湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



La Dolce Volta
(フランス)


「ラ・ドルチェ・ヴォルタ」は、カリオペ・レーベルのスタッフだったミカエル・アッダ氏が、2011年に立ち上げたレーベル。アッダ氏は、カリオペ・レーベルのイゾワール、タートライQ等の録音を買収・再発売するとともに、J・P・コラール、チッコリーニとも契約。日本市場を意識して、日本語解説付き(再発売品を除く)で発売されているのも嬉しい限りです。


※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
LDV-02
リスト:ピアノ曲集
「詩的で宗教的な調べ」〜アンダンテ・ラクリモーソ
メフィスト・ワルツ第1番 
悲しみのゴンドラ
小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ、
詩的で宗教的な調べより「葬送」、
子守歌
クレール・シュヴァリエ(P)、
※ピアノ:エラール1876年製

録音2011年2月、ベルギー
フランス生まれのピアニスト、クレール・シュヴァリエによるリスト作品集。彼女が今回の収録で使用したのは、リストも好んでいたとされるエラールの1876製。シュヴァリエが奏でる明瞭で美しい音色に酔いしれます。ブックレット内にはピエール・エラールとリストとの文通の内容や使用楽器についての解説も掲載されており、使用楽器に対する彼女のこだわりを感じます。収録された作品は軽快なものから叙情的なもの、ドラマティックなものまで様々。リストが持つ多彩な魅力を堪能できる一枚です。 (Ki)
LDV-03
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
第11番イ長調「トルコ行進曲」K.331、
第2番ヘ長調K.280、
第13番変ロ長調K.333
アルド・チッコリーニ(P)

録音:2011年5月(使用楽器:ベヒシュタイン)
1925年8月生まれ、85歳(録音当時)のチッコリーニによるモーツァルト。第11番の第1楽章のゆったりとしたテンポ設定はもはや巨匠にしか許されない聖域。神々しさと美しさに満ちた世界です。トルコ行進曲はらくらくとしていながら一寸の乱れもなく、それでいてちょっとたどたどしさが漂うリズムのユーモラスな感じも見事に決まっていて、完璧です。モーツァルトの音楽には「遊び心や芝居っ気がある」と語るチッコリーニ。モーツァルトが作品中にちりばめた、思わずクスッと笑ってしまうような箇所を実に自然に引き出しています。モーツァルトが18歳の時に書いたヘ長調のソナタの第2楽章の哀愁を帯びたアダージョは感涙もの。やはり茶目っけのあるアウフタクトで始まる「リンツ」の冒頭もノックアウトもの。巨匠チッコリーニが愛器ベヒシュタインを完璧に手中におさめて語りかけてくる、見事なモーツァルトです。 (Ki)
LDV-04
J.S.バッハ:トランスクリプションズ
オルガン・コラール「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV 659〔弦楽四重奏+ピアノ編成〕
オルガン・コラール「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」BWV 639〔弦楽三重奏編成〕
カンタータ「泣き、嘆き、憂い、怯え」BWV 12よりシンフォニアと合唱〔弦楽四重奏+ピアノ編成〕
モテット 「主にむかいて新しき歌をうたえ」BWV 225〔弦楽四重奏+ピアノ編成〕
平均律クラヴィーア曲集第1巻〜第9番 ホ長調,前奏曲とフーガBWV 854〔弦楽三重奏編成〕
音楽の捧げもの〜6声のリチェルカーレ〔弦楽四重奏+ピアノ編成〕
パルティータ第2番ハ短調 BWV 826〜〔弦楽三重奏編成〕
マタイ受難曲よりアルトのアリア「主よ、憐れみたまえ」〔ピアノ独奏編成〕
パッサカリアとフーガ.ハ短調 BWV 582〔弦楽四重奏+ピアノ編成〕
御身がともにあるならば BWV 508〔ヴィオラ+ピアノ編成〕
アンサンブル・コントラスト
〔アルノー・トレット(Vn)、
マリア・モスコーニ(Va)、
アントワーヌ・ピエルロ(Vc)、
ヨハン・ファルジョー(Pfおよび編曲)、
カロル・ベッファ(Pfおよび編曲(マタイ受難曲のみ))〕

録音:2011年10月
2000年に結成された気鋭のアンサンブル、アンサンブル・コントラスト。これまでにもピアソラ作品などを編曲したディスクなどでその抜群をセンスと 技量で聴かせてくれました。今回の彼らのリリースは、バッハの名曲を室内楽編成やピアノ・ソロ編成に編曲したもの。ヴァイオリンはガット弦にバロック 弓を用いたバロック・ヴァイオリン、ヴィオラはバロックとモダンの中間、チェロはここではモダン楽器を用いての演奏。時代や様式、すべてを越えた、彼 ら独自の世界のニュアンスをたのしむことができる1枚です。 (Ki)
LDV-05
メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品集
ソナタ第2番 ニ長調 op.58
協奏的変奏曲 ニ長調 op.17
アルバムの綴り op.117
無言歌 ニ長調 op.109
ソナタ第1番 変ロ長調 Op.45
ゲイリー・ホフマン(Vc/1662年アマティ)
ダヴィッド・セリグ(P)

録音:2011年11月(パリ)
「音の美しさ、完璧なテクニック、高度な芸術性」と世界が絶賛するゲイリー・ホフマンのチェロで聴くメンデルスゾーン作品集。ソナタ第2番の歌い 出しなど、実に品があり、メンデルスゾーンならではの瑞々しさに満ちたピアノとの掛け合いも絶品。なお、このソナタ第2番は、ロシアの貴族でチェロの 腕もなかなかだったというウィルホルスキ伯爵に献呈されていますが、この伯爵が、ホフマンが使用している1662年製のアマティの楽器を所有していた といいます。メンデルスゾーンが念頭に置いていたチェロの音色がこのアマティのものだったことは十分に考えられることを思うと、よりひとしおこの演奏 が輝いて聴こえてきます。メンデルスゾーンの天才の結晶的な作品の数々をゆっくり堪能したい1枚です。
ホフマンは、15歳でロンドンのウィグモアホールでデビュー。その後ニューヨークに渡り、22歳でインディアナ大学音楽コースの最年少教授に迎えら れます。1986年、パリのロストロポーヴィッチ国際チェロコンクールでの優勝を皮切りに、国際的な活動を展開しています。また、伝統的なチェロのレパー トリーはもとより、現代音楽にも造詣が深く、チェロ協奏曲の献呈作品も多数あります。ニューヨーク・リンカーンセンター室内楽協会から定期的に招待 されるなど、室内楽奏者としても活躍。1990年からパリに居を構えています。
ピアニストのダヴィッド・セリグはオーストラリア生まれ。ソリストとしてはもちろん、室内楽演奏家、伴奏ピアニストとして、世界中で情熱的な演奏活 動を繰り広げているピアニストです。1976年からパリ国立高等音楽院でチッコリーニに師事した後、ジェフリー・パーソンズとグィド・アゴスティのもと でさらに研鑽を積みました。これまでに、シドニー国際ピアノコンクール、ハーグ国際ピアノコンクール(伴奏部門)で賞を得ています。 (Ki)
LDV-06
チッコリーニ/クレメンティ&モーツァルト
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 KV 475
 ピアノ・ソナタ第14番ヘ長調 KV 332
クレメンティ:ピアノ・ソナタ.ト短調 op.34-2
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第12番 ハ短調 KV 457
アルド・チッコリーニ(P/ベヒシュタイン)

録音:2011年12月、パリ(改革派受胎告知教会)
モーツァルト:ソナタ集(LDV 03)でも、奇跡的 ともいえるような澄みきった音楽を聴かせてくれたチッコリーニ。このCDの録音が行われたのは2011年12月の録音ですから、チッコリーニ86歳の 演奏ですが、今回も期待が高まります。 まずこのアルバムで注目なのが、クレメンティのソナタ。クレメンティといえば、ピアノ学習者なら誰でも習う「グラドゥス・アド・パルナッスム」練習曲 集ばかりが有名ですが、そのピアノ・ソナタも、規模も大きく、また作風も当時の最先端をいくものばかりです。このト短調op.34-2も演奏時間22分ほ どの非常に充実した作品。チッコリーニがこの作品を知ったのはホロヴィッツのレコードだったといいます。聴いてその美しさに衝撃を受け、いわば一目ぼ れして、楽譜屋に飛んで行って楽譜を購入し、夜通し楽譜を読んだと言います。チッコリーニは好んでこの作品をよく演奏しているといいますが、そのこと がよく感じられる演奏です。第1楽章冒頭の印象的な序奏、続く疾走するような情熱のパッセージ、第2楽章での慰め、第3楽章の哀しみをたたえた情 熱が疾駆する様子など、圧巻の説得力です。この情熱と意欲に満ちた大曲に、チッコリーニという素晴らしい奏者による新録音が生まれたことは嬉しい限 りです。モーツァルトはクレメンティのことを批判していましたが、チッコリーニは、「幻想曲」ハ短調K475およびソナタハ短調K457、そしてこの「悲 劇的ともいえる」クレメンティのソナタト短調は、そのドラマ性でつながっている、したがってこのようなプログラムを組んだ、とも語っています。 冒頭収録のモーツァルトの幻想曲 ハ短調およびハ短調のソナタは、チッコリーニが60歳の頃、レパートリーに加わった作品ということ。幻想曲での、ゆっ たりとしていながら、絶えず音楽が流れている自然さは、さすが巨匠チッコリーニ。ハ短調終楽章の気品に満ちた愁いは、ほかではなかなか聴くことはで きないかもしれません。ヘ長調ソナタも、シンプルな音型の伴奏の一音一音までが磨き抜かれた美しさ。カチッとしたテンポ、そして終楽章の華麗なパッセー ジも鮮やかに決まっています。 年齢を重ねてなお磨かれてゆくチッコリーニのピアノ。ベヒシュタインのあたたかみのある音色とともに、チッコリーニの芸術にどっぷりと浸ることのでき る1 枚です。 (Ki)
LDV-07
ドビュッシー:前奏曲集第1巻&第2巻(全曲) フィリップ・ビアンコーニ (P /ヤマハ )

録音:2012年2月( パリ)
絶頂期のヘルマン・プライとの数々の名演でも名高い名手、フィリップ・ビアンコーニによる香り高いドビュッシー前奏曲集全曲の登場。ビアンコーニ は、1960年ニース生まれ。ギャビー・カサドシュ、シモーヌ・デルベール=フェリヴェ(マルグリット・ロンとロベール・カサドシュの弟子)に学びました。 第7回ヴァン・クライバーン国際コンクールで銀メダルを受賞しています。1980年代には20代という若さで絶頂期のヘルマン・プライとも多数共演。また、 ランパル、シュタルケル、ゲイリー・ホフマン、ガルネリ弦楽四重奏団、ターリヒ弦楽四重奏団などとの名演を展開したヴェテランです。
「野を渡る風」の、まさに吹き抜ける風を思わせる絶妙なテンポと音色、「音と香りは夕べの大気の中に漂う」で魅せる詩的な世界、センスあふれる「花 火」など、一曲一曲がフランスのエスプリをまとった非常に魅力の演奏です。 (Ki)
LDV-08
ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調op.10
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
ターリヒQ
【ヤン・ターリヒ(1st Vn)、
ロマン・パトチュカ(2ndVn)、
ウラディーミル・ブカチュ(Va)、
ペーテル・プラウゼ(Vc)】

録音:2012年2月、ドモヴィナ・スタジオ(プラハ)
チェコを代表する名門、ターリヒ四重奏団が待望の新譜をリリース!今回収録したのは、ドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲!ドビュッシーの四重奏 曲はガムラン音楽の響きも垣間見えるエキゾチックな作品ですが、ターリヒ四重奏団ならではのヴィヴィッドなアクセントと毅然とした演奏に圧倒されます。 ヴィオラ&チェロの中低音パートの深みのある響きも印象的。プラウゼが奏でる3楽章のチェロ・ソロは絶品です。艶やかなドビュッシーから一転、ラヴェ ルでは繊細かつ清涼感あふれる響きで魅せてくれます。停滞することのない爽やかな音運びと、印象派絵画を思わせる柔らかくも明るい音色が素晴らしく、 まさにターリヒ四重奏団の真骨頂が発揮された名演といえましょう!リヴレットは嬉しい日本語解説付。
ターリヒ四重奏団は1964年に結成されたチェコを代表するアンサンブル団体。モーツァルトの弦楽四重奏全集(LDV 100)、五重奏全集(LDV 109)が再販となり、旧メンバーの演奏が再び脚光を浴びているターリヒ四重奏団ですが、ヤン・ターリヒJr.率いる現メンバーのアンサンブルもそれに 劣らず素晴らしいもの。ターリヒ四重奏団伝統の自然な表現と爽やかな演奏はそのままに、よりロマンティックな感性にあふれる演奏が高い評価を得てい ます。ショスタコーヴィチやヤナーチェクの作品の録音にも取り組むなど、結成50年も間近に控えた現在もなお気鋭衰えぬターリヒ四重奏団。今後の活 動にも注目必至です! (Ki)

LDV-09
ショパン:24の前奏曲Op.28
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35「葬送」
ジャン=フィリップ・コラール(P)

録音:2013 年 4月9-11日/ボンセクール教会(パリ)
“長年の迷いを払拭して臨んだ、強固な確信に満ちたショパン!”
これは画期的とも言えるショパン!ライナーにあるインタビュー(日本語でも掲載)によると、10代の頃に女性的に捉えられていたショパンのイメージと、コラール自身の音楽性との折り合いがつかず、ショパンとは長年距離を置いていたとのこと。つい最近、ようやく解釈に確信を持てたことでこの録音に踏み切ったそうですが、その言葉通り、その吹っ切れた思いを存分に注入し、明確な意志をを宿したショパン像を築いています。昨今では女性的という狭いイメージで演奏に臨む人はほとんどいませんし、演奏スタイルも多様化しているとは言え、まさに苦難に満ちた人生ドラマを丸ごと肯定するような内面的強さを孕む「前奏曲集」は、過去にあまり例がなかったように思います。第8曲、第9曲あたりで特にそれを痛感します。
J.P.コラールならではの、硬質で曖昧さを残さないタッチはもちろん健在。陽の光を一杯に受けた第11曲も明るさの中に静かな闘志が宿ります。第17曲もここまでメランコリーを削ぎ落とし、大理石の神殿のような造型美をもって再現した例も稀。エレガンス溢れる第23曲でも、感覚的に酔いしれることを禁じる厳しさが貫かれています。
「ソナタ」がこれまた絶品!第1楽章はバリバリ弾けばそれなりに熱演風に聴こえますが、J.P.コラールは、破綻のないテクニックはもちろんのこと、一気に長い呼吸で駆け抜ける際の求心力が尋常ではなく、タッチの粒立ちにも混濁皆無。響きの徹底的な制御とそうせずにいられないという切迫した表現が完全に一体化した凄さに圧倒されっぱなしです。第2楽章では、表面的にはかなり荒くれた推進力を見せますが、独特かつセンス満点のルバートによって、泥臭さとは無縁の潔さに溢れ、圧倒的な彫琢美を確立。
ショパンの演奏において「男性的」とい形容があり得るとしたら、第3楽章はまさにその典型。他の楽章にも言えますが、J.P.コラールのアプローチには、フレーズ感の間合いを長めに取って情緒的に流れることを意識的に避けており、その既存とした姿勢がこの第2主題の天国的な美しさに確固とした存在感を与えており、単なる陶酔美では済まないのです。
聴後に心地よい疲労を覚えるショパンに久々に出会えました。日本語解説も、読み応えあり!【湧々堂】
LDV-10
シューマン:ピアノ作品集
幻想曲 ハ長調 op.17
クライスレリアーナ op.16
ホアキン・アチューカロ(P)

録音:2003年10月、マドリード、サンタ・マリア・デル・ボスク
美しいパッケージ、チッコリーニの最新盤でもおなじみのラ・ドルチェ・ヴォルタ・レーベルから、スペインが生んだ天才ピアニスト、ホアキン・アチューカロの注目新譜が発売されます!「ピアノが歌を歌うように奏でることを常にこころがけている」と語る巨匠アチューカロは、1932年生まれ。ファリャの「スペインの庭の夜」を初演したピアニスト、ホセ・クレビスや、マルグリット・ロン、ワルター・ギーゼキング、ニキタ・マガロフらの薫陶を受けています。「このような音はルービンシュタインでしか聞いたことがない」(メータ)、「ピアノからこのような音を紡ぎ出せる音楽家は極めて少ない」(ラトル)と絶賛されているとおり、なんといってもアチューカロの魅力はその音色。シューマン独特のうねりや強弱の推移も、ピアノがまさに歌っているように、非常に自然に流れています。幻想曲の冒頭のあふれ出る歌心には打たれます。クライスレリアーナでも、ともすると情熱で押し切られてしまいがちな冒頭曲から、シューマンの詩情をたっぷりと響かせています。ロマンティシズムと詩情にあふれた、アチューカロにしか出すことのできない音色によるシューマンをご堪能下さい! (Ki)
LDV-11
シャルル=ヴァランタン・アルカン(1813-1888):ピアノ作品集
ノクターン.ロ長調 op.22(1844出版)
舟歌 op.65-6 (歌の第3集より)(1870出版)
海辺の狂女の歌 op.31-8(すべての長調と短調による25の前奏曲より)(1847出版)
大ピアノ・ソナタ 「4つの時代」op.33 (1848出版)
スケッチ 第1巻 op.63〜第4番「鐘」、第1番「幻影」、第11番「嘆息」(1861出版)
パスカル・アモワイヤル(P)

録音:2012年3月26-28日
1971年生まれのフランスのピアニスト、パスカル・アモワイヤルによるアルカンの登場。アモワイヤルはシフラの直系にあたる奏者ですが、19世紀ロ マン派音楽をとりわけ得意としていたシフラの薫陶を受けたということもあいまって、ぴちぴちとした音色、指先からあふれでるような詩情、気持ちのよい リズム感など、まさに理想ともいえるようなアルカン作品の演奏が展開されています。 =アモワイヤルのコメント= アルカンのもついろいろな面を、雑多な形で見せたいと思いました。『大ピアノ・ソナタ 4つの時代』は、その規模の大きさと巨大な形式において、ロマ ン派ソナタの理想として、リストの『ソナタ ロ短調』におそらく影響を与えたと思います。 この大作の逆の面として、『エスキス〔素描〕』を選びました。ここでアルカンは、瞬間をつかむことができることも見せています。それから、当時の風潮 に根を張っていると同時に、大変な先見性もみられる作品も数曲選びました。『舟歌』はメンデルスゾーン的であると同時にサティを予告しています。『嘆息』 にはスクリャービンや、さらにはドビュッシーも感じられます。『ノクターン』はショパンの作品32に近い曲ですが、『鐘』や『前奏曲』、『海辺の愚女の歌』 などは、アルカンがどれだけ現実的なもの、普通のもの、奇妙なもの、尋常ではないものに魅了されていたかが読み取れる作品となっています。 (Ki)

LDV-12
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番 ト長調 D894
モーツァルト:ロンド.イ短調 K511
ベートーヴェン:バガテルop.126
メナヘム・プレスラー(P/スタインウェイ(ハンブルク製、インディアナ大学・ブルーミントン音楽学校蔵))

録音:2013年5月22,23日(ブルーミントン、インディアナ大学ジェイコブス・スクール)
シューベルトのト長調ソナタについて、プレスラーは『ある意味では、この音楽には悲劇はありません。第1楽章の「モルト・モデラート・エ・カンター ビレ」は幻想曲ですが、演奏家自身がまさに「幻想曲」であることを感じ取らなければ、その性格を表現することはできません。ピアノ曲ではありますが、 シューベルトはピアノを「忘れて」いると思われます。』と語っています。円熟の極みにあるからこそ成し得た奇跡的な名演がここにあります。モーツァルト のロンドに関しても、『この音楽にはあまりに多くの悲しみと喜びが、自分が体験しないと表現できないことがつまっています」「過去の幸福を思いだしてい るモーツァルトが思い浮かびます』と、意味深な言葉を寄せていますが、一音一音に魂がこもった神の領域の演奏といえるでしょう。ベートーヴェンも肩 の力が抜けきった、天上の響き。巨匠が誘う絶美の世界です。 (Ki)
LDV-13
チッコリーニ〜ワルツ選集
シャブリエ:アルバムの綴り
ショパン:華麗なワルツ イ短調Op.34の2
ピエルネ:ウィーン風Op.49bis
グリーグ:思い出Op.71の7
サティ:お前がほしい
セヴラック:ロマンティックなワルツ
シューベルト(R.シュトラウス編):クーペルヴィーザー・ワルツ
ドビュッシー:レントよりも遅く
マスネ:非常にゆっくりとしたワルツ
シベリウス(作曲者編):悲しきワルツOp.44
フォーレ:ヴァルス・カプリス第3番変ト長調Op.59
ブラームス:ワルツ変イ長調Op.39の5
タイユフェール:ヴァルス・レント
アルド・チッコリーニ(P)【YAMAHA使用】

録音:2013 年 5月21-24日ボンセクール教会(パリ)
1925年生まれのチッコリーニ88歳の最新録音。現役ピアノの最巨匠のひとりである彼が、3拍子の小品だけを集めたアルバムをリリース。大半は彼 が1960年代後半の若き日にEMIに録音して、今日でも名盤の誉れ高い十八番作品の再録となりますが、その深みと成熟ぶりはほとんど神の域に達して いると申せましょう。なかでもサティ、セヴラック、マスネのピアノ曲はチッコリーニの名演でファンになった方も多いという思い出のもの。若き日の颯爽と した快演とは異なる悠然とした構え、何のけれんみもない、人生経験を感じさせる深々とした音色と語り口でひれ伏したくなるほどの凄さです。
1曲目に収められたシャブリエの「アルバムの綴り」はさほど有名な曲ではありませんが、彼の作品中でも白眉の逸品。チッコリーニはしっとりと情感 深く奏で、気絶するほどの美しさ。またグリーグの「思い出」は全66曲から成る「叙情小曲集」のいちばん最後の曲。いちばん最初の曲である「アリエッ タ」のメロディが3拍子になって現れ意味深です。 (Ki)
LDV-14
ショパン:バラード 第1番 ト短調 op.23
バラード 第2番 ヘ長調 op.38
前奏曲 嬰ハ短調 op.45
バラード 第3番 変イ長調 op.47
バラード 第4番 ヘ短調 op.52
スケルツォ 第4番 ホ長調 op.54
舟歌 嬰ヘ長調 op.60
フィリップ・ビアンコーニ(P)

録音:2013 年10月
ドビュッシーの前奏曲集(LDV 07、2012年)も好評だったビアンコーニ。La Dolce Voltaレーベル第2弾となる当アルバムは、バラード全曲をメ インに据えたオール・ショパン・プログラム。バラードでは、各曲のスケール感を保ちつつ、感情をこめ過ぎないクールな語り手のような演奏。前奏曲 や舟歌での気品、スケルツォでの軽やかさもさすが、の出来栄えです。
ビアンコーニは、1960年ニース生まれ。ギャビー・カサドシュ、シモーヌ・デルベール=フェリヴェ( マルグリット・ロンとロベール・カサドシュの弟子) に学びました。第7回ヴァン・クライバーン国際コンクールで銀メダルを受賞しています。1980年代には20代という若さで絶頂期のヘルマン・プラ イとも多数共演。また、ランパル、シュタルケル、ゲイリー・ホフマン、ガルネリ弦楽四重奏団、ターリヒ弦楽四重奏団などとの名演を展開したヴェテ ランです。 (Ki)
LDV-15
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D959
ロンド.イ長調 D951*
アレグロ.イ短調「人生のあらし」*
幻想曲 ヘ短調 D940*
フィリップ・カッサール(P)
セドリック・ペシャ(P)*

録音:2014 年2月
フィリップ・カッサールは、1962 年フランス生まれ。パリ国立音楽院でドミニク・メルレとジュヌヴィエーヴ・ジョワに師事。ニキタ・マガロフにも 師事しています。1985年クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール入選、1988年ダブリン国際ピアノ・コンクールで優勝。日本を含む世界中でツアー を行っています。最近の来日はラ・フォル・ジュルネ音楽祭など。ラジオ・フランスの「Notes du Traducteur(訳者(演奏家)のノート)」という音楽 番組に約400回にわたって登場、自らピアノを弾きながら解説をしていくスタイルで、シューベルトについても熱い内容の番組を展開、好評を博しました。
このディスクに収録されているのは、シューベルトが亡くなった1828年に完成されたもの。体の不調と闘いながら生み出されたこれらの作品は旺盛 な創作意欲に満ちています。D959のソナタは、前年(1827年3月)に亡くなったベートーヴェンへの感謝と敬意を思わせる充実の書法の作品。カッ サールは、フランスのピアニストならではの明るい音色で、シューベルト最晩年の名曲の魅力をあますところなく照らし出します。
D959のソナタ以外は、ピアノ・デュオ作品。ローザンヌ出身のセドリック・ペシャを相手に迎えています。「人生のあらし」の冒頭の激しい和音か ら息もピッタリ。幻想曲ヘ短調での耳に残るメランコリックな旋律も美しく、最後の胸を引き裂かれるような激しさまで、一気に聴かせます。 (Ki)

LDV-16
EXTASE MAXIMA(極限の恍惚)
ワーグナー(リスト編):「リエンツィ」の主題による幻想曲 S439
ワーグナー:幻想曲 嬰ヘ短調 WWV 22
ジェラール・ペソン(1958-):マストの上で(水夫の歌)〜ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」第1幕第1場より
ワーグナー(アルフレッド・ジャエル編:トランスクリプションop.112〜≪ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」による3つの作品≫より
ワーグナー(リスト編):イゾルデの愛の死
ワーグナー(フーゴー・ヴォルフ編):「ワルキューレ」によるパラフレーズ
ワーグナー:エレジー 変イ長調 WWV 93
ウィレム・ラチュウミア(P)

録音:2013 年7月
ワーグナー若書きの幻想曲 嬰ヘ短調はフレージングやデュナーミクなどにほとんど指示がないという、演奏者の解釈次第で決まるものですが、ラチュウ ミアは説得力のある演奏を展開しており、非常に意義ある録音となっています。ワーグナーの「エレジー」は「トリスタンとイゾルデ」のための草稿から 生まれたもの。このディスクをしめくくるのにふさわしい作品です。ものすごい技巧と優れたプログラムの、濃密な時が流れている1枚です。
ジェラール・ペソンの「マストの上で」は、パリ市の委嘱作品で、トリスタンの冒頭で若き水夫が歌う旋律に基づいたもの。素朴さと架空の民謡のよう な性格に惹かれてこの作品を書いたといいます。
注目は、フーゴー・ヴォルフ編曲の「ワルキューレ」。20分ほどもかかる圧巻の超絶技巧大曲です。「魔の炎」は、ハープとオーケストラの演奏で聴く 迫力以上のすさまじさです。それぞれの声部が、オーケストラで聴くのとは違ったかたちで響いてくるのも興味津津です。
ラチュウミアは、1974年、リヨン生まれ。フランス国立リヨン高等音楽院で、エリック・ハイドシェック、およびジェリー・ムティエのクラスで学ぶ。 審査員満場一致、賞賛付の1等賞を獲得。修士課程にてムティエのもとでさらなる研?を積み、クロード・エルフェ、イヴォンヌ・ロリオ、エマールらに も薫陶を受けました。2006年オルレアン国際20世紀ピアノ音楽コンクールで第1位を受賞。現代曲の初演、メジャーなレパートリーの両方、このディ スクにも見られるような斬新なプログラムで聴衆を魅了しています。 (Ki)
LDV-17
シューマン:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲 イ短調 op.41-1
弦楽四重奏曲 ヘ長調 op.41-2
弦楽四重奏曲 イ長調 op.41-3
エルメスSQ
〔オメール・ブシェーズ(Vn)、エリーゼ・リュウ(Vn)、ユン-シン・チャン(Va)、アンソニー・コンドウ(Vc)〕

録音:2014年6月
2008年に結成された若きカルテット、エルメス弦楽四重奏団によるシューマンの弦楽四重奏曲全曲録音の登場。これら3作品はすべて1842 年の夏、6月4日から7月22日にかけて作曲されました。クララとの結婚が実現してから約2年後のことで、もっとも充実していた頃の作品。ベートー ヴェンら先達から受けた影響も濃厚な41-1、みずみずしさあふれる41-2、大胆でさえある41-3と、それぞれが違った魅力に満ちた3作品となっ ています。エルメス弦楽四重奏団の、一本の緊張の糸がピンと張った、非常に繊細で緻密なアンサンブルが響かせるシューマンの詩情あふれる世界 に、心奪われる1枚です。
エルメス弦楽四重奏団は、2008年、リヨン国立音楽院のゾルターン・トートと北浜玲子(ラヴェル四重奏団)のクラスの学生で結成されたカルテッ トです。イザイ四重奏団やラヴェル四重奏団に早くから才能を認められ、その後、アルテミス四重奏団やアルバン・ベルク四重奏団のもとで徹底的 に鍛えられています。2009年、音楽院での学びを終えた翌年、リヨン国際室内楽コンクールで優勝。2011年、ジュネーヴ国際コンクールで優勝。 2012年、ニューヨーク・ヤング・コンサート・アーティスト国際オーディションで優勝。アメリカ、アジア、ヨーロッパ各地で演奏会が予定され ている、注目度抜群のカルテットです。 (Ki)
LDV-18
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 op.51
弦楽四重奏曲第11番 ハ長調 op.61
ターリヒQ〔ヤン・ターリヒ(1stVn)、ロマン・パトチュカ(2ndVn)、
ウラディーミル・ブカチュ(Va)、ペトル・プラウゼ(Vc)〕

録音:2014年5月、プラハ、聖アグネス修道院
第10,11番とも、ドヴォルザークの存命中に大変な人気を博しました。ヨーロッパ各地で演奏され、このおかげで、ドヴォルザークは最も重要な室内 楽作曲家の一人として認識されるようになります。第10番は、隅々にまでチェコの要素がちりばめられた田園風の作品。終楽章は、チェコの機敏な民族 舞踊スコチナーに基づいています。第11番は、対照的に、スラブ的な要素を用いず、ベートーヴェンやシューベルトにインスピレーションを得て書かれ ていることが感じられます。第2楽章のアダージョの美しさは絶品です。 (Ki)

LDV-19
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第11番 イ長調「トルコ行進曲付き」K.331
ピアノ・ソナタ第17番 変ロ長調 K.570
ピアノ・ソナタ第18番 ニ長調 K.576
メナヘム・プレスラー(P)

録音:2014 年9月19-21日
「ピアノ界の生ける伝説」、1923年生まれの巨匠ピアニスト、メナヘム・プレスラー。1955年、ボザール・トリオを結成し、世界でもっともすぐれた 室内楽ピアニストとして世界で活躍を続けておりましたが、2007-08のシーズンのトリオ解散後は、室内楽、ソロの両方でさらなる活動を展開しています。 2014年4月には、庄司紗矢香とのデュオ・リサイタルで来日、優しさあふれる演奏で会場を静かな感動が包み込みました。2014年末には、ベルリン・フィ ルのジルベスター・コンサートでモーツァルトのピアノ協奏曲第23番で出演するなど、世界が再注目している最高齢の巨匠のひとりです。2015年11月に はマリナー指揮NHK交響楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第17番を共演する予定もあります。
LA DOLCE VOLTAからの2枚目のリリースとなる今回は、モーツァルトのソナタ集。トルコ行進曲に、第17、18番という名曲ぞろいのプログラムです。 なんとモーツァルトのソナタを全曲録音するプロジェクトの第1弾、ということで、注目度も高まります。 「モーツァルトがこれらの音符を記したその時、その瞬間の気分を再現するのは非常に難しいことです。モーツァルトは、私たちに無限の喜びと悲しみを同時 に与えることができるのですから。彼の音楽は決して皮相的な表現に陥りません。演奏家の使命は、モーツァルトが話す彼独自の音楽言語を、まるで自分の 言語のように体得することです。これを“モーツァルト語”と呼んでおきましょう―モーツァルト語は、フランス語や英語と同様に存在し話される言語なのです。」 とはプレスラーの言葉。豊かなイメージ、みずみずしい感性に満ち、些末な出来事や日常の緊張から解き放たれた、完全なる平静さに包まれたモーツァルト。 音楽の慎ましやかな僕、プレスラー。澄み切ったポエジーと素朴さ、みずみずしい感性が裏打ちするイメージ、そして優しさが、聴く者の心を強く揺さぶります。 (Ki)
LDV-20
ロジェ・ムラロ〜リスト&ワーグナー
リスト:バッハの名による幻想曲とフーガ
ワーグナー(リスト編):紡ぎ歌(「さまよえるオランダ人」より)
ワーグナー(リスト編):イゾルデの愛の死(「トリスタンとイゾルデ」より)
リスト:ハンガリー舞曲第10番 ホ長調
 波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ(「伝説」より)
 ピアノ・ソナタ ロ短調
ロジェ・ムラロ(P)

録音:2014年10月
真摯な音楽性と華麗なるテクニックの名手、ロジェ・ムラロのソロ新譜がLA DOLCE VOLTAより登場。「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」で はリストの真摯な宗教的世界が、そしてロ短調ソナタでは濃厚なロマンティシズムを帯びながらも感情に流されることのない、確固とした建築物が眼前に あらわれます。リストのロ短調ソナタについてムラロは「表裏一体の思想と感情です。彼が受けた素晴らしい影響を示しながら、生から死へ――あるいは その後の世界へ――の軌跡を描くのです。このソナタにおいては、疑念と確信を抱き、痛みを体験し、喜びによって照らされる私たち一人一人が、身体と 精神の中で感じ売るものへと意識を向けます。このソナタはまた、私たちを自己の探求の道へと導き、より普遍的な真実へと向かわせるのです。」と語って います。リスト作品の最高の語り部ムラロが、非常に真摯に作品に対峙しながら、聴き手の心をわしづかみにし、大きく揺さぶる演奏を展開しています。  (Ki)
=ロジェ・ムラロ=
1959年、ヴェネチア出身の両親のもと、フランスのリヨンに生まれる。リヨンでサクソフォンを学び始めた後、独学でピアノ演奏の基礎を習得。19歳で パリ国立高等音楽院に入学し、イヴォンウ・ロリオに師事、その夫オリヴィエ・メシアンとも出会う。ほどなくメシアン演奏の第一人者のひとりとして頭角 をあらわしたムラロは、2001年にメシアンのピアノ得独奏曲全曲録音を行い、各方面より絶賛を浴びた。暗譜による≪幼子イエスにそそぐ20のまなざし ≫や≪鳥のカタログ≫全曲の演奏は、達成困難な偉業として迎えられると共に、自作自演のごとく楽曲の本質に迫るアプローチとしてたたえられている。長 年エリアーヌ・リシュパンに師事し、モスクワのチャイコフスキー国際コンクールやパルマのリスト国際コンクールで入賞した経歴をもつムラロは、絢爛た るテクニックを誇る。その演奏はまた、常に詩情と誠実さを湛えている。夢幻と明晰さ、想像性と厳格さを併せ持つその芸術は、ムソルグスキーやラヴェル、 アルベニス、ラフマニノフ、ドビュッシー、ベートーヴェン、ショパン、リスト、シューマンなど幅広いレパートリーの演奏に活かされており、ムラロはそう した音楽から、情感や色彩、敏感な起伏をみせるロマンティシズム、響きの趣などを巧みに引き出してみせる。世界屈指のコンサート・ホールからリサイ タル奏者として招かれているムラロは、これまで一流の指揮者ならびにオーケストラと共演を重ねている。博識かつ、国境を越えてあらゆる音楽の世界に 関心を寄せるムラロは、現在、自身のピアニストとしての経験と教育者としての知見を、パリ国立高等音楽院の学生たちに分かち与えている。
LDV-21
TANZ!(踊れ!)
ベッサラビアのホラ
戦いのホラ・デ・ムナ/酒
ルーマニアン・ファンタジー
ふたつのギター*
羊飼いのドイナ/シルバ(スルバ)
お前はどこにいた/エルサレムのユダヤ人/サラタのバトゥタ
道端に立つ木/盗人アヴレミル
ハンガリアン・ファンタジー
ジプシーの嘆き/少女よ/安息日
良き一週間
ホラ・ダンス/少年のホラ
クラリネットのドイナ/ツィガンスキ・スタッカート
キャロブの木の下に佇んで(作曲:ハヴァ・アルベルシュタイン)
ババダグのジャムパラーレ**
編曲:シリル・レーン、*ヤン・オリヴォ、**ルリー・モラール
シルバ・オクテット〔リシャール・シュムクレール(Vn)、クリスティアン・ブリエール(Vn)、ダヴィッド・ガイヤール(Vla)、
クロード・ジロン(Vc)、ベルナール・カゾラン(Cb)、フィリップ・ベロー(Cl)、ヤン・オリヴォ(P)、
ルリー・モラール(ツィンバロム)〕
シリル・レーン(編曲)
ユダヤに伝わる様々な舞踊の音楽を集めた1枚。演奏しているのは、シルバ・オクテット。ヴァイオリニストのリシャール・シュムクレールが、クラシッ クの高度な演奏能力を備えた7名の奏者たちと共に、2003年に結成した団体です。以来、独自に発展させたクレズマーやロマ音楽のレパートリーを届 けています。彼らが奏でる音楽には、つねにヴィルトゥオジティや感情の高揚があります。シルバ・オクテットのアプローチは、その独特の色彩と豊かさ、 創意によって、これまで繰り返し口ずさまれてきた旋律に迫るもの。伝統的なユダヤの楽器のみにこだわらず、西洋音楽の楽器やオーケストラとのコラボレー ションも行っています。編曲を担当する立役者シリル・レーンの手腕により、シルバ・オクテットのレパートリーには、あらたな有名曲やオリジナル作品が次々 に加えられています。シルバ・オクテットは数々の著名な音楽祭から招かれているほか、フランス国内外で演奏を重ねており、パリのシャンゼリゼ劇場やア ムステルダムのコンセルトヘボウなど、屈指の音楽ホールで、もツアー公演を行っています。 (Ki)
LDV-22
イギリスのヴィオラ作品集
レベッカ・クラーク (1886-1979):ヴィオラ・ソナタ
ジョン・ダウランド:「流れよ、私の涙」、「私の嘆きが人の心を動かせるなら」
ブリテン:ラクリメ 作品48
フランク・ブリッジ:沈思せる人、アレグロ・アパッショナート
ジョナサン・ハーヴェイ (1939-2012):ヴィオラ独奏のための詠唱
ヴォーン・ウィリアムズ:イギリス民謡による6つの習作〔水上の楽しみ、スパーン・ポイント、ヴァン・ディーメンズ・ランド、彼女は母親からいくらかお金を借りた、お嬢さんとドラゴン、ロンドン橋を歩いたら〕
パーセル:束の間の音楽
アドリアン・ラ・マルカ(Va)
トーマス・ホッペ(P)

録音:2015年4月/リエージュ・フィルハーモニー・ホール
フランスの俊英ヴィオラ奏者、アドリアン・ラ・マルカによる事実上のデビュー盤の登場。ダウランドから20世紀音楽までのイギリス音楽を集めた1 枚です。録音に際して自身を本番のコンサートの状況に置いたというラ・マルカ。録音会場のリエージュ・フィルハーモニー・ホールが、聴衆で埋め尽く されている様子を想像しながらレコーディングに臨んだといいます。「情熱」と「深み」に満ちたラ・マルカの世界を堪能する1枚です。 プログラムの中で最も大規模な作品が、自身すぐれたヴィオラ奏者でもあった女性作曲家レベッカ・クラークのヴィオラ・ソナタ。ドビュッシーやラヴェ ルのフランス音楽、時にワーグナーを思い起こさせるようなきわめて多様な作品となっています。ほかにも2012年に他界したジョナサン・ハーヴェイや、 ブリテンの師であるブリッジ作品など、興味深いプログラミング。 アドリアン・ラ・マルカはフランス出身。2014年、「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジーク」よりソロ器楽奏者として最優秀新人賞を授与された。幼少 期より音楽教育を受け、リールで行われた若手ヴィオラ奏者のためのフランス国立コンクールで第1位に輝く等、早くから高評価を獲得している。2008年、 音楽塾「小澤征爾スイス国際アカデミー」より招かれ、創設者の小澤征爾はもとより、ロバート・マン、パメラ・フランク、今井信子、原田禎夫のもとで 学んだ。パリ国立高等音楽院修士課程を修了後の2010年、同音楽院の博士課程(第3課程)に進み、ライプツィヒにてタチアナ・マスレンコにも師事した。 現在はベルリンの由緒あるハンス・アイスラー音楽大学にて、タベア・ツィンマーマンのもとで研鑽を積んでいる。音楽祭への出演多数。また、室内楽でも、 アドルフ・ブッシュへのオマージュとしてルノー・カプソンらと四重奏団を結成し、ヨーロッパの主要舞台で公演を行うなど活躍している。使用楽器は、ジ ルバー/ランパル財団より貸与されたジョヴァンニ・バティスタ・ガダニーニ。 ピアニストのトーマス・ホッペは、これまでにアメリカやヨーロッパで、パールマンやタベア・ツィンマーマンといった器楽奏者・歌手と共演を重ね、絶大 な信頼を得ているピアニスト。パールマンのジュリアード音楽院でのクラスでは長年ピアニストを務めた。現在、ハンス・アイスラー音楽大学で後進の指 導にあたっている。 (Ki)
LDV-23
シベリウス:ヴァイオリン作品集
ユモレスク op.87-1, 2 *
ユモレスクop.89-1, 2, 3, 4 *
2つの小品(荘重な旋律)「聖歌:喜べ、わが魂」op.77-1*、「献身:わが真なる心から」op.77-2*
セレナード op.69-1, 2 *
ヴァイオリンと弦楽のための組曲op. 117〔「田舎の風景」、「春の夕べに」、「夏に」〕*
5つの小品〔マズルカop.81-1、ロンディーノop.81-2、ワルツ op.81-3、オーバードop.81-4、メヌエットop.81-5〕
ロマンスop.2a
無窮動 op.2b
エピローグ op.2b’
ニコラ・ドートリクール(Vn/1713年製ストラディヴァリウス「シャトー・パップ・クレマン」)
オルケストラ・ビーゴ430*、
アレハンドロ・ガリード・ポラス(指)*
ユホ・ポホヨネン(P)

録音:2014年2,3月&2015年1月
フランスの名手、ニコラ・ドートリクールによるシベリウス作品集。数年前からシベリウスの様々なヴァイオリン作品に目覚めたというドートリクールが、 (ヴァイオリン協奏曲以外の)ヴァイオリンとオーケストラのための作品、およびヴァイオリンとピアノのための作品を録音しました。ヴァイオリンとオーケ ストラの作品では、ヴァイオリン・ソロが美しい旋律を歌い上げるものの、全体の雰囲気は内向きで、室内楽的な性格を帯びているといえます。ヴァイオ リンとピアノのための作品では、「セレナード op.69」や「2つの小品 op.77」のやや「暗澹とした」雰囲気とは異なる、軽やかで天真爛漫な、サロンを 彷彿とさせるものも選ばれています。
■ニコラ・ドートリクール(Vn)
カントロフやムイエールに師事、プルミエ・プリを得てパリ音楽院を卒業。MIDEMにおいて「ADAMIクラッシック音楽界の新星」と評され、また SACEM「ジョルジュ・エネスコ賞」受賞。リンカーン・センター室内楽協会のメンバーとして活躍、さらに日本でもマスタークラスやラ・フォル・ジュル ネ音楽祭などで来日しています。
LDV-25
ショパン:ポロネーズOp.26, Op.40, Op.44)
幻想ポロネーズOp.61
パスカル・アモワイエル(P)

録音:2015年4月27-30日パリ
971年生まれのフランスのピアニスト、パスカル・アモワイヤルによるショパンのポロネーズ集。アモワイヤルはシフラとベルマンに師事。リスト弾き でありながらショパンの作品も度々演奏した2人の師からアモワイヤルは、シフラからは音楽の本質をベルマンからは音色を学んだと語っています。シフラ 譲りの高度なテクニックに、繊細な叙情を兼ね備えた感性で聴かせてくれます。幼い頃からショパンのセンスティヴさに惹かれていたというアモワイヤルが 今回選んだ作品は、初期の作品を除いた大ポロネーズと幻想ポロネーズ。大ポロネーズはショパンがパリに渡ってから書かれた作品で、これらのポロネー ズをアモワイヤルは故郷を去らなければならなかったショパンの自由に対する音楽による抗議と捉え、ショパンの行き場のない絶望を表現しています。 アモワイヤルはこの録音に際して以下のように述べています; 「華麗さと抒情性、舞踏と物語という両面性を宿すポロネーズは、その音楽的エキゾチズムをいつまでも放ち続けることだろう….」 (Ki)
LDV-26
J.S.バッハ〜イゾワール編曲集
(1)シンフォニア〜教会カンタータ「神よ、われら汝に感謝す」BWV29より
(2)アリア〜管弦楽組曲第3番 BWV1068より
(3)アリア『さらば』〜教会カンタータ「神にのみわが心を捧げん」BWV169より
(4)アリア『イエス・キリスト、神の御子』〜教会カンタータ「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4より
(5)アダージョ〜無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV1001より
(6)J.S.バッハ:フーガ〜前奏曲とフーガ ニ短調 BWV539より
(7)アリア『信仰深きわが心よ』〜教会カンタータ「かくも神は世を愛したまえり」BWV68より
(8)アリア『羊は憩いて草を食み』〜世俗カンタータ「楽しき狩こそわが悦び」BWV208より
(9)ソナティーナ〜教会カンタータ「神の時こそいと良き時」BWV106より
(10)2つのチェンバロのための協奏曲第1番 ハ短調BWV1060より第3楽章
(11)『汝のみ聖』〜ミサ曲 ヘ長調 BWV233より
(12)「目覚めよ、と呼ばわる物見らの声」BWV645(通奏低音;イゾワール版)
(13)アリア『春風吹き渡るとき』〜世俗カンタータ「しりぞけ、もの悲しき影」BWV202より
(14)4台のチェンバロのための協奏曲イ短調 BWV1065(オルガン独奏版)
(2)(5)(6)(8)(12)(14)ミシェル・ブヴァール、
(1)(3)(4)(7)(9)(10)(11)(13)(12)通奏低音)フランソワ・エスピナス(オルガン;ジョルジュ・ウェステンフェルダー制作)

録音:2015年9月28-30日/聖マクル教会(フェル・アン・タルデノア)
オルガンの巨匠アンドレ・イゾワールが編曲したバッハの作品をイゾワールの愛弟子であるミシェル・ブヴァールとフランソワ・エスピナスが録音しました。 使用楽器はフランス北部エン県のフェル・アン・タルデノアの聖マクル教会に建造されたジョルジュ・ウェステンフェルダー制作のオルガンで、この楽器は イゾワールが愛奏したことでも知られます。 イゾワールはフランスを代表するオルガニストで、マリー=クレール・アランと並びコンサート・オルガニストとして膨大なレパートリーを演奏してきまし た。ここに収録された作品はイゾワール自身が演奏会のアンコールとしても頻繁に演奏してきたもので、イゾワールならではのレジストレーションと見事な アレンジが魅力です。収録作品は無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番のアダージョなどの器楽作品や教会カンタータなどの声楽作品など様々な楽曲のオルガン編曲版です。こ とに4台のチェンバロのための協奏曲イ短調 BWV1065(原曲はヴィヴァルディ作曲の4つのヴァイオリンのための協奏曲 Op.3-10)のオルガン独奏版は、 バッハが編曲したオルガン協奏曲イ短調 BWV593のような完成度で非常に技巧的で魅力な編曲と言えます。これらの魅力的な作品を2人の愛弟子がま るでイゾワールの生まれかわりか!?とも思えるほど的確なアーティキュレーションと正統的なアプローチで演奏しております。 1958年リヨン生まれのミシェル・ブヴァールはヴィエルヌやダンディに師事したオルガニストであるジャン・ブヴァールを祖父にもち、幼少時より音楽 的才能を開花させました。パリのオルセー音楽院にてアンドレ・イゾワールにオルガンを師事。1983年にトゥールーズ国際オルガンコンクールでの優勝 を機にコンサート・オルガニストとしてのキャリアをスタートさせました。37歳のときにはシャピュイの後任としてパリ国立高等音楽院のオルガン教授に就 任。以後、後進の育成にも積極的に取り組んでおります。
1961年生まれのフランソワ・エスピナスはトゥールーズ音楽院にてオルガンを学びました。1986年のときにトゥールーズ国際オルガンコンクールの現 代音楽部門に入賞。また、1988年に開催された第1回武蔵野市国際オルガンコンクールで第3位を受賞するなど輝かしいコンクール受賞歴を誇ります。 (Ki)

LDV-27
ファリャ:ピアノ曲集
4つのスペイン小品〔アラゴネーサ/クバーナ/モンタニェーサ(風景)/アンダルーサ〕(1907-08)
ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌(1920)
三角帽子〔粉ひき女の踊り/隣人の踊り/粉屋の踊り〕(1918-1919)
ヴォルガの舟歌(1922)
恋は魔術師〔パントマイム/情景/きつね火の歌/恐怖の踊り/漁夫の物語(魔法の輪)/火祭りの踊り〕(1914-16)
ポール・デュカスの墓碑銘のための讃歌(1935)
ベティカ地方の幻想曲(1919)
ウィレム・ラチュウミア(P)

録音:2016年5月26-28日
独自のプログラムを追求するピアニスト、ラチュウミアの新譜の登場です。ワーグナー作品のピアノ編曲を集めたプログラム(LDV 16)に続く本盤は、ファ リャ。ファリャの最初の大作で、打楽器アンサンブルを思わせる躍動感に満ちた「4つのスペイン小品」や、最後のピアノ作品である禁欲的な世界の「ポール・ デュカスの墓碑銘のために」までを収録しています。「ベティカ(アンダルシアの古名)地方の幻想曲」はルービンシュテインに献呈された作品で、灼熱 の太陽に照らされたドライな和声と超絶技巧に貫かれた大曲。スペインという国が魅せる様々な側面、そしてファリャの音楽世界を堪能できる1枚です。 (Ki)
LDV-28
シューマン:蝶々 op.2
謝肉祭 op.9
ダヴィッド同盟舞曲集 op.6
フィリップ・ビアンコーニ(P)

録音:2016年4月7-10日、シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ラ・ダンス
フィリップ・ビアンコーニのシューマンの登場。ビアンコーニは、ドイツの名バリトン、ヘルマン・プライの共演ピアニストとしても名高い名手。2016 年5月の来日公演でも、自然に流れる歌心と、芯とやわらかさを兼ね備えた美しい音色で聴き手を魅了しました。 これまで、ショパン、ドビュッシーにじっくりと向き合ってきたビアンコーニ。プライとの共演では、シューマンよりシューベルトの歌曲の方が圧倒的に多かっ たということですが、それでも、プライとシューマンのいくつかの歌曲に取り組んだことは、大きな経験だったといいます。今まさに機が熟し、シューマン の録音に再び臨みました(ダヴィッド同盟舞曲集は約20年ぶりの録音)。 『ダヴィッド同盟』の「行進」では、『謝肉祭』の「前口上」と、『パピヨン』の「祖父の踊り」のテーマが引用されています。ダヴィッド同盟は、保守的 で偏狭な精神をもつブルジョワたち(フィリスティン)に対抗する、シューマンが創った架空の結社。謝肉祭の登場人物たちが実は皆ダヴィッド同盟員であり、 彼らがこの力強い行進に加わるべく集まっているのだと想像することもできる、と語るビアンコーニ。彼らは、「祖父の踊り」が象徴するフィリスティンたち に打ち勝つのです。ここに収録された3つの作品を結ぶ物語にも思いを馳せながら味わいたい、詩情豊かな演奏の誕生となりました。 (Ki)
LDV-29
Reminiscences追憶
フォーレ:.エレジー/.夢のあとに
サン=サーンス:白鳥
フランク:ヴァイオリン・ソナタ.イ長調 (作曲者本人が認めた、ジュール・デルサール編曲によるチェロ版)
イザイ:無伴奏チェロ・ソナタ
フォーレ:ゆりかご/シシリエンヌ Op.78
サン=サーンス:セレナード(『チェロとピアノのための組曲Op.16』より)
デュパルク:旅へのいざない(チェロ&ピアノ版)
カミーユ・トマ(Vc/ガリヤーノ「シャトー・パップ・クレマン」(1788年))
ジュリアン・リベ ー ル(P)

録音:2016年5月
ランス/ベルギー出身の若きチェロ奏者、カミーユ・トマの新譜。プログラムのテーマは「追憶」。フランクのソナタを核に、フランクがソナタを贈っ た相手であるイザイの無伴奏チェロ・ソナタ、さらにはトマの愛奏曲を集めた魅惑のプログラムでの登場です。トマは、2014年、ヴィクトワール・ド・ラ・ミュ ジークの新人賞にノミネート。欧州放送連合コンクールで第1位を獲得しています。「ピリスの秘蔵っ子」でもあるピアノのジュリアン・リベールもベルギー 出身。二人の息の合ったアンサンブルで聴く、フランクのゆったりとした歌い方と、なめらかな音色が魅力です。 (Ki)
LDV-30
戦慄と情熱〜シューマン:ピアノ曲集
幻想曲 ハ長調 Op.17
クライスレリアーナOp.16
ジャン=フィリップ・コラー ル((P)

録音:2016 年 4 月/ソワッソン(シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス)
013年録音のショパン:24の前奏曲(LDV 09)が好評だった、フランスの名手ジャン=フィリップ・コラール。ショパンのレコーディングを終えた のち、ふたたびシューマンに身を浸したくなったというコラール。満を持しての幻想曲とクライスレリアーナという2つの大曲の登場です。特に幻想曲に関 して、現在の自身のヴィジョンを示してみたくなったというコラールは、片時も楽譜を身から離さずにこの傑作をあらためて深く読みこんだとのこと。ホロ ヴィッツから受け継いだ深く息の長い歌で、幻想曲の冒頭から聴き手をシューマンの世界に引き込みます。シューマンが作り上げた世界にのめり込みすぎ ないように巧みにコントロールしながらも、興奮や激情、そして愛を聴き手に提示してくれます。 (Ki)
LDV-31
モーツァルト&クレメンティ
モーツァルト:夜想曲ニ短調K397*
 ピアノ・ソナタ変ロ長調K570
クレメンティ:ピアノ・ソナタヘ長調op.23-2*
 ピアノ・ソナタト短調op.50-3「見棄てられたディドーネ-悲劇的な情景」
ヴァネッサ・ワーグナー(P)
使用楽器=YAMAHA、ブロードマン・グランドピアノ(ウィーン、1814年製を使用)*

録音:2016年6月、パリ
ワーグナーは、パリ国立高等音楽院でドミニク・メルレに師事し、その後もフライシャー、バシキーロフ、ペライア、フー・ツォン、ワイセンベルクらから指導を受けています。感性豊かで思慮深い演奏と、多彩な音色を持ち味としています。フォルテピアノを用いたプロジェクトから、現代音楽の演奏にいたるまで、幅広いレパートリーで演奏活動を展開。デュサパンらからいくつもの作品を献呈されてもいます。2008年に、ロトとデュボワのピアノ協奏曲第2番をフォルテピアノで共演したのがきっかけで、フォルテピアノにめざめたというワーグナー。ここでもピアノとフォルテピアノをあざやかに弾きこなし、作品に様々な角度から光をあてています。ピアノ学習者にはおなじみのクレメンティも、「モーツァルトとベートーヴェンの間」に生きたという不遇で、まだまだ評価されるべき存在といえます。op.50-3はクレメンティ最後のソナタ。メロディ・メーカーとしてのクレメンティの才能を十二分に伝えてくれる傑作を、ワーグナーの説得力に満ちた演奏でお聴き頂けます。 (Ki)
LDV-32
フォーレ:作品集
ピアノと管弦楽のためのバラード 嬰ヘ長調 op.19
夜想曲第2番 ロ長調 op.33
管弦楽組曲「ペレアスとメリザンド」op.80
夜想曲第4番 変ホ長調 op.36
夜想曲第11番 嬰ヘ短調 op.104
「ペネロープ」序曲
ピアノと管弦楽のための幻想曲 ト長調 op.111
フィリップ・カサール(P)
ジャック・メルシエ(指)
ロレーヌ国立O

録音:2016年7月5-8日
フランスの名手、フィリップ・カサールによるフォーレ。カサールは、ラザール=レヴィの弟子、ジャック・ブロシュに最初にピアノの手ほどきを受け、 パリ国立高等音楽院ではフォーレにもっとも近い存在だった音楽家、ロジェ=デュカスに師事したドミニク・メルレの下でさらに学んでいる、いわばフォー レ弾きともいえるピアニスト。
収録されているのは、難聴を患った75歳のフォーレが作曲した、フォーレ唯一のピアノ協奏曲といえる「ピアノと管弦楽のための幻想曲」をはじめ、 1879年に作曲したピアノ独奏のための「バラード」を、フォーレ自身が管弦楽を伴う版に編曲した「ピアノと管弦楽のためのバラード」など。他にもソロ曲や、 管弦楽作品も収録されており、清らかなアラベスク、輝きなど、フォーレの魅力を存分に味わうことができます。カサールはフランスのラジオ番組でも自ら 語り、演奏しながら作品を解析する「Notes du Traducteur」で人気を博していますが、そのクリアーな音色と作曲家・作品に対する深い理解で、どの 作品も実にらくらくと響いており、穏やかな気持ちになれる1枚です。 (Ki)
LDV-33
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ短調
デュティユー:弦楽四重奏曲『夜はかくの如し』
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 op.10
エルメスQ〔オメール・ブシェーズ(Vn)、エリーゼ・リュウ(Vn)、ユン-シン・チャン(Va)、アンソニー・コンドウ(Vc)〕

録音:2016年9月、ビビエーナ劇場(マントヴァ)
シューマンの弦楽四重奏曲集(LDV 17)でデビューしたエルメス四重奏団。フランス人作曲家による3つの傑作へと舵を切っての最新盤の登場です。 ラヴェルの弦楽四重奏曲は、彼らが四重奏団を結成したその日から取り組んできた大切な作品。ラヴェルもデュティユーも、コンクールで優勝をつかんだ 曲でもあります。また、最近の演奏会でドビュッシーはもっともよく取り上げている作品ということで、満を持してのプログラムといえるでしょう。 エルメス四重奏団は、アメリカで定期的にツアーを行っているほか、ヨーロッパおよび世界各地で公演を行っています。ラヴェル四重奏団、イザイ四重奏団、 アルテミス四重奏団のもとで研鑽を積み、ともに音楽性をはぐくんできました。4人のメンバーたちは、ベルリンでエバーハルト・フェルツからも薫陶を受 けているほか、アルフレード・ブレンデルのもとで現在も定期的に学んでいます。2011年、ジュネーヴ国際コンクールで優勝、2012年のニューヨーク・ ヤング・コンサート・アーティスト国際オーディションでも第1位にかがやいています。録音の会場となったビビエーナ劇場の裏の交通量の問題で、レコー ディングは毎晩11時から翌朝4-5時にかけて行われました。最高の集中をもっておこなわれ、彼らのフレッシュで鋭い感性があますところなくとらえられ た録音です。 (Ki)

LDV-34
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 KV 475
ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 KV 457
ピアノ・ソナタ第13番 変ロ長調 KV 333
メナヘム・プレスラー(P)

録音:2016年10月30、11月2日、パリ
1923年12月16日生まれのプレスラー、2016年録音のモーツァルトの登場。プレスラーの魅力である完全に脱力しきった、軽やかで優しい音色で、 包み込まれるような演奏です。 「私にとって、モーツァルトのピアノ・ソナタは、天賦の才の産物に他なりません。ロマン派を先取りする劇的なソナタは、あらゆる感情を表出させます。 そこで見出されるのは、遊び心やドラマ、軽快さ、ヴィルトゥオジティです。すべての感情が、どこまでも繊細な抑揚をともなって展開されます。」(プレスラー の言葉) 幻想曲でのえもいわれぬ空気感、ハ短調ソナタでの真摯さには、ただただ聴きいるばかり。明るい第13番のソナタでも、ひとつひとつのパッセージが美 しく輝いています。プレスラーだからこそ到達できる境地のモーツァルトです。 (Ki)
LDV-35
ブラームス:チェロ・ソナタ集
第1番 ホ短調 op.38、
第2番 ヘ長調 op.99
ゲイリー・ホフマン(Vc/1662年製ニコラ・アマティ)
クレール・デゼール(P)

録音:2016年12月、リエージュ・フィルハーモニーホール(ベルギー)
ブラームスのチェロ・ソナタ集。1986年のロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールで優勝したカナダ出身のチェロ奏者、ゲイリー・ホフマンと、フ ランスの名手クレール・デゼールという注目の顔ぶれです。 ゲイリー・ホフマンが演奏しているのは、レナード・ローズが所有していた名器ニコラ・アマティ。ソナタ第1番の冒頭から、その情熱、暗さ、強さ、やわらかさ、 すべてを兼ね備えたチェロの音色に引き込まれます。第2番、第1楽章の秘めたる情熱が燃えあがるような冒頭も、二人の息もぴたりと合っています。そ の後も重厚感と抑制感を保ちながら熱い音楽作りで展開していくさまはベテランならでは。 ピアノのクレール・デゼールは、14歳でパリ国立音楽院に入学し、室内楽およびピアノクラスにて一等賞を獲得、修士課程修了後チャイコフスキー音楽 院に留学し研鑽を積んだ、フランスの名ピアニスト。とりわけ室内楽での活躍がめざましく、アンヌ・ガスティネル(チェロ)、エマニュエル・シュトロッセ (ピアノ)、テディ・パパヴラミ(ヴァイオリン)ら名だたる名手からの信頼も厚い、貴重な存在です。「軽快かつ情熱的、そして猫のようなしなやかさをもっ た個性的な音」とフランスで絶賛されるその音で、ホフマンの奏でるニコラ・アマティと見事な調和を見せています。 (Ki)
LDV-36(2CD)
バッハ:6つのヴァイオリン・ソナタ集
[CD1]
カンタータ第115番「わが心よ、汝備えをなせ」BWV 115よりアリア(ドートリクール編)
ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 BWV 1014
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 BWV 1015
ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 BWV 1016
[CD2]
ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 BWV 1017
ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 BWV 1018
ヴァイオリン・ソナタ ト長調 BWV 1019
管弦楽組曲第3番 BWV 1068よりアリア(アウグスト・ウィルヘルミ編)
ニコラ・ドートリクール(Vn/ 1713 年製ストラディヴァリウス「シャトー・フォンブロージュ」)
ユホ・ポホヨネン(P)
ベルトラン・レイノー(Vc/BWV 115、1068)

録音:2017年 4月10-16日、リエージュ・フィルハーモニー・ホール(ベルギー)
フランスの名手、ニコラ・ドートリクールのバッハ。「自分がバッハの音楽に抱いている無条件の愛を信じること」、そして「これまでに修得したモダン楽 器のテクニックを裁量の形で活かすこと」に集中し、フィンランドの若手注目株ユホ・ポホヨネンの好サポートを得て、密度の濃いバッハを展開しています。 カンタータのアリア、および管弦楽組曲のアリア(エア)も収録、非常にカンタービレな演奏となっており、心打たれます。 ニコラ・ドートリクールは、カントロフやムイエールに師事、プルミエ・プリを得てパリ音楽院を卒業。MIDEMにおいて「ADAMIクラッシック音楽界の新星」 と評され、またSACEM「ジョルジュ・エネスコ賞」受賞。リンカーン・センター室内楽協会のメンバーとして活躍、さらに日本でもマスタークラスやラ・フォ ル・ジュルネ音楽祭などで来日しています。共演のピアニストは、フィンランド出身のユホ・ポホヨネン。アンドラーシュ・シフの下で学んだ、最も有望な 若手器楽奏者の一人として世界で活躍しています。
LDV-38
NX-C04
トランペット&チューバ・デュオ・アルバム
バッハ:エア(G線上のアリア)〜管弦楽組曲 第3番ニ長調 BWV1068より *
エスケシュ(1965-):ピアソラへのオマージュ
ピアソラ:酒場(売春宿)1900〜 『タンゴの歴史』 より **
レインゴリト・グリエール:子守歌〜 ヴァイオリンとチェロのための8つの小品 Op.39より **
ルイス・ボンファ(1922-2001):黒いオルフェ(カーニバルの朝) **
トマ・ルルー(1987-):即興 第3番
ピアソラ:モルト・マルカート・エ・エネルジコ 〜タンゴ・エチュード 第3番より
パブロ・カザルス(1876-1973):鳥の歌 *
バッハ:二声のインヴェンション 第1番ハ長調 BWV772
バッハ:二声のインヴェンション 第3番ニ長調 BWV774
グリエール:ガヴォット〜ヴァイオリンとチェロのための8つの小品 Op.39より **
フランソワ・クープラン(1688-1733):神秘的なバリケード〜 クラヴサン曲集 第2巻 より **
ハルヴォンセン(1864-1935):パッサカリア- ヘンデルのハープシコード組曲 第7番ト短調 HWV432による **
アラン・ボチンスキ(1940-2020):間奏曲 第4番**
クリストフ・モシュベルガー(1985-):ティアーズ・フォー・パッヘルベル
トマ・ルルー:ボーリュー***
サリー・ガーデン(ダウン・バイ・ザ・サリー・ガーデンズ/アイルランド民謡)

編曲:*…ルルー兄弟
**…マニュエル・ドゥトルラン
***…ロラン・エルバス
ロマン・ルルー(トランペット、フリューゲルホルン)
トマ・ルルー(チューバ)

録音:2023年12月15-18日シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン
※ 日本語解説付
ロマン・ルルーは1983年リールに生まれ、パリ国立高等音楽院を首席で卒業後ラインホルト・フリードリヒに師事、バロックから現代まで幅広 いレパートリーで世界中を魅了するトランペット奏者。かたやトマ・ルルーは1987年生まれ、やはりパリ国立高等音楽院を首席で卒業、19 歳でマルセイユ歌劇場Oのチューバ奏者に就任し、2012年フランス版グラミー賞ともいえるヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークでチューバ 奏者として初めて最優秀器楽新人賞を受賞、古典から現代、ジャズまでをレパートリーとする才人。新型コロナ・ウィルスによるパンデミックで 活動が制限される中、兄弟が思いついたのがトランペットとチューバのデュオというユニークなアンサンブルでした。全曲2人のデュオのみで構成 されたこのアルバムは、その技術と表現力の高さ、そしてぴったりと合った息で、単音しか出せない2つの楽器だけによる演奏とはにわかに信じ られないほどの聴き応え。冒頭の「エア」からその音楽的な幅広さと表現力に驚かされます。伝承曲からバロック、ロマン派からジャズまで幅広 く収録しており、聴く者を全く飽きさせません。2人がプログラムの要と語るバッハとハルヴォンセン、目の覚めるようなチューバのソロで沸かせる 即興、華麗な原曲に負けないクープランの色彩感、バラードのあの名曲とパッヘルベルを掛け合わせたモシュベルガーなど、全編が聴きどころ です。
LDV-42
ブロッホ:チェロと管弦楽のための「シェロモ」
エルガー:チェロ協奏曲
ゲイリー・ホフマン(Vc/1662 年製ニコラ・アマティ)
クリステァイン・アルミンク(指)
ベルギー王立リエージュPO

録音:2017年4月4-8日
カナダ出身の中堅チェリスト、ゲイリー・ホフマンの新譜は、第1次世界大戦のさなかに書かれたヘブライ狂詩曲「シェロモ」と、大戦直後に書かれたエルガー のチェロ協奏曲というプログラムです。アルミンクと共演しているのも注目です。「シェロモ」は大量殺人が繰り返される荒廃したヨーロッパを脱出し、亡命者と してアメリカに身を寄せていたブロッホのつらい境遇が映し出されているようでもある作品で、完全な否定と共に幕が閉じられる作品です。そして、大戦で身も心 も疲弊したエルガーの絶筆となった「チェロ協奏曲」。当時エルガーは、62歳。かつての大成功作ヴァイオリン協奏曲を振り返り、協奏曲の形式に再び向き合 うことで、不幸を追い払おうとしたのでしょうか。ホフマンが、アルミンクと素晴らしいオーケストラという力強い共演者を得て、大きなスケールでチェロをうた わせています。
ホフマンはシュタルケルに師事した経歴をもちます。シュタルケルはバルビローリの指揮でエルガーのチェロ協奏曲を演奏したことがあり、その時にバルビロー リから作品に秘められた表現について詳細に教えを受けたといいます。ホフマンはシュタルケルからこの作品についてのヴィジョンを得ています。また、ホフマン 自身ブロッホの娘に会ったことがあるなど、ブロッホについても並みならぬ感情を持っています。 (Ki)
LDV-43
「ある旅人のアルバム」
グレインジャー:イギリス民俗音楽編曲集(抜粋)〔第19番 岸辺のモリー/第18番 騎士と羊飼いの娘〕
ブラームス(ノアック編):ドイツ民謡集 WoO 33より*〔第30番「私の思いのすべては」(生き生きと、そして心を込めて)、第31番「あそこの牧場に一軒の家が建っている」(愛らしく、そして生き生きと)、第7番「グンヒルデ」(穏やかなテンポで、そして共感して語るように)、第34番「どうやって門から入ろうか?」(生き生きと)〕
ラフマニノフ(ノアック編):≪3つのロシアの歌≫op.41から第3番*
コミタス:アルメニア舞曲集より第2番エランギ、第5番シュシキ
グリーグ:スレッター(ノルウェーの農民舞曲)op.72より〔第14番「ヴォッセヴァンゲンのトロルの婚礼行列」、第6番「ガンガル」、第4番「妖精の丘のハリング」〕
ラドミロー(ノアック編):トレギエの風笛の旋律にもとづく5つの変奏曲〔輪舞、舞踏会、パスピエ、舞踏会、舞踏会〕*
シューベルト:ワルツ集 D145(1-12番)
ヤナーチェク(ノアック編):ラシュスコ舞曲集(抜粋)*〔第2番祝福の踊り、第5番チェラデンスキー〕
ホアキン・ニン:「イベリア舞曲」(セビリアでの五月の一夜)
シマノフスキ:「4つのポーランド舞曲」よりマズルカ、クラコヴィアク、オベレク
マルトゥッチ(ノアック編):「タランテッラ」op.44から第6番*
フローリアン・ノアック(P)

録音:2017年12月21-23日、リエージュ・フィルハーモニー・ホール
*=世界初録音
1990年生まれのノアックによる、「音楽の旅」と題したアルバムの登場。さまざまな民俗音楽からインスピレーションを得た作曲家たちの作品に魅か れるというノアック。ここでは、民俗音楽の精神をもっとも「真正に」表現していると自身が考える作品を集めてプログラミングを行いました。いくつかは ノアック自身による編曲ですが、これがまた驚きの超絶技巧。しかし技巧にはおぼれず、あくまでも作品の真髄が響いてきます。 ノアック自身がピアノ独奏用に編曲したブラームスのドイツ民謡集(抜粋)は、同じ音楽が繰り返されながら歌詞のみがつど変化するリフレインの箇所で、 装飾音が変化するよう編曲されています。バラライカを模倣するオーケストラ・パートと声楽パートから成るラフマニノフの作品の編曲もドラマティックで 聴きごたえ十分。フォーレの弟子ラドミローの作品は、オーケストラ版とピアノ連弾版が残されていますが、ノアックはオーケストラ版から編曲。豊かな色 彩感が魅力です。プログラムの最後をかざる、「アルメニアのバルトーク」とも称されるコミタス作品も、東洋的でどこかノスタルジックな魅惑の世界となっ ています。ノアックの技巧の確かさと、表現の幅広さに驚き、それぞれの作品の豊かな個性に聴き入るアルバムです。
フローリアン・ノアックは1990年ブリュッセル生まれ。12歳でエリーザベト王妃音楽大学の天才児養成コースの受講生に選ばれ、井筒ゆかに師事。 その後、ケルン音楽大学ではソリア出身のピアニスト・作曲家のヴァシリー・ロバノフ、バーゼル音楽大学ではクラウディオ・マルティネス・メーナーのも とで学んでいます。早くからロマン派と後期ロマン派の知られざるレパートリーの紹介に情熱を傾け、彼の演奏会プログラムには、しばしば、リャプノフ。 アルカン、メトネル、ドホナーニといった作曲家たちの名が並んでいる。すぐれた編曲家でもあるノアックは、ベレゾフスキー、バシキーロフ、カツァリス をはじめとする演奏家たちに、編曲作品を提供しています。 (Ki)
LDV-44
ショパン:24の前奏曲 op.28(全24曲)
前奏曲 嬰ハ短調 op.45
前奏曲 変イ長調(遺作)
幻想即興曲 嬰ハ短調(遺作)
夜想曲 第2番変ホ長調 op.9-2
夜想曲 第20番嬰ハ短調(遺作)
舟歌 嬰ヘ長調 op.60
ホアキン・アチューカロ(P)

録音:2017年9月7-8日、オックスフォード(聖ステファンの家)
スペインが生んだ名ピアニスト、ホアキン・アチューカロ。彼はその演奏活動でショパンも重要なレパートリーとして取り上げてきていましたが、その録 音は多くありませんでした。ここで24の前奏曲を軸としたショパン作品集の登場です。―確かに私は、「前奏曲集」を録音するまでにずいぶんと長い歳 月を必要としました。しかしそれは、この曲集を完全に “自分のものにした” という実感を求めていたからです。いうなれば「前奏曲集」が自分の潜在意 識に染み込むまで、待ち続けたのです。それは、誰かと友情を育むことと、どこか似ているのかもしれません。いずれにせよ、録音スタジオの扉を開ける 準備が整ったのです。レコーディングは、じつに幸せな体験でした!―と語るアチューカロ。ショパンがそれぞれの楽曲に込めた精神の動きを、もらさず 再現しています。他にも幻想即興曲での中間部の歌など、これまでのショパン観が覆されるような演奏。名手アチューカロによるショパン、注目です。
■ホアキン・アチューカロ(プロフィール)
1936年ビルバオ生まれ。ビルバオにて弱冠13歳でモーツァルトのピアノ協奏曲K.466を弾き、演奏会デビューを果たす。やがて1959年5月にリヴァ プール国際コンクールで第1位に輝くまでに、ホアキン・アチューカロはいくつもの決定的な出会いに恵まれた。マドリードでホセ・クビレスに師事。そ の後、シエナ・キジアーナ音楽院のグイド・アゴスティの指導を受け、ヴァルター・ギーゼキング、ニキタ・マガロフ、ブルーノ・ザイドルホーファーらの もとでも研鑽を積んだ。そしてリヴァプール国際コンクールでの優勝を機に、世界の檜舞台に立ったアチューカロは、早くも1960年に、トリエステでシュー マンのピアノ協奏曲の独奏を務め(指揮はデビュー直後のクラウディオ・アバド)、ドイツで初リサイタルを行っています。以後、ベルリン・フィルハーモニー O、ロンドン・PO、シカゴSO、東京フィルハーモニーSOなど世界中のオーケストラと、ロマン派から20世紀 前半までの協奏曲レパートリーを中心に、共演を重ねています。ズービン・メータは「この音を出せるのは、彼以外にはルービンシュタインしかいない」と アチューカロを称え、サイモン・ラトルからは「彼のような音をピアノから引き出すことができるのは一握りの音楽家だけである」と絶賛された。アチュー カロ自身は、「生涯にわたって、歌を暗示し想起させるようなピアノの音を探求してきた」と述べています。ピアノ演奏法の継承にも熱意を注ぐアチューカロは、 数年前からテキサス州ダラスの南メソジスト大学で後進の育成に励んでいます。
LDV-45
ラフマニノフ :楽興の時Op.16
ムソルグスキー :展覧会の絵
ジャン=フィリップ・コラール(P)

録音:2018年1月4-6日、メス音楽都市
フランスの名手、ジャン=フィリップ・コラールの最新録音の登場。2013年録音のショパン(LDV 09)、2016年録音のシューマン(LDV 30)につづき、レパー トリーの軸の一つであるラフマニノフです!―「6つの楽興の時」を演奏している時、私は自分自身を上回り、超越したような感覚をおぼえるのですが、それは 筆舌に尽くせない高次元の体験です。当然それは、ありとある技術的な課題を克服した先にある体験です……!(ライナーノートより)―。 ラフマニノフが音符に込めたすべての思いが表出されたかのような、肉厚で熱い音楽に圧倒される演奏です。カップリングはムソルグスキーの展覧会の絵。プロ ムナードから、ひとつひとつのフレーズの細やかな語り口から、コラールがこの作品を完全に手中に収めていることを感じさせる、圧倒的な演奏です。 (Ki)
LDV-46
リスト&ペルト
リスト:詩的で宗教的な調べ S.173〜祈り/孤独の中の神の祝福/死者の追憶/眠りから覚めた子供への賛歌/葬送曲/無題(アンダンテ・ラグリモーソ)
アルヴォ・ペルト(b.1935):・トリヴィウム(オルガンのための)
 パリ・インテルヴァロ(オルガンのための)
 アリーナのために
ヴァネッサ・ワーグナー(P)

録音:2018 年 3 月 3-5 日、メス音楽都市
フランスのピアニスト、ヴァネッサ・ワーグナーによる、リストとペルト作品集。「2人は、時代と作曲様式を異にする作曲家たちですが、本質的にごくスピリチュ アルであるという点で、近い関係にあると思います」と語るワーグナー。リストが超絶技巧の中に織り込んだ宗教的世界と、ペルトがごく限られた素材でつむぐ 静謐の世界が、ワーグナーの時にクリスタルのように硬質、時に熱い変幻自在の音色によって見事に描かれています。 (Ki)
LDV-49(3CD)
シアン:オルガン作品集
[CD1]・栄光の身体(全7曲)・昇天(全4曲)
[CD2]・聖霊降臨祭(ペンテコステ)のミサ(全5曲)・オルガン曲集(全7曲)
[CD3]・主の降誕(全9曲)・天上の宴(聖餐式)・永遠の教会の出現
ルイ・ティリー(Org)

録音:1972年6月&7月(旧カリオペ録音)/ジュネーヴ=聖ペトロ聖
堂のメッツラー製グランド・オルガン(スイス、ジュネーヴ)
※日本語解説はつきません
オルガンはメシアンが好んだ楽器のひとつ。メシアンは自身の器楽言語の可能性を追求し、新たにし、それでいて伝統から逸脱することはありませんでした。メ シアンから絶賛されたオルガン奏者、ルイ・ティリーがメシアンのオルガン作品の豊かな色彩と、深く拡がる瞑想世界を見事に体現しています。 (Ki)
LDV-60
カウエル&プロコフィエフ〜「シンデレラ」
プロコフィエフ
-「シンデレラ」からの3つの小品 Op.95
-「シンデレラ」からの10の小品 Op.97
-「シンデレラ」からの6つの小品 Op.10
第1景
1. ガヴォット Op.95
2. 争い Op.102
3. ヘンリー・カウエル - エオリアン・ハープ
4. 春の精 Op.97
5. 夏の精 Op.97
6. キリギリスとトンボ Op.97
7. 秋の精 Op.97
8. 冬の精 Op.97
9. 舞踏会へ行くシンデレラ Op.102
第2景
10. ヘンリー・カウエル - マノノーンの潮流
11. パスピエ Op.97
12. ブーレ Op.97
13. シンデレラと王子のワルツ Op.102
14. パ・デュ・シャール(ショールの踊り)Op.102
15. シンデレラと王子のアダージョ Op.97
16. シンデレラのヴァリアシオン Op.102
17. ヘンリー・カウエル - バンシー
第3景
18. 間奏曲 Op.95
19. 東洋 Op.97
20. 奇想曲 Op.97
21. ゆるやかなワルツ Op.95
22. 愛をこめて(アモローソ)Op.102
23. ヘンリー・カウエル - 妖精の鐘
ウィレム・ラチュウミア(P)
ヘンリー・カウエルのピアノ作品と、プロコフィエフの「シンデレラ」の組み合わせという興味深いプログラムのディスクの登場。カウエル(1897-1965、 アメリカ)の音楽は、トーン・クラスターや複雑なリズムなどで知られていますが、ここでは「シンデレラ」の物語の一場面に寄り添うように配置されています。 たとえばトラック3の「エオリアン・ハープ」は “仙女のお婆さん(=物乞い)” の登場、トラック17の「バンシー」真夜中の12時を告げる鐘の音、そ して終曲として収録されている「妖精の鐘」はシンデレラの物語のエピローグ・・・。ラチュウミアの独創的なアイデアによるこの1枚は、シンデレラの 物語をより豊かに浮かび上がらせるとともに、カウエルの音世界へも私達の耳を開いてくれるものとなっています。 =ラチュウミアの言葉=カウエルのピアノ音楽とプロコフィエフの「シンデレラ」の相性が抜群であることが分かりました。言うなれば、互いが互いの鏡像 であるような関係を築くのです。いずれの作品も、シンプルなテーマ、そして私がこよなく愛するテーマの一つ、つまり “おとぎ話” に関係しています。そ してその音世界は、子供の想像世界と大人の想像世界のはざまで奏でられ演じられるのです。それが、私がカウエルとプロコフィエフの作品を組み合わせ た理由です。二人の作品は呼応するだけでなく、互いの魅力を際立たせもします。もっとも、今回のプログラムは吟味に吟味を重ねた結果です。
■ラチュミア(プロフィール)
1974年、フランスのリヨン生まれ。フランス国立リヨン高等音楽院のエリック・ハイドシェックおよびジェリー・ムティエのクラスで学び、同院にて審査 員満場一致・賞賛付の1等賞を獲得。同院の修士課程に進み、ムティエのもとで更なる研鑽を積んだ。クロード・エルフェにも師事したほか、メシアン 夫人イヴォンヌ・ロリオ、ピエール=ロラン・エマールのマスタークラスを受講。音楽学の学士号も取得しています。2004年、ヒューレット・パッカード財団「明 日の音楽家」賞を受賞。第12回モンサルバーチェ国際現代音楽コンクール(スペイン・ジローナ)に入賞。2006年、オルレアン国際20世紀ピアノ音 楽コンクールで第1位「ブランシュ・セルヴァ特別賞」に輝き、同時に5つの賞も授与された。これまでにLA DOLCE VOLTAレーベルよりEXTASE MAXIMA(極限の恍惚)(LDV-16)、ファリャ:三角帽子ほか(LDV-27)をリリース。
LDV-61
ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調Op.34
8つのピアノ小品 op.86
ジョフ ロ ワ・クトー(P)
エルメスSQ

録音:2018年2月26-28日、2015年7月〕
2016年、ブラームスのピアノ独奏曲全集(6CD/ LDV-170)をリリースしたフランスのジョフロワ・クトー。ブラームスへの愛を胸に、次なる冒険へ と繰り出しました。ブラームスのピアノを伴う室内楽全作品録音プロジェクトです。この旅路をクトーと共にするのは、エルメスSQ、そしてクラ リネットのニコラ・バルデイルー、ホルンのウラディミール・デュボワ。2018年からプロジェクトはスタートしており、2020年9月にかけて、8回のセッ ション録音で全曲を録音していきます。
今回リリースされるのはピアノ五重奏曲、そして全集にも収録されていましたが8つのピアノ小品というカップリング。ピアノ五重奏曲についてクトーは「こ の音楽は協奏的というよりも “交響的” といえるでしょう。幾つもの極小の動機やリズム型が、弦楽パートにもピアノ・パートにも共通して頻出します。さ らにそれらが “登場人物” として、楽曲全体を統一する指導的な構想に統合されている状態が、絶えず強調されます。」と述べています。緊密に関連して いるピアノ・パートと弦楽パートの火花の散るようなアンサンブルに注目の1 枚です。 (Ki)
LDV-062(2CD)
ブラームス:室内楽作品集
ピアノ四重奏曲 第2番イ長調 作品26
ピアノ四重奏曲第1番ト短調 作品25
ピアノ四重奏曲第3番ハ短調 作品60*
ジョフロワ・クトー(P)
エルメスSQメンバー【オメール・ブシェーズ(Vn)、エリーゼ・リュウ(Vn)*、ユン=シン・チャン(Va)、アンソニー・コンドウ(Vc)】

録音:2018年3,5,10月
ブラームスへの愛に生きるフランスのピアニスト、ジョフロワ・クトー。ブラームスによるピアノ作品(Pが含まれる室内楽作品含む)を全曲録音するプロジェ クトが進行中。ピアノ四重奏曲全曲を収録した本巻では、フランスで活躍するエルメスSQとの抜群に息の合ったアンサンブルと、熱さとみずみずしい音 色で聴かせます。第3番の第1楽章冒頭はともすると悲痛な重みばかりが目立ちがちですが、この演奏はコントロールが行き届き、節度ある表現に好感がもてます。 適度な抑制感に裏打ちされた熱きブラームスです。 (Ki)
LDV-64(2CD)
ブラームス:ピアノを伴う室内楽全作品集
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 op.8
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 op.101
ピアノ三重奏曲第2番ハ長調 op.87
クラリネット三重奏曲 イ短調 op.114
ジョフロワ・クトー(P)
アモリ・コエトー(Vn)
ラファエル・ペロー(Vc)
ニコラ・バルデイルー(Cl)

録音:2019年1月、4月
ブラームスへの愛を胸に音楽活動を展開するクトー。ブラームスのピアノ独奏曲全集(6CD/ LDV 170)をリリースしていますが、ブラームスのピアノ を伴う室内楽全作品録音プロジェクト第2弾の登場です。2018年からプロジェクトはスタートしており、2020年9月にかけて、8回のセッション録音 で全曲を録音していきます。
今回リリースされるのはピアノ三重奏曲、そしてクラリネット三重奏曲という名曲。2枚組での登場です。ロマンティシズムにあふれながらも、等身大の、 親近感のもてるブラームスを感じるような演奏となっています。 (Ki)
LDV-66
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調 op.38
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 op.99
ラファエル・ペロー(Vc))、
ジョフロワ・クトー(P)

録音:2017年10月
ラームスへの愛に生きるフランスのピアニスト、ジョフロワ・クトー。ブラームスによるピアノ作品(Pが含まれる室内楽作品含む)を全曲録音するプロジェ クトが進行中。本巻では、フランスで活躍するラファエル・ペローを迎えてのチェロ・ソナタ集。言葉はないけれど、歌曲以上の切実な何かを感じさせるブラームス のチェロ・ソナタですが、クトーとペローはひとつひとつの音符の裏に込められたブラームスの声を自然に響かせています。ペローの渋くも切れ味よいチェロの音 色と、クトーの抑制感のあるピアノが耳と心にのこります。
LDV-67
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調「雨の歌」 作品78 [27'02]
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 作品100 [21'53]
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 作品108 [21'58]
スケルツォ ハ短調 WoO2(F.A.E.ソナタから)
ジョフロワ・クトー(P)
アモリ・コエトー(Vn)

録音:2019年2月
ラームス愛に生きるピアニスト、ジョフロワ・クトーによる、ヴァイオリン・ソナタ集。ヴァイオリニストにはアモリ・コエトーを迎えました。コエトーは2016年 よりモディリアーニSQの第1ヴァイオリン奏者としても活躍。2008-2012年までオーヴェルニュ室内Oのソロ・コンサートマスターを、2012-2017年までフランス放送フィルのソロ・コンサートマスターを務めました。使用楽器は1773年製のガダニーニ。心地よい明るさを備えたヴァイオリンの音色とク トーのピアノが紡ぐ歌が胸をうちます。 (Ki)
LDV-68
NX-C04
ブラームス:クラリネット・ソナタ 第1番ヘ短調 Op.120-1
クラリネット・ソナタ 第2番変ホ長調 Op.120-2
ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op.40
ジョフロワ・クトー(P)
ニコラ・バルディルー(Cl)
アモリ・コエトー(Vn)
アントワーヌ・ドレフュス(Hrn)

録音:2018年5月5-6日、2022年10月15-16日 アルスナル・シテ・ミュジカル、メス(フランス東部ロレーヌ地方)
※日本語解説付
作曲家ブラームスの避暑地としても有名なオーストリア湖畔のペルチャハで行われているブラームス国際コンクールで2005年ピアノ部門の優 勝者となって以来、この作曲家の作品解釈に極めて高い評価が続くフランスのピアニスト、ジョフロワ・クトー。2008年INTRADAレーベルで 晩期作品を中心としたピアノ独奏曲集をリリースし日本でも好評を博した後、LA Dolce Voltaで体系的に録音してきたブラームスの室内 楽曲や独奏曲全曲は、DiapasonやLe Monde de la Musiqueなど何かと点の辛いフランスの批評誌でも絶賛が続いています。2024 年の新たなリリースは、フランスでレビュー賞を総なめにしたヴァイオリン・ソナタ集で共演したアモリ・コエトーと、フランス放送フィルのトップ奏者 たちを交えてのクラリネット・ソナタ2曲とホルン三重奏曲。「もうこれ以上作曲はしない」と宣言した晩年の作曲家が名手ミュールフェルトとの 出会いに刺激され書き上げた前者2曲での、作品の奥底まで見通せるような静謐な透明感と躍動感のバランスも圧巻ですが、美学者= 批評家ハンスリックの注目によって若きブラームスの活路を開いたホルン三重奏曲での、常に人肌の温もりを感じさせながら端正な様式感を 脈々と築き上げてゆく解釈も比類ない仕上がり。シリーズ先行盤の数々でみせた境地からの予感を何一つ裏切らない、この3曲における21 世紀ならではの新名盤と言ってよいでしょう。複雑な歴史の中ドイツ語圏由来の文化も多く残るロレーヌ地方メスの有名ホールを会場に、 ALPHAやNAIVEなど多くのレーベルで活躍する名技師ジャン=マルク・レネの仕事も光ります。室内楽の深みと香気を存分に味わえる注 目リリースです。
LDV-69
バッハ・トゥ・ザ・フューチャー
バッハ:「6声のリチェルカーレ」 BWV1079/2(「音楽の捧げもの」より)
小フーガ ト短調 BWV578
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
「主なる神よ、われを憐れみたまえ」 BWV721
幻想曲 ト短調 BWV542/1
フーガ ト短調 BWV542/2
「汝のうちに喜びあり」BWV617
「わが心の切なる願い」 BWV727
幻想曲 ト長調 BWV572
パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
オリヴィエ・ラトリー(Org/1868年製カヴァイエ=コル)

録音:2019年1月6-8日/ノートルダム大聖堂(パリ)
ラトリーは23歳の若さでパリ・ノートルダム大聖堂に据え付けられた大オルガンの正オルガニストに就任し、以後コンサート・オルガ ニストとして活躍する世界屈指の卓越した演奏家です。レパートリーはバロックから現代まで網羅し、さらに即興演奏も得意とする圧倒的な存在として知 られます。
原点回帰ともいえるバッハの録音。ラトリーは1990年代にBNLレーベルにバッハの主要オルガン作品を録音し、その後2003年録音でDGレーベ ルよりオルガン・トランスクリプションとしてシャコンヌなどのバッハの作品を取り上げておりますが、オール・バッハ・プログラムでの録音は実に四半世 紀ぶりで満を持しての録音といえます。
トッカータとフーガやパッサカリアとフーガで巧みなレジストレーションでカヴァイエ=コル製作の大オルガンを演奏。まるで万華鏡のように変化するパ イプオルガンの音色に驚かされます。また、通称「大フーガ」で知られる幻想曲とフーガ ト短調 BWV542では、ラトリーは演奏する際にリストのピアノ 編曲などを参考にし、幻想曲ではラトリー自身による解釈で多くの和音を追加しております。残響7秒という当大聖堂の響きを考慮し、まさに幻想的な世 界を描きます。圧倒的な技術とラトリーでしか表現することのできない唯一無二のバッハ作品をご堪能ください。なお、ブックレットにはラトリーによる当 アルバムのコンセプト、楽曲解説、およびカヴァイエ=コルのオルガンについての日本語訳付です。 (Ki)
LDV-71
ジャック・オッフェンバック:2本のチェロのための二重奏教程
・難易度E:第3巻 ハ長調 op.53
・難易度E:第2巻 イ短調 op.53
・難易度E:第1巻 変ロ長調 op.53
・難易度F:第2巻 ホ長調 op.54
・難易度C:第2巻 ロ短調 op.51
・難易度D:第3巻 ハ長調 op.52
グザヴィエ・フィリップ(Vc/1710年製マッテオ・ゴフリラー)
アンヌ・ガスティネル(Vc/1690年製テストーレ)

録音:2019年3月6-8日、パリ
地獄のオルフェ(天国と地獄)』で有名な作曲家のオッフェンバックは、“チェロ界のフランツ・リスト” とも称されるほどに、チェロ の演奏に優れた技術を持っていました。そのオッフェンバックは、1839年から1855年にかけて、『2本のチェロのための二重奏教程』を6つの曲集に 分けて出版しました。6つの曲集には、演奏の難易度を示すAからFまでの6つの等級が順に振られており、『教程』全体で段階的に難易度が上がると いう構成がとられています。どれもオペレッタのアリアを思わせる美しい旋律に満ちており、それを支える伴奏役パートには超絶技巧が要求される、楽しく も充実した曲がばかり。旋律役と伴奏役はしばしば入れ替わり、二人の奏者に高い技術と音楽性が要求されます。ここに収められたのは、3つの曲集(難 易度C、E、F)から厳選された6曲。グザヴィエ・フィリップがガスティネルに呼びかけるかたちで実現した、初の共同録音ですが、オッフェンバックの 旋律美を心ゆくまで堪能できる1枚となっています。
グザヴィエ・フィリップ・・・1971年パリ生まれ。ロストロポーヴィチのもとで長年研鑽を積む。世界的なコンクールで賞を獲得、ムーティ、ゲルギエフ、エッ シェンバッハら著名な音楽家たちと共演を重ねる。室内楽にも重きを置いています。演奏者として活躍するかたわら、2013年からローザンヌ高等音楽院シ オン校で教授を務める。トリオ・ヴァンダラーのヴァイオリン奏者ジャン=マルク・フィリップ=ヴァイジャベディアンとは兄弟にあたる。
★アンヌ・ガスティネル・・・1971年リヨン近郊で生まれます。リヨン国立高等音楽院で学んだのちパリ国立高等音楽院に進学。これまで指導を受けたヨー ヨー・マ、シュタルケル、トルトゥリエからは、早くからは類まれな成熟ぶりを湛えられています。1997年にはマルア・カザルス・イストミンから、パブロ・ カザルスの愛奏した名器マッテオ・ゴフリラーを1年間貸与された。2006年、ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークにて「年間最優秀ソリスト」に選出。 室内楽では、クレール・デゼール、エルメス四重奏団らと共演。2003年、リトン国立高等音楽院の教授に就任。 (Ki)
LDV-72
シューベルト:ソナタ集
ピアノ・ソナタ 第16番イ短調 D845
高雅なワルツ 第8番イ長調 D969
ワルツ ヘ長調 第35番D365
ワルツ ヘ長調 第36番D365
ピアノ・ソナタ第17番ニ長調 D850
フィリップ・カサール(P)

録音:2019年4月19-21日、アルセナル=メス、フランス
クリスタルのような音色の巨匠、フィリップ・カサールによるシューベルト作品集。ソナタ D 845を作曲していた時、シューベルトは歌曲「墓堀人の郷 愁」D842を作曲していました。この歌曲では「あらゆるものから見捨てられ/ただ死へと繋がっている私は/十字架を手にして/墓の縁に立ち/憧れの まなざしを/墓穴の奥底へと注ぐ」という歌詞を歌う間、ピアノ・パートが装飾音つきのユニゾンで歌の旋律をなぞる部分があります。その音型は、ソナ タD845の第1楽章の第1主題と瓜二つです。カサールはクリスタルのような音色でシューベルトがこめた旋律やリズムモティーフなど、すべてを高らか に響かせています。ワルツではカラリとした音色が一層冴えわたっており、シューベルトの小品の魅力を伝えてくれます。フランスの巨匠カサールの真骨頂 が発揮されたシューベルト作品集となっています。 (Ki)
LDV-73
グラナドス:ゴエスカス(全6曲) ジャン=フィリップ・コラー ル(P)

録音:2019年5月30日-6月1日/メッツ、アルセナル劇場
2020年72歳になるフランスの名ピアニスト、ジャン=フィリップ・コラール。フランス作品やラフマニノフなどは名盤の誉れ高いですが、今回スペインのグ ラナドスの「ゴエスカス」に初挑戦。
ゴヤの絵画に触発されて生まれたグラナドスの最高傑作で、演奏には非常に難度の高いテクニックが要求されることでも知られています。解釈的にもスペ イン音楽ならではの煽情的ともいえる濃厚な情感表現が難しいとされています。 録音に臨みコラールはグラナドス自身が残した同曲のピアノ・ロールによる演奏を熱心に聴き多大な示唆を受けると同時に、譜面に書き記された多くの演 奏指示が「グラナドスはこの曲の演奏者たちが自身の限界を突破することを望んだ」ためと納得したと述べています。
その結果、コラールの「ゴエスカス」は信じ難いまでの説得力に満ちた名演となりました。テクニックの熟達はもちろん問題なく、フランス風のシックな風 格と落ちつきが絶品。抑えた感情が「ゴエスカス」の持つ優雅さと気高さを際立たせています。
LDV-74
プロコフィエフ:ピアノ曲集
年老いた祖母の物語 op.31
4つの練習曲 op.2
束の間の幻影 op.22
ピアノ・ソナタ第6番イ長調 op.82“戦争ソナタ”
フロ ーリアン・ノアック(P)

録音:2019年4月22-25日、ヴッパータール、インマヌエル教会(ドイツ)
1990年生まれのノアックによる、プロコフィエフ作品集。ひりひりするような「戦争ソナタ」など、ノアックの情熱が、プロコフィエフの音楽がはらむ “打楽器性” のなかで烈しく発散されています。
フローリアン・ノアックは1990年ブリュッセル生まれ。12歳でエリーザベト王妃音楽大学の天才児養成コースの受講生に選ばれ、井筒ゆかに師事。 その後、ケルン音楽大学ではソリア出身のピアニスト・作曲家のヴァシリー・ロバノフ、バーゼル音楽大学ではクラウディオ・マルティネス・メーナーのも とで学んでいます。早くからロマン派と後期ロマン派の知られざるレパートリーの紹介に情熱を傾け、彼の演奏会プログラムには、しばしば、リャプノフ。 アルカン、メトネル、ドホナーニといった作曲家たちの名が並んでいます。すぐれた編曲家でもあるノアックは、ベレゾフスキー、バシキーロフ、カツァリス をはじめとする演奏家たちに、編曲作品を提供しています。 (Ki)
LDV-75
ウォルトン(1902-1983):ヴィオラ協奏曲
グウェナエル・マリオ・グリジ(b.1989):オン・ザ・リール
プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(ヴィオラとオーケストラのための組曲)
[ヴァディム・ボリソフスキーによるヴィオラとピアノ版、管弦楽編曲:ジャン=ピエール・ヘック]【1.イントロダクション 2.少女ジュリエット 3.騎士たちの踊り 4.バルコニーの情景 5.ジュリエットの死 6.マキューシオ】
アドリアン・ラ・マルカ(Va)
リエージュPO
クリスティアン・アルミンク(指)
フランスの俊英ヴィオラ奏者アドリアン・ラ・マルカ。ヴィオラとオーケストラのための作品の録音で登場です。名曲ウォルトン、そしてラ・マルカがリエージュ・ フィルのレジデント・アーティストを務めていた時に委嘱し、ラ・マルカが初演したグリジによる新曲、そしてプロコフィエフのロメオとジュリエット、という 3 作品です。グリジはベルギー出身の作曲家。幼い頃観た映画の音楽に魅了され、作曲を志します。21歳で [ ‘Tactus]’ 賞を受賞、リエージュ・フィルハー モニーのレジデンス・コンポーザーを務めるなど、早熟の天才。それぞれ明確なストーリーがあり、いわばヴィオラが主人公(HERO)の1篇の映画を見て いるような気分になる1 枚です。
アドリアン・ラ・マルカはフランス出身。2014年、「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジーク」よりソロ器楽奏者として最優秀新人賞を授与された。幼少期 より音楽教育を受け、リールで行われた若手ヴィオラ奏者のためのフランス国立コンクールで第1位に輝く等、早くから高評価を獲得しています。2008年、 音楽塾「小澤征爾スイス国際アカデミー」より招かれ、創設者の小澤征爾はもとより、ロバート・マン、パメラ・フランク、今井信子、原田禎夫のもとで学 んだ。パリ国立高等音楽院修士課程を修了後の2010年、同音楽院の博士課程(第3課程)に進み、ライプツィヒにてタチアナ・マスレンコにも師事した。 現在はベルリンの由緒あるハンス・アイスラー音楽大学にて、タベア・ツィンマーマンのもとで研鑽を積んでいます。音楽祭への出演多数。また、室内楽でも、 アドルフ・ブッシュへのオマージュとしてルノー・カプソンらと四重奏団を結成し、ヨーロッパの主要舞台で公演を行うなど活躍しています。使用楽器は、ジルバー /ランパル財団より貸与されたジョヴァンニ・バティスタ・ガダニーニ。 ピアニストのトーマス・ホッペは、これまでにアメリカやヨーロッパで、パールマン やタベア・ツィンマーマンといった器楽奏者・歌手と共演を重ね、絶大な信頼を得ているピアニスト。パールマンのジュリアード音楽院でのクラスでは長年ピ アニストを務めた。現在、ハンス・アイスラー音楽大学で後進の指導にあたっています。La Dolce Voltaレーベルより「BRITISH DELIGHT〜イギリスのヴィ オラ作品集」(LDV 22)が絶賛発売中。 (Ki)
LDV-76
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集
ピアノ三重奏曲第5番ニ長調作品70-1「幽霊」
ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調作品97「大公」
フィリップ・カサール(P)
アンヌ・ガスティネル(Vc)
ダヴィド・グリマル(Vn)

録音:2019年11月4,6日
長年にわたり共演を重ねているフィリップ・カサール(P)、アンヌ・ガスティネル(Vc)、ダヴィド・グリマル(Vn)によるベートーヴェ ンのピアノ三重奏曲がリリースされます。あえて常設トリオとせずに個々の” 自由” を尊重し、高い理想掲げて演奏してきた3人だからこそ、ルーティンワー クとは無縁の新鮮かつ先入観のない演奏が繰り広げられています。3人はここ数年ベートーヴェンの作品に熱心に取り組んでいました。録音に当たっては、ベー トーヴェンのピアノ三重奏曲を最も象徴する2作品を選んだといいます。そしてじっくりと作品と向き合うなかで、ベートーヴェンの堅固な構造はもちろんの こと、夢幻的な側面も強く感じ、それをベートーヴェンの心の奥底の孤独な声としていかに音楽を表現するかに重点を置いたといいます。 3人の音楽性を補い合い、その相違を建設的な道筋をへて、より親密にテンポや呼吸を合わせ、細部に至るまで妥協せずに作り上げた演奏を聴くことができ ます。 (Ki)
LDV-77
イザイ:6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ op.27 ダヴィド・グリマル(Vn/ストラディヴァリウス’ex-Roederer’)

録音:2019年7月8-10日、ボン=セクール教会(パリ)
※日本語解説付
フランスの名手グリマルによる、イザイのヴァイオリン・ソナタ全曲録音の登場。イザイは、19世紀から20世紀にかけてのヴァイオリン界を先導 した人物でした。教師、奏者、作曲者としても名を成したイザイの指導を受けた人物にはアイザック・スターンがおり、そのスターンの教えを受けた一人にレジス・ パスキエがいます。パスキエはグリマルの師でもあり、イザイのソナタを録音した初めてのヴァイオリン奏者でもあります。イザイの精神が現代の名手たちにも脈々 と受け継がれていることを感じさせる演奏。ふくよかさを感じさせる瞬間もあるグリマルのイザイ、注目です。 【イザイのヴァイオリン・ソナタ】 6曲から成るイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタop.27は言わずとしれた難曲ぞろい。自身優れたヴァイオリニストでもあったイザイが、バッハの無伴奏ソナタ & パルティータを強く意識して書いたもの (イザイの自筆譜にはバッハの各曲の調性のメモもあります)。 各曲が名ヴァイオリン奏者やイザイの高弟に捧げられているのも特徴。第1番はシゲティ、第2番はティボー、第3番はエネスコ、第4番はクライスラー、第5番はイ ザイの高弟でイザイSQの第2ヴァイオリン奏者を務めてもいたマシュー・クリックボーム、第6番はイザイの高弟、マヌエル・キロガに捧げられています。 バッハの引用があったり、グレゴリオ聖歌の引用があったり、また、バロック風、スペイン舞曲風、印象派絵画のような楽曲など、実に個性豊かで超絶技巧も随所に 盛り込まれた楽曲ぞろいとなっています。 (Ki)

LDV-78(2CD)
ダルベルト/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
ソナタ第8番ハ短調 op.13「悲愴」
ソナタ第12番変イ長調 op.26「葬送」
ソナタ第14番嬰ハ短調 op.27-2「月光」
ソナタ第23番ヘ短調 op.57「熱情」
ソナタ第32番ハ短調 op.111
ミシェル・ダルベルト(P/スタインウェイ D274)

録音:2019年2月6日(op.26&111)、6月5日(op.13, 27 & 57)、サル・モリエール、リヨン(ライヴ録音)
ダルベルトは様々な録音を残していますが、ベートーヴェンに関しては1980年代に、初期ソナタ(第1-7番)、交響曲第6番「田園」のリスト編曲、 そして約20年前に五重奏曲 op.16を録音したものがあるくらいでした。ここでソナタの中でも人気作品を集めた注目のリリースが登場します!ダルベル トは日本でのファンも多く、来日も重ねています。そのたびに、風格と知性、そして確固たる技術でもって圧巻の演奏を披露しており、まさに巨匠の域に 達しているといえるでしょう。そんなダルベルトによるベートーヴェン。[CD1]冒頭収録の「悲愴」ソナタの冒頭の和音から金縛りにあったような衝撃。 緩徐楽章の穏やかな美しさは絶品。何度も聴いたことのあるはずのベートーヴェンのこれらのソナタが、目の前で今、生まれているような鮮烈な演奏でた ちのぼってきます。新しい定盤としておすすめしたい2枚組です! (Ki)
LDV-80
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
テ オ・フシュヌレ(P)

録音:2019年10月28-30日、シテ・ミュジカル=メス、アルスナル・ホール
2018年ジュネーヴ国際コンクールで第1位に輝いたテオ・フシュヌレによるベートーヴェン。コンクールの本選の演奏終了直後、ラ・ドルチェ・ヴォルタ・ レーベルのディレクターとエレベーター内で偶然一緒になり、そこで録音の話になったといいます。演目は、フシュヌレが録音したいとずっと思っていたハンマー クラヴィーア、そして同じくベートーヴェンの実験的な姿勢が驚くほどふんだんに盛り込まれた「ワルトシュタイン」という組み合わせ。特に「ハンマークラヴィー ア」で聴かせる勢いとメリハリ、そして詩的な音楽はフシュヌレのこれからの活躍を予感させるに十分な輝きを放っています。
テオ・フシュヌレ・・・1994年生まれ。その繊細で詩的なタッチと、すでに円熟みをおびた演奏によって、他の同世代の演奏家たちの中でも抜きんでた 存在として定評を得ています。パリ国立高等音楽院で、プラネス、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェらに師事。2013年、ガブリエル・フォーレ国際コンクー ル第1位。2018年、トリオ・メシアンのメンバーとしてリヨン国際室内楽コンクールで第1位おより5つの特別賞を贈られています。2018年11月にジュネー ヴ国際コンクールで第1位に輝いた。「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジーク・クラシック」の新人賞(器楽奏者部門)にノミネートされるなど、活躍と注目 度抜群の注目奏者。 (Ki)
LDV-81
ロシアのピアノ三重奏曲
(1)ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1番ハ短調Op.8
(2)同:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調Op.67
(3)ヴァインベルク:ピアノ三重奏曲イ短調Op.24
トリオ・メトラル【ジョゼフ・メトラル(Vn)、ジュスティーヌ・メトラル(Vc)、ヴィクトル・メトラル(P)】

録音:2019年10月31日-11月2日/メッツ・アルセナル大ホール
2019年3月にリリースしたメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲アルバム(AP-198)が好評のフランスの若い兄弟によるピアノ三重奏団トリオ・メトラル。今回 は旧ソ連のピアノ三重奏曲3篇に挑戦。
ショスタコーヴィチは友人ソレルチンスキー追悼のために書かれた名作第2番と初期の急進的な第1番両方を収録。またショスタコーヴィチの薫陶を受け親しかっ たヴァインベルク初期の作品も収録。ヴァインベルクはピアノの名手だったため、この曲のピアノ・パートはダイナミックに書かれていますが、ヴァイオリンとチェロ も同様に難曲で、腕利きのトリオ・メトラルも苦労したと語っています。物凄いエネルギーが放出されるような演奏です。
トリオ・メトラルはフランスの若い兄弟によるピアノ三重奏団。長兄ジョゼフはパリ音楽院でオリヴィエ・シャルリエに師事。妹ジュスティーヌは同院でチェロをラ ファエル・ピドゥー、ラファエル・メルランに、弟ヴィクトルも同院でピアノをケフェレック、ダルベルトに学び、さらにチッコリーニ、プレスラー、ペヌティエの教えも 受けた実力派。 (Ki)
LDV-82
ベートーヴェン(リスト編):交響曲第9番「合唱」(2台ピアノ版) セドリック・ペシャ、フィリップ・カサール(P)【ベヒシュタイン使用】

録音:2020年1月20-25日/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
ベートーヴェン・イヤーの2020年、さまざまなディスクが登場していますが、もうひとつの豪華注目盤が登場します。リストが2台ピアノ用に編曲した第9を、 スイスの若手ペシャとフランスのベテラン、カサールが今年2020年1月にセッション録音。
そもそもは、ベートーヴェン・イヤーに何をやろうかと思案していたカサールが、ハルモニア・ムンディからリリースされていたミシェル・ダルベルトが弾くリ スト編曲の田園交響曲を聴き、ヒントを得たとのこと。第9にそそられましたが、独奏版よりも効果的で迫力ある2台版を選び、昔この曲を演奏したことがある というペシャとの録音が実現しました。
ペシャはかつて経験のある第1ピアノを、カサールは第2ピアノを担いましたが、両方とも恐るべき難曲で体力的にも奏者を疲労困憊されるだけでなく、オー ケストラの各楽器や声楽までピアノで表現するため、音色の変化やペダリングにも細心の注意が必要です。それゆえ準備に1年かけ、何度も合わせたうえでの 録音となりました。
ペシャは小津安二郎の映画を熱愛し、その影響がバッハ演奏解釈にも現われていると自認していますが、第9にも現われているか興味津々。また歌手の伴奏 にも定評のあるカサールはさすが声楽を熟知していて、フィナーレの独唱も合唱もまるで声のように耳へ届きます。ピアノはカサール鍾愛のベヒシュタインを使 用 。深 み のある美しい 響きにも注 目 。 (Ki)
LDV-84
最後のドビュッシー
ドビュッシー:12の練習曲、
エレジー、
聖セバスティアンの殉教(アンドレ・カプレ編)、
燃えさかる炭に照らされた夕べ
フィリップ・ビアンコー ニ(P)

録音:2020年1月3,6日
名手、フィリップ・ビアンコーニによる香り高いドビュッシー。2012年には「前奏曲集」全2巻を録音し、今回はドビュッシーのピアノ音楽の極致ともい える「練習曲集」を録音しました。ドビュッシーは「練習曲集」において、リズム・響き・形式・構造の実験をきわめて大胆に推し進めることになります。そ れはドビュッシーの到達点でもあり、未来への扉を開く一手だったともいえるでしょう。ドビュッシーは自身の音楽上の進歩に決して背中を向けず、それによっ て自身の作風を豊かにし続け、同時に新たな扉を開き、その極みこそが「練習曲集」で追求された凄まじい急進主義となります。カップリングには、アンド レ・カプレの編曲による「聖セバスティアンの殉教」、内省的で、物悲しい「エレジー」、そしてボードレールの詩(「バルコニー」)の一節にちなんだ「燃え さかる炭が照らす夕べ」を収録。これまでドビュッシーの円熟期の幕開けを告げる作品(「版画」「映像」ほか)、「前奏曲集」全曲を録音したビアンコーニ だからこそ表現しうる渾身の演奏を聴くことができます。
LDV-85
シューベルト:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第13番イ短調 D804「ロザムンデ」
弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D810「死と乙女」
エルメスSQ【オメール・ブシェーズ(Vn1)、エリーゼ・リュウ(Vn2)、ユン=シン・ロウ・チャン(Va)、ヤン・ルヴィオノワ(Vc)】

録音:2020年7月15-18日
リヨン国立高等音楽院内で2008年に結成されたエルメスSQ。ラヴェル四重奏団をはじめ、イザイ、アルテミスなどの指導で研鑽を積みました。さら に、アルフレッド・ブレンデルにも影響を受け、今日も定期的に氏のもとで学んでいます。そんな彼らは、シューベルト演奏はブレンデルに多大なる影響を受けてい る、と語ります。ジュネーヴ国際コンクール優勝をはじめ、世界で輝かしい成績を収めているカルテットの、現時点での深みと、今後のさらやなる飛躍に大きく期待 させられる内容です。
LDV-86
バブル〜ダナ・チョカルリエと友人たち
(1)プーランク:3人の貴婦人(「パリの風物」より)【フィリップ・カトリーヌ(歌)】
(2)リュシアン・ブラガ:踊りたい【ジュリー・ドパルデュー(語り)】
(3)コンスタンティネスク:トッカータ「ジョク・ドブロジェン」
(4)アルチュニアン:即興曲【アストリグ・シラノシアン(Vc)】
(5)ドビュッシー:ゴリウォーグのケークウォーク
(6)ピアソラ:フラカナーパ【パスカル・コンテ(アコーディオン)】
(7)スタネスク:シャンソン【ジュリー・ドパルデュー(語り)】
(8)サティ:あなたが好き
(9)ワイル:あなたを愛していないわ【ジュリー・ドパルデュー(語り)】
(10)シューベルト:軍隊行進曲ニ長調【アンヌ・ケフェレック(P・デュオ)】
(11)アイヴァジアン:アルメニア舞曲【アストリグ・シラノシアン(Vc)】
(12)パスカル・コンテ(フレッド・ハリンガー編):スパークリング・ガール【パスカル・コンテ(アコーディオン)】
(13)モーツァルト:ロンド ニ長調K.485
(14)プーランク:モンパルナス【フィリップ・カトリーヌ(歌)】
(15)コミタス:私は踊れない【アストリグ・シラノシアン(Vc)】
(16)カナダ伝承曲:ハングマンのリール【ジル・アパップ(Vn)】
(17)フィリップ・グラス:モダン・ラヴ・ワルツ
(18)ジャン=ピエール・アルマネ:これがアメリカだ
(19)ジルベール・ベコー(シリル・レーン編):ワルシャワのピアニスト【イザベル・ジョルジュ(歌)】
(20)ショパン:華麗なワルツOp.34の3
(21)リュシアン・ブラガ:3 つの顔【ジュリー・ドパルデュー(語り)】
ダナ・チョカルリエ(P)
Fazioli使用

録音:2020年2、6、9月/バニュー音楽・舞踊館
1968年ルーマニア生まれのピアニスト、ダナ・チョカルリエ。la dolce voltaレーベルからシューマンのピアノ独奏曲全集(13枚組)をリリースして注目され ました。陽気でオープンな人柄の彼女は交友も多く、このアルバムではその友人たちが彼女のもとを訪れ、さらりと小品を楽しむさまが収録されています。
とにかく豪華な面々。奇才フィリップ・カトリーヌ、名優ジェラール・ドパルデューの愛娘ジュリー、チェロのシラノシアン、アコーディオンのパスカル・コンテらと さまざまな地域のさまざまなジャンルの曲を楽しみ、人気ピアニスト、アンヌ・ケフェレックとシューベルトの名曲「軍隊行進曲」を連弾します。
演奏はいずれも超一級。余興のようでありながらさずが一流芸術家たちの天才芸を味わえます。 (Ki)
LDV-87
メレディス・モンク(b.1942):Ellis Island(エリス島)
バーンスタイン(ジョン・マスト編):シンフォニック・ダンス(ウェストサイド物語より)〔プロローグ、サムホエア、マンボ、チャ=チャ、出会いの場面、クール、フーガ、ランブル、フィナーレ〕
フィリップ・グラス(b.1937):2台ピアノのための4つの楽章
ジョン・アダムズ(b.1947):ハレルヤ・ジャンクション
ヴァネッサ・ワーグナー 、
ウィレム・ラチュウミア(P)

録音:2020年7月
ふたりのフランスのピアニストが奏でる「アメリカ」。1973年レンヌ生まれ、クラシックのみならず電子音楽など多彩な活躍で魅せるヴァネッサ・ワーグナー、そ して1974年リヨン生まれ、ハイドシェックにも薫陶を受け、独自のプログラムを追求するラチュウミア。二人の最初の接点は、ラチュウミアのヴィラ=ロボスの録音 を聴いて衝撃を受けたワーグナーがラチュウミアにコンタクトをとり、ヴァレーズのアメリカを演奏するツアーで共演しないか、と誘ったことだといいます。それから コラボレーションを重ね、今回のアルバムの登場となりました。選曲は、昔のヨーロッパの人々がアメリカにわたるときに必ず通過したエリス島に始まり、ニューヨー ク(ウェストサイド物語)を冒険し、グラスのミニマル風音楽、そして奏者には極めて緻密なリズム感覚を要求しながらも、爆発的なエネルギーを秘めたジョン・アダ ムズと、アメリカ音楽の世界を堪能できるプログラムとなっています。 (Ki)
LDV-88(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲) BWV 1001-1006 ダヴィド・グリマル/ヴァイオリン(使用楽器:ストラディヴァリウス”ex-Roederer”(1710年製)、弓:トゥルテ(1740年))

録音:2021年2月10-18日、ロワイヨーモン修道院内食堂
※日本語帯・解説付
フランスのヴァイオリン奏者、ダヴィド・グリマルによる3度目のバッハ無伴奏ソナタ&パルティータの全曲録音の登場。50歳を目前に控えた時期の録音です。 使用している1710年製のストラディヴァリウスにはバスバー(表板を補強するための楽器内部の部材)がバロック・ヴァリオインとは違うように取り付けられて いるため、当時のピッチでは演奏できず、A=440Hzでの演奏。バッハがこれらの作品を作曲したのと同じ時期に製作された弓を用い、独特なアーティキュレーショ ン、重音奏法を引き出しています。当時と現代のまさに融合が図られた中での録音で、録音場所の音響の素晴らしさもあいまって、唯一無二のバッハの登場となり ました。 =ロワイヨーモン修道院は1228年に建設され、1927年に歴史的建造物に認定されました。パリを中心とするイル・ド・フランス地域圏で最大のシトー会修道院 建造物です。壮麗な回廊(クロイスター)と、フランスでもっとも美しいゴシック様式の大食堂を擁します。= ダヴィド・グリマルは、30年にわたって世界各地の主要な舞台に立ち、ソリストとして数々のオーケストラと定期的に共演を重ねてきた。グリマルのために、多くの 傑出した現代作曲家たちが新作を書き上げており、引く手あまたの室内楽奏者でもある彼は、屈指の国際 音楽祭から招かれ演奏しています。ソリストとしての活動と並行して、約15年前に“レ・ディソナンス”を創設。以来グリマルは、芸術監督として同楽団を率いてきた。 “レ・ディソナンス”は、世界で唯一、指揮者なしで定期的に主要な交響作品を奏でているオーケストラであり、これまでヨーロッパ中の一流コンサート・ホールで演 奏を披露しています。また同団を範として、多数の由緒あるオーケストラがグリマルに共演を依頼しています。 この“分かち合い”の精神の延長線上にある“ロートル・セゾン(L'Autre Saison)”は、グリマルがパリの野外生活者たちの支援を目的に立ち上げたコンサート・ シーズンです。 グリマルは、2008年にフランス共和国文化通信省から芸術文化勲章“シュヴァリエ”を受勲。ザールブリュッケン音楽大学でヴァイオリン演奏を指導するかたわら、 世界各地からたびたび招かれマスタークラスを開いています。 (Ki)
LDV-89
シャンソン・ボエーム
(1)ユベール・ジロー:巴里の空の下
(2)ブラームス:ワルツ「愛の歌」Op.52の6
(3)チャイコフスキー:感傷的なワルツOp.51の6
(4)ドヴォルザーク:母の教えたまいし歌
(5)フランク・ブリッジ:セレナード
(6)ハンス・ジット:アルブムブラッターOp.39(全6曲)
(7)サティ:あなたが好き
(8)プーランク:愛の小径
(9)マスネ:スペインの夜
(10)カントルーブ:「オーヴェルニュの歌」〜かわいい羊飼い/向こうの谷間に
(11)ナディア・ブーランジェ:ルクス・エテルナ
(12)フィリップ・グラス:ミシマ(弦楽四重奏曲第3番より)
(13)ピアソラ:オブリビオン(忘却)
(14)ヤン・ティルセン:テンペルホーフ
(15)ブリュノ・クレ:凧
(16)アズナヴ ー ル:ラ・ボ エ ーム
アドリアン・ラ・マルカ(Va)
ダナエ・デルケン(P)

録音:2021年5月5-7日/アンドレアス教会(ベルリン=ヴァンゼー)
1989年生まれのフランス・ヴィオラ界の期待の星ラ・マルカと1991年ドイツ生まれのダナエ・デルケンによる新時代のヴィオラ・アルバム。
ラ・マルカのla dolce voltaレーベルのディスクはイギリス作品のイメージがありますが、今回は母国フランスの、それもシャンソンや民謡などメロディをたっ ぷり歌う作品が中心に集められています。
冒頭いきなりエディット・ピアフやジュリエット・グレコでおなじみのシャンソン「巴里の空の下」が歌われますが、明らかにヴァイオリンではないシックな秋色の 音色にしびれます。サティの「あなたが好き」もプーランクの「愛の小径」もオシャレの極み。フランス作品ではありませんが、チャイコフスキーの「感傷的なワルツ」 やドヴォルザークの「母の教えたまいし歌」も泣けます。
ヴィオラの魅力と表現力を最大に生かしながら親しみやすい作品ばかり集めた、まさに21世紀的ヴィオラ・ワールドです。 (Ki)
LDV-90
リャプノフ:12の超絶技巧練習曲 フロリアン・ノアック(ピア ノ)

録音:2020年6月2-5日/ドイツ放送室内楽ザール(ケルン)
1990年生まれのベルギーのピアニスト、フロリアン・ノアックは超絶技巧作品に積極的で2018年の初来日以来日本でもファンを増やしています。ノアックは リャプノフのピアノ曲に特別な興味と愛着を感じていて、これまでもArs Productionレーベルから2枚のアルバムをリリースしていました。
今回はla dolce voltaレーベルからリャプノフの最高傑作にして最重要作品「12の超絶技巧練習曲」のリリースとなります。リストの同名作で使わなかった 12のシャープ系調性を用い、リストの華麗さにバラキレフのボルテージのさを加味した難易度の異常な高さで恐れられています。
ノアックは14歳の時にこの作品を知り、これほど緻密に書かれた傑作が不当に無視されていることに驚きと怒りを感じたと記しています。これまで数枚のディ スクはありますが、リャプノフの音楽を知り尽くしたノアックの理解の深さで圧倒されます。 ノアック自身による解説(日本語訳)付です。

LDV-91
フォーレ:13の舟歌【第1番イ短調Op.26、第2番 ト長調Op.41、第3番変ト長調Op.42、第4番変イ長調Op.44、第5番 嬰ヘ短調Op.66、第6番変ホ長調Op.70、第7番 ニ短調Op.90、第8番変ニ長調Op.96、第9番イ短調Op.101、第10番 イ短調Op.104/2、第11番ト短調Op.105、第12番 変ホ長調Op.106bis、第13番ハ長調Op.116】
バラード 嬰へ長調Op.19
ジャン=フィリップ・コラール(P)

録音:2020年9月6-8日、アルセナル大ホール、メス音楽都市
※日本語解説付
フランスの大家、ジャン=フィリップ・コラール(1948年生まれ)。フォーレの全ピアノ独奏曲と室内楽作品の録音は1970年、ジョルジュ・シフラ国際コンクー ル優勝直後にすでに行っており、これをもってコラールは世界的にフォーレの名手として認められることになりました。このたび、50年という時を経て、ふたたび 13の舟歌を録音しました。再録音のきっかけは、最近、ふと車のラジオから流れてきた舟歌の演奏にあれこれ思いをめぐらせていたら、なんと自分の演奏で、これ はもう一度録音しなければ、と思ったから、ということ。様々なスタイルの舟歌を、鼻歌を歌うように軽々と、しかし完璧に均整のとれたハーモニーで美しく響かせ ています。バラードも、エレガンスとテクニックでファンタジー豊かに描いています。 (Ki)

LDV-092
スクリャービン:ピアノ曲集
(1)スクリャービン:ピアノ協奏曲嬰ヘ短調Op.20
(2)同:練習曲変ロ短調Op.8の11
(3)同:練習曲嬰ニ短調Op.8の12
(4)同:左手のための前奏曲とノクターンOp.9
(5)同:ピアノ・ソナタ第4番嬰ヘ長調Op.30
(6)リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30
ジャン=フィリップ・コラール(P)
エミール・タバコフ(指)ビルケントSO

録音:2007年1月21-23日(1)、2011年1月19日(2)(3)、1月20日(4)(5)、2007年12月7-9日(6)/ビルケント・コンサート・ホール
今やフランス・ピアノ界を代表するピアニストとなったジャン=フィリップ・コラール。彼がなんとスクリャービンとリムスキー=コルサコフに挑戦しました。どちら も彼にとって初作曲家となります。
彼はフォーレやラヴェルといったフランスの作曲家のみならず、ラフマニノフを得意とし、協奏曲全集の録音は高く評価されていることからも、ロシア音楽に向い ていることが伺えます。
メインはスクリャービン若書きのピアノ協奏曲。ショパンを思わす繊細でみずみずしい情感に満ちた魅力作で、コラールの清潔な演奏にピッタリ。このスコアを見 て、「間違いだらけだ!」と怒ったとされるリムスキー=コルサコフの協奏曲もコラールの演奏で聴くことができるのはたいへんな贅沢。ピアノ独奏も華麗なうえ、 オーケストラも充実している親しみやすい作品ながら、スクリャービンの協奏曲以上に演奏される機会は少ないため貴重。どちらも2007年の録音で、60代初め のコラールの円熟芸を楽しめます。
フィルアップはスクリャービンの独奏曲。人気の高い嬰ニ短調の練習曲もしっかり収録。また中期を代表するピアノ・ソナタ第4番も期待できます。彼はホロヴィッ ツの演奏を聴いてスクリャービンに興味を持ったとのこと、ホロヴィッツほどの濃密さはないものの、初期作品ならではの鮮烈な抒情はコラールの爽やかさにピッ タリと申せましょう。
ブルガリア出身の指揮者タバコフとトルコのオーケストラ、ビルケントSOがフレッシュな共演をみせています。 (Ki)

LDV-93
ルイサダ、シューベルトを弾く
シューベルト:ピアノ・ソナタ第15番ハ長調 D840「レリーク」
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D960
ジャン= マルク・ルイサダ(P)

録音:2021年2月26日-3月1日、アルセナル大ホール、メス音楽都市
ルイサダがLA DOLCE VOLTAレーベルより登場。ルイサダの完ぺきなコントロールのタッチと深い歌に満ちた、超充実のシューベルトです。ルイサダがシューベ ルトに初めてふれたのは、5歳か7歳のとき、「未完成」交響曲を聴いて衝撃を受けたのをおぼえているそう。また、ピアーズとブリテンによる「美しき水車小屋の 娘」の演奏に感銘をうけ、また、その二人の前で演奏したこともあり、シューベルトはルイサダの中でずっと特別な存在だったといいます。ルイサダのピアニズムの 精緻で完璧であることは世界が認めるところですが、このシューベルトを聴いて、ルイサダがますます研ぎ澄まされたところに到達していることを感じます。 (Ki)
LDV-94
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15
バッハ/ブラームス編)):左手のためのシャコンヌ(原曲/ バッハ:ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004〜「シャコンヌ」)
ジョフロワ・クトー(P)
ダヴィド・レイラン(指)メス国立O

録音:2020年12月2-5日(協奏曲)、2021年1月2-3日(シャコンヌ)
ブラームス愛に生きるピアニスト、ジョフロワ・クトー。独奏曲全曲、そしてピアノを伴う室内楽の全曲録音につづき、協奏曲プロジェクトも始動。独奏曲、そして 室内楽も完全に手中におさめたクトーによる協奏曲は、作品のもつ雄大さを、オーケストラに負けることなく描ききっております。さらに、カップリングはブラーム ス編曲によるシャコンヌ。バッハを崇拝していたブラームスが、バッハと心を通わせ、さらに自身にとって近い存在であったクララ・シューマン、そして当時の大ヴァ イオリン奏者であるヨーゼフ・ヨアヒムらを思いながら編曲したこのシャコンヌを、クトーは熱き音色で弾ききっています。メス国立O(旧称:フランス国立 ロレーヌO)は、ラ・ドルチェ・ヴォルタ・レーベルがレコーディングの拠点としているアルスナル・ホールのレジデント・オーケストラで、2018年よりダヴィ ド・レイランが音楽監督兼芸術監督を務め、その存在感をさらに大きなものとしています。
LDV-95
「インスピレーションズ」〜リストの作品
バッハの名による幻想曲とフーガ(ジャン・ギュー編曲)
愛の夢第3番(オリヴィエ・ラトリー編曲)
バッハのカンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」による変奏曲(マルセル・デュプレ編曲)
「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」(カミーユ・サン=サーンス編曲)
コラール「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ
オリヴィエ・ラトリー(Org/リーガー・オルガン)

録音:2020年12月27-29日/フィルハーモニー・ド・パリグランド・サル「ピエール・ブーレーズ」
世界的に活躍するフランスの天才オルガニスト、オリヴィエ・ラトリーがリストの作品を録音しました!当アルバムではサン=サーンス、ギュー、デュプレそしてラト リーが編曲した作品が収録されております。
「バッハの名による前奏曲とフーガ」はリストの代表作で、1855年の初稿とヴァイマールでの演奏用に大幅に改訂された1870年の改訂稿が存在します。また リストは同曲をピアノ版にも編曲しております。この作品をオルガニスト、ジャン・ギュー(1930-2019)が編み直したのが「バッハの名による幻想曲とフーガ」 【モデラート+アンダンテ+フーガ+マエストーソ】で、初稿、改訂稿、ピアノ版の 3つのバージョンを融合させ、音を加えることせず、リストの豊かな響きを作り上 げました。天才オルガニスト、ギューがまるでオーケストラを思わせるオルガンの特性を最大限生かした形で編曲したこの版は、言わずもがなの超絶技巧作品。この 他、デュプレ編のバッハのカンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」による変奏曲、サン=サーンス編の「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」、オリヴィエ・ ラトリー自ら編曲した愛の夢第3番と、リストの作品にフランスの香りが加わった編曲でお楽しみいただけます。また、最後にはマイアベーアの歌劇「預言者」の主 題によるコラール「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」(「私達へ、魂の救いを求める人々へ」)による幻想曲とフーガを収録。リストらしい技巧と色彩感あふ れる旋律を用いたこの作品には新ロマン主義と呼ばれた独特の和声が散りばめられており、演奏時間30分の大曲です。(日本語解説・帯は付きません。)
演奏のラトリーは23歳の若さでパリ・ノートルダム大聖堂に据え付けられた大オルガンの正オルガニストに就任し、以後コンサート・オルガニストとして活躍す る世界屈指の卓越した演奏家です。レパートリーはバロックから現代まで網羅し、さらに即興演奏も得意とする圧倒的な存在として知られます。2019年4月、世 界に衝撃を与えたノートルダム大聖堂の火災。同年1月に収録された「バッハ・トゥ・ザ・フューチー」(LDV-69)は災害前の聖堂内でのオルガンの響きを収め た貴重な録音となり、現在も大ベストセラーとして注目されております。 (Ki)
LDV-96
NX-C04
ベルク、ブラームス、プーランク、シューマン: クラリネットとピアノのための作品集
プーランク:クラリネット・ソナタ FP184
シューマン:幻想小曲集 Op.73
 3つのロマンス Op.94
ブラームス:クラリネット・ソナタ 第2番変ホ長調 Op.120-2
ベルク:4つの小品 Op.5
ミシェル・ポルタル(Cl)
ミシェル・ダルベルト(P)

録音:2021年3月2-5日 シテ・ミュジカル=メス大ホール
※日本語解説付
クラシックとジャズ両分野で活躍するクラリネットの巨匠ミシェル・ポルタルと、ペルルミュテールの元で研鑽を積み様々なコンクールでの優勝歴 を誇る名手ミシェル・ダルベルト。その初共演は1977年にリリースされたダルベルトのデビュー・アルバムに遡るという、古い付き合いの二人に よるロマン派のクラリネット作品集。プーランク最晩年のソナタはベニー・グッドマンとレナード・バーンスタインによって初演されたもので、ポルタル とはジャズを通じて近い関連があるように思われますが、プーランク本人から演奏の助言を直接受けたというポルタルの表現は決してジャズ風 にはならず、グッドマンらとは大きく異なるものとなりました。続くシューマンとブラームス、そして彼らがあくまでドイツ・ロマン派の延長上にあると 位置付けるベルクにおいても、深い歌心で豊饒な音楽を聴かせています。クラリネット・ファンのみならず、全ての音楽ファンに広くお勧めした い、たいへん温かいアルバムです。
LDV-97
ショーソン:詩曲 作品25
ラヴェル:ツィガーヌ
エネスコ:ヴァイオリンと管弦楽のためのルーマニア奇想曲
ダヴィド・グリマル(Vn&芸術監督)
レ・ディソナンス

録音:2015年10月9日(エネスコ/ライヴ、演奏終了後拍手あり )、2021年4月12日(ショーソン、ラヴェル)
※日本語解説付
フランスの名手グリマル率いるレ・ディソナンスが、ヴァイオリン・ソロと管弦楽のための作品を録音しました。指揮者なしでの演奏です。詩曲とツィガーヌがはいっ ている、というだけでも非常に聴きたくなるプログラムですが、メインは、ルーマニアに生まれたエネスコの作品「ルーマニア奇想曲」であるといえます。このルー マニア奇想曲は、エネスコが、1925年から1949まで長い年月をかけて書き進め、最終的には未完となった作品。1990年代に作曲家コルネル・タラヌによっ て補筆されました。村の土埃や、道端で物語を歌い聞かせる老人の声などを思わせる音楽で、そうした土のにおいや空気を伝えるために、四分音なども出てきま す。さらに自身ヴァイオリンの名手だったエネスコらしく、超絶技巧も要求される作品です。エネスコは、その音楽のルーツを母国のさまざまな伝統音楽にもつ一方、 20世紀初頭のフランス音楽の世界にも深く影響を受けています。グリマルは若いころに、エネスコのヴァイオリン・ソナタ第3番の作曲者自身とリパッティによる 演奏を聴いて以来、エネスコに魅せられてきました。エネスコは、15歳という若さでパリ音楽院に在籍、ラヴェルと対位法の授業で一緒になり、ラヴェルはエネス クのことをもっとも優秀な生徒と語っていたそうです。さらにエネスコはティボーと同じヴァイオリンのクラスにも在籍していました。マスネとフォーレに作曲を師事 し、当時の最先端の音楽言語を見事に自分のものにしていました。そんなエネスコの作品をメインに、エネスコがよく演奏していた「詩曲」と「ツィガーヌ」をプログ ラムすることにより、エネスコの魅力が非常にくっきりと浮かび上がってくるような1枚となっています。 (Ki)

LDV-100
ユーゲントシュティル
マーラー(ベリュ編):交響曲第5番嬰ハ短調より アダージェット
マーラー(ベリュ編):交響曲第3番ニ短調より 第2楽章 テンポ・ディ・メヌエット
マーラー(ベリュ編):交響曲第6番イ短調より第3楽章 アンダンテ・モデラート
シェーンベルク(ベリュ編):「浄夜」にもとづくパラフレーズ
ベ アトリス・ ベリュ(P)

録音:2021年7月24-26日、スタジオ4(ベルギー)
ユーゲントシュティル。19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを席巻した芸術の様式で、曲線や植物文様を多様した装飾性にもとんだ建築や絵画、彫刻 などが知られていますが、ここに収録されているマーラーやシェーンベルク(特に初期)の作品も、ちょうどユーゲントシュティルの時期に生まれています。ここで は、この時代の音楽を愛してやまないピアニスト、ベアトリス・ベリュが、込み入ったハーモニーと、人間の様々な感情までもが生々しく盛り込まれた作品を、自身で ピアノ独奏用に編曲して演奏しています。マーラーでの繊細な編曲は説得力充分。「浄夜」でも、その世界の雰囲気はそのままに、そこにベリュの思いものって、実 に濃密な世界となっています。ピアノの倍音豊かな響きをあまさずとらえた録音も秀逸です!聴く前からディスクの世界を予感させる、ユーゲントシュティルをほう ふつとさせる美しいジャケットまで、すべてに行き届いた1枚です。
ベアトリス・ベリュ・・・1985年スイスのヴァレー州生まれ。文字通り野山を駆け回る幼少時代を経て、8歳よりピアノをはじめる。16歳でエステル・イェリン に師事、その後ネイガウスの弟子であったガリーナ・イワンゾワ、さらにW.ケンプの弟子であったジョン・オコナーに師事。これまでに協奏曲のソリストとして、そ してソロ・リサイタルで世界的なホールで演奏を行っています。リスト作品のCD2枚ほか、CDリリース多数。 (Ki)
LDV-100(7CD)
モーツァルト:弦楽四重奏曲集
第2番ニ長調K.155/第3番ト長調K.156
第4番ハ長調K.157/第5番ヘ長調K.158第6番変ロ長調K.159/第7番変ホ長調K.160
第8番K.168/第9番K.169
第10番K.170/第11番K.171
第12番K.172/第13番K.173
第14番K.387/第15番K.421
第16番K.428/第17番K.458「狩り」
第18番K.464/第19番K.465「不協和音」
第20番K.499/第21番K.575/第22番
第23番ヘ長調K.590「プロシャ王第3番」
第3番K.80
ターリヒQ

録音:1993年、1992年、1984年、1985年、1983年、1992年、1984年
1964年にチェコで結成されて以来、世界中で揺るぎない人気を集めてきた名門団体ターリヒ四重奏団。今回、彼らがこれまで行ってきたモーツァルト弦楽四重奏の録音(以前Calliopeよりリリース)をまとめ、新たに弦楽四重奏曲全集としてお手頃価格で発売いたします!力みすぎず、すっきりとした独特の演奏で多くのファンを惹きつけてやまないターリヒ四重奏団の名演が1つに詰まった豪華盤。ファンの方にはもちろん、ターリヒ四重奏団をこれから聴こうとしている方にもおすすめの商品です! (Ki)
LDV-101
ドヴォルザーク:「アメリカ」、8つのワルツほか
8つのワルツ op.54(第1番および第4番/ドヴォルザークによる編曲。第2,3番および5-8番/イジー・カバートによる編曲(2020年))
弦楽四重奏曲断片 ヘ長調 B.120
弦楽四重奏曲 ヘ長調 op.96B179「アメリカ」
ターリヒSQ【ヤン・ターリヒJr、ロマン・パトフカ(Vn)、ラディム・セドミドブスキ(Va)、ミヒャエル・カニュカ(Vc)】

録音:2022年3月4-6日、サウス・チェコ・フィルハーモニー
※日本語解説付
世界トップクラスのSQとして50年以上の歴史をもつターリヒSQ。チェコの室内楽音楽は彼らなくしては語ることができないといえるでしょ う。そんな彼らによる、「アメリカ」そして、8つのワルツ全曲(2曲はドヴォルザーク編曲、6曲は2020年にパヴェル・ハースSQの元メンバーでもあ るイジー・カバートによる編)、弦楽四重奏曲断片、という充実のプログラムによる新譜の登場!
8つのワルツはもともとはピアノ曲で、ピアノ四手のための「スラヴ舞曲集」に匹敵する人気と楽譜の売り上げを誇りました。その中でも当時人気を博した2曲 をドヴォルザーク自身が芸術家協会の演奏会のために、弦楽四重奏に編曲しました。民族的な躍動感に満ちた魅力的な作品です。のこる6曲は2020年の編曲で すが、原曲の魅力を最大限に引き出しています。弦楽四重奏断片は、ワルツと同時期に書き始められたものの、第1楽章のみ残され、生前は出版されることはな かった作品。ウェーバーの『魔弾の射手』のアガーテのアリアが印象的に引用されています。
ターリヒSQは、1964年、プラハ音楽院で学んでいたヤン・ターリヒJr.によって設立されました。1919年から1939年までチェコ・フィルの首席 指揮者を務めた叔父のヴァーツラフ・ターリヒにちなんでターリヒの名がグループ名につけられました。幅広い音楽活動やレコーディング活動を経ながら、すべて のメンバーは現在は入れかわっています。現在のファースト・ヴァイオリンのヤン・ターリヒ・ジュニアは創設者の息子です。また、昨シーズンから、パヴェル・ハー スSQのヴィオラ奏者でもあったラディム・セドミドブスキが加わっています。 (Ki)
LDV-102
フォーレ:チェロとピアノの作品集
チェロ・ソナタ第1番ニ短調 Op.109
エレジーハ短調 Op.24
セレナード Op.98
シシリエンヌOp.78
子守歌 Op.16
ロマンス Op.69
蝶々Op.77
チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.117
夢のあとに Op.7-1(編曲:パブロ・カザルス)
グザヴィエ・フィリップス(Vc)
セドリック・ティベルギアン(P)

録音:2023年1月2-4日、メス音楽都市(シテ・ミュジカル=メス)
セドリック・ティベルギアンとグザヴィエ・フィリップス、活躍するふたりによるフォーレ作品集というぜいたくな1枚の登場。二人の出会いは、お互いの子供が 同じ学校に通っていたこところからといいます。フィリップスが一人の作曲家にしぼったディスクを作ろうと考えていた時にティベルギアンとフォーレについて話す ことがあり、フォーレに決まったといいます。チェロの世界以外ではそこまで有名とはいえないかもしれない二つのソナタを中心に、フォーレ作品の深海にまでもぐ りこんだような1枚となっています。フィリップスは幼いころから身近にフォーレの音楽がありました。ティベルギアンは11歳の時に初めて弾いたフォーレの舟歌 第4番を鮮明に覚えていて、さらに新型コロナ・ウィルス感染拡大中の頃は、ベートーヴェンのディアベッリ変奏曲とフォーレの夜想曲集をいつも弾いていたそうで、 フォーレは重要な存在といいます。スケールが大きく息の長い旋律とたたみかけるようなリズムがおりなすフォーレの世界を、フィリップスとティベルギアンはやわ らかくも熱い集中で手中に収めています。聴きごたえ満点のフォーレ作品集です。 (Ki)
LDV-103
シンフォニック・ポエトリー
オーギュスタ・オルメス(1847-1903):「アンドロメダ」
リリ・ブーランジェ:「春の朝に」、交響詩「哀しみの夜に」
メル・ボニ:伝説の女たち「クレオパトラの夢」「オフェーリア」「サロメ」
ベッツィー・ジョラス(b.1926):「A Little Summer Suite」(世界初録音)
デイヴィッド・レイランド(指)
メス・グラン・テスト国立O

録音:2021年10月26-30日
作品を聴く前に、それが男性によって作曲されたのか、女性によって作曲されたのかを知る必要があるでしょうか。その情報は、私たちの聴き方や判断に影響す るのでしょうか?この録音で選ばれた作品は、いわゆる「標題音楽」です。作曲家は、音楽以外のテーマを聴覚的な手段で描写しています。純粋な音による物語を 堪能できる1枚です!
オルメスは、パリ音楽院に女性だからという理由で入学しなかったものの、リストにその才を激励され、フランクに入門します。ドビュッシーもオルメスの才能を 認めていました。フランクの遺作となったオルガン作品「3つのコラール」の2曲目はオルメスに捧げられています。この作品はオルメス最後の交響詩です。
リリ・ブーランジェはローマ大賞を受賞した最初の女性作曲家。健康上の問題で夭折したこともありその作品は多くはありませんが、どれも珠玉の天才の光が感 じられます。
メル・ボニは作品のタイトル以外に原作となった詩などについては示唆していないため、聴き手はタイトルから様々にイマジネーションをふくらませて作品を聴く ことができます。ケックランのもとでオーケストラの書法に磨きをかけていた時期の作品で、色彩豊かな世界が広がります。
ジョラスの「A Little Summer Suite」は夏(6月)に書き上げられたということでつけられたタイトル。ラトル指揮ベルリン・フィルから委嘱を受けて作曲さ れた7つの楽章から成る作品です。「展覧会の絵」に大いに影響を受けたといいますが、低弦による開始やその後の迫力ある不協和音など、非常に刺激的な作品 で、ベルリン・フィルのメンバーからも大歓迎された、管弦楽の醍醐味にあふれた作品です。 (Ki)
LDV-104
バレエ
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3つの楽章〔1.ロシアの踊り 2.ペトルーシュカの部屋 3.謝肉祭〕
ラヴェル:ラ・ヴァルス
プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』からの10のピアノ小品 作品75(抜粋)〔少女ジュリエット、マキューシオ、モンタギュー家とキャピュレット家、別れの前のロメオとジュリエット〕
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ジャン=バティスト・フォンリュプト(P)

録音:2022年3月13-16日、シテ・ド・ラ・ミュジーク
二つの観点からバレエ音楽を選曲しました。当初はオーケストラ曲として書かれたピアノ曲と、後にオーケストレーションがなされたピアノ曲が収められています。 ストラヴィンスキーの3つの楽章は、アルトゥール・ルービンシュタインの依頼で作られたピアノ組曲。「ラ・ヴァルス」はディアギレフの依頼で生まれた作品ですが、 最初はオーケストレーションに関する書き込みが入ったピアノ独奏版でした(ディアギレフに弾いて聴かせるための譜面)。その後オーケストラ版、そして2台ピアノ 版が生まれますが、フォンリュプトは後者2つを参照、ピアノ独奏版に補筆しながら演奏しています。高雅で感傷的なワルツはもともとはピアノ曲ですが、バレリー ナからの依頼で、8曲を管弦楽版のバレエ音楽に仕立てました(バレエ”アデライード、または花言葉”)。フォンリュプトの演奏はイマジネーション豊かで、そしてラ ヴェルのオーケストラ作品のような多彩な音色で聴き手を魅了します。エンジニア吉田研による、ピアノの豊かな響きと輝く音色、香りや力強さなどすべてあますと ろなくとらえた録音も秀逸です。 フォンリュプト(1976年生まれ)は、ブルーノ・リグット、ミヒャエル・エンドレス、エリソ・ヴィルサラーゼらのもとで研鑽を積み、古典を演奏する際の明晰さから オーケストラの響きまでの多彩な音色、強烈な抒情性、そして抑制感ある表現は、ピアノという楽器を超えた、無限の地平をもつ音楽を奏でる注目奏者です。 (Ki)
LDV-105
Once upon a Time
リスト:オーベルマンの谷(巡礼の年 第1年:スイス S.160)
風景 S.139/3(超絶技巧練習曲より)
マゼッパ S.139/4(超絶技巧練習曲より)
回想 S.139/9(超絶技巧練習曲より)
雪あらし S.139/12(超絶技巧練習曲より)
ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
ミシェル・ダルベルト(P/ベヒシュタイン)

録音:2021年12月6-9日、パリ、ルイ・ヴィトン財団オーディトリウム
※日本語帯・解説付
フランスの巨匠ミシェル・ダルベルトが、リストを録音しました。抜群の語り口でつむがれる「オーベルマンの谷」に始まり、超絶技巧練習曲から特にダルベルト が愛奏している4作そして”神への憧れと悪魔的な緊迫のあいだを揺れ動く”とダルベルトが語る、ロ短調ソナタという充実のプログラム。ソナタでの壮大なスケー ルは、今のダルベルトにしかなしえない表現といえるでしょう。録音に際して使用した楽器は、かねてより愛奏しているベヒシュタイン。音の緩やかな減衰、低音域 の透明感、そしてよく響くサウンドをその美点として挙げていますが、楽器の性能がこのうえなく発揮された録音にも注目です。 (Ki)
LDV-106
オペラ作曲家モーツァルト
幻想曲 ハ短調 K.475
ピアノ協奏曲 変ホ長調 K.482
演奏会用アリア「どうしてあなたを忘れられよう」 K.505
4手のためのピアノ・ソナタ ヘ長調 K.497
フィリップ・カッサール(P&指)
ナタリー・ドゥセ(S)
セドリック・ ペ シ ャ(P)
ブルターニュ国立O

録音:2022年4月16-20日、レンヌ
フランスの名手フィリップ・カッサールによる新譜は、モーツァルトが『フィガロの結婚』を作曲していたのと同時期に書かれた作品から注意深くセレクトしてプ ログラムされた1枚。モーツァルトの音楽にはオペラ・声楽的要素(アリアのような美しい旋律、声部間の親密な、あるいは喧嘩のような対話・・・)がいつも存在 しています。ここでも、ソナタ、あるいは協奏曲では、さながらオペラのようにさまざまな対話やささやきが展開されます。また、実際に歌われる演奏会用アリア(ピ アノ伴奏)では、ピアノがオーケストラのように豊かに声とからみます。全体をとおしてオペラのように豪華で楽しく聴きごたえのある、大満足の1枚です。 フィリップ・カッサール---1962年生まれ。シューベルトやドビュッシーをレパートリーの中心に据えている、フランスの名手。マガロフらに師事した。 (Ki)
LDV-107(2CD)
アモワイヤル/リスト:ピアノ曲集
バラード第2番ロ短調、
詩的で宗教的な調べ(全曲)、
愛の夢-3つの夜想曲、ロマンス
忘れられたロマンス
パスカル・アモワイヤル(P)

録音:2007年5月
Callipeレーベルで評価の高かった、シフラの直系、パスカル・アモワイヤルによるリスト作品集が再登場。ふくよかで粒立ちのよい音色に魅了されます。 (Ki)
LDV-109(2CD)
ラヴェル:ピアノ作品全集/ビアンコーニ
水の戯れ/鏡/古風なメヌエット
亡き王女の為のパヴァーヌ
ソナチネ/メヌエット 嬰ハ短調
高雅で感傷的なワルツ
グロテスクなセレナード
夜のガスパール
ハイドンの名によるメヌエット
ボロディン風に/シャブリエ風に
前奏曲/クープランの墓
マ・ メール・ ロワ(P4手連弾版)*
フィリップ・ビ アンコーニ(P)
*クレマン・ルフェーヴル(P)*

録音:2022年4月11-18日、アルセナル=メス、音楽都市
巨匠ビアンコーニによる、ラヴェル全曲録音の登場。イタリアの姓を持ち、ニースに生まれ育ち、世界でキャリアを築き、現在はエコール・ノルマルで教鞭を執る 巨匠ビアンコーニ。『最後のドビュッシー』でもきわめて高く評価されましたが、このたび、初めてラヴェルを録音してから約30年の時を経て、全集というかたち での新録音登場となります。高音の響きも美しい「水の戯れ」も、きらびやかな水の輝き、というよりもどこか暗さを感じさせ、決して重さはないのに煙たく澱ん だ空気をまとっています。ビアンコーニがたどりついた境地だからこそなしえたラヴェルの響きが実現されています。「道化師の朝の歌」でも、気品ある軽やかさ、 それでいてやはり朝のもやのかかった空気も感じさせます。ラヴェルの音楽の魔法のような響きと魅惑的でまばゆい外観の向こう側で、ビアンコーニは光と影のあ いだを揺れ動き、情熱と官能、深遠さを引き出しています。どの作品も、端正で完璧、それでいて思わぬ暗さにハッとさせられる演奏。新しい発見に満ちています。 「マ・メール・ロワ」ではEVIDENCEレーベルからCDをリリースしている1990年生まれの気鋭奏者、クレマン・ルフェーヴルをゲストに迎えました。「妖精の 園」では驚くべき深遠な世界が展開されています。 (Ki
LDV-109(3CD)
モーツァルト弦楽五重奏曲全集
[CD1]第1番 変ロ長調 K.174
 第2番 ハ短調K.406
[CD2]第3番 ハ長調 K.515 
 第4番 ト短調 K.516
[CD3]第5番 ニ長調 K.593 
 第6番 変ホ長調 K.614
ターリヒQ、カレル・レハク(第Va)

録音:[CD1][CD2]1990、1993年、ノートルダム・ドゥ・リバン教会(パリ)、
[CD3]1995年、ティボール・ヴァルガ・ホール(シオン、スイス)
癖のない爽やかな演奏で、1964年の結成以来多くの聴衆を魅了してきたターリヒ四重奏団。これまでにCalliopeレーベルよりリリースした弦楽五重 奏曲をまとめたボックスがお買い得価格で登場しました!「これほど完璧な演奏での全集はありえない」とディアパソンで絶賛された名盤「弦楽五重奏 曲全集(旧品番CAL 3231)」から、クラリネット五重奏曲を除く全ての弦楽五重奏曲が収録されています。前回のモーツァルト四重奏曲全集(LDV-100)に引き続き、一度は廃盤となってしまい入手困難な状態になっていた名盤を再リリースした、ファンの方にとっては嬉しいボックスです。力まず、自 然な表現で魅せるターリヒ四重奏団&カレル・レハクの演奏は他の演奏団体とは違う独特の魅力にあふれたもの。ファンの方はもちろんのこと、これを機 会にターリヒ四重奏団を聴いてみようという方にもおすすめのボックスです。 (Ki)
LDV-111(2CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノのためのソナタ&変奏曲全集
モーツァルトの「魔笛」から「娘っ子でも女房でも」の主題による12の変奏曲 作品66ヘ長調
チェロ・ソナタ 第1番ヘ長調 作品5-1
ヘンデルの「マカベウスのユダ」から「見よ、勇者は帰る」の主題による12の変奏曲ト長調 WoO.45
チェロ・ソナタ 第2番ト短調 作品5-2
チェロ・ソナタ 第3番イ長調 作品69
モーツァルトの「魔笛」から「恋を知る殿方には」の主題による7つの変奏曲 WoO.46変ホ長調
チェロ・ソナタ 第4番ハ長調 作品102-1
チェロ・ソナタ 第5番ニ長調 作品102-2
ゲイリー・ホフマン(Vc)、
ダヴィッド・セリグ(P)

録音:2021年12月26日-2022年1月3日/リエージュ・フィルハーモニー・ホール
15歳でウィグモア・ホールにデビューした名手ゲイリー・ホフマン(1956年、カナダ生まれ)。1986年に出会って以来、長年ベートーヴェンの作品を共演し 続けてきたピアニスト、ダヴィッド・セリグとのデュオによる全曲録音が登場しました。
ゲイリー・ホフマンは15歳でウィグモア・ホールにデビューし、鍵盤に向かって舞台上を歩くアルトゥール・ルービンシュタインがすでに音楽を感じさせたことに 衝撃を受けました。以来、音が生まれる前から存在し、音と音の間にある沈黙の間も音楽を生き、音楽と人生が不可分であるがゆえに、真の必要に迫られて音楽を 奏でている稀有な存在です。上野通明もその教えを受けています。ダヴィッド・セリグはオーストラリアに生まれ、1976年にパリにうつり、チッコリーニに師事。アー メリンクら著名な歌手の共演者としても活躍していました。ここでのセリグの演奏は、モーツァルトかと思うような清潔感ある澄み切った音色がとにかく際立ってい ます。ゲイリー・ホフマンは、ピアノ独奏の間も何か存在感を感じさせるような、不思議なオーラに満ちています。変奏曲での軽やかな表情から、ソナタでの深刻な 表情まで、どの瞬間もその弓が弦に触れた瞬間から放たれる豊かな香気におどろかされる演奏です。 (Ki)
LDV-110
Revolutions〜革命
ドビュッシー:水の反映(「映像」第1集から)
ミュライユ(b.1947):水の中の小石(2018)
 恋するうぐいす(2019)/メモリアル(2020)
 再湧出、あるいはフォンテーヌ・ド・ヴォクリューズのソルグ川(2021)
 人間嫌い〜リストとモリエールによる(2021)
 印象、日の出(2021)
ドビュッシー:前奏曲集 第2巻
フランソワ=フレデリック・ギィ(P)

2021年10月21-25日、シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン

日本語帯・解説付
フランスの名手ギィによる新譜は、ドビュッシーとミュライユ。ベートーヴェン演奏での活躍が多いギィですが、ミュライユの最初のピアノ協奏曲2作の初演をい くつか手がけており、さらにここに収録されている「メモリアル」と「再湧出」を初演しているなど、ミュライユのスペシャリストでもあります。そしてミュライユはド ビュッシーに多大な影響を受けており、さらに、ベートーヴェン、ミュライユ、ドビュッシーらはすべて音楽書法に革命をもたらしたという点で共通しています。
ドビュッシー作品では、刻一刻とうつろう色彩がもらさずとらえられており、見事。夢のような美しさでありながら、どこかに冷静なまなざしも感じる不思議な演 奏です。
ミュライユの「メモリアル」はミュライユがホロコースト博物館を訪れた後に書いたもので、冷徹な和音群が強烈な作品。「再湧出」はリストのエステ荘の噴水を モデルとした、「流動性」に焦点をあてた作品、ということですが、リストのエステ荘の世界とはだいぶ異なります。全体をとおして、ギィの超絶技巧が織りなす「流 動性」が実に美しい演奏となっています。
ギィは2022年7月1日(金)Music Tomorrow 2022公演(N響/オペラシティ)で、ミュライユの”ピアノとオーケストラのための幻想即興曲「嵐の目」” を日本初演する予定となっております。注目です!
LDV-112(3CD)
管楽合奏のセレナードとディヴェルティメント集
[CD1] レナード第11番ホ長調K.375(2)第12番ハ短調K388(384a)「ナハトムジーク」
[CD2] セレナード第10番変ロ長調「グラン・パルティータ」K.361
[CD3] ザルツブルク・ディヴェルティメント集
第8番ヘ長調KV.213 
第9番変ロ長調KV.240 
第12番変ホ長調KV.252 
第13番ヘ長調KV.253 
第14番変ロ長調KV.270
12の二重奏曲ハ長調K.487(496a)
アンサンブル・フィリドール(ピリオド楽器使用)
録音:[CD1][CD3]2000-2003年、サン=マルセル教会(パリ)、
[CD2]2001年、オルレアン(フランス)
1992年に創立されたフランスの名門ピリオド管楽器アンサンブル団体、アンサンブル・フィリドールによるモーツァルトの管楽合奏曲集。以前 Calliopeレーベルよりリリースしたボックス(旧品番:CAL 3317)がさらにお買い得価格になって再発売されました。廃盤となり、現在は入手困難となっ てしまっていた名盤だけに、ファンの方にとっては待望のボックスといえましょう!アンサンブル・フィリドールの演奏はもちろんのこと、その収録内容も豪 華!セレナードやディヴェルティメントを集めたボックスとあって、モーツァルトの娯楽的精神がふんだんに盛り込まれた珠玉の作品を多く収録しています。 アンサンブル・フィリドールの持ち味とも言える素朴で温かい音色は耳に心地よく、溌溂とした明るい演奏が心に清々しく響きます。 (Ki)
LDV-113(2CD)
フランク:作品集
[CD1]
1. 前奏曲、フーガと変奏 op.18(大オルガンのための6つの小品)
2. 祈り op.20(大オルガンのための6つの小品)
3. 終曲 op.21(大オルガンのための6つの小品)
4. 幻想曲 ハ長調 op.16(大オルガンのための6つの小品)
5. 幻想曲 イ長調 (3つの小品より)
6. カンタービレ(3つの小品より)
7. 英雄的小品(3つの小品より)
[CD2]
1. コラール第1番ホ長調
2. コラール第2番ロ短調 
3. コラール第3番イ短調
4. パストラール ホ長調 op.19(大オルガンのための6つの小品)
5. 交響的大作品 op.17(大オルガンのための6つの小品)
ミシェル・ブヴァール(Org/トゥールーズ、聖セルナン・バジリカ大聖堂、カヴァイエ=コル製オルガン)

録音:2022年2月14-17日
※日本語解説は付きません。
ブヴァールは、ヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂のオルガニストであり、世界有数のオルガン国際音楽祭「Toulouse-les-orgues」の音楽総監督も務めるなど、フ ランスのオルガン音楽の伝統を受け継ぐ巨匠として知られています。そんなブヴァールが、フランクの生誕200年という記念すべき年に、フランクが愛したカヴァ イエ=コル製の素晴らしい楽器で、フランクの傑作を演奏したという、きわめつけの1枚の登場です! フランクは、ノートル=ダム大聖堂のオルガンをはじめ優れたオルガンを生み出したカヴァイエ=コルの楽器をこよなく愛していました。このディスクに収録されてい る「3つの小品」(1878年)は、トロカデロ・ホールのカヴァイエ=コル製オルガンの落成式のために書かれたもので、その手稿譜には、フランク自身の手でオル ガンのレジストレーションも残されています。今回ブヴァールが演奏したオルガンは、同じカヴァイエ=コル製ではありますが、フランクが亡くなる前年の1889年 完成のもの。フランクがこの楽器を直接的に想定して収録作品を書いたわけではありませんが、オーケストラのような壮大な響きや、非常に繊細な表現まで実現す る幅広い能力をもった楽器をブヴァールは25年以上にわたり弾き続けてきており、ここでも楽器の性能を活かしきっています。ブヴァールの演奏は、フランクが 思い描いた世界を垣間見せてくれるよう。その世界は想像をはるかに超えた壮大さと壮麗さ、厳粛さに満ちています。 =ミシェル・ブヴァール= 1958年リヨン生まれ。ヴィエルヌに師事したオルガニストで作曲家のジャン・ブヴァールを祖父にもち、幼少の頃より音楽に才能を示す。パリのオルセー音楽院に てオルガンを、パリ国立高等音楽院にて作曲を学ぶ。1983年、トゥールーズ国際オルガンコンクールで優勝。フランス・オルガン界の巨匠の一人として、現在に至 るまでに25か国以上で演奏。1995年パリ国立高等音楽院のオルガン教授に就任、2021年のシーズンまで後進の指導にあたる。1996年トゥールーズの聖セ ルナン・バジリカ大聖堂の歴史的なカヴァイエ=コル・オルガンの正オルガニストに任命されます。2010年からはヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂の4名の首席オルガ ニストの一人として名誉ある職務を任されています。 (Ki)
LDV-115(3CD)
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集
ホ長調 (1823)
第2番 イ短調 op.13(1827)
第1番 変ホ長調 op.12(1829)
第4番 ホ短調 op.44-2(1837)
第5番 変ホ長調 op.44-3(1838)
第3番 ニ長調 op.44-1(1838)
第6番 へ短調 op.80(1847)
弦楽四重奏のための4つの小品op.81(1827-1847)
ターリヒSQ
〔ヤン・ターリヒJr.(Vn)、
ペトル・マセチェク(2ndVn)、
ウラディーミル・ブカチュ(Va)、
ペーテル・プラウゼ(Vc)〕

録音:2000, 2001, 2003年
ーリヒ弦楽四重奏団のメンデルゾーン弦楽四重奏曲全集が、お買得価格で登場。弦の甘い空気がたっぷりと含まれた良い録音で、メンデルスゾーンの 甘美かつ天才のきらめきに満ちたこれらの弦楽四重奏曲の世界を見事に表現しています。なお、約10年前のレコーディングで、第2ヴァイオリン奏者が 現メンバーとは異なりますが、他は現在活動中のターリヒ弦楽四重奏団のメンバーとなっています。 (Ki)
LDV-117
プーランク/ストラヴィンスキー/プロコフィエフ
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのためのディヴェルティメント
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 op.80
ダヴィド・グリマル(Vn/1710年製ストラディヴァリウス)
イタマール・ゴラン(P)

録音:2022年6月28日-7月2日/リエージュ・フィルハーモニー・ホール(ベルギー)
指揮者を置かないオーケストラ「レ・ディソナンス」を設立し、フランスを中心に信念のある活動を展開しているヴァイオリン奏者、グリマルの新録音は、戦時中 に書かれたプーランクとプロコフィエフによるソナタと、ストラヴィンスキーの「ディヴェルティメント」というプログラムの1枚。同世代の世界的ピアニストで、室内 楽とりわけヴァイオリン奏者との共演でも知られるイタマール・ゴランとの共演です。
プーランクのソナタは、1942年にスペインの詩人ガルシア・ロルカを偲んで書かれました。必ずしもヴァイオリンが鳴りやすいように書かれてはいない部分もあ り、むしろピアノとヴァイオリンの「せめぎ合い」のような緊張感すら感じられる作品を、グリマルとゴランが見事なアンサンブルで展開しています。
1938-1946年にかけてプロコフィエフが書いたソナタ第1番は、陰鬱な雰囲気に包まれています。自身「墓場を抜ける風」と描写しております。第3楽章では 凍てつく冬、束の間あたたかな暖炉の前でほっとするような瞬間もありますが、全体として憂鬱で険しく、絶望すら漂う非常に重い作品です。
ストラヴィンスキーの「ディヴェルティメント」は祝祭的で踊りだしたくなるような作品ですが、バレエ音楽「妖精の口づけ」に基づいています。ヴァイオリン奏者 サミュエル・ドゥシュキンとの演奏旅行のためにストラヴィンスキー自身が管弦楽版から編曲しました。高度なヴィルトゥオジティが求められると同時に、もともとは チャイコフスキーの様々な作品がモティーフとなっているため、非常に濃厚な歌を感じる部分もある傑作です。 (Ki)
LDV-118
AU CINEMA CE SOIR〜今夜は映画館で
『甘い生活(フェデリコ・フェリーニ,1960)』〜メイン・テーマ(ニーノ・ロータ)
『ベニスに死す(ルキノ・ヴィスコンティ,1971)』〜アダージェット(マーラー作曲、アレクサンドル・タロー編)
『許されざる者(ジョン・ヒューストン,1960)』〜ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
『恋人たち(ルイ・マル,1958)』〜ブラームス:主題と変奏 ニ短調 (ブラームス自身の編曲による弦楽六重奏曲作品18の第2楽章のピアノ独奏版)
『スティング(ジョージ・ロイ・ヒル,1973)』〜スコット・ジョプリン:ソラース
『マンハッタン(ウディ・アレン,1973)』〜ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
『ブレーでのランデヴー(アンドレ・デルヴォー, 1971)』〜ブラームス:3つの間奏曲 作品117
『カサノバ(フェデリコ・フェリーニ,1976)』〜ニーノ・ロータ:バッハの名による2つのワルツより 第1曲 サーカス・ワルツ
『ルートヴィヒ/神々の黄昏(ルキノ・ヴィスコンティ, 1973)』〜リヒャルト・ワーグナー:エレジー
『叫びとささやき(イングマール・ベルイマン, 1972)』〜ショパン:マズルカ イ短調 作品17-4
ジャン=マルク・ルイサダ(P)

録音:2022年7月2-5日、リエージュ・フィルハーモニー・ホール(ベルギー)
13歳で『ベニスに死す』を観て熱烈な映画ファンとなり、同時にプロの音楽家になろうと志したというルイサダ。『今夜は映画館で』と題したこのアルバムでは、 フランスの同タイトルのテレビ番組シリーズの司会者であったアルマン・パニジェルへのオマージュとして企画しました。パリ国立音楽院で学んでいたころも週に4 回は通っていたというルイサダの、映画への熱烈な愛が感じられる演奏となっています。『ベニスに死す』の音楽〈アダージェット〉が、タローの編曲というのも注 目です。 (Ki)
LDV-118(3CD)
バッハ:オルガン作品集(協奏曲、トリオ・ソナタ、オルガンと管弦楽のための作品)
協奏曲 ニ短調 BWV 1052a
ソナタ(トリオ・ソナタ)第3番 ニ短調 BWV 527
協奏曲 ハ長調
ソナタ(トリオ・ソナタ)第2番 ハ短調 BWV 526
シンフォニア.ニ長調 (カンタータ「われら汝に感謝す、神よ、われら汝に感謝す」BWV 29より第1曲)
協奏曲 二短調 BWV 1059a (カンタータBWV 35より)
ソナタ(トリオ・ソナタ)第4番 ホ短調 BWV 528
協奏曲 ト長調 BWV 592(ヨーハン・エルンスト公子自作のヴァイオリン協奏曲の編曲)
ソナタ(トリオ・ソナタ)第5番 ハ長調 BWV 529
協奏曲 イ短調 BWV 593(ヴィヴァルディの調和の霊感第8番の編曲)
協奏曲 ニ短調 BWV 596(ヴィヴァルディの「調和の霊感」op.3-11の編曲)
ソナタ(トリオ・ソナタ) ト長調 BWV 530
協奏曲 ニ長調 BWV 1053a
協奏曲 ハ長調 BWV 595 (ヨーハン・エルンスト公子のヴァイオリン協奏曲)
ソナタ(トリオ・ソナタ)第1番 変ホ長調 BWV 525
アンドレ・イゾワール(Org)
マルタン・ジェステル(指)
ル・パルルマン・ドゥ・ムジーク

録音:1979, 1988, 1993年
アンドレ・イゾワールがCalliopeレーベルにのこした録音から、バッハを選りすぐってお買得ボックス化。イゾワールは1935年ザン=ディズィエ生まれ。 セザール・フランク音楽院でオルガンをエドゥアール・スーベルビエルに、ピアノをジェルメーヌ・ムニエに学んだ。オランダ・ハーレムのコンクールでは、 1966, 67, 68年と3年連続で一位に輝き、「チャレンジ賞」受賞。サン・ジェルマン・デ・プレ教会の名誉オルガニスト。今や世界的なオルガンの巨匠 の一人です。彼によるバッハは、人を威圧するような緊張感はなく、聴いていて包み込まれるような心地よいもの。巨匠の風格漂うバッハの名演の数々を お楽しみいただきたいボックスです。 「教会に入って、暗がりの中できらきらと輝く金属製のパイプを見て、たったひとりの人間がこれらすべてを鳴らしているところを想像すれば、おそろく、 誰もがその人間になりたいと思うに違いない。オルガンは人を虜にする楽器ということを認めざるを得ないだろう。」(アンドレ・イゾワール)
LDV-119
Do Brasil ド ブラジル〜ヴィラ=ロボス:ピアノ曲集
1. ショーロス第5番(ブラジルの魂) W2054:41
2. ショーロス第2番(作曲者によるピアノ用編曲版)W198 2:54
3. 波のように〜練習曲 作品31W824:12
シランダス W220(抜粋)
4. 第3番サンシャ夫人1:43
5. 第6番行け、行け、鷹よ1:22
6. 第15番何と美しい瞳4:31
7. 第10番カナイの画家1:57
8. 第9番トロロへ行った2:08
9. 第4番カーネーションはバラと仲違いした 1:46
10. 第2番伯爵夫人3:02
11. 第8番カルンガ山の向こう側へ行こう3:02
12. 第5番哀れな盲目の女1:25
13. 第16番ピヨピヨピヨ2:12
14. 壊れたオルゴール W2562:45
15. 赤子は眠りにつく(子どもの組曲 第1集) W532:46
16. ニューヨーク・スカイラン・メロディ W407 2:25
17. 野生の詩 W18420:40
ウィレム・ラチュウミア((P)

録音:2022年8月11-13日、シテ・ミュジカル=メス(メス音楽都市)大ホール
情熱的な音楽と、熱きヴィルトゥオジティのピアニスト、ラチュウミアがヴィラ=ロボスを録音しました。ヴィラ=ロボスは交響曲をはじめあらゆるジャンルに多く の作品を残していますが、ピアノも同様でした。ギターを愛していたヴィラ=ロボスはピアノ作品を書く際にもギターをイメージしながら書いていたと思われ、また、 最初の妻がピアニストだったことも影響しているのか、独特のヴィルトゥオジックな鍵盤書法がみられます。たとえばアルトゥール・ルービンシュタインがアンコール でしばしば取り上げていた「道化人形」は、ドビュッシーやストラヴィンスキーからも影響を受けたことが窺われるテンポの速い難曲です。音楽教育にも熱心に取り 組んだヴィラ=ロボスは、数々の童謡をもとにピアノ曲を書きました。本CDにも収録されている組曲「シランダス」もそのひとつ。聞き覚えのある旋律が登場しま す。ラチュウミアはとりわけ私たちが親しみを感じやすい楽曲を抜粋して収録しています。ヴィラ=ロボスの作品の粋がつまった1枚となっております。
ラチュウミアは1974年、リヨン生まれ。フランス国立リヨン高等音楽院のエリック・ハイドシェックおよびジェリー・ムティエのクラスで学び、同院にて審査員満場 一致・賞賛付の1等賞を獲得。同院の修士課程に進み、ムティエのもとで更なる研鑽を積んだ。クロード・エルフェにも師事し、メシアン夫人イヴォンヌ・ロリオや、ピ エール=ロラン・エマールらのマスタークラスも受講。音楽学の学士号も取得しています。2004年、ヒューレット・パッカード財団「明日の音楽家」賞を受賞。第12 回モンサルバーチェ国際現代音楽コンクール(スペイン・ジローナ)に入賞。2006年には、オルレアン国際20世紀ピアノ音楽コンクールで第1位/ブランシュ・セ ルヴァ特別賞に輝き、同時に他の五つの賞も授与された。 現代曲の初演や演奏に積極的に取り組み、、ブーレーズ、ジルベール・アミ、ジェラール・ペソン、フィリップ・エルサン、ミカエル・ジャレル、ジョナサン・ハー ヴェイ、ピエール・ジョドロフスキ、フランチェスコ・フィリデイらから信頼を寄せられております

LDV-120
ピアノ・ツインズ 〜ラヴェル、ドビュッシー、サティ: ピアノ・デュオ作品集
サティ:始め方(4手連弾のための「梨の形をした3つの小品」から)
ドビュッシー:リンダラハ
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ハバネラ (2台ピアノのための「耳で聴く風景」から)
. ドビュッシー:海 (アンドレ・カプレ編曲による2台ピアノ版)
サティ:ジムノペディ 第1番(演奏者編曲による2台ピアノ版)
ヴァネッサ・ワーグナー、ウィレム・ラチュウミア(P)

録音:2022年11月2-5日 シテ・ミュジカル=メス 大ホール
※日本語解説付
ヴァレーズの「アメリカ」8手ピアノ版で初めて共演し、その後デュオでの活動を始めたというヴァネッサ・ワー グナーとウィレム・ラチュウミアによるアルバム第2弾。アメリカの作品を収めた前作から打って変わり、今回 は2人の祖国でもあるフランスのラヴェル、ドビュッシー、サティという大作曲家たちの作品集となりました。 作品によって変幻自在に移ろうタッチで、2人というのを忘れるほど息の合った演奏を聴かせます。「ジム ノペディ」はドビュッシーによる管弦楽版を元に2人が編曲した版を収録。
LDV-121
NX-C04
君のようになりたい 〜ピアノのためのトランスクリプション&パラフレーズ
バッハ:4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV1065(原曲:ヴィヴァルディ)*
メンデルスゾーン:最初のワルプルギスの夜 Op.60*
リムスキー=コルサコフ:シェヘラザード Op.35
J・シュトラウス:さまざまなワルツによるパラフレーズ*
ティールマン・スザート(1510/15-1570):ダンスリー(舞曲集)*
プロコフィエフ:古典交響曲 *
ショスタコーヴィチ:ワルツ 第2番 Op.99a (ジャズ組曲 第2番より)
リチャード(1928-)&ロバート(1925-2012)・シャーマン:君のようになりたい (ディズニー映画『ジャングル・ブック』から)*

※編曲…フロリアン・ノアック
フロリアン・ノアック(P)

録音:2023年1月3-5日 アルソニック「メゾン・ド・レクート」、モンス、ベルギー
*…この編曲版による世界初録音

※日本語解説付
ベルギー出身で幼いころより天賦の才能を発揮してきたフロリアン・ノアック、La Dolce Voltaから4枚目のアルバム。編曲家として自身で演 奏するほかベレゾフスキーやカツァリスにも作品を提供、レア・レパートリーの開拓においても熱心な活動を続ける彼の編曲作品集です。長年 ロシア音楽を中心に編曲を行ってきたという彼が、師のクラウディオ・マルティネス・メーナーの影響でバロック音楽に目覚め、果敢に挑戦したと いうバッハの「4台のチェンバロのための協奏曲(原曲はヴィヴァルディの4つのヴァイオリンのための協奏曲)」に始まり、リムスキー=コルサコフの 絢爛たる管弦楽をピアニスティックに凝縮した「シェヘラザード」、彼が大学に入った頃必修科目で歌ったというメンデルスゾーンのカンタータ、ヨ ハン・シュトラウスのあまり知られていないワルツを集めたパラフレーズ、プロコフィエフの「古典」、ショスタコーヴィチの有名な「ワルツ 第2番」と続 きます。最後に収められた『ジャングル・ブック』の主題歌は、この歌が大好きな妹に贈るための編曲を元に、曲が持つ複雑さやポリリズムなど の独特な要素をピアニスティックに表現するために膨らませたもの。ピアノが持つ可能性を駆使しながら曲が持つ魅力を最大限引き出し、さら に愛らしさを備えているノアックの編曲を存分に楽しむことの出来るアルバムです。
LDV-121(7CD)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集(全曲) ターリヒSQ
【ペーテル・メッシェレウル(Vn)、
ヤン・クヴァピル(Vn)、
ヤン・ターリヒ(Va)、
エヴゼン・ラッタイ(Vc)】

録音:1977-81年
ターリヒ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲の録音が、お買得全集ボックスで登場。発売当時、グラモフォン誌から「ターリヒ弦楽四重 奏団のベートーヴェン・ツィクルスは現在入手できる最高のものといえる。洗練された素晴しいアンサンブル、そしてあたたかみのある音色による、高度に 知的な演奏だ」と絶賛されていました。若きベートーヴェンの意欲に満ちた初期作品から、傑作ぞろいの後期作品まで、指揮者ヴァーツラフ・ターリヒの甥、 ヤン・ターリヒによって1964年に結成されたターリヒSQの神髄をとことん味わえるセットです。 (Ki)
LDV-122
ショーソン(1855-1899):ピアノ三重奏曲 ト短調 op.3
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調 M67
トリオ・メトラル〔ヴィクトル・メトラル(P)、ナタン・ミエルドル(Vn)、ロール=エレーヌ・ミシェル(Vc)〕

録音:2023年2月20-23日、メス・アルスナル・ホール
2017年ハイドン室内楽コンクールで第1位/聴衆賞/ハイドンの三重奏曲ベスト・パフォーマンス賞を受賞したトリオ・メトラルによる新譜の登場。 メトラル家の兄・弟・妹によって結成されましたが現在はヴァイオリンとチェロに新メンバーを迎えての編成となっております。名曲のショーソンとラヴェルの三重 奏というプログラムです。
ショーソンのピアノ三重奏曲は1881年、ショーソンが26歳でローマ大賞に落選したばかりの頃の作品。抒情的な高揚に満ち、ロマン主義末期の陰影を帯びた 名曲です。そしてラヴェルの生涯唯一のピアノ三重奏曲(1914年完成)は、第一次世界大戦勃発直後で、ラヴェルはこれがもしかしたら自分の白鳥の歌になるか もしれないと思いながら書いたかもしれません。高度な技術を要求するピアノ書法に始まり管弦楽的な響きと厚みに満ちた作品。トリオ・メトラルが、エネルギーと たっぷりの抒情で響かせています。 (Ki)
LDV-125
NX-C04
フォーレ:夜想曲全集
1. 夜想曲 第1番変ホ短調 Op.33-1
2. 夜想曲 第2番ロ長調 Op.33-2
3. 夜想曲 第3番変イ長調 Op.33-3
4. 夜想曲 第4番変ホ長調 Op.36
5. 夜想曲 第5番変ロ長調 Op.37
6. 夜想曲 第6番変ニ長調 Op.63
7. 夜想曲 第7番嬰ハ短調 Op.74
8. 夜想曲 第8番変ニ長調 Op.84-8
9. 夜想曲 第9番ロ短調 Op.97
10. 夜想曲 第10番ホ短調 Op.99
11. 夜想曲 第11番嬰ヘ短調 Op.104-1
12. 夜想曲 第12番ホ短調 Op.107
13. 夜想曲 第13番ロ短調 Op.119
テオ・フシュヌレ(P/Steinway D-274)

録音:2023年9月5-8日 シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン、フランス
※日本語解説付
2013年フォーレ国際ピアノ・コンクール第1位、2018年ジュネーヴ国際音楽コンクール第1位及びリヨン国際室内楽コンクール第1位と、輝 かしいコンクール成績を残したのち、ソロに室内楽に世界中で活躍してきたテオ・フシュヌレ。La Dolce Voltaレーベルからの第2弾は待望の フォーレ作品集となりました。
ピアノ奏者テオ・フシュヌレは、幼少期からガブリエル・フォーレの音世界に親しんできた。彼はフォーレの音楽言語を、ごく自然に理解し操る。フシュヌレにとって初のフォーレ・アルバムとなる本盤は、甘美な魅力を放つ初期作品から、ほの暗く簡明な後期作品まで、洗練された夢幻の夜想曲集へと私たちをいざなう。親密で、独創的で、あらゆる影響と無縁な夜想曲の全曲演奏は、13の詩的な足跡を辿る冒険にたとえられます。その心奥に広がるのは、フォーレの深遠な世界だ。筆舌に尽くしがたい悩ましい美が、フシュヌレの指を介して露(あらわ)になります。 ―― レーベル資料より
LDV-126
永遠の四季
チャイコフスキー:『四季』 Op. 37a
グリーグ:『抒情小曲集』 より
 蝶々 〜第3巻 Op.43-1
 小鳥 〜第3巻 Op.43-4
 即興的ワルツ 〜第4巻 Op.47-1
 メロディ 〜第4巻 Op.47-3
 エレジー〜第4巻 Op.47-7
 トロルドハウゲンの婚礼の日 〜第8巻 Op. 65-6
 おばあさんのメヌエット 〜第9巻 Op.68-2
シベリウス:『6つの即興曲』 Op. 5より III、V、VI
グリンカ:夜想曲 「別れ」 ヘ短調
ヴァネッサ・ワーグナー(P)

録音:2023年9月11-13日 シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン
※日本語解説付
『ル・モンド』紙から「同世代中、最も魅力的な個性を誇るピアニスト」と称えられた、フランスのピアニス ト、ヴァネッサ・ワーグナー。ミニマル・ミュージックやアメリカ音楽に傾倒する彼女が改めて取り組んだロマン 派のピアノ作品集です。過行く時間の知覚や周期的なもの、刻一刻と変化するムードに惹かれるという 彼女が、新型コロナ・ウイルスによるパンデミックの孤独の中から2年をかけて練りあげたプログラムは、彼 女自身が表現されたこれまでになくパーソナルなものになったとのこと。各曲を慈しむように奏でられる、た いへん美しいアルバムです。
LDV-127
夜想曲
シマノフスキ:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.9
フォーレ:子守歌 Op.16
 ヴァイオリン・ソナタ 第2番ホ短調 Op.108
シマノフスキ:アイタコ・エニアの子守歌 Op. 52
 夜想曲とタランテラ Op.28
フォーレ:夢のあとに Op.11-1
エヴァ・ザヴァロ(Vn)
クレマン・ルフェーヴル(P)

録音:2024年1月17-24日シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン
※日本語解説付
1995年、フランス人とポーランド人の血を引きパリの音楽一家に生まれたエヴァ・ザヴァロ。14歳でガーディナー指揮ロンドン響のソリストを務 めるなど活躍し、2018年にリリースされたヴィスメールの協奏曲集(Claves)でも注目されました。エリオス・トリオの一員として来日公演も成 功させている彼女にとって初めてのソロ・アルバムは、自らのルーツであるフランスとポーランドを代表する2人の作曲家、一世代違いで同時代 を生きたフォーレとシマノフスキを対置する興味深いプログラム。その冴えわたるテクニックと知的な表現を堪能できるアルバムです。
LDV-147(6CD)
フランス・オルガン音楽の至宝
■CD1 (75’ 45”)
(1)フランソワ・クープラン:司教区のためのミサ曲
(2)ジル・ジュリアン:5部の前奏曲/テノール声部のクルムホルン/ディアローグ
(3)ダングルベール:キリエに基づく3つの主題によるクヮルテット
(4)ルイ・クープラン:シャコンヌ.ニ短調/バスク風ブランル/幻想曲/パッサカリア
■CD2 (74’ 21”)
(1)フランソワ・クープラン:修道院のためのミサ曲
(2)ジャン・ティトルーズ:来たれ創り主なる聖霊/パンジェ・リングヮ/アヴェ・マリス・ステラ/天よ喜び歌え
■CD3 (75’ 29”)
(1)ニコラ・ド・グリニー:ミサ曲
(2)ニコラ・ルベーグ:エレヴェーション/サンフォニー
■CD4 (53’ 19”)
ニコラ・ド・グリニー:賛歌
■CD5 (75’ 36”)
(1)ジャン=アダム・ギラン:第一旋法による組曲/第四旋法による組曲/第二旋法による組曲/第三旋法による組曲
(2)ルイ・マルシャン:プラン・ジュ/フーガ/トランペット管のバス/四重奏/フォン・ドルグ/グラン・ディアローグ
■CD6 (77’ 20”)
(1)クレランボー:第一旋法による組曲/第二旋法による組曲
(2)ガスパール・コレット:人声によるディアローグ/2つの合唱のためのディアローグ
(3)ピエール・デュマージュ:オルガン曲集第1巻
(4)ジャン=フランソワ・ダンドリュー:第一旋法によるプラン・ジュ/アヴェ・マリス・ステラによるフーガ/トランペット管のバスとソプラノ/ミュゼット/オッフェルトリウム/狩のホルンによるデュオ
アンドレ・イゾワール(Org)

■CD1
サンジェルマン・デ・プレ教会、ヘルパー=エルマン・オルガン(1)(2)(3)、アンジェ、ボン・パストゥール教会、ジャン=ジョルジュ・ケーニグ・オルガン(4)
■CD2
サール=ユニオン、サン=ジョルジュ・ド・ブケノム、ジャン=ジョルジュ・ケーニグ・オルガン

■CD3
ポワチエ、サンピエール教会、フランソワ=アンリ=クリコ・オルガン

■CD4
サン=マクシマン=ラ=サント=ボーム、ジャン=エスプリ=イスナール・オルガン

■CD5
サンジャック・サンクリストフ・ウーダン、ルイ=アレクサンドル・クリコ・オルガン(1)、サン=マクシマン=ラ=サント=ボーム、ジャン=エスプリ=イスナール・オルガン(2)

■CD6
(シャトー・ド・フォンテンブロー、フランソワ=アンリ=クリコ・オルガン(1)(2)、
パリ、サン=セヴラン教会、アルフレッド・ケルン・オルガン(3)(4)

録音:1972 - 1976年
かつてカリオペ・レーベルからリリースされていたイゾワールの名盤が、装いも新たに再刊されました。1972年から76年にかけて録音され、数々の 賞に輝いた大規模なアンソロジーで、フランスのオルガン音楽の歴史が俯瞰できます。今回、そのなかから17・8世紀フランス・オルガン音楽の黄金時 代部分のLP20枚分をBOX化。CD1以外は初CD化。
フランスのオルガン音楽が、他国のものと明確な違いを見せるようになるのは17世紀初頭のこと。グレゴリオ聖歌との強い結びつきのもと、カトリック 教会のために発展する一方、こうしたレパートリー向きの楽器が制作され、色彩優位の酔いしれるような音色を誇りました。それはルイ13、14世治世 下で、その時期に作られた逸品が、フランス各地の名オルガンで味わえます。イゾワールの洒脱な演奏も魅力で、オルガンに興味のある方々必携。日本語 解説付なのも嬉しい限りです。 (Ki)





LDV-153(15CD)
J.S.バッハ:オルガン作品録音集大成
■CD.1
「前奏曲とフーガ.ハ長調」BWV.531
「ああ主よ、哀れなる罪人われを」BWV.742
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」WV.715
「心より慕いまつるイエスよ、汝いかなる罪を犯し」BWV.1093
「神を讃えまつれ、汝らキリストの徒よ、こぞりて」BWV.732
「おお、イエスよ、いかに汝の姿は」BWV.1094
「ファンタジーとフーガ.イ短調」BWV.561
「天にましますわれらの父よ」BWV.737
「天にましますわれらの父よ」BWV.762
「主イエス・キリストよ、われらを顧みて」BWV.726
「キリストは死の縄目につながれたり」BWV.718
「賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ」BWV.722
「わがいとしの神に」BWV.744b
プレリュード.ト長調.BWV.568
フーガ.ト長調.BWV.576
「光にして日なるキリスト」BWV.1096
「おお主なる神よ、汝の聖なる御言葉は」BWV.1110
「輝く曙の明星のいと美わしきかな」BWV.739
「ペダル練習曲」BWV.598
「プレリュード.イ短調」BWV.569
「神の子は来たりたまえり」BWV.724
フーガ.ハ長調BWV.Anh..90
■CD.2 (63’44)
フーガ.ト長調.BWV.577
「主なる神よ、われを憐れみたまえ」BWV.721
「われらキリストの徒」BWV.1090
「甘き喜びに包まれ」BWV.729
フーガ.ハ短調.BWV.575
「わがいとしの神に」BWV.744a
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.717
「イエスよ、わが喜び」BWV.1105
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.711
プレリュードとフーガ.ハ長調.BWV.549
「高き天よりわれは来たり」BWV.738
フーガ.ト短調BWV.131a
「甘き喜びに包まれ」BWV.751
「ああ神よ、天よりみそなわし」BWV.741
プレリュードとフーガ.イ短調.BWV.551
「キリストよ、汝真昼の光」BWV.766(コラール・パルティータより)
プレリュードとフーガ.ホ(ハ)長調.BWV.566
■CD.3 (65’47)
ファンタジーとフーガ.イ短調.BWV.904
パストラーレ.ヘ長調」F-Du.BWV.590
「パルティータ.おお神よ、汝義なる神よ」BWV.767
「おお、神の子羊、罪なくして」BWV.1085a
「おお、神の子羊、罪なくして」BWV.1085b
「いまぞ喜べ、汝らキリストの徒よ」BWV.734
「パルティータ.ああ、罪人なるわれ、何をなすべきか」BWV.770
「われ汝に別れを告げん」BWV.735
「古き年は過ぎ去りぬ」BWV.1091
プレリュードとフーガ.ト長調.BWV.550
■CD.4 (65’13)
プレリュードとフーガ.イ短調.BWV.543
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.716
「幼子イエスはわが慰め」BWV.702
「ファンタジー.ト長調」G-Dur.BWV572
「わがことを神にゆだね」BWV.708
「わがことを神にゆだね」BWV.707a.&.707b
「われらが神は堅き砦」BWV.720
・フーガ.ロ短調(コレッリの主題による)BWV.579
「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV.731
「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV.730
フーガ.ハ短調(レグレンツィの主題による)ハ長調.BWV.574
われらに救いを賜うキリストはBWV.747
アラ・ブレーヴェ.ニ長調.BWV.589
プレリュードとフーガ.ホ短調.BWV.533
マニフィカトBWV.733
■CD.5 (65’54)
プレリュードとフーガ.ニ長調.BWV.532
「キリストは死の縄目につながれたり」BWV695
「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV.706a
「キリストを.われらさやけく頌め讃うべし」BWV.696
プレリュードとフーガ.ヘ短調.BWV.534
「神の子は来たりたまえり」BWV.703
「われはいずこにか逃れゆくべき」BWV.694
「われら皆一なる神を信ず」BWV.765
プレリュードとフーガ.ト短調.BWV.535
「主キリスト、神の独り子」BWV698
ファンタジー(とフーガ).ハ短調.BWV.562
「いざ来ませ、異邦人の救い主」に基づくフゲッタBWV.699
「賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ」に基づくフゲッタBWV.697
「ああ、主なる神よ」BWV.714
「イエスよ、わが喜び」に基づくファンタジアBWV.713
「主キリスト、神のひとり子」BWV.Anh..55
ファンタジーとフーガ.ハ短調.BWV.537
■CD.6 .(67’07)
トッカータとフーガ.ニ短調.BWV.565
トッカータ、アダージョとフーガ.ハ長調.BWV.564
トッカータとフーガ.ニ短調(ドリア調).BWV.538
アリア.ヘ長調.BWV.587
ファンタジーとフーガ.イ短調.BWV.542
トッカータ(プレリュード)とフーガ.ヘ長調.BWV.540
■CD.7 .(64’22)
協奏曲.イ短調(ヴィヴァルディの「調和の霊感」第8番の編曲).BWV.593
「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV.754
協奏曲.ハ長調(ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ニ長調.op.7-11の編曲)BWV.594
フーガ.ト短調.BWV.578
協奏曲.ニ短調(ヴィヴァルディの「調和の霊感」第11番の編曲)BWV.596
プレリュードと模倣曲.ロ短調.BWV.563
協奏曲.ト長調(エルンスト公子自作のヴァイオリン協奏曲の編曲)BWV.592
カンツォーナ.ニ短調.BWV.588
協奏曲.ハ長調(エルンスト公子自作のヴァイオリン協奏曲の編曲)BWV.595
■CD.8 .(67’34)
パッサカリアとフーガ.ハ短調.BWV.582
「主イエス・キリストよ、われらを顧みて」BWV.709
「全能の神に賛美あれ」BWV.704
「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV.690
「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV.691
「アダムの堕落によりてことごとく腐れたり」BWV.705
パルティータ《喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ》BWV.768
「高き天よりわれは来たれり」BWV.701
トリオ.ト短調.BWV.584
「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」BWV.645
「われはいずこにか逃れゆくべき」BWV.646
「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV.647
「わがこころは主をあがめ」BWV.648
「ああ、われらとともに留まりたまえ、主イエス・キリストよ」BWV.649
「イエスよ、汝いまぞ天より下りたまい」BWV.650
■CD.9 .(78’36)
オルガン小曲集.BWV.599.-.644
「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV.599
「神よ、汝の慈しみによりて」BWV.600
「主キリスト、神の独り子」BWV.601
「全能の神に賛美あれ」BWV.602
「みどり児ベツレヘムに生まれたまいぬ「WV.603
「賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ」BWV.604
「かくも喜びに満てるこの日」BWV.605
「高き天より、われは来たれり」BWV.606
「天より御使いの軍勢来たり」BWV.607
「甘き喜びに包まれ」BWV.608
「神を讃えまつれ、汝らキリストの徒よ、こぞりて」BWV.609
「イエスよ、わが喜び」BWV.610
「キリストを.われら.さやけく頌め讃うべし」BWV.611
「われらキリストの徒」BWV.612
「われとともに神の慈しみを讃えよ」BWV.613
「古き年は過ぎ去りぬ」BWV.614
「汝にこそ喜びあり」BWV.615
「平安と歓喜もて.われはいく」BWV.616
「主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ」BWV.617
「おお、神の子羊、罪なくして」BWV.618
「キリスト、汝.神の子羊」BWV.619
「われらに救いを賜うキリストは」BWV.620
「イエス十字架につけられたまいし時」BWV.621
「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」BWV.622
「主イエス・キリストよ、われら汝に感謝す」BWV.623
「神よ、われを助けて成させたまえ」BWV.624
「キリストは死の縄目につながれたり」BWV.625
「われらの救い主なるイエス・キリストは」BWV.626
「キリストは甦りたまえり」BWV.627
「聖なるキリストは甦りたまえり」BWV.628
「栄光の日は現れたり」BWV.629
「今日.神の子は勝利の凱旋をなしたもう」BWV.630
「来ませ、造り主なる聖霊の神よ」BWV.631
「主イエス・キリストよ、われらを顧みて」BWV.632
「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV.633
「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV.634
「これぞ聖なる十戒」BWV.635
「天にましますわれらの父よ」BWV.636
「アダムの堕落によりて.ことごとく腐れたり」BWV.637
「われらに救いの来たれるは」BWV.638
「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」BWV.639
「われは汝に依り頼む、主よ」BWV.640
「われら悩みの極みにありて」BWV.641
「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV.642
「人みな死すべきさだめ」BWV.643
「ああいかにむなしき、いかにはかなき」BWV.644
■CD.10 .(70’04)
プレリュードとフーガ.ホ短調BWV.548
プレリュードとフーガ.ト長調BWV.541
プレリュードとフーガ.ロ短調BWV.544
プレリュードとフーガ.ハ長調BWV.545
トリオ.ニ短調.BWV.583
プレリュードとフーガ.ハ長調.BWV.547
■CD.11 .(70’40)
トリオ・ソナタ.第1番.変ホ長調.BWV.525
トリオ・ソナタ.第2番.ハ短調.BWV.526
トリオ・ソナタ.第3番.ニ短調.BWV.527
トリオ・ソナタ.第4番.ホ短調.BWV.528
トリオ・ソナタ.第5番.ハ長調.BWV.529
■CD12 .(70’51)
トリオ・ソナタ.第6番ト長調.BWV.530
プレリュードとフーガ.イ長調.BWV.536
「われ汝に別れを告げん」BWV.736
「心よりわれこがれ望む」BWV.727
「バビロンの流れのほとりに」BWV.653b
《5つの小さなプレリュード》よりプレリュード.ハ長調.BWV.943
「わが硬き望みなるイエスは」BWV.728
プレリュードとフーガ.ハ短調.BWV.546(*)
オブリガート・チェンバロとヴィオラ・ダガンバのためのソナタ.第1番ト
長調.BWV.1027(*)
プレリュードとフーガ.ニ短調.BWV.539(*)
■CD.13 .(65’34)
プレリュード.変ホ長調.BWV.552a
「キリエ(主)、とこしえの父なる神よ」BWV.669
「キリストよ、世の人すべての慰め」BWV.670
「キリエ、聖霊なる神よ」BWV.671
「キリエ、とこしえの父なる神よ」BWV.672
「キリストよ、世の人すべての慰め」BWV.673
「キリエ、聖霊なる神よ」BWV.674
「いと高きところでは神にのみ栄光あれ」BWV.675
「いと高きところでは神にのみ栄光あれ」BWV.676
「いと高きところでは神にのみ栄光あれ」BWV.677
「これぞ聖なる十戒」BWV.678
「これぞ聖なる十戒」BWV.679
「われら皆一なる神を信ず」BWV.680
「われら皆一なる神を信ず」BWV.681
「天にましますわれらの父よ」BWV.682
「天にまします我らの父よ」BWV.683
「われらの主キリスト、ヨルダンの川に来れり」BWV.684
「われらの主キリスト、ヨルダンの川に来れり」BWV.685
「深き淵より、われ汝に呼ばわる」BWV.686
■CD.14 .(66’17)
「深き淵より、われ汝に呼ばわる」BWV.687
「われらの救い主なるイエス・キリストは」BWV.688
「われらの救い主なるイエス・キリストは」BWV.689
《4つのデュエット》第1曲.ホ短調.BWV.802
《4つのデュエット》第2曲.ヘ長調.BWV.803
《4つのデュエット》第3曲.ト長調.BWV.804
《4つのデュエット》第4曲.イ短調.BWV.805
フーガ.変ホ長調.BWV.552b
カノン風変奏曲《高き御空よりわれは来たり》BWV.769
「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV.659
「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV.660
「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV.661
「バビロンの流れのほとりに」BWV.653a
「おお、神の子羊、罪なくして」BWV.656
■CD.15 .(75’18)
「来ませ、聖霊、主なる神」BWV.651
「来ませ、聖霊、主なる神」BWV.652
「主イエス・キリストよ、われらを顧みて」BWV.655
「来ませ、造り主なる聖霊の神よ」BWV.667
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.662
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.663
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.664
「装いせよ、おお、魂よ」BWV.654
「いざや.もろびと.神に感謝せよ」BWV.657
「われらの救い主なるイエス・キリストは」BWV.665
「われらの救い主なるイエス・キリストは」BWV.666
「われは神より離れまじ」BWV.658
「《汝の御座の前に.われはいま進み出で》」BWV.668
「音楽の捧げもの」より6声のリチェルカーレ(*)
全て、アンドレ・イゾワール(Org)



■CD.1 (65’21)
 録音:1991年
 使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、サン=シプリアン教会)
■CD.2 (63’44)
 録音:1990年
 使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、サン=シプリアン教会)
■CD.3 (65’47)
 録音:1991年
 使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、フェール=アン=タルドノワ(フランス)
■CD.4 (65’13)
 録音:1989年
 使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、サン=シプリアン教会)
■CD.5 (65’54)
 録音:1975年
 使用オルガン:ユルゲン・アーレント(アウリッヒ、ランベルティ教会(ドイツ))
■CD.6 .(67’07)
 録音:1988年 使用オルガン:ヨセフ・ガープラー、ヴァインガルテン
■CD.7 .(64’22)
 録音:1988年
 使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、サン=シプリアン教会)
■CD.8 .(67’34)
 録音:1988年 使用オルガン:ヨセフ・ガープラー、ヴァインガルテン
■CD.9 .(78’36)
 録音:1977年
 使用オルガン:ユルゲン・アーレント、フランクフルト、カンターテ・ドミノ教会
■CD.10 .(70’04)
 録音:1976年
 使用オルガン:ユルゲン・アーレント、アウリッヒ、ランベルティ教会(ドイツ)
■CD.11 .(70’40)
 録音:1979年
 使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、Esch-sur-Alzette(ルクセンブルク)
■CD12 .(70’51)
 録音:1976(*) 使用オルガン:ユルゲン・アーレント、アウリッヒ、ランベル
ティ教.会(ドイツ)
 録音:1979年 使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、Esch-sur-Alzette(ルクセンブルク)
■CD.13 .(65’34)
 録音:1990年 使用オルガン:ヨセフ・ガープラー、ヴァインガルテン
■CD.14 .(66’17)
 録音:1990年
 使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、フェール=アン=タルドノ
ワ(フランス)
■CD.15 .(75’18)
 録音:1988年(*) 使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、フェー
ル=アン=タルドノワ(フランス)
 録音:1990年 使用オルガン:ヨセフ・ガープラー、ヴァインガルテン
イゾワールによるCALLIOPE時代のバッハ作品集大成が、LA DOLCE VOLTAから再発売のはこびとなりました。イゾワールは、フランス生まれ。セ ザール・フランク音楽学校にてオルガンをエドゥアール・スーベルビエルに、ピアノをジェルメーヌ・ムニエに師事しました。1965年にセント・アルバン ス国際オルガン・コンクール(イギリス)で第1位、1966、67、68年には3年連続でハーレム国際オルガン・コンクールで優勝(オランダ)。録音は 約60にのぼり、フランス共和国大統領賞も獲得しています。パリのサン=ジェルマン・デ・プレ教会の名誉オルガニストであります。イゾワールの素晴ら しい演奏は、オルガン・ビルディングに対する深い知識にも支えられており、演奏技術のみならずストップ操作も常に抜群のセンスが光っています。1976 年から1991年にかけて行われたこのバッハ:オルガン作品集大成も、世界中で高く評価されました。ボックスがCALLIOPEレーベルで2009年に発 売され、以降廃盤となっておりましたがこのたび装丁も新たに日本語ライナーノートもついての充実の再発売です。優れた録音、オーセンティックな演奏で、 ぜひお手元にそろえていただきたいボックスセットです。 (Ki)

LDV-170(6CD)
ブラームス:ピアノ独奏曲全集
スケルツォ変ホ短調Op.4
ピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調Op.2
ピアノ・ソナタ第1番ハ長調Op.1
ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調Op.5
シューマンの主題による16の変奏曲 嬰ヘ短調Op.9
ハンガリーの歌による13の変奏曲ニ長調Op.21-2
4つのバラードOp.10
創作主題による変奏曲ニ長調Op.21-1
変奏曲Op.18
ヘンデルの主題による25の変奏曲とフーガ変ロ長調Op.24
パガニーニの主題による変奏曲イ短調Op.35
16のワルツOp.39/ハンガリー舞曲集
8つの小品Op.76/2つのラプソディOp.79
7つの幻想曲Op.116/3つの間奏曲Op.117
6つの小品Op.118/4つの小品Op.119
ジョフロワ・クトー(P)

録音:2015年4月19-24日(CD1&2)、7月5-11日(CD3&4)、8月3-8日(CD5&6), グラディニャン、四季劇場
2005年ブラームス国際コンクールで優勝したジョフロワ・クトーによる、ブラームスのピアノ独奏作品全集。13歳の時に「6つの小品 作品118」 を弾いたのがブラームスとの最初の出会いであったというクトーは、パリ国立高等音楽院への入試もブラームス「7つの幻想曲 作品116」を演奏し難 なく入学、その後ブラームス国際コンクールで優勝し、最初に録音した作曲家もブラームスという生粋のブラームス弾き。作曲家への深い理解を育むのは、 「情熱と時間」であると語るクトー。本全集は、長年に渡りブラームスの音楽を演奏・探求し、自問を繰り返しながら、この音楽と共に歩んできたクトー が満を持して録音した、壮大なプロジェクト。 (Ki)
LDV-176(2CD)
フランク:オルガン曲集
[CD1]幻想曲イ短調/幻想曲ハ短調/祈り/カンタービレ/交響的大曲嬰ヘ短調
[CD2]前奏曲、フーガと変奏曲/コラール第1番ホ長調/コラール第2番ロ短調/コラール第3番イ短調/英雄的小品ロ短調/終曲変ロ長調
アンドレ・イゾワール(Org/聖母被昇天教会(リュソン)、カヴァイユ=コル(1857年)

録音:1975年
※Calliopeレーベルからの再発売
フランスの大家、アンドレ・イゾワールによる、フランクのオルガン全作品録音集。完璧な技巧で、熱く、同時に深い精神性をもって、時に即興を思わせるような自由さで、独自のフランクを展開しています。 (Ki)


LDV-179(13CD)
日本語帯・解説付

シューマン:ピアノ独奏曲全集
■CD1〈使用楽譜:Breitkopf& Haertel〉
パピヨン op.2
ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調 op.11 - クララ・ヴィーク嬢に捧ぐ
パガニーニのカプリースによる6つの練習曲 op.3
■CD2
謝肉祭 op.9〈使用楽譜:Breitkopf& Haertel〉
クララ・ヴィークの主題による即興曲 op.5〈初稿、使用楽譜:Breitkopf& Haertel〉
ウィーンの謝肉祭の道化 op.26〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
■CD3
アベッグ変奏曲 op.1〈使用楽譜:Breitkopf& Haertel〉
ダヴィッド同盟舞曲集 op.6〈第2稿、使用楽譜:G.Henle Verlag〉
4つのピアノ曲 op.32〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
4つの行進曲 op.76〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
■CD4 〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
アレグロ ロ短調(1853)
ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 op.14(1853)
補遺:スケルツォI(1866)/花の曲 op.19
フゲッタ形式による7つの小品 op.126
■CD5
子供の情景〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
クライスレリアーナ〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
主題と変奏 変ホ長調-最後の楽想による幻覚の変奏曲(Anh. F39) 〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
トッカータ op.7〈使用楽譜:Breitkopf& Haertel〉
■CD6 〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
交響的練習曲 op.13(1837年稿)
森の情景 op.82
交響的練習曲 op.13(補遺)〔主題-アンダンテ/第1〜5変奏〕
■CD7 〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
幻想曲 op.17/夜曲集 op.23
暁の歌 op.133/3つの幻想的小品 op.111
■CD8〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
子どものためのアルバム op.68
■CD9
6つの間奏曲 op.4〈使用楽譜:Breitkopf& Haertel〉
アラベスケ op.18〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
幻想小曲集 op.12〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
子どものためのアルバム op.68(補遺)〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
■CD10
ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 op.22〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
プレスト・パッショナート(ピアノ・ソナタ第2番のオリジナル・フィナーレ)〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
パガニーニのカプリースによる6つの演奏会用練習曲 op.10〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
子どものための3つのピアノ・ソナタ op.118の2-娘エリーゼの思い出〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
■CD11
ベートーヴェンの主題による自由な変奏形式の練習曲(Anh.F25)〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
フモレスケop.20〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
子どものための3つのピアノ・ソナタ op.118の1 - 娘ユーリエの思い出〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
子どものための3つのピアノ・ソナタ op.118の3-娘マリーの思い出〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
■CD12 〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
3つのロマンス op.28
ノヴェレッテ op.21
■CD13 〈使用楽譜:G.Henle Verlag〉
アルバムの綴り op.124
色とりどりの小品 op.99/4つのフーガ op.72
ダナ・チョカルリエ(P)

録音:2012年3月7日,10月23-24日/2013年3月12-13日, 10月15日/2014年5月13-14日、12月9-10日/2015年6月9日,11月18-19日/2016年6月8日,10月26日(在仏ルーマニア大使館(パリ)、すべてライヴ録音)
使用楽器:YAMAHA CFX
リパッティ、クララ・ハスキルらの流れをくむルーマニア・ピアノ楽派のダナ・チョカルリエによる、シューマンの全曲録音の登場。チョカルリエは、ルー マニアに生まれ、フランスでドミニク・メルレやプルーデルマッハーに師事。1996年のロベルト・シューマン国際コンクールで第2位を受賞、その後も様々 なコンクールで入賞しています。2017年1月、ヤマハ・アーティスト・サービス・ヨーロッパより “ヤマハ・コンサート・ピアニスト” に任命されました。 チョカルリエは、協奏曲のソリスト、リサイタル奏者、室内楽奏者として定期的に舞台に立っています。またラジオ局フランス・ミュジークとの関係は深く、ジャ ン=ピエール・ デリアンの番組 “音楽家のアトリエ” のために、2002年から2014年までシューマンの 作品を演奏し続けました。 現在、リヨン国立高 等音楽院とパリ・エコール・ノルマル音楽院の教授として後進の 育成にも励んでいます。
「シューマンの音楽を演奏するということは、奏者が自らの声を、疑問を投げかける彼の声に重ねることである〜シューマンにとって腹心のような存在 といえるピアノは、彼自身の心の内奥にある想いを受け止めてくれる楽器であった。“音楽は、誰も私に与えることができないものを、私に授けてくれる。 なぜならピアノは、私が音楽に置換しうるあらゆる高尚な感情を、私のために語ってくれるのだから”(1828年付のシューマンの手紙より)」(ライナーノー ツより)。アンドレ・ブクレシュリエフに「あなたは真のシューマン弾きだ。イヴ・ナット を彷彿させる」と称された、ダナ・チョカルリエによる、5 年が かりのシューマン・プロジェクトがここに結晶しました。
なお、この全曲演奏では、純粋なピアノ曲のみが選曲されています。ペダル・ピアノ(ピアノとオルガンの中間に位置する楽器)のための作品は収録さ れていません。ペダル・ピアノの楽器を用いての録音が難しく(楽器は博物館などにあるけれど)、ドビュッシーらによる素晴らしい編曲もあるけれども、シ ュ ー マンの原曲とは隔たりがある、というチョカルリエの考えによるものです。 (Ki)

LDV-200
バッハ:フーガの技法 BWV 1080 アンドレ・イゾワール(Org/ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、サン=シプリアン教会)

録音:1999年
※日本語入りカタログ付
イゾワールの名盤「バッハ:フーガの技法」がカタログつき特価CDで復活します!発売当時、「新に音楽的で美しいフレージング、精確なアーティキュレー ション」と絶賛された名盤。イゾワールは曲順にもこだわりを見せ、フーガの構造などを考慮しながら曲順を再構築。大きな流れが生まれ、一つのまとま りのある傑作として「フーガの技法」を再提示しています。
アンドレ・イゾワールは、フランス生まれ。セザール・フランク音楽学校にてオルガンをエドゥアール・スーベルビエルに、ピアノをジェルメーヌ・ムニ エに師事しました。1965年にセント・アルバンス国際オルガン・コンクール(イギリス)で第1位、1966、67、68年には3年連続でハーレム国際オ ルガン・コンクールで優勝(オランダ)。録音は約60にのぼり、フランス共和国大統領賞も獲得しています。パリのサン=ジェルマン・デ・プレ教会の名 誉オルガニストであります。イゾワールの素晴らしい演奏は、オルガン・ビルディングに対する深い知識にも支えられており、演奏技術のみならずストップ 操作も常に抜群のセンスが光っています。
なお、日本語のブックレットをあらかじめ印刷しているなど日本のマーケットを強く意識したつくりの当レーベルらしく、カタログにも日本語記載がなさ れ て い ま す 。( た だ し 、このCDブックレットには日本語はありません。) (Ki)
LDV-201
2016年カタログ付き
J.S.バッハ:オルガン傑作集
トッカータとフーガ.ニ短調 BWV565
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
トッカータとフーガ.ニ短調 BWV538「ドリア調」
アリア.ヘ長調 BWV587
幻想曲 ト短調 BWV542/1
トリオ.ニ短調 BWV583
フーガ.ト短調 BWV542/2
トッカータフーガ.ヘ長調 BWV540
アンドレ・イゾワール(Org)
このディスクにはトッカータとフーガをはじめと するバッハのオルガン傑作集が一枚に収められました。日本語解説付きの当ディスクには2016年の発売予定タイトルも含むLA DOLCE VOLTAカタロ グ付きとなっております。
イゾワールは、フランス生まれ。セザール・フランク音楽学校にてオルガンをエドゥアール・スーベルビエルに、ピアノをジェルメーヌ・ムニエに師事し、 1965年にセント・アルバンス国際オルガン・コンクール(イギリス)で第1位、1966、67、68年には3年連続で、ハーレム国際オルガン・コンクー ルで優勝(オランダ)するなど華やかなコンクール受賞歴を誇ります。イゾワールの素晴らしい演奏は、オルガン・ビルディングに対する深い知識にも支 えられており、演奏技術のみならずストップ操作も常に抜群のセンスが光っています。 (Ki)

LDV-253
ブラームス:弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 op.18
第2番 ト長調 op.36*
ターリヒSQ
[ヤン・ターリヒ・ジュニア(Vn1)
ペートル・マツェチェク(Vn2)
ヴラディミール・ブカチュ(Va)
ペートル・プラウセ(Vc)
ミハル・カニュカ(Vc)、
ヨーゼフ・クルソーニュ(Va)]

録音:2006年9月、2007年1月*
ブラームスは弦楽六重奏曲を2曲作曲しました。ここでブラームスは、ハイドン、ベートーヴェン、シューベルトという、彼が敬服していた先達にオマージュ を捧げるだけでなく、ブラームス以前にもあまり取り上げられなかった編成をつかって新しいハーモニーを探求しました。一見控えめで魅惑的なこれら2 曲は、最後のロマン主義へと扉を開いたといえるでしょう。 「ここには完璧に近いものがある。ターリヒの音楽家たちは、ここでもまた、才能豊かに、繊細さと英知あふれる確かな演奏を披露してくれる。」(発売当 時の批評より

LDV-254
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 op.96「アメリカ」
弦楽五重奏曲 変ホ長調 op.97*
ターリヒSQ
[ヤン・ターリヒ・ジュニア(Vn1)
ペートル・マツェチェク(Vn2)
ヴラディミール・ブカチュ(Va)
ペートル・プラウセ(Vc)
イル ジー・ジクムント(Va2))]

録音:2002年1月&2002年4月*
「ターリヒSQは、恒常なる美しさと稀に見る正当な様式感にあふれた演奏を提供する。シンプルさ、柔らかさ、活力を不可侵の表現規定と していたドヴォルザークの精神に忠実に、曲の細部、全体的なライン、リズムの保持などを、驚くべき官能性を見せながら紡ぎだす。ドヴォルザークの作 品の中でも最も複雑で練られた音楽を含む音符が、しなやかで明快な動きや平明なフレーズによって、見事に音となるのである。」(発売当時の批評より)
LDV-255
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」
 弦楽四重奏曲第2番 ニ短調
フィビヒ:弦楽四重奏曲イ長調
ターリヒSQ
[ヤン・ターリヒ・ジュニア(Vn1)
ペートル・マツェチェク(Vn2)
ヴラディミール・ブカチュ(Va)
ペートル・プラウセ(Vc)]

録音:2003 年1月&4月
「ターリヒSQの演奏はまったく美しい。常に熱に満ちた濃い表現のなかで、すこぶる厳格な的確さでニュアンスやアクセントづけを行ってい るからだ。細部は見事に簡潔であるが、これが、スメタナの音楽の深い意味や勇壮な様子を捉え、称揚しているのである。ターリヒSQはここで、 幻想的なものとの境界にある、ひとつの精神性を示しているのだ。」(発売当時の批評より)
LDV-256
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」
  第2番「ないしょの手紙」
シュルホフ:弦楽四重奏曲第1番*
ターリヒSQ
[ヤン・ターリヒ・ジュニア(Vn1)
ペートル・マツェチェク(Vn2)
ヴラディミール・ブカチュ(Va)
ペートル・プラウセ(Vc)]

録音:2004年12月、2005年3月*
ここに、密で集中したリリスムを備えた、精神性をもって取り組んだひとつのヴィジョンがある。ターリヒSQは、千変万化の語法を、やすやすと、 しかも創意をもって聞かせてくれる。」(発売当時の批評より)
LDV-258
ハイドン:十字架上のキリストの最後の七つの言葉 ターリヒSQ
[ペートル・メシエルール(Vn1)
ヴラ ディミール ・ブカ チュ(Vn2)
ヤン・ターリヒ・シニア((Va)
エヴジェン・ラッタイ(Vc)

録音:1995 年
キリストが十字架にかけられる時の最後の七つの言葉を題材にした音楽。たった4つの楽器のために書かれ、4人によって演奏されているはずなのに、 まるで交響曲のような迫力をもったこの作品は、19世紀前半の作曲家たちに、弦楽四重奏というジャンルにおける計り知れない可能性を示しました。 「ターリヒSQの洗練された音響は、長い沈黙を残し、それが、発せられない説教の言葉を物語っている。しかし、ひとつひとつの音符には、ま るで平穏の重みであるかのように、超然とした言葉が含まれているのである。」(発売当時の批評より)
LDV-260
カリヴォダ:弦楽四重奏曲第1番 ホ短調 op.61
第2番 イ長調 op.62
第3番 ト長調 op.90
ターリヒSQ
[ヤン・ターリヒ・ジュニア(Vn1)
ペートル・マツェチェク(Vn2)
ヴラディミール・ブカチュ(Va)
ペートル・プラウセ(Vc)]

録音:2005 年12月
ヤン=ヴァーツラフ・カリヴォダ(1801-1866)の弦楽四重奏曲では、第一ヴァイオリンがより自由で表現豊かになっています。それは彼がモーツァ ルトの後の時代を担う創意あふれる作曲家だったことを示しているといえるでしょう。美しい旋律と熱情的なリズムが曲全体を覆い尽くしています。 「ターリヒSQのユーモアが、モーツァルトの後継というにふさわしい軽く脈打つ音楽に陽気な優美さを添える。これは一流の「発見」だ。」(発 売当時の批評より)
LDV-263
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 op.57
弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 op.110
ターリヒSQ
[ヤン・ターリヒ・ジュニア(Vn1)
ペートル・マツェチェク(Vn2)
ヴラディミール・ブカチュ(Va)
ペートル・プラウセ(Vc)]
ヤコブ・カスマン(P)

録音:2001年11月
弦楽四重奏曲第8番で、ターリヒSQは我々をブラックホールに取り込んでしまう。そこでは、最終目的地としての総合的な解体が待ってい る。影をまたぐ、なんと魅惑的な跳躍であることか!」(発売当時の批評より)
LDV-278
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 op.130&大フーガ
(大フーガはフィナーレの後に演奏)
ターリヒSQ
[ペートル・メシエルール(Vn1)
ウラ ディミール ・ブカ チュ(Vn2)
ヤン・ターリヒ(Va)
エヴジェン・ラッタイ(Vc)]

録音:1977年6月
録音の場に、ボヘミアの偉大なる伝統を最初に持ち込んだのがターリヒSQである。ベートーヴェンが試みたさまざまな様式に取り組む際 の彼らの鋭い音楽観や、非の打ちどころのない音楽性、生まれながらに持ち合わせた即興へのセンス、そしてとくに、極限までにドラマティックな楽譜の 読みの深さは、いつになってもセンセーショナルだ。」(当時の批評より)※初CD化
LDV-279
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク KV525
アダージョとフーガ.ハ短調 KV 546
ディヴェルティメント.ニ長調 KV136
ディヴェルティメント 変ロ長調 KV137
ディヴェルティメント.ヘ長調 KV138
ターリヒSQ
[ペートル・メシエルール(Vn1)
ウラ ディミール ・ブカ チュ(Vn2)
ヤン・ターリヒ(Va)
エヴジェン・ラッタイ(Vc)]

録音:1977年6月
「ターリヒSQの演奏では、モーツァルトが親しく歌い、笑いかけ、泣き、夢を見、失望や興奮を覚えている。ターリヒで普通は聞くことがで きない、不安や官能性を秘めた演奏は賛嘆に値する。モーツァルトの音楽がここまで適切な完成度に至り、その上陽気で魅力的なのは稀なことだ。全て は光と幸福感で満ちている。一種の恩寵といえるであろう。」(発売当時の批評より)※初CD化
LDV-280
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番 ホ短調「わが生涯より」
  弦楽四重奏曲第2番 ニ短調
フィビヒ:弦楽四重奏曲イ長調
第4番 ホ短調 op.44-2
第5番 変ホ長調 op.44-3
第3番 ニ長調 op.44-1
ターリヒSQ
ヤン・ターリヒ・ジュニア(Vn1)
ペートル・マツェチェク(Vn2)
ヴラディミール・ブカチュ(Va)
ペートル・プラウセ(Vc)

録音:2000年3月
「ターリヒSQは、聴く人に一瞬の隙をも与えない饒舌な音楽に、見事に集中した演奏を披露している。ここまで素晴らしい力強い解釈に、 目眩のするほどほとばしる音楽に、誰が無関心でいられようか。」(発売当時の批評より)


LDV-300
2017年カタロ付き
ショパン:ポロネーズ第1番〜第5番
幻想ポロネーズOp.61
パスカル・アモワイエル(P)

録音:2015年4月27-30日パリ
2017年LA DOLCE VOLTAレーベルのカタログ付CD。1971年生まれのフランスのピアニスト、パスカル・アモワイヤルによるショパンのポロネーズ集。アモワイヤルはシフラとベルマンに師事。リスト弾きで ありながらショパンの作品も度々演奏した2人の師からアモワイヤルは、シフラからは音楽の本質をベルマンからは音色を学んだと語っています。シフラ譲 りの高度なテクニックに、繊細な叙情を兼ね備えた感性で聴かせてくれます。幼い頃からショパンのセンスティヴさに惹かれていたというアモワイヤルが今 回選んだ作品は、初期の作品を除いた大ポロネーズと幻想ポロネーズ。大ポロネーズはショパンがパリに渡ってから書かれた作品で、これらのポロネーズ をアモワイヤルは故郷を去らなければならなかったショパンの自由に対する音楽による抗議と捉え、ショパンの行き場のない絶望を表現しています。 ア モワイヤルはこの録音に際して以下のように述べています;「華麗さと抒情性、舞踏と物語という両面性を宿すポロネーズは、その音楽的エキゾチズムを いつまでも放ち続けることだろう…。」 (Ki)
LDV-301
2018年カタログ付
ドビュッシー:前奏曲集(全2巻) フィリップ・ビアンコーニ(P /ヤマハ)

録音:2012 年 2月(パリ)
絶頂期のヘルマン・プライとの数々の名演でも名高い名手、フィリップ・ビアンコーニによる香り高いドビュッシー前奏曲集全曲(LDV 07)が、2018 年のレーベル・カタログ付きで再登場。ビアンコーニは、1960年ニース生まれ。ギャビー・カサドシュ、シモーヌ・デルベール=フェリヴェ( マルグリット・ ロンとロベール・カサドシュの弟子) に学びました。第7回ヴァン・クライバーン国際コンクールで銀メダルを受賞しています。1980年代には20代とい う若さで絶頂期のヘルマン・プライとも多数共演。また、ランパル、シュタルケル、ゲイリー・ホフマン、ガルネリ弦楽四重奏団、ターリヒ弦楽四重奏団 などとの名演を展開したヴェテランです。
「野を渡る風」の、まさに吹き抜ける風を思わせる絶妙なテンポと音色、「音と香りは夕べの大気の中に漂う」で魅せる詩的な世界、センスあふれる「花 火」など、一曲一曲がフランスのエスプリをまとった非常に魅力の演奏です。 (Ki)
LDV-302
イゾワール〜美しいコラールの世界
バッハ:主なる神よ、汝をわれらは頌めまつらん(テ・デウム) BWV 725
いと尊きイエスよ、われらはここに集いて BWV 731
キリストは死の縄目につながれたり BWV 695
尊き御神の統べしらすままにまつろい BWV 690
いまぞ喜べ、汝らキリストの徒よ BWV 734
天にましますわれらの父よ BWV 737
われ汝に別れを告げん BWV 736
アダムの堕落によりてことごとく腐れたり BWV 705
イエスよ、わが喜び BWV 713
われら皆一なる神を信ず BWV 765
主イエス・キリスト、神のひとり子 BWV Anh 55
深き淵より、われ汝に呼ばわる BWV 686
アンドレ・イゾワール(Org/聖トーマス・ダカン教会)
アンサンブル・ヴォーカル・メタモルフォーゼ
アンサンブル・ヴォーカル・チェリ&テッラ

録音:2000年
イゾワールのオルガンと声が織りなす美しいコラールの世界を堪能できます。1曲目のBWV725はドイツ語「テ・デウム」。 (Ki)
LDV-381(4CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集(全2巻) セドリック・ペシャ(P/スタインウェイD型、1980年代を使用。不均等律による調律)

録音:2017年4月18-22日(第2巻/ヘンレ版使用)、2017年8月26-30日(第1巻/ベーレンライター版使用)
7歳か8歳の時に母から「平均律クラヴィーア曲集」の楽譜を送られて以降、時間をかけてバッハの鍵盤作品をまんべんなく習得、チェンバロやクラヴィコー ドでも弾いたというペシャ。アンドレアス・シュタイアーにも薫陶を受け、カンタータ全曲にも向きあい、バッハを崇拝してやまないといいます。ペシャは、2002 年、ジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクールで第1位に輝いた、スイスとフランスの国籍を持つローザンヌ出身のピアニストです。この録音にはすべて暗譜で 臨んだといい、開放的なロマンティシズム漂うペシャならではのバッハとなっています。 楽器についてのペシャのコメント(ライナーノートより) 80年代のスタインウェイD型です。アンドラーシュ・シフが定期的に録音で用いているピアノで、実に優れたカンタービレの効果を期待できます。楽器選びの際、 私にとって音の持続は重要なポイントでした。ただし極めてピアノらしい楽器でしたので、不均等律による調律をリクエストしました。等分平均律が用いられてい なかったバッハの時代には、それぞれの調性が特異な性格を有していたからです。 (Ki)

LDV-400(17CD)
バッハ:オルガン作品集
■CD1
「前奏曲とフーガ.ハ長調」BWV.531
「ああ主よ、哀れなる罪人われを」.BWV.742
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」WV.715
「心より慕.いまつるイエスよ、汝いかなる罪を犯し」BWV.1093
「神を讃えまつれ、汝.らキリストの徒よ、こぞりて」BWV.732
「おお、イエスよ、いかに汝の姿は」.BWV.1094
「ファンタジーとフーガ.イ短調」BWV.561
「天にまします.われらの父よ」BWV.737
「天にましますわれらの父よ」BWV.762
「主.イエス・キリストよ、われらを顧みて」BWV.726
「キリストは死の縄目に.つながれたり」BWV.718
「賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ」BWV.722
「わがいとしの神に」BWV.744b
プレリュード.ト長調.BWV.568
フーガ.ト長調.BWV.576
「光にして日なるキリスト」BWV.1096
「おお.主なる神よ、汝の聖なる御言葉は」BWV.1110
「輝く曙の明星のいと美わ.しきかな」BWV.739
「ペダル練習曲」BWV.598
「プレリュード.イ短.調」BWV.569
「神の子は来たりたまえり」BWV.724
フーガ.ハ長調.BWV.Anh..90
■CD2
フーガ.ト長調.BWV.577
「主なる神よ、われを憐れみたまえ」BWV.721.
「われらキリストの徒」BWV.1090
「甘き喜びに包まれ」BWV.729
フーガ.ハ短調.BWV.575
「わがいとしの神に」BWV.744a
「いと高きと.ころには神にのみ栄光あれ」BWV.717
「イエスよ、わが喜び」BWV.1105.
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.711
プレリュードとフー.ガ.ハ長調.BWV.549
「高き天よりわれは来たり」BWV.738
フーガ..ト短調BWV.131a
「甘き喜びに包まれ」BWV.751
「ああ神よ、天よりみ.そなわし」BWV.741
プレリュードとフーガ.イ短調.BWV.551
「キリス.トよ、汝真昼の光」BWV.766(コラール・パルティータより)
プレリュード.とフーガ.ホ(ハ)長調.BWV.566
■CD3
ファンタジーとフーガ.イ短調.BWV.904
パストラーレ.ヘ長調」F-Du.BWV.590
「パルティータ.おお神よ、汝義なる神よ」BWV.767
「おお、.神の子羊、罪なくして」BWV.1085a
「おお、神の子羊、罪なくして」BWV.1085b
「いまぞ喜べ、汝らキリストの徒よ」BWV.734
「パルティータ..ああ、罪人なるわれ、何をなすべきか」BWV.770
「われ汝に別れを告げ.ん」BWV.735
「古き年は過ぎ去りぬ」BWV.1091
プレリュードとフーガ..ト長調.BWV.550
■CD4
プレリュードとフーガ.イ短調.BWV.543
「いと高きところには神にのみ.栄光あれ」BWV.716
「幼子イエスはわが慰め」BWV.702
「ファンタジー..ト長調」G-Dur.BWV572
「わがことを神にゆだね」BWV.708
「わが.ことを神にゆだね」BWV.707a.&.707b
「われらが神は堅き砦」BWV.720.
フーガ.ロ短調(コレッリの主題による)BWV.579
「いと尊きイエス.よ、われらはここに集いて」BWV.731
「いと尊きイエスよ、われらはここに.集いて」BWV.730
フーガ.ハ短調(レグレンツィの主題による)ハ長調.BWV.574
われらに救いを賜うキリストはBWV.747
アラ・ブレーヴェ.ニ長調.BWV.589
プレリュードとフーガ.ホ短調.BWV.533
マニフィカ.トBWV.733
■CD5
プレリュードとフーガ.ニ長調.BWV.532
「キリストは死の縄目につなが.れたり」BWV695
「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV.706a.
「キリストを.われらさやけく頌め讃うべし」BWV.696
プレリュードと.フーガ.ヘ短調.BWV.534
「神の子は来たりたまえり」BWV.703
「われ.はいずこにか逃れゆくべき」BWV.694
「われら皆一なる神を信ず」BWV.765
プレリュードとフーガ.ト短調.BWV.535
「主キリスト、神の独り.子」BWV698
ファンタジー(とフーガ).ハ短調.BWV.562
「いざ来ま.せ、異邦人の救い主」に基づくフゲッタBWV.699
「賛美を受けたまえ、汝.イエス・キリストよ」に基づくフゲッタBWV.697
「ああ、主なる神よ」BWV.714
「イエスよ、わが喜び」に基づくファンタジアBWV.713
「主キリス.ト、神のひとり子」BWV.Anh..55
ファンタジーとフーガ.ハ短調.BWV.537
■CD6
トッカータとフーガ.ニ短調.BWV.565
トッカータ、アダージョとフー.ガ.ハ長調.BWV.564
トッカータとフーガ.ニ短調(ドリア調).BWV.538
アリア.ヘ長調.BWV.587
ファンタジーとフーガ.イ短調.BWV.542
トッカータ(プレリュード)とフーガ.ヘ長調.BWV.540.
■CD7
協奏曲.イ短調(ヴィヴァルディの「調和の霊感」第8番の編).BWV.593
「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」BWV.754
協奏曲..ハ長調(ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ニ長調.op.7-11の編)BWV.594
フーガ.ト短調.BWV.578
協奏曲.ニ短調(ヴィヴァルディの.「調和の霊感」第11番の編)BWV.596
プレリュードと模倣曲.ロ短.調.BWV.563
協奏曲.ト長調(エルンスト公子自作のヴァイオリン協奏.曲の編)BWV.592
カンツォーナ.ニ短調.BWV.588
協奏曲.ハ長.調(エルンスト公子自作のヴァイオリン協奏曲の編)BWV.595
■CD8
パッサカリアとフーガ.ハ短調.BWV.582
「主イエス・キリストよ、わ.れらを顧みて」BWV.709
「全能の神に賛美あれ」BWV.704
「尊き御.神の統べしらすままにまつろい」BWV.690
「尊き御神の統べしらすまま.にまつろい」BWV.691
「アダムの堕落によりてことごとく腐れたり」BWV.705
パルティータ「喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ」BWV.768
「高.き天よりわれは来たれり」BWV.701
トリオ.ト短調.BWV.584
「目覚.めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」BWV.645
「われはいずこにか.逃れゆくべき」BWV.646
「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV.647
「わがこころは主をあがめ」BWV.648
「ああ、われらとともに留.まりたまえ、主イエス・キリストよ」BWV.649
「イエスよ、汝いまぞ天より.下りたまい」BWV.650
■CD9
オルガン小曲集.BWV.599.-.644
「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV.599
「神よ、汝の慈しみによりて」BWV.600
「主キリスト、神の独り子」.BWV.601
「全能の神に賛美あれ」BWV.602
「みどり児ベツレヘムに.生まれたまいぬ「WV.603
「賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ」.BWV.604
「かくも喜びに満てるこの日」BWV.605
「高き天より、われ.は来たれり」BWV.606
「天より御使いの軍勢来たり」BWV.607
「甘き.喜びに包まれ」BWV.608
「神を讃えまつれ、汝らキリストの徒よ、こぞり.て」BWV.609
「イエスよ、わが喜び」BWV.610
「キリストを.われら..さやけく頌め讃うべし」BWV.611
「われらキリストの徒」BWV.612
「われとともに神の慈しみを讃えよ」BWV.613
「古き年は過ぎ去りぬ」.BWV.614
「汝にこそ喜びあり」BWV.615
「平安と歓喜もて.われは.いく」BWV.616
「主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ」BWV.617
「お.お、神の子羊、罪なくして」BWV.618
「キリスト、汝.神の子羊」BWV.619
「われらに救いを賜うキリストは」BWV.620
「イエス十字架につ.けられたまいし時」BWV.621
「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」BWV.622
「主イエス・キリストよ、われら汝に感謝す」BWV.623
「神よ、わ.れを助けて成させたまえ」BWV.624
「キリストは死の縄目につながれた.り」BWV.625
「われらの救い主なるイエス・キリストは」BWV.626
「キ.リストは甦りたまえり」BWV.627
「聖なるキリストは甦りたまえり」BWV.628
「栄光の日は現れたり」BWV.629
「今日.神の子は勝利の凱旋.をなしたもう」BWV.630
「来ませ、造り主なる聖霊の神よ」BWV.631
「主イエス・キリストよ、われらを顧みて」BWV.632
「いと尊きイエスよ、.われらはここに集いて」BWV.633
「いと尊きイエスよ、われらはここに.集いて」BWV.634
「これぞ聖なる十戒」BWV.635
「天にましますわれ.らの父よ」BWV.636
「アダムの堕落によりて.ことごとく腐れたり」BWV.637
「われらに救いの来たれるは」BWV.638
「われ汝に呼ばわる、主.イエス・キリストよ」BWV.639
「われは汝に依り頼む、主よ」BWV.640
「われら悩みの極みにありて」BWV.641
「尊き御神の統べしらすままに.まつろい」BWV.642
「人みな死すべきさだめ」BWV.643
「ああいか.にむなしき、いかにはかなき」BWV.644
■CD10
プレリュードとフーガ.ホ短調BWV.548
プレリュードとフーガ.ト長調.BWV.541
プレリュードとフーガ.ロ短調BWV.544
プレリュードとフー.ガ.ハ長調BWV.545
トリオ.ニ短調.BWV.583
プレリュードとフーガ..ハ長調.BWV.547
■CD11
トリオ・ソナタ.第1番.変ホ長調.BWV.525
トリオ・ソナタ.第2番.ハ.短調.BWV.526
トリオ・ソナタ.第3番.ニ短調.BWV.527
トリオ・ソナ.タ.第4番.ホ短調.BWV.528
トリオ・ソナタ.第5番.ハ長調.BWV.529
■CD12
トリオ・ソナタ.第6番ト長調.BWV.530
プレリュードとフーガ.イ長調.BWV.536
「われ汝に別れを告げん」BWV.736
「心よりわれこがれ望む」.BWV.727
「バビロンの流れのほとりに」BWV.653b
「5つの小さなプレ.リュード」よりプレリュード.ハ長調.BWV.943
「わが硬き望みなるイエス.は」BWV.728
プレリュードとフーガ.ハ短調.BWV.546(*)
オブリガー.ト・チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ.第1番ト長調.BWV.1027(*)
プレリュードとフーガ.ニ短調.BWV.539(*)
■CD13
プレリュード.変ホ長調.BWV.552a
「キリエ(主)、とこしえの父なる神よ」.BWV.669
「キリストよ、世の人すべての慰め」BWV.670
「キリエ、聖霊.なる神よ」BWV.671
「キリエ、とこしえの父なる神よ」BWV.672
「キリス.トよ、世の人すべての慰め」BWV.673
「キリエ、聖霊なる神よ」BWV.674.
「いと高きところでは神にのみ栄光あれ」BWV.675
「いと高きところ.では神にのみ栄光あれ」BWV.676
「いと高きところでは神にのみ栄光あ.れ」BWV.677
「これぞ聖なる十戒」BWV.678
「これぞ聖なる十戒」BWV.679
「われら皆一なる神を信ず」BWV.680
「われら皆一なる神を信ず」.BWV.681
「天にましますわれらの父よ」BWV.682
「天にまします我ら.の父よ」BWV.683
「われらの主キリスト、ヨルダンの川に来れり」BWV.684.
「われらの主キリスト、ヨルダンの川に来れり」BWV.685
「深き淵より、.われ汝に呼ばわる」BWV.686
■CD14
「深き淵より、われ汝に呼ばわる」BWV.687
「われらの救い主なるイエス・.キリストは」BWV.688
「われらの救い主なるイエス・キリストは」BWV.689.
「4つのデュエット」第1曲.ホ短調.BWV.802
「4つのデュエット」第2.曲.ヘ長調.BWV.803
「4つのデュエット」第3曲.ト長調.BWV.804
「4.つのデュエット」第4曲.イ短調.BWV.805
フーガ.変ホ長調.BWV.552b.
カノン風変奏曲「高き御空よりわれは来たり」BWV.769
「いざ来ませ、.異邦人の救い主」BWV.659
「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV.660
「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV.661
「バビロンの流れのほとりに」.BWV.653a
「おお、神の子羊、罪なくして」BWV.656
■CD15
「来ませ、聖霊、主なる神」BWV.651
「来ませ、聖霊、主なる神」BWV.652
「主イエス・キリストよ、われらを顧みて」BWV.655
「来ませ、.造り主なる聖霊の神よ」BWV.667
「いと高きところには神にのみ栄光.あれ」BWV.662
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.663
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV.664
「装いせよ、おお、.魂よ」BWV.654
「いざや.もろびと.神に感謝せよ」BWV.657
「わ.れらの救い主なるイエス・キリストは」BWV.665
「われらの救い主な.るイエス・キリストは」BWV.666
「われは神より離れまじ」BWV.658
「「汝の御座の前に.われはいま進み出で」」BWV.668
「音楽の捧げ.もの」より6声のリチェルカーレ(*).
■CD16
フーガの技法.BWV.1080
■CD17
BWV 725, 731, 706, 695, 695/2, 690, 690/2, 691, 734, 734/2, 737, 90/5,
736, 736/2, 705, 1805, 713, 227/1, 765, B.A.38 n.184, Anh55, A,h75, BWV 686
アンドレ・イゾワール(Org)

■CD1
録音:1991年/使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、サ.ン=シプリアン教会).

■CD2
録音:1990年/使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、サ.ン=シプリアン教会).

■CD3
録音:1991年/使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、フェール.=アン=タルドノワ(フランス)

■CD4
録音:1989年/使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、サ.ン=シプリアン教会)

■CD5
録音:1989年/使用オルガン:ユルゲン・アーレント(アウリッヒ、ランベル.テ.ィ.教.会(.ド.イ.ツ.)).

■CD6
録音:1993年/使用オルガン:ヨセフ・ガープラー、ヴァインガルテン.

■CD7
録音:1988年/使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、.サン=シプリアン教会)

■CD8
録音:1988年/使用オルガン:ヨセフ・ガープラー、ヴァインガルテン

■CD9
録音:1977年/使用オルガン:ユルゲン・アーレント、フランクフルト、カ.ンターテ・ドミノ教会.

■CD10
録音:1976年/使用オルガン:ユルゲン・アーレント、アウリッヒ、ランベル.ティ.教.会(.ド.イ.ツ.).

■CD11
録音:1979年/使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、Esch-sur-.Alzette(ルクセンブルク).

■CD12
録音:1976(*)/.使用オルガン:ユルゲン・アーレント、アウリッヒ、ランベルティ教会(ドイツ)
録音:1979年/使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、Esch-sur-.Alzette(ルクセンブルク).

■CD13
録音:1990年/使用オルガン:ヨセフ・ガープラー、ヴァインガルテン..

■CD14
録音:1990年/使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、フェール=.アン=タルドノワ(フランス).

■CD15
録音:1988年(*)/使用オルガン:ゲオルク・ヴェステンフェルダー、フェー.ル=アン=タルドノワ(フランス)
録音:1990年/使用オルガン:ヨセフ・ガープラー、ヴァインガルテン

■CD16
録音:1999年、使用オルガン:ゲルハルト・グレンツィング(ペリゴール、.サン=シプリアン教会)

■CD17
録音:2000年、サン=トーマス・ダカン(教会)のオルガン
イゾワールが1975-1991年にかけて録音したバッハ作品を網羅したボックス。


LDV-690(2LP)
バッハ・トゥ・ザ・フューチャー」
■LP1-A
トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565
小フーガ ト短調 BWV578
■LP1-B
「6声のリチェルカーレ」 BWV1079/2(「音楽の捧げもの」より)
「主なる神よ、われを憐れみたまえ」 BWV721
■LP2-A
幻想曲 ト短調 BWV542/1
フーガ ト短調 BWV542/2
「わが心の切なる願い」 BWV72
■LP2-B
パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
「汝のうちに喜びあり」BWV617
オリヴィエ・ラトリー(Org/1868年製カヴァイエ=コル)

録音:2019年1月6-8日/ノートルダム大聖堂(パリ)
2019年4月、世界に衝撃を与えたパリのノートルダム大聖堂の火災。その聖堂で正オルガニストを務めていたのがラトリーでした。これは2019年 の1月、火災の直前に行われた録音。災害前の聖堂内でのオルガンの響きを収めた貴重な録音となったディスクLDV 69はヨーロッパおよび日本でも大 きな話題となりました。その名盤がLPで登場します!(CDに収録されていた幻想曲ト長調 BWV 572はこのLPには収録されていません)
原点回帰ともいえるバッハの録音。ラトリーは1990年代にBNLレーベルにバッハの主要オルガン作品を録音し、その後2003年録音でDGレーベ ルよりオルガン・トランスクリプションとしてシャコンヌなどのバッハの作品を取り上げておりますが、オール・バッハ・プログラムでの録音は実に四半世 紀ぶりで満を持しての録音といえます。 
トッカータとフーガやパッサカリアとフーガで巧みなレジストレーションでカヴァイエ=コル製作の大オルガンを演奏。まるで万華鏡のように変化するパ イプオルガンの音色に驚かされます。また、通称「大フーガ」で知られる幻想曲とフーガ ト短調 BWV542では、ラトリーは演奏する際にリストのピアノ 編曲などを参考にし、幻想曲ではラトリー自身による解釈で多くの和音を追加しております。残響7秒という当大聖堂の響きを考慮し、まさに幻想的な世 界を描きます。圧倒的な技術とラトリーでしか表現することのできない唯一無二のバッハ作品をご堪能ください。 (Ki)

LDV-1006(7CD)
モーツァルト:弦楽四重奏曲集
■CD1
1. 弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調 K.155
2. 弦楽四重奏曲 第3番 ト長調 K.156
3. 弦楽四重奏曲 第4番 ハ長調 K.157
4. 弦楽四重奏曲 第5番 ヘ長調 K.158
5. 弦楽四重奏曲 第6番 変ロ長調 K.159
6. 弦楽四重奏曲 第7番 変ホ長調 K.160
■CD2
1. 弦楽四重奏曲 第8番 K.168
2. 弦楽四重奏曲 第9番 K.169
3. 弦楽四重奏曲 第10番 K.170
4. 弦楽四重奏曲 第11番 K.171
5. 弦楽四重奏曲 第12番 K.172
■CD3
1. 弦楽四重奏曲 第13番 K.173
2. 弦楽四重奏曲 第14番 K.387
3. 弦楽四重奏曲 第15番 K.421
■CD4
1. 弦楽四重奏曲 第16番 K.428
2. 弦楽四重奏曲 第17番 K.458「狩り」
■CD5
1. 弦楽四重奏曲 第18番 K.464
2. 弦楽四重奏曲 第19番 K.465「不協和音」
■CD6
1. 弦楽四重奏曲 第20番 K.499
2. 弦楽四重奏 第21番 K.575
3. 弦楽四重奏曲 第22番
■CD7
1. 弦楽四重奏曲 第23番 ヘ長調K.590「プロシャ王 第3番」
2. 弦楽四重奏曲 第3番 K.80
ターリヒQ

録音:1993年(CD1)、1992年(CD2、CD3:1)、1984年(CD3;2,4)、1985年(CD4)、1983年(CD5)、1992年(CD7;1)、1984 年(CD7;2)
ターリヒ四重奏団のモーツァルト弦楽四重奏曲全集名盤がお買い得ボックスに! 1964年にチェコで結成されて以来、世界中で揺るぎない人気を集めてきた名門団体ターリヒ四重奏団。今回、彼らがこれまで行ってきたモーツァルト弦楽四重奏の録音(以前Calliopeよりリリース)をまとめ、新たに弦楽四重奏曲全集としてお手頃価格で発売いたします! 力みすぎず、すっきりとした独特の演奏で多くのファンを惹きつけてやまないターリヒ四重奏団の名演が1つに詰まった豪華盤。ファンの方にはもちろん、ターリヒ四重奏団をこれから聴こうとしている方にもおすすめの商品です! (Ki)

LDV-1156(2CD)
NX-E02
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) 上野通明(Vc)

録音:2021年11月24-26日、2022年5月3-7日 ホンラート福音教会
※日本語解説付
※旧品番:KKC-6598
2021年ジュネーヴ国際コンクールの覇者、上野通明が26歳にして臨んだバッハの無伴奏全曲録音。4歳の頃にヨーヨー・マが弾く同作品 の映像を観てチェロを学ぶ決意をしたという彼だけに、国際デビュー盤となるこのアルバムではぜひバッハを録音したいと強く望んでいたそう。録 音場所についても、ドイツやオランダの教会を巡って音響を自ら確認し、ケルン郊外の教会を選んだというこだわりようです。その演奏は中庸 のテンポを取りながら歌心に溢れ、隅々の音まで実に表情豊か。若い感性が大きなプラス要素となった、瑞々しい演奏を聴かせています。5 弦のチェロ・ピッコロを想定して書かれたと言われる第6番についても、自身の愛器である4弦チェロ(製作者不詳のイタリア製)で演奏。非常 に困難な挑戦ですが「どんなに大きな挑戦でもそれが報われるほど魅力的な曲」と語っており、良く伸びる音が素晴らしい効果を上げています。

LDV-1323(2CD)
NX-E05
ブラームス:ピアノ三重奏曲 全集
ピアノ三重奏曲 第1番ロ長調 Op.8(改訂版)
ピアノ三重奏曲 第2番ハ長調 Op.87
ピアノ三重奏曲 第3番ハ短調 Op.101
ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.40(ホルン三重奏曲のブラームスによる編)
子守歌 Op.49-4(マチュー・ヘルツォーク編曲ピアノ三重奏版)
トリオ・ソーラ【ポリーヌ・シュネ(P、ファニー・フェオドロフ(Vn)、アンジェル・レガサ(Vc)】

録音:2023年5月20-23日、6月25-28日 MC2 オーディトリアム、グルノーブル
※日本語解説付
2015年、パリ音楽院出身の女性3人によって結成されたトリオ・ソーラ。名前の由来はネイティヴ・アメリカンの言葉「飛翔して歌う鳥」から取 られており、日本語の「空」、フランス語の「soeurs(姉妹)」の音も意識されているようです。オリジナル・メンバーのポリーヌ・シュネとアンジェ ル・レガサ、2022年から新加入したファニー・フェオドロフによる初めてのアルバム。2020年に発表された前作もベートーヴェンのピアノ三重奏 曲全集(Naive)という彼女たちですが、La Dolce Voltaからの初めてのアルバムも、いきなりブラームスの全集という意欲的なものとなりまし た。練習に多くの時間を費やすという彼女たちは、作品の構造に注意を払いながらフレージングやアーティキュレーションとその意味を徹底的 に追求、月並みな解釈に陥ることなく、作品に深く切り込んでいきます。その演奏はたいへんダイナミックでいながら細部の歌いぶりも美しく、 なおかつ曲全体を見通したしなやかさを併せ持ったもの。ホルンの代わりにチェロを用いるホルン三重奏曲、そしてしっとりとした「子守歌」の併 録も嬉しいところです。

LDV-1478(2CD)
F. クープラン:オルガン作品全集
F.クープラン:教区のためのミサ*
ジル・ジュリアン(1650-1703):前奏曲***
ジャン=アンリ・ダングルベール(1629-1691):四重奏曲***
L.クープラン(1626-1661)***:シャコンヌ,バスク風のブランル,幻想曲,パッサカリア
F.クープラン:修道院のためのミサ**
ティトルーズ(1563-1633):来れ精霊よ,パンジェ・リングァ,アヴェ・マリス・ステラ,エクスルテト・チェルム
アンドレ・イゾワール(Org)

録音:1972&73年
使用オルガン:*ジャン=ジョルジュ=ケニッヒ・サン=ジョルジュ・ド・ブケノン、サル=ユニオン(1717 / 1766)
**オルガン・ケニッヒ(1972)/シャペル・ド・ラ・コングレガシオン・ノートル・ダム・ド・シャリテ・ドゥ・ボン・パストゥール・アンジェール
***オルガン・ヘルファー・エ・エルマン(1973)/サン=ジェルマン・デ・プレ教会、パリ
F.クープラン、およびその「おじ」L.クープラン、そしてフランスの重要なオルガン音楽作曲家の作品集。ジル・ジュリアンはシャルトルの大聖堂のオルガニストを務めた人物。ダングルベールは、フランス・クラヴサン音楽の最初の重要作曲家。四重奏曲は、23小節から成る、対位法の練習曲のようなもの。そして、[CD2]の最後に収録されているのが、「フランス・オルガン音楽の父」、ジャン・ティトルーズの作品。ティトルーズ以前の時代、フランスには、これといったオルガン音楽がありませんでした(残されていません)。奏者の旋律とリズムに対するセンスが問われる作品をのこしています。 (Ki)


LDV-6006(7CD)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
(第1番〜第16番、大フーガ)
イザイSQ【ギヨーム・シュートル、リュック=マリー・アグエラ (Vn)、ミゲル・ダ・シルヴァ (Va)、ヨヴァン・マルコヴィッチ (Vc)】

録音:2008年3-4月 オルセー美術館オーディトリアム (ライヴ/拍手入り)
※日本語解説付
1984年にパリ・コンセルヴァトワールの学生たちにより結成、2014年1月に解散するまでのおよそ30年に渡り、Deccaを中心とした数々の レコーディングやコンサートで世界中の音楽ファンを魅了したイザイSQ。彼らが2008年にオルセー美術館で行った、ベートーヴェ ンの弦楽四重奏全曲演奏会のライヴ録音が一挙登場します。一部(第3番、第10番、第16番)のみ2013年に自主レーベルのYsaye Recordsからリリースされていましたが、それも今では入手困難となっており、今回の全曲CD化はたいへん嬉しいところです。モーツァルトやハ イドン、フランスの作品や同時代作品で高い評価を得てきた彼らですが、ベートーヴェンが残した一連の四重奏曲は、その活動の最後期に 於いて最も重要なレパートリーでした。ここでは円熟期を迎えたメンバーたちのアグレッシヴでありながら深い音楽性、ライヴならではの緊張感 と一体感、そして完璧な技術といった、このカルテットの魅力を十二分に堪能することが出来ます。


KKC-6598(2CD)
国内盤仕様
税込定価
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) 上野通明(Vc)

録音:2021年11月24-26日(2,3,6番)、2022年5月3-7日(1,4,5番)/ホンラート福音教会(ドイツ)
2021年にジュネーヴ国際コンクール・チェロ部門で日本人初の優勝を果たした上野通明が、バッハの「無伴奏チェロ組曲」の全曲録音に挑みました。本盤 において若き上野は、あらゆるチェリストが聖典と崇めるこの曲集を堂々と奏で、早くもその芸術的個性を存分に発揮しています。楽器との一体感、その弓と楽器 から湧き上がるインスピレーションに満ちた音楽性、自然なフレージング、そして伸びやかな音色。おどろくまでに自然で伸びやかなバッハの登場です!
上野通明のコメント(ライナーノートより) 〜実は、私はヨーヨー・マが「無伴奏チェロ組曲」を弾く映像を観てチェロを習いたいと思いました。4歳の時です。最初のうち、両親はただの気まぐれだと信じて 疑いませんでしたが……。以来私は、「無伴奏チェロ組曲」に20年間、親しんできました。家族で違う国に引っ越すたびに、チェロの先生が変わりましたが、どの 先生も私の「無伴奏チェロ組曲」の勉強にその都度、寄り添ってくださいました。バッハの音楽によって育まれた私には、今回のアルバムで「無伴奏チェロ組曲」以 外のレパートリーを取り上げることは考えられませんでした。 今回の演奏が、この曲集に対する現在の私の理解を示すものでしかないことは自覚しています。もしかすると私は数年後に、この演奏に不満を抱くかもしれません ……。とはいえ、これから先も一生“これでバッハの演奏は完結した”と 断言することなどできないと自分は思っています。〜 上野の今、そして輝かしく開かれた無限の可能性を感じさせる、驚異的なまでに自然で音楽的なバッハです!
※KKC品番のみでのお取り扱いとなります。 (Ki)


このページのトップへ


このサイト内の湧々堂オリジナル・コメントは、営利・非営利の目的の有無に関わらず、
これを複写・複製・転載・改変・引用等、一切の二次使用を固く禁じます
万一、これと類似するものを他でお見かけになりましたら、メール
でお知らせ頂ければ幸いです




Copyright (C)2004 WAKUWAKUDO All Rights Reserved.