湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



Orchid Classics
(イギリス)



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※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
ORC-00007(2CD)
バッハ:マタイ受難曲(英語歌唱) グレース・デヴィッドソン(S)
マーク・チェンバース(A)
ジェレミー・バッド(T)
イーモン・ドーガン(Bs)
グレッグ・スキッドモア(Bs)
ナタリー・クリフトン=グリフィス(S)
マシュー・ヴェンナー(A)
クリストファー・ワトソン(T)
ジェイムズ・バーチャル(Bs)
エクス・カセドラcho
ジェフリー・スキッドモア(指)
エクス・カセドラ・バロックO

録音: 2009年4月10日バーミンガム・シンフォニー・ホール
英語版のマタイと言えば、以前バーンスタインの演奏がありました(あちらは啓蒙的な意味も含め、まことに感動的な演奏でした)し、他にも1937 年のクーセヴィツキと1979 年のウィルコックスの録音もあります。しかし、こちらのマタイは、全く新しいテキストを用いて歌われているところに注目です。この合唱団に縁のあるニコラス・フィッシャーとジョン・ラッセルの2人が翻訳したテキストは、より時代に即した美しい英語が使われていて、現代人の心にまっすぐに届くマタイとして絶賛を浴びたものです。バロック・オーケストラによる味わい深い響きと、最近の傾向でもある早めのテンポ、そしてイーモン・ドーガンを始めとするおなじみの歌手たちによる素晴らしい演奏は、「マタイ受難曲」を味わい尽くした人にも、新しい感動を与えることでしょう。各々の演奏家によって違った祈りの言葉があるということを、しみじみ感じさせてくれるアルバムと言えそうです。
ORC-100001(2CD)
THE PITY OF WAR
エルガー:ヴァイオリン・ソナタ、
ヤナーチェク
:ヴァイオリン・ソナタ、
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ、
ウィルフレッド・オーエン
(1893-1918):手紙と詩*
マシュー・トラスラー(Vn)、
マーティン・ラスコー(P)、
サミュエル・ウェスト(朗読)*
世界中の芸術家、作家、詩人、作曲家は、それぞれこの戦いに違った思いを抱きました。何人かの人は戦争によって創作意欲を奪われましたが、逆に大きなインスピレーションを見出した人もいます。この2枚に収録された作品は、すべて第一次世界大戦中に書かれた作品です。CD1は、エルガーとヤナーチェク、ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタです。CD2は詩人オーエンの詩と手紙を朗読したものです。1893年イングランドとウェールズの境界付近で生まれたオーエンは、10歳の頃から詩に目覚めていましたが、その才能が開花したのは第一次世界大戦に参戦し、実際の激戦を体験したことによります。代表作は「死すべき定めの若者のための賛歌」や「戦争詩」。常に静かな眼差しで戦いを見据えていました。ブリテンの「戦争レクイエム」でも彼の詩がテキストとして使われていることでも知られています。彼は一度は精神に支障をきたし戦列から離脱するも1918年に戦線復帰。そして25歳の若さで壮絶な戦死を遂げます。その日は第一次世界大戦休戦のわずか7日前でした。このアルバムでは、彼の家族にあてた手紙と詩をサミュエル・ウェストが朗読します。冷静な口調に込められた怒りの心が深く心に突き刺さることでしょう。合間に挿入された当時の音楽が、束の間の休息をもたらしてくれるはずです。
ORC-100002
ブルース
ガーシュウイン:ポーギーとベス組曲(ハイフェッツ編)
ウェイン・マーシャル
:インプロヴィゼーション
アンタイル:ソナタ第2番(ピアノとヴァイオリン、ドラム付き)
ドビュッシー:ゴリウォークのケークウォーク(ハイフェッツ編)
ジョプリン:エリート・シンコペーション(パールマン編)
ジョプリン:ラグタイム・ダンス(パールマン編)
コープランド:ノクターン
コープランド:ウクレレ・セレナーデ
ラヴェル
:ブルース(ヴァイオリンソナタ第2楽章)
ガーシュウイン:3つのプレリュード(ハイフェッツ編)
マシュー・トラスラー(Vn)、
ウェイン・マーシャル(P)
1930年代、自由な形式を持つジャズは当時の「クラシック作曲家」たちを魅了しました。その結果20世紀の音楽は大きく変化し新たな進歩を遂げたのです。そんな音楽の過渡期に生み出された作品をトラスターは丹念に集め、自由な即興性を帯びた素晴らしい演奏を聴かせます。ピアノを担当するマーシャルは言わずと知れた名手。驚くほど息のあった2人の演奏は、まさに大輪の花が開いたように華麗極まりないものです。
ORC-100003
PARIS
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
ストラヴィンスキー:イタリア組曲、
 ロシアの歌、タンゴ、
 パストラーレ、
ミヨー:屋根の上の牡牛
マヤ・コッホ(Vn)
20世紀の前半のパリは世界中で最も影響力のある都市の一つでした。芸術家、作家、画家、映画監督、批評家、それこそあらゆる文化人がこの都市に集い、意見をかわし、様々な作品を生み出したのです。彼らは互いに交流し影響し合い、更なる深みへと自らを高めて行きました。このアルバムには、そんな時代に生まれた名曲が収録されています。ヴァイオリンのマヤ・コッホはベルリン生まれ。父がドイツ人、母が日本人で山本麻耶という日本名も持っています。今までにもシューマンのソナタなどをリリースしていますが、そのアルバムも凝った選曲とアグレッシヴな演奏が話題となっていました。ここでもそんな彼女の持ち味が存分に生かされた素晴らしい1枚となっています。
ORC-10004
ガブリエラ・モンテーロ
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
ガブリエラ・モンテーロ(1970-):エクス・パルティータOp.1「イン・メモリアム」
モンテーロ:インプロヴィゼーション第1番
モンテーロ:インプロヴィゼーション第2番
モンテーロ:インプロヴィゼーション第3番
ガブリエラ・モンテーロ(ピアノ・作曲・インプロヴィゼーション)
ユース・オーケストラ・オブ・ジ・アメリカ
カルロス・ミゲル・プリエート(指)

録音:2013年7月テアトル・ナショナル・デ・コスタリカ
ベネズエラ出身でアメリカで活躍するピアニスト、ガブリエラ・モンテーロ。幼い頃から神童として名高く、8歳のときにベネズエラ政府から奨学金を得てアメリカに留学し、研鑽を重ねてきた人です。1995年のショパン国際ピアノ・コンクールでは銅賞(1位なし)を獲得、またマルタ・アルゲリッチからもその才能を高く評価されています。そんな彼女の名前を決定的に高めたのは2000年代に発売された「バッハ・アンド・ビヨンド」でした。ここで彼女はバッハを「素材」とみなし、これをもとに見事なインプロヴィゼーション(即興演奏)を披露。人々を驚かせたのでした。今回、ORC-HIDCLASSICSへの彼女のデビューとなるこのアルバムでは、得意とするラフマニノフの協奏曲。そして自作とインプロヴィゼーションの数々を聴くことができます。日々進化していく彼女、これは本当に聞き逃せません。
ORC-100005
ロージャ(:ヴァイオリン協奏曲 Op.24
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ポンセ(ハイフェッツ編):小さな星(管弦楽編曲:P.アッシュ)
ベンジャミン(プリムローズ編):ジャマイカのルンバ(管弦楽編曲:P.アッシュ)
フォスター(ハイフェッツ編):金髪のジェニー(管弦楽編曲:P.アッシュ)
マシュー・トラスラー(Vn)
篠崎靖男(指)デュッセルドルフSO
ORC-100006
シューベルト:歌曲集「美しき水車屋の娘」 ジェイムズ・ギルクリスト(T)
アンナ・ティルブルック(P)
ORC-100008
ジョイ・イン・ザ・モーニング
ロス(1948-):アンバーン〜ア・プロフェッショナル・イントロイト
伝承曲:ウェックスフォード・キャロル/ブリテン(1913-1976):御子が産まれた Op.3
ガードナー(1917-):柊とつた
ジュベール(1927-):たのしい川べ
ガードナー:明日は私が踊りましょう
ダーク(1888-1976): In the Bleak Midwinter
伝承曲:3つのノエル
レイトン(1929-1988):クリスマス・キャロル
パスカル(1595-1635): Joy es dia de placer y de cantar!
メンデルスゾーン:オラトリオ「エリヤ」〜汝の荷を主にゆだねよ
ガブリエリ:おお、大いなる神秘
メンデルスゾーン:オラトリオ「キリスト」より
ブリテン:「キャロルの祭典」〜この小さな嬰児/ロス:太陽の子
伝承曲:O horo eeree caidil gu Lo
グルーバー:清しこの夜
ベイツ(1951-):クリスマスの為の3つの歌
伝承曲:Ole leloila
 サセックスのクリスマス・キャロル/ユビラーテ
ジェフリー・スキッドモア(指)
エクス・カテドラcho

録音:2009年7月10日-11日、聖ポール教会、バーミンガム
ORC-100009
サンクトペテルブルク
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1番ハ短調Op.8
グリンカ:悲愴三重奏曲ニ短調
グラズノフ:弦楽五重奏曲イ長調Op.39
バラキレフ:八重奏曲Op.3
ロンドン・コンコード・アンサンブル
帝政ロシアのかつての首都サンクトペテルスブルク。この地がロシア音楽の中心であった時代に活躍した、4人の作曲家の作品を集めたアルバムです。これらの曲はどれも、彼らの初期の作品であり、若々しく瑞々しい感性に満ちたものばかりです。17歳の時に書かれた美しいショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲、留学の地、イタリアで構想されたグリンカの「悲愴トリオ」、作曲家26歳〜27歳の頃に書かれた柔らかい響きを持つグラズノフの弦楽五重奏曲、バラキレフ18歳〜19歳の頃に書かれ、未完で終わってしまった八重奏曲。どれもスラブ的な色彩と爆発的なエネルギーに溢れています。偉大なる作曲家たちの原点を辿る1枚とも言えるでしょう。
ORC-100010
ブリテン:チェロ・ソナタハ長調Op.65
ブリッジ(1879-1941):4つの小品より第2番春の歌(チェロとピアノ編)
ブリッジ:メロディー(チェロとピアノ編)
タネジ(1960-):スリープ・オン
ブリッジ:チェロ・ソナタOp.125
タネジ:MILO
ガイ・ジョンストン(Vc)
キャサリン・ストット(P)
このアルバムには、作曲家、演奏家たちによる「豊かな交友関係」が見てとれます。まずはブリッジとブリテン。10歳の時にブリッジの交響組曲「海」を聴き衝撃を受けたブリテンは、その3年後にブリッジから作曲のレッスンを受けることになります。ブリッジの音楽はしばしば「サロン風」と評されますが、ここで聴けるチェロ・ソナタの晦渋な作風は、確かにブリテンが影響を受けるであろう先進的な音楽です。そんなブリテンのチェロ・ソナタは稀代の名チェリスト、ロストロポーヴィチとの出会いから生まれたもの。ブリテンは、無伴奏チェロ組曲を始め、いくつかの作品をロストロポーヴィチに捧げています。そして、タネージと親交を結んだのは、このアルバムでチェロを演奏するジョンストンです。アルバムの最後に置かれた「MILO」は、タネジの息子MILOのために書かれた子守歌ですが、ジョンストンは初演者であり、またMILOのゴッドファーザー(!)だということです。渋い曲で独特の名演を聴かせるキャサリン・ストットのピアノも雄弁です。
ORC-100011
シューマン:交響曲第3番「ライン」 マリオ・ヴェンツァーゴ(指)
デュッセルドルフSO
各方面で豪放、かつ独自の解釈を聴かせ、通の間で話題の指揮者ヴェンツァーゴ。ここでは彼が最も得意とするシューマンの「ライン」のライヴ録音です。う〜ん。この演奏もひたすら濃いです。第1楽章の冒頭から「流麗さ」がありません。滔々と流れるはずのライン川は、色々なところで停滞します。しかし、これが面白いんです。これを歌謡性というのかわかりませんが、とにかく聞いてて「おっ!」と叫びたくなることばかり。至るところ意味ありげで、常に「私を見よ」とばかりの強い自己主張がたまりません。1楽章を聴いただけでお腹一杯になる事必至。2楽章も冒頭から快感の波に揉まれます。
ORC-100012
リズム&テクスチュア
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
ガーシュウイン:子守歌
ラビスタ:夜の陰
アルバレス:メトロ・チャバカーノ
ゴリホフ:テネブレ(朝課)
ブロドスキーSQ
[ダニエル・ローランド(第1(Vn))/イアン・ベルトン(第2(Vn))/ポール・カッシディ(Va)/ジャクリーヌ・トーマス(Vc)]

録音2009年9月10-12日イギリスサフォーク、ポットン・ホール
常に新境地を開拓することで知られる、イギリスのブロドスキー弦楽四重奏団。その活動の幅広さは、あのクロノス・カルテットにも匹敵し、2009年の初来日の際にはバンドネオンの小松亮太ともコラボし、演奏会の際には、このアルバムに収録されたラビスタとアルバレスの作品も演奏し、大喝采を浴びています。彼らはいつも立って演奏(チェロは別)することで、音楽にとびきりの躍動感を与えます。この「リズムとテクスチュア」と銘打たれたCDには、5人の作曲家の作品が収録されていて、滑らかな響きと切れ味鋭い音色を絶妙に使い分け、まことに刺激的な世界を創り上げています。何となく物狂おしい夜、ラヴェルのとろけるような曲でも眠れず、ガーシュウインの子守歌を聴いても、ますます目は冴えて行きます。ラビスタの「夜の陰」はそんな眠れぬ状態を表現した曲だとか。こうなったら、騒がしい曲で(メトロ・チャバカーノ)目を覚まし、日の出る前に祈りを捧げる(テネブレ)・・・そんな一夜のストーリー。
ORC-100013
ベートーヴェン&シューベルト:歌曲集
ベートーヴェン:連作歌曲「遥かなる恋人に寄す」Op.98
シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」D957
ジェームス・ギルクリスト(T)
アンナ・ティブロック(P)

録音:2010年5月13-14日サフォークポットン・ホール
シューベルトの「水車屋の娘」(ORC-100006)で、瑞々しい歌唱を聴かせたギルクリストのORC-HIDCLASSICSレーベル第2弾のリリースは、ベートーヴェンとシューベルトの2つの歌曲集です。一連のドラマティックな物語を秘めた「水車屋」に比べると、2つの歌曲集は、幾分散文的ではありますが、逆に、一つ一つの歌曲を味わい深く歌うことが重要。ギルクリストの歌はそんなところを、まさに「痒いところに手が届く」ように満足させてくれるものです。とりわけ、凝縮された憧れが描かれているベートーヴェンの歌曲での表現の見事さには唖然としてしまいます。微妙なテンポの揺れ・・・ピアノの絶妙なサポートにも注目です・・・、切なくなるほどの高音の切れ味。普段苦虫をかみつぶしているかのようなベートーヴェンに、こんなにもロマンティックな面があったのか。と思わず膝を打ってしまいたくなるほどの名唱です。「白鳥の歌」でもそれぞれの歌曲の歌い分けがすばらしく、冒頭の「愛の便り」を聞いただけで、その周到な表現に舌を巻くことでしょう。どちらかというと重苦しく、暗い歌が支配する曲集ですが、心の深淵を覗ききった最後に訪れる「鳩の使い」の美しさに思わず涙。シューベルト好きにはぜひ聞いていただきたい1枚です。
ORC-100015
ビャルケ・モーゲンセン/アコーディオン名演集
伝承曲:Oi Da Snowball Tree(パニツキー編)
 2つのロシア民謡(P.P. ロンドノフ編)
ソロタリョフ(1942-1975):室内組曲
レプニコフ(1932-2007):カプリッチョ
チャイコフスキー:ロシアの踊り(B.モーゲンセン編)
 夜想曲(B.モーゲンセン編)
セミョーノフ(1946-):ゲルダーローズ
ムソルグスキー:村にて(B.モーゲンセン編)
プロコフィエフ:行進曲、 スケルツォ
ユン・キン(1954-):2つのロシアの主題による幻想曲
伝承曲:ヴォルガの舟歌(V.チェルニコフ編)
クスヤコフ(1945-2007):冬のスケッチ
ビャルケ・モーゲンセン(アコーディオン)

録音:2009年12月1日、2010年3月2日デンマーク コペンハーゲン,ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック
多くの国の音楽文化は、伝統の中に必ずアコーディオンの歴史も伴うようです。ポーランドのポルカ、フランスのミュゼット、アルゼンチンのタンゴ、ブルガリアのホウロウ・・・。この「一人で奏でる移動可能なオーケストラ」は、様々な音楽シーンを盛り上げる立役者であることは間違いありません。ロシア式アコーディオンは、「バヤン(吟遊詩人を意味する)」と呼ばれ、他の楽器とは違った鍵盤配列を持つものです。発明は1907年と比較的新しいのですが、後に西洋音楽の演奏もできるように改良が加えられ、現代音楽の作曲家たちも、この楽器のために重要な作品を書いています。ロシアの冷たい空気と、迸る情熱が感じられるような作品集となりました。ここでアコーディオンを演奏するのは、1985年デンマーク生まれのモーゲンセンです。7歳でアコーディオンを演奏し始め、2〜3年も経つ頃には名手と呼ばれるまでになりました。13歳でテレビに出演、その後もデンマーク音楽大学で勉強を続けながら、デンマーク中で演奏活動を行い、また幾つかの音楽コンクールでも賞を獲得しています。現代作曲家たちは彼のために多くの作品を書いていますが、このアルバムでも聴けるように、彼自身もアコーディオンのために積極的に編曲を行い、新たなる可能性の模索に余念がありません。
ORC-100016
ウィーン〜トーマス・キャロルチェロ・リサイタル
ブラームス:チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ(チェロとピアノ編)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調Op.69
トーマス・キャロル(Vc)
リル・ウィリアムズ(P)
トーマス・キャロルはハインリヒ・シフに学んだチェリストで近年指揮者としても活躍しています。彼が演奏するこのアルバムはウィーン古典派を代表する三人の作曲家のチェロ作品集(厳密にいえばシューベルトは違いますが)です。ブラームスから時代を遡り、シューベルト、ベートーヴェンへと時代背景を浮かび上がらせながら、的確な表現とメランコリックな感覚を程良くブレンド、香り高きウィーンを味わわせてくれます。ブラームスでの華麗なパッセージ、シューベルトの感傷的なアダージョ、そしてベートーヴェンのドラマティックな展開はとてもスリリングです。また、ピアノを演奏するウィリアムズの美しいタッチと表現がチェロの美音と溶けあう様は、背筋がぞくぞくするほどに感動的です。
ORC-100017
ニーノ・グヴェタッゼ〜リストを弾く
ハンガリー狂詩曲第10番ホ長調「前奏曲」S244/R106
バラード第2番ロ短調S171/R16
シューマン=リスト編曲:ミルテの花より「献呈」
リスト編曲:糸を紡ぐグレートヒェン(リスト編)
ピアノ・ソナタロ短調S178/R21
ニーノ・グヴェタッゼ(P)
最近何かと話題のグルジア共和国から、また新たなピアニストの登場です。彼女の名前はニーノ・グヴェタッゼ。6歳からオーケストラと共演するなど、その才能は早くから知られていましたが、2008年にユトレヒトで開催されたフランツ・リスト国際コンクールで第2位を獲得、同時に聴衆賞と記者賞も得て、その名前は一気に国際的なものとなりました。世界中のコンサート・ホールで演奏を重ね、そのどれもが絶賛される彼女、来年には日本へも来日が予定されています。そんなグヴェタッゼのリスト・アルバムは、何とも言えないマニアックな選曲がツボです。まずは、技巧的なハンガリー狂詩曲で聴き手の心を惹きつけ、内省的なバラードで表現力を問い、歌曲の編曲で口直し、そしてメインのソナタで無口にさせる・・・と万全です。
ORC-100018
シューベルト:歌曲集「冬の旅」 ジェームズ・ギルクリスト(T)
アンナ・ティルブロック(P)

録音:2010年5月13-14日サフォーク ポットン・ホール
美しき水車屋の娘(ORC-100006),白鳥の歌(ORC-100013)に続くギルクリストのシューベルト(1797-1828)歌曲集です。ここでの旅人は一人静かに黙々と道を歩み、時に立ち止り、かじかむ手に息をかけ、自らを温めようとするかのよう。モノクロの世界に完全に溶け込む男の姿が見えてきます。そんな声を支えるピアノが、また表現力豊かで美しく、降りしきる雪から菩提樹の優しい葉擦れ、つかの間の日の光・・・それらを映し出してくれるのです。「春の夢」でのまるで子守歌のような音楽と心の対話を願うというギルクリストの言葉に頷きながら、しんみりと自らを省みたい時に聴きたい1枚です。シューベルトの奥深さを実感させてくれることでしょう。
ORC-100019
ロアルド・ダール:「白雪姫と七人の小人たち」(音楽:エレアノア・アルベルガ)
1.前奏曲「森の夜」/2.ナレーションT/3.白雪姫の踊り/4.ナレーションU/5.ナレーションV/6.鏡の踊り/7.ナレーションW/8.継母の踊り/9.ナレーションX/10.継母の血の踊り/11.ナレーションY/12.荒れ野にただ一人/13.ナレーションZ/14.騎手の踊り/15.ナレーション[/16.夜の音楽/17.ナレーション\/18.脱出の踊り/19.ナレーション]/20.お祝いの踊り
ダニー・デヴィート
ジョアンナ・ラムレー
グリフ・リース・ジョーンズ
ピーター・アシュ(指)タリアセンO

録音:1998年7月23-24日ロンドン ヘンリー・ウッド・ホール
あの「チャーリーとチョコレート工場」の原作者として知られるロアルド・ダールが「白雪姫」の物語を若干ブラックに翻案したお話に、E.アルベルガが音楽をつけた音楽劇です。前奏曲が始まった途端に、聴き手は音の魔法をかけられます。各々の曲は登場人物の性格をきちんと反映していて、白雪姫は若々しく、気まぐれであり、罪のない夢想家として書かれています。ぬるま湯のような宮殿から恐怖と暴力の世界へと足を踏み入れることで彼女がどう変化するのでしょう。継母は冷たくひねくれていて、森は深くて暗く、鏡は不思議で豪壮です。もちろん、現代の「白雪姫」は王子の接吻で毒が抜けるわけでもなく、もっとしたたかなのですが。この作品は1994年にロンドンSOとF・ウェルザー=メスト、今回もナレーションを担当しているグリフ・リース・ジョーンズらに拠って上演され、その収益は子供たちのための基金へと送られました。
ORC-100020
ブラームス:ピアノ小曲集
狂詩曲第1番ロ短調 Op.79-1
狂詩曲第2番ト短調 Op.79-2
間奏曲第1番変ホ長調Op.117-1
間奏曲第2番変ロ短調 Op.117-2
間奏曲第3番嬰ハ短調 Op.117-3
間奏曲イ短調 Op.118-1
間奏曲イ長調 Op.118-2
バラードト短調 Op.118-3
間奏曲ヘ短調 Op.118-4
ロマンスヘ長調 Op.118-5
間奏曲変ホ短調 Op.118-6
間奏曲ロ短調 Op.119-1
間奏曲ホ短調 Op.119-2
間奏曲ハ長調 Op.119-3
狂詩曲変ホ長調Op.119-4
間奏曲ホ長調 Op.116-6
ジョナス・ヴィトー(P)

録音:2009年2月25-28日フランス パリ IRCAM
ブラームス(1833-1897)は活動の初期にピアノ曲をいくつか書いたものの、その後、ほとんど独奏曲を書くことはありませんでした。しかし晩年を迎えてから、突如泉が溢れるかのように立て続けに小品集を作曲、そのどれもが傑作であり、深い内省に満ちた静けさを湛えています。その後の彼はOp.119の「4つの小品」を書いてからは、秋の夕暮れのような2曲のクラリネット・ソナタと、あまりにも渋すぎる「4つの厳粛な歌」を最後に、作品番号のついた曲は書いていません。そんなブラームスの、いわば心の声ともいえる小さな曲を、ヴィトーは丁寧に演奏しています。一つ一つの音を噛みしめるように、また音の世界へ踏み込んでいくかのように、重いタッチでじっくり聞かせてくれます。ほとんどが5〜6分の短い曲ですが、そこに詰まっている言葉の多いこと。まさに祈りの音楽がここにあります。
ORC-100021
シリアス・キャバレー
J.バリー,D.ブラック:ダイヤモンドは永遠に(1971)
K.ワイル,L.ヒューズ:Whatホワット・グッド・ウッド・ザ・ムーン・ビー(1947)
J.デューク,E.マシューズ:愛についてなんて語れない(1950)
F.ホレンダー:仮定してみてはどうだい(1928)
N.カワード:プア・リトル・リッチ・ガール(1925)
バーバー:無差別な関係(1953)
C.ヴァイン:アリア(1984)
W.ボルコム:ピアノをまたいで(1971)
M.スポリアンスキー:マスクリヌム-フェミニヌム(1921-24)
M.スポリアンスキー:全てはスゥインドル(1931)
ツェムリンスキー:ボンバルディル氏(1901)
S.ヴォルペ:ヒトラー(1930)
K.ヴァイル:私もここは初めてのところ
W.ボルコム:愛の最後のお粗末な瞬間に(1997)
P.ボウルズ:フレディからの手紙(1935)
バーバー:孤独なホテル(1969)
ガーシュウィン:もう一回して(1922)
G.ジャック:キャンディ・マシーン(1991)
W.ボルコム:歯磨きの時間(1985)
アイヴズ:セントラル・パークのロマンス(1900)
P.ボウルズ:3(1947)
M.ブリッツスタイン:それから(1962)
W.ボルコム:ああ、カーテンを閉じて(1985)
N.カワード:狂犬とイギリス人(1932)
L.バート:愛はどこへ(1959)
メアリー・カレウェ(S)
フィリップ・メイヤーズ(P)

録音:ロンドンウィンター・ブロック・スタジオ2007年1月8-9日、2008年2月8-9日、2010年7月27日
「人生はキャバレーである」と誰かが言ったとか。その逆もまた真なり。キャバレーは人生です。そもそもキャバレーとは、ダンスやコメディショーなどを演じることができる舞台のあるレストランやナイトクラブのことであり、19世紀のフランスには伝説的な名店「シャ・ノワール(黒猫)」に夜な夜な芸術家たちがたむろしていました。そこでは人々は知的な会話と美味しいお酒を楽しみ、揺蕩うパイプの煙の中を、美しい女性たちがきわどい姿で踊るという、まさに夢と頽廃の世界が繰り広げられていたのです。このアルバムには20世紀のほぼ全域に渡る時代のキャバレー・ソングが収録されています。もちろん作曲家の国籍も多彩ですが、どの曲にも夜の妖しい雰囲気がもれなく感じられます。カレウェのソプラノは澄み切った響きと思いがけない官能性に満ちた声であり、一度聴いたら思わず釘付けになるほどの魅力に溢れています。
ORC-100022B
(1CD+DVD)
ヴァイオリン・ソナタ集
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタト長調
ブロッホ:ヴァイオリン・ソナタ第2番「神秘の詩」
ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタJWVII/7
クリスティーナ・オストラン(Vn)
ペア・サロ(P)

録音:2011年2月デンマークコペンハーゲン,デンマーク放送第2スタジオ
映像収録:2011年11月5日デンマーク放送コンサート・ホール
二つの世界大戦の狭間に生み出された、国籍の違う3つのヴァイオリン・ソナタ集。そのどれもが調性の縛りから解放され、自由な音列に支えられながらも、重苦しくも皮肉めいた感情に揺れ動いています。1922年から1927年にかけて作曲されたラヴェルの作品は、彼最後の室内楽曲であり、作曲に5年も費やしたのは「ムダな音符を削るため」だったとか。「ブルース」と題された第2楽章はジャズそのものです。「神秘の詩」と名付けられたブロッホの第2番のソナタは、瞑想的であり不安と慟哭の音楽です。ヴァイオリン曲をほとんど書かなかったヤナーチェクの唯一完成されたヴァイオリン・ソナタは1914年頃の作品。調性感は希薄なものの、民族色に彩られた旋律はある意味、美の極致でもあり、古典的なものからの脱却を図るも、結局取り込まれている無常ささえも感じさせる問題作です。オストランとサロは15年間に渡ってデンマーク音楽の演奏に力を入れてきましたが、そろそろ全世界を手中に収めるべく「その活動を広める」と宣言しています。
ORC-100023B
プロコフィエフ:戦争ソナタ集
ピアノ・ソナタ第6番イ長調Op.82
ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83
ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調Op.84
ボリス・ギルトブルグ(P)

録音:2012年1月17-19日モンマスウィアストン・レイズ・コンサート・ホール
1984年モスクワ生まれのピアニスト、ギルトブルグによるプロコフィエフの3つの「戦争ソナタ」集です。5歳の時に母からピアノを学び、幼い頃にテルアヴィヴに移り住んだ彼は、そのままイスラエルでアリー・ヴァルデイに学び、2005年にオーケストラとデビュー、ルービンシュタイン国際コンクールを始めとした数多くのコンクールで入賞歴を誇っています。2007年にはロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで演奏会を行い、2010年にはBBCプロムスにデビュー。世界的にも活躍しています。2006年にデビューCDをリリースして好評を博していますが、今回のプロコフィエフは更に気合の入った演奏が楽しめます。熱い情熱と怜悧な知性がうまくバランスの取れた見事なプロコフィエフです。
ORC-00024B
ベートーヴェン(リスト編):交響曲第6番「田園」(ピアノ独奏版) アシュリー・ウェイス(フォルテピアノ)

録音:2011年4月3-5日ケントロチェスター,グレート・チャンバー・オブ・レストレーション・ハウス
NAXOSレーベルで、A.バックスやF.ブリッジなどのイギリス物で「コクのある演奏」を聴かせるかと思えば、リストの超絶技巧作品を難なく演奏して、そのテクニックを惜しげもなく披露するピアニスト、アシュリー・ウェイス。そんな彼が、これまた難曲として知られるベートーヴェン=リストのピアノによる交響曲を演奏しています。そういえば、ウェイスにはピアノ編曲版のエルガー「エニグマ」(NAXOS-8.570166)もあり、これもスゴイ演奏だったのですよね。ピアノからオーケストラの響きを生み出す「音の魔術師」と改めて認定したくなるような鮮やかさ。そんなウェイス、ここではイギリスのレストレーション・ハウス(ディケンズゆかりの邸宅)に保存されている歴史的フォルテ・ピアノを演奏することで、リストの時代の音を奏するという試みがなされています。
ORC-100025B
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
クーラウ:ピアノ協奏曲ハ長調Op.7*
マリアンナ・シリンヤン(P)
マイケル・フランシス(指)
ロルフ・グプタ(指)*
コペンハーゲンPO

録音:デンマークコペンハーゲン,コペンハーゲン大学コンサート・ホール2010年10月、2011年10月
日本ではまだまだ知名度が高くないかもしれませんが、ヨーロッパでは「期待の新人」と目されている美人ピアニスト、シリンヤン。ソリストとしても深い味わいの音楽を奏するのですが、室内楽でもその才能を発揮。こちらも話題のヴァイオリニスト、ヴィルデ・フラングともショパンで共演していることは、マニアの間で有名です。最近はsolomusicaからもCDをリリース(SM173)。注目間違いなしのピアニストです。ここでは、ベートーヴェンとクーラウの協奏曲を流麗なタッチで演奏しています。共に古典派の大作曲家ですが、ベートーヴェンの作品の方が先に書かれており、間違いなくクーラウも影響を受けているようで、冒頭の開始部などそっくりですが、そこはそれ。とにかく面白く聴けること間違いありません。
ORC-100026
F・クープラン:クラヴサン曲集第1集
クラヴサン曲集第2巻第8組曲ロ短調<女流画家/女流詩人/クラント1/クラント2/風変り/ガヴォット/ロンドー/ジグ/パッサカリア/モラン嬢>

クラヴサン曲集第1巻第3組曲ハ長調-ハ短調<陰気な女/クラント1/クラント2/憂鬱な女/ガヴォット/メヌエット/巡礼の女たち:行進/巡礼の女たち:施し/巡礼の女たち:感謝/ローランタン家の人々/スペイン風/嘆き/プロヴァンスの水夫たち/いたすらな女/お気に入り>
アンドリュー・アペル(ハープシコード)

録音:1999年9月ニューヨークハドソン,聖メアリー教会
フランソワ・クープラン(1668-1733)は、多くの音楽家を排出したクープラン家でもとりわけ有名な存在であり、オルガニストとしてルイ14世の御前演奏を行うほか、数多くのクラヴサン(フランス語でチェンバロを表わす)のための作品を残しています。1717年に出版された彼による著書「クラヴサン奏法」は当時の演奏習慣を知るための重要な資料でもあり、17世紀から18世紀にかけての鍵盤音楽の発展に大きく寄与しました。作風は優美繊細で、多くの小品にはしゃれたタイトルが付けられていて、聴き手の想像力を刺激すること間違いありません。演奏者アペルは、自ら4つのアンサンブルの芸術監督を務める傍ら、スミソニアン・プレイヤーズやオペラ・ラファイエットのチェンバロ奏者として活躍する名手。ここでも表情豊かな音楽を聴かせます。
ORC-100027
降臨節のためのキャロルとアンティフォナ
作者不詳:天から来るもの/
ボブ・チルコット(1955-):アドヴェント・アンティフォン
ジュベール(1927-):かくも麗しいバラはないOp.14
オード(1897-1961):アダムは縛られて
パレストリーナ:私は遠くから見て
シャルパンティエ(1643-1704):器楽のためのノエルH.534より「知性あふれるマリア様」
シャルパンティエ:ダヴィデの鍵
 器楽のためのノエルH.534より「ヨゼフはよい妻をめとり」
作者不詳:かくも麗しいバラはない
ブリテン:聖母への讃歌
ウォルトン:全てその時
ペルト:7つのマニフィカト・アンティフォンより第5番「暁の明星」
プレトリウス(1560-1629):4声のマニフィカト
 甘き喜びのうちに
ハウエルズ(1892-1983):汚れなきバラ
伝承曲:久しく待ちにし
シラス・ウォルトン(1971-):私は甘くて上品な光景を見る
ウォーロック:ベツレヘムの夜明け
 ベネディカムス・ドミノ
ケンブリッジ・クイーンズ・カレッジCho
クイーンズ・チャペル・プレイヤーズ
シラス・ウォルトン(指)
降臨節(クリスマス)のための音楽といっても、その成り立ちや使われる言葉も様々です。このアルバムはその中で中世英語とラテン語で歌われる曲を集めています。キャロルは賛美歌であり、アンティフォナはその中でも合唱を2つにわけて交互に歌う形式をとるものです。もちろん作曲された年代は幅広く、伝承曲や16世紀の音楽からチルコットやペルトなど、つい最近に書かれたものも含まれています。指揮者のウォルトンも作曲家であり、トラック23は彼自身の書いたもので、混沌たる響きの中に光る美しさを備えた作品です。
ORC-100028
バレエ・ルセ
プロコフィエフ:ピアノの為の組曲「ロメオとジュリエット」Op.75<民衆の踊り/街の目覚め/客人たちの到着/少女ジュリエット/仮面/モンタギュー家とキャピュレット家/僧ロレンツォ/マーキュシオ/百合の花を持った娘たちの踊り/別れの前のロメオとジュリエット>
ラヴェル(R,ラビノヴィチ編):「ダフニスとクロエ」〜2つの楽章<パントマイム/全員の踊り>
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章
ローマン・ラヴィノヴィチ(P)

録音:2012年4月16-18日アメリカマディソン,ドロー大学
イスラエル生まれの若きピアニスト&画家、ローマ・ラビノヴィチ。彼は2008年のルービンシュタイン国際コンクールの受賞者であり、ピアニストとしてはウィグモア・ホール、カーネギー・ホールなど数多くのホールで演奏会を開き、また画家としてはメトロポリタン美術館などで展覧会を開くほど注目されている「アーティスト」です。ジャケットに使われているドローイングも彼の作品で、そのムダのない流麗な線を見るだけでも彼の才能の一端が伺われるというものです。このアルバムは、ロシアの名バレエ団「バレエ・ルセ」にまつわる音楽20世紀初頭の音楽集で、これは最もエキサイティングな時代へのオマージュであり、またピアニストとしてのテクニックを披露するにも最適な1枚と言えるのではないでしょうか。
ORC-100029
ミトス・アコーディオン・デュオ
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(1911)<第1の情景:謝肉祭の市/第2の情景:ペトルーシュカの部屋/第3の情景:ムーア人の部屋/第4の情景:謝肉祭の市(夕景)>
ボロディン:中央アジアの草原より
チャイコフスキー:くるみ割り人形から3つの楽章(1892)<小さな序曲/アラビアの踊り/トレパーク>
ムソルグスキー:はげ山の一夜(1860-1867/1886)
ミトス・アコーディオン・デュオ
<ビャルケ・モーゲンセン(アコーディオン)
ラスムス・シャルフ・キョッレ(アコーディオン)>

録音:2012年2月11.12日&12月15日デンマーク王立音楽アカデミー,スタジオ・ホール
このCDに収録されている4人の偉大なる作曲家たち、彼らが描く様々な物語は広大なロシアの大地に根差した壮大なものばかり。これらの作品は世界中の劇場やコンサート・ホールで数えきれないほど演奏されています。ここでは、ちょっと趣向を変えて、若きアコーディオン・デュオ「ミトス・アコーディオン・デュオ」の斬新な演奏でこれらの名曲をお楽しみください。メンバーの一人、ビャルケ・モーゲンセンは1985年生まれ。7歳でアコーディオンを始めすぐに頭角を現し、現代では新作や編曲など多彩な活動をしている人。ソロアルバムも何枚か出ていますが、ここではシャルフ・キョッレと絶妙なるアンサンブルを聴かせています。
ORC-100030
子どものための詩と音楽集
1.プロコフィエフ:組曲「シンデレラ」〜グランド・ワルツ(フィヒテンホルツ編曲)
2.R.ダール詩:シンデレラ
3.プロコフィエフ:組曲「シンデレラ」よりマズルカ(フィヒテンホルツ編曲)
4.L.キャロル詩:ジャバウォックの詩
5.サン=サーンス:死の舞踏
6.グリーグ:妖精
7.S.ミリガン詩:愚かな老いたヒヒ
8.ショパン:子犬のワルツ
9.ショスタコーヴィチ:5つの小品よりワルツ
10.E.リアー詩:アヒルとカンガルー
11.ショスタコーヴィチ:5つの小品〜ガヴォット
12.A.A.マイルン詩:鏡
13.サン=サーンス:白鳥
14.S.ミリガン詩:ジャンボ・ジェット
15.ストラヴィンスキー:若き象よりサーカス・ポルカ(ダシュキン編)
16.ドビュッシー:子どもの領分〜グラドゥス・アド・パルナッスム博士
17.R.ダール詩:ブタ
18.ドビュッシー:子どもの領分〜ゴリウォッグのケークウォーク
19.A.A.マイルン詩:暗闇に
20.ショパン:夜想曲 第2番 Op.9-2
マシュー・トゥルスラー(Vn)…1.3.5.9.11.13.15
マヤ・コッホ(Vn)…9.11
マーティン・ロスコー(P)…1.3.6.8.16.18.20
アレクサンダー・テイラー(P)…5.9.11.13.15

詩の朗読
トム・コンティ…2.12.17
クライヴ・オーウェン…4.19
サイモン・ペッグ…7.14
ケネス・ブラナー…10

録音:(音楽) 2008年9月3-4日 チャンプス・ヒル
(詩の朗読)2010年10月12日…4.19
2011年6月28日…7.14
2012年8月9日…2.12.17
2013年2月6日…10
詩の朗読と音楽の夢のようなコラボレーション。子どもたちのために編まれた素晴らしいコンピレーションアルバムです。ヴァイオリニスト、マシュー・トゥルスラーとピアニスト、マヤ・コッホは英国内外の新生児、乳児たちの深刻な病気を撲滅するために、レニー・トゥルスラー子ども財団を立ち上げ(彼らは2007年4月に重い腎臓病で愛息を失うという悲しい出来事を経験しています)、数多くの子どもたちのために活発な活動をしています。このアルバムの売り上げによる全ての利益もこの財団へと寄付されます。どうかたくさんの思いが届きますように。

ORC-100031
リスト:ピアノ・ソナタ他
ピアノ・ソナタ ロ短調
メフィスト・ワルツ 第1番
巡礼の年 第2年「イタリア」〜ソネット 第47番/ソネット 第104番/ソネット 第123番
パガニーニ大練習曲より第3番「ラ・カンパネラ」
アレクセイ・グリュニュク(P)

録音:2010年12月11-12日ロンドン ヘンリー・ウッド・ホール
「1000年に一人の超絶技巧の持ち主」とYOUTUBEなどで話題となっているキエフ生まれのピアニスト、アレクセイ・グリュニュク。彼は6歳で最初のコンサートを開き、13歳でモスクワで開催された「セルゲイ・ディアギレフ全ソビエト連合ピアノコンクール」で1等を獲得。同時に東欧諸国で演奏を行い、モーツァルトやショパンの協奏曲で名声を博しました。その後、キエフで開催された「ホロヴィッツ国際ピアノコンクール」と「上海国際ピアノコンクール」でも1等を獲得。ロンドンの王立音楽アカデミーの奨学金を得てからは世界中で活躍している新進気鋭の若者です。
このリストの作品集は、そんな彼の特質を端的に物語るものであり、この才能を存分に堪能するにふさわしい1枚となっています。
ORC-100032
ジャン=マリー・ルクレール:ソナタ集・音楽の慰め第2集
ソナタ.ホ短調Op.9-2
音楽の慰め第2集Op.8
ソナタ.ト長調Op.9-7
:ザ・フォー・ネイションズ・アンサンブル
<メンバー:チャールズ・ブリンク(フラウト・トラヴェルソ)/クリスタ・ベニョン・フィーニー(Vn)/ロレッタ・オサリヴァン(Vc)/アンドリュー・アップル(ハープシコード&指揮)>

録音:2011年8月ニューヨーク,ハドソン聖メアリー教会
バロック音楽の作曲家であり、18世紀フランスのヴァイオリン演奏における巨匠、ジャン=マリー・ルクレール(1697-1764)の没後250年を記念して制作されたアルバムです。彼の音楽はまさにロココのエレガンスを極めたものであり、上品さと軽妙さ、そして程よい装飾性を帯びた魅惑的で眩惑的なものです。演奏しているのは1986年に創設されたピリオド楽器による「ザ・フォー・ネイションズ・アンサンブル」。17世紀から18世紀にかけての作品を的確な解釈で演奏し、アメリカを中心に高い人気を誇っています。
ORC-100034D(3CD)
ジェームズ・ギルクリスト,シューベルトとベートーヴェンを歌う
シューベルト:美しき水車屋の娘
ベートーヴェン:遙かなる恋人へ Op.98
シューベルト:白鳥の歌 D957
 冬の旅 D911
ジェームズ・ギルクリスト(T)
アンナ・ティルブロック(P)

録音:2010年5月13-14日、2010年5月13-14日
合唱団で歌いながらも、もともとは医師として生きていくはずだったギルクリストですが、1996年から完全に音楽の道に生きることを決意。バッハやヘンデルなどのバロック作品で素晴らしい演奏を繰り広げています。もちろんレパートリーは宗教曲だけではなく、このシューベルトの三大歌曲集の録音は、彼にとっても「生涯の願望だった」ものであり、ピアニスト、アンナ・ティルブルックとともに、シューベルトの描いた、希望、絶望、そして精神の深い闇を切々と歌い上げています。驚くほどの微妙なニュアンスと、柔らかい美声に彩られたシューベルトは感動的であり、聞き手に多くの想いを投げかけています。

ORC-100035
ロマンティック・ピアノ・ソナタ集
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.36(1931年版)
グリーク:ピアノ・ソナタホ短調Op.7
リスト:ピアノ・ソナタ.ロ短調S178
ボリス・ギルトブルグ(P)

録音:2012年7月1-3日UKヘレフォードシャーウィアストン・コンサート・ホール
以前から注目されてはいたものの、どちらかというと慎重にキャリアを積んできた感のあるギルトブルグ。しかし2013年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝したことで彼の注目度が一気に高まったことは間違いありません。この録音は2012年の7月のもので、ここでも見事な洞察力と類い稀なる技巧で、このロマン派における重要な3つのソナタを演奏しています。1913年にラフマニノフが自らの語法を確立してから書き上げるも、後の1931年に大幅なカットが加えられ、より凝縮された音楽へと生まれ変わったソナタ第2番。あらゆるピアノ・ソナタの中でも極めて革新的、かつ捉えどころのないリストのソナタ、そしてグリーグの活動の最初期に書かれた演奏困難なソナタ。この3つの作品を同じ「ロマン派のソナタ」とくくるとしたら、そこには多くの想像力と感受性が求められることでしょう。もちろんギルトブルグの演奏は、この3つの作品の根底に流れる抒情性を丁寧に汲み上げ、理想的な形の音で描き出しています。
<既発アルバム>プロコフィエフ:ソナタ集…ORC-100023
ORC-100036
ヤナーチェク:2つの弦楽四重奏曲
弦楽四重奏曲第1番ホ短調「クロイツェル・ソナタ」(1923-1924)
弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」(1928)
アルカディアSQ
<アナ・テレク(Vn)/ジャスヴァン・ドゥミトルー(Vn)/トライアン・ボアルジャ(Va)/ツソルト・テレク(Vc)>

録音:2013年2月2日、2013年1月30-31日
2012年ウィグモア・ホール主宰の「弦楽四重奏コンクール」で優勝した若きアンサンブル、アルカディア弦楽四重奏団のデビュー・アルバムです。彼らはルーマニアのゲオルゲ・ディマ音楽アカデミー出身で、2005年にアンサンブルを結成しました。彼らの演奏するヤナーチェクはまさに非の打ちどころのないものであり、ヤナーチェクの音楽が持つ官能性、欲望、愛を忠実に映し出しています。
ORC-100037B
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
歌劇「ピーター・グライムズ」から「4 つの海の間奏曲」*
マシュー・トラスラー(Vn)
金 聖響(指)
ジャン・レイサム=ケーニック(指)*
フランダースSO

録音: 2012年10月7-8 日、2013年6月3日*
2013年に生誕100 周年を迎えたブリテン(1913-1976)の2 つの作品。ヴァイオリン協奏曲は、ブリテンが、パートナーのピアーズとともに訪れたニューヨークで1939 年に初演されました。この作品はその3 年前に、彼が出会ったスペインの名手アントニオ・ブローサに触発されて書かれたもので(ブローサとはOp.6 の組曲を演奏している)当時のスペイン内戦の崇高な精神が反映されているとともに、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲からの圧倒的な影響も感じられる作品です。ブリテンの反戦意識も表明されていると言えるでしょう。名歌劇「ピーター・グライムズ」からの「4 つ海の間奏曲」はすでに標準的なレパートリーとしてk確立されている作品です。ヴァイオリンを演奏するのは、このレーベルの主宰者、マシュー・トルスター。国際的に活躍する傍ら、若手の演奏家たちを支援する財団も立ち上げ、イギリスの音楽界の発展に大きく寄与しています。
ORC-100038
音の哲学:色と影響
ペルト(1935-):フラトレス
メシアン(1908-1992):主題と変奏
ヒューゴ・ティッチアーニ/ヘンリク・メーヴェ:パーセルの新しいグラウンドZT682によるインプロヴィゼーション
ウェーベルン:4つの小品Op.7
武満徹:悲歌/
ヒューゴ・ティッチアーニ/ヘンリク・メーヴェ:パーセルの新しいグラウンドZT682によるインプロヴィゼーション
マルメン
(1990-):ウェイテイング…世界初録音
チャールズ・エコノム(1980-):アルジュナのトランスフィグレーション…世界初録音
アルベルト・シュネルツァー(1972-):アポロン崇拝者の踊り…世界初録音
ヒューゴ・ティッチアーニ/ヘンリク・メーヴェ:パーセルの新しいグラウンドZT682によるインプロヴィゼーション
パーセル:新しいグラウンドホ短調ZT682
ヒューゴ・ティッチアーニ(Vn)
ヘンリク・メーヴェ(P)

録音:2013年5月31日-6月2日モンマスシャー,ウィアストン・レイズ
ロマン派の時代の音楽は、作曲家の意志が明確に表現されていて、演奏家は楽譜に解釈を施していくやり方がほとんどでした。しかし、バロックや初期の古典派の時代は、楽譜には最低限のことのみ書かれており、演奏家たちの手に委ねる部分も多かったのです。近現代にも同じような試みがとられ、そんな時の演奏家たちは素材を膨らませて、即興的に音楽を生み出さなくてはいけません。このアルバムに共通するのは様々な色と光、そして比喩、感情。これでもかとばかりに繰り出される眩しいばかりの音の洪水。そして沈黙。音楽とは何か?と考えたくなるアルバムです。
ORC-100039B
パガニーニ:24のカプリース Op.1 イリヤ・グリンゴルツ(Vn)

録音: 2012年12月21-24日 ロシア サンクトペテルスブルク,エストリア福音ルター派教会
1982年サンクトペテルブルク生まれのイリヤ・グリンゴルツ。1998 年にパガニーニ国際コンクールで優勝し国際的な評価を得ました。その翌年、BIS レーベルからパガニーニ(1782-1840)作品集をリリース(ヴァンスカ指揮、ラハティ響と共演)、見事な技巧と音楽性を披露しています。今回のパガニーニは、おなじみの「24 のカプリース」で、完全無欠な技巧を要求するこの難曲ではありますが、パガニーニを得意とするグリンゴルツの手にかかれば、いとも容易くこれらの曲が紡ぎ出されてくるのです。美しい音色、緻密な集中力、息を飲むほどの超絶技巧、そして高い音楽性。これらを全て併せ持つ素晴らしいグリンゴルツの演奏は、最初の数秒を耳にしただけで魅せられてしまうこと間違いありません。
ORC-100040
グリーグ・ショーソン・フランク:ヴァイオリン作品集
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調Op.13
ショーソン:詩曲Op.25
フランク:ヴァイオリン・ソナタ.イ長調
カリュム・スマート(Vn)
ゴードン・バック(P)

録音:2013年4月12-14日サフォークポットン・ホール
2010年、弱冠13歳で「BBC・ヤングミュージシャン・コンクール」に入賞。この時に演奏したメンデルスゾーンの協奏曲(指揮はヴァシリー・ペトレンコ)が大評判となった若手ヴァイオリニスト、カリュム・スマート。同年メニューイン国際コンクールで1位を獲得し、一層注目を浴びることとなったのです。このデビューアルバムを制作する時、彼はとても興奮し、曲目を選ぶのにとても慎重になったと言います。お気に入りの曲をいくつか選び出したうえで篩にかけていき、残ったのがこの3曲。確かにどれも難曲ですが、どれもが彼の自信作であり、現在の彼を120%抽出したものであることは間違いありません。
ORC-100041
ニーノ・グヴェタッゼ/ドビュッシーを弾く
アラベスク第1番/アラベスク第2番
前奏曲第1巻〜デルフォイの舞姫
 帆/野を渡る風
 音と香りは夕べの大気の中に漂う
 アナカプリの丘
 雪の上の足あと
 西風の見たもの
 亜麻色の髪のおとめ
 さえぎられたセレナーデ
 沈める寺
 パックの踊り
 吟遊詩人
版画:パゴダ/グラナダの夕べ/雨の庭
ベルガマスク組曲〜「月の光」
ニーノ・グヴェタッゼ(P)

録音:2013年6月10-12日オランダフリッツ・フィリップス・アインドホーフェン,ムジクヘボウ
前作である「リスト作品集」(ORC100017)が大好評。また2012年の来日でもその音楽性が高く評価されたグヴェタッゼ。現在最も注目されるピアニストの一人です。最初のアルバムがリストであり、中でもソナタの白熱した演奏に心奪われた人が多く、どうしても「超絶技巧派」のピアニストと思われがちですが、本当のところ、彼女はもっと内省的で静かな表現を好むのではないでしょうか?確かに前作のリストでも、技巧よりも、リストが散りばめた歌の方に主眼が置かれていたようでした。そんな彼女のドビュッシー(1862-1918)。素晴らしくないはずがありません。中心は「前奏曲」ですが、そっと置かれたアラベスク、版画、そして「月の光」のひそやかな美しさ。まさに宝石箱のような1枚です。
ORC-100042D(2CD)
ブラームス:弦楽四重奏曲全集&ピアノ五重奏曲
ピアノ五重奏曲ヘ短調Op.34
弦楽四重奏曲第1番ハ短調Op.51-1
弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.51-2
弦楽四重奏曲第3番変ロ長調Op.67
グリンゴルツQ
<イリヤ・グリンゴルツ(Vn)/アナヒト・クルティクヤン(Vn)/シルヴィア・シモネスク(Va)/クラウディウス・ヘルマン(Vc)>
ペーター・ラウル(P)
ロシアの名ヴァイオリニスト、イリヤ・グリンゴルツが率いる弦楽四重奏団のデビュー・アルバム。彼の漲る自信の現れか、アンサンブルの名前には堂々と自分の名前を冠しているところが注目に値します。このブラームス(1833-1897)は、弦楽四重奏曲での、精緻かつ劇的な表情を持つ第1番と穏やかな第2番、そして活気に満ちた第3番との対比が見事であり、ピアノとの激しいやりとりが緊張感を呼ぶピアノ五重奏曲は、感情の昂りと若さの発露が存分に楽しめる名演となっています。彼らはすでにシューマンの弦楽四重奏曲集とピアノ五重奏曲も録音していて、こちらのリリースも期待したいところです。
ORC-100043
ドビュッシー:海
サリー・ビーミッシュ(1956-):声とピアノ三重奏のための「Seafarer-海の旅人」
トリオ・アパッチ<マシュー・トラスラー(Vn)/トーマス・キャロル(Vc)/アシュリー・ウォス(P)>
ウィラード・ワイト(声)

録音:2013年10月1-2日、2014年1月6-7日 ブリストル,聖ジョージ・ブランドン・ヒル
リンカーン・シティで開催されたアシュレイ音楽祭で始めてトリオを組んだという「トリオ・アパッチ」のメンバーたちによる「Seafarer-海の旅人」プロジェクト。これは新しいアイデアを形成し、新鮮な作品を演奏するために、作曲家に委嘱をを行うことであり、今回は素晴らしい現代作曲家サリー・ビーミッシュとコラボレーションを組み、ドビュッシーの「海」のピアノ三重奏版と、それに付随するオリジナル作品が生み出されたのです。緊密なアンサンブルに支えられた「海」、そして語りと音楽の調和である「Seafarer」。これは確かにこれまでにない画期的な音楽であることは間違いありません。
ORC-100045D(2CD)
ベートーヴェン:交響曲集第1集
交響曲第1番ハ長調Op.21
交響曲第2番ニ長調Op.36
交響曲第3番変ホ長調「英雄」Op.55
交響曲第4番変ロ長調Op.60
ラン・シュイ(指)コペンハーゲンPO

録音:2011年11月、2009年6月、2012年11月、2010年11月 コペンハーゲンデンマーク王立音楽院,コンサート・ホール
あの衝撃的なマーラーの「大地の歌」(中国語歌唱!)でおなじみ、名指揮者ラン・シュイがORC-HIDCLASSICSに登場です。今回彼が指揮するのは、透明で深遠な響きが自慢のコペンハーゲン・フィル。YOUTUBE上では、グリーグの「朝」のフラッシュ・モブが大人気。1000万回以上の視聴数を誇るというスゴイものです。
https://www.youtube.com/watch?v=gww9_S4PNV0
そんな両者が挑むのは、なんとベートーヴェン(1770-1827)の交響曲全集。「全ての交響曲が独自の魅力を持っている」と語るラン・シュイは、もちろん各曲へのアプローチも周到であり、この第1番から第4番までのセットでも、ハイドンからロマン派へと繋がる流れを汲み取りながら、ベートーヴェンがその歴史に投じた革命的な素材を存分に感じさせてくれるという、画期的な演奏です。金管楽器とティンパニはピリオド楽器を用いることで軽やかなテンポと優雅な表情を保つことにも成功しています。
ORC-100046
哀願と希望の音楽
スタンフォード(1852-1924):見よ、私は挙げる
ニーステッド(1915-):平和よ、私はあなたと旅立つ
バード(1540頃-1623):わが魂は虐げられ
ギボンズ(1583-1625):見よ、汝はわが全ての日を作り
トムキンズ(1572-1656):主の元に帰れ
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ第3番「深き困窮より,われ汝
に呼ばわる」
パーセル(1659-1695):わが祈りを聞きたまえ
サイラス・ウォルストン(1971-):あなたの顔を隠さないでください
メンデルスゾーン:わが祈りを聞きたまえ*
ジャン・ラングレー(1907-1991):めで
たしマリア、めでたし海の星
サミュエル・セバスチャン・ウェスレー(1810-1876):女から生まれた男(D.
ブルック=デイヴィス編)
パーセル:我らの心の秘密を知りたもう主よ(C.バートレット編)
レノックス・バークリー(1903-1989):主はわが羊飼い#
オリヴィア・ベル(S)*
ジェシカ・マルトン(S)#
ケンブリッジ・クイーンズ・カレッジCho
サイラス・ウォルストン(指)
イギリスの名合唱団「ケンブリッジ・クイーンズ・カレッジ合唱団」のORC-HIDCLASSICSへの2枚目のアルバムです。最初のアルバムではクリスマス・キャロルをしっとりと歌い上げていましたが(ORC-100027)、こちらは身体をそのままえぐられるような激しい響きと、それを包み込むような平安に満たされた、心にじんわり染みこむ選曲となっています。イギリスの合唱の層の厚さが感じられることでしょう。
ORC-100048
パブロ・オルティス:“Gallos Y Huesos”おんどりと骨
《おんどりと骨》
1.おんどりと骨:Si cuando cae la noche‐もし、夜の台所に行くのなら/2.おんどり:Quien ha visto la espalda‐誰かが背後から見ている/3.骨:Quien cada dia‐誰かが毎日彼の料理を食べている/4.おんどり:Nadie era capaz de imaginar‐誰にも想像できない/5.骨:Quien ha visto el cogote‐誰もがおんどりの首が骨に変わるところを見ている/6. おんどり:El vacio del plato‐空の皿と骨が待つ/7.骨:Alguien que sostiene el borde‐洗い場の中の皿の隅を誰かが/8.おん どり:El gallo es de esos animales-おんどりは動物の中の一つの種類/9.骨:Sin embargo‐にもかかわらず、おんどりの疲れ は理解されない/10.おんどり:Cuando se tiene la carne‐皿の上の肉は知っている/11.骨:A veces, cuando el gallo‐多分、 おんどりの思考は進化している/12.おんどり:Antes de cerrar los ojos‐目を閉じる前におんどりは/13.骨:Anos de acumular en la pileta‐洗い場の中に蓄積された骨/14.おんどり:Hace falta una lengua‐説明するには言葉が必要/15. 骨:Quien se detenga n la cocina‐骨について考えるために誰かが台所に残る/16.おんどり:Pero a la larga‐しかし、長きに 渡ると思い出はかすむ/17.骨:El animal se ha ido‐動物たちは輝きと沈黙を家の中に残す/18.おんどり:Cuando se mira al gallo‐暗いところからおんどりをみると/19.骨:Quien ha visto la neblina‐誰かが骨から生じた霧を見ている/20.おんど り:Si alguien llega‐もし誰かが来たら台所の排水場に/21.骨:Uno piensa frente a la pileta‐流し場にあるのはただの骨
《ノートカー》
22.オルガン・ソロ/23.イン・ノミネ・ドミニ/24.天使たちのよろこび/25.オルガン・ソロ/26.クオ・ヴ ェルシクロス/27.シングラーエ・モトゥス/28.オルガン・ソロ/29.この本/30.クム・アドフク・インヴェヌルス/31.聖 処女よ、何を/32.オルガン・ソロ/33.クレアの聖人/34.オルガン・ソロ/35.その後/36.オルガン・ソロ
《おんどりと骨》エルセ・トープ(S)/シーネ・アスムセン(S)/ハンナ・カッペリン(S)/エレン・マリー・ブリンク・クリステンセン(A)/シネ・トフテ・ハンニバル(A)/ヤコブ・セルベルグ(Br)/ティーネ・レーリング(ハープ)/アルス・ノヴァ・コペンハーゲン/ポール・ヒリアー(指)


《ノートカー》マイルス・ラレメント(T)/クリストファー・ワトソン(T)/ヤコブ・ブロック・イェスペルセン(Bs)/クリストファー・バウワーズ=ブロードベント(Org)/アルス・ノヴァ・コペンハーゲン/ポール・ヒリアー(指)


録音:《おんどりと骨》2013年2月4-7日コペンハーゲンガルニソン教会/《ノートカー》2011年3月11-12日コ
ペンハーゲンホルメンス教会
アルゼンチンの現代作曲家、現在カリフォルニア州立大学の作曲科の教授でもあるパブロ・オルティス(1956-)。彼とと指揮者、ディレクター、ポール・ヒリアーのコラボから生まれた不思議な感触を持つこのアルバムは、日常生活に潜む深い闇を描き出し、それを浮遊感ある美しいメロディで彩ったものです。タイトルの「おんどりと骨」は、アルゼンチンの現代作家Sergio Chejfecの詩を用いたもので、その名の通り、羽ばたく翼を持つおんどり、食事の風景、そして台所に遺された骨の物語で、これは5人の女声歌手、バリトン、そしてハープという稀な組み合わせで表現されます。もう一つの作品「ノートカー」は、9世紀に実在したベネディクト会修道士で、吃音者であったとされるノートカーの言葉がテキストに用いられています。1000年以上前に書かれたこの詩にオルティスは深い感銘を受けたというものです。オルガン・ソロを挟みながら神秘的な詩が歌われます。1979年に設立され、グラミー賞の受賞経験を持つ「アルス・ノヴァ・コペンハーゲン」は、世界でも有数のヴォーカル・アンサンブルとして知られています。
ORC-100049
ジェミニアーニ:チェロ・ソナタ集&ヘンデル:組曲
フランチェスコ・ジェミニアーニ:チェロ・ソナタニ短調Op.5-2
 チェロ・ソナタイ長調Op.5-1
ヘンデル:組曲第5番ホ長調HWV430
ジェミニアーニ:チェロ・ソナタハ長調
 チェロ・ソナタ変ロ長調Op.5-4
 チェロ・ソナタヘ長調Op.5-5
 チェロ・ソナタイ短調Op.5-6
アンドリュー・アペル(ハープシコード)
ロレッタ・オサリヴァン(Vc)
フォー・ネイションズ・アンサンブル

録音:2013年8月13-16日USAコネチカット、ハムデン
ニューヨークに拠点を置く「フォー・ネイションズ・アンサンブル」によるジェミニアーニ(1687-1762)とヘンデルの作品集です。“コレッリからヘンデルをつなぐ存在”として知られる、イタリア後期バロックの作曲家ジェミニアーニは、優れたヴァイオリニストであったようですが、ここでは彼の「チェロ・ソナタ(正しくはチェロと通奏低音のためのソナタ)」を聴くことができます。イタリア特有の明るいバロックの響きではなく、少しだけ陰影に富んでいるのは、チェロを主役にしているからでしょうか。極めて美しく流麗な音楽を楽しむことができます。独奏ハープシコードによるヘンデルの組曲は、このアンサンブルのハープシコード奏者アペルによる演奏です。こちらは、ルクレールのフルート・ソナタ集(ORC100032)に続くフォー・ネイションズ・アンサンブルの2作目のアルバムとなります。
ORC-100050
Me-Su-Bach〜バッハ:パルティータ集
パルティータ第1番変ロ長調BWV825
パルティータ第2番ハ短調BWV826
パルティータ第6番ホ短調BWV830
エドナ・スターン(P)

録音:2014年10月フランスコンピエーニュ帝国劇場
クリスティアン・ツィメルマン、レオン・フライシャーなど著名なピアニストに師事し、その才能が高く評価されているピアニスト、エドナ・スターン。彼女はベルギーで生まれ、イスラエルで少女時代を送ります。6歳でピアノを始め、その後1996年から4年間ツィメルマンに師事、スイスのバーゼルに移ってからも数多くのピアニストの薫陶を受けています。2003年からはフォルテピアノの演奏も手掛けるようになり、バッハやC.P.E.バッハの作品から、ルチアーノ・ベリオの作品まで幅広いレパートリーを有することでも知られています。日本にも来日経験があり、何枚かのCDでも素晴らしい演奏を披露しています。このアルバムの演奏からも、彼女がどれほどバッハの作品を大切にしているかが理解できるのではないでしょうか?タイトルの「Me-Su-Bach」というのは、彼女によると一種の言葉遊びで、Me-私の個人的で重要な、そして主観的な要素を交えた解釈Su-イタリア語の前置詞「Su」は英語で「そのあたり」のような意味を持ち、一般的には「近いもの」Bach-これがメインテーマこんな意味合いが込められているのだそうです。
ORC-100051
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲イ短調「偉大な芸術家の思い出に」Op.50
スメタナ:ピアノ三重奏曲ト短調Op.15
コペンハーゲン・トリオ・コン・ブリオ<メンバー:ジンホン・スー(Vn)/キュンホン・スー(Vc)/イェンス・エルヴェケーア(P)>

録音:2013年2月14-16日デンマークコペンハーゲン,王立音楽院コンサートホール
現在のコペンハーゲンで最も注目されている1999年に結成されたピアノ・トリオ「コペンハーゲン・トリオ・コン・ブリオ」による2曲のスラブの作品集です。2人の韓国人の姉妹と、デンマークのピアニスト、イェンスの3人によるこのトリオは、すでにデンマーク国内でいくつかの賞を獲得し、その演奏はヨーロッパ中で高く評価されています。常に新鮮さと好奇心を持ち、新たなレパートリーを探求しているという彼ら、このチャイコフスキーとスメタナでもその精神が遺憾なく発揮されています。「偉大な芸術家の思い出に」でのエキサイティングで力強い表現は、さすが若い人たちならでは。スメタナのトリオも民族色が強く生かされています。
ORC-100052
チャイコフスキー:弦楽セレナーデOp.48
フィレンツェの思い出Op.70(1892)
ロシアン・ヴィルトージ・オブ・ヨーロッパ
ユーリ・ジスリン(指)

録音:2015年1月8-10日ロンドンイースト・フィンチリー、オール・セインツ教会
1993年、ヴァイオリン&ヴィオラ奏者ユーリ・ジスリンによって創立されたオーケストラ「ロシアン・ヴィルトージ・オブ・ヨーロッパ」は、定期的にロンドンのカドガン・ホールでコンサートを開催し、数多くの音楽家たちとも共演、近年はヨーロッパだけではなく、南米でもツアーを行い好評を博しています。このアルバムはジスリンが敬愛するチャイコフスキーの2作品を収録したものです。誰もが知っている「弦楽セレナーデ」での艶やかな音色、もともとは弦楽六重奏曲である「フィレンツェの思い出」の増幅された響き、などジスリンとオーケストラによる渾身の演奏をぜひお聴きください。
ORC-100053
声〜フランスのヴァイオリン・ソナタ集
プーランク:ヴァイオリン・ソナタFP119
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op.13
ラヴェル:ツィガーヌ
 ハバネラ形式の小品
カルム・スマート(Vn)
リチャード・ウッテリー(P)

録音:2015年8月10-12日サフォーク,ポットン・ホール
もともとは、フランスのヴァイオリン作品集を録音するつもりだったというヴァイオリニスト、スマート。しかしリハーサルを重ねていくうちに、例えばプーランクのソナタにはスペイン語のアクセントがあり、フォーレの作品には愛の語らい、そしてラヴェルにはバスクの息遣いがある事に気がついたのだそうです。そこでアルバムタイトルを「LaVoix-声」とし、曲が持つ「声」を明らかにし、それぞれ4つの作品の持つ個性を強調することを試みたというアルバムなのです。流麗なイメージのあるプーランクのソナタが、ここまでゴツゴツした音楽として再現される様子はこれまでに聞いたことがありません。また普段は「流麗、清澄」と評されがちなフォーレも、驚くほどに濃密です。そしてラヴェルの2作品の強烈なインパクト。これはすごい1枚です。
ORC-100055B03
バリー・ミーツ・ベートーヴェン〜ジェラルド・バリー:作品集
ベートーヴェン
おお主よ、何と空しきことか
冬到来/最初の悲しみ/長い間
ショット&ソンズ,マインツ
ステファン・リチャードソン(Bs)
アイルランド室内Cho
クラッシュ・アンサンブル
ポール・ヒリアー(指)

録音:2012年6月、2013年3月 ダブリンドゥルムコンドラ
2015年から2018年まで、アイルランド国立SOの「コンポーザー・イン・レジデンス」を務める作曲家ジェラルド・バリー(1952-)のユニークな作品集。ベートーヴェンをフィーチャーしたトラック1と6は、小規模のオペラのような曲で、台本はベートーヴェン自身の手紙の言葉から採られています。いらだち、愛情…様々な感情が生き生きと描かれた音楽の中に、ベートーヴェン自身の旋律が時々現れるというユニークなもの。アイルランド有数の現代音楽アンサンブルとヒリアーが指揮する合唱団による精緻な演奏です。
ORC-100056B03
16の愛の歌
メンデルスゾーン:歌の翼に(F.リスト編)
シューベルト:セレナーデ(F.リスト編)
シューマン:献呈(F.リスト編)
リスト:愛の夢第3番
スメタナ:バガテルと即興曲集より「愛」
ドヴォルザーク:10の情景より「セレナーデ」
フィビヒ:気分、印象、思い出より3つの小品<第44番(Op.41第1集)アンダンテ.第36番(Op.41第1集)アンダンテ・アモローソ/第139番(Op.41第4集)レント「詩曲」>
ノヴァーク:セレナーデOp.9-3
スーク:愛の歌Op.7-1
ヤナーチェク:草陰の小径にてより「散りゆく木の葉」
フォーレ:ロマンスと無言歌Op.17より第3番
グラナドス:ゴイェスカスより「嘆き、またはマハとナイチンゲール」
クライスラー:愛の悲しみ(S.ラフマニノフ編)
R・シュトラウス:明日に(M.レーガー編)
ウィリアム・ハワード(P)

録音:2015年6月29日-7月1日ロンドンケンティッシュ・タウン聖シラス教会
映画やポピュラー音楽の元ネタとしてしばしば使われるロマン派のピアノ曲のなかから、「愛」をテーマにした16作品を収録した1枚。有名なリスト作品から、根強い人気を持つフィビヒ作品まで、幅広いメロディが楽しめます。ロンドンを拠点に活躍する“シューベルト・アンサンブル”を率いるベテラン・ピアニスト、ウィリアム・ハワードの優しい語り口が魅力的です。
ORC-100060
NX-B03
ワンダーランド
黄金色の昼下がりに…
サリー・ベアミッシュ(1956-):黄金色の昼下がりに…
ウサギは穴に落ちる
ロクサナ・パヌフニク(1968-):ウサギは穴に落ちる
涙の池
マーク=アンソニー・タネージ(1960-):涙の池
コーサス・レース
スチュアート・ マックレー(1976-):コーサス・レース
ポール・ルーダース(1949-):ウサギは小さいビ ルを送り込む
青虫からの助言
ハワード・ブレーク(1938-):青虫からの助言
ブタとコショウ
カール・デイヴィス(1939-):ブタとコショウ
気の狂ったお茶会
スティーヴン・ハフ(1961-):気の狂ったお茶会
.女王陛下のクロケット場所
リシャール・デュビュニョン(1968-):序王陛下のクロケット場所
.イリヤ・グリンゴル ツ(1982-):代用海ガメのスープ
ロブスターのカドリーユ
.コリン・マシューズ (1946-):ロブスターのカドリーユ
誰がタルトを盗んだか
グゥイリム・シムコッ ク(1981-):誰がタルトを盗んだか
アリスの証言
オーガスタ・リード・トーマス (1964-):アリスの証言
モーリーン・リップマン(ナレーター)
マシュー・トラスラー(Vn)
アシュリー・ウェイス(P)
エリス・スミス(トライアングル)

録音:2016年4月5-7日聖ジョージ・ブリストル
レニー・トラスラー児童基金は、2007年にヴァイオリニスト、マシュー・トラスラーとマヤ・コッホによって設立された財 団です。彼らの息子が重篤な腎臓病を患いこの世を去ってしまったという悲しい出来事がきっかけで、重病の新生児を援助す るのが目的のこの財団は、最高の音楽家と作曲家をフィーチャーし、定期的に演奏会を行い、またアルバムをリリースするこ とで、資金を賄っています。このアルバムもそんな1枚。ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」にインスパイアされ たアルバムで、イギリスの映画女優、モーリーン・リップマンの魅力的な朗読を彩るのは、現代を代表する作曲家たちの楽し い小品たち。様々な趣向が凝らされた曲とアリスのお話が融合した聴き応えのある1枚です。このアルバムのための楽しい 短編映画も製作されています。
ORC-100061
NX-B03
スチュワート・グッドイヤー〜ラヴェルを弾く
水の戯れ/ソナチネ
鏡/夜のガスパール
スチュワート・グッドイヤー(P)

録音:2016年5月16-17日.11月1-2日
ロサンゼルス・タイムズなどアメリカの新聞紙上でその演奏を大絶賛されているピアニスト、スチュワート・グッドイヤー。トロント王立音 楽院で学んだ後、カーティス音楽院で学士号を取得。更にジュリアード音楽院では修士号を取得するという俊英で、即興演奏、 作曲もこなすというマルチな才能を生かし大活躍しています。以前、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」を自身でピアノ独奏に編 曲したアルバムが高い評価を受けた彼ですが、今回のラヴェルでは、幼い頃から好きだったというソナチネを始め、数々の名作に真 正面から取り組み、素晴らしい音楽を作り上げています。強靭なタッチから繰り出される硬質の音色は、「鏡」や「夜のガスバール」 などにみられる、官能性、恐怖といったラヴェルの音楽の特徴を良く捉えています。
ORC-100062
NX-B03
HERE IS NO ROSE...これほどのバラはない〜21世紀のクリスマス音楽集
ボブ・チルコット(1955-):羊飼いのキャロル
トーラ・ボルク(1832-1923):空が暗く なり(セアンK.ハンセン編)
伝承:ヴェニ、ヴェニ、エマヌエル(グラフガード編)
ジ ェームズ・マクミラン(1959-):レイディアント・ドーン
伝承:エサイの根より(コング ステッド編)
伝承:牧師のお話(ショート編)
アラン・ブランド(1947-):そして、全て の星を見下ろし
ニールセン(1865-1931):私の心は常にさまよう(シュメーデ編)
リ チャード・カウストン(1971-):子守歌
チルコット:これほど高貴なバラはない
伝承:En rose sa jeg skyde(セイヤー=ハンセン編)
ホルスト(1874-1934):わびしき 真冬に(オラ・イェイロ編)
伝承:ひいらぎとつた(ポール・ヒリアー編)
16世紀の 伝承:エサイの根より(ポール・ヒリアー編)
伝承:おめでとうクリスマス(ポール・ヒリアー編)
ヴォーカル・グループ・コンサート・クレメンス
カルステン・セイヤー=ハンセン(指)

録音:2016年1月23-24日、2月27-28日デンマークオーフス、聖マルクス教会
1997年に設立されたデンマークの優れた声楽アンサンブル“ヴォーカル・グループ・コンサート・クレメンス”の歌うクリス マス・アルバム。21世紀に書かれた作品と、伝承曲でありながら現代の作曲家がアレンジした作品が織り交ぜられた興味深 い選曲に注目です。タイトルの「バラ」は愛の象徴であるとともに、聖母マリアの象徴でもあり、慈しむかのような歌声は、 クリスマスの歓びとともに、マリアの限りない愛も表現しています。
ORC-100063
NX-B03
エレーヌ・ド・モンジュルー(1764-1836):作品集
ピアノ・ソナタ.第9番 嬰へ短調 Op.5-3
フーガ 第1番 ヘ短調
ピアノ指導のための完全教則本 より12の練習曲
最近の作品による主題と変奏
エドナ・スターン(P)
(1860年 プレイエル製:コンサート・グランドピアノ)

録音:2016年
1789年に勃発したフランス革命は、それまでの階級社会を一変させ、多くの貴族たちが迫害されることとなりました。そんな中でも、優れた ピアニスト、教師であったエレーヌ・ド・モンジュルー(ド・シャルネ伯爵夫人)は、革命の騒乱の中で「ラ・マルセイエーズ」の主題による即興 演奏を行い、大喝采を浴び、一時はフランス国立高等音楽院の教授に任命されるという,「女性作曲家」の存在すら認められなかった当 時のフランスにおいて、極めて先進的な役割を演じた女性です。 彼女の代表作の一つである「ピアノ指導のための完全教則本」は114曲の練習曲を含む、700以上のページからなる作品集で、この中に は様々なテーマに基づく小品がひしめいています。これらは大胆な和声進行を持ち、「モーツァルトとショパンを繋ぐ」価値ある作品です。確か に第107番は、ショパンの「革命のエチュード」を思わせる激しい左手のパッセージが特徴的。当時のプレイエルの優雅な響きも聴きもので す。
ORC-100064
NX-B03
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 クララ・エック(S)
エリザベト・ヤンソン(A)
トーマス・クーリー(T)
リァオ・チャンヤン(Br)
アルス・ノヴァ・コペンハーゲン
ラトヴィア放送cho
コペンハーゲンPO
ラン・シュイ(指)

録音:2013年9月25-30日
大好評、ラン・シュイとコペンハーゲン・フィルによるベートーヴェン 交響曲全集の掉尾を飾る第9番の登場!オーケストラのチェリスト、ヴェス ターゴーはこの演奏について、次のように語っています。「この演奏でラン・シュイは弦楽器のセクションを移動させ、チェロをファースト・ヴァイオリ ンの横に置き、ホルンはそのすぐ後ろに配置されました。そしてホルンとトランペット、ティンパニはピリオド楽器を用いることで、とても柔らかい響 きがもたらされ、この小ぶりなオーケストラの音色に良くマッチしました。ベートーヴェンが要求したそのままのテンポはとても早く、弦楽器は着い ていくのが大変でしたが、これも素晴らしい効果を挙げました。確かにベートーヴェンが使用していたメトロノームは不正確だったと言われてい ますが、ラン・シュイはこの速さに信頼を置いています。」ベートーヴェンの全作品の中でも強いメッセージを持つこの曲は、あらゆるオーケスト ラのプログラムを飾り、世界中のコンサート・ホールで繰り返し演奏されていますが、このラン・シュイの演奏は決して埋没することのない、極め て個性的で説得力に満ちた仕上がりを見せています。
ORC-100065
NX-B03
ショスタコーヴィチ:ピアノl協奏曲第1番
協奏曲 Op.35
ベルク:ピアノとヴァイオリン,13の管楽器のための室内協奏曲(1925)
サン=サーンス:動物の謝肉祭
メイ・イ・フー(P)
フィリップ・ハッター(Tp)・・・1-4
バルトシュ・ヴォロフ(Vn)・・・5-7
アシュリー・ウォス(第2ピアノ)・・・8-21
クレメント・パワー(指)・・・5-7
ブリテン・シンフォニア

録音:2016年1月27-29日
音楽の中に込められた比喩や暗喩、そして暗号。これらを探し出すのはとても面白いことです。美しい「白鳥」で知られるサン=サーンスの 「動物の謝肉祭」も、もともとは彼の仲間内で、友人や他の作曲家の曲に風刺を効かせて演奏するために作られた曲。ショスタコーヴィチの ピアノ協奏曲には、やはり他人の作品からの引用が散りばめられています。またベルクの作品には、他の作品の引用はありませんが、数字の 「3」が重要なファクターであり、楽章数だけでなく、彼の友人たちの名前が織り込まれ、楽器編成も3群で構成と数々の数字が隠されてい ます。そんな示唆的な作品を演奏するのは、マレーシアのピアニスト、メイ・イ・フー。素晴らしいテクニックでこれらの曲を的確に表現していま す。このアルバムの売り上げは、彼女が協力している海洋保全協会に寄付され、美しい海の未来と、海洋生物の保護のために使われま す。
ORC-100066
NX-B03
ジョン・アダムズ:ヴァイオリン協奏曲
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35*
イリヤ・グリンゴルツ(Vn)
コペンハーゲンPO
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指)
ジュリアン・サレムクール(指)*

録音:2013年10月、2015年4月*
コペンハーゲン・フィルとグリンゴルツによるアダムズとコルンゴルトの2曲のヴァイオリン協奏曲集。アダムズの作品は1993年 に書かれたにもかかわらず、まるで19世紀末音楽のような響きを持つ退廃的な作品であり、ハリウッドの映画音楽から生 まれたコルンゴルトの協奏曲との、奇妙な一致を思わせるプログラムです。ミニマル風でもありながら時にはベルクの協奏曲 のように滔々と音を紡いでいくアダムズの協奏曲は全編を通じ、クールな雰囲気が漂います。オーケストラの性能を目いっ ぱい使った絢爛豪華な響きを要求するコルンゴルトでは、グリンゴルツの艶やかな音色が遺憾なく発揮されており、とりわ け第2楽章「ロマンス」の中間部での蕩けるような弱音を駆使しつつ、オーケストラと対話を重ねる箇所は夢のような美し さです。話題の指揮者ロウヴァリとオペラを得意とするサレムクールによる伴奏も聴きものです。
ORC-100067
NX-B03
ウォルトン:ファサード キャロル・ボイド(語り手)
ゼブ・ソーンズ(語り手)
ジョシュア・バッティ(Fl)
ジェームズ・ブルケ(Cl/バスCl)
ハワード・マックギル(アルトSax)
アラン・トーマス(Tp)
アレックス・ニール(パーカッション)
リチャード・ハワード(Vc)
ピエール・ドゥマンジュ(Vc)

録音:2015年10月23-24日
13.田舎の踊り イギリスの女性詩人イーディス・シットウェルと作曲家ウォルトンが初めて会ったのは1916年頃のこと。ウォルトンがオックス フォード大学クライスト・チャーチ校に入学し、イーディスの弟サシェヴァレルと親友になったことで繋がりができました。結局 学校を退学したウォルトンは、そのままシットウェル家に住み込み、作曲家を志します。 彼が最初に作曲家として名声を得たのが1922年に発表した「ファサード」で、これこそイーディスの詩に基づく物語でし た。後にバレエ音楽にもなったこの作品、ここでは語りも含めた楽しい一編となっています。 軽妙な語りを聞かせるキャロル・ボイドは英国の女優。BBC RADIO4の人気ラジオ・ドラマ「アーチャー家の人々」でリン ダ・スネル役を演じる他、テレビ、ラジオ、舞台で大活躍、35年以上のキャリアを持つヴェテランです。また、同時に収録さ れているのはイーディス・シットウェルがインタビューに応えている1955年のラジオ番組の復刻。ウォルトンとの思い出が語ら れています。
ORC-100068
NX-B03
クリストファー・ウッド(1945-):レクイエム(J.ラスボーンによる管弦楽補筆版) レベッカ・ボットーネ(S)
クレア・マッカルディン(A)
エド・リヨン(T)
ニコラス・ギャレット(Bs)
ポール・ブロー(指)
リンヴィティ・シンガーズ
リンヴィティ・シンフォニア

録音:2012年12月12日
この美しい「レクイエム」を作曲したクリストファー・ウッド。本業はがん治療薬を開発する外科医でした。しかし、アメリカ出張中にた またま滞在中のホテルのテレビで見た、エリザベス王太后の葬儀の模様にインスピレーションを受けたウッドは、人々の悲しみや敬意 の精神、そして愛国心を表現するには音楽がふさわしいと思い立ち「レクイエム」の作曲を決意したと言います。それまで作曲に手 を染めたことのなかったウッド、完成には約10年を要し、2012年にようやく初演の日を迎えました。優しさと肌触りの良さに満ちた 美しい調べは人々の心を瞬時に魅了し、2014年にはこの曲から派生した「ミサ・ヴレヴィス(小ミサ)」も作られるほど、現在では“作 曲家”としてのウッドの名声は定着しています。
ORC-100069
NX-B03
LACHRYMAE REVISITED
ダウランド:もしも私の受けた苦しみが、情熱を動かすなら
(1597)
ブリテン:ラクリメ-ダウランド歌曲の投影 Op.48a(1948)
アダム・ポレンブスキ(1990-):リヴァース2(2013)
ロリー・ボイル(1951-):そんな甘い悲しみ(2009)
ギャヴィン・ヒギンズ(1983-):カテドラル(2013)
細川俊夫:時の深みへ(1996)
ダウランド:流れよ、わが涙(1600)
デュオ・ファン・ヴリート
【メンバー】
イアン・アンダーソン(Va)
ラファウ・ウーク(アコーディオン)
ポーランドのアコーディオン奏者ラハウ・ウーク。10歳からコンサートに出演し、15歳で協奏曲デビュー(ブロツワフ・フィルハーモニー O)、以降各地で多くのリサイタルを行っています。ヴィオラのアンダーソンはグラスゴー出身。作曲家としても才能を示し、 数多くの賞を獲得している期待の奏者。この2人によるアンサンブル「デュオ・ファン・ヴリート」は現代作曲家たちにも積極的に新作 を委嘱。ヴィオラとアコーディオンという希少な響きを広めるために結成されました。アンサンブルの名前はアメリカの偉大なミュージ シャン、キャプテン・ビーフハートの本名“ドン・ヴァン・ヴリート”から取られています。
ORC-100070
NX-B03
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァオリン協奏曲 第1番
ヴァイオリン協奏曲 第2番
マシュー・トラスラー(Vn)
グラント・ルウェリン(指)
BBCナショナル・オーケストラ・オブ・ウェールズ

録音:2016年7月2.3日
英国を代表する優れたヴァイオリニストであり、ORCHID CLASSICSのレーベル・オーナーとしても活躍するマシュー・トラスラー。こ のアルバムではプロコフィエフの2曲のヴァイオリン協奏曲を演奏。ナタン・ミルシテインが「20世紀における最も優れたヴァイオリン協 奏曲の一つであり、恐らくプロコフィエフ作品の中でも最高の1曲」と評した第1番、ヤッシャ・ハイフェッツが心より愛した抒情的な第 2番、これらをノースカロライナSOの音楽監督としても知られるグラント・ルウェリンの伴奏で演奏。2作品の性格の違いも鮮 やかに弾き分けています。
ORC-100071
NX-B03
ロアルド・ダールによる作品集
ポール・パターソン(1947-):Little Red Riding Hood 赤ずきん
 ロアルド・ダール:原作
 ドナルド・ストゥロック:補完
マーティン・バトラー(1960-):Dirty  Beasts こわい〜動物
 ロアルド・ダール:原作
ポール・パターソン:The Three Little Pigs 三匹の小さな子ブタ
 ロアルド・ダール:原作
マニャール・アンサンブル
【メンバー】
スザンナ・ワトソン(Fl/ピッコロ)
シバタ・マナ(Ob)
ジョセフ・シナー(Cl/バスCl)
カトリオーナ・マクダーミッド(Fg)
ジョナサン・ファレイ(Hrn)
スリング・キング(P)
レベッカ・ケニー(ナレーター)

録音:2016年4月7-8日
イギリスの小説家、脚本家ロアルド・ダール(1916-1990)の生誕100年を記念して制作されたユニークなアルバム。第 二次世界大戦時、空軍パイロットとして活躍し、その経験を元にした小説で有名になったダールは、その後も次々に風 刺やユーモアに満ちた小説を発表、その謎めいたオチは日本でも多くの読者を獲得しています。また、児童文学の分野 でも「チョコレート工場の秘密」など後に映画化された物語も含め、ファンタジーの中に鋭い風刺を忍ばせた名作を数多 く発表した人です。このアルバムは、3つの作品にユーモラスな音楽を付け、朗読とともに楽しんでいただけるというもの。 子供から大人まで誰もが楽しめる1枚です。
ORC-100072
NX-B03
R・シュトラウス:歌曲集
若さ-乙女
1.何もなく Op.10-2
2.ひそやかな歌 Op.39-1
3.セレナード Op.17-2
4.ときめく心 Op.29-2
5.ひそやかな誘い Op.27-3
憧れ
6.憧れ Op.32-2
7.森のよろこび Op.49-1
8.ああなんと悲しく、つらく悩ましいことか Op.49-8
9.私の頭上であなたの黒髪を Op.19-2
情熱
10.二人の喜びをなぜ隠すのか Op.19-2
11.ばらのリボン OP.36-1
12.私は漂う Op.48-2
友情:愛
13.夜の散歩 Op.29-3
14.単調さ Op.69-3
15.赤いばら Trv119
母性
16.母親の自慢 Op.43-2
17.わが子に Op.37-3
喪失
18.夜 Op.10-3
19.解き放たれて Op.39-4
20.憩え、わが魂 Op.27-1
解放
21.献呈 Op.10-1
22.クリスマスの想い Trv198
23.万霊節 Op.10-8
ルイーズ・オルダー(S)
ジョセフ・ミドルトン(P)

録音:2016年7月20-23日
英国王立音楽院で学び、キリ・テ・カナワ奨学金を受け、2013年に開催されたキャスリー・フェリアー・コンクールで入賞した後、 数々の賞を受賞した若手ソプラノ、ルイーズ・オルダーが歌うリヒャルト・シュトラウスの歌曲集。アルバムでは、いくつかの歌曲をまと め、コンセプトに沿ったタイトルをつけることで、シュトラウスの世界観が表現されています。若々しい声は、シュトラウスが思い描いて いた理想(結婚当時の妻パウリーネの歌唱)を具現化しています。2017年カーディフ国際コンクールではイングランド代表として 出場、聴衆賞を獲得した期待の新星です。
ORC-100073
NX-B03
ヤン・ユァンファン〜リサイタル
シューベルト:即興曲 変ロ長調 Op142-3
ショパン:練習曲 イ短調 Op.25-11
 幻想曲 ヘ短調 Op.49
リスト:ラ・カンパネラ
 オーベルマンの谷
ヤン・ユァンファン(1997-):3枚の水彩画
中国民謡(王建中編):瀏陽河
カシアン(1963-):情景
ピーター・マクスウェル=デイヴィス(1934-2016):ストロムネスへの告別
ヤン・ユァンファン(P)

録音:2016年8月10-12日
1997年、エジンバラ生まれの中国系ピアニスト、ヤン・ユァンファンのリサイタル・アルバム。 ロンドンの王立音楽院で7年間学び、2014年にはワイマールで開催された第4回フランツ・リスト国際コンクールで第1位、2015 年のクリーヴランド国際ヤング・アーティスト・コンクールでも第1位を獲得し、その将来を期待されています。 この「Watercolour=水彩画」と題されたアルバムは、様々な景色を切り取り、音で描き出した表現力豊かな1枚。作曲の勉強 もしているというヤンは、このアルバムでも自作を披露しており、これは確かな構築力と即興性が表出された素敵な作品です。ま た、彼の他の作品もBBCラジオやテレビで頻繁に放送され、大人気を博しています。
ORC-100074
NX-B03
チャドウィック(1854-1931):交響的素描
エルガー:エニグマ変奏曲
アンドリュー・コンスタンティン(指)
BBCウェールズSO

録音:2017年1月4-6日
ORC-HIDレーベルの新シリーズ「BBCウェールズSO」の録音集第1弾は、英国を代表する作曲家エルガーの「エ ニグマ」と、アメリカの近代作曲家チャドウイックの作品集。ほぼ同じ時期にイギリスとアメリカで活躍した2人は、何度も 会う機会があったにもかかわらず、決して交友関係を持つことはありませんでした。しかし2人の作品を並べて聴いてみる と、どちらも後期ロマン派風の重厚な響きを持つなど、数多くの共通点を見出すことができます。指揮者アンドリュー・コン スタンティンはイギリス全土のオーケストラで実績を重ね、現在フォートウェイン・フィルハーモニー管とレディングSO の芸術監督を務めています。
ORC-100075
NX-B03
FLAME-炎
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 L140
シマノフスキ:歌劇《ロジェ王》-ロクサーヌの歌(P.コチャンスキ編)
フォーレ:夢のあとに Op.7-1(W.ビルテル編)
メシアン:ヴァイオリンとピアノのための「主題と変奏」
ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」-子守歌
ドビュッシー:美しい夕暮れ(J.ハイフェッツ編)
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ト長調
グェンドリン・メイシン(Vn)
シモン・ビューヒャー(P)

録音:2017年4月7-10日
国際的に高い評価を受けている若きヴァイオリニスト、グェンドリン・メイシンのリサイタル・アルバム。ソリスト、室内楽奏 者、オーケストラの芸術監督、そして作家として八面六臂の活躍を続けるメイシンは、ダブリンのトリニティ・カレッジで博 士号を取得し、教師としても高く評価されています。この「炎」と題されたアルバムでは、長らくパートナーを務めているピア ニスト、シモン・ビューヒャーと共演。情熱、温かさ、光をもたらし、対象物を燃やし尽くすまでの、妖しく美しい炎の様々 な表情を音楽になぞらえ演奏しています。
ORC-100076
NX-B03
ベートーヴェン:晩年の作品集
ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109
6つのバガテル Op.126
11のバガテル Op.119
ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 Op.101
イシャイ・シャエル(P)

録音:2015年7月
イスラエル生まれのピアニスト、イシャイ・シャエルが演奏するベートーヴェンの後期作品集。2008年にショパン、ラヴェル、 シューマンを収録したアルバムで鮮烈なCDデビューを飾って以来、ファンからアルバム・リリースを熱望されていたシャエル ですが、今回のベートーヴェンでも安定した音楽を聴かせています。第30番と第28番のソナタで、表情豊かで強烈なバ ガテルをはさむという選曲もユニークです。
ORC-100077
NX-B03
マティアス・クラー/クラリネット・リサイタル
シューマン:3つのロマンス Op.94(クラリネットとピアノ版)
ライネッケ:序奏とアレグロ・アパッショナート ハ短調 Op.256
ドビュッシー:第1狂詩曲
ベルク:4つの小品 Op.5
 室内協奏曲-第2楽章 Adagio(クラリネット、ヴァイオリンとピアノ版)
コリリアーノ:Soliloquy 独白
マティアス・クラー(Cl)
サイモン・クロフォード=フィリップス(P)
クロエ・ハンスリップ(Vn)
カリーノ四重奏団

録音:2016年12月3-8日
デンマーク屈指のクラリネット奏者であるマティアス・クラーのリサイタル・アルバム。カール・ニールセン・コンクールに入賞後、デン マーク放送SOの首席奏者を経て、ソリストとして活躍しています。このアルバムにはシューマンの哀愁漂う「3つのロマン ス」や、ベルクの緊密な作風による小品など、クラリネットの多彩な音色を生かした作品が収録されています。なかでもコリリ アーノの父に捧げる思い出の作品「独白」での柔らかい抒情性は、クラーの音色の美しさが際立っています。
ORC-100078
NX-B03
グリエール、ラフマニノフ作品集
グリエール:チェロとピアノのための12のアルバム小品 Op.51
 チェロとピアノのためのバラード Op.4
ラフマニノフ:チェロとピアノのためのソナタ ト短調 OP.19
マヤ・ボグダノヴィチ(Vc)
マリア・ベローソヴァ(P)

録音:2017年5月1-3日
セルビア=フランスのチェリスト、マヤ・ボグダノヴィチのリサイタル・アルバム。カーネギー・ホールでのリサイタルが "音色の美しさ と優れた解釈による傑出したパフォーマンス"と大絶賛された彼女、このアルバムではラフマニノフとグリエールの作品を丁寧に 演奏しています。シェーンベルクやアイヴズと同じ時代に生きながらも、その作品は後期ロマン派の領域から出ることのなかった グリエール、この2つの作品も少しだけオリエンタルな雰囲気を湛えながらも、ロシア風の重厚なロマンティシズムを湛えていま す。あまり耳にすることのないグリエール作品をじっくり聴かせる彼女の音楽性もさることながら、ピアノとチェロが同等の活躍を するラフマニノフのチェロ・ソナタでの白熱した楽器同志の対話も聴きどころです。
ORC-100079
NX-B03
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
ニールセン:ヴァイオリン協奏曲
イ・ジユン(Vn)
クリスティーナ・ポスカ(指)
オーデンセSO

録音:2017年6月26-28日
デンマーク オーデンセ,カール・ニールセン・ホール
2016年“カール・ニールセン国際コンクール”で第1位を獲得した韓国のヴァイオリニスト、イ・ジユン。1992年生まれの彼女 は、2013年“オイストラフ国際コンクール”で優勝し、2015年の“エリザベート王妃国際コンクール”にも入賞するなど、既に世 界中の注目を集めています。多くのオーケストラと共演する他、室内楽奏者としても活躍し、各国の音楽祭でも演奏を重ね ています。このデビュー・アルバムでは得意とするニールセンと、後期ロマン派のヴァイオリン協奏曲の中でも高い人気を誇るコル ンゴルトの協奏曲の2曲を演奏。その才能を遺憾なく発揮しています。
ORC-100081
NX-B03
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集第1集
ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.1-1
ピアノ三重奏曲 ニ長調「幽霊」 Op.70-1
ピアノ三重奏曲 ト長調「私は仕立て屋カカドゥの主題による10の変奏曲」Op.121a
ピアノ三重奏曲 変ロ長調 WoO39-Allegretto
ホン・ソジン(Vn)
ホン・ソキュン(Vc)
イェンス・エルヴェキール(P)

録音:2017年2月27日-3月3日
1999年に設立され、北欧の音楽界で20年近くに渡り中心的な役割を果たしてきた「コペンハーゲン・トリオ・コン・ブリオ」。 現代音楽やロマン派の作品を得意としてきたアンサンブルですが、ついにベートーヴェンのピアノ三重奏曲の全曲録音に取り 組みました。この第1集には第1番となる変ホ長調と、第5番「幽霊」、第11番となる「私は仕立て屋カカドゥの主題による10 の変奏曲」1812年に作曲された変ロ長調(アレグレット楽章のみが残存)、この4曲が収録されています。3人の奏者が旋律 を対等に歌い上げる親密で息のあったアンサンブルです。
ORC-100082
NX-B03
J.S.バッハ:リュートのための組曲
組曲 第1番 ホ短調 BWV996
組曲 第4番 ホ長調 EWV1006a
マイケル・ポール(G)

録音:2017年5月11-12日
北米、南米、ヨーロッパを中心に活躍するギタリスト、マイケル・ポールが演奏する7弦ギターによるJ.S.バッハのリュート作品 集。彼によれば「バッハのリュート作品は、通常の6弦ギターに1本低弦を追加するだけで、どの曲も演奏可能になる」とのこと で、低音が増強された華やかで重厚な音色は聴き手にとって新鮮です。
ORC-100083
NX-B03
ピアノのための「16のコンテンポラリー・ラヴ・ソング」
1.ハワード・スケンプトン(1947-):Solitary Highland Song 孤独な高地の歌
2.エレナ・カッツ=ケルニン(1957-):Roses in a Box 箱の中のばらの花束
3.リチャード・リード・パリー(1977-):Fast Cloud 早く流れる雲/愛の歌
4.ジュディス・ウェイル(1954-):fragile 脆いもの
5.ニコ・マーリー(1981-):Falling Pairs 落ち行く一対
6.ジョビー・タルボット(1971-):Camille カミーユ
7.デヴィッド・ノット(1972-):Album Leaf アルバムの一葉
8.フレデリック・ヴィナー(1994-):Herz an Herz 心から心に
9.ロバート・サクストン(1953-):For Teresa テレサに
10.マイケル・ゼヴ・ゴードン(1963-):For Fiammetta フィアメッタに
11.パヴェル・ゼメク・ノヴァーク(1957-)ソナタ 第7番(愛と慈悲についての小さな歌)
12.バーナード・ヒューズ(1974-):O du Liebe meiner Liebe ああ、あなたは私の愛が大好き
13.ピエール・ヘラウェル(1956-):Love on the Escalator エスカレーターでの愛
14.リン・チャーイン(1990-):Chanson Perpetuelle 永遠の歌
15.デヴィッド・マシュー(1943-):A Love Song 愛の歌
16.シェリル・フランシス=ホード(1980-):Love Song for Dusty ダスティのための愛の歌
ウィリアム・ハワード(P)

録音:2017年7月25-27日
前作のロマン派ピアノ曲集「16の愛の歌」(ORC100056)で情感溢れる演奏を披露したイギリスのピアニスト、ウィリアム・ハ ワード。こちらのアルバムでは、現代作曲家たちが描いた「愛の歌」を演奏しています。彼は世界中の「愛」にちなんだ作品を 探求しており、時には作曲家に新作を依頼するなど、収集に熱心であり、このアルバムは、あらゆる愛の形が詰まったユニーク な1枚です。
ORC-100084
NX-B03
サクソフォンのための音楽集
マルチェッロ:協奏曲 ニ短調(ソプラノ・サクソフォンとピアノ編)
シューベルト:君はわが憩い D776
鱒 D550
グリーグ:ホルベルク組曲 Op.40-第4曲「エア」(レネハン編)
サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より「白鳥」
ドビュッシー:アラベスク 第1番
 亜麻色の髪の乙女
ファリャ:7つのスペイン民謡
ポール・モーリス(1910-1967):プロヴァンスの風景
ピアソラ:フガータ(レネハン編):オブリビオン(レネハン編)
リムスキー=コルサコフ:熊ん蜂の飛行
吉松隆:ファジー・バード・ソナタより第2楽章「Sing,Bird」
ヒュー・ウィギン(Sax)
ジョン・レネハン(P)
オリヴァー・ウォス(ハープ)

録音:2018年3月14-15日、2018年3月16日
「熟成された音色と完璧な呼吸制御」とThe Times誌で絶賛されたヒュー・ウィギン。現在、イギリスで最も人気のあるサクソ フォン奏者の一人です。ウィグモア・ホールや北京の紫禁城コンサート・ホールでの演奏を始め、イギリス国内外のマスタークラス にも参加、フェイリオ・サクソフォン・カルテットのメンバーでもあるウィギン。このアルバムでは様々な作曲家のオリジナル、編曲作 品を朗々と演奏しています。サックス奏者に人気の高いポール・モーリスの「プロヴァンスの風景」での完璧な演奏は聴きもので す。
ORC-100085
NX-B03
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(R.スナイダー編)
ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調
Op.54-2(Hob.III:57)
ラヴェル:古風なメヌエット(R.スナイダー編)
ストラヴィンスキー:弦楽四重奏のためのコンチェルティーノ
ラヴェル:メヌエット 嬰ハ短調 Op.posth(R.スナイダー編)
テスラ四重奏団
【メンバー】
ロス・スナイダー(Vn)
ミッシェル・リー(Vn)
エドウィン・カプラン(Va)
セラフィム・スミゲルスキー(Vc)

録音:2017年4月29.30日,5月1日UK モンマス、ウィアストン・レイズ、コンサート・ホール
偉大な発明家ニコラ・テスラ(1856-1943)の名を冠した「テスラ四重奏団」。2008年にジュリアード音楽院の学生 たちにより結成されたこのアンサンブルは、詩、音楽、哲学にも精通し、これらを大切にしていたテスラの意志を尊重 し、“人々を結び付ける”役目としての音楽を追求しています。彼らは聴衆と演奏家の結びつきを強めるために10年 間試行錯誤を繰り返したといい、このデビュー・アルバムでは、ラヴェル、ハイドン、ストラヴィンスキーという選曲から演 奏に至るまで、聴き手をひきつけるために細心の注意が払われており、演奏も実にきめ細やか。現在のニューヨークで 最も有望なアンサンブルの一つとして注目を集めています。
ORC-100086
NX-B03
プロコフィエフ&ニールセン:ヴァイオリン協奏曲集
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番ニ長調 Op.19
ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 Op.33 FS61
リヤ・ペトロヴァ(Vn)
クリスティーナ・ポスカ(指)
オーデンセSO

録音:2017年6月29-30日,7月1日
デンマーク、オーデンセ、カール・ニールセン・ホール
2016年に開催された「カール・ニールセン国際ヴァイオリン・コンクール」で韓国のイ・ジユンと第1位を分け合ったブル ガリア生まれのヴァイオリニスト、リヤ・ペトロヴァ。アルゲリッチにも認められ「アルゲリッチと仲間たち」の演奏会にも招待 された彼女は、既に多くの室内楽プロジェクトで確かな実績を残しており、以前にリリースされたサン=サーンスの作品 集にも参加、ヴァイオリン協奏曲第1番で流麗な演奏を披露しています。このアルバムではニールセンとプロコフィエフ の協奏曲を演奏、両方の作品の根底に流れるロマティックな雰囲気を表出、とりわけニールセンは独自の表現が高く 評価されました。イ・ジユンのアルバムも同じくOrchid Classicsから発売されており(ORC100079)、2人の音楽性 の違いを確かめることもできます。
ORC-100088
NX-B03
厳格な変奏曲
バッハ:シャコンヌ ニ短調 BWV1004(ブゾーニ編)
ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54 第11-第14変奏(オリジナル・ヴァージョン)
ビゼー:演奏会用半音階的変奏曲
シマノフスキ:変奏曲 ロ短調 Op.3
リリト・グリゴリアン(P)

録音:2018年2月12-15日
ドイツ ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会
アルメニア、イェレヴァンのピアニスト、リリト・グリゴリアン。7歳でピアノを始め、ロストック音楽・演劇大学を卒業後、ベル ギーのエリザベート王妃音楽大学のアーティスト・イン・デジデンスを務めるなど活発な活動をしています。世界中のコン サートホールで演奏を重ね、室内楽にも積極的に参加。2018年にリリースされたNAXOS:ヴィオラとピアノのための 作品集(8.573730)では日本の若手ヴィオラ奏者、戸川ひよりとともに古典派の曲を中心に素晴らしい演奏を披露 しています。 今回のソロ・アルバムは“変奏曲”に焦点が当てられており、バッハ=ブゾーニのシャコンヌからシマノフスキまで6曲の変奏 曲が演奏されています。ひとつひとつのメロディを大切に弾いていくグリゴリアンの手により、作曲家たちの創意工夫が描 かれています。なかでもメンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」は、作曲家自身が削除してしまった“4つの変奏”も収録。 自作をしばしば改訂したことで知られるメンデルスゾーンの姿が浮かび上がります。
ORC-100089
NX-B03
20世紀と21世紀、トランペットとピアノのための作品集
ピーター・マクスウェル=デイヴィス(1934-2016):トランペットとピアノのためのソナタ Op.1
レイモン・ガロワ=モンブラン(1918-1994):サラバンドと終曲
アレックス・ウルフ(1995-):ダイレクト・メッセージ
エネスコ:伝説
デボラ・プリッチャード(1997-):7 Halts on the Somme ソムの七つの係留所
ジル・スウェイン(1946-):Sangre Viva 生きる血
ジャック・カステレード(1926-2014):トラネンペットのためのソナチネ
マティルダ・ロイド(Tp)
ジョン・リード(P)

録音:2017年12月6-7日,2018年2月26日,4月24日
注目の女性トランペット奏者マティルダ・ロイドのデビュー・アルバム。“エリック・オービエ国際トランペット・コンクール”に 入賞、BBC若手ミュージシャンに選定された彼女はBBCプロムスで鮮烈なソロ・デビューを果たし世界中の注目を集 めました。 このアルバムは「トランペットのレパートリーを広げたい」というロイドの願いが反映されており、スウェイン、プリッチャード、 ウルフの新作だけでなく、他の作曲家たちの忘れられてしまった作品も収録されており、彼女の技巧を楽しむとともに、 作品への興味も強くかきたてられる構成となっています。
ORC-100090
NX-B03
テンプル教会の大オルガン
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ 第1番ヘ短調 OP.65-1
カルク=エーレルト(1877-1933):交響的コラール「イェス、わが喜び」Op.87-2
5.第1楽章:Introduzione (Inferno)
8.レーガー:コラール幻想曲「アレルヤ、神をたたえるは我が魂の歓び」
ロイプケ(1834-1858):詩篇94番によるソナタ ハ短調
ロジャー・セイヤー(Org)

録音:2018年4月8日イギリス ロンドン、テンプル教会
現代イギリスの合唱とオルガン音楽の牽引者の一人、ロジャー・セイヤー。合唱指揮者として数々の企画を立案した り、ハンス・ジマーの映画「インターステラー」(2014年公開)で印象的なオルガンを演奏していたことでも知られていま す。このアルバムでは、ロンドンの由緒ある「テンプル教会」の壮麗なオルガンを演奏、メンデルスゾーンからロイプケまで、 オルガン曲の最高傑作を美しく重厚な響きで聴かせています。
ORC-100091
NX-B03
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集 第2集
ピアノ三重奏曲 ト長調 Op.1-2
ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.70-2
トリオ・コン・ブリオ・コペンハーゲン
【メンバー】
ホン・ソジン(Vn)
ホン・ソキュン(Vc)
イェンス・エルヴェキール(P)

録音:2018年3月13-17日
コペンハーゲン デンマーク放送、コンチェルトハウス 第2スタジオ
2017年にリリースされた第1集が高く評価されたトリオ・コン・ブリオ・コペンハーゲンによるベートーヴェン。第2集に収録され ているのは23歳の作品であるOp.1-2と中期の作品Op.70の2曲です。彼らは北欧の音楽シーンの最前線に位置 するアンサンブルで、20年近くに渡り活躍し数多くの賞を受けているヴェテランです。このベートーヴェンでも親密で息 のあった演奏の中に、独自の解釈を施した素晴らしい音楽を聴かせています。

ORC-100092
NX-B03
Four Elements Vol.1: Water
メンデルスゾーン:無言歌 Op.30-6 嬰ヘ短調「ヴェネツィアのゴンドラの歌 第2番」
フォーレ:舟歌 第5番嬰ヘ短調 Op.66
メンデルスゾーン:無言歌 Op.62-5 イ短調「ヴェネツィアのゴンドラの歌 第3番」
フォーレ:舟歌 第10番イ短調 Op.104-2
メンデルスゾーン:無言歌 Op.19-6 ト短調「ヴェネツィアのゴンドラの歌 第1番」
フォーレ:舟歌 第11番ト短調 Op.105
ラヴェル:水の戯れ
藤倉大(1977-):Waves
ショパン:舟歌 嬰へ長調 Op.60
武満徹(1930-1996):雨の樹素描 I
 雨の樹素描 II オリヴィエ・メシアンの追憶に
リスト:巡礼の年 第3年より「エステ荘の噴水」S163-4
 バラード 第2番ロ短調 S171
ワーグナーリスト編):楽劇「トリスタンとイゾルデ」-イゾルデの愛の死
小菅優(P)

録音:2018年5月8-10日
ドイツ ベルリン、b-sharpスタジオ
ベートーヴェンやショパンを中心に、 力強いタッチと独自の感性に貫かれた演奏を聴かせる小菅優。このアルバムは 2017年から彼女が取り組んでいるコンサート・シリーズ「Four Elements」(四大元素/水・火・風・大地)の第1作 となる「水」をテーマにしたプログラムのスタジオ録音。川の流れ、雨、噴水など様々な姿に変化し、私たちの日常に溶 け込む「水」は、多くの作曲家たちにもインスピレーションを与え、数多くの曲が作られています。小菅が選んだのはメンデ ルスゾーンとフォーレ、ショパンの舟歌や、武満徹の「雨の素描」の他、ラヴェル、リスト、藤倉大による多彩な水の形を 描いた作品。彼女の演奏は繊細な感情表現と美しい音色で彩られています。アルバムを締めくくる曲はワーグナーの 「トリスタンとイゾルデ」であり、これは大海の上で繰り広げられる壮絶な愛の物語ということで、やはり「水」はなくてはな らない要素です。 

ORC-100102
NX-B03
ベートーヴェン&ブラームス:クラリネット三重奏曲集
ベートーヴェン:クラリネット三重奏曲 変ホ長調 Op.38
ブラームス:クラリネット三重奏曲 Op.114
アレクサンドル・ベデンコ(Cl)
キリル・ズロトニコフ(Vc)
イタマール・ゴラン(P)

録音:2017年6月5-7日
初期のベートーヴェン作品の中で最も人気を獲得したと言われる作品が、管、弦、七つの楽器で奏される「七重奏曲」 Op.20でした。もっと容易に演奏できる編成が求められたため、ベートーヴェン自身はピアノ三重奏の形に編曲し Op.38として出版。他にもフンメルやブルクハルト、シュミット、ツェルニーら同世代の作曲家、編曲家たちによる夥しい 編曲版が残されています。ここではベートーヴェン自身の編曲を演奏。クラリネットが活躍する楽しい音楽です。ブラーム スのクラリネット三重奏曲は、三人の奏者全員の見せ所がある名作。抒情的なチェロと巧みなピアノ・パートに支えられ た郷愁溢れるクラリネットの旋律が美しい作品です。それぞれ、ソリストとしても活躍するペデンコ、ズロトニコフ、ゴランに よる素晴らしいハーモニーをお楽しみください。
ORC-100106
NX-B03
モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K581
フィンジ:5つのバガテル(C.アレクサンダー編)
コリリアーノ(1938-):Soliloquy(1995)
キャロリーナ・ヘレディア(1981-):Jus in Bello(2014)
アレクサンダー・フィターステイン(Cl)
テスラQ【ロス・スナイダー(Vn)、ミケーレ・リー(Vn)、エドウィン・カプラン(Va)、セラフィム・スミゲルスキー(Vc)】

録音:2018年4月25日-27日
ベラルーシで生まれ、2歳の時にイスラエルに移住しイスラエル芸術科学アカデミーとジュリアード音楽院で学んだクラリ ネット奏者アレクサンダー・フィターステイン。カール・ニールセン国際クラリネット・コンクールで優勝し世界的な注目を浴 び、以降、名だたるオーケストラと共演を重ねています。室内楽にも力を注いでおり、今作ではテスラ四重奏団ととも に、モーツァルト、フィンジの名作や、コリリアーノ、アルゼンチンの作曲家ヘレディアによる現代作品を演奏。なかでも、亡 き父に捧げたコリリアーノの感動的な旋律を持つ「Soliloquy」や、ラテン・アメリカのポピュラー・スタイルを取り入れた躍 動的なヘレディアの曲は、新しいレパートリーを探求する彼らのポリシーにふさわしい作品です。
ORC-100107(5CD)
NX-F09
バッハ48〜バッハ:平均律クラヴィーア曲全集の旅

【CD1】1-24.平均律クラヴィーア曲集 第1巻 前奏曲とフーガ 第1番-第12番BWV846-857
【CD2】1-24.平均律クラヴィーア曲集 第1巻 前奏曲とフーガ 第13番-第24番BWV858-869
【CD3】1-16.平均律クラヴィーア曲集 第2巻 前奏曲とフーガ 第1番-第8番BWV870-877
【CD4】1-16.平均律クラヴィーア曲集 第2巻 前奏曲とフーガ 第9番-第16番BWV878-885
【CD5】1-16.平均律クラヴィーア曲集 第2巻 前奏曲とフーガ 第17番-第24番BWV886-893
17.平均律クラヴィーア曲集 第1巻 前奏曲 ハ長調 BWV846
ジョルジュ・ルポウ (P)

録音:2017年8月21-26日
ピアニストにとってのバイブルであり、西洋音楽の金字塔「平均律クラヴィーア曲集」は、バッハ作品の中でも最 高傑作の一つであり、見事な対位法と想像力を駆使して作り上げられた24の調すべてによる前奏曲とフーガで構 成された大作です。 パリとシカゴを拠点に活動するフランス系アメリカ人のルポウは、10歳の時にパリでデビュー。自身のことを"ピアニスト 兼カルチュラル・アクティビスト”と呼び、クラシック以外のジャンルの演奏家とも積極的にコラボレーションを行っています が、今回のソロ・デビュー・アルバムでは、基本に立ち返り、バッハの出身地ドイツのワイマールの聖ヤコブ教会で全曲 録音に挑みました。バッハの魂を感じ取るため、録音の半年前に作曲家所縁の地、アイゼナハやライプツィヒを訪れ る気合の入れようでした。録音を終えたルポウは、「この作品にはいわゆる“人間の条件”の全てが入っていることがわ かりました。自分の愚かさにも理由があるのだということも。」とコメントしています。
ORC-100108
NX-B03
Four Elements Vol.2:Fire
チャイコフスキー:「四季」-12の性格的描写Op.37bから1月「炉端にて」
レーガー:暖炉のそばの夢 Op.143
第3番/第5番/第7番/第10番(ユーモレスク)/第12番
リスト:交響詩 第5番「プロメテウス」(L.シュタルク編)
ドビュッシー:燃える炭火に照らされた夕べ
ドビュッシー:前奏曲 第2巻 第12番「花火」
スクリャービン:炎に向かって Op.72
ファリャ:恋は魔術師(ファリャによるピアノ版)(抜粋)〜きつね火の歌/火祭りの踊り
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(作曲者自身によるピアノ編曲版)(抜粋)
小菅 優(P)

録音:2019年4月9-12日
ピアニスト、小菅優が2007年から取り組むコンサート・シリーズ「Four Elements」(四元素/水・火・風・大地)。すでにCD化された第1作 「Water」(ORC10092/NYCX-10037)では、変幻自在に姿を変え、人々の感情に入り込む「水」の様々な姿を描き出し大好評を博した 彼女、第2作では「火」をテーマに、またもや多彩な作品に命を吹き込んでいます。「火」と言えば、真っ先に連想されるのが神話に登場するプ ロメテウスであり、神を無視して火を盗み人類に分け与えた存在とされています。小菅はリストの交響詩「プロメテウス」(L.シュタルクによるピア ノ編)を取り上げ、プロメテウスに対する神の怒りまでをも存分に表現しています。また、このアルバムには第一次世界大戦中に書かれた曲が 中心に収録されているのも聴きどころの一つ。この時代の人々が抱いた不安と感情を根底に置きながら、炎の持つ神性と悪魔性を描き分け、 大胆な感情表現で音による「火(戦)」を描き出します。 最後に置かれたストラヴィンスキーの「火の鳥」抜粋では、まさに大地と大空全てを舐めつくすかのような音による巨大な炎を感じることでしょう。
ORC-100109
NX-B03
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 第9集
ピアノ・ソナタ 第7番ニ長調 Op.10-3
ピアノ・ソナタ 第18番変ホ長調 Op.31-3
ピアノ・ソナタ 第32番ハ短調 Op.111
ジョナサン・ビス(P)

録音:2019年6月9-12日
1980年アメリカ生まれのジョナサン・ビス。祖母はサミュエル・バーバーからチェロ協奏曲を献呈された名チェリス ト、ラヤー・ガールブゾヴァ、父はヴィオラ奏者ポール・ビス、そして母は、彼が生まれる直前にマゼールの指揮で モーツァルトのヴァイオリン協奏曲を演奏したという名手ミリアム・フリードという、錚々たる音楽一家の出身です。 6歳から本格的にピアノを学び、優秀な教師に恵まれ着々と成長を重ねピアニストとしての足掛かりをつかんだビ ス、彼が9年間に渡って録音を続けてきた「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集」が遂に完結しました。この第9集 では初期、中期、そして晩年の3つの時代の締めくくりとなる作品でまとめ、ベートーヴェンの創作活動の総括を 表現することに成功しています。第32番のソナタでの最後の静かな音がとりわけ強く印象に残ります。
ORC-100110
NX-B03
合唱で聴くクリスマス
1.15世紀フランス伝承曲:来て、来て、エマニュエル
2.ウィリアム・マティアス:クリスマスさん
3.キャロル・キャニング:おねむりなさい、いとしい子よ
4.グルーバー:聖夜(J.ウェスト編)
ソリスト…キャサリン・ワトソン
5.H.J.ガントレット:ダヴィデの村の厩の内に(J.マン&D.ウィルコックス編)
ソリスト…シャルロッテ・アシュリー
6.ピーター・ウォーロック:アダムは囚われ横たわり
ソリスト…ゾーイ・ブルックショー
7.P.M.デイヴィス:救い主のうるわしき母
8.リチャード・パンチェフ:クリスマス・キャロル
9.J.F.ウェイド:神のみ子は今宵しも(D.ウィルコックス編)
10.トーマス・ウィルソン:これほどのバラはない
11.ロバート・サクストン:光の子
12.ジョナサン・ラスボーン:コヴェントリー・キャロル
13.ハンフリー・クルカス:愛、神様のおくりもの
14.マーティン・ニアリー:我らは三人の王
ソリスト…ニック・プリッチャード、ドミニク・クレーマー、サミュエル・パンチェフ
15.ポール・エドワーズ:それもそのはず
16.メンデルスゾーン:天には栄え(D.ウィルコックス編)
17.ジョン・アイアランド:聖なる少年
18.アドルフ・アダン:オー・ホーリー・ナイト(M.パッペンハイム編)
ソリスト…キャサリン・ワトソン
19.ガブリエル・ジャクソン:Tomorrow go ye forth
20.トーマス・オリヴァー:見よ、主は輝く雲にうち乗り(M.パッペンハイム編)
マイケル・ウォルドロン(指)
ロンドン・コーラル・シンフォニア

録音:2014年1月2-4日
イギリスの指揮者マイケル・ウォルドロン率いる「ロンドン・コーラル・シンフォニア」はトリニティ礼拝堂でのコンサート を開催するために、2008年、ケンブリッジ大学の若く才能ある学生たちによって結成された声楽アンサンブル。 年間を通じイギリス国内の様々なホールで幅広いレパートリーを披露しています。このアルバムでは、伝承曲を 始めとしたお馴染みのクリスマス作品を心を込めて歌っています。どの曲も手の込んだアレンジが施されており、編 曲を担当した一人、デヴィッド・ウィルコックスは現代イギリスにおける劇場音楽の第一人者たちです。またマック ス・パッペンハイムはこのアンサンブルのオルガニスト。歌手たちの声を知り尽くした変幻自在なアレンジが見事で す。とりわけ「オー・ホーリー・ナイト」ではオルガン、トランペットの華やかな響きと、中間部の荘厳な対位法が聴き どころです。
ORC-100111
NX-B03
スチュアート・ハンコック:作品集
Variations on a Heroic Theme 英雄的な主題による変奏曲
ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲(2005)
Raptures 歓喜-オーケストラのための組曲
ジャック・リーベック(Vn)
レヴォン・パリキアン(指)
BBCコンサート・オーケストラ

録音:2019年6月25,27日
映画音楽やテレビの劇音楽などで活躍する現代作曲家スチュアート・ハンコックの作品集。華麗なオーケスト レーションとエキサイティングな作風は世界中のファンを魅了しています。このアルバムはハンコックが愛するハリウッ ド映画への賛辞でもある「英雄的な主題による変奏曲」で幕を開け、「ヴァイオリンとオーケストラのための協奏 曲」 、アルバムタイトルでもあるオーケストラのための組曲「RAPTURES」へと続きます。「RAPTURES」はもとも と弦楽四重奏曲として考案されましたが、今回の録音のためにオーケストラ版に拡大されており、豊かな音色と 華やかさを備えた堂々たる作品へと変貌しています。指揮を務めるのはレヴォン・パリキアン。ジョージ・ハーストと イリア・ムーシンに師事。現在はオックスフォード市Oの首席指揮者を務める傍ら、イギリスの主要オーケ ストラへの客演やロンドン王立音楽大学をはじめ各地のユース・オーケストラの指導にも当たる注目の指揮者で す。
ORC-100112
NX-B03
「ポーギーとベス」再訪
ガーシュウィン:Bess You Is My Woman Now ベス、お前はおれのものだ
パスカル・シューマッハー:Porgy Sketch 1 ポーギー・スケッチ 1
ガーシュウィン:My Man’s Gone Now うちの人は逝ってしまった
ニコラ・ドートリクール:Summertime Revisited サマータイム再訪(原曲:ガーシュウィン)
ガーシュウィン:I Loves You Porgy 愛している、ポーギー
ニコラ・ドートリクール:Backstab
バックス
:タッブ(原曲:ガーシュウィン)
パスカル・シューマッハー:Porgy Sketch 2 ポーギー・スケッチ 2
ガーシュウイン:It Ain’t Necessarily So なんでもそうとは限らない
ニコラ・ドートリクール:When P Meets B PとBが遭う時
パスカル・シューマッハー:A Porgy Duction ポーギー・ダクション(原曲:ガーシュウィン)
ニコラ・ドートリクール(Vn)
パスカル・シューマッハー(ヴィブラフォン)
クヌート・エリク・スンドクィスト(Cb)

録音:2017年10月13-15日
毎年春に開催される「ラ・フォル・ジュルネ」にも何度か登場、見事な演奏を披露するヴァイオリン奏者ニコラ・ドー トリクール、ジャズ奏者としてデビュー後、ウィーンに留学しクラシックの奏法を身に着け、ジャズ、クラシック双方で 活躍するベーシスト、クヌート・エリク・スンドクィスト。そして作曲家、アレンジャーとしても知られるヴィブラフォン奏 者パスカル・シューマッハー。この3人の「音楽の探求者たち」とジョージ・ガーシュウィンの出会いから生まれたこの 全10トラックの音楽は、実験性に富み、優雅さと哀愁に満ちており、「人生はジャズによく似ています。即興演 奏は最高です。」と語ったガーシュウィンの言葉をそのまま反映したかのような魅力的な雰囲気を備えています。
ORC-100115(1CD)
NX-B03
ノット・ナウ、バーナード&アザー・ストーリーズ
バーナード・ヒューズ(1874-):Not Now Bernard バーナード、今ではなく後にして
アーノルド(1921-2006):おもちゃの交響曲 Op.62
ヒューズ: Isabel’s Noisy Tummy イザベルのにぎやかなお腹
ジョン・アイアランド(1879-1962):アナベル・リー
ヒューズ:The Knight Who Took All Day 1日かかった騎士
ジュディス・ウィアー(1954-):Thread! 糸!
アレクサンダー・アームストロング(ナレーター)
トム・ハモンド(指)
オーケストラ・オブ・ザ・スワン

録音:2019年7月20,21日、2019年9月6日
イギリスの俳優、テレビやラジオの司会者、バス・バリトン歌手として活躍するアレクサンダー・アームストロングがナレーターを 務めるストーリー性豊かなアルバム。カラフルな原色に満ちた子供の頃の想い出の世界を再現しています。彼は、アルバム・ タイトルでもあるヒューズの「Not Now Bernard」をはじめ、女性の社会進出と騎士道を皮肉ったストーリーの「The Knight Who Took All Day」などを楽し気に語ります。アーノルド:「おもちゃの交響曲」では、トム・ハモンドの指揮でオー ケストラ・オブ・ザ・スワンがここぞとばかりに、カッコウの鳴き声やホイッスル、おもちゃのトランペットのモノマネまで登場させ、曲 を盛り上げます。エドガー・アラン・ポーの最後の詩にアイアランドが作曲した「アナベル・リー」ではアルバムのムードが一変、暗 い影を帯びますが、最後に置かれたウィアーの「Thread!」はまるで漫画のようなイメージ。アームストロングの巧みなナレー ションが最後まで聞かせます。
ORC-100116(1CD)
NX-B03
ハワード・スケンプトン(1947-):ピアノ作品集
24のプレリュードとフーガ
3つのノクターン
リフレクションズ/映像
ウィリアム・ハワード(P)

録音:2019年8月22-24日
1960年代より実験音楽畑を歩んできたイギリス出身の作曲家スケンプトンの作品集。バッハにインスパイアされ、コンテンポ ラリー・スタイルで書かれた「24のプレリュードとフーガ」を中心に、さまざまな趣きを持つ小品集が並び、聴き手の耳をひと時 も離すことがありません。仄暗く内省的でありながら、ジャズのテイストも感じられる「3つのノクターン」、瞑想的な「リフレクショ ンズ」、また「映像」には、ドビュッシーの同名作と同じく、イギリス北部のタインサイドの民謡「キール・ロウ」のメロディが取り入 れられるなど、創意工夫が凝らされています。ウィリアム・ハワードは40か国以上で演奏を行い高く評価されているピアニス ト。室内楽も得意で数多いアルバムをリリースしている実力派です。
ORC-100153
NX-B03
ナイジェル・ヘス(1953-):作品集
祝典序曲(2015)
キリエ(2004/2020編)
行進曲「バーンズ・ウォリス」(2013)
「イエスは喜び」変奏曲(2008)
組曲『 ロッホナガーのおじいさん』
(2007/2019編)
夜想曲(2015)
一緒に暮らし、僕の恋人になってくれ(2018)
Chansons de Normandie ノルマンディーの歌(2014)
The Lakes of Cold Fen コールドフェンの湖(2017)
ベネディクトゥス(2009/2011編)
Arise My Love 私の愛を目覚めさせて(1986)
The Way of Light 光の道(1985)
BBCコンサート・オーケストラ
BBCシンガーズ
ケンブリッジ・セント・キャサリン・カレッジ少女cho
メトロ・ヴォイセズ
ロイヤル・エア・フォース・セントラル・バンド
ポーツマス英国海兵隊軍楽隊
リチャード・バルカム(指)
ソフィー・ジャナン(指)
ダンカン・スタッブス(指)
ニック・グレース(指)
エマ・トリング(S)
エレノア・グラント(S)
クリストファー・ブラウン(T)
ピアーズ・レーン(P)
ニコラス・マッカーシー(P)
ベンジャミン・ヒューズ(Vc)
デレク・ジャコビ(朗読)

録音:2019年11月25-26日、2020年3月12日、2020年2月14日
イギリスを拠点に、映画音楽や劇音楽、吹奏楽の分野で幅広く活躍する作曲家ナイジェル・ヘス。親しみやすい旋律を多用した彼の作品は、過去 40年にわたって世界中の数多くの人々に強い影響を与えています。しかし、この最新アルバムに収録されているのはテレビや映画のための音楽では なく、彼自身の自発的な創造から生まれた音楽です。伝統的な合唱作品「光の道」や、彼が得意とする吹奏楽作品、チャールズ英皇太子殿下が 書いた絵本「ロッホナガーのおじいさん」のためのバレエ音楽など多岐に渡る作品が楽しめます。これらを演奏するのは、ボルコムが率いるBBCコンサー ト・オーケストラをはじめとする英国を代表する演奏家たち。吹奏楽好きの方にもおすすめの1枚です。
ORC-100155
NX-B03
コープランド/バーンスタイン/ロージャ
コープランドクラリネットとハープ、ピアノ、弦楽オーケストラのための協奏曲
バーンスタイン:クラリネットとピアノのためのソナタ
ロージャ(1907-1995):無伴奏クラリネットのためのソナチネ Op. 27
コープランド クラリネットとピアノのためのソナタ
アレクンサンダー・フィタースタイン(Cl)
クリス・ホプキンズ(指)
イギリス室内O

録音:2019年2月8日、2020年1月17,18日
クラリネットの哀愁を帯びた音色は、20世紀アメリカの作曲家たちにも愛好され、さまざまな作品が生まれました。1941年から42年にかけて作曲さ れたバーンスタインのソナタは、ラテンアメリカ音楽の影響が感じられる若き彼の出世作。映画音楽で知られるロージャのソナチネは2楽章形式、10分 程度の短い作品。第1楽章の民謡風の主題は彼の故郷、ハンガリーの音楽に由来しています。第2楽章はダイナミックな展開と、クラリネットの超絶 技巧に耳が惹きつけられます。そしてコープランドに強い影響を与えたのがジャズ、クラシックの両面で活躍した名奏者ベニー・グッドマン(1909- 1986)です。彼の出現はコープランドの創作意欲をかきたて、ジャズのスタイルを巧みに取り入れた協奏曲やソナタが生まれました。このアルバムで 見事な演奏を聴かせるのは、カール・ニールセン国際コンクールの優勝経験を持つベラルーシ出身のアレクサンダー・フィタースタイン。チャールズ・ナイ ディックらに師事。アメリカ、フランス、イスラエル、日本などの主要ホールで演奏し、ダニエル・バレンボイム、内田光子、リチャード・グード、エマニュエル・ アックスらと共演している名手です。

ORC-100159
NX-B03

NYCX-10201
国内盤仕様
税込定価
Four Elements Vol.3:Wind
ダカン:クラヴサン曲集第1巻 第3組曲より「かっこう」
ダカン:クラヴサン曲集第1巻 第1組曲より「荒れ狂う嵐」
F・クープラン:クラヴサン組曲第3巻 第17組曲より「小さな風車」
ラモー:クラヴサン組曲と運指法第1番(第2組曲)より「鳥のさえずり」
西村朗(1953-):迦陵頻伽 カラヴィンカ(2006)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第17番ニ短調「テンペスト」 Op. 31-2
ドビュッシー:前奏曲集第1巻 第2曲「帆」
 前奏曲集第1巻 第3曲「野を渡る風」
 前奏曲集第1巻 第7曲「西風の見たもの」
ヤナーチェク:霧の中で
小菅優(P)

録音:2020年9月22-24日b-sharpスタジオ、ベルリン、ドイツ
※国内盤は小菅優による日本語解説付き
ピアニスト、小菅優が2017年から取り組んで来たコンサート・シリーズ「Four Elements」(四元素/水・火・風・大地)。 第3作のテーマは「風」。
旧約聖書の創世紀では、最初の人間アダムの誕生についてこう書かれています:「主なる神は、土の塵で人を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れ られた。人はこうして生きる者となった。」人間の生命について、聖書に限らず伝説や神話の中でも、魂や霊のような目に見えないものの存在がよく出 てきます。(中略)息、風、大気、魂、命・・・今回の公演では、目に見えないものに焦点をあて、さわやかな風の描写をはじめ、ミステリアスで内面 的な作品を中心に人間の心の奥深くまで探っていきたいと思います。 (小菅優、2019年のコンサート・プログラムより)
ORC-100164
NX-B03
サミュエル・コールリッジ=テイラー(1875-1912): 歌曲集
『6つの悲しみの歌』 Op. 57
『南部の愛の歌』より Op. 12
 ミンギロ
 乙女よ、眠っているのなら
 涙
『アフリカのロマンス』 Op. 17
“Five Fairy Ballads” 『5つの妖精のバラード』〜ビッグ・レディ・ムーン
文芸図
from “Songs of Sun and Shade” 『太陽と陰の歌』より
 あなたはよみがえった、最愛の人
 あなたは太陽の光の下で静かに横たわる
 あなたは私を魅了した、最愛の人
王はトゥーレに住んでいた(ゲーテの『ファウスト』より)
悲歌
『6つの歌』より Op.37
エリザベス・ルウェリン(S)
サイモン・レッパー(P)

録音:2020年11月24-26日
2010年にイングリッシュ・ナショナル・オペラでデビュー、プッチーニの「ラ・ボエーム」のミミを当たり役とするソプラノ歌手エリザベス・ルウェリンのデビュー・ア ルバム。ここで彼女が選んだのは、ありきたりのアリア集ではなく、ロンドン生まれ、シエラレオネの血を引く作曲家サミュエル・コールリッジ=テイラーの歌 曲集でした。ほとんど演奏されることもなく眠っていたこれらの歌曲のなんと多彩なこと。アルバムは、クリスティーナ・ロセッティの詩による「6つの悲しみの 歌」にはじまり、ラテン音楽やフラメンコのスタイルを彷彿させる「南部の愛の歌」や、官能的な「太陽と陰の歌」、コールリッジ=テイラーに大きな影響を 与えたアメリカ人作家ポール・ローレンス・ダンバーの詩による「アフリカのロマンス」など様々なスタイルを持つ歌曲を並べ、最後は「生と死」で幕を閉じる という見事な構成を成しており、"黒い肌のマーラー"と呼ばれる優れた作曲家へのルウェリンの深い共感が感じられます。
ORC-100165
NX-B03
バッハの長い影
イザイ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ Op.27 No.2 イ短調「ジャック・ティボーに」
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番ホ長調 BWV 1006
アルベニス:アストゥリアス(伝説)(パトリック・ルワズルール&フランシスコ・フラーナ編)
タレガ:アルハンブラの思い出(ルジェーロ・リッチ編)
クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ Op. 6
イザイ:2つのヴァイオリンのためのソナタ*
フランシスコ・フラーナ(Vn)
ステラ・チェン(Vn)*

録音:2020年2月7-8、12-13日
スペイン系アメリカ人ヴァイオリニスト、フランシスコ・フラーナ。2018年に発売された『時のレンズを通して』 (ORC100080)ではマックス・リヒターの「四季」を軸に、ユン・イサン、シュニトケ、ブロトンスの作品を組み合 わせるというユニークなセンスを披露しましたが、今作ではバッハの「パルティータ」を中心に、様々な関連 を持つ作品を組み合わせています。イザイの作品は明らかにバッハから影響を受けており、またクライスラーの 「レチタティーヴォとスケルツォ」はイザイに捧げられています。またアルベニスとタレガの作品は、フラーナのルーツ でもあるスペインの作品。彼にとっては偉大なるバッハと同じく大切な作曲家です。フラーナはバロック・ヴァイオ リンとモダン・ヴァイオリンを曲によって弾き分けることで作品の真の姿を探求。バッハではバロック弓を用いて自 在な装飾音を付し妙技を聴かせるとともに、クライスラーでは、彼が愛奏したグァルネリ・デル・ジェス「メアリー・ ポートマン」を使用することで特別な親愛関係を表明しています。 フランシスコ・フラーナは故郷のパルマ・デ・マジョルカで学び、ジュリアード音楽院に入学、日本の名手、川崎 雅夫に師事し学士号と修士号を取得しました。USCソーントン音楽学校のアーティストディプロマ卒業生で もあり、五嶋みどりとも共演するなど、幅広い活躍で知られます。 共演のステラ・チェンは2019年に開催された「エリーザベト王妃国際コンクール」で優勝した若手。今後の活 動が期待される女性ヴァイオリニストです。
ORC-100166
NX-B03
チェロ・ソナタ集
ブラームス:チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op. 99
リゲティ:無伴奏チェロのためのソナタ
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op. 40
ジョン=ヘンリー・クロフォード(Vc)
ビクトル・サンティアゴ・アスンシオン(P)

録音:2019年8月23-25日
アメリカ出身のチェリスト、ジョン=ヘンリー・クロフォードのリサイタル・アルバム。彼はスズキ・メソードの実践者で あるヴァイオリニスト、ローラ・クロフォードを母に持つ期待の新人で、2019年「CRF=クラシカル・レコーディング 財団」のヤングアーティスト・オブ・ザ・イヤーに選出されるなど、すでに高い評価を受けています。このデビュー・ア ルバムでは彼の祖父がオーストリアから携えてきた200年前の歴史ある楽器を用いて、得意とする3人の作曲 家の作品を堂々と演奏しています。ブラームスとショスタコーヴィチで共演するビクトル・サンティアゴ・アスンシオン は室内楽を得意とするピアニスト。ピアノが活躍するブラームスでは息のあった共演を聴かせます。
ORC-100167
NX-B03
ショパン、わが声
ショパン:24の前奏曲 Op. 28
 幻想曲 ヘ短調 Op. 49
 舟歌 嬰ヘ長調 Op. 60
 わが喜び Op. 74-12*
エルンスト・マリシュカ(1893-1963):私の中に歌が聞こえる(原曲…ショパン: エチュード Op. 10-3「別れの曲」)*
ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」- 私の心は喜びに踊っている*
チェルシー・グオ(P)、(P&歌)*

録音:2020年10月18,20,21日
2020年2月から3月にマイアミで開催された第10回"The National Chopin Piano Competition of the United States=アメリカ・ショパン・コンクール"の入賞者、チェルシー・グオ。彼女は現在ジュリアード音 楽院でピアノを学ぶとともに、幼い頃から惹かれていたという歌を名歌手&教師ロレーヌ・ヌバールから学んでい ます。コンサートではしばしばピアノだけではなく歌も披露することで知られ、アメリカのラジオ局WQXRによって 機会を与えられた「ヤング・アーティスト・ショーケース」ではリストが編曲したシューベルトの歌曲やモーツァルトの ソナタ、ショパンの「舟歌」とともに、デュパルク、シャミナード、R・シュトラウス、ドスタルの歌曲を披露し、 その非凡な才能を存分に見せつけています。このアルバムではショパンの「24の前奏曲」をメインに、舟歌と幻 想曲を演奏、そしてショパンの歌曲「わが喜び」などを自身で伴奏しながら歌っています。
ORC-100168
NX-B03
クラリネット作品集
ドビュッシー:第1狂詩曲(管弦楽伴奏版)
ニールセン:クラリネット協奏曲 Op. 57
ルトスワフスキ:舞踏前奏曲- 独奏クラリネット、パーカッション、ハープ、ピアノと弦楽合奏のために
コープランド:クラリネット協奏曲
ブラージュ・シュパロヴェツ(Cl)
オーデンセSO
アンナ・スクリレヴァ(指)
ヴィンチェンツォ・ミレターリ(指)

録音:2020年6月15-18日、2020年9月16-17日(ライヴ)
2019年に開催された「カール・ニールセン国際音楽コンクール」の受賞記念アルバム。こちらはクラリネット・コンクールの優勝者ブラージュ・シュパロヴェ ツのリサイタル・アルバム。2015年からケルン・ギュルツェニヒOの首席奏者に加えて、ベルリン芸術大学の准教授を務めているシュパロヴェツ。 このコンクールに優勝したことで更なる知名度を獲得しました。 審査員を務めたマイケル・コリンズが「1位が当然と思えます。最初から抜きんでていたし、聴衆と音楽の喜びを分かち合うことが出来ます。テクニックとあた たかなサウンドは、彼の個性となるでしょう。」とコメントしています。このアルバムではオーデンセSOと4つの作品を演奏。ドビュッシーがパリ音楽院 の卒業試験作品として書いた第1狂詩曲、ニールセンのクラリネット協奏曲、民謡風のテイストを持つルトスワフスキの「舞踏前奏曲」、どれも息を呑 むような見事な演奏です。そしてコープランドの協奏曲は、ベニー・グッドマンが提案したカデンツァと終結部のパッセージを簡略化した短縮版ではなく、 演奏至難な初稿版にて演奏されています。
ORC-100169
NX-B03
フルート協奏曲集
ニールセン:フルート協奏曲(1926)
テオドール・フェルヘイ(1848-1929):フルート協奏曲 Op. 43 No. 1(1902)
ジャン・フランセ(1912-1997):フルート協奏曲(1966)
ジョセフィーヌ・オレック(Fl)
オーデンセSO
アンナ・スクリエヴァ(指)

録音:2020年6月19-24日オーデンセ・コンサート・ホール(デンマーク)
2019年に開催された「カール・ニールセン国際音楽コンクール」の受賞記念アルバム。こちらにはフルート・コン クールの優勝者ジョセフィーヌ・オレックの演奏が収録されています。2017年からロッテルダム・フィルハーモニ管弦 楽団の首席フルート奏者を務めるオレック、コンクールでもエレガントな演奏と輝かしい音色が絶賛されました。こ のアルバムでは彼女が個人的なシンパシーを感じているという3人の20世紀作曲家たちの作品を選曲。美しく ウイットに富んだニールセンのフルート協奏曲、オランダの作曲家フェルヘイの技巧的な協奏曲、そして緻密な書 法によるオーケストラ・パートに乗って、フルートが軽やかな旋律を歌うフランセの協奏曲、この3曲を彼女は鮮や かに吹きこなしています。

ORC-100171
NX-B03
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア
ファンタジア第1番変ロ長調
ファンタジア第2番ト長調
ファンタジア第3番ヘ短調
ファンタジア第4番ニ長調
ファンタジア第5番イ長調
ファンタジア第6番ホ短調
ファンタジア第7番変ホ長調
ファンタジア第8番ホ長調
ファンタジア第9番ロ短調
ファンタジア第10番ニ長調
ファンタジア第11番ヘ長調
ファンタジア第12番イ短調
イリーナ・ギントヴァ(Vn)

録音:2019年5月10-15日
テレマンの「無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア」は1735年、『ターフェルムジーク』の少し後に作曲されました。多くの楽器の演奏法に精通し ていたテレマンは、他にもフルート、ガンバ、チェンバロのためにファンタジア集を書いており、どれもが明晰なスタイルと親しみやすい旋律にあふれているこ とで知られています。この無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジアは随所に重音奏法による対位法、自由で即興性を感じさせる音楽作りであるととも に、テレマンは楽器の表現の可能性を試しつつ聞いて楽しめるように作曲しており、演奏者の技巧も存分に発揮される見事な仕上がりです。 イリーナ・ジントヴァはウクライナ出身のヴァイオリニスト。キエフでリュドミラ・オフチャレンコに学び、チューリッヒ芸術大学に留学、数多くのコンクールの入 賞経験を持っています。2002年にはギドン・クレーメルが主催するロッケンハウスの室内楽フェスティヴァルに出演するなど、世界中で活躍しています。 10歳の時に初めてテレマンのファンタジアを演奏したという彼女、およそ20年を経てこの録音に臨み、これまでの経験と自身の成長を反映させた集中 力の高い演奏を披露しました。
ORC-100173
NX-B03
ジュークボックス・アルバム
1. カスキ&B.G.デシルヴァ:希望の光をさがして
2. リリー・ブーランジェ:序奏と行列(トム・ポスターによる序奏の再構築版)
3. マーク・シンプソン:愛のエッセイ
4. エディト・ピアフ&ルイギ:ラ・ヴィ・アン・ローズ
5. シェリル・フランシス=ホード:ブルーム
6. シャミナード:スペイン風セレナード(ライスラー編)
7. カルロス・ガルデル&アルフレド・レ・ペラ:想いの届く日
8. クラリス・アサド:エモティバ
9. コール・ポーター:ビギン・ザ・ビギン
10. フォーレ:アンダンテ Op. 75
11. マニング・シャーウィン&エリック・マシュウィッツバークリー:・スクエアでナイチンゲールが歌っていた
12. ヒュー・ワトキンズ:アリエッタ
13. アイルランド伝承曲:ロンドンデリーの歌(クライスラー編)
14. スティーヴン・ソンドハイム:センド・イン・ザ・クラウンズ
15. ジェシー・モンゴメリー:ピース
16. ドナルド・グラント:別の日があった
17. プテロモスト:Jukebox Toodle-oo
※1、4、7、9、11、14…トム・ポスター編
エレーナ・ウリオステ(Vn)
トム・ポスター(P、Vc、ソプラノ・リコーダー、カズー、スワニーホイッスル)
録音:2021年2月15-17日
メニューイン・ホール、
ストークダバノン(UK)
2020年の始めから世界を襲った新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)。ヴァイオリニストのエレナ・ユリオス テと、ピアニスト・作曲家であるトム・ポスターは彼らの創造的なエネルギーをこの「THE JUKEBOX ALBUM」 に投影しました。当初は、抑圧された毎日の憂さを晴らすために"ジュークボックス"というレトロな言葉にインスパ イアされた短い映像を作成するのが目的でしたが、いつしか大きなプロジェクトになり、世界中のリスナーの想像 力を刺激するべく小道具や追加の楽曲が追加され、誰もが楽しめるアルバムに仕上がりました。そしてこのアル バムはロイヤル・フィルハーモニック協会の「インスピレーション賞」を受賞、英国を中心に大きな話題となっていま す。
ORC-100176
NX-B03
コセンコ/スクリャービン:ピアノ作品集
ヴィクトル・ステパノヴィチ・コセンコ(1896-1938): 11の練習曲 Op.8
スクリャービン:4つの前奏曲 Op. 22
 ピアノ・ソナタ第4番嬰ヘ長調 Op. 30
イーゴリ・フリシン(P)

録音:2019年12月、2020年2月
ウクライナ出身のピアニスト、イゴール・フリシン。地元で基礎を学び、1996年にモスクワ音楽院の特別音楽学校に入学、アルカディ・セビドフに師事し研鑽 を積みました。1999年からライプツィヒに留学し、2005年にはフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学の最年少卒業生として学位を習得 し、ウラディーミル・アシュケナージの薫陶を受けた他、いくつかの国際コンクールに入賞、優れたピアニストとして活躍しています。 このアルバムでは、フリシンの同胞であり、彼が現在関心を抱いているヴィクトル・コセンコの作品を中心に、コセンコに強い影響を与えたアレクサンドル・スク リャービンの初期の名作「前奏曲」と神秘的な和声が用いられた「ソナタ第4番」を併せて演奏することで、ショパンからジャズへと連なる2人の作曲家の共通 点を探っていきます。コセンコはサンクトベテルブルクに生まれ、幼い頃から音楽の才能を発揮、ワルシャワ音楽院とサンクトベテルブルク音楽院でピアノを学 びました。教育者としても功績を残しましたが、生活には恵まれず、41歳の若さで世を去っています。彼の代表作の一つ「11の練習曲」は調性感を保ちな がらも、スクリャービン風の和声と、ジャズからの影響が感じられる多彩な表情を持つ作品。どこか懐かしくメランコリックな旋律が魅力的です。
ORC-100178
NX-B03
フェデリコ・モンポウ:ひそやかな音楽
第1集(1951)/第2集(1962)
第3集(1965)/第4集(1967)
リリト・グリゴリアン(P)

録音:2019年9月5-6日イエス・キリスト教会、ベルリン(ドイツ)
ORCHID CLASSICSへのデビュー・アルバムとなった前作「Variations Serieuses」(ORC100088)では、 タイトルとなったメンデルスゾーン作品を中心に、バッハからシマノフスキまでの様々な変奏曲に焦点をあて、 変幻自在な表現を聴かせたピアニスト、リリト・グリゴリアン。今作で彼女は、スペインの作曲家フェデリコ・モンポ ウの代表作の一つ「ひそやかな音楽」の全曲に挑戦します。曲集のタイトルは、スペインの神秘思想家「十字架 の聖ヨハネ」の詩の一節から採られた"Musica Callada=沈黙の音楽"であり、その名の通り、ほとんどの曲は 瞑想的でありながらも魅惑的な雰囲気を備えています。グリゴリアンは各々の曲の特徴を捉え、繊細な感性を もって演奏しています。 【リリト・グリゴリアン】 アルメニア、エレバン出身のピアニスト。7歳でピアノを始め、ロストック音楽・演劇大学を卒業後、ベルギーのエリ ザベート王妃音楽大学のアーティスト・イン・デジデンスを務めるなど活発な活動をしています。世界中のコン サートホールで演奏を重ね、室内楽にも積極的に参加。NAXOSから2018年にリリースされた「ヴィオラとピアノ の為の作品集」(8.573730)では日本の若手ヴィオラ奏者、戸川ひよりとともに古典派の曲を中心に素晴ら しい演奏を披露しています。現在は母校ロストック音楽・演劇大学で教鞭をとっています。
ORC-100179
NX-B03
イザイ:作品集
6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op. 27
悲しみの詩曲 ニ短調*
ジャック・リーベック(Vn)
ダニエル・グリムウッド(P)*

録音:2020年10月30-31日、11月2日ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン(UK)
前作、シェーンベルクとブラームスのヴァイオリン協奏曲(ORC100129)で自身のルーツを探りながら、素晴らし い演奏を披露したユダヤ系英国のヴァイオリニスト、ジャック・リーベック。ハレ管とのデビュー・コンサートから25年 を経て、現在世界的なヴァイオリニストとして活動。2022年からはオーストラリア室内楽フェスティヴァルの芸術 監督への就任予定や、教育関係へのアウトリーチなど後進への指導も活発に行っています。 このアルバムではイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタと「悲しみの詩曲」を演奏。まばゆいばかりの技巧 で、これらの難曲を弾きこなしています。

ORC-100181
NX-B03
ショスタコーヴィチ/アレンスキー:ピアノ三重奏曲集
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1番 ハ短調 Op. 8
アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op. 32
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調 Op. 67
トリオ・コン・ブリオ・コペンハーゲン【ホン・スジン(Vn)、ホン・スギョン(Vc)、イェンス・エルヴェケア(P)】

録音:2020年8月10-13日
デンマーク音楽アカデミー・コンサートホール、コペンハーゲン(デンマーク)
ベートーヴェンの一連のピアノ三重奏曲のアルバムで高く評価されたトリオ・コン・ブリオ・コペンハーゲンの最新作 は、ロシアの作品集。1861年生まれのアレンスキーはリムスキー=コルサコフに師事し、ロシア・ロマン派の伝統 を継ぐ作品を残した作曲家。1894年に書かれたこのピアノ三重奏曲は、名チェリスト、カルル・ダヴィドフを偲ん でおり、チャイコフスキーやラフマニノフの流れを汲む音楽家の追悼作品の意味を持っています。アレンスキーが没 した年に生まれたショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第1番は、17歳の作品。当時彼が熱心に取り組んでいた 映画音楽を思わせながらも、巧みな構成を持っています。かたや第2番は、ロシアの伝統に則った彼の親友イワ ン・ソレルチンスキーの追悼の音楽。ユダヤの旋律が効果的に用いられた終楽章は、作曲された時代を象徴す るとともに、ショスタコーヴィチの個人的な悲しみも表しています。
ORC-100182
NX-B03
リズムと借り物の過去
レーラ・アウエルバッハ(1973-):ソナタ第3番- ヴァイオリンとピアノの為の…世界初録音
リチャード・ボードイン(1975-):In hochster Not 切実に必要とする- ヴァイオリンとピアノの為の…世界初録音
ジョン・ケージ:Nocturne 夜想曲
メシアン:主題と変奏
ダニエル・クルガノフ(Vn)
コンスタンティン・ファインハウス(P)

録音:2020年8月11日、9月2日
共にロシアで生まれ、アメリカで活躍するヴァイオリニスト、ダニエル・クルガノフとピアニスト、コンスタンティン・ファイ ンハウスによる近代の作品集。選ばれた4つの作品は、どれも特異なリズムに支えられています。ロシアの作曲家 アウエルバッハの自由な様式で書かれたソナタは、無調の響きの中に、時折聞こえてくる甘い旋律が魅力的な 音楽。第2楽章と第4楽章での高揚感溢れるリズムが特徴です。ボードインの「In hochster Not」は彼がマイ ケル・フィニッシーの学生だった時代に書かれた曲。刻々と変化する表情記号の中、さまざまなリズムが現れま す。演奏者の自由な発想が求められるケージの「夜想曲」、メシアンの「主題と変奏」でも持続的なリズムを聞 き取ることができます。
ORC-100183
NX-B03
ロシアのヴァイオリン曲集
デニソフ:3つの演奏会用小品 Op. 15 -ヴァイオリンとピアノの為の
ドビュッシー:歌劇「ロドリーグとシメーヌ」 (エディソン・デニソフによる管弦楽補筆版) - 前奏曲と二重唱 (フョードル・ルディンによるヴァイオリンとピアノ編)
デニソフ:ヴァイオリン・ソナタ
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 へ短調 Op. 80
デニソフ:ソナチネ ? ヴァイオリンとピアノの為の
ムソルグスキー:歌劇「ソロチンスクの定期市」- 第3幕 ゴパーク(ラフマニノフによるヴァイオリンとピアノ編)
フョードル・ルディン(Vn)
ボリス・クスネツォフ(P)

録音:2021年6月29,30日、7月1日、2021年8月30日
2019年、ウィーン国立歌劇場およびウィーンPOのコンサートマスターに就任したヴァイオ リニスト、フョードル・ルディンの最新作。「Heritage(遺産)」と題されたアルバムには、ルディンの祖父であり20 世紀半ばに活躍したエディソン・デニソフの作品を中心に、ショスタコーヴィチとプロコフィエフの作品が収録されて おり、モスクワに生まれてパリで育ったルディン自身のポートレートと言えるアルバムになっています。デニソフは社 会主義リアリズム路線に反抗し、前衛的な作品を書いたことで知られるとともに、西側の作品を研究しながら独 自の作風を模索し物議をかもした人。このアルバムに収録されたドビュッシーの未完の歌劇「ロドリーヌとシメー ヌ」からの前奏曲と二重唱も、デニソフ自身がオーケストレーションを施したものですが、ここでは更にルディン自 身がヴァイオリンとピアノ用に編曲、演奏しています。十二音技法で描かれたソナタも聴きものです。アンコールと してラフマニノフが編曲したムソルグスキーの「ゴパーク」が置かれています。
RC-100184
NX-B03
近現代のクラリネット作品集
スティーヴ・ライヒ(1936-):ニューヨーク・カウンターポイント
ハウエルズ:クラリネット・ソナタ(1946年版)…世界初録音
ジョージ・フェントン(1949-):Snow Leopard ユキヒョウ (バーナビー・ロブソン編)…世界初録音
グレアム・フィトキン(1963-):尖端…世界初録音
ロデリック・ウィリアムズ(1965-):レッド・ヘリング・ブルース…世界初録音
プーランク:ソナタ - 2つのクラリネットの為の
ドビュッシー:第1狂詩曲
バーナビー・ロブソン(Cl)
フィオナ・ハリス(P)
サイモン・チェンバレン(P)
レベッカ・チェンバース(Va)

録音:2020年1月-2021年6月
4曲の世界初録音を含む、クラリネット奏者バーナビー・ロブソンの20世紀と21世紀の作品集。冒頭に置かれ ているのは、英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)音響賞の受賞経験を持つサウンド・デザイナー、マー ティン・キャントウェルとロブソンのコラボレーションによるライヒの「ニューヨーク・カウタンーポイント」。8つの録音済の クラリネットの旋律が複雑に絡みあい、スリリングな世界を作り出しています。続くハウエルズのクラリネット・ソナタ (1946年版)をはじめとした4作品は世界初録音。哀愁を帯びた「レッド・ヘリング・ブルース」の作曲者はバリト ン歌手として活躍するロデリック・ウィリアムズというのも驚きです。軽妙なプーランクのソナタではロブソンは2つの パートを多重録音し、最後はドビュッシーの「第1狂詩曲」で締めくくるというクラリネット好きには大注目の1枚で す。
ORC-100187
NX-B03
Four Elements Vol.4 Earth
シューベルト:幻想曲「さすらい人」
ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ 「1905年10月1日・街頭にて」 JW VIII/19
藤倉大(1977-):Akiko’s Diary
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op. 58
小菅 優(P)

録音:2021年9月13-16日
ベートーヴェンをはじめ、ドイツ古典派・ロマン派を中心に絶妙なタッチと独自の感性に貫かれた演奏を聴かせる小菅優。このアルバムは、彼 女が2017年から取り組んで来たコンサート・シリーズ「Four Elements」の完結編となる「大地」のプログラムによるセッション録音です。 「四元素(水・火・風・大地)の中で最も人間に近いのが『大地』であり、人間そのものを追っていきながら、人間の歴史を語るようなプログラム にしたいと考えた」という小菅の想いがそのまま反映された今回の選曲は、これまでのような小品を配したものではなく、どれもがメインとなるよう な重い作品が並べられています。 大地から連想される「自然」、「故郷」「故郷」をテーマにしたシューベルトの「さすらい人」幻想曲、ヤナーチェクのソナタ「1905年10月1日・街 頭にて」、ショパンの「ソナタ第3番」と、広島の原爆による放射能の余波で命を落とした少女の日記を元にしたという藤倉大の「Akiko’s Diary」。どの作品にもストーリーがあるとともに作曲家の深い思いが内包されていますが、小菅はこれを丁寧に掬い上げ、彼女ならではの多 彩な音色と繊細な感情表現で、音を紡いでいきます。 ますます深化を遂げる小菅優の"今"を捉えた1枚です。
ORC-100190
NX-B03
バスーンの大平原
スクリャービン:練習曲 変ロ短調 Op. 8No. 11(グレゴール・ピアティゴルスキー編)
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲 Op. 34より(ベルトラン・エノー編)
 前奏曲 第6番:Allegretto
 前奏曲 第13番:Moderato
 前奏曲 第14番:Adagio
 前奏曲 第15番:Allegretto
 前奏曲 第16番:Andantino
 前奏曲 第24番:Allegretto
リムスキー=コルサコフ:ばらに魅せられたナイチンゲール Op. 2No. 2
チャイコフスキー:夜想曲 ニ短調 Op. 19No. 4(オリジナルのチェロ・カデンツァ付き)(イヴァン・コスティアン編)
レーラ・アウエルバッハ(1973-):エア「I Walk Unseen」
グリンカ:エレジー「誘惑しないで」
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op. 19
ローラ・デスクール(Fg)
パロマ・クアイダー(P)

録音:2021年8月22-24日
2019年に開催された「第16回チャイコフスキー国際コンクール」木管楽器部門に第4位入賞、注目を集めたフランス出身のファゴット奏者、ローラ・デスクー ル。このアルバムでは、チェロのための作品やピアノ曲、声楽曲などさまざまな作品をファゴットで演奏、その優れた技巧と音楽性を披露しています。ラフマニノフ のチェロ・ソナタなど、収録作品のいくつかは、デスクール自身とピアニストのクアイダーが編曲することで、ファゴットの新しいレパートリーを開拓しました。
【ローラ・デスクール】 パリ国立高等音楽院で学んだ後、バーミンガムで開催された国際ダブルリード協会(IDRS)のヤングコンクールで優勝。以降数々のコンクールに入賞する とともに、19歳でパリOに入団、その才能が早くから知られていました。2017年からフランクフルト歌劇場Oのソロ・ファゴット奏者を務めるとと もに、ロイヤル・コンセルトヘボウ管やマーラー室内O、バンベルクSOなどと共演しています。 自身の楽器の可能性を追求するとともに、楽器の魅力を多くの人々に伝えたいと願う彼女は、最近、映像作家のピエール・デュゴウソンとともにファゴットを紹 介するビデオ・シリーズを立ち上げるなど、多彩な活動を行っています。
ORC-100191
NX-B03
ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲集
2台のピアノのための組曲第1番「幻想的絵画」 Op. 5
2台のピアノのための組曲第2番Op. 17
マリアナ・シリニアン(P)
ドミニク・ヴィジャン(P)

録音:2021年2月19、20、22日
アルメニア生まれのピアニスト、マリアンナ・シリニアンとポーランド出身のピアニスト、ドミニク・ヴィジャンのデュオ・アル バム。二人はシリニアンが教授を務めるコペンハーゲンの王立デンマーク音楽大学で2018年から共演を開始、す でに高い評価を受けています。このアルバムではラフマニノフの「2台のピアノのための組曲」を演奏。「幻想的絵画」 と題された1893年の組曲第1番は、ラフマニノフには珍しく4つの楽章それぞれに詩が添えられた描写的な曲。組 曲第2番は、ピアノ協奏曲第2番と並行して作曲された技巧的で華やかな作品。聴き手を魅了する美しい旋律 を持っています。
ORC-100192
NX-B03
シューベルト:即興曲と楽興の時
4つの即興曲 D.899 Op.90
楽興の時 D.780 Op. 94
エドナ・ステルン(P…ベーゼンドルファー)

録音:2021年
バッハからロマン派までの作品をピリオド楽器とモダン楽器を使い分けて録音し、高い評価を得て来た エドナ・ステルン。今回はシューベルトに向き合うために真摯さを第一に尊重した結果、デジタルによる 録音・編集技術を離れて、アナログ・テープへの録音を採用。一つ一つの曲をノン・ストップで演奏 し、編集や音の加工は一切しないというアプローチを採りました。 「CDを出すたびに、今度はモダン?それともピリオド?と質問されるけれど、どの楽器にも必要な表現 能力は備わっています。」と語るステルンがシューベルトに選んだのはベーゼンドルファー。その柔和であた たかな響きは、これらの楽曲にふさわしいと同時に、演奏家ステルンの円熟の境地、心からの歌を伝 えるようです。
ORC100193
NX-B03
BALLADES バラード
ショパン:バラード第1番ト短調 Op. 23
バラード第2番ヘ長調 Op. 38
バラード第3番変イ長調 Op. 47
バラード第4番ヘ短調 Op. 52
ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op. 58
チョ・ジェヒョク(P)

録音:2019年10月21-23日
韓国出身のピアニスト、チョ・ジェヒョクが弾くショパン。ピアニストそしてオルガニストとして活躍する彼は、作品の持つニュアンスと情熱をあますことなく表 現するとともに、華麗な技巧も存分に披露し、独自のショパン像を構築しています。 ショパンが開拓した性格的な作品であるバラードでは、情熱的なエピソードで構成された第1番、劇的なコントラストを持つ第2番、流麗で優しい表 情に満たされた第3番、長大な叙事詩とも言える第4番と、各曲の性格を丹念に描き分け素晴らしい演奏を繰り広げます。またショパン作品の中で も孤高の光を放つ「ピアノ・ソナタ第3番」でも瑞々しい魅力にあふれた演奏を聴かせます。 チョ・ジェヒョクはソウル近郊の春川市生まれ。5歳からピアノをはじめましたが、当時のソウルではピアノを学ぶ男の子はとても珍しい存在だったといいま す。国内のコンクールを多数制覇し、アメリカに留学。マンハッタン音楽院プレカレッジを経て、ジュリアード音楽院で学士、修士号を取り、マンハッタン 音楽院で博士号を取得、1993年にプロピアノ・ニューヨーク・リサイタル・シリーズ・オーディションで優勝、カーネギーホールにデビューしました。同時に オルガンも学び、ニューヨークとニュージャージー地域のいくつかの教会で20年以上にわたりオルガニストと音楽監督を務めました。現在は韓国に居を 構え、ラジオ番組やコンサートでの解説を積極的に行い、人々にクラシック音楽の魅力を伝えています。
ORC-100194
NX-B03
富田心 ORIGINS オリジンズ
エネスコ:幼き頃の印象 Op. 28-1「辻音楽師」
プーランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ FP119
リリー・ブーランジェ:ヴァイオリンとピアノのための2つの小品より. 夜想曲
フバイ:カルメンによる華麗な幻想曲
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調
ドビュッシー:美しき夕暮れ(J. ハイフェッツ編)
富田 心(Vn)
サイモン・キャラハン(P)

録音:2021年8月23-25日
「ORIDGINS」と名付けられたこのアルバムには、幼い頃からヴァイオリンを奏でていた彼女が特別の思い 入れを持つ曲が集められています。冒頭に置かれたのは1940年に作曲されたエネスコの「幼き頃の印 象」から「辻音楽師」。民俗音楽風の要素を持つ即興的なメロディーが印象的な作品は、アルバムの幕 開けにふさわしいものです。スペインの詩人フェデリコ・ガルシーア・ロルカを偲んで書かれたプーランクのソナ タや、戦争の辛い経験が反映されたリリー・ブーランジェの「夜想曲」が続き、富田と同じく音楽一家に生 まれたフバイの作品が演奏されます。そしてジャズを思わせるラヴェルのソナタ、最後は若きドビュッシーの名 作「美しき夕暮れ」で幕を閉じるという考え抜かれた選曲が現在の彼女の心情を語り尽くします。
ORC-100196
NX-B03
エレクトリック・ヴィオラのための作品集
スティーヴ・ライヒ:エレクトリック・カウンターポイント*
トマス・タリス:汝のほかにわれ望みなし(スペム・イン・アリウム)*
ジョン・アシュトン・トーマス(1961-2021):第4の旋律による変奏曲
エル・ケンドール(1993-):Bloom 開花
テリー・ライリー(1935-):Dorian Reeds ドリアン・リーズ*

*=ニック・ペンドルバリーによるエレクトリック・ヴィオラ編
ニック・ペンドルバリー(エレクトリック・ヴィオラ)

録音:2017-2021年
イギリスで活躍するスミス・カルテットの創設メンバーとして、30年以上にわたって現代音楽の最前線に立ち、マイ ケル・ナイマン:やガブリエル・プロコフィエフをはじめとした世界の著名な作曲家たちに作品を委嘱、コラボレーションを 行ってきたニック・ペンドルバリーによるエレクトリック・ヴィオラのための作品集。アルバム・タイトルの「Multiple=複 合、多数の意」のとおり、彼が多数のパートを持つ様々な作品を選び、ループやマルチトラックを使って音の層を作 るなどの全く新しい方法で表現しています。 アルバムには、スティーヴ・ライヒの魅惑的な「エレクトリック・カウンターポイント」やテリー・ライリーの催眠的な「ドリア ン・リーズ」、合唱からジャズまで多才なジョン・アシュトン・トマスの「第4の旋律による変奏曲」、若手作曲家エル・ ケンドールの「Bloom」などの現代作品が収録されています。また圧巻はルネサンス期の名作、タリスの40声のモ テット「汝のほかにわれ望みなし(スペム・イン・アリウム)」を歌詞の無いエレクトリック・ヴィオラで奏でていること。対 位法の壮麗な織物が一層鮮やかに迫ってきます。
ORC-100198
NX-B03
ラテン・アメリカの音楽集
ブローウェル(1939-):キューバの歌
ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌W122
グアスタビーノ(1912-2000):パンパマパ
ポンセ:3つのメキシコ民謡より
Por ti mi corazon
エグベルト・ジスモンチ(1947-):水とワイン*
ポンセ:エストレリータ(ジジ&J.ハイフェッツ編)*
ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
ヴィラ=ロボス:ペケーニャ組曲- Melodia メロディア
 波のように
ポンセ:ソナタ ト短調 - チェロとピアノのために
ピアソラ:Oblivion オブリビオン
ジョン=ヘンリー・クロフォード(Vc)
ビクトル・サンティアゴ・アスンシオン(P)
ジジ(G)*

録音:2021年10月5-8日
アメリカ出身のチェリスト、ジョン=ヘンリー・クロフォード。前作「DIALOGO」(ORC100166)ではブラームス、リゲ ティ、ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタを披露しましたが、今作では趣向をがらりと変えたラテン・アメリカの音楽集 で魅力的な演奏を聴かせます。2019年の夏、第9回カルロス・プリエト国際チェロ・コンクールに出場するためにメ キシコへ赴いたクロフォード。コンクールでは首尾よく第1位を獲得し、公演のため何度もメキシコを行き来した彼 は、すっかりラテン・アメリカの音楽、文化、歴史に魅せられてしまいました。この「CORAZON=心」と題されたア ルバムでクロフォードはマヌエル・ポンセの「エストレリータ」をはじめ、ジスモンチの「水とワイン」、ピアソラの「ル・グラ ン・タンゴ」「オブリビオン」などよく耳にする曲をはじめ、メキシコのみならずブラジルやアルゼンチンの作品を紹介。こ の音楽は聴き手の心の琴線に触れ、ロマンスと情熱を呼び起こします。


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