湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



ODRADEK RECORDS
(アメリカ)



アメリカの新しい・レーベル。ODRADEK(オドラデク)とはカフカの小説に出てくる得体の知れない生物とのことです。営利よりもあまり知られていなくても質の高い演奏家・作品にこだわってCDを製作することを目標としています。



※表示価格は全て税込価格。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
HLSCD-001
(HELLO STAGE シリーズ)
「ユナイテッド」〜アメリカ精神を持ったヨーロッパ魂
ドビュッシー:シランクス
ボザ:バッハ讃
トッド・グッドマン:トロンボーン協奏曲
プッチーニ(フェルロ編):星は光ぬ
アルベロ:夢の町
ピアソラ(ワイズ編):忘却
カステレド:ソナティネ
ピアソラ(サイフリード編):リベルタンゴ
ペーター・シュタイナー(Tb)
シャオ=リン・リン(P)
シルヴェル・アイノマエ(Vc)

録音:ジョージア州コロンバス
まだ 20 代半ばの若いトロンボーン奏者、ペーター・シュタイナーの初 CD。シュタイナーは イタリア最北部、オーストリア国境から遠くない南チロル、ボルツァーノ(ドイツ語表記ボーツェ ン)の出身。米国のジュリアード音楽学校で学び、2014 年からコロラド交響楽団の首席トロン ボーン奏者を務める一方、ウィーンやドレスデンなどヨーロッパでも活動している。そんなスタ イナーが初 CD に付けた題名が。ユナイテッド UNITED、副題として アメリカ精神を持ったヨ ーロッパ魂 とあり、その思いがこの CD に込められている。明るい音色と軽い風合い、そして 高度な技量の持ち主である。シャオ=リン・リンは台湾出身のピアニスト。シルヴェル・アイノマ エはエストニア生まれのチェロ奏者。
HLSCD-002
ウィーン・コンツェルトハウスでのニューイヤー・コンサート2016/2017
J・シュトラウス:「クルマバソウ」序曲
 ワルツ「春の声」 Op.410,
 ポルカ「エレクトロファー」 Op.297
 ポルカ「チクタク」 Op.365
 ワルツ「美しく青きドナウ」Op.314
 新ピチカート・ポルカ Op.449
E.シュトラウス:ポルカ「心からそしてよく考えられた」
 ポルカ「ルーマニアの花」Op.192
 ワルツ「新鮮な気分」 Op.75
 ポルカ「喜んで!」 Op.228
 サラセン行進曲 Op.297
 ポルカ・マズルカ「心と心を」
 ポルカ「テープは切られた」,
J.シュトラウス1 世:ワルツ「ウィーンの精神」
 ラデツキー行進曲
ウィリ・ビュヒラー(指,コンサートマスター)
ウィーン・シュトラウス祝祭O

録音:2016、2017年ウィーン・コンツェルトハウス
※日本語解説つき
ウィーンではシュトラウス一家の音楽を演奏する年末年始の音楽会が多数あるが、 その中でもウィーンのシュトラウスの伝統を色濃く残していると非常に人気の高いのが、 ウィーン・シュトラウス祝祭管弦楽団。1978 年の創設以来、ウィーンのシュトラウスの伝 統をしっかり守り続けている。ここでもウィリ・ビュヒラー(ヴィリー・ビュッヒラー)がコンサ ートマスター兼指揮者でシュトラウスの流儀に倣っている。2016 年12 月28 日がエドゥ アルト・シュトラウスの没後 100 周年の日だったことから、エドゥアルト・シュトラウスの作 品が多数取り上げられているのが貴重だ。エドゥアルト・ファンはもちろん逃せないし、 そうでなくてもウィーンの楽しさいっぱいのニューイヤー・コンサートのCD である。 ※この CD には収録日、場所などの記載がありませんが、ウィーン・コンツェルトハウス のサイトのアーカイヴによれば、この出演者、曲目による演奏会は2016 年12 月28、29 日、2017 年1 月1 日に催されています。
HLSCD-004
(HELLO STAGE シリーズ)
「大洋横断」〜ヴェネズエラからポーランドまで
C.P.E.バッハ:幻想曲 ヘ長調 F.WO59-5
ブルジンスカ:霧のかかった反射
メシアン:幼子イエスの口づけ
ルイス:トロピカル三連作
ドゥアルテ:公現祭
アルフレード・オヴァレス(P)

録音:2018年1月4日 ワルシャワ
大洋横断 TRANSOCEANIC と題されたアルフレード・オヴァレスのかなり個性的なピアノ の CD。アルフレード・オヴァレスはヴェネズエラ、カルカスの生まれ。故国と米国で学んだ後、 欧米で広く活躍している。ポーランドのニコレット・ブルジンスカ(1989―)、ヴェネズエラのフェ デリーコ・ルイス(1948―)、同じくカルロス・ドゥアルテ(1957―2003) の作品が珍しい。
HLSCD-005
(HELLO STAGE シリーズ)
「陰の中の陽光」
コーツ:眠たい潟で
ロンガス:アラゴン
アイルランドのデリーの民謡
モーツァルト:デュポールのメヌエットによる変奏曲 ニ長調 K.573
ボウェン:前奏曲 変ホ長調 Op.102-7
リスト:波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ
カプースチン:トッカータ Op.36
ショパン:華麗な変奏曲 変ロ長調 Op.12
サン=サーンス(ゴドフスキー編):白鳥
バッハ(コルトー編):アリオーソ(チェンバロ協奏曲第5 番第2 楽章)
ジャクリーン・リョン(P,梁維芝)
ジャクリーン・リョン 中国名 梁維芝 は香港生まれのピアニスト。香港で学んだ後、米国に 留学。国際的な活動を始めてまだ数年の若いピアニストだが、とても優れた音楽性を備えて おり、それはこのCD のこだわりある選曲にも見てとれる。全10 曲について彼女自身が取り上 げる理由を書いている(英文)のも好ましい。
HLSCD-007
(HELLO STAGE シリーズ)
「クリスマスの歌」
ベツレヘムの小さな町/私たちの野辺で天使たちが/ 夕闇が迫り/最初の聖誕祭だ(牧人ひつじを)/ マリアの子守歌/飼葉桶の中で/ 牛と灰色の驢馬の間で/マリアは茨の森を抜けて行く/ 私はあなたの飼葉桶のところに立ち/クリスマスの聖歌/ ああ、イエス様の深い愛/清しこの夜
バルバラ・マリー=ルイーズ・パヴェルカ(S)
壽千明(P)
様々なクリスマスの歌を集めている。バルバラ・マリー=ルイーズ・パヴェルカはウィーン生 まれのソプラノ。現在ドイツのハムのオペラアカデミーに在籍している。壽(ことぶき)千明は京 都芸術大学で学んだ後、ウィーンに留学し現在もウィーンで活躍しているピアニスト。
HLSCD-008
(HELLO STAGE シリーズ)
「ハープで聴くショパン」
ショパン:エチュードOp.25-1「エオリアン・ハープ」
バラード第1 番Op.23-1
夜想曲第15 番
夜想曲第16 番
歌曲集*(「若い少女の願い」「私の恋人」「ハンサムな若者」「伝令」「指輪」「春の歌」「エレジー」)
前奏曲第25 番
コリーヌ=マリー・オルリアック(Hrp)
オルガ・パシチニク (S) *

録音:2017年10月
ショパンのピアノ曲と歌曲のピアノ伴奏部をハープに編曲したものを収録。編曲は 演奏者コリーン=マリー・オルリアック自らが行っています。ピアノの譜面をそのままハー プで弾くことは不可能だが、この編曲版は原曲の持ち味を損なわないよう、音をうまく 取捨選択し、なおかつハープらしさが出るように適宜、改作されており大変秀逸。バラ ード第 1 番のようなエネルギッシュで情熱的な作品もハープの典雅で上品な音色に 変わることで作品の新たな魅力を知ることができます。「エオリアン・ハープ」は文字通り のハープの曲となり、夜想曲は極上のリラクゼーションとして就寝時にかける音楽に最 高。歌の数々もまるで歌手がギターや竪琴片手に歌っているような、歌本来が持つ雰 囲気を出しています。
HLSCD-010
「夜の庭園」
(1)エルサン:ニグン
(2)サン=サーンス:ファゴット・ソナタ Op.168
(3)ケクラン:ファゴットとピアノのための3つの小品 Op.34
(4)タンスマン:ファゴットとピアノのためのソナティーヌ
(5)ファリャ:7つのスペイン民謡―アストゥーリアス地方の歌,ナナ(子守歌)
(6)レンネル:反射
(7)スクマラン&カンサ・バニク:夜の庭園
ジョ・アン・スクマラン(Fg)
クセニヤ・ヴォフミャニーナ(P)
(7)サンジャイ・カンサ・バニク(タブラ)
(7)フレデリック・グロリアン(タンプーラ)

録音:2018年12月3-8日 イタリア,モンテシルヴァーノ
※日本語オビ・解説付き
シンガポールのファゴット奏者、ジョ・アン・スクマランによるファゴット曲集。題名になっている「夜の庭園」は、彼女とタブラ(インドの太鼓の一種)奏者のバニクの合作。フィリップ・エルサンは1948年生まれのフランスの作曲家。

ODRCD-300
シェーンベルク:ピアノ作品全集
3つのピアノ曲Op.11
6つの小品Op.19
5つのピアノ曲Op.23
ピアノ組曲Op.25/ピアノ曲Op.33a
ピアノ曲Op.33b
ピナ・ナポリターノ(P)

録音:2011 年8 月
ODRCD-301
TBLS-0004
国内帯,解説付き
税込定価

ピアノ・デュオ樋尾真澄&美保」
ストラヴィンスキー:春の祭典
ヒンデミット:4手のためのソナタ(1938)
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ピアノ・デュオ・樋尾真澄&美保

録音:2011 年8 月
ODRCD-302
音楽のおもちゃ
グバイドゥーリナ:音楽おもちゃ箱(1969)
チン・ウンスク:6つの練習曲(1995-2003)
リゲティ:ムジカ・リチェルカータ(1951-53)
傳美兒[フー・メイイー](P)

録音:2011 年12 月
ODRCD-303
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
 3つのペトラルカのソネットS.161
グラナドス:「ゴイェスカス」〜「愛と死」Op.11-5
ドメニコ・コディスポティ(P)

録音:2011 年12 月
ODRCD-304
ベートーヴェン:エロイカの主題による変奏曲とフーガ変ホ長調Op.35
シューマン:交響的練習曲Op.13
リュドミラ・ゲオルギエフスカ(P)
ODRCD-305
スクリャービン:24 の前奏曲Op.11
6 つの前奏曲Op.13
5 つの前奏曲Op.15
5 つの前奏曲Op.16
7 つの前奏曲Op.17
ハビエル・ネグリン(P)
ODRCD-306
三善晃:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ(1958)
ピアノのためのプレリュード「シェーヌ」(1973)
アン・ヴェール(1980)
ピアノのために―円環と交差―(1995/98)
小島由記子(P)
(日本語解説付き)
ODRCD-307
破片(SPLINTERS)〜20 世紀ハンガリーのピアノ作品集
クルターグ:破片Op.6/d(4 曲)
 練習曲集第2 巻より「フェム」
コダーイ:ドビュッシーのモチーフによる瞑想曲
 7つのピアノ曲
ライタ:「物語」より「秋と野原の・・・」Op2-10
バルトーク:3つのブルレスクOp.8c
イェネイ:リチェルカーレ
 砂漠のアルチュール・ランボー
チャポー:究極の目標
マリアン・マルツズィ(P)
ODRCD-308
ジュビリー
リンドベルイ:ジュビリーズ(2000)
ジョージ・ベンジャミン:シャドーラインズ(2001)
ジョージ・キング:6つの練習曲(2003)
フィリップ・キャシアン:ベン・ハートレーの絵画に基づく6つの小品(2004-07)
ジョージ・キング(P)
ODRCD-309
リスト:ヴェルディによるパラフレーズ&編曲作品全集
「ドン・カルロ」より祝典の合唱と葬送行進曲S.435
「十字軍のロンバルディア人」よりサルヴェ・マリアS.431
「リゴレット」から四重唱によるパラフレーズS.434
「エルナーニ」による演奏会用パラフレーズS.432
「トロヴァトーレ」からミゼレーレによるパラフレーズS.433
「シモン・ボッカネグラ」の回想S.438
「アイーダ」の主題によるパラフレーズS.436
リナルド・ゾック(P)
ODRCD-310
ユーリ・レヴィッチ〜世紀をめぐる
ベンジャミン・ロータ:Zum Beispiel (例えば) (初録音)
ウェン・リウ:ラヴ・ソング (初録音)
クリストファー・カリエンド:ヴァイオリンソナタ第1番〜第3楽章 (初録音)
クライスラー:中国の太鼓
バーバー:「4 つの歌」op. 13〜第3 曲「この輝ける夜に」
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」Op.64〜「百合の花を手にした娘たちの踊り」(サミュエル・ドゥシュキン編)
ドビュッシー:ベルガマスク組曲〜月の光(A・ローレンズ編)
R.シュトラウス:4 つの歌曲Op. 27〜第4 番「明日!」*
シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン Op. 2, D 118
 水の上で歌う Op. 72 D.774 [2'33]
シューベルト:鱒 Op. 32 D.550
パガニーニ:ラ・カンパネッラ(パウル・コハンスキ編)
サラサーテ:モーツァルトの「魔笛」による演奏会用幻想曲 Op. 54
ペルゴレージ:ソナタ第12 番ホ長調
ビーバー:「8 つのソナタ」〜ソナタ第5番ホ短調 C 142 #
ユーリ・レヴィッチ(Vn)
アレハンドロ・ピコ=レオニス(P)
ビビアーナ・ヌウォビロ(S)*
オルガ・フィリッポーヴァ(Cemb) #

録音:2013 年 6 月 3-4日ウィーン国立音楽大学
※日本語解説付き
ユーリ・レヴィッチは世界を席捲する若手ヴァイオリニストである。2015 年国際クラシック音楽アワードにおいて、ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤーに輝いた。「優れた才能だ…極めて類稀な音楽的個性を持ち、すでに非常に成熟したアーティスト。21 世紀の偉大なる音楽家となる道をもう歩き出している。」と称賛された。 ODRADEK からの今回の録音の中で、音楽の数世紀に渡る足跡をたどった。ユーリ・レヴィッチは、表現の可能性や長年作曲家たちに影響を与え続けてきた楽器が持つ音色のありとあらゆる領域を探究し、聴くものを音楽の歴史の旅へと誘う。人間の声を真似るパガニーニのスオナール・パルランテ奏法をはじめ、電子音楽のミュージック・コンクレートへと差し掛かる現代音楽まで、広域に渡る探索を経た。この録音では原曲と編曲が入り混じり、ビーバー、モーツァルト、リヒャルト・シュトラウス、ドビュッシーの作品が扱われている。また現代作曲家クリストファー・カリエンド、ウェン・リウ、ベンジャミン・ロータらはユーリ・レヴィッチのために新作を提供した。
ODRCD-311
ババジャニアン:エレジー、
 即興曲、ヴァガルシャパトの踊り
マンスリアン:低い音域のための3つの小品
ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ第1番Op.12
ストラヴィンスキー:ピアノ・ソナタ(1924)
ディアナ・ガブリエリアン(P)

ODRCD-312
TBLS-0003
国内帯,解説付き
「火の鳥」〜20 世紀音楽ピアノのための編曲集
マーラー(杉山洋一編):スーパー・アダージェット 間奏曲XIII
ストラヴィンスキー(グイド・アゴスティ編):「火の鳥」〜「カスチェイの凶悪な踊り」「子守歌」「フィナーレ」
ドビュッシー(レナード・ボーウィック編):牧神の午後への前奏曲
シェーンベルク(エドゥアルド・シュトイアマン):室内交響曲第1 番
黒田亜樹(P)

録音:2013 年9-10 月
現代音楽と得意とする黒田亜樹の興味深いアルバムがODRADEK レーベルから発売になりました。黒田は東京芸大卒業後、イタリア・ペスカーラ音楽院高等課程を最高位終了。現在はミラノ在住。クラシックだけではなくピアソラや EL&P、ゲーム音楽のような非クラシックのアルバムを発表したり、そうかと思えばブルグミュラーの練習曲を録音するなど幅広いレパートリーを持つユニークな演奏家です。
このアルバムも20 世紀の管弦楽名曲を編曲したものですが、マーラーの交響曲第5 番のアダージェットを杉山洋一(黒田の夫君でドナトーニの弟子)が編曲した「スーパー・アダージェット」は原曲にとらわれない斬新なもの。他の作品はいずれもヴィルトゥオーゾ・ピアニストが編曲したもので、非常に聴きごたえのあるものとなっています。ピアノ・ファン、20 世紀音楽ファンには楽しめること間違い無しの1 枚です。
ODRCD-313
ゴーン・イントゥ・ナイト・アー・オール・ジ・アイズ
トーマス・コチェフ(b.1988):gone into night are all the
eyes (2013、世界初録音)
エリック・モー(b.1954):We Happy Few
レオン・キルヒナー(1919-2009):ピアノ三重奏曲
アイヴズ(1874-1954):ピアノ三重奏曲
トリオ・アパッショナータ【リディア・チェルニコフ(Vn) 、アンドレア・カサルビオス(Vc)、ロナルド・ロリム(P)】

録音:2013 年8 月7-10 日、オクタヴィアン・オーディオ
※日本語解説つき
ブラジル、スペイン、アメリカ出身のアーティストで構成されるトリオ・アパッショナータは、ピーボディ音楽院(アメリカ)の学生時代に結成された。アメリカ音楽の遺産に敬意を表して、4 世代に亘るアメリカ人作曲家のアンサンブル作品を1 枚のディスクに収めた。 コチェフのこの作品はこのアルバムのために委嘱したもので、タイトルはホルヘ・ルイス・ボルヘスの詩集Poems of the Night の冒頭の一節から引用されている。エリック・モー(b.1954)のWe Happy Few は作曲家自身の持論を反映したタイトルである。「室内楽における逆説的経済的アート。減らすと増える。」と言うものだ。シェーンベルクの弟子として最初のアメリカ人であるレオン・キルヒナー(またはカーシュナー)のピアノ三重奏曲(1954)は、それまでのロマン派的表現の仕方を最もよく踏襲している。アイヴズ作品の第 1 楽章は哲学の父が語りかけてくるような非常に意識の高い真面目な印象。対して第2 楽章のタイトル「TSIAJ」は'This Scherzo Is A Joke(このスケルツォはジョークです)’の頭文字をとったものである。最終楽章ではまたシリアスなトーンに立ち返り、最後はミュージカル『ロック・オブ・エイジズ』に登場する賛美歌で閉じている。予期していた解決和音は寸止めされ、夜想的な空間が戻ってくる。
ODRCD-314
ルドルフ・ブルノー=ブルミエ(b.1982):ピアノ作品全集
この小さなノイズ)広げた羽
『星』〜ピアノのための3 つのプレリュード
冥暗は道
棺台〜ヨハネス・ブラームスの墓
『太陽の奇跡 』〜ピアノのための3 つのプレリュード
『エル・ボルヘ』〜2 台ピアノのための*
ジョフロワ・クトゥ(P)
フランソワ=フレデリク・ギイ(P)*

録音:2014年4月23-27日、オドラデク・スタジオ、2013年5月16日フランス放送*
※日本語解説つき
ジョフロワ・クトゥが若手気鋭のパリジャン作曲家ルドルフ・ブルノー=ブルミエのピアノ作品全曲を収録した。その音楽は直接的に訴えかけ、3D臨場感のあるサウンドスケープが聴き手をうっとりとさせる。彼の作品は瞑想的な穏やかなものから激しく時には暴力的なものにまで及ぶ。文学的なテーマの頻繁な引用は、作曲家本人が言葉に表すことのできない詩的なイマジネーションを呼び起こすきっかけとなっている。そのほとんどは普遍的なノスタルジアに回帰する。時には期待感に満ちた喜び、時には弔鐘のような鐘の音が、この旅の道のりに読点を打ってゆく。 2010 年からこの作曲家とコラボレーションをしているジョフロワ・クトゥはこれらの作品の繊細で密接な演奏をここで発表した。
世界的に著名なピアニスト、フランソワ=フレデリク・ギイが2 台ピアノのための『エル・ボルヘ』で出演している。タイトルの『冥暗は道』はこのアルバムのトーンとテーマを統一させている。ラヴェルのガスパールの『絞首台』のような陰鬱さから、完全に抜け出すことができないとしても、希望の光が繰り返し差すことで、穏やかに甘受するという賢明さへ少なくとも聴くものを連れ出してくれるような道なのである。

ODRCD-315(2CD)
ラフマニノフ:ピアノ作品全集第1集
コレルリの主題による変奏曲Op.42
ピアノ・ソナタ第2番Op.36
6つの楽興の時Op.16
サロン小品集Op.10
練習曲集「音の絵」Op.39
アルトゥール・ピサロ(P)

録音:2013‐14年
ポルトガルの名ピアニスト、アルトゥール・ピサロによるラフマニノフのピアノ作品全集録音始動!1968 年ポルトガルのリスボン生まれ。神童として幼少時から演奏活動を行い、マレイ・ペライアやラドゥ・ルプーが優勝したリーズ国際コンクールの 1990 年優勝者(ラフマニノフのピアノ・ソナタ第2 番とピアノ協奏曲第3 番を演奏!)であり、Hyperion レーベルやLINN レーベルなど録音も多数の実力派ピアニスト、アルトゥール・ピサロ。オドラデック・レーベルからリリースされるこのアルバムはラフマニノフのピアノ独奏作品全集の第1集となります。ピサロが幼少時から敬愛してやまない作曲家なだけに、その演奏は温もりがあり、音楽に豊かな広がりを感じます。卓越したテクニックはもちろん、タッチもクリアで美しい。“楽興の時作品 16”は内面をえぐるような情感豊かで迫力のある演奏に心揺さぶられる。思い入れのある“ピアノ・ソナタ第 2 番”は繊細なパッセージも華麗なテクニックも、“ピサロの世界”に魅了されます!
ODRCD-316(2CD)
ラフマニノフ:ピアノ作品全集第2集
13の前奏曲集 Op. 32
ショパンの主題による変奏曲Op. 22
幻想的小品集 Op. 3
10の前奏曲集 Op. 23
アルトゥール・ピサロ(P)

録音:2013-14年
※日本語解説付き
ピサロのラフマニノフ:ピアノ作品全集の第2 弾(第1集はODRCD315)。
「ピアニストの中の詩人」と称賛される、ポルトガルのアーティスト、アルトゥール・ピサロは、セルゲイ・ラフマニノフのソロ・ピアノ作品全集を発表します。リーズ・国際ピアノコンクール優勝経験を持つ彼は、「(ピサロ曰く)人間の絶え間ない情動の変化」を語りかけるこの音楽に、一生涯の愛情と演奏経験を注ぎ込んだ。この第2集には有名な「前奏曲嬰ハ短調Op.3-2」を含む初期の傑作幻想小曲集Op.3、Op.23 とOp.32 の二つの前奏曲集、人気のショパンの主題による変奏曲を収録。このディスクでピサロはラフマニノフの優れた全ての作品のあらゆる側面において新たな輝きを与えることに成功した。多くの小品の中に潜む柔らかく優しいリリシズム、ピサロはどの作品のどのページにもメロディーラインに炎と情感を吹き込んだ。それが彼の演奏が賞賛されるゆえんである。
ODRCD-317(3CD)
ラフマニノフ:ピアノ作品全集第3集
ラフマニノフ:組曲ニ短調(ピアノ版)
ジョン・スタフォード・スミス:星条旗
ムソルグスキー:「ソロチンスクの市」より「ホパーク」
ラフマニノフ:2つの歌曲(ひなげし、ライラック)
チャイコフスキー:子守唄
リムスキー=コルサコフ:くまんばちは飛ぶ
バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番からの組曲
シューベルト:「美しき水車小屋の娘」〜「いずこへ」
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」〜「スケルツォ」
ビゼー:「アルルの女」〜「メヌエット」
ベーア:VR のポルカ
クライスラー:愛の悲しみ、愛の喜び
※以上、ラフマニノフによる編曲
ピアノ・ソナタ第1 番 Op. 28
練習曲集「音の絵」Op. 33
4つの小品(1887)/フゲッタ(1899)
前奏曲ヘ長調(1891)/フーガ ニ短調(1891)
幻想的小品「デルモ」(1899)
無言歌ニ短調(1886-87?)
3つの夜想曲(1887-88)/
カノン ホ短調(1890)/4つの即興曲
前奏曲ニ短調(1917)/断片(1917)
オリエンタル・スケッチ(1917)
アルトゥール・ピサロ(P)

録音:2013-14年
ピサロのラフマニノフ:ピアノ作品全集の第2 弾(第1集はODRCD315)。 「ピアニストの中の詩人」と称賛される、ポルトガルのアーティスト、アルトゥール・ピサロは、セルゲイ・ラフマニノフのソロ・ピアノ作品全集を発表します。リーズ・国際ピアノコンクール優勝経験を持つ彼は、「(ピサロ曰く)人間の絶え間ない情動の変化」を語りかけるこの音楽に、一生涯の愛情と演奏経験を注ぎ込んだ。 この第3集にはピアノ・ソナタ第1番、「音の絵」Op.33 といった名作の他、ラフマニノフによるピアノ編曲集や初期の珍しい作品が収録されています。
ODRCD-318
オルガ・ゲオルギエフスカヤ〜シャコンヌ/歌曲
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌニ短調
ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番 (1931年改訂版)
ラフマニノフ(ゲオルギエフスカヤ編):「おお、悲しまないで」
ラフマニノフ(ゲオルギエフスカヤ編):「ミュッセからの断章」
ヴィターリ(ゲオルギエフスカヤ編):シャコンヌ.ト短調
オルガ・ゲオルギエフスカヤ(P)

録音:2014 年2 月17-22日、オドラデック・スタジオ
※日本語解説付き
デビューCD「シャコンヌ/歌曲」でロシア出身ピアニスト、オルガ・ゲオルギエフスカヤは、3 世紀と 3 ヶ国に亘る作曲家、編曲者、演奏者に密接につながる世界を極めた。それは脳裏に蘇るほど美しく神秘的な世界である。このプログラムではクリエイターとパフォーマーのこれまでの関係を砕き、それぞれの立場が従来のヒエラルキーから解放されている。 ピアノのリリシズムを最も良く表している例の一つ、有名且つ登竜門であるラフマニノフのソナタ第 2 番が、面白いことに音楽史における 2 大傑作のシャコンヌによって挟まれている。言わずと知れたブゾーニ編曲によるバッハのシャコンヌと、オルガ・ゲオルギエフスカヤ自身の編曲によるヴィッターリのシャコンヌだ。ちょうどラフマニノフ自身が作曲家であると同時に編曲者や演奏家でもあったように、オルガ・ゲオルギエフスカヤもこの例に従っているのだ。更に2 つのラフマニノフ歌曲の編曲「おお、悲しまないで」と「ミュッセの断章」をフレーミングすることで、ディスク全体をソナタ形式的に構成しつつも、ラフマニノフの叙情性に誘い込んでくれる。
ODRCD-319
リエパーヤ交響楽団
ヴィルニス・シュミドベルグス(b.1944):メリーゴーランド
エリクス・エッシェンヴァルドス(b.1977):リエパーヤ協奏曲第4番「北極の光景:夜」〜クラリネット、オーケストラ、エレクトロニクスのための(第1部/第2部 /第3部)*
ヴァスクス(b.1946):交響曲第2 番
アトヴァルス・ラクスティーガラ(指)
リエパーヤSO
イントス・ダールデリス(Cl) *

録音:2013年1月29日〜2月1日、2012年10月15-18日、リエパーヤ・ラトヴィア・ソサエティ・ホール
※日本語解説付き
リエパーヤはラトヴィア西部、印象的な海岸線を持つバルト海のほとり、クールラント地区に位置し、鳥の鳴き声、素晴らしいオーロラが出没する地域です。リエパーヤ交響楽団は、1881 年にバルト諸国の最初のオーケストラとして創立されました。それ以来、ラトヴィアの国立図書館開館イベントや、権威ある文化的なイベントで演奏するなど、地域の一流のオーケストラの一つとしての評判を固めており、国を代表して忙しい国際ツアースケジュールをこなしている。今年は来日もして加藤登紀子と共演したりもしている。 この「クールラント・サウンド」ではラトヴィアの優れた現代作曲家たちの作品を取り上げている。アルヴォ・ペルトの作風とよく引き合いに出されるペーテリウス・ヴァスクスは、BBC とボーンマス交響楽団のために交響曲第2 番を作曲、BBC プロムスで初演されました。 ヴィルニス・シュミドベルグスはラトビアの劇的な変化を遂げた近代史を反映する音楽作品を描き、エリクス・エッシェンヴァルドスは現在ケンブリッジ大学、トリニティ・カレッジのコンポーザー・イン・レジデンスを務め、彼はまたそこの天文観測所で星空の美を音楽に投影している。
ODRCD-320
ラモン・ラスカノ(b.1968):チョーク・ラボラトリーT
1.Errobi-1/2. Errobi-2
3. Wintersonnwende-1
4. Wintersonnwende-2 I
5. Wintersonnwende-2 II
6. Wintersonnwende-2 III
7. Wintersonnwende-3
8. Wintersonnwende-4 I
9. Wintersonnwende-4 II
10. Hatsik-1/11. Hatsik-2
12. Hatsik-3
スマッシュ・アンサンブル

録音:2011年10月、2012年4月
※日本語解説つき
作曲家ラモン・ラスカノは 1968 年スペインのバスク地方生まれ。作品は他に類を見ない独自性を持つ。このディスクに収録されている作品も特徴的で、広い範囲の周波数を使い、スタイルが転換を繰り返すところが聴きどころである。幻想的、寓意的、エネルギッシュ、物憂げ、といった具合に。多くの場合文字関連や視覚的な映像からである。聴き手の予測を裏切る作品、それでいて確固たる思想を持つ作品を創造するため、スマッシュ・アンサンブルはどうにかして静止の中に動きを作り出したり、イマジネーションの深みに達する力を手に入れた。そうして微細なジェスチャーや繊細な倍音の違いを通して内面的な世界の入り口へ導いてくれる。
ODRCD-321
(1CD+PAL-DVD)
「カリオン」〜ニールセンの足跡
カール・ニールセン(1865-1931):木管五重奏曲 op. 43 (1922)
カイ・ヘルマー・センティウス(1889-1966):木管五重奏曲 op. 16 (1934)
イェンス・レーシェン・エンボルグ(1876-1957):木管五重奏曲 op. 74 (1935)
スヴェンド・シモン・シュルツ(1913-98):木管五重奏のための小セレナーデ「アムレット」 (1943)
カリオン(木管五重奏団)
【ドーラ・シェレシュ(Fl)
エギルス・ウパトニエクス(Ob)
エギルス・シェーフェルス(Cl)
ダヴィド・M.A.パルムクヴィスト(Hrn)
ニルス・アンデルス・ヴェドステン・ラーセン(Fg)】

録音:2014年1月29-31日、2月2日、クリスチャン教会,コペンハーゲン
※日本語解説つき
このディスクには生誕150 周年を迎えるデンマーク人作曲家カール・ニールセンの木管五重奏曲とニールセンに影響を受けた3 人の作曲家による世界初録音の作品が収録されている。 ニールセンの木管五重奏曲は彼の作品の中でも最も革新的で洗練されたものの一つで、旋律と伴奏といった従来の構造を捨て去り、よりバランスの取れた実験的なスタイルを探るため、様々な楽器を組み合わせることで、豊かな響きを創造した。 デンマークのアンサンブル「カリオン」の生演奏は、空間的な位置が作り出す音響を利用して作品を具象化している。すなわち、目立った旋律を演奏する場合には一歩前に出て緻密なサウンドを作り出し、それ以外の楽器は一歩後ろに下がったり一列に並んだりすることでまとまりのあるコラールを形成するのだ。この作品における興味深く非常にユニークな解釈である。3 曲の世界初録音はシュルツの一種独特であるが叙情的な「アムレット」、カラフルで多彩なエンボルグ、空想的で親しみやすいセンティウスの作品により構成されている。
※特典DVDはPAL方式のため通常の日本のDVDプレイヤーでは見ることはできません。
ODRCD-322
ヒルデガルドのセクエンティア集
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:愛(カリタス)
 おお聖エウカリ様/アヴェ・マリア
 おおこの上なく光輝く宝よ
 おお真紅の血潮よ/だが悪魔は
 おお教会よ/愛
ライス(b.1962):ヒルデガルドのセクエンティア集(8 曲)
メディヴァ:【アン・アレン(リコーダー,ショーム)
アンナ・ダニレフスカヤ(フィドル)
アンナ・ミクラシェヴィチ(S)
コリナ・マルティ(リコーダー,クラヴィシンバルム,打楽器)
マリー・ブーニシエン(中世ハープ)
ジルケ・グヴェンドリン・シュルツェ(リコーダー,ショーム)
サトウ・ユキエ(Ms)】

録音:2014年12月1-4日 スイス,メーリン
※日本語解説つき
12 世紀に活躍した作曲家、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの作品と、それに基づいた 英国の作曲家、ヒュー・コリンズ・ライス(1962-)の「ヒルデガルドのセクエンティア集」を収 録。演奏するメディヴァは中世音楽を中心に様々な音楽を手がける女性ばかりのアンサ ンブル。
ODRCD-323
アルトゥール・ピサロ&リナルド・ゾック
ドヴォルザーク:ボヘミアの森からOp.68、B.133
ピアノ三重奏曲「ドゥムキー」Op.90、B.520(作曲者編ピアノ連弾版)
アルトゥール・ピサロ(P)
リナルド・ゾック(P)

録音:2015年2月5-6日
※日本語解説つき
アルトゥール・ピサロとリナルド・ゾックはオドラデックにそれぞれのソロCD をもたらした著名なピアニストだ。アルトゥール・ピサロはラフマニノフ・シリーズを、リナルド・ゾックのリストによるヴェルディ編曲作品集をリリースしている。双方のピアニストともアルド・チッコリーニに師事し、その遺産は大きく彼らに影響している。他の演奏にインスパイアされ、彼らは2014 年にピサロ・ゾック・ピアノデュオを結成した。デビュー盤にはドヴォルザークを取り上げ、オリジナルの連弾曲である「ボヘミアの森から」と元はピアノ三重奏曲である「ドゥムキー」をドヴォルザーク自身がピアノ連弾に編曲したものを収録しています。
ODRCD-324
スティルネス(静けさ)」〜オーレリアン・デュモン(b.1980)作品集
《ダンスを始めろ!》(2009)〜fl,string trio
《子守歌とほこり》(2012)〜cl,b.cl,pf,string trio,tape
《7 つの谷》(2015)〜fl,cl,perc,hrp,electronics
《沈黙の欠片》(2014)〜A.fl,B.cl,vn,vc
《深刻な瓦礫》(2010)〜A.fl,cl,trb,va,pf,perc
ジャン=フィリップ・ウルツ(指)
アンサンブル・リネア

録音:2016年9月
オーレリアン・デュモンはフランス気鋭の若手作曲家。少年の頃よりプログレシヴ・ロックに 親しむが、当初は医学を志した。しかし作曲に転向後はIRCAM で研鑽を積む。その後、日本 の作曲家、望月京との出会いを契機に日本文化に関心を持ち、現在は東京とパリを拠点に 活動を続けている。2016 年にはアート・フェスティヴァル「あいちトリエンナーレ」に参加し自作 の能オペラ「秘密の閨」を世界初演している。このディスクにはライヴ・エレクトロニクスを含む 室内楽の近作が収められており、切り詰められた素材により東洋の間の感覚を思わせる静寂 と幽玄な音響空間が拡がる。
ODRCD-325
トレーシス/軌跡
グラナドス:「ゴイェスカス」全曲
モンポウ:ショパンの主題による変奏曲
ハビエル・ネグリン(P)

録音:2014年7月21-23日スペイン領ラグーナ、
※日本語解説つき
ネグリンはスペイン領カナリア諸島出身の若手ピアニスト。2004 年にロンドンのウィグモア・ホールでラヴェルとチェコの現代作曲家ジンドリッヒ・フェルトの作品を弾いてデビュー以来、ソリスト、室内楽奏者としてヨーロッパ、アメリカで活躍している。レパートリーはクラシックから現代音楽まで幅広い。当レーベルのCD デビューとなるこのディスクでは母国スペインの20 世紀の作曲家の作品(といってもいずれもリリカルで美しい珠玉の名品ばかり)を取り上げている。クリアなタッチと鮮やかな音色、多様なニュアンスなど、久々に将来有望な大器の登場。特にモンポウの「ショパンの主題による変奏曲」における繊細で哀感に満ちた演奏は絶品。
ODRCD-326
「陰と対比」
ドメニコーニ:コユンババ(組曲 Op.19)
アルベニス:マッロクラ Op.22
アルベニス:アストゥリアス(スペイン組曲Op.47 から)
タレガ:涙/ 不詳:スペインのロマンス
ルンデスタード:夜遅く
アグァルド:アンダンテとロンド
バリオス・マンゴレ:大聖堂
ジスモンチ:水とワイン
クリスティーナ・サンドセンゲン(G)

録音:2013 年 8 月 12-15 日、2014 年5 月20-26 日
ノルウェイの美女ギタリスト、クリスティーナ・サンドセンゲンのデビューCD。サンドセンゲンは1987 年の生まれ。15 歳の時にギターを弾き始め、ノルウェイの音楽院で学んだ後、スペインに留学して研鑽を積んだ。まだ 20 代ながらノルウェイを代表するギタリストとして国際的に活躍している。「陰と対比」と題されたこの CD には、アルベニス、タレガといった有名作曲家の作品、スペインのディオニシオ・アグアド(1784-1849)、パラグアイのアグスティン・バリオス・マンゴレ(1885-1944)の作品、さらにはイタリアのカルロ・ドメニコーニ(1947-)、ノルウェイのスヴェン・ルンドスタード(ルンドスター)(1950-)、ブラジルのエグベルト・ジスモンチ(1947-)という現役の作曲家まで、幅広く取り上げている。ドメニコーニのコユンババやジスモンチの水とワインは、クラシック・ギター好きには広く知られている作品だが、普段ギター音楽を聞かない人が聞いても聞き惚れるくらい非常に名曲である。サンドセンゲンの演奏は、北欧的な清潔感の上に南欧的情熱がたっぷり乗ったもので、たいへん魅力的だ。
ODRCD-327
ショパン&フランショーム:チェロとピアノのための作品集
ショパン:チェロ・ソナタ.ト短調 Op. 65
フランショーム:3 つの主題と変奏曲 Op. 22 (I. ドニゼッティ/II. ベートーヴェン/III. ベッリーニ)
ショパン(フランショーム編):マイヤベーアのオペラ『悪魔ロベール』の主題による協奏的大二重奏曲 ホ長調
フランショーム:アンナ・ボレーナのモチーフによる大二重奏曲 Op. 23
ショパン:10 華麗なるポロネーズ.ハ長調 Op. 3
ベアトリス・ブランコ(Vc)
フェデリコ・ボスコ(P)

録音:2014年9月
※日本語解説つき
受賞歴のあるデュオ、ベアトリス・ブランコ(チェロ)とフェデリコ・ボスコ(ピアノ)が ODRADEK からデビューCD をリリースした。ショパンとフランショームの友情と音楽を探究した。ショパンのピアノ曲は知らない人はいないと言うくらいの知名度を持つが、チェロとピアノの作品はあまり知られていない。ショパンのこの一面を聴き慣れないリスナーにはこの録音を大いに楽しんでもらえることだろう。ショパンの初期の作品『華麗なるポロネーズ』ではチェロが導入で登場する。
ODRCD-328
ヤナーチェク(ブレスニック編):「草陰の小道で」第1集
ティペット:ザ・ブルー・ギター
カステルヌオーヴォ=テデスコ:組曲 Op.133
スコット・ボーグ(G)

録音:2008年7月12-20日 アメリカ合衆国,マサチューセッツ州,ブルックライン
※日本語解説つき
注目はヤナーチェクのピアノ組曲、「草陰の小道で」を米国の作曲家、マーティン・ブレスニックがギター用に編曲したもの。原曲とはまた少し異なった味わいが良い。20 世紀英国を代表する作曲家の一人、マイケル・ティペット(1905-1998)による珍しいギター曲、ザ・ブルー・ギターは、名ギタリスト、ジュリアン・ブリーム(1933-)のために作曲、1983 年にブリームによって初演された。マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895―1968)は、イタリア生まれで米国に移住した作曲家。米国ではハリウッドでの映画音楽で有名だったが、今日ではもっぱらギターへの作品で知られている。組曲 Op.133 は米国時代の1947 年の作品。即興的なプレルーディオ、情感豊かなモルト・モデラート、そしてジプシー風に激しく燃え上がるカプリッチョと、聞き応えのある名曲である。 スコット・ボーグはオーストラリア出身の若手ギタリスト。7 歳からギターを始め、すぐに才能を開花させた。現在は米国在住。
ORDCD-329
4手ピアノのためのリスト:交響詩集
死の舞踏−『怒りの日』によるパラフレーズ(編曲:デュオ・ツユキ&ローゼンボーム)
交響詩 第6 番「マゼッパ」(編曲:フランツ・リスト)
交響詩 第11 番「フン族の戦争」(編曲:フランツ・リスト)
交響詩 第3 番「前奏曲」(編曲:フランツ・リスト)
デュオ・ツユキ&ローゼンボーム(ピアノ・デュオ)
【露木智恵、ミヒャエル・ローゼンボーム】

録音:2016年2月25日-3月2日
2009 年にドイツ、ハノーヴァーで結成されたピアノ・デュオ。リストがピアノと管弦楽のための 作曲した「死の舞踏」(後にピアノ独奏用、2 台ピアノ用もリスト編曲で作られています)を、1 台 4 手のピアノ連弾用にデュオ・ツユキ&ローゼンボームが編曲。原曲のニュアンスを失うことなく、 「死の舞踏」の世界観を表現しています。リスト自身の編曲によるピアノ・デュオ版“交響詩集” は、管弦楽版とはまた印象が変わり、旋律がくっきりと浮かび上がります。

ODRCD-330
ブラームス・ザ・プログレッシヴ
ブラームス:6 つの小品Op.118
ウェーベルン:こどものための小品
 ピアノのための楽章
ベルク:ピアノ・ソナタOp.1
ウェーベルン:ピアノのための変奏曲Op.27
ブラームス:4 つの小品Op.119
ピナ・ナポリターノ(P)

録音:2017年10月
シェーンベルクを始めとする新ウィーン楽派は無調様式の可能性を示したワーグナ ーばかりを崇拝していたわけではなく、自らの様式を確立するためむしろブラームス の作品からより多くを学んだ。ここにはベルクの作品 1 のソナタとウェーベルンの初期 と 12 音技法確立後の作品とブラームスの晩年の傑作作品 118、119 が収められ、併 せて聴くと互いが照射しあい、ベルク、ウェーベルンに内在するロマンティシズムとブ ラームスに内在する先進性が改めて浮かび上がってくる。 ピアノのピノ・ナポリターノはイタリアの若手でミケランジェリの弟子ブルーノ・メゼーナ に師事、ロマン派から現代音楽を得意としており ODRADEK からは「シェーンベルク: ピアノ作品全集」(ODRCD300)、「シェーンベルク、バルトーク:ピアノ協奏曲、他 (ODRCD339)」が発売になっています。イタリア人らしい伸びやかなカンタービレがウェ ーベルン、ベルクの作品にロマンの香りを与えます。
ODRCD-331
フラッシュバック
ハンス・ガル(1890-1987):アルト・サクソフォンとピアノのための組曲Op.102b
シュールホフ(1894-1942):ホット・ソナタ(1930)
ヒンデミット(1895-1963):ソナタ.
ヴェルナー・ハイダー(b.1930):ソナタ・イン・ジャズ
エジソン・デニソフ(1929-1996):アルト・サクソフォン・ソナタ
グイド・ボイマー(Sax)
アラダール・ラーチ(P)

録音:2009/2010年アイスランド
※日本語解説つき
楽器の開発は19 世紀ながら20 世紀になって本格的に作曲されるようになったサックスのための作品を収録。19 世紀の様式をとどめつつ印象派の影響が見られるガル作品、ジャズの影響をそれぞれの個性で作品化したシュールホフ、ヒンデミット、ハイダー作品、そして激しい点描的な作風のデニソフ作品と多彩な音楽が並ぶ。サックスのボイマー(Guido Baumer)はドイツ出身で特にポスト・アヴァンギャルドの作曲家に深い関心を寄せており、前衛時代前後の作曲家の作品を好んで取り上げている。現在はアイスランドを拠点に活動を展開。
ODRCD-332
ソナタ・ブラジレイラ
アンドレ・メマーリ(b.1977):ピアノ・ソナタ.イ長調(2011)〜アントニオ・ヴァズ・レメスに捧げる
カルマルーゴ・グアルニエリ(1907-1993):ピアノ・ソナタ(1972)〜ライス・デ・スーザ・ブラジルに捧げる
マルセロ・アマゾナス(b.1973):ソナチネ(2011)〜フランシス・プーランクを讃えて
E.ヴィラーニ・コルテス(b.1930):ピアノ・ソナタ第1 番ハ長調(1994)〜孫のレナートとジョヴァンニに捧げる
アントニオ・ヴァズ・レメス(P)

録音:2012年2月3-6日パリ
※日本語解説つき
リオ・デ・ジャネイロ・オリンピック開催を祝して(?)ブラジル出身の若手からベテラン作曲家によるピアノ・ソナタ作品集。世代の差こそあれ、どの作品からも生気あふれるリズムと鮮やかな色彩、飛び跳ねるようないきいきとしたメロディが聴こえてくる。ラヴェル、ファリャ、ストラヴィンスキー、モンポウ、ヴィラ・ロボスの進化形とも言うべき、ブラジルのピアノ音楽の現在を知る上で最適の一枚。ピアノのアントニオ・ヴァズ・レメスはポピュラー、クラシックの両分野で活躍するマルチ・タレント。パリでジャン・フィリップ・コラール、フィリップ・アントルモン、アリシア・デ・ラローチャらに師事し、フランス近代、スペイン音楽などのラテン系音楽のエッセンスを吸収した。繊細さとダイナミックな音楽性をあわせ持った稀代の才能の登場。 1 曲目のアンドレ・メマーリはジャズ・ピアニストとしてアルバムも発表し、来日もしたことのある才人。この作品は今回の演奏者レメスに捧げられています。
ODRCD-333
コネクティング・アイデンティティ」〜現代リトアニアの室内楽
ジョエル・ホフマン(b.1953):「エイ・ジャウガ・ジャウガ」(2017)
ミコラス・ナタレヴィチウス(b.1985):「沈黙のこだま」(2017)
アレギルダス・クローヴァ(b.1958):「フェリヒムニア」(2017)
ユタ・プラヌリテ(b.1983):「ラダ」(2017)
ヨナス・ユルクナス(b.1978):「オーディオ・ドゥードゥル#2」(2017)
ユオザス・ナウヤリス(1869-1934):「夢」(1921)(ジルヴィナス・ブラザウスカス編)
※全てトリオ・アゴラ委嘱作品
トリオ・アゴラ【ジルヴィナス・ブラザウスカス(Cl)、ナターニア・ホフマン(Vc)、ロベルタス・ロジンスキス(P)】

録音:2018年12月27-30日リトアニア音楽演劇アカデミー、ヴィリニュス
1980 年代後半まで大国ソ連の支配を受けて来たバルト三国はその独立と共にそ の音楽も西側に知られることになりました。著名な作曲家ではエストニアのアルヴォ・ ペルト、ラトヴィアのペーテリウス・ヴァスクスですが、なぜかわが国でリトアニアの作 曲家が紹介されることはありませんでした。古い世代では幻想的な作風の画家として も知られるチュルリョーニス(1875-1911)くらいしか知られていません。このディスクで は現代リトアニアで活躍する様々な世代の作曲家の作品が収録されており、リトアニ ア現代音楽を知る上で最適の一枚。同じバルト三国のペルト、ヴァスクスに通じる叙 情的、ロマン的な作品が多く、唯一リトアニア人ではないホフマン(カナダ生まれ)の 「エイ・ジャウガ・ジャウガ」はリトアニアの民族音楽とミニマル・ミュージックが融合した 作品。演奏するトリオ・アゴラはクラリネット,チェロ,ピアノによるトリオでナウヤリスの 「夢」以外は全てこのアンサンブルによる委嘱作品です。
ORDCD-334
「レジェンド」〜サクソフォン&ピアノのための作品集
フローラン・シュミット:伝説Op.66
ジョリヴェ:幻想的即興曲
ミヨー:スカラムーシュOp.165c
ジャン・フランセ:5 つ異国風舞曲
ヒンデミット:アルト・ホルン・ソナタ
ポール・クレストン:アルト・サクソフォン・ソナタOp.19
デュオ・ヴァーグ【アンドレア・モッチ(Sax)、中ノ森めぐみ(P)】

録音:2015年6月22日-25日、
フローラン・シュミットの「伝説」は叙情性と激しさ、深い静寂から情熱的に溢れる作品、ジョリヴ ェは無調とジャズの 2 つを融合。サクソフォンの柔らかな音色が作品を親しみやすくさせていま す。ミヨーの「スカラムーシュ」はユーモアに富んだ名曲など、サクソフォンの名作を収録していま す。ユージン・ルソーに師事したイタリアのサクソフォン奏者モッチのテクニックが光ります。
ODRCD-335
ベートーヴェン:4手ピアノ作品全集
ワルトシュタイン伯爵の主題による8 つの変奏曲 ハ長調 WoO67
4 手ピアノの為のソナタ ニ長調 Op.6
ピアノと管楽の為の五重奏曲変 ホ長調 Op.16(4 手ピアノ編)
ゲーテの「君を思う」に基づく6 つの変奏曲 ニ長調 WoO74
3 つの行進曲 Op.45
大フーガ 変ロ長調 Op.134
アルトゥール・ピサロ(P)
リナルド・ゾック(P)

録音:2020年9月10-13日 イタリア アブルッツォ州 モンテシルヴァーノ
※日本語オビ・解説付き
ベートーヴェンの 4 手ピアノつまりピアノ連弾の為の作品集は 5 曲が知られてお り、いずれもそれぞれに良い曲だが、有名曲がなく今一つ顧みられることがない。録 音もあまり多くないところに、ポルトガルの名ピアニスト、アルトゥール・ピサロがイタリア のピアニスト、リナルド・ゾックと組んだCD が登場。ピサロは1990 年のリーズ国際ピア ノ・コンクールで優勝した名手で、今や世界中で人気のピアニスト。一方のゾックは連 弾に積極的に取り組んでいます。二人は既にドヴォルザークの連弾作品集のCD を出し ており(ODRCD-323)、ここでも素晴らしいコンビを見せてくれます。この CD にはベート ーヴェンの 4 手ピアノ作品はこの CD ではそこにさらにピアノと管楽の為の五重奏 曲変 ホ長調 Op.16 の 4 手ピアノ用の編曲(ベートーヴェン自身による編曲ではなさ そうだが)を加えて、ベートーヴェンの隠れた名曲の魅力を味わうことができます。
ORDCD-336
現代ポルトガル室内楽作品集
エウリコ・カラパトゾ(1962-):魂の鏡
セルジオ・アゼヴェード(1968-):霧の中で…1912
ヌーノ・コルテ=レアル(1971-):「覚えていてください、私の愛、秋の午後」
ダニエル・デイヴィス(1990-):旅行
アンサンブル・ダルコス【ガエル・ラサエール(Vn) 、レイエス・ガラルド(Va) 、フィリップ・クアレスマ(Vc) 、ヘルダー・マルケス(P) 、ヌーノ・コルテ=レアル(芸術監督)】
ポルトガルの現代音楽作曲家の室内楽作品集。難しいと思われがちな「現代音楽」をもっと 親しみやすく聴いてもらおうというコンセプトのもと、ポルトガルの伝承曲や詩にインスパイアさ れて作曲された4 作品を収録。アンサンブル・ダルコスは作曲家ヌーノ・コルテ=レアルが2002 年に結成したポルトガルの室内楽アンサンブル。
ODRCD-337(2CD)
サクソフォンとピアノのための作品集
カプレ:伝説
ドビュッシー:ラプソディ
デザンクロ:プレリュード、カデンツァ
とフィナーレ
ジョリヴェ:幻想即興曲
ピエール・サンカン:ラメントとロンド
フローラン・シュミット:伝説Op.66
ボルヌ:カルメン・ファンタジー
ボザ:アリア
ドゥメルスマン:創作主題による幻想曲
フランセ:5つの異国風舞曲
ミヨー:スカラムーシュ
ポール・モーリス:プロヴァンスの風景
ピアソラ:タンゴ・エチュード
デュオ・ウルティマ【グイド・ボイマー(Sax)、アラダール・ラーチ(P)】

録音:2012〜2013年、アイスランド
※日本語解説つき
ドイツ出身のサックス奏者グイド・ボイマーと、ピアノのアラダール・ラーチによるデュオ「デュオ・ウルティマ」によるフランスの作曲家の作品と、フランスに関係する作品を収録した2枚組。超絶技巧と郷愁とユーモアに満ちた演奏。ドビュッシーの“ラプソディ”から、ドビュッシーと親交が深かったカプレの“伝説”、デザンクロの名曲“プレリュード、カデンツァとフィナーレ”などの作品がセレクトされています。ポール・モーリスのアルト・サクソフォンとピアノのための「プロヴァンスの風景」は、20世紀を代表するサクソフォンの巨匠マルセル・ミュールに捧げられた作品。
ODRCD-338
時空を超えたリヒャルト・シュトラウスのエコー
ヴォルフ:アナクレオンの墓,心変わりした娘
R.シュトラウス:ダリア Op.10-4,私は花束を編みたかった Op.68-2,
ひそやかな歌 Op.41-5,青い夏 Op.31-1,夜 Op.10-3,二人の秘密をなぜ隠すの Op.19-4,憩え、私の魂よ Op.27-1,懐かしい面影 Op.48-1,星 Op.69-1,冬の捧げもの Op.48-4
ベルク:サヨナキドリ(夜鳴き鶯),夏の日々
ブラームス:五月の夜 Op.43-2,青春の歌 Op.63-5
ツェムリンスキー:日曜日 Op.7-5,海の瞳 Op.7-3
コルンゴルト:愛の手紙 Op.9-4,死の歌 Op.14-1
クラウディア・ムラン(S)
グレゴリー・ムラン(P)

録音:2016 年6 月21-25日
※日本語解説つき
クラウディアとグレゴリーのムラン夫妻による婦唱夫随の歌曲集。R.シュトラウスの 歌曲を中心にその後の世代の作曲家の歌曲を集めている。クラウディア・ムラン(旧姓 ガッリ)は、ルクセンブルク出身だが両親はイタリア人とポルトガル人で、彼女も南欧的 美女。パリで学び、フランスを中心に各地で活躍している。しっとりとした潤いのある美 声の持ち主で、よく伸びる声をよくコントロールして歌っている。グレゴリー・ムランはフ ランス南東部、ドローム県出身のピアニスト。二人は2007 年にパリ国立歌劇場の研修 所(アトリエ・リリク)で出会い、2013 年からデュオとして活動、ことにドイツ歌曲に精力 的に取り組んでいる。これは彼らの最初のCD である。
ODRCD-339
「エレジー」
シェーンベルク:ピアノ協奏曲Op.42
 映画の一場面への伴奏音楽Op. 34
クシェネク:交響的悲歌Op.105
バルトーク:ピアノ協奏曲第3 番
ピナ・ナポリターノ(P)
アトヴァルス・ラクスティーガラ(指)
リエパーヤSO

録音:2016年6月リエパーヤ,ラトヴィア
デビュー・アルバムで「シェーンベルク:ピアノ作品全集」(ODRCD300)をリリースし た、イタリア出身のピアニスト、ピナ・ナポリターノの最新作は、得意のシェーンベルクを 含む20 世紀の作品集。十二音技法によって作曲されたシェーンベルク晩年の名作「ピ アノ協奏曲」、バルトークの「ピアノ協奏曲第 3 番」を録音。カップリングのシェーンベル クの管弦楽作品「映画の一場面への伴奏音楽」は、特定の映画を想定せず架空の映 画音楽として、「迫り来る危険」「不安」「破局」の3 つのテーマで作曲されたもの。
ODRCD-340
シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42(ライスによる室内オーケストラ伴奏編)
4つの歌曲 Op.22(グリースルによるピアノ五重奏伴奏編)
「グレの歌」―山鳩の歌(作曲者による室内オーケストラ伴奏編)
室内交響曲第1番Op.9
ミヒャエル・ツラビンガー(指)
ヴィーナー・コンツェルト=フェライン
ピーナ・ナポリターノ(P)
イダ・アルドリアン(S)、クリストフ・フィラー(Br)

録音:2021年9月24-27日、2022年6月16-17 日、ウィーン
シェーンベルクの室内オーケストラ作品を集めた CD。といってもオリジナルは有名な室 内交響曲第1 番で、他はシェーンベルク自身のものも含めた編曲。近代の大編成オーケス トラ作品を縮小編曲すると作品の斬新さが際立つというのはよくあることで、ここでも百数十 年前のシェーンベルクの前衛っぷりが気持ち良い刺激で伝わって来る。 ツラビンガーは1984年、ウィーン生まれの若手指揮者。インゴ・メッツマッハーの助手を長 く務め、彼自身20世紀の音楽を得意としています。2018 年、マドリッドのレアル劇場でツィン マーマンの「軍人たち」を指揮して大評判となり、以来欧州各地の歌劇場で活躍しています。 ヴィーナー・コンツェルト=フェラインは1987 年結成の若い音楽家によるオーケストラ。
ORDCD-341
シュニトケ:ピアノ五重奏曲
 ピアノ四重奏曲
カンチェリ:ピアノ四重奏曲「リステッソ・テンポで」
エラト・アラキオジーズ(P)
ルトスワフスキQ【バルトス・ボロフ(Vn)、マルチン・マルコヴィチ(Vn)、アルトゥール・ロズミウォヴィチ(Va)、マチェイ・ムゥオダウスキ(Vc)】

録音:2016年12月19−21日 ヴロツワフ
※日本語解説つき
シュニトケとカンチェリのピアノ四重奏曲、ピアノ五重奏曲を収録。エラト・アラキオジ ーズはギリシャ、テッサロニキ出身のピアニスト。現代音楽に積極的に取り組んでいる。 作曲家ルトスワフスキの名を冠したルトスワフスキ四重奏団は、2007 年結成のポーラン ドの弦楽四重奏団。2013 年にはルトスワフスキ生誕 100 周年記念コンサートのため来 日したこともある。ただしその時とは第1 ヴァイオリンが替わっている。
ODRCD-342
シューマン:謝肉祭 Op.9
ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26
主題と変奏曲 変ホ長調 WoO.24
フアン・カルロス(P)

録音:2016年9月5‐9日Studio Odradek、ぺスカーラ,イタリア
スペインのピアニスト、フアン・カルロスによるシューマン集。カルロスは16 歳の時にマドリードでモーツァルトのピアノ協奏曲第20 番 ニ短調 K.466 を弾いてデビュー、その後米国のイェール大学音楽院でボリス・ベルマンに学んでいる。数々のコンクールに入賞し、現在は独奏者としてまた室内楽演奏の一員として活躍している。繊細でしっとりした味わいに富んだシューマンである。
ODRCD-343
「青と白のなかで」〜現代ギリシャのピアノ音楽
A.ナソポウロウ(b.1972):オリンダ
T.アントニオウ(b.1935):7 つのリズム・ダンス
G.コーメンダキス(b.1959):3 つの地中海のハーブより
S.ギフタキス(b.1967):最初の夢
J.パパダトス(b.1960):海からの日の出
D.スキラス(b.1987):9 つの細密画より
G.キリアカキス(b.1967):アルフレッド・アウフ・ヤロス
C.ツオウパキ(b.1963):深い海の絶え間ない音
V.キソス(b.1972):ひと呼吸 、ほか全25 曲
エラト・アラキオジーズ(P)

録音:2017年7月
現代ギリシャで活動する新旧様々な世代の作曲家によるピアノ小品を集成。曲は最長で 6 分、最短で 1 分強の長さでスタイルは民族主義的なものから印象派風、ポスト・モダン風のも のまで十人十色。しかし西ヨーロッパのいわゆる前衛的なゲンダイオンガク風の曲はなく、い ずれも調性、モードに基づいたロマンティックな作品で聴きやすい。作品の多くはピアニスト、 エラト・アラキオジーズの委嘱によって書かれ彼女に献呈されている。アラキオジーズはこの ディスクの前にカンチェリ、シュニトケのピアノ四重奏・五重奏曲集(ODRCD341)の録音で国 際的に高い評価を得ている。民族音楽の要素を持った近現代音楽やジャズ、さらには ECM レーベルを好んで聴いている向きにお薦め。
ODRCD-344(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻(全曲) ダニエル・マーティン・ルイス(P)

録音:2012年8月-9月
※日本語解説つき
バッハを得意とするオーストリア出身のピアニスト、ダニエル・マーティン・ルイスによるバッハの“平均律”第2巻。ロナルド・ファレン・プライス、ジョン・リル、アーノルド・コーエンなどに師事し、イギリスを中心に演奏活動を行っています。粒立ちの良い音色で、キレの良い演奏を繰り広げています。
ODRCD-345
「BELLS」〜ラフマニノフ作品集
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
合唱交響曲「鐘」Op.35 *
アンドリス・ポーガ(指)
ラトヴィア国立SO
ヴェスタルド・シムクス(P)
エフゲニー・アキモフ(T)
イリーナ・クリクノヴァ(S)
エギルス・シリンス(Bs-Br)
ラトヴィア国立cho

録音:2015年10月リガ・グレート・ギルド・ホール、3月13日ゴルス大ホール*
2010 年、スヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで第1位を獲得。1980 年ラトヴィア生ま れの新進気鋭の指揮者アンドリス・ポーガ。パリ管弦楽団で、パーヴォ・ヤルヴィのもと、ア シスタント・コンダクターを務めるなど研鑽を重ね、2013 年からラトヴィア国立SOの 音楽監督に就任。日本でもN響、新日本フィル、京都市響などと共演を重ねている、 注目の指揮者ポーガと手兵ラトヴィア国立SOとのラフマニノフ。力強く躍動する 瑞々しさに溢れています。「パガニーニの主題による狂詩曲」では、2009 年第55 回マリア・ カナルス国際ピアノ・コンクールの覇者ヴェスタルド・シムクスがピアノを担当。
ORDCD-346
現代スペイン・ギター作品集
ガブリエル・エルコレカ(1969-):ファンタジア
アルベルト・オルティグエラ(1969-):アントニオ・デ・カベソンの3 つのティエントス
ミケル・ウルキーサ(1988-):草
エレナ・メンドーサ(1973-):蜃気楼の聖務日課
ホアン・リエラ・ロブステ(1968-):ポエティカ
ラモン・ラスカーノ(1968-):エズキル
ベルトラン・シャヴァリア=アルドレーテ(G)

録音:2016年3月14日〜17日
現代スペイン・ギター作品のアーカイブを作成するというテーマのもとスタートした第 1 弾。埋 もれてしまっている現代スペイン・ギター作品の魅力を伝えるクラシック・ギターの新たなレパー トリー・アルバム。
ODRCD-347
スペイン映画音楽の父/ヘスス・ガルシア・レオス(1904-1953)作品集
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調
3 つの舞曲/アレグロ・ヴィヴァーチェ
ピアノのためのソナティーナ
アーヨのために/マラガのヴェルディアル
パソドブレ/テンポ・デ・ルンバ
リナルド・ゾック(P)
リリア・ドンコヴァ(Vn)

録音:2016 年4 月11-16 日Studio Odradek 、ぺスカーラ,イタリア
※日本語解説つき
この CD はスペイン音楽好きだけでなく、いわゆる遅れてきたロマンティストを愛好する人にもぜひお勧めした。ヘスス・ガルシア・レオス(1904-1953)はスペイン最北部、ナヴァラの歴史ある都市、オリテに生まれた作曲家。1940、50 年代のスペイン映画の音楽で有名な人だが、それ以外にも多数の作品を残しており、このCD にはヴァイオリン・ソナタとピアノのための作品が収録されている。レオスの音楽にはスペインの民俗色が色濃いけれど、音楽の風合いはまったくロマンティック。そしてそれが21 世紀の今とても心地よく聞ける。いずれの曲もフランス音楽(それもドビュッシーよりちょっと前の)からの影響とスペイン風味が見事に融合していて素晴らしい。いずれの曲も演奏会で取り上げれば間違いなく好評を博すような曲ばかり、なぜ埋もれていたのか不思議なほどだ。 リナルド・ゾックはトリエステ生まれのイタリアのピアニスト。ODRADEK からはリストのヴェルディによるパラフレーズ集(ODRCD-309)と、アルトゥール・ピサロと組んだドヴォルザークのピアノ連弾曲集(ODRCD-323)が出ている。リリア・ドンコヴァはブルガリア、ソフィア生まれのヴァイオリニスト。
ODRCD-347
スペイン映画音楽の父 ヘスス・ガルシア・レオス(1904-1953)作品集
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調/3 つの舞曲
アレグロ・ヴィヴァーチェ
ピアノのためのソナティーナ
アーヨのために/マラガのヴェルディアル
パソドブレ/テンポ・デ・ルンバ
リナルド・ゾック(P)
リリア・ドンコヴァ(Vn)

録音:2016 年4 月11-16 日Studio Odradek 、ぺスカーラ,イタリア
このCD はスペイン音楽好きだけでなく、いわゆる遅れてきたロマンティストを愛好する人にもぜひお勧めした。ヘスス・ガルシア・レオス(1904-1953)はスペイン最北部、ナヴァラの歴史ある都市、オリテに生まれた作曲家。1940、50 年代のスペイン映画の音楽で有名な人だが、それ以外にも多数の作品を残しており、このCD にはヴァイオリン・ソナタとピアノのための作品が収録されている。レオスの音楽にはスペインの民俗色が色濃いけれど、音楽の風合いはまったくロマンティック。そしてそれが21 世紀の今とても心地よく聞ける。いずれの曲もフランス音楽(それもドビュッシーよりちょっと前の)からの影響とスペイン風味が見事に融合していて素晴らしい。いずれの曲も演奏会で取り上げれば間違いなく好評を博すような曲ばかり、なぜ埋もれていたのか不思議なほどだ。 リナルド・ゾックはトリエステ生まれのイタリアのピアニスト。ODRADEK からはリストのヴェルディによるパラフレーズ集(ODRCD-309)と、アルトゥール・ピサロと組んだドヴォルザークのピアノ連弾曲集(ODRCD-323)が出ている。リリア・ドンコヴァはブルガリア、ソフィア生まれのヴァイオリニスト。
ODRCD-348
木管五重奏のための編曲集(編曲:ダヴィド・M.A.P.パルムクヴィスト)
リスト:パガニーニ大練習曲第6 番「主題と変奏」
モーツァルト:セレナード第 12 番 ハ短調「ナハトムジーク」K388
ショスタコーヴィチ:木管五重奏のための組曲
 “ギャロップ”〜バレエ組曲「明るい小川」より
 “ロマンス”〜組曲「馬あぶ」より
 “官僚の踊り”〜バレエ音楽「ボルト」より
 “タヒチ・トロット”〜「二人でお茶を」より
 “ワルツU”〜映画音楽「第1 軍用列車」より
バルトーク:ルーマニア民族舞曲
リスト:メフィスト・ワルツ第1 番
カリオン(木管五重奏):
【ドーラ・シェレシュ(Fl、ピッコロ)
エギルス・ウパトニエクス(Ob)
エギルス・シェーフェルス(Cl)
ダヴィド・M.A.P.パルムクヴィスト(Hrn)
ニルス・アンデルス・ヴェドステン・ラーセン(Fg)】

録音:2016年7月6日〜8日 救世主教会,コペンハーゲン
2002 年に結成されたデンマークの木管五重奏団「カリオン」の「ニールセンの足跡」 ODRCD321)に続くアルバム第2弾。「カリオン」は2004 年デンマーク・ナショナル・ラジオ室内 コンクールなど数多くの室内楽コンクールで入賞しており、2006 年マルコ・フィオリノ国際コン ールで優勝、2011 年の大阪国際室内楽フェスタで銅メダル、2014 年には銀賞を獲得。実力 高さはもちろんのこと、木管アンサンブルのレパートリーを意欲的に広げており、多くの曲を 演している。今作も名曲を木管五重奏にアレンジした作品。ショスタコーヴィチの様々な楽曲 まとめた組曲はこれからのレパートリーとして人気が出そうです。
ODRCD-349
ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲 Op.120 ミュリエル・シュマン(P)

録音:2016年7月18-21日Studio Odradekぺスカーラ,イタリア
フランスのピアニスト、ミュリエル・シュマンによるベートーヴェンのディアベリ変奏曲。シュマンはフランス北西部の港町、ル・アーブルの生まれ。パリで学んだ後、イタリアの名ピアニスト、マリア・ティーポに学び、現在もイタリア在住。シュマンはベートーヴェン弾きとして知られており、このディアベリ変奏曲での明るくすっきりした中にも強い意志が感じられる演奏はその高評価を実感させてくれるものだ。

ODRCD-350
「三面の鏡」
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調Op.67
レーラ・アウエルバッハ(b.1973):ピアノ三重奏曲第1 番
 ピアノ三重奏曲第2 番「トリプティーク〜この鏡は三つの顔を持っている」
デルタ・ピアノ三重奏団

録音:2017年6月
デルタ・ピアノ三重奏団はヴァイオリンのジェラルド・スプロンク、チェロのイレーネ・エンズリ ン、ピアノのヴェラ・クーパー、いずれもオランダの若手音楽家によって 2013 年に結成され た。リトアニアのヴィリニュス国際コンペティション優勝後、ザルツブルク国際室内楽フェスティ バルに出演するなど、ヨーロッパ、アメリカで活動しています。既にNAXOS よりタネイエフとボロ ディンのトリオで CD デビューし好評を得ています。このディスクではショスタコーヴィチの傑作 である第 2 トリオとロシア出身で現在はアメリカ在住のレーラ・アウエルバッハ(アウアーバッ ク)の 2 つのトリオが収められています。アウエルバッハの作品はショスタコーヴィチ、シュニトケ の影響を感じさせる新ロマン主義的な音楽で大変興味深い。現在まだ 40 歳代の作曲家で 今後の活躍が楽しみ。
ODRCD-351
シモン・ブルゾスカ作品集
パッサカリア、モトゥス、ラプラス、夜、アンティフォナT&U、ムーヴメントT&U、ヴェナトゥス、移行、ほか全18 曲
オリガ・ヴォイチェホフスカ(Vn)
エマヌエル・サルヴァドール(Vn)
エミリア・ゴッホ・サルヴァドール(Va)
トマス・スチェスニ(Vc)
バーバラ・ドゥラズコフスカ(P)

録音:2008-2014年
シモン・ブルゾスカはポーランドの若手作曲家(生年不詳)。地元の音楽院で学んだ後、ベ ルギーの王立音楽院に留学、主にダンスとのコラボレーションで才能を発揮する。ここに収め られた作品は弦楽四重奏とピアノのために書かれたものでいずれも明快な調性に基づいたロ マンティックな音楽。東欧系の民族音楽の影響にミニマルなどポップな要素を加える傾向があ り、アルヴォ・ペルト、ペーテリウス・ヴァスクス、ジョン・アダムズ、坂本龍一、久石譲を思わせる 聴きやすい内容。
ODRCD-352(2CD)
スクリャービン:前奏曲全集(全90曲)
前奏曲 ロ長調Op.2-2/前奏曲 嬰ハ短調Op.9-1/24 の前奏曲 Op.11/7 つの前奏曲 Op.17/ 4 つの前奏曲 Op.22/2 つの前奏曲 Op.27/ 4 つの前奏曲 Op.31/4 つの前奏曲 Op.33/ 3 つの前奏曲 Op.35/4 つの前奏曲 Op.37/ 4つの前奏曲 Op.39/前奏曲 変ホ長調 Op.45-3/4 つの前奏曲 Op.48/前奏曲 ヘ長調 Op.49-2/ 前奏曲 イ短調 Op.51-2/ 前奏曲 ホ長調 Op.56-1/前奏曲 Op.59-2/ 2 つの前奏曲 Op.67/5 つの前奏曲 Op.74
ダニエル・ペレイラ(P)

録音:2018 年 2 月 6 日,2019年2 月24 日,3 月17 日 スペイン ア・コルーニャ
※日本語オビ・解説付き
スクリャービンの前奏曲全 90 曲の録音。ダニエル・ペレイラはスペインのピアニス ト。14 年間米国で学んだそうで、メリーランド大学の博士号やハーフォード大学の修 士号を得ています。このスクリャービンの前奏曲全 90 曲はおそらくペレイラの初 CD で、そんな大仕事を僅か 3 日で成し遂げています。ペレイラのスクリャービンは抑えめ に冷静にスクリャービン独特の美を引き立てたもので、後期の神秘的作風では瞑想 的な静けさが生きています。解説もペレイラ自身が手掛けており、たいへんに力の入っ た出来上がりです。
ORDCD-353
シルヴァン・ローアー(1986-):歌曲集
マーシャ・カレコ(1907-1975)の詩による歌曲集Op.7
ウォルト・ホイットマン(1819-1892)の10の詩Op.6
シルケ・ゲング(Ms)
マルコ・シリローニ(P)

録音:2015年11月-12月2
シルヴァン・ローアーは1986年スイス生まれの作曲家。バーゼル大学でゲオルク・ハースに師事。ポーランドのアウシュヴィッツに生まれた女流叙情詩人マーシャ・カレコ、「自由詩の父」と称されるアメリカの詩人、随筆家、ジャーナリスト、ヒューマニスト、ウォルト・ホイットマン。2人の偉大な詩人の詩にインスパイアされ作られた歌曲集。1930年代にベルリンのスモーキーなキャバレー時代を思い起こさせるカレコの詩にローアーが焦点を当てており、彼の音楽はこの雰囲気を完全に反映しています。詩人の内省と不安のテーマは、暗い色合いと豊かな刺激的な音楽に仕立てられています。対照的にホイットマンの有名で華麗な詩は、憧れから揺れ、孤独へ、自然の祝典への豊かな感情を反映して、テキストと同様に幅広い情感を持つ音楽となっています。
ODRCD-354
ベートーヴェン:「遥かな恋人に」 Op.98
シューマン:リーダークライス Op.39
ラヴェル:「ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ」
ヨエル・ウルヒ(Br)
ゾフィー・シュツェパネク(P)

録音:2021年6月11-13日 ドイツ ケルン
有名連作歌曲集3作を収録。ヨエル・ウルヒはドイツの比較的若いバリトン。少年の頃はエッセ ン大聖堂の児童合唱団で活動していたという。オペラ(特に新作オペラ)にも出演しているが、近 年は演奏会や歌曲のバリトンとして、バロックから現代ものまで幅広く活躍しています。力みのない素 直な軽めのバリトン。ゾフィー・シュツェパネクはドイツのピアニスト。ソリストとしてのみならず伴奏ピ アニストとしても高い評価を得ています。
ODRCD-355
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
ブルグミューラー(1810-1836):交響曲第2 番ニ長調Op.11
アレクサンダー・ロンクィッヒ(P&指)
コリブリ・アンサンブル

録音:2015年3月/5月
同じ年に生まれた因縁浅からぬ二人の作曲家の作品を収録。ひときわ興味を引く のはノルベルト・ブルグミューラーで彼はピアノ初学者の教則本で有名なヨハン・フリ ードリヒ・ブルグミューラーの弟。将来を期待された神童であったが、旅先での不慮の 事故により早世したと言われます。ブルグミューラーの交響曲第2 番は1834 年頃の作と され、その後シューマンによって補筆完成されたが、興味深いことにこの曲はシュー マンが自分の交響曲第 1 番を作曲した 1841 年よりも前の作品であるにも関わらずシ ューマン以上にシューマン的な感性、音楽が書き綴られており、シューマン的な感性 が実はシューマンひとりによるものではなかったことが示唆される、実に美しい旋律で 溢れた隠れた名曲。シューマンの協奏曲で弾き振りするロンクィッヒはソリストとしてア バド、ザンデルリンクらとも共演している中堅。シューマンを得意としていてホリガーの シューマン:管弦楽作品全集(AUDITE)の第4巻にも参加しています。最近は F.P.ツ ィンマーマンとの共演で継続的に録音をしています(WARNER)。コリブリ・アンサンブ ルは 2013 年に結成されたばかりの室内オーケストラ。少数精鋭のアンサンブルが精 妙で見通しのよい音楽を作る、瑞々しいシューマン。
ODRCD-356
回想/ユミ・リー
メトネル:ピアノ・ソナタ第10番「回想のソナタ」
チャイコフスキードゥムカ
ラフマニノフ:楽興の時Op.16
カプースチン:ヴァリエーションOp.41
ユミ・リー(P)

録音:2017年3月
19〜21 世紀のロシア出身の作曲家のピアノ曲をまとめたディスク。チャイコフスキー からモダン・ジャズの香りがするカプースチンまでヴァラエティに富んだ内容。ピアノの ユミ・リーは韓国出身。地元ソウルで学んだ後、ハノーヴァー音楽大学に留学。在独 中、ベルリン国際音楽コンクール、イタリア・アルフレッド・コルトー国際ピアノ・コンクー ルでの優勝を機に国際的な舞台での活動を開始する。このディスクは彼女のファース ト CD でメトネル、ラフマニノフでのヴィルトゥオーゾぶり、カプースチンでみせるノリのよ いスウィング感が聴きどころ。
ODRCD-357
フレッド・トーマス/バッハ:ダンス組曲集
バッハ:シンフォニアBWV826
アルマンドBWV816/ クーラントBWV830
サラバンドBWV817/メヌエットBWV814
アリアBWV828/ジーグBWV812
前奏曲BWV806/ アルマンドBWV828
クーラントBWV817/ サラバンドBWV826
メヌエットのテンポでBWV829
ポロネーズBWV817/ジーグBWV825
フレッド・トーマス(P)

録音: 2015 年 3 月 /5 月
J.S.バッハのフランス組曲、イギリス組曲、パルティータの中から緩急、テンポも様々 な舞曲を選んだアンソロジー。選曲とその曲順の配置のセンスもさることながら、スタイ ンウェイのモダンで芳醇な音色を存分に聴かせたフレッド・トーマスのピアノはクールで センスは最高。見事というほかない。音楽史のご講釈や演奏比較論など難しい能書き はとりあえず脇に置いておいて、ただじっと耳を傾ける価値のある一枚。フレッド・トー マスはロンドンの王立音楽院でジャズ・ピアノと作曲を学び、マルチ・インストゥルメンタ リスト&コンポーザーとして自らのバンドで活動する一方、バッハの音楽に深く傾倒し研 究と演奏を行っている。じっくり聴くもよし、サティやフェルドマン、ブライアン・イーノのよ うに一種のBGM、アンビエントとして聴くにも最適のディスク。
ODRCD-358
「HEDRA」〜チェロ・ピアノのための作品集
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第4番ハ長調Op.102-1
フォーレ:悲歌 ハ短調 Op.24
フォーレ:シシリエンヌ ト短調 Op.78
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
スティリャヌ(b.1972):チェロ・ソナタ第1番ハ長調
ペーテル・ソモダリ(Vc)
ニコラス・コスタンティノウ(P)

録音:2021年9月18―20日 キプロス
VPOおよびウィーン国立歌劇場Oの首席チェロ奏 者、ペーテル・ソモダリによるチェロ・ソナタ集。ソモダリの独奏 CD はあるいはこれが初めて かもしれない(アマル四重奏団のメンバーとしての録音あり)。ペーテル・ソモダリは1977 年、 ハンガリーのヴェスプレームの生まれ。独奏者としても立派に活動できるだけの力量を持ち ながらオーケストラ団員の道を選んだ典型的な奏者で、この CD からも豊かな音楽性、確か な技術、そして滴るウィーンの美音がしっかり伝わって来る。どの曲も素晴らしいが、やはり ベートーヴェンの第4番のソナタは絶品。コンスタンティノス・Y.スティリャヌは 1972年、キプ ロス生まれの作曲家。作風は極めてロマンティックで美しい。ニコラス・コスタンティヌの伴奏 もたいへん優秀。チェロ好き、ウィーンの音楽家好きには大歓迎されそうなCD だ。
ODRCD-359
「SMOKE」〜日本の無伴奏サクソフォン作品集
細川俊夫:スペル・ソング―呪文の歌―(2015)
酒井健治:Initial S(2010)
西村朗:水の影(2011)
藤倉大:SAKANA(2007)
高橋悠治:残り火(2009)
杉山洋一:禁じられた煙(湾岸通りバラード)(2015)
野平一郎:一人ぼっち(2013)
高橋将紀(Sax)

録音:2018年2月27日〜3月2日、Studio Odradek
サクソフォンという楽器は変幻自在である。深海は水をイメージさせたかと思えば(藤 倉、西村)、火(高橋)と結びつき、うた(細川、杉山)にもなる。高橋悠治から藤倉大ま で、世代の異なる7人の作品を集めたこのアルバムは、サクソフォンを自在に操る大石将 紀の豊かな表現力を実感させると同時に、日本人作曲家のショーケースになっている。
ODRCD-362(2CD)
リエパーヤ・コンチェルトVol.1
リハルトス・ドゥブラ(b.1964):リエパーヤ協奏曲第3 番(2012〜ピアノと管弦楽のための
ヴィルニス・シュミドベルグス(b.1944):リエパーヤ協奏曲第8 番(2014)〜ヴァイオリンと管弦楽のための
エリクス・エッシェンヴァルドス(b.1977):リエパーヤ協奏曲第4 番「北極の光景:夜」(2012)〜クラリネットと管弦楽のための
ユリス・カールソンス(b.1948):リエパーヤ協奏曲第 9 番「グリーゼ581」(2014)
カルリス・ラチス(b.1948) :リエパーヤ協奏曲第10番「42.195」(2013)〜フルート、オーボエと管弦楽のための
アトヴァルス・ラクスティーガラ(指)
リエパーヤSO
エンディース・レネマニス(P)
イルゼ・ザリナ(Vn)
イントス・ダールデリス(Cl)
ミクス・ヴィルソンス(Fl)
ペーテリス・エンドゼリス(Ob)

録音:2012-2014年
リエパーヤはラトヴィアの都市でご当地の交響楽団が委嘱したラトヴィアの作曲家によるソロ と管弦楽のための作品を収録。作曲家の世代は様々で現在のラトヴィア作曲界を知る上でも 貴重なセット。ラトヴィアで最も国際的に知られた作曲家ペートリウス・ヴァスクスを輩出した国 だけあって、他の作曲家たちも新ロマン主義的な傾向の美しい作品が多い。なかでもエセン ヴァルズの「北極の光景:夜」は標題通り、北国の一夜の夢を思わせるファンタジックな内容で 聴きごたえ充分。またカールソンの「グリーゼ581」は太陽系からおよそ20 光年離れた赤色矮 星を描いた21 世紀版「惑星」(矮星ですが)ともいうべき壮大な作品。北欧、バルト諸国の音楽 が好きな人にお薦め。
ODRCD-363
シマノフスキ:戦時の三部作
(1)メトープ Op.29(全3曲)
(2)神話 Op.30(全3曲)
(3)仮面劇 Op.34(全3曲)
ロナルド・ロリム(P)
エマヌエル・サルヴァドール(Vn)

録音:2018年2月7-11日
※日本語オビ・解説付き
ブラジル出身のピアニスト、ロナルド・ロリムによるシマノフスキの作品集。いずれも神秘主義的な作風だが、ロリムの演奏は光溢れる神秘といった趣。エマヌエル・サルヴァドールは1981年、ポルトガル生まれのヴァイオリニスト。
ODRCD-370
2台のピアノのための作品集
デュフール(b.1943):ランボーに基づく閃光*
ラヴェル:導入とアレグロ
ラヴェル:耳で聞く風景(全2曲)
クープラン:クラヴサンのための小品(七月祭/陽気な町/アルマンド/ミュゼット・ド・ショワジ/ミュゼット・ド・タヴェルニ)
デュフール:秋の風
 シャルダンに基づく銅製の給水器
デュオ・パガネッリ・フィローザ【ダニエラ・フィローザ(P)、エリカ・パガネッリ(P)】
(1)シモーネ・ベネヴェンティ(Perc)*
(1)アダム・ワイズマン(Perc)*

録音:2018年9月2-8日
※日本語オビ・解説付き
スペインのチェリスト、アンドレア・カサルビオスの作品集。彼女はチェリストとして活躍しながら、作曲活動にも熱心です。ここに収録されている作品はいずれもここ5、6年の新作。チェロが活躍する作品が多いのは当然だが、ピアノ曲も彼女が演奏しています。
ODRCD-372
マイヤ・コヴァレフスカ/オペラ・アリア集
グルック:「オルフェオとエウリディーチェ」〜序曲,なんと過酷な時
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」〜あの恩知らずの心は私を裏切った
プッチーニ:「ボエーム」〜私はミミと呼ばれています
 「マノン・レスコー」〜間奏曲
 「ボエーム」〜あなたの愛の呼ぶ声に
 「ジャンニ・スキッキ」〜ああ私のいとしいお父さん
 「トゥーランドット」〜氷のような姫君
マスネ:「タイス」〜私が美しいと言って
チャイコフスキー:「イオランタ」〜なぜこれを前に知ることがなかったのだろう
 「エフゲニー・オネーギン」〜手紙のアリア
マイヤ・コヴァレフスカ(S)
アトヴァルス・ラクスティーガラ(指)
リエパーヤSO

録音:2018年8月29-31日 ラトヴィア,リエパーヤ
※日本語オビ・解説付き(歌詞対訳はありません)
ラトヴィアの歌姫、マイヤ・コヴァレフスカのオペラ・アリア集。マイヤ・コヴァレフスカはラトヴィアの首都リガの生まれ。2003年にラトヴィア国立歌劇場にデビュー。2006年のオペラリアで第1位を獲得、同年9月にプッチーニ「ボエーム」のミミでメトロポリタン歌劇場に初出演。2011年6月にはチャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」のタチアーナでウィーン国立歌劇場に初出演、同年にはミラノのスカラ座やロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスにも初出演を果たしています。
これほどのソプラノにもかかわらず、意外にもこれが初CD。彼女の得意とするプッチーニのアリアが並ぶほか、METで歌ったグルックの「オルフェオとエウリディーチェ」のエウリディーチェ、またかつてのソ連の生まれであることからロシアのチャイコフスキーも含むという盛りだくさん。美しくかつ力強さも備えたコヴァレフスカヤの歌を楽しめる。
ODRCD-375
マンドリンによるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ
ソナタ イ長調 K.305
ソナタ ト長調 K.301
ソナタ ホ短調 K.304
ソナタ ハ長調 K.296
シュムエル・エルバツ(マンドリン)、
アサフ・クレイマン(P)

録音:2018年9月22-25日
※日本語オビ・解説付き
とても素敵なCD。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタをマンドリンで演奏するというだけで驚きだが、そうやって生み出された音楽が実に素敵なことにまたさらに驚かされます。マンドリンはピアノと馴染みがよく、高貴なヴァイオリン演奏とはまた異なった親しげで優しい空気を広げています。
シュムエル・エルバツ、アサフ・クレイマンともイスラエルの奏者。エルバツはマンドリンのパガニーニと称賛されるほどの名手です。
ODRCD-376
DANCES AND DELIGHTS
ボザ:スカラムーシュ Op.53-2
デルヴァンクール:クロカンブッシュ
ボザ:プルチネッラ Op.53-1
デクリュック:フランス風小品集(全8 曲)
イベール::アリア
パスカル:ソナティヌ
ピアソラ:タンゴ・エチュード集〜第 4 番,第5 番,第6 番
デュオ・ウルティマ【グイード・ボイマー(Sax)、アルダール・ラーツ(P)】

録音:2019 年 6 月 3-5 日 イタリア,ペスカーラ
デュオ・ウルティマのODRADEK への3タイトル目のアルバム。 フランス近代音楽にはクラシック・サクソフォンの名曲がたくさんある。「踊りと喜び」と 題されたこの CD は、フランス近代音楽好きならばぜひ聞いてほしいもの。ウジェー ヌ・ボザ(1905-1991)のプルチネッラとスカラムーシュはピアノ曲として知られている が、このサキソフォンとピアノがオリジナル。クロード・デルヴァンクール(1888― 1954)の「クロカンブッシュ」は6 つの小品からなる洒落た曲集。クロカンブッシュとは 小さなシュークリームを円錐状に積み上げたフランスのお菓子。 フェルナンド・デク リュック(1896-1954)フランス風小品集も猛烈にいい。 グイード・ボイマーはドイツのサキソフォン奏者。フランスの奏者の華やかな音色とは 一味違ったやや渋めの響きがジンワリ来る。
ODRCD-379
2台ピアノによる変奏曲集
ブラームス:シューマンの主題による変奏曲Op.23
ライネッケ:バッハのサラバンドによる変奏曲Op.24
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲Op.56b
サン=サーンス:ベートーヴェンの主題による変奏曲Op.35
ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲
デュオ・ツユキ&ローゼンボーム【露木智恵(P)、ミヒャエル・ローゼンボーム(P)】

録音:2018年9月11-14日
※日本語オビ・解説付き
2台ピアノもしくは4手ピアノによる変奏曲集、しかもすべて大作曲家の主題に基づいている作品ばかりというのが面白い。
デュオ・ツユキ&ローゼンボームは2009年、ドイツのハノーファー音楽大学に在学していた露木智恵とミヒャエル・ローゼンボームによって結成。オリジナル曲はもちろん、編曲、初演作まで幅広く手掛け高い評価を得ています。このCDは結成10周年記念です。
ODRCD-381
「沈黙の量子」〜無伴奏ヴィオラ作品集
ーバー(1644-1704):パッサカリア(1676)
ハチャトゥリアン:ソナタ・ソング(1976)
タデウス・ディクサ(b.1983):エレジー(2020)
マチエイ・ジムカ(b.1989):ストレンジ・ウェイヴス
カミル・チースリク(b.1991):印象(2020)
マグダレーナ・クルジエル(b.1996):夏の夕べ(2020)
マレク・チェルニエヴィッツ(b.1974):私は南の庭で一人遊ぶ(2020)
ペンデレツキ:舞曲(2010)、バッハの追憶によるサラバンド(2000/01)、カデンツァ(1984)
アンナ・ロクワフスカ=ムシャウツィク(b.1987):スペース(2020)
クシシトフ・コメンダレク=ティメンドルフ(Va)

録音:2020年
ビーバー(1644-1704)を除いて全て 20〜21 世紀に書かれた無伴奏ヴィオラのための作 品を収録。ほとんどが1970 年代以降に生まれた作曲家による2020 年作曲というところは今 日のヴィオラ音楽を知る上で興味深い。ヴィオラを弾いているクシストフ・コメンダレック=テ ィメンドルフはポーランド出身でポーランド国内の数々のコンクールを総なめした後、現在は ソリストとして活動の傍ら、EURO 室内音楽フェスティバル、スペース・アート・フェスティバ ル・ポーランドの音楽監督としても活躍しています。
ODRCD-383
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 フィンセント・ファン・アムステルダム(アコーディオン)

録音:2019年2月25-29日
※日本語オビ・解説付き
アコーディオンによるバッハのゴルトベルク変奏曲。ゴルトベルク変奏曲はあらゆる楽器、編成で演奏される天下の傑作なので、アコーディオン演奏も既にCDが数種発売されているほど相性が良い。このCDは1986年生まれのオランダのアコーディオン奏者、フィンセント・ファン・アムステルダムによる演奏。アコーディオンによるバッハ演奏では色彩の加減が重要だが、ファン・アムステルダムは総じて渋めの色調で格調の高さを重視しており、素直な味わいの音楽に仕上がっています。アコーディオン演奏のゴルトベルク変奏曲は初めての人も、既に他の演奏を聞いたことのある人も、改めて作品の良さに浸ることができるCDだ。
ODRCD-384
「Mit Humor」
シューマン:フモレスケ 変ロ長調 Op. 20
プロコフィエフ:4つの小品 Op.4
ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI:50(ランドン版第60番)
バルトーク:ピアノ・ソナタ Sz.80, BB 88
マチュ・コニェ(P)

録音:2019年2月12-14日
※日本語オビ・解説付き
ユーモアを持って Mit Humor と題された、マチュ・コニェの演奏するピアノ作品集。選曲がなかなか面白い。マチュ・コニェはあまり詳しい経歴を公表していないが、フランス、パリ近郊の生まれで現在はニューヨーク在住のピアニスト。フランスのピアニストということで華やかな演奏かと思いきや、とても繊細でしっとりと潤いのある演奏。シューマンの幻想味はたいへん素晴らしく、プロコフィエフでもトゲトゲしさがなく常に柔らかく美しい。バルトークではリズムに熱気を孕むも決して野蛮にならない。そして有名なハイドンのハ長調のソナタは控えめな中に豊かなニュアンスが広がる。しっとり系のピアノ演奏が好きならば逃せないCDだ。
ODRCD-385
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(1886)
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調(1917)
フローラン・シュミット:4つの小品Op.25(1901)
フランコ・メッゼーナ(Vn)、
エレナ・バッラーリオ(P)

録音:2020 年11 月6-9 日オドラデク・スタジオ、ザ・スフェアーズ,イタリア
※日本語オビ・解説付き
ヴァイオリンのフランコ・メッゼーナはイタリア・トレント出身。サルヴァトーレ・アッカ ルドに師事、ソリストとして数多くのコンサートを行い、当ODRADEK RECORDS を始 め多くのレーベルから CD をリリースしています。やや、くぐもった感のある独特の深み のある甘い音色から紡ぎ出される旋律はイタリア・バロックからロマン派、近代フラン ス音楽に最もよく合う。このディスクではベル・エポック時代フランス語圏の名曲が収 められており、艶のある音色とイタリア風カンタービレとでも言うべきか、今時珍しい、 とろけるような旋律の唄いまわしは他では決して聴くことのできない、まさに絶品!
ODRCD-386(2CD)
シューベルト:ピアノ三重奏曲第1 番変ロ長調D898 Op.99
ピアノ三重奏曲第2 番変ホ長調D.929 Op.100
トリオ・メッゼーナ・パートリア・バッラーリオ【フランコ・メッゼーナ(Vn) 、エレナ・バッラーリオ(P) 、セルジオ・パートリア(Vc)】

録音:2019 年 4 月 25-29 日 イタリア,ペスカーラ
※日本語オビ・解説付き、デジパック
イタリアの 3 人のベテラン奏者、ヴァイオリンのフランコ・メッゼーナ、チェロのセルジオ・パート リア、ピアノのエレナ・バッラーリオによる、その名もトリオ・メッゼーナ・パートリア・バッラーリオに よるシューベルトのピアノ三重奏曲 2 曲。フランコ・メッゼーナはサルヴァトーレ・アッカルドの高 弟として知られ、録音も多数ある名ヴァイオリニスト。エレナ・バッラーリオはイタリア最北西部、ピ エモンテ州のビエッラ出身。ソリストとしてのみならず室内楽のピアニストとして活躍。セルジオ・ パートリアは1974 年から1999 年までトリノのレージョ劇場の首席チェロ奏者を務めた後、ソリスト に。バッラーリオとパートリアは夫妻。3 人は旧知の仲だったが、トリオを組んだのは 2015 年か ら。イタリア人たちのピアノ三重奏団というと朗々と歌う流麗な演奏を想像するかもしれないが、 実際にはベテラン3 人による抑制を利かせた渋い旨味に満ちた演奏です。
ODRCD-388
5月の夜
(1)レベッカ・クラーク(1886-1979):ソナタ(原曲 ヴィオラ・ソナタ)
(2)フォーレ:ソナタ(原曲 ヴァイオリン・ソナタ第1 番イ長調 Op.13)
(3)オルランド・バス:変容1
(4)ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調(2 つのサキソフォンとピアノによる演奏)
アヤク・ジョレンテ(Sax)
オルランド・バス(P)
(4)モーリシ・エステレル(Sax)

録音:2019 年4 月3-5 日 イタリア,ペスカーラ
スペインのサキソフォン奏者、アヤク・ジョレンテ(Ayax Llorente)によるサキソフォ ン曲集。ヴィオラ奏者で今日では作曲家として知られるレベッカ・クラーク(1886― 1979)の代表作であるヴィオラ・ソナタは、サキソフォンでもピタリと合っていて、じっく りした味わいを醸しています。一方フォーレとドビュッシーは編曲ものの雰囲気の変化 が楽しめる。 アヤク・ジョレンテは1992 年生まれのスペインの若いサキソフォン奏者。カラッとした 音色と絶妙なコントロールが素晴らしい。
ODRCD-391(3CD)
リスト:巡礼の年第1年〜第3年
巡礼の年第1 年「スイス」 S.160
巡礼の年第2 年「イタリア」 S.161
巡礼の年第3 年 S.163
ミケーレ・カンパネッラ(P)

録音:2019 年12 月9-15 日 イタリア,ペスカーラ
※日本語オビ・解説付き
1947 年生まれのイタリアのピアニスト、ミケーレ・カンパネッラによるリストの巡礼の年 3 作、全 23 曲。カンパネッラは学生の頃にリストに取り組んで以来、納得できる演奏に達してから録音す ることを目標にしていたそうで、なんと 50 年もの時間と経験が必要だったという。まさに満を持し た録音だが、その演奏が素晴らしい。力の抜けきった音から静かに広がる情感は、腕が立つと いうだけでは決して到達できないリストの真の詩情でしょう。これはむしろリストが苦手という人こそ 聞くべき演奏だ。
ODRCD-392
オーケストラル・オルガン
ホルスト:「惑星」〜火星
サン=サーンス:「動物の謝肉祭」〜水族館,終曲
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
グリーディ:「集落」〜間奏曲
ムソルグスキー:「展覧会の絵」〜鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガー),キエフの大門
バッハ:「私たちはあなたに感謝します、神よ」 BWV29〜序曲,「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」 BWV645
ラヴェル:ボレロ
ダニエル・オヤルザバル(Org)
フアンフォ・グイレム(打楽器)
ホアン・カステロ(打楽器)

録音:2017年11月4-7日 スペイン,レオン・カテドラル
※日本語オビ・解説付き
これは面白いCDだ。オーケストラル・オルガンという題名の通り、オーケストラ曲をオルガンで演奏しているのだが、オルガンが苦手とする鋭い打音だけは打楽器に任せることで弱点が埋められ、音楽がグッと引き締まっています。オルガンはドイツのクライス・オルガン工房の2013年製の最新のもので、輝かしく荘重な音がこれでもかと広がる。曲はほとんどが有名作。一曲だけお国もののサルスエラ「集落」の間奏曲、これがまた楽しい。こういうCDは細かいこと抜きに響きにドップリ漬かるのが一番でしょう。
ダニエル・オヤルザバルはスペインのオルガン奏者。スペイン奇想曲とバッハのBWV29のほかはすべて彼による編曲。
ODRCD-393
[p]ers[on]a mis[ce]llanea〜ポンセ:ギター作品集
ギター・ソナタ第3 番
ギター・ソナタ第1 番「メキシコ・ソナタ」
3 つのメキシコ民謡(鳥小屋/あなたに私の心を/ラ・ヴァレンティナ)
6 つの短い前奏曲(モデラート1/アンダンテ/モデラート2/アレグレット・エスプ
レッシーヴォ/アレグレット・コン・モト/アレグレット)
前奏曲
スペインのフォリアに基づく変奏曲とフーガ
ベルトランド・チャヴァリー
ア=アルドレーテ(G)

録音:2019 年12 月16-20 日 イタリア,ペスカーラ
※日本語オビ・解説付き
ベルトランド・チャヴァリーア=アルドレーテのODRADEK への2 枚目のCD(1 枚目はODRCD-346)。メキシコの作曲家、マヌエル・ポンセ(1882-1948)のギター作品集。チャヴァリーア=アル ドレーテはフランスのリヨン生まれでパリ在住だが、メキシコ=スペイン系で、メキシコの偉大な作 曲家ポンセには大きな敬意を抱いています。彼の演奏は高度な技術による洗練された響きが素晴 らしいのだが、それでもなお音楽の奥にメキシコ魂といったものが感じられます。ちなみにチャヴァ リーア=アルドレーテは造形美術家としても活躍しており、メキシコの民俗仮面をつけた写真 や、ポンセの作品に触発された絵画の写真なども面白い。
ODRCD-395
「夢と物語」
ムソルグスキー:「展覧会の絵」
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第3番嬰ヘ短調 Op.23
スクリャービン:ワルツ 変イ長調 Op.38
ミケーレ・カンパネッラ(P)

録音:2018年6月 イタリア ウンブリア州 チッタ・デッラ・ピエーヴェ
※日本語オビ・解説付き
現代イタリアを代表するリスト弾き(巡礼の年 ODRCD391 が発売中)、ミケーレ・カ ンパネッラがムソルグスキーの「展覧会の絵」とスクリャービンのピアノ・ソナタ第 3 番と ワルツ 変イ長調を録音。カンパネッラといえばリストの難曲を持ち前の高度な技術で 捌きつつ、そこに腕前のひけらかしを一切せず、あくまで作品本来の詩情を大切にす る音楽を繰り広げるピアニスト。その姿勢は「展覧会の絵」でもまったく同じ。カンパネ ッラの弾く「展覧会の絵」からは繊細で孤独で感受性の強いムソルグスキーの人柄が 強く伝わって来る。と同時に、20 世紀来私たちがいかに「展覧会の絵」のピアノ・オリ ジナルですらラヴェルのオーケストラ編曲の強い影響下にあったか思い知らされるだ ろう。スクリャービンの 2 曲では、ロマン派の衣鉢を継いだ外面と近代的な内面をバラ ンスよく仕立てています。
ODRCD-396
シューマン:アレグロ ロ短調 Op.8
色とりどりの小品 Op.99
ピアノ・ソナタ第1 番嬰ヘ短調 Op.11
アルトゥール・ピサロ(P)

録音:2019 年10 月28-30 日 イタリア,ペスカーラ
※日本語オビ・解説付き
1990 年のリーズ国際ピアノ・コンクールで優勝したポルトガルの人気ピアニスト、 アルトゥール・ピサロの弾くシューマン。14 曲の「色とりどりの小品」はシューマンの素 敵なピアノ小品集にもかかわらず全曲では演奏も録音もあまり機会が多くない不遇 な作品。しかしさすがはピサロ、ロマンティシズム豊か溢れる美しい演奏この作品が まごうことなくシューマンの傑作であることを知らしめてくれます。また極めてシューマン らしいがゆえに人気では今一つのピアノ・ソナタ第 1 番も、ピサロがじっくり向き合っ て丁寧に音楽を取り扱うことで真の魅力に触れることができます。
ODRCD-399
アール・ワイルド(1915-2010):ピアノ編曲集
ヘンデル:「調子のよい鍛冶屋」によるアリアと変奏曲
マルチェッロ:オーボエ協奏曲ニ短調〜アダージョ
ラフマニノフ:夢、ここは素晴らしい場所、ミューズ、春の洪水、悲しまないで、春の悲しみ、まひわの死に寄せて
チャイコフスキー:4 羽の白鳥の踊り、舞踏会でOp.38-3
アール・ワイルド:ガーシュウィンのポップ・ソングによる 7 つのヴィルトゥオーゾ・エチュード
アール・ワイルド編:即興曲〜ガーシュウィン「誰かが私を見ている」による主題と3つの変奏
C.P.E.バッハ(ヴィットリオ・フォルテ編):ソルフェジェット
ヴィットリオ・フォルテ(P)

録音:2020年10月20-25日オドラデク・スタジオ、ザ・スフェアーズ,イタリア
19 世紀型ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、アール・ワイルドは過去の作曲家の名曲を 数多くピアノ独奏用に編曲し自ら演奏しているが、このアルバムはその編曲作品を 改めてヴィットリオ・フォルテが演奏、録音した一枚。ワイルド本人は2010 年まで生き 95 歳の天寿を全う、88 歳で録音した CD はグラミー賞を受賞するという充実したピ アニスト人生を送った。今改めて彼の編曲作品を若いピアニストによる優秀な録音 で聴くと編曲家、作曲家としてのアール・ワイルドの卓越した一面が見えてくる(因み にワイルドは作曲をエゴン・ペトリに師事している)。最後に収められているのはヴィッ トリオ・フォルテ自身の C.P.E.バッハの主題による即興曲。真面目に聴くもよし、良 質のムード音楽、BGM として聴くとしても最良のディスク。

ODRCD-400
マルク・モネ(b.1947)ピアノ作品集
第1小品集(2006)全12 曲
第2小品集(2010)全8 曲
アルベルティーヌへの手紙(2018)
フランソワ=フレデリック・ギィ(P)

録音:2020年2月27-29日オドラデク・スタジオ、ザ・スフェアーズ,イタリア
人気のピアニスト、フランソワ=フレデリック・ギィによるマルク・モネ作品集。モネ の第1小品集はギィに献呈されるなど、この二人は芸術的な結びつきだけでなく真 の友情で結ばれています。 マルク・モネはパリを拠点に活動する作曲家。ケルン音楽大学でマウリツィオ・カー ゲルに師事した後、作曲の傍ら、音楽祭の企画をするなど多角的な活動を続けて います。このディスクは彼の比較的最近のピアノ曲が収められています。ほとんどが 1 分 から 5 分、最大で 10 分程度の小、中品から構成されています。それぞれ「子守歌」と か「幽かな歌」「魂の死のために」「それはどこにある?」といった意味深で詩的な標 題がつけられている性格的小品。時にクラスターの嵐があるかと思えばバルトーク風 だったりバッハのインヴェンション風の曲があったりと多種多様。カーゲル風のシアタ ー・ピースではないものの、漂うユーモアはまさにカーゲルの弟子。
ODRCD-403
「澄み切った月」〜ヘスス・ガルシア・レオス(1904-53)
パレデスによる5 つの歌(澄み切った月/明日、祭日だから/孤独な少女/ロマンス/売り子の声)
ガルシア・ロルカによる3 つの歌(彼らは空を抜けて行った/カディスからジブラルタルへ/ 花に、小さな花に)
マチャドによる6 つの歌(優雅な歌/聖クリストバロン/揚水車/緑の牧場で宴が行われている/それは私の心を呼んだ/ドゥエロの歌)
ヒメネスによる2 つの歌(緑のアオカワラヒワ/遠くの海)
子守歌 /ビリャンシーコ
私の心はあなたに送る
セラニーリャ /マリブランの歌
マル・モラーン(S)
アウレリオ・ヴィリバイ(P)

録音:2020 年7 月6-9 日 イタリア,ペスカーラ
スペインの作曲家、ヘスス・ガルシア・レオスの歌曲集。ヘスス・ガルシア・レオス(1904― 1953)はスペイン北部、ナバラ州のオリテ生まれの作曲家。1930 年代後半から亡くなるまで膨大 な数の映画の音楽を手掛け、スペイン映画音楽の父と称えられているのだが、一方でホアキン・ トゥーリナの弟子としてクラシック音楽にも傑作は多い。しかし 50 歳目前の若さで亡くなってしま ったこともあり、近年までスペイン国内でも彼のクラシック音楽はあまり顧みられなかった。 ODRADEK からは既にヴァイオリン・ソナタおよびピアノのための作品集(ODRCD-347)が発売さ れていたが、歌曲集はよりトゥーリナ譲りのスペイン民俗色が濃く、いずれも素敵だ。レオスの歌 曲集のCD はスペイン・ローカルですらほとんどなく、このODRADEK のCD は非常に価値が高 い。 マル・モラーンはスペイン最西部、ポルトガルとの国境の町バダホスの生まれ。まだ本格的に活 動するようになって数年の若いソプラノで、これがCD デビュー。しっとりとした人情味のある美声 の持ち主で、こうした歌曲には打って付けだ。アウレリオ・ヴィリバイはビルバオ生まれのピアニス ト。伴奏ピアニストとして活躍しており、ことにスペイン歌曲の伴奏においては絶妙な腕前を披露 する。 歌詞は西英仏語の3 か国語(ガリシア語歌詞のみ4 か国語)対訳で表記されています。
ODRCD-406
ヴィラ=ロボス:チェロとピアノのための作品集
黒鳥の歌W122(1917)
さすらいW461(1946)
チェロ・ソナタ第2番Op.66,W103(1916)
シクロ・ブラジレイロW374(1936)〜第2楽章「夕べのときめき」
小組曲W064(1913)
ブラジル風バッハ(バシアーナス・ブラジレイラス)第2番(1930)より
アリア「祖国の歌」W250
トッカータ「カイピラの小さな汽車」W254
水谷川優子(Vc)
黒田亜樹(P)

録音:2019 年9 月16-20 日オドラデク・スタジオ、ザ・スフェアーズ,イタリア
※日本語オビ解説付き
ヴィラ=ロボスの音楽を聴くと心がざわざわ時にうきうきする。この音は新しいの か懐かしいのか?!音色の不思議さと癖になるリズム。耳慣れたはずのピアノや オーケストラも大胆かつ繊細に料理されて新しい音を紡ぐ。 それは過去のものに囚われない強烈な「言語」ヴィラ=ロボスはクラシック音楽界 でとびきり自由で異彩を放つ存在だ。 2009 年はそんな彼の没後50 年だった。世界のあちこちで意味深い記念コンサー トが行われたが、残念ながらその波紋は一過性のものだったようだ。時代は彼に 追いついていなかった。 そしてその10 年後、長く共にさまざまなコンサートに挑戦してきた盟友、ピアニスト の黒田亜樹とイタリアでヴィラ=ロボスの作品を録音する幸運がやってきた。時が 満ちた! このCD ではチェリストでもあった作曲家が楽器に託した世界を余すことなく表現し たいと思う。―子どもの心を持った巨人の片鱗がお届けできますように― (水谷川優子)
ODRCD-408
デンマークのオルガン音楽
ニコラウス・ブルーンス(1665-1697):前奏曲ホ短調「グレート」
イェスパー・マドセン(1957-1999):5 つの前奏曲
ルーズ・ランゴー(1893-1952):昇天の日
ヨハン・ペーター・エミリウス・ハルトマン(1805-1900):アレグロ・マエストーソ
レイフ・ティボ(1922-2001):夏は来たりぬ
トレ・ビョルン・ラーセン(b.1957):春の前奏曲
ケヴィン・ドゥガン(b.1959):賞賛、エアロの讃美歌
カール・ニールセン:コンモティオ
ケヴィン・ドゥガン(Org)

録音:2019年ダンブレーン大聖堂
17 世紀のブルーンスから 19 世紀のニールセン、ランゴーを経て 20 世紀の作曲家に至 るデンマークの作曲家によるオルガン作品集。17 世紀のブルーンスはまだドイツ音楽の影 響が濃いが、異端の作曲家ルーズ・ランゴーに至って独自の個性が存分に発揮され、ニー ルセンの大作「コンモティオ」では彼の交響楽に匹敵する壮大な音の宇宙が展開する。デ ンマーク音楽史をオルガンで辿るユニークな企画。
ODRCD-409(2CD)
高橋悠治(b.1938)作品集「歌垣」
■Disc1
01. クロマモルフT(1964)〜アンサンブルのための
02. オペレーション・オイラー(1968)〜2つのオーボエのための
03. あえかな光(2018)〜アンサンブルのための
04. 6つの要素(1964)〜4つのヴァイオリンのための
05. さ[SA](1999)〜ホルン独奏のための
06-07. 歌垣[KAGAHI]〜ピアノと管弦楽のための
■Disc2
01. 散ったフクシアの花(2010)〜クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための
02. 石(1993)〜チェロのための
03. メタテーシスT(1968)〜ピアノのための
04. ローザス(第2版)(1975)〜増幅ヴァイオリンのための
05. タラとシシャモのため(2015)〜アコーディオン、エレクトリック・ギター、バリト
ン・サックス、ピアノのための 14’07
06. 和幣(ニキテ)(1971)〜アンサンブルのための
東京コンテンポラリー・ソロイスツ、【ピアノ:黒田亜樹/メゾソプラノ:波多野睦美/フルート:上野由恵、泉真由/オーボエ:鷹栖美恵子、荒木奏美/クラリネット:田中香織、伊藤圭/コントラバスクラリネット:原浩介/ファゴット:山田知史、笹崎雅通/サックス:栃尾克樹/ホルン:福川伸陽、根本めぐみ/トランペット:上田じん、宮本弦、松山萌、守岡未央、植竹佑太/トロンボーン:村田厚生、廣瀬大悟、橋本晋哉/パーカッション:神田佳子、會田瑞樹/ヴィブラフォン:窪田健志/ハープ:山宮るり子/ヴァイオリン:尾池亜美、印田千裕、城代さや香、周防亮介、徳永慶子、松岡麻衣子/チェロ:中木健二、山澤慧、長谷川彰子、細井唯、蟹江慶行、山本大/コントラバス:佐藤、洋嗣/アコーディオン:大田智美/ギター:山田岳/エレクトロニクス、サウンドアート:有馬純寿】
企画・(指)杉山洋一
子供のころから、作曲家としてピアニストとしてそして思索家として、音楽のみならず、わたしたちが生きる社会において、 高橋悠治の存在に憧れていた。当時、我々が熱望して止まなかった海外の情報といえば、高橋悠治や、武満徹、一柳慧、 湯浅譲二、石井眞木といった凡そ同世代に属する作曲家たちが日本に紹介していて、それらの演奏会に通うたび、鮮烈な 感動に胸が高鳴ったのをおぼえています。彼らこそがわたしたちの興味を呼び覚まし、育んでくれたのだ。 今日まで、わたしたちを高橋悠治や彼の周りの作曲家が育んでくれた。だから、彼らの音楽を未来のため若い世代に橋渡し したいと願うのは、ごく自然のことだ。高橋悠治の古い資料や録音の多くは消失していて、探し出すのに何年もかかった。 「歌垣(Kagahi)」はニューヨーク公共図書館で発見され、「般若波羅蜜多(Prajna Paramita)」と「和幣(Nikite)」は、実妹である ピアニストの高橋アキ氏宅で、人知れず大切に保管されていた。それらの楽譜を、大西義明氏や栃尾克樹氏がていねいに 浄書して下さり、蘇演が可能となった。楽譜の所在の調査にあたっては、小野光子氏の掛け値なしの献身的努力に、心から 謝意を記したい。みなさんが、高橋悠治の驚くほど美しい音楽世界を存分に愉しまれることを願いつつ。 (杉山洋一※ライナーノートより抜粋)
ODRCD-410
EXODUS(移住)
(1)コルンゴルト:4 つの小さな楽しいワルツ〜マルギット
(2)コルンゴルトヴァイオリン・ソナタ ト長調Op.6
(3)ツァイスル:ヴァイオリン・ソナタ 「ブランダイス」
(4)コルンゴルト:待雪草 Op.9-1
(2)(3)ヨハネス・フライシュマン(Vn)
(1)-(4)マグダ・アマーラ(P)
(4)ギュンター・ハウマー(Br)

録音:2018 年5 月24-27 日 ウィーン、DDD,76'23
※日本語オビ・解説付き
移住 EXODUS」と題された CD。ナチのオーストリア併合によって米国に亡命し た二人のウィーン人、エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(1897-1957)とエーリヒ・ ツァイスル(1905-1959)の作品を、ウィーンで生まれ育ったヴァイオリニスト、ヨハネ ス・フライシュマンが演奏しています。ツァイスルは日本ではクラシックの作曲家として はあまり知られていないかもしれないが、コルンゴルト同様ウィーンでは若くして成功 を収め、米国に亡命後は映画音楽で活躍した。作風は、後期ロマン派色が濃厚な コルンゴルトと異なり、モダニスム。ブランダイス・ソナタは1950 年の作品。 ヨハネス・フライシュマンは、何度かの来日で既に日本での人気も高いオーストリア の中堅のヴァイオリニスト。ウィーンの伝統を受け継いだヴァイオリニストでありつつ、 クラシック音楽の枠を超えた21 世紀的活動で人気を博してもいます。
ODRCD-411
無伴奏クラリネット作品集
アンリ・トマジ(1901-1971):古風なソナチネ(1966)
ゴードン・ジェイコブ(1895-1986):5 つの小品(1973)
ルドルフ・エッシャー(1912-1980):無伴奏クラリネット・ソナタ(1973)
エルランド・フォン・コッホ(1910-2009):モノローグ第3 番(1975)
ベラ・コヴァチ(b.1937):ファリャへのオマージュ(1994)
ヘンリク・オーデゴール(b.1955):アンティフォナV「アヴェ・マリア」(2008)
セルジオ・アゼヴェド(b.1968):無伴奏クラリネットのためのソナチネ(2015)
ジョヴァンニ・マッタリアーノ(b.1969):ゼタ・ワールド(2011)
ルイ・トラヴァッソ(Cl)

録音:2020年
20〜21 世紀の作曲家による無伴奏クラリネット作品を収録。アンリ・トマジ以外はあまり知 られていない作曲家ばかりだが無調から調性のある作品までヴァラエティに富んでおり、ク ラリネット・ファン、新しいレパートリーを探している演奏関係者は必携。クラリネットのトラヴァ ッソはポルトガル出身。ポルトガルとヨーロッパ諸国を中心にソリストとして活動しています。
ODRCD-413
ブラームス・ザ・プログレッシヴVol.2
ウェーベルン:9楽器のための協奏曲Op.24(1934)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
ピナ・ナポリターノ(P)
モデスタス・ピトレナス(指)リトアニア国立SO

録音:2021年6月10-11日リトアニア・ナショナル・フィルハーモニック・ホール、ヴィリニス
※日本語オビ・解説付き
ピナ・ナポリターノの「ブラームス・ザ・プログレッシヴ」シリーズの第 2弾。第1弾「ブ ラームス、ウェーベルン、ベルク:ピアノ作品集」(ODRCD330)はレコード芸術特選! ブラームスは一般に思われているような頑迷な保守主義者では決してなく、実は新ウ ィーン楽派の 3人が深く傾倒、影響を受けるほど先進的な作曲家でした。この企画は ブラームスの作品を新ウィーン楽派の作品と対比させることで彼のそうした側面を浮き 彫りにしようというものです。今回はブラームスの交響曲並みの規模を持つ大作、ピア ノ協奏曲第 2番にウェーベルンの 9楽器のための協奏曲を対峙させます。9 楽器の ための協奏は伝統的な意味でのピアノ協奏曲ではなく、極めて室内楽的な作品です が、ナポリターノは厳しい様式で書かれたこの作品をみずからリードし峻厳なリリシズ ムを表出しています。ブラームスの第 2ピアノ協奏曲では甘いロマンティシズムを惜し げもなく出す一方、作品に内在する堅牢な論理性と構造を凛とした態度で演奏。同 作品の新しい名演の誕生といってよいでしょう。聴き手はこのアルバムでウェーベルン の作品の中にあるロマンティシズムとブラームスの作品の中にある前衛性を再発見す ることでしょう。
ODRCD-416
シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番イ短調 D845Op.42
ピアノ・ソナタ第20番イ長調 D959
ステファニア・カファーロ(P)

録音:2022年5月16-18日 イタリア ペスカーラ州 モンテシルヴァーノ
イタリアのピアニスト、ステファニア・カファーロによるシューベルトのピアノ・ソナタ 2曲。ステファニ ア・カファーロは、1972年、シチリア島のカターニアの生まれ。生地のベッリーニ音楽院で学んだ 後、シエナのアカデミア・キジアーナで修了証書を得る。カファーロのシューベルトは、すっきりした 音色こそイタリア人を感じさせるが、決して急いたり大仰に弾いたりすることなく、じっくりと作品に向 き合って作品の内面の情感を大切にしたもの。この CD には 静寂 Silence という題が掲げられて いるのだが、たしかに彼女の演奏の背後に広い静寂の空間が感じられるようだ。
ODRCD-418
「愛と戦争について」
R.シュトラウス:明日! Op. 27-4
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
ウェーベルン:2 つの小品
ヒンデミット:3 つの小品 Op.8
ウェーベルン:3 つの小さな小品Op.11
フォーレ:ゆりかご Op.23-1
ウェーベルン:チェロ・ソナタ
N.ブーランジェ:つの小品
ドビュッシー:美しい夕暮れ
ベアトリス・ブランコ(Vc)
フェデリーコ・ボスコ(P)

録音:2021年3月15-22日 イタリア アブルッツォ州 モンテシルヴァーノ
※日本語オビ・解説付き
「愛と戦争について」と題された、後期ロマン派から 20 世紀初期にかけてのチェロ の音楽。 ベアトリス・ブランコはスペインのチェロ奏者。スペインで学んだ後、バーゼル音楽院 でイヴァン・モニゲッティに学んでいます。柔らかく包み込むようなチェロの響きが素晴ら しい。2008 年からイタリアのピアニスト、フェデリーコ・ボスコと組んで精力的に演奏活 動を行っています。同コンビの録音は「ショパン&フランショーム作品集(ODRCD327)」 が先に発売になっています。
ODRCD-419
バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1 番Sz.75(1921)
ヴァイオリン・ソナタ第2 番Sz.76(1922)
ルーマニア民族舞曲 Sz.56 (1915 年ゾルタン・セーケイ編曲版)
フランツィスカ・ピーチ(Vn)
林田麻紀(P)

録音:2021年5月24-26日 スタジオ・オドラデク・ザ・スフィアース
ヴァイオリンのフランチィスカ・ピーチは旧東ドイツ出身。東ベルリンでヴェルナ ー・ショルツに師事後、いくつかの国内コンクールに入賞。西側に移住後はジュリ アードで学んだ。いくつかのオーケストラでコンサート・ミストレスを勤めた後、現在 は室内楽とソロ活動に専念しています。AUDEITE レーベルから多数のソロ・アルバ ムが発売になっています。ピアノの林田麻紀はフランスでベルナルト・リンガイセン、 ドイツでカール=ハインツ・カンマーリングに学び、現在フランチィスカ・ピーチとデ ュオを組んで精力的に活動しています。 彼女たちは攻撃的で激しいバルトークの 2 つのヴァイオリン・ソナタを繊細に時に 凄絶な美しさで演奏、神経質なまでに刻々と変化するフレーズ、リズムのニュアン ス、表情を見事に弾き切っています。同作品の新しいスタンダードといってよい録音 の登場。オドラデクの音質も優秀。
ODRCD-420
クロッシング・ライン」〜ニック・ショルテン、ハープ・リサイタル
ニック・ショルテン(b.1988):覚醒(2020)、心配しないで(2020)、小さな総括(2017)
マルセル・グランジャニー(1891-1975):ラプソディOp.10(1921)、パストラル(1971)
マルセル・トゥルニエ(1879-1951):お供え物(1913)、ソナチネ Op.30(1924)、ジャズ・バン
ド(1926)、ため息(1913)
カルロス・サルセード(1885-1961):夜の歌(1927)、悲嘆(1927) 、シンティレーション(1936)
ニック・ショルテン(Hrp)

録音:2020年7月9-16,27-30日オランダ、ステッペン・ウルフ(荒野の狼)・スタジオ
ニック・ショルテンはオランダ出身のハーピスト、作曲家。ユトレヒト音楽院でエリカ・ワーデ ンブルクに師事、しばらくロイヤル・コンセルトヘボウOのハープ奏者を勤めていた が、2011 年以降はジャズなどクラシック以外のアルバム制作に参加するようになり作曲家とし て実験的な音楽の制作にも携わっています。このアルバムには自作を含む、普段あまり聴く機 会の少ない作曲家のハープ作品が集められています。グランジャニー、トゥルニエは 19 世紀 後半のフランスの作曲家で曲はいずれもドビュッシーの影響を感じさせる繊細で美しい音 楽。サルセードはフランス出身だが後にアメリカに移住しハープ奏者、作曲家として活躍、ラ ヴェルの序奏とアレグロを得意としてこの曲の普及に尽力した。この人の作品はドビュッシー とラヴェルの影響にラテンの要素を加えたセンスのよい音楽。ニック・ショルテン自身の作品 はサティを思わせ、かつて一世を風靡したウィンダム・ヒル・レーベルに通じる透明な音楽で ある。録音も大変優秀でハープの美しい音色が充分に堪能できます。
ODRCD-424
「大西洋の海水」〜ガリシアの作曲家による管弦楽曲集
(1)フェルナンド・ブイド(b.1980):「パサクセス」(2016)
(2)ファン・ドゥラン(b.1960):「モンテアグド宮殿の入り口」(2014)
(3)オクタビオ・バスケス(b.1972):「生と死の未亡人」(2014)
(4)エドゥアルド・スートゥーリョ(b.1968):「仕事と夜明けの門(さらに他のユークロニア)」(2016)
ポール・ダニエル(指)
ガリシア王立フィルハーモニー
(1)ラケル・ロヘンディオ(S)、
(2)アルバ・バレイロ(Hrp)、
(3)クリスティーナ・パト(バグパイプ)

録音:2017年6月、2018年7月スペイン・ガリシア
ガリシアとはスペインの自治州のひとつでスペインの北西に位置し大西洋に面した場所。 巡礼と大聖堂で有名なサンチャゴ・デ・コンポステラはこの地にある。このディスクはこの土地 出身の様々な世代の作曲家によるヴァラエティに富んだ管弦楽曲を収録しています。同郷の 作家ゴンザロ・ヘルモの詩によるブイドの声楽曲「パサクセス」は起伏に富んだ抒情的な力 作。卓越した管弦楽法が聴き手を惹きつける。ドゥランの「モンテアグド宮殿の入り口」はハリ ウッドの映画音楽を思わせる(ジョン・ウィリアムスばりの管弦楽法が)華麗なハープ協奏曲。 バスケスの「生と死の未亡人」は珍しい一種のバグパイプ協奏曲で中世ルネサンス風の音楽 と現代音楽が激突する。スートゥーリョの「夜明けの仕事と門」は20 世紀の鬼才画家フランシ ス・ベーコンの絵からインスピレーションを受けて作曲されたという巨大な交響詩。管弦楽の 色彩と機能を存分に発揮させた渾身の力作。
ODRCD-426
ポリーヌ・ヴィアルド(1821-1910):スペイン語歌曲集
ハンガリー風二重唱/悲しい心/カーニャ/悪魔のファンダンゴ/おがくず/ロンデーニャ/ 王女の歌/スペインの歌/学生たちのホタ/私の女中の愛/何の役に立つのか?/ 悲しみのキジバト/あなたを忘れろとあなたは言う/マドリッド/カディスの娘/闘牛士/ 私は闘牛士を愛さない/ロジーヌへのセレナーデ/スペイン風ロマンス/ああ孤独よ!/ ハバネラ/雌鶏/ほか全25トラック
ナタリア・ラブルデット(S)、
エレナ・レスレイソン(Ms)
フランシスコ・ソリアーノ(P)
19世紀半ばにフランスを中心に絶大な人気を誇ったメッゾソプラノ、ポリーヌ・ヴィアルド(1821-1910)のスペイン語歌曲(多くは二重唱)を集めた CD。ポリーヌ・ヴィアルドは、ロッシーニの「セビリ アの理髪師」初演でアルマヴィーヴァ伯爵を歌った高名なテノール、マヌエル・ガルシアの娘。姉は 伝説的プリマドンナ、マリア・マリブラン。歌手として活躍する一方で、ポリーヌ・ヴィアルドは作曲も し、特に多くの歌曲を残した。このCD にはそのうちスペイン語のものを収録。世界初録音も多数。 ナタリア・ラブルデットはマドリッド生まれのスペインのソプラノ。ベルリン芸術大学で声楽を学び、 2016年にオペラ・デビュー。素晴らしい美声の持ち主です。エレナ・レスレイソンはポルトガル、バ ルセロス生まれのメッゾソプラノ。フランシスコ・ソリアーノは、マドリッドで学んだ後、ポーランドのショ パン音楽大学に留学したピアニスト。彼らはヴィアルド生誕200 年の2021年に彼女の歌曲を手掛 け、このCD はその成果でもある。
ODRCD-428
「比類なきリスト」
ベートーヴェン(リスト編):ゲラルトの詩による6つの歌Op.48 より(S467)
第1曲「神の力と摂理」/第3曲「バスの歌」
リスト:悲しみのゴンドラS200,No.1(第2版)
スケルツォとマーチS177/暗い雲S199
ピアノ・ソナタ ロ短調S178/不運!S208
ドニゼッティのルチアとパリジーナの2 つのモティーフによる演奏会用ワルツS214-3
マイケル・ケイコフ(P)

録音:2021年9月3日/10月22日ニューヨーク、スキルマン・ミュージック
※日本語オビ・解説付き
マイケル・ケイコフはロシア、サンクト・ペテルブルク出身で現在はアメリカで活動している 若手ピアニスト。6歳で既に公開の場でコンサートを行い、後にジュリアード音楽院でジェロ ーム・ローウェンタールに学びました。全米、ヨーロッパ、アジアで精力的な演奏活動を行っ ており、レパートリーはバッハから現代曲までと幅広いものの、とりわけリストに強い思い入れ があり、このディスクではリストの代表作ロ短調ソナタを中核に小品とベートーヴェンの歌曲 の編曲作品を収録しています。ロマン派のヴィルトゥオーゾ系コンポーザー・ピアニストをこよ なく愛するというケイコフは久々に登場する19 世紀型・主情主観表出タイプのピアニストとい えるでしょう。
ODRCD-430
メトネル:忘れられた調べ第1集 Op.38
4つの抒情的断章 Op.23
6つのおとぎ話 Op.51
ムーサ(フォルテ編) Op.29-1
ヴィットリオ・フォルテ(P)

録音:2022年9月19-22日 イタリア ・ペスカーラ州 モンテシルヴァーノ、
近年人気が大いに高まっているニコライ・メトネルのピアノ作品集。メトネルの音楽 は、たしかにロシアの香りがするものの、7歳上のラフマニノフのような豊かさ華麗さ ではなく、抒情的で内省的な音楽で、これは嵌るとたまらないもの。人気作である忘 れられた調べ第1集、4つの抒情的断章、6つのおとぎ話、に加え、フォルテ自身が ピアノ独奏用に編曲した歌曲「ムーサ」も収録。 ヴィットリオ・フォルテは、1977年、イタリア最南部のカラブリア州ロッサーノの生ま れ。1998年、スイスのジュネーヴに移り、アルゼンチンのピアニスト、エディト・ムラー ロに学び、さらにローザンヌ音楽院でクリスティアン・ファヴルにも学んだ。南イタリア 出身とはいえスイスで学んだフォルテの演奏は、上質なロマンティシズムに満ちてお り、メトネルの繊細な美感を見事に生かしています。メトネル・ファンの人はもちろん、ま だメトネルを聞いたことがない人への入門としてもお勧めできるCD だ。
ODRCD-431
「エニグマ」〜アルマンド・アルフォンソ(b.1931):ピアノ作品全集
トリプル・ゲーム研究(2016)
アローロの主題による変奏曲(1989)
アルバムの綴り1&2(2021)
ピアノ組曲(1956)
ピアニストの友人への前奏曲集(1996-1997)
ハビエル・ネグリン(P)

録音:2021年11月29日-12月1日 スタジオ・オドラデク、ザ・スフィアース
※日本語オビ・解説付き
作曲者アルマンド・アルフォンソは現在パリ在住のスペインの作曲家。母国とフランス、イ タリアで学んだ後、バレエのオーケストラ指揮者としてキャリアを開始、後にコンサート指揮者 としてアンドラーシュ・シフ、ウラディーミル・スピヴァコフ、クリスティアン・カツァリスらと共演し た。その傍ら、作曲家としても管弦楽曲や協奏曲、歌曲など多くの作品を生み出した。この アルバムは彼のこれまでのピアノ作品を集成したもの。いわゆる現代音楽ではなく、ロマン派 から近代までの様式を踏まえた親しみ易い作風。アルフォンソにとっては同じスペインの先 輩作曲家フェデリコ・モンポウにも通じるリリシズムと素朴さを湛えた愛すべき作品集。
ODRCD-433
ドホナーニ:ヴァイオリン・ソナタ Op.21
コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための
二重奏曲 Op.7
リスト:悲哀 S.723
フランチスカ・ピーチ(Vn)
ヒラ・カルニ(Vc)
林田麻紀(P)

録音:2022年8月25-31日 イタリア ペスカーラ州 モンテシルヴァーノ
バルトークのヴァイオリン・ソナタ集(ODRCD-419、レコード芸術特選)に続くフランチス カ・ピーチと林田麻紀の CD、今回はチェロのヒラ・カルニも加えてのドホナーニ、コダーイ、 リスト。ドホナーニのヴァイオリン・ソナタは 21世紀に入ってからじわじわと人気の高まって いる隠れた名曲。ドイツのロマンティシズムにハンガリー的な要素ほどよく入り、そしてなん といっても情熱に溢れています。ここではピーチが太い音色と豊かなヴィブラートで哀愁たっ ぷりに演奏しています。この曲をまだ知らないという人にはぜひおすすめ。コダーイの二重奏 曲はもう人気作といってよいだろう、コダーイらしい強烈なハンガリー色に彩られた曲。ピー チとカルニは思い切り高低の対比を彩っています。悲哀(トリスティア)は、リストの「オーベル マンの谷」を、デンマーク生まれの作曲家エドゥアルド・ラッセンの手を借りて自身でピアノ 三重奏曲に編曲したもの。ここではピーチ、カルニ、林田の三人がしっとりとした音楽を聞 かせてくれます。
ODRCD-435
「宝石」〜ヴァイオリンとピアノのための小品集
ハイドン:ヤコブの夢
ワーグナー(アウアー編):夢
リスト:3人のジプシー
ライネッケ:ロマンツェ Op.3-1
シューマン(アウアー編):予言の鳥 Op.82-7
ヨアヒム:ロマンス ハ長調*
ブラームス:スケルツォ ハ短調
ブラームス:アルバムの一葉 イ短調
ツェムリンスキー:ヴァイオリンとピアノのためのセレナード イ長調
シェーンベルク:ヴァイオリンとピアノのための小品 ニ短調
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番ト長調〜第1 楽章「曙」
グルジ:ヴァイオリンとピアノのためのアリア Op.94
ヨハネス・フライシュマン(Vn)
クリストフ・ウルリヒ・マイヤー(P)
コンスタンティナ・グルジ(P)*

録音:2022年2月21―23日 イタリア ペスカーラ州 モンテシルヴァーノ
※日本語オビ・解説付き
日本でも人気の高いウィーンのヴァイオリニスト、ヨハネス・フライシュマンのODRADEK 第2弾(第1弾はコルンゴルトとツァイスルのヴァイオリン曲集 ODRCD410)。タイトルに掲げら れた SOLITAIRE とは「一つはめの宝石」、つまり指輪やイヤリング、ネックレスなどで大きな 宝石が一粒飾られているものを指す言葉。ここに収録されている曲がそれぞれ大粒の宝石 ということです。ヨハネス・フライシュマンのヴァイオリンはウィーン気質の美音を響かせつ つ、演奏は高貴で気品高く、まさに宝石のような輝きを放つ。そして最後にはギリシャの作曲 家、コンスタンティナ・グルジのアリアが世界初録音されている(これのみ作曲者自身がピア ノの特殊演奏をしている)。 ※デジタル・ボーナス・トラック2 曲はCD には収録されていません。
ODRCD-438
スティリャヌ:12の前奏曲 第1巻(2008-18) ニコラス・コスタンティヌ(P)

録音:2022年6月11-13日 キプロス
ストロヴォロス市立劇場
1972年、キプロス島生まれのコンスタンティノス・Y.スティリャヌの12 の前奏曲 第1巻。世界初 録音。各前奏曲は芸術作品に触発されたもので、たとえば第 9番は有名なクリムトの接吻に基づい ているという。そのため12 曲の性格は様々で変化に富んでいます。前衛的なところは皆無で、近代風 のピアノ曲が好きな人には歓迎されるでしょう。 ニコラス・コスタンティヌは、ブダペストのフランツ・リスト音楽院で学んだ後、ロンドンで修業を重ね、 非常に幅広いレパートリーで活躍しています。
ODRCD-439
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番ニ短調 Op.28
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36
コレッリの主題による変奏曲 Op.42
マチュー・ベルゴ(P)

録音:2022年10月4-5日 イタリア ・ペスカーラ州 モンテシルヴァーノ
フランスのピアニスト、マチュー・ベルゴの弾くラフマニノフのピアノ・ソナタ 2曲他。おそらくこれが マチュー・ベルゴの最初の CD と思われます。このラフマニノフは、いかにもフランス人ピアニストらし く、ロシア的な濃厚さは控えめで、鮮やかな色彩と香りに彩られたもの。技術もとても高度。ラフマニ ノフのピアノ・ソナタは2曲とも長いこと評価されなかったことでも知られるが、ベルゴの演奏はすこぶ る魅力的だ。まだ中堅のようなので今後が楽しみなピアニストです。

ODRCD-440(2CD)
マーラー:交響曲全集Vol.1
(1)スカラタッツィーニ(b.1971):魔力
(2)マーラー:交響曲第4番ト長調
(3)スカラタッツィーニ:調和
(4)マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
ジモン・ガウデンツ(指)
イェナ・フィルハーモニー
(2)リナ・ジョンソン(S)

録音:(1)(2)2022年4月27-30日、 (3)(4)2022 年5月17-20日
ここ10年ほどで特に注目を浴びている指揮者、ジモン・ガウデンツが、音楽総監 督を務めるイェナ・フィルハーモニーを指揮してマーラーの交響曲、それも第 4番と 第5番を一気に2枚でリリース。ジモン・ガウデンツは1974 年、スイスのバーゼルの 生まれ。2010年から 2013年までデンマークのオーデンセSOの首席客演指 揮者を務め、軽快で見通しの良い新鮮な音楽で評判を呼んだ。2018 年にイェナ・フ ィルハーモニーの音楽総監督に就任し、この歴史ある町のオーケストラの水準を大 いに高めています。ここでのマーラー2曲はどちらもガウデンツの力量が良く表れた名 演。音楽は常に明快で重くなることがなく、しかし分析的になったり冷たさを感じさせ たりすることもなく、あくまで風通し良く前に進む。力みなく響きが鳴るのでマーラー の大編成でももたれることなく、耳に心地よい。まだ 40代のガウデンツ、これを聞け ば今後が楽しみになること間違いない。 各交響曲の前に収録されているアンドレア・ロレンツォ・スカルタッツィーニ(1971 年 生まれ)は、2018年からイェナ・フィルハーモニーのコンポーザー・イン・レジデンス を務めています。リナ・ジョンソンは近年メキメキと頭角を現しているソプラノ。ノルウェー のアウステヴォル生まれで、両親はノルウェー人と米国人。
ODRCD-441
フランシスコ・アセンホ・バルビエリ(1823-94):スペイン語歌曲全集
密輸入者/もつれ/五感/サン・フェリペ城との別れ/揚げた魚/魂の苦しみ/プエルトリコに連れて行ってあげる/神のもの/ひよこへのアドバイス/黒人の子/君の眼差しで/峡谷/何ということだ!/可哀想なアルメリア!/ セギディーリャス「トカメ・ロケの家」/君の期待を守りなさい/ 見るたびに/あなたは結婚するでしょう、マリアよ/ 未来のセギディーリャ/神のたいまつ/激しい愛/ 秘めた情熱/匿名の歌/私はあなたを愛していた/他
ソフィア・エスパルサ(S)
リナルド・ゾック(P)

録音:2023年2月8-11日 イタリア、アブルッツォ州 モンテシルヴァーノ
エミーリオ・アリエータの芸術歌曲全集(ODRCD-421)に続くソフィア・エスパルサとリナルド・ゾッ クによるスペイン歌曲集、今回はフランシスコ・アセンホ・バルビエリ(1823―1894)のスペイン語の 歌曲集。フランシスコ・アセンホ・バルビエリはマドリッドに生まれここで活躍した作曲家。サルスエ ラで知られており、代表作「ラバピエスの理髪師」の中のパロマの歌は今でも親しまれています。とは いえスペインの外ではほとんど知られておらず、さらには非サルスエラ作品となると録音も皆無だ ったので、このCD は歓迎されるでしょう。スペイン情緒溢れる陽気な曲ばかりです。 ソフィア・エスパルサはスペイン、ナヴァラ州パンプローナ生まれのソプラノ。リナルド・ゾックはイタ リア、トリエステ生まれのピアニスト。 なお歌詞、解説ともスペイン語のみ。
ODRCD-442
「カリオン・インC」
ライリー:インC
スティヴリナ(b.1985):「国のない男」
ニールセン:木管五重奏曲 Op.43
モーツァルト:ディヴェルティメント第1番 変ホ長調 K.113
デンマーク民謡:私は夢を夢見る
カリオン木管五重奏団

録音:2022年5月20日,2023年1月28日-2 月2日 デンマーク コペンハーゲン
カリオン木管五重奏団のODRADEK への久々の録音。このところ注目を浴びることの多いラトヴ ィアの作曲家、レナーテ・スティヴリナ(1985-)の 「国のない男」の世界初録音が面白い。またニ ールセンの名曲、木管五重奏曲やモーツァルトのディヴェルティメント第1 番も精度の高い演奏で ある。 カリオン木管五重奏団は 2002年結成。ハンガリー出身のフルート奏者ドーラ・シェレシュ(彼女は 2001年の第5回神戸国際フルートコンクールで第2 位を受賞している)、ラトヴィア国立SO の首席オーボエ奏者のエギルス・ウパトニエクス、ラトヴィアのクラリネット奏者エギルス・シェーフェ ルス、デンマーク国立SOのソロ・ホルン奏者ダヴィド・M.A.P.パルムクヴィスト、デンマークの ファゴット奏者ニルス・アナス・ヴェステン・ラーセンの5 人で活動しています。
ODRCD-443(3CD)
マーラー:交響曲全集Vol.2
スカルタッツィーニ(b.1971):トルソ
 墓碑銘
マーラー:交響曲第2番復活」*
スカルタッツィーニ:精霊*
マーラー:交響曲第3番ニ短調
ジモン・ガウデンツ(指)
イェナ・フィルハーモニー
イェナ・フィルハーモニー・フィルハーモニーcho
イェナ・フィルハーモニー児童cho
ヤナ・バウマイスター(S)
エフェリン・クラーヘ(C.A)
イダ・アルドリアン(C.A)

録音:2019年5月23-26日、2019年11月 5-8日*、イェナ・フォルクスハウス、
第1弾のマーラーの交響曲第4番と第5番(ODRCD-440)が話題になったジモン・ガウデ ンツとイェナ・フィルハーモニーのマーラーの交響曲のシリーズ、第 2弾は第2番「復活」と 第3番の大編成2曲を3CD で発売。ジモン・ガウデンツは1974年、スイスのバーゼルの生 まれ。2010年から2013年までデンマークのオーデンセSOの首席客演指揮者を務め て大いに評価を高めた。2018年にイェナ・フィルの音楽総監督に就任、こちらでもオーケスト ラの水準を大いに高めて大評判を得ています。その充実ぶりはこの録音を聞けば一目瞭然、 歴史あるとはいえ11万人規模の中都市とは思えない緻密なアンサンブルと雄弁な音楽は 見事、そのオーケストラを駆使してガウデンツは、明晰で柔らかく透明感に満ちて温かいマ ーラーを奏でています。ガウデンツのマーラーはまさに2020 年代最先端のマーラーでしょう。 今回もイェナ・フィルのコンポーザー・イン・レジデンスを務めているアンドレア・ロレンツォ・ス カルタッツィーニ(1971-)の作品をマーラーの交響曲の前に置いています。なお「精霊」は交響 曲第3番に繋がる作られそのように演奏されています。

ODRBOX-01(7CD)
ラフマニノフ:ピアノ作品全集
コレルリの主題による変奏曲Op.42
ピアノ・ソナタ第2 番Op.36
6 つの楽興の時Op.16
サロン小品集Op.10
練習曲集「音の絵」Op.39
13 の前奏曲集 Op. 32
ショパンの主題による変奏曲 Op.22
幻想的小品集 Op.3
10 の前奏曲集 Op.23
「ラフマニノフによる編曲集」
ラフマニノフ:組曲ニ短調(ピアノ版)を含む全19 トラック
ピアノ・ソナタ第1 番 Op. 28
練習曲集「音の絵」Op. 33
小品集(1887〜1917)全20 トラック
アルトゥール・ピサロ(P)

録音:2013‐14年
「ピアニストの中の詩人」と称賛される、ポルトガルのアーティスト、アルトゥール?ピ サロのラフマニノフのソロ・ピアノ作品全集が待望のセット化!ラフマニノフはピサロ が幼少時から敬愛してやまない作曲家なだけに、その演奏は温もりがあり、音楽に 豊かな広がりを感じます。卓越したテクニックはもちろん、タッチもクリアで美しい。 ※アルトゥール・ピサロは 1968 年ポルトガルのリスボン生まれ。神童として幼少時か ら演奏活動を行い、マレイ・ペライアやラドゥ・ルプーが優勝したリーズ国際コンクー ルの1990 年優勝者(ラフマニノフのピアノ・ソナタ第2 番とピアノ協奏曲第3 番を演 奏!)であり、Hyperion レーベルや LINN レーベルなど録音も多数の実力派ピアニ ストです。

SAND-0001
サルヴァトール・ムンディ「パーセル・レガシー
ペルハム・ハンフリー(1646/8-1674):わが神、なにゆえわたしを捨
てられるのですか
ジョン・ブロウ(1648/9-1708):サルバトール・ ムンディ
ジョン・ブロウ:ヴォランタリー ハ長調(オルガン独奏)
パーセル:あなたがたは、主にあっていつも喜びなさい(ベル・アンセム)
ジェレマイア・クラーク(c1674-1707):主は高い所からみ手を伸べて
パーセル:主をほめたたえよ
ヘンデル:フーガ.変ロ長調(オルガン独奏)
モーリス・グリーン(1696-1755):あなたは地に臨む
ウィリアム・ボイス(1711-1779):全地よ、主にむかって喜ばしき声を
あげよ
ウィリアム・ボイス:ヴォランタリ第9番(オルガン独奏)
ウィリアム・ジャクソン(1730-1803):主よ、わたしにお答えください
ウィリアム・ジャクソン:わが神よ、悪しき者の手からわたしを救いわたしを救い出してください。
ウィリアム・ジャクソン:主よ、わたしはあなたに寄り頼みます
トム・ウィルキンソン(指、Org)
聖サルヴァトール・チャペルCho
フィッツウィリアムSQ

録音:2014 年6 月30 日、7月1 日、キルレニー・パシッシュ教会,スコトランド
※日本語解説付き
イギリスのセントアンドルーズ大学図書館には作曲家のジェラルド・フィンジ(1901-56)がコレクションした700 巻もの楽譜、文献などが所蔵されています。これらは18 世紀に出版されたイギリスの作曲家のものが中心で、100 点にも及ぶ直筆譜も含まれる大変貴重なものです。指揮者でオルガン奏者のトム・ウィルキンソンがこのコレクションで出会ったウィリアム・ジャクソンの独自の音楽に惹かれ、パーセルからジャクソンに至る系譜をたどるというアイディアから生まれたのがこのアルバムです。
SAND-0002
SANCTIANDREE シリーズ
「Ca' The Yowes」〜スコットランド民謡のタペストリー
伝承曲(ウィルキンソン編):スカイ・ボート・ソング/ ハイランドの若者/私のラガンの愛/ジョン・アンダーソン・マイ・ジョー/蛍の光
伝承曲(ヴォーン・ウィリアムズ編): アリステア・マカルピンのラメント/ Ca' The Yowes/ロッホ・ローモンド/キジバト
ジェームス・マクミラン:ソー・ディープ
伝承曲(キッチン編):マル島
伝承曲(クレイグ&ウィルキンソン編):ロンドンデリー・エア
伝承曲(ウィルコックス編):アフトンの流れ
伝承曲(B.パリー編):美しいドゥーン川の岸辺
伝承曲(カシュモア編):恋人は赤い、赤いバラ
ハーミッシュ・マッカン(ジェレミー・カル編):山と湖の国(オルガン・ソロ:トム・ウィルキンソン)
聖サルヴァトール・チャペルcho
トム・ウィルキンソン(指)

録音:2015年6月2日-4日
スコットランドのセント・アンドルーズ大学が誇る合唱団。その歴史は15 世紀初頭の大学創立 時とほぼ同じ。歌い続けられ継承されてきたレパートリーを大切に、礼拝での合唱に加え、演奏 会や世界初演を数多く披露するなど知名度は抜群です。今作ではスコットランドの美しい民謡 をセレクトしたアルバム。オルガン奏者でこの聖サルヴァトール・チャペル合唱団の監督を務め ているトム・ウィルキンソンの編曲を含む美しい合唱曲の数々。 ※ブックレットに詳細な日本語解説・歌詞対訳付き。
SAND-0003
SANCTIANDREE シリーズ「バッハと古様式」
バッハ:われは唯一の神を信ず BWV 1081 (原曲:バッサー
ニ)
ジョヴァンニ・バッティスタ・バッサーニ:われは唯一の神を信ず
アントニオ・カルダーラ(J.S.バッハ編):イスラエルは耐えたBWV 1082
バッハ:聖霊なる神よ BWV 671
ジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナ:キリエ (「ミサ・シネ・ノミネ」より)
ジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナ:グロリア(「ミサ・シネ・ノミネ」より)
バッハ:深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる BWV 686
バッハ:ミサ曲 ロ短調 BWV 232 より
ニカイア信条/我信ず,唯一の神を/ 全能の父/キリストの受肉/十字架にかけられ/復活/ 我は信ず、主なる聖霊/主は洗礼を認める/ エト・エクスペクト
聖サルヴァトール・チャペルcho
トム・ウィルキンソン(指、Org)
フィッツウィリアムQ

録音:2015 年6 月&10 月
※日本語解説・歌詞対訳つき
スコットランドのセント・アンドルーズ大学が誇る合唱団。その歴史は15 世紀初頭の大学創立 時とほぼ同じ。歌い続けられ継承されてきたレパートリーを大切に、礼拝での合唱に加え、演奏 会や世界初演を数多く披露するなど知名度は抜群です。今作では、16 世紀後半から 17 世紀 前期にかけて伝統的な声楽ポリフォニーの作曲法で作られた音楽=スティル・アンティコ(古様 式)の作品と、J.S.バッハの作品を収録。 ※ブックレットに詳細な日本語解説・歌詞対訳付き 。
SAND-0005
(SANCTIANDREE シリーズ)
「ルター派の苦しみの歌」
堅固な城砦に基づく即興
プレトリウス:堅固な城砦
コッター:深い苦しみから
作者不詳:深い苦しみから
ヴァルター:深い苦しみから
レジナリウス:愚か者たちの口は
シャイデマン:愚か者たちの口は
シュッツ:深みから私はあなたを呼びます、主よ
シュッツ:永遠の父である神よ、哀れんでください
ブルーンス:深みから私はあなたを呼びます、主よ
ブクステフーデ:「私たちのイエスの四肢」―足について,膝について
ブルーンス:あなたの涙の流れを止め
トム・ウィルキンソン(指)
ケリー・コンソート
セント・アンドルーズ大学聖救世主礼拝堂cho

録音:2017年5月18日 バーミンガム(Orgfン独奏) 、2017年3月18,20,21日 ダンディー
ルターのコラールに基づいた 16、17 世紀の様々な音楽を集めている。スコットランド、セン ト・アンドルーズの 1413 年創立というセント・アンドルーズ大学の中にある、1450 年建立の聖 救世主礼拝堂 St Salvator's Chapel の合唱団による演奏。600 年の歴史を誇るだけに立派な 演奏である。
SAND-0006
(SANCTIANDREE シリーズ)
「ジェームズ・マクミラン:お告げ」 〜21世紀の宗教音楽
ジェームズ・マクミラン(b.1959):アヴェ・マリア
 ザカリアのカンティクム
ジョン・タヴナー(1944-2013):お告げ
ケネス・レイトン(1929-1988):マニフィカト
 ヌンク・ディミティス
ジェームズ・マクミラン:新しい歌
アンセルム・マクドーネル(b.1994):ヒネニー
ドミニク・デ・グランデ(b.1980):「眠っている間、サバは私にヤコブについて語った」
ケレンサ・ブリッグズ(b.1990):エクソダスV
ショーン・ドハーティ(b.1987):神はサムエルを呼ぶ
リサ・ロバートソン(b.1993):沈黙の言葉の音
スチュアート・ビーチ(b.1991):ソロモンの受胎告知
ジェームズ・マクミラン:そして主の使が彼らの上にきた
ブリテン:聖処女への聖歌
ジュディス・ビンガム(b.1952):お告げ
ジェームズ・マクミラン:おお、眩しい夜明け
トム・ウィルキンソン(指)
セント・アンドルーズ大学聖サルヴァトール・チャペルcho
ショーン・ヒース(Org)

録音:2017年6月
ジェームズ・マクミランの作品を中心に彼が影響を受けたジョン・タヴナー、ベンジャミン・ブ リテン、さらには彼が将来に期待する現在 20〜30 代の若手作曲家による混声合唱とオルガ ンによる新しい宗教音楽を集めた。マクミランを初めとしていずれも新しい調性、ロマンティシ ズムを志向する美しい作品が多い。マクミランは指揮者としてN 響に客演したこともあり、新ロ マン主義的な傾向の作曲家として知られています。

VXR-0001
VOX REGIS シリーズ
「おお、聖なる饗宴よ」〜宗教音楽の饗宴
フィリップ・クック(1980-):幸いなる光よ/聖霊よ来たりたまえ/おお、聖なる饗宴よ
バッハ:高き天よりわれは来れ BWV701/わが魂は主をあがめBWV733/幻想曲BWV562/人よ,汝の大いなる罪を悲しめBWV622
トーマス・タリス(c.1505-1585):汝等もし我を愛せば/オ・ナタ・ルクス
ビクトリア(c.1548-1611):おお、偉大なる神秘よ/おお、なんと栄光に満ちた
トマス・ウィールクス(1576-1623):ダビデの子にホサナ
パーセル(1659-1695):私の祈りをお聞きください/主よ、あなたは私たちの心の底までご存知です
アントニオ・ロッティ(1667-1740):十字架につけられ
ジョン・ステイナー(1840-1901):神はかくもこの世を愛したもうた
チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード(1852-1924):正しき人の魂は
ジョン・タヴナー(1944-2013):子羊
ポール・ミーラー(1975-):ロクス・イステ
ジョン・F・ハドソン(1987-):ウクライナのキャロル
トーマス・ラヴォイ(1990-):めでたし、海の星
アバディーン・キングス・カレッジcho
デヴィッド・J・スミス(指、Org)

録音:2015年6月2日-4日
スコットランドのアバディーン・キングス・カレッジ合唱団は、18 人の聖歌隊で、キングス・カレ ッジ礼拝堂と、セントマーカー大聖堂で活動。バッハ、タリス、パーセルなどの有名な宗教曲か ら、イギリス出身のタヴナー、アイルランド出身のスタンフォードといった彼らにとって身近な作 品を収録したボリューム満点のアルバム。このアルバムの最初と最後の作品はアバディーンに 縁のある作曲家の作品を収録(クック、ハドソン、ラヴォイ)。世界初録音。
VXR-0004
(VOX REGIS シリーズ)
「国を追われてEXILED」 〜ピーター・フィリップス(1560/61‐1628)とリチャード・ディリング(1580 頃‐1630)の音楽
フィリップス:今日山で
ディリング:ファンタジア第1 番,パヴァン第4 番,オルメイン第4 番
フィリップス:パジェット・パヴァン,パジェット・ガリャード
ディリング:ファンタジア第2 番,ファンタジア第5 番
フィリップス:1580 パヴァン,フィリップス・パヴァンのためのガリャード
ディリング:イン・ノミネ第2 番
ダウランド/フィリップス:パイパーのガリャード
モーリー/フィリップス:パヴァン,ガリャード
ホルボーン/フィリップス:ガリャード,ノウィルス・ガリャード
ダウランド/フィリップス:パイパーのガリャード
フィリップス:パジェット・パヴァン,パジェット・ガリャード
ディリング:ファンタジア第3 番
フィリップス:アルマンド,大公のエール,祝福されし神の御母
ローズ・コンソート・オブ・ヴィオールズ
アバディーン・キングズ・カレッジcho
デイヴィッド・J.スミスセ(Cemb)

録音:2017年5月29−31日 スコットランド,アバディーン
国を追われて EXILED と題された 1 枚。英国生まれでブリュッセルで亡くなったピーター・ フィリップス(1560/1561―1628)、やはり英国生まれでオランダで長く活躍したリチャード・ディ リング(1580 頃―1630)らの、合唱曲、ヴィオール曲、チェンバロ曲が収録されている。ローズ・ コンソート・オブ・ヴィオールズは英国のヴィオール・アンサンブル。このCD ではトレーブル・ヴ ィオール、テノール・ヴィオール、バス・ヴィオール各2 人の6 人編成となっている。


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