湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5


TOCCATA
(イギリス)


まだ手を付けられていない数多くの作品、作曲家を紹介するイギリスのレーべル。



 ※「単価=¥0」と表示されるアイテムは廃盤です。

※品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者
TOCC-0002
モーツァルト(アレクサンドル・クニャーゼフ編):チェロ・ソナタK301/K376/K379 アレクサンドル・クニャーゼフ(Vc)、
エドワール・オガネシアン(P)

録音:1997年11月13日モスクワ、チャイコフスキー音楽院、小ホール
全曲初録音。
TOCC-0003
ラインハルト・オッペル:ピアノ作品集第1集
小組曲 Op.26
ピアノ・ソナタ 第1番 ト短調
5つの小品 Op.21/ワルツ第2セット
カン・ヒージュン(P)

録音2006年7月24-25日 ハーストウッド・ファーム・ピアノ・スタジオ
1878年に教師の息子として生まれたオッペル(1878-1941)は、フランクフルトでヴァイオリン、ピアノと作曲を学びます。その当時にオルガンの為の作品を出版するほど、才能を嘱望され、以降、合唱曲や歌曲なども手掛けます。1903年から1909年までルーテル教会の第2オルガニストの地位を得て、1928年からはライプツィヒで音楽理論の教授として活躍します。そんな彼の音楽は二次世界大戦中、文字通り地下に潜ってしまいましたが、(ロシア軍の攻撃から逃れるために、自作のスコアを庭の床下に隠したとか)終戦後、無事に彼の息子によって発見されました。そんなオッペルの音楽はなかなか複雑怪奇なもので、後期ロマン派的な音をもう少しねっとりとさせたような味わい。美しさよりも音の繋がりを楽しむと言った感じでしょうか?例えばワルツなどでも、決して楽しくなるようなリズムを持っていないところが興味深いと言えるでしょう。
TOCC-0005
ブライアン(1876-1972):歌曲集
シェイクスピア、サミュエル・ダニエル、ダン、レジナルド・ヒーバー、フレデリック・G. ボウルズ、C.M. マスターマン、ヘリック、テンプル・キーブル、ブレイクの詩による歌曲集、伝説*
ブライアン・レイナー・クック(Br)、
ロジャー・ヴィニョールズ(P)、
スティーヴン・レヴィン(Vn)*、
ピーター・ロウソン(P)

録音:1982年3月14日&4月13日ロンドン、ウィグモア・ホール/1981年12月14-15日ロンドン、クラクストン・スタジオ
TOCC-0006
ベルトゥフ(1668-1743):リオ・ソナタ第8番/第11番/第12番/第14番/第15番/第17番/第21番、
ヤーコプ・メストマッヒャーの音楽帖〜第106番「行進曲」/第248番「アリア」(ベルゲン・バロック編)/第75番「パスピエ」/第 13番「メヌエット」/第53番「ガヴォット」/第166番「アレグロとトリオ」
ベルゲン・バロック(古楽器使用)

録音:2001年9月、2003年6月ノルウェー、ベルゲン、ノルウェー放送
全曲初録音。
TOCC-0007
ヴァインベルク:ヴァイリン・ソナタ全集第1集
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.12…初録音
無伴奏ヴァイオリン・ソナタOp.82…初録音
ヴァイオリン・ソナタ第4番Op.39
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネOp.46
ユーリ・カルニツ(Vn)
マイケル・チャーンニィ・ウィリス(P)

録音2008年8月26-30日、2009年7月13-18日
最近、ヴァインベルクのもリリースが多くなってきました。TOCCATAレーベルではヴァイオリン・ソナタの全集完成を目論んでいます。これはその第1集目。第1番のヴァイオリン・ソナタはヴァインベルクがタシュケントに移り結婚した頃の作品で、民謡風の主題や、美しい第2楽章など独自性は乏しくとも聴きどころの多い曲です。第4番は1947年に書かれ、名ヴァイオリニスト、レオニード・コーガンに捧げられています。憂鬱なアダージョに始まり、身の置きどころのないような狂おしいアレグロへと移ります。1948年のソナチネはジダーノフ批判で彼の作品の演奏が禁止になった頃のもの。平易な作風ですが微妙にねじれている感が素敵です。一転、1960年の無伴奏は孤高の厳しさを備えた作品です。
TOCC-0008B03
ライヒャ:ピアノ作品全集第1集
ソナタト長調Op.46-1
ソナタ変ロ長調Op.46-2
ソナタホ短調Op.46-3
2つの幻想曲Op.59<第1番ハ長調/第2番ヘ長調>
ヘンリク・レーヴェンマルク(P)

録音:2007年4月10-13日ケント,ボロウ・グリーンハルストウッド・ファーム、2015年12月21-22日カーディフランダフ大聖堂学校
※初録音
アントニン・ライヒャ(レイハとも1770-1836)は、チェコ出身の作曲家。フランスとドイツで長く活動したため様々な名前で呼ばれます。彼はベートーヴェンの友人で、ベルリオーズ、リスト、フランクの師であったことでも知られます。木管を用いた室内楽作品が主に知られていますが、実は革新的なピアノ曲も何曲か書いています。Toccataレーベルではそんなライヒャのピアノ曲全曲録音に取り組み始めました。この第1集の収録曲は古典的な形式によるソナタが中心ですが、彼の作品の中で比較的知られているのは、当時演奏困難とされた「変奏曲Op.57」でしょう。1時間を越える長さといい、使われた技巧といい、当時としてはかなり先鋭的な作品で、今後のリリースが楽しみです。
★試聴リンク
TOCC-0009
ミルフォード(1903-59):ピアノ曲と歌曲集
私のレディの喜び
4つの厳格な歌第2、4番
ゆりかごの歌/夜明け/正方形の評判
歌とピアノのための4つの歌第1、2、4番
4つの季節的な歌第2、4番
前奏曲,エアと終曲/白鳥の歌
ジェニファーのチリンチリン
日,そして瞬間第4番「墓碑銘」
フィルリダ・バニスター(C.A)
ラファエル・テッローニ(P)
フィンジやヴォーン=ウィリアムスとも友人であったミルフォードですが、その音楽は全くもってユニークです。牧歌的、温和、控え目な美しさはイギリス音楽に共通するものですが、彼はそこに更に暗い抒情性を加えました。楽しげなダンス音楽ですら、一抹の哀愁を帯びています。これがまた素敵です。
TOCC-0010
ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):2台のピアノのための主題と変奏*、
アロートリア(ピアノ連弾のための)*、
ピアノ連弾のためのブラームスの主題による変奏曲、
ピアノ連弾のためのワルツ、
ピアノ独奏のための「ドン・ジョヴァンニ」からのメヌエットによる変奏曲*、
ピアノ独奏のためのカプリッチョ* 
ールドストーン&クレモウ・ピアノデュオ、
アンソニー・ゴールドストーン(P)

録音:2004年2月イギリス、北リンカンシャー州、アルクバラ、セント・ジョン・ザ・バプティスト教会
*印=世界初録音
TOCC-0012
合唱作品集〜ヴィクトリア女王を讃えて
グッドハート(1866-1941):女王陛下は銀の玉座の上で
サマヴェル(1863-1937):共に祝福を
ロイド(1849-1919):海で千年の歴史を
エルガー(1857-1934):彼女が不動の星の下に
スタンフォード(1852-1924):西風の外で
ブリッジ(1844-1924):堂々たる一日の不可思議
ステイナー(1840-1901):花の女王
ウッド(1866-1926):世紀の最後から2番目
マッケンジー(1847-1935):知恵と善と恩寵
パリー(1848-1918):偉大さと共に
ディヴィース(1869-1941):世界は称賛に満ちている
マーティン(1926-):彼女のマントの裳裾は海岸地帯まで
パラット(1841-1924):ヴィクトリア女王陛下の大勝利
エイダン・オリヴァー(指)スピリタス室内cho
1899年のヴィクトリア女王の80才の誕生日を祝うためその時代の主要な作曲家および詩人のうち13名が選ばれこれらの厳粛な合唱作品を造り上げました。これらはエリザベス王朝期の注目すべきマドリガル選集である1601年に出版された《オリアーナの勝利》に模して作られ100部だけの限定版として公表されたのです。19〜20世紀にかけてのイギリス音楽の魅惑的なスナップ写真とも言える合唱作品の玉手箱のような曲集です。無伴奏合唱の荘厳で透明な響きには心が洗われる思いがします。
TOCC-13
ヴラダス・ヤクベナス:室内楽と器楽作品集
(1)弦楽四重奏曲Op.4(1929-30)
(2)ピアノのための「2つの絵画」Op.2(1926-27)
(3)5.ヴァイオリンとピアノのための「メロディ-伝説」(1930-31)
(4)チェロとピアノのための「セレナーデ」(1936)
(5)弦楽オーケストラのための「前奏曲と3つのフーガ」ニ短調(1828-1829)
(1)ヴェルニウスSQ
(2)カスパラス・ウィンスカス(P)
(3)ルネス・マタイティテ(Vn)
 アルビナ・シクスニウテ(P)
(4)エドモンダス・クリカウスカス(Vc)6
 アルビナ・シクスニウテ(P)
(5)聖クリストファー室内O
 ドナタス・カトクス(指)

録音:1999年2月12日ヴィルニウス・レコーディング・スタジオ
作曲家、評論家、教師として活躍したヤクベナス(1904-1976)。彼は第二次世界大戦の際にアメリカに亡命する前は、リトアニアの音楽界の主要人物でした。1928年から1932年にベルリンでシュレーカーに学び、最初は新古典主義の様式で音楽を書き「リトアニアのヒンデミット」と呼ばれるほどの人気を得たのです。しかし祖国に戻ってからはリトアニアの民族音楽を取り入れた後期ロマン派風の重厚な音楽を作曲するようになります。このアルバムにはシュレーカーに師事していた頃の作品が収録されていますが、確かに当時の不安な世相を反映した陰鬱さが垣間見える独自の音楽です。
TOCC-0015
テイラー(b. 1964) :弦楽四重奏曲第3番、
ピアノ三重奏曲、葛藤と安らぎ
シドロフqQ ロウベリー・ピアノ・トリオ、
マーティン・ブラビンズ(指)BBC響団員

録音:1996-1997年 
全曲初録音(作曲者臨席による)。
TOCC-0017
NX-B03
ライヒャ:ピアノ作品全集 第2集
6つのフーガ Op.81(1810年頃出版)
グレトリーのロンドの主題によるピアノのための練習曲、または57の変奏曲(1824年頃出版)
主題/変奏 1-57/ロンド
ヘンリク・レーヴェンマルク(P)

録音:2007年4月12-13日,2015年12月21-22日
世界初録音
チェコに生まれ、ドイツ、フランスで活躍したライヒャ(レイハ)。同じ年に生まれたベートーヴェンとは少年時代に知り合い、生涯友情 を結んでいたことでも知られています。マンハイム楽派からの影響を受けた管楽器のための作品が有名ですが、様々な趣向が凝ら されたピアノ曲はほとんど知られていません。このアルバムでは、作曲技法の習得を目的としたバロック様式の「6つのフーガ」と、驚く ほど多彩な変奏技術が発揮された「57の変奏曲とロンド」の2作品を収録。知られざるライヒャを楽しむことができます。
TOCC-0018
バラキレフ:ロシア民謡曲集
ロシア民謡による大幻想曲Op.4
ロシアの人々の30の歌(原曲とバラキレフ編曲を交互に収録)
ヨゼフ・バノヴェツ(P)、
コンスタンチン・クリメツ(指)ロシアPO、
オルガ・カルギナ(S)、
スヴェトラーナ・ニコラーエワ(Ms)、
ヨゼフ・バノヴェツ&アルトン・チュン・ミン・チャン(ピアノ連弾)
ロシア音楽の祖、バラキレフは自国の民謡から多大なる創造力を得た人です。このアルバムに収録されている「大幻想曲」はまさに彼の最初の作品で、17歳の時に書かれたものです。そして30の民謡は「30の歌」はロシア民謡を元にしたもので、バラキレフによる編曲と元ネタを交互に演奏するという、ロシア好きにはたまらない逸品です。
TOCC-0019
ファルカシュ(1905-2000):木管五重奏のためのセレナーデ、
クアットロ・ペッツィ(コントラバスと木管五重奏のための)、
「フルーツ・バスケット」(シャーンドル・ヴェレシュの詩によるソプラノと木管五重奏のための連作歌曲集)、
17世紀ハンガリーの古い舞曲(木管五重奏版)、
ロンド・カプリッチョ(ヴァイオリンと木管五重奏のための)*、
ラヴォッティアーナ(木管五重奏のための)
ディーター・ランゲ(Cb)、
ウルリケ・シュナイダー(Ms)、
ダニエル・ドッズ(Vn)、
フォイブス・クインテット

録音:1999年6月17-18日、
2000年1月17-18日スイス、アーレスハイム、改革派教会
*印=世界初録音
TOCC-0021
ロベルト・カーン:室内楽作品集第1集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調Op.5
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調Op.26
ヴァイオリン・ソナタ第3番ホ長調Op.50
ユリア・ブシュコーワ(Vn)
アルセンティ・ハロトノフ(P)

録音:2014年5月21-23日テキサス,北テキサス大学マーチソン・パフォーミング・アーツ・センター,ウィンスペア・オーディトリウム
※初録音
ロマン派の作品が隅々まで発掘されている現代において、この人の作品を聞く機会も多くなってきたように思います。ロベルト・カーン(1865-1938)は、マンハイムで裕福な家の7人兄弟の2番目の息子として生まれ、ベルリンで最初の音楽教育を受け、その後はミュンヘンでラインベルガーに師事、やがてウィーンでブラームスに出会い、その作品に強く影響を受けたといいます。しかし彼はブラームスに師事することはなく、兵役を終えてから作曲家として独り立ちし、現在のベルリン芸術大学で教鞭をとることとなります。指導者としても優秀であり、作曲家のスカルコッタスやピアニストのヴィルヘルム・ケンプら素晴らしい後進を輩出したことでも知られています。彼は一時期ベルリン芸術アカデミーのメンバーにも選出されましたが、「ユダヤの血」を引いていたことが理由で、役職を解かれ、結局その作品も出版、上演禁止となってしまったため、すっかり忘れられてしまったのです。このヴァイオリン・ソナタは実に精妙なスタイルで書かれていて、ブラームス的な香りも感じさせながら、もっと未来を予見させるものでもあります。
TOCC-0023
ミスリヴェチェク:弦楽のための作品集第1集
協奏交響曲ハ長調 Op.2-6
協奏交響曲変ロ長調 Op.2-1
協奏交響曲ホ長調 Op.2-2
協奏交響曲ニ長調 Op.2-5
協奏交響曲ト長調 Op.2-3
協奏交響曲イ長調 Op.2-4
ゲイリー・ブレイン(指)ウラルスクPO
プラハに生まれ、イタリアで活躍したミスリヴェチェクは、若きモーツァルトに影響を与えた作曲家の一人として知られています。これらの協奏交響曲は1760 年代中頃に作曲され、どれもが優美で柔軟、伸びやかな音に満ちています。
TOCC-0024
ユリウス・レントヘン:室内楽作品集第1集〜ヴァイオリンとピアノのための作品集第1集
ロマンスト短調/ソナタホ長調Op.40
独奏ヴァイオリンのための幻想曲
ヨトゥンヘイムから
三部作のソナタ
佐原敦子(Vn)、ジョン・レネハン(P)

録音:2008年3月26-28日サセックスチャンプ・ヒル,ミュージック・ルーム
オランダで活躍したドイツ人の作曲家、音楽教師ユリウス・レントヘン(1855-1932)。父はゲヴァントハウス管のヴァイオリニストであり、母はピアニストという音楽家の家庭で生まれ、幼い頃から父母に音楽を学び、当然のように神童として名を上げ、数多くの音楽家たちとも親交を持ち、25曲の交響曲、17曲の協奏曲、32曲の弦楽四重奏曲、14曲のピアノ三重奏曲など驚異的な数の作品を残しています。彼の作品からは同世代のシューマン、リスト、ブラームスの影響も感じられますが、基本的には穏健な作風を少しずつ発展させ、時代に即した音楽を書いた人です。この中の「ヨトゥンヘイムから」はグリーグの影響を受けた作品で、ノルウェイの民謡に基づく旋律が使われています。ヴァイオリニスト佐原敦子さんは芸大で学んだ後、ウィーンに留学し、ヨハネス・マイスル氏に師事した人。日本国内をはじめ、世界中で幅広く活躍している期待のヴァイオリニストです。東欧の音楽にも造詣が深く、その熱き情熱を秘めた歌心は高く評価されています。
TOCC-0025
レオン・シニガーリャ:室内楽曲集
ヴァイオリン・ソナタト長調 Op.44
チェロとピアノのためのロマンツェニ長調 Op.16-1
ヴァイオリンとピアノのためのカヴァティーナト長調 Op.13-1
チェロ・ソナタハ長調 Op.41
ソロミア・ソロカ(Vn)
ノレーン・シルヴァー(Vc)
フィリップ・シルヴァー(P)

録音:2008年7月1-2日ニューヨーク ペイトリッチ・サウンド・スタジオ、2009年11月25-26日インディアナ リース・リサイタル・ホール
※全て初録音
トリノのユダヤ系の上流階級の家庭に生まれ、幼い頃から文学や芸術に触れ、その感性を養ってきたシニガーリャ(1868-1944)。青年時代の彼は、芸術に関心を示すとともに、山をこよなく愛していました。休日はたいてい登山に費やし、彼が愛した「ドロミティ・アルプス(チロル地方の高山)」の登攀記録は現在でも登山文学の名著として知られているほどです。彼はブラームスと親交を結び、また1900年からはドヴォルザークに師事することで、民謡にも深い関心を持ち、イタリアの民族音楽を自作の歌曲に取り入れるなど、活発な創作活動を行いました。しかし、ナチスの台頭によって、創作意欲を失い、最期は、強制収容のために自宅に押し掛けてきた警官を見てショックのあまり息絶えたという悲劇の人でもあります。トスカニーニやバルビローリが彼の音楽を愛していたこともあり、一時は多大なる人気を得ていたのですが、その一連の作品は時代とともに忘れ去られてしまいました。この美しい室内楽曲は、彼の幸せな時期に書かれたものでしょう。陰影ある音の流れは、まるで移り変わる風景を見るが如く美しいものです。
TOCC-0026
ワインベルク:ヴァイオリン・ソナタ全集第2集
モルダヴィアの主題による狂詩曲Op.47-3(1949)
ヴァイオリントピアノのためのソナタ第2番Op.15(1944)
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番Op.95(1967)*
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第5番Op.53(1953)
ユーリ・カルニッツ(Vn)
マイケル・チャーニ=ウィルス(P)

録音:2013年6月22-23日ロンドンフルハム・ブロードウェイ,聖ジョン教会
※*…初録音
1996年にワインベルク(1919-1996)が死去して以来、世界中の音楽家や愛好家たちは彼の作品に注目し、世界中で演奏が繰り返され、埋もれていた作品もどんどん復興されています。ワルシャワで生まれ、第二次世界大戦勃発後ソビエトに亡命、ショスタコーヴィチと知り合い、強い影響を受けたワインベルクですが、当時社会を席巻していた「反ユダヤ主義」とジダーノフ批判からは逃れられず、1953年には逮捕されるなどの苦難の生涯を送ります。しかし創作意欲は衰えることなく、7つの歌劇を始め、26の交響曲、17の弦楽四重奏曲など、総計200曲以上もの作品を残しました。彼の作品にみられるショスタコーヴィチの作品への親近性と、独特のメロディの美しさなどが愛される所以でしょう。
TOCC-0027
カプスベルガー(1580-1651):<アリア集第2巻> イル・フリオーソ、ヴィクトル・コエーリョ(音楽監督)

録音:2004年6月3-7日カナダ、アルバータ州、カルガリー、マウント・ロイヤル・カレッジ、ワイアット・リサイタル・ホール
TOCC-0028
ヴラダス・ヤクヴナス:合唱作品集
1.ああ、私は行くだろう
亡命者と追放の歌
われらの母の舌
夜の祈りにて
私は多くの愛を持っていた
静かに、小さな妹よ
イエス、汝はわが人生の芸術
ああ、もし私が彼を見ることができたなら
私はここに、栄光の王よ
沈黙の中で芸術を祝した
海の上、ネムナス川を越えてああ、父は彼の親愛なる娘に手渡す
わが庭を歩く
ああ、少女が育つ、育っている
母は娘を育てた
高い丘、低い牧草地
小さな鳥が止まっている
海を越えて
ヴィリニュス・ユースCho
ヴァツロヴァス・アウグスティナス(指)

録音:2004年12月リトアニアヴィリニュス,リトアニア放送スタジオ
※初録音
リトアニアの音楽家ヴラダス・ヤクベナス(1904-1976)の合唱作品集です。ベルリンでシュレーカーに作曲を学んだヤクベナスは、祖国の音楽文化を構築するために帰国し活動を始めますが、ナチスの侵略とソ連の占領に阻害されドイツの難民キャンプに送られてしまいます。そしてシカゴに亡命、定住。ここでリトアニアの民俗音楽を基底にした合唱曲を数多く作曲し、生涯を終えることとなります。このアルバムで指揮をしたアウグスティナスは、ヤクヴナスの作品を「芸術的で叙情性に満ちた素晴らしい作品集」と賛美しています。
TOCC-0029
アルカン:オルガン作品集第1集
11の大前奏曲とヘンデルのメサイアのトランスクリプション、
ペダルだけのための12の練習曲第 1番〜第6番、
ベネディクトゥス
ケヴィン・ボウヤー(Org)

録音:2005年5月15-16日イギリス、ブラックバーン大聖堂
全曲初録音。
TOCC-0031
アルカン:オルガン作品集第2集
オルガンのための/
足鍵盤のための12の練習曲より第7-12番
11の宗教的な小品とヘンデルのメサイアによるトランスクリプション
ケヴィン・ボウヤー(Org)
最近のヴィルトゥオーゾ・ピアノブームのおかげで、アルカンの作品もずいぶん有名になってきました。しかしまだ彼のオルガン作品を耳にする機会はあまり多くありません。このシリーズの第1巻(TOCC0030)も話題になりましたが、この第2巻も驚くべきレパートリーが収録されています。聴き手を感動の渦に巻き込みます。
TOCC-0033
トーヴィー(1875-1940):交響曲ニ調、
歌劇「ディオニュソスの花嫁」〜前奏曲*
ジョージ・ヴァス(指)マルメ歌劇場O
*印=世界初録音

TOCC-0034
ショスタコーヴィチ:2台&4手のためのピアノ作品全集第1集
交響曲第9番…世界初録音*
映画音楽「団結(大いなる川の歌)」〜ワルツOp.95d*
バレエ組曲第2番〜ポルカ*
コルジンキナの冒険Op.59〜第3番「追跡」*
2台ピアノのための組曲嬰ヘ短調 Op.6#
タランテラOp.84d/楽しい行進曲Op.84c#
2台のピアノのためのコンチェルティーノ.イ短調 Op.94#
ヴィッキー・ヤンノウラ(P)
ヤコブ・フィケルト(P)
*…連弾, #…2台ピアノ

録音:2007年7月17日.20日ハーストウッドファーム・ピアノ・スタジオ
管弦楽作品のアレンジも含め、ショスタコーヴィチの4手作品を網羅しようというシリーズの第1弾。
これは、最初の交響曲第9番から心が踊ります!決して先を急がない悠然としたテンポの効果が絶大で、そのテンポ感から皮肉たっぷりのニュアンスが溢れ出ます。低音部を中心としたドスのきいた抉りがこれまた痛快!オーケストラ作品のピアノ・ヴァージョンというのは、オケに比べて情報量の点で聴き劣りがすることも少なくありませんが、これはそのジレンマなど感じさせず、単独の作品として独自の魅力を放っています。その特徴は、ポリカやマーチといった明るい作品だけに言えることではなく、「2台ピアノのための組曲」第1曲の壮麗な色彩の広がり、終曲の鋼のようなリズムの躍動と重量感など、シリアスな作品に於いても、ヤンノウラとフィケルの完璧に調和したピアニズムが功を奏して極めて求心力の高い演奏を披露しています。
極めつけは、最後の「コンチェルティーノ」!アルゲリッチも録音している傑作ですが、主部に入る際のメランコリーから、いつの間にか躁状態の楽想に転じるプロセスのなんという鮮やかさ!ヤンノウラ&フィケルのピアノは、どちらがどう弾いているという印象を聞き手に意識させず、まさに一体化したピアニズムを披露しながら、作品全体を強固に凝縮しているのです。
このプロジェクト自体、資料的にも重要でしょうし、「ショスタコーヴィチ・マニア」垂涎でもありましょう。しかしそれ以上に、ピアニストとしても一流だったショスタコーヴィチのピアニズムの魅力を根底から掘り下げてくれた二人のピアニストのおかげで、音楽を心から味わうためのアルバムとなっていることを喜ばずにはいられません。「4手作品は特殊なジャンル」というイメージは、少なくてもここでは感じないはずです。是非ご堪能あれ!【湧々堂】
TOCC-0035
リスト:交響詩集第1集(オーギュスト・ストラーダルによる独奏ピアノ編曲版)
交響詩「前奏曲」
交響詩「英雄の嘆き」
交響詩「理想」
リスト=マッティ・マリン(P)

録音:2007年11月29日-12月1日フィンランドクーサンコスキ、クーサー・ホール
リストの13ある交響詩は、作曲家自身によって2台ピアノ用に編曲された版が存在しますが、こちらは彼の弟子であったストラーダルがピアノ独奏用に編曲したものです。ストラーダルはチェコのピアニストで、リストの他にブルックナーにも師事したことがあります彼の名前はリストの生涯にも度々登場し、彼自身もリストの晩年の夜想曲「夢の中に」を献呈されています。腕の立つピアニストでもあり、バッハ、ヘンデル、ブクステフーデ、そしてリストの作品を数多く編曲したようですが、その楽譜のほとんどは散逸してしまい、全貌はわかりにくくなってしまっているようです。彼の編曲は、それが管弦楽作品であろうとも、原曲の音符を全てピアノで演奏するというコンセプトに基づいたもの。当然音も厚くなり、技巧的にも困難を極めることとなります。
TOCC-0036
コセンコ(1896-1938):ピアノ音楽第1集
古い舞曲様式の11のエチュード
ナターリャ・シュコダ(P)
録音:2005年12月21日 米国、アリゾナ州立大学、音楽学部、カツィン・コンサート・ホール
旧西側諸国での初録音。
TOCC-0037
テレマン:音楽による礼拝(72曲のソロ・カンタータ)第1集
6つのカンタータ
ベルゲン・バロック(古楽器使用)
録音:2005年10月11-13日ノルウェー、オスロー、ソフィエンベルグ教会
一部の曲は初録音。
TOCC-0039
ロバート・バーンズの詩によるロシアの作曲家たちの歌曲集
スヴィリドフ(1915-1998):バーンズの詩による9つの歌曲/デニソフ(1929-96):バーンズの詩による2つの歌/ショスタコーヴィチ:「バスのための6つのロマンス」より3つの歌/レヴィーティン(1912-93):バーンズの詩による歌曲集/ケレンニコフ(1913-2007):バーンズの詩による5つの歌より3つの歌
ヴァシリー・サヴェンコ(Bs-Br)
アレクサンダー・ブロック(P)
スコットランド生まれのロバート・バーンズ(1759-1796)は多くの詩を書き、また民謡を採取し改作した偉大なる詩人として今でも世界中で愛されています。(あの「蛍の光」も「故郷の空」も実は彼が採譜したものです)もちろん彼の詩はロシアでも大人気。多くの作曲家がロシア語に翻訳されたものに堂々たる曲を付けています。ブックレットにはロシア語と英語の訳、そして原詩が載っているのでどのように言葉が移ろっていくのかを目の当たりにすることもできそうです。ロシア好きにもたまらない1枚です。
TOCC-0041
タイチェヴィチ(1900-1984):ピアノ作品全集
7つのバルカンの踊り
5つの前奏曲/メジムリェ郡の歌から
ソナチネ第1番/セルビアの踊り
ハ短調の主題による変奏曲
子供のために/ソナチネ第2番
2つの小組曲/若人のために
6つの小品/タバチュールの音楽
ラドミラ・ストヤノヴィチ=キリルク(P)
南東ヨーロッパの小国セルビアにおいて、最も重要とされている作曲家、マルコ・タイチェヴィチ。ザグレブ、プラハで学び、ウィーンではヨーゼフ・マルクスに師事したという、この知られざる作曲家の珍しいピアノ作品全集です。バルカン半島の民族音楽から想を得た彼の作品は、どことなくバルトークを思わせる躍動的な部分と、どこか郷愁を帯びたメロディが交錯したミステリアスなものです。演奏するストヤノヴィチ=キリルクはセルビアのピアニスト&教師で、タイチェヴィチの研究家でもあり、現代音楽のアンサンブルも非常に得意としている才媛です。
TOCC-0042
タネーエフ:ピアノ協奏曲(パヴェル・ラム管楽編曲)、
4つの即興曲(アレンスキー、グラズノフ、ラフマニノフとの共作)、
作曲家の誕生日(ナレーター、ピアノと4手のための)
ジョゼフ・バノウェツ(P)、
トーマス・ザンデルリング(指)
モスクワ・ロシアPO、
アダム・ウォドニツキ(P)、
ウラディーミル・アシュケナージ(ナレーター)
一部を除き初録音。
TOCC-0044
ゴールデンワイザー(1875-1961):ピアノ作品集第1集
スカズカ(民話)Op.39
幻想的ソナタOp.37
対位法のスケッチOp.12
ジョナサン・パウエル(P)
アレクサンダー・ゴールデンワイザーはラフマニノフの友人であり、ロシア・ピアノ・スクールの創立者の一人としても知られています。作曲家としての彼は非常に多くの曲を書いたのですが、自作を演奏することは滅多にありませんでした。1930年代の初めに書かれた「対位法のスケッチ」は、恐らくロシアで初めて「24の調性によってかかれた作品」でしょう。ロシア民謡への感情移入とピアニストの妙技を融合させた多彩で興味深い曲集です。幻想的ソナタは彼の複雑な個性を強く感じさせる曲です。
TOCC-0046
ボリス・チャイコフスキー(1925-96):歌曲集と室内楽曲集
ヨシフ・ブロツキーによる4つの詩
キップリングから/7-9.弦楽三重奏曲
ミハイル・レルモートフによる2つの詩
バラライカとピアノのための2つの小品
プーシキンによる叙情歌
オルガ・フィロノーワ(S)
スヴェトラナ・ニコラーエワ(Ms)
キリル・エルショフ(バラライカ)
オルガ・ソロフィエワ(P)他
チャイコフスキーと言っても、あの「悲愴交響曲」の作曲家ではありません。モスクワ音楽院でピアノをレフ・オボーリン、作曲をヴィッサリオン・シェバリーン、ニコライ・ミャスコフスキー、ドミートリイ・ショスタコーヴィチに師事し、20世紀後半のロシアを代表する作曲家となりました。名チェリスト、ロストロポーヴィチは彼の作品を高く評価し、アメリカにも紹介したのですが、残念ながらアメリカでの評判はイマイチでした。しかし最近では復興の兆しが見え始め、日本でも彼の作品を愛するファンは多いようです。お聴きいただければわかる通りかなり硬派の作品が多いのですが、バラライカの小品で見せる想像以上の人懐こさを目の当たりにすると、彼に対する見方が180度変わるかもしれません。
TOCC-47
エネスコ:ヴァイオリン作品集第1集
朝の歌/牧歌、悲しきメヌエットと夜想曲(S.ルプー編)
バッハバッハによるサラバンド
遠くのセレナーデ
アンダンテ・マリンコニーコ
前奏曲とガヴォット(室内アンサンブル編)
ルーマニアの様式による歌
伝説(室内アンサンブル編)
ひそやかなセレナード
協奏的幻想曲
夜想曲「ヴィル・ダヴレー」
ホラ・ウニレイ
アリアとスケルツィーノ(S.ルプー編)
シェルパン・ルプー(Vn)
ドミートリー・コーゾフ(Vc)
イアン・ホブソン(P)
サミール・ゴレスク(P)
マリン・カザク(Vc)
イリーナ・ドゥミトレスク(P)他
イリノイ大学エネスコ・アンサンブル

録音:2005年6月5-7日ブカレストルーマニア・ラジオ・ブロードキャスティング・ハウスコンサート・ホール
あのパブロ・カザルスが「モーツァルト以来の最大の音楽家はエネスコである」と評した通り、ルーマニア生まれのエネスコ(1881-1955)は、作曲家としても演奏家としても偉大な人でした。彼はクライスラー、ティボーと共に20世紀前半の三大ヴァイオリニストの一人とされ、また同時代のルーマニア音楽の普及にも尽力、自らの作品にも民俗性を反映、後期ロマン派の音楽とエキゾチックな雰囲気を併せた華麗で色彩的な音楽を描きだしました。このアルバムでは彼の初期のヴァイオリン作品を中心に収録。とは言え、この華麗な作風も世界大戦を経ることで、微妙に陰りを帯びていくことになるのです。
TOCC-0048
ガードナー(1917-):金管楽器とオルガンのための音楽集
結婚式の繁栄Op.162
復活祭の幻想Op.232
金管五重奏のための主題と変奏Op.7
オルガンのための5つの踊りOp.179
モンテヴェルディの主題による教会ソナタOp.136
世俗ソナタOp.117
ポール・アーキバルド(Tp)
コスモポリタン・ブラス
スティーブン・キング(Org)
クリス・ガードナー(指)

録音:2010年1月29日、2010年1月30日、2010年2月12日、2010年6月25日 ブレントウッド教会

※Op.7とOp.136以外初録音
金管楽器とオルガン。考えただけでも神々しい響きが頭に浮かびます。トラック1から聴いてみてください。まさに期待を裏切らない荘厳で華々しい音の洪水です。使われているメロディはおなじみのフィリップ・ニコライ作曲のコラールですが(バッハの「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」で使われている曲)少しずつ現代的な和声に変貌していく様子は、やはり現代の作曲家の手による作品であることを認識させてくれるのではないでしょうか。この作曲家ガードナーはマンチェスター出身で、ウェリントン大学とオックスフォード大学で学び、軍楽隊長時代に構想を練った「交響曲第1番」(NAXOS8.570406に収録)がバルビローリに見出されたことで、作曲家としての活動を始めた人です。合唱曲を多く書いていますが、他にも他ジャンルに渡る映画音楽ばりのスペクタキュラーな音楽を作ることで知られています。
TOCC-0050
ラモー:鍵盤音楽全集 VOL.1
組曲第1集イ短調、組曲第2集ホ短調、
コンセール用のクラヴサン組曲第1番・第2番・第3番
「遍歴騎士」組曲
スティーヴン・グットマン(P)
ラモーは偉大なる鍵盤音楽作曲家として知られています。彼の作品を現代のピアノで演奏することは、古今東西多くのピアニストが試みていて、その誰もが独自の世界を作り上げているのです。このグットマンもその一人。ロンドンで生まれ王立音楽院で学んだ彼は、近現代の作品とフランス・バロック音楽のスペシャリストとして知られるイギリス期待のピアニストです。このアルバムでは自らピアノ・ソロ用に編曲した曲も含めた“コンセール用のクラヴサン組曲”を始め、様々な作品をいかにも楽しそうに弾きこなしています。
TOCC-0051
ラモー:鍵盤音楽全集第2集
歌劇「優雅なインドの国々」組曲
組曲第3番ニ短調
コンセール用クラヴサン曲集第4番変ロ長調
歌劇「ダルダニュス」よりガボット
メヌエットとロンド
スティーブン・グートマン(P)

録音:2006年8月29-30日,2011年6月11日ハーストウッド・ファーム・ピアノスタジオ
フランス・バロック・オペラの作曲家として知られるラモーですが、実は鍵盤音楽における偉大なる作曲家の一人でもありました。しかし現代のピアニストたちにはラモーの曲はあまり人気がないようで、同時代のスカルラッティやバッハ、ヘンデルに比べると演奏機会が格段に少なく、録音も数えるほどしかないのが実情です。このTOCCATAのシリーズでは、そんなラモーの鍵盤音楽を全て網羅することに尽力し、グートマンによる説得力ある演奏で多彩な音楽を見事に描き出しています。今回は歌劇「優雅なインドの国々」からの音楽を中心に収録。歌劇と言っても、この作品は劇中に4つの「バレ」が挿入されており、これらは本来管弦楽で演奏されますが、この曲を鍵盤用に編曲したものがこの組曲です。
TOCC-53
ボリス・リャトシンスキー:「オジマンディアス」と、そのほかの低声のための歌曲集
バスとピアノのための5つのロマンスOp.5
シェリーとバルモントの詩による4つのロマンスOp.14〜第3番
オジマンディアスOp.15
低声とピアノのための3つのロマンスOp.6
A.プーシキンの詩による4つのロマンスOp.27〜第1番-第3番
太陽
I.フランコの詩による5つのロマンスOp.31〜第1番、第3番-第5番
L.ペルヴォマイスキーの詩による2つのロマンスOp.32〜第2番
バスとピアノのための2つのロマンスOp.57
2つのロマンスOp.37
ヴァシリー・サヴェンコ(Bs)
アレクサンダー・ブロック(P)

録音:2009年1月25-28日モスクワアカデミー・オブ・コラール・アーツ
ウクライナ生まれの作曲家、指揮者、音楽教師であるリャトシンスキー。初期の作品にはスクリャービンの影響がみられますが、時代を経るにしたがって、少しずつ国民楽派的な作品を書くようになったことで知られています。しかしながら、ロシアでの知名度の高さとはうらはらに、海外ではほとんど顧みられることのない「希少作曲家」の一人であり、その作品を聴く機会もまずありません。このアルバムは、そんなリャトシンスキーの歌曲を集めた1枚です。タイトルの「オジマンディアス」とはイギリスのロマン派詩人パーシー・シェリーの詩で描かれた古代エジプトのファラオ、ラムセス大王の別名で、作曲家は、傲慢さで知られる王の姿に専制君主であったスターリンを重ね合わせたのかもしれません。ブックレットには英語による対訳が含まれています。
TOCC-0054
マギ(1922-):管弦楽作品集
ヴェスプレ/ピアノ協奏曲/ブクーリカ
ピアノとクラリネット.室内管弦楽のための変奏曲*
交響曲*
アダ・クーセオク(P)、マティ・ミカライ(P)、
タルモ・パジューシャー(Cl)、
アルヴォ・ヴォルマー(指)、
ミケル・クーツォン(指)、エストニア国立SO
エストニア近代音楽の先駆者として知られるエステル・マギ女史の作品集です。タリンとモスクワの音楽院で作曲法を学び、母校タリン音楽院で音楽理論を教えました。エストニアの民族音楽のモティーフを効果的に用い、簡潔で力強いフォルムで書かれた音楽は世界中で愛好され、多くの演奏家が好んでレパートリーとして取り上げています。初期の「ピアノ協奏曲」から段階を追って熟成していく彼女の作風を辿れる1枚です。
TOCC-0055
ライケルソン:弦楽合奏のための小交響曲 ト短調、
ヴァイオリン,ヴィオラと弦楽合奏のための「リフレクションズ」、
ヴィオラと弦楽合奏のための「アダージョ」、
ヴィオラ,サクソフォン,オーケストラのための「ジャズ組曲」
ユーリ・バシュメット(Vn)、エレナ・レヴィヒ(Vn)、
イゴール・バットマン(Sax)、
ユーリ・ゴルベフ(Cb)、
エドゥアルド・ジザク(ドラム)、
モスクワ・ソロイスツ
1961年生まれで現在ニューヨークで活躍する作曲家、イゴール・ライケルソンはクラシックとジャズの融合を目指す「クロスオーヴァー」の第一人者として知られています。このアルバムに収録された“ジャズ組曲”は彼の作品の中でもとりわけ魅惑的なものです。親しみやすく懐かしささえ覚える、哀愁に満ちたメロディラインは耳を捉えて離しません。一転して、弦楽合奏のための3つの作品はチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」の伝統を踏まえた古典的なスタイルによって書かれています。厚みのある弦の音が交錯する小交響曲や名手バシュメットの奏でるヴィオラに思わず涙する「アダージョ」など美しさに溢れています。ジャンルを超えた音楽をお届けいたします。
TOCC-0056
ペーテル・スーダ:オルガン作品全集
前奏曲とフーガ.ト短調(1910)
パストラーレ/フーガ.ヘ短調
バッソ・オスティナート
アヴェ・マリア(オルガンのための変奏)
スケルツィーノ/ジーグ(バッハ風)
リスト(スーダ編):タッソー,悲劇と勝利
イネス・メイドル(Org)

録音:1995年5月23日ヘルシンキ聖ジョン教会、1995年5月22日ヘルシンキオールド教会、2005年12月27日タリンドーム教会

※全て初録音
エストニアのオルガニスト&作曲家ペーテル・スーダ(1883-1920)は、信仰厚い農民一家の元に生まれました。彼の祖父の弟は聖歌隊指揮者を務めており、幼いスーダも賛美歌やオルガンに親しんでいたようです。サンクトペテルブルク音楽院で名手ルイ・ホミリウスとヤーコブ・ハントシンにオルガンを学び、作曲をグラズノフとリャードフ、ソロヴィヨフに師事します。彼は「エストニアのオルガン音楽の父」と称されますが、その作品は今までに録音されたことがなく、このアルバムが初となります。とことんまで対位法の研究を重ねながら、曲自体は極めてロマンティックなこれらの作品は、まさに美しく細工された工芸品のような輝きを放っています。幾つかのオリジナルの作品と、フランツ・リストの「タッソー」をスーダ自身がオルガン用に編曲したものが収録された1枚、エストニアの現代の名手メイドルが堂々と演奏しています。
TOCC-0057
テレマン音楽による礼拝、または一般用の教会カンタータ全集第2集
戦いに目覚めよ
永遠の慈悲の不思議は力づき
喜べ、天国の扉が開く
雷鳴を止めてください
敬虔な者が不運に耐える場合/天より来たる愛
ベルゲン・バロック
フランツ・ヴィッツハム(C.T)
ビャルテ・アイケ(バロックVn)
ハンス・クヌト・スヴェーン(ハープシコード&オルガン)
マルク・ルオラヤン・ミッコラ(バロックVc)
テレマンの「音楽による礼拝、または一般用の教会カンタータ」世界初全曲録音の第2集となります。生涯に1000曲以上のカンタータを書いたテレマンですが、この曲集は、彼が自由都市ハンブルクに移ってから間もない1725〜26年に刊行されたもので、合唱を用いた大掛かりなものではなく、家庭や友人同士の集まりでも手軽に演奏できるように、小編成で書かれたソロ・カンタータとなっています。また各々の楽器も目も眩むばかりの活躍を見せ、テレマンの作曲技法の見事さに息を飲む思いです。第1集(TOCC-0037)でも高い評価を受けたベルゲン・バロックの妙技を心行くまでお楽しみください。
TOCC-0058
マシューズ(1943-):弦楽四重奏曲全集第1集
弦楽四重奏曲第4番Op.27
弦楽四重奏のためのアダージョOp.56a
弦楽四重奏曲第6番Op.56
弦楽四重奏曲第10番Op.84
クロイツァーSQ
[ピーター・シェパード・スケーヴド(Vn)
ミハイロ・トランダフィロフスキ(Vn)
モーガン・ゴフ(Va)/ニール・ヘイド(Vc)]

録音:2008年8月4-5日ロンドンデュケス・ホール
イギリスの作曲家デーヴィッド・マシューズは、現在までに7曲の交響曲と11曲の弦楽四重奏曲を書いています。彼の弟はコリン・マシューズ。あのホルストの「惑星」に冥王星を付けくわえた作曲家で、20代の頃は弟とともに、デリック・クックに協力してマーラーの第10番の補筆版の完成に寄与したことでも知られています。彼自身は「ティペットとブリテンの後継者として」また「ベートーヴェンを始めとしたウィーン古典派からマーラー、シベリウスと言った20世紀の初期の作曲家たちの音楽を継承すること」。この2つを融合するために作曲をしていると語ります。ここで聴く彼の音は、確かに前衛的ではありますが、不思議なほど明るさに満ちています。例えばベートーヴェンのピアノ・ソナタからインスピレーションを得たという、第4番の第1楽章などは、そこかしこで艶やかな弦の音を誇示するかのように高らかな歌が響き渡る、とても魅力的な作品です。簡素な造りの第10番は、13分という短いながらの曲ですが、彼も鳥の歌を愛しているそうで、驚くほど様々な音が凝縮されています。
TOCC-0059
デイヴィッド・マシューズ:弦楽四重奏曲全集第2集
弦楽四重奏曲第5番Op.36
弦楽四重奏曲第12番Op.114
クロイツェルSQ

録音:2010年6月25日トゥリング聖ピーター&聖パウル、2011年10月26日オルドバリー聖ジョン・パプティスト
アメリカの最も注目される現代作曲家の一人、マシューズ(1943-)の弦楽四重奏曲集の第2弾です。このアルバムは1984年に作曲された「第5番」と、2009年から2010年に作曲された最新作「第12番」の2曲です。ベートーヴェンやバルトークから薫陶を受けた作曲家だけに、その作品も、堅固な構成を持っています。とは言え、決して音楽が古いわけではありません。斬新な和声とリズムが炸裂。とりわけ第12番は、様々な形式の見本市のような様相を呈しており、セレナーデあり、メヌエットあり、タンゴありの興味深い作品です。
TOCC-0060
デイヴィッド・マシューズ:弦楽四重奏曲全集第3集
弦楽四重奏曲第1番Op.4(1969-1970/1980改編)
弦楽四重奏曲第2番Op.16(1974-1976)
弦楽四重奏曲第3番Op.18(1977-1978)*
鏡のカノン(1963)*
スクリャービン:前奏曲Op.74-4(D.マシューズ編)
クロイツェルSQ
<ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn)/ミハイロ・トランダフィロヴスキ(Vn)/モルガン・コフ(Va)/ナイル・ハイデ(Vc)>

録音:2012、2014年
※*以外=初録音
ロンドンで生まれ、数多くの作品を世に送り出している作曲家デイヴィッド・マシューズ(1943-)。このアルバムは彼の弦楽四重奏曲全集の第3集です。ここには比較的初期の作品が収録されていて、ベートーヴェン、バルトーク、ブリテン、ティペットなどの偉大なる弦楽四重奏の系譜を学びつつ、どのように対位法の技術を修得していったかをつぶさに見ることができるというものです。第2番の弦楽四重奏曲には、ミニマリズムの影響も感じられるなど、この時代に流行していた音楽スタイルも伺い知ることができ、とても興味深いものです。「鏡のカノン」も対位法習得のための小品。スクリャービンの前奏曲第4番はかれの弟コリンの誕生日の贈り物ととして編曲されたもの。彼ら兄弟が10代の時に強く影響されたスクリャービンへの賛辞の気持ちが込められているのだそうです。
TOCC-0063
アルジャーノン・アシュトン(1859?-1937):ピアノ作品集第1集
夜想曲とメヌエットOp.39
ピアノ・ソナタ第8番ヘ長調Op.174
4つのバガテルOp.79
ピアノ・ソナタ第4番ニ短調Op.164
ダニエル・グリーンウッド(P)

録音:2008年2月2-3日サフォークオールド・グラナリー・スタジオ
1869年にイギリス、ダーラムで生まれたアシュトンは、数多いイギリスの作曲家の中でもほとんど知られていません。ピアノ音楽を多数書いたとされます。最近になってようやく数曲のピアノ・ソナタが録音されたようです。彼の作品の全貌を知るにはまだまだ時間が必要なのでしょう。そんな彼の音楽は、豊かな旋律に満ちた魅力的なものです。比較的初期の作品である「夜想曲とメヌエット」での湧き上がるような喜びの歌、晩年の作品であろうピアノ・ソナタでのブラームス風な響き。など興味深い作品が並びます。評論家バウトンは、彼の音楽についてこのように書いています。「空想の世界でヒバリが喜びに声を震わせて歌うように、アシュトンは音楽に気持ちを注ぐ」・・・聴き手の心にも翼をもたらす美しい曲ばかりです。
TOCC-0066
ブラームス:編曲集第1集
弦楽五重奏曲ヘ短調(原曲…ピアノ五重奏曲第1番/A.カルットゥネン編)Op.34…初録音
弦楽五重奏曲ロ短調(原曲…クラリネット五重奏曲作曲者自身による編曲)Op.115
ゼブラ弦楽三重奏団
【エルンスト・コヴァチク(Vn)、
スティーヴン・ダン(Va)
アンシ・カルットゥネン(Vc)
クリシア・オソストヴィツ(第2Vn)
ジェームス・ボイド(第2Va)
リチャード・レスター(第2Vc】

録音:2011年10月1-2日西サセックス,チャンプ・ヒルミュージック・ルーム
ブラームスは、例えば交響曲などを作曲する際に、まずは2台ピアノ版のスコアを書いてから、オーケストレーションを行うことがほとんどでした。他の作品も、完成までに楽器編成が変更になっているものがしばしば見られ、それはブラームス自身の探求心の現れであったと言えるのかもしれません。1864年に作曲されたピアノ五重奏曲Op.34は、最初(このに収録されている)弦楽五重奏曲として構想されたのですが、試演の際の評価が芳しくなかったために破棄されてしまいました。後に2台ピアノのためのソナタとして書き換えられ、周囲からの助言もあり、最終的には現在の形として定着したものです。ここでは、破棄された弦楽五重奏版をチェリストのカルットゥネンが復元したものを演奏。ブラームスの最初の構想をなぞるに相応しい演奏となっています。もう1曲は、クラリネット五重奏曲のクラリネットをヴィオラに置き換えたもの。最初はかなり驚きますが、聴いているうちに「これもありかな」と思えてくるのが、ブラームスの懐の深さでしょう。
TOCC-0067
アイヴィン・アルネス:ピアノ作品集
ノルウェー民謡による10のピアノ小品Op.39
ロマンス/創作主題による変奏曲Op.5
4つのピアノ小品Op.4
3つの小品Op.32/雰囲気
3つのピアノ小品Op.9 全て初録音
エーリング・R・エリクセン(P)

録音:2007年12月18-19日&2008年3月15日ノルウェー スタヴァンゲル リール・コンサートサル
ノルウェーの作曲家、ピアニスト、オルガニスト、合唱指揮者、アイヴィン・アルネス(1872-1932)。彼はオスロで学んだ後、ライプツィヒでライネッケに師事します。1896年に交響曲第1番を作曲、その相前後して、ドランメンでオルガニストの職に就き、1907年からはオスロの教会でオルガニスト兼、聖歌隊の指揮者として活躍しました。彼の作風は徹底して後期ロマン派に属したものですが、フランスの即興性も仄かに感じられます。ここに収録されたピアノ曲は全て初録音で、この強い訴求力と魅力に溢れた音楽を知ることができるのは、まさに僥倖にめぐりあうという言葉を思い起こします。
TOCC-0068
トーヴィ(1875-1940):室内楽曲集第1集
ピアノ三重奏曲ロ短調Op.1
ピアノ三重奏曲ハ短調Op.8「悲劇的なスタイルによる」
ロンドン・ピアノ・トリオ
[ロバート・アッチソン(Vn)、
ボジダル・ウコティチ(Vc)、
オルガ・ダドニク(P)]
イギリスの卓越した音楽学者、ピアニスト、作曲家であるトーヴィはオックスフォード大学でヒューバート・パリーに作曲を学び、若いうちから作曲に勤しみました。卒業後はヴァイオリニストのヨアヒムと親しくなり、ピアニストとしてブラームスのピアノ五重奏を演奏するなど、一連の室内楽コンサートで活躍。作曲家としてはピアノ協奏曲や交響曲などを残しています。彼の名はどちらかと言うと、バッハやベートーヴェンのピアノ作品の校訂者としてのみ知られていますが、ここで聞けるブラームス風の重厚な室内楽作品は、彼の作曲家としての才能を伺い知ることのできるなかなか良い曲です。
TOCC-0069
リース(1924-):ピアノ作品集(1947-2005)
トッカータ/6つの装飾的な練習曲
3つの前奏曲/ナタ・ブレーヴ/オデッセイ
ミリアン・コンティ(P)
1924年生まれのベンジャミン・リースは現代アメリカ作曲家の重鎮の一人。このCDに収録された作品は彼の60年間における作曲活動の集大成です。一貫した作風、ユーモアと現実、気分を引き立てる音の躍動的な動き、など新古典派の影響も感じられます。
TOCC-0070
アルカン:2台ピアノと連弾のための作品全集
ベネディクトゥスOp.54(R.スマレイによる2台ピアノ編)
ルターのコラール「神はわがやぐら」による即興曲Op.69(R.スマレイによる2台ピアノ編)
サルタレッロOp.47…連弾
「ドン・ジョバンニ」による4手連弾のための幻想曲Op.26
3つの行進曲Op.40…連弾
ボンバルド・カリヨン…足鍵盤付きピアノ,もしくは連弾
終曲Op.17…連弾
ゴールドストーン&クレンモウ(Pデュオ)

録音:2008年10月…2台ピアノ,2009年11月…連弾イギリスリンカーンシャー、聖ジョン・パプテスト教会

※トラック19でごく短い音飛び(原盤に起因する)が発生することがございますので、予めご了承下さい。
「ピアノの鉄人」シャルル=ヴァランタン・アルカンのピアノ曲は、愛好家の間でもかなり人気を博していますが、2台ピアノや連弾のための作品まではなかなか聴く機会に恵まれるものではありません。とは言え、ここでの付番は若干作品目録との差異もありますし、収録されているのは大半が連弾で、2台ピアノのための作品は校正の作曲家による編曲ものではありますが、鬱陶しいまでの音の多さはさすがアルカン。ピアノの88鍵(176鍵)をフルに使っているであろう重厚な響きが思う存分楽しめます。トラック18の「ボンバルド・カリヨン」もユニークな曲で、何も考えずに聞くと「アルカンなのに、あまり音の動きが派手でないな」と思うのですが、実は足鍵盤付きピアノのための作品!本当は足で弾くのでしょう。納得の1曲です。トラック19のノリの良さも魅力です。
TOCC-0073
トルミス:男声合唱のための作品集
アボリジニの歌/2 つの献身、横風
私たちの影(一度私たちが再現しよう)Sampo の鍛造/監督とパガン
嵐の海のための呪文
男たちの歌(抜粋)/鉄の上の呪い
スヴァンホルム・シンガーズ、
ソフィア・ソーダベルグ・エーバハート(指)、
ヴェリヨ・トルミス(シャーマン・ドラム)
エストニア生まれの合唱音楽作曲家トルミス(1930-)の本領発揮と言った素晴らしい1 枚です。男たちの声の持つ、豪快さと力強さ、そしてほんのり香る色気などがバランスよく配置されたこれらの曲。どれもが息詰まるほどの緊張感と高揚感に満ち溢れています。冒頭の曲と最後の曲で聞こえてくるシャーマンドラムの音色にも注目。作曲家自身の手によるこの演奏は、まさに呪術と祈りの音。ついつい引き込まれてしまうでしょう。
TOCC-0074
テレマン:音楽による礼拝第3集:7つのカンタータ
復活祭後の第5日曜日「あなたは死して生きるだろう」
三位一体後の第3日曜日「誰もが牢と石と鎖に憧れを抱く」…初録音
三位一体後の第7日曜日「ナイルよ、イスラエルへ」…初録音
三位一体後の第11日曜日「あなたの心は真実を探す」
三位一体後の第15日曜日「人は過ちとともに」…初録音
三位一体後の第19日曜日「悪い評判がもたらすもの」…初録音
三位一体後の第23日曜日「この上なく魅惑的な大地よ」
ベルゲン・バロック

録音:2006年11月1-4日ノルウェー
TOCCATA CLASSICSレーベルの注目シリーズの一つ、テレマン(1681-1767)の「音楽による礼拝」全曲録音の第3集。ここには1726年にハンブルクで発表された7つの作品が収録されています。ここで活躍するのはリコーダー。ソプラノと笛の音の華麗なる饗宴は、まさにこの世のものとも思われぬほどの美しさを帯びています。礼拝を目的としていながらも、テレマンの個人的な趣味も伺われるこれらの曲は、バロックの黄金期を形造る、見事な音による建造物です。
TOCC-0075
ヒュー・ウッド(1932-):室内楽作品集
ピアノ三重奏のための序曲Op.48
ヴィオラとピアノのための変奏曲Op.1
楽園の鳥によるパラフレーズOp.26
ヴァイオリンとピアノのための詩曲Op.35
クラリネット三重奏曲Op.40
ピアノ三重奏曲Op.24
ロンドン大公トリオ
[ナタニエル・ヴァロワ(Vn)
ガブリエラ・スワロウ(Vc)
チャールズ・ウィッフェン(P)
ポール・シルバーソーン(Va)
ロジャー・ヒートン(Cl)]

録音:2007年4月2-4日イギリスチャンプス・ヒル
1932年、ランカシャー生まれのヒュー・ウッドは、現代イギリスの最も有名な作曲家の一人です。彼の音楽は叙情性豊かな上品さと、力強い表現力を併せもつものです。確かに前衛的な音楽ですが、決して聴きにくいものではなく、たとえば「楽園の鳥によるパラフレーズ」などは、まるでメシアンの作品のような色彩感を有しています(ただし、メシアンのような陶酔感はなく、飽くまでも現実的な響きに終始します)。彼は交響曲などの大規模な曲よりも、室内楽曲のような凝縮された形式を好み、ここに収録された6つの作品もどれもパワフルで多彩な表現を持って書かれています。1958年に書かれたOp.1の「変奏曲」から2005年作曲のピアノ三重奏のための序曲まで、ほぼ50年間の軌跡を追うことで、この英国の作曲家の足跡を辿れるのではないでしょうか。
TOCC-0076
ガリーニン(1922-66):ピアノ作品集第1集
ソナタ・トリアード/組曲/4つの前奏曲
ワルツ/ダンス/スケルツォ
スペイン風幻想曲
「じゃじゃ馬馴らしが馴らされて」より3つの小品
動物園にて
アルガ・ソロヴィエヴァ(P)
1922年にモスクワ近郊で生まれ、1966年にモスクワで没したロシアの作曲家ガリーニンのピアノ作品集です。ショスタコーヴィチと比較される事の多い人ですが、このアルバムを聴く限り、プロコフィエフなどの新古典主義の簡潔でユーモラスな語法を強く感じます。生涯を通じて健康障害に悩まされたという彼自身の満たされぬ何かを音で表現したのでしょうか。時折現れるユーモラスな表現が心地良さをもたらします。ほんの小さい5つの曲からなる「動物園にて」が秀逸です。
TOCC-0077
ラミー(1939-):ピアノ作品集第2集(1966-2007年)
ディヴェルシオン/墓碑銘第1巻
レニングラード・ラグ/冬のノクターン
トッカータ第1番/F.D.R.のためのオード
/トッカータ第2番/ピアノ・ソナタ第4番
プリミティーヴォ
ミリアン・コンティ(P)
アメリカの作曲家、フィリップ・ラミーの音楽にはプロコフィエフ、及びバルトークの影響が少なからず感じられます。極めて機械的なトッカータ、暗く劇的なピアノ・ソナタ第4番、そしてホロヴィッツのためにかかれたレニングラード・ラグなど十二音に背を向けた作品も含まれています。最新作「プリミティーヴォ」の騒がしさも面白いところです。
TOCC-0078
ワインベルク(1919-96):歌曲全集第1集
歌曲集「子供のための」Op.13、
歌曲集「過去の日の境界を越えて」Op.50
こどもをあやしながらOp.110
オルガ・カルギーナ(S)、
スヴェトラーナ・ニコラーエワ(Ms)、
ドミトリー・コロステリョフ(P)
ポーランドで生まれ、ソ連で生涯のほとんどを過ごしたワインベルグの歌曲集です。在学中にナチスの迫害を受けミンスクへと逃れた彼は、ショスタコーヴィチの影響を受けつつ、22曲の交響曲を始め、7つのオペラ、17の弦楽四重奏曲、協奏曲などたくさんの作品を残しました。彼の作品のほとんどは最近まで日の目を見ることもなく忘れられていましたが、最近復興の兆しは見えてきたようです。しかし、ここに収録されたような「歌曲」の分野はまだまだ未開発。このTOCCATAのシリーズは重要な道しるべとなることでしょう。第1集は「子どもの時代」がテーマの3つの歌曲集です。「ロールパンの歌」などのチャーミングな曲や、目の覚めるほど美しい「子守歌」など興味深い歌がてんこ盛りです。
TOCC-0079
アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品集1913-1961年
ピアノ・ソナタ第1番Op.22(1918-1919)*
ピアノ・ソナタ第2番Op.94(1961)*
郷愁の4つの前奏曲Op.23(1922)*
前奏曲Op.85-9(1953)*
楽興の時(1913)…初録音
小組曲Op.6…初録音
ロシア風ロンド(1946頃)…初録音
対話Op.46(1920-1930)…初録音
ポルカ(1944)…初録音
スケルツォOp.3(1917)…初録音
表現Op.81(1951)
第4の(1948-1949)…初録音
アレクサンドル・チェレプニン(P)*ミハイル・シルヤエフ(P)…13-43

録音:1965年3月30-31日ニューヨークマクミラン劇場*
2012年4月23.29日ロンドントリンティ・レイバン・コンセルヴァトワール,ピーコック・ルーム
ロシア生まれのピアニスト、作曲家アレクサンドル・チェレプニン(1899-1977)のピアノ作品集です。作曲家ニコライ・チェレプニンを父とし、5歳から音楽を教わります。父ニコライがバレエ・リュスの指揮者をしていたため、多くの音楽家から薫陶を受けたアレクサンドルが音楽の道に進んだのは当然のことであり、その後も数多くの友人たちと親交を深めながら、独自の道を模索していきます。ここに収録されたのは極めて初期の作品である「楽興の時」から後期の作品「ピアノ・ソナタ第2番」までと、その音楽的深化と変化を目の当たりにできる構成となっています。その上、これらを含む4つの作品は作曲家自身による演奏であり、初化となるものです。その他に収録されている7つの作品もほとんどが初録音という貴重なもので、このロシアの作曲家を知るための重要な足掛かりになることは間違いありません。ロシアのモダニズムを知る絶好の機会です。
TOCC-0080
ティエリオ(1836-1919):室内楽作品集第1集
ピアノ五重奏曲ニ長調Op.20
2台のチェロとピアノのための主題と変奏Op.29
弦楽六重奏曲ニ長調
ハンブルク・チャンバー・プレイヤーズ
イアン・マードン&イロナ・ラーシュ(Vn)
ルドルフ・ザイッペル(Va)
ユリア・メンシュイング(Va)
ロルフ・ヘルブレヒツメイヤー(Vc)
マルティン・フォン・ホップガルテン(Vc)
ヒロセ・ユウコ(P)

録音:2007年9月28-30日ハンブルク
フェルディナント・ティエリオはハンブルクの作曲家、およびチェリストです。彼はブラームスの師でもあったエドゥアルド・マルクスセンの弟子であり、同じく弟子であったラインベルガーと生涯親しい友人関係にありました。彼は出版社の娘と結婚し、ハンブルク劇場の音楽監督を務め、また優秀な音楽教師として、多くの弟子を育てました。生前には多くの曲が上演され、高い評価を受けましたが、残念なことに年月を経てすっかり忘れ去られてしまいました。彼の音楽の肌触りは確かにブラームスのものと似ていますが、これらの室内楽作品は、重みのある響きに彩られた深淵な表情を湛えています。また「主題と変奏」はティエリオが紛れもなくチェロの名手であったことを伝える素晴らしい作品です。
TOCC-0081
カスタルディ(1580-1649):愛の戦い
愛の歌とティオルビーニとテオルボのための技巧的な二重奏曲集
おお、クロリダ/撃って、撃って
おお、残酷な愛よ/どのように多くの
第1のエコー/第2のエコー
うずらの子のカンツォーネ/一時の幸せ
疲れなき/美しき眼/憤り
ベレロフォンの情景と歌/喜んで
完全な美しさ/西の方から太陽が
カプリッチョヘルマフロディート
あなたを長くみつめていると/これを変えて
愛とは/2台の楽器による戦いの狂詩曲
イル・フリオーソ
リュート奏者、作曲家、詩人、および「芸術家」カスタルディは、当時で言えばレナード・コーエン、もしくはボブ・ディランのような存在であったと考えられます。兄弟が起こした殺人事件に巻き込まれ、故郷を追放されイタリアとドイツを転々としただけあって、その音楽もなかなか独創的。緩やかで感傷的なスタイルの音楽に自作の詩を載せて歌うやり方は、当時盛んであったバロックの形式とは一味違う新鮮な驚きをもたらし、その忘れがたいメロディで全ての聴衆を魅了したのでした。ここで使われているティオルビーノ(小型のテオルボ)は現在ではほとんど見ることもできない楽器で、カスタルディが発明したとされています。
TOCC-0082
リャードフ:ピアノ作品全集第1集
1-14.ビリュールキOp.2
15-20.6つの小品Op.3
21-24.アラベスクOp.4
25.練習曲Op.5/26.即興曲Op.6
27-28.2つの間奏曲Op.7
29-30.2つの間奏曲Op.8
31-32.2つの小品Op.9
33-35.3つの小品Op.10
36-38.3つの小品Op.11
オルガ・ソロヴィエヴァ(P)

録音:2005年12月29日、2008年4月21-23日 モスクワ劇場コンサート・ホール

※初録音…17.19.20.21.22.23.
 26.27.29.30.32
デジタル初録音…25
交響詩「バーバ・ヤガー」「キキーモラ」「魔法にかけられた湖」などの色彩感豊かな管弦楽作品で知られるリャードフには、実は膨大な量のピアノ作品があります。とはいえ、それらはほとんど白日の下にさらされることはなく、かろうじて「オルゴール(音楽のたばこ入れ・音楽の玉手箱)」が知られる程度でしょうか。彼の作品にはショパンやシューマンの影響が濃厚に漂っていますが、そこは表題音楽を得意としただけあって、単なる「即興曲」というタイトルの曲でも、実に物語性に満ちた感情に直接訴えかけるような見事な作品となっています。またロシアの民俗音楽に由来した哀愁漂う旋律も魅力的。
TOCC-0085
アドルフ・ブッシュ:クラリネット&弦楽のための室内楽作品集
1-3.二重奏のための室内楽 第1番 Op.26a(1921)
4-8.組曲 ヘ長調 Op.62a(1944)
9-15.7つのバガテル Op.53a(1936)
16-19.セレナーデ.イ長調 Op.53b(1936?)
20.創作主題による変奏曲 Op.53c(1942)
21.ロマンス Op.53d(1943)
22.フモレスケ.イ長調 Bo015(1907)
ベッティーナ・バイゲルベック(Cl)
ブッシュ・コレギウム・カールスルーエ

録音:2012年10月25日…16-19.22
2013年5月11-12日…1-3.20.21.4-8
2013年7月7日…9-15
カールスルーエ カニシウスハウス
初録音…1-8.16-18.21.22
ドイツの名ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュ。彼は1912年にソリストとしてデビュー、やがてブッシュ弦楽四重奏団を結成し素晴らしい音楽活動を続けます。しかしヒトラーの台頭に伴い、1935年にはスイスに亡命、その後は弦楽四重奏団のメンバーとともにアメリカに渡りました。そんな彼、ブッシュ弦楽四重奏団としてはベートーヴェンやシューベルト作品の悠然たる解釈で知られていますが、作曲家としてのブッシュはほとんど知られていません。彼の作風は当時名高い作曲家であったマックス・レーガーの影響を受けており、21世紀に書かれた作品とはいえ、どれも調性感があり、ロマンティックな雰囲気を湛えています。創作主題による変奏曲は、彼の妻の誕生日のために書かれたもので幸福感に満ちた作品です。名手バイゲルベックの巧みな演奏で。
TOCC-0087
ヴオリ(1957-):交響曲第1番&第2番 トーマス・ピリラ(指)ヒュビンカーO
多くの現代作曲家と同じように、このフィンランド生まれのヴオリも「交響曲」という概念に挑戦をしました。この時代における交響曲というものについて彼なりに出した結論は、この2つの作品を聴いてみればおわかりかと思います。従来の形式に沿った4つ、もしくは5つの楽章の中に思いきり多彩な色を盛り込んだ「活きのいい」音楽です。上昇する弦のうねりはどこかしらグロリア・コーツを彷彿とさせます。
TOCC-0088
スプラトレー(1942-):弦楽オーケストラのための作品集
シンフォニエッタ
クラリネット・コンチェルティーノ「バイアード・リープ」
リコーダー協奏曲「猫のギャラリー」
組曲「イン・アウトロー・カントリー」
リンダ・メリック(Cl)
ジョン・ターナー(リコーダー)
トレーシー・レッドファーン(Tp)
エイラ・リン・ジョーンズ(Hp)
ロイヤル・バレー・シンフォニア
バリー・ワーズワース(指)
フィリップ・スプラトレー(指)
マンチェスター・シンフォニア
このCDに収録されているスプラトレーの作品は、現代英国音楽の持つ新鮮な味わいとオリジナリティを強く感じさせるものです。1942年にノッティンガムシャーで生まれたフィリップ・スプラトレーは、英語のフォーク・ソングを自身の根源とした上で、ショスタコーヴィチやブリテンと言った「新しいもの」を取り入れる柔軟性も持っています。重厚な音色と快活なリズムを用い、更には耳馴染みの良いメロディを多様することで、聴き手を強く惹きつけます。ヴォーン・ウィリアムスを思わせる「シンフォニエッタ」、フィンジを思い起こさせるクラリネット作品、そして絵画をみるかのように鮮やかな「猫のギャラリー」など、一度聴けば誰もが好きになること間違いありません。
TOCC-0089
ハートマン(1880-1956):ヴァイオリンとピアノのための室内楽作品集
ハートマン:火花のワルツ「アムール」
ニグロ・クルーン/ハンガリーの秋
ニレジハージ・エムレク/ラプソディ・スキッツェ
「悲しみよ、こんにちは」/カプリース
ワルツ/8.グロテスクな踊り
コシュート・ラヨシュ
ボグダン…忘れられない夜の思い出
祈り/ツィガーヌ
ワルツ・インテルメッツォ「ラ・コケッティ」
ブルガリアのスケッチ「タウガ」/子守歌
ドビュッシー:美しき夕暮れ(編:A.ハートマン)
 亜麻色の髪の乙女(編:A.ハートマン)
ソロミア・ソロカ(Vn)
アーサー・グリーン(P)
ヴァイオリニスト&作曲家アルトゥール・ハートマンの名前は、現在ではハイフェッツを始めとする往年の巨匠たちのアンコール・ピースを編曲した人として知られています。彼はフィラデルフィア生まれだったにもかかわらず、自らを「出身はハンガリーだ」と主張し、情熱的で魅惑的な小品を発表。クライスラーに比肩する人気を誇ったのです。彼はドビュッシーの親しい友人でもあったため、幾つかの曲をヴァイオリン用に編曲(このアルバムのために録音された2曲は世界初録音となります)。原曲を超える魅力を放っています。ポルタメントたっぷりの甘い甘い響きは、聴き手の心に甘酸っぱい思いを抱かせてくれます。
TOCC-0090
レス・ワルター(1928-):歌曲集と室内楽曲
ソプラノと弦楽四重奏のための「心の歌」(1970)
フルートとハープのための小組曲(1960)
ヴァイオリン・ソナタ(1989-96)
ハープのための子守歌
メゾ・ソプラノと室内Oのための「夕べの詩」
キャロリン・フールクス(S)/
サリー・プライス(Hp)/
アダム・サマーヘイズ(Vn)/
ニコラ・エイマー(P)/
アダム・ウォーカー(Fl)/
ウェンディ・ドーン・トンプソン(Ms)/
グレゴリー・ローズ(指)ロンドン・コンチェルタンテ
ウェールズの作曲家、ガレス・ワルターは1950年代の初め、パリでリヴィエールとメシアンに学び、そのエレガントで洒脱な書法を身につけました。その前にはブリテンの影響も受けていた彼の書いた作品は、どれも神秘的で少しばかりの夜の雰囲気を身に纏っているようです。ウェールズの言葉で書かれた「心の歌」にはその地の民謡も見え隠れします。フランス風の趣きを持つ「フルートとハープのための小組曲」、名歌手マーガレット・プライスのために書かれた「夕べの詩」など、どれもがじっくりと聴きたい優れた作品と言えるでしょう。
TOCC-0091
シュニトケ:ディスカヴァリーズ
6つの前奏曲(1953-54)…初録音
チェロとアンサンブルのための「ディアローグ」(1967)
カンディンスキーによる舞台「イエロー・サウンド」…初録音(1974)
メゾ・ソプラノとピアノのための「マグダリーナ」…初録音(1977)
弦楽四重奏のための変奏曲…初録音(1997)
ドロソスタリッツァ・モライティ(P)
アレクサンダー・イワシュキン(Vc)
アンサンブル・ペンタドーレ・ド・モントリオール&ジェレミー・ベル(指)
ネリー・リー(S)
ボリショイ・ソロイスツ・アンサンブル&アレクサンダー・ラザレフ(指)
ライオラ・グロドニカイト(Ms)
オレー・クリサ&ナタリア・ロメイコ(Vn)
コンスタンティン・ボヤルスキ(Va)

録音2009年5月30日、2006年12月1日、1984年1月6日、2009年6月29日、2000年4月30日
何かと話題のシュニトケの作品集です。初期に書かれたピアノのための前奏曲はラフマニノフやショパンの影響を強く受けたロマンティックな作品。まだ後年の個性的な作風は芽を出していませんが、これはこれで聴き映えのする曲集です。チェロよりも他の楽器の活躍の方が耳に残る「ディアローグ」は、このチェロの音色の孤独感を狙ったのかもしれません。基本は3つの音による終わりのないヴァリエーションということになっていますが、なかなか難解な音楽です。「イエロー・サウンド」は不気味な音の連なりの中に強い主張を感じさせます。ロシア語で歌われる観念的な詩も面白いところです。パステルナークの「ドクトル・ジバゴ」から歌詞を取った「マグダリーナ」、晩年の作品である「変奏曲」と、知られざる作品目白押しの1枚です。
TOCC-92
リスト:交響詩集第2集〜オーギュスト・ストラーダルによる独奏ピアノ編曲版
交響詩「オルフェウス」
交響詩「タッソ,悲哀と勝利」
交響詩「ハンガリー」/交響詩「ハムレット」
リスト=マッティ・マリン(P)

録音:2012年8月6-7日フィンランドクーサンコスキ、クーサー・ホール
※全て初録音
第1集(TOCC0035)に続く、ピアノ編曲で聴くリスト作曲「交響詩」の第2集です。極めて濃い物語性を持つリストの交響詩は全部で13曲あり、作曲家自身も2台ピアノ用に編曲した版を作っていますが、こちらのストラーダル(1860-1930)による編曲は、オーケストラの多彩な響きをピアノ独奏曲として完璧に置き換えることに成功したものです。もちろん求められている技巧は超人的なものですが、ここで演奏しているマッティ・マリンはテクニック、音楽性ともども申し分なく、この見事な音の建築物を極上の状態で聴き手に提示しています。
TOCC-97
ヤーニス・メディンシュ:24の前奏曲 ジョナサン・パウエル(P)

2008年8月11-12日ドゥルハム音楽大学
ラトビア音楽の先駆者の一人であるメディンシュ(1890-1966)は、また指揮者であり教師でもありました。彼の作品の中には、初のラトビア語によるオペラがあり、またラトビアの民族詩をモティーフにした作品も数多くあります。この24曲の小品集は「前奏曲」と題されていますが、全てはラトビアの民謡が元になっていて、そこにラフマニノフやグリーグ、スクリャービンから連なる抒情性が加味されています。第2次世界大戦の時はスウェーデンに渡り、ストックホルムで死去しましたが、彼は亡くなるまで祖国への思いを胸に抱いていたに違いありません。
TOCC-0098
メイヤー(1943-):チェロとピアノのための作品全集
チェロ・ソナタ第1番Op.62/カンツォーナOp.56
チェロ・ソナタ第2番Op.99
エヴァ・ミチェルカ(Vc)
エマ・アバテ(P)
カタルジーナ・グレンシュ(P)
1943年にクラコフで生まれたメイヤーは、ルトスワフスキ、ペンデレツキ、そしてナディア・ブーランジェに学び、現代ポーランドの主要な作曲家の一人として活躍しています。彼の音楽は、友人でもあるショスタコーヴィチの流れを汲んだ、調性感のしっかりした叙情性を帯びたもの。とりわけこのチェロ作品集はメロディアスで透明な美しさを存分に湛えています。たとえばソナタ第1番の第1楽章。「神秘的に」と題された冒頭のピアノの音形は、まるで氷の結晶に光を当てたような煌めきを帯びています。2004年に書かれた第2番ですが、そのしみじみとした歌心は全く変わることがありません。深々と歌うチェロの音色に陶然となることでしょう。
TOCC-0099
ゲルンスハイム(1839-1916):2つのピアノ五重奏曲
ピアノ五重奏曲第1番ニ短調Op.35
ピアノ五重奏曲第2番ロ短調Op.63
アルト・ヴィヴォSQ[イングリータ・リペイト(Vn)/クリスティョナス・ヴェンスロワス(Vn)/トマス・ペトリキス(Va)/ポヴィラス・ヤクンスカス(Vc)]
エドゥアルド・オガネシアン(P)]

録音:2009年1月3-6日リトアニア、ヴィルニウススタジオ・プラノ
ドイツの作曲家、指揮者、ピアニスト、ゲルンスハイムの室内楽作品集です。ドイツ連邦共和国のヴォルムスに生まれ、7歳から地元の音楽監督リーベ(シュポアの弟子)に学び音楽の素養を得ました。1848年から革命を避け、一家はマインツ、ライプツィヒと住まいを変え、ライプツィヒではピアノをモシェレスに学びます。1855年から1860年までパリに留学したことで、ラロやサン=サーンスとも親交を深めています。しかしながら彼の作風はドイツロマン派に属するもので、ブラームスやシューマンと同じように堅固な構成を持ち、重厚な音と響きで勝負します。彼の作品は、すっかり忘れ去られていましたが、10年ほど前に交響曲全集が発売された時、熱狂的な聴き手の間で少しだけブームが起きたことがありました。それ以来、少しずつ録音の数も増えてきてはいますが、そろそろ、もっと多くの人に愛されてもよい時期が来たのかもしれません。それほどまでに魅力的な作品ばかりです。

TOCC-0100
ドヴォルザーク:ヴァイオリン、ヴィオラとピアノのための歌曲編曲集(ヨゼフ・スークによるヴァイオリン編曲版)
ジプシーの歌Op.55
民謡風の歌曲Op.73〜おやすみ/ああおまえはもういない
愛の歌Op.83
4つの歌Op.82〜第1番「私にかまわないで」子守歌B.194聖書の歌Op.99
モラヴィア二重唱曲集Op.32B.62〜第11番「慰め」
ヨゼフ・スーク(Vn&Va)
ウラディーミル・アシュケナージ(P)

録音:2009年9月6-8日プラハボヘミア・ミュージック・スタジオ
ドヴォルザークは「最高のメロディストの一人」として知られていますが、それは彼の作品のほんの一部であり、歌曲についてはまだまだ未知の分野と言っても差支えありません。しかしながら彼の旋律の根源は歌曲にあると言っても差支えないでしょう。ここでは、ドヴォルザークの曾孫にあたるヨゼフ・スーク(彼の祖父がドヴォルザークの娘と結婚していた)の愛情溢れる編曲によって一連の歌曲がヴァイオリン及びヴィオラのための作品として生まれ変わりました。「わが母が教えたまいし歌」以外は、歌われることすら稀なこれらの愛すべき歌曲集を独特の甘い音色を持つスーク自身のヴァイオリンで思う存分お聴きください。素朴な味わいと渋さが同居する「聖書の歌」の美しさも格別です。アシュケナージによるピアノ伴奏がこれまた素晴らしく、これこそまさに極上の1枚と呼ぶにふさわしいアルバムです。
TOCC-0102
テレマン:音楽による礼拝第5集
神は定めある命の人となり
全てのキリスト教徒よ喜べ!陽気に
目を覚ませ、あなたの罪深き夢から身を引き裂く
楽しき祭りに胸が高まり
全能の神の子の求める声が聞こえ
麻痺した龍はあなたを捉え
ベルゲン・バロック

録音:2008年9月12-18日ノルウェイOstre Toten,ホフ教会
1726年、ハンブルクで出版された72のカンタータからなる「音楽による礼拝」。これまでに全曲録音盤が存在せずファンをやきもきさせていた曲集です。TOCCATAが進めているこの全集、今回の第5集でも、全ての場面に熟練した対位法が使われ、各々の楽器と声楽が精妙な掛け合いを行う、いかにもテレマン(1681-1767)らしい創意工夫に満ちたものです。演奏は今回もベルゲン・バロックによるもので、ソプラノ、バロック・ヴァイオリン、ハープシコード&オルガン、テオルボ、バロックチェロによる編成からなる妙なる響きがたまりません。
TOCC-0103
ブクストン・オール:弦楽のための室内楽作品集
弦楽四重奏曲第1番「リフレインW」(1977)
バロック・ヴァイオリンとコントラバスのための二重奏曲(1994)
弦楽三重奏曲(1996)
弦楽四重奏曲第2番(1985)
ロンドン・ベートーヴェン弦楽三重奏団
アンドリュー・ロバーツ(Vn)
マヤ・ホムブルガー(バロックVn)
バリー・ガイ(Cb)

録音:2001年8月21-22日バークシャー,イースト・ウッドヘイ,聖マーティン教会
1924年グラスゴー生まれの作曲家ブクストン・オール(1924-1997)は、もともと音楽の才能を持ち合わせながらも、最初は別の道を志し、結局音楽を職業にしたのは30歳近くになってからという遅咲きの天才です。彼の名前は一部のブラス・バンド好きには知られていましたが、1997年に亡くなってからは、ほとんど顧みられることがありません。彼の作品はどちらかというと旋律重視であり、エレガントで古風な面も持ち合わせていて、とても聴きやすいものです。このアルバムでは4つの室内楽作品を聴いていただくことで、オールの再復興の足掛かりとなるのではないでしょうか。
TOCC-0104
ニコライ・ペイコ:ピアノ作品全集第1集
バラード(1939)
ピアノ・ソナタ第1番(1946-1954)
変奏曲(1957)/ソナチネ第2番(1957)
ブィリーナ(1966)
ピアノ・ソナタ第2番(1972-1975)
2台ピアノのための演奏会用三部作(1986)
ドミトリー・コロステリョフ(P)
マリア・ジェメシウク(P)

録音:2008年5月27日-7月7日 モスクワグネーシン音楽大学・コンサートホール
※初録音
音楽的な家庭に生まれ、幼い頃からピアノの才能を発揮し、モスクワ音楽院でミヤスコフスキーに学び、9曲の交響曲と、多くの管弦楽曲、弦楽四重奏曲やピアノ曲などに優れた作品を残したニコライ・ペイコ。教師としても優秀で、グバイドゥーリナも彼から指導を受けたことが知られています。しかし、当時のソビエトの作曲家の例に漏れず、彼も政権によってその活動を制限され、その作品のほとんどは現在忘れられてしまっています。しかし彼の作品からは、当時のロシアの文化の香りが確かに感じられます。ピアノ作品はオーケストラのような厚みを持つ音で構成されていますが、それは、まるで交響曲を書く間の息抜きのように、シンプルなフォームを持っています。もちろん高い技術を要する高度な手法で書かれています。1979年生まれのピアニスト、コロステリョフは現代ロシアの作品を得意とするピアニスト。鋭い打鍵と高い表現力を持つ人です。
TOCC-0105
ニコライ・ペイコ:ピアノ作品全集第2集
演奏会用練習曲(1940)
ソナチネ第1番ニ長調(1942)
ソナチネおとぎ話ニ短調(1943)
ピアノ・ソナタ第3番(1988)
左手のためのソナタ(1992)
2台ピアノのための協奏的変奏曲(1983)*
ドミトリー・コロステリョフ(P)
マリア・ジェメシウク(P)*
録音:2008年5月27日.6月7日モスクワグネーシン音楽大学コンサート・ホール、2009年1月24日モスクワ・コンセルヴァトリー大ホール
※初録音
帝政ロシアからソヴィエトへと移り変わりつつあった1905年以降は、この国の芸術家たちにとっても厳しい時代でした。このニコライ・ペイコ(1916-1995)もそんな作曲家の一人です。「帝政ロシア」の良き文化を引き継ぐ音楽的な家庭に生まれ、幼い頃からピアノを学び、ショスタコーヴィチの助手を務め、ミヤスコフスキーに師事するというエリートであり、9曲の交響曲や数多くの管弦楽作品、ピアノ曲を書きましたが、他の作曲家たちにように政権によって活動を制限され、そのまま忘れられてしまったのです。彼のピアノ曲には重厚な響きと、時にはショスタコーヴィチのような皮肉があり、また仄かな郷愁も感じられます。この2巻からなるペイコのピアノ曲集は、この時代を映し出す鏡のようなものといえるでしょう。ピアニスト、コロステリョフは1979年生まれ。モスクワで学び、ペイコの第1集をはじめ、ヴァインベルクなど数々のロシア音楽を録音しています。共感に満ちた音が心に残ります。
TOCC-0106
マリオ・ラビスタ:弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲第2番「夜の反射」(1984)
弦楽四重奏曲第3番「私の隣人の音楽」(1995)
弦楽四重奏曲第4番「シンフォニア」(1996)
弦楽四重奏曲第5番「7つのインヴェンション」(1998)
弦楽四重奏曲第1番「通時的な」
弦楽四重奏曲第6番「5つの部分からなる組曲」
ラテン・アメリカQ

録音:2007年2月19-20日メキシコ (全て初録音)
メキシコの現代作曲家(作家としても活躍)、マリオ・ラビスタ(1943-)の弦楽四重奏曲全集です。彼は室内楽、映画音楽、オーケストラ曲、声楽曲と多くの作品を書き、またラテンアメリカで最も重要な音楽誌「Pauta」を設立し、その編集長としても良い仕事をしています。このアルバムで聴ける彼の作品も、そんな多彩な才能を反映してか、多種多様な音楽性に満ちています。最初の曲「夜の反射」は不可解に捻じ曲げられた光が目に見えるような音楽。弦の特殊奏法も駆使して、聴き手を夢幻的な世界へと誘います。他の曲も、時には新古典派的な動きを見せたり、延々と歌い継がれる息の長いフレーズがあったり、と1曲ごとに変わる作風が興味をそそります。
TOCC-0107
ザーロモン・ヤーダスゾーン(1831-1902):ピアノ三重奏曲集
ピアノ三重奏曲第1番ヘ長調Op.16
ピアノ三重奏曲第2番ホ長調Op.20
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.59
シリウス三重奏団[エリザベス・クーニー(Vn)/ジェーン・コーズ=オハラ(Vc)/ボビー・チェン(P)]

録音:2009年3月14-15日コールドウォルザム、チャンプス・ホール
ヤーダースゾーンは、ブレスラウのユダヤ人一家の元で生まれました。当時はメンデルスゾーン家が代表するように、ユダヤ人は高い学歴と家柄を誇っており、彼もその例外ではありませんでした。彼はライプツィヒでモシェレスにピアノを学んだ他、ワイマールでは個人的にリストと学ぶなど、当時の最高の音楽教育を身につけました。その後、ディーリアスやブゾーニ、グリーグらを教えるなど教師としても尊敬される生涯を送ります。またユダヤの音楽を積極的に広め、シナゴーグ(ユダヤの教会)では合唱音楽などにも力を注ぎました。彼の音楽は古典的で上品な味わいを持ち、メンデルスゾーンからシューマンに至るロマン派の特性を存分に備えています(とはいえ、1880年に書かれた第3番のトリオは、かなり悲痛な面持ちで始まります)。全体に漂う儚げで甘い旋律に耳を奪われる人も多いのではないでしょうか。
TOCC-0108
ベートーヴェン:ヴィオラとピアノのための編曲集第1集
ヴィオラ・ソナタイ長調断章
ホルン・ソナタOp.17(P.シルヴァートーンによるヴィオラ編)
ノットゥルノOp.42(カール・クサヴァー・クラインハインツによるヴィオラ編)
大二重奏曲変ホ長調Op.20(七重奏曲よりF.ヘルマン編、P.シルヴァートーン改編)
ポール・シルヴァートーン(Va)
デヴィッド・オウエン・ノリス(P)

録音:2009年6月23-26日フェランドゥ

※1-4.12-17…初録音
これもまた、TOCCATAレーベルならではの「珍盤」と言えそうです。ベートーヴェンの室内楽作品をヴィオラで弾いてみるという試みです。ホルン・ソナタあたりは「なるほどね」感たっぷりですが、七重奏曲を編曲した「大二重奏曲」などは、まさにびっくりの逸品です。この曲を最初に編曲したヘルマンは1828年に生まれ1907年に没した音楽家です。音の過不足ない編曲は神業とも言える域に達しており、この編成で聴く不自由さは一切感じません。本来、弦楽三重奏のための「ノットゥルノ」を編曲したクラインハインツは1765年に生まれ、1832年に没したベートーヴェンと同世代の作曲家。当時の上流家庭では、このように交響曲や室内楽、歌劇などを家庭でも演奏しやすいように編曲したヴァージョンが大人気でした。枯れた音色が魅力のシルヴァートーンの使用楽器は1620年製のアマティで、ピアノは1865年頃制作のブリュメルです。
TOCC-0110
ハヴァーガル・ブライアン:管弦楽作品集第1集
伝説:Ave atque vale(1968)
悲歌(1954)*
創作主題によるブルレスケ変奏曲(1903)
イギリス組曲第5番「田園的な情景」(1953) 1
ゲーリー・ウォーカー(指)
BBCスコティッシュSO

録音:2009年7月23-24日グラスゴー シティ・ホール
※*=初録音、その他は商業的初録音
英国の作曲ハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)は、数多くの交響曲(32曲)を書きながらも、生涯にその作品はほとんど顧みられることなく、ようやく彼の死後、少しずつ評価が高まってきたことで知られています。作品は概ね長大で、活動の初期には絶賛されながらも、大部分は忘れられたため、今でも全貌が明らかになることはありません。このアルバムに収録されている曲は1903年の若書きの作品から(エルガーの「エニグマ」に触発された変奏曲、最後から2番目に書かれた1968年の作品まで、その活動期間はなんと65年にも渡ります。
TOCC-0111
バッハ=シークフリート・カルク・エレルト:オルガン編曲集全集
カプリッチョ(原曲:トッカータ ト長調 BWV916 第1部)
幻想曲とドッペル・フーガ BWV904
交響的牧歌(原曲:クリスマス・オラトリオ BWV248 第2カンタータ〜シンフォニア)
トッカータ ホ短調 BWV914
即興的コラールとフーガ(原曲:主に向かって新しき歌をうたえ BWV225より)
エコー(原曲:パルティータ ロ短調 BWV831より)
トッカータ ニ短調 BWV913
アダージョ(原曲:管弦楽組曲第3番「エア」)
スヴェルケル・ユーランデル(Org)

録音:2006年1月24-26日 イエテボリ ヴァーサ教会
ドイツの作曲家、カルク・エレルト(1877-1933)はジャーナリスト(新聞社の編集長)の父の下に12人兄弟の末子として生まれました。1883年父の死去に伴い、家族でライプツィヒに移住し、教会で音楽教育を受けながら、少年合唱隊として活動し、オルガン演奏にも非凡な才能を見せました。しかし14歳の時に教師になるべく、小さな町グリンマに出向、教えながら、オルガンを演奏する毎日を送りました。しかし、2年後、本格的に作曲活動に専念すべく、マルクシュタットへ行き、独学で音楽理論とオーボエを学びます。その後、グリーグに認められ、当時の音楽にも心酔し、半音階的な書法を会得したのでした。彼はオルガンやハルモニウムの為の作品を多く作曲し、これらはアメリカ、イギリス、フランスで大きな人気を獲得したのですが、ここで聴けるのはバッハの様々な作品をオルガン用に編曲したもので、原曲に忠実ながらも、時折ワーグナー的な響きが聞こえてくるあたりがたまりません。
TOCC-0112
ヴィッサリオン・シェバリーン:無伴奏合唱組曲全集
プーシキンの詩による5つの合唱曲Op.42
レルモントフの詩による3つの合唱曲Op.47
ソフロノフの詩による3つの合唱曲Op.44
タンクの詩による6つの合唱曲Op.45
イサコフスキの詩による4つの合唱曲Op.50
モルドバの詩による3つの合唱曲Op.52
我が孫たちに-子どものための4つの合唱曲
森の開拓地で-子どものための7つの合唱曲
映画「グリンカ」より国防市民軍兵の合唱「おお、夜明けよ」 音
ニコライ・コーンジンスキー(指)
ロシア・コンセルヴァトワール室内合cho

録音:2008年5月14.16.19日モスクワ ロシア放送曲 第1スタジオ
※全て初録音
シベリア、オムスク生まれの作曲家、シェバリーン(1902-1963)の珍しい合唱作品集です。両親ともに音楽教師という環境の元に育った彼は20歳の頃にモスクワへ行き、グリエールとミャスコフスキーに見いだされ、モスクワ音楽院で学びました。ショスタコーヴィチとも親交を結び、1920年代には現代音楽連合(AMM)のメンバーとしても名を連ねています。初期には印象派の影響を受けるも、後には社会主義リアリズム路線に転じ、チャイコフスキーの「1812年」の終結部の改変などを行っています。当局の依頼により作曲家の書いた本来の形を変え、旧ソ連国歌を挿入。今でもその形は耳にすることが可能であり、当時の「国家事情」を慮るには最適な作品と言えましょう。さて、このアルバムですが、ここには彼本来の姿であろう「控え目で楽観的」な作風が横溢する合唱作品集です。民謡風で素朴な味わいです。
TOCC-0114
フィリップ・ラミーピアノ作品集第3集1960-2010
組曲(1960-1963 改編1988)<前奏曲/アリア/スケルツォ/ガーシュウインへのオマージュ/喚起/行進曲/バラード/ブルレスケ/ロシア風の讃歌/トッカータ>
2つの小品/トッカータ・ジョコーサ
スラヴ風狂詩曲(ノヴゴロドのクレムリンの夜)
フォスターの主題によるブルレスケ=パラフレーズ
ディエス・イレによるバガテル
ディエベル・バニ(サハラン・メディテーション)
ブルー・ファントム
ピアノ・ソナタ第6番(幻想ソナタ)
ティーブン・ゴスリング(P)

録音:2010年5月7.8.10日ニューヨーク パトリック・サウンド・スタジオ
※作曲家立ち会いにて初録音
アメリカのピアニスト、作家、そして作曲家であるラミー(1939-)のピアノ作品集第3集です。彼は20代の初めに、ロシアの名作曲家チェレプニンから作曲を学んだ後、アメリカへ行き、多くの音楽家たちと交友を持ちます。その中にはコープランド、バーバー、バーンスタイン、トムソンなどの作曲家や、ホロヴィッツなどの名演奏家も含まれます。そして彼は、1977年から1993年まで、ニューヨーク・フィルのプログラム・エディタとして活躍し、作曲家たちへのインタビューや、演奏などの解説をこなしていることでも知られます。このアルバムでは1960年から最近の作品までの様々な作品を聴くことが可能です。プロコフィエフやバルトークなどの新古典主義の作風による「組曲」に始まり、抒情的な「スラブ風狂詩曲」などをはさみ、技巧的で劇的なソナタ第6番で幕を閉じます。作曲家お墨付きのゴスリングによる演奏です。
TOCC-0117
ニコライ・チェレプニン:ピアノ作品集
3つの小品Op.24
ロシアのアルファベットによる14のスケッチOp.38
漁師と魚の物語Op.41
デイヴィット・ウィッテン(P)

録音:2009年6月28-30日ニューヨーク
※全て初録音
このアルバムに収録された曲を書いたチェレプニン(1873-1945)は、既に良く知られているアレクサンドルではなく、その父、ニコライです。サンクトペテルブルクで生まれ、リムスキー=コルサコフに作曲を学び、一時期は指揮者としても活躍。ディアギレフの「ロシア・バレエ団」でも(指)台に立っていた人です。フランス印象主義の影響も受けつつ、古典的なフォルムを持った愛らしいピアノ曲を多く書いています。このアルバムに収録された3つの曲集は、なんとも軽妙洒脱であり、また示唆に富むものです。ブックレットの中には、「ロシアのアルファベット」の元となったイラストも挿入されていますので、一層イメージが膨らむことでしょう。
TOCC-0118
エルンスト(1812-1865):ヴァイオリンとピアノのための作品全集第1集
マイヤーベーアの「プロフェテ」による華麗なる幻想曲Op.24
2つの夜想曲Op.8
ヴェニスの謝肉祭(カンツォネッタ「私の愛する母さん」によるヴァリエーション・ブルレスケ)
2つのサロン風の曲
ドイツ風の主題による変奏曲
オベロンの主題によるドイツ風ロンド
ロンド・パパゲーノ
シェルバン・ルプー(Vn)
イアン・ホブソン(P)

録音:2010年4月2.3.5.7日イリノイ大学フォーリンガー・グレート・ホール

※33-40…初録音、5-30;全曲初録音
ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンストはベルリオーズ、ショパン、リストたちと同世代のロマン派の作曲家です。モラヴィアで生まれ、9歳からヴァイオリンを始め、14歳の時にパガニーニの演奏を聴いて超絶技巧の喜びに目覚めます。/パガニーニの曲を耳コピし、本人の目の前で「ネル・コル・ピウ変奏曲」を演奏し、彼を驚愕させたという伝説もある人で、その作品もまたパガニーニを思わせる華麗で演奏困難なものばかりです。彼の最も知られた作品は、この盤にも収録されている「ヴェニスの謝肉祭による変奏曲」で、彼自身もこの曲を演奏し、ヨーロッパ中を感嘆させたと言われています。1952年ブカレスト生まれのヴァイオリニスト、ルプーの演奏は技巧を全面に押し出すというよりも、曲の叙情性を重視した味のある演奏が魅力です。
TOCC-0119
ヘイノ・エッレル:ピアノ作品全集第1集
前奏曲第1巻(1914-1917)
6つの組曲(エストニア組曲…1946)<ビリー・ゴートの踊り/ラウンド・ダンス/民謡/角笛の調べ/民謡で/踊りの調べ>
トッカータロ短調(1921)
踊りロ短調(1930)/性格的な踊り(1941)
ダンス=カプリース(1933)/鐘(1929)
ピアノ・ソナタ第2番(1939-1940)
ステン・ラスマン(P)

録音:2008年12月11-12日オールド・グラナリー・スタジオ
エストニア、タルトゥに生まれ、多くの作品を残したヘイノ・エッレル(1887-1970)。現在では彼の作品のほとんどは忘れられてしまい、仄かに名を残すのは「アルヴォ・ペルトの師」であったことくらいでしょうか?主にヴァイオリニストとして活躍した人ですが、ピアノ曲も多く書いていて、その量はおよそCD7枚分にも及びます。ショパン、グリーグの抒情性を受け継ぎ、そこにエストニア民謡や北欧の雰囲気を加え、時にはプロコフィエフ風のエネルギッシュさを感じさせる幅広い音楽です。
TOCC-0122
ギュンター・ラファエル(1903-1960):ヴァイオリンのための作品集
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネロ短調Op.52(1944)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタホ短調Op.46-2(1940)
2台のヴァイオリンのためのデュオト短調Op.47-1(1940)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.46-1(1940)…初録音
ヴァイオリン・ソナタハ長調Op.43(1936)
パウリーネ・レグウィック(Vn)
ダリウス・カウナス(Vn)
エミリオ・ペローニ(P)

録音2010年2月1日、2010年3月12日
最近、cpoから立て続けに作品がリリースされた話題の作曲家、ギュンター・ラファエル。珍しい作曲家だと思っていましたが、こんなにすぐヴァイオリン作品の聴き比べができるとは思いもしませんでした。作風は新古典主義なのですが、微妙に懐かしメロディもあり、不思議と心にしみこむ音楽です。cpoの演奏は、作曲家の娘ということで解釈は(恐らく)父譲りの筋金入りでしょう。こちらは演奏家自身による新たな構築とでも言えるでしょうか。このヴァイオリニスト、とにかく音色が力強く、湧き上がるような低音が魅力的です。無伴奏ソナタでのむせび泣くような歌いあげ方は圧巻。バッハの面影を持ちつつも現代的な音の建築物を目の前にしっかり見せてくれます。
TOCC-0123
ゲオルギー・スヴィリードフ:讃歌と祈り
イントロダクション/旧約聖書から
キリストの誕生/地上でのキリストの生活
復活の後
クレド室内Cho
ボグダン・プリシュ(指)

録音:2004年3月-4月キリフ=ペチェレスカ・ラヴラ大聖堂
※初録音
スヴィリードフ(1915-1998)はソビエト時代に活躍した作曲家で、20世紀後半のロシアを代表する作曲家の一人と讃えられています。彼はその作品にロシアの民族音楽を好んで取り入れたことで知られ、現在でも愛好者の多い人です。ショスタコーヴィチに師事し、ジダーノフ批判で師が批判された際には、その批判に同調しなかったことでも知られています。このアルバムでは彼の作品の中でも、最も重要な分野である宗教的な合唱作品を聞くことができます。チャイコフスキーとラフマニノフ以降のロシアの宗教曲の中でも、最も重要なこれらの作品は並外れて美しく、深く心を揺さぶるパワーを有しています。ここで力強い合唱を聴かせているクレド室内合唱団は、2002年4月に設立されたウクライナ屈指の合唱団で、これまでも数多くのコンサートで素晴らしいハーモニーを披露してきた団体です。指揮者のプリシュは1977年生まれの若手で、クレド室内合唱団の創設時から音楽監督を務めています。
TOCC-124
アイヴィン・アルネス:歌曲集
N.M.フォルケのテクストによる4つの歌Op.34
G.フレーディングとN.M.フォルケのテクストによる4つの歌Op.35より
N.C.フォークトの詩による3つの歌Op.29より
R.バーンズとH.ハイネのテクストによる5つの歌Op.6
V.ストッケンベルクの詩による3つの歌Op.26
H.ヴィルデンヴェイの詩による4つの歌Op.30より
A.ホフデンとA.O.ヴィンジェのテクストによる6つの歌Op.22
N.C.フォークトのテクストによる中声のための3つの歌Op.23より
O.スティァーネとN.C.フォークトのテクストによる4つの歌Op.41より
アン=ベス・ソルヴァング(Ms)
エーリング.R.エリクセン(P)

録音:2009年6月22-24日スタヴァンゲル,リール・コンセルトザール
ノルウェーの作曲家アルネス(1872-1932)の歌曲集です。以前発売となったピアノ作品集(TOC-C0067)では、抒情的な音楽の中にノルウェーの民族音楽のメロディーやリズムを配した独自の作風が話題となりましたが、こちらの歌曲は、もっと彼の内面に即した繊細かつ表現力豊かなものです。こんなに愛らしい曲ばかりなのに、これらは一部の歌以外はほとんど歌われたこともないというのも驚きです。ピアノを弾いているエリクセンは、前述のピアノ作品集でも見事な演奏を聴かせていましたが、ここでは更に曲の内面へ踏み込んだ共感溢れる音楽を奏でています。アルネスの生誕140年と没後80年の記念アルバムとなります。
TOCC-0125
エルンスト・クシェネク:室内オーケストラのための作品集
最初からOp.219(1974)
ナイチンゲールOp.68a(1931)
時の谷間にOp.232(1979)*
静かに、そして有頂天にOp.214(1971-72)
偽善者Op.229(1978)
アガタ・ズーベル(S)
マティアス・ハウスマン(Br)
エルンスト・コヴァチク(指)
レオポルディヌム・オーケストラ

録音:ポーランドワルシャワ放送ホール2011年3月21-23日…1.2.4-13.14
2011年5月15日*

*初録音
あの橋本國彦も師事していた作曲家クシェネク(1900-1991)ですが、まだまだ全容が知られているとは言えません。このアルバムにはクシェネクが1931年から1979年の間に書いた室内オーケストラのための5つの作品が収録されています。チェコ系の家庭に生まれたクシェネクは、ナチスの弾圧から逃れることができず、1938年にアメリカへ亡命。ニューヨーク、ミネソタ、カリフォルニアへと移住し、この地の風味を取り入れた音楽を数多く書きました。彼の音楽はシニカルで、不安定なユーモアを含みながらも、総じて劇的なもの。どれも面白いのですが、1931年の「ナイチンゲール」は、初期の作品だけあってまだまだ後期ロマン派の影を引きずっているのが興味深いところ。その後の彼の変遷を辿るのはまことに興味深いものです。
TOCC-0126
アーサー・ファーウェル:ピアノ作品集第1集
エニサーモンの谷Op.91
オマハでのワーワンの式典での印象Op.21
ポリトーナル・スタディズOp.109より
リサ・チェリル・トーマス(P)

録音:2011年7月24-25日サフォークベッケルス,オールド・グラナリー・スタジオ
アーサー・ファーエル(1872-1952)はアメリカの作曲家、指揮者、楽譜出版社で、作家でもあり、また神秘主義者でもありました。本来は技術者となるべくマサチューセッツ工科大学(!)で学びましたが、奇人作曲家ルドルフ・ゴットに邂逅したことで音楽に転向するという面白い経歴を持っています。とにかく型破りであり、自ら起こした楽譜出版社「ワーワン・プレス」ではネイティヴ・アメリカの民族音楽にちなんだ作品ばかりを出版したり、ニューヨークで1000人の歌手を揃えて自作を指揮したりと、何かと話題多き人でした。その作品も夥しい数があり、曲によっては複調を用いていたり、別の曲はごくシンプルであったりと、これらも本当にとらえどころのないものばかりです(Op.21の組曲はまさにファーエルらしい「インディアンの儀式」を音楽で表しています)。そんなファーエルの作品の森に好奇心を持って分け入りませんか?こちらも彼の生誕140周年と没後60周年の記念アルバムとなります。
TOCC-0127
セルゲイ・ワシレンコ:ヴィオラとピアノのための作品全集
ヴィオラ・ソナタOp.46/子守歌
古いリュート音楽から4つの小品Op.35<パヴァーヌ/マドンナ・テネリナ/わが心のご婦人のためのセレナード/騎士>
眠れる河/東洋風の踊りOp.47(アルタモノヴァ編)
ゾディアクス組曲<序曲/パッサカリア/メヌエット/嘆き/ミュゼット>
4つの小品(1953)<前奏曲/練習曲/伝説/スケルツォ>
エレーナ・アルタモノヴァ(Va)
ニコラス・ウォーカー(P)

録音:2010年3月26.31日ロンドン ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック
帝政ロシアの最後の時代に活躍した作曲家、ワシリエンコ(1872-1956)の珍しい室内楽作品集です。彼は1888年に初めて音楽教育を受け、最初はグレチャニノフの個人指導を受けましたが、その後、タネーエフの薫陶を受け、またスクリャビンにも影響され、象徴主義や印象主義の特徴を持った音楽を書いていました。しかし、その後は様々な国の民族音楽に心惹かれ、ロシアだけでなく、極東の音楽までをも取り込み、不思議な異国趣味を感じさせる音楽を書いたことでも知られています。ここに収録された作品は、そんな彼の特徴が理解できるものばかりで、社会主義的リアリズムから背をそむけた感のある、一瞬「フォーレ?」とも思える流麗な中期の名作ヴィオラ・ソナタ(しかし和声はもっと複雑)、東洋趣味が発揮された「東洋風の踊り」など、聴きごたえのある作品が並びます。歴史に埋もれた秘曲を聴く喜びがここにあります。
TOCC-0128
ニコライ・コルンドルフ:チェロのための作品全集
チェロと弦楽,パーカッションのためのコンチェルト・カプリッチョーソ
チェロとピアノのための三部作*
独奏チェロのためのパッサカリア#
アレクサンダー・イヴァシュキン(Vc)
アーニャ・アレクセイエフ(P)
コンスタンティン・クリメッツ(指)ロシアPO

録音:2005年11月21日モスクワ・コンセルヴァトワール・大ホール(ライブ)
2006年12月1日カナダワーテルロー,ラザリディス劇場*
2001年8月3-6日モスクワ・ラジオ・ハウススタジオ・ワン#
ロシアの知られざる作曲家、コルンドルフ(1947-2001)の作品集です。彼はモスクワ音楽院で学び、オペラを発表しながら指揮者としてのキャリアも重ねました。その作風は年代毎に変化していますが、基本的に無調であり、神秘的な表現主義をとる曲が多いことで知られています。晩年はカナダのヴァンクーヴァーに移住し、電子音楽にも興味を示しました。このアルバムには3つのチェロ作品を収録。宗教的であり、ロック音楽の影響も受けている「コンチェルト・カプリッチョーソ」、民謡とロシア正教を結びつけた「三部作」、ダンテの新曲からインスパイアされた「パッサカリア」(チェリストは口笛も吹く)と、不思議な音空間が広がります。チェリストのイヴァシュキンはコルンドルフの親しい友人で、パッサカリアは彼のために書かれています。
TOCC-0129
マリピエロ:ピアノ作品全集
主題と14の変奏曲(1938)
小さな音楽(1941)
ピアノへの招待(1949)/星座(1965)
ピアノのための7つのやさしい小品「ロンディーニ・ディ・アレッサンドーロ」(1971)
2番目の日記(1985)
ホセ・ラウル・ロペス(P)

録音:2009年8月3.5.11日、2009年8月4日、2010年8月11日、2011年8月1日
※全て初録音:
いかにもTOCCATAらしい1枚です。レスピーギ以降のイタリア音楽史に重要な足跡を残した三人の作曲家、カセッラ、ピツェッティ、マリピエロ(1914-2003)は当時全盛を誇っていた「オペラ」からの脱却を図り、モンテヴェルディやフレスコバルディなどの「古いイタリア音楽」と「器楽音楽」の復興に尽力した人として知られています。そのフランチェスコ・マリピエロの甥であるリッカルドが今回の作曲家です。彼はミラノでピアノを学び、トリノ音楽院で作曲の学位を取得しました。1938年頃から12音技法に興味を持ち、手始めに「主題と14の変奏曲」でその技法を使ってみたのでしょう。その後、ダッラピッコラやマデルナとともにイタリアの12音技法を推進する先駆者となりました。他の5つの作品も精緻な技法を凝らして書き上げられていますが、とは言え、12音を徹底的に追求しながらも、表現や色彩を重んじているためか、時にはルールを破ることも厭わなかったようで、時として抒情的な響きが現れるところが面白いものです。
TOCC-131
テオドール・グレゴリー:ビザンチウム・アフター・ビザンチウム
3部作の協奏曲:ビザンチウム・アフター・ビザンチウムT(1994)
偉大なるパッセージ:無伴奏ヴァイオリンの為のソナタ-ビザンチウム・アフター・ビザンチウムU(1999)
永遠への回帰:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ-ビザンチウム・アフター・ビザンチウムV(2004)
スティーヴン・ルプー(Vn)
イアン・ホブソン(指)シンフォニア・ダ・カメラ
アンドレイ・タナセスク(P)

録音:1996年10月17日イリノイ州クランネート・センター・オブ・パフォーミング・アーツ・ライヴ
1999年5月5-6日ブカレスト,ルーマニア放送レコーディング・スタジオ
2005年6月11-12日ブカレスト,ルーマニア放送レコーディング・スタジオ
モラヴィアにうまれたグレゴリー(1926-)は現代ルーマニアの主要作曲家の一人です。エネスクの後の世代であり、現代的な書法を持つ素晴らしい作品を書く人ですが、なぜかあまり国外で話題になることがないのが本当にもったいないものです。彼の作品のルーツはルーマニアの民族音楽にありますが、この作品はそれらの雰囲気の中に古代東ローマ帝国(ビザンチン)の雰囲気を溶かし込んだ独特な風合いを持ち、一度聴いたら忘れられない印象を残します。
TOCC-0132
ヘイノ・エッレル:ピアノ作品全集第2集
ソナティネ嬰ヘ短調/
8つの小品<メロディ/ミュージック・ボックス/ワルツ/間奏曲/ロンディーノ/アレグロ・マ・ノン・トロッポ/アレグロ/ダンス>*
フリオーソアレグロ・コン・フォーコ
革命時のエピソード/ソステヌート.ト短調
アレグレット・モデラートハ短調
悲しみのシャンソン
アンダンテホ長調/ラルゲットイ長調
前奏曲集第3集
モデラート・アッサイ(主題と変奏)
エストニア舞曲
ステン・ラスマン(P)

録音:2009年9月14.23.24日サフォーク,ベックレスオールド・グラナリー・スタジオ

*=初録音
エストニアの作曲家ヘイノ・エッレル(1887-1970)のピアノ作品集第2集です。第1集(TOCC-0119)でもその豊かな楽想には驚かされたのですが、こちらも様々な音楽に満ちています。4分ほどのソナチネは単一楽章で書かれていて、簡潔な対位法と、深く抒情的な旋律がマッチしています。1948年に完成された「8つの小品」は、少なくとも半分の曲は以前に書かれていたと見られ、快活で明朗な作品です。また、彼の作風が端的に表れている「前奏曲集第3集」は、対照的な雰囲気を持つ4つの小曲で、スクリャビンを思わせる神秘性すら備えています。全7集のリリース予定。これからも楽しみです。
TOCC-0133
ジェラルド・シュルマン:ヴァイオリンとピアノのための音楽
ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲
ピアノのための主題と変奏「レオタウロス」
ヴァイオリンとピアノのための「枯葉」
ピアノのための「コントラスツ」
アリッサ・パーク(Vn)
ミハイル・コルジェフ(P)

録音:2010年12月20-22日カリフォルニア
1924年、東インド諸島で生まれたイギリス系オランダの作曲家シュルマン(1924-)の作品集です。彼の母方の祖母はハンガリー人であり、そのため彼は幼い頃、母の弾くピアノでハンガリー民謡を聴いていたためか、作品にもどことなくエキゾチックな雰囲気が漂っています。躍動的で暴力的さも秘めた「二重奏曲」、ピアノのための変奏曲「レオタウロス」は、彼のロンドン時代の友人であったピアニスト、タマーシュ・ヴァシャーリのために書かれた作品。また「枯葉」は4つの楽章からなる印象的な曲です。コントラスツはヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ジョン・オグドンの委嘱で書かれたもので、力強い音を楽しめます。
TOCC-0134
ヴィタウタス・バチェヴィチウス:ピアノ作品集第1集
モット第1番Op.18/モット第2番Op.21*
モット第3番Op.27/モット第4番Op.31
モット第5番Op.59/モット第6番Op.72
モット第7番Op.73#
:ガブリエリウス・アレクナ(P)
マシュー・ルイス(Org)*
ウルズラ・オッペンス(P)#

録音:2010年1月28日リトアニア国立フィルハーモニー,グレート・ホール
リトアニアの作曲家&ピアニスト、バチェヴィチウス(1905-1970)は「知られざる」20世紀音楽の先駆者の一人です。このアルバムは彼の代表作で7つの「モット」(リトアニア語?odis…言葉の意)が収録されています。これらは1933年から1966年の間に書かれていて、スクリャビンの作風を継承する初期のスタイルからプロコフィエフやストラヴィンスキーの影響を受けながら少しずつ変容し、やがては彼独自の音楽的言語へと進化していく様子を見ることができます。オルガンで奏される幽玄な第2番、音が粒子のように飛び跳ねる第7番など、とても面白いものばかりです。
TOCC-136
ヴィッサリオン・シェバーリン:管弦楽作品集第1集
組曲第1番Op.18(1934-36)
組曲第2番Op.22(1962)
ディミトリー・ヴァシリエフ(指)
シベリアSO

録音:オムスク・フィルハーモニー・ホール2012年4月2日、2012年6月3日
ロシアの作曲家シェヴァバーリン(1902-1963)は、ショスタコーヴィチの親しい友人として知られています。TOCCATAレーベルからは以前「合唱曲集」(TOC-C0112)がリリースされており、その力強さとストイックさを併せ持った素朴な曲は、ロシア音楽好きを心から唸らせたものでした。今回は彼の2つの管弦楽組曲をお届けします。第1番は30代前半の作品で、当時グネーシン音楽大学の作曲家の主任教授の任に当たるなど、その活動も広く注目されていた時期であり、その作品も推進力のある勇猛果敢な音楽となっています。しかし1948年のジダーノフ批判の犠牲者となってからは、楽壇から追放され、また自身も2度の大病に見舞われるなど悲惨な人生を送ることとなるのですが、それでも彼自身の創作意欲が衰えることはなく、この第2番の組曲を含む幾つかの作品を作曲し、音楽を創る喜びを端的に伝えています。
TOCC-0137
ミロスラフ・スコリク:ヴァイオリンとピアノのための作品集
映画「ハイ・パス」〜メロディ(1981)
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1963)
フツーリシュチナ三部作〜「アレグレットと舞曲」(1964)
独奏ヴァイオリンのための奇想曲(1978)
カルパチア狂詩曲(2004)/詩曲(2006)
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1990)
スペイン舞曲(1978)
ソロミア・ソロカ(Vn)
アルトゥール・グリーン(P)

録音:2010年4月5-7日インディアナゴセン・カレッジ,スーダー・コンサート・ホール
ウクライナの作曲家ミロスラフ・スコリク(1938-)は、リヴィウに生まれるも、第二次世界大戦後に家族がシベリアに追放されたため、その地で育ちます。彼はシベリアで、多くの「政治犯」とされる人から音楽を学び、教師として教えるまでになります。その後、ウクライナに戻り、一時期はモスクワへ行き、カバレフスキーにも音楽を学んでいます。彼の作品は、まさしく新古典派の潮流を受け継ぐものであり、大きなパワーを持っています。1964年、アルメニアの映画監督パラジャーノフが作家コチュビンキーの「忘れられた祖先の影」(日本では「火の馬」と題される)を映画化する際に、音楽をスコリクに依頼。革新的な手法で描かれた映像は高い評価を受けたのですが、ソ連では批判を受けてしまい、再編集を拒んだパラジャーノフはソ連から排斥されてしまったのです。スコリクは完成した曲から2作をヴァイオリンとピアノのために編曲、これがトラック5と6です。
TOCC-0138
ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第2集
ロッシーニの歌劇「オテッロ」による華麗なる幻想曲Op.11
ボレロOp.16/2つのロマンスOp.15
ル・プレ・オ・クレールの思い出
束の間の思考第1部
ロッシーニの主題による華麗なる変奏曲
シェルバン・ルプー(Vn)
イアン・ホブソン(P)

録音:2010年10月4.5.11.12日イリノイ大学 フォーリンジャー・グレート・ホール
知られざる「ヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾ」、エルンスト(1812-1865)の作品集です。彼はベルリオーズの友人であり、また、ショパン、リスト、メンデルスゾーンとも顔なじみでした。そしてヨーゼフ・ヨアヒムは彼を「私が知る限り、最も偉大なヴァイオリン奏者」と評しています。そんな素晴らしい人だったはずなのに、現在では幾つかのアンコール・ピースが知られているに過ぎません。TOCC-ATAレーベルでは彼の音楽を6枚のCDに分けてリリースする予定で、第1集(TOCC-0118)も大好評を持って迎えられました。変奏曲や幻想曲など、まさに超絶技巧の炸裂!
TOCC-0139
ジョン・マッケイブ/リサイタル
シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番イ短調 D784
エミリー・ハワード(1979-):空と水
ジョン・カスケン(1949-):忘れられない大きな枝
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ジョン・マッケイブ:テネブレ
フランク・ブリッジ:3つの叙情詩より第1番「心のやすらぎ」
ジョン・マッケイブ(P)

録音:2010年8月29日アンドリュー教会
ジョン・マッケイブ(1939-)はイギリス、リバプール生まれの作曲家です。彼はピアニストとしても知られ、自作を含む現代音楽から、ハイドンのピアノ・ソナタまで幅広いレパートリーを持ち、素晴らしい活躍ぶりを見せています。そんな彼ですが、2010年8月29日に「最後の公開ピアノ・リサイタル」を行い、半世紀にわたるピアニストとしての活動に終止符を打ちました。このアルバムはその記録となります。
TOCC-0140
ミーケル・ケレム:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1993-94)
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1996)
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ(2002)*
ヴァイオリン・ソナタ第3番(2006)
ミック・ムルドヴェー(Vn)
ステン・ラスマン(P)

録音:2007年7月23-25日タリン・エストニア音楽演劇大学コンサート・ホール、2006年6月6-7日タリン・エストニア国立ラジオ*
エストニアのヴァイオリニスト、ケレム(1981-)の作品集です。幼い頃からソリストとして活躍し、また作曲家としては、既に3つの交響曲を含む100作以上を発表しています。その中には「2台のチェロのための協奏曲」や9曲の「弦楽四重奏曲」3曲の「ヴァイオリン・ソナタ」など多岐に渡っています。やはり新古典派の影響が見受けられますが、時として、うっとりするような美しい瞬間もあり、なかなか侮れません。また、超絶技巧に彩られた緊張感たっぷりの無伴奏ソナタは彼自身の才能が端的にわかるものです。
TOCC-141
レオ・オーンスタイン:ピアノ作品集第1集
4つの即興曲(1905頃-06)
ピアノ・ソナタ第4番(1918頃)
祖国にて(1924)
コサックの印象Op.14(1914)
アルセンティ・ハリトノフ(P)

録音:2011年12月20-22日テキサス北テキサス大学,マーチソン・パフォーミング・アーツ・センター,マーゴット・アンド・ビル・ウィンスパー・パフォーミング・ホール
レオ・オーンスタイン(1892-2002)と言うと「108歳まで生きた人」であり、また自作に「妙なタイトルを付ける人」として広く知られています。彼自身、優れたユーモアセンスを持ち、また過剰なほどの説明好きであったとされ、そのユニークなタイトルもそんな彼の性格を物語るものの一つであったようです。彼の現存する最古(!)の作品は1905年頃に書かれ、最後の作品は1990年に書かれるという85年に渡る長き創作活動を俯瞰するため、TOCCATAではピアノ作品の全集を企画しました。記念すべき第1集には、前述の最初期のものを含む1924年までの作品が収録されています。まるでラフマニノフを思わせるロマンティックな曲集です。
TOCC-0142
ハイメ・レオン:声楽作品集
1-6.ミサ・ブレイヴ(1980)
7-12.歌曲集「小さな女の子よ、とても小さな女の子」(1986)
13-18.歌曲集<鳥と夢(1951)/遠くまで、遠くまで(1977)/いつも(1982)/セレナーデ(1977)/クリスマスの歌(1952)/ある日(1980)>
サラ・クリンス(S)…1-6.13-18
ジェンマ・コナ・アラベルト(Ms)…1-12
マック・マクルーア(P)
EAFIT大学SO…1-6
トノス・ウマノス(合唱)…1-6
アルカディア室内Cho…1-6
チェチリア・エスピノー
ザ・アランゴ(指)…1-6

録音:2009年2月9-11日メデジンEAFIT大学アウディトリオ・ファンダドレス
1-6.14…初録音
ハイメ・レオン(1921-)はコロンビアの音楽界の先駆者です。彼の作品のいくつかは既に録音されていますが、このように1枚全てが、彼の作品で構成されているアルバムは世界初となります。彼は作曲家、教師、ピアニストで、彼のピアノの師はブラームスとクララ・シューマンの弟子であるということで、ドイツ伝統のピアニズムを受け継いでいる人でもあります。このアルバムの中で最も注目したいのが、世界初録音となる「ミサ・ブレイヴ」でしょう。プーランクの宗教音楽を思わせる、無垢な美しさと力強さを兼ね備えた32分ほどのこの作品は、聴き手に新たな驚きと感動をもたらすことでしょう。フォスター作品を思わせる愛らしい歌曲も聞き所です。
TOCC-0143
アルジャーノン・アシュトン:チェロとピアノのための作品全集第1集
アリオーソOp.43
チェロ・ソナタ第1番ヘ長調Op.6
幻想小曲集Op.12
チェロ・ソナタ第2番ト長調Op.75※初録音
エヴァ・ミツェルカ(Vc)、
エマ・アバテ(P)

録音:2011年12月6-8日オックスフォードシャー,シャロウ・パーク・スタジオ
以前リリースされたピアノ作品集(TOC-C0063)は、なぜこの作曲家が忘れられてしまったのだろう?と思わずにはいられないほどの美しいメロディが横溢する、まるで香り高い花束のような曲が収録されていました。今回のチェロ作品集は、一層物憂げであり、どことなくシューベルトとブラームスを思わせる沈痛さと、府と見せる晴れやかさが見事なバランスを成す曲が収録されています。幅広い旋律を歌うため、チェロに要求される技巧はかなり高度なものですが、ここでチェロを弾くミツェルカは申し分なく、この美しい作品を弾ききっています。アバテのピアノとの対話を心行くまでお楽しみください。
TOCC-0144
マシュー・テイラー:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第5番Op.35
弦楽四重奏曲第6番Op.3*
弦楽四重奏曲第7番Op.37#
ダンテSQ…1-3
アレグリSQ*
サリエリSQ#

録音:2012年5月23-24日ロンドンイースト・フィンチリー,全霊教会
※全て初録音
マシュー・テイラー(1964-)の音楽は「現代に語りかける言葉と伝統的な形式を組み合わせた」聴き手に強く訴えかけるものです。ベートーヴェンやハイドンから連なる古典派の伝統を踏まえ、そこにシベリウスやニールセンの風味を隠し味にし、現代的な装いの音を描き出します。ここに収録されている3つの弦楽四重奏曲は、短い期間に集中して作曲されたものですが、3つの曲は各々感覚的にもデザイン的にも異なる様相を見せ、爆発的な機動力を秘めた曲から、繊細な子守歌まで多種多様。作曲家の才能を垣間見せてくれること間違いありません。既発の室内楽作品集(TOCC0015)も。
TOCC-0145
パーシー・シャーウッド:チェロとピアノのための作品全集
チェロ・ソナタ第1番Op.10(1891)
3つの小品Op.14(1900頃)
チェロ・ソナタ第2番Op.15(1900)
チェロとピアノのための5つの小品(1886-1887)
:ヨーゼフ・シュプーナー(Vc)
デヴィッド・オウエン・ノリス(P)

録音:2012年1月6-8日ユニヴァーシティ・オブ・サウスハンプトン,ターナー・シムス・コンサート・ホール
※全て初録音
1866年に生まれたアングロ=ドイツの作曲家パーシー・シャーウッド(1866-1939)は、今やほとんど歴史の流れに埋もれてしまい、ほとんど誰も顧みようとはしていません。そんな中、チェリスト、ヨーゼフ・シュプーナーは、この魅力的な「忘れられた作曲家」の復興に力を注ぎ、長い間知られていなかったシャーウッドの人生と音楽を再現することに成功しました。かつては母国ドレスデンで重要な位置にいたシャーウッドですが、第1次世界大戦の初めにイギリスに渡ってからは、隠遁生活を送り、その名前と音楽は彼の死とともに歴史から消えてしまったのです。ここ最近になぅて、いくつかの合唱作品や、ピアノ協奏曲などは少しずつ聴かれ始めてきましたが、今回のチェロ作品集は本当に演奏される機会すらないものでした。ロマンティックで内省的なこれらの音楽について語り尽くすかのような、シュプーナーによる愛に満ちた24ページのブックレットには頭が下がる思いがします(英語のみ)。
TOCC-0147
ベルンハルト・ゼクレス:室内楽作品集
8小節の行進曲=主題によるシャコンヌOp.38*
チェロ・ソナタOp.28
ピアノ三重奏のための「4つの楽章による奇想曲」
ヴァイオリン・ソナタOp.44
ソロミア・ソロカ(Va、Vn)
ノリーン・シルヴァー(Vc)
フィリップ・シルヴァー(P)

録音:2012年5月28.29.31日ミシガンランシング,ブルー・グリフィン・スタジオ
*=初録音
ドイツの作曲家ベルンハルト・ゼクレス(1872-1933)。彼の名前は現在クラシックの分野ではほとんど忘れられてしまっていますが、実はフランクフルトの音楽院に初めて「ジャズ科」を開設された時の学長として名前が残っています。それは1928年、まだまだジャズの存在すら認知されていない時期の大英断であり、その5年後にナチスによって「ジャズ科が廃止」されるまで、猛烈な批判と攻撃の矢面に立ち、常に革新的な思想と勇気をもって行動していたことは評価されるべきではないでしょうか。そんな彼の作品は、オペラから室内楽まで多岐に渡り、また数多くの興味深いフレーズを持っています。時にはジャ
ズ風な香りを持つゼクレスの作品も再評価されるべきものでしょう。
TOCC-0149
デイヴィッド・ブレイド:室内楽と器楽作品集
ソプラノと弦楽四重奏のための「朝」Op.3
ピアノのための3つの作品Op.8
ヴァイオリンとピアノのための「インヴェンション」Op.11
四重奏のためのソナタOp.13
2台ピアノのための「幼少期の思い出」Op.4
ピアノ三重奏のための「ダンサーのための音楽」Op.9
ピアノのための「後奏曲」Op.10
グレース・ディヴィッドソン(S)
ティペットSQ
セルゲイ・ポドベドフ(P)
ユーリ・カルニッツ(Vn)
ピーター・シグレリス(Cl)
エラート・ピアノ三重奏団
ロジッツァ・ストイチェヴァ&ホリ・ミカコ(ピアノ・デュオ)

録音:2006年〜2010年
1970年、北ウェールズ生まれの作曲家デイヴィッド・ブレイド。ロンドン、オックスフォード、クラクフで学び、英国風の端正さとポーランドの情熱を継承する独自の音楽を創り上げています。彼自身の言葉によると、「作曲家になるための標準的なルートを取ることはなかったが、音楽好きの家族の存在故に、音楽家にならないわけにはいかなかった」とのこと。そんなナチュラルな精神は自身の音楽にもフルに生かされており、このアルバムにもなかなか面白い曲が並んでいます。
TOCC-0150
ジョン・ピッカード:室内楽作品集
1-3.ピアノ三重奏曲(1990)
4.ヴァイオリンとピアノのためのインソムニア(1997)
5.独奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ(1997)
6-7.チェロとピアノのための告別(1999-2000)
8-10.ヴァイリンとピアノのためのソナタ(2004)
11.バスクラリネット、チェロとピアノのための「スノーバウンド」(2010)
ルペルト・マーシャル(Vn)…1-4.8-10,(Va)…5
ソフィー・ハリス(Vc)…1-3.6.7.11
イアン・ミッチェル(バスCl)…11
マシュー・リッカルド(P)…1-4.6-11
録音:2012年1月9日…4.5.8-10、2012年1月10日…1-3.6-7.11
※4-11…初録音
「21世紀の最も偉大な交響曲作曲家の一人として評される、技術と気質を備えている」と絶賛されるイギリスのジョン・ピッカード(1963-)。現在、彼の作品は管弦楽曲とピアノ曲のいくつかをで聴くことができますが、この室内楽作品集でも彼の特異な世界を感じ取ることができるでしょう。また、作曲年代は1990年から2010年に渡る20年間で、その間に変化したスタイルの違いを聴き分けるのも楽しいのではないでしょうか。強靭なリズムに支えられたピアノ三重奏、ここから先、どのように音楽が展開していくのだろう・・・と聞き入ってしまうシャコンヌ。そしてひたすら音に没入していくかのような「スノーバウンド」。ずっしりとした音楽を聴きたい人にオススメです。
TOCC-151
ワーグナー:オペラ名曲集〜オーギュスト・ストラーダルによる独奏ピアノ編曲版第1集
「ヴァルキューレ」より<ジークムントの愛の歌/ヴァルキューレの騎行/終幕の音楽>
「ジークフリート」〜森の小鳥
「神々の黄昏」〜<ラインの旅行き/ジークフリートの葬送行進曲>
ヴェーゼンドンク歌曲集<天使/止まれ/温室にて/悩み/夢>
ジャン・グリエルモ・ヴィツカッラ(P)

録音:2012年7月17-19日テキサスデントン,ウィスパー・ホール
※全て初録音
チェコのピアニスト、作曲家オーギュスト・ストラーダル(1860-1930)による見事なリストの「交響詩」ピアノ編曲版はお聞きになりましたか?こちらは、同じストラーダルによるワーグナー作品のピアノ版です。ストラーダルはブルックナーとリストの弟子であり、師の作品をはじめとした膨大な量のピアノ編曲(バッハなどのバロック期の作品も含む)を世に送り出した人ですが、どの作品もあまりにも超絶技巧を要するため、当時の演奏技術では持て余す人が多く、結果的にブレイクすることがありませんでした。最近では、これらの曲が求める技術を易々とクリアするピアニストが多く登場。ようやくこれらの「秘曲」が世に出ることとなってきています。まずは3つの歌劇からの名曲と、これまた美しい「ヴェーゼンドンク歌曲集」をピアノのみでお楽しみください。新たな魅力に開眼すること間違いありません。
TOCC-0152
デイヴィッド・マシューズ:独奏ヴァイオリンのための音楽集第1集
3つの練習曲Op.39(1986)
15のフーガ集Op.88(1998-2002)*
冬の旅Op.32(1982)
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn)

録音:2010年8月17-18日ハートフォードシャー,アルドバリー・パリッシュ教会
*=世界初録音
ロンドン生まれのディヴィッド・マシューズ(1943-)。彼の弟コリンも高名な音楽家ですが、実は、彼の生家は音楽に対して関心が低く、デイヴィッドは弟と互いに教え合いながら音楽家として成長したと言います(1960年代に巻き起こった第1次マーラー・ブームは彼らの創造性の発展に一役買い、一時期はデリック・クックとともに「第10交響曲」の補筆にも加わっています)。このアルバムでは、3つの無伴奏ヴァイオリンのための作品を収録。演奏家に異常なまでの技術的課題を提起する、シューベルトの「冬の旅」に触発された同名の作品、執拗なまでに音の動きを追求する「15のフーガ」、こちらも演奏困難な「3つの練習曲」と、どれもが興味深い作品です。卓越した技巧を持つスケアヴェズの完璧なる演奏で。
TOCC-0153
フィリップ・ラミー:ピアノ作品集第4集(1959-2011)
呪文/コサック変奏曲
3つの初期の前奏曲
.ピアノ・ソナタ第3番/警句第2集
リチャード3世のための悲歌
アノ・ソナタ第7番
スティーヴン・ゴスリング(P)

録音:ニューヨークパトリッチ・サウンド・スタジオ(作曲家立会いのもと)2010年5月7.8.10日、2011年1月24-26日
※全て初録音
アメリカの作曲家、フィリップ・ラミー(1939-)のピアノ作品集の第4集となります。作曲年代順に回を重ね、今作で2011年の最新作までを網羅しましたが、今後の作曲活動によっては、全100集あたりにならないとも限りませんので「完結編」とは明記できません。そんなラミーの音楽ですが、ここでもプロコフィエフやバルトークを思わせる「活発なエネルギー」は健在で、モダンすぎる不協和音と、皮肉っぽいロマンティシズムが同居する新鮮な音には、ついつい耳を欹ててしまうことでしょう。風変りな音楽を聴きたい人にオススメします。
TOCC-0154(2CD)
ペギー・グランヴィル=ヒックス:歌劇「サッポー」 サッポー…デボラ・ポラスキ(S)
ファオン…マーティン・ホムリッチ(T)
ピッタコス…スコット・マッカリスター(T)
ディオメデス…ローマン・トレーケル(Br)
ミノス…ヴォルフガンク・コッホ(Bs-Br)
クレオン…ジョン・トムリンソン(Bs)
ジェニファー・コンドン(指)
グルベンキアンO&Cho

録音:2012年7月10-20日リスボン グルベンキアン財団,グランデ・アウディトリオ
この歌劇「サッポー」はオーストラリアの女性作曲家、ペギー・グランヴィル=ヒックス(1912-1990)の壮大な作品で、1963年にミコノス島の石造りのコテージで書かれたものです。もともとマリア・カラスが歌うことを想定して書かれたようですが、彼女が歌った記録はなく、一部分だけを、今回も主役を務めたデボラ・ポラスキが歌った録音が存在しています。木管楽器のソロと巨大なコーラス、煌めく金管のファンファーレ。など古代ギリシャの風景を見事に捉えた音楽です。今回、彼女と台本作家であるロレンス・ダレルの生誕100年を記念しての全曲上演するため、現在考えられる最高のキャストを揃え、この秘曲を完全復活させました。
TOCC-0156
マルティヌー:初期管弦楽作品集第1集
前奏曲とスケルツォの形式でH181a
管弦楽の楽章H90/Posviceni-ごちそうH2
夜想曲H91/小舞曲組曲H123
イアン・ホブソン(指)シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2012年12月19-21日ポーランド放送,ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ
チェコ出身の作曲家マルティヌー(1890-1959)は、最初はプラハで学ぶも1923年にパリに出て当時の前衛であった新古典主義に傾倒します。その後は様々な変遷を経てチェコの民族音楽を取り入れた音楽を書いたり、新印象主義の音楽を書いたりと大変数多くの作品を残しています。そんな彼ですが、10代後半から30代前半に書いた管弦楽作品はあまり知られておらず、演奏の機会も多くないのが実情です。ここではそんな彼の「初期作品」を6枚に渡ってまとめて録音するというもので、こんなにも魅力的な作品がこれまで知られることなく存在していたという事実には驚きを隠せません。
TOCC-0157
シャルル=ヴァランタン・アルカン:歌曲全集第1集
第1集Op.38/第2集Op.38
第3集Op.65/糸巻き:序奏と即興曲Op.55*
ステファニー・マッカラム(P)

録音:2012年2月26日,5月27日,7月22日シドニー・コンセルヴァトリウム・オブ・ミュージツク,リサイタル・ホール・ウエスト
*=初録音
2013年は、この風変りなピアニスト「アルカン」の生誕200年にあたります。彼の本名はシャルル・ヴァランタン・モランジュであり、アルカンとは音楽家であった父の名(アルカン・モランジュ)で、彼を含む兄弟姉妹全てがこの名前を名乗ったというのですから、ここから既に興味深いところです。自らを「人間嫌い」と称していますが、本当は友人たちも多く、多少の奇行は大目に見られていたようで、生涯独身を貫いたとされていますが、本当は子どももいたのでは・・・とされています。そんな彼の作品はどれもユニークですが、この「歌」も特筆べき特徴を備えています。まずは「歌」といえども声は使われていません。メンデルスゾーンの「無言歌」のようなものでしょうか。そして5巻からなる「歌集」はすべて同じ調性の組み合わせで書かれていて、最後は舟歌で締めくくられます。全ての曲は緊密なエピソードで関連付けられていて、また謎も多いもの。まずはこれらの曲に耳を傾けることで、この「変な作曲家」に思いを馳せてみたいももです。
TOCC-0159
エゴン・コルナウト:ピアノ作品集第1集
幻想曲Op.10(1915)
3つの小品Op.23(1920)
小組曲Op.29(1923)
前奏曲とパッサカリアOp.43(1939)
5つの小品Op.44(1940)
ジョナサン・パウエル(P)

録音:2008年8月15-16ン自治ドゥルハム音楽大学
全て初録音
チェコに生まれ、オーストリアで活躍した作曲家、ピアニスト、エゴン・コルナウト(1891-1959)。彼は18歳の時にウィーンに移住し、音楽院でローベルト・フックスとフランツ・シュレーカーに師事。1912年には自作のヴィオラ・ソナタOp.3がオーストリア国家賞を受賞するなど高い評価を受けています。その後も数々の賞を受賞し、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院教授、副学長を歴任するなど教育の面でも活躍しています。TOCCATAでは、この知られざる作曲家が書いたピアノ曲に焦点をあてていきます。この当時の作曲家は、あまりピアノのための作品に関心を持たなかったようで、例えばマーラーはピアノ・ソロのための曲は全く残していませんし、シェーンベルクやベルクのピアノ曲は後期ロマン派の音楽としてではなく、全く違う世界の音楽として捉えるべきでしょう。そんな時代に書かれた魅力的なピアノ曲の数々は、新しいレパートリーを模索するリスナーたちの趣向にも、間違いなくフィットするものと言えるでしょう。
TOCC-0158
シャルル・ヴァランタン・アルカン:歌曲全集第2集
第4集Op.67(1868頃)<雪と浄化/昔の歌/勇敢に/ゆっくりと/情熱的に/舟歌>
第5集Op.70(1872頃)<小二重奏/アンダンティネット/アレグロ・ヴィヴァーチェ/スケルツォ-コーロ/要約-舟歌>
2つの夜想曲Op.57(1859)
15-16.2つの小品Op.60(1859)
欲望-幻想(1844)
脱帽-第2の夢想(1872)…初録音
ステファニー・マッカラム(P)

録音:2012年9月16日.2012年11月4日シドニー・コンセルヴァトリウム・オブ・ミュージック,リサイタル・ホール
異端の作曲家アルカン(1813-1888)。2013年は彼の生誕200年にあたります。いくつかの作品は現在でもコンサート会場や
CDなどで聴くことができますが、まだまだ知られざる作品の多い作曲家です。この曲集は「歌」と題されていますが、ピアノ独奏のためのもの。まさに歌心に溢れた小品集であり、自由奔放な想像力が発揮され、またそれぞれの曲は、緊密な連動性を保っています。初録音となる小品「脱帽」も収録されているというアルカン好きなら外せない1枚です。
TOCC-0160
コルンゴルト:劇音楽「空騒ぎ」
ディアローグなしの楽章
ジョン・マウチェリ(指)
ユニヴァーシティ・オブ・ノースキャロライナ・スクール・オブ・ザ・アーツ・ドラマ・ソロイスツ&SO
最近、著しく復興を遂げた作曲家の一人に「コルンゴルト」がいます。映画音楽の分野では「コーンゴールド」という名で知られ、その後期ロマン派の重厚な音色は後のハリウッドにおけるサウンドトラックの礎ともなっています。そんな彼は少年時代より「神童」として知られ、この「空騒ぎ」も23歳の時の作品ながら、それ以前にいくつもの作品を上演し、既に高い名声を得ていた作曲家の新作として迎えられたものです。シェークスピアを原作にした作品で、今までは彼自身が編纂したヴァイオリンとピアノの為の組曲がしばしば聴かれていましたが、最近はこのような全曲版も世に出始めています。なんとも機知に富んだ「完成された」音楽です。
TOCC-0161
ヘイノ・エッレル:ピアノ作品全集第3集
10の抒情小曲集(1942-1943)
練習曲変イ長調(1918)
練習曲変ト長調(1919)
練習曲変ト長調(1917)
前奏曲集(1929-1930)
ピアノ・ソナタ第4番(1957-1958)
ステン・ラスマン(P)

録音:2010年12月9-11日サフォーク,オールド・グラナリー・スタジオ
エストニア音楽の創始者の一人ヘイノ・エッレル(1887-1970)のピアノ曲全集(全部で7枚の予定)の第3集です。今作は彼の初期から中期の作品である「抒情小曲集」と、ソナタ、練習曲と前奏曲です。「抒情小曲集」は第二次世界大戦中に、ドイツの占領下にあったエストニアで書かれた作品で、ユダヤ人であった妻アンナが逮捕され処刑されるという悲劇に見舞れた、エッレルの悲しみが反映されています。様々な事情により印刷されることもなく、これらは2010年まで全曲が演奏されることもありませんでした。風変りであり、またロマンティックで表現的な前奏曲とソナタ第4番、極めて初期の作品である3つの練習曲など興味深い小品が含まれています。
TOCC-0162
ジャン・フランセ:弦楽オーケストラのための音楽集
弦楽のための交響曲(1948)
ヴィーナス誕生への頌歌(1960)*
パントマイムのための「椿」(1950)*
ケリー・ストラットン(指)
サー・ゲオルク・ショルテイ室内Oブダペスト

録音:2011年7月6-8日ハンガリーブダペスト,ハンガリー放送第22スタジオ
*=初録音
TOCCATAレーベルに登場するにしては、ジャン・フランセ(1912-1997)はちょっとメジャーな作曲家?とも思えるのですが、ここでは2曲の世界初録音が登場。やはり一筋縄ではいかないレーベルであることは間違いありません。ジャン・フランセはフランス新古典主義音楽の作曲家で、幼い頃から音楽の才能を発揮し、10歳で出版した最初の作品はナディア・ブーランジェの注目を集めたほどでした。彼は順当に才能を伸ばし、ピアノ曲を中心に200曲以上の作品を残しましたが、ここでは3曲の珍しい管弦楽作品が収録されています。ブックレットには彼の息子であるジャック・フランセが父親について語った文章を掲載。2曲が世界初録音されることについての喜びにも触れています。
TOCC-0166
デヴィッド・マシューズ:ピアノ作品集
ピアノ協奏曲Op.111(2009)
ピアノ・ソナタOp.47(1989)
ピアノのための変奏曲Op.72(1997)
2つのディオニュソスの熱烈な詩Op.94(2007.2004)
タンゴの1つOp.51d(1990/1993改訂)
ローラ・ミッコーラ(P)
ジョルジョ・ヴァス(指)オーケストラ・ノヴァ

録音:ケントセヴンオークス・スクール,スペース・パフォーミング・アーツ・センター,パーモヤ・ホール2012年10月25日、2012年10月26日
※全て初録音
ロンドン生まれの作曲家、デヴィッド・マシューズ(1943-)は、あのホルストの“惑星”に「冥王星」を付け加えたことで知られるコリン・マシューズの兄であり、またマーラーの第10交響曲の補筆作曲家として知られるデリック・クックの親友でもありました。彼の作品はどちらかというと、伝統的なイディオムを持つものが多く、ここで聴けるピアノ協奏曲は、モーツァルトの精神を下敷きに、タンゴやブルースの要素を付け加えたものです。また変奏曲ではベートーヴェンの面影が見え、また小品では様々が概念を含んだ魅力的な音楽が展開されます。フィンランドの名手ミッコーラの至芸が聴きものです。
TOCC-0167
レオ・オーンスタイン:ピアノ作品集第2集
ワルツ全集s400-416(1958-1980頃)
ロシア組曲s58(1914)<第1番:ドゥムカ/第2番:エクスターセ/第3番:舟歌/第4番:メランコリー/第5番:ダンス・ブルレスク/第6番:子守歌/第7番:悲しき歌>
森の朝s106(1971)
アルセンティ・カリトノフ(P)

録音:2012年12月17-19日テキサス北テキサス大学,マーゴット&ビル・ウィンスペア・パフォーマンス・ホール
ロシアに生まれ、アメリカで活躍したピアニスト、作曲家、教育者レオ・オーンスタイ(1893-2002)ン。109歳という長命を得た上に、亡くなった年まで作曲を続けていた人ですが、なかなか表に出てくることがなかったため(演奏活動は40代にやめている)、ずっと「知られざる作曲家」の地位を守っていました。しかし最近になってから、少しずつ録音が増え始めるとともに、そのユニークな作風とタイトルが評判となってきているようです。TOC-CATAレーベルでは、そんな彼のピアノ曲を再発見するためのシリーズを進めています。このアルバムには初期の2つの作品集と、78歳の時の「森の朝」を収録しています。ラフマニノフを思わせる「ロシア組曲」と様々な要素を内包する「森の朝」を聞き比べてみるのも面白いでしょう。
TOCC-0168
グスターボ・レオーネ:弦楽四重奏曲第1番&第2番他
声、叫び、嘆き
弦楽四重奏曲第1番
弦楽四重奏曲第2番
赤い四重奏曲/情景
Q-アルテSQ
ベアトリス・エレナ・マルティネス(S)
マルタ・リリアナ・ボニッラ(Hp)

録音:2011年7月27-28日,9月13-14日、2011年11月28日,12月1日、,2012年11月11日
ブエノスアイレスで生まれ、アルゼンチン、コスタリカで育った作曲家レオーネ(1956-)は、現在シカゴのロヨラ大学で音楽科の教授を務めており、数多くの作品を発表しています。彼の音楽は劇的であり、また抒情性も備えています。基本的にラテンアメリカの民族音楽に強く影響を受けていますが、仄かに香る典雅な雰囲気は、バロック音楽の舞曲からも示唆を受けていて、これらのおかげで、単なる「爆発的な音楽」ではなく、とてもバランスのとれた仕上がりの音楽となっているのが魅力的なところです。コロンビアの首都ボゴタを本拠とするQ-アルテ弦楽四重奏団はTOCCATAレーベル2作目の録音で、前作フィゲーロアの弦楽四重奏曲(TOCC-165)でも緊密な演奏を聴かせたアンサンブルです。
TOCC-0169
イェロニマス・カチンスカス:室内楽曲と器楽曲集
木管楽器と弦楽器のための九重奏曲
ピアノのための「反射」
フルート,弦楽四重奏,ピアノのための「室内幻想曲」
弦楽四重奏曲第3番
ガブリエリウス・アレクナ(P)
マウマンタス・キリラウスカス(P)
アルノルダス・グリナヴィチウス(Cb)
グィエドウス・ゲルゴタス(Fl)
ヴィルニウスSQ
セント・クリストファー五重奏団

録音:2007年10月8-9日,2009年3月27-28日リトアニア国立フィルハーモニック・ホール
リトアニアの作曲家、指揮者、オルガニスト、音楽教師カチンスカス(1907-2005)。彼はチェコの前衛作曲家アロイス・ハーバの影響を受け、自由に脈打つリズムと旋律線を持つ、いわゆる「伝統的な構文を放棄した」先鋭的な音楽を書きました。あまりにも型破りだったためか、ソ連時代に西側に移る際は、ほとんどのスコアを破棄、リトアニアの音楽史から名前を抹消され、マサチューセッツの境界のオルガニストとして、ひっそりと生活をしていた時期もありましたが、リトアニアが独立した時に復権を果たし、以降、20世紀リトアニアのモダニズム音楽の先駆者であり続けたのです。そんな彼の室内楽曲、確かに難解ではありますが、単なる「バルト三国の音楽家」として一括りにしてしまうにはもったいない個性を秘めています。

TOCC-0170
アレクサンドル・タンスマン:ピアノ作品集第1集
ソナタ・ルスティカ(ピアノ・ソナタ第1番)(1925)
4つのダンス・ミニアチュール(1923)*
マズルカ第1巻(1918-1928)
エチュード・スケルツォ(1922)
7つの前奏曲(1921)*
ソナチネ(第1番)(1923)
5つの即興曲(1922-1925)*
ダニー・デリボル(P)

録音:2014年5月26-28日テキサスマーチソン・パフォーミング・アーツ・センター,ウィンスペア・パフォーミング・ホール
*=初録音
ポーランドで生まれ、ワルシャワで学んだ後、フランスで音楽活動を始めたアレクサンデル・タンスマン。基本的な作風は新古典主義であり(ストラヴィンスキーに影響された)、その中にフランス風の洒脱な雰囲気を感じさせるものですが、晩年になると次第に祖国であるポーランドの民族音楽も自作に取り入れるようになります。彼は数多くのピアノ曲を残していますが、これらが体系的に録音されたことはありませんでした。この魅力的な作品群を、TOCCATAレーベルは順次録音していきます。まず第1集は1919年に彼がパリに到着した直後から5年間くらいの時期の作品を中心に収録しています。「田園風」とされるソナタ第1番は、タイトルとはうらはらに、かなりオシャレな雰囲気を持っていて、確かにフランス風の味わいがあります。世界初録音も多数収録。興味深いシリーズです。
TOCC-0171
ジュセッペ・コロンビのチャコーナによる神秘的な変奏曲
ジュセッペ・コロンビ:チャコーナ
ヨウニ・カイパイネン:エニシング・ゴーズ
マーティン・マタロン:ポルヴォ
ロジャー・レイノルズ:コロンビの白昼夢
デニス・コーエン:シャコンヌ
ユッカ・ティエンスー:ブルーライン
スティーヴン・スタッキー:通奏低音のためのパルティータ
エサ=ペッカ・サロネン:コヨーテのためのサラバンド
エドムンド・カンピオン:サムシング・トゥ・ゴー・オン
ラルフ・ヴァーリン:チャコネッタ
パブロ・オルティツ:パロマ
パーヴォ・ハイニネン:3つのアンティエン
アンドレス・ヒルベルイ:スティル・アンド・フロー
フレッド・レルダール:ゼア・アンド・バック・アゲイン
ヴェリ=マッティ・パウマーラ:…セ・シラン
パスカル・デュサパン:50の音符による3つの変奏
キンモ・ハコラ:コロンビ変奏曲
タン・ドゥン:チャコーナ-コロンビより
マーク・ネイクラグ:小さいコロンビ
湯浅譲二:ロークス・オン・コロンビのチャコーナ
リャン・ヴィーゲルスヴォルス:アリエッタ(コロンビから)
コリン・マシューズ:ドラマティコ
カイヤ・サーリアホ:夢見るシャコンヌ
イワン・フェデーレ:前奏曲とチャコーナ
ヴィンコ・グロボカール:イデー・フィクス
グァルティエロ・ダッツィ:影の変奏とシャコーナ
タピオ・トゥオメラ:イドゥラ
ベティ・ジョラス:ア・ファンシー・フォー・アンシ
ミロスラフ・シルンカ:変奏
ルカ・フランチェスコーニ:アンシンメトリ
マグヌス・リンドベルイ:デュエロ
アンシ・カルットゥネン(Vc)

録音:2011年3月7.16日,9月10日,12月1日
2012年5月16日ヘルシンキスタジオM2/YLE
2010年、フィンランドのチェリストであるアンシ・カルットゥネンは、彼の妻ミュリエルの50歳の誕生日を祝うためにあるアイデアを思いつきました。それは彼の同胞作曲家カイヤ・サーリアホをはじめとした、世界中で活躍する作曲家、音楽家たちに一つのテーマで変奏曲を書いてもらうこと。それは19世紀のはじめに出版業者ディアベリがベートーヴェンを含む当時の作曲家たちに変奏曲を依頼したのと同じような趣向というわけです。今回の「変奏曲」はイタリアの作曲家ジュゼッペ・コロンビ(1635-1694)の初期のチェロ作品のシャコンヌを主題として、30名の作曲家たちが思い思いの作品を書き上げています。ただカルットゥネンは、この「変奏曲」の趣旨を書く作曲家たちに詳しく説明することをしなかったため、タイトルも「神秘的な変奏曲」となっているところが、これまた興味深いものです。チェロにおけるありとあらゆる技巧を駆使した見事なオブジェが出来上がりました。
TOCC-0172
マイケル・アレク・ローズ:ホルンと弦楽合奏のための室内楽&独奏作品集
1.無伴奏ヴァイオリンのための「エア」(2009)
2-4.弦楽四重奏のための「ハバート・ピーク:3つのガソリン・スタンド」(2007-2008)
5-8.2台のヴァイオリンのための「全ては太陽の下に:四季」(2009)
9-11.独奏ヴァイオリンのための「3つの短い強迫観念」(2004)
12.ヴァイオリンとコントラバスのための「眠らない橋」(2009)
13.無伴奏ヴァイオリンのための「Palimpsest-上書きのできる羊皮紙」(2006)/14.複数のヴァイオリンとチェロのための「ドクター・ジョンソンとミセス・サヴェージ:パントマイム」(2008)
15.独奏ホルンのための「All'arme」(2012)
16.弦楽合奏のための「希望にみちたモンスター」(2011)
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn&指)…1-14.16
ミハイロ・トランダフィロウスキ(Vn)…2-8.16
モルガン・ゴフ(Va)…2-4
ネイル・ハイド(Vc)…2-4.14
レイチェル・メールー(Cb)…12.16
マイケル・アレク・ローズ(鐘)…14カーリー・レイク(Hrn)…15
ロングボウ(アンサンブル)…16

録音:2011年11月27日トリング・パリッシュ教会…5-8.16,2012年3月12日アルドバリー聖ジョン・バプティスト教会…14.2-4,2012年3月19日アルドバリー聖ジョン・バプティスト教会…1.15.12.13.9-11
在、ヴァンダービルト大学ブレア校で作曲を教えている現代アメリカの作曲家ローズ(1959-)の作品集。ここでは10年間に渡る作曲家と演奏家の友情から生まれたいくつかの作品が紹介されています。ローズは2004年にヴァイオリニスト、ピーター・シェパードに会って意気投合して以来、ピーターと彼の同僚たちに向けて14の作品を書きました。作品のいくつかはロンドンにおける記念行事のために書かれたもので、例えば「全ては太陽の下に」と「眠らない橋」はロンドン塔の近くにあるウィルトン・ミュージック・ホールのために書かれたもの。どの曲も抒情的で暖かみのある表現と素直な感情の吐露が魅力的です。
TOCC-0173
ミーケル・ケレム:交響曲第3番他
交響曲第3番「共産主義の犠牲者のために」(2003)
弦楽合奏と独奏ヴィオラのための「ラメント」(2008-2009)*
弦楽六重奏曲(2004)#
ミック・マードヴィー(Va*,指)
エストニア国立SO、タリン室内O*
タリン・アンサンブル#

録音:2012年1月11-12日エストニア・コンサート・ホール
2012年2月29日エストニア・コンサート・ホール*
2012年3月2日ハウス・オブ・ブラックヘッズ,フランタニティ・ホール#
エストニアのヴァイオリニスト、ミーケル・ケレム(1981-)は、最近イギリスに自宅を構え、積極的な演奏活動を行っています。作曲家としての彼は、既に100曲以上の作品を完成させており、新作も待ち望まれてます。交響曲第3番は、ロシアの共産主義で抑圧されたイデオロギーをテーマしたもので、ショスタコーヴィチから、彼の弟子であったティシチェンコと連なる音楽的闘争のアイデアに触発されたとケレム自身が語っています。弦楽六重奏曲は、シェーンベルクの「浄夜」やR.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」に共通する佇まいを持った曲、そして「ラメント」は本来チェロと弦楽合奏のための書かれたもので、孤独な人間の声を表現するために、独奏をヴィオラへと移し替えたことが一層の効果をあげています。
TOCC-0175
マシュー・テイラー:ヴィオラ協奏曲
フモレスケOp.41
交響曲第2番Op.10
サラ=ジェーン・ブラッドリー(Va)
ギャリー・ウォーカー(指)
BBC響
すでにTOC-CATAレーベルから2枚の作品集(TOC-C0015…室内楽曲集,TOC-C0144…弦楽四重奏曲集)をリリースしている作曲家マシュー・テイラー(1964-)。今回のアルバムは協奏曲と交響曲という、大規模で厚みのある響きを楽しめるものです。その様式は、シベリウスとニルセンの継承者と言われるロバート・シンプソンを思わせる、まさに「交響曲の伝統」を拡張したものです。爆発的なエネルギーの放出を感じせる交響曲第2番、内省的で落ち着いたヴィオラ協奏曲(R.シューマンの影響?)。このどちらも説得力のある見事な音楽です。彼の良き理解者であるウォーカーの指揮も見事です。
TOCC-0177
ミコラ・ルイセンコ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
ウクライナ民謡の主題による第2狂詩曲Op.18「ドゥムカ・シュムカ」(1877)(V.ステセンコ編)
悲しげな奇想曲Op.32(1893-1894)
2つのウクライナ民謡の主題による幻想曲Op.21(1872-1873)
ロマンスOp.27(1885-1886)
個人的なアルバムOp.40-1「絶望の瞬間」(1901)
シェブチェンコの思い出のためのエレジー(1912)
ウクライナ民謡「太陽は昇っている」(1912編)
ルイセンコ=カミンスキー:春の万華鏡(2014編)
ルイセンコ=カミンスキ
:華麗なワルツ(1875/2014編)
ソロミア・ソロカ(Vn)
アーサー・グリーン(P)

録音:2014年4月17-21日ミシガンランスキング、ブルー・グリフィン・スタジオ
※初録音
現在「ウクライナのクラシック音楽の父」とみなされているミコラ・ルイセンコ(リセンコ1842-1912)。しかし、その作品が存分に世界中で知られているとは言えません。彼は幼い頃からウクライナの民謡に強い関心を持ち、これらを収集し、7巻にわたる民謡集を編纂、キエフ大学に在学中に出版し、またこれらのメロディを自作に取り入れています。このアルバムには彼のヴァイオリンとピアノのための作品の全てが収録されています。一番有名なのは「ドゥムカ・シュムカ」でしょう。もともとはピアノ曲ですが、今回はヴァイオリンとピアノのために編曲したものを収録しています。また他のいくつかの曲は、同じウクライナの作曲家、ヴィクトル・カミンスキーがルイセンコの歌曲をヴァイオリンとピアノのために編曲したもので、こちらも叙情性に満ちた懐かしい響きを持っています。また詩人タラス・シェフチェンコの詩を愛していたことでも知られています。
TOCC-0180
テレマン:音楽による礼拝第6集
ついに時は打たんTWV1:440
真のキリスト者の高貴に並ぶものありやTWV1:1511
味わい、見よ、主の恵み深さをTWV1:1252
なぜあなたはそのようなふりをする?TWV1:1502
誰もがそれをTWV1:425
富みの力は唯一の幸せTWV1:313
棕櫚の枝を持つ貧しき者たちを見よTWV1:1245
ベルゲン・バロック
ヤン・ファン・エルサッカー(T)
エドゥアルド・ヴェズリー(Ob)他

録音:2011年4月27-30日、20,3013年4月10日 ルウェー,エステル・トーテン,ホフ・キルケ
J.S.バッハのカンタータは全てがきちんと整理され、全集録音も多いというのに、同時期に活躍したテレマン(1681-1767)の72曲のカンタータは、全曲録音が完成されておらず、その全貌もまだまだ知られていません。このベルゲン・バロックによる全集録音は今作が第6集ということで、完成の暁には資料的価値としても素晴らしいものが期待されています。1726年にハンブルクで出版されたこれらの教会暦カンタータは、各々が独唱者と一つの独奏楽器、通奏低音を持ち、このアルバムにはオーボエが独奏楽器として使われた曲が収録されています。美しい旋律線を持つ歌のパート、そしてテレマンらしい熟練の対位法が絶妙にブレンドされた珠玉の作品群です。
TOCC-0181
ジュディス・ビンガム:ピアノ作品集
月はウェストミンスター寺院の向こうへ(2003)*
ライムハウスの夜想曲(2004)*
バイロン,暴力的な進歩(2008)
過去のクリスマス、クリスマスプレゼント(1989)
ショパン(1979)/受胎告知V(2010)
内なる絵画(1981)
デヴィッド・ジョーンズ(P)

録音:2009年10月27日リーズ音楽大学ヴェニュー
※*以外,初録音
イギリス、ノッティンガム生まれの女性作曲家ジュディス・ビンガム(1952-)は、1983年から13年館、BBCシンガーズのメンバーとして活躍、同時に数多くの作品を創り上げています。そんな彼女ですから、声楽曲やオルガン曲は聴かれることも多いのですが、ここでは「詩」の力に頼ることないピアノの音のみの音楽で彼女の美質に触れることが出来ます。とは言え、彼女のピアノ曲は極めて詩的であり、言葉との関係性を断ち切ることは不可能です。「バイロン、暴力的な進歩」は詩人の内なる世界の闘争を描いた変奏曲で、見えざる言葉が支配する見事な作品と言えるでしょう。収録曲のほとんどは世界初録音であり、この作曲家の真意を図るにも最適な1枚です。
TOCC-0184
フェレンツ・ファルカシュ:管弦楽作品集第2集〜弦楽のための音楽集
弦楽オーケストラのための「17 世紀のハンガリー舞曲による3 つの曲集」 第2 部:5 つの舞曲・・・カーヨニ写本より(1961)
弦楽オーケストラのための「17 世紀のハンガリー舞曲による3 つの曲集」 第3 部:6 つの舞曲・・・レヴォチャのタブラチュア譜より(1961)
2 台のヴァイオリンと弦楽オーケストラのための「ハンガリー風アリアとロンド」
弦楽オーケストラのための「五音階の音楽」(1945)*
弦楽オーケストラとピアノのための組曲「アンドラーシュ・ジェルキー」(1973-1974)*
トランペットと弦楽オーケストラのための協奏曲(1984)
弦楽オーケストラのための「フィンランド民俗舞曲集」(1935)
弦楽オーケストラのための「ハンガリー風パルティータ:16 世紀のハンガリア舞曲と調べ」(1974) *
ギューラ・ストッラー(Vn)
ヤーノシュ・ロッラ(Vn)
ラーシュロ・トース(Tp)
フランツ・リスト室内O

録音: 2013年9月13-15日 ブダペスト イタリア文化会館
*=・初録音
ハンガリー、ナジカニジャ出身の作曲家ファルカシュ(1905-2000)。若い頃イタリアでレスピーギに学んだ事でも知られ、その作品は700 曲以上にも渡り、また教育者としても名を成した現代ハンガリーが誇る音楽家です。既に多くのCD も発売されていて、知名度もなかなかのもの。この作品集はTOCCATA レーベルでの2 枚目のアルバムにあたり(第1 集は管楽五重奏のための音楽集 TOCC-19)、弦楽オーケストラを中心とした華々しい響きが楽しめる1 枚です。お聞きいただければわかるとおり、どれも起源が16 世紀や17 世紀の音楽であるためか、どれも親しみやすい旋律を持ち、また魅惑的なリズムを持っています。これは師であったレスピーギの影響も強いのでしょう。まるであの名作「リュートのための古風な舞曲とアリア」にも似た佇まいが感じられます。また、トランペット協奏曲で目覚しいソロを吹いているラーシュロ・トースはフランツ・リスト室内管の若き天才です。
TOCC-0185
ルイ・テオドール・グヴィ:フルートと弦楽のためのセレナード集
セレナード.ニ短調Op.posth
セレナード第2番ヘ長調Op.84
セレナード第1番ニ長調Op.82
フルートとピアノのための「序奏とポロネーズ」
フルートとピアノのための「スウェーデン風舞曲」
マルクス・ブレニマン(Fl)
クライスラーSQ
イルカ・エンメルト(Cb)
ミヒャエル・クライザー(P)

録音:2012年10月20-21日、2013年1月5-6日 ザールブリュッケン放送大ホール
19世紀フランスの作曲家、テオドール・グヴィ(1819-1898)のフルート作品集です。彼の出身地はフランスとドイツの係争地帯であり、彼自身も若い頃はドイツで学び、32歳の時にフランス国籍を取得するなど、生涯ずっと2つの国の文化に影響され続けていました。そんな彼のフルート曲は、確実に19世紀の室内楽のレパートリー拡大に貢献するものであり、この魅力的な旋律は、隣国同士の戦いなどという小さな嵐に巻き込まれることなく、普遍の命を与えられたものです。彼の交響的作品はcpoレーベルで継続的にリリースされ続けていて、このアルバムは隙間を埋める貴重なものとしてファンにも歓迎されることでしょう。
TOCC-0189
エルンスト(1812-1865):作品全集 第4集
ヴァイオリン協奏曲 嬰ヘ短調 Op.23(1846)
ヴァイオリン小協奏曲 ニ長調 Op.12(1837)
弦楽四重奏曲変ロ長調 Op.26(1859)*
シェルバン・ルプー(Vn)
オーケストラ・ダ・カメラ
イアン・ホブソン(指)
チオンピSQ
[エリック・プリッチャード(Vn)
ヒシャオ=メイクー(Vn)
ジョナサン・バッグ(Va)
フレッド・レイミー(Vc)]

録音:2013年4月9日、2013年4月12日、2013年3月20日

イリノイ大学 クランナート・センター,フォーリンガー・グレート・ホール
*=初録音
モラヴィアで生まれ、ウィーンでヴァイオリンを学び、作曲をザイフリートに師事したエルンスト。もともと神童ともてはやされていましたが、14歳の時にパガニーニの実演を聴いて超絶技巧に目覚め、自作にも困難と思えるほどの技巧を盛り込み、華麗な作品を数多く残しました。TOCC-ATAレーベルからはエルンストの全作品を7集にわけてリリースし、これはその第4集にあたります。ベルリオーズやショパン、リスト、メンデルスゾーンとも友人であったエルンストらしい、美しいメロディと華麗な技巧を駆使した美しい2曲のヴァイオリン協奏曲と、弦楽四重奏曲はこの知られざる作曲家の本質を描き出すのにふさわしいものです。1952年生まれのベテラン、シェルバン・ルプーの誠実な演奏で。
TOCC-0192
ワーグナー:オペラ名曲集オーギュスト・ストラーダルによる独奏ピアノ編曲版第2集
「ローエングリン」-自由な幻想曲
「トリスタンとイゾルデ」-愛の二重唱
「ラインの黄金」-最後の情
景から終わりの音楽
「パルジファル」-聖金曜日の音楽
「ジークフリート」-第3幕の終景
ジャン・グリエルモ・ヴィツカッラ(P)

録音:2013年7月17-19日北テキサス大学,ウィンスパー・ホール
※初録音
チェコ生まれのピアニスト、オーギュスト・ストラーダル(1860-1930)の編曲集第2集です。リストとブルックナーの弟子として作曲を学んだ彼ですが、その名前が知られるのは、これらのような先人の作品の?ピアノ編曲版です。かろうじて知られているベートーヴェンの弦楽四重奏のピアノ版や、マーラーの交響曲第5番のピアノ版、そしてTOCCATAレーベルから発売されているリストの交響詩、ワーグナー(1813-1883)のオペラ曲集などで、これらはあまりにも難しく書かれているため、なかなか完璧に演奏できる人が現れず、そのまま歴史の流れに埋もれてしまったのです。ワーグナー作品集第2集にも驚異的なトランスクリプションが並んでいます。名手ヴィツカッラの演奏で。
TOCC-0193
ミェチスワフ・ヴァインベルク:交響曲第21番他
響詩「ポーランドの音」Op.47-2
交響曲第21番「カディッシュ」Op.15
ヴェロニカ・バルテニェワ(S)
シベリアSO
ドミトリー・ヴァシリエフ(指)

録音:2013年4月2-3日シベリアオムスク,オムスク・フィルハーモニック・ホール
2※初録音
最近、NAXOSレーベルでも次々にその作品がリリースされ、世界的評価がぐんぐん高まっている作曲家ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996)。彼はご存知の通り、1919年にワルシャワで生まれ、1939年にポーランドに侵攻したナチスを逃れモスクワに亡命、モスクワでショスタコーヴィチの親友になったことで知られます。ヴァインベルクはその生涯に26曲の交響曲、7作のオペラ、17曲の弦楽四重奏をはじめとした膨大な作品を残しましたが、その作風はショスタコーヴィチに強い影響を受けていて、ヴァインベルク作品に見られる対位法の用い方や、メロディに対する鋭い感覚、そして悲痛な旋律と劇的な展開は確かにショスタコ風と言えなくもありません。ここでは初期の作品である交響詩「ポーランドの音」と、最後から2番目の交響曲で、ワルシャワのゲットーで犠牲になったポーランドの人々に捧げた「カディッシュ」が収録されています。この交響曲でも声楽が用いられ、深い悲しみの中にも淡い希望を感じさせるヴァインベルクらしい音楽を聴くことができます。
TOCC-0196
オレグ・コマルニツキー:室内楽&器楽曲作品集
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ「アリョヌシュカ」(1970)
ピアノのための組曲<第1番:秋(1968)/第2番:フモレスケ(1968)/第3番:いたずら(1975)>
チェロ・ソナタ.ハ短調(1973)
2つのピアノのための小品(1974)<冗談/チェスの駒のための行進曲>
ヴァイオリンとピアノのための「アンダンテ・アモローソ」(1996)
スイス民謡による2つの小品(1976)<第1番:花が眠っていた/森の冬>
無伴奏ヴァイオリンのための「モノローグ」(1995)
カノン「鍛冶屋の仕事場で」(古いクラヴサンの様式による)(1980)
嘲り(皮肉なフモレスケより)(1981)
ヴァイオリンとピアノのための「スラブ奇想曲」(1969/1987年改編)
ロンドン・ピアノ三重奏団
<ロバート・アシュトン(Vn)
デイヴィッド・ジョーンズ(Vc)
オルガ・ドゥドニク(P)>

録音:2011年5月12-13日エセックスダンブリー,聖ジョン・パプティスト・パリシュ教会
世界初録音
モスクワ生まれの作曲家オレグ・コマルニツキー(1946-1998)。彼は52年という決して長くはない人生において、多種多様な音楽を作り上げました。それはオーケストラ、合唱、室内楽、楽器、子どものための作品…など多岐にわたりますが、これらがロシア以外で演奏されたことはほとんどありませんでした。その上、それらのほとんどは失われてしまい、室内楽作品はここに収録された4作品だけが残っています。彼の室内楽曲は抒情性と哀愁を帯びていますが、ピアノ曲はそれとは対照的に、活気があり、まるでプロコフィエフの音楽のような躍動感を感じさせます。なかなか興味深い作曲家です。
TOCC-0197
ジョン・ピッカード:室内楽作品集第2集
弦楽四重奏曲第1番(1991)
弦楽四重奏曲第5番(2012-2013)
ブロドウスキSQ
<デイヴィッド・ブロドウスキー(Vn)/カトリン・ウィン・モーギャン(Vn)/フェリックス・タンナー(Va)/レイノルド・フォード(Vc)>

録音:2013年7月10日、2013年7月11日5ロンドンニューサウスゲート,聖ポール教会
※全て初録音
第1集(TOCC0150)でその柔軟性溢れる作品を披露したイギリスの現代作曲家、ジョン・ピッカード(1963-)。こちらは2つの弦楽四重奏曲を収録した第2集となります。こちらは彼の50歳の誕生日を記念してリリースされたもので、初期の作品である第1番と、最近の作品である第5番を収録。もちろん全て初録音となります。彼の作品は攻撃的な面を備えていますが、実に奥深く官能的な部分もあります。エルガーの研究家でもある彼らしく、時として美しいメロディが出現するあたりも興味深いところです。
TOCC-0198
ヴィルダー(1500-1554):宗教音楽全集・シャンソン集(バード、コーストン、ゴンベール、ジョスカン、タリスの作品とともに)

1.ファン・ヴィルダー:Deo gratias
2.ジョスカン:Homo quidam
3.ファン・ヴィルダー:Homo quidam
4.ファン・ヴィルダー:Pater noster
5.タリス:Sancte Deus
6.ファン・ヴィルダー:Sancte Deus
7.ゴンベール:Amy, souffrez
8.ファン・ヴィルダー:Amy, souffrez
9.ファン・ヴィルダー:O doux regard
10.ファン・ヴィルダー:Je file quand dieu me donne de quoy
11.ファン・ヴィルダー:Pour vous aymer
12.ファン・ヴィルダー:Amour me poingt, et si je me veulx plaindre
13.コーストン:Turn thou us
14.ファン・ヴィルダー:Shall I despair thus suddenly?
15.タリス:O sacrum convivium
16.タリス:Blessed are those that be undefiled
17.ファン・ヴィルダー: Blessed art thou that fearest God
18.バード:If in thine heart
19.ファン・ヴィルダー:Vidi civitatem
20.ファン・ヴィルダー:Non est qui/Non nobis, Domine
21.ファン・ヴィルダー:Aspice Domine
22.バード:Aspice Domine
23.バード:Ne irascaris/Civitas sancti tui
デヴィッド・アリンソン(指)
カントレス

録音:2006年9月3-4日,2007年2月10日キルバーン,聖アウグスティン教会
※初録音・・・・1.3.4.6.8-14.17.19-21
フィリップ・ファン・ヴィルダーはヘンリー8世のお気に入りであったオランダのリュート奏者、作曲家でした。現在ではすっかり忘れられた存在ですが、当時は非常に重用された人で1529年に枢密院会議所のメンバーになってから、王のお抱えとなり、イングランド内の旅行に同行するなど、強い影響力を有していたのです。そんな彼の宗教的な作品と、世俗的な作品とともに、彼が相互に影響を与え立った同世代の作曲家たち、ジョスカン、ゴンベール、タリス、バードの同じテキストによる作品を収録。ヴィルダー作品の歴史における位置を探る1枚です。
TOCC-0199
チェルハ(1926-):ヴァイオリンとピアノ、ピアノ・ソロのための作品集
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ.第1番(1946-1947)
カプリッチョ(1950)
瞑想(1948/51)
古い歌(1949/51)
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ.第3番(1954)
2つの炸裂の反射(1956)
フォーメーションとソリューション(1956-57)
ヴァイオリン・ソロのための6つの小品(1997)
ヴァイオリンとピアノのためのラプソディ(2001)
エルンスト・コヴァチク(Vn)
マティルデ・ホールシアンゴー(P)

録音:2004年9月28-30日ウィーン オーストリア放送
現在フリードリヒ・チェルハの名前は、ベルクの未完のオペラ「ルル」の補筆者として知られています。チェルハ自身はウィーン音楽院でヴァイオリニストとして訓練を受け、1958年にはオーストリアの現代音楽発展のためにアンサンブル・ディ・ライエを結成、同時代の作曲家たちの作品を愛し、それらの解釈にも尽力しました。これらの作品のほとんどは1940年代から50年代の彼が自身で演奏するために書かれたもので、1947年のヴァイオリン・ソナタ第1番はヒンデミットやストラヴィンスキーらの影響「新古典主義」の影響を受けています。1997年に書かれた「6つの作品」はここでヴァイオリンを演奏しているコヴァチク(チェルハの友人)のために書かれたもので、この曲と「ラプソディ」にはチェルハが追求した音楽の理想の形が現れています。

TOCC-0200
ブロニウス・クタヴィチウス:オラトリオ「四季」 ダリウス・メスカウスカス(ナレーター)ヴィリニュス・ユースCho
セント・クリストファー室内O
ドナタス・カトクス(指)

録音: 2012 年9 月13 日 リトアニア ヴィルニウス 聖カテリーナ教会 ライヴ
※完全版初録音
リトアニアの作曲家クタヴィチウス(1932-)のこのオラトリオは、18 世紀のリトアニアの牧師・詩人クリストヨナス・ドネライティスが、農民の生活と自然を描いた牧歌的叙事詩「四季」をテキストにしています。このリトアニアの最高傑作をクタヴィチウスは、原始的な響きと民族的なメロディで力強く描き出すことに成功しました。このライヴ録音は作曲家の80 歳の誕生日を記念して行われたもので、現代のリトアニアで最も有名な俳優メスカウスカスが詩を朗読し、リトアニアを代表するアンサンブルが演奏するという祝典的なものとなりました。
TOCC-0203
F・クープラン:2台のハープシコードのための作品集第1集
諸国の人々-第4組曲「ピエモンテ人」
クラブサン組曲第2巻第6組曲-第5番「神秘的なバリケード」
王宮のコンセール第1番-メヌエットとトリオ
クラブサン組曲第3巻第16組曲-第7番「陽気な町」
諸国の人々-第2組曲「スペイン人」
クラブサン組曲第3巻第14組曲-第6番「ジュリエ」
王宮のコンセール第3番-ミュゼット
ヨッヒェヴェド・シュヴァルツ(ハープシコード)
エマー・バックリー(ハープシコード)

録音:2013年10月6-7.13-14.20-24日パリ,ナーゼル・ハープシコード・ワークショップ
多くの音楽家を輩出したフランスの「クープラン家」。この中でも一際才能があったのは、この「フランソワ・クープラン(1668-1733)」でした。彼の作品の中でも最も知られているのが、4巻からなるクラブサン曲集で、この中には230もの小さな曲がひしめきあい、小さな組曲を形成しています。当時の組曲は大抵、アルマンドやクーラント、ガボットなどというよくある名前がついていましたが、クープランの作品はもっと多彩な名前を持ち、このアルバムにも収録されているような人の名前や感情を示す言葉が使われた楽しいものとなっています。この2台のハープシコードのための作品集は、通常1台のハープシコードで演奏するクープラン作品のうちの何曲かについて、クープラン自身が「2台で演奏するのが望ましい」と書き記していたという言葉を忠実に守ったもので、実際に聞いてみると、その迫力に驚くと同時に、この色彩感に圧倒されることは間違いありません。
TOCC-0210
リヒャルト・シュテール:室内楽作品集第1集〜チェロとピアノのための音楽集
幻想小曲集 Op.17(1907)
チェロとピアノのためのソナタ.Op.49(1915)
シュテファン・コッホ(Vc)
ロバート・コンウェイ(P)

録音: 2013年5月21.24日,6月6日
※初録音
生没年でもわかるとおり、リヒャルト・シュテール(1874-1967)は、コルンゴルト、シェーベルク、ツァイスル、ツェムリンスキーと同じく、ウィーン世紀末に活躍し、アメリカに亡命した作曲家、音楽理論家です。彼はウィーンで生まれ、ローベルト・フックスに作曲を学び、1900年からレペティトゥア(オペラの声楽コーチ)と合唱講師として働き始め、やがてウィーン音楽大学の対位法、音楽学の教授となり、カラヤン、ゼルキン、ラインスドルフや、マレーネ・ディートリッヒなど数多くの音楽家たちを指導しました。しかし1939年にアメリカに亡命、ここではカーティス音楽院でバーンスタインやボッサールを教えています。そんな彼の作品は、最近になってようやく再発見の兆しが見え始めていますが、まだまだ全容解明には程遠く、7 曲の交響曲や2 曲のオペラなどをはじめとした数多くの作品が聞ける日を待つほかありません。このアルバムではチェロとピアノのための作品を2 曲収録。前衛的というよりもロマンティックな作風が魅力的な曲集です。
TOCC-0211
ハロルド・シェイペロウ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ.ヘ短調(1948)#
変奏曲ハ短調(1947)#
4手のソナタ(1941)*
シャリー・ピンカス(P)
イヴァン・ヒルシュ(P)*

録音:2013年6月10-11日
2013年9月30日
#=※初録音
2013の夏にこの世を去った作曲家シェイペロウ(1920-2013)。彼は1940年代に頭角を現したアメリカの作曲家で、いわゆる「ボストン六人組」・・・アーサー・バーガー、レナード・バーンスタイン、アーロン・コープランド、ルーカス・フォス、アーヴィング・ファイン・・・に属する人でした。なかでもバーンスタインとはしばしばピアノ・デュオを組み活躍していましたが、しばらくして辞めてしまったことでも知られています。彼の作品はストラヴィンスキーのように新古典派主義の言語を用いており、同時代の作曲家たちがモダニズムの波に乗るのを見ても、自らの作風を変えることはしませんでした。この初期の3つのピアノ曲は、現代的な雰囲気の中にも。ベートーヴェンやシューベルトの面影が見えるような過去を包含するもの。アメリカの現代作品の幅広さを感じさせます。
TOCC-0215
コンスタンチン・エイゲス:ピアノ作品集
2つのおとぎ話Op.12
ソナタ・ポエマ第1番Op.15
10の前奏曲Op.8/2つの詩曲Op.19
かっこうOp.2/ソナタ・ポエマ第2番Op.28
4つの小品Op.14/主題と変奏Op.36
ジョナサン・パウエル(P)

録音:2012年8月22-23日UKオックスフォード,聖ヒルダ・カレッジジャクリーヌ・デュ・プレ・ミュージック・ビルディング
ウクライナのユダヤの音楽一家に生まれたコンスタンチン・エイゲス(1875-1950)の作品集です。彼はモスクワで医学と音楽を学びましたが、結局は音楽の道を選択し、優れた作曲家、ピアニストとして活躍、タネーエフの後継者と称されました。彼の息子オレグも作曲家であり、ショスタコーヴィチとも親交を結んだことで知られています。エイゲスの音楽には、やはりスクリャービンやメトネルとの共通点が見られますが、何よりもラフマニノフを一層重厚にした響きと、柔軟で流麗なパッセージが魅力的であると言えるでしょう。まだまだ一般的には知名度が低い人ですが、聴けば必ず好きになることは間違いありません。ジョナサン・パウエルは以前からエイゲスの良い理解者であり、様々な機会でエイゲスの作品を広めるために尽力しています。
TOCC-0216
アナトーリ・アレクサンドロフ:ピアノ作品集第2集
2つの小品Op.3(1913/1919改編)
ピアノ・ソナタ第2番ニ短調Op.12(1918)*
メーテルランクのドラマ「アリアーヌと青髭」から2つのパッセージ(1923)*
ピアノ・ソナタ第4番ハ長調Op.19(1922/1954改編)*
ピアノ・ソナタ第1番嬰へ短調「ソナタ・スカッツァ」Op.4(1914)
ピアノ・ソナタ第6番ト長調Op.26(1926)
小組曲第1番Op.33(1929)
ノ・キョンア(P)

録音:2013年5月23日、2014年1月7-8日
※*=初録音
アナトーリ・アレクサンドロフ(1888-1982)は、ロシア・ピアニズムの伝統をしっかり継承している作曲家として知られ、その作品は、ラフマニノフ、スクリャービン、ショスタコーヴィチ、ギレリスなど様々な作曲家や演奏家にインスピレーションを与えています。作風はよく言われるように「メトネルとスクリャービンの中間」のようなものではありますが、決して前衛的にはならず、程よいロマンティシズムを保った親しみやすいものです。この第2集には彼の初期の作品が収録されており、これらは発表当時にも高い人気を誇ったというものですが、後期の単純化された新古典主義風の音よりも、より実験性が高く(だからこそ評価されたのでしょう)印象主義的で神秘的な音であり、確かにスクリャービンの響きに近いものがあります。ここでピアノを弾いているキョンアは、第1集でその幅広いデュナーミク、華麗な音色、そして卓越した技術を高く評価されました。
TOCC-0217
フェレンツ・ファルカシュ:管弦楽作品集第3集
弦楽合奏とオーボエのための古いハンガリー舞曲(1990/2014L.レンチェス編)
.弦楽合奏のためのムジカ・セレナ(1982)
オーボエ,クラリネット,ファゴットのためのマスク(1983)
弦楽合奏のためのピコラ・ムジカ協奏曲(1961)
オーボエと弦楽合奏のための第4協奏曲(1983)
弦楽合奏のためのツァンカの音楽(1986)
コーラングレと弦楽三重奏のためのリコルダンツァ(1984)
オーボエ,ヴァイオリンと弦楽合奏のためのハンガリー風アリアとロンド(1994)
ラヨシュ・レンチェス(Ob)
ヤーノシュ・ローラ(Vn)
フランツ・リスト室内O

録音:2014年4月14-15日ブダペストイタリア文化会館
ハンガリーの作曲家、音楽教師ファルカシュ(1905-2000)。彼は長いことブダペストのリスト音楽院で教師を務め、クルタークやリゲティなどを育てました。TOC-CATAでは彼の色彩的な管弦楽曲を体系的にリリース、第1集(TOC-C0176)、第2集(TOC-C0184)はどちらも高い評価を受けています。この第3集では、主にオーボエを中心とした独奏楽器をフィーチャーした作品集で、どれも魅力的な音に満ちています。オーボエを吹いているのは名手ラヨシュ・レンチェスで、映画音楽を思わせる堂々としたファルカシュの音楽に豊かなコントラストを与えています。バロック風の曲や、民謡調の曲など多彩な音楽が楽しめます。
TOCC-0218
リャプノフ:ピアノ作品集
3つの小品Op.1(1888)*
2つのマズルカOp.9(1898)
マズルカ第5番変ロ短調Op.21(1903)
即興的ワルツ第1番ニ長調
Op.25(1905)
即興的ワルツ第2番変ト長調Op.29(1908)
マズルカ第7番嬰ト短調Op.31(1908)
スケルツォ変ロ短調Op.45(1911)*
ソナチネ変ニ長調Op.65(1917)*
即興的ワルツ第3番ホ長調Op.70(1919)
マルガリータ・グレボフ(P)

録音:2012年5月30日,2012年10月17日,2013年3月15日メリーランド,カレッジ・パークエルシー&メルヴィン・デケルボウム・コンサート・ホール
※*…初録音
またロシア国民楽派の後継者として、ユニークな作品を残したリャプノフ(1859-1924)。そんな彼の作品にはリストやバラキレフ、ボロディンなど先人の影響が強く見られることは確かですが、ことピアノ曲に関しては、彼が若い頃師事したカール・クリントヴォルト(リストの門弟)を通じて、フランツ・リストの名人芸をそのまま継承していると言えそうです。ここで聴けるピアノ作品集には、彼の作曲技法と超絶技巧が余すことなく発揮されており、リャプノフの再評価に繋がるアルバムとして評価されること間違いありません。何曲かの初録音も含まれた貴重な1枚です。
TOCC0-0220
ジェラルド・シュルマン:室内楽作品集第2集
弦楽四重奏曲第1番(2003-2004)
クラリネット,チェロとピアノのための三重奏曲(2002)
チェロとピアノのための幻想曲(1967)
弦楽四重奏曲第2番(2011-2012)
リリスSQ
ヘカン・ローゼングレン(Cl)
クライブ・グリーンスミス(Vc)
ミハイル・コルツェフ(P)

録音:2013年6月20-21日
2013年11月23日
※初録音
東インド諸島に生まれ、1981年以来アメリカに拠点を置き活躍しているイギリス系オランダの作曲家シュルマン(1924-)。このアルバムは彼の90歳の誕生日を記念してリリースされます。彼の第1集の室内楽作品は、異国情緒を感じさせる豊かな香りを持つ作品が評価されましたが、この第2集は更に多彩な作品が集められています。2つの弦楽四重奏曲は今世紀になってから書かれたもので、彼の人生の集大成ともいうべきものですが、注目すべきは1967年に書かれた「幻想曲」で、当時の潮流を反映した興味深い作品と言えそうです。
TOCC-0222
アーサー・ファーウェル:ピアノ作品集第2集
夜明け Op.12(1902)
.散文の中のパステル,その後のトーン画像…Tone Pictures after Pastels in Prose,Op.7(1895)
《多調の練習曲 Op.109 第2 巻(1940-1950)》
第12 番:ハ短調/ト短調/第13 番:ハ短調/ヘ短調/第14 番:ロ短調/ト短調/第15 番:ハ短調/変ホ短調/第16 番:ニ短調/ホ短調/第17 番:ヘ短調/ホ短調/第18 番:ヘ短調/嬰ヘ短調/第19 番:ト短調/ロ短調/第20 番:変ホ短調/イ短調/第21 番:変ロ短調/ト短調/.第26 番:変ニ長調/ヘ短調/残丘と平野から Op.20-第2 番「ポーニー族の馬」(1905)
リサ・シェリル・トーマス(P)

録音:2012年11月1-2日カナダサフォーク,ポットン・ホール
アメリカの才能溢れる作曲家、指揮者、楽譜出版社、そして作家、神秘主義者アーサー・ファーエル(1872-1952)。彼の奇妙な作品は第1集(TOCC0026)でもお楽しみいただけますが、ここでも彼が傾倒したネイティヴ・アメリカの民謡を用いつつも、印象派と新古典派の影響も存分に受けたであろう、特異な作品を聴くことができます。「多調の練習曲」は第1集からの続きで、2つの調性が併記されていますが、ここでも明確な調性はあまり感じ取ることが出来ず、どちらかと言うと印象派の和声のような不確定で流動的な響きとなっているところが面白いものです。(しゃぶしゃぶのたれの「ごま」と「ポン酢」を混ぜたような味わいとでもいいましょうか?)。ここでピアノを演奏しているリサ・シェリル・トーマス自身もネィティブ・アメリカンの血をひく人で、これらの曲に対する愛の深さは計り知れないものであることは間違いありません。
TOCC-0226
NX-B03
ドナルド・フランシス・トーヴィ(1875-1940):室内楽作品集 第2集
グルックの主題による変奏曲 Op.28(1913)
.ピアノ五重奏曲 ハ長調 Op.6(1900)…初録音
オーメスビィ・アンサンブル
サラ・ブルック(Fl)
ロバート・アチンソン(Vn)
ジャクリーヌ・ハートリー(Vn)
ビル・ホークス(Va)
デヴィッド・ジョーンズ(Vc)
オルガ・ダンドニク(P)

録音:2015年8月5-8日
イギリス出身のドナルド・フランシス・トーヴィー。幼いころからピアノと作曲を学び、ヒューバート・パリーに師事。1905年には ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムの親友として、ヨアヒム四重奏団とともにブラームスの「ピアノ五重奏曲」を演奏したこともあ る人です。1911年度版のブリタニカ百科事典に“18世紀から19世紀の音楽”に関する項を書き上げたことや、バッハ作 品、ベートーヴェンのピアノソナタの校訂などで、現在では音楽学者として知られていますが、彼自身も何曲かの作品を残し ています。作風は保守的でブラームスの影響が強く感じられますが、このアルバムの「ピアノ五重奏曲」は1時間ほどの長さを 持つ雄大な作品。優れた作曲技法が見てとれます。もう1曲の「グルックの主題による変奏曲」は斬新な和声と古典的な 佇まいが調和した作品です。
TOCC-0228
ヨハン・アドルフ・ハッセ:独唱カンタータ全集第1集
Credi,ocaro,allasperanza‐信じて、私の愛しい人、私の希望
Parto,miaFilli,evero‐わがフィッリ、私のまこと
Ah,perpietadealmeno‐ああ、少なくとも思いやりのうちで
OhDio!partirconviene‐おお神よ、残すこ
とが必要です
Lasciaifior,l'erbettee'lrio‐残された花、牧草地、そして小川
Tantodunqueesireo‐あなたの魂よ、それから私の狂える恋心
ホーフ・ムジチ(アンサンブル)
ヤーナ・ドヴォジャコーヴァ(S)
ヴェロニカ・ムラチュコーヴァ・フチコーヴァ(Ms)
ロザリー・コウサリコーヴァ(バロックVc)
オンドレイ・マチェク(ハープシコード)

録音:2015年3月10-12日プラハサラ・テッレナ・オブ・ザ・ヴィラ・ベルトラムカ
※初録音
ドイツ、ハンブルク近郊に生まれたバロック時代の作曲家ハッセ(1699-1783)。若いころはオペラの劇団員としてラインハルト・カイザーの劇団に参加し、この経験を足掛かりにブランシュヴァイク=リューネブルクの宮廷劇場と契約、1723年にオペラ「アンティゴノス」を発表し、作曲家としてデビューを果たします。そのオペラが成功したことで、彼はイタリア留学の機会を得て、ナポリでニコラ・ポルポラとA.スカルラッティと知り合い作曲の腕を磨きます。120作品に及ぶオペラの他、ソロ・カンタータや宗教曲など多数の作品を遺し、ソロ・カンタータの一部は皇后マリア・テレジア自身が歌った可能性もあるほど、当時宮廷で愛されていました。残念ながら1760年のドレスデン包囲の際、その多くが消失してしまいましたが、各地に散らばった譜面を探し出し、この録音が実現したのです。

TOCC-0230
フェレンツ・ファルカシュ:管弦楽作品集第4集
1.ビハールのルーマニア民俗舞曲(1988)
2-5.カンティーネス・オプティメ(1969)<第1番:死の前の激励/第2番:祈り/第3番:マリアの歌/第4番:おお、イエス>
6-13.17世紀の古いハンガリー舞曲集(フルートと弦楽版)(1990)<イントラーダ/ゆっくりとした踊り/肩-刀の踊り/トランシルヴァニアの王子の踊り/舞踏病/メヌエットのように/ラザール・アポルの踊り/飛び跳ねる踊り>
14-16.チェンバロ協奏曲(1949)
17-20.喜びの音楽(1982)
21-23.セデナード・コンチェルタンテ(1967)
アンドラーシュ・アドリヤン(Fl)…1.6-13.21-23
イングリット・ケルテシ(S)…2-5
ミクローシュ・シュパーニ(Cemb)…14-16
フランツ・リスト室内O
ヤーノシュ・ローラ(指)

録音:2015年1月15-21日ブダペスト,イタリア文化会館
※1.2-6.17-20.21-23…初録音
ハンガリーの作曲家フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000)の管弦楽作品集の第4集です。中心に収録されているのはフルートを用いた曲集で、どれも比較的耳当たりが良く、また民族的なメロディをもつ親しみやすい音楽です。ここでフルートを吹いているのは1944年、ブダペスト生まれのフルーティスト、アンドラーシュ・アドリヤン。彼はストックホルム、ケルン、バーデン・バーデン、ミュンヘンなどの主要都市のオーケストラでソリストを務め、また数々の忘れられた作品の復興に寄与しています。録音も数多く、このファルカシュをはじめ、グンナー・ベルイ、ホルンボー、ノレル・リー、シュニトケなど80作以上のリリースがあります。また静謐な美しさを持つ「カンティーネス・オプティメ」ではNAXOSでも人気の高いソプラノ、イングリット・ケルテシがソロを担当、現代の祈りを静かに歌い上げています。チェンバロ協奏曲は古典的な佇まいの中に斬新な響きを溶け込ませた興味深い作品です。
TOCC-0231
モーリス・エマニュエル:室内楽と歌曲集
ヴァイオリン・ソナタ.ニ短調Op.6(1902)*
古代ギリシャ民謡のアリアによる組曲Op.10(1907)
音楽Op.17(1908)
フレデリック・アングルロー(Vn)
エレーヌ・エブラー(S)
フランソワ・キリアン(P)

録音:2013年12月5-11日スイスシャラ,Charratmuse
*=初録音
フランスのバール=シュル=オーブで生まれ、パリ音楽院に入学。作曲をレオ・ドリーブに学んだモーリス・エマニュエル(1862-1938)。同窓生にはドビュッシーがいて、彼らは生涯を通じて交流を持ちました。彼は作曲家として名を馳せてからの関心は、主に民謡や異国の旋法にあったとされていますが、このアルバムに収録された3つの初期作品からは、先人であるセザール・フランクの影響が強く感じられます。とりわけ「ヴァイオリン・ソナタ」は野心的でありながらも、最愛の母を失った悲しみの感情も垣間見える作品で、若き音楽家の溢れるような才能が強く感じられるのではないでしょうか?「組曲」は、後の彼の嗜好が現れている作品であり、彼の民謡に寄せる深い知識を知ることができます。地質学者、歴史家で詩人でもあるルイ・ド・ロネのテキストを用いた歌曲集「音楽」も、知性とウィットを併せ持つ興味深い作品です。
TOCC-0232
アドルフ・イェンゼン:ピアノ作品集第1集
エロティコンOp.44(1873出版)
ドイツ風組曲Op.36(1869出版)
3つの歌曲(マックス・レーガーによるピアノ編曲)<第1番:君が頬を寄せよOp.1-1/第2番:つぶやくそよ風/第3番:川のほとりに>
出発-ピアノのための2つのロマンス
エルリンク・R・エリクセン(P)

録音:2013年12月16-17日スタヴァンゲル,ビェルクステッド,リリエ・コンサートサル
※初録音
ドイツ、ケーニヒスベルクに生まれ、独学で音楽の才能を見出したといわれる作曲家イェンゼン(1837-1879)。15歳になってようやくベルリンで正式に音楽を学び始め、直後にフランツ・リストに注目され、指導を受けたという人です。ピアニストとして活動を始めてからは、音楽教師としてロシアに行ったり、ポーゼンの市立劇場の楽長を務めたりしますが、その後、またコペンハーゲンでニルス・ゲーゼの教えを受けています。当時はシューマンの後継者と目されるも、あまりにも繊細な作風のため、結局は「サロン音楽」のようなものと見做され、現在ではほとんど注目されることがありません。しかし、この美しい作品が忘れられているのは本当にもったいないこと。TOCCATAレーベルは、そんな彼の作品をもう一度眠りから目覚めさせたいと願っています。
TOCC-0234
グレチャニノフ:ヴィオラとピアノのための作品全集
ヴィオラ・ソナタ第1番変ロ長調Op.161(1940)
ヴィオラ・ソナタ第2番ヘ長調Op.172(1943)
ドビュッシー:2つの歌(グレチャニノフ編)<ロマンス/美しい夕暮れに>
組曲「早朝に」Op.126b(1930)
組曲「古風な方法で」(1918)
エレナ・アルタモノヴァ(Va)
ニコラス・ウォーカー(P)

録音:2013年6月29-30日カナダサフォーク,ポットン・ホール
※1-3.13-14…初録音,4-12.15-24.25-29…この版にての初録音
商人の父を持ちながらも、家業を継がずモスクワ音楽院で学び、作曲家として成功を収めたというグレチャニノフ(1864-1956)。華々しく活動を始めるも、ロシア革命が勃発し、ロシアを離れプラハやパリを転々とし、結局はアメリカに移住し、1940年代後半にアメリカの市民権を得たという人です。国民楽派の影響下にありながらも、晩年の作品は当時のアメリカで流行していた新古典派の音楽の影響も取り入れるというニュートラルなもの。宗教作品ではロシア正教会の伝統を踏まえた曲を書き、器楽曲ではモダンな作品を書くというなかなか面白い作曲家です。このヴィオラのための作品集は、ほとんどが未発表作品ですが、どれも魅力的でこの作曲家の姿を端的に伝えています。グレチャニノフ生誕150年の記念盤です。
TOCC-0235B03
ジョヴァンニ・マリア・ナニーノ:4声、5声、8声のための音楽集
8声のためのミサ曲<キリエ/グローリア/クレド/サンクトゥス/ベネディクトゥス/アニュスデイ>
第7旋法のマニフィカート8声
彼女は風の中で金色の髪をくしけずる5声
王はわけもなく私を迫害する
わが心は死ぬことはない*
主にあいて喜べ
われらの心を導きたまえ
第6旋法のマニフィカート4声
この日は5声
.主にむかって喜びの歌を歌え8声
ナニーノの「彼女は風の中
で」によるラッススの第7旋法のマニフィカート
グルッポ・ヴォカーレ・アルシ&テシ
トニー・コッラディーニ(指)

録音:2015年3月14.15.21日,9月27日
※初録音(*以外)
後期ルネサンス時代、イタリアの主要な作曲家の一人として活躍したナニーノ(1544-1607)。ティヴォリで生まれ、ヴィテルボ大聖堂の合唱団でボーイ・ソプラノを務めた後、ローマの聖ルイジ・デ・フランチェシでパレストリーナに師事します。様々な教会を歴任していたパレストリーナがここを去った後、1577年に大聖堂の楽長に就任、その後は合唱団を指導しながら、音楽教師としても名声を博すことになります。彼の作品のほとんどはマドリガーレと宗教音楽で、これらは師であるパレストリーナの作風を受け継ぎながらも、多彩な表情を有しています。しかしそのほとんどが忘れられてしまったため、一部の有名な作品以外は出版されることはありませんでしたが、その原稿の大部分は残存しており、今後研究が進んでいくものと思われます。
★試聴リンク
TOCC-0236
エイミー・ウッドフォルデ=フィンデン:東洋風の歌曲集
4つのインド風愛の詩(1902)
ダマスカスの恋人(1904)
「ジェラム川の上で」より6つの歌曲(1906)
エジプトの夢(1910)/砂漠の星(1911)
ダマスカスのミルテ(1918)
マイケル・ハリウェル(Br)
ディヴィッド・ミラー(P)

録音:2013年12月2-5日シドニー音楽大学,リサイタル・ホール・ウェスト
エイミー・ウッドフォルデ=フィンデン(1860-1919)は19世紀末から20世紀初頭のイギリスでひっそりと創作活動をしていた女性です。彼女はイギリス仕官の妻であり、夫に付随してインドからエジプト、シリア、日本にも来ていたといい、その異国の風情を美しい音楽に仕上げ、静かな人気を博したのでした。「4つのインド風愛の詩」は、当時流行したローレンス・ホープ(これは実はペンネームであり、本当はやはりイギリス仕官を夫に持つヴァイオレット・ニコルソンという女性)の詩を用いた曲で、インドの風景に熱い恋の思いを重ね合わせた情熱的な歌詞を持つものです。中でも第3曲目の「カシミールの歌」はその甘い雰囲気のためか、ベストセラーになり、今でも歌い継がれています。ここではそんな彼女の「他の作品」も聴いていただけます。瑞々しさと柔らかな感性は、ぎこちなさもあるものの、磨かれる前の原石のような美しさと震える胸のときめきを抱いています。
TOCC-0237
シャルル=ヴァランタン・アルカン=ヴィアナ・ダ・モッタ:編曲全集
ピアノ・ソロのための「8つの祈り」
4手ピアノのための「9つの前奏曲」
2台ピアノのための「ベネディクトゥス」Op.54
ヴィンチェンツォ・マルテンポ(P)
エマニュエル・デルッチ(第2ピアノ)

録音:2013年12月3-5日ジェノア,マルコ・バルレッタ・ピアノフォルティ
ポルトガルのピアノの巨匠ヴィアナ・ダ・モッタ(1868-1948)は、音楽愛好家の父のもとに生まれ、幼い頃からピアノ演奏に才能を示しました。リスボン国立音楽院で学び、ベルリンに留学、ここれはシャルヴェンカ兄弟に師事、その後はヴァイマールでフランツ・リストの最後の弟子になります。ピアニストとして名声を得て、またジュネーヴの音楽院では最上級クラスを受け持つなど大活躍をしました。そんなダ・モッタですが、当時名声を博していたアルカン(1813-1888)の重要性も強く理解していたようです。そのためか、アルカンのオルガンやペダルピアノのための作品を、ピアノソロと連弾、2台ピアノのために編曲することを試みました。もともと複雑に書かれたアルカンの作品ですが、これらがきちんと整理され、美しく鳴り響くのを聴くのは、アルカンマニアにとっても大いなる喜びと言えるでしょう。CDの容量の限界近い84分の音楽がぎっしり詰まった1枚です。
TOCC-0238
マルコス・ポルトゥガル:作品集
聖母の晩課ハ長調P02.31,P02.24
4声のミサ曲ヘ長調P01.13
アンサンブル・トゥリクム
マティアス・ヴァイベル&ルイス・アウベス・ダ・シルバ(指揮・監督)

録音:2013年9月27日チューリヒ,聖ペーター教会
ポルトガルの音楽と言えばファドなどの民俗音楽ばかりが頭に浮かびますが、モーツァルトやベートーヴェンの時代、南米ポルトガルではどのような音楽が聴かれていたのでしょうか?そんな疑問を解消してくれるのが、このアルバムです。ここで取り上げられている作曲家マルコス・ポルトゥガル(1762-1830)は当時最も有名なオペラ作曲家で、当時建設されたリスボンの最も先進的なオペラハウス「サン・カルルシュ国立劇場」の音楽監督を努め、自作を多く上演したのでした。彼は50作ほどのオペラ作品を160作以上の宗教合唱作品を書き、その多くは、音楽を学んだイタリアの様式を持っていて、この2つの作品も、保守的で荘厳な作風の中にもオペラの影響も感じさせるものです。ただ合唱の中に女声がないことと、オーケストラにヴァイオリンが用いられていないことが、作品に若干の暗さをもたらしているのはとても興味深い事象と言えそうです。
TOCC-0239
オルランド・ヤシント・ガルシア:管弦楽作品集
アウシュヴィッツ(彼らは決して忘れない)(1994)
バラデロの思い出(1988)
アール・ブラウンの思い出のために(2011)
アンジャーネ・チェチリア・ガーワル(S)
グレンダ・フェルナンデス=ベガ(Ms)
ローアン・A・スミス(語り)
フロリダ国際大学・コンサート・コア
ホセ・セレブリエール(指)マラガPO

録音:2013年6月10-12日マラガ・フィルハーモニック・スタジオ
1954年にハバナで生まれ、1961年にアメリカに移住。マイアミ大学でモートン・フェルドマンに師事し、作曲と音楽理論を学んだヤシント・ガルシア(1954-)。彼の音楽は師であるフェルドマンの作風を引き継いだもので、ゆっくりとした動きと万華鏡のような穏やかな色使い、そして少しずつ変化していくモティーフなど、特徴的であり、不可思議な美しさを有しています。このアルバムに収録された3つの作品、アウシュヴィッツの悲劇、彼が幼い頃に過ごしたキューバのビーチの思い出、そしてアメリカのモダニズムを象徴する作曲家、アール・ブラウン(1926-2002)への思い出。どれもが瞑想的なフレーズを多用することで、無限の悲しみを喚起させます。名指揮者セレブリエールを起用し、素晴らしい演奏でお聞きいただけます。

TOCC-0240
シャルル=ヴァランタン・アルカン:トランスクリプション集第1集〜「モーツァルト」
交響曲第39番変ホ長調K543第3楽章:メヌエット
英雄劇「エジプトの王ターモス」K345-そなたら塵芥の子らよ
交響曲第40番ト短調K550第3楽章:メヌエット
弦楽四重奏曲第18番イ長調K464第3楽章:アンダンテ
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
ホセ・ラウル・ロペス(P)

録音:2014年12月15.17.19日USAマイアミ,フロリダ国際大学,ニコル&ハーバート・ウェルトヘイム・パフォーミング・アーツ・センター・コンサート・ホール
※全てC-V.アルカンによるピアノ独奏版※2.3.11-13…初録音
アルカン(1813-1888)というと、「鉄道」や「短調による練習曲」などの超絶技巧を駆使した一連の見事な作品が知られています。しかし、彼が力を入れていた「トランスクリプション=他の作曲家の作品を編曲したもの」については、まだまだ知られていません。この当時は、フランツ・リストによるベートーヴェンの交響曲のピアノ版のような、「大きな編成→小さな編成」に移し変えることが盛んに行われていました。これは好きな作品を家庭で楽しむために、小さな編成に置き換えて演奏することで、いちいち演奏会に行かなくてもよかったからです。もちろん、多くの場合はこの作業はつまらないものであったかもしれません。結局、現在はこのようなトランスクリプションの必然性は失われてしまい、多くの編曲版を聴く機会は失われてしまいました。そんな中で、アルカンのトランスクリプションの持つ意味はどんなものでしょうか?聴いてわかるとおり、彼の編曲は明快であり、リストのように「余分なパッセージ」を追加することもなく、基本的にスコアを丁寧にピアノに移し替えています。
TOCC-0241
アルフレッド・ヒッチコックのための音楽
ハーマン:「知りすぎていた男」演奏会用序曲(1956:マウチェリ編)
フランツ・ワックスマン:「レベッカ」組曲(1940:マウチェリ編)
フランツ・ワックスマン:「裏窓」組曲(1954:マウチェリ編)
ディミトリー・ティオムキン:「見知らぬ乗客」組曲(1951:マウチェリ編)
ディミトリー・ティオムキン:「ダイヤルM を廻せ」組曲(1954:マウチェリ編)
ハーマン:めまい(1958)<前奏曲/愛の情景>
ハーマン:「北北西に進路を取れ」メイン・タイトル(1959)
ハーマン:「サイコ」弦楽オーケストラのための物語(1960/1968:マウチェリ復元版)
ベンジャミン:「知りすぎていた男」嵐の雲-カンタータ(1934:ハーマン編,1956)
ダニー・エルフマン:ヒッチコック-エンド・クレジットからの音楽(2012)
クラウディア・キドン(S)
デンマーク国立コンサートCho
ジョン・マウチェリ(指)デンマーク国立SO

録音: 2012年11月23-24日 デンマーク コペンハーゲン,デンマーク放送コンサートホール
イギリスの偉大なる映画監督、プロデューサー、アルフレッド・ヒッチコック。彼の作品を見ていない人はほとんどいないと言っても過言ではないでしょう。主としてスリラー映画の分野で活躍し、例えば「裏窓」や「サイコ」などでのゾクゾクするような怖さは、現代の映画とは全く異質のものなのではないでしょうか。しかし、この恐怖も音楽がなければ盛り上がりに欠けることは間違いありません。このアルバムではそんなヒッチコック作品に不可欠な音楽が集められています。演奏するのは映画音楽と現代音楽の専門家ともいえるジョン・マウチェリ指揮のデンマーク国立SO。編曲家としても名高いマウチェリは、これらの素晴らしい「フィルムスコア」に更に手を加え、単なるサウンドトラックではない極上の管弦楽作品集として聴かせます(個人的にはグノーの「操り人形の葬送行進曲」も付け加えて欲しかったところですが・・・)
TOCC-0242
ジョン・キンセラ:交響曲第5番&第10番
交響曲第5番「1916年の詩」(1992)
交響曲第10番(2010)*
ジェラルド・オコンナー(語り)
ビル・ゴールディング(ナレーター)
アイルランド国立SO
コールマン・ピアース(指)
アイルランド室内O*
ガボール・タカーチ=ナジ(指)*

録音:1994年2月18日ダブリン,ナショナル・コンサート・ホール、2012年2月11日ダブリン,ロイヤル・ダブリン・ソサエティ・コンサート・ホール*
アイルランド、ダブリンで生まれた作曲家キンセラ(1932-)は、ダブリン大学でヴィオラと和声、対位法を学ぶも、作曲は基本的に独学で身に着けました。最初はシンプルな作品を書いていたものの、少しずつその技法が進化し、1968年、彼はアイルランド放送協会の音楽部門のシニア・アシスタントになり、楽曲管理をしていたため、当時のヨーロッパの現代音楽の流行に精通しており、それも踏まえた素晴らしい作品を数多く作り、現在では「アイルランド最高の交響曲作曲家」として讃えられています。交響曲第5番は、1916年に殺害された3人のアイルランドの詩人の詩を用いた作品。交響曲第10番は彼の最新の作品でモーツァルト・マニアのために書かれた古典的な装いを持っています
TOCC-0244
ロビン・ミルフォード:室内楽曲集
クラリネットと弦楽四重奏のための幻想的五重奏曲Op.33(1933)
牧歌-緑の木の下でOp.57(1941)
クラリネット,チェロ,ピアノのための三重奏曲ヘ長調Op.87(1948)
チェロとピアノのための「スレン」(1946-1947)
クラリネットとピアノのための「叙情的な楽章」Op.89(1948)
ヴァイオリン,チェロ,ピアノのための前奏曲(1948頃)*
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.77
ロバート・プレイン(Cl)
ルーシー・グールド(Vn)
ミア・クーパー(Vn)
ディヴィッド・アダムス(Va)
アリス・ニアリィ(Vc)
ベンジャミン・フリス(P)
グールド・ピアノ三重奏団

録音:2014年3月3-5日西サセックス,チャンプ・ヒル,ミュージック・ルーム
*以外=初録音
イギリスの作曲家、ロビン・ミルフォード(1903-1859)の室内楽作品集。彼はイギリス王立音楽大学でホルストとヴォーン・ウィリアムズから作曲を学び、早い内からその才能は認められていました。1929年にジェラルド・フィンジと出会い親しい友人として交流していたことでも知られています。彼の作品は終生、師の2人の影響から逸脱することがなく、前衛音楽が主流であった時期には「時代遅れ」と見做されてしまいましたが、最近ようやく復興しつつあります。ここでは、親友であったフィンジのクラリネット作品にも負けず劣らず美しいクラリネットのための一連の作品や、チェロの作品、ヴァイオリン・ソナタなど魅力的な音楽を収録。まだまだイギリスにはたくさんの素晴らしい作曲家が埋もれていることを実感させてくれます。
TOCC-0245
NX-B03
アドルフ・ブッシュ:ピアノ作品全集
ファンタジア ハ長調 BoO20(1908)
アジタート BoO30(1909)
4つの間奏曲
古い様式による3つの小品 BoO48(1917)
2つのカノンと小フーガ BoO111(1919)
ピアノ・ソナタ ハ短調 Op.25(1922)
アレグロ・ピツァッロ BoO31(1941)
アレグロ・ヴェヘメンテ BoO32(1946)
組曲 Op.60b(1941-1945)
ンダンテ・アフェットゥオーソ BoO36(1945)
アンダンテ・エスプレッシーヴォ BoO37(1952)
ヤコプ・フィケルト(P)

録音:2015年7月22.23日
2016年1月21日
初録音
偉大なるドイツの名ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュ。1912年にソリストとしてデビュー、やがてブッシュ弦楽四重奏団を 結成し素晴らしい音楽活動を続けます。演奏活動と並行して作曲活動も行っていたブッシュはドイツがナチスに侵略さ れるのを恐れ、スイスを経由して四重奏団のメンバーと共にアメリカに渡ります。その後も作曲活動を続け、室内楽作品 やピアノ曲など、いくつかの作品を残しました。彼の作風はレーガーの影響を受けたもので、どの作品にも複雑な対位法 の中に叙情的なメロディが隠れています。この初録音となるピアノ曲集は、活動の初期から亡くなる年までを万遍なくカ バーしており、どれも魅力的な作品ばかりです。
TOCC-0246
マルコルム・ウィリアムソン:オルガン作品集
キリスト=不死鳥の幻影(1961/1978改)
愛の泉(1955-56)
サフォークのライオン(1977)
「神の民」のミサ-オフェルトリエ;対話の合唱(1980-81)*
「おお、楽園」による幻想曲(1976)*
オルガンのための交響曲(1960)
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2013年4月8-10日ブリストル,セント・マリー・ラドクリフ教会
*=初録音
マルコム・ウィリアムソン(1931-2003)はシドニーで生まれ、11歳でシドニー音楽院に入学。最初はピアノとフレンチホルンを学びました。作曲は指揮者としても知られるユージン・グーセンスに学び、1944年に卒業、1950年にロンドンに移住します。ここで新ウィーン楽派の音楽や、メシアン、ブーレーズの音楽に接し、強く影響を受けました。作曲家として活動するために、改めて研鑚を積むのですが、そのためにはナイトクラブのピアニストや、教会でのオルガニストなど様々な仕事で生活を支えなくてはいけなかったウィリアムソン。それが却って自らの音楽語法の多様化を促進し、数多くの作品を生み出す原動力ともなったのです。彼は1975年、非英国出身者として初めて19人目の「英国王室楽長」に任命されたことでも知られ、その叙情的でありながらも前衛を踏まえた音楽は、数多くの人に愛されています。
TOCC-0247
アルバン・ベルク:弦楽への編曲集
ピアノ・ソナタOp.1(2011/W.V.クラヴェラン編)
初期小品集(2014/E.コヴァチク編)<メヌエットニ短調/アダージョヘ長調/サラバンドヘ長調/創作主題による変奏曲ニ長調/デーメルの詩によるアダージョニ短調/メヌエットハ短調>
カノン(1987/A.シュニトケ編)
叙情組曲<Allegretto giovale(2005/T.ヴァルベイ)/Allegretto giovale(1927/A.ベルク)/Allegro misterioso(1927/A.ベルク)/Adagio appassionato(1927/A.ベルク)/Presto delirando(2005/T.ヴァルベイ)/Largo desolato(2005/T.ヴァルベイ)>
NFMレオポルディヌム室内O
エルンスト・コヴァチク(指)

録音:2014年2月15-20日ポーランド、ヴロスワフ放送ホール
※このヴァージョンによる初録音
ベルク自身の3つの編曲を含む、様々な作品の弦楽のための編曲集。クラヴェランによるピアノ・ソナタの編曲はこのアルバムのために用意されたものです。指揮者コヴァチクの編曲による初期の作品集は、シェーンベルクに師事していた時代に書かれたものですが、少しだけロマン派に回帰したマーラーにも通じる美しさを持つもので、この編曲は作品の持ち味を存分に生かした素晴らしいものです。ベルク作品の持つ不思議な魅力をダイレクトに味わうことができる興味深いアルバムです。
TOCC-0248
C.P.E.バッハ:宗教的歌曲集
宗教的頌歌と歌曲集wq194/h686より(1758)<第14番:受難の歌/第9番:願い/第7番:夕べの試練/第31番:夕べの歌/第45番:懺悔の歌/第24-25番:永遠の命の慰め>
幻想曲ハ短調
宗教的歌曲集第1巻&第2巻wq197?98/h749and752より(1780-1781)<第1巻,第29番:イエスの詩の前の暗黒について/第1巻,第2番:受難の歌/第1巻,第13番:最後の審判の日/第2巻,第18番:夏の夜の感覚/第1巻,第14番:春に>
ノルベルト・マイン(T)
テレンス・チャールストン(クラヴィコード)

録音:2012年9月ロンドンロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック・スタジオ
バッハとマリア・バルバラの次男にあたるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)。彼が活動した時代は、そろそろバロックから古典派に移り変わるころであり、その作品もテレマンから受け継いだ「ギャラント様式」(明晰で簡潔。華美になり過ぎたバロック様式への反発)や、感情表現を重視した「多感様式」に傾倒したものになっています。この宗教的歌曲集は、父バッハの様式よりもベートーヴェンやハイドンに近い雰囲気を感じさせるもので、自由であり、また流麗なメロディに満ちています。マインの堅実ながらも柔らかい声と、チャールストンのクラヴィコードの繊細な音色がマッチした美しい演奏です。
TOCC-0249B03
マルティヌー:初期管弦楽作品集第2集
バレエ音楽「影」H.1021幕(1816)
1.序曲/2.現れた少女/3.少女の踊り/4.レント/5.アレグレット/6.モデラート(ワルツのテンポで)/7.ボール遊び/8.水に落ちたボール、そして少女は反射を見ている/9.水と踊りに影が落ちる/10.コモド(アレグロ・マ・ノン・トロッポ)/11.メヌエットのテンポで/12.トリオ/13.ヴィヴァーチェ/14.アレグロ/15.アレグロ・ヴィヴァーチェ/16.背景に3つの影が現れる/17.踊りは続く、かつてない速さになるまで(アレグロ・ヴィヴァーチェ)/18.少女は疲れ倒れる、しかし影の踊りは闇の中心に向かう/19.再び、はるかかなたから歌が聞こえる
ドロータ・シチェパンスカ(S…舞台裏)/アンナ・マリア・スタシキェヴィチ(vn)/アグニェシュカ・コパツカ(P)/シンフォニア・ヴァルソヴィア/イアン・ホブソン(指)

録音:2015年12月16-17日ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ
※初録音
チェコ出身の作曲家、マルティヌー(1890-1959)は70年ほどの生涯に6曲の交響曲、30曲ほどの協奏曲、10曲以上のオペラをはじめ、夥しい作品を残しました。しかし現在知られているのはそのほんの一部であり、10代後半から30代前半の頃に書かれた管弦楽作品は全くと言ってよいほどに聴く機会すら与えれらていません。このバレエ「影」も三省堂の音楽辞典にも掲載されていない秘曲で、この録音が行われるまで演奏されたことすらありませんでした。内容は、ある娘が彼女自身の影と踊るうちに死の存在に脅かされるという暗い内容です。しかしマルティヌーは全編に沈痛な音楽を付けたのではなく、明るく快活な部分もあり、なかなか変化に富んだ曲想です。多彩なオーケストレーションにも耳を奪われます。
★試聴リンク

TOCC-0250
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ集第1集(原曲:ヴァイオリン・ソナタOp.2/S.イェーツによる編曲)
ソナタヘ長調K376(1781)
ソナタ変ロ長調K378(1780)
ソナタ変ホ長調K380(1781)
ダニエル・ヘルソコヴィチ(P)
フィリップス・ショフク(P)

録音:2013年2月13-14日シドニーコンセルヴァトリウム・オブ・ミュージック,ヴァーブルゲン・ホール
モーツァルト(1756-1791)は、いくつかの作品を「2台のピアノのためのソナタ」として書き上げようとしましたが、結局完成したのは、有名なK448の「ニ長調ソナタ」1曲だけでした。このアルバムは、モーツァルトが「ヴァイオリン・ソナタ」として作曲した3つのソナタを2台ピアノで演奏できるようにアレンジしたもので、アイデアを出したのはヴァイオリニストで指揮者であるアンドリュー・マンゼであり、実際に編曲したのは1957年生まれの作曲家スティーブン・イェーツです。作曲当時のモーツァルトは、バロック時代の作風から古典派の作風へと変遷を遂げた頃であり、これらの作品も優雅で流麗な楽想と、パリ風の優美でエレガントな表現が見事に融合していてオリジナル作品自体も美しさの極みを誇っていますが、この2台ピアノのアレンジは、更に喜びと輝かしさを増した聴きごたえのあるものとなっています。
TOCC-0252
ハロルド・トラスコット:ピアノ作品集第1集
1.ピアノ・ソナタ第7番ハ長調RC65
2-23.創作主題による変奏とフーガRC100
24-27.組曲ト長調RC95a
29-31.ピアノ・ソナタ第5番ロ短調RC62
イアン・ホブソン(P)

録音:2014年8月4-6日イリノイ州ウルバナ,クランナート・センター・フォーリナー・グレート・ホール
※2-23.24-27…初録音,1.28-31…CD初録音
ハロルド・トラスコット(1914-1982)はロンドン出身の現代作曲家、ピアニストです。2014年はトラスコット生誕100年目にあたり、このアルバムもこれを記念して製作されました。ギルドホール音楽演劇学校や王立音楽大学で学び、王立音楽大学ではオーランド・モーガンとアンガス・モリソンにピアノを、ハーバート・ハウエルズに作曲を師事しています。その後ハッダースフィールド工業大学で教鞭を執り、こちらの分野でも多くの才能を送り出しています。彼の作品は神秘的な風貌を持つものが多く、調性が付されていても、それは微妙に揺らぎ、また複雑な対位法が用いられているなど、往々にして難解なものですが、1950年代にはBBCでしばしば取り上げられ、多くの人気を博したといいます。このピアノ曲集も色々なスタイルの作品が含まれていますが、名ピアニスト、イアン・ホブソンはこれらを見事に描き分け、新たな発見を届けることに成功しています。
TOCC-0254
フェルナンド・ロペス=グラサ:弦楽四重奏とピアノのための作品全集第2集
ピアノ四重奏曲(1938/1963改編)*
14のアノテーション(1966)
弦楽四重奏曲第2番(1982)
ロペス・グラサ四重奏団

録音:2013年6月24-29日
*=初録音
最近、少しずつその作品が復興しているポルトガルの作曲家ロペス=グラサ(1906-1994)。ポルトガル共産党に入党したことで、作品の上演が禁止されるなどの政治的弾圧を受けましたが、そのフラストレーションを見事に音楽に昇華させ、ポルトガルの民俗的な旋律とポピュラー音楽を融合させた独自の作品を書き上げたという、不屈の精神を持つ人です。このアルバムは彼の室内楽作品集の第2集で、1960年代の作品と、1980年代の円熟の弦楽四重奏曲が収録されています。強烈なリズムに裏打ちされた強烈な音楽です。
TOCC-0255
(1CD+DVD)
NX-B03
カラ・カラーエフ(1918-1982):ヴァイオリン・ソナタ/24の前奏曲
【CD】
ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(1960)*
24の前奏曲 第1巻(1951-1963)
24の前奏曲 第2巻
24の前奏曲 第3巻
24の前奏曲 第4巻

【DVD】
「Sonate-d'automne-秋のソナタ」-カラ・カラーエフの再発見
ユリエッテ・スヴィエルチェフスキ制作の映像
ヴァディム・レーピン(Vn=グァルネリ・デル・ジェズ 1736年“Lafont”)
ムラド・フセイノフ(P)

録音:2014年10月16-17日、2014年10月18-20日
*=初録音…1-4
その他=全曲初録音

映像スペック
収録時間:66'43"
Stereo 2.0
16:9、All regions
アゼルバイジャンの首都バクー出身のカラーエフ(ガラーエフとも)の作品集。地元の音楽院を経て、モスクワ音楽院に留 学、ショスタコーヴィチに師事し研鑽を重ね、作曲家として大成してからはバクー音楽院の教授やフィルハーモニーホールの音 楽監督など、アゼルバイジャン音楽の発展に力を尽くし「20世紀を代表するアゼルバイジャンの作曲家」と呼ばれています。 西洋音楽にアゼルバイジャン伝統の音楽を巧みに融合した作品を多く残していますが、ヴァイオリン・ソナタはプロコフィエフを 思わせる新古典的な作風を持ち、カラーエフの作品の中では異色の雰囲気を持っています。対する「24の前奏曲」は、現 代的な作品の中に、オリエンタルな雰囲気を持ち合わせた異国風の曲が点在するな曲集。ヴァイオリン・ソナタを演奏するの は名手ワジム・レーピンです。 アルバムに付属する映像は、1989年パリ生まれの映像作家スヴィエルチェフスキ制作のドキュメンタリー。カラーエフの「24の 前奏曲」から移ろい行く季節を感じたという彼女、このアルバムに収録されている演奏を「視覚的に表現する」する試みに挑 みました。ヴァイオリニストの左手やピアニストの表情などを丁寧に追いながら、心象風景までおも表現した実験的な映像で す。
TOCC-0256
チャールズ・オブライエン:ピアノ作品全集第1集
ピアノ・ソナタ.ホ短調Op.14(1910)
2つのワルツOp.25(1928)
スコットランドの情景Op.17(1915)
スコットランドの情景Op.21(1917)
ウォーレン・メイリー=スミス(P)

録音:2009年10月27日西サセックス,チャンプヒル,ミュージック・ルーム
スコットランドの作曲家、チャールズ・オブライエン(1882-1968)の魅力的な旋律は、彼が住んでいたエディンバラの風景が反映されています。トロンボーン奏者だった父を始め、彼の家系には音楽家が多く、彼も自然に音楽を愛するようになりました。数多くの作品を残しましたが、現在ではそのほとんどが忘れ去られてしまっています。しかし最近、復興の兆しが見えており、このアルバムの他にも、管弦楽作品の録音が進行しているなど、この静かで美しい作品に注目する人が増えています。ピアニスト、メイリー=スミスは2011年にロイヤル・フィルハーモニーと「皇帝」を演奏してデビューした新進気鋭の若手。すでに何枚かのCDをリリースしていて、どれもが絶賛されています。ここでも共感溢れる瑞々しい音楽を聴く事ができます。
TOCC-0257
チャールズ・オブライエン:ピアノ作品全集 第2集
2 つの狂詩曲 Op.22 第1 番 変ホ長調(1917-1918)
4つのワルツ Op.26(1928)
アラベスク Op.11(1906)
水仙 Op.23(1910)
3 人の孫たちへのワルツ
舟歌 Op.8b
2 つの狂詩曲 Op.2 第2 番 ト短調(1917-1918)
ウォーレン・メイリー=スミス(P)

録音: 2013 年8 月27-28 日 UK サフォーク ポットン・ホール
※初録音
第1 集(TOCC-257)の抒情的な雰囲気が聴き手の心を捉えたオブライエン(1882-1968)のピアノ曲集第2 集です。現在ではほとんど忘れられてしまった人ですが、エディンバラの風景が溶け込む彼の音楽は、どれも静かな佇まいの中に強い憧憬と主張があるもので、一度聴いたら忘れられない魅力を持っています。今回もメイリー=スミスの共感溢れる演奏で。冒頭の「狂詩曲」からグイグイきます。控えめなワルツ第1 番、彼の孫のために書かれた3 つのワルツなど、ユニークで興味深い曲ばかり。Toccata レーベルから発売されている管弦楽作品集(TOCC-262)も一聴の価値あるものです。もっと広く聴かれてもよい人です。
TOCC-0258B03
フランソワ・クープラン:2台のハープシコードのための作品集第2集
王宮のコンセール第4番ホ短調:第7番フォルラーヌ(2台ハープシコード版)
諸国の人々第1集「フランス人」(2台ハープシコード版)
クラヴサン曲集第2巻第9組曲‐2台のクラヴサンによるアルマンド
クラヴサン曲集第3巻第15組曲より(2台ハープシコード版)<ジョワジのミュゼット/居酒屋のミュゼット>
諸国の人々第3集「神聖ローマ帝国の人々」(2台ハープシコード版)
ヨッヒェヴェド・シュヴァルツ(ハープシコード)
エマー・バックリー(ハープシコード)


録音:2013年10月6-7.13-14.20-24日
フランスの名門音楽一家「クープラン家」の中で最も才能に恵まれていたフランソワ・クープラン(1668-1733)。 数多くのクラヴサン曲を書き、そのどれもが個性的であり、また独自の光を放っています。彼は自作に楽しいタ イトルをつけたことでも知られ、それは様々な女性の姿であったり、ちょっとしたものであったりと、面白いも のばかりです。この2台のハープシコードのための作品集は、第1集と同じく、通常1台のハープシコードで演 奏するクープラン作品のうちの何曲かについて、クープラン自身が「2台で演奏するのが望ましい」と書き記し ていたという言葉を忠実に守ったもので、本来はヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音で演奏される 「諸国の人々」も、チェンバロのみで演奏することで新たなニュアンスが生み出されています。
TOCC-0259
ジャコモ・ファッコ:和声復興への考察第2集
5声のコンチェルトハ長調Op.1-7
5声のコンチェルトニ長調Op.1-8
5声のコンチェルトイ短調Op.1-9
5声のコンチェルト変ホ長調Op.1-10
5声のコンチェルトト長調Op.1-11
5声のコンチェルト変ロ長調Op.1-12
マヌエル・ゾグビ(Vn)
メキシコ・バロックO
ミゲル・ローレンス(指)

録音:2014年7月1-20日メキシコモンテレイ,サレ・モンテレイ・スタジオ
イタリアのバロック作曲家ジャコモ・ファッコ(1676-1753)。彼はヴェネツィア近郊の集落マルサンゴに生まれ、1705年からロス=バルバセス侯カルロ・アントニオ・スピノラのパレルモの宮廷合唱指揮者、ヴァイオリン奏者となります。スピノラの宮廷がメッシーナに移った際、ファッコはそれに従い、1720年までその地で活躍しました。素晴らしいオペラ作曲家として賞賛されていたファッコですが、彼は教師としても優秀で、1720年以降スペインの宮廷音楽家となった時にはルイス王子にクラヴィコードを教え、フェルナンド王子、カルロス王子にも音楽を教えたことで知られています。彼の代表作に、1716年に出版されたヴァイオリン協奏曲集「和声復興への考察」がありましたが、これはずっと紛失されたとされていて、1962年になってようやくメキシコの図書館で偶然発見されたのです。発見したのは音楽学者ウベルト・ザルノリで、それ以降ザルノリはファッコの生涯や作品について研究を続けることとなります。そんなファッコの作品を演奏するのは、メキシコ・バロックOで、このイタリアとスペインの愛すべき融合とも言える音楽を軽妙に、かつ見事に捉えています。

TOCC-0260
ライフ・スールベリ:管弦楽曲、コラールとオルガン作品集
1-2.幻想曲とフーガ(1936)
3-9.聖金曜日のための瞑想(1948)
10.古いスカンジナビアの行進曲(1941)
11.パストラールニ長調(1930/1954-1955改編)
12.聖なる春(1947/2003:P・マンによる補筆2014)
13-15.交響曲(1950-1951)
ポール・マン(指)リエパーヤSO
スールベリ・センテナリー・シンガーズ
マリト・テンデル・ボドスペリ(指)
ティム・コリンズ(Org…1-9)

録音:2014年8月6-8日リエパーラ・ラトヴィア・ソサエティ・ホール…10-15,2014年5月26日ノルウェーリレハンメル教会…1-2,2014年8月21日ノルウェーリレハンメル教会…3-9
※3-9.10.11.13-15…初録音
ニッチな作曲家、作品を紹介することで知られるTOCCATAレーベルの記念すべき200作目のCDは、ノルウェーの作曲家、オルガニストのライフ・スールベリ(1914-)生誕100年を祝うプロジェクトです。ここには最近発見されたスールベリ唯一の交響曲を中心とした管弦楽曲と、優れたオルガニストであるスールベリによる2つのオルガン作品が収録されており、この知られざる偉大な作曲家を知るための、良い入門アルバムとなることは間違いありません。スールベリの父は軍楽隊で音楽を教えながら、郵便配達員として、そして教会でオルガニストとしても働いていたという人で、彼は父を助けながらオスロの音楽院に進学、音楽を学び、1933年に公式にオルガニストとしてデビューしています。1938年には30人以上のライバルを蹴落とし、リレハンメルの教会オルガニストの地位を勝ち取り、安定した生活を得ます。町の高校の音楽教師として合唱団を指導したり、コンサートを行ったりと華々しい活躍を行う傍ら、交響曲、弦楽四重奏曲、ヴァイオリンソナタなどたくさんの作品も書いています。彼の奥さんも健在であり、彼らは79年間という長い結婚生活を送ってるといいます。
TOCC-0261
レオポルド・ダムロッシュ:管弦楽作品集
ダムロッシュ:祝典序曲ハ長調Op.15(1871)
交響曲イ長調(1878)
シューベルト:3つの軍隊行進曲Op.51D733-第1番(L.ダムロッシュによる管弦楽版)(1818/1875)
アズーサ・パシフィック大学SO
クリストファー・ラッセル(指)

録音:2014年9月20日、015年2月10.12.17.19日 アズーサ・パシフィック大学
このアルバムの作曲家レオポルド・ダムロッシュ(1832-1885)は、プロイセンで生まれ、ヴァイオリンを学び目覚しい才能を発揮するものの、音楽家になることを両親に反対され、ベルリン音楽大学で医学を学び、1854年に医学博士号を取得します。しかし、その類い稀なる才能をフランツ・リストに認められたため、結局は音楽家になることを決意します。その後はブレスラウ(現ポーランド領)にオーケストラを設立し、指揮者としてこの地で活躍しますが、1871年にアメリカに移住、ニューヨークにも重要な音楽機関(オラトリオ協会)を設立し、バッハやヘンデルなどのバロック作品を演奏、またメトロポリタン歌劇場でも指揮をするなど目覚しい活動をしたのです。そんな彼自身の作品からは、当時の例に漏れずワーグナーやブラームスの影響も感じられますが、なんと言ってもオーケストレーションの見事さは特筆すべき点と言えるでしょう。交響曲の第3楽章に置かれた悲痛な「葬送行進曲」が耳に残ります。また、シューベルトの「軍隊行進曲」オーケストラ版は彼のお気に入りのアンコールピースでした。
TOCC-0262
チャールズ・オブライエン:管弦楽作品集第1集
「エランゴワン」演奏会用序曲Op.12
交響曲ヘ短調Op.23
ポール・マン(指)リエパーヤSO

録音:2014年8月4-8日ラトヴィアリエパーヤ,ラトヴィア・ソサエティ・ハウス
エディンバラの作曲家、チャールズ・オブライエン(1882-1968)。以前、TOCCATAレーベルからリリースされたピアノ曲集(TOCC-256)での明快な作風で、この知られざる作曲家に対して親密な感情を抱いた人も多かったのですが、今回の管弦楽作品集は、一層聴き手に歓びを与えることでしょう。明るさが爆発するような「エランワゴン」序曲は、至るところにスコットランド民謡の香りがします(ちなみにエランゴワンとは、ウォルター・スコットの小説「ガイ・マナリング」に登場する家の名前です)。「交響曲ヘ短調」も勇壮な楽想を持つ聴き応えのある作品です。古典的な作風を用いているため、第2楽章にはメヌエットが置かれていますが、こちらもどことなく憂愁に満ちた渋めの音楽です。抒情的な第3楽章を経て、最後はノリノリの終楽章が待っています。パワフルなリエパーヤSOの演奏もGOODです。
TOCC-0263
チャールズ・オブライエン:管弦楽作品集第2集
序曲「春へ」Op.4(1906)
序曲「吟遊詩人の呪い」Op.7(1905)
マズルカ(1898)/子守歌(1898)
スコットランドの情景Op.17(管弦楽版)(1915/1929)
リエパーヤSO
ポール・マン(指)

録音:2014年12月12日…3,2015年2月2-6日…1.2.4-7ラトヴィア,リエパーヤ・ラトヴィア・ソサエティ・ハウス
※全て初録音
第1集(TOCC0263)も好評だった、エジンバラの作曲家、チャールズ・オブライエン(1882-1968)の管弦楽作品集の第2集。このアルバムに収録されているのは、数々の交響詩と序曲です。シューマン風の趣きを持つ演奏会用序曲「春へ」と、リスト風の荒々しさを持つ「吟遊詩人の呪い」、これらは交響詩と呼んでも差し支えないほどの充実した内容を持っています。そして軽妙な2つの小品「マズルカ」と「子守歌」をはさみ、オブライエンの本領発揮とも言える組曲「スコットランドの情景」が続きます。哀歌に始まり、色彩豊かな舞踏のコントラストのはっきりしたこの作品は、時折エルガーを思わせる雄大な雰囲気を持っています。
TOCC-0264
アンドレイ・ゴロヴィン:管弦楽作品集
近寄りがたい光-交響曲第4番(2013)
チェロと弦楽オーケストラのための「カンツォーネ」(2008)*
ヴィオラとチェロ、オーケストラのための協奏交響曲(交響曲第1番)(1976)#
チャイコフスキーSO
アンドレイ・ゴロヴィン(指)
アレクサンダー・ルディン(Vc&指)*
ムジカ・ヴィヴァ室内O*
ミハイル・ベレツニツキー(Va)#
アレクサンダー・ルディン(Vc)#
モスクサ音楽院コンサートSO#
アナトリー・レヴィン(指)#

録音:2014年4月25日モスクワコンセルヴァトリー大ホール・ライブ
,2009年11月28日モスクワ放送局第1スタジオ*
2013年1月10日モスクワコンセルヴァトリー大ホール#
日本では、もしかするとムジカ・ヴィヴァ室内Oの指揮者としての知名度の方が高いかもしれないアンドレイ・ゴロヴィン(1950-)ですが、彼はショスタコーヴィチとボリス・チャイコフスキーの伝統をしっかり受け継ぐ交響曲作曲家として、ロシアでは名高い人なのです。その作品は広大であり、少しだけ陰鬱な叙情を湛え、時に燃え上がるほどに爆発します。このアルバムには、彼の若い頃の作品と最近の作品の両方に触れることができ、また宗教的な概念をもつ「交響曲第4番」は自作自演でもあり、こちらも興味深いところです。これまでロシア国内以外ではリリースされることのなかった「幻の作曲家」ゴロヴィン。ロシア音楽好きなら決して外せない素晴らしい1枚です。
TOCC-0265
NX-B03
タンスマン(1897-1986):ピアノ作品集 第2集
8つのノヴェレッテ(1936)…初録音
ブルースの形式による3つの前奏曲(1937)
ポーランド民謡による20のやさしい小品(1917-1924)…初録音
古風な様式による舞踏組曲(1929)
ダニー・ゼリボル(P)

録音:2015年5月8-9日
ポーランド出身、フランスで活躍した作曲家タンスマン。基本的スタイルは新古典主義でしたが、ポーランドやユダヤの民族舞曲の 要素を取り入れた作品は独特の光を放っています。数多くの作品を残し、「20世紀の最も多作な作曲家」の一人と見做されてい ますが、ピアニストとしても一流の腕を持ち、世界中に演奏旅行に出かけ(昭和天皇へ御前演奏も行った)ソリストとしても活躍 しました。当然、彼のピアノ曲も華やかな技巧に彩られた作品が多いのですが、このアルバムでは、比較的易しい曲が紹介されて います。1930年代に大流行したジャズの手法を用いた「ブルースの形式による前奏曲」は、ガーシュウィン風でもあります。
TOCC-0268
フォーレ:バスとピアノのための歌曲集
賛歌Op.7-2/罪の償いOp.8-2/秋の歌Op.5-1/悲しみOp.6-2/君なくてOp.5-3/消え去らぬ香りOp.76-1/トスカーナのセレナーデOp.3-2/夢のあとにOp.7-1/船乗りたちOp.2-2/漁師の歌Op.4-1/マンドリンOp.58-1/ひめやかにOp.58-2/牢獄Op.83-1/9月の森でOp.85-1/オランピオの悲しみ/夜明けOp.39-1/波に漂う花Op.85-2/捨てられた花Op.39-2/沈黙の贈り物Op.92/夜想曲Op.43-2/贈り物Op.46-1/川のほとりでOp.8-1/この世ではOp.8-3/舟歌Op.7-3/旅人Op.18-2
ジャレード・シュウォーツ(Bs)
ロイ・ハーワット(P)

録音:2015年2月13.15.16日
フォーレ(1845-1924)の歌曲は、バリトンやソプラノで歌われたものを聴く機会が多いかもしれませんが、作品の中にはもともと「バスのために」書かれたものもいくつか存在します。このアルバムはそんな“低く深い声”で歌われたッフォーレの歌曲集です。良く知られた曲とあまり知られていない曲がバランスよく配置され、フォーレの最初の意図が克明に描かれていきます。シュウォーツの歌唱は、フランス風の品の良さよりも、もっと人間的な暖かみを重視したもので、時には叫びに近い声も使うなど、これまでのフォーレ歌唱とは一線を画した斬新なものです。ペータース社の新版を用いた初の録音となります。
TOCC-0269
テオドール・グヴィ:歌曲集
ラ・プレイアード・フランセーズOp.48-1「オリーヴに」
ロンサールの9つの詩Op.41-4「ここに木がある」
ラ・プレイアード・フランセーズOp.48-2「ニンフよ、あなたの最も赤いバラをここに混ぜよう」
ロンサールの9つの詩Op.41-7「何て言ったの?何をしているの?私の愛しい人」
ロンサールの6つの詩Op.42-3「私はあなた以外の愛し方を知らない」
ラ・プレイアード・フランセーズOp.48-3「甘きナイチンゲール,あなた」
ロンサールの6つの詩Op.42-5「エレーヌ」
ロンサールの9つの詩Op.41-8「私がその日を考えるとき」
ロンサールの9つの詩Op.41-1「オーバード」
ロンサールの8つの詩Op.44-1「マルゲリータに」
ロンサールの9つの詩Op.41-2「このバラを摘んで」
ラ・プレイアード・フランセーズOp.48-5「甘き安らぎの父」
ロンサールの8つの詩Op.44-5「あなたは自然を軽んじる」
ロンサールの9つの詩Op.41-5「私はあなたの若さを比較する」
.ロンサールの6つの詩Op.42-2「ナイチンゲール」
ロンサールの8つの詩Op.44-4「あなたの美しい目の魅力」
ロンサールの7つの詩Op.47-1「ページよ、私に従って」
ロンサールの6つの詩Op.42-1「私は悲しく死んでしまう」
ロンサールの6つの頌歌Op.37-1「親愛なるヴェスパー、黄金の光」
ロンサールの9つの詩Op.41-3「愛、愛、私の愛する人は美しい」
ロンサールの9つの詩Op.41-6「愛は私を殺している」
ロンサールの7つの詩Op.47-5「さようなら」
ロンサールの6つの詩Op.42-6「歌」
ロンサールの7つの詩Op.47-6「甘き眠り」
ラ・プレイアード・フランセーズOp.48-6「私はいつもあなたから逃がれて」
ラ・プレイアード・フランセーズOp.48-11「岩のように」
メーエ・ナム(S)
ジョン・エルウィズ(T)
ジョエル・ショーンハルス(P)

録音:2014年1月12-14日オバーリン大学,コンセルヴァトリー・オブ・ミュージック,レコーディング・スタジオ
19世紀のフランスで活躍した作曲家、テオドール・グヴィ(1819-1898)の珍しい歌曲集です。グヴィが生まれたのは、当時ドイツとフランスの係争地帯、ザール地方であったため、彼はフランスにもドイツにも属することができず、憧れていたパリ音楽院に進学することもできなかったと言われています。そのため音楽は個人的に学び、じっくりとその才能を熟成させたのです。ベルリオーズは彼の作品を高く評価していましたが、結局のところ彼の作品は脚光を浴びることはなく、そのまま忘れ去られてしまったのです。最近になっていくつかの宗教曲や管弦楽曲は演奏されるようになって来ましたが、これらの歌曲については、誰も注目することなく、ひっそりと音楽史の片隅に埋もれていました。今回の歌曲は15曲が初録音、その他も録音されたことはあると言え、オリジナルの調性ではありませんでした。ソプラノのメーエ・ナムはグヴィ作品の研究家であり、彼の作品を積極的に紹介している人です。
TOCC-0270
ヤーン・ツィケル:ピアノ作品集
子守歌(1942)/ソナティネ Op.12-1(1933)
5-6.若者のための2 つのコンポジション(1948)
7 つのフーガ(1932-34)より<第1番/第3番/第4番/第6番>
主題と変奏 Op.14-1(1935)
子供たちが私に語ること:ピアノのための水彩画(1962)
タトラ・ブルックス:ピアノのための3 つの練習曲(1954)
ジョルダーナ・パウォヴィチョーワ(P)

録音: 2011年10月23.31日,11月1日 スロヴァキア,ジリナ ファトラ,芸術の家
20 世紀を代表するスロヴァキアの作曲家の一人ヤーン・ツィケル(1911-1989)のピアノ作品集。最初に母から音楽の手ほどきを受け、やがて作曲家フィグシュ=ビストリに師事します。プラハ音楽院ではヤロスラフ・クシーチカに作曲を学びながら、指揮をオルガンの勉強をし、大学院ではヴィーチェスラフ・ノヴァークの元で更に研鑽を積みました。1937年から1年間、ウィーンでフェリックス・ワインガルトナーに学び、その後はブラチスラバ音楽院で指導しながら、スロヴァキアの国立劇場でオペラのアドバイザーとして働きます。しかし、1948年の政変で職を失い、その後はブラチスラバの音楽演劇アカデミーで作曲を教えます。彼の作品は9 つのオペラをはじめ、交響詩や管弦楽作品など多くが残されていますが、ピアノ曲もわずかながら存在していて、これらはスロヴァキア内では知られていますが、それ以外ではほとんど耳にする機会のないものです。これらの作品はシマノフスキやヤナーチェクのように民俗音楽から強い影響を受けていますが、時折、フランス印象派風の響きも感じられる、決然たる意思と不可思議な美しさを併せ持つ音楽です。
TOCC-0271
ニクラス・シーヴェレフ:ピアノ作品集
24 の前奏曲(2010-2015)
2つの夜想曲(1989)
トッカッティーナ・フェローチェ(2014-2015)
2 つの即興曲(2015)
弦の戯れ(2015)
ニクラス・シーヴェレフ(P)

※初録音
ピアノ曲集の伝統の一つである「24 の前奏曲」。バッハ、ショパン、ショスタコーヴィチなど多くの作曲家が手掛け、各々独自の作品が生み出されています。調性感が揺らいでいる現代において、各々の音に調性を当てはめていくというのは少し困難な気もするのですが、このスウェーデンのピアニスト、作曲家シーヴェレフ(1968-)の作品も敢えて「調性の縛り」を外すことで、インスピレーション溢れる小品の集まりとしてこの曲集を提示しているようです。このアルバムでは「24 の前奏曲」のほかに、初期と最新作を収録。バッハ的な音楽からジャズへの傾倒まで、色々と興味深い音を聴くことができます。アルバムの最後に置かれた「弦の戯れ」の実験的な音も面白いものです。
TOCC-0272
ロナルド・スティーヴンソン:ピアノ作品集第1集ケルトのアルバム
1-4.A Wheen Tunes fae Bairns tae Spiel-ピアノのための4つのスコットランド小品(1964)
5-7.スコットランド三部作(1959-1967)
8-14.ヘブリディーズ諸島の民謡による組曲(1969)
15.SeanORiada’sによる変奏曲-アイルダンド民謡によるミサ(1980)
16-25.スコットランド民謡による編曲集(1956-1980)
クリストファー・グールド(P)

録音:2014年8月21-22日エディンバラソサエティ・オブ・ミュージシャンリサイタル・ルーム
※15.16.19.20.21…初録音
スコットランドのピアニスト、作曲家であるロナルド・スティーヴンソン(1928-)をご存知でしょうか?彼はブゾーニの孫弟子であり、ベートーヴェンやショパン、ラフマニノフなどのピアノ音楽の伝統をスコットランドに持ち込み発展させた人です。自身はブゾーニだけでなく、カイホスルー・ソラブジの音楽を愛し、これらの「超絶技巧作品」を後輩であったジョン・オグドンに薦めたのだそうです。彼の最も知られている作品は“DSCHの名によるパッサガリア”で、これはあのショスタコーヴィチの名前からモティーフが取られた曲ですが、他にもショパンやアルカン、イザイなどたくさんの作曲家の作品を使った作品を書いています。この第1集はケルト音楽に由来した作品ですが、やはりどれも一筋縄ではいかないものを持っています。
TOCC-0275
ヤン・ラディスラフ・ドゥシェク:ピアノ作品集
12の旋律的な練習曲Op.16(1794頃)*
幻想曲ヘ長調Op.76(1811)
ヴィンツェンツォ・パオリーニ(P)

録音:2013年8月8-10日イタリアアスコリ・プラチェノ,フェニーチェ劇場
※*=初録音
チェコの音楽家の家系に生まれたドッシェク(1760-1812ドゥシークとも)は、ピアノ学習者にはお馴染みの存在。彼のソナチネにお世話になった人も多いことでしょう。彼はボヘミアで早期の学習を終えると、オランダ、ドイツからサンクトペテルブルクに渡りましたが、ここで生まれながらの色男ぶりのおかげであったのか、エカテリーナ二世の寵愛を受けることになります。しかし暗殺謀議に関与したと告発されて、サンクトペテルブルクを脱出、その後は数多くの国をさすらいながら、数多くの浮名を流し、また数多くの作品を書き上げました。最終的にはロンドンに行き、ここで妻を娶り、イギリス・ピアノ楽派の基礎を作りあげます。若い頃は美男子でしたが、長年の不摂生のおかげで晩年は体型が崩れ、最後にはピアノの鍵盤に手が届かなくなってしまったといわれます。しかし、その作品は独創的で、時代を先行してたものが多く、ここで聞ける幻想曲も、間違いなくロマン派の作風を持つものです。
TOCC-0277
ヴォルデマール・バルギール:管弦楽作品全集第1集
交響曲ハ長調Op.30(1864)
悲劇への序曲Op.18(1856)
「プロメテウス」序曲Op.16(1852/1854.1859改編)
「メデア」序曲Op.22(1861頃)
ドミトリー・ヴァシリエフ(指)シベリアSO

録音:2014年
※初録音
ベルリン生まれの作曲家バルギール(1824-1897)。彼の名前はほとんど知られていませんが、実は彼の母親マリアンネの前夫はフリードリヒ・ヴィークであり、この2人の間の娘がクララ・ヴィーク。ということで、彼はクララの異父弟ということになります。もちろんクララとバルギールは生涯に渡って親戚関係を継続し、ヴォルデマールはクララを通じて、ロベルト・シューマンやフェリックス・メンデルスゾーンと会ったりもしています。バルギール自身も素晴らしい音楽的才能を有していて、少年時代は聖歌隊歌手として、その後は優れた作曲家として活躍し、数は多くないものの素晴らしい室内楽作品のいくつかが知られています。今回はそんな彼の珍しい管弦楽作品の全てをお聞きいただくというプロジェクトが開始しました。作風は保守的ですが、爽やかな風に満たされた音楽、これは確かに一聴の価値があります。
TOCC-0278
カール・レーヴェ:ピアノ作品集第1集
ジプシー・ソナタOp.107(1847)*
マゼッパ:バイロンの詩による音の詩Op.27(1828)
大ソナタホ長調Op.16(1829)
アルプス幻想曲Op.53(1835)*
リンダ・ニコルソン(P…1849-1950年Collard and Collard 製)

録音:2012年11月17-19日ドイツケルンWDR放送
*=初録音
シューベルトと同世代で、現在では主として「バラード(比較的長い歌曲)」の作曲家として認知されているカール・レーヴェ(1796-1869)。彼自身も非常に歌が上手く、歌手としてもキャリアを築いたことでも知られています。そんなレーヴェですが、実はかなり多くのピアノ曲も残しているのですが、今日、これらを耳にする機会はまずありません。実際に聴いてみるとワーグナーやリストを思わせる素晴らしい作品であることに気がつきます。例えば4楽章からなる「大ソナタ」の第2楽章は、ソプラノ、バリトンの歌をつけて演奏されることもあるという曲ですが、そのメロディラインはピアノの旋律をそのままなぞったものなので、歌が省かれても全く問題ありません。マゼッパは、リストの練習曲とルーツを同じにするバイロンの詩を題材にした曲。リストのような狂気はないものの、充分に劇的な音楽です。

TOCC-0281
ハリソン・バートウィッスル:歌曲集(1970-2006)
1.ナニア:オルフェウスの死(1970)
2-9.オルフェウスのエレジー(2004)
10.ファンタジアIII(1996)
11-19.ロリーヌ・ニーデッカーの詩による9つの歌曲集(2000)
20.フリーズI(1991)/21.子守歌(2006)
22-26.自身の詩による歌曲集(1984)<
27.ステファン・マイアーによるバートウィスルへのインタヴュー
28.カントゥス・ランボー(2004)*
アリス・ロッシ(S)…1.22-26
ドーガ・サチリク(Ob)…2-9
ヤスミン=イザベル・キューネ(ハープ)…2-9
ヨハネス・オイラー(C.T)…4.6.9
クス四重奏団…10.20
ゾフィア・ケルバー(S)…11-19.21
ザラー・レヴァルク(S)…21
アラム・ヤグビアン(Vc)…11-19
ダス・ノイエ・アンサンブル…1.22-26.28
ステファン・アスブリー(指)…1.22-26.28
ハリソン・バートウィスル…27
ステファン・マイアー…27
*…初録音,21…この版による初録音
「マンチェスター楽派」に属するイギリスの現代作曲家バートウィッスル(1934-)の声楽作品集です。もともと劇音楽の分野で知られる彼だけに、声の扱いには長けており、ここでも個性的で神秘的な作品を数多く聴くことができます。1970年に作曲されたイギリスの名ソプラノ歌手ジェーン・マニング(とりわけ現代作品を得意とする)から委嘱された「オルフェウスの死」を聴いただけで、その特徴的な作風は理解できるでしょう。オルフェウスの悲劇的な死を暗示するように、まるでつぶやくように、また語りかけるように歌う声に纏わり付く器楽アンサンブル。ここに広がる異なる時間、異なる世界はベリオの「ゼクエンツァ」を想起させます。知名度が高いのに、録音の少ない作曲家のため、このアルバムはファンにとっても喜ばしいものです。トラック17では、マイアーによるインタビューで彼自身が興味深いことを語っています(英語のみ)
TOCC-0282
ヨーゼフ・リエラント:ピアノと弦楽のための室内楽作品集
カノンOp.70(1918)
ヴァイオリン・ソナタ第4番Op.63(1916)
チェロ・ソナタ第2番Op.66(1917)
ロマンスOp.59(1915)
ヴァイオリン・ソナタ第5番Op.71(1918)
ノクターンOp.64(1916)
バルト・メウリス(P)
ハンス・カメールト(Vn)
ダーン・デ・フォス(Vc)
デ・ラ・ハイエ・アンサンブル

録音:2015年7月1-2日,10月10日ベルギーアントワープ,スタジオC
1870年、ベルギーのフランダース地方ブリュージュに生まれ、生涯をその都市で過ごしたというヨーゼフ・リエラント(1870-1962)の作品集です。彼はとても謙虚で敬虔な性格であり「もしかして神の意思が介在すれば、自身の作品は将来多くの人に聞かれるようになるだろう」と1940年に記したほどでした。このTOCCATAのシリーズは、神の意思に代わるものとして、彼の作品を多くの人に聞いてもらうために開始されたのです。彼の作品はロマン派の流れを汲むもので、ドビュッシー、ダンディ、フォーレの影響も感じさせます。もちろん曲調は平易で親しみやすく、自然な息遣いを持つ旋律が溢れています。演奏しているのはデ・ラ・ハイエ・アンサンブル。ベルギーの同名の象徴画家デ・ラ・ハイエ(1882-1914)の名前を冠したベルギーの若手たちによるアンサンブルです。チェロ・ソナタと2曲のヴァイオリン・ソナタは初録音です。
TOCC-0283B03
ロビン・ウォーカー:管弦楽作品集
グレイト・ロック・イズ・デッド-葬送行進曲(2007)
オーギュギアのオデュッセウス-前奏曲(2011)
交響詩「石の王」(2005)
交響詩「石の創り手」(1995)
※初録音:
ノーヴァヤ・ロシア国立SO
アレクサンダー・ウォーカー(指)

録音:2015年9月2-5日モスクワロシア国立テレビ&ラジオ・カンパニーKULTURA第5スタジオ
イギリスの現代作曲家ロビン・ウォーカー(1953-)。彼の作風は「情熱的な古典主義」と呼ばれるもので、ベートーヴェンや シベリウスなどヨーロッパ音楽の伝統を継承しながら、作品に自身が30 年住まいにしているヨークシャーの自然賛美を盛り 込むという手法をとっています。第1 曲目の「葬送行進曲」は、2005 年に没した彼の父を「グレイト・ロック」になぞらえ て、父への追悼の意を込めたもの。他の3 作品も強い物語性を持っています。ちなみに指揮者アレクサンダー・ウォーカーは 作曲家と血縁関係はありませんが、ロビンの作品を積極的に世界中で演奏している人です。
TOCC-0284
グレゴリー・ローズ:死の舞踏
1.舞踏1:入場/2.レクイエム・エテルナム/3.歌1:講壇からの説教/4.死の歌1:全ては死す‐キリエ・エレイソン/5.舞踏2/6.死の歌2:教皇の死/7.歌2:教皇/8.トラクト:主よ、解き放て/9.死の歌3:教皇の答え/10.舞踏3/11.ゼクエンツ:ディエス・イレ/12.歌3:皇帝/13.オッフェントリ:ドミネ・イエス・キリスト/14.死の歌4:皇帝の死/15.舞踏4/16.歌4:皇帝の妃/17.サンクトゥス/18.死の歌5:皇帝の妃の死/19.舞踏5/20.歌5:枢機卿/21.死の歌6:枢機卿の死/22.歌6:王/23.コンムニオン:永遠の光/24.死の歌7:王と全ての死/25.舞踏6/26.イン・パラディスム/27.舞踏7:退場/28.ピエ・イエズス
ヘンリー・ティスマ(歌唱)
ライナー・ヴィル(歌唱)
ラウル・ミクソン(歌唱)
オラリ・ヴィクホルム(歌唱)
アンドレアス・ヴァルヤメ(歌唱)
クリスティーネ・ムルドマ(歌唱)
エストニア・フィルハーモニー室内アンサンブル&Cho
グレゴリー・ローズ(指)

録音:2011年10月27日エストニアタリン,聖ニコラス教会ライブ
※初録音
全ての人に訪れる「死」をモティーフにした「死の舞踏」は、何世紀にも渡って音楽家や芸術家を魅了しています。優れた指揮者としても知られるグレゴリー・ローズ(1948-)のこの作品は、タリンの聖ニコラス教会に置かれている16世紀に描かれたベルント・ノトケの絵画に触発されたもので、中世ドイツ語のテキストとグレゴリオ聖歌を用いた、なんとも不可思議な世界が音で描かれています。時にはユーモアも交えて描かれる、恐ろしい運命と寂寥感の物語。ショッキングな1時間です。
TOCC-0285
ウィリアム・ハンプリーズ・ディアス:オルガン作品全集
ディアス:オルガン・ソナタ第1集ヘ長調Op.5(1886)
アーサー・バード(1856-1923):主題と変奏ハ短調Op.27(W.H.ディアスによるオルガン編)(1889)
ディアス:オルガン・ソナタ第2番ハ短調Op.7(1888)
ヤン・レヘトラ(Org)

録音:2013年9月19-20日、2015年3月5日 ヘルシンキ聖ジョン教会
20世紀のはじめ、マンチェスターの王立音楽大学でピアノの教師を務めていたアメリカ人、ウィリアム・ハンプリーズ・ディアス(1863-1903)のオルガン作品集。リストに師事し、またブゾーニとは友人だった彼は、マンチェスターに来る前にもヘルシンキ、ヴィーズバーデン、ケルンで教育者として活躍していましたが、書いていた作品はほんのわずかで、作曲家としてはそのまま忘れられてしまいました。ここでは彼のオルガン作品を全て収録するとともに、同じく忘れられてしまった作曲家、アーサー・バードのピアノのための作品「主題と変奏」をディアスがオルガンのために編曲したものも併せて録音することで、ディアスの作品の復興を試みています。演奏しているレヘトラはフィンランドの傑出したオルガニスト。国内外のオーケストラと共演し、また多くの現代作曲家から新作の演奏を委嘱される素晴らしい才能の持ち主です。
TOCC-0286
NX-B03
フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000):管弦楽作品集第5集
交響的序曲(1952)…初録音
悲歌(1952)…初録音
ピアノ・コンチェルティーノ(1947)…初録音
リスト:葬送(F.ファルカシュによる管弦楽編)…初録音
嘆きと慰め(1965)
マートラの踊り(1968)…初録音
ガボール・ファルカシュ(P)
ガボール・タカーチ=ナジ(指)
MAVブダペストSO

録音:2016年6月15-17日.20-25日,2017年4月24-26日
ハンガリーの作曲家ファルカシュの管弦楽作品集。第4集までのアルバムには、バロック時代の形式を用いたユニークで活発 な作品が多く収録されていましたが、この第5集では劇的で悲劇的な暗い作品が多く集められています。重々しく悲痛な表 情で始まる「交響的序曲」、タイトル通り悲し気な「悲歌」など暗く冷え冷えとした曲調は、聴き手の耳を捉えて離しませ ん。大先輩であるリストの「詩的で宗教的な調べ」の第7曲「葬送」のファルカシュによる管弦楽編曲版も聴きどころ。原曲 のピアノ版が極限まで拡大された鮮やかな作品になっています。作曲家と同じ苗字を持つピアニスト、ガボールを独奏者に 迎えた「コンチェルティーノ」はファルカシュらしい躍動的で華やかな作品です。
TOCC-0287
ミコラ・ルイセンコ:ピアノ作品集第1集
ウクライナ民謡の主題による第1狂詩曲Op.8(1875)
悲しき歌Op.posth(1909)
1902年の夏のアルバムOp.41-第1番「怠惰と待望」(1902)
1900年の夏のアルバムOp.37-第2番「愛の歌」(1900)
夢想Op.13(1876)/夢Op.12(1876)
1901年の夏のアルバムOp.39-第3番「嘆きと悲しみ」(1901)
1902年の夏のアルバムOp.41-第3番「エレジー」(1902)
夜想曲嬰ハ短調Op.19(1876-1877)
夜想曲変ロ短調Op.9(1874)
夜想曲変ロ長調「別れの夜曲」(1869)不安Op.posth(1901)
ドリア調のエスキスOp.posth(1899)
3つのエスキスOp.posth(1899-1902)
アーサー・グリーン(P)

録音:2013年6月18-20日ミシガンアン・アルボー,ヒル・アルディトリウム
ヴァイオリン作品集(TOC-C-177)と併せて聴きたいルイセンコ(リセンコ1842-1912)の、こちらはピアノ曲集です。「ウクライナのクラシック音楽の父」と讃えられる彼のピアノ曲は、ウクライナに根付く民謡と、ショパンやリストから受け継いだ伝統が見事に融合した、聴き応えのあるものです。例えば「第1狂詩曲」には明らかにリストの「ハンガリー狂詩曲」の影響が感じられます。とは言え、彼の作品に共通する暗さと悲しみの影は、他の作曲家には見られないものではないでしょうか。一連の「夏のアルバム」の曲からも、やるせなさばかりが伝わってくるように思います。ピアニストのアーサー・グリーンはニューヨークで生まれ、ジュリアードで学んだ人。彼の妻であるヴァイオリニスト、ソロミア・ソロカがウクライナ人のため、夫妻でルイセンコの音楽の普及に努めているというわけです。
TOCC-0288
ルドルフ・トビアス:オルガン作品全集
1.ラルゴ:あなたは知らない(1900)
2-6.小コラール前奏曲(1892)
7.シャコンヌ:Macht’hOC-hdieTur(1914)
8-9.前奏曲とフゲッタ(1914)
10.前奏曲:キリストのともがらよ、こぞりて神を称えよ
11.アニュス・デイ
12.ヨナの使命:神秘的で聖なる合唱曲(1902-1909/2014I.メイドレ編)
13-24.12のコラール前奏曲(1914)
25.前奏曲ニ長調/26.フーガ.ニ短調
イネス・メイドレ(タリン大聖堂教会ザウアー・オルガン)
アレーテ・ティーメッツ(S)

録音:2014年4月14-15日タリン大聖堂教会
1.3.5.11.12…世界初録音
エストニアの作曲家ルドルフ・トビアス(1873-1918)。彼はエストニアの小さな村セリヤで生まれ、父親から音楽の手ほどきを受けます。当時エストニアには音楽大学がなく、タリンでオルガン奏法と音楽理論を学びます。それからペテルスブルクに移り、ペテルブルク音楽院で作曲をニコライ・リムスキー=コルサコフに学び、最初のカンタータを書くことになります。その後、エストニア初の職業作曲家として認められ、その作品は広範囲に渡って知られることとなります。1910年からはベルリンに赴き1914年にはドイツ国籍を取得、第一次世界大戦では通訳として活躍しますが、結局この地で他界しました。オルガンの名手であったトビアスは宗教作品にも造詣が深く、いくつかの美しい合唱作品も残しています。ここでは彼の資質が最も良くでているオルガン作品を聴いてみてください。微妙に移り変わるハーモニーが美しいものばかりです。
TOCC-0289
ウィリアム・ハールストン:ピアノ作品全集
5つの小品(1895頃-1904)
奇想曲ロ短調(1897)
スケッチ(1891頃)<行進曲/アレグレット/タイトルなし/マズルカ/祭り/タンブーラン>
2つのアルバムの綴り(1891)
カプリース(1892)
パガニーニの練習曲変ホ長調(ハールストン編)(1901)
ヴィエニャフスキのマズルカト長調「シエレンカ」Op.12-2(ハールストン編)(1906)
エラーのタランテラ(ハールストンによる左手編)
ハンガリー風のエアと変奏曲(1897)
5つのやさしいワルツOp.1(1885頃)
ピアノ・デュオのための作品(1894)#
ピアノ・ソナタヘ短調(1894)*
藤村健史(P)
ジュリア・ルー(P)#

録音:2007年11月16-18日、2013年12月1日 メルボルンモナシュ大学サー・ゼルマン・コウエン音楽学校
*以外初録音
英国の忘れられた作曲家の一人、ウィリアム・ハールストーン(1876-1906)。彼はピアニストとしても高名でしたが、30歳の若さでこの世を去ってしまい、その名前があまねく世界に知れ渡ることはありませんでした。このアルバムは、彼が残した全てのピアノのための作品を収録したものですが、オリジナル曲も編曲も含め、どれほどに才能に溢れ、また意欲的であったかを知ることができるのではないでしょうか?もし、彼が長生きしていれば、英国音楽の歴史は幾分変わっていたかもしれません。ここでピアノを演奏しているのは、1975年生まれの日本人ピアニスト、藤村健史氏。オーストラリアで活躍し、作曲家としても知られている名手です。

TOCC-0290
NX-B03
パウル・ユオン(1872-1940):ピアノ作品集 第1集
4つのピアノ小品集 Op.65(1915)
親密なハーモニー Op.30-12の即興曲(1905)
抒情的な時 Op.56(1913)
ロドルフォ・リッター(P)

録音:2016年4月21-23日
スイス人の祖父がロシアに移住したため、ロシアで生まれたパウル・ユオン。芸術的な家庭環境に恵まれたユオンは、幼いころから音楽の 才能を発揮し(彼の弟コンスタンチンは画家として大成します)モスクワ音楽院でタネーエフとアレンスキーに師事、そののち、ベルリン高 等音楽学校に留学し、ヴォルデマール・バルギールから更なる教えを受けました。一旦、ロシアに戻りバクー音楽院の教授となり、評論家 としても活躍しましたが、1898年に再びベルリンで高等音楽院の講師となり、1906年には教授へと昇格、数多くの弟子を育てます。 ナチスの侵攻に伴い、祖父の母国であるスイスへ移住、この地で一生を終えました。交響曲や歌劇、室内楽などが知られていますが、ピ アノ曲に関しては、まだまだ研究の余地が多く、ここで聴ける作品もロシア的な味わいの中に、ドビュッシー風の印象派の響きも感じられる 独自の雰囲気を持っています。
TOCC-0291
ハインツ・ティーセン:ピアノ作品集
自然-三部作 Op.18(1913)<孤独/舟歌/嵐の夜>
2つの幻想的小品 Op.26(1915-1920 頃)<
6 つのピアノ小品 Op.37
5 つのピアノ小品 Op.52
3つのダンス・カプリース Op.61
退廃のクリスマス・キャロル(1937)
マシュー・ルーベンシュタイン(P)

録音: 2013 年8 月12-16 日 ベルリン ダーレム,イエス・キリスト教会
※初録音
ワイマール共和国の当時最も著名な作曲家の一人であったティーセン(1887-1971)。ベルリン大学とベルリン市立音楽院で作曲と音楽理論を学び、1911 年から1917 年まで音楽評論を行い、1918 年には民衆劇場のカペルマイスター権作曲家になり、その後1925 年から1945 年まではベルリン音楽大学で音楽理論と作曲を教えたというすごい人です。またISCM(国際現代音楽協会)のドイツ支部の創設者の一人でもありましたが、結局彼の音楽は(ユダヤの血をひいていたためか)、ナチスによって「不適切」とされてしまい、作曲はほとんどやめてしまいました。チェリビダッケの師としても知られるティーセンの作品、実際に聴いてみると、シェーンベルクの表現主義や、ヒンデミットの新古典主義など様々な技法が纏められたような、なかなかユニークなものであることがわかります。アメリカのピアニスト、マシュー・ルーベンシュタインの洞察力溢れる演奏で。
TOCC-0292
NX-B03
ショスタコーヴィチ:2台&4手ピアノのための作品全集第2集
ピアノ協奏曲第2番ヘ長調Op.102
交響曲第15番イ長調Op.141
キム・ミンキョン(P)
ムン・ヒュンジン(P)

録音:2015年5月26-28日、2016年1月11-12日
※初録音
ショスタコーヴィチ(1906-1975)の管弦楽作品の多くは、最初ピアノ連弾用、もしくは独奏用の形で書かれましたが、これ らは、彼の友人たちや党役員たちの間で披露されたのみで、公に出回ることはありませんでした。とは言え、交響曲第4番 のように、2台ピアノ版が限定で出版されたこともあり、これらの作品のスコアを求める人は数多く存在していました。 TOCCATAのこのシリーズは、そのようなショスタコーヴィチの「試作品」であるピアノ版の全曲録音を目論んだもので、交 響曲第9番を中心とした第1集も好評でした。第2集は、彼の息子マキシムのために作曲したピアノ協奏曲第2番(これは明 らかに父と息子の練習用として作られた)と、最後の交響曲である第15番が収録されています。技術的に平易とされるピア ノ協奏曲第2番、室内楽的なオーケストレーションが特徴の交響曲第15番、どちらも曲の構成が見えてくるような興味深い ヴァージョンです。
TOCC-0293
アドルフ・ブッシュ:室内楽作品集第2集〜クラリネットのための音楽集
ディヴェルティメントOp.62b(1944)*
クラリネット・ソナタ.イ長調Op.54(1939/1840改訂)
クラリネット組曲ニ短調Op.37a(1926)*
ヴァイオリンとクラリネットのための二重奏曲第2番変ロ長調Op.26b(1921)
ユニゾンによる5つのカノンBoO60(1949)*
ドイツ舞曲集ヘ長調Op.26c(1921)
ブッシュ・コレギウム・カールスルーエ(アンサンブル)<ベッティーナ・バイゲルベック(Cl)/アントワーヌ・コッティネット(Ob)/ペータル・フリストフ(オーボエ,コーラングレ)/井手上康(Vn)/パウラ・ヴァルポーラ(Vc)/マンフレッド・クラッツアー(P)>

録音:2014年10月20日、2014年2月13日、2015年3月6日 バーデン・バーデンSWR
ハンス・ロスバウト・スタジオ

*=初録音
ドイツ、ジーゲン生まれのアドルフ・ブッシュ(1891-1952)は、20世紀を代表するヴァイオリニストとして知られています。とりわけ、彼が結成したブッシュ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの録音が至高の演奏として、現在でも高く評価されています。そんなブッシュですが、作曲家としても素晴らしい作品を残していました。このアルバムは、第1集(TOCC-85)に続くクラリネットを用いた作品集ですが、少年時代に憧れていたというマックス・レーガーの作品のように、精緻な対位法を駆使し、また時には遊び心も感じさせる音楽は、確かに溢れ出る才能を感じさせるものであり、もっと広く聴かれてもよいのではないでしょうか?バイゲルベックの伸びやかなクラリネットが鮮烈な印象を残します。
TOCC-0294
レオ・ザイトリン:ユダヤの歌曲、室内楽と朗読集第1集
1.ザイトリン:海
2.ザイトリン:RebNakhmonsnign
3.ザイトリン:雲は上向き、愛する心を撫でる
4.ザイトリン:野原を越えて
5.ザイトリン:私は喪に服している
6.ザイトリン:子守歌(Amayse)
7.ザイトリン:おじいさん、あなたの子どもたちは私たちのために祈ります
8.ザイトリン:EliZion
9.モシュ・ミルナー(1886-1953):主よ、どれほど長い間(L.ザイトリン編)
10.ザイトリン:ラビよわれらに語りたまえ
11.ヨアヒム・シュテュッチェスキー(1891-1982):わが神、わが神
12.ザイトリン:わが神、わが神
13.クライスラー:ウィーンの古い民謡(L.ザイトリン編)
14-19.ザイトリン:6つのユダヤの歌
グエンコ・グエチェフ(ナレーター)…1.6.9エリザベス・プリドノフ(P)…1.3.5.6
デニス・オボイル(Vn)…2.4.9.10.12.13.14-19
ラウラ・モチャロフ(Vn)…2.4.9.10.12.13.14-19
マリリン・ジングラス=ロイ(Va)…2.4.9.10.12.13.14-19
イサイアス・ゼルコヴィツ(Va)…2
アーロン・ゼルコヴィツ(Vc)…2.4.7.8.9.10.11.12.13.14-19
ダニエラ・ラッバーニ(ナレーター)…3.5.7
レイチェル・キャロウェイ(Ms)…4.6.9.10.14-19
ルッツ・マンリケス(P)…8.11.14-19

録音:2010年6月6-8日USペンシルヴァニア,ピッツバーグロデフ・シャロム・コングレゲーション・アンド・クレスジェ・アウディトリウム
19世紀、ロシア帝国の政策でこの地に住むユダヤ教徒たちはピンスクの居住区に集められました。作曲家ザイトリン(1884-1930)が生まれたのもこの地であり、1897年に行われた帝国国勢調査では、ピンスクの人口の4分の3がユダヤ教徒の住民だったそうです。そんなザイトリンはサンクトペテルブルクの「ユダヤ人の民俗音楽協会」で活動し、1923年にはニューヨークに移住します。1926年にはラジオ番組のためにアンサンブル曲を書き始めます。毎週日曜日の夜7時20分から9時15分まで放送されたこの「キャピトルシアター」は彼の死の前年1929年まで続き、大好評を得たのです。このアルバムには、そんな彼が残した様々な形の「ユダヤ音楽」が収録されています。素朴な歌から悲痛な詩の朗読に付けられた音楽まで、痛みを伴う世界が広がります。
TOCC-0296
フェレンツ・ファルカシュ:合唱作品集
ミサ曲第2番「聖マルガリータに敬意を表して」(1964-1968)*
彼の本の墓碑銘(1960)
聖エメリーへの賛歌(1977)
ルバイヤート(1985)/聖エリザベス(1981)
エマオ(1985)/めでたし海の星よ(1999)
我は神の大天使(1949)/この納屋で(1950)
羊飼いたちよ、羊のもとを離れ(1948)
真夜中に来て(1948)*
クリスマス・カンタータ(1970)
アスコルタ(声楽アンサンブル)
ヘレン・スミー(Org)
アスコルタ室内アンサンブル
ピーター・ブロードベント(指)

録音:2015年1月24-25日
*以外=初録音
ハンガリーの近現代音楽の探求を続けるTOCCATAレーベルの自信作、フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000)の合唱作品集です。ブダペスト音楽アカデミーで学んだ後、ローマに留学。ここでレスピーギに作曲を師事し、ウィーンとコペンハーゲンで「映画音楽作曲家」として活動したファルカシュ。その作品は壮大で、美しいメロディに満たされたものです。この合唱作品集には、1940年代から晩年1999年の作品までを収録。壮麗な「ミサ曲第2番」や、瞑想的な雰囲気を持つ「めでたし海の星よ」などの、多彩な表情を持つ曲を聴くことができます。いくつかの作品はクリスマスのためのものであり、20分ほどの「クリスマス・カンタータ」は短いながらも、ハンガリーの民謡が織りこまれた充実の音楽劇となっています。
TOCC-0297
タルティーニ:30の小さなソナタ集第3集第13番-第18番
ヴァイオリン・ソナタ第13番ロ短調
ヴァイオリン・ソナタ第14番ト長調
ヴァイオリン・ソナタ第15番ハ長調
ヴァイオリン・ソナタ第16番ニ長調
ヴァイオリン・ソナタ第17番ハ長調
ヴァイオリン・ソナタ第18番ニ長調
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn)

録音:2011年1月5日ハートフォールドシャーオルドバリー,セント・ジョン・バプティスト
18世紀最大のヴァイオリニスト、作曲家の一人ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770)。このアルバムは、TOCCATAレーベルで全集録音が続いている彼の残した「30の小さなソナタ集」の第3集となります。当時におけるヴァイオリン奏法の全て、ボーイングから表現法までを駆使したこのソナタは、学習用とてしても役立つものですが、その充実した音楽を聴いているだけでも、バッハの「無伴奏」とはまた違う満足感を得ることができます。もともとは「25のソナタ」として知られている曲集ですが、ヴァイオリニスト、スケアヴェズが独自の研究を重ね、見過ごされてしまった作品などを追加し「30のソナタ」として演奏しています。
TOCC-0298
エルンスト・クシェネク:ピアノ作品集第1集
ピアノ・ソナタ第4番Op.114(1948)
ジョージ・ワシントン変奏曲Op.120
前奏曲WoO87(1944)*
シューベルト:ピアノ・ソナタ第15番ハ長調「レリーク」D840(クシェネクによる補筆完成版)(1825/1921)
スタニスラフ・フリステンコ(P)

録音:2014年3月12-14日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
*=初録音
一時期は「頽廃音楽」の作曲家として、故意にその存在が無視されていた作曲家クシェネク(1900-1991)。20世紀の終わりになってようやくその作品が復興され始めました。今では多くの曲を聴く事ができますが、ピアノ曲の分野にはまだまだ未知の作品が埋もれているようです。気の利いた「ワシントン」の変奏曲や、スイスのパトロン、ヴェルナ・ラインハルトのた
めに書かれた「前奏曲」(世界初録音)などの彼独自の音楽を始め、シューベルトの未完成ソナタ「レリーク」の補筆完成版など、多彩な音楽を聴く事ができます。
TOCC-0299
NX-B03
チャールズ・オブライエン(1882-1968):管弦楽作品全集 第3集
エランゴワン演奏会用序曲 Op.10(1909)
ワルツ組曲 Op.26(1928)
ユモレスク組曲 Op.8(1904)
リエパーヤSO
ポール・マン(指)

録音:2014年8月8日、2014年12月11日、2015年2月5-6日
初録音
エディンバラ出身の作曲家、チャールズ・オブライエン。管弦楽作品集第3集となるこのアルバムでは、第1集にも収録された「エラン ゴワン」序曲の別ヴァージョンで幕を開けます。彼が愛したウォルター・スコットの小説「ガイ・マナリング」に楽想を得たこの作品。開始 部分や、主旋律の素材は第1集のOp.12とほぼ変わりませんが、こちらの方が4分ほど短く、また全体の印象がどことなく違います。 細部のこだわりの違いを探すのも聞き比べの楽しさでしょう。他の2つの曲集「ワルツ組曲」と「ユモレスク組曲」はどちらも自然の美し さを賛美した曲で、とりわけ「ワルツ組曲」での優美さが印象的です。

TOCC-0300
NX-B03
The Cardinal King〜1740年から1791年:ローマにおけるヘンリー・ベネディクト・ステュアートへの音楽
セバスティアーノ・ボリス(1750-1804):5つの「無罪判決」より
ボリス:Jesu quaeritis Nazarenum
ザンボーニ(1674-1718):Splende fredda luna*
 O memorie funeste*
コスタンツィ(1704-1778):アヴェ・マリア
ザンボーニ:O come se' gentile*
ボリス:Laudate pueri Dominum
 ミゼレーレ
テッサリーニ(1690-1766):第3のアレッタメント
ヨンメッリ(1714-1774):Oculi omnium
テッサリーニ:第2のアレッタメントより Andante
ザンボーニ:Feritevi, ferite*
ボリス:Letanie della Madonna Santissima
カペラ・フェーデ(アンサンブル)
ハルモニア・サクラ(アンサンブル)
ピーター・リーチ(指)

録音:2015年6月9-11日
*以外=初録音
イギリスの王家に生まれながらも、王位奪還をせず、ローマの教皇領の枢機卿として生涯を全うしたヘンリー・ベネディクト・ステュ アート(1725-1807)。17世紀の反革命勢力「ジャコバイト」は彼をイングランドとアイルランドの王であると見做したものの、本人 はそれを認めることはなく、結婚もしなかったため、彼の代で血筋が途絶えてしまったことでも知られます。このアルバムは、枢機卿時 代の彼に仕えた数多くの作曲家たちの作品が集められていますが、そのほとんどは現在忘れられてしまった人ばかり。しかし、どれも バロックの時代から古典派への橋渡しとなる魅力的な作品で、彼が「穏やかな枢機卿」として讃えられていたかがわかります。
TOCC-0301B03
コンラート・ベック:ピアノ作品全集
2つの舞踏小品(1928)
ピアノのためのソナチネ第1番(1928)
舞曲(1929)
ピアノのための小品I(1929)
ピアノのための小品II(1930)
ピアノのためのソナチネ第2番(1941)
家庭のための10のピアノ小品(1945)*
前奏曲(1948)*
ガブリエル・ベック=リプシ(P)

録音:2015年12月スイスガブリエル・ベック=リプシ邸ホーム・スタジオ
*=初録音
スイスの作曲家コンラート・ベック(1901-1989)は7曲の交響曲、20曲の協奏曲と小協奏曲、4曲の弦楽四重奏曲、編成の大きな声楽作品及び歌曲など、多くの作品を残しました(彼は同郷のスイスの名指揮者、作曲家パウル・ザッハーからも支持され、彼の多くの作品はバーゼル室内Oで初演されています)。彼はユダヤの血を引いていたため、戦時中は作品の出版を拒否されましたが、1945年以降はショット社が再び作品を出版するなど、当時としては概ね幸運な生涯を送ったと言えるでしょう。晩年はバーゼルとフランスに交互に住み、現代音楽の普及、促進に努めました。彼の作品自体はすっかり忘れられてしまいましたが、ザッハーの生誕70周年記念の誕生日に、ベックを含むザッハーと親交のあった12人の作曲家の作品が上演されたことがきっかけで、またいくつかの作品が演奏、録音されるようになりました。このアルバムを演奏しているベック=リプシは名前の通り作曲家の関係者で、ベックの息子ハンス・ジェイコブ・ベックの妻です。パリでピアノを学びましたが、その後は30年間以上、ピアノに触れることもなく、1996年に再び演奏を始めてからは、多くの人の熱意と励ましにより印象派と現代音楽を録音するという変わった経歴の持ち主でもあります。
★試聴リンク
TOCC-0303
ポーリーヌ・ヴィアルド:歌曲集
1.花/2.私は彼を愛した
3.夜明けに
4.真夜中の偶像/5.岩山
6.答え/7.遠き祖国の海辺
8.夕方の光が静かに消えてゆく
9.理由を話して/10.柳の木
11.星/12.祈り/13.孤独
14.グルジアの丘の上で
15.年取った男、威嚇する夫
16-21.ショパンの6つのマズルカによる歌曲集第1集
22-27.ショパンの6つのマズルカによる歌曲集第2集
イーナ・カンチェヴァ(S)…1-27
カメリア・カーデル(Ms)…21.27
クリスト・タネーフ(Vc)…11
ルドミル・アンゲーロフ(P)

録音:2014年7月16-18日.21日ブルガリア国立放送第1スタジオ
※1-15…初録音
スペインの音楽一家に生まれたポーリーヌ・ヴィアルド(1821-1910)。彼女の年の離れた姉マリア・マリブランは、当時最も素晴らしい歌手としてその存在を知られていました。ポーリーヌも幼い頃から音楽的才能を見せていましたが、何より彼女の名前が歴史に刻まれたのは、晩年のショパンに霊感を与えたことと、文豪ツルゲーネフが彼女の熱烈な崇拝者だったことなのかもしれません。このアルバムでは、そんなツルゲーネフの詩を含む「ロシアの詩」による歌曲と、ショパンのマズルカに詩をつけた一連の歌曲を聴くことができます。音楽史に咲いた一輪の花の馥郁たる香りをお楽しみください。
TOCC-0304
サディ・ハリソン:弦楽とピアノのための独奏、二重奏作品集
『ギャラリー』ルーム1(2012-2013)
ルーム2(2013-2014)
パッサカリアのダンスの影(2011)
隠されたセレモニーI(2013)
ネーミのディアーナのための3つの踊り(2013)
月の環の下で(2004)
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn)
ミハイロ・トランダフィロヴスキ(Vn)
ダイアナ・マシューズ(Va)
ロデリック・チャドウィック(P)

録音:2014年10月21-22日ハートフォールドシャーオルドバリー,セント・ジョン・バプティスト、2014年10月30日ハイゲート,セント・マイケルズ
※全て初録音
オーストラリアのアデレードで生まれた作曲家サディ・ハリソン(1965-)は、現在イギリスのドーセットに拠点を置き、世界中で演奏活動を行っています。また彼女は考古学者でもあり、プロの庭師でもあります。そんな彼女の作品は、多彩な経験に裏打ちされたもので、いくつかの作品は古代世界からインスパイアされていたりもします。その音楽には強烈な濃度があり、一見平易に見える音の動きの中に、様々な要素が隠されていて、聴き手の感情を常に刺激することで評価されています。このアルバムに収録された作品群も、不可思議な要素が組み込まれた神秘的な音楽。一度聴いたら忘れることのできない表情を持っています。
TOCC-0306
NX-B03
アンジェ・フレジエ:声楽作品集
1.角笛/2.詩/3.夕暮れ/4.男と海/5.雪/6.マノワール/7.漂流/8.秋の歌/9.優しさ/10.涙/11.サルタリス/12.私は知らない/13.私のコップ
.ジャレッド・シュウォーツ(Bs)
トーマス・デマー(Va)
マリー・ディバーン(P)

録音:2016年4月27.28日ダラス聖マシュー・エピスコパル大聖堂
※3.5.6.8.12…初録音
アメリカ生まれの優れたバス歌手、シュウォーツが歌うアンドレ・フレジエ(1846-1927)の歌曲集。マルセイユで生まれた フレジエは、彼の父も祖父も労働者(重い荷物を運搬する)であり、決して芸術的な家庭で育ったわけではありません。唯一、 フレジエの母方の叔父のみが詩人として知られていました。しかし、1860年にマルセイユ音楽院に入学し“奇跡的に”ベルリ オーズの目に留まったフレジエは、1866年にパリ音楽院に入学が許可され、アンブロワーズ・トマ、フランソワ・バザンか ら作曲の指導を受けながら、同年代の若者たちと共同生活を送り、作曲活動を行います。生涯を通じて数多くの作品を書き、 中でも350曲以上ある歌曲は、今でこそ忘れられてしまいましたが、彼が生きていた当時は非常に高い評価を受けていまし た。幼い頃からマルセイユの船着場と倉庫に囲まれて育ち、海に対して特別な感情を抱いていたフレジエの作品には「海」を モティーフにした曲、あるいは雰囲気を持った曲が多いのが特徴です。
TOCC-0307B03
バーナード・ローズ:合唱とオルガンのための作品集
聖セシリアのための饗宴の歌(1975)
.3つのアディソン讃歌(1978)<全てのあなたの憐れみを/主はわが牧草地/高く広々とした大空>
夕べのカンティクルハ短調(1968)<マニフィカート/ヌンク・ディミティス>
チチェスターの時課(1994)<マニフィカート/ヌンク・ディミティス>
鐘(1974)
ウェストミンスターの橋を通って(1990)
あなたが話すことができるなら(1993)
ゆっくり、ゆっくり、新鮮な泉(1939)
マグダレン合唱団のためのライン(1981)
2つのキャロル<キリストの幼時/祝福された女性の子守歌>
見よ、私は全てを新しくする(1997)
主への祈り(1957)
リリエ・アグリコラ(1980)
主よ、私は愛する(1957)
モーゼの律法を与える神よ(1987)
主の賛美(1949)
エストニア・フィルハーモニー室内cho
エネ・サルメー(Org)
グレゴリー・ローズ(指)

録音:2016年2月1-3日エストニアタリン,メソジスト教会
※7.10.11.12.13.16.18.20…初録音
CHANDOSレーベルなどに幾つか録音がある指揮者グレゴリー・ローズ。彼の父バーナードは20世紀後半のイ ギリスにおける優れた合唱作品の作曲家として知られています。このアルバムはバーナード(1916-1996)の生誕 100年を記念してリリースされたもので、どの作品も英国大聖堂の伝統を継承した、控え目ながらも時に爆発的 なパワーを有した素晴らしい響きを持っています。合唱を担っているのは世界的にも水準が高いことで知られる エストニア・フィルハーモニー室内合唱団。複雑なスコアをいとも容易く、また優しく歌い上げています。指揮 はもちろんグレゴリー・ローズによるもので、世界初録音も数多く含まれた貴重な1枚です。
TOCC-0308
レオニード・サバネーエフ:ピアノ作品集第1集
4つの前奏曲Op.1‐第1番ホ短調
.4つの前奏曲Op.2‐第1番イ短調
4つの前奏曲Op.2‐第4番ハ長調
2つの前奏曲Op.3‐第2番嬰ハ短調
前奏曲ト短調Op.5-2
詩曲嬰ト短調Op.6-1
アルバムの綴りト短調Op.7-2
アルバムの綴りロ短調Op.9-1
前奏曲ホ短調Op.8-2
前奏曲ホ短調Op.9-4
前奏曲ロ短調Op.10-2
前奏曲ホ長調Op.10-5
前奏曲ホ短調Op.10-6
前奏曲ホ短調Op.10-8
ピアノ・ソナタ「スクリービンの思い出」Op.15(1915)*
ジョナサン・パウエル(P)

録音:2014年5月25-26日、2015年5月5日オックスフォード,ジャクリーヌ・デュプレ・ミュージック・ビルディング
*=初録音
ロシアの大地主の家に生まれたサバネーエフ(1881-1968)は、前世紀には作曲家としてではなく、自然学者としてより広く知られていました。彼が書いた「ロシアの魚-淡水魚の生活の生活」(1875)は最も広く読まれた本でもあります。音楽面では、スクリャービンの親友であり、その作品を擁護した人でもあります。そんな彼の作品は、この第1集に収録された小品などからも、間違いなくスクリャービンの影響が強く読み取れます。そして音の響きについても独自の考えを持っていて「オクターブを53に分割する」という説を主張するなど、興味深い論文も書いています。どの曲も憂鬱さの中に力強さが感じられる、神秘的な雰囲気が魅力的です。
TOCC-0309
NX-B03
マシューズ(1943-):無伴奏ヴァイオリンのための作品集 第2集
「パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番」による幻想曲 Op.147-1(2007)
3つの歌 Op.138(1997/2009)
オーストラリアの4羽の鳥 Op.84a(2000-2004)
ヴァイオリン・ソナタ Op.8(1974-1975)
ナショナル・アンセム(2007)
Song Thrush Fragment(2004)
リチャードのためのバースデー・ピース(2012)
サリーのためのアルバムの綴り(2009)
Not Farewell(2003)
15の前奏曲 Op.132(2007-2014)
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn)

録音:2015年7月15日.2016年3月21日
全て初録音
第1集(TOCC152)に続く、デヴィッド・マシューズによる無伴奏ヴァイオリン作品集の第2集。ここでも作曲家は高度な技法を駆 使した作品を書いていますが、全ては演奏しているスケアヴェズへの高い信頼があってこそ。全ての曲は、まず彼が演奏することを 想定して描かれており、これこそが現代における無伴奏ヴァイオリン作品の最高峰が生まれる原動力にもなっています。鳥の声を 模した「オーストラリアの4羽の鳥」、抒情的なメロディを持つ「15の前奏曲」他、多彩なヴァイオリンの音色をたっぷり味わえます。
TOCC-0310
ハインリヒ・ウィルヘルム・エルンスト:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第5集
ポロネーズニ長調Op.17(1842)
ヘラー:フレーズの技巧Op.16-14変ニ長調(エルンスト編曲)(1842)
3つの華麗なロンディーノOp.5(1833)*
ジョージ・アレクサンダー・オズボーン(1806-1893)&エルンスト:パチーニの歌による華麗な変奏曲ニ長調(1836)*
ルーマニア大幻想曲-16世紀の舞曲の名高いアリア(1839)
オランダ国歌による変奏曲(1838)*
シェルパン・ルプー(Vn)
イアン・ホブソン(P)

録音:2013年5月23-24日イリノイ大学
※初録音…3-12.14-19
Toccataレーベルで進行中のエルンスト(1814-1865)作品集の第5集です。今作も初録音を含む興味深い曲が並びます。ここに収録されているのは、当時流行していたオペラのトランスクリプションが中心ですが、冒頭の「ポロネーズ」の華麗さは圧巻の迫力を誇ります。もともとの作品自体はほとんど忘れられてしまったものばかりなのも、歴史の変遷を見るようで面白いものです。今回も演奏はシェルパン・ルプーとイアン・ホブソンのコンビ。
TOCC-0313
ミェチスワフ・ヴァインベルク:管弦楽作品集第2集
舞踊交響曲Op.113(1973)
交響曲第22番Op.154(1993-1994)(キリル・ウマンスキーによるオーケストレーション2003)
シベリアSO
ドミートリー・ヴァシリエフ(指)

録音:2015年7月11-12日ロシアシベリア,オムス・フィルハーモニック・ホール
※初録音
最近、その作品が次々とリリースされるポーランド生まれのヴァインベルク(1919-1996)。彼の作品はどちらかというと重苦しく苦渋に満ちたものという印象が強いのですが、この1973年の「舞踊交響曲」でのはじけまくったエネルギーの放出には驚くばかりです。この作品はもともと彼の1958年のバレエ音楽「白菊」(広島の原爆投下時の物語)からの編曲で、第1曲目は第3幕の前奏曲がもとになっています。ストラヴィンスキーやラヴェルなどの影響も見えますが、バレエ作品として上演される日がくるのでしょうか?また彼の晩年の「交響曲第22番」は、腰骨の骨折と、病に苦しみながらピアノ・スコアを書き上げたのですが、そこで力尽きてしまったため、未完の作品として残されました。この録音ではキリル・ウマンスキーがヴァインベルクの作品を深く研究した上で、このスコアからヴァインベルクが望んだであろう音を読み取り、完璧な作品として発表したものです。多くのヴァインベルク愛好者にとっても嬉しい1枚です。
TOCC-0314
ヨアヒム・シュテュッチェスキー:室内楽作品集
アガダー(1952)
3つのヘブライの小品第3番:Freilachs‐幸せ(1934)
3つのヘブライの小品第1番:Kinah‐悲歌
(1933)
クレズマーの婚礼音楽(1955)*
ハシディズム組曲(1946)<ベッサラビアの歌/ラトヴィアの歌/木の実とワイ
ン/舞曲>
カディッシュ(1957)
ジョリー・ダンス(1957)
ユダヤの歌(1937)/ハシディズム幻想曲(1954)
6つのイスラエルのメロディ第1番:伝説(1962)
6つのイスラエルのメロディ第6番:さすらい人の歌(1962)
ジェニファー・オーチャード(Vn)
マリッサ・バイヤーズ(Cl)
アーロン・ゼルコヴィッツ(Vc)
ルッツ・マンリケス(P)

録音:2010年3月14.17.18.21日ピッツバーグ,ルデフ・シャレム・コングレゲーションレヴィ・ホール
*=初商業録音
ウクライナで三代続くユダヤ人家庭に生まれたヨアヒム・ストゥチェフスキー(1891-1982)の作品集。若い頃からクレズマー(ユダヤ民謡をルーツに持つ音楽)のバンドでドラムを演奏するなど、ユダヤ音楽に関心を抱いていましたが、12歳の時に移住したウクライナの都市ヘルソンの劇場でチェロを弾きはじめ、すぐさま素晴らしい才能を発揮し、音楽家として生活していくことを決意します。その後はずっとユダヤの音楽を追求し、クレズマー特有のメロディを効果的に取り入れた作品を次々と発表していきます。このアルバムに収録された作品は、チェロ奏法に堪能だったシュテュッチェスキーらしく、チェロが活躍する華麗な作品が目立ちます。チェリスト、ゼルコヴィッツは11年間に渡り、ピッツバーグの「ユダヤ音楽祭」のディレクターを務めた経験を持つユダヤ音楽のスペシャリスト。
TOCC-0316
アドルフォ・フマガッリ:ピアノ作品集第1集
ピアニストの近代的学校Op.100(抜粋)<第7番:回廊、朝の祈り/第10番:影のめざめ、幻想的な舞曲>
マイアベーアの歌劇「悪魔ロベール」による左手のための大幻想曲Op.106
ピアニストの近代的学校Op.100(抜粋)<第14番:空気の娘、明るいカプリッチョ/第17番:悪魔の岩、勇敢な練習曲/預言者Op.43>
アダルベルト・マリア・リーヴァ(P)

録音:2006年9月23日ミラノインツァーゴデ・アンドレ・アウディトリウムライヴ
19世紀のイタリアはオペラが全盛期を誇っていましたが、管弦楽やピアノの世界でも人気者がいなかったわけではありません。このフマガッリ(1828-1856)もそんな中の一人。彼はミラノの片隅インザーゴの音楽一家の生まれで、4人兄弟の2番目にあたり「ピアノのパガニーニ」の異名をとるほどに絶賛された人です。当時流行していた「オペラの主題を用いた幻想曲」のような形式の作品において、驚異的な才能を発揮した彼ですが、とりわけ左手の技術が素晴らしく、トラック3のような、数々の「左手のための作品」も残しています。リストやタールベルクをも凌駕するほどの技巧的な作品の数々は、聴けば聴くほどに驚きが増すことでしょう。もっと広く弾かれて(聴かれて)もよい作曲家です。マリア・リーヴァの卓越した演奏で。
TOCC-0318
デイヴィッド・マシューズ:弦楽四重奏曲全集第4集
ベートーヴェン:11のバガテルOp.119(D.マシューズによる弦楽四重奏編)(1822/2013)
マシューズ:ディアベリ変奏曲(1975/2011改編)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101(D.マシューズによる弦楽四重奏編)(1816/1997)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22-第2楽章(D.マシューズによる弦楽四重奏編)(1800/1980)
マシューズ:弦楽四重奏曲第11番Op.108(2007-2008)
クロイツェルSQ

録音:2014年7月29-30日、2015年2月2日 アルバニー,聖ジョン・ザ・バプティスト教会
「ティペットとブリテンの後継者」と見做されるイギリスの現代作曲家、ディヴィッド・マシューズ(1943-)の弦楽四重奏曲第4集。ここでは、彼が大いなるインスピレーションを受けたという「ベートーヴェンのバガテルとピアノ・ソナタ」の弦楽四重奏編曲版と、彼自身による「ディアベリの主題による変奏曲」そして、新しい作品である「弦楽四重奏曲第11番」が収録されています。原曲を忠実に弦楽四重奏曲へと置き換えた「バガテル」は、ベートーヴェンの一つの新しい形として聞くことも可能でしょう。また自身の第11番は変奏曲の形式を持ち、最後はフーガで締めくくられるなど、こちらも明らかなベートーヴェンの影響が見てとれます。
TOCC-0319
ミラン・ドヴォルザーク:ジャズ・ピアノ・エチュード全集
ジャズ・エチュード 第1 集 25 のエチュード(1971)
ジャズ・エチュード 第2 集 20 のエチュード(1985)
ミラン・フラニェク(P)

録音: 2015 年4 月19-25 日 チェコ共和国 パルドゥビス・コンセルヴァトワール
※初録音
名前を聞いただけで「チェコの作曲家」とわかってしまうM.ドヴォルザーク(1934- ただし血縁関係はありません)。1960 年代からチェコのビッグバンドのメンバーとして活躍するなど、良く知られたジャズ・ピアニストです。このアルバムには彼の2 つの「ジャズ・エチュード」が収録されています。この曲集の目的は、アマチュアのジャズ・ピアニストの技術とリズム感の向上にありますが、聴いていても面白いものばかりで、一つの曲集としての完成度の高さに驚くばかりです。(ただしジャズと呼ぶには若干タッチが固すぎるようにも…)ここでピアノを弾いているフラニェクはトロンボーンも得意とスルミュージシャン。このアルバムがToccata レーベルへの初録音となります。
TOCC-321
NX-B03
ケイト・ローダー(1825-1904):ピアノ作品集
12の練習曲 第1巻(1852年出版)
12の練習曲 第2巻(1853年頃)
3つのロマンス-第2番 変イ長調
(1853)
束の間の想い 変イ長(1858)
楽しい航海 イ長調(1868頃)
マズルカ イ短調(1895)
マズルカ ロ短調(1899)
イアン・ホブソン(P)

録音:2016年7月18日.8月17日
全て初録音
南西イングランド、バースに生まれたケイト・ローダー。父はフルート奏者、母親はピアニストという音楽一家に育ち、 1830年に設立されたロンドン王立音楽アカデミーの初期の学生の一人となりました。1843年にメンデルスゾーンのピア ノ協奏曲のソリストとして公式デビューを飾り、将来を嘱望されましたが、19世紀のヴィクトリア朝時代は女性の活躍が 認められず、彼女も結婚と同時にコンサート・ピアニストの道をあきらめる他ありませんでした。しかし、教師としての活動 は続け、1844年には王立音楽アカデミーにおける初の女性教授となり、多くの生徒を指導しました。また、1871年に はブラームスの「ドイツ・レクイエム」2台ピアノ版の英国初演も行っています。このアルバムには、2巻の練習曲が収録され ていますが、これらの曲は単なる技術の取得に留まらず、音楽的表現の向上も図られており、優れた教師であったロー ダーの資質が感じられる作品です。
TOCC-0322
エドワード・ジェイムズ・ローダー:ピアノ作品集
ラ・レジェレッツァ Op.15-序奏とロンディーノ(1830 頃出版)
3 つのピアノ小品(1833 出版)<第1 番:メヌエットとトリオ/第2 番:感傷的なアンダンテ/第3 番:アレグレット・スケルツァンド>
ロンド・パストラーレ(1830 頃出版)
旅人-第12 番 ロシア(1842 出版)
序奏と華麗なロンド Op.17(1830 頃出版)
3 つのタランテラ Op.19(1843頃出版)
メヌエットとトリオ ハ短調-ハ長調(1830 頃出版)
.M.コスタの「ドン・カルロ」からのアリア「嵐の中でも」による変奏曲(1846)
ウィリー、お前がいなくて(1859出版)
紡ぎ車のリゼッテ(1859 出版)
イアン・ホブソン(P)

録音: 2015 年7 月27-28 日 US イリノイ州 ウルバナ,クランナート・センター,フォーリンジャー・グレート・ホール
※初録音
イギリス音楽の歴史については、WIKI などをみても、中世、ルネサンス時代はダンスタブルやタリスなど多くの作曲家を輩出していたとあります。そしてダウランド、パーセルなどのバロック期を経て、ヘンデルが活躍しますが、それ以降は記述が途絶え、次はエルガーまで空白になっています。しかし、古典派からロマン派の時代、イギリスの作曲家が全くいなかったわけではありません。このローダー(1810-1865)もその一人です。時期的にはロマン派に属する人で、オペラ作曲家として一応の成功を収めたとされています。しかし借金がかさみ投獄され、そのまま貧困のうちの世を去り、その存在すらも忘れ去られてしまったのです。このアルバムはそんな彼の没後150 年を記念して録音されたもので、知られざる作品を復興するための足がかりとなるかもしれません。作品自体はシューベルト、ベートーヴェンをしのぐ見事なものであり、とりわけ変奏曲は聞き応えのあるものです。
TOCC-0323
エルンスト・クシェネク:ピアノ協奏曲全集第1集
ピアノ協奏曲第1番嬰へ短調Op.18(1923)
ピアノ協奏曲第2番Op.81(1937)
ピアノ協奏曲第3番Op.107(1946)
ミハイル・コルジェフ(P)
イギリスSO
ケネス・ウッズ(指)

録音:2015年9月12.13日ウェールズモンマス,ウィアストン・コンサートホール
ジャズから十二音を駆使した作品まで、多彩な作風を持つクシェネク(1900-1991)のピアノ協奏曲集がTOCCATAレーベルに登場。バルトーク、プロコフィエフ、シェーンベルク、ショスタコーヴィチ作品にも匹敵する作品でありながら、これまでにほとんど演奏されることがなく、このアルバムに収録された3曲も、内2曲が世界初録音というレアなレパートリーです。これらの作品はどれも十二音の技法で書かれていますが、どの作品も技巧的で、ウィットに富んでいます。1920年代から1940年代は多彩な作風が世の中を席巻していましたが、クシェネク作品からもそんな雰囲気が存分に感じられます。ピアノを演奏しているのはロシア=アメリカ系ピアニスト、ミハイル・コルジェフで、今回は名指揮者ケネス・ウッズとの初共演となります。
TOCC-0324
マトヴェイ・イオシフォヴィチ・ニコラエフスキー:管弦楽のための2 つの舞曲,ピアノ作品集,歌曲集
1.夜想曲 ハ短調(1917 以前)
2.ロシア民謡「行商人」による幻想曲(1917 以前)
3.おお来たまえ、慈悲を持って(1903)
4.夕空に夢を抱いた(1903)
5.あなたを永遠に賞賛する(1903)
6.チャールダーシュ(作曲年不祥)
7.ジプシーの踊り(作曲年不祥)
8-9. 2 つのバレエ行進曲(1929)<勝利の行進曲/英雄の行進曲>
10.スナッフ・ボックス(1925)
11.ヴォルガのある日(1927)
12.悪魔的なタンゴ(1920 年代)
13.チャーリー・フォックス(1917)
14.ヤウ・レ:ボストン・ワルツ(1925)
15.エヴリン嬢(1926)
16.やあ、それで充分(1927)
17.ベンチの上の老ソフロン(1920 年代)
18.野を横切り幅広く走る道(1929)
19.ハーネスのジングル・ベル(1922 以降)
ミハイル・モルドヴィノフ(P)…1-5.8-19
スヴェトラーナ・ズロービナ(Ms)…3-5.16-19
モスクワSO…6.7
フィリップ・チジェフスキー(指)…6.7
「狂騒の20 年代」と呼ばれる1920 年から30 年代には、ヨーロッパだけでなくアメリカ、ロシアでも大きな変化が起きていました。ジャズが花開き、アール・デコが頂点を迎えるとともに1929 年の「ウォール街の暴落」によって世界恐慌が起こり、人々の生活様式も大きく変化したのです。このニコラエフスキー(1882-1942)はロシアの作曲家ですが、この20 年代に彼の作品は高い人気を誇っていたのです。人々の好みは、19 世紀のサロン音楽から少しずつジャズやタンゴ、チャールストンへと変わっていきますが、ニコラエフスキーは人々の嗜好を敏感に取り入れ、時代に即した作品を数多く書きました。彼の作品のほとんどは失われてしまいましたが、現在残されている作品のほとんどがここに収録されています。初期のロマンティックな作品も、流行に乗った作品も、どちらも魅力的です。
TOCC-0325
ナイジェル・クラーク:13 の独奏楽器のための室内楽集
1.パルナッスス(1986-1987)
2.スカーレット・フラワー(2014)
3.ドガー、フィッシャー、ジャーマン、バイト、ハンバー、
テムズ、ドーヴァー、ワイト(2012-2014)
4.パルプとぼろきれ(2012-2015)
5.エディス・キャベルのための墓碑銘(2015)
ロングボウ(アンサンブル)…1-4
セバスチャン・ルソー(フリューゲル・ホルン)…2
マレーヌ・シェパード・スクアヴェズ(ナレーター)…3
ピーター・シェパード・スクアヴェズ(指…1-4,Vn…5)

録音: 2015 年6 月30 日 UK ロンドン トゥーティング,全霊教会
吹奏楽ファンにはその名前が良く知られているイギリスの現代作曲家、ナイジェル・クラーク(1960-)。彼は30 年に渡ってヴァイオリニスト、ピーター・シェパード・スクアヴェズとアンサンブル「ロングボウ」のための作品に取り組んできました。彼の作品の多くは詩や絵画からインスピレーションを得ていますが、この5 つの作品の中にも、数多くの元ネタとなるものがあります。トラック3 は、ドーヴァーの町の象徴ともいえるもので、それぞれ船、港、川などの名前が並べられているのです。トラック4 の「パルプとぼろきれ」はドーヴァー郊外の古い製紙工場の機械からインスピレーションを受け書かれたものです。親密なアンサンブルはさすがです。
TOCC-0326
ジョセフ・ギイ・ロパルツ:ピアノ作品集
山の日陰で(1913)
バレエ音楽「安息日のための前奏曲」(ピアノ版)(1928-1929)
コラールと変奏(1904)
カプリース・ヴァルス「マルグリットの歌」Op.5(1886)
初恋「ブルエット」Op.6(1886)
ステファニー・マッカラム(P)

録音:2015年7月6.13.20日シドニー高等音楽院リサイタル・ホール
※初録音
ドビュッシーと同世代の作曲家ロパルツ(1864-1955)のピアノ作品集。印象派の時代にあっても、彼は生涯後期ロマン派の作風を貫き、また生まれ故郷のブルゴーニュ地方の民謡(この地方には、グレートブリテン島から移住してきたケルト人の末裔=ブルトン人が住んでいて、ロパルツもその一人)を取り入れた独特の作品を残しています。いくつかの声楽曲で知られますが、このピアノ曲も、師であるフランク作品の持つ宗教的な香りを湛えた美しいものです。サティやアルカンを得意とするブルターニュのピアニスト、マッカラムの共感に満ちた演奏で。
TOCC-0328
バチェヴィチウス:ピアノ作品集第2集
星の詩曲(詩曲第3番)Op.7(1927)*
詩曲第4番Op.10(1929)*
練習曲第2番Op.19(1933)*
幻想曲Op.39(1944)
練習曲第4番Op.43(1946)
ソナタ第4番Op.53(1952-1953)
幻想的舞曲Op.55(1954)
想起Op.57(1955)〈幻影/ユモレスク/瞑想〉
練習曲第5番Op.61(1956)
3つの音楽の思考Op.75(1966)*
ガブリエリウス・アレクナ(P)

録音:2015年10月11.13.15.26日ヴィリニュスリトアニア国立フィルハーモニー大ホール
*以外=初録音
リトアニアのピアニスト、作曲家ヴィタウタス・バチェヴィチウス(1905-1970)。20世紀リトアニア音楽界の先駆者であっ たにもかかわらず、その作品はほとんど知られていません。最近になってTOCCATAレーベルだけでなくNAXOSレーベル からもアルバムがリリースされ、作品の片鱗がわかるようになってきましたが、まだ彼の妹であるバチェヴィチの知名度には 劣るのが実情です。もともとピアニストとして名声を博し、ヨーロッパからアメリカでコンサート・ツアーを行っていたとこ ろ、滞在先のアメリカで第二次世界大戦が勃発、文書が不備で帰国困難となったまま、リトアニアがソビエト連邦に併合され てしまったというエピソードを持つ人です。アメリカでは苦難の時を過ごしましたが、そんな中でも作品を書き続け、1967 年にはアメリカの市民権を獲得、その3年後に亡くなっています。既発盤の第1集もユニークでしたが、この第2集には、 ヴァレーズやヴォルペなど多くの作曲家の影響が窺われる作品も含まれています。
TOCC-0329
マイケル・チャーニ=ウィルス:管弦楽を伴う歌曲集
3つの歌-ブダペスト,1944(2009−2015)
アルフレッド・エドワード・ハウスマンの6つの歌(2009-2013)
われらの時代のための悲歌
イローナ・ドムニチ(S)
ロンダミス・アンサンブル
マーク・イーガー(指)

録音:2015年8月4-5日ロンドンハイバリー,オーガスチン教会
※初録音
イギリスの作曲家、チャーニ=ウィルス(1975-)の苦悩に満ちた歌曲集です。もともとは優れたピアニストである彼ですが、その作品もヨーロッパで高く評価されています。「3つの歌」はナチスによって迫害されたハンガリーに住むユダヤ人の悲劇を描いた曲。「6つの歌」の詩を書いたA.E.ハウスマンはイギリスの作曲家たちがこよなく愛する「シュロップシャーの若者」の作者であり、その詩はどれも不安をやるせなさを漂わせていることで知られています。最後の「悲歌」は自動車事故で孫娘を失ったジェシカ・デステの悲痛な詩を用いた短い曲。印象的な音で幕を開け、最後は消え入るように曲が終わります。聴いたあと、何かが心に残るようなアルバムです。
TOCC-0330
グレゴリー・フリード:ヴィオラとピアノのための作品全集
ヴィオラ・ソナタ第2番Op.78(1985)
6つの小品Op.68(1975)
ヴィオラ・ソナタ第1番Op.62-1(1971)*
アレクサンドル・ヴスティン(1943-):グリゴリー・フリードの思い出に(2014)
エレーナ・アルタモノーヴァ(Va)
クリストファー・ギルド(P)

録音:2015年7月15-16日サフォーク,オールド・グラナリー・スタジオ
*以外=初録音
ロシアの作曲家、グレゴリー・フリード(1915-2012)は、歌劇「アンネ・フランクの日記」でその名を知られています。ロシア革命が勃発した頃に生まれた彼の作品には、いつも不安な社会情勢が反映されているかのような、重苦しさと妙にひねくれた明るさが宿っています。彼は多作家であり、3つの交響曲をはじめ、4曲の協奏曲、数多くの管弦楽曲と室内楽曲、器楽曲、歌曲、民族楽器のための曲から、ラジオ番組のための激音楽、果ては映画音楽までと、幅広いジャンルをこなしていますが、楽譜のほとんどは散逸してしまっているようです。ただ、記録は残っているので、今後彼の作品がもっと世に出てくる可能性もなきにしもあらずです。このヴィオラ作品集も、ショスタコーヴィチの影響が仄かに香る面白いもの。このアルバムは2012年にこの世を去ったフリードへの追悼として製作されたものです。
TOCC-0332
ジョン・ウォーガン:オルガン作品全集
1.オルガン小品第8番ト長調-アンダンテ・マエストーソ/2.オルガン小品第8番ト長調-フーガ/3.オルガン小品第4番変ロ長調/4.オルガン小品第5番ト短調/5.オルガン小品第10番ヘ長調/6.オルガン小品第11番ハ長調-アンダンテ/7.オルガン小品第11番ハ長調-アレグロ/8.オルガン小品第13番ト長調-アンダンテとカンタービレ/9.オルガン小品第13番ト長調-アレグロ・ノン・タント/10.オルガン小品第1番イ長調/11.オルガン小品第6番ハ短調-アダージョ/12.オルガン小品第6番ハ短調-アレグロ/13.オルガン小品第9番ハ長調-アダージョ/14.オルガン小品第9番ハ長調-アレグレット/15.オルガン小品第7番ヘ長調-シチリアーノ:アンダンテ・モデラート/16.オルガン小品第7番ヘ長調ヴィヴァーチェ・マ・ノン・アレグロ/17.オルガン小品第12番ニ短調-アンダンテ/18.オルガン小品第12番ニ短調-アエグロ・ノン・タント/19.オルガン小品第3番ヘ長調/20.オルガン小品第14番ハ長調-アンダンテ・ポコ・ラルゲット/21.オルガン小品第14番ハ長調-アレグリッシモ/22.オルガン小品第15番イ長調-アリア・ポコ・アンダンテ/23.オルガン小品第15番イ長調-アレグロ/24.オルガン小品第2番ヘ長調
ティモシー・ロバーツ(Org)

録音:2015年7月28日,10月8日UKロンドン聖ボトルフ・ウィズアウト・アルドゲイト
18世紀のロンドンで輝かしい名声を誇っていたウォーガン(1724-1790)のオルガン作品全集です。彼は6人兄弟の一人として生まれ、セント・ジョン・カレッジで音楽の博士号を取得し、ヴォクスオール・ガーデンのオルガニストを勤めました。ヘンデルも彼の演奏に賞賛を送ったとされるほどの名手でしたが、その作品のほとんどは失われてしまいました。幸い、彼の5番目の息子ジェームズが15の作品を保存しており、これらが彼の死後出版されたことは幸運だったとしかいいようがありません。このロバーツによる演奏は、ウォーガンが亡くなるまでオルガニストを務めた聖ボトルフ・ウィズアウト・アルドゲイトのオルガンを使用。壮大な歴史を感じさせる1枚となっています。
TOCC-0333
NX-B03
愛する人への音楽 第1集
ブラームス:永遠の愛について Op.43-1(R.ソーデルリンによる弦楽オーケストラ編)
ロビン・ホロウェイ(1943-):ヨディットのための音楽
ポウル・ルーザス(1949-):ヨディットのための子守歌
ミーケル・ケレム(1981-):ヨディットの別れ
アンドリュー・フォード(1957-):眠り
スティーヴ・エルコック(1957-):ヨディットのための歌 Op.23
ブレット・ディーン(1961-):天使の翼(ヨディットのための音楽)
ジョン・ロード(1941-2012):サラバンダ・ソリタリ(P.マンによる編曲)
ジョン・ピッカード(1963-):悲嘆を禁じて
ラグナル・ソーデルリン(1945-):ノルウェー民謡による15の変奏曲 Op.120
マッダレーナ・カスラーナ(1544-):Il vostro dispartir(C.マシューズによる弦楽オーケストラ編)
コダーイPO
ポール・マン(指)

録音 2016年6月15-17日、19-21日
TOCCATA CLASSICSレーベルの創業者、マーティン・アンダーソンの妻ヨディット・テクレが病を宣告されたのは2014年の後半の こと。彼は最愛の妻の気持ちを慰めるために2015年の彼女の誕生日である12月にコンサートを開くべく、友人の作曲家たちに 「弦楽合奏のための作品」を依頼しました。しかし、そのコンサートは実現することなく、ヨディットは37歳の若さで2015年4月24日 に5歳の息子アレックスを残してこの世を去ってしまいました。 彼女のためのコンサートは実現しませんでしたが、その際に作られた作品だけでなく、最終的には100以上の弦楽オーケストラのた めの曲が寄せられました。「我が愛への音楽のプロジェクト」と名付けることができるまでになったのです。このCDの販売利益は、2つ の慈善団体(ヨディットの最期を力づけた)に寄付され、彼女の命を奪った「癌撲滅」のために使われることとなります。 Pasti Synagogue, Debrecen, Hungary
TOCC-0334B03
ミッシャ・レヴィツキ(1898-1941):ピアノ作品全集他
ミッシャ・レヴィツキ:演奏会用ワルツOp.1
 ワルツイ長調Op.2/ガヴォットOp.3
 ワルツ風アラベスクOp.6/魅せられた妖精
 ヴァルス・ツィガーヌOp.7/人形の踊りOp.8
オシップ・ガブリロヴィッチ(1878-1936):5つの小品Op.1-4ロマンス
 3つの小品Op.2-1幻想曲‐夜想曲
 3つの小品Op.2-2ガヴォット
 3つの小品Op.2-3アルバムの一葉
イグナツ・フリードマン(1882-1948)によるピアノ編曲集
 フランク:前奏曲、フーガと変奏曲ロ短調Op.18
 グラツィオーリ(1746-1820):アダージョ
 シュターミッツ(1745-1801):交響曲ト長調Op.13
 クープラン:クラヴサン曲集第1巻第5組曲−かわいい頭巾>
イグナツ・フリードマン:4つの前奏曲Op.61
 練習曲集Op.63より<第1番/第2番/第4番/第9番/第10番/第11番/第16番>
※3.7.8.12.13.14.15.16.26…初録音
マルガリータ・グレボフ(P)

録音:2014年7月30日,10月31日,2015年7月11日,10月14日USAメリーランド大学,クラリス・スミス・パフォーミング・アーツ・センター,エルジー・アンド・マルヴィン・ディケルボウム・コンサート・ホール
「ロシア・ピアニズムの黄金時代」と呼ばれる1890年から1900年代の初頭、この時代には多くのピアノ音楽が書かれ、傑出したピアニストも数々輩出されていました。このアルバムにはそんな時代に活躍した3人の作曲家の作品を収録しています。ミッシャ・レヴィツキは、ほんの一握りの小品を遺したのみですが、どれも魅力的です。ガブリロヴィッチは、あのマーク・トゥエインの義理の息子で、優れたコンサート・ピアニストであり、自分が演奏するために書かれた小品が遺されています。同じく偉大なピアニストとして知られるフリードマンは、完全なオリジナル作品だけではなく、過去の作品の編曲が評価されています。どの作品も技巧を凝らした聴き映えのするものです。
TOCC-0335
NX-B03
ヴェンツェル・ハインリヒ・ファイト(1806-1864):弦楽四重奏曲全集 第1集
弦楽四重奏曲 第1番 ニ短調 Op.3(1834)
弦楽四重奏曲 第2番 ホ長調 Op.5(1835)
ケルテスQ

録音:2016年5月11-13日
初録音
オーストリア領、レプニッツで生まれチェコで活躍した作曲家ファイトの作品集。幼い頃から音楽を学びたかったファイトですが、中学 卒業時に両親を失い、音楽教師に支払うお金もなかったため、音楽は独学で勉強。プラハで哲学と法律を学び、22歳で卒業し た時に弁護士になるか音楽家になるか躊躇った彼は、結局プラハの市役所で働く決断をします。しかし音楽も続け、交響曲、ヴァ イオリン協奏曲、歌曲などを作曲。それらはすっかり忘れられてしまいましたが、4曲残された弦楽四重奏曲には、ベートーヴェンか らドヴォルザークに至るチェコにおける初期ロマン派音楽の変遷を聴くことができます。
TOCC-0336
NX-B03
ジェラルド・シュルマン(1924-):室内楽作品集 第3集
ピアノ四重奏曲 第1番(1986)
セレナード(1969)…世界初録音
ピアノ四重奏曲 第2番(1997-1998)
Two Violins-2台のヴァイオリン(2015)…世界初録音
リリスSQ
【メンバー】
アリッサ・パーク(Vn)
シャリーニ・ヴィジャヤン(Vn)
リューク・マウラー(Va)
ティモシー・ルー(Vc)
ミハイル・コルジェフ(P)
マーティン・ビーヴァー(Vn)

録音:2017年3月27-28日、2016年8月19日、2015年8月22日
東インド諸島に生まれ、1981年からはアメリカを拠点に活躍しているイギリス系オランダの作曲家シュルマン。これまで2枚の室内 楽作品がTOC-CATAレーベルからリリースされており人気を博しています。第3集では2曲のピアノ四重奏曲と、初期の作品「セレ ナード」そして最新作の「Two Violins」を収録。ヴァイオリン独奏による「セレナード」はブリテンを思わせる抒情性を携えた意欲的 な作品。その抒情性は最新作にも変わらず発揮されており、不思議な美しさを醸し出しています。
TOCC-0337
NX-B03
ヘンデル:アーメン、アレルヤ、アリア全集、他
1.ヘンデル:アーメン ヘ長調 HWV270
2.ピットーニ:ソナタ 第9番 ニ短調-第2楽章 アンダンテ
3.クロフト(1678-1727):神聖な音楽による讃歌「What art thou」
4.ヘンデル:アーメン、アレルヤ ト長調 HWV273
5.ヘンデル:アーメン ト短調 HWV271
6.アーメン、アレルヤ イ短調 HWV274
7-9.ピットーニ:ソナタ 第10番 ト長調
10.ヘンデル:アーメン、アレルヤ ヘ長調 HWV276
11.作者不詳:「われらの救世主の受難」による聖歌
12.ヘンデル:アーメン、アレルヤ ニ短調 HWV269
13.ピットーニ:ソナタ第9番 ニ短調-第1楽章 アンダンテ
14.ヘンデル:アーメン、アレルヤ ヘ長調 HWV277
15.ヘンデル:ブラームカンプ・ヘンデル・クレイ・クロックによる小品集-第3番 メヌエット
16.ヘンデル:ブラームカンプ・ヘンデル・クレイ・クロックによる小品集-第4番 変奏曲
17.チャーチ(1674-1741):聖歌
18.ヘンデル:ブラームカンプ・ヘンデル・クレイ・クロックによる小品集-第10番 エア第
6番
19.ヘンデル:アーメン、アレルヤ ニ短調 HWV272
20.ピットーニ:ソナタ 第11番 イ短調-第3楽章 アンダンテ
21.ヘンデル:アーメン、アレルヤ ハ長調 HWV275
22.ヘンデル:アーメン ヘ長調 HWV270(装飾付きヴァージョン)
ロバート・クロウ(メール・ソプラノ)…1.3-6.10-12.14.17.19.21.22
イル・フリオーソ(アンサンブル)
【メンバー】
ヴィクトル・コレルホ(テオルボ)
デヴィッド・ドラータ(テオルボ)
ジュヴェナル・コレア=サラズ(Org)

録音:2016年12月15-18日
全て初録音
ヘンデルの数多い作品の中でも、ほとんど知られていない「アーメン」と「アレルヤ」の言葉のみをテキストにした一連の歌曲。これらは 恐らく私的崇拝の目的に使用されたと推測されています。このアルバムでは、男声ソプラノ、ロバート・クロウがHWV269から277ま でのアーメン、アレルヤと、ヘンデルと同時代の作曲家たちの「神聖な音楽」を歌い、曲の合間に器楽曲をはさむという趣向が凝ら されており、女声とは違った響きを持つクロウの声を存分に楽しむことができます。
TOCC-0339
エミール・フレイ:ピアノ作品集第1集
子守歌Op.12-2(1906)
ユモレスクOp.12-1(1911)
ルーマニア民謡による変奏曲Op.25(1910)
ソナタ・ドラマティカニ短調Op.27(1912-13)
小スラヴ舞曲Op.38(1917)
組曲第6番Op.66-第4曲「パッサカリア」(1933)
ルイザ・スプレッド(P)

録音:2015年3月18-20日ベルリンブリッツ城
スイスのピアニスト、作曲家エミール・フレイ(1889-1946)。この名前を知っている人はほとんどいないでしょう。彼の作品は暗くドラマティック、そして突然爆発的なエネルギーが噴出します。キャリアの初期にはフォーレ、エネスクの影響が感じられ、その後は革命前のロシアでの教育と、後期ロマン派の爛熟した雰囲気のすべてを取り込み、類をみない音の世界が構築されています。このアルバムに収録されている作品のうち、Op.12は確かにフォーレ風ですが、「ルーマニア民謡による変奏曲」では独特の音使いと、技巧的なフレーズに耳を奪われることでしょう。1933年の「パッサカリア」での偏執的な音も、聴き進むに従って病み付きになりそうです。1983年、スイス生まれのピアニスト、ルイザ・スプレッドによる共感に満ちた演奏で。
TOCC-0341
ヨアヒム・ラフ:チェロとピアノの作品全集
2つのロマンスOp.182
2つの幻想的小品Op.86*
二重奏曲Op.59(1848/1867改編)
チェロ・ソナタニ長調Op.183(1873)
ヨーゼフ・メンドーズ(Vc)
リム・テヨン(P)

録音:2016年4月11.12.18日、5月2日カリフォルニアグレンドラ、シトラス大学レコーディング・スタジオ
*以外=初録音
スイス生まれのロマン派の作曲家、ヨアヒム・ラフ(1822-1882)。その生涯に数多くの作品を残した人ですが、それらはほ とんど演奏されることなく、唯一、ヴァイオリンのための小品「カヴァティーナ」のみが知られていました。最近になってよ うやく、彼の書いた交響曲やピアノ曲、室内楽曲などの演奏、録音が増えてきて、その作品が知られるようになりつつありま す。とりわけ、彼が敬愛していたリストの作風を継承しながらも、控えめな美しさを誇る一連のピアノ曲は一聴に値するもの です(GRANDPIANOレーベルから全集録音がリリースされています)。アメリカ在住のチェリスト、メンドーズと韓国のピ アニスト、リム・テヨンによる《チェロとピアノの作品全集》はそんなラフの秘曲集に属するもので、ほとんどの小品はもち ろんのこと、極上のチェロ・ソナタでさえも世界初録音。ラフという作曲家の奥深さが感じられる1枚となっています。
TOCC-0342B03
サディ・ハリソン:光のばら園
1.モハマド・オマール:ユダの木
2.サディ・ハリソン:アッラー・フー
3-8.ハリソン:光のばら園
9.ハリソン:カタガーニ民謡
10.ハリソン:サリム・ウスタード・サルマスト:花の小枝
11.ハリソン:ロガリ民謡
12.ハリソン:ピスタチオ売り
13.ハリソン:赤いばらのつぼみ
ジュニア・トラディショナルアンサンブル…1.9.11.13
ケヴィン・ビショップ(Va)…2
アンサンブル・ゾーラ…3-8
クアトロ・プントス…3-8.10.12

録音:2015年8月18日カブールアフガニスタン国立音楽研究所
2016年1月17日コネチカット,ハートフォード,バークマン・リサイタル・ホール
※初録音
2010年に創業された「アフガニスタン国立音楽研究所」は、孤児、街頭の物売りなどで生計を営む子供たち、体の不自由な子供たちに適切な音楽教育を施すという機関で、このアルバムでは、そのメンバーたちの草分け的存在である少女たちによる見事なアンサンブルを聴くことができます。アフガニスタンの伝統楽器を駆使して演奏される民謡や現代作品は、どこか耳慣れた懐かしい肌触りを持つもので、いくつかの曲はヴィオラ奏者、編曲者であるK.ビショップの手によって幾分西洋的な雰囲気にと変化させられてもいます。アメリカのアンサンブル「クアトロ・プントス」との彼女たちとの共演は一層幻想的でスリリングな雰囲気を味わうことができます。
★試聴リンク
TOCC-0343
NX-B03
ジョエル・エンゲル(1868-1927):室内楽作品と民謡集
ヴァイオリン,ハープとハルモニウムのための「ユダヤのメロディ」(1912)…世界初録音
神秘的なアダージョ Op.22…世界初録音
3つのユダヤの歌(L.H.ダント編)
クラリネット、弦楽とパーカッションのための「Dybbuk」-組曲「悪霊」Op.35
Hen hu hivtiach li(1923)…世界初録音
2つのヴァイオリン小品 Op.20
50の子どもの歌(抜粋)(1923)
第9番:In der Suke
第8番:Shavues
第1番:Morgengebet…世界初録音
11の子どもの歌 Op.36(抜粋)
第10番:Zumerfeygele…世界初録音
ジトミルスキー(1881-1937):Az ikh volt gehat dem keysers oystres Op.4, No.2
レイチェル・キャロウェイ(Ms)
【ピッツバーグ・ユダヤ音楽祭の演奏家たち】
シンシア・コレド・デアルメイダ(Ob)…3-5.18
ロン・サムエルス(Cl)
グレッチェン・ファン・ホエセン(Hp)
ジョージ・ウィリス(パーカッション)
ダニエル・アンダイ(Vn)
ローラ・モチャロフ(Vn)
ヌリト・パヒト(Vn)
マリリン・ジングラス=ロイ(Va)
アーロン・ゼルコヴィツ(Vc)
ジョン・ムーア(Cb)
ルッツ・マンリケス(P)(ハルモニウム)
ロドリーゴ・オヘダ(P)
19世紀末、イディッシュ語とヘブライ語による民謡を「芸術音楽」の域に高め、人々から「ユダヤ音楽の父」と賞賛された作曲家 ジョエル・エンゲル。ハンガリーにおけるバルトークやコダーイのように、エンゲルも東ヨーロッパの各地に出かけ、村人の歌を直接聞き 取り、これらからインスピレーションを受けて数多くの作品を書き上げました。 このエンゲルの作品集は、何世紀に渡るユダヤの人々が伝えてきた文化と情熱をしっかりと捉えています。
TOCC-0344
NX-B03
タデウシュ・マイエルスキ(1888-1963):作品集
協奏的詩曲(1946-1956/2009改編マデイ編)
変奏曲の形式によるピアノ五重奏曲(1953)
チェロ・ソナタ(1949)
4つのピアノのための前奏曲(1935)
3つの音画「忘れられた音楽」(1948-1949)
ピアノのための3つの小品(1935/1963)
ミハウ・ドレフノフスキ(P)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
エミール・タバコフ(指)
アルカディウス・ドブロヴォイスキ(Vc)

録音:2015年12月15日、2013年11月23.24.30日
初録音
ポーランドのルヴフ(現在はウクライナのリヴィウ)に生まれた作曲家、ピアニスト、タデウシュ・マイエルスキのピアノ曲を中心とした作品 集。彼は17歳でガリシア音楽協会の高等音楽院(現在はリヴィフ音楽アカデミー)に入学、ピアノを学び1911年に卒業。ライプ ツィヒに留学して更に研鑽を積みました。帰国後は演奏家、批評家として活躍すると同時に、教師として長らく後進の指導にあた りながら、作曲活動を続けました。彼の作品はどれもロマンティックな感性に溢れながらも、近代的な書法が取り入れられており、そ れはこのアルバムの冒頭に置かれた「協奏的詩曲」を聴けば端的に理解できるでしょう。この作品は約10年間の長い年月をかけ て念入りに改訂が施された力作ですが、残念なことに1957年に初演されて以来、出版されることもなく忘れ去られてしまいまし た。今回、ピアノを演奏しているドレフノフスキがこのスコアを発見、瞬時に魅了され、友人マデイに校訂を依頼し、演奏可能なスコ アに復元、この録音が成就しました。
TOCC-0345
NX-B03
フェレンツ・ファルカシュ:チェロのための室内楽作品集第1集
1.ハンガリー風舞曲第2番(1934)
2-4.All'antica-古風な作品集(1962)
5.バラード(1963)
6-8.ハンガリー民謡 によるソナチネ(1955)
9-11.独奏チェロのためのソナタ(1932)
13-16.4つの小品 (1965)
17-28.フルーツ・バスケット (1946)
ミクローシュ・ペレーニ(Vc)
デーネシュ・ヴァーリョン(P…1-8.12-28)
ルチア・メジェシ=シュワルツ(S…17-28)
ラヨシュ・ロズマーン(Cl…17-28)
クリストフ・バラティ(Vn…17-28)

録音:2015年10月11-17日
※ 1.2.6-8.9-11.13-16…初録音、17-28…このヴァージョンは初録音
TOCCATAレーベルが高い関心を寄せているハンガリーの現代作曲家ファルカシュ(1905-2000)。すでに管弦楽作品集は第5 集まで、他にも室内楽作品や合唱作品などを聴くことができますが、今作ではハンガリーの名手ミクローシュ・ペレーニをソ リストに迎え、ファルカシュの「ハンガリー風味」のチェロ曲を存分にお楽しみいただけます。 ハンガリーに生まれ、プダペスト音楽アカデミーで学んだ後、ローマの聖チェチーリア音楽院でレスピーギに学び作曲の研鑚 を積んだファルカシュの作品は、決して難解ではなく、どれも親しみやすい雰囲気を持っています。このアルバムの作品も、 民謡を起源としていたり、バロック調であったりと、楽しいものばかりです。 子供たちの詩に曲をつけた「フルーツバスケット」もユニークでユーモアに溢れています。
TOCC-0346B03
デイヴィッド・デブーア・キャンフィールド:様々な作品を元にした協奏曲集
グリエールによるサクソフォン協奏曲(2007)
チャイコフスキーによるサクソフォン協奏曲(2013)
ガーシュウィンによる狂詩曲(2015)
ハイラペト・アラケリアン(Sax)
レイチェル・パトリック(Vn)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
イアン・ホブソン(指)

録音:2015年11月23日、2015年11月24日 ポーランド放送ヴィトルド・ルトスワフスキ・コンサート・ホール
※初録音
作曲家だけでなく、音楽評論家、作家、神学者、編集者、出版、レコーディング・ディレクターなど、幅広い肩書きを持つキャンフィールド(1950-)。このアルバムでは、2007年の完成後、すでに世界で100公演も行われたという人気曲「グリエールによるサクソフォン協奏曲」をはじめとした3つの作品を聴くことができます。どれも、特定の原曲があるわけではありませんが、作曲家の個性を良く捉えられており「オリジナル?」と思えるほどに、各々グリエール風、チャイコフスキー風、ガーシュウィン風に仕上がっている上、どの作品も独奏楽器が大活躍、オーケストラとの掛け合いに耳を奪われます。
TOCC-0347
NX-B03
ホセ・コメリャス:ピアノ作品集
1.無言歌「思い出」Op.1(1874年出版)/2.大ワルツ「ウィーン」Op.4(1874年出版)/3. 夜想曲「遠くへ」Op.12(1874年出版)/4.マズルカ「5本のばら」Op.26(1885年出版) /5.2人の英雄の墓へのエレジー「ワシントンとリンカーン」Op.3(1867年出版)/6.マズ ルカ「ナタリー」Op.10(1874)/7.夜想曲「帰還」Op.25(1885年出版)/8-10.華麗な ソナタト短調Op.21(1876年出版)/11.夜想曲Op.24(1885年出版)/12.小さなポル カ「クリスマスのおもちゃ」(1885)
ホセ・ラウル・ロペス(P)

録音:2014年7月23日、2014年12月15日、2015年12月21日
※初録音
キューバのロマン派時代の作曲家コメリャス(1842-1888)の珍しいピアノ曲集。この時代のキューバ音楽は、植民地時代の 民俗音楽の継承と、アフリカ音楽、ヨーロッパ音楽の影響、この3つの要素が融合して出来ています。かなり充実した作品 が多く存在しますが、現代でもほとんど耳にする機会はありません。このコメリャスの作品もそんな中の一つ。コメリャスは ハバナの東に位置するマタンザスの生まれ。彼の父はカタロニアからの移民で、バレンシア劇場の音楽監督を務めていたこと もある多才な音楽家でした。幼い頃から父にヴァイオリンの指導を受け、6歳でピアニストとしてデビュー、作曲家としても 活躍したコメリャス。彼の作品はショパンとゴットシャルクの影響も感じられるサロン風の雰囲気を備えており、このアルバ ムは当時のキューバの音楽の一端を知る手がかりになる貴重な演奏の記録です。
TOCC-0349
NX-B03
ファルカシュ:管楽アンサンブルのための作品集
17世紀の古いハンガリー舞曲集(L.ゼンプレーニによる吹奏楽編)(1943/2015)
組曲「小賢しい学生たち」(T.カーマンによる吹奏楽編)(1949/2013)
組曲「アテネのタイモン」(T.カーマンによる吹奏楽編)(1935-38/2014)
イントラーダ、パッサカリア、サルタレッロ(1982)
ニールバートルからの塔の音楽(1967)*
コントラファクタ・フンガリカ(吹奏楽編)(1973-74/1976)*
オットーニのための音楽(1982)*
喜歌劇「チノム・パルコ」-おちゃめな旋律(T.カーマンによる吹奏楽編)(1949/1959/2014)
ブダペスト・ウィンド・シンフォニー
ラースロー・マロシ(指)

録音:2015年12月28-29日、2016年4月30日
*以外=初録音
TOCCATAレーベルがリリースに力を入れているハンガリーの作曲家、フェレンツ・ファルカシュ。今回のアルバムには作曲 家自身の編曲と、他の作曲家の編曲による「管楽アンサンブル」作品が8曲収録されています。「17世紀の古いハンガ リー舞曲集」は様々な楽器のための編曲がありますが、この吹奏楽版は賑やかさが良く現れています。他のどの曲もユー モラスな雰囲気があるだけでなく、ハンガリー民謡由来の強烈なリズムに熱いエネルギーが内包されています。吹奏楽ファ ンにも聴いていただきたい曲集です。
TOCC-0350
ヨハン・ゲオルク・リックル:室内楽作品集
オーボエ四重奏曲ハ長調Op.26-1(1795頃)
オーボエ四重奏曲ト長調Op.26-2(1795頃)
オーボエ四重奏曲ヘ長調Op.26-3(1795頃)
カッサシオン変ホ長調(1795出版)
クラリネット,ホルンとファゴットのための三重奏曲変ホ長調(1790頃)
ラヨシュ・レンチェス(Ob)
ナタリー・チー(Vn)
ポール・ペシュティ(Va)
アンスガー・シュナイダー(Vc)
ディルク・アルトマン(Cl)
ヴォルフガンク・ヴィプフラー(Hrn)
リボール・シーマ(ファゴット)

録音:2010年9月24-25日シュトゥットガルトSWR室内楽ホール、2015年9月27日シュトゥットガルトゾンマーラインハイリッヒ・クロイツ教会
※初録音
オーストリア帝国の知られざる作曲家、オルガニスト、ヨハン・ゲオルク・リックル(1769-1843)。幼い頃に両親を失うも、地元の教会オルガニストに教えを受け、歌とオルガン演奏で素晴らしい才能を発揮、14歳の時にはオルガニストのポストに就任する充分な力を付けることができたとされています。その後、1785年にウィーンに移住し、アルブレヒツベルガーとハイドンに師事。対位法やポリフォニーを徹底的に学び、レオポルドシュタットのカルメル派教会のオルガニストとなります。彼は数多くの教育用の室内楽作品を書き、また1790年代にはあのシカネーダーとの共作によって、数多くのジングシュピールも作り出しています。彼の作品は生前あまり出版されることがなく、またその一部は「モーツァルト作」とされていたため、彼自身の名前はほとんど知られることがありませんでした。そんな彼、一時期はペーチ(現ハンガリー)の聖歌隊指揮者を務めていたため、ハンガリーでは知られる存在なのです。ここでも主だった作品ではハンガリーのオーボエの名手レンチェスが堂々たるソロを務めています。
TOCC-0351
バルトーク:作品によるヴィオラ編曲集
ヴァイオリン・ソナタ第2番BB85(V.ナジによるヴィオラとピアノ編)
ヴァイオリン・ソナタBB124(V.ナジによるヴィオラ編)
狂詩曲第1番BB94a(V.ナジによるヴィオラとピアノ編)
ヴィドル・ナジ(Va)
ペーテル・ナジ(P)
ディヴェルティメント・ブダペス
ヴィドル・ナジ(指)

録音:2015年10月3日ブダペストシェント・イシュトヴァン音楽学校コンサート・ホール、2015年10月31日ブダペストスコッティッシュ・ミッション聖コロンバス教会、2015年11月15日シュトゥットガルトボートナング,リーダークランツハレ
※初録音
バルトーク(1881-1945)のヴァイオリンのための室内楽曲は、彼の全作品の中でも極めて重要なレパートリーです。メニューインの委嘱によって書かれた晩年の傑作「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」や、1922年に書かれた民謡の要素を取り入れた「第2番」、シゲティに献呈されたチャールダッシュ風の「狂詩曲第1番」と、どれもバルトークらしい荒々しさと技巧が駆使された名曲ですが、ここでは奏者ナジ自身がこれらをヴィオラ用に編曲。落ち着いた音色が印象的な作品へと変貌しています。ヴィドル・ナジは1942年ブダペスト生まれ。フランツ・リスト音楽院でパール・ルカーチに師事し、ヴィオラ部門の1等賞を獲得、1982年からは自身でマスタークラスを開催し、数多くの後進を育てました。また数多くのヴィオラ作品の初演を行っています。
TOCC-0352B03
テオドール・アキメンコ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.32(1907)
ロシア風メロディ(1925)
3つの小品Op.31より第1番カンタービレ(1909頃)
3つの小品Op.31より第3番舞曲(1909頃)
ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.38b(1911)
3つの小品(1912年以前)
タティアナ・クロシニコヴァ(Vn)
アナスタシア・デディク(P)

録音:2015年110月26日,11月28日,12月8.9.29.30日ニューヨークブロンクス
パトリッチ・サウンド・スタジオ
※初録音
ウクライナ北東部の都市ハルキウに生まれ、ストラヴィンスキーの初の師匠としても知られるアキメンコ(1876-1945)の作品集。彼が生まれる以前、18世紀から19世紀にかけてのロマン主義と民族主義の高まりにより、ウクライナ人の民族運動も盛んに行われていました。しかしロシア帝国はこれを許さず、ウクライナを「リトルロシア化」するための政策を実行、1863年には文学作品以外のウクライナ語の書物の出版、流通禁止するヴァルーエフ指令が出され、1873年には更に規制が厳しいエムス法が制定され、ウクライナの人々は抑圧された生活を送っていました。そんな時期に活動したアキメンコですが、その作品は、ロシア風の彩りと重厚な響きを持ち、師であるバラキレフとリャプノフの意思を引き継いだ抒情的な雰囲気も備えています。1923年に彼は亡命を選択、1929年にフランスに行きこの地に落ち着くこととなります。そんな時期に書かれた「ロシア風メロディ」には強い望郷の念が込められた名曲です。
★試聴リンク
TOCC-0353
NX-B03
スティーヴン・ドジソン:チェロとピアノのための作品全集
2つのロマンティックな小品第1集(1996)
チェロ・ソナタ(1969)
2つのロマンティックな小品第2集(2008)
5つの機会的作品(1970)
ヴァ・ミゼルスカ(Vc)
エマ・アッバーテ(P)

録音:2016年1月18-20日
※初録音
イギリスの作曲家ドジソン(1924-2013)は、日本ではほとんど知られていませんが、彼が活躍していた当時はブリテンと並 ぶほどの人気と名声を博したイギリス音楽界の重鎮でした。彼はギタリスト、ジョン・ウィリアムズの師であり、ギターの性 能に魅せられ素晴らしいギター協奏曲を書いたことでも知られていますが、このアルバムに収録されたチェロの作品も、パー セルなどのイギリス伝統の音楽に、ちょっと皮肉やユーモアを加えた「ショスタコーヴィチ風」の味付けが施された優れた作 品です。新古典派的な60年代から70年代の曲と、内省的な90年代から2000年代の曲の違いも聴き比べも楽しいです。 また、ドジソンの父方の親戚には「不思議な国のアリス」の作者ルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソ ン)がいることでも知られています。
TOCC-0354
NX-B03
ロベルト・フュルステンタール(1920-2016):歌曲集
歌曲集「遅摘み」より
1.第1巻 第8番:愛の歌
2.第2巻 第10番:私はあなたを見なかった
3.第4巻 第5番:旅の歌
4.第5巻 第4番:ある日
5.第3巻 第4番:ホワイトクリスマスの日
「生と罪」-16の歌曲とバラード(抜粋)
6.第14番:秋
7.弟8番:私の血はうなり声をあげる
8.第11番:わが子は死の上に
9.第9番:帰依
10.第7番:祝福された忘却
11.第2番:夜は私の本
12.第16番:最後のかけら
歌曲集「遅摘み」より
13.第1巻 第3番:黄金の笛
14.第3巻 第5番:アドヴェント
15.第1巻 第5番:夜の音楽
16.第1巻 第10番:移ろう三行詩
17.第3巻 第6番:夢ジェームズ・ジョイスの詩による歌曲集より
18.第3巻 第7番:眠り中
19.第2巻 第1番:おお涼しさよ
歌曲集「遅摘み」より
20.第4巻 第1番:「F」に
ラファエル・フィンゲルロス(Br)
サーシャ・エル・ムイジ(P)

録音:2016年5月17.18日
1920年、ウィーンのユダヤ人家庭に生まれたフュルステンタール。若い頃の彼は、後に夫人となるフランソワの家の週末パーティで、 しばしば美しいテノールで愛の歌を歌ったというほど、歌に魅了されていました。しかし、ナチス勢力が拡大するに伴い、フュルステン タールの家族は愛するウィーンの生活を棄て、イギリスを経由してアメリカに亡命する決意をします。しかし、彼と母は難を逃れたも のの、父親はナチスに捉えられ、強制収容所で命を落としてしまいました。その後、会計士として生活の糧を得て、ユダヤ人の女性 と一度は結婚するものの上手く行かず、結局は35年間離れていた恋人のフランソワと結ばれ、作曲への衝動も再燃し、若い頃の 情熱をもう一度譜面に書き移すことになったのです。そしてこのアルバムのリリースを待たずして、2016年11月に波乱万丈の96年 の生涯を閉じました。ロマンティックな歌曲には、止まっていた35年間の思いが満ち溢れています。
TOCC-0356
NX-B03
エングルンド(1916-1999):ピアノ作品全集
前奏曲とフゲッタ 「バッハへのオマージュ」(1986)…初録音
ソナチネ 第2番「パリ人」(1984)…初録音
前奏曲(1955)…初録音
パヴァーヌとトッカータ(1983)
ユモレスク(1936)
小トッカータ(1966)…初録音
ソナチネ ニ短調-第2楽章 シシリエンヌ(1966)…初録音
鍵盤が語るアンソロジー集(1955)〜めんどりたちが語ること/小鬼/スケルツィーノ
前奏曲 第1番「ノットゥルノ」(1966)
ソナチネ 第1番 ニ短調(1966)
シヌヘ(1953)…初録音
序奏とトッカータ(1950)
ピアノ・ソナタ 第1番(1978)
ラウッタサーリ・ロータリー・クラブ祝典行進曲(1957)…初録音
ラウラ・ミッコラ(P)
20世紀フィンランドにおける主要な作曲家の一人、エングルンド。自作をシベリウスに評価してもらい推薦状を得たことで渡米し、 コープランドに師事できたというエピソードで知られています。ピアニストとしても卓越した才能を持っていましたが、ロシアとの戦闘の 際、指を怪我したことでキャリアを断念。残されたピアノ曲は決して多くありませんが、プロコフィエフ風の強烈な皮肉とユーモアを有し た作品は、管弦楽作品とは違った風合いを持っています。
TOCC-357
NX-B03
スティーヴン・ドジソン(1924-2013):室内楽作品集 第2集
ピアノ五重奏曲 第1番(1966)
弦楽五重奏曲(1986)
ピアノ五重奏曲 第2番(1999)
エマ・アッバーテ(P)
スーザン・モンクス(Vc)
ティペットQ

録音:2016年1月5-7日
ロンドン生まれの作曲家、スティーヴン・ドジソンの室内楽作品集第2集。第1集と同じく現代音楽を得意とするピアニス ト、エマ・アッバーテがピアノを担当、イギリスで人気を誇るティペット四重奏団との親密なアンサンブルが楽しめる1枚で す。ブリテンと並ぶほどの知名度を獲得するも、死後急速に忘れられてしまった作曲家であり、またギタリスト、ジョン・ウィ リアムズの師であったことでも知られています。彼の作品にはショスタコーヴィチの音楽にも似た同時代作品への風刺と、 時々はっとするような美しいメロディが聞こえてくるという、イギリス伝統の品の良さがバランス良く配合されています。
TOCC-0358
NX-B03
ヨゼフ・シェルプ(1894-1977):クラリネットによる室内楽作品集
クラリネット・ソナタ(1947)…初録音
クラリネット五重奏曲(1954)
クラリネット、ヴィオラ、チェロとピアノのための四重奏曲(1955)…初録音
クラリネット、ヴァイオリン、チェロとピアノのための四重奏曲(1965)…初録音
ブッシュ・コレギウム・カールスルーエ
ベッティーナ・バイゲルベック(Cl)
ヤスシ・イデウエ(Vn)
アユ・イデウエ(Vn)
ヴォルフガンク・ヴァール(Va)
ガブリエラ・ブラドリー(Vc)
ベルンハルト・レルヒャー(Vc)
マンフレート・クラッツァー(P)

録音:2015年9月4日、2016年2月29日、2016年7月18日、2016年10月31日
ドイツ、カールスルーエに拠点を置き活躍したヨゼフ・シェルプの作品集。シェルプは若いころからピアニストとして活躍しながら、曲を 書いていましたが、1942年の爆撃で初期作品のほとんどを失ってしまいます。しかしその後、失われた時間を取り戻すかのように 150もの作品を書き上たという作曲家です。このアルバムにはヒンデミットとベルクから影響を受けたクラリネット作品を収録、1947 年に書かれたリズム重視の新古典派風のクラリネット・ソナタから、調性が崩壊寸前の和声が用いられた“新ウィーン楽派”の香りを 感じさせる1965年の四重奏曲まで、驚くほどに官能的なメロディとユーモアに満たされた4曲です。
TOCC-0360B03
ベアト・フラー:合唱とアンサンブルのための作品集
無伴奏混声合唱のためのエニグマI-VI<エニグマI(2006)/エニグマII(2008)/エニグマIII(2008)/エニグマIV(2010)/エニグマV(2012)/エニグマVI(2013)>
混声合唱とアンサンブルのための「voices‐still」
フルート,ハープ,ヴァイオリン,ヴィオラとチェロのための「… cold and calm and moving」
ヘルシンキ室内cho
ウーシンタ・アンサンブル
ニルス・シュヴェッケンディーク(指)

録音:2014年9月6.7.28日フィンランド,エスポーセッロサリ
スイスに生まれ、現在はウィーンに拠点を置く現代作曲家ベアト・フラー(1954-)の作品集。彼は人間の声の可 能性を追求し、いくつかの面白い作品を書いています。レオナルド・ダ・ヴィンチのテキストを用いた「6つの エニグマ」は力強いアカペラで歌われますが、時としてロマンティックな響きを纏いながら、柔らかい感触を聴 き手の耳に残していきます。古代ローマの詩人ウェルギリウスのラテン語の詩をフラー自身がドイツ語に翻訳し たテキストによる「voices‐still」では自在なアンサンブルと声の共演が楽しめます。器楽のみの「…coldand calmandmoving」はタイトルの通り冷たく静かな作品で、断続的に聞こえるハープの響きを縫って、各楽器が 思い思いの歌を奏でていきます。
TOCC-0363
NX-B03
タルティーニ:30の小さなヴァイオリン・ソナタ集 第4集
小さなヴァイオリン・ソナタ 第19番 ホ短調
小さなヴァイオリン・ソナタ 第20番 ヘ長調
小さなヴァイオリン・ソナタ 第21番 イ短調
小さなヴァイオリン・ソナタ 第22番 ホ長調
カンタービレ イ長調
小さなヴァイオリン・ソナタ 第23番 ニ長調
小さなヴァイオリン・ソナタ 第24番 ニ短調
ピーター・シェパード・スケアヴェズ
(Vn…1698年 アントニオ・ストラディヴァリ“ヨアヒム”)

録音:2010年1月12日
全て初録音
「悪魔のソナタ」で知られる18世紀最大のヴァイオリニストであり、作曲家でもあったジュゼッペ・タルティーニが生涯の最後に 作曲した「小さなソナタ」集。この曲集は音楽辞典などでは「25曲」とされていますが、今回、ヴァイオリニストのピーター・シェ パード・スケアヴェズが、独自の研究を重ね、以前の版では見過ごされてしまった作品を含むため「30の小さなソナタ」として 演奏しています。"小さなソナタ"と言うものの全てを演奏するには6時間以上を要する大作であり、バッハの無伴奏に比肩 する重要な作品としても評価されるのではないでしょうか?
TOCC-0364B03
ヨハン・カスパール・フェルディナント・フィッシャー:晩課詩篇集Op.3
フィッシャー:音楽の花束組曲第1番-前奏曲第8番
 晩課詩篇集Op.3‐主よ、急いで私をお助けください
 晩課詩篇集Op.3‐幸いなるかな
 音楽のアリアドネOp.4-第4曲前奏曲とフーガニ長調
 晩課詩篇集Op.3‐われ主に感謝せん
 音楽のアリアドネOp.4-第18曲前奏曲とフーガロ短調
 晩課詩篇集Op.3‐われは信じたり
 音楽のアリアドネOp.4-第8曲前奏曲とフーガホ長調
 晩課詩篇集Op.3‐主が建てたもうのでなければ
 音楽のアリアドネOp.4-第3曲前奏曲とフーガニ短調
 晩課詩篇集Op.3‐イェルサレムよ、主を讃めたたえよ
 音楽のアリアドネOp.4-第17曲前奏曲とフーガ変ロ長調
ヨハン・クリストフ・ペッツ(1664-1716):2台のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタト短調
フィッシャー:11.晩課詩篇集Op.3‐マニフィカト
ペッツ:二重の天才Op.1‐ソナタ第5番
フィッシャー:ロレトの連祷Op.5‐サルヴェ・レジーナ
エクスルテムス(声楽アンサンブル)
シャノン・キャナヴィン(指)
ニュートン・バロック(器楽アンサンブル)
アンドルス・マドセン(Org&指)

録音:2014年5月5-9日USAマサチューセッツ、チェストナッツ・ヒルハモンド・ストリート379チャーチ・オブ・ザ・リディーマー
※初録音
バロック時代のドイツの作曲家フィッシャー(1656-1746)の珍しい作品集。生涯についてはほとんどわかっていないものの、その作品にはリュリをはじめとしたフランス音楽の影響が現れているとされ、またこのアルバムにも収録されている「音楽のアリアドネ」はバッハの「平均律クラヴィーア曲集」の先駆的作品とも言われています。アメリカの2つの古楽アンサンブル、エクスルテムスとニュートン・バロックがコラボレーションしたこの演奏は、晩課の詩篇に、前述の音楽のアリアドネと、同時代の作曲家ペッツの器楽曲を組み合わせ、実際の祈りに即した形にし、当時の教会の雰囲気を表現しています。
TOCC-0365B03
エミール・タバコフ:交響曲全集第1集
5つのブルガリア舞曲(2011)
交響曲第8番(2007-2009)
ブルガリア国立RSO
エミール・タバコフ(指)

録音:2010年6月7-10日、2014年2月24-27日 ソフィアブルガリア国立放送
※初録音
マーラーの交響曲全集やヴェルディのレクイエムの録音などで知られる、ブルガリアを代表する指揮者エミー ル・タバコフ(1947-)の自作自演による交響曲全集のシリーズが始動します。リヒャルト・シュトラウスやマー ラーを理想とするという彼の作品は、やはり壮大であり、また人間の暗部を探っていくような執拗さを持ってい ます。今のところ、彼の交響曲は9曲ありますが、ここで最初に取り上げられたのは2007年から2009年に書 かれた「第8番」で、これは2つのゆったりとした楽章と激しい1つの楽章で構成された面白いもの。第1楽 章の冒頭は確かにマーラーやショスタコーヴィチの暗さを継承していますが、全体はわかりやすく親しみ易い曲 調です。2011年のブルガリア舞曲も懐かしいメロディに溢れた作品であり、優れた指揮者であるタバコフのサ ービス精神の表れといった、聞かせどころを心得た作品です。
TOCC-0366
NX-B03
ジョージ・フレデリック・ピント(1785-1806):ピアノとヴァイオリンのためのソナタ全集
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調(1806頃)
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ長調(1806頃)
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第3番 変ロ長調(1806頃)
藤村健史(P)
エリザベス・セラーズ(Vn)

録音:2015年7月2.3日、2016年2月16日
21歳というあまりにも短い生涯の終わりは、才能ある青年ピントから高名な作曲家になる機会を奪ってしまいました。もし、彼がも う少し長生きしていれば音楽史は変わっていたかもしれません。それほどまでに、この3曲のソナタは素晴らしい出来栄えです。祖先 にイタリアの血筋を持つピントはイングランドで生まれ、幼い頃からヴァイオリンとピアノの名手として名を馳せました。8歳で最初のコ ンサートを開催、ハイドンをロンドンに招聘したペーター・ザロモンも、彼の才能に目をつけましたが、残念ながら世に広める前にピン トはこの世を去ってしまいました。シューベルトにも匹敵するほどの優雅で端正な曲には一聴の価値があります。イギリスで活躍する 藤村健史がピアノを演奏しています。
TOCC-0367
フランチェスコ・ニコラ・ファーゴ:独唱と通奏低音のためのカンタータ集
1.ファーゴ:ソロ・カンタータ《常に甘い忘却》
2.ファーゴ:ソロ・カンタータ《こ の貧しい心》
3.シプリアーニ(1678-1753):チェロと通奏低音のための《シンフォ ニア》
4.ファーゴ:アリエッタ・ディヴェルサ《苦しめられ、傷つけられ、嘲笑われ》
5.ファーゴ:ソロ・カンタータ《どうやって生きていけば》
6.カプスペルベルガー (1580-1651):カポーナ
7.ファーゴ:ソロ・カンタータ《悲しみの涙》
8.ファーゴ: ソロ・カンタータ《私はあなたの運命がうらやましい》
9.コルベッタ(1615-1681): パルティエ・デ・チャコーネ
10.ファーゴ:アリエッタ・ディヴェルサ《苦しむ人へ のおべっか》
11.ファーゴ:ソロ・カンタータ《私は見てない》
リッカルド・アンジェロ・ストラーノ(C.T)…1.2.4.5.7.8.10.11
アンサンブル・バロッコ・デッラ・カペラ・ムジカーレ“サンタ・テレサ・デイ・マスキ”
クラウディオ・マストランジェロ(バロック・チェロ)…3
ジュゼッペ・ペトレッラ(テオルボ&バロック・ギター)…6.9
ダヴィデ・ミラノ(ヴィオローネ)…1-5.7.8.10.11
サビーノ・マンゾ(ハープシコード&ディレクター)

録音:2015年5月27-29日イタリアバーリ
※1-5.7.8.10.11…初録音
イタリア・バロックの作曲家、ニコラ・ファーゴ(1677-1745)のカンタータ集。彼の生まれた町ターラントは舞曲「タラン テラ」の発祥の地(毒グモの名の由来でもある)とも言われています。1500年頃から1800年代初頭にかけて、ナポリには 数多くの音楽院が存在し、数多くの孤児や女性を含む若者が音楽を学んでいました。ニコラ・ファーゴは音楽院の中でも、と りわけ才能ある音楽家を輩出したピエタ・ディ・トゥルキーニ音楽院の出身であり、ここの卒業生たちのほとんどは次世代の 子供たちを教え、その伝統を伝えていました。そんなファーゴは「室内カンタータ」の形式を発展させた人として知られてい ます。ここに収録されている6曲のカンタータはいずれも独唱と室内楽によるもので、生き生きとしたリズムによる魅力的 な曲ばかり。アルバムには同時代の作曲家の器楽曲を合わせ、全体が小オペラのようにに仕立てられてるところにもご注目く ださい。
TOCC-0368B03
アーノルド・ロスナー:管弦楽作品集
ピアノ協奏曲第2番Op.30(1965)
ゲマトリアOp.93(1991)
6つの田園舞曲Op.40(1968)
アダム・チェルニャクフの日記からOp.82(1986)
ピーター・ヴィノグレード(P)
ピーター・リーガート(ナレーター)
ディヴィッド・エイモス(指)LPO

録音:2005年10月19-20日ロンドンアビー・ロード・スタジオ
※初録音
ニューヨークに拠点を置き活動した現代作曲家ロスナー(1945-2013)の幾分ロマンティックな管弦楽作品集。最初のピアノ協奏曲を聞いただけでも、この曲が1965年に書かれたとは思えないほどの、親しみやすいメロディを持っていることに気がつくでしょう。大オーケストラのための作品や、時にはバンドのための作品と、数多くの曲を書いたロスナー、彼の音楽的言語は常に調和の上にあり、まるでバロック音楽を思わせるような均一なスタイルを持っています。とは言え、作品の細部に宿るモダンな音色もまた魅力的。このアルバムでも暴力的な響きと穏やかな雰囲気が同居する興味深い作品を楽しめます。
★試聴リンク
TOCC-0369
NX-B03
デイヴィッド・マシューズ(1943-):ピアノ三重奏曲全集
ピアノ三重奏曲 第1番 Op.34(1983)
ピアノ三重奏曲 第2番 Op.61(1993)
ピアノ三重奏曲 第3番 Op.97(2005)
旅する歌 Op.95(2004-2008)
レオノーレ・ピアノ三重奏団
ジェンマ・ローズフィールド(Vc)

録音:2016年2月25.26日
ロンドン生まれの作曲家マシューズの作品集。音楽的な家庭に生まれたものの、彼自身は正式な訓練を受けたわけでもなく、16 歳になるまで全く作曲する意欲もなかったのですが、1960年代に巻き起こった“マーラー・ブーム”の影響を受けて、彼の弟コリン・マ シューズと共に音楽にのめりこみ、1970年代にはコリンを中心にマーラーの「交響曲第10番」の実用版を完成させるなど、目覚し い活躍を始めます。そして熱心に勉強を始め、25歳の時に最初の作品を作曲、以降は映画音楽に至る幅広い分野の作品を書 いています。このピアノ三重奏曲集は、ショスタコーヴィチの深遠さとヴォーン・ウィリアムズの叙情的な面を併せ持つ、完成度の高い 作品です。
TOCC-0371B03
クリスティーナ・スピネイ:ダンスのための音楽集
1.From(2010)
2.Perspectives(2012)
3.Meet Me Under the Clock(2013)
4.Some Breaking(2009)
5.Bootleg Sugar Lips(2012)
6.Synched(2010)
ヴォクサールSQ…1.4
パーラ・ガルシア&ホアン・プラーナ(Vn)…2.5
アマンダ・フェルナー(Va)…2.5
アレイシャ・フェルナー(Vc)…2.5
サリ・デ・レオン・レイスト(Vc)…3
コリーン・フェルプス(マリンバ)…3
セント・ミッチェル・ストリングス…6
ホセ・セレブリエール(指)…6

録音:2009年11月8日…4
2010年12月22日…1
2012年5月13日…2.5ニューヨーク、オクターヴェン・スタジオ
2016年2月3日…3テネシー,ナッシュビルボム・シェルター
2011年10月7日…6フィンランドミッケリ,ミカエリ・ホール
1984年生まれ、アメリカ、ナッシュビルを中心に活躍する女性現代作曲家スピネイ(1984-)のダンス・ミュージック集。彼女はミニマルの要素を取り入れた脈動的な作品を書くことで知られており、このアルバムでも、切り詰めた素材で構成された密度の高い音楽が展開されています。4つの弦楽四重奏曲、チェロとパーカッションのためのデュオ、そしてオーケストラのための曲。どれもが穏やかさに満ちたある種の催眠効果をもたらす不思議な雰囲気を持っています。
★試聴リンク
TOCC-0372
NX-B03
ヘンリー・コッター・ニクソン(1842-1907):管弦楽作品全集 第1集
演奏会用序曲第3番 「賽は投げられた」(1880以降)
ロマンス Op.17(1889頃/2016マン再構築)
交響詩「パラモンとアーサイト」(1882)
アナ・テレク(Vn)
コダーイPO
ポール・マン(指)

録音:2016年6月22.26-29日
イングランドの作曲家、指揮者ヘンリー・コッター・ニクソンの作品集。存命時の19世紀終わりには高い地名度があったものの、現 在では忘れ去られてしまい、ピアノ三重奏曲など僅かな作品が目録に残っているのみの人です。彼はロンドンの音楽的な家庭に生 まれ(弟もヴァイオリニストとして活躍)、1864年に最初のコンサートを開催、教会のオルガニストを務め、また作曲活動に従事、 1880年に作曲した「ピアノ三重奏曲」が評判となり、また1882年に作曲した「パラモンとアーサイト」は、イギリスの音楽史に登場 した初めての“交響詩”としてイギリス近代音楽の記念碑的存在と見做されています。この曲集は、ロイヤル・カレッジ音楽院のニク ソン・コレクションに収蔵されているスコアを復元、演奏したもので、ヘンデルとエルガーを繋ぐ「英国のロマン派作曲家」としてのニクソ ンの姿を知る貴重な1枚です。
TOCC-0373
NX-B03
ヘンリー・コッター・ニクソン(1842-1907):管弦楽作品全集 第2集
喜歌劇《「エスガイルの魔女》-前奏曲(1895)
ピアノと管弦楽のための演奏会用小品 Op.14(1883)
メーデー:管弦楽のためのスケルツォ Op.16(1884)
海の妖精のためのダンス(1889)
演奏会用序曲 第2番「Anima et Fide」(1880以降)
フェレンツ・ナジ(ユーフォニアム)…1
イアン・ホブソン(P)…2-4
ポール・マン(指)コダーイPO

録音:2016年6月9.10.14.30日,8月30日,9月1日
初録音
イングランドの作曲家、指揮者ヘンリー・コッター・ニクソンの作品集。存命時の19世紀終わりには高い地名度があったもの の、現在では忘れ去られてしまい、ごく僅かな作品が目録に残っているのみでしたが、近年、ロイヤル・カレッジ音楽院に保存 されているスコアが復元され、少しずつ演奏されるようになりました。2007年3月にリリースされた第1集(TOCC-372)では、 古典的なスタイルに拠った音楽を聴くことができましたが、この第2集ではニクソンのオーケストレーションのすばらしさを堪能で きる作品が選ばれています。ドヴォルザークを思わせる曲調の「エスガイルの魔女」ではユーフォニアムが大活躍、また演奏会 用小品 Op.14はピアノ協奏曲の形式が用いられています。"イギリスの知られざるロマン派作曲家"ニクソン。他の作品の録 音も待たれます。
TOCC-0377
NX-B03
ハンス・ガル:クラリネットを伴う室内楽作品集
クラリネット五重奏曲Op.107(1977)*
クラリネット,ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲Op.97(1950)
セレナードOp.93(1935)*
アンサンブル・ブルレッタ〈メンバー:シェリー・レヴィ(Cl)/カタリーン・ケルテシュ(Vn)〉
ジョアン・グリーン(Vn)/ニコラ・ブレイキー(Va)/クレシダ・ナッシュ(Vc)/パヴェル・ティモフェイェフスキー(P)

録音:2015年10月4-5日、2016年4月1-2日、2016年4月18-19日
*=世界初録音
ハンガリーのユダヤ系医師を父に持ち、ブラームスの個人秘書であったマンディチェフスキに作曲を師事、ウィーン大学で音 楽学を専攻したというハンス・ガル(1890-1987)。1919年から母校で音楽理論を教え、1929年にはマインツの高等音楽学 校の校長に就任しましたが、ナチスの迫害を受け、イングランドに移住。エディンバラで職を得て、同時にエディンバラ室内 Oの指揮者にも就任、そのままイギリスで生涯を終えた作曲家です。ブラームスやレーガーと同じように、ガルも晩年 の「クラリネット五重奏」で自身の音楽観を表現しました。クラリネットの清澄な響きと豊かな弦の対話は、87歳を迎えた ガルが、これまでの激動の人生を振り返っているかのような静けさを感じさせます。ウィーン時代に書かれたセレナード、エ ジンバラに落ち着いてから書かれた三重奏曲も美しい作品です。
TOCC-0380
NX-B03
アーサー・ファーウェル(1872-1952):ピアノ作品集 第3集
ピアノ・ソナタ Op.113(1949)
シンシアへ(1942)
微笑みの小品(1914/1940改訂)
ピアノのための2つの小品 Op.106 第2番「奇妙な夢」(1942)
ティトンズで Op.86(1930)
オクターヴって何? Op.84
大地と平野より Op.20-第1番「ナバホの戦いの踊り」(1905)
ナバホの戦いの踊り 第2番 Op.29(1908)
リサ・シェリル・トーマス(P…スタインウェイ D)

録音:2016年11月24-25日
初録音
アメリカ合衆国の作曲家ファーウェルは、ネイティブアメリカンの音楽に強く魅せられ、これらの音楽を出版するために出版社を 立ち上げたという思い入れの強い人です。また神秘主義者でもあり、自作のいくつかにも象徴的な意味合いが持たされてい ます。数多くの作品を残し、その作風は多岐に渡りますが、この第3集に収録されたピアノ曲でも、ドビュッシーとスクリャービン の特徴を受け継いだような「小さな詩」や、バルトークを思わせる全音階が印象的なピアノ・ソナタなど多彩な作風を聴くこと ができます。彼が魅了されていたネイティブアメリカンの舞曲も2曲(トラックK.L)収録されています。
TOCC-0383
NX-B03
ヨーゼフ・ヴェルフル(1773-1812):ピアノ作品集 第1集
序奏とフーガに先行されるソナタ ハ短調 WoO 113
ピアノ・ソナタ ロ短調 Op.38
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op.27-2
アダルベルト・マリア・リーヴァ(P)

録音 2016年7月5-6日
ザルツブルクに生まれ、レオポルド・モーツァルトとミヒャエル・ハイドンに音楽を学び、幼いモーツァルトとも面識があったというヨーゼフ・ ヴェルフル。ウィーンではベートーヴェンのライバルと見做されるも、「ピアノの対決」で敗北を喫してしまい、ウィーンを離れることとなりま した。その後はパリを経由してロンドンに行き、1805年に演奏会を開き、一応の成功を収めたことで、この地に定住、1812年に生 涯を終えました。彼の作品はモーツァルト、ハイドン、クレメンティの影響を受けていますが、使われた音の多彩さからは、もちろんベー トーヴェンやシューベルトに先立つ古典派の様相も感じることができます。彼の作品は現在に至るまでほとんど演奏されることはあり ませんでしたが、ようやく最近になって少しずつ耳にする機会が増えてきました。TOCCATAレーベルではピアノ曲全曲シリーズの録 音プロジェクトを立ち上げ、この作曲家の復興を試みます。
TOCC-0385
NX-B03
バウエル(1936):チェロのための作品集
チェロ協奏曲 第2番(2013)…初録音
3つのプリミティヴ(1987)…初録音
1楽章のソナタ(1982)
ほぼ古い様式によるパッサカリア(2002)
This(2006)…初録音
アンジェイ・バウエル(Vc)
ヤン・クシシュトフ・ブローヤ(P)
マレク・モシ(指)
アウクソ・ティヒ室内O

録音:2013年11月14日
2013年12月18.20日
ルトスワフスキとパヌフニクの「次世代の作曲家」の一人、1936年生まれのイェルジ・バウエルのチェロ作品集。彼の息子アンジェイ が素晴らしいチェリストであるためか、バウエルは積極的にチェロのための作品を発表しています。その作品はモダンでありながら、チェ ロにはたっぷりと旋律が用意されており、チェロが「歌う楽器」であることを再認識させてくれます。この録音ではもちろんアンジェイがソ ロを務めており、作品の魅力を極限まで伝えることに成功しています。
TOCC-0387
NX-B03
コリン・トゥイッグ(1960-):室内楽作品集
ハイドンの主題による幻想的変奏曲(2009)
弦楽三重奏曲(1996)
ピアノ三重奏曲(2004)
弦楽四重奏曲 第1番「フクヴァルディへのオマージュ」(1997)
ピアノ四重奏曲(2004)
ブリッジSQ
モンペリエ弦楽三重奏団
コリン・トゥイッグ(Vn)
マイケル・スコフィールド(Va)
ルーシー・ワイルディング(Vc)
竹ノ内博明(P)

録音:2016年6月2-3日
初録音
英国のヴァイオリニスト、作曲家コリン・トゥイッグの作品集。彼は1978年に開催された「BBC Young Musician of the Year competition」のファイナリストとして注目を集め、以降はオーケストラと室内楽奏者として活躍しています。 幼い頃、父がピアノで演奏するバッハとシューベルトの「未完成交響曲」を聴いて感銘を受けたというトゥイッグ。自身の作品も過去 の作曲家へのオマージュが多く、どれも親しみやすい雰囲気を持っています。ピアノ三重奏曲と四重奏曲では日本気鋭のピアニス ト、竹ノ内博明が参加しています。
TOCC-0388
NX-B03
スティーヴンソン:ピアノ作品集 第2集
フランク・メリック(1886-1981):ヘブリディーズ諸島の海の風景
(R.スティーヴィンソン編)(1935/1986)
3つのスコットランドのおとぎ話(1967)
カーライル組曲(1995)*
ロリー・ドール・モリソンのハープ・ブック(1978)
3つのスコットランドのバラード(1973)*
サヴォウルナ・スティーヴンソン(1961-):盲目のハープ奏者のためのラメント(R.スティーヴィンソン編)(1986)
クリストファー・ギルド(P)

録音:2016年6月5.12日
*以外=初録音
ランカシャー州で生まれスコットランドで活躍したピアニスト、作曲家スティーヴンソン。難解でひねりの効いた作品で知ら れ、とりわけショスタコーヴィチをリスペクトした「DSCHによるパッサカリア」は80分に及ぶ長さと超絶技巧が駆使されてい ることで「演奏困難な作品」として知られています。 このアルバムに収録されているのは、どちらかというと民族音楽寄りの作品。もちろん超絶技巧は用いられているものの、 比較的穏健な作風による、少しだけ耳に優しい曲が多く含まれています。メインとなる「カーライル組曲」はスコットランド の歴史家トーマス・カーライルの妻ジェーンを題材にした作品。ショパンの作品をモティーフにしながらも、バッハが現れた り、ドビュッシー風なメロディが出てきたりと、多くの仕掛けが施されています。

TOCC-0390
NX-B03
アントン・エーベルル(1765-1807):ピアノとヴァイオリンのための3つのソナタ集
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 Op.35(1790年以前)
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ヘ長調 Op.49(1805)
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 Op.50(1805)
カン・ヒジョン(P)
ホン・ダヨン(Vn)

録音:2016年7月25-28日
少年時代より優れたピアニストとして頭角を現していたというエーベルル。9歳年上のモーツァルトに才能を認められて弟子入 りし、長らく友人関係を保ちました。そのためか、彼の作品はモーツァルトの名前で出版されたものが多いことでも知られていま す。古典派の様式を持ちながらも、自由な形式で書かれた作品は非常に聴衆に好まれ、一時期はベートーヴェンの交響曲 よりも人気が高く、ハイドンもエーベルルの曲を好んでいたと言われています。18世紀から19世紀への転換期に書かれた3曲 のヴァイオリン・ソナタは、すでにロマン派の様式を感じさせる自由な作風を持つ美しい作品です。
TOCC-0391
NX-B03
ファン・カバニリェス(1644-1712):鍵盤作品集 第1集
第1旋法によるトッカータ 第1番
第1旋法によるパッサカリア 第2番
第4旋法によるトッカータ 第4番
偽第4旋法によるティエント第12番(T.ロバーツによる復元版)
第1旋法による左手のためのティエント第31番(T.ロバーツによる復元版)
第5旋法によるティエント・リレーノ 第82番
第2旋法による左手のためのティエント第9番(T.ロバーツによる復元版)
第5旋法による右手のためのトッカータ
第4旋法によるティエント第63番(T.ロバーツによる復元版)
第1旋法によるティエント第55番
第4旋法によるティエント第16番(T.ロバーツによる復元版)
ティモシー・ロバーツ(Org)

録音 2016年4月5-7日
17世紀始め、フレスコバルディが数多く作曲した“オルガンやチェンバロのための作品”は、当時の宗教曲とは全く違う、即興的要素 を多分に盛り込んだ新しい様式の作品として、広く人気を集めました。この流れはイタリアだけでなくスペインや他の国にも影響を与 え、17世紀後半に活躍したカバニリェスも「スペイン的な要素」を盛り込んだ幻想的でカラフルなバロック様式の作品を数多く作曲し ています。一説によるとカバニリェスは「全ての作曲家の中で、最も多くのオルガン作品を書いた」とされ、1927年に始まった彼のオル ガン作品全集の出版は未だ継続中。ただし、カタルーニャ図書館に残存している原稿の一部は状態が悪く、大規模な研究や再 構築が必要になるとも言われています。未知の作品を探す喜びをもたらすTOCCATAレーベルならではのシリーズです。
TOCC-392
NX-B03
クシェネク(1900-1991):ピアノ協奏曲集 第2集
ピアノ協奏曲 第4番 Op.123(1950)(初録音)
2台のピアノのための協奏曲 Op.127(1951)(初録音)
ヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲 Op.124(1950)(初録音)
ピアノとオルガンのための小協奏曲 Op.88(1940)
ミハイル・コルジェフ(P)
エリック・ヒューブナー(P)
ヌリト・パヒト(Vn)
エイドリアン・パーティントン(Org)
イギリスSO
ケネス・ウッズ(指)

録音:2016年9月5-7日
オーストリアで生まれ、ドイツ語を話すチェコ系の家庭で育った作曲家クシェネク。第一次世界大戦時には徴兵されたも のの、その非凡な才能を生かし音楽の研究を続けることでウィーンに留まることを許されたほどの天才でした。一時はマー ラーの娘、アンナと結婚していたことでも知られています。 ナチスに迫害され、アメリカに亡命した後も音楽教師として活動を続け、1945年には正式にアメリカに帰化、数多くの 作品を残しています。ピアノ協奏曲は7曲ありますが、その内訳は4曲の独奏用、2台ピアノ用、ヴァイオリンとピアノの二 重協奏曲、オルガンとピアノと音色も多彩。どれもウィーンの伝統を踏まえ、荘厳なオーケストレーションが施された魅惑 的な作品です。
TOCC-0393
NX-B03
D.H.ジョンソン:管弦楽作品集第1集
交響曲第9番嬰ハ短調 Op.295(2012)
コミュニオン・アンティフォン 第14番 Op.359(2016)
モテット 第2番 Op.257-2(2009)
ロイヤル・リヴァプールPO
ポール・マン(指)

録音:2016年12月6.7日
初録音
イギリスの「知られざる作曲家」といえば、まずはハヴァーガル・ブライアンの名が挙げられるかもしれません。長大な第1番 を始め、30曲以上の交響曲を作曲したにもかかわらず、生前は全く無視されていた人ですが、このハックブリッジ・ジョン ソンはブライアンを上回るほどの「知られざる作曲家」と言えるのではないでしょうか。11歳で作曲をはじめ、交響曲、管 弦楽曲、室内楽曲、夥しい数の声楽曲、合唱曲を書いていますが、残念ながらほとんど演奏されることはありませんでし た。しかし2001年にイギリスの「新音楽推進協会」の作曲家に就任したことで、ようやくその作品の演奏機会が増えて きました。彼の何曲かのピアノ曲は、日本のピアニスト楠千里によって演奏されましたが、75分にわたる長大なピアノ曲 (数多くの作曲家の旋律が散りばめられたオマージュ)はまだ演奏されていないようです。また、彼はスコットランドのピア ニスト、作曲家スティーヴンソンの友人でもあり、コラボレーションも積極的に行っています。 このアルバムには21世紀になって作曲された3つの作品を収録。ジャンルを超えた音楽が聞き手を魅了します。
TOCC-0396
NX-B03
デイヴィッド・ゴートン(1978-):ダウランドによる変奏曲
ダウランド:歌曲集 第2巻 - 涙のパヴァーヌ(流れよ、わが涙)(D.ゴートンによる弦楽アンサンブル編)
ゴートン:ラクリメ変奏曲
トーマス・モーリー(1557-1602):パヴァーナとガリアルダ(D.ゴートンによる弦楽アンサンブル編)
ダウランド:ファーロン・ホープのファンシー(S.オステルシェーによる11弦ギター編)
ゴートン:ファーロン・ホープ
ダウランド(W.バード編纂):涙のパヴァーヌ(D.ゴートンによる弦楽アンサンブル編)
ステファン・オステルシェー(11弦ギター)
ロングボウ
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(指)


録音:2015年6月25日、2016年3月16日 、2015年8月13-14日
初録音
ダウランドの「涙のパヴァーヌ」は1600年代におけるイングランドのヒット曲でした。この曲をモティーフにヨーロッパ各地の音 楽家が独自のヴァージョンを作ることで爆発的に広まりました。 そして400年後、イギリスの現代作曲家ディヴィッド・ゴートンが「涙のパヴァーヌ」の新しいヴァージョンを作り、聞き手の前 に披露します。オリジナルのリュートの響きを弦楽合奏に増幅したり、11弦ギターで全く新しい響きを追求してみたりと、 様々な試みがなされていますが、どの曲も決してダウランドらしさを失うことはありません。
TOCC-0397
NX-B03
オルランド・ディ・ラッソ(1532-1594):5声のレクイエム/モテット集
1.私は復活であり(プレーンチャント)
2.私の心は死ぬほど悲しい
【5声のレクイエム】
3.Requiem aeternam
4.Kyrie eleison
5.モテット「主よ、私の罪は」
【5声のレクイエム】
6.Absolve Domine
7.Domine Jesu Christe
8.Hostias
9.モテット「たくさんの兄弟たち」
【5声のレクイエム】
10.Sanctus-Benedictus
11.ジョン・ベネット(1725-1784):嘆きたまえ、わが眼よ
【5声のレクイエム】
12.Agnus Dei
13.Lux Aeterna
14.モテット「わが声をきけ」
15.モテット「キリストよ、汝はたたえられん」
16.マーゴットはぶどう畑を耕す
17.モテット「あなたに向けてわが魂を」
ケンブリッジ・ガートン大学cho…1.3-4.6-10.12.13.14.17
ロンドン・ギルドホール・ヒストリック・ブラス…2-8.10.12.13.14.17
ルーシー・モレル(Org)…3-4.6-8.10-13.16.17
ガレス・ウィルソン(指)

録音:2016年7月3-6日
5.9.17…初録音
2.3-5.11.14…このヴァージョンにて初録音
後期ルネサンスのフランドル楽派に属する作曲家オルランド・ディ・ラッソ。16世紀末のヨーロッパにおいて、最も影響力の強かった 作曲家とされ、1570年には神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン2世から貴族に取り立てられるほど名声を博していました。彼はほ ぼ60曲のミサ曲を遺しましたが、この「5声のレクイエム」はほとんど演奏されたことがありません。ここでは金管を伴う初の演奏が行 われており、とりわけサックバットの深く落ち着いた音色が作品を彩っています。レクイエムの進行には同じく死を悼むための数々のモ テットが織り込まれるという構成で演奏されています。
TOCC-398
NX-B03
ジョン・ジュベール(1927-):オルガン作品集
殉教による熟考 Op.141(1997)(初録音)
賛美歌「オールド・ハンドレッドス」による前奏曲 Op.15(1955)(初録音)
イギリスの賛美歌による6つの短い前奏曲 Op.125(1990)
ピカルディによる前奏曲 Op.55(1967)
.ヨークによる前奏曲 Op.152(2004)(初録音)
退場の賛美歌 Op.135(1998)
パッサカリアとフーガ Op.35(1961)
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2016年8月10.11日
ケープタウンに生まれ、1940年代から1950年代にかけてロンドン王立音楽アカデミーで学び、イギリス国籍を取得した 作曲家ジョン・ジュベール。幼い頃は画家を志していたという彼の作品は、どれも独特なメロディと刺激的な感性に彩ら れた印象的な味わいを有しています。このアルバムは2017年、90歳の誕生日を記念して制作されたオルガン作品 集。どの曲もJ.S.バッハの伝統を踏まえた上で独自の作風を持っており、ジュベールの「宗教曲作曲家」としての矜持が 示された曲集となっています。

TOCC-0400
NX-B03
スティーヴ・エルコック(1957-):管弦楽作品集 第1集
交響曲 第3番 Op.16(2005-2010)
Choses renversees par le temps ou la destruction-時間や破壊によって逆転するもの Op.20(2013)
祝典序曲 Op.7(1997)
リチャード・ケイシー(Cemb)
ポール・マン(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音:2017年5月5.6日
全て初録音
英国の作曲家エルコックの作品集第1集。10代から個人的に作曲を始めたエルコックですが、音楽界には足を踏み入れる ことなく、ただ一人で荘厳な交響曲のスタイルを作り上げたました。シベリウスやニールセン、ブライアンなど過去の伝統を踏 襲しながらも、第3交響曲での激しいエネルギーの放出など、予想もつかない展開を見せることもあり、片時も耳を離すこと ができません。暴力的な響きの中でチェンバロが古典的なメロディを奏でる「Choses renversees〜」、明るく開放的な 「祝典序曲」と様々なスタイルを味わうことができます。
TOCC-0402
NX-B03
イーヴェン・スタンコヴィチ(1942-):ヴァイオリンとピアノのための作品集
ヴェルホーヴナ高原にて-三部作(1972)
ソナタ・ピッコラ(1977)
ウクライナの詩曲(1977)
天使のタッチ(2013)*
詩曲-献呈(2008)
朝の音楽(2006/2016)
ロマンス(A.ヴィノクロフ編)(1970年代)
マイダン・フレスコ(2014)
ソロミア・ソロカ(Vn)
アーサー・グリーン(P)

録音:2016年5月27.29日、6月10日
*以外=全て初録音
ウクライナ生まれのイーヴェン・スタンコヴィチは、現代ウクライナにおける最も重要な作曲家として多くの賛辞を得ていま す。彼はキエフ音楽院でボリス・リャトシンスキーとミロスワフ・スコリクから作曲を学び、10曲以上の交響曲(室内交響 曲含む)、6つのバレエ、3つのヴァイオリン協奏曲、室内楽曲、そして映画音楽などを作曲しました。また1998年から はキエフ音楽院の作曲家の教授も務め、後進の指導にあたっています。彼の作品には「ロシア・アヴァンギャルト」のよう な前衛性も、強制された「国家への忠誠心」もあまり感じられません。このヴァイオリン作品集も、大半の曲がシマノフス キのような叙情性を帯びています。しかし、2014年に作曲された「マイダン・フレスコ」だけは、その前年、キエフの広場で 市民たちが抗議運動を行った際の情景を描いた特異な作品。悲しみ、怒号飛び交う衝撃的な音は、ウクライナの人々 に強い共感と涙をもたらしました。 11.一日の始まり
TOCC-0404
NX-B03
オルランド・ディ・ラッソ:聖務週間日課のためのレスポンソリウム マルコ・ベッリーニ(指)
アルス・カンティカ

録音:2003年1月13-15日
比較校訂版による初録音
1580年頃、ディ・ラッソ(ラッスス)が、当時の彼の雇用主であったとされるバイエルン公アルブレヒト5世の宮廷における礼拝堂の聖務週間のために作曲したレスポンソリウム集。独唱者と合唱が交互に歌う形式で、その少し前まで白熱していた『トリエント公会議』の制約(例えば“歌詞の聞きとれない音楽は書いてはいけない”など)を守ったテキストが用いられています。復活祭の物語と人間の悲劇が絶妙な音楽で描かれた名作を、最新の比較校訂版による演奏で。
TOCC-0406
NX-B03
フアン・カバニリェス(1644-1712):鍵盤のための音楽集 第2集
第5旋法によるティエント・リエーノ 第65番
第8旋法による足鍵盤付きティエント 第109番
第6旋法によるトランペット・ストップ付きティエント 第126番 (右手のための)…初録音*
第1旋法によるアヴェ・マリア・ステラのベルソ 第61番…初録音
第1旋法による右手のためのアヴェ・マリア・ステラのティエント 第4番…初録音*
第1旋法によるアヴェ・マリア・ステラのベルソ 第62番…初録音
偽第5旋法によるティエント第15番
第3旋法による左手のためのティエント 第97番…初録音*
第4旋法による11のベルソ…初録音
第4旋法による2声のティエント 第42番…初録音*
第5旋法によるティエント・リエーノ 第16番
第8旋法によるティエント・リエーノ 第24番
第4旋法によるパッサカリア 第4番
第3旋法によるティエント・リエーノ 第10番
*=ティモシー・ロバーツによる復元版
ティモシー・ロバーツ(Org)、(オルガン:ゲルハルト・グレンツィングによる17世紀復元モデル)、(ハープシコード:マイケル・ジョンソンによる17世紀フレーミシュスタイル復元モデル)

録音:2017年5月30-31日 バレンシア、ビラ=レアル、サン・ジャウマ教会、2006年8月20日 マドリッド、ナバルカルネロ、サンホセ教会、2015年11月17日 Fontmell Magna, Dorset
スペイン・バロック期のオルガニスト、カバニリェス。バレンシア聖マリア大聖堂の首席オルガニストとして尊敬を集め、最終的に は司祭に任命されたこともあり、彼を「スペインのバッハ」と呼ぶ人もいます。同時期に北ヨーロッパで活躍したブクステフーデと も比較されますが、カバニリェスの作品の多くはスペインの様式に則った「ティエント(厳格な対位法を用いつつ、華やかな技 巧も駆使する曲)」であり、どれも装飾的でオルガンの特性を存分に生かしています。またカバニリェスは全ての作曲家の中 でも「最もオルガン曲を多く作曲した」人と言われており、1927年に始まった彼のオルガン全作品の出版はまだ進行中です。 ティモシー・ロバーツは作品によって2種類のオルガンとハープシコードを弾き分け、魅力を引き出しています。
TOCC-0408
NX-B03
アーノルド・ロスナー(1945-2013):室内楽作品集
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.18(1963/2004年改訂版)
ダンス・ア・ラ・モード Op.101(1994)
ファゴット・ソナタ Op.121(2006)
チェロ・ソナタ 第2番「ラ・ディヴィーナ・コメディア」Op.89(1990)
カーティス・マコンバー(Vn)
マーガレット・カンプマイヤー(P)
マイキシン・ニューマン(Vc)
デイヴィッド・リッチモンド(Fg)
カーソン・クーマン(P)

録音:2015年6月11日
2016年8月26.29.30日
以前リリースされた交響曲第5番(8.559347)や、ピアノ協奏曲などの管弦楽作品ではかなりロマンティックな書法を見せていたロス ナー。室内楽曲でもその筆致は冴え渡っています。活動の初期に書かれたヴァイオリン・ソナタ第1番は、平易で軽やかな新古典派風の 作品。第1楽章での軽やかなリズム、抒情的な第2楽章、技巧的な第3楽章と、ソナタ形式の基本を押さえています。民謡風の味わい を持つ「ダンス・ア・ラ・モード」、ダンテの神曲からヒントを得たという「チェロ・ソナタ」、落ち着いた風情を持つ晩年の「ファゴット・ソナタ」と、 幅広い音楽を聴くことができます。
TOCC-0410
NX-B03
エミール・タバコフ(1947-):交響曲全集 第2集
交響曲 第1番(1981-1982)
ヴィオラ協奏曲(2007)
アレクサンドル・ゼムツォフ(Va)
エミール・タバコフ(指)
ブルガリア国立放送SO

録音:2009年9月22.24.26.28日、2014年3月12-14日
指揮者としても活躍するブルガリア出身のエミール・タバコフ。彼が愛する後期ロマン派の作曲家、マーラーやリヒャルト・シュトラウスの足跡 を辿るかのように、タバコフも大規模な作品を次々と発表、現在では9曲の交響曲を発表するまでになりました。彼の作品は、マーラーの ように強力で叙事詩的であり、人間の暗い側面にもつぶさに光を当てています。それは1980年代に書かれた第1番の交響曲から顕著 で、冒頭から迫力に満ちた音楽が展開され、息つく暇もありません。2007年のヴィオラ協奏曲も迫力ある音で構成されており、暴力的 なエネルギーが炸裂するかと思えば、荒涼とした世界が広がる、まるでショスタコーヴィチの作品のような様相を見せています。どちらもタバ コフ自身の指揮による演奏です。
TOCC-0413
NX-B03
ジョン・ピッカード(1963-):歌曲集
ビニョンの歌(2010-2012)
不死鳥(1992)
眠りの境界(2000-2001)
ロードリック・ウィリアムズ(Br)
イヴ・ダニエル(S)
サイモン・レッパー(P)
録音:2017年1月7日、2017年1月8日
初録音
現代イギリスを代表する作曲家の一人、ジョン・ピッカード。強靭な作風による作品が多いためか、主として管弦楽作品が知 られていますが、このアルバムに収録されているような小さな編成の作品も、独自のドラマ性を備えており、聴き応えの多いも のです。テキストに選ばれているのは20世紀前半に活躍した2人の詩人、ローレンス・ビニョンと エドワード・トーマスの詩であり、どちらも第一次世界大戦の悲痛な影と、自然への賛美が表現されています。 ピッカードはこれらの詩を丁寧に音楽と融合させ、美しいピアノの伴奏を付けて絶妙な作品に仕立てています。
TOCC-0414
NX-B03
マルティヌー:初期管弦楽作品集 第3集
Vanishing Midnight 消えゆく真夜中(1922)…初録音
バラード(ベックリンの絵画「海辺の邸宅」より)(1915頃)…初録音
過ぎ去った夢(1920)
アグニェスカ・コパチカ(P)
イアン・ホブソン(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア

録音:2014年11月25.26日、2017年1月17.18日
6曲の交響曲をはじめ、400作以上の作品を残したマルティヌー。あまりにも作品数が多いため、未だ全貌がつかめていない 作曲家の一人です。このToccataのシリーズは、マルティヌーがチェコからフランスへ留学した頃の20〜30歳代に書かれた 「初期の作品」の光を当てています。第3集のメインとなるのはマルティヌー32歳の作品「オーケストラのための3部作:消えゆく 真夜中」です。50歳を過ぎて「交響曲第1番」を完成させたマルティヌーですが、この「消えゆく真夜中」は番号なしの交響 曲と呼べるほどに、充実した内容とパワフルなエネルギーを有しています。他には瞑想的な「バラード」、華やかな「過ぎ去った 夢」の2曲が収録されています。
TOCC-0412
NX-B03
ナイジェル・クラーク(1960-):シンフォニック・ウィンズのための音楽集
コルネット協奏曲「水平線の謎」(2012)
交響曲 第1番「A Richer Dust」(2014)
ハーメン・ヴァンホーン(コルネット)
H スティーヴン・スミス(ナレーター)
リード・トーマス(指)
ミドルテネシー州立大学ウィンド・アンサンブル

録音:2015年4月13日、2017年2月7日
英国の作曲家ナイジェル・クラークは、もともとコルネット奏者として活躍をはじめ、22歳の時にロンドンの王立音楽アカデミーでポール・パ タースンに作曲を学びます。26歳までの在学中に数多くの賞を獲得し名声を高めましたが、彼の名を一躍高めたのは、1994年にブラッ ク・ダイク・ミルズ・バンドのコンポーザー・イン・レジデンスを務めたことでしょう。以降、吹奏楽作曲家の頂点に立つ人の一人として世界中 のファンから嘱望されています。このアルバムには、クラークが得意とするコルネットのための協奏曲「水平線の謎」と、2014年に作曲された 交響曲第1番「A Richer Dust」が収録されています。明るく華麗なコルネット協奏曲に比べ、交響曲は暗く重苦しい雰囲気を持ち、 人類史において絶え間なく繰り返される暴力と過激主義についての音楽的考察がなされています。
OCC-0416
NX-B03
メラルティン:スウェーデン語のテキストによる歌曲集
4つのルーネベリの詩による歌曲
5つのヘメルの詩による歌曲
タゴールの歌 Op.105
ヘドヴィグ・パウリグ(S)
イルモ・ランタ(P)
ヤン・セーデルブロム(Vn)

録音:2015年2月2-4日
フィンランドの後期ロマン派時代に活躍した作曲家メラルティン。若い頃にウィーン音楽院に留学し、ロベルト・フックスに作曲 を学び帰国。ロシアとの国境に近いヴィープリで指揮者として3年間ほど活躍。その後はヘルシンキで長らく教職にありました。 交響曲やピアノ曲も残しましたが、250曲以上を数える歌曲は、その独特な雰囲気で異彩を放っています。テキストはフィン ランド語だけではなく、ドイツ語であったり、このアルバムのようなスウェーデン語によるものなど様々であり、曲調もドイツ後期ロ マン派風、フランス印象派風、清冽なシベリウス風など多岐に渡り、メラルティンの多彩な作風が感じられます。
TOCC-0419
NX-B03
カルク=エーレルト(1877-1933):ピアノとオルガンのための作品集と編曲集
シベリウス:劇音楽「ペレアスとメリザンド」(カルク=エーレルトによるハルモニウムとピアノ編)…初録音
カルク=エーレルト:詩曲 Op.35(1906-1907)…初録音
シルエット Op.29(1906)…初録音
シベリウス:アンダンテ・カンタービレ 変ホ長調 JS30b(1887)
アンニカ・コントリ=グスタフソン(P)
ヤン・レヘトラ(Org)

録音:2016年10月5-7日
19世紀、家庭で音楽を演奏することが流行した時、裕福な家庭にはまずピアノが持ち込まれましたが、次に人気を獲得したのは ハルモニウムでした。シベリウスの「アンダンテ・カンタービレ」は2種類の楽器を所有していた親戚の家を訪問した際、その音色に魅 了され作曲された小品です。対照的にカルク=エーレルトは、この2種類の楽器を完璧にマスターしており、アルバムに収録された 一連の作品も、自身のコンサートで演奏するために作曲(編曲)されています。今ではあまり耳にすることのないハルモニウムの響 きをお楽しみください。
TOCC-0421
NX-B03
フリードリヒ・ドッツァウアー(1783?1860):フルートとオーボエ四重奏曲集
フルート,ヴァイオリン,ヴィオラとチェロのための四重奏曲 第3番 ホ長調 Op.57(1822)
オーボエ,ヴァイオリン,ヴィオラとチェロのための四重奏曲 ヘ長調 Op.37(1815)
フルート,ヴァイオリン,ヴィオラとチェロのための四重奏曲 イ短調 Op.38(1816)
アンサンブル・ピラミッド
「メンバー」
マルクス・ブレンニマン(Fl)
バーバラ・ティルマン(Ob)
ウルリケ・ヤコビ(Vn)
ムリエル・シュヴァイツァー(Va)
アニタ・イェーリ(Vc)

録音:2017年7月4日、2017年7月5日、2017年7月6日
現在、ドッツァウアーの名前はチェロのための「113の練習曲」で知られています。世界中のチェロを学ぶほとんどの人が用いる とされるこの教則本は、ドッツァウアーが並ぶもののないチェロの名手であったことを伝えています。しかしドッツァウアーはチェロの 技術のみに長けていたわけではなく、作曲家としても数多くの作品を残しました。このアルバムに収録された四重奏曲は、 モーツァルトを思わせる品の良さを持つとともに、独奏楽器には高い技術が求められた見事な作品です。
TOCC-0422
NX-B03
ブロムヘッド(1945-):管弦楽作品集
A Lay for a Light Year(2014)
ヴァイオリン協奏曲(2008)
交響曲 第2番(1994)
アラン・スメイル(Vn)
コールマン・ピアース(指)
アイルランド国立SO

録音:2014年11月2-4日
非常に活力に満ちた3つの作品。これらを作曲したのはアイルランドの作曲家ジェローム・ド・ブロムヘッド。アイルランド王立音楽院 で学び、ダブリンではセオアーズ・ボドリーに師事、ギタリストとしても活動した人です。宇宙の規模とエネルギーを示唆した「A Lay for a Light Year」の爆発的な音楽、エレガントで抒情的な雰囲気とストラヴィンスキーを思わせる激しさが同居する「ヴァイオリン 協奏曲」、広大な空間感覚を提示する「交響曲第2番」はどれもコンサート向きの華やかさを持っています。
TOCC-0424
NX-B03
アーノルド・グリラー(1937-):管弦楽作品集 第1集
小Oのための協奏曲「アンサンブル・セブンティーン」(2001)
クラリネットと弦楽オーケストラのための協奏曲(2014)
遠い村(2002/2011改訂)
デニス・ミャニスニコフ(Cl)
アレクサンダー・ウォーカー(指)
ムジカ・ヴィーヴァ室内O

録音:2017年2月28日/3月5-6日
イギリスの世界的名ヴァイオリニスト、シドニー・グリラーを父に持つ作曲家アーノルド・グリラーの作品集。幼いころからたくさん の音楽家たちに囲まれて育ったグリラーはマンチェスターの王立音楽大学で学び、その後はカリフォルニア留学しダリウス・ミ ヨーに師事。また同じ頃にはエルネスト・ブロッホに出会い強い影響を受けました。エキサイティングな楽想と情緒豊かな楽 想がバランス良く配置された個性的なグリラーの作品は、どれも個性的でユニーク。 師ミヨーやストラヴィンスキーを思わせる強烈なリズムが聞こえてくるかと思えば、スカルラッティのようなバロック風のスタイルを 用いた作品まで、アイディア豊かな曲が並びます。
TOCC-0425
NX-B03
ファン・アンルン(1949-):ピアノ作品集
2つの前奏曲 Op.5(1971)
バレエ「敦煌の夢」Op.29から3つの抜粋[ペルシアの踊り/羽を付けた男たち/.天上の音楽家たち]
4つの大きな前奏曲とフーガ Op.68(2008)
バレエ「小さなマッチ売りの少女」Op.24(1977)より「マッチ売り」
ロン・シン(P)

録音:2017年1月9-11日
1949年広州に生まれ、1986年以来トロントに住む作曲家ファン・アンルン。彼の作品は西洋と東洋の融合であるととも に、ヨーロッパ文化への憧れも強く感じさせます。1971年の「2つの前奏曲」はショパンやラフマニノフを思わせる美しい曲。第 2番には中国風の香りも漂っています。軽やかで優雅な雰囲気を持つバレエ曲「敦煌の夢」は敦煌の古代洞窟に描かれた 壁画からインスパイアされた作品。4つのプレリュードとフーガは自由な前奏曲と厳格なフーガが見事な対比を醸しています。 最後の「マッチ売り」は悲痛な中にも可愛らしさを持つ小品。香港の若きピアニスト、ロン・シンが共感たっぷりの演奏です。
TOCC-0426
NX-B03
ヨーゼフ・シェルプ(1894-1977):管弦楽作品集 第1集
Movimento I 動き I(1969)
オーケストラのための音楽 第3番(1972)
オーケストラのための音楽 第4番(1972)*
ポール・マン(指)リエパーヤSO
パヴェル・バレフ(指)バーデン・バーデンPO*

録音
2014年12月12日 Weinbrennersaal, Kurhaus, Baden-Badenライブ
2017年6月12-14日
20世紀に活躍したドイツ人作曲家の中では、全くその名が知られていないヨーゼフ・シェルプ。彼はジュネーヴで音楽を学び 「リストの弟子」としての華麗な経歴をスタート。同時にフライブルク音楽院の教師としても活躍、第一次世界大戦中には作 曲家としての名声も勝ち得ていました。しかし1942年に爆撃によって初期の作品が全て消失。一時は落胆したものの、そ の後復帰。ヒンデミットを思わせる新古典的な作品や、バルトーク風の力強い曲を次々発表。82歳で亡くなるまで、その創 作意欲は衰えることがありませんでした。この第1集には晩年に書かれた3つの作品を収録。どこか懐かしい曲想を持つ「オー ケストラのための音楽」が聴きどころです。
TOCC-0430
NX-B03
ヘレン・ホープカーク(1856-1945):ピアノ作品集
アイノナの思い出集(1902-1907)
ロマンス イ短調(1885)
セレナード 嬰へ長調(1891)
5つのスコットランド民謡(抜粋)(1919)
 Sundown 日没(1905)
 セレナータ組曲-第1曲 Maestoso(1918)
ピアノのための組曲(1917)
ワルツ嬰へ長調(1915-1920頃)
ピアノのための2つのコンポジション-第1曲「影」(1924)
Robin Good-Fellow(1922)
2つの音画(1929-1930)
ゲイリー・スティーガーウォルト(P)

録音:2016年6月20-22日
全て初録音
19世紀末のスコットランドを代表する女性ピアニストの一人、ヘレン・ホープカーク。1897年にはボストンに移住し、優れたピアノ教 師として後進の指導にあたると共に、数多くのサロン風の上品な作品を遺しました。初期の作品はブラームスの影響が感じられる ものの、彼女の創作の源は常に母国スコットランドにあり、後期になるに従って印象派風の作風とスコットランドの民族音楽が融合 された独自の音楽を聴く事ができます。 ピアニスト、スティーガーウォルトは妻であるダナ・ミュラーとともにホープカークの研究者で、これまでに伝記を執筆、また積極的にコン サートでホープカークの作品を演奏し、作品の普及に努めています。
TOCC-0432
NX-B03
リスト:交響詩集 第3集
アウグスト・シュトラーダル(1860-1930)によるピアノ独奏編曲集
交響詩 第11番「フン族の戦い」 (1856-1857)
交響詩 第7番「祭典の響き」(1853)
交響詩 第5番「プロメテウス」(1850)*
交響詩 第6番「マゼッパ」(1851)
リスト=マッティ・マリン(P)

録音:2016年8月24日、2017年5月29.30日
リストが作曲した13曲の交響詩は、全てが作曲家自身の手で2台ピアノ用に編曲されていますが、チェコ出身でリストの弟 子として活躍したシュトラーダルは、師の作品を「ピアノ独奏用」に編曲。左手パートの増強や過剰な装飾などの「音の多さ」 では、リストの原曲を遥かに凌駕するため、演奏も至難を極めます。 第3集の4曲の中でも注目は「マゼッパ」でしょう。リスト自身がこの作品には強い愛着を示し、14歳の時に書かれた「原型」 でもある練習曲は様々に姿を変え、1851年には「超絶技巧練習曲」と壮大な管弦楽曲の2パターンが作られました。この シュトラーダル版は管弦楽版を編曲したもので、耳慣れた「マゼッパ」とは全く違う作品に聞こえます。第1集から全ての交響 詩に取り組むリスト=マッティ・マリンの演奏です。
TOCC-0433
NX-B03
ハンス・ガル:室内楽作品集 第3集
ピアノ四重奏曲 変ロ長調 Op.13(1914)
ヴァイオリンとピアノのための3つのソナチネ Op.71(1956)
第1番 ト長調 Op.71-1
第2番 変ロ長調 Op.71-2
第3番 ヘ長調 Op.71-3
ソナチネ ヘ長調(1934)
カタリン・ケルテシュ(Vn)
ニコラ・ブレイキー(Va)
クレッシダ・ナッシュ(Vc)
サラ・ベス・ブリッグズ(P)

録音:2017年4月19-22日
初録音
ウィーン近郊に生まれ、ウィーン大学で音楽学を専攻したガル。ユダヤ系であったため、ナチスの迫害を逃れ、後半生はイング ランドに移住し教師、指揮者として活躍しました。、彼は同時代の作曲家シェーンベルクよりも、ブラームスを終生尊敬し続 け、その作風も伝統的であり、半音階的和声などもほとんど用いることはありませんでした。このアルバムには初期、中期、円 熟期の3つの時代の室内楽作品が収録されており、これらのどの曲にも、彼が追求し庇護していたロマン派の作風が漂って います。特有の旋律美と抒情的なアプローチがガルの持ち味です。
TOCC-0434
NX-B03
ヨーナス・コッコネン(1921-1996):レクイエム/オルガン作品集
結婚の音楽(1968)
葬送の音楽(1969)
レクイエム『マイヤ・コッコネンの思い出のために』(J.リンヤマによる2声、合唱とオルガン編)(1980-1981)
ルクス・エテルナ(1974)
十字架の傍らに(1979)
ヤン・レヘトラ(Org)
スヴィ・ヴァイリネン(S)
ヨーセ・ヴァハソユリンキ(Br)
ヘイッキ・リーモラ(指)
クレメッティ協会室内cho

録音:2013年9月20日、2017年1月13-15日
シベリウスの後、20世紀のフィンランドで最も重要な作曲家の一人であるコッコネン。このアルバムに収録された「レクイエム」 は彼の妻の死を悼んで作曲された作品で、柔らかく穏やかな慰めの音楽です。原曲は大オーケストラのために書かれていま すが、このアルバムでは、シベリウス・アカデミーでのコッコネンの後輩であった、ヨウコ・リンヤマの編曲によるオルガン伴奏版が 用いられており、コッコネンが描いた響きが丁寧にオルガンへと移し替えられています。静かなオルガンのさざめきに乗って歌わ れる清澄な旋律は、コッコネンが愛した自由な調性が用いられた神秘的な雰囲気を漂わせています。
TOCC-0435
NX-B03
オルランド・ヤシント・ガルシア(1954-):管弦楽作品集 第2集
.a rising tide 上昇する潮(2014)
from darkness to luminosity 暗闇から明るさへ(2015)
the distant wind II かなたからの風 II(2013)
of wind, sea and light 風、海、光の(2016)
ジェニファー・チョイ(Vn)
クリスティーナ・バルデス(P)
フェルナンド・ドミンゲス(Cl)
オルランド・ヤシント・ガルシア(指)
マラガPO

録音:2017年2月20-24日
ヤシント・ガルシアはハバナに生まれ、1961年にアメリカに移住。マイアミ大学でモートン・フェルドマンに師事し、作曲と音楽 理論を学びました。彼の作品はどれも師であるフェルドマンの作風を受け継いでおり、ゆっくりとした音の動きと万華鏡のような 穏やかな響き、そして少しずつ変化していくモティーフなどが効果的に用いられています。このアルバムには“自然の現象”から 想起された4つの作品が収録されており、うち3曲は独奏楽器を伴う協奏曲の形式で書かれたものです。全曲は作曲者ヤ シント・ガルシア自身が指揮し、ソリストとの対話を試みながら、繊細な曲を存分に表現しています。
TOCC-0441
NX-B03
リスト:バスとピアノのための歌曲集
ヴァイマール民謡 S313/R597
ペトラルカのソネット S270/2/R578b 第2番「その日までいつくしみくださる」
昼間のざわめきは鎮まり S337/R633
私は力と生気を失った(悲しみ) S327
火刑台上のジャンヌ・ダルク S373/R646
静かに S330/R624
さまよえるユダヤ人 S300/R585
すべての頂には憩いがある S306/1/R610a
愛の夢 - 第3番 おお、愛しうる限り愛せ S298/R589
君は花のように S287/R607
幸福な日よ、行かないで S335/R626
ヴァイマルの死者たち S303/R584
ジャレッド・シュウォーツ(Bs)
メアリー・ディバーン(P)

録音:2017年4月25-27日
リストの全作品の中で、歌曲はほとんど無視されているジャンルでしょう。70ほどの歌曲が現存してますが、「おお、愛しうる 限り愛せ」など一部の曲だけが繰り返し歌われるのみで、そのほとんどは演奏されることもありません。時には華やかなピアノ の伴奏が付けられていることもありますが、どちらかというと地味。しかし彼の自由な創造性はどの歌曲にも顕著であり、しば しばベルカント・オペラのようなヴォーカルラインと、オーケストラを思わせるピアノの伴奏部、そして大胆な和声が用いられるな ど、どの曲にもリストの特性が存分に生かされています。
TOCC-0444
NX-B03
スティーヴン・ドジソン(1924-2013):室内楽作品集 第3集
オーボエ・ソナタ(1987)
オーボエとハープのための「カウントダウン」(1990)
コールアングレ・ソナタ(1967)
ソプラノ,オーボエとピアノのための「3つの冬の歌」(1972)
オーボエ組曲 ハ短調(1957)
ジェイムズ・ターンブル(Ob)
ロビン・アレグラ・パートン(S)
エレノア・ターナー(ハープ)
リビー・バージェス(P)

録音:2017年4月3-5日
初録音
ロンドン生まれの作曲家ドジソンは、オペラや管弦楽作品、歌曲までほとんどのジャンルの作品を残しました。Toccataレーベ ルでの彼の室内楽作品のシリーズはこれが3作目にあたり、今作ではオーボエ作品をフィーチャーしています。オーボエの音色 を存分に生かしたこれらの作品は、ブリテンやティペットの渋い作風を継承しており、晩秋から冬の景色を思わせる深い感情 と優雅さで彩られています。
TOCC-0446
NX-B03
リヒャルト・シュテール(1874-1967):室内楽作品集 第2集
ピアノ三重奏曲 ホ長調 Op.16(1905)
低声,ピアノとチェロの伴奏による3つの歌曲 Op.21(1909)
ローラ・レロフス(Vn)
セス・キートン(Bs-Br)
シュテファン・コッホ(Vc)
マリー・シチリアーノ(P)

録音:2016年5月10日,10月10.19日,11月28日,2017年1月11日、2017年5月24日
コルンゴルト、シェーンベルク、ツェムリンスキーと同じく、ウィーン世紀末に活躍し、アメリカに亡命した作曲家、音楽理論家リ ヒャルト・シュテールの室内楽作品集第2集。第1集(TOCC-210)ではチェロとピアノのデュオを聴くことができましたが、第2 集では、もう少し編成の大きい「ピアノ三重奏曲」と歌曲を聴くことができます。美しく雄大な楽想を持つ「ピアノ三重奏曲」 は、ベートーヴェン、シューベルトといったウィーンのロマン派の伝統の中に位置する曲です。第2楽章の憂鬱な雰囲気はブ ラームスを思わせます。4年後に書かれた「3つの歌曲」はコルンゴルトを思わせる甘美で抒情的な歌。チェロのゆったりとした 響きが歌声を引き立てています。
TOCC-0455
NX-B03
フリードリヒ・ブルク(1937-):管弦楽作品集 第1集
交響曲 第17番「人生の喜びに」(2016)
交響曲 第18番 「ダウガフピルス」(2017)*
ゲルトゥルダ・ジェリョーメンコ(P)
アンダ・エグリーテ(コクル=クアクレ)
マリス・クプツス(指)
リエパーヤSO

録音:2017年1月9-11日、2017年9月5-8日*
初録音
ウクライナのハリコフで生まれ、1974年からはフィンランドに在住する作曲家ブルク。専ら「タンゴ」の作曲家として知られます が、彼の作品の中で最も重要な位置を占めるのは、18曲ある交響曲と、ユダヤ教のテーマに基づく作品、そして第2の故郷 とも言えるフィンランドの神話「カレリア」に触発された作品群です。このアルバムには2曲の交響曲を収録。ピアノを伴う交響 曲第17番「人生の喜びに」は、度重なる障害を乗り越えた彼自身の自伝的な作品で、賑やかな終楽章が勝利を表してい ます。交響曲第18番はラトビアに伝わるユダヤの民謡がモティーフであり、ラトビアの家から追放されたという彼の祖父母に敬 意を払って書かれた作品です。変奏曲形式による終楽章は神秘的な美しさに溢れています。
TOCC-0458
NX-B03
ロバート・サクストン:ピアノ作品集
1.左手のための「チャコニー」(1988)
2.ピアノ・ソナタ(1981)
Hortus Musicae 音楽の庭園 第1巻(2013)…初録音
Hortus Musicae 音楽の庭園 第2巻(2015)…初録音
ローザへの子守歌(2016)…初録音
クレア・ハモンド(P)

録音:2017年8月21.22日
ベンジャミン・ブリテンに薫陶を受けたイギリスの作曲家ロバート・サクストン。一時期はルチアーノ・ベリオにも学んだという彼の 作風は複雑で精緻でありながら、聴きやすさも備えています。 このアルバムに収録されている2巻の「Hortus Musicae 音楽の庭園」は、オリエンタルな色調を備えた魅惑的な小品集で あり、架空の庭園で繰り広げられる荘重な儀式と、季節の移り変わりが丁寧に描かれています。
TOCC-0459
NX-B03
ロドニー・ニュートン(1945-):管弦楽作品集 第1集
交響曲 第1番(1967-1969)
交響曲 第4番(1975)
Distant Nebulae かなたの星雲(1979)
ポール・マン(指)マラガPO

録音:2017年9月18-22日
初録音
イギリスの作曲家ロドニー・ニュートンの作品集。もともとオーケストラでティンパニ、打楽器奏者として活躍し、ブラス・バンドの 作品を多く書いていた作曲家ですが、管弦楽のための作品はほとんど知られることがありませんでした。今回初録音となる2 曲の交響曲は、ヴォーン・ウィリアムズやマルコム・アーノルド作品を思わせる「英国管弦楽作品」の伝統に則ったもので、大い なる自然の描写や、淡い色彩感を持つ管弦楽法が駆使された雄大な音楽です。特にゆっくりとした楽章での独特な雰囲 気は、聴き手に強い印象を残します。

TOCC-0464
NX-B03
チャールズ・オブライエン(1882-1968):室内楽作品全集 第1集
ピアノ三重奏のためのソナタ 第1番 Op.27 変ロ長調(1940年初演)
ピアノ三重奏のためのソナタ 第2番 ハ短調(1940年初演)
ピアノ三重奏のための2つのワルツ(1928)
ユーリ・カルニッツ(Vn)
アレクサンドル・ヴォルポフ(Vc)
オレグ・ポリャンスキ(P)

録音:2017年7月7-9日
初録音
英国イーストボーンで生まれ、エディンバラに移住。スコットランドの旋律を縦横に駆使した美しい作品を残したオブライエンの 室内楽作品集。既にリリースされている管弦楽作品集とピアノ曲集に続く全集録音です。2曲のピアノ三重奏曲は、明朗 な管弦楽作品に比べると内省的で荘厳な雰囲気を宿しており、ブラームスとエルガーの影響も感じられます。それに比べ“2 つのワルツ”はリラックスした曲想の中に陰影ある響きを組み合わせた郷愁溢れる作品です。
TOCC-0465
NX-B03
アーノルド・ロスナー(1945-2013):管弦楽作品集 第2集
管弦楽のための5つの「ko-an 公案」Op.65(1976)
「 解き放たれるダンス Op.122(2007)
The Parable of the Law 法律の寓話 Op.97(1993)
クリストファー・バーチェット(Br)
ニック・パーマー(指)LPO

録音:2017年9月18-19日 Abbey Road Studios, London
ニューヨークに拠点を置く作曲家ロズナーの作品集。バロック前期の様々な旋法とロマンティックな旋律を用いた作品は、現 代の聴き手にとっても魅力的です。このアルバムにはロンドンPOが演奏する“禅の精神”を追求する 「公案」を基にした管弦楽のための組曲「ko-an」を中心に収録されており、この曲には、禅の思想に中世の様式を組み合 わせたロスナー独特の作風が見られます。カフカの詩を用いた「法律の寓話」はバリトンによって歌われ、ラヴェルの「ボレロ」を 思わせる「Unraveling Dances」では多彩な素材が組み合わされた複雑な舞曲が展開されています。

TOCC-0476
NX-B03
マヌエル・カルドーソ(1566-1650):第2旋法によるミサ曲 他
1.カルドーソ:8声のマニフィカト…初録音
2.デ・ブリト:サンクタ・マリア…初録音
3.ロペス・モラゴ:Commissa mea pavesco…初録音
4.カルドーソ:第2旋法によるミサ-第1曲:キリエ…初録音
5.カルドーソ:第2旋法によるミサ-第2曲:グローリア…初録音
6.カルドーソ:Ecce mulier Chananea
7.カルドーソ:第2旋法によるミサ-第3曲:クレド…初録音
8.作者不詳:Obra de Segundo Tom…初録音
9.カルドーソ:Aquam quam ego dabo
10.カルドーソ:第2旋法によるミサ-第4曲:サンクトゥス…初録音
11.カルドーソ:第2旋法によるミサ-第5曲:ベネディクトゥス…初録音
12.カルドーソ:Sitivit anima mea…このヴァージョンにて初録音
13.カルドーソ:第2旋法によるミサ-第6曲:アニュス・デイ…初録音
14.カルドーソ:Non mortui…このヴァージョンにて初録音
15.作者不詳:Passo de Segundo Tom…初録音
16.カルドーソ:4声のマニフィカト…初録音
17.マガリャエス:Commissa mea pavesco…このヴァージョンにて初録音
ケンブリッジ・ガートン・カレッジcho…1-2.4-7.9-11.13.16-17
ヒストリック・ブラス・オブ・ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック…1-5.7.10-
14.16-17
ルーシー・モレル(Org)…1-5.7-8.10-13.15-17
ガレス・ウィルソン(指)…1-7.9-14.16-17

録音:2017年7月13-16日
ポルトガルのルネサンス期に活躍したカルドーソのミサ、宗教曲集。カルメル女子修道会のオルガニストとして活躍した彼は、 パレストリーナのポリフォニー様式を踏襲し、厳格な様式による作品を残しましたが、その大部分は1755年のリスボン大地 震とその際の出火によって失われてしまったとされています。彼の合唱作品は複雑な書法と豊かな和声によって書かれていま すが、演奏が困難なせいか、現代の合唱団もあまり取り上げることがありません。このアルバムはカルドーソの「第2旋法による ミサ曲」初録音であり、ケンブリッジ・ガートン・カレッジ合唱団が素晴らしいハーモニーで作品を歌い上げています。
TOCC-0477
NX-B03
ウィリアム・ジャクソン(1730-1803):歌曲、カンツォネットとソナタ集
1.Let me approach my sleeping love 私の眠りの恋に近づかせてください Op.4-8
2.Ianthe the lovely, the joy of her swain 愛していること、彼女の誓い Op.1-12
3.Time has not thinn'd my flowing hair 時の流れは私の髪を薄くしてはいない Op.9-1
4.Lone minstrel of the midnight hour 深夜の孤独な吟遊詩人 Op.15-7
5.Ah! where does my Phillida stray? ああ、私のフィルダはどこで迷っていますか?Op.9-5
6.Ye shepherds give ear to my lay 羊飼いは私を横たえ耳うちする Op.4-4
7.For ever, Fortune, wilt thou prove 永遠の幸運はあなたが証明する Op.1-3
8.Twas when the seas were roaring 海鳴りの時代 Op.1-9
9-11.ソナタ イ短調 Op.10-4
12.In vain you tell your parting lover あなたの片思いは無駄だと伝えて Op.1-5
13.Again returns the blushful May 茫洋とした五月が再び Op.16-4
14.O Venus! hear my ardent pray'r ヴィーナスよ、わが祈りを聞きたまえ Op.9-8
15.Blest as th?immortal gods is he 不滅の神々は称賛される Op.1-2
16.My banks they are furnish'd with bees Op.4-2
17.The heavy hours are almost past 何時間も過ぎてしまった Op.1-1
18.Night to lovers'joys a friend 恋人たちの喜びは夜の友達 Op.7-6
19.Sweet was the sun's last parting ray 甘いのは太陽の最後の日差し Op.16-6
エマ・カークビー(S)…3.5.6.13.14.16.19
イレーネ・マス・サロム(S)…2.3.8.14.18,(Vn)…7.9-11
チャールズ・ダニエルズ(T)…1.5.7.12.15.17
マリア=アントニア・メリア(Fl)…4
ベルナート・カボット(Vn)…4.7.9-11
マーク・バウザ(Vn)…2
クリスティーナ・トレンシュ(Va)…9-11
シルヴィア・セラーノ(Vc)…9-12
ティモシー・ロバーツ(ハープシコード)…9-11
アルス・ムジケ…1-8.12-19

録音:2017年8月16-19日
初録音
イングランド南西部、デヴォン州の都市エクセター。18世紀にこの地で画家、作曲家、作家として活躍したウィリアム・ジャク ソンの作品は、まさに秘宝のようなもの。鍵盤奏者ティモシー・ロバーツは「イギリスの伝統に根差した歌曲を作曲したジャクソ ンは、ヘンデルの作風を引き継ぎ、ロマン派へ受け渡した偉大な作曲家」と賞賛、そのエレガントな作品の普及に力を注いで います。この録音には、名歌手エマ・カークビーも参加、軽妙な曲から深刻な曲まで、名手たちのアンサンブルによって、知ら れざる作品の魅力を伝えています。

TOCC-0482
NX-B03
グレゴリー・ローズ(1948-):合唱作品と編曲集
夕べのカンティクルズ、聖パンクラスの祈祷(2007)
It's snowing 雪が降る(1972)
スターバト・マーテル(2015)
4つの断章(1997)
Missa Sancti Dunstani(2009)

◎編曲作品集
スカボロー・フェア(2008編曲)
コール・ポーター: Ev'ry Time We Say Goodbye(1979編曲)
クリスマス・キャロル「Nkosi Jesu」(2002編曲)
ポール・マッカートニー:I Will(2006編曲)
グレゴリー・ローズ(指)
ラトヴィア放送cho

録音:2017年9月29日,10月2-5日
作曲家でもあり、オックスフォードのクィーンズ・カレッジでオルガン奏者として活躍したバーナード・ローズを父に持つグレゴリー・ ローズ。彼は英国の合唱音楽の伝統を継承しながら、ヨーロッパとアメリカのモダニズムを作品に融合させ、40年以上に渡っ て数多くの合唱作品を生み出しました。このアルバムにはオリジナル作品と、彼が編曲した4曲を収録。合唱音楽の素晴らし さを自身が指揮するラトヴィア放送合唱団が丁寧に伝えています。


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