湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



ONDINE
(フィンランド)




※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
OCTO-412
ルロイ・アンダーソン:そりすべり、
ハワード・ブレイク
:ウォーキング・イン・ジ・エアー、
マルック・ユーハンソン
:年月が速く過ぎると、民謡、毎日がクリスマス、クリスマスの輝き、
オスカル・メリカント
:クリスマスがやってきた、
エーリク・リンドストレム:昨日のクリスマス、
マルック・ユーハンソン:クリスマスの星(メドレー)、
リューリ・ヴァルティオヴァーラ=カッリオニエミ
:トントゥ、
ウォルター・ケント:アイル・ビー・ホーム・フォー・クリスマス、
レイノ・マルックラ:踊るスノーマン、
ルロイ・アンダーソン:クリスマス・フェスティヴァル、
ハワード・ブレイク
:ウォーキング・イン・ジ・エアー
マリ・パロ(S)、ペトリ・ベクストレム(T)、
ラッセ・ヒルヴィ(P)、ヴァンター・ポップスO、
ヴァンター・ポップスO・スウィングバンド、
マルック・ユーハンソン(Tp、フリューゲルホルン、指)、
ヴァンター音楽学校cho
イギリスの作曲家ハワード・ブレイクがTV アニメーション「スノーマン」のために書いた音楽からの1曲、《ウォーキング・イン・ジ・エアー》をメインに、ヘルシンキ国際空港のあるヴァンター市のミュージシャンたちと祝うポップでハートウォーミングなひととき。ちょっとメランコリックな表情が、フィンランドのクリスマス! (Ki)
ODE-698(1CD)
[カタログ付]
モーツァルト:アリア集
「コジ・ファン・トゥッテ」〜岩のように動かずに,お願い許して恋人よ、コンサート・アリア「私のうるわしい恋人よさようなら」 K528、「ツァイーデ」〜やすらかにおやすみ下さい、コンサート・アリア「ああ、私には分かっていた」 K272、「フィガロの結婚」〜楽しい思い出はどこへ、コンサート・アリア「どうしてあなたを忘れよう」 K505
ソイレ・イソコスキ(S)、
マリタ・ヴィータサロ(P)、
ペーター・シュライヤー(指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:2004年1月
フィンランド屈指のクラシック・レーベルONDINE のカタログ付CD。ジャケットも一新。 ベテラン・ソプラノ歌手ソイレ・イソコスキによる名盤、絶品のモーツァルト・アリア集。凛とした美しさが際立った歌唱と多彩なプロ グラムで、聴くものを存分に楽しませてくれます。バックも往年のモーツァルト・テノール、ペーター・シュライヤーの指揮。 (Ki)
ODE-733
チャイコフスキー:ヴァイオリンとピアノの為の作品全集
瞑想曲Op.42-1
ワルツ・スケルツォOp.34(完全版)
憂欝なセレナードOp.26、スケルツォOp.42-2
メロディOp.42-3、ユモレスクOp.10-2
弦楽四重奏曲第3番第3楽章(作曲者自身による編曲)
オレグ・カガン(Vn)
ワシーリー・ロバノフ(P)

録音:2004年1月
ODE-754
シベリウス:合唱の為の作品集
カンタータ「我が祖国」/スネフリード/
即興曲/ヴェイノ讃歌/アテネムの歌/
カンタータ「大地讃歌」、他
エリ・クラス(指)ヘルシンキ歌劇場O&cho
ODE-773
シベリウス:弦楽四重奏曲 イ短調 原典版
弦楽四重奏曲 ニ短調「親愛の声」Op.56
シベリウスSQ
ODE-809
オイストラフ&ビーチャム
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲*
 交響曲第7番ハ長調Op.47#/
 タピオラOp.105#
ダヴィド・オイストラフ(Vn*)
ニルス・エリク・フーグシュテット(指)*
フィンランドRSO*
トーマス・ビーチャム(指)ヘルシンキPO#

録音:1954年ライヴ
ODE-813
シベリウス:劇音楽「テンペスト」(全曲)
(オリジナルのデンマーク語による世界初録音)
モニカ・グロープ(S)
ライリ・ヴィリャカイネン(S)
ヨルマ・ヒュンニネン(Br)
ヨルマ・シルヴァスティ(T)
サウリ・ティーリカイネン(Bs)
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)
フィンランドRSO、
オペラ・フェスティヴァルcho
ODE-823
シベリウス:歌曲集「6つの歌」Op.36〜黒いばら/インガリル/三月の雪の上のダイヤモンド、他 ヨルマ・ヒュンニネン(Br)
レイフ・セーゲルスタム(指)
タンペレPO
ODE-829
ギヤ・カンチェリ(1935-):交響曲第1番
交響曲第4番「ミケランジェロの思い出」
交響曲第5番
ジェイムズ・デプリースト(指)
ヘルシンキPO
ODE-830
シベリウス:ロマンスOp.42、
 即興曲、愛人Op.14
 田園組曲Op.98
 ユーモレスク[第3番/第4番]
 アンダンテ・フェスティヴォ
 カンツォネッタOp.62a
 性格的な組曲Op.100
ペーテル・チャバ(Vn)(指)
ヴィルトゥオージ・ディ・クフモ
ODE-850
シベリウス:初期室内楽作品集 Vol.2

(1)ヴァイオリンとピアノの為の組曲 ホ長調
(2)アダージョ ニ短調/マルティン・ヴェゲリウスの為のフーガ
(3)ヴァイオリンとヴィオラの為の二重奏曲 ハ長調
(4)ピアノ三重奏曲 ハ長調 " Lovisa "
(5)ヴァイオリンとチェロの為の「水滴」
(1)[ペッカ・クーシスト(Vn)、ライヤ・ケルッポ(P)
(2)ジャン・シベリウスSQ
(3)新井淑子(Vn)、セッポ・キマネン(Vc)
(4)新井淑子(Vn)、セッポ・キマネン(Vc)、ユハニ・ラゲルスペッツ(P)
(5)新井淑子(Vn)、セッポ・キマネン(Vc)
ODE-852
シベリウス:組曲「レミンカイネン」〜4つの「カレワラ伝説」Op.22
タピオラOp.112
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
ODE-856
シベリウス:歌曲集
夕べに/夢見ていただけなのかしら?/
3月の雪のダイヤモンド/鳥の遊び/流木/
泳げよ/アヒル/春は過ぎてゆく/
初めての口づけ/逢引/アリオーソ/
歌曲集「花の歌」Op.88/北/とんぼ/
黒い薔薇/5月、他
カリタ・マッティラ(S)
イルモ・ランタ(P)
ODE-857
モニカ・グループの歌うクリスマス(全18曲)
コチライネン(1868-1936): Christmas is Come
ヘイノ・カスキ(1885-1957): Snowbound Cottages Sleep
グルーバー(1787-1863):きよしこの夜*
作曲者不詳:There in the Hay of the Ox's Stall *
ノルドクヴィスト(18861-1949): Yule, Yule, Radiant Yule
テグネール(1864-1943):ベルレヘムの星*
レーガー:マリアの子守歌
レイヴィ・マデトーヤ(1887-1947): Cast off Thy Everyday Cares
スリョ・ランタ(1901-1960):Taas kaikki kauniit muistot
カール・コラン(1828-1871):シルヴィアのキャロル
セリム・パルムグレン(1878-1951): The Virgin Rocks Her Baby Boy
J.A.P.シュルツ(1747-1800): Hurry, Children *
コチライネン: A Sparrow on Christmas Morning
メラルティン(1875-1937): The Christchild's Lullaby
ヴォルフ: The Sleeping Christchild / Make Your Way, Maria
バッハ: O Little Jesus
バッハ(グノー編):アヴェ・マリア
モニカ・グループ(Ms)
マルクス・レヘティネン(指)タンペレPO、
シュンパーティ青少年cho*
ODE-864
タン・ドゥン:アウト・オブ・ペキン・オペラ(ヴァイオリンと管弦楽の為の;1990)
死と炎(1992)
オーケストラル・シアターII:Re(1993)
ムハイ・タン(指)ヘルシンキPO
チョーリャン・リン(Vn)
カレヴィ・オリ(Bs)
カリ・クロプス(第2(指)者)
ODE-869
ラウタヴァーラ:交響曲第7番「光の天使」
オルガン,金管グループと管弦楽による「受胎告知」*
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
カリ・ユッシラ(Org)*

録音:1995年8月
ODE-871
シベリウス:名曲集
カレリア組曲Op.11/伝説/ポヒョラの娘/
悲しいワルツ/フィンランディア
トゥオマス・オッリラ(指)タンペレPO

ODE-878
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
カレリア組曲Op.11、
ベルシャザール王の饗宴Op.51
ペッカ・クーシスト(Vn)
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO

録音:1996年
まず、ヴァイオリン協奏曲の素晴らしいこと!技巧はもちろんのこと、精神的な安定感、緊張感がこれほど侍読した演奏というのにはめったに耳にできません。クーシストが醸しだす細身でスタイリッシュなトーンが、シベリウスの音楽の張り詰めた空気感にピッタリ!ホールの残響具合も含めて深い味わいを残す名演です。
第1楽章、第3主題に入る前の音程の確実さと澄み切った弱音の美しさは格別。ド迫力のオケの斉奏に続くオクターブの跳躍は、音はしなやかでありながら凍てつく心の結晶そのもの。第2楽章の美しさも印象的。なんという共感の深さ!精神的な深み!音色の美しさが、音楽に真摯に対峙するしながら作曲家の想いを瞬時に感じ取るセンスに直結しているものであることに気付かされます。そしてコーダの持続音のなんという透明感!終楽章は、ガリガリと強い弓圧で弾みまくる演奏とは対照的に、弓のポジションを確実に見極めながら丹念にフレージングをうねらせる集中力と安定感に感服。4:57からの力の抜き加減、強弱対比、ヴィブラートの使い分け、音程の正確さなど、これ以上のものが望めましょうか?
壮大なスケールの伴奏を聴かせたセーゲルスタムの「カレリア組曲」がこれまた絶品!第1曲の冒頭の各位パートの遠近感がこれほど明確に表出された例も珍しく、ホールトーンの素晴らしさと相まって見事な効果を上げています。テーマを奏するトランペットの巧さも特筆もの。その直後、そのトランペットを抑制して、チェロの旋律を際立たせ、流麗な歌を聴かせるのには鳥肌が!そこには一切あざとい操作性がないのですから、セゲルスタムのセンスは流石です。
第2曲のテーマを奏する弦のくすんだ響きとチェロの伴奏音型との美しい調和が素晴らしく、テーマの冒頭、3つの四分音符の後ろの二つにだけスラーが付いているフレージングを有機的な呼吸で歌い上げている点にもぜひともご注目を。最初の四分音符で一旦呼吸が途切れしまう演奏が以下に多いことか。終曲は晴朗な雰囲気を活かしつつも軽薄なノリに陥らず、安定感のある進行が魅力。
なお、このヴァイオリン協奏曲は、交響曲第2番とのカップリング(ODE-1115)で、「カレリア組曲」は(ODE-1004)でも発売されています。  【湧々堂】
ODE-881
ラウタヴァーラ:ヴァイオリン協奏曲(1977)
喜びの島(1995)/天使と訪れ(1978)
エルマール・オリヴェイラ(Vn)
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキSO

録音:1996年
ODE-891
オルブライト:ダンツァ・オスティナート
ハキム:ロンド
ロックレア:ラグ、クラスターズ・ラスト・スタンド
コウネーヴァ:ラーガ
ブルべック:トルコ風の青いロンド
サルメンハーラ:エチュード
F.クープラン:古い偉大な吟遊詩人組合の年代記
リンヤマ:変容
J.ケージ:HPSCHD〜独奏VII
カーゲル:ラグタイム・ワルツ
シエラ:コン・サルサ
ゲーベル:鳥のブギ
テセイ:イタリアの巌
D.スカルラッティ:ファンダンゴ
ティエンスー:拒否
ユッカ・ティエンスー(Cemb)
ODE-898
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」からの10の小品/
風刺/年老いた祖母の話/
4つの練習曲/トッカータ
マッティ・ラエカッリョ(P)
ODE-906
サーリアホ:秘密の庭園〜独奏楽器とキーボードの為の作品集
彼方から/近くに/ノアノア/
6つの日本庭園[南禅寺の天授庵庭園/
回遊式庭園(金閣寺の庭)/枯山水/竜安寺の石庭/
西芳寺(苔寺)の庭園/石橋]
ドーン・アップショウ(S)
アンシ・カルトゥネン(Vc)
カミーラ・ホイテンガ(Fl)
フローレン・ジョデレ(Perc)
ODE-909
ラウタヴァーラ:弦楽五重奏曲「未踏の楽園」
弦楽四重奏曲第1番(1952)&第2番(1958)
ヤン=エリク・グスタフソン(Vc)
シベリウスSQ
ODE-911
マグヌス・リンドベルイ(1958-):フェリア/コレンテ II/アレーナ ユッカ=ペッカ・サラステ(指)
フィンランドRSO
ODE-913
シベリウス:付随音楽「カレリア」(1893)
[カイパイネン校訂による完全全曲版]、
新聞祭典の催しの活人画の為の音楽(劇音楽「歴史的情景」)(1899)
テッル・ヴィルッカラ(S)
アンナ=カイサ・リエデス(S)
ユハ・コティライネン(Br)
トゥオマス・オッリラ(指)タンペレPO
録音:1998年1月
ODE-914
シベリウス:交響詩「大洋女神」Op.73/
付随音楽「テンペスト」第1組曲/
付随音楽「テンペスト」第2組曲/
交響詩「夜の騎行と日の出」Op.55
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
ODE-918
古いフィンランドの歌(全27曲) ティモ・ヌオランヌ(指)
フィンランド放送室内cho
ODE-920
ブルックナー:交響曲第00番/
「弦楽五重奏曲」〜アダージョ
(エーザー編曲弦楽オーケストラ版)
ヴラディーミル・アシュケナージ(指)
ベルリン・ドイツO
ODE-921
ラウタヴァーラ:最後の処女地にて
フルート協奏曲、アナディョメーヌ
パトリック・ガロワ(Fl)
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO
ODE-923
メラルティン:ヴァイオリン協奏曲
抒情組曲第3番「ベルギーの印象」
眠りの森の美女
ヨーン・ストルゴーズ(Vn)
レイフ・セーゲルスタム(指)タンペレPO
ODE-924
ノルドグレン:交響曲第3番/第5番 サカリ・オラモ(指)
フィンランドRSO
ODE-928
レイフ・セーゲルスタム(1944-):交響曲第21番「9月、コルピ湖の風景」

交響曲第23番「いぶかしげな疑問の再考」
(指揮者無し)
フィンランドRSO、タンペレPO
ODE-930
シベリウス・フェスティヴァル
白樺の木/モミの木/ロマンス/
ロンディーノ/マズルカ/
夕べに/3月の雪の上のダイヤモンド/
黒いバラ/
「クリスチャン2世」〜エレジー/
夢かしら?/
逢引きから帰ってきた娘/
道化師の蜘蛛の歌/
樫の木/キャリバン/ミランダ/
「テンペスト」より/
トゥオネラの白鳥/
レンミンカイネンの帰郷/
フィンランディア
ラルフ・ゴトーニ(P)
ペッカ・クーシスト(Vn)
ライヤ・ケルッポ(P)
カリタ・マッティラ(S)
イルモ・ランタ(P)
ヨルモ・ヒュンニネン(Br)
レイフ・セーゲルスタム(指)
タンペレPO、ヘルシンキPO
ユッカ・ペッカ=サラステ(指)
フィンランドRSO
ODE-931(3CD)
メラルティン:交響曲全集[第1番−第6番] レオニード・グリン(指)タンペレPO
ODE-932
フィンランド、ロマン楽派の魅力
シベリウス:カレリア
カスキ:前奏曲
メラルティン:交響曲第1番〜スケルツォ
メリカント:夏の夜のワルツ
ヤルネフェルト:子守唄
シベリウス:即興曲/性格的組曲
メラルティン:交響曲第1番〜間奏曲
メリカント:管弦楽の為の2つの小品
クラミ:「荒野の靴職人」序曲
トゥオマス・オッリラ(指)タンペレPO
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
レオニード・グリン(指)&タンペレPO
ペーテル・チャバ(指)ヴィルトゥオージ・クフモ
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO
ODE-933
カンテレの魂 シニッカ・コンティオ、
マッティ・コンティオ(カンテレ)
ODE-934
歳月を経たフィンランド民謡(全19曲)
私は声を聞いた/悪魔の鹿の刈り/
愛の毒はすべての悲しみを消す、他
ヘイッキ・ライティネン、
マリアンネ・マース、
メリ・ティトラ、他
ODE-935
ラウタヴァーラ:混声合唱の為の宗教作品集
クレド/マニフィカト/クリスマス讃歌/
夕べの祈り/詩篇祈祷/アヴェ・マリア/
主の祈り/詩篇23番/詩篇第130番/
伝説/聖母マリア讃歌/
慈悲は決して絶えず、他
ティモ・ヌオランネ(指)
フィンランド放送室内cho
ODE-936
シベリウス:カンタータ集、他
アカデミー行進曲(1919)/
大学祝典カンタータ(1894)/
アンダンテ・フェスティヴォ/
ニコライ2世の戴冠式為のカンタータ(1896)/
フィンランディア
ソイレ・イソコスキ(S)
ヤーコ・コルテンカンガス(Br)
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO
フィンランド・フィルcho
ODE-937
オーロラ・ボレアリス〜神秘の北の魔術
ラウタヴァーラ:鳥とオーケストラの為の協奏曲
 交響曲第7番「光の天使」より
シベリウス:「テンペスト」〜嵐
メリカント:レント・カンタービレ/アリエッタ
カンテリネン:アダージョ
ピンゴウト:消されたたいまつ
サリネン:トゥオネラッサのレンミンキ
ノルドグレン:考える人
 フィドル奏者の愛奏曲
マックス・ポンマー(指)ライプツィヒRSO
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
トゥオマス・オリラ(指)タンペレPO
オレグ・ソルダトフ(指)カレリアPO
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO
オッコ・カム(指)ヘルシンキPO
ユーハ・カンガス(指)オストロボスニアCO
ODE-939
ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」、
「調和の霊感」〜Op.3-6
ペッカ・クーシスト(Vn)(指)
ヴィルトゥオージ・クフモ
ODE-944
ヨルマ・ヒュンニネン(Br)〜プロフィール ヨルマ・ヒュンニネン(Br)
ラルフ・ゴトーニ(P)
リッカルド・ムーティ(指)VPO、他
録音:1963年-1997年
ODE-945
マルッティ・タルヴェラに捧ぐ マルッティ・タルヴェラ(Bs)
ユッシ・ヤラス(指)
オッコ・カム(指)
レイフ・セーゲルスタム(指)
フィンランドRSO、他
ODE-946
オペラ合唱曲集
レオンカヴァッロ:道化師〜来たぞ/鐘の合唱/さあ早く急げ
マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ
〜オレンジの花は香り/幸いあれアルフィオ
グノー:ファウスト〜大合唱「ワインかビールか」/ワルツ/兵士たちの合唱「我らの祖先の不滅の栄光」
ヴェエルディ:運命の力〜合唱と踊りの音楽/夕食が整い/太鼓の響きに/「永遠なる父/主よ」
ワーグナー:タンホイザー〜我がイエス・キリストよ/彼女がここで祈っているだろうと思っていた/巡礼の合唱「ふるさとよ/また見る野山」
キェスティ・ハータネン(指)
サヴォリンナ祝祭オペラcho
ノヴァヤ歌劇場O&cho

録音:2000年3月
ODE-947(3CD)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集
第1番−第9番、束の間の幻影
マッティ・ラエカッリョ(P)
ODE-950
ラウタヴァーラ:ピアノ協奏曲第3番「夢の贈り物」/
秋の庭、
ラウタヴァーラとアシュケナージの会話
ヴディーミル・アシュケナージ(P)(指)
ヘルシンキPO
ODE-951
エングルンド:チェロ協奏曲/交響曲第6番 ヤン=エリク・グスタフソン(Vc)
エリ・クラス(指)タンペレPO、cho
ODE-952
シベリウス:カッサシオンOp.6
プレスト(弦楽四重奏曲Op.4の3楽章作曲者編)/
かわいらしい組曲Op.98a
田園組曲Op.98b
特徴的な組曲Op.100
ペレアスとメリザンドOp.46
トゥマス・オッリラ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:2000年年2月
ODE-953
シベリウス:交響詩「エン・サガ」Op.9
 組曲「レンミンカイネン」Op.22
ミッコ・フランク(指)スウェーデンRSO

録音:1999年12月
ODE-954
フィンランド歌曲集
クーラ:南オストロボスニア民謡集 から
タネリ・クーシスト:サボ地方の民謡から
トイヴォ・カルキ:歌おう、踊ろう
カルル・コラン:フルッティじいさん
オスカル・メリカント:歌曲集(9曲)
パルムグレン:夏の島/なまけ者の歌
イルマリ・ハンニカイネン:ああ優しいお母さん/平和
キルピネン:小さなばら
それはまだ春浅いときのことだった/思い出
シベリウス:波に漂う木くず/夕べに/泳げ、泳げ、青鴨よ
3月の雪の上のダイアモンド
春は急ぎゆく/若い猟人
ガブリエル・スオヴァネン(Br)
イーッカ・バーナネン(P)
ODE-955
シチェドリン:チェロ協奏曲「ソット・ヴォーチェ」
バレエ「かもめ」〜組曲(1984)
マルコ・イロネン(Vc)
オリ・ムストネン(指)ヘルシンキPO
ODE-957
ラウタヴァーラ:金管楽器の為の作品全集
我らが時代の為のレクイエム(1953)/
天使の遊び場(1981)/
独奏トランペットの為の「タランタラ」(1976)/
独立ファンファーレ
(フィンランド独立75周年記念)(1992)/
戦士のミサ(1968)/管楽八重奏曲(1962)/
トランペットとオルガンの為の讃歌(1998)
ハンヌ・リントゥ(指)フィンランド金管SO
ODE-958
サーリアホ:夢の手引きから〜声楽作品集
あんたは飛び去った(1982) *
前奏曲−告白−後奏曲(1980) *
ミランダの嘆き(シェイクスピアの
「テンペスト」による;1970) *,++
キャリバンの夢(シェイクスピアの
「テンペスト」による;1993)++
夢の手引きから(1988)*,**
雨降り(1986)/さよなら(1982/85)
夢の手引き(1988-89)#/景色(1996)*
アヌ・コムシ(S*)
ピーア・コムシ(P**)
リーッカ・ランタネン(Ms#)
ペッテリ・サロマー(Br+)
ハンヌ・リントゥ(指)アヴァンティ!++
録音:2000年2月
ODE-959
タネーエフ:ヴァイオリンと管弦楽の為の協奏組曲Op.28
「デルフォのアポロンの神殿」間奏曲
「オレスティア」序曲
ペッカ・クーシスト(Vn)
ウラジーミル・アシュケナージ(指)
ヘルシンキPO
ODE-960
キンモ・ハコラ(1958-):クラリネット五重奏曲(1997)*
ローコ(Clとペダル・バスダラムの為の1995)
カプリオール(バスCl、Vcの為の1991)+
カリ・クリーク(Cl、B-Cl、ペダル・バスドラム)
アンシ・カルットゥネン(Vc*)
アナンティ!SQ*
ODE-964
白夜〜静謐な美しさを称える音楽
(1)オーレ・ブル(スヴェンセン編):牛追い娘の日曜日
(2)シベリウス:ペルシャザール王の饗宴組曲〜夜想曲/テンペスト組曲〜間奏曲/精霊の踊り/ミランダ
(3)シベリウス:ペレアスとメリザンド組曲〜メリザンド/牧歌
(4)シベリウス:即興曲
(5)メラルティン:抒情組曲第3番〜牧歌
(6)グリーグ:2つのノルウェーの旋律〜民謡風に
(7)R=コルサコフ:パン・ヴォエヴォーダ〜夜想曲
(8)グラズノフ:ライモンダ〜間奏曲/四季〜プティ・アダージョ
(1)(2)レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO]
(3)トゥマス・オッリラ(指)タピオラ・シンフォニエッタ
(4)ペーテル・チャバ(指)ヴィルトゥオージ・ディ・クオモ
(5)レイフ・セーゲルスタム(指)タピオラPO
(6)ユハ・カンガス(指)オストロボスニアCO
(7)エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)スウェーデンRSO
ODE-965
クルーセル:クラリネット協奏曲集
変ロ長調Op.11/ヘ短調Op.5/変ホ長調Op.1
カリ・クリイック(Cl)
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO

録音:2000年2、3月
ODE-966
アイノラのクリスマス
シベリウス(ヨルマ・パヌラ編):クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」Op.1-4、
クリスマスの歌「幼子の飼い葉桶に」(1929)、アンダンテ・フェスティーヴォ JS34b、
シベリウス(イルッカ・クーシスト編):雪はうずだかく積もりOp.1-5、
外は暗くなるOp.1-3
シベリウス(ティモ・レヘトヴァーラ編):クリスマスはもうそこにOp.1-1*
クリスマスがやってくるOp.1-2*
マデトヤ(イルッカ・クーシスト編):日々の苦労を忘れ
マデトヤ(サカリ・ヒルデーン編):天使のクリスマスの歌*
「ピエ・カンツィオーネス」
シベリウス編:見よ新しき喜びを*
天使が遣わされる*
マルティン・ルター(ハスラー&オトマイル編):いと高き天より*
シュレジェン民謡:「この世はうるわし」*
「ピエ・カンツィオーネス」
ヘイッキ・クレメッティ編:歓びの歌を声高く歌え、めでたき海の星
シベリウス:ヴァイオリンとピアノの為のソナティナ ホ長調Op.80
フランスのクリスマスキャロル
A.パップ、R.R.リューナネン編:み空をはせゆくみ使いたちよ
オット・コティライネン(イルッカ・クーシスト編):クリスマスには
フィンランド民謡:クリスマスツリーは誇らしく /冬のさなかに夏のような日が
J・シュトラウスI:ラデツキー行進曲(ピアノ版)
ティモ・レヘトヴァーラ(指)カンピン・ラウル*、
ペルッティ・エーロラ(Org)
ヨルマ・ヒュンニネン(Bs) 
タピオラ児童cho
ヨルマ・パヌラ(指)ヘルシンキPO
ライモ・シルッカ(T) 
ペルッティ・ペッカネン(指)ユヴァスキュラSO
リトヴァ=リーサ・コルホネン(S) 
キュオスティ・ハータネン(指)タンペレPO
アストリッド・リスカ(指)ユビラーテcho
ペーテル・チャバ(指)ヴィルトゥオージ・ディ・クフモ
モニカ・グループ(Ms) 
マルクス・レヘティネン(指)タンペレPO
ヘイッキ・セッパネン(指)トゥルク城室内cho
新井淑子(Vn) エーロ・ネイノネン(P)
エルッキ・ポホヨラ(指)タピオラ児童cho 
マリタ・ヴィータサロ(P)
太陽が低く、陰鬱な日のつづく冬のフィンランド。アイノラの家に暮らすシベリウスの気分はすぐれない。そしてやってくるクリスマ ス。アイノラは明るい気分を取りもどす。シベリウスは《雪はうずだかく積もり》を弾き、娘たちはパパの作曲したクリスマスの歌を歌 う。アイノ夫人は孫たちのために「ラデツキー行進曲」を弾いてみせた。Ondine のカタログから選んだクリスマスのナンバーに合唱団 カンピン・ラウルの新録音を加えた " アイノラのクリスマス"! (Ki)
ODE-968
カリタ・マッティラ〜アリア集
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」〜歌の殿堂
ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」〜月に寄せる歌
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」〜勝ちて帰れ/同「運命の力」〜平和を
プッチーニ:歌劇「トスカ」〜歌に生き
J.シュトラウス:喜歌劇「こうもり」〜お客を招待するのが好き/公爵様/祖国の調べ
シベリウス:逢い引きから帰った乙女
マデトーヤ:あなたは私が見ていると思った
メリカント:なぜ私は歌うのか
ジーゲル:まだベルリンにスーツケースがあるの
ホーレンダー:また恋したのよ
スタイン:ダイアモンドは女の友達
ガーシュイン:サマータイム
カリタ・マッティラ(S)
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)
フィンランドRSO

録音:2000年9月2日、ヘルシンキ(ライヴ)
ODE-969
エリーナ・ガランチャ(Ms)アリア集
モーツァルト:「フィガロの結婚」=自分で自分がわからない/恋とはどんなものかしら、
「ティートの慈悲」〜ああこの瞬間に/立ち去りましょう
ロッシーニ:「セビリャの理髪師」〜今の歌声は/
「チェネレントラ」〜不安と涙のうちに生まれ
ベッリーニ:「カプレーティとモンテッキ」〜ロメオがあなたの息子を殺したとしても
ドニゼッティ:「ファヴォリータ」〜ああ私のフェルナンド/
「アンナ・ボレーナ」〜この荒々しい炎に
マスネ:「ウェルテル」〜ウェルテルウェルテル
エリーナ・ガランチャ(Ms)
アレクサンドルス・ヴィルマニス(指)
ラトヴィア国立SO
ODE-971
フィンランド古典派秘曲集
エーリク・フェルリング(1733-1808):ヴァイオリン協奏曲ニ長調/3つのコントルダンス/3つのメヌエット
トマス・ビューストレム(1772-1839):カドリーユ
フレードリク・リタンデル(1777-1823):アリアI「もしオルフェウスが太古に」
アリアII「アウラの岸が永遠なりせば」
エーリク・トゥリンドベリ(1761-1814):ヴァイオリン協奏曲変ロ長調Op.1
クレータ=マリア・ケンタラ(Vn)
ヘルマン・ヴァレーン(Br)
ユッカ・ラウタサロ(指)シクス・フロアO
ODE-972
ブロニュス・クタヴィチュス(1932-):オラトリオ「最後の異教徒の祭典」(1978)*
オラトリオ「過ぎし日々ヘの墓碑銘」(1998)+
ロマス・グラジニス(指)*
チュルリョーニス芸術学校cho*
レオポルダス・ディグリス(Org)*
ロベルタス・シャルヴェニカス(指)
リトアニア国立O+
カウナス国立cho+
ODE-973
メリカント:オルガン作品全集
婚礼の讃歌/
バッハの「サラバンド」(フランス組曲第1番から)の編曲
後奏曲ニ長調Op.88-2/
シューマンの「夕べの歌」の編曲
後奏曲変ホ長調Op.88-1/
「フィンランドは嘆く」による幻想曲とコラール
後奏曲ヘ長調Op.88-3
バッハの「サラバンド」(イギリス組曲第5番から)の編曲
演奏会用幻想曲/祈り/
パッサカリアOp.80
ヤン・レホトラ(Org)
ODE-974
オリ・ムストネン(1967-):作品集
三重協奏曲(3つのヴァイオリンと管弦楽の為の;1998)*
弦楽九重奏曲第1番(1995)
小組曲(チェロと管弦楽の為の;1996)+
睡蓮の上で踊る蛙(チェロと弦楽の為の;2000)+
弦楽九重奏曲第2番(2000)
ペッカ・クーシスト、ヤーッコ・クーシスト、
エリザベート・バティアシヴィリ(Vn)*
マルッティ・ラウシ(Vc)+
オリ・ムストネン(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ODE-975
ヴァイノ・ライティオ(1891-1945):管弦楽小品集
ワルツ(1939)/ユモレスク(1934)/牧歌(1938)/
タンゴ(1931)/スケルツォ(1935)/
グロテスクな踊り(1932)/かわいいワルツ(1941)/
交響詩「岬の乙女たち」(1935)/
ハメの夏の絵(1935)
[古い公園で夏の夜/羊飼いの歌/
赤い雲/舟乗りの歌/花の女王]/
森の牧歌(1935)
[森の小径/森の池/森の星/森の清流]
トゥオマス・オッリラ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ODE-978
ラウタヴァーラ:ハープ協奏曲(2000)
交響曲第8番「旅」(1999)
マリエル・ノールマン(Hp)
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO
ODE-979
レノン&マッカートニー(ブローウェル編)
シーズ・リーヴィン・ホーム/涙の乗車券/
ヒア・ゼア・アンド・エブリフエア/イエスタディ/
ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ
エレノア・リグビー/ペニー・レイン
アルベニス(ブローウェル編によるギターと管弦楽版):組曲「イベリア」〜喚起/港/エル・アルバイシン
ブローウェル:ギター協奏曲第5番「ヘルシンキ」(1991/2)
ティモ・コルホネン(G)
トゥオマス・オッリラ(指)タンペレPO
ODE-980
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV.1041
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV.1042
2つのヴァイオリンの為の協奏曲 ニ短調BWV.1043
2つのヴァイオリンの為の協奏曲 ハ短調BWV.1060
ヤーッコ・クーシス、
ペッカ・クーシスト(Vn)
タピオラ・シンフォニエッタ
ODE-981
スラヴのロマンス集(フィンランド語歌唱)
ソロヴィヨフ=セドイ:モスクワ郊外の夕べ
フェルツマン:黒海のワルツ
フレンニコフ:モスクワの光
 2つのギター、ドニエプルの歌、ほか
マッティ・サルミネン(Bs)
リク・ニエミ(指)タンペレPO
ODE-982
R.シュトラウス:管弦楽伴奏の歌曲集
バラの花輪Op.36-1/
花束を編みたかったOp.68-2/
ささやけ、愛らしいミルテよOp.68-3/
あなたの歌が私の心に響くときOp.68-4/
解き放たれた心Op.39-4/
憩えわが魂Op.27-1/
子守歌Op.41-1/わが子にOp.37-3/
献身Op.10-1/朝Op.27-4/
東方の聖なる三博士Op.56-6/
4つの最後の歌
ソイレ・イソコスキ(S)
マレク・ヤノフスキ(指)ベルリンRSO
ODE-983(2CD)
ラウタヴァーラ:弦楽合奏の為の作品全集
田舎楽士たちOp.1(1952)/
ディヴェルティメント(1953)
組曲(1952)/フランツ・リスト讃歌(1989)
バルトークの為の墓碑銘(1955/1986)/
ゾルターン・コダーイ讃歌(1982)
カントI(1960)/カントII(1961)/
カントIII(1972)/カントIV(1992)
ハープと弦楽の為のバラード(1973/1981)*/
フィンランド神話(1977)
オストロボスニアのポルスカ(1980/1993)
レイヤ・ビステル(Hp)*
ユハ・カンガス(指)オストロボスニアCO
ODE-984(6CD)
フィンランド室内楽の1世紀
(1)クーラ:ピアノ三重奏曲Op.7
(2)メラルティン:弦楽三重奏曲Op.133
(3)アーッレ・メリカント:ショット協奏曲(ヴァイオリン、クラリネット、ホルンと弦楽六重奏の為の)
(4)ライティオ:六月のある夜Op.5-5/ろうそくの火が揺らぎOp.5-4/真夜中 Op11-3/月明かりの夜Op.28-1
(5)ベリマン:クラリネットの為の3つの幻想曲Op.42
(6)アーッレ・メリカント:夏の夜/君は遠くで眠らずにいるのか/門の梁/足音
(7)サッリネン:序奏とタンゴ序曲Op.74(ピアノと弦楽四重奏の為の版)
(8)エングルンド:ヴァイオリン・ソナタ
(9)コッコネン:弦楽四重奏曲第3番
(10)ラウタヴァーラ:歌曲集「恋人たち」(テノールと弦楽五重奏の為の)
(11)サルメンハーラ:2つのヴァイオリンの為のソナチネ
(12)ハメーンニエミ:クラリネット・ソナタ
(13)メリライネン:フルート・水鏡
(14)ペール・ヘンリク・ノルドグレン:弦楽五重奏曲Op.110
(15)ヘイニネン:弦楽五重奏曲Op.78
(16)カイパイネン:トリオIIIOp.29
(17)マグヌス・リンドベリ:クラリネット五重奏曲
(18)ハコラ:夜じゃないでしょ
(19)サーリアホ:スピンとスペル
(20)ティエンスー:衝動/しかし(3つのアコーディオンの為の)
(21)プルッキス:ピアノソナタ
(22)プーマラ:弦楽四重奏曲


(1)ヤーッコ・クーシスト(Vn)、ヤン=エーリク・グスタフソン(Vc)
パーヴァリ・ユンパネン(P)
(2)エヒナトン三重奏団
(3)ヨン・ストルゴーズ(Vn)、エドゥアルト・ブルンナー(Cl)、ラデク・バボラク(Hr)
シルッカ=リーサ・カーキネン、コリンヌ・シャペル(Vn)
ピエール・レネール、トンミ・アールト(Va)
ゲッツ・トイチ、マーティナ・シューカン(Vc)
(4)ヘレナ・ユントゥネン(S)、エヴェリーナ・キュトマキ(P)
(5)アスコ・ヘイスカネン(Cl)、マリタ・ヴィータサロ(P)
(6)ソイレ・イソコスキ(S)、マリタ・ヴィータサロ(P)
(7)ラウラ・ミッコラ(P)、シベリウスSQ
(8)メリ・エングルンド(Vn)、ティーナ・カルコルピ(P)
(9)シベリウスSQ
(10)マークス・ウルマン(T)、ヨン・ストルゴーズ、セシリア・シリアクス(Vn)
ヴラディーミル・メンデルスゾーン(Va)、ヤン=エーリク・グスタフソン(Vc)
ダンカン・マクティアー(Cb)

(11)メリ・エングルンド、アンティ・ティッカネン(Vn)
(12アスコ・ヘイスカネン(Cl)、イェリー・ヤントゥネン(P)
(13)ペトリ・アランコ(Fl)、マリタ・ヴィータサロ(P)
(14)ピエタリ・インキネン、アンティ・ティッカネン(Vn)
イラリ・アンゲルヴォ(Va)、マルコ・ユロネン、ラモン・ジャッフェ(Vc)
(15)ダネルSQ
(16)グリフォン三重奏団
(17)カリ・クリーク(Cl)、アヴァンティ!SQ
(18)ロイ・ルオッティネン(Vc)、イェリー・ヤントゥネン(P)
(19)イスモ・エスケリネン(G)
(20)トリオ・フラトレス
(21)アンティ・カイホラ(P)
(22)ニュー・ヘルシンキSQ
ODE-985
作者不詳(ミヒャエル・プレトーリウス編):あの気高き白い鳩
シベリウス:クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」作品1-4、クリスマスの歌「幼子の飼い葉桶に」
ハンニカイネン:クリスマスの鐘、静かな夜のやすらぎのなかで、クリスマスの星よ、きらきらと
パルムグレン:そして聖母マリアは幼子を抱き、平和の御子
メリカント(イルッカ・クーシスト編):クリスマスがやってきた
フィンランド民謡(T・I・ハーパライネン編):クリスマスツリーは誇らしく
コティライネン(イルッカ・クーシスト編):クリスマスがくると
マデトヤ(サカリ・ヒルデーン編):天使のクリスマスの歌、飼い葉桶に生まれ、日々の苦労を忘れ
マーサロ:クリスマスの鐘、小さなイエスよあなたの元へまいります
ハンニカイネン:クリスマスの歌「かわいい御子イエス」
ソンニネン:クリスマス賛歌「平和、ただ平和だけを」
リッサネン:私は見つけた、ヤーコ・ロユッティ(サデ・リッサネン編):喜びのしらせ
フランス民謡:はるか遠くの飼い葉桶、シュレジェン民謡:この世はうるわし
グルーバー (ハンス・ミースナー編):聖しこの夜、クーラ:祈り、リンヤマ:クリスマスイブ
ミヒャエル・プレトーリウス(ヤン・サンドストレム編):一輪のばらが咲いた
ティモ・ヌオランネ(指)
フィンランド放送室内cho、
ヨハンナ・ルサネン(S)、
ヴィッレ・ウルポネン(Org)
作者不詳の歌によるミヒャエル・プレトーリウスの単旋聖歌「一輪のばらが咲いた」(フィンランド名「あの気高き白い鳩」) に始まり、 同じ作品をヤン・サンドストレムが16声部に改作した曲で終わるプログラム。さまざまな趣向で制作された Ondine のクリスマスアル バム。その中でももっとも美しい1 枚でしょう。 (Ki)
ODE-987
大自然の霊感を得て
シベリウス:交響詩「大洋女神」Op.73
 「テンペスト」〜第1組曲Op.109-2
 トゥオネラの白鳥Op.22
 交響詩「タピオラ」Op.122
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘンルシンキPO
ODE-988(2CD)
マーク・アダモ(1962-):歌劇「若草物語」 ジョイス・ディドナート(Msメグ)
ステファニー・ノヴァチェク(Msジョー)
ステイシー・タッパン(Sベス)
マーガレット・ロイド(Sエイミー)
チャド・シェルトン(Tローリー)
ダニエル・ベルチャー(Brジョン・ブルック)、他
パトリック・サマーズ(指)
ヒューストン大歌劇場O&cho
ODE-989
エッセンシャル・ラウタヴァーラ
ラウタヴァーラ:鳥と管弦楽の為の協奏曲「極北の唄」(1972)*
われらの時代のレクイエム(1953)+
田舎楽士たちOp.1(1952)#
喜びの島(1995)**
交響曲第7番「光の天使」〜第3楽章++
ピアノ協奏曲第1番(1969)##
マックス・ポンマー(指)ライプツィヒRSO*
ハンヌ・リントゥ(指)フィンランド金管SO+
ユハ・カンガス(指)オストロボスニアCO#
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO**
ラルフ・ゴトーニ(P++)
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)++
バイエルンRSO++
ODE-990(3CD)
ブラームス:交響曲全集 パーヴォ・ベルグルンド(指)
ヨーロッパCO

録音:2000年5月11-14日、バーデンバーデン(ライヴ)
ODE-991
フィンランド管弦楽名曲集
カスキ:前奏曲Op.7*
メラルティン:祝典行進曲*
シベリウス:かわいらしい組曲Op.98a、
 プレスト+、悲しいワルツ#
 フィンランディア(合唱付き)**
ラウタヴァーラ:弦楽の為の組曲++
エングルンド:「万里の長城」〜4曲##
クラミ:カレリア狂詩曲Op.5***
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO*
トゥオマス・オッリラ(指)+
タピオラ・シンフォニエッタ+
タンペレPO(#,##)
エリ・クラス(指)(**,##)
フィンランド国立歌劇場O、
同cho**
ユハ・カンガス(指)オストロボスニアCO++
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO***
ODE-992
シベリウス・フェイヴァリッツ
シベリウス:交響詩「エン・サガ」*
交響詩「ポヒョラの娘」+、即興曲#
組曲「恋人」#、
アンダンテ・フェスティヴォ**
ロベルト・カヤヌス:交響詩「アイノ」++
ミッコ・フランク(指)スウェーデンRSO*
トゥオマス・オッリラ(指)タンペレPO+
ペーテル・チャバ(指)#
ヴォルトゥオージ・ディ・クフモ#
ジャン・シベリウス(指)**
ヨルマ・パヌラ(指)++
フィンランドRSO(**,++)
ヘルシンキ大学男声cho++

録音:1939年1月1日、フィンランド放送**
※自作自演の**は完全初出
ODE-995
レーヴィ・マデトヤ:歌曲全集 Vol.2
風の強い日Op.25-3
ヒュブノスが微笑むOp.9-2
私の手をとってOp.9-3/祈りOp.9-4
芸者Op.9-5/水晶の花Op.16-2
子守歌Op.16-3/さらばOp.26-1
柔らかな翼Op.26-2/海の風Op.26-4
冬の月光のもとOp.26-5
父よツバメはいずこに飛びゆくのかOp.44-2
空の金の光Op.44-3/春の歌Op.44-4
言葉のないロマンスOp.36
「オコン・フオコ」の2つの歌
眠れ、眠れOp.60-1
付随音楽「ウオクシ河辺で」〜不実な者へ
歌曲集「秋」Op.68
ヘレナ・ユントゥネン(S)
グスタフ・デュブショバツカ(P)
ODE-996
レーヴィ・マデトヤ:歌曲全集 Vol.1
あんたがいなくなって以来Op.2-1/
ひとりOp.2-2/
冬の朝Op.2-3/星明かりの空Op.2-4/
暗い色の葉Op.9-1/
セレナードOp.16-1
北オストロボスニア民謡集Op.18/
青春の歌Op.20b/
美しいカンテレを今一度とりあげろ/
花は開いた時が一番ピュア/
彼らが歌うのを聴いて以降Op.15-1/
冬の道Op.25-2/
生まれし小屋Op.25-4/
夕暮れに涙することもあるOp.25-5/
俺は小屋を立てるぞOp.26-3/
農耕歌Op.44-1/
北の日光万歳Op.49-1/
フィンランドの木Op.49-2/
わが望みOp.60-2/夕べOp.60-3/
家に帰りたいんですけどOp.71-1/
親方の言葉Op.71-2/
わが歌の地/木枯らしの歌
ガブリエル・スオヴァネン(Br)
グスタヴ・ユプシェバツカ(P)
ODE-997
サーリアホ:聖杯劇場(ヴァイオリンと室内管弦楽の為の1997)
ソラール(1993)
オーロラ(9人の奏者と電子楽器の為の1986)
ヨーン・ストルゴール(Vn)
ハンヌ・リントゥ(指)
アヴァンティ!CO
ODE-998(2CD)
ヴォルフ:イタリア歌曲集(全46曲) ボー・スコウフス(Br)
ソイレ・イソコスキ(S)
マリタ・ヴィータサロ(P)
ODE-999
原語で歌われたEU諸国の国家集
フィンランド、ポルトガル、フランス、
スウェーデン、ベルギー、
デンマーク、イタリア、オランダ、
ルクセンブルグ、
イギリス(ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン)
オーストリア、ドイツ、
EU「ヨーロッパ讃歌(歓喜の歌)」
カラ・アッラ・ペンティネン(指)
タピオラ少年少女cho、、他

ODE-1000(2CD)
ラウタヴァーラ:歌劇「アレクシス・キヴィ」
(1996)
ヨルマ・ヒュンニネン(Brキヴィ)
ガブリエル・スオヴァネン(Br青年時代のキヴィ)
ラッセ・ポイスティ(語りアールクヴィスト)
エヴァ=リーサ・サーリネン(Msシャルロッタ)
ヘレナ・ユントゥネン(Sヒルダ)、他
マルクス・レヘティネン(指)ユヴァスキュラSO
ODE-1001
ベートーヴェン:舞曲集
祝賀メヌエット WoO3/
12のコントルダンス WoO14/
12のメヌエット WoO12/
騎士バレエ WoO1/
12のドイツ舞曲 WoO8/
勝利の行進曲 WoO2a
ヨン・ストルゴルズ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ODE-1002
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
ラウタヴァーラ:アポテオシス
ミッコ・フランク(指)スウェーデンRSO
ODE-1003
世界の子供の歌・ハイライト
日本赤とんぼ/会津磐梯山
アフリカシヤハンバ
オーストリアマリア、主の女中
フィンランドわが国フィンランド/
 民の歌/愚かな地の歌/
 カレリアの丘/羊飼いの笛/
 孤児のため息/
 フィンランディア讃歌/フィンランド国歌/
 冬は辛い/
 サンタクロースが地に下りてくる/
 夕べの祈り/私のカンテレ/
 春の讃歌/神への感謝
エルッキ・ポヒヨラ、
カリ・アラ=ポッラネン(指)
タピオラ児童cho
タピオラ・シンフォニエッタ
ODE-1004
フィンランドのイメージ
シベリウス:カレリア組曲、
 黒いバラOp.36-1、マズルカOp.81-1、
 ロンディーノOp.81-2、フィンランディア
メラルティン:ミリアムの歌1
メリカント:アンニーナ、夏の夜のワルツ
クーラ:朝の歌
キルピネン:歌に寄すOp.52-3
クラミ:「荒野の靴職人」序曲
伝承曲:ここ北の星の下で
サルマント:歌う雪
ラウタヴァーラ:ヴァイオリン弾きたち
レイフ・セーゲルスタム、
サカリ・オラモ、
エルッキ・ポヒヨラ、
ヨルマ・パヌラ、
ユハ・カンガス(指)
ヘルシンキPO タンペレPO
フィンランドRSO
オストロボスニアCO
タピオラ・シンフォニエッタ
ペッカ・クーシスト(Vn)
カリタ・マッティラ(S)
ライヤ・ケルッポ(P)
ODE-1005
ペーテリス・ヴァスクス(1946-):交響曲第2番(1998/1999)*
ヴァイオリン協奏曲「遠い光」(1997)+
ヨン・ストルゴーズ(Vn+,(指)タンペレPO*
ユハ・カンガス(指)オストロボスニアCO+
ODE-1006
アンデシュ・ヒルボルイ(1954-):クラリネット協奏曲「孔雀物語」*、リキッド・マーブル、
ヴァイオリン協奏曲+
マルティン・フレスト(Cl)*
アンナ・リンダル(Vn)+
エサ=ペッカ・サロネン(指)
スウェーデンRSO
ODE-1007
シベリウス:交響曲第1番/第7番 レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO

録音:2002年5月、フィンランディア・ホール、ヘルシンキ
ODE-1008
ショパン:バラード第4番、
夜想曲Op.15-2/Op.9-2、
ワルツOp.34-2/Op.34-3、
12の練習曲Op.25
ゲルゲーイ・ボガーニ(P)
ODE-1010
カリタのクリスマス
グルーバー:きよしこの夜
シューベルト:アヴェ・マリア
グノー:アヴェ・マリア
シベリウス:クリスマスの歌Op.1 より
[栄誉はいらない/外は暗くなる/雪は深く積もり]
マーサロ:クリスマスの鐘 、他(全16曲)
カリタ・マッティラ(S)
ペルッティ・ペッカネン(指)
トゥルクPO
トゥルク大聖堂cho
ODE-1011
フィンランドのクリスマス
天使の歌声が聞こえし/
おお学生たち同じ声で
わびしき真冬に/静かなクリスマス/
ジングル・ベル
クリスマス・ツリーのまわりで/
夜のとばりが近づき
きよしこの夜/クリスマスの夜に
フィンランドのいにしえのクリスマス祭
ガブリエル・スオヴァネン(Br)
エイヤ・カンカーンランタ(カンテレ)
メルヴィ・ユリ=ヴァイニオ(カンテレ)
カリ・アラ=ボッラネン(指)タピオラcho
ODE-1012
ジュリアン・アンダーソン(1967-) 1967-):管弦楽作品集
ロシアの輪舞- ホロヴォド(1994)*、太陽の位置(1998)、発狂した月(1997)、アランブラ幻想曲(2000)*、パレード、空中のパヴィリオン
オリヴァー・ナッセン(指)BBC響、
ロンドン・シンフォニエッタ*

録音:2000年1月、2001年12月
イギリスの作曲家、ジュリアン・アンダーソンの管弦楽作品。作曲家、指揮者として現代音楽シーンで活躍するオリヴァー・ナッセン(1952-)の指揮。どちらもOndineレーベルにとって、これが初めてです。アンダーソンはジョン・ランバート、アレクサンダー・ゲール、トリスタン・ミュライルに作曲を師事。モダニズム、スペクトラル・ミュージック、エレクトロニクス音楽、東欧の民俗音楽からも影響を受け、“妥協することなく多様な聴き手とコミュニケートする”ことのできる作曲家と評されています。プロムスの委嘱作、異教と魔女研究の権威、ロナルド・ハットン博士による古代イギリス祭式年の研究書と同名の「太陽の位置」。月蝕とW・B・イェイツの不気味な詩からインスピレーションを受けた「発狂した月」。出世作の「二部作」。作曲者立ち会いで録音、ポストプロダクションが行われました。 (Ki)
ODE-1013
ターレガ:ベートーヴェン、ワーグナー作品のギター編曲全集
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」〜第1楽章
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」〜第2楽章
ピアノ・ソナタ第2番〜スケルツォ
交響曲第7番〜第2楽章(断片)
ヴァイオリン・ソナタ第9番
「クロイツェル」〜第2楽章
ピアノ・ソナタ第4番〜ラルゴ
七重奏曲〜主題と変奏
七重奏曲〜主題と変奏(異版)
七重奏曲〜メヌエット/メヌエット第3番WoO.10
ワーグナー:「タンホイザー」序曲(断片)、
 「タンホイザー」大行進曲
ターレガ:ヴェルディの「椿姫」による幻想曲
ティモ・コルホネン(G)
ODE-1014
シベリウス:ピアノ作品集
10の小品Op.58
イェーガー隊行進曲Op.91a
13の小品Op.76
2つのロンディーノOp.68
10のバガテルOp.34
オッリ・ムストネン(P)

録音:2002年
ODE-1015
エイナル・エングルンド(1916-1999):ピアノ協奏曲第1番(1955)
ピアノ協奏曲第2番(1974)
交響詩「凱旋の讃歌」(1947)
マッティ・ラエカッリオ(P)
エリ・クラス(指)タンペレPO

録音:2002年4月
ODE-1016
クリストファー・ラウス(1949-):打楽器と管弦楽の為の幻想曲
「救われたアルベリヒ」*/
狂喜/ヴァイオリン協奏曲#
イヴリン・グレニー(Perc*)
チョーリャン・リン(Vn#)
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO
ODE-1017
マグヌス・リンドベルイ(1958-):ピアノ協奏曲(1990/4)*/クラフト(1985) マグヌス・リンドベルイ(P*)
トイミー・アンサンブル、
エサ=ペッカ・サロネン(指)
フィンランドRSO
ODE-1018
フィンランド民謡の旅
美しい夏の夕べ/ポルスカI-VII
夜になってくれさえすれば/
愛しい人が去ったとき
愛するフィンランドわが祖国/
あそこに私のカレが
誰がサウナを暖めるんですか/
ある夏私は彷徨した
カレの家に行くにはいくつもの道が/
ハルマの婚礼
ヴァイオリンは黙ってしまった
ペッカ・クーシスト(Vn)
アンナ=マリ・カハラ(アコーディオン/歌)
ティモ・ミュッリュカンガス(Cb)
サルクス・ポウッサ(Perc)
ODE-1019
エルンスト・ミエルク(1877-1899):交響曲 ヘ長調Op.4(1987)
ヴァイオリンと管弦楽の為の演奏会用小品Op.8*
ヨン・ストルゴーズ(Vn*)
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO
ODE-1020
ラウタヴァーラ:合唱作品集
真実と偽りのユニコーン(3人の語り手、室内合唱、アンサンブルとテープの為の;1971)/
われらの時代の歌(混声合唱の為の;1993)/
柳の木陰で(混声合唱の為の;1998)
ヤーコ・コルテカンガス(Br)
ペッテリ・サロマー(Bs)
サデ・リッサネン(A)
ティモ・ヌオランネ(指)
フィンランド放送室内cho
フィンランド放送cho
ODE-1021
ブロニュス・クタヴィチュス(1932-):歌劇「クマ伯爵」 ヴラディミラス・ブルドニコヴァス(教授)
ヴィータウタス・ユオザバイティス(セメタ伯爵)
イネサ・リナブルギデ(伯爵夫人)
イレーナ・ゼレンカウカイテ=ブラザウスキャーネ(ユリア)、他
マルティナス・スタシュクス(指)
リトアニア国立オペラ・バレエ劇場O&cho
ODE-1022
シベリウス:交響曲第3番ハ長調Op.52
ヒンデミット:4つの気質(ピアノと管弦楽の為の)*
オリ・ムストンネン(P*)(指)
ヘルシンキ祝祭O
ODE-1023
ハイドン:「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」(管弦楽版) ヨン・ストルゴーズ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ODE-1024
アルマ・マーラー(パヌラ編):歌曲全集
ひそやかな町/父の庭/
生暖かい夏の夜/
君のもとではうちとけられる/
ぼくは花のもとをさまよう/夜の光/
森の至福/
嵐/収穫の秋/讃歌/恍惚/認知する者/
賞賛の歌/
夜への三日/静かに落ちる最初の花/
私の夜を知っていますか
リリ・パーシキヴィ(Ms)
ヨルマ・パヌラ(指)
タンペレPO
ODE-1025
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
第3番ト長調 K.216/第4番ニ長調 K.218/
第5番イ長調 K.219
ペッカ・クーシスト(Vn)
オリ・ムストネン(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ODE-1026
シベリウス:交響曲第2番ニ長調/
交響曲第6番ニ短調
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO
ODE-1027
ハブリジ・ハトルグリムソン(1941-):苦悩Op.28 (2001) メアリー・ネッシンガー(Ms)
ガルザル・ソウル・コルテス(T)
ホルズル・アウスケルソン(指)
ハトルグリム教会室内O、
ハルトグリム教会モテットcho
ODE-1028
ヴィラ=ロボス:12の練習曲(1928年オリジナル版)
ブローウェル:13のシンプルな練習曲
ティモ・コルホネン(G)
ODE-1029
アルマス・ヤルネフェルト(1869-1958):歌曲集
日曜日に/たそがれ/満月の花の清らかさ/カンテレに寄す/
夏の浜辺/すべての時計12時を告げると/貧しき人/子守歌/
人生について夢想家の歌/あんた/祖国の貌/子守歌/日没に/
歌え、歌え/日光/夢/リナ/フィドルと踊る歌/ティタニア/
子守歌/私の希望/ひばり
ヨルマ・ヒュンニネン(Bs)
カミッラ・ニルンド(S)
イルッカ・パーナネン(P)
ODE-1030
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ノヴァーク版) クリストフ・エッシェンバッハ(指)パリO

録音:2003年2月3日
ODE-1031
エルッキ・サルメンハーラ(1941-2002):スオミ−フィンランド
ミニスカートの乙女
アダージェット/船酔い
エリ・クラス(指)
タンペレPO
ODE-1032(2CD)
ラウタヴァーラ:歌劇「朝日の家」(1990) アンナ=クリスティーナ・カーボラ(S)
ライヤ・レグネル(Ms)
ミア・フフタ(S)
ヘレナ・ユントゥネン(S)
ウッラ・ライスキオ(A)
ユッカ・ロム(Bs)
トゥオマス・カタヤラ(T)
トンミ・ハカラ(Br)
マルクス・ニエミネン(Br)
ペトリ・バクストレム(T)
ミッコ・フランク(指)オウルSO
ODE-1033(2CD)
バッハ&ショスタコーヴィチ
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より
 第2番/第3番/第4番/第8番/
 第9番/第10番/第14番/第15番/
 第16番/第20番/第21番/第22番
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガOp.87 より
 第1番/第5番/第6番/第7番/
 第11番/第12番/第13番/第17番/
 第18番/第19番/第23番/第24番
オリ・ムストネン(P)
録音:1997年6月
ODE-1034
独唱によるフィンランド聖歌集
クーシスト:フィンランドの祈り/
十字架の足元で「おお、ナザレ人よ」
ハンニカイネン:すべてイエスのためにOp.38-5
われらの父Op.24、旅人の賛歌
 わが祖国「この北極星の下で」
民謡:主をたたえよ、おお、わが歌よ」
マドテヤ:帰らせていただいて
よろしいでしょうかOp.71-1
メリカント:祈り「アヴェ・マリア」
 日の出が墓地を照らしOp.74-4
 汝に祝福あれOp.84-1
マーサロ:千の舌で、祈り「来たれ、主イエスよ」
ピュルッカネン:パストラーレ
クレメッティ:夕べの歌
P.J.ハンニカイネン:守護天使
キルピネン:詩篇
ペソネン:主に感謝しよう
ラウタヴァーラ:夕べの祈り
クローン:明るい水面「あこがれ」
ソイレ・イソコスキ(S)
ヨン・ストルゴーズ(指)ヘルシンキPO
ODE-1035
シベリウス:交響曲第3番ハ長調*
交響曲第5番変ホ長調+
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO
2004年1月*、2003年6月+
ODE-1037
シベリウス〜名演集
 カレリア組曲*、悲しきワルツ#
 ポヒョラの娘#
 トゥオネラの白鳥*
 アンダンテ・フェスティーヴォ+
 付随音楽「テンペスト」〜3曲**
 フィンランディア*
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO*
トゥオマス・オッリラ(指)タンペレPO#
ジャン・シベリウス(指)
フィンランド放送O+
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)
フィンランド放送O**
ODE-1038
マグヌス・リンドベリ:クラリネット協奏曲(2001-2002)*
グラン・デュオ(木管楽器群と金管楽器群の為の;1999-2000)+
コラール(管弦楽の為の;2000)#
カリ・クリーク(Cl)*
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO

録音:2003年9月*/2005年3月+/2005年5月#
マグヌス・リンドベリ (1958-) のクラリネット協奏曲は、東京オペラシティの企画メコンポージアム2004でサラステ指揮,NHK交響楽団が日本初演。曲を献呈されたカリ・クリークが、東京のコンサートでもソロを担当。パフォーマンスをまじえた演奏と、遊び心いっぱいの音楽が聴衆にアピールしました。木管楽器群 (13楽器) と金管楽器群 (11楽器) が対話する〈グラン・デュオ〉。〈コラール〉は、バッハのカンタータ第20番「おお永遠よ、汝恐ろしき言葉」のコラール『主よ、足れり』による管弦楽作品です。  (Ki)
ODE-1039
コリリアーノ:交響曲第2番(弦楽の為の)
マンハイム・ロケット
ヨン・ストルゴールズ(指)ヘルシンキPO
ODE-1040
シベリウス:交響曲第4番*
 交響幻想曲「ポホヨラの娘」+
 交響詩「フィンランディア」#
レイフ・セゲルスタム(指)ヘルシンキPO
ポリテク男声cho#

録音:2003年12月(*/#)、2004年1月+
ODE-1041
ラウタヴァーラ:空間の庭(1971/2003)
 クラリネット協奏曲(2001)*/
 鳥とオーケストラの為の
 カントゥス・アルクティクス「極北の歌」(1972)
リチャード・ストルツマン(Cl*)
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO

録音:2003年6月/2004年11月
セーゲルスタムが指揮するラウタヴァーラ作品集です。注目はクラリネット協奏曲と「極北の歌」。協奏曲は2001年に作曲され、翌年ストルツマンのクラリネット、レナード・スラットキン指揮のワシントン・ナショナル交響楽団によって初演。70 代半ばになったラウタヴァーラの音楽の深みが染み渡っている名作です。ストルツマンのクラリネットの音色もこれ以上ないほど見事です。「空間の庭」は1971 年の作品を2003 年に改訂したもの。いくつかのグループに分かれたオーケストラがそれぞれ完全に記譜された音楽を演奏しますが、その入りのタイミングは指揮者に従う、という面白い試みをしています。カントゥス・アルクティクスは1972 年の作品で、ラウタヴァーラの作品では最も良く知られている超人気曲で、ヴァンスカ指揮の読売日響でも演奏され、話題となりました。鳥の声のテープ録音をオーケストラと重ね合わせたもので鳥の声がオーケストラと競演する、ロマンティックで幻想的な名曲です。  (Ki)
ODE-1043
モーツァルト:アリア集
「コジ・ファン・トゥッテ」〜岩のように動かずに/お願い許して恋人よ、
コンサート・アリア「私のうるわしい恋人よさようなら」K.528
「ツァイーデ」〜やすらかにおやすみ下さい、
コンサート・アリア「ああ、私には分かっていた」K.272、
「フィガロの結婚」〜楽しい思い出はどこへ、
コンサート・アリア「どうしてあなたを忘れよう」K.505
ソイレ・イソコスキ(S)
ぺーター・シュライヤー(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
マリタ・ヴィータサロ(P)

録音:2004年1月
ODE-1044
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番
 ワルツ集Op.39(全16曲)
アンッティ・シーララ(P)
ODE-1045
ヤーコ・マンテュヤルヴィ (1963-):いかめしく冷たい葬送のワルツ
ハンヌ・ポホヤンノロ (1963-):太陽の歌
リーカ・タルヴィティエ (1970-):火の明滅
ウルヤス・プルッキス (1975-):魔法使いの弟子
湯浅譲二 (1929-):芭蕉の俳句から四季
ラーシュ・カールソン (1953-):女のからだ
エーリク・ベリマン (1911-):白鳥の姿
セッポ・ポホヨラ (1965-):シューベルトへのオマージュ
ミッコ・ヘイニオ (1948-):塵の理性 (男声合唱とイェンベのための)
ペトリ・ベックストレム (T)、
マッティ・ヒュオッキ (指)
ヘルシンキ大学男声cho

録音:2003年10月
エリク・サティと、フィンランドの象徴主義画家、ヒゥーゴ・シンベリをイメージした、マンテュヤルヴィの「いかめしく冷たい葬送のワルツ」「古池や… 」「夏草や… 」「菊の香は… 」「木枯らしや…」の芭蕉の句をテクスト (日本語) とする湯浅譲二の曲。「美しい水車屋の娘」と「魔王」をコラージュした「シューベルトへのオマージュ」。秦始皇帝の兵馬俑に“時”を重ねたラッシ・ヌンミの詩による「塵の理性」。21世紀の作品にチャレンジ。YLの意気込みが感じられます。 (Ki)
ODE-1046
シベリウス:ヴァイオリン小品集
5つの小品Op.81、4つの小品Op.78
5つの田園舞曲Op.106
4つの小品Op.115
3つの小品Op.116
ペッカ・クーシスト(Vn)
ヘイニ・カルッカイネン(P)

録音:2004年 イェルヴェンバーのシベリウス宅「アイノラ」
ODE-1047
サーリアホ(1952-):水晶から*
・・・煙の中へ+
睡蓮(秘密の園 III)#
七羽の蝶**
ペトリ・アランコ(Fl+)
アンシ・カルットゥネン(Vc+/**)
エサ=ペッカ・サロネン(指)LAPO(*/+)
クロノスSQ#
ODE-1049
サーリアホ:「遥かな愛」による5つの黙想(2002)
睡蓮の黙想
新しい千年紀への7つの前奏曲「海をこえて」
ピア・フロイント(S)
ガブリエル・スオヴァネン(Br)
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)
フィンランドRSO、
タピオラ室内cho
ODE-1050(2CD)
ラウニス:歌劇「アスラク・ヘッタ」 アキ・アラミッコテルヴォ(T アスラク・ヘッタ),
ライリ・ヴィヤカイネン(S アグニ),
ライモ・ラウッカ(Br ランニ),
エーヴァ=リーサ・サーリネン(Ms),
アンナ=クリスティーナ・カーッポラ(S ウンナ),
アルットゥ・カタヤ(Bs),
ヤーッコ・コルテカンガス(Br),
トゥオマス・カタヤラ(T),
ラッシ・ヴィルタネン(T),
イルッカ・ハマライネン,他、
サカリ・オラモ(指)フィンランド放送SO、
ヘルシンキ大学男声cho,
カンピン・ラウル室内cho
録音:2004年3月
アルマス・ラウニス(1884-1959)はフィンランドの作曲家、と同時に探検家でもありアマチュアの人類学者でもありました。彼はラップランドを何度か探検し、先住民族サーメの生活に接しました。この時に学んだサーメの文化をもとにして、1920 年代末に作曲されたのがオペラ「アスラク・ヘッタ」です。物語は1852 年、ノルウェーの圧政に苦しむサーメの人々は反乱を計画していました。サーメの英雄アスラク・ヘッタは、フィンランド娘のアグニと恋に落ちていました。アグニは、戦いでアスラクが死ぬことを恐れ、ノルウェーにサーメの反乱の計画を告げてしまいます。しかし戦いは避けられず、アグニはサーメの人々と共に戦って傷つき、ヘッタは捉えられ処刑されてしまう、という壮大な悲劇。ワーグナーの影響もあれば、民族音楽を採り入れたり、結婚式や儀式、踊りなどサーメの風習を扱ったりと、興味深い作品です。実はこの大作、完成からほどない1930年にラウニスがフランスに移住してしまったため、フィンランドでの上演が頓挫、お蔵入りして、以後四分の三世紀眠っていたのです。2004 年3 月17 日に演奏会形式で初演され、その後このレコーディングとなりました。オラモの熱の入った指揮に、フィンランド・オペラ界の名歌手勢揃いの上演は大成功が伝えられています。 (Ki)
ODE-1051
ラヴェル:夜のガスパール(コンスタン編曲のによる管弦楽版)
 組曲「クープランの墓」、
 古風なメヌエット、
 亡き王女の為のパヴァーヌ、
 道化師の朝の歌
 夜のガスパール〜オンディーヌ+
クリストフ・エッシェンバッハ(指)パリO
キャロル・ブーケ(朗読)*
ツィモン・バルト(P)+

録音:2004年3-4月パリ・ライヴ、2004年6月+
パリ管と関わったほとんど全ての指揮者が録音したラヴェルに、遂にエッシェンバッハも挑戦!ここでは、ラヴェル自身がオーケストレーションしなかった「夜のガスパール」をマリウス・コンスタン(1925-)がオーケストレーションしたものを演奏。しかも、以前バッカウアーがMercury録音で行なっていたように、音楽の元となったアロイジェス・ベルトラン(1807-1841)の散文詩を朗読しています。朗読はフランスの女優キャロル・ブーケ。バルトも健在ぶりをアピール!  (Ki)
ODE-1052
ガレン=カレラの絵画と共に聴くシベリウス
シベリウス:ポヒョラの娘Op.49*
組曲「レミンカイネン」#〜トゥオネラの白鳥/レンミンカイネンの帰郷
ヴァイノ賛歌 Op、110+
レミンカイネンの歌 Op31-1+
タピオラOp.112#
トゥオマス・オッリラ(指)*
タンペレPO*
レイフ・セーゲルスタム(指)#
ヘルシンキPO#
エリ・クラス(指)
ヘルシンキ歌劇場O&cho+
ODE-1054
カリタ・マッティラ〜ベスト
シューマン:君に捧ぐOp.25-1、
 くるみの木Op.25-3/
 君は花のようOp.25-24
ブラームス:僕の恋は新緑だOp.63-5
 甲斐なきセレナードOp.84-4
 恋しい人のもとへOp.48-1
メリカント:陽の輝くときOp.24-1
メラルティン:ミリアムの歌I、
 ミリアムの歌II
シベリウス:夕べにOp.17-6
 それは夢かOp.37-4
 初めての口づけOp.37-1
 逢い引きから戻った娘Op.37-5
 黒バラOp.36-1
シューベルト:アヴェ・マリア D.839
ドヴォルザーク:「ルサルカ」〜月によせる歌
ヴェルディ:「アイーダ」〜勝ちて帰れ
プッチーニ:「トスカ」〜歌に生き恋に生き
J.シュトラウス:「こうもり」〜ふるさとの調べよ
バーンスタイン:「ウェストサイド・ストーリー」〜サムホエア
ロウ:「マイ・フェア・レディ」〜踊り明かそう
カリタ・マッティラ(S)
イルモ・ランタ(P)
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)
フィンランドRSO
ペッカ・サヴィヨキ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ペルッティ・ペッカネン(指)トゥルクPO
ODE-1055(2CD)
タウノ・ピュルッカネン(1918-1980):歌劇「マレと息子」(1942-43 43) キルシ・ティーホネン(S)、
ライモ・シルッカ(T)、
ユハ・ウーシタロ(Br)、
エサ・ルートゥネン(Br)、
ユハ・リーヒマキ(T)、
カイ・ヴァルトネン(Bs)、
ハンヌ・リントゥ(指)エストニア国立オペラO&cho
タウノ・ピュルッカネンは第2 次世界大戦後のフィンランドを代表するオペラ作曲家のひとり。5 つのオペラ、4 つの小オペラと、バレエが1 作。ほとんどの作品が劇のための音楽です。作風は、民族的ロマンティシズムを基本に、戦後モダニズムへの傾斜も見せました。1945 年、フィンランドオペラで初演されました。全3 幕。フィンランド生まれのエストニア作家、アイノ・カッラスの物語を基にオペラ化。1343 年、帯剣騎士団統治下のリヴォニア(今日のラトヴィア東北部からエストニアの南部にかけての地域)を舞台とする、領主に対する反乱に巻き込まれた母と子の悲劇が題材となっています。 (Ki)
ODE-1056
モルター&モーツァルト
ヨハン・メルヒオル・モルター
:クラリネット協奏曲第1番イ長調 MWV.6:36*/第3番ト長調 MWV.6:38*/第4番ニ長調 MWV.6:39*
モーツァルト:クラリネット協奏曲+
カリ・クリーク(D管Cl;*、バセットクラリネット+)
アッシ・カルットゥネン(Cemb[通奏低音])*
ヨン・ストゥールゴールズ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:2004年9月、エスポー市、タピオラ・ホール*/2005年8月、エスポー市、セッロ・ホール+
フィンランドのクラリネット奏者、カリ・クリーク(1960-) は、2004年に来日し、クラリネット奏者と音楽ファンの間で、一段と評価と人気が高まりました。そのクリークがモルターとモーツァルトの協奏曲を録音 ヨハン・メルヒオル・モルターはアイゼナッハの生まれ。約170曲の交響曲..(シンフォニア)、室内楽曲、カンタータのほか、90曲を超す協奏曲を作曲。クラリネットのための協奏曲..(6曲)..は1747 年から1750 年にかけて書かれました。この楽器のための協奏曲としてはもっとも初期の作品です。2度ほど訪れたイタリアで出会ったヴィヴァルディ、アルビノーニ、マルチェッロといったバロック期の作曲家と、古典時代に移ろうかという時期のふたり、ペルゴレージとサンマルティーニの影響を受けています。オーケストラなどで使われ、一般的なA管..(イ管) やB管..( 変ロ管) ではなく、D管..( ニ管)クラリネットのために書かれました。ストラヴィンスキーやシュトラウスも好んで使ったD管は、かわいらしい音色が特徴。モルターの協奏曲でも、高域の明るい響きが活かされます。第1 番と第4 番の緩徐楽章の憂いをおびたメロディ。光の粒をまき散らすような終曲。ほとんど録音されてこなかったのが不思議なくらい、魅力的な作品です。クリークはモーツァルトの協奏曲をバセットクラリネットで演奏しています。モーツァルトは、バセットクラリネットのメランコリックな響きを好んだと言われ、〈皇帝ティートの慈悲〉、〈レクイエム〉など、晩年の作品で重要な使い方をしています。 クリークの演奏は、軽妙な動きと、たえず光と影が交差する響きが魅力。彼のモーツァルトは、器用に指は動くものの、何気なく始まり、何もなく終わってしまう演奏とは次元が違います。表情の豊かさと音楽の推進力が巧みにバランスしているのも、クリークの音楽の特色です。ヨン・ストゥールゴールズ指揮タピオラ・シンフォニエッタの和声感と、モーツァルトの和声感の美しい調和。素敵なアルバムの誕生です。   (Ki)
ODE-1058
コリリアーノ:管弦楽作品集
ファンタンズマゴーリア*、
音楽に寄せて、
オスティナートによる幻想曲/3つの幻覚
エリ・クラス(指)タンペレPO

録音:2004年11月、タンペレ・ホール
オペラ100周年のために作曲された悲喜劇オペラ〈ヴェルサイユの亡霊〉に基づく作品。さまざまな現代手法の音楽、ロココ時代の響き、ワーグナーの高笑い…時空を超えて旅するような感覚。〈音楽に寄せて〉は、シューベルトの同名歌曲による“壮麗な”音楽。〈オスティナートによる幻想曲〉では、ベートーヴェンの第7交響曲、第2楽章の主題を素材に、「(欠点を捨て) ミニマル音楽の魅力的な側面を情緒表現と結びつけること」が試みられた。〈3つの幻覚〉は、コリリアーノが初めて手がけ、アカデミー賞にノミネートされた、映画「アルタード・ステーツ」 のための音楽による組曲。  (Ki)
ODE-1059
ベリオ :レンダリング (1990) (管弦楽のための)、スタンツェ (2003) (バリトン、3つの小男声合唱と管弦楽のための) [世界初録音] ディートリヒ・ヘンシェル(Br)、
クリストフ・エッシェンバッハ (指)パリO、
フランス陸軍cho

録音:2004年
シューベルトの第10交響曲となるはずだったニ長調の交響曲 (D936A) の復元を試みた「レンダリング」(翻訳、解釈)は、不完全な素材を基にベリオは3つの楽章を完成させ、シューベルトのスケッチをオーケストレーションした音楽と、ベリオ自身の音楽。ベリオの作業は、細かく砕けたフレスコ画の復元にも例えられるでしょう。“ベリオ=現代音楽” と思っていると、不意打ちに合うかも…。エッシェンバッハにとって、再録音。ベリオ指揮LSOにつぐ新録音です。ポール・セランらの詩をテクストとする「スタンツェ」はパリ管弦楽団の委嘱。ベリオが完成した最後の作品となり、作曲者の死後、エッシェンバッハの指揮により初演されました。 (Ki)
ODE-1060
プロコフィエフ:ピアノ作
「シンデレラ」からの3つの小品Op.95
「シンデレラ」からの10の小品Op.97〜抜粋(第8曲以外)/
「シンデレラ」からの6つの小品Op.102〜ワルツ/いさかい/アモローゾ
子供の音楽Op.65
ガヴォットOp.32-3
前奏曲 ハ長調Op.12-7
オッリ・ムストネン(P)

録音:2004年9月
ODE-1061
子どもの歌の宝箱
ユッカ・ヤルヴォラ:ワニのヘルベルッティ
マルムステーン:言うことをきかないティピ
P.J.ハンニカイネン:リスの巣
伝承歌(テッポ・アリ=マッティラ編):粗末な小屋の歌
ヘイッキ・クレメッティ:森の歌の集い
伝承歌(テッポ・アリ=マッティラ編):ヒュッティス=フーベルト
カイ・シュデニウス:マグダレーナ
マルムステーン:野ウサギの雪すべり
イルッカ・クーシスト:ウィークデイ
オホルス:ねんねんころり
マルムステーン:子どもに教える交通ルールの歌
伝承歌(ヨルマ・ハルコネン編):森の小屋の窓
ゲオルグ・マルムステーン:わるい小熊
伝承歌(テーム・ホンカネン編:象の行進
伝承歌(テッポ・アリ=マッティラ編:風は誰のために歌うのか?
ペトリ・ヴィルタネン:わたしの友だち
マリ・パロ(S)
カイ・ヒュッティネン(Bs)
オスカリ・ペンナネン(ボーイS)
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO
録音:2005年2月18日-19日
ODE-1062
ヨウニ・カイパイネン(1956-):ホルン協奏曲Op.61*
チェロ協奏曲第1番Op.65+
エサ・タパニ(Hrn)*
マルコ・ユロネン(Vc)+
ハンヌ・リントゥ(指)フィンランドRSO
録音:2005年1月3-4日*、2005年1月5、7日+
モーツァルトがクラリネット協奏曲を献呈したシュタードラーのように、優れた協奏曲の背景には優れた奏者の存在があります。フィンランドの作曲家による協奏曲が多数書かれるようになったのも、優秀な器楽奏者がフィンランドにいることと関係があります。フィンランドを代表する作曲家のひとり、カイパイネンのホルン協奏曲は、フィンランド放送交響楽団の奏者、エサ・タパニ(1968-)の求めにより、作曲されました(委嘱者はオウル交響楽団)。ホルンという楽器には、“ドイツの森” をイメージさせること以上に、より柔軟に役割が与えられています。“ジプシー音楽”を回顧するページ。ラルゲットでは、リヒャルト・シュトラウスを思わせる瞬間も。カイパイネンの音楽は、さまざまに表情を変えます。チェロ協奏曲は、ニューヨーク・コンサート・アーティスツ・ギルドとフィンランド放送の共同委嘱作。激しい情熱、静かな祈り。付点リズムの音楽はアメリカへのオマージュでしょう。この作品はマルコ・ユロネンに献呈されました。 (Ki)
ODE-1063
キンモ・ハコラ(1958-):クラリネット協奏曲*
緑に燃える黄昏+
ダイアモンド・ストリート#
カリ・クリーク(Cl)*
エサ・トゥキア(Hrn)+
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO
フィンランドの奏者、カリ・クリークからインスピレーションをもらったクラリネット協奏曲。協奏曲のためのスケッチとも言える「ダイアモンド・ストリート」。空気の澄んだ夕刻、日没の太陽が緑色の閃光を放ち、その光を目撃した瞬間、人には自分と恋人の心のうちが見えるようになるSF 作家ジュール・ヴェルヌの「緑の光線」(1882 年)のイメージを表現する管弦楽曲、「緑に燃える黄昏」。ハコラの音楽には、彼の出発点となったモダニズム、エスニックの香り、ハリウッド風ロマン、オリエンタルムード、クレッツマー(ユダヤ人の音楽)など、さまざまな要素が織り込まれます。それが遊び心につながり、音楽ファンとプレーヤーの心をとらえます。  (Ki)
ODE-1064(1SACD)
ラウタヴァーラ:交響曲第1番(2003年改訂版)[世界初録音]、
アダージョ・チェレステ(2000) (弦楽オーケストラのための)、
幻影の書(2003-2005)[世界初録音]
ミッコ・フランク(指)ベルギー国立O
録音:2005年6月
Ondine 初のSACD!「幻影の書」は、《夜の話》、《火の話》、《愛の話》、《運命の話》の4つの部分からなる大曲 (演奏時間約40分)。作曲者が経験した現象や事象から自然に生まれてきたたといいます。〈アダージョ・チェレステ〉 (天のアダージョ) は、フィンランドの詩人、ラッシ・ヌンミの詩にインスピレーションを得た作品。“目覚めさせよ…来い…”と呼びかける詩人。“おまえ”は、天の高みに誘う“死”なのか? それもラウタヴァーラの抒情です。交響曲第1番は、2003年に改訂された版による演奏。マックス・ポンマーの録音 (ODE740-2) は第2版による演奏でした。新たな改訂により、第1楽章とスケルツォの間に抒情的な緩徐楽章が追加されています。ラウタヴァーラの作品を次々録音するミッコ・フランクには、作曲者も信頼を寄せています。ミッコが音楽監督を務めるベルギーのオーケストラとの録音。  (Ki)
ODE-1065
ルーセル:バレエ「バッカスとアリアーヌ」Op.43
組曲第1番/同第2番/交響曲第2番変ロ長調Op.23*
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
パリO

録音:2005年2月パリ・モガドール劇場、2005年7月パリ音楽院*
サンデー・タイムズ紙“2005年優秀レコード”の1枚に選ばれた「ルチアーノ・ベリオ追悼」(ODE1059)につづく、パリ管弦楽団と音楽監督エッシェンバッハによる録音は、3枚からなるルーセル・シリーズの第1作。人生の3つの時代を表現したと言われる交響曲第2番。リヒャルト・シュトラウスのオペラ〈ナクソス島のアリアドネ〉と同じ題材、孤島に置き去りにされたアリアドネ(アリアーヌ)がバッコス(バッカス)と結ばれるというギリシャ神話による〈バッカスとアリアーヌ〉(バッコスとアリアドネ)。4つの交響曲の中でも録音の少ない1曲と、ルーセルの代表作の組み合わせです。バレエ組曲は第1番と第2番の両方を演奏。ステージ上の動きが想像できるように、スコアに記された注釈の英訳がブックレットに記載されています。オーケストラのゴージャスな響き。ダイナミックレンジ、広がりと奥行きのある録音。この後、残り3つの交響曲と〈蜘蛛の饗宴〉がリリースされる予定です。  (Ki)
ODE-1066(2CD)
アウリス・サッリネン(1935-):歌劇「英国王はフランスへ行く」 トンミ・ハカラ(バリトン、皇太子) 
ユルキ・コルホネン(バス、首相)、
リーカ・ランタネン(ソプラノ、楽しいカロライン)、 
リッリ・パーシキヴィ(メッツォソプラノ、ふさふさ髪のカロライン)、
マリ・パロ(ソプラノ、泥棒するアン) 
ラウラ・ニュカネン(アルト、服を脱ぐアン)、
ユルキ・アンティラ(テノール、案内人) 
ヘルマン・ヴァッレーン(バリトン、弓の射手)、
キルシ・トゥム(ソプラノ、女王) 
サンテリ・キンヌネン(台詞、フロワサール)、
オッコ・カム(指),ヘルシンキPO、
フィンランド・フィルハーモニックcho、
タピオラ室内cho

録音:2005年4月 フィンランディアホール
新たな氷河期がやってくる。英国王への即位が決まった皇太子は、首相の進言を入れ、4人の后候補を伴い、軍隊を率いて、氷結したイギリス海峡をフランスに渡る。クレシーの戦い、カレーの包囲。皇太子は600年前、エドワード黒太子がフランス軍を破った百年戦争の世界に...。アウリス・サッリネン(1935-) の3作目のオペラ「英国王はフランスへ行く」は、パーヴォ・ハーヴィッコの同名の放送劇に基づき、作者自身が台本を執筆。《来るべき氷河期のミュージックシアターのための年代記》の副題がつけられました。フィンランドのサヴォンリンナ・オペラフェスティヴァル、コヴェントガーデン王立オペラ、BBCの共同委嘱。オッコ・カム (1946-) が初演の指揮を執りました。時空を超えるファンタジー、劇的な展開、多彩な管弦楽、美しい旋律。コミックオペラへのオマージュ。サッリネンのカンタータ「生と死の歌」やTV映画「カレヴァラ」の音楽による「鉄の時代」組曲 (ともに ODE844) を想わせるページ。20世紀フィンランドを代表するオペラのひとつに挙げられています。2005年春の公演に合わせて行われた録音。制作が進んでいる映画のサウンドトラックにも使われます。全3幕。フィンランド語・英語対訳台本つき。この音楽はカンタータとしても楽しむことができそうです。 (Ki)
ODE-1067
ラモー:クラヴサンのための小曲集
クラヴサン曲集第1集(pub.1706)、
クラヴサン曲集(pub.1724)組曲ホ長調、
クラヴサン曲集(pub.1724)組曲ニ長調、
新クラヴサン曲集(pub.1728)
ツィモン・バルト(P)
アメリカのピアニスト、ツィモン・バルト (1963-)がラモーのクラヴサン曲集に挑みました!ルネサンスやバロック時代に興味をもっていたバルトにインスピレーションを与えたのは、ミンコフスキとクリスティーが上演したラモーのオペラです。バロックであって、現代。印象主義の先がけ。バルトは、ラモーの音楽に対してさまざまな想いを抱き、それをこれらの小曲に投影しました。クラヴサン曲をピアノで演奏するために、新たな色彩とフレージングを探らねばならない。そのことについてバルトは、こう答えています。「ひとつのフレーズの中のどのふたつの音も同じに響かせたくない。そのためにpppとfffの間に36のダイナミックスの色調を与えた。それが私の自慢だ」。バルトはラン・ランと同様、指揮者クリストフ・エッシェンバッハに絶賛されたピアニスト。エッシェンバッハがフィラデルフィア管弦楽団と録音したバルトークの「管弦楽のための協奏曲」(ODE1072)を製作総指揮したケヴィン・クラインマンが、ここにも名を連ねています。ジャン・シメオン・シャルダン(1699-1779)の絵にちなみ、「野いちごのかご」と名付けられています。ラモーをピアノで弾いた演奏には他に、フランスのピアニスト、アレクサンドル・タローによる録音(HMC901754)があります。 (Ki)
ODE-1069
君だけに美しい愛の歌を− セレナードと愛の歌
リンナヴオリ:君の夜空にありったけの星の歌を歌おう、メリカン:幸せな人たち(男声合唱と
クラリネットのための)、アールトイラ:アクセルとエリナの婚礼ワルツ、
ジョージ・ド・ゴジンスキ
:君だけに美しい愛の歌を(バス、男声合唱とピアノトリオのための)、
パーキンソン
:ママに捧げる詩、
シューベルト:セレナードD920 (テノール、男声合唱とピアノのための)、ニルス=エーリク・フォウグステット:3 つの愛の歌、じっと見ている仲間、熱愛、僕らの愛はずっと 、
V・サラーノフ:君のところに戻りたい、ギャリー・ボナー/アラン・ゴードン、ハッピー・トゥゲザー(男声四重唱のための)、
リンコラ
:朝の波止場(男性ヴォーカルアンサンブルのための)、シュデニウス:君こそ、わが恋する人、
リンドストレム
:アルニ(テノール、男声合唱とピアノトリオのための)、
ヌルミオ
:ラモナ、カユフコ:荒れ地の物語、
カルキ:君にまだ恋人がいないなら(男声合唱とピアノトリオのための)
ヘルシンキ大学男声cho、
マッティ・ヒュオッキ(指)、
マッティ・サルミネン(Bs)、
トゥオマス・カタヤラ(T)、
クリスチャン・アッティラ(P)、
ヨウニ・カンニスト(T)、
タッラ・ヴォーカルアンサンブル,
クリストフェル・スンドクヴィスト(Cl)、
リータ・パーキ・トリオ

録音:2005年8月3日-4日ヘルシンキ音楽院コンサートホール
ヘルシンキ大学男声合唱団 (YL) が歌うセレナードと愛の歌集。憧れ、情熱、やさしさ、喪失、そしてフィンランドの人たちにとって大切な自然への愛。YL と指揮者のヒュオッキにとって重要なレパートリーです。新しいアルバムでは、「美しいセレナードの世界」で歌われなかった新しい曲がメイン。フィンランドの文学賞を受けたことのあるロックミュージシャン、トゥオマリ・ヌルミオやジャズ・ミュージシャンたちの歌。ダニー・オズモンドとニール・リードも歌ったビル・パーキンソンの「ママに捧げる詩」。タートルズのヒット曲「ハッピー・トゥゲザー」は、ウォン・カーワイの映画「ブエノスアイレス」の主題歌として使われました。アカペラ男声合唱、ヴォーカルアンサンブル、男声四重唱、クラリネットやピアノトリオの共演。歌のスタイルも多彩です。ジャンルを超え、国境を越え、歌に心を託すヘルシンキ大学男声合唱団とミュージシャンたちの音楽。フィンランドの音楽シーンは、新しい息吹にみちています。 (Ki)
ODE-1070
イソコスキ、フィンランド語賛美歌を歌う
わたしの魂は主を讃えます 
神よあなたを信じます、
夕べになりました、わが創り主よ、他 (全20曲)
ソイレ・イソコスキ(S)、
マリタ・ヴィータサロ (P、ハルモニウム)

録音:2002年5月、2004年8月 
フィンランドを代表する国際的歌手のひとり、ソイレ・イソコスキ。幼いころから教会に通い、クオピオの音楽学校で教会音楽を学んだ彼女にとって、賛美歌集の録音は長年の夢でした。「賛美歌を歌うことで、自分の卑小さに気づくことができます。すべてがさらけ出されてしまうので、とてもむずかしい。簡素な旋律だけに、清く歌うしかありません」と語ります。少女時代、青春時代と親しんできた歌の数々。賛美歌集をめくっていると、ひとつひとつのページで手がとまり、涙がこみあげてきたそうです。 (Ki)
ODE-1071
イーロ・ランタラ(1970-):ピアノ協奏曲 G#majAs*、アストラーレ
タンゴネイター+
ファイナル・ファンタジー*
イーロ・ランタラ(P)
ヤーコ・クーシスト(Vn+,指)
タピオラ・シンフォニエッタ*

録音:2005年5月、エスポー、タピオラ・ホール
フィンランドで国際的にもっとも名前を知られたジャズグループ、トリオ・トユケアットのピアニスト、イーロ・ランタラ (1970-)。そのランタラが書いたピアノ協奏曲はチューニングから始まります。ピアノの即興演奏も織り込んだ第1楽章。ゆったりと美しい第2楽章。2つのテーマによるロンド風の第3楽章。モーツァルト時代の協奏曲に則った構成をとっています。ランタラのアイデアを基にオーケストレーションを行ったのはラハティ交響楽団のコンサートマスター、ヤーコ・クーシスト (1974-)。指揮者、作曲家としての活動も目立つようになりました。ヤーコはイーロ・ランタラの義理の弟。トリオ・トユケアットのコンサートにもたびたび参加しています。イーロとヤーコの話では、この協奏曲はすでにフィンランドで10回ほど演奏され、聴衆から暖かく迎えられたとのこと。フィンランドの人たちのオープンで自由な精神をうかがい知ることができます。〈アストラーレ〉と〈タンゴネイター〉は、自らのアンサンブル、タンゴ・キングズのために書かれた曲。トリオ・トユケアットのための〈ファイナル・ファンタジー〉もヤーコが編曲しています。この楽しさ! これこそ、“joie de vivre (生きる歓び)” です。  (Ki)
ODE-1072(1SACD)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
マルティヌー:交響詩「リディツェ追悼」
G.クライン:弦楽のためのパルティータ(サウデク編曲)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
フィラデルフィアO

録音:2005年5月、フィラデルフィア、ヴェリゾン・ホール(ライヴ)
シリアスなアプローチ、衝撃のクライマックス、エッシェンバッハの真摯な姿勢は心に訴えかけます。強烈なオーラ、意欲的な表現、まさに完全燃焼といった演奏です。またカップリングとして、ナチスによって虐殺された村人たちに捧げられたマルティヌー:「交響詩リディツェ追悼」、そして第一次大戦中のチェコのユダヤ人家庭に生まれたG.クライン。彼はプラハ音楽院に学びましたが、1941年、テレジンに送られ25歳で亡くなっています。その収容所の中で書いた「弦楽のためのパルティータ」、を収録しています。  (Ki)
ODE-1073(2CD)
オッリ・コルテカンガス(1955-):歌劇「メッセニウスとルシア」 ハンヌ・ニエメラ(B:ヨハネス・メッセニウス)
パイヴィ・ニスラ(ルシア・グロトヒューセン)
エッシ・ルッティネン(Ms:カルラ)
ニクラス・スポーンベリ(B:マグヌス・アンドレ)
リク・ペロ(B:修練者)
ラッシ・ヴィルタネン(T:ルドベキウス)
ヨウニ・ココラ(B:大尉)
パウラ・エテラヴオリ(A:エルサ)
アルヴォ・ヴォルメル(指)
オウルSO&室内cho
ユンニン・ポヤト少年cho

録音:2005年9月19-22日
ODE-1074(1SACD)
シベリウス:6つのユモレスクOp.87&Op.89、
2つのセレナード作品69、
組曲ロ短調Op.117〜田舎の景色セレナード、
春の夕べその夏に、劇付随音楽「白鳥姫」組曲Op.54
ペッカ・クーシスト(Vn&指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ペッカ・クーシスト(1976-)がシベリウスのヴァイオリン協奏曲を録音したのは、彼が19 歳のとき。シベリウス・ヴァイオリン・コンペティションで初めて第1 位を獲得したフィンランドの若者による録音(ODE878,ODE1075)は、フィンランドだけで1 年間に2 万枚を超すベストセラーを記録。あれから10 年。コンサートと録音活動を行いながら、民俗音楽やジャズのセッションへも参加。シベリウスの町、ヤルヴェーンパーで開催される室内楽フェスティヴァルでは兄のヤーコとともに音楽監督を務め、芸術家としての道を着実に歩んでいます。シベリウスが小品に託した想いをペッカは、とても深いところで感じています。ストリンドベリの劇のために書かれた「組曲」では指揮を担当。でも、「オーケストラの前で他のみんなと一緒にヴァイオリンを弾くだけ」と、屈託がありません。シベリウスの家“アイノラで録音したシベリウスのヴァイオリンとピアノの作品集(ODE1046)とともに、ペッカ・クーシストの近年の音楽を伝えるアルバムです。 (Ki)
ODE-1075(4CD)
シベリウス:交響曲全集
交響曲第1番〜第7番
「フィンランディア」(男声合唱付)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調Op.47*
ペッカ・クーシスト(Vn)*
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキPO
ポリテク男声cho(Op.26)

録音:1996年〜2004年ルシンキ、フィンランディア・ホール
ヘルシンキ・フィルとセーゲルスタムによるシベリウスの交響曲が4枚組の全集にまとめられました。透明なテクスチュア、木管楽器の詩的な響きなど様々な魅力に彩られた演奏。ヴァンスカ、サラステ、ベリルンド(ベルグルンド)の録音とともに、“ 明敏なシベリウス愛好家”(英グラモフォン誌、アンドリュー・アシェンバック)のための全集。  (Ki)
ODE-1076(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第5番
 四季Op.37b*
クリストフ・エッシェンバッハ(P*、指)
フィラデルフィアO

録音:2005年5月、ライヴ
CDRでも存在しなかったエッシェンバッハの初レパートリー!弦の配置は昨年のアジア・ツアーで見せた、左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、コントラバスが舞台左後方に一列に並び、金管が右後方に固まっているこだわりの対抗配置。フィラデルフィア管伝統のストコフスキー・シフトからの転向は音楽監督エッシェンバッハの意向なのでしょう。エッシェンバッハお得意の流動的で大げさな表情付け,静かでいて異様な緊張感の漂う音楽はまさに只者ではない印象を再び印象付けた演奏です。天上の美しさを持つ第5番の第二楽章。しかしエッシェンバッハの張り詰めた緊張感でシリアスな音楽を作り上げています。弟1楽章の冒頭、クラリネットで歌われる陰うつな旋律、「運命の主題」がこの曲の循環主題として全楽章にわたって登場します。弟2楽章で夢幻的世界を打ち破るように「運命の主題」が再び金管によって激しく登場し甘美な夢から醒まされます。いつもは弦の美しさが光るフィラデルフィア管ですが、ここの金管の鳴りは強烈。また終楽章は非常にドラマチックな展開。苦悩と戦いを勝ち抜いたぶんだけよりコーダが感動的に演奏されています。またカップリングのピアノ・ソロ「四季」も独特の雰囲気があり知性と情感を漂わせた演奏です。時々は聴きたくなるような、肩の力を抜いた自然体のピアノ演奏です。  (Ki) 
ODE-1078
モーツァルト:名曲集
歌劇「フィガロの結婚」*〜自分で自分がわからない/恋はどんなものかしら
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」+〜窓辺においで/酒がまわっているうちに+
クラリネット協奏曲〜第2楽章
歌劇「ツァイーデ 」〜やすらかにお休み私のいとしい命よ**
歌劇「フィガロの結婚」〜楽しい思い出はどこへ**/勝ちと決まっただと?++
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」〜彼に目を向けてください++
ヴァイオリン協奏曲第4番##
エリーナ・ガランチャ(Ms)*
アレクサンドルス・ヴィルマニス(指)
ラトヴィア国立SO*
ヨルマ・ヒュンニネン(Br)+
エリ・クラス(指)エストニアSO+
カリ・クリーク(バセットクラリネット#
ヨン・ストゥールゴールズ(指)#
タピオラ・シンフォニエッタ(#/**/##)
ソイレ・イソコスキ(S;**)
ペーター・シュライアー(指)**
トンミ・ハカラ(Br;++)
エリ・クラス(指)タンペレPO(++)
ペッカ・クーシスト(Vn;##)
オッリ・ムストネン(指)##
ODE-1079(2CD)
ラウタヴァーラ(1928-):作品集
(1)鳥と管弦楽のための協奏曲〜カントゥス・アルクティクス「極北の歌」(1972)
(2)秋の庭 (1999)第3楽章《ジョコーゾ・エ・レッジェーロ》
(3)ピアノ協奏曲第1番 (1969)第3楽章《モルト・ヴィヴァーチェ》
(4)クラリネット協奏曲 (2001)第2楽章《アダージョ・アッサイ》
(5)交響曲第7番《光の天使》 (1994)第3楽章《コメ・ウン・ソーニョ》
(6)洗礼者聖ヨハネ追悼の徹夜の祈り-ヴィジリア-(1971-72 rev.1996) (全4曲)
(7)アポテオシス(1992 rev.1999)
(8)弦楽オーケストラのためのアダージョ・チェレステ(2000)
(9)フルート協奏曲-風と踊る-作品63(1975)
(10)真実と偽りの一角獣座(1971 rev.2000) (3曲)
(11)ディヨメーヌ(アフロディーテ礼賛) (1968)
(12)ピアノ協奏曲第3番《夢の贈り物》(1998)第3楽章《エネルジーコ》
(13)交響曲第1番(1956 rev.1988/2003)
(14)柳の木陰で(1998)−リスの歌、わが心の歌
(15)天使たちの訪れ(1978)
(1)セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
(2)アシュケナージ(指)ヘルシンキPO
(3)ラルフ・ゴトーニ(P)、マックス・ポンマー(指)ライプツィヒRSO
(4)リチャード・ストルツマン(Cl)、セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
(5)セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
(6)ティモ・ヌオランネ(指)フィンランド放送室内cho
(7)ミッコ・フランク(指)スウェーデンRSO
(8)ミッコ・フランク(指)ベルギー国立O
(9)パトリック・ガロワ(Fl)、セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
(10)ティモ・ヌオランネ(指)フィンランドRSO、フィンランド放送室内cho
(11)セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
(12)アシュケナージ(P&指)ヘルシンキPO
(13)ミッコ・フランク(指)ベルギー国立O
(14)ティモ・ヌオランネ(指)フィンランド放送室内cho
(15)セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
いろいろな夢を見た。至福の夢、悪夢…。ラウタヴァーラにとって夢は、自分だけのための隠れ家だった。はるか昔、子どものころから変わらず…。シベリウスの後、もっとも国際的な成功を収めたフィンランドの作曲家、ラウタヴァーラの作品は、彼の音楽を敬愛するレイヨ・キールネンの Ondine レーベルで体系的に紹介されてきました。世界のオーケストラで演奏されるようになった、鳥と管弦楽のための協奏曲〈カントゥス・アルクティクス〉 から、受胎告知だけでなく災禍をもたらす“天使”を示す〈天使たちの訪れ〉 まで。テーマ、そして時代によりスタイルの異なる作品をあらためて構成。ラウタヴァーラの聖と俗の世界を再訪する旅に誘います。  (Ki)
ODE-1080(1SACD)
シベリウス:エーコーの精Op.72-4 、
大気の娘(ルオンノタル)Op.70(ソプラノと管弦楽のための音詩)、だが、私の小鳥は姿を見せないOp.36-2、葦よそよげ作品36-4、三月の雪の上のダイアモンドOp.36-6、春はいそぎ過ぎゆくOp.13-4、岸辺のトウヒの木の下でOp.13-1、 初めてのくちづけOp.37-1、日の出Op.37-3、夢だったのかOp.37-4 、秋の夕べOp.38-1(ソプラノと管弦楽のための)、海辺のバルコニーでOp.38-2(ソプラノと管弦楽のための)、アリオーゾOp.3、夕べにOp.17-6、川面に漂う木Op.17-7、泳げ、青い鴨(1899)、あれから、私はたずねたことはなかったOp.17-1、とんぼOp.17-5、マグヌス大公Op.57-6
ソイレ・イソコスキ(S)、
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO

録音 2005年10月 
シベリウスの歌曲を管弦楽共演で聴くアンソロジー・アルバムです。民族叙事詩『カレワラ』をテクストに天地創造を語る「大気の娘」と、恋人に捨てられた娘が、萎れたバラの花に自分の身を照らすルーネベリの詩による「アリオーゾ」は、最初からソプラノと管弦楽のために作曲されました。その他は、シベリウス自身と、シベリウスの娘婿でもある指揮者のユッシ・ヤラスら4人の編曲者が、ピアノ版を基にオーケストレーションを行っています。シベリウスの編曲は、他の声域のための数曲をのぞき、これがすべて。シベリウス独特のオーケストレーションと彼らの編曲をくらべるのも興味あるところでしょう。イソコスキは、2002年グラモフォン・アウォードを受賞した「4つの最後の歌」を含むシュトラウスの管弦楽つき歌曲集 (ODE982)あたりから国際的な人気も高まってきたソプラノ。デリケートな音まで明瞭に伝えながら広がりと奥行きのある録音も、このアルバムの魅力のひとつです。 (Ki)
ODE-1081
ベスト・オブ・ラウタヴァーラ
カントゥス・アルクティクス「鳥と管弦楽のための協奏曲」Op.61
クラリネット協奏曲〜第2楽章
秋の庭より第3楽章Giocoso e leggiero*
マンハッタン三部作〜第1部白昼夢
ピアノ協奏曲第3番「夢の贈り物」〜第3楽章*
交響曲第7番「光の天使」〜第3楽章
アポテオシス#
リチャード・ストルツマン(Cl)
ウラディーミル・アシュケナージ(指*,P)ヘルシンキPO
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
ミッコ・フランク(指)スウェーデンRSO#
ヘルシンキに生まれ、最近では「癒し系」としても人気急上昇中のラウタヴァーラ。しかし、彼の作品はそのような言葉では語り尽くせない多面性を持っています。初期はセリー主義に傾倒していたり、「カントゥス・アルティクス」のようにテープ録音を用いたものもよく知られていますし、彼の名を高めた「天使」シリーズなどの神秘的な曲は、アルヴォ・ペルトと並ぶ人気を保っています。このアルバムでは、そんな彼の多彩な作品を楽しめます。なお、トラック9のアポセオシスは、フィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキが、最新映画「ル・アーブル」のサウンド・トラックとして使用したことで俄然注目を浴びています。元来は交響曲第6番「ヴィンセンティアーナ」の終楽章ですが、映画音楽のために書かれたかのような重厚な音楽であり、不思議な感動が押し寄せる問題作です。
ODE-1082(1SACD)
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番
チャイコフスキー:四季
オッリ・ムストネン(P)

録音:2005年11月、セッロホール(フィンランド、エスポー)
ゲーテの『ファウスト』を念頭に置いて作曲され、出版の段階になって、それぞれの楽章に与えられた《ファウスト》、《グレートヒェン》といったタイトルを外し、標題性との関連を放棄したという経緯のあるソナタ。全体像のつかみにくい音楽はラフマニノフの作品の中でも特異な存在とされ、有名な第2番のソナタにくらべるまでもなく、演奏されることの少ない作品です。真のヴィルトゥオーゾの手になって初めて、英雄的、叙事的な物語が姿を現す。そう語る音楽学者もいます。磨かれたピアニズム、作品の構成に対する洞察、響きのデリケートな感覚ノノムストネンの演奏をそれぞれの耳と心で確かめてください。《ペチカのほとりで》に始まるチャイコフスキー。雪が降り始めた11 月のトロイカ。クリスマスのワルツ。ブックレットに写真の掲載された、笑顔のムストネンがこの音楽に似合っています。 (Ki)
ODE-1084(2SACD)
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」、
ピアノ四重奏曲イ短調(1876)*
クリストフ・エッシェンバッハ(指、P*)
フィラデルフィアO、
フィラデルフィア管メンバー[デイヴィッド・キム(Vn)、チューン=ジン・チャン(Va)、エフェ・バルタチギル(Vc)]*

録音:2005年11月(ライヴ)、2006年3月* フィラデルフィア・ヴェリゾン・ホール
KDC5014の直輸入盤。
ODE-1085
ラウタヴァーラ:管弦楽をともなう歌曲集
歌曲集「シェイクスピアの3 つのソネット」、
歌曲集「オルフェウスへの5 つのソネット」、
歌曲集「恋人たち」、歌曲集「神の道」、
オペラ「アレクシス・キヴィ」の4 つの歌(1997)、
憂鬱、リスの歌、わが心の歌
レイフ・セーゲルスタム(指) ヘルシンキPO、
ガブリエル・スオヴァネン(Bs)

録音:2006年
シェイクスピア、リルケの詩をテクストに20代で作曲した歌曲集をラウタヴァーラ自身が管弦楽のために編曲。歳を重ねるとともに深まってきた詩への愛情が、新たな色彩のロマンティシズム音楽として示されます。ブー・セッテルリンドのテクストによる宗教的、形而上的な歌曲集「神の道」。詩人キヴィの内面を歌った、オペラ「アレクシス・キヴィ」の4 つの歌(第3 曲《おお世界よ、人生よ》 をのぞく3曲)。このアルバムでソロを歌うのは、ストックホルム生まれのバリトン、ガブリエル・スオヴァネン(1977- )。「アレクシス・キヴィ」全曲(ODE1000)では青年時代のキヴィを歌っていました。「光の天使」(ODE869)を録音したセーゲルスタム(1944-)とヘルシンキ・フィルハーモニックが共演。ブックレットには英語、ドイツ語、スウェーデン語、フィンランド語の原詩と英訳が掲載されています。 (Ki)
ODE-1086(1SACD)
ペーテリス・ヴァスクス(1946-):交響曲第3番(2004-05)
チェロ協奏曲(1993-94)
マルコ・ユロネン(Vc)
ヨン・ストゥールゴールズ(指)タンペレPO

録音:2006年3月、タンペレホール
交響曲第2番(ODE1005) が2004 年カンヌ・クラシカル・アウォード最優秀ディスク賞を受けたラトヴィアの作曲家、ヴァスクス(1946-) の第3 番。モダニストから出発、民俗音楽と伝統を重視する作風を経て、現在は、みずからの音楽により人々と繋がることを重視した創作をつづけています。メ神の世界の美、人間性の運命と人々の運命、愛と理想への忠誠ノノ光と闇の果てしない戦いモ。第3 番の交響曲は単一楽章。抒情的な気分のオープニング、メ衝突と闘争モ の中間部、アダージョとアンダンテの終結部。大きく3つの部分に分かれ、メ平原の静穏と一羽の孤独な鳥モ で曲を閉じます。チェロ協奏曲は、リトアニアのチェリスト、ダーヴィド・ゲリンガスに献呈された作品です。人々に苦痛と屈辱を強いたソ連体制下の時代の空気が作品の背後にあるといわれます。このディスクでは、ラウタヴァーラのチェロ協奏曲(ODE819) を録音したマルコ・ユロネンがソロを弾きました。芸術至上主義を否定し、人間とその社会をとりまく恐怖や慰めや希望を音楽作品として表現。人々の心に強く訴えかけ広く支持を得ています  (Ki)
ODE-1087
トイヴォ・クーラ (1883-1918):歌曲集
くちづけOp.8-1、打て、心よOp.16a-2、
娘は花の上を歩きOp.23-3、秋の想いOp.2-1、
朝の歌Op.2-3、炎を見つめてOp.2-2、
夜Op.22-3、荒れ野の夜Op.24-4、
アヴェ・マリアOp.23-2、羊飼いたちOp.29a-3、
運命Op.23-4、土曜の夕べOp.24-1、
家畜小屋でOp.31a-2、教会墓地の夏の夜Op.6-1、
森の娘Op.23-1、エピローグOp.6-2、
霜の花Op.24-2、昔の秋の歌Op.24-3、
おいで愛しい人Op.29a-1
トンミ・ハカラ(B) クリスチャン・アッティラ(P)
トイヴォ・クーラ(1883-1918)は、フィンランド独立にともなう内戦のさなか、喧嘩をきっかけとするピストル事故のため35歳の若さで亡くなったこと、そして、クーラの音楽にみちる悲哀と感傷の気分が、その理由。このアルバムで歌われるのは、南ポホヤンマー民謡の編曲作品17b(12 曲)をのぞく、彼の代表的歌曲が19曲。民俗音楽の響き、印象主義の色彩、悲しげな旋律……彼のロマンティシズムは、われわれ日本人の心にも響きます。トンミ・ハカラ とクリスチャン・アッティラ。フィンランドのアーティストふたりが、クーラの音楽と彼と同時代の詩人たちの詩に共感を寄せながら、フィンランドの魂の深い世界にわれわれを誘います。 (Ki)
ODE-1088
きよしこの夜
フォーグラー:ホサナ
シュレジェン民謡(マッティ・ヒュオッキ編):この世はうるわし
カール・コッラン:ナイチンゲールのクリスマスの歌
マルッティ・ヘラ:クリスマスの奇跡
セリム・パルムグレン:そして聖母マリアは幼子を抱き
ヘイノ・カスキ:小屋は雪の下に眠る
プレトリウス:一輪のばらが咲いた
テウヴォ・ハカサロ:クリスマスの夜
ハンニカイネン:クリスマスツリーに挨拶を
シベリウス:クリスマスの歌
「私には富も名声もいらない」Op.1-4
コティライネン):いと高きところに栄光あれ
ランドール・トンプソン):アレルヤ
ラウタヴァーラ:クリスマスの賛美歌
グルーバー:きよしこの夜
コティライネンカレヴィ・アホ編):クリスマスの朝のスズメ
ソンニネン:クリスマス讃歌「平和、ただ平和だけを」
ユッカ・リンコラ:クリスマス組曲/よろこべ友よ/おそれなく/
ひいらぎ飾ろう/はじめてのクリスマス/
ウィー・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス
ヘルシンキ大学男声cho、
マッティ・ヒュオッキ (指)、
ペルッティ・エーロラ (Org)、
ソイレ・イソコスキ (S)
ヘルシンキ大学男声合唱団と、フィンランドの人たちから敬愛されるソプラノ歌手イソコスキ。伝統のキャロルと新しいクリスマスソングが歌われます。イングランドとウエールズのキャロルなどを基に書かれた「クリスマス組曲」。ジャズ・ミュージシャンとして知られるユッカ・リンコラの作品も収録。  (Ki)
ODE-1089
ヨウニ・カイパイネン(1956-):交響曲第3番、
ファゴット協奏曲
オット・ヴィルタネン(Fg)、
ハンヌ・リントゥ (指)タンペレPO
フィンランドの作曲家カイパイネン(1956-) は1990年代になって大きく作風を変えました。21 世紀初頭のカイパイネンの代表作、交響曲第3 番は、弾む気分と瞑想的な気分の交差する、長大な曲 (約46分)。ファゴット協奏曲は、ホルン協奏曲とチェロ協奏曲第1番 (ODE-1062)、トランペット協奏曲、ギターと弦楽のための室内協奏曲につづく新作の協奏曲。カイパイネンは、現代フィンランドでもっとも多忙な協奏曲作家としての顔も持っています。 (Ki)
ODE-1090(1SACD)
ラウタヴァーラ:マンハッタン三部作(2004)、
交響曲第3番(1961)*
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO

録音:2006年9月、2006年11月*、フィンランディア・ホール(ヘルシンキ)
かつて留学したニューヨークのジュリアード音楽院から創立100周年のためにラウタヴァーラが委嘱された「マンハッタン三部作」。美しさ、残酷さ、絶えず変化する気分。ニューヨークのダウンタウン、マンハッタンがフィンランドの若い音楽家に与えた印象が「白昼夢」「悪夢」「夜明け」の3部に表現されています。交響曲第3番はラウタヴァーラ自身が「4つの楽章が、地と海のリズムに似た、荘重でブルックナー風のうねりのうちに呼吸する」と語った作品。マックス・ポンマー指揮ライプツィヒ放送交響楽団が録音していた曲(ODE740)を、「光の天使(交響曲第7番)」を初めとするラウタラーヴァ作品の録音で知られるヘルシンキ・フィルハーモニックとレイフ・セーゲルスタムによる新録音です。 (Ki)
ODE-1091
マグヌス・リンドベリ(1958-):マノ・ア・マノ(2004)、
武満徹:ギターのための3 つの小品より森のなかで (1995)、
ヘンツェ
:王宮の冬の音楽−ソナタ第1番
ティモ・コルホネン(G)

録音:2006年5月 ナーンタリ教会、ナーンタリ (フィンランド)
タンペレ・フィルハーモニックと共演したレオ・ブロ―ウェルのギター協奏曲第5番《ヘルシンキ》 (ODE979)で2003 年カンヌ・クラシカル・アウォードを受賞したフィンランドのギタリスト、ティモ・コルホネン (1964-)。国際的名声も高まってきました。最新のソロアルバム。最初の曲「マノ・ア・マノ」は、フィンランドの売れっ子作曲家、マグヌス・リンドベリ (1958-) がギターのために書いた最初の作品です。リンドベリの音楽そのものはタンゴの性格をもたないものの、アルゼンチンタンゴの作曲家カルロス・ガルデル (1890-c.1935)の「マノ・ア・マノ (五分と五分)」からタイトルを借用しました。武満徹の「In the Woods- 森のなかで」。3 つの森の情景をそれぞれジョン・ウィリアムズ (ウェインスコット・ポンド)、荘村清志 (ローズデール)、ジュリアン・ブリーム (ミュイアー・ウッズ) に捧げた武満お気に入りの楽器、ギターのための最後の作品。また、グロスター(リチャード三世)、ロメオとジュリエット、エアリエル(テンペスト)、オフィーリア(ハムレット)、タッチストーンとオードリーとウィリアム(お気に召すまま)、オベロン(真夏の夜の夢)。〜シェイクスピア劇の人物にもとづく〜、ヘンツェのソナタ第1番。ともに、すでにギター奏者のスタンダード・レパートリーとなりました。  (Ki)
ODE-1092
ルーセル:交響曲第1番ニ短調『森の詩』
交響曲第4番イ長調 Op.53
クリストフ・エッシェンバッハ(指)パリO

録音:2005年7月 パリ音楽院
2007年に創立40周年を迎えたフランスの栄光を担うパリ管と音楽監督エッシェンバッハによるルーセル・シリーズ第2弾。シリーズ第1 弾の交響曲第2 番と『バッカスとアリアーヌ』を収録したアルバム(ODE-1065)で、その濃厚な表現力と、変化に富んだ音色でルーセル本来の魅力を引き出したパリ管&エッシェンバッハ。このアルバムでも、艶めかしい濃密な演奏を聴かせてくれます。ルーセルの最高傑作といっても過言ではない第4番の交響曲。1934年に作曲され、晩年のルーセルが書いたまさにルーセルらしい作品で、緻密なオーケストレーションと複雑な和声で書かれています。1906 年に完成した第1 番「森の詩」は、「冬の森」「春」「夏の夕べ」「牧神と森の精」と表題のついた4 つの楽章からなる作品。ドビュッシーの影響下で作曲され多様な色彩、光彩を持つ美しい音楽です。エッシェンバッハ&パリ管は今秋、待望の来日を果たします。  (Ki)
ODE-1094(1SACD)
KDC-5026(1SACD)
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
プーランク:オルガン,弦楽とティンパニーのための協奏曲 ト短調
バーバー:祝祭トッカータ
オリヴィエ・ラトリー(Org;*)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
フィラデルフィアO

録音:2006年5月 フィラデルフィア・ヴェリゾン・ホール(ライヴ)
※使用楽器:フレッド・J.クーパー記念オルガン*
※KDC-5026=国内仕様盤
ヴェリゾン・ホールに据え付けられた6938本のパイプと110 のストップを備えた巨大オルガンが活躍するサン・サーンスのオルガン交響曲と、プーランクのオルガン協奏曲、バーバーのオルガンと管弦楽のための祝祭トッカータというオルガン三昧のプログラムです。ソロはパリのノートルダム寺院大聖堂正オルガニストのオリヴィエ・ラトリー。彼の魅力は何と言っても光り輝くクリスタルのような音色です。凄腕のラトリーの超絶技巧と豊かな音色を堪能できます。ヴェリゾン・ホールのこの巨大オルガンは、2006 年5月11 日に初披露され、この新オルガンのために作曲されたジェラルド・レビンソンの“Toward Light”が初演されました。ヨーロッパのオペラハウスのような構造のヴェリゾン・ホールの特徴を活かした非常に伸びやかなサウンドです。 (Ki)

ODE-1095
ラヴェル:ピアノ作品集
夜のガスパール、鏡、水の戯れ
ツィモン・バルト(P)

録音:2005年2月、2006年1月 ヤルヴェンパー・ホール、ヤルヴェンパー (フィンランド)
ジャン=フィリップ・ラモーの「クラヴサンのための小曲集」(ODE1067-2)を録音したアメリカのピアニスト、ツィモン・バルト のラヴェルの作品集。悪魔的気分の3つの情景「夜のガスパール」、《道化師の朝の歌》を含む5 つの抒情的小品「鏡」、輝かしく、 優雅な「水の戯れ」。演奏の技巧とセンスを求められるラヴェルの代表的ピアノ作品が演奏されています。光の世界を描くようなラ ヴェルではなく、バルト独特の私的な雰囲気が漂ってきます。 (Ki)
ODE-1098
ヨーナス・コッコネン(1921-1996):管弦楽作品集
チェロ協奏曲(1969)*、交響曲第3番(1967)、
交響曲第4番(1971)
マルコ・ユロネン(Vc)、
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO

録音:2006年3月*、10月 文化の家 (ヘルシンキ)
ヨーナス・コッコネンは、シベリウスの " 交響的思考" を受け継いだ作曲家のひとりです。建築家アルヴァー・アールトと親交があり、 「" 質への情熱" が創作を支配する」というアールトの言葉をコッコネン自身も信念としてもっていました。コッコネンの音楽は作風によ り、大きく3 つの時期に分けられます。ネオクラシカル、十二音と音列、自由調性。このディスクに集められた曲はいずれも、3 番目の時 期に属しています。 打楽器が活躍する色彩的な交響曲第3 番。" 力で解決すること" を好まないコッコネンは、作品の最後にアダージョ の楽章をもってきています。この交響曲は1968 年のNOMUS(北欧音楽委員会) 賞を受けました。チェロ協奏曲はコッコネンが書いた唯一の 協奏曲。ユーモアと活気みちた音楽の間に荘重な気分のアダージョがはさまれる5 楽章の作品です。第4 番の交響曲は荒々しい情熱と宗教 的内省が共存。コッコネンの代表作、オペラ「最後の誘惑」 を予示する音楽とも言われます。 マルコ・ユロネンはラウタヴァーラ(ODE-819)とヨウニ・カイパイネン(ODE-1062)の協奏曲を録音したチェリスト。20 世紀の音楽に共感を 寄せるサカリ・オラモ。ペンティ・マンニッコの担当した録音がフィンランド放送交響楽団の色彩的な響きを鮮やかな音でとらえています。 コッコネンの管弦楽作品をもっとも楽しめる、重要なディスクです。 (Ki)
ODE-1099
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(カデンツァ:ムストネン作) 、
ピアノ協奏曲第2番
オッリ・ムストネン(P、指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ピアニストで作曲家。オッリ・ムストネンは、ベートーヴェンをはじめとするスタンダードなレパートリーの作品を斬新な、音楽の構成を見通したアプローチにより聴かせることで知られます。「そこにあることを他のピアニストが知らなかった、表現の障壁。それを突破した、ピアニズムの正夢」 サンデー・タイムズはムストネンの音楽をこう讃えました。そのムストネンと、彼が共演を重ねてきたタピオラ・シンフォニエッタがベートーヴェンのピアノ協奏曲を録音するシリーズが始まります。5曲のピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲のピアノ版。シリーズ第1 作は、1795年、ベートーヴェンがピアニストとしてウィーンでコンサート・デビューするために作曲した第2番、そして、その3年後プラハで演奏した第1番。微笑み、優雅なベートーヴェンが人気の2 作品です。第1番のカデンツァはムストネン自身の作曲。 (Ki)
ODE-1100(1SACD)
マッティラ〜ヘルシンキ・リサイタル
デュパルク:旅への誘い、
 ミニョンのロマンス、
 戦のある国へ、悲しき歌/フィディレ
サーリアホ:歌曲集「4つの瞬間」(2002)
ラフマニノフ:美しい人よ私のために歌わないでOp.4-4、
 夕暮れOp.21-3、
 ミュッセからの断片Op.21-6/
 ムーサOp.34-1、何という幸せOp.34-12
ドヴォルザーク:歌曲集「ジプシーの歌」Op.55 B104
カリタ・マッティラ(S)
マーティン・カッツ(P)

録音:2006年10月、フィンランド国立オペラ、ヘルシンキ、ライヴ
ODE-1101(1SACD)
パヌフニク:管弦楽作品集
英雄的序曲
交響曲第5番「シンフォニア・ディ・スフェーレ」
風景
交響曲第3番「シンフォニア・サクラ」
ヨン・ストゥールゴールズ(指)タンペレPO

録音:2006年10月 タンペレ・ホール(タンペレ、フィンアンド)
「感情と知力の理想的なバランスから音楽の永遠の美が生まれる」。そう語ったアンジェイ・パヌフニク (1914-1991) はポーランドの 生まれ。ワルシャワとウィーンで作曲を学びました。1954年、共産党による社会主義リアリズムの押しつけを嫌ってイギリスに亡命。祖国 ポーランドでは存在が消されてしまいました。キリスト教化されポーランド公国となった千年紀のために作曲した「シンフォニア・サクラ」 は代表作のひとつ。宗教と愛国の感情を表現したこの作品は1963年モナコ皇太子レニエ三世作曲賞第1 位を受賞。ルイ・フレモーの指揮で 初演された後、ストコフスキー、シュミット= イッセルシュテット、ショルティも指揮しています。1952年オリンピック・ヘルシンキ大会 で作曲者自身がフィンランド放送管弦楽団を指揮して初演した「英雄的序曲」。「空間の交響曲」のタイトルが内容を示唆する交響曲第5番。 果てしない景色がメランコリーの気分を誘う「風景」。 (Ki)
ODE-1102
A Due ( ア・ドゥエ)〜クラリネットとチェロのための現代二重奏曲集
ユッカ・ティエンスー:(1948-)Plus II (プラス II) (1992)、オッリ・コルテカンガス:(1955-)Iscrizione (イスクリツィオーネ) (登録、記録) (1990)、カイヤ・サーリアホ:(1952-)おお、月よ (Oi Kuu) (1990)、マグヌス・リンドベリ:(1958-)Steamboat Bill Junior (キートンの蒸気船) (1990)、ウスコ・メリライネン:(1930-2004)Unes (ウネス) (1990)、エルッキ・ヨキネン:(1941-)Pros (プロス) (1990)、エーリク・ベリマン:(1911-2006)カランッシ (Karanssi) 作品114 (1990)、タパニ・ランシオ:(1953-)A Due (ア・ドゥエ)(1991) (バスクラリネットとチェロのための)、パーヴォ・ヘイニネン:(1938-)Short I (ショート I) 作品58 (1990)、キンモ・ハコラ:(1958-)Capriole (カプリオール) (1991)
カリ・クリーク(Cl、BassCl)、
アンッシ・カルットゥネン(Vc)
録音:1992年-2005年 フィンランド放送 (YLE) スタジオM2
フィンランドを代表するミュージシャンふたり、クラリネットのカリ・クリーク(1960-) とチェロのアンッシ・カルットゥネン1960-) のデュオ。音楽以外の文化にモデルを求めるとすれば、バレエのパ・ド・ドゥ、情熱のタンゴを踊るカップル、息のあったゲームを展 開するテニスのペア。サイレント映画のファンは、コメディ・コンビのローレル&ハーディを思い出すかもしれません。クラシカル音楽にはめずらしいクラリネットとチェロのデュオのためクリークとカルットゥネンは、ベリマン、ヘイニネン、マグヌス・リンドベリ、 サーリアホ、ハコラら20 世紀フィンランドの作曲家たちに作品を委嘱。新しい奏法のアイデアも提案しました。デュオの聴かせる小品 はウィットに富み、ユニークです。  バスター・キートンの喜劇映画「キートンの蒸気船」にちなむマグヌス・リンドベリの曲は、グレゴリー・バレットとヘレン・リン デーンが録音していました(ABCD126)。パーヴォ・ヘイニネンの「Short I」は、独奏クラリネットのための作品58a (グレゴリー・バ レットが録音) と独奏チェロのための作品58bを一緒に演奏するという、作曲者のオプション指示に従って演奏されています (作品58)。 (Ki)
ODE-1131(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」、
ドゥムカOp.59*
クリストフ・エッシェンバッハ(指&P*)
フィラデルフィアO

録音:2006年10月フィラデルフィア・ヴェリゾン・ホール、2006年11月パールマン・シアター*
エッシェンバッハ独特の粘りや表情付けが濃厚に染み出し、逃げ出したくなるような緊迫感のもと、非常に完成度の高い演奏となっています。第1楽章の第2主題の美しさはフィラデルフィア管ならでは。また第3楽章の疾走感、第4楽章の激しく聴かせる盛り上がり方など、エッシェンバッハの思い描く「悲愴」を実現しています。その昔、若き日のホロヴィッツが得意としていたドゥムカは、チャイコフスキーのピアノ曲の中でも特に演奏の難しいことで知られる作品。哀愁の旋律が華麗な中間部を挟み、エッシェンバッハの味わいのピアノが堪能できます。   (Ki)
ODE-1100(1SACD)
デュパルク:旅への誘い、
 ミニョンのロマンス、戦のある国へ、
 悲しき歌、フィディレ、
カイヤ・サーリアホ
:歌曲集「4 つの瞬間」、
 憧れ、苦悩、瞬間の香り、余韻、
ラフマニノフ
:美しい人よ、
 私のために歌わないでOp.4-4、
 夕暮れOp.21-3、
 ミュッセからの断片Op.21-6、
 ムーサOp.34-1、
 何という幸せOp.34-12、
ドヴォルザーク:歌曲集「ジプシーの歌」
カリタ・マッティラ(S)、
マーティン・カッツ(P)

録音:2006年10月フィンランド国立オペラ (ヘルシンキ) (ライヴ)
フィンランドが誇るスターのひとり、リリック・ドラマティック・ソプラノのカリタ・マッティラ。オペラ舞台に立つことの 多い彼女が2006 年10 月、めずらしくリサイタルを行いました。場所はヘルシンキのフィンランド国立オペラ。チケットが売り 切れるほどの人気を呼び、「ヘルシンキ・サノマット」紙 (2006 年10 月3 日) は、「すばらしい夕べ、なんと素敵な!」と報じ ました。当夜のメイン・プログラムは、フィンランドの女性作曲家カイヤ・サーリアホ(1952-) の歌曲集「4 つの瞬間」。フラ ンスの作家、アミン・マアルーフの詩をテクストとするオペラ的モノローグ。エロティックで過激。ヤナーチェクの「イェヌー ファ」のタイトルロールもレパートリーに収めるマッティラが表現意欲を強くそそられる領域です。共演はマーティン・カッツ。 「ミュージカル・アメリカ」 の1998年最優秀伴奏者賞を受けたピアニストです。 (Ki)
ODE-1103(4CD)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集、他
ピアノ・ソナタ第1番〜第9番
4つの練習曲Op.2
トッカータニ短調Op.11
風刺Op.17
つかの間の幻影Op.22
年とった祖母のお話Op.31
バレエ「ロメオとジュリエット」からの10の小品
マッティ・ラエカッリオ(P)

録音:1989-1999年
ィンランド生まれのピアニスト、マッティ・ラエカッリオは、この11年に渡るプロコフィエフ作品の録音で、国際的な評価を高めました。曲のテクスチャー、プロコフィエフ独特のリズムの処理、そして解釈まで、彼自身が「ここまで全てを入念に研究したピアニストは他にいないだろう」と自負したという、究極の演奏をBOXセットにまとめました。9曲のピアノ・ソナタを始め、「つかの間の幻影」や「ロメオとジュリエット組曲」、あまり聴く機会のない「年とった祖母のお話」など、まさに感涙物の4枚組。
ODE-1104(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第4番、
「四季」*〜7月-草刈り人の歌/8月-収穫、9月- 狩/10月- 秋の歌/11月- トロイカ/12月- クリスマス
クリストフ・エッシェンバッハ(指&P*)
フィラデルフィアO

録音:2006年3月、2006年11月* ヴェリゾン・ホール(フィラデルフィア)[ライヴ]
力強く感情的に張り詰めた重厚な交響曲第4番をヴェリゾン・ホール での響きの良さも影響し、鬼才エッシェンバッハの下で白熱した華々しい演奏で今の“フィラデルフィア・サウンド”を聴かせてく れます。第1楽章の冒頭のファンファーレを骨太に圧倒的に聴かせ、悲劇的な「運命主題」を濃密にどろどろと描き出し、苦悩と運命への勝利をあらわした第4 楽章では再び現れる第1楽章のファンファーレからコーダへの急速な終結には圧巻です。 また第5番(ODE-1076)でもカップリングされていた『四季』の続きも収録。幻想的なエッシェンバッハのピアノが、思いもかけ ないような贈り物のように聴こえます。  (Ki)
ODE-1105
カリタ・マッティラ、ジャズコンサート
コール・ポーター:イッツ・オール・ライト・ウィズ・ミー
リチャード・ロジャーズ:私のお気に入り/ブルームーン
ジョン・ダヴェンポート
&エディー・クーリー:フィーヴァー
ジャイミ・シルヴァ
&ネウザ・テイシェイラ:ガチョウのサンバ
アントニオ・カルロス・ジョビン:コルコバード
ハロルド・アーレン:ストーミー・ウェザー
ジョージ・ガーシュウィン:ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット
ジェローム・カーン:煙が目にしみる
ジョージ・ガーシュウィン:私の愛する人
コール・ポーター:ユー・ドゥー・サムシング・トゥー・ミー
ラブ・フォー・セール
ソニー・バーク&ポール・フランシス・ウェブスター:ブラック・コーヒー
ビリー・ストレイホーン:ラッシュ・ライフ
ハロルド・アーレン:降っても晴れても
カリタ・マッティラ(Vo)
フィーヴァー・バンド
ストリングズ
キルモ・リンティネン(P)(指)
ハウ・メニー・シスターズ
アンナ=マリ・カハラ、
ピルヨ・アイットマキ、
メルヴィ・ヒルトゥネン(Vo)

録音:2007年8月、タンペレホール、タンペレ、フィンランド、ライヴ
ODE-1106
ペーテリス・ヴァスクス(1946-):合唱と管弦楽の為の宗教曲集
パーテル・ノステル(われらの父よ) (1991)、
ドナ・ノビス・パーチェム(われらに平安をあたえたまえ) (1996)、
ミサ曲(2000 rev.2005)
シグヴァルズ・クリャーヴァ(指)
ラトヴィア放送cho、リガ・シンフォニエッタ

録音:2007年1月 聖ヨハネ教会(リガ、ラトヴィア)
交響曲第2番とヴァイオリン協奏曲(ODE1005)と交響曲第3 番とチェロ協奏曲(ODE1086)が注目を集め、一般的な成功をおさめたラトヴィ アの作曲家、ペーテリス・ヴァスクス(1946-)。3枚目のディスクでは、合唱と管弦楽のための宗教作品が紹介されます。「主の祈り」のラ テン語テクストによる「パーテル・ノステル」 と通常文によるミサ曲。伝統の教会音楽とバルト地方の神秘主義の出会いから生まれた瞑想 気分の音楽は、キリスト教徒にとどまらず、宗教心をもつ人々に広くアピールしそうです。混声合唱とオルガン、混声合唱と弦楽オーケス トラ。「ドナ・ノビス・パーチェム」には2 つのバージョンがあり、シグヴァルズ・クリャーヴァとラトヴィア放送合唱団は、アイヴァルス・ カレイスと共演してオルガンのための版を録音していました (BIS1145)。混声合唱と弦楽オーケストラの版は、ポール・ヒリアー指揮のエストニア・フィルハーモニック室内合唱団とタリン室内管弦楽団(HMU907311) (バルトの声第1集) に次ぐ録音です。 (Ki)
ODE-1107
ルーセル:交響曲第3番、蜘蛛の饗宴 クリストフ・エッシェンバッハ(指)パリO

録音:2005年3月ライヴ、7月*
パリ管弦楽団とエッシェンバッハのルーセル。先にリリースされた交響曲第1番と第4番(ODE1092)、交響曲第2番と「バッコスとアリアドネ」組曲(ODE1065)は、フランスのオーケストラのすばらしい響きと演奏、そして録音の音質が欧米のマスメディアから高く評価されました。シリーズを締めくくるのは、ルーセルの管弦楽曲でもっとも人気のある2曲です。ボストン交響楽団が初演し、真の傑作と讃えられてきた交響曲第3番とエネルギッシュで独創的、豊かな旋律をもつバレエ「蜘蛛の饗宴」。バレエの全曲は27のトラックに分けられ、情景を想像する助けとするため、「庭。巣の中にいる蜘蛛が周囲を見渡している」といった振付の注釈がトラックリストに記載されています。 (Ki)
ODE-1108
シベリウス/ファイブスター・セレブレーション
(1)10のバガテル
(2)春はいそぎ過ぎゆく、はじめての口づけ、
 しかし私の小鳥は姿を見せないOp.36-2、
 三月の雪の上のダイアモンドOp.36-6、
 逢い引きから帰ってきた娘 Op.37-5
(3)2つのセレナードOp.69
(4)「テンペスト」〜エアリエルの5 つの歌
(5)葦よそよげOp.36-4、黒いばらOp.36-1、
 夕べにOp.17-6、川面に漂う木Op.17-7、
 泳げ青い鴨(1899)、エーコーの精Op.72-4、
 愚か者の蜘蛛の歌Op.27-4
(1)オッリ・ムストネン(P)
(2)カリタ・マッティラ(S)、イルモ・ランタ(P)
(3)ペッカ・クーシスト(Vn、指)、
 タピオラ・シンフォニエッタ
(4)モニカ・グループ(Ms)、
 ユッカ=ペッカ・サラステ(指)
 オペラ・フェスティヴァルcho、
 フィンランドRSO
(5)ヨルマ・ヒュンニネン(Br)、
 レイフ・セーゲルスタム(指)タンペレPO
フィンランドを代表するミュージシャンの録音した人気曲をフィーチャーしたシベリウス・アルバム。メトロポリタンオペラの舞台にも立つソプラノ、カリタ・マッティラ。モニカ・グループ もヨーロッパ各地のオペラハウスとコンサートに出演。20 世紀フィンランド・オペラの舞台に欠かせないバリトン、ヨルマ・ヒュンニネン。セーゲルスタム指揮タンペレ・フィルハーモニックの共演で7 つの歌曲を歌っています。シベリウスのヴァイオリン協奏曲がフィンランドでベストセラーを続けるペッカ・クーシストと、"われらの時代のもっともエキサイティングな" ピアニストのひとり、オッリ・ムストネン。シベリウス没後50 年のメモリアルイヤーを祝うお買い得なアルバムです。 (Ki)
ODE-1109(1SACD)

KDC-5050(1SACD)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番*
アレクサンダー・ブロックの詩による7つのロマンスOp.127#
クリストフ・エッシェンバッハ(P;#、指)
フィラデルフィアO
イェヴォンヌ・ナエフ(Ms)
ジュリエット・カン(Vn)
ハイ=イエ・ニ(Vc)

ライヴ録音:2006年9月、ヴェリゾン・ホール*/2007年5月、パールマン・シアター#
※KDC-5050=国内仕様盤、日本語解説書付
2008年5月クリストフ・エッシェンバッハがフィラデルフィア管弦楽団を率いて来日。その演目ともなっているショスタコーヴィチ交響曲第5番がONDINEレーベルより発売されます。2006年9月ヴェリゾン・ホールでの収録。ショスタコーヴィチのOp.の初演も行っている作曲家にゆかりのある楽団でもあるフィラデルフィア管と独特の音楽の輪郭を持つエッシェンバッハの演奏に注目です。社会主義の苦悩から歓喜、勝利を描いた交響曲第5番。エッシェンバッハの緩急自在な表現で聴き手を心地よい混乱に導き、52分28秒という長時間の演奏の中で圧倒的な響きの緊迫感と妖しく美しい音楽を聴かせます。フィラデルフィア管の技術水準の高さ、豪華絢爛なサウンド、そしてエッシェンバッハの只ならぬ感性が生み出すショスタコ5番は必聴。またショスタコーヴィチは歌曲も多く作曲しており、ここに収録されている「アレクサンダー・ブロックの詩による7つのロマンス」もその一つでありますが、ソプラノとピアノ三重奏(Pf,Vn,Vc)という珍しい編成で演奏されます。イェヴォンヌ・ナエフの透明感のある歌声とフィラデルフィア管のメンバーでもあるジュリエット・カン、ハイ=イエ・ニ、そしてエッシェンバッハのピアノが柔らかく紡ぎだされ、珠玉の演奏を披露しています。 (Ki)
ODE-1110(4CD)
マグヌス・リンドベルイ:管弦楽作品集
テンデンツァ(1982)/クラフト(1985)
キネティクス(1989)/マレヤ(1990)
ジョイ(1990)/コレンテ(1992)
コレンテU(1992)/コヨーテ・ブルース(1993)
アリーナ(1995)/アリーナU(1996)
フェリア(1997)/大二重奏曲(2000)
コラール(2002)/管弦楽のための協奏曲(2003)
彫刻(2005)
エサ=ペッカ・サロネン(指)
サカリ・オラモ(指)
アヴァンティ室内O
フィンランドRSO、バイエルンRSO
トイミー・アンサンブル

録音:1992-2008年
フィンランド屈指の現代作曲家のひとり、マグヌス・リンドベルイ(1958-)の作品集大成です。1986年にユネスコ作曲家国際会議で第1位受賞するなど独自の作風で高く評価されていますが、とりわけ武満徹がいち早く彼の才能を認めたことでも知られています。時代と共に作風も変化し、初期の作品はリズミカルでノイジーな音を多用しましたが、2000年を過ぎる頃から、より古典的で重厚な作風になっています。この4枚組は、既存のリリースを年代別に編集。彼の作風の変遷をじっくり味わうことができるでしょう。
ODE-1111
オスカル・メリカント:歌曲集
リンゴの花Op.53-2、
教会墓地の鳥にOp.52-2、
夏の夕べのそよ風Op.87-2、
思い出すとき作品11-2、
なぜ私は歌うかOp.20-2、
金のかたまりOp.20-1、
海でOp.47-4、嵐の鳥Op.30-4、
ラドガの湖Op.83-1、夕べの鐘Op.106-1、
歌曲集「墓場から」Op.74、
白い十字架、天国の門の歌うたい、
夕べの教会墓地で、墓地は日の出に輝く、
さようならOp.87-3、おやすみOp.75-1、
たそがれにOp.96-1、人生にOp.93-4、
アンニーナOp.51-2、日暮れにOp.69-2、
夜想曲、バラッドOp.69-4、
青春賛歌Op.69-3、
やさしく響けわが悲しみの調べOp.36-3、
わたしは生きているOp.71-1
ヨルマ・ヒュンニネン(Bs)、
イルッカ・パーナネン(P)

録音:2007年4月 ヤルヴェンパー・ホール
2007年、東京・紀尾井ホールのコンサートでフィンランド歌曲の奥深い魅力を伝えたバリトン歌手、ヨルマ・ヒュンニネン(1941-)がオスカル・メリカンの歌曲を録音しました。メリカントはシベリウスと同時代のフィンランドの作曲家。オペラのほかロマンティックな作風のピアノ曲や歌曲を書き、シベリウスに匹敵する人気を誇っていました。メロディ・メーカーのメリカント。「リンゴの花」「なぜ私は歌うか」「人生に」「アンニーナ」など、このアルバムで歌われる曲の多くが時代を超え、今も歌いつがれています。ヒュンニネンはオペラと歌曲の両方の分野で国際的な活躍をしてきた、20世紀フィンランドを代表する歌手。現代フィンランドの作曲家サッリネンの「クッレルヴォ」やラウタヴァーラの「アレクシス・キヴィ」は彼のために作曲されたオペラです。アルバムの録音は、来日に先立つ2007年4月、ヤルヴェンパーで行われました。ニューヨークやロンドンのコンサートでもヒュンニネンと共演したイルッカ・パーナネンがピアノを弾いています。 (Ki)
ODE-1112
フィンランド管弦楽作品集
クラミ:演奏会序曲「スオメンリンナ」、
パルムグレン:組曲「フィンランドの情景」〜春の夢/そり遊び、
マデトヤ
(1887-1947:「ポホヤの人々」組曲〜囚われ人の歌、
ロベルト・カヤヌス(1856-1933):交響的序曲、メリカント):ゆるやかなワルツ、
ヤルネフェルト
(1869-1958):前奏曲、
クーラ(1883-1918):結婚行進曲、
タネリ・クーシスト
(1905-1988):フィンランドの祈り、
メリカント
(1893-1958):イントラーダ、
シベリウス
:悲しいワルツ、春の歌
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO

録音:2007年6月 フィンランディアホール (ヘルシンキ)
北欧でもっとも古い歴史を誇るヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団の創設125 周年記念アルバムは、18世紀、フィンランド湾に建 造された要塞の島、スオメンリンナを曲名とする序曲に始まり、春の深い悲しみを描くシベリウスの「春の歌」に終わるプログラム。1828年にヘルシンキ・フィルハーモニックを創設しシベリウスの交響曲第1 番を初演、主に指揮者として活躍したロベルト・カヤヌスをはじめ とするフィンランドの作曲家たちの作品が演奏されています。1995年以来、首席指揮者を務めるセーゲルスタムが指揮。2007年6月、ヘル シンキのフィンランディアホールで録音セッションが行われました。フィンランドの景色を収めたカラー写真18枚を使ったデジパックのア ルバム。親しい人へのプレゼントにしたくなるかもしれません。 (Ki)
ODE-1113E(4CD)
カイヤ・サーリアホ:管弦楽作品集
〈CD1〉
1.オーロラ(1986)
2.夢の手引きから(1988)
3.水晶から(1990)/4.煙の中へ(1990)
〈CD2〉
1.カリバンの夢(1992)
2.ソラル(1993)
3-4.ヴァイオリン協奏曲「聖杯の劇場」
(1997)
5.ミランダの嘆き(1997)
〈CD3〉
1-7.海を越えて-新世紀のための7つの前奏曲(1999)
8-13.睡蓮の黙想(2001)
14-18.「はるかな愛」による5つの黙想(2001)
〈CD4〉
1-3.オリオン(2002)
4-8.ノーツ・オン・ライト(2006)
9.蜃気楼(2007)
CD1…2〉アヌ・コムシ(S)、リッカ・ランタネン(C.A)
〈CD1…1-2〉ハンヌ・リントゥ(指)アヴァンティCO
〈CD1…3-4〉ペトリ・アランコ(Fl)、アンシ・カルットゥネン(Vc)
エサ・ペッカ=サロネン(指)ロサンジェルスPO
〈CD2…1〉ペッテーリ・サロマー(Br)
〈CD2…3-4〉ジョン・ストルゴーズ(Vn)
〈CD2〉アヌ・コムシ(S)、ハンヌ・リントゥ(指)アヴァンティCO
〈CD3…14-18〉ピア・フロインド(S)、ガブリエル・スオヴァネン(Br)
〈CD3…1-7〉タピオラ室内cho
〈CD3〉ユッカ=ペッカ・サラステ(指)フィンランドRSO
〈CD4…4-9〉アンッシ・カルットゥネン(Vc)
〈CD4…9〉カリタ・マッティラ(S)
〈CD4〉
クリストフ・エッシェンバッハ(指)パリO
フィンランドが誇る女性作曲家、カイヤ・サーリアホ(1952-)の生誕60周年を記念した4枚組の作品集です。1986年から2007年までの管弦楽曲、独奏付きの曲、そして声楽曲のアンソロジーは、彼女の音楽性の変化を目の当たりにすることができるでしょう。初期の作品は伝統楽器や電子音楽を積極的に用いたもので、多彩な音色の揺らめきが特徴的でしたが、1990年代後半からは、旋律に重きを置くようになり、声を用いた作品では、その趣旨が一層強調されているようです。ONDINEレーベルでも重要な作曲家の一人であり、エッシェンバッハ&パリ管を始めとした多くの名演を所持しており、これらが惜しげもなく投入されたこのBOXは、これからサーリアホを聴いてみようと思う人への贈り物と言えるでしょう。
ODE-1115
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲、
 交響曲第2番
ペッカ・クーシスト(Vn)、
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
人気の2曲をカップリングした再編成盤。
ODE-1116
懐かしいクリスマス〜フィンランド放送の録音から
カール・コッラン
:ナイチンゲールのクリスマスの歌、アルマス・マーサロ:おお夜を照らす光が、レーヴィ・マデトヤ:日々の苦労を忘れ、クリスマスキャロル:荒れ野の果てに、マルッティ・トゥルネン:クリスマスを祝おう、M・ガブリエリ:おおなんじ喜ばしき、トイヴォ・クーラ:クリスマスの歌 作品22-1、シベリウス:クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」、雪はうずだかく積もり、シュレジェン民謡:この世はうるわし、アルマス・マーサロ:さあクリスマスの星よ輝け、ウーノ・クラミ:クリスマスイブ「星がひとつ空に輝き」、伝承曲:見知らぬ星が空にひとつ、クリスマスがやってきた、セーヴェ:トントゥのクリスマス、グルーバー:きよしこの夜、スルホ・ランタ:ありったけの美しい思い出、マーサロ:クリスマスの鐘
録音:1954年-1956年フィンランド放送
Ondine の2007年クリスマスアルバム。フィンランド放送 (YLE) のアーカイヴに保存されている1954 年から1956年の録音が集められました。スロ・サーリツ(1911-1990)、マウノ・クーシスト(1917-) ら半世紀も昔に活躍したポピュラー歌手 (シュラーガー・ミュージシャン) の歌が蘇ります。合唱曲の作曲者としても名高いニルス=エーリク・フォウグステット(1910-1961) はフィンランド放送の合唱団を指揮。ペイッポセットはフォークミュージックの合唱団です。ラジオから懐かしい歌が聞こえてくる。ノスタルジックな気分でクリスマスを!
ODE-1118
ロルフ・ヴァリーン(1957-):管弦楽のための作品集
Act(行動する) 〜管弦楽のための*
Das war sch 嗜!#/
Tides(タイズ)(潮流)+
ヤープ・ファン・ツヴェーデン(指)
オスロPO*
マーティン・グルビンガー(Perc;#)
ジョン・アクセルロッド(指)#
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)+
クロウマタ打楽器アンサンブル+

録音:2006年9月、10月、2007年2月、オスロ・コンサートホール
ODE-1121
ユハ・ウーシタロ/ワーグナー・アルバム
ワーグナー:「さまよえるオランダ人」序曲/オランダ人のモノローグ「期限は切れた」、
「パルジファル」〜アンフォルタスの嘆き「いや、開けないでおけ」/第3幕「悲しや!悲しや!この身の上!」、
「タンホイザー」〜夕星の歌、
「ジークフリート」〜第3幕第1場「愚か者のお前の耳に叫ぼう」
「ヴァルキューレ」〜ヴォータンの別れ「さようなら、勇ましく立派なわが子」
ユハ・ウーシタロ(Bs)、
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO

録音:2007年10月 フィンランディアホール(ヘルシンキ)
フィンランドのバス・バリトン歌手、ユハ・ウーシタロ(1964-)。フルート奏者としてフィンランド国立オペラをはじめとするオーケストラで演奏した後、1997年、国立オペラの「ファルスタッフ」でタイトルロールを歌い、歌手デビューしました。同オペラの「さまよえるオランダ人」とウォルトンの「熊」に出演。バイエルン国立オペラの2002年・2003年のシーズン、「ラインの黄金」と「神々の黄昏」を歌って国際的キャリアをスタートさせます。ミラノ・スカラ座、サンフランシスコ・オペラと出演がつづき、ウィーン国立オペラで歌った「ヴァルキューレ」は高く評価されました。同オペラがヴェルザー=メストの指揮で上演する「指輪」への出演も決まり、2008年10月にはシュトラウスの「サロメ」でヨカナーンを歌い、メトロポリタン・オペラにデビューする予定です。日本では2007年新国立劇場で「さまよえるオランダ人」に登場、話題を呼びました。ラシライネンが指揮したシベリウスの「クッレルヴォ」で悲劇の主人公を歌ったウーシタロ。はじめてのソロアルバムではオランダ人、アンフォルタス、ヴォルフラム、さすらい人、ヴォータンを歌います。声をひけらかさず、巧みにコントロールした歌。オペラ経験の豊富なセーゲルスタムがヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団を指揮して共演。美しい響きと、おおらかな気分の音楽でウーシタロの歌を支えます。  (Ki)
ODE-1122(1SACD)
シベリウス:クレルヴォ交響曲Op.7 レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO、
ソイレ・イソコスキ(S)、トンミ・ハカラ(Bs)、
ヘルシンキ大学男声cho(YL)

録音:2007年12月 フィンランディアホール(ヘルシンキ)
セーゲルスタム(1944-)にとって2度目となる<クレルヴォ>の録音。今回のオーケストラは、シベリウス交響曲全曲録音(ODE1075)のヘルシンキ・フィルハーモニック。ギリシャ悲劇のコロスの役割を担い情景を語る男声合唱が、ヘルシンキ大学男声合唱団(YL)。オスモ・ヴァンスカとラハティ交響楽団の東京公演と録音(BIS1215)に参加したグループです。ヒュンニネンの後を継ぐバリトンのひとり、トンミ・ハカラがクッレルヴォを歌い、クッレルヴォの妹にはセーゲルスタムの最初の録音と同じイソコスキが起用されています。この録音には、ブライトコプフが2005年に出版した「ジャン・シベリウス作品全集」ではなく、ヘルシンキ・フィルハーモニックのライブラリー所蔵の楽譜が使われました。セーゲルスタム自身が修正を入れており、これまで聴いたことのない響きの聞こえる瞬間があります。セッポ・シーララの制作、エンノ・マエメツが担当した録音が、切迫した空気と雰囲気をリアルに伝えてくれます。フィンランド民族叙事詩『カレヴァラ』(第31章−第36章)の悲劇に題材をとった交響詩<クレルヴォ>はシベリウスが26歳で発表した作品。伝統の吟唱法を暗示するスタイルも導入され、真にフィンランド的な音楽がロシア支配下にあったフィンランドの人々を熱狂させました。「それまで耳にしたことはなかったにしろ、これこそ、われらフィンランド人の旋律だとわかった」という、初演を聴いた作曲家のオスカル・メリカントの言葉が残っています。   (Ki)
ODE-1123(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番*
 ヴァイオリン協奏曲(ピアノ版)ニ長調Op.61a
オッリ・ムストネン(P)(指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:2007年10月*、11月
ODE-1124
マグヌス・リンドベリ(1958-):管弦楽のための作品集
彫刻-Sculpture(2005)*、カンパーナ・イン・アリア-Campanainaria(1998)(ホルンと管弦楽のための)#、
管弦楽のための協奏曲(2003)
エサ・タパニ(Hrn) 
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO

録音:2007年8月31日*、2008年1月31日-2月1日#、4月14日-16日 文化の家(ヘルシンキ)
サカリ・オラモ、フィンランド放送響の演奏によるリンドベリ。マグヌス・リンドベリは、カレヴィ・アホ、サーリアホ、ラウタヴァーラとともに現在、もっとも国際的に知名度の高いフィンランドの作曲家のひとり。東京オペラシティ文化財団の同時代音楽フェスティバル、コンポージアム2004では「武満徹作曲賞」の審査員に迎えられ、リンドベリの作品をユッカ=ペッカ・サラステが指揮するコンサートも行われました。さまざまなスタイルを融合した<クラフト>は代表作のひとつ。フィンランド・モダニズムの記念碑ともみなされています。リンドベリの近作は、エネルギー、色彩、そして素材をスリリングに凝縮する方法に目立った特徴があると言われます。音のパレットに地味な色彩を探り、弦楽セクションからヴァイオリンを外した<彫刻>。ヴィルトゥオーゾ的な作品<カンパーナ・イン・アリア>は、ホルン奏者でもある指揮者エサ=ペッカ・サロネン40歳の誕生日プレゼントとして作曲されました。シャコンヌの形式をとり、独立して展開する2つの和声進行がフィナーレで一体になる<管弦楽のための協奏曲>。BBC交響楽団の委嘱により作曲。サラステに献呈され、チェロ協奏曲、クラリネット協奏曲とともに"コンポージアム"のコンサートで日本初演されました。  (Ki)
ODE-1125(2CD)
ラウタヴァーラ:男声合唱のための作品全集
CD1
歌い手/河口の秋/T・S・エリオットの2つの前奏曲【冬のゆうべ/朝がやってくる】/2つの詩編【詩編23番、 詩編130番】/アヴェ・マリア/クリスマスの賛美歌/人生の書【子供のころ/わがボヘミアン生活/恋人/なんという空しさ、すべては空しい/羽根のあるものこそ希望/準備はいいか?/揺れる鋤/水泳/われら永遠に死なず/あの時わたしは/わが身の歌】
CD2
アレクシス・キヴィの詩に寄せる4つの歌【憂鬱/ビールの栄光/リスの歌/わが心の歌】/伝説/葉っぱは葉っぱ/4つのセレナード【わが妻へのセレナード/貧しき者らの死/セレナードのなかのセレナード/ビールへのセレナード】/ハマーショルドの断片/アンティ・イソタロとランナンヤルヴィ/ハッリのヤンネ/狐と病気の若い雄鶏/歌劇「ラスプーティン」の4つのロマンス【光ほのかな夜のあいだ/わが故郷は遠く/トロイカは駆ける/河面の月は青白く】
マッティ・ヒュオッキ(指)YL(ヘルシンキ大学男声合唱団)、
パシ・ヒュオッキ(指)
タッラ・ヴォーカルアンサンブル

録音:2007年ヤルヴェンパーホール(ヤルヴェンパー、フィンランド)
<YL>の略称で親しまれているヘルシンキ大学男声合唱団。1883年の創設以来、フィンランド音楽シーンの中心グループとして活動をつづけてきました。1980年からYLを指揮してきたマッティ・ヒュオッキとYLによるラウタヴァーラの男声合唱作品集。YLとラウタヴァーラの関係は長く、「歌い手」を初演した1956年以後、YLはラウタヴァーラの創作に深く関わってきました。「4つのセレナード」と「アレクシス・キヴィの詩に寄せる4つの歌」はYLの委嘱作。『カレヴァラ』をテクストに伝統の朗誦スタイルを反映した「歌い手」。リルケ、ランボー、エルアール、ゲーテ、ディキンソン、ハマーショルド、ホイットマンらの詩をテクストとする全11曲の「人生の書」。それぞれにテクストが考察され、「光の天使」(交響曲第7番)以後のロマンティックな音楽とは作風の異なる作品です。この録音には、オペラ「ラスプーティン」の4つのロマンスを初めて歌ったパシ・ヒュオッキ指揮のタッラ・ヴォーカルアンサンブルも参加。「T・S・エリオットの2つの前奏曲」、「人生の書」のうち6曲など、全部で14のトラックを担当しています。 (Ki)
ODE-1126
イソコスキ、オペラ・アリアを歌う
チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」〜「私は破滅してもいい」
ビゼー:「カルメン」〜ミカエラのアリア「何を恐れることがありましょう
グノー:「ファウスト」〜マルグリートの場面「あの若者が誰なのか/宝石の歌「なんと美しいこの姿」
プッチーニ:「ラ・ボエーム」〜私の名はミミ、
「トゥーランドット」〜「氷のような姫君の心も」
ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」〜「夕やみに星と海はほほえみ」、
「オテロ」〜柳の歌とアヴェ・マリア「泣きぬれてさびしい野にただ一人歌う」
ソイレ・イソコスキ(S)、
ミッコ・フランク(指)ヘルシンキPO

録音:2008年2月11日-12日、15日-16日 フィンランディアホール(ヘルシンキ)
「けっしてオペラ歌手にはならないでしょう」。1987年ラッペーンランタのコンペティションで優勝した後、そう語ったイソコスキ。歌曲と教会音楽のコンサートと録音から経験を積んだ彼女は20年経った今日、欧米の主要なオペラハウスで新しい歓びとともにオペラを歌っています。最初オペラは1989年フィンランド国立オペラの「ラ・ボエーム」。ミミを歌いました。1993年、「魔笛」のパミーナ役でウィーン国立オペラ、2002年、「フィガロの結婚」の伯爵夫人役でメトロポリタンオペラにそれぞれデビューしています。「ばらの騎士」の元帥夫人に代表されるシュトラウスのオペラ、「ファルスタッフ」のフォード夫人をはじめとするヴェルディの作品、イソコスキは、さまざまな性格の役をレパートリーに加えてきました。モーツァルト(ODE1043/ODE698)につづくアリア集。タチヤーナ、ミカエラ、マルグリート、リュー、アメーリア、デズデーモナのアリアを歌っています。いずれもイソコスキのレパートリー。ヘルシンキ・フィルハーモニックを指揮するミッコ・フランクは現在、フィンランド国立オペラの芸術監督と音楽総監督を務めています。ひとつのアリア、ひとつの場面にドラマが凝縮しています。   (Ki)
ODE-1129(1CD)
ヨーナス・コッコネン(1921-1996):交響曲第1番、
交響曲第2番#、
オプス・ソノルム(管弦楽のための)*
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO

録音:2008年3月10日-11日*、12日-14日#、5月26日-27日(第2番)文化の家(ヘルシンキ)
フィンランド放送交響楽団とサカリ・オラモによるコッコネン第2集。第1集(ODE1098)と同様、欧米のメディアから注目を集める1枚。ヨーナス・コッコネンの邸宅は、20世紀フィンランドを代表する建築家アルヴァル・アールトが設計を担当しました。ふたりを結びつけたのは、"質への情熱"が創造の作業を支配するという考え方。コッコネンとアールトは、それぞれの分野に優れた業績を残しました。コッコネンの交響曲第1番は、フィンランド音楽がモダニズムの流れに乗り、交響曲が時代遅れとみなされた時代に作曲されました。シベリウスの交響的思考に共感したコッコネンは、シベリウスとは違う作品構造により、新しい交響的音楽の形を追求。簡潔な十二の音列を基礎とする作品を作り上げました。初期のネオクラシカルな作風から十二音技法による作曲に移ったコッコネンは、「J・S・バッハの2声のインヴェンションは、音列技法の最良の教科書」と冗談っぽく語ったこともあったとされます。第2番の交響曲は、さらに内省的、悲劇的、禁欲的な音楽。4つの楽章を、第1楽章アダージョ・ノン・トロッポと第2楽章アレグロ、第3楽章アンダンテと第4楽章アレグロ・ヴィヴァーチェの2つのグループにまとめ、交響的思考の一層の展開を図っています。3楽章の短い作品「オプス・ソノルム(響きの作品)」は、JeanSibeliusの名前からとった5つの音が曲の中心モチーフ。打楽器を除く代わりに、打楽器的な音を作り出すためピアノが用いられています。   (Ki)
ODE-1130
カイヤ・サーリアホ(1952-):ノーツ・オン・ライト〜チェロと管弦楽のための2006(世界初録音)、
オリオン〜管弦楽のための2002、
蜃気楼〜チェロ,ソプラノと管弦楽のための2007(世界初録音)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)パリO、
アンシ・カルットゥネン(Vc)、
カリタ・マッティラ(S)

録音:2008年3月12日-13日 パリ、サル・プレイエル(ライヴ)
2008年春、フランス各地をネットワークして<100%フィンランド・フェスティヴァル>が開催されました。フィンランドの革新的な文化活動が幅広く紹介されました。クラシカル音楽で焦点の当てられたのはパリ在住のカイヤ・サーリアホ。今日のフィンランド音楽を代表する作曲家のひとり。新しいディスクは、このフェスティヴァルのオープニング・コンサートのライヴ録音です。フィンランドのソプラノ、カリタ・マッティラのソロ、アンシ・カルットゥネンのチェロがエッシェンバッハ&パリ管と共演します。ボストン交響楽団125周年記念の委嘱作、「ノーツ・オン・ライト」(光についての備忘録)。「楽器固有の音には異なる光度がある」。サーリアホはチェロに【光源】を求め、「Translucent、secret(半透明、秘密の)「Onfire(燃えて)」「Awakening(目覚め)」「Eclipse(蝕)」「HeartofLight(光の中心)」の5楽章の音楽を作曲しました。これが初録音です。ギリシア神話に登場する狩人、オーリオーンを曲名とする「オリオン」。サーリアホは、狂乱と平衡をともに、ひとつの作品のうちに表現することに挑みます。クリーヴランド管弦楽団の委嘱作です。メキシコのシャーマン、マリア・サビーナの呪文の言葉からテクストが採られている「蜃気楼」。パリ管弦楽団、BBC交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団が共同委嘱。   (Ki)
ODE-1131(1SACD)
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」*
 ドゥムカOp.59#
クリストフ・エッシェンバッハ(P;#、指*)
フィラデルフィアO

録音:2006年10月、フィラデルフィア、ヴェリゾン・ホール*/2006年11月、パールマン・シアター#
ODE-1132(1SACD)
スーク:交響曲第2番ハ短調Op.27「アスラエル」 ヴラディーミル・アシュケナージ(指)ヘルシンキPO

録音:2008年4月 フィンランディアホール(ヘルシンキ)(ライヴ)
チェコと縁のあるアシュケナージがヘルシンキ・フィルハーモニックを指揮したコンサートのライヴ。この作品の初SACD録音です。チェコ、クレチョヴィーチェの生まれ。プラハ音楽院でドヴォジャークに学んだ作曲家でヴァイオリニスト、ヨセフ・スークが大管弦楽のために書いた交響曲第2番は、「ドヴォルザークとオチルカの気高き思い出に」捧げられた曲。1904年、ドヴォルザークの死をきっかけに作曲に着手。3つの楽章が完成した翌年、こんどはドヴォルザークの娘だった妻オチルカの死に遭遇します。死者の魂を永遠の地に導く死の天使、アスラエルの名が副題につけられました。この5楽章構成の大作をヘルシンキ・フィルのクリアーなアンサンブルとアシュケナージのスケール大きい指揮が感動的に仕上げています。   (Ki)
ODE-1134(2CD)
マーラー:交響曲第2番「復活」 クリストフ・エッシェンバッハ(指)
フィラデルフィアO、
シモーナ・シャトゥロヴァー(S)、
イヴォンヌ・ナエフ(Ms)、
フィラデルフィア・シンガーズcho

録音:2007年5月 ヴェリゾンホール(フィラデルフィア)(ライヴ)
フィラデルフィア管弦楽団とエッシェンバッハのヴェリゾンホール・ライヴ録音シリーズ第8弾、マーラー「復活」がリリース。彼らが録音したマーラーの交響曲第6番(KDC5014)は、インターネットのサイト、ClassicsTodayのデイヴィッド・ハーヴィッツに絶賛され、Gramophone誌からも「音と解釈において、おそらく第6番のファーストチョイス」と高い評価を受けました。フィラデルフィア管にとって「復活」の録音は、1970年オーマンディー以来37年ぶり。フィラデルフィア管の充実した音響、エッシェンバッハが端正に描き出す音楽的美しさも特筆すべきものがあります。現代のマーラー指揮者としての評価も高まりつつあるエッシェンバッハの「復活」は注目です。ソプラノには2006年、パリのプレイエルホールの再開コンサートでもエッシェンバッハの指揮する「復活」で共演したスロヴァキア生まれのシモーナ・シャトゥロヴァーが参加。第4楽章「原光」を歌うのは、スイスのメッツォソプラノ歌手イヴォンヌ・ナエフ。ワーグナー、シェーンベルク、バッハの他、マーラーのスペシャリストとして、エッシェンバッハ、ブーレーズ、ビシュコフ、ヴェルザー=メスト、ケント・ナガノらの指揮で交響曲と歌曲を歌ってきました。
演奏時間:第1楽章[22'35]/第2楽章[11'14]/第3楽章[10'34]/ 第4楽章[05'50]/第5楽章[37'14]   (Ki)
ODE-1137(CD+BOOK)
アウロラ・ボレアーリス/Aurora Borealis−北極光の不思議
ラウタヴァーラ:鳥と管弦楽のための協奏曲「カントゥス・アルクティクス(極北の歌)」作品6
シベリウス:劇付随音楽「テンペスト」組曲第1番〜テンペスト
メリカント:管弦楽のための4つの作品*〜レント・カンタービレ/アリエッタ
トゥオマス・カンテリネン:映画「待ちぶせ」〜アダージョ**
エルネスト・パングー:消された松明#
アウリス・サッリネン:組曲「鉄の時代」〜トゥオネラのレンミンカイネン##
ノルドグレン:ペリマンニの肖像+〜考える人/ペリマンニの十八番の調べ
ラウタヴァーラ:交響曲第7番「光の天使」〜コメ・ウン・ソーニョ
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO、
トゥオマス・オッリラ(指)タンペレPO*、
オレク・ソルダトフ(指)カレリアPO**、
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO#、
オッコ・カム(指)ヘルシンキPO##、
ユハ・カンガス(指)オストロボスニアCO+
フォトブックスタイルのコンピレーション・シリーズ。最新のアルバムは、フィンランドの空にゆらめく光の芸術オーロラがテーマです。オーロラをイメージさせる音楽を集めた「アウロラ・ボレアーリス(AuroraBorealis)」(ODE937)がベース。ラウタヴァーラの鳥と管弦楽のための協奏曲「カントゥス・アルクティクス」だけ、ヘルシンキ・フィルハーモニックとセーゲルスタムによる録音に差し替えられています。オーロラ研究家ヨウニ・ユッシラが撮影した写真10数枚とユッシラ自身の執筆した解説が英語、ドイツ語、フィンランド語、日本語で収録されています。オシャレなグリーティングカードとして、大切な友人への贈り物などに最適。解説:日本語訳付、写真:ヨウニ・ユッシラ。  (Ki)
ODE-1139(5CD)
北欧の名歌手たち
◆CD1:ヨルマ・ヒュニニネン
レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」〜ごめんください皆さまがた
ヴェルディ:歌劇「トラヴィアータ」〜プロヴァンスの海と陸
歌劇「トロヴァトーレ」〜君の微笑み
歌劇「仮面舞踏会」〜立て息子に会うのは許してやろう
歌劇「運命の力」〜この中に私の運命がある…やはり助かった
歌劇「リゴレット」〜いやしい罰当たりの廷臣ども
歌劇「ドン・カルロ」〜私に最後の日が来ました
チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」〜オネーギンのアリア
歌劇「スペードの女王」〜エレツキーのアリア「いとしい人…あなたを愛しています」
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」〜アルマヴィーヴァ伯爵のアリア「勝ちと決まっただと?」
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜ドン・ジョヴァンニのセレナード「窓辺においで」/酒の歌「酒がまわっているうちに、踊りの準備だ」

◆CD2:ソイレ・イソコスキ
モーツァルト:歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」-岩のように動かずに恋人よ許してください、うるわしのわが恋人よさようならK528、
歌劇「ツァイーデ」〜やすらかにお休み私のいとしい命よ、ああ私は予想していたK272、
歌劇「フィガロの結婚」〜楽しい思い出はどこへ、どうしてあなたが忘れられましょうK505

◆CD3:トンミ・ハカラ
ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」〜フォードのアリア「これは夢か?まことか?」
歌劇「ドン・カルロ」〜ロドリーゴのアリア「カルロ様、聞きください」
歌劇「トラヴィアータ」〜プロヴァンスの海と陸
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」〜この高貴な集いを見渡せば
歌劇「タンホイザー」〜夕星の歌「死の予感のように…おお汝、優しい夕星よ」
レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」〜シルヴィオのアリア「それじゃあぜ」
プッチーニ:歌劇「エドガール」〜フランクのアリア「この恋を、俺の恥を」
ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」〜国を裏切る者
グノー:歌劇「ファウスト」〜ヴァレンティンの祈り「祖先の国を去る前に」
モーツァルト:「フィガロの結婚」〜アルマヴィーヴァ伯爵のアリア「勝ちと決まっただと?」
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」〜グリエルモのアリア「彼に目を向けてください」

◆CD4:エリーナ・ガランチャ
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」〜自分で自分がわからない、恋とはどんなものかしら、
歌劇「皇帝ティートの慈悲」〜ああただ一度心を開いて、私は行くが君は平和に、
ロッシーニ:歌劇「セビーリャの理髪師」〜今の歌声は心に響く、
歌劇「シンデレラ」〜不安と涙のうちに生まれ…悲しみよ去りゆけ、
ベッリーニ:歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」〜ロメオがあなたの息子を殺したとしても、
ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリータ」〜ああ私のフェルナンド、
歌劇「アンナ・ボレーナ」〜この荒々しい炎に、
マスネ:歌劇「ウェルテル」〜カルロッテのアリア「ウェルテル、ウェルテル」

◆CD5:ユハ・ウーシタロ
ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」〜序曲、オランダ人のモノローグ「期限は切れた」、
「パルジファル」〜第3幕「悲しや!悲しや!この身の上!」
◆カリタ・マッティラ
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」〜エリーザベトの挨拶の歌「おごそかなこの広間よ」、
ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」〜月に歌う「月よ空高く」、
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」〜アイーダのアリア「勝ちてかえれ」、
歌劇「運命の力」〜レオノーラのアリア「神よ平和を与えたまえ」、
プッチーニ:歌劇「トスカ」〜トスカの祈り「歌に生き、恋に生き」、
J・シュトラウス:オペレッタ「こうもり」〜オルロフスキーのクプレ「わたしは客を呼ぶことが」、
オペレッタ「こうもり」〜アデーレの歌「侯爵様、あなたのようなお方は」、
オペレッタ「こうもり」〜ロザリンデのチャルダーシュ「ふるさとの調べよ」
CD1:ヨルマ・ヒュンニネン(Bs)、エリ・クラス(指)エストニアSO 
CD2:ソイレ・イソコスキ(S)、ペーター・シュライアー(指)タピオラ・シンフォニエッタ、マリタ・ヴィータサロ(P) 
CD3:トンミ・ハカラ(Bs)、エリ・クラス(指)タンペレPO
CD4:エリーナ・ガランチャ(Ms)、アレクサンドルス・ヴィルマニス(指)ラトヴィア国立SO
CD5:ユハ・ウーシタロ(Bs)、レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO、
カリタ・マッティラ(S)、ユッカ=ペッカ・サラステ(指)フィンランドRSO
国際的に活躍する6人の歌手が歌う18世紀から20世紀の歌劇・アリア集。ヨルマ・ヒュニニネンの1枚は、Ondineのカタログから外れていた1989年録音。イソコスキがモーツァルトを歌ったアルバムは、「ソイレ・イソコスキより美しいモーツァルトを歌う歌手が今、いるだろうか?」の賛辞をデイリー・テレグラフ紙から贈られました。トンミ・ハカラとエリーナ・ガランチャのアルバムはデビュー作。ユハ・ウーシタロがセーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニックと共演したワーグナー・アルバム(ODE1121)から「さまよえるオランダ人」の序曲とモノローグ、そして、カリタ・マッティラとサラステ指揮フィンランド放送交響楽団のヘルシンキ・ライヴからアリア7曲が最後のディスクに収録されました。 (Ki)
ODE-1141(1CD)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
ヒンデミット:管弦楽つきピアノ音楽〜左手のためのピアノ協奏曲Op.29(世界初録音)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
カーティスSO、
レオン・フライシャー(P)

録音:2008年4月27日 ヴェリゾンホール(フィラデルフィア、ペンシルヴェニア州)(ライヴ)
メーリー・ルイーズ・カーティス・ボックが1924年、フィラデルフィアに創立したカーティス音楽学校は、高度なプロフェショナル教育を行う音楽学校として知られます。サミュエル・バーバー、レナード・バーンスタイン、アラン・ギルバート、ヒラリー・ハーン、ラン・ランらがカーティスの出身です。厳しいオーディションを経て入学を許された学生には全員、長所と才能に応じて奨学金が給付され、授業料に充てられます。オーケストラとオペラのプロフェッショナルを養成する課程を中心に、鍵盤楽器、作曲、指揮の教育も行われ、2008/09年度には162名の学生が在籍しています。カーティス交響楽団は、14歳から25歳まで100名を超すプレーヤーで構成され、フィラデルフィア管弦楽団が本拠とするヴェリゾンホールで年3回のコンサートを行っています。2008年4月27日のコンサートで彼らは、ヒンデミットの「管弦楽つきピアノ音楽」とドヴォルザークの「新世界」を演奏。ヒンデミットの左手の協奏曲は、フライシャーが初演をして世界各地で演奏を行っている曲で、ラヴェル同様ヒンデミットが第一次大戦で右手を負傷したピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインへ献呈。そのまま演奏されることなく彼の遺品から発見され、その後フライシャーが手に入れ2004年にラトル&BPOとともに初演されました。 (Ki)
ODE-1142
パガニーニ:ヴァイオリンとギターのための二重奏曲集
協奏的ソナタ イ長調MS2(Op.61)
カンタービレニ長調MS109(作品17)
ソナタニ長調MS112/2(チェントーネ・ディ・ソナタOp.64-2)
ソナタイ長調MS112/4(チェントーネ・ディ・ソナタOp.64-4)
ソナタホ短調MS27/6(Op.3-6)
タランテッラMS76(Op.33)
ペッカ・クーシスト(Vn)
イスモ・エスケリネン(G)

録音:2008年9月 オステルスンドム教会(ヘルシンキ)
制作:セッポ・シーララ  録音:エンノ・マエメツ
時代の先端を行き、国際的に人気の高いヴァイオリニストのひとり、ペッカ・クーシスト(1976-)。彼が録音したシベリウスのヴァイオリン協奏曲(ODE878/ODE1115)はリリースからずっとロングセラーをつづけ、BBCMusicMagazineの2009年6月号でも最良の演奏のひとつに選ばれています。イスモ・エスケリネン(1971-)はクオピオの生まれ。ティモ・コルホネン、オスカル・ギリヤらに学び、スカンディナヴィア・ギター・コンペティションを初めとする各地のコンクールで優勝した後、ソロイスト、室内楽奏者として活躍しています。ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾとして人気を博したニコロ・パガニーニ。彼は、ヴァイオリニストとしてだけでなくギタリストとしても熟練の域にあり、ギターのために200を超す曲を書いたといわれます。ギターとヴァイオリンのためのデュオ曲も多く、ギタリストとヴァイオリニストにとっては、ジュリアーニらの作品とともに貴重なレパートリーになっています。パートナーとして室内楽活動をするペッカ・クーシストとエスケリネンにとってもパガニーニの作品はコンサートのプログラムに欠かせず、ふたりのパガニーニ・ライヴはいつも好評をもって迎えられます。2年前にふたりが聴かせたパガニーニをイギリスの新聞「ガーディアン」(2007年1月16日)は、「無条件に魅力的な」と評し、「近年クラシカル音楽に起きた最高の出来事だろう」とまで讃えています。"ヴィルトゥオーゾ"パガニーニから連想されるような"技巧偏重"とはまったく違った、愉しさいっぱいの音楽には、ハイドンかベートーヴェンの初期の作品でも聴くような古典的な趣があります。ペッカ・クーシストとエスケリネンに誘われる至福の時。音楽とは、なんと豊かで贅沢なものでしょう。 (Ki)
ODE-1145(4CD)
ラウタヴァーラ:8つの交響曲
CD1:交響曲第1番(2003年改訂版)*、
交響曲第2番
CD2:交響曲第3番、
交響曲第4番「アラベスカータ」
CD3:交響曲第5番、
交響曲第6番「ヴィンセンティアーナ」**
CD4:交響曲第7番「光の天使」#、
交響曲第8番「旅」#
ミッコ・フランク(指)ベルギー国立SO*、
マックス・ポンマー(指)ライプツィヒRSO、
マックス・ポンマー(指)ヘルシンキPO**、
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO#

録音:1989年-2005年
2008年10月9日に80歳を迎えたラウタヴァーラの交響曲の道程をたどるアルバム。タングルウッドでコープランドに学んでいたころに作曲したクラシカルな第1番、もっと鋭い現代的な語法による第2番、ブルックナーのロマンティシズムをモデルにしながら、技法は十二音に基づく第3番、音列技法による禁欲的なモダニズムの第4番。それまでのスタイルを融合、ゆたかな色彩とテクスチュアをもつ、流れるようなスタイルに新たな展望を見いだした単一楽章の第5番、ゴッホを題材とするオペラ《ヴィンセント》に基づき、《星の夜》以下4つの楽章をもつ交響曲第6番、自由に流れる表現的なメロディが鮮やかな色世界に誘う第7番《光の天使》、果てない海洋に導くかのような第8番《旅》。第1番はミッコ・フランクとベルギー国立交響楽団が録音した、「ポエティコ」の楽章を追加した2003年改訂版が収録されました。   (Ki)

ODE-1146(1SACD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番、
 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
オッリ・ムストネン(P,指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:2009年3月*、6月タピオラホール(エスポー、フィンランド)
ベートーヴェンのピアノ協奏曲弾き振りシリーズのラスト・リリース。第1番、第2番(ODE1099)につづく第3番、ニ長調(ヴァイオリン協奏曲)(ODE1123)の「何かを予見するようなアプローチ」は<International Piano Magazine>誌から「徹底して清々しく、説得力をもった」(2008年9月・10月号)と評されました。ムストネンのピアノの音と技巧、タピオラ・シンフォニエッタの透明感ある響きがDSD録音により忠実にとらえられています。 (Ki)
強弱、テンポ、アーティキュレーションなど、何から何まで今までの常識を一掃した画期的解釈の連続!持ち前の珠を転がすような俊敏なタッチと硬質な光沢を武器に縦横無人に聴き手の五感を刺激し尽くベートーヴェンは、伝統的な演奏を珍重する向きには格好の批判の材料となるでしょうが、ただ変わったことをやってやろうというパフォーマンスではなく、各楽想のメロディ、リズムの面白さを絶対に埋没させてはならないという意思が反映されています。唐突にフォルテで打鍵したり、テンポがガクッと落ちたりする瞬間、確かにギョッとしますが、フレーズを大きく息づかせたり、毅然とした意志の強さを表す表現の手段としてそれらが作用していることにいちいち気付かされます。特に「皇帝」終楽章のテーマの付点リズムの前代未聞の強調は驚愕の極みですが、音楽に本来宿っている躍動感をかつてない程リアルに引き出しています。微に入り細に入りベートーヴェンと格闘したムストネンの演奏に拍手を!オケ伴奏はピリオド奏法を採用。 【湧々堂】
ODE-1166
ユッカ・ティエンスー(1948-):作品集
ヴィエ(2007)/ミサ(2007)
偽りの記憶T-V(2008)
ヨン・ストゥールゴールズ(指)
ヘルシンキPO
ユッカ・ティエンスーは現代フィンランドの最も魅惑的な作曲家の一人です。同国ではラウタヴァーラ、サーリアホ、リンドベルイらと並ぶ人気を誇り、新作はことごとく絶賛される人です。このアルバムには彼の最近の3つの作品が収録されています。メインの「ミサ」は名クラリネット奏者カリ・クリックのために書かれたクラリネットと管弦楽のための「ミサ曲」です。2007年の初演の時はタンペレ・フィルハーモニーとスコティッシュ室内管弦楽団がジョイント出演し、クリックがソロを担当しました。深い瞑想と現代的な楽想、そしてどこか諧謔的な味付けもあるこの曲は、歌声がなくとも、人々の祈りの心を存分に表現しています。他の2曲も、難解な響きのなかに、ふと見えてくる親しげなメロディが印象的。
ODE-1172
セーゲルスタム(1944-):交響曲集
交響曲第81番「80の後…」(2002)
交響曲第162番「ベルゲンへの番
号を倍にして」(2006)
交響曲第181番「演奏する時、名自体を…」(2007)
ベルゲンPO(指揮者なし)

録音:2003年10月9日、2008年2月28日、2008年11月13日 ノルウェイベルゲン、グリーグホール
一体、セーゲルスタムは指揮者として評価して欲しいのでしょうか?それとも作曲家としてでしょうか?このアルバムは、すでにこの時点で250曲の交響曲を「モノにした」奇才の心情表現です。彼は交響曲を作曲する時に「管弦楽を想定するのではなく、ピアノで弾くつもりで書いている」とのことで、これらの3曲も指揮者を必要としないというユニークなものです。彼の快進撃はどこまで続くのでしょう?
ODE-1173
カイヤ・サーリアホ:作品集
クラリネット協奏曲「D' OM LE VRAI SENS」(2010)
ラテルナ・マギカ(幻灯機)(2008)
レイノの歌(2007)
カリ・クリック(Cl)
アヌ・コムシ(S)
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO

録音:2010年1月7日エスポー,セロ・ホール、2010年5月31日-6月1日ヘルシンキフィンランディア・ホール、2011年4月18-20日ヘルシンキクルットゥーリ・タロ
フィンランドの女性作曲家サーリアホ(1952-)の最近の3つの作品です。最初の曲は、彼女が博物館で中世のタペストリーを見た時のインスピレーションが元になってできたもの。もとより、クラリネット奏者クリックのために曲を書きたいと考えていたサーリアホは、この想いを6つの部分からなる協奏曲に描き出しました。「聴覚」「視覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」そして「一つの欲求(第六感)」。このように題された各部では、クラリネット奏者はホールの様々な位置を移動しながら、陶酔的で強烈な音楽を奏し続けます(2010年9月に初演されたフィンランディア・ホールとは違う場所の録音ですが、この奏者の立ち位置は、どのホールでも柔軟に対応させることと指示されています)。「ラテルナ・マギカ」は2007年に死去したスウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンの思い出のために書かれた作品で、管弦楽の緻密な響きと鋭い打楽器の音色が夢幻的な空間を作り出しています。「レイノの歌」では創造と破壊を繰り返す世界が歌われます。
ODE-1175
マグヌス・リンドベルイ:ヴァイオリン協奏曲他
ヴァイオリン協奏曲(2006)*
ジュビリーズ(2000/2002)
スーヴェニール(2010)
ペッカ・クーシスト(Vn&指)*
マグヌス・リンドベルイ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音2010年5月28-29日*、2013年2月15-16日 エスポー,タピオラ・ホール
ONDINEで精力的にリリースを続けているリンドベルイ(1958-)の作品集、今作はヴァイオリン協奏曲の世界初演時の録音をメインに、他2曲を収録しています。モーツァルトの生誕250年を祝し、ニューヨークのリンカーン・センターとロンドンのバービカン・センターの委嘱により書かれたヴァイオリン協奏曲は、素材的にはモーツァルトに拠るものはありませんが、編成は小さ目であり、透明感のある響きが紡ぎだされています。2010年の「スーヴェニール」は彼の師であった作曲家ジェラール・グリゼーとフランコ・ドナトーニへのオマージュです。「ジュビリーズ」はもともと室内楽作品であったものを管弦楽作品へと移し替えたものです。ヴァイオリン協奏曲で独奏と指揮を務めるのは名手ペッカ・クーシストです。
ODE-1176
ウルハス・プルッキス:喜び、情熱と愛の物語
シンフォニー・オーケストラの為の7つの幻想「波の上」<序/浜辺にて/風/荒海/迫る嵐/穏やかな/波の上>
3楽章からなるクラリネット協奏曲「喜び、情熱と愛の物語」<喜びの物語/情熱の物語/愛の物語(T.ムーアの詩による)>
交響詩「花盛りの春」
カリ・クリック(Cl)
ガブリエル・スオヴァネン(Br)
ハンヌ・リントゥ(指)テンペレPO

録音:2010年6月1-2日、2011年1月7日 フィンランドテンペレ・ホール
フィンランドを代表するクラリネットの名手、カリ・クリークをソリストに迎えた「喜び、情熱と愛の物語」を中心にした、フィンランドの若手作曲家、プリッキス(1975-)の作品集です。ティエンスー作品集(ODE-1166、778)など、すでにONDINEにいくつもの録音があるクリーク、その実力はお墨付き!ここでも目の覚めるような演奏を聴かせます。トーマス・ムーアの詩によるバリトンの歌との絡みも見事な限りです。プリッキスの作風は印象派風でもあり、時にはドイツ後期ロマン派風でもありと、現代音楽にありがちな難解な響きは皆無です。
ODE-1177
ラウタヴァーラ:ヴァイオリンとピアノの為の作品集
忘却の風景(2005)…世界初録音
夏の想い(1972/2008)…世界初録音
エイプリル・ライン(1970/2006)…世界初録音
ノットゥルノとダンス(1993)
ヴァリエチュード(1974)
バッカス礼賛(1970ヴァイオリンとピアノ版)…世界初録音
組曲「ヴァイオリン弾き」〜フィドルによるフィンランド民謡を元にしたピアノの組曲(1952)
ペッカ・クーシスト(Vn)
パーヴァリ・ユンパネン(P)

録音:2010年12月28-30日フィンランドエスポー、セッロ・ホール
最近は専ら神秘的な作品を多く発表しているラウタヴァーラ(1928-)。このアルバムでは、世界初録音を含む最近の作品から初期の作品までを幅広く収録しています。彼の作風の変遷を味わうにもうってつけと言えるでしょう。ヴァイオリンのクーシストは、今更何も付けくわえることもないほどの名手。ここでも抒情的な曲から舞曲までを文句なく弾きこなしています。とりわけ面白いのが1952年の「ピアノ組曲」で、こちらはフィンランド民謡から着想を得たラウタヴァーラ24歳の時の作品(作品番号1)ですが、ここでは基になった民謡をクーシストが漏れなく演奏するという試みで、民謡と交互に奏される「ラウタヴァーラによる創造」の面白さを存分に楽しんでいただけるものとなっています。
ODE-1178
ラウタヴァーラ:チェロ協奏曲第2番「地平線に向かって」(2008-2009)
改良-モディフィカータ(1957/2003)
パーカッション協奏曲「呪文」(2008)※世界初録音
トゥルス・メルク(Vc)
コリン・クッリエ(パーカッション)
ヨン・ストゥールゴールズ(指)
ヘルシンキPO
彼の初期のモダニズム様式によるオーケストラ作品である「モディフカータ」(2003年改作版)と、「チェロ協奏曲第2番」、パーカッション協奏曲「呪文」の3曲が収録されています。アルバムタイトルでもある「チェロ協奏曲」は独奏者メルクのために書かれたもので、20分程度の長さの作品の中に、神秘性と永遠の時が凝縮されています。パーカッション協奏曲は、この曲の初演者であるクッリエに献呈されており、主楽章の超絶的なカデンツァもクッリエ自身によるものです。ヘルシンキ・フィルハモニー管弦楽団と、首席指揮者ストゥルゴールズは、彼らの偉大なる同胞作曲家に、多大なる賛辞を込めてこれらの曲を演奏しています。
ODE-1179
シベリウス:交響曲第2番ニ長調Op.43(H.シーグフリードソンによるピアノ独奏版)
交響曲第5番変ホ長調Op.82(K.エクマン/H.シーグフリードソンによるピアノ独奏版)
ヘンリ・シーグフリードソン(P)

録音:2010年10月4.6日、2011年2月19日&3月15日 フィンランドヤルヴェンパー・ホール
シベリウス(1865-1957)の交響曲の中でも、とりわけ人気の高い第2番&第5番をピアノで演奏するという、何とも大胆かつ画期的な1枚です。オーケストラの多彩な響きが要求されるシベリウスの曲をピアノでることは間違いありません。ここで、その両方の才能をとことん見せ付けてくれるのは、2005年のボン・ベートーヴェン国際ピアノコンクールで優勝した1974年生まれの若きピアニスト、ヘンリ・シーグフリードソン。彼はまず5番について、既に知られたエクマンの編曲版を研究した上で、自らの編曲を加えたと言います。そして、難曲第2番に取り掛かったのですが、その際ベートーヴェンの交響曲をリストが編曲したように、「オリジナルに忠実でありながら、ピアノの可能性の限界に挑戦する」という気合いも盛り込みました。さあ、その出来栄えはいかなるものでしょう?第2番の冒頭は、もともとそれほど音の厚みはありません。なので、正直「しょぼいな」と思われるかもしれませんが・・・、曲が進むにつれて、オーケストラで聴く以上の興奮に見舞われること必至です。第5番も文句なし!
ODE-1180(2CD)
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみわり人形」(全曲) ミハイル・プレトニョフ(指)
ロシア・ナショナルO

録音:2011年3月モスクワモスフィルム・レコーディング第1スタジオ
彼の「くるみわり人形」は格別のものがあるのではないでしょうか?なにより彼がピアノ独奏用に編曲したヴァージョンは、高い技巧性と音楽性を兼ね備えており、今でも人気が高く愛好する人が途絶えません。さて、手兵によるこの演奏、まさに「水を得た魚」状態とでも言う他ありません。煌めく音の粒、はじける楽想。どこもかしこも楽しげに輝いています。プレトニョフが得意とする第2幕のパ・ド・ドゥの見事さと言ったら!!!言葉に尽くせません。ぜひ既発売の「白鳥の湖」(ODE-1167)も併せてお聴きください。
ODE-1181
プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調Op.100
交響曲第6番変ホ短調Op.111*
サカリ・オラモ(指)フィンランドRSO

録音:2011年8月15-17日ヘルシンキ・ミュージック・センター、2010年9月9-11日フィンランディア・ホール*
このアルバムに収録されたプロコフィエフの2つの交響曲は、彼の全作品中でもとりわけシリアスなものであり、戦争の悲劇と強く結びついた曲として知られています。高揚感溢れる第5番、そして病と闘いながら心の声を振り絞って書いた第6番。どちらも難解な部分を持つ、演奏が困難な曲です。サカリ・オラモによるこの演奏は、曲の持つ攻撃性は抑え目にし、一見穏やかな中に燃え盛る心を閉じ込めるという、内面を重視した仕上がりとなっています。1度聴いただけでは、この曲の持つ恐ろしさを理解できないかもしれませんが、2度3度と聴くうちにぞくぞくして来るような演奏です。フィンランドを代表する名指揮者の一人、サカリ・オラモは1993年に(代役として)フィンランドRSOの指揮台に立ちました。この時の成功により、副指揮者として招聘され、2003年からは首席指揮者として活躍する傍ら、世界各地のオーケストラとも良い関係を築いています。彼はもともと熟達したヴァイオリニストであり、フィンランド放送響のコンサートマスターを務めていたこともあり、このオーケストラを知り尽くしていることは間違いありません。
ODE-1182
コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調Op.40
古い様式による小舞曲…世界初録音
ジョン・ストルゴー(指)ヘルシンキPO

録音:2010年9月17-18日…1-4, 2010年8月30日…5 ヘルシンキフィンランディア・ホール
ユダヤ系であったため、素晴らしいキャリアを誇っていたにも拘わらず祖国オーストリアを離れ、アメリカで「映画音楽作曲家」として活躍することとなったコルンゴルト(1897-1957)。しかし彼なくしては、今のハリウッド音楽はひどく寂しいものになっていたに違いありません。1947年から1952年に書かれたこの彼の交響曲を聴いた人は誰しも「これは映画音楽?」と思うことでしょう。それほどまでにこの曲はスペキュタクラーです。最初の音から何か物語を感じさせずにはいられません。映画音楽に嫌気が指してしまったはずの彼が書いた「クラシック作品」のはずですが、すでにコルンゴルトはハリウッドと一心同体になっていたのかもしれません。世界初録音である「古い様式による小舞曲」は彼が20歳前半に書いた小さな作品す。こちらは馥郁たる響きを秘めたウィーン風の音楽です。

ODE-1184
オリ・ムストネンのスクリャービン
12の練習曲Op.8/6つの前奏曲Op.13
5つの前奏曲Op.16
ピアノ・ソナタ第10番Op.70
炎に向かってOp.72
オリ・ムストネン(P)
ピアニスト、作曲家として幅広く活躍中。ヘルシンキ生まれのオリ・ムストネン。彼は常に新鮮な心持ちで曲に対峙し、作曲家の信念を聴き手に伝えることをモットーとしていると言います。このスクリャビンも、爛熟した後期ロマン派の音楽の特徴でもある「多弁さ」と「妖艶さ」を余すことなく伝え、時折訪れる「夢のような瞬間」を具現化しています。単一楽章、無調で書かれたソナタ第10番、ソナタとして構想されながらも、あまりにも逸脱した様式を持つため、作曲家自身が「詩曲」に分類した「炎に向かって」この2曲は、演奏困難な作品として知られますが、ここでのムストネンはホロヴィッツにも匹敵するほどの驚異的な技巧で、難なく弾ききっているところがさすがです。
ODE-1186(4CD)
ラウタヴァーラ:合唱作品集
<CD1.ヴィジリア(洗礼者聖ヨハネ追悼の徹夜の祈り)>
1-14.晩課/15-34.朝課
<CD2>
1.クレド/2.聖処女マリアの雅歌
3.主の祈り/4.詩篇第23番
5.詩篇第130番/6-10.マニフィカト
11-14.聖体拝領/15.アヴェ・マリア
16-18.12のカノンによるミサ曲
19.失われえぬ慈悲/20.伝説
21.マルヤッタのクリスマス賛歌
22.クリスマス賛歌
23.祈りの詩篇/24.夕べの賛歌
25-27.われらの時代の歌
<CD3>
1-3.柳の木陰で/4.旅立ち
5.花嫁/6-9.実用ドイツ語
10.喜びながらぼくらは踊る
11.夏の夜/12.大聖堂
13-16.フェデリーコ・ガルシア・ロルカの詩による組曲
17-20.ルードゥス・ヴェルバリス-言葉のゲーム
21.涅槃の法/22.最初の悲歌
<CD4>
1.最後の処女地にて
2-21.真実と偽りのユニコーン
<CD1>
イルキ・コルホネン(Bs)
トピ・レティプー(T)/ピア・フロイント(S)
リリ・パーシキヴィ(Ms)
ペッテーリ・サロマー(Br)
フィンランド放送室内Cho
ティモ・ヌオランネ(指)
<CD2>フィンランド放送室内Cho
ティモ・ヌオランネ(指)
<CD3>フィンランド放送室内Cho
ティモ・ヌオランネ(指)…1-3
エリク=ウーロフ・セーデルストレム(指)…4-21
<CD4>
ヘルシンキ・フィルハーモニックCho…1
フィンランド・フィルハーモニックCho…1
レイフ・セイゲルスタム(指)…1
セド・リッサネン(A)…2-21
ヤーッコ・コルテカンガス(Br)…2-21
ペッテーリ・サロマー(Br)…2-21
フィンランド放送室内Cho…2-21
フィンランドRSO…2-21
ティモ・ヌオランネ(指)…2-21

録音:<CD1>2010年10月ケラヴァ教会
<CD2>1999年1月ヘルシンキ,聖ジョン教会…1-24/2002年10月ヘルシンキ,聖ジョン教会…25-27
<CD3>2002年10月ヘルシンキ,聖ジョン教会…1-3/1995年5月ヤルヴェンパー…4-22
<CD4>1998年10月ヘルシンキハウス・オブ・カルチャー…1/2002年5月ヘルシンキハウス・オブ・カルチャー…2-21
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-)はヘルシンキ生まれの作曲家。シベリウス・アカデミーでアーッレ・メリカントに師事した後、ジュリアード音楽院に移り、パーシケッティに師事しています。彼の作品は、その年代ごとにかなりスタイルが異なり、初期はセリー主義へ傾倒したものの、ある程度の時期からは、神秘的な雰囲気を重視し、その曲名にも宗教的な香りがする言葉が多く使われるなど、独特の音楽を作ることで知られています。この4枚組BOXは、これまでにONDINEレーベルから発売されたラウタヴァーラの合唱作品をひとまとめにしたもので、静謐な雰囲気をたたえた宗教的な曲や、録音済のテープが用いられることで知られている「真実と偽りのユニコーン」など、多方面に渡る音楽が詰まっています。
ODE-1187
ソイレ・イソコスキ R・シュトラウス:歌曲集
1.万霊節 Op.10-8
2.美しくしかし冷たい空の星よOp.19-3
3.夜Op.10-3
4.私は恋を抱いてOp.32-1
5.ダリアOp.10-4
6.ああ恋人よ私は別れなければならないOp.21-3
7.私の眼Op.37-4
8.わが子にOp.37-3
9.母親の自慢Op.43-2
10.私の思いの全てOp.21-1
11.セレナードOp.17-2
12.献呈Op.10-1
13.ばらのリボンOp.36-1
14.二人の秘密をなぜ隠すのかOp.19-4
15.あなたは私の心の王冠Op.20-2
16.私の心は沈黙し冷えるOp.19-6
17.解き放たれてOp.39-4
18.あしたにOp.27-4
19.ツェツィーリエ Op.27-2
20.オフィーリアの歌-どうしたらほんとの恋人を見分けられるだろうOp.67-1
21.オフィーリアの歌-おはよう今日は聖ヴァレンタインの日Op.67-2
22.オフィーリアの歌-彼女は布もかけずに棺台にのせられOp.67-3
23.あおいOp.post
ソイレ・イソコスキ(S)
マリア・ヴィータサロ(P)

録音:2011年7月30日-8月2日イェルヴェンパー・ホール
フィンランドの名リリックソプラノ、ソイレ・イソコスキが歌うR.シュトラウス(1864-1949)の歌曲集です。彼女は以前、管弦楽伴奏歌曲集(ODE-982)で感動的な歌唱を聴かせましたが、今回は長年のデュオ・パートナーであるヴィータサロとの共演。彼女自身も「私の声にシュトラウスは良くあいます」と語るほど、この作曲家に思い入れが強いようです。「献呈」や「チェツィーリエ」、「明日に」などの有名な歌曲を始め、「万霊節」や「オフィーリアの歌」など、シュトラウスの初期の作品から晩年に至るまで万遍なく選ばれた1曲1曲に彼女の思いが詰まっています。また、シュトラウスのお気に入りであったソプラノ、マリア・イエリッツァのために書かれた最晩年の作品「あおい」では、簡素な曲の中に揺蕩う色香が存分に表現されていて、これまた名唱です。
ODE-1188
ベルリオーズ:歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲 
 交響曲「イタリアのハロルド」
パガニーニ:大ヴィオラと管弦楽のためのソナタOp.35
デヴィッド・アーロン・カーペンター(Va)
ウラジーミル・アシュケナージ(指)
ヘルシンキPO

録音:2011年4月13-16日ヘルシンキフィンランディア・ホール
弱冠25歳。若きヴィオリスト、アーロン・カーペンターのONDINE2枚目のアルバムです。前作はエッシェンバッハ&フィルハーモニア管をバックに、エルガーとシュニトケという、かなりコアなレパートリーを聴かせましたが、今作はベルリオーズとパガニーニ(1782-1840)という、技巧的にもなかなか興味深い曲で勝負です。バックを務めるのはアシュケナージ&ヘルシンキ・フィルの組み合わせ。いかなる時にも落ち着いた演奏が、この俊英の美音を引き立てています。ベルリオーズの「イタリアのハロルド」は、元々パガニーニに依頼された曲で、ヴィオラ・パートをパガニーニが演奏することを想定して作られたのですが、第1楽章を作った段階で、パガニーニが不満を述べたため、以下の楽章は自由に作曲され、あまりヴィオラが活躍しないものとなってしまいました(終楽章に至っては、最初と最後以外ほとんど演奏箇所なし)。この録音では、パガニーニがより超絶的に改編した第1楽章を演奏しています。Adagioの部分で、ヴィオラ・パートが自由に飛びまわる様子をぜひお聴きください。パガニーニの作品は、彼自身がオーダーして作成した5弦の大型ヴィオラのための協奏曲形式のソナタで、こちらは万遍なく凝らされた技巧が聴きものの華やかな作品です。
ODE-1189
カイヤ・サーリアホ(1952-):三重奏曲集
ソプラノとチェロ、ピアノのための「ミラージュ-蜃気楼」(2007:室内楽バージョン)
ヴァイオリンとヴィオラ,チェロのための「クラウド・トリオ」(2009)
アルト・フルートとチェロ、ピアノのための「Cendres-火山灰」(1998)
ヴィオラとチェロ,ピアノのための「Je sens un deuxieme coeur-私は第2の心を感じる」(2003)
パーカッションとチェロ,ピアノのための「セレナータ」(2008)
スティーヴン・ダン(Va)
ピア・フロイント(S)
トゥイヤ・ハッキラ(P)
フローラン・ジョドゥレ(Perc)
アンシ・カルットゥネン(Vc)
エルンスト・コヴァチッチ(Vn)

録音:2011年3月14日、2011年11月24-26日 ヤルヴェンパー・ホール
サーリアホ生誕60年を記念してONDINEが進めている「サーリアホ・プロジェクト」の最新作は、彼女の室内楽作品です。「トリオ」と題されたこのアルバムは、様々な楽器による三重奏曲が集められています。「ミラージュ」は同時に2つの形態で作曲が試みられたもので、オーケストラ伴奏版はODE-1130で聴くことができますが、こちらは更に凝縮された音楽が味わえます。「クラウド・トリオ」はタイトルの通り、雲が形成する上で、絶えず変化していく様子を捉えたもので、4つの部分は神秘的な美しさを見せています。「火山灰」はこのアルバムの中では最も早く書かれた作品で、もともとのアイデアは「lafumee(1990)」に由来しますが、全く違うテイストの音楽となっています。5つの部分からなる「Je sens un deuxieme coeur」、同じく5つの部分からなる「セレナータ」の変幻自在な音楽も興味をそそられます。

ODE-1190(2CD)
ケネディ大統領就任年50周年記念コンサート
■《大統領就任年50周年記念コンサート》
バーンスタイン:J.F.ケネディ大統領就任の為のファンファーレ(1961)
リーバーソン:リメンバリングJFK(アメリカン・エレジー)(2009-2010)
バーンスタイン:「ウエスト・サイド・ストーリー」〜シンフォニック・ダンス
ガーシュウイン:ピアノ協奏曲ヘ調

■《1961年就任記念コンサート〜当時のラジオ放送より》*
コメント
スミス:アメリカ合衆国国歌
コメント
ジョン・ラ・モンテーヌ(1920-):太平洋から大西洋へ
コメント
トンプソン(1899-1984):テスタメント・オブ・フリーダムより第1楽章
コメント
ガーシュウイン:ラプソディ・イン・ブルー
コメント
リチャード・ドレイフュス(ナレーター)
ツィモン・バルト(P)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
ハワード・ミッチェル(指)*
ナショナルSO

録音:2011年1月22-24日ワシントンD.C.ケネディ・センター、1961年1月19日ワシントンD.C.コンスティトゥション・ホール*
2011年は、偉大なるJ.F.ケネディがアメリカ合衆国の大統領に就任した年から数えて50年に当たります。それを祝し開催されたコンサートと、50年前に企画されたコンサートを2枚のCDに収録したものが当アルバムです。1枚目は2011年、ケネディ・センターで開催されたコンサートの記録です。2010年のシーズンよりワシントンD.C.のナショナルSO及びケネディ・センターの音楽監督に就任したエッシェンバッハの(指)で奏されるアメリカのメロディは、コンサートに臨席した全ての人に感銘を与えました。なお、リーバーソンの作品中、ケネディ大統領のスピーチの抜粋を朗読したのは、名俳優リチャード・ドレイファス。この渋い声も聴きものです。2枚目は1961年当時の就任記念コンサートのラジオ放送音源からの抜粋です。ケネディ自身の要望でアメリカの作曲家たちの曲を演奏したもの。歴史的にも貴重な音源です。
ODE-1191D(2CD)
コルンゴルト:付随音楽「空騒ぎ」Op.11…世界初演&初録音
シンフォニエッタOp.5
ジョン・ストゥールゴールズ(指)
ヘルシンキPO

録音:ヘルシンキ・ミュージック・センター2011年8月9-10日、2012年1月26-28日、,2012年1月28日
ウィーンの後期ロマン派の作風をそのままハリウッドへ持ち込んだ作曲家、コルンゴルトの2つの作品です。「シンフォニエッタ」は1912年に書かれ1913年にF.ワインガルトナー指揮、ウィーンPOによって初演され、当時人気を誇っていたR.シュトラウスに匹敵するほどの賞賛を得た作品です。全編、彼らしい豊かな楽想に彩られており、その管弦楽法も天才ならではの閃きに満ちています。シェイクスピアの同名の劇のための「空騒ぎ」は1918年から19年にかけて作曲され、1920年5月にウィーンのシェーンブルン宮殿で演奏されています。その後、ヴァイオリニスト、ルドルフ・コーリッシュのためにヴァイオリンとピアノのために5曲を抜きだし「組曲」としたものが現在親しまれていますが、この劇音楽版として書かれた15曲は、公式の演奏会で上演されることもなく、今回のこの演奏が「世界初録音」であり「世界初演」となったのです。15の各々の部分は見事な情景描写であり、後の映画音楽の大家としてのコルンゴルトを予見させるにふさわしい大作です。
ODE-1192
セリム・パルムグレン:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタニ短調Op.11
五月の夜Op.27-4
24の前奏曲集Op.17
ヘンリ・シーグフリードソン(P)

録音:2011年4月17-18日,11月2日ヤルヴェンパー・ホール
フィンランドの作曲家パルムグレン(1878-1951)のピアノ作品集です。彼はヘルシンキ音楽院で学び、その後はベルリンでブゾーニに師事しピアニスト、指揮者としても活躍しています。イーストマン音楽学校でピアノ教師を務めるなど、アメリカでの音楽教育にも熱心でした。作曲家としては交響曲やオペラの他に、5つのピアノ協奏曲と300を超える美しいピアノ小品を作曲、「フィンランドのショパン」とも呼ばれたことでも知られます。このアルバムでは、そんなパルムグレンの代表的なピアノ曲を3つ収録しています。1901年に初演されたピアノ・ソナタは、彼の記念碑的な作品でもあり、当時のフィンランド音楽の潮流に一石を投じたと言われるもの。多少、生真面目で、肩に力の入っている感はありますが、丁寧な音つくりが光ります。24の前奏曲は恐らくショパンの影響もあるのでしょうが、全ての調性を使うことにこだわりはなく、あくまでも「心象風景」を描いた短い曲の集まりです。「五月の夜」は、平易な技法で書かれるも、移ろう和声が魅力的な小さな曲です。実力派ジークフリードソンが各曲の性格を見事に弾き分けています。
ODE-1193
ヨーゼフ・マルティン・クラウス:ヴィオラ協奏曲集
ヴィオラ協奏曲変ホ長調VB153c
ヴィオラ協奏曲ハ長調VB153b
ヴィオラとチェロのための協奏曲ト長調VB153a
デイヴィッド・アーロン・カーペンター(Va)
リッタ・ペソラ(Vc)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:2011年11月7-9日エスポータピオラ・ホール
※全て世界初録音
ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)は「スウェーデンのモーツァルト」として、一部のファンには既におなじみの存在です。ドイツで生まれ、モーツァルトと同時期に活躍するも、1781年にストックホルムのグスタフ3世に宮廷作曲家として召し抱えられ、以降はずっと、その地で活躍したことで知られます。形式は保守的なものを順守しつつも、内容はかなり先進的であり、この時代には珍しく「短調」を重用していたことも特筆すべき点でしょう。また劇音楽を得意としていたせいか、その音楽は起伏に富むものが多く、そこがまたファンの心を捉えているようです。ルンドの大学図書館に保存されていたこの3つのヴィオラ協奏曲は、長らく作曲家が特定できませんでしたが、最近の研究結果で、250年近く失われていたとされるクラウスの作であろうと判定されました。これは彼の親友ホフシュテッター(オーストリアのアマチュア作曲家であり、本職はベネディクト会の修道士である)のために書かれたと推測され、ホフシュテッターがいかに素晴らしい技巧を有していたかの証明にもなるものです。ヴィオラを演奏するのは、ONDINEレーベルでおなじみD.A.カーペンターです。


ODE-1195
シューマン:ヴァイオリンとオーケストラのための幻想曲ハ長調 Op.131
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64*
シューマン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Wo023
クリスティアン・テツラフ(Vn)
パーヴォ・ヤルヴィ(指)フランクフルトRSO

録音:2008年9月*、2009年2月 フランクフルト・アルテ・オパー・ライヴ
ソリストとして、また室内楽奏者として大活躍のヴァイオリニスト、クリスティアン・テツラフがONDINEレーベルに登場です。録音ではバッハの無伴奏ソナタやベートーヴェンの協奏曲、シベリウスなどが世界的に高く評価され、また日本にも度々来日し、その都度満場の聴衆を唸らせる彼。今回の録音でも、その名技を余すことなく披露しています。メンデルスゾーンの協奏曲については、いまさら何も語ることのない名曲として認知されていて、古今東西、数多くの名演と呼ばれるものも存在していますが、このテツラフ、まさに溜息の出るような快演を聴かせます。全体的に早めに設定されたテンポは、指揮者ヤルヴィの解釈もあるのでしょうが、これを易々とクリアしてしまうテツラフの超絶技巧は、まさに絶品。ライヴ録音ということもあり、1楽章も終楽章も加速する興奮を抑えることは不可能でしょう。シューマンの協奏曲は、全体的にさっぱりした味付けで、この曲に「しっとりとした情感」を求める向きには物足りないかもしれませんが、シューマンの求めたであろうヴィルトゥオーゾ性においては、完璧に表現されているのではないでしょうか。フランクフルト放送響のふっくらとした響きも随所に溢れる、聴きどころたっぷりの注目盤です。
ODE-1196
エネスコ:交響曲第2番Op.17*
12の楽器のための室内交響曲Op.33
ハンヌ・リントゥ(指)タンペレPO

録音:タンペレ・ホール2011年8月24日、2012年1月3-5日*
タンペレ・フィルハーモニーOと、芸術監督ハンヌ・リントゥによる、ルーマニアの大作曲家エネスク(1881-1955)のシリーズが始動します。20世紀最大の作曲家でありながらも、その業績はほとんど知られることのないジョルジュ・エネスク(エネスコ)。彼は偉大なるヴァイオリニストでもあり、またルーマニアの民族音楽の研究家としても素晴しい足跡を残しています。彼の作品は概ね、民族色の濃いものであり、調性感を超越した心の根源に迫る音楽が多いのですが、このアルバムに収録された「交響曲第2番」は、(初演時こそ「前衛的過ぎる」と非難を受けたものの)実際に聴いてみると、まるでドイツの後期ロマン派の音であり、まだまだ発展途上にあった若き作曲家の息吹きを感じさせるものです。かたや1954年に作曲された「室内交響曲」は、ピアノを含む12の楽器が深淵なハーモニーを奏でるという、思いの他美しい曲。晩年のエネスクの心情が伝わってくるかのようです。
ODE-1197
エネスコ:交響曲第3番他
ルーマニア民謡による演奏会用序曲イ長調Op.32
交響曲第3番ハ長調Op.21
タンペレPO&Cho
ハンヌ・リントゥ(指)

録音:2011年8月25日フィンランドタンペレ・ホール
同じくエネスコの交響曲第2番(ODE1196)で素晴らしく色彩的な演奏を披露したハンヌ・リントゥとタンペレ・フィルによる「交響曲第3番」と「ルーマニア民謡による演奏会序曲」の2曲です。まだロマン派の香りを残していた第2番に比べると、この第3番はかなり独自性が現れていると言えるでしょう。決して肥大した響きを用いているわけではないのですが、冒頭のたっぷりとした弦の調べに誘われ、少しずつ音が積み重なっていく様子はとても美しく、また第3楽章では合唱も加わり(歌詞はない)一層神秘的な雰囲気が高まります。この作品が書かれた1910年〜1920年の頃は、激動の時代であり、音楽様式もめまぐるしく変化したのですが、このエネスコの交響曲は、ある意味時代を超越した清々しい美しさを湛えたもので、幾分ドビュッシーを思わせながらも、孤高の世界に浸っているものです。1948年に作曲された「演奏会用序曲」は、賑やかで楽しい作品です。
ODE-1198
エネスコ:チェロと管弦楽のための協奏交響曲変ロ短調Op.8
交響曲第1番変ホ長調Op.13
トルルス・メルク(Vc)
タンペレPOハンヌ・リントゥ(指)

録音:2013年9月20-21日、2014年6月6-7日 フィンランドタンペレ・ホール
ハンヌ・リントゥとタンペレ・フィルによるジョルジェ・エネスク(1881-1955)の交響曲シリーズの最終巻は、彼の若いときの作品である交響曲第1番と、同じく初期の作品「協奏交響曲」です。独奏チェロとオーケストラのための「協奏交響曲」は20歳、交響曲第5番は25歳の時に書かれたもので、どちらも若々しいエネルギーを放出する輝くばかりの作品です。もちろん、当時のエネスクは既に何曲もの大作をものにし、作曲家としての印象的なキャリアを構築していました。印象的なファンファーレで勇猛果敢に始まる交響曲第1番は、確かにワーグナーやブルックナーなどの先人の影響が存分に感じられますが、何より若さゆえの直線的な表現が好ましいものです。チェロのメロディが物悲しい協奏交響曲でソロを担っているのは名手トルルス・メルク。単一楽章ですが、刻々と移り変わっていく曲想が美しい作品です。
ODE-1199
マグヌス・リンドベルイ(1958-):室内楽作品集
クラリネット,チェロとピアノのための三重奏曲(2008)
チェロとピアノのための「サンタ・フェ・プロジェクト」(小協奏曲)(2006)
独奏チェロのためのパルティータ(2001)
チェロとピアノのための「2匹のコヨーテ」(1993/2002)
カリ・クリーック(Cl)
アンシ・カルットゥネン(Vc)
マグヌス・リンドベルイ(P)

録音:2011年9月5-6.8日ヤルヴェンパー・ホール
フィンランドの現代作曲家、ピアニスト、マグヌス・リンドベルイの作品集です。彼はサーリアホやエサ=ペッカ・サロネンらと同じく現代音楽を喧伝するためのグループ「Korvatauki!-耳を聴け!」に属し、フィンランドのこの分野の発展に力を尽くしています。彼の作品は一定のリズム・パターンに基づいたものや、「スペクトル楽派(倍音を理論的に合成するという方法論を用いた作曲を行う人たち)」に属するものが主でしたが、次第に古典的な作風に回帰し、メロディアスで情感あふれる作風へと変遷しています。このアルバムに収録されている一群の作品も、基本的には流麗で安定した曲想ですが、ところどころに現れる暴力的な雰囲気が独特です。

ODE-1200
ベルリオーズ:抒情的情景「エルミニー」
 歌曲集「夏の夜」
ヴェロニク・ジャンス(S)
ジョン・アクセルロッド(指)
フランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロワールO

録音:2009年9月25日、2010年10月26-28日ナントラ・シテ・サル2000
980年代の終わりから、優れたバロック・ソプラノとして独特の存在感を見せていたヴェロニク・ジャンス。バロック・オペラや声楽曲の録音にもしばしばフィーチャーされ、澄み切った歌声を聞かせていました。しかし、2000年頃になって立て続けにフランス歌曲、とりわけベルリオーズの歌曲を積極的に録音し、清冽かつドラマティックな側面を見せてくれたことは、今でも鮮烈な記憶として脳裏へと焼き付けている人も多いのではないでしょうか?さて、そんな彼女はこの度ONDINEと正式契約を結び、最初にリリースするのが、ベルリオーズ(1830-1869)とラヴェルの歌曲集。とりわけ「夏の夜」については、およそ12年ぶりの再録音となり、その表現の深まりについても興味深いところです。当時、あれほど熱望して手に入れた愛妻ハリエットとの間に亀裂が生じ、心が揺れ動いていたベルリオーズの、ちょっぴり悩ましい心情を、テオフィル・ゴーティエの詩を借りて歌い上げたもので、ここでのジャンスは美しく流麗なフランス語、そしてまるで呼吸するかのような自然な歌い口で表現します。優しさと情熱を併せ持つ6曲の歌曲は、まさに珠玉の美しさを備えています。抒情的情景「エルミニー」は、ベルリオーズが1828年(ハリエットに一目ぼれした年)に書かれた作品で、すでに幻想交響曲の「イデー-フィクス(固定楽想)」が随所に表れています。彼はこの曲でローマ賞に挑戦、惜しくも2票差で1位を逃してしまいますが、彼は大いなる自信を得て、そのまま「幻想交響曲」の作曲にいそしむのです。ラヴェルの「シェエラザード」はトリスタン・クリングゾールの詩につけられた3つの歌曲。色彩豊かな管弦楽法はいかにもラヴェルであり、ほのかなオリエンタリズムも感じられます。類い稀なるカリスマ性を発揮する指揮者ジョン・アクセルロッドによるフランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロワールOの絶妙な伴奏も、この零れ落ちそうな歌唱に彩りを添えています。
ODE-1201
メンデルスゾーン/クレーク:詩編集
メンデルスゾーン:詩篇第100番「主に向かいて歓呼の声をあげよ」
クレーク:詩篇第22番「神よ、わが神よ、なぜ、私を見捨てたのですか」
メンデルスゾーン:3つの詩編Op.78<詩編第2番「なぜ異邦人たちは騒ぎ立て」/詩編第43番「わたしを裁いてください、神よ」/詩編第22番「神よ、わが神よ、なぜ、私を見捨てたのですか」>
クレーク:詩篇第141番「主よ、わたしはあなたに呼ばわります」
 詩編第104番「わが魂よ、主をほめよ」
 幸せな人
 詩編第137番「われらはバビロンの川のほとりにすわり」
メンデルスゾーン:オラトリオ「エリア」Op.70第2部〜「山に向かいて目をあげよ
 オラトリオ「エリア」Op.70第1部〜「それ、主汝のためにみ使いたちに命じ」
 2つの宗教的合唱曲Op.115-1「死せる者は幸いなり」
クレーク:宗教的な民謡集より<私たちの貧しさは素晴らしい/最も良きイエス/イエス様、私はあなたに祈ります/おおイエス、あなたの痛みは/私の心は目を覚まし、そして歌う>
ダニエル・ロイス(指)
エストニア・フィルハーモニー室内cho

録音:2009年9月14-17日エストニアハープサル・ドーム教会
トゥールの「覚醒」(ODE-1183)で高性能のアンサンブル能力をまざまざと見せつけたエストニア・フィルハーモニー室内合唱団&ダニエル・ロイス。待望の新録音はメンデルスゾーンとエストニアの作曲家クレーク(1889-1962)による、ユニークな「詩編」アルバムです。メンデルスゾーンの宗教曲は、比較的耳にする機会も多いものですが、クレークについては、名前すらもほとんど知れ渡ってはいません。彼はサンクトペテルブルク音楽院で学び、エストニアの音楽の基礎を作った人として尊敬されています。最初はトロンボーンと作曲を学びましたが、後に合唱指揮者として各地で指導を行いつつ、1911年頃からは民俗音楽の収集にも力を注ぎ、そのエッセンスを自らの作品に封じ込めたのです。彼は生涯に700曲以上もの合唱作品を書いていて、どれもが素朴で力強いエネルギーを感じさせるものとなっています。ドイツの伝統を継承するメンデルスゾーン、エストニアの伝統を重んじるクレーク。この2人の作品をバランス良く配したこのアルバムは、聴き手の興味を大いに喚起することでしょう。
ODE-1202
R.シュトラウス:3つの賛歌・オペラアリア集
歌劇「ナクソス島のアリアドネ」〜<Ein Schones war-美しいことがあった(アリアドネ)/Es gibt ein Reich-一つの国がある(アリアドネ)>
3つの賛歌Op.71<愛の賛歌/帰郷/愛>
歌劇「ばらの騎士」〜<Die Zeit, die ist ein sonderbar Ding-時というのは不思議なものね(マルシャリン)/Da geht er hin-とうとう行ってしまった(マルシャリン)>
歌劇「カプリッチョ」〜終わりの情景
ソイレ・イソコスキ(S)
オッコ・カム(指)ヘルシンキPO

録音:2012年4月17-18.20日ヘルシンキ・ミュージック・センター
ONDINEレーベルには、「4つの歌」を始めとした管弦楽作品集(ODE-982),ピアノ伴奏による歌曲集(ODE-1187)という、イソコスキのR.シュトラウスのアルバムが2枚あり、このどちらも高く評価されています。彼女は現在最高のリリック・ソプラノの一人であり、その持ち役は驚くほど幅広く、また歌曲のレパートリーも豊富です。既に「ばらの騎士」の元帥夫人(マルシャリン)は、いくつかの劇場で歌い、またウィーン国立歌劇場の50周年ガラ・コンサートの映像でもその姿を見ることができますが、今回の最新録音では、一層成熟した大人の女性を感じることができるでしょう。彼女の歌声はとても柔らかく、決して突き刺さるようなものでないので、まさに包み込まれるような感触であり、暖かさに満ちています。たっぷりと歌われる「愛の賛歌」もよいですが、何より「カプリッチョ」の終わりの情景は、涙がでるほどに美しいものです。
ODE-1203C
レーガー:ヴァイオリン協奏曲イ長調Op.101
独奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ
ト短調Op.117-4
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ハンヌ・リントゥ(指)タンペレPO

録音:2012年4月28-30日タンペレ・ホール
レーガー35歳頃の作品ですが、極めて円熟の風格を持つ協奏曲です。フランスのヴァイオリニスト、アンリ・マルトーのために書かれており、レーガー自身も友人に宛てた手紙の中で「この作品はベートーヴェンやブラームスの足跡を辿ると確信している」と述べるほど、その仕上がりに絶大なる自信を持っていたようです。確かに調性感が若干曖昧な上、“泣かせるメロディ”があるわけではないのですが、全体からにじみ出てくるような情感や、オルガンの大家らしい重厚な和声は、繰り返し聴けば聴くほどに心惹かれる「大人のための音楽」であることは間違いありません。添えられているシャコンヌも冴えた筆致が光る見事な作品です。現代的なスマートさを持ち味とするヴァイオリニスト、シュミットが、ここではじっくりと腰を据えた味わい深い音を奏でています。

ODE-1204C
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調K454
ヴァイオリン・ソナタ.ト長調
K379(373a)
ヴァイオリン・ソナタ.イ長調K526
ラルス・フォークト(P)
クリスティアン・テツラフ(Vn)

録音:ブレーメン、ゼンデザール2011年6月27-30日…1-3,2012年4月23-25日…4-9
テツラフとフォークトと言えば、あの毎年夏にハイムバッハで開催される「シュパヌンゲン音楽祭」での共演が知られています。ジャケット写真でも雰囲気が伝わる通り、彼らはプライヴェートでも親友であり、このモーツァルトでも極めて親密で息のあった演奏を繰り広げています。このモーツァルトの一連のヴァイオリン・ソナタは明晰な明るさの中に驚くほどの深みを備えており、これを完璧に表現するためには、演奏の技術だけでなく、心の底から湧き上がる感情を曲に載せることが必要であり、この点においても彼らのアンサンブルは最上のものを備えています。
ODE-1205
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ集
ァイオリン・ソナタ第1番イ短調Op.105
ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調Op.121
ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調Wo02
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ラルス・フォークト(P)

録音:2011年6月27-30日
2012年4月23-25日
シューマンの第1番のヴァイオリン・ソナタは1851年に着手され、たった16日間で完成されたという曲。まだまだ活動的で、情熱に溢れる時期の作品であり、全体的に緊密に書かれた名作なのですが、シューマンはこの曲に満足していなかったようで、第1番の完成後、約1か月ほどですぐに第2番に着手、たった1週間で完成させるという超人的能力を発揮。第1番よりも更に円熟の作品を作り上げたのでした。まるでヴィオラのように深く幅広く歌うテツラフのヴァイオリン。それをがっちりと受け止めるフォークトのピアノ。何と感動的で多感なシューマンでしょうか。第3番のソナタはほとんど知られていない作品で、これはかのヨアヒムに献呈された「F.A.E.ソナタ」のシューマンが作曲した部分(第2楽章と第4楽章)に、新たに2つの楽章を加えてソナタとして完成させたものです。完成度は高いものの、ほとんど注目もされず、没後100年目の1956年になってようやく楽譜が出版されたという秘曲です。
ODE-1206C(1SACD)
ラフマニノフ:晩祷Op.37 シグヴァルズ・クラーヴァ(指)
ラトヴィア放送Cho

録音:2011年5月リガ聖ジョン教会
1940年に設立されたラトヴィア放送合唱団は、ルネッサンスから現代作品までの幅広いレパートリーを持つプロの団体です。首席指揮者を務めるクラーヴァは1987年からこの合唱団を振っており、1992年に今の地位に任命されました。彼は、人間の声の能力の限界を探るべく、基本的なレパートリーを20世紀と21世紀の作品に絞り、常に実験的で創造的な演奏をすべく奮闘しています。このラフマニノフは力強い響きをフルに生かした上で、精緻なアンサンブルを聴かせます。ロシアの合唱団の地鳴りのような音色とは違う、徹底的に虚飾を排した清冽な音色もよいものです。
ODE-1207
ドミトリ・ホロストフスキー/ラフマニノフ:歌曲集
1.聖なる僧院の門の傍らに
2.おまえは覚えているか、あの夕べを?
3.いやお願いだ行かないでOp.4-1
4.朝Op.4-2
5.夜の静けさにOp.4-3
6.ああ、私の畑よOp.4-5
7.わが子よおまえは花のように美しいOp.8-2
8.夢Op.8-5
9.私はあなたを待っているOp.14-1
10.私は彼女の家に行ったOp.14-4
11.私を信じるな、わが友よOp.14-7
12.彼女は真昼のように美しいOp.14-9
13.私の胸のうちにOp.14-10
14.春の洪水Op.14-11
15.時は来たOp.14-12
16.彼女たちは答えたOp.21-4
17.ミュッセからの断片Op.21-6
18.ここは素晴らしい場所Op.21-7
19.何という苦しさOp.21-12
20.私は全てを奪われたOp.26-2
21.息がつけるでしょうOp.26-3
22.キリストは起き上がりぬOp.26-6
23.私はふたたびただひとりOp.26-9
24.夜は悲しいOp.26-12
25.昨日私たちは会ったOp.26-13
26.全ては過ぎ去りOp.26-15
ドミトリ・ホロストフスキー(Br)
イヴァリ・イルヤ(P)
日本にも度々来日し、その蠱惑的な歌唱で聴衆を魅了する名バリトン、ホロストフスキーがONDINEレーベルに登場です。記念すべき初リリースは、彼が最も愛する作曲家の一人であるラフマニノフ(1873-1943)の歌曲集で、ピアノを伴奏するのは、彼と長年デュオ・パートナーを務めるイヴァリ・イルヤであり、まさに万全を尽くした最強のアルバムと言えるでしょう。繊細な感情表現と幅広い声、そしてカリスマ的な魅力を持つホロストフスキーの歌うラフマニノフは、この作曲家の本質が歌曲にあることを、改めて認識させてくれるのに存分な資質を備えています。今後の彼の録音ですが、チャイコフスキー、ムソルグスキー、タネーエフなどのロシア・アルバムが予定されています。
ODE-1208
マーラーの遺産
マーラー:歌曲集「若き日の歌」
ベルク:あこがれT
 花咲く春は短いと彼は嘆く/雨
 私のまぶたを閉じて下さいT
 私のまぶたを閉じて下さいU
 眠ること、眠ること/ロイコンに
シェーンベルク:ブレットル歌曲集(キャバレー・ソング)<ガラテア/素朴な歌/満ち足りた恋人>
ショスタコーヴィチ:2つの寓話
ブリテン:子守歌のお守り<子守歌/ハイランドのバロー/セフェスティアの子守歌お守り/乳母の歌>
ヴィルピ・ライサネン(Ms)
マリタ・ヴィッターサロ(P)

録音:2011年10月31日,11月1日.3日ヤルヴェンパー・ホール
フィンランドの期待の新鋭、メゾ・ソプラノ歌手のヴィルピ・ライサネンによる、見事なコンセプト・アルバムです。彼女は優秀なヴァイオリニストとして、そのキャリアをスタートさせましたが、最近になってオペラ歌手に転向。すでにベルリン国立歌劇場を始め、ロイヤル・コンセルトヘボウやオランダ歌劇場、ザルツブルク音楽祭などへ出演し、バロック作品から、ノーノやリームなどの現代作品まで幅広く歌いこなし、絶賛されている人です。このアルバムは「マーラーの遺産」と題されたもので、マーラーの初期の歌曲に見られる「民謡、単純性と後期ロマン派の融合」の萌芽を引き継いでいった作曲家たちの作品が並べられ、大衆的な歌や極めてプライヴェートな歌などへと変化していった「ドイツ・リート」の変容がわかるものとなっています。ピアノ伴奏はイソコスキとの名演で知られるヴィータサロ。繊細な歌にぴったりと寄り添いつつも、濃厚な世界を表出しています。
ODE-1209
バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988 ヤンネ・ラッティヤ(クラシカル・アコーディオン)

録音:2010年11月29-30日,2011年9月12日ウィーンレジデンツ・ツェーゲルニッツ
さすがに、最近は「不眠症の伯爵に眠りをもたらすための長大な作品」との逸話を信じる人は少なくなったと思われる"主題と30の変奏曲(最後に主題が戻ってきて終わる)"からなる、このゴルトベルク変奏曲。実は鍵盤楽器のためのありとあらゆる技術が詰め込まれていて、演奏も非常に困難なものです。かの、グレン・グールドがデビュー盤として取り上げて以来、この曲の評価がぐんぐん上がり、鍵盤奏者たちが好んで取り上げるだけではなく、シトコベツキーによる弦楽三重奏版や、管楽器アンサンブル、はたまたジャズなどの様々な編曲が試みられていることでも知られています。そんな中に登場するのは、なんとアコーディオンの独奏ヴァージョンというもので、演奏しているのはフィンランドの若きアコーディオン奏者ラッターヤ。彼は以前、他レーベルから「2声のインヴェンションと3声のシンフォニア」をリリースしていることもあり、アコーディオンによるバッハ演奏において名手としての地位を確立していますが、今回も素晴らしい音楽性と繊細な表現力で、この難曲を見事に演奏しています。鍵盤楽器と言っても、ピアノなどとはかなり構造の違うこの楽器で、どうやって対旋律を演奏するのか・・・これだけでも興味が尽きません。
ODE-1210
NX-A13
EARQUAKE
ハンソン:交響曲 第6番-第6楽章 Allegro
ラングストレム:交響曲 第4番 ニ短調「祈り」-第2楽章 Alla toccata
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」組曲 第2番-第3曲 少年たちの踊り
プロコフィエフ:スキタイ組曲-第1曲:ヴェレスとアラへの讃仰
ドラッグマン:プリズム
レヴエルタス:マヤの夜
ニールセン:アラディン組曲 Op.34-第7曲 黒人の踊り
ヒナステラ:エスタンシア組曲 Op.8a-第4曲 マランボ
シュルホフ:オゲラーラ-第12楽章 武器の踊り
セーゲルスタム:ノスタルジックな思考
ボルコム:交響曲 第5番 第4楽章 機械
イベール:バッカナール(抜粋)
レスピーギ:組曲「シバの女王ベルキス」-第2曲 戦いの踊り
ショスタコーヴィチ:バレエ音楽「黄金時代」Op.22-第2幕 ミュージック・ホール(カンカン)
ラウタヴァーラ:交響曲 第7番「光の天使」-第3楽章 夢のような
レイフス:ヘクラ火山 Op.52
ヘルシンキPO
レイフ・セーゲルスタム(指)
※ODE894からの移行盤
20年前にこのアルバムが初登場した時には、CDのケースに「耳栓」がセットされるという衝撃的なものでした。 地震=EARTHQUAKEに掛けたタイトルの「EARQUAKE」のことば通り、刺激的でエキサイティングな曲ばかりが集めら れていますが、“1枚を通して聴いてもらうために”ところどころ静かな曲が配置されているところもユーザー思いです。 演奏する際にはオーケストラに22人のパーカッション奏者を配しただけでなく、4組の岩石とハンマーも用意されるなど、大 きな音を出すために万全の準備をして録音に臨んだのだそうで、最後のトラック「ヘクラ火山(フィンランド最大の活火 山)での爆音は、恐らくこれまでに書かれたクラシック音楽の中でも最も大きな音であろうと言われています。そんな伝説 のアルバム、長らく廃盤になっていましたが、リリース20年を記念しての復活です。
ODE-1212C
マデトヤ:作品集
クレルヴォOp.15
交響曲第2番Op.35
交響的組曲から「エレジー」Op.4-1
ジョン・ストルゴールズ(指)ヘルシンキPO
フィンランドの作曲家マデトヤ(1887-1947)の作品集です。ヘルシンキでシベリウスに作曲を師事し、その後パリとウィーン、ベルリンで学び様々な作風を身に着けた人です。このアルバムには彼の交響曲第2番と、シベリウスの影響が感じられる「クレルヴォ」、初期の作品「交響的組曲」の第1楽章「エレジー」の3作品が収録されています。交響曲第2番は1918年に完成されたもので、同年に勃発したフィンランド内戦で弟を失ったマデトヤの悲しい心境が反映されている作品です。全体的に陰鬱な雰囲気を持ちながらも、シベリウスや、マーラーを思わせる重厚な響きに彩られた音楽は、スケルツォとフィナーレで劇的なクライマックスを迎えます。ストルゴーズとヘルシンキ・フィルハーモニーによる感動的な演奏となりました。2014年には交響曲第1番と第3番も同じ演奏者にてリリース予定です。
ODE-1213
リゲティ:作品集
ロンターノ(1967)
ヴァイオリン協奏曲(1989-1993)
アトモスフェール(1961)
サンフランシスコ・ポリフォニー(1974)
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ハンヌ・リントゥ(指)
フィンランドRSO

録音:2012年4月29-31日
2013年3月1-2日
20世紀を代表する偉大なる作曲家リゲティ(1923-2006)については、今更何も説明の必要なはいでしょう。彼の作品は前衛的であり、またトーンクラスター(ある音からある音までの全ての音を同時に発することで生じる音の塊)を駆使、その圧倒的な音世界は、他の追随を許すことのない唯一無比として知られています。このアルバムでは、フィンランドRSOと、ハンヌ・リントゥがこの「音の建築物」を見事に構築します。初期の作品であり、映画にも使われた「アトモスフェール」、巨大な管弦楽のためのに書かれた「ロンターノ」におけるエネルギーの推移と一種独特の上品な雰囲気、ソロのシュミットがいい味を出している、諧謔的な雰囲気すら湛えたヴァイオリン協奏曲、万華鏡のような音の煌めきを放つ「サンフランシスコ・ポリフォニー」。どれも一度聴いたらくせになる面白さです。
ODE-1214
パウル・ヒンデミット:作品集
ウェーバーの主題による交響的変容
ヴァイオリン協奏曲(1939)
弦楽と金管のための協奏音楽Op.50
五嶋みどり(Vn)
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
NDR北ドイツRSO

録音2011年12月23日、2012年10月24.26日 ハンブルクライスハレライブ
2013年はヒンデミット(1895-1963)の没後50年にあたります。ONDINEレーベルはこれを記念して、エッシェッバッハ指揮によるNDR北ドイツ放送交響楽団と、現代最高のヴァイオリニスト、五嶋みどりによる「ヴァイオリン協奏曲」をリリース。この曲は難解な作品と言われていますが、過去にもオイストラフやスターン、カヴァコスなど名だたる名手たちが手掛けている作品であり、この演奏も一つの記念碑として後世に残るものとなるでしょう。1939年、その前年にスイスに亡命したヒンデミットが書いたこのヴァイオリン協奏曲は、戦争の影を反映しているとはいうものの、曲想は至って明るく勢いがあり、オーケストラ・パートもヴァイオリン・パートも極めて充実した書法で書かれています。ヴァイオリンの技巧の見せ所も多く、素晴らしく聴きごたえのある作品であることは間違いありません。エッシェンバッハとMIDORIの息詰まる対話をお楽しみください。ボストン交響楽団創立50周年記念の委嘱作品である「協奏音楽」と「ウェーバーの主題による〜」の2曲のカップリングも嬉しい1枚です。
ODE-1215
イェルク・ヴィトマン:ヴァイオリン協奏曲他
ヴァイオリン協奏曲(2007)
ヴァイオリンと19楽器のための「セイレーンの島」(1997)
オーケストラ・グループのための「アンティフォン」(2007-2008)
クリスチャン・テツラフ(Vn)
ダニエル・ハーディング(指)
スウェーデンRSO

録音:2011年9月23-24日、2012年9月13-14日、2012年11月16-17日 ストックホルムベルワルド・ホール・ライブ
1973年ミュンヘンに生まれたイェルク・ヴィトマン(1973-)は現代最高のクラリネットの名手であり、また最も注目される前衛作曲家の一人でもあります。7歳から音楽の勉強を始め、最初はケイ・ヴェスターマンに作曲を師事、やがてヘンツェやリーム、ハイナー・ゲッペルスらからも学んでいます。彼の作品は大規模な管弦楽曲から室内楽曲、そしてオペラまでと多岐に渡り、自身の音色のルーツを辿りながらその表現の幅を増やしています。また、2008年からはフライブルク大学のクラリネット科の教授を務め、また音楽院では作曲を教えるなど、その活動は限界を知ることがありません。このアルバムでは、そんな彼の作品を再現するために、これ以上ないほどの素晴らしい演奏家を揃えました。ヴァイオリンには名手クリスチャン・テツラフ、そしてスウェーデン放送響を振るのはダニエル・ハーディング。「セイレーンの島」はイザベル・ファウストとクリストフ・ポッペンが初演した「ギリシャ三部作」の中の1曲で、抒情的なヴァイオリンとそれを支える規則的なオーケストラの精緻な響きが楽しめます。アンティフォンは更に魅惑的で、彼が2006年に書いた「アルモニカ」(多彩な楽器を用いて虹色の音を追求した)を上回る見事な作品です。ヴァイオリン協奏曲はテツラフのために書かれた曲で、ベルクやバルトークの系譜に連なる、無限の可能性に挑戦した作品です。
ODE-1216C
この月夜に〜ホロストフスキー:ロシアの歌曲を歌う
チャイコフスキー:ラトガウスの詞による6つの歌曲集Op.73
ムソルグスキー:死の歌と踊り
タネーエフ:歌曲集
 全ては眠りにつくOp.17-10
 メヌエットOp.26-9
 この風は高地からではないOp.17-5
 冬の道Op.32-4/鍾乳石Op.26-6
 休みなく胸はうちOp.17-9
ドミートリー・ホロストフスキー(Br)
イヴァリー・イルヤ(P)

録音:2011年7月13-24日モスクワ・ステート・コンセルヴァトワリーグレート・ホール
現代最高のバリトン、ホロストフスキーのONDINE2作目のアルバムです。十八番であるロシア歌曲が16曲並び、彼が歌うオペラ・アリアとはまた違う、繊細な感情表現をじっくり楽しむことができる1枚です。今作では3人の作曲家が取り上げられていて、同じロシア歌曲と言えどもその多彩な表現の振れ幅に驚く人も多いのではないでしょうか?よく知られるムソルグスキー「死の歌と踊り」での絶妙な歌い回しと、チャイコフスキーの歌曲が持つ郷愁はもちろんのこと、驚くほど感動的でエキサイティングなタネーエフが、このアルバムの白眉と言えそうです。交響曲や管弦楽曲の分野で、ようやく復興の兆しが感じられるタネーエフ。この6曲もタネーエフ・ファンにとっての嬉しい贈り物です。
ODE-1217(1SACD)
カイヤ・サーリアホ:オラトリオ「シモーヌの受難」他
オラトリオ「シモーヌの受難」15章の音楽で綴る軌跡
ドーン・アップショウ(S)
ドミニク・ブラン(朗読)
フィンランドRSOタピオラ室内Cho
エサ=ペッカ・サロネン(指)

録音:2012年10月19-20日フィンランド、ヘルシンキ・ミュージック・センター
パリのユダヤ人家庭に生まれたシモーヌ・ヴェイユ(1909-1943)。彼女はリセ(高等学校)時代に哲学者アランの教えを受け、その教えに傾倒します。やがて、当時は女子を受け入れていなかった高等師範学校に入学、哲学の教員資格を取得し1931年にリセの教員となります。彼女は様々な国際情勢を肌で感じながら、多くの政治活動に身を投じ、戦争の悲惨さを訴え続けます。ヒトラーの迫害を避けながら、1942年はアメリカからロンドンに移住し、そこでもレジスタンスに参加、結核で体力を冒されながらもハンストを決行。治療と栄養補給の全てを拒否したまま1943年に34歳の若さで生涯を閉じた人です。この作品はそんなシモーヌの生涯と思想を、作曲家サーリアホ(1952-)がソプラノ独唱、合唱、管弦楽と電子楽器のためのオラトリオとして作曲したものです。サーリアホは若い頃からシモーヌの文章を読み、強く感銘を受けていたとのことで、このオラトリオを作曲する際も、シモーヌについて多くの考察を重ね、全てを描き出すように務めたと言います。ここでは歌唱部分を名ソプラノ、アップショウが受け持ち、混沌としたオーケストラの部分はサロネンが見事な陰影をつけています。サーリアホの60歳の誕生日を記念してのリリースとなります。
ODE-1218
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲第1番変ホ長調Op.107
チェロ協奏曲第1番ト短調Op.126
トルルス・モルク(Vc)
ヴァシリー・ペトレンコ(指)オスロPO

録音:2013年1月30-31日,2月1日オスロ・コンサートホール
ノルウェーが誇るチェロの名手、トルルス・モルク(メルク)をソリストに迎えたショスタコーヴィチ(1906-1975)の2つのチェロ協奏曲です。第1番の協奏曲は1959年に作曲。この曲で使われる唯一の金管楽器、ホルンが大活躍するため、実質上は二重協奏曲のような雰囲気を持っています。第2番は1966年に書かれ、当時、健康上に不安を抱えたショスタコーヴィチの心情をそのまま反映した陰鬱で神秘的な曲。ゆったりとした楽章から始まるところも独創的な作品です。どちらの曲も、チェロとオーケストラが存分に力を発揮し、緊密な世界を作り上げていく名曲です。モルクはノルウェー、ベルゲンの音楽家の家庭に生まれ、最初はピアノを学び、やがてヴァイオリン、チェロを弾き始めます。もともとロシア音楽に傾倒していたため、ロシア人チェリスト、ナターリヤ・シャコフスカヤに師事、1982年にはスカンジナビア出身の演奏家として、初めてチャイコフスキー国際コンクールのファイナリストになり、以降、数多くのコンクールで入賞を重ね、同時に世界中のオーケストラと共演し、多くの指揮者から称賛を得ています。レパートリーも幅広く、もともと好きであったロシア作品から、基本的なバッハを始め、数多くの協奏曲や、R・シュトラウスのドン・キホーテなど様々な作品を録音、その魅力を広めています。ONDINEレーベルからはハブリジ・ハトルグリームソンのチェロ協奏曲(ODE1133)がリリースされていますが、このショスタコーヴィチでは更に深化した演奏を聴かせています。指揮者のペトレンコは、NAXOSのショスタコーヴィチの交響曲全集で、そのスタイリッシュかつ堅実な解釈が高く評価されています。ここでもオスロ・フィルハーモニーを意のままにあやつり、緊迫のショスタコーヴィチを聞かせます。
ODE-1219
ハコラ&細川:ギター協奏曲集
キンモ・ハコラ(1958-):ギター協奏曲(2008)
細川俊夫:ギター,弦楽とパーカッションのための「旅IX,目覚め」
 室内オーケストラのための「開花U」
ティモ・コルホーネン(G)
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指)
オウルSO

録音:2012年10月22-25日フィンランドオウル,マデトーヤ・ホール
ほとんど同年代の、フィンランドと日本を代表する2人の作曲家のギター作品集です。キキンモ・ハコラの「ギター協奏曲」は、スペイン風の伝統を感じさせる大胆な音楽。アラブ人もユダヤ人もジプシーもキリスト教徒も、全てが平和に暮らしていたという中世アンダルシアの時代に思いを馳せると同時に、ユダヤ音楽の起源を探るという壮大な意味を有しているものです。一方、細川作品はご存知の通り、モダンで都会的な雰囲気を持つもので、日本の楽器と西洋の楽器の響きの融合を図り、なおかつ世界の内面を推し量るというものです。生け花の師匠を父に持つ細川は、近年、花にまつわる作品を手掛けており、この2作も花と密接に関係があるものです。「開花」はもとより、「旅\-目覚め」は「旅」シリーズの第9作に当たるもので、ここでのギターは「泥の中深くに根差すも、空に向かって咲く蓮の花」のような存在として捉えられています。花の開花は自己の復活を表す。と語る作曲家の神髄がここにあります。
ODE-1220
クリストフ・グラウプナー:管弦楽組曲集
フラウト・トラヴェルソ,ヴィオラ・ダモーレ,シャルモー,弦楽とチェンバロのための組曲ヘ長調GWV450
ヴィオラ・ダモーレ,ファゴット,弦楽とチェンバロのための組曲ト長調GWV458
フラウト・トラヴェルソ,ヴィオラ・ダモーレ,2台のシャルモー,ホルン,弦楽とチェンバロのための組曲ヘ長調GWV451
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(指)
フインランド・バロックO

録音:2013年5月20-22日シウンティオ教会
バッハ以前のバロックの音楽家というと、やはりテレマンの名前が挙がりますが、このグラウプナー(1683-1760)も忘れてはいけない作曲家です。ハルトマンドルフに生まれ、ライプツィヒ大学に進学し法学を専攻。その後ようやくヨハン・クーナウのもとで音楽学習を完成させます。ハンブルク歌劇場のチェンバロ奏者を務めていた時代には、歌劇場オーケストラのヴァイオリン奏者にヘンデルがいたり、当時のオペラ作曲家の大家カイザーと共作したりと、その才能をフルに発揮していたのです。1709年にヘッセン=ダルムシュタット方伯の宮廷楽団に仕え、1711年に楽長に昇進、この地で生涯を終えることとなります。彼はこのアルバムで聴けるような「合奏協奏曲」の形式の作品を多く遺しており、その作風も同時代の作曲家たちとは一線を画すところがあります。これは円熟期のほぼ50年間をダルムシュタットで過ごし、周囲の世界から切り離されたところで自らの音楽を磨き上げていったグラウプナーならではの特色でしょう。
ODE-1221
レーガー&トビアス:合唱作品集
ルドルフ・トビアス(1873-1918):涸れた谷に鹿が水を求めるように
 モテット「小さな聖金曜日」
 復活祭への序章/復活祭の朝
レーガー:メロディOp.59-11
 われらが愛する聖母の夢Op.138-7
 人々の生活はわずかな時間のみ存在するOp.138-1
 夜の歌Op.138-3
トビアス:今すぐ全ての森を
 彼は天に昇り/生きる!
 神の子どもたち
レーガー:夜にOp.6-2/夕べの歌Op.6-3
 夕べの歌Op.39-2
トビアス:あなたは知っている
ダニエル・ロイス(指)
エストニア・フィルハーモニー室内Cho

録音:2012年5月4-8日エストニアタリン聖ニコラス教会
エストニアにおける最初の職業作曲家、ルドルフ・トビアス。彼はこの国において、最初の職業オルガニストでもありました。とは言え彼の作品はほとんど知られておらず、ごく一部のオラトリオと、このアルバムの最後に収録された「Eksteietea-あなたは知っている」などが細々と聴かれるのみと言ってもよいでしょう。そんなトビアスの合唱曲を、同じ年に生まれたドイツの巨匠マックス・レーガーの曲と併せたのがこのアルバムです。多作であったレーガーは、合唱分野でも、宗教的なものと世俗的なものをバランスよく書き上げていますが、ここではとりわけ「宗教的」なものを選択。トビアス作品との対比を浮かび上がらせることに成功しています。合唱は、高い実力を誇るエストニア・フィルハーモニー室内合唱団。ロイスとの共演はメンデルスゾーン&クレーク(ODE1201),トゥール(ODE1183)の2枚があり、どちらも好評を得ています。
ODE-1222
サーリアホ:弦楽のための室内楽作品集第1集
トカール…ヴァイオリンとピアノのための
風の夜想曲…ヴィオラと電子楽器のための
カリス…ヴァイオリンとピアノのための
スピンとスペル…チェロ独奏のための
夜想曲…ヴァイオリン独奏のための
ニンファ…弦楽四重奏と電子楽器のライブのための
META4
<アンティ・ティカネン(Vn)
ミンナ・ペンソラ(Vn)
アッテ・キルペライネン(Va)
トマス・ユープフェバッカ(Vc)>
アンナ・ラークソ(P)
マルコ・ミョヘネン(電子楽器)

録音2012年10月5-6.8-9日エスポー,セロサリ
2012年10月14日に60歳の誕生日を迎えたサーリアホ(1952-)。これを祝して制作された彼女の室内楽作品集の第1集となります(第2集は2014年リリース予定)。鮮やかなオーケストレーションで知られるサーリアホ、この室内楽作品でもユニークなサウンドを追求するために、曲によっては電子楽器を用い、多彩な響きを紡ぎだすことに成功しています。ここで演奏しているMETA4は2001年に結成されたフィンランドのアンサンブル。2010年にエコー・クラシック章を受章し、2012年にはフィンランドの放送会社YLEによる「フィンランドのグラミー賞」と呼ばれるエマ賞も受賞。活躍を嘱望されている団体です。
ODE-1223
ラウタヴァーラ:宗教的合唱作品集
ミサ・ア・カペラ/祈りへの詩編
夕べの賛歌
12のカノンによるミサ曲
アヴェ・マリア,グラティア・プレナ
聖処女マリアの雅歌
われらがいと楽しき祭の日
第1の悲歌
シグヴァルズ・クラーヴァ(指)
ラトビア放送Cho
様々な作風の変遷を経て、最近は神秘的な作風の音楽を次々と書いているラウタヴァーラ(1928-)。ネオ・ロマンティックな響きと精神性が最も表出された、これらの「宗教的な」合唱作品集は、ラウタヴァーラの音楽になじみのない人にも、すんなり受け入れられるに違いありません。19世紀初頭のドイツの神学者、哲学者フリードリヒ・シュライエルマッハーによって提案された「無限の親和性」を内包したこれらの音楽は、宗教の枠を超えて全ての人に多くのものを語りかけています。ラトビア放送合唱団は、厳しさの中に愉悦感を抱いた美しい響きで、この稀有な作品を歌い上げています。
ODE-1224C
バッハ一族の鍵盤協奏曲集
C.P.E.バッハ:協奏曲ニ長調Wq43-2
J.C.バッハ:協奏曲ニ長調Op.7-3
 協奏曲変ホ長調Op.7-5
バッハ:協奏曲第2番ホ長調BWV1053
アナスタシア・インジュシナ(P)
ラルフ・ゴトーニ(指)ハンブルク・カメラータ

録音:2012年11月1.3-4日ハンブルク-ハルブルク,フリードリヒ・エーベルト・ホール
4歳でピアノを始め、サンクトペテルブルク音楽院で学び、10歳でオーケストラと共演したという若手女性ピアニスト、インジュシナの演奏する魅惑的なバッハ一族の協奏曲集です。彼女は1991年からフィンランドに移住し、シベリウス・アカデミーで研鑽を重ね、ミュンヘン国際コンクールで入賞し国際的な名声を獲得しました。彼女はソロ活動だけでなく室内楽演奏にも力を入れていて、2009年からはヘルシンキ室内楽音楽祭の芸術監督を務めるなどアンサンブルに傾倒しています。このバッハはそんな彼女らしく、極めて統制のとれた緊密な音楽を聴かせるもので、指揮者ゴトーニも彼女の意思を汲んで、積極的なアプローチをかけながらも、ピアノ・パートを際立たせることに留意、古典的なフォルムの中に自由な創意を持たせた、余裕ある音楽を奏でています。
ODE-1225
ショスタコーヴィチ:作品集
バラード「ステパン・ラージンの処刑」
組曲「ゾーヤ」
フィンランドの主題による組曲
シェンヤン(Bs-Br)
マリ・パロ(S)
トーマス・カタヤーラ(T)
ラトヴィア国立Cho
ウラディーミル・アシュケナージ(指)
ヘルシンキPO

録音2013年3月22-23日ヘルシンキ・ミュージック・センター
1964年にモスクワで初演された「ステパン・ラージンの処刑」は1600年代に実在したドン・コサックの首領のステパン・ラージンが理想の「コサックの国」を実現するため、ロシア政府に反逆するも失敗、捕えられて処刑されるまでを描いた作品です。ショスタコーヴィチ(1886-1975)は合唱とバリトン独唱を用い、悲劇的で嘲笑的な描写を見事に描きだしています。組曲「ゾーヤ」は1944年の作品。18歳の党員ゾーヤの悲劇を描いた映画のための音楽です。「フィンランドの主題による組曲」は1939年に作曲されながらも総譜が行方不明となっていたもので、2001年になってようやく発見、初演された作品で、フィンランド民謡が使われた興味深い音楽です。アシュケナージと、素晴らしい声楽家たちが繰り広げる熱い演奏で。
ODE-1226
聖なる愛
ユーリ・ファリク(1936-2009):見知らぬ人
ファリク:あなたの寺院です、主よ
 ハバネラ/秋
アルトゥルス・マスカツ(1937-):わが祈りをゆるしたまえ
 春
スヴィリドフ(1915-1998):冬の朝
 失われた青春について
 クリスマス・キャロル
 聖なる愛/ナターシャ/イコン
アレクサンドル・アントニェンコ(T)
イェヴァ・エゼリエーテ(S)
ラトビア放送Cho
シグバルド・クリャーヴァ(指)

録音:2011年10月7-13日ラトビア,リガ聖ジョン教会
ラトビア放送合唱団の新しいアルバムは、「愛、自然、聖なるもの」をテーマにした3人の作曲家たちの作品集です。ヨーロッパの数ある合唱団の中でもトップクラスの実力を持つこのラトビア放送合唱団は、ルネサンスから現代まで幅広いレパートリーを持ち、とりわけヴァスクスなどのバルト三国ものやラウタヴァーラを得意としていますが、最近はラフマニノフの「晩祷」での演奏が高く評価され、2013年グラモフォン・アワードにもノミネートされています。ここでは、日本ではほとんど知られていないファリク、マスカツと、管弦楽曲「吹雪」が知られるスヴィリドフの合唱曲を取り上げ、ラトビアの2人の歌手アントニェンコとエゼリエーテをフィーチャーして、絶妙のハーモニーを聞かせています。合唱ファンの方、必聴の1枚です。
ODE-1227(1SACD)
ルチアーノ・ベリオ:シンフォニア他
ボッケリーニの「マドリードの夜警隊の行進」による4つの変奏(1975)
メゾ・ソプラノと22の楽器による「カルモ」(1974/1989)
8声とオーケストラによる「シンフォニア」
ヴィルピ・レイセネン(Ms)
ミリアム・ソロモン(S)
アンニカ・フールマン(S)
ユッタ・セッピネン(A)/パシ・ヒヨッキ(A)
サイモ・メキネン(T)/パーヴォ・ヒョッキ(T)ターヴィ・オラモ(Bs)
サンポ・ハーパニエミ(Bs)
ハンヌ・リントゥ(指)フィンランドRSO

録音:2014年1月ヘルシンキ,ミュージック・センター
ONDINEレーベルで大活躍中の指揮者ハンヌ・リントゥ。彼は2013年までタンペレ・フィルハーモニーOの首席指揮者を務め、現在はフィンランド放送SOの首席指揮者を務めています。前作のメシアン「トゥーランガリラ交響曲」では、オーケストラの機能性と音響効果を存分に生かした素晴らしい演奏を繰り広げましたが、今回は、更に興味深いルチアーノ・ベリオの一連の作品の登場です。ベリオ(1925-2003)については今更説明の必要もないイタリアの現代作曲家で、様々な技法を駆使した作品を書きましたが、1950年代からは当時の妻であった歌手キャシー・バーベリアンとともに、声楽の限界を追求したことでも知られています。ボッケリーニの曲を元にした「4つの変奏」はミラノ・スカラ座の委嘱作品で、この時の劇場のオープニングナンバーの作曲を依頼されたベリオが、そのオーケストレーションの妙技を駆使して書いた変奏曲です。和声的には全く現代的なところのない、極めて愉快な音楽です。「カルモ」は彼の友人の一人、ブルーノ・マデルナの死への追悼の音楽。マデルナが愛したテキストを用いた歌曲(?)です。そして「シンフォニア」。こちらは既によく知られている作品であり、タイトルの「シンフォニア」とは交響曲の伝統ではなく、多様な声の合流という意味を持つ奇妙な作品です。一番わかりやすいのは、第3楽章におけるマーラーをはじめとした何人かの作曲家の作品の引用でしょう。様々な音楽が断片的に浮かび上がる様子は、マーラーの原曲における魚の鱗が光を反射する様にも似ています。複雑な曲ですが、聞いていてこれほど面白い作品もないかも知れません。
ODE-1229(3CD)
ブラームス:交響曲全集 パーヴォ・ベルグルンド(指)
ヨーロッパCO

録音:2000年5月11-14日バーデン・バーデン祝祭ホール・ライブ
(旧品番:ODE-990)
2012年に82歳で、その生涯を閉じたフィンランドの名指揮者パーヴォ・ベルグルンド。彼は同じくヨーロッパ室内管弦楽団とシベリウスの交響曲全集を録音しており、こちらは引き締まった美しさと清々しさで知られています。このブラームス(1833-1897)は2000年に録音されたもの。同じ時期に客演指揮者としてしばしばこのオーケストラを指揮してブラームスを演奏していたアーノンクールの音楽作りを彷彿させるかなり個性的な演奏であり、つややかな音色と溢れる響きの中に、緻密な内声部を際立たせ、各々のフレーズをはっきり(まるでドイツ語の発音のように)つないでいくという、「重厚華麗なブラームス」とは一線を画した、ピリオド奏法にも似たストイックな雰囲気を漂わせています。今まで躊躇っていた方もぜひ。こんなに清々しいブラームスは他にはありません。

ODE-1231
トゥオマス・カンテリネン:バレエ組曲「雪の女王」 トゥオマス・カンテリネン(指)
フィンランド国立歌劇場O

録音:2012年11月23日フィンランド国立バレエ団世界初演
アンデルセンの「雪の女王」のお話は、誰もが一度は幼い頃に読んだことがあるのではないでしょうか。悪魔の作った鏡の欠片が目と心臓に刺さってしまったことで冷たい性格に変わってしまった少年カイ。そのカイを連れ去ってしまう雪の女王。カイを慕う少女ケルトゥ(ゲルダ)、ケルトゥを助ける山賊の娘。彼らを取り巻く物語を元に、フィンランド国立バレエ団の芸術監督で名ダンサーでもあるケネス・グレイヴが感動的なバレエを作り上げました。音楽を書いたのはフィンランドで最も多忙な作曲家の一人、カンテリネン(1969-)。彼は映画のスコアやテレビシリーズの音楽、CMの音楽など多彩な創作活動をする傍ら、ピアノ協奏曲や交響曲などクラシック作品も書いている注目すべき人です。このバレエのためにも変幻自在で、美しく快活な音楽を付けています。「くるみ割り人形」と並ぶ、クリスマスの定番にしたいバレエです。
ODE-1233(2CD)
NX-B04
フィンランドの中世の聖歌と初期の声楽曲集
【CD1】 聖ヘンリックの思い出に
フィンランドの守護聖人への中世の聖歌コレクション
1.Deus in adiutorium 神よ、速やかにわたしを救い出し
2.Gaudeamus omnes すべての者よ、主に向かいて喜ばん
3.Sanctum Ericum comitans 聖ヘンリックの集いで
4.Sanctus Ericus dulciter 聖ヘンリックを愛して
5.Quidam homines de Kwmo コケメキからの男たち
6.Martir iste militauit 殉教者は兵士だった
7.Multitudo languencium 病人たちは回復した
8.O vita commendabilis ああ、立派な人生
9.Christi pugil eximius キリストの良き兵士
10.Digitus martiris gloriosi 輝かしい殉教者の指
11.Imitator Saluatoris 救い主を模倣せよ
12.Perfecte desiderium 完全に満たされた欲望とともに
13.Omnes gentes iubilate すべての民よ、手を打ち鳴らせ
14.Dum deuotis poscitur 献身的な祈りによって
15.Preclari patris sanctitas 高名な父の神聖さ
16.Gaude cetus fidelium 喜べ、忠実なる人々よ
17.Alleluya. Pie presul ハレルヤ、敬虔な司教
18.Ecce magnus presbiter 偉大な司教を見よ
【CD2】ピエ・カンツィオーネス
初期フィンランドの声楽曲集
1.Iucundare iugiter あなた方はともに喜ばなくてはならない
2.Iucundare iugiter
3.Cedit hiems eminus 冬の力が薄れる
4.Cedit hiems eminus
5.Aetas carmen melodiae 人々よ、歌を歌え
6.Aetas carmen melodiae
7.Iesu dulcis memoria イエス、甘い記憶
8.Ramus virens olivarum オリーブの緑の枝
9.Ave funda Davidis
10.Zachaeus arboris ザアカイの木を登り
11.Puer natus in Bethlehem ベツレヘムで少年が生まれた
12.De radice processerat
13.Verbum caro factum est 言葉は肉を造った
14.Omnis mundus iucundentur 全ての世界は喜ぶでしょう
15.Paranymphus adiens 天使が訪れた
16.Laetetur Ierusalem エルサレムが喜ぶでしょう
17.Resonet in laudibus
18.Jumalisten joucko 忠実な群衆
19.Ad cantus laetitiae 賛美を歌うこと
20.Parvulus nobis nascitur 小さな子供が私たちのために生まれた
21.Kunniallisuuden hyvys 名誉の徳
22.Vanitatum vanitas 虚栄の虚栄
23.Coeperit faustis 幸運の始まりと継続的な成功
24.Insignis est figura 驚くべき形
25.Mars praecurrit in planetis
26.Mirum si laeteris あなたが喜ぶならばそれは奇跡である
27.Ad perennis vitae fontem 永遠の命の泉への
セトゥス・ノステル(ヴォーカル・アンサンブル)
コユハット・リタリット(ヴォーカル・アンサンブル)

ティモ・ヌオランネ(指)
フィンランド放送室内cho


録音:1995年9月、1998年1-2月
かつてリリースされていた2枚のアルバム(ODE-874とODE-918)をまとめたリイシュー・アルバム。「聖ヘンリック」とは12世紀 フィンランドに十字軍の侵攻と共にやってきて、人々にキリスト教の教えを説いたとされる人。人々の反発にあい暗殺されてし まったという伝説がありますが、はっきりとした記録は残されていません。しかしその偉業は現代でも讃えられています。もう1枚 の「ピエ・カンツィオーネス」は16世紀フィンランドで編纂された聖歌集。“古い時代の司教の教会および学校のための聖歌” の原題を持ち、多様な歌が収録されています。曲集のほぼ半分はスカンジナビア半島の民謡であったり、他の国を起源とす るもので、これらは恐らく他の国を巡った人がフィンランドに持ち込んだと推察されています。どちらも素朴なハーモニーと清冽な 歌唱が印象的です。
ODE-1234(1SACD)
エリッキ=スヴェン・トゥール:交響曲第5番他
ビッグ・バンド,エレクトリック・ギター,シンフォニー・オーケストラのための「交響曲第5番」(2004)
アコーディオンとオーケストラのための「予言」(2007)
グエン・レ(エレクトリック・ギター)
ウモ・ジャズ・オーケストラ
ミカ・ヴェイリネン(アコーディオン)
オラリー・エルツ(指)ヘルシンキPO

録音:2013年6月2-3日、2013年10月25.28日 ヘルシンキ,ミュージック・センター
エストニア生まれの作曲家、スヴェン・トゥール(1959-)はタリン音楽学校でフルートと打楽器を学び、後にタリン音楽アカデミーで作曲を学んだという人。一方で1979年から1984年にかけて「InSpe」というロック・グループを率いて活動し、こちらはエストニアで高い人気を獲得しました。しかし作曲に専念するためにバンドを脱退したところ、作品が西側に注目され、そのまま作曲家として素晴らしい成果を挙げています。そんな彼、自作にはしばしばビッグ・バンドやエレクトリック・ギターなどを用いることでも知られ、この交響曲第5番でもユニークな音響に満たされています。アコーディオンを用いた「予言」でも奇妙な世界が広がります。単なるクラシック音楽では満足できない人にオススメします。
ODE-1235
ショスタコーヴィチ:歌曲集
6つのロマンスOp.62a
アニー・ローリー(ショスタコーヴィチによる管弦楽版)(1944)*
ミケランジェロの詩による組曲Op.145a(イタリア語歌唱)#
ジェラルド・フィンリー(Bs-Br)
トーマス・ザンデルリング(指)
ヘルシンキPO

録音:2013年10月8-12日ヘルシンキ・ミュージック・センター
※*=世界初録音,
#=イタリア語版世界初録音
カナダの名バリトン、ジェラルド・フィンリー(1906-1975)。ONDINEにデビュー。彼が選んだのは意外にもショスタコーヴィチの歌曲集でした。とは言え、この「6つのロマンス」はW.ローリー、R.バーンズ、W.シェイクスピアと言ったイギリスの詩人の詞を用いたもので、フィンリーにとっては共感溢れる作品であることは間違いありません。このオーケストラによる伴奏版は最近発見されたもので、本来は室内楽による伴奏パートをショスタコーヴィチ自身がフルオーケストラへと拡大しており、より精緻な音楽を味わえるようになっています。晩年の作品で、晦渋かつ人間味あふれる歌曲として知られる「ミケランジェロ歌曲集」は、ロシア語ではなく原語の「イタリア語」で歌われる珍しいもの。このヴァージョンは世界初録音となります。フィンリーの素晴らしい歌唱を、ショスタコーヴィチのオーソリティ、トーマス・ザンデルリングが見事にサポートしています。
ODE-1236(2CD)
ラウタヴァーラ作品カタログ付き
限定盤
NX-A03
ラウタヴァーラ生誕90周年記念アルバム
管弦楽作品集+ONDINEレーベルにおけるラウタヴァーラ作品のカタログ付き


【CD1】…ODE978
ハープ協奏曲
交響曲第8番「旅」

【CD2】ラウタヴァーラ・サンプラー
1.Lintukoto 至福の島
2.Missa a cappella ミサ・ア・カペラ-キリエ
3.Garden of Spaces 空間の庭
4.チェロ協奏曲 第1番Op.41-第3楽章 Vivace
5.Suomalainen myytti フィンランド神話
6.Sydameni laulu わが心の歌
7.Notturno e Danza 夜想曲と踊り-踊り
8.Halavan himmean alla 柳の木陰で 第1番Ikavyys 憂鬱
9.交響曲第3番-第1楽章:Langsam, breit, ruhig
10.Adagio celeste アダージョ・セレステ
【CD1】
マリエル・ノールマン(ハープ)
レイフ・セーゲルスタム(指)
ヘルシンキ・PO
録音:2001年1月.5月 フィンランド、ヘルシンキ、フィンランディア・ホール

【CD2】
レイフ・セーゲルスタム(指)…1.3
マックス・ポンマー(指)…4.9
ユハ・カンガス(指)…5
ミッコ・フランク(指)…10
ヘルシンキ・PO…1.3.4
オストロボスニア室内O…5
ライプツィヒRSO…9
ベルギー国立O…10
シグヴァルズ・クリャーヴァ(指)…2
ラトヴィア放送cho…2
ティモ・ヌオランネ(指)…8
フィンランド放送室内cho…8
マルコ・ユローネン(Vc)…4
ターニャ・テツラフ(Vc)…6
グニッラ・シュスマン(P)…6
ペッカ・クーシスト(Vn)…7
パーヴァリ・ユンパネン(P)…7
フィンランドの現代作曲家マグヌス・リンドベルイの最新作。アルバムに収録された2つの作品はどちらも世界初録音であり、リンドベルイの生誕60年を記念して 製作されています。 ヴァイオリン協奏曲は、リンドベルイがロンドン・POのコンポーザー・イン・レジデンスを務めていた時の作品で、初演者であるフランク・ペー ター・ツィマーマンに捧げられています。豊かなオーケストラの響きと呼応する輝かしいヴァイオリンの旋律には、ロマンティックで懐古的な雰囲気も感じさせる、リン ドベルイ後期のスタイルが集約されています。 「Tempus fugit」はラテン語で“時は飛ぶようにすぎる”という意味の言葉。日本語で言えば“光陰矢の如し”となるでしょう。2017年、フィンランド独立記念コ ンサートのための委嘱作品ですが、彼はあえて伝統的な作品を書くのではなく、1980年代にコンピューター言語を用いて作曲した最初のオーケストラ作品 「FORCE」と同じ手法による「Tempus fugit」を書き上げました。 こちらは印象派風の響きと輝くような旋律を持つ30分程度の作品で、初演者ハンヌ・リントゥに捧げられています。
ODE-1238
ホロストフスキ〜ロシア宗教曲と民謡を歌う
ドプリ・プリストフ(1875-1941):主の御名を賛美せよ
パーヴェル・チェスノコフ(1877-1944):祝福された男Op.44-2
 永遠の前の弁護人
 わが祈りを聞きたまえ
 わが青春時代より
ミハイル・ブルマジン:賢い泥棒
アルハンゲルスキー(1846-1924):信仰のシンボル
アレクサンドル・ヴァルラモフ(1801-1848):吹雪
ロシア民謡集<彼らはマシャに行かない/森を通る道はない/孤独な鐘/さようなら、わが喜び/霧が野原に降り注ぐ>
エリザヴェータ・シャシナ(1805-1903):私は一人で小道を歩く
ロシア民謡:おお、夜よ
スヴィリードフ(1915-1998):夜明けの鐘
ドミートリー・ホロストフスキー(Br)
マスターズ・オブ・コーラル・シンギング
レフ・コントロヴィチ(指)

録音:2012年6月23.25.26.29.30日,7月2日ロシアモスクワ,P.I.チャイコフスキー・コンセルヴァトリー
現在、最も素晴らしいバリトン歌手であるホロストフスキーの漆黒の声と、ロシアの名門合唱団、マスターズ・オブ・コーラル・シンギングのコラボレーションによる民謡と宗教曲集です。いかにもロシアらしい、憂愁と力強さを併せ持つ歌の数々。これらをここまで完璧に歌いこなせるのは、ドミートリー・ホロストフスキーを置いて他にはいないでしょう。アルバム・タイトルになっている「夜明けの鐘」は、人気作曲家ゲオルギー・スヴィリードフの作品で、短いフレーズを繰り返す美しいソプラノと、呼応する憂鬱なバリトン、それを包み込むような深い合唱の響きが、印象的な音楽です。
ODE-1239
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77
ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調Op.129
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ジョン・ストゥールゴールズ(指)ヘルシンキPO

録音:2013年11月27-28,30日フィンランドヘルシンキ・ミュージック・センター
ハンブルク生まれの名ヴァイオリニスト、クリスティアン・テツラフによるONDINEレーベル5枚目の録音は、ショスタコーヴィチ(1906-1975)の2つの協奏曲集です。これまではモーツァルト、シューマン、メンデルスゾーンと、現代曲(ヴィトマン)の演奏で高く評価されていましたが、今回はまさに本領発揮ともいえる鬼気迫るショスタコーヴィチです。第1番の冒頭から異様な緊張感を湛えた説得力ある演奏は、これまでに存在した他の演奏を楽々と凌駕するほどのスケール感を有しています。ヘルシンキ・フィルハーモニーの醸し出す静謐な音にもゾクゾクさせられます。お約束の、第4楽章での喧騒も申し分なし。第2番がこれまた渋い雰囲気を持ち、テツラフは落ち着き払った演奏を聴かせています。
ODE-1240
クリストフ・グラウプナー:トリオ・ソナタ集
1-4.ヴィオラ・ダ・ーレ、シャルモーとハープシコードのためのトリオヘ長調GWV210
5-7.2台のヴァイオリンとハープシコードのためのトリオハ短調GWV203
8-10.ファゴット、シャルモーとハープシコードのためのソナタハ長調GWV201
11-13.フルート,ヴィオラ・ダモーレとハープシコードのための三声のソナタニ短調GWV207
14-17.2台のヴァイオリンとハープシコードのためのトリオホ長調GWV208
18-20.フルート,ヴィオラ・ダモーレとハープシコードのためのトリオ変ロ長調GWV217
<フィンランド・バロックOのメンバー>
ペトラ・アミノフ(Fl)…11-13.18-20
シルッカ=リサ・カーニネン=ピルク(ヴィオラ・ダモーレ)…1-4.11-13.18-20
ハンヌ・ヴァサラ(Vn)…5-7.8-10
アスコ・ヘイスカネン(シャルモー)…1-4.8-10
ヤニ・スンナルボルイ(Fg)…8-10
マルク・ルオラヤン=ミッコラ(バロックVc)…5-7,(ヴィオラ・ダ・ガンバ)…1-4.11-13.18-20
エーロ・パルヴィアイネン(バロック・リュート)…1-13.18-20
ペトリ・ピトゥコ(ハープシコード)…8-20,(Org)…5-7

録音:2013年10月14-16日フィンランドペルナヤ教会
ドイツ後期バロック音楽の作曲家、チェンバロ奏者グラウプナー(1683-1760)。彼の音楽はほとんど忘れられてしまいましたが、唯一知られるエピソードとしては、ライプツィヒの聖トーマス教会カントールのポストをバッハと競い合い、結局はバッハを破ってその任を勝ち取った人ということでしょうか?そんな彼の作品も最近では少しずつ省みられており、バッハともヘンデルとも違う味わいに魅了されている人も多いようです。多くの場合、彼の作品には珍しい楽器が使われていて、ここでもヴィオラ・ダモーレや、シャルモー(クラリネットの原型となった木管楽器)の響きをふんだんに味わうことができます。演奏しているのは、フィンランドにおけるバロック・ヴァイオリンの第1人者カーニネン=ピルクをはじめとしたフィンランド・バロックOのメンバー。この楽しげな響きは一度聞くとくせになります。
ODE-1241
バッハ:無伴奏ヴァイオリン作品集
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV1001
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータロ短調BWV1002
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番イ短調BWV1003
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調BWV1005
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV1006
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(Vn)

録音:2012年10月.11月&2013年3月フィンランドカルヤー教会
フィンランドを代表する名女性ヴァイオリニスト、シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルクの真摯なバッハ。彼女はあらゆる時代の音楽を演奏しますが、重きを置いているのは17世紀から19世紀の音楽であり、またヴィオラとヴィオラ・ダモーレも見事に弾きこなします。オランダ留学時にはフランス・ブリュッヘン率いる古楽オーケストラでヴァイオリンを演奏、また10年に渡りヘレヴェッヘ率いるコレギウム・ヴォカーレでもリーダーを務めるなど素晴らしい成果を上げています。
ODE-1242
NX-B04
カイヤ・サーリアホ:弦楽のための室内楽作品集第2集
弦楽四重奏のための「Fleursde Neige‐雪の花」(1998)
ヴァイオリンとヴィオ ラのための「Aure」(2011)
ソプラノとチェロのための「Dugick,flOg」
ヴィオラのための「Nocturne‐夜想曲」(1994)
ソプラノとヴァイオリンのための「チ ェンジング・ライト」(2002)
ヴァイオリンとエレクトロニクスのための「…dela Terre−大地について」(1991)
ソプラノと弦楽四重奏のための「Die Aussicht‐景 色」(1996)
弦楽オーケストラのための「Terra Memoria‐大地のメモリー」(2006)
META4(弦楽四重奏)〈メンバー:アンティ・ティカネン(Vn)/ミンナ・ペンソラ(Vn)/アッテ・キルペライネン(Va)/トーマス・デュプショバッカ(Vc)〉/ピア・フロイント(S)/マルコ・ミヨハネン(エレクトロニクス)

録音:2015年5月4-5日,2015年12月14-15日フィンランドカルヤー教会
サーリアホ(1952-)は現代フィンランドにおける最も重要な作曲家の一人。日本でもたくさんの愛好家がいますが、2016年 の「サントリー芸術財団サマーフェスティヴァル」では、彼女に焦点を当て、インタビューや作品の日本初演を行うことで、 更に注目が高まりました。このアルバムには、弦とエレクトロニクスの響きに魅せられているというサーリアホの個性が活か された8つの曲が収録されており、中でも2曲の「大地」にまつわる作品は、彼女の代表作ともいえる曲です。第1集 (ODE-1222)で、サーリアホの複雑なスコアから斬新な響きを紡ぎ出した《META4》は2001年に結成されたフィンランド の弦楽四重奏団。2010年にエコー・クラシック賞を受賞し、その後も数々の賞を獲得、世界中で活躍するアンサンブルです。 今作ではソプラノのピア・フロイントを交え、一層神秘的な音楽を奏でています。
ODE-1243(2CD)
ビーバー:ロザリオのソナタ
ソナタ第1番ニ短調「受胎告知」
ソナタ第2番イ長調「聖母訪問」
ソナタ第3番ロ短調「キリストの降誕」
ソナタ第4番ニ短調「キリストの奉献」
ソナタ第5番イ長調「キリストの顕示」
ソナタ第6番ハ短調「キリストの血汗」
ソナタ第7番ヘ長調「キリストの笞刑」
ソナタ第8番変ロ長調「キリストの荊冠」
ソナタ第9番イ短調「十字架を背負うキリスト」
ソナタ第10番ト短調「イエスの磔刑」
ソナタ第11番ト長調「キリストの復活」
ソナタ第12番ハ長調「キリストの昇天」
ソナタ第13番ニ短調「精霊の降臨」
ソナタ第14番ニ長調「聖母マリアの被昇天」
ソナタ第15番ハ長調「聖母マリアの戴冠」
ソナタ第16番ト短調-パッサカリア
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(Vn)
バッターリア(アンサンブル)
<アンナマリ・ペルヘ(ハープシコード)/エーロ・パルヴィアニネン(リュート・ギター・オルガン)/ミカ・シュイコーネン(ヴィオローネ)>

録音:2013年8月フィンランドカラヤー教会
ビーバー(1644-1704)の「ロザリオのソナタ」は、別名「ミステリー・ソナタ」と呼ばれているように、楽譜の中にも様々な謎が隠されているとされています。その上、この曲を完全に演奏するためには、それぞれ違った調弦が必要であり、もし一夜のコンサートで全曲演奏する場合は、奏者は何台かの違った楽器を用意して演奏するという離れ業を用いることすらあります。第11曲目では2本の弦をクロスさせ十字架を作る(もちろん演奏は困難)などの特異な調弦、そして曲自体の物語…受胎告知から聖母戴冠までの一連の流れ…、最後に置かれたパッサカリアは守護天使を表すとされるなど、神秘的な雰囲気を湛えています。もちろん更に別の解釈を施すことも可能であり、この曲の魅力は汲めども尽きることのない、演奏する側にも聴く側にも喜びをもたらす作品なのです。ここで演奏しているのは、ONDINEレーベルにおけるバロック・ヴァイオリンの第一人者カーキネン=ピルク。この曲の持つ魅力を余すことなく伝えています。
ODE-1244B04
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第3番ハ長調Op.26
ピアノ協奏曲第1番変ニ長調Op.10
ピアノ協奏曲第4番変ロ長調「左手のための」Op.53
オッリ・ムストネン(P)
フィンランドRSO
ハンヌ・リントゥ(指)

録音:2015年3月、,2015年5月 フィンランド,ヘルシンキ・ミュージック・センター
現在、ONDINEレーベルで最も注目されている指揮者ハンヌ・リントゥと、ピアニスト、オッリ・ムストネンのコラボレー ションによるプロコフィエフ(1891-1953)のピアノ協奏曲シリーズの登場!熟練したピアニストでもあったプロコフィエフ の協奏曲は、どれも高度な技術が要求されますが、中でも第3番は「20世紀を代表する作品の一つ」と賞賛されるほど幅広 い人気を獲得しています。ゆったりとした序奏を経て唐突に現れるピアノの輝かしいパッセージ、第2楽章でのウィットに 富んだ旋律、ピアノとオーケストラとの掛け合いが楽しい第3楽章と聞かせどころの多い曲ですが、ムストネンのピアノは 常に冷静さを保ちながら、リントゥと親密な対話を繰り広げています。第1番は短いながらも、後年のプロコフィエフの独 自性が垣間見えるユニークな曲。ピアノを打楽器のように扱う様子はバルトーク作品のようでもあります。第4番は「左手 のピアニスト」パウル・ヴィトゲンシュタインが委嘱した作品ですが、ヴィトゲンシュタインが理解不能という理由で(これ には諸説ある)演奏しなかったため、プロコフィエフの生前には初演が叶わなかったことでも知られています。ピアノの完璧 な技巧はもちろんのこと、オーケストラの比重も高い難曲です。
ODE-1245C
ガリーナ・グリゴリエヴァ:合唱作品集
スヴャトキ(1997/2004)
サルヴェ・レジーナ(2013)/二部作(2011)
哀歌(2000)/静かなる物(2008)
楽天にて(2012)
シアター・オブ・ヴォイシズ
YXUS弦楽四重奏団
コンラッド・スタインマン(Fl)
エストニア・フィルハーモニー室内Cho
ポール・ヒリアー(指)

録音:2015年1月19-21日…1-9.11-14,2015年3月10日…10エストニアタリン,ニグリステ教会
ガリーナ・グリゴリエヴァ(1962-)はウクライナで生まれ、オデッサ音楽院でA.クラソトフに学んだ後、1991年にサンクトペテルブルク大学の作曲科のクラスを卒業。1992年にタリンに移りエストニア音楽大学でレポ・スメラに師事、フリーランスの作曲家として活動しています。彼女の作品は深い精神性に支えられた声楽作品が多く、アルバム・タイトルである「Nature Morte-静かなるもの」もヨシフ・ブロツキー(1940-1996)のテキストを元にした無伴奏合唱で、その根底にはスラヴの典礼音楽の伝統が宿っています。またロシアの民俗音楽を用いた「スヴャトキ」は活力ある音楽です。エストニアが誇る合唱団とポール・ヒリアーの極上の演奏で。
ODE-1246
デヴィッド・アーロン・カーペンター:ヴィオラ名演集
ブラームス:ヴィオラ五重奏曲Op.115(原曲:クラリネット五重奏曲)
フランク・ブリッジ:悲歌
ロバート・マン(1920-):ヴィオラ独奏のための「夢の時」
デヴィッド・アーロン・カーペンター(Va)
ベルリンPOの奏者たち<ベルンハルト・ハルトーク(第1ヴァイオリン)/リューディガー・リーバーマン(第2ヴァイオリン)/ヴァルター・キュースナー(Va)/シュテファン・コンツ(Vc)>

録音:2013年2月6日ベルリン・フィルハーモニー,カンマームジークザール
注目のヴィオラ奏者カーペンターによる感動的なヴィオラ名曲集。アルバムタイトルにもなっているロバート・マンの美しい作品「夢の時」を中心に、ブリッジの「悲歌」とブラームスの「五重奏曲」を収録。これらの曲はヴィオラの音色にふさわしい淡い悲しみや仄暗い表情、そして落ち着いた色合いを持っています。ブラームスの五重奏曲は本来クラリネットで演奏されますが、このようにヴィオラで演奏される場合もあり、ブラームスの抱いていた沈痛な感情が柔らかく表現された名作です。静かな面持ちのブリッジの悲歌も渋い美しさに満ちています。
ODE-1249
ラフマニノフ:歌劇「モナ・ヴァンナ」(未完…ゲンナジ・ベロフによる管弦楽補筆版)

《歌曲集》
私の窓辺にOp.26-10/夜は悲しいOp.26-12/リラの花Op.21-5
ねずみ捕りの男Op.38-4
ヴォカリーズOp.34-14
ここはすばらしい場所Op.21-7
夢Op.38-5
■モンナ・ヴァンナ
エブゲニア・ドゥーシナ(S)/ウラディーミル・アフトモノフ(Br)/ドミートリー・イヴァンチェイ(T)/エドヴァルド・アルチュニャン(T)/ミハイル・ゴロフシキン(Bs)/モスクワ音楽院オペラ・ソロイスツ/モスクワ音楽院学生Cho/モスクワ音楽院O/ウラディーミル・アシュケナージ(指)
■歌曲集
ソイレ・イソコスキ(S)
ウラディーミル・アシュケナージ(P)

録音:2009年6月17日ロシアモスクワ・チャイコフスキー音楽院/2013年9月フィンランドイェルヴェンパー・ホール
ラフマニノフ(1873-1943)の未完のオペラ「モナ・ヴァンナ」は極めて珍しい作品です。これまでI.ブケトフによる補筆版がリリースされていましたが、こちらは英語歌唱によるもので、聴き手としては若干の不満の残るものであったことを考えると、この新しい録音は歓迎されるものとなるでしょう。メーテルランクの戯曲に基づくこのオペラは、かの「モナ・リザ」を主人公にしたもの。もちろん彼女については、何人もの芸術家たちが音が絵画にしているものですが、ラフマニノフもこの美しい女性に魅了されたようで、このオペラを完成すべく、アメリカ亡命の際にもスコアを携えていったのです。しかし、結局完成されることはなく、そのまま忘れ去られてしまいました(このオペラが完成しなかった理由の一つは、メーテルリンクが他の作曲家、フェヴリエにオペラにする権利を与えてしまったため、ラフマニノフが作曲を続けることができなかったようです)。結局このオペラが初演されたのは、1984年、ニューヨークで前述のブケトフ版を用いてのものでした。今回はより新しい研究に基づいたベロフによる補筆版でお楽しみください。余白にはイソコスキによるラフマニノフ歌曲を収録しています。
ODE-1250
モーツァルト:ピアノ作品集「顧みられない宝物」
組曲ハ長調(断章)K399
ソナタの楽章ト短調(断章)K312(189i/590d)
前奏曲とフーガ.ハ長調K394
自動オルガンのためのアンダンテヘ長調K616
アレグロ変ロ長調K400(M.シュタードラーによる補筆完成版)
われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲K455
「ああ、ママに聞いてよ」による12の変奏曲(きらきら星)K265
アナスタシア・インジュシナ(P)

録音:2014年3月23-25日フィンランドクーモ・アーツ・センター
前作の「バッハ一族のピアノ協奏曲集」(ODE1224)で流麗かつ、新鮮なバッハを披露した若手ピアニスト、アナスタシア・インジュシナの2枚目のアルバムはモーツァルトの「知られざるピアノ作品集」です。ここに収録されている作品は、最後の「きらきら星」以外は、あまり演奏会でも聞く機会のないものです。K312のアレグロは現在の研究では、晩年の作品らしいと推測されるもの。ただし成立がはっきりしないため、成立自体は謎となっています。K399の組曲やK394の「前奏曲とフーガ」はヘンデルの組曲から影響を受けているとされます。オルガンで演奏されることも多い作品です。K400は91小節の途中で放棄されてしまった作品です。ピアノ・ソナタになるはずだったのかもしれません。ここではシュタードラーが補筆した版で演奏されていますが、他の人による補筆版も存在します。軽やかなフレーズが印象的な作品です。

ODE-1251(1SACD)
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 アンジェラ・ヒューイット(P)
ヴァレリー・アルトマン=クラヴェリエ(オンド・マルトノ)
フィンランドRSO
ハンヌ・リントゥ(指)
フランスの現代作曲家、オリヴィエ・メシアンの最初の大規模な管弦楽曲であるこの「トゥーランガリラ交響曲」。メシアン作品のみならず、20世紀に作曲されたあらゆる作品の中でも、ひときわ特異な姿を持ち、また、その大規模な編成をものともせず、頻繁に演奏されることでも知られています。もともとはボストンSOの音楽監督を務めていたS.クーセヴィッキーの委嘱により書き始められ、1948年にひとまず完成。その後にオーケストレーションが施されたものです。曲は10楽章からなり、メシアンが終生、その作曲の根源に置いていた「愛、死、祈り、鳥」がモティーフとして使われ、またその響きも、20世紀の音楽としてはわかりやすく、ほぼ半分の楽章は調性的であり、彼が愛した嬰ヘ長調(ピアノでいう黒鍵の響き)が多用されています。オンド・マルトノとピアノが大活躍しますが、ここでピアノを演奏するのは、あの吉田秀和氏も大絶賛していたアンジェラ・ヒューイット。彼女はバッハと同じくらいメシアンを愛していて、ここでも納得の演奏を聴かせてくれます。全体を手堅く纏めているのは、フィンランドが誇る名指揮者ハンヌ・リントゥ。リゲティを始めとする現代音楽を得意とするだけあって、ここでも巨大なオーケストラを完全に手中に収め引き締まった筋肉質なメシアン像を作り上げています。
ODE-1252
ソイレ・イソコスキ:クリスマス・キャロルを歌う
マデトーヤ(1887-1947):全ての悩みは取り払われ
ハンニカイネン(1854-1924):静かに、静かに鳴り響け
カスキ(1885-1957):小屋は雪の下に眠る
コシュ(1910-2009):冬の牧歌
パルムグレン(1878-1951):聖母は幼子のよりどころ
レーガー:マリアの子守歌
メラルティン:ラップランドのクリスマス
ランタ(1901-1960):ラップランドの子守歌
バッハ:いざ来ませ、異邦人の救い主よ
シベリウス:5つのクリスマスの歌より「われに華やぎを与えたもうな」
メリカント(1868-1924):子供のクリスマス
イコネン(1888-1966):小さなベイコンのクリスマスの祈り
ベルトルド・フンメル(1925-2002):クリスマス組曲-スケルツァンド
マデトーヤ(1887-1947):星空
アダン(1803-1856):オー・ホーリー・ナイト
クーシスト(1905-1988):ああ見たまえ、平和の祭典を
ソンニネン(1914-1984):平和よ、完璧な平和よ
ソイレ・イソコスキ(S)
ラップランド室内O
ジョン・ストルゴーズ(指)

録音:2014年4月30日-5月3日フィンランドロヴァニエミ,コルンディ=ハウス・オブ・カルチャー
ウィーン国立歌劇場やコヴェント・ガーデンなど、世界中の歌劇場で幅広い活動をしているソプラノ歌手ソイレ・イソコスキによる親密なクリスマス・キャロル集です。選ばれているのは、日本ではあまり耳にすることのない北欧の曲が中心。繊細な曲たちは、手のひらに載せただけで解けてしまいそうな面持ちであり、本当にひそやかで静かなものばかりです。イソコスキのステキな声は、聴き手の心を優しく包み込みます。
ODE-1253
ベンヤミン・シュミット&リサ・スミルノヴァ〜ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ヴァイルを弾く
ショスタコーヴィチ:前奏曲集Op.34(D.ツィガーノフによるヴァイオリンとピアノ編)から<第24番ニ短調/第2番イ短調/第6番ロ短調/第10番嬰ハ短調/第12番嬰ト短調/第13番嬰ヘ長調/第15番変ニ長調/第16番変ロ短調/第17番変イ長調/第18番ヘ短調/第19番変ホ長調/第21番変ロ長調/第22番ト短調/第20番ハ短調>
プロコフィエフ:つかの間の幻影Op.22(V.デレヴィアンコによるヴァイオリンとピアノ編)
クルト・ヴァイル(1900-1950):「三文オペラ」から7つの小品(S.フレンケルによるヴァイオリンとピアノ編)<マック・ザ・ナイフのバラード/墓穴からの叫び/良き人生のバラード/ポリーの歌/タンゴ・バラード/海賊の旅/キャノン砲の歌>
ベンヤミン・シュミット(Vn)
リサ・スミルノヴァ(P)

録音:2013年6月オーストリアゴールデック城
オーストリアの名ヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミットのONDINE第3弾リリースはショスタコーヴィチとプロコフィエフ、そしてヴァイルという斬新な作曲家たちの組み合わせ。これらの曲の原型は全て1910年台から1920年代に書かれたもので、この時代における音楽の多様性(ロマン派から近代へと移り変わる頃)と調性やリズムが崩壊していく様子をじっくりと楽しむことができるという趣向になっています。どの曲も元々はピアノ独奏であったりオペラであったりですが、これを他の作曲家がピアノとヴァイオリンのために移し替えまた違った風景を醸し出しているところが面白いものです。ピアノを演奏しているスミルノヴァはシュミットと20年以上に渡って共演してきた人であり、ここでも息のあった音楽を奏でています。
ODE-1255
カイヤ・サーリアホ:歌曲集「4つの瞬間」他
歌曲集「4つの瞬間」(2002)
弦楽オーケストラのための「大地のメモリー」(2009)
組曲「エミリー」(2011)
カレン・ブルチ(S)
ストラスブール国立PO
マルコ・レトーニャ(指)
ヘルシンキ出身の女性作曲家、カイヤ・サーリアホ(1952-)の最近10年間に書かれた3つの作品集です。歌曲集「4つの瞬間」と「エミリー」はオーケストラ伴奏版の声楽曲で、ソプラノ歌手カレン・ブルチによって歌われています。「4つの瞬間」はフランスの作家アミン・マアルーフの詩が用いられた劇的な作品で、2003年に名歌手カリタ・マッティラにより初演され、彼女に捧げられています。サーリアホの代表作の一つでもあり、もちろん歌うためには高い技術と表現力が求められる作品です。組曲「エミリー」はサーリアホの同名のモノドラマから取られた組曲で、もともとの作品は大野和士が世界初演したことで知られます。こちらも劇的な内容を緊張感に満ちた音楽が彩っています。「大地のメモリー」はエマーソン弦楽四重奏団の委嘱作品を弦楽合奏版にしたもの。カレン・ブルチの精緻な歌唱とストラスブール・フィルの緊密な演奏は、作品に新しい命を吹き込みます。
ODE-1256(2CD)
サッリネン:室内音楽集第1番-第8番
《CD1》1.室内音楽第1番Op.38(1975)
2.室内音楽第3番「ドン・ファンキホーテの夜の踊り」Op.58(1985-86)
3.室内音楽第5番「バラバ・ヴァリエーション」Op.80(2005)
4.室内音楽第7番「クルセリアーナ」Op.93(2007-08)
《CD2》
1.室内音楽第2番Op.41(1976)
2-5.室内音楽第4番「セバスティアン・ナイトへのエレジーによるメタモルフォシス」Op.79(2000)
6-8.室内音楽第6番「3つの旅へのいざない」Op.88(2005-06)
9.室内音楽第8番「木々よ、全て緑に」(パーヴォ・ハーヴィッコへのメモリー」Op.94(2005-06)
アルト・ノラス(Vc)…CD1:2.9
アレクシス・ローマン(アルトFl)…CD2:1,CD1:4
ナホコ・キノシタ(Ob)…CD1:4
ゴチョー・プラコフ(Cl)…CD1:4
サンナ・ヴァイヒネン(Fg)…CD1:4
マリエッレ・ハッリ(Hrn)…CD1:4
Meta4弦楽四重奏団…CD2:6-8
ユヴァスキュラ・シンフォニア
ヴィッレ・マトフェエフ(P…CD2:2-5&指)
ラルフ・ゴトーニ(P…CD1:3&指CD1:3,CD2:9)

録音:2014年2月11.13-14日…CD1:3,CD2:9,2014年10月9-11日…CD1:1.2,CD2:6-8,2015年2月1日…
CD2:1.2-5,CD1:4フィンランドユヴァスキュラ,ハンニカイスサリ
フィンランドの現代作曲家サッリネン(1935-)の室内音楽集。2015年に80歳の誕生日を迎える彼は、先進的な響きを追求しながらも、常に調性を逸脱することなく、肌触りのよい音楽を生み出しています。この室内音楽シリーズは1975年から2009年の間に書かれたもので、多くの場合、オペラ・プロジェクトの完了後に着手されています。どの曲もタンゴやワルツなどの舞曲的要素を持ち、また第3番が実質的なチェロ協奏曲であるように、様々な楽器が大活躍するというユニークな形を持っています。第5番はもともとアコーディオンと管弦楽のために書かれたものですが、ここではゴトーニのピアノがソロの役割を担っています。
ODE-1257
フィンランドのクリスマス
1.Maa on niin kaunis/2.Joulun kellot/3.Sylvian joululaulu/4.Tuikkikaa, oi joulun tahtoset/5.On hanget korkeat, nietokset/6.Mokit nukkuu lumiset/7.Jouluyo, juhlayo/8.Arkihuolesi kaikki heita/9.Varpunen jouluaamuna/10.Tuo armon valkokyyhky/11.Riemuitse tytar Siionin/12.Kun joulu on/13.Det morknar ute/14.Giv mig ej glans, ej guld, ej prakt/15.Enkeli taivaan/16.Oi jouluyo
フィンランド国立O&Cho
フィンランド国立歌劇場児童Cho
ミヒャエル・ギュトラー(指)

録音:2014年5月26-28日ヘルシンキ
ODE-1258E(3CD)
アウリス・サッリネン:歌劇「クレルヴォ」 クレルヴォ…ヨルマ・ヒュンニネン(Br)
母…エヴァ=リーサ・サーリネン(S)
カレルヴォ:クレルヴォの父…マッティ・サルミネン(Bs)
キンモ…ヨルマ・シルヴァスティ(T)
姉妹…サトゥ・ヴィハヴァイネン(S)
スミスの若き妻…アンナ=リーサ・ヤコブソン(Ms)
狩人…ペルッティ・メケレ(T)他
フィンランド国立歌劇場O&cho
ウルフ・セーデルブロム(指)

録音:1991年9月ヘルシンキ文化の家(ODE-780の再発売)
フィンランド屈指のオペラ作曲家、アリウス・サッリネン(1935-)。この「クレルヴォ」は、国民的叙事詩「カレワラ」の神話を題材としたもので、復讐を誓う主人公クレルヴォの迫真に満ちた人物描写と、前衛的でありながらも聞きやすいハーモニーが相俟って、全ての彼の作人の中でも最高傑作として評価されています。演奏しているのはフィンランドを代表するヒュンニネンとサルミネンを始めとした名手たち。160分ほどの長大なドラマですが、全曲に恐ろしいまでの迫力が漲っています。
ODE-1259C
ロッタ・ヴェンナコスキ:SOIE-絹
フルートと管弦楽のための「SOIE」-絹(2009)
ハーヴァ(2007)
組曲「全ての愛」(2014)
ケルステン・マッコール(Fl)
フィンランドRSO
ディーマ・スロボデニューク(指)
型破りな演奏技術と豊かでカラフルな音の世界(時にはノイズも含む)を持つ作曲家ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-)の作品集。最近の彼女の作品はより深く、強い主張を持っています。アルバムタイトルでもある「SOIE」はフランス語で絹の意味を持ち、組曲の3つの部分は、それぞれテクスチャの違う布のイメージが持たされています。ここでフルートを吹いているのはロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席奏者マッコールです。「全ての愛」は90分に渡る無声映画のスコアを演奏会用組曲として再構築したもの。「ハーヴァ」はタピオラ・シンフォニエッタ創立20周年記念の委嘱作品です。

ODE-1261
ショーソン他:管弦楽伴奏歌曲集
ショーソン:愛と海の詩Op.19
ベルリオーズ:夏の夜Op.7
デュパルク:ロズモンドの館
 旅へのいざない/悲しき歌
ソイレ・イソコスキ(S)
ヘルシンキPO
ジョン・ストルゴーズ(指)

録音:2014年9月8.10.15日フィンランド、ヘルシンキ・ミュージック・センター
全ての歌と詩に深い共感を持ち、どんな歌でも的確に歌いこなす世界最高のリリック・ソプラノ、ソイレ・イソコスキ。今回彼女が歌ったのは、管弦楽伴奏によるフランスの歌曲集です。繊細な表現と、ワーグナー的な雄大さが求められるショーソンの「愛と海の詩」、愛するマリーのためにベルリオーズが書いた「夏の夜」の2つの歌曲集と、デュパルクの「旅へのいざない」を含む3つの歌。これらは、ただ“フランスの歌”と一括りにしてしまうにはいかないほどに、性格の違うものですが、イソコスキはこれらを丁寧に歌い分けると同時に、彼女ならではの表現力で、色々な愛の形を聴き手に問うています。ストルゴーズのしなやかで重厚な指揮もきわめて魅力的です。
ODE-1263
NX-B04
ブラームス作品の編曲集
グラナート(1960-):バリトンと管弦楽による「前奏曲と厳粛な歌」
(原曲:ブラームス:4つの厳粛な歌Op.121)(1896/2004/2005)
グラナート:はるかなる土地(2013)
ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番Op.120-1(ルチアーノ・ベリオによる管弦楽版)(1894/1986)
ミヒャエル・ナジー(Br)
カリ・クリーック(Cl)
ヘルシンキPO
オラリー・エルツ(指)

録音:2014年11月24-25日
2014年11月24-25日・・・1-9ブラームスの名作に、現代の2人の作曲家が魅力的なアレンジを施した作品集。ヘンツェに学び、「カリギュラ」や「リヴァイアサン」などの多数の舞台作品の作曲家として知られるデトリフ・グラナートは、ブラームスの晩年の名作「バスとピアノのための“4つの厳粛な歌”」を管弦楽伴奏に作り変えた上で、各々の曲に“前奏曲”を付け加えるという試みを行いました。ブラームスと同じくハンブルクに生まれたグラナートは、自身の性格を「北ドイツ特有の憂鬱はブラームスとの深い関係を感じる」と言い、この作品にも深い思い入れを持っているとのことで、原曲に漂う厭世観と厳しさを強調、劇的な前奏曲(プロローグとも言える)を付け加えた共感あふれる音楽として成立させています。この作品はケント・ナガノ/ベルリン・ドイツSOとディートリヒ・ヘンシェルによって2005年に世界初演が行われました。同じくグラナートの「はるかなる土地」も、ブラームスの第4交響曲にインスパイアされた作品。とは言え、実際に聴いてみるとブラームスというよりもリヒャルト・シュトラウスの「サロメ」を思わせる嵐のような音響に満ちた興味深い1曲です。クラリネット・ソナタの管弦楽版は、1986年にロサンゼルス・フィルハーモニーがベリオに編曲を依頼した作品。ベリオは原曲を損ねることなく、作品全体を丁寧にフルオーケストラのスコアに落とし込み、25分間のクラリネット協奏曲へと仕立て上げています。ヘルシンキPOを指揮するオラリー・エルツはこのアルバムがONDINEレーベルへの2枚目の録音となる、エストニアの指揮者です。2000年、ヘルシンキのシベリウス国際指揮者コンクールにて優勝。その後、ラトヴィア国立SOの首席指揮者に就任し、2011年から2014年まではヘルシンキ・フィルの首席客演指揮者を務め、現在はエストニア国立SOの首席客演指揮者をはじめ、幅広く活躍しています。

ODE-1264(1SACD)
マーラー:交響曲第1番、花の章* ヨウコ・ハルヤンネ(Tp)*
フィンランド放送SO
ハンヌ・リントゥ(指)

録音:2014年5月、2014年12月* フィンランド,ヘルシンキ・ミュージック・センター
ハンヌ・リントゥとフィンランド放送SOの「良い関係」を伺わせる躍動感に満ちたマーラー(1860-1911)です。この演奏では、マーラーが当初第2楽章として構想し、結局は削除してしまった「花の章」は最後に置かれているため、曲の統一感は損なわれることなく、マーラーの意志がも尊重される理想的な形となっています。この楽章でトランペットを吹いているのは首席奏者の名手ハルヤンネ。流麗でチャーミングな旋律がまっすぐに耳を捉えます。素晴らしい録音にも注目です。
ODE-1266(1SACD)
ヴァレンティン・シルヴェストロフ:汝のためにわれらは歌う〜宗教合唱作品集
アレルヤ(2006)<夕べの祈り/朝の祈り/夜の祈り>
典礼聖歌(2005)<天使の歌/アレルヤ/聖なる神/アヴェ・マリア>
二連祭壇画<主の祈り/遺言>
2つの聖歌(2006)<平和への感謝/主のためにわれらは歌う>
2つの聖歌(2006)<アレルヤ/アヴェ・マリア>
2つのクリスマスの子守歌<眠れ、イエス/静かな夜>
イエヴァ・エツェリエーテ(S)
アガーテ・ブルキーナ(S)
カールリス・ルーテンタールス(T)
ラトヴィア放送Cho
シグヴァルズ・クリャーヴァ(指)

録音:2014年2月27-28日,4月14-15日ラトヴィアリガ,聖ジョン教会
最近、静かなブームを呼んでいるウクライナの作曲家シルヴェストロフ(1937-)の合唱作品集です。創作の初期こそ、前衛的な作風を保持していたものの、いつしかそれを捨て去り、ひたすら過去を回帰するかのような優しい響きを追求するシルヴェストロフの作品は、ペルトやタヴナー、グレツキの「癒し系」の作品ともまた違う味わいを持っています。彼の妻ラリッサが1996年にこの世を去ってから創作意欲が停滞していたと言われる彼ですが、このアルバムに収録されている2000年以降の作品には、その哀しみを乗り越えたかのような「突き抜けた美しさ」のみが感じられます。ロシア正教会の影響と自身の体験が昇華された、本当に美しい音楽がここにあります。
ODE-1265D(2CD)
シベリウス:管弦楽名作集と写真集
カレリア組曲/悲しきワルツ
ポヒョラの娘/トゥオネラの白鳥
アンダンテ・フェスティヴォ*
付随音楽「テンペスト」〜3つの楽章
フィランディアOp.26-7
ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op.47
交響曲第2番ニ長調Op.43
レイフ・セーゲルスタム(指)ヘルシンキPO
ヤン・シベリウス(指)フィンランド放送O*
ペッカ・クーシスト(Vn)
2015年はシベリウス生誕150年周年です。それを記念してONDINEレーベルでは、彼の名管弦楽作品をセレクトし、52ページに渡るブックレットを添付しました。こちらにはこれまで開示されていなかった、写真家ベルティル・ダールグレンによるシベリウスの写真の何枚かが含まれているという貴重なもので、ファン垂涎のものとなることは間違いありません。収録された作品は、レイフ・セーゲルスタムとヘルシンキ・フィルハーモニーOの演奏によるものが中心ですが「アンダンテ・フェスティヴォ」は、現在残存する唯一のシベリウス自身の指揮によるものです。こちらはフィンランド放送Oとの1939年1月1日の演奏で、これは米国にも生中継された記念碑的な記録です。
ODE-1267
ロルフ・ヴァリーン:作品集
トランペット協奏曲「FisherKing-漁夫王」
ID
MANYWORLDS-多世界
ヘカン・ハーデンベルガー(Tp)
ベルゲンPO
ジョン・ストルゴーズ(指)

録音:2014年2月18-21日、2010年9月23-24日 ノルウェーベルゲン,グリーグハーレン
ルウェーの作曲家ロルフ・ヴァリーン(1957-)の刺激的な作品集。彼は現在のスカンジナビアで「最もエキサイティング」な作品を書く人として知られ、今回のアルバムも、その驚くべき音をリアルに再現するため、ONDINEレーベル初のBlu-rayAUDIOでこの作品を提供いたします。トランペット協奏曲「漁夫王」は2011年に完成した作品で、明と暗を行き来し、エネルギーの転換を図るという意図があるそうです。「他世界」はオーケストラのための大規模な作品で「パラレルワールド…量子物理学の理論に拠って無限の可能性を探り、まるで色とりどりの彫刻を作成するように作曲した。」とヴァリーンは語っています。Blu-rayにはボヤ・ベックマンが撮影した2D&3Dのビデオも含まれています。
ODE-1269
ドビュッシー:ピアノ曲集
前奏曲第第2巻/ベルガマスク組曲
マリタ・ヴィータサロ(P)
フィンランドを代表する女性ピアニスト、マリタ・ヴィータサロ。FINLANDIAレーベルの彼女のシベリウス作品集は、発売されて20年以上も経つのに、今でも高い人気を誇っています。その人気の秘密は、香り高く繊細な彼女のピアノが、シベリウスの音楽の持つ魅力を最大に引き出しているからに他なりません。そのヴィータサロ、ONDINEレーベルでは主に歌曲の伴奏者としての録音が多いのですが、今回はソリストとしてドビュッシー(1862-1918)の2つの名作を披露しています。ベルガマスク組曲では端正な表情を保ちながらも、「前奏曲」では思う存分に陰影のある響きと多彩な音色を駆使して、印象派の音楽の美しさをとことんまでに見せつけてくれます。
ODE-1270
トイヴォ・クーラ:2つの南オストロボスニア組曲他
祝典行進曲Op.13
南オストロボスニア組曲第1番Op.9
南オストロボスニア組曲第2番Op.20
前奏曲とフーガOp.10
トゥルクPO
レイフ・セーゲルスタム(指)

録音:2015年1月20-22日フィンランドトゥルク・コンサート・ホール
フィンランドの作曲家トイヴォ・クーラ(1883-1918)は、作曲家としてこれから充実した活動をしていくという矢先に、口論の末、銃で撃たれてしまうという悲劇的な死を遂げた人です。シベリウスに作曲を学び、留学先のパリではフランクの影響を受けたという彼の作品は、フィンランドの自然や国民気質が反映されていて、聴き手にも高揚感をもたらすことで知られ、熱狂的なファンも存在します。ただ、志半ばでこの世を去ってしまったため、作品の数はあまり多くなく、また演奏される機会もあまり多くありません。もちろん録音も然りです。この作品集は、彼の作風を端的に示すものであり、どれも印象的な旋律と、少し影のある管弦楽の響きを持っています。セーゲルスタムはこれらの曲を共感たっぷりに指揮、曲の魅力を存分に伝えています。
ODE-1271(2CD)
ブラームス:ピアノ三重奏曲集
ピアノ三重奏曲第2番ハ長調Op.87
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.101
ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調Op.8
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ターニャ・テツラフ(Vc)
ラルス・フォークト(P)

録音:2014年5月27-29日ブレーメンゼンデザール
テツラフ兄妹と、ピアニスト、ラルス・フォークトはプライヴェートでも親しい友人であり、これまでにも何度もアンサンブルで緊密な演奏を披露しています。このアルバムでも、ブラームス特有の「底に秘めた情熱」と夢のように美しいメロディを余すことなく表現し、納得の行く三重奏を聴かせています。
ODE-1272
ツェムリンスキー:夜と夢の7つの歌/室内交響曲
夜と夢の7つの歌(2013/リヒャルト・デュンサーによるオーケストラ伴奏編)
室内交響曲原曲:弦楽四重奏曲第2番(2013/リヒャルト・デュンサー編)
ジェニー・カールステット(Ms)
ラップランド室内O
ジョン・ストゥールゴールズ(指)

録音:2015年1月23-24日フィンランドロヴァニエミ,クルンディ・ハウス・オブ・カルチャー
※世界初録音
現在、注目度の高い作曲家ツェムリンスキー(1871-1942)。彼はマーラーやシェーンベルクと同世代の作曲家で、出版された作品は少ないものの、どれもが20世紀の傑作として再認識され始めています。このアルバムは彼ののいくつかの歌曲と、弦楽四重奏曲第2番を、現代の作曲家リヒャルト・デュンサーがアレンジしたものです。デュンサーはフランシス・ブルトとハンス・ヴェルナー・ヘンツェの弟子であり、そのオーケストレーションの腕前は確かなもの。歌曲はピアノ伴奏を管弦楽に、弦楽四重奏曲は室内交響曲に、と拡大され、それぞれが一層の色彩感を持ち、かつ濃厚な香りを漂わせています。ストゥールゴールズは現在ヘルシンキ・POの首席指揮者、及びBBCフィルハーモニックの首席客演指揮者を務める俊英。ONDINEへのツェムリンスキー作品録音は「人魚姫」(ODE1237)に続く2枚目となります。

ODE-1273
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ラルス・フォークト(P)

録音:2014年3月24-26日ドイツケルン,ドイツ放送,カンマームジークザール
ドイツ生まれの中堅ピアニスト、ラルス・フォークト。ドイツ伝統のレパートリーはもちろんのこと、現代曲も得意であり、また近年はオーケストラの指揮にも積極的に手を染めている彼の満を持してのバッハは、音の一つ一つが余韻を残しながら消えて行くような冒頭のアリアを聴いただけで、この演奏が素晴らしいものであることを強く実感できるはず。これはピアノの表現の限界に挑戦するものであり、一人こつこつと石を積み上げていくような実直さも窺える、まさに孤高の演奏と言えるものです。
ODE-1275
ヒンデミット:交響曲「画家マティス」
交響曲変ホ長調
北ドイツ放送SO
クリストフ・エッシェンバッハ(指)

録音:2013年4月11.14日ドイツハンブルク,ライスハレ・ライヴ
エッシェンバッハ、ONDINEレーベルへのヒンデミット(1895-1963)第2弾!五嶋みどりをソリストに迎えたヴァイオリン協奏曲を含む前作は、2014年のグラミー賞を受賞し大変な話題を呼びました。今作は2曲の「交響曲」を収録。こちらも内容も演奏も素晴らしいものです。交響曲「画家マティス」は自身の同名のオペラと並行して書かれたもので、オペラに使われた素材が転用されています。ここで題材とされているのは、16世紀のドイツの画家、マティアス・グリューネヴァルトであり、各々の楽章にはマティスの代表作「イーゼンハイム祭壇画」にちなんだ題名が付けられています。権力に抵抗する画家の姿を描いたこのオペラ、1938年にフルトヴェングラーの演奏で初演されようとしたところ、ナチスによって上演中止となり、これに抗議したフルトヴェングラーが新聞社に記事を投稿し、「ヒンデミット事件」と呼ばれる大スキャンダルが巻き起こったことでも知られています。1940年に作曲されたもう1曲の「交響曲」には標題はなく、引き締まった構造を持つ4楽章の伝統的な形式を踏襲した作品です。こちらはミトロプーロスが初演しています。今回もエッシェンバッハの演奏は、作品の本質を明解に見せてくれます。
ODE-1276
カイヤ・サーリアホ:風に語らせて
Tocar-遊び(2010)/鏡I(1997)
風の色(1998)影(2012)<第1番:歌CXVIII/第2番:歌CXX/第3番:断片(1966)
甘き苦痛(2004)/鏡III(1997)
ああ、月よ(1990)/翼の簡潔さ(1982)
鏡II(1997)
カミラ・ホイテンガ(Fl)
アンシ・カルットゥネン(Vc)
ダニエル・ベルヒャー(Br)
エロイーズ・ダウトリー(Hp)
ダ・カメラ・オブ・ヒューストン(アンサンブル)<メンバー:パウル・エリソン(Cb)/ブリジット・キッビー(Hp)/マテュー・ストラウス(パーカッション)>

録音:2013年10月28日,2014年10月21日,12月4日ドイツケルン,室内楽ホール,2013年2月24日USAヒューストン,アジア・ソサエティ大講堂…4-6
ONDINEレーベルで精力的にリリースを続けているフィンランドの大作曲家カイヤ・サーリアホ(1952-)の新作は、フルートを含む室内楽作品です。ここでは1982年に初めてサーリアホと邂逅し、以降数々のコラボレーションを続けてきたフルーティスト、カミラ・ホイテンガが、最初の出会いによって生まれた作品「翼の簡潔さ」を含む、9つの作品を演奏しています。最も最近に書かれた「影」の中の1曲は、1966年に書かれたもので、この1枚にはサーリアホのおよそ40年間の作風の変遷も収められているのです。「影」は世界初演となります。

ODE-1277
ドミートリー・ホロストフスキー/ショスタコーヴィチとリストを歌う
ショスタコーヴィチ:ミケランジェロの詩による組曲Op.145a
リスト:ペトラルカの詩による3つのソネットS270a(初稿版)
ドミートリー・ホロストフスキー(Br)
イヴァリ・イルヤ(P)

録音:2012年7月11-12.15日モスクワ音楽院大ホール
2015年の春に深刻な病気を発症、夏の間治療を続け、10月に復帰が伝えられた名バリトン、ホロストフスキー。世界中のファンが彼を応援しています!このアルバムは2012年に録音されたもので、ONDINEレーベルへの4枚目のアルバムとなります。内容はショスタコーヴィチの晩年の作品「ミケランジェロの詩による組曲」とリストの「ペトラルカのソネットによる3つの歌」で、ショスタコーヴィチの歌曲は、深淵で晦渋な雰囲気を持ち伴奏も含め極力切り詰めた音が使われた神秘的な音楽として知られるものです。また、リストの「ペトラルカのソネット」は、作曲家自身がこの作品に何度も手を加えたため、いくつかの異稿版、およびピアノ独奏版が存在していますが、ホロストフスキーは初稿版を歌っているため、普段聴くものとは若干の違いがあったりします。どちらも深い内容を持ち、死と生、諦観など様々なことを伝えてくれる名作として知られていますが、ホロストフスキーは2作を完璧に歌い上げています。
ODE-1278
クラミ&エングルンド:ヴァイオリン協奏曲集
エイナル・エングルンド(1916-1999):ヴァイオリン協奏曲(1981)
ウーノ・クラミ(1900-1961):ヴァイオリン協奏曲(1943/1954改編)
ベンヤミン・シュミット(Vn)
オウルSO
ヨハネス・グスタフソン(指)

録音:2015年月8-9日、2016年3月4-5日フィンランドオウル、マデトーヤ・ホール
シベリウスの次世代を担う2人の作曲家、エングルンドとクラミのヴァイオリン協奏曲集。この2曲はともに20世紀フィン ランドを代表する名協奏曲として知られ、第二次世界大戦中に作曲されたクラミの作品は、1944年にストックホルムで初演 されています。彼の作品にはフランス音楽〜ラヴェルや六人組からの影響も指摘されていますが、この協奏曲ではクラミ自身 の作風が確立されており、更に晩年に改訂されたこの版は伴奏部分がよりシンフォニックになっています。また2016年に生 誕100年を迎えるエングルンドは、20世紀後半のフィンランドを代表する作曲家の一人。大戦後しばらくは、ショスタコー ヴィチやプロコフィエフとの親和性を感じさせる作風でしたが、晩年になるとこの協奏曲も含め、抒情的な作風を好むように なります。作品は初演こそ成功しましたが、その後はあまり演奏されることがありませんでした。これら2つの作品を演奏 するのは、名手ベンヤミン・シュミット。OEHMSレーベルへの一連の録音や、ONDINEレーベルへのリゲティ、ショスタ コーヴィチ、レーガー作品の録音で高く評価されています。
ODE-1279(1SACD)
スーク&ドヴォルザーク:ヴァイオリン作品集
ヨゼフ・スーク:幻想曲ト短調Op.24
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
 ロマンス.ヘ短調Op.11
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ヘルシンキPO
ジョン・ストゥールゴールズ(指)

録音:2015年9月29日-10月2日フィンランドヘルシンキ・ミュージック・センター
名手クリスティアン・テツラフのONDINEレーベルへの7枚目となるこのアルバムは、東欧の2人の作曲家の作品集です。メインとなるのはドヴォルザークの協奏曲。冒頭の印象的な旋律が特徴的なこの作品ですが、ヴァイオリンパートの熱い旋律は聴きもの。第2楽章の訴えかけるような切なさ、舞曲である第3楽章の優美さなど、上手い演奏家の手で奏されると、例えようもない魅力を放つ作品なのです。スークの幻想曲は、まさに「スラブ舞曲」そのもののフレーズが様々な形で展開されていく緊迫感に満ちた作品で、変幻自在な楽想に驚かされるのではないでしょうか。最後に置かれたドヴォルザークの「ロマンス」はもともと弦楽四重奏曲第5番の第2楽章で、憂鬱でやるせない雰囲気がなんとも美しい作品です。テツラフとストロゥールゴーズはこれらの作品の東欧的情緒を余すことなく汲み上げ、見事な絵画のように目の前にみせてくれるのです。
ODE-1280(2CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第3集
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調Op.14-1
ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14-2
ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22
ピアノ・ソナタ第19番ト短調Op.49-1
ピアノ・ソナタ第20番ト長調Op.49-2
ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26
ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.27-1
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」Op.27-2
ピアノ・ソナタ第15番ニ長調「田園」Op.28
パーヴァリ・ユンパネン(P)

録音:2010年7月、2011年6月、2012年6月 フィンランドクーモ・アート・センター,レントゥア・ホール
パーヴァリ・ユンパネンによるベートーヴェン(1770-1827)の第3集の登場です。ブーレーズのソナタなどの現代音楽を得意とするピアニストとして知られていますが、ベートーヴェンでは実に自由で幻想的な音楽を構築することで、この作曲家に潜むロマンティックな面を最大に引き出しています。今作には、比較的に演奏が容易とされる第19番と第20番、第9番と第10番が含まれていますが、ここでもユンパネンは驚くほどに凝った演奏を聴かせます。これを聴いてしまったら、もうこれらのソナタを「学習用」とは言えなくなるかも知れません。第11番から第13番までの、初期から中期への転換期に書かれたソナタでの説得力ある演奏、そしてメインとなる「月光」と「田園」の2曲のソナタと、見事な演奏による極めて充実した内容を持つ2枚組です。
ODE-1281C(1SACD)
マグヌス・リンドベルイ:作品集
アル・ラルゴ(2009-2010)
チェロ協奏曲第2番(2013)
時代(2012)
アンッシ・カルットゥネン(Vc)
フィンランド放送SO
ハンヌ・リントゥ(指)

録音:2015年8月…2-4.5,2015年10月…1フィンランドヘルシンキ・ミュージック・センター
フィンランドを代表する現代作曲家マグヌス・リンドベルイ(1958-)の最新の管弦楽作品集。今回も先鋭的な響きが充満する興味深い1枚となっています。最初の曲「アル・ラルゴ」はニューヨークPOと指揮者アラン・ギルバートのために書かれた、オーケストラの音色をフルに使った作品。表面上は忙しく動いているものの、深いところでは大規模な構造がゆっくりと形を成しているということを示唆したという作品です。チェロ協奏曲第2番は、ロサンゼルス・フィルハーモニーOからの委嘱作品。2006年に書かれた「コンツェルトシュトゥック」を拡大したものです。第3曲目の「時代」は、2013年、アムステルダム、ロイヤル・コンセルトヘボウ管の創立125周年を記念して委嘱された作品。第1次世界大戦前のヨーロッパの黄金期を偲ばせる豪華な音響がふんだんに用いられています。オーケストラの美しい響きを余すことなく捉えた、SACDハイブリッドの高音質録音が魅力的です。
ODE-1282
ヨウン・ノルダル:管弦楽作品集
コラリス(1982)
フルート,ハープ,ピアノと弦楽オーケストラのための「アダージョ」(1966)
ラングネッティ(1975)
エピタフィオン(1974)
レイズラ(1973)
アイスランドSO
ヨハネス・グスタフソン(指)

録音:2015年8月25-28日レイキャビクハルパ・コンサートホール
日本では、いくつかの美しい合唱作品で知られる現代アイスランドの作曲家ヨウン・ノルダル(1926-)。2016年は彼の90回目の誕生日を記念して、北欧一体で数多くの演奏会も予定されています。1940年代から50年代にかけて、戦後のヨーロッパで音楽を学んだ彼は、ダルムシュタットの夏のコースにも参加するなど、常に最新の音楽動向を踏まえた創造的な作品を追求し、ユニークな作品を次々と発表しています。このアルバムには、そんなノルダルの1966年から1982年までの作品を収録。指揮者グスタフソンとアイスランドSOは、この演奏がONDINEレーベルへのデビュー作品となります。
ODE-1283
エルッキ・メラルティン:交響詩「夢想」Op.70
マルヤッタOp.79
ソプラノとオーケストラのためのカレワラからの伝説
バレエ音楽「青い真珠」Op.160(ハンヌ・リントゥとヤニ・キョリョネンによる補筆)<II.入場とパントマイム/XI.睡蓮の踊り/VIII.情景/XIV.パドドゥ/XVI.ヴァリエーションII/XVII.コーダ/XX.ポワソンとボイル/XVI.終曲(第2幕),マズルカのテンポで>
ソイレ・イソコスキ(S)
フィンランド放送SO
ハンヌ・リントゥ(指)

録音:2015年6月、2015年8月、2015年5月 フィンランドヘルシンキ,ミュージック・センター
1875年、当時のロシア帝国との国境付近のカキサルミに生まれた作曲家メラルティン(1875-1937)。このアルバムでは世界初録音を含む3つの作品を、ハンヌ・リントゥとフィンランド放送SOの演奏でお聴きいただけます。1910年に作曲された交響詩「夢想」はアレクサンドル・ジロティのために書かれた大規模な作品。まさにフィンランドを象徴するかのような印象的なフレーズと、またリヒャルト・シュトラウスを思わせるオーケストラの響き、ドビュッシー風の和声を持つこの大作、彼自身も自信作と認識していたようですが、結局のところ長い間忘れ去られてしまい、2013年にリントゥがヘルシンキで再演を行うまでの81年間は眠ったままとなっていました。「マルヤッタ」はカレワラ(フィンランドの民族叙事詩)に基づく声楽曲で、シベリウスの「大気の精」と同じ出自を持ち、また同じ歌手アイノ・アクテのために書かれています。もう1曲のバレエ「青い真珠」は1930年、彼の晩年の作品でフィンランド初の長編バレエ曲です。ここではリントゥとキョリョネンによって8曲の組曲として再編成されたものが演奏されています。
ODE-1284
ブラームス:3つのヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op.78
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調Op.100
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op.108
スケルツォ(F.A.E.ソナタより)WoO2
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ラルス・フォークト(P)

録音:2015年8月24-26日ブレーメンゼンデザール
数々の賞を受賞している名手テツラフと、日本でも人気の高いピアニスト、ラルス・フォークトの共演によるブラームスの3つのヴァイオリン・ソナタ集。これまでにモーツァルトやシューマンのソナタ、テツラフの妹でチェリストのターニャを加えたブラームスのピアノ三重奏曲などがリリースされていますが、今回のブラームスはまさに「満を持して」の登場で、数多くの名盤がひしめくヴァイオリン・ソナタの中でも、強い存在感を放つ1枚となることでしょう。ブックレットには作品についてのテツラフとフォークトの対話が掲載されており(英語、ドイツ語のみ)これを見るだけでも、彼らのブラームスに寄せる思いの強さが伝わってきます。
ODE-1285
シューベルト:ピアノ作品集
即興曲Op.90D899(全4曲)
6つのドイツ舞曲D820
ラルス・フォークト(P)

録音:2016年3月29-31日
ドイツケルン、ドイツ放送室内楽ホール
ドイツ、デューレン生まれのピアニスト、ラルス・フォークトのシューベルト。1998年からは「シュパヌンゲン音楽祭(発 電所の音楽祭)」を主宰、また2003-2004年のシーズンにはベルリン・フィルの「イン・レジデンス・ピアニスト」に任命 され、数多くの室内楽や独奏曲を演奏しているピアニストです。これまでにONDINEレーベルからは、ブラームス、モーツ ァルトの室内楽と、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」をリリースし、その磨き抜かれた演奏は多くのファンを魅了しています。 幅広いレパートリーを持つフォークト、シューベルトも大得意としており、もう一つの即興曲集(D946)は2007年に録音し 他のレーベルからリリースするなど、強い愛着を抱いています。このアルバムは「即興曲」と「楽興の時」の組み合わせに、 6つのドイツ舞曲を併せたユニークなもので、シューベルトの溢れ出るような美しいメロディが、フォークトらしい独特の叙 情性を持って演奏されています。
ODE-1286B04
アルヴォ・ペルト:宗教曲集
トリオディオン(1998)
7つのマニフィカト=アンティフォン(1988/1991)
第1曲:おお、知恵よ
第2曲:おお、アドナイ
第3曲:おお、イザヤの末裔よ
第4曲:おお、ダヴィデの鍵よ
第5曲:おお、暁の星よ
第6曲:おお、万国の王よ
第7曲:おお、エンマヌエルよ
今こそ主よ、われを去らせ給わん(2001)
勝利の後(1996-1998)
聖母マリア(2012)
石膏の壷をもつ女性(1997)
シーザーへの納めもの(1997)
主よ、平和を与えたまえ(2004/2006)
ラトビア放送cho
シグヴァルズ・クリャーヴァ(指)

録音:2016年2月22-25日ラトビアリガ,聖ジョン教会
合唱王国ラトビアは、多くの人が幼い頃から合唱団に属し、歌いながら音楽の訓練を積んでいます。大人になってからも、人々 が集うとそこにはハーモニーが生まれ、5年に一度の「大合唱祭」では全国の合唱団が集結し、輝くハーモニーを聞かせるこ とで知られています。「ラトビア放送合唱団」はその中でも最高の実力を有するプロの合唱団です。既にリリースされている 「シルヴェストロフ:合唱作品集」が2016年のグラモフォン賞にノミネートされているクリャーヴァとラトビア放送合唱団 のシリーズの最新作は、日本でも人気の高いアルヴォ・ペルト(1935-)の宗教作品集。1988年から2012年まで、ほぼ25 年間に渡る作品からは、ペルトが模索、追求した彼にとっての「理想の音楽像」が見えてきます。もちろん1980年代後半に はティンティナブリ(鈴声)の様式が確立しており、音楽が簡素化される傾向にありましたが、年月を重ねるに従ってその様 式は更に磨き上げられ、余分なものを削ぎ落としながら調性にも回帰。本当に美しい無伴奏の合唱は聴き手の精神に直接届く 「癒しの音楽」としても愛されるようになったのです。
ODE-1288
NX-B04
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2集
ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.16
ピアノ協奏曲 第5番 ト長調 Op.55
オリ・ムストネン(P)
ハンヌ・リントゥ(指)
フィンランド放送SO

録音:2017年3月(第2番)/2016年4月(第5番)
フィンランドを代表する2人の名手、リントゥとムストネンによる「プロコフィエフ:ピアノ協奏曲集」第2集。 ピアノ協奏曲第2番は1912年から1913年にかけて作曲され、初演を聴いたミャスコフスキーが大興奮してプロコフィエフに称賛の 手紙を書いたとされる作品。しかしロシア革命のため総譜が失われてしまい、後の1923年にプロコフィエフ自身によって総譜が復 元されました。全曲に渡ってピアノが活躍し、第1楽章の冒頭こそ瞑想的であるものの、民謡風の第2主題をはじめ、激しいトッ カータ形式の第2楽章、重厚な第3楽章、激しくエネルギッシュな終楽章と、全体的に荒々しさに満ちています。1932年に作曲さ れた第5番はプロコフィエフの最後のピアノ協奏曲であり、完成直後にフルトヴェングラー指揮のベルリン・フィルハーモニーの伴奏でプ ロコフィエフ自身の演奏で初演されています。ピアノが支配的な第2番に比べると、伴奏のオーケストラ・パートが演奏至難であり、 なかなか録音に恵まれなかった作品とされていましたが、最近では優れた録音も多く出現、このリントゥとムストネンのアルバムも演 奏、録音とともに素晴らしい出来映えです。
ODE-1289
NX-B04
シベリウス:交響詩と歌曲集
交響詩「タピオラ」Op.112
交響詩「エン・サガ」Op.9
8つの歌曲(管弦楽伴奏編曲…アリウス・サッリネン)
 2つのばら Op.88-2
 アネモネ Op.88-4
 秘密同盟 Op.86-3
 岸辺の樅の木の下で Op.13-1
 口づけの願い Op.13-2
 彼女の便り Op.90-2
 しかし私の小鳥は姿を見せない Op.36-2
 若い猟人 Op.13-7
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms)
ハンヌ・リントゥ(指)
フィンランド放送SO

録音:2016年5月、2016年12月
ハンヌ・リントゥとフィンランド放送SOによるシベリウス・シリーズ。今作は2曲の交響詩と、名歌手アンネ・ゾフィー・フォン・オッ ターをソリストに迎えた"8つの歌曲"を組み合わせた1枚。シベリウスの作曲活動の最後の時代、第7交響曲の直後に作曲された 交響詩「タピオラ」は、フィンランドの叙事詩「カレワラ」を題材にしながらも、具体的な物語を描くのではなく、幽玄なフィンランドの森 が抽象的に描かれた完成度の高い作品。かたや「エン・サガ」はシベリウスの最初の交響詩。2作品の作風の違いもリントゥははっ きり描き分けています。「8つの歌曲」は本来ピアノ伴奏である曲を、リントゥとオーケストラが現代作曲家サッリネン(1935-)にオー ケスレーションを委嘱、華麗な管弦楽伴奏版に仕上げたものです。 オッターの穏やかな歌唱を引き立てる雄大な伴奏が、作品の魅力を存分に引き出しています。
ODE-1290(2CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第4集
ピアノ・ソナタ第16番ト長調Op.31-1
ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調Op.31-3
ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」
ピアノ・ソナタ第25番ト長調Op.79
ピアノ・ソナタ第26番「告別」
ピアノ・ソナタ第27番ホ短調Op.90
パーヴァリ・ユンパネン(P)

録音:2010年9月、2011年1月、2012年6月 フィンランドクーモ・アーツ・センター,レントゥア・ホール
フィンランド出身のピアニスト、パーヴァリ・ユンパネンのベートーヴェン・シリーズの第4集。2004年に録音したブーレーズのピアノ・ソナタ(これはブーレーズ本人から推薦され録音した)が、フランスのディアパソン・ドール賞やドイツ批評家レコード賞を受賞したことで一躍有名になった彼ですが、このベートーヴェンのソナタ集も新譜が出るたびに高く評価されています。今回は中期から後期の作品が7曲選ばれています。テンペストの終楽章の激しさ、テレーゼの優しさなど、ベートーヴェン作品の感情の振幅の大きさを丁寧に描きだした演奏です。

ODE-1292
NX-B04
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲 第5番 「皇帝」Op.73*
ラルス・フォークト(ピアノ&指揮)
ロイヤル・ノーザン・シンフォニア

録音:2016年10月28日、2016年11月18日.2017年1月28日*
ドイツの実力派ピアニスト、ラルス・フォークト。2003/04にはベルリン・フィルで初の「ピアニスト・イン・レジデンス」に選出さ れるなど高い評価を受け、近年はソリストとしてだけでなく、室内楽奏者としても注目を浴びている名手です。2015年、 ONDINEレーベルにバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を録音し、以降シューベルト、モーツァルト、ブラームス、シューマンの 諸作品をリリースしていますが、今回の新作は彼自身が音楽監督を務めるロイヤル・ノーザン・シンフォニアを弾き振りした ベートーヴェンの2曲の協奏曲。第1番の協奏曲は25歳のベートーヴェンの手による意欲作。フォークトはこの曲を1995 年にも録音していますが、今回の新録は自身の意思を更に思いのままに炸裂させた自由自在な表現が魅力。壮大な 第5番も重々しいピアノの音色を生かした緊張感に満ちた演奏です。このアルバムはフォークトによる「ベートーヴェン:ピ アノ協奏曲シリーズ」の第1作となります。
ODE-1295
NX-B04
ブラームス:愛の歌
3つの四重唱曲 Op.64より*
4つの四重唱曲 Op.92より*
愛の歌=ワルツ Op.52
新・愛の歌 Op.65
ダーツェ・クリャーヴァ(P)
アルディス・リエピニェス(P)・・・*以外
ラトヴィア放送cho

シグヴァルズ・クリャーヴァ(指)
録音:2017年1月16-19日
ブラームスは“ベートーヴェンの伝統を継承する”重厚な交響曲や室内楽の作曲家として認識されがちですが、実はコー ヒーハウスを愛し、親しい友人との交友に楽しみを見い出した人でもありました。 この「愛の歌」はそんなブラームスの愛らしい面が滲み出た曲集です。もともとはドイツの詩人ダウマーの18の詩に基づいた 混声四重唱と連弾のための曲ですが、後にブラームスは連弾だけでも演奏できるように改作しています。おそらく仲間内 で演奏するための作品でしょう。どれも肩の凝らない楽しい小品です。新・愛の歌は、「愛の歌」や「ハンガリー舞曲」での 出版の好評を受けて作曲された曲集で、こちらも彼が愛した民謡風のメロディが用いられたまとまりのある曲集です。ク リャーヴァ率いるラトヴィア放送合唱団が驚くほどに親密なアンサンブルを聴かせています。
ODE-1296
NX-B04
エリオット・カーター(1908-2012):後期作品集
1.ピアノとオ ーケストラのための「Interventions」(2007)…初録音
2.ピアノと室内オーケストラのための「Dialogues-対話」(2003)
3.ピアノと室内オーケストラのための「Dialogues II-対話 II」(2010)…初録音
4.管弦楽のための「Soundings」(2005)…初録音
ピアノ、パーカッションと室内オーケストラのための
「Two Controversies and a Conversation-2つの相違と1つの対話」 (2011)…初録音
5.Controversy I
6.Controversy II
7.Conversation
8.室内オーケストラのための「Instances-実証」(2012)
9-20.ピアノ三重奏のための「Epigrams-エピグラム」(2012)…初録音
ピエール=ロ ーラン・エマール(P)
…1-4.5-7.9-20
コリン・クーリエ(パーカッション)…5-7
イザベル・ファウスト(Vn)…9-20
ジャン=ギアン・ケラス(Vc)…9-20
バーミンガム・コンテンポラリー・ミュージック・グループ
…2.3.5-7
オリヴァー・ナッセン(指)…1.4.8
BBCSO…1.4.8

録音:2015年12月13.14日 …2.3.5-7
2016年7月5.6日 …1.4.8
2016年12月20日…9-20
2012年に103年の天寿を全 うしてこの世を去ったアメリカの作曲家エリオット・カーターの晩年の作品 集。アイヴズに師事、ハー ヴァード大学でピストン、ホルストに学び、パリではナディア ・ブーランジェにも指導を受けたカーター。およそ80年間作曲活動を行い、 作風も新古典主義から十二音技法、他、様々な様式の変遷を経 て独自の理論を打ち出しました。90歳を超えてからも作曲へ の意欲は衰えることなく、亡くなるまでに60以上の作品を完成 させたことも驚くばかりです。 カーターの最後のオーケストラ作品である「Instances」と最 後の作品「Epigrams」はどちらも2013年に初演されましたが、カー ターはこれに立ち会うことはできませんでした。 この録音では、2003年から最後の年の2つの作品までの7曲を収 録。そのうち5曲は初録音です。 現代音楽のオーソリティ、エマールをはじめ、現代最高の演奏 家を揃えただけでなく、カーターとも仲の良かった指揮者、作曲家オリ ヴァー・ナッセンがBBCSOとともに参加しています。
ODE-1297
NX-B04
ベートーヴェン:協奏曲集
三重協奏曲 ハ長調 Op.56
ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
ラルス・フォークト(P&指)
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ターニャ・テツラフ(Vc)
ロイヤル・ノーザン・シンフォニア

録音:2016年9月29-30日、2017年3月16-17日 全てライヴ
ドイツの名手ラルス・フォークトが自らロイヤル・ノーザン・シンフォニアを指揮、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を録音するプロジェ クト第2弾。今作では5曲の協奏曲の中で最も悲壮感漂う曲想を持つ「第3番」をメインに、その少し後に作曲された、極めて親 密な雰囲気を持つ「三重協奏曲」を組み合わせています。初期から中期の過渡期に書かれたピアノ協奏曲第3番はベートーヴェ ンの作風が完全に確立された作品。フォークトの劇的な演奏が聴きものです。 三重協奏曲では、彼の親友であるクリスティアン・テツラフとその妹ターニャ・テツラフが共演。ピアノ協奏曲第3番とは全く違う穏や かで喜び溢れた旋律を、3人の芸術家が伸び伸びと歌い上げています。まさに「ピアノ・トリオとオーケストラの共演」といった見事な 演奏です。
ODE-1298(2CD)
NX-B04
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第5集
〈CD1〉
1-4.ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調Op.7
5-7.ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」Op.13
〈CD2〉
1-3.ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
4-6. ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
7-8.ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
パーヴァリ・ユンパネン(P)

録音:2010年9月…CD1:5-7
2011年6月…CD2
2012年6月…CD1:1-4フィンランドクフモ・アーツ・ハウスレントゥア・ホール
フィンランドのピアニスト、パーヴァリ・ユンパネンが演奏するベートーヴェン・ツィクルスの最後を飾る第5集は、最後 の3つのソナタと「悲愴ソナタ」、初期の第4番という組み合わせ。「悲愴ソナタ」から「第30番」は、作曲年代におよそ 20年の開きがあり、その間にベートーヴェンの音楽語法がどのように変化し、独自の路線を開拓したのかが理解できる選曲 にユンパネンのセンスが反映されています。 ユンパネンはもともと「20世紀の作品」の良き解釈者として知られ、ピエール・ブーレーズ、アンリ・デュティユーはもと よりフィンランドの作曲家、他多くの現代作曲家たちの作品を初演し、普及に努めて来ました。それだけでなく、このベート ーヴェンやモーツァルトと言った古典派の作品でも目覚しい演奏を行い、ボストンで開催された「ベートーヴェン・リサイタ ル」では地元の新聞紙上でも「彼の絶対的な音楽的才能、溢れるエネルギーは、印象的なパフォーマンスを通じて人々の注意 を喚起し、ベートーヴェンの音楽がどれほどの道を切り開いたのかを思い起こさせるものでした」と絶賛されています。

ODE-1299(2CD)
NX-B04
クリスティアン・テツラフ〜3度目ののバッハ:「無伴奏」
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
クリスティアン・テツラフ(Vn)

録音 2016年10月22-25日
新たな命を与えるヴァイオリニスト”として高く評価されています。 テツラフにとって「無伴奏」の録音は3回目となります。 第1回目は1993年、2回目は2005年、そして2016年とほぼ10年に一度「無伴奏」を録音している彼において、この作品は、演 奏家としての原点に立ち返る重要なもの。 今回の録音に対しても、テツラフは譜面をもう一度じっくり読み込むことで新しい発見を得るとともに、バッハと幾分親密になれたと、 ブックレット(英文)の解説の中で語っています。 この新録音、驚くほどに自然な呼吸と共に美しい音色が次々と紡がれています。絶妙な間の取り方は、まさに「バッハとの対話」。 現在のテツラフの姿を映し出す素晴らしい演奏です。自然な響きが捉えられた録音も聴きどころです。


ODE-1300(5CD)
NX-E08
フィンランド建国100周年を祝して
【CD1.フィンランド管弦楽作品集第1集】
1.シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ(1922/1938シベリウ
スによる管弦楽編)
2.カヤヌス(1856-1933):交響的序曲(1926)
3.マデトーヤ(1887-1947):日曜の朝Op.77(1936)
4.パングー(1887-1942):シャンテクラーOp.15(1919)
5.ライティオ(1891-1945):幻想詩曲Op.25(1923)
6.クラミ(1900-1961):カレリア狂詩曲Op.15(1927)
メラルティン(1875-1937):バレエ「青い真珠」Op.160より(1928-1930)
7.入場とパントマイム
8.情景
9.パ・ド・ドゥ
10.アッレ・メリカント(1893-1958):イントラーダ(1936)
11.クラミ:カレワラ組曲(1943)より「Sammontaonta」(1943)
12.エングルンド(1916-1999):映画「白いトナカイ」より「トナカイのそり」
【CD2.フィンランド管弦楽作品集第2集】
1.アールトイラ(1905-1992):映画「北極星の下に」より「アクセリとエリナのウェ
ディング・ワルツ」(1968)
2.サッリネン(1935-):「鉄の時代」組曲Op.55より「イルマリと黄金の女の結婚
行進曲」(1983)
3.ノルドグレン(1944-2008):クロナカOp.79より「デュオ」(1991)
4.カイパイネン(1956-2015):シジフォスの夢Op.47(1994)
5.サーリアホ(1952-):ラテルナ・マジカ(2008)
6.リンドベルイ(1958-):エラ(2012)
【CD3.フィンランドの協奏曲集】
1-3.メリカント:ピアノ協奏曲第2番(1937)
4-8.コッコネン(1921-1996):チェロ協奏曲(1969)
9-11.ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクスOp.61-鳥と管弦楽の協奏曲(1972)
12.ムストネン(1967-):チェロと弦楽オーケストラのための「睡蓮の上で踊るカエ
ルたち」(2000)
【CD4.フィンランドの声楽作品集】
シベリウス:1.3月の雪の上のダイヤモンドOp.36-6(1917シベリウスによる管弦楽伴奏
編)
2.岸辺の樅の木の下でOp.13-1(ヤラスによる管弦楽伴奏編)
3.しかし私の小鳥は姿を見せないOp.36-2(パンゴーによる管弦楽伴奏編
4.初めての口づけOp.37-1(フォグステッドによる管弦楽伴奏編)
5.それは夢かOp.37-4(ヤラスによる管弦楽伴奏編)
6.山彦Op.72-4(ヤラスによる管弦楽伴奏編)
キルピネン(1852-1959):7.夏の夜Op.23-3(フォグステッドによる管弦楽伴奏編)
8.古い教会Op.54-1(1929キルピネンによる管弦楽伴奏編)
9.海岸でIOp.23-1(オリィによる管弦楽伴奏編)
ツルネン(1902-1979):10.日曜日(オリィによる管弦楽伴奏編)
フィンランド民謡:
11.白樺林で風が曲がる(オリィによる管弦楽伴奏編)
12.私はここの村の回りを歩く(オリィによる管弦楽伴奏編)
マデトーヤ:歌曲集「秋」Op.68から
13.あなたは、私があなたを見ていると思った(1930)
14.青い鳥(1930)
リンナヴオリ(1880-1926):15.私はあなたの星空を歌う(オリィによる管弦楽伴奏編)
カスキ(1885-1957):16.あなたが行ってしまった後でOp.26-3(オリィによる管弦楽伴奏編)
イコネン(1888-1966):17.私の部屋は暗闇が濃くなり(オリィによる管弦楽伴奏編)
ラウタヴァーラ:歌劇「アレクシス・キヴィ」(1995-96)より
18.哀愁
19.我が心の歌
サーリアホ:「レイノの歌」(2007)から
20.あなたを見ている
)
【CD5.フィンランドの室内楽作品集】
1.サリネン(1935-):フルートと弦楽オーケストラのための「室内音楽II」
Op.41(1976)
2-5.エングルンド:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1979)
6.ユッカ・ティエンスー(1948-):クラリネットとチェロのための「プラスU」(1992)
7-10.ムストネン:九重奏曲第2番(2000)
11.ラウタヴァーラ:ヴァイオリンとピアノのための「夏の思考」(1972/2008)
12.サーリアホ:ヴァイオリンとピアノのための「トカール」(2010)
■CD1
ヘルシンキPO・・・1.2.10.11
タンペレPO・・・3
フィンランド放送SO・・・4.5.6.7-9
レイフ・セイゲルスタム(指)・・・1.2.10
ジョン・ストルゴーズ(指)・・・3.11
サカリ・オラモ(指)・・・4.6
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)・・・5
ハンヌ・リントゥ(指)・・・7-9

■CD2
タンペレPO・・・1
ヘルシンキPO・・・2
ヴェゲリウス室内管弦楽団・・・3
フィンランド放送SO・・・4.5.6
ジョン・ストルゴーズ(指)・・・1.3
オッコ・カム(指)・・・2
サカリ・オラモ(指)・・・4.5
ハンヌ・リントゥ(指)・・・6

■CD3
マッティ・ラエカリオ(P)・・・1-3
マルコ・ユロネン(Vc)・・・4-8
マルッティ・ロウシ(Vc)・・・12
タンペレPO・・・1-3
フィンランド放送SO・・・4-8
ヘルシンキPO・・・9-11
タピオラ・シンフォニエッタ・・・12
トゥオマス・ハンニカイネン(指)・・・1-3
サカリ・オラモ(指)・・・4-8
レイフ・セーゲルスタム(指)・・・9-11
オリ・ムストネン(指)・・・12

■CD4
ソイレ・イソコスキ(S)・・・1-6
マッティ・サルミネン(バス)・・・7-12
カリタ・マッティラ(S)・・・13
ヨルマ・ヒュニネン(Br)・・・14-17.18-19
アヌ・コムシ(S)・・・20
ヘルシンキPO・・・1-12
フィンランド放送SO・・・13.20
タンペレPO・・・14-17
ユヴァスキュラ・シンフォニア・・・18-19
レイフ・セイゲルスタム(指)・・・1-6
ジョン・ストルゴーズ(指)・・・7-12
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)・・・13
ウルフ・ゼーダーブロム(指)・・・14-17
マルクス・レイティネン(指)・・・18-19
サカリ・オラモ(指)・・・20

■CD5
アレクシス・ローマン(アルト・フルート)・・・1
カイヤ・サーリケットゥ(Vn)・・・2-5
マリタ・ヴィッターサロ(P)・・・2-5
カリ・クリーック(Cl)・・・6
アンシ・カルツネン(Vc)・・・6
ペッカ・クーシスト(Vn)・・・11
パーヴァリ・ユンパネン(P)・・・11
ミンナ・ペンソーラ(Vn)・・・12
アンナ・ラークソ(P)・・・12
ユヴァスキュラ・シンフォニア・・・1
タピオラ・シンフォニエッタ・・・7-10
ヴァイレ・マトヴェイェフ(指)・・・1
オリ・ムストネン(指)・・・7-10
2017年はフィンランド独立100周年にあたります。「フィンランド独立宣言」はフィンランドの立憲君主制国家としてのロシア帝国からの独立と、完全自治を宣言、1917年12月6日に議会によって採用されました。この日はフィンランドの独立記念日であり、フィンランドの人々が自らの手で運命を勝ち取った日でもあります。このBOXは、1917年に独立後の100年間に書かれたフィンランドのクラシック音楽を、ジャンルに分けて5枚のCDに収録。フィンランドの風景の持つ孤高の美しさと、各作曲家の持つニュアンスと個性を伝えています。フィンランドを代表するオーケストラ、奏者たちによる共感あふれた演奏です。
ODE-1301
NX-B04
ブラームス:合唱曲集
運命の歌 Op.54
運命の女神の歌 Op.89
哀悼の歌 Op.82
埋葬の歌 Op.13
ワルツ集「愛の歌」Op.52より第1番〜第5番
ワルツ集「新・愛の歌」Op.65より第9番
ワルツ集「愛の歌」Op.52より第11番,第8番,第9番
ハイメ・マルティン(指)
エリック・エリクソン室内cho
イェヴレSO

録音:2017年2月4-7日
2013年にイェヴレ響の首席指揮者兼芸術監督に就任したハイメ・マルティンとイェヴレSOによるブラームスのシリー ズ、第2弾は“世界で最もレベルの高い合唱団”の一つ、エリック・エリクソン室内合唱団との共演による合唱作品集。ヘル ダーリンの詩を用いた、厳しくも美しい「運命の歌」、ゲーテの戯曲に基づく「運命の女神の歌」、美しいもの、完全なるものの はかなさが描かれた「哀悼の歌」、そして思わず佇まいを正したくなるほどに厳格な「埋葬の歌」の4曲はまさにブラームスの最 高傑作であり、ここでの演奏もブラームスの意を汲んだ素晴らしいものです。後半の「愛の歌」は肩の力の抜けた軽やかな作 品であり、こちらは柔和なブラームスが楽しめます。
ODE-1302
NX-B04
ペトリス・ヴァスクス(1946-):合唱作品集
主よ、平和を与えたまえ(2016)
わが主よ、わが神よ(2016)
主をほめ讃えよ(2016)
祈り(2011)
沈黙の果実(2013)
シグヴァルズ・クリャーヴァ(指)
イルゼ・レイネ(Org)
ラトビア放送cho
シンフォニエッタ・リーガ

録音:2017年5月
2016年に生誕70周年を迎えたラトヴィアの作曲家ヴァスクスの合唱作品集。 このアルバムの収録曲はどれも2010年以降に作曲されたもので、70歳記念コンサートで演奏された「Da pacem、 Domine=主よ、平和を与えたまえ」をはじめとした3作は2016年の新作です。「時代の絶望の叫び声、狂った世界のため の祈り」の音楽であるという「主よ、平和を与えたまえ」、15世紀スイスの神秘的なテキストによる「わが主よ、わが神よ」の厳 粛な雰囲気、オルガンの美しい旋律と合唱が“Laudate Dominum”を繰り返すことで生まれる永続性が感じられる、アル バムタイトルである「主をほめ讃えよ」。この曲の最後の部分“Alelulia”に転じてからの荘厳な美しさはまさに21世紀を代表 する祈りの音楽です。 残りの2曲はマザー・テレサのテキストによる作品で、こちらも深い祈りが込められています。
ODE-1303
NX-B04
エリッキ=スヴェン・トゥール(1959-):交響曲 第8番 他
ヴィオラとオーケストラのための「イルミナシオ」(2008)
リコーダーと弦楽オーケストラのための「ウルルからのホイッスルとささやき」(2007)
交響曲 第8番(2010)
ローレンス・パワー(Va)…1-4
ジェネヴィーヴ・レイシー(リコーダー)
オラリー・エルツ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:2016年3月11-12日、2016年11月10日、2017年5月19日
エストニア生まれの作曲家スヴェン・トゥール。若いころにロック・グループ「In Spe」を率いた経験を生かし、9曲の交響曲、声 楽曲をはじめとした「クラシックとプログレ・ロックの融合」による刺激的な作品を多く生み出すことで知られています。このアルバ ムではロンドン生まれのヴィオラ奏者ローレンス・パワーをソリストに据えたヴィオラ協奏曲と、同じく高名なリコーダー奏者ジェネ ヴィーヴ・レイシーの独奏によるリコーダー協奏曲、2010年に作曲された交響曲第8番を聴くことができます。トゥールの生ま れ故郷ヒーウマー島の作曲小屋でインスピレーションを受けた「リコーダー協奏曲」、神秘的な雰囲気に彩られた「ヴィオラ協 奏曲」。この2曲でのトゥールの音楽は、常に変化、発展し、ソリストとの関係性も深まっています。小規模な編成のための 「交響曲」もトゥールらしいジャンルボーダーレスな音楽です。
ODE-1304(2CD)
NX-B04
ドビュッシー:前奏曲集全2巻
組曲「子供の領分」
パーヴァリ・ユンパネン(P)

録音:2016年6月-8月
ブーレーズのソナタやベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音で高く評価されているフィンランドのピアニスト、パーヴァリ・ユンパ ネンの最新作はドビュッシーの前奏曲集と組曲「子供の領分」を収録した2枚組。2巻からなるドビュッシーの「前奏曲」は、そ ろぞれ控え目なタイトルが曲の終わりにひっそりと付されています。そのために固定観念にしばられることなく自由に発想を膨ら ませて演奏することが求められます。第2巻の演奏は至難ですが、印象派特有の煌めくような響きが溢れるドビュッシーの最 高傑作です。 一方「子供の領分」はドビュッシーの娘エマのために作曲された小さな組曲ですが、この中にはさまざまな情景が広がるイマジ ネーション豊かな作品です。ユンパネンは巧みなタッチで美しい響きを生み出しています。
ODE-1305
NX-B04
オッリ・ヴィルタペルコ(1973-):Romer's Gap-ローマーの空白
アンプリファイド・チェロと小管弦楽のための「Romer's Gap-ローマーの空白」(2016)
バリトン・サクソフォンと小室内Oのための「Multikolor」(2014)
クニフォニウム(モノラル・シンセサイザー)と小管弦楽のための「Ambrosian Delights」(2013/2015)
ペルットゥ・キヴィラークソ(Vc)
ヨナタン・ラウティオラ(バリトンSax)
ヨンテ・クニフ(クニフォニウム)
ヴィッレ・マトヴェイェフ(指)
ユヴァスキュラ・シンフォニア

録音:2016年11月21-22日、2017年3月31日-4月2日
フィンランドの現代作曲家ヴィルタペルコによる、バロックからプログレ・ジャズまでありとあらゆる音楽様式が含まれた極めてエキサイ ティングな3つの協奏曲。ソリストの技術力と表現力に応じて様々にカスタマイズし、協力しながら初演、録音したと語るヴィルタペ ルコ渾身の作品が収録されています。 電気的に増幅されたチェロのための協奏曲「Romer's Gap」でソロを務めるのはフィンランドのヘヴィメタ・バンド「アポカリプティカ」 のチェリスト、キヴィラークソ。真空管ベースのアナログ・シンセサイザー「クニフォニウム」を用いた「Ambrosian Delights」、名サック ス奏者ラウティオラのために書かれた「Multikolor」と、どれも魅力的であり、ジャンルを超えた音楽を楽しむことができます。
ODE-1306
NX-B04
トゥヌ・コルヴィツ(1969-):Moorland Elegies-ムーアランドのエレジー(混声合唱と弦楽オーケストラのための) マリアンネ・ペルナ(A)・・・3.6
ヤーニカ・キルギ(S)・・・9
エストニア・フィルハーモニー室内cho
タリン室内O
リスト・ヨースト(指)

録音:2015年11月9-12日
ONDINEが力を入れているバルトの作曲家作品集シリーズの1枚。「ムーアランドのエレジー」と題されたエストニアの作曲 家コルヴィツの混声合唱と弦楽オーケストラによるこの歌曲集は、英国の詩人エミリー・ブロンテ(1818-1848)の詩をテ キストにした9つの部分で構成されています。作曲家自身が「覗いてはいけない、暗く、深い場所へ旅する」と語ったとお り、全体は一貫したプロットを持たず、暗く神秘的な雰囲気に満たされた美しい作品です。指揮者のリスト・ヨーストはタリ ン室内Oの指揮者で、2016年にエストニア文化芸術賞の音楽賞を受賞した実力派。ONDINEレーベルには 初登場となります。
ODE-1308
NX-B06
マグヌス・リンドベルイ(1958-):Tempus fugit 光陰矢の如し(2016-2017)
ヴァイオリン協奏曲 第2番(2015)
フランク・ペーター・ツィマーマン(Vn)
ハンヌ・リントゥ(指)
フィンランドRSO

録音:フィンランド、ヘルシンキ・ミュージック・センター2017年12月7-8日、2017年1月20-21日
フィンランドの現代作曲家マグヌス・リンドベルイの最新作。アルバムに収録された2つの作品はどちらも世界初録音であり、リンドベルイの生誕60年を記念して 製作されています。 ヴァイオリン協奏曲は、リンドベルイがロンドン・POのコンポーザー・イン・レジデンスを務めていた時の作品で、初演者であるフランク・ペー ター・ツィマーマンに捧げられています。豊かなオーケストラの響きと呼応する輝かしいヴァイオリンの旋律には、ロマンティックで懐古的な雰囲気も感じさせる、リン ドベルイ後期のスタイルが集約されています。 「Tempus fugit」はラテン語で“時は飛ぶようにすぎる”という意味の言葉。日本語で言えば“光陰矢の如し”となるでしょう。2017年、フィンランド独立記念コ ンサートのための委嘱作品ですが、彼はあえて伝統的な作品を書くのではなく、1980年代にコンピューター言語を用いて作曲した最初のオーケストラ作品 「FORCE」と同じ手法による「Tempus fugit」を書き上げました。 こちらは印象派風の響きと輝くような旋律を持つ30分程度の作品で、初演者ハンヌ・リントゥに捧げられています。
ODE-1310
NX-B04
エイノユハニ・ラウタヴァーラ:チェロとピアノのための作品集
チェロとピアノのためのソナタ 第1番(1972-73/2001)
2つの前奏曲とフーガ(1955)
独奏チェロのためのソナタ(1969)
わが心の歌(1996/2000改訂)
チェロとピアノのためのソナタ 第2番(1991)
2台のチェロとピアノのための「Polska」(1997)*
ランタサルミ民謡による変奏曲
ターニャ・テツラフ(Vc)
*=多重録音
グニッラ・シュスマン(P)

録音:2017年2月13-15日
2016年、惜しまれつつこの世を去ったフィンランド屈指の現代作曲家ラウタヴァーラ。神秘的な雰囲気を持つ後期の交響 曲や、鳥の声を用いた「カントゥス・アルティクス」などの作品が多くの人に愛されていますが、このアルバムに収録されている 「チェロのための作品」はあまり演奏されることなく、ひっそりと眠っていました。なかでも、1969年に作曲された「独奏チェロのた めのソナタ」と1955年の「2つの前奏曲とフーガ」はラウタヴァーラの室内楽における作曲技法の基礎を成す曲であり、新古 典派風の作風による新鮮な味わいを持っています。その後に着手された「ソナタ第1番」はモダンな様式が用いられています が、すぐに完成されることはなく、30年の逡巡を経てようやく書き上げられた作品です。「わが心の歌」は自作の歌劇「アレク シス・キヴィ」のアリアが元になった曲。他にもさまざまな作品を、ターニャ・テツラフとグニッラ・シュスマンが親密に歌い上げてい ます。
ODE-1311
NX-B04
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲第4番*
ラルス・フォークト(P&指)
ロイヤル・ノーザン・シンフォニア

録音:2017年3月15-17日、2017年6月8-10日*(共にライヴ)
ドイツの名手ラルス・フォークトが自らロイヤル・ノーザン・シンフォニアを指揮し、ベートーヴェンのピアノ協奏曲を演奏するツィク ルス、最後を飾るのは第2番と第4番の組み合わせです。 ベートーヴェンが16歳の頃に着手したとされる第2番の協奏曲は、第1番よりも以前に書かれた作品。ベートーヴェン自身は 作品の出来に不満があったとされていますが、主題の扱い方や、独創的なカデンツァなどにベートーヴェンらしさが感じられる 意欲的な曲として高く評価されています。第4番はベートーヴェンの最高傑作のひとつであり、第5番「皇帝」が堂々とした男 性らしさを誇る曲であるのに比べ、こちらの第4番は柔和な表情を持ち、中でも第2楽章の憂いに満ちた美しさは格別の人 気を誇っています。 フォークトの演奏は、どちらの曲もオーケストラを雄弁に鳴らすことで「ピアノとオーケストラの対話」を強調。これまで伴奏として 見過ごされがちだった第2番のオーケストラ・パートにも隅々まで光を当てることで、曲の新たな魅力を引き出すことに成功し ています。
ODE-1312
NX-B04
シューマン:バラード「小姓と王女について」Op.140

J.S.バッハ:カンタータ 第105番「主よ、汝のしもべを裁きにかけることなか
れ」(ロベルト・シューマン版:ドレスデン 1849年)
シューマン:降臨節の歌 Op.71…世界初録音
キャロリン・サンプソン(S)
ユーレ・トゥイスク(S)
ベンノ・シャヒトナー(C.T)
ヴェルナー・ギューラ(T)
コルネリウス・ウーレ(Bs…王 BWV105)
ヨナタン・ゼルス(Bs…海神 Op.71)
アーポ・ハッキネン(指)
エストニア・フィルハーモニー室内合cho
ヘルシンキ・バロックO(ピリオド楽器)

録音:2017年9月25-28日
シューマンの合唱曲の中でも、ほとんど演奏されることのない2つの曲集「小姓と王女について」と「降臨節の歌」、そしてシュー マンが編曲したバッハのカンタータ第105番。この3曲を演奏するのはエストニアを代表するエストニア・フィルハーモニー室内合 唱団とハッキネンが率いるヘルシンキ・バロックOです。「降臨節の歌」は1848年11月に作曲された曲集で、リュッケ ルトの詩が用いられており、円熟期のシューマンらしい息の長い旋律が歌われていく印象的な作品です。シューマンは傾倒す るゲーテの影響を受け、バッハの作品も大切にしており、1850年にライプツィヒでJ.S.バッハの全作品を出版するのが目的で ある“旧バッハ協会”が発足した際にはシューマンも自身の“新音楽時報”において、バッハの重要性を説くとともに、作品を何 曲か編曲し演奏することで普及に務めました。このカンタータは1849年に自身で演奏するために編曲したものです。こちらも シューマンの好みの響きで満たされています。
ODE-1313
NX-B04
ジュリアン・アンダーソン(1967-):作品集
The Comedy of Change (2009)*
「Heaven is Shy of Earth」(2006/2009-10改訂)〜メゾ・ソプラノ、合唱とオーケストラのためのオラトリオ
オリヴァー・ナッセン(指)
ロンドン・シンフォニエッタ
スーザン・ビックリー(Ms)
BBC交響cho
BBC響

録音:2010年11月26日 UK ロンドン、バービカン・ホール ライヴ、2010年3月31日 UK クィーン・エリザベス・ホール ライヴ*
2018年7月8日、惜しまれつつこの世を去った作曲家、指揮者オリヴァー・ナッセン。このアルバムにはナッセンとは長きに渡り 協力関係を築いた作曲家ジュリアン・アンダーソンのオラトリオと室内楽作品が収録されています。 ジュリアン・アンダーソンはフィルハーモニアOが運営する「Music of Today」において多くの作曲家による現代音楽を 紹介する他、ウィグモアホールのコンポーザー・イン・レジデンスを務めるなど様々な取り組みを行っていました。2006年には BBCプロムスにおいて、自身のオラトリオ「Heaven is Shy of Earth」を紹介、こちらはエミリー・ディキンソンの詩とラテン語の 典礼文を組み合わせた大規模な声楽作品ですが、宗教色はほとんどなくタイトルの「地上(の美しさ)に天も恥じる」という言 葉通り、自然を賛美した聴きやすい作品です。初演時はアンドリュー・デイヴィスがタクトを執りましたが、改訂版の初演はナッ センが行いました。もう1曲の「The Comedy of Change」は比較的規模の大きな室内楽と言った作品。ダーウィンの「種 の起源」出版150年を祝しての作品で、演奏会だけでなくバレエ音楽としても使えるように作曲されています。
ODE-1315
NX-B04
ブラームス:ピリオド楽器によるヴァイオリン・ソナタ集
墓地にて Op.105-4
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.100
メロディーのように Op.105-1
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108
雨の歌 Op.59-3
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 Op.78
トゥイヤ・ハッキラ(P)
ベーゼンドルファー,ウィーン 1892年製
ジャン=バディスト・シュトライヒャー,ウィーン 1864年製

シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(Vn)製作者不明
弓:ルイス・エミリオ・ロドリゲス製

録音:2016年2月23-26日
カジノ・バウムガルテン・ウィーン
ウィーン フィンランドを代表するバロック・ヴァイオリン奏者カーキネン=ピルク。以前J.S.バッハの無伴奏組曲(ODE-1241)やビー バーの「ロザリオのソナタ」(ODE-1243)で端正な演奏を披露していましたが、今作ではブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集 に取り組みました。今回はブラームス時代のピリオド楽器を用い、当時の響きを余すことなく再現しています。伴奏を担当して いるのは同じくフィンランドの奏者ハッキラ。2005年にシベリウス・アカデミーを卒業後、フォルテピアノの名手として活躍してい ます。 このアルバムでは3曲のソナタの他に、各々のソナタに関連する3つの歌曲を編曲した版も収録されており、こちらも心のこもっ た演奏を聴くことができます。
ODE-1316
NX-B04
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲集
ピアノ三重奏曲 第3番ヘ短調 Op.65 B130
ピアノ三重奏曲 第4番ホ短調 Op.90「ドゥムキー」B166
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ターニャ・テツラフ(Vc)
ラルス・フォークト(P)

録音:2018年4月ブレーメン ゼンデザール
テツラフ兄妹とピアニスト、ラルス・フォークト。これまでにも数々の共演があり、ONDINEレーベルからはブラームスのピアノ三重 奏曲と、ベートーヴェンの三重協奏曲がリリースされて、どちらもその親密な演奏が評判を呼んでいます。 今回彼らが取り組んだのはドヴォルザークの2曲のピアノ三重奏曲。1883年に作曲された第3番は、前年に大切な母を失っ たドヴォルザークの悲しみが反映された激しく暗い雰囲気を持つ曲ですが、敬愛するブラームスの影響も感じられる重厚さも見 られます。とりわけ第3楽章の美しいチェロの旋律は聴きどころ。第4楽章はチェコの民族舞曲のリズムが用いられれています。 第4番は「ドゥムキー(ウクライナを起源とする叙事詩ドゥムカの複数形)」を副題に持ち、ドヴォルザークがニューヨークに出発す る直前に書かれた曲。6楽章からなる自由な形式で書かれており、様々な民族音楽の要素が用いられた魅力的な作品で す。 憂愁に満ちた旋律を滔々と歌い上げる兄テツラフのヴァイオリン、深い音色で全体を支える妹ターニャのチェロ、そして全体を 流麗かつ丁寧にまとめ上げるフォークトのピアノは、ドヴォルザーク作品の持つ味わいを極限まで引き出しています。
ODE-1317
NX-B04
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 第2番 Sz.112
ヴァイオリン協奏曲第1番 Sz.36
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ハンヌ・リントゥ(指)
フィンランド放送SO

録音:2017年10月18日-19日
:ヘルシンキ・ミュージック・センター
J.S.バッハの無伴奏、ベート−ヴェンの三重協奏曲に続くクリスティアン・テツラフの最新盤は、20世紀の名曲として名高い バルトークのヴァイオリン協奏曲集。今回は人気指揮者リントゥとフィンランド放送SOが伴奏を務めるという万全の体 制のもと、テツラフが伸びやかな演奏を聴かせます。 かつて、バルトークのヴァイオリン協奏曲といえば、1937年から1938年に作曲された「第2番」のみが知られていました。民謡 風の素材や四分音までが用いられた重厚で緊張感あふれる楽想は、円熟期のバルトークらしい特徴を持ち、数多くのヴァイ オリニストたちが愛奏しています。ながらくバルトークのヴァイオリン協奏曲はこれ1曲のみとされていましたが、バルトークの死 後、1907年から1908年頃に作曲された青年期の協奏曲(シュテフィ・ゲイエルに献呈)が発見され、こちらを第1番と呼ぶ ようになりました。この時期のバルトークは未だ民族音楽には目覚めておらず、この協奏曲も当時影響を受けていたワーグ ナーやR・シュトラウスにも似た後期ロマン派風の雰囲気をまとっています。 テツラフとリントゥは2曲のスタイルを的確に弾き分けることで、バルトークの作風の変遷を表現するとともに、後期バルトーク作 品における民族音楽と前衛音楽の融合もはっきり見せています。
ODE-1322
NX-B04
ゲオルギー・スヴィリドフ(1915-1998):讃歌と祈り シグヴァルズ・クリャーヴァ(指)
ラトヴィア放送cho

録音:2018年1月25.26.29.30日
シューマンの合唱曲の中でも、ほとんど演奏されることのない2つの曲集「小姓と王女について」と「降臨節の歌」、そしてシュー マンが編曲したバッハのカンタータ第105番。この3曲を演奏するのはエストニアを代表するエストニア・フィルハーモニー室内合 唱団とハッキネンが率いるヘルシンキ・バロックOです。「降臨節の歌」は1848年11月に作曲された曲集で、リュッケ ルトの詩が用いられており、円熟期のシューマンらしい息の長い旋律が歌われていく印象的な作品です。シューマンは傾倒す るゲーテの影響を受け、バッハの作品も大切にしており、1850年にライプツィヒでJ.S.バッハの全作品を出版するのが目的で ある“旧バッハ協会”が発足した際にはシューマンも自身の“新音楽時報”において、バッハの重要性を説くとともに、作品を何 曲か編曲し演奏することで普及に務めました。このカンタータは1849年に自身で演奏するために編曲したものです。こちらも シューマンの好みの響きで満たされています。
ODE-1323(2CD)
NX-B04
バッハ:ソナタ・パルティータ・組曲
フランス・ブリュッヘンが編曲した無伴奏リコーダーのための作品全集

【CD1】無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータからの11楽章(F.ブリュッヘンによる無伴奏リコーダー編)

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006(抜粋)
1.第1曲:前奏曲/2.第3曲:ガヴォットとロンド/3.第5曲:ブーレ/4.第6曲:ジーグ

5.無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001-第1楽章 Adagio
6.無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003-第4楽章 Allegro
7.無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005-第4楽章 Allegro assai
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004(抜粋)
8.第1曲:アルマンド/9.第2曲:クーラント/10.第3曲:サラバンド/11.第4曲:ジーグ
【CD2】無伴奏チェロ組曲 第1番-第3番(F.ブリュッヘンによる無伴奏リコーダー編)
無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008
無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009
ボレッテ・ロズ(リコーダー)

使用リコーダー
【CD1】
ラルフ・エーレルト(Bizeyモデル)製アルト・リコーダー A392Hz…1-4
ジャン=リュック・ブードゥロー(Bressanモデル)製 ソプラノ 4th flute in Bb'リコーダー A415Hz…5
フレッド・モーガン/ニコライ・ロミヌス(Stanesby seniorモデル)製 5th Flute in c'’リコーダー A415Hz…6.11
フレッド・モーガン(Bressanモデル)アルト g'リコーダー A415Hz…7.10
フレッド・モーガン(Bressanモデル)アルト f'リコーダー A415Hz…8.9

【CD2】
フレッド・モーガン(Stanesby and Bressanモデル)
ヴォイス・フルート d' A415Hz

録音:2017年5月2-5日
デンマーク生まれのリコーダー奏者ボレッテ・ロズ。2004年のソロ・デビュー以降、国内外で数多くのコンサートを行い、デンマークの権威ある音楽賞も獲得、デ ビュー直後にデンマーク国立放送の“アーティスト・イン・レジデンス”に選ばれるなど、才能を高く評価されています。彼女のONDINEでのデビュー・アルバムはフラン ス・ブリュッヘン(1934-2014)の編曲によるJ.S.バッハの作品集です。 バッハは室内楽や声楽曲には好んでフルートを用いましたが、「無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013」以外には、無伴奏フルートのための作品 を残しておらず、室内楽でもフルートが使われている作品は偽作を含めても少数だけしかありません。その上、当時の他の作曲家、ヴィヴァルディやテレマンのような リコーダーのための作品はほとんど書かれていません。リコーダー奏者がバッハを演奏する手段はないのでしょうか? そのためには他の楽器のために書かれた作品を編曲することが必要となります。 20世紀の名手ブリュッヘンは「無伴奏チェロ組曲」から前半の3曲と、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータから11楽章を選び、リコーダーのために編曲を 施しました。ロズは「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」では曲によってリコーダーを替え、「無伴奏チェロ組曲」では調性を変更することで、音色と響き に細心の注意を払いつつ、全ての曲を完璧に演奏しています。
ODE-1332(1SACD)
NX-B04
ルトスワフスキ(1913-1994):交響曲第2番&第3番 ハンヌ・リントゥ(指)
フィンランドRSO

録音:2018年11月26-30日ヘルシンキ・ミュージック・センター,フィンランド
ハンヌ・リントゥによる「ルトスワフスキ:交響曲全集」の第2集。今回のアルバムに収録されているのは、新古典主義の作風から少しずつ脱却を図った 時期に書かれた「交響曲第2番」と、完全に自身の作風を確立した1980年代の「交響曲第3番」の2曲。交響曲第2番は、コラージュ的な手法を 採り入れることで多彩な音の動きが追求されており、冒頭のファンファーレ風の旋律は混沌の波に取り込まれ、第2楽章の後半で激しい動きへと変化 します。交響曲第3番はシカゴ響の委嘱曲。1972年から取り掛かったものの出来栄えに満足せず、結局11年かけて完成したというルトスワフスキの 苦労がしのばれる作品です。交響曲第2番で萌芽した「管理された偶然性」(指揮者の手を離れ、アドリブをする箇所があることで、管理している部 分が際立つ)が発揮されたユニークな作品です。複雑な曲を得意とするリントゥの手腕が冴える目覚ましい演奏を素晴らしい録音で。
ODE-1340
NX-B04
20世紀のフルート協奏曲集
ニールセン:フルート協奏曲 FS119(1926)
イベール:フルート協奏曲(1934)
アーノルド(1921-2006):フルート協奏曲 第1番 Op.45*
クララ・アンドラーダ(Fl,指*)
ハイメ・マルティン(指)
フランクフルトRSO
現在フランクフルトRSOの首席フルート奏者を務めるクララ・アンドラーダ。スペインで生まれ、ジュネーウ音楽院ではエマニュエル・パユの指導を受け、ロ ンドン・ロイヤルカレッジ・オブ・ミュージックで学んだ経験もある実力派です。このアルバムには彼女がソロを務める3曲の近代フルート協奏曲を収録。合唱協奏曲 風の味わいを持ち、他パートの楽器との掛け合いが楽しいニールセン、斬新さと洒脱さを併せ持つイベール:、多彩な技巧が凝らされたアーノルド(この曲では指揮 も担当)と、三者三様の作品をアンドラーダの華麗な演奏でお聴きいただけます。また指揮者ハイメ・マルティン自身も優れたフルート奏者であるため、ソリストとの 絶妙なタイミングをはかりながら、作品の本質を見極めた素晴らしい伴奏を付けています。
ODE-1343
NX-B04
ペトリス・ヴァスクス(1946-):ピアノ三重奏曲集
Lonely Angel 孤独な天使(2019)
エピソードと終わりなき歌(1985)
Plainscapes 平原の情景(2011)
トリオ・パラディオ
【メンバー】
エヴァ・ビンデレ(Vn)
クリスティーナ・ブラウマーネ(Vc)
レイニズ・ツァリンシュ(P)

録音:2019年4月5-7日
交響曲、協奏曲、合唱曲などの分野で近年注目を集めるラトヴィアの現代作曲家ヴァスクス。初期の頃は前 衛的な作風でしたが、最近はラトヴィア民謡を効果的に採り入れた旋律的な作品を発表しています。このアル バムには1985年に書かれた幾分前衛的な「エピソードと終わりなき歌」を中心に、21世紀になってからの2つの 作品が収録されています。「Plainscapes 平原の情景」は2002年にウィーンで初演されたヴァイオリン、チェロ、 合唱のための曲を、ピアノ三重奏曲へと編曲したもの。草原を吹き抜ける風の音がヴァイオリンで奏されるという 原曲が、更に静謐な作品へと置き替えられています。「孤独な天使」は美しいヴァイオリン・ソロと弦楽合奏伴奏 版が知られていますが、ピアノ三重奏版では凝縮した響きが楽しめます。ラトヴィア国内で活躍する三人の奏者 による“トリオ・パラディオ”の演奏でお楽しみください。
ODE-1344
NX-B04
チュルリョーニス(1875-1911):管弦楽作品集
交響的序曲「ケスティス」(1902)…世界初録音
交響詩「森の中で」(1900-1901)
オリジナル・ヴァージョンの再構築
交響詩「海」(1903-1907)
オリジナル・ヴァージョンの再構築
モデスタス・ピトレナス(指)
リトアニア国立SO

録音:2019年4月15-19日,2019年10月15-17日
リトアニアを代表する作曲家チュルリョーニス。生前は画家としての活動が知られており、その幻想的な作 風はカンディンスキーにも影響を与えるほど高く評価されていました。作曲家としては、音楽的なタイトルを 持つ絵画と連動するかのように、300作を超える管弦楽作品や、室内楽曲、ピアノ曲などを手掛けまし たが、そのほとんどは未完成の状態で残された上、2つの世界大戦によって多くが失われてしまい、絵画ほ どの人気を獲得することはありませんでした。しかもチュルリョーニスの死後に初演された2つの交響詩「森 の中で」と「海」の2曲は当時の慣習にならい、どちらもカットやオーケストレーションの変更が行われるな ど、作曲家の構想とは若干違うものになってしまっていました。とりわけ「海」はクライマックスの部分で46小 節もカットされるなど大きく改変された版のみが知られています。また交響的序曲「ケスティス」は、師ライ ネッケの好みに合わせて民謡部分を取り去るなど、チュルリョーニス自身が改変し、オーケストレーションが 施された版が存在していますが、このアルバムでは原曲であるピアノ版に基づき、リトアニアの現代作曲家 ユルギス・ユオザパイティスが新たにオーケストレーションを敢行した版が演奏されています。
ODE-1345
NX-B04
マグヌス・リンドベルイ(1958-):Accused 告発(2014)-ソプラノと管弦楽のための3つの尋問
2つのエピソード(2016)
アヌ・コムシ(S)
ハンヌ・リントゥ(指)
フィンランドRSO

録音:2017年6月、2019年8月
ハンヌ・リントゥが指揮する、現代フィンランドを代表する作曲家の一人、マグヌス・リンドベルイの2つの作 品。「2つのエピソード」は2016年、ロンドンのプロムスでベートーヴェンの『第九』の前奏曲として初演され た作品。楽器編成や曲の構成は『第九』に倣っており、ベートーヴェンを思わせる旋律が至るところに織り 込まれたカラフルな音響がユニーク。ベートーヴェンとは切り離して、独立して演奏することもできるとリンド ベルイは語っています。『告発』はこれまで声楽作品をあまり手掛けてこなかったリンドベルイにとって初の本 格的な「声とオーケストラ」のための作品。フランス革命、旧東独、現代アメリカで実際に起きた裁判での 尋問場面をテキストに用い、アヌ・コムシのソプラノ独唱により緊迫したやりとりを聴かせます。時代を超え ての“普遍的な人間の価値観”が反映された意欲作です。
ODE-1346
NX-B04
ブラームス:ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.83
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24
ラルス・フォークト(P&指)
ロイヤル・ノーザン・シンフォニア
独奏チェロ:シュテファン・モリス

録音:2019年2月15-16日
2019年にリリースされたブラームスの「ピアノ協奏曲第1番」で、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアを見事に操り、ピアノと指揮の両面で圧倒的な 演奏を聴かせたラルス・フォークト。今作では、更に演奏困難とされる「第2番」でも素晴らしい弾き振りを成し遂げました。 ブラームスのピアノ協奏曲第2番は、1881年の初演以来、数多くのピアニストや評論家たちが「最も難しいピアノ曲の一つ」と数えるほど、 雄大な楽想の中に分厚い和音と複雑なパッセージが続出、ピアノ・パートを演奏するだけでも大変な作品です。もちろんオーケストラ・パート も極めて緻密に書かれています。ここでのフォークトは、ピアノもオーケストラも対等に扱い、息もつかせぬ展開を繰り広げる怒涛の音楽を聴か せます。イタリア旅行で得た印象が映し出されているという変幻自在な楽想を持つ第1楽章を難なくこなし、ユニークな味わいを持つ第2楽章 での諧謔的な表現を経て、独奏チェロを伴う第3楽章アンダンテでは、チェロをたっぷりと歌わせながら、ゆったりとした美しい旋律を楽しませ、 軽やかな旋律で始まる終楽章では密度の高い演奏を聴かせます。 同時収録されているのは「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」。バロック時代の巨匠への尊敬の意が込められたこの作品には、ブラームスの 巧みな作曲技法が示されており、とりわけフーガでの対位法の扱いが見事です。ベートーヴェンを得意とするフォークトならでは考え抜かれた演 奏が作品を引き立てています。
ODE-1347(2CD)
NX-B04
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第15番&第13番
弦楽四重奏曲 第15番イ短調 Op.132
弦楽四重奏曲 第13番変ロ長調 Op.130
大フーガ Op.133(Op.130のオリジナル・フィナーレ)
テツラフ・カルテット【クリスティアン・テツラフ(Vn)、エリーザベト・クッフェラート(Vn)、ハンナ・ヴァインマイスター(Va)、ターニャ・テツラフ(Vc)】

録音:2019年9月30日-10月4日ゼンデザール、ブレーメン
既発アルバム…ODE-1293 世界中で絶賛されるSQ、テツラフ・カルテット。ヴァイオリニストのクリスティアン・テツラフとその妹ターニャを中心に1994年に結成、 元バンベルクSOのコンサート・ミストレス、エリーザベト・クッフェラートとチューリッヒ歌劇場Oの首席、ハンナ・ヴァインマイスターをメ ンバーとする彼らはヨーロッパの音楽祭の常連であり、その演奏は「ドラマティックでエネルギッシュ」と評され、2014年には来日公演も行い、日 本でも着実に人気を獲得しています。ONDINEレーベルから2作目の発売となるこのアルバムで彼らが取り上げたのは、2020年に生誕250 年を迎えるベートーヴェンの2曲の弦楽四重奏曲。どちらもベートーヴェンの晩年を代表する高い人気を誇る作品です。1825年に完成された 第13番は作曲順では第15番の次に書かれたもので、初演時には、終楽章に「大フーガ」が置かれていました。しかし出版社の助言に従い、 ベートーヴェンはこれを別の楽章に差し変えたことで、現在では「大フーガ」には別の作品番号が付されています。今回のアルバムで、テツラフ・ カルテットは初演時の形を再現。終楽章には堂々たる大フーガが置かれています。第15番はもともと4楽章形式で構想されましたが、病から 回復したベートーヴェンは「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と題された美しい第3楽章を挿入。結果的に長 大な作品として仕上がることとなりました。テツラフ・カルテットは晩年のベートーヴェンの崇高な意思を反映させ、凝縮した表現による熱い演奏 を聴かせます。
ODE-1348(5SACD)
NX-E07
ベートーヴェン:交響曲全集 ロバート・トレヴィーノ(指) マルメSO
ケイト・ロイヤル(S)
クリスティーネ・ライス(Ms)
トゥオマス・カタヤラ(T)
デレク・ウェルトン(Bs)

録音:2019年10月 ライヴKonserthus,Malmo、Sweden
タクトを執るのは2019年9月にマルメSOの首席指揮者就任したばかりの俊英ロバート・トレヴィーノ。 30代半ばのトレヴィーノは、同世代の若手指揮者の中でも最近急速に頭角を現わしてきた注目の存在です。 古典派作品から現代曲まで,幅広いレパートリーを新鮮かつ想像力に富んだ解釈で聴かせるトレヴィーノは、 ベートーヴェンにおいてもマルメSOから精緻な響きを紡ぎ出し、自然で音楽性に満ちた表現を引き出すことに成功。 これまで多くの指揮者が取り組んできたベートーヴェン演奏に新風を吹き込みました。 トレヴィーノはピリオド・アプローチを採用しつつもオーケストラの響きを存分に生かし、各曲の個性を際立たせます。 古典的な作風による第1、第2交響曲ではモーツァルトを思わせる典雅な表情をもたせ、第3交響曲では、沈痛な葬送行進曲さえ重くなり過ぎることはありません。 ベートーヴェンの作風転換期に書かれた第4番には、幾分ロマンティックな表現を与え、 第5交響曲ではベートーヴェンが目指した苦悩から勝利への思いが力強く描き出されています。 各楽章の描き分けが見事な第6番が続き、舞曲の要素が強い第7番と第8番では、楽章ごとのテンポ設定に心が配られた、鮮やかな音楽を楽しむことができます。 とりわけ第7番終楽章の快速テンポに注目。オーケストラはトレヴィーノの無茶とも思える要求をクリアし、目の覚めるような演奏を披露します。 第9番のソリストは、若々しい声の歌手が揃えられており、トレヴィーノが目指したであろう新鮮なベートーヴェン像が構築されています。 ホールの豊かな残響を余すことなく捉えた録音も聴きどころで、SACD層にはマルチチャンネルも収録されています。
ODE-1349
NX-B04
トヌ・クルヴィッツ(1969-):北欧の光への讃歌
Azure 青(弦楽オーケストラ版)(2016/2017)
Hymns to the Nordic Lights 北欧の光への讃歌(2011)
Silent Songs 沈黙の歌(2015)*
Leaving Capri カプリを離れて(2018)
Tears-Fantasy 涙-幻想(2011)
Elegies of Thule 最北のエレジー-弦楽のための(2007)
ミーリス・ヴィント(バスCl)*
リスト・ヨースト(指)
エストニア国立SO

録音:2015年6月1-2日、2018年9月24-25日、2019年1月21日
ONDINEが力を入れているバルト地方の作曲家作品集シリーズの1枚。トヌ・クルヴィッツは、アルヴォ・ペルトやエルッキ =スヴェン・トゥールとともに「現代エストニアにおける最高の作曲家」の一人と目されており、2017年には「ムーアランド の悲歌」(ODE-1306)と題された合唱作品がリリースされ、その深遠な作風が話題となりました。 今作には2007年から2018年までに書かれたオーケストラ作品を収録。各曲は様々なテーマからインスパイアされてお り、どれも北欧の雰囲気を湛えた繊細な響きが特徴です。冒頭の「青」はもともと男声合唱のための曲をオーケストラ用 に編曲した瞑想的な曲。「カプリを離れて」はエストニアの画家コンラッド・マギの絵画からの影響を受けたクルヴィッツの 最新作です。ダウランドの作品に触発された「沈黙の歌」はバス・クラリネットとオーケストラのための幻想曲で、アルバム の指揮者ヨーストに捧げられています。2007年の「最北のエレジー」はエストニア民謡を題材にした美しい曲です。
ODE-1352
NX-B04
チャイコフスキー:徹夜祷 Op. 52
聖キリルと聖メソディオス尊崇の賛歌(1885)/伝説 Op. 54 No. 5
法律学生の歌
天使は叫べり
シグヴァルズ・クラーヴァ(指)
ラトヴィア放送cho

録音:2020年1月8-13日聖ジョン教会、リガ、ラトヴィア
『聖ヨハネ・クリュソストムスの典礼』(ODE-1336)に続くラトヴィア放送合唱団とクラーヴァによるチャイコフ スキーの宗教作品集。第2作目となる今作は、あまり耳にすることのない「徹夜祷」を中心としたプログラ ムです。1870年代から1880年代にかけて、伝統あるロシア正教会の音楽を研究したいと考えたチャイ コフスキーが、集中的に作曲した一連の宗教曲の中の1曲「徹夜祷」は、それぞれ短い聖歌の旋律に考 え抜かれた和声を付けたもの。しかし、あまりにも美しい仕上がりであったためか「教会で演奏するにはふさ わしくない」とされ、初演は教会で行われることなく、全ロシア産業芸術展のコンサートホールでサハロフが 指揮するチュドフスキー合唱団によって行われました。ラフマニノフの同名作とは違った繊細な旋律が魅力 的です。また、このアルバムには他に同時期に書かれた4曲の宗教曲を収録。ラトヴィア放送合唱団によ る清冽な歌唱が見事です。
ODE-1353
NX-B04
オウティ・タルキアイネン(1985-):メゾ・ソプラノと室内管弦楽の為の歌曲集『大地、春の娘』
ソプラノ・サクソフォンとエフェクター、管弦楽の為の協奏曲
ヴィルピ・ライサネン(Ms)
ユッカ・ペルコ(ソプラノ・サクソフォン、エフェクター)
ヨーン・ストルゴーズ(指)
ラップランド室内O

録音:2018年11月11-13日、2019年10月29、30日 コルンディ・ハウス・オブ・カルチャー、ロヴァニエミ、フィンランド
1985年フィンランドのロヴァニエミに生まれ、シベリウス・アカデミーのほかマイアミ大学でも作曲を学び、ビックバンドの作曲などジャズでも活躍 するオウティ・タルキアイネン。スカンジナヴィアで最も北、ラップランド地方の風景やサーミ民族の文化を下地とした作品を発表し続けていま す。これまで器楽曲や室内楽のCDはリリースされていましたが、管弦楽を用いた作品集は今回が初めて。サーミ語の詩に基づく『大地、春の 娘』は、ラップランドの自然、歴史、その中で培われた思想などが、美しさと厳しさが交錯し高い緊張を保つ音楽に乗せて歌われます。ジャズ・ サクソフォン奏者として活躍するユッカ・ペルコのために書かれた協奏曲は、サーミ語で"聖なる土地"を表す『サイヴォ』をタイトルとし、ソリストが 足元で操作する各種エフェクターを通して音を加工するという、現代ならではの作品。ジャズのグルーヴも随所に感じられる、スリル溢れる作 品です。指揮は故国フィンランドの作品はもちろん、ショスタコーヴィチなどの解釈でも近年注目される、ストルゴーズ。
ODE-1355
NX-B04
ペトリス・ヴァスクス(1946-):管弦楽作品集
オーボエ協奏曲(2018)…世界初録音
メッセージ(1982)
ラウダ(1985)
アルブレヒト・マイヤー(Ob)
ラトヴィア国立SO
アンドリス・ポガ(指)

録音:2020年7月16-17日、2020年7月20-21日
現代ラトヴィアを代表する作曲家の一人、ペトリス・ヴァスクス。初期の作品こそ前衛の最先端を行っていたものの、20世紀の終わり頃にはラトヴィア 民謡の素材を効果的に用いた平明な作風へと移行。その頃から注目が高まり、21世紀になると世界中で演奏されるようになりました。 このアルバムに収録されている3つの作品の中で、とりわけ注目度が高いのは名手アルブレヒト・マイヤーがソロを務める「オーボエ協奏曲」でしょう。この 曲は、ラトヴィアが「第一共和国」(1940年にソビエト連邦に占領、併合されて一旦消滅)として第一次世界大戦後の1918年に独立を宣言してか ら100年を経た記念として作曲されたもの。「朝の牧歌」と題された第1楽章は、朝霧を思わせるオーケストラの淡い響きから立ち上がる凛としたオー ボエの旋律が印象的。音楽は少しずつ力強さを増し終盤で輝かしい盛り上がりを見せます。続く第2楽章、スケルツォは少し哀愁を帯びた民謡風の 舞曲に変化。中間部には技巧的なカデンツァが置かれ、最後に圧倒的なオーケストラの盛り上がりを見せます。そして「夕べの牧歌」と題された第3 楽章では、朝とは違う喧騒を残した風景の中をオーボエの旋律が漂います。曲の終わりでは鳥の声を模すオーボエとパーカッションが絶妙な絡みを見 せ、希望を感じさせつつ全曲を閉じます。ヴァスクスの祖国と平和への思いが凝縮した聴きごたえのあるこの協奏曲は、こちらが世界初録音となりま す。 1980年代の2作品「メッセージ」と「ラウダ」は、どちらもラトヴィアがソ連から再度の独立を試みている頃に書かれており、怒りや不安、絶望などの感情 も垣間見えるとともに、祈りや希望も描かれています。
ODE-1359(3CD)
NX-C04
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ピアノ協奏曲 第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲 第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a
ピアノ協奏曲 第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」
オッリ・ムストネン(P&指)
タピオラ・シンフォニエッタ

録音:2006年11月…第1番、2006年12月…第2番、2007年10月… 第3番、2007年11月…協奏曲ニ長調、2009年3月…「皇帝」、2009年6月…第4番
2007年から2009年にかけて録音されたムストネンとタピオラ・シンフォニエッタによるピアノ協奏曲全集 は、発売当時からサンデー・タイムズなど多くのメディアで絶賛された演奏。ムストネンは、卓越したピアニズ ムに加え、オーケストラを自由自在に操り、斬新なアプローチでベートーヴェンの音楽に迫ります。また、ピ アノ協奏曲第1番ではムストネン自身のカデンツァを用いるなど創意工夫も怠りません。ピアノ協奏曲ニ長 調(ヴァイオリン協奏曲の編)は、2009年に来日しNHKSOと共演した際にも弾き振りを披 露、大きな話題となったのも記憶に新しいところです。 3枚別々に発売されたアルバムをボックスにまとめ、お求めやすい価格にて再リリースいたします。
ODE-1360(2CD)
NX-B04
ハイドン:初期の8つのソナタ
【DISC 1】
ソナタ 第13番ト長調 Hob. XVI:6(1760年以前)
ソナタ 第15番ホ長調 Hob. XVI:13(1760年代前半)
ソナタ 第12番イ長調 Hob. XVI:12(1755年?)
ソナタ 第19番ホ短調 Hob. XVI:47bis (1765-67年)
ソナタ 第32番ト短調 Hob. XVI:44(1771-73年)
【DISC 2】
ソナタ 第31番変イ長調 Hob. XVI:46(1768-69年)
ソナタ 第30番ニ長調 Hob. XVI:19(1767年)
ソナタ 第33番ハ短調 Hob. XVI:20(1771年)
トゥイヤ・ハッキラ(フォルテピアノ)
1747年ゴットフリート・ジルバーマン製作楽器をアンドレア・レステッリが復元(第15番、第32番)
1790年代製作者不明のウィーン式5オクターヴのオリジナル楽器"Bureau de musique Leipsic"(上記以外)

録音:2019年1月31日-2月1日、4-5日 カルヤー(カーリス)教会、フィンランド
フィンランドを代表するフォルテピアノ奏者トゥイヤ・ハッキラ。そのレパートリーは幅広く、古典派から現代までピリオドもモダンも弾きこなし、シベ リウスやサーリアホなど、故国の作品演奏でも活躍する彼女によるハイドンが登場しました。現在約60曲が残存し、当時の記録によると実は 80曲ほども存在したと伝わるハイドンの鍵盤楽器の為のソナタのうち、40歳になるまでの時期に書かれた8曲を収めています。うち6曲で は、ハッキラ自らが所有する1790年代のオリジナル楽器を使用。素晴らしい保存状態のしっかりとした音で、その軽やかで美しい響きを堪能 することが出来ます。ハイドンが聴いた当時の響きを追求した、聴き応えのある一枚です。
ODE-1361
NX-B04
ペトリス・ヴァスクス(1946-):ピアノ作品集
カッコウの声、春のエレジー(2021)…世界初録音
サイクル(1976) …世界初録音
四季
レイニス・ザリンシュ(P)

録音:2021年3月7-9日、9月28-29日
ラトヴィアの作曲家、ペトリス・ヴァスクスのピアノ作品集。アルバムに収録されている『四季』は彼の作品の中でも比較的演奏機会が多いもので、静 かな雪の情景から、早春の息吹、情熱的な夏、静かな秋まで、移り変わるラトヴィアの風景への愛が感じられる美しい作品です。ピアニスト、レイニ ス・ザリンシュは他に世界初録音となる2作品を併せ、このアルバムを作り上げました。 なかでも「カッコウの声、初春」は新型コロナ感染症のパンデミック中にヴァスクスがザリンシュのために書き下ろした作品であり、ちょうど作曲中に COVID-19に感染したヴァスクスの病いの苦しみと治癒への祈りが込められています。ザリンシュは曲が完成した後、ヴァスクスの自宅を訪れ、作曲 家自身のピアノを聴いたという思い出を心から大切にしているということです。もう一つの「サイクル」は1976年の作品。ヴァスクスの幼馴染のピアニス ト、ターリヴァルディス・デクニスによって初演されたこの曲は、民謡を採り入れた穏やかな曲調ではなく、緊張感のある音のぶつかり合いが特徴的な、 がっしりとした筋肉質な曲調です。演奏者のレイニス・ザリンシュは10歳で協奏曲を弾いてデビューを飾ったのち、ヨーロッパと北米を中心に活躍するラ トヴィア出身のピアニスト。故郷の作品を積極的に紹介し、これまでにもラトヴィア音楽のアルバムを発表しています。
ODE-1387
NX-B04
ユルギス・カルナヴィチウス(1884-1941):弦楽四重奏曲第3番&第4番 ヴィリニュスSQ【ダリア・クズネコヴァイテ(Vn1)、アルトゥーラス・シラレ(Vn2)、クリスティーナ・アヌセヴィチウーテ(Va)、デイヴィダス・ドゥムチウス(Vc)】

録音:2020年11月24-27日
リトアニア国立フィルハーモニック(リトアニア)
世界初録音
リトアニアの作曲家、ユルギス・カルナヴィチウスの弦楽四重奏曲集。好評を得た第1集(ODE-1351)に続く第2集には第3番と第4番を収録、これ で彼の弦楽四重奏曲を全てを聴くことができるようになりました。 これらの四重奏曲は、彼が第1次世界大戦に従軍した後、サンクトペテルブルク音楽院で教鞭を執っていた頃に書かれたもので、民謡にインスパイア された素朴な第1番と第2番に比べ、第3番と第4番はより近代的な和声を持っています。これらはロシア楽壇における弦楽四重奏曲の歴史で、チャ イコフスキーとショスタコーヴィチの間を埋める重要な作品ですが、第3番、第4番ともにサンクトペテルブルクで初演された後は、作曲家の死後まで再 演の機会がなく、とりわけ第4番は現在においても未出版です。リトアニアを拠点に活躍するヴィリニュスSQによる世界初録音です。
ODE-1388
NX-B04
ターリヴァルディス・ケニンシュ(1919-2008): 交響曲集
交響曲第5番(1976)
交響曲第8番「シンフォニア・コンチェルタータ」(1986) - オルガンと管弦楽のための
弦楽のためのアリア(1984)(弦楽オーケストラ編)
イヴェタ・アプカルナ(Org)
ラトヴィア国立SO
アンドリス・ポガ(指)

録音:2021年3月15-19日
1919年にラトヴィアで生まれた作曲家ターリヴァルディス・ケニンシュ。パリでメシアンとトニー・オーヴァンに師事。作曲家としていくつかの賞を受賞した後、1951 年にカナダに移住、教育者としてこの国の音楽発展に力を尽くしました。 若い頃は「室内楽が芸術の最高の形である」と信じていたためか、ケニンシュが交響曲作曲に手を染めたのは1959年になってから。しかしその後、1970年代 から80年代にかけて次々と交響曲を発表し、現在では「ラトヴィアを代表する交響曲作曲家」と認められています。 このアルバムにはどちらもロンドンで初演された第5番と第8番の交響曲を収録。現代的な世界と魔法で輝くおとぎ話の世界が混在するかのような短い第1楽 章で始まる交響曲第5番にはケニンシュの故郷の伝統的な旋律が織り込まれています。またケニンシュ最後の交響曲となった、1986年に初演された第8番 はプーランクの「オルガン協奏曲」を思わせるオルガンを伴う交響曲。複雑なリズムとオルガンの華麗な響きが見事に融合した作品です。アルバムの最後には弦 楽五重奏を原曲とする「弦楽のためのアリア」がたっぷりとした響きの弦楽合奏で奏されます。 交響曲第8番で巧みなオルガンを演奏するのは、ラトヴィアが誇るオルガニスト、イヴェタ・アプカルナ。ラトヴィアの文化大使でもある彼女は、現在ドイツのハンブ ルクにあるエルプ・フィルハーモニーのオルガン奏者を務めるなど世界的に活躍しています。 アンドリス・ポガ
ODE-1390
NX-B04
エリック・タンギー(1968-):管弦楽作品集
クラリネット協奏曲(2017)
旅 - オーケストラのために(2015)
ヴァイオリン協奏曲第2番(1997/2003改訂)
ピエール・ジェニソン(Cl)
ユーリア・プシュケル(Vn)
シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ
ヴィッレ・マトヴェイェフ(指)

録音:2019年1月10-11日、2019年1月12日、2021年2月4-5日
フランスの作曲家エリック・タンギーの作品集。パリ国立音楽院でイヴォ・マレクと ジェラール・グリゼーに師事したタンギーは、数多くの賞や奨学金を受 賞するなど才能を発揮、1999年にはロストロポーヴィチからチェロ協奏曲を委嘱されるなど活躍の場を広げ、現在では数多くのオーケストラ、アンサン ブルによって作品が演奏されています。 このアルバムには3作品を収録。クラリネット協奏曲はピエール・ジェニソンがモーツァルトの同名曲を演奏する際に、併せて演奏するために依頼した作 品で、現代的な音でありながらも、どこかモーツァルトの抒情性に連なる雰囲気を有しています。ヴァイオリン協奏曲第2番は1997年に作曲され 2003年に改訂が施された作品で、古典的な3楽章形式を採り、第1楽章と第3楽章には技巧的なカデンツァが置かれています。この曲は2019年 に開催された"エリザベート王妃国際コンクール"の入賞者ユーリア・プシュケルがメリハリのある曲調をよく捉えた演奏を聴かせます。 Matka(フィンラ ンド語で「旅」)と題されたオーケストラ曲は、シベリウスの生誕150周年を祝して書かれた一種の交響曲。シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ の委嘱作であり、長年にわたりタンギーに影響を与えてきたというシベリウスへの情熱的なオマージュです。
ODE-1392
NX-B04
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集第6番-第8番
ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調 Op. 30 No. 1
ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調 Op. 30 No. 2
ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調 Op. 30 No. 3
クリスティアン・テツラフ(Vn)
ラルス・フォークト(P)

録音:2020年8月31日-9月2日
ゼンデザール、ブレーメン(ドイツ)
これまでにもシューマンやベートーヴェン、ブラームスなどの作品で親密なアンサンブルを聴かせてきたクリスティアン・テツラフとラルス・フォークト。今回のアルバム では、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第6番から第8番までの3曲を演奏しています。 ロシア皇帝アレクサンドル1世に献呈 されたこの3曲のソナタは、第5番「春」と第9番「クロイツェル」という圧倒的な人気作の前で影が薄いと見られがちです が、1801年から02年頃というベートーヴェンの初期から中期への転換期に書かれたことでもあり、ベートーヴェンの作風の変遷を辿るためにも重要な作品で す。 全編穏やかな楽想による第6番は、最初の構想では最終楽章にタランテッラが置かれていましたが、これは第9番の終楽章に転用、現在の変奏曲に差し 替えるなどバランスのよい構成で書かれています。そしてベートーヴェンが愛した、厳しい雰囲気を持つハ短調で書かれた第7番は、感情の起伏がこまやかに 表現されており、とりわけ第2楽章の美しい旋律が耳に残ります。また、動的な第1楽章で始まる第8番は、第7番の厳しさを和らげるような簡潔な曲想が 特徴と、それぞれの作品の持つ雰囲気も対照的であり、ハイドンやモーツァルトからの影響を完全に振り切るための試行錯誤も感じられる力作揃いです。テ ツラフはこの3曲の性格を際立たせながら、旋律美も丁寧に表現、フォークトは、力強く華麗な演奏でテツラフの思いを受け止めています。味わい深い演奏 をお楽しみください。
ODE-1396
NX-B04

NYCX-10245
国内盤仕様
税込定価
アメリカの眺望
チャールズ・マーティン・レフラー(1861-1935):ティンタジレスの死 Op. 6(1897)
カール・ラッグルズ(1876-1971):エヴォケーション(1943 管弦楽版)
ハワード・ハンソン(1896-1981):夜明け前 Op. 17(1920)…世界初録音
ヘンリー・カウエル(1897-1965):オーケストラのための変奏曲(1956)
デルフィーヌ・デュピュイ(ヴィオラ・ダモーレ)
バスク国立O
ロバート・トレヴィーノ(指)

録音:2020年9月15-19日
※国内仕様盤には谷口昭弘氏による日本語解説が付属します。
ロバート・トレヴィーノとバスク国立Oによる2枚目のアルバムは、19世紀から20世紀にかけて活躍した4人のアメリカ人作曲家の作品集。 アメリカ生まれのトレヴィーノはこのCDの原盤解説(英語)の中で「ガーシュウィン、コープランド、バーンスタインだけがアメリカ音楽ではない」「多様な文化的 背景を持った個人が相互に感化し、影響し、結びつきながら大きな理想を追求してゆくことがアメリカ的」と語り、作風の異なる4人の作曲家を通して、見過 ごされがちなアメリカ音楽の側面を伝えます。 チャールズ・マーティン・レフラーはベルリンに生まれ、欧州を転々とした後に1882年に渡米し、ボストンSOのヴァイオリン奏者としても活躍しました。「ア ルザスの作曲家」と自称し、その作風はフランス印象派の流れを感じさせます。メーテルリンクの人形芝居に想を得た「ティンタジールの死」は26分ほどの 堂々たる交響詩で、レフラーが好んだヴィオラ・ダモーレが活躍します。評論家のティム・ペイジはこの作品を「リムスキー=コルサコフの『シェエラザード』をフォー レがオーケストレーションし直したものと思えばイメージがつかめるだろう」と評しています。 「無調の人」として知られるカール・ラッグルズは、生前は作曲よりも絵を描くことを好んだというエピソードがあります。残された音楽作品は極端に少ないなが ら、その厳格で突き詰めた作曲技法は近年再評価されています。「エヴォケーション」は4楽章で10分ほどの曲。ラッグルズの特徴である緻密な管弦楽法が 示されています。 3人目は保守的な新ロマン主義音楽の作曲家ハワード・ハンソン。「夜明け前」は彼の若き日の作品で、今回が世界初録音となります。7分弱の短い曲で すが、R・シュトラウスを思わせる壮大な響きで雄大な自然が感じさせます。 ヘンリー・カウエルはトーン・クラスターなど実験音楽で知られる人。その先進的な作風は後続世代に大きな影響を与えました。演奏時間20分ほどの「オーケ ストラのための変奏曲」は後期の作品。実験的な要素は影をひそめているものの、サックスの美しい響きや、ピアノやパーカッションの活躍など、次々と変化す る情景が見事です。
ODE-1398
NX-B04
アルギルダス・マルティナイティス(1950-): シーズンとセレナード〜弦楽オーケストラの為の作品集
3つのマート・コメディ・シーズン(2014)- ヴァイオリンと弦楽オーケストラのために
アルティザッラ(2001) - 弦楽オーケストラとチェンバロのために
ヨーロッパのミストレスの為のセレナード(1999) - 弦楽オーケストラのために
楽園の鳥たち(1981) - 弦楽オーケストラのために
悲しきワルツ(2020) - ソプラノと弦楽オーケストラのために
彼方の愛の歌(2014) - ソプラノ、弦楽オーケストラとピアノのために
ルータ・リピナイティーテ(Vn)
アスタ・クリクシュチューナイテ(S)
ダウマンタス・スリプクス(Cemb、P)
セント・クリストファー室内O
モデスタス ・バルカウスカス(指)

録音:2020年2月
リトアニアの作曲家アルギルダス・マルティナイティスの弦楽オーケストラの為の作品集。 収録された作品は、初期の「楽園の鳥たち」(1981)から最近書かれた「悲しきワルツ」(2020)までの20年間にわたり、マルティナイティスの幅広い作風の 変遷が示されています。ヴィヴァルディの"四季"を意識した「3つのマート・コメディ・シーズン」、リトアニアの新ロマン主義運動の先鋒を果たした「楽園の鳥た ち」、チェンバロを効果的に用いた「アルティザッラ」、穏やかな美しさの中に時折アイロニカルな響きが入り混じる「ヨーロッパのミストレスの為のセレナード」など からはマルティナイティス独自の音楽を感じることができます。またソプラノ・ソロを伴う「悲しいワルツ」と「彼方の愛の歌」ではリトアニア系フランス人の詩人オス カル・ミロシュの詩が用いられています。 バルト三国音楽の熱心なファンの間ではよく知られるマルティナイティスですが、彼の作品を収録したアルバムはとても少なく、このモデスタス ・バルカウスカスが 指揮するセント・クリストファー室内Oの演奏は、ファンだけでなく多くの愛好家にとっても福音となることでしょう。
ODE-1399
NX-B04

NYCX-10275
国内盤仕様
税込定価
ペーテル・ヤブロンスキー・プレイズ・グラジナ・バツェヴィチ
演奏会用クラコヴィアク(1949)
10の演奏会用練習曲(1956-57)
練習曲第1番:Allegro non troppo
2つの音符による2つの練習曲(1955)
ピアノ・ソナタ第1番(1949)
ピアノ・ソナタ第2番(1953)
ペーテル・ヤブロンスキー(P)

録音:2021年6月
音楽家の父の下、幼い頃からピアノとヴァイオリンの指導を受けたグラジナ・バツェヴィチ。1928年にワルシャワ音楽院に入学、1932年に卒業した後、パリに 留学。エコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェに作曲を師事しました。ポーランド放送Oのコンサートマスターを務めるなど、ヴァイオリン演奏に も優れていた彼女は多くのヴァイオリンのための作品や4つの交響曲、ピアノ曲などを遺しましたが、ごく最近まで、彼女の作品はポーランド以外ではほとんど知ら れていませんでした。しかしクリスティアン・ツィメルマンを始めとしたポーランドの演奏家たちが相次いで取り上げたことでその独創的な作風に注目が集まり、近 年は演奏される機会も増えています。 このアルバムでヤブロンスキーが披露するのは、ピアノ・ソナタ第1番と第2番、まばゆいばかりの技巧が堪能できる「10の演奏会用練習曲」と「2つの練習曲」そ してポーランド民謡の素材を効果的に用いた「演奏会用クラコヴィアク」の5作品です。なかでも1949年の「ピアノ・ソナタ第1番」はヤブロンスキーが PWM(ポーランド音楽出版社)で出版するために編集した版を使用するなど、力の入った曲集となっています。
※ 国内仕様盤に付属する日本語解説書には、BBCやイギリス芸術・人文科学リサーチカウンシル(AHRC)で「忘却された女性作曲家たち」プロジェクトに 取り組んでいるアナスタシア・ベリーナの原盤解説を邦訳して掲載。

ODE-1400
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op. 25
ピアノ協奏曲第2番ニ短調 Op. 40
華麗なカプリッチョ ロ短調 Op. 22
ラルス・フォークト(P&指)パリ室内O

録音:2021年11月2-5日
2020年7月にパリ室内Oの音楽監督に就任したラルス・フォークト。これまでにもロイヤル・ノーザン・シンフォニアを弾き振りし、ブラームスの2 つのピアノ協奏曲とベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲、三重協奏曲で素晴らしい演奏を披露してきましたが、今作でのパリ室内Oとのアル バムでは、メンデルスゾーンのピアノ協奏曲を弾き振りしました。収録曲はメンデルスゾーン22歳の時に書かれた、冒頭の激しいパッセージが印象的な 第1番、28歳の作品でバーミンガムで初演された第2番。ともにメンデルスゾーンらしい優雅な旋律と、技巧的なパッセージが多用されたピアノ・パート と、力強いオーケストラ・パートが特徴。フォークトは双方を手堅くまとめ、一体感を生み出すことに成功しています。添えられた「華麗なカプリッチョ ロ 短調」は1825年の作品。ゆったりとしたピアノの独奏に先導され、オーケストラが巧みな伴奏を付けていきますが、突然激しい曲調に変わるなど、カ プリッチョ(奇想曲)のタイトルにふさわしい華やかな作品です。フォークトが奏する目の覚めるようなパッセージに耳を奪われることでしょう。フォークトに とっても新しい世界の開拓となる記念碑的な1枚です。
ODE-1402
NX-B07

NYCX-10313
国内盤仕様
税込定価
ジョン・ケージ:合唱作品集
Five (1988)/讃美歌と変奏(1979)
Four2(1990)/Four6(1992)
ラトヴィア放送cho
シグヴァルズ・クラーヴァ(指)

録音:2007年、2020年3月、2020年7月、2020年6月
演奏者が一切音を出さない作品「4分33秒」で音楽や演奏の意味を根底から揺さぶったアメリカの作曲家ジョン・ケージ。その実験的な音楽や思想は音 楽というジャンルを越えて多くのアーティストに影響を与えました。 ハーモニーを嫌悪していたというケージと「合唱」との組み合わせには意外な印象を受ける人も多いでしょう。彼が合唱曲を初めて手掛けたのは67歳の時 で、既存の楽曲(ウィリアム・ビリングスの讃美歌)を彼の流儀で変形して「変奏」したものでした。初期のアメリカ音楽の風合いを保ちつつ、ケージが忌避し た和声感を抜き去ること…様々な試行錯誤の末に生まれたのが、12声のための「讃美歌と変奏」です。 ケージが合唱曲として書いたのは、この作品の他には1990年に高校の合唱団のために書いた「Four2」のみ。各パートの独立した音の重なりから生まれる 偶然性の響きを、理論やルールにとらわれない自然なハーモニーとして、ケージは「Anarchic Harmony(無政府状態のハーモニー)」と呼びました。 他の2曲「Five」と「Four?」は合唱用に書かれたものではありませんが、演奏に用いる楽器の指定はなく、「Five」の5つのパートには特定の音域(主に高音 域)のみが指定されており、その音域を演奏できる声や楽器であれば何でも演奏することができます。「Four?」は更に演奏の自由度が高く、4パートの演奏 手段の指定が無い上に、演奏者は少ない音符と時間及び番号が記された楽譜から任意に音を選んで演奏することになります。このため、演奏次第で響き も演奏時間も全く異なるものとなります。 全ての曲には指定された歌詞は存在せず、ケージが声を「楽器」の一つと見なしていたことがうかがわれます。 来日公演でも高い評価を得たシグヴァルズ・クラーヴァが指揮するラトヴィア放送合唱団が見事な演奏を披露しています。 ※国内仕様盤には現代声楽曲のスペシャリストとして活躍する松平敬氏の解説が付属します。
ODE-1403
NX-B07
ジブオクレ・マルティナイティーテ(1973-): 作品集
ぎ行く今、残る今(2020)- パーカッションと弦楽オーケストラのための
闇から光へ(2021)- 弦楽オーケストラのための
心の原風景(2019)- チェロと弦楽オーケストラのための
パヴェル・ギュンテル(パーカッション)
ロカス・ヴァイトケヴィチウス(Vc)
リトアニア室内O
カロリス・ヴァリアコイス(指)

録音:2021年6月8-12日
1973年、ロシア生まれのリトアニア人でニューヨークを拠点としている作曲家、ジブオクレ・マルティナイティーテの作品集。 前作(ODE-1386)に収録された「郷愁」が2022年2月にニューヨーク・フィルの定期演奏会のプログラムに載るなど、注目度が高まっています。 ONDINEへ2作目の録音となるこのアルバムは、過去3年間に書かれた弦楽オーケストラのための3作品を収録、第1曲の「Nunc fluens. Nunc stans」は古代ローマの哲学者ボエティウスの言葉「過ぎゆく今が時間となり、残る今が永遠となる」から採られています。新型コロナウィルス感染症の拡大 が世界を不安と恐怖に巻き込んでいた2020年4〜5月に書かれた作品で、ゆっくりと展開していく音楽が当時の世情を写しつつも、それを越えた「永遠」を 求める心を表現するかのようです。効果的に用いられているパーカッションも聴きどころの一つです。 2020年11月から2021年3月にかけて作曲された「Ex Tenebris Lux 闇から光へ」はヴァイオリン8、ヴィオラ4、チェロ4、コントラバス2の編成による作 品。抑制された挽歌で始まり、様々な奏法を駆使しながら、最後は輝かしい弦の響きが希望を感じさせます。 「Sielunmaisema」(フィンランド語で「心の原風景」といった意味)は独奏チェロと最低21人の奏者を必要とする弦楽オーケストラのための作品。リトアニア とアメリカという大きく異なる文化的アイデンティティを持つ作曲家自身が「どこに住もうとも変わらずに心の中にある風景」を描いたものです。ヴィヴァルディ作 品のように四季をモティーフにしていますが、曲ごとに4つの季節の特徴を表現しているのではなく、楽章は相互に関連性が持たされています。またチェロが主 役であるため、よりまろやかな響きが得られることも特徴です。
ODE-1404
NX-B04
シベリウス:交響曲第7番*
組曲『クリスティアン2世』、
組曲『ペレアスとメリザンド』
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2021年10月*、2021年12月
2021年9月8日、フィンランドRSOの歴史に新たなページが拓かれました。1983年ロンドン生まれのニコラス・コロンの首席指揮者就任記 念コンサート。1927年に創設された楽団の歴史上初めてフィンランド国外から首席指揮者が迎えられたのです。 ニコラス・コロンはヴィオラ、ピアノ、オルガンを学び、イギリス・ナショナル・ユース管にヴィオラ奏者として参加。このユース管で一緒だったロビン・ティチアー ティ(コロンと同年生まれ)たちと共に、暗譜・立奏を旨とするオーロラOを2004年に創設し、その首席指揮者としてダイナミックな音楽作りや、 異なるジャンルのパフォーマーとの共演、更にはコンサートホール以外の場所にも演奏の場を広げて注目を集め、名門ひしめくロンドンのオーケストラ界 にあって勝るとも劣らない人気と評価を誇るまでに育て上げました。 2010年代に入るとドイツ、フランス、スペインや北欧のオペラハウスと名門オーケストラに招かれるようになり、ハーグ・レジデンティ管の首席指揮者 (2016-21)、ケルン・ギュルツェニヒ管の首席客演指揮者(2017-)を務めるなど評価を高めて来ました(2019年には東京都響にも出演)。2017 年3月にフィンランド放送響を初めて指揮すると、2度目の客演に先立つ2019年5月2日に次期首席指揮者に指名されるという異例の抜擢。最初 の共演が与えたインパクトの強さ、今後の期待の大きさが想像されます。 その注目のCD第一作はオーケストラの血肉となっているシベリウス。コロンの指揮の師コリン・デイヴィスが得意としたレパートリーでもあります。コロンと フィンランド放送響は2021年12月6日のフィンランド独立記念日ガラ・コンサートで交響曲第7番と『クリスティアン2世』を演奏しており、このCDは同 時期の録音。先立って録音された『ペレアスとメリザンド』共々、高揚感に加えて弦のしっとりとした質感、仄暗い音色で奏でる弱音部の美しさも印象 的で、オーケストラのカラーをうまく引き出しています。ONDINEレーベルのオーケストラ録音を数多く手がけ、優秀録音で評価の高いベテラン、エンノ・ マエメツが録音・編集・マスタリングを担当しており、オーディオ的にも楽しみな1枚。このコンビはONDINEレーベルに継続的な録音予定があり、コロン の指揮する本格的なシンフォニー・レパートリーを聴く機会が増えそうです。
■コロンさんを迎えて
2017年に初めて彼はフィンランド放送響を振りに来た。最初のリハーサルから「なんて素晴らしい指揮者だ」と話題になり、その週のコンサート後、彼をハンヌ・リントゥ氏の後任にしてはどうかという声が多く上がった。私はその時演奏はしなかったもののコンサートを聴きに行っており、オーケストラのサウンドが普段より格段にあたたかくなっていると感じた。プログラムはアデスのピアノ協奏曲とプロコフィエフの5番。難しい曲なのに良く合っているだけでなく、表情豊かだった。隣に座っていた妻と良い意味で驚いた記憶がある。
しばらくしてオーケストラの会議があり、満場一致で彼にオファーを出そうと決まった。そして去年2021年9月に常任指揮者としてデビュー。以前はフィンランド放送響というとマイナーな曲、難解な現代曲を多く演奏していたが、コロン氏就任以来、年間を通してのプログラムも王道を行くものが多く、個人的にも非常に嬉しい。彼の良いところは無駄のない指揮、充実した音楽表現、リハーサルの進め方、雰囲気作り等々オーケストラが次のレベルに達するのに必要な事を兼ね備えていることだ。とりわけバロック、古典派へのアプローチが好きで、彼自身も今後意欲的に取り上げたいと言っていたので今後が楽しみ。彼の登場によりオールラウンダーになったフィンランド放送響。これからもご注目ください!!【小山裕幾(フィンランド放送交響楽団 首席フルート奏者】
ODE-1405
NX-B04
ラウタヴァーラ:『Lost Landscapes 失われた風景』
ファンタジア(2015) - ヴァイオリンと管弦楽のための
イン・ザ・ビギニング(2015)- 管弦楽のための…世界初録音
2つのセレナード(2016/18)- ヴァイオリンと管弦楽のための(カレヴィ・アホによる補筆完成)
愛する人へのセレナード
人生のセレナード
失われた風景(2005/15)- ヴァイオリンと管弦楽のための…管弦楽伴奏版による世界初録音
シモーネ・ラムスマ(Vn)
マルメSO
ロバート・トレヴィーノ(指)

録音 2021年6月21日-23日マルメ・ライヴ・コンサートホール、マルメ(スウェーデン)
20世紀後半から21世紀にかけてフィンランドを代表する作曲家として国際的な評価を確立したラウタヴァーラ。さまざまな作風の変遷を経た後に、21世紀に なると神秘的・瞑想的な作品を多く遺し、2016年にこの世を去りました。このアルバムでは、その晩年の作品群を、注目の指揮者ロバート・トレヴィーノとマルメ SOが、ヴァイオリニストのシモーネ・ラムスマを独奏者に迎えて収録しています。 晩年のラウタヴァーラは、世界的なヴァイオリニストたちから「作品を書いてほしい」という依頼を何度も受け、大規模な作品を数曲書き上げました。アルバムの 冒頭の「ファンタジア」は柔らかい響きを纏ったネオ・ロマンティック風の作品で、牧歌的な雰囲気と静けさに満ちています。 「2つのセレナード」は、2014年に依 頼されながら未完に終わったヴァイオリン協奏曲から生まれた曲。ラウタヴァーラによる第2楽章のスケッチを弟子のカレヴィ・アホが補筆完成したものです。師の 作風を尊重したアホの絶妙なオーケストレーションが楽しめます。 「Lost Landscapes 失われた風景」は五嶋みどりのために書かれた作品。当初ヴァイオリン・ソナタとして作曲されましたが、2013年にラウタヴァーラ自身が オーケストレーションを施し、まず最初の部分が2015年7月のタングルウッド現代音楽祭で初演され、その後マルメにて全曲がシモーネ・ラムスマの独奏で初演 されました。 管弦楽のための「In the Beginning イン・ザ・ビギニング」は日本フィルが共同委嘱した6分ほどの作品で、2019年のインキネン&日本フィルのヨーロッパ・ツ アー・プログラムの冒頭を飾りました。コンサートだけではなく、さまざまな「始まり」の時を暗示する美しい作品です。 *国内仕様盤には北欧音楽に造詣の深い津田忠亮氏の日本語解説が付属します。
ODE-1411
NX-B07

NYCX-10344
国内盤仕様
税込定価
トーマス・アデス(1971-)::歌劇「彼女に化粧を(パウダー・ハー・フェイス)」 -ホテル組曲(2018)
見出された場所(管弦楽版)(2016)
おとぎ話の踊り(管弦楽版)(2021)*
夜明け- 任意の間隔で配置されたオーケストラのためのシャコニー(2020)#
ニコラス・コロン(指)
フィンランドRSO
ペッカ・クーシスト(Vn)
トマス・ヌニェス(Vc)
フィンランドRSO
ニコラス・コロン(指)

録音:2021年10月、2022年4月*、2022年5月#
全て世界初録音
※国内仕様盤には原盤解説の日本語訳が付属します。
「トーマス・アデスは前世紀と今世紀における偉大な表現者で、私にとって指揮したくなる作曲家の一人です」--ニコラス・コロン フィンランドRSO(FRSO)の歴史上初めて国外から首席指揮者に迎えれらたニコラス・コロン。正統的な解釈、音色への繊細な配慮、オケの卓 抜なコントロールが称賛されたFRSOとの第1作シベリウス:交響曲第7番他(NYCX-10305[国内仕様盤]/ODE-1404[輸入盤])に続く注目の第2作 はトーマス・アデス! コロンがFRSOに就任して最初のシーズンである2021年秋の『第3回フィンランド放送音楽祭』で、コロンがメインに据えたのはイギリスを代表する作曲家の 一人、トーマス・アデスでした。特に注目されたのが、ペッカ・クーシストが演奏した「Marchentanze おとぎ話の踊り」の管弦楽版世界初演。この曲はルイ・ ヴィトン財団と東京オペラシティ文化財団の共同委嘱を受けてヴァイオリンとピアノのために書かれ、東京オペラシティのコンポージアム2020においてアデス自 身のピアノとリーラ・ジョセヴォウィッツにより初演される予定でしたが、新型コロナ感染症の拡大によりアデスの訪日が中止となり、翌2021年10月にパリで、 アデスとペッカ・クーシストにより初演されました。ここに収録されたのはフィンランド放送(Yle)の委嘱による管弦楽版。作品はイギリス民謡を基調とした4つの 楽章で構成され、アデスらしい冴えたオーケストレーションと超絶技巧に加えて親しみやすい雰囲気をもっており、ひばりが飛ぶさまを描いた第3楽章はヴォー ン・ウィリアムズの「揚げひばり」を彷彿させます。 『ホテル組曲』はアデス24歳の作品で彼の出世作となった歌劇「彼女に化粧を(パウダー・ハー・フェイス)」の素材による管弦楽組曲。この歌劇は実際にあっ た貴族階級のスキャンダルに基づくストーリーを持ち、アルバン・ベルク、ブリテン、ヴァイル、ピアソラなどの影響が感じさせる音楽が付けられています。アデスは この音楽を気に入り、これまで3つの管弦楽組曲を作っており、『ホテル組曲』は最新のもの。 「見出された場所」はスティーヴン・イッサーリスのために書かれた実質的なチェロ協奏曲。水を描いた第1楽章、山(登山家)を描いた第2楽章に続き、瞑想 的な第3楽章を経て、オッフェンバックのカンカンを引用した技巧的なフィナーレで幕を閉じます。 「夜明け」は2020年のBBCプロムスの委嘱作。”Chacony for orchestra at any distance(任意の間隔で配置されたオーケストラのためのシャコ ニー)"という副題は、作曲時の経緯を物語っています。当時、新型コロナウイルスの感染を防ぐためには舞台上で演奏者同士の距離をどれだけとれば安全 かという議論があり、アデスはこの作品を「どんな配置でも演奏できるように」書きました。2020年8月、サイモン・ラトル(指)LSOが初演。
ODE-1412
NX-B07
ショパン:マズルカ全集 第1集
4つのマズルカ Op. 6(1830-32)
5つのマズルカ Op. 7(1825?-31)
4つのマズルカ Op. 17(1831-33)
4つのマズルカ Op. 24(1833-36)
4つのマズルカ Op. 30(1836-37)
4つのマズルカ Op. 33(1836-38)
4つのマズルカ Op. 41(1838-39)
ペーテル・ヤブロンスキー(P)

録音:2022年8月3-4日
スウェーデン出身のピアニスト、ペーテル・ヤブロンスキー。アバドとアシュケナージに見いだされ、17歳にしてDeccaと専属契約したのをきっかけに数多くの録 音を発表し続けています。近年では「自分が本当にいいと思えるもの」に絞って録音し、ONDINEレーベルから発表して来ました。同レーベル4作目の録音 は、ポーランド人の父を持つヤブロンスキーが「最も愛する作品」と語り、キャリアの初期から演奏を重ねて来たショパンのマズルカ。満を持しての全集録音第 1集です。 祖国ポーランドの舞曲を基にしたマズルカを、ショパンは20歳の頃から最晩年にいたるまでの折々に作曲しました。作品番号ごとにまとめられた数曲でまとま りのある構成を持たせ、楽譜には明確な指示を記しているものの、弟子たちが弾く時には「自分の直感を信じるように」と語ったとされ、演奏する際には的確 なテンポ・ルバートやダイナミクス、ペダリングなどが要求されます。ヤブロンスキーは卓越したテクニックによって積年の演奏経験を通じて育んだショパンへの共 感を表現。ブックレットには自ら解説を寄稿し(共著、英語)、その最後にシマノフスキの次の言葉を引用して締めくくっています。 「ショパンはポーランド音楽の可能性を示した不滅の姿だ。それはヨーロッパの中のポーランドであり、祖国の特質を何一つ失うことなく、ヨーロッパ文化の頂点 に立っている」
ODE-1418
NX-B07
メルケル・メルケシュ:交響曲と交響詩集
ケルメス(1920)- ルーベンスの絵画による交響詩*
交響詩「エレジー」 Op.15(1919)*
交響曲 ニ短調 Op.19(1925)
イェヴレSO
ハイメ・マルティン(指)

録音:2022年6月13-16日、2022年12月17-18日
*=世界初録音
スウェーデンの作曲家メルケル・メルケシュの作品集。1910年代にパリで学んだメルケシュは、当時のフランス音楽と、留学先で知り合ったマティスやピカソ、モ ディリアーニらの芸術に強い影響を受けました。しかし彼は比較的保守的な作風を貫き、どちらかというとセザール・フランクに近い厳格な形式による作品を多 く遺しています。 メルケシュは頻繁にルーヴル美術館へ足を運び、とりわけルーベンスの絵画に魅了されました。このアルバムに収録されている「La Kermesse ケルメス」は、 結婚を祝う農村の祭りを描いたとされるルーベンスの作品にインスパイアされたもので、全編明るい雰囲気に満たされています。「エレジー」は"私の母の記憶 に"と記された抒情的な作品。母クリスティーネを亡くしたばかりのメルケシュの悲しみが表現されており、初演時には批評家からも絶賛されました。彼の代表 作の一つ「交響曲 ニ短調」は急緩急の3楽章で書かれた演奏時間36分余りの作品。3管編成で、持ち換えのピッコロ、イングリッシュホルン、バス・クラリ ネットに、更にハープを加えたオーケストレーションからはフランス近代音楽風の色彩豊かな響きが立ち上ります。メルケシュはこの作品をストックホルムの新コン サートホールこけら落としのための新作コンクールに出品しました。審査員はカール・ニールセン、ロベルト・カヤヌス、ヨハン・ハルヴォルセンの3名。結果はアッテ ルベリの「歌」が第1位で、この曲は第2位。しかしこけら落とし翌日の公演で演奏され、音楽関係者からは好評を得たと伝えられています。 1912年に創立された100年以上の歴史を持つイェヴレSOと、2022年から首席指揮者を務めるハイメ・マルティンが作品の魅力を引き出していま す。

OCTO-409
旅路〜エレキ・カンテレの世界
狂気のポルスカ/エルヴィーラ/
魔術師/雨の窓/
リポスティ/木枯らし/知りません/
旅路/丘/
リポスティ(リミックス)/

ボーナストラック…CD-ROM:リポスティの映像/エルヴィーラの映像
ティモ・ヴァーナネン(エレキ・カンテレ)
ほか/ヴォーカル
OCTO-411
ヘイッキ・サルマント(1939-):カンタータ「絶滅した鳥の歌」
(児童合唱とジャズ・アンサンブルのための;2002)
カリ・アラ=ポッラネン(指)
タピオラ児童cho
ヘイッキ・サルマント・アンサンブル
[ヘイッキ・サルマント(キーボード)、ペッカ・サルマント(ベース)、マッティ・コスキアラ(打楽器)、ユハニ・アールトネン(Fl)]
OCTO-412
クリスマスの輝き
ルロイ・アンダーソン:そりすべり
ハワード・ブレイク:ウォーキング・イン・ジ・エアー
ユーハンソン:年月が速く過ぎると/民謡/
毎日がクリスマス/クリスマスの輝き
メリカント:クリスマスがやってきた
リンドストレム:昨日のクリスマス
ユーハンソン:クリスマスの星(メドレー)
カッリオニエミ:トントゥ
ケント:アイル・ビー・ホーム・フォー・クリスマス
マルックラ:踊るスノーマン
ルロイ・アンダーソン:クリスマス・フェスティヴァル
ブレイク:ウォーキング・イン・ジ・エアー
マリ・パロ(S)
ペトリ・ベクストレム(T)
ラッセ・ヒルヴィ(P)
マルック・ユーハンソン
(Tp/フリューゲルHr)(指)
ヴァンター・ポップスO、
ヴァンター・ポップスO
スウィングバンド、
ヴァンター音楽学校cho
ODV-4003(DVD)
ラウタヴァーラ: 歌劇「ラスプーチン」(全3幕) ラスプーチン:マッティ・サルミネン(Bs)、
アレクサンドラ皇后:リリ・パーシキヴィ(S)、
皇帝ニコライ2世:ヨルマ・ヒュンニネン(Bs)、
フェリクス・ユスポフ:イルキ・アンティラ(T)、
ヴィルボワ公爵夫人:リトヴァ=リーサ・コルホネン(S)ほか、
ミッコ・フランク(指)フィンランド国立歌劇場O&cho
収録:2003年10月/フィンランド国立歌劇場(ヘルシンキ)/ライヴ/5.1 SURROUND/PCM STEREO/カラー 16:9 /150分
現代フィンランドの大物エイノユハニ・ラウタヴァーラ (1928-)のオペラ第10作にあたる「ラスプーチン」(2003) がDVD登場。帝政ロシア末期に現れ、ロマノフ王朝を崩壊させるきっかけを作った怪僧ラスプーチンを主役にしたオペラで、ラジンスキーの小説をもとにラウタヴァーラ自身が台本を執筆しているのも注目です。ロシアを舞台としているため、透明で癒し的なラウタヴァーラ色が抑えられ、ムソルグスキーを思わせる粗削りなエネルギーに代わっていますが、フィンランド人の目を通したロシア近代史(当時フィンランドはロシア領)は興味津々。ラスプーチン役はフィンランドを代表するサルミネン。恐ろしいまでのド迫力ですが、悪漢ながら親切、預言者ながら悪魔であるラスプーチンの二面性を巧みに表しています。またパーシキヴィ演じる皇后の哀しみ、ラスプーチンを暗殺するユスポフとドミートリー大公のホモ関係など、池田理代子の名作「オルフェウスの窓」に匹敵する面白さです。初演以来の指揮者であるミッコ・フランクのドラマ作りも凄みすら感じさせます。ロシアに興味がある人必携のDVDです。 (Ki)
KDC-5014(2SACD)
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」、
 ピアノ四重奏曲イ短調*
クリストフ・エッシェンバッハ(指,P)
フィラデルフィアO、
フィラデルフィアO のメンバー[デイヴィッド・キム(Vn)、チューン=ジン・チャン(Va)、エフェ・バルタチギル(Vc)]*
録音:2005年11月(ライヴ)、 2006年3月*
※日本語解説付き
音楽監督エッシェンバッハのもと、華麗をきわめた“フィラデルフィア・サウンド”が全開!舞台左右両翼に並んだヴァイオリン。最近話題の楽章配置はアバド、ヤンソンスらとは異なり、2 楽章スケルツォ、3 楽章アンダンテの順による演奏といったポイントに加え、なにより現代屈指のマエストロがスーパー・オケを鳴らし切って、破格のスケールで展開される音楽はまさに圧巻というほかありません。そして当シリーズの目玉といえるのが驚異的な録音。SACD フォーマットを活かしメジャーレーベルでの経験も豊かな最高の布陣による仕事が確認できます。カップリングは交響曲と同じ調性による若き日の四重奏。名手エッシェンバッハがフィラデルフィアのトップ・メンバーと親密なアンサンブルを聴かせています。特別に日本語のオビに加えて、音楽評論山崎浩太郎氏による充実の解説つきというのも大きな魅力となっています。スリップケース入りの豪華仕様。  (Ki)


このページのトップへ


このサイト内の湧々堂オリジナル・コメントは、営利・非営利の目的の有無に関わらず、
これを複写・複製・転載・改変・引用等、一切の二次使用を固く禁じます
万一、これと類似するものを他でお見かけになりましたら、メール
でお知らせ頂ければ幸いです




Copyright (C)2004 WAKUWAKUDO All Rights Reserved.