湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



KAIROS
(オーストリア)


ダルムシュタットに集う作曲家達を中心に、現代最高の評価を得ている作曲家達の作品を紹介しているレーベル。シャリーノ、フェルドマン、リームはもちろん、ツェン ダー編曲の「冬の旅」やラッヘンマンの「マッチ売りの少女」など話題の作品もリリース。




※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 曲目 演奏家
11012KAI
現代音楽入門/KAIROSスペシャル・サンプラー
ラッヘンマン:歌劇「マッチ売りの少女」より、
シェルシ:アナヒットより、弦楽四重奏第4番より、
グリゼイ:限界を超えるための4つの歌より、
フェルドマン:「サミュエル・ベケットのために」より、
シューベルト(ツェンダー編):「冬の旅」より、
シャリーノ:歌劇「私の裏切りの瞳」より、
ラッヘンマン:コントラカデンツより、ムーヴメントより、
ノイヴィルト:空間の構築より、
サンダース:四重奏曲より、
ランク:差異/反復2より、
細川俊夫:遠景Uより、
エトヴェシュ:チャイニーズ・オペラより、
リーム:3人弦楽奏者のための音楽より、
狩られた形式より、
キーブルツ:ヴィオニッチ手稿より、
フラー:ポエマスより、ヌーンより
クラング・フォルム・ウィーン、
トリオ・ルシュルシュ、
ミヒャエル・ギーレン(指)南西ドイツRSO
ツァグロセク(指)シュトットゥガルト歌劇場O、他
「セルの幅」を650に設定のこと!現代音楽専門レーベルとしていまやヴェルゴを圧倒するほどの成長をみせる同レーベルを俯瞰する上で、またこれから現代音楽を聴こうという人に最適のコンピレーション。アコースティック楽器で電子音楽をやるかのような特殊奏法の鬼才ラッヘンマン、エネルギッシュな音楽を書き続ける驚異の多作家リーム、98年に52歳で惜しくも亡くなった色彩派のグリゼイ、レコード芸術対談で野平一郎氏が絶賛しているフラー、いまや日本を代表する細川など、ヨーロッパで活躍する筋金入りの硬派ぞろいです。なおこのアイテムのみライナー・ノートはドイツ語のみになります。
0012002KAI(2CD)
シューベルト(ハンス・ツェンダー編):テノールと小編成オーケストラの為の「冬の旅」 クリストフ・プレガルディエン(T)、
シルヴァン・カンブルラン(指)、
クラングフォルム・ウィーン
シューベルト、そしてドイツ・リートを代表する名作中の名作「冬の旅」を、現代ドイツのコンポーザー=コンダクター、ハンス・ツェンダーが、コンテンポラリー・テイストへとアレンジ!
当代有数のリート歌手であるクリストフ・プレガルディエンが歌い、シルヴァン・カンブルランが振るというコンビも非常に豪華です。
録音:1999年2月20日-22日、モーツァルトザール、ウィーン・コンツェルトハウス(ウィーン、オーストリア)
12012KAI
モートン・フェルドマン:《サミュエル・ベケットのために》 シルヴァン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン
フェルドマンならではの超マッタリ系音楽も、カンブルランの演奏だとちょっと艶めかしい流れになります。
12022KAI
サルヴァトーレ・シャリーノ:《ガラスを通して聞こえる声》、
《無限の闇》
ソニア・テュルチェッタ(Ms)、
カルロ・シニ(ナレーション)
アンサンブル・ルシュルシュ
《ガラスを通して聞こえる声》は、ジェズアルドのマドリガルに摩訶不思議な編曲をほどこしたシャリーノの異色作。曲間に詩の朗読が挿入されています。《無限の闇》は静寂な空間に鋭く言葉が挿入されるという、完全なシャリーノ独自の世界。
12032KAI
ジャチント・シェルシ:《ヤマオン》、《アナヒット》、
《祈り》、3つの小品,《オカタゴン》
ハンス・ツェンダー(指)
クラングフォルム・ウィーン
シェルシの音楽は異教徒の典礼を思わせる怪しげなものばかり。それをツェンダーが至極几帳面&明晰に演奏しているのが新鮮。
12042KAI
ヴォルフガング・リーム:3人の弦楽奏者のための3つの音楽 トリオ・ルシュルシュ
ドイツ音楽界の重鎮リームによる、バルトークと新ウィーン楽派を掛け合わせたような室内楽作品。アンサンブル・ルシュルシュのメンバーによる演奏もなかなか引き締まっています。
12052KAI
アティアス・ピンチャー:5つの管弦楽小品、
《トマス・チャタートンからの音楽》,《チョク》
ピンチャー(指)ベルリンRSO
シルヴァン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン,
ウルバン・マルムベリ(Br)
1971年生まれのピンチャーは現代ドイツ作曲界でもっとも注目されている若手。ベルク,ツィンマーマンの流れを汲む人,その優等生的とも思われる作風が折り目正しく,じつに気持ち良く聴けます。
12062KAI
ベアト・フラー:《ヌーン》、《コン・フォッコ》、
《スティル》、《ポエマス》
フォルメッティ(p)、F.ミュラー(p)、
ペーター・エトヴェシュ(指),
シルヴァン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン
カオスティックにはじけているフラーの近作を収録。
12072KAI
ヴォルフガング・リーム:《狩られた形式》、
《隠された諸形式》、《符帳I》、《打たれた沈黙(符帳II)》
シルヴァン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン
リームの室内管弦楽のための作品集。揺動するリズムが特徴的なこれらの作品をすがすがしく演奏しているのがじつに心地よいものです。
12082KAI
ペーター・エトヴェシュ:《チャイニーズ・オペラ》、
《シャドウズ》、《石》
フラー(fl)、B.ツァッハフーバー(cl)、
K.フィッシャー(perc)、
エトヴェシュ(指)クラングフォルム・ウィーン
そこはかと東洋趣味にも関らず,堅固な作品の自作自演盤。
12092KAI
ヴォルフガング・リーム:《符帳IV》、《地平線で》、《嘆き》、
《歪み−習作》、弦楽三重奏曲第2番、《イン・ヌーチェ》
アンサンブル・ルシュルシュ,
T.アンツェロッティ(アコーディオン)、
菅原幸子(p)
運動性に重点が置かれた[12072KAI]の作品集と異なって,思索的な停滞系の作品を集成。リームの世界は奥深いものがあります。
12102KAI
ルイジ・ノーノ:《未来のユートピア的ノスタルジー的遠方》 メリーゼ・メルリンガー(vn)、
サルヴァトーレ・シャリーノ(音響技術)
ヴァイオリン独奏とライヴ・エレクトロニクスのための作品。シャリーノが音響技術を担当しており、具体音を交えたそれがなかなかに雄弁なのがユニークな演奏。
12112KAI
ベルンハルト・ランク:《差延/反復2》 S.カンマー(vo)ほか、
レペニク(e-g)、ポリソイディス(e-vn)、
カンブルラン(指)クラングフォルム・ウィーン
エレキ・ギターやラップ歌手が活躍、その上にミニマル的音形や中近東風の歌唱が乗せられたりするポップで退廃的で、妙に弾けている音楽。
12122KAI
ヴォルフガング・リーム:ピアノ曲第6番、
《追加の習作》、《対談》、《もう一枚の紙の上で》
ジークフリート・マウザー(p)
ポツリポツリと弾かれる,シンプルで繊細なピアノ独奏作品集。
12132KAI
サルヴァトーレ・シャリーノ:《反対の空間》、
《暗闇への序奏》、《プルプレウス写本》、
《地平線の壁》、《ブッリへのオマージュ》
クワメ・ライアン(指)アンサンブル・ルシュルシュ
静けさのなかに,鋭い狂気がそそり立ったような作品群。
12142KAI
ヘルムート・ラッヘンマン:《ヌン》,《ノットルノ》 ギャビー・パ=ヴァン・リエ(fl) 、
M.スウォボダ(tp)、J.ノット(指)ケルンRSO,
ノイエ・ヴォーカルゾリステン・シュトゥットガルト,
A.リンデンバウム(vc)、
ツェンダー(指)クラングフォルム・ウィーン
《ヌン》(=現在)は作曲者が大のお気に入りである西田幾多郎のテキストを声楽に用いるなど、東洋的なものへの傾斜が強い作品(ラッヘンマンらしく雄弁なスタイルではあるが)。
12152KAI
ハンスペーター・キーブルツ:《混乱》、
《ヴォイニッチ手稿》、《パーツ》
ハンス・ツェンダー(指)南西ドイツRSO、
ルペルト・フーバー、
P.ルンデル(指)クラングフォルム・ウィーン
錯綜する《混乱》,解読されていない暗号譜をテキストに用いた《ヴォイニッチ手稿》など、ひたすらカオスに埋没したい向きに。
12162KAI
ジャチント・シェルシ:弦楽四重奏曲第4番、
《エロヒム(神)》、ヴァイオリンとチェロのための二重奏、
《アナガミン(不還)》、《マクノンガン》、《自然の再生》
クラングフォルム・ウィーンQ、
アネッテ・ビク(vn)、リンデンバウム(vc)、
フッセネッガー(cb)、
ハンス・ツェンダー(指)クラングフォルム・ウィーン
イタリアの鬼才シェルシによる弦楽四重奏曲は,構築に背を向け,ボワーンとひたすら漂いまくる音楽。
12172KAI
細川俊夫:《琴−唄》、《旅I》、サキソフォン協奏曲、
《遠景II》
川村京子(琴)、漆原朝子(vn)、
ペーター・ルンデル(指)
ムジーク・ファブリック、
ヨハネス・エルンスト(sax)、
高関健(指)ベルリン・ドイツSO
近年多くのCDがリリースされ,名実共に日本を代表する作曲家の一人だが,このディスクは最初の一枚としても最適。透明感ある重層的な音の響きが陶酔的だ。高関健を始め,作曲者夫人の漆原などが演奏に参加しています。
12182KAI
レベッカ・サンダース:アコーディオン.クラリネット,コントラバスとピアノのための四重奏曲、
《イン・トゥー・ザ・ブルー》、
《モーリーの3つの歌−ほのかな深紅》、
《ダイクロイック17》
ステファン・アシュブリー(指)
ムジーク・ファブリック
シャープで刺激的な作品を書き続けるサンダースは1968年ロンドン生まれ。
12192KAI
ペーター・アプリンガー:《雨,ガラス,笑い》、
《無題》、《求績法(ベルリンでの自画像)》
シルヴァン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン
オーストリアの中堅作曲家。一定のトーンで持続される無秩序さがたまりません。
12202KAI
ヘルムート・ラッヘンマン:《運動−硬直の前の》、
《…2つの感情…》、《慰めI》、《慰めII》
ハンス・ツェンダー(指)
クラングフォルム・ウィーン、
ヴァルター・ヌースバウム(指)
スコラ・ハイデルベルク
《運動》は死後数時間あまり経過してから起こる筋肉の収縮運動をオーケストラで描いた異色作。そういった意味では、ベートーヴェンやR.シュトウラスの後を継ぐ管弦楽作品なのかもしれません。もちろん、そこには微塵の物語性もないのですが。
12212
ヘルムート・ラッヘンマン:《アレグロ・ソステヌート》、
《シレナーデ》
菅原幸子(p)、
ルーカス・フェルス(vc)、岡静代(cl)
今やドイツを代表する作曲家になったラッヘンマンの室内楽とピアノ独奏曲を収録。得意の特殊奏法で押すよりも、悟りが入ったかのように澄み切った音楽。
12222KAI
サルヴァトーレ・シャリーノ:歌劇《私の裏切りの瞳》 アンネッテ・シュトリッカー(S)
カイ・ヴェッセル(C-T)ほか,
ベアト・フラー(指)クラングフォルム・ウィーン
カウンター・テノール独唱による美しいプロローグから始まる、はかなく淫靡なオペラ。そのカロリーの低さが繊細で美しさを放ちます。
12232KAI
ヘルムート・ラッヘンマン:《コントラ・カデンツ》、
《響影》、《ファザード》
ミヒャエル・ギーレン(指)
南西ドイツRSO、
北ドイツRSO,ロッゲンカンプ(p)、
サットマリー(p)、グレゴール(p)
※ラッヘンマンの代表的管弦楽曲を切れ味の良いギーレンの演奏で聴く。これは定番中の定番。
12242KAI
オルガ・ノイヴィルト:歌劇《子羊の祭り》〜インストルメンタル・インサルI〜III、
ヴァンピルテオーネ、ホーローモーロー
シルヴァン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン
器楽とライヴ・エレクトロニクスがひじょうに心地よくブレンドされている。ノイヴェルトは1968年生まれ、オーストリアでもっとも期待されている作曲家。
12252KAI
ジェラール・グリゼイ:《限界を超えるための4つの歌》 キャスリーヌ・デュボスク(S)、
カンブルラン(指)クラングフォルム・ウィーン
98年に急逝したグリゼイは熟練した音楽を聴かせる作曲家。彼の色彩的な管弦楽を最良な状態で表現できる指揮者はカンブルラン以外にはいないでしょう。
12262KAI
ハンス・ツェンダー:《耳で感じるための音楽》、
《連祷》、《無字の経》、《風輪の経》
モファット(S)、リンデンバウム(vc)、
ヨハン・ロイドゲプほか,
ハンス・ツェンダー(指)
クラングフォルム・ウィーン
ツェンダーの仏教的思想が色濃く現れた作品集。
12272KAI
ベアト・フラー:《調律》、《熱の様相》、四重奏曲、
《そこは海である》
シュランクカルテット,
シュトゥットガルト・ヴォーカル・アンサンブル,
ベアト・フラー(指)ウィーンRSO
得体の知れないものが暗闇で蠢いているような,弱音を重視した音楽が続く。
12282KAI(2CD)
ヘルムート・ラッヘンマン:歌劇《マッチ売りの少女》全曲 ローター・ツァグロセク(指)
シュトゥガルト歌劇場O&cho
ハンブルク,東京(演奏会形式),パリ,シュトゥットガルトで上演され,2002年のザルツブルク音楽祭にも登場する同時代オペラのスタンダードになりつつある作品。本来は舞台と一体化することで説得力が増す作品ですが、CDではラッヘンマンならではの特殊奏法の嵐が二時間たっぷり味わえます。それはじつに官能的な音楽体験になるでしょう。
12292KAI
モートン・フェルドマン:映画音楽集
サムシング・ワイルド・イン・ザンシティ(1960)、
ジャクソン・ポロック(1950〜51)、サモア*(1968)、
コープランドのために*(1981)、
イエスの罪*(1960〜61)、無題*(1960)、
デ・クーニング(1963)
アンサンブル・ルシュルシュ
録音:2001年6月25〜27日ハンス・ロスバウト・スタジオ、バーデン・バーデン
*印は初CD化。モートン・フェルドマン(1926〜1987)の映画用のために書かれた作品集。これまで出版されていなかった珍しい作品も含んでいます。フェルドマンならではのミニマルの語法を踏襲しながらもウェットな抒情味あふれる《サムシング・ワイルド・イン・ザンシティ》、その絵画を思わせる《ジャクソン・ポロック》、驚くべきことにトロピカルな(この形容、フェルドマンとは到底思えぬ!)《サモア》など、これまでの彼の作品世界からはみだしてしまうようなエンタメ系小品を多数収録。
12302KAI
オルガ・ノイヴィルト:作品集
《クリナメン(斜傾運動)−ノドゥス(もつれ)》〜管弦楽の為の*、
《空間の構築》〜ブーレーズ生誕75年のために
ブーレーズ(指)LSO*
エヴァ・フラー(バスfl)、
エルネスト・モリナーリ(バス&コントラバスcl)、
リコ・グブラー(sax)、ハンネス・ハイダー(tuba)、
ペーター・ベーム(ライヴ・エレクトロニクス)、
エミリオ・ポマリコ(指)クラングフォルム・ウィーン
1968年生まれのノイヴィルトはオーストリアでもっとも期待されている作曲家。彼女ならではのポスト・モダンな「何でもあり」傾向がさらに強化されています。ブーレーズが演奏しているものとブーレーズ75歳記念の作品がおさめられています。
12312KAI
シェルシ:アクション・ミュージック第1番(1995年)、
組曲第8番
バルンハルト・ヴァムバッハ(P)
組曲は、1952年BOT-BA-チベット山中の僧院による儀式、祈願および踊りに喚起された作品。
12322KAI
ベアト・フラー(1954〜):アリア〜ソプラノとアンサンブルのための(1998‐99)、
ソロ〜チェロのための(2000)、
ガスプラ〜アンサンブルのための(1998)
アンサンブル・ルシュルシュ、
ペトラ・ホフマン(S)、ルカス・フェルス(Vc)
KAIROSレーベルからは3枚目のフラー作品集。フラーはスイスに生まれ、1975年からウィーン在住の作曲家。ハウベンシュトック=ラマティに作曲を、オトマール・スイトナーに指揮を学んだ。現代音楽専門のアンサンブル、クラングフォルム・ウィーンを設立し指揮者としても活動し、現在グラーツ音楽院で教授を務めている。彼の作品はウィーン国立歌劇場、グラーツ・シュティリアルテ音楽祭、ザルツブルグ音楽祭、などで初演され好評を得ています。
0012332KAI
ハース:24の楽器の為の 「無駄に(In Vain)」 シルヴァン・カンブルラン(指)、
クラングフォルム・ウィーン

録音:2002年2月2日-4日、オーストリア放送(OR-F)文化会館(オーストリア)
ミクロポリフォニーやミクロインターバルを用いるなど、リゲティの作風との共通点を持つとされるオーストリア、グラーツ出身のスペクトル楽派の現代作曲家、ゲオルグ・フリードリヒ・ハース(1953−)。「無駄に(In Vain)」は、24の弦楽器、管楽器、打楽器のために2000年に作曲された演奏時間60分超の大作(しかもこのCDでは1トラックのみ!)。WDRからの委嘱によって書かれハースの作品のテクスチュアを、カンブルランのタクトが見事に解析しています。
12352KAI
ゲオルグ・フリードリヒ・ハース:作品集
私が叫んだ時それを聞いたのは…(1999)〜打楽器とアンサンブルのための*、
自由な性質のユニゾン…(1994・95、96年改訂)〜10の楽器のための
夜陰(1991),〜アンサンブルのための、
《……》〜アコーディオン,ヴィオラ,室内アンサンブルのための二重協奏曲(1994)#
ルーカス・シスケ(Perc)*
ディミトリオス・ポリソイディス(Va)#
ゲオルグ・シュルツ(アコーディオン)#
シルヴァイン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン
ハースは、1953年グラーツ生まれ、ウィーン在住のオーストリアの中堅作曲家。ウィーン市のクシェネク賞をはじめ多数の音楽賞を受賞。
12372KAI
ヴォルフガング・リーム:ピアノ小品第7番(1980)、
第5番「トンボー(墓)」(1975)、第4番(1974)、
第2番(1971)、第1番(1970)
バルンハルト・ヴァムバッハ(P)
12402KAI
望月京:作品集
シ・ブル、シ・カルム〜アンサンブルのための(1997)、
私を含む全ての存在〜バス・フルート,クラリネット,ヴァイオリンのための(1996)、
キメーラ〜アンサンブルのための(2000)、
インテルメッツイ〜フルートとピアノのための(1998)、
明るい部屋〜アンサンブルのための(1998)
ヨハネス・カリツケ(指)
クラング・フォルム・ウィーン
望月京は1969年東京出身。東京芸大を卒業後、パリ国立高等音楽院でポール ・メファノ、エマニュエル・ヌネスに学び、その後IRCAMの研究員としてトリ スタン・ミュライユのもと、研鑚を積みました。彼女は内外の数多くの賞を 受賞し、作品は海外で数多く演奏されています。彼女の音楽の魅力は時に対 して激しく打ち込まれる音の楔と静寂との対比、静けさのなかで微細に変化 してゆく音色とテクスチュアにあると言えます。収められた作品は何れも海 外で高い評価を得ており、二重奏から大規模アンサンブルまで、彼女の音楽 の多様な側面を聴くことが出来るアルバムです。
0012422KAI(2CD)
ジェラール・グリゼー(1946-1998):音響の空間
無伴奏ヴィオラの為の「プロローグ」(1976)/7人の音楽家の為の「ペリオド」(1974)/18人の音楽家の為の「パルシエル」(1975)/33人の音楽家の為の「モデュラシオン」(1976-77)/大オーケストラの為の「トランジトワール」(1980-81)/4本のホルンと大オーケストラの為の「エピローグ」(1985)
ガース・ノックス(Va)、
ASKOアンサンブル、ステファン・アスバリー(指)、ケルンWDRRSO

録音:2001年&2002年
スペクトル楽派に属する20世紀フランスの作曲家、ジェラール・グリゼー(1946-1998)の音楽思想の集大成のひとつといえる「音響の空間」全曲を収めたアルバムが再生産/再発売! 1974年に始まり、1985年に完成した「音響の空間」サイクルは、6つの器楽作品で構成されており、それぞれの音響空間が前の作品を拡張する形で書かれているため、連続して演奏することができます。サイクル全体の統一性は、異なる作品の形式的な類似性と、倍音スペクトルと周期性という2つの音響的な基準点によって達成されています。
本作の音楽言語は以下のように要約することができます。「もはや音符で作曲するのではなく、むしろ音色で作曲する」「違い(例えば音色を発展させる、あるいは発展させないことやその発展のスピード)をコントロールする」「聴覚の相対性を考慮に入れる」「電子音楽スタジオで長年研究されてきた現象を、楽器の音の分野に応用する」(「パルシエル」と「モデュラシオン」でより過激な形を聴くことができます)「さまざまなパラメーターが一つの音の構築に貢献するシンセティックなスタイルを追求する」
12482KAI
サルバトーレ・シャリーノ(1947〜):道のノート〜バリトンと器楽のための12の歌と諺(2003)
そうでなかったら時間、いつか?、
・・・ 損失、スマリータの測定、
詩人は言った、知られていることを望めば、
石大工が夕方行ったところ、
7.410年 、つま先で触れられる遠い薔薇、
ピオーヴ、寄付されたクレティは書いた、
ヴァイオリンの弦に、
フィオール・ディ・ケンキュール、
13 世界への提言(諺)
オットー・カッツァメイヤー(Br)、
シルヴァイン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン

録音:2005年2月
微細な光の色彩、地中海の景観のゆらゆらするイメージを喚起するシャリーノ・マジックを堪能出来る。2003年の作品で初演者カッツァメイヤーとクラングフォルム・ウィーンに捧げられている。
12492KAI
ヴォルフラム・シュリーク(Wolfram Schurig,1967〜)/作品集
ウルティマ・トゥーレ(2003-04)〜アンサンブルのための、
視力による推定(2000)〜室内オーケストラのための、
ホケトゥス(1997-98)〜ヴァイオリンと室内オーケストラのための、
ゲスピンスト(1990)〜バス・クラリネットと6楽器のための
クラングフォルム・ウィーン、
シルヴァイン・カンブルラン(指)、
エミリオ・ポルマリコ(指)、
ベアト・フラー(指)、
アネッテ・ビク(Vn)、
エルネスト・モリナーリ(B.Cl)

録音:1993-2005年
シュリークは1967年生まれ。ラッヘンマンに作曲を師事。群的な書法をとる緊張感のある音楽を書く。1993年にはダルムシュタット夏期現代音楽講習会で講師を勤めたこともあるドイツ作曲界のホープ的存在。
12522KAI
ハンス・ツェンダー(b.1936):キャバレー・ヴォルテール(2001/02)〜フーゴー・バルのテキストによる(声と8楽器のための)、
ムネモシネ〜ヘルダーリンを読んでW(女声、弦楽四重奏とパス・バンドのための)(2000)
ハンス・ツェンダー(指)
クラングフォルム・ウィーン、
サロメ・カンマー(声)

録音:2005年
全曲世界初録音。18世紀から19、20世紀にかけて活躍した詩人、思想家の詩をテキストとしたツェンダーの近作声楽作品を2曲。「月に憑かれたピエロ」以来の伝統であるシュプレッヒ・シュティンメ(語り歌い)による歌唱で言葉のイントネーション、子音などが楽器の奏法にまでエコーのように反映され、声とアンサンブルが一体となって詩に表された無常の世界を音化します。
12532KAI
ベルンハルト・ラング(b.1957):反復の劇場(2000-2002) ヨハネス・カリツケ(指)
クラングフォルム・ウィーン、
レ・ジュヌ・ソリステ(声楽アンサンブル)

録音:2003年
ベルンハルト・ラングはアカデミックな音楽教育のほか、哲学、ジャズを学んだ経歴が彼の作風に大きく影響を与えていると思われる。テキストはJ.K.ユイスマンス、ウィリアムS.バロウズの詩、ニュルンベルグ裁判の議事録などから取られ、ドイツ語、フランス語、英語がパッチワークのように扱われていまする。その処理は「反復の劇場」のタイトル通り、言葉のある部分の発音が繰り返されて複雑な音のテクスチュアを形成。この辺はミニマル的でもあり、耳にした印象は全く異なるもののライヒの声楽の諸作品を想起させます。アンサンブルはチープな響きが意図的に仕掛けられていてマイケル・ナイマン、クルト・ワイルを無調にしたような響き。ハイナー・ゲッベルスと同じくジャーマン・ロックの延長上にある政治的シアター・ピース。
0012542KAI
(2SACD)
ノイヴィルト:ムジーク・テアター 「ロスト・ハイウェイ」 ヨハネス・カリツケ(指)、
クラングフォルム・ウィーン、
IEM(ライヴ・エレクトロニクス、
サウンド・プロジェクション)、
コンスタンス・ハウマン(レネ/アリス)、
ゲオルグ・ニグル(ピート)、
ヴィンセント・クロウリー(フレッド/整備士)、
デイヴィッド・モス(エディ氏)、
アンドルー・ワッツ(謎の人)、他

録音:2003年、バーセル劇場(グラーツ、オーストリア)
ルガ・ノイヴィルト(1968-)は、フランスのIRCAMでトリスタン・ミュライユに師事し、ルイジ・ノーノからも大きな影響を受けたオーストリアの作曲家。
ノイヴィルトは、デイヴィッド・リンチの映画「ロスト・ハイウェイ」を不条理音楽劇として歌劇化。ノイヴィルトの鮮烈や音楽、エルフリート・イェリネクの台本のコラボレーションが、デイヴィッド・リンチの映画の世界の「歌劇化」に見事に成功しています。
12562KAI
ベアト・フラー(b.1954):ファマ/評判(2004/05)〜大アンサンブル、
8人の声と遊びのためのシアター・ピース
ベアト・フラー(音楽監督)
クラングフォルム・ウィーン、
ノイエ・ヴォーカル・ゾリステン・シュトゥットガルト(声楽アンサンブル)、
イザベレ・メンケ(語り)、
エヴァ・フラー(コントラバスFl)、他

録音:2005年
フラーはスイス生まれでウィーンでハーベンシュトック=ラマティに作曲をオトマール・スウィートナーに指揮を師事。この作品は2005年10月にドナウエッシンゲン音楽祭で初演された大アンサンブルと声楽のための8つのシーンからなる大作。フラー独自の鮮やかな音色の変化が楽しめます。  
0012742KAI
メシアン:彼方の閃光 インゴ・メッツマッハー(指)VPO

録音(ライヴ):2008年1月20日、ウィーン楽友協会大ホール(オーストリア)
20世紀フランスの巨匠オリヴィエ・メシアンが、その生涯で最後に完成させた大規模な管弦楽作品であり、代表作の1つ「彼方の閃光」。ニューヨーク・フィルの創立150周年記念として委嘱されながらも、メシアンはその初演に立ち会えずに他界してしまっています。当盤の最大の驚きは、やはり何といってもオーケストラがウィーン・フィルであること!メッツマッハ―の指揮とウィーン・フィルの組み合わせが、メシアンの神秘性を巧みに表現した名演です。
12802KAI(3CD)
サルヴァトーレ・シャリーノ(1947b):管弦楽作品集
チェロと管弦楽ための変奏曲(1974)*、
ヴァイオリンと管弦楽ための《アレゴリーの夜》(1985)**
フルートと管弦楽のための《断章とアダージョ》(1991)#
、管弦楽と語り手のための《ボロミーニの死》(1988)##
管弦楽のための《論理を越えた炎》(1997)、
ピアノと管弦楽のための《暗い叙述》(1999)+
管弦楽のための《音と沈黙》(2004)、
管弦楽のための《音の影》(2005)
ティート・チェッケリーニ(指)RAI国立SO、
フランチェスコ・ディロン(Vc)*、
マルコ・ロリアーノ(Vn)**、
マリオ・カローリ(Fl)#、
モニ・オヴァディア(語り手)##、
ダニエレ・ポリーニ(P)+

録音:2006年
ラッヘンマンにも勝るとも劣らないほど特殊奏法、特異な音色が大好き、常に静寂のなかに広がる神秘の響きを作曲するイタリアの現代作曲家シャリーノの主要な管弦楽曲を3枚組のBOX CDで一度にリリース。Gの「音の影(シャドウ・オヴ・サウンド)」は2005年サントリーホール国際作曲委嘱シリーズの委嘱作で、このCDの指揮者チェッケリーニと東京フィルで初演されました。2011年には武満徹作曲賞の審査員として来日が予定され、まさに今が旬のシャリーノ。これだけまとまってCDが発売されるのはおそらく初めてでしょう。
12812KAI(3CD)
サルバトーレ・シャリーノ(1947):「同心円の詩の上で」T・U・V(1987)〜独奏者と管弦楽のための
T:チェロと管弦楽のための
U:フルート、クラリネット、チェロと管弦楽のための
V:フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・モーレと管弦楽のための
アンサンブル・ルシェルシュ【ルーカス・フェルス(Vc)、マーティン・ファーレンボック(fl)、岡静代(cl)、メリーゼ・メリンガー(Vn)、バーバラ・マウラー(Vaダモーレ)】
ペーター・ルンデル(指)ベルリンRSO

録音:2004年1月13-16日
現代音楽のセット物としては異例のヒットとなった管弦楽作品集(12802KAI,3枚組)に続く2組目のセット。驚異の音響の魔術師と称えられ、ノーノからは「鋭い音響の亡霊」と称えられるシャリーノの第二期にあたる1987年の大作オーケストラ作品。彼のそれまで作風と同じく、フォルテは極力抑えられ、オーケストラのトゥッティもなく、終始、最弱音の持続のなかで音響の霧が舞い、うごめき、神秘の時空間が延々と広がります。全3部作、それぞれ独奏楽器は異なるものの、全体の雰囲気は同様で、薄明のなかに広がってゆく霧のような美しい弦楽パートを背景に各独奏楽器の特殊奏法を多用したモノローグが重なります。現代という孤独な森に彷徨いこんだような不思議な感覚。こういう聴き方は作曲者の本意ではないかもしれませんが、一種のアンビエント・ミュージックとしても楽しめ、おそらく現代音楽としては異例の癒し系音楽としても聞ける美しさです(ただし、ペルトや佐藤聡明らの音楽を想像すると大間違い)。
12882KAI
エレナ・メンドーサ(b.1973):作品集
(1)2つの《衝立画》(2004)〜Cl,Sax,Vc,Pf,Percのための
(2)《蜃気楼の聖務日課》〜レフェレンシア・アル・カプリッチョ第6番(2005)
(3)署名活動(2005)〜電気増幅を伴うBr,Cb,Cl,Trp,Trb,Vn,Vc,Pf
(4)コントラ・ディクシオン(反対語)
(5)誰とは聞いていない(Lo que nunca dijo nadie)(2004)
(6)ネベル・スプリッター(2008)〜Pf,Vn,Va,Vc
(1)アンサンブル・ルシェルシェ、
(2)ユルゲン・ルック(G)
(3)G.アンソレーナ(Br)、
 エンノ・ポッペ(指)アンサンブル・モザイク
(4)コンラート・フォン・ケルン(Va)、
 クリストフ・ラベルス(Va)
(5)デュオ10(Vn&G)、
(6)アペルト・ピアノ四重奏団

録音:2008年
メンドーサはセヴィリア生まれ。ハンスペーター・キーブルツに作曲を師事。切り詰められた書法のなかにスペイン的な情緒が抽象化された形で反映されているのはさすが。《蜃気楼の聖務日課》はゴヤの絵画にインスパイアされた曲でグリサンドを多様するギターの響きが時に電子音楽を思わせます。《署名活動》ではバリトンと楽器が言葉とも音とも言えない原初的な呻きを奏でる。そして《コントラ・ディクシオン》の各曲のタイトルはノーノの代表作「進むべき道はない、だが進まなければならない」から採られています。繊細なアイデアと音響に溢れ、その感性の鋭さは特筆に価する。前衛音楽における詩的作曲家と言えましょう。
12892KAI
ヴォルフガング・リーム:三重奏曲集(1969-94)
《符帳IV(2)《地平線で》*、
《歪み−習作》、《嘆き》、
弦楽三重奏曲第2番、パラフレーズ#、イン・ヌーチェ》
アンサンブル・ルシュルシュ,
テオドロ・アンツェロッティ(アコーディオン)*、
菅原幸子(p)#

録音:1995/1996年
旧品番12092KAIの番号換え再発売。リームの若書きからおよそ30年間に渡る三重奏曲ばかりを収録。初期作品の点描的で一見スタティックな作風のなかにも後の量感あるドラマティックな要素が感じられる。ラッヘンマン夫人の菅原幸子も出演。
12902KAI(2CD)
クルタークのゴースト〜クルタークと他の作曲家の小品集(全70曲)
クルターク:ピアノ小品集(全40曲)他、バッハ、バルトーク、ベートーヴェン、ブーレーズ、ショパン、ハイドン、ヤナーチェク、リゲティ、リスト、マショー、メシアン、ムソルグスキー、パーセル、D.スカルラッティ、シューベルト、シューマン、シュトックハウゼンのピアノ小品
マリーノ・フォルメンティ(P)

録音:2008年
このCDはディスクそのものが作品といえるような独創的なプログラミング。クルタークのピアノ曲を中心に間に挟みつつ西洋音楽の名曲を全体に散りばめ、それで西洋音楽の歴史をたどろうというのか、いやいやそんな単純なものではないだろう、高度な人文学的教養に裏打ちされた、一見ランダムに見えて、その実、意味深な選曲と配列で構成されています(例えばメシアンの「火の鳥第一」のあとにクルタークの「メシアンへの控え目な眼差し」が続いたり、クルタークの「ブーレーズへのオマージュ」のあとにブーレーズの「ノタシオン10」がきたり)。古くはギョーム・ド・マショーからパーセル、スカルラッティ、バッハ、ハイドン、ベートーヴェン、シューマン、ムソルグスキーからバルトーク、ブーレーズ、シュトックハウゼン、そしてクルタークと、ありとあらゆる時代と様式の曲が混在している。これらの作品を一手に弾いているのがイタリアの俊英マリーノ・フォルメンティ(マショーは声楽曲をピアノで弾いている)。彼のクリスタルのように澄みきったタッチには心洗われます。通して聴いていると不思議とマショーもシュトックハウゼンもムソルグスキーもクルタークも一つの流れのなかで違和感無く聴こえてきます。それぞれの曲の様式を踏まえつつ、まるで全曲が巨大なひとつの作品に思わせてしまうフォルメンティの音楽性には驚嘆。現代音楽を肩肘張らずBGMっぽく聴きたい人にも最適。
12932KAI
アルベルト・ポサダス(1967b):フラクタルの典礼〜5つの弦楽四重奏のサイクル(2003-2007)
(音の波の時間/変調方式/軌道/アボレセンシアス/分岐)
ディオティマSQ

録音:2009年
ポサダスは1967年生まれの作曲家で作曲をフランシスコ・ゲレーロに師事しました。彼は数学の諸理論とフラクタル理論に強い関心を寄せ、それを音楽的に翻案させるところに彼の個性とスタンスを見出しています。微分音、常に振動するトレモロの運動体、音群的書法にリゲティのエコーを聴くことができます。ハーモニクスの静かな響きには中世の聖歌を思わせるものがあり、聴き手に様々なイマジネーションを喚起する作品です。
12942KAI
ジョルジュ・アペルギス(b.1945):室内楽作品集
クロス・ウィンド(1997)〜ヴィオラとサクソフォンのための
自我(2001)〜サクソフォンのための
ラッシュ(2006)〜ヴィオラとサクソフォンのための
ヴォルト・フェイス(1997)〜ヴィオラのための
信号(1978)〜12のサクソフォンのための
ジュヌヴィエーヴ・ストロッサー(Va)、
XASAX(サックス四重奏)、
マルクス・ヴァイス(テナーSax)、
ピエール=ステファーヌ・ムージュ(ソプラノSax)

録音:2006年
ギリシャ生まれで現在はパリを拠点に活動するアペルギスのサクソフォンを中心とした作品が収められている。彼は前衛劇団の座付き作曲家として活動を始め、以来一貫して前衛的な姿勢を崩さない作曲家である。激しい音塊、スピード感などアグレシヴな作品揃い。
12952KAI
ヴォルフガング・リーム:作品集
協奏曲《ディテュランベ》(酒神礼賛)〜弦楽四重奏と管弦楽のための(2000) *
ソット・ヴォーチェ「夜想曲」(1999)
ソット・ヴォーチェ2「カプリチオ」(2007)
アルディッティQ*、
ジョナサン・ノット(指)ルツェルンSO*
ニコラス・ホッジズ(P)、
ジョン・アクセルロッド(指)ルツェルンSO

録音:2007年*、2008年ルツェルン
リームの最新作を含む近年のオーケストラ作品集。なかでも先頃のN響への客演や10月のバンベルク響との来日で話題のジョナサン・ノットが指揮した弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲(弦楽四重奏の協奏曲というのも凄い発想だが)《酒神礼賛》が最大の聴き物。終始、息もつかせぬほどのハイ・スピードでザクザクとリズムを刻みまくる弦楽四重奏にオーケストラの合いの手、挑発が入り、両者が火花を散らします。オーケストラ作品の聴かせどころのつぼを押さえた見事な作品です。もう一人期待の若手アクセルロッドが指揮する2つの《ソット・ヴォーチェ》は「柔らかな声で」のタイトル通り前作とは打って変わった静謐な作品で、常にエネルギッシュで表出力の強い作品を生み出してきたリームの作品には珍しい、ゆっくりと穏やかで抒情的な音楽。18世紀から19世紀の語法がリーム流にリミックスされ、その後期ロマン派的な音の流れにはうっとりとさせられてしまいます。
12972KAI
ゲーシュタ・ノイヴィルト(b.1937):作品集
弦楽四重奏曲1976*
弦楽四重奏の為の7つの小品(エルンスト・シュタインケルナーのために)(2008)#
忘却の沸騰(ルーブリ・ブーイリ)(2008)+
G.ヤッハ=ミッコ(Vn,Va)*#+、
D.ポリソイディス(Va)*#、
A.リンデンバウム(Vc)*#
A.ビク(Vn)*、S.シャフライトナー(Vn)#、
D.ミシェル=ダンサク(声)+、
エティエンヌ・シーベンス(指)
クラングフォルム・ウィーン+

録音:1997年*、2009年#、2008年+
ゲスタ・ノイヴィルトは1937年ウィーン出身の作曲家(女性作曲家のオルガ・ノイヴィルトとは別人)。10代のころ、ストラヴィンスキーの火の鳥や春の祭典を聴いて作曲家を志し、その後シェーンベルク、ヴァレーズ、ケージから影響を受けました。現在はベルリン自由大学で教鞭を取り、理論家、著述家としてフランツ・シュレーカーについての著作があります。作風はポスト・セリー主義から音群作法など、戦後の前衛技法をバランスよく取り入れた緊張感溢れる音空間を作り出しています。
12982KAI
マヌエル・ヒダルゴ(b.1956)作品集
ベートーヴェン(ヒダルゴ編):大フーガOp.133〜管弦楽のための)*
ヒダルゴ:弦楽四重奏曲第2番
 弦楽四重奏曲第1番「の方へ」
 単純な音楽〜弦楽合奏のための
ベートーヴェン(ヒダルゴ編):6つのバガテルOp.126〜管弦楽のための
ローター・ツァグロセク(指)WDRケルンRSO*、
アンサンブル・レゾナンツ

録音:2006年3月10日ケルン・フィルハーモニー*、2009年WDRケルン放送局
ヒダルゴは1956年アンダルシア生まれのスペインの作曲家でヘルムート・ラッヘンマンに師事したが、ラッヘンマンの特殊奏法を駆使した、かきむしるような音楽とは無縁です。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲《大フーガ》の管弦楽版はシューベルト/ツェンダーの《冬の旅》と同じく一種の創造的編曲で後期ロマン派風の大管弦楽となっている。厚いブラス群、ティンパニー、ハープなども加わり、色彩豊かに変貌しています。彼のオリジナル作品はウェーベルンの影響を感じさせ、点描的で静かな緊張感の中にほのかに漂う調性の香りが美しい。

0013002KAI(2CD)
チェルハ:シュピーゲル

CD1
[1-5] シュピーゲル(鏡) T〜X

CD2
[1-2] シュピーゲル(鏡) Y〜Z

[3] カール・プラントルのためのモニュメントゥム(1988)

[4] モメンテ(2005)
CD2
[1-2] シルヴァン・カンブルラン(指)バーデン・バーデン=フライブルクSWRSO(南西ドイツRSO)
〔録音:2006年7月20日、Werkstattbuhne(ブレゲンツ、オーストリア)〕

[3]デニス・ラッセル・デイヴィス(指)ORFウィーンRSO
〔録音:2001年5月、ORF(ウィーン、オーストリア)〕

[4]フリードリヒ・チェルハ(指)ウィーンRSO
〔録音:2007年10月6日、Stefaniensaal(ウィーン、オーストリア)

2010年にリリースされていたSACD盤は廃盤となり、品番・バーコードは同じままノーマルCD盤として再発売いたします。
未完成に終わったアルバン・ベルクの「ルル」の補筆完成者としてもその名を知られるオーストリアの作曲家、フリードリヒ・チェルハ(b.1926)。濃密な音響をオーケストラで表現した代表作「シュピーゲル(鏡)」をカンブルランが振った名盤が新装再発売されました!
全7部約80分の「シュピーゲル」に、オーストリアの彫刻家カール・プラントルの作品からインスピレーションを受けて作曲された「モニュメントゥム」、オーケストラのための「モメンテ」をカップリングした2枚組です。
13022KAI
ホセ・マニュエル・ロペス=ロペス(b.1956):ピアノ協奏曲(2005)*
ヴァイオリン協奏曲(1995)
2台のピアノと管弦楽の為の「モヴィミエントス」(1998)*
ヨハネス・カリツケ(指)ベルリン・ドイツSO

アルベルト・ロサド(P)*、
エルンスト・コヴァチッチ(Vn)、
フアン・カルロス・ガルバヨ(P)*

録音:2009年11月
ロペス=ロペスは1956年マドリード出身。地元でルイス・デ・パブロに作曲を師事した後、パリでコンピュータ音楽を研鑽、IRCAMではトリスタン・ミュライユの指導を受けました。こうした経験が色彩的で新奇で詩的な音響を生み出しているのであろう。ピアノ協奏曲ではピアノ独奏は内部奏法も取り入れ、オーケストラは伝統的なサウンドと共に非器楽的、特殊奏法も適宜使いながら、どこまでも詩的、音楽的にファンタジーを繰り広げてゆく。倍音に基づいた音響は調性的、モード的に響き、そのきらびやかな音楽は時を忘れさせます。ヴァイオリン協奏曲の汲めども尽きぬアイディアとファンタジーも圧巻。武満徹が聴いたら絶賛するに違いない。ピアノと管弦楽の為のムーヴメンツはストラヴィンスキーとメシアン、スペクトル楽派、武満がミックスしたような、これまた秀逸な作品です。
13032KAI
ピエール・ジョドロフスキ(b.1971):ドローンズ〜15楽器のための
バーバーリズム〜アンサンブルと電子音のための*
対話/非対話〜フルートと電子音のための#
スザンナ・マルッキ(指)
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
IRCAM-ポンピドゥー・センター(電子音響)*,#
ソフィー・チェリエ(Fl)#

録音:2007/2009年
ピエール・ジョドロフスキ(b.1971)はフランスのトゥールーズ地方出身でリヨン音楽院に学んだ。IRCAMで研修員として電子音楽の研究を積み、電子音響とアコースティック楽器を組み合わせた様々な作品を多数発表している。矢継ぎ早に繰り出される様々な音響と不規則なリズムは高等なパンク・ロックか新手のジャズを思わせ、その疾走感あふれる多彩な音響イヴェントに飽きることがない。一聴、ぐちゃぐちゃに聴こえる展開の中にふと抒情的なパッセージが聴こえたりしてなかなか魅力的。ストラヴィンスキー、エリオット・シャープ、マイルス・デイヴィスをミックスしたような音楽である。
13052KAI
ホセ・M・サンチェス=ベルドゥ(b.1968):歌劇《オーラ》(2007-2009)
〜カルロス・フエンテスの同名の小説による
ホセ・M・サンチェス=ベルドゥ(指)
ノイエ・ヴォーカル・ゾリステン・シュトゥットガルト、
ベルリン現代音楽室内アンサンブル、
SWR実験スタジオ(ライブ・エレクトロニクス)、
ヨアヒム・ハース(オーラフォン)、
デュオ・アルベルディ&アイツピオレア(アコーディオン)

録音:2010年
KAIROSスペイン・シリーズ最新録音。サンチェス=ベルドゥのアルバム第2弾。第1作品集(12781KAI)は室内楽と管弦楽作品集で、この作曲家のおよその作風を知るのに打ってつけでしたが、今回は大作オペラ。彼はマドリッドで学んだ後、フランクフルトでドナトーニ、ツェンダーに師事。作品は師匠ツェンダーやブライアン・ファーニホーの影響を感じさせるヨーロッパ前衛音楽の典型的な様式を体現している現代不条理オペラ。コンピュータの音響とアンサンブルの特殊奏法、ヴォーカルの特殊唱法が神秘の儀式のように粛々と進行します。
0013062KAI
チン・ウンスク(b.1961):作品集
ファンタジー・メカニーク*/Xi+
アクロスティコン=ボースピール**
二重協奏曲++
パトリック・ダヴァン(指)*、
デイヴィッド・ロバートソン(指)+、
大野和士(指)**、
ステファン・アスバリー(指)++、
アンサンブル・アンテルコンタンポラン、
ピーア・コムシ(S)**、
サミュエル・ファヴレ(打楽器)++、
ディミトリー・ヴァシラキス(P)++

録音:2004年1月*、1999年2月+、2004年2月**、2003年2月++
現在の韓国、そして世界の女流作曲家を代表する1人としてその名声を確立した陳銀淑(チン・ウンスク)の管弦楽作品集。ハンブルクでリゲティに師事し、自らの作風を確立した後、その作品はベルリン・フィルをはじめとする世界有数のオーケストラや指揮者、ソリストに取り上げられています。師である姜碩煕(カン・ソッキ)が尹伊桑(ユン・イサン)の弟子であることから、その系譜に連なる文字通り現代の韓国楽壇を代表する存在です。
13072KAI
ブライアン・ファーニホー(b.1943):室内アンサンブル作品集
地形(1992)
時間がない(まったく)(2004)〜ギター・デュオ
イカロスの墜落(消失の小さなセレナード)(1988)*
書き出し(1996)
ガブリエルの翼の擦れる音(2003)
エリシオン・アンサンブル
フランク・オッル(指)
ジャン・ドロワイエ(指)*

録音:2003-2007年
ファーニホーと言えばラッヘンマン、フーバーと共に二代目前衛三羽烏(初代はブーレーズ、ノーノ、シュトックハウゼンですね)としてこの20年ほどヨーロッパの前衛音楽シーンとその音楽に心酔する若い世代を牽引してきた。新しい複雑性と呼ばれるその音楽は常にセカセカ、イライラした忙しない音形が幾重にも執拗に重ねられ、さながら神経症患者の描く絵のような奇怪な様相を呈しています。室内アンサンブルの様々な組み合わせのために書かれたこれらの作品はどれもジジジジ!キリリリ!キキキキ!(?)とした音があふれている。盟友ラッヘンマンは近年、独自の枯淡の境地に至っているのに対し、ファーニホーは怒れる前衛の姿勢を全く崩していません。しかし近作の「時間がない/まったく」ではそのタイトルもさることながら調子の外れたギター・デュオの不思議なユーモアが面白い。
13092KAI
ベルンハルト・ラング(b.1957):作品集
「飢餓の星」〜クリスティーネ・ラヴァントのテキストによる(2007)
「モナドロジーVII」〜アーノルドのために(2009)
シルヴァイン・カンブルラン(指)
クラングフォルム・ウィーン
ザビーネ・ルッツェンベルガー(Ms)

録音:2009年
ベルンハルト・ラングは現代音楽とともにジャズを学びドイツのジャズ・バンドのピアニストとしても活動する異色の作曲家。「飢餓の星」はメゾ・ソプラノによる一種のモノオペラで、声とアンサンブルのユーモラスで奇妙なやり取り。ジャズにも精通したラングの聞かせどころを押えた秀作。「モナドロジーVII〜アーノルドのために」はシェーンベルクの2つの室内交響曲から素材を取った5部からなるミニアチュール。
13102KAI
セサル・カマレロ(b.1962):「ヴァニシング・ポイント」〜2人の打楽器奏者と管弦楽の為の(2007)*
「デュラシオン・インヴィジブル」〜ヴァイオリン、チェロ、ピアノと2群の室内管弦楽の為の(2009)#
「雨の音を介して」(2000-04)+
ペーター・ヒルシュ(指)
スペイン国立O*#
ラファエル・ガルベス(Perc)*、
フアンホ・ギジェム(Perc)*、
トリオ・アルボス:【ミゲル・ボレゴ(Vn)、ホセ・ミゲル・ゴメス(Vc)、フアン・カルロス・ガルバーヨ(P)】#+

録音:2008、2009年
カマレロはマドリッドに生まれたが、生まれて間もなく一家でニューヨークに移住。アメリカで音楽の教育を受けた。作風は限られた素材、点描的で鋭く刻み込まれる音のアタック、音色への神経質なまでの細かいこだわりなど、ブーレーズらポスト・セリエリズムの影響が強い。ヨーロッパでは既に広く知られ、アンサンブル・モデルン、クセナキス・アンサンブルなどから委嘱を受け、数々の現代音楽祭に招聘を受けています。
13112KAI
アルベルト・ポサダス(b.1967):作品集
(1)「涙と優しさの暗い深淵」〜アンサンブルのための(2005)
(2)「ネブマート」〜五重奏のための(2008)
(3)「クリプシス」〜アンサンブルのための(2007)
(4)「グロッソポエイア」〜3人のダンサー、4人の音楽家とヴィデオ、ライブ・エレクトロニクスのための(2009)
(1)-(4)アンサンブル・コンテンポラン、
(1)-(3)フランソワ=クサヴィエ・ロート(指)
IRCAMポンピドゥ・センター

録音:2007-2009年
ポサダス(b.1967)はスペインの作曲家で当KAIROSレーベルでは既にリリースされた「フラクタルの典礼」(12932KAI)が話題となった現代スペインを代表する作曲家である。彼はフランシス・ゲレーロに師事した後、パリのIRCAMで電子音響についての研究、創作に取り組む一方、クセナキスのように最新の数学理論にも関心を寄せ、感性と科学の両面から新しい音楽を開拓しようとしている。作品はコンピュータ音楽やスペクトル楽派からの影響を感じさせ、持続する音の帯の色彩とテクスチュアの変化で作品を構成している。「涙と優しさの暗い深淵」では雅楽の笙を思わせる響き、間の感覚、一音に込める気合いのような凄みが1970年代の武満(ウィンター、マージナリア、ジェモー第1部あたり)を思わせ、ライオン・ローアの悩ましい呻きが聴き手の生命力を喚起する。「クリプシス」の低音の凄みと高音域のきらめく美しさ、最新作「グロッソポエイア」のライブ・エレクトロニクスとアンサンブルのコンビネーションも見事なものである。現代音楽ファン必聴!
13122KAI
ヘスス・ルエダ(b.1961):弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番(1990)
弦楽四重奏曲第2番「影から」(2002)
弦楽四重奏曲第3番「島々」(2002-04)
KNMベルリン
【シュテフェン・タシュト(Vn)、
フランツィス
カ・ドレヒゼル(Vn)、
キルスティン・マリア・ピエントカ(Va)、リンゲラ・リエムケ(Vc)】

録音:2010年6月・8月ベルリン
ヘスス・ルエダはマドリッド出身のスペインの中堅作曲家で2004 年にはスペイン文化省よりナショナル・ミュージック・アワードを授与されている。作品は管弦楽から室内楽、オペラと幅広い。因みにNAXOS からリリースされている交響曲第3 番は新奇なアイデアと響きに満ちた秀作である。弦楽四重奏曲はこれまでに当CD に収録されている3 番までが作曲されており、アルディッティ四重奏団が度々取り上げています。第 1 番では様々な音事象が矢継ぎ早に現われ緊張感ある時空間が構成され、第 2 番では「影から」のタイトル通り、瞑想的な雰囲気に溢れ、時に聖歌を思わせる清浄な響きが現われます。第 3 番では後期ショスタコーヴィチを彷彿とさせる沈鬱な旋律がチェロにより歌われるなど、新ロマン派的な側面が見られます。
13132KAI
ベアト・フラー(b.1954):弦楽四重奏曲第3番(2004) KNMベルリン(弦楽四重奏)

録音:2007年
KAIROSレーベル初期から継続的に作品集が出ているベアト・フラー。これで9枚目となるフラーの作品集は51分からなる大作弦楽四重奏曲。ハーモニクス、高音域でのピチカート、スル・ポンティチェロの多用、キリキリとした響き、突如振り落とされるクラスターの音の楔など針金で引っ掻いたようなささくれだった音の隙間にバッハが時折引用されます。荒涼とした空気の中の真摯な祈りの音楽。KNMベルリンは1988年設立のアンサンブル。KNMとは、Kammerensemble Neue Musikの略でメンバーは12人ですが、今回のような弦楽四重奏から客演奏者を加えた大掛かりな編成まで融通がきき、ベルリンの現代音楽シーンに欠かせないアンサンブルとなっています。
13142KAI
ユーグ・デュフール(b.1943):ティエポロによるアフリカ(2005)〜ピアノとアンサンブルの為の
ティエポロによるアジア(2009)〜アンサンブルの為の
アンサンブル・ルシェルシェ

録音:2009年ケルン
グリゼーやミュライユとともにスペクトル楽派の元祖としても知られるフランスの作曲家デュフールは作曲と電子音楽をジャック・ギヨメに師事、後にIRCAMでも研鑽を積んだ。《ティエポロによるアフリカ》ではアフリカ、《ティエポロによるアジア》ではアジアの音楽要素が極めて抽象化された音響で反映され、密度の濃い音響空間が構築されています。
13152KAI
フリードリヒ・チェルハ(b.1926):断片的小品《夢》(2009)
9つのバガテル(2008)*
《瞬間》(2006/07)#
シルヴァン・カンブルラン(指)クラングフォルム・ウィーン、
ゼブラ・トリオ(弦楽三重奏)*、
ペーター・ルンデル(指)WDRケルンRSO#"

録音:2009-2010年
2011年、85歳を迎えるチェルハの近作を3曲収録。いずれも密度の高い作品で高齢にも関わらず、その創作力には驚かされます。断片的小品《夢》は弦楽の静謐な持続音が絡み合い、次第に旋律を為してゆく美しい佳曲。「9つのバガテル〜弦楽三重奏のための」はベルクを思わせ、オーケストラのための《瞬間》は作曲当時80歳というのが信じられないほどのエネルギーを放射。これもまたベルクの《3つの管弦楽曲》を思わせる。チェルハ芸術の総決算がこの一曲に集約。
0013162KAI
マティアス・ピンチャー(b.1971):作品集
トランペット独奏、ホルン独奏とアンサンブルの為の 「ソニック・エクリプス」*/E.E.カミングスの詩によるソプラノと7つの楽器の為の「トワイライト・ソング」+/無伴奏混声合唱(32声)の為の「私は如何に恋煩っているか」〜 ソロモンの雅歌に基づく#
ギャレス・フラワーズ(Tp)*、
デイヴィッド・バード=マロウ(Hrn)*、
マリソル・モンタルヴォ(S)+、
マティアス・ピンチャー(指)*/+、
インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル*/+、
マーカス・クリード(指)#、
SWRヴォーカル・アンサンブル・シュトゥットガルト#

録音:2010年10月21日-22日*、2010年11月9日+、2009年11月21日#
70年台のドイツ出身の作曲家における最重要人物の1人として、現代音楽界の中で抜群の存在感を発揮し続けているマティアス・ピンチャー(1971-)の管弦楽曲、声楽曲、合唱曲を収録したポートレート・アルバム。
ヘンツェとの出会いが転機となり、ラッヘンマンやファーニホウからの影響も要所に感じさせるピンツァーの作品は、厳格ともいえる響きや表現が特徴の1つ。また、32声を要する混声合唱作品では、大胆かつ劇的な表現だけでなく、時折現れる荘厳かつ抒情的な響きが、他の作品とは異なるピンチャーの側面を教えてくれます。
13172KAI(DVD)
suden/ガストン・ソルニツキ、マウリツィオ・カーゲルを撮る
カーゲル(b.1931):室内交響曲、
《勝ちそこないのための10の行進曲》より2つの行進曲、
《1934年12・4日に...》、
《マレ・ノストゥルム》、
《クオドリベット》、《そよ風》、
《ウングイス・インカルナートゥス・エスト》、
《影の響き》、《バベルの塔》
アンサンブル・ズューデン、
コンパーニャ・オブリキュア、
ディヴェルティメント・アンサンブル、
アルトゥーロ・ディエメッケ(指)
ブエノスアイレスPOほか

製作:2011年、DVD5、カラー、
NTSC、ドルビー2.0
5.1、4:3、オール・リージョン、
字幕:ドイツ語・英語、67:00
マウリツィオ・カーゲル(b.1931)は現代音楽にパフォーマンス、演劇的要素を持ち込んだ作品でケージとともに20世紀後半の現代音楽界に多大な影響を与えた。そのカーゲルと同じアルゼンチン出身の映像作家ガストン・ソルニツキによって制作されたカーゲルの貴重なドキュメンタリー映画。作品のリハーサル風景を中心にカーゲルの独白、演奏メと作曲家のやりとりなどで構成されている。映像作品としても優れており、カーゲルの世界を知るのに最適。
13182KAI
フリードリヒ・チェルハ(b.1926):作品集
(1)「そして君は...」(Und du...) (1963)
(2)「目録」(Verzeichnis)(1969)
(3)「Kのために」(1993)
(1)(3)フリードリヒ・チェルハ(指)ORFウィーンRSO
(1)アンサンブル・ディー・ライエ、
(1)E.マイスター/H.ヤナッチュ/G.ヴィーラント/G.アンダース/G.ツィンマー(以上、語り手)
(2)エルヴィン・オルトナー(指)ORF合唱団

録音:(1)1963年8月、(2)1983年11月、(3)1993年
何れもORFレーベルの12枚組BOXセット(CD180)や自作自演集(CD174)で出ていた音源ですが(1)(2)は1枚もので入手しやすくなりました。
チェルハが40歳代に制作した実験的大作「そして君は...」(Und du...)は語り手の「ヒロシマ、閃光、火災、苦痛、粉塵」という朗読で始まり、「...しかしヒヨシ氏と彼の家族は生き残った」と続くうちに電子音とオーケストラの音響が次第に層を重ね、核の恐怖と現代の黙示録的な世界が展開する。作曲当時の緊張した世界情勢も反映された野心的なシアター・ピース。音楽語法としては当時最先端であったコンピュータ音響合成、テープ操作、当時流行した音群作法などが総動員されている。「目録(フェアツァイヒニス)」は不確定性を含む合唱曲で歌手が足を踏み鳴らすなど、後のラッヘンマンを予感させる作品。「Kのために」は彫刻家カール・プラントルの70歳の誕生日を祝って作曲された曲。チェルハはプラントルの作品から度々霊感を受けているようで、この他にも彼の名を冠した作品(カール・プラントルのための記念碑など)を作曲している。同作品はチェルハ自身、その出来に気に入っているようで度々自らタクトを執っている彼の代表作。
13192KAI
アンナ・ヴォズニ(b.1973):作品集
(1)《鏡の中のように暗く》(2010)
〜アンサンブルのための
(2)《帰還》(2006)〜サキソフォンとアンサンブルのための
(3)《カーレス・アストヴェルク》(2007/08)〜声,フルート,ヴァイオリンとチェロのための
(4)《喪失》(2006)〜管弦楽のための
(5)《風景から消える》(2010/11)〜ピアノ,ヴァイオリン,ヴィオラとチェロのための
(1)エンノ・ポッペ(指)クラングフォルム・ウィーン
(2)ザッシャ・アルムブルスター(Sax)、リュディガー・ボーン(指)ヨーロピア
ン・ワークショップ・フォー・コンテンポラリー・ミュージック
(3)クラウディア・ヘール(S)、ティトゥス・エンゲル(指)カーリッジ=ドレスデン現代音楽アンサンブル
(4)マーティン・ブラビンズ(指)オーストリアRSO
(5)ゾフィー・シャフライトナー(Vn)、ディミトリオス・ポリソイディス(Va)、アンドレアス・リンデンバウム(Vc)、ジャンナ・ポリゾイデス(P)

録音:2006-2011年
ヨアンナ・ヴォズニはポーランド出身で地元の大学で哲学の学士号を取得した後、オーストリアのグラーツ大学でベアト・フラーらに作曲を師事した。細かな音形がすばやく運動し矢継ぎ早に展開する緊張感あふれる作風が特長で楽器の特殊奏法も多用され色彩的に豊かな時空間が広がる。ブックレットに一部掲載されたスコアはさながら中心を持たない抽象画のような美しさを持ち、それがそのまま作曲家の音楽上の意図と深く結び合っています。
0013212KAI
サルヴァトーレ・シャリーノ(b.1947):弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第7番/弦楽四重奏曲第8番
6つの短い四重奏曲
プロメテオSQ【〔ジュリオ・ロヴィギ(Vn)、アルド・カンパナーリ(Vn)、カルメロ・ジャロムバルド(Va)、フランチェスコ・ディロン(Vc)】

録音:2010年2月11日-13日、ザールラント放送音楽スタジオ(ドイツ)
ほぼ独学で作曲を学び、その独特の音響、音色を確立したイタリア、パレルモ出身の鬼才サルヴァトーレ・シャリーノ(1947-)の弦楽四重奏曲集。フルートなどの楽器の新たな特殊奏法を続々と生み出し、世界を驚かせてきたシャリーノ。収録されている2曲の弦楽四重奏曲も優れた音響の構成手腕が発揮された秀作であり、「6つの短い四重奏曲」は若き日の60年台から90年台までの30年間をかけて書き続けられた作品です。
13222KAI
ジョルジュ・アペルギス(b.1945):コントレ・タン(2005/06)
(2)シーソー(2008)
(3)会話(ダブル・ベース独奏のための(2007)
(4)「ティーター・トッター(シーソー)(2008)
(1)(2)(4)クラングフォルム・ウィーン
(1)ドナティエンヌ・ミシェル=ダンサック(S)、
エミリオ・ポマリコ(指)
(2)(4)シルヴァン・カンブルラン(指)
(3)ウリ・フッセネッガー(Cb)

録音:(1)2010年7月、(2)2010年2月、(3)2010年11月、(4)2009年11月
アペルギスはギリシャ出身でクセナキスに師事しパリを本拠として活動している。演劇とのコラボレーションが多く、2005年に来日しレクチャーと演奏会を行いました。KAIROSレーベルへはヴィオラとサクソフォンのための室内楽作品集が出ている(12942KAI)。いらいら、せかせかとした音の身振り、矢継ぎ早に移り変わる変幻自在の音響事象、シュールレアリスティックな表現世界など、その独自の世界は今日の現代音楽の状況の中でも際立って個性的です。
13232KAI
ルチア・ロンケッティ(b.1963):作品集
(1)「偉大な重力の男」(2002)〜4人の声と弦楽四重奏のための
(2)「ピノキオ、そのサイド・ストーリー」(2005)〜4人の男声のための
(3)「ハムレットの工場」(2007)〜ソプラノ,バス,ヴィオラとチェロのための
(4)「塩と鴨」(2000) 〜6人の声のためのコメディア・ハルモニア
(1)(2)(4)ノイエ・ヴォーカルゾリス
テン・シュトゥットガルト、
(1)アルディッティ四重奏団
(3)ズザンネ・ライツ=ロレイ(S)、
アンドレアス・フィッシャー(Bs)、
ハンナ・ヴァイリッヒ(Va)、
エリク・ボルギア(Vc)

録音:(1)2008年、(2)2007年、(3)2009年、(4)2002年
ルチア・ロンケッティはローマ出身のイタリアの作曲家で聖チェチーリア音楽院で作曲とコンピュータ音楽を、ローマ大学で哲学を学んだ。その後、パリのIRCAM でジュラール・グリゼイの指導を受けました。前衛音楽の技法を使いつつ、古典文学を大胆に読み換えたテキストに作曲することが多く、ここに収められた作品もコメディの要素を多分に含んだシアター・ピース的な作品でルチアーノ・ベリオの後継者と言ってもあながちほめ過ぎではないっでしょう。
0013242KAI
チェルハ:打楽器協奏曲/インパルス* マルティン・グルービンガー(打楽器)、
ペーター・エトヴェシュ(指)、
ピエール・ブーレーズ(指)*
VPO


録音(ライヴ):2011年11月25日、ウィーン・コンツェルト・ハウス&1996年8月15日、ザルツブルク祝祭大劇場音楽祭
未完成に終わったベルクの「ルル」の補筆完成者としてもその名を知られるオーストリアの作曲家、フリードリヒ・チェルハ(1926-)の大迫力の協奏曲&管弦楽作品は、なんと2曲ともウィーン・フィルの演奏!
冒頭から名手グルービンガーの圧倒的な打楽器と、金管楽器セクションが圧巻の音圧を放つ「打楽器協奏曲」はペーター・エトヴェシュ、新ウィーン楽派の響き、影響を感じさせる「インパルス」は親交が深いブーレーズの指揮によるもの。ウィーン・フィルの巧さも相まって素晴らしい完成度に仕上がっているカイロス(KAIROS)の代表盤の1つです。
13252KAI
エンノ・ポッペ(b.1969)作品集
(1)労働 I(2007)
(2)ヴェスペ(すずめばち) (2005)〜ソロ・ヴォイスのための
(3)労働 II(2007)
(4)葡萄(2004-05)〜ピアノ三重奏のための
(5)労働 III(2006-07)
(6)クローゼット(1989-2009)〜9人の音楽家のための
(7)塩(2005)〜アンサンブルのための
(1)(3)(5)エルンスト・スルバーグ(ヴァーチャル・ハモンド・オルガン)、
(2)ダニエル・グローガー(C.T)
(4)(6)(7)エンノ・ポッペ(指)アンサンブル・モザイク

録音:2010-2011年ジーメンス・ヴィラ
「インター・ゾーン(12552KAI)に続くエンノ・ポッペのKAIROS レーベルへの第2弾。 ポッペは数学の理論を作曲に応用した作品や電子音楽で知られており、ここに収められた作品にもその姿勢が顕著に表れています。「労働」と題された 3 曲はヴァーチャル・ハモンド・オルガンの多彩な音色がコンピュータ音楽と見紛うほどの音響効果を生み出します。「ヴェスペ(すずめばち)」ではテキストの詩の韻を執拗に繰り返すなど、狂気に満ちた異様な音楽。「クローゼット」は20 年がかりで書かれた11 の小品からなる大作で、点描主義的な音楽からアイヴスばりのストリート・ミュージックまで様々な様式の音楽が万華鏡のように現われては消えます。
13262KAI
ヤン・ロビン(b.1974):作品集
「火山」〜29人の音楽家のための
「アート・オブ・メタル I 」〜メタル・コントラバス・クラリネットと17人の音楽家のための*
「アート・オブ・メタル III 」〜メタル・コントラバス・クラリネットと18人の音楽家のための#
アラン・ビヤール(メタル・コントラバス・クラリネット)*#、
スザンナ・マルッキしアンサンブル・アンテルコンタンポラン
IRCAMポンピドー・センター(コンピュータ音響)

録音:2010年、2008年、2009年
ヤン・ロビンはフランスの若手作曲家で当初ジャズを学んだ後、ミヒャエル・レヴィナス、ジョナサン・ハーヴェイ、ブライアン・ファーニホーらに作曲を師事。IRCAM でも研鑽を積み、ライヴ・エレクトロニクスを使った大規模アンサンブルのための作品を精力的に生み出していまう。ところで、このディスクで演奏されているメタル・コントラバス・クラリネットとは特製の金属製のコントラバス・クラリネットで、重低音はもちろんのこと、通常の木管クラリネットでは出せない倍音、特殊奏法などが演奏可能です。どの作品も当初ジャズを学んだ作曲家らしく、厳密に管理、記譜されたフリー・ジャズとでもいうべき不規則なリズムの錯乱とノイズの嵐、大地を轟かさんばかりの重低音からきらめく高音までの幅広いダイナミック・レンジを持ち、オーディオ・ファンにも喜ばれる内容。春の祭典とフリー・ジャズを足して2で割った内容と言えば、当たらずとも遠からずです。
13272KAI
ベルンハルト・ガンダー(b.1969):作品集
(1)ダーティ・エンジェル(2010)
(2)クフル(2010)
(3)球体の声(2007)
(4)ヴェクダ!(2011)
(5)ホリッピーレ・ディクトゥ(恐ろしい)
(2007)
(6)ラヴリー・モンスター(2009)
(1)クラシミール・ステレフ(アコーディオン)
 アンデルス・ニクヴィスト(フリューゲルHr)、
 スザンナ・マルッキ(指)ベルリン・ドイツSO
(2)アルディッティ四重奏団
(3)シン=ウェイ・ファン(P)、
 アーヴィン・アルディッティ(Vn)、
 ラルフ・エーラース(Va)、
 ルーカス・フェルス(Vc)
(4)ルート・ローゼンフェルト(S)、
 ティトゥス・エンゲル(指)
 オーストリア現代音楽アンサンブル
(5)ティトゥス・エンゲル(指)
 ノイエ・ヴォーカル・ゾリステン・シュトゥットガルト、
 アンサンブル・レゾナンツ、
 コンポーザー・スライド・クァルテット
(6)ペーター・エトヴェシュ(指)
 オーストリアRSO

録音:2007-2011年ライヴ・レコーディング
ベルンハルト・ガンダーは 1969 年オーストリア出身でグラーツにてベアト・フラーに師事後、パリのUPIC スタジオでフリオ・エストラーダ、カーティス・ローズに師事。2006 年にはチューリヒのコンピュータ・ミュージック・スイス・センターでその方面の研鑽を積んでいます。当 KAIROSではこれが二枚目のアルバムで前回のCD(12682KAI)におけるアメコミのヒーロー「スパイダーマン」の変身前の主人公の名前をタイトルにした「ピーター・パーカー」やゲーム・ミュージック風の音楽に様々な騒音、爆音が入りテレビ・ゲームの音響をそのまま室内アンサンブルに移し変えた感のある「バーニー・ゲーム」など、ポップ・カルチャーと現代音楽を融合した独自のハイパー・パンク路線はここでも健在。ストラヴィンスキーをチープにしたような音楽の上に終始ノイズの嵐が吹きまくる「ダーティ・エンジェル」、大作曲家・名指揮者エトヴェシュの熱演で巨大な音響が渦を巻く「ラヴリー・モンスター」は大都会のウォール・グラフィティをそのまま大管弦楽に移し替えたような怪作が聴き物。
13282KAI
ゲラルト・レッシュ(b.1975):作品集
(1)コレクション・セルティ(2011)
(2)統計(2009)
(3)「庭、山道、分かれ道」(2000)
(4)カントゥス・フィルムス(定旋律)(2010)
(1)クレメント・パワーしクラング・フォルム・ウィーン、
(2)シュテファン・ノイバウアー(Cl)、
(3)ゲルトルート・ロスバッハー(Va)、ペーター・コイシュニヒ(指)アンサンブル・コントラプンクテ
(4)アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指)ニーダーエーストライヒ・トーンキュンストラーO、シネ・ノミネCho

録音:2010〜2012年
ゲラルト・レッシュはリンツ出身のオーストリアの若手作曲家でミヒャエル・ジャレル、ベアト・フラーらに作曲を師事。ヨーロッパ20 世紀音楽史のよき伝統を受け継いだオーケストレーションと手堅い手法の中に後期ロマン派や表現主義とは異なる新しい抒情が感じられる秀作群。
0013292KAI(2CD)
リストの考察
リスト:5つのハンガリー民謡より第5曲
チェルハ:スロヴァキアの思い出第20番
リスト:5つのピアノ小品より第2曲「レント・アッサイ」
クルターグ:...waiting for Susan...
リスト:調のないバガテル
リゲティ:妨げられた打鍵
ペソン:Speech of Clouds
リスト:ハンガリーの歴史的肖像より第7曲「ミハーイ・モショニ」
リーム:ピアノのための小品第6番
リスト:詩的で宗教的な調べより第7曲「葬送」
リーム:ピアノのための小品第7番
リスト:巡礼の年 第2年:イタリアより第2曲「物思いに沈む人」
ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ第6番
リスト:巡礼の年 第1年:スイスより第2曲「ワレンシュタット湖畔で」
ベリオ:水のクラヴィア
リスト:子守歌
ベリオ:芽
フェルドマン:ネイチャー・ピース第4番
リスト:夜想曲「夢の中に」
リゲティ:En suspens
ミュライユ:別離の鐘, 微笑み
リスト:クリスマス・ツリーより第9曲「晩鐘」
アダムズ:中国の門
リスト:われらの主イエス・キリストの変容の祝日に
シュトックハウゼン:自然の持続時間より第5曲
リスト:諦め
シャリーノ:ポルヴェーリ・ラテラーリ
リスト:クリスマス・ツリーより第2曲 「おお, 聖なる夜!」
フェルドマン:ピアノ小品 1964
マリノ・フォルメンティ(P)

録音:2012年2月20日-26日(ベルリン)
クラングフォルム・ウィーンの元メンバーとしても知られるミラノ生まれのピアニスト・指揮者、マリノ・フォルメンティ。ウィーンを拠点に活動しており、ウィーン音楽週間やザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭への出演や、フランツ・ウェルザー=メストやリッカルド・ムーティといった著名な指揮者との共演など特筆すべき経歴を持ち、現在欧米で最も多忙な音楽家の一人とされています。今回の2枚組のアルバムでは、あらゆる現代音楽の源がリストのピアノ曲にあるという考察を基に、リストのピアノ作品と現代作曲家の作品を交互に並べ、その共通する要素に光を当てています。

13312KAI(2CD)
ベアト・フラー(b.1954):作品集
(1)ミュージック・シアター「砂漠の本」(2009)
(2)「イラ=アルカ(ira-arca)」(2012)
(3)「歌」(1993)
(4)「エール(Aer)」(1991)
(1)トーラ・アウゲシュタット(S)、エレーヌ・フォーシェル(S)、セバスティアン・ブローイアー(Br)、ベアト・フラー(指)クラングフォルム・ウィーン、ソリステXXI(ヴォーカル・アンサンブル)
(2)エヴァ・フラー(バスFl)、ウリ・フッセネッガー(Cb)
(3)ヴラディスラフ・ペシン(Vn)、ミハイル・デュボフ(P)
(4)トリオ・キャッチ

録音:(1)2010 年3 月 (2)2012 年12 月、 (3)(4)2013 年6月
ベアト・フラーはラッヘンマン以後のヨーロッパ前衛音楽シーンを牽引する重要な存在でKAIROS から定期的に新作をリリースしているが、このディスクでは CD1 に最新作、CD2 に 1990年代の旧作を収め、その思索と創作の変遷をたどることが出来る。ミュージック・シアター《砂漠の本》はアンサンブルと語り、ヴォーカルの織り成す不条理劇。CD2 のはフラーがラッヘンマンなどの先人の影響を脱し自己の様式を確立した頃の室内楽を集めた。
0013302KAI
ice〜藤倉大:作品集
ギター独奏の為の「スパークス」/アンサンブルの為の「アイス」/アンサンブルとライヴ・エレクトロニクスの為の「ファントム・スプリンター」/エレクトリック・ギター独奏とアンサンブルの為の「廃棄された時間」/予め録音されたエレクトロニクスの為の「私は歌う花々の夢を見た」/エレクトリック・ギター独奏とライヴ・エレクトロニクスの為の「スパーキング・オービット」
ダニエル・リッペル(G)、
ジェイス・オグレン(指)、
マシュー・ウォード(指)、
インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル
Dai Fujik

録音:2007年-2013年
ロンドンを活躍の場の拠点とし、着実に現在の日本を代表する作曲家の1人としての足場を固めた藤倉大(1977-)のカイロス(KAIROS)第1弾となった作品集。
優れた作曲技法に基づく緻密な作品はもちろんのこと、ユーモアやセンスにあふれる作品名、スタイルで話題を呼び続けている藤倉大の独奏曲から、ライヴ・エレクトロニクスとアコースティックのコラボまでを収録。日本の作曲界の新時代を担うその才能に接することのできる作品集です。インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブルの演奏もハイレベルです。
0013342KAI
ラッヘンマン:書
ドゥーブル(グリードU)*
バーデン=バーデン・フライブルクSWRSO、シルヴァン・カンブルラン(指)、SWRエクスペリメンタル・スタジオ、ミヒャエル・アッカー(サウンド・プロジェクション)、ルツェルン祝祭アカデミー・アンサンブル*、マティアス・ヘルマン(指)*

録音(ライヴ):2006年3月25日(ベルリン)、2005年9月5日(ルツェルン音楽祭)*
1986年、サントリーホールの開館と同時に始まった「サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ」。武満徹の監修で開始されたこのシリーズは、毎年のように海外の大作曲家に新作を委嘱し、現代の音楽界に多大な影響を与えてきました。ラッヘンマンの「書」は、2003年の同シリーズで作曲され、秋山和慶(指)東京SOによって初演された作品。ラッヘンマンならではの特殊奏法やライヴ・エレクトロニクスが駆使された濃密で色彩豊かな音楽です。現代音楽を得意とする日本でもおなじみの名指揮者、シルヴァン・カンブルランのタクトで収録。「ドゥーブル(グリードU)」は「書」の翌年に作曲された弦楽オーケストラのための作品で、こちらは2005年のルツェルン音楽祭のライヴ録音です。
13352KAI
ベルント・リヒャルト・ドイチュ(b.1977):作品集
(1)狂犬(2011)〜アンサンブルのための
(2)弦楽四重奏曲(2012)
(3)ドクター・フューチャリティ(未来博士) (2012-13)〜アンサンブルのための
エンノ・ポッペ(指)
クラングフォルム・ウィーン

録音:2013/2014 年
ベルント・リヒャルト・ドイチュはオーストリア出身。ウィーン芸術大学で作曲をエーリッヒ・ウルバンナーに師事、その後いくつかのセミナーで研鑽を積み 2011 年には東京オペラシティ文化財団主催の武満徹作曲賞に第 2 位入賞し審査員のサルバトーレ・シャリーノから高く評価された。ここに収められた弦楽四重奏から大規模アンサンブル作品は21 世紀型ストラヴィンスキー、バルトークともいうべき作風でいずれも複雑なリズムが生き生きと躍動する。弦楽四重奏曲では奏者が叫ぶなどパンク・ロックのような面白さがあり、アンサンブル作品「未来博士」ではその傾向がより鮮明となり、フランク・ザッパを思わせるに至ります。
0013362KAI
アガタ・ズベル(b.1978)作品集
(1)ラビリンス(2011)〜声と4楽器のための
(2)ミロスの格言(2011)〜声とアンサンブルのための
(3)氷の影(2011)〜クラリネット、チェロとエレクトロニクスのための
(4)NOT I (2010)〜声、アンサンブルとエレクトロニクスのための
アガタ・ズベル(Vo)、
クレメント・パワー(指)
クラングフォルム・ウィーン

録音:2011-2012年ポーランド放送
アガタ・ズベルはワルシャワ出身で一流のヴォーカリストとしても活動しており、このアルバムでもほとんどの作品で声楽パートを担当している。自らがプレーヤーであるためか、机上の書式に傾きがちな前衛派とは一線を画した、時に先鋭的なジャズを思わせる肉体性のある作風が特徴。近年はコンピュータを使った作品も手掛けており、「氷の影」と「NOT I」ではミステリアスな音空間を作り上げる事に成功している。シマノフスキ・フィルハーモニー管弦楽団レジデンス・コンポーザー。
0013372KAI
ミン・ツァオ (b.1966):作品集
(1)室内歌劇「幽霊島」(2010-11)〜シェイクスピアとツムシュティークに基づく
(2)セレナード(2012)〜メゾ・ソプラノと12 人の音楽家のための
(3)「もし耳が必要とされる全てであったら・・・」(2007)〜ギター独奏のための
(1)タナーヤ・ラジ(Ms)、クラウディオ・オテッリ(Bs)、ダニエル・クリューゲ(T)、 ハンス・クレーメル&シュテファン・メルキ
(語り)、 シュテファン・シュライバー(指)オルフェウス・ヴォーカル・アンサンブル、シュトゥットガルト州立歌劇場O
(2)セシリア・ヴァリンデル(Ms)、宗像礼(指)アンサンブル・ギャギーゴー!
(3)ゼート・ヨーゼル(G)

録音:(1)2013 年2 月、(2)(3)2012 年11 月
ツァオは 1966 年カリフォルニアのバークレー生まれ。エーテボリ大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校で作曲を、サンフランシスコ大学で数学を学んだほか個人的にブライアン・ファーニホーにも指導を受けている経歴からも想像できるように極めて理知的でヨーロッパの主知主義音楽の影響を受けた作品を作曲している。とはいえ、作品は頭でっかちの代物ではなく、一聴すると錯綜したに聴こえる音のタペストリーは極めて厳選された美しいと言ってもよい音で構成されており洗練されたシュールレアリスムと呼んでもよい。彼の作品はヨーロッパで高い評価を受けており、アルディッティ四重奏団、アンサンブル・ルシェルシュによってさかんに取り上げられている。

0015002KAI
アンドレイエフ:虹色の記号
ソプラノとアンサンブルのためのカンタータ「虹色の記号(Iridescent Notation)」
先週のコンサートについて(A propos du concert de la semaine derniere)
ネッツ・ムーヴ・スロウリー、イエット(Nets Move Slowly, Yet)
困難が石を滑らかにする(Le malheur adoucit les pierres)
毎日の出来事(Evenements quotidiens)
ナイト・ディヴィジョン(Night Division)
マレン・シュヴィアー(S)、
ディーナ・ピサレンコ(P)
ウホ・アンサンブル・キエフ、
ルイージ・ガッジェーロ(指)

録音:2018年9月22日−27日、ナショナル・レコーディング・ハウス(キエフ、ウクライナ)
2018年のカイロス(Kairos)へのデビュー・アルバムで成功を収めたカナダの作曲家、サムエル・アンドレイエフ(1981−)の第2弾には、2002年から2017年に作曲された6作品を収録。
アンドレイエフは、パリ音楽院で作曲をフレデリック・デュリユーに師事し、IRCAMでは電子音響音楽を学び、さらにはオーボエをアンサンブル・アンサンブル・アンテルコンタンポランのディディエ・パトーの下で研鑽を積んだという経歴の持ち主。
2012年にはアンリ・デュティユー賞を受賞、また、シーメンス財団からアンサンブル・プロトン・ベルンの創立10周年記念作品の委嘱を受けるなど、ヨーロッパで着実に知名度と実績を高めている作曲家です。
15005KAI
フリードリヒ・チェルハ(b.1926):作品集
(1)「夜」(2012/13)
(2)-(4)管弦楽のための3 つの小品
(2)星の子守歌(2006)
(3)間奏曲(2010-11)
(4)墓(2011)
(1)エミリオ・ポマリコ(指)
SWRバーデン=バーデン・フライブルク南西ドイツRSO
(2)-(4)ユッカ=ペッカ・サラステ(指) WDRケルンRSO

録音:(1)2014年10月17日バール=シュポルトハレ,ドナウエッシンゲン(NEOS11522/24で出ていたものと同じ演奏)、(2)2014年2月7日ケルン・フィルハーモニー
新古典主義から新ウィーン楽派、セリー音楽など、その作品が常に時代を反映しているオーストリアの現代音楽界の大御所、フリードリヒ・チェルハ(1926-)が80代後半で作曲した大規模な管弦楽作品を収録。「管弦楽のための3つの小品」についてチェルハは次のように語っています。「私は2006年に80歳を迎えました。それは長い人生の中で世界や自身がどう変わったか、どのように変わって見えるかを振り返らずにはいられない年齢です。そのような思いにつながるような3つのオーケストラ曲を考えていました。2006年に実現したのは、第1曲の「天上の子守歌 Berceuse celeste」だけです」「(第1曲は)音楽的には、2010/2011年に初めて形になった第3番「トンボー」とは正反対の作品です。第3番は死に向かって徐々に、そして執拗に起こる出来事によってもたらされ、そこでは変化が衰え、虚無が残り、最終的に時が存在しなくなるのです」
0015006KAI (3CD)
ガーデンシュテッター:セマンティカル・インヴェスティゲイションズT
セマンティカル・インヴェスティゲイションズU
悲しい歌/フィギュア 〜 イコノソニックスT
ボディーズ〜イコノソニックスU
展覧会の絵 〜 イコノソニックス
エルンスト・コヴァチッチ(Vn)、
クラングフォルム・ウィーン、
エティエンヌ・シーベンス(指)、
アンサンブル・モデルン、
シャーン・エドワーズ(指)、
アンサンブル・ニケル、
弦楽アンサンブル「ランスタン・ドヌ」、
クラシミル・ステレフ(アコーディオン)、
ヤロン・ドイチュ(エレキ・ギター)

録音:2008年2月7日−2016年10月9日、スイス&ドイツ
ヘルムート・ラッヘンマンとエーリヒ・ウルバンナーに作曲を師事したオーストリアの現代音楽作曲家、クレメンス・ガーデンシュテッター(1966−)の小編成&大編成作品集。ラッヘンマン門下の中で特に高い存在感の発揮しているガーデンシュテッターの2006年から2010年までの"ノイズ系現代音楽"によるポートレート・プログラムは、特殊奏法、リズムと色彩的感覚が独特かつ印象的。ラッヘンマンの高弟と称されるその実力、名声の高さを存分に知ることの出来る作品集です。
0015008KAI
NX-B05
ハヤ・チェルノヴィン(1957‐):作品集
冬の歌 V‐忘れられた光(2014)
5つのアクション・スケッチ‐第1曲 Breathe(2014)
冬の歌 IV‐ 傷‐ヤドリギ(2014)
5つのアクション・スケッチ‐第2曲 So Narrow(2014)
5つのアクション・スケッチ‐第4曲 Sliver(2014)
冬の歌 II‐石(2003)
5つのアクション・スケッチ‐第5曲 Sand(2014)
カイ・ヴェッセル(C.T)
ジェフリー・ギャヴェット(Br)
ウィリアム・シンメル(アコーディオン)
スティーヴン・シック(指)
インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル

録音:2014年10月23日
イスラエルで生まれ、現在はアメリカに拠点を置く女性現代作曲家ハヤ・チェルノヴィンの作品集。 彼女は2006年のザルツブルク音楽祭でモーツァルトの「ツァイーデ」に自作「アダマ」を融合させたことで注目を浴びまし た。「冬の歌」は最初の曲が2002年に書かれてから、断続的に発表されており、彼女の作風も同時に進化していま す。絶え間なく続く音楽は、まるで尽きることない生命を表すかのようです。
0015010KAI
ノイヴィルト:オーケストラ作品集

(1)トランペットとオーケストラのための「…miramondo multiplo…」(ホーカン・ハーデンベルガーのために)
(2)ヴィオラとオーケストラのための「Renants of Songs...An Amphigory」(ベティ・フリーマンの追憶に)
(3)Masaot/clocks without Hands(旅/針のない時計/ウィーンPOに献呈)
(1)ホーカン・ハーデンベルガー(Tp)、グスタフ・マーラー・ユーゲントO、インゴ・メッツマッハー(指)
録音:2009年4月15日、ムジークフェライン(ウィーン、オーストリア)
(2)アントワン・タメスティ(Va)、ウィーンRSO、スザンナ・マルッキ(指)
録音:2012年11月5日、ウィーン・コンツェルトハウス(オーストリア)
(3)ダニエル・ハーディング(指)VPO
録音:2015年5月9日、ウィーン・コンツェルトハウス(オーストリア)
1968年グラーツ出身で、現在のオーストリアを代表する作曲家の1人であるオルガ・ノイヴィルトが、2006年以降に作曲した主要オーケストラ作品3曲を収録。 この3作品の録音、何と言っても演奏者陣が豪華!「…miramondo multiplo…」(2006)は献呈者であるスウェーデンが誇る世界屈指のトランぺッター、ホーカン・ハーデンベルガーが、「Renants of Songs...An Amphigory」(2009)では現代最高のヴィオリストの1人、アントワン・タメスティがソリストとして参加! そしてウィーン・フィルに献呈された「旅/針のない時計」(2013)では、ハーディングが指揮するウィーン・フィルの演奏(2015年)を収録するなど、充実の顔触れの実現は歴史ある現代音楽レーベルであるカイロス(Kairos)ならでは。ノイヴィルトのオーケストラ作品を世に広める絶好の機会となることでしょう! オーストリアの女流作曲家オルガ・ノイヴィルトは、名門ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、フランス、パリのIRCAMではトリスタン・ミュライユに作曲を師事し、イタリアの巨星ルイジ・ノーノからも多大な影響を受けています。
0015011KAI
ファリアス:アップ・アンド・ダウン
(1)バス&コントラバス・クラリネットとアンサンブル
(2)クラリネット、打楽器、ピアノとチェロのための《エステラス》
(3)フルート、打楽器、ピアノとチェロのための《CBR》
(4)バリトン・サクソフォン、打楽器、ピアノとチェロのための《パレット》
(5)アンサンブルとエレクトロニクスのための《液体の声》
(1)ローラン・ブルティン(バスCl)、アンサンブル・コントレシャン、ミヒャエル・ヴェンデベルク(指)
(2)アンサンブル・コントレシャン
(3)アンサンブル・ゼロ
(4)フェイス、シメオン・ピロンコフ(指)
(5)アンサンブル・ヴォルテックス

録音:2010年−2018年
現在の南米において最も有望な作曲家の1人と目され、チリ、スイス、フランスで作曲を学ぶという経歴の持ち主でもあるミゲル・ファリアス(1983−)の室内楽作品集。南米のポピュラー音楽の作曲にも精通しているファリアスは、ヨーロッパの現代音楽との融合を試みるなど、独創的な作品を続々と世に送り出しています。ラジオ・フランスやチリ国立歌劇場、チリ国立バレエ、サンティアゴPO、アンサンブル・コントレシャンなどから続々と作品の委嘱を受けているところからも、その存在感の高さが窺い知れます。
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クラウディオ・アンブロジーニ:ギター作品集
アリアと舞曲(1978)/I‘mbrazilian(1987)/3つの練習曲「戸外にて」(2013)/影の歌(1973)/Nulla nox sine linea(1973/2013)より夜想曲I、夜想曲II/夢の夜想曲/Priapo assiderato(1992)/迷宮のシャコンヌ(ユリのシャコンヌ)(1995)/Tantalo sorridente(1973)/夜想曲(ジミー・ヘンドリックスのトンボー)(1975)/優しい歌(1973)/ラップ(1994)/Canzone a perdere(1973)/無垢の歌、経験の歌/遠近法に関する3つの研究(1973)より第2番/3つのホログラム
アルベルト・メシルカ(G)

録音:2016年2月
20世紀後半にギターのレパートリーに最も大きな貢献をした人物のひとり、イタリア・ヴェネツィア出身の作曲家、クラウディオ・アンブロジーニ(1948-)が1973年から2013年までに書いた21曲のギター作品を収録。彼はブルーノ・マデルナやルイジ・ノーノのお気に入りの作曲家であり、イタリアの作曲家として初めてフランスのローマ賞を受賞(1985年)した人物でもあります。華麗さと純粋な音楽性を兼ね備えたイタリアの名手、アルベルト・メシルカの演奏でお楽しみください。ほとんどの曲は世界初録音とのことです。
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国内盤仕様
税込定価
細川俊夫:作品集〜ガーデンズ
ドローイング(2004)/春の庭にて(2002)
夜の音楽(2012)/歌う庭(2003)
旅X(2001)
ウホ・アンサンブル・キエフ、
ルイージ・ガッジェーロ(指&ツィンバロム)
マリオ・カロリ(Fl)

録音:2017年10月&12月、ウクライナ、フランス
ドイツで尹伊桑、ブライアン・ファーニホウとクラウス・フーバーに作曲法を師事し、新作発表の度に大きな話題を呼ぶ現在の日本を代表する作曲家の1人、細川俊夫(1955−)。
オーストリアを拠点とする世界有数の現代音楽レーベル「KAIROS」が取り上げた細川作品は、2001年に作曲された「旅X」から2012年の「夜の音楽」までの5作品。
西欧のアヴァンギャルド・アートと日本の伝統文化の融合による作品は常に高い評価を受け続けています。
今回のウクライナのアンサンブルによる作品集のテーマは「庭(Gardens)」。「夜の音楽」でのツィンバロムは、初演者ルイージ・ガッジェーロが担当しています。
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リザ・リム:大量絶滅と夜明けの合唱(2018)
アクシス・ムンディ(2013)*
ソングス・ファウンド・イン・ドリーム(2005)#
ソフィー・シャフライトナー(Vn)、
ペーター・ルンデル(指)クラングフォラム・ウィーン
ローレライ・ダウリング(Fg)*
ステファン・アズベリー(指)クラングフォラム・ウィーン#

録音:2015年8月21日−2019年6月13日、オーストリア
中国人の両親の下、オーストラリア西部のパースで生まれたリザ・リム(1966−)は、アジアの儀式や文化、アボリジニの芸術の美学を反映させた作風を持ち味とするオーストラリアの作曲家。
「カイロス(Kairos)」初登場となるリザ・リムの作品集には、2018年に作曲された新しい記念碑的作品である「大量絶滅と夜明けの合唱(Extinction Events and Dawn Chorus)」を収録。
人類と自然の密接な繋がりに関する芸術的側面を反映させたこの作品は、12人の演奏家たちのために作曲されており、リザ・リムの器楽曲の中でも最も重要な作品の1つとなりました。
0015021KAI
NX-B05
フランコ・ドナトーニ(1927-2000):室内楽作品集
Marches(1979)…独奏ハープのための
Nidi(1979)…独奏ピッコロのための
Clair(1980)…独奏クラリネットのための
Small(1981)…ピッコロ、クラリネット、ハープのための
Estratto(1969)…独奏ピアノのための
Secondo Estratto(1970)…ピアノ、ハープシコード、ハープのための
Quarto Estratto(1974)…ピッコロ、フルート、ヴァイオリン、マンドリン、ハープ、ハープシコード、ピアノとチェレスタのための
アンサンブル・アダプター
【メンバー】
クリスティアーナ・ヘルガドティル(ピッコロ)
インギルフル・ヴィヒャルムソン(Cl)
グンヒルダー・アイナルスドティル(ハープ)
マティアス・エングラー(チェレスタ)
アーロン・ダン(Fl)
チャシャター・カナヤン(Vn)
セス・ジョセル(マンドリン)
ペテリ・ピツコ(ハープシコード)
エルマー・シャランメル(P)

録音:2014年8月28-29日、2014年10月7日、2015年4月14日
イタリアの現代作曲家フランコ・ドナトーニの作品集。1953年にブルーノ・マデルナに出会い、その翌年からダルムシュタット夏期現 代音楽講習会に参加、様々な作風を身に付けました。新古典主義から図形楽譜など作曲技法の変遷を経て、晩年には調性 音楽への帰依も認められるなど、作曲時期によって変幻自在の作風が見られるドナトーニ。このアルバムには、彼が独自の作風を 確立する1970年代から80年代にかけての室内楽作品を中心に収録。1977年以降に到達したという、様々なサウンドが絶え 間なくつなぎ合わされる「パネル技法」による作品も含まれています。
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NX-B09
力と光の波のように 他

(1)ノーノ(1924-1990):Como una ola de fuerza y luz 力と光の波のように(1971-1972)
(2)ノーノ:...sofferte onde serene...苦悩に満ちながらも晴朗な波(1975-1977)
(3)パウロ・デ・アシス(1969-):unfolding waves… con luigi nono 広がる波…ルイジ・ノーノと共に(2012)
(1)クラウディア・バラインスキー(S)
ジャン・ミシェルズ(P)
アンドレ・リシャール(サウンド・プロジェクション)
SWRエクスペリメンタルスタジオ
ラインホルト・ブレイク:サウンド・ディレクター・アシスタント
WDR響
ペーター・ルンデル(指)

(2)ジャン・ミシェルズ(P)
パウロ・デ・アシス(サウンド・プロジェクション)
(3)WDR響
ペーター・ルンデル
レオ・ヴァリンスキー(指)

録音:2012年11月10-11日 、2016年12月9日
ポリーニとアバドが初演、録音したことで、爆発的な知名度を獲得し、ノーノの代表作となった「力と光の波のように」の新録音 (作曲家自身はヘルベルト・ケーゲルにも録音を依頼、録音もされています)。 “チリ革命”時代の政権を批判し、鋭い詩を書いた若き詩人ルチアーノ・クルスを悼んで書かれたというこの曲は、予め録音さ れたテープ音と、ソプラノ独唱、ピアノ、フル・オーケストラの響きが混ざりあう混沌と波乱の音楽。 「苦悩に満ちながらも晴朗な波」はピアノとテープの対話。この録音では、ポリーニの最初の録音以来、使用できなかったオリ ジナル・テープを再現して用いています。 余白に収録されているのは「苦悩に満ちながらも晴朗な波」でサウンド・プロジェクションを務めるパウロ・デ・アシスのノーノへの オマージュ。ノーノの作曲テクニックを深く研究したという彼ならではの音空間です。
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NX-B05
サミール・オデ=タミミ(1970-):作品集
ピアノ三重奏とテナーバス・トロンボーンのための「Lamed」(2014)
独奏チェロのための「Uffukk」(2010)
テナーバス・トロンボーンとパーカッションのための「Li-Sabbra」(2005/2015)
バリトン・サクソフォーンのための「Lamed II」(2014/2015)
アンサンブルのための「Alif」(2015)
独奏ヴァイオリンのための(2014/2015)
バス・クラリネットのための「Lamed III」(2014/2017)
フルート,ピアノとパーカッションのための「Li-Umm-Kamel」(2004)
ザフラーン・アンサンブル
ザロメ・カンマー(ヴォーカル)
マヌエル・ナウリ(指)

録音:2017年5月21-24日
パブロ・ピカソ、アルベルト・ジャコメッティ、アントニ・タピエスなど様々な現代芸術家の作品からインスパイアされているという、 サミール・オデー・タミミの作品集。彼はイスラエルに生まれたパレスチナ人で、14歳の時からアラビア音楽の演奏家として活 躍、1992年から1996年までキール大学で音楽学、ブレーメン芸術大学で作曲を学び、2003年にエリザベス・シュナイダー 財団の作曲コンクールで賞を獲得、以降優れた作曲家として世界中で活躍しています。彼の作品はアラビアの伝統音楽と 現代的な手法が融合したもので、ここでも程よい緊張感の中に、時として東洋的な響きが入り混じり、一種独特な世界が 生まれています。
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サミュエル・アンドレーエフ(1981-):作品集
1-4.Verifications 検証(2012)
ピッコロ、ミュゼット、A♭ピッコロ・クラリネット、カシオSK-1、パーカッション、チェロのための
6-10.5つの小品(2010)
フルートとパーカッションのための
11.Passages パッセージ(2005)
独奏クラリネットのための
12-15.Music with no Edges(2004)
クラリネット、パーカッション、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのための
16-19.Strasbourg Quartet ストラスブール・クァルテット(2014/15)
フルート、クラリネット、パーカッション、チェロのための
HANATSUmiroir(アンサンブル)
【メンバー】
大久保 彩子(Fl)…1-4.6-10.16-19
サムエル・アンドレーエフ(ミュゼット)…1-4
トーマス・モノド(Cl)…1-4.11-19
オリヴィエ・モーレル(パーカッション)…5-10.12-19
レミ・ドゥラプト(パーカッション)…1-5
トゥラミ・グェン(カシオSK-1)…1-4
ローラン・カマット(Va)…12-15
エルサ・ドルバス(Vc)…1-4.12-19
ステファヌ・クロル(Cb)…12-15
オリヴィエ・モーレル(指)…1-4
大久保 彩子(指)…12-15

録音:2018年5月-7月…1-5.11-19
2015年2月28-29日 …6-10
1981年カナダ生まれのサムエル・アンドレーエフ。トロントでチェロとオーボエ、作曲を学んだ後、フランスに定住。作曲 家、詩人として幅広く活躍しています。アヴァンギャルドな作風で知られ、これまでにもThe New York Times誌で 「一度聴いたら忘れることのできない音楽」など、世界中のメディアから高い評価を受けています。この作品集では、ミュ ゼットから電子楽器まで多彩な楽器を駆使、独創的な音を聴かせます。現代音楽を中心に活躍する日本のフルー ティスト、大久保彩子が独奏、指揮の両面で素晴らしい采配を見せています。
0015026KAI
ステファン・ヴェングウォフスキ(b.1985):現代のユダヤ音楽
ビギニング/コヘレト/モデアニ/アンセム/アペンディクス
デイヴィッド・クラカウアー(Cl)、ツェザリー・コンラッド(パーカッション)、アダム・コシュミエヤ(P)、ミコワイ・トシャスカ(Sax)、マチェイ・ヤロン(Vn)、他

録音:2015年&2016年(ワルシャワ)
ワルシャワ美術アカデミーのメディア・アート学部で教鞭を執っているポーランドの若手作曲家、ステファン・ヴェングウォフスキのアルバム。旧約聖書の詩文の一つ「コヘレトの言葉」のテキストを引用して作曲された5つの作品で、その内容は人間の存在の意味についての哲学的考察であり、そのはかなさを強調しているといいます。
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ルチア・ロンケッティ(b.1963):アクション・ミュージック作品集
沈黙の宮殿/ヘリコプターと蝶々/左右どちらにも向かわずに/恐怖の湖/モニュメントからの騒音
アンサンブル・アンテルコンタンポラン、マティアス・ピンチャー(指)、クリスティアン・ディアシュタイン(パーカッション)、ミケーレ・マルコ・ロッシ(Vc)、トスカーナO、ルカ・プファフ(指)

録音:2013年〜2017年
イタリアの作曲家、ルチア・ロンケッティの作品集。ドビュッシーの未完のバレエ「沈黙の宮殿」やヘンデルのアリア「私を泣かせてください(涙の流れるままに)」、ドストエフスキーの小説「賭博者」など、様々な物語からインスピレーションを得て作られた作品が集められています。
0015028KAI
NX-B09
フリードリヒ・チェルハ(1926-):Eine Art Chansons 一つの芸術的な歌 HK Gruber chansonnier(アンサンブル)
【メンバー】
ヨーゼフ・ピツェク(Cb)
クルト・プシホダ(パーカッション)
ライナー・コイシュニヒ(P)

録音:1988年4月26日ウィーン放送 大ホール
1950年代の初頭、作曲家チェルハは同年代のアバンギャルトのグループと親密になり、芸術家たちが集うクラブハウス 「Strohkoffer」に出入りするようになります。詩人たちがダダイズムの流れを汲んだ“実験的な言語”を用いて作った 詩(幼児の言葉や外国訛り、言葉遊び他、奇妙な言葉の数々)に衝撃を受けたチェルハは、これらを元に「芸術的 な歌曲」を創り上げる試みを行いました。1分にも満たない小さな「歌」は、風刺、引用などが散りばめられただけでな く、当時のチェルハが持つ作曲技法が惜しげもなく使用されています。ただ小さな歌が並べられているわけではなく第2 部には比較的重めの曲が置かれており、全体の構成も良く練られています。
0015029KAI(2CD)

P-0015029KAI(2CD)
国内盤仕様
税込定価
クラム:マクロコスモスT〜V
アンプリファイド・ピアノのための黄道十二宮にちなむ12の幻想曲集「マクロコスモスT」/アンプリファイド・ピアノのための黄道十二宮にちなむ12の幻想曲集「マクロコスモスU」/2台のアンプリファイド・ピアノと打楽器のための「夏の夜の音楽(マクロコスモスV)」(多重録音による世界初録音)
清水美子(P)、
ルパート・ストルーバー(打楽器)、
柴田晶子(口笛)、
清水なつみ(スライドホイッスル、アルトリコーダー、口笛)

録音:2016年−2017年
新たな音楽語法、音響の開拓者として多大な功績を残し続けている現代アメリカの大作曲家、ジョージ・クラム(1929−)。
そのクラムの音楽に魅入られ、日本におけるクラム演奏の第一人者として活躍するピアニスト、清水美子が代表作「マクロコスモス」の第1巻から第3巻をレコーディング!
バルトークの「ミクロコスモス」に呼応するかのように名付けられたクラムの「マクロコスモス」と清水との出会いは大学生のころまでさかのぼる。
東京のアメリカンセンターで聴いたデイヴィッド・バージの演奏する「マクロコスモスT」に感銘を受け、魅了された清水は渡米。
イーストマン音楽学校で、クラムの音楽の最大の理解者の1人でもあるデイヴィッド・バージに師事し、クラムの世界に本格的に足を踏み込むことになったという。
クラム本人とも長く親交を深め、作曲家本人からも厚い信頼を寄せられている清水美子。日本人奏者における「マクロコスモス」の決定盤であり、4人の奏者を必要とする「マクロコスモスV」をピアニスト、打楽器奏者1人ずつで演奏した録音は今回が世界初となります。
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NX-B09
エーファ・ライター(1976-):作品集
1.Noch sind wir ein Wort…(2016)
コントラバスリコーダー,コントラバス,奏者たちの合唱とエレクトロニクス
commissioned by the Klangforum Wien
(realized through the Erste Bank Kompositionspreis 2016)
2.Masque de Fer (2017)
声,フルート,ダン・バウ,ヴィオラとパーカッションのための
3.Allemande multiplee (2017)
ヴァイオリンとペダル・ボードのための
4.Irrlicht (2012)
フルート,トランペット,トロンボーン,パーカッション,ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバスとエレクトロニクスのための
5.In groben Zugen(2014)
弦楽四重奏とトランスデューサのための
6.Konter(2009)
コントラバスフルートとエレクトロニクスのための
クラングフォルム・ウィーン(アンサンブル)

録音:2016年11月 Mozartsaal, Wiener Konzerthaus, Austria
…1
2017年8月 Studio Multiple Me, Vienna, Austria…2
2017年6月 Ulrichskirchen…3
2012年12月 Studio Multiple Me, Vienna, Austria…4
2017年11月 Festival Rainy Days, Luxemburg…5
2017年11月 Studio Alex Fostier, Brussels, Belgium…6
2016年、ドイツの権威ある賞“Erste Bank Kompositionspreis”を受賞したエーファ・ライターのポートレート・アル バム。彼女はウィーンで生まれウィーン国立音楽大学で古楽演奏(リコーダーとヴィオラ・ダ・ガンバ)を学んだ後、オランダ で更に研鑽を積み、さまざまなバロック・オーケストラでソリストとして活躍しています。その傍ら、現代音楽にも興味を抱 き、アンサンブルでパフォーマンスを行いながら独創的な作品も発表。作曲家としても注目を集めています。彼女は音楽 を形成する要素を徹底的に分析し、新しい音楽を創り上げることを得意としており、バッハの無伴奏パルティータを 素材に用いたトラック3「Allemande multiplee」はとりわけ高く評価されています。
0015032KAI
チン・ウェンチャン(1966-):管弦楽作品集
Echoes from the other Shore 他の海岸からのこだま(2015)
箏とオーケストラのための
The Nature’s Dialogue 自然の対話(2010)
オーケストラとオーディオ・テープのための
Across the Skies 空を横切る(2010)
琵琶と弦楽オーケストラのための
Lonely Song 孤独な歌(1990/2015)
ジ・ウェイ(箏)
ラン・ウェイウェイ(琵琶)
ゴットフリード・ラプル(指)
ウィーンRSO

録音:2016年3月7-14日
モンゴルのオルドスで生まれ、北京で活躍する作曲家チン・ウェンチャンの作品集。若い頃から民族音楽の研究に勤しみ、 上海音楽院で作曲を学んだ後、1998年から2001年にかけてドイツのエッセンに留学、現在は中国中央音楽院の教授を 務める傍ら、数多くの作品を発表。「中国で最も影響力のある作曲家」の一人です。このアルバムに収録された4つの作品 は、中央アジアの民族音楽に由来する旋律が用いられています。中国の古典的楽器だけでなく、テープに収録した「世界 中の自然から集めた広範な音」を用いるなど実験的要素もふんだんに使用されています。 NAXOSからリリースされている作品集(8.570620)と同じシリーズの録音であり、ゴットフリード・ラプルが指揮するウィーン放 送SOが見事な演奏を聴かせています。
0015033KAI
ルカ・ロンバルディ(1945-):フルート作品集
...(da Infra)(アルトフルートの為の)(1997)、...(da Lucrezio)(バスフルートの為の)(1998)、Ro'(ピッコロ、Cフルート、アルトフルート、バスフルートの為の)(1999)、Bagattella(無伴奏フルートの為の)(1983)、Schattenspiel(バスフルートの為の)(1984)、Tre piccoli pezzi(無伴奏フルートの為の)(1965)、Quattro piccoli pezzi(無伴奏フルートの為の)(1977)、Einstein-Dialog(フルートとチェロの為の)(2005)*、Nel vento, con Ariel(無伴奏フルートの為の)(2004)、Echo de Syrinx(フルートの為の)(2004)、O Haupt voll Blut und Wunden(フルートの為の)(2010)
ロベルト・ファブリチアーニ(Fl)、
レオナルト・エルシェンブロイヒ(Vc)*

録音:2008年&2010年(イタリア・アレッツォ)
一般的なフルートから特殊管までを吹きこなす、イタリアのフルート界を代表するスーパー・ヴィルトゥオーゾ、ロベルト・ファブリチアーニによるロンバルディのフルート作品集!ローマ出身のルカ・ロンバルディ(1945-)は、シュトックハウゼンやベルント・アロイス・ツィンマーマン、パウル・デッサウらに師事した、イタリアで最も国際的に知られている現代音楽作曲家のひとりで、フルート作品の作曲にあたっては1980年代に出会ったファブリチアーニからも大きな影響を受けています。ロンバルディとファブリチアーニの出会いは、ブラームスとミュールフェルトや、シュトックハウゼンとコンタルスキー兄弟に匹敵する、作曲家の声を代弁する作曲家と楽器奏者の豊かな創造的コラボレーションと言っても過言ではないでしょう。本アルバムには彼が作曲したさまざまな種類のフルートの為の作品が収録されており、その中にはファブリチアーニに捧げられた「Bagattella」 「Nel vento, con Ariel」や、ファブリチアーニの60歳の誕生日を祝う「Echo de Syrinx」も含まれています。
0015034.KAI
アルベルト・ポサダス(1967-):Veredas〜サクソフォン作品集
アルベルト・ポサダス(1967-):Veredas(道)
1.Ruinas(2014)(テナー・サクソフォンのための)
2.Fragmentos Facturados(2014)(アルト・サクソフォンのための)
3.Seran CeNI-za(2015)(ソプラノ・サクソフォンのための)
4.Objetos de la noche(2015)(バリトン・サクソフォンのための)
5.Arietta(2016)(ソプラニーノ・サクソフォンのための)
6.Limite(2018)(バス・サクソフォンのための)
リカルド・カペリーノ・カルロス(Sax)

録音:2019年11月&2020年1月(スペイン、バレンシア)
現代スペインを代表する作曲家アルベルト・ポサダス(1967-)による、サクソフォンのための作品集。ポサダスはフランシスコ・ゲレーロのもとで作曲を学び、楽器の音響をミクロのレベルで探った上で音楽的素材を手に入れるという発想に基づく「マイクロ・インストゥルメンテーション」を長年研究するなど、数学的なアプローチを用いて音楽と自然との関係を探求しています。本アルバムに収録されたサイクル「Veredas(道)」は近さと距離、厳格さと自由、具体性とユートピアといった、一見相反するものの間の相互作用がテーマのひとつとなっており、各作品は異なる演奏会場で演奏されます。音符の構成は厳格ですが、聴き手は作品ごとに音に対する位置を変えながら、自由かつ個人的にアクセスし楽しむことが可能です。
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チャン・ウノ(1983-):作品集
1.弦楽四重奏曲 第2番(2011)
2.White Shadow 白い影(2012)-6人のパーカッション・プレイヤーのための
3.Gohok(2012/13)-独奏フルートと5つの楽器のための
4.Panorama パノラマ(2015)-7つの楽器のための
アルディッティQ…1
アンサンブルTaCTuS…2
アンサンブル・コントルシャン…3
ディヴェルティメント・アンサンブル…4

録音:2012年1月24日…1
2012年7月25日…2
2013年12月1日 …3
2015年10月24日 …4
韓国・テグ出身の韓国を代表する現代音楽作曲家、チャン・ウノ(1983-)による、室内アンサンブルの為の作品集。彼は音楽素材に対する独自のアプローチを示しており、形式的、イデオロギー的な面だけでなく、時間の感覚や作品の感情的な経過など、精神的な面でもアジアの影響を表現しています。「私の音楽は、簡単に言えば、自然の音をさまざまな音色の組み合わせで表現することです。これらの音は瞬時に調和的に混ざり合い、抽象的な音の複雑な二次元的な残響として現れます。これが私の音楽の総体的な説明です。」 本アルバムには2011年から2015年までの4作品が収録されており、優れた専門知識を駆使して韓国に深く根ざした技術的に高度な新しい音楽を生み出すという、彼の創作に対する姿勢が反映されています。
0015036KAI
NX-B09
ドミニク・シェーファー(1967-):作品集
1.Vers une presence reelle… (2014)
アンサンブルのための
2.Cendre (2008/2015改訂)
バス・フルートと8チャンネルのライヴ・エレクトロニクスのための(stereo mix)
3.Anima (2012)
クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノによる五重奏のための
4.Fluchtpunkte (2002)
フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、パーカッションとピアノによる六重奏のための
5.Ringwood (2018)
クラリネットとライヴ・エレクロニクスのための
6.INFR-A-KTION (2018)
ルポフォン、コントラフォルテと6楽器のための
アンサンブル・プロトン・ベルン
【メンバー】
ベッティーナ・ベルガー(バス・フルート)…2
ジュリー・ブルネット=ジャイリー(フルート、アルト・フルート、ピッコロ)…1.4.6
マルティン・ブリッゲンストルファー(オーボエ、ルポフォン)…1.6
リチャード・ヘインズ(クラリネット、バス・クラリネット)…1.3.4.5.6
エリーゼ・ヤコベルガー(コントラフォルテ)…6
アレシュ・クランチャール(Tp)…1
ヴェラ・シュニーダー(Hp)…1.6
サムエル・フリート(P)…1.3.4.6
バスティアン・プフェフェルリ(パーカッション)…4
マキシミリアン・ハフト(Vn)…1.3.4.6
ローラン・カマッテ(Va)…1.3
ジャン=フィリプ・トゥーパ(Vc)…1.3.4.6
マティアス・クーン(指)…1.3.4.6
レアンドロ・ジアニーニ(エレクトロニクス)…2
ドミニク・シェーファー(エレクトロニクス)…5

録音:2018年5月4日…1/2018年2月13日…2
2018年5月29日…3-4/2018年5月28日…5
2018年5月3日…6
SRF Radiostudio Zurich (Studio 1),
Zurich, Switzerland
スイス出身のドミニク・シェーファー。2004年にIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)でエレクトロニック・ミュージック を学んだ彼はアコースティック楽器と電子楽器の双方から幅広い表現を生み出すことで知られる作曲家です。彼の作 品は主としてヨーロッパ、アメリカ、ラテン・アメリカ、アジアで著名な演奏家によって演奏され好評を博しています。このア ルバムでは、彼が探求する「音楽の定義」についての一つの結論を表現したという6つの作品を収録。さまざまな楽器に よる“音楽による対話”から紡ぎだされる物語を楽しむことができます。演奏しているのは2010年に設立された「アンサン ブル・プロトン・ベルン」。聴き手を新しい音楽に近づけることを目標に、動画配信などを積極的に行うアンサンブルです。 https://ensembleproton.ch/
0015037KAI(3CD)
ラング:ソリスト、合唱と管弦楽のための楽劇「パルツェフール」 アルノルト・シェーンベルクcho
クラングフォーラム・ウィーン、
シモーネ・ヤング(指)、
ダニエル・グローゲル(C.T)、
マグダレーナ・アンナ・ホフマン(S)、
ヴォルフガング・バンクル(Bs)、
トマス・トマソン(Br)、
マルティン・ヴィンクラー(Bs-Br)

録音:2007年6月6日&8日、アン・デア・ウィーン劇場(オーストリア)
オーストリア、リンツ出身の現代音楽作曲家、ベルンハルト・ラング(1957−)」の楽劇「パルツェフール(ParZeFool)」はその名が示す通り、ワーグナーの楽劇「パルジファル」への再考と再構築によって生まれた大作です。
この「パルツェフール」はラングが推し進めている「モナドロジー(単子論)・シリーズ」の1つであり、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンやシューベルトなどの音楽の断片、さらにはジャズやヒップホップからの影響、そして無調のパッセージなどが響き始めます。
ワーグナーの「ライトモティーフ」の概念を超越し、無限ループ的なアイディアも取り入れられたこの作品の録音は、現代音楽ファンのみならず、ワグネリアン(そしてオペラ嫌いの方も!?)も要注目です。
しかもアルノルト・シェーンベルク:合唱団やクラングフォーラム・ウィーンを率いるのはシモーネ・ヤング!期待が高まります。
0015038KAI
カリツケ:チェロと管弦楽のための「ストーリー・テラー」(2015/2016)*
ヴァイオリン独奏と6人楽器奏者のための「地平線の人影」(2011)+
ヨハネス・モーザー(Vc)*、
ヨハネス・カリツケ(指)*/+、
ベルリン・ドイツSO*、
イヴァナ・プリスタショーヴァ(Vn)+、
オーストリア新音楽アンサンブル+

録音:2018年5月−11月
※新装再発売 
1959年ドイツ生まれのヨハネス・カリツケは、現代音楽の作曲と指揮の両方で世界的な活躍を行う音楽家。ケルン音楽院でピアノをアロイス・コンタルスキー、指揮をヴォルフガング・フォン・デル・ナーマー、作曲をヨルク・ヘラーに師事しています。「ストーリー・テラー」はイギリスを代表するファッション写真家、ティム・ウォーカーの作品にインスピレーションを受けたチェロ協奏曲で、ここでは実力派チェリストのヨハネス・モーザーが見事なソロを披露しています。ヴィオラ、チェロ、フルート、クラリネット、ピアノ、打楽器の6つの楽器からなるアンサンブルと、ヴァイオリン独奏のための「地平線の人影」は、亡くなった同僚に捧げる「5つのオビアチュリー(死亡記事)」で構成された追悼作品。こちらもイヴァナ・プリスタショーヴァの存在感あるソロが特筆ものです。
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NX-B09
ラーシュ・グラウゴー(1957-):Engage and Share
1.Engage and Share(2014)
シンフォニエッタのための
2.Slonk(2017)
シンフォニエッタのための
3.Blind Lemon(2013)
シンフォニエッタのための
ホアン・セルベロ(指)
グループ・インストゥルメンタル・デ・バレンシア

録音:2017年6月23-25日
バレンシア、パラウ・デ・ラ・ムジカ
デンマークを代表する現代作曲家、ラーシュ・グラウゴー。デンマーク王立音楽大学でフルートを学び、後に作曲家に転 向。オーケストラから電子音楽まで幅広い作品を書き、世界中でその作品が演奏されています。このアルバムに収録さ れているのは、スペインのアンサンブル“グループ・インストゥルメンタル・デ・バレンシア”から委嘱された3つの作品。小さな アンサンブルから生み出される緻密な不協和音、雲が沸き上がるような不規則な音の連なり、綿密に練られたリズムな ど、聴きどころの多い作品です。
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ベドロシアン:ツウィスト
(1)オーケストラとエレクトロニクスのための《ツウィスト》
(2)ピアノと打楽器のための《エッジ》
(3)ソプラノと11の楽器のためのエミリー・ディッキンソンの詩に基づく《エピグラム》
(1)南西ドイツRSO、アレホ・ペレス(指)、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)
(2)デュオ・リンクス
(3)ドナティエンヌ・ミシェル=ダンサック(S)
クラングフォルム・ウィーン、
エミリオ・ポマリコ(指)

録音:2011年−2018年
フランク・ベドロシアン(1971−)は、アラン・ゴーサンやジェラール・グリゼー、マルコ・ストロッパといった現代音楽の大作曲家たちに作曲法を師事し、セントル・アカンテスではヘルムート・ラッヘンマンからも指導を受けるなど、エリート・コースを歩んできたフランス、パリ出身の作曲家。2008年から19年までカリフォルニア大学バークレー校で作曲を教えていたベドロシアン。グラーツ国立音楽大学からの招聘を受け、2020年からのヨーロッパ復帰も決まっています。2010年から18年までの長い歳月を費やした作曲された「エピグラム」は、ベドロシアンの近年の象徴的作品。IRCAMとのコラボレーションによる「ツウィスト」も要注目作品です。
0015045KAI
ヴィキンタス・バルタカス(1972-):ウロボロス
リフト・トゥ・ドバイ(2009)(アンサンブルとエレクトロニクスのための)#/スモーキー・アーノルド(2015)(フルート、クラリネット、ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための)+/ウロボロス-ツィクルス(2004-2005)(ソプラノ、アンサンブルとエレクトロニクスのための)*
レンサンブル・ヴィリニュス#、
ヴィキンタス・バルタカス(指)#、
ヘト・コレクティーフ+、リタ・バルタ(S)*、
クラングフォルム・ウィーン*、
ヨハネス・カリツケ(指)*

録音:2005年、2015年、2016年
2016年リリースのKAIROSレーベルデビュー作が大きな成功を収めたリトアニアの現代音楽作曲家、ヴィキンタス・バルタカス(1972-)の第2作!
ウロボロスは、蛇や竜が自らの尻尾を飲み込み、絶えず自己を創造し、円を形成している古代のシンボルで、しばしば自己変革や循環性を表すとされています。本アルバムに収録されたバルタカスのアンサンブル作品も、リサイクル、リユース、あるいは「発見」された音楽素材をベースに作曲されています。リタ・バルタ、ヨハネス・カリツケら、バルタカス作品の支持者たちによる理想的な演奏です。
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オットー・M・ツィカン:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲
チェロとオーケストラのための3つの舞曲「ベートーヴェンのチェロ」*
ハインリヒ・シフ(Vc)、
レイフ・セーゲルスタム(指)ORFウィーンRSO
ズービン・メータ(指)VPO*

録音:1982年6月7日、2005年12月10日、ムジークフェライン・ザール(ウィーン、オーストリア)
ウィーン少年合唱団のメンバーとして活動し、ピアニストとしては1960年台にシェーンベルク:のピアノ作品全集を完成させたことでも知られるオーストリア、ウィーンの音楽家、オットー・M・ツィカン(1935−2006)のチェロ協奏曲集は、同じくオーストリアを代表する名匠であり、惜しくも2016年に急逝したハインリヒ・シフによる世界初演の演奏を収録!
カール・シシュケに作曲を学び、コンポーザー=ピアニストとして活躍したツィカン。ハインリヒ・シフによって初演された2つのチェロ協奏曲は、管弦楽、協奏曲、歌劇、器楽のための様々な音楽を遺したツィカンのキャリアの中で最も重要な作品として数えられています。
何と言ってもこのツィカンのチェロ協奏曲集で注目すべきはソリストがハインリヒ・シフであること。ツィカンの2つのチェロ協奏曲は、ハインリヒ・シフのヴィルトゥオージティへの熱狂的なオマージュであり、同時にこのオーストリアの名チェリストの音楽性の側面、現代音楽に対する彼の熱意を示した重要な記録です!
共演もメータ&ウィーン・フィル、セーゲルスタム&ORFウィーン放送響と豪華!ツィカン、そしてハインリヒ・シフの大いなる遺産と言えるでしょう。
0015048KAI
カーター:室内楽作品集
1. too many arguments in line 17(2010)
2. When All Else Fails(2017)
3. grip(2006)/4. Errata(2010)
5. break;(2018)
6. On the limits of a system and the consequences of my decisions(2016)
ジャック四重奏団 … 1
ヤルン/ワイアー … 2
カルダーSQ … 3
エマニュエル・トルクァーティ … 4
デュオ・ディロン=トルクァーティ … 5
キース・キルヒホフ … 6

録音:2010年−2018年
ライアン・カーター(1980−)は、オランダのハーグ王立音楽院でルイ・アンドリーセンとヒリウス・ファン・ベルフエイクに師事し、コロンビア大学のコンピューター・ミュージック・センターでさらなる研鑽を積んでいるアメリカの気鋭の現代音楽作曲家。
尖ったプログラム、完璧なテクニックで攻め続けるジャック四重奏団、評価急上昇中のアメリカのクヮルテット、カルダーSQの参加も、カーターの作品の普及の大きな手助けとなることでしょう。
0015050KAI
トリスタン・ミュライユ(1947−)の室内楽作品集
フルート,クラリネット,ホルン,ピアノ,ヴァイオリンとチェロのための「Seven Lakes Drive」(2006)
フルート,ピアノ,ヴァイオリンとチェロのための「Feuilles a travers les cloches」(1998)
ホルン,打楽器,ピアノ,ヴィオラとチェロのための「Dernieres nouvelles du vent d'ouest」(2011)
クラリネットとヴァイオリンのための「Les Ruines circulaires」(2006)
フルート,打楽器,ヴィオラとチェロのための「Garrigue」(2008)
フルート,クラリネット,ヴァイオリン,ヴィオラとチェロのための「Paludes」(2011)
フルート,クラリネット,ホルン,打楽器,ピアノ,ヴァイオリン,ヴィオラとチェロのための「Le Chambre des cartes」(2011)
アンサンブル・ケアン
ギヨーム・ブルゴーニュ(指)

録音:2018年2月&6月
オリヴィエ・メシアン、ジャンヌ・ロリオの弟子で1971年のローマ大賞を受賞。当時の主流であったセリー技法を用いらず、
スペクトル分析に基づくスペクタル楽派の開祖的存在の1人として高名なフランスの作曲家、トリスタン・ミュライユ(1947−)の室内楽作品集。
2010年には武満徹作曲賞の審査員を務めるなど、日本で特に知名度の高い現代音楽作曲家の1人であるミュライユ。
1998年に結成されたアンサンブル・ケアンが、1998年から2011年に作曲されたミュライユの室内楽におけるランドマークとなる作品を紐解きます。
0015052KAI
NX-B09
マウリツィオ・ピサティ(1959-):Set7
1.ALP
2.EY DE NET
3.HABERGEISS
4.SAMBLANA
5.YEMELES
6.ODOLGHES
7.DERSCIALET
8-14.Sette Studi
ルーベン・マッティア・サントルサ(クラシカル・ギター)…1-14
マリー・デルプラート(ペッツォルト・リコーダー)…1
ジョアン・カルロス・パチェコ(パーカッション)…2
フーゴ・クエイロス(バスCl)…3
ケヴィン・ジュイエラ(テナーSax)…4
セリーヌ・ヴァスマー(声)…5
リーノ・メンドーサ(Cb)…6
アンネ=ラウレ・ドットレンス(Va)…7

録音:2017年1月30-31日
1-7…世界初録音
ギタリスト、ルーベン・マッティア・サントルサが初めてピサティの「Sette Studi 7つの練習曲」を聴いた19歳の時、この新 しいギター曲に完全に魅了され、現代音楽の演奏家になりたいと思ったといいます。楽器のあらゆる可能性を追求し、 豊富なアイデアが盛り込まれたこの作品は確かに若き演奏家の心を刺激するものであったことでしょう。以来、彼は何 度もこの曲を演奏することになりました。今回サントルサがこの曲を録音するにあたって、彼はピサティに新作を依頼、出 来上がったのは、様々な楽器とのコラボレーションから生まれる全く違う音楽でした。こちらではサントルサは各楽器との 音色を融合を図り、見事な演奏を繰り広げています。
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NX-B09
スチュアート・サンダース・スミス(1948-):ニュー・イングランド
ベルント・ターナー(ヴィヴラフォン)

録音:2017年10月
アメリカ合衆国建国の母体となった、ニュー・イングランド植民地群。アメリカ合衆国の中でも最も長い歴史を持つ地域 であり、知的好奇心が育まれた場所でもありました。この独奏ヴィブラフォンのための作品「ニュー・イングランド」は、刻々 と移り変わる神秘的な響きを用いて、この地の歴史と未来を描いています。作曲家S.S.スミスはポートランド生まれ。 優れたパーカッション奏者でもあり、作品の多くは(ヴィブラフォンを含む)パーカッションのために書かれており、どれもが 独自の視点により、書き上げられていることで知られます。
0015054KAI
トラヴェルサ:オマージュ
ヴァイオリンとピアノのための「ソナタ風に」
ヴァイオリンとアンサンブルのための「レッド2」
ピアノ・ソロのための「悲しき鳥」
ソプラノ、クラリネット、チェロとピアノのための「ステファヌ・マラルメの3つの詩」
ソプラノと6つの楽器のための「他の空に」
カン・ヘスン(Vn)、
リヴィア・ラド(S)、
チロ・ロンゴバルディ(P)、
アンサンブル・プロメテオ、
マルコ・アンギウス(指)

録音:2017年5月−2018年7月、カーサ・デッラ・ムジカ(パルマ、イタリア)
セリエル技法の先駆者的存在である20世紀イタリアの大作曲家ルイジ・ノーノの弟子であり、アンサンブル・エドガーヴァレーズの設立に携わるなど、ノーノ、ヴァレーズ、ブーレーズの伝統を採り入れた作風を確立した現代イタリアの音楽家、マルティーノ・トラヴェルサ(1960−)。7歳の時に独学で音楽家としての勉強を始め、ピアノ、作曲、ジャズ、電子音楽、情報技術を、ペスカーラ、ザルツブルク、カリフォルニアなどで学び、現在は作曲家であると同時に、音楽音響学と空間化技術に適用される電子技術の分野の研究者としても活躍しています。アンサンブル・プロメテオは、2009年にトラヴェルサが創設した現代音楽アンサンブル。イタリアを中心にヨーロッパの現代音楽の演奏家たちによって構成されるスペシャリスト集団です。
0015055KAI
NX-B09
ニルマリ・フェン(1979-):室内楽作品集
1.The Clash of Icicles Against the Stars〜フルート、アコーディオンと笙のための
2.A Highwire Act〜ヴァイオリン、チェロとピアノのための
3.Scratches of the Wind〜独奏アルト・フルートのための
4.Through a Glass Darkly=クラリネット,トランペットとアコーディオンのための
5.The Ground of Being〜フルートとアルト・フルートのための
6.A Reaction in Force〜独奏オーボエのための
香港ニュー・ミュージック・アンサンブル
【メンバー】
テェリル・リム(Fl)…1
ダニエル・ハヴェル(Fl)…3
ホー・クヮン・ケヴィン・チェン(笙)…1
マルゴルツァータ・フラウサ(アルトFl)…5
チュー・シン・レオン(Cl)…4
ジャン・ソウチェク(Ob)…6
カスパー・ビリングトン(Tp)…4
シュー・シャオナン(アコーディオン)…4
オンラッド・ハリス(Vn)…2
アレクサンドル・スターリー(P)…2
アンドレイ・ガル(Vc)…2

録音:2016年6月1日 Sonus Records, Czech Republic…1.3
2016年6月1日…4
2012年11月11日Mad Music Entertainment Studios,
ong Kong…5
2015年1月24日 Yale-NUS College, Singapore…2
トラック6は日時、場所不明
スリランカ=オーストラリアの女性作曲家、ニルマリ・フェンの作品集。家庭の事情で、幼児期に孤児院で生活していた という彼女、オーストラリア、シドニーの養父母のもとで新しい生活を始めるも、肌の色や生活習慣の違いなどからなか なか周囲に溶け込むことができず、その複雑な生い立ちは成長してからも彼女を悩ませるとともに、作品の形成に大き な影響を与えることになりました。彼女がいう「放浪者が聴いた音を具現化した」部分は様々な作品の端々に現れ、内 面的な深みを与えています。
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マルコ・モミ(1978−):室内楽作品集
ルディカU
Tre Nudi, Quattro Nudi, Cinque Nudi, Sei Nudi
オールモスト・ノーウェアー
ニケル〔パトリック・シュタドラー(サクソフォン)、ヤロン・ドイチュ(エレクトリック・ギター)、ブライアン・アーチナル(打楽器)、アントワーヌ・フランソワーズ(P)〕

録音:2015年、スイス&2019年、イタリア
ガウデアムス音楽賞やソウル国際音楽コンクールの受賞歴を持ち、ダルムシュタット市からクラニヒシュタイン音楽賞を授与されるなど、国際的に高い評価を受けている現代作曲家、マルコ・モニ(1978−)の室内楽作品集。
母国のペルージャを皮切りにストラスブール、ハーグ、ローマ、ダルムシュタットを経て、2007年から2010年にかけてパリのIRCAMで学ぶなど、すでにその作風は確立されており、イタリアにおける現代作曲家の中でも、その存在感は際立ち始めています。イスラエルのアンサンブル・グループ「ニケル」の演奏もハイレベルです。
0015057KAI
NX-B09
ピエルルイジ・ビローネ(1960-):OM ON(2015)
2台のエレクトリック・ギターのための
ヤロン・ドイチュ(エレクトリック・ギター)
トム・パウエルズ(エレクトリック・ギター)

録音:2018年2月17-18日
1960 年、イタ リア生ま 1960年、イタリア生まれの作曲家ピエルルイジ・ビローネ。シャリーノとラッヘンマンに学んだ彼の作風は「静寂に重きを 置きながら神秘的な音風景を描く」というもの。2015年の作品「OM ON」は2本のエレクトリック・ギターによる音の交 錯。2本のギターが奏でる音、2つの言葉、どちらも類似性がありながらも相反するもの。タイトルの「OM」は宗教的、と りわけヒンドゥー教と仏教から派生した言葉、「ON」はOFFの反語であり、音が鳴っている状態を示しています。奏者た ちは様々な技巧を駆使し、ギター本体を叩いて音を出したり、ギターを語らせるような旋律をつま弾き互いに対話を試 みるなど、片時も耳を離すことのできない凝縮された80分です。
0015059KAI
グロボカール:16人の演奏者のための「本音のひとり言」
ノアの方舟の騒々しいソプラノ*
霧の中の万華鏡
BIT20アンサンブル、
ヴィンコ・グロボカール(指)、
トロント・マドセン(副指揮者)、
アルウィン・プリチャード(パーカッシヴ・シンガー)*

録音:2018年9月、グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
スロヴェニア系フランス人のコンポーザー=トロンボニストであり、コンテンポラリー・ミュージックのアイコン的存在でもあるヴィンコ・グロボカール(1934−)の2010年代の作品集が「カイロス(Kairos)」から登場!
レイボヴィッツとべリオから作曲を学び、形式にとらわれない「超技術(extended technique)」を駆使したグロボカールの作品は常に刺激に満ちており、ここに収録されている「Soprano Tapaguese Sur Ache de Noe」でのアルウィン・プリチャードの狂気的な独演劇はかなりのインパクトを与えてくれます。
ちなみにグロボカールはトロンボーンの現代作品のスペシャリスト。武満徹やべリオなど著名な現代作曲家の世界初演も手掛けています。
0015060KAI
ケルシュバウマー:作品集
(1)アコーディオンとアンサンブルのための「シュラフル」
(2)ペドラ・デブリス
(3)弦楽四重奏曲第2番「アボッツォW」
(4)プリペアド・ヴァイオリンのための「KritzungU」
(5)テナー・リコーダーとプリペアド・ヴィオラのための「ゲシーベ」
(6)5つの楽器のための「llif」
(1)クラシミール・ステーレフ(アコーディオン)、クラングフォルム・ウィーン、エミリオ・ポマリコ(指)
(2)シャールフェルト・アンサンブル、レオンハルト・ガルムス(指)
(3)アルディッティSQ
(4)シャールフェルト・アンサンブル、レオンハルト・ガルムス(指)
(5)トゥー・ウィスカス
(6)アンサンブル・クロモソム

録音:2012年−2018年、オーストリア
ハンネス・ケルシュバウマー(1981−)は、オーストリア、ウィーンに本拠を置く金融機関エルステ・グループが主宰する「エルステ銀行作曲賞(Erste Bank Kompositionspreis)」を2017年に受賞するなど、ドイツ語圏を中心にその存在感を急速に高めているイタリア、南チロルのブレッサノネ出身の作曲家。ケルシュバウマーの作品は、四分音演奏によるアコーディオンとアンサンブル、テナー・リコーダーとプリペアド・ヴィオラなど、楽器の組み合わせも非常に独創的。アルディッティSQや、クラングフォルム・ウィーンなど、演奏者陣も強力です。
0015062KAI
コルッチーノ:フルートのための「Interni」(2017/18) ロベルト・ファブリツィアーニ(Fl)

録音:2018年3月12日−14日、フィレンツェ
フルート界の鬼才、ロベルト・ファブリツィアーニがその圧巻の技巧と音楽性で繰り出すオズヴァルド・コルッチーノ(1963−)の世界。
イタリアの作曲家であると同時に詩人でもあるコルッチーノは1979年に作曲活動を開始し、さらには1986年から2003年まで詩人として活発な活動を繰り広げてきた言わば文化人。
2017年から18年にかけて作曲された「Interni」は、C管、バス、アルト、コントラバスのそれぞれのフルートが活躍する6曲からなる曲集です。
0015063KAI
シェルシ:無伴奏ヴァイオリン&ヴィオラ作品集
シーラカンス(1955)
無伴奏ヴィオラのための3つのスタディ(1956)
無伴奏ヴァイオリンのためのディヴェルティメント第2番(1954)
無伴奏ヴァイオリンのためのディヴェルティメント第3番(1955)
無伴奏ヴァイオリンのためのディヴェルティメント第4番(1955)
マルコ・フージ(Vn、ヴィオラ)

録音:2019年5月(イタリア&ベルギー)
20世紀のイタリアを代表する独創的な作曲家、ジャチント・シェルシ(1905-1988)によるヴァイオリンまたはヴィオラのための無伴奏作品を集めた1枚。 現代音楽を代表する演奏家の一人であるマルコ・フージはこれらの作品の録音にあたって、サラベール社から出版されている印刷されたスコア(シェルシのアシスタントが書き起こしたもの)と、それに対応するシェルシのオリジナルの録音を比較を行い、出版譜にはシェルシの即興演奏に不可欠な要素(例えば楽器の可能性を探るという基本的な姿勢)が欠けているなど、かなりの弱点があることに気づきました。そこで、オリジナルの録音に基づいて解釈することを決意し、シェルシの演奏したテープやオンディオラ(微分音を演奏できる鍵盤楽器)の徹底的な調査を行い、そこから得た知見や感覚を、自らのヴァイオリン・ヴィオラの演奏に反映させることに成功しました。聴き手にとって、このアルバムは過去の時代の未来的なビジョンへの旅となることでしょう。
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ビローネ:ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための「マニ. ジャコメッティ」
アルト・サクソフォンと打楽器のための「2つのアルベリ」*
ディストラクトフォールド、
スケープゴート*

録音:2019年12月20日−21日、マンチェスター(イギリス)&2019年12月23日、モントリオール(カナダ)
1960年イタリア出身で現在はウィーンの活躍の場としているピエルルイジ・ビローネ(1960−)は、作曲をサルヴァトーレ・シャリーノとヘルムート・ラッヘンマンに師事。
グラーツ音楽大学、フランクフルト音楽大学を経て2017年からはバルセロナのカタルーニャ高等音楽院の教授職を務めています。
静寂と神秘性が両立した音風景を描くというスタイルを掲げているビローネ。弦楽三重奏、サクソフォン&打楽器の2作品でも、その静寂の空間と神秘的な雰囲気が作品全体を覆っています。
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ヴェグホウスキ:フロム・ワン・トゥ・セヴン 〜 アポロニウシュ・ヴェグホウスキへ捧げる(2017) ソン・イェヨン(S)、
マルツィン・ディラ(G)

録音:2017年&2018年、ワルシャワ芸術アカデミー(ポーランド)
ワルシャワの国立ショパン音楽大学で研鑽を積み、コンテンポラリー・オペラ含む舞台作品を中心に活躍中のソプラノ、ソン・イェヨンと、ワシントン・ポスト紙で「この地上で最も才能あるギタリストの一人」と激賞された注目の逸材マルツィン・ディラが参加する、ポーランドの現代作曲家による全く新しい「歌曲集」。
ダウランドとパーセルから続く「歌曲集」の伝統の最先端として、現代音楽の要素を存分に自作「フロム・ワン・トゥ・セヴン」に採り入れたステファン・ヴェグホウスキ(1985−)。ワルシャワ音楽アカデミーやポーランド日本情報工
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マールトン・イッレーシュ(b.1975):水彩画とサイコグラム
クラリネットのための3枚の水彩画(2014)
アコーディオン、ピアノと弦楽三重奏のための3枚の水彩画(2016/2020)
サイコグラム T.ヴィオラのための“Jajgatos” (wailing) (2013/2016)
クラリネット、ヴァイオリン、チェロとピアノのための3枚の水彩画(2017/2020)
サイコグラム U.クラリネットのための“Rettegos” (fearful)(2015)
小アンサンブルのための3枚の水彩画(2018/2020)
サイコグラム V.チェロのための“Durcaskodos” (sulking)(2019/2021)
アンサンブル・ルシェルシェ

録音:2020年11月23日-25日、2020年12月17日-18日、2021年7月23日(ドイツ)
マールトン・イッレーシュはハンガリー、ブダペスト生まれの作曲家兼ピアニストです。彼は1994年までハンガリーのジェールでピアノ、作曲そして打楽器を学んだ後、チューリッヒの音楽院と、バーゼル音楽院の研究所で学びました。2008年にはエルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞の作曲家賞を受賞しています。
アンサンブル・ルシェルシェは、1985年以降600以上の世界初演を行い特に現代音楽に注力してきました。今作でもピッチを固定することなく独自の方法で作曲されたイッレーシュの作品を、徹底的に鍛えられたその技術で具現化しています。
0015067KAI
パトリック・オザード=ロウ:イン・オポジション
ピアノ・ソナタ第2番
ソナタ「イン・オポジション」*
アンドルー・ゾリンスキー(P)、
エリザベート・スマルト(Va)*

録音:2015年8月10日−11日、ロンドン(イギリス)&2017年11月18日−19日、ハールレム(オランダ)
イギリスの現代音楽を代表する2人の作曲家、ビル・ホプキンスとマイケル・フィニッシーから作曲を学び、1976年から本格的に作曲活動を開始したパトリック・オザード=ロウ(1958−)の「ピアノ・ソナタ」と「ヴィオラ・ソナタ」をカップリング。
高度なモダニズムの世界を展開する2つの器楽作品を奏でるのは、ピアノのアンドルー・ゾリンスキーとヴィオラのエリザベート・スマルト。
ヴィオラのための「ソナタ「イン・オポジション」」は、影響を受けたフランスの現代音楽作曲家、ジャン・バラケのピアノ・ソナタに近い作風を持つ秀作と評されています。
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グロスマン:フロム・アファー
ホルヘ・ビリャビセンシオ・グロスマン(b.1973):アンサンブルのための 「シレイT(Siray I)」(2005)*
無伴奏ヴィオラのための 「パルティータ」(2019)+
ピアノとエレクトロニクスのための 「ルディ・ムタティオ(Ludi Mutatio)」(2015)#
弦楽四重奏曲のための 「ダ・ロンターノ(Da Lontano)」(2016)##
タレア・アンサンブル*、
ジェイムズ・ベイカー(指)*、
カイル・アームブラスト(Va)+、
アンナ・デッリコ(P)#、
ジョシュア・オックスフォード(エレクトロニクス)#、
ミヴォス・クヮルテット##

録音:2012年4月*、2020年2月+、2018年7月#、2019年10月##
ペルー出身、ブラジルに帰化し、現在はアメリカで活動する作曲家、ホルヘ・ビリャビセンシオ・グロスマン(b.1973)の作品集。21世紀のモダニズムを基調に、バッハや新ウィーン楽派の側面、南アメリカの芸術や文化の影響が含まれた幅の広い作風を見せます。
0015074KAI(3CD)
サルヴァトーレ・シャリーノ(1947-):フルート作品集
アトンの光輝く地平線(1989)/遠くのオーラへ(1977)/フェニキアのイメージ(2000)/三美神が花開かせるヴィーナス(1989)/さようなら 風の家(1993)/雲に捧げられたテキストで(1989)/どのようにして魔法は生み出されるのか?(1985)/感謝祭の歌(1985)/死の太鼓(1999)/風が運ぶ町外れの人々からの手紙(2000)/ヘルメス(1984)/ベルクソンの時計(1999)/バビロン前のハイウェイ(2014)/駐車場の警報機の午後(2015)/消えた章(2016)/急激に成長するクリスタル(2017)/若い牧神のためのフォリオ(2018)/パリのチベット人(2018)
マッテオ・チェザーリ(Fl)

録音:2013年7月&10月、2019年11月
人気が高く、演奏機会も多いサルヴァトーレ・シャリーノ(1947-)のフルート作品を、シャリーノお気に入りのフルート奏者、マッテオ・チェザーリが演奏した充実の3枚組。マッテオ・チェザーリは新たな音・奏法の発明や作品の解釈を通じてシャリーノの創作に影響を与え、初演も手掛けているほか、来日公演でもシャリーノのフルート作品を演奏し、聴衆にその魅力を伝えています。
シャリーノのフルート作品には、ジャンカルロ・グラヴェリーニ、ロベルト・ファブリチアーニ、マリオ・カロリ、そしてマッテオ・チェザーリが創意工夫を凝らして作り出した珍しい音がふんだんに使われています。これらの音は後付けで文法を与えられ、命を吹き込まれるような抽象的なテクニックから生まれたものではなく、自身が配置された構造と融合し、楽曲の形成にも大いに貢献しています。
0015078KAI
セバスチャン・ヒリ(1990-):コンフルエンス/ディヴァージェンス
「confluence / divergence」(2013-15)(ギターとアンサンブルのための)*
Elogio de la sombra(2015)(弦楽四重奏のための)
ParaphraseU-‘Giant steps and eden acid’ (2016)(室内アンサンブルのための)+
ペトリ・クメラ(G)*、
ヨーゼフ・ハース(指)+、
ウーシンタ・アンサンブル*/+、
ウーシンタSQ

録音:2018年8月
KAIROSレーベルのカタログの中で最も若い作曲家のひとりである1990年生まれのフィンランドの作曲家、セバスチャン・ヒリのアンサンブル作品集。彼は2015年に武満徹作曲賞、2017年にインターナショナル・ロストラム・オブ・コンポーザーの「30歳以下の作曲家部門」、2018年にガウデアムス賞など、若手作曲家のための最も権威ある賞を受賞し、瞬く間に国際的な評価を高めていった注目の作曲家です。ヒリの音楽の特徴として、複雑に織り成されたテクスチャーとニュアンスのあるソノリティ、長いスパンのプロセス、音楽以外のトピックスに対する嗅覚などを挙げることができます。メインとなる「confluence / divergence」はギターとフルート、打楽器、ハープ、チェロからなる小さなアンサンブルのための作品で、クレジットカードをピックのように使ってハープやチェロをギターのように鳴らしたり、ギターの弦をこすることでフルートのブレス音のように鳴らしたりと、あらゆる楽器を別のものに見せるための様々な道具やテクニックが使われています。
0015081KAI(2CD)
メシアン:幼子イエスに注ぐ20のまなざし(1944) アルフォンソ・ゴメス(P)

録音:2020年、パウルス・ザール(ドイツ・フライブルク)
20世紀と21世紀のピアノ音楽のスペシャリストであるアルフォンソ・ゴメスが新たに読み解くオリヴィエ・メシアンの大作!1944年に作曲された「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」は、音楽史的には20世紀のピアノ音楽の金字塔であり、精神的にはクリスマスに関する20の熟考を提供する、メシアンのなかでもとりわけ重要な作品です。メシアンはこの作品を通じて自身の音楽語法を体系化し、同年『わが音楽語法』を出版しました。メシアンはこの作品を次のように要約しています。「私はこれまでのどの作品よりも、神秘的な愛の言葉を求めました。それは多面的で、力強く、そして優しく、時には恐ろしくさえあります。すべてを可能な限り鮮明に。」
さまざまな現代作曲家の作品を数多く初演しているピアニストのアルフォンソ・ゴメスは、国内外で11の賞を受賞しており、豊富さや多様性、複雑さを示すアルバムを多数録音しています。2019年にKAIROSよりリリースしたラモン・ラスカーノのピアノ作品集(0015041KAI)は、アカデミー・シャルル・クロスのGrand Prix du Disque Musique Contemporaineを受賞しました。
0015088KAI
ドニ・デュフール(1953-):雪崩 Op.82(1995) フランソワ・ミシェル・リニョル(P)

録音:2021年3月、4月、7月(オーストリア、ウィーン)
ピエール・シェフェール直系の後継者、ドニ・デュフール(1953-)の記念碑的なピアノ作品「雪崩」の録音が登場!この作品は、それぞれ曲の長さと雰囲気の異なる19の楽章からなり、聴き手を雪の形態の無限のバリエーションと、イヌイットの雪に関する豊富な語彙を横断する旅にいざないます。デュフールはアナログ・シンセサイザーの演奏家として、特に80年代にTM+アンサンブルで活動したおかげで、聴覚を通して見る能力を身につけたといいます。それは音の現象における既成概念への依存から距離を置くことにもつながりました。演奏はセヴラックやデュプレをはじめ、フランスの近現代ものを得意とするピアニスト、フランソワ・ミシェル・リニョルです。
0015090KAI
ユン・イサン(尹 伊桑):チェロ協奏曲&チェロとピアノのための作品集
チェロ協奏曲(1976)/ピアノのための5つの小品(1958)/ノレ(Vcとピアノのための)(1964)/インテルルディウム A(Pのための)(1982)/エスパス I(Vcとピアノのための)(1992)
ルイージ・ピオヴァーノ(Vc)、
アルド・オルヴィエート(P)、
日本フィルハーモニーSO、
下野竜也(指)

録音:チェロ協奏曲…2018年3月2日(ライヴ)、サントリーホール(東京)
チェロとピアノのための作品…2021年3月28-29日(イタリア、トリノ)
サンタ・チェチーリア音楽院Oの首席チェロ奏者、ルイージ・ピオヴァーノとチッコリーニの薫陶を受けたピアニスト、アルド・オルヴィエートがユン・イサンの悲劇の生涯にオマージュを捧げる1枚!協奏曲は下野竜也&日本フィルとの共演!
南北朝鮮の間の冷戦や東西文化の間の緊張という文脈の中で、小説や映画の主題にもふさわしい冒険的で悲劇的な生涯を送ったユン・イサン。1967年、西ベルリンで韓国諜報部員によって拉致されソウルへと連行されたユンは、北朝鮮のスパイとして無期懲役の判決を受けます。その後再審で減刑となりましたが、最終的に世界の著名な文化人の署名による嘆願書とドイツ外務省の支援によって釈放されたのは1969年のことでした。その後彼はドイツ国籍を取得し、ドイツで生涯を終えています。投獄された数年間の悪夢、恐怖、拷問は、当然ながらユンの作品に影響を与えており、彼の最も美しく感動的な作品のひとつ「チェロ協奏曲」にもその痕跡が見られます。一方、1964年に書かれた「ノレ」(「歌」の意味)では、美しさの中にドビュッシーのチェロ・ソナタを思わせる強烈な叙情性を見出すことができます。

チェロ協奏曲のフィナーレについて彼はインタビューで次のように語っています。「終盤へと向かうオクターブの跳躍を考えてみてください。この跳躍は、自由、純粋さ、絶対的なものへの必要性と欲求を意味しています。オーケストラでは、オーボエがGシャープからAにグリッサンドし、そのAをトランペットが引き継ぎますが、私にとってこの音域には常に神々しい魅力があります。(中略)チェロはAに到達しようとしますが、できない。グリッサンドでなんとかGシャープの4分の1音上まで届くのですが、それ以上は上がらない。あきらめる。無限で想像を絶する天頂、絶対的なものを示すトランペットのAは最後まで続きます。」
0015091KAI
ステファノ・スコダニビオ(1956-2012):弦楽四重奏曲集
Visas(1985/1987)/Lugares que pasan - a Adolfo Castanon(1999)/Altri Visas (2000)/Mas Lugares (su Madrigali di Monteverdi) - a Luciano Berio (2003)
アルディッティSQ

録音:2016年4月10日-14日、テアトロ・ラウロ・ロッシ(イタリア)
イタリア生まれの作曲家兼コントラバス奏者であるステファノ・スコダニビオによる弦楽四重奏曲集。コントラバス奏者としても優秀で数十の曲が彼のために作られるほどでしたが、その才能は作曲家としても活かされました。コントラバスに精通していた作曲家らしく、コントラバスの特色を最大限生かした作品を残しています。また弦楽器の作品も多数残しており、倍音を効果的に使い、新たな音楽を生み出しました。
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細川俊夫:フルート作品集
フルート独奏のための「線T」(1984)
フルートと笙のための「鳥たちへの断章V」(1990)*
フルート独奏のための「垂直の歌U」(1995)
バスフルートのための「息の歌」(1997)
フルートとピアノのための「リート」(2007)+
アルトフルートのための「黒田節」(2004)
上野由恵(Fl)、
宮田まゆみ(笙)*、
中川賢一(P)+

録音:2020年7月2‐3日、神奈川県立相模湖交流センター
日本のトップ・フルーティスト、上野由恵による細川俊夫フルート作品集!ドイツで尹伊桑、ブライアン・ファーニホウとクラウス・フーバーに作曲法を師事し、日本の伝統的な文化や音楽、それらの美的・精神的基盤に基づいた作品によって現代日本を代表する作曲家、細川俊夫(1955-)。その細川が「完璧な技巧と豊かで繊細な音楽性」「人籟、地籟の響きを超えた『天の響き』が聴こえてくる」と称賛する上野由恵のフルートで、「線 I」や「鳥たちへの断章III」といった名作を収録した、理想的なアルバムの登場です。毛筆で書く線を音で表現した「音の書(カリグラフィー)」というアイディアの原点 「線 I」(1984)は、細川のその後の作曲活動の出発点となった重要作品。「鳥たちへの断章III」(1990)は笙奏者、宮田まゆみとの出会いから生まれた作品で、武満徹の還暦祝いとして作曲されました。こちらもフルート(バスフルート、ピッコロ)によって毛筆の線が表現されています。細川俊夫自身による日本語解説付き。
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ホセ・ルイス・ウルタド(1975-):パラメトリカル・カウンターポイント
The caged, the immured (P1台版)(2018)*
Retour (2013)
Parametrical Counterpoint Version 1〜4 (2015)
Incandescent (2015)
Le Stelle (2015)*
ホセ・ルイス・ウルタド(P*、指)、
タレア・アンサンブル

録音:2015年5月&2019年6月(アメリカ、ニューヨーク)
演奏家、音楽評論家としても精力的に活動するメキシコ出身のアメリカ人作曲家、ホセ・ルイス・ウルタド(1975-)のピアノ作品とさまざまなアンサンブル作品を組み合わせた1枚。著名なタレア・アンサンブルと作曲家自身による絶妙な演奏で、ウルタドの芸術世界を堪能することができます。「私の音の世界では、音楽は作られるものではなく、発見されるものです。環境を探索し、空間を触知し、細部を観察し、対象物を様々な角度から体験することで、次第にその人相が現れてきます。錬金術師が材料を評価し、慎重に計算して反応させるように、私の意図は、音の万華鏡、常に生きていて、常に変化し、ユニークで再現性のないジェスチャーを持つ、エネルギーに満ちた、見通すことのできない密度を持つ生き生きとしたオブジェクトを作ることです。」(ホセ・ルイス・ウルタド)
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ベルンハルト・ラング:ピアノ作品集
ベルンハルト・ラング(1957-?):モナドロジーV 「ハサンの最後の7つの言葉」(2008-2009)
3つの間奏曲(2015-2016)
ヴォルフラム・エットル(P)

録音:2020年6月&7月、スタジオ・ムジークファブリーク(ドイツ、ケルン)
フリージャズや即興演奏、ヒップホップやDJカルチャーに至るまで、さまざまな音楽スタイルやジャンルを参照し、決して枠にはまることのない作曲活動を行っているオーストリア出身の作曲家ベルンハルト・ラング(1957-?)。最新のポートレートアルバムである本作の目玉は、ヨーゼフ・ハイドンの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」をリライトした「ハサンの最後の7つの言葉」で、ラングらしい18世紀から21世紀への感動的なリンクを生み出しています。演奏はスティーヴ・ライヒ、テリー・ライリー、マイケル・ナイマン:、デイヴィッド・ラングらのミニマル・ミュージックを得意とするドイツのピアニスト、ヴォルフラム・エットル。彼はスコラ・カントルム・バシリエンシスでチェンバロ、フォルテピアノ、通奏低音などの古楽を学んでおり、ラング同様、古いものと新しいものとの交流や、歴史的な題材を革新的に扱うことに関心を抱いています。

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フリードリヒ・チェルハ(1926-):I. Keintate(1980/82)
Eine letzte Art Chansons(1つの芸術的な歌) (1989)
H.K.グルーバー(シャンソニエ)、
アンサンブル・ディ・ライエ

録音:1984年6月(I. Keintate)、1993年6月(Eine letzte Art Chansons)
現代を代表するオーストリアの作曲家、フリードリヒ・チェルハの95歳の誕生日(2021年2月17日)と、KAIROSレーベルの100タイトルリリース記念(Paladino加入以降)、2つのアニヴァーサリーを祝う特別な1枚!KAIROSの創立以来、レーベルのアーティストとしても活躍してきたチェルハの功績を称え、彼のあまり知られていないウィーン風の作品を、
アンサンブル・ディ・ライエとの関わりも深い指揮者、作曲家、シャンソニエのH.K.グルーバーによる演奏で収録しています。どちらの作品もサウンド的には非常に親しみやすく、ホイリゲ(酒場)で演奏されている地元の音楽の伝統を継承しながらも、ウィーンの民族音楽や芸術音楽の音楽的、精神的な魂を深く掘り下げています。
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ガブリエル・エルコレカ(1969-):ピアノ作品集
Nubes(1994)/Nubes II(1995)/4つのバラード(2017-21)/Jaia(2000)/Dos Zortzikos(2000)/Kaila Kantuz(2004)/Mundaka(2009)
ランナー:Pester-Walzer Op.93
ヨハン・シュランメル:Musikalisches Farbenspiel
カール・ミヒャエル・ツィーラー(ヨーゼフ・シュランメル編):Rendez-Vous
アルフォンソ・ゴメス(P)

録音:2021年9月、ヴォルフガング・ホフマン・ザール(ドイツ、フライブルク)
アノ作品集。イギリス・ロンドンではマイケル・フィニッシーに作曲を学んでいるエルコレカの音楽は、現代音楽演奏のエキスパートであるアルフォンソ・ゴメスによって次のように評されています。「ガブリエル・エルコレカのピアノ作品が現代のレパートリーの中で重要な位置を占めている理由はいくつかある。その響きの持つ詩情、暴力性、技術的な複雑さ、色彩への大胆な取り組み。さらには確立した職人技や、フォークロア、中欧の音楽の伝統、アヴァンギャルドとの深く、曖昧な関係性。私の考えでは、異なる美的次元の間を素早く移動するこの能力は、まさに彼の創作の最も顕著な側面の一つです。」
0015106KAI(3CD)

P-0015106KAI(3CD)
国内盤仕様
税込定価
フェルドマン(1926-1987):後期ピアノ作品集
バニタ・マーカスのために(1985)/マリの宮殿(1986)/トライアディック・メモリーズ(1981)
アルフォンソ・ゴメス(P)

録音:2021年5月、ヴォルフガング・ホフマン・ザール(ドイツ、フライブルク)
瞑想的な音色と無数の反復、美しい静けさの中で繰り広げられるフェルドマン(1926-1987)の後期ピアノ作品集。高弟バニタ・マーカスに捧げられた「バニタ・マーカスのために For Bunita Marcus」、フェルドマン最後のピアノ作品「マリの宮殿 Palais de Mari」、そして80分超の大作「トライアディック・メモリーズ Triadic Memories」と、静謐さと長大さが特徴の1980年代に書かれた3作品(合計約3時間)をCD3枚に収録しています。演奏はさまざまな現代作曲家の作品を数多く初演し、国内外で11の賞を受賞している現代音楽のエキスパート、アルフォンソ・ゴメス。耳を傾けているうちに我を忘れてしまいそうな、優しく美しいフェルドマンの音楽に浸ることができる上質なアルバムです。
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チェルハ(1926-):Keintate I,II(バリトンとシュランメル・クァルテット版、抜粋) ホルガー・ファルク(Br)、
アテンサム・クァルテット

録音:2021年3月、4月、7月(オーストリア、ウィーン)
オーストリアの大御所、フリードリヒ・チェルハ(1926-)がアテンサム・クァルテットのために書き下ろした2つの「Keintate」を、バリトンとシュランメル・クァルテットのためのヴァージョンで収録!チェルハは、アルバン・ベルクの「ルル」を完成させたことや、数々の記念碑的なオーケストラ作品の作曲で有名ですが、一方で故郷ウィーンの民族音楽、芸術音楽に忠実であり続けた作曲家でもありました。彼のあまり知られていないウィーン風の作品を、ハンス・アイスラーの歌曲の録音で
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クイ・ドン(1966-):ペインテッド・ライツ
カリフォルニアの海岸線 California Shoreline(ソプラノ、弦楽四重奏とプリペアド・ピアノための)(2017)/バラバラになった梯子 Scattered Ladder(2台のマリンバと4人の打楽器奏者のための)(2009)/一体性の中の差異 Differences within Oneness(弦楽四重奏のための)(2009)/ペインテッド・ライツ Painted Lights(混声合唱と児童合唱、2つの合唱のための)(2010)
アルディッティSQほか

録音:2014-2019年
バレエ、オーケストラ、室内楽、合唱、エレクトロアコースティック、映画音楽、マルチメディアアート、即興演奏など、多様なジャンルやスタイルで作曲を行う中国系アメリカ人作曲家クイ・ドン(1966-)の作品集。アメリカで書かれた彼女の作品には、前衛的な実験音楽、ジャズ、その他の民族音楽の影響がユニークに統合されていると同時に、西洋のクラシック音楽への深い敬意と、自身のルーツとの深い文化的つながりが保たれています。初めて聴いた際には「この音楽はすべて同じ人が作ったのか?」と考えてしまうようなアルバムですが、繰り返し聴くと一見バラバラな各作品の共通点に気づくことでしょう。
0015119KAI
シャリーノ:ダンテの「天獄篇」のための音楽 〜 ソロとオーケストラのための付随音楽 ロレンツォ・ジェンティーリ=テデスキ(Vn)、
アンドレア・ビアジーニ(Fl)、
ガース・ノックス(Vn)、
パドヴァ・ヴェネトO、
マルコ・アンギウス(指)

録音:2021年7月2日-3日(イタリア)
イタリアのパレルモ出身の現代作曲家サルヴァトーレ・シャリーノ(1947-)。12歳の時から独学で作曲を始め、フルートなどの楽器の新たな特殊奏法を続々と生み出し、世界を驚かせてきたシャリーノ。Kairosレーベル9枚目となる作品集は、彼の75歳の誕生日を祝って制作されました。シャリーノによって「オーケストラは話したい」と記された『ダンテの「天獄篇」のための音楽』は、楽器の性質上本当に話すことはできませんが、それでも暗唱しようする奏者たちの表現の限界への挑戦がみられます。指揮は2019年9月からパドヴァ・ヴェネトOの音楽監督を務める現代音楽のスペシャリスト、マルコ・アンギウスです。

0018001KAI
ペルツェル:重力の虹

(1)神秘的なアンジュナの鐘
(2)カルナティカフォビア
(3)重力の虹
(4)アルフ=ソナタ
(5)悪魔のような踊り
(1)アンサンブル・アスコルタ、シュトゥットガルト室内O、ペーター・ルンデル(指)
(2)アンサンブル・ルシェルシェ
(3)エルネスト・モリナーリ(電気制御式コントラバスクラリネット)、バーゼル・シンフォニエッタ、ペーター・ルンデル(指)
(4)ジェットパック・ベルリーヴ
(5)ケルンWDR響、バス・ウィーヘルス(指)

録音:2016年11月
1978年、スイスのラッパースヴィール出身のコンポーザー=オルガニスト、ミヒャエル・ペルツェル(1978−)は1998年から2009年にかけてルツェルン、バーゼル、シュトゥットガルト、ベルリン、カールスルーエで作曲を学び、ディーター・アマン、ゲオルク・フリードリヒ・ハース、ヴォルフガング・リームなど錚々たる作曲家たちから指導を受けています。2017年にはエルンスト・フォン・ジーメンス音楽財団から作曲賞を贈られ、2019年には室内オペラ「ラスト・コール」がチューリッヒ歌劇場で初演されるなど、確かな上昇気流に乗っている期待の現代音楽作曲家です。
0018010KAI(2CD)
キャサリン・ラム(1982-):集合体 aggregate forms
弦楽四重奏曲(two blooms)(2009)/divisio spiralis(2019)
ジャック四重奏団

録音:2021年2月、オクターヴェン・オーディオ(アメリカ、ニューヨーク)
ャサリン・ラム(1982-)は、音色の相互作用や、純正律における拡張された和声空間を探求しているアメリカの作曲家。4つの弦楽器の持続音の連続が生み出す、普段あまり耳にすることのない類の不思議な音楽が、メロディー、ハーモニー、音色、身体、精神といったものの間にある人工的な区分を消し去り、私たちの日常の聴覚のすぐ向こう側に広がっている豊かな世界を聞かせてくれます。

0022029KAI
ホセ・マヌエル・ロペス・ロペス:無限の日曜日
ホセ・マヌエル・ロペス・ロペス(b.1956):弦楽四重奏曲第1番(2007)
トリオV(2008)
弦楽四重奏曲第2番「無限の日曜日」(2020)
アルディッティSQ、
アルベルト・ロサド(P)

録音:2023年1月13日、サラゴサ・オーディトリアム モーツァルト・ホール(スペイン)
1956年マドリード生まれのスペイン人作曲家、ホセ・マヌエル・ロペス・ロペスの室内楽作品集。IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)では巨匠トリスタン・ミュライユらとともにコンピューター音楽を研究していたホセ・マヌエル・ロペス・ロペスは、1996年から京都に滞在した時期があり、その経験が音色と音楽の時間軸についての考え方に深い変化をもたらしたといいます。
神話的な性格を持つ弦楽四重奏曲第1番は当盤でも演奏を務め、20世紀以降の作品の演奏で世界的な名声を博すアルディッティSQとバレンシア音楽院の委嘱による作品。2008年作曲のピアノ三重奏作品「トリオV」ではスペイン生まれで現代音楽界の主要なピアニストの一人、アルベルト・ロサドがアルディッティSQのメンバーと共演します。アルバムのタイトルにもなっている2020年の弦楽四重奏作品「無限の日曜日」もまたアルディッティSQのために書かれた作品で、Covid-19のパンデミックによって人類が直面した前例のない困難に対する感情や恐怖をリアルに伝えています。

「KAIROS」の創立20周年を記念した日本独自企画
オーストリアのみならず世界有数の現代音楽レーベルとして確固たる地位を築いている「KAIROS」の創立20周年を記念した、日本独自企画の特別シリーズをリリースいたします。 ウィーン・フィルやアンサンブル・アンテルコンタンポラン、ピエール・ブーレーズ、シルヴァン・カンブルラン、インゴ・メッツマッハーなど、世界的アーティストたちが名を連ねる「KAIROS」が築き上げてきた20年の歴史を凝縮したスペシャル・セレクション。 「KAIROS」レーベルがそのカタログの中から自信をもって選りすぐった「ベスト10タイトル」にご注目下さい!
※限定盤のため在庫が完売となり次第、取扱い終了となります。 お早目のご注文をお願いいたします。
KAISP-2001(2CD)
シューベルト(ハンス・ツェンダー編):テノールと小編成オーケストラのための「冬の旅」 クリストフ・プレガルディエン(T)、
シルヴァン・カンブルラン(指)、
クラングフォルム・ウィーン

録音:1999年2月20日−22日、モーツァルトザール、ウィーン・コンツェルトハウス(ウィーン、オーストリア)+
シューベルト、そしてドイツ・リートを代表する名作中の名作「冬の旅」を、現代ドイツのコンポーザー=コンダクター、ハンス・ツェンダーが、コンテンポラリー・テイストへとアレンジ!
当代有数のリート歌手であるクリストフ・プレガルディエンが歌い、シルヴァン・カンブルランが振るというコンビも非常に豪華です。
KAISP-2002
ハース:24の楽器のための 「無駄に(In Vain)」 シルヴァン・カンブルラン(指)、
クラングフォルム・ウィーン

録音:2002年2月2日−4日、オーストリア放送(ORF)文化会館(オーストリア)
ミクロポリフォニーやミクロインターバルを用いるなど、リゲティの作風との共通点を持つとされるオーストリア、グラーツ出身のスペクトル楽派の現代作曲家、ゲオルグ・フリードリヒ・ハース(1953−)。「無駄に(In Vain)」は、24の弦楽器、管楽器、打楽器のために2000年に作曲された演奏時間60分超の大作(しかもこのCDでは1トラックのみ!)。WDRからの委嘱によって書かれハースの作品のテクスチュアを、カンブルランのタクトが見事に解析しています。
KAISP-2003(2CD)
グリゼー:「音響の空間」
ヴィオラ独奏のための「プロローグ」
7人の奏者のための「ペリオド」
18人の奏者のための「パルシエル」
33人の奏者のための「モデュラシオン」
大編成オーケストラのための「トランジトワール」
4本のホルンと大編成オーケストラのための「エピローグ」
ガース・ノックス(Va)、
アスコ・アンサンブル、
ステファン・アスバリー(指)、
ケルンWDR響

録音:2001年9月27日−28日、10月5日−6日&2002年2月14日−15日
トリスタン・ミュライユと共に「スペクトル楽派」の始祖となったフランスの現代作曲家ジェラール・グリゼー(1946−1998)。パリ音楽院ではメシアンに、パリ・エコール・ノルマルではデュティユーに師事し、その次の世代を担う才能の1人として期待を受けながらも、惜しくも1998年に52歳という若さで他界したことが惜しまれます。この「音響空間」は、音響のスペクトルの推移を表現したグリゼーの前期の代表作。ヴィオラは、アルディッティSQのメンバーとしても活躍したスペシャリスト、ガース・ノックスです。
KAISP-2004(2SACD)
ノイヴィルト:ムジーク・テアター 「ロスト・ハイウェイ」 ヨハネス・カリツケ(指)、
クラングフォルム・ウィーン、IEM(ライヴ・エレクトロニクス、
サウンド・プロジェクション)、
コンスタンス・ハウマン(レネ/アリス)、
ゲオルグ・ニグル(ピート)、
ヴィンセント・クロウリー(フレッド/整備士)、
デイヴィッド・モス(エディ氏)、
アンドルー・ワッツ(謎の人)、他

録音:2003年、バーセル劇場(グラーツ、オーストリア)
オルガ・ノイヴィルト(1968−)は、フランスのIRCAMでトリスタン・ミュライユに師事し、ルイジ・ノーノからも大きな影響を受けたオーストリアの作曲家。
ノイヴィルトは、デイヴィッド・リンチの映画「ロスト・ハイウェイ」を不条理音楽劇としてオペラ化。ノイヴィルトの鮮烈や音楽、エルフリート・イェリネクの台本のコラボレーションが、デイヴィッド・リンチの映画の世界の「オペラ化」に見事に成功しています。
KAISP-2005
メシアン:彼方の閃光 インゴ・メッツマッハー(指)VPO

録音(ライヴ):2008年1月20日、ウィーン楽友協会大ホール(オーストリア)
20世紀フランスの巨匠オリヴィエ・メシアン(1908−1992)が、その生涯で最後に完成させた大規模な管弦楽作品であり、代表作の1つ「彼方の閃光」。ニューヨーク・フィルの創立150周年記念として委嘱されながらも、メシアンはその初演に立ち会えずに他界してしまっています。当盤の最大の驚きは、やはり何といってもオーケストラがウィーン・フィルであること!メッツマッハ―の指揮とウィーン・フィルの組み合わせが、メシアンの神秘性を巧みに表現した名演です。
KAISP-2006
チン・ウンスク:作品集
ファンタジー・メカニーク*/Xi+
アクロスティコン=ボースピール**
二重協奏曲++
パトリック・ダヴァン(指)*、
デイヴィッド・ロバートソン(指)+、
大野和士(指)**、
ステファン・アスバリー(指)++、
アンサンブル・アンテルコンタンポラン、
ピーア・コムシ(S)**、
サミュエル・ファヴレ(打楽器)++、
ディミトリー・ヴァシラキス(P)++

録音:2004年1月*、1999年2月+、2004年2月**、2003年2月++
現在の韓国、そして世界の女流作曲家を代表する1人としてその名声を確立した陳銀淑(チン・ウンスク)の管弦楽作品集。ハンブルクでリゲティに師事し、自らの作風を確立した後、その作品はベルリン・フィルをはじめとする世界有数のオーケストラや指揮者、ソリストに取り上げられています。師である姜碩煕(カン・ソッキ)が尹伊桑(ユン・イサン)の弟子であることから、その系譜に連なる文字通り現代の韓国楽壇を代表する存在です。
KAISP-2007
シャリーノ:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第7番
弦楽四重奏曲第8番
6つの短い四重奏曲
プロメテオSQ〔ジュリオ・ロヴィギ(Vn)、アルド・カンパナーリ(Vn)、カルメロ・ジャロムバルド(Va)、フランチェスコ・ディロン(Vc)〕

録音:2010年2月11日−13日、ザールラント放送音楽スタジオ(ドイツ)
ほぼ独学で作曲を学び、その独特の音響、音色を確立したイタリア、パレルモ出身の鬼才サルヴァトーレ・シャリーノ(1947−)の弦楽四重奏曲集。フルートなどの楽器の新たな特殊奏法を続々と生み出し、世界を驚かせてきたシャリーノ。収録されている2曲の弦楽四重奏曲も優れた音響の構成手腕が発揮された秀作であり、「6つの短い四重奏曲」は若き日の60年台から90年台までの30年間をかけて書き続けられた作品です。
KAISP-2008
ピンチャー:作品集
トランペット独奏、ホルン独奏とアンサンブルのための 「ソニック・エクリプス」*
E.E.カミングスの詩によるソプラノと7つの楽器のための「トワイライト・ソング」+
無伴奏混声合唱(32声)のための「私は如何に恋煩っているか」〜 ソロモンの雅歌に基づく
ギャレス・フラワーズ(Tp)*
、デイヴィッド・バード=マロウ(Hrn)*、
マリソル・モンタルヴォ(S)+、
マティアス・ピンチャー(指)*/+、
インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル*/+、
マーカス・クリード(指)#、
SWRヴォーカル・アンサンブル・シュトゥットガルト#

録音:2010年10月21日−22日*、2010年11月9日+、2009年11月21日#
70年台のドイツ出身の作曲家における最重要人物の1人として、現代音楽界の中で抜群の存在感を発揮し続けているマティアス・ピンチャー(1971−)の管弦楽曲、声楽曲、合唱曲を収録したポートレート・アルバム。
ヘンツェとの出会いが転機となり、ラッヘンマンやファーニホウからの影響も要所に感じさせるピンツァーの作品は、厳格ともいえる響きや表現が特徴の1つ。また、32声を要する混声合唱作品では、大胆かつ劇的な表現だけでなく、時折現れる荘厳かつ抒情的な響きが、他の作品とは異なるピンチャーの側面を教えてくれます。
KAISP-2009
ice〜藤倉大:作品集
ギター独奏のための「スパークス」
アンサンブルのための「アイス」
アンサンブルとライヴ・エレクトロニクスのための「ファントム・スプリンター」
エレクトリック・ギター独奏とアンサンブルのための「廃棄された時間」
予め録音されたエレクトロニクスのための「私は歌う花々の夢を見た」
エレクトリック・ギター独奏とライヴ・エレクトロニクスのための「スパーキング・オービット」
ダニエル・リッペル(G)、
ジェイス・オグレン(指)、
マシュー・ウォード(指)、
インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル

録音:2007年−2013年
ロンドンを活躍の場の拠点とし、着実に現在の日本を代表する作曲家の1人としての足場を固めた藤倉大(1977−)のカイロス(KAIROS)第1弾となった作品集。
優れた作曲技法に基づく緻密な作品はもちろんのこと、ユーモアやセンスにあふれる作品名、スタイルで話題を呼び続けている藤倉大の独奏曲から、ライヴ・エレクトロニクスとアコースティックのコラボまでを収録。日本の作曲界の新時代を担うその才能に接することのできる作品集です。インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブルの演奏もハイレベルです。
KAISP-2010
チェルハ:打楽器協奏曲
インパルス*
マルティン・グルービンガー(打楽器)、
ペーター・エトヴェシュ(指)
ピエール・ブーレーズ(指)*
VPO

録音:2011年11月25日、ウィーン・コンツェルト・ハウス(ライヴ)&1996年8月15日、ザルツブルク祝祭大劇場音楽祭(ライヴ)
未完成に終わったアルバン・ベルクの「ルル」の補筆完成者としてもその名を知られるオーストリアの作曲家、フリードリヒ・チェルハ(1926−)の大迫力の協奏曲&管弦楽作品は、なんと2曲ともウィーン・フィルの演奏!
冒頭から名手グルービンガーの圧倒的な打楽器と、金管楽器セクションが圧巻の音圧を放つ「打楽器協奏曲」はペーター・エトヴェシュ、新ウィーン楽派の響き、影響を感じさせる「インパルス」は親交が深いピエール・ブーレーズの指揮によるもの。ウィーン・フィルの巧さも相まって素晴らしい完成度に仕上がっているカイロス(KAIROS)の代表盤の1つです。


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