピエロとゲディーニの曲は、どちらも18世紀のコンチェルト・グロッソ風 の雰囲気を持っており、ソリストとオーケストラの立場は対等なものとして書かれています。またカゼッラの作品は協奏 曲を書くためのオーケストレーションの練習的な作品で、やはりチェロとオーケストラのバランスに大きな注意が払われ ています。1988年モスクワ生まれのチェリスト、シュガーエフの演奏で。
NAX-8.574290(1CD)
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第4集
バレエ『森の娘』(1796)
パストラーレとアルマンド
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2020年7月13-16日
世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキーの管弦楽作品集第4集。20歳の時に活躍の機会を求め ウィーンに移住、ハイドンやモーツァルトと交流を深めた他、彼の作曲スタイルはベートーヴェンの初期の交響曲にも 影響を与えるなど、1790年代後半のウィーンにおける最も重要な交響曲作曲家の一人としてみなされました。また ウィーン宮廷劇場オーケストラの監督としても活躍し、舞台作品も数多く遺しています。このバレエ『森の娘』は円熟 期の作品で、彼の最大の成功作の一つ。狩りに出かけたポーランドの王子が出会った野性的な少女を巡る物語 は、彼の軽快な音楽とともにウィーンの人々を魅了しただけではなく、ヨーロッパ各地で上演され、ベートーヴェンや ウェーバーにも影響を与えたとされています。また「パストラーレとアルマンド」はヴラニツキーを寵愛していた皇后マ リー・テレーズのために書かれた上品な作品です。
NAX-8.5743891CD)
ブラトヴィチ/ニクチェヴィチ:ギター・デュオ作品集
1. スルジャン・ブラトヴィチ(1972-):イマジネーション(2020)
2. ダルコ・ニクチェヴィチ(1971-):ドラマ(2020)
3. ブラトヴィチ:フィール・ザ・モーメント(2020)
4. ニクチェヴィチ:エヴニング・アット・ホーム(2021)
5. ブラトヴィチ:コンセントレーション(2020)
6. ニクチェヴィチ:マインド・サークル(2020)
7. ブラトヴィチ:ロマンティックなメヌエット(2020)
8. ニクチェヴィチ:インナー・ビューティ(2020)
9. ブラトヴィチ:ミュージカル・エクサイトメント(2020)
10. ニクチェヴィチ:2020(2020)
11. ブラトヴィチ:ライフ(2020)
12. ニクチェヴィチ:タイム・パーセプション(2021)
13. ブラトヴィチ:リラクゼーション(2020)
14. ニクチェヴィチ:ラスゲアード前奏曲(2020)
スルジャン・ブラトヴィチ(第1ギター…1、3、5、7、9、11、13/第2ギター…2、6、8、12,14)
ダルコ・ニクチェヴィチ(第1ギター…2、6、8、12,14/第2ギター…1、3、5、7、9、11、13/ソロ…4、10)

録音:
2021年1月…5
2021年2月…1-3、6-8、13、14
2021年3月…10-12
2021年12月…4、9
世界初録音
モンテネグロ出身の2人のギタリスト、ブラトヴィチとニクチェヴィチが奏でる独創的なギター・デュオ作品集。今回のア ルバムでは2020年から2021年に書かれた曲が紹介されており、この中にはコロナ禍での静止した世界を描いた作 品「フィール・ザ・モーメント」や、彼らの特徴である心躍る地中海のリズムから、オリエンタルな中東の雰囲気、スラブ とバルカンの影響など様々な要素が反映されたエキサイティングな作品が楽しめます。その透明感のある耳なじみの よい旋律は、人間の心の最も深くにあるとされる、美しい感情を表現しています。
NAX-8.5599041CD)
マーガレット・ブラウワー(1940-):歌曲と室内楽作品集
ラプソディック・ソナタ(2011/2016改訂)
宣言(2005)
私は叫ぶ - 夏 2020(2020)
湖(2019)
すべての回線がまだ通話中(2019)
サラ・ビーティ(Ms)
ブライアン・スクーグ(T)
佐藤麻理(ナレーター/ヴァイオリン)
エリーシャ・ネルソン(Va)
ワン・シュアイ(P)

録音:2021年1月4-5日
2021年2月7日 、歌のみ
世界初録音
ニューヨーク・タイムズ紙で「独特の魅惑的なハーモニーの世界に棲む」と称賛されたアメリカの女性作曲家マーガレッ ト・ブラウワーの作品集。1996年から2008年までクリーヴランド音楽院作曲科の主任教授を務め、種々の名誉 ある賞を受賞、オーケストラや演奏家からも数多くの委嘱を受けています。 このアルバムには最近書かれた作品が収録されており、愛する心を内面から描いた「ラプソティック・ソナタ」、暴力や 戦争をテーマにした「宣言」、新型コロナウイルス感染症が大流行し、人々が孤立し生活に制限がかけられた2020 年の夏に書かれた「私は叫ぶ-夏2020」など社会的な問題が採り上げられています。最後に置かれた「すべての回 線がまだ通話中」は風刺の効いたモノローグ。電話で「待たされた」経験のある人なら作品に共感すると思います。

   NAXOS 2022年3月発売 (2)
NAX-8.505258(5CD)
NX-D03
プーランク:室内楽作品全集


【CD1】…8.553611
六重奏曲 FP 100
オーボエ・ソナタ FP 185
オーボエ、ファゴットとピアノのための三重奏曲 FP 43
フルート・ソナタ FP 164
ヴィラネル FP 74

【CD2】…8.553612
ヴァイオリン・ソナタ
ヴァイオリンとピアノのためのバガテル ニ短調 FP 60
クラリネット・ソナタ FP 184
ピアノとチェロのためのソナタ

【CD3】…8.553613
カプリース FP 155
2台のピアノのためソナタ
2台のピアノのためのエレジー FP 175
シテール島への船出
4手ピアノのためのソナタ
2つのクラリネットのためのソナタ
クラリネットとファゴットのためのソナタ
ホルン、トランペットとトロンボーンのためのソナタ

【CD4】…8.553614
カンタータ「仮面舞踏会」 FP 60
動物詩集 FP 15a
マックス・ジャコブの4つの歌
黒人狂詩曲 FP 3
歌曲集「コカルド(リボンの結び目)」 FP 16
ホルンとピアノのためのエレジー
サラバンド

【CD5】…8.553615
子象ババールの物語(フランス語版)
城への招待 FP138
レオカディア
子象ババールの物語(英語版)
【CD1】…8.553611
フィリップ・ベルノルド(フルート/リコーダー3)
オリヴィエ・ドワーズ(Ob)
ロナルド・ファン・スパンドンク(Cl)
ローラン・ルフェーヴル(Fg)
エルヴェ・ジュラン(Hrn)
アレクサンドル・タロー(P)
【CD2】…8.553612
グラフ・ムーリャ(Vn)
ロナルド・ファン・スパンドンク(Cl)
フランソワーズ・グローベン(Vc)
アレクサンドル・タロー(P)
【CD3】…8.553613
フランソワ・シャプラン(P)
アレクサンドル・タロー(P)
ロナルド・ファン・スパンドンク(Cl)
アンドレ・モワザン(Cl)
ローラン・ルフェーブル(Fg)
エルヴェ・ジュラン(Hrn)
ジャック・モージェ(Tb)
ギィ・トゥーブロン(Tp)
【CD4】…8.553614
フランク・ルゲリネル(Br)
ジャン・ドゥルスクルーズ(T)
セリーヌ・ヌシ(Fl)
フィリップ・ベルノルド(Fl)
セルゲ・クリチェフスキ(Ob)
オリヴィエ・ドワーズ(Ob)
ロナルド・ファン・スパンドンク(Cl)
アンドレ・モワザン(Cl)
マリー・ゴンドー(Fg)
ローラン・ルフェーヴル(Fg)
フィリップ・ハーノン(Fg)
マルク・バウアー(コルネット)
ギィ・トゥーブロン(Tp)
ジャック・モージェ(Tb)
エルヴェ・ジュラン(Hrn)
ジャン=マルク・フィリップス(Vn)
ティボー・ヴュー(Vn)
サビーヌ・トータン(Va)
フランソワーズ・グローベン(Vc)
フランソワーズ・リヴァラン(打楽器)
パスカル・ドラージュ(打楽器)
アレクサンドル・タロー(P/打楽器)
ピエール・ラニオ(G)
ピエール=ミシェル・デュラン(指)
【CD5】…8.553615
フランソワ・ムザヤ(朗読)
ナターシャ・エマーソン(朗読)
ダニエル・ダリュー(Ms)
ロナルド・ファン・スパンドンク(Cl)
ローラン・ルフェーヴル(Fg)
ティボー・ヴュー(Vn)
ステファン・ロジェロ(Cb)
アレクサンドル・タロー(P)

録音:1995年10月-1997年10月
「フランシス・プーランクは音楽そのものだ。これほど直接的で、これほど単純に表現され、これほど確実に目標に向かっていく音楽を私は知らない」 ダリウス・ミヨーのこの言葉はプーランクのすべての作品にあてはまりますが、中でも室内楽作品には、プーランクの個性的なスタイルと軽妙洒脱な作曲 技法のエッセンスが反映されています。 このBOXの中には、プーランクが作曲家としてデビューを飾った「黒人狂詩曲」を皮切りに、奏者たちの 名人芸が光る「六重奏曲」や軽妙洒脱な「フルート・ソナタ」。思いの他重厚な風格を持つ「ヴァイオリ ン・ソナタ」や「バガテル」などの名作の他、「シテール島への船出」など2台ピアノ、連弾のための作品。 声楽を伴うカンタータ「仮面舞踏会」や「動物詩集」などのエスプリの効いた曲などが含まれています。こ れらを演奏するのはフランスを代表する演奏者たち。とりわけ1990年代初頭に、日本でデビューして間 もなくのアレクサンドル・タローの演奏は貴重です。またプーランクの代表作の一つ、ピアノと語り手のため の音楽物語「子象ババールの物語」はフランス語版と英語版の2バージョンを収録。ここで語りを担当し ているのは、演奏当時それぞれ12歳と13歳の少女たち。あどけない声が物語の素朴さを伝えていま す。アルバムの初出時にClassicsToday.comで評された「このシリーズのどのディスクも間違いない」と いうコメントは21世紀の今でも色褪せることがありません。
NAX-8.559881(1CD)
スーザ(1854-1932):吹奏楽のための作品集 第23集
幻想曲「オーヴァー・ザ・フットライツ・イン・ニューヨーク」(1897)
チャールズ・ドーズ(1865-1951):メロディ イ長調 (J.P. スーザによる吹奏楽編)(1912)
ルイ・セザール・デゾルメ(1840-1898):ブーランジェの行進曲
「閲兵式から戻って」 (1889頃)(J.P. スーザによる吹奏楽編)
ユモレスク 「メアリー、日曜日には何をする?」(1924)
行列聖歌 「われらは行進する、勝利へ向かって行進する」(1914
幻想曲「町の空想」(1921)
プリマス・イギリス海兵隊バンド
キース・ブライオン(指)

録音:2019年5月20-23日
大好評シリーズ、「マーチ王」スーザの吹奏楽のための作品集も、この第23集をもって完結となります。今日 知られている行進曲の形式を標準化したスーザですが、彼は決してこのジャンルに専念していたのではなく、 交響詩、組曲、オペラ、オペレッタなど、200以上の作品を書き上げていました。今回の最終巻では、あまり 知られていないスーザの作品の中から、ポピュラーソングやクラシック作品の親しみやすいメロディーを用いた 幻想曲やユーモレスクなど、スーザの幅広い音楽的嗜好が感じられる曲が選ばれています。トラック2の「メロ ディ」は第30代アメリカ副大統領に就任したチャールズ・ドーズのヴァイオリン曲をクライスラーが録音し、人気 となったもの。他の作曲家によってオーケストラやポップスにアレンジされ広い人気を博しましたが、スーザは吹 奏楽用に編曲しています。
NAX-8.555172(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第6集〜フレデリック・カーゾン(1899-1973): 作品集
ブルバルディエール(1941)
プルチネッロ(1948)
スペイン組曲「マラガにて」(1935)
追放された小鬼の踊り(1940)
サルタレッロ(1952)*
スペイン風カプリース「カプリカンテ」(1949)
ギャラヴァント(1949)/風刺(1943)
セレナード「シモネッタ」(1933)
ワルツ「カスケード」(1946)
スペイン風セレナード「ラ・ペイネータ」(1954)
ロビン・フッド組曲(1937)
パソ・ドブレ 「ブラヴァーダ」(1938)
シルビア・チャポヴァー(P)*
スロヴァキアRSO
エイドリアン・リーパー(指)

録音:1991年9月14-19日
※MARCO POLO 8.223425からの移行盤
ロンドン生まれの作曲家フレデリック・カーゾン。ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、オルガンを弾きこなし教師を驚かせるとともに、12歳でマニフィカトとヌンク・ディミティ スを作曲、地元の合唱団によって演奏されるなど幼い頃から楽才を発揮、16歳の時にはロンドンの劇場オーケストラでピアノを弾き、20歳の時には自分の オーケストラを持ち、無声映画の伴奏音楽を作曲していました。また、電子オルガンがイギリスに輸入された際にはいち早く購入し、デモンストレーション・リサ イタルを行った記録もあります。しかし、作曲家としての活動はあまり力を入れておらず、その才能に注目した出版社ブージー・アンド・ホークスのラルフ・ホーク スや、彼の妻グラディス・マリアン・ファウラーの後押しを受け、ようやく作曲家として独り立ちしたという経緯があります。このアルバムには、パリの大通りを歩く男 の姿を描いた「ブルバルディエール」をはじめ、巧妙に書かれたカーゾンの作品が収録されています。
NAX-8.574344(1CD)
ソレール:鍵盤のためのソナタ第93番 - 第95
ソナタ第93番ヘ長調 Op. 4, No. 3(1779)
ソナタ第94番ト長調 Op. 4, No. 4(1779)
ソナタ第95番イ長調 Op. 4, No. 5(1779)
エフゲニー・コノフ(P)

録音:2019年12月9-13日
鍵盤のための数多くのソナタで知られるアントニオ・ソレール。教会音楽家としての訓練を受け、王立サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院のオル ガニストを務めたことで、フィリップ2世の宮廷で働いていたドメニコ・スカルラッティなどの音楽家と親交を結びました。このOp.4のソナタは、スカルラッティ の影響が感じられる生き生きとしたもので、ソレール作品の特徴ともいえるきらびやかな装飾とヴィルトゥオーゾ的なテクニックがその効果を高めていま す。 演奏は1992年ウズベキスタンのチルチクに生まれたエフゲニー・コノフが担当。1999年から2007年までグネーシン国立音楽大学、その後モスクワの チャイコフスキー音楽院で学び、ヨーロッパに留学。2019年からはウィーン音楽舞台芸術大学で学んでいます。コンクール受賞歴も多く、2018年の 第64回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクール、2019年に第31回エットーレ・ポッツォーリ国際ピアノコンクール、2020年には第14回 UNISA(南アフリカ大学=University of South Africa)国際ピアノ・コンクールでそれぞれ第1位を受賞した注目の若手奏者です。
NAX-8.660479(1CD)
ルーセル:喜歌劇「カロリーヌ伯母さんの遺言」 ベアトリス…マリー・ルノルマン(Ms)
クリスティーヌ…マリオン・ゴマー(S)
ノエミ…ルシール・コミテ(Ms)
ジョバール…オーレリアン・ガス(Br)
フェルディナンド…チャールズ・メスリーヌ(T)
ルシーヌ…マリー・ペルボー(S) 他
*ソリストは合唱も担当
オルケストル・デ・フリヴォリテ・パリジェンヌ
ディラン・コルレイ(指)

録音:2019年6月13日(ライヴ)
1932年から33年にかけて作曲されたこの作品は、3幕形式でチェコ語のテキストが用いられていまし た。1936年にチェコのオロモウツで初演されたのち、フランスで演奏するためにフランス語版に改訂、 1937年にパリ・オペラ=コミック座で上演されましたが、当時のパリの観客にはあまり受け入れられるこ とはありませんでした。そこでルーセルの死後、未亡人の依頼により作曲家マルセル・ミハロヴィチが3幕 から1幕に改訂。この演奏でもミハロヴィチの改訂版が用いられています。ディラン・コルレイが指揮するオ ルケストル・デ・フリヴォリテ・パリジェンヌと、フランスで活躍する歌手たちがルーセルの優雅かつエレガント な音楽を存分に聴かせます。
NAX-8.574350(1CD)
2つの古典的政治映画の音楽
レブエルタス(1899-1940): レデス(1935)
コープランド: ザ・シティ(1939)
ポスト・クラシカル・アンサンブル
アンヘル・ヒル=オルドニェス(指)


録音:2014年5月11日、 2007年10月15日
音源:NAXOS既発DVDより
メキシコを代表する作曲家レブエルタスと、近代アメリカの作曲家コープランドはともに映画のための音 楽を数多く書いています。このアルバムには政治的内容を持つ映画のための2人の音楽を収録。『レデ ス』はスペイン語で"網"を意味し、メキシコで不当に搾取された漁師たちが団結する物語。レブエルタス は活気に満ちた音楽で作品を彩っています。『ザ・シティ』は1939年に開催されたニューヨーク万国博 覧会のために制作されたドキュメンタリー映画。コープランドは、当時のアメリカの市民たちが生きる社会 をミニマル風の音楽で描き出しています。
NAX-8.574370(1CD)
ロード・バーナーズ(1883-1950):バレエ音楽集
ファンファーレ(1931)
バレエ音楽『水の精』(1946)
バレエ音楽『キューピッドとサイキ』組曲(1939)…世界初録音
ミリアム・ブレナーハセット(Ms)
RTE室内cho団員
ロイヤル・バレエ・シンフォニア…
ギャヴィン・サザーランド(指)…
RTEシンフォニエッタ
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)

録音:1999年9月15日、1994年11月10-11日、1995年1月10日
※MARCO POLO*8.225155、8.223780からの移行盤
イギリスの作曲家・小説家・画家、ロード・バーナーズ(バーナーズ卿)。本名はジェラルド・ヒュー・ティ アウイット=ウィルソンという名門バーナーズ家の第14代男爵です。イートン・カレッジで学び爵位を継 承するまでは外交官として活躍、音楽家としても才能を発揮し、主としてバレエ音楽の分野で活躍し ました。この『水の精』は1946年の作品。振付師フレデリック・アシュトンは、フランスのビーチを舞台に 上流階級の人々を翻弄するシレーヌを描き、バーナーズ卿は雰囲気ある音楽を付けています。『キュー ピッドとプシュケー』はバーナーズ卿自身がシナリオを考案、こちらは政治的な風刺が多分に盛り込まれ ていましたが、サドラーズ・ウェルズ劇場の観客には受けませんでした。しかし音楽は魅力的であり、舞台 無しで聴いて十分楽しめるものです。この録音は忘れられていた2つの作品を蘇らせることに成功してい ます。

   NAXOS 2022年3月発売
NAX-8.574153(1CD)

NYCX-10283(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ピアノ協奏曲 変ホ長調 第0番WoO. 4 (オリジナル版…ピアノ・ソロ)(1784頃)*
ボリス・ギルトブルグ(P)
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2019年7月11日フィルハーモニック・ホール、リヴァプール(UK)
2020年11月13-14日ファツィオリ・コンサート・ホール、サチーレ(イタリア)*
2021年に発売されたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集が『レコード芸術』特選はじめ、高く評価されたギルトブルク。並行して進めているピアノ協奏曲全集の第2弾です。今作は人気曲第5番「皇帝」の登場です。今回もギルトブルグは作品について熟考を行い(その考察はブックレットに詳細に記されています)、独自の解釈に彩られた若々しくエネルギッシュな演奏を披露しました。併録は「皇帝」と同じ変ホ長調による「第0番」。ベートーヴェン13歳の作品です。オーケストラ・パートの大半が失われたため、復元を加えて演奏する試みもありますが、ギルトブルクは遺されたソロ・パートのみを演奏しています。ギルトブルグお気に入りのファツィオリ・ピアノの厚みのある響きも聴きどころです。第5番でギルトブルグの華麗な演奏をバックアップするのは、前作の第1番&第2番と同じく気鋭の指揮者ヴァシリー・ペトレンコとロイヤル・リヴァプールPO。息のあった演奏が繰り広げられています。
国内仕様盤にはギルトブルク自筆の解説を邦訳して掲載します。
NAX-8.574402(1CD)

NYCX-10284(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
クラウジオ・サントロ(1919-1989):交響曲全集 第1集
交響曲第5番(1955)
交響曲第7番「ブラジリア」(1959-60)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2018年10月1-6日
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作品をブラジルのオーケスト ラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 ブラジル独立200周年の2022年、ブラジル音楽史上で最も重要なシンフォニストとされるクラウジオ・サントロの交響曲全曲録音がスタート。パリで ナディア・ブーランジェに学んだサントロは、自身の作品にブラジル民謡のイディオムを抽象的に取り入れ、より創造的に発展させた形で表現しました。 1955年作曲、その翌年にリオデジャネイロで初演された「交響曲第5番」はサントロの代表作であり、第1楽章の神秘的な冒頭部分ではブラジル北 東部の伝統音楽にみられる増三と短七度の和音を用いながらも、これらはサントロが独自に編み出した対位法の中に組み込まれています。パーカッ ションが活躍する熱狂的な第2楽章に続き、ブラジルの聖歌が用いられた変奏曲形式の第3楽章、そして終楽章は、ゆったりとした序奏に導かれ、 最後に金管が高らかなコラールを奏し壮大に幕を閉じます。1960年に作曲された「交響曲第7番」はサントロ作品の中でも最も複雑な作品とされ ており、また作曲家自身のお気に入りでもありました。4つの音符が印象的な第1楽章ではじまり、第2楽章アダージョが続きます。そして活発な第3 楽章でも冒頭のモティーフは健在。最終楽章はすべてを統括するかのような多彩なモティーフが現れ、最後は激しいクライマックスを迎えます。演奏は 1980年に創設されたゴイアス・フィルハーモニーと首席指揮者のニール・トムソンが担当。エネルギッシュかつダイナミックな表現で定評があります。
国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏の日本語解説が付属します。

   NAXOS 2022年2月発売 (2)
NAX-8.574305(1CD)
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル: 交響曲集 第5集
交響曲 ヘ短調 Bryan f1
交響曲 変ホ長調 Bryan Eb4
交響曲 ハ長調 Bryan C7b
オーボエ・コンチェルティーノ ト長調 Bryan G5
パヴラ・ホンソヴァー(Va)
チェコ室内Oパルドビツェ
ヴォイチェフ・ポドロウジェク(Ob)
ヤン・カラス(第1ホルン)
マグダレーナ・クティショヴァー(第2ホルン)
リボル・イェジェク(Vn)
パヴラ・ホンソヴァー(Va)
ダヴィド・マトウシェク(Vc)
ペトル・クプチャーク(Cb)
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2020年10月5-9日
世界初録音
ボヘミア出身の作曲家ヴァンハル。生地のオルガニストや教会楽長を務めたのち、庇護者を得てウィーンに留学、ディッタースドルフに作曲を師事すると ともに、各地を回って見聞を広めます。ヴァイオリニストとしても優れており、モーツァルト、ハイドン、ディッタースドルフとともに弦楽四重奏曲を演奏した エピソードも知られています。また音楽史家のチャールズ・バーニーは「イギリスではハイドンの交響曲よりもヴァンハルの交響曲のほうが広く知られてい る」と報告するほど、彼の作品は当時のヨーロッパ中で称賛されていました。 このアルバムには、3曲の交響曲と、オーボエがコンパクトな編成のアンサンブルと絶妙な対話を聴かせる「オーボエ・コンチェルティーノ」を収録。どの曲 もヴァンハルの豊かなオーケストレーションと印象深い旋律をたっぷり味わえ、ヘ短調の交響曲の第2楽章カンタービレではヴィオラ独奏による伸びやか な歌が聞かれます。NAXOSでは1998年からヴァンハルの交響曲録音シリーズを開始。指揮者、オーケストラを変えながら2008年までに第4集がリ リースされていましたが、今作はチェコを代表するチェコ室内Oパルドビツェとミヒャエル・ハラースが演奏を担当。作品の魅力を伝えています。
NAX-8.573616(1CD)
エネスコ:ピアノ三重奏曲 イ短調
ピアノ四重奏曲第1番
ピアノ三重奏曲 イ短調(1916)
ピアノ四重奏曲第1番ニ長調 Op. 16(1909)
ステファン・タララ(Vn)
ホン・ユンソン(Vc)
ホス・デ・ソラウン(P)
モリー・カー(Va)

録音:2017年1月15-20日
ルーマニアの作曲家ジョルジェ・エネスコ。優れたヴァイオリニストとして活躍する傍ら、数多くの作品を書 き上げました。なかでも室内楽曲には優れたものが多く、ブラームスやワーグナー、そしてフランスで学ん だフォーレの影響が感じられる初期の作品は、達者な筆致による流麗なものが多くみられます。このア ルバムには1909年に書かれたピアノ四重奏曲第1番と、1916年に作曲されながら1965年まで知ら れることのなかったピアノ三重奏曲を収録。この2曲における7年の作曲年代のひらきは、そのままエネ スクの成熟度合を示すものであり、シンプルな様式で書かれたピアノ四重奏曲に比べ、コンパクトであり ながらもより複雑なスタイルを持つピアノ三重奏曲からは、エネスコが若い頃より慎重に作品を練り上 げていた様子がうかがわれ、また第1次世界大戦などの不安な世情も感じ取れます。
NAX-8.574171(1CD)
クレメンティ:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Op. 1,- 1(1771)
ピアノ・ソナタ ト長調 Op. 1,- 2(1771)
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op. 1,- 4(1771)
ピアノ・ソナタ イ長調 Op. 1,- 5(1771)
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Op. 12- 2(1784)
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op. 12- 3(1784)
ピアノ・ソナタ ニ長調 Op. 10- 2(1783)
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Op. 10- 3(1783)
キム・ヘジン(P)

録音:2019年3月11-13日
ローマ出身のピアニスト、作曲家クレメンティ。9歳でオルガニストの試験に合格、12歳でオラトリオを作 曲するなど神童ぶりを発揮。その才能に目をつけたイギリスのベックフォード家の一員に引き取られ、 ドーセットに移住します。そこで彼なりの方法で作曲家、演奏家としての訓練を行い、ロンドンでチェン バロ奏者として活躍するなどキャリアの基盤を築き上げました。その後はパリ、ウィーン、ロンドンで演奏 活動を行う傍ら、楽譜出版やピアノ制作の会社を設立・運営するなど、時流に乗った多面的な活躍 を見せています。ピアニストとしてのクレメンティは、その作品に、常に楽器の発展に伴う新しい技術を 導入するとともに、自らの演奏技術を発揮するための華々しい技巧も取り入れており、聴きごたえのあ るものとなっています。 演奏は韓国出身のピアニスト、キム・ヘジン。2005年、ブゾーニ国際ピアノコンクールにおける最年少 入賞者として注目を集め、カーネギーホールでデビュー。以降、世界的に活躍しています。
NAX-8.555210(1CD)
サリヴァン:劇音楽集
劇音楽『マクベス』-演奏会用組曲(1888年 合唱付き版)
劇音楽『アーサー王』(1895)(W. ベンドールによる演奏会用版)
劇音楽『ウィンザーの陽気な女房たち』(1874)
マーガレット・マクドナルド(Ms)
RTE室内cho
RTEコンサート・オーケストラ
アンドルー・ペニー(指)

録音:1993年11月17-19日
※MARCO POLO 8.223635のレーベル移行盤
劇作家ウィリアム・S・ギルバートと組んで発表した一連のサヴォイ・歌劇(19世紀後期のイングランド で発展したコミック・歌劇)で知られるサリヴァン。しかし彼が活躍した当時はコミック・歌劇は 低俗なものと見なされており、彼は教会音楽や劇音楽の分野での活動を重視していました。このアル バムに収録された3曲の劇音楽は「ウィンザーの陽気な女房たち」以外は、歌劇作曲家として成功し た後に書かれたもので、それまでの軽いテイストの音楽とは一線を画す重厚かつシリアスな作品となっ ています。 なかでも「マクベス」の音楽はシェイクスピアへの傾倒を示す見事な出来栄えですが、出版さ れたのは序曲のみ。 ここでは1889年に作成された合唱付きの組曲版を聴くことができます。また、 『アーサー王』はサリヴァンの死後にベンドールによって編曲された版が収録されています。
NAX-8.573785(1CD)
プフィッツナー:歌曲全集 第5集
4つの歌Op. 15(1904)より
  第1曲 手廻しオルガン弾き
 第2曲 怒り
 月に寄せる Op. 18(1906)
2つの歌 Op. 19(1905)
5つの歌 Op. 22(1907)より
 第1曲 ダンツィヒにて
 第2曲 悲しい物語
 第3曲 美しいズーシェン
 第4曲 愛のお返し
4つの歌 Op. 24(1909) - 第2曲 愛の暴力
5つの歌 Op. 26(1916) - 第2曲 夜
4つの歌 Op. 29(1921) - 第3曲 歓迎とお別れ
4つの歌 Op. 30(1922) - 第4曲 労働者
4つの歌 Op. 32(1923)
3つのソネット Op. 41(1931)
1901年、新年の祝賀の輪唱 WoO 2
(独唱と女声合唱、ピアノの為の:編曲者不明)…世界初録音
ウーヴェ・シェンカー=プリムス(Br)
クラウス・ジモン(P)
フライブルク室内cho女声セクション

録音:2008年3月27-29日、2008年3月16日
ドイツ後期ロマン派の作曲家プフィッツナーの歌曲全集。シリーズ完結となるこの第5集には30代後半の壮年期から60代の円熟期までの様々な歌 曲を収録。アイヒェンドルフやブッセなど詩人のテキストを用い、詩の内容に即した音楽を描いたプフィッツナーらしく、ここでも多彩な歌を聞くことができ ます。どちらかというと暗く寂しい内容を持つ曲が多いのは、年齢を重ねたプフィッツナーの諦観が表現されているかのようです。第4集と同じく、ヴュルツ ブルク出身のバリトン歌手、ウーヴェ・シェンカー=プリムスの歌唱でお楽しみいただけます。 最後に収録されたユーモラスな「1901年、新年の祝賀の輪唱」は世界初録音。バリトンが先導する悲しげな旋律を女声合唱が楽し気な旋律に変 え、追いかけて歌います。

NAXOSヒストリカル 2022年2月発売
NAX-8.111412(1CD)
ライスラー:録音全集 第11集
●His Master’s Voice(ベートーヴェン・ザール、ベルリン、1930年)
1. グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」- 第2幕 精霊の踊り
2. ラヴェル:ハバネラ形式の小品
3. ブランドル:愛するオーガスティン - オールド・リフレイン
4. グラズノフ:2つの小品 Op. 20 - 第2曲 スペインのセレナード
5. 伝承曲:ロンドンデリーの歌(テイク1)
6. 伝承曲:ロンドンデリーの歌(テイク3)
7. クライスラー:道化役者のセレナード
8. ファリャ:7つのスペイン民謡 - 第4曲 ホタ(P. コハンスキによるヴァイオリンとピアノ編)
9. ホイベルガー:喜歌劇「歌劇舞踏会」 Op. 40 - 第3幕 真夜中の鐘 「別室へ行きましょう」
10. シューベルト:劇音楽『キプロスの女王ロザムンデ』 D. 797 - バレエ音楽第2番ト長調
11. クライスラー:クープランの様式による才たけた貴婦人
12. クライスラー:クープランの様式によるルイ13世の歌とパヴァーヌ(Vnとピアノ版)
13. ウェーバー:ソナタ第1番ヘ長調 Op. 10 J. 99 - 第2楽章 ロマンス(ラルゲット)
14. クライスラー:美しきロスマリン
●His Master’s Voice(アビー・ロード第3スタジオ、ロンドン、1935年)
15-18. クライスラー:弦楽四重奏曲 イ短調
19. クライスラー:ディッタースドルフの様式によるスケルツォ(弦楽四重奏版)
ボーナス・トラック
●ヴィクター・トーキング・マシーン CO アコースティック・レコーディング
(カムデン、ニュージャージー、1924年)
20. ビゼー:『アルルの女』第1組曲 - アダージェット(F. クライスラー編)

※クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編…1-6、9、10、13
クライスラー(Vn)
ミヒャエル・ラウハイゼン(P)…1-14
クライスラーQ…5-19【ライスラー(Vn)、トーマス・ペトル(Vn)、ウィリアム・プリムローズ(Va)、ローリー・ケネディ(Vc)】
アレクサンダー・シュミット(Vn)…20
サム・パスターナック(Va)…20
アルフレード・レンナルツ(Vc)…20
ロザリオ・ブールドン(指)…20

録音:1930年2月13日…1-3
1930年2月14日…4-10
1930年2月15日…12-14
1935年4月1日…15-18
1935年4月7日…19
1924年4月10日…20
クライスラーの録音全集、第11集は1930年から1935年に行われた音源が収録されています。この時期はクライスラーにとってとても重要な 時期でした。1920年代からベルリンに新居を構え、快適な生活を送っていたクライスラーですが、1933年のナチスが台頭に伴い、彼は安定した生 活が送れなくなってしまい、結局は1938年にパリへ移住、その後1943年にはアメリカ国籍を取得し、ヨーロッパに戻ることはありませんでした。とはい え、ここのアルバムに収録されているベルリンの録音が行われた頃にはまだ余裕があったようです。この録音が行われた1か月前にはロンドンのロイヤル・ アルバート・ホールでバッハとチャイコフスキーを演奏、高く評価されました。このアルバムに収録された録音は、ニューヨークで録音できなかった演奏を 1930年にベルリンのHMVで再録音したものです。またこのCDには未発表のテストプレスの音源も含まれています。1935年の録音は、彼の自作で ある四重奏曲をクライスラー自身が選んだメンバーたちと演奏(メンバーの中には名ヴィオラ奏者ウィリアム・プリムローズの名前も)しています。 また、ボーナス・トラックとして1924年のアコースティック・レコーディングによるビゼーの「アダージェット」が収録されています。

   NAXOS 2022年2月発売
NAX-8.574352(1CD)
スラットキン・コンダクツ・スラットキン
レナード・スラットキン(1944-):エンドゲームズ(2014)
組曲『カラス』(1971)
キナー(2015)
ダニエル・スラットキン(1994-):イン・フィールズ (2018)
ブラームス:ハンガリー舞曲集- 第17番嬰ヘ短調(Vnと管弦楽編)*
ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb:2- 第3楽章 ロンド(短縮版、E.W. コルンゴルトによるカデンツァ)
伝承曲:フィッシャーズ・ホーンパイプ- フェリックス・スラットキン(1915-1963)/シンディ・マクティー(1953-)による管弦楽編
ウィストゥフル・ヘヴン(ドヴォルザークの「交響曲第9番「新世界より」- 第2楽章「ラルゴ」による(1962/2015)
フェリックス・スラットキン(アメリゴ・マリーノ):カルメンのホーダウン(G. ビゼーによる)(1962)
アレク・ボールドウィン(ナレーター)
ジェフリー・ズーク(ピッコロ)
シャロン・スパロー(アルト・フルート)
モニカ・フォスナー(イングリッシュホルン)
ローレンス・リバーソン(E♭クラリネット)
シャノン・オーム(バス・クラリネット)
マーカス・スクーン(コントラファゴット)
キンバリー・カロヤニデス・ケネディ(Vn)
フレドリック・ズロトキン(Vc)
フェリックス・スラットキン(Vn)
エレノア・アラー(Vc)
デトロイトSO
マンハッタン音楽学校SO
レナード・スラットキン(指)…
アメリカ陸軍航空軍訓練軍団O
ワーナーブラザーズ・スタジオ・オーケストラ
エーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(指)

録音:2014年11月20-22日、2015年12月5-6日、2019年10月18、20日、1944年7月22日*
アメリカを代表する指揮者レナード・スラットキンは、著述家・作曲家としても多作で高い評価を得ています。このアルバムにはスラットキンの自作自演に加え、 息子の作品と両親の歴史的音源も加わり、スラットキン・ファミリーの音楽による肖像となっています。1971年の『カラス』はナレーションが加わる25分あまりの 大作。2014年のエンドゲームズはソリストのヴィルトゥオジティをフィーチャーした華麗な作品。2015年作のキナーは両親の思い出に捧げたエレジー。スラット キンの父フェリックスと母エレノアは1963年にブラームスの二重協奏曲をソリストとして初共演する予定でしたが、コンサート前夜にフェリックスが心臓発作で急 逝し、共演は果たせぬままに終わりました。曲は二重協奏曲第2楽章の音形を主題にし、曲の終わり近くで舞台外に置かれたチェロの孤独なモノローグが印 象に残りますが、この録音ではスラットキンの弟フレドリックが母の形見のチェロを弾いています。トラック8の「イン・フィールズ」は1994年生まれの息子ダニエル の作品。またトラック9と10はそれぞれ彼の父フェリックス・スラットキンと母エレノア・アラーがソリストを務めた録音。エレノアが弾くハイドンで指揮者を務めている のは当時アメリカで活躍していたコルンゴルトであることにも注目。アルバムの最後にはフェリックスの手によるカルメン作品のオマージュが添えられています。 代々続く音楽一家ならではの見事な系譜を知る1枚。
NAX-8.573355(1CD)
コルンゴルト:劇付随音楽『から騒ぎ』 Op. 11(1918-19)(完全版、ドイツ語歌唱)
『吸血鬼、または密猟者』(1922)
(C.バウアーとK.ジモンによる演奏会版)(ドイツ語によるナレーションと歌唱)…世界初録音
ハンス・イェルク・マンメル(T)
エッケハルト・アベーレ(ナレーター/声)
ホルスト・シンフォニエッタcho
ホルスト・シンフォニエッタ
クラウス・ジモン(指)

録音:2014年3月19-21日
20世紀初頭のオーストリアで"神童"として次々と作品を発表、脚光を浴びたコルンゴルト。1927年に初演した歌劇「ヘリアーネの奇跡」の成功でその名声 は絶頂に達します。その頃、ヨハン・シュトラウスの歌劇「こうもり」をミュージカルに編曲したものが、ニューヨークのブロードウェーで公演され成功したことでハリ ウッドに進出。彼が最も得意とした歌劇、劇音楽の手法と華麗なオーケストレーションを映画音楽に採り入れたことで、「ハリウッド映画音楽の創始者」として 多大な功績を残すことになります。 このアルバムには、彼のウィーン時代の2作の劇音楽を収録。『から騒ぎ』は同名のシェイクスピアの劇のための音楽で、豊かな表現力と鮮やかな場面描写、 濃厚なオーケストラの響きを伴うコルンゴルトの最も人気を博した作品の一つです。かたや1922年の『吸血鬼、または密猟者』はほとんど知られていない作 品ですが、こちらもドラマティックな展開と後の華やかな映画音楽を思わせる豊潤な音色が楽しめます。『から騒ぎ』で"バルタザールの歌"を歌うのはバロック作 品を中心に幅広いパートリーを持つテノールのハンス・イェルク・マンメル。ハープの伴奏による典雅な歌唱が作品の雰囲気を盛り上げています。
NAX-8.660483(2CD)
ヨハン・ジモン・マイール(1763-1845):歌劇「アルフレード大王」(ミラノ・オリジナル版 1819年) アルフレード/エルフリード…マリー・ルイーズ・ドレッセン(Ms)
グートルーモ…マルクス・シェーファー(T)
エテルベルト…ダニエル・オチョア(Bs)
アリンダ…アンナ・ファイト(S)
アルスヴィータ…ゾフィア・ケルバー(S)
アムンド…フィリップ・ポルハルト(T)
ジモン・マイールcho
バイエルン国立歌劇場choメンバー
コンチェルト・デ・バッスス
フランツ・ハウク(指)

録音:2019年8月18-25日
ドイツで生まれイタリアで活躍した作曲家、ジモン・マイール。彼は70曲ほどの歌劇を遺しましたが、晩年に 題材として選んだのは、その頃に彼が関心を抱いていた中世イングランドの物語でした。この「アルフレード 大王」もそのような作品の一つであり、デンマーク人戦士グートルーモが率いるヴァイキング軍の侵略を阻 止するとともに、グートルーモに結婚を強要された最愛のアルスヴィータを救出するというアルフレード(英語 名アルフレッド)大王の劇的なストーリーを、壮大な合唱と官能的な旋律で彩ったこの歌劇。初演時も大 きな成功を収めるとともに、次世代のベルカント・オペラの作曲家たちにも大きな影響を与えました。ここで 主役を歌うメゾ・ソプラノのマリー・ルイーズ・ドレッセンはライプツィヒで学び、2013年には"Opernwelt"誌 の「Best Young Actress」賞に選ばれた若手。伸びのある美しい声が印象的です。マルクス・シェー ファー、ダニエル・オチョアらヴェテランの歌唱も聴きどころ。ジモン・マイールの権威であるフランツ・ハウクはこ の作品でも全体を手堅くまとめた素晴らしい演奏を披露しています。
NAX-8.574361(1CD)
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 第5集
ピアノ三重奏曲(ディヴェルティメント) ハ長調 Hob.XV:C1
ピアノ三重奏曲(パルティータ) ヘ短調 Hob.XV:f1
ピアノ三重奏曲(ソナタ) ト長調 Hob.XIV:6
ピアノ三重奏曲(パルティータ/ディヴェルティメント)第1番 ト短調 Hob.XV:1
ピアノ三重奏曲(ディヴェルティメント)第2番 ヘ長調 Hob.XV:2
アクィナス・ピアノ三重奏団【ルート・ロジャーズ(Vn)、キャサリン・ジェンキンソン(Vc)、マーティン・カズン(P)】

録音:2021年2月15、17日
現在では第25番など一部の作品だけが知られるハイドンのピアノ三重奏曲ですが、実際にはその生涯に40曲以 上が作曲されており、そのどれもがチェンバロからフォルテピアノへと進化する当時の鍵盤楽器の特性を生かした仕上 がりを誇ります。2008年から継続するNAXOSの「ピアノ三重奏曲」シリーズの第5集は、演奏をアクィナス・ピアノ三 重奏団が担当。もともとはピアノ・ソナタとして考案されたト長調の曲や、バリトン三重奏曲からの編曲であるヘ長調 作品も含む初期のあまり耳にすることがないものの、当時の音楽界に強い影響を与えた5曲の三重奏曲を聴かせ ます。
【アクィナス・ピアノ三重奏団】 2015年12月にウィグモア・ホールでデビュー。ロンドンを中心に演奏活動を行うとともに、サン=サーンスやメンデル スゾーンの三重奏曲の録音で高く評価される英国のアンサンブルです。
NAX-.555191(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第5集
サミュエル・コールリッジ=テイラー(1875-1912): 作品集

「ハイアワサ」序曲 Op. 30
演奏会用小組曲 Op. 77
4つの性格的ワルツ Op. 22
ジプシー組曲 Op. 20
プレイリー・リリーのロマンス Op. 39
組曲『オテロ』 Op. 79
RTEコンサート・オーケストラ
エイドリアン・リーパー(指)

録音:1993年1月20-21日
※MARCO POLO 8.223516のレーベル移行盤
サミュエル・コールリッジ・テイラーはロンドンに生まれ、黒人系音楽家として高い評価を得た先駆的存在。英国王立音楽大学に進学、スタンフォードに師事し た後、クロイドン音楽学校で教鞭を執りながら指揮者、作曲家として活動を始めます。その肌の色から様々な偏見と闘ったコールリッジ=テイラーですが、少 しずつ活動の幅を広げ、20世紀初頭にはアメリカに演奏旅行に赴き指揮者として成功を収めたことで「黒い肌のマーラー」の異名を得ました。このアルバムに は彼が魅了された「ハイアワサ(16世紀のモホーク族インディアンの男性戦士)」のエピソードに由来する一連の作品の一つ、「ハイアワサ」序曲をはじめ、情感 豊かな"柳の歌"を含む組曲『オテロ』や4つのワルツなど、コールリッジ=テイラーの非凡な才能が生かされた数々の作品が収録されています。

   NAXOS 2022年1月発売 (2)
NAX-8.574181(1CD)
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012): 夜想曲とアリア
夜想曲とアリア(1957)
ロス・カプリチョス(1963)
イギリスの愛の歌(1984-85)
ユリアーネ・バンゼ(S)
ナレク・アフナジャリャン(Vc)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2020年2月22-23日、2020年10月16日、2020年10月22日
ドイツの作曲家ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ。12歳から作曲をはじめ、1947年に発表した「交響曲第1番」が高く評価されたことで、シュトックハウゼンと並ぶ 才能ある若手作曲家の一人とみなされました。しかし十ニ音技法の使用に違和感を覚え、少しずつ脱却を試み、無調でありながらも古典的なメロディやリ ズムを用いた作品を書き始めます。このアルバムではウィーンRSOとオルソップがこの時代のヘンツェ作品を緻密な演奏で聴かせます。アルバムに収 録された「夜想曲とアリア」はヘンツェがドイツを離れ、イタリアに住み始めた頃に書かれた作品で、ダルムシュタットでの前衛的な作風を手放し、後期ロマン派 風の和声と旋律を用いて作られています。独唱を担当するユリアーネ・バンゼは現代作品も得意とするソプラノ。深い響きを持つ声質が作品を引き立ててい ます。フランシス・デ・ゴヤの同名作品からインスパイアされた1963年の「ロス・カプリチョス」は"オーケストラのための幻想曲"と呼ばれており、9つの小品にはそ れぞれタイトルが付されています。どの曲もパーカッションが活躍し、印象的な旋律で満たされています。 「イギリスの愛の歌」は当初、7曲で構成されていましたが、後にヘンツェが第5曲を削除、現在の形になりました。歌と言っても主役は独奏チェロ。ここで演奏 しているナレク・アフナジャリャンは2011年の第14回国際チャイコフスキー・コンクールの優勝者。変幻自在な演奏を聴かせます。
NAX-8.579108(1CD)
ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875-1911): ハープの弦にのせて
前奏曲 嬰ヘ長調 「アンジェルス・ドミニ」 VL 184(1901)
夜想曲第2番嬰ハ短調 VL 183(1901)
前奏曲 ヘ長調 - イ短調 VL 188(1901)
献呈 変ロ長調 VL 169(1899)
エレジー ニ短調 VL 191(1901)
マズルカ ロ短調 VL 234(1902)
私はヘンルーダの種を蒔いた VL 179(1900)
夜想曲第1番嬰ヘ短調 VL 178(1900)
パストラル 変ニ長調 VL 187(1901)
ユモレスク ト短調 VL 162(1899)
前奏曲 変ニ長調 VL 253(1904)
即興曲 嬰ヘ短調 VL 181(1900)
子守歌 ト長調 VL 242(1903)
前奏曲 ニ長調 VL 305(1906)
楽興の時 イ長調 VL 246(1903)
前奏曲 ロ長調 VL 186(1901)

※全てJ. ダウニーテによるハープ編
ヨアナ・ダウニーテ(Hp)

録音:2018年2月8日、2018年6月26日

世界初録音
19世紀から20世紀にかけてリトアニアで活躍したチュルリョーニス。生前から作曲家としてよりも画家として知られており、ストラヴィンスキーも彼の絵を所持し ていたことがあるほどでした。作曲家としてはシューマンやショパンなど、ロマン派の伝統を継承した、自身の絵画を彷彿させる幻想的な作品を多く遺し、また 晩年には調性を持たない作品までもいくつか手掛けています。このアルバムには、彼のピアノ曲をヨアナ・ダウニーテがハープ独奏用に編曲した作品を収録。 民謡を思わせる素朴な旋律が、ハープの響きをまとうことで一層ロマンティックな風情を帯びています。チュルリョーニス作品の新たな魅力を伝える1枚。 【ヨアナ・ダウニーテ】 リトアニア出身のハープ奏者。ジュネーヴ音楽アカデミーとアムステルダム音楽院で学び、多くの国際コンクールで入賞を果たしソリストとして活躍するとともに、 ハープの可能性を模索、ヒナステラのハープ協奏曲の演奏などが高く評価されました。現在はハープ音楽とリトアニア音楽の普及に尽力しています。
NAX-8.579118(1CD)
9種類のトランペットとピアノ - ファビオ・ブルムのために書かれたトランペット音楽
ダニエル・フライバーグ(1957-):カリオカ前奏曲(2021)
ジウソン・サントス(1977-):カンズア(2020)
ダグラス・ブラガ(1986-):コル(2021)
フアン・カルロス・バレンシア・ラモス(1978-):パラレル(2020)
パーチョ・フローレス(1981-):エテロニモス(2020)
サンティアゴ・バエス(1982-):セレンディピア(2020)
ドミートリー・セルヴォ(1968-):セリエ・ブラジル 2010 No. 10 「ブラジルの四季」 Op. 61- 第4曲 北東の夏(舞曲)(2018-19)(トランペットとピアノ版 2020)
ミーシャ・ムロフ=アバド(1990-):しらふの歌(2021)
ファビオ・ブルム
B♭管コルネット…1、12
F管コルネット…2-7/C管コルネット…8
B♭管フリューゲルホルン
B♭管ピッコロ・トランペット
B♭管トランペット
C管トランペット
B♭管コルノ・ダ・カッチャ
F管ホルン
サンティアゴ・バエス(P)

録音:2021年4月18-21日
世界初録音
このアルバムは名手ファビオ・ブルムに捧げられた作品を収録した1枚。ブルムは様々なトランペットと、近い種類の楽器を駆使し(時にはホルンまで)エキサ イティングな演奏を繰り広げます。 ここに並んだ作曲家たちは、ほとんどが南米在住。それぞれの作品は個性豊かで、ジャズや民謡の要素、ロマン派や新古典主義の作風を採り入れたものか ら、時にはミニマリズムの様式を感じさせるものまで多種多様な曲想を聴かせます。どの曲もブルムの高い技術と音楽性が発揮できるように書かれており、彼 の目の覚めるようなテクニックと伸びやかな音色を堪能できます。楽器ごとの響きの違いも面白く、全ての管楽器好きの方にオススメしたい1枚です。 【ファビオ・ブルム】 ブラジルのリオデジャネイロ出身。5か国で生活した経験を持ち、30か国以上でソリスト、オーケストラ・メンバー、教師として活動しています。新作の紹介に 熱心で南米居住の作曲家たちに作品を委嘱、デビュー・アルバム「EGREGORE +」(8.574204)でもプロジェクトのために開発されたコルネットを中心に 多彩な楽器を操り、楽器の可能性を追求しています。
NAX-8.574233(1CD)
ムツィオ・クレメンティ(1725-1832):ピアノ作品集
トッカータ 変ロ長調(第2番) Op. 11(1784年出版)
狩り ニ長調 Op. 16(1756年出版)
カプリッチョ 変ロ長調 Op. 17 (原典版)(1787年出版)
カプリッチョ イ長調 Op. 34, No. 3(1795年頃出版)
カプリッチョ ヘ長調 Op. 34, No. 4(1795年頃出版)
カプリッチョ ホ短調 Op. 47, No. 1(1821年出版)
カプリッチョ ハ長調 Op. 47, No. 2(1821年出版)
ロドルフォ・レオーネ(P)

録音:2019年10月4-5日
世界初録音
現代では初心者が手掛ける易しいソナチネやピアノ練習曲『グラドゥス・アド・パルナッスム』の作曲家として知られるムツィオ・クレメンティ。 実は100曲ほどのピアノ・ソナタをはじめ、4つの交響曲など数多くの作品を残しています。とりわけピアノ・ソナタは作曲当時、ベートーヴェンが「モーツァルト作 品よりもピアニスティックで素晴らしい」と褒めたほど。このアルバムに収録された曲はいずれも世界初録音であり、クレメンティの創意と探求心が発揮されたも のばかりで、冒頭のトッカータから超絶技巧が惜しみなく用いられています。またカプリッチョはクレメンティの創作時期のほぼ25年にわたって作曲され、特に 1821年に出版された2作品はベートーヴェンを思わせる見事なもので、彼の作風の深化を辿ることができます。 ピアノのロドルフォ・レオーネはイタリア出身のピアニスト。2017年に開催された第15回「ウィーン国際ベートーヴェンピアノコンクール」で優勝を飾り、「真の音 の哲学者」と評される若き俊英です。
NAX-8.555194(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第4集
エリック・コーツ:作品集

静かな潟(1930)/組曲『春』(1937)
サクソ - ラプソディ(1936)*
フットライツ(1939)/組曲『四方』(1927)
第8軍行進(1942)/レイジー・ナイト(1932)
最後の愛(1939)/ハイ・フライト(1956)
ケネス・エッジ(Sax)
スロヴァキアRSO
アンドルー・ペニー(指)

録音:1993年4月23-30日
スロヴァキア放送コンサート・ホール、ブラティスラヴァ(スロヴァキア)
※MARCOPOLO 8.223521のレーベル移行盤
洗練された美しいメロディを創り上げる達人エリック・コーツ。20世紀前半の英国ライト・ミュージックの分野で指揮者、編曲家として大活躍しました。ヴィオラ 奏者としてトーマス・ビーチャムとヘンリー・ウッドの下で演奏した経験を生かし、オーケストラから芳醇な響きを紡ぎ出すとともに、ジャズの要素も採り入れた彼 の作品は誰からも愛される耳当たりのよいものです。このアルバムには彼の代表作「By the Sleepy Lagoon 静かな潟」や、郷愁を感じさせる組曲 『春』、エキゾチックな雰囲気を湛えた組曲『四方』など美しくも多彩な作品が収録されています。 また「サクソ - ラプソディ」の冒頭の甘い旋律と主部の伸びやかで弾むような旋律も印象的。コーツ作品の魅力を存分に味わえる1枚です。

   NAXOS 2022年1月発売
※NAXOS レーベルの商品は、2022年1月の出荷分から、国内盤と映像作品を除き新譜・旧譜共に価格が改定される旨、日本の代理店より通達がありまた。それに伴い当サイトの販売価格も改正させていただきます。何卒ご了承くださいませ。
NAX-8.505257
(5CD)
NX-D03
フェルディナント・リース(1784-1838):ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲第8番変イ長調 「ラインへの挨拶」Op. 151
ピアノ協奏曲第6番ハ長調 Op. 123
スウェーデン国民歌による変奏曲 Op. 52
序奏とポロネーズ Op. 174
ピアノ協奏曲第3番嬰ハ短調 Op. 55
ピアノ協奏曲第7番イ長調 「イングランドでのお別れコンサート」 Op. 132
「ルール・ブリタニア」による大変奏曲 Op. 116
序奏と華麗なる変奏曲 Op. 170
ピアノ協奏曲第5番ニ長調 「田園風」 Op. 120
ピアノ協奏曲第4番ハ短調 Op. 115
序奏と華麗なロンド WoO 54
ピアノ協奏曲第2番変ホ長調 Op. 42
序奏と華麗なロンド Op. 144
ピアノ協奏曲第9番ト短調 Op. 177
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
ウーヴェ・グロット(指)
ニュージーランドSO
イェブレSO
ロイヤル・リヴァプールPO
ボーンマスSO

録音:2005年2月1-3日 マイケル・ファウラー・センター、ウェリントン(ニュージーランド)
2006年1月10-13日 イェブレ・コンサート・ホール(スウェーデン)
2007年1月9-10日 フィルハーモニック・ホール、リヴァプール(UK)
2008年6月2-3日 ライトハウス、プールズ・センター・フォー・ジ・アート、プール(UK)
2011年9月12-14日 マイケル・ファウラー・センター、ウェリントン(ニュージーランド)
ご存知だろうか? ベートーヴェンの『ピアノ協奏曲第5番「皇帝」』と、ショパンの『ピアノ 協奏曲第2番』『第1番』との間に約20年の空白があること を。その狭間の時代を生き、全8作のピアノ協奏曲を世に送りだした音楽家──彼の名はフェルディナント・リース(1784- 1838)。ベートーヴェン から薫陶を受けた弟子である彼が目指したのは、「芸術性と名人芸」 を融合したハイブリッド型協奏曲だった! ナポレオン戦争下の危険な演奏旅 行、大都会ロン ドンでの奮闘と挫折、故郷ラインラントへの愛。波乱万丈の音楽人生を彩る8つの綺羅星を、 ロスト・ジェネレーションの遺物として 捨て置くのはあまりにもったいない。リースを自身の 「ソウルメイト」と語るピアニスト、クリストファー・ヒンターフーバーが愛情をこめて奏でる、世界初にし て唯一のピアノ協奏曲全集。 (ライター/かげはら史帆)
フェルディナント・リースは、1784年にドイツ・ボンで生まれ、作曲家のみならずピアニスト、指揮者としても幅広く活躍した人物です。ベートーヴェンにピ アノを師事し、晩年には師に関するエピソードを綴った「覚書」を執筆するなど、ベートーヴェンの伝記の中にはよく登場しますが、彼自身の作品につい ては長らく忘れられていました。しかし存命時には「作曲家&ピアニスト」として驚くほどの人気を獲得、その生涯の終り近くまでヨーロッパ全土で名手と しての知名度を欲しいままにしていたリースのこと、その作品も見事なものばかり。フンメルやモシェレスを思わせるヴィルトゥオーゾ風パッセージが盛り込 まれた美しい旋律、ベートーヴェン風の力強さを持つオーケストラ・パート、ショパンを予見させるようなロマンティックな味わいを持つ緩徐楽章などどれも 創意工夫に溢れています。 クリストファー・ヒンターフーバーとウーヴェ・グロットによって足掛け6年を掛けて完成されたこの協奏曲全集には、ピアノ協奏曲全8曲をはじめ、リース自 身のテクニックを誇示するために作曲されたであろう「ロンド」や「変奏曲」などの演奏会用の曲など、リースがピアノとオーケストラのために書いた全ての 作品を収録! (リースの協奏曲は、ヴァイオリンとピアノを合わせて附番されているため、第1番はヴァイオリン協奏曲となりこのBOXには収録されておりません)
NAX-8.574181
(1CD)
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012): 夜想曲とアリア
夜想曲とアリア(1957)
ロス・カプリチョス(1963)
イギリスの愛の歌(1984-85)
ユリアーネ・バンゼ(S)
ナレク・アフナジャリャン(Vc)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2020年2月22-23日、2020年10月16日、2020年10月22日
ドイツの作曲家ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ。12歳から作曲をはじめ、1947年に発表した「交響曲第1番」が高く評価されたことで、シュトックハウゼンと並ぶ 才能ある若手作曲家の一人とみなされました。しかし十ニ音技法の使用に違和感を覚え、少しずつ脱却を試み、無調でありながらも古典的なメロディやリ ズムを用いた作品を書き始めます。このアルバムではウィーンRSOとオルソップがこの時代のヘンツェ作品を緻密な演奏で聴かせます。アルバムに収 録された「夜想曲とアリア」はヘンツェがドイツを離れ、イタリアに住み始めた頃に書かれた作品で、ダルムシュタットでの前衛的な作風を手放し、後期ロマン派 風の和声と旋律を用いて作られています。独唱を担当するユリアーネ・バンゼは現代作品も得意とするソプラノ。深い響きを持つ声質が作品を引き立ててい ます。フランシス・デ・ゴヤの同名作品からインスパイアされた1963年の「ロス・カプリチョス」は"オーケストラの為の幻想曲"と呼ばれており、9つの小品にはそ れぞれタイトルが付されています。どの曲もパーカッションが活躍し、印象的な旋律で満たされています。 「イギリスの愛の歌」は当初、7曲で構成されていましたが、後にヘンツェが第5曲を削除、現在の形になりました。歌と言っても主役は独奏チェロ。ここで演奏 しているナレク・アフナジャリャンは2011年の第14回国際チャイコフスキー・コンクールの優勝者。変幻自在な演奏を聴かせます。
NAX-8.579108
(1CD)
チュルリョーニス:ハープの弦にのせて
前奏曲 嬰ヘ長調 「アンジェルス・ドミニ」 VL 184(1901)
夜想曲第2番嬰ハ短調 VL 183(1901)
前奏曲 ヘ長調 - イ短調 VL 188(1901)
献呈 変ロ長調 VL 169(1899)
エレジー ニ短調 VL 191(1901)
マズルカ ロ短調 VL 234(1902)
私はヘンルーダの種を蒔いた VL 179(1900)
夜想曲第1番嬰ヘ短調 VL 178(1900)
パストラル 変ニ長調 VL 187(1901)
ユモレスク ト短調 VL 162(1899)
前奏曲 変ニ長調 VL 253(1904)
即興曲 嬰ヘ短調 VL 181(1900)
子守歌 ト長調 VL 242(1903)
前奏曲 ニ長調 VL 305(1906)
楽興の時 イ長調 VL 246(1903)
前奏曲 ロ長調 VL 186(1901)
※全てJ. ダウニーテによるハープ編
ヨアナ・ダウニーテ(Hp)

録音:2018年2月8日、2018年6月26日
世界初録音
19世紀から20世紀にかけてリトアニアで活躍したチュルリョーニス。生前から作曲家としてよりも画家として知られており、ストラヴィンスキーも彼の絵を所持し ていたことがあるほどでした。作曲家としてはシューマンやショパンなど、ロマン派の伝統を継承した、自身の絵画を彷彿させる幻想的な作品を多く遺し、また 晩年には調性を持たない作品までもいくつか手掛けています。このアルバムには、彼のピアノ曲をヨアナ・ダウニーテがハープ独奏用に編曲した作品を収録。 民謡を思わせる素朴な旋律が、ハープの響きをまとうことで一層ロマンティックな風情を帯びています。チュルリョーニス作品の新たな魅力を伝える1枚。 【ヨアナ・ダウニーテ】 リトアニア出身のハープ奏者。ジュネーヴ音楽アカデミーとアムステルダム音楽院で学び、多くの国際コンクールで入賞を果たしソリストとして活躍するとともに、 ハープの可能性を模索、ヒナステラのハープ協奏曲の演奏などが高く評価されました。現在はハープ音楽とリトアニア音楽の普及に尽力しています。
NAX-8.579118
(1CD)
9種類のトランペットとピアノ- ファビオ・ブルムのために書かれたトランペット音楽
1. ダニエル・フライバーグ(1957-):カリオカ前奏曲(2021)
2. ジウソン・サントス(1977-):カンズア(2020)
ダグラス・ブラガ(1986-):コル(2021)
3. I. Allegro
4. II. Canto
5. III. Intermezzo
6. IV. Finale
7. フアン・カルロス・バレンシア・ラモス(1978-):パラレル(2020)
8. パーチョ・フローレス(1981-):エテロニモス(2020)
サンティアゴ・バエス(1982-):セレンディピア(2020)
9. I. -
10. II. -
11.ドミートリー・セルヴォ(1968-):セリエ・ブラジル 2010- 10
 「ブラジルの四季」 Op. 61- 第4曲 北東の夏(舞曲)(2018-19)(トランペットとピアノ版 2020)
12. ミーシャ・ムロフ=アバド(1990-):しらふの歌(2021)
サンティアゴ・バエス(P)

ファビオ・ブルム
B♭管コルネット…1、12/F管コルネット…2-7/C管コルネット…8
B♭管フリューゲルホルン…4、5、9/B♭管ピッコロ・トランペット…9
B♭管トランペット…7、9/C管トランペット…8/B♭管コルノ・ダ・カッチャ…10/F管ホルン…10


録音:2021年4月18-21日
世界初録音
このアルバムは名手ファビオ・ブルムに捧げられた作品を収録した1枚。ブルムは様々なトランペットと、近い種類の楽器を駆使し(時にはホルンまで)エキサ イティングな演奏を繰り広げます。 ここに並んだ作曲家たちは、ほとんどが南米在住。それぞれの作品は個性豊かで、ジャズや民謡の要素、ロマン派や新古典主義の作風を採り入れたものか ら、時にはミニマリズムの様式を感じさせるものまで多種多様な曲想を聴かせます。どの曲もブルムの高い技術と音楽性が発揮できるように書かれており、彼 の目の覚めるようなテクニックと伸びやかな音色を堪能できます。楽器ごとの響きの違いも面白く、全ての管楽器好きの方にオススメしたい1枚です。 【ファビオ・ブルム】 ブラジルのリオデジャネイロ出身。5か国で生活した経験を持ち、30か国以上でソリスト、オーケストラ・メンバー、教師として活動しています。新作の紹介に 熱心で南米居住の作曲家たちに作品を委嘱、デビュー・アルバム「EGREGORE +」(8.574204)でもプロジェクトのために開発されたコルネットを中心に 多彩な楽器を操り、楽器の可能性を追求しています。
NAX-8.574233
(1CD)
ムツィオ・クレメンティ(1725-1832):ピアノ作品集
トッカータ 変ロ長調(第2番) Op. 11(1784年出版)
狩り ニ長調 Op. 16(1756年出版)
カプリッチョ 変ロ長調 Op. 17(原典版)(1787年出版)
カプリッチョ イ長調 Op. 34,- 3(1795年頃出版)
カプリッチョ ヘ長調 Op. 34,- 4(1795年頃出版)
カプリッチョ ホ短調 Op. 47,- 1(1821年出版)
カプリッチョ ハ長調 Op. 47,- 2(1821年出版)
ロドルフォ・レオーネ(P)

録音:2019年10月4-5日
世界初録音
現代では初心者が手掛ける易しいソナチネやピアノ練習曲『グラドゥス・アド・パルナッスム』の作曲家として知られるムツィオ・クレメンティ。 実は100曲ほどのピアノ・ソナタをはじめ、4つの交響曲など数多くの作品を残しています。とりわけピアノ・ソナタは作曲当時、ベートーヴェンが「モーツァルト作 品よりもピアニスティックで素晴らしい」と褒めたほど。このアルバムに収録された曲はいずれも世界初録音であり、クレメンティの創意と探求心が発揮されたも のばかりで、冒頭のトッカータから超絶技巧が惜しみなく用いられています。またカプリッチョはクレメンティの創作時期のほぼ25年にわたって作曲され、特に 1821年に出版された2作品はベートーヴェンを思わせる見事なもので、彼の作風の深化を辿ることができます。 ピアノのロドルフォ・レオーネはイタリア出身のピアニスト。2017年に開催された第15回「ウィーン国際ベートーヴェンピアノコンクール」で優勝を飾り、「真の音 の哲学者」と評される若き俊英です。
NAX-8.555194
(1CD)
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第4集
エリック・コーツ:静かな潟(1930)
組曲『春』(1937)/サクソ - ラプソディ(1936)*
フットライツ(1939)/組曲『四方』(1927)
第8軍行進(1942)/レイジー・ナイト(1932)
最後の愛(1939)/ハイ・フライト(1956)
ケネス・エッジ(Sax)*
スロヴァキアRSO
アンドルー・ペニー(指)

録音:1993年4月23-30日
スロヴァキア放送コンサート・ホール、ブラティスラヴァ(スロヴァキア)
※MARCOPOLO 8.223521のレーベル移行盤
洗練された美しいメロディを創り上げる達人エリック・コーツ。20世紀前半の英国ライト・ミュージックの分野で指揮者、編曲家として大活躍しました。ヴィオラ 奏者としてトーマス・ビーチャムとヘンリー・ウッドの下で演奏した経験を生かし、オーケストラから芳醇な響きを紡ぎ出すとともに、ジャズの要素も採り入れた彼 の作品は誰からも愛される耳当たりのよいものです。このアルバムには彼の代表作「By the Sleepy Lagoon 静かな潟」や、郷愁を感じさせる組曲 『春』、エキゾチックな雰囲気を湛えた組曲『四方』など美しくも多彩な作品が収録されています。 また「サクソ - ラプソディ」の冒頭の甘い旋律と主部の伸びやかで弾むような旋律も印象的。コーツ作品の魅力を存分に味わえる1枚です。
NAX-8.574056
(1CD)
パーカッション・デュオの為の編曲集
ショパン:練習曲Op. 10 - 第11番変ホ長調
 練習曲Op. 25 - 第4番イ短調
 練習曲 Op. 10 - 第2番イ短調
 練習曲Op. 25 - 第1番 「エオリアン・ハープ」
ラフマニノフ:10の前奏曲 Op. 23 - 第5番ト短調 アラ・マルッチャ
バッハ:ゴルトベルク変奏曲〜アリア
 第1変奏/第7変奏/第5変奏
 第10変奏 フゲッタ/第28変奏/第17変奏
 第21変奏 7度のカノン/第14変奏
 第16変奏 序曲/第20変奏/第23変奏
 第18変奏 6度のカノン/第26変奏/第29変奏
ピアソラ:タンゴの歴史より
 第1曲 売春宿 1900*
 第3曲 ナイトクラブ 1960
ハイドン:20の変奏曲 イ長調 Hob.XVII:2
三木稔:マリンバ・スピリチュアル(2台のマリンバと打楽器編) #
※全てダブルビーツによる編曲
ダブルビーツ【ニー・ファン(マリンバ/パーカッション*)、&ルーカス・ベーム(マリンバ/パーカッション*、#)】

録音:2017年1月2-5日、29-31日
世界初録音
ベルリンのデュオ・アンサンブル「ダブルビーツ」。マリンバを中心に、時には他のパーカッションを自在に駆使し、独自のアレンジで多彩な曲にチャレンジ。各々の 作品から原曲を超えた魅力的な表情を引き出しています。ピアノでなくては表現できないと思われるショパンの技巧的な練習曲が纏った柔らかい響きや、ハ イドンの可愛らしい変奏曲での変幻自在な表現はもちろんのこと、圧巻はバッハのゴルトベルク変奏曲での見事なテクニック。おなじみピアソラの「タンゴの歴 史」も、もともとこの編成のために書かれたかのような自然な仕上がり。アルバムの最後は、パーカッションの幻想的な響きを採り入れた三木稔のマリンバ・スピ リチュアルで幕を閉じるという考え抜かれたプログラムです。 【ダブルビーツ】 ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学に在学中の2人の演奏家ニー・ファンとルーカス・ベームによって2012年に結成されたパーカッション・デュオ。オランダの 作曲家ヤコブ・テル・ヴェルデュイの「ゴールドラッシュ協奏曲」でベルリン・デビューを飾るとともに、同年、中国で開催された"メルセデス・ベンツ国際音楽祭"で Young Artists of the Yearに選出されました。2018年には第19回大阪国際音楽コンクールのデュオ部門で第1位を獲得するなど、目覚ましい活躍が 見られます。レパートリーは幅広く、バッハからピアソラなど、伝統的な楽器から現代楽器までを駆使し、多くの作品を弾きこなします。
NAX-8.579111
(1CD)
後期ロマン派のフルート作品集
エゴン・コウナルト(1891-1959):ブルレスケ Op. 11(1914)(フルートとピアノ編)…世界初録音
ヴァリー・ヴァイグル(1894-1982):生命の鳥(1979)
フランツ・ミットラー(1873-1970):セレナード=カプリース(1930頃)(フルートとピアノ版 1961)…世界初録音
フェリックス・ペティレク(1892-1951):3つの舞曲 - フルート・デュオのために(1924)…世界初録音
ティボール・ハルシャーニ(1898-1954):フルートとピアノの為の3つの小品(1924)
シャーンドル・イェムニッツ(1890-1963):無伴奏フルートの為のソナタ Op. 43(1938)
マルセル・ミハロヴィチ(1898-1985):メロディ - フルートとピアノのために(1958)…世界初録音
マルティヌー:スケルツォ H. 174a - フルートとピアノのために(1929)
カレル・ボレスラフ・イラーク(1891-1972):フルート・ソナタ Op. 32(1930)…世界初録音
ビルギット・ラムスル(Fl)
カール=ハインツ・シュッツ(Fl)
ゴットリープ・ヴァリッシュ(P)

録音:2019年6月26日、2019年6月27日、2019年9月9日、2019年11月5日、2020年10月27日
19世紀終わり近くに誕生した作曲家たちのフルート作品集。彼らはみな現代音楽の流れに強力な影響を与えるほどの才能の持ち主でしたが、フルートの ための作品はほとんど知られておらず。このアルバムに収録された作品もいくつかをのぞき、世界初録音です。 コウナルト、ヴァイグル、ミットラー、ペティレクの音楽はウィーンの文化的環境に育まれたものであり、ハルシャーニ、マルティヌーらの作品はパリの空気を思わせ ます。またイラークのフルート・ソナタはコンサート用のレパートリーに定着しそうな、耳なじみのよいメロディが聴き映えする作品です。フルートを演奏するビル ギット・ラムスルは2004年からウィーン・フォルクスオーパーの首席奏者を務めるとともにさまざまなアンサンブルで活躍、その技巧と音楽性が高く評価されてお り、このアルバムでも実に見事な演奏を披露しています。ペティレクの作品では、名手カール=ハインツ・シュッツが参加し、親密なデュオを聴かせます。
NAX-8.574341
(1CD)
ジャン=マリー・ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集 第3巻 第1集
Op. 5- 1-4(1734出版)

ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op. 5- 1
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op. 5- 2
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op. 5- 3
ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 Op. 5- 4
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)
サラ・マクマホン(バロック・チェロ)
サイラス・ウォルストン(Cemb)

録音:2020年12月9-10日
生誕325周年、フランス18世紀前半を代表するヴァイオリン音楽の大家ルクレールの代表作であるヴァイオリン・ソナタ集 第3巻全12曲の録音がスタート。 その第1集となる当アルバムには第1番から第4番が収録されています。ルクレールが活躍した18世紀当時は、コレッリやヴィヴァルディなどのイタリアのヴァイオ リン音楽が大流行しており、彼はこの華麗な様式をフランス伝統の舞曲形式に融合させることでその作風を発展させていきました。初期はロココ調の端正な 作品が目立ちますが、この第3巻では変奏曲形式なども用いられた美しく歌う旋律に満たされたものも多く、その音楽語法はかなり多彩な変化を遂げてい ます。味わい深い4つのソナタを名手バターフィールドが巧みな技術で、自由な装飾を施しながら弾きこなしています。
NAX-8.559880
(1CD)
フィリップ・スーザ(1854-1932):吹奏楽の為の作品集 第22集
幻想曲「職人の集会」(1924)
幻想曲「ハイブロウとローブロウ」(リズムの練習)(1920)
愛国的アンセム「国家の救世主」(1902)(合唱と吹奏楽編 1924)#
幻想曲「オン・ウィズ・ザ・ダンス」(1923)
幻想曲「ミュージック・オブ・ザ・ミニット」(1922)*
ゴードン・カーター(アルト・サクソフォン)*
プリマス・イギリス海兵隊バンドcho#
プリマス・イギリス海兵隊バンド
キース・ブライオン(指)

録音:2019年5月20-23日
大好評「マーチ王」フィリップ・スーザの吹奏楽の為の作品集。シリーズ第22集となるこのアルバムでは、スーザが作 曲した25曲ほどの幻想曲から5作品を紹介します。ほとんどの曲には既存のポピュラー音楽や良く知られた歌劇な どの旋律や雰囲気が効果的に引用されており、どれも多くの人々の耳を引き付けることでしょう。 1曲目の「職人の集会」ではヴェルディの歌劇「イル・トロヴァトーレ」の「鍛冶屋の合唱」が高らかに響き、2曲目の 「ハイブローとローブロー」では見事なワルツに変貌したヘンデルの「ラルゴ」やリストの「ハンガリー狂詩曲第2番」など の旋律が聴こえてきます。国のために戦った兵士たちへの感謝の言葉が朗々と合唱で歌われる「国家の救世主」が 続き、マイアーベーアの旋律をたっぷり使った「オン・ウィズ・ザ・ダンス」、最後の「ミュージック・オブ・ザ・ミニット」はジェ ローム・カーンのワルツとスーザ自身のタンゴ、他さまざまな曲が用いられています。曲の終わりに奏されるノリのよいサ クソフォンの音色も印象的。
NAX-8.574342
(2CD)
アダン:バレエ音楽『ゲントの美しき娘』(1842) クイーンズランドSO
アンドリュー・モグレリア(指)

録音:1996年2月26日、3月1日
Ferry Road Studio、 ブリスベン(オーストラリア)
※MARCO POLO 8.223772-73のレーベル移行盤
1841年、フランスで初演された『ジゼル』で大成功を収めたアダン。その翌年に彼が手掛けた『ゲントの美しき娘』は 前作のような妖精や非現実の世界を題材にするのではなく、ゲントに住む娘ベアトリスとその許婚ベネディクトを巡る きわめて現実的な物語でした。『美しきペルトの娘』のサン=ジョルジュの台本によるこのバレエ、結婚が決まっている にもかかわらず侯爵になびいてしまうベアトリス、彼女を連れ戻そうとする父、そして他の踊り子に目が行き、ベアトリ スを借金のかたにする侯爵、そんな登場人物たちが凄惨な事件を巻き起こし…というあらすじ。結末はどうにかハッ ピーエンドになるものの、見ていた人々は気をもんだことでしょう。アダンの音楽は、輝くような旋律美に溢れていま す。
NAX-8.551460
(2CD)
マルティン・プリューデマン(1854-1897):バラードと歌、伝説
【CD1】
バラードと歌 第1巻より
1.- 5. Graf Eberhards Weissdorn
2.- 6. Einkehr
3. リートと歌 -- 2. 古いドイツの恋の歌
4. バラードと歌 第2巻 -NO 2. Vineta ヴィネタ
5. バラードと歌 第8巻 -- 3. Niels Finn ニールス・フィン
バラードと歌 第2巻より
6.- 1. 4 Lieder:Liebeslied von Hafis
7.- 1. 4 Lieder:Meine Lebenszeit verstreicht
8.- 1. 4 Lieder:Nicht mit trister Miene
9.- 1. 4 Lieder:Ihr verbluhet, suse Rosen
10. バラードと歌 第5巻
-- 3. Die Legende vom Hufeisen 蹄鉄の伝説
バラードと歌 第2巻より
11.- 6. Die Taufe
12.- 7. Dr. Martin Luther
13. バラードと歌 第8巻
-- 5. Sankt Peter mit der Geiss 聖ペテロとヤギ
バラードと歌 第4巻より
14.- 2. Frau Mette:
Herr Peter und Bender sasen beim Wein
15.- 2. Frau Mette:
Und als die Mitternacht
16.- 2. Frau Mette:
Und als sie morgens nach Hause kam
17.- 2. Frau Mette:
Die Kirchenthur ist schwarz verhangt
18. バラードと歌 第5巻
-NO 5. Der Glockenguss zu Breslau ブレスラウの鐘の鋳造
【CD2】
バラードと歌 第8巻より
1.- 4. Die Katzen und der Hausherr
2.- 6. Drei Wanderer 3人のさすらい人
バラードと歌 第3巻より
3.- 6. Loewe's Herz
4.- 4. Ritter Kurt's Brautfahrt
5. バラードと歌 第1巻
-- 4. Siegfried's Schwert ジークフリートの剣
6. バラードと歌 第7巻
-- 1. Der Sarg auf der Maasinsel
7. 3つのバラード -- 2. Jung Dieterich 若きディートリヒ
8. バラードと歌 第6巻 -- 1. Die Meermaid 人魚姫
9. バラードと歌 第1巻
-- 3. Venetianisches Gondellied
ヴェネツィアのゴンドラこぎの歌
10. バラードと歌 第4巻 -- 3. Don Massias
11. リートと歌 -- 4. Russisches Lied ロシアの歌
12. Des Lebens Winter 人生の冬
13. バラードと歌 第3巻
-- 5. Arthur Schopenhauer アルトゥル・ショーペンハウアー
14. リートと歌 -- 8 Gute Nacht おやすみ
15. バラードと歌 第1巻
-- 7. Des Sangers Fluch 歌人の呪い
ウルフ・ベストライン(Br)
ヘダイェット・ジェディカー(P)
録音:2020年10月3、10日、2021年3月20、21日
ドイツ後期ロマン派の作曲家マルティン・プリューデマン。カレーヴェの劇的な内容を持つ一連の バラードに心酔した彼は、その影響を受けた「バラードと歌集」を作曲し、ドイツ・リートよりも更に物語 性を抱いた"バラード"の復活と近代化に尽力しました。当時ドイツ領であったポーランドのコウォブジェ ク(コルベルグ)で生まれたブリューデマンは、ライプツィヒ音楽院で学んだ後、音楽教師として後進の指 導にあたり、1890年からはグラーツのシュタイアーマルク合唱協会で指揮者を務め合唱作品の普及 に尽力。教師、指揮者としての活動の傍ら、43歳で亡くなるまで作曲を続け多くの声楽作品を書き 上げています。 この2枚組アルバムには、ワーグナーに倣ったライトモティーフの使用や、ピアノ伴奏でのオーケストラを 思わせる重厚な響きが感じられるプリューデマンの多彩なバラードと歌曲を収録。シューベルトや シューマンの歌曲でニュアンス豊かな表現を聴かせたベストラインの歌唱でたっぷりお楽しみください。
NAX-8.574142
(1CD)
ハンス・ゾマー(1837-1922):歌曲集 第2集
ヴェルシュラントからのヴェルナーの歌 「ゼッキンゲンのラッパ吹きからの14の歌」 Op. 12より(1887-89)
  第2曲 夏の夜/第4曲 海辺にて
  第12曲 冬の夜/ 第14曲 目覚め
7つの歌 Op. 18より(1886-91)
  第2曲 泣かないで
  第3曲 ぼくの考えの、心の、感覚のすべては
9つの歌 Op. 9より(1885)
  第1曲 使者*/ 第2曲 祝福された忘却*
  第4曲 兵士/ 第5曲 夜
  第8曲 晩祷/ 第9曲 古城にて
  第10曲 ヴィーナス夫人*
南国から Op. 10より(1885-86)
  第1曲 カンツォネッタ
  第2曲 ヴェネツィアのゴンドラの歌
  第6曲 森が伐採される時
  Der arme Taugenichts Op. 27(1885-86)
7つの歌 Op. 16より(1891)
  第3曲 炭焼き女が酔っ払って
6つの歌 Op. 17より(1885-91)
  第2曲 私には感じられる、人生が走り去って行くように
  第3曲 トリオレット
  第5曲 ああ恋人よ、僕は今別れを告げる
  第6曲 夕べの歌
3つの歌 Op. 14より(1889-90)
  第2曲 静かに*/ 第3曲 日没
ヨッヘン・クプファー(Bs-Br)
マルセロ・アマラル(P)

録音:2019年2月5-9日
*以外=世界初録音
ドイツ・リートの歴史にひっそりと名を残すハンス・ゾマー。幼いころから音楽を愛好し、劇音楽や美しい歌曲を数多く 遺しましたが、実際の職業はブラウンシュヴァイク工科大学の数学科教授。「屈折学」の専門家であり、高名な研 究者でした。しかしライプツィヒではシューマン、ブラームス、ヨアヒムらを含むサークルに属し、40代から本業の合間に 精力的に作品を発表、R・シュトラウスからも絶賛されるなど優れた能力を発揮しました。作品がほとんど出 版されることがなかったため、その大半が忘れられてしまいましたが、20世紀の終わり頃から再び演奏されるようにな り、雄弁なピアノ・パートと詩に沿った美しい旋律が人々の心を捉えています。このアルバムに収録されているのもほ とんどが世界初録音。第1集と同じくヨッヘン・クプファーが伸びやかな声で歌いあげました。 締切日は12月21日(火)です。

   NAXOS 2021年12月発売
NAXOS-8.574098
(1CD)
ゴットリープ・ムファット(1690-1770):チェンバロの為の組曲集 第3集
チェンバロ組曲 イ長調 MC B36
チェンバロ組曲 ト短調 MC B6
チェンバロ組曲 ニ長調 MC B7
チェンバロ組曲 イ短調 MC B37
チェンバロ組曲 ニ短調 MC B12
芥川直子(Cemb)
※Henk van Schevikhovenによるルッカース/エムシュの復元楽器

録音:2021年2月25-27日
世界初録音
チェンバロ奏者、芥川直子によるゴットリープ・ムッファト作品集第3集。第1集(8.572610)、第2集(8.573275)と同じ楽器(Henk van Schevikhovenによるルッカース/エムシュ)を用いた3年ぶりの録音で、これがシリーズ最後のアルバムとなります。作曲者のゴットリープ・ムッファトはザ ルツブルクとパッサウの宮廷で活躍したゲオルク・ムッファトの末息子で、18世紀ウィーンで活躍した重要な作曲家です。彼の作品は、イタリア・バロック とフランス舞曲の様式を融合した洗練されたスタイルで書かれており、これらは同時期に活躍したヘンデルにも影響を与えていると考えられています。 存命中に出版された作品はわずかですが、名手グレン・ウィルソンの協力によりヨーロッパ各地に散らばった譜面を探し出すことで、3集からなるアルバ ムが完成しました。 【芥川直子】広島生まれ。3歳でピアノを始め16歳でチェンバロに転向。桐朋学園音楽学校で学んだ後、ドイツのヴュルツブルク音楽大学でグレン・ ウィルソンに学ぶ。NAXOSにはこれまでにグラウプナー、ストラーチェ、ル・ルーのソロ作品とフランツ・ベンダのヴァイオリン・ソナタの録音がありどれも高く 評価されています。
NAXOS-8.551452(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op. 19(ヴィンツェンツ・ラハナーによるピアノと弦楽五重奏編)
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」 Op. 73(ヴィンツェンツ・ラハナーによるピアノと弦楽五重奏編)
ハンナ・シバイエヴァ(P)
アニマートSQ
バス・フリーヘンタルト(Cb)

録音:2021年7月12-14日
第1番(8.551431)、第3番/第4番(8.551400)に続くハンナ・シバイエヴァのベートーヴェン:ピアノ協 奏曲。今回もヴィンツェンツ・ラハナーが編曲したピアノと弦楽五重奏版を演奏し、小編成の楽器による透 明感がありながらも凝縮した音楽を奏でています。ヴィンツェンツ・ラハナーは、モーツァルトのピアノ協奏曲 のオーケストラ・パートを室内楽版に編曲したイグナーツ・ラハナーの4歳下の弟。音楽一家に生まれ作曲 家・指揮者として活躍。ブラームスと親交があり、後進の指導にも積極的にあたりました。この編曲版は彼 の弟子たちの練習用に作成されたと考えられています。 ピアノを演奏しているシバイエヴァはミンスクの音楽一家の生まれ。6歳からピアノを始めて神童と評され、 11歳から国際的なキャリアをスタートさせたピアニストです。2008年からは「新ヨーロピアン・アンサンブル」 のメンバーとして活躍し、主として管弦楽作品を室内楽に編曲し演奏するというプロジェクトに力を注いで います。
NAXOS-8.574335(1CD)
ダニエル=フランソワ・オーベール: 序曲集 第5集
オーベール:歌劇「ザネッタ」 S. 33(1840)〜 序曲/第2幕 間奏曲/第3幕 間奏曲
フィリップ・ミュザール(1792-1859):D.F.E. オーベールの歌劇「ザネッタ」によるカドリーユ第2番
オーベール:歌劇「ツェルリーネ」 S. 42(1851)…世界初録音
序曲/第2幕 間奏曲/第3幕 序奏/第3幕 エール・ド・バレ/第1番 La Styrienne スティリエンヌ/ 第2番Pas chinois パ・シノワズ/ 第3番Les Muses et les Graces ミューズとグレース/ 第4番Quadrilles des fous 愚か者のカドリーユ/ 第5番La Sentimentale et l’Enjouee 感傷と遊び心/ 第6番Le Bal d’enfants 子供用のバレエ/ 第7番Le Carnaval de Palerme パレルモの謝肉祭
ヤナーチェクPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2020年11月30日-12月5日
人気シリーズ、ダニエル=フランソワ・オーベールの序曲集。今回の第5集には世界初録音となる歌劇「ツェルリーネ」からのバレを中心とした作品と、「ザネッ タ」の序曲と2つの間奏曲、そしてオーベールと同世代の作曲家ミュザールによる「ザネッタ」の旋律を用いたカドリーユが収録されています。1842年にケルビー ニの後任として音楽・演劇学校(現・パリ国立高等音楽院)の院長に就任してからのオーベールのキャリアは成功に満ちており、彼の歌劇はパリの優雅さを 持つものとして広く賞賛されました。この「ザネッタ」と「ツェルリーネ」は魅力的な女性が主人公であり、優雅さと抒情性たっぷりの音楽で彩られています。歌劇 の人気をそのまま反映したミュザールのカドリーユも聴きどころ。今作もダリオ・サルヴィのツボを心得た指揮でお楽しみください。
NAXOS-8.574268(1CD)
ブラームス:歌曲全集 第1集
4つの歌曲 Op. 43(1857-1866)
6つの歌曲 Op. 86(1878頃-1879)
5つの歌曲 Op. 105(1886-1888)
9つのリートと歌 Op. 32(1864)
クリストフ・プレガルディエン(T)
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:2020年9月21-24日
ハンス・ロスバウト・スタジオ、SWR、バーデン=バーデン(ドイツ)
NAXOSからブラームスの歌曲全集がスタート。第1集となるこのアルバムでは、名テノール、クリストフ・プレガルディエンを起用し、作曲年代が25年に 及ぶさまざまな歌曲に新たな光を当てています。「永遠の愛について」や「5月の夜」を含むOp.43の4曲はブラームスの歌曲の中で特に良く知られる 曲集。「野の寂しさ」を含むOp.86は円熟期のブラームスらしい渋い美しさを持った曲集。「調べのように私を通り抜ける」で始まるOp.105は彼と同 時代の詩人の詩を用いた歌曲集。独白とも思えるブラームスの晩年の心情が反映された名作揃いです。Op.32は比較的若々しい曲調に満ちた曲 集。ほとんどの曲に恋する人への想いが綴られており、想像以上にロマンティストだったらしいブラームスの一面が窺えます。プレガルディエンは落ち着い た声の響きを存分に生かし、ブラームスの繊細な感情表現が施された歌曲を丁寧に歌い上げています。
NAXOS-8.579098(1CD)
ウクライナのピアノ五重奏曲集
ボリス・ミコライヨヴィチ・リャトシンスキー:ウクライナ五重奏曲 Op. 42(1942/1945改訂)
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):ピアノ五重奏曲(1961)
ヴィクトリア・ヴィータ・ポレーヴァ(1962-):
シームルグ五重奏曲(2000/2020改訂)…世界初録音
ボグダナ・ピヴネンコ(第1ヴァイオリン…1-7/第2ヴァイオリン…8)
タラス・ヤロブード(第1ヴァイオリン…8/第2ヴァイオリン…1-7)
カテリーナ・スプルン(Va)
ユーリー・ポゴレツキー(Vc)
イリーナ・スタロドゥブ(P)

録音:2020年12月11-17日
近現代ウクライナの3人の作曲家によるピアノ五重奏曲集。 リャトシンスキーは1920年代に登場した「新世代ウクライナ作曲家グループ」の一人。初期こそスクリャー ビンの影響を受けた調性感の希薄な作品を書いていましたが、やがて国民楽派の伝統に則った愛国的 な作品にも取り組みます。この五重奏曲も優美な旋律を持つ美しい作品。第2楽章の憂愁に満ちた雰 囲気が強い印象を残します。シルヴェストロフの五重奏曲は、彼が現在のような瞑想的な作風に至る以 前の作品。第3楽章は比較的穏やかであるものの、1960年代の激しいシルヴェストロフを知ることができ る貴重な作品です。世界初録音となるポレーヴァの「シームルグ五重奏曲」は動きの少ないシンプルな弦 の旋律にピアノのパッセージが絡む神秘的な作品。シームルグとはイラン神話に登場する巨大な鳥の名 前です。
NAXOS-8.555216(1CD)
リヴァン:バレエ音楽『ヴィクトリア朝とメリー・イングランド』 RTEシンフォニエッタ
アンドルー・ペニー(指)

録音:1993年9月20,21日
※MARCO POLO 8.223677からの移行盤
サリヴァンのバレエ音楽『ヴィクトリア朝とメリー・イングランド』。ヴィクトリア女王の即位60年を記 念し、カルロ・コッピの振付により1897年にアルハンブラ劇場で初演された作品です。古代から19世紀ま での英国で繰り広げられた歴史的な物語を描くとともに、女王を礼賛した内容に合わせ、愛国心に燃え た登場人物たちが踊るという内容で初演は大成功、6か月ほどのロングランを記録しました。残念なことに サリヴァンの直筆楽譜は失われてしまいましたが、サリヴァン協会のロデリック・スペンサーによる、 サリヴァン自身が編纂した組曲や他作品の総譜、ピアノ譜、手紙などの資料を基に再構築した総譜を用 いて、この録音が行われました。指揮は英国音楽を知り尽くすアンドルー・ペニー。喜び溢れた演奏です。
NAXOS-8.574340(1CD)
バルトーク:ピアノ作品集 第8集
3つの練習曲 Op. 18/BB 81(1918)
狂詩曲 Op. 1 BB 36a(1904)
子供のために 第2巻(ハンガリー民謡による) BB 53(原典版)(1908-10)〜第25番Allegro/第29番 Allegro
子供のために 第1巻(ハンガリー民謡による) BB 53(原典版)(1908-10)〜第17番Adagio
子供のために 第2巻(ハンガリー民謡による) BB 53(原典版)(1908-10)〜 第26番Andante/第34番 Andante
子供のために 第1巻(ハンガリー民謡による) BB 53(バルトークの1945年1月ニュージャージー・コッシュート・ラジオ・コンサート・レコーディングからの編)〜第21番 Allegro robusto/ 第26番Moderato
子供のために 第4巻(スロヴァキア民謡による) BB 53(原典版)より〜第23番Molto rubato, non troppo lento/ 第27番Mockery(Allegro)
子供のために 第3巻(スロヴァキア民謡による) BB 53(原典版)〜第5番Variations(Molto andante)/第11番 Lento
子供のために 第4巻(スロヴァキア民謡による) BB 53(原典版)〜第36番Largo/ 第37番Molto tranquillo/ 変奏曲 BB 22(1900-01)
フュロップ・ラーンキ(P)

録音:2020年1月6-7日:2020年11月4-5日
20年以上にわたりNAXOSレーベルで進行しているバルトークのピアノ作品全集。これまでの7集は全て名手イェネ・ヤンドーが演奏していましたが、今回の 第8集ではデジェー・ラーンキを父に持つフュロップ・ラーンキが演奏。父譲りの技巧と音楽性で新たなバルトーク像を見せてくれます。ここに収録されたのは、 バルトークの最初期の作品「狂詩曲」と同じく初期の作品「変奏曲」。ピアニストの手の柔軟性を引き出す「3つの練習曲」、そして名作「子供のために」から の抜粋です。 エンマ・グルーベル(後のコダーイの妻)のサロンで大いなる刺激を受けた若きバルトークが書いた「狂詩曲」は幻想的な部分と急速なフィナーレで構成されて おり、作品はサロンの主催者エンマに捧げられています。まだ民謡的な要素は薄く、リスト作品に近い雰囲気を持っています。彼の友人ファリシー・ファビアン の旋律に基づく「変奏曲」もロマンティックな作品。おなじみの「子供のために」は様々な国の民謡で彩られています。
NAXOS-8.574354
(2CD)
ペトロス・ペトリディス(1892-1977):皇帝コンスタンティノス・パレオロゴスの為のレクイエム
皇帝コンスタンティノス・パレオロゴスの為のレクイエム(1953-64)
交響曲第3番ニ短調「パリジャン」(1941-43/1944-46改訂)
合奏協奏曲 Op. 11-管楽合奏とティンパニのために(1929)

※全てバイロン・フィデツィス(1945-)による復元版
ソフィア・キャニドゥー(S)
テオドーラ・バーカ(Ms)
アンゲロ・シモス(T)
クリストフォロス・スタンポーリス(Bs)
ゴールデン・ヴォイシズ・オブ・ルセ
ソフィア・メトロポリタン・ゴールデン・ヴォイシズ
ニコラオス・マンツァロス・ウィンド・アンサンブル
ソフィア・アマデウスO
バイロン・フィデツィス(指)
録音:2006年1月9-11日、7月23-24日、2006年1月9-11日、1989年3月19日、4月1日
世界初録音
17世紀のヴェネツィアで活躍した作曲家ジョヴァンニ・レグレンツィ。当時高い人気を誇るとともに、北イタリ アの後期バロック様式を確立するうえで決定的な役割を果たしました。彼は歌劇や宗教曲を多数書き 上げており、オルガンをベースに2声、3声、4声で歌われる「Harmonia d’affetti devote=献身の諸 相についての曲集」も典礼用として意図されていましたが、歌われたテキストは宗教音楽の伝統から逸脱 しており、旋律が映えることを重視した歌詞が選ばれています。世界初録音となるこのアルバムでは、レグ レンツィの洗練された音楽を存分に楽しむことができます。 演奏しているノヴァ・アルス・カンタンディは1998年にアッチャイによって創設されたヴォーカル・アンサンブル。 イタリア・バロックの知られざる宗教作品をレパートリーの中心におき、イタリア各地でコンサート活動を行っ ています。
NAXOS-8.579123
(1CD)
ジョヴァンニ・レグレンツィ(1626-1690):Harmonia d’affetti devote
献身の諸相についての曲集 第1巻 Op. 3(1655年出版)
ノヴァ・アルス・カンタンディ
アレッサンドロ・カルミニャーニ(S)
アンドレア・アッリヴァベーネ(C.A)
ジャンルカ・フェッラリーニ(T)
マルチェッロ・ヴァルジェット(Bs)
イヴァナ・ヴァロッティ(Org)
ジョヴァンニ・アッチャイ(指)

録音:2020年9月18-22日
世界初録音
17世紀のヴェネツィアで活躍した作曲家ジョヴァンニ・レグレンツィ。当時高い人気を誇るとともに、北イタリ アの後期バロック様式を確立するうえで決定的な役割を果たしました。彼は歌劇や宗教曲を多数書き 上げており、オルガンをベースに2声、3声、4声で歌われる「Harmonia d’affetti devote=献身の諸 相についての曲集」も典礼用として意図されていましたが、歌われたテキストは宗教音楽の伝統から逸脱 しており、旋律が映えることを重視した歌詞が選ばれています。世界初録音となるこのアルバムでは、レグ レンツィの洗練された音楽を存分に楽しむことができます。 演奏しているノヴァ・アルス・カンタンディは1998年にアッチャイによって創設されたヴォーカル・アンサンブル。 イタリア・バロックの知られざる宗教作品をレパートリーの中心におき、イタリア各地でコンサート活動を行っ ています。


このページのトップへ


このサイト内の湧々堂オリジナル・コメントは、営利・非営利の目的の有無に関わらず、
これを複写・複製・転載・改変・引用等、一切の二次使用を固く禁じます
万一、これと類似するものを他でお見かけになりましたら、メール
でお知らせ頂ければ幸いです。




Copyright (C) 2004 WAKUWAKUDO All Rights Reserved.