湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5


MIRARE
(フランス)



音質のクオリティーもジャケットの装丁も
いかにもフランスらしい気品を感じさせるレーベルです。


※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
MIR-001
アリスティド・イニャール(1822-1898):ヴェルヌの詩による歌曲集
全く単純に/春に/私たちの星/子守歌
二つの集団/甘い期待
ダフネ/スコットランドの思い出
スカンジナヴィアの歌/
トルコの歌/、他(全13曲)
フランソワーズ・マセ(S)
エマニュエル・ストロセル(P)
世界初録音!「十五少年漂流記」や「80日間世界一周」、「海底二万里」などの著作で知られるフランスの作家、ジュール・ヴェルヌ(1828-1905)の詩をもとにした歌曲を集めています。アリスティド・イニャール(1822-1898)は、ヴェルヌと同じくナント生まれの作曲家。素朴で非常に親しみやすい、温かい音楽ばかりです。ヴェルヌ没後100年を飾る素敵なCDです。 (Ki)
MIR-002
バッハ:カンタータ集
第18番「天より雨下り、雪落ちて」BWV.18
第106番「神の時こそいと良き時」BWV.106
第150番「主よ、われ汝をこがれ望む」BWV.150
キャスリーン・フュージ(S)
カルロス・メーナ(CT)
ヤン・コボウ(T)
ステファン・マクラウド(Bs)
フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカール・コンソート

録音:2004年9月
各パート1名のいわゆるOVPP(One Voice Per Part)を採用、さらにオーケストラの編成も室内楽編成。これによって、繊細で緊密な感動を引き出しています。OVPPの鮮烈な効果を出すにはなにより歌手が問われますが、ここでの4人、フュージ、メーナ、コボウ、マクラウドは、ソリストとして優れているだけでなく、4人のアンサンブルでの融合も素晴らしい限り。「哀悼行事」として名高いBWV.106は、OVPP演奏での人気が高く、ユングヘーネル(HMF)など既に4種のCDがあるなかでも、この演奏の充実振りは際立っています。  (Ki)
MIR-003
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
第12番変イ長調Op.26「葬送ソナタ」
第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」
第32番ハ短調Op.111
ニコラ・アンゲリッシュ(P)
若手実力派、人気急上昇株のアンゲリッシュによるベートーヴェンは、説得力たっぷり、まるでおはなしを聴いているかのような起伏に富んだもの。ベートーヴェンのソナタのもつドラマチックな魅力にあらためて気付かされます。30代とまだ若いアンゲリッシュ、ダイヤモンドのような輝きです。 (Ki)
MIR-004
ラフマニノフ:24の前奏曲 ボリス・ベレゾフスキー(P)

録音:2004年12月、グルノーブル文化会館ホール
今や大物となったボリス・ベレゾフスキーがミラーレ・レーベル初登場。意外にもベレゾフスキーはラフマニノフの前奏曲をこれまで録音していませんでした。 (Ki)
MIR-005
F・クープラン:王宮のコンセール〜第1,2,7番
趣味の融合(新しいコンセール)〜第14番
ダニエル・キュイエ(指)
アンサンブル・ストラディヴァリア
「王宮のコンセール」は、ヴェルサイユ宮殿で行われていた演奏会のために作曲され、穏和な気品に満ちた作品です。ダニエル・キュイエール率いるアンサンブル・ストラヴァリアは、優美で洗練されたアンサンブルの妙味を聴かせてくれます。軽やかで愛らしい、いかにもフランス風な感じが良く出ている演奏です。   (Ki)
MIR-006
ペルゴレージ:スターバト・マーテル ヌリア・リアル(S)
カルロス・メーナ(CT)
フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカール・コンソート
カルロス・メーナは、スペイン随一のカウンター・テナー。そしてソリストとして大活躍中の美貌のソプラノ、ヌリア・リアル。フィリップ・パロット率いるリチェルカーレ・コンソートの奏でる至福の音楽。この作品を聴くための役者がすべてそろったアルバムです。 (Ki)
MIR-007
D・スカルラッティ:チェンバロ・ソナタ集
ニ短調 K.213/ニ長調 K.214
ロ短調 K.227/ニ長調 K.511
ト短調 K.8/ハ短調 K.56/ハ短調 K.526
ヘ長調 K.468/ヘ長調 K.525/ヘ短調 K.466
ヘ長調 K.366/ヘ長調 K.276/ヘ長調 K.151
ニ短調 K.517/ロ短調 K.27/ト長調 K.146
ピエール・アンタイ(Cemb)

録音:2005年
※使用楽器:2002年 バルバストにてフィリップ・ユモー製、イタリア式
新世代の実力派チェンバリストとして世界中で注目されているピエール・アンタイ。瑞々しく、スケールが大きい情熱的な演奏を聴かせてくれています。作品に対する真摯な姿勢と、楽器の特性を捕らえた柔軟な解釈が際立っています。スラルラッティのソナタは、古典派以降の他楽章形式のソナタとは違って、多少の例外はあるものの、ほとんどが単一楽章で単純な二部形式という構成になっています。両手の交差、アルペッジョや装飾音の使用、急速な連打、音程の大きな跳躍などの、当時としては非常に新しいテクニックを演奏に求めています。アンタイの大胆な演奏が映える作品群と言えるでしょう。 (Ki)
MIR-008
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集Vol.1
ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲第3番
ボリス・ベレゾフスキー(P)
ドミトリー・リス(指)ウラルPO
「ラフマニノフ/24 の前奏曲(MIR004)」では、卓越した技巧でその実力を知らしめてくれました。今回の協奏曲でも、圧倒的テクニックでドラマティックな演奏を披露しています。第2番で聴かせてくれる持続性のある集中力と適度な感情移入は、彼の明晰さと正統派スタイルを表すものと言えます。また第3 番は、強靱かつ洗練されたリズムや華やかなサウンドと、息を呑むような美しい旋律が表裏一体となった音楽を聴かせてくれます。ラフマニノフ作品の本質に踏み込み、卓越した技巧と躍動感溢れる聴き応えのある1 枚。 (Ki)
MIR-009
バッハ:オーボエ協奏曲 BWV.1055#
 結婚カンタータ「今ぞ去れ, 悲しみの影よ」BWV.202*
ヘンデル:ハープ協奏曲+
 カンタータ「炎の中で」HWV.170*
ヌリア・リアル(S)*
ジョバンナ・ペシ(Hp)+
パトリック・ボージロー(Ob)#
フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカール・コンソート
2006年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに出演予定のバロック・アンサンブル界の名門リチェルカール・コンソート。フィリップ・ピエルロの非常に美しい, 極めて厳密な解釈で、古楽器演奏による輝きを一際放っています。同じくラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに出演予定のスペイン若手美形&美声ソプラノ歌手ヌリア・リアル。ジョバンナ・ペシはとても繊細な音楽を奏でるハープ奏者。BCJ やアムステルダム・バロック管など幅広い活躍をみせているオーボエ奏者パトリック・ボージロー。言うまでもなく質の高い演奏を聴かせてくれます。  (Ki)
MIR-010
ヘンデル:組曲 ホ長調 HWV.430〜「調子の良い鍛冶屋」変奏曲の主題
組曲第6番嬰ヘ短調 HWV.431
同第8番ヘ短調 HWV.433
同第3番二短調 HWV.436
同 ト短調 HWV.432〜パッサカリアの主題と3つの変奏
シャコンヌ ト長調 HWV.435/プレスト/メヌエット
アンヌ・ケフェレック(P)
フランスが誇るピアニスト、アンヌ・ケフェレックはERATO やVIRGIN に数々の録音を残し,MIRARE から発売したモーツァルト作品集(MIR9913) ではその美しく芯のある演奏で聴き手を魅了しました。また,2005年ラ・フォル・ジュルネ音楽祭にて久々に来日し、流麗なピアニズムを披露し、前回に引き続き2006 年も出演が決定しています。このヘンデルのアルバムでは、彼女の知的で流麗な音楽を存分に堪能できます。 (Ki)
MIR-011
テレマン:組曲 ト長調「ふしだらな女」
オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲 ハ短調
ターフェルムジーク 第1集
ヴァイオリンとトランペットの為の協奏曲 ニ長調
ダニエル・キュイエ(指)
アンサンブル・ストラディヴァリア
超実力派アンサンブル・ストラディヴァリアは、ダニエル・キュイエールによって'87年創設されたフランス随一のバロック・アンサンブル。挑発的な表現から柔らかな表現まで変幻自在の音楽性を持っています。聴く楽しみと演奏する楽しみ両方を味わうことの出来るテレマンの世界を、古楽界の名手たちが華麗に表現しています。個人技が極めて高いこのアンサンブルは鮮烈な音楽とえもいわれぬ巧妙さに溢れています。  (Ki)
MIR-012
パーセル:ヴィオールのためのファンタジア集
グランドによる3 声のファンタジア、
パヴァーヌ、3声のファンタジア、
4声のファンタジア、
一音に基づく5声のファンタジア、
6 声のファンタジア「イン・ノミネ」、
7声のファンタジア「イン・ノミネ」
リチェルカール・コンソート、
フィリップ・ピエルロ(指&Vn)、
上村かおり、
ライナー・ツィッパリング、
エマニュエル・バルサ、
ミエネケ・ファン・デル・ヴェルデン、
ソフィア・デニズ、
フランソワ・フェルナンデス、
ルイス・オクラビオ・サント、ジョバンナ・ペシ
フィリップ・ピエルロ率いる実力派古楽集団リチェルカール・コンソートによるパーセルの秀作ファンタジア集。パーセルのファンタジアは英国伝統の対位法で作られているのが特徴です。響きも派手さはなく堅実な音楽。反復低音上に音楽が展開するグラウンドは何度も繰り返して聴きたくなる不思議な魅力を持つ曲。フィリップ・ピエルロを筆頭にヴィオールの名手が一同に会した、なんとも贅沢豪華なアルバムです。 (Ki)
MIR-013
ハイドン:弦楽四重奏集Op.64-5「ひばり」
 Op.33-1/Op.76-1
エボニーSQ
国立ブローニュ音楽院の4 人の学生によって1999 年に創立されたエボニー・カルテット(平均の23 才!?)の1st アルバム。パリ国立高等音楽院でイザイ・カルテットに師事、フランスで最も有望な弦楽四重奏団のうちの1つです。彼らの演奏は、ハイドンの音楽性を保ちつつ革新的で野心に溢れた演奏を展開しています。<ひばり>は、第1 楽章で第1 ヴァイオリンが最初に弾き始める流麗な旋律、充実したソナタ形式。非常に繊細な和音の使い方は、円熟期のハイドンならではと言えます。ハイドンの作品への真摯な姿勢、若さみなぎる活力のあるアルバムに仕上がっています。  (Ki)
MIR-014
ハイドン:ピアノ・ソナタ集
第38番/第39番/第54番/第59番
アンダンテと変奏曲 ヘ短調
イド・バル=シャイ(P)
1977年生まれのパリ在住のイスラエル人ピアニスト、イド・バル=シャイ。ソロとしての活動も盛んに行っていますが、室内楽方面でも高い評価を受けています。今年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにも出演予定。ハイドンのピアノ・ソナタを中心に公演を行います。 (Ki)
MIR-017
バッハ:管弦楽組曲第1番&第4番、
ヴァイオリンとクラヴィーアためのソナタ 第4番 BWV 1017、
カンタータ「われは 憂いに沈みぬ」BWV 21 〜シンフォニア
ピエール・アンタイ(指)
ル・コンセール・フランセ、
アマンディ−ヌ・ベイェ(バロックVn)、
ルフレード・ベルナルディーニ(Ob)
チェンバロの鬼才、ピエール・アンタイ。このアルバムは自ら結成した古楽アンサンブル「ル・コンセール・フランセ」を率いてのJ . S,バッハの管弦楽組曲を収録。バッハの作品の中でもフランス・バロック的な要素がある管弦楽組曲。したがってソロ・パートの気品や音色の多彩さが重要視されますが、ここでのル・コンセール・フランセの演奏は粋な感性が存分に発揮され、尚且つピエール・アンタイの刺激的な名人芸でドイツ・バロックの枠組みを越えた多様なニュアンスで聴かせてくれます。またヴァイオリンとクラヴィーアためのソナタでは、アマンディ−ヌ・ベイェが丁寧にバッハ像を描き出しています。 (Ki)
MIR-018(2CD)
フィリップ・ジュジアーノのショパン
ショパン: 24の前奏曲集Op.28
24の練習曲集Ops.10 & 25
フィリップ・ジュジアーノ(P)
フランスの若手ピアニスト、フィリップ・ジュジアーノは、パリ国立音楽院にて、ジャック・ルヴイエに師事。1990年にショパン国際ピアノコンクールにて17歳で最年少入賞し脚光を浴びる。再び1995年に同コンクールに参加し第2位(最高位)を獲得、現在も世界的に演奏活動を行っています。また1993 年の初来日以来、何度となく日本を訪れ確実にファンを増やしています。 (Ki)
MIR-019
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集Vol.2
ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調Op.1
ピアノ協奏曲第4番ト短調Op.40
パガニーニの主題による狂詩曲
ボリス・ベレゾフスキー(P)
ドミトリー・リス(指)ウラルPO
驚異的なテクニックと豊かな音楽性を持つ世界屈指のヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ボリス・ベレゾフスキー。フランスMIRARE レーベルから3 枚目のラフマニノフ・アルバムが発売されます。ベレゾフスキーの巨体から繰り出される音楽は、濃厚で抑え切れない表現力が絶えず湧き出ているよう。ドラマティックで華麗なラフマニノフの音楽に豊潤な音、詩的な表現力、卓越した技巧で圧倒的に迫っています。第1番の冒頭からその熱い音楽と強烈な技巧で聴き手を惹きつけ、第4 番では丁寧にラフマニノフの抒情性を描き出しています。またパガニーニの主題による狂詩曲は映画でも多数使用されている有名な第18 変奏は息を呑むほど美しく、ベレズフスキーの余情をたたえた演奏にグッときます。 (Ki)
MIR-021
第26回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル公式アルバム
(1)ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 Op.72〜「ドゥムカ」
(2)ムソルグスキー:展覧会の絵〜「古城」

(3)ムソルグスキー:涙
(4)グリーグ:抒情小曲集Op.47-3〜「メロディ」
(5)グリーグ:抒情小曲集 Op.54-2〜「ノルウェーの農民行進曲」
(6)ルービンシュタイン:2つのメロディ〜Op.3-1
(7)リャードフ:前奏曲 Op.13-2/ Op.10-1
(8)モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457〜第3楽章
(9)ハイドン:ピアノ・ソナタ第39番〜第2 楽章
(10)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」〜1 楽章
(11)シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番より第4 楽章
(12)シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集〜第14曲
(13)ツェルニー:指使いの技法(50番練習曲)Op.740より3曲
(14)ショパン:練習曲Op.10-3
(15)ムソルグスキー(コルベイニコフ編):「死の歌と踊り」〜トレパーク
(1)クレール・デセール&エマユエル・シュトロッセ(P)
(2)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(3)ブリジット・エンゲラー(P)
(4)(5)シャニ・ディリュカ(P)
(6)ブリジット・エンゲラー(P)
(7)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(8)アンヌ・ケフェレック(P)
(9)イド・バル=シャイ(P)
(10)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(11)エマユエル・シュトロッセ(P)
(12)クレール・デゼール(P)
(13)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
(14)フィリップ・ジュジアーノ(P)
(15)アンドレイ・コロベイニコフ(P)

録音:2006年7月20日-8月22日
南仏で毎年開催されるラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル。「熱狂の日」でもおなじみのルネ・マルタン氏により創設され、これまでアルゲリッチ、ツィマーマンなどの大物ピアニストが出演。また才能豊かな若手演奏者、作曲者作品など、さまざまな試みを行っている成長を続ける音楽祭の一つです。 Vol.1(MIR021)に続き、このVol.2でもラ・フォルジュルネ&MIRAREアーティストの面々の演奏が収録されています。また今年の「熱狂の日」の出演がキャンセルになったブリジット・エンゲラーの代役で来日した弱冠21歳のロシアの天才ピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフの演奏も収録。豪華絢爛のフェスティヴァルの一端を垣間見ることができるアルバムです。 (Ki)
MIR-022
チャイコフスキー:子供のアルバムOp.39、
ムソルグスキー
:涙、
リャードフ
:マズルカ、音楽玉手箱Op.32、
グリンカ
:夜想曲「別れ」、
アラビエフ:ナイチンゲール、
ショスタコーヴィッチ
:人形の踊り-7 つの子供の小品〜「踊り」「抒情的なワルツ」「ポルカ」「おどけたワルツ」、
ラフマニノフ
:イタリア・ポルカ、
ルービンシュタイン:2 つのメロディOp.3-1、
 諸民族の舞曲集〜「ポルカ」Op.82-7、
 ペテルブルクの夜会〜「ロマンス」Op.44-1、
スクリャービン:2 つの左手のための小品〜「夜想曲」Op.9
リジット・エンゲラー(P)

録音:2006 年6 月6,7 & 8 日フォントヴロー王立大修道院
ブロシアピアニズムを代表する作曲家たちの小品を集めたアルバム。魅力的な秘曲の数々をベテラン女流ピアニスト、エンゲラーが宝石箱の中を探るように輝かしく奏でています。 (Ki)
MIR-023(2CD)
ツェルニー:指使いの技法(50番練習曲)Op.740、
リスト:2つの演奏会用練習曲「森のざわめき」「小人の踊り」、
 3つの演奏会用練習曲より「軽やかさ」、
ヘラー
:4つの練習曲
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
ベートーヴェンの弟子で、リストの師匠でもあり、多くの練習曲を残したカール・ツェルニー。練習曲は辛く厳しいですが、よくよく聴いてみると面白い作品も多く、特にこの50番は、「指の熟達のための技巧」というタイトルで出版された高度なエチュード。練習曲ながら音楽的な内容も盛り込まれており、ツェルニーを敬遠していた方には是非一聴いただきたいアルバムです。ピアニストのジャン=フレデリック・ヌーブルジェは、1986年生まれの21歳。8歳からピアノをはじめ、2003年にパリ国立高等音楽院にてプルミエ・プリを取得。エトリンゲン国際コンクールで優勝など受賞歴も数多く、2006年にはカーネギーホール・デビューを飾り、2005、2006年のフォルジュルネにも参加。今最も注目されているピアニストの一人です。 (Ki)
MIR-024
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集Op.6 、
間奏曲Op.4
クレール・デゼール(P)
クレール・デゼールは14歳でパリ音楽院に入学し、優秀な成績で卒業後、モスクワ音楽院で研鑽を積んだフランスの女流ピアニス ト。2007年ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン出演の際には、多くの聴衆を惹きつけ日本でも人気上昇中。エマニュエル・シュトロッセとの連弾アルバム(MIR042ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集)でもその実力は証明済み。優しい透明感のある繊細な演奏をするデゼー ルですが、音は太く細身の彼女からは想像出来ないパワフルな面も持ちあわせています。最もシューマンらしい作品のひとつ、「ダ ヴィッド同盟舞曲集」は、集中と解放を繰り返す熱い演奏。そして音楽は実に耽美的で申し分のないシューマンに仕上がっています。  (Ki)
MIR-025
シューベルト:ピアノ・ソナタ21番変ロ長調D.960、
3つの小品
エマニュエル・シュトロッセ(P)

録音:2005年6月
エマニュエル・シュトロッセは生まれ故郷であるストラスブールの音楽院でフランスの女流ピアニスト、エレーヌ・ボッシに師事。その後パリ国立高等音楽学院でピアノをジャン=クロード・ペネティエに室内楽をクリスチャン・イヴァルディの元で学ぶ。日本ではラ・フォル・ジュルネ・オなどで数回来日しています。シュトロッセのシューベルトは淡々として、そして美しい。この最後のソナタ21番ではシューベルトの深淵を覗かせ、3つの小品もシューベルトらしい哀愁を絶妙に描き出し、流麗な叙情を湛えた音楽、潤いのある音色で聴き手を引き込んでいきます。
MIR-026
グリーグ:ピアノ協奏曲、
抒情小曲集
シャニ・ディリュカ(P)、
エイヴィン・グルベルグ・イェンセン(指)
ボルドー・アキテーヌ国立O
シャニ・ディリュカはスリランカ人の両親を持つモナコ出身のピアニスト。日本ではまだ知名度はないですが第1回のフォルジュルネには来日し、繊細で魅力的な演奏を聴かせてくれました。このアルバムでは、今年のフォルジュルネで演奏予定のグリーグのピアノ協奏曲と抒情小曲集。グリーグは2007年没後100年の記念年。お馴染みの印象的なイントロで始まる協奏曲で非常にロマンチックな作品。彼女は豊かな感性と強い個性、強靭な技術で華麗に演奏しています。 (Ki)
MIR-027
F・クープラン:クラヴサン作品集
大殿様、
シャブイの王女またはモナコのミューズ、
軽はずみな女、フロール、メヌエット、
二重生活者、嘆きのほおじろ、
芸術家、おじけた紅ひわ、
キタイロンの鐘、勝利者の歓喜、
プレリュード第6番、機知、
フランスのフォリアまたはドミノ、葦、
プレリュード第8番、
そしらぬ顔であざ笑う女、うなぎ、
交差するメヌエット、手品
ピエール・アンタイ(Cemb)
名手ピエール・アンタイによる大クープランのクラヴサン作品集。美しさとシニカルさを持ったクープランの音楽世界を、想像を超え た表現力により描き出されています。アンタイの師であるレオンハルトの悠然とした格調高い演奏とは違い、洗練された表現と考え抜か れたアーティキュレーションで明晰さを感じさせる演奏となっています。奏される音、一音一音にはっきりとした意思を感じさせる強い 音楽性を漂わせています。
MIR-028
コルボのフォーレ「レクイエム」
フォーレ:レクイエム(1893年版)Op.48
 アヴェ・ヴェルム・コルプスOp.65-1
 アヴェ・マリアOp.67-2
 タントゥム・エルゴOp.55
フォーレ(メサジェ編):ヴレヴィユの漁師達のミサ
アナ・クインタンス(S)
ペーター・ハーヴィー(Br)
ミシェル・コルボ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ローザンヌ声楽アンサンブル
MIR-029
バルトーク:弦楽四重奏第1番〜第3番 エベーヌSQ
ミュンヘン・コンクールの弦楽四重奏部門で優勝した、フランスの若手実力派四重奏団。昨年のフォルジュルネでは初来日を果たし、確かなテクニックと鋭敏な音楽性、息の合った演奏で聴衆を熱狂させました。この度のフォルジュルネで再来日をします。ハイドン「ひばり」(MIR013)に続くこのアルバムでは、今年演奏予定のバルトークの弦楽四重奏曲。瑞々しく鋭角的な演奏で魅了します。活躍、成長著しいエベーヌ弦楽四重奏団、見逃せない存在です。 (Ki)
MIR-030
ポーランド女王のためのトンボー
バッハ:ミサ イ長調BWV.234、
カンタータ第198番「候妃よさらに一条の光を(追悼頌歌)」 BWV.198、
前奏曲とフーガ ロ短調 BWV.544、
コラール・プレリュード「我心よりこがれ望む」BWV.727
フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカール・コンソート、
キャサリン・フーグ(S)、
カルロス・メーナ(A)、
ヤン・コボウ(T)、
ステファン・マクラウド(Bs)、
フランシス・ヤコブ(Org: ゴットフリート・ジルバーマン製作/1737 ポニッツ教会)

録音:2006年10月
リチェルカール・コンソートによるOVPP(One Voice Par Part: 1 声部1 人)の最新録音。通常の演奏よりも少人数のため一段と 高いバランス性が要求されるOVPP。ここでは均整のとれた音楽とそれぞれの歌手の個性がうまく調和した美しい世界を生み出していま す。フーグの芯のある声、メーナの透明感、コボウの巧みな歌唱、マクラウドの品のある響き、個々のバランスがすばらしい! 198番のカンタータは、ザクセン選帝侯妃クリスティアーネ・エーバーハルディーネの追悼式のために書かれた作品。クリスティアー ネ・エーバーハルディーネ侯妃はプロテスタントの強い信仰を持ち続け、宮廷を離れて隠居生活を送っていました。国民の信望も厚く、 ある貴族学生の出資により追悼式が行われました。この作品に漂う真摯な雰囲気は彼女のこうした信仰の深さを表しているのでしょう。   (070705Ki)
MIR-033
パーセル:わずらわしき世の中よ〜歌曲、室内楽曲集
わずらわしき世の中よCease, anxious World/ 新しいアイルランドの歌 ト長調 Z.646 A new irishtune/ 優しき音と美しい調べSoft Notes, and gently rais’d/ 新しいグラウンド ホ短調 Z.T682 Anew Ground/日陰の冷たく心地よき流れの中でA midst the Shades/王子 A Prince/アミンタスが初めて口づけを求めし時When first Aminta’s su’d for a kiss/ ここに神がHere the deities/ プレリュード Prelude/ トリオ・ソナタ Z.780 Trio sonata/ 薔薇より甘く Sweet than roses/ グラウンドZD.221 Ground/ひとときの音楽 Music for a while/愛らしい素敵な人 Dear pretty youth/ソナタ(G . フィンガー作曲)/ 嘆きの歌 O let me weep
ラ・レヴーズ
【ジュリー・ハスラー(S)、
ステファン・デュデルメル(Vn)、
フローレンス・ボルトン(ヴィオール)、
アンジェリーク・モイヨン(Hp)、
ベルトラン・キュイエ(Clavcin)、
バンジャマン・ペロー(テオルボ&指)】

録音:2007年
パーセルが活躍した時期はイギリス国内の情勢がめまぐるしく変化していった時代でした。清教徒革命によって1649年チャー ルズ1 世が処刑されてから、イギリスはクロムウェルを護国卿とした共和政となり、この間、禁欲的なピューリタニズムによって劇場は 閉鎖され、王室の楽団も解散させられるなど、公の場での音楽活動が規制されていました。しかし、クロムウェル死後まもなくチャール ズ2 世が即位し王政復古がなされると王室の楽団を再興し、様々な行事で音楽が用いられるようになりました。このアルバムは、ちょう ど時代の過渡期にあったパーセルの音楽を澄みきった美しい声の持ち主ジュリー・ハスラーとバンジャマン・ペロー率いるラ・レヴーズ の気品溢れるアンサンブルで聴かせてくれます。ラ・レヴーズは17 世紀の音楽を研究し演奏しているアンサンブル。  (Ki)
MIR-034
ファリャ:歌劇「恋は魔術師」(1915年版) J.F. エッセール(指)
ポワトゥ=シャラントO、
アントニア・コントラレス(フラメンコ歌手)、
ジェローム・コレアス(Bs)、
シャンタール・ペロー(S)、
エリック・ウシエ(T)
スペインの誇る作曲家マヌエル・デ・ファリャの代表作である「恋は魔術師」。この作品はメゾソプラノの独唱を加えているのがひとつの魅力。これはファリャの故郷アンダルシアの民謡風の旋律が歌われており、クラシック歌手が歌うとどこか違和感があるものですが、今回は一流のフラメンコ歌手アントニア・コントラレスが歌いフラメンコ音楽の情熱、アンダルシアの雰囲気を満喫できます。このアルバムでは、1915年の初版が使用されていますが、今年のフォルジュルネではこの版を演奏。またCDと同じフラメンコ歌手アントニア・コントラレス、エッセールもポワトゥ=シャラント管も来日し、この「恋は魔術師」を演奏します! (Ki)
MIR-036
ビゼー:交響曲第1番、
 組曲「子供の遊び」、
シャブリエ
:田園組曲
フランソワ=グザヴィエ・ロス(指)
レ・シエクル
1971年生まれの新鋭グザヴィエ・ロス率いる室内オーケストラ、レ・シエクルによる演奏。2007年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも演奏されたプログラム、ビゼーとシャブリエ。シャブリエの「田園組曲」はピアノのための「絵画的小品集(全10曲)」のうち4曲をシャブリエ自身がオーケストラにアレンジした作品。華やかさと明るさに満ちた若々しい演奏で聴かせてくれます。またビゼーの交響曲も覇気に満ち、生気と新鮮さを前面に出した音楽です。 (Ki)
ヴィブラートを抑えた現代風の爽やかなアプローチですが、第2楽章では繊細で陰影に富んだニュアンスが印象的。ゆったりと落ち着いた第3楽章のテンポは意外に感じますがこのテンポでなければ表出し得ない優美なニュアンスにハッとさせられます。「田園組曲」は第1曲の室内楽的な精妙なアンサンブル、第2曲・第4曲の強靭なリズムの躍動が魅力です。 【湧々堂】
MIR-038
J.S.バッハ:フルート・ソナタ集
フルートと通奏低音のためのソナタ.ト短調BWV1034、
フルートと通奏低音のためのソナタ.ハ長調BWV1033、
フルートとチェンバロのための組曲.ニ短調BWV997、
フルートと通奏低音のためのソナタ.ホ長調BWV1035、
フルートと通奏低音のためのソナタ.ト短調BWV1030b
ヒューゴ・レーヌ(フラウト・トラヴェルソ)、
ピエール・アンタイ(Cemb)
エマニュエル・ギゲス(Gamb)

録音:2006年12月5-7日、2007年4月21-23日 ルールマラン城(フランス)
古楽界の名手3人が繰り広げるバッハのフルート・ソナタ集。バッハのフルート・ソナタは真作、偽作と議論されていますが、古今のフルート・ソナタの中でも屈指の名作揃いです。クリスティ、ヘレヴェッヘ、レオンハルトの後を継ぐ新世代の実力派ヒューゴ・レーヌ、そして、ピエール・アンタイ、エマニュエル・ギゲスらの初稿、自筆譜の絶え間ない研究が結実したアルバムです。数々の名盤を凌駕しえる魅力と味わい深い演奏を聴かせてくれます。  (Ki)
MIR-040
フランソワ・クープラン:ヴィオール作品集
ヴィオール組曲第1番/組曲第2番
コンセール第1番/コンセール第2番
フィリップ・ピエルロ、
エマニュエル・バルサ(ヴィオール)
エドゥアルド・エグエス(テオルボ/G)
ピエール・アンタイ(Cemb)

録音:2007年2月13日-15日、ルールマラン、フランス
MIR-041
ニコラウス・ブルーンス:深き淵より、主は天に御座を堅く据え
ディートリヒ・ベッカー:パヴァーヌ第5番、ソナタ第3番
フランツ・トゥンダー:最愛のイエス、我に与えたまえ
ブクスデフーデ:我はシャロンの花
ハン・クリストフ・バッハ:ラメント「神よなぜわたしに怒りたもうか」
フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカール・コンソート、
ステファン・マクラウド(Bs)

録音:2007年3月
BCJでも活躍し日本でもお馴染みのバス歌手のステファン・マクラウドを迎え、フィリップ・ピエルロとリチェルカール・コンソートによる17世紀の北ドイツで活躍した音楽の作品。ブクステフーデが認めた夭折の音楽家ニコラウス・ブルーンス。17世紀のドイツ室内楽で重要な役割を果たしたヴァイオリニストでもあるディートリヒ・ベッカー。北ドイツ・オルガン楽派の1人フランツ・トゥンダー。そのトゥンダーの娘と結婚した巨匠ブクステフーデ。バッハ一族としてJ.S.バッハと同様に当時オルガニストとして名声を得ていましたが、その後の不遇により長い間忘れ去られていたヨハン・クリストフ・バッハ。  (Ki)
MIR-042
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集第1集&第2集
(全曲;ピアノ4手連弾)
クレール・デセール&エマユエル・シュトロッセ(P)
MIR-043
シューベルト:即興曲第3番変ト長調D.899:Op.90、
 クッペルヴィーザー・ワルツ、
 ハンガリー風のメロディロ短調D.817、
 さすらい人幻想曲D760:Op.15、
シューベルト(リスト編)
:影法師、
 都会、海辺に、て、すみか、
 セレナーデ、春の想い、連祷、
 水車小屋と小川、さすらい
ブリジット・エンゲラー(P)

録音:2007年9月
ブリジット・エンゲラーはパリ音楽院でリュセット・デカーヴに師事。モスクワ音楽院ではスタニスラフ・ネイガウスに教えを受け、1978年エリザベート王妃国際コンクール第3位。数々のコンクールで受賞歴を持ち、録音も多いベテラン女流ピアニスト。シューベルトの珠玉のOp.とリストの歌曲トランスクリプションを収録したアルバム。音楽的深み、流麗なピアニズム、歌心溢れるフレーズ感など、エンゲラーの魅力が余すと来なく発揮した演奏です。前回のラ・フォル・ジュルネでは惜しくも来日中止となりましたが、今年はこのアルバムのプログラムで大いに楽しませてくれることでしょう。
MIR-044(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 シャオ・メイ・シュ(P)
波乱に満ちた半生と強靭なピアニズムで聴くものの心を掴むピアニスト、シャオ・メイ・シュによる平均律クラヴィーア曲集第2巻。ゴルトベルク変奏曲(MIR048)では圧倒的な音楽性を聴かせてくれました。彼女とこの作品との最初の出会いは10歳で入学した音楽学校。担当教授にプレリュードとフーガを何度もレッスンされたと語っています。しかし1964年の文化大革命が起こると西欧の音楽を演奏することは禁じられ、彼女がバッハの音楽を再会するのはモンゴルの労働キャンプでの最後の年。北京からピアノを運び中国の伝統音楽と見せかけバッハを演奏したということ。また彼女はモンゴルで過ごした5年間のうち、隠れて楽譜をコピーし写譜をしたりイメージしたりと過酷な状況のもとでこっそりと練習を続けていました。自由な感性を持ちつつも、しっかりと研究され考え抜かれた演奏は確信と自信に満ちており、抜群の説得力で聴かせます。 (Ki)
MIR-045
シューベルト:交響曲第9番「グレート」 クワメ・ライアン(指)
ボルドー・アキテーヌ国立O
若手有望株の指揮者、クワメ・ライアンは1970年トロント生まれのトリニダード・トバコ系カナダ人。1999年から2003年までフライブルク・フィルハーモニック・オーケストラの音楽総監督を務めており数々のオペラに取り組み、またペーテル・エトヴェシュと親交を深め彼のオペラ「三人姉妹」、「バルコニー」をフライブルクで演奏しています。このアルバムは2007年に音楽監督就任したばかりのボルドー・アキテーヌ国立管を率いてのシューベルト「グレート」。クワメ・ライアン、今年のラ・フォル・ジュルネ大注目の指揮者です。
MIR-046
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバルVol.2
(1)ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 Op.72〜“ドゥムカ”
(2)ムソルグスキー:展覧会の絵〜“古城”
(3)ムソルグスキー:涙
(4)グリーグ:抒情小曲集Op.47-3〜“メロディ”
(5)グリーグ:抒情小曲集Op.54-2〜“ノルウェーの農民行進曲”
(6)ルービンシュタイン:2つのメロディ〜Op.3-1
(7)(8)リャードフ:前奏曲 Op.13-2, Op.10-1
(9)モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第14番〜第3楽章
(10)ハイドン:ピアノ・ソナタ第39番〜第2楽章
(11)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」〜第1楽章
(12)シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番〜第4楽章
(13)シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集〜第14曲
(14)(15)(18)カール・ツェルニー:指使いの技法(50番練習曲)Op.740 より
(16)ショパン:エチュードOp.10-3
(17)ムソルグスキー(コルベイニコフ編):トレパーク歌曲集「死の歌と踊り」より
(1)クレール・デセール&エマユエル・シュトロッセ(P)、
(2)ボリス・ベレゾフスキー(P)、
(3)ブリジット・エンゲラー(P)、
(4)(5)シャニ・ディリュカ(P)、
(6)ブリジット・エンゲラー(P)、
(7)(8)ボリス・ベレゾフスキー(P)、
(9)アンヌ・ケフェレック(P)、
(10)イド・バル=シャイ(P)、
(11)ニコラ・アンゲリッシュ(P)、
(12)エマユエル・シュトロッセ(P)、
(13)クレール・デゼール(P)、
(14)(15)(18)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)、
(16)フィリップ・ジュジアーノ(P)
(17)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
南仏で毎年開催されるラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル。「熱狂の日」でもおなじみのルネ・マルタン氏により創設され、これまでアルゲリッチ、ツィマーマンなどの大物ピアニストが出演。また才能豊かな若手演奏者、作曲者作品など、さまざ まな試みを行っている成長を続ける音楽祭の一つです。Vol.1(MIR021)に続き、このVol.2でもラ・フォルジュルネ& MIRARE アーティ ストの面々の演奏が収録されています。また今年の「熱狂の日」の出演がキャンセルになったブリジット・エンゲラーの代役で来日し た弱冠21 歳のロシアの天才ピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフの演奏も収録。豪華絢爛のフェスティヴァルの一端を垣間見れ るアルバムです (Ki)

MIR-047
ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番 ボリス・ベレゾフスキー(P)、
ジョン・ネルソン(指)パリ室内O
ヴィルトゥオーゾ・ピアニストであり、ロシア・ピアニズムの継承者として、近年確固たる地位を確立しているボリス・ベレゾフスキー。 1990年チャイコフスキー国際音楽コンクールで優勝以来、世界中のオーケストラと共演、最近では「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポ ン」に毎年出演し日本のファンにも強く支持されています。今回リリースされるのはショパンの協奏曲。ベレゾフスキーの詩的な感性、卓越した技巧、輝きと艶を持った音色が、ショパンの音楽上に豊かに降り注ぎます。第1番の第2楽章はショパンの甘いメロディーの誘惑 に過度に反応せず、弾き手自身から湧き上がる音楽の綾を美しく織り上げていき、第3楽章のコーダ部分では豪華絢爛、豊かで躍動感あ るピアニズムを聴かせてくれます。またパリ室内管弦楽団の透明感溢れる変化に富んだ響きが、時折みせるベレゾフスキーの繊細さを上手くすくい上げ、その異彩の輝きにはっとさせられる秀逸な1 枚です。
MIR-048
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 シャオ・メイ・シュ(P)
シャオ・メイ・シュは上海出身のピアニスト。文化大革命の影響を受けるも、アイザック・スターンに見出され渡米。1985年からはパ リに拠点を移して世界各地で演奏活動を行っています。MANDALA レーベルに1999年に録音されたゴルトベルク変奏曲(廃盤)は、ディアパ ゾンで5つ星を獲得した名演。この最新録音でも彼女独自の斬新な解釈により、他では聴くことの出来ない稀演となっています。 (Ki)
MIR-049
ショーソン:ピアノ三重奏曲ト短調Op.3、
ラヴェル:ピアノ三重奏曲
ショーソン・トリオ
[フィリップ・タレク(Vn)、
アントワーヌ・ランドウスキ(Vc)、
ボリス・ド・ラロシェランベール(P)]
MIR-050
スターバト・マーテル
作者不詳:サルヴェ・レジーナ、
ベルターリ
:ソナタ第4番ニ短調、
フックス
:アヴェ・マリア K151、
レオポルドT世
:レジナ・チェリ、
サンチェス
:スターバト・マーテル、
シュメルツァー:ソナタ第4/9/11/12番、
ジアーニ
:アルマ・レデンプトリス・マーテル
カルロス・メーナ(C-T)、
フィリップ・ピエルロ(指&ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
リチェルカーレ・コンソート
[フランシス・フェルナンデス(Vn)、
ルイス・オターヴィオ・サントス(Vn)、
上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ミーネケ・ヴァン・デル・ヴェルデン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
フランク・コピエテルス(Vn)
ジョバンナ・ペシ(ハープ)
ルカ・グリエルミ]
透明感溢れる澄みきった歌声のスペイン出身のカウンター・テナー、カルロス・メーナとフィリップ・ピエルロ率いるリチェルカーレ・コンソートによる演奏。彼らによるスターバト・マーテルはこれまでヴィヴァルディ(MIR9968)とペルゴレージ(MIR006)が既に録音されています。今回収録されている作品は、憂いと深い祈りが絡み合う非常に美しい音楽ながらもあまり演奏される機会の少ないジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェスのスターバト・マーテル。その他ウィーン宮廷の楽長を務めた音楽家たちによって作曲されたモテットやレオポルドT世自身が書いたレジナ・チェリなど意欲的な内容。 (Ki)
MIR-051
シューベルト:ミサ第6番D.950 ミシェル・コルボ(指)
ローザンヌCO&cho、
リジット・フルニエ(S)、
ジャッキー・カーン(A)、
イェルク・デュルミュラー(T)、
アンドレアス・カラシアク(T)、
ガストン・シスター(Bs)

録音:2007年10月29、30日
シューベルト最後のミサ曲、第6番。世界屈指の合唱、宗教音楽の指揮者であるミシェル・コルボによる演奏。今年のフォルジュルネの大注目のプログラムになることでしょう。数あるシューベルトのミサ曲の中で最も人気のあるOp.。シューベルトの最晩年の音楽性を感じさせる、内面〜滲み出る祈り、願い、不安、味わい深い旋律美など人々を魅了する傑作です。コルボの安定したアンサンブル、抑制感のあるソリストたち、神々しいまでに美しい演奏は、聴くものを深い感動に導きます。
MIR-052
シューベルト:弦楽五重奏Op.114「ます」、
ピアノ三重奏第2番Op.100
トリオ・ショーソン、
ペネロペ・ポアンシュヴァル(Cb)、
井上典子(Va)
数々のコンクールでの優勝歴を持ち、ヨーロッパ、ニューヨークで注目を集めている新鋭、トリオ・ショーソンとフランスを中心に活躍する井上典子とペネロペ・ポアンシュヴァルによるシューベルトの「ます」。爽やかなアンサンブル、抜群のテクニック、快活な疾走感が心地よい演奏です。ピアノ三重奏第2番も色彩豊かに聴かせます。
MIR-057
バッハ:カンタータ第131番「深き淵より、我、主よ、汝に呼ばわる」BWV131、
カンタータ第182番「天の王よ汝を迎えまつらん」BWV182、
カンタータ第4番「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4
フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカール・コンソート、
キャサリン・フュージュ(S)、
カルロス・メーナ(C-T)、
ハンス=イェルク・マンメル(T)、
ステファン・マクラウド(Bs)

録音:2007年11月
フィリップ・ピエルロ率いるリチェルカール・コンソートの各パート一人のOVPP(OneVoicePerPart)を採用したカンタータ集。「悔改めの礼拝」のためのカンタータ第131番。ミュールハウゼンでの大火後の礼拝のために書かれたものといわれています。「死の淵」を表すために冒頭に5度下降するモチーフを用いています。哀切漂う歌声が心に響きます。第182番のカンタータはバッハがワイマール宮廷楽師長に就任後第1作目。聴き所は第5曲のアルトのアリア「救い主の御前に」。カルロス・メーナのピュアで透明な美しい歌唱は必聴です。コラール変奏曲という珍しい形式をとった作品第4番。キリストの死と復活、生と死の戦いを歌ったもの。聴き終えたときに生への喜びが感じられる感動的な演奏です。フィリップ・ピエルロは深遠なるバッハの世界を見事描いています。  (Ki)
MIR-058(2CD)
フランソワ・フランクール&フランソワ・ルベル:叙情悲劇「ピラムとティスベ」 トーマス・ドイル(ピラム)、
ユディット・ヴァン・ワンロイ(ティスペ)他
ダニエル・キュイエ(指)
アンサンブル・ストラディヴァリア

録音:2007年5月(ナント)
フランソワ・フランクールはヴァイオリニストとして成功後、パリの歌劇界でも作曲家として名声を得た人物。またフランソワ・ルベルも同様にヴァイオリニストとして活躍。後に2人は歌劇座監督を務めています。親友であった二人が共作したのがこの叙情悲劇「ピラムとティスベ」。ピラムとティスベは愛し合っていましたが、対立関係にある両家。ある時ふたりは夜中に駆け落ちをすることにしましたが、誤解と行き違いからピラムはティスベが死んだと思い、自殺。その事実を知ったティスベもまた後を追い、命を絶ってしまう。というロミオとジュリエットのような悲恋のお話。演奏はフランス古楽界を代表するダニエル・キュイエ率いるアンサンブル・ストラディヴァリア。  (Ki)
MIR-059
メトネル:作品集
3つのロマンスOp.3〜のぞみの日々も流れ去り(プーシキン)*、
4つのおとぎ話Op.34〜第2曲ホ短調、
プーシキンの7つの詩Op.29〜第4曲「馬」*、
3つのおとぎ話Op.42〜第1曲ヘ短調、8つの詩Op.24〜なぜ水の上に柳は垂れる(チュッチェフ)#、
プーシキンの詩による7つの歌Op.52〜第2曲「カラス」#、
フェート,ブリューソフ,チュッチェフによる7つの詩Op.28〜第5曲「春の静けさ」(ウーラント/チュッチェフ)*、
2つのおとぎ話Op.14〜ヘ短調「オフィーリアの歌」/ホ短調「騎士の行進」、
4つのおとぎ話Op.35〜第4曲ニ短調、2つのおとぎ話Op.48〜第2曲ト短調(妖精のおとぎ話)、
ゲーテの詩による9つの歌Op.6〜第3曲「妖精の歌」#、
ハイネの3つの詩Op.12〜第1曲「いとしい恋人君の手を」*、
ゲーテの詩による9つの歌Op.6〜第5曲「可愛い子供よ」*、
8つの詩Op.24〜第1曲「昼と夜(チュッチェフ)」#、3つのロマンスOp.3〜第1曲「聖なる僧院の門の傍らに(レールモントフ)」*、
8つの詩Op.24〜第4曲夕暮(チュッチェフ)」#、8つの詩Op.24〜第7曲「ささやき、微かな吐息(フェート)」*、
プーシキンの6つの詩Op.36〜第2曲「花」#、チュッチェフとフェートによる5つの詩Op.37〜第4曲ヘ短調#、
4つのおとぎ話Op.26〜第2曲変ホ長調、チュッチェフとフェートによる5つの詩Op.37〜第1曲「眠れずに(チュッチェフ)」#、
プーシキンの7つの詩Op.29〜第7曲「呪文」*、2つの詩Op.13〜第1曲「冬の夕べ(プーシキン)」*/2つのおとぎ話Op.20〜第2曲ロ短調「鐘」
ボリス・ベレゾフスキー(P)、
イヤナ・イヴァニロヴァ(S)#、
ヴァシリー・サヴェンコ(Bs)*

録音:2007年12月
ベレゾフスキー自身も度々コンサートなどで取り上げているメトネルの作品をピアノと歌曲を交え録音したアルバム。バリトンのヴァシリー・サヴェンコはコンサートでもしばしばベレゾフスキーと共演しています。ここ数年録音が急増したメトネルですが、超絶技巧ファンにも、哀愁の色濃いロシア音楽好きも満足できる1枚。20世紀前半を中心に活躍したロシアの作曲家・ピアニスト、ニコライ・メトネルは1880年ドイツ系ロシア人の両親のもと、モスクワ生まれる。モスクワ音楽院でスクリャービンの師であるサフォ−ノフ教授に理論をアレンスキーとタネーエフに師事。ロシアで演奏活動、教授活動を続けますが、その後パリに亡命48歳の時にロンドンの王立音楽アカデミーの名誉会員に選出され、56歳で渡英。以後71歳で亡くなるまでロンドンで暮らしました。メトネルが晩年暮らしたイギリスを中心に彼の音楽は再評価されつつあります。演奏機会の増えたピアノ音楽は、友人ラフマニノフ同様に技巧的で抒情的な美しい曲が多く近年人気が高まっています。まだまだ珍しい歌曲はロマンティックでこれもまた美しい作品ばかり。彼のピアノ作品は歌のない歌曲に喩えられるほど豊かな詩情を湛えていますが、実際の歌曲はよりダイレクトにメトネルの感性が伝わってきます。   (Ki)
MIR-060(2CD)
バッハ:イギリス組曲第2番、
ショパン:バラード第2番、夜想曲Op.15-1、
ラヴェル:ラ・ヴァルス、
リスト:ピアノ・ソナタロ短調、
ラヴェル
:古風なメヌエット、
ストラヴィンスキー:練習曲ヘ長調Op.7-4、
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ:バガテル、
バッハ(フェインベルグ編):オルガンのためのソナタ第5番より「ラルゴ」
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)

録音:2007年11月17日 サントリーホール
演奏家、音楽家、作曲家として類まれな才能を持つ世界が注目するジャン=フレデリック・ヌーブルジェ。昨年秋、サントリーホールでセンセーショナルなデビューを飾ったリサイタルのCDが発売。未来の大演奏家になりうる可能性を持ったピアニストによる、記念すべき日本本格デビュー・リサイタルは、22歳という若さで多数のレパートリーを持ち、自身も作曲をするなど多彩な才能を持つジャン=フレデリックの魅力を充分に発揮したプログラムです。   (Ki)
MIR-061
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番、
2つの詩曲op.32、ピアノ・ソナタ第5番、
2つの詩曲op.69、ピアノ・ソナタ第8番、
2つの詩曲op.71、
ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」、
詩曲「炎に向かって」op.72
アンドレイ・コロベイニコフ(P)
ポゴレリッチの代役を務めた新星、1986年生まれのアンドレイ・コロベイニコフによる待望のソロ・アルバム。彼は法律の学問も修めており、法律関係の本を出版、さらにそれらは海外でも翻訳されているという頭脳派。彼の奏でるスクリャービンは、熱いタッチでいながら、きわめて明晰で見通しのよい音楽となっています。「若き怪物」コロベイニコフの才能がヴェールを脱ぎます。  (Ki)
MIR-062
メンデルスゾーン:ピアノ曲集
無言歌集第1巻〜ホ長調「甘い思い出」Op.19-1、
無言歌集第6巻〜嬰ヘ短調「失われた幻影」Op.67-2/変ホ長調「瞑想」Op.67-1/ハ長調「紡ぎ歌」Op.67-4、
無言歌集第7巻〜ニ長調「悲歌」Op.85-4、
無言歌集第8巻〜ホ短調「寄る辺なく」Op.102-1/ト短調「そよぐ風」Op.102-4/イ長調「楽しき農夫」Op.102-5、
舟歌Op.102-7(遺作)、厳格な変奏Op.54、ピアノ三重奏曲第1番Op.49、
幻想曲嬰ヘ短調「スコットランド・ソナタ」Op.28
シャニ・ディリュカ(P)
グリーグ:ピアノ協奏曲(MIR026)でMIRAREデビューしたシャニ・ディリュカ。スリランカ国籍の両親のもとモナコで生まれ育ち、幼少の頃からピアノの才能を開花させ、晩年のグレース王妃に見いだされて世界各国で英才教育を受けた逸材。透明感のある音色、ロマンティックでチャーミングなシャニ・ディリュカの音楽は、この美しい描写音楽を表現するのにふさわしい演奏です。   (Ki)
MIR-064
Stella Matutina 〜朝の星 ヴォクス・クラマンティス
ウィークエンド・ギター・トリオ
MIR-065
ハイドン:弦楽四重奏曲ト長調Op.54-1、
ト短調「騎手」Op.74-3、
変ロ長調「日の出」Op.76-4
モディリアーニSQ
[フィリップ・ベルナール(Vn)、
ロイック・リオ(Vn)、
フランソワ・キエフェル(Vc)
ローラン・マルフェング(Va)]
モディリアーニ弦楽四重奏団は2003年に結成。イザイ弦楽四重奏団に師事。2006年にはメンデルスゾーン&シューマン弦楽四重奏曲(NS01)でCDデビューを果たし、高い芸術性、確かな才能を感じさせる力作でした。このハイドンも絶妙なアンサンブルで生き生きとした演奏を聴かせてくれます。  (Ki)
MIR-070
ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲第1番Op.5「幻想的絵画」、2台のピアノのための組曲第2番Op.17*
チャイコフスキー:組曲「眠れる森の美女」(4手版=ラフマニノフ編)
ブリジット・エンゲラー(P)、
ボリス・ベレゾフスキー(P)

録音:2006年7月、2007年12月*
言語:フランス語、字幕:英語
DVDトータル・タイム:18分
ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして着実に地位を築いてきたロシアのピアニスト、ベレゾフスキー。フランス系のピアニストながらモスクワ音楽院でネイガウス師事していたエンゲラーの二人の共演による4手のためのラフマニノフ・アルバムエンゲラー。ラフマニノフが20歳の時の作品でチャイコフスキーに捧げられた「組曲第1番」。あの有名なピアノ協奏曲第2番と同時期に作曲された「組曲第2番」。歯切れの良い技巧を持つベレゾフスキーと豊麗な音色で全てを包み込む音楽を奏でるエンゲラーとの演奏で、いずれも高度な演奏技術を要するラフマニノフの難曲を見事に弾ききっています。また組曲「眠れる森の美女」は、最初から連弾曲だったのではないかと思わせるピアニスティックな魅力溢れる作品。息の合った二人ならではの躍動感、色彩感に満ちた演奏です。   (Ki)
MIR-072
フォーレ:ピアノ作品全集Vol.1
バラードOp.19/マズルカOp.32
ヴァルス・カプリス(全4曲)
前奏曲Op.103
ジャン=クロード・ペネティエ(P)

録音:2008年1月
フォーレ弾きジャン=クロード・ペネティエによるピアノ曲全集がスタートします。ショパンと比較されることの多いフォーレのピアノ作品ですが、フォーレの不思議な美しさを表現するのは難しく、フォーレ国際コンクールで優勝経験のあるペネティエはフォーレの自由な和声感を自在に操り思わず聴き惚れてしまう演奏です。あのリストが「指が足りない」と言った難曲バラード。声部を縫うような美しい旋律線、緩急が付けられた楽想を見事に捉えた秀演です。ヴァルス・カプリスは軽妙なサロン風音楽ですが、明るい調性、華やかな音楽、すり抜けるような掴みきれないリズムと共にフォーレ独特の雰囲気を持った作品。色っぽさと魅惑的メロディーに満ち溢れた4曲を大人の余裕で弾きこなしているペネティエに心酔。   (Ki)
MIR-073
シューベルト(レネゲイズ編):3つの軍隊行進曲D733より、
楽興のときD.780より、
セレナードより、即興曲より、
スケルツォD593より、
弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」より、
交響曲「未完成」より、
「魔王」D328、アヴェ・マリアD839
レネゲイズ・スティール・バンド・オーケストラ

録音:2008年2月、ナントにおけるラ・フォル・ジュルネ音楽祭のライヴ
2008年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭のテーマは「シューベルトとウィーン」。室内楽から交響曲、歌曲、ピアノ作品集まで、シューベルトの魅力を骨の髄まで味わいつくそうという音楽祭ですが、ひときわ目を引くのが、スティール・バンド・オーケストラによるシューベルト作品のコンサート。シューベルトとスティール・バンド???という感じですが、これが聴いてびっくり、実にたのしく愉快なものなのです。完全限定盤、在庫終了次第廃盤となります。  (Ki)
MIR-074
ラインケン:トリオ・ソナタ集「音楽の園」より第1番イ短調、
 第4番ニ短調
ブクステフーデ:ソナタ第1番ト長調BuxWV271、
 ソナタハ長調BusWV266、ソナタヘ長調BuxWV269、
 シャコンヌハ短調BuxWV159(2台のオルガン用編曲)
ラ・レヴーズ バンジャマン・ペロー(テオルボ&指)

録音:2008年7月
ラインケンとブクステフーデのJ.S.バッハに大きな影響を与えた作曲家2人の作品。ラインケンはオラダンダ出身のハンブルクで活躍した教会オルガニスト。ラインケンの「音楽の園」をもとにJ.S.バッハが3曲鍵盤楽器用に編曲をするほど、バッハ自身もラインケンを深く尊敬していたようです。ラインケンは長寿であり幅広く活躍していましたが即興を得意としていたため非常に限られた作品しか残っていません。この「音楽の園」は唯一の室内楽作品。この作品と通ずるところがあるブクステフーデのトリオ・ソナタ。様々な楽想が変化していく奥行きのある作品。2台のオルガン用に編曲されたシャコンヌ ハ短調は悲しげなメロディーが美しい曲。「音楽の父」と称されたバッハがお手本とした2人の作曲家の重要性をラ・レヴーズがしっかりと伝えてくれる1枚です。 (Ki)
MIR-075
ショパン:マズルカ集(30曲)
第47番イ短調/第7番ヘ短調/第10番変ロ長調/
第11番ホ短調/第12番変イ長調/第13番イ短調/
第56番変ロ長調/第14番ト短調/第15番ハ長調/
第16番変イ長調/第17番変ロ短調/第42番ト長調/
第44番ハ長調/第18番ハ短調/第19番ロ短調/
第20番変ニ長調/第21番嬰ハ短調/第22番嬰ト短調/
第23番ニ長調/第24番ハ長調/第25番ロ短調/
第26番嬰ハ短調/第29番変イ長調/
第42番イ短調「エミール・ガイヤール」/
第32番嬰ハ短調/第45番イ短調/第43番ト短調/
第40番ヘ短調/第41番嬰ハ短調/第49番ヘ短調
イド・バル=シャイ(P)
MIR-076
ハイドン:ピアノ・ソナタ第38番ヘ長調Hob.XVI..23、ソナタ第53番ホ短調Hob.XVI..34、
アンダンテと変奏曲ヘ短調Hob.XVII..6、
ソナタ第50番ハ長調Hob.XVI..50、
ソナタ第62番変ホ長調Hob.XVI..52
シャオ・メイ・シュ(P)

録音:2008年6月パリ
ラ・フォル・ジュル・ネでのお馴染みのピアニスト、シャオ・メイ・シュ。上海生まれで、幼い時に母親によって音楽教育を受け、8歳の時にはラジオやテレビで注目を集めていました。しかし文化大革命の影響で数年間地方に過ごし、その後北京で勉強を再開。1980年にアメリカへ、そして1984年にはパリへ移住し、世界各地で演奏活動を行い現在はパリで教鞭を取っています。録音ではゴルトベルク変奏曲(MIR048)、平均律クラヴィーア曲集(MIR044)ではその高い音楽性が注目されました。今回のアルバムは2009年のハイドン・イヤーを祝う内容。60曲以上あるハイドンのソナタから音楽的にも充実した中期から後期の作品、そして間に哀愁ただよう変奏曲が盛り込まれています。中でも最後のピアノ・ソナタ第62番は音楽性に富み、複雑な技巧を要する作品。シャオ・メイ・シュの深い音楽性が作品の豊かさ、美しさを際立たせています。 (Ki)
MIR-078
08年ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル公式CD
(1)ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲第1番Op.5「幻想的絵画」〜バルカローレ
(2)メンデルスゾーン:無言歌第6巻〜嬰ヘ短調「失われた幻影」Op.67-2
(3)バッハ:前奏曲第3番ハ長調BWV872
(4)フォーレ:前奏曲第7番イ長調Op.103
(5)スクリャービン:2つの詩曲Op.32〜アンダンテ・カンタービレ
(6)ショパン:夜想曲ヘ長調Op.15-1
(7)ショパン:バラード第2番
(8)メンデルスゾーン:無言歌第1巻〜ホ長調「甘い思い出」 Op.19-1
(9)ヘンデル:組曲ト短調 HWV432〜パッサカリアの主題と3つの変奏より第1変奏
(10)シューベルト0(リスト編):セレナーデ
(11)リスト:巡礼の年第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」-舟歌
(12)スクリャービン:詩曲「炎に向かって」Op.72
(13)メトネル:4つのおとぎ話Op.34〜第2曲ホ短調
(14)チャイコフスキー:組曲「眠れる森の美女」(4手版=ラフマニノフ編)
(15)ドヴォルザーク:スラヴ舞曲Op.46
(16)メトネル:2つのおとぎ話Op.20〜第2曲ロ短調「鐘」
(1)(10)(14)ブリジット・エンゲラー、
(1)(13)(14)(16)ボリス・ベレゾフスキー、
(2)(8)シャニ・ディリュカ、
(3)シャオ・メイ・シュ、
(4)ジャン=クロード・ペネティエ、
(5)(12)アンドレイ・コロベイニコフ、
(6)(7)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ、
(9)アンヌ・ケフェレック、
(11)ニコラ・アンゲリッシュ、
(15)クレール・デセール&エマユエル・シュトロッセ(P)
フランスのプロヴァンス地方で毎年開催されるフェスティヴァル、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル。「熱狂の日」でお馴染みのルネ・マルタン氏が創設した若手からベテランまで幅広いピアニストが出演するピアノ界には欠かせないイベントです。フェスティヴァルのいいとこ取りの公式アルバムを聴けば、この音楽祭の楽しみ方がわかるでしょう。  (Ki)
MIR-079
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番、
ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」
ブリジット・エンゲラー(P)、
アンドレア・クイン(指)パリCO

録音:2008年6月ルヴァロワ・ペレ(フランス)
表現力の幅広さはピカイチのブリジット・エンゲラー。新録音はサン=サーンスの協奏曲。ダイナミックな表現力と歌心溢れる音楽性で聴かせてくれます。リストが高く評価し現在も最も人気のあるサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番。名人芸が堪能できる作品で、エンゲラーは華麗なテクニックを駆使しながら、美しい演奏を披露しています。サン=サーンスがエジプト滞在中に作曲された第5番。異国情緒漂う雰囲気の第2楽章ではエンゲラーの鮮烈な演奏が印象的です。タクトを振るのは1964年生まれのイギリス女流指揮者アンドレア・クイン。  (Ki)
MIR-080(1CD+DVD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
第29番「ハンマークラヴィーア」、
第19番ト短調Op.49-1、
第20番ト長調Op.49-2、
エリーゼのためにイ短調WoO59

■特典DVD
ハンマークラヴィーアの真髄へ迫る旅(ルネ・マルタン出演)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
新進気鋭のピアニスト、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ。日本でも急速に人気が高まっており、聴き逃す事の出来ないピアニストです。MIRAREレーベルではツェルニー(MIR023)、ライヴ・アット・サントリーホール(MIR060)の2タイトルが既に発売されて、高い評価を受けています。今回の収録曲はベートーヴェンのピアノ・ソナタの中でも最も長大で演奏が難しいとされている「ハンマークラヴィーア」を中心に構成されたプログラム。「ピアノ曲のエベレスト」、「大きな壁」と言われているこの作品ですが、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェは緻密な楽曲分析と卓越した技術を最大限に活かし、この高い頂に果敢に挑戦しています。また特典としてこの難曲に挑戦する若きピアニストを追ったDVDが付属されています。彼を見出した敏腕プロデューサーのルネ・マルタンも登場。この「ハンマークラヴィーア」は2009年の来日リサイタルの演目にもなっていて、彼の演奏にますます注目が集まりそうです。 (Ki)
MIR-081(2CD)
バッハ:ミサ曲ロ短調BWV.232 谷村由美子(S)、
ヴァレリー・ボナール(Ms)、
セバスチャン・ドロイ(T)、
クリスチャン・イムラー(Bs)、
ミシェル・コルボ(指)
ローザンヌ声楽&器楽アンサンブル

録音:2008年8月 La Fermede Villefavard(仏リムザン地方)
合唱曲の大家、ミシェル・コルボ。フォーレのレクイエム(MIR028)、シューベルトのミサ曲第6番(MIR051)とMIRAREレーベルに次々と新名盤を生み出してきたコルボが遂にロ短調を録音。まず合奏の美しさに驚かされます。流麗な旋律に清楚で繊細な合唱が心地よく響き、安心感のある音楽を形成。高度な合唱に劣らず、4人のソリストたちのテクニックも文句なし。コルボの秘蔵っ子、谷村由美子の充実した声量と伸びのある声に感嘆。独特の声質で惹きつけるヴァレリー・ボナール。メリハリのある明るい美声のセバスチャン・ドロイ。艶がありキリリと引き締まった素晴らしいバス、クリスチャン・イムラー。個々の高いレベルを感じさせる演奏です。感動的な終曲「ドナ・ノビス・パチェム」は圧巻。聴き終えた後もしばらく静かな余韻に浸りたくなるアルバムです。   (Ki)
MIR-082
バッハ〜CONTEMPLATION(瞑想)
「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」BWV639(ブゾーニ編)
カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちにあたって」変ロBWV992
平均律クラヴィーア曲集第1巻〜プレリュード第4番 嬰ハ短調BWV849
平均律クラヴィーア曲集第1巻〜プレリュード第22番 変ロ長調BWV867
カンタータ第22番「イエスは十二使徒をひき寄せたまえり」BWV22(コーエン編)
平均律クラヴィーア曲集第1巻〜プレリュード第8番 変ホ短調BWV853
トッカータ,アダージョとフーガBWV564(ブゾーニ編)
イギリス組曲第2番〜サラバンドBWV807
オルガン協奏曲ニ短調BWV596(原曲:ヴィヴァルディ)
フランス組曲第1番〜サラバンドBWV812、イタリア協奏曲ヘ長調BWV971
オーボエ協奏曲〜アダージョ(原曲:マルチェッロ)
平均律クラヴィーア曲集 第2巻よりプレリュード第14番 嬰ヘ短調BWV883
プレリュード.ロ短調BWV855a、プレリュード.ホ短調(以上シロティ編)
ゴルトベルク変奏曲〜アリア、「主よ人の望みの喜びよ」BWV147(ヘス編)
イギリス組曲第3番〜サラバンドBWV808、シチリアーノ変ホ長調BWV1031(ケンプ編)
「来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659a(ブゾーニ編)
「神の時は最上の時なり」(哀悼行事のソナティナ)BWV106(クルターク編/連弾*
アンヌ・ケフェレック(P)、
ガスパール・デヘヌ(P)*

録音:2008年9月 La Ferme de Villefavard(仏リムザン地方)
「CONTEMPLATION瞑想」と題されたブゾーニ、コーエン、シロティ、ケンプ、クルターク編曲の作品を含むJ.S.バッハの名曲を収録。効果的なブゾーニの編曲が圧巻の「来たれ、異教徒の救い主よ」、名曲「主よ人の望みの喜びよ」、原曲の美しい旋律を生かしたケンプ編曲のシチリアーノ、そしてシロティ編曲のプレリュードは、バッハの様式とはかけはなれた非常に美しいロマンティックな作風ですが、原曲以上の神々しさを持つ作品。ケフェレックの実に純粋無垢な演奏が感動をさそいます。ケフェレックの魅力は凛として、透明感のある、美しく端正な音楽。瞑想的な表現やデリケートな美しさが忘れがたい名演となっています。   (Ki)
MIR-084
リスト:詩的で宗教的な調べ(全10曲) ブリジット・エンゲラー(P)

録音:2010年4月
「詩的で宗教的な調べ」は全10曲からなる作品群で、フランス・ロマン派の詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌの同名の詩集に深い感銘を受け、タイトルを借りています。全曲録音したピアニストは数少なく、単独で取り上げられることの多い作品。特にラマルティーヌの詩が冒頭にかかげられ、宗教的で瞑想的な内容の第3曲「孤独のなかの神の祝福」と超絶技巧で力強い重厚な第7曲「葬送」は有名。またリスト自身が好んで演奏したという第10曲「愛の賛歌」は華麗で神秘的な美しい作品。エンゲラーの磨き抜かれた音とエレガントな表現で全曲聴くことができるのは嬉しいかぎり。 (Ki)
MIR-085
バッハ:チェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV1052、
チェンバロ協奏曲第7番ト短調BWV1058
チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056、
チェンバロ協奏曲第4番イ長調BWV1055
ダニエル・キュイエ(Vn&指)
ストラディヴァリア、
ベルトラン・キュイエ(Cemb)

録音:2008年12日1-4日
フランス古楽界の草分け的存在ダニエル・キュイエが音楽監督を務めるストラディヴァリアと若手チェンバロ奏者ベルトラン・キュイエによる協奏曲集。ベルトランド・キュイエは、チェンバロ奏者ジョスリン・キュイエを母に持ち、8歳でチェンバロをはじめ、その後ナント国立音楽院で学ぶ。若くして世界の古楽シーン活躍してきたベルトランドの演奏に注目です。アンサンブルとのバランスも良く、透き通った音色、明解、明晰な音楽で溌剌とした演奏を披露しています。 (Ki)
MIR-086(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) タチアナ・ヴァシリエヴァ(Vc)

録音:2008年11月(シオン、スイス)
2001年ロストロポーヴィチ・チェロ・コンクールでロシア人初の優勝を果たし、今最も注目の実力派女流チェリスト、タチアナ・ヴァシリエヴァ。日本では2008年のゲルギエフ&ロンドンSOの日本ツアーでプロコフィエフのチェロ協奏曲を熱演、2009年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭では舞踊家の勅使河原三郎氏とのコラボレーションによるコンサートが予定されています。MIRAREレーベル登場第1弾として挑んだのがチェロ奏者たちの旧約聖書ともいえる「J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲」。彼女の魅力は驚異的なテクニックと深い響きを持った音。独特の色気と流動感に満ちた演奏で新しいバッハ像を聴かせてくれます。  (Ki)
MIR-087
ラフマニノフ:交響曲第2番 クワメ・ライアン(指)
ボルドー・アキテーヌ国立O

録音:2008年10月
前作「グレイト」(MIR045)で披露したその新鮮な解釈、また2008年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭で初来日し、日本の聴衆にその実力をみせてくれたクワメ・ライアンの最新盤です。ラフマニノフの最高傑作の一つ交響曲第2番。豊かな情感、濃厚な響きとラフマニノフの特徴がよく表れた美しい作品で、情熱的に濃密に演奏されることが多いですが、クワメ・ライアンは冷静に音楽の美しさを表現しています。第1楽章の冒頭の長いフレーズを丁寧に繊細に奏で、甘くなりがちな第3楽章のロマンティックな旋律は、独自のしなやかさが絶妙な美しさを醸し出しています。手兵ボルドー・アキテーヌ管の多彩な響きを生かした極上の演奏を聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-088
W.F.バッハ:幻想曲、ソナタ、フーガ、ポロネーズ
ポロネーズ第1番ハ長調、
フーガ第1番ハ長調、
ソナタ.ト長調FK7、
フーガ第2番ハ短調、
幻想曲ハ短調FKnv2*、
ポロネーズ第10番ヘ短調*、
フーガ第3番ニ短調、
幻想曲ニ短調FK19、
ソナタ.ニ長調FK3、
ポロネーズ第11番ト長調、
ポロネーズ第7番ホ長調、
ポロネーズ第8番ホ短調*、
フーガ第6番ホ短調、
幻想曲イ短調FK23
モード・グラットン(Cemb、クラヴィコード*) 
W.F.バッハは大バッハの長男で息子たちのなかでは最も才能に恵まれ、可愛がられていたと言われていますが、その作品を耳にする機会は多くありません。即興性に富んだ彼の作品はとても魅力に溢れています。12の作品からなるポロネーズは、揺らぐテンポ、気まぐれなリズムが独特の作風を際立たせています。幻想曲は幻惑させられる半音階進行は彼の驚くべき才能とセンスが感じられます。先の読めない独特の楽想を新星モード・グラットンの優れた音楽性と多彩な音で聴かせてくれます。モード・グラットンは1983年フランス生まれの若手注目株。パリ国立音楽院にて学び、2000年サン・ジェルマン・デ・フォセ・コンクール第1位、2003年ルージュ国際古楽コンクール第2位など数々の受賞歴があり様々な音楽祭に出演。ピエール・アンタイ、クリストフ・ルセなど古楽界の巨匠から次々と指名をされている新星です。  (Ki)
MIR-089
ショパン:ピアノ三重奏曲ト短調Op.8
     序奏と華麗なポロネーズOp.3
リスト:「オーベルマンの谷」〜トリスティア
トリオ・ショーソン
MIR-090
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番
6つのバガテル
ピアノ・ソナタ第24番/第17番
アンドレイ・コロベイニコフ(P)

録音:2009年5月
MIR-091
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル公式アルバムVol.3
(1)バッハ(ジロティ編):プレリュード ロ短調 BWV855a 
(2)ソレル:第87番ト短調R.416
(3)ハイドン:ソナタ第62番変ホ長調 Hob. XVI:52より
(4)ハイドン:ソナタ第38番ヘ長調 Hob.XVI..23より
(5)シューベルト(リスト編):水車小屋と小川
(6)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番より
(7)リスト:巡礼の年第2年「イタリア」〜第2曲「物思いに沈む人」
(8)メンデルスゾーン:幻想曲嬰ヘ短調「スコットランド・ソナタ」Op.28より
(9)ショパン:マズルカ ロ短調Op.33
(10)ショパン:マズルカ 変ロ短調Op.24
(11)フォーレ:ロマンスOp.17
(12)メトネル:2つのおとぎ話 Op.48〜第2曲ト短調(妖精のおとぎ話)
(13)スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番より
(14)ボロディン:小組曲より
(15)ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 Op.72より
(16)チャイコフスキー:組曲「眠れる森の美女」(4手版=ラフマニノフ編)
(1)アンヌ・ケフェレック(P)
(2)ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
(3)アンヌ・ケフェレック(P)
(4)シャオ・メイ・シュ(P)
(5)ブリジット・エンゲラー(P)
(6)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
(7)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(8)シャニ・デュリカ(P)
(9)イド・バル=シャイ(P)
(10)イド・バル=シャイ(P)
(11)ジャン・クロード・ペネティエ(P)
(12)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(13)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
(14)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(15)クレール・デセール&エマユエル・シュトロッセ(P)
(16)ブリジット・エンゲラー&ボリス・ベレゾフスキー(P)
フランスのプロヴァンス地方で毎年開催されるフェスティヴァル、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバルの出演者によるコンピレーション・アルバム。

MIR-096
アンヌ・ケフェレック〜ショパン
ショパン:ポロネーズ. 変ロ長調KK.IV/1(1817)
ポロネーズ.ト短調S1/1(1817)
ポロネーズ.変イ長調KK.IV/a2(1821)
マズルカ.イ短調Op.7-4
ポロネーズ.ヘ短調Op.71-1
ソステヌート.変ホ長調(1840)
カンタービレ.変ロ長調(1834)
ノクターン嬰ハ短調遺作(1830)
幻想即興曲/ワルツOp.70-2
マズルカOp.50-3/子守歌/舟歌
スケルツォ第4番
ワルツイ短調KK.IVb/11,P2/11
バラード第4番Op.52(1842)
マズルカOp.67-4(1848)
アンヌ・ケフェレック(P)

録音:2009年11月フランス・リモージュ
フランスを代表する女流ピアニスト、アンヌ・ケフェレック待望のショパン・アルバムが発売されました。叙情的で艶やかな魅力に溢れたショパンの作品を、ケフェレックの知性的で洗練されたピアニズムが繊細に紡ぎだします。ショパンの複雑で苦悶に満ちた音楽、幸福な思い出を想起させるような音楽、ケフェレックが描く鮮やかな色彩の渦に惹きこまれ、どっぷりとショパンの魅力に浸るこができます。特に2009年のリサイタルでも評判の高かったショパン円熟期の最高傑バラードの4番は必聴。ケフェレックの意外にも濃厚な表現がぴったりと合い、美しい旋律線が浮かび上がり絶美。曲目はショパンの祖国の記憶を読み解くプログラミング。第1曲目のポロネーズ変ロ長調KK.IV/1はショパンが7歳の時の作品。この作品の中にも確実にショパンの魂は存在し、祖国ポーランドへの想いが含まれています。そしてショパンの故国への記憶は最後のマズルカまで彼を悩まし続けました。このアルバムはピアノ作品を通して、ショパンの失われた時代、土地を探し求める1枚となっています。 (Ki)
MIR-099
リスト:ピアノ・ソナタロ短調*
 巡礼の年第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」
 メフィスト・ワルツ第1番
 超絶技巧練習曲〜第11番「夕べの調べ」#
ショパン:ワルツ第5番変イ長調Op.42「大円舞曲」
ボリス・ベレゾフスキー(P)

録音:2009年3月15日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール・ライヴ*
2009年6月26日フェスティヴァル・デ・ラ・グランデ・メレ・ライヴ
MIR-100
フォーレ:ピアノ作品集vol.2
3つの無言歌Op.17(全3曲)
3つの夜想曲op.33(全3曲)
即興曲第1番変ホ長調Op.25
舟歌第1番イ短調op.26
夜想曲第4番変イ長調op.36
夜想曲第5番変ロ長調Op.37
舟歌第2番ト長調Op.41
舟歌第3番変ロ長調op.42
ジャン=クロード・ペヌティエ(P)

録音:2009年10月
フランスの巨匠、ジャン=クロード・ペヌティエによるフォーレ第2弾の登場。3つの夜想曲op.33など、名曲が並びます。フォーレ独特のどこかかすんだような、やわらかな光に満ちた世界を、透明な音で見事に再現。フォーレの世界をふくよかに美しく響かせます。ささくれだった心に優しく沁み渡るような、涙の出るような優しさと美しさに満ちた、まさに巨匠の演奏です。 (Ki)
MIR-101
アントニオ・ソレル:ソナタ集
第129番R.451ホ短調/前奏曲第2番ト短調
第87番R.416 ト短調/第42番R.377ト短調
第18番R.353ハ短調//第19番R.354ハ短調
第24番R.359ニ短調/第25番R.360ニ短調
第54番R.389ニ短調/第15番R.350ニ短調
第85番R.414嬰ヘ短調/第90番R.419嬰ヘ長調
第154番R.472変ニ長調/第88番R.417変ニ長調
第86番R.415ニ長調/第84番R.413ニ長調
ルイス・フェルナンド・ペレス(P)

録音:2008年5月27-30日(マドリッド)
18世紀スペインのカタルーニャ出身の作曲家、アントニオ・ソレル。ソレルはマドリッドのエル・エスコリアル修道院に聖職者として30年以上過ごし、その間に500曲を越す作品を書き、その中140曲に及ぶ鍵盤ソナタを作曲していました。その作風はD.スカルラッティ風でもありますが、どれも色彩に満ち、スペイン的要素が感じられる情熱的な音楽です。マドリード出身のピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレス。まさにスペインの風土を強く感じさせる演奏で魅力的に表現しています。1977年生まれ。ドミートリー・バシュキーロフ氏、ピエール=ロラン・エマール氏、アリシア・デ・ラローチャらに学ぶ。 (Ki)
MIR-102(1CD+DVD)
バッハ:マニフィカト
 マニフィカトBWV243、
 マニフィカト「わが心は主をあがめ」にもとづくフーガBWV733、
 ミサ曲ト短調BWV235、
 プレリュードとフーガ ト長調BWV541
特典DVD:マニフィカト
 監督:ピエール=ユベール・マルタン
 NTSC43mm言語:仏、英
フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカーレ・コンソート

録音:2009年4月
バッハの声楽曲の中でも明るく喜びに満ちた曲調が多いマニフィカト。マニフィカトBWV243はバッハがライプツィヒに着任した年のクリスマスの晩課のために作曲されました。クリスマスを迎えるに相応しい壮麗な作品です。マニフィカトによるオルガン編曲「わが心は主をあがめ」、キリエとグロリアで構成され、すべてカンタータからの転用であるミサ曲BWV235などそれぞれの関連性を考えた曲目構成で体系的に聴くことができます。フィリップ・ピエルロとリチェルカーレ・コンソートは、繊細な美しさの中に凛とした美しさが際立った美演を聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-103(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 シャオメイ・シュ(P)

録音:2009年4、5月ノートルダム・ド・ボン・スクール教会(パリ
中国の文化大革命を乗り越えたピアニスト、シャオメイ・シュ。紆余曲折の人生の中、彼女にとってバッハは強さとインスピレーションを与えてくれる音楽でした。日本では「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭で来日し、その深淵な音楽世界を聴かせてくれています。今回のアルバムは、2008年に発売されたJ.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻(MIR044)に続く平均律第1巻。バッハの音楽の中に入り込み、作品へ命を吹き込んでいくシャオメイ・シュの演奏。バッハの構築性を明確に伝え、自己の内面に語りかけるような静謐な音の運びに脱帽です。決して過度な表現はしない中庸の美を感じさせるアルバムです。 (Ki)
MIR-104
ハイドン:ピアノ・ソナタ&変奏曲集
ピアノ・ソナタ第62番変ホ長調Hob.XVI:52
変奏曲ヘ短調 Hob.XVII:6
ピアノ・ソナタ第53番ホ短調Hob.XVI:34
ピアノ・ソナタ第54番ト長調 Hob.XVI:40
アンヌ・ケフェレック(P)

録音:2001年9月30日、10月1日
コンサート、録音ともに世界中の音楽ファンを魅了するピアニスト、アンヌ・ケフェレック。彼女のレパートリーは非常に多様でいつも違った顔を見せてくれます。気品に満ち、その凛とした姿は、彼女が奏でる音楽そのもの。今回は2009年がアニバーサリーイヤーでもあるハイドンの作品。モーツァルトのハイドンに対する尊敬は「ハイドン・セット」の献呈文にもあらわれていますが、他にもモーツァルトはこのようにも語っています。「洗練された冗談、意外な驚き、笑い、深い感動といった全ての事柄をハイドンほど上手く表現できる人は他にいません。」また同じように、モーツァルトがケフェレックの演奏を聴いたら「これほどハイドンの作品を表情豊かに活き活きと演奏できる人も、アンヌ・ケフェレックの他にいないでしょう。」と言うかもしれません。それほどに、このケフェレックは、快活で力強く、また繊細で柔和な音楽を奏でています。ピアノ・ソナタの中でも後期の作品第62番は、ハイドンのソナタの最高傑作とも言われています。華々しい冒頭や、中間部の繊細さなど起伏に富んだ楽想を有します。また美しさと悲しさが交差する大規模な変奏曲、溌剌とした第53、54番のソナタ。ケフェレックの温和な表現、颯爽とした音楽性が溢れ出ています。 (Ki)
MIR-105
エリザベト・クロード・ジャケ・ド・ラ・ゲール(1665-1729):ヴァイオリン、ヴィオールと通奏低音のためのソナタ集
ソナタ第1〜4番、
レ・シルヴァン(クープラン/テオルボ編)、
プレリュード(モレル/ヴィオール)
ラ・レヴーズ【ステファン・デュデルメル(Vn)、フローレンス・ボルトン(ヴィオール)、アンジェリーク・モイヨン(Hrp)、ベルトラン・キュイエ(Clavcin)、バンジャマン・ペロー(テオルボ、バロックG&指)】

録音:2009年9月
ジャケ・ド・ラ・ゲールは17世紀に活躍した数少ない女性作曲家。楽器製作者の一族ジャケ家の出身で、神童として注目を浴び、クラヴサン奏者としても才能に溢れ、ルイ14世の寵臣を受け活動していました。このソナタは、当時フランスで流行していたイタリア趣味を取り入れ、ヴィオールのソロの間にヴァイオリンが華やかなパッセージを奏でるようなフランスの優雅さを折衷した独自の様式で書かれています。18世紀前半のフランス器楽曲の中で最も素晴らしい作品の一つです。ジャケットに使用されている肖像画はジャケ・ド・ラ・ゲール自身。フランソワ・ド・トロワの作品です。精緻な描写と艶やかな光沢が美しく、女性らしさが引き立つ1枚。 (Ki)
MIR-106
フランク(ジョリス・ルジューヌ編):十字架上のキリストの最後の7つの言葉
グノー:十字架上のキリストの最後の7つの言葉
ミシェル・コルボ(指)
ローザンヌ声楽アンサンブル
ソフィー・グラフ(S)、
ヴァレリー・ボナール(A)
マティアス・ロイサー(T)、
ヴァレリーオ・コンタルド(T)
ファブリス・エヨーズ(Bs)、
ロール・エルマコラ(Hp)
マルチェロ・ジャンニーニ(Org)

録音:2009年8月7&8日ラ・フェルム・ド・ヴィルファヴァール
至高のハーモニーを奏でる合唱の大家ミシェル・コルボの最新録音。フランクとグノーの知られざる名曲「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」を合唱とオルガンによる新版で演奏。1850年頃再発見されたこの重要な宗教テーマ「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」。同じテキストを使って全く違う音楽が創造され、この正反対の2人の作曲家が、ほぼ同時期に同じテーマで作曲したというのは、興味深い事実です。決して難解ではない2つの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」は、美しい和声と透明感あふれる響き、そして柔らかいヴォーカル・アンサンブルが際立った作品。フランクの作品は、フランク研究家のジョリス・ルジューヌによって編曲。合唱とオルガンの他にハープとチェロを用い、オリジナルのオーケストラ編成の効果を引き出しながら、より幅広く演奏できる編成。コルボの音楽に秘められた神秘性は崇高なる祈りとして、聴くものの心に響いてきます。 (Ki)
MIR-107
ショパン:チェロ・ソナタOp.65、
序奏と華麗なポロネーズ Op. 3
アルカン:演奏会用ソナタ ホ長調 Op. 47
タチアナ・ヴァシリエヴァ(Vc)
ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ(P)
録音:2009 年9 月
第7 回ロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールで ロシア人初の優勝を果たし、その後世界的指揮者、オーケストラとの共演を重ね、昨年のラ・フォ ル・ジュルネでも注目を集めた期待のチェリスト、タチアナ・ヴァシリエヴァと新進気鋭のピアニスト、ジャン・フレデリック・ヌーブルジェによる「ショパン・ アルバム」。 ショパンが残した最後の大作チェロ・ソナタとアルカンのソナタ。この2 つのソナタはフランスのチェリスト、オーギュスト・フランショムに献呈されたと いう共通項をもつ作品。 幅広い表現、細かなニュアンス、移りゆく微妙な色合いまでも、2 人の息の合ったアンサンブルで聴かせてくれます。二人の演奏が非常にロマンティック で美しいショパン。 高度なテクニックで書かれたアルカンのソナタは演奏機会の少ない曲ですが、完成度の高さとアルカンの挑戦が結実したロマン派を代表するチェロ作品。 踊り狂ったようなチェロとピアノが、強烈なサルタレッロ風の終楽章は圧巻。 またショパンとジョルジュ・サンドを思わせる意味深なジャケットにも注目です。 (Ki)
MIR-108
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調Op.33
チェロ・ソナタ第1番ハ短調Op.32*、
ロマンスへ長調Op.36#、
チェロとピアノのための組曲Op.16#、
動物の謝肉祭
アンリ・ドマルケット(Vc)
ボリス・ベレゾフスキー(P)*
ブリジット・エンゲラー(P)#
ジョセフ・スウェンセン(指)パリ室内O

録音:2009年11月
フランスの実力派チェリスト、アンリ・ドマルケットによるサン=サーンス作品集。チェロ協奏曲のレパートリーの中で重要な作品である第1番。しなやかで流麗なドマルケットのチェロは、センスの良さが際立つキレのある小気味良い快演を聴かせてくれます。「チェロ・ソナタ第1番」は、協奏曲第1番の前に作曲された最初のチェロ作品。巧みな構成力とサン=サーンスらしい美しい旋律に彩られた華麗な曲。ピアノにベレゾフスキーを迎えロマン性溢れる音楽に仕上げています。「ロマンスOp.36」はホルンまたはチェロと管弦楽のために作曲されましたが、ここではピアノ伴奏版で演奏。ブリジット・エンゲラーの好サポートにより「チェロとピアノのための組曲」と同様に甘く優しく奏でられます。「動物の謝肉祭」はさまざまな動物の生態をユーモラスに描いたサン=サーンスの代表作。ベレゾフスキーとエンゲラーの優れた表現力と共に、ドマルケットの音楽性が溢れだす、躍動的な演奏です。 (Ki)
MIR-109
ブロウとパーセルのオードとソング集
ジョン・ブロウ:ヘンリー・パーセルの死を悼む頌歌
パーセル:もしより多くの富を望むならばZ.544
目覚めよ我がムーサよZ.320(メアリー2世の誕生日)
フルートのためのシンフォニー
来たれ芸術の子よZ.323(メアリー2世の誕生日)
天上の音楽は神々を動かしZ.32(2メイドウェル学校で演奏)
シャコンヌ
歌劇「予言者」〜第2幕アリア「罠と危険から」
フルートのためのシンフォニー
乙女の最後の祈り(または失敗するくらいなら)Z.601〜ダメよ抵抗してもだめ
私は美しいチェリアに恋をした
愛の女神は盲目Z.331
フィリップ・ピエルロ(指&Gamb)
リチェルカーレ・コンソート
カルロス・メーナ(CT)
ダミアン・ギヨン(CT)

録音:2009年10月
フィリップ・ピエルロ率いるリチェルカーレ・コンソートによるブロウとパーセルのオードとソング集。ヘンリー・パーセルは、わずか36年でこの世を去った17世紀後半のイギリス天才作曲家。20歳という若さでウェストミンスター寺院のオルガニストに就任し、以後宮廷作曲家として名声を得ていました。パーセルは王室の特別な儀式のために演奏されるオード(頌歌)を多く作曲し、またメアリー女王の誕生日を記念して毎年1曲オードを作曲していました。このアルバムでは、それらの代表的な作品を収録。透明感のあるカルロス・メーナと安定感がある優しいダミアン・ギヨンのカウンターテナーが憂いのある美しい歌唱を聴かせてくれます。またパーセルの師であったジョン・ブロウがパーセルの早すぎる死を悼み作曲したオードも収録されています。 (Ki)
MIR-110
ショパン:バラード(全4曲)
夜想曲op.15-1/op.15-2/op.9-2/op.48-1
幻想曲ヘ短調op.49
広瀬悦子(P)

録音:2009年11月9-11日 フランス・リモージュ
「シャコンヌ」「ラ・ヴァルス」と超絶技巧によるトランスクリプション(編曲)を続けてリリースしてきた広瀬悦子が、満を持してショパン・アルバムを発売。パリに拠点を戻し3年目。ヨーロッパでの生活から自然についてきた感性、そして音楽への影響がここに収められています。ショパンがインスパイアされた誇り高きポーランド魂を伝える繊細で儚い詩情を見事描き出した演奏です。2010年新たな広瀬悦子の魅力が開花する予感。世界中の音楽ファンが注目する「ショパン・イヤー」に欠かせない1枚となるでしょう。 (Ki)
MIR-111
ショパン:ノクターン集Vol.1
変ホ長調作品9-2、へ長調作品15-1、
嬰ヘ長調作品15-2、嬰ハ短調作品27-1、
変ニ長調作品27-2、
変イ長調作品32-2、ト長調作品37-2、
嬰ヘ短調作品48-2、ハ短調作品48-1、
「遺作」嬰ハ短調
ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
1977年マドリード生まれ。今一番注目が集まっているピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレス。昨年発売されたソレルのソナタ集(MIR101)ではスペインの薫り高い音楽を聴かせてくれました。ラ・フォル・ジュルネを主宰するルネ・マルタン氏も大きな期待を寄せている彼の新譜はショパンのノクターン。詩的で繊細なショパンの音楽を端正かつ情熱的に演奏しています。色彩豊かな音色、優美、憂い、悲しみの感情表現を大胆に放出。これまでに見たことのないショパンの顔を教えてくれる1枚です。 (Ki)
MIR-112
フランスのチェリストたち〜メディテイションズ
ブロッホ:祈り/カザルス:鳥の歌
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界」より」〜第2楽章
オフェンバック:ジャクリーヌの涙 Op.76-2
フォーレ:夢のあとに
シューマン:古いリュートOp.35-12、
 異郷にてOp.39-1、月の夜Op.39-5、
 古城にてOp.39-7
ワーグナー:タンホイザー〜「おお、おまえ、いとしい夕星よ」
ヴェルディ:ドン・カルロ〜「彼女は私を愛したことが無い」
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番変ホ短調Op.30〜第3楽章
レ・ヴィオロンチェレス・フランセ
[エマニュエル・ベルトラン、エリク-マリア・クトゥリエ、エマニュエル・ゴーゲ、ハヴィエル・ピドゥ、ラファエル・ピドゥ、
ローラン・ピドゥ、ナディヌ・ピエール、フランソワ・サルク]

録音:2009年12月7-9日
フランスを代表するチェリストが集結したチェロ八重奏団という珍しい編成のアンサンブル、レ・ヴィオロンチェレス・フランセ。ルネ・マルタンのプロデュースにより2006年のラ・フォル・ジュルネ(ナント)で初コンサートを行い、聴衆を沸かせました。彼らのMIRAREデビュー・アルバムは「メディテイションズ」と題され、チェロの豊かな響きにぴったりの楽曲をこのアンサンブルにも参加しているローラン・ピドゥが八重奏用に編曲。ブロッホ:祈り、カザルス:鳥の歌、ラフマニノフ:ヴォカリーズ、オフェンバック:ジャクリーヌの涙、フォーレ:夢のあとになどいずれも珠玉の名曲ばかり。それぞれの楽曲でソリストが美しいメロディーを奏で、7人のチェリストで支える深みのある演奏は心を揺さぶります。 (Ki)
MIR-114
ショパンの音楽日記
1817年/ポロネーズ.ト短調 S1-1*
1827年/夜想曲.ホ短調Op.72-1#
1829年-1830年/練習曲[Op.10 -1, 2, 3]+
1832年-1833年/2つのマズルカOp.17**
1838年-1839年/夜想曲ヘ長調Op.15-1##
1837年/スケルツォ第2番変ロ短調Op.31 ++
1836年-1839年/バラード第2番ヘ長調Op.38##
1831年-1839年/前奏曲第15番変ニ長調 +
1845年-1846年/舟歌.嬰ヘ長調Op.60#
1845年-1846年/幻想ポロネーズOp.61*
1846年/マズルカ.嬰ハ短調Op.63**
1849年/マズルカ.ヘ短調Op.68**
アブデル・ラーマン・エル=バシャ(P)*
アンヌ・ケフェレック(P)#
フィリップ・ジュジアーノ(P)+
イド・バル=シャイ(P)**
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)##
児玉桃(P)++

録音:2009年11月、La Ferme de Villefavard(仏リムザン地方)
※日本語解説付
MIR-115
アーベントムジーク「夕べの音楽」
シューマン:色とりどりの小品Op.99
クララ・シューマン:ロベルト・シューマンの主題による変奏曲Op.20
ブラームス:シューマンの主題による変奏曲Op.9
クレール・デゼール(P)

録音:2009年11月 La Ferme de Villefavard (仏リムザン地方)
同時代に生きた3人の音楽家シューマン、クララそしてブラームス。親密で稀有な関係の中から生まれた音楽をクレール・デゼールが繊細かつ大胆なピアニズムで聴かせてくれます。シューマンの「色とりどりの小品」は、シューマン独特の魅力に溢れた小さな曲集。1曲1曲に緻密に表情をつけた、聴き手を包み込む幻想的な演奏です。そしてブラームスの「シューマンの主題による変奏曲」は、シューマンの「色とりどりの小品」のなかの<5つの音楽帳〜第1曲>を主題に用いています。自由な性格をもつ変奏曲で、ときおり出てくる美しいメロディーにハッとさせられます。ピアニスト、作曲家として独創的な才能をみせたクララ。この「ロベルト・シューマンの主題による変奏曲」は夫ロベルトの誕生日のために作曲されたもの。美しさの中にも悲哀を感じる主題と多彩な7つの変奏による作品。この作品はブラームスの要請により、同じくロベルトの主題を使ったブラームスの変奏曲と同時に1854年に出版されています。複雑に絡まる3人の心情が表れた作品をクレール・デゼールの見事な表現で1枚のアルバムに仕上げています。 (Ki)
MIR-116
シャブリエ:10の絵画風小品、
 即興曲ハ長調、5つの遺作、
 幻想的なブレー
ラヴェル:シャブリエ風に
エマニュエル・シュトロッセ(P)

録音:2009年11月リモージュ、フランス
シャブリエはフランス近代音楽に欠かすことのできない作曲家の一人。エスプリ溢れるシャブリエのピアノ作品をエマニュエル・シュトロッセの豊かな音色で鮮やかに聴かせてくれます。シャブリエの代表作「10の絵画風小品」は10曲からなる作品。洒脱な色彩感覚のもと一つ一つが異なった魅力に彩られています。シュトロッセはシャブリエの音のパレットに戯れるような軽やかな演奏が印象的。最後に収録されたラヴェルの「シャブリエ風に」は、ラヴェルのシャブリエへの愛着が表れた作品です。 (Ki)
MIR-119(2CD)
シューベルト:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第18番ト長調Op.78D.894「幻想ソナタ」
ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959
ジャン=クロード・ペヌティエ(P)

録音:2009年11月リモージュ、フランス
フランスの名手ジャン=クロード・ペヌティエ。彼はこれまでシューベルトのピアノ・ソナタの録音を断り続けていたそうです。このアルバムはまさに「機は熟した」と言うべき高い説得力を持つ、聴き手に訴えかける演奏です。「幻想ソナタ」は全体的に少し遅めのテンポを取り、沈黙から音楽を引き出しているような、悟りの境地の静けさを感じさせる名演です。またピアノ・ソナタD.959は一転、ときおり見せる激しさと朗々とした歌を美しく聴かせ、ペヌティエの懐の深さを感じます。 (Ki)
MIR-120
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.13、
弦楽四重奏曲第6番へ短調Op.80、
カプリッチョ ホ短調
モディリアーニSQ
【フィリップ・ベルナール(Vn)、
ロイック・リョー(Vn)、
ローラン・マルフェング(Va)、
フランソワ・キエフェル(Vc)】
パリ国立音楽院在学中に結成したモディリアーニ弦楽四重奏団。才気溢れる彼らが今回挑むのはメンデルスゾーン。甘く切ない旋律を4人の叙情に富んだ音色が胸をかきたてる弦楽四重奏第2番。そしてメンデルスゾーン最愛の人、姉のファニーを亡くした悲しみの中で作曲した弦楽四重奏第6番は、メンデルスゾーンの嘆き悲しむ心がストレートに表現された傑作。俊英4人の鬼気迫る演奏は圧巻です。 (Ki)
MIR-124
第30回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル公式アルバム
(1)ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲第1番Op.5「幻想的絵画」〜夜と愛
(2)リスト:巡礼の年第1年「スイス」S160〜泉のほとりで
(3)シューベルト(リスト編):住処
(4)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番〜第1楽章
(5)エリーゼのために/ピアノ・ソナタ第20番〜第2楽章
(6)シューマン:色とりどりの小品Op.99より
(7)メンデルスゾーン:無言歌集Op.85-4〜春の歌
(8)バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1集〜前奏曲〔第8番BWV853/第6番BWV851〕
(9)ショパン:マズルカ〔嬰ハ短調Op.63-3/ト短調Op.67-2/イ短調Op.17-4
(10)ワルツイ短調KK.IVb-11/幻想即興曲嬰ハ短調Op.66
(11)シャブリエ:絵画的小曲集〜牧歌/5つの小品〜アルバムの綴り
(12)メトネル:2つのおとぎ話Op.14〜第1曲ホ短調
(13)シューベルト:ハンガリー風のメロディロ短調D.817
 シューマン:子供の情景〜見知らぬ国と人々から
(14)フォーレ:前奏曲第4曲ヘ長調Op.103-4
(15)ショパン:夜想曲ヘ長調Op.15-1
(16)メトネル:4つのおとぎ話Op.26〜第2曲変ホ長調
(1)ブリジット・エンゲラー、ボリス・ベレゾフスキー(P)
(2)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(3)ブリジット・エンゲラー(P)]
(4)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
(5)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
(6)クレール・デゼール(P)
(7)シャニ・ディリュカ(P)
(8)シャオメイ・シュ(P)
(9)イド・バルシャイ(P
(10)アンヌ・ケフェレック(P)
(11)エマニュエル・シュトロッセ(P)
(12)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(13)ブリジット・エンゲラー(P)
(14)ジャン=クロード・ペヌティエ(P)
(15)ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
(16)ボリス・ベレゾフスキー(P)
MIR-125
セバスティアン・ド・ブロサール(1655-1730):オラトリオ「無原罪の聖マリア」SDB.56、
ソナタ.ハ長調SDB.224、
カンタータ「レアンドロ」SDB.77、
「悔い改めた魂と神との対話」SDB.55
ラ・レヴーズ
シャルタン・サントン・ジェフリー(S)
ウジェニー・ヴァルニエ(S)
イザベル・ドリュエ(A) 
ジェフリー・トンプソン(CT)
ヴァンサン・ブーショ(T)
ベノワ・アルヌール(Bs)

録音:2010年6月28日-7月1日
セバスティアン・ド・ブロサールはフランスの辞書編纂者、愛書家、理論家、作曲家、聖職者。ブロサールは辞書編纂者、理論家としての功績が大きく、フランスでは初めての「音楽辞典」と詳細な「楽譜・楽書目録」の編纂で知られています。ブロサールはフランスにおけるイタリア音楽の浸透を支持しており、自身の作風にも取り入れていました。ブロサールのオラトリオはオラトリオの創始者として名高い作曲家、ジャコモ・カリッシミにならい作曲されています。また「レアンドロ」はイタリア語で書かれたブロサールの初期の傑作カンタータです。 (Ki)
MIR-126
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲第1番
シャニ・ディリュカ(P)
クワメ・ライアン(指)
ボルドー・アキテーヌ国立O

録音:2010年4月
シャニ・ディリュカは、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭などでも来日した才能溢れる女性ピアニスト。スリランカ国籍の両親のもとモナコで生まれ、幼少の頃からその才能を開花させ、晩年のグレース王妃に見いだされて世界各国で英才教育を受けたシンデレラ・ガール。MIRAREレーベル3枚目のアルバムはベートーヴェンのピアノ協奏曲第1&2番。演奏に関するこだわりは非常に強く、カンデンツァはヴィルヘルム・ケンプの自作を使用し、繊細でクリアな響きに魅せられた名器ベヒシュタインで演奏しています。ディリュカは繊細なタッチの変化や大胆で説得力のある音楽、そして卓越したテクニックを兼ね備えたピアニスト。指揮は若手有望株の指揮者クワメ・ライアン率いるボルドー・アキテーヌ国立管。注目の若手音楽家の共演で聴く瑞々しい演奏です。 (Ki)
MIR-127
エロール:ピアノ協奏曲第2番変ホ長調、
第3番イ長調、第4番ホ短調
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
エルヴェ・ニケ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2010年5月16-18日
フェルディナン・エロールはアルザス地方出身のフランスの作曲家でベートーヴェンとほぼ同時代に活躍しました。父はハンブルクでC.P.E.バッハに音楽を学び、フェルディナンは幼少期父から音楽の手ほどきを受けていました。フェルディナンはオペラを数多く作曲し、特にオペラ・コミックのジャンルで不朽の名作を残しています。彼の作品は独創的で魅力的かつ美しい旋律に溢れており、当時高く評価されていました。1831年歌劇「ザンパ」で一躍有名となるも、直後に肺結核を患い42歳の若さで亡くなっています。またピアノ曲や管弦楽曲も多く残し、このアルバムでは彼が作曲したピアノ協奏曲4曲のうち3曲を収録。ピアノ演奏にも優れ、1810年パリ音楽院で1等賞を獲得。1812年にはイタリア座の演奏会で自作のピアノ協奏曲を演奏しています。演奏はラ・フォル・ジュルネ音楽祭でもお馴染のフランスの新進気鋭のピアニスト、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ。指揮はフランス・バロックの鬼才エルヴェ・ニケ。鮮やかな妙技とロマンティックな感情が表出した演奏を聴かせてくれます。 (Ki)

MIR-128(2CD)
バッハ&レーガー:無伴奏ヴァイオリン作品集
レーガー:前奏曲とフーガト短調Op.117-2
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV1001
レーガー:前奏曲とフーガロ短調Op.117-1
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV1002
レーガー:シャコンヌ ト短調 Op.117-4
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004
庄司紗矢香(Vn)

録音:2010年8月ランファン・ジェジュ教会、パリ
※日本語解説付き
16歳のときパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで日本人初、史上最年少優勝を果たし、世界の注目を集めてきた若きヴァイオリニスト庄司紗矢香。これまでに数々の録音とコンサートでその並はずれた才能を見せつけてきた天才少女が20代後半にさしかかり、より一層成熟したテクニックと表現力を携えてMIRAREレーベルに初登場します。MIRAREのプロデューサーであるルネ・マルタンが手がける音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」への参加をきっかけに、このアルバムが誕生しました。収録曲はバッハとレーガーの無伴奏作品。バッハの無伴奏ヴァイオリンのための6曲は数多くの録音が存在しますが、レーガーの作品と組み合わせ、ニ短調の「シャコンヌ」を最後の山場に持ってくるという、極めて考え抜かれた構成となっています。レーガーの無伴奏作品はバッハを範として作曲されていますが、その中にレーガー独自の幻想世界を作り込んでいく高い技巧を必要とされている作品です。庄司紗矢香は抜群のテクニックと安定感、明るい音色で力強くストレートな演奏を披露しています。レーガーの「シャコンヌ」は、作品の本質を真摯に追い求めていき、バッハの無伴奏パルティータ第2番では、高い集中力と深い音楽性を発揮した熱演となっております。使用楽器は、上野製薬株式会社の上野隆三氏より貸与された1729年製のストラディヴァリウス。(ミッシャ・エルマンが所有・演奏)。 (Ki)
MIR-129
グノー:レクイエム.ハ長調
ミサ曲.ト短調
ミシェル・コルボ(指)
ローザンヌ声楽アンサンブル
シャルロット・ミュラー=ペリエ(S)
ヴァレリー・ボナール(A)
クリストフ・アインホルン(T)
クリスティアン・イムラー(Bs)

録音:2010年8月
数々の名盤を生み出してきた巨匠ミシェル・コルボの最新録音は、グノーのレクイエム。グノーは音楽家になるか聖職者になるか迷い、音楽家の道を選 んだことからも分かるように、他の作品に比べて宗教曲を圧倒的に多く作曲しています。ここに収録されているレクイエムはグノー最後の作品。フォーレ、 デュリュフレ、プーランクと並ぶレクイエムの傑作と言えるでしょう。半音階の上昇と下降を繰り返し不穏な雰囲気を漂わせ、いつもの美しいグノー節は 封印され、自らの最期を悟っているかのような音楽です。とは言うもののサンクトゥスの美しい響きの洪水から一転、テノールとソプラノで高らかに歌わ れるベネディクトゥスなど、いつのも優美なグノー節を聴くことができます。ミサ曲 ト短調は透明感ある至福の喜びに満ちた作品です。 (Ki)
MIR-130
ブラームス:ピアノ五重奏曲ヘ短調Op.34、
2つの歌曲Op.91(ヴィオラ、メゾソプラノ、ピアノのための)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
アンドレア・ヒル(Ms)
モディリアニSQ

録音:2010年9月12-15日
ジャン・フレデリック・ヌーブルジェとモディリアニ弦楽四重奏団によるブラームスのピアノ五重奏曲。重厚で若き日のブラームスのほの暗い情熱が感じられる傑作です。ジャン・フレデリック・ヌーブルジェの切れの良いピアノとモディリアニQの緻密なアンサンブル。たたみかけるようなリズムと和声を伴う終楽章の迫力、若々しい情熱がほとばしる演奏は必聴です。またカップリングはピアノとメゾソプラノとヴィオラによる2つの歌曲。ブラームスらしい構築美、豊かな歌心が凝縮された美しい作品です。通常アルトで歌われることの多い作品ですが、ここではメゾソプラノで歌われます。カナダ出身の美人メゾソプラノのアンドレア・ヒル。その容姿もさることながら、豊麗な美声に魅了されます。 (Ki)
MIR-131
ブラームス:ピアノ作品集
創作主題による変奏曲Op.21-1、
8つのピアノ小品Op.76、
2つのラプソディーOp.79、
3つのインテルメッツォOp.117
アダム・ラルーム(P)

録音:2010年11月2-5日
2009年9月に行われたクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝者として注目を集めている期待の若手ピアニスト、アダム・ラルーム。ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ、ピアノ・オ・ジャコバン、ヴェルビエ音楽祭、ルール・ピアノ・フェスティヴァルなど世界の名高い音楽祭で演奏し、昨年の日本のラ・フォル・ジュルネ音楽祭にも出演、もちろん2011年のラ・フォル・ジュルネにもこのブラームスのプログラムを携えて来日します。アダム・ラルームは、ブラームスの秘められた情念や葛藤を包み込むような優しい情感溢れる演奏。特に2つのラプソディーでは、音の強弱、濃淡をはっきりとさせ、微細で美しい旋律線を奏でています。 (Ki)
MIR-132
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
パガニーニの主題による変奏曲Op.35*、
ハンガリー舞曲第1番/第2番/第4番
ボリス・ベレゾフスキー(P)
ドミトリー・リス(指)ウラルPO

録音:2010年11月エカテリンブルグ(ライヴ、*は除く
濃厚な表現力と卓越した技巧で聴衆を魅了するロシアのピアニスト、ボリス・ベレゾフスキー。2011年最新アルバムは名盤ひしめく、ブラームスの傑作ピアノ協奏曲第2番。音楽性はもちろんピアニストに高い技巧を要求する難曲です。伴奏は何度も共演しているドミトリー・リス率いるウラル・フィル。本拠地エカテリンブルグでのライヴ収録です。第1楽章冒頭の美しいホルンの響きに乗って雄大にピアノが入ってきてオケの合奏につなげ、再度ピアノ・ソロがバリバリと情熱的に歌いオケが表情豊かに旋律線を奏でる、メリハリのきいた演奏を展開します。シャープなタッチと内面から湧き上がる哀愁を湛えたピアニスティックな第2楽章。チェロの渋い旋律が静かなオケをバックに奏で、儚げにピアノが登場する第3楽章は至上の音楽。第4楽章では一転リズミカルで明るい曲調となり華やかに終わりをむかえます。ブラームス特有の重厚な音の響きは、ベレソフスキーの力強いタッチと推進力でオケを引っ張っていき、決して混濁することなく煌めく極上のブラームスを聴かせてくれます。カップリングの高度な技巧とロマンティシズムを要求されるパガニーニの主題による変奏曲はベレゾフスキーの真骨頂。奔放で情熱的なリズムと哀愁漂う旋律が特徴のハンガリー舞曲からは第1、2&4番を収録。心行くまで音楽を堪能できる王道の演奏です。 (Ki)
MIR-133
ウィーン 1925年
ベルク:室内協奏曲(ピアノとヴァイオリン、13管楽器のための)
J・シュトラウス(ヴェーベルン編):宝のワルツ
J・シュトラウス(シェーンベルク編):南国のバラ
マリー=ジョゼフ・ジュド(P)
フランソワ=マリー・ドリュー(Vn)
ジャン=フランソワ・エッセール(指)
ポワトゥ=シャラントO

録音:2010年10月
新ウィーン楽派の作曲家ベルクとヴェーベルンの作品をジャン=フランソワ・エッセール率いるポワトゥ=シャラント管のメンバーによる演奏で収録。ベ ルクの代表作「室内協奏曲」は、ベルクらしい緻密な旋律線や感情が交錯し、官能的で鮮烈な作品です。編成もユニークでソロにはピアノとヴァイオリン。 オケには、ピッコロ、フルート、オーボエ、イングリッシュ・ホルン、クラリネット2本、バス・クラリネット、ファゴット、コントラファゴット、ホルン2本、 トランペット、トロンボーンという編成。ソロ・パートにはフランスの若手奏者2 人が選ばれています。 ベルクとヴェーベルンが尊敬していたヨハン・シュトラウスのワルツをヴェーベルン編曲版で収録。アルバムのタイトルにもなっている「ウィーン1925」は、 2011 年のラ・フォル・ジュルネのプログラムともなっています。 (Ki)
MIR-134
ブラームス:ワルツ集「愛の歌」Op.52a(4手のための)
ハンガリー舞曲集〜第1、2、4、5、6、8、11、16、17、21番(4手のための)
ブリジット・エンゲラー(P)
ボリス・ベレゾフスキー(P)

録音:2011年ラ・フォル・ジュルネ・ドゥ・ナント
最強の連弾コンビ、ブリジット・エンゲラーとボリス・ベレゾフスキーによるブラームスの連弾曲集。エンゲラーとベレゾフスキーはコンサートでも録音でも何度も共演し、大変息の合った演奏と親密な音楽性で聴く者を魅了しています。このアルバムは2011年のナントでのラ・フォル・ジュルネ音楽祭期間中に録音されました。ブラームスの「愛の歌」は、ドイツの詩人ダウマーの18の詩に基づいて作曲された、4手連弾のためのワルツ集。同名の四重唱曲の4手連弾編曲版です。エンゲラーとベレゾフスキーが互いに紡ぐ旋律に心通わせ、優しく温和な音楽をじっくりと聴くことができます。一方華やかで哀愁を帯びたメロディー満載の「ハンガリー舞曲集」では、多彩な音色と自在なテンポ感で息の合った2人ならではの勢いのある演奏を聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-135
シューマン:序奏とアレグロ・アパッショナートOp.92、
 ピアノ協奏曲イ短調Op.54
リスト:ピアノ協奏曲第2番イ長調
広瀬悦子(P)
フェイサル・カルイ(指)ベアルン地方ポーO

録音:2010年11月
※日本語解説付き
ショパン作品集(MIR110)で世界デビューした若き日本人ピアニスト広瀬悦子。第2弾となるアルバムはシューマンとリストのピアノ協奏曲。2010年3月にネルソン・フレイレの代役としてフェイサル・カルイ率いるベアルン地方ポー管弦楽団との共演をきっかけにこのアルバムは制作されました。ダイナミックかつニュアンス豊かな広瀬悦子の演奏は、シューマンとリストの音楽を純粋に引き出しています。瑞々しさ、気品に満ちたシューマンのピアノ協奏曲、誌的で抒情的なリストのピアノ協奏曲第2番を深みのある美しい音色と端正なタッチで表現しています。スケールの大きいピアノをオーケストラが上手く支えています。指揮のフェイサル・カルイは1971年パリ出身。2002年までトゥールーズ・キャピトル国立管でミシェル・プラッソンの助手を務め、幅広いレパートリーを習得。2002年には設立20年のべアルン地方ポー管弦楽団の音楽監督に就任し、同楽団を目覚ましく成長させ高い評価を得ている、注目の若手指揮者です。 (Ki)
MIR-136(2CD)
バッハ:ヨハネ受難曲BWV245(1724/1725) フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカール・コンソート
マリア・キーオヘイン(ケオハーン)(S)
ヘレーナ・エーク(S)、カルロス・メーナ(A) 
ヤン・ヴェルナー(A)
ハンス・イェルク・マンメル(T/エヴァンゲリスト)
ヤン・コボウ(T)、
マティアス・ヴィーヴェグ(Bs/イエス)
ステファン・マクラウド(Bs/ペテロ、ピラト)

録音:2010年9月27-30日リエージュ・フィルハーモニー・ホール
フィリップ・ピエルロ指揮、リチェルカール・コンサートによる待望のバッハ「ヨハネ受難曲」。バッハの生前に、ヨハネ受難曲は4回演奏され、その度にバッハは改訂稿を出しています。フィリップ・ピエルロはこの録音で、基本的には第1稿の1724年版を用いていますが、第2稿(1725)で差し替えられている11曲のバスのアリア「天、裂けよ、地、震えよ」と最後のコラール「キリストよ、汝、神の子羊よ」を挿入しています。エヴァンゲリストは繊細な美声をもつハンス・イェルク・マンメル。イエスは安定感のある歌声のマティアス・ヴィーヴェグ。ソプラノのマリア・キーオヘイン(ケオハーン)は清々しい感動を覚える、生き生きとした歌声。歌手陣の質の高さに圧倒されます。 (Ki)
MIR-137
トムキンズ氏の《価値のレッスン》
■イ調の作品
ジョン・ブル:半音階的パヴァン、
 半音階的ガリアード
トムキンズ:奉献唱
■ト調の作品
不詳(トマス・トムキンズ?):ロビン・フッド
バード:ウィリアム・ピーター卿のパヴァン、
 ウィリアム・ピーター卿のガリアード
タリス:あなたは幸いな方
トムキンズ:初心者のための「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラで」
■二調の作品
ブル:イン・ノミネ
トムキンズ:グラウンドMB40
ブル:ファンタジアMB11
ベルトラン・キュイエ(Cemb)

録音:2010年10月28-31日、クセイ城
ベルトラン・キュイエは1978年ナント生まれ。チェンバロ奏者の母ジョスリンに手ほどきを受け、その後ルセとピエール・アンタイに学びました。ニケ指揮コンセール・スピリチュエル、クリスティ指揮レザール・フロリサンとオペラで共演するほか、レ・バス・レウニー、ラ・レヴーズの通奏低音奏者兼ソリストとしても活躍するフランス古楽界の期待のサラブレッドです。期待のMIRARE第二弾はイギリス・ルネサンスの作曲家トムキンズによる同時代の巨匠達と自作からなるアンソロジー。この曲集にはトムキンズ自身による収録曲への評価がコメントとして遺されており、彼と当時の音楽界の「価値観」をうかがい知ることができる貴重な資料でもあります。キュイエは三台のチェンバロの世界・・・まろやかで憂いのあるイングリッシュ(イ調の作品:トラック1-3)、開放的なイタリアン(ト調の作品:トラック4-8)、オルガンとチェンバロによる音色と対位法の絡みが楽しいクラヴィオルガン(ニ調の作品)・・・を鮮やかな技巧で描き分け、アルバム全体をあたかも物語のように聴かせ、その手腕には才能のきらめきが実感できます。 (Ki)
MIR-138
グラナドス:詩的なワルツ集(全8曲)
ゴイェスカス(全6曲)
歌劇「ゴイェスカス」間奏曲(作曲者編)
ルイス・フェルナンド・ペレス(P)

録音:2011年5月23-25日
1977年マドリード生まれのルイス・フェルナンド・ペレス。毎年ラ・フォル・ジュルネ音楽祭に出演し、独特なピアニズムを聴かせてファンを増やしている俊英です。低い椅子に座わり、ほとんど手首と指だけで轟音を紡ぎだし、非常にシャープな技巧で爽快な演奏を繰り広げます。アルベニスの名演の印象から、グラナドスの「ゴイェスカス」も聴いてみたいと思う向きも多かったと思いますが、今回待望の登場となります。
グラナドスの「ゴイェスカス」はゴヤの美術から霊感を受けて作曲されたとされ、まさに心血を注いで完成した大曲。内容も複雑で、技術的にも最高度のものが要求されます。ペレスは後に追加された「わら人形」を除く全6曲をとりあげ、恩師ラローチャ直伝の解釈を聴かせてくれます。スペイン音楽の命ともいえるリズムの良さも光り、粋な節回しも溜息が出るほど魅力的。ラローチャよりあっさりしているのが新世代的。さらに嬉しいのは、グラナドスが同素材により作曲した歌劇「ゴイェスカス」の有名な間奏曲をグラナドス自身のピアノ編曲で聴けること。他の6曲よりシンプルながら、やはり魅力的なピアノ曲となっています。
フィルアップは「詩的なワルツ集」。「ゴイェスカス」と比べるとシンプルで力みのない極上のサロン音楽。なぜか2拍子の第1曲を含め全8曲から成り、モシュコフスキかレイナルド・アーンの、どこかスペインの香りを感じさせるエレガントなメロディと、流麗なピアニズムはペレスにぴったり。透明な美音で酔わせてくれます。 (Ki)
MIR-141
テオドール・デュボワ(1837-1924):協奏曲集
チェロと管弦楽のためのファンタジー・シュトック
チェロ,ピアノと管弦楽のためのコンチェルタンテ組曲
ピアノと管弦楽のためのコンチェルト・カプリチオーソ
死者のための追悼〜悲しい歌
チェロと管弦楽のためのアンダンテ・カンタービレ
マルク・コペイ(Vc:マッテオ・ゴフリラー1711)
ジャン=フランソワ・エッセール(P&指)
ポワトゥ・シャラントO

録音:2010年10月
フランスの作曲家テオドール・デュボワはシャンパーニュ地方の小さな村ロスネーに生まれ。パリ音楽院でトマに師事し、恩師の死後1896年から1905年までパリ音楽院の院長を務めます。作曲家としては多作であり、宗教曲、オペラ、バレエ、オラトリオ、器楽曲、管弦楽曲、協奏曲、室内楽など多岐にわたっています。また「対位法とフーガ」「和声法、理論と実践」など音楽理論家としても著書を残しています。デュボワの作風は19世紀フランス音楽の伝統を受け継ぎ、優雅さと洗練された響き、明快でバランスのとれた構成を基本としています。このアルバムでは、その豊かな音楽性で近年注目を集めているデュボワのチェロとピアノを中心とした協奏曲集。美しハーモニーとソリストに効果的な技巧を要求する作品で聴く者を惹きつけます。演奏はあのロストロポーヴィチにも認められた現代屈指のチェリスト、フランスの名手マルク・コペイ(マルク・コッペイ)とジャン=フランソワ・エッセール率いるポワトゥ=シャラント管。マルク・コペイの技巧はもちろん、豊かな感性と説得力のある演奏で、エモーショナルなデュボワの魅力を存分に表現しています。 (Ki)
MIR-145
ピアノ・リサイタル・イン・パリ
リスト:詩的で宗教的な調べ〜「葬儀」
ヌーブルジェ:マルドロール 
J.バラケ:ピアノ・ソナタ(全2楽章)
ドビュッシー:映像第2集〜「そして月は荒れた寺院に落ちる」
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)

録音:2011年1月14日、ラ・シテ・ドゥ・ラ・ムジークライブ録音(パリ)
ピアノ界が今最も注目する若き天才ピアニスト、ジャン・フレデリック・ヌーブルジェが2011年にパリで行った話題のライブ録音が待望のリリースを迎えました!2007年にサントリーホールで華々しいリサイタル・デビューを飾り、2009年の再来日公演の際も高い評価を受けるなど、日本においても人気急上昇中のアーティストです。これまでにもMIRAREレーベルから、サントリーホールライヴ公演(MIR.060)ベートーヴェンの『ハンマークラヴィーア』(MIR080)や、ニケと共演したエロールのピアノ協奏曲(MIR127)など意欲的なプログラムを発信してきたヌーブルジェ。今回収録されたパリ音楽院の傍に位置するコンサートホール、ラ・シテ・ドゥ・ラ・ムジークで行われた本ライブは、2010〜2011年にかけて企画された『ライジング・スター』シリーズの一つ。リストやドビュッシーの作品のほか、フランスの現代音楽家ジャン・バラケ(1928-1973)のピアノ・ソナタを取り上げたことで高い注目を集めました。バラケの作品は、初期を代表する存在でありながらも、その演奏時間の長さ(第1楽章約20分、第2楽章約18分)と極めて高い難易度から演奏されることが殆どないピアノ・ソナタ。無機質ながらも時に激しく繰り広げられる音の連続には、同年代に活躍する若きブーレーズの作風も思わせます。また、本ライブでは作曲家としても活躍するヌーブルジェ自身の作品も演奏!バラケのピアノ・ソナタにも似た、断続的な音の合間に張り詰める無音空間にぐっと引き込まれます。現代音楽作品を挟むように収録されているリストとドビュッシーの作品での、芯のある柔らかな安定感抜群のヌーブルジェの演奏は、屈指の難曲揃いのプログラムであることを忘れてしまうほど。ライブならではの臨場感あふれるサウンドで堪能できる1枚です。 (Ki)
MIR-149
第31回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル公式アルバム
(1)アリャビエフ(リスト編):夜鳴き鶯
(2)ブラームス:ハンガリー舞曲集第4番
(3)リスト:巡礼の年第1年〜ワレンシュタットの湖畔で
(4)ブラームス:インテルメッツォOp.117-1
(5)メンデルスゾーン:無言歌Op.102-4
(6)ブラームス:愛のワルツOp.52a-6
(7)シューベルト:ピアノ・ソナタ第22番D.959〜スケルツォ
(8)ショパン:練習曲Op.25-1
(9)リスト:暗い雲S.199
(10)ショパン:ノクターン ハ短調Op48-1
(11)ラヴェル:シャブリエ風に
(12)シューマン:色とりどりの小品よりOp.99
(13)ベートーヴェン:バガテルOp.126-5
(14)モーツァルト:幻想曲ハ短調K.396
(15)ソレル:ソナタ ハ短調
(16)ハイドン:ピアノ・ソナタ変ロ長調Hob.XVI/49
(17)バッハ(クルターグ編):「神の時は最上の時なり」(哀悼行事のソナティナ)BWV106
(18)バッハ:イタリア組曲第2番BWV807より
(19)メトネル:2つのおとぎ話Op.14「騎士の行進」
(1)ブリジット・エンゲラー(P)
(2)ボリス・ベレゾフスキー、ブリジット・エンゲラー(P)
(3)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(4)アダム・ラルーム(P)
(5)シャニ・ディリュカ(P)
(6)ボリス・ベレゾフスキー、ブリジット・エンゲラー(P)
(7)ジャン=クロード・ペヌティエ(P)
(8)フィリップ・ジュジアーノ(P)
(9)ブリジット・エンゲラー(P)
(10)広瀬悦子(P)
(11)エマニュエル・シュトロッセ(P)
(12)クレール・デゼール(P)
(13)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
(14)シュ・シャオ・メイ(P)
(15)ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
(16)イド・バルシャイ(P)
(17)アンヌ・ケフェレック ガスパール・デヘヌ(P)
(18)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
(19)ボリス・ベレゾフスキー(P)
南仏プロヴァンス地方のラ・ロック・ダンテロンで、1981年より開催されている国際ピアノ・フェスティバル。地元の村長ポール・オノラティニと、東京でも開催されているラ・フォル・ジュルネ音楽祭のプロデューサーとしても知られるルネ・マルタンによって創設されたフェスティバル。大物アーティストから若手有望株まで錚々たるメンバーが集まるピアノ界の国際的なイベントとして確立しました。このCDはMIRAREレーベルの音源を中心に出演アーティスト、関連曲目を収録した2011年の公式アルバムです。 (Ki)
MIR-150
F.クープラン:パルナッソス山、またはコレッリ賛
ルベル:リュリ氏のトンボー
F.クープラン:リュリ賛
フィリップ・ピエルロ(指,ヴィオラ・ダ・ガンバ)
リチェルカーレ・コンソート

録音:2010年9月、ボーフェ(ベルギー)
17世紀後半から18世紀初頭のフランスを代表する音楽家、フランソワ・クープラン。今回は彼の器楽合奏曲の中でも有名な「コレッリ賛」と「リュリ賛」を収録。両作品とも各楽章に表題が付けられており、「コレッリ賛」では音楽の神が住まうパルナッソス山にコレッリが導かれる様子が描かれ、「リュリ賛」では、コレッリに続いてパルナッソス山へ登ったリュリが、そこで出会ったコレッリと共に演奏を行う、という物語になっています。伝統的なフランス趣味と新しい魅力に満ちたイタリア趣味との狭間で揺れていた時代に、両者の融合を掲げていたF.クープランの理想が詰まった作品といえましょう。2曲の間にはルベルの作品を挿入。宮廷音楽家として活動していたルベルにとって偉大な先輩にあたるリュリへの賛美の念が込められたトンボーです。全体的にリュリを思わせる穏やかな曲調の中に時折現れる瑞々しい活気にあふれた装飾が美しい作品といえましょう。
演奏を担当するのは、調和のとれたアンサンブルが持ち味の演奏団体リチェルカーレ・コンソート。バッハのマニフィカト(MIR102)においても高い評価を受けた、その柔らかい音色と卓越した演奏技術は健在。今回もピエルロの指揮の下、芯の通った透明感のある美しいアンサンブルを聴かせてくれます。フランス・バロックならではの温かくも華やかな響きを堪能できる名盤です! (Ki)
MIR-152
モーツァルト:ピアノ作品集
きらきら星変奏曲K.265、
ピアノ・ソナタ.ハ長調K.330、
幻想曲ハ短調K.396、
アダージョ.ロ短調K.540、
デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲ニ長調K.573、
ピアノ・ソナタ.ニ長調K.576、
アンダンテ.ヘ長調K.616
シュ・シャオメイ(P)

録音:2011年3月17-20日ポワチエ・オーディトリアム劇場
中国文化大革命の混乱を経験したピアニスト、シュ・シャオメイ。現在はフランス、パリを拠点に活躍。その数奇な半生と高い音楽性は日本でも注目を集めています。今回はモーツァルトのピアノ作品集。モーツァルトがパリへ移った1778年から亡くなる1791年の作品を年代順に収録したアルバム。1曲目は速めのテンポで始まる「きらきら星変奏曲」、そして純真無垢な「ハ長調のソナタ」、未完に終わった「幻想曲」、モーツァルトには珍しい「ロ短調のアダージョ」、チェロ奏者ジャン・ピエール・デュポールの作品に基づいた「変奏曲」、モーツァルト最後のピアノ・ソナタ「ニ長調K.576」、亡くなる年に作曲された自動オルガンのための「アンダンテ」。シュ・シャオメイの洗練された音色、響き、品格のある知性的な演奏、奥深い音楽性がモーツァルトの晩年の透明感を見事に描き出しています。モーツァルトの作品の謎を解く鍵は「自由」と「深遠」であると彼女は語っています。『モーツァルトの音楽は生きています。シンプルでありながら「深遠」な世界を作り、「自由」には幸福や喜びに加え、慣例に囚われない大胆さや生命の躍動という感情も含まれることを知らなければなりません。』音楽を緻密に捉えているにもかかわらず、音楽の流れを損なうことなく、むしろ生き生きとモーツァルトの音楽の面白さを伝えるシュ・シャオメイの演奏。今後も聴き逃すことのできないピアニストです。 (Ki)
MIR-154
ブラームス:祭典と記念の格言〜「われらの父は汝に望む」Op.109-1
 祭典と記念の格言〜「栄光の民はいずこに」Op.109-3
 2つのモテット〜「なにゆえに悩み苦しむ人に光が賜られたか」Op.74-1
レーガー:8つの宗教的歌曲〜「アニュス・デイ」Op138-6
 8つの宗教的歌曲〜「われらみな唯一なる神を信ず」Op.138-8
ブルックナー:モテット「この場所は神が作り給う」Op.92
 モテット「正しい者の口は知恵を語り」
ブラームス:祭典と記念の格言〜「強き盾にて武装する人、その城を守らば」Op.109-2
ブルックナー:モテット「エサイの枝は芽を出し」
ブラームス:子守歌Op.49-4
ヴォーチェス8
(ディングル、ポール、ロバート、チャールズ、バーニー、クリス、アンドレア、エミリー)

録音:2011年ラ・フォル・ジュルネ・ドゥ・ナント
2003年にウェストミンスター寺院聖歌隊出身者により結成された男声6人、女声2人によるア・カペラ・グループ、ヴォーチェス8(エイト)。2005年にイタリアのゴリツィア国際合唱コンクールで優勝し、ルネサンスからジャズまで幅広いレパートリーをもつ若手ア・カペラ・グループとしてたちまち注目を集めました。魅力的なステージ・パフォーマンス、確かな実力、変幻自在のヴォーカルでイギリスだけではなく世界中の人々を魅了しています。またコンサート活動の他に積極的にワークショップやマスタークラスを行っています。 (Ki)

MIR-155
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番ハ短調Op.35
24の前奏曲Op.34
ピアノ協奏曲第2番ヘ長調Op.102
アンドレイ・コロベイニコフ(P)
ミハイル・ガイドゥーク(Tp)、
オッコ・カム(指)ラハティSO

録音:2011年5月26/28日 シベリウス・ホール(ラハティ)
このところ、ロシアの俊英たちによるショスタコーヴィチのピアノ協奏曲リリースが続いていますが、フォル・ジュルネ音楽祭でもおなじみのピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフも快演で一石を投じました。1986年生まれ、モスクワ音楽院でディエフに師事し、2004年に行われた第3回スクリャービン国際ピアノ・コンクールで優勝したのを皮切りに、いくつかのコンクールに入賞しています。
コロベイニコフのピアニズムは繊細、透明で、真珠を転がすように粒が揃っているのが特徴。このショスタコーヴィチも彼の美点が発揮されているだけでなく、ショスタコーヴィチの意外な面が発見できます。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲は両曲とも音が薄く、線的な書法が中心ですが、コロベイニコフの粒の揃ったタッチと知的な感情のドライヴにより、まるでモーツァルトのように端正、生命力ときらめきに満ちています。これまで、これほどモーツァルトを感じさせるショスタコーヴィチは聴いたことがないと申せましょう。「24の前奏曲」も非常に繊細で新鮮。語り口の巧さで、あっという間に聴かせてしまいます。ピアノ協奏曲第1番で爽やかなトランペットを聴かせるガイドゥークは1990年生まれ。この若さでボリショイ劇場管の首席奏者を務める天才です。
もうひとつの魅力は、オーケストラがオッコ・カム指揮のラハティ交響楽団であること。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番の第2、第3楽章での恐怖感と深みはカムならでは。さらにラハティの透明なアンサンブルも光ります。 (Ki)
MIR-156(2CD)
バッハ:6つのパルティータBWV825-830 シャオ・メイ・シュ(P)

録音:1999年9月(MANDALA録音)
1990年に録音したJ.S.バッハのゴルトベルク変奏が今もなお屈指の名演として語り継がれているシャオ・メイ・シュ。本CDは彼女が1999年に録音した6つのパルティータの復刻盤となります。J.S.バッハの音楽に強い思い入れを抱き、常にJ.S.バッハの演奏に取り組んできたシャオ・メイ。近年発売された平均律クラヴィーア曲集第1巻(MIR103)、第2巻(MIR044)でも、その卓越したテクニックと表現力で高い評価を受けました。シャオ・メイのバッハは時おり情感あふれる激しさも垣間見せるものの、基本的には過度な表現を控えた演奏。録音状態も良く、シャオ・メイの静謐かつ清廉な音色の魅力が存分に楽しめます。インタビューで、「このパルティータ集は、バッハの音楽への導入として最も良いものだと思います」と語り、演奏への熱意を伺わせていたシャオ・メイ。ゴルトベルク変奏曲を演奏する5月での来日演奏を前に、シャオ・メイのバッハを改めて堪能できる1枚となっています。 (Ki)
MIR-157
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調op.111
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960
シャオ・メイ・シュ(P)

録音:2004年(MANDALA音源)
ベートーヴェンとシューベルト、2人の大音楽家の最後のソナタを収録した1枚。一度は廃盤となってしまっていた名盤の復刻盤がついにリリースです!幼いうちから才能を見出されながらも文化大革命の波に翻弄されたシャオ・メイ・シュ。卓越した演奏技術と圧巻の表現力でヨーロッパを中心に高く評価されているピアニストです。2012年5月には来日公演も予定されており、今後ますますの活躍が期待されましょう。
「人生において分かりきっていることが1つあります。それはいずれ死ぬということ。皆、そのことを隠そうとしているのです」。この2曲同時に収録したことについて質問され、そう語り始めたシャオ・メイ・シュ。死が身近なものであることを実感した時、彼女が取り組みたいと思ったのが今回収録された2曲のソナタであったといいます。全体的に重めの演奏ではありますが、緊張感のある強靭なフォルティッシモと、寂寥感に満ちたピアニッシモの響きのコントラストに心揺さぶられます。改めてシャオ・メイ・シュの豊かな表現力に圧倒される名演です! (Ki)

MIR-158
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集op.6
子供の情景op.15
シャオ・メイ・シュ(P)

録音:2002年6月(MANDALA録音)
わずか8歳にしてテレビで演奏披露し、10歳で北京音楽院に入学したシャオ・メイ・シュ。文化大革命によって西洋楽器の演奏が禁止されてもなお密かにピアノを弾き続けた彼女は、まさに波瀾の末に大成したピアニストといえましょう。一度は廃盤となってしまった録音の貴重な復刻盤です!ロマンティックかつドラマティックな2曲を収録した本CDは、シャオ・メイの波瀾に富んだ人生をも感じさせるプログラム。インタビューでこのことを指摘されると、シャオ・メイは「その通りですね。ピアノを始めたのは子供の情景のおかげです。ですから、音楽家としての人生を決めた作品なんですよ」と語り、ダヴィット同盟舞曲集についても「私がヨーロッパやアメリカへ移住した時、私が取り組んだ最初の大作でした」と思い入れの強さを伺わせました。シューマンを最も詩的な音楽家として尊敬するシャオ・メイが、持ち味である卓越した演奏技術と静謐な音色を存分に活かし、シューマンの魅力を見事に表現してくれています。ドラマティックな激しい表現と、暖かみのある抒情的な表現のコントラストにうっとりと聴き入る名演です。 (Ki)
MIR-160
アンドレ・カプレ(1878-1925):オラトリオ「イエスの鏡」〜ロザリオの神秘 マリー・クロード・シャピュイ(Ms)
シネ・ノミネQ
【パトリック・ジュネ(Vn)、
フランソワ・ゴトロー(Vn)、
ハンス・エジディ(Va)、
マルク・ジェルマン(Vc)】
アンヌ・バッサン(Hrp)
マルク=アントワーヌ・ボナノミ(Cb)
ローザンヌ声楽アンサンブル
ジャン=クロード・ファゼル(指)

録音:2011年6月3-5日ラ・ショー=ド=フォン、スイス
ドビュッシーと深い親交があり、「聖セバスチャンの殉教」など多くのドビュッシー作品を初演したアンドレ・カプレ。自身も作曲家であり、第一次世界 大戦で健康を害し、47歳で夭折してしまったため、作品の数は多くはありませんが、フランス近代音楽を体現するような色彩的で繊細な陰影に富んだ美 しい作風です。ここに収められている「イエスの鏡」は亡くなる2年前に作曲され、「喜びの鏡」「苦しみの鏡」「栄光の鏡」の3部からなり、各部はプレ リュードからはじまる6曲で構成されています。編成は小規模でメゾ・ソプラノのソロと合唱団そして弦楽四重奏とハープ、コントラバスを伴奏としています。 一筋の光が差し込むようなマリー・クロード・シャピュイの清廉な歌声とシネ・ノミネ四重奏団の洗練された上質のアンサンブルが洒脱で機知に富むカプ レの音楽性を見事に表現しています。 (Ki)
MIR-162
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710 〜1784):クラヴサンと弦楽合奏のための協奏曲集
弦楽合奏とクラヴサンのための協奏曲 イ短調 Falck 45
シンフォニア.ヘ長調 Falck 67
弦楽合奏とクラヴサンのための協奏曲 ニ長調 Falck 41
アレグロ・エ・フォルテ.ニ短調 Falck 65
弦楽合奏とクラヴサンのための協奏曲 ホ短調 Falck 43
イル・コンヴィート
モード・グラットン(クラヴサン・指)
ステファニー・ポーレ(Vn)
ソフィー・ジェント(Vn)
ガブリエル・グロスバール(Va)
エマニュエル・ジャック(Vc)
ジョセフ・カーヴァー(Cb)

録音:2012年5月
J.S.バッハの長男、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ・バッハの協奏曲集。偉大な父の威光や弟たちの名声にひきかえ、賭け事と飲酒に溺れる荒 んだ生活ぶりなど、なかなか不名誉なエピソードばかりが伝えられがちなヴィルヘルム・フリーデマン・バッハですが、彼もまた才能溢れる音楽家でした。 本CDに収録されている彼のクラヴサンと弦楽合奏のための協奏曲は、父の影響の中にも彼のオリジナリティである遊び心が現れた秀作ばかりです。父 J.S.バッハの時代の王道である対位法の技法に、ヴィルヘルム・フリーデマンの時代の傾向であった優雅さや情熱を取り入れた彼の作品は、対位法優勢 の音楽から18世紀後半に起こったロマン派の萌芽である芸術運動「疾風怒濤」への橋渡しとなっています。 ヴィルヘルム・フリーデマンの名誉挽回に、ぜひとも聴きたい一枚です。 (Ki)

MIR-163
シャミナード:ピアノ三重奏曲第2番 イ短調 op.34-2
ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調
ルネ・ルノルマン(1846-1932):ピアノ三重奏曲 ト短調 op.30
トリオ・ショーソン

録音:2011年7月
2001年に結成され、2008年にMIRAREでCDデビュー以来、非常に高い評価を受けている若手ピアノ・トリオ、トリオ・ショーソン。ラ・フォル・ジュ ルネ音楽祭でもお馴染の存在で、そののびやかで柔軟な音楽性と息の合ったアンサンブルで、いつも私たちを魅了しています。今回は、フランスものに取 組みました。ドビュッシーを核に、現在では演奏される機会の比較的少ない作品を収録しています。デュボワ、トマなどの演奏機会の少ないピアノ三重奏 曲の楽譜を、フランスのロマン音楽の調査・復興をめざすpalazzetto Bru Zaneから借り受け、色々精査して、シャミナードとルノルマンを収録すること に決めたというトリオ・ショーソンのメンバー達。もともとトリオ・ショーソンという名前は、19世紀後半の作曲家エルネスト・ショーソンからとった名前 ですが、ショーソン自身優れた作曲家であっただけでなく、同時代の音楽家達を、有名無名を問わず献身的にサポートした人物でもありました。そういう 意味で、このプログラムはトリオ・ショーソンのメンバーたちにとっても特別な思い入れがあるといえます。
シャミナードは1875年、音楽一家に生まれました。彼女の母親は素晴らしいピアニスト・歌手でありました。両親は娘セシルの音楽的才能をすぐに 見抜き、ル・クーペといった当時活躍した音楽家に師事させました。また、サン=サーンス、シャブリエ、ビゼーらからも薫陶を受けました。3歳の時、 まだ楽譜も読めない頃に弾いていたピアノをビゼーが聴いて衝撃を受け、両親に強力に教育を受けさせるようアドバイスしたといいます。当時まだまだ珍 しかった女性作曲家として、ヨーロッパだけでなく、アメリカへのツアーも実現したほどに成功した初めての女性音楽家。作品34のトリオは、ジュール・ デルサール(フランクのヴァイオリン・ソナタをチェロ版に編曲した人物)に献呈されました。3楽章構成になっており、主題が作品を通して現れる循環 形式で書かれています。抒情的なメロディ、第3楽章フィナーレの力強い推進力は圧倒的。トリオ・ショーソンの3人ののびやかな演奏が作品の魅力を 120%引き出しています。
ドビュッシーが作曲した唯一のピアノ三重奏曲は、4楽章で書かれており、魅惑的な旋律はマスネ、フランクやフォーレを、スケルツォ楽章でのピッツィカー トはドリーブのバレエ音楽を思い起こさせます。たった3人の手から紡ぎだされているとは信じられないような流麗で熱いエネルギーに満ちた演奏は圧倒 的です。
1846年生まれのルネ・ルノルマンは現在ではほとんど知られていない存在の作曲家ですが、室内楽協会や、「ザ・リート・イン・エヴリ・カントリー」 といった協会を立ち上げ、フランス歌曲を世界に広め、また逆にドイツ・リートなどをフランスに広めるべく尽力した人物でありました。劇作家アンリ=ル ネ・ルノルマン(1882-1951)の父親でもあります。ト長調の三重奏曲は1893年にドイツで出版された作品。雄大な第1楽章に始まり、第2楽章の 恍惚としたアンダンテ、そして第3楽章は活き活きとしたギャロップ風楽章。フィナーレは迸るエネルギーに満ちた楽章。
勢いのあるのびやかな音楽性で、優れた作品を世に再認識してもらいたいという気概に満ちた力演です! (Ki)
MIR-164
2台のクラヴサンによるラモーの歌劇音楽集
ラモー
:歌劇「優雅なインド」〜序曲、ミュゼット、メヌエット、タンブーラン、ポーランド人たちのエール、アフリカの奴隷たちのエール、ガヴォット、シャコンヌ、未開人たち
歌劇「ダルダニュス」〜シャコンヌ、プレリュード、優美なエール、タンブラン、
歌劇「プラテ」〜ミュゼット、ヴィエール風のメヌエット、
歌劇「ゾロアスター」〜メヌエット、サラバンド
歌劇「ピュグマリオン」〜序曲
歌劇「遍歴騎士」〜とても陽気なエール、少しゆるやかなガヴォット
歌劇「イポリトとアリシー」〜メヌエット
歌劇「エベの祭」〜タンブラン
コンセール用のクラヴサン曲集軽はずみ、パントマイム、おしゃべり、内気、マレー
ピエール・アンタイ(クラヴサン)、
スキップ・センペ(クラヴサン)

録音:2011年7&12月、アラス劇場(フランス)
共に巨匠グスタフ・レオンハルトに師事し、今や古楽界を代表するクラヴサンの名手であるピエール・アンタイ&スキップ・センペによるラモーのクラ ヴサン作品集。「イポリトとアリシー」「優雅なインド」「ダルダニュス」といった歌劇音楽を、二台のクラヴサンで演奏した注目のアルバムです。歌劇のシ ンフォニーを小編成の室内楽曲に編曲することは珍しいことではなく、ラモー自身もクラヴサンによる演奏を意識して多くの編曲を行っています。1台でも 豪奢な響きを持つクラヴサンだけに、2台のクラヴサンが織りなすハーモニーの煌びやかさは言うまでもありません。何より、フランス・バロックの典雅 な響きを、アンタイとセンペという二大名手による演奏で堪能できるのはこの上ない贅沢!安定感抜群の卓越したアンサンブルと共に、絢爛豪華なクラヴ サンの音色に聴き入る名盤です。
ピエール・アンタイはフランスを代表するクラヴサン奏者。クイケン率いるラ・プティット・バンドやジョルディ・サヴァールなど、バロック界の大御所 らと共に古楽界を牽引してきた名手です。2012年11月に待望の来日公演を控えており、今後ますますの注目が期待されます!一方のスキップ・センペ はアメリカ出身。クラヴサン奏者して広く活躍する傍ら、近年はピリオド楽器アンサンブル、カプリッチョ・ストラヴァガンテの指揮者としても注目を集め ています。アンタイ同様フランス・バロックものの録音にも積極的で、華麗な演奏が高い評価を集めています。 (Ki)

MIR-165
プロコフィエフ:トッカータop.11
10の小品op.12
ピアノ・ソナタ第2番ニ短調op.14
風刺op.17/つかの間の幻影op.22
アブデル・ラーマン・エル・バシャ(P)

録音:2011年7月12-15日、ヴィルファヴァール農場(リムザン、フランス)
圧倒的存在感のある質実剛健な演奏で多くの名演を残してきた世界的ピアニスト、エル・バシャが待望の新譜をリリースします。今回収録したのはプロコフィエフのピアノ独奏作品集!エル・バシャと言えば、デビュー直後にリリースした名盤ピアノ独奏曲全集、2004年に大野和士と共に行ったピアノ協奏曲全集録音など、常にプロコフィエフ演奏の第一線に立ってきたピアニストといっても過言ではないでしょう。本CDの5作品はすべて、1912年から1917年にかけて、若きプロコフィエフがアメリカへ亡命する以前、ロシア革命前夜の激動期に作曲されたもの。初期の作品にしてすでに、プロコフィエフの本質ともいえる、メカニカルなリズム、グロテスクな表現、人を食ったような軽妙さといった、個性が開花した内容を備えていることから、等しく重要作とされています。エル・バシャの演奏は相変らず抜群の安定感。力強いフォルテと芯のある繊細なピアノのコントラストが素晴らしく、プロコフィエフの音楽世界へとぐぐっと引き込まれる名演です。「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」がテーマであるラ・フォル・ジュルネ2012を前に必聴のおすすめ盤です!
録音場所はフランス、リムザン地方にあるヴィルファヴァール農場。農家の納屋を改築したような小さな演奏会場ですが、その音響の素晴らしさから多くの録音が行われている会場として知られています。素晴らしい音響環境の下で行われた良録音により、エル・バシャの明晰かつ流麗なピアノの音色の魅力を存分に感じられるCDです!

MIR-166
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77
ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調Op.129
庄司紗矢香(Vn)、
ドミトリー・リス(指)ウラルPO
ジャケット写真:篠山紀信

※日本語解説書付き
録音:2011年8月エカテリンブルク・フィルハーモニー(ロシア)
ヴァイオリン協奏曲第1番は第2次世界大戦直後、まさにスターリンの恐怖政治下に書かれ、全体に神経質な緊張感と苦悩に満ちた大作。まず驚かされるのが庄司の凄まじいまでの気迫。カデンツァでの圧倒的な集中力、終楽章でのエネルギーまで息つく暇もないほどひきこまれます。ショスタコーヴィチの音楽の深さ、怖さを思い知らされます。
第1番の約20年後に作られた第2番は、1番に比べると演奏される頻度が多くありませんが、庄司の演奏が1番に勝るとも劣らぬほど凄く、作品の素晴らしさを再認識させてくれます。
オーケストラはフォル・ジュルネ音楽祭でもおなじみのドミトリー・リス指揮ウラル・フィル。古き良きロシア的爆演と大きな音楽作りで、庄司の真剣勝負を真っ向から受け入れた好サポート。この緊張感の凄さはなかなか味わえません。★日本語解説書付、ジャケット写真は篠山紀信の撮影。 (Ki)
MIR-167
リスト:「詩的で宗教的な調べ」〜パーテル・ノステル
昇階曲「キリストは我らのために」
前奏曲「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」S.179
讃歌「王の御旗は進み」
十字架への道
ヴォックス・クラマンティス
ヤーン= エイク トゥルヴェ(指)
ジャン=クロード・ペネティエ(P)
ペネティエ渾身の演奏で聴く、リストの「十字架への道」。この作品は無調的な曲ではありますが、リストの晩年の敬虔な信仰心が感じられる美しい作 品です。キリストが死を前にし、十字架を背負いゴルゴダの丘へと歩いていく様子をピアノと合唱による14の場面で描かれています。ヴォックス・クラマンティ スの美しい声とペネティエの神聖な響きを意識した極上のピアノが印象的な演奏です。アルバムは「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」や「パーテル・ノステル」 などのリストの宗教的なピアノ作品を収録し、「十字架への道」へと誘導するような構成となっています。 (Ki)

MIR-168
アリアーガ:弦楽四重奏曲第3番変ホ長調
モーツァルト:弦楽四重奏曲第6番変ロ長調 KV 159
シューベルト:弦楽四重奏曲第4番ハ長調 D46
モディリアーニSQ

録音:2011年9月/サル・コロンヌ(パリ)
端正な音色と勢いのある音楽性で評価のあるモディリアーニ弦楽四重奏団の最新盤は、アリアーガ、モーツァルト、シューベルトという3人の天才が、 10代に作曲した弦楽四重奏曲集。結成10周年を目前に、若き天才作曲家の直感に満ちた瑞々しい作品を、実に鮮やかに響かせます。
――頻繁に演奏会・録音の機会に恵まれる「メインストリームのレパートリー」から外れてしまっていて、聴衆が聴く機会に恵まれない優れた作品とい うものが存在します。結成10周年を目前にして、私たちは、3人の10代の作曲家たちのハートとイマジネーションから生まれたこれらの素晴しい3つ の宝石のような作品を、聴き手の皆さまと分かち合いたいという強い思いに駆られ、このCDを録音しました。クヮルテットというジャンルを開拓する喜 びにあふれた若きモーツァルトの作品。親しい人々の前で演奏するために、たった数日でこの作品を書き上げたシューベルトの才能に溢れた作品。病に冒 され彗星のように現れ消えていった偉大な才能アリアーガの作品。もちろん歴史を見ればこの3人の作曲家はあまりも偉大な存在ですが、3人がこの作 品を書いた時点で既に持っていた卓越した「直感(intuition)」に触れ、純粋にその直感に従いながらこれらの作品に取り組むというなんとも素晴しい瞬 間に満ちたレコーディングでした。―――(モディリアーニ弦楽四重奏団のコメント(ライナーノーツより)抄訳) (Ki)
MIR-169
ロシアのピアノ小品集
リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
スクリャービン:左手のための前奏曲嬰ハ短調Op.9-1
ラフマニノフ:絵画的練習曲変ホ短調op.39-5
スクリャービン:前奏曲ホ長調op.15-4
練習曲嬰ハ短調op.2-1
ボロディン:スケルツォ.変ロ長調
ラフマニノフ:「ひな菊」op.38-3
チャイコフスキー:無言歌イ短調op.40-6
スクリャービン:練習曲嬰ニ短調「悲愴」op.8-12
チャイコフスキー:無言歌ヘ長調op.2-3
ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 op.3
スクリャービン:マズルカ変ニ短調op.3-5
チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォop.7
スクリャービン:前奏曲変ロ短調op.16-4
ラフマニノフ:前奏曲ト短調op.23-5
ムソルグスキー:子供の遊び/涙
スクリャービン:詩曲「炎に向かって」 op.72
クレール・マリ=ル・ゲ(P)

録音:2011 年10 月11-14 日、Le Temple de l’Annonciacion(パリ)
マリ=ル・ゲがロシアをテーマとしたピアノ小品集をリリースします!19 世紀から現代にいたる激動の時代を生きた音楽家たちの珠玉の作品の数々を収録 した本CD、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの開催前には是非とも聴いておきたい1 枚です。ひとえにロシア音楽と言っても、その魅力は決して一 言で語りつくせるものではありません。「ロシアへの旅」と題した本CD において、ル・ゲは多彩な作品を選曲、収録しています。超絶技巧作品、優雅か つ抒情的な舞曲、寂寥感にあふれた詩曲…聴き応え十分のプログラムとなっています!作曲家ごと、作品ごとに異なる多様な曲調を聴き比べながらロシア 音楽の奥深い魅力に酔いしれる、おすすめ盤です!
清澄な音色と抜群の表現力で高い評価を受けるフランス人ピアニスト、クレール・マリ=ル・ゲ。幅広いレパートリーのピアノ作品を演奏することに積 極的な彼女は、これまでモーツァルトからリストにわたる様々な時代の作品の演奏、録音に取り組んできました。よく練られた独自の解釈から生まれる彼 女の演奏には他の演奏家とは一味違う魅力があり、多くの注目を集めています。本CD では1 曲目の「熊蜂の飛行」から卓越した演奏技術を披露。難曲 であることを全く感じさせない安定した演奏と、情感あふれる表現力に圧倒される名盤です!(Ki)

MIR-170
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
メトネル:追憶のソナタ.イ短調op.38-1(忘れられた調べ)第1集より
タニェエフ:前奏曲とフーガ.嬰ト短調op.29
ダヴィッド・カドゥシュ(P)

録音:2011 年10 月28-28 日、Le Temple de l’Annonciation(パリ)
期待の若手としてフランスを中心に注目を集めている新進気鋭のピアニスト、ダヴィッド・カドゥシュによるピアノ独奏作品集。2012年のラ・フォル・ジュルネのテーマ「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」に合わせ、19~20世紀を代表するロシアの作曲家のピアノ独奏作品が収録されています。ムソルグスキーの代表作「展覧会の絵」を全曲、さらにメトネルとタニェエフの小品も合わせて収録しました。「展覧会の絵」は若々しい活気にあふれる溌溂とした演奏。全体的にもたれることのないすっきりとしたテンポで、フォルテとピアノの対比が印象的です。力強い音の後にふっと現れる繊細な弱音のギャップがたまりません。組曲に続くメトネルとタニェエフの作品は、どちらもふくよかな響きと抒情的な旋律が美しい作品。「追憶ソナタ」とも呼ばれるメトネルの小品では、哀しくも甘美な旋律に冒頭から引き込まれます。カドゥシュの情感あふれる表現力がいかんなく発揮された名演です!ダヴィッド・カドゥシュは1985年フランス生まれ。13歳でI.パールマン(指揮)とメトロポリタンホールで共演を果たした他、今日に至るまで数々のコンクール入賞経歴を持つ若手実力派ピアニストです。2010年にはニューヨークでリサイタル・デビュー。2011年6月には来日公演も行っており、日本においても今後ますます注目が高まる若手アーティストの一人といえましょう!(Ki)
MIR-171
ストラヴィンスキー:春の祭典
ペトルーシュカ
5つのやさしい小品
3つのやさしい小品
リディヤ・ビジャック(P)
サーニャ・ビジャック(P)

録音:2007年11月、パリ国立高等音楽院
新進気鋭の姉妹デュオ、リディヤ&サーニャ・ビジャックによるストラヴィンスキー連弾作品集!「春の祭典」がラ・フォル・ジュルネ2012のテーマ「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」の由来に選ばれたこともあり、今年ますます注目されること必至の作曲家ストラヴィンスキー。大作「春の祭典」「ペトルーシュカ」に小品集を合わせて収録した本CDは、20世紀にセンセーショナルを巻き起こした彼の音楽を存分に堪能することが出来る1枚といえましょう。「春の祭典」「ペトルーシュカ」はどちらもロシア・バレエのために作曲された管弦楽曲の連弾編成版。大編成のオーケストラによって壮大に展開される原曲の魅力が、ピアノ2台にぎゅっと凝縮されています。原曲が持つ独特のリズム感や流麗な旋律をそのままに、2台のピアノが織りなすアンサンブルが美しい作品です。ビジャック姉妹の息の合ったアンサンブルは圧巻。連弾作品屈指の難曲に、若き姉妹デュオが挑みます!リディヤ&サーニャ・ビジャック姉妹はセルビア生まれのピアニスト。以前はソリストとして活動していましたが、2002年にデュオを結成。ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団とのデビュー演奏が話題となり、ヨーロッパ各地で幅広く活躍しています。ラ・フォル・ジュルネで来日経験もあり、近年はアジアにも活躍の幅を広げているビジャック姉妹。可憐な容姿とは裏腹に、明瞭かつ力強いタッチで我々の耳を圧倒する演奏を聴かせてくれます!(Ki)
MIR-172
エンゲラー&コセ
グラズノフ:エレジー.ト短調Op.44
チャイコフスキー:夜想曲嬰ハ短調Op.19-4
 なつかしい土地の思い出〜メロディ変ホ長調 Op.42-3 
 6つの小品〜感傷的なワルツ.イ短調Op.51-6
ラフマニノフ:ヴォカリーズOp.34-14
ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタOp.147
ブリジット・エンゲラー(P)、
ジェラール・コセ(Va)

録音:2011年9月、la Fondation Singer-Polignac
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012で来日予定のブリジット・エンゲラー&ジェラール・コセら、世界的ソリスト二人組によるエレジー作品集!ラ・ フォル・ジュルネのテーマ「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」に合わせ、新譜もロシアの作曲家に焦点を当てた内容となっています!エレジーは、この世 の儚さや人の死を悼むことに用いられる哀歌。20世紀を代表するリルケのエレジー「ドゥイノの悲歌」では「強大な集団権力下における孤独とそこから 導かれる自己の内面への逃避」が強く謳われましたが、ソ連下で活躍していた音楽家のエレジーには、どこかこの悲歌を思わせる魅力があると共に、他の エレジーにも増して痛ましくも甘美な旋律にあふれているように感じられます。本CDに収録されているのはグラズノフ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、 ショスタコーヴィチという19世紀末〜20世紀ロシアを代表する音楽家たち。収録曲は全てビオラ・ソロとピアノ編成での演奏です。コセが奏でるヴィオ ラの音色は極上の艶やかさ。「ヴォカリーズ」ではヴィオラならではのしっとりとした高音に心揺さぶられます。哀愁漂うふくよかな響きに、ヴィオラという 楽器の音色とエレジーの相性の良さを実感する1枚といえましょう。力強い音と情感あふれる表現で高い評価を受けるエンゲラーのピアノとの息の合った アンサンブルは圧巻の一言です! (Ki)

MIR-174
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭ライヴ録音集
(1)バッハ:ゴルトベルク変奏曲〜アリア
(2)スクリャービン:2つの左手のための小品〜前奏曲嬰ハ短調 Op.9-1
(3)ショパン:マズルカ.ヘ短調Op.68-4 
(4)グラナドス:ゴイェスカス〜嘆き,またはマハとナイチンゲール
(5)シューマン:色とりどりの小品〜5つのアルバムの綴り Op.99
(6)メンデルスゾーン:無言歌集第6巻〜変ホ長調「瞑想」 Op.67-1
(7)バッハ:平均律クラヴィア曲集第1集〜第8番変ホ短調 BWV 853
(8)ショスタコーヴィチ:24の前奏曲第4番 変ホ短調Op.34-4
(9)ショパン:12の練習曲第6番変ホ短調Op.10-6
(10)ドビュッシー:映像第2集〜そして月は荒れた寺院に落ちる
(11)シャブリエ:10の絵画風小品〜森で 変ト長調
(12)シューベルト:即興曲集第4番変イ長調Op.90-4
(13)バラキレフ:園にて変ニ短調
(14)フォーレ:3つの無言歌第3番Op.17-3
(15)ブラームス:8つの小品第3番間奏曲変イ長調Op.76-3
(16)ストラヴィンスキー:3つのやさしい小品
(17)リスト:巡礼の年報第1年スイス〜牧歌
(18)ムソルグスキー:展覧会の絵〜古城
(19)アルベニス:スペイン組曲〜グラナダOp.47-1
(20)プロコフィエフ:10の小品〜スケルツォOp.12-10
(21)ブラームス:ハンガリー舞曲集第17番
(1)シュ・シャオメイ(P)
(2)クレール=マリ・ル・ゲ(P)
(3)イド・バル=シャイ(P)
(4)ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
(5)クレール・デゼール(P)
(6)シャニ・ディリュカ(P)
(7)/アンヌ・ケフェレック(P)
(8)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
(9)フィリップ・ジュジアーノ(P)
(10)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
(11)エマニュエル・シュトロッセ(P)
(12)ブリジット・エンゲラー(P)
(13)広瀬悦子(P)
(14)ジャン=クロード・ペヌティエ(P)
(15)アダム・ラルーム(P)
(16)リディヤ・ビジャーク(P)、サンヤ・ビジャーク(P)
(17)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(18)ダヴィッド・カドゥシュ(P)
(19)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(20)アブデル・ラーマン・エル・バシャ(P)
(21)ボリス・ベレゾフスキー(P)、ブリジット・エンゲラー(P)
エクサンプロヴァンスに近い地方都市ラ・ロック・ダンテロンで毎年7月末〜8月初頭にかけて行われているラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭 は、かのラ・フォル・ジュルネの主催者でもあるルネ・マルタンがプロデュースしている夏の音楽祭。1980年に開始されて以来、若手・ベテラン問わず様々 な世代のピアニストたちが集う豪華な顔ぶれと、クラシックとジャズという2つのジャンルにまたがる充実したピアノ・プログラムが話題の音楽祭です。早 くも創始から32年を迎える2012年、この音楽祭のライヴ録音の一部を抜粋、収録したアルバムがMIRAREレーベルよりリリースされました!広瀬悦子、 クレール・デゼール、ボリス・ベレゾフスキーといった2012年のラ・フォル・ジュルネでも話題となったアーティストたちの個性あふれる演奏の数々を一 度に堪能できます。中には、2012年6月に惜しまれながらも亡くなったブリジット・エンゲラーの希少なライヴ録音や、5月に来日公演でも注目を集め た名手シュ・シャオメイのゴルトベルク変奏曲も収録。若手から往年の名手までの演奏を集めたプログラムで、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭 のコンセプトにぴったりなアルバムといえましょう。2011年には観客数8万7000人を記録し、大盛況のうちに幕を閉じたラ・ロック・ダンテロン国際 ピアノ音楽祭。その熱狂の片鱗を体感できる記念的アルバムです。 (Ki)
MIR-177
ヘンリー・ローズ:歌曲集
朝日を見たことがあるか?
ゆるやかに流れよ、銀色の川
ただ生きよと命じて下さい
グラウンドによるディヴィジョン(フンシス・ウィシィ?)
前奏曲(ダニエル・バチェラー?)
私は起き上がり、深く悲しむ
あなたか私か、罪を犯した
ため息も 涙も 悲しみもなく(ニコラス・ラニアー?)
2つのリュートのためのアルマイン[クーラントT/クーラントU(ウィリアム・ローズ?)]
Whither are all her false oaths blown ?
私は恋の病(ウィリアム・ローズ?)
草原はもはや花に覆われるこ
となく(ニコラス・ラニアー?)
トレギアンのグラウンド
あわれにも愛の喜びから追放された君が
穏やかに眠れ
離せ、愛していた
クーラント(ジャック・ゴーティエ
アングレテールのゴーティエ)
ゴーティエ氏の鐘(ジャック・ゴーティエ
アングレテールのゴーティエ)
きみよ まだ帰らないでおくれ
おお、愛を教えて!おお、運命を教えて!
ディヴィジョン:ジョン、今すぐ私にキスして(クリストファー・シンプソン?)
Wert thou yet fairer than thou art
・なぜそう青白く暗いのか、盲目
的に恋する者よ(ウィリアム・ロ ーズ?)
ラ・レヴーズ
フローレンス・ボルトン(指、Va)
ベンジャミン・ペロー(指、Lute、テオルボ&バロックG)
ジェフリー・トンプソン(T)
ベルトラン・キュイエ(ハープシコード)
17世紀中期のイングランドの作曲家、ヘンリー・ローズ。ダウランドとパーセルのちょうど間の世代でもあります。詩と音楽の絶妙なバランスと表現豊 かな旋律が魅力です。弟のウィリアム・ローズは短命でありましたが、作曲家としての才能に溢れ多分野で数多くの作品を残しました。一方兄ヘンリーは、 歌曲作曲家として名声を得ていました。彼の歌曲として知られているのは400曲を超え、35歳の頃チャールズ1世付きの音楽家に任命された以降、繊 細さと多彩な感情表現を具えた自由な作風へと変化し、円熟期へと入って行きます。王室に仕えることで宮廷詩人と交流し、カルー、ウォラー、ヘリック らの詩による歌曲を発表しています。ヘッリクの詩による「ただ生きよと命じて下さい」は、快活な3拍子の有節歌曲。カルーの詩による「あわれにも愛 の喜びから追放された君が」では、旋律線、リズム、フレージングなどが詩の劇性に溶け合った手法で聴き応えがあります。 きりっと引き締まった美しいアンサンブルが魅力のラ・レヴーズが会心の演奏を聴かせてくれます。 (Ki)

MIR-181
バラキレフ:ピアノ作品集
グリンカ(バラキレフ編):皇帝に捧げた命
バラキレフ:庭園にて(1884)
 トッカータ(1902)
 ピアノ・ソナタ 変ロ短調
グリンカ(バラキレフ編):ひばり
バラキレフ:イスラメイ
広瀬悦子(P)

録音:2012年2月
日本人アーティストとして初めてMIRAREレーベルでレコーディングを開始した広瀬悦子。MIRARE第3弾となる最新盤は、ロシア五人組の指導的役 割を果たした作曲家、バラキレフ作品集です。広瀬の情熱的で色彩感に富む音楽と密度の濃いタッチで、一気にバラキレフの世界へと引き込まれます。「皇 帝に捧げた命」は、バラキレフが尊敬していた作曲家グリンカの歌劇の主題に基づく作品。「ひばり」もグリンカが90曲ほど残した歌曲作品からの編曲 美しい旋律、繊細な高音で描かれるひばりの声のニュアンスは絶品です。録音が少ないソナタが広瀬の演奏で聴けるのも貴重。そしてイスラメイでの熱を 帯びた推進力と、「ピアノのために書かれた曲の中でもっとも難しい曲」と言われている超絶技巧の圧巻のフィナーレは必聴です!
ミュンヘン国際コンクール入賞、99年マルタ・アルゲリッチ国際コンクールで優勝後、世界で活躍する広瀬悦子。彼女の音楽がますます深まり、充実 していることを実感する1枚です。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも、バラキレフの作品は何度か取り上げる予定で、話題の一枚となるでしょう。 (Ki)
MIR-183
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調K.622
クラリネット五重奏イ長調K.581
ロマン・ギュイヨ(Cl)
ヨーロッパCO
ロレンツァ・ボラーニ(Vn)
マッツ・セッテルクヴィスト(Vn)
パスカル・シフェール(Va)
リチャード・レスター(Vc)

録音:2012年3月
2008年よりヨーロッパ室内管弦楽団首席クラリネット奏者として活躍する若き実力者ロマン・ギュイヨ。日本にはラ・フォル・ジュルネ音楽祭などに 出演し、その優れた音楽性を披露しました。ここではモーツァルトが書いたクラリネットのための2大名作であるクラリネット協奏曲とクラリネット五重奏 曲を収録。クラリネット協奏曲はモーツァルト晩年の作品で最後の協奏曲。明るく澄みきった美しさが印象的な作品で、ギュイヨの伸びやかなで豊かな音 楽性が作品を生き生きと表現しています。そして室内楽曲屈指の傑作クラリネット五重奏曲。クラリネットの深みのある音色と弦楽器のバランスが絶妙で、 モーツァルトの愉悦感を追求した繰り返し聴きたくなる演奏です。 モーツァルトの音楽を純粋に味わう事のできる1 枚となっています。 (Ki)
MIR-184
ルネ・マルタンのル・ク・ド・クールCD〜2012年ナントでのLFJ音楽祭ライヴ
(1)パベル・チェスノコフ:「お告げ」
(2)ボロディン:だったん人の踊り
(3)グリンカ:大六重奏曲
(4)ラフマニノフ:エレジー変ホ短調 op.3-1、
 前奏曲嬰ハ短調 op.3-2
(5)ロシア民謡「12人の盗賊」(V.ブリン編)
 ロシア民謡「鐘の音は単調に鳴る」(A.スヴェシュニコフ編)
 ロシア民謡「The Boss」
(6)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番〜第3楽章
(7)ロシア民謡「おお!冬よ!」
(1)アナトリー・グリンデンコ(指)
 モスクワ大司教座cho
(2)ボドミトリー・リス(指)ウラルPO
(3)アンヌ・ケフェレック(P)、
 プラジャークQ
(4)広瀬悦子(P)
(5)ヴラディスラフ・チェルヌチェンコ(指)
 カペラ・サンクトペテルブルク
(6)ボリス・ベレゾフスキー(P)、
 ドミトリー・リス(指)ウラルPO
(7)アナトリー・グリンデンコ(指)
 ロモスクワ大司教座cho、

録音:2012年ラ・フォル・ジュルネ音楽祭(ナント)ライヴ
ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも近年恒例となった「ルネ・マルタンのル・ク・ド・クール(ハート直撃)コンサート」は、マルタンがお勧めする演奏 者や作品の聴きどころを集めたコンサート。このCDは、まさにこのル・ク・ド・クールのCD版。マルタンが自信をもってお勧めする作品・アーティスト 達が詰まった玉手箱です。今年の音楽祭で話題になること間違いなしのモスクワ大司教座合唱団やカペラ・サンクトペテルブルクの録音、さらにベレゾフ スキーのチャイコフスキーのピアノ協奏曲も第3楽章を収録。ケフェレックのピアノによる、グリンカの大六重奏曲はナントでも大絶賛となった演奏です。 大変豪華なコンピレーションとなっています! (Ki)

MIR-185
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 ユーリ・テミルカーノフ(指)サンクトペテルブルグPO

録音:2011年3月/サンクトペテルブルグ・フィルハーモニア(ライヴ)
テミルカーノフが「新世界」を再録音。とはいっても、前回は旧ソ連時代の1968年、当時のソヴィエト国立響とのメロディア録音で、滅茶苦茶な爆演 としてマニアの間で知られていました。それから40年を経て、すっかり洗練され磨き抜かれた演奏に生まれ変わりました。今回の演奏はいたって真っ当で、 巨匠としての貫禄満点の大きな演奏を聴かせてくれます。サンクトペテルブルグ・フィルの芸達者ぶりも特筆で、第2楽章のイングリッシュ・ホルンのしみ じみとした歌い回しは泣けます。 (Ki)

MIR-187(10CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集(全32曲) アブデル・ラーマン・エル=バシャ(P)

録音:2012年4月、2013年1月ヴィルファヴァール農場、フランス
圧倒的存在感と確かな音楽性で世界中を唸らせる実力派ピアニスト、エル=バシャによる、ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲新録音が発売されます。 エル=バシャのベートーヴェン全集は約20年前のForlaneレーベルへの録音が存在しますが、今回の録音は50代の円熟期を迎えた、力みが一切ない 余裕のある打鍵、明晰な音楽の流れ、そしてエル=バシャの持ち味である高い技巧と豊かな表現力で、作品本来の魅力が存分に引き出された演奏を聴か せてくれます。往年の名ピアニストたちの名録音に勝るとも劣らない、ベートーヴェン音楽の第一級の通訳者として、真正面から向き合った高水準な全集 となっています。 (Ki)

MIR-188(2CD)
フランス近代弦楽四重奏曲集
ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調
サン=サーンス:弦楽四重奏曲第1番
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
モディリアーニSQ
【フィリップ・ベルナール(Vn)
ロイック・リョー(Vn)
ローラン・マルフェング(Va)
フランソワ・キエフェル(Vc)】

録音:2012年4月、9月
夢幻的な抒情美に溢れたドビュッシー。色彩的で官能的な響きが感じられるラヴェル。優しく穏やか、かつ情熱を秘めたサン=サーンス。フランス近代の弦楽四重奏曲の名作を収録したアルバムです。作品からにじみ出る繊細で洒脱な雰囲気をモディリアーニ弦楽四重奏団が見事なアンサンブルで美しく表現しています。 (Ki)

MIR-189
ケフェレック/ドビュッシー、ラヴェル他
サティ:グノシェンヌ第1番、ピカデリー
 ジムノペディ第1番
セヴラック:休暇の日々から第1集〜「古いオルゴールが聞こえるとき」
プーランク:ジャンヌの扇〜「田園」
ドビュッシー:夢
ラヴェル:ファンファーレ*
サティ:ジムノペディ第 3 番
ピエール=オクターヴ・フェルー:モンソー公園で〜「のんびりと」
サティ:風変わりな美女〜「眼の中の意味ありげなキス」のワルツ*、
 グノシェンヌ第3番
アーン:当惑したナイチンゲール〜「長椅子の夢見る人」
サティ:グノシェンヌ第4番、
 ジムノペディ第2番、
 ひからびた胎児〜「ナマコの胎児」、
 風変わりな美女〜「上流階級用のカンカン」*、
 ジムノペディ第2番
ラヴェル:シャブリエ風に
ドビュッシー:小さな黒人
アーン:口絵
デュポン:憂鬱な時間〜「日曜日の午後」
ドビュッシー:ベルガマスク組曲〜「月の光」
サティ:グノシェンヌ第6番、
 梨の形をした3つの小品〜第1番&第2番、
 グノシェンヌ第5番
ケクラン:陸景と海景〜「漁夫の歌」
アーン:冬
フローラン・シュミット:秘められた音楽第2集〜「グラス」
アンヌ・ケフェレック(P)
ガスパール・ドゥアンヌ(P)*

録音:2012年 6月TAP、ポアチエ、フランス
ケフェ レックにとってフランス音楽はお手の物。サティのユーモア、ドビュッシーの詩的で彩り豊かな音楽、ラヴェルの美意識、プーランクのアイロニカルな響き などフランス・ピアノ音楽の魅力が凝縮されたアルバムです。 ケフェレックのサティは20年以上前の録音がありますが、新録音でも軽妙洒脱な演奏で見事に聴かせてくれます。「風変わりな美女」などの連弾作品で はガスパール・ドゥアンヌと組んで鮮やかに表現しています。 またケクラン、フローラン・シュミット、フェルーなどのあまり知られていない秘曲も収録されています。マスネの庇護を受け、美しく甘美な作品を多く作 曲したレイナルド・アーン。「長椅子の夢見る人」はたゆたうような旋律の穏やかな曲。自身も優れたピアニストであり36歳の若さで夭折したガブリエル・ デュポン。「日曜日の午後」は優れた描写力と色彩感、そして分散和音が美しく響く曲です。 そして、パリでドビュッシーやラヴェルと共に活躍し、都会での生活になじめず10年で故郷である南フランスのラングドックに戻ったデオダ・ド・セヴラッ ク。ここに収録されている「休暇の日々」は丁度その頃の作品。親しみやすい曲調が魅力的な曲集で中でも「古いオルゴールが聞こえるとき」は、キラキ ラと光がこぼれるようなメロディーが特徴。ケフェレックの柔らかで色彩豊かな演奏がセヴラック独特のさりげない美しさを見事に表現しています。 (Ki)
MIR-190
子ども時代
フォーレ:組曲「ドリー」Op.56
ビゼー:子供の遊びOp.22
ドビュッシー:小組曲
ラヴェル:マ・メール・ロワ
クレール・デセール(P)
エマニュエル・シュトロッセ(P)

録音:2012年6月16-18日TAP、ポアチエ、フランス
無邪気で天真爛漫な子供の世界に魅了されたフランスの作曲家たちの連弾作品をクレール・デセールとエマニュエル・シュトロッセの黄金コンピがノス タルジックに描き出します。フォーレの知人バルダック家の娘エレーヌの誕生日を祝って毎年1曲ずつ書いた曲集「ドリー」。愛らしい子供の世界を表情 豊かに描いた12の小曲からなるビゼーの「子供の遊び」。ドビュッシー初期の作品で魅力的な旋律と特徴的なリズムをもった「小組曲」。子供好きであっ たラヴェルが友人夫妻の子供たちのために作曲した「マ・メール・ロワ」。 デセール、シュトロッセの色彩豊かな音色とエスプリ溢れる音楽性で、心優しく爽やかに聴かせてくれます。 (Ki)

MIR-191
(1CD+DVD)
シェーンベルク:ピアノ作品集
3つのピアノ曲Op.11、
6つの小さなピアノ曲Op.19
5つのピアノ曲Op.23、
組曲Op.25/ピアノ曲Op.33a,b、
3つのピアノ曲(1894)

■DVD
ボッファールが語るシェーンベルク
フローラン・ボッファール(P)

録音:2012年 6月
1964年生まれのフローラン・ボッファール。1988年から1999年までブーレーズが主宰する現代音楽専門のオーケストラ、アンサンブル・アンテル コンテンポランのピアニストとして活躍。ハルモニア・ムンディ・フランスの若手音楽家を紹介するシリーズで2000年に録音したドビュッシーとバルトー ク(廃盤)を完成度の高い演奏を聴かせてくれました。 この度リリースするのは、新ウィーン楽派の中心的な存在であったシェーンベルクのピアノ作品集。若かりし頃に作曲した美しい調性音楽の「3つのピアノ 曲(1894)」、そして独自の技法を模索していた初期の作品「3つのピアノ曲Op.11」から12音技法に辿りつく「組曲Op.25」まで見事な解釈でピアノ が躍動的に動き、表情、響きも豊かに聴かせます。 また付属のDVDは、ボッファール自身がシェーンベルクの各曲を分かりやすく解説した充実の内容となっています。 (Ki)
MIR-192
オンスロウ:チェロ・ソナタ第2番ハ短調Op16の2
第1番ヘ長調Op.16の1
第3番イ長調Op.16の3
エマニュエル・ジャック(Vc)、
モード・グラットン(フォルテピアノ)

録音:2012 年 7 月ヴィルファヴァール
ジョルジュ・オンスロウ(1784-1853)はイギリス系フランス人作曲家。近年弦楽作品が若い世代にもとりあげられ、名が広まっています。美しいメロディ と効果的なピアノ伴奏が魅力。バロック・チェロとフォルテピアノによる演奏でお届けします。チェロのエマニュエル・ジャックは1974年生まれ。パリ音楽 院でクリストフ・コワンに師事。現在、クリストフ・ルセ率いるレ・タラン・リリクの首席チェロ奏者を務めています。1726年ジャック・ボケ製チェロの美 しい響きを堪能できます。モード・グラットンは1983年生まれ。ピエール・アンタイ門下で、チェンバロ奏者、オルガン奏者としても活躍しています。 (Ki)

MIR-193
フォーレ&サン=サーンス:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
 ヴァイオリン協奏曲第1番イ長調Op.20
 ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス.ハ長調Op.48
フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」
 子守歌Op.16
デボラ・ネムタヌ(Vn)
トーマス・ツェトマイアー(指)パリCO

録音:2012年9月サンキャトル、パリ
師弟関係にありながらも、お互いに刺激し合う良きライバルとして深い親交があったサン=サーンスとフォーレ。彼らの間で交わされた往復書簡は有名 です。そんなフランス近代音楽を代表する2人の作品をパリ室内管弦楽団のコンサートミストレスのデボラ・ネムタヌが溢れんばかりの感性で聴かせます。 ちなみにデボラは、映画「オーケストラ」で吹き替え演奏したことで話題となった女流ヴァイオリニスト、サラ・ネムタヌと姉妹。 「序奏とロンド・カプリチオーソ」はサン=サーンスの作品の中でも人気が高くヴァイオリンの名手がこぞって取り上げています。そしてサン=サーンスのヴァ イオリン協奏曲といえば第3番が有名ですが、ここに収録されている第1番はサン=サーンスらしいおしゃれで上品な旋律が魅力の短い作品。サン=サー ンスはこれらの作品を同時代の名演奏家サラサーテに捧げています。ネムタヌは哀愁たっぷりの音色と圧倒的な技術で聴かせます。 またフォーレの「子守歌」では、美しい弦の響きと伸び伸びとした演奏で、フォーレ独特の優美で幻想的な旋律を堪能できます。 併録されている組曲「ペレアスとメリザンド」は、本場フランスの響きを感じさせる優雅かつ典雅な趣のある演奏です。 (Ki)
MIR-194
シューマン:ピアノ曲集
フモレスケ変ロ長調Op.20、
ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.11
アダム・ラルーム(P)

録音:2012年9月2-5日サル・ガヴォー、パリ
2009年9月に行われたクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝者として注目を集めている期待の若手ピアニスト、アダム・ラルーム。ラ・フォル・ ジュルネ音楽祭、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ヴェルビエ音楽祭などに名高い音楽に出演し、好評価を得ています。今回リリースされるのは、 得意とするシューマンの作品集。シューマンの精神の深い森に入り込み、独特のロマンティシズムを見事に表現しています。 「フモレスケ」は、ドイツ語で喜び悲しみ怒りなど人間の心の内面を表した言葉で、大きく5つの部分に分かれた、自由な形式で書かれた作品です。次々 とうつりゆく心情が美しく描写されています。シューマンのピアノ・ソナタは3 曲ありますが、この第 1 番に関してシューマンはこのソナタを「君に対する ただ一つの心の叫び」と記しているようで、クララに一途な恋愛感情を抱くようになった頃の甘美な旋律に彩られた作品。 (Ki)
MIR-195
F.クープラン:クラヴサン曲集
さまよう亡霊たち/修道女モニク/ティクトクショック、またはオリーヴしぼり機/プラチナ色の髪のミューズ/恋のナイチンゲール/ナイチンゲールの変奏/子供時代-ミューズの誕生-幼年期/タンブラン/神秘的な女/小さな皮肉/ロジヴィエール/子守歌、またはゆりかごの中のいとし子/おしゃべり女/心地よい恋やつれ/花咲く果樹園/葦/胸飾りのリボン/煉獄の魂/収穫をする人びと/髪の油/嘆きのほおじろ/騒がしさ/クープラン/神秘なバリケード
イド・バル=シャイ(P)
フランソワ・クープランのクラヴサン曲集は、当時のロココ趣味を凝縮した洗練された優雅な旋律の鍵盤音楽。1977年イスラエル出身のピアニスト、イド・ バル=シャイ。クープランの魅力を心ゆくまで堪能することのできる内容で、独特のシニカルさと色彩豊かな世界を描き出しています。 (Ki)

MIR-196
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調Op.47 ユーリ・テミルカーノフ(指)サンクトペテルブルグPO

録音:2012年3月/サンクトペテルブルグ・フィルハーモニア(ライヴ)
ショスタコーヴィチの交響曲第5番は1937年11月21日ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(現サンクトペテルブルグ・フィル)により初 演されました。その翌年に生まれたテミルカーノフが、初演75年を経て同オーケストラ(名称は変わっています)と同曲を演奏、それがライヴ録音され ました。テミルカーノフとしては4度目、特にサンクトペテルブルグ・フィルとは3度目の録音、前回(2005年)より約6年を経ての再録となります。年 を経るにしたがい、少しずつテンポが遅くはなっていますが、基本的な解釈は全く変わらず、やや遅めのテンポで、ムラヴィンスキーの演奏にみられるよう な強い緊張感や怖さはみじんもなく、しなやかかつ流麗。冒頭から切実なメッセージ性とは無縁の純音楽的解釈を聴かせてくれます。オケの巧さはさすが で、弦の美しさ、金管の妙技にひたることができます。サンクトペテルブルグ・フィルの「ショスタコ5番」としての価値観の変化、時の推移を実感させら れ、時代の記録として貴重と言えるでしょう。 (Ki)
=トラックタイム=
T. 17’18 + U. 5'02 + V. 13'39 + W. 11'28 =47’27

MIR-197(3CD)
アンヌ・ケフェレック〜special BOX
■CD1
モーツァルト:ピアノ作品集
ロンド.イ短調K.511,
デュポールのメヌエットによる変奏曲K.573
幻想曲ハ短調K.475,
ピアノ・ソナタ.短調K.457,
幻想曲ニ短調K.397

■CD2
ショパン:ピアノ作品集
ポロネーズ変ロ長調KK.IV/1(1817),
ポロネーズ.ト短調S1/1(1817),
ポロネーズ変イ長調KK.IV/a2(1821),
マズルカ変イ長調Op.7-4(1824),
ポロネーズ.ヘ短調Op.71-3(1828),
ソステヌート変ホ長調(1840),
カンタービレ変ロ長調(1834),
ノクターン嬰ハ短調 遺作(1830),
幻想即興曲嬰ハ短調Op.66(1834),
ワルツ.ヘ短調 Op.70-2(1841)
マズルカ嬰ハ短調 Op.50-3(1841-1842)
子守歌変ニ長調Op.57(1843),
舟歌嬰ヘ長調Op.60(1845-1846),
スケルツォ第4番ホ長調Op.54(1842),
ワルツ.イ短調KK.IVb/11,P2/11,
バラード第4番ヘ短調Op.52(1842),
マズルカ.イ短調Op.67-4(1848)
■CD3
ハイドン:ソナタと変奏曲集
ソナタ第62番変ホ長調 Hob. XVI:52,
変奏曲ヘ短調Hob.XVII:6,
ソナタ第53番ホ短調Hob. XVI:34,
ソナタ第54番ト長調 Hob. XVI:40
アンヌ・ケフェレック(P)

■CD1(原盤: MIR 9913)
録音:2001年9月30日ー10月1日、シオン(スイス) ティボール・ヴァルガ・ホール

■CD2(原盤:MIR 096)
録音:2009年11月フランス・リモージュ

■CD3(原盤:MIR 104)
録音:2001年9月30日、10月1日
清潔感のあるタッチ、エレガンスと情熱に満ちた音楽、フランス・ピアニズムの正統的継承者ともいえるアンヌ・ケフェレック。ラ・フォル・ジュルネ音 楽祭でも人気者の彼女の名盤3タイトルがお買得ボックスで登場。限定盤となります。 (Ki)

MIR-198(3CD)
ブリジット・エンゲラー〜special BOX
■CD1
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」

■CD2
シューベルト:即興曲第3番.899
 クッペルヴィーザー・ワルツ、
 ハンガリー風のメロディ.ロ短調D.817
 さすらい人幻想曲ハ長調
リスト=シューベルト:歌曲トランスクリプション〜影法師、都会、海辺にて、すみか、セレナーデ、春の想い、連祷、水車小屋と小川、さすらい

■CD3
チャイコフスキー:子供のアルバムOp.39
ムソルグスキー:涙,
リャードフ:マズルカ、音楽玉手箱Op.32
グリンカ:夜想曲「別れ」,
アラビエフ:ナイチンゲール,
ショスタコーヴィッチ:人形の踊り-7つの子供の小品より「踊り」「抒情的なワルツ」「ポルカ」「おどけたワルツ」,
ラフマニノフ:イタリア・ポルカ,
ルービンシュタイン:2つのメロディよりOp.3-1、
諸民族の舞曲集〜ポルカOp.82-7
ペテルブルクの夜会〜ロマンスOp.44-1
スクリャービン:2つの左手のための小品〜夜想曲Op.9
ブリジット・エンゲラー(P)

■CD1
アンドレア・クイン(指)パリCO
録音:2008年6月ルヴァロワ・ペレ(フランス)

■CD2
録音:2007年9月

■CD3
録音:2006年6月6,7&8日フォントヴロー王立大修道院
2012年6月に惜しまれつつ世を去ったブリジット・エンゲラー。濃密な音楽性と、芳香漂う音色の彼女の音楽の粋をぎゅっとまとめたボックスセット です。限定盤となります。 =ブリジット・エンゲラー=1952 年、チュニスに生まれる。5 歳で初めてのピアノ・レッスンを受け、翌年には公開演奏会を行う。パリ音楽院に15 歳で入学。 16 歳でロン=ティボー国際コンクール第6 位。その後モスクワ音楽院より招待を受け、同大学院にてネイガウスに5 年間師事する。1978 年エリザベー ト王妃国際音楽コンクールにて第3 位。1980 年、エンゲラーの演奏を聴いたカラヤンからの招きでベルリン・フィルと共演。その後、バレンボイム、メー タらの招きで世界のオーケストラと共演、一躍世界的に知られるようになる。日本でもラ・フォル・ジュルネ音楽祭などで来日、魅惑的な音色と人柄で多 くのファンを獲得していた。2012 年、パリにて没。 (Ki)

MIR-200
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番(オリジナル版)*
主題と変奏曲Op.19-6
悲しき歌Op.40-2/マズルカOp.40の5
無言歌Op.40-6/村にてOp.40-7
ワルツOp.40-8
感傷的なワルツOp.51(クバツキー編VcとPf版)*
アンダンテ・カンタービレOp.11(ゲリンガス編VcとPf版)*
ボリス・ベレゾフスキー (P)、
アンリ・ドマルケット(Vc) 、
アレクサンドル・ヴェデルニコフ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2012年9月ワルシャワ(ライヴ)*、
2013年4月サル・ガヴォー(パリ)
ピアノ協奏曲中もっとも有名なもののひとつ第1番に比べて、人気・知名度ともに低いチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番。近年、ロシア系ピアニ ストたちがコンサートで採り上げる機会も増えていますが、ついにベレゾフスキーによる決定盤が登場しました。2011年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭 でもベレゾフスキーが演奏、この曲にはまっている旨を熱く語っていたこともあり、非常に期待できます。 ピアノ協奏曲第2番は第1番の5年後、1879-80年に作曲されました。交響曲第4番や歌劇「エフゲニー・オネーギン」、ヴァイオリン協奏曲の直 後という充実期の産物で、演奏時間40分を超える大作。チャイコフスキーならではのボルテージの高さと恰幅の良さは魅力なものの、1番のようなイン パクトに欠け、長すぎることもあり、チャイコフスキーの弟子でラフマニノフの従兄だったアレクサンドル・ジロティによる短縮版で演奏されるのが常となっ ていました。しかしチャイコフスキー自身はこの編曲に立腹したとされます。
当ディスクは2012年9月にワルシャワで行われたコンサートのライヴで、チャイコフスキー本人のオリジナル版によります。ただし第1楽章のオーケ ストラのトゥッティと第2楽章の途中に、チャイコフスキー自身も認めたカットがあります。非常に難技巧の要求される作品ですが、ベレゾフスキーは余 裕でこなし、スピード感が爽快。指揮はボリショイ劇場の音楽監督だったアレクサンドル・ヴェデルニコフ。チャイコフスキーの音楽を知り尽した説得力に 満ちています。この曲の第2楽章はヴァイオリンとチェロの独奏が長々と表れるのも特徴ですが、ここではラ・フォル・ジュルネ音楽祭でもお馴染みのチェ リスト、アンリ・ドマルケットが参加して美しい演奏を聴かせてくれます。
フィル・アップはチャイコフスキーのピアノ小品。ニコラーエワやチェルカスキーも録音していた曲もありますが、ベレゾフスキーの新録音で聴くことがで きるのは贅沢の極み。どれも魅力的なメロディにあふれ、チャイコフスキーのピアノ曲を再認識させてくれます。 (Ki)
MIR-204
マティアス・ヴェックマン(1621-1674):宗教曲集〜コンユラティオ
教会コンチェルト第1番「泣くな、ユダ族の獅子、ダヴィデの若枝は勝てり」
教会コンチェルト第2番「シオンは言う、主は割れを見捨てられたと」
教会コンチェルト第3番「主よ、我汝だけをもち得るなら」
教会コンチェルト第4番「町はなんと荒れ果てていることか」
コラール「いざや喜べ、愛するキリストの徒よ」
コラール「すべて重荷を負うて苦労している者は、私のものにきなさい」
コラール「主がシオンの捕虜を放たれた時」
第1旋法によるプレルーディウム
第2旋法によるマニフィカト
リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指)
バロック初期から最盛期にかけて活躍した北ドイツの作曲家マティアス・ヴェックマン。ハンブルクの聖ヤコブ教会のオルガニストを務め、音楽団体「コ レギウム・ムジクム」を設立、公開演奏会はハンブルクの人々の注目を集めました。 1663年にハンブルクを襲った疫病で、妻や友人を亡くしたヴェックマン。ここに録音されているのは、この悲劇を悼み作曲された、孤独と破滅、戦いと 希望などのイメージを呼び起こす聖書のテキストを用いた宗教曲集です。リチェルカール・コンソートとピエルロによる慈愛に満ちた美しい演奏で聴くこと ができます。 (Ki)

MIR-213
マタン・ポラト〜MIRAREデビュー/カルラッティの主題による変奏曲
スカルラッティ:ソナタ.ニ短調K.32
クープラン:クラウザン曲集〜「プラチナ色の髪のミューズ 」 No.19-6
ヤナーチェク:ないしょのスケッチ〜「ただ先の見えない運命なのか?」
メンデルスゾーン:無言歌集Op.62-1より
グリーグ:抒情小曲集Op.12-1
バルトーク:ミクロコスモス〜「ハエの日記」
ブラームス:間奏曲ホ短調Op.116-5
ショパン:マズルカ.ホ短調Op.17-2
ブーレーズ:ノタシオン第11番
シューマン:森の情景〜「予言の鳥」
サティ:グノシエンヌ第2番
ドビュッシー:前奏曲集第1集〜「雪の上の足跡」
バッハ:パルティータ第1番BWV825〜ジーグ
ショスタコーヴィチ:抒情的なワルツ(人形の舞曲)Op.91b
アンタイル:トッカータ第1番
チャイコフスキー:18の小品よりOp.72〜「やさしい非難」
ベートーヴェン:バガテル変イ長調Op.33-7
ブーレーズ:ノタシオン第4番
モーツァルト:ジーグ.ト長調K574
リスト:オーベルマンの谷
リゲティ:ムジカ・リチェルカータ〜第5番ルバート、ラメントーゾ
ブーレーズ:ノタシオン第8番
スクリャービン:炎にむかってOp.72
ポラート:インプロヴィゼーション
スカルラッティ:ソナタ.ニ短調K.32
マタン・ポラト(P)

録音:2013年1月28-30日ラ・シテ・ナント・イベント・センター
MIRAREレーベルから注目の若手ピアニスト、マタン・ポラトのデビュー盤が発売。マタン・ポラトはイスラエルのテル・アヴィヴ出身。ピアニスト、 作曲家として活躍しています。ジュリアード音楽院修了後、ヴェルビエやザルツブルク、デルフトなど各地の音楽祭に参加。ソリストとしても、シカゴ響や イスラエル・フィル等と共演をかさね、カーネギーホール、ウィグモア・ホールなど、世界各地で活躍しています。 このアルバムはドメニコ・スカルラッティのソナタ.ニ短調 K32を主題とし、バッハからブーレーズまでの色々なピアノ作品を変奏曲とみたて構成した内容 です。マタン・ポラトの斬新な視点で、組み立てられたアルバムは、作品の新たな魅力に気付かされます。 今後日本でも注目されることは間違えない注目のピアニスト、マタン・ポラトの演奏は必聴です。 (Ki)
MIR-214
ジョバンニ・バッティスタ・フォンタナ(1571-1630):ソナタ集
ソナタ第11番(2Vn)
ソナタ第4番(Vnソロ)
ソナタ第1番(Flソロ) 
ソナタ第5番(Vnソロ)
ソナタ第8番(2Vn)
ソナタ第2番(Vn)
ソナタ第3番(Flソロ)
ソナタ第6番(Vnソロ)
ソナタ第7番(2Vn)
ダニエル・キュイエ(指、Vn)
アンサンブル・ストラディヴァリア【アンヌ・シュヴァレロー(Vn)
マリー・ノエル・ヴィセ・シュヴェルツ(Fl)
ベルトラン・キュイエ(Cemb)
ジョスリーヌ・キュイエ(Cemb)】
ブノワ・ヴァンデン・ベムデン(Vn)

録音:2011年11月29日、12月2日聖母教会、ナント
ジョヴァンニ・バティスタ・フォンタナは、イタリア初期バロックの作曲家、ヴァイオリン奏者。フォンタナの生涯については、多くは知られていません が彼の死後出版された、このソナタ集ではヴァイオリンの名手でヴァイオリン・ソナタの開拓者でもあったフォンタナならではの、技巧的で変化に富んだ 豊かな音楽が展開されています。フランス古楽界の先駆者でもあるバロックヴァイオリン奏者のダニエル・キュイエ率いるアンサンブル・ストラディヴァリ アの、引き締まった響きと求心的な雰囲気のアンサンブルが楽曲の愉しみを存分に表現しています。 (Ki)
MIR-215
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭公式CD・2013
(1)クープラン:さまよう亡霊たち
(2)バッハ:パルティータ第4番〜アルマンド
(3)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調Op53〜第2楽章
(4)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op2〜第2楽章
(5)フォーレ:3つの無言歌〜ロマンスOp.17-1
(6)ブラームス:ハンガリー舞曲第4
(7)シューマン:フモレスケOp.20より
(8)ショパン:前奏曲第17番変イ長調アレグレット
(9)メデンルスゾーン:無言歌集第3集「夕べの星」変ホ長調Op.38-1
(10)ヌーブルジェ:バガテル
(11)スカルラッティ:ソナタ.イ短調K32
(12)ソレル:第24番R.359ニ短調
(13)グリンカ(バラキレフ編):ひばり
(14)チャイコフスキー:無言歌ヘ長調Op2-3
(15)シェーンベルク:3つのピアノ曲〜アンダンティーノ
(16)ショスタコーヴィチ:前奏曲第10番Op34〜
(17)ストラヴィンスキー:5つのやさしい小品
(18)メトネル:追憶のソナタ.イ短調 op.38-1(忘れられた調べ)第1集〜
(19)フォーレ:ドリー組曲〜子守歌
(20)サティ:ジムノペディ第1番
(1)イド・バルシャイ

(2)シュ・シャ

(3ニコラス・アンゲリッシュ

(4)アブデル・ラーマン・エル・バシャ

(5)ジャン=クロード・ペヌティエ

(6)ボリス・ベレゾフスキー

(7)アダム・ラルーム

(8フィリップ・ジュジアーノ

(9)(10)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ

(11)マタン・ポラト

(12)ルイス・フェルナンド・ペレス

(13)広瀬悦子

(14)クレール・マリ=ル・ゲ

(15)フローラン・ボファール

(16)アンドレイ・コロベイニコフ

(17)リディヤ&サーニャ・ビジャーク

(18)ダヴィッド・カドゥシュ

(19)クレール・デゼール&エマニュエル・シュトロッセ

(20)アンヌ・ケフェレック
南仏プロヴァンス地方のラ・ロック・ダンテロンで、1981年より開催されている国際ピアノ・フェスティヴァル。地元の村長ポール・オノラティニと、ラ・フォ ル・ジュルネ音楽祭のプロデューサーとしても知られるルネ・マルタンによって創設されました。第1回目の開催ではマルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ ツィマーマン、ゾルターン・コチシュら大物アーティストが出演。期間中9,200人の観客が訪れ、その後もラドゥ・ルプー、フランソワ=ルネ・デュシャー ブル、クン・ウー・パク、スヴャトスラフ・リヒテルなどの有名ピアニストのほか、バーバラ・ヘンドリックスなどの声楽家の出演が続き、数年のうちにピ アノ界の国際的なイベントとして認知されました。大物アーティストの他にも、才能ある若手ピアニストの挑戦の場になるなど、観客とアーティストの出会 いの場にもなっています。 2013年公式CDには、MIRAREレーベルお馴染のピアニストたちの演奏が20トラック収録されています。 (Ki)
MIR-217
ルネ・マルタンのレ・ク・ドゥ・クール 2013

(1)ビゼー:「カルメン」 第2組曲
(2)ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
(3)ラヴェル:ボレロ
(4)ヒメネス:「ルイス・アロンソの結婚式」より(カスタネットとオーケストラのための)
(5)ビゼー:「カルメン」第1組曲〜 闘牛士
(6)即興演奏
(1)ジャン=ジャック・カントロフ(指)
 シンフォニア・ヴァルソヴィア
(2)フアン・マヌエル・カニサレス(G)
 ジャン=ジャック・カントロフ(指)
 シンフォニア・ヴァルソヴィア
(3)フェイサル ・カルイ(指)ラムルーO
(4)ルセロ・テナ(カスタネット)
 フェイサル ・カルイ(指)ラムルーO
(5)ルセロ・テナ(カスタネット)
 フェイサル ・カルイ(指)ラムルーO
(6)ルセロ・テナ(カスタネット)

録音:2013年2月にナントでおこなわれたラ・フォル・ジュルネ音楽祭のライヴ
東京での開催も今年で9回目を迎えるラ・フォル・ジュルネ音楽祭。一足先、今年2月にナントで行われた音楽祭のハイライト(ライヴ録音)をルネ・ マルタンがセレクトしたディスクが販売されます!なんといっても注目はカスタネットのルセロ・テナ。1938年メキシコ生まれの彼女は、スペインを中心に 活躍する世界的フラメンコ・カスタネット奏者。その驚異の超絶技巧と豊かな表現力で、ロストロポーヴィチ、バイエルン放送響、イスラエル・フィル、ロ ンドン・フィル等とも共演しています。ロドリーゴも彼女のために作品を書いているほど。また、ギターのカニサレスも、ベルリン・フィルと共演するなど、 世界的なギター奏者。ほかに、「ボレロ」を初演した伝統あるラムルー管弦楽団による「ボレロ」など、聴きどころ満載!LFJの予習ディスクとしても、ま た、純粋にパッション溢れるライヴ録音ディスクとしても大いにたのしめる内容です! (Ki)

MIR-218
スクリャービン:練習曲集(全曲)
練習曲嬰ハ短調Op.2-1、
12の練習曲Op.8、8つの練習曲Op.42、
練習曲変ホ長調Op.49-1、
練習曲変ホ長調Op.56-4、
3つの練習曲Op.65、
ピアノ・ソナタ第7番「白ミサ」Op.64
アンドレイ・コロベイニコフ(P)

録音:2013年5月21-23日:ミュンヘン、バイエルン放送局第1スタジオ
シアの新鋭ピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフ。1986年生まれ、モスクワ音楽院でディエフに師事し、2004年に行われた第3回スクリャー ビン国際ピアノ・コンクールで優勝。日本ではラ・フォル・ジュルネ音楽祭にも度々登場し、日本のファンにもおなじみのピアニスト。 本アルバムは、コロベイニコフの得意とするスクリャービンの練習曲全集。MIRAREレーベルで2008年に発売されたスクリャービンのピアノ・ソナタ.集(MIR061)は、ディアパゾン・ドールを獲得するなど高く評価されています。今回挑んだ練習曲全曲は、スクリャービンの中でも難曲として知られています。 ピアノの名手であったスクリャービンは、ロシアのショパンとも言われ、ロマンティックで美しい曲をたくさん遺しています。初期の作品である練習曲はショ パンを意識して作曲され、透き通った響き、神秘的でありながら、ロシア独特のダイナミズムも感じさせる作風です。スクリャービン国際ピアノ・コンクー ルの頃から、美音で名高いコロベイニコフ。音楽を良く味わい、追求した透徹の響きで聴かせます。また最後に収録された、ピアノ・ソナタ第7番「白ミ サ」は初期の作風とは全く異なった悪魔的な雰囲気を持つ作品。強烈な強打和音が爆発したクライマックスを、圧倒的な技巧で弾き切っています。 (Ki)

MIR-219
ルイス・フェルナンド・ペレス/ファリャ:作品集
交響的印象「スペインの庭の夜」*
「三角帽子」〜隣人たちの踊り/粉屋の女房の踊り/粉屋の踊り
アンダルシア幻想曲
「恋は魔術師」〜きつね火の踊り/恐怖の踊り/魔法の輪/火祭りの踊り
ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
カルロ・リッツィ(指)バスク国立O

録音:2013年4月11-12日ボルドー・オーディトリウム*
6月15-17日アルカラ・デ・エナーレス音楽室
フォル・ジュルネ音楽祭でもお馴染みのスペインの名手ルイス・フェルナンド・ペレス。冴えたテクニックと独特のリズム感による明快な音楽性で、ラロー チャ亡き後のスペイン・ピアノ界を背負う筆頭とみなされています。ペレスのスペイン物はどれも素晴しいのひと言に尽きますが、今回は待望のファリャ 作品集。ピアノとオーケストラのための協奏作品「スペインの庭の夜」は2013年のフォル・ジュルネ音楽祭での名演が語り草となっているので、録音 の登場は大歓迎と申せましょう。
アルベニスやグラナドスと比べ、ファリャのピアノ独奏曲は多くなく、ポピュラーなものはありません。このアルバムは「スペインの庭の夜」をメイン に、バレエ音楽「三角帽子」と「恋は魔術師」から、ファリャの作品中最も人気のあるナンバーを作曲者自身がピアノ独奏用に編曲したものを集めると いう秀逸かつ魅力的なラインナップとなっています。ギター風の打鍵、セギディーリャやファンダンゴのリズムの巧さが特筆されますが、「火祭りの踊り」 のすさまじい効果も興奮させられます。 (Ki)

MIR-220
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調、第2番ニ長調
モーツァルト:交響曲第29番イ長調K201
タチアナ・ヴァシリエヴァ(Vc)
オーギュスタン・デュメイ(指)
ワロニー王立CO
卓越したテクニックと非凡な音楽的センスで注目されているロシアの女流チェロ奏者タチアナ・ヴァシリエヴァ。2013年まで首席指揮者を務めること が決まっているオーギュスタン・デュメイ率いるベルギーのワロニー王立室内管弦楽団との共演で、ハイドンの協奏曲を録音しました。そして、デュメイは ワロニー王立室内管就任以来の希望であった、モーツァルトの交響曲第29番もこの度録音することになりました。 ハイドンのチェロ協奏曲は全部で6曲作曲されたと言われていますが、紛失、偽作疑惑などで、現在残っているのは第1&2番となっています。第1番は、 溌剌とした若さ溢れる作品ですが、ヴァシリエヴァは伸びやかな歌い回しと豊かな表現力で聴かせてくれます。また第2番は、チェロの魅力が十分に引き 出された優雅な雰囲気が秀逸な名作。ヴァシリエヴァのハイドンの世界を楽しむような余裕ある弓さばきは、自然な音楽を作り上げています。 デュメイお気に入りのモーツァルトの交響曲第29番。イタリア様式から脱却し、ウィーン様式を巧みに用いた作品と言われ、生き生きとし、変化に富ん だ作曲技法が結合したモーツァルト10代の作品の中でも、25番と並んで人気の高い作品です。デュメイ自身も度々コンサートで取り上げる程の得意曲 であるように、ワロニー王立室内管の持ち味が遺憾なく発揮され、細部までこだわった造形と新鮮で遊び心溢れる豊かな演奏は、モーツァルトの音楽が 水を得た魚のように躍動しています。 (Ki)

MIR-231
ハイドン:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第75番ト長調Op.76-1 Hob.V.75 、
弦楽四重奏曲第44番 変ロ長調Op.50-1 Hob.V.44、
弦楽四重奏曲第81番ト長調Op.77-1 Hob.V.81
モディリアーニSQ
【フィリップ・ベルナール、
ロイック・リョー(Vn)
ローラン・マルフェング(Va)
フランソワ・キエフェル(Vc)】

録音:2013年 4月21-24日ラ・グランジュ、エヴィアン=レ=バン
「今日世界で最も優れたカルテット(南ドイツ新聞)」とも称されるモディリアーニ弦楽四重奏団。2013年に結成10年を迎え、今後さらに熟成さ れたアンサンブルを聴かせてくれるに違いない期待のカルテットです。ドビュッシー、サン=サーンス、ラヴェルを収録したフランス近代弦楽四重奏曲集 (MIR188/KKC5305では、瑞々しいアンサンブルと豊かな表現力でレコード芸術で特選盤に選ばれるなど高い評価を得ました。 今回のアルバムはMIRAREレーベル第1作(MIR065)でも取り上げたハイドンの弦楽四重奏曲集。エルデーディ四重奏曲集の中の第1曲として親しま れているハイドンらしいユーモアを効かせた第75番。フリードリヒ・ヴィルヘルム2世に献呈されたプロシア四重奏曲集の第1曲である第44番は、快 活で生命力に溢れた作品。そしてハイドン最後の弦楽四重奏曲集となったロプコヴィッツ四重奏曲集の第1曲第81番。気品漂う音楽的にも非常に充実 した曲で、それぞれの楽器が美しく絡み合い、モディリアーニの堅密なアンサンブルが見事に弾き上げています。 (Ki)
MIR-232
ラヴェル:ピアノ作品集
夜のガスパール
高雅にして感傷的なワルツ
クープランの墓
ジャン=フレデリック・ヌーブル ジェ(P)

録音:2013 年 5月/フェルム・ドゥ・ヴィユファヴァール
ピアノ界が今最も注目する若き天才ピアニスト、ジャン・フレデリック・ヌーブルジェの最新盤は、2013年5月に録音したラヴェル。2007 年にサント リーホールで華々しいリサイタル・デビューを飾り、2009 年の再来日公演の際も高い評価を受け、パーヴォ・ヤルヴィ率いるパリ管との来日共演への期 待も高まるアーティストです。 ヌーブルジェが今回取組んだのはラヴェル。繊細にしてクリアな音色が要求される「夜のガスパール」第1曲のオンディーヌから、別世界へと誘われるよう。 対照的に、「高雅にして感傷的なワルツ」では、ラヴェルのシニカルともいえる和声での独特の響かせ方、辛辣ともいえる3拍子のリズムの取り方、そしてふっ と薫る優雅さなど、変幻自在、余裕たっぷりに聴かせます。最後の「クープランの墓」最大の難曲「スカルボ」も、実に鮮やか!少しの乱れもありません。 1986年生まれの若きピアニストの、底知れぬ才能とセンスを感じる1枚です。 (Ki)
MIR-235(4CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集(全2巻) シュ・シャオメイ(P)

録音: 2009年5月ノートルダム・ド・ボン・スクール教会、パリ(第1集)
2007年4月, 2009年4ヴィルファヴァール農場、リムザン、フランス(第2集)
波乱に満ちた半生と強靭なピアニズムで聴くものの心を掴むピアニスト、シュ・シャオメイ(朱曉?、シャオ・メイ・シュとも)による平均律クラヴィー ア曲集が第1巻と2巻がセットとなって再発売されます。 彼女とこの作品との最初の出会いは10歳で入学した音楽学校。担当教授にプレリュードとフーガを何度もレッスンされたと語っています。しかし1964 年の文化大革命が起こると西欧の音楽を演奏することは禁じられ、彼女がバッハの音楽を再会するのはモンゴルの労働キャンプでの最後の年。北京から ピアノを運び中国の伝統音楽と見せかけバッハを演奏したということ。また彼女はモンゴルで過ごした5年間のうち、隠れて楽譜をコピーし写譜をしたりイ メージしたりと過酷な状況のもとでこっそりと練習を続けていました。ブックレットには彼女が中国語で書き記した楽譜の1ページが掲載されています。 自由な感性を持ちつつも、しっかりと研究され考え抜かれた演奏は確信と自信に満ちており、抜群の説得力で聴かせます。 (Ki)

MIR-236(3CD)
ラ・フォル・ジュルネ音楽祭20周年記念アルバム
■CD1
1. バッハ:マニフィカトBWV243〜マニフィカト
*2009年「シュッツからバッハまで」
2. バッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲〜第1楽章アレグロ
*2006年「国々のハーモニー」
3. バッハ:カンタータ第106番「神の時こそ、いと良き時」BWV106
*2000年「ヨハン・ゼバスチャン・バッハ」
4.ヴィヴァルディ:詩篇第126番「ニシ・ドミヌス」RV608
*2009年「シュッツからバッハまで」
5. バッハ:マニフィカト BWV243〜「エト・ミゼリコルディア(その憐れみは世々に限りなく)」
*2009年「シュッツからバッハまで」
6.ヘンデル:カンタータ「炎の中で」HWV170〜アリア「翼をもつ者は空を飛ぶがよい」
*2006年「国々のハーモニー」
7. D.スカルラッティ:ソナタ.ト短調K.27
*2003年「モンテヴェルディとヴィヴァルディ」
8. バッハ/ジロティ編:前奏曲ト短調BWV855a
9. バッハ:前奏曲ハ長調BWV846
*2000年「ヨハン・ゼバスチャン・バッハ」
10.ソレル:ソナタ第129番ホ短調R.451
*2006年「国々のハーモニー」
11.ヘンデル:ハープ協奏曲第1番Op.4-6〜第1楽章アンダンテ・アレグロ
*2006年「国々のハーモニー」
12.パーセル:ディドとエネアスより
*2006年「国々のハーモニー」
13.パーセル:しばし楽の音に
*2006年「国々のハーモニー」
14.ペルゴレージ:スターバト・マーテルより「ドロローサ」
*2003年「モンテヴェルディとヴィヴァルディ」
15. バッハ:ミサ・ブレヴィスBWV234より「クイ・トリス」
*2009年「シュッツからバッハまで」
16. バッハ:ミサ曲ロ短調BWV232より「アニュス・デイ」
*2009年「シュッツからバッハまで」
17. バッハ:カンタータ150番「主よ、われ汝をあおぎ望む」BWV150より「チャコーナ」
*2000年「ヨハン・ゼバスチャン・バッハ」
18.ヴィヴァルディ:四季より「冬」
*2003年「モンテヴェルディとヴィヴァルディ」
■CD2
1.ハイドン:チェロ協奏曲第1番より第2楽章
*2002年「ハイドン&モーツァルト」
2.モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調K.622より第2楽章
*1995年「モーツァルト」
3.シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」より第4楽章
*2008年「シューベルト、その生涯と境遇」
4.モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330より第1楽章
*1995年「モーツァルト」
5.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調Op.31-2「テンペスト」
より第3楽章
*2005年「ベートーヴェンと仲間たち」
6.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19より第3楽章
*1996年「ベートーヴェン」
7.ベートーヴェン:エリーゼのためにWoO.59
*2005年「ベートーヴェンと仲間たち」
8.シューマン:予言の鳥
*2004年「1810年ロマン派音楽時代」
9.リスト:コンソレーション第3番
ブリジット・エンゲラー(P)
*2004年「1810年ロマン派音楽時代」
10.ショパン:練習曲変ホ長調作品10-3
*2010年「ショパンの宇宙」
11.メンデルスゾーン:無言歌集より第6巻作品67-2「失われた幻影」
*2004年「1810年ロマン派音楽時代」
12.シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調D929より第2楽章
*1997年「シューベルト」
13.ショパン:ピアノ協奏曲第2番より第2楽章
*2010年「ショパンの宇宙」
14.シューベルト:アヴェ・マリア
*2008年「シューベルトその生涯と境遇」
■CD3
1. R.シュトラウス:「ツァラトゥストラはかく語りき」より導入部
*2011年後期ロマン主義タイタンたち
2.ブラームス:ハンガリー舞曲第4番(ポール・ジュオン編)
*2011年後期ロマン主義タイタンたち
3.ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番より第2楽章
*2001年熱狂の日イヴァン・イリイチ
4.ボロディン:だったん人の踊りより
*2007年民族のハーモニー
5. ガヴリーリン :交響古劇「鐘の鳴る音」より<夕べの調べ>
*2012年サクル・リュス(ロシアの祭典)
6.フォーレ:レクイエムよりサンクトゥス
*1999年ヘクトル・ガブリエル・マウリキウス
7.アルベニス:アストゥリアス
*2013年パリ、至福の時
8.ラヴェル:クープランの墓よりトッカータ
*1999年ヘクトル・ガブリエル・マウリキウス
9.ドビュッシー:小さな黒人
*1999年ヘクトル・ガブリエル・マウリキウス
10.サティ:ジムノペディ第1番
*2013年パリ、至福の時
11.バーバー:パ・ドゥ・ドゥ
*2014年峡谷から星たちへ
12.ドヴォルザーク:スラヴ舞曲ホ短調作品72-2
*2008年「シューベルトその生涯と境遇」
13.リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
*2001年熱狂の日イヴァン・イリイチ
■CD1
1. フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
2. パトリック・ボージロー(Ob)
フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
3. フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
4.カルロス・メーナ(CT)、
 ハンス・イェルク・マンメル(T)
フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
5. フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
6.ヌリア・リアル(S) 、
 フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
7. ピエール・アンタイ(Cemb)
8. アンヌ・ケフェレック(P)
9. シュ・シャオ・メイ(P)
10.ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
11.ジョヴァンナ・ペッシ(バッロクHrp)
フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
12.ヌリア・リアル(S)、
 セリーヌ・シェーン(S)、
 リチェルカール・コンソート、
 フィリップ・ピエルロ(指)
13.ジュリー・ヘスラー(S)、
 ラ・レヴーズ
 ベンヤミン・ペロー&フローレンス・ボルトン(指)
14.ヌリア・リアル(S)、
 カルロス・メーナ(CT) 、
 フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
15. キャサリン・ フーグ(S)、
 フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
16. ヴァレリー・ボナール(A)、
 ローザンヌ器楽アンサンブル、
 ミシェル・コルボ(指)
17. キャサリン・ フーグ(S)、
 カルロス・メーナ(CT) 
 ヤン・コボウ(T)
 ステファン・マクラウド(Bs)、
 フィリップ・ピエルロ(指)
 リチェルカール・コンソート
18.ジル・コリャール(Vn)、
 アンサンブル・バルバロック

■CD2
1.タチアナ・ヴァシリエヴァ(Vc)
オーギュスタン・デュメイ(指)
 ワロニー王立室内O
2.ロマン・ギュイヨ(Cl) 
 ヨーロッパ室内O
3.トリオ・ショーソン、
 ペネロペ・ポアンシュヴァル(Cb)、
 井上典子(Va)
4.シュ・シャオ・メイ(P)
5.アンドレイ・コロベイニコフ(P)
6.シャニ・ディリュカ(P)
クワメ・ライアン(指)
 ボルドー・アキテーヌ国立O
7.ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
8.ブリジット・エンゲラー(P)
9.ブリジット・エンゲラー(P)
10.フィリップ・ジュジアーノ(P)
11.シャニ・ディリュカ(P)
12.トリオ・ショーソン
13.ボリス・ベレゾフスキー(P)
 パリO、ジョン・ネルソン(指)
14.シレネゲイズ・スティール・バンド・オーケストラ

■CD3
1. ドミトリー・リス(指)ウラルPO
2.山田和樹(指)ウラルPO
3.ボリス・ベレゾフスキー(P) 
 ドミトリー・リス(指)ウラルPO 
4.ドミトリー・リス(指)ウラルPO、Cho
5. カペラ・サンクトペテルブルクCho
 ヴラディスラフ・チェルヌチェンコ(指)
6.ミシェル・コルボ(指)
 シンフォニア・ヴァルソヴィア
 ローザンヌ声楽アンサンブル、
7.アルベニス:アストゥリアス
エマニュエル・ロスフェルダー(G)
8.ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
9.アンヌ・ケフェレック(P)
10.アンヌ・ケフェレック(P)
11.シャニ・ディリュカ(P)
12.クレール・デゼール(P)、
 エマニュエル・シュトロッセ(P)
13.クレール=マリ・ルゲ(P)
1995年にフランス北西部の町ナントではじまった「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭。2014年は記念すべき20回目の開催。このアルバムには、第1回のモーツァルトから最新2014年の「峡谷から星たちへ(アメリカ音楽)」まで、テーマとなった作品が45曲収録されています。また今注目の若手指揮者山田和樹によるブラームスのハンガリー舞曲第4番(ポール・ジュオン編)など、MIRAREレーベルからCD化されていない音源も収録。ブックレットには第1回からのポスターも掲載されており、芸術監督であるルネ・マルタン氏の多彩なプログラミングの妙を再確認できます。 (Ki)
MIR-237
J.S.バッハ:音楽の捧げものBWV1079
3声のリチェルカーレ
王の主題による無窮カノン 
トリオ・ソナタ/無限カノン
王の主題による各種のカノン 
上方5度のカノン風フーガ
6声のリチェルカーレ/謎のカノン
リチェルカーレ・コンソート
モード・グラットン(Cemb)
マルク・アンタイ(Fl)
フランソワ・フェルナンデス(Vn)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音:2011年11月、フランス、ルールマラン教会
フィリップ・ピエルロ率いるリチェルカーレ・コンソートによる《音楽の捧げもの》。この作品は、バッハがフリードリヒ大王に招かれた際に、王から与 えられた主題を用いて即興演奏することになり、その演奏を元にフーガ2曲と4楽章からなるトリオ・ソナタ、ならびに10曲のカノンを含む、1つの主 題に基づく16の作品からなる曲集を完成させたというのがその成り立ち。ピエルロは遅かれ早かれこのバッハ晩年の傑作に挑まなければならないと考え ていました。作品の偉大さはもちろん、王への献辞の頭文字をつなぐと彼らのグループ名に由来する「RICERCAR(リチェルカーレ)」となるからです。 また楽器編成や、曲順についても議論されることが多い作品でもあります。このアルバムでの曲順は、1747年の初版譜に基づいています。初版は3部 に分かれており、トリオ・ソナタは4楽章ではなく、無窮カノンを含む5楽章編成としています。楽器編成はヴァイオリン、フルート、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェ ンバロの各パート1人。音楽の精髄を極めたこの作品を、格調高く演奏しています。チェンバロを担当するのは、ピエール・アンタイに学んだフランスの 若手モード・グラットン。冒頭の3声のリチェルカーレでは、厳格に、後半の6声のリチェルカーレでは精緻かつ多彩に聴かせます。 (Ki)
MIR-238
ガブリエル・デュポン:作品集
詩曲〜ピアノと弦楽四重奏
「療養の時」〜墓碑銘/陽をあびる庭日曜日の午後/友が花を持って来る
思わせぶり/庭で遊ぶ子供たち
平穏
「砂丘の家」〜思い出の家
幸せの憂鬱
春の日〜ヴァイオリンとピアノ
マリー=カトリーヌ・ジロー(P)、
プラジャークSQ

録音:2013年8月マルティネク・スタジオ(プラハ)
ガブリエル・デュポン(1878-1914)はラヴェルと同世代のフランスの作曲家。36歳で夭折したため作品数は少ないものの、ラフマニノフのようなロマン とショーソンのようなエスプリに満ちた独特の世界を垣間見せ、最高の発見をしたような気分にさせられます。ピアノ組曲「療養の時」は、デュポンが肺炎 でサナトリウム生活を送っていた25-7歳の頃の作で、全14曲の大作。内容は少しもネガティブでなく、堀辰雄の文学を思わせる清々しさとセヴラックのよ うな陽光を感じさせます。ここでは7篇が選ばれています。「詩曲」は30分を超える大作ですが、ラフマニノフ調の出だしから釘づけにされます。
今年のフォルジュルネ音楽祭での演奏が好評だったマリー=カトリーヌ・ジロー。知られざるフランス作品をエレガントで香り高く披露しています。チェコ の名団体プラジャークQも力演。 (Ki)
MIR-239
ルート66〜アメリカ音楽ピアノ作品集
ジョン・アダムズ:中国の門
キース・ジャレット:マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ
グレインジャー:子守唄
バーバー:パ・ドゥ・ドゥ
エイミー・ビーチ:ヤング・バーチズ
ビル・エヴァンス:ワルツ・フォー・デビイ
フィリップ・グラス:エチュード第9番
バーンスタイン:フェリシア・モンテアレグレのために
ジョン・ケージ:イン・ア・ランドスケープ
ガーシュウィン(キース・ジャレット編):愛するポーギー
バーンスタイン:間奏曲
ヒャン−キ・ジュー:シャンデルアーズ
ヒナステラ:優雅な乙女の踊り
バーンスタイン:アーロン・コープランドのために
コープランド:ピアノ・ブルース第1番「レオ・スミットのために」
ビル・エヴァンス:ピース・ピース
ガーシュウィン(グレインジャー編):愛が訪れた時
コール・ポーター(ラファエル・メルラン編):恋とはなんでしょう*
シャニ・ディリュカ(P)
ナタリー・デセイ*

録音:2013 年11月
モナコ出身のピアニスト、シャニ・ディリュカ。アメリカのビート・ジェネレーションを代表する作家ジャック・ケルアックの著書「路上(オン・ザ・ロー ド)」にインスパイアされて彼女自身が選曲したアメリカ・ピアノ音楽集。アルバムのタイトルにもなっている「ルート66」は、ケルアックの「路上」にも 登場するシカゴとサンタモニカを結んでいた国道66号線。今は廃線になっていますが、20世紀中頃のポップ・カルチャーの中で度々題材とされ愛され、 今なおその名が残っています。 アルバムは、ミニマル音楽のジョン・アダムズ「中国の門」にはじまり、キース・ジャレットの名曲「マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ」、ジャズ・ピ アニストのビル・エヴァンスの愛らしい作品「ワルツ・フォー・デビイ」、バーンスタインの奥さんフェリシア・モンテアレグレに捧げられたピアノ曲、ガーシュ ウィンの傑作<ポーギーとベス>からキース・ジャレット編曲の「愛するポーギー」など多彩な内容で、若い男女の青春と苦悩を描いた「路上」と同じく、 喜びや切なさ、孤独感、渇望、さまざまな感情が入り混じったピアノ作品が収録されています。 さらにアルバムの最後にはコール・ポーターがミュージカル「ウェイク・アップ・アンド・ドリーム」のために作曲した「恋とはなんでしょう」をフランス の歌姫ナタリー・デセイが歌っています。穏やかな美しいデセイの歌声で響く極上の一曲となっています。 (Ki)


MIR-240
シューベルト:ピアノ作品集〜星のかけら
感傷的なワルツD.779〜第13番
16のドイツ舞曲 D.783〜第5番、第14番、第15番、第10番
12のワルツD.145〜第2番、第8番
12のドイツ舞曲D.790〜第5番、第11番、第3番
高貴なワルツD.969〜第10番
オリジナル舞曲集D.365〜第1番
ハンガリー風のメロディ D.817
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960
シャニ・ディリュカ(P)

録音:2013年9月 フランス、ナンテール芸術文化センター
毎年ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにも参加している才能溢れるピアニスト、シャニ・ディリュカによるシューベルト。スリランカ出身の両親のもと、 モナコで生まれ育ち、グレース王妃に見出され英才教育を受け、次世代のピアノ界を牽引する若手として成長を遂げています。 今回MIRAREレーベルより発売される新譜は、シューベルトのピアノ舞曲を中心に選曲した内容。シューベルトは2手および4手のための作品をあわ せると600以上のピアノ舞曲を作曲しています。それらはすべて踊ることを目的としており、その多くが友人たちの集うシューベルティアーデで生まれた実 用的な作品でありました。ちょうどシューベルトが舞曲を書き上げた時期は、貴族的な舞踏から民衆・中産階級の人々が親しむものへと変化した時代でも あり、そうした背景もあり多くの作品が生み出されました。一つ一つは短い曲ですが、次々とテンポや調性が変化する即興性があり、“星のかけら” をひと つずつ集めて行くような楽しさがある選曲です。アルバムの最後には、シューベルト最後のピアノ・ソナタ第21番が収録されており、シャニ・ディリュカは、 晩年の崇高で穏やかなシューベルトの世界が果てしなく広がるような雄大さを感じる演奏を聴かせてくれます。 (Ki)

MIR-241
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第6番変ホ長調Op.70-2
シューマン:ピアノ三重奏曲第3番ト短調Op.110
トリオ・レ・ゼスプリ
【アダム・ラルーム(P)
梁 美沙(ヤン・ミサ)(Vn)
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(Vc)】

録音:2013年4月28-30日サル・ガヴォー、パリ
注目のピアノ・トリオが登場しました。クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールの覇者アダム・ラルーム。マルクノイキルヘン国際コンクールで第2位 を獲得しフランスを中心に高い評価を得ているチェリスト、ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール。そして大阪出身でパリ国立音楽院に学んだヴァイオ リニスト、梁 美沙(ヤン・ミサ)の3人によるトリオ・レ・ゼスプリ。彼らは2009年に初めて共にコンサートを行い、互いの音楽性に共感し、2012 年正式にピアノ・トリオを結成。パリのシャンゼリゼ劇場にデビュー後、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭、ドヴィール・イースター音楽祭など数々の音楽祭に 参加し、結成わずか2年にも関わらず、世界の音楽関係者の注目を集めています。 デビュー・アルバムとなる本作には、ベートーヴェンとシューマンの全く異なる性格の作品が選ばれました。ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第6番は、 名作「幽霊」と「大公」に挟まれた比較的地味な曲ですが、豊かな楽想と穏やかな旋律が魅力。エネルギーに溢れた快活なフィナーレでは、親密なアン サンブル、充実した音楽性そして若い彼らの活気に満ちた演奏を聴かせてくれます。一方内省的でドラマティックなシューマンのピアノ三重奏曲第3番では、 濃厚な情念が込められた力演を披露してくれます。この曲は不安と激情を繰り返す独特の緊張感、そして思わずため息が出るような美しく甘美な旋律といっ たシューマンの美点が集約されており、シューマンが精神を病む晩年を飾る傑作の一つと言ってよいでしょう。この演奏で最も印象的なのが、ヴァイオリ ンの梁 美沙。彼女は感情を全面に押し出した演奏が特徴ですが、このシューマンは彼女の中にある情熱がいっきに表出したかのような、衝撃的な演奏。 そしてピアノもチェロも彼女のパッションに吸い寄せられるように、力強く躍動的な音楽を聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-242
デュカス:ピアノ曲全集
牧神のはるかなる嘆き
ピアノ・ソナタ変ホ短調
ラモーの主題による変奏曲、間奏曲と終曲
ハイドンの名による悲歌的前奏曲
エルヴェ・ビヨー(P)

録音:2013年9月16-18日/ロシュボン城教会
エルヴェ・ビヨーはパリ音楽院でジェルメーヌ・ムニエとジャン・ユボーに師事し、16歳で一等賞となりました。非常な技巧派で、アルベニスの「イベ リア」全曲の快演CDもあります。
デュカスのピアノ曲はこの4篇しか残されていませんが、ピアノ・ソナタは演奏時間が42分半もかかる大曲。技術的な難しさに加え、巨大で堅固な構 成力が要求される難物。ビヨーは早目のテンポで聴き手をぐいぐいとひっぱります。フィナーレの盛り上がりなど、オーケストラに勝る凄さです。「ラモー の主題による変奏曲、間奏曲と終曲」はさほど有名ではありませんが、恐るべき難曲。ビヨーは楽々とこなし、曲の美しさをたっぷり味わせてくれます。 (Ki)
MIR-243
J.S.バッハ:待降節&クリスマスのカンタータ集
カンタータ第110番「われらの口を笑いで満たし」BWV110
カンタータ第151番「甘き慰め。わがイエスは来ませり」BWV151
カンタータ第63番「キリストの徒よ、この日を彫り刻め」BWV63
リチェルカール・コンソート
マリア・コヘイン(S)
カルロス・メーナ(A)
ユリアン・プレガルディエン(T)
ステファン・マクラウド(Bs)
フィリップ・ピエルロ(指)

録音:2012年11月ベルギー
フィリップ・ピエルロ率いるリチェルカール・コンソートの演奏によるクリスマスの時期の礼拝のために書かれたカンタータ集。各パート1名のいわゆる OVPP(One Voice Per Part)を採用した繊細で緻密な演奏で、ソプラノ、アルト、テノール、バスの流れるような歌唱が一段と美しく、透明感ある音色 がクリスマス用の祝祭的な雰囲気とぴったりとあっています。特に第63番「キリストの徒よ、この日を彫り刻め」の華やかな冒頭、厳かで清らかに歌わ れる第151番「甘き慰め。わがイエスは来ませり」、慈愛に満ちた第110番「われらの口を笑いで満たし」と、充実した演奏で聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-244
アメリカン・ジャーニー
バーンスタイン:セレナード(プラトンの「饗宴」による)
バーバー:弦楽のためのアダージョ
バーナード・ハーマン:弦楽のための「サイコ」組曲
ガーシュウィン:3つの前奏曲(ピアノ独奏)
アイヴス:答えのない質問
タイ・マレイ(Vn)、
ジャン=フランソワ・エッセール(P、指 )
ポワトゥー=シャラントO

録音:2013 年 10 月/ポワチエ・オードトリウム劇場
2014年のナントのフォル・ジュルネ音楽祭のテーマはアメリカ。それを記念してのアメリカ音楽アルバム。アメリカ音楽というと良く知らないイメージがありますが、ここに収められた作曲家と作品は誰もが知るものばかり。それをジャン=フランソワ・エッセールのピアノと指揮で聴くことができる超注目盤。プラトンの「饗宴」によるバーンスタインの「セレナード」はヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器から成り、ヴァイオリン独奏をアメリカの女流タイ・マレイが務めています。また、ヒッチコックの映画「サイコ」のあの不気味な音楽を最新録音で聴くことができるのも魅力。さらにエッセールは、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」情感たっぷりに、ガーシュウィンの「3つの前奏曲」ではスウィングをきかせたジャズ風演奏でたっぷり楽しませてくれます。 (Ki)

MIR-250
ブラームス:クラリネットのための作品集
クラリネット三重奏曲イ短調Op.114
クラリネット・ソナタ ヘ短調Op.120-1、
クラリネット・ソナタ 変ロ長調Op.120-2
ラファエル・セヴェール(Cl)
アダム・ラルーム(P)
ヴィクトル・ジュリアン=ラファリエール(Vc)

録音:2014年1月6-8日パリ、サル・ガヴォー
名作クラリネット五重奏をはじめとした晩年のブラームスのクラリネット作品の陰には当時の名手ミュールフェルトの存在があったことは周知のこと。作 曲家として引退を決意していたブラームスに再び創作への意欲を駆り立てたのがマイニンゲン宮廷管弦楽団のクラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェル トでした。その後ブラームスは立て続けにクラリネット三重奏曲、クラリネット五重奏曲を書き上げ、その後2 つのクラリネット・ソナタを作曲しています。 中でもクラリネット三重奏曲は、ブラームス自身のお気に入りの作品。冒頭から哀愁漂わせる旋律をチェロ、そしてクラリネットと奏でられ、静かに作品 の世界にいざないます。2つのクラリネット・ソナタはブラームスが残した最後の室内楽作品。クラリネットの特性を生かし、晩年のブラームスの円熟し た技法で生み出された見事な表現力を発揮させた曲。また、ここに収録されている3作品はヴィオラのレパートリーとしても親しまれています。 クラリネットを演奏するのは、1994年生まれのラファエル・セヴェール。2010年にフランスのヴィクトワール・ド・ラ・ミュージックに選出された注目の若手。 14歳でパリ国立音楽院に入学。これまでジェラール・コセ、アンリ・ドマルケット、エベーヌ四重奏団、チェコ・フィル、シンフォニア・ヴァルソヴィアな どと共演しています。ふくよかで美しい音を持ち、豊かな音楽性、安定したテクニックで将来が楽しみな奏者です。ピアノを担当するのは、2009年クララ・ ハスキル国際ピアノ・コンクールの優勝者アダム・ラルーム。彼の寄り添うようなピアノも光っています。チェロは、アダム・ラルームと梁美沙と共にトリオ・ レゼスプリで活動しているヴィクトル・ジュリアン=ラファリエールが務めています。 (Ki)
MIR-251
バッハ:コラール「ただ愛する神の摂理にまかす者」BWV691
幻想曲とフーガ.イ短調BWV944
イギリス組曲第2番イ短調BWV807
コラール「ただ、愛する神のみ旨に従うものは」BWV690
コラール「わが確信たるイエスは」BWV728
イタリア協奏曲BWV971
イギリス組曲第6番ニ短調BWV811
ピエール・アンタイ(Cemb)

[使用楽器]ミヒャエル・ミートケ、ベルリン1702年製、ウィリアム・ダウド、パリ1984年製、ブルース・ケネディ、アムステルダム1994年製

録音:2014年4月ハールレム、オランダ
鬼才チェンバロ奏者ピエール・アンタイによる、バッハのイタリア協奏曲、イギリス組曲などライプツィヒ時代の鍵盤作品を中心にしたアルバム。
バッハは、ヴァイマール時代にヴィヴァルディを筆頭とするイタリアの協奏曲の形式に魅せられ、以降研究を重ね編曲を含めいくつかの作品を完成さ せました。特に「イギリス組曲」の第2番からイタリア・バロックのスタイルを模した音楽を書き、「イタリア協奏曲」はそうした研究の成果を存分に有 しており、華やかなイタリア風の様式を1台のチェンバロで弾く意欲的な作品で、バッハには批判的であったヨハン・アドルフ・シャイベも、この作品 には「単一楽器による協奏曲の模範」という賛辞を与えています。
ピエール・アンタイの演奏は、確かな構成力と絶妙なアーティキュレーションとアゴーギク、そして圧倒的な技巧による闊達とした華やかさが魅力。 さらにイギリス組曲でもクーラント、ジーグなどでは、軽快で自由開放的、爽快な音運びで聴かせてくれます。
さらに間に収録されているコラール3曲と幻想曲とフーガ イ短調BWV944。「キルンベルガー・コラール集」と呼ばれている曲集からの2つのコ ラール。オルガン小曲集ほど知られてはいませんが、ソプラノに出る定旋律を、豊かな装飾音で流麗に聴かせる、美しいコラールです。さらにバッハが 後にオルガン曲(BWV543)に改作している16分音符の長大な主題が印象的なフーガBWV944。独創的な作品を見事な構築力で丁寧に音楽を奏で、 バッハの真髄が垣間見られる演奏です。

MIR-252(2CD)
アヴデーエワ/本格CDデヴュー
シューベルト:3つのピアノ曲(第1曲変ホ短調、第2曲変ホ長調、第3曲ハ長調)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番Op.83
ショパン:24の前奏曲Op.28
ユリアンナ・アヴデ ーエワ(P)

録音:2014年2月10-13日レ・ヴィンチ、コンベンションセンター、ピエール・ド・ロンサール・オーディトリウム
2010年ショパン国際コンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワが遂にMIRAREレーベルよりアルバムをリリースします。彼女はアルゲリッチ以来 の女性ピアニストの優勝者として一躍注目され、その後世界各地で行われたリサイタルは、卓越したテクニックと完成された音楽性で絶賛されています。 2014年秋には来日が予定されており、今後の活躍にさらなる期待が膨らみます。
本アルバムでは、シューベルト、プロコフィエフ、ショパンという内容。ショパン国際コンクールの覇者であるユリアンナ・アヴデーエワならば、オール・ ショパンではないのかと思いますが、彼女のレパートリーはバッハ、ベートーヴェン、シューベルト、ショパン、20世紀の作曲家と幅広く、型にはま らない多面性を持った次世代のアーティストであります。さらにこの選曲は自身で行ったということ。「プロコフィエフの経歴を勉強しているときに思いつい たプログラムです。プロコフィエフは、1918年ロシアからアメリカへの亡命を決めました。その際アメリカへ渡る前に日本を訪れています。日本で行われ たリサイタルのプログラムには、日本の聴衆の好みに合わせるため、自作とショパンが含まれていました。さらにその後渡米した時にプロモーターから古 典的なレパートリーも組み込んで欲しいとリクエストされ、その要望を受けプロコフィエフはシューベルトのワルツ集を編曲しています。そうした経緯を知 り私は異なる3人の作曲を一つのアルバムに収録したいと考えました。(ユリアンナ・アヴデーエワ)」
MIR-254
ラインハルト・カイザー(1674-1739):マルコ受難曲 アマンディーヌ・ベイエ(Vn)
アンサンブル・リ・インコーニティ
ジャック・モデルヌ・アンサンブル
ジョエ ル ・スュユビエット(指)
ヤン・コボウ(テノール/ 福音史家)
トーマス・E・バウアー(バス/イエス)

録音:2014 年 4月
ラインハルト・カイザーの「マルコ受難曲」。本アルバムは、アマンディーヌ・ベイエとジョエル・スュユビエットの案により、リ・インコーニティとジャッ ク・モデルヌという2つのアンサンブルの共演が実現しました。 現在の研究では「マルコ受難曲」は、ラインハルト・カイザーの作品ではないという見方があります。しかし、ニコラウス・ブルーンスやラインハルトの父 ゴットフリートなど他の作曲家である説も確実には証明されていません。18世紀初期に演奏される機会が増えた受難曲。バッハも1726年にラインハルト・ カイザーの「マルコ受難曲」を演奏したという記録が残っており、バッハはカイザーの音楽を高く評価していたということもあり、カイザーの作品にバッハ 自身のオリジナル曲を追加、編曲を加えていたといわれています。バッハの「マルコ受難曲」は1731年にライプツィヒのトーマス教会で初演された記録 が残っていますが、楽譜については消失しています。この録音は1713年ワイマールで演奏された版に基づいた、カルス出版から出されているハンス・ベ ルクマン版を使用しています。 (Ki)
MIR-255
テレマン:四重奏曲集
ソナタ イ長調TWV43:A1、
ソナタ ト短調TWV43:g1、
協奏曲 ト長調TWV43:G1、
「6つの組曲からなる新四重奏曲集 」〜四重奏曲第6番 ホ短調 TWV 43:e4
レ・ゾンブル
シルヴァン・サルトル(フラウト・トラヴェルソ)
マルゴー・ブランシャール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ジョナサン・ペシェク(Vc)
ナディア・ルソニエ(Cemb)

録音:2013 年
新進気鋭のバロック・アンサンブル、レ・ゾンブルによるテレマンのパリ四重奏曲集。「クァドリ(四重奏曲集)」は1730年、ハンブルクで出版された曲集。 コンチェルト2曲、ソナタ2曲、そして組曲2曲の合計6曲で構成されています。「パリ四重奏曲集(新しい四重奏曲集)」は1738年、パリで出版さ れた6曲から成る曲集。いずれも、フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバまたはチェロ、そして通奏低音という楽器編成。軽快で 表情豊かな音楽、多彩な魅力に溢れています。 (Ki)
MIR-259
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティヴァル2014公式CD〜プラタナスの木の下に佇むピアノ
(1)ソレル:ソナタ.ホ短調第129番R.451
(2)バッハ:前奏曲変ロ短調BWV853
(3)クープラン:神秘のバリケード
(4)モーツァルト:ピアノ・ソナタ.ハ短調K.457
(5)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」〜第3楽章
(6)シューマン:森の情景〜予言の鳥
(7)リスト:巡礼の年第1年〜泉のほとりで
(8)シューマン:ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.11
(9)ショパン:前奏曲変ニ長調「雨だれ」Op.28-15
(10)ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調Op.32-12
(11)チャイコフスキー:中程度の12の小品Op.40-8
(12)ラフマニノフ:ひなぎくOp.40-8
(13)ビゼー:子供の遊びOp.22「小さい旦那様、小さい奥様」
(14)ドビュッシー:月の光
(15)ラヴェル:夜のガスパール〜オンディーヌ
(16)ヒナステラ:優雅な乙女の踊り
(17)ガーシュウィン:3つの前奏曲
(18)アーン:冬
(1)ルイ・フェルナンド・ペレス(P)
(2)シュ・シャオメイ(P)
(3)イド・バル=シャイ(P)
(4)アンヌ・ケフェレック(P)
(5)アブデル・ラーマン・エル=バシャ(P)
(6)マタン・ポラト(P)
(7)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(8)アダム・ラルーム(P)
(9)フィリップ・ジュジアーノ(P)
(10)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(11)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(12)クレール=マリ・ルゲ(P)
(13)クレール・デゼール&エマニュエル・シュトロッセ(P)
(14)アンヌ・ケフェレック(P)
(15)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
(16)シャニ・デュリカ(P)
(17)ジャン=フランソワ・エッセール(P)
(18)アンヌ・ケフェレック(P)
南仏プロヴァンス地方のラ・ロック・ダンテロンで、1981年より開催されている国際ピアノ・フェスティヴァル。地元の村長ポール・オノラティニと、ラ・ フォル・ジュルネ音楽祭のプロデューサーとしても知られるルネ・マルタンによって創設されました。2014年に34回目を迎え、世界中から集まった音楽 家たちが、プラタナスの木が茂る野外ホールでコンサートを行います。このアルバムは、フェスティヴァルの常連のMIRAREアーティストによるコンピレー ションCDです。 (Ki)
MIR-260
セメレ
マラン・マレ:音楽悲劇「セメレ」(抜粋)
デトゥーシュ:シンフォニーとソロのためのカンタータ「セメレ」
ヘンデル:音楽劇「セメレ」(抜粋)、
 オラトリオ「テオドーラ」(抜粋)、
 合奏協奏曲ヘ長調 Op. 3 NO 4, HWV 315、
 オラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人」〜愛らしい鳥、カンタータ「炎の中で」
シャンタル・サントン=ジェフェリー(S)
メロディ・ルヴィオ(A)
レ・ゾンブル
マルゴー・ブランシャール&シルヴァン・サルトル.(音楽監督)

録音:2013 年 6 月フランス、ジュジュリュー、ボネ絹博物館
ギリシャ神話に登場する美しい女性「セメレ」を題材にした作品を収録したアルバム。まずマラン・マレの音楽悲劇「セメレ」。近年発見された楽譜を もとにエルヴェ・ニケによる復元版が演奏されるなど話題となっている作品で、マレの充実した音楽が展開されています。次にバレエ音楽「四大元素」で 知られるフランス・バロック期の作曲家、デトゥーシュ。マレと同じくアントワーヌ・ウダール・ド・ラ・モットのテキストを用いたシンフォニーとソロの ためのカンタータ「セメレ」を書きました。そして「セメレ」を題材とした一番有名なヘンデルの音楽劇。ヘンデルの冴え渡る技法を堪能できる作品。美 しい人間のセメレの前に現れた人間の姿をした神ジュピター。ジュピターの子を身ごもったセメレに嫉妬心を抱く妻ジューノ。最後にはジュピターの雷光 にあたってセメレは死んでしまいます。登場人物の巧みな心理描写はまさにヘンデルの傑作と言えるでしょう。演奏は、フラウト・トラヴェルソ奏者のシル ヴァン・サルトルとヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のマルゴー・ブランシャールによって2006年に設立された古楽アンサンブル、レ・ゾンブル。これまでに AMBRONAYレーベルよりアルバムを2作リリースしており、バロック界の次代を担う注目の若手団体として注目されています。 (Ki)
MIR-261
ピアノ・デュオ作品集
ボロディン(ソコロフ編):だったん人の踊り
ラヴェル(作曲者編):スペイン狂詩曲
グリーグ:ヴァルス=カプリスOp.37
 ノルウェー舞曲集Op.35
バーバー:スーヴェニールOp.28
デュオ・ヤーテーコク【アデライード・パナジェ&ナイリ・バダル(ピアノ・デュオ)】

録音:2013年8月27-30日/コーク音楽学校公会堂(アイルランド)
期待のピアノ・デュオの出現です。女優と見まごう若きふたりの美人、アデライード・パナジェとナイリ・バダルによるデュオ・ヤーテーコク。幼い頃か らの親友で、ともにパリ音楽院でブリジット・エンゲラーとニコラ・アンゲリッシュ、さらにクレール・デゼールに師事、2007年にデュオ・ヤーテーコク を結成しました。ヤーテーコクとはハンガリー語で「play」の意味。切れ味良いテクニック、息のあったアンサンブルに加え、独特の華やかさとオシャレ な感覚はスターになる要素をすべて持っていると申せましょう。
デビュー・アルバムとなる当ディスクは、世界各国の作品を集めていますが、タイトルはずばり「ダンス」。彼女たちの魅力であるオシャレで元気の良い 世界を展開します。注目はボロディンの「だったん人の踊り」。リムスキー=コルサコフの弟子だったニコライ・ソコロフの編曲で、非常に効果的。ふたり の恩師であるブリジット・エンゲラーがボリス・ベレゾフスキーと愛奏していたもので、エンゲラーの強い薦めで録音したとのこと。有名なテーマの歌いま わしも独特なカッコ良さに聴き惚れるだけでなく、後半の急速で派手な盛り上がりもピッタリと合い、興奮させられます。
またラヴェルの精巧極まりない「スペイン狂詩曲」、グリーグの民族色、バーバーの古き良きアメリカを感じさせる「スーヴェニール」と、いずれも輝き に満ちています。要注目。 (Ki)
MIR-262
スコラ・エテルナ〜聖母マリアへの聖歌
フランク:パニス・アンジェリカス/天使の糧(ソプラノ)、
 主よ、私たちを罰しないでください、
 アヴェ・マリア、このお方はどなたか、
 主の右手は、
 パニス・アンジェリカス/天使の糧(テノール)
ラドミロー:古いブルターニュの頌歌集
ベルティエ:諸聖人の日の奉納唱、
 アヴェ・マリス・ステラ、
 タントゥム・エルゴ、アヴェ・マリア
ロパルツ:3声のミサ
アラン:旋法的なミサ
ローザンヌ声楽アンサンブル
ミシェル・コルボ(指)

録音:2014年8月18,19日ヴィルファヴァール
ミシェル・コルボとローザンヌ声楽アンサンブルによる19世紀後半から20世紀に書かれた聖母マリアへの聖歌集。19世紀後半から20世紀にかけ てフランスではルネサンス時代のポリフォニーと対位法を再び見直す新しい動きがありました。その運動の中心にいたのが、和声の研鑽と進歩的なアプロー チを推進していたパリ音楽院に対立するように1894年に創立されたスコラ・カントルムでした。本アルバムでは、スコラ・カントルムによって継承された ポリフォニーの黄金時代の技術を顕著にあらわした作曲家たちの作品を収録しています。 フランクの「パニス・アンジェリカス/天使の糧」は荘厳ミサ曲の中の作品。慈悲深く美しい旋律は、単独でも演奏されることの多い曲です。ソプラノとテノー ルの2つのソリストのバージョンを収録しています。そしてフォーレの優秀な弟子であったポール・ラドミロの「古いブルターニュの頌歌集」。フランス西 部のブルターニュ地方に伝わるケルト民謡が織り込まれた美しい作品です。ポール・ベルティエは、フランス中央部のオセールに生まれたオルガニスト兼 作曲家。フランスの木の十字架少年合唱団″の創立者としても知られています。聖体の秘蹟を賛美し、父と子と精霊を讃える歌「タントゥム・エルゴ」は、 ベルティエの洗練された旋律と熟練した形式美が特徴です。ブルターニュ出身のギィ・ロパルツは、パリ音楽院で、和声法をデュボア、作曲をマスネに学 んでいましたが、フランクとその一派の音楽に触れ、フランクの忠実な弟子として作品を発表しました。「3声のミサ」は、美しい純粋なハーモニーは印象 的で、特にアニュス・デイは、ウィリアム・バードの「3声のミサ」を思わせる各パートの音色が濁りなく柔らかに澄み切った響きを聴かせてくれます。マ リー=クレール・アランの兄で29歳の若さで戦死したジャン・アラン。神秘的な美しさをもつ「7重奏のための旋法的なミサ」。短い生涯で残した作品は、 無調音楽ではなくエレガントで多様な色彩感をもつもの。 ミシェル・コルボとローザンヌ声楽アンサンブルの天国的な美しさは作品の本質を捉え、静謐さ、崇高さをより際立たせています。 (Ki)

MIR-264
バッハ:イタリア協奏曲BWV971
カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV992
シンフォニア第11番ホ短調BWV797
パルティータ第1番変ロ長調BWV825
インヴェンション第14番変ロ長調
半音階的幻想曲とフーガ.ニ短調BWV903
クレール=マリ・ル・ゲ(P)

録音:2014年6月ヴィルファヴァール農場
エンジニア:セシル・ルノアール
現代フランスを代表するピアニスト、クレール=マリ・ル・ゲ。これまでモーツァルトやロマン派、現代音楽を中心としたレパートリーを組んでいまし たが、遂にバッハを録音しました。イタリア趣味を反映した明朗快活な「イタリア協奏曲」。標題音楽の先駆的な作品であり、バッハの次兄であるヨハン・ ヤコブがスウェーデン国王カール12世親衛隊のオーボエ奏者として赴任する、その旅立ちのために作曲されたカプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せ て」。そしてシンフォニア、パルティータ、インヴェンション。さらには厳格な対位法と即興的な幻想曲の高度な融合を実現した「半音階的幻想曲とフー ガ」など様々な形式の音楽を取り入れてきたバッハならではの作品集。クレール=マリ・ル・ゲの知的な表現と大胆なアプローチで曲を構築し、バッハ の肖像を明らかにしています。 「バッハの音楽は、地球に深く根を張った樹木のように、空に向かって枝を伸ばし、音楽的生命力に溢れています。演奏するためには、バッハと対話し なくてはなりません。この深遠で本質的な旅は、バッハの天才性に支えられているのです。」クレール=マリ・ル・ゲ
MIR-265
D・スカルラッティ:鍵盤のための18のソナタ集
ハ長調K.420/イ短調K.54/イ短調149/ト長調K.103/ト長調K.425/ホ短調K.147/ト長調K.144/ト長調K.260/イ短調K109/イ長調K.279/ニ長調K145/ヘ短調K.481/変ロ長調K.551/ニ短調K.32/ニ短調K.517/嬰ハ短調K.246/嬰ヘ長調K.318/ロ短調K.27
影と光〜Ombre et lumiere
アンヌ・ケフェレック(P)

録音:2014 年 9 月ポワティエ・オーディトリアム・シアター
エンジニア:ユーグ・デショー
アンヌ・ケフェレックがスカルラッティを再録音しました!ケフェレックがエラートで 1970 年に最初のレコーディングを行ったのが「スカルラッティの 13のソナタ集」でした。ピアノで弾いたスカルラッティの演奏としては当初から高く評価され、40年以上過ぎた今も定盤として聴き継がれています。今回 はアルバムのタイトル「影と光〜Ombre et lumiere」にもあるように、スカルラッティの音楽はイタリア、スペインの明るい太陽に恵まれた陽気さと、強 い日差しが生み出す影を巧みに表現しています。スカルラッティはスペインに移り住み、この555曲のソナタのほとんどを当地で作曲し、民族色の濃いス ペイン・イベリア半島の音楽の影響が感じられる作品も多くあります。ケフェレック自身もスカルラッティのソナタを「陽光と生きる歓び(joie de vivre) に溢れた作品と、憂鬱な闇夜を思わせるような作品」と言っているように緩急を取り混ぜた選曲をしており、ピアノの表現力を生かした素晴らしい演奏を 聴かせてくれています。 (Ki)
MIR-266(2CD)
ラモー:クラヴサン曲集
クラヴサン曲集第1巻(1706)、
クラヴサン曲集(1724)、
王太子妃(1747)、
新クラヴサン曲集(1726-1727)、
コンセール用クラヴサン曲集(1741)
ベルトラン・キュイエ(クラヴサン:フィリップ・ユモー 1977 年製)

録音:2014年1月3&6日、5月19&20日ロワイヨモン修道院
1978年ナント生まれのベルトラン・キュイエ。チェンバロ奏者の母ジョスリンに手ほどきを受け、その後ルセとピエール・アンタイに学びました。ニケ 指揮コンセール・スピリチュエル、クリスティ指揮レザール・フロリサンとオペラで共演するほか、レ・バス・レウニー、ラ・レヴーズの通奏低音奏者兼ソ リストとしても活躍するフランス古楽界の期待のサラブレッドです。今回彼が録音したのはフランス・バロックの巨匠ジャン=フィリップ・ラモーのクラヴ サン曲集。1706年に出版されたクラヴサン曲集第1巻、1724年に出版された2つの組曲と練習曲、王太子妃、新クラヴサン組曲の2曲そしてコンセー ル用クラヴサン曲集。各曲の性格を巧みに描き分けながら、優雅な響きフランス「粋」を感じさせる演奏です。録音されたのはパリ郊外にあるロワイヨモ ン修道院。ここに併設されているフランソワ・ラング図書館。20世紀前半のピアニスト、フランソワ・ラング(1908-1944)のコレクションに基づいていて、 16世紀から20世紀の作曲家の印刷譜や手稿譜、音楽理論書や作曲家自筆の手紙を数多く所蔵しています。そしてラモーのコレクターとして知られてい るパトリック・フロランタンのラモー・コレクションも所蔵され、キュイエはこの録音に際し、これらのコレクションを参考にしたということ。 (Ki)
MIR-267
テレマン:三重奏と四重奏曲集
ソナタ第2番ト短調TWV.43g1(クァドリ/1730年ハンブルク)、
三重奏曲第5番ト短調TWV.42g1(1718年フランクフルト)、
ソナタト長調TWV43:G12、ソナタイ短調TWV42:a7、三重奏曲第2番ト長調TWV42:G6(音楽の練習帳/1727年ハンブルク)、
『シャコンヌ(モデレ)』(パリ四重奏曲第6番より/1738年)
ラ・レヴーズ
【フローレンス・ボルトン(ガンバ)、
ステファン・デュデルメル(Vn)
セルジュ・サイッタ(トラヴェルソ)
エミリー・オドゥワン(ガンバ)
カルステン・ローフ(クラヴサン)
ベンジャミン・ペロー(テオルボ)】

録音:2013 年9月サンセール教会
ベンジャミン・ペロー率いる古楽専門のコンソート、ラ・レヴーズが、テレマンの三重奏曲と四重奏曲を録音。優雅で気品あるラ・レヴーズの演奏は、 テレマンの音楽との相性は抜群。テレマンが求める音楽的要素を見事に再現し、現在はバッハに比べると軽い音楽というイメージが持たれるテレマンの作 品を、優れた資質で聴かせます。
大バッハと同時代に生きた作曲家テレマンは、当時バッハをしのぐ知名度と人気を誇り、あらゆるジャンルの音楽を作曲しました。その中でも重要な位 置を占めるのがフルートが花を添える典雅な四重奏曲。テレマンの四重奏曲といえば、「パリ四重奏曲」が代表的ですが、最初に出版された四重奏曲集「6 つの四重奏曲」も忘れることはできません。コンチェルト2曲、ソナタ2曲、そして組曲2曲の合計6曲で構成されており、ここでは第4曲のソナタ第 2番がアルバムの冒頭を飾ります。軽快で表情豊かな音楽、多彩な魅力に溢れています。この素晴らしい曲集は、初版から6年後にパリでも出版され、 パリの演奏家の間で大きな評判を呼び、テレマンはパリへ招待されることになります。それがきっかけで作曲されたのが「パリ四重奏曲」。本アルバムの 終曲として同曲集の第6番の『シャコンヌ(モデレ)』が収録されています。
三重奏曲では、1718年にフランクフルトで出版された「6つの三重奏曲集」から第5番。そしてソロ12曲、トリオ12曲からなる24曲から成る作品集「音 楽の練習帳」から第2番が選ばれています。テレマンは三重奏曲の作曲についてはかなりの自信を持っていたようで、テレマンの特徴である自由な作風と 親しみやすいメロディーが引き出された作品です。 (Ki)

MIR-268
バッハ:パルティータ第4番ニ長調BWV828
カプリッチョ変ロ長調「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992
イギリス組曲第1番イ長調BWV806
トッカータ ハ短調BWV911
レミ・ジュニエ(P)

録音:2014 年 9 月ポワティエ・オーディトリアム・シアター(TAP)
エンジニア:ユーグ・デショー
2013年エリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位に輝いたフランスの新世代のピアニスト、レミ・ジュニエ待望のソロ・アルバム。彼は1992 年フランスのモンペリエ出身。レナ・シャレシェヴスカヤ(エコール・ノルマル)、ブリジット・エンゲラー(パリ国立音楽院)、エフゲニー・コロリオフ(ハ ンブルク大学)らに師事。日本では2014年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭に出演し、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏して注目を集めました。 ディスクとしては、エリザベート王妃国際音楽コンクールの上位入賞者たちのアルバム(QEC2013)が発売されていますが、セッション録音はこのアルバ ムがはじめて。
内容はオール・バッハでレミ・ジュニエ自身によるこだわりの選曲。バッハの鍵盤作品に多様性を与えるプログラミングで、バッハの構 造美を瑞々しい感性で演奏しています。例えばパルティータ第4番は、コンクールのディスクにも収録されており、高貴で華やかな演奏を聴かせてくれます。 またバッハには珍しい標題音楽のカプリッチョ「最愛の兄の旅立ちにあたって」では、バッハが作曲にあたった背景が見事に描き出されています。2015 年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭では、このディスクの曲目も演奏される予定。今後の活躍が大いに期待されるピアニストです。 (Ki)
MIR-269
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番ヘ長調『アメリカ』Op.96
バルトーク:弦楽四重奏曲第2番
ドホナーニ:弦楽四重奏曲第3番イ短調Op.33
モディリアーニSQ
[フィリップ・ベルナール(ヴァイオリン:1780年製G.B.ガダニーニ)
ロイック・リョー(ヴァイオリン:1734年製ガリアーノ)
ローラン・マルフェング(ヴィオラ:1734年製ガリアーノ)
フランソワ・キエフェル(チェロ:1706年ゴフリラー「ヴァールブルク」)]

録音:2015年3月サレ・コロンヌ、パリ
若手クァルテットの台頭が目覚しい近年、一際存在感を見せているモディリアーニ弦楽四重奏団。パリ国立高等音楽院で意気投合した4人が一緒に演 奏を始めたのが2003年。以降、世界の名だたるホールや音楽祭に招かれ活動の幅を広げてきました。これまでMIRAREレーベルから発売された5タ イトルはいずれも高い評価を受け、ドビュッシー、ラヴェル、サン=サーンスのフランス近代弦楽四重奏曲集(KKC5305)はレコード芸術特選盤に選ばれ ています。
2015年3月に録音された最新アルバムはドヴォルザーク、バルトーク、ドホナーニの東欧の作曲家の弦楽四重奏曲を収録しています。ドヴォルザーク が3年間のアメリカ滞在中に作曲した作品の1つ弦楽四重奏曲12番。希望に満ちた明るい曲調の中にチェコへの郷愁も漂う人気曲。モディリアーニの 推進力溢れる明朗な演奏で聴かせてくれます。バルトークの弦楽四重奏曲第2番は1915年から17年かけて作曲され創作の過渡期にあたります。民族 的な側面をモディリアーニの卓越した技巧で鮮やかに聴かせます。そしてハンガリー最後のロマン派作曲家ドホナーニの弦楽四重奏曲第3番。新古典派 風の活気に満ちた楽想とハンガリー色が濃くあらわれた甘く美しい旋律が印象的。モディリアーニの心に訴えかける演奏は聴くものを引き込みます。 (Ki)

MIR-270
ブラームス:チェロ・ソナタ集
チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調Op.108(チェロのための編曲版)
アレクサンドル・クニャーゼフ(Vc)
アンドレイ・コロベイニコフ(P)

録音:2014年10月/バイエルン放送スタジオ2(ミュンヘン)
ロシアのチェロ名手、アレクサンドル・クニャーゼフと、ロシアの異才ピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフによるブラームス。ブラームス特有のメ ランコリックな抒情が感じられる第1番。雄弁なチェロとピアノの対話が光る第2番。晩年の作風が色濃く表れたヴァイオリン・ソナタ第3番からのチェ ロ編曲版。クニャーゼフの豊穣な音楽性と毅然たる風格漂う演奏、そして透徹された美しい音色をもつコロベイニコフのピアノが、ブラームス晩年の寂寥 感に満ちた音楽を描き出しています。 (Ki)

MIR-271
トリオ・ショーソン〜ハイドン&フンメル
ハイドン:ピアノ三重奏曲第43番ハ長調Hob.XV:27、
 ピアノ三重奏曲第5番ト短調Hob.XV:1、
 ピアノ三重奏曲第25番ホ短調Hob.XV:12
フンメル:ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調Op.22
トリオ・ショーソン
【フィリップ・タレク(Vn)
アントワーヌ・ランドウスキ(Vc)
ボリス・ド・ラロシェランベール(P)】

録音:2014年7月、アンギャン=レ=バン・アートセンター
トリオ・ショーソンの演奏するハイドンとフンメルのピアノ三重奏曲を収めたアルバム。収録曲は、ハイドンの43番(Hob.XV:27)、5番(Hob.XV:1)、25番(Hob.XV:12)、そしてフンメルの第2番といった魅力ある名曲集。録音されたのは、パリ近郊の温泉街、アンギャン=レ=バン市にあるアートセンター。2002年にオープンした新しい施設で、音楽、美術、ダンス、映画、建築など様々なジャンルを融合させた面白い企画を打ち出している注目の文化施設です。録音を担当するのは、フランスの名エンジニア、ユーグ・デショー。自然で洗練された録音で、美しい楽器の響きと透明感が味わえます。
ハイドンのピアノ三重奏曲は、ボザール・トリオ、カザルス・トリオなど往年の名演がありますが、トリオ・ショーソンの演奏は、3人のアンサンブルの息もピタリと合って、非常にバランスのとれた演奏を繰り広げています。アルバムの冒頭を飾る43番(Hob.XV:27)では、活き活きとした音楽と、推進力溢れるドラマティックな表現に聴き惚れます。そしてモーツァルトの内弟子として知られるフンメルのピアノ三重奏曲第2番。第3楽章にはトルコ行進曲が引用されており、軽快なリズムが刻まれる親しみやすい作品。
トリオ・ショーソンは、2001年に結成。クレラック音楽祭でショーソンの作品を演奏したことが結成のきっかけ。パリ国立音楽院で、ピエール=ローラン・エマールの室内楽クラスで1等賞を獲得。日本には、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭に度々出演して好評を得ています。 (Ki)

MIR-273(3CD)
スカルラッティ:チェンバロ・ソナタ集(50曲)
■CD1(MIR-9918)
ソナタ.ニ長調K.535/ソナタ.イ短調K.3/ソナタ.イ短調K.175/ソナタ.イ短調K.208/ソナタ.イ短調K.54 /
ソナタ.ヘ短調K.185/ソナタ.変ロ長調K.248/ソナタ.変ロ長調K.249/ソナタ.変ロ長調K.310/ソナタ.ニ長調
K.299 /ソナタ.ニ長調K.484 /ソナタ.ホ長調K.162/ソナタ.ハ長調K.199/ソナタ.ニ長調K.145/ソナタ.ニ短
調K.141/ソナタ.ホ短調K.531/ソナタ.ニ長調K.177/ソナタ.ニ長調K.492
■CD2(MIR-9920)
ソナタ.ハ短調 K.58/ソナタ.ヘ短調 K.239/ソナタ.変ホ長調 K.370/ソナタ.変ホ長調 K.371/ソナタ.ホ長調 K.135
/ソナタ.ホ長調 K.215/ソナタ.ホ長調 K.216/ソナタ.嬰ヘ短調 K.25/ソナタ.ロ長調 K.261/ソナタ.ロ長調 K.262
/ソナタ.ホ短調 K.263/ソナタ.ホ長調 K.264/ソナタ.ト長調 K.314/ソナタ.ト長調 K.259/ソナタ.ト長調 K.260
/ソナタ.ハ短調 K.84
■CD3(MIR-007)
ソナタ.ニ短調K.213/L.108/ソナタ.ニ長調K.214/L.165/ソナタ.ロ短調K.227/L.347/ソナタ.ニ長調K.511/L.314
/ソナタ.ト短調K.8/L.488/ソナタ.ハ短調K.56/G 356/ソナタ.ハ長調K.357/L.456/ソナタ.ヘ長調K.468/L.226
/ソナタ.ヘ長調K.525/L.188/ソナタ.ヘ短調K.466/L.118/ソナタ.ヘ長調K.366/L.119/ソナタ.ヘ長調K.276/L.S20
/ソナタ.ヘ長調 K.151/L.330/ソナタ.ニ短調 K.517/L.266/ソナタ.ロ短調 K.27/L.449/ソナタ.ト長調 K.146/L.349
ピエール・アンタイ(Cemb)
[使用楽器]CD1:1999年テューリンゲン、ユルゲン・アンマー復元、1720年モデル製作者不明
CD2,3:2002年バルバスト、フィリップ・ユモー製作(イタリア式)

CD1:録音:2002年
CD2:録音:2003年
CD3:録音:2005年
チェンバロの名手ピエール・アンタイによるドメニコ・スカルラッティのソナタ集全3巻をまとめたBOXセット。ドメニコ・スカルラッティは、“近代鍵 盤楽器の父” とも言われ、500曲を超えるソナタを作曲。これまでにも、アンタイの師であるレオンハルトをはじめ、名だたる鍵盤奏者がこの作品に挑ん できましたが、ピエール・アンタイが収録した50曲の本アルバムもそれに匹敵するような完成度で収録され、アンタイの強烈な個性と技巧で聴き手を圧 倒し、毅然としたタッチ、細部まで組み立てられた演奏で聴かせてくれます。
MIR-274
バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV992
シューマン:森の情景Op.82
ヤナーチェク:霧の中で
バルトーク:戸外にて
ダヴィッド・カドゥシュ(P)

録音:2014年10月24-26日 パリ、サル・ガヴォー
フランス生まれのピアニスト、ダヴィッド・カドゥシュがバッハ、シューマン、ヤナーチェク、バルトークの作品を収録しました。一見、共通点がないよ うにも思える選曲ですが、カドィシュのキーワードは「屋外(out of door)」。外国に赴任する兄にむけて書いたバッハのカプリッチョ。「森」をモチーフと した詩に触発されて作曲したシューマンの「森の情景」。作曲家としてキャリアを暗中模索していた頃に書かれたヤナーチェクの「霧の中で」。屋外で演奏 する音楽をピアノで描写したバルトークの「戸外にて」。多彩な音楽性を持つカドゥシュならではの卓越した表現力で各曲の魅力を存分に引き出しています。 (Ki)

MIR-275
フォーレ:ピアノ作品集第3集
8つの小品Op.84
主題と変奏Op.73、
舟歌第4番変イ長調Op.44、
舟歌第5番嬰ヘ短調Op.66、
舟歌第6番変ホ長調Op.70、
ノクターン第6番変ニ長調
ジャン=クロード・ペヌティエ(P)

録音:2014 年12月
ジャン=クロード・ペヌティエのフォーレ作品集。ペヌティエのピアノは、洗練された音色と純度の高い音楽性で聴くものを虜にします。彼の得意とする フォーレでは、フォーレが生きた時代の雰囲気と文化の香りを教えてくれる演奏です。穏やかなテンポ、作品に含まれた微妙なアーティキュレーションを 巧みなペダリングで音楽に透明感を与えています。特にここに収録されている舟歌3曲では、フォーレ独特の洗練された和声が光る中期の特徴を、陰影 深く機微を描いています。 (Ki)

MIR-277(2CD)
パシオン〜魂と心

■CD1【魂PASSION DE L'AME】
1.バッハ:ヨハネ受難曲〜コラール「主よ、我らを治めたまう主よ」
2.ペルゴレージ:スターバト・マーテル〜「肉体は死んで朽ち果てるとも」
3.ヴィヴァルディ:スターバト・マーテル〜「悲しみに沈める聖母は」
4. ヴィヴァルディ:スターバト・マーテル〜「いざ、愛の泉である聖母よ」
5.バッハ:カンタータ「我がうちに憂いは満ちぬ」BWV21〜シンフォニア
6.テレマン:ソナタ ト短調 TWV43:g1〜ラルゴ
7.J.M.バッハ:「ああ、いかにこの時を待ち望んでいたことか」
8.バッハ:チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056〜ラルゴ
9.F.クープラン:王宮のコンセール第2番
10.パーセル:ここに神々はよしとし給う
ラ・レヴーズ
11. バッハ:オーボエ協奏曲BWV1055a〜ラルゲット
12.バッハ:ロ短調ミサ曲BWV232〜われらのために十字架に架けられ
13.バッハ:カンタータ第198番「候妃よ、さらに一条の光を」BWV198(追悼頌歌)
14.バッハ:カンタータ第4番「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4
15.バッハ:マニフィカトBWV243〜僕イスラエルを
16.バッハ:ヨハネ受難曲〜憩え安らけかに,聖なる御からだよ

■CD2【心PASSION DU COEUR】
1.ショパン:ピアノ協奏曲第2番〜第1楽章
2.チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」〜第2楽章
3.ボロディン:弦楽四重奏曲第2番〜第3楽章
4.ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲ニ長調Op.70-1「幽霊」〜第2楽章
5.ラフマニノフ:組曲第1番「幻想的絵画」〜舟歌
6.グラナドス:ゴイェスカス第1部〜第4曲「嘆き、またはマハと夜鳴きう
ぐいす」
7.シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集Op6〜第2部第18番速くなく
8.ショパン:前奏曲Op.28第4番ホ短調
9.ショパン:前奏曲Op.28第8番嬰ヘ短調
10.シューマン:ピアノ協奏曲〜第2楽章
11.フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」Op.80〜前奏曲
■CD1
1.リチェルカーレ・コンソート、フィリップ・ピエルロ(指)
2.リチェルカーレ・コンソート、フィリップ・ピエルロ(指)、ヌリア・リアル(S)、カルロス・メーナ(C.T)
3.リチェルカーレ・コンソート、フィリップ・ピエルロ(指)、カルロス・メーナ(C.T)
4. リチェルカーレ・コンソート フィリップ・ピエルロ(指)、カルロス・メーナ(C.T)
5.ル・コンセール・フランセ、ピエール・アンタイ(指)、アマンディーヌ・ベイエ(Vn)、アルフレート・ベルナルディーニ(Ob)
6.アンサンブル・レ・ゾンブル、マルゴー・ブランシャール&シルヴァン・サルトル(指)
7.リチェルカーレ・コンソート フィリップ・ピエルロ(指)、カルロス・メーナ(C.T)
8.ベルトラン・キュイエ(Cemb)、アンサンブル・ストラディヴァリア、ダニエル・キュイエ(指)
9フィリップ・ピエルロ(ヴィオール)、エマニュエル・バルサ(ヴィオール)、エドゥアルド・エグエス(テオルボ、ギター)、ピエール・アンタイ(クラヴサン)
10.ジュリー・ハスラー(S)、フローレンス・ボルトン(ヴィオール&指)、バンジャマン・ペロー(テオルボ&指)
11. フィリップ・ピエルロ(指)リチェルカーレ・コンソート、パトリック・ボージロー(Ob)
12.ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル、ミシェル・コルボ(指)
13.フィリップ・ピエルロ(指)リチェルカーレ・コンソート、キャサリン・フュージュ(S)、カルロス・メーナ(C.T)、ハンス=イェルク・マンメル(T)、ステファン・マクラウド(Bs)
14.フィリップ・ピエルロ(指)リチェルカーレ・コンソート、キャサリン・フュージュ(S)、カルロス・メーナ(C.T)
15.フィリップ・ピエルロ(指)リチェルカーレ・コンソート、マリア・ケオハネ(S)、アンナ・ツァンダー(S)、カルロス・メーナ(C.T)
16.チェルカーレ・コンソート、フィリップ・ピエルロ(指)
■CD2
1.リス・ベレゾフスキー(P)、パリ室内O、ジョン・ネルソン(指)
2.シンフォニア・ヴァルソヴィア、イェジー・セムコフ(指)
3.プラジャークQ
4.プラハ・グァルネリ・トリオ
5.ボリス・ベレゾフスキー&ブリジット・エンゲラー(P)
6.ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
7.クレール・デゼール(P)
8.9.ユリアンナ・アヴデーエワ(P)
10.広瀬悦子(P)、フェイサル・カルイ(指)ベアルン地方ポーO
11.パリ室内O、トーマス・ツェートマイアー(指)
1995年にフランス北西部の町ナントではじまった「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭。2014年は本家20周年、日本10周年という節目を迎え、 2015年は新たな20年のためのスタート切りました。テーマは《パシオン》。音楽祭は「祈り」「恋」「いのち」の3つの《パシオン》に分けてプログラ ミングされるそうですが、このアルバムでは、「魂」「心」と2つに区分しております。ディスク1では、バッハのヨハネ受難曲、ロ短調ミサ曲、ヴィヴァルディ の「スターバト・マーテル」など、キリストが捕らえられ十字架に架けられる “受難” の意味での《パシオン》を連想する曲目が収録されています。ディ スク2では、ショパンやシューマンなど19世紀に活躍したロマン派の作曲家たちの作品を中心に、生きる喜びや情熱などをモチーフとした作品を集めて います。アーティストは、ミシェル・コルボ、ボリス・ベレゾフスキー、フィリップ・ピエルロらラ・フォル・ジュルネの顔とも言える演奏家から、音楽祭 を華やかに彩るユリアンナ・アヴデーエワ、広瀬悦子という顔ぶれが揃っています。このディスクがあれば、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭の予習・復習はバッ チリです! (Ki)
MIR-280
シューベルト:幻想曲 ヘ短調 Op.103,D.940
創作主題による8つの変奏曲 変イ長調 Op.35,D.813
アレグロ イ短調「人生の嵐」Op.144,D.947
フランスのモティーフによるディヴェルティメント ホ短調D.823〜アンダンティーノと変奏曲 ロ短調 Op.84
クレール・デゼール(P)
エマニュエル・シュトロッセ(P)

録音:2015年1月/サン=ルイ劇場
20年以上デュオを組んでいるクレール・デゼールとエマニュエル・シュトロッセによるシューベルト4手のための作品集。シューベルトは4手のため の作品を30曲ほど作曲していますが、ここに収録されているのは、シューベルトが恋心を抱いていた伯爵令嬢のために作曲した「幻想曲」、荒々しい冒 頭が印象的な「人生の嵐」など、短い人生の後半に書かれたものであり、シューベルトの後期の作品にあらわれるメランコリックで激しい曲調の作品。デゼー ルとシュトロッセは細部まで綿密に描き分け、ピタリと合ったアンサンブル、そして洗練された演奏で聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-282
ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調op.115
ヒンデミット:クラリネット五重奏曲 op.30
ラファエル・セヴェール(Cl)
プラジャークSQ

録音:2015年5月
若手クラリネット奏者ラファエル・セヴェールとチェコを代表するカルテット、プラジャーク弦楽四重奏団によるブラームスとヒンデミット。ラファエル・ セヴェールは1994年生まれ。天才クラリネット奏者として14歳でパリ国立高等音楽院に入学。2010年にはフランスのヴィクトワール・ド・ラ・ミュー ジックに選出。パリ・オペラ座管のクラリネット奏者を務めたイヴ・セヴェールを父にもち、ふくよかで美しい音、豊かな音楽性、安定したテクニックが魅 力の奏者です。 ブラームス最晩年の傑作クラリネット五重奏曲。寂寞とした孤独を感じさせ、晩年のブラームスが到達した至高の境地といえます。セヴェールの叙情豊 かな歌いまわしに寄り添ったプラジャーク弦楽四重奏団の演奏は、味わい深いブラームスを聴かせてくれます。一方ヒンデミットでは、大胆な響き、先鋭 的な音色で強烈な印象を与える輝かしいテクニックを披露しています。 (Ki)
MIR-283
ヘンリー・パーセル:賛歌とアンセム
ゴットフリート・フィンガー(1660年頃〜1730):ソナタとディヴィジョン
ジェフリー・トンプソン(T)
マルク・モイヨン(T)
ジェフロワ・ビュフィエ(Bs)
フローレンス・ボルトン(バス・ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ピエール・ガロン(クラヴサン・オルガン)
バンジャマン・ペロ(テオルボ)
ラ・レヴーズ

録音:2014年11月
イギリスの作曲家の筆頭に上がるバロック時代の作曲家、ヘンリー・パーセルによる賛歌、アンセム集。パーセルの時代は、クロムウェルによる共和制 が崩れたことによるイングランド王政復古の時代で、音楽もその影響を受け変化の局面を迎えていました。 清教徒たちは家庭での信仰を推奨していたので、パーセルの少数の歌い手と楽器選択が自由な低旋律による賛歌は大変需要があったといいます。しかし、 これらの曲の声楽パートは卓越した技巧を必要とするため、プロの演奏家のために書かれたのではないかという見方もあります。
当時よく知られていた「メメント・モリ(死を想え)」という風習の影響が色濃く表れているパーセルの本ディスク収録曲は、暗く重い歌詞のものが多く、 当時の疫病やロンドンの大火事と世代を同じくしたパーセルの世界観を垣間見ることができます。
同じくこのCDに作品がおさめられているゴットフリート・フィンガーはパーセルと同時代のモラヴィア出身の作曲家でありヴィオール奏者。ロンドンに 渡り、王室礼拝堂楽団のメンバーとなった彼は様々な楽器のための曲を残し、パーセルの死に際しては頌歌を書いています。パーセルと同じくヨーロッパ 諸国の音楽に精通していた彼の作品からは、彼が優れたヴィオール奏者だったこともうかがい知れます。 華麗なイギリスバロックの世界に浸ることのできるCDです。 (Ki)
MIR-285
D・スカルラッティ:ソナタ集VOL.4
ソナタ.イ長調 K.212/ソナタ.ニ短調 K.247
ソナタ.ト長調 K.144/ソナタ.ハ長調 K.133
ソナタ.ヘ短調 K.204a/ソナタ.イ長調 K279
ソナタ.イ長調 K.533/ソナタ.イ長調 K.405
ソナタ.ホ短調 K.402/ソナタ.ホ長調 K.403
ソナタ.ホ長調 K.381/ソナタ.イ長調 K.208
ソナタ.イ長調 K.456/ソナタ.イ長調 K.457
ソナタ.ハ短調 K.302/ソナタ.ト長調 K.201
ソナタ.ニ長調 K.45
ピエール・アンタイ(Cemb:Jonte Knif2004年製)

録音:2015年6月、オランダ、ハールレム
フランスが誇る世界的チェンバロ奏者ピエール・アンタイ待望の新譜。ドメニコ・スカルラッティは「近代鍵盤楽器の父」とも言われ、500曲を超える ソナタを作曲。これまでにも、アンタイの師であるレオンハルトをはじめ、名だたる鍵盤奏者がこの作品に挑んできましたが、ピエール・アンタイも2002 年から録音を開始、今回が第4作目となります。アンタイの強烈な個性と技巧で聴き手を圧倒し、毅然としたタッチ、細部まで組み立てられた演奏で聴 かせてくれます。 (Ki)
MIR-286
第35回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭
(1)J.S.バッハ:カプリッチョ変ロ長調「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV992
(2)スカルラッティ:ソナタ.ニ短調 K.32〜アリア
(3)クープラン:プラチナ色の髪のミューズ
(4)J.S.バッハ:シンフォニア第11番ト短調BWV797
(5)グリーグ:ピアノ抒情小品集Op.12-1
(6)ボロディン:ダッタン人の踊り
(7)バラキレフ:ソナタ 変ロ短調〜間奏曲
(8)ショパン:前奏曲第15番変ニ長調Op.28〜ソステヌー
(9)スクリャービン:練習曲Op.2-1
(10)ラヴェル:高貴で感傷的なワルツ〜レント
(11)ドビュッシー:小組曲〜小舟にて
(12)チャイコフスキー:12の小品〜シャンソン・トリエステ
(13)デュポン:砂丘にある家〜思い出の家
(14)フォーレ:夜想曲変ニ長調
(15)リスト:巡礼の年第2年イタリア〜サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ
(16)シェーンベルク:ピアノ小曲集〜アンダンテ・グラツィオーゾ
(17)デュカス:牧神のはるかなる嘆き
(18)ストラヴィンスキー:5つのやさしい小品〜ナポリ風
(19)シューマン:森の情景〜別れ
(20)シューマン:フモレスケ〜第2曲性急に-アダージョ
(21)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番ト短調Op.49〜第1楽章
(22)キース・ジャレット:マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ
(1)レミ・ジュニエ
(2)アンヌ・ケフェレック
(3)イド・バルシャイ
(4)クレール=マリ・ル・ゲ
(5)マタン・ポラト
(6)/デュオ・ヤーテーコク
(7)広瀬悦子
(8)ユリアンナ・アヴデーエワ
(9)アンドレイ・コロベイニコフ
(10)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ
(11)クレール・デゼール&エマニュエル・シュトロッセ
(12)ボリス・ベレゾフスキー
(13)マリー=カトリーヌ・ジロー
(14)ジャン=クロード・ペヌティエ
(15)ニコラ・アンゲリッシュ
(16)フローラン・ボッファール
(17)エルヴェ・ビヨー
(18)リディヤ・ビジャーク&サーニャ・ビジャーク
(19)ダヴィッド・カドゥシュ
(20)アダム・ラルーム
(21)アブデル・ラーマン・エル=バシャ
(22)シャニ・ディリュカ
南仏プロヴァンス地方のラ・ロック・ダンテロンで、1981年より開催されている国際ピアノ・フェスティヴァル。地元の村長ポール・オノラティニと、ラ・フォ ル・ジュルネ音楽祭のプロデューサーとしても知られるルネ・マルタンによって創設されました。第1回目の開催ではマルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ ツィマーマン、ゾルターン・コチシュら大物アーティストが出演。期間中9,200人の観客が訪れ、その後もラドゥ・ルプー、フランソワ=ルネ・デュシャー ブル、クン・ウー・パク、スヴャトスラフ・リヒテルなどの有名ピアニストのほか、バーバラ・ヘンドリックスなどの声楽家の出演が続き、数年のうちにピ アノ界の国際的なイベントとして認知されました。大物アーティストの他にも、才能ある若手ピアニストの挑戦の場になるなど、観客とアーティストの出会 いの場にもなっています。2015年公式CDには、MIRAREレーベルお馴染のピアニストたちの演奏が22トラック収録されています。 (Ki)
MIR-287(2CD)
シャニ・ディリュカBOX
■CD1(MIR126)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲第1番
■CD2(MIR062)
メンデルスゾーン:作品集
無言歌集第1巻よりホ長調「甘い思い出」Op.19-1、第6巻より嬰ヘ短調「失われた幻影」Op.67-2/変ホ長調「瞑想」Op.67-1/ハ長調「紡ぎ歌」Op.67-4、第7巻よりニ長調「悲歌」Op.85-4、第8巻よりホ短調「寄る辺なく」Op.102-1/ト短調「そよぐ風」Op.102-4/イ長調「楽しき農夫」Op.102-5/舟歌Op.102-7(遺作)
厳格な変奏曲Op.54、
ピアノ三重奏曲第1番Op.49〜アンダンテ・コン・モート・トランクィロ(シャニ・ディリュカ自身によるピアノ独奏用編曲)、
幻想曲嬰ヘ短調「スコットランド・ソナタ」Op.28
■CD1(MIR126)
シャニ・ディリュカ(P)
クワメ・ライアン(指)ボルドー・アキテーヌ国立感
録音:2010年4月
■CD2(MIR062)
シャニ・ディリュカ(P)
MIR-288(2CD)
タチアナ・ヴァシリエヴァBOX
■CD1(MIR107)
ショパン:チェロ・ソナタ.ト短調Op.65
 序奏と華麗なるポロネーズハ長調Op.3
アルカン:演奏会用ソナタホ長調Op.47

■CD2(MIR220)
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調、
 チェロ協奏曲第2番ニ長調,
モーツァルト:交響曲第29番イ長調K201
■CD1(MIR107)
タチアナ・ヴァシリエヴァ(Vc)
ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ(P)
録音:2009年9月

■CD2(MIR220)
タチアナ・ヴァシリエヴァ(Vc)
オーギュスタン・デュメイ(指)ワロニー王立CO
MIR-289(2CD)
ピエール・アンタイBOX〜バッハ、ラモー
■CD1(MIR017)
J.S.バッハ:管弦楽組曲第1BWV1069、第4番BWV1066
ヴァイオリンとクラヴィーアためのソナタ第4番BWV1017
カンタータ<われは憂いに沈みぬ>BWV21〜シンフォニア
■CD2(MIR164)
ラモー:歌劇『優雅なインド』より(序曲、ミュゼット、メヌエット、タンブーラン、ポーランド人たちのエール、アフリカの奴隷たちのエール、ガヴォット、シャコンヌ、未開人たち)
歌劇『ダルダニュス』より(シャコンヌ、プレリュード、優美なエール、タンブラン)
歌劇『プラテ』より(ミュゼット、ヴィエール風のメヌエット)
歌劇『ゾロアスター』より(メヌエット、サラバンド)
歌劇『ピュグマリオン』より(序曲)
歌劇『遍歴騎士』より(とても陽気なエール、少しゆるやかなガヴォット)
歌劇『イポリトとアリシー』より(メヌエット)
歌劇『エベの祭』より(タンブラン)
コンセール用のクラヴサン曲集より(軽はずみ、パントマイム、おしゃべり、内気、マレー)
■CD1(MIR017)
ピエール・アンタイ(指)
ル・コンセール・フランセ
アマンディーヌ・ベイェ(バロックVn)
アルフレード・ベルナルディーニ(Ob)
録音:2006年1月

■CD2(MIR164)
ピエール・アンタイ(クラヴサン)
スキップ・センペ(クラヴサン)
録音:2011年7月、12月フランス、アラス劇場


MIR-290(3CD)
ボリス・ベレゾフスキーBOX〜ブラームス、メトネル、チャイコフスキー
■CD1(MIR059)
メトネル:作品集
3つのロマンスOp.3〜第2曲のぞみの日々も流れ去り(プーシキン)*
4つのおとぎ話Op.34〜第2曲ホ短調
プーシキンの7つの詩Op.29〜第4曲「馬」*
3つのおとぎ話Op.42〜第1曲ヘ短調
8つの詩Op.24〜なぜ水の上に柳は垂れる(チュッチェフ)#
プーシキンの詩による7つの歌Op.52〜第2曲カラス#
フェート、ブリューソフ、チュッチェフによる7つの詩Op.28〜第5曲「春の静けさ」(ウーラント/チュッチェフ)*
2つのおとぎ話Op.14〜ヘ短調「オフィーリアの歌」、ホ短調「騎士の行進」
4つのおとぎ話Op.35〜第4曲ニ短調
2つのおとぎ話Op.48〜第2曲ト短調(妖精のおとぎ話)
ゲーテの詩による9つの歌Op.6〜第3曲妖精の歌#
ハイネの3つの詩Op.12〜第1曲いとしい恋人、君の手を*
ゲーテの詩による9つの歌Op.6〜第5曲可愛い子供よ*
8つの詩Op.24〜第1曲「昼と夜」(チュッチェフ)#
3つのロマンスOp.3〜第1曲聖なる僧院の門の傍らに(レールモントフ)*
8つの詩Op.24〜第4曲「夕暮」(チュッチェフ)#
8つの詩Op.24〜第7曲ささやき、微かな吐息(フェート)*
プーシキンの6つの詩Op.36〜第2曲「花」#
チュッチェフとフェートによる5つの詩Op.37〜第4曲ヘ短調#
4つのおとぎ話Op.26〜第2曲変ホ長調
チュッチェフとフェートによる5つの詩Op.37〜第1曲眠れずに(チュッチェフ)#
プーシキンの7つの詩Op.29〜第7曲呪文*
2つの詩Op.13〜第1曲冬の夕べ(プーシキン)*
2つのおとぎ話Op.20〜第2曲ロ短調「鐘」
■CD2(MIR132)
ブラームス:アノ協奏曲第2番
パガニーニの主題による変奏曲*
ハンガリー舞曲第1番/第2番/4番
■CD3(MIR200)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番(オリジナル版)*
主題と変奏曲Op.19の6
悲しき歌Op.40の2/マズルカOp.40の5
無言歌Op.40の6/村にてOp.40の7
ワルツOp.40の8
感傷的なワルツOp.51(クバツキー編VcとPf版)
アンダンテ・カンタービレOp.11(ゲリンガス編VcとPf版)
■CD1(MIR059)
ボリス・ベレゾフスキー(P)
イヤナ・イヴァニロヴァ(S)#
ヴァシリー・サヴェンコ(B)*
録音:2007年12月

■CD2(MIR132)
ボリス・ベレゾフスキー(P)
ドミトリー・リス(指)ウラルPO
録音:2010年11月エカテリンブルグ(ライヴ、*は除く)

■CD3(MIR200)
チャイコフスキー:
ボリス・ベレゾフスキー(P)
アンリ・ドマルケット(Vc)
アレクサンドル・ヴェデルニコフ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
[録音:2012年9月ワルシャワ(ライヴ)*、2013年4月サル・ガヴォー(パリ)
MIR-291(3CD)
アンドレイ・コロベイニコフBOX〜スクリャービン他
■CD1(MIR061)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番嬰ヘ長調Op.30、
2つの詩曲Op.32、
ピアノ・ソナタ第5番Op.53、
2つの詩曲Op.69、
ピアノ・ソナタ第8番Op.66、
2つの詩曲Op.71、
ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」Op.68、
詩曲「炎に向かって」Op.72
■CD2(MIR090)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番
6つのバガテル、
ピアノ・ソナタ第24番、
ピアノ・ソナタ第17番
■CD3(MIR155)
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番*、
24の前奏曲Op.34、
ピアノ協奏曲第2番
■CD1(MIR061)
アンドレイ・コロベイニコフ(P)
録音:2008年1月

■CD2(MIR090)
アンドレイ・コロベイニコフ(P)
録音:2009年5月フランス・リモージュ

■CD3(MIR155)
アンドレイ・コロベイニコフ(P)
ミハイル・ガイドゥーク(Tp)*
オッコ・カム(指)ラハティSO
録音:2011年5月26/28/シベリウス・ホール(ラハティ)
MIR-292(3CD)
イド・バル=シャイBOX
■CD1(MIR014)
ハイドン:ピアノ・ソナタ集
第24(39)番ニ長調Hob.XVI-24
第23(38)番ヘ長調Hob.XVI-23
第40(54)番ト長調Hob.XVI-40
第49(59)番ニ長調Hob.XVI-49
アンダンテと変奏曲ヘ短調Hob.XVII-6
■CD2(MIR075)
ショパン:マズルカ集
マズルカ第47番イ短調
マズルカ第7番ヘ短調
4つのマズルカOp.17〔第10番変ロ長調、第11番ホ短調、第12番変イ長調、第13番イ短調〕
マズルカ第56番変ロ長調
4つのマズルカOp.24〔第14番ト短調、第15番ハ長調、第16番変イ長調、第17番変ロ短調〕
マズルカ第42番ト長調
マズルカ第44番ハ長調
4つのマズルカOp.30〔第18番ハ短調、第19番ロ短調、第20番変ニ長調、第21番嬰ハ短調〕
4つのマズルカOp.33〔第22番嬰ト短調、第23番ニ長調、第24番ハ長調、第25番ロ短調〕
マズルカ第26番嬰ハ短調
マズルカ第29番変イ長調
マズルカ第42番イ短調「エミール・ガイヤール」
マズルカ第32番嬰ハ短調
マズルカ第45番イ短調
マズルカ第43番ト短調
マズルカ第40番ヘ短調
マズルカ第41番嬰ハ短調
マズルカ第49番ヘ短調
■CD3(MIR195)
フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集
さまよう亡霊たち/修道女モニク/ティクトクショック、またはオリーヴしぼり機/プラチナ色の髪のミューズ/恋のナイチンゲール/ナイチンゲールの変奏/子供時代-ミューズの誕生-幼年期/タンブラン/神秘的な女/小さな皮肉/ロジヴィエール/子守歌、またはゆりかごの中のいとし子/おしゃべり女/心地よい恋やつれ/花咲く果樹園/葦/胸飾りのリボン/煉獄の魂/収穫をする人びと/髪の油/嘆きのほおじろ/騒がしさ/クープラン/神秘なバリケード
■CD1(MIR014)
イド・バル=シャイ(P)
録音:2006年1月

■CD2(MIR075)
イド・バル=シャイ(P)
録音:2008年9月

■CD3(MIR195)
イド・バル=シャイ(P)

MIR-293(3CD)
リチェルカール・コンソートBOX〜Instrumental
■CD1(MIR9969)
アントニオ・ベルターリ、ヴァロローゾ(腕のよいヴァイオリニスト)
アントニオ・ベルターリ:2,3,5,6声のためのソナタ(7曲)
シャコンヌ,レオポルド1世:「天の女王」(ベルターリ作曲:ヴィオール伴奏部)
作曲者不詳(クロムニェジーシュ写本):ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナティナ
フィリップ・ピエルロ(指&ヴィオラ・ダ・ガンバ)
■CD2(MIR012)
パーセル:ヴィオールのためのファンタジア集
グランドによる3声のファンタジア,パヴァーヌ,3声のファンタジア,4声のファンタジア,一音に基づく5声のファンタジア,6声のファンタジア「イン・ノミネ」,7声のファンタジア「イン・ノミネ」
■CD3(MIR150)
フランソワ・クープラン:パルナッソス山、またはコレッリ賛
ルベル:リュリ氏のトンボー
クープラン:リュリ賛
■CD1(MIR9969)
フィリップ・ピエルロ(指&ヴィオラ・ダ・ガンバ)
リチェルカール・コンソート,フランソワ・フェルナンデス(Vn)、カルロス・メーナ(C.T)
録音:2003年9月21-24日ベルギー、ブラ=スュル=リエンヌ教会
■CD2(MIR012)
リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指)
上村かおり,ライナー・ツィッパリング,エマニュエル・バルサ,ミエネケ・ファン・デル・ヴェルデン,ソフィア・デニズ,フランソワ・フェルナンデス,
ルイス・オクラビオ・サント,ジョバンナ・ペシ
録音:2005年7月
■CD3(MIR150)
フィリップ・ピエルロ(指&ヴィオラ・ダ・ガンバ)、リチェルカール・コンソート
録音:2010年9月、ボーフェ(ベルギー)
MIR-294(3CD)
リチェルカール・コンソートBOX〜Vocal
■CD1(MIR009)
J.S.バッハ:オーボエ協奏曲BWV.1055、
 結婚カンタータ『今ぞ去れ、悲しみの影よ』BWV.202
ヘンデル:ハープ協奏曲、
 カンタータ『炎の中で』HWV.170
■CD2(MIR204)
マティアス・ヴェックマン(1621-1674):宗教曲集〜コンユラティオ
教会コンチェルト第1番「泣くな、ユダ族の獅子、ダヴィデの若枝は勝てり」
教会コンチェルト第2番「シオンは言う、主は割れを見捨てられたと」
教会コンチェルト第3番「主よ、我汝だけをもち得るなら」
教会コンチェルト第4番「町はなんと荒れ果てていることか」
コラール「いざや喜べ、愛するキリストの徒よ」
コラール「すべて重荷を負うて苦労している者は、私のものにきなさい」
コラール「主がシオンの捕虜を放たれた時」
第1旋法によるプレルーディウム,
第2旋法によるマニフィカト

■CD3(MIR243)
J.S.バッハ:待降節&クリスマスのカンタータ集
カンタータ第110番「われらの口を笑いで満たし」BWV110
カンタータ第151番「甘き慰め。わがイエスは来ませり」BWV151
カンタータ第63番「キリストの徒よ、この日を彫り刻め」BWV63
■CD1(MIR009)
ヌリア・リアル(S)、ジョバンナ・ペシ(Hp)、パトリック・ボージロー(Ob)、リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指)
■CD2(MIR204)
マリア・ケオハネ(S)、カルロス・メーナ(C.T)、ハンス=イェルク・マンメル(T)、ステファン・マクラウド(Bs)、モード・グラットン(Org)、リチェルカール・コンソートフィリップ・ピエルロ(指)
■CD3(MIR243)
マリア・コヘイン(S)、カルロス・メーナ(A)、ユリアン・プレガルディエン(T)、ステファン・マクラウド(Bs)、リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指)
録音:2012年11月ベルギー
MIR-295(3CD)
ラ・レヴーズBOX
■CD1(MIR033)
ヘンリー・パーセル:わずらわしき世の中よ〜歌曲、室内楽曲集
わずらわしき世の中よ Cease, anxious World
新しいアイルランドの歌 ト長調 Z.646 A new irish tune
優しき音と美しい調べ Soft Notes, and gently rais'd
新しいグラウンド ホ短調 Z.T682 A new Ground
日陰の冷たく心地よき流れの中で A midst the Shades
王子 A Prince
アミンタスが初めて口づけを求めし時 When first Aminta's su'd for a kiss
ここに神が Here the deities
プレリュード Prelude
トリオ・ソナタ Z.780 Trio sonata
薔薇より甘く Sweet than roses
グラウンド ZD.221 Ground
ひとときの音楽 Music for a while
愛らしい素敵な人 Dear pretty youth
ソナタ(G . フィンガー作曲)
嘆きの歌 O let me weep
■CD2(MIR125)
セバスティアン・ド・ブロサール(1655-1730):オラトリオ「無原罪の聖マリア」SDB.56
ソナタハ長調SDB.224
カンタータ「レアンドロ」SDB.77
「悔い改めた魂と神との対話」SDB.55

■CD3(MIR177)
ヘンリー・ローズ:歌曲集
朝日を見たことがあるか?
ゆるやかに流れよ、銀色の川
ただ生きよと命じて下さい
グラウンドによるディヴィジョン(フランシス・ウィシィ?)
前奏曲(ダニエル・バチェラー?)
私は起き上がり、深く悲しむ
あなたか私か、罪を犯した
ため息も涙も悲しみもなく(ニコラス・ラニアー?)
2つのリュートのためのアルマイン/クーラントT/クーラントU(ウィリアム・ローズ?)/Whither are all her false oaths blown ?
私は恋の病(ウィリアム・ローズ?)
草原はもはや花に覆われることなく(ニコラス・ラニアー?)
トレギアンのグラウンド
あわれにも愛の喜びから追放された君が
穏やかに眠れ/・離せ、愛していた
クーラント(ジャック・ゴーティエ/アングレテールのゴーティエ)
ゴーティエ氏の鐘(ジャック・ゴーティエ/アングレテールのゴーティエ)
きみよまだ帰らないでおくれ
おお、愛を教えて!おお、運命を教えて!
ディヴィジョン:ジョン、今すぐ私にキスして(クリストファー・シンプソン?)/Wert thou yet fairer than thou art
なぜそう青白く暗いのか、盲目的に恋する者よ(ウィリアム・ローズ?)
■CD1(MIR033)
ラ・レヴーズ
ジュリー・ハスラー(S)
ステファン・デュデルメル(Vn)フ
ローレンス・ボルトン(ヴィオール)
アンジェリーク・モイヨン(Hp)
ベルトラン・キュイエ(Clavcin)
バンジャマン・ペロー(テオルボ&指)
録音:2007年2月

■CD2(MIR125)
ラ・レヴーズ
シャルタン・サントン・ジェフリー(S)
ウジェニー・ヴァルニエ(S)
イザベル・ドリュエ(A)
ジェフリー・トンプソン(CT)
ヴァンサン・ブーショ(T)ベノワ・アルヌール(B)
録音:2010年6月28日-7月1日

■CD3(MIR177)
ラ・レヴーズ,
フローレンス・ボルトン(指、Va)
ベンジャミン・ペロー(指、Lute、テオルボ&バロック・ギター)
ジェフリー・トンプソン(T)
ベルトラン・キュイエ(ハープシコード)
MIR-296(6CD)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェBOX
■CD1、2(MIR023)
カール・ツェルニー:指使いの技法(50番練習曲)Op.740,
リスト:2つの演奏会用練習曲「森のざわめき」「小人の踊り」、3つの演奏会用練習曲より「軽やかさ」,
ステファン・ヘラー:4つの練習曲
■CD3、4(MIR060)
ライヴ・アット・サントリーホール
J.S.バッハ:イギリス組曲第2番イ短調BWV.807,
ショパン:バラード第2番Op.38、
 ノクターンヘ長調Op.15-1,
ラヴェル:ラ・ヴァルス
リスト:ロ短調ソナタ,
ラヴェル:古風なメヌエット,
ストラヴィンスキー:練習曲嬰ヘ長調Op.7-4,
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ:バガテル,
J.S.バッハ(S.フェインベルグ編):オルガンのためのソナタ第5番より「ラルゴ」
■CD5(MIR145)
ピアノ・リサイタルinパリ
リスト:詩的で宗教的な調べより「葬儀」
ヌーブルジェ:マルドロール
J.バラケ:ピアノ・ソナタ(全2楽章)
ドビュッシー:映像第2集〜「そして月は荒れた寺院に落ちる」
■CD6(MIR232)
ラヴェル:ピアノ作品集
夜のガスパール、
高雅にして感傷的なワルツ
、クープランの墓
■CD1、2(MIR023)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
録音:2006年9月

■CD3.4(MIR060)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
録音:2007年11月17日サントリーホール

■CD5(MIR145)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
録音:2011年1月14日、ラ・シテ・ドゥ・ラ・ムジークライブ録音(パリ)

■CD6(MIR232)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
録音:2013年5月/フェルム・ドゥ・ヴィユファヴァール
MIR-298
サンーサーンス:組曲「動物の謝肉祭」 ボリス・ベレゾフスキー(P)
ブリジット・エンゲラー(P)
ミシェル・ギュイヨ(Vn)
デボラ・ネムタヌ(Vn)
セルジュ・スフラール(Va)
アンリ・ドマルケット(Vc)
エックハルト・ルドルフ(Cb)
マリーナ・シャモー=ルゲ(Fl)
リシャール・ヴィエイユ(Cl)
ナタリー・ジュジョン=ガンティエ
(パーカッション)
イオネラ・クリストゥ(パーカッション)
サン=サーンスの作品の中でも広く親しまれている「動物の謝肉祭」。様々な動物が描かれた小品と序曲、終曲の全15曲からなる組曲です。ライオン、 象、カンガルーにかっこうなど、かわるがわる登場する動物たちを思い浮かべながら、音の動物園のように楽しむことができ、子供に大人気の組曲です。
もちろん楽しいのは子供だけではありません。実は皮肉屋だったというサン=サーンスが一見ユーモラスな曲の中に織り込んだ皮肉と風刺の隠れた針を 探すという、大人の楽しみ方もあります。当時のフランスで流行していたオペレッタへの当てこすりである「亀」(運動会でおなじみのオッフェンバック作曲 「天国と地獄」のメロディが極度にゆっくり演奏されます)や、過去の作曲家の作品や「きらきら星」のメロディを織り込んだ「化石」などなど、サン=サー ンスの皮肉屋ぶりがいかんなく発揮されたこの組曲にはそんな仕掛けが満載!フランスのレーベルMIRAREが送るこのCDでは子供向けにフランス語の ナレーション付き。大人から子供まで楽しめる、ユニークな作品です。 (Ki)

MIR-299
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集Op.6
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D960
アダム・ラルーム(P)

録音:2015年7月21-23日パリ、サル・ガヴォー
2009年クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールの優勝者、アダム・ラルーム。繊細で美しい音色が魅力のラルームの新録音はシューマンとシューベ ルト。シューマンが考え出した架空の芸術同盟「ダヴィッド同盟」は、保守的な考えにしがみついた古い芸術に対して新しいものを創作するために戦って いく人達とされています。激しく情熱的な人物のフロレスタン(F)と、物静かで瞑想的なオイゼビウス(E)という人物設定された二人の名義で作品は発表 され、シューマンらしい18の小品には、それぞれの性格を示す「F」と「E」のサインが与えられています。シューマンは「ピアノを弾いていて幸せだっ たときと言えば、これを作曲したときです」と後に語っているほど、この作品に愛着があったといいます。ラルームの繊細な感性と作品がぴったりとあって おり、時に夢見るように、瞑想的に、そして気難しくと個々の曲の表情の変化を巧みに弾き分けています。そしてシューベルト最後のピアノ・ソナタ第21 番変ロ長調D960。ラルームは美しい弱音でシューベルト深遠な音の世界へ聴き手を導き、この曲のもつ崇高な美しさを静謐に描き出しています。 アダム・ラルームは2016年9月にモディリアーニ弦楽四重奏団とのシューマン・プロジェクトで来日予定。 (Ki)


MIR-301
ショパン:幻想曲 ヘ短調 作品49
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第6番ニ長調K.284
リスト:巡礼の年第2年「イタリア」〜ダンテを読んで−ソナタ風幻想曲
ヴェルディ(リスト編):「アイーダ」〜神前の踊りと終幕の二重唱S.436
ユリアンナ・アヴデーエワ(P)

録音:2015年、ノイマルクト、ライツターデル
※日本語解説帯付
2010年ショパン国際コンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワ。2014年に発売されたMIRAREデビューCDでは、その卓越したテクニッ クと完成された音楽性で高い評価を得ました。MIRAREレーベル第2弾となる本アルバムは、音響的に非常に有名なドイツ、ノイマルクトにある コンサートホール、ライツターデルで録音されました。さらに名トーンマイスターのアンドレアス・ノイブロンナーがサウンド・エンジニアとして 参加している点にも注目です。最高の布陣によりアヴデーエワの知性と巧みなテクニックがより際立ち、最高の録音が完成しました。
ショパンの「幻想曲 作品49」は、構成は自由なソナタ形式で書かれており、高度なテクニックを要する、ショパンの創作意欲が絶頂期に達し た1841年に作曲された最高傑作のひとつです。アヴデーエワは抒情的な旋律を切々と歌い上げ、アルバム冒頭からショパン独特の世界を作り上げ ています。続くモーツァルトの第6番のソナタは、1755年にミュンヘンで一気に書き上げられた「デュルニッツ・ソナタ」の最後の作品。大規模 なソナタで力強く推進力ある、モーツァルトの才気が溢れた曲。アヴデーエワのダイナミックな音楽は、作品のギャラント風の強弱対比を上手く表 現しています。リストの<巡礼の年 第2年イタリア>は、マリー・ダグー伯爵夫人とリストがふたりで滞在したイタリアでの印象をもとに書か れた作品群。この曲集の最後を飾る「ダンテを読んで−ソナタ風幻想曲 」は、ダンテの「神曲」を読んで得たインスピレーションから創作された、輝かしい魅力あふれる曲です。アヴデーエワのドラマティックで迫力満 点の演奏に圧倒されます。そしてリストが編曲した「アイーダ」より神前の踊りと終幕の二重唱では、幻想的なエジプト風の旋律を自在に演奏し、 華やかにアルバムを締めくくっています。 (Ki)
MIR-302
ビーバー、シュメルツァー、ポリエッティ、ケルル作品集〜標題音楽と幻想様式
ビーバー:5声のセレナード*、4声の嘆きのバレット、ソナタ6番、戦い
シュメルツァー:ソナタ・レプレゼンタティヴァ、ヴィオールとヴィオラのためのソナタ、古いアリアによるセレナータ
アレッサンドロ・ポリエッティ: 「ハンガリーの反乱」によるトッカッティーナ
ケルル:シュタイアーの羊飼い、ソナタA.3.ex.G.B mol **
リチェルカール・コンソート
ソフィー・ジェント、トゥオモ・スニ(Vn)、フィリップ・ピエルロ(バス・ド・ヴィオール、ヴィオール・アルト)、上村かおり、ライナー・ツィパーリング(バス・ド・ヴィオール)、フランク・コピーテルス(ヴィオローネ)、マウデ・グラットン(クラヴサン)、ジュリアン・ウォルフス(オルガン・クラヴサン)、
マティアス・フィーヴェク(バス)*、サラ・クイケン(Vn)** フレデリック・ヒルデブランド(ヴィオール)**、サンネ・デプレッテーレ(ヴィオローネ)**

録音:2014年12月
三十年戦争の後、音楽によってその威光を示そうとしたハプスブルグ家の野望は、ビーバー、シュメルツァー、ポリエッティ、ケルルを始めとする多くの才能あ る音楽家の登場を促しました。このCDにはそんな彼らの2つの意味での「模倣の音楽」が収録されています。
1つ目の意味での「模倣」は、「描写」としての音楽。バロック時代は「描写音楽」が花開いた時代でした。彼らの「描写音楽」は謝肉祭の期間に、自然の 音や日常に溢れる音を描写して人々を楽しませ、謝肉祭の中で大きな位置を占めていました。ビーバーの「5声のセレナード」は、2本のヴァイオリン、3本のヴィ オール、クラヴサンに加えて4楽章「アリア」にのみ夜警役のバスが出てくる作品。リュートを思わせるピチカートの伴奏の上で「皆さん聴いてくれ 鐘が9時 (10時)を告げた 火に気をつけて、よく気をつけて 父なる神とわれらが優しき乙女をたたえなさい(今谷和徳訳)」と歌います。「戦い」の描写も沢山の作 曲家が挑んだテーマ。この CD ではポリエッティの「『ハンガリーの反乱』によるトッカッティーナ」とビーバーの「戦い」がおさめられています。ポリエッティは オスマン帝国との第二次ウィーン包囲の際のハンガリー反乱に題材をとり、チェンバロのソロで馬のギャロップを表しています。ビーバーの「戦い」は太鼓や大砲 の音を模倣するために弦に紙を挟んで共鳴させたり、楽器の胴を叩いたり、はたまた指板に打ち付けるようなピチカート(20世紀になってから「バルトーク・ピ チカート」として使われるようになる現代奏法!)の使用など、現代音楽顔負けの特殊奏法のオンパレードです。
2つ目の模倣は「対位法技術としての模倣」。ビーバー、シュメルツァー、ポリエッティ、ケルルが生きた時代の神聖ローマ帝国の皇帝、レオポルト1世は音 楽を愛好し、対位法にも秀で、自身でも作曲していたと伝えられています。ある声部の主要な楽想を他の声部が模倣する模倣対位法のスタイルを好んだ皇帝のた めに、彼らは洗練された書法のソナタを書きました。当時「ヨーロッパ1のヴァイオリニスト」と称されたシュメルツァーを始めとする彼らのソナタを聴いていると、 1つのメロディが様々な楽器に受け渡され、まるで楽器同士が対話しているような様子を聴くことができます。
ジャケット写真には、歌川広重の『桃花燕子』 (江戸時代 天保3年/1832)が使用されています。 (Ki)
MIR-303
ラ・レヴーズによるブクスデフーデ
ブクステフーデ:ヴァイオリン,ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ イ短調 BuxWV272*
トリオ・ソナタ集 op.2より第3番ト短調 BuxWV261(ハンブルク1696)
ヴィオラ・ダ・ガンバ,ヴィオローネと通奏低音のためのソナタニ長調 BuxWV267*
ヴァイオリン,ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタと組曲変ロ長調 BuxWV273*
ディートリヒ・ベッカー:ソナタと組曲ニ長調(ハンブルク1674)
作曲者不詳:無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ.ニ短調(リューベック)
ラ・レヴーズ
ステファン・デュデルメル((Vn)
フローレンス・ボルトン(ヴィオール)
バンジャマン・ペロー(テオルボ)
エミリー・オードワン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
カスティン・ローフ(クラヴサン)
セバスティアン・ウォナー(Org)]

録音:2015年10月パリ
*=ウプサラ大学所蔵手稿譜より
バンジャマン・ペロー率いるラ・レヴーズによるブクスデフーデの室内楽曲集。北ドイツのオルガン楽派最大の音楽家であり、J.S.バッハのオルガン音 楽に最大の影響を与えたブクステフーデ。リューベック聖マリア教会のオルガニストだったブクステフーデは、当時、大変な人気を誇る音楽家でした。20 歳のJ.S.バッハが、ブクステフーデが主催する「夕べの音楽」を聴くために、400kmも離れたリューベックまで徒歩で訪れ、さらには4週間の休暇を 無断で4ヶ月に延長してしまったほど、ブクスデフーデの音楽に心酔していたことは有名な話です。 本盤に収録されているのは1696年にハンブルクで出版されたトリオ・ソナタ集、ウプサラ大学図書館(スウェーデン)所蔵の手稿譜に基づいて出版され た ソナタを3曲、そして同時代に活躍したオルガニスト兼作曲家であったディートリヒ・ベッカーのソナタと作曲者不詳でおそらくリューベック書かれ、ブ クスデフーデの影響も多少うかがえる無伴奏ガンバのためのソナタです。 (Ki)
MIR-305(2CD)
限定盤
ラ・フォル・ジュルネ 「la nature ナチュール」ナント公式CD
■CD1
(1)ヴィヴァルディ:『四季』op.8 第4番「冬」〜第1楽章
(2)ヴィヴァルディ:『四季』op.8 第4番「冬」〜第2楽章
(3)ハイドン:弦楽四重奏作品64-5「ひばり」〜第4楽章
(4)シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」〜第4楽章
(5)ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」〜第2楽章
(6)サン=サーンス:「動物の謝肉祭」〜「森の奥のカッコウ」
(7)サン=サーンス:「動物の謝肉祭」〜「白鳥」
(8)シューベルト:ピアノ三重奏第2番Op.100〜第2楽章
(9)ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」〜第1楽章
(10)グリーグ:ピアノ協奏曲〜第2楽章
(11)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」〜第2楽章
(12)ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
■CD2
(1)チャイコフスキー:四季‐〜「舟歌」
(2)ショパン:前奏曲第15番変ニ長調Op.28
(3)リスト:巡礼の年第3年〜「エステ荘の噴水」
(4)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」〜第3楽章
(5)アリャビエフ(リスト編):夜鳴き鶯
(6)リムスキー=コルサコフ(ラフマニノフ編):熊蜂の飛行
(7)シューマン:森の情景〜「予言鳥」
(8)シューベルト(リスト編):春の想い
(9)リスト:超絶技巧練習曲〜第11番「夕べの調べ」
(10)ドビュッシー:ベルガマスク組曲〜「月の光」
(11)バルトーク:ミクロコスモス〜「ハエの日記」
(12)グラナドス:ゴイェスカス〜 嘆き、またはマハとナイチンゲール
(13)ドビュッシー:前奏曲集第1集〜「雪の上の足跡」
■CD1
(1)(2)オリヴィエ・シャルリエ(Vn)、
 オーヴェルニュO
(3)エベーヌQ
(4)トリオ・ショーソン、井上典子(Va)、
 ペネロペ・ポアンシュヴァル(Cb)
(5)シンフォニア・ヴァルソヴィア、
 ユーディ・メニューイン(指)
(6)アンリ・ドマルケット(Vc) 、
 ボリス・ベレゾフスキー(P)、
 ブリジット・エンゲラー(P)、パリ室内O
(7)アンリ・ドマルケット(Vc)、
 ブリジット・エンゲラー(P) 
(8)トリオ・ショーソン
(9)モディリアーニSQ
(10)シャニ・ディリュカ(P)、
 エイヴィン・グルベルグ・イェンセン(指)
 フランス国立ボルドー・アキテーヌO
(11)ブリジット・エンゲラー(P)、
 アンドレア・クイン(指)パリ室内O
(12)ドミトリー・リス(指)ウラルPO

■CD2
(1)ジョナス・ヴィトー(P)
(2)フィリップ・ジュジアーノ(P)
(3)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(4)アブデル・ラーマン・エル=バシャ(P)
(5)ブリジット・エンゲラー(P)
(6)クレール・マリ=ル・ゲ(P)
(7)ダヴィッド・カドゥシュ(P)
(8)ブリジット・エンゲラー(P)
(9)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(10)アンヌ・ケフェレック(P)
(11)マタン・ポラト(P)
(12)ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
(13)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
ラ・フォル・ジュルネは、1995年、フランス西部の港町ナントで誕生したクラシック音楽祭。ユニークなコンセプトで展開されるラ・フォル・ジュルネ の人気は国外へも拡がり、2000年からポルトガルのリスボン、2002年からはスペインのビルバオ、2005年からは東京国際フォーラムで開催。2008 年には金沢とブラジルのリオデジャネイロ、2010年には新潟、びわ湖、ワルシャワ、2011年には鳥栖、2015年にはロシアのエカテリンブルクで開催され、 いずれも大成功を収め、クラシック音楽界にセンセーションを巻き起こしています。2016年のテーマは「自然/ナチュール」。自然と音楽は、ルネサンスやバロック時代における鳥のさえずりなどの描写的な表現からはじまり、ヴィヴァ ルディの「四季」は描写的な表現から音楽的深みもまし、さらにロマン派では作曲家の内面を反映、そして20世紀以降も、自然は音楽家に絶えずイン スピレーションを与え続けています。
このアルバムに収録されている曲目は、音楽祭のアーティスティック・ディレクターでありMIRAREレーベルの主宰者であるルネ・マルタンが掲げたテー マに沿って選ばれました。 (Ki)
MIR-308
チャイコフスキー:四季Op.37b
グランド・ソナタ.ト長調Op.37
ジョナス・ヴィトー(P)

録音:2013年12月31日
1980年生まれのピアニスト、ジョナス・ヴィトーによるチャイコフスキーの「四季」。本プログラムで2016年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン で演奏される予定です。1月から12月までの12曲でできているロシアの一年の風物詩を表現しています。この傑作は、叙情、人生への愛や感動に満ち ていて、19世紀ロシアの生活を知ることができます。ジョナス・ヴィトーの磨きぬかれたテクニックと目の前に情景を描き出すインスピレーションに富ん だ演奏聴かせます。カップリングの「グランド・ソナタ」は、チャイコフスキーが不幸な結婚によって招いた精神的苦痛から脱しかけた頃の作品。強い生 命力と情熱溢れるこの壮大なピアノ・ソナタは、チャイコフスキーが試練を乗り越えた証でもあります。ヴィトーの演奏は圧倒的な集中力で大曲を弾ききっ ています。 (Ki)
MIR-310
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 Op.38
フランク:チェロ・ソナタ.イ長調(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)
ドビュッシー:チェロ・ソナタ.ニ短調
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(Vc)
アダム・ラルーム(P)

録音:2015年12月21-23日/ボン・セクール寺院(パリ)
フランスの若手実力派ピアニスト、アダム・ラルームとチェリスト、ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエールがブラームス、フランク、ドビュッシーのソ ナタに挑戦しました。彼らはヴァイオリニストの梁美沙とともに結成したトリオ・レ・ゼスプリとしても活躍。ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポンにも出演 しており、日本でも着実に知名度を上げています。 フランクのヴァイオリン・ソナタはチェロをはじめ、ヴィオラ、フルート、サクソフォンなど様々な楽器で演奏されていますが、とくにチェロ版はチェリス トの必須レパートリーとしてこぞって演奏・録音されております。ジュリアン=ラフェリエールの伸びやかで優美なソロとラルームの繊細なピアノがフランク にマッチしており、当編曲版における最上の新録音登場と言えます。 1865年に完成したブラームスのチェロ・ソナタ第1番は全3楽章構成の作品。特に印象的な第3楽章は、主題をJ.S.バッハの「フーガの技法」から、 コントラプンクトゥス]Vを引用しています。二人の語りかけるような演奏に心打たれます。
ドビュッシー最晩年の作品であるチェロ・ソナタは、当初、様々な楽器のための6曲のソナタの一つとして計画されていました(実際にはヴァイオリン・ ソナタ、フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ、そしてチェロ・ソナタのみ完成)。全3楽章構成で演奏時間10分強の短いソナタながらドビュッシー らしさを呈した傑作です。「フランスものはフランス人による演奏でなければ!」と思ってしまう名演を聴かせてくれます。フランスのクラシック音楽界を担 う俊英の演奏をお楽しみください。 (Ki)
MIR-311
シューマン:ピアノ三重奏曲第1番、第2番 トリオ・カレニーヌ
2009年に結成されたピアノ・トリオ。名はトルストイの小説「アンナ・カレーニナ」に由来します。パリ国立音楽院でイザイ弦楽四重奏団に師事し、メネヘム・ プレスラー、バイエルレらのマスタークラスを受講。第5回ハイドン室内楽コンクールで特別賞/プロ・ムジチス協会賞を受賞。2013年、ミュンヘン国 際コンクールで最高位(第2位)に輝いた期待の若手。 シューマンは1847年から1851年の間に3つのピアノ三重奏曲を作曲しました。第1番と第2番はともに1847年に書かれています。妻クララへの 誕生日プレゼントとなった「第1番」、創作意欲に満ち、自由な形式で書かれた「第2番」。シューマンの内側に存在する屈折した焦燥感と時にみせるエ ネルギッシュな情熱が交差した名曲です。トリオ・カレニーヌは、若い感性がほとばしる生き生きとした演奏を繰り広げています。彼らは2016年のLFJ に出演予定です。 (Ki)
MIR-312
イレーヌ・ドゥヴァル〜ポエム
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
シマノフスキ:「神話」Op.30〜アレトゥーザの泉
ショーソン:詩曲Op.25
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op.13
エルンスト:シューベルトの「魔王」による大奇想曲Op.26
イレーヌ・ドゥヴァル(Vn)
ピ エ ー ル=イヴ・オ ディク(P)

録音:2015年11月10-12日/サル・ヴァンサン=メイエ(パリ)
レーヌ・ドゥヴァルはフランス人の父と韓国人の母のもと1992年に生まれたヴァイオリニスト。7歳からヴァイオリンを始め、ジャン=ジャック・カ ントロフ、ローラン・ドガレイユらに師事しました。2015年のフォル・ジュルネ音楽祭で来日し、容姿からは想像できない力強く渾身系の演奏で話題と なりました。エルンスト作品以外、ここに収められた作品は女性的な感性があふれ出るものばかりですが、ドゥヴァルの竹を割ったような演奏で男らしい ものに変貌しています。超絶技巧を要するエルンストの「魔王」が凄まじさの極み。巫女的な没入で身動きすらとれなくなる5分を体験できます。 (Ki)
MIR-313
第36回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティヴァル
(1)バッハ:パルティータ第1番変ロ長調BWV.825よりPraeludium
(2)バッハ:イギリス組曲第1番イ長調BWV.806よりAllemande
(3)スカルラッティ:ソナタイ長調K.27
(4)モーツァルト:ピアノ・ソナタ第6番ニ長調K.284より第2楽章
(5)クープラン:小さな皮肉
(6)シューベルト:ワルツ第10番D.783
(7)シューベルト:創作主題による8つの変奏曲変イ長調D.813より第5変奏
(8)ショパン:夜想曲第5番嬰へ長調Op.15-2
(9)リスト:巡礼の年第1年「スイス」S.160よりパストラーレ
(10)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101より第1楽章
(11)ブラームス:インテルメッツォ変ロ長調Op.76-4
(12)チャイコフスキー:四季Op.37aより「6月舟歌」
(13)グリーグ:ノルウェー舞曲Op.35より第2番
(14)チャイコフスキー:無言歌Op.40-6
(15)フォーレ:舟歌第4番変イ長調Op.44
(16)デュカス:ハイドンの名による悲歌的前奏曲
(17)スクリャービン:前奏曲ホ長調Op.15-4
(18)デュポン:砂丘の家より「幸せの憂鬱」
(19)ファリャ:恋は魔術師より「魔法の輪」
(20)サティ:グノシエンヌ第2番
(21)ヤナーチェク:霧の中でよりAndantino
(22)ラヴェル:高雅にして感傷的なワルツよりPresquelent
(23)スクリャービン:練習曲ロ長調Op.8-4
(24)シェーンベルク:6つの小さなピアノ曲Op.19よりLangsam
(1)シュ・シャオ=メイ(P)
(2)レミ・ジュニエ(P)
(3)アンヌ・ケフェレック(P)
(4)ユリアンナ・アヴデーエワ(P)
(5)イド・バル=シャイ(P)
(6)シャニ・ディリュカ(P)
(7)クレール・デセール&エマニュエル・シュトロッセ(P)
(8)広瀬悦子(P)
(9)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(10)アブデル・ラーマン・エル=バシャ(P)
(11)アダム・ラルーム(P)
(12)ジョナス・ヴィトー(P)
(13)デュオ・ヤーテーコク(P)
(14)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(15)ジャン=クロード・ペネティエ(P)
(16)エルヴェ・ビヨー(P)
(17)クレール=マリ・ル・ゲ(P)
(18)マリー=カトリーヌ・ジロー(P)
(19)ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
(20)マタン・ポラト(P)
(21)ダヴィッド・カドゥシュ(P)
(22)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
(23)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
(24)フローラン・ボッファール(P)
2016年に36回目を迎えるラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティヴァルの公式CDです。南仏プロヴァンス地方のラ・ロック・ダンテロンで 1981年より開催されているこのフェスティヴァルは、地元の村長ポール・オノラティニと、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭のプロデューサーとしても知られ るルネ・マルタンによって創設されました。緑豊かな美しい風景とともに楽しむ野外コンサートが大人気で、毎年多くの人が訪れる世界的音楽イベントです。 このCDはマルタンのレーベル「MIRARE」から発売されているピアノの音源を集めたコンピレーション・アルバムとなっており、フェスティヴァル常連の ピアニストが名を連ねています。レーベルのベスト盤としても楽しめる内容です。 (Ki)
MIR-316
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K467
ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K491
ジャン=クロード・ペヌティエ(P)
クリストフ・ポッペン(指)
フランス放送PO

録音:2016 年 2 月 20日、オーディトリウム・ド・ラ・メゾン・ド・ラ・ラディオ(ライヴ)
近年その音色はさらに純度を増し、奥深い音楽を展開しているフランスの大家、ジャン=クロード・ペヌティエ。モーツァルトのピアノ協奏曲のライヴ録 音の登場です。第21番では、フランス放送フィルが奏でる軽やかで明るい前奏の後の、ペヌティエのピアノの第1音から、天上の世界にいざなわれるよ う。第24番でも、モーツァルトの短調の美しさをこれ以上ないかたちで堪能させてくれます。ペヌティエの音色からは、一切の「私」が排除されており、 ただただ純度の高いモーツァルトの世界がつむぎだされていきます。 (Ki)
MIR-318
オネゲル:「ダヴィデ王」 ローザンヌ声楽アンサンブル
スイス・ロマンドO
ダニエル・ロイス(指)
クリストフ・バリッサ(語り手)
アテナ・ポウロス(巫女)
リュシー・シャルタン(S)
マリアンヌ・ベアート・キールランド(Ms)
トーマス・ウォーカー(T)

録音:2016年9月、スイス、ジュネーヴ、OSRスタジオ
オネゲル30歳の時の出世作「ダヴィデ王」。もとはスイスの詩人ルネ・モラが書いた「旧約聖書」に基づいた舞台作品の音楽としてオネゲルが作曲し たもの。当時まだ無名に等しかったオネゲルを推薦したのは、彼の音楽を頻繁に取り上げていた指揮者のエルネスト・アンセルメ。1921年ジョラ劇場で 行われた初演は成功を収め、オネゲルの初期の代表作となります。1923年にオネゲル自身が交響的詩篇(オラトリオ)として改訂したものが、現在では 主に演奏されています。ここでは小編成のオリジナル版で演奏しています。金管、木管を中心に、ピアノ、チェレスタ、ハルモニウム、打楽器群、チェロ、 コントラバスが一人ずつという異例の編成ですが、オネゲル自身はオリジナルの編成こそ作曲意図が反映されていると語っていたといいます。3部構成全 27曲からなり、旧約聖書の登場する英雄ダヴィデ王の生涯を描いています。オネゲルの巧みなオーケストレーション、色彩豊かなスイス・ロマンド管、ロー ザンヌ声楽アンサンブルの透明感ある美しい響きは楽曲の崇高さを一段と盛り上げてくれます。 (Ki)

MIR-320
KKC-5705
日本語帯・解説付
税込定価
ダンスに加わって
モンポウ:歌と踊り第4番
ラヴェル:なき王女のためのパヴァーヌ
 優雅で感傷的なワルツ〜第2曲
ドビュッシー:雪が踊っている〜「子供の領分」
シャブリエ:アルバムの一葉
ロパルツ:ロンド〜「山の日陰で」
アーン:愛と倦怠の踊り〜「うぐいす狂乱」
フロラン・シュミット:石板に書かれた文字のロンド〜「眠りの精の一週間」*
プーランク:シャンパーニュのブランル〜「フランス組曲」
マスネ:狂ったワルツ
プーランク:パヴァーヌ〜「フランス組曲」
ドビュッシー:バレエ〜「小組曲」*
ラヴェル:古風なメヌエット
ドビュッシー:舞曲〜「カンマ」
サン=サーンス:のんきなワルツOp.110
サティ:ゆがんだ舞曲〜「逃げ出したくなる歌」
ピエルネ:即興的なワルツOp.27*
愛と悪の踊り〜「うぐいす狂乱」
プーランク:幽霊の舞踏会〜「夜想曲集」
フォーレ:スペインの踊り〜「ドリー」*
フランク:ゆるやかな舞曲
ドビュッシー:クロタルを持つ舞姫のための〜「6つの古代の墓碑銘」
プーランク:シシリエンヌ〜「フランス組曲」
ショーソン:パヴァーヌ〜「いくつの舞曲」
アンヌ・ケフェレック(P)
ガスパール・ドゥアンヌ(連弾)*

録音:2016年10月/アルセナル(メッツ)
大好評だった小品集「サティと仲間たち」から4年を経て、ケフェレック待望の新録音小品集が登場します!フォル・ジュルネ音楽祭の常連として日本 でも非常に人気の高いケフェレックですが、軽やかかつカラフルな純フランス風ピアニズムの担い手として貴重な存在。彼女が弾くだけでフランス・ピアノ 音楽がオシャレな香りにあふれます。
今回のアルバムも「サティと仲間たち」の続編的な19世紀末からベル・エポックの、パリが流行の最先端だった時代のピアノ曲から、いちばん聴きた かったものばかりを23曲集めた好企画。サン=サーンス、ショーソン、ラヴェル、アーン、プーランクらフランス音楽の魅力を存分に堪能できます!ラヴェ ルやドビュッシーはともかく、録音の少ないものが大半で、ケフェレックの美演で聴くことができるのは存外の幸せと申せましょう。 シャブリエの遺作「アルバムの一葉」は、絶美なメロディがしっとりかつ真摯に謳われる感動的な小品で、彼の作品中の白眉といってよい隠れた名品。 またマスネのピアニスティックな「狂ったワルツ」もあくまでフランス的なエスプリに満ちているのがケフェレックならでは。おなじく「狂乱と愛」をテーマ にしたアーンの作品も近年いくつか録音はありますが、ようやく納得できる演奏の登場。またショーソンの「パヴァーヌ」も気が変になりそうな麻薬的な 美しさをふりまいています。そして純フランス的なプーランク。オシャレかつエレガント、古き良きパリの脂粉の匂いがしてくるような文化を味わえます。 (Ki)

MIR-321
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2-2
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調Op.14-1
ピアノ・ソナタ第14番「月光」嬰ハ長調Op.27-2
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
レミ・ジュニ エ(P)

録音:2016年9月
2013年のエリザベート王妃国際コンクールで第2位に輝いたフランスの若手ピアニスト、レミ・ジュニエ。MIRAREレーベル2枚のアルバムがこの 度発売されます。第1作目は「パルティータ第4番」「イギリス組曲第1番」「トッカータ(BWV911)」、そして「最愛の兄の旅立ちに寄せて」というバッ ハの作品集(MIR-268)でしたが、今回はベートーヴェンのピアノ・ソナタ集。「月光」ソナタは昨年の来日公演の際にも披露され、卓越したテクニックと 繊細な表現力で聴衆を魅了しました。第1楽章では、静寂の中から浮き上がる神秘的な旋律を美しく、ひんやりとした音色はどこか澄んでいて、厳かな 夜を思わせます。軽やかさのある第2楽章は、絶妙な音色とニュアンスで聴かせます。そして第3楽章では情熱をむき出しにしたようなエネルギー溢れる 音楽を作り上げています。各作品が語りかけてくる声に耳を傾けるような、ベートーヴェンの音楽に真摯に向き合った演奏です。 2017年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにも出演予定で、今後の活躍が一層楽しみなピアニストです。 (Ki)
■ミ・ジュニエ
1992年モンペリエ生まれ。2013年、20歳でエリザベート国際コンクール第2位に輝く。パリ国立音楽院を経て、現在はハンブルク大学にてコロリオ フに師事。NYのカーネギー・ザンケルホールやパリのオーディトリウム・ドゥ・ルーヴルなどでリサイタルを、また指揮者ではエマニュエル・クリヴィヌ、 エド・デ・ワールトなどと、オーケストラではルクセンブルク・フィル、サンクト・ペテルブルク・フィルなどと共演。バッハ作品のデビュー・アルバム(Mirare) がディアパゾン金賞を受賞。
MIR-322
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 op.8
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第4番 ホ短調 op.90「ドゥムキー」
トリオ・レ・ゼスプリ
【アダム・ラルーム(P)
梁美沙(ヤン・ミサ)(Vn)
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(Vc)】

録音:2016年4月11-13日、ボン=セクール寺院
トリオ・レ・ゼスプリ、第2弾CDの登場。クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールの覇者アダム・ラルーム、マルクノイキルヘン国際コンクールで第 2位を獲得しフランスを中心に高い評価を得ているチェリスト、ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール。そして大阪出身でパリ国立音楽院に学んだヴァ イオリニスト、梁 美沙(ヤン・ミサ)の3人による注目のドゥムキーとブラームスです。トリオ・レ・ゼスプリは、2009年に初めて共にコンサートを行い、 互いの音楽性に共感し、2012年正式にピアノ・トリオを結成。パリのシャンゼリゼ劇場にデビュー後、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭、ドヴィール・イース ター音楽祭など数々の音楽祭に参加し、世界の音楽関係者の注目を集めています。 
ベートーヴェンとシューマンのピアノ三重奏曲を組み合わせたデビュー盤(MIR 241)でも、熱い情熱あふれる演奏で世界を魅了した三人。当盤でも、 ブラームスの冒頭、ラルームのうちに秘めた熱が感じられる前奏につづき、ヤン・ミサ、ジュリアン=ラファリエールの弦が熱く交差します。そしてドヴォルザー クの名作ドゥムキーでも、高貴なる情熱あふれる演奏が展開されています。 (Ki)
MIR-324
シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821
セレナーデ D957
水車職人と小川(歌曲集「美しき水車小屋の娘」 D795/ 第19曲)
連祷 D343/嘆きの歌 D23
君は憩い D776/涙の賛美 D711
朝の挨拶(歌曲集「美しき水車小屋の娘」 D795/ 第8曲)
さすらい人の夜の歌 D224
さすらい人 D489/夜と夢 D827
エレンの歌 第3番 D839
フランソワ・サルク(Vc)
クレール=マリ・ル・ゲ(P)

録音:2016年6月26-28日、TAP、ポワティエ(フランス)
ランスのチェロ界の巨匠、フランソワ・サルクと、名手クレール=マリ・ル・ゲによるシューベルト。 フランソワ・サルクは、ローザンヌ国際コンクールで全会一致の優勝、ジュネーヴ国際コンクール第2位、ミュンヘン国際コンクールやチャイコフスキー コンクールでも様々な賞に輝いています。イェール大学を卒業後、パリ国立高等音楽院でも学んでおり、ブーレーズに「たぐいまれなるカリスマとヴィルトゥ オジティ」を兼ね備えていると賞賛されました。これまでに70カ国で演奏会を行っており、録音も多数。新曲も初演しているほか、ジャズ・アーティスト ともコラボレーションするなど、その活動の幅はとどまるところを知らない、フランスの大家です。
アルペジオーネ・ソナタは、ウィーンの名ギター奏者にしてアルペジオーネの奏者でもあった、シュスターのために書かれました。名手のヴィルトゥオー ゾ性と楽器の魅力を存分に引き出すためにシューベルトが書いた音楽は、流麗な冒頭と続くダンスのようなモティーフが印象的な第1楽章、美しくホ長調 で歌う第2楽章、そして様々に表情を変えながらめぐるロンド形式で、スタッカート、ピツィカート、跳躍なども要求される第3楽章という後世の人々を 魅了してやまないもので、チェロでも頻繁に演奏されています。ここでは、世界で活躍し、日本にもファンも多い美しきフランスの名ピアニスト、クレール =マリ・ル・ゲの素晴らしい共演を得て、端正にして高貴なシューベルトの世界を展開しています。他に収録された歌曲のチェロとピアノのための編曲でも、 CDのタイトルともなっている「さすらい人」の深遠な詩の世界の表現は圧倒的。それぞれの歌曲の詩人の朗読を聞いているような、豊かな情感と色彩に 満ちた演奏となっています。 (Ki)
MIR-326
ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ集vol.5
変ロ長調K551、変ホ長調 K474、変ホ長調 K475、変ホ長調K252、変ホ長調 K253、ト長調 K547、変ロ短調 K87、ホ長調 K28、イ長調 K211、ニ長調 K401、ニ長調 K388、ニ長調 K277、ト長調 K124、ハ長調 K157、ヘ短調 K238、ヘ長調 K205
ピエール・アンタイ(Cmeb/2004年Jonte Knif製作の、18 世紀ドイツ・モデル・チェンバロ)

録音:2016年6月、ハーレム(オランダ)
名手アンタイによるスカルラッティのソナタ集、第5弾の登場。1964年生まれのアンタイ、ますますセンスとテクニックが冴えわたり、MIRAREの鮮烈録音 とあいまって、極彩色、あざやかなリズムの演奏です。 1685年にナポリに生まれ、ナポリやヴェネツィア(ガスパリーニに師事)で経験を積みます。1719年、ポルトガルに居を移します(王の娘、マリア・マグダ レーナ・バルバラの音楽教師として)。当時は父アレッサンドロ・スカルラッティの名前があまりにも大きく、ドメニコもヴィルトゥオーゾとして高く評価はされ ていたものの、単に「作曲家」としてしか認識されていないような状況でした。しかし、ポルトガルの地でドメニコは新たな文化に出会います。ポルトガルから一 度パリにもどり、当時チェンバロ作品集を出版して注目を集めていたラモーにささげたK.547など、興味深い作品が収録されています。
※旧譜情報:Vol.1-MIR 9918/ Vol.2-MIR 9920/ Vol.3-MIR 007(廃盤)/ Vol.4-MIR 285
MIR-327
鳥のシンフォニー
ドヴォルザーク:ボヘミアの森より「森の静けさ」Op.68-5
シューマン:森の情景より「予言の鳥」Op.82-7
サン=サーンス:動物の謝肉祭より「白鳥」
グラナドス:ゴイェスカスより「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」
モーツァルト:魔笛より「私は鳥刺し」
セリン(カナリア属)の鳴き声
ヴォーン=ウィリアムズ:揚げひばり
グリーグ:抒情小品集より「小鳥」Op.43-4
鶏小屋
ラモー:新クラヴサン組曲集より「めんどり」
ジョージ・パールマン:小鳥は歌う
チャイコフスキー:白鳥の湖より「小さな白鳥たちのおどり」
ストラヴィンスキー:火の鳥より「子守歌」
リスト:伝説より「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」
カザルス:鳥の歌
クロウタドリの鳴き声
オリヴィエ・メシアンと「救世主の鳥」
シャニ・ディリュカ(P)
ジュヌヴィエーヴ・ロランソー(Vn)
ジョニー・ラス&ジャン・ブコー(鳥のさえずり)

録音:2016年10月、カルクフー、ナント、フランス
2016年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンのテーマは「ナチュール」。自然にまつわる楽曲などが演奏され、特に注目を集めたのが鳥のさえずり を真似して、様々なアーティストとコラボレーションしているジョニー・ラス&ジャン・ブコーでした。彼らはヨーロッパ随一の野生の宝庫である、フラン ス北部のソム湾に近い村で育った幼なじみ。子どものころから2人は鳥の鳴き声の真似をしており、特別な才能を開花させます。近年は、クラシック、ジャ ズ、伝統音楽などの音楽家と共演し、魅力的なパフォーマンスを繰り広げてきました。ここでは、ピアニストのシャニ・ディリュカとヴァイオリニストのジュ ヌヴィエーヴ・ロランソーとともに、鳥をモチーフとした楽曲に、彼らの鳴き真似を重ねて、まるで森の中で鳥のさえずりを聞いているかのよう。実際に 2016年の音楽祭での4人でコンサートに登場し、幻想的なひと時を提供し聴衆を魅了しました。全曲が鳥からインスピレーションを得た作品。夢の中 の鳥、少女を慰める小鳥、ちょっと滑稽味のある鳥、友達みたいに、内緒話を話してくれる鳥など、様々な鳥に出会うプログラムになっています。 (Ki)

MIR-328
バッハ:イギリス組曲第2番 イ短調 BWV 807
トッカータ ニ長調 BWV 912
フランス風序曲 ロ短調 BWV 831
ユリアンナ・アヴデーエワ(P)

録音:2017年3月8-10日/ライツターデル(ノイマルクト/ドイツ)
2010年ショパン国際コンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワ、MIRAREレーベル第3弾の登場。第2弾同様、音響的に非常に有名なドイツ、 ノイマルクトにあるコンサートホール、ライツターデルで、名トーンマイスターのアンドレアス・ノイブロンナーによって録音されました。
今回彼女が取り上げたのは、バッハ。イギリス組曲第2番(1725年頃までに完成)、トッカータニ長調(1707あるいは13年頃)、そしてフランス風 序曲(1735年出版)と、作曲時期の異なる名作3曲によるプログラム。すべての要素がくっきりと清潔感のある音色で響かせられながらも、ふくよかに 歌われており、アヴデーエワの知性と、ますます深化した音楽性に感じいるバッハとなっています。 イギリス組曲第2番は、2声対位法によるプレリュードで幕を開けますが、作品全体を通して、アヴデーエワはひとつひとつの要素をすべてくっきりと響 かせつつふくよかに歌っています。 華麗な上行音型で華やかにたたみかけるように始まるトッカータ ニ長調では、即興性あふれる自由さで、さわやかに駆け抜けるような演奏を展開してい ます。 リュリのオペラの序曲を思わせる長大な序曲で幕を開けるフランス風序曲。「序曲」と題されていますが、バッハの時代、フランス風の序曲と複数の舞 曲からなる組曲全体を「序曲」と呼ぶことがありました。冒頭の充実した長大な序曲では抜群の装飾のセンスをみせ、2段鍵盤のチェンバロの特性であ る強弱を意識して書かれた終曲のエコーでも、チェンバロの強弱表現の再現にとどまらない豊かな音楽で聴かせます。 (Ki)
MIR-332
J.S.バッハ:カンタータ集
カンタータ第75番「乏しき者は食らいて飽くことを得」BWV 75
カンタータ第22番「イエス十二弟子を召寄せて」BWV 22
カンタータ第127番「主イエス・キリスト、真の人にして神よ」
リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指)
ハンナ・モリソン(S)
カル ロ ス・メー ナ(A)
ハンス=イェルク・マンメル(T)
マティアス・ヴィーヴェク(Bs)

録音:2016年5月
とにかく美しく流れる演奏が持ち味のリチェルカール・コンソートによるバッハのカンタータ集の登場。バッハがライプツィヒでトーマス・カントル正式 就任後の礼拝で初めて披露したカンタータ第75番と、トーマス・カントル採用試験に際して演奏された第22番、そしてヨハネ受難曲の改訂稿上演を控 えた時期に作られた第127番、という充実作の組み合わせです。器楽陣の、流麗にして芯のある美しい響きに心奪われ、独唱者たちのしっとりとした歌 声に魅了されます。 (Ki)
MIR-334
トーマス・アデス(b.1971):「テンペスト」よりコート・スタディーズ(2005)
メシアン:世の終わりのための四重奏曲
ラヴァエル・セヴェール(Cl)
トリオ・メシアン【ダヴィッド・ペトルリック(Vn)、ヴォロディア・ファン・クーレン(Vc)、テオ・フシュネレ(P)】

録音:2017年12月20-22日、ベルギー
1994年生まれ、14歳でパリ音楽院に入学、2013年ニューヨークのヤング・コンサート・アーティスツ・インターナショナル・オーディションで第 1 位およ び8つの賞を受賞したフランスの気鋭クラリネット奏者、セヴェール。ブラームス作品集(MIR250)に続くMIRARE第2弾は、ピアノ・トリオと共演してのトー マス・アデスとメシアン。ヴァイオリン、チェロ、ピアノとクラリネットという編成の作品はヒンデミット、そしてこのメシアンの世の終わりのための四重奏曲が代 表的ですが、トーマス・アデスは自身の代表的なオペラ作品「テンペスト」(2004年初演)から、登場人物たちのキャラクターを凝縮させたようなこのコート・ スタディーズを作曲(2005年)しました。オペラの原曲を知らなくても、刺激的なリズムと透明感のあるハーモニーで非常に聞きごたえのある、エネルギーに 満ちた作品です。セヴェールのクラリネットのきわめて自然な音楽運びと、トリオ・メシアンとの抜群のアンサンブルが楽しい1枚です。
MIR-336
ムッシュ・ド・サント=コロンブと息子たち
●ニ調作品
(1)サント=コロンブ:コンセール第41番「再会」
(2)同:コンセール第25番「カリジエ」
(3)ルイ・クープラン:3本のヴィオールのための組曲
(4)サント=コロンブ:コンセール第27番「気まぐれ」
●ト調作品
(5)サント=コロンブ:コンセール第48番「親愛」
(6)シャンボニエール:パヴァーヌ「神々の話」
(7)サント=コロンブ:コンセール第44番「悲しみのトンボー」
(8)シャンボニエール:サラバンド「若きゼフィールたち」
●ハ調作品
(9)サント=コロンブ:コンセール第66番「不貞」
(10)ロベール・ド・ヴィゼ:ヴィゼ嬢たちのトンボー
(11)サント=コロンブ:コンセール第54番「デュボワ」
リチェルカール・コンソート
【フィリップ・ピエルロ(トレブル&バス・ヴィオール)、リュシル・ブーランジェ、ミリアム・リニョル(バス・ヴィオール)、ロルフ・リスレヴァン(テオルボ)】

録音:2016年12月7-10日/無原罪御宿り礼拝堂(ナント)
日本でもおなじみのリチェルカール・コンソートの最新盤。リーダーのフィリップ・ピエルロ以外は曲に応じてメンバーと編成を変えますが、一貫したスタイ ルと音楽性の深さでリリースするディスクすべてが高い評価を受けています。
今回はサント=コロンブとその後継者たちのヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)合奏曲を集めたアルバム。ジャン・ド・サント=コロンブは17世紀フランス・バ ロックのヴィオール奏者で作曲家。マラン・マレの恩師ということのほか、生涯は今日謎とされています。 彼は2本のヴィオールのためのコンセールを67曲残しているとされ、ここでは7篇をフィリップ・ピエルロとリュシル・ブーランジェが絶妙に奏しています。彼には「サント=コロンブの息子」と称される作曲家の息子がいましたが、このアルバムには彼ではなく、同時代のルイ・クープランやシャンボニエールらの ヴィオール合奏曲が収められているのも魅力。名手ロルフ・リスレヴァンのテオルボの響きも加わり、古雅な美しさを存分に味わせてくれます。 (Ki)

MIR-337(1LP+CD)
CARNETS DE VOYAGE(旅へのチケット)〜ボヤージュ 旅から生まれた音楽(ものがたり)
[A面]
(1)ファリャ:スペイン舞曲第1番(はかなき人生より)
(2)フリアン・プラサ:ブエノスアイレス〜東京
(3)タレガ:グラン・ホタ・アラゴネーサ
(4)アラン・ウルマン/アマリア・ロドリゲス:Meu amor(私の愛)
[B面]
(1)ピアソラ(ビジェーナ&ロスフェルダー編):アヴェ・マリア
(2)ルペルト・チャピ:セベデオの娘たちよりカルセレラス
(3)ロドリーゴ:3つのスペイン民謡よりアデーラ
(4)ペドロ・ピナル/ペロド・アシス・コインブラ:Se eu adivinhasse que sem ti
全て、エマニュアル・ロスフェルダー(G)

[A面]
(1)モディリアーニSQ、ギュイ=ルー・ボワノー(カスタネット)
(2)クトル・ウーゴ・ビジェーナ(バンドネオン)
(4)ラケル・カマリーナ(S)
[B面]
(1)ビクトル・ウーゴ・ビジェーナ(バンドネオン)
(2)ラケル・カマリーナ(S)、ヨアン・エロー(P) 
(3)ラケル・カマリーナ(S)
(4)ペドロ・ピナル/ペロド・アシス・コインブラ:Se eu adivinhasse que sem ti
ラケル・カマリーナ(S)、ヨアン・エロー(P)

録音:2018年9月
2019年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭に登場し話題となったギター奏者、ロスフェルダー。「CARNETS DE VOYAGE(旅へのチケット)〜ボヤージュ 旅から生まれた音楽(ものがたり)」のCD(MIR 432)から、選りすぐりのトラックをLPにしました。特典として、MIR 432のCDも封入されたお得なセッ トです。 (Ki)
MIR-340
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15
ストラヴィンスキー:ピアノと管楽オーケストラのための協奏曲
ボリス・ベレゾフスキー(P)
スヴェトラーノフ記念ロシア国立SO

録音:2017年 4月8日/モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)
古典派あるいはショスタコーヴィチのピアノ協奏曲は指揮者なしで演奏されることもありますが、「ピアノ付きの交響曲」と称され、第1楽章はオーケス トラだけの長い提示部を持つブラームスの第1番と複雑な変拍子の続くストラヴィンスキー作品ゆえ不安をおぼえはするものの、さすがロシア国立響、堂々 たる演奏を繰り広げています。 ベレゾフスキーは聴衆を前にしたライヴで燃えるタイプで、その方がはるかに神業を発揮しますが、ここでも驚くべき演奏をモスクワ音楽院大ホールの コンサートで行っています。ベレゾフスキーは指揮者が自分の個性で支配する協奏曲よりも、彼が大将になって仲間とアンサンブルを楽しむことを好む傾 向があり、この2篇も室内楽のように解釈したかったと述べています。もちろん開始やトゥッティの部分は事実上ベレゾフスキーが指揮していますが、も ともとロシアには革命直後の1922年に「ペルシムファンス」という指揮者なしのオーケストラが存在し、プロコフィエフのピアノ協奏曲などを作曲者と演 奏するなど伝統がありました。ロシア国立響はかつてモスクワでトップの実力を誇っていた団体だけに、指揮者なしでも精密なアンサンブルと、ストラヴィ ンスキーでの各奏者の妙技が何の不足もなく実現しています。 ベレゾフスキーのピアノはますます円熟味を深め、ブラームスはたっぷりとした音量、重厚な解釈が非常に感動的。彼初となるストラヴィンスキーはま るでコンチェルト・グロッソ。切れ味抜群で、まさにストラヴィンスキーならではのダイナミックな世界を描いています。
MIR-344
イベリア〜ルネッサンスから現代のスペインとポルトガルの多声音楽集
アルフォンソ10世:サンタ・マリアのカンティガ
ウエルガス写本より女声のための作品
トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア(1548-1611):Alma Redemptoris mater, Super Flumina Babylonis, O Magnum Mysterium
イヴァン・ソラノ(b.1973):Cielo Arterial
フランシスコ・ゲレーロ(1528-1599):Canciones y villanescas espirituales
ドゥアルテ・ローボ(1563-1646):Audivi vocem de caelo
アントニオ・カガス・ローサ(b.1960):Lumine Clarescet
マヌエル・カルドーソ(1566-1650):Lamentatio
レ・ゼレマン
ジョエル・スユビエット(指)

録音:2017年6月27-30日、トゥールーズ
賢王ともいわれるアルフォンソ10世に代表される中世、ゲレーロやトマス・ルイス・デ・ヴィクトリアに代表されるルネッサンス時代、そしてポルトガルのポリ フォニー音楽の巨匠ローボとカルドーソ、そして現代の作曲家たちによる宗教作品です。時空を超えたイベリア半島の音楽の旅をお楽しみいただけます。 (Ki)
MIR-346
シューマン:弦楽四重奏曲集
第1番 イ短調 op.41-1
第2番 ヘ長調 op.41-2
第3番 イ長調 op.41-3
モディリアーニSQ
アムリ・コエイトー(Vn/1733年製グァダニーニ)
ロイック・リョー(Vn/1734年製アレッサンドロ・ガリアーノ)
ローラン・マルフェング(Va/1660年製マリアーニ)
フランソワ・キエフェル(Vc/1706年製マッテオ・ゴフリラー”ex=Warburg”)

録音:2017年4月、フランス
2003年に結成されたモディリアーニ弦楽四重奏団。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭などでも来日を重ね、みずみずしい音楽と濃密なアンサンブルでファンを大 いに増やしています。2016年、第一ヴァイオリンのベルナール・フィリップが肩および右上腕部の筋肉をいため、演奏家としてのキャリアをストップさせること を決断。フランス放送フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターを務めていた旧知の友人、アムリ・コエイトーを新メンバーに迎え、新たな飛躍が期待 されています。2017年にはベルリン・フィルハーモニーや、カーネギー・ホールでのデビューも決まっています。
本録音は、新たな4人のメンバーによる初めてのセッション録音。シューマンの名曲3曲を収録しています。シューマンが重んじた先人たちの様式とロマン派 の表現が高い次元で融合した作品で、モディリアーニ弦楽四重奏団の新たなメンバーたちはこれまで以上に濃密で息の合ったアンサンブルを展開しながら、 それぞれが高貴な歌を奏でています。 (Ki)
MIR-348
アラベスク〜エル=バシャ作品集
3つの東洋的小品【祭礼舞曲/エジプトの歌による変奏曲/バッカス】
子供の世界【子守歌第2番/童謡/森の小兵隊の夢/クリスマス・ツリーの前で/子供らしさ/思春期】
前奏曲と歌【アンダルシア前奏曲/アンダルシアの歌/東洋前奏曲/レバノンの歌/葬送前奏曲/ マリー、または子供の死/ロマンス第2番】
10のロマンティックな小品【モデラート・カンタービレ/儚いワルツ/シューマンを讃えて/カンツォネッタ/蝶々/メストT/メストU/コラール/デュオ/間奏曲
若者の作品【子守歌第1番/悲しい歌/砂漠の騎士/愛の歌/前奏曲】
ショパン(エル=バシャ編):ワルツもしくはマズルカ(遺作)
アブデル・ラーマン・エル = バシャ(P)

録音:2017年7月/フラジェ(ブリュッセル)
フォルジュルネ音楽祭でもおなじみのアブデル・ラーマン・エル=バシャ。彼は作曲家でもあり、ピアノ曲が多数あります。その自作自演アルバムの登場。 エル=バシャはレバノン人ですが、彼のピアノ曲はアラブ的でも現代的でもなく、ラヴェルやダマーズを思わす近代フランス的で繊細な美しさに満ちていま す。もちろん「エジプトの歌による変奏曲」や「レバノンの歌」など彼の出自をうかがわせるものもありますが、いずれもほのかなエキゾチシズムで魅力的。 楽譜も入手可能なので、子供の新しい教材にもぴったりです。 (Ki)

MIR-350
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第4番ハ短調Op.29(1917)
 10の小品Op.12(1906-13)
 トッカータOp.11(1916)
ラヴェル:クープランの墓(全曲)(1914-7)
ナターリヤ・ミルシテイン(P)

録音:2016 年9月1-3日/ベートーヴェン・ザール(ハノーファー)
1995年生まれの若きピアニスト、ナターリヤ・ミルシテイン待望のソロ・アルバム。ロシア系ながらフランスで生まれ育った彼女ならではの、プロコフィ エフとラヴェルの作品によるアルバム。すべてが第1次世界大戦頃に作曲されているという時代に加え、ガヴォット、リゴドンなど古典舞曲から成るラヴェ ルの「クープランの墓」とプロコフィエフの「10の小品」の作風的な共通性など、考え抜かれたプログラミングとなっています。両者の難曲トッカータの 胸のすく演奏で終るのにも感心させたれます。ネルソン・ゲルネル門下のミルシテインは強靭な技巧と真摯な音楽性に将来の大成を予感させる、要注目の 若手と申せましょう。
MIR-352
第37回ラ・ロック・ダンテロン・ピアノフェスティバル公式CD
(1)クープラン:恋のナイチンゲール
(2)シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集〜第2曲
(3)シューベルト:ディヴェルティメントD.823〜変奏1
(4)同:ハンガリーのメロディD.817
(5)チャイコフスキー:秋の歌
(6)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番〜ラルゴ・アパッショナート
(7)メンデルスゾーン:5月のそよ風
(8)デュポン:墓碑銘
(9)ショパン:マズルカ第21番嬰ハ短調Op.30の4
(10)モンポウ:庭の乙女たち
(11)グラナドス:嘆き、またはマハとナイチンゲール
(12)ショパン:前奏曲嬰ヘ長調Op.28の13
(13)フォーレ:即興曲嬰ハ短調Op.84の5
(14)シャブリエ:アルバムの1ページ
(15)ラヴェル:優雅で感傷的なワルツ〜第2曲
(16)リスト:ペトラルカのソネット第47番
(17)スクリャービン:練習曲変ロ長調Op.8の8
(18)フランク:前奏曲,コラールとフーガ〜前奏曲
(19)ショパン:前奏曲ロ短調Op.28の6
(20)チャイコフスキー:田舎でOp.40の7
(21)ラヴェル:クープランの墓〜フォルラーヌ
(1)イド・バル=シャイ(P)
(2アダム・ラルーム(P)
(3)クレール・デゼール&エマニュエル・シュトロッセ(P)
(4)シャニ・ディルカ(P)
(5)ジョナス・ヴィトー(P)
(6)レミ・ジュニエ(P)
(7)マタン・ポラト(P)
(8)マリー=カトリーヌ・ジロー(P)
(9)イド・バル=シャイ(P)
(10)ルイス・フェルナンド・ペレス(P)
(11)シャニ・ディルカ(P)と鳥笛
(12)フィリップ・ジュジアーノ(P)
(13)ジャン=クロード・ペヌティエ(P)
(14)アンヌ・ケフェレック(P)
(15)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)
(16)ニコラ・アンゲリッシュ(P)
(17)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
(18)マリー=アンジュ・グッチ(P)
(19)ユリアンナ・アヴデーエワ(P)
(20)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(21)ナターリヤ・ミルシテイン(P)
フランスで行なわれるラ・ロック・ダンテロン・ピアノフェスティバルの公式CD。大半がフォルジュルネ音楽祭でおなじみの顔ぶれですがライヴ録音ではなく、 既存盤のコンピレーションです。

MIR-354
リスト:メフィスト・ワルツ第2番 S.515
死者の追憶(「詩的で宗教的な調べ」S.173より)
死の踊り(ピアノ独奏編曲版)S.525
葬送(「詩的で宗教的な調べ」S.173より)
死のチャールダーシュ S.224
グレートヒェンS.513(「ファウスト交響曲」から)
ナタナエル・グーアン(P)

録音:2016年12月27-29日、ブリュッセル
1988年パリ生まれの新星ピアニスト、ナタナエル・グーアンのソロ・アルバムの登場! グーアンはソロ、そして室内楽でも引っ張りだこの存在。ヨーロッパ、アジア、アメリカでの演奏会経験も豊富。4歳から音楽を学び始め、オーストリアのヨハ ネス・ブラームス・コンクールや、スウェーデン国際デュオコンクールで優勝しています。2015年には、ピリスのパルティトゥーラ・プロジェクトに選ばれ、日本 でもベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番や、ピリスとの連弾を披露しています。 本CDのプログラムのテーマは「死」。当時の画家や作家同様、リストにとって「死」は魅力的な題材でした。リストは、ピアノの伝統的な用法を超えた次元で、 死や地獄のおそろしさを描きました。グーアンの、何かに憑依されたかのような驚異的なヴィルトゥオーゾは圧巻。もちろん死や地獄を描きながらもリストは キリストによる救いも音楽に込めており、グーアンはその場面では天国的な美しい歌を聴かせています。 (Ki)
MIR-356
フォーレ:ピアノ作品全集 vol.4
舟歌 第7番 ニ短調 op.90
即興曲 第4番 変ニ長調 op.91
舟歌 第8番 変ニ長調 op.96
ノクターン 第9番 ロ短調 op.97
即興曲 第5番 嬰ヘ短調 op.102
ノクターン 第11番 嬰ヘ短調 op.104-1
舟歌 第10番 イ短調 op.104-2
舟歌 第11番 ト短調 op.105
舟歌 第12番 変ホ長調 op.106bis
ノクターン 第12番 ホ短調 op.107
舟歌 第13番 ハ長調 op.116
ノクターン 第13番 ロ短調 op.119
ジャン=クロード・ペヌティエ(P)

録音:2017年6月、ボン・セクール・ルター派教会(パリ)
フランスの巨匠ペヌティエによる、フォーレ作品全集の完結編。後期(1905年頃以降)の舟歌やノクターンの世界です。フォーレは晩年難聴がすすみ、 舟歌第13番やノクターン第13番などはほとんど聴こえない中で書かれた孤独の歌、とも言われますが、様々に織り込まれた息の長い旋律を、ペヌティ エはひとつひとつ深く熱く響かせています。ともすると難解なイメージのある晩年のフォーレ作品の奥に広がる美しい風景に感じ入る1枚です。 (Ki)
MIR-358
F.クープラン:ルソン・ド・テネブル&モテット集
聖水曜日のためのルソン・ド・テネブル[1714,パリ]
詩篇「あなたの定めは驚くべきものです(Mirabilia testimonia tuoa)119.129」による、王の礼拝のために作曲され歌
われた4行[1703,パリ]
アニュス・デイ〜修道院のためのミサ[1690,パリ]
「主よ、われらを救いたまえ」〜モテット(世界初録音)[1705,パリ]
レ・ゾンブル
シャンタル・サントン・ジェフリ(S)、
アンヌ・マグエ(S)
ブノワ・アルノー(Br)

録音:2017年 3&12月
リュリの後継者にしてラモーの先駆者でもあるF.クープランの探求に燃える古楽アンサンブル、レ・ゾンブルによる、ルソン・ド・テネブル他の作品集。 世界初録音のモテットも含む注目盤です。
ルソン・ド・テネブル(暗闇の朗読、の意)は、キリスト教で、受難の聖金曜日をはさむ聖木曜日から聖土曜日の3 日間の、原則として明け方におこ なわれる礼拝のこと。各日とも、エレミアの哀歌に基づくテキストの3つの朗読(ルソン)を含みます。暗闇を意味する「テネブル」という語は、この礼 拝で、朗読を進めるにつれ、ロウソクが一本ずつ消されてゆくことに由来しています。キリスト教にとってとりわけ重要な受難を思う礼拝というだけあり、 付随する音楽も非常に重要視されています。ルイ14 世(太陽王)(1638-1715)の時代に多く作曲され、ルソン・ド・テネブルは、社会的イベントの ひとつにまでなりました。
モテット「主よ、われらを救いたまえ」は世界初録音。内容的にはルソンと同じで、バリトン独唱をメインとする、聖木曜日の祈りのような内容となって おります。
レ・ゾンブルは、フラウト・トラヴェルソ奏者のシルヴァン・サルトルとヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のマルゴー・ブランシャールによって2006 年に設立 された古楽アンサンブル、レ・ゾンブルです。これまでにF.クープランの「リュリ讃」や「諸国の人々」も録音しております。 (Ki)
MIR-360
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集
ソナタ第3番変ホ長調 op.12-3 (1798)
ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2 (1802)
ソナタ第10番 ト長調op.96 (1812)
バティスト・ロペス(Vn)
モード・グラットン(フォルテピアノ)

録音:2014年5月、フランス
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタから、1798年、1802年、そして1812年と書かれた時期に隔たりのある3作を選んだプログラムの登場。 バティスト・ロペスは1980年生まれ、メキシコでヴァイオリンを学びました。フランスではコンセルヴァトワールでカントロフに師事しています。室内楽に魅 了され、ガウディ・カルテットで演奏。その後、ピリオド楽器にも衝撃を受け、ヘレヴェッヘ、クイケンらの指揮のもとで研鑽を積みました。2009−12年まで、フ ランダース・フィルのソロ・ヴァイオリン奏者を務めます。ピリオド楽器の四重奏団、エディング四重奏団のメンバーとして活躍しています。モード・グラットンは 1983年フランス西部生まれ。オルガン、チェンバロ、ピアノ奏者として活躍しています。これまでにアンタイ、ピエルロ、ダミアン・ギヨンらに師事。ヘレヴェッヘ 主宰のコレギウム・ヴォカーレおよび、ピエール・アンタイ主宰のル・コンセール・フランセのメンバー。MIRAREからも室内楽やソロのCDをリリース、高く評価 されています。 (Ki)

MIR-362
マリー=アンジュ・ヌグシ
フランク:演奏曲,アリアとフィナーレ.ホ長調 FWV 23
ティエリー・エスケシュ:木陰の連祷
フランク:演奏曲,コラールとフーガFWV 21
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番のフィナーレによるトッカータ op.111-6
マリー=アンジュ・ヌグシ(P)

録音:2016年11月22-25、ヴァンサン=メイヤー・ホール(パリ国立高等音楽院)
フランス=アラビア系の注目才能ピアニスト、マリー=アンジュ・ヌグシのCD。スケールの大きなフランク作品での広大な世界、ブゾーニ編曲のシャコ ンヌでの迫力の技巧と圧倒的な集中、サン=サーンスのトッカータで魅せるテクニックと軽やかさ、すべてにマリー=アンジュの天賦の才が息づいています。
CDのプログラミングおよびライナーノートはマリー=アンジュによるもの(日本語訳なし)。フランク、サン=サーンス、ティエリー・エスケシュのピア ノ作品は、彼らが過去の偉大なオルガニストにして即興演奏家でもあった作曲家たちへの強いあこがれを示しているというマリー=アンジュ。偉大なる教 会音楽監督であったバッハのシャコンヌを、ブゾーニがその声をなぞるように編曲したものを始め、このディスクに収められた作品を通して、それぞれの作 曲家が紡いだ過去と(作曲家当時の)現在、そして我々が生きる現在がたがいに反響します。
フランス=アラビア系のピアニスト、マリー=アンジュ・ヌグシ。2011年、13歳でパリ国立高等音楽院に入学、アンゲリッシュのクラスで学びました。 まだ20歳になりませんが、すでに博士号も取得、ソルボンヌ大学でも音楽学を修め、さらにはオンド・マルトノも演奏するという、音楽性はもちろんのこと、 研究、知性とのたぐいまれなるバランスをもつおそるべきピアニスト。レパートリーは広く、現代を生きるエスケシュやマントヴァーニらといった作曲家の 作品の演奏も手がけています。ボンのベートーヴェンのほか、ヨーロッパ各地で開催されるピアノの音楽祭にも多く出演しています。 (Ki)
MIR-364
モンポウ(1893-1987):ピアノ作品集
「歌と踊り」(1~12&14番)
「風景」/「子供の情景」
「ひそやかな音楽」第1巻より第3番
ルイス・フェルナンド・ペレス(P)

録音:2016年12月1-3日、スペイン
1977年マドリード生まれの名手、ルイス・フェルナンド・ペレスによる、スペインの至宝作曲家、モンポウの登場。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でもおなじみ で、その演奏と人柄で着実にファンを増やしている注目ピアニストです。
幼いころラジオで流れていたのを聴いてモンポウの音楽に初めて出会ったというペレス。「ユニークなハーモニー、神秘的な響き、色彩、繊細さ、‘スイング’、 自由さ、鐘の音色・・・民謡だけが持つ真の力強さ」を持つモンポウの作品に魅了された、といいます。後にそれはモンポウ自身が演奏する「歌と踊り」だったと 知り、ますますのめり込んだそう。師であり、モンポウ弾きでもあったラ・ローチャにもモンポウについて指導を仰ぎました。モンポウの妻、カルメンを生前訪ね たことがあり、その時に彼女にモンポウ作品を全曲録音するよう励まされたといいます。本盤はその第1弾ということになります。
ペレスは、鮮烈にして深みのある音色で、モンポウの音楽に秘められた豊かな世界を大胆に解き放ちます。「繊細」「静謐」と評されるモンポウ作品に、こんな にも美しい和声と豊かな歌が込められていたのかと気付かされる1枚です。
「歌と踊り」は全15曲から成りますが、そのうちピアノのために書かれた楽曲全13曲が収められています。 (Ki)
MIR-366
デュリュフレ:グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット
ギョーム・ド・マショー:Le Lai de Nostre Dame
プーランク:悔悟節のための4つのモテット
メシアン:おお、聖なる饗宴よ
ヴォックス・クラマンティス
ヤーン= エイク・トゥルヴェ(指)

録音:2014年9月
エストニアの声楽アンサンブル、ヴォックス・クラマンティスによる、14世紀のギョーム・ド・マショーからメシアンまで、フランスの声楽音楽を駆けぬける1 枚。デュリュフレとプーランクの作品では、それぞれのトラックでまずグレゴリオ聖歌を演奏してからデュリュフレが演奏されています。ヴォックス・クラマンティ スは1996年にトゥルヴェによって結成、グレゴリオ聖歌から現代音楽、さらには他文化の音楽までをも演奏します。 (Ki)
MIR-368
1700年頃のロンドン〜パーセルとその周辺 Vol.1
パーセル:ソナタ第3番 ニ短調 Z792、ソナタ第6番ト短調 Z807
ダニエル・パーセル(1664-1717):ソナタ第3番 ニ短調(2本のリコーダーのための)、ソナタ第6番 ト短調(ヴァイオリンのための)
ゴッドフリー・フィンガー(1655/56-1730):グラウンド ニ短調(リコーダーのための)、組曲 ニ短調(リコーダーのための)、
 ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ第2番ニ調
ジョヴァンニ・バッティスタ・ドラーギ(1640-1708):トリオ・ソナタ ト短調
ジョン・ブロウ(1649-1708):2つのリコーダーのためのグラウンド ト短調
ウィリアム・クロフト(1678-1727):2本のリコーダーと2つのヴァイオリンのためのソナタ ヘ調
ラ・レヴーズ

録音:2017年10月、パリ
バンジャマン・ペローとフロランス・ボルトンによって設立された古楽アンサンブル、ラ・レヴーズ。17-18世紀の音楽をメインのレパートリーとしています。 今回のテーマは、17世紀末のロンドン。17世紀の終わり、ロンドンは夢と希望に満ちた都市でした。劇場やコンサートは毎晩満席、音楽出版も盛んに行われ ていました。このロンドンという都市の華やぎは、海外の音楽家たちのあこがれでした。器楽音楽においても非常に充実した作品が生み出されていました。ここ では、パーセルの作品や、イタリア出身で英国に招かれた鍵盤ヴィルトゥオーゾ奏者としても鳴らしたドラーギの作品、さらにはロンドンで(トリオ・)ソナタの 形式を定着させたフィンガーと、その後継者であるダニエル・パーセルやウィリアム・クロフトらの作品など、当時のロンドンの最先端の音楽シーンでしのぎを削っ た作曲家たちの作品が並びます。 (Ki)
MIR-370
J.S.バッハ:フルート・ソナタ集
フルート・ソナタ ホ長調 BWV 1035
フルート・ソナタ ロ短調 BWV 1030
フルート・ソナタ ホ短調 BWV 1034
パルティータ(無伴奏)イ短調 BWV 1013
フルート・ソナタ イ長調 BWV 1032
マルク・アンタイ(Fl/ルドルフ・トゥッツ(2013年)、ロッテンブルク・モデル)
ピ エ ー ル・アンタイ(Cemb)

録音:2016年9月19-23日、ハーレム(オランダ)
ピエール・アンタイ(1964年生まれ)は来日も多い名手で、アルトゥール・ハース、そしてグスタフ・レオンハルトに師事しています。J.S.バッハの音 楽はもちろんのこと、エリザベス朝の音楽、フランス・バロック、スカルラッティなど、それぞれのスタイルの作品を切り口鮮やかに聴かせる名手です。 マルク・アンタイは1986年にベルギー王立音楽院を首席で卒業、バルトルド・クイケンに師事しました。コンセール・デ・ナシオンやシャペル・ロワイヤ ルなど、古楽シーンを牽引したオーケストラで首席奏者を務め、来日も多い名手です。アンタイ兄弟は非常にリラックスした空気感の中、広く親しまれた美しい旋律に満ちたこれらの作品の魅力をあらためて聴き手に提示しています。無伴奏 の作品も、マルク・アンタイのあたたかみのある音楽が炸裂。2大名手による、極上、らくらくとした、余裕の表情のバッハの登場です。 (Ki)
MIR-372
ウェーバー:クラリネット協奏曲 ヘ短調 op.73
クラリネットとピアノのための変奏曲(「シルヴァーナ変奏曲」) op.33
クラリネットとピアノのための協奏的第二重奏曲 op.48
ラファエル・セヴェール(Cl)
ベルリン・ドイツSO
アジス・ショハキモフ(指)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)

録音:[協奏曲]2016年2月15,16日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
[協奏曲以外]2016年2月25-26日、ボン=セクール寺院、パリ
ラファエル・セヴェールは、1994年、音楽一家に生まれる。ナント音楽院を経て、14歳でパリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)に入学。 2010年仏ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークに選出。2013年ニューヨークのヤング・コンサーツ・アーティスで第1位、および8の副賞(全部で 10)を受賞。これまでに名だたるオーケストラと共演、さらに室内楽でもモディリアーニSQ、アルゲリッチ、ベレゾフスキー、クレーメルらと共演を重ね ています。トリオ・レ・ゼスプリのメンバーでもあるピアノのアダム・ラルーム、チェロのヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエールとの共演盤(MIR 250) でも高く評価されました。2013年にはフランス・ミュジークの依頼により、プーランクの付随音楽「荷物のない旅人」の初演をしています。
ウェーバーといえばなんといってもオペラですが、自身当代随一のピアニストとしても名高く、ピアノや室内楽、そしてクラリネットにも重要な作品を残 しています。協奏曲では指揮者ショハキモフ率いるオーケストラとの息もバッチリで、第2楽章など天上を思わせる美しさ。ピアノとの共演による2作は、 クラリネットとピアノの両方にきらびやかな技巧が求められる難曲ですが、天才ヌーブルジェのサポートを得て、華麗なる演奏が展開されています。 (Ki)
MIR-374(3CD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
[CD1]
・ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 op.15
・ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.19
[CD2]
・ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
・ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58
[CD3]
・ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」op.73
ジャン=フランソワ・エッセール(P&指)
新アキテーヌCO

録音:2014年11月&2015年3月
フランス生まれ、ペルルミュテールらに師事した名ピアニストのジャン=フランソワ・エッセールが弾き振りをした、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集 がリリースされます!管弦楽は1981年設立、フランス西部のポワティエを本拠地とする新アキテーヌ室内管弦楽団。2000年からエッセールが芸術監督 を務めており、アンゲリッシュ、ルノー・カピュソン、シャマユ、デュメイ、ラドゥロヴィッチらをソリストに迎えて協奏曲を演奏しているほか、客演指揮者 にはロト、メストレも登場しているなど、旬のアーティストとの仕事も多い楽団です。エッセールは、1950年生まれで、ペルルミュテールやアンリエット・ピュ イグ=ロジェ、マリア・クルチオらに師事、コンセルヴァトワールで20年以上に渡り後進の指導にもあたったフランスの名手です。ベルトラン・シャマユやジャ ン=フレデリック・ヌーブルジェらもエッセール門下出身です。オーケストラの華麗にして細やかな響きと、エッセールの堅実なピアノが魅力です。 (Ki)
MIR-376
フォーレ:ピアノ三重奏曲 ニ短調 op.120
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
タイユフェール:ピアノ三重奏曲
トリオ・カレニーヌ
パロマ・クイデール(P)
ファニー・ロビヤール(Vn)
ルイ・ロッド(Vc)

録音:2017年 6月22-24日
フランスの作曲家によるピアノ三重奏曲3選。フォーレ、そしてその弟子でもあったラヴェル、さらにラヴェルに師事したタイユフェールの作品、という プログラムです。フォーレの作品は亡くなる晩年の1923年に完成、ラヴェルの作品は1914年頃に完成、タイユフェール作品は4楽章からなりますが、 最初の部分を1917年に書いてからずっと離れており、作品を完結させたのは1978年になってからのことでした。いずれも20世紀になってから作曲さ れた作品ですが、3作品それぞれ独自の世界があります。トリオ・カレニーヌの颯爽とさわやかな演奏で、3作品の味わいの違いを楽しむことができます。
トリオ・カレニーヌは、2009年に結成されたピアノ・トリオ。名はトルストイの小説「アンナ・カレーニナ」に由来します。パリ国立音楽院でイザイ弦 楽四重奏団に師事し、メネヘム・プレスラー、バイエルレらのマスタークラスを受講。第5 回ハイドン室内楽コンクールで特別賞/プロ・ムジチス協会賞 を受賞。2013年、ミュンヘン国際コンクールで最高位(第2位)に輝いています。 (Ki)
MIR-378
ロシアの祈り
ラフマニノフ:晩祷Op.37〜来たれ、我らが王、神に
チャイコフスキー:聖金口イオアン聖体礼儀Op.41〜クレド
 我らが父
ラフマニノフ:聖金口イオアン聖体礼儀Op.31〜我ら汝のために歌う
グレチャニノフ:正教受難週の聖歌〜花婿を見よ
タネーエフ:セレナード
グリンカ:ヴェネツィアの夜
ダルゴムイシスキー:嵐は霞で空を覆う
ロシア民謡(スヴェシニコフ編)「果てもなき荒野原」「暗い森にて」「おお、広き野よ」「鐘」
 (ルプツォフ編)「箒」
スヴィリドフ:プーシキンの花束〜起床ラッパ
 祖国への讃歌〜広野の悲哀
アリャビエフ(ペトレンコ編):ナイチンゲール
ガヴリーリン:鐘〜夜の音楽
 ティ・リ・リ
アンドレイ・ペトレンコ(指)
エカテリンブルグ・フィルハーモニーcho

録音:2017年4月28日-5月3日/スヴェルトロフスク国立フィル・コンサート大ホール
ペトレンコといっても話題のキリルでもヴァシリーでもない、合唱指揮の巨匠アンドレイ・ペトレンコ。ペテルブルグ出身で、1989年から2000年まで ペテルブルグ音楽院で合唱指揮を教えていましたが、ゲルギエフの招きで2000年からはマリインスキー劇場で首席合唱指揮者を務めています。2014年 にウラルのエカテリンブルグ・フィルハーモニー合唱団首席客演指揮者に任命され、翌年には芸術監督となりました。旧ソ連の合唱伝統を守る正統派で、 声の芸術の素晴らしさを存分に堪能させてくれます。 (Ki)
MIR-380(2CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集
チェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 op.5-1
チェロ・ソナタ第2番 ト短調 op.5-2
ヘンデルの『ユダ・マカベア』の「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲 ト長調WoO.45
チェロ・ソナタ第4番 ハ長調 op.102-1
チェロ・ソナタ第3番 イ長調 op.69
モーツァルトの『魔笛』の「娘か女か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 op.66
モーツァルトの『魔笛』の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO.46
チェロ・ソナタ第5番 ニ長調 op.102-2
ヴァレンティン・エルベン(Vc/1720年製マッテオ・ゴフリラー)
シャニ・ディリュカ(P)

録音:2016年3月7-19日
アルバン・ベルク四重奏団のチェロ奏者として活躍した世界的チェリスト、ヴァレンティン・エルベンによるベートーヴェンの登場。エルベンが演奏して いるチェロは銘器マッテオ・ゴフリラー、フルニエやヨーヨー・マが演奏していた楽器です。演奏者の心の機微を忠実に声にできる楽器で、エルベンのこ れまでの人生の豊かさすべてが感じられるような滋味溢れる深い音楽を堪能できます。ピアニストは、近年頻繁に共演しているMIRARE/ラ・フォル・ジュ ルネ音楽祭でもおなじみのシャニ・ディリュカ。彼女のピアノも、エルベンの音楽を、さらに深い音色で包み込んでおり、えもいわれぬアンサンブルが展開 されています。
エルベンは、1945年オーストリアの音楽一家に生まれ、5歳でチェロを始め、ヴァルター・ライヒャルト、ハインリヒ・シフも師事したトビアス・キュー ネ、そしてアンドレ・ナヴァラらに師事しました。1968年にミュンヘン国際音楽コンクールで優勝しています。1970年からはアルバン・ベルク四重奏団 のメンバーとして多忙を極め、2008年の解散後はソリストとしても活躍の場をさらに広げています。 シャニ・ディリュカはラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも来日を重ねているピアニスト。スリランカ出身の両親のもと、モナコに生まれ、パリ国立音楽院を 一等賞で卒業しています。フライシャー、ピリス、プレスラー、ペライアらの薫陶を受けています。深みのある音と霊感に満ちた演奏で聴衆を魅了しています。 (Ki)
MIR-382(2CD)
リスト: ワーグナーのオペラ・楽劇からの全編曲作品集・トリスタンとイゾルデの前奏曲*(タンギ・ド・ヴィリアンクールによる編曲)
イゾルデの愛の死〜「トリスタンとイゾルデ」より
ヴァルハラ〜「ニーベルングの指環」より
リエンツィの主題による変奏曲
つむぎ歌〜「さまよえるオランダ人」より
ゼンタのバラード〜「さまよえるオランダ人」より
静かな炉辺で〜「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より
聖杯への厳かな行進曲〜「パルジファル」より
リヒャルト・ワーグナーの墓に*(リスト作曲)
タンホイザー序曲
エルザの夢〜「ローエングリン」より
エルザの結婚の行進〜「ローエングリン」より
祝典と結婚式の歌〜「ローエングリン」より
ローエングリンの非難〜「ローエングリン」より
ヴァルトブルク城への客人の入場〜「タンホイザー」より
レチタティーヴォと夕星の歌〜「タンホイザー」より
巡礼の合唱〜「タンホイザー」より
・ワーグナー:エレジー
トリスタンとイゾルデの前奏曲、およびリスト作の「リヒャルト・ワーグナーの墓に」、ワーグナー作の「エレジー」以外はすべてワーグナー原曲/フランツ・リスト編曲です。
タンギ・ド・ヴィリアンクール(P)

録音:2016年4月19-22日、2017年3月31日&4月2日/エスパス・モーリス・フルレ(パリ音楽院)
19世紀の音楽界でとりわけ異彩を放つ存在、フランツ・リスト。彼は1848年から1885年にかけて、15のワーグナー作品のピアノ編曲を行いました。 そのどれもが、10本の指では演奏不可能と思えるほどの超絶技巧を用いており、オリジナルの管弦楽の原曲にも勝るとも劣らぬ壮大な世界となっています。 それを全部収録したのがこの2枚。この偉業に挑んだのは、1990年フランス生まれのタンギ・ド・ヴィリアンクール。パリ国立高等音楽院でロジェ・ム ラロ、クレール・デセール、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェのクラスで学び、2008年のYAMAHAコンクール、2013年のフォーレ・コンクールで 入賞、以降ジャック・ルヴィエ、ケフェレックらのもとでさらに研鑽をつみ、2016年にジュネーヴ芸術協会の審査員賞、およびオーディエンス賞を受賞。 2017-19のSPEDIDAMジェネレーションのウィナーとなるなど、ますますの活躍が期待される新星です。ライナーノートはヴィリアンクール自身による もので、それぞれの楽曲の場面と特徴が非常によくまとめられています(日本語訳な し )。 (Ki)
MIR-386
マラン・マレ:作品集〜ヴィオール組曲より
 ・プレリュード-バドミントン遊び-小さな諧謔-ヴィルヌーヴのロンドー
  -トロワルール氏のロンドー
 ・プレリュード-風変りなガヴォット-ビジュー氏のロンドー
  -村祭り-ビスカイヤの女
 ・いたずら
 ・パラザ
 ・ル・タクト
 ・猫なで声のロンドー
 ・プロヴァンスの女」
 ・夢想家(La Reveuse)
F.クープラン:「神秘的なバリケード」「子守歌、またはゆりかごの中のいとし子」(テオルボ編曲/バンジャマン・ペロー)
ラ・レヴーズ〔フロランス・ボルトン(バス・ド・ヴィオール)、バンジャマン・ペロー(テオルボ、バロック・ギタ ー )、カスルテン・ローフ(Cemb)、ロビン・ファロ(バス・ド・ヴィオール)〕

録音:2016年9月、2017年6月
バンジャマン・ペローとフロランス・ボルトンによって設立された古楽アンサンブル。17-18世紀の音楽をメインのレパートリーとしています。今回彼ら が取り上げたのは、マラン・マレ。マレの音楽は優しさ、エレガントさ、そしてウィットをあわせもっており、18世紀のフランス趣味の良さの象徴ともい えます。とりわけ彼の最後の2つの楽曲集は、当時の風景や、「バドミントン遊び」などさまざまな場面を生き生きと描いた絵画のような作品で、ヴィオー ル音楽の最高傑群でもあります。ラ・レヴーズが、F.クープランのチェンバロ作品の編曲も交えながら、フランス・バロックの粋の世界を奏でています。 (Ki)
MIR-388
ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調 op.20-2 Hob.III:32
モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番ト短調 KV 387
シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番「四重奏断章」ハ短調 D703
アキロン・クァルテット
[エムリン・コンセ(Vn)、エリーズ・ドゥ= ベンドゥラック(Vn)、ルイーズ・デジャルダン(Va)、ルーシー・メァカット(Vc)]

録音:2017年10月30日-11月3日、パリ音楽院
2011年にパリで結成、第8回ボルドー国際弦楽四重奏コンクール優勝のアキロン・クァルテットによる、ハイドン、モーツァルト、シューベルトという、弦楽四重奏の最重要レパートリーを生み出した巨匠たちの作品集。アキロンとは、天と地を結ぶ「凧」を意味するイタリア語から名付けられたということです。 (Ki)
MIR-390
リャプノフ:12の超絶技巧練習曲Op.11
【子守歌/幽霊の踊り/鐘/テレク河/夏の夜/嵐/牧歌/ブィリーナ/エオリアン・ハープ/レズギンカ/妖精の踊り/リスト追悼のエレジー】
広瀬悦子(P)

録音:2017年10月29日-11月2日/聖マルセル福音教会(パリ)
※日本語解説付
パリを本拠に活躍する広瀬悦子待望の新録音。今回はセルゲイ・リャプノフ(1859-1924)の「12の超絶技巧練習曲」。リャプノフが崇拝したリストの 追悼で作られていますが、もともとリストがすべての調性で24曲作るつもりながら12曲で終った「超絶技巧練習曲」の残り12曲をひきつぐ意図で始 められました。リャプノフは、ロシア風の美しいメロディと恩師バラキレフゆずりの極度に難しいテクニックと異様なボルテージの高さが特徴ですが、ここ ではさらにリスト流の華麗さもあいまり、彼の最高傑作となっています。絵画性も強く、民族舞曲から吹雪や大河の流れまでを色彩的に描いていて魅力的。
広瀬悦子はバラキレフ・アルバム(MIR181)で示した余裕の技巧とボルテージの持続を、ますますパワーアップ、ピアノの機能の極限までを追求してい ます。正確な技巧のみならずロシア的な歌い回しや明るい音色も魅力で、「子守歌」や「妖精の踊り」など聴き惚れさせられます。
MIR-392(2CD)
ドビュッシー:若き日の作品集
ベルガマスク組曲/マズルカ
忘れられた映像
アラベスク第2番
ピアノとオーケストラのための幻想曲
小組曲(1台4手のための)*
忘れられたアリエッタ(T)
ビリティスの3つの歌(Ms)
牧神の午後への前奏曲(ヴィトーによるピアノ独奏編曲版)
ジョナ ス・ヴィトー(P)
ルステム・サイトクロフ(P)*
カリーヌ・デエ(Ms)
セバスティアン・ドロワ(T)
セセッション・オーケストラ
クレマン・マオ=タカク((指)音楽監督)

録音:2017年9月(幻想曲のみ2017年12月)
研ぎ澄まされた音色と迷いのない音楽、そして歌心にあふれたフランスのピアニスト、ヴィトーによるドビュッシー。ソロ曲から連弾、さらには歌曲、 そしてオーケストラを伴う作品まで、ドビュッシーの若き日の作品を集めました。ドビュッシー没後100年にまたひとつ貴重なタイトルが加わります。
ジョナス・ヴィトーは 1980 年生まれ。6 歳でピアノを、11 歳でオルガンを始める。パリ国立高等音楽院で、エンゲラーやイヴァルディに師事、ピアノ、 室内楽、伴奏、和声の4つのプルミエ・プリを得て卒業。ソロ、室内楽、オーケストラとの共演およびデュティユー、クルターク、エスケシュ、エルサ ンらの現代の作品にも積極的に取り組んでいます。
セセッション・オーケストラは、2011年にクレマン・マオ=タカクによって結成されたオーケストラ。19 世紀末のウィーン分離派からその名前をとっ ています。室内楽から大規模なオーケストラ作品まで、その作品によって編成を自在に変えて、20-21世紀の作品を中心に幅広いレパートリーに取り 組んでいます。 (Ki)
MIR-394
ジャン=ルイ・デュポール(1749-1819):チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲 第4番ホ短調
チェロ協奏曲 第1番イ長調
チェロ協奏曲 第5番ニ長調
ラファエル・ピドゥ(Vc)
ストラディヴァリア

ダニエル・キュイエ(ヴァイオリンと指揮)
録音:2017年10月
トリオ・ヴァンダラーでもおなじみのチェロ奏者、ラファエル・ピドゥと、古楽界のサラブレッド、ダニエル・キュイエ率いるストラディヴァリアによる、デュポー ルのチェロ協奏曲集の登場。
ジャン=ルイ・デュポールは1749年10月4日、18世紀の真ん中に生まれました。彼の8つ年上の兄ジャン=ピエールは優れたチェロ奏者でしたが、ただ ちにジャン=ルイの才能に気付き、チェロの指導を開始。ジャン=ルイはフリードリヒ大王の目にとまり、宮廷のオペラなどの奏者としてパリを離れプロイセンに 移りました。ジャン=ルイは兄がフランスで務めていたポストを引き継いで奏者として活動を開始、またたく間に名声を博し、兄よりも有名になったともいえます。 フランス革命が近くなり亡命しようと考え、最終的には兄をたよってプロイセンに移り、そこでもまた兄の宮廷オペラでのポストを引き継ぎながら、パリでは終え られなかった楽器奏法についての論文を完成させたほか、ベートーヴェンをはじめとする作曲家と出会ったりもしました。
ジャン=ルイ・デュポールのチェロ協奏曲は、パリを発つ前に、コンセール・スピリチュエルなどでも演奏された第1番から第3番、およびプロイセン時代の第4,5 番が遺されており、いずれも3楽章構成となっています。急速なスケール、アルペジオの奏法、さらには左手の敏捷な動きと自由な右手が要求される難解なパッセー ジなど、自身すぐれた奏者であること、そしてロマン派時代の幕開けに生きた作曲家でもあったことを感じさせる充実した作品です。

MIR-400
「LUX」
グレゴリオ聖歌「Introitus Lux fulgebit」
シューマン:暁の歌op.133より第1曲’落ち着いたテンポで’
ドビュッシー:沈める寺(前奏曲集第1巻より)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 op.53「ワルトシュタイン」より第3楽章
マティアス・ピンチャー:Whirling tissue of light (2013) ※世界初録音
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番op.30
ドビュッシー(ポラト編):牧神の午後への前奏曲※世界初録音
リスト:夕べの調べ(超絶技巧練習曲より)
トマス・アデス:Darknesse Visible
バルトーク:夜の音楽(戸外にてより)
グレゴリオ聖歌「Exortum est in tebebris」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光ソナタ」より第1楽章
マタン・ポラト(P)

録音:2018 年1月
ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも来日し、その素晴らしい演奏やマスタークラスで評価されているイスラエル出身のピアニスト、マタン・ポラト。「LUX」 というタイトルで、「光」をテーマにした作品が収録されています。ピアニストはもちろんのこと、作・編曲家としてもすぐれた才をもつポラト。ピンチャー の作品は、まばゆいような硬質の音色と超絶技巧が際だちます。ドビュッシーの「牧神」を自身でピアノ独奏編曲しており、こちらも注目。目のさめるよ うな 1 枚です。
MIR-408
シューマン:ピアノ作品集
幻想曲 op.17(1836-38)
3つのロマンスop.28(1839)
森の情景op.82(1848)
クレール・デゼール(P)

録音:2018 年1月
フランスのベテラン、クレール・デゼールによるシューマンの登場。シューマンの怒涛の思いが溢れ出ているような幻想曲や3つのロマンス、そして歌 曲や室内楽を多く書いた時期を経てピアノ曲としては10年ぶりとなる「森の情景」の世界まで、デゼールの包み込むようで思慮深く、控えめな解釈と、 たしかなテクニックで味わうことができます。
MIR-410
バルトーク〜根
2つのルーマニア舞曲Op.8a
ハンガリー農民の歌による即興曲Op.20(全8曲)
野外にて(全5曲)
14のバガテルOp.6
フロラン・ボファール(P)

録音:2018 年1月/グルノーブルMC2
ブーレーズのアンサンブル・アンテルコンタンポランや、イザベル・ファウストとのフォーレ・アルバムなどで見事なピアノを聴かせてくれたベテラン、フ ロラン・ボファール。久々の新録音の登場です。曲は得意のバルトーク。精力あふれるアレグロの指さばきの巧みさはもちろんながら、「野外にて」の「夜 の音楽」に見られる鋭敏な感性に驚かされます。どの曲の初めて聴くような新鮮さに満ちています。 (Ki)
MIR-412
プロコフィエフ:ピアノ曲集
)ピアノ・ソナタ第2番ニ短調Op.14
ピアノ・ソナタ第5番ハ長調Op.135(改訂版)
10の小品Op.12
ルーカス・ゲニューシャス(P)
2010年第16回ショパン国際コンクール第2位、2015年第15回チャイコフスキー国際コンクール第2位でフォルジュルネ音楽祭でもおなじみ、ルー カス・ゲニューシャス待望のMIRAREデビュー盤。
デビュー盤にあたり、ゲニューシャスはプロコフィエフ初期の2作と、9篇あるピアノ・ソナタのうち唯一外国で作曲した第5番を希望したといわれます。 ゲニューシャスは父がリトアニア人ながら母はロシア人で、モスクワ出身です。母方の祖母はホロデンコや、上原彩子をはじめ日本にも弟子の多いヴェラ・ ゴルノスタエヴァ。祖母からネイガウス派のピアニズムを伝授されています。
プロコフィエフのピアノ曲といえば、ガンガン叩く不協和音とスポーツのようなスピード感が特徴ではありますが、ここに選ばれた作品はどちらかといえ ば叙情的でメロディアスなものが多く、ゲニューシャスのデリケートな解釈が絶美。プロコフィエフのメルヘンチックな世界を堪能できます。
ピアノ・ソナタ第5番は1923年にパリで作曲されたもので、同時代の交響曲第2番や歌劇「炎の天使」と共通する先鋭的な作風でしたが、死の直 前の1954年に大改訂を施し、作品番号を135に変えました。奇しくもプロコフィエフが完成した最後の作品となりました。ここで演奏されているのは その改訂版なのでむしろ最晩年の作品で、透明で迷いのない音楽が感動的です。
10の小品は1906-13年、プロコフィエフのハイティーン時代の作で、どれも非常に個性的。ハープのための「前奏曲」や4本のファゴットのための「ユー モラスなスケルツォ」の原曲を含みますが、ゲニューシャスはあくまでもピアノの魅力を発揮した演奏を繰り広げています。 (Ki)
MIR-414
PORTRAITS- QUATUOR MODIGLIANI〜ポートレイツ/モディリアーニSQ
メンデルスゾーン:カプリッチョ(弦楽四重奏のための小品 op.81-3)
ラフマニノフ:スケルツォ(弦楽四重奏曲第1番より)
プッチーニ:菊
.コルンゴルト:間奏曲(弦楽四重奏第2番 変ホ長調 op.26より)
クライスラー:スケルツォ(弦楽四重奏曲 イ短調より)
バーバー:アダージョ(弦楽四重奏曲 ロ短調 op.111より)
シューベルト:メヌエットとトリオ(弦楽四重奏曲 D.89-3より)
ボロディン:スペイン風セレナータ(ベリャーエフの名前による四重奏曲)
ショスタコーヴィチ:ポルカ(弦楽四重奏のための2つの小品より)
ウェーベルン:弦楽四重奏のための緩楽章
ホフシュテッター:アンダンテ・カンタービレ(セレナーデ)(弦楽四重奏曲 ヘ長調より)
モーツァルト:プレスト(ディヴェルティメント ヘ長調 K.138)
ルロイ・アンダーソン:プリンク・プランク・プランク!
アムリ・コエイトー(ヴァイオリン/グァダニーニ(1773))
ロイック・リョー(ヴァイオイン/グァダニーニ(1780))
ローラン・マルフェング(ヴィオラ/マリアーニ(1660))
フランソワ・キエフェル(チェロ/ゴフリラー“ex-Warburg”(1706))

録音:2018年4月、フラゲイ、スタジオ1(ベルギー)
フランスの人気クヮルテット、モディリアーニSQ、新メンバーでの録音第2弾の登場。「ポートレイツ」と題し、名曲から演奏機会の少ない美しい曲 をプログラム。作曲家の国も様々で、魅力ある小品による旅のようなアルバムとなっています。 (Ki)
MIR-416
ラヴェル:作品集
ヴァイオリン・ソナタ(1897)
5つのギリシア民謡(マリヤ・ミルシテイン編)
フォーレの名による子守歌
ヴァイオリン・ソナタ(1923-27)
「カディッシュ」(2 つのヘブライの歌より/ルシアン・ギャルバン編)
ツィガーヌ
ハバネラ形式の小品
マリヤ・ミルシテイン(Vn)
ナターリヤ・ミルシテイン(P)

録音:2018年11月24-28日
スペインはもとより、東欧、そして東洋の音楽に魅せられ、それらを取り入れたスタイルの作品を多く書いたラヴェル。ラヴェルが見た様々な世界を追体験で きるプログラムの1 枚の登場。マリヤ・ミルシテインとナターリヤ・ミルシテインは姉妹。ヴァイオリンのマリヤはグルベルトとデュメイに師事。ピアノのナターリ ヤは父とネルソン・ゲルネルに師事。共演CDは「ヴァントゥイユのソナタ」(MIR 384)がありますが、マリヤの力強い音色と、ナターリヤの強靭な技巧は相 性ぴったり。今後に要注目の姉妹です。 (Ki)
MIR-418
ガブリエル・デュポン:砂丘の家
サマズイユ:海の歌
マリー=カトリーヌ・ジロー(P)

録音:1997年 1月/サン・ピエール教会(パリ)
ガブリエル・デュポン(1878-1914)はラヴェルと同世代のフランスの作曲家。36歳で夭折したため作品数は少ないものの、独特の音世界を垣間見せ ています。ピアノ組曲「砂丘の家」は、1907-9年の作で、全10曲の大作。ジローはこのなかの2篇に他の録音がありますが、ここでは全曲を堪能で きます。彼はドビュッシーと同じようにムソルグスキーの強い影響を受け、不思議な音響を生み出しています。さらにショーソンのような上品なメランコリー にも翳る絶美の世界が魅力で、宝物を発見したような喜びを感じます。
ギュスターヴ・サマズイユ(1877-1967)はドビュッシーやラヴェル作品のピアノ用編曲で名を残していますが、オリジナル作品も印象派にワーグナーの 影響を加えた濃密な作風が魅力。ジローの美しい演奏で楽しめます。 フォルジュルネ音楽祭の演奏も好評だったマリー=カトリーヌ・ジロー。知られざる作品をエレガントで香り高く披露しています。このアルバムはかつて フランスのインディーズ・レーベルからリリースされていましたが、今回MIRAREから世界発売となりました。 (Ki)
MIR-420
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ ト長調K.379
ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調K.380
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調K.304
ヴァイオリン・ソナタ ニ長調K.306
梁美沙(Vn)、
ジョナス・ヴィトー(P)

録音:2018年6月27-29日/ラベイ・エコール・ドゥ・ソレーズ
トリオ・レ・ゼスプリのヴァイオリニストで、フォルジュルネ音楽祭でもお馴染みの梁美沙(ヤン・ミサ)。大阪出身、パリ音楽院でカントロフとシャル リエに師事した若手。彼女がフランスの名手でやはりフォルジュルネでおなじみのジョナス・ヴィトーとモーツァルトのソナタに挑みました。これらのソナ タはピアノが主とも言えますが、ヴィトーのシックで色彩的な表現力が光ります。また梁美沙の独特な語り口も非常に魅力的です。 (Ki)
MIR-422
D.スカルラッティ:ソナタ集 VOL.6
ニ長調 K.119、ト短調 K.179、ト短調 K.234、ハ長調 K.501、ハ長調 K.502、ヘ短調 K.69、ト短調 K.43、ハ長調 K.384、ハ長調 K.487、ハ長調 K.170、ヘ長調 K.6、変ロ長調 K.550、ニ短調 K.18、変ロ長調 K.544、変ロ長調 K.273、ニ長調 K.161、ト長調 K.477
ピエール・アンタイ(Cemb)

録音:2018年6月、オランダ
鬼才アンタイによるドメニコ・スカルラッティのソナタ集、第6弾の登場。チェンバロ1台のはずなのに、まるでオーケストラによるオペラの序曲を聴いている かのような迫力。アンタイという現代の鬼才を通して、18世紀のヴィルトゥオーゾ・スカルラッティの演奏を追体験しているような感覚になる1枚です。 (Ki)

MIR-426
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
ソナタ第13番変ロ長調 KV 333
ソナタ第12番ヘ長調 KV 332
ソナタ第11番イ長調 KV 331「トルコ行進曲つき」
アンヌ・ケフェレック(P)
軽やかかつカラフルな純フランス風ピアニズムの担い手として貴重な存在のケフェレック。待望の新譜はモーツァルトのソナタ集です。モーツァルトとい えばMIRAREレーベルからは2001年録音の作品集(MIR 9931)がありますが、それから20年弱を経ての録音となります。彼女の清冽なタッチはま さにモーツァルトにぴったり。ここでは名曲3曲を録音しております。「トルコ行進曲つき」冒頭の変奏曲の美しさはまさに絶品。何も構えることなくすべ てが自然に流れており、まさに巨匠のなせる芸術といえましょう。モーツァルトの魅力を純に味わうことができます。 (Ki)
MIR-428
REVOLUTION
デュシーク(デュセック)(1760-1812):フランス王妃の受難
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番「告別」
ショパン:練習曲 ハ短調 op.10-12「革命」
 スケルツォ第1番 op.20
リスト:「葬送」(『詩的で宗教的な調べ』より)
ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ「1905年10月1日の街角で」
ドビュッシー:燃える炭火に照らされた夕べ、「花火」(前奏曲第2集より)
ジェフスキ(b.1938):ウィンスボロ綿工場のブルース(ノース・アメリカン・バラード第4曲)
ダヴィッド・カドゥシュ(P)

録音:2018年12月、ベルギー
(革命)と題し、歴史的な革命や劇的な動きに衝撃を受けた作曲家が書いた作品を集めた1枚。古くはフランス革命を描いた作品から、 ミニマルやトーン・クラスターの技法も用いられたジェフスキの作品までを収めています。歴史という大きな流れの中でまた、それぞれの作曲家たちは音符のひと つひとつにまた様々な感情や記憶が刻み込んでいることに感じ入ります。さらに、社会的な歴史だけでなく音楽の歴史の流れも感じ取ることができ、様々な視点 から楽しめる1 枚です。 (Ki)
MIR-430
第38回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティヴァル公式CD
1. バッハ:イタリア協奏曲 BWV 971よりアンダンテ
2. F.クープラン:子供の時代〜幼年期(クラヴサン曲集第2巻第7組曲
3. バッハ:イギリス組曲第2番イ短調よりアルマンド
4. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番op.27-2「月光」より第1楽章
5. シューベルト:フランスのモティーフによるディヴェルティメント D823 ホ短調より変奏4
6. シューベルト:16の舞曲と2つのエコセーズ D783より第5番
7. アブデル・ラーマン・エル=バシャ:思春期
8. シューベルト:ワルツ第2番op.18 D145
9. シューマン:森の情景op.82より寂しい花
10. シューマン:ダヴィッド同盟舞曲より第14曲やさしく歌いなが
11. フランク:プレリュード、コラールとフーガ FWV21よりプレリュード
12. フォーレ:舟歌 第13番ハ長調 op.116
13. フランク:ゆるやかな舞曲
14. モンポウ:歌と踊り第1曲
15. リャプノフ:超絶技巧練習曲 op.11より子守歌
16. ワーグナー(リスト編):ローエングリンよりエルザの夢
17. チャイコフスキー:四季より3月ひばりの歌
18. ラフマニノフ:前奏曲op.23-10 変ト長調
19. スクリャービン:練習曲 op.42-4
20. ヤナーチェク:霧の中でよりアンダンテ
21. スクリャービン:ソナタ第4番op.30よりアンダンテ
22. デュポン:砂丘の家より星の光
1. クレール・マリ=ル・ゲ
2. Fイド・バル=シャイ
3. ユリアンナ・アヴデーエワ
4. レミ・ジュニエ
5. クレール・デゼール&エマニュエル・シュトロッセ
6. シャニ・ディリュカ
7. エル=バシャ
8. シャニ・ディリュカ
9. クレール・デゼール
10. アダム・ラルーム
11. マリー=アンジュ・グッチ
12. ジャン=クロード・ペヌティエ
13. アンヌ・ケフェレック
14. モルイス・フェルナンド・ペレス
15. 広瀬悦子
16. タンギ・ド・ヴィリアンクール
17. チジョナス・ヴィトー
18. ボリス・ベレゾフスキー
19. アンドレイ・コロベイニコフ
20. ヤダヴィッド・カドゥシュ
21. マタン・ポラト
22. デマリー=カトリーヌ・ジロー
毎年夏にラ・ロック・ダンテロンで行われているピアノの祭典の公式CD。豪華な顔ぶれ、ヴァラエティ豊かな選曲で楽しめます。 (Ki)
MIR-434
TEMPERAMENTS〜C.P.E.バッハとモーツァルト作品集
C.P.E.バッハ:アンダンテ・コン・テネレッツァ(Andante con tenerezza) Wq.65/32 (H.135)
 ソルフェッジオSolfeggio ハ短調 H.220
 スペインのラ・フォリアにもとづく12の変奏曲 H.263
 ピアノ協奏曲 ニ短調 Wq.23
 わがジルバーマン・ピアノへの別れ Wq.66(H.272)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調 KV310/300d
 幻想曲 ニ短調 K.397/385g *
C.P.E.バッハ:アンダンテ・コン・テネレッツァ Wq.65/32 (H.135)*
シャニ・ディリュカ(P/*は1790年アントン・ヴァルターのピアノフォルテ(コピー)を使用)
パリ室内O
ベン・グラスバーグ(指)

録音:2018年7月、8月
グレース王妃に見出されたピアニスト、シャニ・ディリュカの新譜は、C.P.E.バッハとモーツァルトとの、音楽的あるいは精神的に親子のような関係をさぐるプ ログラム。「彼は父であり、われわれは子供だ」とはモーツァルトがC.P.E.バッハを表現した言葉ですが、モーツァルトが愛したヴァルターのフォルテピアノ(コピー) でC.P.E.バッハとモーツァルトの作品を演奏し、その関係性に光を当てるという試みも収録されています。感情(気分)というものが、当時の芸術作品のひとつ の重要な要素であったことも感じさせる演奏で、ふたりの作曲家の作品を、またあらたな視点で楽しむことができます。 シャニ・ディリュカはスリランカ出身の両親のもとモナコで生まれ育ち、グレース王妃に見出されて英才教育を受けたピアニスト。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭で もたびたび来日し、その力強いタッチと豊かな語り口の音楽で聴衆を魅了しています。協奏曲で共演の指揮者ベン・グラスバーグはケンブリッジ大学を卒業後、 英国ロイヤル・アカデミーでシャーン・エドワーズに指揮を学び、2017年9月、第55回ブザンソン指揮者コンクールで優勝したほか、聴衆賞、オーケストラ 賞も受賞した、注目度急上昇の若手です。 (Ki)
MIR-436
フランス風アコーディオン
(1)ティボー・ペリーヌ:ミュゼット組曲(全5曲)
(2)プロコフィエフ(ティボー・ペリーヌ編):ユダヤ主題による序曲
(3)ガーシュウィン(ティボー・ペリーヌ編):パリのアメリカ人
(4)ピアソラ(ティボー・ペリーヌ編):天使のミロンガ
(5)リシャール・ガリアーノ:小フランス組曲(全5曲)
(6)ギュス・ヴィズール(ティボー・ペリーヌ編):モントーバンの火
ル・パリ・デ・ブルッテル【フェリシアン・ブリュ(アコーディオン)、エルメスSQ、エドゥアール・マカレ(Cb)】

録音:2018年9月/四季劇場(グラディニャン)
2019年のフォルジュルネ音楽祭に出演が予定されているフランスのアコーディオン奏者フェリシアン・ブリュとエルメスSQ。彼らの共演アルバ ムの登場です。
1986年オーヴェルニュ生まれのブリュは、フランスのアコーディオン、ミュゼットの名手で、この楽器の機能と可能性を追求して新しい作品を世に出していま す。ここではフランスの若手作曲家ティボー・ペリーヌによるオリジナル曲に加え、プロコフィエフ、ガーシュウィン、ピアソラ作品のアコーディオンと弦楽五重奏 のための編曲が収められています。これはロシア、アメリカ、南米とそれぞれアコーディオンが形を変えて根付いた国の作品をとりあげているとのこと。
ブリュのミュゼットはパリらしいエスプリにあふれ、ガーシュウィンも多彩な表現力に驚かされます。エルメスSQの生気に満ちたバックアップも最高 のアンサンブルを聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-438
シューベルト:八重奏曲ヘ長調 D.803 モディリアーニSQ【アムリ・コエイトー(ヴァイオリン/グァダニーニ(1773))、ロイック・リョー(ヴァイオイン/グァダニーニ(1780))、ローラン・マルフェング(ヴィオラ/マリアーニ(1660))、フランソワ・キエフェル(チェロ/ゴフリラー"ex-Warburg"(1706))】
ザビーネ・マイヤー(Cl)
ブルーノ・シュナイダー(Hrn)
ダグ・イェンセン(Fg)
クヌート・エリック・サンドクイスト(Cb)

録音:2018年9月
2003年に結成されたモディリアーニSQ。2016年、第一ヴァイオリンのベルナール・フィリップが肩および右上腕部の筋肉をいため、演奏 家としてのキャリアをストップさせることを決断。フランス放送POのコンサート・マスターを務めていた旧知の友人、アムリ・コエイトー を新メンバーに迎えて更なる活躍をみせています。新メンバーによる第3弾。
クラリネット、ホルン、バスーン、弦楽四重奏、そしてコントラバス、という編成ですが、世界で活躍する名手たちが集っての演奏が実現しました。まずモディ リアーニを中心とする弦楽器の気品あふれる音色にはっとさせられ、管楽のアンサンブルもノーブルそのもの。最上級の美しさを堪能することができます。
【共演者について】
ザビーネ・マイヤーはバイエルン放送響の首席クラリネットを務めたのち、ソロ活動に踏み切り、ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブル を結成するなど精力的な活動を続けている世界トップ・クラスの奏者。ブルーノ・シュナイダーはスイス生まれで、1986年から93年までバイルン放響お よびスイス・ロマンド管のソロ・ホルン奏者を務めました。ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルの設立メンバーでもあります。ダーク・イェンセンはノルウェー 出身、1985年から88年までバンベルク響、1988年から97年までケルンRSOの首席奏者を務め、さらにサイトウ・キネンや水戸室内管、ルツェ ルン祝祭管でも活躍しています。1984年と90年の二回、難関ミュンヘン国際音楽コンクールで入賞しています。クヌート・エリック・サンドクイストは、 ノルウェーを代表するコントラバス奏者で、ベルゲン・フィルのメンバーを長年務めたほか、ルツェルン祝祭管でも活躍した (Ki)
MIR-440
民謡から生まれたピアノ曲
デシャトニコフ:ブコヴィナの歌(24の前奏曲)
バルトーク:15のハンガリー農民歌Sz.71
チャイコフスキー:ドゥムカOp.59
ルーカス・ゲニューシャス(P)
第16回ショパン・コンクール第2位を受賞したルーカス・ゲニューシャスのミラーレ・レーベル第2弾。今回はロシア・東欧の民謡から生まれたピアノ曲を集め た興味深いアルバムです。
メインは「24の前奏曲」の副題を持つデシャトニコフの「ブコヴィナの歌」。デシャトニコフ(1955-)はクレーメルが積極的に作品を紹介し、おなじみとなった 作曲家。周辺の民謡や伝承音楽に興味を持ち、その可能性を現代音楽の世界に生かしてバルトークの技法をさらに推し進めた作風を確立しようとしています。
「ブコヴィナの歌」はウクライナとルーマニアをまたぐ地域の民謡に基づく24の小品。アメリカン・バレエ・シアターが2017年にバレエ化して話題となりました。 ゲニューシャスも2018年10月に東京で本邦初演したほか世界各地で愛奏し、彼のトレードマークとなっている感があります。今回満を持しての全曲録音となり ます。
バルトーク流のエネルギーに満ちた世界ですが、ジャズやポピュラー音楽の要素も感じられる新しさがオシャレ。
カップリングにはバルトークが100年前に同手法で作った「15のハンガリー農民歌」、チャイコフスキーがスラヴの伝承音楽「ドゥムカ」の形式で作った技巧的 作品まで、ゲニューシャスの若々しい魅力を満喫できます。 (Ki)
MIR-442
ブクステフーデ:独唱のためのカンタータ集(および同時代人たちの作品集)
フランツ・トゥンダー(1614-1667):Ach Herr, lass deine lieben Engelein
ブクステフーデ:主は言われた BuxWV 17、ソナタ第6番ニ短調 op.1- BuxWV 257、Sicut Moses、
Herr, wenn ich nur dich hab - BuxWV 38
作曲者不詳:3つのヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ
ヨハン・フィリップ・フェルチュ(1652-1732):深き淵より われ汝に呼ばわる 主よ
ガブリエル・シュッツ(1633-1710/11):2つのヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ
クリスティアン・ガイスト(ca.1650-1711):Resurrexi adhuc tecum sum
ラ・レヴーズ
マイイ・ド・ヴィルトレイ(S)

録音:2018年10月、パリ
ブクステフーデが書いた独唱のためのカンタータ、およびブクステフーデの同時代人たちの作品を集めた1枚。“ラ・レヴーズ” は、バンジャマン・ペロー とフロランス・ボルトンによって設立された古楽アンサンブルです。17-18世紀の音楽をメインのレパートリーとしています。ブクステフーデらの作品は、 イタリアのカンタータの影響も色濃く感じさせるスタイルのもので、後にバッハにも影響を与えることとなります。 (Ki)
MIR-444
ブクステフーデ(1637頃-1707):われらがイエスの御体(四肢) BuxWV 75
神よ、われを助けたまえ! BuxWV 34
フィリップ・ピエルロ(指)
リチェルカール・コンソート
マリア・ケオハネ、ハンナ・バトディ=ヒルト(S)
カルロス・メーナ(C.T)
ジェフリー・トンプソン(T)
マティアス・フィーヴェグ(Bs)

録音:2018年9月
ブクステフーデの最高傑作のひとつ、われらがイエスの御体。十字架にかけられたイエスの体の、足、ひざ、手、わき、胸、心臓、顔という7部に語 りかけるかたちで、その受難を思う内容の7つのカンタータからなるラテン語の作品です。えもいわれぬ美しい音色で奏でられるアンサンブル、そしてそ のアンサンブルの世界にすっとなじむ歌唱陣による、絶美の祈りの世界が繰り広げられています。 (Ki)
MIR-446
ロワール川に沿って〜流域の音楽的描写
序唱〜“Exultantes in partu virgins 処女の誕生を喜ぶ”より(12-16世紀の山間部の手稿譜に基づく)
オケゲム:キリエ(ミサ「 Fors seulement 」より)/Intemerata Dei Mater
ジャン・ムトン(1459-1522):グローリア(ミサ「 Quem dicunt homines 」より)/Nesciens mater virgo virum/Quis dabit
oculis nostris
クレマン・ジャヌカン:Quand contremont verras/Herbes et fleurs/Bel aubepin verdissant/Le rossignol/
Etans assis aux rives aquatiques/サンクトゥス(ミサ「 La bataille 」より)
ファブリス・カイエタン(1540-1578):La terre va les eaux boivant
ピエール・セルトン(1515-1572):Vignon, vignette
アントワーヌ・ド・フェヴァン(1470-1512):序唱〜ミサ「 Pro fidelibus defunctis 」より
ギョーム・ファギュ(1442-1475):アニュス・デイ〜ミサ「 Je suis en la mer 」より
作曲者不詳:Dedans la mer
アンサンブル・ジャック・モデルヌ
ジョエル・シュビエット(指)

録音:2018年10月
ロワール川にまつわるルネッサンス期の作品集。ムトンやクレマン・ジャヌカンら、フランスの巨匠たちによるポリフォニー声楽作品をとおして、アンサンブル・ ジャック・モデルヌが古のロワール川流域の世界へと私達を誘ってくれます。ロワール川沿いにそびえたつカテドラルや修道院、城などが目に浮かぶような美しい 世界が広がります。 (Ki)
MIR-448
ショパン:19の歌曲(ポーランド語歌唱)
シューベルト(ゲーテ詩):あこがれD.359/ミニヨンの歌TD.726/ミニヨンの歌UD.727/
 「ヴィルヘルム・マイスター」からの歌D.877(全4曲)(ドイツ語歌唱)
ラケル・カマリーナ(S)、
ヨアン・エロー(P)

録音:2019年1月14-20日/モンス、アルソニク大劇場(ベルギー)
ラケル・カマリーナは独特な明るい声質でヘンデルやモーツァルトのオペラ上演にもひっぱりだこのポルトガルのソプラノ。彼女がショパンの全歌曲に挑戦。 ショパンの歌曲はすべてポーランド語で書かれ民俗音楽の要素も濃く、ポーランド人でなければ難しい世界ながら、ポルトガルのファドも得意とするカマリー ナは、ポーランド音楽特有の「ジャル(悲哀)」も見事に表現。
カップリングはゲーテの詩によるシューベルトの歌曲から「ヴィルヘルム・マイスター」ものを7曲披露。少女ミニヨン像を浮かび上がらせます。 (Ki)
MIR-450
豪華仕様
シューベルト:冬の旅 エドウィン・クロスリー=メルセル(Br)
ヨアン・エロー(P)

録音:2019年1月14-20日、ベルギー
美麗ブックCD(縦216ミリ、横157ミリ、厚さ12ミリ)
フランスの注目若手バリトン、クロスリー=メルセルによる「冬の旅」の登場。クローディーヌ・フランク(画家)による美しい絵画が各曲の歌詞とともに掲載され ています。クロスリー=メルセルは、ヴェルサイユで学んだあとディースカウのもとでリートや歌劇の学びを深めたのち、モーツァルトからラモーまで、様々なオペ ラでヨーロッパだけでなくアメリカ、ロシアでも活躍しています。ルセ率いるレ・タラン・リリクの公演にも登場するなど、ニュー・ジェネレーションの注目株です。 (Ki)
MIR-452
ビゼー:ピアノ作品集〜無言歌
ラインの歌(6っつの無言歌)〔1.夜明け 2.出発 3.夢 4.ジプシー女 5.打ち明け話 6.帰還〕
『真珠とり』よりナディールのロマンス”耳に残るは君の歌声”(グーアン編)
半音階的変奏曲
メヌエット(「アルルの女」第1組曲より)(ラフマニノフ編)
サン=サーンス(ビゼー編):ピアノ協奏曲第2番(ビゼー編曲によるピアノ独奏版)
ナタナエル・グーアン(P)

録音:2019年7月3-5日
1988年パリ生まれの新星ピアニスト、ナタナエル・グーアン。リストのディスク(MIR-354)では驚異的なテクニックと知性を感じさせるプログラムで 話題を集めましたが、今回のソロ・アルバムはビゼーで登場。
ビゼーは、リストにも認められたほどのピアノの腕前の持ち主でした。どの作品も標題を持っており、持ち前のメロディの美しさ、そして自身のピアノの腕 を髣髴とさせる華麗なパッセージも聴かれる魅力的な作品をのこしています。このアルバムでは、ビゼーの作品のほか、ビゼーの作品を他の作曲家、あるい はグーアン自身が編曲したもの、そしてサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番はビゼーがこれまた超絶技巧のピアノ独奏版に編曲したものを収録。グーアンが、 ビゼーのメロディの天賦の才とヴィルトゥオーゾを存分に引き出した秀演を展開しています。
グーアンはソロ、そして室内楽でも引っ張りだこの存在。ヨーロッパ、アジア、アメリカでの演奏会経験も豊富。4歳から音楽を学び始め、オーストリアの ヨハネス・ブラームス・コンクールや、スウェーデン国際デュオコンクールで優勝しています。2015年には、ピリスのパルティトゥーラ・プロジェクトに選ばれ、 日本でもベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番や、ピリスとの連弾を披露しています。 (Ki)
MIR-454
ベートーヴェン&コルンゴルト:初期ピアノ三重奏曲集
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第1番変ホ長調 op.1-1
コルンゴルト:ピアノ三重奏曲 op.1
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 op.1-3
ナタナエル・グーアン(P)
ギョーム・シルム(Vn)
ヤン・ル ヴィノワ(Vc)

録音:2019年2月22-24日
作曲家にとって、「作品1」の出版はこれまでの成果をこれからの活動を問われる極めて重要な瞬間であるといえるでしょう。ベートーヴェンは、op.1 のピアノ三重奏曲を発表した時24才でした。ウィーンで本格的に支援者を得ようと必死に自身のピアノの腕前までもが発揮できるような作品をと意気込ん でいました。一方、コルンゴルトはこのop.1を12歳で出版しましたが、9歳でマーラーから天才と絶賛され、12歳で神童としてその名を既に知られて おりました。同じop.1ではありますが、その目指すところは少し違っていたといえるでしょう。しかしどちらにも言えることは、その作品の出来栄えが素 晴らしいということ。特にコルンゴルトの作品は、出版後間もなくブルーノ・ワルターのピアノで初演されましたが、モダニズムやセリーが登場する直前の、 欄熟した後期ロマン派の色合いを濃厚にまとった魅力的作品です。 (Ki)
MIR-456
モーツァルト&ハイドン:ピアノ・ソナタ集
モーツァルト
:ピアノ・ソナタ 第12番ヘ長調 K332
ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ長調 第36番Hob.XVI:21(1773)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第4番変ホ長調 K282(1774)
ハイドン:ピアノ・ソナタ 第44番ヘ長調 Hob.XVI:29(1776)
ハイドン:ピアノ・ソナタ 変ホ長調 第51番 Hob.XVI:38(1780)
ジェローム・アンタイ(フォルテピアノ/18世紀後半、ドイツ製)

録音:2017年7月
ジェローム・アンタイといえば、世界的なヴィオラ・ダ・ガンバ奏者で、アンタイ3兄弟すなわちピエール(Cemb)、マルク(リコーダー)とでトリオ・ アンタイとしても活躍していますが、彼はまた鍵盤音楽、とりわけピアノ初期(フォルテピアノの時期)の作品にも強い興味を示してきました。ここで彼の鍵盤奏 者としてのソロCDの登場です。ここに収録された5つのソナタは、1773-1783年の間に作曲されたもの。1774年、ハイドンは彼の最初の独奏鍵盤楽器のた めのソナタ集を出版。モーツァルトがこのジャンルに初めて取り組んだのもこの年でした。これらの作品の作曲家を越えたスタイルの変遷は、鍵盤楽器がチェンバ ロからフォルテピアノに移行する時期だったことが顕著にわかるものとなっています。ここではジェローム・アンタイが18世紀効果版に作られたドイツのフォルテ ピアノを用いて録音。抜群の左手はさすがガンバ奏者として古楽アンサンブルを長年支えていることをあらためて感じさせるとともに、表情豊かで歌うような音色 を堪能できる1枚となっています。 (Ki)
”FUTUR”シリーズ
MIR-464
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調 op.105
 間奏曲(動きをもって、しかし速すぎずに)〜F.A.E.ソナタ第2楽章
ブラームス:スケルツォ(アレグロ)〜F.A.E.ソナタ第3楽章
クララ・シューマン:ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス op.22
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 op.78
岡田修一(Vn)
クレマン・ルフヴュル(P)

録音:2017年12月
数々の国際コンクールで輝かしい成績を上げるなど注目度上昇中の岡田修一による、ローベルト&クララ・シューマン、そしてブラームスという、音楽 がめぐりあわせた天才3人による作品を集めた注目のプログラム。さらに彼らの友人であった大ヴァイオイリン奏者ヨアヒムに捧げられたF.A.E.ソナタの 楽章も収録されています。岡田修一の気品あふれる音色と抑制の効いた歌いまわしは圧巻。若くして巨匠の風格漂う音色と音楽に圧倒される1枚です。 ピアノのクレマン・ルフヴュルはパリ国立高等音楽院でロジェ・ムラロのクラスで学び、ジェームス・モットラム・マンチェスター国際ピアノコンクールで第 1位および聴衆賞を獲得、様々な音楽祭でもすでに活躍しています。
■岡田修一・・・1995年ボルドー生まれ。5歳よりヴァイオリンを始める。パリ国立高等音楽にてロラン・ドガレイユに師事。アンドレア・ポスタッキーニ、ジネッ ト・ヌヴー、フリッツ・クライスラーほか、名だたる国際コンクールで入賞を重ねる。音楽祭にも出演多数。タメスティ、ジャルスキ、デュメイらとの共演 も多数。トリオ・カントールを設立し、2016年よりシンガー・ポリニャック財団のサポートを受けています。現在、デュメイがディレクターを務めるエリザベー ト王妃音楽院に在籍中。
MIR-472
(1)ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1番ハ短調Op.8
(2)ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第4番ホ短調Op.90「ドゥムキー」
(3)ヴァインベルク:ピアノ三重奏曲Op.24
トリオ・カレニーヌ【パロマ・クイデール(P)、ファニー・ロビヤール(Vn)、ルイ・ロッド(Vc)】

録音:2019年5月24-17日/サン=ラザール・サナトリウム(ボーヴェ)
トリオ・カレニーヌは、トルストイの「アンナ・カレーニナ」から名を冠した2009年創立のフランスの団体。名が示す通り、ロシアや東欧作品に特別 な愛着と関心を持つそうですが、これまでのディスクはフランス系やウィーン古典派のものでした。今回満を持して本領を発揮。ドヴォルザークの名作「ドゥ ムキー」をメインに、ショスタコーヴィチとヴァインベルクという意欲的なプログラム。ショスタコーヴィチは17歳の若書き第1番で、急進的な書法と若々 しいメロディが才気煥発な作。ヴァインベルク作品は第2次世界大戦終戦の1945年に作られ、ナチスの犠牲者たちに捧げられています。ピアノ・パート が非常に難しく、クイデールの鮮やかな技巧が光っています。 (Ki)
MIR-474
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集
ソナタ 第5番ヘ長調 op.24「春」
ソナタ第6番イ長調 op.30
ソナタ第10番ト長調 op.96
オリヴィエ・シャルリエ(Vn)
エマニュエル・シュトロッセ(P)

録音:2019年8月28-30日、音楽院オーディトリウム(パリ17区)
名手二人だから到達したシンプルな美しさ、これ見よがしなところはなく、それでいてそこかしこに漂うフランスならではのエスプリただようベートーヴェ ン。オリヴィエ・シャルリエはラ・フォル・ジュルネ音楽祭などで来日も重ねているフランスの名手。シュトロッセもクレール・デゼールとのピアノ・デュオ などでもおなじみのフランスの名手です。シャルリエの奏でる曇りのない音色、そしてシュトロッセの清潔感あふれるタッチがつむぎだすデュオは、まさに シンプルな美しさにあふれています。 (Ki)
MIR-476
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ペトリス・ヴァスクス(b.1946):「遠き光」ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲
ファニー・クラマジラン(Vn/マッテオ・ゴフリラー(1700年)
ケン=デイヴィッド・マズア(指)
イギリス室内O

録音:2016年3月9-11日
パリ生まれの俊英、クラマジランによる新譜の登場。クルト・マズアの息子であるケン=デイヴィッド・マズア指揮イギリス室内Oとの共演による、 ベートーヴェンとヴァスクスというプログラムです。クラマジランの魅力である繊細な美しさをたたえた、それでいて力強い音色が炸裂した演奏。ケン=デ イヴィッド・マズア率いるイギリス室内管の丁寧な管弦楽がクラマジランの音楽を影になり日向になり支え、濃密なアンサンブルが展開されています。ベー トーヴェンでのすみずみまで意志の通った演奏、そしてヴァスクスで聴かせるたしかな技巧に支えられた静謐の世界は圧巻です。
ヴァスクスの「遠い光」は1997年のザルツブルク音楽祭委嘱作品。初演したのはギドン・クレーメルと、結成間もないクレメラータ・バルティカでした(8 月10日)。演奏時間は30分ほどで、楽章は切れ目なく演奏されます。宇宙の永遠の美についての沈思から始まり、人間の狂気の不協和音、そして最後 は冒頭のような静寂が戻って幕となる、深遠なる作品です。
ファニー・クラマジランは、1984年パリ生まれ。7歳でヴァイオリンを始め、2000年パリ国立高等音楽院修士課程に入学、ジャン=ジャック・カン トロフに師事しています。04年にロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックを卒業。95年ルイ・シュポーア国際コンクール優勝。05年フリッツ・ クライスラー国際コンクール第1位。07年には、モンテ・カルロ・ヴァイオリン・マスターズにて「モナコの侯爵レニエIII世賞」(優勝)を受賞。これまでに、 ウィーン・フィル、ミュンヘン・フィル、ロンドン・フィルなどと共演しています。使用楽器は1700年製マッテオ・ゴフリラー。 ケン=デイヴィッド・マズアは1977年生まれ、2019/20のシーズからミルウォーキーSOの音楽監督に就任しています。これまでにロサンゼルス・ フィル、シカゴ響などと共演。2015年には読響とも共演を果たしています。これからの活躍がますます期待される俊英です。 (Ki)
MIR-478
「FOLK」
クライスラー:ラ・ヒターナ、序奏とアレグロ、中国の太鼓
ファリャ:はかなき人生
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56
ファリャ:7つのスペイン民謡より‘ポーロ’‘アストゥーリアス地方の歌’‘ホタ’
サラサーテ:ボヘミアの歌
マスネ:タイスの瞑想曲
スコット・ジョプリン:エリート・シンコペーションズ(プレヴィン&パールマン編)
ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ幻想曲
ブロッホ:ニーグン
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
ラヴェル:ツィガーヌ
トマ・ルフォー(Vn)
ピエール=イヴ・オディク(P)

録音:2018年10月1-5日
1994年マルセイユ生まれのトマ・ルフォーによるヴァイオリン名曲集。「FOLK」と題し、民謡などに大いにインスパイアされて書かれた作品をそろえ ました。トマ・ルフォーは13歳でギトリスに才能を認められた実力の持ち主。パリ国立高等音楽院でロラン・ドガレイユに師事しています。20代とは思 えぬ見得の切り方や歌い回し、確かで華やかな技巧、そしてフォルテでも決して乱れぬ美音により、極上の名曲集が出来上がっております。 ピアノのピエール=イヴ・オディクもパリ国立高等音楽院出身、2011年にはチャイコフスキー・コンクールで様々な弦楽器奏者の伴奏を務め高く評価さ れました。 (Ki)
MIR-480
ヘンデル:クラヴサン組曲第1巻より第1〜4番
(1)クラヴサン組曲第1番イ長調 HWV426
(2)クラヴサン組曲第2番ヘ長調 HWV427
(3)クラヴサン組曲第3番ニ短調 HWV428
(4)6つのフーガより第6番ハ短調 HWV610
(5)クラヴサン組曲第4番ホ短調 HWV429
ピエール・アンタイ(Cemb)

録音:2020年1月/ハールレム(オランダ)
チェンバロの名手ピエール・アンタイ。MIRAREレーベルからリリースされているドメニコ・スカルラッティのソナタ集のシリーズでも知的かつ自然体なア プローチで演奏しております。注目の新譜では待望のヘンデルを録音!当アルバムにはクラヴサン(Cemb)組曲第1巻より第1番から第4番を収録し ました。
ヘンデルは1706年から1710年にイタリアを訪れ、コレッリやアレッサンドロ・スカルラッティ(ドメニコの父でイタリア・オペラの作曲家)に出会い大 きな影響を受けました。その後、多くのオペラはもちろんのこと、室内楽曲、鍵盤楽器の作品を残しました。クラヴサン組曲第1巻全8曲から成り1720 年に発刊された曲集で作品により楽章数が異なります。アンタイならではの極彩色に富んだあざやかな演奏でお楽しみください。 (Ki)
MIR-486
「SON」〜夢
ムソルグスキー:歌曲集「子供部屋」(全曲)
リスト:‘愛って何’、‘若き日の幸せ’、‘漁師の少年’、‘ローレライ’、
‘「どうやって」彼らは尋ねた’、‘すべての山の頂きに安らぎが’
ラフマニノフ:6つの歌曲op.38(全曲)
イリーナ・キシリャルク(S)
チェン・ユン=ホ(P)

録音:2018年9月
「夢」と題し、様々な歌曲を集めた1枚。ソプラノのイリーナ・キシリャルクは1990年ウクライナ出身、チャイコフスキー音楽院、ライプツィヒ音楽大学、 そしてパリ国立高等音楽院で学びました。バロック音楽からオペレッタに至るまで30ほどの役柄をレパートリーとしています。ロシア語、フランス語、英 語、ドイツ語、イタリア語を自在にあやつり、美しいことばの発音で世界を魅了する逸材です。ピアノを務めるのは台湾出身のチュン・ユン=ホ。彼女もパ リ国立高等音楽院で学んでおり、キシリャルクとは共演を重ねています。 (Ki)
MIR-488
ベートーヴェン:変奏曲集
創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO 80
「森のおとめ」のロシア舞曲の主題による12の変奏曲 WoO 71
創作主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調(エロイカ変奏曲) op.35
創作主題による6つの変奏曲 ヘ長調 op.34
セリム・マザリ(P)

録音:2019年6月6-7日、サル・モリエール(リヨン)
また一人注目のピアニストが現れました!1992年生まれのセリム・マザリです。小さな頃からピアノに親しみ5歳でピアノの先生(エンゲラーの弟子であっ た)につき、パリ音楽院に進み、エンゲラーにも師事します。2008年パリ国立高等音楽院に入学、エンゲラーのクラスで学びを深めます。2012年にエ ンゲラーが亡くなってからはクレール・デゼールの下でさらなる研鑽を積みながら、修士取得。その後もペヌティエらのもとで学びながら、ロンドンのロイ ヤル・カレッジ・オブ・ミュージックへと進みます。ロンドンでネイガウスの弟子でもあったアヴォ・クユムジャンに師事、古典派作品に真摯に取り組みま す。コンクールで入賞を重ね、様々な賞を受賞している今注目度急上昇中のピアニストです。
マザリが取り上げたのは、ベートーヴェンの変奏曲集。ベートーヴェンは音楽的に様々な新しいことをやりとげましたが、変奏曲というジャンルでも新し いことをしました。当時変奏曲といえば有名なオペラのアリアや当時流行していた楽曲を主題にしたものが多かった中、「創作主題」つまり独自の主題を 提示し、それを変奏していく、というものを多く残しました。ここでも創作主題による変奏曲がおさめられておりますが、繊細さと力強さを兼ね備えた音 色が完璧な音響をつむぎだしていきます。難曲エロイカ変奏曲でのテクニックの鮮やかさは圧倒的です。
MIR-490
バッハ〜ただ神の栄光のために
カンタータ第21番「われは 憂いに沈みぬ」BWV 21
カンタータ 第76番「もろもろの天は神の栄光を語り」 BWV76
「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」BWV639
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV663
「主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ」BWV617
「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」 BWV 715
コレギウム・ヴォカーレ・ゲント、
リチェルカール・コンソート、
フィリップ・ピエルロ(指)
マリア・コヘイン(S) 
カルロス・メーナ(A)
ユリアン・プレガルディエン(T)
マティアス・フィーヴェク(Bs)
ベルナール・フォクルール(Org)
フィリップ・ピエルロ率いるリチェルカール・コンソートとコレギウム・ヴォカーレ・ゲントによるバッハのカンタータ2篇とリチェルカール・コンソート創設メ ンバーでもあるベルギーのオルガニスト、ベルナール・フォクルールの演奏によるオルガン作品を収めたアルバム。ここに収録されたカンタータはワイマール時代 とライプツィヒ時代に書かれ、その10年にわたるバッハの進化を示しています。 21番は2部構成、全11曲から成る初期の大作。バッハの生涯に何度も演奏された名曲です。嘆きを歌う第1部、救いの喜びを歌う第2部の対照も見事な、 きわめつけの美演です。76番は、ライプツィヒのトーマスカントルに着任後の初仕事だったBWV75 「貧しきものは饗せられん」の翌週に初演された作品。トラ ンペット による華やかな始まりが印象的です。 カップリングのオルガン作品では、バッハとブクステフーデ両大家のオルガン曲全曲録音を果たした、豊富な知識と技量を持つ現代最高峰のオルガニスト、ベル ナール・フォクルールの見事なテクニックと感性を存分に堪能できます。 (Ki)
MIR-492
ベートーヴェン:バガテル全曲集
7つのバガテル op.33
アレグレット WoO.53
バガテル「楽しい―悲しい」WoO.54
バガテル WoO.52
バガテル WoO.56
11のバガテル op.119
バガテル WoO.59(エリーゼのために)
やや生き生きと WoO.60
アレグレット WoO.61
バガテル WoO.61a
6つのバガテル op.126
タンギ・ド・ヴィリアンクー ル(P)

録音:2019年10月24-26日、グスタフ・マーラー・コンサートーホール(イタリア)
ベートーヴェンのバガテルは、長くても3分程度の作品ばかりですが、ベートーヴェンという人物の様々な側面が反映されているようで、聴いていると ‘細 密画家’ ベートーヴェンの私的な日記を読んでいるような気分になります。シューベルトを思わせるヨマンティックなトーンが見られる楽曲、大胆な半音階 的和音や幻想的なリズムが見られる楽曲、後期ソナタのファンタジー的な世界を思わせる楽曲など、ベートーヴェンの革新性が詰まったこれらの作品を、 タンギ・ド・ヴィリアンクールの完璧な技巧と知性が詳らかにしていきます。
MIR-496
ルイ13世の宮廷のスペイン歌曲
・Gaspar Sanz (1640/1710) : Clarin de los Mosqueteros del Rey de Francia、Zarabanda Francesca
・Etienne Moulinie (1599/1676) : Repicavan las campanillas、Ojos si quiereis vivir、Si matais quando mirais、Si me
nacen colores morena、Si negra tengo la mano
・Gabriel Bataille (1575/1630) : Quien quiere entrar conmigo、Pues que me das a escoger、Passava amor、Si suffro
por ti morena、Claros ojos bellos、De mi mal nace mi bien、Dezid como puede ser、Vuestros ojos tienen d’Amor
・Santiago de Murcia (1673/1739) : Las Bacas、Las Penas、Tarentelas、Jacaras Francesca
・Gabriel Bataille : Rio de Sevilla、En el valle, Ynes la tope riendo、El baxel esta en la playa、Aver mil damas
・Henri de Bailly (158?/1637) : Yo soy la Locura
アンサンブル・エル・ソル
クロエ・セヴェール(Cemb、指)

録音:2019年4月
1615年、ルイ13世はスペイン王フェリペ3世の王女アナ(アンヌ・ドートリッシュ)と結婚しました。アナはスペインの様々な文化をフランス宮廷に もたらし、当時宮廷につかえていた音楽家たちは大いに刺激を受けました。1701年、フェリペ5世はマリア・ルイサ・デ・サボヤと結婚、彼女の音楽 教師はほかならぬサンチャゴ・デ・ムルシアでしたが、ムルシアはマリアのためにフランスの薫りをまとった作品を書こうと務めました。王族の国際政略結 婚によってもたらされた文化交流は、ここに収められたような豊かな宝を多数生み出しています。 (Ki)
MIR-498
ツアー中
ルトスワフスキ:舞踏前奏曲
プーランク:クラリネット・ソナタ
ヴェイネル:ペレグの踊り/2つの楽章
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
バーンスタイン:クラリネット・ソナタ
ラファエル・セヴェール:絆の始まり
ラファエル・セヴェール(Cl)、
ポール・モンタグ(P)

録音:2019年10月1-4日/ボン・セクール教会(パリ)
1994年生まれ、2014年に「フォルジュルネ音楽祭」で来日して注目されたフランスのクラリネット奏者ラファエル・セヴェール。彼が相方のピアニスト、 ポール・モンタグと十八番作品を集めたアルバムをリリース。頻繁に演目に載せるため、アルバム・タイトルは「ツアー中」。ルトスワフスキ、ヴェイネル、バルトー クら民俗音楽由来の素材を新しい感覚で処理したものと、都会的なプーランクとバーンスタインで対照させています。プーランクのソナタは最晩年の作で、ベ ニー・グッドマンとバーンスタインが初演しています。一方バーンスタインのソナタは1942年作で、彼の初めて出版された作。そして最後にセヴェールの自作 でしめています。21世紀クラリネット界でもっとも期待されるセヴェールの妙技をご堪能ください。 (Ki)

MIR-500
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集
第5番ニ長調 op.70-1 「幽霊」
第7番変ロ長調 op.97「大公」
トリオ・ショーソン〔マテュー・ハントシェヴェルケル(Vn/ジャック・フスティエ、2001年製)、
アントワーヌ・ラントフスキ(Vc/ギュスターヴ・ベルナルデル、1848年製)、ボリス・ド・ラロシュランベール(P)〕

録音:2019年9月19-22日
2001年にパリ国立高等音楽院の学生たちによって結成されたトリオ・ショーソン。2005年にヴァイマール国際室内楽コンクール第1位、2007年「ラ イジング・スター」を受賞、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも来日しており、そのみずみずしくも才気煥発なアンサンブルは世界中を魅了しました。これ までに5枚のリリースがありますが、2018年、ヴァイオリンのメンバーとしてパリ管のヴァイオリン奏者にしてルクセンブルク・フィルのソリストでもあっ たマテュー・ハントシェヴェルケルが加わったかたちで活動をあらたに展開、その第1枚目の登場です。演目はベートーヴェン・イヤーのベートーヴェン。 神秘的であり偉大、親密でありながら大胆、そして内面に様々な葛藤を抱えながらも人類の平和を願った一人の作曲家の魂の叫びが込められた室内楽曲 のジャンルの最高傑作のこれら2作品を、トリオ・ショーソンのみずみずしい感性が、心地よいスピード感を保ちつつ奏でていきます。 (Ki)
MIR-502
シューマンの謝肉祭をメインとしたリサイタル
1. Carnaval:1. 前口上
2. ラロ先生(Master Raro):前口上
3. Carnaval:2. ピエロ
4. ヴィラ=ロボス:ピエレットの気まぐれ(「ブラジルの子供の謝肉祭」より)
5. Carnaval:3. アルルカン
6. ラッヘンマン:Akiko (「子供の遊び」より第3曲)
7. F.クープラン:道化(L'Arlequine)
8. ストラヴィンスキー:ワルツ
9. Carnaval:4. 高貴なワルツ
10. スクリャービン:アルバムの綴りop. 45より第1曲
11. Carnaval:5. オイゼビウス Eusebius
12. シューマン:Frisch (ダヴィッド同盟舞曲 op.6より第15曲)
13. Carnaval:6. フロレスタン Florestan
14. Carnaval:7. コケット Coquette
15. ヴィトマン:間奏曲(妖精のユモレスクより)
16. Carnaval:8. 返事 Replique
17. シューマン:蝶々 op.2より第2曲
18. プーランク:少女の舞踏会(8つのノクターンより第2曲)
19. Carnaval:9. 蝶々
20. ブラームス:間奏曲(ピアノ小品集 op.76より)
21. シューマン:間奏曲(ウィーンの謝肉祭の道化 op.26より)
22. ラロ先生(Master Raro):A.S.C.H-S.C.H.A
23. Carnaval:10. 踊る文字〜A.S.C.H-S.C.H.A
24. グリーグ:シルフィード(叙情小曲集 op.62より)
25. Carnaval:11. キアリーナ
26. クララ・シューマン:マズルカ(音楽の夜会 op.6より)
27. Carnaval:12. ショパン
28. ショパン:練習曲第2番変イ長調 遺作
29. Carnaval:13. エストレラ
30. クルターク:頑固 変イ長調(ヤーテーコクより)
31. Carnaval:14. 再会
32. バッハ:前奏曲 ハ短調(平均律第1巻より)
33. Carnaval:15. パンタロンとコロンビーヌ
34. ヴェーベルン:変奏曲 op.27より第2番
35. Carnaval:16. ワルツ・アルマンド(ドイツ風ワルツ)
36. シューマン:パガニーニの奇想曲による6つの演奏会用練習曲 Op.10 より第1番
37. Carnaval:17. パガニーニ
38. シュトックハウゼン:ピアノ小品第3番
39. Carnaval:18. 告白
40. チャイコフスキー:少しシューマン風に(18の小品 op.72より)
41. Carnaval:19. プロムナード
42. Carnaval:20. 休憩
43. マスター・ラロ(Master Raro):休憩Pause
44. Carnaval:21. フェリシテ人と闘う「ダヴィッド同盟」の行進
マタン・ポラト(P)

録音:2019年12月9-11日、ノイマルクト、ドイツ
イスラエル出身のピアニスト、マタン・ポラト。これまでにもスカルラッティの作品を主題にみたて、ヤナーチェクら様々な作曲家との作品を組みわせるこ とによる「変奏曲」(MIR 213)や、自作を交えた「Lux」(MIR 400)など、独自の視点が光るプログラムのディスクを発表しております(Luxはコー賞 受賞)。今回は、シューマンの名曲「謝肉祭」を軸に、それぞれの楽曲に関連のある作品を新旧とわずはさみこんだ、「謝肉祭をメインとしたリサイタル」と もいえる1枚で登場。新しい音楽を発見する喜びを感じるとともに、シューマンの謝肉祭をより深く理解することができます。マタン・ポラトはイスラエル出身。 ジュリアード音楽院修士課程修了。これまでピリス、ペライアらにピアノを、セルッシ、ベンジャミンに作曲を師事。シカゴ響、ミュンヘン室内管、イザイ弦 楽四重奏団、カザルス弦楽四重奏曲、パユらと共演。2011年には自作「Lux Aeterna」を収めた録音がエコー賞に輝きました。 (Ki)
MIR-504
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第7番ハ短調 op.30-2、
 ソナタ第8番ト長調 op.30-3
ブリテン:組曲 op.6
バーバー:ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調「Lost movement」
リヤ・ペトロワ(Vn)
ボリス・クズ ネツォフ(P)

録音:2019年9月19-22日
2016年、デンマークのカール・ニールセン・ヴァイオリン・コンクール優勝者リヤ・ペトロワのCDの登場。「楽々としたヴィルトゥオーゾ」「音色の 比類なき多様性」、いぶし銀から華やかな音色までを難なく繰り出す注目株です。 ここで彼女はベートーヴェン、ブリテン、バーバーという三名の作品をプログラムしました。Bから始まる三人のターニングポイントの時期に書かれたもの、 という共通点があります。
注目なのがバーバーの楽章。これは、もともと3楽章だったソナタのうち、楽譜が現存する第3楽章のみを演奏したものです。バーバーのソナタは 1928年に完成、同年12月10日に、フィラデルフィアのカーティス音楽院の作曲科のクラスの学生たちによる演奏会で初演されました(その時のプログ ラムには、3楽章構成として掲載)。作曲者自身のピアノ、そしてガマ・ジルベールというヴァイオリン奏者によって初演されました。この初演以降、バーバー はこのソナタを放置していました。2006年になって初めて自筆譜が発見され、バーバーの伝記の著者であるバーバラ・ハイマンによってバーバーの作であ ると認められました。この楽章は第3楽章にあたります。ブラームス風の書法をとっており、バーバーのチェロ・ソナタに似て、バルトークの影響がみら れるパッセージも含まれています。これまでのところ、第1・2楽章の譜面は発見されていません。しかしながらこの第3楽章のページからは、18歳の 作曲家がドイツの偉大な作曲家たちの室内楽に大いに傾倒していたことが窺われ、大変興味深くも貴重な楽章となっています。
ベートーヴェンのソナタは1802年、ベートーヴェンが自身の耳の不調を自覚した時期の作でハイリゲンシュタットの遺書もこの時期に書かれています。 ブリテンの組曲は22歳、学生生活の終わり、プロとしての活動が始まった頃の作品でした。
リヤ・ペトロワはブルガリアの音楽一家に生まれました。11歳でドイツで音楽を本格的に学び始め、デュメイ(ベルギー)、ルノー・カプソン(スイス)、 アンティエ・ヴァイトハース(ドイツ)でさらなる研鑽を積んでいます。ピアノのボリス・クスネツォフは2009年にドイツ音楽コンクールで優勝。モスクワ 生まれ、グネーシン音楽院で学び、8歳でドイツに移住、ハノーファーのベルント・ゲッケ教授の下で研鑽を積みました。ソロ活動と並行して室内楽や歌 曲の伴奏にも積極的に取り組んでいます。 (Ki)
MIR-506
モディリアーニQ〜ハイドン、バルトーク、モーツァルト
ハイドン:弦楽四重奏曲第76番ニ短調 op.76-2(Hob.III-76)『五度』
バルトーク:弦楽四重奏曲第3番ハ短調Sz. 85
モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465『不協和音』
モディリアーニSQ〔アムリ・コエイトー(Vn)、ロイック・リョー(ヴァイオイン)、ローラン・マルフェング(Va)、フランソワ・キエフェル(Vc)〕

録音:2019年12月14-17日、スイス、ラ・ショー=ド=フォン、市民劇場
2003年、パリ国立音楽院で結成されたモディリアーニSQ。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭などでも来日を重ね、みずみずしい音楽と濃密なアンサ ンブルでファンを大いに増やしています。2014 年には、ロストロポーヴィチが率いていたエヴィアン国際音楽祭の芸術監督に就任。2016年、第一ヴァイオリ ンのベルナール・フィリップが肩および右上腕部の筋肉をいため、演奏家としてのキャリアをストップさせることを決断。フランス放送フィルのスーパーソリストで あったヴァイオリンのアムリ・コエトーが新加入し、クァルテットとして新時代を迎えています。 本盤は、弦楽四重奏曲の歴史を鮮やかに彩る名作を、モディリアーニSQの息の合った見事なアンサンブルで聴かせてくれます。 ハイドンの弦楽四重奏曲の創作の頂点を成すとも言われている作品群「エルデーディ四重奏曲」。77番「皇帝」や78番「日の出」など名作揃いですが、今回 取り上げているのは、多様かつ自由な作風のハイドンの弦楽四重奏曲の中でも指折りの名作、冒頭の五度の主題から「五度」と呼ばれている第76番。モディリアー ニQの新鮮な演奏は、この作品の面白さを改めて感じさせてくれます。 バルトークの弦楽四重奏曲第3番は1927年に作曲された作品でフィラデルフィア音楽財団に献呈されています。バルトークの独自のリズムを大変な集中力で 迫力のある演奏に仕上げています。 そして最後にモーツァルトが室内楽曲作曲の師と仰ぐヨーゼフ・ハイドンに捧げた6曲の弦楽四重奏曲〈ハイドン・セット〉の中から大胆な和声進行を用いた第 19番「不協和音」。完璧なアンサンブルと躍動感溢れるモディリアーニQの音楽は見事。 (Ki)
MIR-508
ショパン:マズルカ&ソナタ
(1)マズルカ第3番ホ長調Op.6の3
(2)マズルカ第7番ヘ短調Op.7の3
(3)マズルカ第10番変ロ長調Op.17の1
(4)マズルカ第21番嬰ハ短調Op.30の4
(5)マズルカ第22番嬰ト短調Op.33の1
(6)マズルカ第23番ニ長調Op.33の2
(7)マズルカ第24番ハ長調Op.33の3
(8)マズルカ第39番ロ長調Op.63の1
(9)マズルカ第40番ヘ短調Op.63の2
(10)マズルカ第41番嬰ハ短調Op.63の3
(11)マズルカ第47番イ短調Op.68の2
(12)ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58
ルーカス・ゲニューシャス(P)

録音:2019年9月20-23日/グスタフ・マーラー・ザール(ドッビャーコ、イタリア)
2010年第16回ショパン国際コンクール第2位、2015年第15回チャイコフスキー国際コンクール第2位でフォルジュルネ音楽祭でもおなじみ、ルー カス・ゲニューシャス待望のショパン最新録音がMIRAREレーベルから登場となります。
彼の父はリトアニア人で、リトアニアはポーランドと長く連合国として歴史を共存し、ショパン時代は一緒の国でした。加えて母方の祖母で名教師だった ヴェラ・ゴルノスタエヴァは、ゲンリヒ・ネイガウス(ポーランド系でシマノフスキの従弟)から伝統的なショパン解釈を伝授されているため、その両方が 理想的にミックスされた世界となっています。
ゲニューシャスが選んだのはショパン作品の中でも一筋縄にはいかないマズルカ11篇と、難物ピアノ・ソナタ第3番。マズルカは独特のリズム感が新 鮮ですが、古いポーランドのピアニストほどルバートをかけないところが現代的で自然。ピアノ・ソナタは堂々とした構成感が光りますが、いずれもピアノ をたっぷり鳴らし切りながらも初々しさを忘れぬ歌い回しが絶美。ひさびさに聴き惚れてしまうショパン演奏の出現と申せましょう。
MIR-510
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1 ロ短調
ブーレーズ:ピアノ・ソナタ 第3番
フローラン・ボファール (P)

録音:2020年8月、ベルギー
1964年生まれのフローラン・ボファール。1988年から1999年までブーレーズが主宰する現代音楽専門のオーケストラ、アンサンブル・アンテルコンテ ンポランのピアニストとして活躍。ハルモニア・ムンディ・フランスの若手音楽家を紹介するシリーズで2000年に録音したドビュッシーとバルトーク(廃盤)を 完成度の高い演奏を聴かせてくれました。MIRAREからはシェーンベルクのピアノ作品集(MIR191)をリリースし見事な解釈を聴かせてくれました。 ここでは、ベートーヴェン、ベルク、ブーレーズという3つの異なる時代のピアノ・ソナタを収録しています。ボファール自身はこの選曲を、「ウィーンからパリへ、 2つの文化的観点からみた1世紀にわたる西洋音楽の記録である」と述べています。 ベートーヴェンが1803年にパリから入手したエラール製のピアノで作曲されたと考えられている「熱情」。この楽器の特性を活かした幅広い音域を用いた作曲 法で書かれており、それは並行して作曲していた「フィデリオ」の中でもその表現がみられます。そしてそのおよそ100年後のウィーンで書かれたベルクのピア ノ・ソナタはロ短調を主調とする20世紀作品で、新ウィーン楽派のピアノ曲を代表する作品です。そしてブーレーズの第3のソナタ。アンティフォニー、トロープ、 コンステラシオン、ストローフ、ゼクエンツの5つのフォルマンからなり、ジョン・ケージの「偶然性の音楽」とマラルメの「書物」の概念に影響された「管理され た偶然性」の手法による作品です。これらの難曲をボファールの卓越したテクニックと鋭い洞察力、そして高い知性で見事な演奏聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-512
リスト:ピアノ曲集
(1)メフィスト・ワルツ第1番
(2)愛の夢
(3)イゾルデの愛の死(ワーグナー原曲)
(4)詩的で宗教的な調べ〜愛の賛歌
(5)詩的で宗教的な調べ〜葬送1849年10月
(6)巡礼の年第1年「スイス」〜泉のほとりで
(7)コンソレーション(全3曲)
魂の喜び〜リスト作品集
クレール=マリ・ル・ゲ(P)
※ベーゼンドルファー使用
フォルジュルネ音楽祭の常連として日本でもお馴染みのクレール=マリ・ル・ゲ。彼女お得意のリストは、2011年に生誕200年を記念してピアノ・ソナタをメ インとした第1弾が高い評価を受けました。今回10年を経て第2弾の登場で、「愛」と「死」をテーマに凝った選曲を見せています。
リストの作品中でも人気の高い「愛の夢」や「コンソレーション」をシックに聴かせてくれるのも彼女ならではですが、ワーグナーの「イゾルデの愛の死」の編曲 では濃密かつうねる情感をたっぷり表現。もちろん「メフィスト・ワルツ第1番」などでは技巧の冴えを披露しています。 (Ki)
MIR-514
ショパンの「バラード&スケルツォ」
スケルツォ第1番ロ短調Op.20
バラード第1番ト短調Op.23
スケルツォ第2番変ロ短調Op.31
バラード第2番ヘ長調Op.38
スケルツォ第3番嬰ハ短調Op.39
バラード第3番変イ長調Op.47
スケルツォ第4番ホ長調Op.54
バラード第4番ヘ短調Op.52
アブデル=ラーマン・エル=バシャ(P)
圧倒的存在感と確かな音楽性で世界中を唸らせる実力派ピアニスト、エル=バシャによる、ショパンのスケルツォ(4曲)とバラード(4曲)。エル=バシャのショパンは約30年前のForlaneレーベルへの録音等が存在しますが、現在の円熟したテクニックと洗練された音色で聴くショパンは格別です。真摯な情熱と高度な音楽性をもつ「4つのバラード」は、ショパン最盛期の傑作。また「4つのスケルツォ」は従来のスケルツォの形式にショパンが自由な着想を盛り込み、中間部を除いてはテンポの速い激情的な作品です。エル=バシャは、明快でしかも静穏な解釈、ショパン独特の陰影を卓越した技術と詩的な感性で見事描いています。 (Ki)
MIR-518
シュトックハウゼン:マントラ ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ&ジャン=フランソワ・エッセール(2台ピアノ)
セルジュ・ルムトン(エレクトロニクス)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ久々の新譜は、ベテランのジャン=フランソワ・エッセールとのデュオによるシュトックハウゼンの大作「マントラ」。2台のピア ノをエレクトロニクスが集音し、変調させる衝撃作。この難物にヌーブルジェとエッセールがどのように挑んでいるのか興味津々です。
「マントラ」は1970年にシュトックハウゼンが大阪万博のために来日し、京都や奈良の仏閣を散策、瞑想した際にインスピレーションを受けて作曲したとされま す。ピアニストは打楽器も奏しますが、変調された音は木魚やおりんを思わせ、東洋的な精神性を感じさせます。
非常な難曲ですが、ヌーブルジェの冴えた演奏はどの録音よりも新鮮な発見に満ち、エレクトロニクスの効果もますます光ります。 (Ki)
MIR-520
シューマン:ピアノ曲集
交響的練習曲Op.13(1837年版)
交響的練習曲〜遺作の5つの変奏
ベートーヴェンの主題による自由な変奏形式の練習曲
天使の主題による変奏曲
クレール・デゼール(P)

録音:2020年8月17-19日/フラジェ・スタジオ4(ブリュッセル)
フォルジュルネ音楽祭でもお馴染みのフランスのピアニスト、クレール・デゼール。フランス的でオシャレなピアニズムが魅力ですが、数多いディスクの中で意外 にもシューマン作品の演奏が絶賛され、今回待望の新録音登場となります。 創作期もさまざまな4作品が収められていますが、いずれも変奏形式なのと、練習曲的な要素を兼ね備えている点で共通しています。最晩年のシューマンが幻覚 のなかで天使から聴かされた主題に基づいたとされるいわくつきの作品まで、重さや深刻さを感じさせない的確な技巧と清潔な演奏で一気に聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-522
ピアノ・トリオNo.1
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1番ハ短調Op.8
ニ短調Op.32
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.49
トリオ・ゼリハ【ホルヘ・ゴンザレス=ブアハサン(P)、マノン・ガリ(Vn)、マクシム・クネルソン(Vc)】

録音::2019年9月9-13日/パリ音楽院
メンデルスゾーン、アレンスキー、ショスタコーヴィチはいずれも2篇のピアノ三重奏曲を残していますが、彼らの1番を集めたアルバム。メンデルスゾー ンとアレンスキーはこのジャンルの名作ですが、ショスタコーヴィチ若書きの1番は演奏頻度が少なく貴重。どの作品も若々しさあふれる逸品です。
トリオ・ゼリハはキューバ出身のホルヘ・ゴンザレス=ブアハサン、フランス人マノン・ガリとマクシム・クネルソンという20代半ばの3名で結成。メナヘ ム・プレスラーからも絶賛される将来を期待される団体です。 (Ki)
MIR-524
マドリードの一夜
ボッケリーニ:フルート五重奏曲ト短調(G426)
ギター五重奏曲第7番ホ短調(G451)
フルート五重奏曲変ロ長調(G429)
フルート五重奏曲ニ長調(G428)
ギター五重奏曲第4番ニ長調「ファンダンゴ」(G448)
レ・ゾンブル【シルヴァン・サルトル(トラヴェルソ)、ロマリック・マルタン(G)、
テオティム・ラングロワ・ドゥ・スワルト、ソフィ・ド・バルドネシュ(Vn)、マルタ・パラーモ(Va)、
ハンナ・ザルツェンシュタイン(Vc)、マリ=アンジュ・プティ(打楽器)】

録音:2020年1月/サン=ピエール教会(パリ)、6月/レザール・フロリサン集会所(ティレ)
2006年結成の古楽器アンサンブル「レ・ゾンブル」。新録音はボッケリーニの室内楽曲集。フルートまたはギターを主役とする五重奏曲を集めていますが、 古楽器による録音は初登場となります。
ボッケリーニはイタリア人ながら26歳から終生スペイン宮廷の音楽家としてマドリードに住み、同地の民俗音楽を作品に採り入れました。レ・ゾンブルの 若々しい演奏は、18世紀スペインの街並みが彷彿されるエネルギーに満ちています。k時
MIR-526
エル=バシャ・プレイズ・ショパン
(1)24の前奏曲Op.28
(2)幻想曲ヘ短調Op.49
(3)子守歌Op.57
(4)舟歌Op.60
アブデル・ラーマン・エル=バシャ(P、ベヒシュタイン282)

録音:2020年1月8-12日/ヴィルファヴァール農場
アブデル・ラーマン・エル=バシャはショパンを全作品暗譜しているとされ、協奏曲を含む全集録音があります。還暦を迎え円熟の至芸で再録音に挑み始めた極 上のシリーズ。
2021年のバラートとスケルツォに続き、第2弾は24の前奏曲をメインに3つの単独作品をフィルアップ。ベヒシュタイン・ピアノの陰影に満ちた深い音色と、落ち着 いたピアニズムで大人のショパンを聴かせてくれます。 (Ki)
MIR-532
ボヴァリー夫人の音楽
ファニー・メンデルスゾーン:1年〜5月「春の歌」
ポリーヌ・ヴィアルド:セレナード
ショパン:3つのノクターンOp.9
ファニー・メンデルスゾーン:1年〜9月「川辺で」
ドリーブ(ドホナーニ編):コッペリアのワルツ
ルイーズ・ファランク:ロシアの歌変奏曲
ファニー・メンデルスゾーン:1年〜6月「セレナード」
リスト:「ルチア」の回想
クララ・シューマン:ローベルト・シューマンの主題による変奏曲
ファニー・メンデルスゾーン:1年〜3月「アジタート」
 夜曲ト短調/メロディ
ダヴィッド・カドゥシュ(P)

録音:2021年7月12-16日/ポワチエ公会堂)
フローベールの名作「ボヴァリー夫人」は1856年に発表、翌年出版され大ベストセラーとなりました。妄想癖のある田舎娘エマが、医師シャルルに見初められ 結婚したものの退屈な夫と生活から不倫を繰り返し、加えて夫に無断で借金も重ね、最後は自ら命を絶つまでがリアリスティックなタッチで描かれます。
文学と音楽の関係に関心の深いダヴィッド・カドゥシュは、エマ・ボヴァリーと音楽についてこのアルバムを編みました。とはいえ、ボヴァリー夫人を描いたミヨー のピアノ曲はあえて避け、また作品中に具体的な音楽があまり登場しないため、彼女が短い生涯で聴いたかもしれないであろう曲を妄想しています。
中心はファニー・メンデルスゾーンの「1年」と題された組曲の抜萃。物語の季節と合わせ、エマ・ボヴァリーの心情を綴ります。また作者フローベールと親しかっ たポリーヌ・ヴィアルドの珍しいピアノ曲を選んでいるのも興味津々です。
また作品中エマが夫とルーアンのオペラハウスで観るドニゼッティの「ランメルモールのルチア」はリストのパラフレーズで披露。最後は狂乱するルチアとエマの 運命を重ねます。またクララ・シューマンが夫ローベルトの主題で書いた変奏曲もエマと浮気相手レオンとの交情を暗示させます。フランス文学に興味のある方々 にオススメです。
MIR-534
ベートーヴェン(カルクブレンナー編):交響曲第9番「合唱」
(フランス語歌唱)
広瀬悦子(P)
セシール・アシーユ(S)、コルネリア・オンキオイウ(Ms)、サミー・カンプス(T)、ティモテ・ヴァロン(Bs)
エカテリンブルグ・フィルハーモニーcho
アンドレイ・ペトレンコ(終楽章の指揮)

録音:2020年1月29日-2月1日/ナント市イヴェント・センター
日本語帯・解説・歌詞対訳付
2020年5月のラ・フォルジュルネ音楽祭で上演され話題を集めるはずだった幻の「第9」の登場です。ベートーヴェン・イヤーの2020年には多くのピアニ ストがリスト編の交響曲第9番「合唱」をとりあげていますが、こちらは19世紀初頭のカルクブレンナーによる編曲で、もちろん世界初録音。キングインター ナショナルが楽譜を提供し、パリ在住でフォルジュルネ音楽祭でもお馴染みの広瀬悦子の壮絶な演奏が実現しました。
フリードリヒ(フレデリック)・カルクブレンナー(1785-1849)はドイツ人ながらパリに住み大成功したピアニストで作曲家。何よりも若きショパンが熱烈 に崇拝し、弟子入りを切望したことで知られています。作曲家としては4篇の協奏曲をはじめ多くのピアノ曲を残し、いずれも技巧的で派手な効果に満ちて います。
1837年にはベートーヴェンの交響曲全9曲をピアノ独奏用に編曲し、ベートーヴェン好きのフランス王ルイ・フィリップに献呈しました。リストもやや遅 れて編曲に挑みましたが、第9だけは断念し26年後の1864年にようやく行なったとされます。カルクブレンナー編は、少年時代のワーグナーが1830年 に行なった版に次ぐ史上2つ目、それもピアノ界に君臨する大物によるものとしては第1号となります。
カルクブレンナーは10歳の時にベートーヴェンの前で弾き、彼から輝かしい将来を予言されたといわれます。古典派時代にピアノを習得したため、リスト のような合理的テクニックではなく正攻法の書法を駆使しています。その難しさはすさまじく、一筋縄ではいかないものの広瀬悦子は持ち前の超絶技巧で克 服、驚くべきことにナントのラ・フォルジュルネ音楽祭期間中に強行録音されました。広瀬の演奏は正確で曖昧なところはなく、轟くフォルテからオシャレな 歌い回しまで絶品。さらにピアノの表現力と音色を知り尽くしていたカルクブレンナーは「第9」からベートーヴェン後期のピアノ・ソナタのような音世界を 導き出しているのも興味津々です。
カルクブレンナーはワーグナーのように終楽章の声楽パートを残しましたが、なんとシラーの「歓喜の歌」をドイツ語ではなくシャルルマーニュによるフ ランス語訳を用いています。この録音でもニュアンスを重視するためフランス系歌手を起用。合唱はロシアのエカテリンブルグ・フィルハーモニー合唱団で、 声の音圧も物凄い迫力で感動的。マリインスキー劇場の合唱指揮を務めるアンドレイ・ペトレンコが見事に統率しているのも聴きものです。
「第9」好きなら目から鱗の落ちることの連続、たいへんな時代への日本、フランス、ドイツ、ロシア共同のエールとして響きます。
MIR-540
ベートーヴェン:アイルランドの歌
1. アイルランド男の胸は高鳴る WoO 154-4
2. リラよ、私をなぐさめて WoO 153-7
3. 朝の空気が私の顔にたわむれ WoO.152-4
4. My bonny laddie has my heart(わたしのボニーが心をうばった)
5. En midsommarafton(真夏の夜に)
6. カールちゃん WoO 158-17
7. 古老が教えてくれてから WoO.153-4
8. あなたの船は出て行く WoO 153-20
9. Open the door softly(ドアをやさしく開けて)
10. シャノン川のほとりで WoO 157-8
11. The Miller o' drone; St. Kilda wedding; Port-a-Beul
12. グレンコウの虐殺でWoO 152-5
13. 楽しきわが故郷ガリオンから WoO 154-7
14. 小人の妖精たち WoO 154-1
15. Gu ma maith thig an crun dha Tearlach (Well may Charlie wear the crown)
16. Di-moladh an Uisge-bheatha(In dispraise of whisky)
17. The parting glass
※4, 5, 9, 11, 15, 16は器楽曲
マリア・ケオハネ(S)
リチェルカール・コンソート、
フィリップ・ピエルロ(指)
サラ=ジェーンズ・サマーズ(フィドル)、
ゾフィー・ゲント(Vn)、
ジョヴァンナ・ペッシ(ケルト・ハープ)、
ダニエル・ザピコ(G)、
ブノワ・ヴァンデン・ベンデン(Cb)、
フィリップ・ピエルロ(Br)

録音:2020年3月7-9日、ベルギー
ベートーヴェンは、アイルランドの民謡を数多く歌曲に編曲しました。その中から選んだ楽曲を、オリジナルのピアノ、ヴァイオリン、チェロではなく、アイルランド ゆかりの伝統的な楽器をとりいれた編成で演奏しています。リチェルカール・コンソートの数々の宗教曲などの録音でもおなじみのソプラノ、ケオハネの澄んだまっ すぐな声と、ピエルロ率いるアンサンブルによって、ベートーヴェンがフォークソングの本来の特徴を保ちつつ美しい伴奏をつけた歌曲の数々が、よりいっそう魅力 的なものになっています。 (Ki)
MIR-542
(ヌフ)〜ベートーヴェンとアコーディオンと今日9人の作曲家の出会い
(1)ステファヌ・デルプラス:嫌なフーガ(交響曲第9番から触発)
(2)ファビアン・ワクスマン:暗い牢獄(交響曲第5番から触発)
(3)パトリス・ドローヌ:和解(交響曲第6番から触発)
(4)ティボー・ペリーヌ:イン・メモリアム(交響曲第7番から触発)
(5)ドミ・エモリーヌ:パラホの嵐(テンペスト・ソナタから触発)
(6)コランタン・アパレイー:影より(月光ソナタから触発)
(7)ジャン=フランソワ・ジジェル:彼はそこにいる(様々な主題から触発)
(8)シリユ・レーン:クロイツェルへのタランテラ(クロイツェル・ソナタから触発)
(9)トーマス・エンコ:嵐の後に(ピアノ・ソナタ第32番から触発)
フェリシアン・ブリュ(アコーディオン)
エルメスSQ、
エドゥアール・マカレス(Cb)

録音:2020年5月/サン=マルセル
1986年生まれのフランスのアコーディオン奏者フェリシアン・ブリュはフォルジュルネ音楽祭などでおなじみの名手。同音楽祭2020年のテーマであるベー トーヴェンの企画として、アコーディオンで何ができるか考え、異なる感性を持つ9人の作曲家にベートーヴェン作品の特徴的な要素を用いた新作を委嘱。
アコーディオン、弦楽四重奏、コントラバスの六重奏という編成で、各作曲家は才気を発揮しています。最新の作品ながら良く知られたメロディが出て来 るので楽しさ満点。また、単にベートーヴェンの素材から曲を作るのではなく、彼にまつわる逸話をテーマにしていてトリビア的な価値もあります。フランス・ ジャズ界の貴公子トーマス・エンコが最後のソナタをとりあげているのも注目。秋にじっくり耳を傾けたくなる世界です。 (Ki)
MIR-548
ナターリヤ・ミルシテイン
(1)バルトーク:野外にて(全5曲)
(2)リスト:忘れられたワルツ第1番
(3)プロコフィエフ:つかの間の幻影Op.22(全20曲)
(4)リスト:忘れられたワルツ第2番
(5)アルズマノフ:ピアニスティックな世界第12巻Op.100
〜大気中/競争/ヴァルセット/見えない寺院
(6)同:ピアニスティックな世界第13巻Op.107
〜こんにちは! /柔軟な/消えるコラール
(7)同:ユーモアの境でOp.237〜行進曲
(8)同:7つの民謡調Op.201〜あるロシアの歌の思い出
(9)リスト:忘れられたワルツ第3番
(10)ショパン:3つのマズルカOp.63
(11)リスト:忘れられたワルツ第4番
ナターリヤ・ミルシテイン(P)
Yamaha CFX使用

録音:2020年7月20-24日/ザーンダム音楽ホール(オランダ)
1995年リヨン生まれのピアニスト、ナターリヤ・ミルシテイン。ヴァイオリニストの姉マリヤとのデュオで意欲的なディスクをリリースして注目されています。今 回は小品集ですが、若さに似合わぬ世界観とこだわりを示します。
ショパン、リスト、プロコフィエフ、バルトークらはいずれも異郷の地で活動しましたが、1944年生まれのワレリー・アルズマノフも1974年以来フランス在住、 ナターリヤ・ミルシテインの両親もロシアからフランスに移住者で共通する思いがあります。加えて曲も作曲者思い出の音楽素材が多用され心の叫びをミルシテイ ンが代弁するかのようです。メインはプロコフィエフの「つかの間の幻影」。全曲演奏も貴重ですが、原題のロシア語の「つかの間」が翻訳不可能なニュアンスを持っていて、同じ感覚の作品 を集めたとのこと。ブックレット解説も自ら執筆するナターリヤ・ミルシテインならではの文学的解釈が興味津々です。
ワレリー・アルズマノフはスターリンの暗黒時代に「人民の敵」とされた両親の流刑先コミ自治共和国で生まれ、レニングラード音楽院でサルマノフ(ムラヴィン スキーが熱心に紹介した作曲家)に師事。フランス人と結婚したことで1974年にフランスへ移りメシアンに師事しました。ロシアの民俗音楽やメシアン譲りのイン ド的な要素を盛り込んだ作風で、ここに収めたピアノ曲は近年教材として用いられています。 (Ki)
MIR-550
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲第2番ト長調 op.9-1
弦楽三重奏曲第3番ニ長調 op.9-2
弦楽三重奏曲第4番ハ短調 op.9-3
トリオ・アーノルド
岡田修一(Vn)
マニュエル・ヴィオック = ジュード(Va)
キム・ボムジュン(Vc)

録音:2020年7月11−14日、ベルギー
小澤征爾主宰の国際アカデミーで出会った若き名手たちにより2018年に結成されたピアノ三重奏団、トリオ・アーノルド。メンバーはそれぞれ、世界的コン クール(プリムローズ、ターティス、マルクノイキルヘン、R.リピツァー)で入賞を果たしている実力派。2019/20年シーズンにはシンガー=ポリニャック財団の 支援のもと、ベートーヴェンの弦楽三重奏曲の演奏に力を入れており、本作もその一環として演奏してきた作品です。1798年に作られた3つの弦楽三重奏曲 (op.9)は、若き日のベートーヴェンの作品で、ベートーヴェンの才能と感性、そして自信に満ち溢れた作品群です。トリオ・アーノルドの演奏も、疾走感にあふ れ、前向きなエネルギーとともに音楽が進む、躍動感に満ちた演奏です。 (Ki)
MIR-552
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第7番ニ長調(K.271a(271i))(カデンツァ:ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ)
リヤ・ペトロワ(Vn)
使用楽器:1735年カルロ・ベルゴンツィ‘Helios’
ジャン=ジャック・カントロフ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2020年9月14−18日、ワルシャワ
ブルガリア出身の俊英、リヤ・ペトロワとカントロフ率いるシンフォニア・ヴァルソヴィアによるベートーヴェンとモーツァルトのヴァイオリン協奏曲。リヤ・ペト ロワは、「今この困難な時にこそ、この二つの音楽的力が強い名曲を録音したいと思い取り組んだ」といいます。そして「名ヴァイオリニストでもあるカントロフ は、この2作を知り尽くしており私の音楽を素晴らしくサポートしてくれました」と。ソリスト、オーケストラ、指揮者の様々な個性が融合し、生命力あふれる音楽 を披露しています。 ベートーヴェン唯一のヴァイオリン協奏曲であり、ベートーヴェンが「ハイリゲンシュタットの遺書」の頃の絶望的状態から蘇り、名作を次々と生み出した「傑作の 森」と言われる時期に書かれています。雄大なスケールの中に気品ある旋律が特徴的な音楽ですが、ソリストには高度なテクニックというより総合的な音楽作り が要求され、ヴァイオリニストが演奏する協奏曲の中では特に難しいといわれています。カントロフの好サポートを受け、リヤ・ペトロワは伸び伸びとした演奏を 聴かせてくれています。 さらには、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第7番では、ピアニストとしての才能はもちろん作曲家としても異才を放つジャン=フレデリック・ヌーブルジェのカ デンツァを使用しています。あふれ出る若き才能とカントロフの円熟の指揮により新たな名演が登場しました。 (Ki)
MIR-554
リスト:トリスティア 〜「オーベルマンの谷」より
シューマン:6つのカノン風小品 Op.56(テオドール・キルヒナー編)
シェーンベルク:浄められた夜 Op.4(エドゥアルト・シュトイアーマンによるピアノ三重奏曲版)
トリオ・カレニーヌ
パロマ・クイデール(P)、
ファニー・ロビヤール(Vn)
ルイ・ロッド(Vc)

録音:2020年8月18−21日、ベルギー
2009年に結成されたピアノ・トリオ、トリオ・カレニーヌによる19世紀後半のロマン派の作品を収録した最新盤。 対位法を研究していたシューマンが、ペダル・ピアノのために作曲したカノン風の6つの小品を、シューマン夫妻やブラームスと親交があった作曲家、テオドール ・キルヒナー(1823-1903)が、ピアノ・トリオに編曲した作品。そしてシェーンベルクの薫陶を受けたばかりでなく、ブゾーニの弟子でもあった知る人ぞ知る ピアノの名手エドゥアルト・シュトイアーマンがピアノ・トリオに編曲したシェーンベルクの「浄められた夜 」。ピアノのパートに重きをおいた編曲で、それぞれの 旋律が立体的に明瞭に聴こえ、弦楽六重奏とは違った響きが楽しめます。またリストの「トリスティア」も豊潤な音楽で魅了されます。 トリオ・カレニーヌの名はトルストイの小説「アンナ・カレーニナ」に由来します。パリ国立音楽院でイザイ四重奏団に師事し、メナヘム・プレスラー、バイエルレら のマスタークラスを受講。第5回ハイドン室内楽コンクールで特別賞/プロ・ムジチス協会賞を受賞。2013年、ミュンヘン国際コンクールで最高位(第2位)に 輝いています。 (Ki)
MIR-556
ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品集
ヴァイオリン・ソナタ 第9番「クロイツェル」 Op.47 イ長調(チェルニーによるチェロ編曲版)
モーツァルトの「魔笛」から「恋を知る殿方には」の主題による7の変奏曲 WoO 46 変ホ長調
チェロ・ソナタ 第3番Op.69 イ長調
イヴァン・カリズナ(Vc)
ヴァシリス・ヴァルヴァレソス(P)

録音:2019年12月2-6日、パリ国立高等音楽院 - Salle Remy Pflimlin
ベートーヴェンのチェロとピアノのための作品集。チャイコフスキーコンクール(2011年)第3位、エリザベート王妃国際音楽コンクール(2017年)第5位と 世界屈指のコンクールで優秀な成績をおさめているベラルーシ出身のチェリスト、イヴァン・カリズナと1983年、ギリシャ生まれのピアニスト、ヴァルヴァレソスに よる演奏。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの傑作「クロイツェル」は、ベートーヴェン自身が弟子のチェルニーにチェロへの編曲を依頼したことでも知られています。 そして、ベートーヴェンは、モーツァルトの歌劇からとった主題旋律を用いて、変奏曲をいくつか書いており、1801年の作曲と推定されている本盤に収められて いる曲もそのひとつです。変奏曲のなかでも内容的な充実度が高い作品。最後は、チェロ・ソナタ第3番。完成は1808年で、交響曲第5番「運命」や第6番「田園」 と同じ頃の作品。5曲あるベートーヴェンのチェロ・ソナタのなかでも傑作と言えるでしょう。 (Ki)
MIR-560
ヘンデル&スカルラッティ
ヘンデル:「忠実な羊飼い序曲」 HWV 8aより序曲(アンタイ編)
 組曲 ニ短調(アルマンド HWV 436
 クーラント HWV 437、
 サラバンド HWV 438、
 メヌエットと変奏 HWV 436、ジーグ HWV 438)
 組曲第5番ホ長調 HWV 430
D.スカルラッティ:ソナタ ホ短調 K147、ソナタ イ長調 K24、ソナタ イ長調 K 429、ソナタ ニ長調 K443、ソナタ と短調 K12、ソナタ ト短調 K546、ソナタ 変ロ長調 K16
ピエール・アンタイ(Cemb)
1685年に生まれた三人の偉大な作曲家、バッハ、ヘンデルとD・スカルラッティ。そのうちの2名、ヘンデルとドメニコの作品を収録した1枚。ヘン デルとドメニコは当時から鍵盤の名手として名を馳せていました。18世紀に活躍した音楽学者のチャールズ・バーニーは、二人をチェンバロの最高の名手、「天国 の双子」と表現しています。ピエール・アンタイが、二人の名手の作品を、雄弁かつ華麗に演奏しています。アンタイの実力にあらためて驚かされる1枚です。 (Ki)
MIR-562
ベートーヴェン〜1802年、ハイリゲンシュタット
「エロイカ変奏曲」(創作主題による15の変奏曲とフーガ) 変ホ長調 op.35
7つのバガテル op.33
ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 「テンペスト」op.31-2
創作主題による6つの変奏曲 ヘ長調 op.34
ジョナス・ヴィトー(P)

録音:2020年8月31日-9月3日(フランス)
フランスの名手ジョナス・ヴィトーによる、「1802年、ハイリゲンシュタット」と題し、芸術の力を信じてすべてに立ち向かっていくことを決意したベートーヴェン の心の軌跡をたどるかのようなプログラムの1枚。絶望の「テンペスト」、エネルギーに満ち、ベートーヴェン自身得意であった変奏のスタイルで書かれた「エロイカ 変奏曲」、そしてベートーヴェンが生きる力を取り戻したきっかけとなった懐深い「自然」を感じさせるバガテルと「6つの変奏曲」など、ベートーヴェンの様々な姿 が目に浮かんでくるような演奏です。
ヴィトーは1980年フランス生まれ、6歳でピアノを、11歳でオルガンを始めました。ブリジット・エンゲラーらに師事、様々なコンクールで入賞をかさね、ソリ ストおよび室内楽奏者として世界で活躍しています。2013年よりCNSMでマリ=ジョセフ・ジュードのクラスのアシスタント教授として教鞭をとっています。 (Ki)
MIR-564
フランスのピアノ三重奏曲
サン=サーンス:ピアノ三重奏曲第1番ヘ長調Op.18
ラヴェル:ピアノ三重奏曲イ短調
リリ・ブーランジェ:悲しみの夕べに
 春の朝に
トリオ・エリオス【カミーユ・フォントゥノ(Vn)、ラファエル・ジュアン(Vc)、アレクシス・グルネール(P)】
2017年のフォルジュルネ音楽祭に来日して話題となったトリオ・エリオス。彼らがフランスのピアノ三重奏曲を集めたアルバムをリリース。フランスで途絶え気 味だったピアノ三重奏の復興をなしたとされるサン=サーンスの第1番と、バスク的色彩が濃いラヴェル、夭折した天才リリ・ブーランジェの鋭敏な感性と情念な ど多彩。フランス的でフレッシュな演奏が爽やかです。
MIR-568
チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバによるバッハ
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタト短調BWV1029、シンフォニアト短調BWV797、
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタト長調BWV1027、前奏曲ニ長調BWV1006(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番)、
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタニ長調BWV1028、「御身がともにあるならば」BWV508
マルゴー・ブランシャール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ディエゴ・アレス(Cemb)

録音:2022年4月21-24日
アンサンブル「レ・ゾンブル」でも卓越した音色と音楽で世界を魅了している奏者ブランシャールが、スペインの俊英ディエゴ・アレスと共に、バッハのヴィオラ・ ダ・ガンバ・ソナタを録音しました。語るように歌う自然なヴィオラ・ダ・ガンバの旋律と、チェンバロの音色が美しく混ざりあい、豊かな響きの世界が展開されて います。無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番のプレリュードをヴィオラ・ダ・ガンバで演奏したトラックも、技術的な難しさを一切感じさせない、自然な流れに驚か されます。ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器の可能性の豊かさに気づかされる1枚です。
マルゴー・ブランシャールは、アンサンブル「レ・ゾンブル」の創立メンバーの一人。幼いころからヴィオール族の楽器に魅せられ、サヴァールやジェローム・アン タイらの薫陶も得ています。2009年、バーゼルのスコラ・カントルムを史上最年少で卒業しています。アンサンブルで活躍するほか、バロック・オペラの復興にも 力を入れています。また、ジョージ・ベンジャミンの「リトゥン・オン・スキン」で舞台上で登場人物を演じるなど、オペラ作品の舞台上でも活躍しています。レ・ゾ ンブルが創立したヤング・ヨーロピアン・バロック・オーケストラの指導など、その活動の多彩ぶりは他の追随を許しません。
ディエゴ・アレスは1983年、スペインのビーゴ生まれ。1997年ビーゴ国際ピアノ・コンクール、および98年パリ・ニコライ・ルービンシュタイン国際ピアノ・ コンクールで優勝。同年チェンバロを本格的に始め、リチャード・エガーらに師事。50年に一人の天才とも称され、超絶的な技巧、華麗な音色でコンサート会場を 熱狂させています。また、研究熱心な奏者でもあります。スペインを中心に演奏活動を展開、来日もしています。パン・クラシックスなどからもCDをリリースして います。 (Ki)
MIR-570
親密な言葉
シューマン:3つの幻想的小曲Op.111
クララ・シューマン:3つのロマンスOp.21
ブラームス:アルブムブラット(遺作)
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調Op.5
シューマン:暁の歌Op.133の5
シューマン(クララ・シューマン編):献呈
ブラームス:間奏曲変ホ短調Op.118の6
プラメナ・マンゴーヴァ(P)

録音:2020年11月28、29日、12月11、12日/フラジェ・スタジオ4(ブリュッセル)
2008年以来フォルジュルネ音楽祭等の来日公演でおなじみのプラメナ・マンゴーヴァ。1980年生まれのブルガリアのピアニストで、ブラームスに定評があり ます。このアルバムはシューマン夫妻とブラームスの関係を紐解く内容で、クララがブラームスに捧げた「3つのロマンス」とブラームスがクララに捧げた「6つの 小品Op.118」の最後の間奏曲、ブラームスがシューマンに意見を求めて送った最後の作品であるピアノ・ソナタ第3番など聴き応え満点。
シューマンがクララとの結婚式の前日に捧げた歌曲「献呈」を、リストではなくクララのピアノ用編曲で弾いているのもこだわりを感じさせます。
MIR-572
ドビュッシー、アーン、ストラヴィンスキー
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
レイナルド・アーン:ヴァイオリン・ソナタ ハ長調
ストラヴィンスキー:協奏的二重奏曲
アイレン・プリッチン(Vn)
ルーカス・ゲニューシャス(P)

録音:2021年12月1-3日/サンクトペテルブルグ放送局
クルレンツィス率いるムジカ・エテルナ初来日時のコンサートマスターを務め話題となったアイレン・プリッチン。2019年の第16回チャイコフスキー国際コンクー ルのヴァイオリン部門4位でしたが、その前(2015年第15回)のピアノ部門第2位だったルーカス・ゲニューシャスと魅力的なアルバムを作りました。
ドビュッシー(1917)、アーン(1926)、ストラヴィンスキー(1932)のオリジナル曲を並べていますが、それぞれ1910年代、20年代、30年代のパリ文化移 りかわりを香らせつつ作曲者たち独自の美学を示しています。
大歓迎なのがレイナルド・アーンのソナタ。魅力的なメロディにあふれ近年録音も増えていますが、真打の登場となります。プリッチンは一目惚れで虜になったそ うで、彼に紹介されたゲニューシャスも「自分の人生の困難な時期を慰め癒してくれ、以来アーンはシューベルトと同等に彼の音楽的思考を支配する存在になった」 と絶賛しています。
両者の思いの強さにより、単に流麗でさわやかなだけでなく、ベルエポック文化への苦い郷愁や相方だった文豪プルーストとの親密な対話など複雑な思いが見 えて来て、この作品の新たな評価へつながる見事な演奏となりました。
MIR-574
女性視線
ルイーズ・ファランク:「ノルマ」のカヴァティーナによる変奏曲Op.14の1
エレーヌ・ド・モンジュルー:ソナタ ヘ短調Op.5〜フィナーレ
アンナ・ボン・ディ・ヴェネツィア:チェンバロ・ソナタ ト短調Op.2の1
エイミー・ビーチ:舞う木の葉Op.102の2/スコットランドの伝説Op.54の1
アガーテ・バッケル=グロンダール:小品Op.19の2
クララ・シューマン:ロマンスOp.21の1
ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル:さすらいの歌Op.8の4
エセル・スマイス:自作主題(とてつもなく陰気な)による変奏曲
メル・ボニ:伝説の女たち〜メリザンド
ジャンヌ・バルビヨン:プロヴァンス(1.海辺。夕暮れ 2.太陽祭)
リリー・ブーランジェ:古い庭園
ヘンリエッテ・ボスマンス:6つの前奏曲
ジュルメーヌ・タイユフェール:即興曲
セシル・シャミナード:トッカータOp.39
マリア・エステル・パルク:ソナタOp.4の1〜メヌエット
エミーリエ・ツムシュテーク:ポロネーズ第3番
クララ・ゴットシャルク=ピーターソン:スタッカート・ポルカ
マリー=カトリーヌ・ジロー(P)

録音:2020年12月21-23日/エコール・ノルマル・サル・コルトー
フォルジュルネ音楽祭でもおなじみのマリー・カトリーヌ・ジロー。ケフェレックとならび現代のフランス・ピアノ界を背負って立つベテラン女性ピアニストです。 繊細で薫り高い演奏が特徴で、フレンチ・ピアニズムの極意を味わせくれます。
彼女は珍しいレパートリーの録音にも熱心で、それも極上の演奏で披露してくれるのもこともあいまって貴重な宝となっています。今回は女性作曲家のピアノ曲 を集めたアルバムで興味をそそられますが、選曲は凝っていてさすがジロー。作曲家をあえて初期ロマン派から後期ロマン派にしぼり、国は南北ヨーロッパからアメ リカに及びます。
シューマン(妻)、メンデルスゾーン(姉)、ゴットシャルク(妹)のような有名作曲家の親族から、ビーチ、スマイス、シャミナード、タイユフェールら作曲家として も評価されている人々、パリ音楽院ピアノ科最初の女性教授となったエレーヌ・ド・モンジュルーまで多彩な音楽を楽しむことができます。
マリー・カトリーヌ・ジローは1984年以来女性作曲家の作品を積極的に披露してきましたが、今回の17人の作はその中から厳選したもの。ジローによれば、 女性が作曲家として生きるのに最も難しかった時代の産物とのことです。 (Ki)
MIR-576
ラフマニノフ・ピアノ曲集
楽興の時Op.16(全6曲)
前奏曲嬰ハ短調Op.3の2「鐘」
前奏曲ニ長調Op.23の4
前奏曲ト短調Op.23の5
前奏曲変ホ長調Op.23の6
前奏曲変ロ長調Op.23の2
ルイス・フェルナンド・ペレス(P)スタインウェイD使用

録音:2019年12月26-30日/マドリード
スペインの人気ピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレスのミラーレ・レーベル第7弾はラフマニノフ。ペレスといえばアルベニスやグラナドス、モンポウなど母国 スペイン作品のイメージが強く、切れ味の良く弾むリズム、湿り気のない音色、大らかな音楽性が魅力でした。
しかし意外にもペレス最愛の作曲家はラフマニノフで、記念すべき7枚目のディスクは彼の作品集にしたいと思っていたとのこと。ここでは初期の重く内省的な 「楽興の時Op.16」の全6曲をはじめ、ペレスが10歳の時初めて習ったラフマニノフ作品である「鐘」など5つの前奏曲を披露。
技巧派で大きな手に恵まれたペレスは楽々とラフマニノフを征服していますが、もともとスペインは情念と哀調でロシアと似た気質もあり、フラメンコのように情 熱的なラフマニノフとなっていて聴き応え満点です。 (Ki)
MIR-578
夜への頌歌
(1)ビゼー:耳に残るは君の歌声(「真珠採り」より)
(2)オーギュスタ・オルメス:夜と愛(「ルードゥス・プロ・パトリア」より)
(3)フォーレ:月の光Op.46の2
(4)シューベルト:セレナードD.957の4
(5)同:君こそわが憩いD.776
(6)同:夜D.983の4
(7)同:森の中の夜の歌D.913
(8)ドヴォルザーク:月に寄せる歌(「ルサルカ」より)
(9)グノー:輝かしい夜(「サン=マール」より)
(10)ブラームス:静かな夜にWoO34の8
(11)同:森の夜Op.62の3
(12)同:夜警「静かな胸の音」Op.104の1
(13)同:夜警「あなたは眠っているか」Op.104の2
(14)サン=サーンス:夜の静けさOp.68の1
(15)R・シュトラウス:夢の光Op.123の2
(16)ドビュッシー:雲(「夜想曲」より)
(17)同:祭(「夜想曲」より)

※編曲:ロラン・ピドゥー(1)-(15)、ルノー・ギウ(16)(17)
チェロ8【ロラン・ピドゥー、ラファエル・アッレギーニ、ヤニス・ブドリス、アルベリク・ブルノワ、ノエ・ドレダク、レオ・イスピル、エリオット・レリドン、ソニ・シェチンスキ】

録音:2022年10月9-13日 サル・コロンヌ
チェロ・アンサンブルといえば「ベルリン・フィルの12人」が有名ですが、その後8人アンサンブルが多く現れています。2006年ナントのフォルジュルネ音楽 祭で、ルネ・マルタンも巨匠ロラン・ピドゥーをリーダーとする「レ・ヴィオロンチェレス・フランセ」をプロデュース、2009年には「メディテーションズ」というア ルバムをリリースさせました。
その後ピドゥーは「タラン&ヴィオロンチェレス」という協会を創設し、若いチェリストの育成に務めています。そこから選んだ7名を率い、2023年ナントのフォ ルジュルネ音楽祭のテーマ「夜」にちなんだ新アルバムをリリース。作曲家たちがさまざまな夜の雰囲気を描いた声楽作品を基にピドゥーとルノー・ギウが編曲し ています。 (Ki)
MIR-584
バッハ=アーベル・ソサエティ
J.C.バッハ:四重奏曲第2番ニ長調 WKO 194(6つの四重奏曲 op.8より)
 プレリュード ニ短調 WK205(バス・ヴィオールのための27の小品より)
四重奏曲 ト長調(WKO 227)
カール・フリードリヒ・アーベル(1723-1787):プレリュード(バス・ヴィオールのための27の小品より)
 ソナタ ハ短調(通奏低音とヴィオラ・ダ・ガンバのための10のソナタより)
 四重奏曲 ト長調
 2本のフルート、2つのヴァイオリンとチェロのためのソナタ op.3-1
ハイドン:スコットランド歌曲集より「メアリーの夢」「私はいとしい人を内緒で愛す」
ヨハン・ザミュエル・シュレーター(1753-1788):チェンバロ五重奏曲 ハ長調 op.1、ソナタ第6番(6つのソナタ op.6より)
レ・ゾンブル〔マルゴー・ブランシャール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、シルヴァン・サルトル(Fl)、フィオナ・マガウン(Ms)、テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ(Vn )、ジュスタン・テイラー(Pフォルテ)、ハンナ・サルツェンシュタイン(Vc)〕

録音:2021年2月
1765年、ロンドンに居を構えたヨハン・クリスチャン・バッハは、友人のカール・フリードリヒ・ア-ベルとともに、英国初の予約制定期演奏会である「バッハ・ アーベル・コンサート」を設立しました。人気音楽家たちが出演し、時にはハイドンの作品をイギリスで初めて演奏するなど、当時の音楽シーンを先取りした豪華な 内容のサロンでした。ここでは、ジュスタン・テイラーやド・スワルテといった若手注目株の奏者たちも参加のアンサンブル”レ・ゾンブル”が、18世紀後半のロン ドンの催しの典雅な世界に聴き手をいざないます。 (Ki)
MIR-586
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ FP.119(1943)
プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのための5つのメロディ op.35bis(1921/1925年編)
ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント(1928/1932年編)
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(1917)
梁美沙(ヤン・ミサ)(Vn)、
アダム・ラルーム(P)

録音:2022年4月2-5日、ベルギー
トリオ・レ・ゼスプリ以来の信頼関係で結ばれているヤン・ミサ(Vn)と、アダム・ラルーム(P)によるデュオの登場。20世紀前半に生み出された、 大作曲家たちの珠玉の作品が並びます。それぞれ当時のヴァイオリンの名手によって初演されたり、名手たちの助言を得ながら完成させたもので、作曲家たちとそ の周辺に生きた音楽家たちの生きた交流なども感じ取れる、興味深い内容です。
プーランクはヴァイオリンとピアノのためのソナタを1曲しか書いていません。このソナタは、ジネット・ヌヴーとプーランク自身のピアノで初演されました。第1 楽章は熱狂的なアレグロ・コン・フォーコ、第2楽章はロルカの一説を引用した幻想的な間奏曲、終楽章は暴力的なまでに激しい曲想ですが、「ふたりでお茶を」 の明確な引用が見られます。プロコフィエフの5つのメロディは、もともとは歌曲だったものをヴァイオリン奏者コハンスキの助言を得ながらヴァイオリンのために 編曲したもので、今ではこの版のほうが演奏機会が多いといえるでしょう。ストラヴィンスキーも自作のいくつかを演奏旅行などで扱いやすいように、ヴァイオリン とピアノに編曲しており、その際には名手ドゥシュキンがいつも助言していました。ディヴェルティメントはバレエ「妖精のキス」のヴァイオリンとピアノ編曲版。頻繁 な拍子の変化など、ダンス的要素も色濃く残しつつ、原曲であるチャイコフスキー作品の世界もいろあせず感じられる名曲です。そしてドビュッシーが生涯で最後に 完成させた作品がヴァイオリン・ソナタ。ドビュッシーのピアノ、ガストン・プーレのヴァイオリンで初演されました。全体を通じてヤン・ミサの何かに憑かれたような、 作品の世界にのめりこんだ鬼気迫る表現が印象にのこります。そしてラルームのピアノが変幻自在、ドビュッシーのソナタでの茫漠とした表情や切り裂くようなハー モニー、プーランクでのドライな音色など、好サポートが光ります。
大阪生まれ。パリ国立音楽院でシャルリエ、カントロフに師事。2000年、若い音楽家のためのメニューイン国際コンクール第1位。2001年、仙台国際音楽コン クールで第3位および審査員特別賞を受賞。2009年、室内楽(P三重奏)でマリア・カナルス国際コンクールで優勝を果たす。2004年、アルデオ弦楽四重 奏団の一員としてエコー・ライジング・スターに選出された。12歳でデビュー後、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ、仙台フィル、 東京SOなどと共演を重ねる。リサイタルも多く、室内楽の分野でもピアノ三重奏(トリオ・レ・ゼスプリ)で3枚〔MIR 241, MIR322およびソニーから1枚〕、ヴァイオリンとピアノのデュオ〔MIR 420〕で1枚CDを出しており、いずれも高く評価されています。2022年以降、フランス国立音楽院(パリCNSM)でオ リヴィエ・シャルリエのクラスでアシスタント・プロフェッサーを務めています。 アダム・ラルームは1987年トゥールーズ生まれ、2022年にパリ国立音楽院でミシェル・ベロフに師事。コロリオフのもとでも研鑽を積む。2009年クララ・ハ スキル国際ピアノ・コンクールで優勝。2017年ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークの器楽奏者部門を受賞。リサイタル、協奏曲、そして室内楽の分野で活躍して います。ヤン・ミサとはトリオ・レ・ゼスプリでも共演を重ねています。 (Ki)
MIR-588(5CD)
シューベルト:弦楽四重奏曲全集
[CD1]〜ハーモニー
弦楽四重奏曲第1番D18
弦楽四重奏曲第4番ハ長調 D46
弦楽四重奏曲第13番イ短調 D804「ロザムンデ」
[CD2]〜歌の技法
弦楽四重奏曲第2番ハ長調 D32
弦楽四重奏曲第6番ニ長調 D74
弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 D87
[CD3]〜古典派の精神
弦楽四重奏曲第3番変ロ長調 D36
弦楽四重奏曲第8番変ロ長調 D112
弦楽四重奏曲第11番ホ長調 D353
[CD4]〜魂の感傷
弦楽四重奏曲第5番変ロ長調 D68
弦楽四重奏曲第9番ト短調 D173
弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D810「死と乙女」
[CD5]〜光と影
弦楽四重奏曲第12番ハ短調 D703「四重奏断章」
弦楽四重奏曲第7番ニ長調 D94
弦楽四重奏曲第15番ト長調 D887
モディリアーニSQ【アムリ・コエイトー(Vn/1773年製グァダニーニ)、ロイック・リョー(ヴァイオイン/1780年製グァダニーニ)、
ローラン・マルフェング(ヴィオラ/1660年製マリアーニ)、フランソワ・キエフェル(Vc/1706年製マッテオ・ゴフリラー”ex-Warburg”)】

録音:第1,2,3,5,6,11番/2021年2,3月、第4,8,9,10番/2021年10月、第12,13,14,15番/2021年9月
シューベルトの弦楽四重奏曲は、どれもが美しい旋律と抒情に満ちた、音楽史上の至宝。2003年に結成されたモディリアーニSQが、2021年の 2月から10月まで、ほぼ1年間をかけてじっくり全曲録音に取り組みました。一挙にボックスセットとしてリリースします。
全体をとおして素晴らしいバランスのアンサンブル。ひとつのパートが旋律を奏でている時も、他のパートも実に気持ちよいバランスで響いており、ハーモニー を奏でているひとつひとつの瞬間のどこを切り取っても、端正で美しいバランス。それぞれの出るところと引くところの駆け引きも見事。縦と横の線の完ぺきな バランス、そして心地よい抑制感、つねに豊かに漂う抒情、と実に美しいシューベルトの登場です。
MIR-590
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番変ホ長調K.449
ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調K.382
ピアノ協奏曲第12番イ長調K.414
セリム・マザリ(P)
ポール・メイエ(指)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O(マンハイム・チェンバー・オーケストラ)

録音:2021年3月16-19日/マンハイム・エピファニー教会
1992年生まれのセリム・マザリ、ベートーヴェンの変奏曲CD(MIR488)で注目された彼の最新盤はモーツァルトの協奏曲。パリ音楽院でエンゲラーに師事し、 2012年にエンゲラー没後はクレール・デゼールからさらなる研鑽を積みました。その後ロンドン王立音楽大学でアレクセーエフにも学んでいます。古典派作品に 熱意を示す彼だけに、モーツァルトはうってつけの選曲と申せましょう。
バックを務めるのは名クラリネット奏者でもあるポーツ・メイエ率いるマンハイム・プファルツ選帝侯室内O(マンハイム・チェンバー・オーケストラ)。 1952年創立でマンハイム楽派のレパートリーの再発見と普及で知られる団体。マザリの格調高いピアノと相まって典雅極まりない世界を作り上げています。 (Ki)
MIR-594
ファニー&フェリックス・メンデルスゾーン
ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847):ピアノ三重奏曲 ニ短調 op.11
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 ニ短調 op.49
トリオ・ショーソン

録音:2021年4月
結成20年を迎えたトリオ・ショーソン。2021年に結成20年を迎えました。いつもみずみずしく、勢いがよくあたたかみのある演奏で、世界中で高く評価され ています。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭で来日もしており、彼らの演奏は絶賛されました。そんな彼らがこのたび録音したのが、メンデルスゾーン。ファニーとフェリッ クス姉弟のピアノ三重奏曲をカップリングしました。フェリックスのピアノ三重奏曲はピアノ・パートが難しいことでも知られていますが、この演奏はそうしたことを まったく感じさせない、心地よい疾走感に満ちた演奏。そして、ファニーは弟のフェリックスを上回る才能の持ち主とはよくいわれていますが、この盤を聴くと、ファ ニーの作品の素晴らしさがあらためてよくわかります。なによりトリオ・ショーソンの音楽が素晴らしい1枚です。
マチュー・ハンドシェヴェルケル(Vn) パリ音楽院でレジス・パスキエらに師事。2012年から2015年まで、ルクセンブルク・フィルのソリストを務める。パリ管でも演奏していた。2018年よりトリオ・ ショーソンに参加。使用楽器は2003年JF製”ザ・リトル・プリンス”。 アントワン・ランドフスキ(Vc) トリオ・ショーソン創設メンバー。パリ音楽院でフィリップ・ミュレルに師事、最高位で卒業。さらにヴォルフガング・ベッチャーの下でも研鑽を積む。プレートルギー レン、アルミン・ジョルダンら指揮者とも共演。トリオ・ショーソンでの活動のほか、音楽祭を主宰。使用楽器は1852年製シャルル=アドルフ・モカテル。 ボリス・ド・ラロシュランベール(P) パリ音楽院でジェラール・フレミー、ニコラ・アンゲリッシュに師事。トリオ・ショーソンが演奏する編曲作品の多くの編曲を手がけてもいます。 (Ki)
MIR-596
リスト:超絶技巧練習曲 S.139 ガブリエル・スターン(P)

録音:2021年5月14-17日、スイス
ヴィルサラーゼも「その比類なき芸術的献身が、彼にしか表現しえない世界を実現させている」と手放しで絶賛する逸材ピアニスト、ガブリエル・スターン。 1992年生まれ、スイスの音楽院でセドリック・ペシャのもとで学んだのち、ヴィルサラーゼのもとでさらなる研鑽を積みました。さらに、カサール、ルイサダ、リフ シッツ、ジャック・ルヴィエらにも薫陶を受けています。「リストの再来」を思わせるそのテクニックと、知的で見通しのよい音楽づくりは世界から高い評価を受けて います。
リストはその超絶技巧練習曲によって、ピアノのヴィルトゥオジティを、過去のものとは比べられないくらい、そして現代でも超えられないものへと一気に高めま した。これらの曲に取り組むのは、まず技術がないと歯が立ちませんが、さらにリストが盛り込んだ詩情や風景、文学的背景への理解が奏者には求められます。つ まりは超難曲。
とにかく第1曲の前奏曲のひとつめの音から、スターンがとてつもないピアニストであることがはっきりとわかります。壮大な宇宙が広がります。リストの再来を 思わせるよう。テクニックには充分余裕があり、さらに音楽も素晴らしい!ガブリエル・スターン、おそるべき注目ピアニストです! (Ki)
MIR-598
ヴィリアンクール・プレイズ・フランク
交響詩「ジン」
前奏曲,コラールとフーガ
交響的変奏曲
前奏曲、アリアとフィナーレ
タンギ・ド・ヴィリアンクール(P)
クリスティーナ・ポスカ(指)フランダースSO

録音:2021年4月26-29日/ブルージュ・コンセルトヘボウ
1990年生まれのフランス期待の名手ヴィリアンクールが、2022年アニヴァーサリー・イヤーのフランクに挑戦しました。ピアノ独奏曲の代表作「前奏曲、コラー ルとフーガ」「前奏曲、アリアとフィナーレ」に加え、ふたつの協奏作品も収めたフランクのピアノ音楽を満喫できるアルバム。
大器晩成と言われるフランク円熟期の作ばかり。いずれも外面的効果は薄いものの、フランクならではの難技巧にあふれ、またオルガン的な壮麗さにも満ちてい ます。さらに和声や循環主題などワーグナーの影響も感じさせます。
ヴィリアンクールは5年前にリストのワーグナー編曲を全曲録音したことが糧になっていることが技術、解釈に反映されているのか説得力満点なのに驚かされま す。もちろんフランス的な洒脱さもあり、理想的なフランク像を作り上げています。
交響詩「ジン」と交響的変奏曲は、エストニア出身の女性指揮者クロイスティーナ・ポスカ指揮フランダースSOと共演。ポスカは1978年生まれ、オペラ指 揮で注目されました。「ジン」はヴィクトル・ユーゴーの作品に基づき、また交響的変奏曲も物語性を感じさせるため、彼女のドラマ作りの巧さが光ります。

MIR-600
ヴラディゲロフ:作品集
(1)10の印象Op.9【慕情/抱擁/ワルツ・カプリス/愛撫/優雅/告白/笑い/情熱/驚き/諦め(エレジー)】
(2)ブルガリア組曲Op.21【行進曲風に/歌/チェーンダンス/ラチェニッツァ】
(3)前奏曲Op.15
広瀬悦子(P)
※ベヒシュタイン使用

録音:2021年4月5-7日/サンマルセル教会(パリ)
リリースするディスクがすべて絶賛されている広瀬悦子の最新盤は、何とヴラディゲロフ作品集。最近作品リリースが目につく存在でもあり、広瀬悦子の演奏で 聴くことができるのは大歓迎と申せましょう。
パンチョ・ヴラディゲロフ(1899-1978)はブルガリアの民俗音楽をバルトーク的な手法で見事な芸術音楽に仕上げた同国を代表する作曲家。日本でもお馴 染みのレオニード・クロイツァーにベルリンでピアノを師事し、弟子に名ピアニストのアレクシス・ワイセンベルクがいることからも、ピアノ曲が特に優れているとさ れます。
ここでは数多い彼のピアノ曲から特に魅力的な3作品全15曲が選ばれています。10の印象のなかの3篇とブルガリア組曲はオーケストラ版でも親しまれてい ますが、ここではオリジナルのピアノ版で楽しめます。ピアノの方がヴラディゲロフの思いを雄弁に語っていることが感じられます。
ブルガリア独特のリズムと独特な東方的感覚に加え、ピアノの名手の作ゆえ技術的にも非常に難しい作品ばかりですが、広瀬悦子のピアニズムにぴったり。広瀬 は数年来ヴラディゲロフ作品に惹かれ、この企画も彼女の強い希望で実現させた渾身の一枚。コロナ自粛期間中にじっくり取り組んだ成果が説得力あふれる演奏 に結実しているのも聴きもの。広瀬本人による日本語解説も読み応え満点です。 (Ki)
MIR-602
ローマの晩祷
ピエトロ・パオロ・ベンチーニ:神よ、わが保護に心を向けたまえ1.
 めでたし、海の星よ(アヴェ・マリス・ステラ)
 その方の左手が、わが頭の下に
 詩篇第109篇「主は言われた」
 王が宴におられる間
 詩篇第111篇「主を信ずる者は幸いなり」(ベアトゥス・ヴィル)
 私は黒い
アレッサンドロ・スカルラッティ:主の僕たちよ、主をほめたたえよ
マニフィカト
ジョエル・スービエ(指)アンサンブル・ジャック・モデルヌ
ソプラノ:セシル・ディボン=ラファルジュ、シプリール・メイエル、ジュリエット・ペレ、ユリア・ヴィシニェフスキ
アルト:マルゴ・メルーリ、ギレーム・テライユ
テノール:マルク・マノドリッタ、ギヨーム・ザベ
バス:ディディエ・シュヴァリエ、マチュー・ル・ルヴルール

録音:2021年5月20-23日サン・フロラン・ル・ヴィエイユ修道院
17世紀半ばから18世紀初頭にかけ、ローマは宗教音楽の最盛期を呈していました。大半は今日忘れられていますが、華麗で壮大な音楽が数多く生まれました。 なかでもとりわけ重要な作曲家がピエトロ・パオロ・ベンチーニ。晩年にはサン・ピエトロ寺院の礼拝堂楽長も務め尊敬を集め、同院では19世紀末まで彼の宗教 曲が歌われていました。このアルバムはベンチーニの作品を用いてカトリックの聖務日課のひとつ晩祷を再構築しています。足りない部分は先人アレッサンドロ・ス カルラッティのマニフィカトで補完、感動の世界を作り上げています。
アンサンブル・ジャック・モデルヌは1973年創立の古楽団体。2016年のフォルジュルネ音楽祭で来日公演も行いました。指揮のジョエル・スービエはテノー ル歌手としてクリスティのレザール・フロリサンやヘレヴェッヘのコレギウム・ヴォカーレで経験を積んだ実力派。 (Ki)
MIR-604
Ellipses〜円
ジョヴァンニ・ソッリマ(b.1962)/ボッケリーニ:ファンダンゴ
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番「アリア」〜チェロとギターのための編曲版
ヴィレム・デ・フェッシュ(1687-1761):シシリエンヌ(バロック・チェロとチェンバロ)
フォーレ:シシリエンヌ op.78(Vcとピアノ)
マリア・テレジア・フォン・パラディス(1759-1824):シシリエンヌ(Vcとピアノ版)
ヨハン・エルンスト・ガリアルド(1687-1747):シシリエンヌ(バロック・チェロとチェナロ)
マラン・マレ:スペインのフォリア(Vcとチェンバロ版、セルバン・ニキフォルによる)
ティエリー・エスケシュ:ラ・フォリア(無伴奏チェロのための)
ジュール・マットン(b.1988):Detail(細部)〜バロック・チェロとチェンバロのための(世界初録音)
コベーキン:ハヤルド(Vcとタンブーランのための)
アナスタシヤ・コベキナ(Vc/1698年製ストラディヴァリウス)
ヴァンサン・ボッカドーロ(P)エマニュエル・アラケリアン(Cemb)、ティヴォー・コヴァン(G)、トリスタン・ペレイラ(パーカッション)

録音:2021年5月3-6日
アナスタシヤ・コベキナ、注目盤の登場です!コベキナは1994年エカテリンブルクの音楽一家に生まれ、4歳でチェロをはじめ、モスクワ音楽院で学んだのち、 パリ音楽院、そしてフランクフルト音楽院でバロック・チェロを学んでいます。2019年6月には第16回チャイコフスキー国際コンクールで第3位に入賞するなど、 その実力と演奏に世界が魅了されている存在です。
18世紀、無伴奏チェロのために書かれた最初期の作品から現代までのチェロ作品を自在に組み合わせて、チェロの歴史を俯瞰するようなプログラムとなってい ます。現代の作曲家の作品は、バロック作品にインスパイアされて書かれたもの。超絶技巧を要求されるものが多いですが、コベキナは独特の存在感をたたえた音 色で、雰囲気たっぷりに奏でています。共演の楽器も、カスタネットが効果的に響いたり、実に豊かな世界。ドビュッシーのソナタは哀愁も感じさせつつ、美しい弱 音で聴かせます。コベキナの魅力にあふれた1枚、注目です! (Ki)
MIR-606
ラ・ファヴォリート(お気に入り)
ジャック・デュフリ(1715-1789):クラヴサン曲集第3巻
ジャン=バティスト・カルドンヌ(1730-1792):”ラ・ファヴォリート”(ソナタ第4番〜ヴァイオリンをともなうクラヴサンのためのソナタ集第1巻より〜ドーフィーヌ夫人に捧ぐ)
モンドンヴィル:通奏低音をともなうヴァオリン・ソロのためのソナタ第5番〜ラ・カシア(狩)
ルイ・クープラン(1727-1789):ソナタ第3番随意にヴァイオリンをともなう、クラヴサンの小品の形式の6つのソナタ集〜ボーヴォー嬢に捧ぐ
カルドンヌ:ソナタ第6番〜ヴァイオリンをともなうクラヴサンのためのソナタ集第1巻より〜ドーフィーヌ夫人に捧ぐ
ショーベルト(1735-1767):ソナタ第4番ニ短調
ジョスリン・キュイエ(Cemb)、
ダイエル・キュイエ(Vn)

録音:2021年10月2-4日
バロック期およびロココ期の、ヴァイオリンとチェンバロのための二重奏作品集。優雅で洗練された雰囲気をもつ作品を、フランスを中心に活動を展開している 古楽界の重鎮、ダニエル&ジョスリン・キュイエによる演奏でおたのしみいただけます。デュフリは当時の有能な政治家アントワーヌ・ド・サルタンに、ショベールは コンティ公爵に、モンドンヴィルはブフラー侯爵やポンパドゥール夫人によって名声を確立していきました。また、アルマン・ルイ・クープランはパリでオルガン奏者 として複数のポストを持っていた実力者ですが、最後はルイ16世の音楽教師を務めています。文化的なパトロンたちの存在が生み出した珠玉の音楽の魅力が、最 上の形で引き出されています。
ジョスリン・キュイエ(Cemb)・・・アンサンブル・ストラディヴァリア創設期からチェンバロを務める。サンソン・フランソワにピアノを、ユゲット・ドレフュ スにチェンバロを師事した。 ダニエル・キュイエ(Vn)・・・アンサンブル・ストラディヴァリア創設時から指揮者も務めています。フランスの作品を中心に研究・演奏を重ねており、彼 の音楽家としての活動の中核をなしています。 (Ki)
MIR-608
スウェーデン歌曲集
1. トール・アウリン(1866-1914):ばらに(Till en ros)
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927):
2. メロディ(Melodi)3. 彼方を船はゆく(Det far ett skepp) 4. Fylgia(フュリア)
5. テューレ・ラングストレム:ただひととき(Den Enda Stunden)
6. ステーンハンマル:楓の木陰で(I lonnens skymning)
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル
7. 山羊よ、坊やのところまで(Kom bukken til gutten) 8. 収穫後の歌(Sang efter skordeanden)
9. テューレ・ラングストレム:別れ(Avskedet)
10. ステーンハンマル:森で(I skogen)
ボー・リンデ(1933-1970):
11. リンゴの木と洋梨の木(Appeltrad och parontrad) 12. あなたが私に口づけをした草原で(Den angen dar du kysste mig)
13. シグルド・フォン・コック(1879-1919):シャイトラの月に(I manaden Tjaitra)
トゥーレ・ラングストレム:14. 夜の翼(Vingar i natten) 15. 夜への祈り(Bon till natten)
16. ラーシュ=エリク・ラーション:草はさまよえる足の下で歌う(For vilsna fotter sjunger graset)
17. ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル:待つは楽しい(Intet ar som vantanstider)
18. トール・アウリン:そして騎士は聖地に向かった(Och riddaren for uti osterland)
19. トゥーレ・ラングストレム:セレナード(Serenad)
20. グスタフ・ノルドクビスト(1886-1949):海で(Till havs)
21. ヴィルヘルム・ステーンハンマル:海辺の歌(En strandvisa)
22. グンナル・デ・フルメリー(1908-1987):あなたが私の目をとじるとき(Nar du sluter mina ogon)
23. ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル:Boljeby Waltz(Boljeby-vals)
マリーヌ・シャニョン(Ms)
ジョセフィー ヌ・アンブロセッリ(P)
Ljusとはスウェーデンの言葉で「光」を意味します。メゾ・ソプラノのマリーヌ・シャニョンと、ピアノのジョセフィーヌ・アンブロセッリは、スウェーデンを旅した 時に、その空気と光に魅了されたそう。北欧といえばその寒さや冬の間の夜の長さが有名ですが、だからこそ、太陽の光やそのあたたかさに感激したといいます。 このアルバムは、そうした「光」に焦点をあてた1枚。若きふたりが、きらめくように、そしてあたたかく、希望や喜びをもって歌い上げる、スカンジナビアのもっと も美しい旋律の数々をお楽しみいただけます。 マリーヌ・シャニョン(Ms)---2017年パリ国立高等音楽院に入学、エレーヌ・ゴルゲヴィットのクラスで学ぶほか、カリーヌ・デエやバーバラ・ハンニ ガンのマスタークラスに参加。シャトレ座で、子供と魔法の猫でデビュー。モンテヴェルディやモーツァルトのオペラで出演を重ねています。フランスの若手歌手で今後 の活躍が期待されています。
MIR-610
GEISTER DUO
シューマン:東洋の絵 op.66
ブラームス:シューマンの主題による変奏曲 op.23
ドヴォルザーク:ボヘミアの森より op.68
ガイスター・デュオ
ダヴィド・サルモン&マニュエル・ヴィエイヤール(P)
使用楽器:ヤマハ

録音:2021年5月21-24日
2021年のミュンヘン国際コンクールで優勝した、世界が認めるピアノ・デュオ、ガイスター・デュオのデビューCD。デュオの名前はシューマンの最後のピアノ曲 「精霊の主題による変奏曲」の原題Geistervariationから名前をとったとのこと。彼らの初CDとなる本盤では、彼らに所縁の深い作曲家シューマン、ブラーム ス、そしてドヴォルザーク作品を収録。
シューマンは4手のために初期にひとつと、そのあと4つの作品を残していますが、奏者たちが取り上げるのはこの「東洋の絵」がほとんど。11世紀のアラブの 詩にインスパイアされて書かれたとされており、シューマンらしいはずむリズムもあざやかな名曲です。ブラームスの「シューマンの主題による変奏曲」は、シューマ ンの「精霊の主題による変奏曲」から主題をとったもの。ブラームスの4手の作品の中では演奏機会が少ないものですが、10の変奏からなる作品で、最終楽曲は シューマンへの葬送行進曲となっています。ドヴォルザークの作品は第5曲の「森の静けさ」がドヴォルザーク自身による他の編成で取り出して演奏されることも 多い名曲。ガイスター・デュオの完ぺきなアンサンブルにより、シンクロしたリズム、驚異的なバランスと豊かな響きが実現されています。 =ガイスター・デュオ(ダヴィド・サルモン&マニュエル・ヴィエヤール)= 2019年国際シューベルトコンクール二重奏部門第2位、2021年ミュンヘン国際コンクールピアノ・デュオ部門第1位。二人ともパリ出身、パリの地方音楽院で 学ぶ。南仏で開催されるアカデミーに向かう電車の中で、ピアニストや作曲家の好みが非常にぴたりと合い、意気投合、ピアノ・デュオを結成することになった。そ れぞれハンス・アイスラー音楽院(ヴェイヤール)とパリ国立高等音楽院(サルモン)でピアノ演奏の技量を磨く。デュオとして、パリ国立高等音楽院室内楽修士課 程でクレール・デゼールのもとで研鑽を積む。2020年のナントでのラ・フォル・ジュルネ音楽祭で、ベートーヴェンの4手作品全曲を演奏するなど、音楽祭・演 奏会等出演多数。 (Ki)
MIR-612
ブルターニュのエレノアのグラドゥアーレ集〜フォントヴローのクリスマス
・真夜中のミサ
・夜明けのミサ
・日中のミサ
ヴォックス・クラマンティス、
ヤーン=エイク・トゥルヴェ(指)

録音:2021年11月22-28日、フォントヴロー修道院
エレノアは、1275年、イングランド王国のベアトリクスとブルターニュ公ジョン2世との間に生まれました。1283年、8歳でエイムズベリー修道院に入り、 1304年にフォントヴローの修道院長となり、1342年にそこで亡くなりました。現在、リモージュ市立図書館には、彼女の紋章が刻まれたグラドゥアーレ集が所 蔵されています。そこには、グレゴリオミサに加え、通常ミサの全レパートリーが含まれています。ここでは、音楽学的な貴重さという観点からではなく、純粋に 2021年のクリスマスを祝うために作られたかのような作品を選び、文脈を変えずに様々な音色(鈴や鳥の声など)を加えるなどして収録されています。実際に僧 たちが修道院の中で歩いたりしながら歌っているのを覗くような気分になれる録音で、非常に静謐な空気に満ちています。 (Ki)
MIR-616
ショーソン・サン=サーンス
ショーソン:ピアノ三重奏曲ト短調Op.3
サン=サーンス:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調Op.92
ネーベルメーア・トリオ【ロアン・フルマンタル(P)、アルトゥー ル・ドゥカリス(Vn )、アルベリック・ブルノワ( チェロ)】

録音:2021年10月27-31日/カーン音楽院
若くフレッシュなピアノ三重奏団「ネーベルメーア・トリオ」デビュー盤。今年2023年ナントで行われたフォルジュルネに出演して注目されています。トリオ・ワ ンダラーとクレール・デゼールの秘蔵弟子で、カスパー・ダヴィヂ・フリードリヒの絵画からグループ名を付けました。
ショーソンのピアノ三重奏曲はフランクに入門した1882年頃の作。すでに師の影響濃厚な4楽章構成の大作ですが、ショーソン独特な叙情性とメロディの美し さに惹かれます。若いネーベルメーア・トリオならではのナイーヴでフレッシュな演奏が魅力。
サン=サーンスのピアノ三重奏曲第2番は1892年の作。短調でチャイコフスキーとの類似を感じさせますが、華麗なピアノ・パートなどサン=サーンスの独自 性も満ちています。 (Ki)
MIR-620
Muses eternelles〜永遠のミューズたち
ラフマニノフ:「春の洪水」 op.14-11、「リラの花」 op.21-5
ラヴェル:マダガスカル島民の歌(「ナアンドーヴ」、「おーい(呼び声)」、「休息-それは甘く」)
デュパルク:「戦のある国へ」、「前世」
ワーグナー:「天使」、「温室にて」(ヴェーゼンドンク歌曲集より)
ショーソン:「温室」(歌曲集「温室」op.24より第1曲)
R.シュトラウス:「あした!」op.27-4
ジェイク・ヘギー(b.1961):アニマル・パッション(ナチュラル・セレクションより)
シリー ル・ンジキ(S)、カオリ・オノ(P)、イリス・シャロン(Vn /シュトラウス)、サラ・ファン・デア・ヴリスト(フルート/ラヴェル)、アルベリク・ブルノワ(Vc/ラヴェル)

録音:2020年9月21-25日、パリ国立高等音楽院
気鋭のソプラノ、シリール・ンジキのデビュー・アルバムの登場。「Muses eternelles〜永遠のミューズたち」と題し、女性にあてて書かれた、あるいは女性 の詩によるものなど、女性にまつわる作品を集めたもの。歌唱言語やスタイルは多岐にわたりますが、そうしたことを超えて、全体として夢見るような、様々な場所 や時代を旅するような、充実のプログラムの1枚となっております。ンジキとデュオ活動を行っているピアニスト・作曲家、カオリ・オノのピアノも、それぞれの作 品のスタイルを的確におさえ、変幻自在で見事。ラヴェルでの迫真の表現とアンサンブルは圧巻です。
シリール・ンジキ(S)・・・7年間ピアノを学ぶ。17歳で本格的に声楽をはじめ、パリ国立高等音楽院でシャンタル・マティアスのクラスに学ぶ。2017 年ダヴィド・シュテルン主宰のオペラ・アカデミー「オペラ・フオーコ」の第4期生、および2020年ジャルスキ主宰のベートーヴェン・プロモーションにも参加。
MIR-622(2CD)
メシアン:峡谷から星たちへ・・・(全12曲)(1970-74) ジャン=フランソワ・エッセール(指)、
ヌーヴェル=アキテーヌ室内O
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P)、
根本雄伯(Hrn)、
アデライーデ・フェリエール(シロリンバ)、
フロラン・ヨデレ(グロッケンシュピール)

録音:2021年5月20-23日
シアンの「峡谷から星たちへ」最新録音の登場。この作品はメシアンがアメリカ合衆国のユタ州を旅した際に見た光景や、耳にした鳥の鳴き声などが取り入れ られた作品で、3部構成全12曲、演奏時間90分以上、編成もオーケストラにくわえ、打楽器奏者5名のほか、鍵盤楽器も必要とする大作です。ホルン独奏やピアノ 独奏による楽章もあり、この録音では、世界的奏者がソロを担当。作品のもつ魅力を120%引き出した演奏で聴くことができます。管弦楽の音色も変幻自在。メシ アンが描いた、地球の美しさをあらためて感じさせてくれる音世界にどっぷり浸かれる秀逸録音の登場です!
ピアノのジャン=フレデリック・ヌーブルジェは神童として幼いころから活躍しているピアニストですが、近年作曲家としての活動も注目さrており、2019年には ロトとギュルツェニヒ管の委嘱により新曲を作曲してもいる存在となっています。根本雄伯は、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル、ポワトゥ・シャラ ントO、ペレアス室内Oなどで首席奏者として活躍しているほか、室内楽でも活躍しています。 (Ki)
MIR-624
レシ
組曲ニ調
(1)ジャック・ボワヴァン:レシ・グラーヴェ
(2)アンリ・デュモン:アルマンド
(3)マラン・マレ:鐘あるいはカリヨン
(4)同:人間の声
(5)アンリ・デュモン:デュモン氏のパヴァーヌ
組曲ホ調またはト長
(6)ジャン=アダム・ギラン:ティルセによるレシ
(7)同:トリオ
(8)マラン・マレ:ジグ「もめごと」
(9)同:嘆き
(10)同:シャコンヌ
(11)ジャン=アダム・ギラン:ディアローグ
(12)マラン・マレ:昔のリュート作曲家の流儀によるパヴァーヌ
組曲イ調
(13)ダンドリュー:ティルセによるレシ
(14)アンリ・デュモン:オルガン・タブラチュアによるアルマンド
(15)ルイ・クープラン:ピエモンテ人
(16)マラン・マレ:サラバンド
(17)同:花嫁
(18)同:ファンタジー
組曲ニ調
(19)ルイ・マルシャン:レシ
(20)ピエール・デュ・マージュ:バス・ド・トロンペット
(21)ルイ・クープラン:クープラン氏のサラバンド
(22)ピエール・デュ・マージュ:プラン・ジュ
サロメ・ガセラン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
エマニュエル・アラケリヤン(Org)、
マティアス・フェレ、アンドレアス・リノス、コリンナ・メッツ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ジャスティン・テイラー(Cemb)

録音:2021年9月 聖アポリネール・ド・ボラン教会(ベルギー)、12月 サン・トゥルザンヌ教会(スイス)
サロメ・ガセランはアンジェとナントの音楽院で学んだ後、リヨンとデン・ハーグで研鑽を積んだ若きヴィオラ・ダ・ガンバ奏者。才色兼備の音楽家ながら、ラグ ビー選手も考えたという異色の経歴を持っています。
ルイ14世治下のフランスではクープランらの鍵盤音楽が台頭しましたが、同時にマラン・マレらの活躍でヴィオラ・ダ・ガンバが独奏楽器として華開きもいまし た。それで生まれた魅力的な作品を集めました。調性ごとにいろいろな作曲家の小品を組曲にして変化をもたせています。 (Ki)
MIR-626
モーツァルト:クラリネット作品集
(1)クラリネット協奏曲イ長調K.622
(2)クラリネット五重奏曲イ長調K.581
ラファエル・セヴェール(Cl)
ラルス・フォークト(指)パリ室内O(1)
モディリアーニSQ(2)

録音2021年10月6-8日フィラルモニ・ド・パリ(1)
2022年2月1-2日サル・コロンヌ(2)
フランスの若き天才クラリネット奏者セヴェール待望のモーツァルト。1994年生まれ、日本クラリネット協会主催ヤング・クラリネット・コンクールに12歳でグ ランプリ受賞、クラリネット界の未来を担う逸材と期待されています。
当アルバムは共演の豪華さも注目。協奏曲は名ピアニスト、ラルス・フォークトが指揮を務めるパリ室内O、五重奏曲はモディリアーニSQが花 を添えています。フランス風にオシャレで洗練された音楽作りながら、熱いエネルギーも感じさせ充実感たっぷり。要注目のクラリネット奏者です。
MIR-630
Un monde fantastique〜幻想的世界
リスト:グノーのファウストのワルツにもとづくパラフレーズ
シューマン(リスト編):「春の夜」(リーダークライス op.39-12)
シューマン:クライスレリアーナ op.16
シューマン(リスト編):献呈 op.25-1
リスト:ダンテを読んで―ソナタ風幻想曲
ジャン=バティスト・ドゥルセ:エンディミオン(2021, キーツの詩による)
ジャン=バティスト・ドゥルセ(P)

録音:2021年12月
ジャン=バティスト・ドゥルセは1992年生まれのピアニスト、即興演奏家、作曲家。パリ国立音楽院でクレール・デセールにピアノと室内楽を、ティエリー・エス ケシュに即興演奏を師事しました。2019年、ロン=ティボー・コンクールで第4位および聴衆賞、クララ・ハスキル・コンクールでモダンタイムズ(新曲)賞受賞 の注目の存在です。作曲家として20ほどの室内楽や器楽作品を作曲、出版もされています。そんなドゥルセが今回プログラムしたのは、「詩」に多大な影響を受け たロマン派作品。シューマンの歌曲をリストが編曲した「春の夜」の繊細なさざめきのようなピアノは驚異的な美しさです。注目なのが、リストの「ダンテ・ソナタ」 と、そのリストへの導入と自身位置付ける自作を続けて収録していること。リストの「ダンテ・ソナタ」は超絶技巧がものすごいのはもちろんのこと、情景が見事に 目の前に浮かぶような描写力豊かな演奏に圧倒されます。ダンテ・ソナタが下降で始まるのに対し、ドゥルセの作品は上行で始まり、美や神の世界について語る キーツの詩を、天上の世界の響きを思わせる美しいハーモニーで聴かせます。1枚が大きなストーリーとなっている内容で、ピアノの詩人ドゥルセの今後にも期待 が高まります。 (Ki)
MIR-632
ヴェネツィアの天才を祝う〜カルダーラとヴィヴァルディ
ヴィヴァルディ:『グローリア』 RV 589、
 協奏曲 ハ長調 RV 443、
 協奏曲 ト短調 RV 156、
 協奏曲 ニ長調 RV 781
カルダーラ:シンフォニア(セレナーデ 1709年より)、
 モテット「Caro mea vere est cibus」、
 シャコンヌ(op.2より)、
 シンフォニア(オラトリオ「アベルの死」より)
アマリリス(エロイーズ・ガイヤール/音楽監督、リコーダー、バロック・オーボエ;セルジュ・チザク/トランペット他)
ペイ・ド・ラ・ロワール児童合唱団(合唱指揮:マリアナ・デルガディッロ・エスピノーザ)

録音:2021年2月
ヴェネツィアで活躍したふたりの天才、カルダーラとヴィヴァルディの才を祝して編まれたプログラム。バロック期のヴェネツィアでの演奏会を、色彩ゆたかに再現 しようとする試みです。ヴィヴァルディの「グローリア」が児童合唱で演奏され、天上から降り注ぐような声にこころが洗われるよう。協奏曲では、アンサンブルの 音楽監督でもあるエロイーズ・ガイヤールがリコーダーやオーボエを華麗に響かせます。 (Ki)

MIR-634
ベートーヴェン:後期3大ソナタ
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
アンヌ・ケフェレック(P)

録音:2022年2月5-8日ポワチエ劇場講堂
フランス・ピアノ界の女王」と呼んでもさしつかえないほどの人気と存在感を示すケフェレック。彼女の最新盤はベートーヴェンのソナタ・アルバム。これまで「月 光」などはありましたが、後期3大ソナタなのに注目です。何を弾いても素晴しいケフェレックですが、ベートーヴェンでも新境地を見せてくれます。
ブックレットにはケフェレック自身がこの3作について記しています。これがエッセイと思いきや哲学的修辞に満ちた大作で、さすが文学者の家系の出自と感心さ せられる才女ぶりを示しています(国内仕様盤は日本語訳が付く予定)。
演奏はケフェレックならではの端正ですっきりした造形感に、しなやかな歌心がオシャレの極み。淡々としながらも音楽性は深く感動的。芝居がかった熱い解釈が 多いなか、新しいベートーヴェン後期ソナタのスタイルを示していると申せましょう。 (Ki)
MIR-636
ハイドン:ピアノ三重奏曲集
ピアノ三重奏曲 ト長調 Hob.XV:15(フルート、チェロとピアノ)
ピアノ三重奏曲 ヘ長調 Hob.XV:16(Vn、チェロとピアノ)
ピアノ三重奏曲 ニ長調 Hob.XV:16(フルート、チェロとピアノ)
ピアノ三重奏曲 ホ短調 Hob.XV:12(Vn、チェロとピアノ)
ジェローム・アンタイ(フォルテピアノ)、
マルク・アンタイ(Fl)
アレッサンドロ・モッチア(Vn)
アリクス・ヴェルジエ(Vc)

録音:2020年2月
なんとも豪華な顔ぶれによるハイドンのピアノ三重奏曲集の登場。ハイドンが1784年から1790年の間、エステルハージー公に仕えていた最後の頃の作品で、 ハイドンの筆が完全に熟していたことを感じさせる作品がならびます。ハイドンがちりばめた、ころころと自在に変化する表情のパッセージを、名手たちがこれ以上 なく典雅に響かせます。 (Ki)
MIR-642
ゾーイのためのダンス集
ブラームス:ワルツOp.39〜第1番ロ長調/第11番ロ短調/第6番嬰ハ長調/第3番嬰ト短調/第14番嬰ト短調/第15番変イ長調
スクリャービン:マズルカOp.25の2
トーマス・アデス:マズルカOp.27の2
(4)ラヴェル:メヌエット〜「クープランの墓」
C.P.E.バッハ:メヌエット
マタン・ポラト:ワルツ・フォー・ビル
ビル・エヴァンス:ワルツ・フォー・デビイ
ストラヴィンスキー:タンゴ
ナンカロウ(ポラト編):練習曲第6番「タンゴ」
ラモー:サラバンド〜組曲イ短調
サティ:サラバンド第3番
スクリャービン:ワルツOp.38
クープラン:フォルラーヌ〜王宮コンセール第4番
ラヴェル:フォルラーヌ〜「クープランの墓」
ラッヘンマン:影踊り〜「子供の遊び」
ショスタコーヴィチ:ワルツ・スケルツォ〜「人形の踊り」
マタン・ポラト(P)

録音:2022年5月23-25日/ノイマルクト・ライツターデル(ドイツ)
フォルジュルネ音楽祭でおなじみのマタン・ポラト。1982年テルアヴィヴ生まれのピアニストで、作曲家としても注目されています。最新盤は舞曲を集めたコン セプト・アルバム。タイトルは愛娘でピアニストのゾーイに捧げたためのこと。
クープランからアデスまでのさまざまな舞曲形式によるピアノ曲を集めていますが、選曲は凝っていてビル・エヴァンスのジャズの名作「ワルツ・フォー・デビイ」 をポラトの演奏で聴くことができるうえ、ポラトの「ワルツ・フォー・ビル」がその返し歌となっています。またナンカロウの自動ピアノのための練習曲をポラトが 人間用に編曲したものも聴きもの。2023/4年にこれを日本人ダンサー川口ゆいが振付け、ポラトの演奏と共演が予定されています。 (Ki)
MIR-646
スーク&ドヴォルザーク
スーク:ピアノ三重奏曲 ハ短調 op.2、
 エレジーop.23
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲 第3番ヘ短調 op.65
トリオ・カレニーヌ【シャルロッテ・ジュイヤール(Vn)、ルイ・ロッド(Vc)、パロマ・クイデール(P)】

録音:2022年
2009年結成のトリオ、トリオ・カレニーヌによるスーク&ドヴォルザーク。そのグループの名はトルストイの小説「アンナ・カレーニナ」に由来し、ロシアや東欧も のに特に強い関心がある彼ら。「ドゥムキー」(録音:2019年、MIR 472)が高い評価を得ましたが、今回はドヴォルザークとスークという組み合わせの新譜で す。ドヴォルザークの名曲第3番を中心に、ドヴォルザークの助言を受けながら仕上げられたスークの初期のピアノ三重奏曲 ハ短調、および、チェコの詩人ゼイエ ルに捧げられたエレジーというプログラム。演奏も彼らのドヴォルザーク愛と深い理解に裏打ちされた、非常に力の入ったものとなっています。ヴァイオリンのシャ ルロッテ・ジュイヤールは2021年からトリオのメンバーとして活動しています。
トリオ・カレニーヌはパリ国立音楽院でイザイSQに師事し、プレスラー、バイエルレらのマスタークラスを受講。第5回ハイドン室内楽コンクールで特別 賞/プロ・ムジチス協会賞を受賞。2013年、ミュンヘン国際コンクールで最高位(第2位)に輝きました。  (Ki)
MIR-650
冬のセレナード
(1)ドビュッシー:冬は嫌いだ(「シャルル・ドルレアンの3つの歌」より)
(2)ドリーブ:寒気の合唱
(3)フランス民謡:新しいノエル
(4)クロード・グディメル:精霊たち、聖なる夜に歌おう
(5)ウスタシュ・デュ・コロワ:ようこそ、栄光なる聖母
(6)プーランク:クリスマスのための4つのモテット
(7)パトリック・ブルガン:雪の夜
(8)サン=サーンス:冬のセレナード
(9)プーランク:白雪
(10)同:雪の夜
(11)ザド・ムルタカ:フランマ
(12)バスク民謡:若き乙女がいた
(13)アントワーヌ・ビュノワ:ノエル、ノエル、ノエル
(14)アントワーヌ・ブリュメル:ノエ、ノエ、ノエ
(15)フランス民謡:聖母よ、われらに歌いたまえ(クリストフ・バラールによる)
(16)ニコラ・サボリ:カンボが私を傷つける
(17)クローダン・ド・セルミジ:声のかぎりノエと叫ぼう
(18)アンリ・マルティネ:プチ・パパ・ノエル
※(2)(3)(15)(16)(18)ピエール・ジャノ編
ジョエル・シュービエット(指)
レ・ゼレマン

録音:2022年2月28日-3月5日 サン・ピエール・デ・キュイジーヌ教会(トゥールーズ)
トゥールーズを本拠とするアカペラ合唱団「レ・ゼレマン」は1997年創設。古楽から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つ彼らがクリスマスなどの祭事や冬 の寒さを歌います。
ドビュッシーやサン=サーンス、プーランクのほか、ルネサンス期の作曲家、民謡までフランスの冬の寒さと暖炉のあたたかさを音で味わえます。 (Ki)
MIR-656
ドビュッシー:6つの古代墓碑銘
牧神の午後への前奏曲【ラヴェルによる4手連弾版、1910年】
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(作曲者自身による4手連弾版)
ガイスター・デュオ〈マニュエル・ヴィエイヤール(プリモ)、ダヴィド・サルモン(セコンド)〉

録音:2022年4月26-28日、ベルリン、エルベルク教会・トーンストゥディオ、ドイツ
フランスのピアノ・デュオ、ガイスター・デュオが20世紀初頭の作品を録音しました。彼らは2021年のミュンヘン国際コンクール・ピアノ・デュオ部門で優勝、 一躍世界の注目を集めている気鋭のデュオです。
ドビュッシーの6つの古代墓碑銘(エピグラフ)はドビュッシーの友人ピエール・ルイスの詩集『ビリティスの歌』の朗読を伴走するための付随音楽として、 1890年にもともとフルート、チェレスタ、ハープのために書かれましたがこれは演奏されず、1914年にピアノ連弾曲として完成されました。ドビュッシーのギリ シアへのあこがれが込められた作品で、それぞれの詩の世界が巧みに描きだされています。
ラヴェルは「牧神の午後への前奏曲」の初演の場に居合わせました。牧神にはドビュッシー自身による2台ピアノ用編曲版もありますが、ラヴェルがこの作品を 4手連弾版に編曲したのは1910年(もしかしたらドビュッシーはそのことを知り、演奏もしたかもしれません)。管弦楽の魔術師ラヴェルは、管弦楽の音色をピア ノに落とし込んで表現することにも非常な才能を持っていた証といえる作品です。ガイスター・デュオの演奏はオーケストラのよう。ピアノ1台から描きだされる美 の世界は圧巻です。
「ペトルーシュカ」は作曲者自身による4手連弾版。ストラヴィンスキーは「ペトルーシュカ」をもともとピアノ協奏曲として構想、1911年にバレエ・リュスのた めにピアノも活躍する管弦楽によるバレエ音楽に仕立てますが、平行してピアノ4手版も作っていました。ストヴィンスキーはふだんより、作曲の際ピアノを用いて いたといいますから、この2台ピアノ版は、管弦楽版のピアノ・リダクションというよりもむしろもともとのストラヴィンスキーのアイデアをより生々しく感じること のできる版かもしれません。ガイスター・デュオのふたりは管弦楽版の響きも丹念に研究しつつも、ピアノから信じられないくらいに豊かな響きを、驚異的な精確 さ、かつエネルギッシュなリズムと迫力で演奏しています。 (Ki)
MIR-660
ブラームス:セレナード集
セレナード第2番イ長調Op.16
セレナード第1番ニ長調Op.11
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(指)
コンスエロO

録音:2022年9月30日-10月3日/ヴァンセンヌ・メディアセンター
チェロ奏者としても活躍するヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエールのイニシアティブで2019年に創設されたコンスエロO。コロナ禍でせっかくの活動 がままならぬ状態でしたが、これから本格的な世界進出が期待できます。各奏者がソロ、室内楽でも活躍する名手揃いで、フレッシュで生気あふれる解釈が魅力。
デビューCDはブラームス。それも最も若々しく明るいセレナードなのが大歓迎。今後に目が離せません。 (Ki)
MIR-662
ボヘミアのピアノ三重奏曲
ノヴァーク:ピアノ三重奏曲第2番ニ短調Op.27「バラード風」
フィビヒ:ピアノ三重奏曲ヘ短調
スメタナ:ピアノ三重奏曲ト短調Op.15
トリオ・エリオス【カミーユ・フォントゥノ(Vn)、ラファエル・ジュアン(Vc)、アレクシス・グルネー ル(P)】

録音:2022年7月8-12日/アルセナル=メス
2014年にパリ音楽院の学生により結成され、2017年のフォルジュルネ音楽祭で来日して注目されたフランスの若きピアノ三重奏団トリオ・エリオス。2021 年4月リリースの「フランスのピアノ三重奏曲」(MIR 564)に続く第2弾はチェコのピアノ三重奏曲集。それもドヴォルザークではなくノヴァーク、フィビヒ、スメ タナの3篇に挑戦。モラヴィア民謡を用いたノヴァーク、名作「詩曲」に通じる甘い叙情性香るフィビヒ、時代に先んじた超絶的ピアノ書法を見せるスメタナと聴き 応え満点の作品ばかり。トリオ・エリオスの演奏ともども若々しい情熱を堪能できます。 (Ki)
MIR-664
カプリス
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲*
バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992
ブラームス:カプリッチョ嬰ヘ短調Op.76の1
 パガニーニの主題による変奏曲第1集Op.35
レイナルド・アーン:ミニュミネク
フォーレ:ヴァルス・カプリス第2番変ニ長調Op.38
モーリス・オアナ:カプリス第1番「埋めて黙れ」
アルカン:イソップの饗宴Op.39の12
ナタナエル・グーアン(P)
アレクサンダル・マルコヴィチ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2022年12月20-21日ポーランド放送コンサート・スタジオ(ワルシャワ)*、10月24-27日シテ・ド・ソレーズ(2)-(8)
カプリス(カプリッチョ、奇想曲)は「気まぐれ」を意味し、自由な形式の楽曲を指します。それゆえか古今の作曲家たちは魅力的なものを残しました。ナタナエル・ グーアンはピアノのために書かれた「カプリス」およびそこから派生した作品を集めたコンセプト・アルバムを実現させました。
ナタナエル・グーアンは1988年生まれのピアニスト。パリ音楽院やジュリアードでピレシュ、ペヌティエ、バシキーロフらに師事しました。ラ・フォルジュルネ音 楽祭をはじめ今年(2023年)3月にも来日公演を行っています。技巧派で、リストやビゼーなどのディスクは高い評価を受けました。
アルバムの約3分の1を占めるのがラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」で、アレクサンダル・マルコヴィチ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアと共演。 タイトルはラプソディながらパガニーニの「カプリス第24番」を主題に用いていることで納得。余裕の技巧と鳴り響くピアノで美旋律を堪能させてくれます。録音 の良さも注目です。
残りはピアノ独奏で独仏作品が並びます。バッハの1700年代初頭の作「最愛の兄の旅立ちにあたって」からモーリス・オアナの1944年頃の「「埋めて 黙れ」まで250年近いカプリスの変遷を俯瞰できるのも興味津々。ここでもブラームスがパガニーニの「カプリス第24番」を主題に用いた名変奏曲が採りあげら れています。またアルカンの超絶的難曲「短調による12の練習曲」の終曲「イソップの饗宴」にも挑戦。唖然とする指回りと鍵盤上の跳躍を披露しています。
注目はレイナルド・アーンの未出版作品「ミニュミネク」。グーアンによればロワイヨモン修道院所蔵の草稿(1944年にアウシュヴィッツ収容所で殺されたピアニ スト、フランソワ・ラングのコレクション)の校訂を依頼されて知ったとのこと。曲自体は世界初録音でなく、LP時代にジャン・ドワイヤンが「3つの練習曲」の3 番目として録音していました。どこかスペイン色を帯びた情熱的な曲で、アーンのピアノ曲中でもとりわけ魅力的な一篇といえます。 (Ki)
MIR-668
ブクステフーデ:救世主〜受難と復活のカンタータ集
1. Jesu, meines Lebens Leben(イエスは我が生命の生命) BuxWV62
2. Furwahr, er trug unsere Krankheit(げに彼は我らの病を負い)BuxWV 31
3. Ich bin die Auferstehung(我は蘇りなり) BuxWV44
4. Laudate pueri(主をほめたたえよ)BuxWV 69
5. Befiel dem Engel, das er komm(来たれと天使に告げて言え) BuxWV10
6. Quemadmodum desiderat cervus(鹿の谷川を慕いあえぐがごとく) BuxWV92
7. Herr, ich lasse dich nicht(主よ、我汝を去らじ) BuxWV36
8. Herzlich lieb hab ich dich, o Herr(心より我汝を愛す、おお主よ) BuxWV41
リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指&ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ハンナ・バヨディ=ヒルト、イェツァベル・アリアス(S)
ダヴィド・サガストゥム(A)
ユーゴ・イマ(T)
マティアス・ヴィエヴェグ(Bs)

録音:2022年10月10-15日
ピエルロ率いるリチェルカール・コンソートの新譜はブクステフーデ。キリストの受難と復活を主題にしたカンタータを中心に選曲されています。劇的かつ慰めの 柔らかさもあわせもつサウンドは、聴き手をこの世の苦しみから解き放ってくれるようです。柔らかく、かつ鮮烈、そして自然な音楽に魅了される1枚です。レオナ ルド・ダ・ヴィンチ作とされる同名の絵画がジャケットに使用されています。
MIR-670
Momentum1
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲(ロ短調)
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ(ロ短調)
リヤ・ペトロワ(Vn/Helios、1735年カルロ・ベルゴンツィ製)
ロイヤルPO
ダンカン・ウォード(指)
アダム・ラルーム(P)

録音:[ウォルトン]2022年9月5日、ロンドン/[レスピーギ]2023年1月28-29日
2016年のカール・ニールセン・コンクールで優勝し一躍世界の注目を集めたペトロワ。最新盤となる本盤は、[Momentum(運動量、推進力、勢い)]シリー ズの第1弾。ウォルトンの協奏曲とレスピーギのソナタを収録。続編(2024年リリース予定)にはコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲とR.シュトラウスのソナタを 収録する、ウォルトンとコルンゴルトという2つの作品を軸に構成した意欲的なプロジェクトです。ウォルトンの協奏曲は1938年、続編に収録のコルンゴルトは 1945年という、激動の時代に作曲され、どちらもハイフェッツによって初演されました。今回収録のウォルトンとレスピーギのソナタはどちらもロ短調、さらにウォ ルトン作品にはイタリアを意識した楽章が含まれるといった共通点があります。
ウォルトンのヴァイオリン協奏曲は美しく抒情的に歌うヴァイオリンと、ゆらぎが美しいハーモニーの管弦楽のアンサンブルで始まります。第2楽章は「アッラ・ナ ポリターナ」でタランテラ風の超絶技巧な楽章。カラフルで活気に満ちたヴィヴァーチェの終楽章でのヴァイオリンとオケの丁々発止のやりとりも聴きものです。
レスピーギのソナタは非常にオペラティックで、ピアノがフル・オーケストラのように奏でる上で、ヴァイオリンが何か実際に歌詞のある歌を歌っているような旋 律を奏でます。
ペトロワの次の新譜は2024年リリース予定の[Momentun 2]、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲とR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタが予定されていま す。指揮と管弦楽はウォードとロイヤル・フィル、ピアノはアレクサンドル・カントロフです。
MIR-672
ハンガリー風狂詩曲集
バルトーク:ピアノ・ソナタ Sz.80、野外にて
コダーイ:マロシュセーク舞曲集
リスト:ハンガリー狂詩曲第5番ホ短調 「悲しい英雄物語」、第16番 イ短調、第10番ホ長調 「前奏曲」
ロドルフ・メンギ(P)
1997年パリ生まれのフランスの気鋭ピアニスト、ロドルフ・メンギのデビューCD。バルトーク、コダーイ、そしてリストらの、ハンガリーの伝統音楽に関連する 音楽をプログラムしています。抜群のリズム感と鋼のような力強さとしなやかさを備えたタッチで、それぞれの作曲家のメッセージの雄弁な語り部となって、個々 の楽曲の世界を圧倒的なスケールで描きます。単にテクニックを誇示するだけない、迫力と説得力に満ちた演奏です。
2015年、パリ国立高等音楽院でドニ・パスカルとヴァルドゥイ・イェリツィアンのクラスに満場一致で入学。2018年、フィリップ・ジャルスキ・アカデミーの「ヤ ング・タレント」に選ばれました。ラ・ロック・ダンテロン音楽祭などでそのピアノで会場を魅了しているほか、ソロ・室内楽で、バロックから現代まで幅広いレパー トリーで活躍しています。 (Ki)
MIR-674
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
シューマン:弦楽四重奏曲第3番イ長調 op.41
レオンコロSQ【〔ヨナタン・昌貴・シュヴァルツ (1st Vn)、アメリー・コジマ・ヴァルナー(2nd Vn)、近衞麻由 (Va)、ルカス・実(ミノル)・シュヴァルツ (vc)】

録音:2022年12月14-17日、テルデックス・スタジオ
2019年設立のレオンコロSQのデビューCDの登場。世界のコンクールで優勝を重ね、その名を確かなものにしている彼らの充実ぶりが遺憾なく発 揮された演奏です。ラヴェルもシューマンも、設立以来折に触れ演奏している作品で、細かなパッセージや休符にまでも熱い息吹が感じられ、それでいて非常に繊 細なタッチは、若きカルテットの驚くべき実力の証。他の追随を許さない彼らの境地があますところなく収められた、優秀録音です。
2019年に設立されたベルリンを拠点とするSQ。 レオンコロとはエスペラント語でライオンハートを意味します。 =かの児童作家、アストリッド・リンドグレンに「はるかな国の兄弟(英語タイトル、ブラザース・ライオンハート)」という二人の兄弟を描いた作品がある。物語が 織りなす死という抗いがたい現実と、癒しと慰めに対する心からのあこがれ、という二つのテーマは、演奏者にとって身近なものだ。作曲家たちは深い悲嘆に暮れ るときにも弦楽四重奏曲を含む楽曲をしたためることに慰めを見出してきたからです。=(アーティストHPより) 第1ヴァイオリンのヨナタンとチェロのルカスのシュヴァルツ兄弟、そして第2ヴァイオリンのアメリー・ヴァルナーとヴィオラの近衞麻由というメンバー。2019年 にイタリアのヴィルトゥオーゾ&ベルカント国際室内楽コンクールで優勝。2022年4月ウィグモア・ホール弦楽四重奏コンクール優勝および12ある特別賞のうち 9つを受賞。そして5月にもボルドー国際弦楽四重奏コンクールで優勝しています。 (Ki)
MIR-682
グリーグ:弦楽四重奏曲 第1番 ト短調 op.27(1878年)
スメタナ:弦楽四重奏曲 第1番 ホ短調 「わが生涯より」(1876年)
モディリアーニSQ【アモリ・コエイトー(Vn):1773年ジョヴァンニ・バッティスタ・グアダニーニ、ロイック・リョー(Vn):1734年製ガリアーノ 、ローラン・マルフェング(Va):1660年製ルイジ・マリアーニ 、フランソワ・キエフェル(Vc):1706年ゴフリラー「ヴァールブルク」】

録音:2022年12月6-9日、シューベルティアーデ、オーストリア
2003年に結成されたモディリーアニSQ。若々しいSQとしてスタートしましたが早くも活動20年を迎え、その演奏はフレッシュさとみ ずみずしさを保ったまま、深みと凄みを増した表現で世界から極めて高く評価されています。
今回彼らが取り上げたのはグリーグとスメタナ。海を隔て、国民性も異なる2人は、お互いを知りませんでしたが、ほぼ同時期に書かれた彼らの四重奏曲は、 作曲者自身の苦しい境遇の中で書かれたという点で共通しています。グリーグは、ピアノ協奏曲で賞賛され、ペール・ギュントで成功を収めた後、33歳でト短 調の四重奏曲に着手しました。グリーグは娘と両親の死、そして崩壊寸前の結婚生活という苦悩に満ちた自身の境遇を、四重奏という編成に、自身の歌曲「吟 遊詩人の歌」(op.25-1)の旋律をメインの素材に用いながら、この上ない高貴さもって打ち明けています。30分超の大作です。一方のスメタナも、チェコ音 楽の父として崇められながらも、50代で全聾になってしまい指揮者としてのキャリアを去ることを余儀なくされ、ボヘミア中部の村に隠棲し苦悩と貧困の生活を 送っていました。1876年12月29日に「わが生涯」と題して発表された本作にはそうしたスメタナの様々な思いが反映されているようです。モディリアー ニの面々が、16本の弦がひとつの楽器であるかのような一体感と、時にオーケストラのような熱と迫力あるサウンドで、これらふたつの劇的な作品を感動的に 響かせています。 (Ki)
MIR-684
Chants de l’Isole〜孤立の歌
フィリップ・エルサン(b.1947):Chants de l’Isole(孤立の歌)(P、ヴァイオリン、チェロ、弦楽オーケストラとパーカッションのための)(2014)
ブノワ・ムニュ(b.1977):Les Allees Sombres(暗い通り)(Vn、チェロとピアノのための三重奏曲第2番)(2013)
フィリップ・エルサン:ザッハーの名によるファンタジー(弦楽オーケストラのための)(2008初演)
ブノワ・ムニュ:岸辺から(P、パーカッション、弦楽オーケストラのための詩曲)(2022)
トリオ・カレニーヌ、ワロニー室内王立O、
ヴァハン・マルディロシアン(指)

録音:2022年3月31日-4月1日
フィリップ・エルサンとブノワ・ムニュ、世代は違いますが25年来の親交がある2人の作曲家の作品集。「孤立の歌」は2014年に第1次世界大戦の追悼行事 の一貫として書かれたもの。トラークルの詩にインスピレーションを得ています。国立ボルドー歌劇場とポワトゥ=シャラントOの委嘱により、トリオ・ヴァン ダラーに捧げられ、彼らによって初演されました。トリオ・カレニーヌは本作のパリ初演を担っています。 ブノワ・ムニュの作品「暗い通り」は1933年にノーベル文学賞を受賞したロシアの作家イヴァン・ブーニンの作品から題名をとっています。 ピアノ・トリオを軸とした編成による、多彩な世界が展開されています。 (Ki)

MIR-686
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番ニ短調 KV466
ピアノ協奏曲 第27番変ロ長調 KV595
アンヌ・ケフェレック(P)
リオ・クオクマン(指)パリ室内O

録音:2023年2月21-24日、フィルハーモニー・ド・パリ
現代を代表する名ピアニストの一人、国際的な舞台で活躍を続けるアンヌ・ケフェレックによる、モーツァルトのピアノ協奏曲の登場です。第20番では短調 での険しくも美しい表情。そして27番では、愛らしくもどこまでも気品に満ちた演奏。寸分の乱れもない、美しい真珠のような、恐るべき完璧さでととのった 粒立ちのタッチで、旋律が次々と美しく歌われてゆきます。円熟をきわめた先にある清澄の世界。クオクマン指揮のパリ室内管とのアンサンブルも、親密な対話 のよう。ケフェレック自身がライナーノートを執筆しており、そちらも注目です。
マカオO音楽監督・首席指揮者のほか、香港フィルの常任指揮者なども務めるリオ・クオクマン。2014年のスヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで 最高位を受賞。2016年まではフィラデルフィア管でネゼ=セガンの副指揮も任されていました。 (Ki)
MIR-688
デュール (Duelles)
(1)ヘンリエッテ・ボスマンス:ヴァイオリン・ソナタ(1918)
(2)グラジーナ・バツェヴィチ:カプリス第3番(1930)
(3)ドラ・ペヤチェヴィチ:スラヴ・ソナタOp.43(1917)
(4)バツェヴィチ:オベレク第1番(1951)
(5)マルグリット・カナル:ヴァイオリン・ソナタ(1925)
ラファエル・モロー(Vn)
セリア・オヌト・ベンサイド(P;YAMAHA CFX)

録音:2023年2月17日〜3月2日/ヴィルファヴァール農園
1996年生まれのラファエル・モローは、チェリスト、エドガー・モローの実妹のヴァイオリニスト。パリ音楽院でドガレイユに師事し、近年注目を集める逸材。
彼女が1992年生まれの個性派ピアニスト、セリア・オヌト・ベンサイドと20世紀4名の女性作曲家のヴァイオリン曲に挑戦。アルバム・タイトルのDuellesは「ふ たり」の意味のほかに「決闘」の女性形をも暗示しているようで、単なるメロディと伴奏に終わらない火花散らす共演を披露しています。
4名はオランダ、ポーランド、クロアチア、フランス出身で、それぞれの民族色を出しつつ、高度な作曲技法を駆使して聴き応えある作品に仕上げています。オラ ンダのボスマンスのソナタは最初期に作品で、あふれ出るエネルギーと才気に惹きつけられます。フランスで女性として最初にオーケストラを指揮したとされるカナ ル、自身がヴァイオリンの名手だったポーランドのバツェヴィチ、クロアチアの民俗素材によりながら、どこかロシアの感覚もあるペヤチェヴィチの作品までいずれ も宝物を発見したように興奮させられます。 (Ki)
MIR-698
E IL VIOLONCELLO SUONO〜そしてチェロは奏でられる
1. ジュリオ・タリエッティ(1660-1718):チェロと、スピネットあるいはヴィオローネで弾くアリア・ダ・スオナーレ19番よりアダージョ
2. ジューリオ・デ・ルヴォ(c.1650-c.1716):シャコンヌ
3. ヴィヴァルディ:チェロと通奏低音のためのソナタ ホ短調 RV40
4. ジュゼッペ・マリア・ダッラーバコ(1710-1805):独奏チェロのためのカプリッチョI ハ短調
5. ヴィヴァルディ:チェロと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調 RV46より「ラルゴ」
6. プラッティ(1607-1763):チェロと通奏低音のためのソナタ第3番/イ長調より「ラルゴ」
7. ジョルジョ・アントニオット(1681-1776):チェロと通奏低音のためのソナタ第4番 ニ短調 作品1より「ラルゴ」
8. ダッラーバコ:無伴奏チェロのためのカプリッチョ第4番ニ短調
9. マルチェッロ:チェロと通奏低音のためのソナタ第3番 ト短調より「ラルゴ」
10. ガスパロ・ガラヴァリア(18世紀):チェロと通奏低音のためのソナタ ト短調
11. ダッラーバコ:無伴奏チェロのためのカプリッチョ第4番ホ短調
12. ヴィヴァルディ:トリオ・ソナタ(Vn、チェロと通奏低音)ト長調 RV820
13. ジューリオ・デ・ルヴォ:タランテラ
ハンナ・ザルツェンシュタイン(Vc)、
ジュスタイン・テイラー(Cemb)、
ティボー・ルーセル(アーチリュート)、
アルベリク・ブ ルノワ(Vc)、
テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ(Vn)、
マリー=アンジュ・プティ(パーカッション )

録音:2023年10月9-13日、パリ、ドイツ福音主義教会
18世紀にソロ楽器として台頭してきたチェロの声をたどる1枚。18世紀、音楽家たちは自分が書いた作品の楽譜と楽器を携えて、ヨーロッパを旅していました。 そうした音楽家たちの作品を取り上げています。
18世紀、通奏低音の要であったチェロは次第にソナタ、独奏チェロなどの作品によって光をあびるようになります。ヴィヴァルディも、急速なパッセージなど、 ヴァイオリンの技巧をとりいれたパートをチェロのために書きました。アントニオットはミラノで生まれたヴァイオリン奏者で、政治的な理由でイタリアを追われスペイ ン、フランス、英国、スイスなどの宮廷で活躍しました。パリに居を構えた時に剣で手を負傷、その後チェロに転向しました。パリの聴衆は18世紀もなおヴィオラ・ ダ・ガンバの親密でより内省的な音色が好まれており、チェロが台頭してきていることに対して警鐘を鳴らす論文が発表されるなど、彼らがチェロを受け入れるに は時間がかかりました。このアントニオットの作品も、コントラスト、執拗なパッセージなど、チェロの楽器の魅力が発揮されるように書かれている一方、当時のパリ の人が挙げたチェロの「特徴(ヴィオラ・ダ・ガンバと比べて、当時のパリの人々にとっては刺激が強すぎた)」がよくもわるくも見られる作品となっています。ま た、無伴奏チェロの作品を書いたジュゼッペ・マリア・ダッラーバコは、95歳と長寿(ボッケリーニと同じ年に亡くなった)ですがバイエルンの宮廷に務めながらも 自由に音楽旅行もできたという恵まれた立場で、ギャラント様式および前古典派スタイルをとりながらも、バロックの余韻も色濃く残す作風が魅力です。音楽史的 にも音楽的にもきわめて興味深いプログラムとなっています。
ハンナ・ザルツェンシュタインは、パリ音楽院でロラン・ピドゥのもとで学び、その後はラ・フォル・ジュルネ音楽祭(ナント)など音楽祭などで、あるいはパリ音 楽院オーケストラのソリストとして、活躍しています。クリストフ・コワンのもとでバロック・チェロを学んだあと、ジュスタン・テイラー、テオティム・ラングロワ・ド・ スワルテらとともにル・コンソール(コンソート)を設立。ディヒター・トリオのメンバーでもあります。2023年、アタイールの新作(3つのチェロとソプラノのため の「アフリカの庭」)の初演にも携わりました。 (Ki)

MIR-704
チャイコフスキー:四季
(1)チャイコフスキー:四季Op.37a(全12曲)
(2)グリンカ:ノクターン「別れ」
(3)キュイ:セレナード〜アルジャントーにてOp.40より
(4)バラキレフ:ノクターン第3番
(5)グリンカ(バラキレフ編):ひばり
(6)ムソルグスキー(チェルノフ編):禿山の一夜
ドミートリー・マスレエフ(P)

録音:2022年6月17-18日、2023年6月28-29日モスフィルム・スタジオ1
2015年第15回チャイコフスキー国際コンクール、ピアノ部門の優勝者ドミートリー・マスレエフ待望の新録音登場。すべて19世紀ロシア作品なのも魅力的です。
このアルバムはマスレエフが2023年1月に生まれた第一子へ捧げたもの。彼自身、幼時に両親から初めてプレゼントされた楽譜がチャイコフスキーの「四季」で、 子供心にそのすべてにワクワクしたことを思い出しメインとしました。曲集も1月から始まっているため、わが子が初めて経験する一年を音楽で語りたい気持ちに あふれています。フィルアップ曲も魅力的。メランコリックでロシア的抒情性に満ちたグリンカのノクターン「別れ」、五人組のキュイのスペイン色に満ちた「セレナー ド」、華麗なピアニズムに彩られたグリンカの歌曲「ひばり」のバラキレフ編など味わいに富んでいます。
もうひとつの圧巻はムソルグスキーの「禿山の一夜」のチェルノフ編によるピアノ版。迫力と怪奇趣味を楽しめます。
MIR-714(3CD)
リスト:「巡礼の年」
[CD1]
・巡礼の年第1年『スイス』
「ウィリアム・テルの礼拝堂」、「ワレンシュタット湖畔で」、「牧歌」(パストラール)、「泉のほとりで」、「夕立」、「オーベルマンの谷」、「牧歌」(エグローグ)、「郷愁」、「ジュネーヴの鐘」
[CD2]
・巡礼の年第2年『イタリア』
「婚礼」、「物思いに沈む人」、「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」、「ペトラルカのソネット 第47番」、「ペトラルカのソネット 第104番」、「ペトラルカのソネット 第123番」、「ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲」
・巡礼の年第2年補遺『ヴェネツィアとナポリ』
「ゴンドラを漕ぐ女」、「カンツォーネ」、「タランテッラ」
[CD3]
・巡礼の年第3年
「夕べの鐘、守護天使への祈り」、「エステ荘の糸杉に寄せて-葬送歌(第1)」、「エステ荘の糸杉に寄せて-葬送歌(第2)」、「エステ荘の噴水」、「哀れならずや-ハンガリー風に」、「葬送行進曲」、「心を高めよ」
ニコラ・アンゲリッシュ(ピアノ)

録音:2003年
名盤として名高いニコラ・アンゲリッシュのリスト「巡礼の年」全曲録音が再登場します(MIR.9941の再発売)。 アンゲリッシュは1970年アメリカ生まれ。母親の手ほどきで5歳でピアノを始め、7歳でモーツァルトのピアノ協奏曲第21番を演奏して演奏会デビュー。13 歳でパリ国立高等音楽院に入学、チッコリーニ、イヴォンヌ・ロリオ、ミシェル・ベロフ、マリー=フランソワーズ・ブッケに師事。ピアノと室内楽でプルミエ・ プリを獲得。フライシャー、バシキロフ、ピリスらのマスタークラスも受講しました。1989年ロベール・カサドシュ国際ピアノコンクールで第2位、1994年ジー ナ・バッカウアー国際ピアノコンクール優勝。2002年、フライシャーからルール国際ピアノフェスティヴァルにおいてヤング・タレント・アウォードを授けられます。 2013年、2019年、ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークの器楽ソロ奏者を受賞。アルゲリッチ、諏訪内晶子、ヴェンゲーロフらといった世界的奏者との室 内楽も活発に行っていた。2021年6月以来、健康上の理由で(慢性的な呼吸器疾患)で演奏会から遠ざかっていましたが、2022年4月に亡くなりました。 世界最高峰の指揮者、オーケストラから慕われ、また高く評価され、数えきれないほどのアーティストの理想的な室内楽パートナーだったアンゲリッシュ。その天 才的な経歴だけでなく、彼の「聴く」という能力の素晴らしさ、他社への極度ともいえるまでの配慮、そして完全な慈悲深さ、すべてにおいて傑出した存在でした。 2003年にMIRAREが行ったこのリストの録音は、アンゲリッシュの代表的名盤。このたび追悼盤として再登場しました。
MIR-720(6CD)
D.スカルラッティ:100のソナタ集/ピエール・アンタイ
[Disc1]
ソナタ ニ長調 K.535/イ短調 K.3/イ短調 K.175/イ短調 K.208/イ短調 K.54/ヘ短調 K.185/変ロ長調 K.248/変ロ長調 K.249/変ロ長調 K.310/ニ長調 K.299/ニ長調 K.484/ホ長調 K.162/ハ長調 K.199/ニ長調 K.145/ニ短調 K.141/ホ短調 K.531/ニ長調 K.177/ニ長調 K.492
[Disc2]
フーガ ニ短調 K.58/ヘ短調 K.239、変ホ長調 K.370、変ホ長調 K.371、ホ長調 K.135、ホ長調 K.215、ホ長調 K.216、嬰へ短調 K.25、ロ長調 K.261、ロ長調 K.262、ホ短調 K.263、ホ長調 K.264、ト長調 K.314、ト長調 K.259、ト長調 K.260、ハ短調 K.84
[Disc3]
ニ短調 K.213、ニ長調 K.214、ロ短調 K.227、ニ長調 K.511、ト短調 K.8、ハ短調 K.56、ハ短調 K.526、ヘ長調 K.468、ヘ長調 K.525、ヘ短調 K.466、ヘ長調 K.366、ヘ長調 K.276、ヘ長調 K.151、ニ短調 K.517、ロ短調 K.27、ト長調 K.146
[Disc4]
イ長調 K.212、ニ短調 K.247、ト長調 K.144、ハ長調 K.133、ヘ短調 K.204a、イ長調 K.279、イ長調 K.533、イ長調 K.405、ホ短調
K.402、ホ長調 K.403、ホ長調 K.381、イ長調 K.208、イ長調 K.456、イ長調 K.457、ハ短調 K.302、ト長調 K.201、ニ長調 K.45
[Disc5]
変ロ長調 K.551、変ホ長調 K.474、変ホ長調 K.475、変ホ長調 K.252、変ホ長調 K.253、ト長調 K.547、ロ短調 K.87、ホ長調 K.28、
イ長調 K.211、ニ長調 K.401、ニ長調 K.388、ニ長調 K.277、ト長調 K.124、ハ長調 K.157、ヘ短調 K.238、ヘ長調 K.205
[Disc6]
ニ長調 K.119、ト短調 K.179、ト短調 K.234、ハ長調 K.501、ハ長調 K.502、ヘ短調 K.69、ト短調 K.43、ハ長調 K.384、ハ長調
K.487、ハ長調 K.170、ヘ長調 K.6、変ロ長調 K.550、ニ短調 K.18、変ロ長調 K.544、変ロ長調 K.273、ニ長調 K.161、ト長調 K.477
ピエール・アンタイ(Cemb)


[Disc1] 録音:2002年
[Disc2] 録音:2004年
[Disc3] 録音:2005年
[Disc4] 録音:2015年
[Disc5] 録音:2016年
[Disc6] 録音:2003年
ピエール・アンタイがMIRAREで録音したドメニコ・スカルラッティのソナタ集(6枚)がボックスで登場します。チェンバロ1台のはずなのに、まるでオーケス トラによるオペラの序曲を聴いているかのような迫力の作品から、民族音楽の香りが感じられる作品まで、D.スカルラッティの一曲一曲のキャラクターが色鮮やか な絵画のように響きます。アンタイという存在を通して、18世紀のヴィルトゥオーゾ・スカルラッティの演奏を追体験しているような感覚になる充実のボックスです! (D.スカルラッティは555はくだらないという数のソナタをのこしており、このボックスには100のソナタ+フーガ1曲が収録されています)
MIR-724
ORIGINES〜オリジン/レ・ズィティネラント
[Creation〜創造]
1. ビッグ・バン/複数の借用(引用)による作品
 編曲:マノン・クサン、エロディー・ポン、ミヒャエル・マグリン
[Earth〜土]
2. トゥンカ・ロワンピ(Tunka Lowampi)/ラコタ(スー族)の伝統音楽
 編曲:エロディー・ポン
3. ウォーキング・ソング(Waulking Song)/スコットランド、アイルランドの伝統音楽
 編曲:ポーリーヌ・ラングロワ・ド・スワルテ
4. オロヴェラ(OROVELA)/ギリシアの伝統音楽
5. 愛の神に讃美あれ(ACK LOVA GUD)/スウェーデンの伝統音楽
 編曲:マノン・クサン
[Fire〜火]
6. 女戦士たちのダール(DAHR SAELLI)/リリアン語(ド・スワルテが造った言語)による
 作詞・編曲:ポーリーヌ・ラングロワ・ド・スワルテ
7. アデス・キリイ(ADES KIRIJ)/ムンハリ語(マノン・クサンが造った言語)の作品
 作詞・編曲:マノン・クサン
8. ドラゴ(DRAGO)/リトアニアの伝統歌〜エルダリ語(エロディー・ポンが造った言語)の作品
9. カテル(KATELL)/迷子のカテリーヌ(ブルターニュ伝承の物語)〜フレン(Fulenn)
 作曲:アレクシス・モルヴァン=ロジウ、詞:マリーヌ・ラヴィーニュ、編曲:エロディー・ポン
[Water〜水]
10. 水の月(MIZU NO TSUKI)〜日本の歌にインスパイアされた作品
 編曲、作曲:エロディー・ポン
11. プーランク:かわいい小さなお姫様(C’EST LA PETIT’ FILLE DU PRINCE)
 編曲:マノン・クサン
12. 古池や(FUUR IKE YA)〜日本の歌にインスパイアされた作品
 編曲・作曲:エロディー・ポン
13. ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
 詞と編曲:ポーリーヌ・ラングロワ・ド・スワルテ
[Air〜空気]
14. 空気は飛んでいく(AER ENIM)〜ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの作品
15. ULETAY(イーゴリ公)〜だったん人のおどり
 編曲:マノン・クサン
16. AESTAS〜夏はきたりぬ(中世イングランド)〜Amor Potest Conqueri 〜Ad Amorem et Alle Psallite Cum Luya
 編曲:ポーリーヌ・ラングロワ・ド・スワルテ
17. LOOMINE〜エストニア
 編曲:エロディー・ポン
[Ether〜エーテル]
18. TERRA MATER*〜ヒルデガルト・フォン・ビンゲンのテキストによる作曲およびポーリーヌ・ラングロワ・ド・スワルテの音楽
レ・ズィティネラント〔マノン・クサン(声 )、ポーリーヌ・ラングロワ・ド・スワルテ(声 )、エロディー・ポン(声 )〕
ティエリー・ゴマル(パーカッション)
Irvem聖歌隊*(トラック18のみ参加)

録音:2023年9月1-5日、サン=ローラン教会
Les Itinerantes(レ・ズィティネラント)は旅人たち、あるいは巡回・移動する人たち、といった意味の名を冠する、3人の女性によるア・カペラ・ア ンサンブル。11の音楽スタイル、9世紀にわたる、40の異なる言語をレパートリーとしています。オリジナル曲とアレンジにより、3人のシンガーは、自分た ちにとって大切なテーマを発展させます。「"起源 "というテーマを掘り下げることにより、私たちの存在がいかに奇跡的な確率によって生まれたものであるか、 ということをあらためて実感した。こうして私たちは観察者、あるいは通行人の状態にもどることができた。私たちの歌は、何千年も前に消えてしまった他の人々 の歌声のように響く。音楽は、他の世紀や他の文化との対話が可能な目に見えぬ世界をもたらしてくれます。音楽はまた、その存在の神秘をも運んでくれます。音 楽は人類に寄り添ったものなのだ。有史以前より、人類は音楽を作り、歌ってきた。そしてすべてのアーティストと同じように、作曲家も、聴いたり体験したも のからインスピレーションを得て、創作し、共有してきた。このアルバムで、元素をめぐる旅の中で、人類が歌うようになったきっかけを伝えたい。きっかけとは、 何かとつながるため、あるいは儀式のため、あるいは踊り、力づけ、敬い、語り継ぐため・・・。音楽はまた文化や時代のかけはしであり、今存在している 音楽が、過去に口頭であれ筆記であれ時代を超えて伝承されてきた文化に根ざしていることをあらためて実感させてくれる」
古から伝わる伝統歌と、自らつくりあげた言語、あるいは様々な国・地域の言語による、古から伝わる物語や感情の歌を組み合わせた、独特の世界。どのトラッ クも奥深いものですが、たとえばリトアニアの伝統歌の旋律に基づくDRAGOの冒頭は、ストラヴィンスキー「春の祭典」の冒頭にもほぼそのまま聴かれるも ので驚かされます!これは結婚式の歌で、姉(または妹)が農奴との結婚を望んでおり、彼女を待つ生活には様々な足枷があるだろうこと、そして幸せな生活 を送ることが難しいかもしれないことを嘆く女性の歌ということです。その後は竜との戦いの物語で、中世の叙事詩の精神にのっとった内容を、エルダリ語(エ ロディー・ポンが造った言語)で描いた部分が続きます。竜と戦うことは、恐怖や困難を越えることのメタファーなのです。このように、伝統をひとつのきっか けとして、彼女たちの創造性は無限に広がっているのです。日本の伝統的な歌としてとりあげられているのは、さくらさくらや、荒城の月。打楽器奏者がガム ランのような音色を奏でる中、声でお琴の音色を再現して「さくらさくら」を歌う場面なども聴かれます。 (Ki)

MIR-9911
17世紀後半ドイツの独唱曲集
J.C.バッハ:哀歌, ああ、たっぷり水があったなら、
C.ベルンハルト:なにがおまえを悩ませるのかわが魂よ、
C.ガイスト:だがそれはあの方が十字架につけられていた場所のそばだった、悲しみよ!心の痛みよ!、
J.M. バッハ:ああどんなにそのときを待ち焦がれているでしょう、
J.A.ラインケン:ソナタイ短調、
N.ハッセ:永遠について、
J.フィッシャー:嘆きの詩
カルロス・メーナ(CT)
リチェルカール・コンソート
[フランソワ・フェルナンデス(Vn)、
マヤ・ジンルバーシュタイン(Vn)、
ドメン・マリンチッチ(Va)、
ギズレン・ヴァウターズ(ヴィオール/Vn/Va)、
ライナー・ツィパリング(ヴィオール/チェロ)、
上村かおり(ガンバ)、
ブライアン・フィーハン(テオルボ)、
フランシス・ジャコブ(Org/Cemb)、
フィリップ・ピエルロ(ヴィオール/ディレクター)]

録音:2000年1月、ブラ教会、ベルギー
MIR-9913
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番、
ロンドイ短調K.511、
デュポールのメヌエットによる変奏曲、
幻想曲ニ短調K.397/ハ短調K.475
アンヌ・ケフェレック(P)

録音:2001年
粋のパリジェンヌであるケフェレックは、来日公演のバッハなどでも実証済のように、ドイツ系作品でも緻密な構成感を堅持した演奏を聴かせてくれます。持ち前のクリスタルのようなタッチをふんだんに盛り込みながら、特に短調作品から醸し出される夕映えのような色彩と沈静感が聴く側の心に迫ります。1曲目の「ロンド」冒頭から語り掛けるような絶妙な間合いから引き込まれ、「変奏曲」は、雰囲気満点の優秀録音と相俟って、チャーミングなタッチが耳から離れません。白眉はハ短調ソナタ!バッハにも通じる堅固な構成感と一貫した緊張感が全編に貫き、この曲独特の激情を美しいフォルムで表出。第2楽章のフレージングの深みと気品など、ケフェレックの魅力の真髄と言えましょう。最後に置かれた「幻想曲」は、グールドの気の遠くなるスローテンポによる名演もありますが、それとは別次元の凛としたドラマ性で訴えかけます。録音がまた雰囲気満点!【湧々堂】
MIR-9918
D・スカルラッティ チェンバロ・ソナタ集
K535 ニ長調/K3 イ短調,K175 イ短調/K208 イ短調,K54 イ短調/K185 ヘ短調,K248 変ロ長調/K249 変ロ長調,K310 変ロ長調/K299 ニ長調,K484 ニ長調/K162 ホ長調,K199 ハ長調/K145 ニ長調,K141 ニ短調/K531 ホ短調,K177 ニ長調/K492 ニ長調
ピエール・アンタイ(Cemb)

録音:2002年 ハールレム
※使用楽器:1720年無名製をモデルに、1999年テューリンゲのユルゲン・アマー複製
MIR-9920
D.スカルラッティ:チェンバロ・ソナタ集Vol.2
フーガ ハ短調K.58
ソナタ集〜ヘ短調K.239/変ホ長調K.370
 変ホ長調K.371/ホ長調K.135
 ホ長調K.215/ホ長調K.216
 嬰へ短調K.25/ロ長調K.261/ロ長調K.262
 ホ短調K.263/ホ長調K.264/ト長調K.314
 ト長調K.259/ト長調K.260/ハ短調K.84
ピエール・アンタイ(Cemb)
MIR-9930(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 ピエール・アンタイ(Cemb)

録音:2001年&2002年 ハールレム
※使用楽器:ユルゲン・アンマー製作、1999年(1720年 テューリンゲンの無名氏制作による楽器のコピー)
MIR-9931
17世紀イタリアとスペインの音楽
マラッツォーリ:「薔薇について」、
ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィターリ:カプリッチォ「イル・モルツァ」、
マラッツォーリ:カンタータ「おお、死すべき定めの者よ」、
マラッツォーリ:チャコーナ、
フアン・ナバス:「草茂る野を統べる薔薇よ」、
ファルコニエーロ:フォリアス、
マラッツォーリ:「ごきげんよう、新しい四月よ」
アリアンナ・サバール(S)
リチェルカール・コンソート

録音:2002年10月20ー24日、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ教会
MIR-9941(3CD)
リスト:巡礼の年(全曲) ニコラ・アンゲリッシュ(P)

録音:2003年
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでも大変な人気を博したピアニスト、ニコラ・アンゲリッシュ、彼の名が一躍知られたのがこのリストの大作「巡礼の年」全曲の録音でした。 (Ki)
MIR-9945
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ピエール・アンタイ(Cemb)

録音:2003年 洗礼派教会、ハーレム、オランダ。使用楽器:ヨンテ・クニフ&アルノ・ペルト制作(2002)
MIR-9955
愛の夢
リスト:愛の夢
シューマン:謝肉祭〜キアリーナ/ショパン
ショパン:夜想曲(遺作)
シューマン:火の鳥
クララ・シューマン(リスト編):ひめごと
リスト:コンソレーション 第3番
ショパン:練習曲 ハ短調「革命」Op.10-12
メンデルスゾーン:ヴェネツィアの舟歌 ト短調Op.19-6
  嬰ヘ短調Op.30-6
リスト:悲しみのゴンドラ 第2番
シューマン:謝肉祭〜間奏曲
シューベルト:セレナード
メンデルスゾーン:春の歌
シューマン:子供の情景〜見知らぬ国と人々から
ショパン:夜想曲Op.15-2
 ワルツ イ短調(遺作)
シューマン:トロイメライ
モーツァルト:コンフタティスとラクリモサ
リスト:暗い雲
ブリジット・エンゲラー(P)
MIR-9968
ヴィヴァルディ:独唱のための宗教作品集
サルヴェ・レジーナ RV.616
スターバト・マーテル ヘ短調 RV.621
ヴィオラ・ダモーレ協奏曲 ニ短調 FII-2
独唱,ヴィオラ・ダモーレ,弦楽合奏と通奏低音の為の「ニジ・ドミヌス」RV.608
■ボーナストラック:「ニジ・ドミヌス」の第7曲「父と子、聖霊に栄光あれ」の為の差し替え異稿版
カルロス・メーナ(CT)
フランソワ・フェルナンデス(ヴィオラ・ダモーレ)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
リチェルカール・コンソート
「ニシ・ドミヌス」の「グロリア・パトリ」にあるヴィオラ・アッリングレーゼという指定は、従来、ヴィオラ・ダモーレと解釈されてきましたが、近年、ヴィオラ・ダ・ガンバであるという研究結果もあるため、聴き比べができるよう、ピエルロ自らの伴奏で最終トラックに収録されています。  (Ki)
MIR-9969
アントニオ・ベルターリ:ヴァロローゾ(腕のよいヴァイオリニスト)
アントニオ・ベルターリ(1605-1669):2、3、5、6声の為のソナタ(7曲)/シャコンヌ
レオポルト1世:「天の女王」(ベルターリ作曲:ヴィオール伴奏部)
作曲者不詳(クロムニェジーシュ写本):ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナティナ
フランソワ・フェルナンデス(Vn)
カルロス・メーナ(CT)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(指)
リチェルカール・コンソート

録音:2003年9月21-24日ベルギー、ブラ=スュル=リエンヌ教会
アントニオ・ベルターリ(1605−69)は、イタリア出身のオーストリアの作曲家、ヴァイオリニスト。生地で修業した後、若くしてウィーン宮廷に仕え、モンテヴェルディと並ぶ評価を得ていました。作風はヴェネツィア楽派の影響を得て華麗で鮮烈なもの。マリーニ、ファリーナからシュメルツァー、ビーバーへのヴァイオリン曲の流れの中で、確固たる位置を得ていた彼らしい作品が集められています。ヴィヴァルディの作品集では、ヴィオラ・ダモーレを受け持っていたフェルナンデスが、本職のヴァイオリンで遺憾なく力量を発揮し、特にシャコンヌにおいて、華麗で鮮烈な作風を余すことなく伝えてくれています。また、メーナも、ベルターリが伴奏部を作曲した、レオポルト1 世のなかなか味わい深い作品で歌っており、ベルターリの声楽作品という別の一面を伝えてくれます。作曲者不詳の1 曲はベルターリのものと推測される作品で、ピエルロ自らが受け持っています。 (Ki)
MIR-9972
ベートーヴェン:珠玉の名曲集
エリーゼのために
ゴッド・セイヴ・ザ・キングによる7つの変奏曲 WoO.78
アンダンテ・ファヴォリ WoO.57
ピアノ・ソナタ第14番「月光」
バガテルOp.33-1/Op.119-1/Op.119-3
 Op.119-11/
なくした小銭への怒り
創作主題による6つの変奏曲 ヘ長調Op.34
アンヌ・ケフェレック(P)
「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン〜ベートーヴェンと仲間たち」が、2005年4月下旬に東京国際フォーラムにて開催されます。三日間、朝から晩までベートーヴェンづくしという前代未聞のまさに狂気の沙汰ともいえるこの「ラ・フォル・ジュルネ」は、本国フランスではお客さんの6割がクラシックを初めて聴く人とか。料金も1500円と超破格!しかし、アーチスト陣はそれに不釣合いなほど実に豪華!MIRAREの2アイテムは、そのアーチスト2人による注目盤です!このケフェレック盤は、全て公演曲目という親切さ!モーツァルトの名演からも、このベートーヴェンの素晴らしさは容易に想像されます。  (Ki)

MR-301147
グラント・フォスター:ピアノ曲集
ロマンス嬰ハ短調/ロマンス.ハ長調
ピアノ・ソナタ/エレジー
ブィドロ/6つの前奏曲/バラード
グラント・フォスター(P)

録音:2015年9月19-20日/イワキ・オーディトリアム(メルボルン)
グラント・フォスターは1945年生まれのオーストラリアの作曲家。日本ではあまり知名度が高くありませんが、オーストラリアではメロディアスな映画 音楽で人気を誇っています。シドニー音楽院でピアノを学んだ後、パリでマルセル・シャンピに師事。長くヨーロッパに住み、ピアニストとしてもイギリス のハローズが独自に制作するCDシリーズで腕前を披露しています。
彼の音楽は全く現代的なところがなく、ラフマニノフを思わす叙情的なメロディとロマンティックな情感にあふれ、稀にみるメロディ・メイカーぶりを発揮。 聴けばファンになってしまう魅力にあふれています。
このアルバムはグラント・フォスター自身が自作を披露。「エレジー」以外は世界初録音で、フォスターのピアノ曲をじっくり堪能できます。「ブィドロ」は、 ムソルグスキーの「展覧会の絵」中の同名曲に触発されたオランダの画家ヘームストラのエッチングの印象を音楽化。すべてのテーマとなっているフォスター の創作の源泉は「愛」。音楽を聴けば、とてつもない愛に満ちた世界を感じることができます。 (Ki)


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