湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



Grand Piano



知られざるピアノ作品にスポットを当てることを目的に、2012年に発足したレーベルです。世界初録音を含むレアなピアノ作品を中心に、年に15タイトル程のペースで新譜がリリースされる予定です。2012年ににリリースされるタイトルのジャケットデザインは、ノルウェー出身の新鋭画家グロー・トルセン氏が担当。



※品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者

GP-601
サン=サーンス:ピアノ作品全集第1集
6つの練習曲Op.52
6つの練習曲Op.111
左手のための6つの練習曲Op.135
ジェフリー・バールソン(P)

録音:2011年1-2月
フランスのロマン派音楽の発展に素晴らしい貢献を果たしたはずなのに、なぜか現代ではあまり評価されていないサン=サーンス。でも、彼のピアノ曲には、まさに「フランスのエスプリ」がたっぷり詰まっていることをご存知でしょうか?とりわけ、この3つの練習曲集には、きらめく繊細さと素晴らしい技巧性が溢れていて、演奏家にとっても、聴き手にとっても、いろいろな意味で興味を引くものとなっています。とりわけ、Op.52の第6番「ワルツ形式の練習曲」に見られる、華々しい技巧と美しいメロディは、とても「サロン風の音楽」などとは言えないほどの迫力と演奏効果を持っています。ピアニストはジェフリー・バールソン。北米を中心に活躍する彼は、ジャズも得意であり、このサン=サーンスでも、独特の間合いを感じさせるユニークな演奏を披露しています。

GP-602
ラフ:ピアノ作品集第1集
春の便りOp.55
3つのピアノ独奏のための小品Op.74
幻想曲ロ短調WoO.15A*
チャ・グエン(P)

録音:2011年1月28-29日UKウィアストン・コンサート・ホール
*=世界初録音
今では、ヴァイオリンの小品「ラフのカヴァティーナ」のみが知られるドイツの作曲家、ヨアヒム・ラフ(1822-1882)。若い頃はリストの助手として、晩年はマクダウェルの師として音楽界に貢献し、数多くの作品を残していますが、そのほとんどは現在忘れられてしまい、前述のカヴァティーナがかろうじて残っていると言っても過言ではありません。このアルバムでは、彼の知られざるピアノ曲に光をあてています。全てが世界初録音であり、聴きすすむごとに「こんなに良い曲があったのか」と驚かれる人も多いことでしょう。ベトナムのピアニスト、チャ・グェンの共感溢れる演奏です。

GP-603
ワインベルク:ピアノ作品全集第1集
ピアノ・ソナタ第1番Op.5/子守歌Op.1*
ピアノ・ソナタ第2番Op.8
2つのマズルカOp.10*
ピアノ・ソナタOp.49bis*
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ(P)

録音:2009年11月23-25日,2010年6月25-26日アメリカケーン・ユニバーシティ,ジーン&シェリー・エンロウ・リサイタル・ホール
*=世界初録音
ポーランドで生まれソ連に亡命したワインベルク(1919-1996)は、ショスタコーヴィチの友人として、また晦渋な作風の無伴奏弦楽曲、及び弦楽四重奏曲の作曲家として知られています。このシリーズではそんなワインベルクのピアノ作品の全集化に取り組みました。第1集に収録されているのは、比較的初期の作品で、子守歌、マズルカ、ソナタOp.49bis(原曲1950年に作曲されたソナチネ…ショスタコーヴィチに献呈…1978年に改定)は世界初録音となります。2008年のグラミー賞にノミネートされたピアニスト、フランツェッティは、ラヴェルを始めとした近代物と、ロシア物を得意とする人です。

GP-604
シュルホフ:ピアノ作品集第1集
ピアノのためのパルティータWv63
スージー-フォックス・ソングWV124
左手のための組曲第3番WV80
ドリア調の自作主題による変奏曲とフーガOp.10WV27
キャロリン・ヴァイヒェルト(P)

録音:2011年3月36-30日ドイツハンブルク音楽演劇大学
48年という、決して長くはない生涯の間に、エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)は幅広い音楽スタイルを吸収しました。ジャズやタンゴ、フォックストロット(ダンス音楽の一種)、はたまた実験音楽など、どれもにたっぷり趣向が凝らされ、興味深い筆致で描かれています。そんなシュルホフの作風を端的に知りたい人にオススメが、ここに収録されている「ピアノのためのパルティータ」です。さまざまな表情を持つ8つの曲は一度聴いたら病みつきになるほど、魅力たっぷりです。ドビュッシーの影響を受けたと言われる「変奏曲とフーガ」、斬新な「左手のための組曲」。カプースチンとは違うジャズ・テイストの音楽をお楽しみください。
GP-605
サン=サーンス:ピアノ作品全集第2集
ピアノ協奏曲第3番(ピアノ独奏版)〜第1楽章
組曲ヘ長調Op.90
アレグロ・アパッショナート嬰ハ短調Op.70(ピアノ独奏版)
主題と変奏Op.97/6つのフーガOp.161
ジェフリー・バールソン(P)

録音:2011年10月アメリカパトリッチ・サウンド・スタジオ
第1集(GP601)では、「練習曲」と題されながらも、実際には華麗かつ演奏困難な作品を寸分の隙もなく演奏していたバールソン。この第2集でも、サン=サーンスの知られざる魅力の発掘に邁進しています。このアルバムには、サン=サーンスによる「バロック、古典的な形態」と「ロマンティック」の融合作品を中心とした5つの作品が収録されています。協奏曲第3番のピアノ・ソロヴァージョンは、管弦楽パートを全て巧みにソロ・パートに入れ込んでしまうというもの。「アレグロ・アパッショナート」も同系統の作品で、まさにヴィルトゥオーゾの言葉を感じさせる音の多さに目を見張ります。「組曲」と「6つのフーガ」もかなり手の込んだもので、とりわけフーガについては、演奏家のバールソンも心酔しているようで、彼によるブックレット(英語、フランス語)にも、この作品の意義と素晴らしさが熱を持って記載されており、サン=サーンスの手法の見事さ以上に、その熱き解説に息を飲む思いがします。もちろん演奏も文句なし。説得力に満ちた音楽です。
GP-606
ゲルハルト・フロンメル:ピアノ・ソナタ第3番ホ長調「シシーナ」Op.15(1940/41:1962/80改編)
ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調Op.10(1935)
ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.6(1931)
タチアーナ・ブローメ(P)

録音:2009年2月ドイツベルリン,ラジオ・ベルリン=ブランデンブルク
ゲルハルト・フロンメルは1906年カールスルーエで生まれました。彼は1926年から1928年にヘルマン・グラプナーに音楽を学び、同時にハンス・プフィッツナーのマスター・クラスにも出席しています。シュトゥットガルトの大学で作曲科の教授を務めました。彼は生涯に渡って調性音楽を愛していましたが、時代は十二技法から無調へと流れ、彼は完全に忘れられた存在となってしまいます。その後、ドイツでファシストとみなされ、1984年に寂しく生涯を閉じることとなりました。彼の音楽は、前述の通り、いつも危ういところで調性の枠内に留まっており、それが不思議な官能性を醸し出しています。このアルバムでは第3番から遡って第1番へと曲順が組まれていますが、一通り聞いてみるとわかる通り、一番先鋭的な響きを持っているのは第2番でしょう。とは言え、それはあくまでもプロコフィエフなどの新古典的な音であり、なんとなく耳馴れたものであることは間違いありません。第3番のソナタは、作曲年こそ1940年代ですが、2度の改訂を施され、1992年の作曲家の死後の公開されたもの。彼の「見果てぬ夢」が描かれた幻想的な作品です。
GP-607
ワインベルク:ピアノ作品全集第2集
パルティータOp.54
ピアノのためのソナチネOp.49*
ピアノ・ソナタ第4番ロ短調Op.56
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ(P)

録音:2010年6月25-26日アメリカニュージャージー、ジーン&シェリー・エンロウ・リサイタル・ホール
*=世界初録音
ポーランドで生まれ、ロシアで活躍した作曲家ワインベルク(1919-1996)のピアノ作品集第2集です。ここでは1950年から1955年までの作品を収録しています。10の小品からなる「パルディータ」の簡潔な書法の中に込められた歌心(とりわけ第7曲のアリアは息を飲むほどの美しさ)。そしてやはり抒情的な表情を持つ「ソナチネ」、作曲当時、民謡に魅せられていたワインベルクの心意気を表現したかのように親しみ易い曲想の「ソナタ」。この3つの作品に漂う独特の作風に触れてみると、彼がどれほどまでに独自の作風を模索していたかがわかるのではないでしょうか?
GP-608
チェレプニン:ピアノ作品全集第1集
10のバガテルOp.5(1918)
ソナタ第1番Op.22(1918)
9つのインヴェンションOp.13(1921)…世界初録音
ソナタ第2番Op.94(1961)
10の練習曲Op.18(1920)…世界初録音
ジョルジョ・コウクル(P)

録音:2011年3月13日スイスルガーノ,スイスイタリアーナ・コンセルヴァトーリオ
ディアギレフのロシア・バレエ団の指揮者を務め、バレエ音楽作曲家としても知られるニコライを父としてロシアに生まれた作曲家アレクサンダー・チェレプニン(1899-1977)。ロシア革命後、グルジアを経由しパリに亡命、この地でフランス6人組の薫陶を受けますが、結局はそのような「定まった技法」からの脱却を図り、様々な国の民謡を採り入れた音楽を書くようになります。民謡採取旅行の傍ら、中国や日本で若手作曲家の育成に当たり、早坂文雄や伊福部昭らを指導、多くの感銘を与えたことでも知られています。そんな彼の作品の中には、様々な要素が混在しています。この第1集には比較的初期の作品である「バガテル」などの小品と、青年の巧みな書法が目立つ「ソナタ第1番」そして、それに対比するかのような「練られた音楽」が際立つ「ソナタ第2番」など5つの曲集が収録されています。彼の音楽を知るための絶好の入門作としてもオススメです。
GP-609
サン=サーンス:ピアノ作品全集第3集
6つのバガテルOp.3
アルバムOp.72
オーヴェルニュの狂詩曲Op.73
グルックの「アルチェステ」のエール・ド・バレエによるカプリス
夕べの鐘変ホ長調Op.85
無言歌ロ短調
アルバムのページ変イ長調Op.169
ジェフリー・バールソン(P)

録音:2011年11月1.5.7日アメリカニューヨーク,パトリッチ・サウンド・スタジオ
サン=サーンスの最初に出版されたピアノ作品は、生き生きとした動きが特徴的な「6つのバガテル」でした。彼が20歳の時に作曲したこの6つの作品は、バガテル(ちょっとしたもの、思いつき)という、ベートーヴェン以降余りは、使われたことのない形式であり、初めての作品としてはいささか「軽すぎる」感もあるように思えますが、そこは名手サン=サーンス。タイトルとはうらはらに、中身の濃い充実した作品となっています。有名な第3交響曲の2年前に書かれた「アルバム」は詩情豊かであり、第1曲目の「前奏曲」から、まるで空気のように軽やかで熱っぽいパッセージが現れ、繊細で見事な音楽を創り上げていきます。Op.73はもともとピアノとオーケストラのための作品ですが、作曲家自身の手でピアノ独奏曲へと改編されたもの。時折現れる民謡風の旋律がたまりません。他の小品の中でもとりわけ耳に残る「アルバムのページ」は彼の最後の出版されたピアノ曲。まるでフォーレの即興曲を思わせる短く印象的な作品です。
GP-610
ワインベルク:ピアノ作品全集第3集
子どもの雑記帳第1集Op.16
子どもの雑記帳第2集Op.19
子どもの雑記帳第3集Op.23
21の易しい小品集Op.34*
カン-カン
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ(P)

録音:2010年6月25-26日アメリカニュージャージー,キーン大学エンロウ・ホール
*=世界初録音を含む
ポーランドに生まれ、ワルシャワ音楽院で学ぶも、1939年のナチス・ドイツによるポーランド侵攻を逃れソヴィエト連邦に亡命したワインベルク(1919-1996)。以前は彼の作品をあまり耳にする機会もなかったのですが、最近は様々な作品の復興により、かなり全貌が明らかになったと言えるでしょう。この第3集には1943年以降に書かれた「子どもの雑記帳」と「21の易しい小品集」を中心に収録。室内楽作品ではショスタコーヴィチにも比肩されるほどの晦渋な作品を書いていた彼ですが、ここでは比較的穏やかな側面を見ることができます。Op.34の「21の易しい小品集」は確かに簡素な音符が使われていますが、実は初心者向きとは言えない内容を持っています。「カン-カン」は彼の2人目の妻となったオルガのために書かれた軽やかな作品です。
GP-611
ワインベルク:ピアノ作品全集第4集
ピアノ・ソナタ第3番Op.31
ピアノ・ソナタ第5番Op.58
リュドミラ・ベルリンスカヤの為の2つのフーガ…世界初録音
ピアノ・ソナタ第6番Op.73
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ(P)

録音:2009年11月23-25日、2010年6月25-26日
1939年ワルシャワ音楽院を卒業したワインベルク(1919-1996)は、第二次世界大戦の勃発に伴いソビエトに亡命します。ミンスクで過ごしている間に作曲を学び、その後ミンスクからタシュケントに再び移り結婚。私生活は激動の波にもまれるも創作活動は活発で、1944年から1946年にかけては彼の最高傑作のいくつか-ヴァイオリン・ソナタ、ピアノ三重奏曲、五重奏曲、交響曲などが次々と書き上げられます。1946年のピアノ・ソナタ第3番もその時期の作品で、表現と技法に確実なる進歩がみられるものです。友人の作曲家アベリオヴィチに捧げられ、ショスタコーヴィチの作品へのオマージュも見てとれます。第5番は1956年、第6番は1960年の作品で、更に彼らしい語法を有した名作です。世界初録音のフーガは、ボロディン弦楽四重奏団のチェリスト、ベルリンスキーの娘に捧げられており、思いの他穏やかな風情をもっています。
GP-612
ラフ:ピアノ作品集第2集
幻想的ソナタOp.168
創作主題による変奏曲Op.179
4つの小品Op.196…世界初録音
チャ・グエン(P)

録音:2011年6月25-26日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
知られざるスイスの作曲家ヨーゼフ・ラフ(1822-1882)。最近彼の作品への注目度が高まっていますが、このシリーズもその一連の流れに大きく寄与するものとなるでしょう。この第2集に収録されているのは、1871年前後の作品で、彼のキャリアの頂点に位置する充実の音に満ちています。リストよりもシューマン的な味わいを持つ「幻想的ソナタ」、微妙なゆらぎ感のある主題を、とことんまでに変容させた「変奏曲」、詩的で抒情的な煌めきが美しい「4つの小品」と、ラフの音楽の持つ深い味わいを感じることができるはず。
GP-613(2CD)
J.B.クラーマー:ピアノのための練習曲第1集&第2集
クラーマー:ピアノのための練習曲第1集Op.30
ブゾーニ:10のピアノ練習帳〜第7集クラーマーによる8つの練習曲
クラーマー:ピアノのための練習曲第2集Op.40
ジャンルカ・ルイージ(P)
アレッサンドロ・デリャヴァン(P)
ジャンパオロ・ストゥアーニ(P)

録音:2011年5月18-20,30日,6月1日イタリアヴィチェンツァ,バッサーノ・デル・グラッパ,ピエーヴェ・ストリカ・ディ・サント・エウセビオ
ピアノを学んでいる人は、大半の人が「クラーマー=ビューロー」という作曲家が書いたと思っている(に違いない)60の練習曲。実はヨハン・バプティスト・クラーマー(1771-1858)が作曲した第5巻からなる84曲の練習曲をハンス・フォン・ビューロー(リストの娘コジマの元夫)が、改訂したものであり、日本でもおなじみの練習曲として定着したものなのです。ここでは、本来の姿である84の練習曲を全てお聴きいただけます。この練習曲はベートーヴェンの甥カールが練習用として用いたほか、クララ・シューマンもピアノを学ぶ際、父から与えられたことで知られています。また他の後世の作曲家に与えた影響も大きく、ここに収録されたブゾーニ(1866-1924)の作品は、自らが作曲した「10の練習帳」の中に含まれているもので、クラーマーの曲を元にしながらも、もっと難しくなっています。演奏する楽しみと聴く楽しみをお届けいたします。
GP-615(2CD)
クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェ:12のピアノ・ソナタ集(1773)
ソナタ第1番ニ短調/ソナタ第2番ニ長調
ソナタ第3番ト長調/ソナタ第4番ハ短調
ソナタ第5番ハ長調/ソナタ第6番ヘ長調
ソナタ第7番変ロ長調/ソナタ第8番変ホ長調
ソナタ第9番ハ短調/ソナタ第10番ハ長調
ソナタ第11番ニ長調/ソナタ第12番イ長調
ベートーヴェン:ドレスラーの行進曲の主題による9つの変奏曲WoO63
スーザン・カガン(P)

録音:2011年1月17日,2月14.18.22日アメリカニューヨーク,ペトリッチ・サウンド・スタジオ
現在ではベートーヴェンの最初の教師として、その名が知られているネーフェ(1748-1798)。彼は1748年、ケムニッツの歴史ある職人の家に生まれました。学生時代から才能豊かで、1771年にはライプツィヒの音楽学校で学びます。1776年には、指揮者として楽団を率い、各地を演奏旅行するのですが、楽団の経済的失敗により職を失い、ボンの劇場に作曲家、音楽監督として採用されるのです。以降、作曲の教師を始め、多くの弟子をとるようになり、その中の「優秀な一人」がかのベートーヴェンだったというわけです。バッハ・ファミリーの熱烈なファンであったネーフェは、弟子たちの教材にバッハの平均律や、C.P.E.バッハの作品を積極的に取り込んだようで、ベートーヴェンも間違いなくその影響を受けています。アルバムの最後に収録された「変奏曲」は12歳のベートーヴェンがネーフェの勧めにより作曲、出版したものですが、この端正な響きはまちがいなく師譲りのものと言えるでしょう。そんなネーフェ自身の作品が聴ける貴重な2枚組です。
GP-617
メトネル:ピアノ・ソナタ全集第1集
ピアノ・ソナチネト短調(1898)
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.5
忘れられた調べOp.38-1「回想のソナタ」
ポール・スチュワート(P)

録音:2011年12月20-23日カナダケベック,モントリオールチャペル・ヒストリク・ドゥ・ボン=パストゥール
その詩的で憂いを含んだ音楽はラフマニノフと比較され、「近代ロシアの最も偉大な作曲家の一人」とされるニコライ・メトネル(1880-1951)。しかしもし血筋を考えるならば、彼の祖先は、父方、母方ともドイツ人でした。若き頃から才能を発揮し、ピアニスト、作曲家として華々しく活動を始めた矢先に勃発したロシア革命の余波を受け亡命。晩年は祖国の地を踏むことなかったのです。そんな彼のピアノ曲は、最近になって多くの演奏家たちが取り上げるようになり、素晴しい人気を博しています。このスチュワートによるシリーズも価値ある名演です。この第1集では3曲を収録。18歳の作品である「ソナチネ」は、まだチャイコフスキーなどの先人の影響が見られるものの、特徴的なリズムや独創的な楽想が用いられた興味深い作品です。1902年から03年に書かれた劇的で美しい第1番のソナタと、第10番にあたる「回想のソナタ」は、まさにメトネルらしさが横溢する名曲です。
GP-618
NX-B03
メトネル:ピアノ・ソナタ全集第2集
ソナタ三部作Op.11(1904-1908)
〈第1番:変イ長調/第2番:ニ短調「ソナタ・エレジー」/第3番:ハ長調〉
ピアノ・ソナタハ短調「おとぎ話」Op.25-1
ピアノ・ソナタト長調「牧歌」Op.56
ポール・スチュワート(P)

録音:2015年3月4-6日、2015年10月23日 カナダケベック、モン
トリオールサル・クロード・シャンパーニュ
ロシアの作曲家、ピアニストのニコライ・メトネル(1880-1951)。14曲のピアノ ・ソナタをはじめ、3曲のピアノ協奏曲、 室内楽曲、声楽曲とその作品ジャンルは多岐に渡り、そのどれもが「思考が感情 で飽和する時にインスピレーションがやって きます。そして感情には感覚が吹き込まれています」と彼自身が語ったように、 それはどれもが情感溢れる豊かなストーリー 性を有しています。ロシアで学び、将来を嘱望されたものの、1917年のロシア革 命の折に演奏旅行のため出国、結局、その まま祖国に戻ることはありませんでした。1925年、一旦パリに住むものの、当時 のフランス音楽には馴染めず、1936年に イギリスに移動、定住しこの地で生涯を終えます。激動の人生でありながらも、 イギリスでは多くの支援者を得て、彼の作品 が次々に録音されるなど、かなり幸福な晩年を送ったようです。このアルバムで は3つの時代の作品を収録。妻の弟アンド レイの死を悼み作曲された「三部作」ソナタ、短いながらも極めて雄弁なソナタ 「おとぎ話」、そして最後のソナタである「牧 歌」に見られるのどかで美しい曲想には、彼の祖国であるロシアの風景が封じ込 められています。
GP-619(2CD)
ベートーヴェン:ピアノ連弾曲全集
1-2.ピアノ連弾ソナタニ長調Op.6
3.ワルトシュタイン伯爵の主題による8つの変奏曲ハ長調WoO67
4.歌曲「君を抱いて」による6つの変奏曲ニ長調Wo074
5-7.3つの行進曲Op.45<
8.大フーガ変ロ長調Op.134
エイミー・ハーマン(第1ピアノ)
サラ・ハーマン(第2ピアノ)
CD1.現代のピアノにて演奏
CD2.ピリオド楽器にて演奏
使用楽器 CD1:ヤマハ
Disklavier D CFIIIS Pro (grand piano with disklavier drive),
CD2:1-3…フォルテピアノ
(after J.A. Stein, 1784),
CD2:4-7…フォルテピアノ(after Johann Schantz, ca.1800),
CD2:8…フォルテピアノ(after Nanette Streicher, nee Stein, ca.1815) (All fortepianos provided by
The Schubert Club) Tuning (fortepianos): a’=440Hz, equal temperament

録音 2010 年6 月2-4 日 アメリカ ミネソタ,ハメリン大学 サンディン・ホール…CD1,

録音:2010年6月2-4日アメリカミネソタ,ハメリン大学サンディン・ホール…CD1,
2010年10月18.22日アメリカミネソタ,ランドマーク・センター…CD2:1-7
2011年2月9-10日アメリカミネソタ,ランドマーク・センター…CD2;8
ベートーヴェンの連弾作品は全部で5曲あり、そのほとんどは教育用として書かれたものです。低音部が先生(ベートーヴェン自身)、高音部が生徒によって演奏され、アンサンブルの練習として役立つものでした。Op.6は唯一の「ソナタ」であり、2楽章形式のシンプルなものです。2曲目は、彼の友人であったワルトシュタイン伯爵の希望で書かれたもの。3曲目は、彼の「不滅の恋人」テレーゼとヨゼフィーヌに献呈されています。その次の「行進曲」は彼のパトロンのために書かれたようです。最後の「大フーガ」だけは別格であり「弦楽器のための大フーガ」からの編曲です。このアルバムは、1枚目を現代楽器(YAMAHA)で演奏、2枚目を当時のフォルテピアノで演奏するという趣向が凝らされたもの。音色の違いや、ベートーヴェンの真意が伝わる好企画です。

GP-621
フローラン・シュミット:2台ピアノと連弾のためのピアノ曲全集第1集
3つの狂詩曲Op.53*/7つの小品Op.15
パリジェンヌ・ラプソディ
インヴェンシア・ピアノ・デュオ(P…アンドレイ・カスパロフ&オクサーナ・ルチシン)

録音:アメリカヴァージニア,ノーフォークオールド・ドミニオン大学,ウィルソンG.チャンドラー・リサイタル・ホール

録音:2010年1月3日、2010年1月5日、2011年6月3日
※*=2台ピアノ*、その他は連弾
パリ音楽院に学び、シャブリエやドビュッシーの印象主義音楽の影響から出発。しかしその後ロシア音楽にも傾倒するなど、特異の音楽性で知られる作曲家フローラン・シュミット(1870-1958)。とりわけ精緻なバレエ音楽が合唱作品で知られていますが、彼のピアノ曲もなかなか興味深いものが揃っています。「3つの狂詩曲」は思いの他「親しげな風情」を見せる作品であり、あの有名な「影」のような粘っこい作風を期待した人は、ちょっと拍子抜けしてしまうかもしれません。初期の「7つの小品」は、もっとわかりやすいもので、まるでサン=サーンスの粋な曲を聴いているかのようです。しかし、ところどころに現れる音の揺らぎは、確かにフローラン・シュミットならではのもの。また使われている音の多さも群を抜くものです。エキサイティングかつ深淵な音楽を聴きたい人にぴったりと言えそうです。
GP-622
フローラン・シュミット:2台ピアノと連弾の為のピアノ曲全集第2集
5つの音でOp.34…世界初録音
ドイツの思い出Op.28
8つのやさしい小品Op.41…世界初録音
インヴェンシア・ピアノ・デュオ(P)
[アンドレイ・カスパロフ&オクサーナ・ルチシン]

録音:2011年5月18日、2010年6月4日、2010年7月9日
普段は難解な作風の曲ばかり書いているイメージのあるフローラン・シュミット(1870-1958)。その作品は近現代の作曲家、メシアンやデュティユーに影響を与え、また管弦楽作品の魅力に捉えられて抜け出せなくなったファンも数多し。とにかく孤高であり晦渋な作曲家なのです…が、ここで聴ける連弾の小品たちの何とも愛らしく親しみやすいこと。「5つの音で」は彼が追求した「五音階(全音階)」を極めた曲集で、シンプルな旋律線の中にユーモアや抒情性を詰め込んだ見事な音楽です。「ドイツの思い出」はノスタルジックな美しさを持つ8つのワルツ集で、自由闊達さに溢れています。「8つのやさしい小品」は当時の現代音楽を学ぶ学生のために準備された作品で、こちらも「5つの音」の概念を根底においており、様々な時代の形式と技巧を取り入れながら、魅力的な世界を描き出すことに成功した精巧な作品群です。
GP-623
フローラン・シュミット:2台ピアノと連弾のためのピアノ曲全集第3集
1.第163歩兵連隊の行進Op.48-2
2-6.旅のページ第1集Op.26<第1番:セレナーデ/第2番:訪問/第3番:あいさつ/第4番:さわやかな夜/第5番:英国の舞曲>
7-11.旅のページ第2集Op.26<第1番:子守歌/第2番:マズルカ/第3番:愉快な行進曲/第4番:慣れ親しむ家に戻る/第5番:ワルツ>
12-17.謝肉祭の音楽Op.22<第1番:パレード/第2番:ピエロのお話/第3番:美しきファティマ/第4番:象の訓練/第5番:占いの魔女/第6番:回転木馬>
インヴェンシア・ピアノ・デュオ
[アンドレイ・カスパロフ&オクサーナ・ルチシン]

録音:2012年1月3日、2011年1月4日、2011年5月13日
※連弾…2-17(1は本来連弾ですが、ここでは2台ピアノで演奏しています)
後期ロマン派から20世紀初頭における「フランス音楽」の作曲家の一人、フローラン・シュミット(1870-1958)。彼は、普段は難解な作風の曲ばかり書いているイメージがあり、また、その作品は近現代の作曲家、メシアンやデュティユーに影響を与えています。しかし、ここで聴けるピアノの連弾作品集は、どれも親しげな面持ちで聴き手の想像の世界を広げ、また音楽の楽しさを味わわせてくれるものばかりです。本来、軍楽隊のために書かれた「第163歩兵連隊の行進」ですが、このスコアは現在失われており、シュミットによる連弾版のみが知られている作品です。勇壮さの中にも戦いへの不安が刻み込まれた印象的な音楽です。「旅のページ」は音によるスケッチであり、精巧な音を用いながら、見事な絵画が描かれています。「謝肉祭の音楽」はフランスの謝肉祭の光景を描いた組曲。この時期のフランスには、公園に移動遊園地が設置され、パレードやサーカス、見世物小屋などがやってきます。魅惑的で幻想的な光景は、やはり一抹の郷愁をともないつつも、ひと時の喧騒を齎します。シュミットはそんな印象を見事な音にしています。
GP-625
サン=サーンス:ピアノ作品全集 第4集
ガヴォット ハ短調 Op.23
マズルカ 第1 番 ト短調 Op.21
マズルカ 第2 番 ト短調 Op.24
マズルカ 第3 番 ロ短調 Op.66
メヌエットとワルツ Op.56
カナリアのワルツ イ短調 Op.88
かわいいワルツ 変ホ長調 Op.104
のんきなワルツ 変ニ長調 Op.110
弱々しいワルツ ホ長調 Op.120
愉快なワルツ Op.139
リスボンの夜 変ホ長調 Op.63
イタリアの思い出 ト長調 Op.80
イスマイリアの思い出 Op.100
ジェフリー・バールソン(P)

録音: 2015 年1 月10.12.17 日 USA ニューヨーク,ブロンクス パトリッチ・サウンド・スタジオ
サン=サーンス(1835-1921)といえば、誰もが交響曲第3 番の壮麗さやピアノ協奏曲第5 番のエキゾチックな雰囲気を思い浮かべるに違いありません。しかしそんな彼が、実はフランスのバロック音楽の復興に力を尽くしていたことはあまり知られていないのではないでしょうか。彼はリュリやラモーの舞曲を研究し、その様式を自作に取り入れたのです。確かにトラック1の「ガヴォット」はまさにバロック風。他のワルツもうっとりとした雰囲気と名人芸に彩られた楽しいものです。今回も名手ジェフリー・バールソンの卓越した演奏で、この洒落た作品集をじっくり味わってみてください。
GP-627(2CD)
ダニエル・ゴットリープ・トゥルク:鍵盤のための12のソナタ集第1巻&第2巻(1776-1777)
「CD1.第1巻(1776)」
ソナタ第1番ハ長調/ソナタ第2番変ロ長調
ソナタ第3番ニ長調/ソナタ第4番ト短調
ソナタ第5番イ短調/ソナタ第6番ヘ長調
「CD2.第2巻(1777)」
ソナタ第1番ニ短調/ソナタ第2番変ホ長調
ソナタ第3番イ長調/ソナタ第4番ト短調
ソナタ第5番ハ短調/ソナタ第6番ト長調
ミカエル・ツァルカ(クラヴィコード、スピネット、ハープシコード、フォルテピアノ、タンジェント・ピアノ)

録音:2010年8月2-5日アメリカサウスダコタヴァーミリオン,国立音楽博物館

※世界初録音
モーツァルトと同時代に活躍したドイツの音楽家、理論家、教育者のダニエル・ゴットリープ・トゥルク(テュルク1750-1813)。彼はライプツィヒに生まれ、1774年からマルクト教会のオルガニスト、音楽監督として活躍しました。彼は1789年には鍵盤楽器を演奏する際の注意書きや心構えが丁寧に記された「クラヴィーア教本」を出版。これは当時の演奏家だけでなく、現代の演奏家たちにも強い影響を与える絶大なる教則本であることが知られています。いつも上品で丁寧な演奏を心がけるように説いたトゥルクの作品は、やはり典雅で美しく、技術、感性、知識の全てを必要とするものです。
GP-629(2CD)
ダニエル・ゴットリープ・トゥルク:やさしい鍵盤の為のソナタ集コレクション第1集&第2集
<CD1.第1集(1783)>
1-3.ソナタ第1番ヘ長調HedT99.3.1
4-6.ソナタ第2番イ短調HedT99.3.2
7-9.ソナタ第3番ト長調HedT99.3.3
10-12.ソナタ第4番ハ長調HedT99.3.4
13-15.ソナタ第5番ホ短調HedT99.3.5
16-18.ソナタ第6番ニ長調HedT99.3.6
<CD2.第2集(1783)>
1-3.ソナタ第1番ハ長調HedT100.4.1
4-6.シンフォニア第2番ニ長調HedT100.4.2
7-9.ソナタ第3番変ホ長調HedT100.4.3
10-12.ソナタ第4番ト長調HedT100.4.4
13-15.ソナタ第5番ニ短調HedT100.4.5
16-18.シンフォニア第6番変ロ長調HedT100.4.6
ミカエル・ツァルカ(ピアノ&ハープシコード)
CD1:4-6.CD2:4-9.16-18…バッハシュタイン製グランド・ピアノ(1784年),
CD1:10-12.CD2:13-15…シュタイン製アップライト・グランド・ピアノ(1820年),
CD1:7-9.13-15.CD2:10-12…ソデイ製グランド・ピアノ(1785年),
CD1:1-3.16-18.CD2:1-3…シュディ&ブロードウッド製ハープシコード(1781年)
録音:2011年8月2-5日アメリカマサチューセッツ,ボストンニュートン・センター

※CD1:10-12.16-18以外は全て世界初録音
前作(GP-627-28)でも、その繊細かつ上品な音色で聴き手を魅了したモーツァルトと同時代の作曲家トゥルク(1750-1813)。彼の作品は当時の鍵盤奏者たちにも絶大なる影響を与えたことで知られています。学生たちの技術的なスキルを高め、なおかつ音楽性の向上を図るために彼が書いたたくさんのソナタは、現在でも十分に、学び手たちへの助言となることは間違いありません。まだまだ知られていない作品が数多くありますが、これらが知られていくうちに、存分に活用されるようになるかもしれません。このアルバムは、歴史的楽器の研究家でもあるミカエル・ツァルカが4台の楽器を弾き分け、その音色の違いを聞き分けるという楽しみもあるのです。未開拓の財宝を発見する喜びを。

GP-631
エルヴィン・シュルホフ:ピアノ作品集第2集
5つのピトレスク集Op.31
ピアノ・ソナタ第2番
2つの練習曲
ピアノのための音楽Op.35
ジャズのスケッチ<ラグ/ボストン/タンゴ/ブルース/チャールストン/ブラック・ボトム>
キャロリン・ヴァイヒェルト(P)

録音:2012年3月,8月ドイツ,ハンブルク音楽・演劇学校
幼い頃から素晴らしい音楽的才能を示したシュルホフ(1894-1942)。彼の母ルイーズは幼いエルヴィンに対して最高の教育を施すため、ヨーロッパ中の有名な教師に指導をしてもらえるよう依頼、一度はドヴォルザークに白羽の矢が立ったのですが、結局それはかなわず、他の教師からピアノを学びプラハ音楽院に進学しました。やがて、彼はライプツィヒでマックス・レーガーから作曲を学び、そこでブラームスやバッハ、ベートーヴェンなどの音楽を研究したことでも知られています。彼のピアノ曲は、そんな堅固な下地の上に積み重ねられた数多の技法から成り立っており、当時流行の音楽(ジャズやラグなど)と、やはり流行の「ダダイズム」が絶妙に組み合わせられた独自のものばかりです。一番のオススメはトラック3の「イン・フォトゥルム」でしょう。方法論は違うといえ、結果的にはジョン・ケージの名曲「4分33秒」を完全に先取りしたものなのですから。
GP-632
アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品全集 第2集
ロマンティックなソナチネ Op.4
小組曲 Op.6/トッカータ 第1番 Op.1
題名のない小品 Op.7
夜想曲 第1番 Op.2-1
舞曲 第1番 Op.2-2
夜想曲 第2番 Op.8-1
舞曲 第2番 Op.8-2/スケルツォ Op.3
伝言 Op.39
ジョルジョ・コウクル(P)

録音:2011年3月18日、2012年2月8日
イス ルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
ロシアの芸術一家(父はリムスキー・コルサコフの弟子であったニコライ・チェレプニン(1899-1977)に生まれた、作曲家&ピアニスト、アレクサンドル・チェレプニンのピアノ作品集第2 集です。とても若い頃から曲を書いていた彼ですが、1918年にロシア革命に伴い、一家でパリに亡命したことがきっかけで、フランス6 人組やストラヴィンスキー、ラヴェルらと親交を結び、フランス風の語法を身に付けます。このアルバムに収録されているのは比較的初期の作品であり、プロコフィエフやラフマニノフ風の機知に溢れた楽しい曲が並びます。1926年に作曲されたOp.39 の「伝言」はチェレプニンの傑作とされていて、劇的なアプローチと爆発的なパワーに満ちた音楽は確かに「時代」を先取りしています。
GP-633
グレインジャー:民謡に触発された作品集〜2台と4手のためのピアノ作品集
ストランド通りのヘンデル(木靴のダンス)(2 台ピアノ版)
岸部のモリー「アイルランドのリール」(2 台ピアノ版)
羊飼いのカントリーダンス(2 台ピアノ版)
収穫の賛歌「スウェーデンの収穫の時」(連弾版)
カントリー・ガーデン(連弾版)
フェロー諸島の歌より「緑の草原で楽しく踊ろう」
スプーン・リヴァー(2 台ピアノ版)
サリーが涙して座るとき(2台ピアノ版)

組曲「リンカンシャーの花束」(2台ピアノ版)<リスボン(ダブリン湾)/ホークストー農場/ラフォード猟園の密猟者/元気な若い船乗り/メルボルン卿/行方不明のお嬢さんが見つかった>
ガーシュウィンの「ポーギーとベス」による幻想曲(2台ピアノ版)
ビルダー・デュオ
【キャロリン・ヴァイヒェルト
クレメンス・ラーヴェ】

録音:2011年1月6.7日、2011年1月11日
ドイツ ミュンスター,ピアノハウス・ミッケ
オーストラリアのピアニスト、作曲家パーシー・グレインジャー(1882-1961)のピアノ作品集です。彼は1907年にノルウェーのグリーグの元を訪れ「民謡を大切にする心」に目覚めたといいます。そしてエジソンが発明した蓄音機を持参してイギリスを回り、民謡を収集。これらを編曲した時の経験が、このアルバムに収録されたピアノ曲に凝縮されています。この中で最も有名なのは「リンカンシャーの花束」でしょう。本来は吹奏楽のための作品として書かれましたが、ここに収録されているのは1937年に2 台ピアノのために編曲されたもので、曲の持つ雰囲気が一層増幅された見事な仕上がりとなっています。またガーシュウインの名作「ポーギーとベス」による幻想曲も物悲しいエッセンスを生かした聴きごたえのあるものです。デュオの一人、ヴァイヒェルトはシュルホフ作品集(GP604)での知性的な演奏が高く評価されている人。またもう一人のラーヴェはラッヘンマンの作品の初演などで知られる現代音楽を得意とするピアニスト。2 人の火花が散るような掛け合いをお聞きください。
GP-634
ラフ:ピアノ作品集 第3集
抒情的なアルバム Op.17(1849年版)
5つの牧歌 Op.105
即興的ワルツ Op.94
幻想ポロネーズ Op.106
チャ・グエン(P)

録音:2011年11月29.30日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
※世界初録音:
ヨアヒム・ラフは「ドイツの作曲家」とされていますが、実はスイスのチューリヒ生まれです。1845年、バーゼルでコンサートを開いたリストの演奏に心酔し、そのままドイツに行ってしまったほどの行動力を持ち、一時はスイスに戻るも、1849年に再びドイツへ行き、リストの助手となりました。そんな彼の作品にはやはりリストの影響が強く感じられるものが多く、例えばOp.94 の「即興的ワルツ」やOp.106 の「幻想ポロネーズ」は、まさしくリスト風の華麗なピアニズムが炸裂しています。一転「抒情的なアルバム」は、あの美しい「カヴァティーナ」を思い起こさせるゆったりとした曲が大半を占めた落ち着いた曲集となっています。今作もベトナムの女性ピアニスト、チャ・グエンが共感に満ちた美しい響きで、曲の姿を描き出しています。
GP-635
アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品全集第3集
8つの小品Op.88(1954-1955)
自由な綴りOp.10(1920)…世界初録音
4つのノスタルジックな前奏曲(1922)Op.23
4つの前奏曲Op.24(1922-1923)…世界初録音
間奏曲Op.33a(1924)…世界初録音
舞曲Op.posth(1927)…世界初録音
7つの練習曲集Op.56(1938)
印象Op.81
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2011年3月13日スイスルガーノ,スイス・イタリア語放送,コンセルヴァトリオ
父ニコライが、あのリムスキー・コルサコフに師事したという作曲家であったため、自宅には常に最高の音楽家たちやクリエイティブな人々が集っていたという、恵まれた環境で育ったアレクサンドル・チェレプニン(1899-1977)。もちろん幼い頃からピアノを演奏し、作曲もこなしていたという早熟の天才でした。そんな彼、当時のロシアの過酷な状況(飢饉、コレラの流行、革命による政治的動乱など)を避けるために10代後半でグルジアに亡命した際には、すでにピアノ・ソナタを含む数百曲の品を書いていたのです。しかし結局はグルジアも避け、パリへ亡命。ここで本格的に作曲家、ピアニストとしての活動を始め、ラヴェルやストラヴィンスキー、六人組などとも交流を深めました。その後の彼は、アメリカ、日本、中国などを訪れ、数多くのものを吸収し、彼自身の音楽へと反映させていくのです。このアルバムには若き頃の作品から、酸いも甘いも噛み分けた円熟期の作品までがバランス良く収録されています。ピアニストのコウクルはマルティヌーの解釈者として知られル名手です。
《アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品集》第1集…GP-608第2集…GP-632
GP-636
バラキレフ:ピアノ作品全集第1集
ピアノ・ソナタ変ロ短調(1905)
ピアノ・ソナタ第1番変ロ短調Op.5(1856)
ピアノ・ソナタ変ロ短調
「大ソナタ」Op.3(1855)*
ニコラス・ウォーカー(P)

録音:2012年6月10-13日UKウィアストン・レイズ
*=世界初録音
ロシア五人組の一人、バラキレフ(1837-1910)。彼のピアノ曲というと、真っ先に頭に浮かぶのが、例の「イスラメイ-東洋風幻想曲」でしょうか?ロシア音楽普及の先鋒として、またまとめ役として多彩な活動をしたにも拘わらず、彼自身は自作について猜疑心を抱いていたようで、一時期は音楽界から退くなど(ワルシャワ鉄道の事務員として働いていた)紆余曲折、挫折の日々を送っていたというバラキレフ。そんな彼が残した作品は思いの他多くありません。ここに収録された3つのソナタをつぶさに見ても、彼の逡巡が理解できるような気がします。実はこれらのソナタは1855年にまずOp.3が書かれ、その翌年それを改作、Op.5とします。しかしその約50年後に、もう一度手を入れて完成形としたのです。一番顕著なのは2楽章に置かれたマズルカであり、素材は同じではありますが、どのくらい進化していくのかは実際にお聞きいただければ納得していただけるでしょう。1905年のソナタは、第1楽章からフーガで始まるなどかなり独創的。その上、シューマンやブラームス、ショパンの影響もほのかに感じさせる完成度の高いものとなっています。
GP-637
ヨーク・ボウエン:ピアノ曲集
24の前奏曲Op.102(1938)
子守歌ニ長調Op.83
ピアノのための組曲第1番ト長調Op.30〜第3番「舟歌」
ピアノのための組曲第4番Op.39「ミニョン組曲」
クリスティーナ・オルティス(P)

録音:2012年12月4-5日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
「最も注目すべきイギリスの若き作曲家!」とサン=サーンスに絶賛されたこともある作曲家ボウエン(1884-1961)。彼はロンドンの王立音楽アカデミーで学び、ピアニストとしても名声を得ていました。彼の作品はモダンな和声を取り入れながらも、基本的に後期ロマン派の語法から外れることがなく、その慎重さが「古臭さ」として捉えられてしまい、その作品も少しずつ忘れられてしまったのです。このアルバムに収録された「24の前奏曲」は彼の代表作であり、あの“奇人”ソラブジに献呈され大絶賛されたことで知られています。この中にはボウエンの全てが詰まっていると言っても過言ではないほどに、多彩な表現が凝縮されています。奇妙で美しい作品群です。
GP-638
ポンセ:ピアノ作品全集第1集
エストレリータ(小さな星)-コンサート・メタモリフォシス
メキシコの前奏曲「シェリト・リンド」
椰子の林のそばで
メキシコのセレナード「アレバンターテ」
バレンティナ/月が来て
メキシコの前奏曲「お大事に」
メキシコの子守歌「ラ・ランチェリータ」
メキシコの舟歌「ソチミルコ」
マナニタス/メキシコのスケルツィーノ
マヤのスケルツィーノ/間奏曲第1番
サロン風マズルカ変イ長調/
マズルカニ短調/スペイン風マズルカ
ロマンティックな前奏曲/2つの練習曲
ソナティネ/4つのメキシコ風舞曲
アルバロ・センドージャ(P)

録音:2012年6月28-30日
マヌエル・ポンセ(1882-1948)はメキシコの作曲家、音楽教師であり、その作風は後期ロマン派風の作曲様式と新古典主義の中庸に位置しています。日本では、ハイフェッツが編曲した歌曲「エストレリータ(小さな星)」や、いくつかのギター曲が良く知られていて、どちらかというと「ギターの作曲家」として位置づけられていますが、実は彼自身が優れたピアニストであり、その作品にもピアノ曲がかなりの数を占めていることが知られていないのは、本当に残念です。彼の音楽の持つ魅力的なハーモニーとロマンティックな雰囲気、そしてメキシコ民謡。これらが上手く絡み合ったピアノ曲は、熱帯の空気が持つ独特の官能性と、幾許かの気怠さが感じられるステキなものばかりです。ロマンティックな彼を楽しみたければ、「エストレリータ」(これは作曲家自身によるピアノ版)や「間奏曲」、モダンな曲を楽しみたければ、「メキシコ風舞曲」ガオススメです。
GP-639
シルヴェストロフ:ピアノ作品集
素朴な音楽(1954-55/1993改編)
使者(ピアノ・ヴァージョン)(1996/97)*
2つのワルツOp.153
4つの小品Op.2*
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)

録音:2011年10月11-13日ドイツベルリン=レンクヴィッツ,ジーメンスヴィラ
※*以外世界初録音
最近になって、クレーメルやリュビーモフを始めとした、熱烈な「シルヴェストロフ・マニア」の尽力もあって、このウクライナの作曲家の極めて繊細な作品が知られるようになってきました。とは言え、彼の作品は本当に繊細であり、また静かな様相を湛えているので、ちょっとでも気持ちを逸らしてしまうと、この音楽の魅力…永続性を切り取った瞬間など…を捉えることは難しいでしょう。このアルバムには世界初録音となる初期の作品(1993年に改編された)である「素朴な音楽…Naive Music」は古典的な和声とシューベルトにも似た清明な旋律で書かれていますが、このメロディに聞き惚れていると、ふと隣に横たわる“深い闇”と“沈黙の世界”に気が付く瞬間が訪れるはず。彼の名を高めた「使者」はロシアの哲学者ドゥルスキンのテキストにインスパイアされたものですが、ここではモーツァルト風のメロディを媒体とし、音色の変化、テンポ、これらはが一体となり、聴き手は現世界と空蝉の世界を体感するのです。

GP-640
フロンメル:ピアノ・ソナタ第4番-第7番
ピアノ・ソナタ第4番ホ長調Op.21(1943)
ピアノ・ソナタ第5番変ホ長調Op.35(1951)
ピアノ・ソナタ第6番変ロ長調(1956)
ピアノ・ソナタ第7番ハ長調(1966)
タチアーナ・ブローメ(P)

録音:2013年12月6-8日ドイツミュンヘン,バイエルン放送第1スタジオ
※世界初録音
1906年、カールスルーエで生まれたゲルハルト・フロンメル(1906-1984)のピアノ・ソナタ集の第2集です。彼は1926年から1928年にヘルマン・グラプナーに音楽を学び、同時にハンス・プフィッツナーのマスター・クラスにも出席し、シュトゥットガルトの大学では作曲科の教授を務めました。生涯に渡って調性音楽を愛していましたが、時代は十二音技法から無調へと流れたため、ついに完全に忘れられた存在となってしまいます。その後、ドイツでファシストとみなされ1984年に寂しく生涯を閉じることとなりました。7曲ある彼のソナタは、どれもが彼の折々の心情を反映させた「自伝的な作品」であるとされています。この4つのソナタの作曲年代は1943年から1966年で、微妙な作風の変化も感じられる面白いものです。ホ長調の調性が付された第4番は一見ロマン派風の佇まいを持っていて、フォーレ的な流麗さも備えています。第5番は1951年に書かれ、1982年に改編されています。単一楽章のシンプルな構成は第3番とも似ています。穏やかな性格を備えた第6番、古典的な3楽章形式の第7番と、どれも特徴的で面白い作品です。12歳でスタインウェイ・コンクールで第1位を獲得した才能あるピアニスト、タチアーナ・ブローメによる演奏です。
GP-641
アルフレッド・コルトー:ピアノのための編曲集
フォーレ:組曲「ドリー」Op.56
バッハ:トッカータとフーガ.ニ短調BWV565
ブラームス:5つのリートOp49-4「子守歌」
バッハ:ピアノ協奏曲ヘ短調BWV1056第2楽章ラルゴ
ショパン:チェロ・ソナタト短調Op.65第3楽章ラルゴ
シューベルト:野ばらD257
フランク:ヴァイオリン・ソナタ.イ長調
※全てアルフレッド・コルトーによるピアノ独奏編曲版
ユエ・ヘ(P)

録音:2012年10月27-28日中国廈門市中央音楽学院鼓浪嶼ピアノ・スクール,ミュージック・ホール
20世紀前半を代表するピアニストの一人、アルフレッド・コルトー(1877-1962)。彼はフランス人の父と、スイス人の母のもと、スイスに生まれ、幼い頃から音楽教育を受けました。パリ音楽院予備科では、高名なルイ・ディエメに師事、しっかりとした基礎を築いたのち(とはいえ落第経験もあり)、ピアニストとしてデビューします。若き頃はワーグナーの作品に傾倒し、1896年から1897年まではバイロイト音楽祭の「合唱、歌手のトレーナー」など助手を務め、やがては指揮者として「神々の黄昏」のフランス初演を行うほどのめり込んだというエピソードはよく知られています。その後は、ジャック・ティボー、パプロ・カザルスとともにカザルス三重奏団を結成、1920年代後半まで素晴らしい活躍をします。教育者としても実績を誇り、1919年には自身の理想を実現するために「エコールノルマル音楽院」を設立、精力的に後進の指導に当たったことでも知られています。この一連の編曲集は、彼自身が提唱した「健全な技術的基礎」を構築するために書かれたものであり、ホロヴィッツの編曲のような自らの技巧を誇示するためのものとは若干意味合いが違うと言ってもよいでしょう。ただし、フランクのヴァイオリン・ソナタは超難曲です…。
GP-644
コジェルフ:ピアノ・ソナタ全集第3集
ピアノ・ソナタ.第9番 ハ長調 Op.8-1 XII:5(1784)
ピアノ・ソナタ.第10番 ヘ長調 Op.8-2 XII:4(1784)
ピアノ・ソナタ.第11番 変ホ長調 Op.10-1 XII:15(1784)
ケンプ・イングリッシュ(P)

録音: 2011年4月25-29日 ニュージーランド ゴールデン・ベイ,モップス・アーリー・キーボード・コレクション
ボヘミア出身、ウィーンで活躍したモーツァルトと同時代の作曲家、レオポルド・コジェルフ(1747-1818)。当時のウィーンで高い名声を得ており、彼がウィーンの宮廷作曲家として雇われた際には、前任であったモーツァルトの2 倍以上の報酬が支払われたとされるほどでした。そんな彼の作品ですが、現代ではすっかり忘れられてしまい、ようやくこのシリーズなどで片鱗に触れることができるようになってきました。彼の鍵盤のためのソナタは、生涯の40年ほどの長い期間に渡って書かれていて、その作風の変遷を辿るだけでも、この時代の音楽流行を感じることができるはずです。なぜならコジェルフの50 曲ほどのソナタには、ハイドン、モーツァルトからシューベルトに至るスタイルの変化が刻まれているからで、当時は「勢いに乗って書き飛ばしている」と批判されたという作品とは言え、改めて聞いてみれば、実は多くの伏線が張られていることに気がつくのではないでしょうか。
GP-645
レオポルト・コジェルフ:ピアノ・ソナタ全集第4集
ピアノ・ソナタ第12番ハ長調Op.10-2P.XII:16(1784)
ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.13-1P.XII:3(1784)
ピアノ・ソナタ第14番ト長調Op.13-2P.XII:7(1784)
ピアノ・ソナタ第15番ホ短調Op.13-3P.XII:6(1784)
ピアノ・ソナタ第16番ト短調Op.15-1P.XII:17(1784)*
ケンプ・イングリッシュ(フォルテピアノ…1795年製アントン・ヴァルター:トーマス&バーバラ・ヴォルフ複製a'=430
hZ)

録音:2011年4月25-29日ニュージーランド,ゴールデン・ベイ,モップス・アーリー・キーボード・コレクション
*以外=世界初録音
ボヘミア出身の作曲家コジェルフ(1747-1818)のピアノ・ソナタ集の第4集です。聞けば聞くほどに彼の世界の奥深さを堪能していただけます。初期のフォルテピアノのために書かれたソナタの中で、50曲ほどある彼の作品は突出しており、ハイドンとベートーヴェン、シューベルトを繋ぐ橋渡しとしての機能も備えています。彼が1747年に誕生した時、最初の洗礼名はヤン・アントニンでしたが、同じ名前のいとこがいたため「レオポルド」に変更、その後そのいとこは彼の初期の先生の一人となったというエピソードが残っています。そんなコジェルフの作品を当時の楽器の複製でお聞きください。演奏はこのシリーズでお馴染み、ニュージーランドのピアニスト、ケンプ・イングリッシュです。彼は既にコジェルフのソナタ50曲の録音を終えていて、全曲の発売が待たれるばかりです。
GP-646
レオポルト・コジェルフ:ピアノ・ソナタ全集第5集
1-3.ピアノ・ソナタ第17番ハ長調Op.15-2P.XII:18(1785)
4-5.ピアノ・ソナタ第18番変イ長調Op.15-3P.XII:19(1785)
6-8.ピアノ・ソナタ第19番ト長調Op.17-1P.XII:20(1785)
9-11.ピアノ・ソナタ第20番ホ短調Op.17-2P.XII:21(1785)
ケンプ・イングリッシュ(フォルテピアノ…1795年製アントン・ヴァルター:トーマス&バーバラ・ヴォルフ複製…1-9,フォルテピアノ…1795年製アントン・ヴァルター:パウル・ドヴニー複製…10-12)

録音:2011年4月-2013年4月ニュージーランド,ゴールデン・ベイ,モップス・アーリー・キーボード・コレクション
※6-11…世界初録音
ボヘミア出身の作曲家コジェルフ(1747-1818)のピアノ・ソナタ集の第5集です。初期のフォルテピアノのために書かれたソナタの中で、50曲ほどある彼の作品は突出しており、ハイドンとベートーヴェン、シューベルトを繋ぐ橋渡しとしての機能も備えています。このアルバムに収録されたソナタは1785年に書かれたもので、その前年から楽譜出版業を手掛け始めたコジェルフの最も充実した時期にあたります。自身の作品だけではなく、モーツァルトを始めとした同時代の作品も積極的に出版することで、自身の立ち位置を決定付け、名声も高めていくのです。とは言え、この時代の彼の作品は、まだロココ風の優雅さを備えたもので、古典派の確固たる作風を確立するのは、もう少し後のことになります。そんなコジェルフの作品を当時の楽器の複製でお聞きください。演奏はこのシリーズでお馴染み、ニュージーランドのピアニスト、ケンプ・イングリッシュです。彼は既にコジェルフのソナタ50曲の録音を終えていて、全曲の発売が待たれるばかりです。
GP-647
コジェルフ:ピアノ・ソナタ全集第6集
ピアノ・ソナタ第21番変ホ長調Op.17-3P.XII:22(1785)
ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調Op.20-1P.XII:23(1786)
ピアノ・ソナタ第23番ハ長調Op.20-2P.XII:24(1786)
ピアノ・ソナタ第24番ニ短調Op.20-3P.XII:25(1786)*
ケンプ・イングリッシュ(フォルテピアノ…1795年製アントン・ヴァルター:パウル・ドヴニー複製…1-2,フォルテピアノ…1795年製アントン・ヴァルター:トーマス&バーバラ・ヴォルフ複製…3-11>

録音:2012年4月20-26日ニュージーランド,ゴールデン・ベイ,モップス・アーリー・キーボード・コレクション
*以外=世界初録音
ボヘミア出身の作曲家コジェルフ(1747-1818)のピアノ・ソナタ集の第6集。ここでは1785年から1786年に作曲された4曲のソナタが収録されています。初期のフォルテピアノのために書かれたソナタの中でも、50曲ほどある彼の作品は突出しており、ハイドンとベートーヴェン、シューベルトを繋ぐ橋渡しとしての役割も備えています。今回収録の4作品が書かれた頃のウィーンの音楽界ではモーツァルトのピアノ協奏曲が人気を博しており、もちろん、コジェルフもこれらの作品を耳にしたことはまちがいありません。そのせいか、至るところにモーツァルトの影響も感じられます。とは言え、逆に第22番のソナタは、後に書かれたモーツァルトの変ロ長調ソナタK570を予感させるパッセージもあるなど、コジェルフの独創性も提示されています。演奏はこのシリーズでお馴染み、ニュージーランドのピアニスト、ケンプ・イングリッシュです。彼は既にコジェルフのソナタ全50曲の録音を終えていますから、残りの発売が待たれます。
GP-648
ルイ・オーベール:ピアノ作品集
航跡Op.27(1908-1912)*
ヴァイオリン・ソナタ(1926)
ハバネラ(ピアノ連弾版)(1919出版)
心象の一葉(1930出版)
アレッサンドロ・ファジュオーリ(Vn)
オリヴィエ・ショーズ(P)
ジャン・ピエール・アルマンゴー(P)

録音:2013年12月6-7日、2014年3月14-15日、2013年5月30日.6月1日.12月6日、2014年6月25
日、2014年9月15日 フランスパリ,イヴリー=シュル=セーヌスタジオ4'33"
*以外=世界初録音
ブルターニュで生まれた作曲家、ルイ・オーベール(1877-1968)は幼い頃から音楽の才能を発揮、とりわけ美しいボーイソプラノであったため、フォーレの「レクイエム」が初演された際、あの「ピエ・イエズス」のソリストを務め賞賛されたというエピソードを持っています。成長した彼は、パリ音楽院に進み、そのフォーレから作曲を学んだというのも、彼にとっては自明の理だったのです。ピアニストとしても素晴らしい腕を持っていて、ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」の初演も彼が担っています。そんな彼はラヴェルやドビュッシー、ケクランらと同じサークルに所属し、印象派の作風を有したたくさんの作品を書きます。その多くは声楽曲であり、オペラからシャンソンまでと幅広い曲を手掛けました。彼のピアノ曲のなかでは、「航跡」が良く知られていて、これは20世紀初頭のフランス音楽のなかでも、最も重要な作品の一つと断言しても間違いではありません。フォーレ譲りの繊細な音色の中に、ラヴェルから影響を受けたであろうスペイン風のリズムを隠し持つ、軽妙で印象的な音楽です。

GP-651
アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品全集第6集
無言歌集Op.82
歌とリフレインOp.66
ショーウィンドウの中の世界Op.75
第4(1948-1949)/2つのノヴェレッテOp.19
祈り/ロシア風ロンド(1946)
スラブのトランスクリプション<ヴォルガの舟歌/シェリーへの歌/偉大なるロシアへの歌/ヴォルガに沿って/チェコの歌>
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2012年7月17日スイスルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
ロシアの現代作曲家、チェレプニン(1899-1977)のピアノ作品集も今作で第6集となります。彼の波瀾万丈の生涯を探るだけでも面白いのですが、ここでは曲についてのみ。このアルバムに収録された作品は、彼の最も創作意欲が旺盛な時期に書かれたもので、1949年から1951年に書かれた「無言歌」と、1940年周辺に書かれた「歌とリフレイン」。そしてとても興味深い1946年の「ショーウィンドウの中の世界」。少し若い時期である1921年から22年の「2つのノヴェレッテ」。その2年後の「スラブのトランスクリプション」など、面白いものばかりです。なかでも「ショーウィンドウ〜」はストラヴィンスキーを思い起こさせる騒々しく表現的な作品。例えば「鹿」は森の中を歩いていたチェレプニンが突然鹿と出会い、お互い数秒間見つめ合った時のことを音楽で表現したのだとか。なかなか示唆に富んでいるではありませんか。
GP-653
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集第4集
チチェレネッラOp.165/
練習曲形式による12のロマンスOp.8第1巻
.練習曲形式による12のロマンスOp.8第2巻
2つの小品Op.166
チャ・グエン(P)

録音:2013年5月12-13日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
ドイツ人の父とスイス人の母の間に生まれたラフ(1822-1882)。彼がいかに師であり友人であったリストから影響を受けたかは、これまでの作品を少しでもお聞きいただければお分かりだと思います。ここに収録された作品も、リストやシューベルト、そしてワーグナーの雰囲気も感じさせる優雅で華麗なものばかりです。変奏曲形式で書かれた「チチェレネッラ」と「2つの小品」は1872年に出版された作品で、優雅で魅惑的な楽想を持つものですが、世に出た当時はそれほど人気を獲得したわけではなかったようです。このアルバムの中心をなす「12のロマンス」は1843年、21歳の野心的な作品で、ラフはこの作品をメンデルスゾーンに送り、もちろんメンデルスゾーンもこれを絶賛したのでした。曲はどれもイタリア語のタイトルと、洗練された雰囲気を持ちますが、例えば第12番のポロネーズなどは、かなり濃厚な作風であり、独特のメロディが強く耳に残ります。演奏は、ラフ作品を得意とするチャ・グエン。華麗なタッチと抒情性が持ち味のピアニストです。
GP-654
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集第5集
グランド・ソナタOp.14(1881
葉と花Op.135(1866)*
チャ・グエン(P)

録音:2013年9月2-3日UKウィアストン・コンサート・ホール
*=世界初録音
ラフ(1822-1882)のピアノ曲集第1集の最初の音を聞いた時の第一印象は、「リストの作品に似ているけれど何だか肌触りの違う音楽」でした。その思いは今回の第5集でも変わりません。もちろんラフ自身もリストにはかなり影響を受けていて、雰囲気は継承しているのかもしれませんが、その音楽には仄暗い寂しさと限りない憧憬があるように感じられます。この第5集ではラフのピアノ曲の中でも最も重要な「グランド・ソナタ」と、もっと早くに書かれたユニークな曲集「葉と花」を聞くことができます。ソナタは作品番号こそ初期のものが付いていますが、実際には後期の作品で、まるで交響曲を思わせるスケールの大きな構成を持っています。「葉と花」はシューマンを思わせる小品集です。当時流行していた「花言葉」からインスパイアされた曲からは、香り豊かな花の姿を見ることができるでしょう。
GP-655
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集第6集
ヴェネツィアの思い出Op.187
舟歌Op.143/6つの詩曲Op.15
幻想曲Op.142/2つの小品Op.169
チャ・グエン(P)

録音:2013年11月8-9日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
※世界初録音
このシリーズですっかりお馴染みとなったスイスの作曲家ヨアヒム・ラフ(1822-1882)のピアノ曲シリーズ第6集です。これが最終巻となります。彼の師であるフランツ・リストの作風を踏襲しながらも、そこに独特の味わいを加えた彼の作品は聴けば聴くほどに心にしみるものです。今回は2つの曲集を中心に収録。「6つの詩曲」は1845年の初期の作品で、当時生活に困窮していた彼を救ってくれたリストに捧げられた曲集です。メンデルスゾーンやシューマンの影響も見える幾分微笑ましい作風の中に、独自性も仄かに感じられます。幻想曲はその22年後の1867年の作品。野心的で大規模な音楽です。それに比べ、同じ時期の舟歌はかなり保守的な仕上がりとなっています。対照的な性格をもつ「2つの小品」も充実した音楽です。1870年代に構想された「ヴェネツィアの思い出」は家族とともに休日を過ごしたヴェネツィアでの経験が元になっているもの。ラフの最も充実した時期にを示す色彩豊かな曲集となっています。
GP-656
ヨハン・バプティスト・クラーマー:ピアノ作品集
アングロ=カレドニアンの旋律と変奏曲
ピアノ・ソナタニ長調Op.25-2
ピアノ・ソナタト長調「ラ・ジーグ」Op.39-3
ピアノ・ソナタヘ短調Op.27-1
マッテオ・ナポリ(P)

録音:2013年2月13-14日ニュージーランドオークランド大学,音楽学校
ヴァイオリニストの父親の下、マンハイムで生まれ、3歳の時にロンドンに移住。その頃ちょうどロンドンにやってきたクレメンティにピアノの指導を受けたというヨハン・バプティスト・クラーマー(1771-1858)のピアノ作品集です。師と同じくピアノ製造者と音楽出版者としても成功し、彼の制作したピアノは現在でも一部の愛好家の間で人気を誇っています。彼の書いた「実際的ピアノ技法大集」は、後にハンス・フォン・ビューローが改訂し、これも現在「クラーマー=ビューロー練習曲」として実際に用いられています。ベートーヴェンの友人でもあり、当時の最高のピアニストとして名を馳せていた彼の作品は、適度な遊び心と活発さ、ベートーヴェンにも似た堅固さなど、当時の良いものを全て含んでおり、聞きごたえもたっぷりです。指の鍛錬としても、観賞用としても、もっと演奏される機会が増えてもよいのではないでしょうか。
GP-658
アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品集 第7集
祈願 Op.39b(1926)/ポルカ(ピアノ版)(1944)
演奏会用練習曲(1920)*
カンツォーナ Op.28(1924)
ジェットコースターに乗って(1937)
トッカータ 第2番 Op.20(1922)
牧歌(失われた笛 Op.89 より作曲家自身によるピアノ版)(1955)*
カノン Op.posth(ピアノ版)(1923-24)*
対話(グルジア組曲 Op.57:2 より作曲家自身によるピアノ版)(1952)*
昔のサンクトペテルブルク(1917 頃)*
バラード(1917)*/海の思い出*
冗談(1941)*
ジョルジオ・コウクル(P)

録音: 2010年7月15日 スイス ルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
*=世界初録音
チェレプニン(1899-1977)のピアノ作品集もこれで第7 巻となり、かなり多くの世界初録音作品が含まれています。なかでも1926年に書かれた「祈願」は謎めいた作品であり、また強いメッセージが込められているようです。短いながらも鮮烈な印象を残す第1 曲は、不思議なコード進行とシンコペーションが独特なメロディに彩られています。第2 曲目も「わが家族のために」と題されていますが、彼が表現したかったのはもっと広汎なものだったに違いありません。他の曲も意味深なタイトルが付けられていますが、真の意味に到達することは難しいように思います。またチェレプニンがパリに住んでいた頃、ドイツが都市を占領したのですが、この時期の彼は旺盛な創作意欲を示し(家族の生活を守るため)、ここに収録されているような「ポルカ」などの軽くて親しみやすい作品を多く生み出しました。これらは皆、鮮やかな色彩を持ち、ほんの一瞬耳にしただけでも忘れられないほどの印象を残すものです。

GP-661
アドルフ・フォン・ヘンゼルト:ピアノ作品集
子守歌Op.45/小さなロマンス
10の小品Op.13-2練習曲「ラ・ゴンドラ」
2つの夜想曲Op.6-1「幸福の痛み」
12の性格的練習曲Op.2-6嬰へ短調「もしも私が鳥だったら」
12の性格的練習曲Op.2-3ロ短調「私の願いを聞いてください」
12の性格的練習曲Op.2-4変ロ長調「愛の残り」
メランコリックなワルツOp.36
2つの小さなワルツOp.28
ヨハン・シュトラウス1世:ワルツ(A.ヘ
ンゼルトによるピアノ編)
ダルゴムイシスキー:6つのロシアのロマンス-第6番ニ短調(A.ヘンゼルト編)
12のサロン風練習曲Op.5-3イ短調「魔女の踊り」
12のサロン風練習曲Op.5-9イ長調
12の性格的練習曲Op.2-2変ニ長調「私のことを少しでも想ってください、私はいつも貴方のことを想っています!」
12のサロン風練習曲Op.5-6変イ長調「嵐の後の感謝の歌」
回想と友情Op.4-1「狂詩曲」
ウェーバー:舞踏への勧誘Op.65(A.ヘンゼルトによるピアノ編)
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2014年8月5-8日スウェーデンイエテボリ,ニレント・スタジオ
バイエルンのシュヴァバッハ町の中央広場に置かれたヘンゼルト(1814-1889)の銅像は、現在でも変わることなく威厳を放っています。1814年に生まれた彼はフンメルに師事し、演奏会ピアニストとして大成功を収めます。しかし、彼の同世代にはショパン、シューマン、タールベルク、そしてリストなど優れたピアニスト&作曲家がいたためか、ヘンゼルトは一時期「舞台恐怖症」に陥り、しばらく静養しなくてはなりませんでした。しかしその演奏技術は確固たるもので、リストには「ピロードの掌」と賞賛され、またラフマニノフも彼を高く評価していたと言われています。ピアノ協奏曲も1曲だけ残してはいるものの、基本的に彼の作品はピアノのための小品に集中しており「もしも私が鳥だったら」を筆頭に、どれも甘美な雰囲気を持っています。しかし彼は、なぜか30代で作曲活動をやめてしまったというのですから、なんとも残念です。
GP-662
ワルター・ニーマン:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第1番イ短調「ロマンティック」Op.60(1919)
ピアノのための3つのコンポジションOp.7(1909)
ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調「ノルディック」Op.75(1921)
幻想的マズルカOp.53(1918)
李冰冰[リー・ビンビン](P)

録音:2013年11月21-22日UKモンマスウィアストン・コンサート・ホール
※世界初録音
ドイツの高名な音楽ジャーナリストであり、作曲家としても活躍したワルター・ニーマン(1876-1953)。同じく作曲家であった父から最初に音楽の手ほどきを受け、その後はピアニストとしても活動し、また、ブラームスやシベリウスの評伝を書き「ライプツィヒ新報」には音楽評論を寄稿するなど、堅実な活躍をしていた人です。しかし、第2次世界大戦後はすっかり忘れられてしまい、作品番号にして190ほどある作品も、ほとんど省みられなくなってしまいました(チャイコフスキーの「悲愴」のピアノ版編曲がかろうじて知られているでしょうか)。彼の作品からは、ブラームスを思わせる晦渋さと底に秘めた情熱が感じられますが、「3つのコンポジション」に漂う異国趣味など、驚くほどに特徴的な部分もあります。
GP-664
エドゥアルド・バグダサリアン:ピアノとヴァイオリンのための音楽集
24の前奏曲(1958)*
狂詩曲(ヴァイオリンとピアノ版)
夜想曲 イ長調
ミカエル・ハイラペティアン(P)
ウラディーミル・セルゲーエフ(Vn)

録音: 212年10月6-7日 ロシア,モス
*=世界初録音
アルメニアのエレバンで生まれ、エレバン音楽院でゲオルク・サライェフにピアノ、グレゴリー・エキアザリアンに作曲を学んだバグダサリアン(1922-1987)は、作曲家として、現代アルメニアの音楽発展に多大なる貢献を果たし、1963年には芸術功労者(名誉芸術家)として認定されるなど、国家の重要人物でもありました。様々なジャンルの作品を書きましたが、この「24 の前奏曲」は彼の作風を端的に表す、多様な表現を持った興味深い作品です。民俗音楽に由来すると思われる快活な舞曲、トッカータ風の技巧が炸裂した曲、叙情的な曲・・・。バッハやショパンの世界を継承し、新たな色を付け加えながら、時にはドビュッシーやスクリャビンの作品のように柔軟な音楽が流れていきます。熱のこもった「狂詩曲」ではヴァイオリンとピアノの対話が美しく、ハンガリーの音楽ともまた違う郷愁溢れるメロディに満ちています。「夜想曲」では幾分ロシア風の甘い旋律が心に残るでしょう。
GP-665
エドゥアルド・アブラミャン:24の前奏曲(1958)
1.変ホ長調/2.ハ長調/3.ホ短調/4.変ホ短調/5.ニ短調/6.嬰ハ短調/7.変ニ長調/8.変ホ長調/9.嬰ヘ長調/10.ホ長調/11.嬰へ短調/12.へ短調/13.イ長調/14.変ロ短調/15.ニ短調/16.ヘ長調/17.ロ長調/18.ト短調/19.嬰ト短調/20.変イ長調/21.ハ短調/22.ト長調/23.変ホ短調/24.ロ短調
ミカエル・ハイラペティアン(P)

録音:2012年1月27-28日モスクワ,教育芸術大学,大コンサート・ホール
※世界初録音
グルジア共和国のティフリスに生まれ、戦争の影響で、若い頃は飛行機工場で働き、その後トビリシ音楽院でピアノをセルゲイ・バルフダリャンに学び、作曲をアンナ・トゥラシュヴィリに学んだアブラミャン(1923-1986)。音楽院を卒業後はモスクワのアルメニア文化施設で更に作曲を学び、アルメニアの伝承音楽の研究と、伝承に力を注ぎました。多くの作曲家が試みた「24の前奏曲」はアブラミャンにとっても魅力的であったようで、豊かな色彩と独特の構造の中に、アルメニアの旋律を織り込んだ素晴らしい作品として表現されています。ロマン派風の和声や、時にはジャズ風の雰囲気など、形式にとらわれない自由な音楽をお聞きください。
GP-666
フランツ・アントン・ホフマイスター:ピアノ・ソナタ集第1集
ピアノ・ソナタ.イ長調(1790)
アノ・ソナタ.ト長調(1792)
ピアノ・ソナタ変ロ長調(1792)
ピアノのための変奏曲ハ長調
ビリアナ・ツィンリコヴァ(P)

録音:2013年10月3-5日オーストリアケフェルマルクト,ヴァインベルク教会
※世界初録音
南西ドイツのロッテンブルク・アム・ネッカーで生まれ、最初は法律を学び始めるも、音楽の魅力に抗しがたく、結局は音楽の道に入り、数多くの作品を書き、また音楽出版者としても大成し、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンなどの作品を次々と世に送り出しました。また彼らとも直接親交を結び、お互いに多くの影響を与えたことでも知られています。彼自身の作品は、18世紀の職人の技と、ウイット、表現力を組み合わせたもので、当時の聴衆の心をつかんだことは容易に想像できるものです。上品なソナタも良いですが、ベートーヴェンの先を行くような「変奏曲」はなかなか劇的な味わいを持つ、見事なものです。
GP-667
フランツ・アントン・ホフマイスター:ピアノ・ソナタ集第2集
3つのピアノ・ソナタ(ポーリッツ・コレクション1795)<第1番ハ長調/第2番ニ長調/第3番イ長調>
2つのピアノ・ソナタ(ポーリッツ・コレクション1793)<第1番ヘ長調/第2番変ロ長調>
ビリアナ・ツィンリコヴァ(P)

録音:2014年1月7-9日オーストリアケフェルマルクト,ヴァインベルク教会
※世界初録音
現在のように、多くの録音が世に出る以前は、古典派の鍵盤作品の録音はモーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンの曲が大部分を占めていて、他の古典派の作曲家の作品を耳にする機会はほとんどありませんでした。しかし、最近はこのホフマイスター(1754-1812)を筆頭に、数多くの作曲家たちがウィーンを中心に活動していたことを目の当たりにできるのは、本当に幸せなことです。アントン・ホフマイスターは南西ドイツのロッテンブルク・アム・ネッカーで生まれ、最初は法律を学び始めるも、音楽の魅力に抗しがたく、結局は音楽の道に入り、数多くの作品を書き、また音楽出版者としても大成し、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンなどの作品を次々と世に送り出しました。彼のエピソードのほとんどは「モーツァルトの引き立て役」に終始していますが、実はとても高く評価された人物であり、中でも彼のフルート作品は当時のアマチュア音楽家たちの技術向上に貢献していました。鍵盤作品も多く遺されているのですが、まだまだ研究段階であり、今後、スケッチや下書きから、更に多くのものが読み取れると期待されています。
GP-668
フランツ・アントン・ホフマイスター:ピアノ・ソナタ集第3集
ピアノ・ソナタ.ニ長調(ポーリッツ・コレクション1797)
ピアノ・ソナタ.ハ長調(1780-1890)
ピアノ・ソナタ変ロ長調(ポーリッツ・コレクション1797)
ビリアーナ・ツィンリコヴァ(P)

録音:2014年2月12-14日オーストリアケフェルマルクト,ヴァインベルク城
南西ドイツのロッテンブルク・アム・ネッカーで生まれ、作曲家、音楽出版者として大成したフランツ・アントン・ホフマイスター(1754-1812)のピアノ・ソナタ集第3集です。モーツァルト、ベートーヴェンの友人であり、同時代の作品を次々と出版した功績には多大なものがあります。なお、彼の立ち上げた出版社は、1814年にカール・フリードリヒ・ペータースに買収され、現在でも「ペータース社」として存続しています。彼の作品のほとんどは、友人であったフルート奏者フランツ・トゥルナーのために書かれたフルート作品ですが、勤勉だった彼はピアノ曲も多く残しており、古典派の様式を踏襲した上で、自由な発想を付け加えたこれらのピアノ曲も最近ようやく注目され始めたようです。ピアニストのツィンリコヴァはソフィアで生まれ、地元の音楽大学で学んだのち、ザルツブルクのモーツァルテウムに移り、数多くの名手の薫陶を受けています。室内楽プレイヤーとしても名高く、また古典から現代まで幅広いレパートリーを有していることでも知られています。
GP-669
ギュスターヴ・サマズイユ:ピアノ作品全集
夜想曲(1938)*
ピアノのための組曲ト短調(1902/1911改編)
私の人形へ贈る歌(1904頃)
夜のナーイアス(1910)
3つの小インヴェンション(1904頃)
エスキス(1944)
祈り(1947)/海の歌(1918-1919)
オリヴィエ・ショーズ(P)

録音:2014年2月21-23日ベルギーティアンジュ,リサイタル・スタジオB
*=世界初録音
ショーソン、デュカスの弟子であり、また生涯に渡ってラヴェルと親交を持ったというサマズイユ(1877-1967)。彼は作曲家としてよりも評論家、文筆家として名高く、当時のフランス内外で新聞や雑誌に数多く批評を寄稿していました。またワーグナー、シューマン、シューベルト、リストなどの作品をフランスに紹介し、若きメシアンを擁護したことでも知られています。そんなサマズイユですが、作曲家として残されている作品はあまり多くなく、ピアノ曲の全てはアルバム1枚に収まってしまいます。しかしここで聴ける作品は、なんとも色彩豊かであり、時代を追うに従ってドビュッシーとメシアンを足して2で割ったような豊穣な味わいを有していきます。メロディを楽しむよりも響きの美しさに身を委ねるのが良いかも知れません。
GP-670
ヤン・ヴァーツラフ・フーゴ・ヴォジーシェク:ピアノ作品全集第1集
6つの即興曲Op.7
想曲ハ長調Op.12
ピアノ・ソナタ変ロ短調「幻想曲風」Op.20
ビリヤナ・ウーバン(P)

録音:2013年7月15-16日ウトレヒトリューヴェンベルク,フレデンブルク
ボヘミア出身の作曲家、ヴォジーシェク(1791-1824)は、プラハでトマーシェクの元で修業した後、フンメルに師事し、ベートーヴェンと親交を結び、シューベルトに影響を与えたという人です。現在、彼の作品の中では「交響曲ニ長調」が比較的知られていますが、プラハ時代から数多くのピアノのための小品を書いていて、これらは現在ほとんど知られていません。ピアニストとしても素晴らしい才能を持っていたヴォジーシェクの作品は、どれも技巧的で、当時としては先進的な作風を持っています。ピアニスト、ウーバンはザグレブ出身。彼女の祖父ヤンはアルメニアで知られる作曲家で、彼女は祖父の作品でも素晴らしい演奏をしています。
GP-671
ヤン・ヴァーツラフ・フーゴ・ヴォジーシェク:ピアノ作品全集第2集
主題と変奏変ロ長調Op.19(1822)
2つのロンドOp.18(1824
欲求変ホ長調Op.3(1819)
喜びト長調Op.4(1819)/牧歌ハ長調(1824)
即興曲ヘ長調(1824)/即興曲変ロ長調(1817)
アルバムの綴りイ長調(1817)
ビリヤナ・ウーバン(P)

録音:2014年3月13日ウトレヒトリューヴェンベルク,フレデンブルク
ボヘミア出身の作曲家、ヴォジーシェク(1791-1824)は、プラハでトマーシェクの元で修業した後、フンメルに師事し、ベートーヴェンと親交を結び、シューベルトに影響を与えたという人です。しかし、彼もまたシューベルトと同じように30歳半ばまで生きながらえることが出来ず、その上、作曲家として活動していたのは生涯の最後の6年間のみだったというのは、本当に残念なことです。彼の作品は当時としては先進的な作風であり、長生きしていれば、ロマン派を代表する作曲家になっていたに違いありません。このアルバムには、そんなヴォジーシェクの特徴的な作品が収録されています。なかでも「即興曲」は、この分野での初の作品であるとされ、ショパンすらも凌駕しているのです。ピアニスト、ウーバンはザグレブ出身。彼女の祖父ヤンはアルメニアで知られる作曲家で、彼女は祖父の作品でも素晴らしい演奏をしています。
GP-672
ヤン・ヴァーツラフ・フーゴ・ヴォジーシェク:ピアノ作品全集 第3集
12 の狂詩曲 Op.1
第1 番:嬰ハ短調 Allegro
第2 番:ホ長調 Allegro
第3 番:イ短調 Allegro con brio
第4 番:ヘ長調 Vivace
第5 番:ヘ短調 Allegro
第6 番:変イ長調 Allegretto ma agitato
第7 番:ニ短調 Allegro furioso
弟8 番:ニ長調
Veloce, ardito
第9 番:ト短調 Allegro appassionato
第10 番:ハ長調 Allegro risvegliato
第11 番:ロ短調 Allegro brioso
第12 番:変ホ長調 Allegro tempestoso
ビリヤナ・ウーバン

録音: 2014 年3 月14 日 オランダ ユトレヒト,Vredenburg Leeuwenbergh
第1 集(GP670)では即興曲と幻想曲、第2 集(GP671)では様々な小品とそのユニークな作風が楽しい、ボヘミア出身の作曲家ヴォジーシェク(1791-1825)のピアノ曲集第3 集は、彼の作品の中でも比較的知名度の高い「12 の狂詩曲」です。ベートーヴェンに賞賛されたというこの狂詩曲集は、当時としてはかなり先進的な作風を持ち、すでにロマン派の域に達しているといってもよいかもしれません。この曲が出版されたのは1818 年で、当時は優れた評価を受けています。曲によってはショパンを先取りするかのような面持ちもあり、どれも自由な発想と豊かな楽想に満ちています。「技巧的に難しい」と評された作品ですが、全体的には素朴な美しさが漂っています。このアルバムも、アルメニアの女性ピアニスト、ウーバンが見事な演奏を繰り広げています。
GP-673
ハチャトゥリアン:オリジナル・ピアノ作品とトランスクリプション集
トッカータ(1932)
ワルツ・カプリースと舞曲(1926)
バレエ音楽「スパルタクス」第2組曲-アダージョ(M.キャメロンによるピアノ編)*
詩曲(1927)/6-8.ピアノ・ソナタ(1961)
仮面舞踏会より(A.ドルハニャンによるピアノ編)(1944/1952)<夜想曲/ロマンス/ワルツ>*
カリーネ・ポゴシアン(P)

録音:2013年8月14.19.21日USAニューヨーク
*=世界初録音
数々の迫力あるオーケストラ作品で知られるハチャトゥリアン(1903-1978)ですが、彼のピアノ曲はどちらかというと無視され続けてきました。もちろん、他の人によるバレエ音楽のピアノ版を耳にする機会は比較的あるのですが、このアルバムに含まれた「トッカータ」や「ワルツ・カプリース」「ソナタ」などはなかなか実演でも取り上げられることのない作品です。ここで目の覚めるように素晴らしい演奏を披露しているのは、アルメニア生まれの女性ピアニスト、カリーネ・ポゴシアンです。彼女は14歳でオーケストラと共演し、23歳の時には名門カーネギー・ホールでソロ・リサイタルを開くほどの俊英です。彼女にとって「お国物」であるハチャトゥリアンからは、まさに心の叫びが聞こえてくるかのようです。「仮面舞踏会」のワルツでのやるせない表情がたまりません。
GP-675
ヨゼフ・ホフマン:ピアノ作品集
性格的描写集Op.40(1908)
2つのマズルカOp.16*
ピアノ・ソナタヘ長調Op.21
マズルカロ短調(1886)*
マズルカニ短調(1886)*
主題と変奏、フーガOp.14(1892)*
アルテム・ヤスシンスキイー(P)

録音:2014年3月1-3日ポーランドワルシャワ,ヴィトルト・ルトスワフスキー・コンサート・スタジオ
*=※6.11.12.13…世界初録音:
20世紀の伝説的ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ヨゼフ・ホフマン(1876-1957)。5歳でデビュー、10歳でヨーロッパからスカンジナヴィア諸国に演奏旅行に出かけ「神童」と賞賛され、その翌年には高額の出演料を提示され、アメリカへ演奏旅行に出かけます。批評家たちが「これは子どもの演奏でなはく、真の芸術家の演奏だ」と賞賛しますが、あまりに過酷なスケジュールであったため、ツアーは突然終了してしまったほどに少年は疲弊してしまったといいます。その後はアントン・ルビンシテインから指導を受け、またアメリカに戻り、教職につきますが、演奏会はほとんど行いませんでした。彼は発明家としても才能があり、スタインウェイの改良や自動車、飛行機の空気式ショックアブソーバーを開発。他にも数多くの特許を取得するなど、この方面でも知られています。そんな彼の作品には、シューマンやショパンの影響が感じられ、同世代のドビュッシーやスクリャビンのような先進的な響きは用いられていません。ピアニスト、ヤスシンスキイーは、1998年、ウクライナのドネツクで生まれたピアニスト。2014年6月にジーナ・バッハウアー国際ピアノコンクールで銅メダルを受賞しています。日本にも来日経験のある彼は、ホフマンのスペシャリストとしても認知されています。
GP-676
ルイ・テオドール・グヴィ:4手のためのピアノ・ソナタ集
ソナタ.ニ短調Op.36(1861)
5-8.ソナタ.ハ短調Op.49(1869)
9-11.ソナタ.ヘ長調Op.51(1870)
エミール・ナウモフ(P)primo…1.5.7-9.11,secondo…2-4.6.10
チェン・ヤウ(P)primo…2-4.6.10,secondo…1.5.7-9.11

録音:2013年12月16-20日USAインディアナ,ブルーミングトン,ジェイコブ音楽大学,アウアー・ホール
19世紀フランスの作曲家テオドール・グヴィ(1819-1898)。しかし彼が生まれた頃、生地はドイツとフランスの係争地帯に属していたため、フランス国籍を取得できず、希望していたパリ音楽院に進学することができませんでした。結局ドイツで個人的に勉強を続け、そのまま作曲家として活動を始めたのですが、その作風も、ドイツ風とフランス風の中庸であり、没後はそのまま忘れられてしまったという人です。そんな彼の作品は交響曲をはじめ、声楽曲、そして器楽曲など多岐にわたりますが、そのピアノ曲の多くは4手のために書かれています。1860年台に書かれたこの3つのソナタは、エレガントな風情を持つもので、フランスに憧れたグヴィといえども、作品にはシューベルトやシューマンの影響が現れているようです。すっかり忘れられてしまった作曲家ですが、これらの作品には紛れない独創性が感じられます。
GP-677
フィリップ・グラス:グラスワールド第1集
グラスワークス:1.オープニング(1981)
オルフェ組曲(P.バーンズによるピアノ編)(2000)
夢見る目覚め(2003)*/どのように今(1968)
ニコラス・ホルヴァート(P)

録音:2013年10月28-29日フランスパリ、Temple Saint Marcel
*=世界初録音
20 世紀の音楽における新しいジャンルの中に「ミニマル・ミュージック」というものが あります。小さな音形を繰り返しながら、少しずつ変化をしていくというこの音楽。この 形式を確立させた作曲家の一人がこのフィリップ・グラス(1937-)であり、これは後世の 作曲家たち…クラシックのみならず…にも大きな影響を与えたのでした(グラス自身は次 第に作風を進化させ、初期の禁欲的なものから増大、複雑化していき、最終的にはミニマ ルと決別してしまうのですが)。冒頭に置かれた「グラスワークス:オープニング」は198 年、CBS レコードへのデビュー作品であり、当時のフィリップ・グラスを端的に表すもの といえるでしょう。1968 年「How Now-どのように今」の印象と比べてみれば、その変 化が良くわかるのではないでしょうか。ジャン・コクトーの映画「オルフェ」に触発され て書かれた「オルフェ組曲」はもっと叙情的になっているため、不可思議あ思いに囚われ るかもしれません。ニコラス・ホルヴァートによるこのシリーズには多くのピアノ版の初 演が含まれます。
GP-678
NX-B03
ウストヴォリスカヤ/シルヴェストロフ/カンチェリ〜ピアノと管弦楽のための作品集
ウストヴォリスカヤ(1919-2006):ピアノ、弦楽オーケストラとティンパ ニのための協奏曲(1946)#
シルヴェストロフ(1937-):4つのポ ストリュード(2004)*
カンチェリ(1935-):弦楽オーケストラ、ピアノとパ ーカッションのための「SIO」(1998)*
シルヴェストロフ:賛歌2001
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)
ユルゲン・シュピチュカ(ティンパ ニ&パーカッション)
シュトゥットガルト室内O
トーマス・ザンデルリ ンク(指)

*=世界初録音
#=オリジナル版にて録音(2015年に出版されたスコアは、彼女の夫によって 第220小節と222小節が改編されています)
ロシア周辺の3人の現代作曲家が書いたピアノと管弦楽のための作品集。どの曲も親しみやすく耳に優しいものばかりです。 ショスタコーヴィチに師事し、強い影響を受けたペトログラード生まれの女性作曲家、ウストヴォリスカヤ。その作品は常に ショスタコーヴィチと比較されるも、独自の神秘的な作風は一部の愛好家に強く愛されています。この「協奏曲」は幾分調性 感に支えられながらも、その音列は不可思議な肌触りを持っており、決して溶け合うことのないティンパニの響きが独特な味 わいを加えています。シルヴェストロフの「ポストリュード」は想像通りの穏やかな作品。ロマン派の残滓が色濃く感じられ る静謐な響きに彩られています。カンチェリの「SIO=そよ風」は、彼の故郷であるグルジア民謡が効果的に用いられた印象 的な音楽です。こちらはドレスデン・シュターツカペレ創立450周年の委嘱作品で、懐かしいメロディを伴いながら吹いて 来る風がダイレクトにイメージできる曲です。最後のシルヴェストロフの「賛歌」は冒頭の3秒を聴いただけでなぜか涙が 溢れてくるほどの懐かしさを伴う“心にしみる曲”です。
GP-679
アンドレ・リオッテ:隕石とその変容 テレーズ・マレングロー(P)

録音:2010年5月5-8日ベルギー,シント=トロイデンアカデミーザール
※世界初録音
フランスの作曲家アンドレ・リオッテ(1928-2011)は前衛的な音楽で知られ、メシアンやクセナキスとグループを組んだり、コンピューター音楽を作ったりと、多彩な活動をしています。この曲は、リオッテの晩年の作品の一つで、一種の変奏曲の形を取っています。ベートーヴェンのディアヴェリ変奏曲、バッハ、ドビュッシーの先人の作品へのオマージュでもあります。

GP-680
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル:鍵盤のためのカプリース集
3つの新しいカプリース・ソナタOp.31-第1番ヘ長調「クレメンティス・アンド・シレンティス」
3つの新しいカプリース・ソナタOp.31-第2番ト短調「アモローソ」
3つの新しいカプリース・ソナタOp.31-第3番ヘ短調「ドレンテ」
3つのカプリースOp.36-第1番ト長調
3つのカプリースOp.36-第2番変ホ長調
3つのカプリースOp.36-第3番ト短調
ミハエル・ツァルカ(P)

録音:2013年8月3-6日ドイツベルリンロキシー・スタジオ
※世界初録音
ボヘミアに生まれ、古典から初期ロマン派への橋渡しを担った重要な作曲家の一人、ヴァンハル(1739-1813)の作品集です。モーツァルトより少し早く生まれ、ウィーンで音楽教師として活躍。同時に作曲家としても名声を得て、膨大な作品を書き上げました。70曲以上の交響曲、100曲の弦楽四重奏曲、多数の宗教曲など本当に数え切れないほどの作品を残しています。その中において、残念なことに彼の器楽曲はあまり重要視されていません。ししかしここで聴くことのできるカプリース(奇想曲)は、どれも即興性に満ちた実に楽しいものばかりです。これらのカプリース、形式はある程度固定されており、まずは重厚なイントロダクションで始まり、その後快活な部分が来る第1楽章、ゆったりとした第2楽章、そして活発な終楽章。もしくは第1楽章と第2楽章ロンドのみ。という短縮形を取りますが、ここに見られる楽想はきらりと光るものばかり。
GP-681
イーヴォ・マチェク:ピアノ作品全集&ヴァイオリン・ソナタ
ピアノ・ソナチネ(1977)/主題と変奏(1939)*
インプロヴィゼーション(1937)
即興曲(1935)*/前奏曲とトッカータ(1987)*
.ピアノ・ソナタ(1985)*
ヴァイオリン・ソナタ(1980)*
ゴラン・フィリペツ(ピアノFAZIOLI)
シルヴィア・マッゾーン(Vn)

録音:2013年10月28日、2014年3月28日
*=世界初録音
イーヴォ・マチェク(1914-2002)はユーゴスラビア出身の作曲家。現在ではほとんど名前を聞くこともありませんが、20世紀のユーゴスラビアにおいて、重要な位置を占める音楽家でした。彼はザグレブの音楽アカデミーで学び、ピアニストとして名声を得ました。数々の演奏家とデュオを組み、多くの生徒を教えています。彼の作品、例えば「ピアノのためのソナチネ」を聴いてみると、一瞬「フランスの印象派」に似た響きが感じられますが、曲が進むにつれ、和声感は希薄になり、しなやかさを増していきます。彼の作品の中でも初期の時代に属する「主題と変奏」と、後期に属するピアノ・ソナタを比べてみると、逆にソナタの方が洗練された美しさを放っていることに気がつくかもしれません。ピアノのための作品は数えるほどしかなく、このアルバムに収録されらものが全てです。そのために余白にヴァイオリン・ソナタが収録されていますが、こちらがまたフォーレを発展させたかのような、流麗な美しさを持つ音楽です。
GP-682
エンリケ・オズワルド:ピアノ作品集
アルバムのページOp.3
即興曲Op.19/アルバムOp.32
アルバムOp.33/アルバムOp.36
ワルツ・レントOp.posth/小舟で
3つの練習曲第1番変ニ長調
3つの練習曲第2番ハ短調
3つの練習曲第3番ホ長調
左手のための練習曲/練習曲(遺作)
セルジオ・モンテイロ(P)

録音:2014年6月2-4日USAオクラホマ州立大学,ワンダ・バス音楽大学リサイタル小ホール
リオデジャネイロで生まれ、その翌年にサンパウロに移住したエンリケ・オズワルド(1852-1931)。彼はまず母親からピアノの手ほどきを受け、その後1860年からフランス人ピアニスト、ガブリエル・ジロードンからピアノのレッスンを受けます。6歳、もしくは7歳でデビュー・リサイタルを開催し、その才能を存分に開花させるために16歳の時に母親の元を離れ、一人でヨーロッパに留学します。ミュンヘンに行く予定でしたが、最初に訪れたフィレンツェが気に入ったため、ここで音楽を学ぶことに決めた彼は、ハンス・フォン・ビューローの弟子であったジュゼッペ・ブオナミーチからピアノを学び、彼を通じてリストやブラームスと出会うのです。そして作曲家としての地位も確立した彼は1903年にブラジルに戻り、生涯この地で活躍したのです。彼の作品は、フランスのエスプリとブラジルの民俗音楽が混在するという興味深いもので、セルジオ・モンテイロが説得力溢れる演奏で、この精緻な世界を表現しています。
GP-683
バンジャマン・ゴダール:ピアノ作品集第1集
ピアノ・ソナタ第2番Op.94
幻想的ソナタOp.63
海辺の散歩Op.86
海の上でOp.44/朝Op.83
おとぎ話Op.62
エリアンヌ・レイエ(P)

録音:2014年1月31日,4月26日ベルギーティアンジュ,リサイタル・スタジオB
19世紀フランスで活躍したバンジャマン・ゴダール(1849-1895)。数多くの作品を残した彼は、実はオペラ作曲家として大成することを夢見ていたのですが、結局残っているのはオペラ「ジョスラン」の中の「子守歌」のみ。その他の作品は彼の死後、すぐに忘れられてしまいました。最近になって、ようやくヴァイオリン協奏曲の美しさが知られるようになったという、まだまだ開拓の余地のある作曲家なのです。そんな彼のピアノ曲こそ、実は本領が発揮されているものと言えるでしょう。「ゴダール=サロン風の易しい音楽を書いた作曲家」として認識していた人は、ここに収録された2曲のピアノ・ソナタを聴くと驚いてしまうはず。ここには技術的にも音楽的にも一切の妥協のない厳しい精神が漲っています。様々な表情を持つゴダールのピアノ曲、このシリーズの進行が楽しみです。
GP-684
バンジャマン・ゴダール:ピアノ作品集 第2 集
夢のすまい Op.140
夜想曲 第1 番 Op.68
夜想曲 第2 番 Op.90
夜想曲第3 番 Op.139
夜想曲 第4 番 Op.150
3 つの小品 Op.16
幻想曲 Op.143 /再生 Op.82
詩的な断章 Op.13
エリアンヌ・レイエ(P)

録音: 2014 年4 月27 日.5 月22 日 ベルギー ティアンジュ リサイタル・スタジオB
※世界初録音
19 世紀フランスで活躍したバンジャマン・ゴダール(1849-1895)のピアノ作品集第2 集です。第1 集(GP683)に収録されていた2 曲のソナタの厳しい曲想に比べると、「夜想曲」を中心に集められたこちらの第2 集の方が、普段知っているゴダールの雰囲気に近いのではないでしょうか。夢、夜、詩・・・この言葉に集約される美しい作品集は、ちょっとだけ肩の力を抜いたゴダールの姿を垣間見ることができそうです。しかし曲に渦巻くハーモニーはシューマンやショパン由来のものではなく、彼が敬愛していたワーグナーのもの。最初に置かれた穏やかなワルツ「夢のすまい」の息の長いメロディは、まさに愛の語らいです。ベルギーのピアニスト、エリアンヌ・レイエの柔らかいタッチは聴き手を夢の世界へ誘ってくれるようです。
GP-685
マリア・シマノフスカ:ピアノのための舞曲全集
18の舞曲<第1番:ポロネーズハ長調/第2番:ポロネーズホ短調/第3番:ポロネーズイ長調/第4番:ポロネーズヘ短調/第5番:ワルツ変ホ長調/第6番:ワルツイ長調/第7番:ワルツ変ロ長調/第8番:ワルツヘ長調/第9番:アングレーズ変ホ長調/第10番:アングレーズ変ロ長調/第11番:アングレーズ変イ長調/第12番:アングレーズ変ホ長調/第13番:コントルダンス変ロ長調/第14番:コントルダンス変イ長調/第15番:カドリーユ変ホ長調/第16番:カドリーユヘ長調/第17番:マズルカヘ長調/第18番:コティヨン変イ長調>
24のマズルカ
6つのメヌエット<第1番:イ短調/第2番:ト短調/第3番:変ホ長調/第4番:ト短調/第5番:ホ長調/第6番:ニ短調>
ジョゼフ・ポニャトフスキ大公お気に入りの民謡によるポロネーズ
ポーランド舞曲
コティヨン、または比喩的なワルツ
:アレクサンダー・コストリツァ(P)
ナツミ・シバガキ(第2ピアノ)*

録音:2014年6月7-8日USAオハイオ,クリーヴランド・ファースト・ユニテリアン・チャーチ
「夜想曲」は、ジョン・フィールドが確立した形式をショパンが発展させたと言われていますが、実はショパンよりも前にポーランドで「夜想曲」を書いた人がいました。それは1789年に生まれた女性作曲家マリア・シマノフスカ(1789-1831)で、彼女は19世紀初頭のヨーロッパにおいて、最も有名なピアニストの一人でもあったのです。彼女の作品も当時としては革新的なものであり、「ブリヤン様式=stylebrillant」と呼ばれる技巧的な作風は、ロマン派の自由な発想を予告するものにもなっています。ここに収録された作品は、どれも短く簡潔ですが、1曲ごとに広がる夢幻的な発想には感嘆するばかりです。
GP-686(2CD)
NX-C03
ヘスラー(1747-1822):360の全長調と短調による前奏曲集 Op.47 他
360の全長調と短調による前奏曲集 Op.47(1817)…世界初録音
6つの鍵盤ソナタより第6番 イ短調
ファンタジーとソナタ ハ長調 Op.4
大ソナタ 変ホ長調 Op.26…世界初録音
ヴィトラウス・フォン・ホルン(P)

録音:2016年8月4日
エアフルトで生まれたヘスラーは、教会オルガニストであった父から音楽を学び、1789年にはベルリン旅行中のモーツァルトとオルガ ンで腕を競い合うなど、優れた演奏家として活躍、その後はロンドンからサンクトペテルブルグ、モスクワに移り亡くなるまで音楽教師 を務めました。 このアルバムは、タイトルを見てあまりのボリュームに思わず目を疑ってしまいそうな「360の全長調と短調による前奏曲集」がメイン の収録曲です。もちろん世界初録音であり、ヘスラーの全作品の中でも極めてユニークな作品の一つです。15の小さな曲が集まっ て5分足らずの「一つの調性」のグループを形成するというもので、ユーモラスでありながらも聴き手に恐ろしいほどの集中力を要求 する、本当に興味深い曲集です。同時収録のソナタは、ハイドン風の凝った技巧で書かれています。
GP-688
NX-B03
ラド・カズラエフ:ピアノ作品集
ロマンティック・ソナチネ(1952)
ダゲスタン・アルバム‐民謡の主題による 10の小品(1973)
6つの前奏曲(1956 &1961)
絵画的小品(1953-1971/改編2010)*
楠千里(P)

録音:2014年10月28-30日UKモンマス,ワイアストン・コンサート・ホール
*= 世界初録音
アゼルバイジャンの作曲家、カズラエフ(1931-)の珍しいピアノ曲を集めた1枚。彼は地元バクーの音楽院で学び、その後レ ニングラードでボリス・ザイドマンから作曲の指導を受けます。レニングラードではマキシミリアン・シテインベルグからも 教えを受け、学生時代からダゲスタンのオーケストラで芸術監督を務めるなど目覚しい活躍をします。そして、マハチカラで チャイコフスキーの名を冠した音楽院の教師を務めながら作曲活動に勤しみました。とは言え、彼の作品はこれまで「山から の乙女」など勇壮な管弦楽曲とジャズばかりが知られており、何曲かのピアノ曲は、まず耳にする機会がありませんでした。 彼は同世代のカプースチンと同じように、ジャズに強い愛着を示しており、ここで聞ける作品のいくつかもノリのよいジャ ズ・テイストとなっています。演奏しているのは日本のピアニスト楠千里。メトネルとカズラエフ作品の研究家であり、カズ ラエフから直接マハチカラでの演奏会に招待されるなど、作曲家から全幅の信頼を寄せられている人です。

GP-689
グリーグ&エヴユ:ピアノ協奏曲
グリーグ:ピアノ協奏曲(P.グレインジャーによる校訂版)
グリーグ:ピアノ協奏曲ロ短調(断章)
ヘルゲ・エブユ:ピアノ協奏曲ロ短調(E.グリーグの断章による)<第1楽章:Moderatotranquillo/第2楽章:Scherzo/第3楽章:Adagio/第4楽章:Cadenza/第5楽章:Finale>
グリーグ:歌曲集(H.エブユによるピアノ編)<睡蓮とともにOp.25-4/ある夢Op.48-6>
カール・ペテルソン(P)
ケリー・ストラットン(指)プラハ放送SO

録音:2014年3月2日チェコ共和国プラハチェコ・ラジオ・プラハ、2014年3月3日チェコ共和国プラハチェコ・ラジオ・プラハ、2014年6月28日コペンハーゲン,デンマーク王立音楽院Studiescenen4
数多くのピアノ協奏曲の中でも、強い民謡風味が人気のグリーグ(1843-1907)のピアノ協奏曲。初期の作品でありながら、グリーグ自身が何度も改訂を試み、少しずつ改編を加えていたことで知られています。またこの曲をことのほか愛していたのが、イギリスの作曲家グレインジャーで、彼はグリーグを訪ね、民謡について語らいつつ、グリーグの指揮でグレインジャーがピアノを演奏し、この協奏曲の演奏旅行も企てたのですが、残念なことにこれが実現する前にグリーグがこの世を去ってしまったというエピソードもあります。ここでは、そんなグレインジャーによる「彼の理想とするグリーグの協奏曲」を聴くことができます。オーケストレーションや、リズム処理など、至るところに斬新さを感じ取れることでしょう。さてグリーグですが、、本当はピアノ協奏曲をもう1曲書こうと構想を練っていたのですが、結局完成せず、断片のみが遺されました。それを元にして、ノルウェーの作曲家、アレンジャー、ヘルゲ・エヴユ(1942-)が新たな協奏曲を作り出しました。これがまた素晴らしいもの。グリーグ風味も感じさせつつ、全く新しい音楽が息づく(ラフマニノフ、チャイコフスキー、グリーグの良いところを全て混ぜ合わせたような)ぞくぞくするほどの名作の誕生です。

GP-690
フィリップ・グラス:グラス・ワールド第2集エチュード全曲
エチュード第1巻第1番-第10番
エチュード第2巻第11番-第20番
ニコラス・ホルヴァート(P)

録音:2015年3月27日,4月3,8日
1991年から2012年にかけて作曲された、このフィリップ・グラス(1937-)の「エチュード」は、もともとデニス・ラッセル・デイヴィスのためにかかれた6曲の小品が出発点でした。その後、いろいろな折に書かれた全部で20曲のエチュードをまとめ、10曲ずつの2巻に再編し、現在の形になっています。第1巻がテンポ、ピアノ技法の開拓であり、テクニックの開発を目的に書かれたものが集められています。第2巻はそれを更に発展させるとともに、和声の新たな探求、冒険が意図された曲が集結しています。どの作品も複雑な旋律線を持っていますが、それは見事に音楽の流れに組み込まれ、ごく自然に息づいています。
GP-691
フィリップ・グラス:グラス・ワールド 第3 集
1.メタモルフォーシス I(1988)
2.メタモルフォーシス II(1988)
3.メタモルフォーシス III(1988)
4.メタモルフォーシス IV(1988)
5.メタモルフォーシス V(1988)
6.オリンピアン(ピアノ版)(1984)
7.トリロジー・ソナタ-第3 楽章:アクナーテン(1983)よりダンス(P.バーンズによるピアノ編)(2000)
8.レイト・グレイト・ジョニー・エースからコーダ(1980 頃)
9.トリロジー・ソナタ-第2 楽章:サティアグラハ(1980)より終曲(P.バーンズによるピアノ編)(2000)
10.シークレット・ソロ(1977)
11.トリロジー・ソナタ-第1 楽章:浜辺のアインシュタイン(1976)より「ニー・プレイ第4 番」(P.バーンズによるピアノ編)(2000)
12.2 つのページ(1968)
13.ピアノ・ソナタ 第2 番(1959)
ニコラス・ホルヴァート(P)

録音: 2014 年3 月24 日…1-7.9.11.12, 2015 年6 月29 日…8.10.13, フランス パリ、Temple Saint Marcel
※8,10,13…世界初録音
このグラス・ワールド第3 集は、アルバムの曲順が時間を遡っていくようにプログラムされています。「メタモルフォーシス」は、カフカの小説「変身」のために書かれた第3 番と第4 番、エロール・モリスの映画のサントラのための第1 番、第2 番、第5 番が入り混じっています。曲はお馴染みのミニマルで、美しい断片的なメロディーが形を変えながら耳を通り過ぎていきます。ロサンゼルス・オリンピックのための「オリンピアン」、三部作オペラからの編曲であるトリロジー・ソナタ、1968 年に書かれたにもかかわらず、すでにミニマリズムの萌芽が見える2 つのページ、そしてミヨーの影響があると言われるソナタ第2 番。あなたの知らないフィリップ・グラス(1937-)の姿が見えてくるかもしれません。
GP-692
フィリップ・グラス:グラス・ワールド第4集ONLOVE
1-14.THEHOURS‐めぐりあう時間たち(2002)<ポエット・アクツ/モーニング・パッセージ/彼女がしなければならない何か/フォー・ユア・オウン・ベネフィット/ヴァネッサと子供たち/ケーキを作りましょう/歓迎されざる友/デッド・シングス/キス/なぜ誰かが死ななければならない/ティアリング・ハーセルフ・アウェイ/逃避/人生の選択/めぐりあう時間たち>※ピアノ独奏への編曲マイケル・リースマン…4.5.9,マイケル・リースマン&ニコ・マーリー…1.2.3.6.7.8.10.11.12.13.14/15.モダン・ラヴ・ワルツ(1977)/16.あるスキャンダルについての覚え書き(2006)/17.MUSICINFIFTHS(1969)
ニコラス・ホルヴァート(P)

録音:2014年3月25日フランスパリ
※6…世界初録音
「めぐりあう時間たち」は、2002年に製作されたアメリカ映画(スティーブン・ダルドリー監督、マイケル・カニンガム原作)。人生と愛に疲れ、入水自殺を遂げる女性作家ヴァージニア・ウルフと彼女に関わる3人の女性の時代を超えた1日を描いた問題作です。ヴァージニアを演じたニコール・キッドマンの美しさと演技が高く評価され、彼女はこの役でアカデミー主演女優賞も受賞しています。この映画のサウンドトラックを書いたのがフィリップ・グラス(1937-)で、彼は錯綜するストーリーに沿うように、強迫観念と不気味さに彩られた不気味かつ美しい音楽を書きました。キッドマンが栄誉ある賞を獲得したように、このサウンドトラックも数々の賞にノミネートされ、BAFTAのアンソニー・アスキス賞を受賞するという栄誉に浴しています。原曲はオーケストラで奏されますが、ピアノ独奏への編曲は、更なる孤独な心情を描き出すことに成功しています。
GP-693
タニャ・エカナヤカ:リインヴェンションズ〜ピアノのための狂詩曲集
〜を通って:根本より、翼より(2010)
滴の出会い:スコットランドを歩いて、ヴァンナムとスリランカのバッグスバニー(2013)
運命:変化(している)の傾向(2011)
ヴァンナム(ガジャガ,マユラ,ハヌマ)とあなた(2013)
蓮の中で:蓮の花が花開くとき(2013)
迷宮:ヴァンナム・レント(2012)
7.2013/146月のこだま(2014)
タニャ・エカナヤカ(P)

録音:2014年9月28日、2014年9月29日 UKエディンバラ大学,レイド・コンサート・ホール
※世界初録音
スリランカの作曲家エカナヤカ(1977-)。彼女は曲を作るとき、キーボードに向かって、ほんの数分でメロディが自然発生するのだそうです。このアルバムに収録された作品は、どれもスリランカで知られる民謡のメロディと、古典的な作品をう融合させたもので、彼女が好んで使う「ヴァンナム」とはサンスクリット語の「ヴァーナム=記述的な賛美」を語源としたもので、ほとんどが特定の動きを表しているものです。ショパン、ベートーヴェンなどの何となく聞いたことのある旋律が織り込まれつつも、どれもが微妙な揺らぎを持ち、時に全く違うものとして現れてきます。既視感と違和感がバランス良く体にしみこんでくる不思議な音楽です。アルバムタイトル通りの「Reinventions=新たに作成されたもの」を感じてみてください。
GP-694
アフシン・ジャベリ:「バーブ」ピアノ・ソナタ集とバラード集
ピアノ・ソナタ第1番「シーカー」
ピアノ・ソナタ第2番「平和への道」
ピアノ・ソナタ第3番「ベドウィン」
バラード第1番「エロルド」
バラード第2番「エロイカ」
バラード第3番「殉教」
アフシン・ジャベリ(P)

録音:2013年5月26-29日シンガポール国立大学ong Siew Toh Conservatory of Musicコンサート・ホール
※世界初録音
バーレーン王国で生まれ、カタールで育ったイランのピアニスト、作曲家アフシン・ジャベリ(1973-)の作品集です。最初の音楽教育をハンガリーで受けましたが、その作品には、彼が大切にしているバハーイー教の影響が織り込まれています。ピアノ・ソナタ第1番は、イギリスで最初にバハーイー教の信者となったトーマス・ブレイクウェルの生涯に触発されたもの。第2番はタイトル通り、宗教の違いに拠って起こる偏見と分裂、そして戦争の恐怖を描いたものです。バハイ殉教者の思い出に捧げられています。アラブの遊牧民「ベドウィン」の生活と希望を描いたソナタ第3番、そしてそれぞれに思いが込められた3つのバラード、中でも第3番はバハーイー教の啓示者セイイェド・アリー・モハンマドの殉教の物語を表現したもので、深い感情に裏打ちされた深遠な音楽です。タイトルの「バーブ」とはアラビア語で「門」の意味ですが、バハーイー教の前駆であり、モハンマドの称号でもあります。
GP-695
NX-B03
ポール・ル・フレム:ピアノ作品全集
4月(1910)/2.古びたカルヴェール(1910)
荒野を通って(1907)
岸辺の砂地 を通って(1907)
エニシダの花の歌(1910)
7つ の子供のための小品(1910)
コリガン‐ブレトンのワルツ(1896)*
右手のために(1961) *
メランコリー!*
エポニーヌとサビニウス(G.コウクル編)(1897)*
パヴ ァーヌ・ド・マドモワゼル(ルイ14世風に)*
エモーション(1939)**
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2015年3月23日スイスルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
*=世界録音
フランス、オルヌ県ラドンに生まれ、パリのスコラ・カントルムでヴァンサン・ダンディとアルベール・ルーセルに師事、教 育者としても活躍し、エリック・サティやアンドレ・ジョリヴェを指導したというポール・ル・フレム(1881-1984)。マル ティヌー、チェレプニン、タンスマンと親しく交流し、彼らから大きな影響を受けています。またブルターニュの音楽にも強 い愛着を持ち、自作に民族的な要素を積極的に取り入れました。彼は103歳という長寿を全うしましたが、作曲活動は第一 次世界大戦の際に一時中断、1938年に活動を再開したときには、作風もかなり変化しています。ピアノ曲はその翌年の1939 年に書かれた「エモーション」が最後の作品であり、以降は歌劇やバレエ曲、映画音楽といった大規模なものへと嗜好が移っ てしまったようです。そんなル・フレムのピアノ曲からは、ショーソンやドビュッシー作品にも似た、良きフランスの香りが 漂います。スペイン近代作品とマルティヌー作品を得意とするジョルジオ・コウクルの演奏です。
GP-696
ストラヴィンスキー他〜トランスクリプション集とオリジナル・ピアノ作品集
ストラヴィンスキー春の祭典(S.ラフリングによるピアノ独奏版)
ラヴェル:ラ・ヴァルス(ピアノ版)
ガーシュウィン:3つのプレリュード
 ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ独奏版)
エリック・フェラン=エンカワ(P)

録音:2013年12月8日、2013年12月22日
ストラヴィンスキーの名作「春の祭典」には、色々なピアノへの編曲ヴァージョンが存在します。原型であるオーケストラの暴力的な響きを余すことなく移し替えるためには、2台ピアノ版が良いのかもしれませんが、このラフリングの編曲による「一人春の祭典」は、もう想像を超えた素晴らしさです。ピアノ演奏の限界に挑むかのようなこのピアノを弾いているのはフランス生まれのエリック・フェラン=エンカワ。ジャズ・ピアニストとしても活躍する人だからこそ、この愉悦感が生まれるのかもしれません。ラヴェルの「ラ・ヴァルス」での軽やかさと華やかさの絶妙なコンビネーション、ガーシュウィンの洒脱なプレリュードと、文句なしの「ラプソディ・イン・ブルー」、どれもが一聴の価値あるものです。
GP-697
マーシャル・ソラール:ピアノ・ソロと2台ピアノのための作品集
アナトライへの旅(2011)#
ジャズ・プレリュード(1990頃)
コンサート・エクササイズ(1994年のインプロヴィゼーションと2011年のパスカル・ウェッツェルの共同作品:エリック・フェラン=エンカワに捧げる)
11のエチュード(1999)#
2台ピアノのためのバラード(1985)*
エリック・フェラン=エンカワ(P)
マーシャル・ソラール(P)*

録音:2011年8月27-29日、2011年11月2日
#=世界初録音
マーシャル・ソラール(1927-)はフランス・ジャズの大物。華麗な指さばきとアレンジが愛されているピアニストです。1950年代から活動をはじめ、ジャンゴ・ラインハルト、ドン・バイアスらと共演し、70年代にはリー・コニッツとデュオを結成、すばらしい足跡を残しています。かたや、フランスの名ピアニスト、エリック・フェラン=エンカワは幼い頃からピアノの才能を発揮し、国立音楽院を卒業後には、いくつかの日本のオーケストラとの共演経験もあるという人です。東欧、ロシアのミュージシャンと積極的にコラボレーションを行い、またヴァイオリニスト、ジル・アパップとのデュオはその型破りな演奏で注目を集めました。彼自身のレパートリーはとても幅広く、バッハから現代音楽までと何でもありですが、ジャズも得意であり、このアルバムはまさに彼にぴったりのレパートリーといえるのではないでしょうか?トラック21の2人の共演も聴き物です。
GP-698F(4CD)
ミェチスワフ・ヴァインベルク:ピアノ作品全集
ピアノ・ソナタ第1番&第2番
2つのマズルカ,子守歌
ピアノ・ソナタOp.49bis/パルティータ
ピアノのためのソナチネ/ピアノ・ソナタ第4番
子どもの雑記帳/やさしい小品,カンカン
ピアノ・ソナタ第3番&第5番&第6番
ベルリンスキーの娘のための2つのフーガ
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ(P)
ポーランドの偉大な作曲家ヴァインベルク(1919-1996)のピアノ作品全集です。波乱に満ちた生涯を彩るこれらのピアノ曲は激動の時代を反映したものばかりであり、時としてショスタコーヴィチへのオマージュであったり、また教育用の小品であったりと、なかなか興味深いものが並びます。大作であるソナタも面白いですが、様々な小品がまた面白いものばかり。1分に満たない短い曲からも、世相を切り取ったかのような風刺的な香りがぷんぷんします。

GP-702
フィリップ・ハモンド:ミニチュアとモデュレーション集〜エドワード・バンティングが収集したアイルランドの古い音楽からのインスパイアチャールズ・マクハフ-野生児/キス・ミー・レディ/小さくて偉大な山/キャロラン:ローズ・ディロン(ジグ)/古い悲しみ/モリー、わが宝物/ジョン・オライリー,アクティヴな*/私のバレンタインを見たことがあるの?/商人の娘/キティ・タイレル/黒い鳥/キャロラン:若きテレンス・マクドナフ/キャロラン:プランクシティ・マクガイア/友たちとの別れ/アイルランドの子守歌/ドアを優しく開けて/キャロラン:オーエン・オニールの嘆き/醜い仕立て屋/グラヌ・ウィール/公平な女/ひげのない少年* マイケル・マクヘイル(P)

録音2013年12月4,5日アイルランド,リメリック大学アイルランド室内管弦楽スタジオ
*以外=世界初録音
1792年、ベルファストで4日間に渡って開催されたハープ・フェスティバルは、アイルランドの音楽の歴史を辿るためにも極めて有益なイヴェントでした。この催しに参加した当時19歳の青年エドワード・バンティング(1773-1843)は「アイルランド民謡を収集することの重大性」を感じ、早速活動を初めたのです。彼が収集した民謡は全部で3巻に渡る大資料集となり、これはその後の作曲家たちにとっても大切なものとなったのです。このアルバムでは、1951年にベルファストで生まれた作曲家ハモンド(1951-)が「アイルランド民謡」に新たなアレンジを加え、全く新しい作品として創り上げたものを聴くことができます。どこか懐かしさを残しながらも、斬新な形に生まれ変った民謡たち。愛おしさ満点です。
GP-705
エネスコ:独奏ピアノ作品全集第1集
夜想曲変ニ長調「マリー・カンタキュゼンヌ大公女への思い出に」(1907)
ピアノのための組曲第3番「即興的な小品集」Op.18(1916)
ピアノ・ソナタ第1番嬰へ短調Op.24-1(1924)
ホス・デ・ソラウン(P)

録音:2016年1月2-4日スペインバレンシア,パラウ・デ・ラ・ムジカ
20世紀の傑出した音楽家の一人、ルーマニア出身のジョルジュ・エネスコ(1881-1955)。彼は、数多くの作品を残した作曲家、そして卓越したヴァイオリニストとして後世に強い影響を与えています。彼の作品の多くは、ルーマニア民謡に影響されたものであり、例えば有名な「ルーマニア狂詩曲」はその民俗色豊かなメロディが広く愛されています。また自身が優れた奏者であったせいか、ヴァイオリンを用いた作品にも素晴らしいものが多いのですが、実はピアノ独奏曲にも重要な作品があることはあまり知られていません。この第1集には、スクリャービン風の流麗で妖艶な雰囲気を持つ初期の夜想曲、ルーマニア民族音楽に傾倒していた頃の組曲、そして戦後に作風を転換させたと言われる1920年代のソナタ第1番を収録、しられざるエネスクの側面を知る格好の1枚となっています。演奏しているのは、ブカレストで開催された第13回ジョルジェ・エネスク国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したスペイン出身のホス・デ・ソラウンです。
GP-703(2CD)
アレクサンドル・モソロフ:ピアノ作品全集
ピアノ・ソナタ第1番ハ短調Op.3(1924)
2つの夜想曲Op.15(1925-1926)
3つの小品Op.23a(1927)
2つの舞曲Op.23b(1927)
ピアノ・ソナタ第2番ロ短調Op.4「古い手帳から」(1923-1924)
ピアノ・ソナタ第4番Op.11(1925)
トルクメニスタンの夜-ピアノのための幻想曲(1929)
ピアノ・ソナタ第5番ニ短調Op.12
オルガ・アンドリュシチェンコ(P)

録音:2015年2月19-22日ロシアモスクワ,CMSスタジオ
破壊的な音楽の象徴とも言える「鉄工場」で知られる20世紀ソビエトの作曲家、アレクサンドル・モソロフ(1900-1973)のピアノ作品集です。活動の初期はソビエト音楽界の中心的人物であったモソロフですが、やがてロシア・プロレタリア音楽家同盟から攻撃を受け、いつのまにか中央から追放され、結局は反逆者として逮捕され、8年間もの間「白海運河建設現場」で強制労働を強いられるなど、様々な悲運に見舞われてしまいます。生還後も彼の作品の上演許可は下りることなく、彼の名誉が復権するのは死後になってからだったのです。このアルバムにはそんな彼が遺した全てのピアノ作品が収録されています。これらの作品は全て抑圧前の1920年代に作曲されており、どれも、幾分スクリャービンの影響も感じられる、自由な楽想と攻撃的なフレーズが漲る独創的な音楽となっています。モスクワ生まれのピアニスト、アンドリュシチェンコの力強い演奏で。
GP-706B03
エネスコ:独奏ピアノ作品全集第2集
ピアノのための組曲「鐘の音」Op.10(1901-1903)
前奏曲とフーガ(1903)
ピアノ・ソナタ第3番ニ長調Op.24-3(1935)
フォーレの名による小品(1922)
ホス・デ・ソラウン(P)

録音:2016年1月2-4日スペインバレンシア,パラウ・デ・ラ・ムジカ
20世紀の傑出した音楽家の一人、ルーマニア出身のジョルジュ・エネスコ(1881-1955)の独奏ピアノのための作品第2集。ヴァイオリン奏者としてのイメージが強いエネスコの、また違った面を知ることができる貴重なシリーズです。第2集に収録されている4つの作品は、それぞれの作曲年代におよそ30年の開きがありエネスコの作風の変遷を辿ることができるでしょう。最も初期の「組曲」は陰鬱な民謡をうまく取り入れた表現的な音楽です。同じ頃に書かれた「前奏曲とフーガ」からは、バッハの前奏曲を模倣することで、対位法の技術を学ぼうとしたエネスコの努力の跡が伺われます。「フォーレの名による小品」はF(ファ).A(ラ).E(ミ)の音を用いたメロディが鮮やかな2分半ほどの短い曲。そしてアルバムの中心をなす「ソナタ第3番」はすっかり独自の語法を身に付けたエネスコの堂々たる作品です。演奏しているのは、ブカレストで開催された第13回ジョルジュ・エネスコ国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したスペイン出身のホス・デ・ソラウンです。
GP-707
NX-B03
ジョルジュ・エネスコ:独奏ピアノ作品全集第3集
スケルツォ*/ピアノのためのバラード
前奏曲とスケルツォ*/舟歌
紡ぎ 女/後悔
ピアノのための組曲「古いスタイルで」Op.3
即興曲変イ長調/即興曲ハ長調
中くらいの*
ホス・デ・ソラウン(P)

録音:2016年4月11日.22日,5月3日USAテキサスジェームズ&ナンシー・ガートナー・パフォーミング・アーツ・センター
※1.2.14… 世界初録音
20世紀の傑出した音楽家の一人、ルーマニア出身のジョルジュ・エネスコ(1881-1955)の独奏ピアノのためのシリーズは、 この第3集で完結となります。今作でも演奏しているのは第13回ジョルジュ・エネスコ国際ピアノ・コンクール(2014年ブ カレスト開催)で優勝したホス・デ・ソラウン。この第3集では10代の作品を中心に収録。ウィーン、パリ双方の伝統を継承 した作風による小品の数々は、スケルツォはブラームス風であり、即興曲はフォーレ風でもありと、様々なスタイルがブレン ドされています。「組曲」は彼の初期作品の中でも最高の出来栄えで、バロックと世紀末前後の音楽が融合した愉快な曲。ト ッカータ風の「終曲」の爽快さは格別です。少しずつ独自の語法を獲得していく若者の姿が見えてくる興味深いアルバムです。
GP-708
NX-B03
ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915-1940):ピアノ作品全集
ソナタ・アパッショナータ Op.6(1933)
3つのピアノ小品より(1935)
ピアノのための5つのコンポジション(1931-32)
4月の前奏曲 Op.13(1937)
サンテティエンヌ・デュ・モン教会の鐘による変奏曲 Op.16(1838)
ピアノのための舞曲(1940 未出版・・・ジョルジオ・コウクルによる補筆復刻版)
2つの花束(1935)
スミレの小さな花束
秋の葉/小さな歌(1936)
オスティナート・フォックス(1937)
祝祭ファンファーレ(1940)
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2016年1月5日、2016年3月25日
1915年、当時オーストリア=ハンガリー帝国領であったブルノ(現在はチェコ共和国)に生まれたカプラーロヴァー。幼い頃より音楽 の才能を発揮し、9歳で作曲を始めるなど天才少女として注目されました。ブルノ音楽院からプラハ音楽院に進み、ターリヒとノ ヴァークに師事、22歳で奨学金を獲得し、パリのエコールノルマル音楽院に留学します。パリを拠点としていた同郷のマルティヌーに 師事した彼女の作品はヨーロッパ中で注目を集め、チェコだけでなくロンドンでも演奏され、数々の賞を受賞するなど将来を嘱望さ れます。しかし、1940年に病を得て、たった25歳の生涯を疎開先のモンペリエで閉じてしまいました。このアルバムでは、若々しいエ ネルギーを発散する初期の「コンポジション」から、出版されることのなかった未完の作品「舞曲」まで、短い人生を駆け抜けた女性 作曲家によるピアノ作品の全容を知ることができます。演奏しているのはカプラーロヴァーの師、マルティヌーのピアノ曲全集をリリース したコウクルです。
GP-709
ホセ・アントニオ・レセンデ・デ・アルメイダ・プラド:カルタス・セレステス第1集
カルタス・セレステス第1番(1974)
カルタス・セレステス第2番(1981)
カルタス・セレステス第3番(1981)
カルタス・セレステス第15番(2009)*
アレイソン・スコペル(P)

録音:2015年2月2-3日ブラジルリオデジャネイロ,サラ・セシリア・メイレレス
*=世界初録音
「カルタス・セレステス」とは日本語で「天体の図表」と言った意味を持ちます。その言葉通り、ここに収録された4つの作品は、各々1分程度の短い曲の集まりで、神話や天空、闇、色、宇宙へのアプローチなど多彩な要素が詰まった「音による星座」なのです。デ・アルメイダ・プラド(1943-2010)はブラジルの作曲家で、カマルゴ・グァルニエリとともに、ナディア・ブーランジェとオリヴィエ・メシアンに師事、やがてブラジルの「国民楽派」を形成しました。メシアンに影響された彼は新しい和声の仕組み「トランストーナリティ」を作り、これを用いて18の「カルタス・セレステス」を書き上げました。そのうち15はピアノのために書かれており、恐らく彼の概念…光や星の煌き、天の川やアンドロメダ星雲を音で描くこと…はピアノの響きがもっともふさわしいものであったに違いありません。まばゆいばかりの音の戯れを描き出すのは、ブラジルの若手ピアニスト、アレイソン・スコペル。現代作品に強い関心があるという彼ならではの斬新な演奏です。
GP-710
NX-B03
アルメイダ・プラド(1943-2010):カルタス・セレステス 第2集
カルタス・セレステス 第4番(1981)
カルタス・セレステス 第5番(1982)
カルタス・セレステス 第6番(1982)
アレイソン・スコペル(P)

録音:2015年12月6-7日
アルメイダ・プラドはブラジルの作曲家で、カマルゴ・グァルニエリとともに、ナディア・ブーランジェとオリヴィエ・メシアンに師事、やがてブラ ジルの「国民楽派」を形成した一人です。彼の代表作、「カルタス・セレステス」とは日本語で「天体の図表」と言った意味を持ちま す。その言葉通り、ここに収録された3つの作品は、各々1分程度の短い曲の集まりで、神話や天空、闇、色、宇宙へのアプローチ など多彩な要素が詰まった「音による星座」です。第1集の4つの曲集も魅力的でしたが、この第2集で聴ける作品も、まさに銀河を 形作る星々の煌きをそのまま音にしたかのような、神秘的な輝きを放っています。第1集と同じく、ブラジルの若手ピアニスト、アレイ ソン・スコペルの見事な演奏で。
GP-711
イグナーツ・フリードマン:オリジナル・ピアノ作品集
エドゥアルド・ゲルトナーのモティーフによる6つのウィーン風舞曲(1916)
4つの小品Op.27(1908)
詩Op.71(1917)
シュティムンゲンOp.79(1918)
4つの前奏曲Op.61(1915)
ヨーゼフ・バノヴェツ(P)

録音:2012年1月16-20日USAニューヨーク,バッファローホーリー・トリニティ・ルター教会
20世紀を代表する名ピアニストの一人、イグナーツ・フリードマン(1882-1948)。当時「至高のヴィルトゥオーゾ」と評された彼は、また素晴らしい作曲家でもありました。当時の優れたピアニストのほとんどは、自身で作曲したアンコールピースをレパートリーに持っている場合が多く、彼もその例に漏れず、90曲以上のサロン風作品を作曲しています。もちろんピアノ曲だけでなく、何曲かの室内楽作品も遺されましたが、残念ながら現在では、それらのほとんどが忘れられてしまっています。彼の作品はどれも後期ロマン派の作風に属し、優美なメロディを持っています。時には彼の故郷であるポーランドの民俗舞踊のエッセンスが取り入れられていたり、ウィーン風の雰囲気をまとっていたりと、その作品の表情は様々です。またOp.79の「シュティムンゲン」が彼の友人ラフマニノフに献呈された情熱的な作品で、短いなかにも多彩な感情が盛られた興味深い小品集となっています。
GP-712B03
イグナツ・フリードマン:ピアノ・トランスクリプション集
1.J.S.バッハ:フルート・ソナタ変ホ長調BWV1031-第2楽章シチリアーノ(1948)
2.ラモー:組曲ホ短調より第5番「鳥のさえずり」(1914)
3.ラモー:歌劇「優雅なインドの国々」-ミュゼット(1913)
4.グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」‐精霊の踊り(1913)
5.フィールド:夜想曲第5番変ロ長調H37(1928)
6.フランク:オルガンのための6つの小品‐前奏曲、フーガと変奏曲ロ短調Op.18M30(1949)
7.ダレーラク:ニーナ、狂気の愛-ロマンス(1914)
8.ダンドリュー:おしゃべり(1913)
9.ダンドリュー:クラヴサンのための組曲第1集‐第4番「横笛」(1913)
10.D.スカルラッティ:ソナタト長調K.523/L.490/P.527(1914)
11.D.スカルラッティ:ソナタヘ長調K.446/L.433/P.177(1914)/12.グルック:ドン・ジュアン‐ガヴォット(1914)
13.F.クープラン:クラヴサン組曲第1集第5組曲‐かわいい頭巾(1914)
14.グラツィオーリ:ソナタト長調Op.1-11‐アダージョ(1913)
15.グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」‐バレエ「幸せな影」(1913)
ヨーゼフ・バノヴェッツ(P)

録音:2012年1月16-20日USAニューヨークホリー・トリニティ・ルター派教会
※3.5.12…世界初録音
20世紀を代表するポーランドのピアニスト、イグナツ・フリードマン(1882-1948)は、卓越した技巧と解釈で「類い稀なるショパン演奏家」として評価されています。また彼は、同時代の音楽家の例に漏れず、素晴らしい作曲家、編曲家でもありました。彼は自身のコンサートで演奏するために、過去の大作曲家たちの作品を魅力的に改編し、時には超絶技巧を加えて華麗な演奏会用ピースに仕立て上げたのです。このアルバムでは、そんなフリードマンの編曲によるバロック期の作品から、同時期の作品までを収録(うち3曲は世界初録音)、フリードマンの曲に寄せる愛着も理解できる興味深い1枚となっています。グラミー賞受賞、超絶技巧ピアノ曲を得意とするアメリカのピアニスト、ヨーゼフ・バノヴェッツ(NAXOSレーベルでもお馴染み)の演奏で。
GP-713
ミリー・アレクセイヴィチ・バラキレフ:ピアノ作品全集 第2集
ワルツ 第1 番 ト長調(ワルツ・ディ・ブラヴーラ)(1900)
夜想曲 第1 番 変ロ短調(1898 年改訂版)
ワルツ 第2番 ヘ短調(ワルツ・メランコリック)(1900)
ワルツ 第3 番 ニ長調(ワルツ・インプロンプチュ)(1901)
夜想曲 第2番 ロ短調(1901)
ワルツ 第4 番 変ロ長調(演奏会用ワルツ)(1902)
夜想曲 第3 番 ニ短調(1902)
ワルツ 第5 番 変ニ長調(1903)
夜想曲 嬰ト短調(夜想曲 第1 番の初稿/1856)*
幻想的小品 変ニ長調(1903)
ワルツ 第6 番 嬰へ短調(1903)
漁師の歌 ロ短調(1903)
ワルツ 第7 番 嬰ト短調(1906)
ニコラス・ウォーカー(P)

録音: 2012 年8 月20-23 日、2014 年1 月7-10 日 イングランド ウィアストン・レイズ
*=世界初録音
ロシア五人組のメンバーの一人、バラキレフ(1837-1910)のピアノ作品集の第2 集です。今回のアルバムで取り上げられているのは、彼の「ショパンへの憧れ」が強く感じられる夜想曲とワルツです。彼は実は優れたピアニストであり、とりわけ即興演奏の腕は素晴らしいものだったとされています(イスラメイを聴けばそれも納得です)。しかし、自作については懐疑的であり、鬱病になってワルシャワ鉄道の事務員として働くなど、一時期音楽からすっかり遠ざかってしまったこともあると言います。そんな彼、残された作品もあまり多くないのですが、ここに収録されている晩年の作品はどれも確信に満ちたもの。中には若いころの作品を改作した「夜想曲第1 番」も含まれていますが、今回、その初稿版が初めて録音されました。比べてみるのも面白いのではないでしょうか。
GP-714
NX-B03
バラキレフ:ピアノ作品全集第3集
マズルカ第1番変イ長調(1859-1860)
マズルカ第2番嬰ハ短調(1859-1860)
ピアノのためのソナチネト長調「エスキース」(1909)
子守歌変イ長調(1901)
マズルカ第3番ロ短調(1884-1885)
マズルカ第4番変ト長調(1884-1885)
ドゥムカ変ホ短調「哀歌」(1900)
マズルカ第5番嬰ハ長調(1884年版…N.ウォーカーによる補筆版)
夢ヘ長調(1903)
ユモレスクニ長調(1902)/マズルカ第6番変イ長調(1902)
小品嬰へ短調(1851年第2稿…N.ウォーカーによる補筆版)
マズルカ第7番変ホ短調(1906)/奇想曲ニ長調(1902)
ニコラス・ウォーカー(P)

録音:2012年8月22-23日、2014年1月9-10日 イングランドワイアストン・レイズ
ロシア五人組のまとめ役、ミリイ・バラキレフ(1837-1910)のピアノ作品シリーズ、第3集。今回はマズルカを中心に様々 な小品を取り合わせた魅力的なアルバムになっています。マズルカといえば独特なリズムを持つポーランド舞曲で、ショパン の素朴な曲がお馴染みですが、バラキレフの曲は更にスラブ的な雰囲気が強調された重厚かつ華麗な仕上がりとなっていま す。他には、あの「イスラメイ」を凌駕するほどに技巧的な「ユモレスク」や力強い「ドゥムカ」など聴き応えのある曲が並 びます。各々2分にも満たない3つの楽章で構成された「ソナチネ」は、その短い曲の中にロシアの美しい田園風景が凝縮さ れたような色彩豊かな響きで満たされています。2010年に“バラキレフ生誕100周年”の記念コンサートをロンドンで行い喝 采を浴びたピアニスト、ニコラス・ウォーカーの演奏で。
GP-715
NX-B03
レバノンのピアノ作品集
アニス・フレイハーン(1900-1970):ピアノ・ソナタ第9番
ホウタフ・フーリー(1967-):ピアノ・ソナタ第3番「失われた時間のための...」
ボグホス・ゲラリアン(1927-):サイクル
ゲラリアン:カンツォーナとトッカータ
ゲオルゲス・バズ(1926-2012):エスキース*
トゥフィク・スッカール(1922-):創作主題による変奏曲*
タチアナ・プリマク=フーリー(P)

録音:2013年3月22-23日ドイツノイマルクト
*以外=世界初録音
日本では「戦争や危機に揺れる中東の小さな国」として報道されるレバノン。 しかし2008年、シリアとの国交正常化に伴い、 経済的回復を進め、今では旅行会社が「午前中に山でスキーをし、午後には海で 泳ぐことができる楽園」というキャッチコピ ーを制作するほど観光客の誘致を図っています。レバノンはもともと海からは西 洋文化、山岳地帯からは東洋文化が入って来 た「西洋と東洋の出会いの地」であり、ここで育まれた音楽も中東文化の伝統を 守りつつ、20世紀初頭に占領されていたフ ランスとの繋がりから受けた西洋音楽の影響も受けたまさに独自のもの。1947年 に作曲されたスッカールの「変奏曲」はま るでベートーヴェンの作品のような佇まいを持つ古典的な作風で、レバノンにお ける西洋音楽の出発点のような作品といえる でしょう。少し後に書かれたバズの「エスキース」はもっと民謡風で、くせのあ るメロディが面白い曲集です。年代を追うご とにユニークさが増す一連の作品をウクライナ出身で現在レバノン在住の女性ピ アニスト、プリマク=フーリーが演奏してい ます。
GP-716
ボリス・チャイコフスキー:ピアノ曲と室内楽作品集
1-3.2台のピアノのためのソナタ(1973)
4-8.5つの小品(1935)
14-18.5つの小品(1938)
19.練習曲嬰へ短調(1935)
20.練習曲変ロ長調(1972)
21.練習曲ホ長調(1980)
22.行進曲(1945)
23.前奏曲ト長調(1945)
24-26.3つの小品(1945)<ワルツ(D.コロステリョフによる復刻版)/ロマンス/終曲>/27-28.ヴァイオリン・ソナタ(1959)
ドミートリー・コロステリョフ(P)…1-26
オルガ・ソロヴィエヴァ(P)…1-3.27-28
マリーナ・ディチェンコ(Vn)…・27-28

録音:2014年12月28日、2013年11月1日、2008年6月11.27日 ロシアモスクワ,ロシア国立TV&ラジオカンパニー「Kultura」第1スタジオ
※1-8.21.22.24-26…世界初録音
チャイコフスキーと言っても、あの有名な「白鳥の湖」などの作曲家とは血縁関係がない、このボリス・チャイコフスキー(1925-1996)。ロシアの20世紀後半を代表する作曲家の一人です。モスクワ音楽院でオボーリンにピアノを学び、シェヴァーリンとミャスコフスキー、ショスタコーヴィチに作曲を学んだ人で、もちろん師らの影響も感じられますが、映画音楽なども多く作曲したせいか、その作風は幾分わかりやすいもので、とりわけここに収録されている10代の頃に書かれたピアノ曲は、習作のようなものとはいえ、どれも愛らしさを備えていて、ショパンやスクリャービンの影響も強く感じられます。それに比べると、円熟期の「2台のピアノのためのソナタ」は激しいリズムに支配された強烈な音楽。構造は古典的ですが、ここに盛られた作風は間違いなく現代的アプローチによるものです。第1楽章で展開される、リズミカルに叩きつけられる鍵盤から引き出される音楽、静謐な第2楽章、人を食った第3楽章と、なんとも面白い作品です。
GP-717
現代デンマークのピアノ作品集
ペア・ノアゴー(1932-):ピアノ・ソナタ(1949)
ペア・ノアゴー:ソナタOp.6(1953/1956-57改編)*
フィン・リッケボ(1937-1984):ピアノのための絵画(1969/1978改編)
ラルス・アクセル・ビスゴー(1947-):スタジアムOp.1(1973-74)
ビスゴー:舟歌(1986-87)
ビスゴー:ウォーキング(ソローへのオマージュ)-センプリーチェ
カール・ペテルソン(P)

録音:2014年6月28日,12月6日,2015年2月21日コペンハーゲン,王立音楽大学
*以外=世界初録音
デンマークの現代作品と言えば、Dacapoレーベルによって積極的に録音、リリースされていますが、この1枚にもなかなか面白い作品が収録されています。ペア・ノアゴーは現代の北欧を代表する作曲家ですが、このピアノ・ソナタとトッカータは極初期、17歳の時の作品で、未成熟でありながらも独特の雰囲気を持っています。この頃のノアゴーは高名な作曲家ホルンボーからプライヴェートに指導を受けていましたが、師であるホルンボーはノアゴーの類い稀なる才能を大切に育て、大きく開花させたことでも知られています。1953年のソナタでは完成された様式を見ることができます。リッケボはノアゴーと同時期の人ですが、作曲のスタイルは全く違い、無調を中心にした無機質な音を用いた性格的な作品を書いています。ビスゴーは、少しあとの時代の人ですが、彼はノアゴー作品に魅了され、その後続とも言える作品を書いています。ただし、ここに収録された「スタジアム」はフランツ・リストのロ短調ソナタから強い影響を受けたもので、音の使い方や場面転換など、数多くの物語性を秘めた面白い作品です。演奏は1981年、スウェーデン生まれのペテルソンで、彼は以前グリーグとエブユのピアノ協奏曲でソリストを務め(GP-689)、その華麗な演奏が高く評価されてます。
GP-718
NX-B03
アルチュニアン(1920-2012):ピアノ作品全集
アルメニア舞曲(1935)
パストラル(1936)
主題と変奏(1937)
3つの前奏曲(1938)
ポリフォニック・ソナタ(1946)
ユモレスク(1947)
3つの音画(1963)
ピアノのためのソナチネ(1967)
6つのムード(1976)
子供のためのアルバム(2004)
ハイク・メリキャン(P)

録音 2015年9月11-15日
アルメニアを代表する作曲家の一人、アルチュニアンのピアノ作品全集。アルメニアの民族音楽の伝承に根ざした豊かな情感を持っ た彼の作品は、ショスタコーヴィチが絶賛したことでも知られ、日本でも近年人気が高まっています。幼い頃から楽才を示したアル チュニアンは、アルメニアからモスクワに留学、じっくりと音楽を学んだ後、故郷エレバンに戻り、1954年にアルメニア・フィルハーモニー 協会の芸術監督に就任、またエレバン音楽院で作曲の指導をはじめ、1977年には教授となり1990年までこの地位に留まり、数 多くの後進を育て上げたことでも知られています。彼の代表作である「トランペット協奏曲」は超絶技巧を駆使した華やかな曲想が 人気ですが、アルチュニアン自身が優れたピアニストであったこともあり、そのピアノ曲も技巧的で、曲によってはショスタコーヴィチを思 わせるようなシニカルな佇まいを持っています。
GP-720
NX-B03
コミタス(1869-1935):ピアノと室内楽のための作品集
7つの民族舞曲(1916)
ピアノのための7つの歌(1911)*
民謡の主題による12の子供のための小品(1910)
ヴァイオリンとピアノのための7つの小品(1899-1911)
ミカエル・アユラペトヤン(P)
ウラディーミル・セルゲーフ(Vn)

録音:2013年12月15日
*=世界初録音
アルメニアの司祭、音楽学者、作曲家、歌手、聖歌隊指揮者として知られるコミタス(本名:Soghomon Gevorgi Soghomonian) は、アルメニア近代音楽の擁護者として知られています。靴屋であった父は素晴らしい声を持ち、しばしばその美声を披露していました。彼 の母は絨毯の織手でしたが、作曲の才能があり、コミタスの音楽的才能はその両親から受け継いだものです。しかし、幼い頃に両親を失 い、孤児となった彼はアルメニアの宗教的中心地であるエチミアジンに送られ、神学校で教育を受けます。その後司祭となった彼は、ベルリン に行き西洋音楽を学んだことで、失われかけていた多数のアルメニアの民族音楽を復興させ、1904年に初の「クルド民謡集」を出版しま す。しかし、悪名高き「アルメニア人ジェノサイド(大虐殺)」の騒動に巻き込まれ、1915年4月に収容所送りとなり、ここで精神的ダメージを 受け、失意のまま晩年を過ごし、1935年に苦しみの末この世を去りました。彼の悲劇的な生涯は大量虐殺の殉教者として、アルメニア国 家における重要なシンボルになっています。このアルバムに収録された作品は、彼の悲劇的な生涯が信じられないほどに純粋で、かすかな 異国の香りも感じさせる美しさを湛えています。
GP-723
エルヴィン・シュールホフ:ピアノ作品集第3集
ジャズ風舞踏組曲(1931)
9つの小さな輪舞Op.13(1913)
オスティナート(1925)
5つのジャズ練習曲(1926)
ゼズ・コンフリー:鍵盤上の子猫
キャロリン・ヴァイヒェルト(P)

録音:2012年9月2日,2014年5月3-4日ハンブルク音楽・演劇高等学校
チェコの作曲家、ピアニスト、指揮者エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)のピアノ作品集もこのアルバムで第3集となります。ダダイズムの先鋒として活躍し、また自作にジャズや実験音楽の要素も取り入れるなど、様々な作風を見せたシュルホフの作品がナチス・ドイツによって「退廃音楽」のカテゴリーに入れられてしまったのはなんとも残念なことでした。この第3集に収録されているのは1910年代から1930年代までの、およそ20年間にわたる時代の作品で、ほとんど耳にする機会のないOp.13の「小さな輪舞」をはじめ、ジャズや軽音楽にも通じる楽しい雰囲気を持ったものばかりです。興味深いのはアメリカのジャズ・ピアニスト、ゼズ・コンフリーの「鍵盤上の子猫」にインスパイアされたトッカータで、こちらは原曲も収録されていて、聴き比べ(シュルホフがどのように変貌させたか)も楽しい趣向になっています。
GP-724
NX-B03
ジャン・ロジェ=デュカス(1873-1954):ピアノ作品集
舟歌 第1番(1906)/リズム(1917)
前奏曲 イ短調(1913)/暁の歌(1921)
ソノリテ-音の響き(1918)
6つの前奏曲(1907)/舟歌 第2番(1920)
即興曲(1921)/ロマンス(1923)
小組曲(J.シャルローによる独奏ピアノ編)(1897)・・・世界初録音
4つの練習曲(1915)
ジョエル・ヘイスティングス(P)

録音:2016年1月6-7日
フォーレの弟子として知られるジャン・ロジェ=デュカス。あの「魔法使いの弟子」のポール・デュカスとは全く血縁関係がありませんが、師フォー レから受け継いだ、いかにもフランスの印象派的な作風には、別デュカスとも共通する雰囲気が感じられます。ドビュッシーとも親しい友人で あった彼の作品には、豊かな想像力と、鮮明な色彩感があり、例えばトラック5の「ソノリテ」は、まさしく音の響きそのものが徹底的に追求さ れた音楽が展開されています。もともとはフォーレの「ドリー」から影響を受けたと思われる「小組曲」でも、緩やかな音楽を聞くことができます が、全体に漲る力強さは、フォーレとはまた違う世界を形作っています。演奏しているジョエル・ヘイスティングスは、この録音の前日に NAXOSのリスト全集第44集(8.573557)を録音、残念なことにその4ヶ月後に突然この世を去ってしまいました。語りかけるような優しい 演奏を聞かせます。
GP-725
ポルトガルのピアノ作品集
ジョアン・ギリェルメ・ダディ(1813-1887):アンダンテ・カンタービレ
ダディ:舟歌/甘い幻想/悲歌
ジョセ・ヴィアナ・ダ・モッタ(1868-1948):ポルトガルの情景Op.9
モッタ:ポルトガルの情景Op.18
 セレナータOp.8/バラダOp.12
ソフィア・ルーレンコ(P)

録音:2014年10月15-16日ポルトガルリスボンEstudios Namouche
ポルトガルの2人の作曲家によるピアノ曲集です。ダディは神童として幼い頃からコンサートで活躍するほどのピアニストで、1845年にポルトガルを訪れたリストも彼の才能に惚れ込み、タルベルクの2台ピアノのための「ノルマ幻想曲」を一緒に演奏したという記録も残っています。そんな彼の作品はどれも名技を要するもので、演奏効果のあがる華麗な曲です。また、最近、アルバムのリリースが増えてきたヴィアナ・ダ・モッタはもともとポルトガルの海外領土であったサントメ島生まれ。幼い頃に本土に帰国してから音楽の才能を見せ、作曲を始めた人です。リスボンでピアノと作曲を学び、ベルリンからヴァイマールに渡り、リストの最後の高弟となりました。ピアニストとして活動した後はリスボン国立音楽院の院長も務めています。彼の作品はロマン派の様式の中に、ポルトガル民謡の要素を組み込み、新鮮な効果が得られるよう工夫が凝らされています。
GP-726(2CD)
NX-B03
ヴォルフガング・ヤコビ(1894-1972):ピアノ作品集
パッサカリアとフーガ Op.9(1922)…世界初録音
古風なスタイルによる組曲 Op.10(1922)…世界初録音
ピアノ・ソナタ 第2番(1936)…世界初商業録音
ピアノ・ソナタ 第3番(1939)
2台のピアノのための音楽:「アダムの堕落によりて」によるコラール前奏曲…世界初商業録音
ピアノ連弾のための小品…世界初録音
ピアノのためのソナチネ(1968)
タチアーナ・ブローメ(P)
ホルガー・グロショップ(P)

録音:2015年9月28-30日、2015年11月2-4日
バルト海に浮かぶドイツ最大の島、リューゲン島生まれの作曲家、ヴォルフガング・ヤコビのピアノ作品集。ベルリン音楽アカデミーで 学び、卒業後は教師として、またドイツの放送業界で働いていましたが、父親がユダヤ人だったため「退廃音楽家」としてナチスから 排斥され一時期はフィレンツェに移住、そこではバロック様式を学びました。しかし、第二次世界大戦後は音楽界に復帰、ミュンヘ ン音楽アカデミーの教授となり、戦後の音楽文化の発展に寄与しました。現在、ヤコビの作品はサックスとアコーディオンの作品が 知られるのみですが、彼のピアノ作品はどれもJ.S.バッハ=レーガーの流れを汲み、現代的な響きの中にコラールやカノンを取り入 れた新古典主義による魅力的な小品ばかりです。連弾作品での複雑な音の応酬も聞きどころ。
GP-728(6CD)
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集
春の便りOp.55
3つのピアノ小品Op.74
幻想曲ロ長調WoO15A
幻想的ソナタOp.168
創作主題による変奏曲Op.179
4つの小品Op.196
抒情的なアルバムOp.17
5つのエクローグOp.105
即興的ワルツOp.94
幻想的ポロネーズOp.106
チチェレネッラOp.165
練習曲形式による12のロマンスOp.8
2つの小品Op.166
アレグロ・アジタートOp.151
大ソナタOp.14/葉と花Op.135a
ヴェネツィアの思い出Op.187
舟歌Op.143/6つの詩曲Op.15
幻想曲Op.142/2つの小品Op.169
チャ・グエン(P)

録音:2011年〜2013年 UKモンマスウィアストン・コンサート・ホール
ヴァイオリンの小品「カヴァティーナ」で知られるドイツの作曲家、ヨアヒム・ラフ(1822-1882)。この曲があまりにも甘く美しかったおかげで、ラフ=サロン音楽の作曲家というイメージが強いのが残念でなりません。ラフは、チューリヒ湖畔の小さな町ラッヘンで生まれ、地元の学校で教師をしていましたが、23歳の時にフランツ・リストのコンサートを聴いたことで人生は一変。リストの音楽に心酔したラフは、そのまま演奏旅行に追従し、ついにはリストの助手としてドイツで職を得ることになりました。交響曲、協奏曲、室内楽など数多くの作品を書き、また後進の指導にも力を入れるなど(あのマクダウェルも彼が指導した)、ドイツの音楽界に高く貢献した人ですが、その作品はほとんど顧みられることなく、近年ようやく少しずつ演奏機会が増えてきたのです。これらのピアノ曲もほとんどが世界初録音ですが、どの曲も驚くほど精緻に書かれており、また、時には先鋭的な響きも交じるなど、なかなか聞きごたえのあるものばかりです。「ラフの作品をこよなく愛している」と語る、イギリスとベトナムの血をひく女性ピアニスト、チャ・グエンは、これらの知られざる作品に細心の注意を敬意を払い、大切に演奏しています。
GP-730(4CD)
NX-D03
フローラン・シュミット(1870-1958):2台ピアノとピアノ・デュオのためのオリジナル作品全集
【CD1】
3つの狂詩曲 Op.53
1.フランス狂詩曲/2.ポーランド狂詩曲/3.ウィーン狂詩曲
7つの小品 Op.15
4.眠気/5.リボヴィレの思い出/6.きらめき/7.少女の願い/8.池辺の散歩/9.北部の祭り/10.通り過ぎる幸せ/11.パリジェンヌ・ラプソディ
CD2・・・GP622
5つの音で Op.34…世界初録音
1.ロンド/2.舟歌/3.マズルカ/4.ベースメント/5.ピレネー風舞曲/6.メロディ/7.田園曲/8.ファランドール
ドイツの思い出 Op.28
9.ハイデルベルク/10.コブレンツ/11.リューベック/12.ヴェルダー/13.ウィーン14.ドレスデン/15.ニュルンベルク/16.ミュンヘン
8つのやさしい小品 Op.41…世界初録音
17.序曲/18.メヌエット/19.シャンソン/20.セレナーデ/21.ヴィルレー/22.ボレロ/23.哀歌/24.行列
連弾…1-24
【CD3】・・・GP623
1.第163歩兵連隊の行進 Op.48-2
旅のページ 第1集 Op.26
2.第1番:セレナーデ/3.第2番:訪問/4.第3番:あいさつ/5.第4番:さわやかな夜6.第5番:英国の舞曲
旅のページ 第2集 Op.26
7.第1番:子守歌/8.第2番:マズルカ/9.第3番:愉快な行進曲/10.第4番:慣れ親しむ家に戻る/11.第5番:ワルツ
謝肉祭の音楽 Op.22
12.第1番:パレード/13.第2番:ピエロのお話/14.第3番:美しきファティマ/15.第4番:象の訓練/16.第5番:占いの魔女/17.第6番:回転木馬
連弾…2-17
(1は本来連弾ですが、ここでは2台ピアノで演奏しています)
【CD4】・・・GP624
ユモレスク Op.43
1.軍隊行進曲/2.ロンド/3.ブコリーク/4.スケルツェット/5.感傷的なワルツ/6.グロテスクな踊り/7.歌とスケルツォ Op.54
3つの楽しい小品 Op.37
8.第1番:カドリーユ/9.第2番:ガボット/10.第3番:行進曲
小さな眠りの精の1週間 Op.58
11.第1番:二十日ネズミの婚礼/12.第2番:疲れたコウノトリ/13.第3番:眠りの精の馬/14.第4番:お人形ベルタの結婚/15.第5番:石板に書かれた文字のロンド/16.第6番:絵の中へ散歩/17.第7番:中国の傘
7.8-10…世界初録音
連弾…1-6.8-17
(7は本来連弾ですが、ここでは2台ピアノで演奏しています)
■CD1
2台ピアノ…1-3
連弾…4-11
インヴェンシア・ピアノ・デュオ
(ピアノ…アンドレイ・カスパロフ&オクサーナ・ルチシン)
録音:2010年1月3日…1-3
2010年1月5日…4-10
2011年6月3日…11

■CD2
インヴェンシア・ピアノ・デュオ
(ピアノ…アンドレイ・カスパロフ&オクサーナ・ルチシン)
録音:2011年5月18日…1-8
2010年6月4日…9-16
2010年7月9日…17-24

■CD3
インヴェンシア・ピアノ・デュオ
(ピアノ…アンドレイ・カスパロフ&オクサーナ・ルチシン)
録音:2012年1月3日…1
2011年1月4日…2-11
2011年5月13日…12-17

■CD4
インヴェンシア・ピアノ・デュオ
(ピアノ…アンドレイ・カスパロフ&オクサーナ・ルチシン)
録音:2010年7月8日…1-6
2012年1月4日…7
2011年1月17日…8-10
2011年1月7日…11-17
パリ音楽院に学び、シャブリエやドビュッシーの印象主義音楽の影響から出発、その後ロシア音楽にも傾倒するなど、その独特な音楽性で知られる作曲家フローラン・シュミット。バレエ音楽 や合唱作品が比較的知られていますが、ピアノ曲にも興味深い作品が多く存在します。2台ピアノと連弾のための作品が全曲収録されたこの4枚組は、管弦楽作品ばかりが知られるこの 作曲家の秘曲を紹介したことで、単品での発売時から高く評価されています。インヴェンシア・ピアノ・デュオの共感に満ちた洒落た演奏です。
GP-731
NX-B03
レオポルト・コジェルフ:ピアノ・ソナタ全集 第7集
ピアノ・ソナタ 第25番 ニ長調 Op.26-1 P.XII:26(1785)*
ピアノ・ソナタ 第26番 イ短調 Op.26-2 P.XII:27(1786)*
.ピアノ・ソナタ 第27番 変ホ長調 Op.26-3 P.XII:28(1786)
ピアノ・ソナタ 第28番 変ロ長調 Op.30-1 P.XII:29(1786)*
ケンプ・イングリッシュ(フォルテピアノ・・・1795年製アントン・ヴァルター複製)

録音 2012年8月5-10日
*=世界初録音
ボヘミア出身の作曲家コジェルフのピアノ・ソナタ集の第7集。ここでは1788年から1789年に作曲された4曲のソナタが収録されて います。クレメンティやデュシークらが初期のフォルテピアノのために書いたソナタの中でも、50曲ほどあるコジェルフの作品の出来栄え は突出しており、ハイドンとベートーヴェン、シューベルトを繋ぐ橋渡しとしての役割も備えています。この4曲のソナタは、どれも違う性 格を持ち、優雅で快活な第1楽章で始まる第25番、悲痛な雰囲気を持つ第2楽章が印象的な第26番、ハイドンを思わせる第 27番、モーツァルトに近い楽想による第28番と聴き所満載です。 既にコジェルフのソナタ全50曲の録音を終えたケンプ・イングリッシュ。後期作品の発売も楽しみです。
GP-732
NX-B03
レオポルト・コジェルフ(1747-1818):ピアノ・ソナタ全集 第8集
ピアノ・ソナタ.第29番 ト長調 Op.30-2 P.XII:30(1789)
ピアノ・ソナタ.第30番 ハ短調 Op.30-3 P.XII:31(1789)
ピアノ・ソナタ.第31番 ヘ長調 Op.35-1 P.XII:32(1791)
ピアノ・ソナタ.第32番 イ長調 Op.35-2 P.XII:33(1791)
ケンプ・イングリッシュフォルテピアノ・・・1795年製アントン・ヴァルター複製

録音:2012年8月5-10日
世界初録音
ボヘミア出身の作曲家コジェルフのピアノ・ソナタ集の第8集。ここでは1789年から1791年に作曲された4曲のソナタが収録されています。 演奏しているケンプ・イングリッシュは、コジェルフの作風における年代別の違いに着目し、その時代に合わせた楽器で演奏することで、ソナタ.の表現を完璧にしようと試みています。今回のソナタには、1795年に作られた楽器のレプリカを用い、第29番の冒頭に置かれたファンファー レを思わせる特徴的な音形などをくっきりと浮かび上がらせています。モーツァルトを思わせるアンダンテ楽章の美しさにも注目です。2楽章の みの第30番は、快活なフィナーレが特徴的。1年置いて作曲された第31番と第32番は、モーツァルトの後継者たる風格を備えた見事な 作品です。
GP-733
NX-B03
レオポルト・コジェルフ:ピアノ・ソナタ全集 第9集
ピアノ・ソナタ 第33番 ト短調 Op.35-3 P.XII:34…世界初録音
ピアノ・ソナタ 第34番 変ホ長調 Op.38-1 P.XII:35…世界初録音
ピアノ・ソナタ 第35番 ハ長調 Op.38-2 P.XII:36
ピアノ・ソナタ 第36番 ヘ短調 Op.38-3 P.XII:37
ピアノ・ソナタ 第37番 ト長調 P.XII:50…世界初録音
ケンプ・イングリッシュ
フォルテピアノ・・・1795年ポール・ダウニー製 アントン・ヴァルター複製、ハープシコード…1785年 ロングマン&ブロードリップ(トーマス・クリフォード製作)

録音 2012年12月10-15日
ボヘミア出身の作曲家コジェルフのピアノ・ソナタ第9集。1790年から1793年頃の作品が収録されており、ケンプは1795年に制 作されたフォルテピアノ(複製)を用いて演奏しています。時代は疾風怒濤の時代から初期ロマン派への過渡期。スコットランドの 歌をモティーフとした旋律で始まる第33番はハイドン風、ギャラント様式で書かれた単純で美しい第37番などに対し、まるでベー トーヴェンの「熱情ソナタ」を思わせる第36番は全く対照的な雰囲気を宿しています。抒情的な緩徐楽章では、時にシューベルト のソナタを予告させるほど劇的な部分も備えています。
GP-734
NX-B03
レオポルト・コジェルフ(1747-1818):ピアノ・ソナタ全集 第10集
ピアノ・ソナタ 第38番 変ホ長調 Op.51-1 P.XII:38
ピアノ・ソナタ 第39番 ハ短調 OP.51-2 P.XII:39
ピアノ・ソナタ 第40番 ニ短調 Op.51-3 P.XII:40
ピアノ・ソナタ 第41番 ト長調 OP.53-1 P.XII:46
ケンプ・イングリッシュ(フォルテピアノ)
1815年頃 ヨハン・フリッツ製

録音:2012年12月10-15日
※全て世界初録音
ボヘミア出身の作曲家コジェルフのピアノ・ソナタ第10集。第9集には1790年から1793年の作品が収録されていましたが、この第 10集の作品の作曲年代は1807年から1809年。実は宮廷作曲家として忙しい毎日を送っていたコジェルフは、ピアノを演奏する 時間をほとんど持つことができず、第37番と第38番の間には14年という年月が横たわってしまったのです。そして時代はすでにロマ ン派へと移り変わりつつあり、そのため彼の作品も幾分時代遅れになってしまったようです。しかし第38番から第40番(Op.51)の3 つのソナタで、何とか時代の波に乗ることができたコジェルフ。その後は創意工夫を凝らし、最終的には50曲のソナタを残したのは 大変な偉業と言えるでしょう。このアルバムのためにケンプ・イングリッシュは1815年頃に制作されたフォルテピアノを用意、当時の 音を的確に伝えることに成功しています。
GP-735
NX-B03
レオポルト・コジェルフ(1747-1818):ピアノ・ソナタ全集 第11集
ピアノ・ソナタ 第42番 ヘ長調 Op.53-2 P.XII:47
ピアノ・ソナタ 第43番 変ホ長調 OP.53-3 P.XII:48
ピアノ・ソナタ 第44番 ヘ長調 P.XII:1
ピアノ・ソナタ 第45番 イ長調 P.XII:2
ピアノ・ソナタ 第46番 ハ長調 P.XII:41
ケンプ・イングリッシュ
フォルテピアノ・・・1815年頃 ヨハン・フリッツ製(オリジナル)…1-4
ハープシコード…ロングマン&ブロードリップ(1785年トーマス・クリフォード製)…5-12

録音:2013年4月9-13日
全て世界初録音
ボヘミア出身の作曲家コジェルフのピアノ・ソナタ第11集。最後から2番目となるこのアルバムには初期のソナタと後期のソ ナタを並べることにより、コジェルフの創作が進化する様子を目の当たりにできる構成になっています。クリストファー・ホグウッ ドが編纂したコジェルフの最新のソナタ全集において、作品番号を持たないソナタは最後にまとめておかれているため、 1770年代に作曲された初期のソナタについては、第44番-第47番と大きな番号が付されています。しかしこれらは古典 的なフォルムをもったエレガントな曲であり、後期の作品と比べると、その作風の違いがはっきりとわかります。奏者ケンプ・イ ングリッシュはこれらのソナタを1785年製のハープシコードで演奏。作品の優雅さを際立たせています。また、後期のソナタ では1815年製のフォルテピアノを用い、作品の規模の大きさと当時の音を的確に伝えています。
GP-736
NX-B03
レオポルト・コジェルフ(1747-1818):ピアノ・ソナタ全集 第12集
ピアノ・ソナタ 第47番 変ホ長調 P.XII:42
ピアノ・ソナタ 第48番 変ロ長調 P.XII:43
ピアノ・ソナタ 第49番 イ長調 P.XII:44
ピアノ・ソナタ 第50番 ホ短調 P.XII:45
ケンプ・イングリッシュ
フォルテピアノ・・・1815年頃 ヨハン・フリッツ製(ウィーン、オリジナル)
1798年頃 ジョセフ・カクマン(ロンドン、オリジナル)
ハープシコード…ロングマン&ブロードリップ(1785年トーマス・クリフォード製)

録音:2013年4月9-13日
全て世界初録音
ボヘミア出身の作曲家コジェルフのピアノ・ソナタ第12集。シリーズの最後を飾るこの曲集でも、コジェルフの研究者ケンプ・イ ングリッシュは初期のソナタと後期のソナタを並べ、作品によって最もふさわしい楽器を選択。コジェルフの創作が進化する様 子を目の当たりにできるとともに、当時の鍵盤楽器の発展を知る構成になっています。クリストファー・ホグウッドが編纂したコ ジェルフの最新のソナタ全集において、作品番号を持たないソナタは最後にまとめておかれているため、1770年代に作曲さ れた初期のソナタについては、第44番-第47番と大きな番号が付されています。しかしこれらは古典的なフォルムをもったエレ ガントな曲であり、後期の作品と比べると、その作風の違いがはっきりとわかります。
GP-737B03
アルテュール・ヴァンサン・ルリエ:ピアノ作品全集第1集
1-5.5つの壊れやすい前奏曲Op.1(1908-1910)
6-7.2つの版画Op.2(1910)
8-9.マズルカOp.7(1911-1912)
10-13.4つの詩Op.10(1912-1913)
14-16.大気のかたち(パブロ・ピカソ)(1915)
17-23.仮面(誘惑)
24.アップマン,たばこを吸う描写
25-28.ヘ長調の小組曲
29.対話
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2016年1月5日…1-5.8-9.29,
2016年3月25日…6-7.10-28スイス,ルガーノ・コンセルヴァトワール
※25-29…世界初録音
ロシア出身の作曲家ルリエ(1892-1966)は、経歴の初期にはソ連楽壇の指導的作曲家として活動していたものの、ドイツ、フランス、アメリカに亡命した後は、ストラヴィンスキーの影響を強く受け、新古典主義音楽の信奉者に鞍替えした人です。また同時代の美術に強い関心を持っており、いくつかの作品は美術作品にも関連を持っています。多くの作曲家たちのように、死後間もなく忘れ去られた存在になっていましたが、ギドン・クレーメルが作品を紹介したことが皮切りとなり、代表作「大気の形」(ピカソに献呈された)が広い地域で演奏され始めるなど、少しずつ復興が進んでいます。ここで聞ける作品も、時には若き彼が強く魅了されたスクリャービン風であったり、香り高いフランスの雰囲気を有していたりと、曲によって様々な表情を楽しむことができます。スペイン、フランスの作品を得意とする1953年生まれのジョルジオ・コウクルによる演奏です。
GP-739
NX-B03
ヨハン・クヴァンダール:ピアノ独奏作品全集
3つのカントリー・ダンスによる幻想曲Op.31
5つのピアノのための小品Op.1
スキッパー・ワース:グロッケンシュピールのメヌエット
情緒、古いスケッチブックから
8つの民謡Op.70
ロンド・グラツィオーソOp.5-1
歌劇「神秘」Op.75-第2幕ワルツ(ピアノ版)
幻想曲Op.8(1947)
ワルツ「ユダヤのハープ」
抒情小曲集Op.5より
3つのノルウェー民謡Op.5-2
モザイク第1巻ー踊り
ソナチネOp.2(1940)
ヨアヒム・クノップ(P)

録音:2014年3月31日-4月3日ノルウェーオスロ
20世紀初頭のノルウェーに生まれた作曲家ヨハン・クヴァンダール。実は彼の 父は、当時ドイツとノルウェーで活躍、その 作品が高い評価を受けていたダーヴィド・モンラード・ヨハンセンですが、息子 であるクヴァンダールは「親の七光り」で評 価されることを嫌い、父方の姓を名乗らなかったという人です。彼は1937年から 1942年まではゲイル・トヴェイトに師事、 1942年から44年までウィーンでヨーゼフ・マルクスから作曲を学びましたが、戦 後はノルウェーに戻り、この地の音楽大 学でオルガンを学びました。作曲家として活動を始めた初期の時代は、他の同時 代の作曲家たちのように、古典的なフォーム でノルウェーの民俗音楽を取り入れた明快な作品を書いていましたが、1952年か ら1954年に住んだパリで、ナディア・ブ ーランジェに師事、またバルトーク、ストラヴィンスキー、メシアンたちの音楽 に触れることで、彼の作風も大きな転機を迎 えます(とは言え、この時代の作品は無調の傾向が見られるものの、電子などの前 衛的な手法は用いていません)。晩年は独自 の手法による調性感に基づく作品に、民俗的な要素を取り入れた神秘的な作品を いくつか作曲、最後の作品である「ピアノ協 奏曲」は壮大な楽想が愛されています。このアルバムには、彼のピアノ独奏曲を 全て網羅。初期の「ソナチネ」から晩年の作 品「モザイク」まで、面白い曲が並びます。
GP-741
NX-B03
グリンカ:ピアノ作品全集 第1集
自作主題による変奏曲 ヘ長調(1824)
ケルビーニの歌劇「ファニスカ」の主題による変奏曲(1826-1827)
バレエ「チャオ=カン」の2つの主題による変奏曲 ニ長調(1831)
ドニゼッティの歌劇「アンナ・ボレーナ」の主題による華麗な変奏曲 イ長調(1832)
.モーツァルトの歌劇「魔笛」の主題による変奏曲 変ホ長調(第2稿)(1856)
ロマンス「母よ祝福されてあれ」による変奏曲 ホ長調(1825)
ロシア民謡「なだらかな谷間に沿って」による変奏曲 イ短調(1826)
ベッリーニの歌劇「キャプレッティとモンテッキ家」の主題による変奏曲 ハ長調(1832)
アリャビエフの「ナイチンゲール」のによる変奏曲 ホ短調(1833)
インガ・フィオーリア(P)

録音 2016年4月20-22日
19世紀、近代ロシア音楽の礎を作ったミハイル・グリンカ。裕福な貴族の家に生まれたグリンカは、幼い頃から音楽に興味を持ち、 当時ロシアを訪れたジョン・フィールドにピアノを習うなど環境に恵まれていました。しかし、彼は最初、音楽家になることはなく1824 年に公務員として働き始めます。この時期の彼はサロンで演奏するために何曲かの華麗な変奏曲を作曲、3年間ほどサロンで演奏 していました。1930年、健康状態を懸念した彼はイタリアに移住。この地で当時流行していた様々な歌劇を耳にし、これらの主題 を用いた変奏曲で人気を博すこととなります。しかし、イタリアで3年間過ごしたグリンカはホームシックに陥り、ロシアに帰国。“アリャビ エフの「ナイチンゲール」のによる変奏曲”はその頃に書かれた曲です。それからのグリンカはロシアの民族意識に根ざした作品を次々 と発表し、賞賛を得ることとなります。
GP-742
NX-B03
ヴィアナ・ダ・モッタ(1868-1948):作品集
幻想的小品 Op.2(1885)
ベックリンによる2つのピアノ小品(1891)…世界初録音
5つのポルトガル狂詩曲(1891/1894-95)…世界初録音
ジョアン・コスタ・フェレイラ(P)

録音:2017年3月2-3日
音楽愛好家の父を持ち、幼いころから音楽の才能を発揮したヴィアナ・ダ・モッタ。1875年から1881年までリスボン国立音 楽院でピアノと作曲を学び、その翌年ベルリンに留学。フランツ・リストの最後の高弟となったことで知られています。ピアニスト として一世を風靡した後はポルトガルに戻り、リスボン国立音楽院の院長を務めながら、ポルトガルの伝統音楽と近代様式 を融合させた作品を数多く作曲しました。このアルバムでは、ドイツ後期ロマン派風の様式による「ベックリンによる2つのピアノ 小品」と「幻想的小品」、ポルトガルの伝統に則った「5つの狂詩曲」を収録。色彩豊かな音楽を楽しむことができます。
GP-743(2CD)
NX-C03
ニコライ・アンドレイェヴィチ・ロスラヴェッツ(1881-1944):ピアノ作品全集
ピアノ・ソナタ 第1番
3つのコンポジション/前奏曲
2つのコンポジション/2つの詩曲
ピアノ・ソナタ 第2集/3つのエチュード
5つの前奏曲/子守歌/舞曲/ワルツ
前奏曲(M.ボバノヴァによる復元版)
4つのコンポジション(抜粋)
ピアノ・ソナタ 第5番
オリガ・アンドリュシチェンコ(P)

録音:2016年3月-5月
ストラヴィンスキーが「20世紀の最も興味深いロシアの作曲家」と述べたというロスラヴェッツのピアノ作品全集。ソビエト政権の下 で、西側の音楽語法を積極的に取り入れた前衛的な作品を書き、時にはシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」の論文を執筆 するなど、“反革命的でありブルジョワ的な作曲家”と何十年にも渡り抑圧を受けた人です。一度は自己批判を行いましたが、結 局は地位を得ることはできずにひっそりと生涯を終えたロスラヴェッツの作品は、死後すぐには復権されませんでしたが、作曲家の姪 エフロシーニャの尽力により1990年代から少しずつ人気を盛り返し現在に至っています。生涯を通じて斬新な響きを模索したロス ラヴェッツの全ピアノ作品を、アレクセイ・リュビーモフに師事したロシアのピアニスト、アンドリュシチェンコが演奏しています。
GP-745
NX-B03
フィリップ・グラス:グラスワールド第5集「ENLIGHTENMENT」
マッド・ラッシュ
メタモルフォーシスTWO(ピアノ・ソロ・ヴァージョン)*
3.600ラインズ
ポール・サイモン:サウンド・オブ・サイレンス(P.グラスによるピアノへのトランスクリプション)*
ニコラス・ホルヴァート(P)

録音:2014年3月26日、2014年3月31日 フランスセイント・マルセル・テンプル
*〜世界初録音
GRAND PIANOの「フィリップ・グラス」シリーズの第5集は、4曲の異なる雰囲気を持った作品で構成されています。も ともとオルガンのために作曲された「マッド・ラッシュ」は1981年に行われたダライ・ラマの演説の際に、グラス自身がオ ルガンを演奏し初演された作品で、特有の短いフレーズが延々と反復されながら少しずつ形を変えていく魅惑的な音楽です。 まるで海の波が永遠に繰り返し岸に打ち寄せるように、時には荒々しさを魅せながらも、その永久に持続するかのような音の 動きに吸い込まれそうになるでしょう。それに比べ「600ラインズ」は同じ反復運動でも、偏執的なトッカータ。数々の変 形ヴァージョンが存在する「メタモルフォーシス」の中の一つの形態である「TWO」、そして2007年5月23日の米国議会 図書館主宰の第1回「ガーシュウイン賞」がポール・サイモンに授与された際、演奏されたグラス編の「サウンド・オブ・ サイレンス」で、こちらは原曲を尊重しながらも、グラスらしいアレンジが施されています。
GP-746
NX-B03
アルメイダ・プラド(1943-2010):「カルタス・セレステス」全集 第3集
カルタス・セレステス 第9番(1999)…世界初録音
カルタス・セレステス 第10番「神秘的な動物の星座」(2000)…世界初録音
カルタス・セレステス 第12番「ニコラス・ローリックの空」(2000)…世界初録音
カルタス・セレステス 第14番 (2001)
アレイソン・スコペル(P)

録音:2016年10月26-27日
日本語で「天体の図表」と言った意味を持つアルメイダ・プラドの「カルタス・セレステス」。各々は1分に満たない小さな曲がい くつも凝縮された曲集であり、一つ一つの曲には、それぞれ神話や天空、闇、色彩、宇宙へのアプローチなどの意味が込めら れた、まさに「音で聴く星座」です。第3集にはブラジルの夜空に見える天体を表す4つの曲集が収録されており、そのうち2つ は世界初録音です。ピアニストは「トランストナリティ」と呼ばれる新しい和声の仕組みを駆使して、あらゆる種類の共鳴音と 音色を探求しなくてはいけませんが、ブラジルの若手ピアニスト、アレイソン・スコペルはこの欲求を完全に満たしており、聴き 手は目もくらむような美しい響きの洪水に身を任せることができます。
GP-747
NX-B03
アルメイダ・プラド(1943-2010):「カルタス・セレステス」全集 第4集
カルタス・セレステス 第13番(2001)
カルタス・セレステス 第16番「不思議な動物たち」(2010)
カルタス・セレステス 第17番「エジプトとギリシャの天体」(2010)
カルタス・セレステス 第18番「マクナイーマの空」(2010)
アレイソン・スコペル(P)

録音:2017年2月14-15日
全て世界初録音
日本語で「天体の図表」と言った意味を持つアルメイダ・プラドの「カルタス・セレステス」。各々は1分に満たない小さな曲がい くつも凝縮された曲集であり、一つ一つの曲には、それぞれ神話や天空、闇、色彩、宇宙へのアプローチなど意味が込められ た、まさに「音で聴く星座」です。シリーズ最終巻となる第4集には4つの曲集を収録。第13番はブラジルの明るい夜空が表 現されており、第16番から第18番は作曲家の亡くなる数か月前に完成された「三部作」となり、それぞれ動物とギリシャ神 話、ブラジルの文学に登場する英雄が描かれています。
GP-748
NX-B03
カロミリス(1883-1962):ピアノ作品全集
バラード 第1番 ホ短調(1905/1933改編)
バラード 第2番 変ホ長調(1905)…世界初録音
バラード 第3番 変ホ短調(1906/1958改編)
狂詩曲 第1番(1921)
狂詩曲 第2番「夜の歌」(1921)
5つの前奏曲(1939)
夜想曲(1906/1908改編)
パティナーダ(セレナード)(1907)…世界初録音
YA TA HELLINOPOULA-グリーグの子供たちへ 第1集
オリヴァー・チャウズ(P)

録音:2016年11月2-3日
オスマン帝国出身、イスタンブール、ウィーン、ウクライナのハリコフを経由して、28歳の時にアテネに定住し、近代ギリシャ音楽の発 展に寄与した作曲家カロミリス。“現代ギリシャ音楽の父”と讃えられますが、カロリミス自身はワーグナーとリムスキー=コルサコフを 支持していたため、その作品にはロマン派風の響きと、ロシア国民楽派風の豊かな響きが入り混じっています。ピアノ作品は決して 多くありませんが、「バラード」や「狂詩曲」と題された初期の作品は、タイトル通りショパンやリストの影響が強いものの、後期の作品 はカロミリスが後半生に熱意を注いだ「ギリシャ民謡研究」の成果ともいえる独特なリズムが用いられた前衛的で独創的なテイスト で書かれています。
GP-749
NX-B03
ブラームス:ホルン三重奏/クラリネット五重奏曲(ピアノ独奏版)
ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op.40
(P.クレンゲルによるピアノ独奏版)…世界初録音
クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
(P.クレンゲルによるピアノ独奏版)…世界初録音
クリストファー・ウィリアムズ(P)

録音:2016年10月2-3日
録音が普及する前の時代、オーケストラや歌劇などの大編成の作品を楽しむには、演奏会に出かけていくか、小編成に編曲され た楽譜を元に、自身、もしくは親しい人々と共に「実際に演奏する」他、方法はありませんでした。そこで各出版社は作曲家や編 曲家たちに「編曲版」を依頼。これらは飛ぶように売れ、人々は思い思いに音楽を楽しんだのです。シューマンやブラームスも自身 の作品を数多く編曲していますが、需要に供給が追い付かなかったため、信頼する友人や家族にも自作の編曲を依頼、数多くの 作品が世に出回ることになりました。パウル・クレンゲルは名チェリスト、ユリウス・クレンゲルの兄であり、ピアニスト、作曲家としても 高名だった上、ブラームスと親しかった出版社ジムロックの「お抱えアレンジャー」。ブラームス自身もクレンゲルの編曲の出来ばえを 高く評価しており、この2作品も絶妙にピアノ独奏へと置き換えられています。
GP-750
NX-B03
アルトゥール・ルリエ:ピアノ作品集 第2集
2つの詩曲 Op.8(1912)
グルックによるメヌエット
シンセシズ Op.16/昼間の日課(1915)
子供部屋のピアノ(ロシアの子供時代の8つの情景)(1917)
ピアノ・ソナチネ 第3番(1917)
トッカータ(1924)/ワルツ(1926)
ジーグ(1927)/行進曲(1926)
夜想曲(1928)/間奏曲(1928)
子ヤギの子守歌(1936)
フェニックス公園の夜想曲(1938)
ジョルジオ・コウクル(P)

録音 2016年7月3日、11月13日
ロシア、ベラルーシ出身の作曲家ルリエは、1920年代までソ連楽壇の指導的作曲家として活動していたものの、国政に異を唱 え、ベルリンに出張したまま亡命してしまったという人。ドイツ、フランスを経てアメリカに行き、ストラヴィンスキーの影響を強く受けた 作品を多く書きました。同世代の美術にも関心を持ち、いくつかの作品は美術品に関連付けられたタイトルをもっています。そのよ うな経歴のため、ソ連国内では長らく彼の作品の演奏・出版が禁じられていましたが、21世紀になってようやく復興が始まりまし た。コウクルによる第2集のアルバムには、様々な小品が収録されています。1910年代の作品は、魅惑的な響きを持つ「シンセシ ズ」、表現的なタイトルを持つ「子供部屋のピアノ」とスクリャービンの影響が感じられますが、1920年代から1930年代の作品は 彼の友人のために作曲されたものが多く、比較的親しみやすい曲調を持っています。第1集と同じく、フランス、スペインの作品を得 意とするコウクルの表情豊かな演奏です。
GP-751X(3CD)
NX-D03
エネスコ:ピアノ作品全集
【DISC 1】
夜想曲 変ニ長調『マリー・カンタキュゼンヌ大公女への思い出
(1907)
ピアノのための組曲第3番『即興的な小品集』 Op.18 (191
ピアノ・ソナタ第1番嬰へ短調 Op.24-1 (1924)
【DISC 2】
ピアノのための組曲『鐘の音』 Op.10 (1901-1903)
前奏曲とフーガ (1903)
ピアノ・ソナタ第3番ニ長調 Op.24-3 (1935)
フォーレの名による小品 (1922)
【DISC 3】
スケルツォ *
ピアノのためのバラード (1894) *
前奏曲とスケルツォ (1896)
舟歌 (1897)
紡ぎ女 (1897)
後悔 (1898)
ピアノのための組曲『古いスタイルで』 Op.3 (1898)
即興曲 変イ長調 (1898)
即興曲 ハ長調 (1900)
控えめに (1896-1900 頃) *
ホス・デ・ソラウン(P)
使用楽器:Shigeru Kawai、Steinway Model D

【DISC 1&2】2016年1月2-4日
スペイン、バレンシア、パラウ・デ・ラ・ムジカ
【DISC 3】2016年4月11-22日、5月3日
テキサス州、ジェームズ&ナンシー・ガートナー・パフォーミング・アーツ・センター

*=世界初録音
2016年に、全3巻でリリースされ、高い評価を得ている「エネスコ:ピアノ作品全集」(GP705、GP706、GP707)がBOX化。演奏しているのは、ブカレストで 開催された第13回ジョルジェ・エネスコ国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したスペイン出身のホス・デ・ソラウンです。 20世紀の傑出した音楽家の一人、ルーマニア出身のジョルジュ・エネスコは、数多くの作品を残した作曲家、そして卓越したヴァイオリニストとして後世に強い 影響を与えています。ヴァイオリンを用いた作品に素晴らしいものが多いのですが、実はピアノ独奏曲にも重要な作品があることはあまり知られていません。彼の 作品の多くはルーマニア民謡に影響されたものですが、小品の数々はウィーン、パリ双方の伝統を継承した作風で、スケルツォはブラームス風であり、即興曲は フォーレ風でもありと、様々なスタイルがブレンドされています。世界初録音3曲を含む、貴重なアルバムです。
GP-752LP(1LP)
NX-D03
フィリップ・グラス(1937-):80歳を記念して
■SIDE1
エテュード 第1集 第6番
「めぐりあう時間たち」-モーニング・パッセージ(M.リースマン&M.マーリー編)
メタモルフォシス II
シークレット・ソロ
サウンド・オブ・サイレンス
■SADE2
エテュード 第2集 第16番
エテュード 第2集 第18番
エテュード 第2集 第20番
MUSIC IN FIFTHS
「めぐりあう時間たち」-人生の選択(M.リースマン&M.マーリー編)
ニコラス・ホルヴァート(P)
2017年はフィリップ・グラスの生誕80年の記念年です。 この特別なLPは、彼の「エチュード」と映画音楽「めぐりあう時間たち」の抜粋曲を中心に、グラスの音楽を象徴する作品で構成され ています。グラスと同じく“ミニマル・ミュージックの旗手”であるスティーヴ・ライヒが「貨物列車のようだ」と評した「MUSIC IN FIFTHS-第5の音楽」や、2007年にポール・サイモンが“ガーシュウイン賞”を受賞した際、記念演奏会でグラスが演奏した「サウン ド・オブ・サイレンス」の編曲版といった、興味深い作品を聴くことができます。
GP-758
NX-B03
キューバのピアノ作品集
レクオーナ(1895-1963):DANZAS AFRO-CUBANAS-アフロ=キューバ舞曲(抜粋)
1.第4番:Danza de los nanigos 黒人秘密結社員の踊り
2.第3番:...Y la negra Bailaba! そして黒人が踊っていた
SUITE ANDALUCIA-アンダルシア組曲
3.第1番:コルドバ
4.第2番:アンダルーサ
5.第3番:アルハンブラ
6.第4番:ジプシーの歌
7.第5番:グアダルキビル川
8.第6番:マラゲーニャ
カルロス・ファリーニャス(1934-2002):SONES SENCILLOS-素朴なソン(1954-2002)
ALTA GRACIA-アルタ・グラシア
アンドレス・アレン(1950-):VARIATIONS ON SILVIO RODRIGUEZ’S THEME-シルビオ・ロドリゲスの主題による変奏曲(1999)
エミリアーノ(2007)…世界初録音
ヤミレ・クルス・モンテーロ(P)

録音:2016年11月1-3日
普段、あまり耳にする機会はありませが、一度でも聴いたならその魅力に取りつかれてしまうというキューバのピアノ音楽。 このアルバムでは代表的な3人の作曲家、レクオーナ、ファリーニャス、アレンの作品を紹介しています。スペインの伝統に フランス風のエスプリを取り入れたレクオーナの音楽はとても親しみやすく、またリズムも多彩で楽しい曲ばかり。中でも「マ ラゲーニャ」は高い人気を誇る代表作です。ファリーニャスはキューバ中部のシエンフエゴス生まれ。22歳の時に奨学金を 得てアメリカに渡り、コープランドから作曲と管弦楽法を学んだ人です。バレエ音楽や電子音楽も手掛け、その後ロシア でカバレフスキーにも学び、更なる研鑽を積み増した。このアルバムに収録された「ソン」とはキューバ東部の伝統音楽 で、独特の雰囲気を有しています。アレンは現代キューバを代表する作曲家。敢えて前衛的な手法はとらず、ジャズ風 の洒落た旋律で曲が構築されています。三世代の音楽を心行くまでお楽しみください。
GP-759
NX-B03
フリードリヒ・グルダ:ピアノ作品集
“LIGHT MY FIRE”による変奏曲(1970)
PLAY PIANO PLAY「祐子への10の小品」(1971)
前奏曲とフーガ(1965)
ソナチネ(1967)
FUR RICO リコへ(1974)
FUR PAUL パウルへ(1974)
マーティン・デヴィッド・ジョーンズ(P)

録音:2015年7月27日
フリードリヒ・グルダは、20世紀を代表する巨匠ピアニストであるとともに、作曲家として「ジャズとクラシックを融合した即興的 な作品」を残しました。このアルバムには6作品を収録。冒頭の「“LIGHT MY FIRE”による変奏曲」以外は、どの曲も規模 こそ小さめであるものの、ジャズ風の味付けが施され独自の個性を放っています。なかでも彼の2番目の妻「祐子」のための 書かれた「PLAY PIANO PLAY」は古典的な手法を用いながら様々な作曲テクニックが用いられたユニークな味わいを持つ 曲集になっています。 最後に置かれた2曲は、それぞれ2人の息子たちのための作品です。 演奏しているマーティン・デヴィッド・ジョーンズは、グルダと同じくクラシックとジャズの両面で活躍するピアニスト。作曲家、指揮 者としても知られており、このアルバムでも共感に満ちた演奏を繰り広げています。
GP-760
NX-B03
ステパニアン:ピアノのための26の前奏曲集
8つの前奏曲 Op.47(1947)
8つの前奏曲 Op.48(1948)
8つの前奏曲 Op.63(1956)
前奏曲 イ長調(1965)
前奏曲 ヘ短調(1965)
ミカエル・アイラペティアン(P)

録音 2016年6月10-11日
紀元前より豊かな文化を育んできたアルメニア共和国。古くはペルシャとオスマン帝国との抗争を通じて教会音楽や民族音楽を 吸収し、独自の音楽文化を創り上げてきた国です。 1897年に生まれたステパニアンは、グネーシン音楽学校の同門、ハチャトゥリアンが「偉大なアルメニア人」と称賛した作曲家。アル メニアの近代音楽を確立したとされるコミタスの流れを汲み、3曲の交響曲を始め、オペラ、歌曲、ピアノ曲など多数の作品を書い た人です。ピアノ曲はショパンやラフマニノフ風でありながら、アルメニア民謡のエッセンスを取り入れた郷愁に満ちた旋律が特徴的。 この前奏曲集からも、随所にオリエンタルなメロディと独特な音階が聞こえます。
GP-761
NX-B03
サティ:ピアノ曲全集 第1集(新サラベール版)
アレグロ(1884)…#
ワルツ-ヴァレ(1885)
幻想-ワルツ(1885頃-1887)
四重奏曲 第1番(1886頃)…*
四重奏曲 第2番(1886頃)…*
 [オジーヴ(1886頃)/オジーヴ I/オジーヴ II…#/オジーヴ III/オジーヴ IV]
3つのサラバンド(1887)…#
3つのジムノペディ(1888)
グノシエンヌ(第5番)(1889)…#
ハンガリーの歌(1889)…#
3つのグノシエンヌ(1890頃-1893)
タイトルなし(1891)(ばら十字団の最初の思想:初稿)…#
グノシエンヌ(第4番)
「至高の存在」のライトモティーフ
ばら十字団のファンファーレ(1891)
教団の歌/大巨匠の歌…#
大僧院長の歌
「星たちの息子」第1幕へのグノシエンヌ 7(1891)…#
ニコラス・ホルヴァート(P…1881年エラール:コジマ・ワーグナー所有model55613)

録音 2014年11月9-11日
*…世界初録音
#…ロバート・オーリッジ改訂版(サラベール社版:2016)による世界初録音
GRAND PIANOレーベルの新シリーズ「サティ・ピアノ曲全集」は2016年に出版された、フランスで100年以上もの歴史を持つ出 版社サラベールの新版を用いての録音です。作品によっては世界初録音であったり、またこの改訂版での初録音であったりと、サ ティ好きの方にとっても大変興味深いアルバムです。 ホルヴァートが演奏しているのは、コジマ・ワーグナーが所有していた歴史的なエラール。サティが活躍していた当時の音色がそのまま 蘇ります。作品は年代別に収録されており、初期にみられるショパンの影響を少しずつ脱し、精緻で独自の作風を開拓していく様 子も手に取るようにわかる選曲です。
GP762
NX-B03
サティ:ピアノ曲全集 第2集(新サラベール版)
劇付随音楽「星の息子」(1891頃)…世界初録音
 第1幕への前奏曲- La Vocation 天職
 第1幕の他の音楽
 第2幕への前奏曲-L'Initiation 奥義伝授
 第2幕の他の音楽
 第3幕への前奏曲-L'Incantation 秘儀
 第3幕の他の音楽
若き令嬢のためにノルマンディの騎士によって催された宴(1892)
ニコラス・ホルヴァート(P)
1881年エラール:コジマ・ワーグナー所有(model55613)

録音:2014年12月10日
GRAND PIANOレーベルの新シリーズ「サティ・ピアノ曲全集」は2016年に出版された、フランスで100年以上もの歴史 を持つ出版社サラベールの新版を用いての録音です。作品によっては世界初録音であったり、またこの改訂版での初録音 であったりと、大変興味深いアルバムです。 第2集に収録されているのは劇音楽「星の息子」の音楽集。ペラダンの演劇のために作曲された劇中音楽で、原曲はフ ルートとハープのために書かれていますが、通常は各幕への前奏曲のみがピアノ独奏用に編曲され演奏されています。 「サール・ペラダンのワーグナーふう占星術」という副題で知られていますが、こちらは出版社が後で追加したタイトルで、今 回の新版からは削除されています。 ホルヴァートが演奏しているのは、コジマ・ワーグナーが所有していた1881年制作の歴史的エラール。サティが活躍していた 当時の音色がそのまま蘇ります。
GP-764
NX-B03
ポンセ:ピアノ作品全集 第2集
キューバ狂詩曲 第1番(1914)
グアテケ(1916)/キューバ組曲(1916)
キューバ前奏曲(1916)
ELEGIA DE LA AUSENCIA 不在のエレジー
キューバ(サロンのダンス)
モデラート・マリンコニコ
スケルツォ(ドビュッシーへのオマージュ)
間奏曲 第2番
Preludio encadenados 繋がれた前奏曲(1927)
白と黒の組曲
アルバロ・センドージャ(P)

録音 2016年10月9-10日
メキシコにおける近代音楽の偉大な作曲家ポンセ。数多くの作品を残しましたが、現在聴くことができるのはほとんどがギター音楽 です。しかし、彼のピアノ曲も実に多彩。初期の抒情的な作風から、後期の新古典派風の前衛的な作品まで、興味深い曲がた くさんあります。このアルバムではキューバの民族音楽のエッセンスを取り入れた「キューバ組曲」を始め、フランス風の「白と黒の組 曲」などといった、彼が一時期師事したデュカスの影響が感じられる作品も聴くことができます。
GP-765
NX-B03
ヤーン・ラーツ(1932-):ピアノ・ソナタ全集 第1集
ピアノ・ソナタ 第9番 Op.76
ピアノ・ソナタ 第10番 Op.114
ピアノ・ソナタ 第1番 Op.11-1
ピアノ・ソナタ 第2番 Op.11-2
ピアノ・ソナタ 第3番 Op.11-3
ピアノ・ソナタ 第4番「ビートルズ風に」 Op.36
ニコラス・ホルヴァート(P)

録音:2016年7月10日、2016年10月14日
エストニア生まれのラーツは、タリン音楽院に学び1957年に卒業、エストニアの放送局でラジオ・プロデューサーやテレビの音楽監 督を務め、1960年代から70年代には多数の映画音楽の作曲を手掛けています。エストニア音楽院では教授も務め、1957年 からは作曲家協会のメンバーにも名を連ねています。 8曲の交響曲を始め、多数のピアノ曲を作曲していますが、その中でも半世紀に渡って書き続けられている10曲のピアノ・ソナタは 洗練されたスタイルの中に、時折激しい不協和音が登場するなど遊び心があります。「私は制約されたシステムが好きではなく、音 楽的な素材を集め、フィルタリングし、必要に応じて感情の赴くままに展開していくのが好きだ」と語るラーツの言葉通りの多彩なソ ナタを、ラーツ作品の良き理解者であるホルヴァートが演奏しています。
GP-767
NX-B03
ブラゴイェ・ベルサ(1873-1934):ピアノ作品全集 第1集
ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ短調 Op.20(1897)
浜辺にて(1921)
夜想曲 Op.38(1903)
悲しみに Op.37(1903)
幻想即興曲 Op.27(1899)…世界初録音
バッラービレ(1984)
バガテル Op.16(1897)…世界初録音
PO NACINU STARIH-古い方法で(1926)
凱旋行進曲Op.24(1898)…世界初録音
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2016年10月18日
後期ロマン派の時代、クロアチアで活躍した作曲家ベルサ。残念ながらその存在はほとんど忘れられてしまいましたが、 ウィーン音楽院作曲科でロベルト・フックスに師事したという彼の作品は、マーラーやR・シュトラウスを思わせる色彩 的な響きに満たされており、室内楽作品や歌曲の何曲か現在でも演奏されています。彼は数多くのピアノ曲も作曲してい ますが、これらも多彩な表情を持った抒情的な作品が多く、すっきりとした形式の中に、時には教会旋法も用いるなど工夫 の凝らされた旋律が溢れています。 リストのパガニーニ練習曲で冴えた技巧を披露したクロアチアのピアニスト、ゴラン・フィリペツが格別の愛情を込めて演奏し ています。
GP-768
NX-B03
ルトスワフスキ:ピアノ作品全集
ピアノ・ソナタ (1934) ** (パウル・ザッハー財団所蔵の自筆譜によるコウクル監修版)
牧歌集 (1952)
若者のための3つの小品 (1953)
ロクサーヌの口づけ (作曲年不明) *
冬のワルツ (1954) *
民謡のメロディ(1945)
2つの練習曲 (1940-41)
インヴェンション (作曲年不明) * (パウル・ザッハー財団所蔵の譜面による)
インヴェンション (1968)
どこからか聴こえてきたメロディ (4手) (1957)
小品 (オリジナル4手版) (1953) (パウル・ザッハー財団所蔵の譜面による)
ジョルジオ・コウクル(P)
ヴァージニア・ロゼッティ(P)
使用楽器:Steinway Model D

*=世界初録音
**=自筆譜による世界初録音

録音:2017年8月18日、2018年2月24日
スイス、ルガーノ、スイス・イタリア音楽院
大規模な管弦楽曲などが人気のルトスワフスキですが、今回は貴重な曲や版を含むピアノ作品の全集が登場。パウル・ザッハー財団の協力により、財団所蔵 の貴重な譜面が一部で使用されています(トラック1-3、28、31)。特にピアノ・ソナタに関しては、自筆譜を元にコウクルが新たに監修した版による世界初録 音。初期作品らしい瑞々しさと、ラヴェルのような優雅さ、シマノフスキを思わせる感情のほとばしりが、この版によって一層際立っています。さらに「ロクサーヌの 口づけ」、技巧的な「インヴェンション」、「冬のワルツ」の世界初録音を収録。初めての完全な全集といえる内容です。 チェコのピアニストでありチェンバロ奏者、作曲家でもあるジョルジオ・コウクルは、フィルクスニーとの交流を通じてマルティヌーのスペシャリストとして知られ、チェレプ ニン、ルリエ、タンスマンなどの作品でも高い評価を得ています。ルトスワフスキも得意としており、経験豊富な作品研究に裏打ちされた深い見識と感受性あふ れるタッチで、隣国ポーランドを代表する作曲家の作品世界を見事に描きあげています。
GP-769
NX-B03
パガニーニをピアノで=5人の作曲家による編曲と変奏曲集
マーク・ハンブルク(1879-1960):パガニーニの主題による変奏曲(1902)…世界初録音
ブゾーニ:序奏とカプリッチョ(パガニーネスコ)(1909/第2稿1925)
マイケル・ザドラ(1882-1946):アイネ・パガニーニ・カプリース(1911)…世界初録音
ザドラ:パガニーニ・カプリース 第19番 変ホ長調(1913)…世界初録音
フリードマン:パガニーニの主題による練習曲集 Op.47b(1914)
ボリス・パパンドプロ(1906-1991):パガニーニによる3つのカプリッチョ集(1981))…世界初録音
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2017年2月23-24日
ヴァイオリンの超絶技巧で知られるパガニーニ。彼が後世に及ぼした影響は非常に大きく、演奏至難なリスト の「パガニーニ練習曲」をはじめ、ラフマニノフ、ブゾーニ、ブラームス、ルトスワフスキ、ブラッハーなど現代に至る多くの作曲家 によって、パガニーニを主題にしたピアノ曲が書かれています。前述のリスト“パガニーニ練習曲”完全版の録音で名をあげたク ロアチアのピアニスト、ゴラン・フィリペツ。彼が長年研究しているのはそんな「パガニーニ作品にインスパイアされた作曲家の作 品」です。ここではブゾーニやフリードマンをはじめとした6人のパガニーニ・トランスクリプションを演奏。フィリペツは、目くるめく技 巧の中にひそむ遊び心までを鮮やかに切り出して見せてくれます。
GP-770
NX-B03
ルボシュ・フィシェル(1935-1999):ピアノ・ソナタ全集
ピアノ・ソナタ 第1番(1955)
ピアノ・ソナタ 第3番(1960)…世界初録音
ピアノ・ソナタ 第4番(1962-1964)…世界初録音
ピアノ・ソナタ 第5番(1974)
ピアノ・ソナタ 第6番「FRAS」(1978)
ピアノ・ソナタ 第7番(1985)…世界初録音
ピアノ・ソナタ 第8番(1995)
ズザナ・シムローヴァー(P)

録音:2016年12月5-6日
20世紀のチェコにおいて、最も影響力のある作曲家の一人ルボシュ・フィシェル。クラシック音楽だけでなく、300以上の映画音楽 やテレビ番組、アニメーション音楽などを残し、どれも高く評価されています。7曲(8番まであるものの、第2番は紛失)ある彼のソナ タは、各々違う作風を備えており、学生時代の新古典派風のリズム重視の曲から、中期の前衛的な作品を経て、少しずつ無駄 をそぎ落とし、シンプルになっていく後期の作品まで、その雰囲気の変遷をみることができます。なかでも最後のソナタ「第8番」は、5 分ほどの短い曲の中に様々な感情が見え隠れする感動的な作品です。
GP-771
NX-B03
ラフ:ピアノとオーケストラのための作品集
春への頌歌 Op.76
ピアノ協奏曲 ハ短調 Op.185
「アルフレート王」の主題による奇想曲 Op.65-2…世界初録音
チャ・グエン(P)
ケリー・ストラットン(指)
プラハRSO

録音:2017年5月10-11日 、2017年5月4日
存命時“最も優れた交響曲作曲家”として知られたスイスの作曲家ヨアヒム・ラフ。しかし、もともとリストの崇拝者で、弟 子でもあったラフにとって、ピアノ曲もまた重要な位置を占めていました。GRAND PIANOレーベルでは、ピアノ曲全集 がすでにリリースされており、全9曲ある「ピアノと管弦楽のための作品」も全曲が録音される予定です。第1弾となるこの アルバムには初期の名作「春への頌歌」と1873年に完成されたピアノ協奏曲、そして世界初録音となる「アルフレート 王」の主題による奇想曲が収録されています。これは1847年から55年に書かれた初期の作品で、19世紀に好まれた 「歌劇のメロディをピアノ用に編曲」した、超絶技巧を駆使した華麗な作品です。その20年後に書かれたピアノ協奏曲 は円熟の味わい。そしてすべてのラフの作品の中でも人気の高い「春への頌歌」の柔らかい響きは絶品です。
GP-773
NX-B03
アンソニー・バージェス(1917-1993):ピアノ曲集
調律の良くないエレクトロニック・キーボードのための「24の前奏曲とフーガ」(1985)
フィナーレ;NATALE(クリスマス) 1985(1985)
ステファヌ・ギンズブルク(P)

録音:2017年7月10-13日
世界初録音
キューブリックが映画化した近未来的小説「時計仕掛けのオレンジ」。原作者バージェスは作曲家としても素晴らしい才能を 持っていました。子供時代から音楽に親しみ、第二次世界大戦時には軍隊でダンス・バンドのアレンジャーとして働いたという バージェス。作曲家としてはホルストやヒンデミットを思わせる一連の管弦楽曲が知られていますが、この「24の前奏曲とフー ガ」もかなりユニークな作品です。J.S.バッハの生誕300年を祝して書かれた曲集は「平均律クラヴィーア曲集=良く調律さ れた(well-tempered)」のもじりである「The Bad-Tempered」のタイトルが付されており、これはもちろんバッハに敬意 を払いつつも、ショスタコーヴィチの同名曲に通じる現代性をも備えています。この録音ではアコースティックのグランド・ピアノが 使用されていますが、作曲家の意図は存分に伝わっています。
GP-776
NX-B03
ラロ・シフリン(1932-):ピアノ作品集
ミッション・インポッシブル:メインテーマ(ピアノ版)(1973/2016)…世界初録音
タンゴ:メインテーマ「夕暮れのタンゴ」(ピアノ版)(1997/2016)…世界初録音
PAMPAS(ピアノ版)(2009/2016)…世界初録音
ジャズ・ピアノ・ソナタ Op.1(1963/2016)…世界初録音
DANZA DE LOS MONTES-山の踊り(ピアノ版)(2005/2016)…世界初録音
創作主題による10の変奏曲(2016)…世界初録音
TANGO A BORGES-ボルヘスへのタンゴ(ピアノ版)(2005/2016)…世界初録音
LA CALLE Y LA LUNA-通りと月(ピアノ版)(2005/2016)…世界初録音
ULLABY FOR JACK-ジャックへの子守歌(2016)
ミリアン・コンティ(P)

録音:2017年5月19.21.22日
アルゼンチン出身の作曲家、編曲家、ジャズ・ピアニスト、指揮者ラロ・シフリン。アルゼンチンの大学でクラシックを学び、 一時期はパリに留学。メシアン、ケクランにも師事し、作曲技法に磨きをかけました。ジャズやタンゴのアレンジャーとして 活躍していましたが、その名前を一躍広めたのは、なんといってもハリウッドで手掛けた「スパイ大作戦」や「燃えよドラゴ ン」などの一連の映画作品でしょう。とりわけ「スパイ大作戦」のテーマ曲は、映画化された「ミッション・インポッシブル」で も使用され、緊迫感と共に一度聴いたら忘れられないほどの強い印象を人々の脳裏に刻み込んでいます。もちろんこの アルバムの冒頭にも収録。ピアノで聴くのはまた違った雰囲気となっています。もちろん彼が得意としていたタンゴやジャズ 作品もたっぷり。世界初録音となる「創作主題による10の変奏曲」は最新のオリジナル作品の一つで、80歳を超えた 現在でも全く創作意欲の衰えを感じさせません。
GP-777(2CD)
NX-C03
バッハ:ブランデンブルク協奏曲集(全5曲)
エレオノール・ビンドマンによるピアノ・デュオ編
エレオノール・ビンドマン(P)(primo…CD1:1-4,CD2:1-9)(second…CD1:5-9)
ジェニー・リン(P)(primo…CD1:5-9)(second…CD1:1-4.CD2:1-9)

録音:2017年8月9-11日
世界初録音
バッハの「ブランデンブルク協奏曲」には、マックス・レーガーによるピアノ・デュオ版が存在しますが、 理論的な編曲であるためか、和声の扱いや演奏方法に困難な場所があるとされています。 このエレオノール・ビンドマンによる編曲は、レーガー版と比較すると「ピアノでの演奏しやすさ」に主眼が置かれており、「もし バッハ自身が現代ピアノのために編曲したらどのように音を配分するか」を考慮した上でスコアが作成されました。2人のピアニ ストは均等に音を奏でるように配慮されており、ビンドマンとリン、2人の響きが溶け合うことで、魅力的なバッハの協奏曲が新 しい形で再現されています。
GP-779
NX-B03
テオドーレ・アントニオウ(1935-):ピアノ作品全集
ENTRATA 入口(1983)…世界初録音
AQUARELLE アクアレッレ(1958)…世界初録音
ピアノ・ソナタ.Op.7(1959)…世界初録音
SYLLABLES 音節(1965)…世界初録音
前奏曲とトッカータ(1982)
インヴェンションとフーガ Op.4-1(1958)…世界初録音
インヴェンション、前奏曲とフーガ Op.4-2(1958)…世界初録音
7つのリズミック・ダンス(2000)
SYNAPHES(2001)…世界初録音
コンスタンティノス・デストウニス(P)

録音:2017年7月3-4日
現代ギリシャにおいて、最も重要な作曲家であるアントニオウ。現在ボストン大学の名誉教授であり、ギリシャ作曲家同盟の 会長を25年の長さに渡って務めるなど、国際的な音楽シーンへの貢献度は計り知れないものがあります。作曲家としてのア ントニオウは、古代ギリシャのドラマにインスパイアされた主題に、ギリシャの民族音楽要素をプラスし、ドラマティックなプロットを 作り上げていくというやり方を好んでおり「AQUARELLE」や「SYLLABLES」はサティのジムノペディを思わせる神秘的な雰 囲気を備えています。また古典的な素材による「インヴェンション」や「フーガ」でもユニークな音が使われており、作曲家の個 性の強さが伺えます。
GP-785
NX-B03
タニャ・エカナヤカ(1977-):12のピアノ・プリズム タニャ・エカナヤカ(P)
使用楽器:Steinway Model D

録音:2017年10月14-16日英国スコットランド、エディンバラ大学レイド・コンサートホール
世界初録音
スリランカのコンポーザー・ピアニスト、タニャ・エカナヤカの最新アルバム。2016年から17年にかけて作曲された「ピアノ・プリズム」は、それぞれ12の主音を元に 書かれています。クラシカル・ミュージックのみならず、民族音楽、ロック、ポップス、映画音楽から様々なインスピレーションを受けており、彼女のファースト・アルバ ム「リインヴェンションズ」(GP693)のスリランカ民謡を下地にする手法をさらに推し進め、そのほかアメリカやスコットランド、中国、ネイティヴ・アメリカンなど、彼女 の音楽的ルーツとなる国々などの要素も取り込まれた作品で、12曲のスタイルにお互い構造的な関りを持たせました。最終曲「HANA」は、滝廉太郎の「花」 にインスパイアされています。「プリズム」のタイトルは、様々な国、音楽ジャンル、年代がエカナヤカとピアノを通して屈折し、新たな音楽へと再構成されるといった 意味合いと、プリズム自体が持つ物質的な魅力を連想させるもの。次から次へと景色が広がり、聴く者の想像力を刺激する美しいアルバムです。



このページのトップへ


このサイト内の湧々堂オリジナル・コメントは、営利・非営利の目的の有無に関わらず、
これを複写・複製・転載・改変・引用等、一切の二次使用を固く禁じます
万一、これと類似するものを他でお見かけになりましたら、メール
でお知らせ頂ければ幸いです




Copyright (C)2004 WAKUWAKUDO All Rights Reserved.