湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


室内楽曲・新譜速報1



※発売済のアイテムも含めて、約3ヶ月間掲載しています。
※新しい情報ほど上の段に記載しています。
※表示価格は全て税込みです。




Ars Produktion
ARS-38344(1SACD)
プーランク、ヤナーチェク、ラフマニノフ
プーランク:ソナタ(Vcとピアノのための)
ヤナーチェク:おとぎ話
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
アラム・アマトゥニ(Vc)、
イーゴリ・チェトゥーエフ(P)

録音:2022年1月10日-12日
サンクトペテルブルク生まれのチェリスト、アラム・アマトゥニは6歳でチェロを始め、ハノーファー音楽大学でレオニード・ゴロホフに師事し、スイス・ロマンドOでは首席チェリストを務めました。
ピアニストのイーゴリ・チェトゥーエフは1980年、ウクライナのセヴァストポリで生まれ、ハノーファー音楽大学でウラディーミル・クライネフに師事しました。1998年には僅か18歳で第9回ルービンシュタイン国際ピアノコンクール優勝を果たし、国際的に活躍しています。
Ars Produktion
ARS-38639(1CD)
愛の讃歌
クライスラー:愛の喜び
ガーシュウィン:ソングブックより 〔Swanee、Nobody but you、Oh, Lady be good、Do-Do-Do、Liza〕
マルグリット・モノ:愛の讃歌
ショーソン:詩曲/ロータ:愛のテーマ
レハール:ジプシーの恋
ドヴォルザーク:ロマンス ヘ短調
グリーグ&サティ&ショスタコーヴィチ:三人婚
エルガー:愛の挨拶
伝承曲:スウェーデンへのオマージュ
クルト・ヴァイル:ユーカリ
バート・ハワード:フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン
ヘルベルト・ピクスナー:素敵なワルツ
ヘンデル:私を泣かせてください 
デュオ・ミネルヴァ

録音:2023年4月
クラリネットとアコーディオンによる「デュオ・ミネルヴァ」の愛をテーマにしたアルバムです。彼らは入念なリハーサルを重ねてこのレコーディングを行いました。クラシックを中心としたさまざまなジャンルの作品に彼らの世界観をプラスすることによって、全く新しい斬新なイメージを与える作品に仕上げています。
Ars Produktion
ARS-38641(1CD)
現代の橋
ダニエル・シュナイダー(b.1961):アイアン・テトラポッド、ア・フライデー・ナイト・イン・オーガスト
カプースチン:三重奏曲 Op.86
コヴァーチ:アフター・ユー,ミスター・ガーシュウィン
タルガト・ハセノフ(b.1973):Ak kalfak
アルベーナ・ペトロヴィチ=ヴラチャンスカ(b.1965):トラベル・イースト Op.229
アレクセイ・ミハイロヴィチ・イグデスマン(b.1973):マンダラのワルツ
スヴァンテ・ヘンリソン(b.1963):組曲オフ・ピスト
ギヨーム・コネソン(b.1970):テクノ=パレード
テトラポッド・アンサンブル

録音:2021年10月4日-7日
実力派チェリスト、クリストフ・クロワゼなどが参加するスイスの四重奏団、テトラポッド・アンサンブル。フルート、クラリネット、チェロ、ピアノという編成で演奏する彼らは、現代音楽がいかに面白く、普遍的に理解できるかをこのアルバムで証明しています。クロスオーヴァーやジャズの要素を取り入れた作品なども収録されておりバラエティに富んでいます。

Avie
AV-2626(1CD)
サムシング・ライク・ディス
ラクリン・スキップワース(b.1982):オード
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299より 第2楽章 アンダンティーノ(編曲:エミリー・グレインジャー/カデンツァ:ジョン・トマス)
エレーナ・カッツ=チェルニン(b.1957):サムシング・ライク・ディス
クリストファー・セインズベリー(b.1963):ジャガマラ
イベール
:寄港地
バッハ:フルート・ソナタ ト短調 BWV.1020(編曲:エミリー・グレインジャー)
ルトスワフスキ:フルートとハープのための3つのフラグメント
ジェシカ・ウェルズ(b.1974):サティ
サティ
ジムノペディ第1番(ソロ・ハープ版)、
 ジムノペディ第3番(フルートとハープ版)(トランスクリプション:エミリー・グレインジャー)
サリー・グリーナウェイ(b.1984):フルートとハープのための詩曲第1番〜第3番
サリー・ウォーカー(Fl)、
エミリー・グレインジャー(Hp)

録音(ライヴ):2022年10月2日ー3日、ルウェリン・ホール(オーストラリア国立大学、キャンベラ)
オーストラリアで活躍するハーピスト、エミリー・グレインジャーが、印象的なソロ・デビュー・アルバム『イン・トランジット』(AV-2495)に続き、セカンド・アルバムとなる『サムシング・ライク・ディス』をレコーディング。オーストラリア室内Oの客演首席フルート奏者を長年務めているサリー・ウォーカーとの美しいコラボレーションで、バッハやモーツァルトの音楽をオーストラリアの作曲家たち(カッツ=チェルニン、グリーナウェイ、スキップワース、ウェルズ、そして先住民の作曲家であるクリストファー・セインズベリー)の作品や、20世紀の名作(イベール、ルトスワフスキ、サティ)と並べて披露しています。
エミリー・グレインジャーはアメリカで生まれ、オーストラリアを拠点とするハープ奏者。クラシック音楽、ポピュラー音楽、アート音楽の世界を自由に横断し、その優れた才能は親密な室内リサイタルや大胆な新作のスリリングなパフォーマンスにも同様に適しています。デビュー・ソロ・アルバムの『In Transit』は、ABCクラシックと2MBS Fine Music Sydneyの特集アルバムに選ばれ、BBCミュージック・マガジンでは「美しい」、ライムライト・マガジンでは「印象的なデビュー作」と称賛され、これまでに300万回以上のストリーミングを通じて80万人以上に届けられています。

Cobra Records
COBRA-0089(1CD)
トレヴァー・グラール:オヴ・エンシェント・デイズ(世界初録音)
トレヴァー・グラール(b.1984):「オヴ・エンシェント・デイズ」 -1. プレリュード:イン・ザ・ビギニング(ウンダ・マリス)
2. 第1夜:コラールと変奏曲T(バッハ:パルティータ 「ようこそ、慈悲あつきイエス」 BWV768)
3. 第1日:フィラメント
4. 第2夜:変奏曲U, V&W(バッハ:パルティータ 「ようこそ、慈悲あつきイエス」 BWV768)
5. 第2日:エコー・スフィア
6. 第3夜:変奏曲X, Y&Z(バッハ:パルティータ 「ようこそ、慈悲あつきイエス」 BWV768)
7. 第3日:カリタムニオン・ロゼウム(原始藻類)の多作の物語
8. 第4夜:変奏曲[&\(バッハ:パルティータ 「ようこそ、慈悲あつきイエス」 BWV768)/9. 第4日:星の渦
10. 第5夜:変奏曲](バッハ:パルティータ 「ようこそ、慈悲あつきイエス」 BWV768)
11. 第5日:森の奥深く...
12. 第6夜:変奏曲XI(バッハ:パルティータ 「ようこそ、慈悲あつきイエス」 BWV768)
13. 第6日:この人を見よ
トレヴァー・グラール(ハイパーオルガン/tr.1, 3,5,7,9,11,13)
フランチェスカ・アヨッサ(ウトパ・バロック・オルガン、メカニカル・コンソール/tr.2, 4,6,8,9,10,11,12)

録音:2023年1月6日-8日、オルゲルパーク(アムステルダム、オランダ)
カナダ系オランダ人作曲家、オルガン奏者のトレヴァー・グラールによる、世界初録音となるハイパーオルガンのための大作 「オヴ・エンシェント・デイズ」 。この作品は、2018年にアムステルダムの「オルゲルパーク」に完成したウトパ(ユートピア)・バロック・オルガンのために作曲されました。
「ハイパーオルガン」という用語は、楽器と演奏メカニズムの複雑かつ柔軟な相互リンクを表します。本作で用いられたオルガンは、通常のコンソールに加え、完全にデジタルで操作するように切り替えられるようになっているため、音色を通常よりも複雑に組み合わせることが可能になっています。バロック期の音を忠実に再現した音色と、現代のテクノロジーの見事な融合によりオルガンの新たな可能性を見い出しています。

Diapason
DIAP-161(1CD)
フォーレ:室内楽作品集

(1)チェロ・ソナタ第2番
(2)ヴァイオリン・ソナタ第2番ホ短調 Op.108
(3)ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.120
(4)「ドリー」ピアノ連弾用の6つの小品
(1)ポール・トルトゥリエ(Vc)
ジャン・ユボー(P)
録音:1962年
(2)ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ロベール・カサドシュ(P)
録音:1953年
(3)ボザール・トリオ
録音:1956年
(4)ジュヌヴィエーヴ・ジョワ(P)
ジャクリーヌ・ロバン(P)
録音:1955年
フランスの世界的クラシック音楽専門雑誌である「ディアパゾン(Diapason)」が音楽史に輝く名曲の歴史的名演を選出し、新たなマスタリングを施して復刻するシリーズ『レ・ザンディスパンサーブル・ド・ディアパゾン 〜ディアパゾンが選んだ決定盤』。
シリーズの第161巻として登場するのは、フランスを代表する作曲家ガブリエル・フォーレの室内楽作品集!
「チェロ・ソナタ第2番」はフランスが生んだ名チェリスト、ポール・トルトゥリエの演奏。後にハイドシェックとも2回目の録音を行っていますが、ここではジャン・ユボーと行った1回目の録音を収録。その他にフランチェスカッティとカサドシュの「ヴァイオリン・ソナタ第2番」、ボザール・トリオの「ピアノ三重奏曲」、そしてデュティユーの妻であったジュヌヴィエーヴ・ジョワとジャクリーヌ・ロバンの名コンビによる息のぴったり合った「ドリー」が選曲されるなど「ディアパゾン(Diapason)」ならではの豪華な内容となっています。

Acte Prealable
AP-0537(1CD)
スタトコフスキ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ロマン・スタトコフスキ(1859-1925):アルバムのページ Op.32
クラコヴィアク Op.7/3つの小品 Op.17
3つのマズルカ Op.8/ドゥムカ
2つの小品 Op.34
ナタン・ドンダルスキ(Vn)、
アンナ・パラス(P)

録音:2021年12月12日-13日(ポーランド)
※全曲世界初録音
ーランド生まれのヴァイオリニスト、ナタン・ドンダルスキは、ショパン音楽大学を優秀な成績で卒業し、ドイツのヴュルツブルクやデュッセルドルフでも学びました。国内外のコンクールでも多くの受賞歴を持ち、ポーランドを代表するヴァイオリニストのひとりとして活躍しています。
Acte Prealable
AP-0539(1CD)
ヴィオリニッシモ〜バツェヴィチ:ヴァイオリン独奏、二重奏、四重奏作品集
グラジナ・バツェヴィチ:独奏ヴァイオリンのための「ポーランド奇想曲」、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番、ヴァイオリンのための「4つの奇想曲」、民謡のテーマによる易しい二重奏曲、2つのヴァイオリンのための組曲、ヴァイオリン四重奏曲
モニカ・ウルバニアク(Vn)、カタジナ・セレマク(Vn)、アメリア・マショニスカ(Vn)、マルタ・マズレク(Vn)、ヤツェク・シヴィツァ(Vn)、ティファニー・タン(Vn)

録音:2020年11月21日-22日(ベルン、スイス)
ポーランドの女性作曲家であるグラジナ・バツェヴィチは、ポーランド放送Oのコンサートマスターを務めるなど、ヴァイオリニストとしても活躍しましたが、1954年に自動車事故で重症を負ってからは作曲家として専念しました。
ヴァイオリニストのモニカ・ウルバニアクはベルン芸術大学で教授を務めており、この録音のメンバーの多くは彼女の教え子です。

Chandos
CHAN-20298(2CD)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集 Vol.1
弦楽四重奏曲第1番ヘ長調 Op.18-1
弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 Op.18-6
弦楽四重奏曲第11番ヘ長調 Op.95「セリオーソ」
弦楽四重奏曲第7番ヘ長調 Op.59-1
弦楽四重奏曲第12番変ホ長調 Op.127
ドーリックSQ【アレックス・レディントン(Vn1)、イン・シュエ(Vn2)、エレヌ・クレモン(Va)、ジョン・マイヤーズコフ(Vc)】

録音:2021年12月14日-16日、2023年2月1日-3日&6月6日-7日、ポットン・ホール(イギリス、サフォーク)
英グラモフォン誌で『最も優れた若手SQの1つ』と絶賛され、世界中の聴衆と批評家から熱狂的な支持を受けるイギリスのアンサンブル、ドーリックSQ。1998年に活動を開始したドーリックSQが結成25周年を迎えるタイミングで、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集という、大きなプロジェクトを立ち上げました。第1弾となるこのアルバムは、ベートーヴェンの初期、中期、後期の作品を組み合わせて収録されています。
弦楽四重奏曲 Op.18の演奏において、メンバーはルイス・エミリオ・ロドリゲス・キャリントン製作のクラシカル・ボウのセットを用いて演奏を行っています。
Chandos
CHAN-20294(1CD)
ミュージック・イン・エグザイル〜亡命者たちの音楽 Vol.7〜ロベルト・ミュラー=ハルトマン:室内楽作品集
ソナタ Op.5(Vnとピアノのための)
2つの小品(Vcとピアノのための)
ソナタ Op.32(2つのヴァイオリンのための)
3つの間奏曲とスケルツォ Op.22(Pのための)
弦楽四重奏曲第2番 Op.38
ARCアンサンブル

※全曲世界初録音
カナダにおける最も優れた文化大使であるARCアンサンブル(Artists of The Royal Conservatory)が注力する『ミュージック・イン・エグザイル〜亡命者たちの音楽』シリーズ。20世紀の全体主義体制下で抑圧され、その後も疎外され続けてきた音楽の研究と復興に力を注いでおり、シリーズではこれまでに「ベン=ハイム(CHAN- 10769)」、「フィテルベルク(CHAN-10877)」、「シモン・ラクス(CHAN- 10983)」、「カウフマン(CHAN-20170)」、「クレバノフ(CHAN- 20231)」、「アルベルト・ヘムシ(CHAN-20243)」の計6巻がリリースされています。
ロベルト・ミュラー=ハルトマン(1884-1950)はドイツのハンブルクで生まれました。彼は4年間ベルリンで研鑽を積み、その後ハンブルクに戻っています。そこで教育と両立して作曲の分野でも成功を収めました。彼の作品は、カール・シューリヒト、R.シュトラウス、オットー・クレンペラーなどが指揮し、ラジオで定期的に演奏されました。1933年頃になると国家社会主義の影響で大学や音楽院の教職を追われることになりましたが、ハンブルクのユダヤ人女子学校で彼は教え続けました。1937年イギリスへ渡った彼は、亡命ドイツ人音楽家として隠遁生活を送るようになり、その作品は忘れ去られてしまいました。このアルバムでは1937年以前に作曲された作品を集めており、作曲家として活発に活動していた時代の作品が含まれています。

GENUIN
GEN-23826(2CD)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 Vol.1
弦楽四重奏曲第7番嬰ヘ短調 Op.108/弦楽四重奏曲第8番ハ短調 Op.110/弦楽四重奏曲第9番変ホ長調 Op.117/弦楽四重奏曲第10番変イ長調 Op.118/未完の弦楽四重奏曲(第9番)/弦楽四重奏曲第11盤ヘ短調 Op.122/弦楽四重奏曲第12番変ニ長調 Op.133/弦楽四重奏曲第13番変ロ短調 Op.138/弦楽四重奏曲第13番断片(初稿)(世界初録音)
アサセッロQ

録音:2022年4月2日-4日&8日-11日、2022年11月7日-11日、2023年2月15日-19日、ドイツ放送室内楽ホール(ケルン、ドイツ)
バーゼル音楽院でラサールSQの創設者、ヴァルター・レヴィンの室内楽クラスの生徒たちによって2000年に結成されたアサセッロ四重奏団が、ショスタコーヴィチが生涯をかけて取り組んだ交響曲と並ぶ重要な作品、弦楽四重奏曲の全集プロジェクトを始動。第1弾となる今作はショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲における最重要作品ともいわれる第8番を含む、1960年からの約10年間に作曲された第7番〜第13番を収録。最後に収録された第13番の初稿の断片は世界初録音です。

Gutman Records
GUTMANCD-151(1CD)
狂乱の時代
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しき夕暮れ
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
ピアソラ:ミロンガ・アン・レ(レのミロンガ)
ラヴェル:ハバネラ形式の小品、
 ヴァイオリン・ソナタ
ガーシュウィン(ハイフェッツ編):なんでもそうとは限らない、ベス, お前は俺のもの
アンタイル:ヴァイオリン・ソナタ第2番
ダニエル・ローランド(Vn)、
ナターシャ・クドリツカヤ(P)

録音:2014年2月12日-14日、ポットン・ホール(サフォーク、イギリス)
イギリスを代表するSQのひとつ、ブロドスキーSQの第1ヴァイオリン奏者を2007年から11年間務めたダニエル・ローランドが、「狂乱の時代」と呼ばれる1920年代のパリに焦点を当て、ドビュッシー、ラヴェル、プーランクの重要なヴァイオリン・ソナタを演奏。間に挟んでいる作品も単なる箸休めではなく、終盤で伴奏者がボンゴを演奏するアンタイルのクレイジーなソナタなどアルバム全体を通して一切飽きさせません。伴奏を務めるのは過去にもChamps Hill Recordsなどでローランドと共演していたウクライナ出身のピアニスト、ナターシャ・クドリツカヤです。

Gutman Records
GUTMANCD-153(1CD)
モーツァルト:弦楽器、管楽器のための作品集
モーツァルト:ディヴェルティメント第1番変ホ長調 KV113
弦楽五重奏曲ハ短調 KV406
管楽六重奏のためのセレナード変ホ長調 KV375
カメラータRCO

録音:2015年3月26日-27日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーで組織されるアンサンブル、カメラータRCOによるモーツァルト・アルバム。世界トップレベルのオーケストラで活躍するメンバーたちによる精緻なアンサンブルをご堪能ください。KV375はオーボエ2本を欠いた初稿版での演奏です。
Gutman Records
GUTMANCD-201302(1CD)
ダンディ&ハイツ:クラリネット三重奏曲集
ダンディ:クラリネット三重奏曲変ロ長調 Op.29
セバスティアン・ハイツ(b.1966):クラリネット三重奏曲
ハイン・ヴィーダイク(Cl)、
ダニエル・エッセル(Vc)、
フランク・ファン・デ・ラール(P)

録音:1998年3月24日、チャペル・スタジオ(ティルブルフ、オランダ)
1996年からロイヤル・コンセルトヘボウO(RCO)に在籍するクラリネット奏者、ハイン・ヴィーダイクと、元RCOチェロ奏者のダニエル・エッセル、そしてオランダの著名なピアニストであるフランク・ファン・デ・ラールが共演した1998年録音盤。ダンディでも秀逸な演奏を聴かせてくれますが、伝統的な西洋音楽の手法をベースに20世紀の革新的な要素を巧みに融合させた作曲スタイルが興味深いオランダ生まれの作曲家、セバスティアン・ハイツの作品が聴けるのもポイントです。
Gutman Records
GUTMANCD-201301(1CD)
甘い団子とチーズ・シュトゥルーデル
モーツァルト:アレグロ ヘ長調(クラリネット、バセット・ホルンと弦楽三重奏のための) KV Anh.90(580b)、
 クラリネット五重奏曲イ長調 KV581、
 アレグロ 変ロ長調(クラリネットと弦楽四重奏のための) KV Anh.91(516c)
メンデルスゾーン:演奏会用小品 ヘ短調(クラリネット、バセット・ホルンと弦楽五重奏のための) Op.113、
 演奏会用小品 ニ短調(クラリネット、バセット・ホルンと弦楽五重奏のための) Op.114
ハイン・ヴィーダイク(Cl)、
ダヴィデ・ラットゥアーダ(バセット・ホルン)、
カメラータRCO

録音:2013年6月15日-16日、シンゲル教会(アムステルダム)
ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーであるハイン・ヴィーダイクとダヴィデ・ラットゥアーダ、そして同団のメンバーからなるカメラータRCOによるクラリネットとバセット・ホルンを用いた作品集。一風変わったアルバム・タイトルは、メンデルスゾーンと親交のあった当時の最も優れたクラリネット奏者、ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマンが演奏旅行でベルリンを訪れた際、メンデルスゾーンがベールマンに好物である甘い団子とチーズ・シュトゥルーデルを自宅で作ってくれるよう頼み、そのお返しとしてメンデルスゾーンがプレゼントしたのがここに収録されている演奏会用小品であることから来ています。当時流行した音楽「プラハの戦い」の旋律を引用したOp.113にメンデルスゾーンは「プラハの戦い!甘い団子とチーズ・シュトゥルーデルのためのクラリネットとバセットホルンの大二重奏曲」というユーモラスなタイトルをつけたそうです。
Gutman Records
GUTMANCD-931(1CD)
ブラームス:クラリネット・ソナタ集&クラリネット三重奏曲
ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調 Op.120-1
クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2
クラリネット三重奏曲イ短調 Op.114
ハイン・ヴィーダイク(Cl)、
フランク・ファン・デ・ラール(P)、
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)

録音:1993年12月2日-3日、レモンストラント教会(アルクマール、オランダ)
Gutman Recordsの黎明期に小規模にリリースされた1993年録音盤。後にロイヤル・コンセルトヘボウO(RCO)に入団することになるクラリネット奏者、ハイン・ヴィーダイクと現在もRCOのメンバーと深い関係を築くピアニスト、フランク・ファン・デ・ラールによるブラームスのクラリネット・ソナタはもちろん、現代最高峰のチェリストの一人、ピーター・ウィスペルウェイが特別に参加したクラリネット三重奏曲は是非聴いておきたい貴重な録音です。

Paladino Music
PMR-0127(1CD)
スティアストニー:2つのチェロのための作品集 Vol.2
ヨハン・スティアストニー(ca.1764 - ca.1826):3つの協奏的二重奏曲 Op.6(第1番ト長調、第2番変ホ長調、第3番ハ短調)
マルティン・ルンメル(Vc)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)

録音:2022年8月25日-26日、ヴァインベルク城(オーストリア、ケーファーマルクト)
プラハ出身のチェリスト=コンポーザーであったヨハン・スティアストニーが作曲した2つのチェロのための作品集第2弾。スティアストニーは正確な生没年も不明で、一般の音楽愛好家にはほとんど知られていない存在ですが、その作品はすでに1920年代に「当時としてはまったく新しい効果を含んでいる」と評価されています。チェロのためのレパートリー発掘に情熱を傾けている名チェリスト、マルティン・ルンメルとアレクサンダー・ヒュルスホフが進める「スティアストニー・プロジェクト」は、2人のチェリストための真のデュオ・レパートリーを発見する画期的なもので、チェロの演奏家や愛好家だけでなく、18世紀音楽のコレクターにもその魅力が十分伝わるものとなっています。
マルティン・ルンメルは20世紀イギリスの大チェリスト、ウィリアム・プリースの高弟であり、Paladinoのオーナーとしても大活躍しているオーストリアの名チェリスト。教育者としても活動しつつ、ダーヴィト・ポッパーをはじめとするチェロのためのエチュードを多数出版・録音しており、チェロ学習者のみならず、一般のリスナーにもそれらの音楽的魅力を伝えています。

Fineline
FL-72415(1CD)
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ集
1. バビロン川のほとりに BWV653(オルガンとヴィオラ・ダ・ガンバによるイントロイトゥス)/2-4. ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロによるソナタ第3番ト短調 BWV1029/5. パルティータ第4番ニ長調 BWV828 より サラバンド(チェンバロ独奏による前奏曲)/6-9. ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロによるソナタ第2番ニ長調 BWV1028/10.ゴルトベルク変奏曲 BWV988よりアリア(ジルバーマン・ピアノ独奏による前奏曲)/11-14. ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロによる3つのソナタ第1番ト長調 BWV1027/15. 平均律クラヴィーア曲集第2巻より 第16番前奏曲 BWV885-1ト短調(オルガン独奏による前奏曲)/16. フルート・ソナタ イ長調 BWV1032より第2楽章ラルゴ・エ・ドルチェ(ヴィオラ・ダ・ガンバとオルガンによる後奏曲)
アンドレア・デ・カルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ルカ・グリエルミ(チェンバロ、オルガン、フォルテピアノ)
※使用楽曲:
・ヴィオラ・ダ・ガンバ:ペレグリーノ・ミケーリ16世紀製(セルジオ・マルチェッロ・グレゴラット・サクロファーノによる2003年コピー)
・チェンバロ:ミヒャエル・ミートケ1708年製(マティアス・グリーヴィッシュによる2000年コピー/tr.5-9)
・フォルテピアノ:ゴットフリート・ジルバーマン1749年製(ケルスティン・シュヴァルツによる2013年コピー/tr.10-14)
・オルガン:ゴットフリート・ジルバーマン1753年製(ヴィルヘルム・リューレによる1998年復元/tr.1-4, 15-16)

録音:2015年6月22日-24日(フランケンシュタイン教会、ドイツ)
アレッサンドロ・ストラデッラの宗教音楽を発掘・録音し続けてきたイタリアのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者=指揮者のアンドレア・デ・カルロと、指揮者、作曲家としての活動に加え、歴史的鍵盤楽器のエキスパートとして多彩な活躍を見せるルカ・グリエルミが織り成す大バッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集。
写本ではヴィオラ・ダ・ガンバのための3つのソナタは、本来チェンバロの伴奏になっていますが、彼らはヴィオラ・ダ・ガンバがバッハの手持ちの様々な鍵盤楽器と対話する姿を想像。グリエルミがチェンバロ、オルガン、フォルテピアノを見事に弾き分け、偉大な作曲家が残した作品の新たな可能性を見出しています。
Fineline
FL-72416(1CD)
再発見された忘れられた声〜ユダヤ系オランダ人女性作曲家による室内楽作品集
ヘンリエッテ・ボスマンス(1895-1952):ヴァイオリン・ソナタ
ファニア・チャピロ(1926-1994):チェロ・ソナタ(世界初録音)
ボスマンス:ピアノ三重奏曲
ブルンディバール・アンサンブル〔アレクサンドラ・ライフリナ(Vn)、リュボフ・ウリビシェワ(Vc)、ダニエル・グリムウッド(P)〕

録音:2022年5月14日ー16日、ユーディ・メニューイン音楽学校、メニューイン・ホール(イギリス)
本アルバムでは、ホロコーストの音楽と芸術に特化した英国初の年次フェスティバルとして、2016年1月に開催されたブルンディバール芸術祭のテーマのひとつである「インスピレーションを与える女性たち」に触発され、ホロコーストを生き延びたユダヤ系オランダ人女性作曲家たちをテーマに取り上げています。
アムステルダムの音楽一家に生まれたヘンリエット・ボスマンスは、作曲家、ピアニストとして活躍。ピエール・モントゥー、ウィレム・メンゲルベルクなどと共演し、ロイヤル・コンセルトヘボウOとは1922年から1949年までの間に22のピアノ協奏曲を演奏しています。本アルバムには、若さゆえの情熱、生命力に満ちたヴァイオリン・ソナタと、母親の誕生日に贈った、スペインの情熱、フランスの印象派、中東の響きを感じさせるロマン派的な作風のピアノ三重奏曲の2つの初期の作品を収録。カップリングに選ばれた、インドネシア(旧オランダ領東インド)のジャワ島出身のファニア・チャピロの世界初録音となるチェロ・ソナタは、プロコフィエフの影響が作品全体に散りばめられており、作品の終盤ではジャズの雰囲気を強く醸し出しています。
ブルンディバール芸術祭創設者兼芸術監督を務め、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアのメンバーとしても活躍するアレクサンドラ・ライフリナを筆頭としたブルンディバール・アンサンブルの演奏でお楽しみください。イギリスの名プロデューサー、アンドルー・キーナーとコンビを組んでいる敏腕エンジニア、オスカー・トレスによるプロデュース&エンジニアリングによる優秀録音も注目ポイントです!

Spectrum Sound
CDSMBA-152(2CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集
■CD1
(1)ヘンデルの『ユダ・マカベア』の「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲 ト長調WoO.45
(2)チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2
(3)モーツァルトの『魔笛』の「娘か女か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66
(4)チェロ・ソナタ第1番ヘ長調Op.5-1
(5)モーツァルトの『魔笛』の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO.46
■CD2
(6)チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5-2
(7)モーツァルトの『魔笛』の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO.46
(8)チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102-1
(9)チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69
ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)、
ルドルフ・ブッフビンダー(P)

ライヴ録音:(1)-(5)1978年11月6日、(6)-(9)1978年11月7日/メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104(ステレオ)
丁寧な復刻で評価を高めているスペクトラム・サウンド。毎回驚きの正規初出録音をリリースしておりますが、当アルバムはina&Radio Franceからのライセ ンスで、ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)がルドルフ・ブッフビンダー(1946-)と共演した、メゾン・ド・ラ・ラジオ内スタジオ104におけるベートー ヴェンのチェロとピアノのための作品全曲演奏会を収録!モーツァルトの『魔笛』の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲は両日とも演奏しております。 同コンビはベートーヴェンの全曲作品を1977年にセッション録音しておりますが、これとは別音源の1978年11月6&7日のライヴ録音です!
シュタルケルが50代半ばの、演奏家として最も充実した時期の名演。シュタルケルは才能豊かなブッフビンダーに惚れ込み、ブッフビンダーが20代の時から共 演を重ねております。当ライヴ演奏でも完璧なまでに息の合った演奏を披露。前年にセッション収録しているだけに極めて濃密な音楽を奏でています。独特な語り 口のシュタルケルのチェロと、溌溂としたブッフビンダーのピアノ。それぞれが絶妙の表情でベートーヴェンを演奏しております。ステレオでのリリースです!※日本 語帯・解説は付きません。 (Ki)
※このレーベルは、初発売後早期に廃盤となる可能性が高いです。お早めにご注文されることをおすすめいたします。

REFERENCE
RR-151(1CD)
スパニッシュ・インプレッションズ
アルボス(1863-1939):3つのスペイン舞曲Op.1
トゥリーナ:ピアノ三重奏曲第2番ロ短調Op.76
ガスパール・カサド(1897-1966):ピアノ三重奏曲ハ長調
マリアーノ・ペレジョ(1886-1960):ヴァイオリン、チェロ、ピアノの為の3つの印象
エルミタージュ・トリオ【ミーシャ・カイリン(Vn)、セル ゲイ・アントノフ(Vc)、イリヤ・カザンツェフ(P)】

録音:2023年4月11-14日、スカイウォーカー・サウンド、カリフォルニア
シュテファン・ケラーは1974年チューリヒ生まれ。地元の音楽院でオーボエを学び、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で作曲、音楽理論、電子音楽を学び ました。またタブラやカヤールといったインド音楽の研究もしています。
作品はどれも人間の五感と結びつく音楽であり、演奏者の存在を感じさせる音楽。打楽器のリズムが重要な役割を持っています。複雑な構造のサウンドでありな がらポップス、エレクトロニクス、非ヨーロッパ音楽といった要素をごく自然にミックスしていて、パロディや暗喩ではなく新しい文脈としての音楽を組み立ててい る印象。珍しい編成による『hybrid gaits』は彼ならではの書法が冴えわたるめっぽう面白い1曲。 (Ki)

Alba
ABCD-526(1CD)
ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンの為のソナタ
ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調 Op.30nO3
ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 Op.23
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル(Kreutzer)」 Op.47
クレータ=マリア・ケンタラ(Vn )
ヨーナス・アホネン(フォルテピアノ)
[楽器 Baroque violin:unknown, beginning of18th Century/Fortepiano:Conrad Graf, c.1827]

録音:2021年10月21日?24日 シャウマン・ホール(ピエタルサーリ、フィンランド)
クレータ=マリア・ケンタラ(1964?)は、『Side by Side(ならべてみると)』(ABCD388)『フォーク・シーズンズ』(ABCD 402)『ポルスカ=パンド ルフィ』(ABCD501)などのアルバムで知られる、カウスティネン生まれのバロック・ヴァイオリニスト。ヨーナス・アホネン(1984?)は、リゲティの「ピアノ協 奏曲」(BIS SA-2209)やアイヴズの「コンコード・ソナタ」(BIS SA-2249)などの録音が評価された、ピアノとフォルテピアノのプレーヤー。 フィンランドの音楽家ふたりのコラボレーションによるベートーヴェンの「ソナタ」。ベートーヴェンの初期から中期にかけての作品構造が特徴的な「第8番 ト長調」。 「交響曲第1番」の翌年に作曲された「第4番 イ短調」。「エロイカ交響曲」が完成される前年の1803年に作曲され、「協奏曲のようにきわめて協奏的なスタイ ルによる、ピアノとオブリガート・ヴァイオリンの為のソナタ」とベートーヴェンのスケッチブックに書かれた、「クロイツェル」の名で親しまれている「第9番 イ長 調」。アホネンとケンタラのふたりは、ベートーヴェンが「ふたつの楽器の会話」あるいは「ふたりの会話」と考え、今日、簡単に言われるような「ヴァイオリン・ソナ タ」ではなく「ピアノとヴァイオリンの為のソナタ」とした作品を、19世紀の「コンラート・グラーフ」フォルテピアノと18世紀のバロック・ヴァイオリンで演奏し、 「今」の感覚の音楽に再生しています。 (Ki)

Channel Classics
CCSSA-44923(1SACD)
NX-C03

NYCX-10433(1SACD)
日本語解説き国内盤
税込定価

バッハ(チャド・ケリー編):ゴルトベルク変奏曲 BWV988リイマジンド レイチェル・ポッジャー(Vn)

使用楽器…ジェノヴァのペザリニウス1739年製作オリジナル楽器
ブレコン・バロック(古楽器使用)
ヒュー・ダニエル(Vn)、ジェーン・ロジャース(Va)、
アレクサンダー・ロルトン(Vc)、ジャン・スペンサー(ヴィオローネ)
ケイティ・バーチャー(Fl)、ダニエル・ランティエ、レオ・ドゥアルテ(Ob)
インガ・クラウケ(Fg)
チャド・ケリー(Cemb)
使用楽器…イオアネス・ルッカース1628年製造フランドル式マニュアル2段鍵盤に基づく1999年アンドルー・ウッダーソン復元楽器

録音:2022年9月17-19日セント・ジョンズ教会、アッパー・ノーウッド、ロンドン
バロック・ヴァイオリン現代随一の名手として、実演録音共に刺激的な活動で世界中の音楽ファンを楽しませてくれるレイチェル・ポッジャー。 2007年に彼女が組織したブレコン・バロックとの久しぶりのアルバムは、なんと「ゴルトベルク変奏曲」の新編曲版です。イギリス出身の鍵盤 奏者・指揮者で、現在はオーストラリアを中心に活躍するチャド・ケリーによる、「リイマジンド」と呼ばれる一歩踏み込んだ編曲は、原曲の素 材を最大限生かしながら、「もしバッハがこの作品を編曲したら?」を基本的なコンセプトとして進められたもの。バッハが残した他の作品を参 考に、例えば冒頭のアリアはヴァイオリンとオブリガート・チェンバロによる緩徐楽章風に始められ、以降ポッジャーのヴァイオリンを中心としなが ら、トリオ・ソナタ風、フルート・ソナタ風、室内協奏曲風、チェンバロ協奏曲風と、変奏ごとに趣向を変えて様々な顔を見せてくれます。また 第30変奏やアリア・ダ・カーポなどでの木管楽器の扱いに特徴的なモダンな手法もアクセントとなり、古楽器の響きが絶妙な効果も与えてた いへん新鮮。名編曲の多い「ゴルトベルク」の中でも異色かつ出色の出来栄えと言えるでしょう。編曲者のケリーは古楽の鍵盤奏者としても 活躍しており、ガーディナーやピノックとも共演を重ねた経歴の持ち主。今回もチェンバロで録音に参加し、ポッジャーほか名手揃いのアンサン ブルをがっちりと支える頼もしい演奏を聴かせます。国内仕様盤には澤谷夏樹氏による日本語解説付。

Willowhayne Records
WHR-082(1CD)
NX-B05
カレイドスコープ 〜トロンボーンとピアノの為の作品集
フランク・マルタン:バラード
エンリケ・クレスポ(1941-):トロンボーン独奏の為のインプロヴィゼーション第1番
ウェーバー:ロマンス
ヘンデル:トリオ・ソナタ ト短調 Op.2-8HWV393
ギルマン:交響的小品 Op.88
クシェネク(1900-1991):トロンボーンとピアノの為の5つの小品 Op.198
ロパルツ:変ホ短調の小品
クリス・ガーフィット(Tb)
セリ・ダン(P)
ギレム・クスニェレク(Tb)

録音:2020年3月、6月 ハルベルク放送局、ザールブリュッケン
イギリス出身、数々の国際的なコンクールで優勝を重ね、2021年からケルンWDRSOのソロ・ト ロンボーン奏者を務めており、2022年にはミュンヘン国際音楽コンクールでも優勝を果たしたクリス・ガー フィット。近年デュオを組んで活動している韓国のピアニスト、セリ・ダンとの共演による待望のファースト・ソ ロ・アルバムが登場しました。バロックや古典で聴かせる奥行きのある歌心、現代作品での目の覚めるよ うな超絶技巧までをたっぷりと聴かせ、その表現力の幅広さと高い技術力を見せつけてくれます。
Willowhayne Records
WHR-084(1CD)
NX-B05
コネクションズ 〜ドイツのホルン音楽
ベートーヴェン:ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17
シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス(1822-1905):夜想曲 Op.7
R・シュトラウス:アンダンテ ハ長調 AV86a
ヒンデミット:ホルン・ソナタ ヘ長調
アーノルド・クック(1906-2005):ロンド 変ロ長い調
ローレンス・デイヴィス(ホルン/Alexander model 103)

ヘレン・デイヴィス(P)
フィルハーモニア管とロイヤル・フィルの首席ホルン奏者を長年務め、2021年には再びフィルハーモニア管 に復帰した名手ローレンス・デイヴィスのソロ・アルバム。ピアノを担当するのは実の母であるヘレン・デイ ヴィスで、2人での録音は今回が初めてとのこと。2020年のロックダウンで人と人との繋がり (connections)について考えた彼らは、ヘレンの父親がイギリス系ドイツ人であったことからこのアルバム の構想を広げました。ベートーヴェンの名曲に始まりヨーゼフ&R・シュトラウス父子の作品、そして ヒンデミットを収録。最後に収められたクックはヒンデミットに学んでその作風を受け継いだイギリスの作曲 家で、今回のテーマにまさにぴったりの選曲といえそうです。安定した技術と表現力が聴きものです。

Forlane
FOR-16896(1CD)
「1883年、チェロの年」
グリーグ:チェロ・ソナタ Op.36
フォーレ:悲歌 ハ短調 Op.24
タネーエフ:カンツォーナ
R.シュトラウス:チェロ・ソナタ op.6
ギヨーム・エフレル(Vc)
遠藤奏恵(P)
1883年作のグリーグのチェロ・ソナタとタネーエフのカンツォーナ、R.シュトラウスのチェロ・ ソナタに、1880年作のフォーレの悲歌を加えた面白い内容のCD。時代の空気を感じられます。 ギヨーム・エフレルは、1983年、フランス東部、スイスのローザンヌに近いフランシュ=コンテ 生まれのチェロ奏者。6歳でチェロを始め、ブザンソン音楽院、パリ国立高等音楽院で学ん だ。2015年からルーエン=ノルマンディ歌劇場Oに在籍しています。遠藤奏恵は北海 道名寄市出身のピアニスト。高校卒業後パリに渡り、エコールノルマル音楽院でフランス・ク リダに学んだ。以来長年パリを拠点に活躍しています。FORLANE からはソロ・アルバムが2タイ トル発売になっています。

Quantum
QM-8003(1CD)
「署名」〜パトリス・フィヨ(b.1949)作品集
(1)未知の時のへりで
(2)最後の愛の歌の後のアヒルの飛翔
(3)瞑想第6番
(4)まばゆい反射の16の瞬間写真
(5)瞑想第4番
(6)ジャン=アンリ・ダングルベールの墓
(7)瞑想第7番
(1)クララ・ビュイ(Vn)
(2)アマエル・サヴァリ(Hp)
(3)フランソワ・ヴェイラン(Fl)
(4)マルコ・チッコーネ(P)
(5)ル・ヴェイヤン=パトゥ(Vn)
(6)ニノン・アンヌカール=セガル(Cemb)
(7)マルク=アントワーヌ・ミヨン(クリスタル=バシェ)

録音:2022年
フランスの作曲家、パトリス・フィヨの作品集。パトリス・フィヨは 1949年、フランス中部のリモージュの生まれ。リモージュ音楽院でフルートを学んだ後、シエナのキジアーナ音楽院やロ ーマのサンタ・チェチーリア音楽院で作曲を学んだ。部門で最優秀賞を受賞。1980 年代から 斬新な色彩感を追求した音楽を書き続けています。ヴィルヌーヴ=ル=ロワ音楽院の院長も務 めた。

MSR
MS-1771(1CD)
「ナラティヴ(物語)」〜女性作曲家によるフルートとピアノの為の作品
ヴァレリー・コールマン(b.1970):人間の家族
エイミー・ビーチ(1867-1944):3つの褐色の歌Op.44(ブロフィット・カンザー&ウォーカー編)
リリー・ブーランジェ:春の朝
グバイドゥーリナ(b.1931):アレグロ・ルスティコ、森の音
デルフィーネ・フォン・シャウロート(1814-1887):6つの無言歌(ブロフィット・クンザー&ウォルカー編)
シュラミット・ラン(b.1949):楽園の鳥
ヴァージニア・ブロフィット・カンザー(Fl)
タミー・ウォーカー(P)

録音:2022年1月10-14日アイオワ大学コンサート・ホール
20世紀と21世紀の女性作曲家によるフルートとピアノの為の作品を収録。エイミー・ビーチ、リ リー・ブーランジェはよく知られた作曲家で20世紀前半のフランス的な趣味の良さが表れた佳品。 1970年生まれのコールマンの「人間の家族」もフランス的な和声とメロディを感じさせながらその単 なる模倣に終わらないセンスのよい小品。オフェルトリウムなど深刻で激しい作風で知られるグバ イドゥーリナの2つの作品は意外にもリリカルでユーモアのあふれた名品。日本のフルーティストは もっとこの作品を取り上げるべきと思わせる。フルートのヴァージニア・ブロフィット・カンザーはアメリ カのSOの首席を歴任しながらソリストとしても活動する俊英。
MSR
MS-1840(1CD)
ウィリアム・ホワイト:コンソート全集+1
ウィリアム・ホワイト(1571-1634):6声のパヴァーヌ第2番
トマス・トムキンズ(1572-1656):6声のガリアール第92番
ウィリアム・ホワイト:6声の幻想曲第1番/5声の幻想曲第2番/3 声の幻想曲第14番/6声の幻想曲第3番/2 声の幻想曲第1番/6声のパヴァーヌ第1番/6 声の幻想曲第5番/5声の幻想曲第3番/2声の幻想曲第2 番/6声の幻想曲第2番/6声の幻想曲第6番/5 声の幻想曲第1番「ディアペンテ」/6声の幻想曲第4 番
アーベント・ムジーク【ジャドソン・グリフィン(Vn) 、マウゴルザタ・ジエムニツカ(Vn) 、ローレンス・リプニク(テノールViol) 、ロザムンド・モーリー(テノールviol) 、サラ・カニングハム(バスviol) 、パトリシア・アン・ニーリー(バスviol) 、カーリーン・ストーバー(バスviol)】

録音:2017年12月19-20日、ニューヨーク、スターテン島、聖パウロ・メモリアル教会
ウィリアム・ホワイトはルネサンス時代のイギリスの作曲家。多くの室内楽、宗教音楽を作曲した が、今日ではほとんどその作品は忘れられてしまった。このアルバムは彼のコンソート曲(ヴィオー ルを含む室内アンサンブル作品)の全てが収められています。テューダー王朝時代の典雅な雰囲気 が味わえる一枚。トマス・トムキンズはホワイトと同時代の作曲家でこちらの方が比較的よく知られ ています。

Da Vinci Classics
C-00769(1CD)

XC-00769(1CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
心の色〜カルディーニ:リコーダー作品集
フルヴィオ・カルディーニ(b.1959):ソナチネ Op.127A/ディアリオ Op.130B/モミジ/ソナチネ Op.65E/3つのノヴェレッテ/ソナチネ Op.152A/ドールズ/ソナチネ Op.99J
中村栄宏(リコーダー)、川口成彦(P)

録音:2019年12月、2020年2月、2021年11月、オフィチーナ・ソノラ・デル・ビガッロ(フィレンツェ、イタリア)
ジョルジョ・サッケッティの門下生としてフィレンツェ音楽院で学んだイタリアの現代作曲家、フルヴィオ・カルディーニのリコーダー作品集。カルディーニは、作曲だけでなく、ヴィヴァルディやモーツァルト、リストなどの作品の編曲、ピアニストとしても高い技術を発揮し、多彩な才能を持った音楽家として活躍しています。本アルバムでは、カルディーニが広く実践し、研究してきたミニマリズムとポストミニマリズムに関連する作品を取り上げています。
中村栄宏は、東京理科大学大学院工学研究科電気工学専攻修了。ソフトバンク株式会社にエンジニアとして入社後、音楽家へ転向のため退社し、オランダ・アムステルダム音楽院リコーダー専攻を学部、大学院ともに特別栄誉賞付き満点首席で卒業(日本人初の快挙)という異色の経歴を持つ次世代のリコーダー奏者です。これまでに第20回三重県文化賞・文化新人賞。第13回現代音楽演奏コンクール「競楽XIII」において、入選(4位)及び聴衆賞。第2回テルアビブ国際リコーダーコンペティション第3位、2018年ノールトホルン国際リコーダーコンペティション第2位など数々のコンクールで上位入賞を果たしています。また、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」、オランダのラジオ番組「Concertzender Actueel」への単独出演や、YouTubeへの多重録音動画の投稿、プロフェッショナルリコーダーアンサンブル「ラ・ルベルティーナ」、オランダを拠点とする「Royal Wind Music」にアンサンブルの一員として参加するなど、多岐にわたり活躍しています。
第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位に輝いた日本人鍵盤楽器奏者のホープ、川口成彦を共演者に迎え、アムステルダム音楽院で学んだ名手達がカルディーニの世界観を見事に描いています。国内仕様盤には、オリジナルのブックレットに加えて、川口成彦による書き下ろしの演奏解説や使用楽器に関する説明が付くのも注目ポイントのひとつです。

CAvi music
85-53525(1CD)
ブラームス&クルシェネク:ピアノ三重奏曲集
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 Op.8(1889年版)
クルシェネク(1900-1991):三重奏曲-幻想曲 Op.63
ファイニンガー・トリオ

録音:2021年3月&11月、ベルリン・フィルハーモニー室内楽ホール(ドイツ)
ベルリン・フィルのクリストフ・シュトロイリ、ダヴィッド・リニカー、室内楽の経験も豊富なスイス人ピアニストで、ベルリン・フィルのメンバーとも度々共演しているアドリアン・オーティカーによって2005年に結成されたファイニンガー・トリオによるブラームスとクルシェネクを組み合わせたユニークな1枚。ブラームスのピアノ三重奏曲と、ウィーンのより若い後進による同ジャンルの作品を組み合わせることで、ブラームスの作品に新たな展望を開くことを目指しています。ファイニンガー・トリオは、バウハウスとの関わりでも知られる画家・デザイナーのライオネル・ファイニンガー(1871-1956)に対する深い共感から名付けられたピアノ三重奏団。彼らの表現力の豊かさ、ニュアンスと音色の幅広さは音楽評論家からも高く評価されています。

GENUIN
GEN-23850(1CD)
ヒンデミット、ベートーヴェン、ヘンリク・ヴィエニャフスキ、R.シュトラウス:作品集
ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ Op.31-2
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ Op.24-5
ヴィエニャフスキ
:グノーの歌劇「ファウスト」による華麗な幻想曲 Op.20
R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」Op.59よりワルツ・シークエンス
アンネ・ルイーザ・クラム(Vn)、
ジョンファン・キム(P)

録音:2023年3月
ドイツ国際コンクールは多くの偉大なアーティストのキャリアを支援してきました。2022年優勝者のドイツのヴァイオリン奏者アンネ・ルイーザ・クラムもこのコンクールがきっかけとなり今回のアルバムのリリースとなります。このアルバムでは彼女の高い音楽スキルを存分に発揮できるプログラムが選ばれており、難曲ばかりが選ばれていますが、この若いアーティストは見事に表現しています。伴奏は数々のコンクールで受賞しているジョンファン・キムです。

Indesens Calliope Records
IC-024(1CD)
プーランク:愛の小径〜室内楽作品集
ヴァイオリン・ソナタ FP119
愛の小径(Vnとピアノ版)
チェロ・ソナタ FP143
思い出(Vcとピアノのための)
ヴィラネル FP74(ピッコロとピアノのための)*
愛の小径(Vcとピアノ版)
バレエ「エッフェル塔の花嫁花婿」より将軍の演説
タチアーナ・サムイル(Vn)、ユストゥス・グリム(Vc)、ジャン=ルイ・ボーマディエ(ピッコロ)、エリック・オービエ&ステファン・グルヴァ(コルネット)、デイヴィッド・ライヴリー(P)、ジャック・レイノー(P)*、ギャルド・レピュブリケーヌO、セバスティアン・ビラール(指)
IndesensとCalliopeに数々の名演を残している名手たちによるプーランクの室内楽作品集(最後の1曲のみ吹奏楽)。プーランクの最も有名なメロディのひとつである「愛の小径」はヴァイオリンとチェロ、2つのバージョンを収録。どちらも甲乙つけがたい演奏です。ポピュラー音楽の軽やかさとクラシック音楽の深みを見事に融合させ、フランスの魂にユニークで魅惑的な声を与えた20世紀フランス音楽の大胆な探検家、フランシス・プーランクの世界へ飛び込みましょう。

NMC
NMCD-278(1CDR)
トマス・シマク:ソロ
ソリロキーVII(クラリネットと共鳴ピアノのための)/カテナII/ソリロキーVIII/ソリロキーIX(トランペットと共鳴ピアノのための)/カテナIII - コロナ
アンサンブル・アンテルコンタンポランのソリストたち

録音:2020年&2022年
「表現の深さ、力強い想像力」(英国作曲家賞)、「息をのむほど独創的」(新音楽時報)と称賛されるアルバニア出身のイギリスの作曲家トマス・シマク(1958-)による、無伴奏器楽作品集。シマク4枚目のフル・アルバムであり、NMCからリリースされるのは初となります。それぞれの作品は、各楽器の表現力と技術的特性を掘り下げ検証することを目的としており、非常にヴィルトゥオーゾ的で、1つの楽器では到底不可能と思われるような深みのある表現に到達しています。騒々しいシンコペーションが特徴の「カテナIII」にはCoronaという副題がつけられており、Covid-19の大流行がもたらした壊滅的な影響についてのシマクの考察を聴くことができます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Da Vinci Classics
C-00773(1CD)
ザンドナーイ&ノヴァーク:室内楽曲集
リッカルド・ザンドナーイ:組曲 「FRA I MONTI」(フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーンとピアノのための)
ヤン・ノヴァーク(1921-1984):BALLETTI A9(フルート、オーボエ、クラリネット、F菅ホルン、バスーン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための)
ジェシカ・ダルサント(Fl)、ファビオ・リゲッティ(Ob)、マルコ・ブルスケッティ(Cl)、ステファノ・ロッシ(Hrn)、フランチェスコ・フォントラン(Fg)、カロージェロ・ディ・リベルト(P)、アンナ・ボースキ(Fl)、パオロ・ヴィヴァルデッリ(Ob)、クラウス・マンフリーニ(Va)、アンドレア・フェッローニ(Vn)、ロレンツァ・バルド(Vc)、アンジェリカ・ガスペレッティ(Cb)、ジョヴァンニ・コンスタンティーニ(指)

録音:2022年4月24日-25日
イタリア北部の町、ロヴェレートで生まれたリッカルド・ザンドナーイは、歌劇「フランチェスカ・ダ・リミニ」で名声を博し、数多くの声楽曲などを遺しました。一方、20世紀のチェコを代表する作曲家のヤン・ノヴァークは、1968年のソ連侵攻の後にデンマークとイタリアへ亡命。1970年から1977年まで、ロヴェレートで作曲活動を行い、晩年をドイツで過ごした後、ロヴェレートに埋葬されました。そんなロヴェレートにゆかりのある2人の作曲家の室内楽曲が、本アルバムには収録されています。
組曲 「FRA I MONTI」 はザンドナーイが僅か19歳で作曲した作品で、生まれ故郷ロヴェレートのヴェローナ平野やトレントの山々など、自然にインスピレーションを得て書き上げられました。
「BALLETTI A9」は1955年にチェコ九重奏団に委嘱され、翌年のプラハの春音楽祭で初演されました。当時の旧チェコスロバキアの共産主義体制の中、西欧の影響を感じさせることで当局から非難されることになりますが、ノヴァークの不屈の遊び心が反映された楽曲となっています。
Da Vinci Classics
C-00771(1CD)
メロディーの魂〜ベルナール・アンドレへのオマージュ
ベルナール・アンドレ(1941-):ジャンブレット〜ケルティックハープのための古代様式の主題による変奏曲(ハープと打楽器編)、アクアチント〜ハープまたはケルティックハープのための6つの短い小品(ハープと打楽器編)、秋の踊り〜ハープのための6つの小品(ハープと打楽器編)
リチャード・ガリアーノ(1950-):スプリーン(ハープとメロディカ編)、クロードのためのタンゴ(ハープとメロディカ編)
ドビュッシー
:月の光(ハープとグロッケンシュピール編)、
 ゴリウォーグのケークウォーク(ハープとグロッケンシュピール編)
エドアルド・ブルーニ(1975-):7つのメトラトロペスより第2番、第4番、第5番、第7番(ハープと打楽器版)
アヴァロキテ・デュオ

録音:2022年&2023年、ポレージネ(イタリア)
伝統的な音楽に現代的な表現を取り入れた独特のスタイルで、常にメロディックな表現を重視しているコンポーザー=ハーピスト、ベルナール・アンドレ(1941-)に捧げられたアルバム。ハープとパーカッションの融合を試みた実験的かつ革新的な1枚で、このユニークな楽器の組み合わせだけが作りだすことのできるニュアンス豊かなサウンドを深く掘り下げています。

Eudora
EUDSACD-2305(1SACD)
ハンス・ジット:ヴィオラとピアノのための作品集
ハンス・ジット(1850-1922):アルバムの綴り Op.39/3つの幻想小曲集 Op.58/ロマンス Op.72/3つの小品 Op.75/ロマンス Op.102/1/ガヴォットとマズルカ Op.132
アリシア・カラブッチ(Va)、
ホルヘ・ブラスコ(P)

録音:2021年4月26日-27日、サラゴサ・オーディトリアム、モーツァルト・ホール(スペイン)
スペインの高音質レーベル、Eudoraによる、SACDとMQA-CDのハイブリッド仕様のシリーズから、スペインのヴィオラ奏者、アリシア・カラブッチが奏でるチェコ・後期ロマン派、ヴァイオリニストとしても活躍したハンス・ジットのヴィオラ作品集が登場。
マドリード出身のアリシア・カラブッチは、マドリード高等音楽院、ザルツブルク・モーツァルテウム大学、アントン・ブルックナー私立大学でヴィオラを学び、最優秀の成績で修了。2009年にはベネズエラのシモン・ボリバルSO、マーラー・ユーゲントOと共演。アンサンブル・テトラクティス、バウハウス・クァルテットのメンバーとして活動する傍ら、マドリード高等音楽院では後進の育成に力を注いでいます。本アルバムで取り上げているハンス・ジットは、ヴァイオリニスト、作曲家、音楽教育者として活躍。17歳にしてブレスラウ歌劇場Oのコンサートマスターに抜擢され、フランスやオーストリア、ドイツでは指揮者としても活動。また、ライプツィヒ音楽院ヴァイオリン科の教授の職も務め、ヴァイオリンのための教則本も執筆しています。作品は、ヴァイオリンのための曲や管弦楽曲、2つのピアノ三重奏曲などを残していますが、グリーグの「ノルウェー舞曲」(原曲はピアノ連弾用の作品)の管弦楽編曲でも知られています。
フォーマットはSACD Stereo/MultichannelとMQA-CDのハイブリッドを採用しており、CD層はMQA対応機器を使用することにより、ハイレゾ音源として再生することができます。

Chopin University Press
UMFCCD-200(1CD)
イル・コンティヌオ・ヴィルトゥオーゾ
コレッリ:ヴァイオリンとヴィオローネのためのソナタ Op.5-8ホ短調
ヴィヴァルディ:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ Op.2-3ニ短調
ガスパーロ・ヴィスコンティ(1683-1713?):ヴァイオリンとヴィオローネのためのソナタ Op.1-3ト短調
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ:ヴァイオリン独奏と通奏低音のためのソナタ Op.1-1ト短調
マルティナ・パストゥシュカ(Vn)、
トマシュ・ポクジヴィンスキ(Vc)

録音:2023年5月1日-3日(ポーランド)
ヴァイオリニストのマルティナ・パストゥシュカは、コンサートマスター、ソリスト、室内楽奏者として数々のアンサンブルと共演し、2022年ポーランドのクラクフで行われた音楽祭では芸術監督を務めるなど、その活動の幅を広げています。パストゥシュカは、フロリアン・レオンハルト・フェローシップから貸与されたガルネリ・デル・ジェスを使用しています。
チェリストのトマシュ・ポクジヴィンスキは、バロック音楽からエレクトロニクスを用いた現代音楽まで幅広く手がける多才な音楽家です。主に活動を行うヨーロッパでは室内楽奏者ならびに通奏低音の専門家として高く評価されており、アメリカ、アジア、アフリカなど世界各国でも一流の古楽アンサンブルやソリストと共演しています。
Chopin University Press
UMFCCD-154(1CD)
アレクサンデル・タンスマン:弦楽四重奏曲第3番
トリプティク(弦楽四重奏のための)
弦楽四重奏曲第4番
アレクサンデル・タンスマンQ【ラファウ・ドゥジク(Vn1)、スタニスワフ・ガジナ(Vn2)、ヤクブ・グラベ=ザレンバ(Va)、ヨアンナ・ドゥジク(Vc)】

録音:2021年8月&11月(ポーランド)
作曲家、ピアニストのアレクサンデル・タンスマンは1897年にポーランドで生まれ、大学を卒業後フランスで活動を始めました。ユダヤ系だったタンスマンは1941年にアメリカへ亡命、戦後は再びフランスへ戻りました。このような経歴のため、祖国であるポーランドでは長い間タンスマンの楽曲は知られていませんでしたが、1980年代から今日にかけて、広く評価されることとなります。
アレクサンデル・タンスマン四重奏団は2008年に結成され、特にタンスマンの作品に重点を置きつつ、珠玉のレパートリーとあまり知られていない作曲家の作品とを組み合わせることで室内楽の振興を図っています。

CAvi music
85-53533(1CD)
クラリネット五重奏曲集
レーガー:クラリネット五重奏曲イ長調 Op.146
ヨハンナ・ゼンフター(1879-1961):クラリネット五重奏曲変ロ長調 Op.119(世界初録音
キリアン・ヘロルド(Cl)、
アルミーダSQ

録音:2023年2月、ハンス・ロスバウト・スタジオ(バーデンバーデン、ドイツ)
前作(8553527)ではフランクとマルタンのピアノ五重奏曲集でピアニストのマーティン・クレットとコラボレーションしたアルミーダSQが、今度は23歳の若さでブレーメン・ドイツ・カンマーフィルの首席クラリネット奏者に就任し、ウィーン・フィルやベルリン・フィルへの客演も多い名クラリネット奏者、キリアン・ヘロルドと共演。
ヘロルドが「レコーディングすることが長年の夢だった」と語るドイツの女性作曲家ヨハンナ・ゼンフターのクラリネット五重奏曲は世界初録音。ゼンフターはフランクフルト・アム・マインでピアノとヴァイオリンを学んだ後、作曲を学ぶためにレーガーを訪ねてライプツィヒまで赴き個人的に師事しました。ヘロルドが「ゼンフターの五重奏曲はレーガーと対をなすにふさわしい」という、師弟による作品の聴き比べをお楽しみください。2023年のレーガー生誕150周年を祝うリリースです。

Gutman Records
GUTMANCD-194(1CD)
ドビュッシー、ラヴェル、デュティユー:弦楽四重奏作品集
ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調 Op.10
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
デュティユー
:夜はかくの如し
アルマ四重奏団

録音:2017年12月10日-11日&2019年6月24日-25日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーによって2014年に結成され、その演奏の質の高さとジャンルに囚われない広範な活動で国際的に高い評価を受けているアルマ四重奏団が贈る、フランスの三大弦楽四重奏作品とも呼ぶべき傑作プログラム。世界最高峰のオーケストラで日々演奏する彼らの実力は言うまでもなく折り紙つき。生き生きとした類まれなサウンドで作品の持つ魅力を最大限に引き出し、美しく深みのある演奏を聴かせます。
Gutman Records
GUTMANCD-182(1CD)
バレエ・リュス
ボロディン(コゾルポフ編):だったん人の娘たちの合唱と踊り
プロコフィエフ
:チェロ・ソナタ Op.119
プーランク:思い出、愛の小径、
 チェロ・ソナタ
リムスキー=コルサコフ(ジンバリスト編):「金鶏」による演奏会用幻想曲
アナスタシア・フェルレヴァ(Vc)、
フランク・ファン・デ・ラール(P)

録音:2018年1月3日-5日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
ロシア出身のチェリスト、アナスタシア・フェルレヴァのデビュー・アルバム。バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)を主宰したセルゲイ・ディアギレフへオマージュを捧げます。フェルレヴァはドイツのフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙から「説得力があり、情熱的で魅惑的な解釈」「最後の一音まで有機的なフレージングと鮮烈な迫力」と評されるなど技巧と芸術的雄弁さを併せ持った演奏で室内楽の舞台を中心に活躍しています。
Gutman Records
GUTMANCD-191(1CD)
共生
ポルドフスキ(レジーヌ・ヴィエニャフスカ)(1879-1932):ソナタ ニ短調
マティルデ・ヴァンテナール(b.1993):おとぎ話
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ミーレル・フェルカンメン(Vn)、
ディーナ・イヴァノヴァ(P)

録音:2019年1月7日-9日、アイントホーフェン音楽堂(オランダ)
1988年オランダ生まれ、ロンドンの王立音楽大学を最優秀の成績で卒業した新星ヴァイオリニスト、ミーレル・フェルカンメンのデビュー・アルバム。デュオを組み共に活動しているロシア出身のディーナ・イヴァノヴァを伴奏に迎え、19世紀のポーランドを代表するヴァイオリニスト&作曲家であったヘンリク・ヴィエニャフスキを父に持つポルドフスキ(レジーヌ・ヴィエニャフスカ)と、2023年に30歳を迎えたばかりのアムステルダム出身の若手作曲家、マティルデ・ヴァンテナールという興味深い2人の作曲家の作品をチョイスし、フランクの代表作であるソナタを組み合わせました。
Gutman Records
GUTMANCD-193(1CD)
ベース・アド・リビトゥム
ボッテジーニ:エレジー ニ長調、
 タランテラ、夢想、
 パイジエッロの「もはや私の心には感じない」の主題による変奏曲
ラヴェル:ハバネラ形式のヴォカリーズ・エチュード より 「Presque lent et avec indolence」
グリエール:前奏曲 Op.32-1、
 スケルツォ Op.32-2、
 間奏曲 Op.9-1、タランテラ Op.9-2
ボッテジーニ:クラリネット、ダブル・ベースとピアノのためのデュエット
オリヴィエ・ティエリ(ダブル・ベース)、
マルタイン・ウィレルス(P)、
オリヴィエ・パテイ(Cl)

録音:2018年7月8日-10日、MCO(ヒルフェルスム、オランダ)
フランス出身でロイヤル・コンセルトヘボウOのコントラバス奏者を務めるオリヴィエ・ティエリのアルバム。ティエリは自宅で父親から初めてコントラバスのレッスンを受けたのが15歳と遅めのスタートでしたが潜在していた才能をすぐさま開花させ、ドイツのフォルクヴァング芸術大学を卒業後アムステルダムに移り、ロイヤル・コンセルトヘボウOのメンバーになりました。またアムステルダム音楽院の教授に就任し後進の育成にも努めています。このアルバムでは「コントラバスのパガニーニ」の異名をとったボッテジーニやグリエールの作品でコントラバスの表現力の多彩さを示し、ラヴェルの作品ではヴォカリーズをコントラバスで弾いて極上の歌心を聴かせてくれます。

Avie
AV-2620(1CD)
ブラジルの魂(ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第6番ほか)
アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994):Estrada do sol、Chovendo na roseira、Quebra-pedra、Retrato em branco e preto(クラリス・アサド編)
クラリス・アサド(1978-):弦楽四重奏のためのグリッチ
ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第6番 W.399、夕暮れ W.544(クラリス・アサド編)
デルガーニSQ、
クラリス・アサド(歌、ピアノ)

録音:2022年6月&9月
著名なギター奏者のセルジオ・アサドの娘であるブラジル系アメリカ人の歌手・作曲家クラリス・アサド(1978-)と、オレゴン州最高の室内楽アンサンブルと称されるデルガーニSQによる、クラシックとポピュラー・スタイルを融合させた1枚。ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲第6番を中心に、アサド自身の作品や、彼女が編曲したジョビンやヴィラ=ロボスの作品が収録されています。


King International
KKC-107(1CD)
国内製作
税込定価
バッハ:フルートとチェンバロの為のソナタ集(全曲)/
フルートとチェンバロの為のソナタ ロ短調 BWV1030
フルートと通奏低音の為のソナタ ホ長調 BWV1035
無伴奏フルートの為のパルティータ イ短調 BWV1013
フルートとチェンバロの為のソナタ イ長調 BWV1032
フルートとチェンバロの為のソナタ イ長調 BWV1032
バルトルド・クイケン(フラウト・トラヴェルソ)
渡邊順生(Cemb)
使用楽器:Flute = Alain Weemaels, Brussels 2020(after J. H. Rottenburgh, Brussels c1725)
Harpsichord = Martin Skowroneck, Bremen1999 (German Model)

録音:2022年12月5-8日、ワキタ・コルディアホール(大阪)
世界的なフルートの名手、古楽界のレジェンド、バルトルド・クイケンと現代日本を代表するチェンバロ奏者、渡邊順生によるバッハのフルート作品全曲 録音。出会いから40年以上、旧知の仲の名匠二人による初めての共演となります。内容は、バッハの真作と判定されているフルート作品5曲、無伴奏が1曲、 オブリガート・チェンバロの曲が2曲、通奏低音の曲が2曲、というバッハの室内楽の縮図を1枚に収めたアルバム。抜群の音響を誇るワキタコルディアホール (旧イシハラホール)で2022年12月に収録されました。 解説書にはバルトルド・クイケン氏書下ろし原稿(加藤拓未氏日本語訳)を掲載し、読み応えのある解説書となっています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72932(1CD)
コルンゴルト:弦楽四重奏曲第1番イ長調 Op.16
ピアノ五重奏曲 ホ長調 Op.15*
アルマSQ
セヴェリン・フォン・エッカードシュタイン(P)*

録音:2022年10月22・23・29・30日/ ヒルフェルスム、MCOスタジオ
第2・3番を収録した第1集(CC-72869)に続く、アルマSQによるコルンゴルトの弦楽四重奏曲全集(全3曲)の第2集。残りの第1番にピアノ 五重奏曲をカップリングしています。両曲とも1920年代、作曲家20代半ばに書かれた作品で、無垢なまでの美しさに少しの危うさを混ぜたような後期ロマン薫 る豊饒な音楽。
アルマSQは2014年結成。コルンゴルトの楽曲はコロナ禍でメンバーが集まって合わせるのも困難な時期に開拓していった新しいレパートリーです。 新しいものに集中し力をそそぎ深めていったのがわかる、とても聴き応えのある演奏です。ピアノのエッカードシュタインもメトネル、スクリャービン、ワーグナー、 シューベルト、シューマンといったロマン派・近代を得意とする演奏家なので五重奏曲も非常に完成度の高い録音になっています。 (Ki)

BIS
BISSA-2643(1SACD)
『子供たちよ!』
細川俊夫(1955-):五木の子守唄(Komori-Uta)(2021)〜ヴィオラ・ソロの為の
バッハ:アルマンド〜無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009より
ヨハンナ・ドーデラー(1969-):小鳥のさえずり(The little bird)(2021)〜ヴィオラとピアノの為の
ギティ・ラザズ(1986-):黄金の蜂(The golden bee)(2022)〜ヴィオラ・ソロの為の
マルト=マティス・リル(1975-):子守歌(Lullaby)(2022)〜ヴィオラとピアノの為の
バッハ:アルマンド〜無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007」より
エリオット・ガイガー(1968-):歌うこと(Chanting)(2021)〜ヴィオラとピアノの為の
大島ミチル(1961-):花(Flower)(2022)〜ヴィオラとピアノの為の
バッハ:アルマンド〜無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV1008より
ユーリ・ポヴォロツキー(1962-):ほらツバメが来たよ(Here Comes a Swallow)(2022)〜ヴィオラとピアノの為の
カレヴィ・アホ(1949-):ねんねんころり(Nuku, lapsoseni)(2021)〜ヴィオラとピアノの為の
バッハ:アルマンド〜無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV1011より
フェデリコ・ガルデッラ(1979-):子守歌(Wiegenlied)(2021)〜ヴィオラとトイ・ピアノの為の
ディアナ・ロタル(1981-):Co(ho)quet(us) reMix(2021)〜ヴィオラ・ソロの為の
バッハ:アルマンド〜無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV1010より
イヴァン・ブッファ(1979-):まだ知らぬ声に(To The Unknown Voice)(2021)〜ヴィオラとピアノの為の
ルー・ワン(1982-):スズメとツノメドリ(Sparrows and Puffins)(2022)〜ヴィオラ・ソロの為の
バッハ:アルマンド〜無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012より
アレクセイ・ゲラシメス(1987-):五木の子守唄(Lullaby of Itsuki)(2022)〜ヴィオラとハンドパンの為の
戸川ひより(Va)
キヴェリ・デルケン(P)
アレクセイ・ゲラシメス(打楽器)
[楽器 Viola:Antonio Cassini, Modena, c.1690/Bow: Benoit Rolland/Piano:Steinway D,1929]

録音:2022年9月26〜28日/ニコデモ教会(ベルリン)、2023年1月16〜18日、2月13〜15日/アンドレーアス
日本とオーストラリアをルーツにもつヴィオラ奏者、戸川ひよりは、世界がCOVID-19のパンデミックで苦しんでいた時、各国の作曲家 に委嘱したヴィオラ・ソロ曲のアルバム『孤独の歌(Songs of Solitude)』(KKC-6436/ BIS SA-2533)をリリース。同アルバムは各誌で大きく取り上 げられ話題となりました。期待の新録音『Children!(子供たちよ!)』は、「子供」をコンセプトにしたアルバムです。このプロジェクトの背景には、自身2人目の 子の母になった彼女が、子供を取り巻くさまざまな環境に思いを巡らせたことがあったといわれます。
彼女が新曲を委嘱したのは、「孤独の時」を彼女と分かち合った、細川俊夫、ヨハンナ・ドーデラー、大島ミチル、カレヴィ・アホ。そして、イラン出身のアメリカ の作曲家ギティ・ラザズ、エストニアのマルト=マティス・リル、オーストラリアのエリオット・ガイガー、ロシア出身のユーリ・ポヴォロツキー、ルーマニアのディアナ・ ロタル、スロヴァキアのイヴァン・ブッファ、中国のルー・ワン、ドイツのアレクセイ・ゲラシメスが、彼女のプロジェクトに共感し、作品を寄せました。
前のアルバムではバッハの「無伴奏チェロ組曲」の〈サラバンド〉が、曲と曲の間で演奏されていました。このアルバムも同じ構成がとられ、6つの〈アルマンド〉 が「橋渡し」の役割を担っています。
ブックレットは、それぞれの作曲家に見開きの2ページが割かれています。作曲家たちの「今」と子供のころの写真と、戸川ひよりが彼らと「子供」の関わりにつ いて書いた一文(ドイツ語、英訳、フランス語訳)が掲載されています。

Goodies
78CDR-3918(1CDR)
ベートーヴェン:七重奏曲変ホ長調作品20 ウィーン八重奏団のメンバー
【ウィリー・ボスコフスキー(Vn)、ヨハン・クルンプ(Cb)、アルフレート・ボスコフスキー(Cl)、ルドルフ・ハンツル(Fg)、ヨゼフ・ウェレバ(Hrn)、ギュンター・ブレイテンバッハ(Va)、ニコラウス・ヒュブナー(Va)】

英 DECCA AX306/310ffrr録音
1948年7月スイス、ジュネーヴ放送スタジオ録音
ウィーン八重奏団は、長い伝統に育まれた独特の優美な響きと、自発性に富ん だ豊かな表現で、世界最高のオーケストラとして、世界中の音楽ファンから愛 されてきたVPOの首席奏者たちを中心に結成 された。第二次世界大戦後直後の1947年、当時ウィーン・フィルのコンサート ・マスターだったウィリー・ボスコフスキー(1909-1991)と彼の実弟で首席クラ リネット奏者アルフレート・ボスコフスキー(1913-1990)を中心に弦楽器奏者5 人、管楽器奏者3人で結成された。これはその初録音。SPレコードの末期で英 国デッカ社はウィーンにスタジオが無く、スイスのジュネーヴの放送局のスタ ジオに出向き録音した。デッカ社がウィーンで録音を始めたのは1950年だった。(グッディーズ)

オクタヴィア
OVCL-00826(1SACD)
税込定価
2023年9月27日発売
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 作品78 「雨の歌」(パウル・クレンゲルによるチェロ編曲版:ニ長調)
フランク:ヴァイオリン・ソナタ FWV8(レナード・ローズによるチェロ編曲版:イ長調)
川上徹(Vc)、三輪郁(P)

録音:2023年5月13日 東京、hall 60(ホール ソワサント)・ライヴ
長年オーケストラプレーヤーとして活躍してきた川上徹 による最新盤は、ブラームスとフランクの名高いヴァイ オリン・ソナタのチェロ版です。2023年5月に行われたラ イヴの録音で、ピアノの三輪郁による好サポートを得た、 豊かな音楽がここに収められています。 味わい深いチェロの音色で、オリジナル作品とは一味 違った魅力をお楽しみください。(オクタヴィア)

Hanssler
HC-22063(1CD)
ルーツ / シャーリー・ブリル
(1)シューマン(ブリル編):民謡風の5つの小品Op.102
(2)ペンデレツキ:3つの小品
(3)クララ・シューマン(ブリル編):3つのロマンス
(4)ルトスワフスキ:ダンス・プレリュード(全5曲)
(5)ヴァインベルク:クラリネット・ソナタOp.28
シャーリー・ブリル(Cl)、
ジョナサン・アーナー(P)

録音:2022年12月/ラ・ショー=ド=フォン(スイス)
イスラエルの女性クラリネット奏者シャーリー・ブリルがドイツとポーランド作品に自らのルーツに思いをはせたアルバム。そもそもはブリルがヴァインベルクのク ラリネット・ソナタを演奏した際、その圧倒的な精神力に聴衆が心打たれただけでなく、本人も曲に現れるクレズマー音楽の要素に深く共感したとされます。
そこからドイツ、ポーランド両国の民族意識が滲み出る5作を選びました。シューマンの2作はブリルの編曲ですが、「3つのロマンス」はローベルトの名作では なく妻クララの作。師ザビーネ・マイヤーゆずりのドイツ的な音色で歌ごころも満点。じっくり楽しめます。
ポーランドの3篇はいずれもクラリネットのオリジナル作品で、ペンデレツキの若書き、ルトスワフスキの前衛でない作品も聴きもの。いずれも生命力とエネルギー にあふれています。一方ヴァインベルクはクレズマー音楽の伝統を感じさせる物哀しくもエキゾチックな情感をブリルは圧倒的な説得力と完成度で迫ってきます。 ヴァインベルクの難しいピアノ・パートの快演をはじめパートナーのアーナーも注目です。 (Ki)

Challenge Classics
CC72963(1CD)
ミルキング・ダークネス
レーラ・アウエルバッハ(1973-):孤独の組曲(孤独なヴァイオリン弾きの為のバレエ)〜ヴァイオリン独奏
ピアノ三重奏曲第4番(2017) *
ミルキング・ダークネス(2011)〜ピアノ独奏 *
古い様式による3つの舞曲(2000)〜ヴァイオリンとチェロ
ピアノ三重奏曲第3番(2013/2018改訂) *
デ ルタ・ピアノ・トリオ【 ヘーラルト・スプロンク(Vn )、イレーネ・エルズリン(Vc)、フェラ・コー ペル(P)】

録音:2023年2月14-16日ヒルフェルスムMC01(オランダ)
*世界初録音
3人の若いオランダ人奏者が2013年にザルツブルクで結成したデルタ・ピアノ・トリオ。現代音楽に力を入れる頼もしい団体。彼らの最新アルバムはロシア出 身でアメリカを本拠に活躍するレーラ・アウエルバッハ作品集。
文学者としても知られる彼女は独特な死生観を持っていて、その不可避な暗闇から逃れようとする無駄な闘いが音楽にも表れています。新作のピアノ三重奏曲 第4番は葬儀の鐘の音が運命を暗示し、暴力的な音響、泣き叫ぶようなトリルが最後まで救いなく続く衝撃作。また旧作を改訂したピアノ三重奏曲第3番は演奏の 視覚的側面がアウエルバッハにとり重要なことを具現化。音楽だけでなくパフォーマンスも作品となっています。しかしこの曲も最後に夢が打ち砕かれる彼女の美 学が反映しています。
アルバム・タイトルの「ミルキング・ダークネス」は2011年のピアノ曲。すべての色の絵具を混ぜると黒になることから、「闇を引き出す」彼女の作品の持つ強 烈な影響力を的確に言い表しています。死への恐怖と憧れが入り混じるムソルグスキーの伝統を忠実に受け継ぐ音楽と申せましょう。 (Ki)

BRIDGE
BCD-9581(1CD)
マーク・デヴィッドソン(Tb)
ジャン=ミシェル・ドゥフェ(b.1932):シューマンの流儀で、
 ドビュッシーの流儀で、
 ストラヴィンスキーの流儀で
ダーフィト:トロンボーン小協奏曲 Op.4
ジャン=ミシェル・ドゥフェ:ヴィヴァルディの流儀で、
 バッハの流儀で、
 ブラームスの流儀で
ルーク・ダーン(b.1976):カウンタープレイ
ヒンデミット:トロンボーン・ソナタ
マーク・デヴィッドソン(Tb)
ヴィクター・ヴァルコフ(P)

録音:2021年 ユタ州 ソルトレイクシティ
米国のトロンボーン奏者、マーク・デヴィッドソンによる様々なトロンボーン曲集。フランスの作 曲家、ジャン=ミシェル・ドゥフェの6人の作曲家の流儀による曲が面白い。フェルディナント・ ダーフィト(1810-1873)のトロンボーン小協奏曲は、トロンボーン吹きの間ではよく知られている 曲だが、あまり録音がない。ピアノ伴奏で演奏する際にはこの CD は大いに参考になるでしょう。 ルーク・ダーン(1976-)の「カウンタープレイ」はダヴィッドソンのために書かれた曲。そしてトロン ボーン・ソナタの定番、ヒンデミット。 マーク・デヴィッドソンは2015 年からユタSOの首席トロンボーン奏者を務めています。力強 さのある響きが見事。

Orchid Classics
ORC-100225(1CD)
NX-B03
サクソフォン四重奏曲集
グラズノフ:サクソフォン四重奏曲 変ロ長調 Op.109(1932)
カルロス・サイモン(1986-):哀歌:A Cry from the Grave 墓からの叫び(2016)
ギジェルモ・ラゴ(1960-):シウダデス(1960)
アルトゥーロ・マルケス(1950-):Danzon-5, “Portales de Madrugada“(1997)
パキート・デリベラ(1948-):Wapango ワパンゴ(1993)
エド・ケイル(1959-):The Iberia Suite イベリア組曲(2004)*9
ジョン・コルトレーン(1926-1967):Dear Lord ディア・ロード(1965)
 (デイヴ・リープマン編2014)
エアロQ【Salvador Flores(ソプラノ・サクソフォン)、Walt Puyear(アルト・サクソフォン)、Matthew Koester(テナー・サクソフォン)、Brian Kachur(バリトン・サクソフォン)】
Arun Luthra(ソプラノ&テナー・サクソフォン)*

録音:2022年9月18、19日
サックス四重奏団の多様性を探求しながら、クラシック音楽とジャズ音楽の間を行き来し、世界中の音楽の 要素を散りばめた選曲で聴かせるエアロ四重奏団のアルバム。 グラズノフがその特徴的な音に魅せられて書いたという「サクソフォン四重奏曲」にはじまり、さまざまな国の作 曲家の多彩な作品を採り上げ、最後にコルトレーンの「Dear Lord」で締めくくるという1枚には、メンバーた ちの共感と愛が込められています。

アールアンフィニ
MECO-1079(2CD)
税込定価
椿三重奏団/偉大な芸術家の想い出に
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 作品50「偉大な芸術家の想い出に」
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲 第2番 ホ短調 作品67
椿三重奏団【高橋多佳子(P)、礒 絵里子(Vn)、新倉 瞳(Vc)】

録音:2023年3月28日-30日
人気ピアノ・トリオ「椿三重奏団」のセカンド・アルバムです。デビュー・アルバム「メンデルスゾーン&ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番」では、 艶やかで薫り立つようなカンタービレが聴く者の琴線に響き「レコード芸術誌特選盤」に選出されてベストセラーとなりました。 このアルバムでは一転、ロシア音楽を代表するチャイコフスキーとショスタコーヴィチの名作による、その重厚でエモーショナルなアンサンブルが圧 巻の魅力となっています。眼前で繰り広げられる丁々発止のまさに手に汗握る迫真の演奏が、DSD11.2MHz 超ハイレゾレコーディングに より刻印されました。

Virtus Classics
VTS-21(1CD)
税込定価
バッハ:ゴルトベルク変奏曲(海野幹雄による弦楽三重奏版) ゴルトベルク・トリオ東京【瀬ア 明日香(Vn)、村松 龍(Va)、海野 幹雄(Vc)】

録音:2022年10月4〜5日高崎芸術劇場 音楽ホール
J. S. バッハの名曲、ゴルトベルク変奏曲にはたくさんの編曲版が存在し、中でもシトコヴェツキによる弦楽三重 奏版は一つの決定版と見られています。私たちもこの楽譜を基にたくさん演奏を重ねて参りましたが、いつしか私 はそれとは異なる角度から弦楽器の良さを引き出した新たな編曲版を作りたいと思うようになりました。違った視 点からこの名曲の本質に近づいてみたいという理想を追求した一つの結果としてお聴き頂ければ幸いです。 (海野 幹雄)

OMF
KCD-2095(1CD)
税込定価
バリトン・トリオとニコラウスの館
ハイドン(1732-1809):バリトン三重奏曲第95番 ニ長調 Hob.XI:95
バリトン三重奏曲87番イ短調 Hob.XI: 87
カッサシオン ト長調(原曲 ハ長調) Hob.III:6
バリトン三重奏曲第114番ニ長調 Hob.XI: 114
バリトン三重奏曲第66番イ長調 Hob.XI: 66
バリトン、2本のホルン、ヴィオラ、バスの為の五重奏曲 ニ長調 Hob.X:10
トリオ・シュタットルマン【坂本龍右 バリトン、朝吹園子 ヴィオラ、菅間周子 ウィーン式コントラバス】
福川伸陽(Hrn)、藤田麻理絵(Hrn)

録音:2022年1月25日-28日雑司ヶ谷本浄寺拝鈍亭
世界でも珍しい弦楽器バリトンを擁した、スイスで結成し活動する日本人による三重奏、トリオ・シュタットルマン。結成10周年を迎え、ハイ ドン作曲のバリトン・トリオ作品全曲演奏プロジェクトを行っている東京雑司ヶ谷拝鈍亭の協力を受け、初の録音作品をリリース。現存する 唯一のホルン2本を含む五重奏曲も収録!

Hanssler
HC-23022(1CD)
フリューリング:クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.40
カーン:セレナード Op.73
ブラームス:クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114
クオンタム・クラリネット・トリオ【エレーナ・ヴェロネージ(Cl)、ヨハネス・プリジゴッダ(Vc)、キム・ボギョン(P)】

録音:2022年10月1〜3日/ベルリン=ブランデンブルク放送(RBB)、ザール3、ベルリン(ドイツ)
ブラームスのクラリネット三重奏曲に魅了され結成を決意したというクオンタム・クラリネット・トリオのデビュー盤。当団はザルツブルクのモーツァルテウム音楽 大学で出会ったイタリア出身のクラリネット奏者エレーナ・ヴェロネージ、ドイツ出身のチェロ奏者ヨハネス・プリジゴッダ、そして韓国出身のピアノ奏者キム・ボギョ ンによって結成。ブラームスの演奏を目的としつつ、室内楽を学ぶにつれ他の作曲家にも興味が湧き、現在は常設の団として活躍しています。当アルバムではカー ル・フリューリング(1868-1937)、ロベルト・カーン(1865-1951)、そしてブラームスの作品を録音しました。
フリューリングはオーストリア=ハンガリー帝国のレンベルク生まれ。作曲家として活躍する一方、パブロ・デ・サラサーテ、ブロニスラフ・フーベルマンなど大ヴァ イオリニストとの共演でも知られます。クラリネット三重奏曲はフリューリングの代表作。ロマン主義様式による力作です。
ドイツの作曲家、ピアニストのロベルト・カーン(1865-1951)。カーンの作曲の教え子には指揮者のフェルディナント・ライトナー、ピアニストのヴィルヘルム・ ケンプ、そして作曲家、成田為三もいます。カーンはメンデルスゾーン、シューマン、ブラームスの作曲スタイルで数多くの作品を残しておりますが、なkでもセレナー ドは美しい珠玉の作品です。

CONTINUO Classics
CC777-828(1CD)
モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563 トリオ・ジャコブ【ラファエル・ジャコブ(Vn)、ジェレミー・パスキエ(Va)、サラ・ジャコブ(Vc)】

録音:2021年5月/モンテジエ劇場
ヴァイオリン奏者ラファエル・ジャコブ、ヴィオラ奏者ジェレミー・パスキエ、チェロ奏者サラ・ジャコブからなる「トリオ・ジャコブ」が、モーツァルトが作曲した 唯一の弦楽三重奏曲、ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563を録音しました。
全6楽章からなるこの作品は1788年作曲。ソナタ形式の第1楽章、崇高な第2楽章、変奏手法の第4楽章、主題の展開を含むロンド形式の第6楽章など、多 くの弦楽四重奏曲を作曲した後の成果があらわれたモーツァルト後期の傑作です。
レジス・パスキエに師事し、クレール・デゼール、エマニュエル・シュトロッセら高名な演奏家と共演してきたラファエル・ジャコブ率いる「トリオ・ジャコブ」が芳 醇な香り漂うモーツァルトを演奏しております。 (Ki)

FIRST HAND RECORDS
FHR-144(1CD)
スモック・アリー〜トンマーゾ・ジョルダーニとアイルランド音楽
伝承曲:Gallaway’s Lament
フランシス・アイルランド(ハッチソン)(1721-1784):To Sleep
トンマーゾ・ジョルダーニ(1730-1806):6つのチェロ二重奏曲 Op.18 第1-3番
トーマス・ロザイングレーブ(1690/91-1766):スカルラッティのレッスンのための導入部
ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ ト長調 K13/ ト短調 K30
トンマーゾ・ジョルダーニ:6つのチェロ二重奏曲 Op.18第4-6番/ 鍵盤楽器のための前奏曲 イ長調 Op.33-11
フランチェスコ・ジェミニアーニ(1687-1762):チェロ・ソナタ イ長調 Op.5-1
伝承曲:Eileen Aroon / Molly St George / The Rakes of Westmeath
カリーナ・ドラリー(1985-):Caoineadh
アイルランディアーニ
【カリーナ・ドラリー(バロック・チェロ)、ポピー・ワルショー(バロック・チェロ)、ジョン=ヘンリー・ベイカー(ヴィオローネ、打楽器)、ナサニエル・マンダー(Cemb)、エイマー・マクゲオン(アイリッシュ・フルート)】
イタリアの作曲家トンマーゾ・ジョルダーニ(1730-1806)はオペラ一座の生まれで、ダブリンの「スモック・アリー劇場」で劇音楽を発表し活躍した人物。血 筋の確証もないジュゼッペ・ジョルダーニと混同された歴史があり情報が錯綜していますが、あの有名な歌曲『カロ・ミオ・ベン』の作曲者でもあるとされていま す。このトンマーゾのチェロ二重奏曲をメインに据え、イタリアとアイルランドの音楽を絡めて18世紀ダブリンの世界観を探求したアルバム。チェロ2本の素朴にし て豊かな響きに打楽器やアイリッシュ・フルートが加わることで、独特の彩りがもたらされています。

DUX
DUX-1929(1CD)
ブルズドヴィチ:ピアノとチェロのための作品集
ヨアンナ・ブルズドヴィチ
(1943-2021):ロマンティック・バラッド(Pのための)
希望と愛の歌(Vcとピアノのための)
サルバドール・ダリ展の16の絵(Pのための)
ピオトル・コヴァル(P)、
パヴェウ・チャラクチエフ(Vc)

録音:2022年(ポーランド)
ポーランド・ワルシャワ生まれの女性作曲家ヨアンナ・ブルズドヴィチ(1943-2021)による映画や文学、絵画にインスパイアされたピアノとチェロのための作品集。「ロマンティック・バラッド」は映画『Le jupon rouge / The Red Skirt』の音楽のピアノ・トランスクリプション。チェスワフ・ミウォシュの詩にインスピレーションを受けた「希望と愛の歌」は4楽章制のチェロ・ソナタで、ホロコーストの犠牲者であるポーランド系ユダヤ人の記憶に捧げられています。「サルバドール・ダリ展の16の絵」はダリが生まれたスペインのフィゲラスからの、ダリ生誕100年を記念した委嘱作です。
DUX
DUX-1928(1CD)
メイエル:弦楽四重奏曲第13番、第14番、第15番
クシシュトフ・メイエル(1943-):弦楽四重奏曲第13番 Op.113
弦楽四重奏曲第14番Op.122
弦楽四重奏曲第15番 Op.131
ヴィエニャフスキSQ

録音:2022年(ポーランド)
第二次世界大戦下に生まれたポーランドの作曲家クシシュトフ・メイエル(1943-)の弦楽四重奏曲集。ペンデレツキやルトスワフスキといったポーランドの現代作曲家の重鎮や、フランスのナディア・ブーランジェにも師事したメイエルは、このジャンルの数少ない存命のスペシャリストの筆頭として『音楽の歴史と現在(MGG)』における弦楽四重奏の歴史の中でも取り上げられています。

RUBICON
RCD-1119(1CD)
締めくくりの言葉〜ヴァイオリンとピアノのための作品集
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第3番WoO2、
 幻想曲 ハ長調 Op.131
シェーンベルク:幻想曲 Op.47
シルヴェストロフ:ヴァイオリン・ソナタ「追伸」
ソフィー・ローザ(Vn)、
イアン・バックル(P)
2011年のマンチェスター国際ヴァイオリン・コンクールで第2位&聴衆賞を受賞して国際的な注目を集め、Champs Hill Recordsからフランクとラヴェルのヴァイオリン・ソナタ集(CHR-CD-123)でレコーディング・デビューを果たしたイギリスの若きヴァイオリニスト、ソフィー・ローザ。モンジュルーやヴィオッティ、メンデルスゾーン、ウェーバーのヴァイオリン・ソナタを集めた前作(RCD-1056)はグラモフォン誌から「揺るぎなく美しい音色」「イアン・バックルとの息もぴったり」と絶賛されました。
『CLOSING STATEMENTS』と題された本作では、作曲家たちがどのように創作活動に終止符を打つのかをテーマにシューマン、シェーンベルク、シルヴェストロフの作品を取り上げます。彼らの晩年の作品は、それまでの集大成なのか、それとも次に来るかもしれないものを示唆しているのか。病気はその深遠さを高めたのか、それとも力を削いだのか。本作で取り上げられた音楽は、それぞれがこれらの疑問に対する異なる答えを示唆し、ある種の先入観に挑んでいます。

Nimbus
NI-5952(1CDR)
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番他
ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調、
ソナチネ Op.100、「スラブ舞曲集」(クライスラー編)より舞曲 Op.46-2、舞曲 Op.72-2、舞曲 Op.72-8
トリオ・シャハム・エレツ・ウォルフィッシュ

録音:2019年3月8日-9日
ハイペリオン(Hyperion)、シャンドス(Chandos)、ニンバス(Nimbus)などでそれぞれソリストとして活躍する世界的名手たち、ハガイ・シャハム、ラファエル・ウォルフィッシュとアーノン・エレツが2009年に結成したピアノ三重奏団、トリオ・シャハム・エレツ・ウォルフィッシュ。本アルバムではドヴォルザークを取り上げています。ドヴォルザークは、ヴィオラ奏者またピアノ奏者としても室内楽に精通していました。ここで収録された「ピアノ三重奏曲第3番」は母の死後書かれた作品でその影響も窺えます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

LAWO Classics
LWC-1257(1CD)
モーツァルトとオルガン
モーツァルト:教会ソナタ第1番変ホ長調 K.67/41h/教会ソナタ第2番変ロ長調 K.68/41i/教会ソナタ第3番ニ長調 K.69/41k/教会ソナタ第4番ニ長調 K.144/124a/教会ソナタ第5番へ長調 K.145/124b/教会ソナタ第6番変ロ長調 K.212/教会ソナタ第7番ト長調 K.241/教会ソナタ第8番へ長調 K.224/241a/教会ソナタ第9番イ長調 K.225/241b/教会ソナタ第10番へ長調 K.244/教会ソナタ第11番ニ長調 K.245/教会ソナタ第13番ト長調 K.274/271d/教会ソナタ第15番ハ長調 K.328/317c/教会ソナタ第17番ハ長調 K.336/336d/アダージョとアレグロ へ短調 K.594/幻想曲 へ短調 K.608/アンダンテ へ長調 K.616
アンデシュ・アイステン・ダール(Org)、
アルヴィド・エンゲゴール(Vn)、
アトレ・スポンベルグ(Vn)、
エムブリーク・スネルテ(Fg)
※使用楽器:ブラゲルネス教会の主オルガン、カーステン・ロン(2009)(K.336)、ブラゲルネス教会の室内オルガン、リューデ&ベルグ(2005)(K.67-328)、マルガレータ教会、スウェーデン教会のオルガン、トマシュ・モチニク(2016)(ソロ)

録音:2019年8月21日、マルガレータ教会、スウェーデン教会(オスロ)(ソロ)、2022年5月23日-24日、ブラゲルネス教会(ドランメン、ノルウェー)
『Light Shall Shine(闇から光が輝き出よ)』(LWC1235)をリリースしたドランメン生まれのオルガニスト、アンデシュ・アイステン・ダール(b.1976)の新しいアルバム。アイステン・ダールは、ノルウェー国立音楽大学で教会音楽の学士号とオルガン・ソロ演奏の修士号を取得、コペンハーゲンの王立デンマーク音楽アカデミーでオルガン・ソロ演奏を学びました。
「モーツァルトとオルガン」と題してモーツァルトが書いた「チャーミング」な17曲の 「教会ソナタ」 から14曲と、「自動オルガン」のための3つのソロ曲を演奏しています。ノルウェーの音楽シーンで活躍する音楽家たち、エンゲゴール四重奏団のヴァイオリニスト、アルヴィド・エンゲゴール (b.1963)とアトレ・スポンベルグ(b.1964)、ノルウェー放送Oの副首席ファゴット奏者のエムブリーク・スネルテ(b.1974)が、「教会ソナタ」 で共演しています。

Stradivarius
STR-37259(1CD)
エイミー・ビーチ(1867-1944):ヴィオラとピアノのための作品集
夢 Op.15-3/ロマンス Op.23
ヴァイオリン・ソナタ Op.34(ヴィオラ演奏)
祈り
レント・エスプレッシーヴォ Op.125
マッテオ・アマダージ(Va)
カーティア・スプルガ(P)

録音:2022年6月21―22日 イタリア ロンバルディア州 ミラノ
米国の作曲家、エイミー・ビーチ(1867-1944)のヴィオラとピアノのための作品を集めた CD、と いってもヴァイオリンなどほかの楽器のための曲の編曲が多い。ビーチの優しさと慈愛に満ちた音 楽はヴィオラと相性がよく、気持ちよく聞ける演奏だ。 マッテオ・アマダージは2011年からミラノのスカラ座のオーケストラでクラリネット奏者を務めてい る。彼はエイミー・ビーチの研究者でもあり、ニューハンプシャー大学の図書館が所有するビーチ の自筆譜を研究しているという。説得力のある演奏も納得です。
Stradivarius
STR-37264(1CD)
20世紀クラリネット作品集
ベルク:4つの小品 Op.5
ヒンデミット:クラリネット・ソナタ 変ロ調
レーガー:アルバムの一葉とタランテラ
ポーザー(1917-1970):クラリネット・ソナタ Op.30
シルヴィア・プッジョーニ(Cl)
クラウディオ・サンナ(P)

録音:2022年6月 イタリア・ルディア州 グラーツィエ、
近現代のクラリネットピアノのための作品を集めています。ハンス・ポーザー(1917―1970)のクラリ ネット・ソナタが珍しい。 シルヴィア・プッジョーニはイタリアのクラリネット奏者。様々なオーケストラで演奏する他、室内楽 の活動も盛んです。

Gramola
GRAM-99293(1CD)
クラリネットとピアノの為の作品集
シューマン:幻想小曲集 Op.73
アルフレート・プリンツ(1930-2014):5つの小品 Op.93…世界初録音
ウェーバー:協奏的大二重奏曲 変ホ長調 Op.48
ベルク:5つの小品 Op.5-
ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番 変ホ長調 Op.120-2
ピエール・ピヒラー(Cl)
アルベルト・フランツ(P)

録音:2022年10月&11月
ピエール・ピヒラーはウィーンでペーター・シュミードルに学び、ウィーン国立歌劇場Oなどで演奏経験 を積んで来ました。このアルバムでは、ドイツ・ロマン派の名品の数々に加え、ウィーン生まれのベルクとプリンツ の作品を収録。特に注目はウィーン・フィルの首席奏者として敬愛されたアルフレート・プリンツの世界初録音 となる作品です。ラテン語で「音」を意味するSONUSと題されたこのアルバムからはウィーン伝統のサウンドが 聞こえてきます。

Musique en Wallonie
MEW-2204(2CD)
-D09
アルフレッド・デュボワ/歴史的録音集
(1)ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲 第5番イ短調 Op.37「ル・グレトリ」
(2)ヴュータン:ヴァイオリンとピアノの為のロマンス Op.40-1
(3)フランク:ピアノとヴァイオリンの為のソナタ イ長調 CFF123*
(4)イザイ:子供の夢 〜ヴァイオリンとピアノの為の Op.14YH11
(5)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.27-3
(6)ナルディーニ(イザイ編):アリア(Vnと通奏低音の為のソナタ ニ長調〔ピアノ伴奏版〕より)
(7)ジョンゲン:ヴァイオリンとピアノの為のセレナータ
(8)ウジェーヌ・ヴォス(1883-1952):ヴァイオリンとピアノの為のセレナーデ
(9)フェルナン・フイエンス(1892-1965):悲痛な風景 〜ヴァイオリンとピアノの為の
(10)フイエンス:フモレスケ(『ヴァイオリンとピアノの為の組曲』より)
(11)フイエンス:ピアノとヴァイオリンの為のハバネラ
(12) アレックス・ド・ターイ(1898-1952):ヴァイオリンとピアノの為のユーモレスク
(13)ド・ターイ:アリエットの歌 〜ヴァイオリンとピアノの為の朝の歌
(14)クレティアン・ロジステル(1884-1941):リゼットに捧ぐセレナーデ 〜ヴァイオリンとピアノの為の
アルフレッド・デュボワ(Vn)

ベルギー王立ブリュッセル音楽院演奏会協会O
デジレ・デファウ(指)
フェルナン・フイエンス(P)
マルセル・マース(P)*

(1)録音:1930年/音源:Columbia LFX1416-52.031/6
(2)録音:1929年12月19日/Columbia LX700-D15144
(3)(4)録音:1929年3月19日/Columbia LX927-D15175
(5)録音:1947年10月27日/Columbia LCX104-CLBX162-163
(6)録音:1928-31年/Columbia LF42-33029
(7)録音:1929-31年/Columbia LF68-WLB125
(8)録音:1928年12月19日/Columbia DFX199-CLBX159
(9)録音:1928年1月7日/Columbia D19042-L847
(10)録音:1930年/Columbia D13090-L1368
(11)録音:1930年/Columbia LF47-WLB77
(12) 録音:1930年/Columbia LF47-WLB78
(13)録音:1928-31年/Columbia LF67-WLB126
(14)録音:1928-31年/Columbia LF67-WLB195
美しい音色と洗練された音楽解釈で知られるヴァイオリン奏者が多いベルギーで、フランコ=ベルギー派の名手・作曲家イザイの後を受け、 20世紀前半に活躍した名手アルフレッド・デュボワ(1898-1949)の稀少な録音を丁寧に復刻した2枚組アルバム。フォーレやダンディと同 世代の名手でユベール・レオナールの門弟だったアレクサンドル・コルネリスに師事、イザイ門下ではなかったものの彼の作品を積極的に演奏 するなど近代音楽の紹介にも積極的で、同時に古典的名曲の解釈でも高く評価されました。ブリュッセル音楽院で多くの名手を育てたこと でも知られ、特にステレオ時代の名盤で有名なベルギー随一の名手アルテュール・グリュミオーが門下から出ていることは見逃せません。デュ ボワのレコードはBiddulphで復刻されたドビュッシーやベートーヴェンのソナタが知られていましたが、今回はColumbiaで1930年前後に収 録された78回転盤向け小品録音の数々を聴けるのが貴重。Biddulph復刻音源とは違い、ピアノはマルセル・マースよりも作曲家でもあっ たフェルナン・フイエンスが弾いている音源が多く、さらに1930年、同国の名指揮者デジレ・デファウ(ドフォー)との共演で収録されたヴュータン の協奏曲まで復刻収録されているのも嬉しいところ。音楽性の充実と物理的技量が絶妙にバランスした時期の演奏ばかりである点が何より 素晴らしく、適切な節度をもって香気豊かに織り込まれるヴィブラートやポルタメントが各作品の旋律美をこの上なく美しく引き立ててやみま せん。世紀初頭の気品漂うフイエンスのピアノも伴奏以上の存在感で作品解釈に寄与しており、ティボーやクライスラーと同じ時代にベル ギー特有の芸術性を世界に伝えた名演の数々の味わい深さに驚かされます。

MarchVivo
MV-009(2CD)
NX-C03
コンラド・デル・カンポ(1878?1953):
弦楽四重奏曲 第6番ロ短調 「アストゥリアス風」〜 アストゥリアス州の伝承曲による4つのスタディ
弦楽四重奏曲 第7番改訂版 ホ短調
ジェラールSQ

録音:2023年6月6日ファン・マルク財団、マドリード (ライヴ/拍手入り)
世界初録音
マドリード生まれ、ラヴェルやレスピーギと同世代の知られざるスペインの作曲家、デル・カンポの弦楽四重奏曲を再評 価する試みの第2弾。今回収録された第6番と第7番はいずれも40分の大曲です。デル・カンポの残した13の弦楽 四重奏曲を全曲演奏するプロジェクトからのライヴで、両作品とも世界初録音。1907年アテネオ・デ・マドリードが募 集した、「スペイン特有の旋律が使用された弦楽四重奏曲」を条件とした「チャロ=イダルゴ賞」にデル・カンポが「イス パニア」のペンネームで応募した第6番は、スペインのアストゥリアス州の伝承曲に基づいた親しみやすい作品。見事 賞を獲得したものの、初演は1984年まで待たねばなりませんでした。1911年に作曲され、マドリードの王立サン・ フェルナンド美術アカデミーの国民賞(National Prize)を受賞、パリに於いてデル・カンポ初の海外初演が行われた 第7番は、彼のキャリアで重要な位置を占めるもの。1951年になって大幅な改定が行われたものが、今回収録され たヴァージョンです。演奏は、近代スペインを代表するカタルーニャ出身の作曲家、ロベルト・ジェラールの名を冠した四 重奏団。大きな才能と独創性に恵まれながら不当に忘れられてしまった作曲家の作品を、深い敬意と共感を持って 演奏しています。

IBS CLASSICAL
IBS-112023(1CD)
21世紀のホルン作品集
イェルク・ヴィトマン(1973-):Air エア - 無伴奏ホルンのために
ビセント・ゴメス・ポンス(1961-):e-Corno イー・コルノ - ホルンとエレクトロニクスのために
ニーナ・シェンク(1982-):One’s Song - ホルンとエコー・アンサンブルのために
ホアン・ゴメス・アレマニ(1990-):Siegfried Delirium II ジークフリート・デリリウム II-ホルンとエレクトロニクスのために
ジョアン・マグラーネ(1988-):Appel 呼び声 - 無伴奏ホルンのために
ボーロ・ガルシア(1970-):Empremtes liquids - 無伴奏ホルンのために
アムパロ・エド・ビオル(1988-):Maruna マルナ - 無伴奏ホルンのために
ボーロ・ガルシア:Al ・ legoria de l’ego エゴのアレゴリー - ホルンとバス・トロンボーンのために
エレナ・メンドーサ(1973-):Se hace saber - ホルンとパーカッションのために
マリア・ルビオ(ホルン、電子楽器)
カルメン・アンテケーラ(Vn)
マリア・モガス・ヘンサーナ(アコーディオン)
マイテ・ガルシア・アティエンサ(Vc)
ビセンテ・エンリケ・ボシュ・サンス
 (バス・トロンボーン)
フリオ・モンテーロ(パーカッション)

録音:2022年6月28-30日
バレンシア出身のホルン奏者マリア・ルビオの「Se hace saber=知らしめよ」と題されたアルバム。21世紀に書かれた8人の作曲家による新作を通 して、ホルンが辿った楽器としての長い歴史に思いを馳せるという内容で、一部の作品は彼女のために書かれており、無伴奏作品や、エレクトロニクス との共演などが楽しめます。 マリア・ルビオはバレンシアのロドリーゴ音楽院及びフライブルク音楽大学でホセ・ロセル、ブルーノ・シュナイダーハビエル・ボネに師事。モダン楽器とピリオ ド楽器双方を学びました。2002年からはバレンシアOのソロ・ホルン奏者の任にあり、またベルリン・フィルと共演するなどソリストとしても活躍し ています。

Etcetra
KTC-1802(1CD)
アレクサンドル・フラムチン〜チェロとピアノのための作品集
シューマン:幻想小曲集作品 Op.73
イザイ:バラード Op.27-3
ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.3-14
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119
ミシェル・ライサイト:3つのスケッチ
フォーレ:夢のあとに
ドビュッシー:チェロ・ソナタ L.35
バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009よりサラバンド
サン=サーンス:白鳥
アレクサンドル・フラムチン(Vc)、
エリアーヌ・レイエス(P)
1979年生まれで2023年5月に若くして亡くなったチェリスト、アレクサンドル・フラムチンによるチェロとピアノのための作品集。彼は、数々の国際コンクールで受賞歴があり、2002年に開かれたチャイコフスキー国際コンクールではファイナリストに選ばれました。その後世界各地でリサイタルを行った彼は国際的に高い評価を得ました。室内楽の分野でも活躍し、多くのアーティストと共演しています。録音では「Timpani Records」と親密な関係にあり、特にピエルネの録音で評判を呼びました。
Etcetra
KTC-1784(1CD)
ムッシュ・ビュファルダンの笛
C.P.E.バッハ:フルートと通奏低音のためのソナタ イ短調 WQ128
ルイ=ガブリエル・ギユマン:フルートと通奏低音のためのソナタ ホ長調(ソナタ集第1巻より)
バッハ:フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1034、無伴奏フルートのためのパルティータ BWV1013
W.F.バッハ:フルートと通奏低音のためのソナタ ヘ長調 BR-WFB B18
ブラヴェ:フルートと通奏低音のためのソナタ ヘ短調(ソナタ集第3巻より)
レオナルト・シェルプ(Fl)、他
レオナルト・シェルプは、フライブルク・バロック・オーケストラ、コンチェルト・ケルン、マインツ・バッハO、ブダペスト祝祭Oなどの主要なオーケストラ&アンサンブルでフルート奏者を務め、ケルン音楽舞踊大学とフランクフルト音楽舞台芸術大学で教鞭を執るドイツのフルーティスト。ドレスデン宮廷の首席フルート奏者も務めたバロック時代のフルートの名手であり作曲家でもあったピエール=ガブリエル・ビュファルダンの名を冠したこのアルバムでは、ビュファルダン自身が製作した楽器を用い、バッハの無伴奏パルティータを始めとする、バッハの息子たちや同時代の作曲家がビュファルダンやドレスデン宮廷オーケストラのために書いたとされるフルート作品を取り上げています。

Da Vinci Classics
C-00758(1CD)
アバウトケージ Vol.8〜打楽器のためのソロ作品集
ジョン・ケージ:27’10.554
コンポーズド・インプロヴィゼーション第3番(セルジオ・アルマローリ版)
コンポーズド・インプロヴィゼーション第2番(フリッツ・ハウザー版)
One4(セルジオ・アルマローリ版)
One4(フリッツ・ハウザー版)
フリッツ・ハウザー、
セルジオ・アルマローリ(打楽器)

音:2022年5月、ビエッラ(イタリア)
イタリアのヴィブラフォン奏者でジョン・ケージに影響を受け、その作品のスペシャリストとして高い評価を受けているセルジオ・アルマローリの監修による「アバウトケージ」シリーズの第8集。本作はケージの打楽器作品集であると同時に、偶然性のプロセスや即興について探求することができるスリリングな1枚です。これらの作品では不確定性が重要な役割を果たしており、実際の音よりもむしろその背後にあるプロセスが「作品」を特定します。「One4」はそれぞれの奏者による異なる2つのヴァージョンを収録しています。

Paladino Music
PMR-0116(2CD)
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 D.384
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調 D.385
ヴァイオリン・ソナタ第3番ト短調 D.408
ロンド ロ短調 D.895
ヴァイオリン・ソナタ第4番イ長調 D.574
幻想曲ハ長調 D.934
マリア・クビツェク(Vn)、
クリストフ・ベルナー(フォルテピアノ)

録音:2017年8月〜9月
オーストリアのヴァイオリニスト、マリア・クビツェクが長年準備して実現したというシューベルトのヴァイオリン・ソナタ全集。
「シューベルトの音楽は人間が紙に書き記した中でももっとも素晴しいものであり、私の人生における最大の危機のとき、シューベルトは慰めをもたらし、進むべき道を示してくれた」とクビツェクが語るシューベルトの傑作を、ロレンツォ・ヴェンタパーネ1820年製のヴァイオリンと、アンドレ・シュタイン1825年製の美しいフォルテピアノで、滋味深く丁寧に紡いでいます。

マリア・クビツェクはウィーン大学、ザルツブルクとロンドンの大学院で学び、これまで数十年にわたり、モダン楽器や歴史的楽器を用いて国際的なトップ・アンサンブルや室内楽奏者と世界各地で共演してきました。1992年にヨーロッパ室内Oに入団。これまで、父レオポルトが所有していたヴァイオリンを用いたモーツァルトのソナタ集やメンデルスゾーン姉弟のピアノ三重奏曲全集などを録音。特にシャーンドル・ヴェーグとニコラウス・アーノンクールに音楽的な影響を受け、アンドラーシュ・シフの音楽的想像力に何十年にもわたって魅了され感動してきたといい、このシューベルト・アルバムに対しては、アンドラーシュ・シフからも賛辞が寄せられています。
また、ヴァイオリニストとしての活動に加え、困難な状況にある子供や若者、大人をサポートするサウンド・ワーク「SIRA」にも取り組んでいます。
Paladino Music
PMR-0129(1CD)
R.シュトラウス&レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ集
R・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 P110
アン・ハーヴィー=ナーグル(Vn)、
ユリア・マリア・スリヴァ(P)

録音:2022年6月、オーストリア
ウィーン・フォルクスオーパーOのコンサートマスターを務めるオーストラリアの名手、アン・ハーヴィー=ナーグルが、彼女がヨーロッパ、そしてウィーンへと渡るきっかけとなったという特別な作品、R・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタを録音! ヨーロッパでのキャリアのスタートを飾り、30年にわたる自身の音楽的発展を反映してきたR.シュトラウスのソナタと、対照的にごく最近作品を知ったというオットリーノ・レスピーギのヴァイオリン・ソナタをカップリングしています。

アン・ハーヴィー=ナーグルは"オーストラリア"のメルボルンに生まれ、1991年以降は"オーストリア"のウィーン在住で活躍するヴァイオリニスト。12年間ウィーン・フォルクスオーパーの第1ヴァイオリン奏者を務めたあと2011年からはコンサートマスターに任命。ウィーンSO、クラングフォルム・ウィーン、ウィーン室内フィルハーモニーなどの有名オーケストラやアンサンブルの他、ヨーロッパ室内O、シュトゥットガルトRSO、ロイヤル・フランダースPOと頻繁に共演。また、ケーネ四重奏団、ネクサス四重奏団、アンサンブル5、クラシック・アルピンなど、ウィーンを拠点とする多くのチェンバー・アンサンブルのメンバーでもあります。

LAWO Classics
LWC-1260(1CD)
ストラヴィンスキー、プーランク、ドビュッシー
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
プーランク:チェロ・ソナタ FP143
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 L.135
アマーリ・スタールハイム(Vc)、
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)

録音:2022年1月2日-5日、ソフィエンベルグ教会(オスロ)/Recorded in DXD24bit/352.8kHz
1993年にノルウェーのベルゲンで生まれたチェリストのアマーリ・スタールハイムは、2018年にスウェーデン・ソリスト賞、2021年にノルウェー・ソリスト賞をそれぞれ受賞し、現在ストックホルムを拠点にして活動しています。
本アルバムでは、ノルウェーを代表するピアニストの1人である、クリスチャン・イーレ・ハドランと共演し、20世紀のチェロとピアノのための作品を収録しました。
スタールハイムはノルウェーの財団より貸与された、F. Ruggieri(1687年製)のチェロを使用しています。
LAWO Classics
LWC-1254(1CD)
オースムン・ファイエ:室内楽作品集
オースムン・ファイエ
(b.1948):エチュード(ソロ・チェロのための)
ソネット8番(女声合唱のための)
1905(弦楽四重奏のための決闘)
コントラバッカス(ソロ・コントラバスのための)
短い出会い(室内アンサンブルのための)
断片(コントラバス四重奏のための)
パ・ド・ドゥ(室内アンサンブルと弦楽オーケストラのための)
ビョルグ・ルイス(Vc)、オスロ大学女声合唱クラブ、マーリト・トンデル・ボスベルグ・ヴァイデ(指)、ヴェルターヴォSQ、ホーコン・テリーン(Cb)、クリスチャン・エッゲン(指)、ダン・ステュッフェ(Cb)、ケンネト・リューラン(Cb)、ホーコン・テリーン(Cb)、グレン・ルイス・ゴードン(Cb)、コルビョルン・ホルテ(Vn)、ヨン・ヴィーン・ソンステボー(Va)、エルンスト・シモン・グラーセル(Vc)、マリウス・クヌーセン・フラトビュー(Cb)、クリスチャン・クローグヴォル・ルンクヴィスト(ヴィブラフォーン)、ノルウェー放送O(KORK)、弦楽オーケストラ、ビャッテ・エンゲセット(指)

録音:2017年-2022年/Recorded in DXD24bit/352.8kHz
幼少期よりヴァイオリンを学び、1967年に実験的ロック・バンド「RAIN」を結成したオースムン・ファイエ。1969年にグループでオスロの国立劇場で雇われて以降、ファイエは作曲に力を入れ、今ではノルウェーで最も注目される劇場音楽の作曲家の1人となっています。
本アルバムには、ファイエの室内楽作品が、ノルウェーの第一線で活躍する音楽家たちによる演奏で収められています。

Tactus
TC-790403(1CD)
ドニゼッティ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
:変奏曲 変ロ長調/変奏曲 ヘ長調
ソナタ/スケルツォ
インソリート・オットチェント

録音:2023年1月
オペラ作曲家として著名なガエターノ・ドニゼッティですが、声楽曲同様に器楽の室内楽作品を作り続けていました。その中からあまり知られていないヴァイオリンとピアノのための作品をこのアルバムでは収録しています。その作品はドニゼッティのオペラ同様に彼の並外れた才能を示しています。
Tactus
TC-870401(1CD)
ダンブロージオ:弦楽四重奏&五重奏のための作品集
アルフレード・ダンブロージオ:組曲 Op.8(弦楽五重奏のための)
弦楽四重奏曲 Op.42
En Badinant(弦楽五重奏のための)
間奏曲のワルツ(弦楽五重奏のための)
パヴァーヌ(弦楽五重奏のための)
Reve(弦楽五重奏のための) 
アルコスQ、フリードリヒ・ティーレ(Vc)、
玉山みお(Cb)

録音:2022年4月
世界初録音
ナポリの作曲家でヴァイオリニスト、アルフレード・ダンブロージオの弦楽四重奏&五重奏のための作品集。ダンブロージオは、サラサーテなどに師事し、当時は人気のある作曲家でした。ヴァイオリニストとしても活躍し、従兄弟であるルイジ・ダンブロージオ(のちのサルヴァトーレ・アッカルドの師)と四重奏団を組んで自作を演奏していました。
Tactus
TC-950008(1CD)
リソス
フランチェスコ・ペンニージ(1934-2000):エチュード=ラプソディ
フランチェスコ・フィリデーイ(b.1973):テクスチャー
ロベルト・ヴェトラーノ(b.1982):アクースティカ
ルーズベ・ラフィー(b.1981):Echoes from the Lagoon
カルメン・フィッツァロッティ(b.1992):スローイング・ダウン・イン・アン・イラティック D946
メフディ・ハヤミ(b.1980):疑念の微笑み
アドミール・シュクルタイ(b.1969):鋼鉄の涙
ソナー・トリオ

録音:2022年10月
20世紀から21世紀にかけて作曲されたフルート、クラリネット、ピアノの編成による室内楽作品集。最初に収録された2曲以外はこの3人に奉げられており、全て世界初録音の作品です。

Cobra Records
COBRA-0088(1CD)
音楽的集中の技法〜ハイドン、ベートーヴェン、バルトーク、クルターグ:弦楽四重奏曲集
ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ短調 Op.42Hob.III:43
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番へ短調 「セリオーソ」 Op.95
バルトーク:弦楽四重奏曲 第3番Sz.85
クルターグ:秘密(ラースロー・ドブサイ追悼のための葬送音楽)
キロガSQ

録音:2022年12月(オランダ)
キロガSQ結成20周年記念盤!スペイン・ガリシア地方の大ヴァイオリニスト、マヌエル・キロガ(1892-1961)の名を冠し2003年に結成され、2007年にはスペイン国営放送の文化賞を授与された新世代のアンサンブル、キロガSQ。結成20周年を記念した本作(8thアルバム)では、弦楽四重奏というジャンルをその起源から現代に至るまで彼らならではのユニークな視点で表現します。
ハイドン、ベートーヴェン、バルトークという弦楽四重奏の歴史において最も重要かつ歴史的に影響力のある3人の作曲家の作品に加え、現代を生きる偉大な作曲家のひとりであるジェルジ・クルターグの近年の名作「Secreta」を世界初録音で収録。音楽表現の核を探し求め、音をそれ以上分割することのできない粒子、つまり原子(アトモス)にまで圧縮することを望んだこれらの作曲家たちが、いかにして最も印象的な音楽的成果を生み出したかを明らかにします。

VIVAT
VIVAT-123(1CD)
バッハ:6つのトリオ・ソナタ BWV.525-530(ロバート・キング編曲/器楽合奏版)
ソナタ ト長調(BWV530より/2本のヴァイオリンと通奏低音〔チェロ、テオルボ、ハープシコード〕のための)
ソナタ ニ短調(BWV527より/オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音〔チェロ、テオルボ、オルガン〕のための)
ソナタ ホ短調(BWV528より/オーボエ・ダモーレ、ヴィオラと通奏低音〔チェロ、テオルボ、オルガン〕のための)
ソナタ ニ短調(BWV526より/ヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音〔チェロ、テオルボ、ハープシコード〕のための)
ソナタ ハ長調(BWV529より/オーボエ、ヴィオラと通奏低音〔チェロ、テオルボ、ハープシコード〕のための)
ソナタ ニ長調(BWV525より/2本のヴァイオリンと通奏低音〔チェロ、テオルボ、ハープシコード〕のための)
キングズ・コンソート〔ロバート・キング(ハープシコード、チェンバー・オルガン)、カティ・デブレツェニ(Vn)、ヒュー・ダニエル(Vn)、ローズ・レッドグレイヴ(Va)、フランシス・ノーベリー(オーボエ、オーボエ・ダモーレ)、ロビン・マイケル(Vc)、エリヒオ・キンテイロ(テオルボ)〕

録音:2023年2月20日-22日、アルフトン・ニュー・モルティングス(サフォーク、イギリス)
バッハの6つのトリオ・ソナタBWV525-530はもともと息子のヴィルヘルム・フリーデマン(b.1710)がオルガンを学んでいた時の練習曲として書かれました。バッハのオルガン曲のなかでも人気が高く、またヴァイオリンやフルートと通奏低音、2台のオルガンや2台ハープシコードなど様々な編成での編曲でも親しまれている作品ですが、ロバート・キングはこれらの6つのソナタを、幅広い楽器の色彩が含まれるようアレンジし、カラフルで表現力豊かな器楽合奏版として再創造しています。カティ・デブレツェニやヒュー・ダニエルといった傑出した器楽奏者たちと、同様に優れた通奏低音チームによって、オルガン版とはまったく違う親密な対話、豊かな音色のパレット、バッハの旋律と和声の天才性を示す新たなトリオ・ソナタ・アルバムが誕生しました。

DUX
DUX-1900(1CD)
ポーランドのピアノ三重奏曲集
ルドミル・ルジツキ
:ラプソディー(Vn、チェロとピアノのための)Op.33
ヘンリク・メルツェル(1869-1928):ピアノ三重奏曲ト短調 Op.2
アントニ・ストルペ(1851-1872):ロマンス(デュエッティーノ)(Vn、チェロとピアノのための)
グレツキ(b.1971):6つのバガテル(Vn、チェロとピアノのための)Op.5
アペイロン・トリオ〔ハンナ・リジンキエヴィチ(P)、ピオトル・コサルガ(Vn)、ヤン・チャヤ(Vc)〕

録音:2022年9月2日-4日
アペイロン・トリオは2019年に結成され、国内外のコンクールで数々の賞を受賞し、ポーランドの室内楽を世に広める活動を行っています。
本アルバムには、ロマン派の作品を軸に、19世紀〜20世紀のポーランドの作曲家のピアノ三重奏曲が収録されています。
DUX
DUX-1887(1CD)
スピサク、バツェヴィチ、ヴァインベルク、パチョルキエヴィチ
グラジナ・バツェヴィチ
:組曲(2本のヴァイオリンのための)
タデウシュ・パチョルキエヴィチ(1916-1998):ソナチネ(2本のヴァイオリンのための)
バツェヴィチ:民謡主題による易しい二重奏曲(2本のヴァイオリンのための)/ミハウ・スピサク(1914-1965):組曲(2本のヴァイオリンのための)
ヴァインベルク(1919-1996):ソナタ(2本のヴァイオリンのための)Op.69
ポーリッシュ・ヴァイオリン・デュオ〔マルタ・ギダシェフスカ(Vn)、ロベルト・ワグニャク(Vn)〕

録音:2022年5月4日-7日
独奏曲などに比べてあまり録音機会のないヴァイオリン二重奏の中から、20世紀半ばに作曲された作品を集め、収録されました。
2019年に結成されたポーリッシュ・ヴァイオリン・デュオは、ポーランド国内外のコンクールで優勝を果たし、ポーランドの若き注目株となっています。
DUX
DUX-1888(1CD)
ポーランドのコントラバス楽曲集
ステファン・ボレスワフ・ポラドフスキ(1902-1967):3つのカプリス(独奏コントラバスのための)
 ロマンス(コントラバスとピアノのための)
ヤン・コラシンスキ(1911-1976):3つの小品(コントラバスとピアノのための)(カロル・ナシウォフスキ編)
ヴァレリアン・ユゼフ・グニョト(1902-1977):グレーター・ポーランド・プライド(コントラバスとピアノのための)、
 ロマンス(コントラバスとピアノのための)、ソナタ(コントラバスとピアノのための)
ヤヌシュ・スタルミエルスキ(b.1959):ロンリー・ツリー(コントラバスとピアノのための)
カロル・ナシウォフスキ(Cb)、
ドミニク・ヴィジャン(P)

録音:2022年4月28日-29日
ショパン音楽大学を卒業したカロル・ナシウォフスキは、ソリストとして、また室内楽アンサンブル奏者としても活動しています。
本アルバムには20世紀のポーランドの作曲家によるコントラバス作品がたっぷり収録されています。
DUX
DUX-1891(1CD)
クシャノフスキ:弦楽四重奏曲集
アンジェイ・クシャノフスキ
(1951-1990):弦楽四重奏曲 第3番
グラジナ・クシャノフスカ(b.1952):アダージェット、
 弦楽四重奏曲 第2番、弦楽四重奏曲 第3番
アンタリャQ[〔バルバラ・ムグレイ(Vn)、マリア・ノヴァク(Vn)、エルジビエタ・ムドラフ(Vn)、マグダレーナ・フミエロヴィエツ=コジワ(Va)、マルティナ・ソウティス(Vc)〕

録音:2022年6月27日-30日
アンジェイ・クシャノフスキ、グラジナ・クシャノフスカ夫妻の弦楽四重奏曲を収録。
アンタリャ四重奏団は2009年に結成されたポーランドの四重奏団で、ヨーロッパを中心に活動しています。2021年にエルジビエタ・ムドラフに代わり、マリア・ノヴァクが加入しました。

NoMadMusic
NMM-102(1CD)
見えざるもの
ファニー・メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲変ホ長調
メンデルスゾーン:カプリッチョOp.81の3
クララ・シューマン:ローベルト・シューマンの主題による変奏曲Op.20
シューマン:弦楽四重奏曲第2番ヘ長調Op.41
ツァイーデQ【シャルロット・マクレ、レスリー・ブーラン・ローレ(Vn)、サラ・シュナフ(Va)、ジュリエット・サルモナ(Vc)】

録音:2021年2月/Riffxスタジオ
モーツァルトの未完のオペラに名を関したツァイーデ四重奏団。2009年に女性4名で結成、2012年のハイドン国際コンクール優勝など実力とフレッシュな感 性を持つ期待の団体です。
クララ・シューマンとファニー・メンデルスゾーンはともに才能あふれる作曲家でしたが、偉大な親族との絆で知られてきました。ここではクララ&ローベルト、 ファニー&フェリックスの4作品を並べることで彼らの絆、共通の想像力を持つことになる目に見えないつながりを強調しています。 (Ki)
NoMadMusic
NMM-114(1CD)
マリンコニア
(1)ドビュッシー:チェロ・ソナタ
(2)シベリウス:マリンコニアOp.20
(3)ピアソラ:グラン・タンゴ
(4)ウェーベルン:チェロとピアノのための3つの小品Op.11
(5)フォーレ:シシリエンヌOp.78
(6)ヤナーチェク:おとぎ話
(7)リスト:悲しみのゴンドラ
(8)バルトーク:ラプソディ第1番
ヤン・レヴィオノワ(Vc)
ギヨーム・ベロム(P)

録音:2022年1月17-19日/サル・コロンヌ
1990年生まれのフランスのチェロ奏者ヤン・レヴィオノワはマルク・コッペイやトルルス・モルクに師事した若手。現在将来を嘱望される最右翼です。2019 年には来日公演も行いました。
このアルバムは有名作曲家のチェロ曲を集めたもので、20世紀に向かう音楽傾向を味わえます。ピアノ・パートが難しいものも多いですが、ギヨーム・ベロンが 切れ味のよい名手ぶりを見せています。 (Ki)
NoMadMusic
NMM-110(1CD)
フュージョン〜ライヴ・イン・ドレスデン
(1)バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ニ短調BWV1060
(2)同:オルガン協奏曲第4番ハ長調BWV595
(3)同:いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV659
(4)ティエリー・エスケシュ:即興第1番
(5)シューマン:「BACH」によるフーガ第5番Op.60
(6)エスケシュ:即興第2番
(7)ヴィヴァルディ(バッハ編):協奏曲第8番イ短調RV522
(8)エスケシュ:オルガンのための3つの詩
(9)ピアソラ:「ブエノスアイレスのマリア」〜フーガと神秘
(10)エスケシュ:即興第3番
(11)ピアソラ:フガータ
(12)エスケシュ:タンゴ・ヴィルトゥオーソ
エリプソスQ【ポール=ファティ・ラコンブ(ソプラノ・サクソフォン)、ジュリアン・ブレシェ(アルト・サクソフォン)、シルヴァン・ジャリ(テノール・サクソフォン)、ニコラ・エルエ(バリトン・サクソフォン)】

録音:ドレスデン・フィルハーモニー(ライヴ)
2023年のフォルジュルネ音楽祭にも来日したエクリプス・サクソフォン四重奏団。2004年ナントで結成、2007年FNAPEC国際室内楽コンクールで優勝した実 力派。といっても堅苦しくなく、ジャズやタンゴまでセンス良く手掛け人気急上昇です。
今回はフランスを代表するオルガニスト兼作曲家ティエリー・エスケシュと共演。新しい楽器サクソフォンと楽器の王オルガンが真の対話を見せます。バッハ、 ヴィヴァルディ、ピアソラを素材に即興演奏をミックス。ドレスデンでのライヴで、白熱した演奏を聴かせます。 (Ki)

Simax
PSC-1377(1CD)
リタ・ストロール、セザール・フランク
リタ・ストロール(1865-1941):劇的ソナタ「ティトゥスとベレニケ」(1898)(チェロとピアノのための)
フランク(1822?1890):チェロ・ソナタ イ長調(1886)
サンドラ・リード・ハーガ(Vc)
[使用楽器:ヨハネス・フロレヌス・グイダントゥス,ボローニャ,1730]
カーチャ・アペキシェヴァ(P)

録音:2022年11月14日-17日 聖シラス教会(ケンティッシュ・タウン、ロンドン)
ノルウェーのチェリスト、サンドラ・リード・ハーガ(1994?)のアルバム第2作。彼女のデビュー作、ドヴォルジャークの「チェロ協奏曲」とチャイコフスキーの「ロ ココ変奏曲」をモスクワ音楽院大ホールで弾いた2020年のアルバム(PSC 1363)は、クラシカルの主要雑誌とラジオ・チャンネルで好意的に評され、ノルウェー のグラミー賞「スペルマン賞」にノミネートされました。ロシア出身のピアニスト、カーチャ・アペキシェヴァ(1975?)と共演した新作では、19世紀フランスの作 品を演奏しています。
セザール・フランクの「チェロ・ソナタ イ長調」は、彼のもっともよく知られる作品のひとつ「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」のソロ・パートをフランスのチェリスト、 ジュール・デルサール(1844?1900)がチェロのために編曲、作曲者に承認された作品です。
リタ・ストロールは、フランクがフランス音楽界で広く尊敬を集めていたころ、パリ音楽院で名をあげ始めました。音楽院でピアノとソルフェージュを学び、作曲と 歌を個人的に研究しました。サン=サーンス、ダンディ、フォーレたち音楽院の教授も彼女の作品に関心を示し、励ましを与えたと言われます。「チェロとピアノのた めの」ソナタは、1898年の作品です。ヘロデ朝ユダヤの王アグリッパ一世の娘ベレニケと、後にローマ皇帝になるティトゥスを題材にしたジャン・ラシーヌの劇『ベ レニス』を基に作曲され、ティトゥスとベレニケのドラマが4つの楽章に描かれます。この曲は「劇的ソナタ」と名づけられました。
ヨルン・ペーデシェン の制作、アルネ・アクセルベルグのエンジニアリングでロンドンの聖シラス教会で録音されました。フランス・ロマンティシズムの美しさを、 感じたまま、率直に表現したアルバムです。 (Ki)

MELO CLASSIC
MC-2053(2CD)
ハンガリーのヴァイオリニストたち〜伝説的なフバイの弟子たち
(1)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第33 番ヘ長調 K.377
(2)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3 番ニ短調 Op.27-3
リスト(フバイ編):ハンガリー狂詩曲(歌曲「三人のジプシー」の編)
(3)バッハ:無伴奏パルティータ第1番ロ短調 BWV1002録音:
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4 番 ホ短調 Op.27-4
(5)シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 D574Op.162
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10 番ト長調 Op.96
(6)フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
(7)ドビュッシー(ハイフェッツ編):亜麻色の髪の乙女
ドゥサーニュ:前奏曲第2番
ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.2-6〜ラルゴ
(1)アンドレ・ジェルトレル(Vn)、ハインリヒ・バウムガルトナー(P)
録音:1958年3月12日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 シュトゥットガルト(モノラル・放送スタジオ録音)
(2)ローベルト・ヴィロヴァイ(Vn)、アンドレ・コラール(P)
録音:1953年10月5日 フランス パリ (モノラル・放送スタジオ録音)
(3)ローベルト・ヴィロヴァイ(Vn)
録音:1978年1月27日 フランス パリ (ステレオ・放送スタジオ録音)
(5)シャーンドル・ヴェーグ(Vn)、パウル・バウムガルトナー(P)
録音:1957年2月23日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 シュトゥットガルト(モノラル・放送スタジオ録音)
(6)アンドレ・ジェルトレル(Vn)、ディアネ・アナセン(P)
録音:1956年4月7日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 シュトゥットガルト (モノラル・放送スタジオ録音)
(7)ローベルト・ヴィロヴァイ(Vn)、リアーヌ・アルトマン(P)
録音:1978年1月27日 フランス パリ (ステレオ・放送録音)
MELOLASSIC お得意の埋もれた名演奏家をまとめた CD。ここではイェネ・フバイ門下の4人のヴァイオリニストの演奏を 収録しています。 アンドレ・ジェルトレル(1907-1998)は、ハンガリーのブダペスト生まれで、若いうちにベルギーのブリュッセルを拠点としたヴ ァイオリニスト。バルトークの擁護者として知られた。1958 年のモーツァルトのK.377のソナタは、ロマン主義を排したクッキリと 清潔なモーツァルトで聞きごたえがある。フランクのヴァイオリン・ソナタは、抑えた中に豊かな味わいが広がる紳士の演奏。 ローベルト・ヴィロヴァイ(1921-2015)は、現在はクロアチア領のダルヴァルに生まれたハンガリー系のヴァイオリニスト。13 歳 で晩年のフバイの弟子になり、師は彼を絶賛した。フバイが亡くなった1937 年3月に行われたウジェーヌ・イザイ・コンクール (後のエリザベート王妃国際音楽コンクール)では、 第1位にダヴィッド・オイストラフ、第2位にリカルド・オドノポソフ、第 7位にローラ・ボベスコらが並ぶ中、16歳になったばかりのヴィロヴァイが第 9位に入賞し、一気に名を広めることになった。 1940、50年代とヴィロヴァイは国際的に活躍したが、その後活動を縮小し、教職や、避暑地であったスイス、ローザンヌのロ ーザンヌ室内Oの一員として過ごすなど、ソリストから退いてしまった。そのため 94歳と長命したが録音は皆無に等し く、すっかり忘れられてしまった。しかしこのCD に収められている彼の演奏を聞けば、フバイが絶賛しただけの力量を確実に 感じられるでしょう。 シャーンドル・ヴェーグについては多くを語る必要はないでしょう。1957 年のシューベルトとベートーヴェンのヴァ イオリン・ソナタは、パウル・バウムガルトナーのピアノともども、至福の一時を味合わせてくれます。 ディアネ・アナセン(Diane Andersen1934- 日本では ダイアン・アンデルセン という英独チャンポンのカナ表記が多い)は、 デンマークのピアニスト。 ※本体の背と裏面の品番が MC-1073と誤っております。シュリンクラップの上から正しい品番をシールで貼って修正する予 定です。あらかじめご了承くださいませ。

ALBANY
TROY-1925(1CD)
ジャスティン・ヘルマン(b.1980):弦楽四重奏曲第1番「ゲルガナ四重奏曲」
弦楽四重奏曲第2番「コロラド四重奏曲」
フリクションQ

録音:2022年4月16、17日カリフォルニ
ア・ニカシーソ、スカイ・ウォーカーサウ
ンド
ジャスティン・ヘルマンはシカゴ出身で当初、コントラバスを学び、サン・フランシスコ響の奏 者として活動。後にソロ活動そして作曲を手掛けるようになり、ジャズの世界でも活躍してい る。このアルバムは彼の弦楽四重奏曲が収められているが、いわゆる現代音楽ではなく、明 確な調性による古典派からロマン派の様式で書かれた穏健な音楽。時にシューマンやブラー ムスを思い起こさせる。
ALBANY
TROY-1926(1CD)
ヤクブ・ポラチク(b.1983)作品集
(1)オリンパスのコンビネーションズ(2007) 〜トロンボーンのための
(2)「Ginkyo-ya”Pendula”」(2021)〜弦楽四重奏のための
(3)オジベウェイ(2019) 〜フルート、アコーディオンとピアノのための
(4)3つの地球の詩(2020)〜バスとピアノのための
(5)マズルカ・ファンタジー(2018)〜ピアノのための
(6)ハルニー・ファンタジー(2019)〜クラリネットのための
(7)道化師(2011)〜フルート(ピッコロ)とピアノのための
(8)夕暮れのユニオン・スクエア(2017) 〜打楽器アンサンブルのための
(9)「Yoolcoo-Yoolcu-Yoolcou」(2022)
〜フルートとハープのための
パヴェウ・チエスラク(Trb)
アーガス四重奏団(S.Q)
レナータ・グジク(Fl)
パヴェウ・クビカ(P)
マチェイ・ジムカ(Accord)
コフィ・ヘイフォード(Bass)
ヤクブ・ポラチク(P)
ブロウ・アップ・パーカッション・ローマ 、ほか

録音:2021年5月-2022年9月ニューヨーク、クラクフ、ワルシャワ
ヤクブ・ポラチクはポーランドの作曲家。ペンデレツキ音楽アカデミーを卒業後、アメリカに 渡り、カーネギー・メロン大学ほかで研鑽を積んだ。現在はニューヨークを拠点に活動してい る。作風はクラシカルなもの(3つの地球の詩など)からヘンリー・カウエルやジョン・ケージを思 わせる実験的なもの(夕暮れのユニオン・スクエアなど)まで、大変多様です。ピアノのため の「マズルカ・ファンタジー」では母国ポーランドの伝統への愛と敬意が感じられます。
ALBANY
TROY-1930(1CD)
「ザ・リヴィング・アメリカン」 〜現代アメリカのヴァイオリン音楽
スティーヴン・サメッツ(b.1954):ラマ・バッダ・ヤタサナによるファンタジア
ジェニファー・ヒグドン(b.1962):ストリング・ポエティック
ジェシー・モンゴメリー(b.1981):無伴奏ヴァイオリンのためのラプソディ第2 番
ジョセフ・グッドリッチ(b.1969):ハ短調のジャム/ラクリモサ/マシーン
アヴナー・ドーマン(b.1975):ヴァイオリン・ソナタ第1番
リーナ・エスメイル(b.1983):ダーシャン
デニス・ディブラシオ(b.1954):オーストラリアのスケッチ〜ヴァイオリン、ピアノ、ダブル・ベースとドラムのための
ティモシー・シュウォーツ(Vn)
チャールズ・アブラモヴィク(P)
ダグラス・マップ(Cb)
ダグ・ハーリンガー(ドラムス)

録音:2022年8-10月デラウェア大学
アメリカの世代も作風も様々な作曲家のヴァイオリン作品を収録。バルトークやブロッホを思 わせる民族的な作品(ラマ・バッダ・ヤタサナによるファンタジア)からジャズ(オーストラリアのス ケッチ)を思わせる作品までヴァラエティに富んでいます。いずれも現代音楽臭は皆無で親しみ 易い内容。
ALBANY
TROY-1931(1CD)
スティーヴン・ガーバー(b.1948):弦楽四重奏作品集
弦楽四重奏曲第1番
弦楽四重奏曲第2番
弦楽四重奏曲第3番「スピリチュアルズ」
アマーネットSQ

録音:2021年12月13日
スティーヴン・ガーバーの弦楽四重奏曲集第2弾(第1集は弦楽四重奏曲第4〜6番 他、 品番:TROY1570)。 ガーバーはプリンストン大学、ハーバード・カレッジで学び、作品はウラディミール・アシュケナ ージ指揮のサン・フランシスコSOで演奏されるなど、アメリカ国内を中心に広く演奏され ています。彼の作風は無調、12音技法が中心で弦楽四重奏曲第1 番ではウェーベルン、第2、3番ではベルクの影響が感じられます。「スピリチュアルズ」は 10曲からなる小品集で、ここでは 一転、黒人霊歌のアメージング・グレイスや民謡などをモティーフにした親しみやすい作風に 転じています。
ALBANY
TROY-1933(1CD)
ジョセフ・サマー:「海は変わるI」〜弦楽四重奏のための
「海は変わるII」〜弦楽四重奏のための
ユリシーズQ

録音:2020年7月15-16日
作曲者のジョセフ・サマーの生年は公表されていないが、ブックレットに掲載された写真か らベテラン世代と思われます。なお、作品の標題「海は変わる」(原題:Sea change)には大きな変 化、という、もうひとつの意味が含まれています。2 つの弦楽四重奏の作風は表現主義からバル トークの後期弦楽四重奏曲に似た、表出力の激しい無調様式で書かれています。ユリシーズ四 重奏団の渾身の演奏で聴きごたえ充分。

Goodies
78CDR-3912(1CDR)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調作品18-4 パガニーニSQ【アンリ・テミアンカ(Vn1)、ギュスタヴ・ロッセール(Vn2)、ロベール・クルト(Va)、ロベール・マース(Vc)】

英 HIS MASTWER'S VOICE8488/90
1947年5月22日、ロンドン、アビー・ロードEMIスタジオ録音
パガニーニSQは1944年アンリ・テミアンカ(1906-1992)によって結成 された。結成の前年テミアンカは元プロアルトSQのチェリスト、ロ ベール・マースに会った。マースは新しいSQのスポンサーになる人 物が居ることを話し、またニューヨークの楽器店で売り出されていたパガニー ニ(1872-1840)が所有していた4本のアントニオ・ストラディヴァリ(1644-1737) 製の楽器を同じスポンサーが購入して貸与されることで四重奏団をスタートし た。1946-47年のシーズンにオール・ベートーヴェンのプログラムをワシントン の国会図書館で演奏し大成功を収め、すぐにRCA VICTOR社が契約した。各奏者 の略暦は78CDR-3379ドビュッシー弦楽四重奏曲にある。(グッディーズ)

ATMA
ACD2-2874(1CD)
シューマン夫妻のホルン作品集
クララ・シューマン:3つのロマンス Op.22*
シューマン:3つのロマンス Op.94*
 幻想小曲集 Op.73*
 アダージョとアレグロ 変ロ長調 Op.70
 小さな子供と大きな子供の為の12の連弾小品 Op.85〜第12曲 夕べの歌*
 アンダンテと変奏曲 変ロ長調 Op.46+

*=ルイ=フィリップ・マルソレによるホルン編曲版
ルイ=フィリップ・マルソレ(Hrn)
デイヴィッド・ジャルベール(P)
フィリップ・チウ(P)*
キャメロン・クロズマン(Vc)+
ステファン・テトロー(Vc)+

録音:2022年11月1-3日/ケベック、ドメーヌ・フォルジェ、コンサートホール
クララ・シューマンとシューマンの室内楽をホルンで演奏。2009年からメトロポリタンOの首席を務めるホルンの名手、ルイ=フィリップ・マ ルソレの深みのある大きな歌がアルバム全体を魅力的に彩ります。雄弁なピアノとの絡みも絶品。
「シューマンのOp.70、73、94は作曲家の創作において最も充実した時期のもの」であるとマルソレは言います。それは楽器を変えても音楽の表現 力が少しも損なわれないことを示しており、どの曲も心の底から奏でるような美しい演奏がなされています。 (Ki)

ALPHA
ALPHA-1000(1CD)
終わりなき航海
ヒンデミット:メランコリー Op.13
ベルク:弦楽四重奏曲 Op.3
ショーソン(1855-1899):終わりなき歌 Op.37
シェーンベルク:弦楽四重奏曲 第2番 嬰へ短調 Op.10
エマーソンSQ【ユージン・ドラッカー(Vn)、フィリップ・セッツァー(Vn)、ローレンス・ダットン(Va)、ポール・ワトキンス(Vc)】
バーバラ・ハンニガン(S)
ベルトラン・シャマユ(P)

録音:2022年8月 放送音楽センター、ヒルフェルスム、オランダ
2023年10月をもって解散することを発表した、現代弦楽四重奏の雄エマーソンSQ。ラスト・アルバムの中心演目に選ばれたの は、2015年のバーバラ・ハンニガンとの初共演から録音を決めていたという、シェーンベルクの弦楽四重奏曲第2番。調性から無調への流れ を1つの作品の中で体験するようなこの作品を彼らは「私たちを未知の音響的領域へと誘う、深い感情的な根を持つ、登らなければならな い高い樹」に例えており、第3楽章から加わるソプラノ独唱についてハンニガンは「世紀末の原始的な叫びで愛からの解放を願う、重い一撃」 だと語ります。併せて収録されたのは、シェーンベルクの元で学び本格的な作曲家としてデビューしてまもなくのベルクによる弦楽四重奏曲、 二十代前半の若きヒンデミットによって書かれ、ハンニガンが「宝石のような作品」と大切にしている「メランコリー」、そしてベルトラン・シャマユが 加わり美しく歌い上げられるショーソンの傑作「終わりなき歌」。半世紀近くに渡る彼らの芸術の余韻を重く美しく引くアルバムです。

Channel Classics
CCS-45123(1CD)
ロベルト&クララ・シューマン:ヴァイオリ
ン作品集

シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第3番WoO2
クララ・シューマン:3つのロマンス
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番Op. 121
ニーク・バール(Vn)
ベン・キム(P)

録音:2022年1月、11月 MCOスタジオ1ヒルフェルスム、オランダ
オランダのヴァイオリニスト、ニーク・バールは、デン・ハーグの王立音楽院でフィリップ・グラファン、ペーター・ブラントらに学んだ後、ベルリンにて シュテファン・ピカールやクリストフ・ポッペンの元でさらなる研鑽を積みました。オランダ国内はもとより各国のコンクールで入賞を重ねており、今 回がセカンド・アルバムとなります。方やアメリカ出身のピアニスト、ベン・キムは、2006年のミュンヘン国際コンクールで優勝後世界各地で活 躍しており、SONYとDECCAからソロ・アルバムもリリースしています。2022/23年シーズンに共演を重ねている2人がここで聴かせるのは シューマン夫妻による作品。最初の1音から、彼らがこれらの作品に傾ける深い情熱が伝わってくるような力演で、両者ともよく歌いながら振 幅の大きな表現もぴったりと息の合った、素晴らしいパフォーマンスを聴かせています。

CPO
CPO-555538(1CD)
NX-B02
ルイーズ・ファランク(1804-1875):室内楽作品集
三重奏曲第2番ニ短調 Op.34- ピアノ、ヴァイオリンとチェロのために(1844)
スイス民謡による協奏的変奏曲 Op.20- ピアノとヴァイオリンのために(1833以前)
三重奏曲第4番ホ短調 Op.45- ピアノ、フルートとチェロのために(1854-56)
ソナタ第1番ハ短調 Op.37- ピアノとヴァイオリンのために(1848)
リノス・アンサンブル

録音:2022年1月24-27日
女性として初めてパリ音楽院ピアノ科の教授を務めるなど、19世紀のパリ音楽界で尊敬を集めたルイーズ・ ファランク。作曲家としても交響曲や室内楽曲などを書き上げ、彼女の夫の手により40作ほどが出版されま したが、死後はほとんど顧みられることはありませんでした。しかし、近年あらためて注目されるようになり、彼 女の作品の演奏機会も増えています。 このアルバムではリノス・アンサンブルが彼女の4つの作品を演奏。どれも優れたピアニストであったファランクらし い、充実したピアノ・パートを持っており、古典派の伝統的形式にロマン派の感情表現を採り入れた美しい 作品です。とりわけ1850年代に書かれた作品45のフルート三重奏曲では、成熟した作曲技法が披露され ており、歌うようなフルートの旋律が存分に生かされています。

Da Vinci Classics
C-00757(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.100
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 Op.108
ユリア・ベリンスカヤ(Vn)、
アレッサンドラ・マリア・アマーラ(P)

録音:2023年
ブラームスが壮年期に作曲した偉大な3つのヴァイオリン・ソナタを、20世紀ロシア、旧ソ連の大作曲家であるセルゲイ・ベリンスキーを父に持ち、モスクワ音楽院とウィーン国立音楽大学でヴァイオリンを学んだロシアのヴァイオリニスト、ユリア・ベリンスカヤの演奏で。3つのソナタはいずれも声楽の世界とのつながりを示しており、ブラームスはヴァイオリンを本質的に声楽的な楽器として捉えていたのだと考えられます。マリア・ティーポ、パウル・バドゥラ=スコダ、フー・ツォンらに師事したイタリアのピアニスト、アレッサンドラ・マリア・アマーラとの共演です。
Da Vinci Classics
C-00749(2CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノのためのソナタ&変奏曲全集
チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.5-1/モーツァルトの歌劇「魔笛」「恋人か女房か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66/チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5-2/モーツァルトの歌劇「魔笛」「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46/チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69/ヘンデルのオラトリオ「ユダス・マカウベス」の主題による12の変奏曲ト長調 WoO45/チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102-1/チェロ・ソナタ第5番 ニ長調 Op.102-2
ラモン・バサル(Vc)、
マリア・カニゲラル(P)

録音:2021年&2022年、ベルリン(ドイツ)
スペイン・クラシック界の新星、ラモン・バサルとマリア・カニゲラルによるベートーヴェンのチェロとピアノのための作品全集。わずか2枚のCDの中に、チェロとピアノのデュオのために書かれた最も美しい作品のひとつであるだけでなく、古典的な意味でのチェロとピアノのためのソナタというジャンルの誕生そのものを象徴する作品が収められています。ほとんど人間的な声を持つチェロとベートーヴェン自身の楽器であるピアノの組み合わせが、人生の美しさ、深さ、激しさ、複雑さの表現を可能にしています。

GENUIN
GEN-23835(1CD)
ボヤージュ〜サクソフォン四重奏作品集
J.C.バッハ(アルベルト・マインズ編):シンフォニア 変ロ長調 Op.18-2
エレーナ・カノバス・イ・パレース(b.1994):Ich traumte, dass ich in demselben Garten eingeschlafen war und den Atem von jemandem auf meiner Wange spurte.
グラズノフ:サクソフォン四重奏曲 Op.109
コンスタンティア・グルズィ(b.1962):サクソフォン四重奏団のためのボイジャー1号 Op.98
エテルナム四重奏団

録音:2022年10月31日-11月3日
新進気鋭の若手サクソフォン四重奏団、エテルナム四重奏団のデビュー・アルバム。J.C.バッハの編曲作品から、グラズノフのサクソフォン四重奏曲といったクラシックの作品に、彼女たちのために書かれた現代曲が2曲収録されています。そのうちコンスタンティア・グルズィの「サクソフォン四重奏団のためのボイジャー1号」は、45年前に飛び立った宇宙探査機ボイジャー1号へのオマージュとなっています。

Etcetra
KTC-1800(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 Vol.2
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 「クロイツェル」 Op.47
ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ調長 「春」 Op.24、
ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調 Op.30-3
カルロス・ダマス(Vn)、
ルベン・ロレンソ(P)
パリ音楽院でジャクリーン・ルフェーヴルとイヴリー・ギトリスの下で学び、英グラモフォン誌と英ストラッド誌からは「フリッツ・クライスラーの作品の最高の解釈者の一人」と評価されたポルトガルのヴァイオリニスト、カルロス・ダマス。スペインの音楽を幅広く世界に紹介してきたスペインのピアニスト、ルベン・ロレンソ。2020年のベートーヴェン・イヤーにスタートしたヴァイオリン・ソナタ集の第2弾が登場です。共に博士号を取得している2人による真摯で知的なベートーヴェン解釈をお贈りします。
Etcetra
KTC-1774(1CD)
コルンゴルト:室内楽作品集
ピアノ三重奏曲 ニ長調 Op.1
ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op.6
ピエロの歌(歌劇「死の都」 Op.12より、チェロとピアノ版)
ブルーノ・モンテイロ(Vn)、
ミゲル・ロチャ(Vc)、
ジョアン・パウロ・サントス(P)
ポルトガル最高のヴァイオリニストのひとり」と称されるブルーノ・モンテイロによるコルンゴルト作品集。モーツァルトに匹敵するとされた神童コルンゴルトの美しい室内楽作品を、Et'ceteraレーベルでの録音でおなじみのメンバーと披露します。12歳の時に作曲、父親に捧げられた「ピアノ三重奏曲」は初演時のピアノをブルーノ・ワルターが担当し、絶賛したことでも知られています。その3年後に作曲された「ヴァイオリン・ソナタ」はアルトゥル・シュナーベルとカール・フレッシュに献呈されています。

Chandos
CHAN-20277(1CD)
シェーンベルク、ツェムリンスキー、アルマ・マーラー、ウェーベルン:作品集
ツェムリンスキー:至るところで5月の花が咲き
ウェーベルン:ピアノ五重奏曲
アルマ・マーラー:歌曲集(トム・ポスターによるソプラノと弦楽六重奏版)
シェーンベルク:浄められた夜
カレイドスコープ・チェンバー・コレクティヴ、
フランチェスカ・チェジナ(S)

録音:2023年3月、ポットン・ホール(イギリス、サフォーク)
「きらびやかで、変幻自在な若い音楽家のアンサンブル」、カレイドスコープ・チェンバー・コレクティヴ!BBCラジオ3新世代アーティスト・スキームを通じて出会ったピアニストのトム・ポスターとヴァイオリニストのエレーナ・ユリオステによって結成され、顧みられることの少ないレパートリーを積極的に取り入れたカリスマ的なプログラミングと卓越した音楽性で聴衆を熱狂させている気鋭のアンサンブルの最新盤は、シェーンベルクの「浄められた夜」を中心に新ウィーン楽派のメンバーの作品を紹介する1枚!
アルバムはシェーンベルクの親友であったツェムリンスキーの「至るところで5月の花が咲き Maiblumen bluhten uberall」(ソプラノと弦楽六重奏のための作品で「浄められた夜」と同じくリヒャルト・デーメルの詩に作曲)で幕を開け、シェーンベルクに師事したウェーベルンの「ピアノ五重奏曲」、ツェムリンスキーの弟子で彼が深い恋愛感情を抱いていたとされるアルマ・マーラーの4つの歌曲(Die stille Stadt, Laue Sommernacht, Bei dir ist es traut, Erntelied)と続き、シェーンベルクの名作「浄められた夜」(オリジナルの弦楽六重奏版)で締めくくられます。
Chandos
CHSA-5348(1SACD)
ボヘミアのこだま〜木管楽器のためのチェコ音楽
パヴェル・ハース
(1899-1944):木管五重奏曲 Op.10
アントワーヌ・ライシャ(1770-1836):木管五重奏曲 Op.88-2
ヤナーチェク:木管楽器のための組曲 「青春」 JW VII/10*
マルティヌー:六重奏曲 H174**
オルシノ・アンサンブル〔アダム・ウォーカー(Fl)、ニコラス・ダニエル(Ob)、マシュー・ハント(Cl)、エイミー・ハーマン(バスーン)、アレック・フランク=ゲミル(Hrn)〕、ピーター・スパークス(バス・クラリネット)*、リノス・オーウェン(Fg)**、ジェームズ・ベイリュー(P)**

録音:2022年10月17日-19日、聖マイケル教会(ハイゲート、イギリス)
芸術監督アダム・ウォーカーのリーダーシップの下、5人の優れた管楽器奏者を中心に柔軟な編成で活動するオルシノ・アンサンブル。フランス音楽を集めたファースト・アルバム『ベル・エポック』(CHSA-5282/RCHSA-5282)がレコード芸術特選盤&優秀録音に選定され華麗なデビューを果たしたオルシノ・アンサンブルのレコーディング第2弾は、ボヘミアの音楽へ焦点を宛てた魅惑のチェコ・アルバム!
チェコ音楽を代表するヤナーチェク、マルティヌーの木管アンサンブル作品に加え、ベートーヴェンと同年生まれで友人でもあったチェコ出身、ドイツとフランスで活躍したアントワーヌ・ライシャ(チェコ語ではアントニーン・レイハ、ドイツ語ではアントン・ライヒャ)と、ホロコーストの犠牲者としても知られ、ヤナーチェクのもっとも偉大な弟子の一人であったユダヤ系チェコ人作曲家パヴェル・ハースの木管五重奏曲を組み合わせ、数世代のチェコ音楽を俯瞰する魅力的なプログラムが完成。
21歳でロンドン響の首席奏者に任命され、現在はソリスト&室内楽奏者として新世代管楽器奏者の最前線に立つアダム・ウォーカー(Fl)、ブリテン・シンフォニアやハフナー・ウィンド・アンサンブルの創設メンバーであり、カメラータ・パシフィカの首席奏者を務めるニコラス・ダニエル(Ob)、スコットランド室内管やBBC響の客演首席奏者やドイツ・カンマーフィルのメンバーとして活躍してきたマシュー・ハント(Cl)、フィルハーモニア管の首席奏者を務め、現在はENOとオーロラ・オーケストラの首席奏者となっているエイミー・ハーマン(バスーン)、スコットランド室内管とヨーテボリ響の首席奏者を歴任し、現代楽器とともに古楽器(ナチュラル・ホルン)も吹きこなすアレック・フランク=ゲミル(Hrn)。まさに管楽器のスーパー・スター達が集まったオルシノ・アンサンブルによる至福のサウンドで、多様な音楽的表現と華麗な技巧が散りばめられたチェコの木管音楽の魅力を届けます。

Chopin University Press
UMFCCD-110111(2CD)
サクソフォン・ヴァリエ Vol.3
ロムアルト・トヴァルドフスキ
(b.1930):ユース・トリオ(青年三重奏曲)(Vn、チェロとピアノのための/サクソフォン、チェロとピアノ版編曲:パヴェウ・グスナル)
アンナ・イグナトヴィチ=グリンスカ(b.1968):三度...(ソプラノ・サクソフォンとハープシコードのための)
パヴェウ・ミキエティン(b.1971):ラ・ストラーダ(3つの楽器のための)
パヴェウ・ウカシェフスキ(b.1968):木管四重奏曲(オーボエ、クラリネット、バスーンとサクソフォンのための)
アレクサンデル・コシチュフ(b.1974):イフィー・シェイプス(サクソフォン、アコーディオンとチェロのための)
アリツィア・グロナウ(b.1957):ノン=エグジステント・ストリート(サクソフォン四重奏のための)
バルトシュ・コヴァルスキ(b.1977):サクソフォン四重奏曲 「ポーランド風」
クシシュトフ・ヘルジン(b.1970):ポーランドの主題による組曲(アルト・サクソフォンとサクソフォン四重奏のための)
ヴェウ・グスナル(Sax)、他

録音:2013年〜2018年、ポーランド
ポーランドを代表するサクソフォン奏者の一人であり、ショパン音楽大学の教授(2016年からは副学長にも就任)、多才なアーティスト、ソリスト、室内楽奏者、そしてポーランドのサクソフォン作品の熱心なプロモーターでもあるパヴェウ・グスナルによる「サクソフォン・ヴァリエ」シリーズ第3巻。現代ポーランドの様々なスタイルの作曲家による、2台、3台、4台の異なる楽器編成と、サクソフォン・アンサンブルのための多様な作品を2枚のCDに納めています。
Chopin University Press
UMFCCD-127(1CD)
サクソフォン・ヴァリエ Vol.4
ペンデレツキ:カデンツァ(ソプラノ・サクソフォンのための)
ウカシュ・ヴォシ(b.1967):アリア(サクソフォンとオルガンのための)
スタニスワフ・モリト(1947-2018):アリアとコラール(ソプラノ・サクソフォンのための)
ヴォシ:ロマンス(サクソフォンとオルガンのための)
アレクサンデル・ヤン・ショパ(b.1997):月の光(アルト・サクソフォンとオルガンのための)
イグナツィ・ザレフスキ(b.1990):トッカータ(アルト・サクソフォンとアコーディオンのための)
モリト:サークル(サクソフォンのための)
ヴォシ:間奏曲(アルト・サクソフォンとオルガンのための)
ニコラ・コウォジェイチク(b.1986):サクソフォン、バンドネオンと弦楽オーケストラのための協奏曲
パヴェウ・グスナル(Sax)、
バルトシュ・ヤクブチャク(Org)、クラウディウシュ・バラン(アコーディオン)、ラファウ・グジョンカ(クロマティック・バンドネオン)、ラファウ・ヤニャク(指)、ショパン大学室内O

録音:2019年〜2020年、ショパン音楽大学コンサート・ホール(ワルシャワ)
ポーランドを代表するサクソフォン奏者の一人であり、ショパン音楽大学の教授(2016年からは副学長にも就任)、多才なアーティスト、ソリスト、室内楽奏者、そしてポーランドのサクソフォン作品の熱心なプロモーターでもあるパヴェウ・グスナルによる「サクソフォン・ヴァリエ」シリーズ第4巻。ペンデレツキやショパン音楽アカデミー/ショパン音楽大学の学長を務めたスタニスワフ・モリトから1990年代生まれのザレフスキ、ショパまで、様々な世代の作品を収録。ソプラノ・サクソフォンのためのソロ作品、デュオ作品を中心に、サクソフォンとバンドネオンのための協奏曲という興味深い編成の作品も。
Chopin University Press
UMFCCD-153(1CD)
トリビュート・トゥ・モニューシュコ
ヴォイチェフ・コストジェヴァ(b.1992):モニューシュコの「幽霊屋敷」のアリアによるファンタジー
イグナツィ・ザレフスキ(b.1990):モニューシュコの「ハルカ」のアリアによるファンタジー=シノプシス
ミコワイ・マイクシャク(b.1983):5つのモニューシュコへの想い
ショパン大学アコーディオン・トリオ〔クラウディウシュ・バラン、ラヴァウ・グジョンカ、グジェゴシュ・パルス)

録音:2019年&2020年、ショパン音楽大学コンサート・ホール(ワルシャワ)
『ポーランド・オペラの父』と呼ばれた偉大な作曲家、スタニスワフ・モニューシュコの代表作から引用したモチーフをもとに、若い世代の3人の作曲家の感性、美学、テクニックによって昇華されたアコーディオン・トリオのためのファンタジー集。
Chopin University Press
UMFCCD-152(1CD)
インスピレーションズ〜トランペットとオルガンのための音楽
マリアン・ボルコフスキ
(b.1934):プロローグ
アンリ・ソーゲ(1901-1989):Non morietur in aeternum
ヤン・ラングレ(1907-1991):9つの小品
アルドナ・ナヴロツカ(b.1977):Diptichos
ジョルジュ・ドルリュー(1925-1992):物語とコラール
アンリ・トマジ(1901-1971):クスコの聖週間
アレクサンデル・ヤン・ショパ(b.1997):アメリカ組曲
トマシュ・ヴォジニャク(Tp)、
マルトシュ・ヤクブチャク(Org)

録音:2020年&2021年3月、ウッチ
すでに「古典的」ともいえる20世紀フランスの音楽から、最新のポーランド音楽まで、トランペットとオルガンのための多彩なレパートリー(ナヴロツカとショパの2作品は世界初録音)を収録した1枚。
トマシュ・ヴォジニャクはフレデリック・ショパン音楽アカデミーを卒業し、2005年から2007年までポドラシェ・オペラ&フィルハーモニーの第1トランペット奏者を務め、現在はワルシャワのポーランド放送Oで活躍し、ソリスト、室内楽奏者としても多くのコンサート、音楽祭に出演しています。オルガンは、ウッチの聖スタニスラウス・コストカ大聖堂のアイゼンバルト・オルガンを使用。
Chopin University Press
UMFCCD-116(1CD)
ひと味違うヴァイオリン
マスネ:タイスの瞑想曲(Vnとハープ版)
ファリャ:歌劇「愛の妙薬」よりスペイン舞曲(Vnとギター版)
ラインベルガー:ヴァイオリンとオルガンのためのパストラーレ ト長調
バルトーク:ルーマニア民族舞曲(Vnとアコーディオン版)
シベリウス:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲
ショスタコーヴィチ(レフ・アトフミャン編):2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品
カミラ・ヴォンシク=ヤニャク(Vn)、
ズサンナ・エルステル(Hp)、
レシェク・ポタシンスキ(G)、
ピオトル・コプチンスキ(P)、
マテウシュ・ジェヴスキ(Org)、
ラファウ・グジョンカ(アコーディオン)、
アレクサンドラ・デモフスカ=マデイスカ(Va)、
ヤクブ・ヤコヴィチ(ヴィオリン)
リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクールにおいて第2位、ポーランド最優秀参加者に贈られる特別賞を審査員長であるザハール・ブロンから受けた若手期待のヴァイオリニスト、カミラ・ヴォンシク=ヤニャクによるアルバム。このアルバムでは、クラシックで親しまれている楽曲などをひと味違ったアレンジで聴かせてくれています。ピアノだけでなく、ハープやギター、アコーディオンといった楽器と組み合わせることで、ヴァイオリンというポピュラーな楽器で演奏する作品に新鮮さを与えてくれています。
Chopin University Press
UMFCCD-112113(2CD)
バッハ:ヴァイオリンとハープシコードのためのソナタ集(全曲)
バッハ:ソナタ第1番ロ短調 BWV1014
ソナタ第2番 イ長調 BWV1015
ソナタ第3番ホ長調 BWV1016
ソナタ第4番 ハ短調 BWV1017
ソナタ第5番ヘ長調 BWV1018
ソナタ第6番 ト長調 BWV1019
パヴェウ・ウォサキエヴィチ(Vn)、
リリアンナ・スタヴァシュ(ハープシコード)

録音:2017年5月-2018年4月(ポーランド)
演奏家として、また指導者として、現在のポーランドで欠かせない存在となっている、パヴェウ・ウォサキエヴィチ。円熟した奏者であり、古楽に精通した彼が満を持して、バッハのソナタの録音に取り組みました。
伴奏という域を逸脱しているといっても過言ではない、この曲のハープシコード・パート。その大役は、ウォサキエヴィチと何度も共演を重ねている、リリアンナ・スタヴァシュが務めています。

Chopin University Press
UMFCCD-121(1CD)
金管楽器のためのポーランドの現代音楽
ルトスワフスキ:CUBEのためのファンファーレ
エドヴァルド・シェリツキ(b.1956): Ensaladas
ベネディクト・コノヴァルスキ(b.1928): Apage satanas
バルトシュ・コヴァルスキ(b.1977):金管五重奏曲
コノヴァルスキ:幻覚
ピオトル・ヴルベル(b.1978):3つのタイムゾーン
カジミエシュ・マハワ(b.1948):サンセット・ラグ
ワルシャワ・フィルハーモニー金管五重奏団〔クシシュトフ・ベドナルチク(Tp)、マリウシュ・ニェピエクウォ(トランペット、ピッコロ・トランペット)、アレクサンデル・シェベスチク(Hrn)、アンジェイ・シェンキエヴィチ(Tb)、アルカディウシュ・ヴィエンドラク(チューバ)〕

録音:2019年1月21日-24日(ワルシャワ、ポーランド)
ワルシャワ国立POのメンバーによる、金管五重奏曲集。21世紀を生きる作曲家たちの楽曲が集められ、そのほとんどは、あまり演奏される機会のないものや、世に知られていない作品で構成されており、貴重なアルバムとなっています。

DUX
DUX-1831(2CD)
マラフスキ:室内楽作品集
アルトゥル・マラフスキ
(1904-1957):
おとぎ話(1928)〜ヴァイオリンとピアノのたの
ブルレスケ(1940)〜ヴァイオリンとピアノのための
3つの子どもの歌(1950)〜声楽とピアノのための
マズルカ(1950)〜ヴァイオリンとピアノのための
母へ(1950)〜声楽とピアノのための
アンダンテとアレグロ(1949)〜ヴァイオリンとピアノのための
カイロネイアのニケ(1943)〜声楽とピアノのための
フェリクス・ヤニェヴィチの主題によるシチリアーナとロンド(1952)〜ヴァイオリンとピアノのための
フェリクス・ヤニェヴィチの主題によるヴァイオリン・ソナタ(1951)
ピアノ三重奏曲(1951-53)
シルヴィア・ミハリク(P)、
マウゴジャタ・ヴァシウチョネク=ポテラ(Vn)ほか
幼少期よりヴァイオリンを学びつつも、左手の怪我のためキャリアを断念し、その後教授として活躍したポーランド・プシェムィシル出身の作曲家、アルトゥル・マラフスキ(1904-1957)のヴァイオリンを中心とした室内楽作品集。「ポーランドの現代音楽の父」ボグスワフ・シェッフェルや、ペンデレツキ、キラルはマラフスキに師事しています。アルバム冒頭のヴァイオリンとピアノのための「おとぎ話」は20代半ばの作品で、クラクフ音楽院のコンクールで1位を獲得したマラフスキにとっての重要作品です。

LAWO Classics
LWC-1260(1CD)
ストラヴィンスキー、プーランク、ドビュッシー
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
プーランク:チェロ・ソナタ FP143
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 L.135
アマーリ・スタールハイム(Vc)、
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)

録音:2022年1月2日-5日、ソフィエンベルグ教会(オスロ)/Recorded in DXD24bit/352.8kHz
1993年にノルウェーのベルゲンで生まれたチェリストのアマーリ・スタールハイムは、2018年にスウェーデン・ソリスト賞、2021年にノルウェー・ソリスト賞をそれぞれ受賞し、現在ストックホルムを拠点にして活動しています。
本アルバムでは、ノルウェーを代表するピアニストの1人である、クリスチャン・イーレ・ハドランと共演し、20世紀のチェロとピアノのための作品を収録しました。
スタールハイムはノルウェーの財団より貸与された、F. Ruggieri(1687年製)のチェロを使用しています
LAWO Classics
LWC-1254(1CD)
オースムン・ファイエ:室内楽作品集
オースムン・ファイエ
(b.1948):エチュード(ソロ・チェロのための)
ソネット8番(女声合唱のための)
1905(弦楽四重奏のための決闘)
コントラバッカス(ソロ・コントラバスのための)
短い出会い(室内アンサンブルのための)
断片(コントラバス四重奏のための)
パ・ド・ドゥ(室内アンサンブルと弦楽オーケストラのための)
ビョルグ・ルイス(Vc)、
オスロ大学女声合唱クラブ、マーリト・トンデル・ボスベルグ・ヴァイデ(指)、ヴェルターヴォSQ、ホーコン・テリーン(Cb)、クリスチャン・エッゲン(指)、ダン・ステュッフェ(Cb)、ケンネト・リューラン(Cb)、ホーコン・テリーン(Cb)、グレン・ルイス・ゴードン(Cb)、コルビョルン・ホルテ(Vn)、ヨン・ヴィーン・ソンステボー(Va)、エルンスト・シモン・グラーセル(Vc)、マリウス・クヌーセン・フラトビュー(Cb)、クリスチャン・クローグヴォル・ルンクヴィスト(ヴィブラフォーン)、ノルウェー放送O(KORK)、弦楽オーケストラ、ビャッテ・エンゲセット(指)

録音:2017年-2022年
幼少期よりヴァイオリンを学び、1967年に実験的ロック・バンド「RAIN」を結成したオースムン・ファイエ。1969年にグループでオスロの国立劇場で雇われて以降、ファイエは作曲に力を入れ、今ではノルウェーで最も注目される劇場音楽の作曲家の1人となっています。
本アルバムには、ファイエの室内楽作品が、ノルウェーの第一線で活躍する音楽家たちによる演奏で収められています。

FONE
SACD-206(1SACD)
ザ・ベスト・オヴ・ヴァイオリン
ピアソラ:ミロンガ ニ長調
パガニーニ:ラ・カンパネラ
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV1004より 「シャコンヌ」
ヴィヴァルディ:協奏曲 ヘ長調
パガニーニ:24のカプリス Op.1より 第13番、第17番、第18番、第24番
ベートーヴェン
:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 「春」 Op.24より 第2楽章
ブラームス
:「F.A.E.ソナタ」 より スケルツォ ホ短調
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番 ハ短調 D703「四重奏断章」 より 第1楽章
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、
イタリア室内O、カルテット・アッカルド、ジョルジャ・トマッシ(P)、ブルーノ・カニーノ(P)

録音:1997年〜2009年
イタリア・ヴァイオリン界の巨匠、サルヴァトーレ・アッカルドは数多の名録音を世に送り出してきましたが、その中でも特に傑出した選りすぐりの演奏が贅沢に詰め込まれたアルバム。また、アッカルドと長く共に仕事をしてきたFoneレーベルのオーナーでありレコーディング・エンジニアのジュリオ・チェーザレ・リッチにとっても、これまでの重要な作品が詰まった集大成ともいえるアルバムでしょう。

Acte Prealable
AP-0520(1CD)
初紹介旧譜
コチャルスキ:室内楽作品集 Vol.4
ラウル・コチャルスキ
(1885-1948):ヴァイオリン・ソナタ第2番 嬰ヘ短調 Op.89
ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ長調 Op.96
ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ長調 Op.113
アグニェシュカ・マルハ(Vn)、
ヤクプ・トホジェフスキ(P)

録音:2021年9月2日-3日
ポーランドの「Acte Prealable」レーベルが情熱をもって進め、多くの世界初録音を実現し、同レーベルの看板シリーズの1つともなっているラウル・コチャルスキの録音集。コチャルスキは幼い時からそのピアノの腕前をアントン・ルビンシテインに絶賛され、ショパンの最後の弟子であるカロル・ミクリに師事したことにより特にショパンの演奏は高く評価されました。作曲家としてはリストの弟子ルドヴィク・マレクに師事し大きな影響を受けました。
コチャルスキの室内楽作品集の最後を飾るのは、三曲のヴァイオリン・ソナタ。古典的な3楽章形式をとった第2番、数多くの歌曲やピアノ曲などを作曲した最も華やかな時代に作曲された第3番、そして5年の歳月をかけて1942年に完成し、彼の芸術の成熟度を感じさせる第4番が収められています。
Acte Prealable
AP-0510(1CD)
初紹介旧譜
コチャルスキ:室内楽作品集 Vol.3
ラウル・コチャルスキ
(1885-1948):チェロ・ソナタ第1番変ロ短調 Op.80
ロマネスク組曲 Op.98
チェロ・ソナタ第2番 イ長調 Op.90
マチェイ・ワツニ(Vc)、
カロル・ガルヴォリンスキ(P)

録音:2021年3月28日-29日
現し、同レーベルの看板シリーズの1つともなっているラウル・コチャルスキの録音集。コチャルスキは幼い時からそのピアノの腕前をアントン・ルビンシテインに絶賛され、ショパンの最後の弟子であるカロル・ミクリに師事したことにより特にショパンの演奏は高く評価されました。作曲家としてはリストの弟子ルドヴィク・マレクに師事し大きな影響を受けました。
チェロとピアノのための作品が収められたこのアルバムには、コチャルスキによって完成されたチェロ・ソナタ第1番と、未完成となったロマネスク組曲、チェロパートのみ完成されていたチェロ・ソナタ第2番が収められています。
Acte Prealable
AP-0476(1CD)
初紹介旧譜
コチャルスキ:室内楽作品集 Vol.2
ラウル・コチャルスキ
(1885-1948):ピアノ三重奏曲第1番ニ長調 Op.76
ピアノ三重奏曲第2番ト短調 Op.88
ピアノ三重奏曲第3番 ロ長調 Op.92
ダリウシュ・ドジャズガ(Vn)、
マチェイ・ワツニ(Vc)、カロル・ガルヴォリンスキ(P)

録音:2020年5月5日-6日
ポーランドの「Acte Prealable」レーベルが情熱をもって進め、多くの世界初録音を実現し、同レーベルの看板シリーズの1つともなっているラウル・コチャルスキの録音集。コチャルスキは幼い時からそのピアノの腕前をアントン・ルビンシテインに絶賛され、ショパンの最後の弟子であるカロル・ミクリに師事したことにより特にショパンの演奏は高く評価されました。作曲家としてはリストの弟子ルドヴィク・マレクに師事し大きな影響を受けました。
このアルバムに収められているピアノ三重奏曲は、第一次世界大戦中にコチャルスキがドイツに拘留されていた時代に作曲されたものと思われ、その存在が今まで忘れられてしまっていた隠れた名曲たちです。

EM Records
EMRCD-081(1CD)
喜びと情熱〜ラトランド・ボートン:室内楽作品集
ラトランド・ボートン(1878-1960):ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重奏曲
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ニ長調
チェロとピアノのためのソナタ
ヴァイオリン、チェロとピアノのためのケルティック・プレリュード
ヴァイオリンとピアノのためのウィンター・サン
イングリッシュ・ピアノ・トリオ〔ジェーン・フォークナー(Vn)、パール・バンダ(Vc)、ティモシー・レイヴンズクロフト(P)〕

録音:2022年3月23日-25日(イギリス)
※ケルティック・プレリュードを除く全曲世界初録音
近代・現代イギリスの知られざる作品や新作を続々と送り出しているthe English Music Festivalの自主レーベル「EM Records」。本アルバムでは、オペラや合唱曲の作曲者として活躍し、イギリス発の「バイロイト音楽祭」を創造しようとしたことでも知られるラトランド・ボートンの初録音となる室内楽作品を取り上げています。

BIS
BISSA-2668(1SACD)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 Op.74「ハープ」
弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 Op.130
キアロスクーロQ【アリーナ・イブラギモヴァ(Vn/Andrea Amati1570)、パブロ・エルナン=ベネディ(Vn/Nicolo Amati c.1675)、エミリー・ホーンルンド(ヴィオラ/Willems,c.1700)、クレール・チリヨン(Vc/Carlo Tononi1720)】

録音:2022年5月18〜22日ワイアストーン・コンサート・ホール(モンマス)
現代屈指のヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ四重奏団。当アルバムではベートーヴェンの第3弾とし て弦楽四重奏曲第10番「ハープ」と第13番を録音しました!
2005年結成の当団(団名の“Chiaroscuro(キアロスクーロ)”はコントラストを印象づける明暗法そして陰影法を意味します)は、結成当初から楽曲 の深い解釈で注目を集め、演奏活動とともに録音にも積極的に取り組んでおり、これまでリリースしたディスクすべてで非常に高い評価を獲得している現代最高 峰のSQです。
作品18の6つの四重奏曲に続き、キアロスクーロ四重奏団はベートーヴェン中・後期の傑作2篇を収録。第1楽章の特色あるピッツィカートから「ハープ」 の愛称で親しまれる第10番変ホ長調は、初演から好評を博し、1810年に初版が出版されて以降、現在まで最も人気のある弦楽四重奏曲のひとつです。第 13番変ロ長調は1824年から1826年にかけて作曲された、いわゆる「後期四重奏曲」に属する作品。18世紀の変奏曲を模した6楽章構成で、これま での伝統的な4楽章構成に、2つの楽章(アラ・ダンツァ・テデスカ(ドイツ舞曲風に)とカヴァティーナ)が加えられています。しみじみとした抒情を自由 かつ即興的に歌い上げる、晩年のベートーヴェンらしさが魅力です。キアロスクーロ四重奏団のシャープにして非常に温かみのある演奏でお楽しみください。 (Ki)

SUPRAPHON
SU-4330(1CD)
マルティヌー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
(1)ヴァイオリンとピアノと管弦楽のための協奏曲 H342(1953)
(2)ヴァイオリン・ソナタ第3番H303(1944)
(3)ヴァイオリンとピアノのための5つの小品 H 184(1930)
ヨゼフ・シュパ チェク(Vn )
ミロスラフ・セケラ(P)
ペトル・ポペルカ(指)プラハRSO

録音:(1)2021年10月31日〜11月2日/チェコ放送内第1スタジオ(プラハ)
(2)2020年5月14日、(3)2022年10月23日/ドヴォルザーク・ホール、ルドルフィヌム(プラハ)
Supraphonレーベルが力を注いで新録音をリリースしているチェコの作曲家、ボフスラフ・マルティヌー。当アルバムではチェコを代表する ヴァイオリニスト、ヨゼフ・シュパチェクとピアニスト、ミロスラフ・セケラがソリストをつとめた、ヴァイオリンとピアノのための3篇を収録しました。
ヴァイオリニストでもあったマルティヌーですが、とりわけ彼の交響曲作品はピアノのような色彩感が特徴です。ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための協奏曲は、 夫婦デュオとして活躍していたベンノ&シルヴィア・ラビノフが委嘱し、1953年に作曲。翌1954年5月に初演しています。同時期の作品といえばボストン交響 楽団創立75周年記念のために作曲した代表作、交響曲第6番「交響的幻想曲」がありますが、この二重協奏曲は現在ほとんど演奏されていません。
ヴァイオリン・ソナタ第3番もアメリカ時代の産物。第二次世界大戦の終結が間近に迫り郷愁に駆られたマルティヌーが書き上げた作品で、翌1945年にニュー ヨークで初演されております。
ヴァイオリンとピアノのための5つの小品は1930年に書かれたパリ時代の作品。対位法をとりいれながら荒々しいハーモニーと鋭さが際立つ小品です。シュパ チェクとセケラはのアルバムでマルティヌーの多彩さを証明するアルバムを完成させました。 (Ki)
SUPRAPHON
SU-4319(2CD)
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲全集
(1)ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調 Op.21 B51(1875/1880)
(2)ピアノ三重奏曲第2番ト短調 Op.26B56(1876)
(3)ピアノ三重奏曲第3番ヘ短調 Op.65 B130(1883)
(4)ピアノ三重奏曲第4番ホ短調「ドゥムキー」 Op.90B166(1891)
ボリス・ギルトブルク(P)
ヴェロニカ・ヤルーシコヴァー(Vn)
ペテル・ヤルーシェク(Vc)

録音:(1)(2)2022年12月12〜14日、(3)(4)2023年5月5〜7日/ワイヤストーン・コンサートホール(イギリス)
名手ボリス・ギルトブルクがパヴェル・ハース四重奏団のヴァイオリン奏者ヴェロニカ・ヤルーシコヴァー、チェロ奏者ペテル・ヤルーシェクとともにドヴォルザー クのピアノ三重奏曲全曲を録音しました!
近年、パヴェル・ハース四重奏団と緊密な関係を築いているギルトブルク。Supraphonレーベルから「ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲、弦楽五重奏曲第3番」 (CD:KKC-6100/ SU-4195、LP:SU-4195LP)をリリースし、このアルバムは2018年のグラモフォン賞を受賞。その後リリースした「ブラームス: ピアノ五重奏曲、弦楽五重奏曲第2番」(KKC-6528 / SU-4306)は、レコード芸術誌「特選盤」など高い評価を獲得しています。
ドヴォルザークのピアノ三重奏曲は全4曲。第3番(1883年作曲)について、プラハに生まれウィーンを拠点に活躍した音楽評論家エドゥアルト・ハンスリッ ク(1825-1904)は、“ドヴォルザークが当代最高の巨匠の一人であることを示す珠玉の作品”と賞賛。また、第4番「ドゥムキー」(1891年作曲)をヤナー チェクは“新たな光源が射した”と激賞するなど、この2篇は作曲当時から頻繁に演奏され、評価されてきました。しかし、第1番(1875年作曲、1880 年改編)と第2番(1876年作曲)は録音・演奏が多くないだけに、当代最高の名手が全曲録音をしたことは注目に値します。阿吽の呼吸で展開する彼らの 音楽は輝きに満ちており、三位一体の演奏を聴かせてくれます。まさに新名盤誕生と申せましょう!
録音はイングランドとウェールズにまたがるワイ渓谷のワイヤストーン・コンサートホールで収録されました。またエンジニアはキアロスクーロ四重奏団の録音で もおなじみのアンドルー・キーナーが担当しており、録音の面でも期待が高まります。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0049(1CD)
スラヴの旅 〜フルートとピアノのためのチェコ音楽集
マルティヌー:フルートとピアノのためのソナタ H306
インドジフ・フェルト:フルートとピアノのためのソナタ
同:フルート独奏のための4つの小品 [瞑想曲/カプリース/幕間劇(バルトーク讃)/ブルレスケ]
シュルホフ:フルートとピアノのためのソナタ
ジェラルディン・ミュシャ:フルートとピアノのための『私たちの旅』
ヤナーチェク:ピッコロとピアノのための『青い鳥の行進曲』
ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ幻想曲(サラ・ルメールによるフルートとピアノ版)
サラ・ルメール(Fl、ピッコロ)
ウルリッヒ・ コエッラ(P)

録音:2021年8月/チューリッヒ放送スタジオ
スイス・ロマンドOの首席フルート奏者サラ・ルメールによる、チェコ作曲家のフルート作品集。あまり聴きなじみのないジェラルディン・ミュシャはスコッ トランドの作曲家ですが、アール・ヌーヴォーを代表する画家アルフォンス・ミュシャの息子であるチェコの作家ジリ・ミュシャ(イジー・ムハ)と結婚し、プラハに 移り住んだ人物です。 (Ki)

Aulicus Classics
ALC-0088(1CD)
ドヴォルザーク:細密画集 Op.75a
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調 K.423
ドヴォルザーク:2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲 ハ長調 Op.74
ピエラヌンツィ三重奏団【ガブリエーレ・ピエラヌンツィ(Vn)、ラウラ・ゴルナ(Vn)、フランチェスコ・フィオーレ(Va)】

録音:2021年1月29日 イタリア ロンバルディア州 ミラノ
ドヴォルザークの隠れた名作、細密画集 Op.75aと弦楽三重奏曲 ハ長調 Op.74で、モーツァルトの二重奏曲 ト長調 K.423を挟んだ素敵な選曲のCD。ドヴォルザーク の室内楽曲はどれも彼持ち前の旋律美が生きた名曲ばかりで、弦楽四重奏曲やピアノ 四重奏曲、ピアノ五重奏曲などは有名だが、弦楽二重奏国、三重奏曲はあまり顧みら れない。細密画集(ミニチュア集)は、ヴァイオリンとピアノのための4つのロマンティック な小品 Op.75の原曲。こちらも名曲だが、本来の味は原曲の方が勝るでしょう。弦楽三 重奏曲は2つのヴァイオリンとヴィオラという編成で、CDでは稀に弦楽四重奏曲の余白 に収録されるが、ドヴォルザークの魅力に溢れた名作。一方モーツァルトの二重奏曲 は、ミヒャエル・ハイドンの代わりに作曲したエピソードで知られる作品。これもモーツァ ルトの隠れた名作としてモーツァルティアンには人気がある。 こうした曲は得てしてSQの団員で演奏されがちだが、ピエラヌンツィ三重奏 団は極めて珍しいヴァイオリン×2とヴィオラの団体。3人ともイタリア人なので明るさと滑 らかさはまさにイタリアの味。
Aulicus Classics
ALC-0085(1CD)
ヘドベリ&ポンティネン:ノルディック・エレメンツ
前奏曲、リトム、フィアル・ウーノ、フィアル・フォーク、フィアル・デュオ、フィアル・フィー、TkistU、ノルディック・エレメント、エレメントB ノルディック、ノルディック・C エレメント、D ノルディック・エレメント、ノルディック・エレメントE
マッツ・ヘドベリ(G)
ステファン・ポンティネン(Vn)
クラシック・ギターとヴァイオリンのデュオのための 12の小品から構成されたアルバム。ヴァイ オリンとギターという編成からパガニーニのそれを想起させるが、曲はフィリップ・グラスを思わせ るアルペジオのみによるミニマル的な前奏曲に始まり、その後、ジャズ風であったり、民族音楽 風、インド音楽であったり、バルトーク風であったりと様々なスタイルの小品が続く。作曲はヘド ベリとポンティネンの二人による共作です。
Aulicus Classics
ALC-0091(1CD)
パイジェッロ:6つのフルート四重奏曲Op.23
ディヴェルティメント第3番
ディヴェルティメント第2番
ディヴェルティメント第1番
ディヴェルティメント第5番
ディヴェルティメント第4番
ディヴェルティメント第6番
シーロ・カヴァレット(Fl)
ディーノ・スカラブリン(Vn)
ダニエラ・パジェッラ(Va)
カルロ・ベルトーラ(Vc)

録音:2000年10月 イタリア ピエモンテ州
ピーノ・トリネーゼ
ジョヴァンニ・パイジェッロ(1740―1816)はイタリアオペラの作曲家として高名だが、宗教曲 や器楽作品も多数書いています。あまり顧みられることのないそれらの作品の中では、6 つのフルート四重奏曲 Op.23が比較的よく知られており、CD も複数出ています。フルートが明るく伸びや かに歌い、それにヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが品よく伴奏をするスッキリした音楽が美しい。 オペラ以上にパイジェッロの南イタリア気質がストレートに現れている傑作でしょう。 シーロ・カヴァレットはヴェネツィア生まれのイタリアのフルート奏者。スイスのヴィンタートゥール 音楽院で学んだ後、デンマークで研鑽を積んだ名手。

Goodies
78CDR-3912(1CDR)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調作品18-4 パガニーニSQ【アンリ・テミアンカ(Vn1)、ギュスタヴ・ロッセール(Vn2)、ロベール・クルト(Va)、ロベール・マース(Vc)】

英 HIS MASTWER'S VOICE8488/90
1947年5月22日、ロンドン、アビー・ロードEMIスタジオ録音
パガニーニSQは1944年アンリ・テミアンカ(1906-1992)によって結成 された。結成の前年テミアンカは元プロアルトSQのチェリスト、ロ ベール・マースに会った。マースは新しいSQのスポンサーになる人 物が居ることを話し、またニューヨークの楽器店で売り出されていたパガニー ニ(1872-1840)が所有していた4本のアントニオ・ストラディヴァリ(1644-1737) 製の楽器を同じスポンサーが購入して貸与されることで四重奏団をスタートし た。1946-47年のシーズンにオール・ベートーヴェンのプログラムをワシントン の国会図書館で演奏し大成功を収め、すぐにRCA VICTOR社が契約した。各奏者 の略暦は78CDR-3379ドビュッシー弦楽四重奏曲にある。(グッディーズ)

SOMM
SOMMCD-0674(1CD)
NX-B04
メトネル・イン・イングランド
ヴァイオリン・ソナタ第3番ホ短調 「エピカ」 Op.57
ピアノ・ソナタ ト長調 「牧歌」 Op. 56
8つの歌曲 Op.61
ナターリア・ロメイコ(Vn)
アレクサンドル・カルペイエフ(P)
セオドア・プラット(Br)

録音:2022年3月15-17日
ロシア出身の作曲家メトネル。ピアニスト、作曲家としてモスクワで前途洋々の音楽人生を送ってい ましたが、1917年に勃発したロシア革命から逃れるため、ロシアを出国。一時はパリに住むもこの国の音楽 界の雰囲気になじめず、1936年にイギリスに移り、1951年、70歳で亡くなるまでロンドンに定住しました。 このアルバムには彼のロンドン時代の作品を3つ収録。最後のピアノ・ソナタとなった2楽章形式の「牧歌」、オ イストラフが愛奏したことで知られ、メトネルの弟への哀悼の意が込められたヴァイオリン・ソナタ第3番「エピ カ」。そして世界初録音を含む「8つの歌曲」は、メトネルが1927年頃から四半世紀近くにわたって書き上げ た100曲以上の歌曲から、作曲家の死後にまとめられたものです。彼が愛したプーシキン、レールモントフ、ア イヒェンドルフ、フョードル・チュッチェフらの詩を用いたこれらの歌は、繊細な和声と優雅な旋律でシューベルト の時代に通じるものを感じさせます。

RICERCAR
RIC-453(1CD)
バッハ:フーガの技法 BWV1080(未完部分補筆完成版)
1. コントラプンクトゥス1
2. コントラプンクトゥス2
3. コントラプンクトゥス3
4. コントラプンクトゥス4
5.8度のカノン
6. コントラプンクトゥス5*
7. コントラプンクトゥス6:フランス様式による4声フーガ*
8. コントラプンクトゥス7:拡大と縮小を伴う4声フーガ*
9.3度の転回対位法を伴う10度のカノン
10. コントラプンクトゥス8:3声で
11. コントラプンクトゥス9:12度の4声フーガ
12. コントラプンクトゥス10:10度の4声フーガ
13. コントラプンクトゥス11:4声のフーガ
14.5度の転回対位法を伴う12度のカノン
15. コントラプンクトゥス12(正位形):4声のフーガ
16. コントラプンクトゥス12(転回形):4声のフーガ
17. コントラプンクトゥス13(正位形):3声のフーガ
18. コントラプンクトゥス13(転回形):3声のフーガ
19. 拡大と反行を伴うカノン
5. コントラプンクトゥス14(補筆・再構成:マチュー・カミレリ)*
* 末尾に第5声部の提示を付加
レ・レクレアシオン(古楽器使用)
 マチュー・カミレリ(Vn、ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴィオラ)
 サンドリーヌ・デュペ(Vn、ヴィオラ)
 クララ・ミューレターラー(ヴィオラ、ヴァイオリン)
 ジュリアン・アンスウォルト(Vc・ピッコロ)
 五味敬子(Vc)

録音:2022年9月12-15日
 聖母被昇天教会、バス・ボドゥー(ベルギー東部リエージュ州)
バッハが生きていた時代に存在したモデルの弦楽器で、弦楽四重奏編成を基本としながら、古典派時代以降に廃れていった楽器も用いて 作品本来の姿に迫った新録音。多声音楽の大家バッハが老境に差し掛かる頃、自らの対位法芸術の総決算として作曲を進めながら、最 晩年に終曲を仕上げ切らないまま未完で終わった『フーガの技法』は楽譜上に楽器の指定がなく、鍵盤独奏からオーケストラまで多種多様 な編成で演奏されて後世の人々を驚かせてきました。弦楽四重奏もよく使われてきたものの、古典的な3種の楽器ではヴィオラ・パートなど で音域的に対応しづらい局面が出てきてしまうのが難点(バロック以前の作法でオルガン曲をガンバ合奏にした場合に近く、低音寄りになる 曲も少なくありません)。「最古の弦楽四重奏曲」とされるA.スカルラッティの4声ソナタ群の録音(RIC422)で注目を浴びたレ・レクレアシオン はそこで、フランス・バロック流の小型ヴァイオリン(イタリア語の呼称ヴィオリーノ・ピッコロで知られる楽器)と通常のチェロより高い音域に対応で きる18世紀のチェロ・ピッコロも導入、全てバッハが書いた通りの音符で全編演奏を実現しました。最後の断筆部分は残された楽譜のまま 演奏される場合もありますが、ここでは古楽再現の作法に従いヴァイオリンのマチュー・カミレリが独自の終結部を提案。曲集冒頭の主題に 立ち返って締めくくる補筆案は独特の説得力を持って響き、全編を通して聴くとひときわ印象深く感じられるに違いありません。ライプツィヒ・ バッハ・アルヒーフでも活躍してきた音楽学者ジル・カンタグレルとアンサンブル自身によるライナーノート解説文(仏、英、独語)も、作品演奏 史と実践ノウハウの両面から興味深い内容になっています。

Gramola
GRAM-99300(1CD)
リヒテンタール博士のモーツァルト
モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K.550
交響曲第41番ハ長調 K.551…世界初録音

※ペーター・リヒテンタール(1779-1853) による弦楽五重奏版
パンドルフィス・コンソート(古楽器使用)【Maximilian Bratt(Vn1)、Anna Obermayer(Vn2)、Alexander Znamenskiy(第1ヴィオラ)、El?bieta Sajka-Bachler(第2ヴィオラ)、Gunter Schagerl(Vc)】

録音:2022年6月14-16日
パンドルフィス・コンソートによるモーツァルトの協奏曲、管弦楽作品を室内楽で演奏するシリーズ「リヒテンタール博士のモーツァルト」の続編が登場。 アルバム・タイトルにある「リヒテンタール博士」とは、ブラチスラヴァ生まれの医師・作曲家ペーター・リヒテンタール(本名:ヴォルフガング・マイヤー)のこ と。彼はモーツァルトの熱烈な信奉者で、モーツァルトの妻コンスタンツェや2人の息子とも親交がありました。リヒテンタールはレクイエム (GRAM99188)やピアノ協奏曲第20番、ピアノ・ソナタ第14番(GRAM99268)をはじめとした数多くのモーツァルト作品の編曲版を遺しています。 このアルバムでは後期の傑作、交響曲第40番と第41番を弦楽五重奏に編曲した版を収録。通常の弦楽四重奏の編成に比べ、ヴィオラ2本が醸 し出す豊かな内声の響きを存分に堪能できます。

MIRARE
MIR-586(1CD)
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ FP.119(1943)
プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのための5つのメロディ op.35bis(1921/1925年編)
ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント(1928/1932年編)
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(1917)
梁美沙(ヤン・ミサ)(Vn)、
アダム・ラルーム(P)

録音:2022年4月2-5日、ベルギー
トリオ・レ・ゼスプリ以来の信頼関係で結ばれているヤン・ミサ(Vn)と、アダム・ラルーム(P)によるデュオの登場。20世紀前半に生み出された、 大作曲家たちの珠玉の作品が並びます。それぞれ当時のヴァイオリンの名手によって初演されたり、名手たちの助言を得ながら完成させたもので、作曲家たちとそ の周辺に生きた音楽家たちの生きた交流なども感じ取れる、興味深い内容です。
プーランクはヴァイオリンとピアノのためのソナタを1曲しか書いていません。このソナタは、ジネット・ヌヴーとプーランク自身のピアノで初演されました。第1 楽章は熱狂的なアレグロ・コン・フォーコ、第2楽章はロルカの一説を引用した幻想的な間奏曲、終楽章は暴力的なまでに激しい曲想ですが、「ふたりでお茶を」 の明確な引用が見られます。プロコフィエフの5つのメロディは、もともとは歌曲だったものをヴァイオリン奏者コハンスキの助言を得ながらヴァイオリンのために 編曲したもので、今ではこの版のほうが演奏機会が多いといえるでしょう。ストラヴィンスキーも自作のいくつかを演奏旅行などで扱いやすいように、ヴァイオリン とピアノに編曲しており、その際には名手ドゥシュキンがいつも助言していました。ディヴェルティメントはバレエ「妖精のキス」のヴァイオリンとピアノ編曲版。頻繁 な拍子の変化など、ダンス的要素も色濃く残しつつ、原曲であるチャイコフスキー作品の世界もいろあせず感じられる名曲です。そしてドビュッシーが生涯で最後に 完成させた作品がヴァイオリン・ソナタ。ドビュッシーのピアノ、ガストン・プーレのヴァイオリンで初演されました。全体を通じてヤン・ミサの何かに憑かれたような、 作品の世界にのめりこんだ鬼気迫る表現が印象にのこります。そしてラルームのピアノが変幻自在、ドビュッシーのソナタでの茫漠とした表情や切り裂くようなハー モニー、プーランクでのドライな音色など、好サポートが光ります。
大阪生まれ。パリ国立音楽院でシャルリエ、カントロフに師事。2000年、若い音楽家のためのメニューイン国際コンクール第1位。2001年、仙台国際音楽コン クールで第3位および審査員特別賞を受賞。2009年、室内楽(P三重奏)でマリア・カナルス国際コンクールで優勝を果たす。2004年、アルデオ弦楽四重 奏団の一員としてエコー・ライジング・スターに選出された。12歳でデビュー後、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ、仙台フィル、 東京SOなどと共演を重ねる。リサイタルも多く、室内楽の分野でもピアノ三重奏(トリオ・レ・ゼスプリ)で3枚〔MIR 241, MIR322およびソニーから1枚〕、ヴァイオリンとピアノのデュオ〔MIR 420〕で1枚CDを出しており、いずれも高く評価されています。2022年以降、フランス国立音楽院(パリCNSM)でオ リヴィエ・シャルリエのクラスでアシスタント・プロフェッサーを務めています。 アダム・ラルームは1987年トゥールーズ生まれ、2022年にパリ国立音楽院でミシェル・ベロフに師事。コロリオフのもとでも研鑽を積む。2009年クララ・ハ スキル国際ピアノ・コンクールで優勝。2017年ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークの器楽奏者部門を受賞。リサイタル、協奏曲、そして室内楽の分野で活躍して います。ヤン・ミサとはトリオ・レ・ゼスプリでも共演を重ねています。 (Ki)
MIRARE
MIR-568(1CD)
チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバによるバッハ
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタト短調BWV1029、シンフォニアト短調BWV797、
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタト長調BWV1027、前奏曲ニ長調BWV1006(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番)、
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタニ長調BWV1028、「御身がともにあるならば」BWV508
マルゴー・ブランシャール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ディエゴ・アレス(Cemb)

録音:2022年4月21-24日
アンサンブル「レ・ゾンブル」でも卓越した音色と音楽で世界を魅了している奏者ブランシャールが、スペインの俊英ディエゴ・アレスと共に、バッハのヴィオラ・ ダ・ガンバ・ソナタを録音しました。語るように歌う自然なヴィオラ・ダ・ガンバの旋律と、チェンバロの音色が美しく混ざりあい、豊かな響きの世界が展開されて います。無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番のプレリュードをヴィオラ・ダ・ガンバで演奏したトラックも、技術的な難しさを一切感じさせない、自然な流れに驚か されます。ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器の可能性の豊かさに気づかされる1枚です。
マルゴー・ブランシャールは、アンサンブル「レ・ゾンブル」の創立メンバーの一人。幼いころからヴィオール族の楽器に魅せられ、サヴァールやジェローム・アン タイらの薫陶も得ています。2009年、バーゼルのスコラ・カントルムを史上最年少で卒業しています。アンサンブルで活躍するほか、バロック・オペラの復興にも 力を入れています。また、ジョージ・ベンジャミンの「リトゥン・オン・スキン」で舞台上で登場人物を演じるなど、オペラ作品の舞台上でも活躍しています。レ・ゾ ンブルが創立したヤング・ヨーロピアン・バロック・オーケストラの指導など、その活動の多彩ぶりは他の追随を許しません。
ディエゴ・アレスは1983年、スペインのビーゴ生まれ。1997年ビーゴ国際ピアノ・コンクール、および98年パリ・ニコライ・ルービンシュタイン国際ピアノ・ コンクールで優勝。同年チェンバロを本格的に始め、リチャード・エガーらに師事。50年に一人の天才とも称され、超絶的な技巧、華麗な音色でコンサート会場を 熱狂させています。また、研究熱心な奏者でもあります。スペインを中心に演奏活動を展開、来日もしています。パン・クラシックスなどからもCDをリリースして います。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72964(1SACD)
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.100
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 Op.108
ヨハネス・レールトーヴァー(Vn)
ジュリアン・レイノルズ(P;1857年製ブリュートナー)

録音:2023年1月5-7日オランダ、ハールレム、福音ルーテル教会
ヴァイオリニストであり指揮者であり教育者であり学者でもある異才ヨハネス・レールトーヴァー。彼は4年間にわたりブラームスの全交響曲・協奏曲を指揮しな がら18〜19世紀の演奏の在り方について研究し、2023年1月にブラームスの管弦楽曲演奏に関する論文を発表、ライデン大学で博士号を取得しました。そし て時を同じくして録音されたのがこのヴァイオリン・ソナタ集です。
集中的なブラームス研究の結果、この録音には今や失われて久しい、いにしえの演奏法が多分に取り入れられています。特に大胆なのはポルタメントの活用とテ ンポの柔軟性。シュポアやヨアヒムのメソッドでは、ポルタメントこそがヴァイオリニストにとって初歩的かつ最重要な表現手段であり、一方ヴィブラートはあくまで 装飾的なものでした。またテンポ設定に関しても、「機械的なメトロノーム表示と自分の血肉たる音楽にはまったく関連性がない」「まともな音楽家なら演奏のたび に異なるテンポを取るだろう」とブラームス自身が語っており、現代よりはるかに柔軟だったと考えられます。
さまざまな研究の成果を実際の演奏に落とし込むのは、聴いたことのない音楽を自ら創り出す作業でもあり、とても挑戦的なもの。聴きなじんだ常識を打ち破 る新たなブラームス演奏が収められた意欲的なアルバムです。マルチチャンネル収録のSACDハイブリッド盤。 (Ki)

H.M.F
HMM-902509(1CD)
シューマン邸への招待
(1)C.シューマン:「アンダンテ・モルト」〜3つのロマンスop.22より第1番[Vn, Pf]
(2)シューマン:献呈(ミルテの花op.25-1)[声, Pf]
(3)C.シューマン:ノットゥルノ[ Pf]
(4)シューマン:ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調 op.80[Vn, Vc, Pf]
(5)シューマン:見知らぬ国と人びとから(子供の情景op.15 第1曲/Vn, Vc, Pf編曲版)
(6)シューマン:ユーモアをもって(民謡風の5つの小品集op.102-1)[]
(7)バッハ:小プレリュード ホ短調 BWV938[ Pf]
(8)ニルス・ゲード:エレジー(op.19より)[Vn, Pf編曲版]
(9)ブラームス:「お姉さん、私たちは」49のドイツ民謡集より[声, Pf]
(10)シューマン:ゆるやかに(民謡風の5つの小品 op.102より第2曲)[Vc, Pf]
(11)メンデルスゾーン:アンダンテ&アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ op.92[4手ピアノ]
(12)テオドール・キルヒナー(1823-1903):無言歌(色とりどりの作品 op.83, book1, 第6番)[Vn, Vc, Pf]
(13)シューマン:私のばら(6つの詩 op.90-2)[声, Pf]
(14)D.スカルラッティ:ソナタ ト短調[Pf]
(15)ブラームス:子守歌 op.49-4[声, Pf]
(16)シューマン:詩人のお話(子供の情景 op.15-13)[Vn, Vc, Pf編曲版]
トリオ・ディヒター〔テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ(Vn.1700年アレッサンドロ・ガリアーノ)、
ハンナ・ザルツェンシュタイン(Vc/1734年ピエトロ・ガルネリ)、フィオナ・マト(Pf/ベーゼンドルファー1890年頃製〕
※使用楽器はすべてフランス国立音楽博物館のコレクションより
サミュエル・ハッセルホルン(Br)
ホルヘ・ゴンザレス・ブアハサン(P/4手作品)

録音:2022年6月22-23日、9月12-15日、シテ・ド・ラ・ミュジーク・オーディトリウム(パリ)
フランスの俊英ヴァイオリン奏者ド・スワルテらをメンバーとするトリオ・ディヒター(”詩人トリオ”)。初CDとして彼らが選んだのは、クララ&ロベルト・シュー マンおよび、その友人たちの作品。ベーゼンドルファーの音色にあわせて弦楽器もガット弦を用い、より柔らかで丸みのある音色のアンサンブルが実現しています。 クララが愛奏していたピアノ三重奏曲第2番や、ロベルトがクララに愛を告げた時に書かれた「ノットゥルノ」(ウィーンの音楽の夜会より)、そしてロベルトがクラ ラに結婚前夜に送った「献呈」など。また、クララがその弟子に教材として与えたと考えられるバッハの小プレリュードや、ロベルトがショパンと同様に高く評価して いたゲーデの作品、さらにロベルトの死後もクララと親交の続いたキルヒナーの作品など、どの作品をとってもエピソード満載。歌い手には今飛ぶ鳥を落とす勢い のサミュエル・ハッセルホルンを迎え、当時生まれたばかりの作品を、歴史に名をのこす音楽家たちがシューマンの家に集って演奏し互いに聴き入っている光景が 目に浮かんでくるような、親密かつ熱気ある空気に満ちています。
トリオ・ディヒターは2018年のラ・ロック・ダンテロン音楽祭のレジデンス・アンサンブルの一つとしてセレクトされるなど、早くからその音楽は高く評価され ています。3人ともパリ国立高等音楽院卒業、音楽院ではクレール・デゼール、トリオ・ヴァンダラーなどに師事しています。フランスの若きピアノ三重奏アンサン ブルの一つとして注目されています。 (Ki)

MDG
MDG-90322846
(1SACD)
パン・フルートとパイプ・オルガン
バッハ
:オルガン協奏曲 イ短調 BWV593
 カンタータ「神の時こそいと良き時」BWV106
 カンタータ「霊と心は驚き惑う」 BWV35
 無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013(パンフルート独奏)
 カンタータ「心と口と行いと生活で」BWV147
 おお主なる神、われを憐れみたまえ BWV721
主イエス=キリスト、われらを顧みたまえ BWV 655
 協奏曲 ニ長調 BWV972
グスタフ・メルケル(1827-1885):幻想曲第5番ニ短調Op.176
フォーレ:3つの歌Op.23[第1番:ゆりかご(パンフルートとハープの二重奏)、第2番:私たちの愛、第3番:秘密]
 レクイエム ニ短調 Op.48〜 イン・パラディスム(パンフルート、オルガン、ハープの三重奏)
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
[ ボーナス・トラック]
アンゲリウス・ディニク(1838-1905):チョカルリア(「ひばり」より)
セバスティアン・パッヘル(パンフルート)
ホルガー・ゲーリング(オルガン:イェームリヒ製/BWV 721:ヴェヒシャイダー製)
ノラ・コッホ(Hp)

録音:2022年9月27-29日、ドレスデン聖十字架教会
パン・フルートとパイプ・オルガンによるアルバム。パイプ・オルガンの先祖パン・フルートは、竹や葦などのパイプを音階順に並べたシンプルな構造ですが、オ ルガンの音色とも相性の良い素朴で美しい音色を奏でることができます。パン・フルートはギリシャ神話の牧神パンに由来します。牧神パンはシランクに一目惚れ し、強引に彼女に迫っていました。パンの誘惑から逃げていた彼女は川のほとりに追い詰められ、川の妖精の力で葦に姿を変えられてしまいました。パンは葦になっ てしまったシランクスを恋しがり、その葦を数本切り落とし、葦笛を作って肌身離さず持ち歩いた…。その悲しげで繊細な音を奏でる葦笛は後に「パン・フルート」 と呼ばれ、現在までその名を残しているという伝説があります。
このCDプログラムには、バッハ、メルケル、フォーレ、バルトークの作品をパン・フルートとオルガンのために新たに編曲したものが収録されています。現代で は様々な形状のパン・フルート(パンパイプ)がヨーロッパ、南米、アフリカ、アジアなど世界中に存在しますが、最も盛んで発達しているのはルーマニア。このアル バムにもバルトークのルーマニア民俗舞曲、そしてアンコールとして録音されたこちらもルーマニアの民謡をもとにしたアンゲリウス・ディニクのパン・フルートのた めのオリジナル曲「チョカルリア」を収録しています。
そして録音場所であるドレスデン聖十字架教会は、ドレスデン市の主要な教会音楽のひとつであり、高さ92メートルを誇るザクセン州最大級の教会で、大きな イェームリヒ社製のオルガンを要しています。2004年よりドレスデン聖十字架教会のクロイツオルガニストを務めているホルガー・ゲーリングとパン・フルートの パイオニア的存在のセバスティアン・パッヘルの演奏は素晴らしく、またMDGの立体的な録音がパン・フルートの繊細な音色を見事に捉えています。もちろんそ の構造は似ていることもありますが、朗々と教会に響くオルガンとソロ楽器として対抗できる力を秘めた楽器ということを実感させられる1枚です。 (Ki)
MDG
MDG-10222912(1CD)
ロッシーニ:管楽四重奏曲集
第1番ヘ長調/第2番ト長調
第3番ヘ長調/第4番変ロ長調
第5番ニ長調/第6番ヘ長調
コンソルティウム・クラシクム
ハンス=ヴォルフガング・デュンシェーデ(Fl)
ディーター・クレッカー(Cl)
クラウス・ヴァレンドルフ(Hrn)
カール=オットー・ハルトマン(Fg)

録音:1985年9月、福音主義教会、ホンラート
MDGレーベルの"貴重な"録音を再リリースする「プレツィオーザ」シリーズ。第1弾は、1976年に録音されたヘルマン・クロイツ指揮によるロッシーニの「小 荘厳ミサ曲」(MDG-102000329)、第2弾は、イェジー・マクシミウク指揮ポーランド室内Oによるバルトークとブリテン(MDG-10201802)、そし て第3弾はディーター・クレッカーを中心に結成された室内合奏団コンソルティウム・クラシクムによるロッシーニの管楽四重奏曲集。
「プレツィオーザ」シリーズは、エンジニア&プロデユーサー・ノートとして当時を振り返る文章が掲載されているのが魅力ですが、MDGレーベルの創立者のひ とりヴェルナー・ダブリングハウスはこう振り返っています。「1985年のある良き日に一本の電話がかかってきた。”わたしはコンソルティウム・クラシクムのディー ター・クレッカーですが...”と。私は電話を終えるとすぐにホンラートの教会を予約したんだ。当時、我々のような若いレーベルには願ってもない依頼であったので、 二つ返事でその仕事を引き受けた。」こしてMDGレーベルとコンソルティウム・クラシクムの新しい関係がスタートしたのです。
今回リリースされるのはロッシーニの管楽四重奏曲集。管楽四重奏は、管五重奏からオーボエを抜いた、フルート、クラリネット、ホルン、ファゴットによる四重奏 で、この編成で最も有名な曲がここに収録されているロッシーニのセットです。コンソルティウム・クラシクムには、名手であり稀代のクラリネット音楽研究家として 知られざる作品を掘り起こしてきたディーター・クレッカー。ベルリン・フィルのフルート兼ピッコロ奏者として1976年〜2002年まで在籍していた名人ハンス= ヴォルフガング・デュンシェーデ。同じく1980年から2014年までベルリン・フィルのホルン奏者を務めたクラウス・ヴァレンドルフ。そしてドイツ・ファゴット界 を代表するカール=オットー・ハルトマンという名手揃いのアンサンブルでした。本盤のロッシーニの管楽四重奏曲集の決定盤と言えるでしょう。 (Ki)

Hunnia Records
HRCD-2213(1CD)
フルートとピアノのための作品集
プロコフィエフ:フルート・ソナタ ニ長調 Op.94
コダーイ:アダージョ(フルートとピアノ版)
ローウェル・リーバーマン(b.1961):フルート・ソナタ Op.23
アーロン・ジェイ・カーニス(b.1960):エア
サボルチ・シラーギ(Fl)、
ラースロー・ボルベーイ(P)

録音:2021年5月29日-30日&12月4日、スーパーサイズ・レコーディング(ハンガリー)
ハンガリーのアーティスト、サボルチ・シラーギとラースロー・ボルベーイによるフルートとピアノのための作品集。プロコフィエフとコダーイ、東欧が生んだ2人の天才作曲家の作品に、現代の2人のアメリカ人作曲家の作品を組み合わせたプログラム。両奏者に妙技を要求するプロコフィエフとリーバーマンのソナタ、またどちらも元々ヴァイオリンのために書かれた作品であるコダーイの「アダージョ」とカーニスの「エア」、それぞれが対になった構成になっています。

Chopin University Press
UMFCCD-131(1CD)
コシチュフ:室内楽作品集
アレクサンデル・コシチュフ(b.1974):Five Cosmogonic Tales(P独奏のための)/Deja-vus Agonaux(Vnとピアノのための)/Nenia(クラリネットとピアノのための)/Hyalia(Vnとピアノのための)/Shihaikai(ソプラノとピアノのための)/We?n fa?ng si? ba?o(クラリネットとピアノのための)
ヨアンナ・フレシェル(S)、
ロクサナ・クヴァシニコフスカ(Vn)、
ピオトル・ザヴァツキ(Cl)、
ウカシュ・フシェンシチク(P)

※全曲世界初録音
表現力に優れたポーランドの芸術家、アレクサンデル・コシチュフの室内楽作品集。神秘的な空気に包まれた、繊細で洗練されたイメージを音にして構築するコシチュフの個性豊かな作品の中から、1997年から2020年にかけて作曲された6つの作品が初めて録音されました。松尾芭蕉の4つの俳句を詩に用いたソプラノとピアノのための「Shihaikai」といった面白い作品も収録されており一聴の価値があるでしょう。

DUX
DUX-1880(1CD)
ペンデレツキ:室内楽作品集 Vol.3
ジークフリート・パルムのためのカプリッチョ(1968)〜無伴奏チェロのための
スラヴ風に(1985-1986)〜無伴奏チェロのための
ダンス(2009/2016)〜無伴奏ヴァイオリンまたはチェロのための
チェロ・トータル(2011)〜無伴奏チェロのための
組曲(1994-2013)〜無伴奏チェロのための
デュオ・コンチェルタンテ(2010)〜ヴァイオリンとコントラバスまたはチェロのための
セレナータ(2008)〜3つのチェロのための*
マチェイ・クワコフスキ(Vc)、
マルチン・モンチニスキ(Vc)*、
ミハウ・バラス(Vc)*、
マリア・スワヴェク(Vn)

録音:2022年4月
現代のポーランドを代表する巨匠、クシシュトフ・ペンデレツキが1968年から2010年代に作曲したチェロのための作品を中心に収録した1枚。演奏は1996年ポーランド・グダニスク生まれ、2015年ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第1位、2017年エリザベート王妃国際コンクール入賞などの受賞歴を持つ若き有望チェリスト、マチェイ・クワコフスキです。
DUX
DUX-1981(1CD)
ショパン-オルター・エゴ〜パーカッション・デュオのための作品集
トマシュ・アルノルト(b.1990):レヴォリューショナリー・リミックス
ショパン:夜想曲第19番ホ短調 Op.72-1
アルノルト:数分間のワルツ、夜想曲の航海
ショパン:マズルカ第20番変ニ長調 Op.30-3、マズルカ第7番ヘ短調 Op.7-3、マズルカ第11番ホ短調 Op.17-2、マズルカ第25番ロ短調 Op.33-4、マズルカ第33番ロ長調 Op.56-1
アルノルト:ベア・バラード
ショパン:ワルツ第6番変ニ長調 Op.64-1「小犬」
※ショパンの作品は、マリンバ、ヴィブラフォン、ベルのための編曲版
アルノルト&フロンチェク・パーカッション・デュオ

録音:2022年5月27日-30日(ポーランド)
多くの国際コンクールで高い評価を得ている打楽器奏者、トマシュ・アルノルトとヤコプ・フロンチェク。彼らは、学生時代からの友人であり、音楽を演奏することへの情熱、打楽器への愛情、そして音楽的な開放感によって強い絆で結ばれています。本アルバムでは、ポーランド音楽の伝統を発見したいという共通の願望に触発されたパーカッション・デュオが、CDという形でショパンの名作と、ショパンにインスパイアされたオリジナル作品を取り上げています。
ショパンの音楽は、いつの時代も演奏者にとっては挑戦であり、聴く者に感動を与えてくれます。マリンバとヴィブラフォン(+ベル)というこれまでになかったユニークなアレンジは、まるでオルゴールのような音色からオルガンのような豊かな音色まで、新鮮なサウンドを作り出し、ポーランドの最も偉大な作曲家が残した名作に新たな可能性を見出しています。打楽器関係者は勿論のこと、ショパン・ファンにもおすすめの注目盤の登場です。

NovAntiqua Records
NA-70(1CD)
音楽と体制 Vol.5〜ナチス時代の退廃音楽
ラースロー・ヴェイネル(1916-1944):セレナーデ(弦楽三重奏のための)
シャーンドル・クティ(1908-1945):セレナーデ(弦楽三重奏のための)
レオーネ・シニガーリャ(1868-1944):セレナーデ Op.33(弦楽三重奏のための)*
ヴァインベルク:弦楽三重奏曲 Op.48
アンサンブル・アルラウネ〔クララ・フランシスカ・シェーテンザック(Vn)、ステーファノ・ザノビーニ(Va)、アウグスト・ガスバッリ(Vc)〕

録音:2022年9月(イタリア)
*世界初録音
ナチス政権下において迫害を受けた作曲家に捧げられた、「音楽と体制」シリーズの第5巻。このシリーズの録音は、毎回異なる室内アンサンブルで展開されており、今作はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる弦楽三重奏曲集となっています。

ES-DUR
ES-2088(1CD)
#Wunderkammer(#ヴンダーカンマー)
クライスラー:アンダンティーノ
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調
エルンスト・トッホ(1887-1964):ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.44
コルンゴルト:組曲 「空騒ぎ」 Op.11
ヴァイル:ヴァイオリンとピアノのためのタンゴ・ハバネラ 「ユーカリ」
モリコーネ:「ニュー・シネマ・パラダイス」 より 愛のテーマ(Vnとピアノ版
ドロテア・シュペリウス(Vn)、
イェリザヴェータ・ヴァシリエヴァ(P)

録音:2022年、ハンブルク
2022年度のファニー・メンデルスゾーン振興賞(Fanny Mendelssohn Forderpreis/FMFP)を受賞したドロテア・シュペリウスとイェリザヴェータ・ヴァシリエヴァのデュオが、Es-Durからデビュー。毎年25歳以下の音楽家(個人orグループ)に授与されるファニー・メンデルスゾーン振興賞は、オリジナル・コンセプトに基づいたデビュー・アルバムのレコーディングを支援するためにも多額の奨学金が準備され、商業的な支援を受けにくい独創的で革新的なレコーディング製作が促進されることが期待されており、このデュオは「#Wunderkammer(#ヴウンダーカンマー/好奇心のキャビネット)」と題されたこのアルバム・コンセプトが評価されて同賞を受賞しています。
クライスラー、ラヴェル、トッホ、コルンゴルト、ヴァイル、モリコーネの作品を演奏しながら、過去と現在がいかにエキサイティングなコントラストで並置されているかを明らかにし、新進気鋭の2人が音楽の歴史を探求。メディア(ラジオや映画)と音楽の相互作用を印象的に示す作品を選曲し、独自のアルバム「#Wunderkammer」を創り上げました。
ドロテア・シュペリウスは1996年ベルリン生まれ、イギリスのユーディ・メニューイン・スクールや王立音楽カレッジ、ドイツのリューベック音楽大学で学び、現在はベルリンを拠点に活動。ヴァイオリニストであるとともに、テレビ・ジャーナリストとしても幅広く活躍。チェリストである弟のフィリップも2023年度のファニー・メンデルスゾーン振興賞を受賞し、Es-Durからデビュー・アルバムを予定しています。
イェリザヴェータ・ヴァシリエヴァは1995年ラドビアのリガ生まれ、リガのE.Darzin音楽学校で学び、10歳でラトビアSOにデビュー。国内外の多くのコンクールで優勝し、ラトビアとドイツを中心にソロや室内楽のコンサートに出演しながら、現在はリューベック音楽大学で修士号を取得中。ドロテア・シュペリウスとはリューベック音楽大学在学中に出会い、2018年から一緒に活動しています

CANTATE
C-58057(1CD)
プティ・ボレロ〜4本のトランペット、パーカッション&オルガンのための編曲集
ジークフリート・カルク=エーレルト:勝利の歌
ラヴェル:プティ・ボレロ(原曲:ボレロ)
バーンスタイン:キャンディード序曲
R.シュトラウス:ヨハネ騎士修道会の荘重な入場
パーセル:トランペットを吹きならせ
ヘンデル:オルガン協奏曲第13番ヘ長調 「かっこうと夜うぐいす」 HWV295より アレグロ
バッハ:カンタータ第68番BWV?68より アリア 「我が信仰深き魂よ」、
 カンタータ第180番BWV180より コラール 「装え心よ 罪の闇を去り」
ブリテン:聖エドモンズ墓地のためのファンファーレ
グリーグ:4つの抒情的小品
ドヴォルザーク:家路(交響曲第9番より第2楽章)
ガーシュウィン:リトル・ラプソディー(原曲:ラプソディー・イン・ブルー)
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ第2番より
ムソルグスキー:展覧会の絵(抜粋)
プファイファー・トランペット・コンソート

録音:2022年6月28日、30日
トランペット、打楽器、オルガンのアンサンブルによる、輝かしい響きのアレンジ作品集。ヨアヒム、ハラルド、マルティンらプファイファー兄弟によって結成されたプファイファー・トランペット・コンソートは、有名な作品はもちろんのこと、あまり知られていない作品に新しい衣を着せ、華やかに輝かせる独自の編曲を得意としています。本アルバムでは、ボレロや展覧会の絵など、クラシックのお馴染みの名作を、トランペットならではの魅力を十分に注ぎ込んだ好アレンジで贈ります。

MUSICAPHON
M-56996(1CD)
ペッシンガー:ヴァイオリンとヴィオラのための3つの二重奏曲集 Op.4
フランツ・アレクサンドル・ペッシンガー(1766-1827):二重奏曲第1番変ホ長調/二重奏曲第2番ヘ長調/二重奏曲第3番ロ短調
カティア・グルトナー(Vn)、
クリスティアン・グーセス(Va)

録音:2021年12月6日-8日(ベルリン、ドイツ)
19世紀前半、ビーダーマイヤー時代のウィーンの著名な編曲家の一人、フランツ・アレクサンドル・ペッシンガーは、ベートーヴェンの師としても知られるアルブレヒツベルガーに師事し、1798年から没するまでウィーン宮廷オーケストラのヴァイオリニストおよびヴィオラ奏者を務めました。また、編曲家として、とりわけ交響曲の弦楽四重奏版を書き、ベートーヴェンから高く評価され、同時代の人々からはモーツァルトやハイドンと同等であると考えられていました。
本アルバムでは、音楽史においても大きな変動の時期に作曲された、ペッシンガーによるヴァイオリンとヴィオラのための初録音となるデュオ作品を収録。演奏は、鬼才アントン・シュテックが率いるピリオド楽器を使用したクァルテット、シュパンツィヒSQのメンバーでもあるカティア・グルトナーとクリスティアン・グーセスです。

Kaleidos
KAL-63632(1CD)
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ
クシシュトフ・メイエル(b.1943):チェロ・ソナタ Op.62、
 チェロとピアノのための「スリー・タイムス・フォー」 Op.123
ショスタコーヴィチ:チェロとピアノのための「11の小品」より第1曲、第2曲、第6曲、第7曲、第8曲、第11曲、
 チェロ・ソナタ Op.40
ヨアンナ・サフリン(Vc)、
パウル・リヴィニウス(P)

録音:2022年6月(ミュンヘン)
ヨアンナ・サフリンとパウル・リヴィニウスのデュオによるKaleidosレーベル2枚目のアルバムが登場。ポーランドの現代作曲家であるクシシュトフ・メイエルと、ロシアの20世紀を代表する作曲家ショスタコーヴィチの組み合わせです。この二人の作曲家はその明確な表現と人間の深淵な部分を描くセンスに優れていますが、その表現の仕方は大きく異なり、その点が聴きどころとなっています。チェロのヨアンナ・サフリンはウィーン・フィルのメンバーで設立されたウィーン チェロ・アンサンブル5+1のメンバーとしても活動しています。

Ars Produktion
ARS-38637(1CD)
単なるファンタジー作品にあらず
ニルス・ヴィルヘルム・ゲーゼ
:幻想小曲集 Op.43
グレチャニノフ:ソナタ 第2番 Op.172
メトネル:ソナタ・ヴォカリーズ Op.41-1(ゲオルギー・ヴォイロチニコフによるピアノとクラリネットのための編曲版)
シューマン:幻想小曲集 Op.73
リサ・シクリャヴェル(Cl)、
ゲオルギー・ヴォイロチニコフ(P)

録音:2021年4月9日-11日

何かを想像することや、即興で作り上げることなどの意味合いも含む、「ファンタジー」をテーマに作り上げられた本アルバム。19世紀から20世紀前半に作曲された器楽のための小品に着眼し、デンマーク、ロシア、ドイツの作曲家の作品が集められ、発想力豊かな演奏が繰り広げられています。

Tactus
TC-672291(2CD)
ヴィヴァルディ:チェロと通奏低音のためのソナタ集
ソナタ第1番変ロ長調 RV47/ソナタ第2番ヘ長調 RV41/ソナタ第3番イ短調 RV43/ソナタ第4番 変ロ長調 RV45/ソナタ第5番ホ短調 RV40/ソナタ第6番 変ロ長調 RV46/ソナタ第7番イ短調 RV44/ソナタ第8番 変ホ長調 RV39/ソナタ第9番ト短調 RV42
ボローニャ・バロック〔アントニオ・モスタッチ(独奏チェロ)、アントネッロ・マンツォ(Vc)、ペドロ・アルカセル・ドリア(テオルボ、ギター)、パオロ・ポティ(ハープシコード)〕

録音:2019年5月(ウィーン)
チェロという楽器の魂に高貴さを与え、チェロのためにも素晴らしい作品を多く生み出したヴィヴァルディが1720年〜30年頃に作曲し、亡くなる直前の1740年頃にパリで出版された6つのチェロ・ソナタに、筆写譜が確認されているものの出版がされていない3曲を加えた計9曲を収録した、事実上の「チェロ・ソナタ全集」。
ソリストのアントニオ・モスタッチはオーストリアのチロル祝祭Oで首席チェロ奏者を務めるボローニャが生んだ名手。ヤーノシュ・シュタルケル、フランコ・ロッシ、イヴァン・シフォローらに学び、ヴィットリオ・ヴェネト・コンクールをはじめイタリアの主要なコンクールを4つ制覇しています。ボローニャ・バロックとしてもアントニオ・ヴァンディーニのチェロ・ソナタ集(TC692202)で既にその実力を証明済み。この録音では、独奏パートにはモンタニャーナ派の1750年頃製、そして通奏低音パートにはコレッリのオーケストラでヴィオローネ奏者も務めていた弦楽器製作家、シモーネ・チマパーネによる1692年製の貴重な楽器が使用されています。

Quartz
QTZ-2152(1CD)
ダマーズ:フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとハープのための音楽
ドビュッシー(ジャン=ミシェル・ダマーズ編):ベルガマスク組曲(フルート, ヴィオラ, ハープのための)
ジャン=ミシェル・ダマーズ(1928-2013):フルートとハープのためのソナタ第2番、
 ヴァイオリンとハープのためのソナタ、
 フルート, ヴィオラ, ハープのための三重奏曲
アンナ・ノークス(Fl)、
ロバート・スミッセン(Va)、
ソフィー・ラングドン(Vn)、
ヒュー・ウェブ(Hp)

録音:2019年-2020年(ロンドン)
マルセル・デュプレらに学び、ローマ賞も受賞した20世紀のフランス音楽界有数の作曲家、ジャン=ミシェル・ダマーズの作品集。室内楽の分野で特に知られているダマーズが得意としたフルートやハープを用いた作品と、ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」のダマーズらしいフルート、ヴィオラ、ハープという三重奏編曲版が収録されています。
フルート奏者のアンナ・ノークスはダマーズに特に思い入れのある人物の一人。最初のレコーディングにダマーズの室内楽を選んだノークスのもとにダマーズが手紙を送ったことをきっかけに、ノークスが主宰するサマースクールのコンポーザー・イン・レジデンスとしてダマーズが2年連続で参加するなど良好な関係を築き、ダマーズの音楽はノークスの人生に欠かせない存在となりました。

スロヴェニア放送
ZKP RTV SLOVENIJA

ZKP-117473(1CD)
エスプレッシーヴォ」〜フルート、チェロ、ハープによる三重奏曲集
グリンカ(ヘルマン編):3つのロシアの歌
ドビュッシー(カーマン編):アラベスク第1番 ホ長調
イベール:2つの間奏曲
ラヴェル(サルセード編):ソナティーヌ
モストラー:ハープのセレナード Op.20
エルシュレーゲル:ハープ・セレナード
エヴァ=ニーナ・コズムス(Fl)
カーメン・ペチャル・コリトニク(Vc)
モイツァ・ズロブコ(Hp)

録音:2022年5月 スロヴェニア
リュブリャーナ
フルート、チェロ、ハープという珍しい組み合わせの三重奏曲集。馴染み深いフルート とハープの組み合わせにチェロが加わると、華やかさに情感と深みが加わって味わい深 くなります。さすがにこの編成のオリジナル曲は少なく、グリンカの「3つのロシアの歌」は、グリ ンカの歌曲をエドゥワルド・ヘルマンがヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノに編曲したものをさら に置き換えて演奏しています。有名なドビュッシーのアラベスクはフェイス・カーマンの編 曲、これはたいへん優れた編曲。ラヴェルのピアノのためのソナティーヌは、20世紀の偉 大なハープ奏者カルロス・サルセードの編曲。ニコラウス・モーリッツ・モストラー(1879-1963)はオーストリアのグラーツ生まれのハープ奏者。1895年から1908年にリュブリャーナ 歌劇場でハープ奏者を務めたという。アルフレート・エルシュレーゲル(1847-1915)はチ ェコのウーシュチェクに生まれ、ウィーンでハープを学んだ。彼のセレナーデ、やはりオリ ジナルはヴァイオリン、チェロ、ハープだが、フルートで演奏するとサロン趣味が倍加して とても美しい。 エヴァ=ニーナ・コズムスはスロヴェニアのフルート奏者。現在フランスのリモージュ歌劇 場の首席フルート奏者を務めており、そのためかフランス風の気品の高い響きが美しい。 カーメン・ペチャル・コリトニクはリュブリャーナ生まれ、マリボール育ちのチェロ奏者。リュ ブリャーナ・チェロ祭の芸術監督を務めています。モイツァ・ズロブコはスロヴェニアの代表 的ハープ奏者。

TOCCATA
TOCC-0696(1CD)
NX-B03
アーノルド・クック(1906-2005):弦楽四重奏曲全集 第1集
弦楽四重奏曲第3番(1967)
弦楽四重奏曲第5番(1978)
弦楽四重奏曲第1番(1933)
ブリッジQ

録音:2022年11月21-22日
全て世界初録音
2005年に98歳で生涯を閉じたヨークシャー生まれの作曲家アーノルド・クック。ベルリン音楽アカデミーでヒンデミッ トに師事し、帰国後はケンブリッジ祝祭劇場の音楽監督を務め、やがて王立マンチェスター音楽大学の教授に就 任します。6曲の交響曲、協奏曲や歌劇など多岐にわたる作品を書き、特に室内楽と歌曲が多くあります。弦楽四重奏曲 は5曲遺されており、この第1集では、師ヒンデミット譲りの精緻な対位法が用いられた第1番、スコットランドの旋 律など、さまざなモティーフが組み合わされた第3番、3つの部分が続けて演奏される簡潔な書法による第5番が収 録されています。

Solo Musica
SM-430(1CD)
NX-B03
チェロとピアノのための作品集
ボロディン:チェロとピアノのためのソナタ ロ短調
ツィンツァーゼ(1925-1991):チェロとピアノのための5つの小品
カミロ・シューマン(1872-1946):チェロとピアノのためのソナタ 第1番ト短調 Op.59
デュオ・ルビコン【ナルギーザ・ユスポヴァ(Vc)、ポリーナ・スピリナ(P)】

録音:2022年7月30日-8月1日
2016年からミュンヘンを拠点にデュオ活動を行う“デュオ・ルビコン”。子供たちの遊び場で出会い意気投合したという2人の親密な演奏は、これまでにも高く 評価されています。この「影から光の中へ」と題されたアルバムでは、あまり演奏されることのない作品が選ばれています。第1楽章にバッハ:無伴奏ソナ タ BWV1001のフーガがモティーフとして使用されているボロディンのチェロ・ソナタ、ジョージアの作曲家ツィンツァーゼによる、19世紀ロシアで注目されていた コーカサスの民俗音楽の要素をふんだんに採り入れた「5つの小品」、ドイツ後期ロマン派時代の作曲家カミロ・シューマンのロマンティックなソナタ。どれも親し みやすく、魅力的な作品です。

BIS
BISSA-2730(1SACD)
ステンドグラス
ペルト:フラトレス(1977/1980)
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調(1923-27)
リリ・ブーランジェ:ノクターン(1911)
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94a(1943)
バツェヴィチ:ユモレスク(1953)
 子守歌(1952)
 スラヴ舞曲(1952)
 ステンドグラス・ウィンドウ(1932)
ユーハン・ダーレネ(Vn/ストラディヴァリウス(1736年製))
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P/Steinway D)

録音:2022年11月14-16日グリューネヴァルトホール、ストックホルム・コンサートホール(スウェーデン)
2022年にグラモフォン誌の「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞した、世界から注目されているスウェーデンのヴァイオリ ニスト、ユーハン・ダーレネ。2023年5月の来日公演でも抜きん出たテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を魅了しました。
BISレーベル第4弾は『ステンドグラス』。収録作品は、ペルトの「フラトレス」にはじまりラヴェルのヴァイオリン・ソナタ ト長調、リリ・ブーランジェの「ノクターン」、プロコフィエフのソナタ第2番、そしてポーランドのグラジナ・バツェヴィチの小品で構成。それぞれの作曲家が独自の音楽言語を持ちます が、ダーレネはそこに共通点を見出した意欲的な内容で、『北欧ラプソディ』(BIS SA-2560)に続き、共演はクリスチャン・イーレ・ハドランです。
バツェヴィチは国際的に知られた最初のポーランド人女性作曲家。音楽一家に生まれ、自身はヴァイオリニストとしても活躍し、大ヴァイオリニスト、カール・フレッ シュにも学んでいます。作曲はワルシャワ音楽院でカジミェシュ・シコルスキに、エコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェにそれぞれ師事しています。ヴァ イオリン・ソナタを5つ書いていますが、ダーレネは小品4曲を収録。ヴァイオリニストの作曲家なだけにピツィカート、フラジオレットなど様々な奏法を巧みに取り 入れており、幻想的な世界を色彩感豊かに音化しています。
スウェーデンのBISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏はこれまでエフゲニー・スドビン、アレクサンドル・カントロフなど数多くの若き才能を見出して きました。ユーハン・ダーレネもその一人で、9歳の時からその才能に注目していたという逸材です。ダーレネの今後の活躍にもご期待ください!

Profil
PH-23020(1CD)
光の踊り
(1)リムスキー=コルサコフ:道化師の踊り〜歌劇「雪娘」より
(2)グラズノフ:エレジーOp.44(ヴィオラとアコーディオン版)
(3)ムソルグスキー:「展覧会の絵」〜プロムナード/グノームス/古城/サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ/バーバ・ヤガー/キエフの大門
(4)リムスキー=コルサコフ:インドの歌〜歌劇「サトコ」より
(5)ボロディン:ポロヴェッツ人の踊り〜歌劇「イーゴリ公」より
(6)ロシア民謡:「悲しき天使」
(7)リムスキー=コルサコフ:「雪娘」の主題による幻想曲
タチヤナ・マズレンコ(Va)
ヤルスQ【エレーナ・キセリョワ(ドムラ)、ワレリー・キセリョフ(アルト・ドムラ)、ヴラジスラフ・コジョカル(アコーディオン)、ジョルジ・マホシヴィリ(Cb)】

録音:2020年9月1-3日/WDR放送クラウス・ヴォン・ビスマルク・ザール(ケルン)
ベテラン・ヴィオラ奏者のタチヤナ・マズレンコはこれまでProfilレーベルから「白夜」と題するロシアのヴィオラ曲アルバムを3枚リリースして好評を博してい ました。今回もロシア作品ですが、ロシアの民俗楽器ドムラとアコーディオン、コントラバスの四重奏団との共演。ドムラはマンドリンのような楽器で、ロシア情緒を 醸し出す音色を持っています。
ヴィオラのためのオリジナル作品はグラズノフの「エレジー」のみ。これもアコーディオン伴奏、あとは五人組の名作を編曲していますが、ムソルグスキーの「展覧 会の絵」やボロディンの「ポロヴェッツ人の踊り」をヴィオラと民俗アンサンブルで奏でているのが興味津々。ロシア的な色彩が増し、目から鱗が落ちることうけあ いの世界が広がります。
さらにもとはロシアのジプシー歌謡で、西洋や日本でポップスとして大ヒットした「悲しき天使(長い道で)」をヴィオラで情熱的に謳い上げます。 (Ki)

NoMadMusic
NMM-104(3CD)
ラヴェル:室内楽全集
(1)マ・メール・ロワ(全5曲)
(2)フォーレの名による子守歌
(3)ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
(4)序奏とアレグロ
(5)ヴァイオリン・ソナタ ト長調
(6)ピアノ三重奏曲イ短調
(7)鐘の鳴るなかで
(8)口絵(P5手のための)
(9)スペイン狂詩曲(作曲者によるピアノ4手編)
(10)ツィガーヌ
(11)弦楽四重奏曲ヘ長調
(12)ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
アンサンブル・セザミ【アン=エステル・メドゥーズ(Vn(2)(3)(4)(10)(11)(12))、ナーマン・スルチン(Vn(4)(5)(6)(11)、ピアノ(8))、バルバラ・ギープナー(ヴィオラ(4)(11)、ピアノ(1)(7)(8)(9)(10))、メイタヌ・セバスティアン(Vc(4)(6)(11)(12))、ジュリアン・ル・パープ(P(1)(2)(3)(5)(6)(7)(8)(9))】
アルド・ベアルテン(Fl)、マチュー・ステファヌス(Cl)、プリモル・スルチン(Hp)(以上(4))

録音:2019,2020,2021年イル・ド・フランス国立Oスタジオ
アンサンブル・セザミは2013年結成。弦楽四重奏とピアノという5名のメンバーにより、当初はシューベルト作品を演奏するプロジェクト用に集められました。 その後レパートリーを広げ、フランスを中心に活躍しています。
彼らのデビュー・アルバムはラヴェルの室内楽曲全集。ピアノ・デュオの作品も収められていますが、なんとヴィオラのバルバラ・ギープナーが4篇、5手用の「口 絵」ではさらにヴァイオリンのナーマン・スルチンがピアノの腕前を披露しています。ラインラント=プファルツ州立POのヴィオラ奏者でもあ るギープナーは「ツィガーヌ」のピアノ伴奏まで担っているのが驚き。
多才な若手たちがラヴェルの精緻極まりない音楽を生き生きと再現しています。 (Ki)
NoMadMusic
FF-004(2CD)
ハイドン:エルデーディ四重奏曲
弦楽四重奏曲第75番ト長調Hob.V:75
同第76番ニ短調「五度」Hob.V:76
同第77番ハ長調「皇帝」Hob.V:77
同第78番変ロ長調「日の出」Hob.V:78
同第79番ニ長調「ラルゴ」Hob.V:79
同第80番変ホ長調Hob.V:80
アコスSQ【アレクシス・ゴメス、村上彩(Vn)、カーチャ・ポーリン(Va)、シリエル・ゴラン(Vc)】

録音:2022年/エリック&シルヴィ・ボワッソナ講堂(フレーヌ)
コスSQは2015年結成。村上彩を第2ヴァイオリン奏者とする注目の団体。取り組むレパートリーに応じてさまざまな弓を用いているこだわりを見 せ、子供たちへの弦楽四重奏啓蒙運動にも力を入れています。
デビュー・アルバムはハイドン円熟期の「エルデーディ四重奏曲」。名作「五度」や「日の出」「ラルゴ」や、現在のドイツ国歌の原曲となった「皇帝」など聴き応 え満点な6篇をフレッシュに再現しています。 (Ki)

Hortus
HORTUS-228(2CD)
特価
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集
(オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ集)

第1番ロ短調 BWV1014
第2番イ長調 BWV1015
第3番ホ長調 BWV1016
第4番ハ短調 BWV1017
第5番ヘ短調 BWV1018
第6番ト長調 BWV1019
アンブロワーズ・オーブラン(Vn)
ミレイユ・ポドゥア(Cemb)

録音:2022年/ベルギー
ケーテン時代に作曲され、のちに何度も改訂されているバッハの6つのヴァイオリン・ソナタ。第6番を除き「緩 ? 急 ? 緩 ? 急」の教会ソナタ形式に基づ きます。全体を通し生き生きとした作品で、ヴァイオリンの美感とチェンバロの掛け合いが特徴。無伴奏作品とは全く別の魅力があり、近年録音・演奏も頻繁にさ れています。
チェンバロはフィリップ・フレティニエ製作(ニコラ・デュモン1704年製作楽器のレプリカ)、ヴァイオリンはマッテオ・ゴフリラーの銘器を用いて演奏。オーブ ランとポドゥアがあたたかい音色で奏でます。 (Ki)

Hanssler
HC-22081(1CD)
ブラームスの時代
(1)ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.78「雨の歌」
(2)ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.100
(3)ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 Op.108
ダニエル・クルガノフ(Vn)、
コンスタンチン・ファインハウス(P)
使用楽器
ヴァイオリン:ジョゼフ・グァルネリウス(1706年製作)
ピアノ:(1)(2)ヨハン・バプティスト・シュトライヒャー(1868年製作)、(3)チッカリング・コンサート・グランド(1886年製作)

録音:(1)(2)2020年10月14&15日フレデリック・ピアノ・コレクション、アッシュバーナム、マサチューセッツ(アメリカ)
(3)2020年11月9日ラ・グルーア・センター、ストーニントン、ロードアイランド(アメリカ)
ロシア出身で現在アメリカを拠点に演奏活動を展開するヴァイオリニスト、ダニエル・クルガノフとピアニスト、コンスタンチン・ファインハウスがブラームスのヴァ イオリン・ソナタを録音しました。
当録音では楽器に注目。ヴァイオリンはジョゼフ・グァルネリウス(1706年製作)にガット弦を張り、ピアノはブラームスと親交の深かったヨハン・バプティスト・ シュトライヒャー(1868年製作)と、アメリカのチッカリング社のコンサート・グランド(1886年製作)を使用。当時の演奏を再現すべく音色にもこだわった名盤 が誕生しました。ブックレットには楽器の写真も多く掲載されております。 (Ki)
Hanssler
HC-22072(1CD)
2挺のヴィオラのための作品集
〜ブルッフ、シベリウス、ブリッジ、ショスタコーヴィチ

ブルッフ:8つの小品 Op.83
シベリウス:二重奏曲 ハ長調
ブリッジ:ラメント〜2挺のヴィオラのための
ショスタコーヴィチ(小早川麻美子編):5つの小品
ファイト・ヘルテンシュタイン(Va)、
ペイジュン・シュー(Va)、
アー・ルエム・アーン(P)

録音:2022年9月13-15日/福音改革教会、ハイリゲンキルヒェン(ドイツ)
俊英ヴィオリスト、ファイト・ヘルテンシュタインとペイジュン・シューが2挺のヴィオラのための作品(ブルッフ、シベリウス、ブリッジ、ショスタコーヴィチ)を集 めたアルバムをリリースしました。
ヘルテンシュタインはジュネーヴ音楽院において今井信子に師事し、2009年第1回東京国際ヴィオラ・コンクールにて第3位並びに聴衆賞を受賞している実力 派。ヴェルビエ音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭、そしてヴィオラスペースにも参加しております。ここ数年は今井信子のアシスタントとして小樽・ヴィオラマス タークラスに参加しており、日本でもおなじみの演奏家となっております。2011年から2017年までバーゼルSOの首席ヴィオラ奏者を務め、2015年10 月よりドイツ・デトモルト音楽大学の教授として後進の育成に尽力を注いでいます。ヘンスラー・レーベルからショスタコーヴィチのソナタ(HC-20011)、「ヴィ オラ・ヴィルトゥオーサ」(HC-21038)をリリースしています。
ペイジュン・シューは上海出身。今井信子、タベア・ツィンマーマンに師事し、2010年にモスクワで行われたユーリ・バシュメット国際ヴィオラ・コンクールで優 勝している逸材。「フランスのヴィオラ音楽」(PH-14012)、「ヴィオラとハープ」(PH-19069)をリリースしております。 (Ki)

IBS CLASSICAL
IBS-62023(1CD)
NX-B07
現代スペインのクラリネット三重奏曲
エクトル・パラ(1976-):ジョアン・ミロ作「星座」にちなんで
ヘスス・トレス(1965-):Fulgor
ホセ・ルイス・グレコ(1953-):Big Fun
ラモン・パウス(1959-):El Huesped Cuantico
ホセ・マリア・サンチェス=ベルドゥ(1968-):Luz negra II (De maquina oscura)
トリオ・ムジカリス【Eduardo Raimundo(クラリネット/バス・クラリネット)、Francisco Escoda(P)、 Mario Perez(Vn/ヴィオラ)】

録音:2021年9月26-29日
タイトル通り、現代スペイン作曲界の多彩な方向性を集めたモザイクのような1枚。軽快なトレス、新古典派の様 式を踏襲したグレコ、抒情的なパウスなど、各々の作曲家の持ち味が発揮された作品を収録しました。クラリネット 奏者エドゥアルド・ライムンドはスペイン国立Oのメンバーで、室内楽奏者としても活躍しています。

Orchid Classics
ORC-100250(1CD)
NX-B03
スペインのヴァイオリン作品集
トゥリーナ:ヴァイオリン・ソナタ第2番「スペイン風」 Op.82
サラサーテ:アンダルシアのロマンス
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20
グラナドス:ヴァイオリン・ソナタ H.127
トルドラ(1895-1962):6つのソネット〜IV. Oracio al Maig/ VI. La font
フアン・マネン(1883-1971):Caprice catalan No.3
  カタロニア奇想曲 第3番
マネン:El cant dels ocells 鳥の歌
フランシスコ・フラーナ(Vn)
アルバ・ベントゥーラ(P)

録音:2023年4月25-27日
グスターボ・ドゥダメルに才能を称賛されたヴァイオリニスト、フランシスコ・フラーナが演奏するスペインの作品集。 サラサーテの名曲「ツィゴイネルワイゼン」をはじめ、スペインの美しい風景を彷彿させるトゥーリナとグラナドスのソナ タ、カタルーニャで活躍しその民族音楽の要素を取り入れたトルドラの作品、近年注目の作曲家フアン・マネンが カタロニア民謡からインスパイアされた「鳥の歌」などを、フラーナは共感を持って歌い上げています。 フランシスコ・フラーナ(フリャーナ、フラナとも)はスペイン出身。2015年に開催された「宗次エンジェルヴァイオリンコ ンクール」で優勝、聴衆賞とオーケストラ賞を含む同コンクールの4つの特別賞も獲得。他の国際コンクールでの優 勝や、五嶋みどりと共演した経験をもつ俊英です。

MClassics
MYCL-00039(1CD)
税込定価
絆-Dear Friends-
グレンダール (1886-1960):トロンボーン協奏曲
シューマン:3つのロマンス 作品94
 アダージョとアレグロ 作品70
ラフマニノフ(ヴェングロフスキー編):エレジー(幻想的小品
集 作品3より)
ボザ(1905-1991):バラード 作品62
H.スミス(1943- ):トゥ・シャドウズ・ダンシング・イ
ン・ザ・ダーク
バッハ(中川良平編):サラバンド
(無伴奏フルートのためのパルティータ BWV1013より)
山口尚人(1974- ):絆ーDear Friendsー
マッシモ・ラ・ローサ(Tb)
杉山康人(Tub)
沢野智子(P)

録音:2022年8月1日 東京・トッパンホール(ライヴ)
現在、アメリカ五大オーケストラのひとつクリーヴランドOのテューバ 奏者を15年以上に渡って勤める杉山康人と、同じくクリーヴランド管弦楽 団首席トロンボーン奏者を経てソリストとして活動するマッシモ・ラ・ローサと の夢の競演、ライヴ・レコーディング盤です。世界のトップ金管楽器奏者に よるソロ作品、デュオ作品を収録。定番曲のボザやグレンダールでのラ・ ローサの圧倒的な技術。杉山の豊かな音楽性を披露するシューマン。ま た、二人の共演のために作曲された、H.スミスと山口尚人の新曲など盛り だくさんの内容です。ベルリンを拠点に活躍するピアニスト、沢野智子の色 彩豊かなサポートも注目です。多くの人々の縁と絆によって作り出された ワールドクラスの音楽、是非お聴きください。

Resonus
RES-10320(1CD)
NX-B05
シューベルト:弦楽三重奏曲全集/パーセル:3声のファンタジア
パーセル:3声のファンタジア第1番 Z.732Moderato(P.ウォーロック編)
シューベルト:弦楽三重奏曲 変ロ長調 D471(B. ニューボールドによる補筆完成版)…世界初録音
パーセル:3声のファンタジア第3番Z.734Slow(P.ウォーロック編)
シューベルト:弦楽三重奏曲 変ロ長調 D581(第2稿)
パーセル:3声のファンタジア第2番Z.733Rather slow (P.ウォーロック編)
シャクンタラー三重奏団【レベッカ・チャン(Vn)、サシャ・ボータ(Va)、ブライアン・オケイン(Vc)】

録音:2021年2月4-5日、3月2-3日
ロンドンを拠点に結成されたシャクンタラー三重奏団のデビュー・アルバム。シューベルトとパーセルの作品を組み合 わせたプログラムで、シューベルトの第1番が特に注目です。この曲は1816年に着手されたものの第1楽章全体と 第2楽章の一部が書かれた状態で未完のまま放棄されていました。シューベルト作品の復元や補筆完成のスペ シャリストであるブライアン・ニューボールドが、この曲と同じ頃に書かれたシューベルト作品を参考に4楽章構成の 作品として完成。当盤が世界初録音となります。ブックレットではニューボールドがその着想や手法などを記してい ます(英語のみ)。

CPO
CPO-555505(1CD)
NX-B02
ブルッフ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ロシアとスウェーデンの民謡による歌と舞曲集 Op.79・・・世界初録音
6つの歌曲(Vnとピアノ編)
Fruhlingslied Op.7, Nr.17
Morgenlied Op.97, Nr.4
Flucht (Die Auswanderer) Op.59, Nr.4
Goldne Brucken Op.15
Serenade Op.49, Nr.4
Hymnus Op.13
スウェーデン舞曲集 Op.63
デュオ・ダウエンハウアー・クーン【アンナ・ゾフィー・ダウエンハウアー(Vn)、ルーカス・マリア・クーン(P)】

録音:2021年7月14-16日
ロマンティックという言葉がふさわしいブルッフの魅力的な旋律をたっぷりと味わえるアルバム。「ロシアとスウェーデンの 民謡による歌と舞曲」全9曲は、オリジナルのヴァイオリンとピアノによる初録音。更に「スウェーデン舞曲集」全16 曲に加え、演奏者がアレンジした6曲の歌曲も収録しています。
CPO
CPO-555504(1CD)
NX-B10
グンナル・デ・フルメリ(1908-1987):クラリネット協奏曲、九重奏曲 他
クラリネット協奏曲
9人のための音楽(九重奏曲) Op.75
古風な様式による組曲
ピアノと弦楽オーケストラのためのコンチェルティーノ
トルステン・ヨハンス(Cl)
オリヴァー・トリンドル(P)
中村有人(Vn)
ノルベルト・メルクル(Va)
ウラジーミル・シンケヴィッチ(Vc)
インゴ・ナウラ(Cb)
ベルタ・ベルメホ・モヤ(Ob)
フローリアン・アダム(コールアングレ)
エベルハルト・クノブロッホ(Cl)
ティル・ハイネ(Fg)
マキオ・バッハウアー(Tp)
ミュンヘン放送O
イヴァン・レプシッチ(指)

録音:2021年7月15日、2022年5月2日
スウェーデンの作曲家グンナール・デ・フルメリの作品集。音楽一家に育ったフルメリは、ストックホルム音楽大学で 学び、ウィーンに留学してエミール・フォン・ザウアーに師事、さらにパリに留学してアルフレッド・コルトーに師事。早く からピアニスト兼作曲家として活躍しました。このアルバムには4つの作品を収録。優れたピアニストであったフルメリ らしい華やかなピアノ・パートを持つ「コンチェルティーノ」や、独奏パートが際立つ「クラリネット協奏曲」、様々な楽 器が歌い交わす「9人のための音楽(九重奏曲)」など、どれもフランス印象派の影響を感じさせる優雅で美しい音 楽は、大変聴き応えがあります。 九重奏曲に参加する中村有人はカナダで生まれ、2016年からミュンヘン放送Oの第2ヴァイオリン首席 を務めています。
CPO
CPO-555282(1CD)
NX-B02
レオポルド・ヴァン・デア・パルス(1884-1966):弦楽四重奏曲集 第1集
弦楽四重奏曲第1番Op.33
弦楽四重奏曲第2番Op.66
弦楽四重奏曲第3番Op.79「変容」
マリー・シュタイナーの思い出に Op.176
ヴァン・デア・パルスQ

録音:2019年1月8-13日
cpoが注目している作曲家の一人、レオポルド・ヴァン・デア・パルス。オランダ人の父とデンマーク人の母の下 にサンクトペテルスブルクで生まれ、同地で音楽を学びました。その後、ローザンヌを経てにベルリンでグリエール に師事。彼の薦めで作曲した交響曲第1番は1909年にBPOによって初演さ れ大好評を博しました。その交響曲第1番&交響詩集や協奏曲集のCDを出しているcpoが弦楽四重奏 曲の録音を開始。これらの3曲はいずれも手の込んだ作曲法による複雑な作品です。パルスは、人智学や シュタイナー教育で知られる神秘思想家ルドルフ・シュタイナーの影響を受けており、特に弦楽四重奏曲第3 番にはそれが顕著に見られるとされています。4曲目の「マリー・シュタイナーの思い出に」は、シュタイナーの2 番目の妻マリー・フォン・ジーフェルスを偲んで書かれた作品です。 作曲家の孫がチェロを担うヴァン・デア・パルス四重奏団の演奏。
CPO
CPO-555470(1CD)
NX-B02
ヨハン・マティアス・シュペルガー(1750-1812):弦楽四重奏曲集 Op.1
弦楽四重奏曲 Op.1No.2イ長調
弦楽四重奏曲 Op.1No.3ハ長調
弦楽四重奏曲 Op.1No.1ヘ長調
カンマーアカデミー・ポツダムのメンバー【Peter Rainer(Vn1)、Laura Rajanen(Vn2)、Christoph Starke(Va)、Jan-Peter Kuschel(Vc)】

録音:2021年3月28-31日
ウィーンで学び、メクレンブルク宮廷楽団の首席コントラバス奏者として活躍したヨハン・マティアス・シュペルガー。 作曲家としても数多くの作品を書き上げ、その中には18曲のコントラバス協奏曲をはじめ、40曲以上の交響曲、 合唱曲、器楽曲が含まれています。 cpoはシュペルガーのコントラバス協奏曲集のCDを2枚出していますが、このアルバムでは3つの弦楽四重奏曲を 紹介。どれも古典的なスタイルで書かれている中で、ヴィオラとチェロに重要なパッセージが与えられているのが特 徴。モーツァルトやハイドンを思わせる旋律が溢れており、歌劇「フィガロの結婚」からの旋律が引用されていたり、 当時人気のあったトルコ音楽からの影響を感じさせる響きも用いられています。

Chandos
CHAN-20179(1CD)
モーツァルト:ピアノ四重奏曲全集
ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 KV478
ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調 KV493
フランチェスカ・デゴ(Vn)、ティモシー・リダウト(Va)、ラウラ・ファン・デル・ハイデン(Vc)、フェデリコ・コッリ(P)

録音:2022年9月6日-8日、ポットン・ホール(サフォーク、イギリス)
1989年生まれ、朗々たる響き、説得力のある解釈、隙のないテクニックを誇り、国際的なシーンでもっとも人気を集めるイタリアの若きヴァイオリニスト、フランチェスカ・デゴ。日本でも既にNHKSO、東京都SO、東京SO、オーケストラ・アンサンブル金沢、九州SOとの共演で素晴らしい演奏を聴かせ多くのファンを獲得しています。パガニーニ自身が所有し愛奏したヴァイオリンを弾いた「イル・カノーネ」(PCHAN-20223/CHAN-20223)で華麗なChandosデビューを果たすと、ロジャー・ノリントンとの共演によるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全5曲を2巻にわたってリリースし、第1巻(PCHAN-20234/CHAN-20234)が英BBCミュージック・マガジンで「レコーディング・オヴ・ザ・マンス(2021年11月)」に選ばれるなどモーツァルトの演奏でも非常に高い評価を得ています。
協奏曲を完結させたデゴが次に挑んだモーツァルト作品はピアノ四重奏曲集。ちょうど「フィガロの結婚」の作曲に取り掛かろうとしていた頃にウィーンの楽譜出版社ホフマイスターから作曲を依頼されたモーツァルトは、ト短調の第1番と変ホ長調の第2番、2つのピアノ四重奏曲を完成させました。ピアノ四重奏曲は当時まだ目新しい編成で、ヨハン・ショーベルトの2本のヴァイオリンを用いたピアノ四重奏曲は既にあったものの、現在でも一般的なピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの編成によるピアノ四重奏曲はモーツァルトが事実上の発明者ともいわれています。ティモシー・リダウト、ラウラ・ファン・デル・ハイデン、フェデリコ・コッリというそれぞれChandosから重要な録音をリリースしてきた若手実力派奏者たちとの豪華共演によるデゴの新たなモーツァルト録音に期待せずにはいられません。

Delphian
DCD-34263(1CD)
クラーク、ビーミッシュ、マコンキー:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲集
レベッカ・クラーク:グロテスク、子守歌
サリー・ビーミッシュ(1956-):石、塩と空*
エリザベス・マコンキー(1907-1994):二重奏曲(主題と変奏)
ガイア・デュオ:アンティーブ*
ダンカン・ストラチャン(1987-):クロウタドリを見る13の方法
ガイア・デュオ 〔カトリーナ・リー(Vn)、アリス・アレン(Vc)〕

録音:2022年3月、聖マリア教区教会(イギリス、ハディントン)
2019年に結成され先駆的なプログラミングと大胆なパフォーマンスで称賛されているガイア・デュオ(Vnとチェロ)のデビュー・アルバムが登場。本作は女性作曲家の作品を中心に収録し、彼らが過去のクラシック音楽で見過ごされてきたような作品・作曲家を支持していることも証明されています。フォークやジャズの弦楽器演奏のスタイルと伝統的な室内楽の要素が肩を並べるユニークなプログラムをお楽しみください。
Delphian
DCD-34306(1CD)
女性作曲家によるチェロとピアノのための作品集
エイミー・エルシー・ホロックス(1867-1919):黄昏(夢)
アヴリル・コールリッジ=テイラー(1903-1998):Who knows?*
マーガレット・ジェイコブソン(1875-1971):ロマンス*
イゾベル・ダンロップ(1901-1975):組曲
アヴリル・コールリッジ=テイラー:Can sorrow find me?
マリー・デア(1902-1976):湖*、ロマンス*、スペインのショール*
アイビー・パーキン:3つの小品*
アニー・マリア・グリムソン(1870-1949):夜想曲*
ハリエット・クレイボーン・ディクソン(1879-1928):アンダンテ・レリジオーソ*
クリスタベル・バクセンデール(1886-1950):悲しげな旋律*
エセル・バーンズ(1873-1948):牧歌
マリー・デア:ヘブリディーズ組曲
アレクサンドラ・マッケンジー(Vc)、
イングリッド・サワーズ(P)

録音:2022年10月、聖マリア教区教会(イギリス、ハディントン)
*世界初録音
1880年代から1950年代に書かれた女性作曲家の珍しいチェロとピアノのための作品を集めた1枚!
2020年から21年にかけて、パンデミックの影響でコンサート活動から離れることになったチェリストのアレクサンドラ・マッケンジーとピアニストのイングリッド・サワーズは、聞き慣れないレパートリーへの長年の関心をさらに深めることに多くの時間を割いたといいます。美しいメロディに満ち、親密な雰囲気ながらも力強さを感じることができるこれらの作品・作曲家は、もっと多くの人々に知られるべきでしょう。

nosag records
NOSAGCD-2246(2CD)
ステラン・サーグヴィーク(b.1952):6つの弦楽四重奏曲
弦楽四重奏曲第1番 Op.20*
弦楽四重奏曲第2番Op.23*
弦楽四重奏曲第3番 Op.41*
弦楽四重奏曲第4番Op.156「ESEMBE」(ワルシャワの主題による変奏曲)**
弦楽四重奏曲第5番Op.180「Ylanin Logoty」**
弦楽四重奏曲第6番 「mo’olelo」 ***
ストックホルムQ*〔ユルヴァ・ラーション(Vn1)、ニナ・バラビナ(Vn2)、オレク・バラビネ(Va)、トミ・スヴァンストレム(Vc)〕
フロッシュQ**〔ネギーナ・ストヤノヴァ(Vn1)、ペトヤ・ディミトローヴァ(Vn2)、マリア・ヴァハノヴァ(Va)、テオドラ・アタナソヴァ(Vc)〕
ジェンティーレQ***〔ジェンティリア・ポップ(Vn1)、ファリーダ・サイフェーヴァ(Vn2)、ウルフ・ラーション(Va)、ペール=ウーラ・クラーソン(Vc)〕
ステラン・サーグヴィーク(b.1952)は、スウェーデン、オレブルー生まれの作曲家、指揮者、音楽家、歌手。自身のレコードレーベル「nosag」と「GASON」を主宰、プロデューサーとしても活動しています。王立ストックホルム音楽大学でグンナル・ブクト、アルネ・メルネス、ラーシュ=グンナル・ブーディーン、ラーシュ=エーリク・ロセルに作曲を学び、200曲近い作品を発表してきました。このアルバムには、彼が1971年から2021年までに作曲した6つの弦楽四重奏曲が、3つの四重奏団の演奏で収められています。抒情的な作品、ロマンティックとさえいえる作品、瞑想的な作品、力強くエネルギッシュな作品と、幅広い音楽言語とスタイルによる作品群です。

Chopin University Press
UMFCCD-117(1CD)
ストヨフスキ&ルジツキ:チェロ・ソナタ集
ジグムント・ストヨフスキ(1869-1946):チェロ・ソナタ イ長調 Op.17(18)
ルドミル・ルジツキ(1884-1953):チェロ・ソナタ イ短調 Op.10
トマシュ・ストラール(Vc)、
アグニエシュカ・プシェミク=ブリワ(P)
19世紀後半から20世紀前半のポーランド音楽界を代表する傑出した音楽家、ストヨフスキとルジツキ。彼らは興味深い作曲家・演奏家としてだけでなく、ポーランドの歴史の中で困難な時期であったにもかかわらず祖国の苦境を深く憂い、国のアイデンティティを育む熱烈な愛国者としても名を残しています。彼らのチェロ・ソナタを収録した本作は、ポーランドの独立回復100周年を記念して制作されたもので、民族のアイデンティティを確立する過程において文化が果たした重要な役割を示しています。師のパデレフスキに献呈されたストヨフスキのチェロ・ソナタは、ショパンのチェロ・ソナタに次ぐといっても過言ではない名作で、1900年にパリのサル・エラールでパブロ・カザルスによって演奏されたことでも知られています。ノスコフスキやフンパーディンクに学んだルジツキのソナタは、魅力的なメロディラインと民族音楽からの影響が特徴で、スクリャービンやラフマニノフの美学に近いものが感じられます。
Chopin University Press
UMFCCD-151(1CD)
グロス&ショパン:チェロとピアノのための作品集
ヨハン・ベンヤミン・グロス(1809-1848):チェロとピアノのための狂詩曲集 Op.12*、
 チェロとピアノのためのソナタ ロ短調 Op.7
ショパン
:序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調 Op.3
トマシュ・ストラール(Vc)、
ロベルト・モラフスキ(P)

録音:2020年11月(ポーランド、ワルシャワ)
*世界初録音
19世紀初頭、同じ頃にポーランドで生まれ、同じく短命であった2人の作曲家、ヨハン・ベンヤミン・グロスとフレデリック・ショパン。そんな運命的ともいえる2人の、チェロとピアノのための作品集です。自身もチェロの名手であったグロスは、チェロ作品を多く遺し、本アルバムでは「チェロとピアノのための狂詩曲集 Op.12」が世界初録音として収められています。
Chopin University Press
UMFCCD-163(1CD)
プロコフィエフ:5つのメロディ Op.35bis
ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調Op.94bis
ヴァイオリン・ソナタ第1番 へ短調 Op.80
ヤクブ・ヤコヴィチ(Vn)、
ウカシュ・フシェンシチク(P)

録音:2020年6月、クシシュトフ・ペンデレツキ・ヨーロッパ音楽センター(ポーランド、ルスワビツェ)
フレデリック・ショパン音楽アカデミーで父クシシュトフ・ヤコヴィチに師事したポーランドのヴァイオリニスト、ヤクブ・ヤコヴィチによるプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ集。甘さと苦さが混在するプロコフィエフの興味深い3作品を、同じくフレデリック・ショパン音楽アカデミーでピアノ・室内楽を学び、現在は同校で教鞭を執っているピアニスト、ウカシュ・フシェンシチクと共に、見事な演奏で聴かせます。ヤコヴィチはポーランドのヴァイオリン・スクールの祖のひとり、タデウシュ・ヴロンスキの最後の生徒でもあり、その演奏からは一聴して分かる素晴らしい音楽性が感じられます。
Chopin University Press
UMFCCD-105(1CD)
マチェイェフスキ:スペイン組曲〜室内楽作品集
ロマン・マチェイェフスキ(1910-1998):2本のギターのためのスペイン組曲*
ピアノのためのマズルカより 第3番、第6番、第7番
フルート、ギターとチェレスタのための夜想曲*
ピアノのためのマズルカより 第9番、第12番、第13番
弦楽三重奏、フルート、2本のギターとチェレスタのための子守唄*
クサヴェリ・ヤストシェンブスキ(G)、ピオトル・プシェドボラ(G)、アレクサンデル・クシジャノフスキ(P)、ウカシュ・ヤンコフスキ(Fl)、ユリア・ヴロンスカ(Vn)、ナタリア・ギドレフスカ(Va)、マウゴジャタ・ラトシェク(Vc)、イゴール・クレット(チェレスタ)

録音:2017年8月28日-9月1日(ポーランド、ワルシャワ)
*世界初録音
20世紀のポーランドの作曲家、ピアニスト、指揮者として活躍したロマン・マチェイェフスキ。作品は、戦争の犠牲者に捧げた記念碑的な「レクイエム」と、生涯を通じて作曲した「マズルカ」シリーズが知られていますが、本アルバムでは、1948年から1952年にかけて作曲されたものの、長い間スタジオ録音の機会を待っていたギターを中心とした室内楽作品を中心に取り上げています。これらの作品の楽譜を録音し、印刷物として出版するプロジェクトの発起人は、著名なギタリストでショパン音楽大学の教授でもあるマルチン・ザレフスキ。ショパン音楽大学の優秀な学生たちによる演奏で、色彩感豊かなマチェイェフスキの作品の魅力を伝えています。
Chopin University Press
UMFCCD-141(1CD)
エドヴァルト・シェリツキ:室内楽作品集
エドヴァルト・シェリツキ(b.1956):ヴィオラとピアノのためのソナタ 「我が父の思い出に」
2挺のヴァイオリンのためのソナタ 「Per fas et nefas」
「サインズ・オヴ・ライフ」 ソプラノ・サクソフォンとオルガンのための/ピアノ・ソナタ
カタジナ・ブドニク(Va)、バルトシュ・ベドナルチク(P)、ユスティナ・バラン(Vn)、エヴァ・コヴァル=ミコワイチク(Vn)、アリナ・ムレチコ(ソプラノ・サクソフォン)、ヤロスワフ・マラノヴィチ(Org)、アンナ・ハイドゥク=リンコヴィチ(P)
※全曲世界初録音
ポーランドの現代作曲家、エドヴァルト・シェリツキの室内楽作品集。本アルバムには、2011年から2015年にかけてショパン音楽大学で開催されたコンサートの一環として行われ、シェリツキの父親であり、作曲家でもあったリシャルト・シェリツキの思い出に捧げられた、非常に表現力豊かなヴィオラとピアノのためのソナタから、第2楽章では古いブルガリアの儀式の歌のテーマに基づいたピアノ・ソナタまで、シェリツキの4つの作品の演奏(初演を含む)が記録されています。
Chopin University Press
UMFCCD-142(1CD)
モダン・タンゴス
シュルホフ(1849-1942):ジャズ組曲 「エスキス」 より タンゴ、
 ピアノのための5つのジャズ練習組曲より タンゴ、
 弦楽四重奏のための5つの組曲より タンゴ
ギル・エヴァンス(1912-1988):ラスベガス・タンゴ
サン=サーンス:ローラ Op.116よりタンゴ
ストラヴィンスキー:ピアノのためのタンゴ
マルティヌー
:小映画組曲より タンゴ
リシャルト・ボロフスキ(b.1946):タンゴ・ナピエチ
ヒナステラ:2つの歌 Op.3- 第1曲 忘却の木の歌より ミロンガ
カップ・オヴ・タイム〔リシャルト・ボロフスキ(Fl)、アグニエシュカ・チプリク (Vn)、ラファウ・グラカ(アコーディオン)、クシシュトフ・レンチョフスキ(Vc)
アルゼンチン・タンゴは19世紀末に誕生し、20世紀初頭にヨーロッパで隆盛を極めました。本アルバムでは、フルート奏者、作曲家、編曲家、そして教師であるリシャルト・ボロフスキがリーダーを務める異色のクァルテット、カップ・オヴ・タイムが、魅力溢れるタンゴの世界へ誘います。

decurio
DEC-001(1CD)
REVELACAO
ルイス・コスタ(1879-1960):チェロとピアノのためのソナタ第2番
アントニオ・ピーニョ・バルガス(b.1951):4つの新しい断片III
コスタ:5月の歌、丘の上の荒野で
フレデリコ・デ・フレイタス(1902-1980):チェロとピアノのための13の変奏曲
フェルナンド・コスタ(Vc)、
ルイス・コスタ(P)

録音:2017年7月10日-12日(ポルトガル)
1991年にポルトガルで生まれた双子、フェルナンド・コスタとルイス・コスタによるチェロとピアノのためのデュオ。収録曲には知られざるポルトガルの作曲家たちの作品が選ばれており、双子らしい息の合った演奏を聴かせてくれます。彼らはポルトガルの他ドイツ、アゼルバイジャン、スイス、アメリカ、中国、南アフリカなどでも活躍しています。

Alfa Music
AFMCL-109(1CD)
パガニーニ・イン・ジャズ
パガニーニ:ヴァイオリン、ジャズ・トリオとオーケストラのための組曲第1番(カプリス第18番、第14番、第17番、第19番、他)/ヴァイオリン・ジャズ・トリオとオーケストラのための組曲第2番(カプリス第20番、第9番、第13番、他)
ジャズ・トリオとオーケストラのための「スウィンギン'24」(カプリス第24番)
(アレンジ&オーケストレーション:ロベルト・モリネッリ)
ロベルト・モリネッリ((指)編)、
エットーレ・ペッレグリーノ(Vn・ソロ)、アブルッツォSO、トリオ・ノッソ・ブラジル〔ジャンルカ・ペルジケッティ(G)、ステファノ・カンタラーノ(ベース)、ステファノ・ロッシーニ(ドラム、打楽器)〕

録音:2021年3月、イタリア
イタリアのジャズ・レーベル「Alfa Music」のClassicalシリーズが登場! イタリア、アブルッツォ州のSOの指揮者を務めるロベルト・モリネッリが、ニコロ・パガニーニの傑作「24のカプリス」を大胆にアレンジ&オーケストレーションを施した、エキサイティングな「パガニーニ・イン・ジャズ」。イタリアのベテラン・ヴァイオリニスト、エットーレ・ペッレグリーノのソロ・ヴァイオリンにブラジルと南米の音楽を専門とするイタリアのジャズ・トリオ「トリオ・ノッソ・ブラジル」が参加し、ラテン・アメリカのリズムも取り入れた自由な即興演奏が実現。同じカプリスの「クラシック版」と「ジャズ版」を並べるなど興味深い試みも行われ、クラシック、ジャズ、ラテン、更にタンゴへのオマージュなど自由で多彩な魅惑のパガニーニを楽しめます。

フォンテック
FOCD-20136(1CD)
税込定価
上田浩子〜ASUKA
ロジェ・ブートリー(1932-2019):ASUKA
ヨーゼフ・ホロヴィッツ(1926-2022):ソナチネ
ロバート・ムチンスキー(1929-2010):タイム・ピース
ロジェ・ブートリー(1932-2019):パロニム*
上田浩子(Cl)
藤井快哉 (P)
井上麻子(Sax)*

録音:2023年3月2〜4日 COSMIC HALL(加東市東上文化会館)
1973年から1997年まで、かの高名なフランスの軍楽隊、ギャルド・レピュブリケーヌ管弦 楽団で民間人として初めて首席指揮者を務め、作曲家、ピアニストとしても活躍してきたロジ ェ・ブートリー。今作は、ブートリー作品を中心に構成された、クラリネット奏者、上田浩子に よる渾身のアルバムです。上田とブートリーは、2005 年に行われたブートリー作品のみの室 内楽演奏会で、本作にも収録した「ASUKA」を共演して以来、長らく親交を深めてきました。 作曲家と交流のあった上田ならではの演奏は、説得力をもって聴くものに迫ります。極彩色豊か な藤井快哉のピアノ、珍しい組合せのトリオ「パロニム」での井上麻子のテナーサクソフォンも 必聴。 (fフォンテック )

WAON RECORDS
WAONCD-560(1CD)
(HQCD)
ハイドン:6つのディヴェルティメント
第1番ニ長調 Hob. IV:6[10:40]
第2番ト長調 Hob. IV:7[12:52]
第3番ハ長調 Hob. IV:8[9:27]
第4番ト長調 Hob. IV:9[6:37]
第5番イ長調 Hob. IV:10[8:27]
第6番ニ長調 Hob. IV:11[9:13]
新井道代(Fl)
池田梨枝子(Vn)
野津真亮(Vc)
ピリオド楽器演奏

録音:2022年12月20-22日、品川区立五反田文化センター 音楽ホール
J.ハイドンによるフルートのための室内楽作品集。ハイドンによるフルートの室内楽曲といえば、この6つのディヴェルティメントのほかには2作品があるくらい で、あまり多くはありません。いずれもイギリスの出版社のために書かれており、当時のイギリスでのフルート人気が高かったことがわかります。6つのディヴェル ティメントには、第4番を除いて、すべてハイドンのオペラ「月の世界」やバリトン・トリオからの転用がみられます。どれも愛らしいメロディやハイドンらしいユーモ アにあふれた楽曲ばかりで、3名の奏者たちそれぞれの活き活きとした表情と細やかなアンサンブルが光ります。ライナーノートには新井による丁寧な楽曲解説を 掲載。 (Ki)

ATMA
ACD2-2863(1CD)
忘れられた映像 〜チェロとピアノによるドビュッシー
ボヘミアの踊り L.9/夢 L.68
ロマンティックなワルツ L.71
夜想曲 L.82
スティリー風タランテラ L.69
忘れられた映像 L.87
リンダラハ L.97/レントより遅く L.121
ハイドンを讃えて L.115
英雄の子守歌 L.132
アルバムの一葉(負傷者の衣のための小品) L.133
チェロ・ソナタ L.135
ベルガマスク組曲 L.75より「月の光」
※すべてチェロとピアノ版
ステファン・テトロー(Vc)
オリヴィエ・エベール=ブシャール(P)

録音:2021年11月6-8日ケベック
チェロ・ソナタ以外はすべて演奏者自身の編曲によるチェロとピアノ版。2つの楽器で奏でられることにより、ドビュッシーの書いた美しい旋律はもちろん、複雑 な響きの多層性や、親密であったり広がりがあったりする独特な空間性までもが明確にあらわれてきます。編曲の手法は手が込んでおり、たとえば「月の光」では チェロは常にメロディを歌うのではなく内声を担当したりして、ピアノと対話を行います。アレンジ・アルバムとして完成度が高く、名作のチェロ・ソナタとならべて も自然な流れになっているのがポイントです。

Paraty
PTY-1922128(1CD)
バルトーク:ソナタとラプソディ
(1)ヴァイオリン・ソナタ第1番
(2)ヴァイオリン・ソナタ第2番
(3)ラプソディ第1番
(4)ラプソディ第2番
マグダレーナ・ゲカ(Vn)、
永井基慎(P)

録音:2021年8月9-12日ラトヴィア放送スタジオ1(リガ)
日本語解説つき。1992年生まれの女性ヴァイオリニスト、マグダレーナ・ゲカと、東京藝術大学、パリ音楽院で学んだ永井基慎による豪華デュオのデビュー・ア ルバム。それも音楽的にも技術的にも難しいバルトークのソナタに挑戦。
バルトークのヴァイオリン曲は親しい友人の名手たちのために生まれましたが、もとはハンガリーやルーマニアの田舎の楽師たちの演奏がもとになっており、村の 踊りや民俗楽器のエコーが聞こえます。ラトヴィア出身のゲカが鋭い技巧と民俗色を絶妙に表現しています。 (Ki)
Paraty
PTY-2322078(2CD)
ブラームス:4つのチェロ・ソナタ
(1)チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
(2)チェロ・ソナタニ長調Op.78(Vn・ソナタ第1番「雨の歌」編)
(3)チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
(4)チェロ・ソナタニ短調Op.108(Vn・ソナタ第3番編)
マリー=クロード・バンティニ(Vc)、
カロロス・ズガネリス(P)

録音:2020年2月25-27日プレイサ講堂
ブラームスは2篇のチェロ・ソナタを残していますが、ここでは4作を収録。他の2篇はヴァイオリン・ソナタ第1番と第3番の編曲。チェロのバンティニはヴァ イオリン・パートを単に1オクターヴ下げるだけで、ピアノ・パートは原曲のまま。しかしより深いニュアンスが生まれ、ちょうど同じ歌曲をソプラノ歌手かバリトン 歌手が歌うような味わいの違いを楽しめます。
モーリス・ジャンドロン門下のマリー=クロード・バンティニはコンセール・コロンヌの首席奏者を務める実力派。「深く肺臓をえぐるような」と称される彼女の 演奏を堪能できます。ギリシャ出身のカロロス・ズガネリスはパリ音楽院で学び、現在同校の教授を務めています。 (Ki)

アールアンフィニ
MECO-1077(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ 第1番ト長調 作品78 「雨の歌」
ヴァイオリン・ソナタ 第2番イ長調 作品100
ヴァイオリン・ソナタ 第3番ニ短調 作品108
黒川侑(Vn)、久末航(P)

録音:2023年4月4日 &5日
日本音楽コンクール第1位をはじめ、その優れた和声感や表現力への評価により出光音楽賞、仙台国際音楽コンクール聴衆賞他数々の 受賞歴を誇り、スイス・ロマンド管、スペイン国立管、東京フィル、新日本フィル、京響など国内外主要オーケストラとの共演、室内楽等でも 幅広く好評を博す新進気鋭のヴァイオリニスト、黒川侑のデビュー・アルバム。 黒川自身が「最も共感してやまないブラームスのヴァイオリン・ソナタ全3曲」を、ベルリンを主軸にワールドワイドに活躍する長年の共演パート ナー、久末航とのデュオで世に問う。
 僕は昔からブラームスという作曲家が言いようもなく好きで、その音楽にはどこか特別な、畏れにも似たものを感じてきました。憧れのような 美しさや、足が踏み出せなくなるような哀しみを抱えながら、それが決して空想の世界に留まらずに地面にしっかりと根ざす彼の音楽…今回 こうして、そのブラームスの作品の中でも特に大きな魅力を持つ3曲全てのヴァイオリン・ソナタを録音できたことは、本当に思いもしなかった喜 びです。  共演ピアニストの久末航さんとは、同じ財団から受けていた奨学金の関係で出会って以来既に何度も共演を重ねているのですが、彼の美 しく、どこまでも明晰なピアノと共にこの特別な3つのソナタに取り組むことができたのは、僕にとって替えがたい経験でした。  たそがれや人生の秋にも喩えられるようなブラームスの音楽に関わっている時、感動と迷いを行き来するような、他にはない捉えがたい気持 ちがすることがあります。もしこのCDが、お聴きくださった方にとって少しでもそんなブラームスの世界に触れられるものになったとしたら、それほど 嬉しいことはありません。  【黒川 侑】

BSOrec
BSOREC-0006(1CD)
Voyager 航海者
ハンス=ユルク・ゾマー(1950-):Vom Eggishorn エッギスホルンより- 4つのアルプホルンのために
R・シュトラウス:ホルン協奏曲第2番変ホ長調(P. ドイバーによるホルン九重奏編)
アントン・ライヒャ(1770-1836):トリオ ?3つのナチュラルホルンのために
コンスタンティア・グルズィ(1962-):Voyager 航海者2
オスカー・フランツ(1843-1886):Waldlied 森の歌
パスカル・ドイバー:R・シュトラウスの歌劇「ダフネ」による幻想曲
ピエール=マックス・デュボワ(1930-1995):ホルン四重奏曲- 第4曲 パヴァーヌ
ウルス・フィーアリンガー (1964-):Abendruhe 夕べの静けさ-4つのアルプホルンのために
ミュンヘン・オペラ・ホルン(ホルン・アンサンブル)
【Johannes Dengler、Pascal Deuber、Franz Draxinger、Milena Viotti、Eva Lilla Froschl、Wolfram Sirotek、Maximilian Hochwimmer、Christian Loferer、Stefan Bohning、Casey Rippon、Rainer Schmitz】
Fabian Schroder (ゲスト)
コンスタンティア・グルズィ(指)

録音:2022年1、2、9月
楽団の記録を1523年にまでさかのぼれるというバイエルン国立O。モーツァルトやワーグナー作品の初演を含むバイエルン国立歌劇場の栄光の歴史 を支えています。このCDは、2007年に同歌劇場のホルン・セクションのメンバーによって結成されたミュンヘン・オペラ・ホルンによる楽団の500周年記念盤。 タイトル「Voyager」は海の向こうの見えざる土地を目指すような探検の旅に出る人を指し、ホルン・アンサンブルの表現に未知の領域を拓こうとするグループ の心意気を示しています。ミュンヘンはバイエルン・アルプスの玄関口が近いことからアルバム冒頭と最後をアルプホルン(アルペンホルン)の素朴な小品ではさ み、ミュンヘン生まれの作曲家R・シュトラウスの作品をメインに、ナチュラル・ホルンを使った古典ものから、新たな表現の可能性を狙った新作まで、使 用楽器も編成もサウンドも多彩です。

King International
KKC-4334(1SACD)
シングルレイヤー
税込定価
モーツァルト:ウィーン弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲第8番ヘ長調 KV168
弦楽四重奏曲第9番イ長調 KV169
弦楽四重奏曲第10番ハ長調 KV170
弦楽四重奏曲第11番変ホ長調 KV171
弦楽四重奏曲第12番変ロ長調 KV172
弦楽四重奏曲第13番ニ短調 KV173
ズスケQ【カール・ズスケ(Vn1)、クラウス・ペータース(Vn2)、カール=ハインツ・ドムス(Va)、マティアス・プフェンダー(Vc)、マティアス・プフェンダー(Vc) 】

録音:1974年3〜4月(第8〜10番)、1975年2月3〜6日&3月24〜25日(第11〜13番) ドレスデン・ルカ教会
全盛期のエテルナのアナログ・レコードの音を限りなく再現すべく、マスターテープから新規デジタル・マスタリングした、キングインターナショナルの新シリー ズ「ドイツ・シャルプラッテンETERNAの芸術」第3弾は、ズスケ四重奏団によるモーツァルトのウィーン弦楽四重奏曲全集(KV168〜KV173)。引き続き 企画監修には、ヴィンテージレコードショップ「エテルナトレーディング」の店主で、日本にETERNAのレコードを流布させた“仕掛け人”でもある高荷洋一氏 を招き、最大限アナログ・レコードに忠実な音質を目指すべく、徳間より受け継ぎ、キングレコードに保管されているマスターテープからSACD用に通常3倍の 時間をかけマスタリングを行いました。解説書は高荷氏による、ズスケ四重奏団の成り立ち・変遷、ズスケSQ「ETERNA録音・LPディスコグラフィー」 など読み物としても充実した内容となっています。
モーツァルトは、全23曲の弦楽四重奏曲を作曲しています。ここに録音されている作品は1773年の夏にウィーンに滞在中に書かれた6曲で、作曲地にち なんでこの連作は「ウィーン四重奏曲」と呼ばれています。 (Ki)

KLARTHE
KLA-153(4CD)
フランク:室内楽作品集
■CD1
(1)ピアノ五重奏曲 ヘ短調(1878)
(2)ヴァイオリン、チェロとピアノのための大三重奏曲 ハ短調(1834)
(3)ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための協奏的三重奏曲第2番 変ロ長調 Op.1-2「サロンの三重奏曲」(1843)
■CD2
(4)ピアノとヴァイオリンのための協奏的二重奏曲第1番 Op.14(1844)
(5)ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための協奏的三重奏曲第1番 嬰へ短調 Op.1-1(1843)
(6)ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための協奏的三重奏曲第3番 ロ短調 Op.1-3(1843)
■CD3
(7)メランコリー(ソルフェージュからの編曲作品)(1885頃)
(8)弦楽四重奏曲(1890)
(9)ヴァイオリンとピアノ伴奏のためのアンダンテ・クイェトーゾ Op.6(1844)
■CD4
(10)ヴァイオリン・ソナタ イ長調(1886)
(11)ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための協奏的三重奏曲第4番 ロ短調 Op.2(1843)
(12)弦楽五重奏の伴奏付きピアノ独奏曲 ホ長調 Op.10(1844頃)
アンサンブル・デ・ゼキリーブル
アニエス・ピーカ(Vn)
マリー・オレンジャ(Vn)
エマニュエル・ハラティク(Va)
ダミアン・ヴェントゥーラ(Vc) ジェレミー・ジュネ(Vc)
レミ・ドゥマンジェオン(Cb)
サンドラ・シャムー(P)

録音:2022年3月-12月ステファン・ポレロ・スタジオ、ヴィルティエリー(フランス)
2022年、セザール・フランクの生誕200年を記念して、アンサンブル・デ・ゼキリーブルが室内楽作品を録音しました。フランクの室内楽 作品といえばヴァイオリン・ソナタが有名ですが、ベルギーからパリに移住する以前から晩年まで、室内楽はフランクにとって大切なジャンルで魅力的な作品ばかり です。
演奏のアンサンブル・デ・ゼキリーブルはヴァイオリンのアニエス・ピーカが主宰を務めるフランスの名手が揃った可変アンサンブル。充実の演奏を聴かせてく れます。 (Ki)

MIRARE
MIR-674(1CD)
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
シューマン:弦楽四重奏曲第3番イ長調 op.41
レオンコロSQ【〔ヨナタン・昌貴・シュヴァルツ (1st Vn)、アメリー・コジマ・ヴァルナー(2nd Vn)、近衞麻由 (Va)、ルカス・実(ミノル)・シュヴァルツ (vc)】

録音:2022年12月14-17日、テルデックス・スタジオ
2019年設立のレオンコロSQのデビューCDの登場。世界のコンクールで優勝を重ね、その名を確かなものにしている彼らの充実ぶりが遺憾なく発 揮された演奏です。ラヴェルもシューマンも、設立以来折に触れ演奏している作品で、細かなパッセージや休符にまでも熱い息吹が感じられ、それでいて非常に繊 細なタッチは、若きカルテットの驚くべき実力の証。他の追随を許さない彼らの境地があますところなく収められた、優秀録音です。
2019年に設立されたベルリンを拠点とするSQ。 レオンコロとはエスペラント語でライオンハートを意味します。 =かの児童作家、アストリッド・リンドグレンに「はるかな国の兄弟(英語タイトル、ブラザース・ライオンハート)」という二人の兄弟を描いた作品がある。物語が 織りなす死という抗いがたい現実と、癒しと慰めに対する心からのあこがれ、という二つのテーマは、演奏者にとって身近なものだ。作曲家たちは深い悲嘆に暮れ るときにも弦楽四重奏曲を含む楽曲をしたためることに慰めを見出してきたからです。=(アーティストHPより) 第1ヴァイオリンのヨナタンとチェロのルカスのシュヴァルツ兄弟、そして第2ヴァイオリンのアメリー・ヴァルナーとヴィオラの近衞麻由というメンバー。2019年 にイタリアのヴィルトゥオーゾ&ベルカント国際室内楽コンクールで優勝。2022年4月ウィグモア・ホール弦楽四重奏コンクール優勝および12ある特別賞のうち 9つを受賞。そして5月にもボルドー国際弦楽四重奏コンクールで優勝しています。 (Ki)

H.M.F
HMM-902717(1CD)
バッハ:フーガの技法
フーガの技法 (BWV1080)
コラール「汝の御座の前に われはいま進み出で」BWV 668
カザルスSQ〔ヴェラ・マルティネス・メーナ ー(Vn )、アベル・トーマス(Vn )、ジョナサン・ブラウン(Va)、アルナウ・ト-マス(Vc)〕

録音:2022年3月、カルドナ城修道院
スペインが誇るSQ、カザルスSQ。しばしば来日しており、その自然かつ美しい音色に貫かれた音楽は広くファンを獲得しています。今回 の彼らの新譜は、バッハのフーガの技法。ディスクの最初の一音めから、ただならぬ美しさに驚かされます。彼らが録音場所に選んだのは、サヴァールも録音 を行っているカルドナ城修道院。美しく自然な残響で、非常にぜいたくなサウンドです。美しさをたたえた音色で奏でられる4本の線が、冒頭のシンプルなフー ガから、より精巧な変奏曲やカノン、そして頂点となる不完全な最終フーガまでを、非常に自然に、気負うことなく描いていきます。さらに、「コントラプンクトゥ ス14」(未完の三重フーガ)をニ長調の和音で終止させ、つづいて「フーガの技法」の初版の楽譜に収められているコラール「汝の御座の前に われはいま進 み出で」BWV668に入るという試みでディスクを締めくくります。このコラールは、バッハが死の床で書いたといわれていたもので、「フーガの技法」の初版 譜に掲載しようというアイディアが誰からのものかはわかりません。しかし、このコラールは「フーガの技法」という傑作に対する賛辞、あるいは離別の曲のよう でもあります。カザルスSQの「フーガの技法」の演奏は、自然に歌うような演奏で、対位法の複雑に絡み合う線にからめとられてしまうようなことは ありませんが、それでもフーガの技法の特殊な空気の後にこれがあると、なんだかとてもほっとするCDのしめくくりとなっています。 (Ki)

PAN CLASSICS
PAS-1123(1CD)
ジャン・バウアー(1719-1773):室内楽曲集
チェロ・ソナタ ト短調 Op.1-4(1751)
チェロ・ソナタ 変ロ長調『ラ・デュプレクス』 Op.2-2(1756)
ハープとフォルテピアノのためのソナタ 変ロ長調 Op.8-3(c.1770)
チェロ・ソナタ ニ短調 Op.1-3(1751)
2つのヴァイオリンのためのソナタ第1番へ長調(1774出版)[2つの小型チェロ編曲版]
ハープ・ソナタ第6番ハ長調(ハープ独奏)
エリナー・フレイ(Vc、小型Vc、音楽監督)
アントワーヌ・マレット=シェニエ(シングルアクションペダル・ハープ) 他
アッカデミア・デ・ディッゾナンティ

録音:2022年10月2-4日/ケベック、ドメーヌ・フォルジェ
18世紀半ばのパリで急速に広まっていったシングルアクションのハープ。その楽器の名手であったジャン・バウアー(1719-1773)による作品集です。フォ ルテピアノとのソナタは両楽器の音色が思いのほか似ていて、キラキラと耳に楽しい二重奏が聴けます。また独奏曲のソナタでは、ハープが自由度の高い音楽を雄 弁に紡いでいることに驚かされます。バウアーはチェロも得意だったようで、チェロ作品も収録。こちらも鮮やかな音遣いに彩られた魅力的な佳品です。 (Ki)

LAWO Classics
LWC-1261(1CD)
盗んだんじゃなく、借りただけ
バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥス I、コントラプンクトゥス VII
スウェーデン民謡(ヨーラン・モンソン(b.1967)&ウッドペッカーズ・リコーダー四重奏団編):ハーヴェローのショッティーシュ
スウェーデン民謡(フレードリク・オステルリング(b.1966)編):ヴェルムランドの歌
バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥス IX
ヴィヴァルディ
:協奏曲 変ロ長調 RV363「ポストホルン」
テレマン(アンドレア・ボルンシュタイン編):協奏曲 ト長調 TWV40:210
ノルウェー民謡(ウッドペッカーズ・リコーダー四重奏団編):老グロ
バッハ:フーガの技法 BWV1080より3つの主題によるフーガ
ターロック・オキャロラン(トゥールロホ・オ・カロラン)(1670-1738):ターロホ・オグ・マクダナ
ルーリ・ダル・オ・カヘン(ローリ・ダル・オカハン)(1580-1653)(フレードリク・オステルリング編):手を貸してください
スコットランド民謡(ケイト・ハーン編):コックスタウン
デンマーク民謡(ペアニレ・ペータセン(b.1983)編):クリュシリス,わが世界の黄金よ
ペアニレ・ペータセン:ミケルの旅(「いとこミケル」の変奏曲による幻想曲)
デンマーク民謡(ペアニレ・ペータセン編):Honsefodder og Gulerodder
ヴィヴァルディ(ベルト・ドリーヴァー(b.1953)編):協奏曲 ハ長調 RV443
ウッドペッカーズ・リコーダー四重奏団〔カロリーネ・アイステン・ダール(リコーダー)、ケイト・ハーン(リコーダー)、ペアニレ・ペータセン(リコーダー)、カタリーナ・ヴィーデル(リコーダー)〕
「キツツキ」の名を冠した「ウッドペッカーズ・リコーダー四重奏団」は、「バロック音楽をリコーダーで演奏することをこよなく愛する」プレーヤーがそろってストックホルムに住んでいた17年前に結成されたアンサンブルです。『ブラックバード』(LWC-1069)などのソロ・アルバムで親しまれているノルウェーのカロリーネ・アイステン・ダール、アイルランド出身のケイト・ハーン、デンマークのペアニレ・ペータセン、韓国で生まれスウェーデンで育ったカタリーナ・ヴィーデルという多国籍なメンバーで構成されています。彼女らのレパートリーに欠かせないバッハの「フーガの技法」をプログラムに組んだ最初のコンサートの後、「盗んだんじゃなく、借りただけ」という「編曲」作品を少しずつレパートリーに加えながら演奏活動を行ってきました。バッハ、ヴィヴァルティとテレマンの曲、北欧の民謡、スコットランドとアイルランドの民謡や人気曲と、彼女らのコンサートを思わせる多彩なプログラムによるアルバムです。

Indesens Calliope Records
IC-020(1CD)
フランク:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
メランコリーホ短調 CFF122
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 CF123
アンダンティーノ・クィエトーソ Op.6CFF115
ダレラックの「ギュリスタン」のモティーフによる協奏的二重奏曲 Op.14CFF117
ダリーナ・マレーヴァ(Vn)、
グザヴィエ・ルコント・ド・ラ・ブルトヌリ(P)

録音:2021年8月(フランス、ムードン)
録音:2022年5月、フランス
セザール・フランクに関する博士号を取得し、フランクの後期作品である「メランコリー」を発見・初演したブルガリアのヴァイオリニスト、ダリーナ・マレーヴァによるフランクのヴァイオリンとピアノのための作品全集。初期と後期の全4作品をフランクのエキスパートによる解釈でお楽しみいただけます。1886年に書かれた「メランコリー」は、フランクの音楽的特徴のすべてを含んでおり、その美しさに加え、直後に作曲された有名なヴァイオリン・ソナタと多くの類似点がある重要作品。ソナタでさらに発展することになるアイデアが実験的に取り入れられています。

GENUIN
GEN-23837(1CD)
そこに星が昇る...
アルベルト・マリア・ヘルツ(1878-1950):シャコンヌ(バッハ:パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004の弦楽四重奏版)
シュテファン・ゲオルゲの言葉による5つの歌曲 Op.7
弦楽四重奏のための4つの小品 Op.5
弦楽四重奏曲 ロ短調 Op.6
8つの楽器のためのラジオ音楽 Op.9
アサセッロSQ
E-Mexアンサンブル
クリスティアーネ・エルツェ(S)

録音:2022年&2023年
1878年ケルンに生まれたユダヤ人作曲家マリア・ヘルツは、1950年ニューヨークで亡くなりました。彼女はアルベルト・マリア・ヘルツというペンネームを使い活躍し、このアルバムにはバッハの作品を編曲したSQによる作品や、歌曲、室内アンサンブルによる作品など多様な編成を用い、さらにはバロック音楽から自由な調性を用いた作品まで多岐に渡り、この作曲家の幅の広い作品を残していることを示しています。
GENUIN
GEN-23839(1CD)
芸術の仲間たち
クララ・シューマン:ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス Op.22
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.78、
 ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.100、
 ヴァイオリン・ソナタ第3番 Op.108
ゾフィア・ヤッフェ(Vn)、
ビョルン・レーマン(P)

録音:2016年9月28日-30日&2017年2月24日
エリザベート王妃国際音楽コンクール2005のヴァイオリン部門第3位の実績を持ち、これまでにも「Genuinレーベル」(GEN-89161)や「NMCレーベル」(NMCD189)などからもCDがリリースされている女流ヴァイオリニスト、ゾフィア・ヤッフェ。40年間もの間、芸術面での友情関係にあったクララ・シューマンとヨハネス・ブラームスの作品を取り上げます。このアルバムで共演しているピアニスト、ビョルン・レーマンとは長年の間デュオを組んできたパートナーです。
ベルリンで生まれたゾフィア・ヤッフェは最初は両親にヴァイオリンを師事し、その後ハンス・アイスラー音楽大学で研鑽を積みました。エリザベート王妃国際音楽コンクール2005のヴァイオリン部門第3位の他、ドイツ音楽コンクールやコンクール・オブ・ザ・イヤーなどの国際的なコンクールで数々の賞を受賞しています。現在は教育者としても活躍しており、フランクフルト音楽・舞台芸術大学の教授を務めています。

Glossa
GCD-C80034(2CD)
ボッケリーニ:チェロ・ソナタ集
■Disc1
ソナタ イ長調 G.4
ソナタ ハ短調 G.2b
ソナタ 変ホ長調(Vn助奏付)
ソナタ ト長調 G.5
ソナタ イ長調「女帝」
■Disc2
ソナタ変ロ長調 G.565
ソナタ 変ホ長調 G.11
ソナタ ヘ長調 G.579
ソナタ変ホ長調 G.566
ソナタ ハ長調 G.17
ガエターノ・ナジッロ(バロックVc/Disc1)
イェスパー・クリステンセン(ハープシコード/Disc1)
アレッサンドロ・チッコリーニ(バロックVn/Disc1)
マルコ・ヴィターリ(バロックVc/Disc1)
マラ・ガラッシ(フック式18世紀ハープ/Disc2)
ミケーレ・タッツァーリ(バロックVc/Disc2)

録音:1996年6月、ロンツァーノ修道院、(ボローニャ、イタリア)(Disc1)、2000年8月、トレ・コッリ祈祷堂(ピサ、イタリア)(Disc2)
・チェロの名手が弾く、ボッケリーニの初期に作曲された10曲のチェロ・ソナタ集が復刻。
ガエターノ・ナジッロは、ミラノのヴェルディ音楽院でチェロをロッコ・フィリッピー二に、その後バーゼル・スコラ・カントルムでパオロ・パンドルフォにヴィオラ・ダ・ガンバを師事。歴史的楽器を用いたヨーロッパの著名なアンサンブル(アンサンブル415、コンチェルト・ヴォカーレ、アンサンブル・ゼフィーロ、ル・コンセール・デ・ナシオン、アンサンブル・アウローラ、リ・アンジェリ)と、ソリスト、通奏低音奏者として定期的に共演し、これまでに60枚を超えるCDの録音を残しています。
Glossa
GCD-C80035(1CD)
C.P.E.バッハ:鍵盤楽器とヴァイオリンのための作品集
ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Wq76
アリオーソ イ長調 H.535
幻想曲 嬰ヘ短調 H.536(Vn伴奏付き)
チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 H.502
ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Wq78
ライラ・シャイエーク(Vn)、
イェルク・ハルベック(ハープシコード、タンジェント・ピアノ)

録音:2013年9月23日-25日、SWRシュトゥットガルト 室内楽スタジオ(ドイツ)
ますますその人気と注目度を高めるバロック・ヴァイオリニスト、ライラ・シャイエークがバッハのヴァイオリン・ソナタ集(GCD-923507)でも共演しているドイツ古楽界の若きスター、イェルク・ハルベックとの共演で弾いた C.P.E.バッハの作品集。多感様式の代表的存在として古典派音楽の礎を築き、18世紀において「偉大なるバッハ」といえば父のバッハよりもC.P.E.バッハを指すことが多かったともいわれています。
ブラームスが通奏低音をリアライゼーションした非常に珍しい楽譜を用いた2つのヴァイオリン・ソナタをはじめ、ヴァイオリンと鍵盤楽器のための主要な作品を収録。ハルベックが弾く鍵盤楽器は作品によってハープシコードとタンジェント・ピアノ(ハープシコードとフォルテピアノの中間のような構造を持つ18世紀初頭に生まれた鍵盤楽器)が使い分けられています。

Da Vinci Classics
C-00739(1CD)
シベリウス:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ イ短調 JS177/ヴァイオリン・ソナタ断章 ニ長調/ヴァイオリン・ソナタヘ長調 JS178/ヴァイオリン・ソナチネ ホ長調 Op.80
エマ・アリッツァ(Vn)、
ステファノ・マルザンニ(P)

録音:2022年10月、チーゴレ(イタリア)
若き日の作品から断章、最初の成熟した作品であるヘ長調のソナタ、さらには後期のソナチネに至るまで、シベリウスがその生涯を通じて書いたヴァイオリンとピアノのための作品を収録。ヴァイオリンはシベリウスが幼い頃から学び、世界的な名手として活躍することを夢見た楽器でした。ヴァイオリンを弾くのはイタリアのコモ出身で、母国と英国を中心に演奏活動を行っているエマ・アリッツァ。シベリウスとヴァイオリン、あり得たかもしれない世界に思いを馳せることができる1枚です。
Da Vinci Classics
C-00742(1CD)
オリジネス〜19世紀ヨーロッパのサクソフォン四重奏曲集
ジャン=バティスト・サンジュレー(1812-1875):サクソフォン四重奏曲第1番
エミール・ジョナス(1827-1905):祈り
ジェローム・サヴァリ(1819-1870):サクソフォン四重奏曲
アドルフ・セレニック(1826-1893):アンダンテ・レリジョーソ
ジュール・クレソノワ(1823-1883):ピッフェラーリ
ジャン=バティスト・サンジュレー:グランド・カルテット・コンチェルタント
レオン・クロイツェル(1817-1868):サクソフォン四重奏曲
ジャン=バティスト=ヴィクター・モール(1823-1891):サクソフォン四重奏曲
ルイ=アドルフ・マヨー(1837-1894):サクソフォン四重奏曲第1番
ジャン=バティスト・サンジュレー:演奏会用アレグロ
カルテット・ケルビーニ

録音:2022年8月(チーゴレ、イタリア)
フィレンツェを拠点とするサクソフォン四重奏団、カルテット・ケルビーニは、サクソフォンの古典的なレパートリーに新しい解釈を与え、その普及と深化を促進することを目指して活動しています。このアルバムには現存する最古のサクソフォン四重奏曲とされるサンジュレーの「サクソフォン四重奏曲第1番」をはじめ、19世紀に生まれたサクソフォンという新しい楽器の黎明期に誕生した作品を集めています。クロイツェル、クレソノワ、セレニックの作品と、サンジュレーの「演奏会用アレグロ」(サクソフォン四重奏曲第1番の抜粋版のような小品)は世界初録音です。
Da Vinci Classics
C-00740(1CD)
ジョルジョ・ベルナーボ:室内楽作品集
Disincanti(フルートとピアノのための)(2021)/Movimenti in forma di luna(クラリネットとピアノのための)(2021)/Tracce di marea(Vcとピアノのための)(2018)/In punta di respiro(Vcとピアノのための)(2018)/Sfumatura di malinconia(Vcとピアノのための)(2022)/Pallida e assorta melodia(フルートとピアノのための)(2022)/Summer Triangle Trio(フルート、チェロとピアノのための)(2017)
ファビオ・プピーロ(Fl)、
ルイージ・マラスカ(Cl)、
アンドレア・マルコリーニ(Vc)、
エレオノーラ・ウェガー(P)、
アンドレア・ミアッツォン(P)

録音:2022年8月(チーゴレ、イタリア)
2017年〜2022年に書かれたジョルジョ・ベルナーボの新しい室内楽作品集。リズムや音程とその構成、音色、和声など作曲におけるすべての次元におけるベルナーボの熱心な探求の成果が現れています。過去の偉大な作曲家への言及の中に新しい世界を見出し、魅力的で思慮深い経験を私たちに提供してくれます。
Da Vinci Classics
C-00738(1CD)
涙〜オーボエを伴う19世紀の音楽
シューベルト:歌曲集 「白鳥の歌」 より セレナード D.957-4
シューマン:3つのロマンス Op.94
シューマン:歌曲集 「ミルテの花」 より 献呈 Op.25-1、くるみの木 Op.25-3
クララ・シューマン:6つの歌曲 Op.13
クライスラー:3つのウィーン古典舞曲集 より 「愛の悲しみ」
ロッシーニ:老年のいたずら より 「涙」
ムソルグスキー:涙
ファビオ・ドノフリオ(Ob)、
ヴィンチェンツォ・カルーソ(P)

録音:2023年1月&2021年7月(ナポリ、イタリア)
シューベルトが最も愛した歌曲から、シューマンが妻へのクリスマスプレゼントとして書いたオーボエとピアノのための3つのロマンス、クライスラーの 「愛の悲しみ」、ムソルグスキーまで、「涙」をテーマとしたドイツ歌曲のレパートリーを、オーボエとピアノの二重奏で贈ります。
イタリア出身のオーボエ奏者、ファビオ・ドノフリオは、パオロ・ポラストリ、フランソワ・ルルーに師事。ジュリーニ、シノーポリ、インバル、などの著名な指揮者の下、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ロンドンのバービカンホールを含むヨーロッパの主要なホールで演奏しています。
Da Vinci Classics
C-00747(1CD)
忘れられた音〜バス・クラリネットとバセットホルンのための19世紀の音楽
メルカダンテ:アンティキアのエンマよりバス・クラリネットのための独奏
ダンツィ:ピアノとバセットホルンのためのグランド・ソナタ Op.62
フリードリヒ・ディーツ:バス・クラリネットとピアノのためのロマンス
クリスティアン・ルンメル:バセットホルンとピアノのための夜想曲 Op.87
アウグスト・クルークハルト:バス・クラリネットとピアノのためのロマンス
ルンメル:アンダンテ・ヴァリエ:バセットホルンとピアノのための主題と変奏-ポロネーズ
シャルル・コッホ:バセットホルンとピアノのためのボレロ
フランソワ・ラッセ:バス・クラリネットとピアノのためのリート
ステファノ・オンガロ(バスCl、バセットホルン)
クリスティアーノ・ザネッラート(P)

録音:チーゴレ、イタリア
バス・クラリネットとバセットホルンは、18世紀に初めて製作されましたが、現在の形になるまでに長い進化を遂げてきました。本アルバムでは、古典派からロマン派にかけて発展したこれら2つのユニークな楽器、バス・クラリネットとバセットホルンの歴史を形作った最も重要な楽曲を取り上げた好企画。演奏は、ユストゥス・フランツのフィルハーモニー・デア・ナツィオーネンなどで活躍した実力派、ステファノ・オンガロです。
Da Vinci Classics
C-00741(1CD)
ポール・ジャンジャン:クラリネットのための室内楽作品集
ポール・ジャンジャン(1874-1929):アラベスク/アンダンティーノ第2番*/明るい朝/クラリネット、バス・クラリネットとピアノのための演奏会用二重奏曲/月の光に/無言歌*/春の夢*/幸福な時間*/伝説*/ヴェニスの謝肉祭
フォスタン・ジャンジャン(1900-1979)&モーリス・ジャンジャン(1897-1968):ギスガンドリー
ルイージ・マジストレッリ(Cl)、
クラウディア・ブラッコ(P)、
ファウスト・サレディ(バスCl)

録音:2022年9月、シゲル・カワイ・センター(ミラノ、イタリア)
*世界初録音
クラリネットのソロ・レパートリーは、モーツァルトの時代から2つの並行した流れによって育まれてきました。1つはモーツァルトを筆頭に、ブラームス、ウェーバー、メンデルスゾーン、プーランク、サン=サーンスなどの大作曲家たちが残した名作の数々。その一方で、各時代の最も偉大なクラリネットの名手たちによって書かれた作品の流れもあります。この第2のグループにおいて、プロヴァンス地方の天才ポール・ジャンジャンの作品ほど、華麗で表現力豊かな作品を残したものはないでしょう。ポール・ジャンジャンは、名門ギャルド・レピュブリケーヌO、モンテカルロ国立歌劇場Oの首席クラリネット奏者として活躍し、クラリネットとピアノのための精緻な作品を数多く残しています。
本アルバムでは、カール・ライスターやディーター・クレッカーなどの巨匠たちとの共演も数多く、国際クラリネット協会イタリア支部の会長を20年以上に渡って務め、ミラノ音楽院の教授も務めるイタリアの重鎮、ルイージ・マジストレッリ。2006年よりミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディSOのバス・クラリネット奏者を務めているファウスト・サレディという、現代イタリアを代表する名手達によって、これら作品の魅力を存分に伝えています。カップリングには、クラリネット奏者のアンリ・ギスガンのために書かれた、ポールの息子達(フォスタン&モーリス)による共作 「ギスガンドリー」 が組み合わされています。

LAWO Classics
LWC-1253(1CD)
ヨハン・クヴァンダール:弦楽四重奏曲全集
ヨハン・クヴァンダール(1919-1999):弦楽四重奏のためのフーガ(1946)
弦楽四重奏曲第1番 Op.11(1946)
弦楽四重奏曲第2番Op.27(1966)
2つのノルウェー舞曲 Op.44(1976)(弦楽四重奏のための)〔ハリング、スプリングダンス〕
弦楽四重奏曲第3番 Op.60(1983)
エンゲゴールQ〔アルヴィド・エンゲゴール(Vn1)、ドロテー・アッペルハンス(Vn2)、ジュリエット・ジョプリング(Va)、ヤン・クレメンス・カールセン(Vc)〕

録音:2021年3月15日-17日、グロルード教会(オスロ)/Recorded in DXD24bit/352.8kHz
ヨハン・クヴァンダールは、20世紀ノルウェーでもっとも重要な、演奏機会のもっとも多い作曲家のひとりです。作曲家であるダーヴィド・モンラード・ヨハンセンの子に生まれ、ゲイル・トヴェイト(ガイル・トヴァイト)とナディア・ブーランジェたちに学びました。ノルウェーのナショナル・ロマンティシズムと民俗音楽を基本にブーランジェの影響による新しい音楽語法を取り入れ、「ナショナルとインターナショナル」の両面をもつと言われる自身のスタイルを追求していきました。協奏曲と交響曲などの管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲とオルガン曲、歌曲と合唱曲と、あらゆるジャンルに優れた作品を残しました。 エンゲゴール四重奏団によるこのアルバムでは、クヴァンダールが弦楽四重奏のために作曲した作品の全曲が初めてまとめて演奏されます。ネオバロックのポリフォニーによる抒情的な「フーガ」。ハイドン風の音風景を「ソナタ形式」「変奏曲」「スケルツォ」「終曲」のネオクラシカルな音楽にした「弦楽四重奏曲第1番」。最初の〈プロローグ〉と最後の〈エピローグ〉を「lugubre(悲痛な)」と指定し、4楽章の全曲を通じて陰惨な気分の「弦楽四重奏曲第2番」。第1番のネオクラシカルなスタイルを穏やかにした、クヴァンダールの後期の作風を象徴する「弦楽四重奏曲第3番」。また「2つのノルウェー舞曲」は、「ハリング」と「スプリングダンス(スプリンガル)」という伝統の舞曲をグリーグに倣いながらも独自の手法で新しい芸術に再生した作品です。
LAWO Classics
LWC-1248(1CD)
トリオ・ブラクス
シェル・ハッベスタ(b.1955):花三種 Op.97(ヴィオラ、テナー・サクソフォンとピアノのための)〔サキシフラガ・スクアローサ、ヴィオラ・コルヌタ、タイリンキバナジギタリス〕
ホーヴァル・ルン(b.1970):カササギと私
ヘルゲ・イーベルグ(b.1954):馬泥棒に出かける〔針、乗馬〕
ヒンデミット:ヴィオラ、テナー・サクソフォンとピアノのための三重奏曲 Op.47(1928)
トリオ・ブラクス〔ユリア・ネーヘル(Va)、オーラ・アスダール・ロッコネス(テナー・サクソフォン)、セルゲイ・オサドチュク(P)〕

録音:2021年2月22日-25日、ソフィエンベルグ教会(オスロ)/Recorded in DXD24bit/352.8kHz
トリオ・ブラクスは、ノルウェー北部のトロムソを拠点とする2015年結成のアンサンブル。フライブルクでヴォルフラム・クリスト、ケルンでアントワン・タメスティに学び、トロンハイムSOの首席ヴィオラ奏者を務めるドイツのユリア・ネーヘル(b.1983)、クラシカルとジャズの両方の分野でサクソフォン奏者として活動し、『ノルウェーのサクソフォーン』(LWC-1162)をリリースしたオーラ・アスダール・ロッコネス(b.1983)、ロシア出身、トロムソ大学の音楽アカデミーで教授を務めるセルゲイ・オサドチュク(b.1957)というメンバーで、現代ノルウェーの作曲家たちとコラボレーションを行い、「新しい音と音楽風景」を開拓する活動を行っています。
トリオとしてのデビュー・アルバムとなる今作。シェル・ハッベスタの「花三種」は、プーシキンの『預言者』がロシア、ニーチェの『日は沈む』がドイツ、アンドレ・ビェルケの『歌う大地』がノルウェーと、メンバーの国籍で選んだ詩を背景とする作品です。ホーヴァル・ルンの「カササギと私」は、鳥の群れとの不愉快な出逢いが出発点になった作品、ヘルゲ・イーベルグの「馬泥棒に出かける」は、ペール・ペッテションの有名小説の書名からインスピレーションを得たといいます。ヒンデミットの「ヴィオラ、ヘッケルフォーン(またはテナー・サクソフォン)とピアノのための三重奏曲」は、彼がさまざまな楽器の組み合わせのために書いた作品のうちひとつです。

Chopin University Press
UMFCCD-149(1CD)
フロム・ニア・アンド・ファー
アンナ・イグナトヴィチ=グリンスカ(1968-):アポトロペイオン(2020)*
ヨアンナ・ブルズドヴィチ=ティッテル(1943-2021):ポーランドの道と十字路(2020)*、
 サルヴァドール・ダリの展覧会の16の絵(2004)より第1曲、第3曲、第7曲、第9曲、第13曲(2004)
エヴァ・セラフィン(1955-):ラグナロクからの4つの絵(2020)*
ヨアンナ・マクラキエヴィチ(P)、
マリアンナ・ジョウナチ(Fl)、
マレク・ブガイスキ(Va)

録音:2020年〜2021年、ショパン音楽大学コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)
*世界初録音
ポーランドのグルジョンツで開かれたピョートル・ヤノフスキ・フェスティバルから委嘱され、ピアニストのヨアンナ・マクラキエヴィチに捧げられたフルート、ヴィオラ、ピアノのための3つの三重奏曲を収録。演奏には若手フルート奏者のマリアンナ・ジョウナチと、ノルウェーで活躍すヴィオラ奏者マレク・ブガイスキが参加しています。ポーランドで育ち、教育を受けた3人の作曲家は、運命的に結びついた国々の文化的経験やポーランドの広大な遺産を利用すると同時に、世界中の作曲技法を用いて音楽外のさまざまなインスピレーションを参照しています。

Urania Records
LDV-14102(1CD)
デュオ〜20世紀のトランペット&ピアノ
エネスコ:伝説/ヒンデミット:ソナタ
フランセ:ソナチネ/オネゲル:イントラーダ
トマジ:トリプティーク
ボザ
(1905-1990):カプリース Op.47
バーンスタイン:ライフィのためのロンド
サミー・ネスティコ(1924-2021):トランペットのポートレート
ホーギー・カーマイケル(1899-1981):あなたのそばに(アントン・ジュリオ・プリオロ編)(ボーナストラック)
アンドレア・ルッキ(Tp)、
ソフィア・アディノルフィ(P)
サンタ・チェチーリア国立音楽院Oの首席奏者アンドレア・ルッキによる、20世紀におけるトランペットとピアノのための作品集。この編成による作品は、なぜか19世紀にはほとんど作られておらず、デュオどころか室内楽の形式ですらほとんど作曲されていません。20世紀の作曲家たちの作品から、この謎を探っていきます。

RUBICON
RCD-1110(1CD)
What Remains
ユーイ・ラウケンス(1982- ):弦楽四重奏曲第4番「What Remains」
ペロティヌス(fl.c.1200):地上のすべての国々は*
マショー
(c.1200-1377):ノートルダム・ミサよりキリエ*
ジェズアルド(1566-1613):マドリガル集第6巻より「ああ、いくらため息をついても無駄なのだ」*
スティーヴ・ライヒ(1936-):ディファレント・トレインズ
メシアン:美しい水の祭典より第6曲*

*アムステルダム・デュドック四重奏団による編曲
アムステルダム・デュドック四重奏団

録音:2022年1月&12月(オランダ、ヒルフェルスム)
「21世紀のSQとして、演奏する音楽の意味を探り、過去の音楽を現代の聴衆のために新たな意味をもって反映させる最善の方法を常に探し求めている」というオランダ・アムステルダムの知的なカルテット、アムステルダム・デュドック四重奏団。アンサンブル名は、音楽をこよなく愛したオランダの著名な建築家ウィレム・マリヌス・デュドック(1884-1974)に由来し、英ガーディアン紙は彼らの「しなやかで生き生きとした音と構造と細部への注意深い感覚」を称賛しています。ブラームス(RCD-1077)、ショスタコーヴィチ&バツェヴィチ(RCD-1099)に続く彼らのRubicon3枚目のアルバムは、13世紀のペロティヌスから14世紀のマショー、16世紀のジェズアルド、20世紀のメシアンとライヒ、そして21世紀のラウケンスまで、リスナーを時を超えた旅へと誘う魅力的なプログラム。デュドック四重奏団の委嘱によるラウケンスの作品のタイトルであり、アルバムのタイトルにも採用されている「What Remains」という言葉は、過去の時代からの「残った何か」を思い起こさせるような音楽の性格に対応しており、例えばライヒとラウケンスの音楽は、どちらもグレゴリオ聖歌や、それに続く初期のオルガヌムやポリフォニー音楽の影響を受けています。

Chandos
CHAN-20181(1CD)
メンデルソン&バツェヴィチ:室内楽作品集
ヨアヒム・メンデルソン(1892-1943):弦楽四重奏曲第1番、オーボエ五重奏曲*
バツェヴィチ:弦楽四重奏曲(1929-30)、四重奏曲(c.1965)
シレジアSQ、
カロリナ・スタルマホフスカ(Ob)*、
ピオトル・サワイチク(P)*

録音:2009年、2015年、2022年、シマノフスキ音楽院コンサートホール(ポーランド、カトヴィツェ)
バツェヴィチの弦楽四重奏曲全集(CHAN-10904)で英グラモフォン賞を受賞したシレジアSQ!待望の最新作ではナチズムの犠牲となったポーランドの作曲家ヨアヒム・メンデルソン(1892-1943)の室内楽作品に、バツェヴィチの原稿から復元した2つの弦楽四重奏曲をカップリング。メンデルソンはワルシャワとベルリンで音楽を学んだ後、1929年にパリに移住し、ポーランドの若い作曲家の作品の研究、出版、宣伝を促進するために設立されたポーランド若手音楽家協会(Association des Jeunes Musiciens Polonais)に加入しました。バツェヴィチも同協会とパデレフスキの支援を受け、パリでナディア・ブーランジェに師事しています。両作曲家はワルシャワに戻ってからも音楽活動を続けますが、メンデルソンはゲットーに収監され1943年にゲシュタポの手により殺害、記録も焼失したため、フランスで出版されたわずか数曲の作品しか残っていません。バツェヴィチの2作品も目録に記載のない珍しいもので、ワルシャワの国立図書館に保存されていた原稿を元にロイヤルSQが作成した楽譜が用いられています。

BIS
BISSA-2539(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集 Vol.2
ピアノ三重奏曲第2番ト長調 Op.1-2
ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調 Op.97「大公」
シトコヴェツキー・トリオ【アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn)、イサン・エンダース(Vc)、ウー・チェン(?倩)(P)】

録音:2022年5月16-18日バヴァリア・ムジークストゥーディオ(ミュンヘン)
アレクサンドル・シトコヴェツキー、チェロのレオナルト・エルシェンブロイヒ、そしてピアノのウー・チェ ンで2007年に結成されたシトコヴェツキー・トリオ。2018/2019シーズンよりチェロのエルシェンブロイヒに変わりイサン・ エンダースが新メンバーに加わりました。
2020年、ベートーヴェンの生誕250周年を記念してピアノ三重奏曲全曲録音を開始。当アルバムはその第2弾で第2番 と第7番「大公」を収録しております。明瞭なアーティキュレーション、抜群のアンサンブル能力そして豊かな音楽性が魅力の シトコヴェツキー・トリオが溌剌とした演奏を聴かせてくれます。 (Ki)
BIS
BISSA-2580(1SACD)
若きペッテションの室内楽曲集
(1)協奏曲〜ヴァイオリンと弦楽四重奏のための(1949)
(2)2つの悲歌〜ヴァイオリンとピアノための(1934)
(3)アンダンテ・エスプレシーヴォ〜ヴァイオリンとピアノのための(1938)
(4)ロマンツァ〜ヴァイオリンとピアノのための(1942)
(5)ラメント〜ピアノのための(1945)
(6)4つの即興曲〜弦楽三重奏のための(1936)
(1)ウルフ・ヴァリーン(Vn)
 SQ【スーイエ・パク(Vn1)、ダニエル・ヴラシ・ルカヒ(Vn2)、
ゲルマン・チャクロフ(Va)、アレクサンダー・ウォルハイム(Vc)】
(2)(3)ウルフ・ヴァリーン(Vn)、トーマス・ホッペ(P)
(5)トーマス・ホッペ(P)
(6)ウルフ・ヴァリーン(Vn)、ゲルマン・チャクロフ(Va)、アレクサンダー・ウォルハイム(Vc)

録音:(2)(3)(4)2022年9月5&6日、(1)(5)(6)2022年11月28日〜12月2日聖ニコデモ教会、ノイケルン(ベルリン)
交響曲で有名なスウェーデンの作曲家アラン・ペッテション。交響曲は1950年代から書き始めましたが、ストックホ ルム王立音楽院の学生時代、またパリへの留学時代の作品は後期作品のイメージとは一線を画す作品を作曲していました。当アルバムには1934年から1949年 にかけての室内楽曲、ピアノ独奏作品を収録しております。
1939年、留学先のパリから強制的に帰国したペッテションは、緩やかで叙情的なロマンツァを、3年後にはペッテション唯一のピアノ独奏曲である典雅で瞑想 的なラメントを、そして1949年にはヴァイオリン独奏と弦楽四重奏のための協奏曲を書き上げています。ペッテッションの作品に魅了されたウルフ・ヴァリーンが 現代の名手とペッテッションのもう一つの「顔」を聴かせてくれます。 (Ki)

CASCAVELLE
VEL-1672(1CD)
「魔の山」
(1)コープランド:弦楽四重奏のためのレント・モルト
(2)ラヴェル:「クープランの墓」〜弦楽四重奏、フルート、クラリネット、オーボエとハープ版(アントニン・レイ編)
(3)ストラヴィンスキー:弦楽四重奏のためのコンチェルティーノ
(4)ストラヴィンスキー:「火の鳥」より子守歌〜ヴァイオリン、ヴィオラとピアノ版(サミュエル・ダッシュキン編)
(5)ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」よりロシアの踊り〜ヴァイオリン、ヴィオラとピアノ版(サミュエル・ダッシュキン編)
(6)ストラヴィンスキー:12音技法による二重カノンより「ラウル・デュフィの追憶に」
(7)ストラヴィンスキー:弦楽四重奏のための3 つの小品
(8)パウル・ノヴァーク:弦楽四重奏は鳥の羽のように
(9)コープランド:弦楽四重奏のためのフォーレの名によるロンディーノ
(10)ベリオ:「フォーク・ソングズ」 〜メゾ・ソプラノ、ヴィオラ、チェロ、フルート、クラリネット、ハープと打楽器のための
ロンターノQ
アマヤ・ドミンゲス(M.Sop)、サミュエル・ブリコール(Fl) 、アントワーヌ・カムブルッツィ(Cl)、シルヴァン・ドゥヴォー(Ob)、コンスタンチェ・ルッツァッティ(Hrp)、クェンティン・デュブレイル(Perc)
ヴィオレーヌ・ドゥベヴェール(P)、
アントニン・レイ(指)

録音:2022年5-10月、DDD、83'25
ラヴェルの「クープランの墓」の室内アンサンブル編曲版がなんといっても素晴らし い。意図的にであろうが、ラヴェルの傑作「序奏とアレグロ」と同じ編成でアレンジされて います。その編曲の手際の良さと楽器編成と曲の相性が抜群で、さながら「序奏とアレグ ロ」第2番と呼びたくなるほどの出来栄え。「序奏とアレグロ」と組ませたコンサートを開催 したら大成功間違いなし。ラヴェル自身の管弦楽版に匹敵する名編曲である!その他 にストラヴィンスキーの弦楽四重奏のための作品が2つと火の鳥、ペトルーシュカからの 編曲、ルチアーノ・ベリオの名作「フォーク・ソングズ」ほかが収録。お腹いっぱいの素敵 なアルバム。

POLYMNIE
POL-404168(1CD)
ヘンデル、バッハ:リコーダーと通奏低音のためのソナタ集
ヘンデル:ソナタ ニ短調HWV367a 「フィッツウィリアム・ソナタ第3 番」
 ソナタ 変ロ長調HWV377「フィッツウィリアム・ソナタ第1 番」
 ソナタ イ短調 Op.1-4HWV362
 ソナタ ハ長調 Op.1-7HWV365
 ソナタ ヘ長調 Op.1-11HWV369
バッハ:ソナタ ホ長調 BWV1035
 ソナタ ト短調 BWV1020
 ソナタ 変ホ長調 BWV1031
クリスティアン・マンドーズ(リコーダー)
コリンヌ・ベティラック(Cemb)
フィリップ・フロン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音:2021年10月 フランス・オクシタニー地域圏 エロー県 アサス
フランスを代表するリコーダー奏者、クリスティアン・マンドーズの吹くヘンデルのリコーダー のためのソナタとバッハのフルートのためのソナタ。クリスティアン・マンドーズは 1948年、トゥーロンの生まれ。1981年にムジカ・アンティカ(・メディテラネア)を結成、南仏におけるバロッ ク音楽の旗手となった。またコンチェルト・ケルンの団員としても活躍。マンドーズのリコーダー は技術的に完璧なのはもちろん、明るく温かい音色と人懐っこい歌いまわしが大変魅力的 で、それはヘンデルで存分に感じられます。一方バッハの作品は本来横笛フルートのための作 品だが、マンドーズのリコーダーでは親しみやすさが前に出るのが面白い。BWV1020 と BWV1031はバッハの真筆かどうか長いこと議論されて来ている曲だが、マンドーズのリコーダ ー演奏で聞くと、そういった議論とは別に純粋に素敵な曲だと改めて実感させられます。

Stradivarius
STR-37213(1CD)
「私は愛の炎を感じる」〜14世紀イタリアの騎
士道音楽と宮廷音楽

作者不詳:美しい城から
ステファーニ:私は早朝の祈祷を聞いた
作者不詳:鳥たちが歌う時
ランディーニ:ほらここにも春が
作者不詳:淡水で魚を釣って
作者不詳:海岸で
作者不詳:私は洗濯できない
バルトリーノ・ダ・パドヴァ:緑の森の方へ
作者不詳:白い服で
ロレンツォ・ダ・フィレンツェ:私は愛の炎を感じる
ランディーニ:金色の編み髪
作者不詳:あまりにも誠実な
作者不詳:美しいグラナタ
作者不詳:愛の神が私をフランチェスカに歌わせる
作者不詳:サルタレッロ4
ランディーニ:美しいアンジェリカ
エジディウス・デ・フランチャ:たくさんの報いを
ゲラルデッロ・ダ・フィレンツェ:私を愛する人を私は愛する、ほか全21曲
イ・トロバドレス【ニコラ・ディ・フィリッポ(歌) 、ニコラス・イレス(歌)、ルイージ・ヴェストゥート(歌,中世リュート,ゴシック・ハープ)、マティルデ・ベッケリーニ(ヴィエラ,リベカ)、ロクサーナ・エレナ・ブルノーリ(サルテリオ,打楽器) 、アジア・マルトッチャ(リコーダー,中世フルート) 、リッカルド・ベルナルディーニ(リコーダー,チェンナメッラ)、ルカ・オッターヴィ(リコーダー,チェンナメッラ,ピヴァ)】
ジョルダーノ・ファリーナ(リュート,歌)
サブリナ・アルンニ(歌)
イェンニエ・サバティ(歌)

録音:2011年
イタリアの中世音楽団体、イ・トロバドレスのおそらくデビューCD、14世紀イタリアの音 楽。イ・トロバドレスは2017年結成の新しい団体で、アッシジを拠点に活動しています。中世音 楽の復興はオランダやフランスで盛んだが、イタリア人たちかつ若者が中心ということで、感 性が瑞々しく思われます。

オクタヴィア
OVCL-00816(1SACD)
税込定価
2023年6月21日発売
クルール〜山宮るり子(Hp)
ロータ:サラバンドとトッカータ
 フルートとハープのためのソナタ#
イベール:2つの間奏曲#,+
サン=サーンス:オーボエ・ソナタニ長調作品166 (+
グリンカ:夜想曲変ホ長調(ハープ独奏版)
ピアソラ:「タンゴの歴史」より
Cafe1930、Nightclub1960*
ムチェデロフ:パガニーニの主題による変奏曲
トーマス:吟遊詩人の故郷への別れ
山宮るり子(Hp)
西江辰郎(Vn)*
小池郁江(Fl)#
本多啓佑(Ob)*

録音:2023年2月20-22日埼玉・富士見市民文化会館(キラリふじみ)
日本の若手ハープ奏者の中でも、突出した輝きを放つ山宮るり子。EXTONから2020年に発売 した「プリエール〜モルダウ」は各誌で絶賛を受けました。 本アルバムのタイトル「Couleur/クルール」はフランス語で色彩を意味します。当アルバム は、ハープのソロの他に、山宮が信頼を寄せる3名の共演者を迎えたデュオやトリオなど、 様々な色彩の音楽が収められています。 豊かな表現が織りなす華やかなハープの世界を、お楽しみください。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCL-00816(1SACD)
税込定価
2023年6月21日発売
クルール〜山宮るり子(Hp)
ロータ:サラバンドとトッカータ
 フルートとハープのためのソナタ#
イベール:2つの間奏曲#,+
サン=サーンス:オーボエ・ソナタニ長調作品166 (+
グリンカ:夜想曲変ホ長調(ハープ独奏版)
ピアソラ:「タンゴの歴史」より
Cafe1930、Nightclub1960*
ムチェデロフ:パガニーニの主題による変奏曲
トーマス:吟遊詩人の故郷への別れ
山宮るり子(Hp)
西江辰郎(Vn)*
小池郁江(Fl)#
本多啓佑(Ob)*

録音:2023年2月20-22日埼玉・富士見市民文化会館(キラリふじみ)
日本の若手ハープ奏者の中でも、突出した輝きを放つ山宮るり子。EXTONから2020年に発売 した「プリエール〜モルダウ」は各誌で絶賛を受けました。 本アルバムのタイトル「Couleur/クルール」はフランス語で色彩を意味します。当アルバム は、ハープのソロの他に、山宮が信頼を寄せる3名の共演者を迎えたデュオやトリオなど、 様々な色彩の音楽が収められています。 豊かな表現が織りなす華やかなハープの世界を、お楽しみください。(オクタヴィア)

CPO
CPO-555600(1CD)
NX-B02
エミーリエ・マイヤー(1812-1883):弦楽四重奏曲集 第1集
弦楽四重奏曲 ト長調
弦楽四重奏曲 イ長調
弦楽四重奏曲 ホ短調
コンスタンツェQ

録音:2021年5月25-27日
エミーリエ・マイヤーは北ドイツのメクレンブルクで生まれ、20代後半で作曲家を志しました。彼女は有名なバ ラード作曲家であるカール・レーヴェに師事し、オペラを含む幅広い分野で精力的な作曲活動を行い、当時 としては珍しい、成功を収めた女性作曲家の一人として称えられています。彼女の作品は古典主義の形式 に基づいた作品の中にロマンティックな旋律が組み込まれており、「女性版ベートーヴェン」とも評されたその恵 まれた才能がうかがえます。 cpoレーベルからはこれまでに交響曲4曲、ピアノ四重奏曲、三重奏曲のアルバムが発売され、どれも好評を 博していますが、新たなシリーズでは7曲の弦楽四重奏曲が全曲録音される予定です。第1集には、1858 年までに作曲された3曲を収録。これらの作品を演奏するのは、ザルツブルグモーツァルテウムで学んだ本吉 理路をメンバーとするコンスタンツェ四重奏団です。彼女たちはマイヤーの作品を繊細かつ情感豊かに表現し ています。

ALPHA
ALPHA-982(1CD)
自然のロマン 〜ドイツ・ロマン派のフルート音楽
ウェーバー:フルート、チェロ、ピアノのための三重奏曲 ト短調 Op.63
シューベルト:羊飼いの嘆きの歌 D121(フルートとピアノのための編曲版)
カール・ライネッケ(1824-1910):フルート・ソナタ「ウンディーネ」 Op.167
シューベルト:「しぼめる花」の主題による変奏曲 D802
シューベルト:しぼめる花 〜『美しき水車小屋の娘』 D795 (フルートとピアノのための編曲版)
ジュリエット・ユレル(Fl)
エレーヌ・クヴェール(P)
エマニュエル・ベルトラン(Vc)

録音:2022年12月 シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス、ソワソン、フランス
ロッテルダム・フィルの首席フルート奏者を1998年から務めるジュリエット・ユレルと、ピアニスト、エレーヌ・ クヴェールの共演30周年を記念するアルバムで、「水の精」を意味するライネッケの「ウンディーネ」を中 心とした、自然から与えられるロマンティックなインスピレーションへのオマージュとなっています。ウェーバー のトリオでは二人の盟友エマニュエル・ベルトランも参加。それぞれの作品に深く寄り添い、歌心溢れる 音楽を聴かせています。

TYXart
TXA-22169(1CD)
10弦の情熱 〜ヴィオラとギターのための音楽
グラナドス:スペイン舞曲第5番『アンダルシア』 / 『ゴイェスカス』より間奏曲
ピアソラ:デルニエ・ラメント
ファリャ:『はかなき人生』より スペイン舞曲第1番
ピアソラ:『タンゴの歴史』より カフェ1930
ホアキン・マラツ:セレナータ・エスパニョーラ
ピアソラ:苦悩 / ブエノスアイレス午前零時
アルベニス:コルドバ / カディス / グラナダ / マロルカ
ピアソラ:レのミロンガ
アルベニス:朱色の塔(ギター独奏) / 入り江のざわめき
ピアソラ:『タンゴの歴史』より ボーデル1900
ニコラス・コルティ(Va)
ハン・ヨンカース(G)

録音:2022年1月/チューリッヒ、SRFスタジオ
ヴィオラとギターの組み合わせに魅せられた奏者による、スペイン、アルゼンチン音楽のアレンジ集。聴きなじんだ楽曲が透明感ある新感覚のサウンドに生まれ変 わっています。

La Dolce Volta
LDV-117(1CD)
プーランク/ストラヴィンスキー/プロコフィエフ
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのためのディヴェルティメント
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 op.80
ダヴィド・グリマル(Vn/1710年製ストラディヴァリウス)
イタマール・ゴラン(P)

録音:2022年6月28日-7月2日/リエージュ・フィルハーモニー・ホール(ベルギー)
指揮者を置かないオーケストラ「レ・ディソナンス」を設立し、フランスを中心に信念のある活動を展開しているヴァイオリン奏者、グリマルの新録音は、戦時中 に書かれたプーランクとプロコフィエフによるソナタと、ストラヴィンスキーの「ディヴェルティメント」というプログラムの1枚。同世代の世界的ピアニストで、室内 楽とりわけヴァイオリン奏者との共演でも知られるイタマール・ゴランとの共演です。
プーランクのソナタは、1942年にスペインの詩人ガルシア・ロルカを偲んで書かれました。必ずしもヴァイオリンが鳴りやすいように書かれてはいない部分もあ り、むしろピアノとヴァイオリンの「せめぎ合い」のような緊張感すら感じられる作品を、グリマルとゴランが見事なアンサンブルで展開しています。
1938-1946年にかけてプロコフィエフが書いたソナタ第1番は、陰鬱な雰囲気に包まれています。自身「墓場を抜ける風」と描写しております。第3楽章では 凍てつく冬、束の間あたたかな暖炉の前でほっとするような瞬間もありますが、全体として憂鬱で険しく、絶望すら漂う非常に重い作品です。
ストラヴィンスキーの「ディヴェルティメント」は祝祭的で踊りだしたくなるような作品ですが、バレエ音楽「妖精の口づけ」に基づいています。ヴァイオリン奏者 サミュエル・ドゥシュキンとの演奏旅行のためにストラヴィンスキー自身が管弦楽版から編曲しました。高度なヴィルトゥオジティが求められると同時に、もともとは チャイコフスキーの様々な作品がモティーフとなっているため、非常に濃厚な歌を感じる部分もある傑作です。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0057(1CD)
未知との遭遇 〜ファゴットと弦楽四重奏のための作品集
エドゥアール・デュ・ピュイ(1770-1822):ファゴット五重奏曲 イ短調
ウィントン・マルサリス(1961-):ファゴット五重奏曲『ミーラーン』
ヘレナ・ヴィンケルマン(1974-):ファゴット五重奏のための2つの情景『Gott-Fa』 *
マルセロ・ニシンマン(1970-):ファゴット五重奏のための『ルイのタンゴ』 *
サン=サーンス:ファゴット・ソナタ Op.168(ヴォルフガング・レンツ編、ファゴット五重奏版 *
ピアソラ:タンゴ・エチュード第3番(ロヘル・エロウ編、ファゴット五重奏版) *
ル イ・ロペス(Fg)
グリンゴルツSQ
ルスラン・ルツィク(Cb)

録音:2021年1月29-30日/SRF放送スタジオ
*世界初録音
ファゴットと弦楽四重奏が混ざりあい作られる美しい音色に魅せられたルイ・ロペスが、自ら思い入れのある6人の作曲家の6作品を選び、全曲をファゴット五 重奏として演奏しました。長い準備期間を経て作られたアルバムで、他人には真似のできない唯一無二の個性が炸裂した1枚と言えます。
デュ・ピュイの五重奏曲はロペスがこの編成の虜になったきっかけの作品。美しい旋律と愉悦たっぷりの楽器間の掛け合いに彩られています。サン=サーンスの 名作ソナタでは、難しいピアノ・パートを鮮やかに弦楽四重奏に生まれ変わらせたアレンジの巧さにも驚き。他にもジャズ、ロック、タンゴのイディオムを採り入れた 音楽を収録するなど、同じ編成なのに飽きの来ない、作りこまれた構成で楽しませてくれます。 (Ki)
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0063(1CD)
フルートとピアノのためのベートーヴェン作品集
ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 『春』Op.24(チーリン・チェン編、フルートとピアノ版)
フルートとピアノのためのセレナーデ ニ長調 Op.41
ロマンス ヘ長調 Op.50(テオバルト・ベーム編、フルートとピアノ版)
チーリン・チェン(Fl)、岩井美子(P)

録音:2021年1月6-7日/スイス、ライナウ、ムジークインセル
スイスを拠点に活動するフルート奏者チーリン・チェンによるベートーヴェン・アルバム。フルートのための編曲作品集でもあります。音域の近いヴァイオリンから の自然な編曲で、フルートが自在に立ちまわり軽やかな音色をふりまきます。
奏者自身の編曲によるスプリング・ソナタはこのアルバムのハイライト。うららかな旋律美が輝きます。「ベーム式フルート」の発明者、テオバルト・ベームの編 曲したロマンスも楽器を熟知した見事な仕上がり。Op.41のセレナーデは、ベートーヴェンが自らの作品『フルート、ヴァイオリンとヴィオラのためのセレナーデ Op.25』から編曲したもの。 (Ki)

ACCENTUS Music
ACC-30604CD(1CD)
タンゴの歴史と発展
ピアソラ:ブエノスアイレスの四季
ストラヴィンスキー:タンゴ
アントニオ・ラウロ:ベネズエラ・ワルツより「ナタリア、ワルツ・クリオロ」
ラヴェル:ハバネラ形式の小品(ヴォカリーズ)
ディ・マルティーノ:モンテロザーノ・マズルカ
リシャール・ガリアーノ:マルゴーのワルツ
レクオーナ:ラ・コンパルサ
作者不詳:聖パスカリス・バイロン
ロセンド・メンディサーバル:エル・エントレリアーノ
ガルデル:想いの届く日
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲集〜ガウチョの踊り
ジョエル・ホフマン:フォックストロット〜ロミオ・ジュリエット・ホテル・タンゴ
トリオ・アゴラ【ジルヴィナス・ブラザウスカス (Cl) 、ナターニア・ホフマン(Vc) 、ロベルタス・ロジンスキス(P)】

録音:2022年12月、リトアニア、Studio Residence Paliesius
クラリネット、チェロ、ピアノの3人で構成された若手トリオ「トリオ・アゴラ」。2018年にはデュッセルドルフで開催された室内楽コンクールで一位に輝き、そ の後はヨーロッパ各地でコンサートを行い、さらには新作委嘱作品の初演など意欲的に活動しています。
本アルバムは、タンゴのルーツとなった音楽やヨーロッパ、南米、アフリカなど世界各地の様々な音楽などを取りあげ、タンゴの歴史と発展を1枚のアルバムで 追った内容となっています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72953(1CD)
グレゴリー・フリード(1915-2012):ヴァイオリンとピアノのための作品全集
ディヴェルティメント Op.45-1(1969)
アンダンティーノ
ソナチネ Op.32(1956)
自然の暦 Op.17-2(1948)[Spring is Arriving / The Little Bird / Spouts / Autumn / The Rivulet / Sunset / A Sparkling
Drop / Bunny / The Wasps Feel Cold / Fox Hunting]
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.27(1952)
ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.51(1968)
ヴァイオリン・ソナタ第3番Op.57(1968)
イザベル・ファン・クーレン(Vn)
オリヴァー・トリンドル(P)

録音:2020年9月3-6日/ケルン、ドイツ放送カンマームジークザール
ほとんど知られていないロシアの作曲家、グレゴリー・フリード(1915-2012)のヴァイオリンとピアノのための作品を網羅したアルバムです。フリードはペト ログラード生まれで、リチンスキー、シェバリーンに作曲を師事。社会主義リアリズムに則った作風に始まり、後年は12音技法などの現代的な書法も取り入れまし た。いかにもロシア的な、明るい和声を持ちつつもひねった不協和を採り入れた語法が特徴的。ソナタ第3番では一気に沈静化した暗く不気味な世界も見せます。
「15年ほど前にフリードの室内楽と管弦楽のスコアに始めて出会い、強い興味を持ちました。ヴァイオリンとピアノのための作品からは、作曲家の様式的発展を 辿ることができます。初期作品はショスタコーヴィチの、後期作品はデニソフ、グバイドゥーリナ、シュニトケの語感に近いものがあります。〈暗い〉〈思索的な〉〈皮 肉めいた〉〈秋日のような〉といったイメージが浮かんできます。」(オリヴァー・トリンドル)
「2019年の夏、集まったフリードのヴァイオリンとピアノのための作品の楽譜を前に、オリヴィエと読み合わせのセッションをし、その音楽のあまりの強さに何 度も涙しました。いずれも繊細で深い悲しみをもった、作曲家の真の心が込められた作品です。」(イザベル・ファン・クーレン) (Ki)

SUPRAPHON
SU-4327(1CD)
フサとマルティヌーの作品集
(1)マルティヌー:ソナチネ〜クラリネットとピアノのための H356(1956)
(2)フサ:スロバキアからのエヴォカシオン〜クラリネット、ヴィオラとチェロのための(1951)
(3)フサ:4つのボヘミアン・スケッチ〜クラリネットとピアノのための(2010)
(4)フサ:2つの前奏曲〜フルート、クラリネットとファゴットのための(1965)
(5)フサ:トリオ・ソナタ〜ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための(1981)
(6)フサ:スリー・スタディーズ〜クラリネットのための(2007)
アンナ・パウロヴァー(Cl)
(1)(3)(5)イヴォ・カハーネク(P)、
(5)ヤン・フィシェル(Vn)、
(2)クリスティーナ・フィアロヴァー(Va)、
(2)ヴィレーム・ヴルチェク(Vc)、
(4)オト・レイプリハ(Fl)、
(4)ヤン・フデチェク(Fg)

録音:2023年2月1〜5日/舞台芸術アカデミー、マルティヌー・ホール(プラハ)
2015年に開かれたプラハの春国際音楽コンクール、クラリネット部門で第2位を受賞したアンナ・パウロヴァーのデビュー・アルバムはマルティヌーとフサの 作品集。色彩と陰影を見事に表現した演奏で、ピアノのイヴォ・カハーネクやチェロのヴィレーム・ヴルチェクなど、チェコの名手たちとの共演です!
ピューリッツァー賞、グロマイヤー賞を受賞したチェコ生まれの作曲家・指揮者カレル・フサ(1921-2016)は、1940年代から50年代にパリでオネゲルや ナディア・ブーランジェらの薫陶を受け、クリュイタンスに指揮を師事しています。1959年以降アメリカ国籍を取得し国際的に活躍するようになりました。「スロバ キアからのエヴォカシオン」や「4つのボヘミアン・スケッチ」をはじめとする作品は母国ボヘミアやスロバキアの民族音楽から大きな影響を受けております。パウ ロヴァーの雄弁なクラリネットの演奏をご堪能ください。 (Ki)

APARTE
AP-329(1CD)
ジャズ
セルゲイ・アフーノフ:ジャズ【礁湖T/ナイフ投げの男/馬、女曲馬師、道化師/フォルム/ピエロの葬送/トボガン/礁湖U/白象の悪夢/フォルムU/水槽を泳ぐ女/運命T/イカルス/運命U/ハート/礁湖V】
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
メシアン:イエスの永遠性の賛歌〜「世の終わりのための四重奏」より
ユリヤ・イゴーニナ(Vn)、
マクシム・エメリャニチェフ(P)

録音:2020年10月13-16日/サンクトペテルブルグ放送局
バロックやモーツァルト演奏で評判のマクシム・エメリャニチェフが、近現代作品でも驚嘆のピアノ演奏を聴かせてくれるアルバムの登場です。
アルバム・タイトルは、アンリ・マティスの画集「ジャズ」の印象をもとに、現代ウクライナの作曲家セルゲイ・アフーノフが15の小品に仕上げた作品によります。 演奏者イゴーニナとエメリャニチェフの委嘱で生まれました。オシャレで聴きやすく、エメリャニチェフのポップな感性も聴きものです。
ユリヤ・イゴーニナはベラルーシ生まれ。モスクワ音楽院でエドゥアルド・グラチに学び、1998年にザハール・ブロン主宰のノヴォシビルスクと翌年のヤン ポリスキー国際両ヴァイオリン・コンクールで優勝、2000年にポーランドで行われたタンスマン国際コンクールでも最優秀賞を受賞しました。ニュー・ロシア弦 楽四重奏団のリーダーも務める注目株で、エメリャニチェフと息の合った共演を聴かせます。
カップリングはプーランク(マティス・ファン)とメシアン。どちらも画集「ジャズ」と同時期1940年代後半の作品でピリオド楽器初登場ですが、イゴーニナのヴァ イオリンは緊張感にあふれた劇的な演奏、難曲として知られるプーランクのソナタのピアノではエメリャニチェフの切れ味鋭い指さばきに圧倒されます。ルィビン スクのピアノ博物館所蔵1908年製ブリュトナー・ピアノの深い響きも魅力です。

PRAGA DIGITALS
PRD-250423(1CD)
ハイドン:ピアノ三重奏曲
第39番ト長調Hob.]X:25
第44番ホ長調Hob.]X:44
第17番ヘ長調Hob.]X:2
第40番嬰ヘ短調Hob.]X:26
第26番ハ短調Hob.]X:13
プラハ・グァルネリ・トリオ【イヴァン・クラーンスキー(P)、チェニェク・パヴリク(Vn)、マレク・イェリエ(Vc)】

録音:2021年/アルコディーヴァ・スタジオ(プラハ)
1986年結成のプラハ・グァルネリ・トリオは、名が示す通りグァルネリ一族の銘器を用いて優れた演奏を聴かせてくれます。今回はハイドンのピアノ三重奏曲 に挑戦。45曲ほどある中から、終楽章に「ジプシー・ロンド」を持つ第39番ト長調をはじめ5作品が収められています。ベテランならではの説得力に満ちています。 (Ki)

Hanssler
HC-23006(1CD)
「バルカン出身作曲家の知られざる作品集」
(1)ブルーノ・ビェリンスキ(1909-1992):前奏曲、アリアとロンド〜ファゴットとピアノのための
(2)イヴォ・ペトリッツ(1931-2018):ファゴット・ソナタ(1954)
(3)コンスタンティア・グルズィ(1962-):「天使」〜ファゴットとピアノのための6つのミニチュア
(4)マルセル・ミハロヴィチ(1898-1985):ファゴット・ソナタ Op.76
(5)ファジル・サイ(1970-):「2020年5月」 Op.91d〜ファゴットのための
(6)ボリス・パパンドプロ(1906-1991):「悲歌」〜ファゴットとピアノのための(1965)
(7)パパンドプロ:「スケルツォ」〜ファゴットとピアノのための
(8)パンチョ・ヴラディゲロフ(1899-1978):「奇想曲」〜ファゴットとピアノのための
テオ・プラス(Fg)、
オリヴァー・トリンドル(P)

録音:(1)(2)(4)(6)(7)(8)2022年5月11-13日、(3)(5)2022年12月1日/SWRスタジオ(カイザースラウテルン)
知られざる室内楽作品の録音に積極的なピアニスト、オリヴァー・トリンドルが、ファゴット奏者テオ・プラスとバルカン諸国出身の作曲家、ブルーノ・ビェリンス キ(クロアチア)、イヴォ・ペトリッツ(スロヴェニア)、コンスタンティア・グルズィ(ギリシア)、イヴォ・ペトリッツ(ルーマニア)、ファジル・サイ(トルコ)、ボリス・ パパンドプロ(クロアチア)、パンチョ・ヴラディゲロフ(ブルガリア)によるファゴットのための貴重レパートリーを録音しました。
1962年アテネ生まれの女性作曲家コンスタンティア・グルズィはECMでもリリースしているギリシア注目の作曲家。この他、天才ピアニストで作曲家としても 活躍するファジル・サイの作品などファゴットの新たな世界が広がります。
演奏のテオ・プラスは2019年に開かれたARDミュンヘン国際音楽コンクール第3位を受賞し、現在フランクフルトRSO(hrSO)の首席ファゴッ ト奏者を務めています。
「今は亡き作曲家の忘れられし作品を演奏することは新作を演奏するのと同様に私にとって大きな喜びです。私はバルカン諸国出身の作曲家を徹底的に調べた 結果、全く知られていないファゴットとピアノのための作品をいくつも発見し録音することを決意しました。このCDによって私は自分の楽器のレパートリーが広がっ ただけでなく、これまであまり紹介されてこなかったバルカン諸国のクラシック音楽をより広く普及させたいと思っています」(テオ・プラス) (Ki)
Hanssler
HC-22064(2CD)
ブラームスの夕べ〜ヴァイオリンとピアノのための作品集
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1ヘ短調 Op.120-1【原曲:クラリネット・ソナタ第1番】
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2【原曲:クラリネット・ソナタ第2番】
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ロ短調 Op.115(パウル・クレンゲル編)【原曲:クラリネット五重奏曲】
アンケ・ディル(Vn)、
フローリアン・ヴィーク(P)

録音:2022年3月25-28日/ライツターデル(ノイマルクト)
ヴァイオリニスト、アンケ・ディルがフローリアン・ヴィークとの共演でブラームスのソナタを録音しました。ソナタと言ってもヴァイオリン・ソナタではなく、クラ リネットのための室内楽曲をヴァイオリンとピアノの二重奏に編曲した作品集です。
1895年5月10日の夜、ブラームスと家族同様の付き合いだったフェリンガー家で開いたサロンで同曲を演奏。共演は同時代のヴァイオリンの名手マリー・ゾ ルダ=レーガー(1863-1955)です。クラリネット・ソナタとクラリネット五重奏曲。ブラームス晩年の傑作を当時のサロンで演奏されたヴァイオリンとピアノ版で お届けします。

MDG
MDG-90322876(1SACD)
ブラームス:クラリネット五重奏曲Op.115
レーガー:クラリネット五重奏曲Op.146
ロベルト・オベライグナー(Cl)
フリッツ・ブッシュ・カルテット

録音:2022年1月16-17日、2023年1月3-4日、マリエンミュンスター修道院コンツェルト
制 作:ヴェルナー・ダブリングハウス
「クラリネット五重奏曲」は、モーツァルトの名作以降、ブラームスとレーガーが同形式で作曲し、このジャンルの3大傑作として広く親しまれています。このアル バムでは、シュターツカペレ・ドレスデンの首席クラリネット奏者ロベルト・オベライグナーと同団の奏者たちで結成したフリッツ・ブッシュ・カルテットによる演奏 でブラームスとレーガーの作品を録音。 ブラームスは晩年、創作意欲の衰えから一度は筆を折ろうと決心したのですが、マイニンゲン宮廷楽団のクラリネットの名手リヒャルト・ミュールフェルトとの出会 いにより、再び創作意欲が湧き、クラリネット三重奏曲 作品114(1891年)、クラリネット五重奏曲 作品115(1891年)、2つのクラリネット・ソナタ 作品120(1894年)と、立て続けにクラリネットのための作品を作曲しました。特にクラリネット五重奏曲は、19世紀で最も美しい室内楽作品のひとつとして現在もなお 人気の高い作品です。そしてレーガーのクラリネット五重奏曲。モーツァルトは友人のクラリネット奏者アントン・シュタードラーのために、ブラームスは前述のミュー ルフェルトのために作曲しましたが、レーガーは二人の先達から影響を受け書かれました。モーツァルトの精神を受け継いだ古典的な旋律と、ブラームスのように 楽器の特性を活かした音楽性と緻密な構成を強く感じさせます。レーガーはこの作品を完成させた翌年43歳で亡くなってしまい、最後の完成された作品となり ました。 (Ki)
MDG
MDG-60322862(1CD)
ゲオルギー・カトワール(1861-1926):室内楽作品集
弦楽四重奏Op.23嬰ヘ短調
ピアノ五重奏曲Op.28ト短調
ユトレヒトSQ
アンナ・ザシモワ(P)

録音:2022年3月24-25日(四重奏)、2022年11月8-9日(五重奏)、マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス
現在、再評価の機運が高まっている作曲家ゲオルギー・カトワール(1861-1926)。 カトワールは、交響曲、ピアノ協奏曲、室内楽、歌曲、ピアノ曲と全部で36の作品を残しています。表現豊かなハーモニーと繊細なリズムで構成された音楽で、世 紀末の輝きと気高さを感じさせます。演奏は、幅広いレパートリーを誇るオランダの実力派ユトレヒトSQと、カトワールの作品を積極的に研究、演奏して いるピアニストのアンナ・ザシモワ。 (Ki)

Chopin University Press
UMFCCD-164(1CD)
ポーランドの思い出と子守歌
ユリウシュ・ザレンプスキ(1854-1885):子守歌 Op.22
ヴィエニャフスキ:ポズナンの思い出 Op.3-1、
 サンフランシスコの思い出(世界初録音)、 モスクワの思い出 Op.6
エミル・ムイナルスキ(1870-1935):スラヴの子守歌 Op.4-2、思い出 Op.6
カロル・リピンスキ(1790-1861):バルト海の思い出 Op.19
シマノフスキ:子守歌(アイタコ・エニアの子守歌)Op.52
グラジナ・バツェヴィチ:子守歌
ルトスワフスキ:アンネ=ゾフィーのための子守歌
パヴェウ・ウカシェフスキ(b.1968):アリア第3番(Vnとピアノ版)
スワヴォミル・トマシク(Vn)、
ロベルト・モラフスキ(P)

録音:2021年3月(ポーランド、ワルシャワ)
ポーランドの作曲家による小品や子守歌を集めた作品集。音楽における小品は、作曲家の感情や考えを非常に簡潔に伝えることが出来るため何世紀もの間作られてきました。このアルバムではそのようなポーランドの小品を2世紀に渡って集めています。これらの作品はすでに忘れ去られてしまったものもありますが、形式、感情、美学の点でみても非常に多様なものばかりで、優れています。

フォンテック
FOCD-9881(1CD)
税込定価
2023年6月7日発売
池上 亘/フロウ・ウィズ・ザ・ブリーズ
デュティユー(1916-2013):コラール、カデンツァとフガート
ジャック・カステレード(1926-):ソナチネ
ウジェーヌ・ボザ(1905-1991):バラード
シュチェパン・シュレック(1914-1986):
ソナタ「大天使ガブリエルの嘆き」
ヒンデミット(1895-1963):トロンボーン・ソナタ
フェルディナンド・ダヴィット((ロベルト・ミュラー編/ツィンマーマン版):コンチェルティーノ 変ホ長調 Op.4
竹島悟史(1976-):フロウ・ウィズ・ザ・ブリーズ
池上亘(Tb)、城 綾乃(P)

録音:2022 年12 月15〜17 日 相模湖交流センター ラックスマンホール
NHK 交響楽団トロンボーン奏者 池上 亘のソロ・アルバム、満を持しての登場です。 池上は東京シティ・フィル、東響を経て、2001 年よりN 響に在籍中。世界のマエストロたちがタクト を執る日本最高峰のオーケストラに長年身を置きながら、一方でアンサンブル等の活動も積極的に展開 しています。 その池上がいよいよ送り出すアルバムは、豊かなキャリアを通して池上の血肉となった音楽が惜しげも なく注ぎ込まれた、渾身のプログラム。さまざまな時代や様式から構成された、トロンボーン奏者の試 金石とも言うべきラインナップです。 東京藝大等で活躍し、あらゆる共演者からの信頼厚い城 綾乃の盤石のピアノを得て、池上がまさしく天 衣無縫に駆け巡ります。同じN 響で音楽を共にする打楽器奏者 竹島悟史に委嘱された、アルバム掉尾を 飾るタイトル曲も必聴です。 なお、ボザ、シュレック、ヒンデミット、ダヴィットの4 曲については、奇しくも本年(2023 年)日 本管打楽器コンクール・トロンボーン部門の課題曲・選択曲に指定されており、要注目です。 (フォンテック)

Gramola
GRAM-99288(1CD)
金管五重奏によるオーストリアの作品集
J・シュトラウス:美しき青きドナウ(A. ラダニー編)
J・シュトラウス:ワルツ「春の声」 Op. 410(L. パウル編)
アレクサンダー・シュタインブレッヒャー(1910-1982):ヘレーネンタールの馴染みの小道(L. パウル編)
モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K.546(L. パウル編)
ケルスティン・グルーバー(1997-):ワルツ「quaranTTTane」
ウルズラ・ライヒャー(1992-):Should Bert?(原曲:シューベルト 即興曲第3番Op.90No.3)
クライスラー:愛の悲しみ(R.コルプ/Eハインツル編)
クルト・シュヴェルツィク(1935-):Blechpartie im neuesten Geschmack
ハインツ・ギーツ(1924-1989)/ハンス・ブラントケ(1920-1997):Lady Sunshine & Mister Moon(L. パウル編)
ロベルト・バハナー(1972-):ワルツ「Wahringer」
ダヴィッド・マン(1916-2002)/ボリ・ヒリアード(1918-1971):In the Wee Small Hours of the Morning(L. パウル編)
quinTTTonic
クィントニック(金管五重奏)
【メンバー】
Marlene Kogler(Tp)
Kerstin Gruber(Tp)
Katharina Zeller(Hrn)
Sarah Schreiner(Tb)
Anna Guggenberger(テューバ)

録音:2022年8月9-11日 ニーダーエスターライヒ州(オーストリア)
2017年、ウィーンで結成された5人の女性たちによる金管五重奏団「quinTTTonic クィントニック」のデビュー・ア ルバム。ウィーンの伝統音楽や古典作品から、現代作品、ジャズに至るまでの幅広いジャンルの作品が並びます。 quinTTTonicは、オーダーメイドのレパートリーを持っており、なかでも現代作曲家・アレンジャー、レオンハルト・パウ ルとのコラボレーション作品を得意にしています。他、ジャンルを越えた極上のサウンドが堪能できます。
Gramola
GRAM-99260(1CD)
アルヴォ・ペルト(1938-):作品集
アリーナのために
鏡の中の鏡 - ヴァイオリンとピアノのために
鏡の中の鏡 - ヴィオラとピアノのために
鏡の中の鏡 - チェロとピアノのために
フラトレス - チェロとピアノのために
フラトレス - ヴィオラとピアノのために
フラトレス - ヴァイオリンとピアノのために
アリヌーシュカの癒しに基づく変奏曲
ケテヴァン・セパシュヴィリ(P)
ヴェリコ・チュムブリーゼ(Vn)
ゲルトルーデ・ロスバッハー(Va)
サンドロ・シダモニーゼ(Vc)

録音:2022年4月11、12、14日
ダニエル・バレンボイムの言葉「音楽は沈黙から生まれ、沈黙で終わる」をコンセプトにした1枚。アルヴォ・ペルトの名 作「鏡の中の鏡」と「フラトレス」をそれぞれ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ→チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリンで演奏すると いう、鏡を意識したユニークな試みがなされています。プロローグとエピローグにはティンティンナブリ・スタイルで書かれ たピアノ・ソロによる「アリーナのために」と「リヌーシュカの癒しに基づく変奏曲」が置かれ、アルバムの瞑想的な性格を 一層強めています。

ARCANA
A-546(1CD)
プロイセン王に捧ぐ
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第1番ヘ長調 Op.5-1(1796)
ヘンデルのオラトリオ『マカベウスのユダ』の「見よ勇者は還る」の主題による12の変奏曲 WoO45(1796)
チェロ・ソナタ 第2番ト短調 Op.5-2(1796)
マルコ・チェッカート(Vc)
使用楽器:18世紀中盤イタリア製のオリジナル楽器
アンナ・フォンターナ(フォルテピアノ)
使用楽器:ウィーンのコンラート・グラーフ1830年製作 [1-3,17-19]、ウィーンのヨハン・ハーゼルマン1805年製作[4-16]、いずれもオリジナル楽器

録音:2021年1月2-5日パラッツォ・アンニバルデスキ、モンテ・コンパトリ、ローマ
欧州各地で多忙な活躍を続けるイタリア出身の2名手による、ベートーヴェンのチェロとピアノのための初期重要作品集。使用楽器は全て 18〜19世紀オリジナルです。1792年に故郷ボンを去り、凄腕ピアニストとしてウィーンの音楽通たちの注目を集めた後に作曲家デビューを 果たしたベートーヴェンですが、実は作品番号が一桁の初期出版作の半数以上にはチェロに活躍の場があります。その中でも特に重要なの が作品5のソナタ2曲。これはヘンデル『マカベウスのユダ』による変奏曲と共に1796年、チェロを好んで弾いたプロイセン王フリードリヒ=ヴィル ヘルム2世の宮廷を訪問したことを機に作曲されたと伝わりますが、チェロをピアノと対等に渡り合える独奏楽器として扱った先進的な内容か ら、プロイセン王よりもむしろ宮廷のチェロ奏者デュポールや、作曲家がウィーンで共演していたアントン・クラフトを念頭に置いた作品だったと 考えられます。現代楽器でも古楽器でも名盤が少なくないこれら2曲を、奏者二人は情熱に任せず安定したテンポで精緻に解釈。作曲家 が後年好んだグラーフのピアノを使ったソナタ2曲の堂々たる風格も、変奏曲での細やかなニュアンスも、自然な響きを生かした録音技術で 深々と味わうことができます。ブックレットの解説はチェロ音楽史研究で知られるマルク・フェルスヘーウェイク(英・仏・伊語)。

Orchid Classics
ORC-100241(1CD)
NX-B03
チェロ作品集
ラフマニノフ:幻想小曲集 Op. 3- No.1エレジー
12のロマンス Op.21- No.7「ここは素晴らしい場所」
6つの歌曲 Op.4- No.4「美しい人よ、私のために歌わないで」
パガニーニの主題による狂詩曲-第18変奏 Andante Cantabile
チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
ヴォカリーズ Op.34- No.14
祈り - ピアノ協奏曲 第2番ハ短調 Op.18第2楽章による(F. クライスラー編)
ジョン=ヘンリー・クロフォード(Vc)
ビクトル・サンティアゴ・アスンシオン(P)

録音:2022年12月1-2日
チェロ奏者ジョン=ヘンリー・クロフォードとピアニストのビクター・サンティアゴ・アスンシオンによって演奏されたラフマニノフ生誕150周年記念アルバム。 中心を成すのは、ラフマニノフの友人アナトーリー・ブランドゥコーフに献呈された「チェロ・ソナタ」。他には"エレジー"、"ロマンス"などピアノ曲や歌曲からの編曲 を含み、これらチェロの表現力を生かした選曲により、ラフマニノフの豊かな音楽世界を堪能できます。 アメリカ出身のチェリスト、ジョン=ヘンリー・クロフォードはスズキ・メソードの実践者であるヴァイオリニスト、ローラ・クロフォードを母に持つ俊英。2019年 「CRF=クラシカル・レコーディング財団」のヤングアーティスト・オブ・ザ・イヤーに選出されたほか、インスタグラムでは50,000人を超えるフォロワーを持つなど、 すでに高い評価を受けています。ビクトル・サンティアゴ・アスンシオンは室内楽を得意とするピアニスト。ヘンリー・クロフォードの前2作のアルバムでも共演、息 のあった演奏を聴かせています。

Acte Prealable
AP-0557(1CD)
アントニ・コンツキ(1816-1899):室内楽作品集
1-4. 大英雄交響曲 イ短調 Op.220(P六重奏版)
5-8. ピアノ三重奏曲 Op.201
9. 獅子の目覚め Op.115(Vnとピアノ版)
パヴェウ・ヴァイラク(第1ヴァイオリン、1-9)、ユスティナ・ディベク=ボチェク(第2ヴァイオリン、1-4)、アンナ・ミグダウ=ホイェツカ(ヴィオラ、1-4)、フランチシェク・パル(Vc、1-8)、ドゥシャン・コルチャコフスキ(コントラバス、1-4)、エヴェリナ・パノハ(P、1-9)

録音:2023年3月
アントニ・コンツキ(1816-1899)は音楽一家に生まれ、幼少期から父親にピアノの手ほどきを受けました。やがてジョン・フィールドらに師事し、1822年にヴァイオリニストである兄と共にデビューすると「神童」と称えられ、ヨーロッパ全土でツアーを行うなど高い評価を受けました。1836年からはパリに移り住み、ショパンとも交流があったと言われる彼は、演奏家として大成功していたヴァイオリニストの弟の影に隠れる形になってしまいましたが、ベルリン音楽院で働く機会を与えられ、ハンス・フォン・ビューローと交流するなど音楽界に影響力を持っていました。その後はサンクトペテルブルクでも教育者として活躍しました。

Acte Prealable
AP-0492(1CD)
ポーランドの小曲〜ロマンティック・スタイル
パデレフスキ:メロディ Op.16-2
シマノフスキ:前奏曲 Op.1-3、3. 前奏曲 Op.1-7、4. 練習曲 変ロ短調 Op.4-3
ヴワディスワフ・ジェレンスキ:オペラ「コンラート・ヴァレンロッド」より「求愛の場面」
アダム・ブロンスキ:マズルカ、7. 子守唄
モニューシュコ:ワルツ イ長調
ショパン:夜想曲 Op.72-1
ミェチスワフ・カルウォヴィチ:「セレナーデ」Op.2より「ワルツ」
ヴィエニャフスキ:伝説 Op.17
ドブジンスキ:アンダンテとポーランド風ロンド Op.42
ダリウシュ・サムル(Sax)、
エヴァ・ルシャワ(P)、
ウルシュラ・シリンスカ(P)
ある楽器のために作られた作品を他の楽器で演奏する手法は何世紀も前から行われてきました。例えばバッハの作品をバッハが生きていた時代の楽器で演奏するのではなく、ピアノや現代の楽器で演奏することはよく行われています。サクソフォンはまだ楽器の歴史が浅いこともあり、他の楽器のために作られた作品を編曲して演奏することは少なくありません。ただ1930年以降になるとサクソフォンは重宝されるようになり、20世紀から21世紀にかけてはオリジナル曲が多数作られるようになりました。このアルバムではポーランドの有名な作曲家と、知られざる作曲家の貴重な作品を集めています。

Danacord
DACOCD-964(1CD)
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.8(1865)
ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調 Op.13(1867)
ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 Op.45(1886-87)
ベネディクテ・ダムゴー(Vn)、
エミール・グライステン(P)

録音:2023年1月7日-8日&14日-15日(デンマーク)
グリーグが作曲した3つの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」は、作曲家としての展開と成長の示された作品群として、彼の作品リストの中で重要な位置を占めています。グリーグはこれらを「素朴で、さまざまな音楽をモデルにした第1番、民族的な響きの第2番、より広い地平線をもつ第3番」と表現。エルリング・ダールに「このうえなく高貴なロマンティシズムの表現と力強さを独自のやり方で結合した」とも評されたハ短調の第3番は、セザール・フランクのイ長調のソナタやブラームスのニ短調の曲とほぼ同じ時期に書かれ、北欧だけでなく世界中のヴァイオリニストによって演奏されています。
ベネディクテ・ダムゴーとエミール・グライステンは、王立デンマーク音楽アカデミーで学んだスクールメートです。コラボレーションを始めて10年。デンマーク、フェロー諸島、ベトナムと各地でツアーを行い、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを演奏するコンサート・シリーズを終えたばかりです。デンマーク・アーツ・ファウンデーションの「ヤング・エリート」プログラムに選ばれ、活動を続けています。

Avie
AV-2612(1CD)
あるヴァイオリンの一生〜リピンスキのストラディヴァリウスのための音楽 Vol.3
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 Op.45*
アマンダ・マイエル:ピアノ三重奏曲 変ホ長調
タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.2-1B.D13
フランク・アーモンド(Vn/ストラディヴァリウス"リピンスキ")、アダム・ニーマン(P)*、アレグザンダー・ハーシュ(Vc)、ビクトル・サンティアゴ・アスンシオン(P)

録音:2019年11月&2021年6月、グァルネリ・ホール(アメリカ、シカゴ)
アントニオ・ストラディヴァリが製作した銘器のうち、もっとも伝説的なヴァイオリンの1つ、1715年に製作された「Lipinski」を用いて、この楽器にまつわる様々な作品を聴く好企画盤の第3弾(第1弾:AV-2279、第2弾:AV-2363)。パガニーニのライバルとしても知られるポーランドの名ヴァイオリニスト、カロル・リピンスキ(1790-1861)の名を冠したストラディバリは、ジュゼッペ・タルティーニ、カルロ・リピンスキ、レントヘン一族、エヴィ・リーヴァクの手を経て、現在はミルウォーキーSOのコンサートマスター、フランク・アーモンドに受け継がれています。この楽器は第1弾のCD発売後、武装強盗に遭い強奪されてしまったというエピソードでも有名になりました(その後FBIの追跡により奇跡的に発見・回収、この事件は後に映画化されています)。本作で注目されるのは19世紀スウェーデンの女性作曲家、アマンダ・レントヘン=マイエル(1853-1894)のピアノ三重奏曲で、この傑作は彼女の義理の父エンゲルベルト・レントヘンを通じて伝説の楽器とつながっています。

GENUIN
GEN-23834(1CD)
フルート、ヴァイオリン、チェロのためのセレナーデ
ベートーヴェン:セレナーデ ニ長調 Op.25
ボザ:3つの降臨
ハイドン:ロンドン・トリオ第1番 ハ長調 Hob. IV:1、 ロンドン・トリオ第2番ト長調 Hob. IV:2
ヴィラ=ロボス:ショーロ第2番
ヤセン・ヴォデニチャロフ(b.1964):神話 -5つの小品(世界初録音)
ドビュッシー(古賀敦子 編):亜麻色の髪の乙女
古賀敦子(Fl)、植村理葉(Vn)、
ゲオルギー・ロマコフ(Vc)

録音:2022年9月25日-28日(ベルリン)
日本語解説&日本語曲目表記オビ付き(解説:古賀克己、古賀敦子)
これまでの録音でもドイツの主要メディアから高い評価を受けているフルート奏者、古賀敦子のGenuinから8枚目のリリースとなるアルバムは、フルート、ヴァイオリン、チェロという三重奏による作品集。ハイドンやベートーヴェンといった古典からドビュッシーの繊細な華やかさ、ヴィラ=ロボスとボザのモダニズム、そして1964年生まれのブルガリア系フランス人作曲家、ヤセン・ヴォデニチャロフの古代グレコ=ロマンの世界を想起させる小品まで、4世紀にわたる作品の数々を高い音楽性で表現しています。過去のレコーディングでも共演してきた世界的チェリスト、ゲオルギー・ロマコフに加え、ソリストとしてベルリン・フィルハーモニーやミュンヘン・ヘラクレスザールといったコンサートホールに度々登場するなど国内外で活躍を見せているヴァイオリニスト、植村理葉が参加。ブックレットには古賀克己、古賀敦子による日本語の曲目解説が掲載されています。
古賀敦子は福岡市生まれのフルート奏者。桐朋学園音楽科高等学校を卒業後、パリ国立高等音楽院フルート科を満場一致の一等賞で卒業し、同音楽院の大学院に進学しました。その後ケルンとミュンヘンの両国立音楽大学を卒業。在学中、数多くの国際コンクールで優勝や入賞を果たしています。現在はドイツのマグデブルグSOに在籍。ドイツを中心にヨーロッパで非常に高く評価されています。
GENUIN
GEN-23806(1CD)
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集
ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 Op.11
ピアノ三重奏曲第5番ニ長調 Op.70-1
ピアノ三重奏曲第6番変ホ長調 Op.70-2
トリオ・アルテルナ〔坂巻貴彦(フォルテピアノ/コンラート・グラーフ1821/22)、アンナ・ドミトリエヴァ(Vn)、アマリリス・ドゥエニャス・カスタン(Vc)〕

録音:2022年3月28日-29日&5月16日-17日、クラウス・フォン・ビスマルク・ザール(ケルン、ドイツ)
ドイツ在住の鍵盤楽器奏者、坂巻貴彦率いる若きトリオ、トリオ・アルテルナのファースト・レコーディングとなるベートーヴェンのピアノ三重奏曲集。トリオ・アルテルナは2021年にドイツのジークブルクでベートーヴェンの生誕250周年を記念して行われた古楽器のための室内楽コンクール“Beethoven in his time”で、第2位に加え最も優れたベートーヴェンの演奏解釈に贈られる「ベートーヴェンハウス賞」を受賞しており、その解釈は折り紙つき。坂巻貴彦はケルン音楽舞踏大学で学び、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー等で演奏活動を展開している若手演奏家です。
GENUIN
GEN-23810(1CD)
ラヴ・ビヨンド・デス
シューマン:幻想小曲集 Op.73
ヴォーン・ウィリアムズ:ヴィオラとピアノのためのロマンス
プロコフィエフ:バレエ音楽 「ロメオとジュリエット」 Op.64より〔モンタギュー家とキャピュレット家、少女ジュリエット、騎士たちの踊り、ジュリエットの死〕
ブリテン:ヴィオラとピアノのためのラクリメ Op.48
ルクレール(b.1962):晴れた夜明けから一日の終わりまで(De l’aube claire jusqu’a l a fin du jour/世界初録音)
ベンジャミン・ベック(Va)、
マリー・ローザ・ギュンター(P)

録音:2022年1月&2月、ドイツ
バルセロナSOの首席ヴィオラ奏者であり、2023年7月からはウィーン・フィルの首席ヴィオラ奏者に就任予定という大器、ベンジャミン・ベックのセカンド・アルバム。あらゆる地平を超え、現世と来世を結びつけ、永遠の愛の可能性を問う、シューマン、ヴォーン・ウィリアムズ、プロコフィエフ、ブリテンのヴィオラ作品集。これらの思慮深い楽曲の絶妙なニュアンスを、ベックのビロードのようなヴィオラの音色で引き出しています。世界初録音となるフランソワ=ユーグ・ルクレールの作品は、ベンジャミン・ベックへと捧げられています。
GENUIN
GEN-23812(1CD)
ピアノ三重奏のための作品集
シェーンベルク:浄められた夜 Op.4(エドゥアルト・シュトイアーマン(1892-1964)編曲によるピアノ、ヴァイオリンとチェロ版)
ツェムリンスキー:ピアノ三重奏曲ニ短調 Op.3
シューベルト:ピアノ三重奏曲変ホ長調 D897, Op.posth.148「ノットゥルノ」
ハンブルク・トリオ〔塩貝みつる(Vn)、ウルリッヒ・ホルン(Vc)、エバーハルト・ハーゼンフラッツ(P)〕

録音:2021年3月15日-16日、フランクフルト(ドイツ)
塩貝みつるがヴァイオリン奏者を務め、ハンブルクを拠点に活動するピアノ三重奏団「ハンブルク・トリオ」の新録音が、ドイツのGenuinからリリース。後期ロマン派の情熱的な物語を紡ぐ「浄められた夜」は、シェーンベルクの「ピアノ協奏曲」や「月に憑かれたピエロ」の初演でピアノ・パートを務め、私的演奏協会でもシェーンベルクと活動したピアニスト、エドゥアルト・シュトイアーマンの編曲によるピアノ三重奏版。初期ロマン派の永遠を感じさせるシューマンの「ノットゥルノ」とともに、異なる角度から「夜」というテーマにアプローチし、間にツェムリンスキーの洗練されたピアノ三重奏曲を配置した上質なプログラム。2023年5月〜6月に予定されている来日ツアーでも、これらのプログラムの演奏を予定しています。
ハンブルク・トリオは2013年にドイツのハンブルクで結成。塩貝みつるはハンブルク国立POのヴァイオリン奏者、ハンブルク国立歌劇場のアソシエイト・コンサートミストレスを長年務め、ドイツの主要オケにも客演。現在は国内を拠点に、全国主要オーケストラのゲストコンサートミストレスやソリスト、室内楽奏者として日本とヨーロッパで活躍しています。ウルリッヒ・ホルンはフランクフルトRSO(hrSO)のチェロ奏者を20年以上務めており、エバーハルト・ハーゼンフラッツはベルリン芸術大学で教鞭を執りながら室内楽奏者として活躍する名手です。
Chopin University Press
UMFCCD-145(1CD)
フィテルベルク&ヴァインベルク:室内楽作品集
グジェゴシュ・フィテルベルク(1879-1953):ピアノ三重奏曲 へ短調 Op.10(1901)
ヴァインベルク(1919-1996):チェロ・ソナタ第2番 Op.63(1958/59)
ヴァルソヴィア・ピアノ三重奏団

録音:2020年8月&9月(ポーランド、ワルシャワ)
フィテルベルク&ヴァインベルク、2人のユダヤ系作曲家による室内楽の名作!グジェゴシュ・フィテルベルク(1879-1953)とミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996)は両者ともユダヤ系で、ワルシャワ音楽院で学ぶなどポーランドと縁のある作曲家でした。本作に収められた2作品は、様式は異なるものの、どちらも感動的な室内楽曲の名作です。フィテルベルクのピアノ三重奏曲は、ワルシャワのマウリツィ・ザモイスキ伯爵が主催するコンクールで第1位を獲得しました。この作品の紛れもない特徴は、壮大な物語性と熱烈な感情であり、それが多彩な室内楽のテクスチャーに反映されています。ヴァインベルクのチェロ・ソナタ第2番は、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチのために書かれた、この作曲家の最も個人的な作品のひとつです。ショスタコーヴィチからの引用があるほか、3つの楽章にはユダヤの伝統的な旋律がさりげなく織り込まれ、全体をまとめ上げています。
Chopin University Press
UMFCCD-155(1CD)
ラファウ・ヤニャク(1986-):ヴァイオリン・インスピレーションズ
ヴァイオリン・ソナタ(2019)
序奏とカンティレーナ〜無伴奏ヴァイオリンのための(2005/2006)
夜想曲〜ヴァイオリンとピアノのための(2008
三重奏曲〜クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための(2009)
カミラ・ヴォンシク=ヤニャク(Vn)、
アンジェイ・カラウォフ(P)、
ピオトル・プタク(Cl)

録音:2020年&2021年(ポーランド、ワルシャワ)
同世代の作曲家・指揮者の中で特に高く評価されているポーランド出身のラファウ・ヤニャク(1986-)のヴァイオリン作品集。本作では作曲者の妻であり優れたヴァイオリニストであるカミラ・ヴォンシク=ヤニャクのために書かれたヴァイオリン・ソロとヴァイオリンを含む室内楽作品のすべてを収録しています。アルバムの冒頭を飾るのはヤニャクの作曲の師であり、何よりも芸術の師であったスタニスワフ・モリト教授の思い出に捧げられた最新作のヴァイオリン・ソナタ。古典的な4楽章構成の中に、モリトの主要作品からの引用を聴くことができます。アルバムはバロック時代の響きを現代の鏡に映し出した「序奏とカンティレーナ」、神秘的な雰囲気と深い叙情性を湛えた「夜想曲」と続き、個々の楽器の音をシンフォニックに使って聴き手を魅了する「三重奏曲」で締めくくられます。

Forgotten Records
fr-1888(1CDR)
スメタナSQ/スメタナ&シベリウス
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」*
シベリウス:弦楽四重奏曲 ニ短調 Op.56 「親愛なる声」#
スメタナSQ

録音:1961年9月9日*、1956年#(ともに放送音源)
Forgotten Records
fr-1892(1CDR)
モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番 「不協和音」*
クラリネット五重奏曲 イ長調#
ヴラディミール・ジーハ(Cl)#
スメタナSQ

録音:1952年7月12日#、1956年10月7日-11日
※音源:Supraphon FLPM 318*、GLPM 112


Biddulph
BIDD-85030(1CD)
NX-B04
オスカー・シュムスキー〜ライヴ・アット・バークリー
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 BWV1023(P・パート:A. ジロティ編)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」
プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.115
タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 「悪魔のトリル」 (F.クライスラー作のカデンツァ付き)
ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
モーツァルト:ロンド ト長調 - ハフナー・セレナード K.250より(F. クライスラー編)
オスカー・シュムスキー(Vn)
ロビン・サザーランド(P)

録音:1980年1月25日(ライヴ)カリフォルニア州立大学バークリー
※全曲初出
幼くしてスコトフスキーやアウアーに才能を認められるなど目覚ましい活躍をしたシュムスキーですが、その名声はアメリカ国内に留まり、1950年代後半からは ソリストとしての活動よりも後進の指導や合奏団での演奏に時間を割くようになりました。転機となったのが1970年代にMusical Heritage Societyに 行ったアルトゥール・バルサムとのモーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ全集と、バルサムの強い勧めで行ったバッハ:無伴奏ソナタとパルティータの録音で、これら が評判になると共にシュムスキーはソリストとしての活動を本格的に再開し、1981年のロンドン・デビュー・リサイタルの大成功によりヨーロッパでのキャリアがブ レイクすることになります。 ここに収められたのは1980年1月に行われたコンサートのライヴ録音。一部の演奏ノイズ(主に譜めくりの音)と客席のノイズを除去した以外の編集はしてい ないとのことで、シュムスキーのライヴにおける実像を伝えてくれます。安定した技巧による流麗な演奏、フォルテや速いパッセージでも美感のある音、弛緩の 無い造形感覚などは古典にうってつけですが、プロコフィエフでのモダンでユーモラスな表情も見事。翌年のヨーロッパでの成功の下地が整っていたことを実感 させます。 ピアノのサザーランドは、その才能に目を留めた小澤征爾が、当時音楽監督を務めていたサンフランシスコ交響楽 団に「首席ピアニスト」のポストを新設してスカウトしたという人物。シュムスキーとは親と子ほどの年の差がありなが ら、一体となったデュオを披露しています。 ヴァイオリン・ファンの間では、シュムスキーが1715年製のストラディヴァリウス「ローデ」を持っていたことが知られてい ますが、この録音で弾いているのはエンリコ・ロッカが1905年に作ったもので、ブックレットにカラー写真が4ページに わたって掲載されています。シュムスキーは1977年に試奏したこの楽器に一目ぼれして購入、その時々のコンディ ションによって「ローデ」と使い分けていましたが、どちらの楽器も素晴らしく響かせていたため、高名な演奏家や評論 家でさえ違いに気付かなかったそうです。 ブックレットには更にシュムスキーの息子エリックの回想(英文3ページ)に加え、フィラデルフィア、ニューヨーク、ボスト ンのオーケストラに相次いで登場した1926/27シーズン(9歳)のシュムスキーの写真に、エフレム・ジンバリストと シュムスキーとのツーショット写真2枚(1931年撮影と1979年撮影)が掲載されているのもヴァイオリン・ファンにとっ ては貴重です。

DACAPO
MAR-8.224734(1CD)
NX-B08
ペーター・ハイセ(1830-1879):弦楽四重奏曲集 第1集
弦楽四重奏曲第2番ト長調(1852)
弦楽四重奏曲第1番ロ短調(1852)
弦楽四重奏曲第3番変ロ長調(1853頃)
ノルディックSQ

録音:2022年2月24-25日、6月12-13日、9月11-12日
全て世界初録
1951年から57年にかけて、若きハイセはコペンハーゲンの上流階級が仲間内で楽しむ音楽の夕べのために弦楽四重奏曲を6曲書きました。ハイセは後に 数多くの歌曲を書き、そちらで人気と評価を得てしまったために弦楽四重奏曲の存在は埋もれてしまいましたが、形式は古典的、楽想は流麗で優雅。モー ツァルトやメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲が好きな人なら気に入りそうな佳品です。残り3曲も録音予定。 演奏は2013年に結成されたノルディックSQ。北欧の作品に特別な愛情を注いでおり、これまでグズモンセン=ホルムグレーンの四重奏曲 (8.226217)やダルベアの弦楽四重奏曲(6.220655)を録音、どれも高く評価されています。

MClassics
MYCL-00037(1CD)
税込定価
Live!東京ダブルリード本舗
福田洋介(長山航編))::風之舞
 さくらのうた
保科洋(長山航編):風紋
酒井格(長山航編):たなばた
A.リード(長山航編):アルメニアン・ダンス パートT
東京ダブルリード本舗【荒川文吉(Ob)
小山祐生(Ob)、長山航(オーボエダモーレ、バスOb)、戸田智子(イングリッシュホルン)、久保一麻(イングリッシュホルン)、廣幡敦子(Fg)、長田和樹(Fg)、小武内茜(Fg)、大内秀介(コントラFg)】

録音:2022年8月23日 東京、王子ホール・ライヴ
東京を中心に活動する若手オーボエ&ファゴット奏者によって結成された ダブルリード九重奏団「東京ダブルリード本舗」。当アルバムは2022年8 月に行われた第3回演奏会のライヴ・レコーディングです。本作では、吹奏 楽の有名曲がずらりと並びます。編曲はメンバーの長山航が担当。オーボ エ、バスーンの他、オーボエダモーレ、バスオーボエ、イングリッシュホルンも登 場し、各楽器の彩りと妙技により充実感のある美しいサウンドと音楽が展 開されます。圧巻の「アルメニアン・ダンス」に美しい「風紋」の調べ。メン バー各人の技術の高さに驚くことでしょう。ダブルリードのみで奏でられる吹 奏楽の名曲たちをぜひお聴き下さい。

CD ACCORD
ACD-322(1CD)
NX-C03
My Story ヴァイオリン作品集
ワーグナー:夢 - ヴェーゼンドンク歌曲集(1857)より (アルトゥール・ザイボルトによるヴァイオリンとピアノ編)
パデレフスキ:ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.13(1885)
バッハ:サラバンド - 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ニ短調 BWV1004(1720)より
エルガー:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.82(1918)
メシアン:イエスの永遠性への賛歌 - 世の終わりのための四重奏曲(1940)より(Vnとピアノ編)
ロベルト・クヴィアトコウスキ(Vn)
ドミニカ・グラピャーク(P)

録音:2022年9月
ポーランド・バルト・フィルハーモニックのコンサートマスターを務めるロベルト・クヴィアトコウスキ。これまでソリストや室 内楽奏者、SQリーダーとして世界各地で演奏するかたわら、教壇にも立ってきました。その彼がこれま で弾き込んできたレパートリーの中から、自分に最もフィットすると感じる曲ばかりを選んだアルバムです。 クヴィアトコウスキと同じくスタニスワフ・モニューシュコ音楽アカデミーで学んだ ドミニカ・グラピャークが、クヴィアトコウ スキの想いを汲んだ演奏で応えています。

SOUPIR EDITIONS
S-250(2CD)
フランスのヴァイオリン・ソナタ集
グロヴレズ(1879-1944):ヴァイオリン・ソナタ ニ短調
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.108
ジェダルジュ(1856-1926):ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 Op.19
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ イ短調
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第2番ヘ短調 Op.6
 ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調 Op.25
ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)、
上田晴子(P)

録音:2019年3月18-19日 フランス イル=ド=フランス地域圏 オルヴィリエ、2004年10月15,16日日本 横浜(エネスコ)
フランスの偉大なヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフの弾くフランス近代 のヴァイオリン・ソナタほか。カントロフは録音時73歳だが音色の瑞々しさは驚くべきも の。フォーレやラヴェルが素晴らしいのはもちろんだが、録音のほとんどないガブリエ ル・グロヴレズ(1879-1944)とアンドレ・ジュダルジュ(1856-1926)のヴァイオリン・ソナ タがカントロフのヴァイオリンで聞けるのは非常にありがたい。ピアノの上田晴子は、 東京藝術大学大学院を修了した後、フランスに渡り、1986年にはロン=ティボー国際 コンクールに入賞しています。現在はパリ国立高等音楽院室内楽科教授、ピアノ科准 教授を務めています。カントロフとの共演も多く、息のピタリとあった、そしてフランスの芳 香豊かなピアノを奏でています。

Hanssler
HC-23009(1CD)
チェロとピアノのための作品集
(1)ユオン:おとぎ話 Op.8
(2)ボエルマン:チェロ・ソナタ イ短調 Op.40
(3)サン=サーンス:ロマンス Op.36
(4)ヴェルフル:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.31
(5)ラフマニノフ:ロマンス ヘ短調
(6)グリエール:バラード Op.4
ライナー・ギンツェル(Vc)、
ギッティ・ピルナー(P)

録音:2019年2月20-22日/ミュンヘン音楽・演劇大学内コンサートホール(ミュンヘン)
チェロのライナー・ギンツェル、ピアノのギッティ・ピルナーによる円熟の至芸!17世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した作曲家のチェロとピアノのため の作品を集めた当アルバムではボエルマン、ヴェルフルのチェロ・ソナタを主軸にユオン、サン=サーンス、ラフマニノフ、グリエールの作品を収録しております。 (Ki)

TOCCATA
TOCC-0566(1CD)
NX-B03
ジョン・トーマス(1826-1913):ハープとピアノのための二重奏曲全集 第2集
作者不詳:ハーレックの男たちの行進(J. トーマス編)
トーマス:舞踏会の思い出
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 Op.35-第3楽章「葬送行進曲」(J.トーマス編)
シューベルトの歌曲編曲全集(J. トーマス編
 アヴェ・マリア/魔王/焦燥
 セレナード/糸を紡ぐグレートヒェン
 さすらい人/漁師の娘/水の上で歌う
 さようなら/涙の賛美/シルヴィアに
 挨拶を送ろう/ます/どこへ
作者不詳:Rakoczi-indulo(J. トーマス編)
トーマス:ドニゼッティの「ランメルモールのルチア」の主題による二重奏曲
デュオ・プラセディス
プラセディス・ハグ=リュッティ(Hp)
プラセディス・ジェネヴィエーヴ・ハグ(P)

録音:2022年9月26-30日
世界初録音
ウェールズ出身のジョン・トーマスは、18世紀後半に最も称賛されたハープ奏者・作曲家の一人。ビクトリア女王専属のハープ奏者を務め、その洗練された 技巧が広く愛されました。 彼はハープ独奏曲の他、ハープとピアノの二重奏曲も数多く書いており、どれもロマン派の作風に、ウェールズ民謡を織り込むなどした聴きやすいものばかり。 オリジナル作品だけではなく歌劇の旋律や有名なオーケストラ曲をハープ用に編曲した作品も知られています。このアルバムの中心となるのは14曲のシュー ベルト歌曲の編曲集。これらは、トーマスが当時流布していたフランス語や英語版の楽譜をもとに編曲を行ったため、通常のドイツ語とは違うタイトルが付さ れています。 デュオ・プラセディスは18世紀末から20世紀初頭までの知られざるハープとピアノ二重奏曲の復興に力を注ぐアンサンブル。
TOCCATA
TOCN-0022(1CD)
NX-B03
フルートのための音楽集
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784):ソナタ ホ短調-フルートと通奏低音のために BR WFB B17
マルクス・ブレニマン(1968-):夜想曲−フルート(アルト・フルート)と弦楽三重奏のために(2016-19)*
フランツ・ベンダ(1709-1786):ソナタ ホ短調-フルートと通奏低音のためにLIII:57
バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565(M.ブレニマンによるフルート、オーボエ、弦楽三重奏とハープ編)*
C.P.E.バッハ:ソナタ ホ短調- フルートと通奏低音のために WQ124/H551
ブレニマン:Nomos ノモス- 無伴奏フルートのために(2016)*
バッハ:ソナタ ホ短調- フルートと通奏低音のために BWV103
マルクス・ブレニマン(Fl)
ジャン・ハルスドルフ(Vc)
レオン・ベルベン(Cemb)
アンサンブル・ピラミッド【マルクス・ブレニマン(Fl)、バルバラ・ティルマン(Ob)、Ulrike Jacoby(Vn)、Muriel Schweizer(Va)、Anita Jehli(Vc)、Marie Trottmann(Hp)】

録音:2017年7月4日、2021年11月1-3日
*…世界初録音
バッハとその長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ。そしてチェコ生まれのフランツ・ベンダ。この3人は1747年の 春、ポツダムで出会った記録が残っています。この3人の作品と、現代の作曲家・フルート奏者マルクス・ブレニマン の作品が出会い、新たな味わいが生まれました。
TOCCATA
TOCN-0019(1CD)
NX-B03
クレイン一族によるクラリネットのための室内音楽集
アレクサンダー・クレイン(1883-1951):ヘブライ風エスキース 第2番Op. 13-クラリネットと弦楽四重奏のために(1910)
グリゴリー・クレイン(1879-1955):Po?me 詩曲-クラリネットとピアノのために(1940)*
ユリアン・クレイン(1913-1996):三重奏曲-フルート、クラリネットとピアノのための(1974)*
G・クレイン:ヤクートの主題による2つの小品-クラリネットとピアノのための(1940)*
A.クレイン:ヘブライ風エスキース 第1番Op.12-クラリネットと弦楽四重奏のための(1909)
Y・クレイン:ソナタ ? クラリネットとピアノのために(1961)*
G.クレイン:四重奏曲 -クラリネット、ヴァイオリン、チェロとピアノのために(1939-40)*
アンネ・エリザベート・ピーライネン(Cl)
イリーナ・ゴルクン=シレン(Fl)
レア・トゥーリ(Vn)
マリア・プーサーリ(Vn)
ユッシ・アールト(Va)
ピニャ・ヌニェス(Vc)
キリル・コズロフスキ(P)

録音:2021年3月29日-4月1日
*…世界初録音
リトアニアに起源を持つクレイン家は、帝政ロシア、そしてソヴィエト〜ロシアに至る重要な音楽一家となりました。 家長であるアブラムは当時人気の“クレズマー(ユダヤ系の民謡をルーツに持つ音楽)”の代表的なフィドル奏者で、 またユダヤ教とキリスト教双方に深い理解を持ち、エストニア語、ラトヴィア語、ドイツ語、恐らくロシア語も自在に 話すことができた精力的な人物でした。彼の7人の息子は全て音楽家になりましたが、中でもアレクサンダーとグリ ゴリーの兄弟は傑出した才能を発揮、またグリゴリーの息子ユリアンも優れた作品を遺しました。 彼らはユダヤ由来の舞曲とロシアの民俗音楽を融合し、そこにスクリャービンの神秘的なハーモニーとフランスの印 象派の要素を加え、ユニークな作品を作り上げました。3人ともクラリネットの音色を愛しており、この楽器のために 多くの作品を書き上げています。このアルバムではその一部を聴くことができます。

B RECORDS
LBM-052(2CD)
NX-D09
シューマン:ヴァイオリンのための作品集
【DISC1】
シューマン:幻想小曲集 Op.73
ヴァイオリン・ソナタ 第3番イ短調 WoO2
3つのロマンス Op.94
ヴァイオリン・ソナタ 第1番イ短調 Op.105
トロイメライ Op.15-7〜『子供の情景』
【DISC2】
クララ・シューマン:3つのロマンス Op.22
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番ニ短調 Op.121
 ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO23
ピエール・フシュヌレ(Vn)
テオ・フシュヌレ(P)
ノルマンディ地域圏O
ジャン・ドロワイエ(指)

録音:2022年4月-8月 サル・エリー・ド・ブリニャック、アルカナ、ドーヴィル(フランス北部ノルマンディ地方) (ライヴ/拍手入り)
現在フランスで絶大な人気を誇るヴァイオリニスト、ピエール・フシュヌレと、その弟で2018年ジュネーヴ国際コンクールの覇者、テオ・フシュヌレ の共演によるシューマンのヴァイオリン作品集。F.A.E.ソナタのためにシューマンが書いた2つの楽章を転用した第3番を含むヴァイオリン・ソナタ 全3曲のほか、元はクラリネットのために書かれた幻想小曲集やオーボエのために書かれた3つのロマンスといった人気作品、クララ・シューマン による3つのロマンス、さらには当時としては先鋭的ながら作曲後長い間封印されてきたヴァイオリン協奏曲も収録するという嬉しい内容となっ ています。ピエール・フシュヌレは伸びやかに歌いつつもどこか陰りを絶やさない絶妙の表情を聴かせ、作品によってはヴァイオリンと同等の立ち 位置となるピアノのテオ・フシュヌレ、そして管弦楽を率いるジャン・ドロワイエもぴったりと合った息でサポート以上の活躍をみせ、ライヴの緊張 感もあいまって、いずれの作品も素晴らしい出来栄えとなっています。

ALPHA
ALPHA-933(1CD)
ラヴェル、B.マントヴァーニ:室内楽作品集
ラヴェル:弦楽四重奏曲
 マ・メール・ロワ (エマニュエル・セイソン編曲 七重奏版)
ブルーノ・マントヴァーニ(1974-):弦楽四重奏曲 第5番*
ラヴェル:序奏とアレグロ
ジュリエット・ユレル(Fl)
レミ・ドゥラングル(Cl)
エマニュエル・セイソン(Hp)
ヴォーチェQ

録音:2021年4月、2021年12月 ポワチエ・テアトル・オーディトリアム(TAP)、フランス
*=世界初録音
ヴォーチェ四重奏団のプロジェクト、「POETIQUES DE L'INSTANT」。ラヴェルあるいはドビュッシーによる弦楽四重奏のための名作を他 の作品や新作と併せて並べ、一連の絵画のように関連付けたプログラムを構成する企画の第2弾が登場です。ドビュッシーの弦楽四重奏 曲をメインに据えた前作(ALPHA798)に続き、今回はラヴェルの弦楽四重奏曲を中心として、「序奏とアレグロ」とハープのエマニュエル・セイ ソンが編曲した「マ・メール・ロワ」でゲストと共演しています。近代フランスに於いて多いとは言えない弦楽四重奏曲の作例の中でも、ドビュッ シーと並んで傑作とされるラヴェルの作品は、新進作曲家としての地位を確立した27歳の頃に書かれ、循環形式の応用のほか、美しいメロ ディと変拍子やポリリズムを前向きな曲想の中に盛り込んだ、たいへんラヴェルらしもの。またセイソンの編曲による「マ・メール・ロワ」は、鳥の 鳴き声や銅鑼の模倣など、耳を惹く意外性も併せ持った美しい出来栄えとなっています。新作は現代フランスの作曲家ブルーノ・マントヴァー ニがヴォーチェ四重奏団のために書いた弦楽四重奏曲第5番。鋭いアクセントや半音階進行などを盛り込みトレモロを多用したフレーズが、 4つの楽器に次々と伝播していくような構造を持っており、バラバラなようでいて楽器同士が忙しく会話をしているような統一感のあるたいへん 興味深い作品です。ジュリエット・ユレル、レミ・ドゥラングルといった豪華なゲストとヴォーチェ四重奏団は、これらの作品を活き活きと瑞々しく 聴かせ、その魅力を十二分に表出しています。

Goodies
78CDR-3904(1CDR)
シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番作品99 シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番作品99
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)
エマヌエル・フォイアマン(チェロ)

米 VICTOR 11-8394/7
1939年9月13日ニューヨーク録音
この名人3人のトリオは「百万ドル・トリオ」と呼ばれた。ピアノのアルトゥー ル・ルービンシュタイン(1887-1982)はポーランド出身。20世紀を代表するピア ニストの一人。前半生をヨーロッパで、後半生はアメリカで活躍した。演奏家 キャリアは80年以上。ヴァイオリンのヤッシャ・ハイフェッツ(1901-1987)はウ クライナ生まれ。3歳でヴァイオリン教師レオポルド・アウアー(1845-1930)に 師事し、第1次世界大戦(1914-1918)中に一家でアメリカに渡り、1925年にアメ リカの市民権を得た。その後大ヴァイオリニストとして君臨した。チェロのエ マヌエル・フォイアマン(1902-1942)はウクライナのコロミア生まれ。ライプ ツィヒの音楽院で名教授ユリウス・クリンゲル(1859-1933)に師事した。ナチス を逃れて一時スイスに居を構えたが1938年アメリカに移住した。フィラデルフィ アのカーチス音楽院で教える一方、上記の二人とのトリオで活躍したが、1942 年に40歳の若さでニューヨークで死去した。 このトリオの「大公トリオ」(78CDR-3865)も出ている。

H.M.F
HMM-902318(2CD)
トリオ・ヴァンダラー〜フランク&ヴィエルヌ
■CD1
フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 FWV7
ヴィエルヌ:ピアノ五重奏曲 ハ短調 op.42
■CD2
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 FWV 8
 ピアノ三重奏曲 第1番嬰ヘ短調 FWV1, op.1-1
トリオ・ヴァンダラー
ヴァンサン・コック(P)、ジャン=マルク・ヴァイジャベディアン(Vn)、ラファエル・ピドゥ(Vc)
カトリーヌ・モンティエ(Vn[CD1])
クリストフ・ゴーゲ(ヴィオラ[CD1])

録音:2022年7月&9月、ポワティエ・オーディトリウム劇場(フランス)
トリオ・ヴァンダラーの最新盤は、フランク作品集。フランクの作曲家としてのデビュー作である三重奏曲、そして充実の五重奏曲、さらにヴァイオリン・ソナ タも収録しているという超充実の内容です。その演奏は、盟友ニコラ・アンゲリッシュ(1970-2022)に捧げたもの。アンゲリッシュとトリオ・ヴァンダラー のメンバーたちは音楽院で年齢は違いますが同じ時に学んだ仲で、特にヴァイオリンのヴァイジャベディアンにとってアンゲリッシュは弟のような存在だったといい ます。16歳のアンゲリッシュと、4歳上のヴァイジャベディアンは、音楽院が企画したメシアンとドナトーニのピアノ四重奏曲の演奏会のツアーで共演したことがあっ たそうです。アメリカからパリに引っ越してきたばかりのアンゲリッシュにとってヴァイジャベディアンは兄のような存在になったといいます。メシアンとドナトーニ 本人からも、彼らの演奏は高く評価されたといいます。ふたりはヴァイオリンとピアノのためのレパートリーを片っ端から演奏しまくったといいます(アンゲリッシュ の初見能力は驚嘆すべきものがあったとヴァイジャベディアンは述べています)。アンゲリッシュのピアノでペヌティエのマスタークラスを受けたときも、フランク のソナタと五重奏曲だったといいます。そんな彼らの間に流れるアンゲリッシュとの様々な思い出も感じられるからか、作品自体のもつ力に様々な思い出が反響し、 実に胸をうつ演奏となっております。 フランクのヴァイオリン・ソナタでのヴァンサン・コックが奏でるフランクのソナタのピアノ・パートは、繊細極まりなく、実に丁寧にひとつひとつのパッセージを歌っ ております。ヴァイジャベディアンのヴァイオリンもどこか寂しさを漂わせつつも、しかし美しく熱く歌っております。フランクのピアノ三重奏曲は、フランクの作曲家と してのオフィシャル・デビュー作。なんといってもピアノの活躍が華々しい作品ですが、名手ぞろいのトリオ・ヴァンダラー、三人そろうと作品自体が自由に語 りだし、演奏者達の存在は透明にさえ感じられてしまいます、それくらいにトリオ・ヴァンダラーの芸術性が高いことにあらためて感じ入る演奏となっております。
ルイ・ヴィエルヌは事実上盲目で生まれ、1894年にサン・シュルピス教会の、そして1900年から37年に亡くなるまで、パリのノートルダム大聖堂のオ ルガン奏者を勤めました。オルガン作品のほかいくつか作品を残していますが、最も有名なもののひとつがピアノ五重奏曲です。息子の訃報を聞いて書かれ、 戦争の惨状を描いたような部分など、壮絶な内容となっております。 (Ki)

WERGO
WER-7403(1CD)
Cattering Birds〜現代打楽器作品集
(1)ペーテル・エトヴェシュ(1944-):スピーキング・ドラム 〜打楽器独奏と管弦楽のための4つの詩(2012/13)[レオニー・クライン編、打楽器独奏版(2022)]
(2)ヴィンコ・グロボカール(1934-):地上の対話 〜打楽器独奏のための(1994)
(3)サラ・グロイナリッチ(1991-):Latitudes #2〜ドラムスとテープのための(2022)
(4)藤倉大(1977-):Cattering Birds 〜2人の打楽器奏者のための(2021)
(5)ウルズラ・マムロク(1923-2016):変奏曲とインターリュード 〜4人の打楽器奏者のための(1971)[レオニー・クライン編、打楽器独奏版(2021)]
(6)細川俊夫(1955-):ウィンドスケープ 〜2人の打楽器奏者のための(1996)
(7)ウロシュ・ロイコ(1954-):肌リズム 〜2人の打楽器奏者のための(2020)
レオニー・クライン(打楽器)(1)(2)(3)(5)
イサニー・パーカッション・デュオ [レオニー・クライン&中村功](4)(6)(7)

録音:2022年2月22日〜25日カイザースラウテルン、SWRスタジオ
※(1)(3)(4)(5)(6)世界初録音
ジャズやロックといった様々なジャンルの音楽が発展するにつれて、打楽器の可能性はどんどん広がっていきました。それは現代音楽における打楽器のあり方に も影響を及ぼし続けています。ドイツの名打楽器奏者レオニー・クラインが今日の打楽器レパートリーの全盛ぶりをたっぷりと魅せつけてくれる、刺激的な打楽器名 作集です。
エトヴェシュの打楽器協奏曲『スピーキング・ドラム』は、クラインと作曲家が共同で制作したソロ・バージョンを収録。叩くだけでなく声も使って、技巧的な作 品を熱気と共に奏でます。グロボカールの『地上の対話』では水槽の水に楽器をさらす実験的な奏法も。ほかにもテープと共演したり、いろいろな方法で楽器から 音を出したりと、尽きないアイデアに彩られた楽曲が並んでいます。デュオ作品ではクラインの師でもある名手・中村功が登場。絶妙のアンサンブルにも注目です。

Alba
ABCD-524(1CD)
レベッカ&ルイーズ
レベッカ・クラーク:ピアノ三重奏曲(1921)
ルイーズ・ファランク(1804-1875):ピアノ五重奏曲第1番 イ短調 Op30(1839)(P、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための)
ミルカ・ヴィータラ(P)
レータ・マーリスマー(Vn)
アイノ・オクサネン(Va)
トゥイヤ・ランタマキ(Vc)
カティ・サロヴァーラ(Cb)

録音:2022年,マニッコサリ(クラウカラ、フィンランド)
「男性たちの陰で」と言われながら、実際のところは「男性作曲家たちをよそに」音楽を書いた女性作曲家ふたり、イギリスのレベッカ・クラーク (Rebecca Clarke) とフランスのルイーズ・ファランク( Louise Farrenc) の室内楽作品をフィンランドの「女性音楽家」たちが演奏したアルバム。後期ロマンティシズム 期のソナタにドイツの伝統の影響を融合させた「境界を崩した、大胆で壮大な」と言われるクラークの「ピアノ三重奏曲」。アレグロ、アダージョ・ノン・トロッポ、 プレストの〈スケルツォ〉、アレグロの〈終曲〉の4楽章で書かれたロマンティックなファランクの「ピアノ五重奏曲第1番」。 アンサンブルの中心のミルカ・ヴィータラは、ソロ・ピアニストと室内楽奏者として活動。レータ・マーリスマー は、フィンランドRSOの第1ヴァイオリン奏 者を務めた後。ヴィルトゥオーゾ・ディ・クフモなどで演奏しています。アイノ・オクサネン は、フィンランドRSOのヴィオラ・セクションで演奏し、トゥイヤ・ ランタマキとカティ・サロヴァーラ は、それぞれフィンランドRSOの第3ソロ・チェロ奏者とコントラバスのセクション・リーダーを務めています。ヘルシン キ郊外クラウカラのホールでのセッション録音です。 (Ki)

オクタヴィア
OVCL-00814(1SACD)
税込定価
2023年5月24日発売
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調作品47「クロイツェル」
ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調作品96
伊藤亮太郎(Vn)
清水和音(P)

録音:2022年9月29-30日高崎芸術劇場
NHKSOコンサートマスターとして活躍するヴァイオリニスト伊藤亮太郎と、ソリス ト・室内楽奏者としてトップの実力を誇るピアニスト清水和音がセッション録音で望む、 ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集の第3弾。 隅々まで神経の行き届いた丁寧で細やかな音楽と、熟練の2人による濃密な表現力は圧巻。 完璧なベートーヴェン像がここにあります。誠実に紡がれる美しい旋律とハーモニーを、 EXTON高音質録音でお楽しみください。(オクタヴィア)

オクタヴィア
OVCL-00809(1SACD)
税込定価
2023年5月24日発売
彩三重奏 Irodrio
フィリップ・シートン:トリオ・コンチェルタンテ作品11
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調作品67
彩三重奏 irodrio【中津留果己(Vn)、石井沙和子(Vc)、香川明美(P)】

録音:2022年10月3-4日東京・稲城iプラザ
彩三重奏(イロドリオ)は桐朋学園大学を卒業した同期 3人で結成されたトリオ。各地のコンサートでは、重厚 な作品から親しみやすい楽曲まで、バラエティに富んだ プログラムが好評を博しています。アルバムのタイトル にもなっている楽曲「トリオ・コンチェルタンテ」は、 作曲家であるフィリップ・シートンからの依頼で初演し、 当盤が世界初録音となります。各パートがソリスティッ クに活躍する難曲を、確かな実力と息の合ったアンサン ブルで魅せる、彩三重奏の魅力が溢れたアルバムとなり ました。(オクタヴィア)

MERIDIAN
CDE-84666(1CD)
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ集
ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調Op.120-.2
ヴィオラ・ソナタ第1番へ短調Op.120-1
ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」Op.78(リーブル/フォーゲル編によるヴィオラ版)
ドロテア・フォーゲル(Va)
ジョン・スウェイツ(P)
※ピリオド楽器使用

録音:2021年12月20-22日王立バーミンガム音楽院ブラッドショウ・ホール[
ヴィオラ・ソナタと銘打たれているが、収録の作品番号120のふたつのソナタはもとが クラリネット・ソナタであり、ヴィオラでもしばしば演奏される曲目。また作品番号78は原 曲が「雨の歌」のニックネームで知られるヴァイオリン・ソナタ第1番でここではヴィオラ版 で演奏されています。ピアノはブラームス在世時の1872年製ベーゼンドルファーを使用、 今日のピアノとは異なる独特の響きが物憂げなヴィオラの響きと相まってブラームスの 生の声を聴くような不思議な感覚に陥る。ヴィオラのドロテア・フォーゲルはスイス出 身。マーラー・ユーゲント・オーケストラで首席を務めた後、現在はソロ、室内楽奏者とし て活躍している才媛。

MERIDIAN
CDE-84663(1CD)
ヴィルトゥオーゾ・ダブル・ベースVol.3〜ジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889)作品集
(1)「清教徒」幻想曲
(2)アレグロ・ディ・コンチェルト「メンデルスゾーン風に」
(3)アレグレット・カプリチオ
(4)「ヴェニスの謝肉祭」の主題による序奏と変奏曲
(5)ボレロ
レオン・ボッシュ(CB)
レベカ・オモルディア(P)

録音:2021年8月5-7日ボートン、モンチェルシー、聖ペータース教会
ダブル・ベース奏者レオン・ボッシュのアルバム「ヴィルトゥオーゾ・ダブル・ベース」シリーズ 第3弾。因みにボッシュはこのシリーズ以外にも当Meridian レーベルに数多くのアルバムがあ り、いずれも珍しい作曲家の作品を録音しています。今回のシリーズは一貫して 19世紀前半か ら後半にかけて活躍したダブル・ベース奏者で作曲家のジョヴァンニ・ボッテジーニの作品を 取り上げています。ボッテジーニは生前「ダブル・ベースのパガニーニ」と言われるほどの超絶技 巧を持った名手と謳われ、19世紀の他の作曲家同様、当時ヒットしたオペラ・アリアに基づい た技巧的な作品を多数残した。ダブル・ベースは単なるオーケストラの縁の下の力持ち、という 固定観念を覆すイタリア人作曲家らしい歌心に溢れた粋な小品がテンコ盛り。

MERIDIAN
CDE-84665(1CD)
ジョナサン・ラザフォード(b.1953):作品集
(1)気だるい午後(1967)
(2)セレブレーション弦楽四重奏曲(2015)
(3)オーボエ四重奏曲(1999)
(4)チェロ・ソナタ「ヘレン・キリックのために」(2018)
(5)リルケ弦楽四重奏曲(1995)
マッジーニSQ【【ジュリアン・リーパー(Vn)、チアラン・マッケイブ(Vn)、マーティン・ウートラム(Va)、ミハウ・カズノフスキ(Vc)】
(3)ニコラス・ダニエル(Ob)
(1)(4)ジョナサン・ラザフォード(P)

録音:2021年12月10-12日、サフォーク、ポトン・ホール・スタジオ
ジョナサン・ラザフォードはイギリス、サリー州出身の作曲家。作曲をナディア・ブーランジェ、 ピーター・マックスウェル・デイヴィス、ハリソン・バートウィッスルに学んだが、彼の音楽はいわゆ る現代音楽の方向には進まず、調性を堅持した新ロマン主義ないし新古典主義的な傾向を示 しています。弱冠14歳で作曲したチェロとピアノのためのロマンティックな小品「気だるい午後」に 始まり、2つの弦楽四重奏曲ほかラザフォードのロマンティックな音楽を手際よくまとめた一枚。

MERIDIAN
CDE-84667(1CD)
2ヴィオラ・ナウ!
(1)デボラ・プリッチャード:「ザ・ハート」(2022)
(2)エドウィン・ロックスバーグ:3人の為のソナタ(2019)
(3)サイモン・ローランド=ジョーンズ:2つのヴィオラのた
めの組曲(2021)
(4)ジョン・アレクサンダー:淡いブルーの点(2020)
ピーター・マリンソン(Va)
マティアス・ウィースナー(Va)
(2)(4)エフゲニア・スタルセヴァ(P)

録音:2022年4月28-29日、6月16-17日ボートン、モンチェルシー聖ペータース教会
マリンソンとウィースナーによる2つのヴィオラのための作品集第3弾。収録されている作品 はいずれも最近の作品だが前衛音楽色はなく、ヒンデミットやバルトーク、ブロッホを思わせる 民族的な近現代音楽といった趣き。ヴィオラのマリンソンは BBC 響のメンバーを務めながら同 時代の作曲家の作品を積極的に取り上げています。もう一人のヴィオラ奏者ウィースナーも BBC 響の団員を務めつつ、室内楽、ソロ活動にも精力的に取り組む俊英。

Da Vinci Classics
C-00732(1CD)
モーツァルト:ピアノ四重奏曲集
4手のピアノ・ソナタ K.381
ピアノ四重奏曲 ト短調 K.478*
ピアノ四重奏曲 変ホ長調 K.493#
マルコ・ソッリーニ(P)*、サルヴァトーレ・バルバターノ(P)#、ガブリエーレ・ピエラヌンツィ(Vn)、フランチェスコ・フィオーレ(Va)、ルイジ・プクセドゥ(Vc)

ライヴ録音:2022年6月12日
イタリアを代表するピアノ・デュオ、デュオ・ソッリーニ・バルバターノを組む二人を中心にしたモーツァルトの作品集。「4手のピアノ・ソナタ」では息の合った見事な演奏を展開しています。ピアノ四重奏曲では「第1番」をマルコ・ソッリーニのピアノで、「第2番」をサルヴァトーレ・バルバターノのピアノでそれぞれ弾き分けており、モーツァルトが二作品しか残さなかったこのジャンルの名曲を二人のピアニストで聴き比べることが出来ます。
Da Vinci Classics
C-00725(1CD)
カルロ・アレッサンドロ・ランディーニ(b.1954):チェロ・ソナタ集
チェロ・ソナタ第1番/チェロ・ソナタ第2番
グイード・パルマ(Vc)、
ジョヴァンニ・カパッティ(P)

録音:2015年6月
ミラノ音楽院からパリ音楽院へと研鑽を積み、オリヴィエ・メシアンに師事したカルロ・アレッサンドロ・ランディーニのチェロ・ソナタ集。ランディーニは多才な人物で、音楽だけではなく造形芸術、文学の世界でも活躍をしており、作曲の分野では2007年ワルシャワで行われたルトスワフスキ・コンクールで第1位を獲得しています。
Da Vinci Classics
C-00724(1CD)
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
コラール前奏曲 「いと愛しまつるイエスよ、われらここに集いて」 BWV.731/ソナタ第1番ト長調 BWV.1027/コラール前奏 「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」 BWV.645/ソナタ第2番ニ長調 BWV.1028/協奏曲第1番ニ長調 BWV.972より ラルゲット(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ニ長調 RV.230)/ソナタ第3番ト短調 BWV.1029
フランチェスコ・ガッリジョーニ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ロベルト・ロレジャン(ハープシコード)

録音:2022年6月、アッバツィア・サンタ・マリア(カルチェリ、イタリア)
パドヴァのC.ポッリーニ音楽院で学んだ後、バロック・チェロやヴィオラ・ダ・ガンバも専門的に学び、ヴェニス・バロック・オーケストラの創設メンバーとしてジュリアーノ・カルミニョーラらと多くの演奏・録音に参加してきたバロック・チェリスト、フランチェスコ・ガッリジョーニが弾くバッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集。
ヴィオールの仲間であり、「新しい」弦楽器としての仲間入りをした最後の楽器であるヴィオラ・ダ・ガンバは、その暖かな色彩感溢れる音色、広い音域、多数の弦による和音の演奏能力、そしてその構造で高く評価され、その音色だけでなく、キリスト教のシンボルである十字架を明確に連想させることで、多くの人を魅了しました。バッハはこの楽器を好んで作品に用い、聖歌や世俗の声楽作品、純粋な器楽作品でも、この楽器を多用しました。本アルバムでは、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ3曲に、コラール前奏曲と協奏曲からのガンバ・トランスクリプションをカップリング。ガンバのユニークな特徴とハープシコードとの豊かな相互作用の可能性、そして、バッハの思い描いたこの楽器への魅力を充分に引き出しています。
Da Vinci Classics
C-00722(1CD)
ブラームス(アルフレッド・ピアッティ編曲、チェロとピアノ版):21のハンガリー舞曲 WoO1 ルチアーノ・タランティーノ(Vc)、
パオロ・スカファレッラ(P)

録音:2022年4月(フォッジャ、イタリア)
ブラームスの「21のハンガリー舞曲」を、アルフレッド・ピアッティ(1822-1901)がチェロとピアノのために編曲した全曲版が登場!ピアッティはブラームスとも面識があり、ヨーゼフ・ヨアヒムやクララ・シューマンとも室内楽を奏でていたチェリストとしても知られていました。その腕前は素晴らしく、フランツ・リストからも高く評価されたと伝えられています。そのピアッティが、恐らくブラームスからも承認を得て編曲したチェロとピアノ版の「21のハンガリー舞曲」を、RAI国立SOを始めとして様々なオーケストラで活躍し、ピアッティの「12の奇想曲」などをリリースしているイタリアのチェリスト、ルチアーノ・タランティーノの演奏でお楽しみいただけます。民謡調を色濃く出すようなチェロの演奏と、ピアッティによってより精緻化されたピアノ・パートのスリリングな演奏が展開されています。

Kaleidos
KAL-63172(1CD)
クララ・シューマンへのオマージュ
クララ・シューマン:3つのロマンス Op.22
オクサナ・オメルチュク(1975-):クララ・シューマンへのオマージュ(無伴奏チェロのための)*
ゾフィー・ザイプト:ロマンス ハ長調 Op.1-1
ルイーゼ・アドルファ・ル・ボー(1850-1927):チェロ・ソナタ ニ長調 Op.17
ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847):幻想曲 ト短調、カプリッチョ 変イ長調
レベッカ・クラーク:エピローグ
カタリーナ・デセルノ(Vc)、
ネナド・レチッチ(P)

録音:2021年(ドイツ、デュルメン)
*世界初録音
19世紀から現代までの女性作曲家による優れたチェロ作品を集めた1枚。21世紀の音楽言語で鳴らされるオクサナ・オメルチュク(1975-)の無伴奏チェロ作品「クララ・シューマンへのオマージュ」がプログラムの特別な位置を占め、その他のロマンティックな音楽に対して対比を生み出し、プログラム的に重要な役割を果たしています。クララ・シューマンに師事したことのあるドイツ後期ロマン派の作曲家、ルイーゼ・アドルファ・ル・ボー(1850-1927)の素晴らしい旋律で満たされたチェロ・ソナタも聴きどころです。この作品は最近スティーヴン・イッサーリスが取り上げたことでも話題になりました。作品、演奏ともに素晴らしい内容のCDです。

NMC
NMC-D276(1CD)

PNMC-D276(1CD)
国内盤仕様
税込定価
太陽は海とともに自由に流れる〜オニクス・ブラス30周年記念委嘱作品集
パヌフニク:ブロードウェイ・タワーのためのファンファーレ
ゾイ・マートルー:キス、キス
マーク=アントニー・ターニジ:ONYX-30
イシャニ・ペリンパナヤガム:私の盗まれた呼吸のための音楽
エロリン・ウォーレン:ONYX-
シャーロット・ハーディング:菱形
サイモン・ドブソン:金管五重奏曲 第1番
ボビー=ジェイン・ガードナー:爪先立ちで(すべって転びそうな階段ダンス)
エミリー・ホール:黒すぐり、永遠
オニクス・ブラス〔ナイアル・キートリー(Tp)、アラン・トマス(Tp)、アンドルー・サットン(フレンチ・ホルン)、エイモス・ミラー(Tb)、デイヴィッド・ゴードン=シュート(テューバ)〕

録音:2023年1月2日-4日、王立バーミンガム音楽院ブラッドショー・ホール(バーミンガム、イギリス)
※国内盤:解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き
今は亡きイギリスの伝説のトランペット奏者フィリップ・ジョーンズから「ブラヴォー、オニクス!」と称賛の声を贈られたイギリスの金管五重奏団「オニクス・ブラス」は、1993年に結成され、金管五重奏のパイオニア的存在として、200以上の新作を委嘱してきました。メンバーは、ロイヤル・フィル、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、イギリス室内管、ロイヤル・バレエ・シンフォニアなど第1線の舞台で活躍する一流の奏者たちで構成されています。
2023年に結成30周年を記念してNMCからリリースされる本アルバムでは、現在活躍中の著名な作曲家たちによる委嘱作品を収録。アンジェイ・パヌフニクの娘であり、ポーランド系イギリス人作曲家、ロクサンナ・パヌフニクによるトランペット独奏のための荘厳なファンファーレから始まり、この30周年プロジェクトを立ち上げる発端にもなった、イギリス音楽界における最も重要な作曲家のひとり、マーク=アントニー・ターニジの 「ONYX-30」 では、グルーヴ感溢れるファンファーレと甘くメロウなサウンドで奏でるハーモニーで、金管楽器の魅力をたっぷりと堪能させてくれています。

NMC
NMC-D270(1CDR)
エイリーシュ・ニー・リーアン:ザ・ラスト・タイム・アイ・ダイド
1. ソベラド Soberado/2. ヒディング・アウト・ニース・ザ・エヴリシング Hiding Out ‘Neath the Everything/3. グラスフィッシュ Parambassis/4. アワ・ファースト・レッスン・イン・フォゲッティング Our First Lesson in Forgetting/5. コンセント#7 Consent #7/6. ブリーフ=ブルー=エレクトリック=ブルーム 〜サンキューBrief-Blue-Electric-Bloom: Thank You/7-8. レヴェリング/レカニング Revelling/Reckoning/9. タツノオトシゴ(ロング・スナウテッド) Seahorse [long snouted]/10. ドント! Don't!/11. ザ・ラスト・タイム・アイ・ダイド The Last Time I Died
エヴェリン・グレニー(パーカッション)、他
クセニア・ペストヴァ・ベネット(トイ・ピアノ/1)、ダーラ・モーガン(Vn/2)、エイリーシュ・ニー・リーアン(プリ=レコーデッド・オルタード・ピアノ/2、オルタード・ピアノ/9)、ポール・ロー(バス・クラリネット/3)、リーシャ・オブライエン(リコーダー/3)、フレデリク・ムンク・ラーセン(ギター/4)、サラ・ワッツ(バス・クラリネット/5)、カーラ・リース(バス・フルート/5)/ティム・ウィリアムズ(ツィンバロム/6)、トム・マッキニー(ギター/6)、エヴェリン・グレニー(パーカッション/7-8)、ニュー・ロンドン・チェンバー・アンサンブル(7-8)、エクスポネンシャル・アンサンブル(10)、プサッファ(11)

録音:2008年、2019年、2020年〜2022年
NMCの「デビュー・ディスク・シリーズ」からリリースされる、アイルランドの作曲家、エイリーシュ・ニー・リーアンの作品からなる初のフル・アルバム。アイリッシュ・タイムズ紙に「重要な才能(a significant talent)」と表されたニー・リーアンの音楽は、ヨーロッパ各地に加え、ブラジル、日本、アメリカなどでも演奏されています。聴覚障害を抱える彼女の音楽は、他者とのコミュニケーションに重点が置かれており、このアルバムの焦点となる「Revelling/Reckoning」では、聴覚障害を芸術活動に取り入れたもう一人の音楽家、エヴェリン・グレニーがフィーチャーされています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
NMC
NMC-D242(1CDR)
ブライシング・チェンジ
1. マーク=アンソニー・ターネジ:Contusion
2. ポル・ニューランド:difference is everywhere (altered)
3. ヘレン・グライム:弦楽四重奏曲第2番
ピアッティSQ(1)、
ボッツィーニ・クァルテット(2)、
ヒースSQ(3)

録音:2017年9月21日-22日(1)、2019年3月10日(2)、2022年7月20日(3)
NMCとウィグモア・ホールの共同委嘱による現代室内楽プロジェクト。2017年にリリースされた「Bracing Change」(NMC-D216)に続く第2弾。ターネジの「Contusion」は2015年のウィグモア・ホール国際弦楽四重奏コンクールの課題曲となった作品で、ピアッティSQはその見事な解釈で第2位受賞を果たしています。ここでは、それから数年後、作品との更なる深い関わりを経て行われた改訂版を収録。カナダのモントリオールを拠点に活動するボッツィーニ・クァルテット(ボッツィーニSQ)は、エリアスSQのために書かれた「difference is everywhere」の新ヴァージョン(altered)を初演。ウィグモア・ホール初の女性コンポーザー・イン・レジデンスとなったヘレン・グライムの弦楽四重奏曲第2番は2020年と2021年のパンデミックとロックダウンを背景に作曲され、ヒースSQによって初演されます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Hyperion
CDA-68413(1CD)
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 Op.106
サミュエル・コールリッジ=テイラー(1875-1912):5つの幻想的小品 Op.5(1895)
ドヴォルザーク
:弦楽四重奏曲第13番 ト長調 Op.106(1895)、
 アンダンテ・アパッショナート B40a(1873)
タカーチSQ〔エドワード・ドゥシンベア(Vn1)、ハルミ・ローズ(Vn2)、リチャード・オニール(Va)、アンドラーシュ・フェイェール(Vc)〕

録音:2022年8月19日-21日、ワイアストン・エステート・コンサート・ホール(バーミンガム、イギリス)
50歳を超え、『新世界より』、『アメリカ四重奏曲』、『チェロ協奏曲』などの傑作を書き上げたドヴォルザークと、英国王立音楽カレッジで学びながら作曲家としての名声を得始めていた20代前半のサミュエル・コールリッジ=テイラー。同じ1895年に生み出されたドヴォルザークの『弦楽四重奏曲第13番』とコールリッジ=テイラーの『5つの幻想的小品』は、作曲家としてのキャリアの中でまったく異なる段階にありながら、ともに補完的・同時代的な作品であり、タカーチSQの刺激的な演奏で、この興味深いカップリングをお楽しみいただけます。
タカーチSQは1975年にブダペストのフランツ・リスト音楽院の学生であったガボル・タカーチ=ナジらによって結成され、1977年エヴィアン国際弦楽四重奏コンクールで一等賞と批評家賞を獲得し国際的な注目を浴び、ポーツマス、ボルドー、ブダペスト、ブラティスラヴァ等多くのコンクールで優勝してきた世界最高峰のSQのひとつです。2020年6月には、グラミー賞受賞(+3度のノミネート)で知られる世界的ヴィオリスト、リチャード・オニールが新たなメンバーとして加わりました。近年では2022年9月にも来日公演を行っており、神奈川公演ではコールリッジ=テイラーの幻想的小品も演奏しています。

Ars Produktion
ARS-38634(1CD)
動物の謝肉祭
サン=サーンス:動物の謝肉祭(ベネディクト・テル・ブラーク編曲によるヴァイオリン、ピアノ、ベース、ドラムス版)
クロナティック・クァルテット〔トビアス・パウルス(Vn)、ベネディクト・テル・ブラーク(P)、マルコ・T・アレアータ(ベース)、ヤン・フリードリヒ(ドラムス)〕

録音:2021年11月
サン=サーンスの超名作「動物の謝肉祭」が、クロナティック・クァルテットのピアニスト、ベネディクト・テル・ブラークの編曲によって生まれ変わりました。基本的にはサン=サーンスの原曲に基づきながらも、パガニーニや民謡等のテーマが組み込まれていたり、テル・ブラークの自作やオリジナルな要素もふんだんに盛り込まれた自由度の高いアレンジとなっています。2017年に結成されたクロナティック・クァルテットは、ヴァイオリン、ピアノ、エレキ・ベース、ドラムスという極めてユニークな四重奏で、クラシック、ジャズ、ポップスの垣根を超えた独創的な活動を行っています。
Ars Produktion
ARS-38624(1CD)
ハンガリー・ハーモニー
バルトーク:ヴァイオリンのための狂詩曲 第1番SZ.87(Vcとピアノ版)
リスト:愛の夢第3番 変イ長調 S.541-3、
 「詩的で宗教的な調べ」より「愛の賛歌」S.173-10
コダーイ:チェロ・ソナタ第1番 Op.4
バッハ:ああ我らの人生とは BWV 743、
 天にまします我らの父よ BWV762、
 我らを救い給うキリストは BWV747
ドホナーニ
:ハンガリー牧歌 Op.32D
ラースロー・フェニュー(Vc)、
ユリア・オクルアシュヴィリ(P)

録音:2021年9月
ハンガリー出身のチェリスト、ラースロー・フェニューによるチェロとピアノのための作品集(編曲集)。ラースロー・フェニューは13歳でブダペストのリスト音楽院に入学しハンガリーで学びました。その後2004年ドイツで開かれたパブロ・カザルス国際コンクールで優勝し、それ以来国際的な活躍を見せています。2001年から2012年までフランクフルトRSOの首席チェリストを務めながら、ヴィグモアホールやコンセルトヘボウなど主要なホールでコンサートを行っています。

Huddersfield Contemporary Records(新規契約)
HCR-28CD(1CDR)
マリー・ベラミー:Behind the transparent surface(スモール・アンサンブルとハリー・パーチが制作した楽器のための)(2020)/Rift(パーカッション、ハープ、コントラバスのための)(2019)/Unfurling(ルポフォンとピアノのための)(2019)/Semblance(バス・フルートのための)(2011)/Dual Impulse(パーカッション独奏のための)(2021) アンサンブル・ムジークファブリーク、ELISIONアンサンブル、クリストファー・レッドゲイト(ルポフォン)、フィリップ・トーマス(P)、リチャード・クレイグ(バス・フルート)、ロス・カレ(パーカッション)

録音:2019年〜2022年
イギリスのハダーズフィールド大学で作曲を教えているマリー・ベラミーはヴィジュアルアートの分野とコラボレーションするなど、幅広い活動で知られる作曲家。彼女の作品は英国内外の音楽祭で演奏され、BBCラジオ3でも放送されています。数々の独創的な楽器を創り出したアメリカの現代音楽家、ハリー・パーチが制作した楽器を編成に取り入れた「Behind the transparent surface」や、ドイツで生まれた珍しいダブル・リード楽器、ルポフォンのために書かれた「Unfurling」など特徴的な作品が並びます。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。
Huddersfield Contemporary Records
HCR-29CD(1CDR)
Perfect Offering
カサンドラ・ミラー:Perfect Offering
リサ・イリーン:Weather a Rare Blue
ローレンス・ダン:Suite
レベッカ・サンダース:mumurs
エクスプロア・アンサンブル
リスナーを想像上の風景を探検する旅へと誘う4つの作品集。場所と空間、恍惚と静寂、明るさと暗さ、さらにアンビエンス、儚さ、屈折、沈黙といった様々なものをテーマに4人の作曲家の特徴がよく表されたアルバムに仕上がりました。BBCラジオ3のケイト・モレソンに「イギリスのトップ・ニュー・ミュージック・バンド」と評されたエクスプロア・アンサンブルは、ニコラス・モロスが英国王立音楽カレッジの仲間と共に2012年に設立した室内楽グループ。ロンドンを拠点に新しい作品の紹介、プロモーションを行っており、2021/22シーズンにErnst von Siemens Musikstiftung Ensemble Prizeを受賞しました。

ALBANY
TROY-1919(1CD)
「合流」〜アンシア・サクソフォン四重奏団
ピアソラ(ジャック・シャレッツ編):タンゴ組曲
リビー・ラーセン:合流
クリス・ルトコフスキ:ダルビッシュ(修道士)
レイモン・リッカー:3つのジャズ・セット
ジェリー・ドージョン:サンキュー
アンシア・サクソフォン四重奏団【マシュー・シンチャク(Sop.Sax)、ジョン・ハットン(Alt.Sax)、デイヴィッド・ミルン(Ten.Sax) 、アンジャラ・ワイアット(Bar.Sax)】

録音:2016年6月13-16日
ピアソラのタンゴ組曲をメインにアメリカの若手、中堅世代の作曲家によるサックス四重奏の ための作品集。ジャズ、ロック、ポップスの要素を程よく取り入れたノリのよい都会的なセンスを 持った洗練された作品揃い。
ALBANY
TROY-1922(1CD)
「登山」〜トロンボーン・アンサンブル作品集
アンドリュー・マーケル(b.1994):夢の行為(2021)
クリストファー・エヴァン・ハス(b.1933):復活(2021)
ジーナ・ジリー(b.1981):登山(2020)
ゲリー・クレシャ(b.1954):4つのモーション・スタディ(2021)〜5 つのトロンボーンのための
クリストファー・シャープ(b.1989):アパラチア幻想曲
デイヴィッド・F・ウィルボーン(b.1961):津波(2021)
ジェレミー・マークス(芸術監督)
カロライナ・トロンボーン・アンサンブル

録音:2022年5月23-26日第1長老派教会コンコード
テナー、バス・トロンボーンによる四重奏によるトロンボーン・アンサンブルのための作品集。 いずれもアメリカの若手からベテランまで世代も様々な作曲家による。カロライナ・トロンボーン・ アンサンブルはいずれもノース・カロライナ、サウス・カロライナ大学の出身者で現在はそれぞ れアメリカの主要オーケストラで首席を務めている名手たちで構成されています。トロンボーン関 係者、教育者は必聴。

ミッテンヴァルト
MTWD-99070(1CD)
草川信:室内楽全集・特別編
草川信(明治26年-昭和23年)(1893-1948)
(1)-(3)盟友成田為三氏の御霊に捧げる「ファンタジア」
FANTASIAT ピアノ独奏(1945)
FANTASIAU クラリネット四重奏曲(1946)
FANTASIAV ピアノ三重奏曲(1948)
(4)-(8)童謡
浜辺の歌(作詞 林古珪/作曲 成田為三)
揺籃のうた(作詞 北原白秋/作曲 草川信)
どこかで春が(作詞 百田宗治/作曲 草川信)
汽車ポッポ(作詞 富原薫/作曲 草川信)
夕焼小焼(作詞中村雨紅/作曲 草川信)
伊藤壽英(Pf、(2)以外)
(2)伊藤めぐみ(Cl)、印田千裕(Vn)、横畠俊介(Va)、印田陽介(Vc)、(3)浜野孝史(Vn)、江口心一(Vc)
(4)-(8)秋本悠希(Ms)
草川信(1893-1948)の室内楽作品全集(全6集、CD7 枚分予定)がスタートしま す。今回は正式な第1集の前の特別編として、「成田為三氏の御霊に捧げるファンタ ジア」と童謡を収録したものを特別価格にて発売いたします。 草川氏は「夕焼小焼」「揺籠のうた」「どこかで春が」など数々の童謡を作曲するが、特 に「夕焼小焼」は国民に昔から歌い継がれて、誰も知らぬものはないでしょう。しかし、こ の曲の知名度に比して、作曲者自身の名前を認識している人がどれだけいること か?また、なおさらクラシック作品の有無など、研究者でもなければ誰も知る由もない というのが実情です。 今回草川家で保存されていた手書きの楽譜を元に、室内楽全集の録音がスタート。 その作品の素晴らしさには感嘆するばかり。童謡がずっと親しまれている一方で、こ れらの楽譜が取り残されてしまったのは不思議でしかない。 今回の草川信レコーディング第1弾は成田為三氏の御霊に捧ぐ「ファンタジア」三部 作です。東京音楽学校では同期、創作童謡ではともに新境地を切り拓いた盟友成 田為三の死に際して作曲された。楽器編成を替えて3度も作曲したのは、深い悲しみ の心境を吐露したものと推察されます。名曲「浜辺の歌」や「かなりや」の旋律も顔を出す が、この曲では草川、成田二人の魂が相寄っているようにきこえます。 また、併録ではメゾソプラノの秋本悠希氏によって童謡が格調高く歌われています。

GENUIN
GEN-23812(1CD)
シェーンベルク(シュトイアーマン編):浄められた夜 Op.4
ツェムリンスキー:ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.3
シューベルト:ピアノ三重奏曲 変ホ長調 D897 「ノットゥルノ」
ハンブルク・トリオ【塩貝みつる(Vn)、ウルリッヒ・ホルン(Vc)、エバーハルト・ハーゼンフラッツ(P)】

録音:2021年3月15-16日 ドイツ フランクフルト・アム・マイン
2023年5、6月に来日公演を行うハンブルク・トリオの CD。ハンブルク・トリオは2013年結成。ヴァイオリンの塩貝みつるは、2004―2016年の長きに渡ってハンブ ルク国立PO(演奏会に加えてハンブルク国立歌劇場のピ ットに入るオーケストラ)のアソシエイト・コンサートミストレスを務めた名手。ウルリッ ヒ ホルンは2001年からフランクフルトRSOのチェロ奏者。エバーハルト・ ハーゼンフラッツはドイツのピアニスト。室内楽で活躍しています。 シュトイアーマン編曲によるシェーンベルクの浄められた夜は、原曲の弦楽六重奏 の極小オーケストラ的な性格よりもずっと室内楽曲的な作風になり、より繊細さが 強まっています。ハンブルク・トリオのしっとりと情感豊かな演奏が素晴らしく、シェー ンベルクだけでなくツェムリンスキーの熟した味わいも、シューベルトのノットゥルノ のゆったり広がる豊かさも見事。

MSR
MS-1810(1CD)
「コンポステラ」〜ファゴット作品集
(1)アンバー・フェレンツ(b.1973):意地悪なこどものための歌
(2)ケン・クーパー(1941-2003):ジャズ組曲
(3)ジェニ・ブランドン(b.1977):コンポステラ〜無伴奏ファゴットのための
(4)マックス・レンツ(1887-?):おのぼりさん
(5)マックス・レンツ:年老いたファゴット吹きの物語
(6)アリッサ・モリス(b.1984):数学
エリック・ヴァン・デル・ヴェーア・ヴァルナー(Fg)
(1)(2)(4)(5)(6)リサ・レナード(P)
(2)スコット・デイヴィス(Cb)
(2)フアンマヌエル・ロペス(Drums)

録音:2018年1月
ファゴット奏者エリック・ヴァン・デル・ヴェーア・ヴァルナーはアメリカの数々のオーケストラの首 席ファゴット奏者を歴任した後、現在はソリスト、室内楽奏者として活動するベテラン。このアル バムにはアメリカの若い世代の作曲家の作品を中心にファゴットのための作品が収められてい る。いずれも明朗な調性と形式で書かれた親しみ易いものばかり。ケン・クーパーの「ジャズ組 曲」ではドラムとベースも加わり、ファゴットがサックスばりのグルーヴィなプレイを聴かせる。
MSR
MS-1811(1CD)
ダグラス・ヘドウィグ(b.1951):金管楽器のための作品集
(1)「オニックス」〜金管五重奏のための
(2)「ヘリオドール」〜金管五重奏のための
(3)「オブシディアン」〜トランペット独奏のための
(4)トロンボーン・ソナタ「アンタラ」 〜トロンボーンとピアノのための
(5)「ウドマーヤ」〜6つのトランペットのための
(6)「新世界」〜ソプラノ、トランペットとピアノのための
(7)「ミュータント・カラーズ」〜6つのトランペットのための
(8)「ブルックリン・ファンファーレ」〜4つのファンファーレ
(9)「遠方より」〜金管八重奏のための
(10)「魂の音楽の小屋」〜フリューゲル・ホルン独奏と語りのための
(11)「或る角度から見た光」〜金管五重奏とオルガン、打楽器のための
ダグラス・ヘドウィグ(指)
ラグニアッペブラス
アルトゥス・トランペット・アンサンブル

録音:2022年6月9-12日ルイジアナ大学
作曲家ダグラス・ヘドウィグの金管楽器のための作品集。ヘドウィグは多様な楽器、編成のた めの作品を多数発表しているが、特に金管アンサンブルのための作品に優れたものが多く、そ の作品は世界中の多くの演奏家によって取り上げられています。このアルバムでは独奏曲から金 管八重奏までバラエティに富んだ作品が収められています。曲はいずれも金管楽器の特性を生 かした親しみやすい作風。
MSR
MS-1820(1CD)
ケヴィン・マッキー(b1980):金管五重奏のための作品集
(1)エスケイプ(2007)
(2)鉄の馬(2019)
(3)炎の帰還(2008)
(4)ガレオンとカトラス(2013)
(5)常にただ感謝あるのみ(2021)
(1)-(4)ブラス・ワークス
【ジェーソン・バーグマン(Trp)、セレッタ・ハート(Trp)、ローレンス・ローエ(Hrn) 、ウィル・キンバル(Trb)、ダン・ブライス(Tuba)】
(5)BYUホナーズ金管五重奏団【E.J.ミランダ(Trp)、ブランデン・ヘイニー(Trp) 、ウェストン・シムズ(Hrn)、アシュレイ・ランズ(Trb)、トマス・キンダー(Tuba)】

録音:2020年12月7-8日、2021年4月30日
作曲家ケヴィン・マッキーはアメリカの作曲家でトランペット奏者。ブラスの世界ではかなり知 られた存在で、彼の作品は世界中の金管楽器演奏者の間で盛んに演奏されています。このアル バムは彼のこれまでの金管五重奏のための作品を集めたものでファン、ブラス関係者は必携。 作品はいずれも親しみ易い作風で楽しめる。

CASCAVELLE
VEL-1679(1CD)
「インターヴァル」〜パンフルートとハープの二重奏
ドビュッシー:アラベスク第1番ホ長調
ドヴォルザーク:ユモレスク第7番変ト長調
モンティ:チャールダーシュ
ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌
モルナール:日本民謡の主題による幻想曲
チャイコフスキー:感傷的なワルツ ヘ短調 Op.51-6
F.ベッリーニ:夜想曲 Op.12
ビゼー:「カルメン」〜セギディーリャ,第3 幕への間奏曲
ファリャ:7つのスペイン民謡〜ナナ
イベール:間奏曲
ピアソラ:大いなる理由の砦
デルタ・デュオ【ジャンヌ・ゴリュ(パンフルート)、セリーヌ・ゲ・デ・コンブ(Hp)】
パンフルートとハープによる小曲集。パンフルートの素朴な伸びやかさとハープの華 やかさが融合して、実に美しい。いずれの曲も格調の高さを保ちつつ、ゆったりと楽し むことができます。ジャンヌ・ゴリュはスイスを代表するパンフルート奏者。演奏活動の他、 モントルー=ヴヴェ=リヴィエラ音楽院でパンフルートの指導者としても活躍しています。
CASCAVELLE
VEL-1681-82(2CD)
ポール・ミシュ(1886-1960):ヴァイオリンとピアノのための作品集
ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.14
ヴァイオリンとピアノのための20の小品
ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Op.20
ヴァイオリンとピアノのための17の小品
アレクサンドル・デュバク(Vn)
マルリス・ワルター(P)

録音:2021年10月11-13日,2022年7月11-12日 スイス ヴォー州 クロワ
スイスの作曲家、ポール・ミシュ(1886-1960)のヴァイオリンとピアノのための作品集。 ミシュはスイス、ベルン州クルトラリーの生まれ。ジュネーヴ音楽院でヴァイオリンを学 び、後に母校のヴァイオリン教授に就任、40 年に渡って指導にあたった。ヴァイオリニス トしての活動の他、作曲にも熱心だった。彼の作品だけがまとまった CD はこれが初め てかもしれない。作風は非常にロマンティックで、フォーレなどから印象派を飛び越して 直で繋がっているような印象を受ける。フランス近代のヴァイオリン曲が好きな人にはお 勧めできます。 アレクサンドル・デュバクはスイスのヴァイオリニスト。15歳でメンデルスゾーンのヴァイオ リン協奏曲を弾いてデビュー。チューリヒ・トーンハレOのコンサートマスターを務 めた。
CASCAVELLE
VEL-1683-84(2CD)
タンゴの詩人〜スタルマン作品集
■CD1
「ヴァイオリンと弦楽五重奏」
ミロンゴン/サンバの動機とマランボによる変奏曲/私はかつて/ 内気なタンゴ/マルタスタル/G線上のタンゴ/我が町/ 南米先住民のヴィダラ/スパルタクス/驚き/タンゴ・ルバート/ 付け足し付き/だってそうだから/古い考え
■CD2
「無伴奏ヴァイオリン、ヴァイオリンとピアノ」
ユーリ/昔に/きざな男/私のヴァイオリンと私/ もし私をほしいと思うのなら/愚か者/ヴァイオリン/甘く見る/ 変奏/考え/気取り屋/何か親密なこと/いとしいベアトリス/ ライオンの家/街のタンゴ/一番/中庭のタンゴ
ロベルト・サウィツキ(Vn)

■CD1
ランシー=ジュネーヴOの奏者
■CD2
エリーザベト・デンニ・コッヒャー(P)

録音:2022年
アルゼンチンの作曲家、ベルナルド・ストルマン(1910―2004)の作品集。彼の作風はクラシ ック寄りのタンゴといった感じで、どちら側からでも楽しめるでしょう。ストルマンと同じくブエノスア イレス生まれで盟友のアルゼンチンのヴァイオリニスト、ロベルト・サウィツキがどの曲も愛情を 込めて演奏しています。サウィッキは1970年から 1975年までスイス・ロマンドOでヴァイ オリン奏者を務めた。ランシー=ジュネーヴOは、スイス・ロマンドOを退任後サ ウィッキが創設したオーケストラ。

Pentatone
PTC-5187090(2CD)
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
■CD1
(1)ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 D.384,Op.137-1
(2)ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調 D.385,Op.137-2
(3)ヴァイオリン・ソナタ第3番ト短調 D.408,Op.137-3
(4)ヴァイオリンとピアノのための『華麗なるロンド』 ロ短調 D.895,Op.70
■CD2
(5)ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 D.574,Op.162
(6)ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D.934,Op.159
(7)ピアノ連弾のための幻想曲 ヘ短調 D.940,Op.103
ユリア・フィッシャー((1)-(6)ヴァイオリン/グァダニーニ1742年製作、(7)ピアノ/スタインウェイ D-274)
マルティン・ヘルムヒェン(P/スタインウェイ D-274)

録音:2009年1月3-5日、7月3-5日/ファルテルモント(オランダ)
現代最高のヴァイオリニストの一人、ユリア・フィッシャーによるシューベルトのヴァイオリンとピアノのための作品全集がCDフォーマットで再発売いたします。 フィッシャーのシューベルトはクールでスマートな演奏スタイルながら非常に細かいヴィブラートや情熱的なフレージングなど、これらの作品に合った名演を聴かせ てくれます。ピアノは長きに渡り共演しているマルティン・ヘルムヒェン。完璧なデュオと言えるほどフィッシャーとの相性がよく、二人の若々しいエネルギーがシュー ベルトの演奏にも表れております。この録音でフィッシャーはピアノ演奏を披露!ピアノの実力もまた相当なもので、ピアノ部門で参加した3つの国際コンクール その全てで優勝しているほどの腕前。プロのピアニストとしてはグリーグのピアノ協奏曲などを弾いており、その実力は確かなものです。フィッシャーの演奏する 室内楽作品は一糸乱れぬアンサンブルを聴かせてくれますが、これはピアニストでもあるフィッシャーだからこその演奏といえます。 ※CD再発売にともない、SACDハイブリッド盤(KKC-5429およびPTC-5186519)は廃盤となります。 (Ki)

MIRARE
MIR-616(1CD)
ショーソン・サン=サーンス
ショーソン:ピアノ三重奏曲ト短調Op.3
サン=サーンス:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調Op.92
ネーベルメーア・トリオ【ロアン・フルマンタル(P)、アルトゥー ル・ドゥカリス(Vn )、アルベリック・ブルノワ( チェロ)】

録音:2021年10月27-31日/カーン音楽院
若くフレッシュなピアノ三重奏団「ネーベルメーア・トリオ」デビュー盤。今年2023年ナントで行われたフォルジュルネに出演して注目されています。トリオ・ワ ンダラーとクレール・デゼールの秘蔵弟子で、カスパー・ダヴィヂ・フリードリヒの絵画からグループ名を付けました。
ショーソンのピアノ三重奏曲はフランクに入門した1882年頃の作。すでに師の影響濃厚な4楽章構成の大作ですが、ショーソン独特な叙情性とメロディの美し さに惹かれます。若いネーベルメーア・トリオならではのナイーヴでフレッシュな演奏が魅力。
サン=サーンスのピアノ三重奏曲第2番は1892年の作。短調でチャイコフスキーとの類似を感じさせますが、華麗なピアノ・パートなどサン=サーンスの独自 性も満ちています。 (Ki)

Challenge Classics
CC-72952(1CD)
父と子 〜J.S.&C.P.E.バッハ:ピアノ作品集
C.P.E.バッハ:ロンド ハ短調 Wq.59-4
 ロンド ト長調 Wq.57-3
 幻想曲 変ホ長調 Wq.58-6
バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
C.P.E.バッハ:プロイセン・ソナタ 第2番変ロ長調 Wq.48-2
  幻想曲 ハ長調 Wq.61-6
  ソナタ ニ長調 Wq.61-2
バッハ:イギリス組曲第2番イ短調 BWV807
C.P.E.バッハ:アリオーソと7つの変奏 ヘ長調 Wq.118-4
エイナフ・ヤルデン(P)

録音:2022年11月6-9日/オランダ、スキーダム、ウェストヴェスト教会
C.P.E.バッハの鍵盤音楽に初めて出会ったとき、その多様性と独創性、大胆な創意に、とにかく驚いたというエイナフ・ヤルデン。その衝撃を聴き手にも1枚の アルバムで伝えるために彼女が考えたのは、父バッハの作品と並べること。一見よくあるプログラムのようですが、あくまでC.P.E.バッハの音楽に光を当て たい、というのが根本にあります。いくつかは父が存命中に書かれた作品で楽曲形式こそ近いものもありますが、父が完成させ終焉させたバロック芸術と比べる と、まったく新しい指向性と実験精神に満ちた音楽であることがよくわかります。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンに影響を与え、さらにはロマン派の到来す ら予感させる新時代の音楽。偉大な父の存在を感じながら、息子がどれだけ遠くまで進んでいったのかに、思いをはせる内容です。
エイナフ・ヤルデンは2009年ベートーヴェン国際コンクール第3位入賞などの経歴を持つイスラエルのピアニスト。これまでに「ベートーヴェン&ストラヴィン スキー」(CC-72599)、「ハイドン」(CC-72742)、「シューマン」(CC-72776)のアルバムをリリースしています。

ATMA
ACD2-2859(1CD)
ノルディックの光
スチュワート・グラント
(1948-):室内セレナータ Op.19(1991)
エリザベス・ラウム(1945-):ソフィアをさがして(2000) [I. 舞曲-II. 祈り-III. 伝承主題による幻想曲]
マイケル・パーカー(1948-2017):親へのレクイエム Op.34(1986)
ブライアン・チェルニー(1942-):夏風の静寂のなかで(1987)
ヴァンサン・ボワラール(Ob)
モリナーリSQ

録音:2022年3月21-23日/ケベック、ミラベル、聖オーギュスタン教会
ジョン・ゾーン(ACD2-2774)やペンデレツキ(ACD2-2736)といった現代音楽を積極的にリリースしているモリナーリSQ。今回はカナダのオー ボエ奏者、ヴァンサン・ボワラールとタッグを組み、カナダの現代音楽を披露。単色の弦楽四重奏を背景に、オーボエの淡い音色がにぶく発光するように歌う、大 胆で刺激的なアルバムです。 (Ki)


SWR music

SWR-19434CD(5CD)
NX-D09
モスクワ・ユダヤ音楽協会100周年記念〜モスクワ・ユダヤ音楽協会の室内楽作品集
【CD1】
グリゴリー・クレイン(1879-1955):4つの無言歌 Op.23*
イスラエル・ブランドマン(1901-1992):民謡の主題による変奏曲 Op.12*
4つのヘブライの旋律による組曲(S. ベリソン編)
ユリアン・クレイン(1913-1996):3つのヘブライの無言歌 Op.12*
G. クレイン:3つの無言歌*
クレイン:葬送子守歌 Op.8-1*
G. クレイン:ラプソディ*
【CD2】
アレクサンドル・ウェプリック(1899-1958): ラプソディ Op.11*
アレクサンドル・クレイン(1883-1951):オーナメンツ Op.42(ヴィオラとピアノ編)
ミハイル・グネーシン(1883-1957):吟遊詩人の歌 Op.34(ヴィオラとピアノ編)
グネーシン:マリアムネへの歌 Op.37-2(ヴィオラとピアノ編)
ウェプリック:死の歌 Op.4*
ウェプリック:カディッシュOp.6*
グリゴリー・ガンブルク(1900-1967):「雅歌」よりヴィオラとピアノの為の2つの小品 Op.5
ウェプリック:厳格な歌 Op.9*(W. ボリソフスキー編)
ブロッホ:ヴィオラとピアノの為の組曲(1919)
【CD3】
ジョゼフ・アクロン(1886-1943):ヘブライの旋律 Op.33(Vnとピアノ編)
アクロン:ヘブライ民謡による即興的な舞曲Op. 37
アクロン:ヘブライの子守歌 Op.35-2(Vnとピアノ編)
ウェプリック:組曲 Op.7*
ヨエル・エンゲル(1868-1927):フライレヒス Op.20-2*
ラザール・サミンスキー(1882-1959):ヘブライ・ラプソディ Op.3-2*
A. クレイン:アリア Op.41*
A. クレイン:ヘブライ風カプリース Op.24*
A. クレイン:アリア第2番*
アクロン:おとぎ話 Op.46
アクロン:シャーOp.42
アクロン:カンツォネッタ Op.52 -2
アクロン:『ステンペニュ』 - ショーロム・アレイヘムの戯曲「バイオリン弾きステンペニュ」の為の音楽からの組曲
【CD4】
ブロッホ:へブライ風瞑想曲
ブロッホ:ユダヤ人の生活より
サミンスキー:ハシッド舞曲− ハシッド組曲 Op.24より第1番
レオ・ザイトリン(1884-1959):エリ・シオン(民謡と「雅歌」を主題とするパラフレーズ)
ヨアヒム・ストゥチェフスキー(1891-1982):Frejlachs(Improvisation) 即興
サミンスキー:瞑想曲- ハシッド組曲 Op.24より第2番
ストゥチェフスキー:ユダヤの歌
シノヴィ・フェルドマン(1893-1942):詩曲 Op.11*
アクロン:ヘブライ語の主題による神秘的な断片 Op.43
ソロモン・ロソフスキー(1878-1962):レチタティーヴォとハシッド舞曲
ストゥチェフスキー:イスラエル組曲
【CD5】
サミンスキー:雅歌(イディッシュ語)
サミンスキー:第1へブライ歌曲集 Op.12(イディッシュ語)
A. クレイン:ユダヤ舞曲 Op.50第1番-第3番 - ピアノの為の*
ロソフスキー:Ich bin a Bal-agole(ユダヤの歌、イディッシュ語)
ペザハ・ルヴォフ(1880-1913):Wos wet sajn mikojach burikes(ユダヤの歌、イディッシュ語)
エンゲル:Jeschnah erez Op.39-1(ヘヴライ語)
ミハイル・「モシュ」・ミルナー(1886-1953): 学校にて(イディッシュ語)
ミルナー:Tanz, tanz, mejdele, tanz(イディッシュ語)
A. クレイン:ユダヤ舞曲 Op.50第4番-第5番 - ピアノの為の*
グネーシン:Das Liedel von dem Mottele Op. 37-2(ドイツ語)
グネーシン:Das Grabmal Rachels Op.32NO. 2(ドイツ語)
グネーシン:Jad anuga hajta la Op.37- 1(ヘブライ語)
グネーシン:Aus dem Hohen Lied −雅歌 Op. 37-3より(ドイツ語)
アクロン:In a kleiner schtibele 小さな部屋(ユダヤの歌、イディッシュ語)
アクロン:Po En-Harod Op.39(ヘブライ語)
アクロン:A kapele konzertisten(イディッシュ語)
A. クレイン:ユダヤ舞曲 Op.50第6番-第7番 - ピアノの為の*
ウェプリック:2つのユダヤ民謡 Op.8
ウェプリック:2つのユダヤ民謡 Op.10
A. クレイン:2つのユダヤの歌 Op.39
A. クレイン:ユダヤ舞曲 Op.50第8番-第10番 - ピアノの為の*
サミンスキー:第2へブライ歌曲集 Op.13
サミンスキー:Rachelina(ヘブライ語)
【CD1】
ヴォルフガング・マイヤー(Cl)
ヤッシャ・ネムツォフ(P)

【CD2】
タベア・ツィンマーマン(Va)
ヤッシャ・ネムツォフ(P)

【CD3】
インゴルフ・トゥルバン(Vn)
ヤッシャ・ネムツォフ(P)

【CD4】
ダヴィド・ゲリンガス(Vc)
ヤッシャ・ネムツォフ(P)

【CD5】
ヘレーネ・シュナイダーマン(Ms)
ヤッシャ・ネムツォフ(P)

*…世界初録音
1908年に作曲家ヨエル・エンゲルらを発起人として発足した「ユダヤ民族音楽協会」。それ以前からもロシア5人組 のリムスキー=コルサコフをはじめとした何人もの音楽家、研究者たちがサンクトペテルブルグを拠点にユダヤの民俗 音楽を収集し、研究の成果を発表していましたが、その運動が少しずつ広がり、1923年にはモスクワにユダヤ音楽 協会が設立されます。しかしソビエト政権は「社会主義リアリズム」に反する人々を抑圧、投獄したため、この活動 も反ユダヤ主義のあおりを受けて1929年4月のコンサートを最後として短命に終わりました。 このアルバムで中心的役割を担うピアニスト、ヤッシャ・ネムツォフの父も強制収容所の生存者の一人であり、彼は 歴史に埋もれたユダヤ人たちの作品の復興を目指すため、多くの協力者を募り、1999年から2004年にかけて世 界初録音を含む5枚のアルバムの録音を成し遂げました。演奏はネムツォフとともに、ヴォルフガング・マイヤー、タベ ア・ツィンマーマン、インゴルフ・トゥルバン、ダヴィド・ゲリンガス、ヘレーネ・シュナイダーマンと錚々たるアーティストが担 当。知られざる作品の復興に力を尽くしています。


Biddulph
BIDD-85026(2CD)
NX-C03
ユーディス・シャピロ〜ブラームス&ストラヴィンスキー他を弾く
【CD1】
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」 ト長調 Op.78
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.100
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 Op.108
ブロッホ:バール・シェム組曲
【CD2】
バルトーク:狂詩曲第2番 Sz.89、90
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz. 56(ゾルターン・セーケイ編)
ミヨー:ブラジルの郷愁 Op. 67
ラヴェル:カディッシュ -2つのヘブライの歌第1曲
ストラヴィンスキー:協奏的二重奏曲(1932)
ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント- バレエ音楽『妖精の口づけ』より(サミュエル・ドゥシュキン編)(1934)
ライスラー:わが瞳に輝ける星(ポール・ウェストン編)
ハインツ・プロヴォスト:間奏曲(ポール・ウェストン編)
ユーディス・シャピロ(Vn)
ラルフ・バーコヴィッツ(P)
ブルックス・スミス(P)
ポール・ウェストン・アンド・ヒズ・オーケストラ

録音:CD1、CD2トラック1-15:1957年(MONO)

初出:Vanguard VRS-1009(HO-8P-1936/37)、VRS-1023 (J8-OP-1837/38)
CD2トラック16-24:1962年(STEREO)初出:Ava AS-15(HPS-157/58)
CD2トラック25&26:1958年(STEREO)初出:Columbia CS-8042
ユーディス・シャピロ(1914-2007)は、ニューヨーク州バッファローに生まれたヴァイオリニスト。ソリスト、室内楽奏者、オーケストラのコンサートマスターと して、また古典から現代音楽、更にはポップスや映画音楽まで、多彩な分野で人々を魅了しました。先に発売されたアルバム「アート・オヴ・ユーディ ス・シャピロ」(BIDD85025)に続く本作では、クラシック音楽のソリストとしての演奏をたっぷりと聴かせます。 シャピロは12歳でバッファロー・フィルと共演、カーティス音楽院でエフレム・ジンバリストに学びました。1941年にロサンゼルスに移り、ハリウッドの映画ス タジオ史上初の女性コンサートマスターとなって20年余りにわたって数々の映画のサントラ録音に参加しました。その一方で1943年にはアメリカン・ アート四重奏団を結成し、第1ヴァイオリンとして東海岸のジュリアードSQに匹敵する評価を獲得。1950年代にはRCAビクター交響楽 団のコンサートマスターとして、ヤッシャ・ハイフェッツのラロ:スペイン交響曲やツィゴイネルワイゼン等の録音に参加。更にロサンゼルス室内管のメンバー として現代音楽の演奏に意欲的に取り組み、特にストラヴィンスキーはシャピロを非常に高く評価しました。ソリストとしては、フリッツ・ライナー、ユージ ン・グーセンス、ウィリアム・スタインバーグらの指揮で演奏、またアルトゥール・シュナーベル、リリー・クラウス、ルドルフ・フィルクシュニー、そしてブルーノ・ワ ルターのピアノと共演しています。 このアルバムではまずブラームスの3つのヴァイオリン・ソナタが聞けるのが嬉しいところ。中庸からほんの少し速めに保たれたテンポ、情熱的な場面でも 揺るがない造形感覚は、ブラームスにうってつけ。ストラヴィンスキーの2作品は作曲者の監修の元に行われたステレオ録音。ブラームスで見せた音楽 的なセンスはストラヴィンスキーの擬古典的作品にもマッチしています。シャピロはブロッホ、バルトーク、ミヨーといった民族性が重視されるレパートリーに も見事に適応しており、「どんな曲でも求められる通りに演奏できた」という評判を裏付けます。民俗的な激しい表現の中にも気品を感じさせる瞬間 があるのも魅力で、彼女が高い人気を得ていた一因と推測されます。ピアノのバーコヴィッツはピアティゴルスキーと、ブルックス・スミスはハイフェッツと、繰 り返し共演している名手です。 ボーナストラックのように置かれた最後の2曲は一転ポップスの世界。映画スタジオで活躍したシャピロに相応しいムードたっぷりの音楽です。Biddulph の解説書の中ページは通常モノクロですが、このアルバムではシャピロが使っていたピエトロ・グヮルネリの写真を4ページにわたって掲載。入れ込みよう が伝わります。

CAvi music
85-53527(1CD)
フランク&マルタン:ピアノ五重奏曲集
マルタン:ピアノ五重奏曲 ニ短調(1919)
フランク:ピアノ五重奏曲 へ短調(1879)
マーティン・クレット(P)、
アルミーダSQ

録音:2022年2月、バイエルン放送スタジオ2(ドイツ、ミュンヘン)
クラシックのみならずジャズやタンゴでも洗練された演奏を聞かせる気鋭のピアニスト、マーティン・クレットと、ARDミュンヘン国際音楽コンクール優勝をはじめ輝かしい受賞歴を持つアルミーダSQによる、フランク・マルタンとセザール・フランクのピアノ五重奏曲!クレットの意見では、ピアノ五重奏曲は「室内楽における完璧な編成」であり、どちらもそれ自体が完璧なユニットである「ピアノ」と「弦楽四重奏」、それぞれが持つ幅広い音域と音色を組み合わせることで、室内楽の親密な音から、オーケストラのような密度の高い音の塊まで、あらゆるサウンドを表現することができると説明しています。スイス人作曲家フランク・マルタンは、初期作品であるピアノ五重奏曲において、「古典的な伝統」とセザール・フランクの遺産の痕跡を残しながら、音楽的な進化を追求しました。マルタンは「私をクラシック音楽から脱却させることができた最初の音楽家」として、フランクを重要な師と見なしていたのです。

Chandos
CHAN-20271(1CD)
ベルリン・ストーリーズ〜メンデルスゾーン、ユオン、スカルコッタス
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第2番 ハ短調 Op.66
パウル・ユオン:連祷 嬰ハ短調 Op.70
スカルコッタス:ギリシャ民謡による8つの変奏曲
トリオ・ガスパール

録音:2022年7月〜8月、ポットン・ホール(イギリス、サフォーク)
2010年に結成され、同世代で最も人気のあるピアノ・トリオのひとつとなっているトリオ・ガスパール。最新作『ベルリン・ストーリーズ』は、それぞれ異なる理由や状況で一時期ベルリンに滞在した3人の作曲家に焦点を当てた1枚です。メンバーは3人とも現在ベルリンに住んでいるか、過去に住んだことがあり、本作では魅力的で活力に満ちた大都市ベルリンに対する愛と賞賛の気持ちが表現されています。
フェリックス・メンデルスゾーンの祖父、哲学者のモーゼス・メンデルスゾーンはユダヤ啓蒙運動の指導者的存在であり、家族をベルリンで有力な地位につけ、フェリックスとファニーの音楽的才能の発展を促しました。「ピアノ三重奏曲第2番」は古典的な様式と技法、ロマン主義的感性を巧みに結びつけたメンデルスゾーンならではの名作で、ブラームスにも影響を与えました。スイス系ロシア人のパウル・ユオン(1872-1940)は、1894年にベルリン高等音楽学校に留学し、1934年まで滞在しました。「連祷」は通常のピアノ三重奏曲のレパートリーにはない独自性を持っており、R・シュトラウスの交響詩のようなスケールと野心を持った力作です。ギリシャの作曲家ニコス・スカルコッタスは、1921年にベルリンに到着し、1933年まで滞在しました。彼は複数の著名な音楽家に作曲を学び、シェーンベルクのマスタークラスにも参加しています。「8つの変奏曲」では彼の母国の民俗音楽とセリー音楽の融合が試みられています。

Sterling
CDA-186418662(3CDR)
All You Need〜スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(b.1955):作品集

[Disc1]
(1)ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 「ミュロスベッケンの夕べ」
 ピアノ三重奏曲第2番イ短調
 ピアノ三重奏曲第3番ハ短調
 ピアノ三重奏曲第4番イ長調 「ノアクじいさん」
 ピアノ三重奏曲第5番ハ短調 「そうだ、彼が生きるよう…」
 ピアノ三重奏曲第6番ニ短調 「火の踊り」
 
(2)花咲く季節がやってきた(P・ソロのための編)
 
(3)夏の牧歌(オルガンのための即興)
(4)人類(合唱、ピアノとフルートのための)/書き手たちがいる(合唱、ピアノとフルートのための)/母なる地球(合唱、ピアノと独唱のための)

[Disc2]
(5)楽章のピアノ協奏曲(P・ソロとオルガンのための編)

「オルガン即興の紹介」
  ヘンリク・トゥービン(紹介)
(6)オルガン即興
[Disc3]
(7)教会オペラ 「息子」
(1)スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(P)、ンニカ・スタッティン(Vn)、ラーシュ・スタッティン(Va)
録音:2019年6月、グスタフ・アドルフ教会(ボロース)]
(2)スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(P)
録音:2021年3月、ビョルクルンド=ユッランデル・スタジオ

(3)スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(Org)
録音:2020年9月24日、グスタフ・アドルフ教会(ボロース)(ライヴ録音)
(4)ニコライ室内cho、スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(P)、ベアトリス・オルレル(歌)、マデレイネ・B・ニルソン(Fl)、クリスチャン・ユンググレーン(指)
録音:(ライヴ録音)
(5)スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(P、オルガン(第1・第3楽章)、カール=グスタフ・エークストレム(Org)(第2楽章)
録音:ビョルクルンド=ユッランデル・スタジオ(第1・第3楽章)、カローリ教会(ボロース)
(6)スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(Org)
録音:2021年秋、ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ)(新オルガン落成式ライヴ)
(7)スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(P、オルガン)、OPERAnerna 独唱者
録音:1998年6月-1999年5月、スタジオ・ネーヴォ、スウェーデン放送(スンツヴァル)、スウェーデン放送(シューヘーラド)]
[楽器:Piano:Yamaha GT1/ Organ Allen(Alno parish)]
スタファン・ビョルクルンド=ユッランデルは、1955年、ストックホルム生まれ。王立ストックホルム音楽大学、イタリア、ハンガリーのリスト音楽院で学び、オルガニスト、ピアニスト、作曲家として活動。2000年からボロースのグスタフ・アドルフ教会の教会音楽家を務め、ピアノやオルガンのための作曲と即興も手がけています。
『即興、コンサート・エチュード、瞑想』(CDA-182418252)に次ぐ作品集。1楽章で書かれた6曲の短い 「ピアノ三重奏曲」、王立ストックホルム音楽大学の学生だった時にピアノと管弦楽のために作曲した 「3楽章のピアノ協奏曲」 の「ピアノ・ソロとオルガンのための編曲」、ヨーテボリ・コンサートホールに設置された新しいオルガンの落成式に演奏した 「オルガン即興」。「人の子」 は、ビョルクルンド=ユッランデル自身がイエス・キリスト(人の子)の生涯を描いた台本による第1幕「不思議な夜」、第2幕「洗礼」、第3幕「復活」の3幕の教会オペラです。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Da Vinci Classics
C-00706(1CD)
フルート、チェロとピアノのための三重奏曲集
ハイドン:フルート、チェロとピアノのための三重奏曲 ニ長調 Hob.XV:16
フリードリヒ・クーラウ:フルート、チェロとピアノのための三重奏曲 ト長調 Op.119
ウェーバー
:フルート、チェロとピアノのための三重奏曲 ト短調 Op.63J.259
アンヤ・クロイツァー(Fl)、
マルティン・プラティッソーリ(Vc)、
ヨアンナ・ザティ(P)

録音:2022年7月、ドルノ(イタリア)
魅力的ながら完璧な音のバランスを見つけるのが難しいフルート、チェロとピアノのための三重奏曲集!本作にはこれらの楽器の錬金術の秘密を見つけようとする作曲家たちの努力と、最終的な成功の証が収められています。ハイドンの三重奏曲ではフルートが主役となっているのに対し、クーラウの作品では3つの楽器が対等に扱われています。ウェーバーの作品では3つの楽器の組み合わせがさらに巧妙になっており、各楽器の洗練された扱いが見事です。比較的珍しい編成のアンサンブルが持つ未知の可能性を、作曲家とともに探求することができる1枚です。
Da Vinci Classics
C-00716(1CD)
ウィンクラー:室内楽作品集
デイヴィッド・ウィンクラー:ピアノ五重奏曲(2013)
チェロ・ソナタ(2010)
ピアノのための光のソナチネ(2020)
アレッサンドロ・ヴィアーレ(P)、
アンドレイ・チェクマゾフ(Vc)、
ガブリエーレ・バルドッチ(P)、他

録音:2010年&2022年
マルタ・アルゲリッチによって「現代における最も偉大な作曲家の一人」と称されたデイヴィッド・ウィンクラーによる室内楽作品集。2013年に作曲された「ピアノ五重奏曲」は、ルガーノ音楽祭のために作曲されたもので、セカンド・ヴァイオリンの代わりにコントラバスが編成に組み込まれています。2020年作曲の「ピアノのための光のソナチネ」は、ベートーヴェンの生誕250年を記念した作品で、ベートーヴェンの良く知られた動機や様式的特徴が示唆されますが、その作品は完全なオリジナル作品です。
Da Vinci Classics
C-00713(1CD)
19世紀〜20世紀のオーボエ・ソナタ集
ヒンデミット:オーボエ・ソナタ
ニールセン:幻想的小品 Op.2
アドルフ・デランドル(1840-1911) :序奏とポロネーズ
マルセル・ビッチュ(1921-2011):ロマンツァ
サン=サーンス:オーボエ・ソナタ Op.166
プーランク:オーボエ・ソナタ FP.185
シルヴィオ・ザンケッティ(1923-2002):秋の憂鬱
ルチアーノ・フランカ(Ob)、
フィリッポ・パンティエリ(P/ベヒシュタインD)

録音:2020年5月(イタリア)
オーボエとピアノの対話。本アルバムでは、美しい作品、レパートリーの主要作品から、あまり知られていない逸品まで、19世紀から20世紀という1世紀にわたる中で書かれた、オーボエの表現力の可能性とピアノとの相互作用を追求した作品の数々を集成。ピアノは、1922年に製作された歴史的な楽器を使用し、当時の響きとオーボエの美しい音色をお楽しみいただけます。演奏は、元ミラノ・スカラ座Oの首席オーボエ奏者として活躍したルチアーノ・フランカです。

Harp&Company
CD-505049(1CD)
メヨウハス:フルートとハープのための音楽
ヨラム・メヨウハス(b.1967):フルートとハープのためのソナタ
フルートとハープのための詩篇集
フルート、ハープ、弦楽五重奏のための二重室内協奏曲
エスティ・ロフェ(Fl)、
ラシェル・タリトマン(Hp)、
ドロン・サロモン(指)、
イスラエル・弦楽アンサンブル
イスラエル、テルアビブ出身の世界的ハーピスト、ラシェル・タリトマンが設立した「ハープ音楽に特化」した世界でも珍しい自主レーベル、「ハープ・アンド・カンパニー(Harp & Company)」からヨラム・メヨウハス(b.1967)の作品集が登場です。メヨウハスは、イスラエルの様々なオーケストラで首席ヴィオラ奏者を務める他、作曲家としても活動しています。エスティ・ロフェとラシェル・タリトマンのために作曲を依頼されたメヨウハスは感激し即座に二人のための作品に取り掛かりました。「フルートとハープのための詩篇集」は元々メゾ・ソプラノとハープのために作られましたが、器楽演奏に適していると判断したメヨウハスによってフルートとハープ版に作曲されました。

Hyperion
CDA-68419(1CD)
ファンタジー・イン・ブルー〜チェロ、サクソフォン四重奏とピアノのための編曲集
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 Op.33(シュテファン・マルツェフ編)
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 イ短調 RV418(イタイ・ソボル編)
ファリャ:7つのスペイン民謡(セバスチャン・ゴッチック編)
ショスタコーヴィチ:前奏曲 「ギター」(映画音楽『馬あぶ』 Op.97より、
 レヴォン・アトミアン編)、エレジー(劇音楽『人間喜劇』 Op.37より、レヴォン・アトミアン編)、
 ワルツ第2番(舞台管弦楽のための組曲より、ルイ=ノエル・フォンテーヌ編)
ガーシュウィン(シュテファン・マルツェフ編):ファンタジー・イン・ブルー
アルバン・ゲルハルト(Vc)、
アリアージュ五重奏団(サクソフォン四重奏+ピアノ)

録音:2022年5月、ドイツ放送カンマームジークザール(ドイツ、ケルン)
これは驚き!ドイツ・チェロ界の新皇帝、アルバン・ゲルハルトとアリアージュ五重奏団(サクソフォン四重奏+ピアノ)による名曲の再創造!
バロックからガーシュウィンまで、どの作品も真面目に、オリジナルの精神に忠実に、遊び心のある見事なアレンジが施されています。チャイコフスキーやヴィヴァルディの協奏的作品を聴くと、チェロと絡み合う4本のサクソフォンとピアノの表現力に驚かされます。原曲に近いアレンジもあれば、「ロココの主題による変奏曲」のジャジーな第6変奏のように、大胆でユニークなアレンジも。(ここではオリジナルの変奏曲の和声構造はほぼそのままに、タイムマシンに乗ったチャイコフスキーは煙草の煙の充満した地下のナイトクラブへと飛ばされてしまいます)最後の「ファンタジー・イン・ブルー」はもちろんガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」のアレンジですが、ピアノ・ソロの要素をチェロやサクソフォンに割り当てたり、ソロとオーケストラを逆転させたり、ピアノのカデンツァを再構築したりと、驚くべき再創造が行われています。

Urania Records
LDV-14101(1CD)
ストリング・クァルテット・トランスクリプションズ
ジミ・ヘンドリックス(スティーヴン・マッキー編):ファイアー、フォクシー・レディ、Manic depression、アー・ユー・エクスペリエンスト?、レッド・ハウス、恋はワイルド・シング
ジャニス・ジョプリン(マッキー編):心のカケラ
ジョン・レノン&ポール・マッカートニー(ジャック・ロング編):ペイパーバック・ライター、トゥモロー・ネバー・ノウズ、ホエン・アイム・シックスティ・フォー、ハード・デイズ・ナイト
ルカ・サンタニエロ(ファースト・ヴァイオリン)、ファビオ・ラヴァージ(セカンド・ヴァイオリン)、アドリアーナ・タタル(Va)、ガブリエレ・ザネッティ(Vc)
クラシック音楽と他の音楽(ロック、ポップス、ジャズ、ラグタイムなど)との境界線は20世紀から21世紀にかけて曖昧になってきました。このアルバムではいわゆるクラシック音楽の弦楽四重奏の編成で、アメリカやイギリスのロックを演奏しています。アメリカの伝説的なギタリスト、ジミ・ヘンドリックスやロック・シンガーであるジャニス・ジョプリン、そしてイギリスのロック・バンド、ビートルズの作品をまた違った側面からお楽しみいただけます。

Urania Records
LDV-14099(1CD)
カール・ヴァイグル:弦楽四重奏曲集
カール・ヴァイグル(1881-1949):ヴィオラ・ダモーレを伴う弦楽四重奏曲第2番ホ長調(世界初録音)
弦楽四重奏曲第4番ニ短調(世界初録音)
アルトと弦楽四重奏のための3つの歌
メゾ・ソプラノと弦楽四重奏のための3つの歌(ドイツ語による世界初録音)
アンサンブル・マーク・ロスコ〔カルロ・ラザリ(Vn)、ジャーダ・ヴィゼンティン(Vn)、べンジャミン・バーンスタイン(ヴィオラ、ヴィオラ・ダモーレ)、マリアンナ・シナグラ(Vc)〕、アルバヌ・カレール(Ms)
オーストリア後期ロマン派の作曲家、カール・ヴァイグルが残した世界初録音を含む弦楽四重奏曲集が、イタリアのインディペンデント・レーベル【ウラニア・レコーズ(Urania Records)】から登場。上流階級出身のヴァイグルは、ツェムリンスキーから作曲の手解きを受け、ウィーン音楽院ではロベルト・フックスの下で作曲を学びました。シェーンベルクとも親交が深く、マーラーの作風を受け継ぎ生涯ロマン派風の曲調を貫きました。
アンサンブル・マーク・ロスコは、2011年、イタリア北東部の優れた弦楽器奏者たちにより結成され、メンバーは、室内楽、ソロ、オーケストラ、教育の各分野で、さまざまなプロフェッショナルな経験を共有し、聴衆が聴く機会の少ない素晴らしいレパートリーを広めています。カルロ・ラザリ、ベンジャミン・バーンスタイン、マリアンナ・シナグラは、イタリアSQとトリエステ三重奏団の下で研鑽を積み、世界各地での演奏活動の他、いくつかのメジャーレーベルでの録音も残しています。彼らはイタリアの主要オーケストラ(ミラノ・スカラ座、ヴェネツィア・フェニーチェ劇場、アレーナ・ディ・ヴェローナ、トリエステ・ヴェルディ歌劇場、アルトゥーロ・トスカニーニ・PO)で首席奏者を務め、海外ではイスラエル・フィル、サンパウロ州Oなどでソリストとして活躍。イタリアの各音楽院では、後進の指導にも力を注いでいます。
Urania Records
LDV-14100(1CD)
フバイ:ヴァイオリン・ソナタ集
イェネー・フバイ(1858-1937):ロマンティックなソナタ Op.22
夜想曲 Op.42(初稿版による世界初録音)
夜想曲 Op.73(初稿版による世界初録音)
ロマンス Op.24(初稿版による世界初録音)
花の一生 Op.30より1. 芽生え(世界初録音)
スケルツォ Op.80
アレッサンドロ・クレリチ(Vn)、
キアラ・サルキーニ(P)
リストに支持され、ブラームスに賞賛され、ヴュータンの友人であったイェネー・フバイは、当時ヨーロッパで有名だったハンガリーのヴァイオリニスト兼作曲家です。現在では、音楽学の分野で徐々に再発見され、コンサートやレコーディングで成果を上げている芸術家の一人でもあります。本アルバムでは、中欧のエレガントなテイストとハンガリーの要素を融合させたヴァイオリンとピアノのための作品を集約しています。

Lyrita
SRCD-412(1CDR)
イギリスのチェロ・ソナタ集 Vol.2
エセル・スマイス
(1858-1944):チェロ・ソナタ イ短調 Op.5(1887)
ディーリアス
:チェロ・ソナタ(1916)
アームストロング・ギブス(1889-1960):チェロ・ソナタ ホ短調 Op.132(1951)
ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.65(1961)
ライオネル・ハンディ(Vc)、
ジェニファー・ヒューズ(P)

録音:2021年12月15日-16日
アカデミー室内管の首席チェロ奏者として活躍し、イギリス王立音楽院のチェロ科教授に就任したイギリスのチェリスト、ライオネル・ハンディとジェニファー・ヒューズによるイギリスのチェロ・ソナタ集の第二弾。ロストロポーヴィチとの親交から生まれたブリテンのチェロ・ソナタから、あまり知られていないイギリスの女流作曲家エセル・スマイスの抒情的な作品など珍しいものまで収録しています。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

Nimbus
NI-8111(1CDR)
サン=サーンス Vol.4〜ハルモニウムとピアノのための二重奏曲集
アレクサンドル・ギルマン:スケルツォ・カプリチョーソ Op.36、
 パストラーレ Op.26
サン=サーンス:6つの二重奏曲 Op.8よりスケルツォ
フランク:前奏曲、フーガと変奏曲 Op.18FWV.30
サン=サーンス:二重奏曲 Op.8よりカプリッチョ
ギルマン:祈り ヘ長調 Op.16
サン=サーンス:二重奏曲 Op.8よりコラール
ギルマン:Finale alla Schumann Op.83
サン=サーンス:二重奏曲 Op.8よりカヴァティーナ、
 二重奏曲 Op.8より幻想曲とフーガ
ギルマン:エレジー・フーガ Op.44
サン=サーンス:二重奏曲 Op.8よりフィナーレ
ミロシュ・ミリヴォイェヴィチ(クラシカル・アコーディオン)、
サイモン・キャラハン(P)

録音:2021年12月6日-8日
第1巻と第2巻はマーティン・ジョーンズとエイドリアン・ファーマーによるピアノ連弾と2台ピアノ作品、第3巻はサイモン・キャラハンと竹ノ内博明による、ショパンとリストのピアノ・ソナタ(サン=サーンス編曲2台ピアノ版)と続いて好評を博してきたサン=サーンスの作品集第4巻。サン=サーンスのハルモニウムとピアノによる「二重奏曲 Op.8」を中心とした作品集は、ハルモニウムと同じようにふいごから送られる空気によって発音する楽器、アコーディオンによって演奏されています。
ミロシュ・ミリヴォイェヴィチはセルビア出身のクラシカル・アコーディオン奏者。ロンドンの王立音楽アカデミー(RAM)で学び、RAMクラブ賞を受賞した最初のアコーディオン奏者となり、イタリア、デンマーク、フランス、ドイツの国際コンクールで第1位を受賞しています。ピアノは知られざる作品を次々と録音し、話題を呼ぶピアニスト、サイモン・キャラハンです。
※当タイトルは、高品質メディア(SONY DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。

EM Records
EMRCD-075(1CD)
ニュー・ライト
エルガー:ヴァイオリン・ソナタ Op.82、
 愛のあいさつ Op.12、
 夜の歌 Op.15-1、朝の歌 Op.15-2
アイヴァー・ガーニー(1890-1937):ヴァイオリン・ソナタ ニ長調(世界初録音)
ルパート・マーシャル=ラック(Vn)、
ダンカン・ハニーボーン(P)

録音:2021年3月29日-30日
ここ数年着実に録音される機会が増えてきているエルガーの「ヴァイオリン・ソナタ」ですが、このアルバムでは、スケッチや草稿、エルガーが注釈をつけた校正ずり、初版など現存する資料をすべて用いて改訂されたヘンレ版(2019年出版)を用いての録音となっています。そしてエルガーの晩年に作曲されたこのソナタと同時に、初期の作品である「愛のあいさつ」(2014年ヘンレ版)、そして「夜の歌」と「朝の歌」(2021年ヘンレ版)が収録されており、あらゆる角度からエルガーの作品を楽しめるアルバムとなっています。
世界初録音となるアイヴァー・ガーニー(1890-1937)の「ヴァイオリン・ソナタ ニ長調」は、運指や演奏技術に関する指示が細かく明記されており、作曲家の意図が再現された演奏となっています。

CPO
CPO-555544(1CD)
NX-B02
ルビンシテイン:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲 ハ短調 Op.17-2
弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.17-3
ラインホルトQ【ディートリヒ・ラインホルト(Vn)、トビアス・ハウプト(Vn)、ノルベルト・トゥンツェ(Va)、ドロテー・エルビナー(Vc)】

録音:2020年8月29日、5月1、3、4日
ピアノ曲や交響曲で知られるロシアの作曲家・ピアニスト、ルビンシテイン。彼は10曲の弦楽四重奏 曲を遺しましたが、アルバム収録のこの2曲は1855年に出版されています。バッハとメンデルスゾーンの 伝統を継ぐこの作品は、ライプツィヒを中心に人気を獲得、彼の生前から何度も繰り返し演奏されました。弦 楽四重奏曲Op.47-1と3(777709)と同じく、古典派からロマン派作品を得意とするラインホルト四重奏 団による演奏です。

TOCCATA
TOCC-0682(1CD)
NX-B03
フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000):室内楽作品集 第6集
小さな演奏会用音楽- 弦楽四重奏のために(1961)
練習曲 -ヴァイオリンとヴィオラのために(1997)*
ソナチネ第1番- ヴァイオリンとピアノのために(1930)*
ビハール地区のルーマニア民俗舞曲 −ヴァイオリンとピアノのために(1950)*
ソナチネ第2番- ヴァイオリンとヴィオラのために(1931)
ハンガリー舞曲風- ヴァイオリンとピアノのために(1934)*
ソナチネ第3番- ヴァイオリンとピアノのために(1959)*
弦楽四重奏曲(1970-72)
ギューラ・シュトゥレル(Vn)
島貫ゆかり(Va)
デーネシュ・ヴァーリョン(P)
シュトゥレルQ

録音:2022年6月13-18日
*…世界初録音
TOCCATAレーベルの人気シリーズ、フェレンツ・ファルカシュの作品集。13作目となるこのアルバムではファルカシュ のヴァイオリンを用いた室内楽作品に焦点が当てられています。 ハンガリーに生まれ、プダペスト音楽アカデミーで学んだ後、ローマの聖チェチーリア音楽院でレスピーギに学び作曲 の研鑚を積んだファルカシュ、ここで聴ける作品は1930年代から1990年代までと作曲年代に隔たりがあります が、どれも快活なリズムと民謡風の旋律が用いられた親しみやすいものばかりです。弦楽四重奏曲の演奏はヴィオ ラ奏者島貫ゆかりが名を連ねるシュトゥレル四重奏団が担当。島貫はヴァイオリンとヴィオラの為の練習曲でも見 事な演奏を披露しています。

Capriccio
C-5493(1CD)
NX-B07
ペンデレツキ:弦楽四重奏曲第1番-第4番 他
壊れた思考(1988)
クラリネット四重奏曲(1993)
弦楽四重奏曲第1番(1960)
弦楽四重奏曲第3番「書かれなかった日記のページ」(2008)
弦楽四重奏曲第2番(1968)
弦楽四重奏曲第4番(2016)
弦楽三重奏曲(1990/91改訂)
ヤン・ヤクブ・ボクン(Cl)
メッコーレSQ

録音:2021年12月14-16日
クシシュトフ・ペンデレツキの弦楽四重奏曲を中心に収録した1枚。 ペンデレツキは1960年代にはトーン・クラスターを積極的に用いた前衛的な作風を追求していましたが、次第に 16世紀音楽などに興味を抱き、1970年代にはスタイルを変化させて、後期ロマン派風の作品を次々と発表しま した。 このアルバムには1960年代から、2016年までの室内楽作品が収録されており、弦楽四重奏曲第1番では ウェーベルン風の音楽、一転、第4番では抒情的な旋律を味わうことができます。楽章ごとに「Notturno」 「Scherzo」「Serenade」「Abschied」とタイトルが付されたクラリネット四重奏曲も優れた作品です。 演奏は2007年結成のメッコーレSQ。数多くの賞を受賞したポーランド有数のアンサンブルです。クラリ ネット四重奏曲にはポーランドを代表する奏者ヤン・ヤクブ・ボクンも参加しています。

MClassics
MYCL-00027(1SACD)
税込定価
Prokofiev Story
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番ヘ短調Op.80
 ヴァイオリン・ソナタ 第2番ニ長調 Op.94bis
プロコフィエフ(根本雄伯編):ピーターと狼 作品67<ヴァイオリンとピアノ版>
滝千春(Vn)、沼沢淑音(P)

録音:2022年11月15-17日 東京、稲城市立iプラザ
ユーディ・メニューイン国際コンクール第1位など数々の国際コンクールに入 賞し、早くから注目を集めてきた実力派ヴァイオリニスト、滝千春の満を持 してのデビュー・アルバムです。本人にとって最も大事な作曲家の一人、プ ロコフィエフの2つのソナタと珍しい「ピーターと狼」のデュオ編曲版を収録。 定評の高い技術をもとに、滝千春が才気煌めく演奏を披露します。プロコ フィエフの神秘的な空気感とストーリーをつくり上げる情熱的な美音とメロ ディ。ヴァイオリンとピアノが激しく呼応しあう絶妙なアンサンブル。まさに圧 巻の演奏です。またピアノの沼沢淑音の卓越した演奏が音楽に彩りを加 えます。滝千春が紡ぐ芸術性高い新たなストーリーをお楽しみ下さい。

BIS
BISSA-2670(1SACD)
ヤナーチェクとハース
(1)ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
(2)ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」
(3)パヴェル・ハース:弦楽四重奏曲第2番「猿山より」(打楽器つき版)
エッシャーSQ【アダム・バーネット=ハート(Vn1)、ブレンダン・スペルツ(Vn2)、ピエール・ラポイント(Va)、ブルック・シュペルツ(Vc)】
(3)コリン・カリー(パーカッション)

録音:2022年2月19-22日ポットン・ホール(サフォーク/イギリス)
ニューヨークを拠点として活動しているアメリカのカルテット、エッシャーSQがヤナーチェクと弟子パヴェル・ハースの弦楽四 重奏曲を録音しました!
ヤナーチェクの第1番はわずか9日間で一気に書き上げられた傑作。「クロイツェル・ソナタ」と題されトルストイ作の「結婚、不倫、殺人」を題材にしたドロドロ としたエロチシズム漂う内容。第2番「ないしょの手紙」はヤナーチェクが完成させた最後の大作で、ヤナーチェクが38歳年下の人妻に対する恋文を音化した、刺 激的で激しい感情があらわれております。
ヤナーチェクに師事したパヴェル・ハース。1925年、26歳の作「猿山より」はチェコ=モラヴィア高地で過ごした夏の休日を回想して書かれたもの。この作品 といえば最終楽章「荒々しい夜」にパーカッションが登場するのが特徴。ジャズのアドリブ語法の指示が強調されており、エッシャーSQのシャープな演奏 が際立ちます。当演奏の打楽器は名手コリン・カリーが担当しております! (Ki)
BIS
BISSA-2477(1SACD)
シューマン:ピアノ三重奏曲集 Vol.2
(1)ピアノ三重奏曲第3番ト短調 Op.110(1851)
(2)6つのカノン風小品 Op.56(1845)【テオドール・キルヒナー編曲によるピアノ三重奏版】
(3)ピアノ四重奏曲 ハ短調(1829)【ヨアヒム・ドライハム補筆・補完】
クングスバッカ・ピアノ三重奏団【マリン・ブロマン(Vn)、イェスパー・スヴェドベリ(Vc)、
シモン・クラウフォード=フィリップス(P)】
(3)ローレンス・パワー(Va)

録音:(1)(2)2019年3月11-13日ポットン・ホール(サフォーク)、(3)2022年5月25&26日ベルワルド・ホール(ストックホルム)
1997年創設のクングスバッカ・ピアノ三重奏団によるシューマンのピアノ三重奏曲集第2弾の登場。当団はメルボルン国際室内楽コン クールで最優秀賞を受賞後、BBCラジオに出演しヨーロッパを中心に活躍の場を広げてきました。精緻なアンサンブルが魅力の当団が真正面からとらえたシュー マンの演奏には説得力とともに雄弁に語る歌い口も印象的です。
シューマンはヴァイオリン、チェロ、ピアノための三重奏曲として4曲をのこしています。第1集にはピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.63、幻想小曲集 Op.88、 ピアノ三重奏曲第2番 ヘ長調 Op.80(BIS SA-2437)を収録しておりますが、当第2集にはピアノ三重奏曲第3番 ト短調 Op.110と、テオド-ル・キルヒナー編曲による6つのカノン風小品 Op.56、そしてヴィオラのローレンス・パワーを迎えてピアノ四重奏曲 ハ短調を収録しております。 (Ki)

SUPRAPHON
SU-4325(3CD)
チェコ放送のアーカイブからの初CD化する室内楽録音
■CD1
(1)ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調 Op.21(B51)
(2)マルティヌー:ピアノ三重奏曲第2番ニ短調 H327
(3)ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.67
■CD2
(4)モーツァルト:ピアノ三重奏曲 ハ長調 K.548
(5)ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 Op.90(B166)「ドゥムキー」
(6)ノヴァーク:ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.27「バラード風」
■CD3
(7)ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ 変ホ短調「1905年10月1日の街角で」
(8)マルティヌー:リトルネッロ集 H227
(9)パーレニーチェク:17世紀のコラールに基づく変奏曲〜チェロとピアノの為の
(10)カベラーチ:8つの前奏曲 Op.30より第4・2・6・7・8曲
(1)-(6)アルス・トリオ【ダナ・ヴラホヴァー(Vn)、ヤン・パーレニーチェク(チェロ)、マルティン・バリー(P)】
(7)-(10)マルティン・バリー(P)
(9)ヤン・パーレニーチェク(Vc)

録音:(1)(2)1987年6月/ドヴォルザーク・ホール、ルドルフィヌム(プラハ)
(3)1992年10月、(4)1986年4月、(5)1989年4月、(6)1985年3月、(7)(8)1983年10月、(9)1985年3月/
チェコ放送内第1スタジオ(プラハ)
(10)1980年2月/チェコ放送内スタジオ(ピルゼン)
ヤン・バルトシュ、ミロスラフ・セケラらを育てた名教師としても知られるピアニストのマルティン・バリー。この度チェコ放送のアーカイブ(1980年から1992 年にかけての放送用音源)からバリーの貴重な音源が初CD化されます!
収録作品はバリー率いるアルス・トリオ(ヴァイオリニストのダナ・ヴラホヴァー(現在はチェコ・トリオのメンバー)とチェリストのヤン・パーレニーチェク(現在 はスメタナ・トリオのメンバー))演奏のドヴォルザーク、マルティヌー、ショスタコーヴィチ、モーツァルト、ノヴァークのピアノ三重奏曲、そしてバリーのソロのヤナー チェク、マルティヌー、カベラーチなど。比類なき解釈、魅惑的な演奏を聴かせ、その音色は輝きと色彩に満ちています。20世紀のチェコのピアニズムがあらわれ たバリーの演奏、必聴です。
SUPRAPHON
SU-4326(1CD)
ベネヴィッツQのハイドン
弦楽四重奏曲第29番ト長調 Op.17-5Hob. III:29「レチタティーヴォ」
弦楽四重奏曲第38番変ホ長調 Op.33-2Hob. III:38「ジョーク」
(3)弦楽四重奏曲第57番ハ長調 Op.54-2Hob. III:57
ベネヴィッツ・クァルテット【ヤクブ・フィッシャー(Vn1)、シュチェパン・イェジェク(Vn2)、イジー・ピンカス(Va)、シュチェパン・ドレジャール(Vc)】

録音:2020年12月3&4日、2021年1月29&30日/FMGアーティスツ・スタジオ、ブディショフ・ナト・ブディショヴコウ
第2次世界大戦時に活躍したチェコ、スロバキアの作曲家に焦点を当てたアルバム(SU-4326)で注目されたベネヴィッツ・クァルテット。待望の新録音はハイ ドンです。
このアルバムにはハイドンが40歳のときに書いた作品17(1771年)から「レチタティーヴォ」、ロシア皇帝パウル一世(ロシア大公パーヴェル・ペトロヴィッ チュ)に献呈された「ロシア四重奏曲」 作品33(1781年)から「ジョーク」、そして第57番 作品54-2(1788年)の3篇を収録。当団がハイドンの弦楽四重 奏曲における音楽性の発展を描いています。
ベネヴィッツ・クァルテットは1998年にプラハ音楽院にて結成。ソフィア王妃音楽大学にてR.シュミットに師事。2004年にはチェコ・フィルハーモニーのチェ コ室内楽協会賞を受賞。同年、ARDミュンヘン国際コンクールでは本選に進出、セオドア・ログラー財団奨学金とベーレンライター原典版賞を獲得。2005年に開 かれた第5回大阪国際室内楽コンクール&フェスタに優勝。また、2008年にはイタリア、レッジョ・エミリアの第8回パオロ・ボルチアーニ国際クァルテットコンクー ルで優勝しております。 (Ki)

CEDILLE
CDR-90000218(1CD)
NX-B04
CHICAGO CLARINET CLASSICS シカゴ・クラリネット・クラシックス
ニコライ・チェレプニン(1873-1945):1楽章のクラリネット・ソナタ Op. posth.(1939)
ステイシー・ギャロップ(1970-):Phoenix Rising(2017)(クラリネット版)
レオ・サワビー:クラリネット・ソナタ(1938)…世界初録音
シュラミト・ラン(1949-):スピリット-無伴奏クラリネットのための(2017)…世界初録音
テレサ・ライリー(1976-):The Forgiveness Train(2020)…世界初録音
ロバート・ムチンスキ(1929-2010):タイム・ピース Op.43(1983)
ジョン・ブルース・イエー(Cl)
テレサ・ライリー(Cl)
パトリック・ゴードン(P)

録音:2022年2月6-7日
シカゴSOの副首席クラリネット奏者を40年以上にわたって務めてきたジョン・ブルース・イエー。このアルバム では3曲の世界初録音を含む魅力的な室内楽作品と、独奏作品を演奏。共演はシカゴSOで首席鍵盤 奏者を務めるパトリック・ゴードン。また、イエーの弟子で作曲家でもあるクラリネット奏者テレサ・ライリーは自作の 「The Forgiveness Train」で彼と共演しています。

IBS CLASSICAL
IBS-12023(1CD)
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調「雨の歌」 Op.78
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.100
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 Op.108
「F. A. E. ソナタ」 - 第3楽章 スケルツォ ハ短調 WoO2
ワジム・チジク(Vn)
アルベルト・ウロス(P)

録音:2022年2月6-8日
ブラームスの3曲のヴァイオリン・ソナタと、1835年に彼とシューマン、友人のディートリヒが合作した「F.A.E.ソナタ」 から、ブラームスが作曲したスケルツォを収録した1枚。 演奏は1975年ロシア生まれのヴァイオリニスト、ワジム・チジクと2008年にニューヨークのカーネギーホールでデ ビューを飾ったピアニスト、アルベルト・ウロス。ワジム・チジクは数多くのコンクールで入賞し、30か国以上のオーケス トラと共演経験を持つ名手。EXTONレーベルからも船越清佳とのデュオで、ストラヴィンスキー、プーランクなど3枚 のアルバムをリリースしている日本でもおなじみのヴァイオリニスト。ここでもウロスとともに、しっとりとした歌心溢れるブ ラームスを披露しています。

Goodies
78CDR-3904(1CD)
シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番作品99 アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
エマヌエル・フォイアマン(Vc)

米 VICTOR11-8394/7
1939年9月13日ニューヨーク録音
この名人3人のトリオは「百万ドル・トリオ」と呼ばれた。ピアノのアルトゥー ル・ルービンシュタイン(1887-1982)はポーランド出身。20世紀を代表するピア ニストの一人。前半生をヨーロッパで、後半生はアメリカで活躍した。演奏家 キャリアは80年以上。ヴァイオリンのヤッシャ・ハイフェッツ(1901-1987)はウ クライナ生まれ。3歳でヴァイオリン教師レオポルド・アウアー(1845-1930)に 師事し、第1次世界大戦(1914-1918)中に一家でアメリカに渡り、1925年にアメ リカの市民権を得た。その後大ヴァイオリニストとして君臨した。チェロのエ マヌエル・フォイアマン(1902-1942)はウクライナのコロミア生まれ。ライプ ツィヒの音楽院で名教授ユリウス・クリンゲル(1859-1933)に師事した。ナチス を逃れて一時スイスに居を構えたが1938年アメリカに移住した。フィラデルフィ アのカーチス音楽院で教える一方、上記の二人とのトリオで活躍したが、1942 年に40歳の若さでニューヨークで死去した。 このトリオの「大公トリオ」(78CDR-3865)も出ています。 復刻には「音のエジソン」 http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用 MC型カートリッジの上級モデル〔ゼロSP 78rpm〕(3mil 針)とコルグの[DS-DAC -10R]DSD録音機を使用した。(グッディーズ)

Gramola
GRAM-99281(2SACD)
NX-D07
プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
【Disc1】
ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.94a
5つのメロディ Op.35(Vnとピアノ版)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.115
【Disc2】
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.80
バレエ音楽『シンデレラ』より5つの小品
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2022年1月4-9日 ザルツブルク(オーストリア)、モーツァルト・ザール
2022年3月14日 オーバーエスターライヒ州(オーストリア)、 ザンクト・フローリアン修道院
ザルツブルクを拠点に世界中で活躍するヴァイオリニスト、トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガーと、ベートーヴェン の解釈で国際的に知られるピアノのマイケル・コルスティックによるプロコフィエフの作品集。このアルバムは2021年に 世を去ったヴァイオリニストのイーゴリ・オイストラフに捧げられています。イーゴリの父ダヴィッドは世界的なヴァイオリニ ストで、プロコフィエフの友人でした。アルバムには2曲のヴァイオリン・ソナタと無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ、「5つ のメロディ」とよく知られる『シンデレラ』より5つの小品を収録。イルンベルガーとコルスティックのアンサンブルは比類な い正確さと技巧で各方面から絶賛されています。

オクタヴィア
OVCC-00169(1SACD)
税込定価
アンサンブルof トウキョウ ライヴ2022夏
ティリエ:レーとヴィルレー〜オーボエ、クラリネット、バソンのための組曲
バルトーク:ヴァイオリン、クラリネット、ピアノのためのコントラスツ
プーランク:ピアノ、オーボエ、バソンのための三重奏曲
ドゥメルスマン& ベルテルミ:「ウィリアム・テル」の主題による華麗な二重奏曲
ドニゼッティ:フルート、ファゴット、ピアノのための三重奏曲ヘ長調
サン=サーンス:デンマークとロシアの歌による奇想曲
アンサンブルof トウキョウ【青山聖樹(Ob)、ローベルト・ボルショス(Cl)、フランク・フォルスト(Fg)、村上成美(Fl)、山田麻実(Vn)、梅村祐子(P)

録音:2022年7月20日王子ホール・ライヴ
国内外で活躍する実力派奏者がメンバーとして名を連ねるアンサンブ ルofトウキョウ。バロックから近現代まで、幅広い形態の室内楽・小 編成管弦楽をレパートリーとし、精力的な演奏活動を続けています。 当アルバムは、彼らが2022年7月に王子ホールで開催したコンサートの ライヴ録音です。それぞれの楽器の音色が調和のとれた和音として響 き、美しいメロディは歌心にあふれ、楽曲の魅力を十分に引き出して います。(オクタヴィア)
オクタヴィア
OVCX-00095
(1SACD+DVD)
税込定価
初回特典DVD付き
東亮汰IN CONCERT
【CD】
クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
J.マルティノン:無伴奏ヴァイオリンのためのソナチネ第5番作品32-1
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調作品18
サン=サーンス:死の舞踏作品40
フランク:ヴァイオリン・ソナタイ長調FWV.8

【DVD】※初回限定パッケージのみ
フランク:ヴァイオリン・ソナタイ長調FWV.8より第3楽章〜第4楽章
特典映像
東亮汰(Vn)、尼子裕貴(P)

録音:k2022年8月16-19日高崎芸術劇場
高崎芸術劇場「T-Shotシリーズ」第9弾! リサイタル・録音・映像によって才能溢れる若手演奏家を多角 的に紹介する、大友直人が贈る高崎芸術劇場の「T-Shotシリー ズ」第九弾。東亮汰は最も若い世代を代表するヴァイオリン界 の逸材。ソリストとしてだけでなく室内楽・オーケストラにも 活動の場を広げています。高度なテクニックと繊細かつ豊かな音 色と鮮やかな音楽作りが魅力的な東亮汰の初ソロCD+DVD。(オクタヴィア)
※初回限定300枚特典DVD付き
※初回完売後は新品番にてCD(Hybrid Disc)のみのパッケージで販売いたします

Pentatone
PTC-5187042(1CD)
シューベルト〜人生の勇気
シューベルト:ナイチンゲールに寄せて D.497*
弦楽四重奏曲第1番ト短調 D.18
月に寄せて D.259*
涙する D.926*
人生の勇気(断章) D.937*
弦楽四重奏曲第15番ト長調 D.887
音楽に寄せて D.547*

*=サンディ・ファン・デューク編曲による弦楽四重奏版
シグヌムQ【フローリアン・ドンダラー(Vn1)、アンネッテ・ヴァルター(Vn2)、
サンディ・ファン・デューク(Va)、トーマス・シュミット(Vc)】

録音:2022年12月5-9日ゼンデザール(ブレーメン)
シグヌム四重奏団の好評シリーズ、シューベルト・アルバム第3弾が登場。収録作品は弦楽四重奏曲第15番、第1番を主軸に、今回も多数の歌曲をサンディ・ファ ン・デューク編曲による弦楽四重奏版で演奏しております。
シグヌム四重奏団はアルバン・ベルク四重奏団、アルテミス四重奏団、メロス四重奏団に学び、数々の国際コンクールでの入賞歴を誇る実力派のSQで す。録音ではバルトーク、ベルク、シュニトケ、ラヴェル、ドビュッシー、スーク、ドヴォルザークなど幅広いレパートリーで高い評価を得ております。今回のシューベル トの録音は当団が最も大切にしてきた作曲家の一人で、精緻なアンサンブルから奏でられる極上のシューベルトを堪能することができます。歌曲の弦楽四重奏版も 秀逸で各作品の新たな魅力を引き出しております。当シリーズ第1弾の『弦楽四重奏曲13番「ロザムンデ」、第8番』(PTC-5186673)はドイツの権威ある音 楽賞であるOpus Klassikの2019年のアワード受賞を受賞。第2弾『弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」、第6番』(PTC-5186732)、及びベートーヴェン の250周年を記念してリリースした弦楽四重奏曲第13番+大フーガ(PRINTEMPS DES ARTS DE MONTE-CARLO / PRI031)好評発売中です。 (Ki)m

CPO
CPO-555596(1CD)
NX-B02
ロベルト・カーン/ヴァンサン・ダンディ:クラリネット三重奏曲
ロベルト・カーン(1865-1951):クラリネット三重奏曲 ト短調 Op.45
ダンディ:クラリネット三重奏曲 変ロ長調 Op. 29
バワンディ・トリオ【マリオ・ヘーリング(P)、パトリック・ホルッヒ(Cl)、アレクサンドル・カストロ=バルビ(Vc)】

録音:2022年2月18-20日
ハンブルク州立歌劇場とハンブルク・フィルのクラリネット奏者Patrick Hollichを中心に結成されたトリオ 「Bawandi」のデビュー盤。とりあげたのはブラームスに高く評価されたロベルト・カーンと、セザール・フランクの後継 者と目されたヴァンサン・ダンディの2人のクラリネット三重奏曲。名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトに捧げ られ、彼によって演奏されたカーンの三重奏曲、師フランク譲りの循環形式を採り入れたダンディの三重奏曲、どち らも現在ではほとんど演奏される機会がありませんが、今回、若き奏者たちの新たな視点でこれらの作品がよみが えります。

Evil Penguin Records
EPRC-0049(1CD)
色彩の遊戯〜ピアノ三重奏曲集
ドビュッシー:海(サリー・ビーミッシュ編、ピアノ三重奏版)
フリッツ・セリス(1929-):ピアノ三重奏のための1楽章 Op.5
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
トリオ・ハルディ
ピアノ三重奏の編成によるアルバム。このジャンルの最高峰であるラヴェルの三重奏曲に、ドビュッシー『海』のピアノ三重奏版と、ベルギーの作曲家フリッツ・ セレスの作品をカップリング。全編を通してオーケストラに比肩する色彩とニュアンスが追求され、ジャケットを飾るパウル・クレーの鮮やかな絵画と響き合います。
ピアノと弦楽器は対照的なソノリティをもつ楽器であり、各々の色彩を活かした表現こそが、音楽の雄弁さにつながります。その点でラヴェルの書法はすばらし く、ほとんどオーケストラのように響きます。
ドビュッシーの『海』は原曲のもつ華麗な表現力を、見事に小編成に「凝縮」した編曲。音楽のもつ描写性がしっかりと残っています。
フリッツ・セリスの作品は繊細な色彩と力強いリズムが組み合わせれ、独特の推進力を発揮しています。

KKE Records
KKE-22006(1CD)
マティアーシュ・シェイベル:ヴァイオリン・ソナタ(1960)
ヨアヒム・シュヴェッペ:ヴァイオリン・ソナタ第1番(1951)
クルト・アルブレヒト:ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op.14(1945)
グスタフ・フリーリングハウス(Vn)、
ヤーン・オッツ(P)

録音:2021年1月&4月、ゼンデザール(ドイツ、ブレーメン)
同時代性によって繋がる3人の作曲家が1945年から1960年の間に書いたヴァイオリンとピアノのための作品を収録。クルト・アルブレヒト(1895-1971)、ヨアヒム・シュヴェッペ(1926-1999)、マティアーシュ・シェイベル(1905-1960)の3名は互いに直接の交流はありませんでしたが、国家社会主義と第二次世界大戦が彼らの人生に大きな足跡を残したという点で共通しています。彼らは戦後、芸術と政治における激動とイデオロギー的な陣営形成の中で、自分の道を見つけなければならなかったのです。組曲やソナタというジャンル名からも明らかなように、3つの作品はいずれも過去の伝統とのつながりを求めていますが、現代的なイディオムで個人的な主張をしようとする努力も見て取ることができます。アマリリスSQの創設者であるグスタフ・フリーリングハウスと、エストニア出身のピアニスト、ヤーン・オッツは2022年にクルト・アルブレヒトの作品集(KKE-001)をリリースしています。

PASCHENrecords
PR-220080(1CD)
コルネットとオルガンのためのフランス作品集
オーギュスタン・サヴァール:コンクール用小品
サン=サーンス:幻想曲 変ホ長調(アンリ・ビュッセル編)
ジャン・ペネカン:演奏会用小品
ヴィドール:オルガン交響曲第4番よりスケルツォ
アンドレ・シャイユー:コンクール用小品
テオ・シャルリエ:コンクール用独奏曲
ロベール・クレリス:村の結婚式
デュリュフレ:スケルツォ Op.2
ジャック・バラ:アンダンテとスケルツォ
アンリ・ビュッセル:アンダンテとスケルツォ Op.44
ロパルツ:アンダンテとアレグロ
ダニエル・ライヒェルト(コルネット)、
ジモン・ライヒェルト(Org)

録音:2021年7月、グローナウ福音主義市教会(ドイツ)
「トランペットとオルガン」ではなく「コルネットとオルガン」のための作品集!本作でライヒェルト兄弟が焦点を当てたのは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、パリ音楽院のコンクール用に作曲された作品です。これらの作品はトランペットではなく、フランスのコルネット(Cornet a pistons)のために作曲されています。ダニエル・ライヒェルトはフランスのベッソン社が製作した19世紀のオリジナルコルネットを使用しており、その音色はヴィルヘルム・ザウアーの工房によって建造された1904年製のオルガン(ザウアーはシンフォニックオルガンの名匠カヴァイエ=コルの弟子のひとり)のサウンドと見事にマッチしています。

AUSTRIAN GRAMMOPHONE
AG-0028(1CD)
ルクー、フランク、デュプレ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ルクー:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
フランク:メランコリー
マルセル・デュプレ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.5*
ミハウ・ブチコフスキ(Vn)、
アンドルー・ライト(P)

録音:2022年7月11日-15日、ステッペンウルフ・スタジオ(オランダ)
*世界初録音
多方面で活躍を見せる今注目のヴァイオリニスト、ミハウ・ブチコフスキの魅力が詰まった、19世紀末〜20世紀初頭のフランスを象徴するヴァイオリンとピアノのための3つの作品集。美しいメロディとノスタルジックな性格を持つセザール・フランクの短い作品「メランコリー」を軸に、フランク最後の弟子として将来を嘱望されていながらも24歳の若さで夭折した作曲家、ギヨーム・ルクーのソナタ、フランクの弟子であるルイ・ヴィエルヌに師事したマルセル・デュプレのソナタという、フランクの遺伝子を継いだ3世代にわたる作品で構成したプログラムになっています。デュプレのソナタはこれが世界初録音です。
グダニスク・スタニスワフ・モニューシュコ音楽アカデミーでヴァイオリンを学んだブチコフスキは、ベルギー政府およびポーランド文化・国家遺産省から名誉ある奨学金を授与されており、ヨーロッパやオーストラリア、アフリカなどで演奏活動を行っています。バッハから現代音楽まで幅広いレパートリーを弾きこなしますが、中でも室内楽は彼のキャリアにおいて特別な位置を占めています。

Chandos
CHAN-20265(1CD)
シャドウ・ダンス〜イギリスのフルート作品集
ボーウェン:小組曲、ソナタ Op.120
ヴォーン・ウィリアムズ:バレエ組曲
バークリー:ナチネ Op.13
ウィリアム・オルウィン:ソナタ
バックス:4つの小品
ハワード・ファーガソン:3つのスケッチ
アダム・ウォーカー(Fl)、
ヒュー・ワトキンス(P)

録音:2022年7月、ワイアストン・コンサートホール(イギリス)
元ロンドン響首席フルーティスト、アダム・ウォーカーがピアニストのヒュー・ワトキンスとともにイギリスの作曲家の音楽を探求する、多彩で魅力に満ちた1枚!
アダム・ウォーカーは2009年に英国王立音楽アカデミーを優秀な成績で卒業してすぐに21歳でLSOの首席フルート奏者に任命され、その後MIDEMクラシックの優秀ヤング・アーティスト賞、ボルレッティ=ブイトーニ財団賞、ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ・ヤング・アーティスト賞(ノミネート)などを受賞。英国王立音楽カレッジの客員教授も務め、フランスのバロックから現代の新作委嘱作まで、幅広いフルートのレパートリーを追求し、オーケストラとの共演、ソロ・リサイタル、室内楽などの旺盛な演奏活動を続けています。
ヴォーン・ウィリアムズの「バレエ組曲」は、フランスのフルートの名手ルイ・フルーリー(ドビュッシーの「シランクス」の初演者)からの委嘱作で、18世紀のフランス舞曲の形式が用いられた新古典主義的な作品。バックスの「4つの小品」は、ディアギレフのバレエ・リュスのために構想され、実現しなかったバレエから音楽を救い出したものです。レノックス・バークリー(の「ソナチネ」は、もともとリコーダーのために書かれた作品ですが、ジェームズ・ゴールウェイがこの曲を演奏したことで、フルートのレパートリーとして定着しました。ハワード・ファーガソンの「3つのスケッチ」は、20年以上にわたって断続的に作曲されたもので、第3曲にはヒンドゥーの旋律が用いられています。ヨーク・ボーウェンとウィリアム・オルウィンのソナタが、この変化に富んだ魅力的なプログラムをまとめあげています。

CAvi music
85-53526(1CD)
ラヴェル〜失われた舞曲を求めて
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調 M67
亡き王女のためのパヴァーヌ(リノス・ピアノ三重奏団編)
クープランの墓(リノス・ピアノ三重奏団編)
リノス・ピアノ三重奏団

録音:2022年9月
3人で5つの国籍を含む多様なバックボーンのメンバーによって2007年に結成されたリノス・ピアノ三重奏団は、2015年のメルボルン国際室内楽コンクールで最優秀賞と聴衆賞に輝きました。
このアルバムでは、ラヴェルの作品を取り上げ、「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「クープランの墓」は、リノス・ピアノ三重奏団自身の手によって編曲され、ピアノ三重奏版になっています。ピアノ三重奏版に編曲したことにより、ラヴェルが第一次世界大戦で亡くなった友人たちに捧げた「クープランの墓」で描かれている舞曲はより明確に表現されています。また「亡き王女のためのパヴァーヌ」も新たな発見を生み出してくれることでしょう。このアルバムでラヴェルの名曲を今一度新しい視点から楽しむことが出来ます。
CAvi music
85-53512(1CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集 Vol.1
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.12-2
ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 Op.24
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47「クロイツェル」
アンティエ・ヴァイトハース(Vn)、
デーネシュ・ヴァーリョン(P)

録音:2021年9月、ドイチェランドフンク・カンマ―ムジークザール(ケルン、ドイツ)
ソリストや室内楽の分野でも活躍しているドイツのヴァイオリン奏者、アンティエ・ヴァイトハースによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集録音がいよいよスタート!ヴァイトハースは、クライスラー国際コンクール、バッハ国際コンクール、そしてヨーゼフ・ヨアヒム・ハノーファー国際コンクールで優勝後、ソリストとしてヨーロッパを中心に活動し、またアルカント四重奏団を結成し室内楽の分野でも数々のアーティストと共演してきました。これまでにもC'Aviレーベルから多数のCDをリリースし好評価を得ています。また、2022年には来日公演も行っており、ソリストと室内楽で日本の聴衆を魅了しました。 今回のヴァイオリン・ソナタ全集は、時系列に収録していくのではなく、作品のコントラストを重視しており、このアルバムではイ長調とイ短調の作品が選ばれています。イ調という共通点持った三作品をぜひ聴き比べてお楽しみください。

Etcetra
KTC-1767(1CD)
ル・ヌーヴォー・サロン〜シューベルト、ラヴェル、ドビュッシー、プロコフィエフ:フルート作品集
シューベルト:しぼめる花の主題による序奏と変奏曲(新ヴァージョン)
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ第1番(フルート版)
ドビュッシー:シランクス
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調(フルート、ヴァイオリン、ピアノによる三重奏版)
サラ・ウアクラ(Fl)、
マールテン・デン・ヘングスト(P)、
フロール・ル・クルト(Vn)、
イヴァナ・アルコヴィチ(P)、
マイケル・ベネット(T)
焼きたてのマドレーヌの香り、ベルベットの肌触り、コンサート開演前のひそやかな会話の声… 人々はそういった何気ない感覚によって強い記憶やノスタルジックな情景を呼び起こし、不思議な方法で過去に戻ることができます。パリに生まれ現在はオランダで活動するフルート奏者のサラ・ウアクラは、マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」を通して、母国フランスと再びつながる方法を見出しました。この小説のテーマである、思い出そうとする意図がないにもかかわらずふと想起される“不随意記憶”と、“ベル・エポック”時代のパリのサロンの描写に触発され、彼女はこれまでのキャリアで演奏してきた音楽を振り返り、自身の記憶を再確認する旅をはじめ、これをデビュー・アルバムとして制作することにしました。「しぼめる花の主題による序奏と変奏曲」ではフルートとピアノにテノールを加えた新しいアレンジで、「シランクス」ではフルートの演奏とガブリエル・ムーレの詩の朗読の両方をウアクラが録音。プロコフィエフの「ヴァイオリン・ソナタ」でもフルートを加えた興味深い三重奏版を聴くことができます。

Onyx
ONYX-4234(1CD)
神話〜シマノフスキ&ヘンデル
シマノフスキ:神話 Op.30
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 HWV371
ニュートン・ハワード:133…At Least
チャイコフスキー(クライスラー編):無言歌
スーク:ブルレスカ Op.17-4
フォン・パラディス:シシリエンヌ
リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行(歌劇 「サルタン皇帝」より)
ポンセ(ハイフェッツ編):エストレリータ
グレインジャー:岸辺のモリー
ジェームズ・エーネス(Vn)
アンドルー・アームストロング(P)
驚異的な超絶技巧と澄み渡る抒情性で世界に名を馳せ、2019年の第61回グラミー賞ではアーロン・ジェイ・カーニスのヴァイオリン協奏曲(PONYX--4189/ONYX--4189)で見事「最優秀器楽賞」を受賞、2021年にはグラモフォン賞の「アーティスト・オヴ・ジ・イヤー」に輝いたカナダのヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス。イギリスの「グラモフォン賞」や"カナダのグラミー賞"と呼ばれる「ジュノー賞」にノミネートしてきたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集を始めとする多くのアルバムで共演してきた盟友アンドルー・アームストロングとの新録音。
ギリシャ神話を題材に1915年に作曲されたシマノフスキの傑作「神話」を中心に、かつては定番のヴァイオリン・レパートリーであったが現在はほとんど演奏されていないヘンデルのニ長調ソナタ、そして麗しい抒情性が溢れるチャイコフスキーの「無言歌」やポンセの「エストレリータ」、華麗な技巧が迸る「熊蜂の飛行」、ヴァイオリンが軽やかに舞う「岸辺のモリー」など、きらびやかな小品やアンコール・ピースを組み合わせた、至福のリサイタル・プログラムです。
現代を代表するハリウッド・コンポーザーの一人ジェームズ・ニュートン・ハワードは、エーネスのためにヴァイオリン協奏曲(グラミー賞受賞盤〔PONYX--4189/ONYX--4189〕に収録)やエーネスが芸術監督を務めるシアトル室内楽協会のために「they have just arrived at this new level」を作曲しており、今回収録された「133…At Least」は、ヒラリー・ハーンのために作曲されたまばゆいミニチュア・ピースです。

Da Vinci Classics
C-00691(1CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:室内楽作品集
弦楽四重奏曲第3番ヘ長調 「カーザ・アル・ドーノ」 Op.203
弦楽三重奏曲 Op.147
ギター五重奏曲 Op.143
アンサンブル・マーク・ロスコ、
サンドロ・ブランカッチョ(G)

録音:2022年3月、チーゴレ(イタリア)
20世紀イタリアの最も興味深い作曲家の一人、マリオ・カステルヌオーヴォ・テデスコの重要な室内楽作品を集めた1枚。緻密な書法と輝かしいフィナーレが特徴の弦楽三重奏曲、ギターと弦楽四重奏のための新しい音楽を熱望していたアンドレス・セゴビアのために書かれたギター五重奏曲、、多くの芸術家や知識人を迎えた美術史家バーナード・ベレンソンの思い出に捧げられた弦楽四重奏曲第3番が収録されています。
Da Vinci Classics
C-00699(1CD)
エターナル・ビューティ
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第6番ヘ短調 Op.80MWV R37
ウェーベルン:緩徐楽章 WoO6
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
エオスQ

録音:2022年
2016年にローマで結成されたエオス四重奏団は、すぐにその優れた実力を評価され、デュッセルドルフで行われたアントン・ルビンシテイン国際コンクールで受賞、ヴィンタートゥールで行われたオルフェウス・コンクールでは第1位を獲得するなど国際的なコンクールで活躍しました。その後もエベーヌ四重奏団に師事しつつ、ヨーロッパ各地の音楽祭や演奏会に参加しています。このアルバムでは、「愛」をテーマに、回想、牧歌、苦悩といったそれぞれの作品の特徴を見事に表現しています。

Indesens Calliope Records
IC-010(1CD)
ヴァレンティン・ビビク(1940-2003):ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ第3番Op.124(1998)
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.24/71(1975,1988)
ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.111(1995)
アナベル・ベルトメ=レイノルズ(Vn)、
ルカ・オクロス(P)

録音:2022年9月21日-24日、Ferme de Villefavard(フランス)
IndesensとCalliopeがリニューアルし再出発したフランスのレーベル、Indesens Calliope Records(アンデサンス・カリオペ・レコーズ)。ロンドンの王立音楽アカデミーで学んだヴァイオリニスト、アナベル・ベルトメ=レイノルズが取り上げるのは20世紀ウクライナの作曲家、ヴァレンティン・ビビクのヴァイオリン・ソナタ集。
ビビクはウクライナ国立コトリャレフスキー記念ハルキウ芸術大学を卒業し、同大学の教壇にも立った作曲家。1968年からソビエト連邦作曲家同盟のメンバーとなり、1989年からはウクライナ作曲家同盟のハルキウ組織でチェアマンを務めました。ウクライナの歴史的大飢饉「ホロドモール」の犠牲者に捧げた交響曲や、オペラ、室内楽など多彩な作品を遺しましたが、まだ十分な演奏機会には恵まれているとは言えません。ベルトメ=レイノルズはこうした世に忘れ去られてしまった、もしくはまだ発見されていない宝石のようなレパートリーを発掘する活動に専念しており、今回もウクライナの美しい景観を映し出したようなビビクの珍しい作品を耳にする機会を与えてくれたのは嬉しい限りです。
Indesens Calliope Records
IC-003(1CD)
ラヴ〜チェロと弦楽のための作品集
ドヴォルザーク:森の静けさ
 ロンド Op.94
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ Op.11、
 奇想的小品 Op.62
イヴァン・イェヴティチ(b.1947):恋人の夢
クセニア・ヤンコヴィチ(Vc)、
カメラータ・ノヴィ・サド

録音:2022年4月11日-13日、シティ・ホール(ノヴィ・サド、セルビア)
1981年にフィレンツェで開催されたガスパル・カサド国際コンクール優勝の実績を持ち、ソリストとしてだけでなく、ドイツのデトモルト音楽大学の教授、ジャコメッティ、トンプソンとのアンサンブル、ハムレット・ピアノ・トリオのメンバーとしても活躍するセルビア出身のロシア系チェリスト、クセーニャ・ヤンコヴィチ。ムスティスラフ・ロストロポーヴィチに師事した後、ピエール・フルニエ、アンドレ・ナヴァラの下で研鑽を積んだ経歴を持っています。
これまでにもCalliopeレーベルから、チェロの珍しい編曲版や知られざる名曲をリリースしてきたヤンコヴィチの「愛」をテーマにしたアルバム。セルビアの弦楽オーケストラ、カメラータ・ノヴィ・サドと共に情熱的に歌い上げています。

OEHMS
OC-497(1CD)
NX-B03
チェロとデュプレクス・ピアノによるソナタ集
エマヌエル・モール(1863-1931):チェロ・ソナタ ハ短調 Op.22
エルネー・ドホナーニ:チェロ・ソナタ 変ロ短調 Op. 8
R・シュトラウス:チェロ・ソナタ ヘ長調 Op.6
ダーヴィト・シュトロンベルク(Vc)
フローリアン・ウーリヒ(デュプレクス・ピアノ)

録音:2021年10月9、20日、2022年1月15-16日
ピアノ・ファン注目、 デュプレクス・カプラー・グランド・ピアノによる世界初録音。 2段鍵盤を持つ珍しいピアノを用いたアルバムの登場です。ハンガリーの作曲家でピアニストのエマヌエル・モール(1863-1931)が発明したこのデュプレクス・ カプラー・グランド・ピアノ(以下デュプレクス・ピアノ)は2段式の鍵盤を持ち、上鍵盤は下鍵盤より1オクターヴ高く調律されています。片手で2オクターヴをカ バーできるとともに、その構造から生まれる独自の音色が得られます。このピアノに触れたヴィルヘルム・バックハウスは「ピアノの歴史における最大の偉業」と称 え、ブルーノ・ワルターも「この技術革新が素晴らしい作品を生むだろう」と予言しました。1921年に第1号が商品化されると、スタインウェイ、ベーゼンドル ファー、ベヒシュタイン、プレイエルらの大手ピアノ・メーカーも続々と追随しましたが、普及することなく、いつしか忘れられました。 チェリストのダーヴィト・シュトロンベルクは、2台のチェロの為のレパートリーを探求していた2017年にエマヌエル・モールを知り、彼のチェロ作品をOehmsに 録音し(OC1704)、その過程でモールの生涯とデュプレクス・ピアノに興味を惹かれて探究を続けました。2021年、遂に状態の良いデュプレックス・ピアノを 見つけ、レストアを経てこの録音を敢行。冒頭に置かれたのは楽器の生みの親であるモールの作品。続くエルネー・ドホナーニは、この楽器を使ったコンチェル トで指揮をしている写真があることから選択。そしてR・シュトラウスのチェロ・ソナタは、その疾風怒濤の音響世界がこの楽器に相応しいと考えて加え ました。 当時のモールは人気作曲家で、彼の作品はニキシュ指揮のベルリン・フィル、メンゲルベルク指揮のコンセルトヘボウ管、コルトー、クライスラー、イザイらが演 奏し、カザルスは「真の天才」と称えました。しかし1918年を最後に作曲の筆を置き、デュプレクス・ピアノの開発に邁進しました。当CDではシュトロンベルク がモールの生涯とこの楽器をめぐって充実したライナーノーツを執筆しています(英語とドイツ語)。ピアノの歴史に関心を持つファンには手に取って頂きたい1 枚です。

ARCANA
A-543(1CD)
技巧と装飾 〜C.P.E.バッハとJ.C.バッハによるヴィオラ・ダ・ガンバと鍵盤の為のソナタ
C.P.E.バッハ
1-3. ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為のソナタ ハ長調 Wq136/H558(1745)
ヨハン・クリスティアン・バッハ:4-5. 鍵盤とヴィオラ・ダ・ガンバの為のソナタ ト長調 Warb B4b(1770頃)
C.P.E.バッハ
6-8. ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為のソナタ ニ長調 Wq137/H559(1746)
J.C.バッハ
9-10. 鍵盤とヴィオラ・ダ・ガンバの為のソナタ ヘ長調 Warb B6b(1770頃)
 C.P.E.バッハ
11-13. ヴィオラ・ダ・ガンバと鍵盤の為のソナタ ト短調 Wq88/H510(1759)
J.C.バッハ
14-15.ヴィオラ・ダ・ガンバを伴う鍵盤の為のソナタ変ロ長調 Warb B2b(1770頃)
J.C.バッハ
16-17. ピアノの為のソナタ へ長調、ヴィオラ・ダ・ガンバ助奏付き Warb B15b(1770頃)
グイード・バレストラッチ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 使用楽器1:パリのギヨーム・バルべ(18世紀に活躍)の7弦モデルに基づくスー(フランス南西部
ローヌ地方)のシャルル・リシェ2015年製作の再現楽器[1-3、6-8、11-13]
 使用楽器2:ハンブルクのヨアヒム・ティールケ1696年製作の7弦モデルに基づくミラノのピエール・
ボール2006年製作の再現楽器[4-5、9-10、14-15、16-17]
パオロ・コルシ(スクエアピアノ、チェンバロ)
 使用楽器1〔スクエアピアノ〕:ロンドンのジョン・ブロードウッド1786年製作のオリジナル楽器[4-
5、9-10]
 使用楽器2〔スクエアピアノ〕:イタリア北部の逸名製作家による1795年頃製作のオリジナル楽器
[1-3、11-13、16-17]
 使用楽器3〔チェンバロ〕:パリのパスカル・タスカン1769年製作モデルによるダンズ・テュー(英国
中南部オックスフォードシャー州)のデイヴィッド・ルビオ1971年製作の再現楽器[6-8、14-15]
ステファニー・ウイヨン(ヴィオラ・ダ・ガンバ〔通奏低音〕)
 使用楽器:ハンブルクのヨアヒム・ティールケ1696年製作の7弦モデルに基づくミラノのピエール・
ボール2006年製作の再現楽器 [1-3、6-8]

録音:2022年7月11-14日 聖ペトロ教会、ヴァブル(フランス中南部オーヴェルニュ地方)
カフェ・ツィマーマンやレ・バッス・レユニなどフランス最前線の古楽器グループとの共演でも知られる一方、ソリストとして抜群の技量と深い音楽 史的洞察に満ちた解釈を聴かせるイタリアのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者グイード・バレストラッチ。近年では共鳴弦を多く備えた弦楽器バリトンを 用いてのハイドン作品集、作曲家が指定した珍しい楽器アルペジョーネによるシューベルトのソナタ録音など古典派以降の作品の録音でも 注目されましたが、今回は18世紀半ばに活躍した大バッハの息子たちでも特に重要な二人に光を当てます。次男カール・フィリップ・エマヌエ ル・バッハが長く仕えたフリードリヒ大王の宮廷と、末男ヨハン・クリスティアン・バッハの活躍の場となったロンドンは、どちらも18世紀には例外的 にガンバの名手がいたことと、最新発明のピアノを含む鍵盤楽器に高い関心を寄せる音楽愛好家がいたことで共通しており、両作曲家とも これら二つの楽器を使った二重奏ソナタを残している点は見逃せません。忘れられつつあったガンバと最新のピアノを前に、多感主義の旗手 エマヌエルとギャラント様式の立役者クリスティアンが紡いだ音世界の奥深さを隈なく引き出す克明な解釈の意義をさらに高めているのが、入 念に選ばれた楽器の組み合わせ。鍵盤はグランドピアノ型よりも先に定着したスクエアピアノと古典派時代に製作されたモデルのチェンバロを 使用し、特にチェンバロにも通じるクリスピーな美音を聴かせる1786年製ブロードウッドのオリジナル楽器による録音例は稀少。モーツァルト の登場を準備した世代がいかに貴重で魅力あふれる音世界を味わっていたか、改めて深く実感できる一枚です。

Dynamic
CDS-7963(1CD)
NX-B03
パガニーニ:弦楽とギターの為の四重奏曲集 第5番、第4番、第10番 パガニーニ・アンサンブル・ウィーン【マリオ・ホッセン(Vn1)、マルタ・ポトゥルスカ(Va)、リリアナ・ケハヨヴァ(Vc)、アレクサンダー・スヴェーテ(G)】

録音:2021年1月7日、2021年9月5日
パガニーニのギター四重奏曲全集シリーズの第3集。ヴァイオリンの超絶技巧の持ち主として知られたパガニーニ。 実はギターの演奏でも秀でており、一時期はギターの為の作品も多く書いていました。彼のギター四重奏曲は 15曲あり、どの曲もロマンティックな楽想と抒情性を備えています。第3集には1816年から1817年に作曲された 第4番、第5番と、彼の友人ルイジ・ジェルミから多くの助言を受けたという第10番の3曲を収録。作品中でのギ ターはソロを取ったり伴奏に回ったりと、ヴァイオリンにも負けないほどの存在感を放ちます。 作曲家の名を冠した"パガニーニ・アンサンブル・ウィーン"はパガニーニの研究家として知られる名手マリオ・ホッセン が設立したウィーンを拠点に活躍するアンサンブルです。

CD ACCORD
ACD-317(1CD)
NX-C03
エウゲニウシュ・クナピク(1951-):弦楽四重奏曲第1番、第2番、三重奏曲
弦楽四重奏曲第1番(1980)
三重奏曲 - ヴァイオリン、クラリネットとピアノのために(2003)…世界初録音
弦楽四重奏曲第2番(2019)…世界初録音
シレジアSQ【シモン・クシェショヴィエツ(Vn1)、アルカディウシュ・クビツァ(Vn2)、ウカシュ・スィルニツキ(Va)、ピオトル・ヤノシク(Vc)】
ピオトル・ラト(Cl)
ピオトル・サワイチク(P)】

録音:2022年6月、10月
2021年に生誕70周年を迎えた現代ポーランドの作曲家エウゲニウシュ・クナピクの作品集。ピアニストとして活躍 するかたわら、ポーランドではヘンリク・ミコワイ・グレツキに、パリでオリヴィエ・メシアンに作曲を学び、1970年代半 ばにはポーランドの若い作曲家グループ「Stalowa Wola」の主要メンバーとして活躍。1950年代から60年代に 流行した前衛的な作風を採り入れながらも、マーラーを筆頭にした後期ロマン派のイディオムを用いた作品も数多 く発表しています。 アルバムに収録されているのは、彼の全室内楽作品のなかでも最も重要な作品。弦楽四重奏曲第1番と第2番 の間には40年間の隔たりがあり、これは彼の熟考の為の必要な時間であったと言えるでしょう。作曲スタイルの 変遷が見てとれます。 演奏はヴァインベルクの四重奏曲でおなじみ、シレジアSQ。三重奏曲では彼らと共演の多いクラリネッ ト奏者ラトとピアニスト、サワイチクが演奏に加わり、親密なハーモニーを聴かせます。

Channel Classics
CCSSA-41523(1SACD)
NX-C03

NYCX-10395(1SACD)
国内盤仕様
税込定価
C.P.E.バッハ: ヴァイオリンと鍵盤楽器の為のソナタ集
ソナタ ト短調 H.542.2〜チェンバロとヴァイオリン
ソナタ ハ短調 Wq.78〜フォルテピアノとヴァイオリン
アリオーソ イ長調 Wq.79〜フォルテピアノとヴァイオリン
ソナタ ロ短調 Wq.76〜フォルテピアノとヴァイオリン
ソナタ ニ長調 Wq.71〜チェンバロとヴァイオリン
レイチェル・ポッジャー(Vn/ジェノヴァのペザリニウス1739年製作楽器)
クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ/ウィーンのアントン・ヴァルター1805年頃製作楽器に基づくポール・マクナルティ2008年製作再現楽器)
(チェンバロ/パリのパスカル・タスカン1769年製作楽器に基づくキース・ヒル2010年製作再現楽器)

録音:2022年5月 セント・ジョンズ教会、アッパー・ノーウッド、ロンドン
※ 国内仕様盤日本語解説…澤谷夏樹
コンサートでは度々共演しているレイチェル・ポッジャーとクリスティアン・ベザイデンホウトの共演による初めてのCDは、カール・フィリップ・エマヌエ ル・バッハの作品集。冒頭のト短調のソナタはまだ十代の頃に書かれ、父バッハのフルート・ソナタBWV 1020によるも のですが、そもそもエマヌエルの作品、あるいは父との習作なのではないかという可能性が濃厚なもの。この作品と、やはり十代に書かれた Wq.71ではベザイデンホウトはチェンバロを演奏しており、フォルテピアノとは大きく違うその表現力に強いこだわりを持つ彼ならではのパフォー マンスで、ポッジャーのヴァイオリンと共に活き活きとした音楽を作り上げます。作曲家円熟期に書かれたほかの3曲では、ヴァイオリンとフォルテ ピアノが共によく歌い、たっぷりと情感豊かな表現で多感様式と呼ばれる作品の特性を十二分に引き出しながらも、すっきりとした後味を残 すバランス感覚が素晴らしい出来栄えとなっています。

MClassics
MYCL-00022(1CD)
税込定価
Bridges
挾間美帆:トロンボーン・ソナタ 第1番
アドラー:トゥー・サイズ・オブ・ア・コイン
ガーシュウィン(ザウアー編):3つの前奏曲
挾間美帆:パガニーニの主題による変奏曲
アドラー:日本の子守歌による変奏曲
菅野よう子:花は咲く
玉木優(Tb)、秋元孝介(P)

録音:2022年11月1-2日 神奈川県、相模湖交流センターラックスマンホール
これまで多くの国内外のコンクールの優勝歴を持ち、ミシシッピSO (アメリカ)、南デンマークPO(デンマーク)、東 京佼成ウインドオーケストラの首席奏者などとして活躍、現在はソリストと して世界を舞台に活動するトロンボーン奏者、玉木優の今を知る最新ア ルバムです。まさに世界トップ水準のクオリティの高い技術と音楽性が詰 まった渾身の演奏です。収録曲も注目で、世界的な作曲家であるサミュ エル・アドラーと挾間美帆が玉木の為に書いた初録音4作品が並びます。 ボーダーレスに活動する玉木ならではの自由闊達な音楽。文化や人種を 超えた音楽の調和へ、豊かなトロンボーンの響きが導いていきます。また、 ピアノには葵トリオにて活躍する秋元孝介。美しいタッチと豊かなサウンドで 色彩感を加えます。世界水準のトロンボーンと音楽、ぜひお聴き下さい。

Cypres
CYP-1684(1CD)
NX-B10
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10
ジュディト・アドラー・デ・オリヴェイラ(1989-):装飾写本 - 弦楽四重奏の為の組曲
アクタマルSQ

録音:2022年6月26-28日 アルソニック、モンス、ベルギー
ブリュッセル王立音楽院のアルメニアにルーツを持つ女性奏者たちにより、2014年に結成されたアクタマ ルSQ。現在まで何度かのメンバー交代を行っていますが、アルメニアに根ざした東西文明の 架け橋ともいえる活動で、多くの作曲家にも支持されています。クラシカルな作品の中でもドビュッシーの 弦楽四重奏は、フランスで学んだ彼女たちにとって自家薬籠中のもの。作品の色彩感を個性的な表現 で聴かせます。フランス系ポルトガル人で現在はベルギーを中心に活動する作曲家ジュディト・アドラー・ デ・オリヴェイラが、アルメニアの古い旋律を元に編んだ「装飾写本」はオリエンタルな要素がたいへん魅力 的で、アルフレッド・リードの吹奏楽作品「アルメニアン・ダンス」にも引用されたコミタスの「小さなウズラ(ヤ マウズラ)」の旋律も登場します。

MIRARE
MIR-646(1CD)
スーク&ドヴォルザーク
スーク:ピアノ三重奏曲 ハ短調 op.2、
 エレジーop.23
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲 第3番ヘ短調 op.65
トリオ・カレニーヌ【シャルロッテ・ジュイヤール(Vn)、ルイ・ロッド(Vc)、パロマ・クイデール(P)】

録音:2022年
2009年結成のトリオ、トリオ・カレニーヌによるスーク&ドヴォルザーク。そのグループの名はトルストイの小説「アンナ・カレーニナ」に由来し、ロシアや東欧も のに特に強い関心がある彼ら。「ドゥムキー」(録音:2019年、MIR 472)が高い評価を得ましたが、今回はドヴォルザークとスークという組み合わせの新譜で す。ドヴォルザークの名曲第3番を中心に、ドヴォルザークの助言を受けながら仕上げられたスークの初期のピアノ三重奏曲 ハ短調、および、チェコの詩人ゼイエ ルに捧げられたエレジーというプログラム。演奏も彼らのドヴォルザーク愛と深い理解に裏打ちされた、非常に力の入ったものとなっています。ヴァイオリンのシャ ルロッテ・ジュイヤールは2021年からトリオのメンバーとして活動しています。
トリオ・カレニーヌはパリ国立音楽院でイザイSQに師事し、プレスラー、バイエルレらのマスタークラスを受講。第5回ハイドン室内楽コンクールで特別 賞/プロ・ムジチス協会賞を受賞。2013年、ミュンヘン国際コンクールで最高位(第2位)に輝きました。  (Ki)

Hanssler
HC-22015(1CD)
ヨゼフ・シェルプ(1894-1977):ピアノ三重奏曲第2番
ホルン,ヴァイオリン,チェロとピアノのための四重奏曲
ピアノ五重奏曲
ダニエ ル・ゲーテ(Vn )、ザミュエル・ルツカー(Vc)、オリヴァー・トリンドル(P)
(2)ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(Hrn)
(3)ニーナ・カーモン(Vn)、ハリオルフ・シュリヒティヒ(Va)

録音:2021年12月17-19日/クプフェルハウス、プラネグ(ミュンヘン)
カールスルーエを中心に活躍したピアニスト、作曲家ヨゼフ・シェルプ(1894-1977)の世界初録音となる室内楽3篇。レ・ヴァン・フランセのメンバーでも 知られるホルン奏者ラドヴァン・ヴラトコヴィチをはじめ実力派の演奏家による注目の録音です。
1942年、カールスルーエの空襲・爆撃の影響で、自身の初期作品のほとんどを失うも、戦後、印象派、表現主義、無調、十二音技法など様々な作風に挑戦し 150ほどの作品を残したシェルプ。モチーフやテーマをポリフォニックに作曲することを得意としたシェルプの室内楽の豊かな響きをご堪能ください。
Hanssler
HC-22076(2CD)
ヨハンナ・ゼンフター(1879-1961):ヴィオラとピアノのための作品全集
ヴィオラ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.101
ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.41
ヴィオラとピアノのための二重奏曲 Op.127
ヴィオラとピアノのための変奏曲 Op.94
ヴィオラとピアノのための5つの小品 Op.76
ローラント・グラッスル(Va)、
オリヴァー・トリンドル(P)

録音:2022年2月8-10日、2022年5月18-20日/SWRスタジオ、カイザースラウテルン
マンデルリング四重奏団のヴィオラ奏者として、また近年ソロとしても活動しているローラント・グラッスルが、女性作曲家ヨハンナ・ゼンフター(1879-1961) のヴィオラとピアノのための作品全曲を録音しました。
上流階級の家庭に生まれたゼンフターはマインツに程近いオッペンハイム生まれ。ピアノ、ヴァイオリン、作曲を学びライプツィヒではレーガーの薫陶を受けました。 病弱だったゼンフターは故郷を拠点に活躍。しかし地元にバッハ合唱団を創設するなど、音楽家として精力的に活躍しました。重厚で入り組んだテクスチュア、半音 階技法や自由な和声法を特徴とする師レーガーの影響を色濃く示したヴィオラのピアノのための作品は、ゼンフターの中期、後期の特徴をあらわしております。
グラッスルは権威あるライオネル・ターティス国際ヴィオラ・コンクールの優勝をはじめ、数々の国際コンクールの受賞歴を誇る逸材。グラッスルが奏でる音色の 美しさには定評があり、独auditeレーベルからレーガー、ブッシュ、ヴァインライヒによる無伴奏ヴィオラのための組曲集(AU-97721)の録音も高い評価を得 ております。
Hanssler
HC-22014(2CD)
ハインリヒ・ホーフマン(1842-1902):ピアノを伴う室内楽曲全集
(1)ピアノ五重奏曲 ニ短調 Op.50(1880)
(2)ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.67(1883)
(3)チェロとピアノためのロマンス Op.48(1880)
(4)ピアノ三重奏曲 イ長調 Op.18(1874)
(5)ヴァイオリンとピアノのためのアダージョ Op.31a(1877)
(6)ヴァイオリンとピアノのための「3つの草原の絵」Op.39(1879)
(7)チェロとピアノのためのセレナード Op.63(1882)
(8)クラリネットとピアノのためのアンダンテ Op.98(1899)
オリヴァー・トリンドル(P)
(1)(2)(4)(5)(6)ニーナ・カモン(Vn)、(1)ステファン・フェーラント(Va)、
(1)(3)(7)ウェン=シン・ヤン(Vc)、
(8)ゲオルク・アルツベルガー(Cl)

録音:2022年2月22-25日、2022年3月23日/ハンス・ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン
知られざる室内楽作品の録音に積極的なピアニスト、オリヴァー・トリンドルが、19世紀後半に活躍した作曲家ハインリヒ・ホーフマン(1842-1902)のピア ノを伴う室内楽曲全曲を録音しました。
ベルリン生まれのホーフマンはジークフリート・デーン、リヒャルト・ヴュエルストらに学び、ピアニスト、作曲家として活躍。1869年にベルリンで上演された喜 歌劇「カルトゥッシュ」で大成功をおさめ、その後歌劇「アルミン」でドイツ中に知れ渡りました。自然な簡潔さと古典的な明快さがホーフマンの作品の特徴で、ピ アノ三重奏曲やヴァイオリン・ソナタなど豊かな旋律が魅力の名作を残しております。
Hanssler
HC-22040(1CD)
「世界と夢」
(1)ヴォルフ:ゲーテ詩集より「竪琴弾きの歌I」
(2)ヴォルフ:ゲーテ詩集より「竪琴弾きの歌U」
(3)ヴォルフ:ゲーテ詩集より「竪琴弾きの歌V」
(4)リスト:信頼
(5)リスト:始めから望みもなく
(6)リスト:静かに
(7)リスト:ぼくの歌には毒がある
(8)リスト:祈り
(9)リスト:朝起きると僕は尋ねる
(10)リスト:昼間のざわめきは鎮まり
(11)ウルマン:人間とその日 Op.47より第13曲「秋」
(12)ウルマン:2つのトレスタンの歌
(13)マーラー:さすらう若人の歌
コンスタンティン・インゲンパス(Br))
(4)-(12)アルミニオ四重奏団
(1)-(3)(13)カンマーオーケストラ【フランチェスカ・ヴァッカ(フルート、ピッコロ)、ジグモント・カラ(Cl)、トーマス・ヴィピオー ル(P)、セドリック・トラップマン( ハ ルモニウム)、アユミ・オカムラ(シュラグベルク)、ミンニャ・スパジック(Vc)、ニコラウス・フランツ(Cb)】、
ジェルジ・メーサーロシュ(指)

録音:2021年3月29日、2021年5月2日/聖ヤコブ修道院、マリエンミュンスター・コンサート・ホール、マリエンミュンスター、(ドイツ)
期待のバリトン歌手コンスタンティン・インゲンパスのデビュー・アルバムは、ヴォルフ、リスト、ウルマン、マーラーの歌曲を室内楽伴奏版で録音しました。
インゲンパスはドイツ、オスナブリュック生まれ。ピアノとギターを習い、学生時代には合唱団やアンサンブルで歌い、様々なジャンルの音楽活動を続けてきまし た。デトモルト音楽大学ではゲルヒルト・ロンベルガーに師事。学士号を取得した後、カールスルーエ音楽大学でマニュエル・ランゲに師事し、歌曲解釈の修士号を 取得しました。これまでに白井光子、トーマス・クヴァストホフ、吉原輝、ブリギッテ・ファスベンダーから薫陶を得ています。2020年10月にヒューゴ・ヴォルフ・ アカデミーのリート国際コンクールで第1位を受賞しました。
このアルバムでは弦楽四重奏曲や室内オーケストラ版で録音。叙情性に満ちた歌唱が魅力のアルバムに仕上がりました。
Hanssler
HC-22046(1CD)
「ウィーンの変貌」
ベルク:ヴァイオリン協奏曲(ブリリンスキー編曲によるクラリネット、ヴァイオリン、コントラバス、ピアノ版)
ツェムリンスキー:付随音楽「シンベリン」(ブリリンスキー編曲によるクラリネット、ヴァイオリン、コントラバス、ピアノ版)
ヴァリー:変容
ベルク:室内協奏曲より第2楽章「アダージョ」(クラリネット、ヴァイオリンとチェロ編)
マクシム・ブリリンスキー(Vn)
シュテファン・ノイバウアー(Cl)
バルトシュ・シコルスキ(Cb)
ヨハネス・ピールト(P)

録音:2021年5月17日アーノルト・シェーンベルク・センター(ウィーン)【無観客ライヴ】
名手マクシム(マキシム)・ブリリンスキー率いるウィーン生まれの4人の演奏家が同郷の3人の作曲家アルバン・ベルク、アレクサンダー・ツェムリンスキー、トー マス・ヴァリー(1981-)の作品を録音。
収録作品はベルクのヴァイオリン協奏曲、室内協奏曲より第2楽章「アダージョ」、ツェムリンスキーの付随音楽「シンベリン」、新作委嘱のヴァリーの「変容」で、 ベルクとツェムリンスキーはブリリンスキー編曲による室内楽版です。
当録音はCOVID-19のため無観客ライヴを収録したもの。ヴァイオリン、ピアノ、クラリネット、コントラバスという非常に珍しい編成で、どの作品も冒頭から聴 き手の好奇心を刺激します。
1985年ウクライナのリヴィフに生まれたブリリンスキーはウィーン音楽院、パリ音楽院で研鑽を積み、2004年に開かれた第2回仙台国際音楽コンクールで第 2位を受賞するなど、世界の名だたるコンクール入賞歴を誇ります。2008年、23歳でウィーン国立歌劇場Oに入団。その後2011年、26歳で名門ウィー ンPOに入団し、現在同団の第1ヴァイオリン首席奏者を務めております。ヘンスラー・レーベルからイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ (HC-20087)をリリースしており圧倒的なテクニックで高く評価されております。 (Ki)
Hanssler
HC-22075(1CD)
ロベルト・カーン(1865-1951):作品集
(1)ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 Op.72
(2)セレナード ヘ短調 Op.73より第1楽章「アンダンテ・ソステヌート」
(3)ピアノ五重奏曲 ニ長調
ホーエンシュタウフェン・アンサンブル
【(1)(2)(3)ラヘル・リリング(Vn)、(3)ガブリエル・アドリヤン(Vn)、(3)サラ・リリング(Va)、(1)(2)(3)ダヴィド・アドリヤン(Vc)、(1)(2)アニカ・トロイトラー(P)、(3)パウル・リヴィニウス(P)】

録音:(1)(2)2021年10月、(3)2015年9月/ホーエンシュタウフェン福音教会(ドイツ)
ドイツの作曲家、ピアニストのロベルト・カーン(1865-1951)の室内楽曲集の登場。カーンの作曲の教え子にはなんと指揮者のフェルディナント・ライトナー、 ピアニストのヴィルヘルム・ケンプ、そして作曲家、成田為三もいます!
カーンはメンデルスゾーン、シューマン、ブラームスの作曲スタイルで数多くの作品を残しました。当アルバムにはピアノ三重奏曲第4番、セレナードから第1楽章、 そしてピアノ五重奏曲を収録。ヘルムート・リリングの愛娘ラヘル・リリングを筆頭とするホーエンシュタウフェン・アンサンブルが極上のアンサンブルを聴かせてく れます。 (Ki)
Hanssler
HC-22082(1CD)
ヨハンナ・ミュラー=ヘルマン(1878-1941):作品集
(1)ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.31
(2)ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.5
オリヴァー・トリンドル(P)
ダニエル・ゲーデ(Vn)
(1)ニーナ・カーモン(Vn2)、
(1)ベネディクト・シュナイダー(Va)、
(1)アントアネータ・エマヌイロヴァ(Vc)

録音:(1)2022年8月30&31日、(2)2022年3月17&18日/クラウス・フォン・ビスマルク・ザール、ケルン(ドイツ)
ツェムリンスキーやフランツ・シュミットに師事した女流作曲家ヨハンナ・ミュラー=ヘルマン(1878-1941)の室内楽曲集。非常に美しく純粋な旋律が魅力で その旋律が音楽全体に叙情性を与えています。
19世紀、20世紀の知られざる作品を積極的に取り上げているオリヴァー・トリンドルがダニエル・ゲーテら名手とともに質の高い演奏を披露しております。 (Ki)

Passacaille
PAS-1129(1CD)
ウェーベルン&バッハ:弦楽四重奏とフーガの技法
バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥスI〜IV「基本フーガ」
ウェーベルン:弦楽四重奏のための5つの楽章 Op.5(1909)
バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥスV〜VII「ストレッタ・フーガ」
ウェーベルン:弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9(1913)
バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥスVIII〜XI「2重・3重フーガ」
ウェーベルン:弦楽四重奏曲 Op.28(1937-38)
バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥスXII, XIII「鏡像フーガ」
バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥスXIV「未完の4重フーガ」
ロドルフォ・リヒター(Vn)
リヒター・アンサンブル
[演奏ピッチ] バッハ A=415Hz ウェーベルン A=432Hz

録音:2019年6月30日-7月3日/フランス、ヴィレノア
バッハは20世紀の作曲家からも偉大な対位法の権威として認識されていました。ウェーベルンも例外ではなく、「バッハにはすべてが含まれている」とさえ 評しています。このふたりの作曲家を並べて、隠れたつながりを浮き彫りにしようという企画。
『フーガの技法』はバッハ対位法芸術の総決算であり、たったひとつの主題を使ってあらゆるフーガの可能性を網羅していく作品。最高度の作曲技術を用い ながらも、人間的な感情を否定することなく精神的な高まりのある音楽を展開。未完となった最終フーガでは大きな抑揚をもった歌と精緻極まりないフーガが結 合され、絶筆箇所の直前にはBACH音列の主題が登場します。
ウェーベルンは寡作ながら、生涯を通して弦楽四重奏のための作品を書きました。伝統的な編成と対位法技術を用いつつ、無調の世界に無駄を削ぎ落した最 低限の音符を並べていく独特のスタイルは、繊細であると同時に力強くもあり、理論のみで語り切れない音楽の在りようはバッハと通じ合うものがあります。最 後の室内楽曲である「弦楽四重奏曲 Op.28」はBACH音列を含む12音技法で書かれた作品。
『フーガの技法』を曲種ごとのセクションに分け、ウェーベルンの作品を年代順に挟み込んでいく構成で、全曲をガット弦で演奏。近い音色で奏でることによ り、ふたりの親近性が如実に表れてきます。バッハも基本的には弦楽四重奏編成で、楽曲の音域に合わせてヴィオラを2本にし、曲によってはヴィオローネやチェ ンバロを追加。
企画のみならず、演奏の素晴らしさが特筆もの。各パートが実に活き活きと歌われています。ここまでバッハとウェーベルンの音楽が力強く迫ってくる演奏は そうありません。もはや時代そのものがステレオ効果で迫ってくるような強烈な存在感を放つアルバムです。CDジャケットに用いられているのはシェーンベルク 画『思考』。 (Ki)

MDG
MDG-90322706
(1SACD)
ベートーヴェン(リース編):弦楽三重奏 作品9/ピアノ三重奏版編曲
ピアノ三重奏曲第1番ト長調
ピアノ三重奏曲第2番ニ長調
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調
トリオ・パルナッスス【 ユリア・ガリッチ(Vn)、ミヒャエ ル・グロス(Vc)、ヨハン・ブランシャー ル(P)】

録音:2021年11月26-28日、マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス
ベートーヴェンとこれほど密接な関係にあった人物はいないともいえるフェルディナント・リース(1784〜1838)。ベートーヴェンと同じボンに生まれ、音楽 一家で育ったリース。幼い頃から才能を開花させ、彼の父はすでにウィーンでピアニストとして成功していたベートーヴェンの下へ息子を送ることを決意します。 1801年ウィーンに着いたリースは、ベートーヴェンに師事するだけではなく、彼の秘書や写譜の仕事も務めており、難聴が進行しつつあったベートーヴェンをサ ポートしていました。1805年にはリースが徴兵され5年間のウィーンでの修業は終わりを告げます。しかし健康上の理由で兵役を免除されたリリースはしばらく ボンで過ごすことになり、そこで同郷の出版社ニコラウス・ジムロックにより「2つのピアノ・ソナタ Op.1」を出版、師ベートーヴェンに捧げられました。その後リー スの初期作品の多くはジムロック社によって楽譜が出版されました。 今回トリオ・パルナッススが録音した作品は、まさにこの時期に書かれたもの。その作品は「ベートーヴェンの不吉な "Opus61"」。1806年ジムロック社が誇ら しげにこのように新作の発表を行いました。“著名な作曲家ベートーヴェンの新作ピアノフォルテとヴァイオリン、チェロのための3つの大三 重奏曲 作品61”作品番号61というのは今日我々に知られているニ長調のヴァイオリン協奏曲の番号です。なんとも不可解な発売です。1851年ジムロック社が 発行したカタログには再びこの作品番号で掲載されていますが、後の版では作品番号61には「作品9参照」と記載されていました。そう1806年に発売された のは、リースによるベートーヴェンの弦楽三重奏曲作品9のピアノ三重奏版編曲だったのです。ジムロック社の出版については疑問がありますが、ベートーヴェンの 作曲を間近で見て熟知していたリースならではの技法で編曲されています。 (Ki)
MDG
MDG-30722752(1CD)
ハイドン:弦楽四重奏曲集Vol.16
弦楽四重奏曲第69番変ロ長調Op.71-1(Hob.III:69)
弦楽四重奏曲第70番ニ長調Op.71-2(Hob.III:70)
弦楽四重奏曲第71番変ホ長調Op.71-3(Hob.III:71)
ライプツィヒSQ【シュテファン・アルツベルガー(Vn1)、ティルマン・ビューニング(Vn2)、イーヴォ・バウアー(Va)、ペーター・ブルンズ(Vc)】

録音:2022年3月8-10日、、マリエンミュンスター修道院コンツェルト
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスOの首席奏者らにより、1988年に結成されたライプツィヒSQ。以後、彼らはSQとしての活動に専 念し、精緻なアンサンブルと正統的で明晰な解釈により、世界40ヶ国以上で賞賛を獲得しています。55人の作曲家の約200作品という膨大なレパートリーを持 つ彼らは、モーツァルト、ベートーヴェンから現代、編曲作品に至るまで幅広い作品を精力的に演奏しておりCDもすでに多数制作しています。現在進行中なのがハ イドンの弦楽四重奏曲全集。
今回は「アポニー四重奏曲集」の作品71の3曲を収録。1793年、訪問先のロンドンで大成功を収め、ウィーンへと戻ったハイドンが作曲した6つ(作品71& 74)の弦楽四重奏曲は、音楽好きの貴族アントン・アポニー伯爵に献呈され「アポニー弦楽四重奏曲集」と呼ばれています。 (Ki)

APARTE
AP-280(1CD)
深き淵から
(1)ベルク:抒情組曲〜第6曲「悲嘆のラルゴ」
(2)バッハ(ヴァプニツ編):深き淵より、われ汝を呼ばわるBWV687(器楽)
(3)バッハ:ヨハネ受難曲BWV243〜アリア「わが心よ、涙となり流れよ」
(4)バッハ:マタイ受難曲BWV244〜アリア「愛ゆえに」
(5)シェーンベルク:弦楽四重奏曲第2番Op.10〜第4楽章「忘我」
(6)バッハ(ヴァプニツ編):トリオ・ソナタ第4番ホ短調〜第2楽章アンダンテ(器楽)
(7)バッハ:カンタータ第113番「主イエス・キリストよ、この上なく貴き宝よ」BWV113〜アリア「このような苦しみの中にある私を」
(8)シェーンベルク:弦楽四重奏曲第2番Op.10〜第3楽章「連祷」
(9)バッハ:マタイ受難曲BWV244〜アリア「愛する心よ」
(10)ペンデレツキ(ヴァプニツ編):ヨハネ・パウロ二世追悼のチャッコーナ(器楽)
(11)バッハ:昇天祭オラトリオBWV244〜アリア「ああ留まりたまえ」
(12)バッハ:カンタータ第101番「私たちから取り去ってください、主よ」BWV101〜「イエスの酷い死を」
サラ・トローベル(S)(1)(3)(4)(5)(8)(9)(12)、
アンドレアス・ショル(C.T)(7)(11)(12)
ユーキ・ウォン、ルーカス・メドラム(Vn)、トマシュ・ヴァプニツ(Va)、アッティラ・パーストル、トマシュ・ダロフ(Vc)、オリ・シュヌール(Fl)、エマ・ブラック、アレクサンドル・ミジャーコフ(Ob)、ベネディクト・ツィエルフォーゲル(Cb)、エリアス・コンラート(テオルボ)、トマシュ・セヴセク・シュラメル(ポジティフ・オルガン)

録音:2021年5月29日-6月4日/ウィーン・カジノ・バウムガルテン
「メトロポリタンの歌姫」と称されたヘレン・トローベルと大指揮者ギュンター・ヴァントの姪孫にあたるドイツのソプラノ、サラ・トローベル。彼女が名カウンター テナーのアンドレアス・ショルを招き「深き淵から」をコンセプトとしたアルバムを世に問います。
「深き淵から」として知られる詩篇130は、人間の苦悩と神の慈悲への希望を表した旧約聖書中で特に有名で、大バッハはカンタータ第131番や2つの受難 曲ほかにこの聖句を用いています。さらにボードレールやゲオルゲ、トラークルの詩にも反映が見られ、シェーンベルクやベルクが用いています。
バロックから表現主義、現代まで3世紀にわたる音楽のライトモチーフとなっている世界を両者の美声でたっぷり堪能できます。

BIS
BISSA-2588(1SACD)
ハイドン:6つの弦楽四重奏曲「ロシア四重奏曲」(第37〜42番) Op.33より
弦楽四重奏曲第37番ロ短調 Hob.III-37
弦楽四重奏曲第38番変ホ長調「ジョーク」 Hob.III-38
弦楽四重奏曲第39番ハ長調「鳥」 Hob.III-39
キアロスクーロ四重奏団【アリーナ・イブラギモヴァ(Vn/Anselmo Bellosio c.1780)、パブロ・エルナン=ベネディ(Vn/Andrea Amati1570)、エミリー・ホーンルンド(ヴィオラ/Willems,c.1700) 、クレール・チリヨン(Vc/Carlo Tononi 1720)】

録音:2021年10月26-29日/メニューイン・ホール、ユーディ・メニューイン音楽学校(イギリス)
現代屈指のヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ四重奏団(団名の“Chiaroscuro(キアロスクーロ)” はコントラストを印象づける明暗法そして陰影法を意味します)。2005年結成の当団は結成当初から楽曲の深い解釈で注目を集め、演奏活動とともに録音にも 積極的に取り組んできました。これまでリリースしたディスクはどれも高い評価を得ており、なかでもハイドンの弦楽四重奏曲第77番「皇帝」はレコード芸術 誌の特集「新時代の名曲名盤500」で同楽曲の第1位に選ばれるなど、結成当時から変わらぬメンバーで進化を遂げている現代を代表する四重奏団です。
当アルバムにはハイドンの6つの弦楽四重奏曲「ロシア四重奏曲」(第37〜42番) Op.33から第1〜3曲(第37〜39番)を収録しました!「太陽 四重奏曲」(第31〜35番)の作曲から10年ほど経った時期に作曲した第37〜42番「ロシア四重奏曲」。由来はロシア皇帝パウル一世(ロシア大公パー ヴェル・ペトロヴィッチュ)に献呈されたことからその名がつけられました。
冒頭、表情豊かな二小節の旋律が印象的な第37番、軽妙な第38番「ジョーク」、そして主題に鳥のさえずりを模した第39番「鳥」と、キアロスクーロ 四重奏団ならではのシャープにして温かみのある演奏が際立ちます。同曲集の新たな名盤誕生と申せましょう!
BIS
BISSA-2707(1SACD)
ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 Op.20
ベルワルド:大八重奏曲 変ロ長調
ウィグモア・ソロイスツ【イザベル・ファン・クーレン(Vn)、レイチェル・ロバーツ(Va)、アドリアン・ブレンデル(Vc)、ティム・ギブス(Cb)、マイケル・コリンズ(Cl)、ロビン・オニール(Fg)、アルベルト・メネンデス・エスクリバーノ(Hrn)】

録音:2022年5月27-29日セント・ジョーンズ教会、アッパー・ノーウッド(ロンドン、イギリス)
2020年に結成された「ウィグモア・ソロイスツ」は、イザベル・ファン・クーレンとマイケル・コリンズが中心となりウィグモア・ホール のディレクターであるジョン・ギルホリー(1973-)とのコラボレーションによって生まれた可変室内アンサンブルで、歴史ある当ホールの名を冠した初めての団 体です。当団はバロックから現代まで様々な形態で演奏していくことを目的とし、次世代を担う優れた若手の音楽家たちとの共演でも話題を呼んでいます。
当アルバムは同団第3弾。同時代に生きたベートーヴェンとベルワルドの七重奏曲を収録しました。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、ファ ゴット、ホルンという珍しい編成の両者の七重奏曲。若きベートーヴェンが書き上げた七重奏曲は軽快さと温かさに満ちた全6楽章の作品。一方、スウェーデンの 作曲家ベルワルドは独自の音楽表現が魅力で、ことに管楽器の扱いも非常に巧みます。透明感とともに音楽的なユーモアは新鮮さを感じさせ、ベルワルドの傑作 のひとつに数えられます。
マイケル・コリンズ、イザベル・ファン・クーレンを筆頭に名手が奏でる贅沢な音色をご堪能ください。

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0036(1CD)
ヴァイオリンに敬礼を
バッハ:シャコンヌ ニ短調 BWV1004
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
パガニーニ:カプリス第24番イ短調
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ティモシー・ホプキンス(Vc、編)
ヴィタ・カン(P)

録音:2021年3月19-21日/ドイツ、グリマ
他の楽器からチェロ用に自ら編曲した作品を演奏することに特別な魅力を感じるという若きチェロ奏者、ティモシー・ホプキンスによるアルバム。まるでヴァイオ リンの名作アルバムと見紛うラインナップですが、すべてチェロで、原曲の調性のまま弾いています。しかも作品を完全に手中にし、リラックスし、心から歌うように 演奏しているのがみごと。もちろん技術も素晴らしく、速いパッセージにおける一呼吸や、高音のキレイなはまり具合などにも驚かされますが、まず技巧よりも音楽 の豊かさに耳がいってしまうほど自然な完成度。編曲アルバムということを忘れて音楽に浸りたい1枚です。 (Ki)
PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0053(1CD)
ピッコロ・レジェンド
(1)ダニエル・シュナイダー(1961-):アポロとマルシュアス(2021) Picc, Hrp
(2)マルティヌー:スケルツォ(ディヴェルティメント) H174(1929) Picc, Pf
(3)ヤン・ノヴァーク(1921-1984):マルシュアス(1983) Picc, Pf
(4)マルティヌー:ディヴェルティメント H365(1957) 2Picc
(5)ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915-1940):ちいさな笛の物語(1940) Picc, Pf
(6)ガブリエル・マランチオーユ(1979-):マルシュアスを讃えて(2014) Picc solo
(7)ダニエル・シュナイダー:テイレシアス(1992) Picc, Hrp
(8)レオナルド・デ・ロレンツォ:神話組曲 Op.38(1930) Fl/Picc, Pf
(9)ダニエル・シュナイダー:バロックロッホネス(ネス湖バロック)(1996) Picc, Pf
ハイカ・リュブケ(ピッコロ)
ヘンドリク・ハイルマン(P)
サラ・ベリュー(Hp)
パメラ・シュタヘル(ピッコロ)

録音:2021年12月20-22日チューリッヒ放送スタジオ
(1)(5)(6)世界初録音
(2)(4)(7)(8)(9)ピッコロ版初録音((8)は第2楽章のみ)
チューリッヒ・トーンハレOの首席フルート奏者ハイカ・リュブケによるソロ・アルバム。オーケストラ曲以外ではなかなか聴く機会のない楽器、ピッコロに あらゆる角度から焦点を当て、楽器の可能性を最大限に発揮できるプログラムを組んでいます。とうぜん近現代作品が多いのですが、伝説・神話といったイメージ の楽曲が散りばめられ、美しい幻想性に貫かれた聴きやすい内容になっています。
ジャズのリード奏者でクラシックと融合した作風をもつダニエル・シュナイダーの作品はちょっぴり暗めの洒落た響きが魅力的。『アポロとマルシュアス』ではハー プの手の込んだ奏法が花を添え、バッハのパロディのような『ネス湖バロック』では不思議なユーモアが煌めきます。

Myrios Classics
MYR-031(1CD)
モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K581
イェルク・ヴィトマン(b.1973):クラリネット五重奏曲(世界初録音)
ハーゲンQ【ルーカス・ハーゲン(Vn1)、ライナー・シュミット(Vn2)、ヴェロニカ・ハーゲン(Va)、クレメンス・ハーゲン(Vc)】
イェルク・ヴィトマン(Cl)

録音:2019年2月23-26日、センデザール、ブレーメン
誰もが認める弦楽四重奏グループの最高峰、ハーゲン四重奏団(1981年設立)と、クラリネット奏者・作曲家・指揮者として常に最先端に在るイェルク・ヴィ トマンによる、夢の共演アルバムが登場します。
モーツァルトのクラリネット五重奏曲では、冒頭のハーモニーを聴いた瞬間から、その完璧なバランスと美しさに打ちのめされます。ヴィトマンのクラリネットの 天上的な軽やかさと色彩が加わり、夢のような世界が広がります。ヴィトマンは幾度となくこの作品を演奏していますが、演奏のたびに美しさ色彩など新しい発 見が尽きず、とても大切にしている作品だそう。長年にわたり共演しているハーゲン四重奏団との演奏、完璧なる美の世界、注目です。
ヴィトマンのクラリネット五重奏曲は、2009年にハーゲン四重奏団からの委嘱を受けて作曲されました。当時ヴィトマンは17小節まで書いたところで、モー ツァルトのクラリネット五重奏を前にして書けなくなったといいますが、その後、約40分におよぶ巨大な五重奏曲(アダージョ)を書き上げました。モーツァル トの五重奏同様、やさしいような、悲しいような二面性を湛えているような雰囲気で、現代最先端で活躍するヴィトマンの、さらに深化した音楽がここにあります。 (Ki)

CZECH RADIOSERVIS
CR-1130(1CD)
プラハの春音楽祭ブルー・エディションVoL.1
(1)シモン・ヴォセチェク(1978-):ヒプノス〜夜の間奏曲(室内オーケストラのための)
(2)ヤクブ・ラタイ(1984-):エーテル(テルミン、オーボエ、ピアノと弦楽四重奏のための)
(3)ルボシュ・ムルクヴィチュカ(1978-):大編成のためのアンサンブル (Part D,4. dil)(18人の奏者と21の楽器のための)
(4)ヤン・リアント・ドジーザル(1986-):Zb?silost v srdci(室内オーケストラのための)
(1)プラハ・フィルハーモニア、ベン・グラスバーグ(指)
(2)ベネヴィッツSQ、カロリーナ・アイク(テルミン)
 アルシュビェタ・ヤンボロヴァー(Ob) カレル・コシャーレク(P)
(3)クラングフォルム・ウィーン バス・ウィーヘルス(指)
(4)ブルノ・コンテンポラリー・オーケストラ パヴェル・シュナイドル(指)
録音:(1)2018年5月11日、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホール
(2)2019年5月24日、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホール
(3)2018年5月21日、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホール
(4)2020年5月20日、ブルノ、ヤナーチェク劇場
1946年に第1回が開催され、現在に至るまで政治的困難を乗り越え、毎年春にチェコのプラハで開催される「プラハの春音楽祭」。RADIO SERVISレーベ ルでは音楽祭を彩った歴史的録音を集めた「ゴールド・エディション・シリーズ」をリリースしていますが、この度音楽祭が委嘱して音楽祭で初演された作品を収 録した「ブルー・エディション・シリーズ」を開始しました。第1弾の本作は、2018年から2020年にかけて音楽祭が委嘱・初演した4人の作曲家の作品を収録 しています。
オーストリア=チェコの作曲家シモン・ヴォセチェクの作品。ギリシア神話に登場する眠りの神ヒプノスをタイトルにした室内オーケストラのための「夜の間奏曲」。 電子音響も用いた作曲を行っているヤクブ・ラタイの「エーテル」。弦楽四重奏、テルミン、オーボエ、ピアノという編成で、天上界を構成する第五元素がエーテル を表現しています。現代音楽のスペシャリスト集団としてグローバルに活躍するクラングフォルム・ウィーンによる演奏のルボシュ・ムルクヴィチュカ作曲の18人 の奏者と21の楽器のための作品。そして2020年パンデミックの最中にオンラインで行われたヤン・リアント・ドジーザルの作品など、第一線で活躍する現代チェ コの作曲家たちの意欲的な作品が収録されています。 (Ki)


King International
KKC-094(1CD)
税込定価
ロマンティック/池松 宏
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 op.105
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821
ラフマニノフ:ヴォカリーズ(クーセヴィツキー編)
ボッテジーニ:エレジーニ長調
R.シュトラウス:あした!
池松宏(Cb)、坂野伊都子(P)

録音:2022年11月、キング関口台第1スタジオ
世界的コントラバス奏者、池松宏。東京都SO首席奏者として、また、サイトウ・キネン・オーケストラや紀尾井ホール室内O等のメンバーおよび、室内楽、 ソロ等で活躍する傍ら、東京藝術大学教授、国立音楽大学客員教授を務め後進の指導にもあたるなど、誰もが認める、日本の音楽界を代表する世界的コントラバス 奏者です。
池松宏が、直球勝負でありながら、こだわりのある選曲の新譜をリリースします。シューマンのヴァイオリン・ソナタ 第1番イ短調にはじまり、アルペジョーネ・ソナタ、 そして、大コントラバス奏者のクーセヴィツキーが編曲したヴォカリーズ。コントラバスのオリジナル曲で、池松にとって大切過ぎて今まで録音できなかった作品と語 る「エレジー」、そして、伴奏のメロディが好きで、これまでに何度となく演奏してきているR.シュトラウスの「あした!」という、充実のリサイタルのようなプログラ ムです。
ディスク冒頭のシューマンの熱い歌から一気に池松の音楽に引き込まれます。コントラバスであることを忘れさせるテクニックと音色、そして音楽は圧巻。アルペ ジョーネ・ソナタでは坂野のピアノの美しい音色も冴える中、池松の歌がしみわたります。小品3篇は、どれも密度の濃い世界が展開されており、コントラバスとい う楽器を超えた、池松の音楽が開花しています。
ピアノには、池松のデビュー・リサイタルで共演して以来信頼を寄せる坂野伊都子を迎えました。密度の濃いアンサンブルにも注目です。 (Ki)

SCALA MUSIC
SMU-001(1CD)
On the other side
ガーシュウィン(ファス・ア・ファス四重奏団編):パリのアメリカ人(2台ピアノとパーカッションのための)
アレクサンドロス・マルケアス:OUTSIDE RHYTHMS(アウトサイド・リズム)
バーンスタイン(P.サドロ、ファス・ア・ファス四重奏団編):「シンフォニック・ダンス」ウェスト・サイド・ストーリーより
ファス・ア・ファス四重奏団

録音:2021年秋(ライヴ録音)
ファス・ア・ファス四重奏団は、ピアノ2名、パーカッション2名という編成のアンサンブル。全員パリのコンセルヴァトワール出身です。フランス系ギリシャ人の マルケアスの作品を核に、ガーシュウィン、そしてバーンスタインという魅惑のプログラムを収録。どれも刺激的なリズムと切れ味鋭い音色。オーディオ的にも楽し めます! (Ki)

Da Vinci Classics
C-00701(2CD)
フェリーチェ・ラットゥアーダ(1882-1962):ヴァイオリンとピアノのためのロマンツァ・センツァ・パローレ
ヴァイオリン・ソナタ ニ長調
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調
ピアノのための12の前奏曲
ピッロ・ジコンディ(Vn)、
エウジェニア・カナーレ(P)

録音::2019年2月&2021年6月
オペラやオペレッタを多数手がけたイタリアの作曲家、フェリーチェ・ラットゥアーダ。本アルバムでは、ロマン派の様式に対する敬意の念を示すとともに、ドビュッシーの斬新なアイデアを鋭敏かつ独創的に取り入れた表現も見られるホ短調のヴァイオリン・ソナタ、印象派の流れを汲む「12のピアノ前奏曲」、「ロマンツァ」、そして近年再発見されたヴァイオリンとピアノのための1楽章の若書きのソナタが組み合わされています。全曲世界初録音。
Da Vinci Classics
C-00694(1CD)
バッハ:2本のフルートと通奏低音のためのトリオ・ソナタ集
ソナタ ト長調 BWV1027(2本のフルートと通奏低音のための/原曲:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ)
ソナタ ニ長調 BWV1028(2本のフルートと通奏低音のための/原曲:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ)
ソナタ ト短調 BWV1029(2本のフルートと通奏低音のための/原曲:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ)
ソナタ ハ短調 BWV1079(2本のフルートと通奏低音のための/原曲:「音楽の捧げもの」)
(全編曲:クラウディ・アリマニー)
クラウディ・アリマニー(Fl)、
アンドレア・モガヴェーロ(Fl)、
ダビド・アペリャニス(Vc)、
ジョルディ・レグァント(ハープシコード)

録音:2021年8月、バルセロナ(スペイン)
ドップラー兄弟のフルート作品の系統的な録音や数々のアレンジ作品など、フルート作品の研究や普及に大きな功績を残してきたスペインの重鎮フルート奏者、クラウディ・アリマニー。バッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタと「音楽の捧げもの」から、アリマニー自らが2本のフルートと通奏低音のためのトリオ・ソナタにトランスクリプションした注目録音がリリース!
3つのガンバ・ソナタは、第1フルートがハープシコードの右手を、第2フルートがヴィオラ・ダ・ガンバ・パートを演奏する形で組みかえてあり、このヴァージョンでの初録音となります。オリジナルは「フルート、ヴァイオリンと通奏低音」のために書かれた「音楽の捧げもの」BWV1079からの2本のフルート・ヴァージョンはCD初録音です。

フォンテック
FOCD-2588(1CD)
税込定価
2023年3月31日発売
現代日本の作曲家 第58集〜末吉保雄作品集
(1)8人のフルート奏者のための“伶”(1970)
(2)マリンバのためのミラージュ(1971)
(3)おかる勘平 ― 北原白秋[東京景物詩及其他]より―
―ソプラノ、アルトフルート、コントラバスと打楽器のために(1975)
(4)コレスボンダンス II -2本のクラリネットのために(1976)
(5)コレスボンダンス IV - フルート、ヴァイオリンとピアノのために(1980)
(6)コレスボンダンス IX - 弦楽四重奏のために(1999)
(1)野口 龍、菊池香苗、遠藤剛史、織田なおみ、崎谷直、橋本岳人、西沢幸彦、永井由比(Fl)
末吉保雄(指)

(2)安倍圭子(マリンバ)

(3)瀬山詠子(S)、野口 龍(Fl)、
永島義男(Cb) 菅原淳(Perc)
末吉保雄(指)

(4)浜中浩一、二宮和子(Cl)

(5)野口 龍(Fl)、三瀬俊吾(Vn)、
大須賀かおり(P)

(6)中原恭子、横山和加子(Vn)
神谷未穂(Va)、エマニュエル・ジラール(Vc)
1992年より制作・販売を続けるCDシリーズ“現代日本の作曲家”。第58集は、創作とともに教育の 分野でも多大な足跡を残し、2018年に逝去した末吉保雄をとりあげます。 末吉保雄は1937年東京に生まれ、作曲を石桁真礼生、ピアノを豊増昇に師事。1960年東京藝術大 学卒業。1962年同大学専攻科終了。1964年に渡仏し、1965年エコールノルマル音楽院卒業、フラ ンス国立放送音楽研究所講習生となりました。約1年半の滞仏後帰国し、その後は作曲に加えて、東京藝 術大学非常勤講師、桐朋学園大学教授を歴任。またNHK音楽教育番組への出演、企画などによる教育活 動に携わりました。作曲家のみならず、その薫陶により多くの演奏家を輩出したことは特筆すべき功績 です。また、日本現代音楽協会名誉会員、日本フォーレ協会会員、日本セヴラック協会会員、OTOの会 顧問を務め、多くの演奏会の制作をおこないました。 言葉を日常性から自由な想像力へと解放した末吉の音楽。こよなく愛した編成による作品群から、本CD はその創作の軌跡を辿ります。 (フォンテック)

Goodies
33CDR-3899(1CDR)
アンダンテ・カンタービレ〜巌本真理SQ/チャイコフスキー
(1)アンダンテ・カンタービレ
(2)秋の歌〜「四季」より
(3)瞑想曲ニ短調〜「なつかしい土地の思い出」より
(4)メロディ変ホ長調〜「なつかしい土地の思い出」より
(1)巌本真理SQ【巌本真理(Vn1)、友田啓明(Vn2)、北爪規世(Va)、黒沼俊夫(Vc)】
(2)巌本真理(Vn)、黒沼俊夫(Vc)、坪田昭三(P)
(3)(4)巌本真理(Vn)、坪田昭三(P)

日Toshiba Records JCO-1040(Mono) (LP特有のパチ・ノイズがあります)
(1959年頃録音)
正式には1964年にデビューした巌本真理SQの演奏(1)が聴ける。巌本 真理(1926-1979)は東京生まれ。6歳から高名なヴァイオリン教師の小野アンナ (1898-1979)に師事した。1937年12歳の時、第6回日本音楽コンクールで第1位。 1939年にデビュー・リサイタルを開いた。1948年から音楽学校(現東京藝術大学 音楽学部)の教授を務めた後、1951年に渡米し、ジュリアード音楽院でルイ・パ ーシンガー(1887-1967)、ジョルジュ・エネスコに師事し、ニュー ヨークのタウン・ホールでリサイタルを開いた。帰国後ソロ奏者として積極的 に活躍する一方、1964年に巌本真理SQを結成した。この録音は創立 間もない東芝電気のレコード部門で録音されたもの。(グッディーズ)

RUBICON
RCD-1083(1CD)
インナー・ワールド
ハチャトゥリアン:夢
ドビュッシー:チェロ・ソナタ L.135
ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34-14
コミタス:Krunk, Garuna(アフナジャリャン編)
フドヤン:チェロ・ソナタ第1番
シューマン:3つの幻想小曲集 Op.73
ブロッホ:「ユダヤ人の生活から」 B.54
チャイコフスキー:感傷的なワルツ Op.51-6
ロボダ:チェロとピアノのための 「エレジー」
カール・ヴァイン:チェロと録音済みエレクトロニクスのための 「インナー・ワールド」
ミカエル・ハクナザリアン(Vc)、
リア・ハクナザリアン(P)、
アルチョム・ミナシャン(ドゥドゥク)
クス・クァルテット(クスSQ)のメンバーとして国際的に活躍し、2014年からミュンヘン室内Oの首席チェリストとしても活動しているアルメニア出身の名チェリスト、ミカエル・ハクナザリアン(ミカエル・アフナジャリャン)の新たなソロ・アルバム。
ドビュッシーやシューマン、ラフマニノフ、チャイコフスキーらの名曲に、アルメニアのフドヤンを始め、コミタス、ロボダ、カール・ヴァインら近現代の秀逸な作品を組み合わせたこだわりのプログラム。故郷を離れ、新しい世界を発見し、自分の内なる声と内なる世界を探しているミュージシャンの感情を、個人的に音楽的に探究したアルバムとなっています。

DUX
DUX-1706(1CD)
グリエール:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番イ長調 Op.2
弦楽四重奏曲第2番ト短調 Op.20
グリエールSQ

録音:2020年8月&2021年4月
2017年にウィーンで結成されたその名も「グリエールSQ」によるレインゴリト・グリエールの弦楽四重奏曲集。ウィーンSOのドミニカ・ファルガー、マルティン・エデルマンを中心に室内楽に情熱を注ぐメンバーで結成された高い実力を持つカルテットです。管弦楽曲やバレエ音楽に注目されがちなグリエールですが、初期に書かれたこの2つの弦楽四重奏曲も思わず心を奪われるような美しいメロディが散りばめられた秀逸な作品です。
DUX
DUX-1721(1CD)
ライテルバンド:ザ・ジャーニー
ロマン・ライテルバンド(1914-1979):3つの夜想曲(Pのための)
ポーランドの平原の歌(Vnとピアノのための)
トリプティーク・コンタンポラン(Pのための)
3つの前奏曲(Pのための)
ヘブライの3つのバラード(Vnとピアノのための)
協奏曲(P、弦楽オーケストラとハープのための)
ソナチネ(ギターのための)
アンナ・キヤノフスカ(P)、
アニア・フィロホフスカ(Vn)、
アリ・エヴァン(Vc)、
ポール・ツェサルチク(G)、
シレジアン・チェンバー・プレイヤーズ、
マウゴジャタ・カニオフスカ(指)

録音:2021年3月、9月、10月(ポーランド)
1914年ポーランドのウッチ出身の作曲家、ロマン・ライテルバンドの作品集。ライテルバンドは弁護士と音楽家の家庭に生まれ、ウッチでピアノを、ワルシャワ大学で法律を学んでいましたが、グラズノフの強い勧めにより音楽の道へ進みました。ここに収録されているのはほとんどが第二次世界大戦からなんとか生き延びたライテルバンドが戦時中に作曲したもので、「夜明け」を目指して歩き続ける旅という共通のアイデアがテーマとなっています。
DUX
DUX-1798(1CD)
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ集 Op.1
ソナタ イ長調 HWV.361, Op.1-3/ソナタ ト短調 HWV.368, Op.1-10/ソナタ ヘ長調 HWV.370, Op.1-12/ソナタ ニ長調 HWV.371, Op.1-13/ソナタ イ長調 HWV.372, Op.1-14/ソナタ ホ長調 HWV.373, Op.1-15
パヴェウ・ウォサキエヴィチ(Vn)、
ロベルト・モラフスキ(P)
国際的ソリスト、室内楽奏者として活躍し、ワルシャワのショパン音楽大学のヴァイオリン科教授や室内楽部門の責任者などを歴任したポーランドの重鎮パヴェウ・ウォサキエヴィチと、数々の名誉ある賞を受賞し、ワルシャワ音楽大学や多くのマスタークラスで音楽教育に携わっているロベルト・モラフスキによるデュオ・アルバムは、バロック期の巨匠ヘンデルのヴァイオリン・ソナタ集。
バロック後期のドイツ音楽を代表するヘンデル作品の中で、最も親しまれているもののひとつである名曲を、重鎮が長きにわたる音楽活動の中で培ってきた芸術性で奏でます。
DUX
DUX-19171918(2CD)
スクロヴァチェフスキ:室内楽作品集
四重奏曲(クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための)(1998)
6つの楽器のための幻想曲(オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ダブルベース、ピアノのための)(1988)
4つの楽器のための幻想曲(クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための)(1984)
3つの楽器のための幻想曲(フルート、オーボエ、チェロのための)(1992)
アンジェイ・チェプリニスキ(Cl)、アルカディウシュ・クルパ(Ob)、ヤクブ・ヤコフスキ(Ob)、グラジナ・ズビホフスカ(Fl)、ヤクブ・ヤコヴィツ(Vn)、アリツィア・バトル(Va)、ピオトル・ハウゼンプラス(Vc)、マレク・ロマノフスキ(ダブルベース)、アレクサンドラ・シフィグト(P)、ほか

録音:2020年〜2022年、ノヴァ・ミオドヴァ・コンサート・ホール&ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(ワルシャワ、ポーランド)
読売日本SOの第8代常任指揮者を務め、日本のコンサートホールでも数々の名演を生み出してくれた20世紀〜21世紀初頭を代表するポーランド出身の巨匠、スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(1923-2017)の生誕100周年を祝う2枚組アルバム。前述のように指揮者としての活躍も目立ちますが、戦後2年間のパリ滞在時にはナディア・ブーランジェやオネゲルに作曲を師事しており、作曲家としてもルトスワフスキ以後のポーランド楽派において重要な位置を占めています。読売日本SOとの演奏会でもたびたび自作を取り上げていたため、その作品に触れたことがあるファンも多いのではないでしょうか。ブーレーズ、シュトックハウゼン、ノーノといった20世紀を代表する作曲家と交流を持ち、ブルックナーからも多大な影響を受けたというスクロヴァチェフスキの室内楽作品を、彼の祖国ポーランドの素晴らしい演奏家たちの演奏でまとめて聴くことができるのはポーランドのDuxレーベルならではの企画であり、大いに歓迎されることでしょう。
DUX
DUX-1722(1CD)
クラリネットとピアノのための作品集
ペンデレツキ:前奏曲(ソロ・クラリネットのための)
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ L140(クラリネットとピアノ版)
ヴァインベルク:クラリネット・ソナタ Op.28
プーランク
:クラリネット・ソナタ FP 184
ペンデレツキ
:クラリネットとピアノのための3つの小品
アンジェイ・チェプリンスキ(Cl)、
ティモテウシュ・ビエス(P)

録音:2021年12月6日-9日
ポーランドを代表する若手クラリネット奏者のアンジェイ・チェプリンスキはバーゼル音楽大学を卒業した後に、シマノフスキ音楽院にてアルカディウシュ・アダムスキ教授の下で学び、プリムス・インター・パレスの称号を獲得する優秀な成績で卒業しました。その後はポーランドを拠点にしており、カトヴィツェ・ポーランドRSOなどの主要なオーケストラとソリストととして共演し、ペンデレツキやエリム・チャンなどの指揮の下演奏しています。ポーランドの作品の普及に力を入れており、ペンデレツキやヴァインベルクの作品をレパートリーに入れています。

Bastille Musique
BM0-23(1CD)

RBM-023(1CD)
国内盤仕様
税込定価
クセナキス:エオンタ〜金管楽器のための作品集
1. エオンタ(P、2本のトランペットと3本のトロンボーンのための)
2. リネア-アゴン(ホルン、トロンボーンとテューバのためのミュージカル・ゲーム)
3. セラプス(コントラバスのための)
4. カール・ペール(2本のトランペット、ホルン、トロンボーン、テューバとパーカッションのための)
5. ケレン(トロンボーン独奏のための)
6. Mnamas Xapin Witoldowi Lutos?awskiemu(2本のホルンと2本のトランペットのための)
アンサンブル・シュヴェルプンクト〔マシュー・サドラー(トランペット/1, 4,6)、マシュー・ブラウン(トランペット/6)、セシーリエ・マリー・シュヴァーガー(ホルン/2,4,6)、ミカエル・ルドルフソン(トロンボーン/1,2,4, 5)、ヤンネ・マティアス・ヤコブソン(テューバ/2,4)〕、アレシュ・クランチャル(トランペット/1)、トム・ポールソン(トランペット/4)、プジェミスル・ヴォイタ(ホルン/6)、ミヒャエル・ビュトラー(トロンボーン/1)、フレデリック・ベッリ(トロンボーン/1)、ロレンツォ・スーレ(P/1)、エディクソン・ルイス(コントラバス/3)、ディルク・ロトブルスト(パーカッション/4)、ペーター・ルンデル(指揮/1)

録音:シュトルベルガー・シュトラッセ・スタジオ(1/ケルン)、クラウス・フォン・ビスマルク・ザール(2, 5,6/ケルン)、クライナー・ゼンデザール、WDR放送センター(3,4/ケルン)
※国内盤:解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き
ベルリンのラグジュアリー・レーベル「bastille musique」からリリースされる23番目のアルバムは、数学と建築学の知見を活かし、コンピュータを使った確率論的手法で多くの斬新な作品を残した20世紀を代表する現代作曲家の一人、ヤニス・クセナキスが残した金管楽器のための作品集。
ハノーファー音楽大学出身の奏者たちにより、2009年に結成された金管五重奏団、アンサンブル・シュヴェルプンクトは、金管楽器のレパートリーにおける従来の音色や楽器の可能性をさらに広げることを目標としており、すでに現代で最も革新的な作曲家たちとのコラボレーションにより、これまでに数十の新作を発表してきました。本アルバムのメインプログラムでもあるクセナキス最大の傑作の一つ、5本の金管楽器(2本のトランペット 、3本のトロンボーン)とピアノによる協奏曲 「エオンタ」 では、ピアノの超絶技巧と、5本の金管楽器が奏でる音の粒が、計算され尽くされた独特の世界観を生み出しています。
レコーディングには、スウェーデンを代表する金管五重奏団、「ストックホルム・チェンバー・ブラス」のメンバーでもあるトム・ポールソンや、ラデク・バボラークの後継者的存在としてその名を世界に轟かせたチェコの天才ホルン奏者、プジェミスル・ヴォイタと言った錚々たる奏者達が参加していることもポイントのひとつ。2022年に生誕100周年を迎えたこの大作曲家の思い描いた音楽の真髄を伝えています。現代音楽ファンはもちろんのこと、ブラス・ファン要注目のアルバムとして仕上がっています。
作品解説やインタビューを掲載した全48ページの2か国語ブックレット(英語、ドイツ語)に加え、作曲家や収録の様子を撮影した写真などを印刷したリーフレットが付属しています。

Ars Produktion
ARS-38343(1SACD)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調 KV333
幻想曲ハ短調 KV475
ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 KV457
ピアノ・ソナタ第16番ハ長調 KV545
ミヒャエル・ヴェッセル(P)

録音:2022年3月14日-16日、インマヌエル教会(ヴッパータール、ドイツ)
バイロイトのプロテスタント教会音楽大学でピアノ演奏や歌曲伴奏などを教えているミヒャエル・ヴェッセルによるモーツァルト中後期のピアノ・ソナタ集。第10〜12番を収めたアルバム(ARS-38332)の続編となるリリースです。ヴェッセルは18世紀から21世紀までの幅広いレパートリーを高度な分析力で形にし、パウル・バドゥラ=スコダをはじめ各方面からその知的さ、明晰さ、音楽の構成力を非常に高く評価されており、このアルバムでもその特徴を存分に見せてくれています。
Ars Produktion
ARS-38621(1CD)
ブリッジズ
ブリッジ:ヴィオラのための2つの小品
エネスコ:ヴィオラとピアノのための演奏会用小品
シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
レベッカ・クラーク:ヴィオラ・ソナタ
キム・スヒョン(Va)、
イェフゲニア・イェルマフコヴァ(P)

録音:2021年11月26日-28日、ステッペンウルフ・スタジオ(オランダ)
共にドイツで学び、それぞれが数々の国際コンクールで入賞している韓国出身のキム・スヒョンとウクライナ出身のイェフゲニア・イェルマフコヴァのデュオ・アルバム。普段あまり注目を浴びることのないこれらのヴィオラのための作品のメランコリックなムードを巧みに表現しているだけでなく、ヴィオラという楽器自体への理解を深めるための架け橋となることも意図して制作されたアルバムです。
Ars Produktion
ARS-38623(1CD)
C.P.Eバッハ:フルート・ソナタ集
フルート・ソナタ ト長調 Wq85H508
フルート・ソナタ ト長調 Wq150H574
フルート・ソナタ ニ長調 Wq 83H505
フルート・ソナタ ホ長調 Wq84H 506
フルート・ソナタ ト長調 Wq86H509
フルートと通奏低音のためのソナタ ト長調 Wq133H564*
カレル・ヴァルター(フラウト・トラヴェルソ)、アドリアン・ジュルダン(ハープシコード、シルバーマン=フォルテピアノ)、ペトル・スカルカ(Vc)*

録音:2020年
カレル・ヴァルターのフラウト・トラヴェルソによるC.P.Eバッハのフルート・ソナタ集。C.P.Eバッハは言わずと知れたバッハの息子であり、バロック音楽と古典派の中間の時代を生き、古典派の基礎を築きベートーヴェンやモーツァルトにも影響を与えた作曲家です。彼の音楽は2つの協奏的な部分にバスが添えられているような作品で、私たちの想像力と感性を動かし、楽しませてくれるものです。
1980年プラハ生まれのカレル・ヴァルターはプラハ音楽院でフルートと指揮を学んだ後、ルツェルン音楽大学などで研鑽を積みました。彼はカフェ・ツィンマーマンなどのバロック・オーケストラと定期的に共演しており、ソロ・フルート奏者として活躍する傍ら、さまざまなオーケストラ、アンサンブル、レーベルのCDプロデューサーとしても活躍しています。
Ars Produktion
ARS-38628(1CD)
サイン〜ハープとピアノのための作品集
ルドルフ・ルッツ(b.1951):ラ・フォリア
アンリ・エルツ(1802-1888):戴冠式二重奏曲 Op.104
ロルフ・ウルス・リンガー(1935-2019):夕日(2016)
チャールズ・オベルトゥール:Cadeaux de Noces -6つの夜想曲
クサヴァー・ダイヤー(b.1974):Dans le tombeau, o ma bien-aimee
フランソワ=ジョセフ・ナデルマン(1781-1835):幻想的二重奏曲 Op.78
デュオ・プラセディス〔プラセディス・フーク=リュッティ(Hp)、プラセディス・ジェネヴィエーヴ・フーク(P)〕

録音:2022年3月
ハープとピアノのための貴重なレパートリーを次々と録音している親子アンサンブル、デュオ・プラセディス。このアルバムでは、超絶技巧のピアニストとして活躍し、さらには作曲家としても活躍したアンリ・エルツや、パリ音楽院の最初のハープの教授となり、ハープと様々な楽器を組み合わせた作品を残したフランソワ=ジョセフ・ナデルマンの他、近現代の作曲家の作品までこのアルバムでなければ聴くことの出来ない作品を数多く収録しています。
Ars Produktion
ARS-38635(1CD)
ネオタンゴ・エピソーズ
オマール・マッサ(b.1981):タンゴ前奏曲第1番
ピアソラ(マッサ編):天使の死
マッサ:ネオタンゴ・エピソーズT、
 ネオタンゴ・エピソーズU、
 ネオタンゴ・エピソーズV
フェラン・クルイサン(b.1976):ブロークン、
 メカニカル・バレリーナ
ミヨー(カイ・シュトローベル編):Scaramouche
マッサ: ブエノス・アイレス・ミニチュア
ピアソラ(マッサ編):鮫 
カイ・シュトローベル(打楽器)、
オマール・マッサ(バンドネオン)、
カタリーナ・トロイトラー(P)

録音:2022年10月12日-16日
ARDミュンヘン国際音楽コンクールで第1位と聴衆賞を獲得し、バイエルンRSOなどと共演している打楽器奏者カイ・シュトローベル、「ピアソラの非公式な後継者」と絶賛されアルゼンチンで最も優秀なバンドネオン奏者の一人と言われているバンドネオン奏者兼作曲家であるオマール・マッサ、そしてハノーファーの音楽大学でベルント・ゲツケに師事し、その後東京音楽大学で学び、コンセルヴァトワールではジャック・ルヴィエに師事し、修士号を取得した実力派ピアニスト、カタリーナ・トロイトラー。オリジナル作品だけでなく、見事に編曲された作品まで、若手のスタイリッシュな演奏で楽しませてくれるアルバムです。

オクタヴィア
OVCL-00812(1SACD)
2023年3月22日発売
柴田花音 IN CONCERT
シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 作品70
ヒンデミット:無伴奏チェロ・ソナタ 作品25-3
シュニトケ:チェロ・ソナタ 第1番
カステルヌオーヴォ=テデスコ(ピアティゴルスキー編):ロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」より「フィガロ」
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 作品119
柴田花音(Vc)、鈴木慎崇(P)

録音:2022年8月16-19日高崎芸術劇場
リサイタル・録音・映像によって才能溢れる若手演奏家を多角的に紹介する、大友直人が贈る高崎 芸術劇場の「T-Shotシリーズ」第8弾。『柴田花音 IN CONCERT2022』の初回限定盤 (OVCX-00094 [CD+DVD])は大好評のうちに完売いたしました。 本商品は、その通常盤(CDのみの仕様)となります。 2021年、若きチェリストの登竜門・ビバホールチェロコンクールで優勝、現在はトロント王立音楽院にて 研鑽を積む柴田花音。 自由自在でのびのびとした音楽作りと、美しい音色に彩られた華のある演奏が光る彼女のチェロは、テ クニカルな技巧から美しい旋律まで聴く者を魅了します。(オクタヴィア)

Orchid Classics
ORC100216(1CD)
NX-B03
ラプソディ
ドビュッシー:ラプソディ(V.デイヴィッドによるサクソフォンとピアノ編)
ジョセフ・フィブス(1974-):Night Paths
イアン・ファーリンドン(1977-):パガニーニ・パターンズ
エリック・コーツ:Saxo -Rhapsody
ジェニファー・ワトソン(1985-):Rhapsody on an Echo Chamber
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番 嬰ハ短調(I.ファーリンドン編)
ヒュー・ウィギン(Sax)
小川 典子(P)

録音:2022年8月22-24日
「熟成された音色、完璧な呼吸法」とThe Times誌で絶賛されたヒュー・ウィギン。2014年、ロンドンで開催された「Royal Over-Seas League Annual Music Competition」で第1位となって以後着々とキャリアを築いて、現在では同世代で最も人気のあるサクソフォン奏者の一人となりました。 ウィグモア・ホールやエジンバラ音楽祭などに出演、北京の紫禁城のコンサート・ホールではリサイタルに加えてエリック・コーツの協奏曲を演奏しました。王立音 楽アカデミーの教授職を務め、イギリス国内外でマスタークラスを行っています。彼のORCHID CLASSICSへの4枚目のアルバムは、ロンドンで共演を重ね るピアニスト、小川典子との二重奏を収録。魅力的な1枚です。

YARLUNG RECORD
YR-84165(1CD)
NX-C01
Creation
クラリス・アサド(1978-):Symmetries
メフメト・サンリコル:Seven Sufi Vignettes
馬渕侑子:Evolution of the One
Ricky Kej:Arambhah
アダム・ナイト・ギルバート(1961):Triptych at the Beginning of Time
Cecilia Damstrom:Cura
バートウィッスル(1934-2022):Oockooing Bird
ミッシー・マッツォーリ(1980-):Dissolve, O my Heart
ハナ・ケンドール(1984-):l Weroon Weroon
ペッカ・クーシスト(Vn)
ヨーナス・アホネン(P)

録音:2022年8月5日-7日
創造的な活動をしているフィンランド生まれの二人の演奏家が書かれたばかりの最新作品に取り組んだアルバム。 タイトル通りの「創造の瞬間」が味わえます。アルバム・タイトルは量子物理学の概念から採られ、この世界の創造 の瞬間を指しているそうです。収録曲中6曲は世界の創造の瞬間をイメージした作品として委嘱されたものです が、プロデューサーは「科学的な知識を一切抜きにして、想像力を働かせながら聴いてみてください」とのこと。 ペッカ・クーシストはシベリウス・コンクール優勝後、世界的に活躍を続けるヴァイオリニストで、最近は指揮にも取り 組んでいます。ヨーナス・アホネンはパトリツィア・コパチンスカヤとのデュオ活動でおなじみのピアニスト。ピリオド楽器 による古典派音楽から最新の作品まで時代を越えたレパートリーで活躍しています。 録音に際しては、かつてフランク・シナトラが所有していたマイクAKG C24と、Yarlungのエグゼクティブ・プロデュー サー兼デザイナーのエリオット・ミルウッドが制作した真空管マイク・アンプを用いています。

CPO
CPO-555277(1CD)
NX-B02
ラフ:弦楽四重奏曲第5番、第1番
弦楽四重奏曲第5番ト長調 Op.138
弦楽四重奏曲第1番ニ短調 Op.77
マンハイムSQ

録音:2020年7月16-18日
マンハイムSQによるラフの弦楽四重奏曲集。2003年録音の第1作から足掛け17年を経ての完結 となります。第1番は1855年、ラフ33歳の作品。シンプルな4楽章形式で書かれており、沸き立つようなパッセー ジに彩られた第1楽章、第2楽章、ゆったりとした美しい旋律を持つ第3楽章、急き立てられるかのような終楽章 で構成されています。このアルバム以外にはライプツィヒSQの演奏がリリースされているのみの第5番 は、1867年の作。ワイマールから離れ、ヴィースバーデンに移ったことで作曲家の足掛かりをつけたラフによるこの 作品は、メンデルスゾーンを思わせる伸びやかな旋律で始まり、やはり抒情的な第3楽章を経て快活なワルツのリ ズムを持つ最終楽章で締めくくられます。
CPO
CPO-555072(1CD)
NX-B02
グレン・グールド/ハインリヒ・カミンスキ:弦楽四重奏曲集
グレン・グールド(1932-1982):弦楽四重奏曲 Op.1
ハインリヒ・カミンスキ(1886-1946):ABEGGの名による前奏曲とフーガ
カミンスキ:弦楽四重奏曲 ヘ長調
ミンゲット四重奏団

録音:2016年3月8-9日、2017年1月25-26日
カナダの天才ピアニスト、グレン・グールドとドイツの作曲家ハインリヒ・カミンスキ。 2人の間には共通性がないように見えますが、どちらも我が道を行くことにかけては他に類をみないほどのユニークな 人物です。若きグールドは新ウィーン楽派の作風に傾倒、この1955年に書かれた弦楽四重奏曲もシェーンベル クを思わせる大作で、当時の彼の内面を表現している作品として評価されています。グールドは以降曲を書くこと はほとんどありませんでしたが、ピアノ演奏に大きな喜びを見つけ独自の道を歩んでいきます。 かたやカミンスキはポーランド系ユダヤ人の家庭に生まれ、最初は政治学を学んだものの、やがて音楽の道に転 向。合唱指揮者や作曲教師を務めながら作品を書きますが、政治的信条」¥を理由に職を失い、その後もユダ ヤ系の血統を理由に作品の上演が禁じられたため、ほとんど公の場に姿を現すことはありませんでした。 彼は「作曲は常に精神的な創造行為である」と感じ、常に宇宙の神秘を探求しつづけ、それは自身の作品にも 投影されています。そんな2人の作品をミンゲット四重奏団の演奏で。

SOMM
SOMMCD-0664(2CD)
NX-C09
バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ全集
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第1番 ロ短調 BWV1014
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第2番 イ長調 BWV1015
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第3番 ホ長調 BWV1016
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番 ハ短調 BWV1017
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第5番 ヘ短調 BWV1018
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第6番 ト長調 BWV1019
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第6番 ト長調 BWV101
エイドリアン・バターフィールド(Vn)
サイラス・ウォルストン(Cemb)

録音:2022年4月20-22日、28-29日
英国を拠点に活躍する古楽系ヴァイオリニスト、エイドリアン・バターフィールドと、NAXOSからリリースされているル クレールのヴァイオリン・ソナタ集でバターフィールドと息のあった共演を聴かせるチェンバロのサイラス・ウォルストンが 演奏するバッハのソナタ集。バッハ作品を得意とするバターフィールドならではの豊かな感性に支えられた演奏が楽 しめます。サイラス・ウォルストンはこのアルバムがSOMMレーベルへのデビューとなります。

TOCCATA
TOCC-0683(1CD)
NX-B03
ハンス・ヴィンターベルク(1901-1991):室内楽作品集 第2集
弦楽四重奏曲第2番(1942)
弦楽四重奏曲第3番(1957)
弦楽四重奏曲第4番(1961)
アマーネットQ

録音:2022年10月26-28、31日全て世界初録音
プラハ生まれのユダヤ人作曲家ヴィンターベルクはナチス政権下で迫害を受け、第2次大戦中にはテレージエン シュタットのゲットーに送られましたが殺害は免れ、戦後はミュンヘンで活動しました。彼の存命中にはバレエ音楽 や管弦楽作品が上演され、ラジオなどでも放送されましたが、その死後しばらくして義理の息子が作品の権利を 「作曲家の死後40年間(2031年まで)封印すること」を条件にズデーテン・ドイツ音楽研究所に売却したた め、埋もれてしまいます。その後、この状況を憂慮した関係者の取り組みにより条件が緩和され、少しずつながら 演奏と録音の機会が増えています。ヴィンターベルクは十二音技法にはあまり関心がなく、基本的に新古典派の 作風を守っており、その作風からはヤナーチェクとシェーンベルクの影響も感じられます。このアルバムには 彼の3曲 の弦楽四重奏曲を収録。どれも比較的親しみやすい音楽です。原盤解説書(英文)からはヴィンターベルクの生 涯を通じて、第2次大戦に翻弄されたチェコのユダヤ人たちが戦後も経験した困難が垣間見られます。

Paraty
PTY-1722270(1CD)
模倣〜バッハ作品の編曲(ラテルナ・マギカ編)
(1)ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調BWV1015
(3)トリオ・ソナタ第3番ニ短調BWV527
(4)主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶBWV639
(5)トリオ・ソナタ第5番ハ長調BWV529
(6)主イエス・キリスト、われらを顧みたまえBWV655
(7)トリオ・ソナタ ト長調BWV1039
(8)目覚めよ、と呼ぶ声ありBWV645
ラテルナ・マギカ【ナタリー・ホウトマン&ローラ・ポーク(リコーダー)、ベルナール・ウォルテシュ(Vc)、ラファエル・コリニヨン(チェンバロ、オルガン)】

録音:2021年6月7-9日/聖アポリネールド・バラン教会ルド・バラン教会
2002年創設の古楽器アンサンブル「ラテルナ・マギカ」。幻燈を意味する団体名で、バッハ作品の編曲に執念を燃やして探求を続けてきました。彼らにとって 編曲はコピーではなく「ミメーシス(模倣から本質を知る)」で、バッハ自身自作・他作を含め過去の作品を常に利用していた精神を受け継いでいるとのこと。
リーダーのナタリー・ホウトマンはブリュッセル音楽院でリコーダーのプルミエ・プリを取った後、尺八も学んだという学究肌。今回もトリオ・ソナタのほか、タル コフスキーの映画「惑星ソラリス」で人気のコラール前奏曲「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」も入っているのが注目です。

FIRST HAND RECORDS
FHR-100(1CD)
ストラドグラス・セッションズ
(1)テッサ・ラーク(1989-):ジグ・アンド・ポップ
(2)シエラ・ハル(1991-):チェイシング・スカイズ(2011)
(3)テッサ・ラーク:Le Soka - チーズ・イン・ワイン
(4)エドガー・メイヤー(1960-):ヴァイオリンとコントラバスの為の演奏会用二重奏曲(1999)より 第1・4楽章
(5)イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番 ト長調 Op.27-5(1923)
(6)マイケル・クリーブランド(1980-):レイジー・ケイティ(2019)
(7)コリリアーノ:ストンプ(2010)
(8)テッサ・ラーク:Hysedelje
(9)バルトーク:44のヴァイオリン二重奏 Sz.98 (1931)〜第35番「ルーシのコロメイカ」、第39番「セルビアの踊り」、第43番「ピッチカート」(ハル、ラーク編)
(10)フォスター:「ケンタッキーの我が家」による瞑想曲(バティステ、ラーク編)
テッサ・ラーク(Vn;1600年頃、ジョヴァンニ・パオロ・マッジーニ製)
ジョン・バティステ(P(10))
マイケル・クリーブランド(フィドル(6))
シエラ・ハル(マンドリン(2)(9))
エドガー・メイヤー(コントラバス(4))

(1)(3)(6)(8)世界初録音
ストラディヴァリウスでブルーグラスを弾く、という試みから生まれた「ストラドグラス」は、ヴァイオリニストのテッサ・ラークによるジャンルレスの音楽活動。「ブ ルーグラス」はスコットランド、アイルランドの音楽をもとにアメリカで発展した音楽ジャンルで、フィドルの音色にもよく合います。クラシック、ポップス、伝承曲が 一つの流れになっていくふしぎなプログラム。共演者にはグラミー賞アーティストが参加しています。
「多様で、有機的で、親密で、時には共同で、時には一人で、常に誠実に。コンサートホールでもホームスタジオでも、どこでも。このアルバムは、私が音楽に生き る方法のスナップショットです。」(テッサ・ラーク)

GENUIN
GEN-23805(1CD)
フォンタネッリ(b.1961):ドレスデン七重奏曲〜ベートーヴェンへの敬意(2020)
ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 Op.20
ドレスデン室内ソロイスツ【フェデリーコ・カシク(Vn)、ホルガー・クリスティアン・グロース(Va) 、ノルベルト・アンガー(Vc)、フィリップ・ツェラー(Fg) 、ロベルト・オベライグナー(Cl)、ゾルターン・マーツァイ(Hrn) 、ヴィクトール・オソキン(Cb)】

録音:2020年9月30日-10月2日 ドイツ ドレスデン
ベートーヴェンの七重奏曲と、イタリアの作曲家シモーネ・フォンタネッリ(1961-)の七重奏 曲をカップリングしたCD。ベートーヴェンの方は言うまでもなく彼の20 代末の瑞々しい傑作。 フォンタネッリの七重奏曲は、題名の通りベートーヴェンへの敬意から作られたもので、七重 奏曲だけでなくベートーヴェンの様々な作品の断片が素材として用いられています。 ドレスデン室内ソロイスツは、2019年にミェチスワフ・ヴァインベルクの室内楽作品を録音する ためにシュターツカペレ・ドレスデンの団員によって結成された七重奏団で、つまりシュターツ カペレ・ドレスデンの粋が結集したアンサンブル。したがって単に技術的に巧いだけでなく、 結成して間もないにもかかわらず音楽の方向性がきちっとかつ豊かにまとまっているのが素 晴らしい。  (Ki)
GENUIN
GEN-23816(1CD)
ハイドン:ピアノ三重奏曲 ハ長調 Hob.XV:27
パヴォレク(b.1971):ピアノ三重奏曲
スメタナ:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.15
トリオE.T.A【エレネ・マイパリアニ(Vn) 、ティル・シュラー(Vc) 、ティル・ホフマン(P)】

録音:2022年4月5-8日 ドイツ フランクフルト・アム・マイン
ピアノ三重奏好きにはぜひとも耳を傾けてほしい CD。GENUIN 恒例のドイツ音楽コンクールの受賞者(このコンクールは複数受賞) による CD で、2021年の受賞者の一つ、トリオE. T.A.のデビューCD。若いドイツの奏者3人による三重奏団は、E.T.A.ホフマンにから名 前を取っており、この2021年のドイツ音楽コンクールの受賞によって広く知られるようになっ た。この CD は彼らの実力を知るに打って付けのもの。ハイドンの名曲、ハ長調のピアノ三重 奏曲の冒頭の洗練された華やぎのある音色を聞いただけで、彼らがただものではないことは すぐ分かる。第2楽章の落ち着いた愉悦、第3 楽章の疾走しながらも一切雑にならずに常に 新鮮な音楽も素晴らしい。スメタナのト短調の三重奏曲では一転して集中力の高い強い掘り 込みにグイグイ引き込まれます。そしてその間にロマン・パヴォレク(1971-)の 2006年の作を置 く意欲。彼らは確実に21世紀の第2 四半世紀の名ピアノ三重奏団になるでしょう。
GENUIN
GEN-23820(1CD)
「アルペッジョ」
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821
クラウス・アルプ(1950-2016):2つの手に
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
クラウス・アルプ:組曲チェロ
デュオ・アルプ・フランツ【ユリアン・アルプ(Vc)、カスパール・フランツ(P)】

録音:2020年10月22-25日 ドイツ・カイザースラウテルン
チェロのユリアン・アルプとピアノのカスパール・フランツによるデュオ・アルプ・フランツの GENUIN への4枚目のCD。彼らは2006年のドイツ音楽コンクールの受賞者で、着実に実力 を伸ばしています。今回は無伴奏曲が含まれているように、チェロのユリアン・アルプが前面に 出ています。ユリアン・アルプは1981年の生まれ。東ベルリンのハンス・アイスラー音楽院でボリ ス・ペルガメンシコフに学ぶ。良く歌い情熱的なシューベルトのアルペジョーネ・ソナタも、自 信の漲ったバッハの無伴奏組曲第1番も、アルプの充実ぶりを伝える名演だ。彼の叔父クラ ウス・アルプ(1950-2016)は高名な指揮者で、1987 年から1995年までカイザースラウテルン SWR放送Oの首席指揮者を務めた他、フィラデルフィア・歌劇でも活躍した。ユリア ンはこの偉大な叔父から多くの影響を受けたと述べています。彼はここで叔父の作品を 2曲演 奏しています。
GENUIN
GEN-23823(1CD)
クリスティアン・リディル(b.1943):室内楽作品集 第2集
(1)5月の音楽(導入、カンツォーナと7つの変奏)(1995)
(2)組曲(1977)
(3)暗い二重奏曲(1978)
(4)オピッツの文に基づく3つのソネット(1985)
(5)シシフォ(1997)
(1)カーステン・ダフィン(Hrn)
フランスワ・バスティアン(Hrn)
トマス・ルー(Hrn)
ノルベルト・ダウザッカー(Hrn)
(2)イエンス・ヨーゼフ(Fl)
(3)ヤカ・シュタードラー(Vc)
ライナー・ザイドル(Fg)
(4)メリンダ・パウルセン(Ms)
シェリー・エツラ(Cl)
アレクサンダー・ザックス(Vn)
ディミトリー・ハハリン(Va)
ミヒャエル・プロイス(Vc)
(5)エリオットQ【マリヤーナ・オジポヴァ(Vn)、アレクサンダー・ザックス(Vn)、ディミトリー・ハハリン(Va) 、ミヒャエル・プロイス(Vc)】

録音:(1)(3)2022年5月21-22日 ドイツ ミュンヘン
(2)(4)(5)2022年4月7-9日 ドイツ フランクフルト・アム・マイン
第1集(GEN-21737)に続くクリスティアン・リディル(1943―)の室内楽作品集の第2 集。ク リスティアン・リディルはブレスラウ(現在のポーランドのヴロツワフ)の生まれ。フランクフルトの ゲーテ大学で退官する2011年まで指導に当たっており、この時期から精力的に作曲をして います。作風はあまり前衛的でないが近代的感覚に長けたもの。録音に参加した演奏者はバイ エルンRSOの団員が多く、特にホルン奏者たちはバイロイト音楽祭のオーケストラ の常連でもある。

CAvi music
85-53522(1CD)
近現代のホルン三重奏作品集
ハンス・アブラハムセン(エイブラハムセン)(b.1952):ゼクス・スティッカー 〜ホルン、ヴァイオリンとピアノの為の6つの小品
ジョン・ケージ:ミュージック・フォー・スリー(Vn、ホルンとピアノの為の版)(世界初録音)
シャルル・ケクラン):4つの小品 Op.32
ヘルマン・シュレーダー(1904-1984):ホルン、ヴァイオリンとピアノの為の三重奏曲第2番 Op.40(世界初録音)
リゲティ:ホルン、ヴァイオリンとピアノの為の三重奏曲
プジェミスル・ヴォイタ(Hrn)、
イェ・ウー(Vn)、
フローレンス・ミレー(P)

録音:2020年7月&2021年6月、WDRクラウス・フォン・ビスマルク・ザール(ケルン、ドイツ)
若手演奏家の登竜門の中でも最難関として有名なARDミュンヘン国際音楽コンクールの2010年のホルン部門で第1位、聴衆賞、最優秀新作演奏賞、ニュー・フィルハーモニー・ヴェストファーレン特別賞を受賞するなど圧倒的な成績を収め、ラデク・バボラークの後継者的存在としてその名を世界に轟かせたチェコの天才ホルニスト、プジェミスル・ヴォイタ(1983-)。続く2011年のベートーヴェン・フェスティヴァル・ボンでもベートーヴェン・リング賞を受賞するなど目覚ましい活躍を繰り広げたヴォイタは、ドレスデン・シュターツカペレのアカデミーからベルリン・シュターツカペレ、ベルリン・コンツェルトハウスOの首席奏者へと転身。2015年から2019年まではケルンWDRSOの首席ホルン奏者を務めるなど世界屈指のホルニストです。
これまでに、ヨーゼフ&M・ハイドンのホルン協奏曲全曲録音や、作品の時代ごとに3本のホルンを吹き分け、それぞれの作品が書かれた当時のホルンの響きや奏法の再現を見事に表現した 「メタモルフォージス」 など、優れたアルバム制作で国際的に高い評価を得ているヴォイタ。ホルン、ヴァイオリン、ピアノという編成による作品を確立したのはブラームスが初めてですが、本アルバムでは、この編成による魅力を追求した近現代の作曲家たちの作品を取り上げています。
コンサート・マスターとして、クルト・マズア、ケント・ナガノ、クリストフ・エッシェンバッハなど、著名な指揮者の下で演奏し、多くのオーケストラと共演してきた女流ヴァイオリニストのイェ・ウー。パリ国立高等音楽院で学び、1992年から2000年まで、ブーレーズ、デイヴィッド・ロバートソンが率いるアンサンブル・アンテルコンタンポランと共演するなど、現代音楽界の第一線で活躍するフローレンス・ミレーという万全の体制で、この編成の新たなレパートリーを開拓します。

WERGO
WER-7406(1CD)
白い花 マリアーノ・エトキン(1943-2016):作品集
(1)物事の本質〜クラリネット、トロンボーン、チェロ、ピアノの為の(2001)
(2)わすれられた夢〜ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの為の(2014)
(3)涙の練習曲 第1番〜クラリネット、ホルン、チェロの為の(2009)
(4)体内の血液〜トロンボーン、打楽器、ピアノ、チェロ、コントラバスの為の(1997)
(5)涙の練習曲 第2番〜クラリネット、ホルン、チェロの為の(2009)
(6)白い花〜クラリネット、ファゴット、トロンボーン、打楽器、ピアノ、チェロ、コントラバスの為の(2006)
(7)涙の練習曲 第3番〜ホルンとコントラバスの為の(2010)
(8)おわかれマンボ〜フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、コントラバスの為の(1992)
アンサンブル・アヴァンチュール

録音:2019年28-29日、2020年5月22-24日/ケルン、ドイチュラントフンク、カンマームジークザール
(1)-(7)世界初録音
アルゼンチンの作曲家マリアーノ・エトキン(1943-2016)による室内楽作品集。「夢」「血」「涙」といった人間的なものをタイトルにしているように、生命力 や実存のエネルギーを感じさせる音楽になっていて、ときに官能的ですらあるサウンドに彩られています。
アンサンブル・アヴァンチュールは1986年結成の現代音楽アンサンブル。エトキンと深い関わりがあり、「白い花」は結成20周年にプレゼントされた献呈曲。「お わかれマンボ」もこの楽団のために書かれた作品です。 (Ki)

Rondeau
ROP-6234(1CD)

PROP-6234(1CD)
国内盤仕様
税込定価
モーツァルト&フィアラ:ヴィオラ・ダ・ガンバ作品集
ヨーゼフ・フィアラ(1748-1816):コンチェルティーノ ニ長調 ReiF4.52(ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴァイオリンとチェロ/ピアノの為の)
モーツァルト:アンダンティーノ ロ長調 KV Anh.46(374g)(ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・ピアノの為の)、ソナタ ロ長調 KV292(196c)(ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為の)
ヨーゼフ・フィアラ:協奏曲ヘ長調 ReiF2.65(ヴィオラ・ダ・ガンバ独奏、2本のフルート、2本のホルン、2本のヴァイオリン、2本のヴィオラとチェロ/コントラバス/ピアノの為の)
モーツァルト:ソナタ ハ長調 KV19d(ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・ピアノの為の)、歌劇「魔笛」 〜アリア 「この神聖な殿堂には」 KV620(ヴィオラ・ダ・ガンバ独奏(「ザラストロのアリア」の朗読付き)の為の)*
ヨーゼフ・フィアラ:ソナタ ト長調 ReiF4.51(ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴァイオリンとチェロ/ピアノの為の)
トーマス・フリッチュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ミヒャエル・シェーンハイト(フォルテピアノ、音楽監督)、
メルゼブルガー・ホフムジーク、アクセル・ティールマン(朗読)*

※使用楽器:Joann Paul Schorn, Salzburg1709, ex Joseph Fiola

録音:2022年4月20日-22日、ヨハン・ゲオルゲン教会(ドイツ)
国内盤:解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き/解説:トーマス・フリッチュ(日本語解説:岡田安樹浩)
「ヴィオラ・ダ・ガンバのカザルス」とも称される世界的名手、トーマス・フリッチュの新録音は、モーツァルトの作品と、当時最も有名なヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の一人であり、モーツァルトとも親交のあったヨーゼフ・フィアラの作品をカップリングした意欲作。
トーマス・フリッチュは、ヨーロッパのコンサートホールをはじめ、ニューヨーク、ボストン、東京、ソウル、香港、上海などでの演奏活動の傍ら、その情熱と輝かしい歴史的知識をもって、ガンバに関する文献の調査、発見、そして編集をするなど、ガンバ作品研究の第一人者としても知られています。これまでに、J.C.バッハ、アーベル、テレマン、ブクステフーデや、19世紀に書かれ新たに発見された作品の録音を行うなど、クラシック界に偉大な功績を残しています。その功績を称えられ、「Echo Klassik2017」、「Choc de Classica2019」を受賞しています。
本アルバムでは、スイスの修道院で新たに発見されたフィアラの「ヴィオラ・ダ・ガンバと管弦楽の為の協奏曲」を取り上げるなど、モーツァルトの時代に活躍した偉大なガンバ奏者の軌跡を、フィアラ自身が使用した貴重な楽器を用いて辿ります。

Da Vinci Classics
C-00688(1CD)
19世紀イタリアのチェロとピアノの為の作品集
マルトゥッチ:2つのロマンス Op.72、
 3つの小品 Op.69
マルコ・エンリコ・ボッシ:ロマンス Op.89、
 アルバムの綴り Op.111、魂の歌
アレッサンドロ・ロンゴ:組曲 Op.44
ファビオ・ファウゾーネ(Vc)、
ステファノ・ムッソ(P)

録音:2022年1月、チーゴレ(イタリア)
ベルカントと歌劇の国、イタリアの音楽家がチェロのために書いた、珠玉の室内楽作品集。19世紀末のイタリアにおける器楽復興のパイオニア的な存在である3名の作曲家、マルトゥッチ、ボッシ、ロンゴの作品が収められています。人の声に似た温かみのある音色、長いメロディラインを維持する力、多彩なアクセントといった点で、チェロに匹敵する楽器はほとんどありません。そうしたチェロの表現力を生かし、器楽と声楽のジレンマを解消し、新たな音楽性を追求した彼らの作品には「ロマンス(ロマンツァ)」というタイトルがつけられています。
Da Vinci Classics
C-00666(1CD)
アントニオ・バルトロメオ・ブルーニ:2つのヴィオラの為の協奏的二重奏曲集
協奏的二重奏曲第1番変ホ長調/協奏的二重奏曲第2番 ニ長調/協奏的二重奏曲第3番ハ長調/協奏的二重奏曲第4番 ト短調/協奏的二重奏曲第5番変ロ長調/協奏的二重奏曲第6番 ヘ長調
ジョバンニ・マッテオ・ブラショール(Va)、
アゴスティーノ・マッティオーニ(Va)

録音:2022年6月、ブレシア(イタリア)
その名前も作品も十分に知られていないイタリアの作曲家アントニオ・バルトロメオ・ブルーニ(1757-1821)のヴィオラ二重奏曲集。人生のほとんどをパリで過ごしたブルーニの音楽は、イタリアとフランスを結びつけるもので、両国の音楽文化の典型的な特徴を持ち合わせています。音楽的に多彩でインスピレーションが豊かな第1楽章と、生き生きとした音楽のアイディアがふんだんに盛り込まれた第2楽章(終楽章)からなる2楽章制の楽曲です。
Da Vinci Classics
C-00672(1CD)
20世紀フランスの木管三重奏作品集
フランセ:ディヴェルティスマン
オーリック:オーボエ、クラリネットとファゴットの為の三重奏曲
イベール:木管三重奏の為の5つの小品
ミヨー:コレットによる組曲 Op.161
トマジ:田園風コンセール
タンスマン:トリオ・ダンシュの為の組曲
イ・ソリスティ・デッラ・スカラ〔ファビアン・トゥアン(Ob)、ファブリツィオ・メローニ(Cl)、ガブリエレ・スクレピス(Fg)〕

録音:2015年2月(イタリア)
木管三重奏の為の20世紀フランス音楽の魅力を伝える好プログラム。木管三重奏は、音色が似ていながらも微妙に異なる3つの楽器を組み合わせたもので、特に音色の美しさを追求する才能ある作曲家にとっては、さまざまなニュアンスを生み出すことが可能です。本アルバムでは、
それまでの音楽から多様化し始めた20世紀フランスという同じ舞台で活躍した作曲家達が、この3本の楽器による可能性を追求した多くの作品を集成しています。
この重要な作品の数々を、3本の木管楽器が互いに影響し合い、作品の魅力を際立たせています。演奏は、世界で最も著名なオーケストラのひとつである、ミラノ・スカラ座Oの木管セクションを支える名手たちによる解釈で贈ります。
Da Vinci Classics
C-00687(1CD)
ハイドン:フルートを伴う三重奏曲集
ハイドン:ピアノ三重奏曲第15番ト長調 Op.62, Hob.XV-15/ピアノ三重奏曲第16番ニ長調 Op.63, Hob.XV-16/ピアノ三重奏曲第17番ヘ長調Op.68, Hob.XV-17/ロンドン・トリオ第1番ハ長調 Hob.IV-1/ロンドン・トリオ第2番ト長調 Hob.IV-2/ロンドン・トリオ第3番ト長調 Hob.IV-3/ロンドン・トリオ第4番ト長調 Hob.IV-4
ヴェニス・トリオ〔エンツォ・カローリ(Fl)、アルヴィゼ・スティッフォーニ(Vc)、エリザベッタ・ジェズアート(P)/Hob.XV〕
トリオ・ヴィヴァルディ〔エンツォ・カローリ(Fl)、ファビオラ・ブラコーニ(Fl)、アルヴィゼ・スティッフォーニ(Vc)/Hob.IV〕

録音:2022年8月(ヴェデラーゴ、イタリア)
ハイドンは、イギリスの市場を想定して、1本または複数本のフルートによる三重奏曲を作曲しました。実際、フルートは貴族階級に特に好まれ、労せずして無限の喜びを得ることができたのです。三重奏曲Hob.XV/15-17は、フルートにチェロと鍵盤楽器を加えた編成で、ロンドンの出版社から依頼されたものでした。「ロンドン・トリオ」は、2度目の渡英の際に構想されたもので、2本のフルートの緊密な対話が特徴です。いずれの曲も、ハイドンの創意工夫が最大限に発揮されており、優雅さ、驚き、喜び、軽快さ、そして激しい表現の瞬間も忘れてはいません。特に短調の部分は、貴族の歓楽のために作られた作品とは思えないほどの深遠さを帯びており、演奏人数が少ないにもかかわらず、ほとんど交響的な様式を採用し、しかもその様式の透明性を失わないところに、ハイドンの器楽作曲の卓越した技量がうかがえます。
Da Vinci Classics
C-00661(1CD)
ベネズエラのギター作品集
アントニオ・ラウロ(1917-1986):ベネズエラ組曲
ヘンリー・マルティネス(b.1950):クリオリッシマ
アレクサンドロ・ロドリゲス(b.1952):Vals De Dos Mundos、Tan Lejos Y Tan Cerca
ヘスス・エドゥアルド・アルバレス・ヘレーラ(b.1960):ギターの為のセレナーデ
エドゥアルド・セラーノ(1911-2008):雨の午後
イノセンテ・カレーニョ(1919-2016):組曲第2番
ロドリーゴ・リエラ(1923-1999):プレリュード・クリオロ
マヌエル・アンヘル・トレホ・バリオス(G)、
モニカ・パオリーニ(G)、
エディ・マルカノ(Vn)、
ラウラ・デ・シルバ(S)

録音:2022年8月、ALEAプロダクション・スタジオ
ギターに特化したベネズエラ音楽の100年以上の歴史を、ダ・ヴィンチ・クラシックスがリリース。ギターに代表される「古典的フォルクローレ」を中心に、この国の色彩感豊かな音楽芸術をベネズエラの音楽と現代の音楽シーンとの緊密な対話を象徴するようなミュージシャンたちが紹介します。
アントニオ・ラウロはベネズエラを代表する作曲家であり、ベネズエラの文化遺産、特にバルス・ベネゾラーノ(ベネズエラのワルツ)に強い関心を寄せています。ラウロのベネズエラ組曲は、彼の様式的理想と、後のベネズエラの音楽と音楽家たちに印象づけることになる方向性を完璧に体現しています。ヘンリー・マルティネスの「クリオリッシマ」は、作曲者の最も人気のある作品のひとつで、ベネズエラとその音楽のシンボルとして世界中を駆け巡っています。
Da Vinci Classics
C-00684(1CD)
シューマン:ヴァイオリンとピアノの為のハウスムジーク
3つのロマンス Op.94
おとぎの絵本 Op.113
アダージョとアレグロ Op.70
民謡風の5つの小品 Op.102
幻想小曲集 Op.73
パオロ・ギドーニ(Vn)、
マルコ・テッザ(P)

録音:2022年1月、ヴィチェンツァ(イタリア)
イタリアのヴァイオリン界の重鎮、パオロ・ギドーニによるシューマンの室内楽の為の作品集。パオロ・ギドーニはフェルッチョ・サンジョルジにヴァイオリンを師事し、弱冠17歳という若さで由緒あるイタリア国立マントヴァ音楽院を首席で卒業しました。その後はシエナのキジアーナ音楽院でフランコ・グッリの下で研鑽を積み、スイスのシオンではイヴリー・ギトリスに、さらにはサルヴァトーレ・アッカルドやフランコ・クラウディオ・フェラーリといったヴァイオリン界の巨匠たちに学び、19歳でフィレンツェのヴィットリオ・グイ賞を受賞するなど、キャリアの初期からイタリアのヴァイオリン界を牽引してきた人物です。このアルバムでもシューマンの複雑な心情を読み解くかのようにそれぞれの作品を説得力のある演奏で聴かせています。
Da Vinci Classics
C-00676(1CD)
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番&第2番
チェロ・ソナタ第1番ホ短調 Op.38
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.99
マチルダ・コリャール(Vc)、
ステファノ・リゴラッティ(P)

録音:2022年7月、キアーヴァリ(イタリア)
ルダ・コリャールと、ミラノ音楽院(ヴェルディ音楽院)で研鑽を積み、コンポーザー=ピアニスト、指揮者、オルガニスト、チェンバリストとしてマルチな活躍を見せるステファノ・リゴラッティ、2人のイタリアの名手によるブラームスのチェロ・ソナタ集!
コリャールはソリストとしての活動はもちろんのこと、トリオ・ザンドナーイのメンバーとしても国内外で活躍し、2017年9月からはミラノのルドルフ・シュタイナー・スクールでチェロの教鞭を執っています。ブラームスの2つのチェロ・ソナタは、19世紀後半に書かれたこのジャンルの最も重要な作例。第1番が親密で薄暗い雰囲気を持つのに対し、約20年後に書かれた第2番はよりオープンで自信に満ちた曲調が特徴です。バランスを取るのが難しい2つの楽器は見事に調和し、ピアノにも重要な役割が与えられています。使用楽器はチェロがリッカルド・ベルゴンツィ、ピアノが1888年製のスタインウェイです。

Chandos
CHAN-20180(1CD)
ヴァインベルク:弦楽四重奏曲集 Vol.3
弦楽四重奏曲第4番変ホ長調 Op.20(1945)
弦楽四重奏曲第16番?変イ短調 Op.130(1981)
アルカディアSQ

録音:2022年4月、ポットン・ホール(イギリス、サフォーク)
ルーマニアのエキサイティングなクヮルテット、アルカディアSQによるミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996)の弦楽四重奏曲集第3巻!
「ヴァインベルクの音楽は、未知の闇に囲まれた光の輝きのようなものであり、その影を薄くすることが我々の目標になりました。」と語るアルカディアSQ。彼らの『ヴァインベルク:弦楽四重奏曲集Vol.1』(CHAN--20158)はBBCラジオ3のレコード・レビューで「Record of the Week」に選ばれ、ICMA(国際クラシック音楽賞)2022の室内楽部門にノミネートされるなど、高い評価を受けました。
ヴァインベルクの17曲の弦楽四重奏曲の創作は、ワルシャワでの学生時代からモスクワでのキャリアの終わりまでの半世紀近くに及んでおり、彼の作曲家としての成長を他のどのジャンルよりも明確に示しています。本作では1945年に書かれた第4番と、1981年に書かれた第16番という対照的な時期の2作品が選ばれています。第4番はヴァインベルクがモスクワに移って間もない頃に作曲されたもので、抽象度が高く、ヴァインベルクの芸術的成熟と、親友であったショスタコーヴィチとの親和性が感じられる作品です。第16番は1981年の冬に作曲され、ナチスのポーランド侵攻で命を落とした妹に捧げられています。こちらはヴァインベルク晩年の典型的な作曲スタイルで、和声的に複雑でインパクトのある曲調となっています。
アルカディアSQは、2006年にルーマニアのゲオルゲ・ディマ音楽アカデミーの生徒たちによって結成。2009年ハンブルク国際室内楽コンクール、2011年アルメレ国際室内楽コンクール、2012年ウィグモア・ホール・ロンドン国際弦楽四重奏コンクール、そして2014年の大阪国際室内楽コンクールで優勝し、同世代のもっともエキサイティングなSQのひとつとして活躍しています。

Eudora
EUDSACD-2302(1SACD)

REUDSACD-2302
(1SACD)
国内盤仕様
税込定価
バッハ:3+1ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト長調 BWV1027
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ニ長調 BWV1028
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調 BWV1029
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調 BWV1030b(ヘリングの写本より)
アレハンドロ・マリアス(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ホルダン・フマド(ハープシコード)

録音:2021年8月23日-26日、サンフランシスコ公会堂(スペイン)
国内盤:解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き/解説:LUIS GAGO、ホルダン・フマド
スペインの高音質レーベルEudora!SACDとMQA-CDのハイブリッド仕様でリリースされる、バッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集!演奏はラ・スパーニャ・アンサンブルの芸術監督であり、セビリア音楽院でバロック・チェロの教授を務めるアレハンドロ・マリアスと、ジョルディ・サヴァールやネヴィル・マリナーといった多数の巨匠たちとも共演経験のあるホルダン・フマドです。
このアルバムで収録された3つのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ(BWV1027、BWV1028、BWV1029)は、別の楽曲から再編集された可能性を指摘されていますが、最後に収録されたBWV1030(原曲はフルート・ソナタ)は、有能な模写者であるヨハン・フリードリヒ・ヘリングの手によってなされたもので、初期版にかなり近いものではないかと考えられています。アレハンドロ・マリアスとホルダン・フマドの豊富な経験と知識によって裏打ちされた演奏でお楽しみください。

KLANGLOGO
KL-1534(1CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノの為の作品全集 Vol.1
ベートーヴェン:モーツァルトの歌劇「魔笛」「恋人か女房か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66
チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5-2
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47(カール・チェルニー編曲によるチェロとピアノ版)
ペーター・ブルンズ(Vc)、
アンネグレート・クットナー(P)

録音:2019年
世界的に高い評価を受けるドイツの名チェリスト、ペーター・ブルンズによるベートーヴェンのチェロとピアノの為の作品全集!ベートーヴェンの生誕250年を記念して企画されたこのシリーズは『Most Complete』のタイトル通り、ベートーヴェンのオリジナル作品に加え、同時代の編曲作品まで収録した「最も完全な」チェロとピアノの為の作品全集です。Vol.1ではオリジナル作品以外に、ベートーヴェンの弟子カール・チェルニーが編曲したクロイツェル・ソナタのチェロ版が収録されています。
KLANGLOGO
KL-1535(1CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノの為の作品全集 Vol.2
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69
ヘンデルのオラトリオ「ユダス・マカウベス」の主題による12の変奏曲ト長調 WoO45
チェロ・ソナタ 変ホ長調 Op.64(原曲:弦楽三重奏曲 Op.3)
ペーター・ブルンズ(Vc)、
アンネグレート・クットナー(P)

録音:2019年
世界的に高い評価を受けるドイツの名チェリスト、ペーター・ブルンズによるベートーヴェンのチェロとピアノの為の作品全集!ベートーヴェンの生誕250年を記念して企画されたこのシリーズは『Most Complete』のタイトル通り、ベートーヴェンのオリジナル作品に加え、同時代の編曲作品まで収録した「最も完全な」チェロとピアノの為の作品全集です。Vol.2ではオリジナル作品以外に、1790年代に作曲されたOp.3の弦楽三重奏曲を原曲とする変ホ長調のチェロ・ソナタ(Op.64として1807年に出版)が収録されています。
KLANGLOGO
KL-1536(1CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノの為の作品全集 Vol.3
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.5-1
ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17(ベートーヴェン自身によるチェロとピアノ版)
モーツァルトの歌劇「魔笛」「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102-1
チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2
ペーター・ブルンズ(Vc)
アンネグレート・クットナー(P)

録音:2020年
世界的に高い評価を受けるドイツの名チェリスト、ペーター・ブルンズによるベートーヴェンのチェロとピアノの為の作品全集!ベートーヴェンの生誕250年を記念して企画されたこのシリーズは『Most Complete』のタイトル通り、ベートーヴェンのオリジナル作品に加え、同時代の編曲作品まで収録した「最も完全な」チェロとピアノの為の作品全集です。Vol.3ではオリジナル作品以外に、ベートーヴェン自身の手によって編曲されたとされるホルン・ソナタのチェロ版が収録されています。

Hyperion
CDA-68410(2CD)
ハイドン:弦楽四重奏曲集 Op.42&Op.77「ロプコヴィッツ四重奏曲」/「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」
弦楽四重奏曲第81番ト長調 Op.77-1, Hob.III-81 「ロプコヴィッツ四重奏曲第1番」/弦楽四重奏曲第82番ヘ長調 Op.77-2, Hob.III-82「ロプコヴィッツ四重奏曲第2番」/弦楽四重奏曲第43番ニ短調 Op.42, Hob.III-43/弦楽四重奏曲 「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」 Op.51, Hob.III-50-56
ロンドン・ハイドンSQ【キャサリン・マンソン(Vn)、マイケル・グレヴィチ(Vn)、ジョン・クロカット(Va)、ジョナサン・マンソン(Vc)】

録音:2022年5月2日-7日、ポットン・ホール(サフォーク)
クラシカル・ボウ&ガット弦というピリオド・スタイルでの精緻なアンサンブル、演奏に使用する楽譜のエディションにも徹底的にこだわり、ハイドンのスペシャリストとして高評価を確立してきたイギリスの名カルテット、ロンドン・ハイドンSQ。
2006年以降アムステルダム・バロック・オーケストラのリーダーを務めるスコットランドの名手キャサリン・マンソンが率い、幾度かのメンバー交代を経ながらも徹底したスタイルを貫いて堅実な評価を積み重ねてきたハイドン・シリーズ全集が遂に完結。第10弾となる本アルバムでは、中期の作品で、コンパクトにまとめられながらも豊かな内容を持つ作品42、ロプコヴィッツ伯爵に献呈されたハイドンの集大成とも言うべき晩年の2曲に、ハイドン自身の手によって弦楽四重奏版に編曲されたオラトリオ 「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」 をカップリング。ハイドンの無尽蔵のインスピレーションによって生まれたこれら名曲たちをもって、この偉大なプロジェクトを締めくくります。
使用エディション:
1785年出版ホフマイスター社(ウィーン/Op.42)
1802年出版アルタリア社(ウィーン/Op.77)
1798年出版アルタリア社(ウィーン/Op.51)

Tactus
TC791806(1CD)
ロッシーニ:フルート四重奏曲集
フルート四重奏曲第1番ト長調
フルート四重奏曲第2番イ長調
フルート四重奏曲第3番変ロ長調
フルート四重奏曲第4番ニ長調
ニコラ・グイデッティ(Fl)、
アレッサンドロ・シモンチーニ(Vn)、
デメトリオ・コムッツィ(Va)、
ルカ・シモンチーニ(Vc)

録音:2012年1月
ロッシーニ作曲のフルート四重奏曲集。歌心にあふれたロッシーニの抒情的な旋律が美しい作品となっています。クヮルテットの中心となるフルートのニコラ・グイデッティはイタリアのフルート奏者でジャン=ピエール・ランパルらに師事しました。音色は必要以上に華美になることがなく、聴衆に心地よい音楽を届けてくれています。

Stradivarius
STR-37185(1CD)
「Visages(顔)」〜20世紀フランスのヴィオラ作品集
ジョルジュ・ミゴ(1891-1976):序奏(1928)
ジャン=ジャック・ウェルネール(1935-2017):キルヒベルク(2014)
ミヨー:4つの顔Op.238(1943)
ジョルジュ・ミゴ:無伴奏ヴィオラ・ソナタ(1958)
リリ・ブーランジェ:2つの小品(1911/1914)
ジョルジュ・ミゴ:エスタンピー(1925)
オネゲル:ヴィオラ・ソナタ(1920)
アンドレア・カニン(Va)、
パトリシア・パニー(P)

録音:2022年2月17-18日ドイツ・ロットシュテッテン
20世紀フランス、といっても世紀前半の主にフランス六人組とその周辺(同時代 人)の作曲家によるヴィオラの為の作品を収録。このアルバムに再三登場するジ ョルジュ・ミゴ(1891-1976)は日本では殆ど知られていないが、パリ音楽院において オルガン曲で有名なマリー・ヴィドールに師事し交響曲を番号付きのだけでも 13曲も残した多作家。19世紀末から1970年代まで激動の変化の時代を生きたが作 風は穏健で作品はいずれも古きよき近代フランスの香りを湛えています。他に無調 的な激しいオネゲルのヴィオラ・ソナタ、軽妙洒脱なミヨーの「4 つの顔」など、ヴァ ラエティに富んだ作品が揃っています。アンドレア・カニンは特に忘れた名曲を発掘 し復興させることに力を注いでいるイタリアのヴィオラ奏者。
Stradivarius
STR-37217(1CD)
「革命のフルート」
テオバルト・ベーム(1794-1881):グランド・ポロネーズOp.16
チャールズ・ニコルソン(1795-1837):ゴードン夫人のポプリ
ニルス・ペーター・イェンセン(1802-46):3つの幻想曲Op.14
テオバルト・ベーム:チロル地方の歌による変奏曲Op.20
アルカディオ・バラッキ(Fl)
ロリス・ディ・レオ(P)

録音:2021年6月29日フィレンツェ
18世紀後半から19世紀初頭に活躍したフルート奏者兼作曲家たちの作品を収録。彼らは 新しいフルート奏法の開拓、楽器そのものの機能の改良にも携わり、フルートという楽器に革 命を起こしたと言われます。彼らの作品そのものは今日、フルート奏者、よほどのフルート・マニ アを除いてほとんど忘れられているため、資料としても貴重なディスク。いずれも古典派、初期 ロマン派の端正な様式で書かれており、典雅な雰囲気が楽しめる。室内楽を得意とする Stradivariusの録音も鮮やかで秀逸。

Challenge Classics
CC-72929(1CD)
バッハ:ヴァイオリンとチェンバロの為のソナタ集 第2集
第4番ハ短調 BWV1017
第5番へ短調 BWV1018
第6番ト長調 BWV1019
BWV1019初期稿より4つの楽章
コレンテ(チェンバロ独奏) / テンポ・ディ・ガヴォッタ / アダージョ / アダージョ・エ・カンタービレ
寺神戸亮(Vn;1690年ミラノ、ジョヴァンニ・グランチーノ製)
ファビオ・ボニッツォーニ(チェンバロ;ユトレヒト、ウィレム・クルスベルヘン製、クーシェ・モデルに基づくフランドル様式2弾鍵盤)

録音:2022年8月15-18日/イタリア、ノマーリオ
バロック・ヴァイオリンの名手・寺神戸亮によるバッハのヴァイオリン・ソナタ集、後半3曲を収録した第2集が登場。 これで1996年以来の全曲再録音が完成しました。第1集と同じくボニッツォーニのチェンバロとの共演です。
全6曲からなるバッハのヴァイオリン・ソナタは無伴奏ヴァイオリンや無伴奏チェロの作品と同じく、バッハが注意深 く練り上げ組み上げた画期的な曲集です。これらを重要なレパートリーとして演奏してきた寺神戸(Vc組曲はスパッ ラでの録音がある)、時間をかけてバッハと対峙し深めてきた熟練の解釈がここに結実しています。それは音楽に敬意 を払い謙虚な姿勢で臨んだもので、奇抜さのまったくない高貴な演奏。力強くも澄み切ったあたたかな音色で、「バッ ハは私たちの人生の喜び」と語る寺神戸の心境がまっすぐに伝わってくる内容となっています。
ファビオ・ボニッツォーニはコープマンに学んだイタリアのオルガン、チェンバロ奏者。名だたる古楽オーケストラと 共演するほか、自らのアンサンブル「ラ・リゾナンツァ」を結成し活躍中。同レーベルからはバッハのチェンバロ協奏 曲(第1集:CC-72773/第2集:CC-72800)をリリースしています。
「これらのソナタはまるで長いハイキングのよう。険しい山道を歩くには集中力が必要で、疲労や痛み、困難や危 険を覚悟せねばなりません。しかし同時に、思いがけない和声、大胆な対位法、メランコリックなメロディといった美 しい景色に出会うことができます。地質学者や植物学者でなくても山の美しさに感動できるように、音楽の美しさもま た、万人に開かれています。」(ファビオ・ボニッツォーニ) (Ki)

ATMA
ACD2-2881(1CD)
デニス・プランテ(1972-):タンゴ組曲
組曲第1番『アルゼンチン』
I. Preludio / II. Silbando / III. Tango
組曲第2番『バッハ・トゥ・タンゴ』
I. Coral / II. Recitativo / III. Canto / IV. Milonga-cayengue
組曲第3番『タンゴの夜』
I. Cello solo / II. Soledad / III. Apache
組曲第4番『花』
I. Flores de nacar / II. Flores marchitas
組曲第5番『神秘』
I. Oracion / II. Scordatura
組曲第6番『ブエノスアイレス』
I. El baile / II. El cisne negro / III. Tango antiguo
デニス・プランテ(バンドネオン)
ステファン・テトロー(Vc)

録音:2022年5月6・7日/ケベック
バンドネオンとチェロの名手がタッグを組んで創りあげた、多様なリズムと情熱的な官能性に富んだ音楽世界。バッハの『無伴奏チェロ組曲』をモチーフにしたと いう『タンゴ組曲』です。親しみやすいメロディを基礎としながらも緻密に書かれた譜面で、充実した二重奏が展開される聴き応えある音楽になっています。より 華やかなタンゴ、より遊び心あるクラシックが楽しめます。 (Ki)

ACCENT
ACC-24389(4CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
■CD1
第1番ニ長調 Op.12-1
第2番イ長調 Op.12-2
第3番変ホ長調 Op.12-3
ロンド ト長調 WoO.41
■CD2
第4番イ短調 Op.23
第5番ヘ長調 Op.24「春」
モーツァルト『フィガロの結婚』より「もし伯爵さまが踊るなら」の主題による12の変奏曲 WoO.40
6つのドイツ舞曲 WoO.42
■CD3
第6番イ長調 Op.30-1
第7番ハ短調 Op.30-2
第8番ト長調 Op.30-3
■CD4
第9番イ長調『クロイツェル』 Op.47
第10番ト長調 Op.
ヒロ・クロサキ(Vn)
[CD1]作者不詳、1700年頃北イタリア
[CD2-4]フランツ・ガイセンホーフ製、1801年ウィーン

リンダ・ニコルソン(フォルテピアノ)
[CD1]アントン・ワルター製、1797年頃ウィーン
[CD2]ヨハン・シャンツ製、1797年頃ウィーン
[CD3]カスパール・カソルニック製、1805年頃ウィーン
[CD4]ヨハン・フリッツ製、1812年頃ウィーン

録音:[CD1]2009年1月12-15日(ソナタ)、8月13日(ロンド)
[CD2]2009年3月3-6日
[CD3]2009年8月10-12日
[CD4]2008年7月9-13日
/ケルン、WDRフンクハウス
2008、2009年録音のACCENTレーベルの名盤、ヒロ・クロサキのベートーヴェン全集がボックス化!単売では入荷しづらくなっていますので嬉しいセット発 売です。
ベートーヴェンの残した10曲のヴァイオリン・ソナタには、ピアノとヴァイオリンそれぞれが楽器としての個性を発揮し大きく進化していく過程がはっきりと刻ま れています。この録音ではさらに初期のWoO.40〜42がカップリングに加えられていて、音楽の変遷するさまがより分かりやすくなっています。
単に古楽器による演奏というだけでなく、使用楽器もこだわっています。ベートーヴェン時代のウィーンの楽器からソナタごとにふさわしい年代のものを厳選し て演奏。まさにベートーヴェンが聴いた響きで、楽器と音楽が発展していくさまを追体験することができます。 (Ki)

PROSPERO CLASSICAL
PROSP-0061(1CD)
ヴィオラで聴くバッハ&ペルト
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの為のソナタ第1番 ト長調 BWV1027
ペルト:鏡の中の鏡
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの為のソナタ第3番 ト短調 BWV1029
ペルト:フラトレス
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの為のソナタ第2番 ニ長調 BWV1028
アンネッテ・バルトルディ(Va)
ベンジャミン・エンゲリ(P)

録音:2022年7月7-9日/スイス、ボスヴィル、アルテ教会
バッハのガンバ・ソナタBWV1027-1029とアルヴォ・ペルトの人気曲「フラトレス」「鏡の中の鏡」をヴィオラとピアノの演奏で収録。バッハも比較的ゆった りしたテンポで、アルバム全体を通して、温かみのある落ち着いた演奏で構成されているのが印象的です。 (Ki)

Coviello
COV-92209(1CD)
女性作曲家を探して 第2集〜ロマン派の女性作曲家
エイミー・ビーチ(1867-1944):ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.34(フルートとピアノ編曲版)
アマンダ・レントヘン=マイエル(1853-1894):ヴァイオリン・ソナタ ロ短調(フルートとピアノ編曲版)
ミリアム・テラーニ(Fl)
キャサリン・サラシン(P)

録音:2021年9月17-20日/オーストリア、ホーエンエムス、マルクス・シティックス・ザール
ミリアム・テラーニ(フルート)とキャサリン・サラシン(ピアノ)は、後期ロマン派においては女性作曲家と同じくらいに、フルートという楽器は他の楽器に押さ れソロ楽器として不遇だった、と捉えています。そしてこの状況を全く不当と考え、音域的に有利なヴァイオリンのための作品を、巧みな編曲を施し、繰り返し取り 上げています。ここに聴ける2人の女性作曲家の作品も非常に質が高く、フルートの音色をもってさらに輝きが増しています。 (Ki)

Linn
CKD-716(1CD)
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 変ホ長調
弦楽四重奏曲 第5番変ホ長調 Op.44-3
コンソーネSQ(古楽器使用)【アガタ・ダラスカイテ、マグダレーナ・ロス=ヒル(Vn)、エリツァ・ボグダノヴァ(Va)、ジョージ・ロス(Vc)】

録音:2022年3月23、25、26日メニューイン・ホール、サリー、UK
英国王立音楽院で結成されたコンソーネSQは、数少ないピリオド・スタイルによるSQとして2015年から本格的な 活動を開始し、これまで多くの賞を受賞してきました。2018年リリースのハイドンとメンデルスゾーンを収めたファーストアルバム(AMBRONAY EDITIONS/AMY310)は英「THE STRAD」誌などで高評価を獲得。2020年にはスウェーデンのギタリストとの共演アルバム (Resonus/RES10260)もリリースしています。初来日公演はコロナ禍の影響で中止となりましたが、2021年の「たかまつ国際古楽祭」 にはオンライン配信で参加、多くの人を魅了しました。2019年にはBBCのニュー・ジェネレーション・アーティストに選出、今回のアルバムも BBCとLINNの共同企画による