NMM-051
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ミヨー:バレエ「最愛の女性」(1928)
ストラヴィンスキー:火の鳥(1945年版)
ミヨー:「最愛の女性」終曲(リストの半音階的大ギャロップ)〕 |
エンリケ・マッツォーラ(指) イル・ド・フランス国立O
レックス・ローソン(ピアノラ)
録音:2016年9月 |
ミヨーのバレエといえば屋根の上の牛(1919年、コクトー台本)、世界の創造(1923年、サンドラール台本)などが有名ですが、この「最愛の女性」は
1928年にアレクサンドル・ブノワ(ベノワとも。舞台・美術デザイナー。ペトルーシュカの初演時の舞台も手がけた。バレエのブノワ賞もこの人に由来)の台本によっ
て作られました。1928年11月に初演されています。バレエのストーリーは、詩人がピアノで即興をしながら過去に出会った女性たちのことを回想し、女性達が次々
と現れては消えていく、というたぐいのものです。音楽はリストやシューベルトのピアノ作品をミヨーが編曲したものによっています。この作品の特徴はピアノラ(プ
レイエラ)が用いられることです。詩人役が弾くピアノがピアノラによっていました。ピアノラは、基本的に機械仕掛けの自動再生ピアノですが、ペダルを踏むこと
でロールの回転の速度を変えたり、強弱を変えたりすることができるもの。ここでは、ピアノラの世界的名手(ピアノリスト)、レックス・ローソンがここでは普通
のグランドピアノと組み合わせて操作されるピアノラを見事に演奏しています。ボーナス・トラックとして、ミヨーの「最愛の女性」終曲(リストの半音階的大ギャ
ロップ)を、ピアノラ協奏曲仕立てにし、さらにピアノラのカデンツァも楽しむことができます。レックス・ローソンの驚異的なピアノリストぶりが炸裂しています。
カップリングの火の鳥の演奏も見事です! (Ki) |
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NMM-054
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トゥリーナ:循環 op.91
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
トマス・グビッチ(b.1957):3つのモーメント |
トリオ・タルヴェーグ〔セバスティアン・シュレル(Vn)、エリック=マナ・クトゥリエ(Vc)、ロマン・デシャルム(P)〕
録音:2017年12月 |
フランスでひっぱりだこのピアノ・トリオ、トリオ・タルヴェーグによる1枚。トゥリーナ(スペイン)、ラヴェル(フランス)、グビッチ(アルゼンチン)という
3名の作曲家の作品のプログラムです。グビッチの作品はタンゴ風なかっこいい楽曲。全体をとおして、名手デシャルムのピアノがアンサンブルを見事に引き締め
ています。 (Ki) |
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NMM-055
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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番
交響曲第5番ハ短調op.67「運命」
フーガ ハ長調 WoO215 Hess 64 |
セドリック・ティベルギアン(P)
エンリケ・マッツォーラ(指)
イル・ド・フランス国立O
録音:2017年8,9月 |
フランスの名手、ティベルギアンのベートーヴェンピアノ協奏曲第1番の登場。ティベルギアンはヴァイオリンのイブラギモヴァとの共演等でしばしば来
日もしており、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集も録音、きわめて高く評価されています。マッツォーラ指揮のイル・ド・フランス国立O
とは既に5年ほど共演を重ね、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏会も行った上での録音ということで、アンサンブルもバッチリの演奏が展開されて
います。ティベルギアンの冴えに冴えたピアノの音色、オーケストラとのぴちぴちとしたアンサンブルは聴きものです。
エンリケ・マッツォーラはイタリアの指揮者。メトロポリタンやシカゴ・リリック・オペラ、ベルリン・ドイツ・オペラ等のオペラ公演も多数(指)さらにオー
ケストラもフィルハーオニー管やエイジ・オブ・エンライトゥンメント管等世界の名だたるオーケストラで指揮しています。2018/19シーズンにはベルリン・
ドイツ・オペラの首席客演指揮者を務め、さらに若手のオーケストラの育成にも積極的で、後進の指導にも情熱的にあたっている実力者です。 (Ki) |
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NMM-056
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リゲティ:6つのバガテル
ニールセン:木管五重奏曲 op.43 FS.100
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番op.96「アメリカ」(ダヴィッド・ワルターによる木管五重奏編曲版) |
アンサンブル・ウラノス〔マティルド・カルデリーニ(Fl)、フィリベール・ペリン(Ob)、アモリ・ヴィドゥヴィエ(Cl)、ラファエル・アングスター(Fg)、ニコラ・ラメ(Hrn)〕
録音:2018年4月 |
2014年にクラリネットのアモリ・ヴィドゥヴィエが中心となって結成されたアンサンブル・ウラノス。パリ国立高等音楽院の卒業生で結成され、2017
年リヨン国際室内楽コンクールで第1位、聴衆賞などを受賞しています。管楽五重奏のレパートリーの探求に邁進しているだけでなく、アンゲリッシュ、シャ
マユ、ルノー・カプソンらと共演もしており、幅広いレパートリーで聞き手をうならせています。
こちらは彼らの初CD。木管五重奏の重要レパートリーであるリゲティから、ニールセンの傑作、そしてドヴォルザークの「アメリカ」を木管五重奏版に
編曲したもの、という興味深いプログラムです。 |
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NMM-057
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カミーユ・ペピン:作品集
Lyrae/Chamber Music
Indra/Luna/Kono-Hana
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ラファエル・モロー(Vn)
レア・ヘンニノ(A)、ナターシャ・コルメ=コラール(Vc)、アナエル・トゥレ(Hp)、ティボー・ルプリ(打楽器)、レオ・マルグ(指)、アンサンブル・ポリゴーヌ、
セリア・オネト・ベンサイ(P)ほか
録音:2018年4月 |
若手作曲家の注目株カミーユ・ペピンの初の作品集CDが登場。長年彼女の自作を演奏している仲間たちによる演奏で、満を持しての登場です。ペピ
ンはイギリス文学から日本の版画、神話などに影響を受けています。この盤でも、「Kono-Hana」と題し、日本の桜の花にインスピレーションを受けて作
曲した作品など、ペピン独自の宇宙が広がっています。 |
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NMM-058
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アルメニア音楽の魅惑の世界
コミタス:ミニアチュール
サヤト=ノヴァ:Yis qou ghimete chim gidi(あなたの価値がどんなにか)、Ari
indz angaj kal(彼女はなんと優雅なことか)、Ashkharhums
akh chim qashil(私はこの世界では痛みを感じない)
グサン・シェラム(1857-1938):ジャック・ガンダールの編曲
ルーベン・アルチュニアン(b.1939:Quochari、Berd par
ハチャトゥリアン(ヤシャ・パピアン編):バレエ「スパルタクス」より‘エギナとバッカナリアのヴァリアシオン’、バレエ「ガイーヌ」より‘ヌネのダンス’‘子守歌’‘アイシャの孤独(モノローグ)’‘ウズンダラ’、「仮面舞踏会」より‘ワルツ’ |
Toumanian Mek
〔ダヴィド・ハルチュニアン(Vn1)、クララ・ジャスシシン(Vn2)、エティエンウ・タヴィティアン(Va)、ジェニファー・ハーディ(Vc)〕
ダン・ガリビアン(声)
録音:2018年7&10月 |
NMM-059
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バルバラのために
Ma plus belle histoire d'amour
Les rapaces / L'aigle noir
Pour Barbara (avant la nuit)
Nantes
Gottingen
Pour Barbara (vers l'aube)
Une petite cantate
Dis ! quand reviendras-tu ?
Pour Barbara (en son jardin)
Quel joli temps |
ギョーム・シャシー(P)
録音:2018年11月 |
幼いころからバルバラに魅了されてきてピアニスト、ギョーム・シャシーによる、バルバラへのオマージュ。バルバラの歌に基づく即興などが収められています。 (Ki) |
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NMM-060
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モーツァルト:歌劇「魔笛」からの抜粋(弦楽四重奏編曲版)
弦楽四重奏曲 ト長調 K.387 |
ツァイーデSQ〔シャルロッテ・マクレ(Vn)、レスリー・ブーラン・ラウレ(Vn)、サラ・シュナフ(Va)、ジュリエット・サルモナ(Vc)〕 |
2010年結成のフランスのツァイーデSQによる、モーツァルト作品集。2012年ハイドン国際コンクールで優勝およびすべての副賞を受賞す
るなど、実力派です。奏者たちの内部から湧き上がってくるような律動が感じられる、生のエネルギーに満ちた演奏が魅力です。 (Ki) |
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NMM-061
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マーラー:さすらう若人の歌
ブルックナー:4つの管弦楽曲〔1. 行進曲 2.モデラート 3.(アダージョ)
4.アンダンテ・コン・モート〕
マーラー:子供の不思議な角笛 |
エンリケ・マッツォーラ(指)
イル・ド・フランス国立O
マ ルクス・ヴェルバ(Br)
録音:2018年9月 |
マッツォーラ率いるイル・ド・フランス国立Oによるドイツ・レパートリー。オーストリア出身の世界的バリトン、マルクス・ヴェルバによる歌曲も魅力です。 (Ki) |
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NMM-062
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“B-Side”
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K136、変ロ長調
K137、ヘ長調 K138
ヘンデル:パッサカリア(組曲ト短調 HWV 432より)
カバレフスキー:「道化師」よりワルツ
モンティ:チャールダーシュ |
カメラータ・アルマ・ヴィーヴァ |
2019年に結成10周年を迎えたカメラータ・アルマ・ヴィーヴァ(アルマ・ヴィーヴァ=生きた魂)によるアルバム。ガボール・タカーチ=ナジの薫陶を受
けたメンバーたちによって結成されたアンサンブルです。指揮者を置かずに、立って演奏します。練習は演奏にとどまらず、演劇や即興、瞑想など多岐に渡ります。
ヘンデルからローリング・ストーンズまでそのレパートリーも多岐にわたるスリリングなアンサンブルの演奏をおたのしみください! (Ki) |
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NMM-063
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レ・シエクルの首席奏者による金管五重奏
(1)デュカス(バリントン編):「ラ・ペリ」のファンファーレ
(2)エヴァルト:金管五重奏曲第1番Op.5
(3)アントワーヌ・シモン:アンサンブル小品集Op.26(全9曲)
(4)G:セレナード
(5)ドビュッシー(サブーリン編):亜麻色の髪の乙女 |
レ・シエクル金管五重奏団【ファビアン・ノルベール(C管トランペット、セルマー・グランプリ1930&コルネット、ベッソン1885)、エマニュエル・アルマニー(C管トランペット、セルマー・グランプリ1927&コルネット、ベッソン1885)、マチュー・シーグリスト(ヴァルヴ・ホルン、ラウー=ミルロー1900)、ダミアン・プラド(トロンボーン、クルトワ1872)、シルヴァン・ミノー(チューバ、クエノン1910、オフィクレイド、ローク1837、変ホ管アルト・サクソホルン、A.ザックス)】
録音:2016年12月/アミアン文化センター |
金管界では知らぬものなき名作エヴァルトの「金管五重奏曲第1番」。効果的な楽器法とロシアならではの叙情的な旋律美で、弾いても聴いても魅力
的な作品。ついにピリオド楽器による録音が登場しました!それもレ・シエクルの金管セクション・トップ奏者たちによるアンサンブルという気絶しそうに
なるほどの組み合わせです。
レ・シエクルは2003年創立、フランス近代作品を初演された当時の響きと奏法で再現する、というポリシーで世界中の注目を浴び、音楽監督のフラ
ンソワ・グザヴィエ・ロトとともに日本でも今日もっとも注目されるオーケストラのひとつとなりました。彼らの響きの特徴を左右しているのが管楽器。こ
とに金管は今日とは明らかに異なる独特な色彩感に満ちています。
エヴァルトはアレンスキーやグラズノフと同世代で、「金管五重奏曲第1番」は1912年の作。当アルバムの使用楽器は同時代のもので、初演当時の響
きが彷彿されます。またフランス人ながらロシアで活躍したアントワーヌ・シモンは、ロシアで金管の室内楽やソロ曲を創始した草分け的存在。「アンサン
ブル小品集Op.26」はバレエ音楽のような楽しい組曲。「G」というイニシャルのみの作曲家はおそらくフランスの作曲家ルイ・ジラールと思われ、19世
紀後半の酒場やダンスホールの雰囲気を醸すのもシエクルのメンバーは心憎いほどの巧さです。
かつて聴いたことのない音色、超絶的な名人芸いずれも満点。金管関係者には超ド級、音楽ファン誰もが注目のアルバムです。 (Ki)
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NMM-065
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無伴奏合唱曲集
ラヴェル:「妖精の園」(マ・メール・ロワより/ティエリー・マシュエル編)、3つの歌、鐘の谷(クリストゥス・ゴットヴァルト編)
サン=サーンス:夕べのロマンス、並木道の足跡、花々と木々、夜の静けさ
ブリテン:聖セシリア讃、5つの花の歌
R.マリー・シェーファー:ミニワンカ、あるいは水の瞬間 |
レ・メタボール、
レオ・ワリンスキ(指)
録音:2019年2月 |
フランスの合唱団レ・メタボールによる新譜。すべて無伴奏合唱です。サン=サーンスの「花々と木々」、「夜の静けさ」はグノーに献呈されている作品(歌詞は
グノーによるもの)。ラヴェルの「3つの歌」もラヴェル自身の歌詞によるものです。カナダの作曲家で音楽理論家でもあるマレイ・シェーファーによる「ミニワン
カ」、とは北アメリカ原住民の言葉で、水のさまざまな状態を表す言葉。雨が流れ、静かな湖となり、川となり、最後は海にそそぐ様子が歌われます。ほかにラ
ヴェルの器楽作品からの合唱編曲版などが並んだプログラムで、メタボールの変幻自在な表現力とテクニックが発揮された1枚となっております。 (Ki) |
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NMM-066
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ダニエル・ダダモ(b.1966):Sur Vestiges(弦楽五重奏のための)
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956 |
ノエミ・ブタン( チェロ )
ベラ四重奏団
録音:2019年3月 |
フランスの気鋭の奏者たちが集った1枚。ノエミ・ブタンは14歳でパリ音楽院に入学、気鋭の演奏家としてサーカスの演者と舞台を共にしたり、ジャ
ズミュージシャンと共演したりもしています。日本でもパフォーマンスを披露しているチェロ奏者です。ベラ四重奏団はフランスで「おそるべき子供たち」
と称された結成13年を超えるグループ。ベラ・バルトークのベラから名前をとっていることもあって、バルトーク作品はもちろんのこと、中欧の作品にも
積極的に取り組んでいます。ダニエル・ダダモの作品は、彼らの委嘱によるもので、シューベルトの弦楽五重奏と一緒に演奏することを念頭に置いた作品
となっています。ノエミは客席に向かって座り、弦楽四重奏が彼女の後ろに座るという配置で演奏されます。 (Ki) |
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NMM-067
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モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
五重奏断章 変ロ長調 KV Anh,91(フランツ・バイヤー補完)
クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 |
ジュリアン・エルヴェ(Cl)
グスターヴォ・ヒメノ(指)
ロッテルダムPO
ゴルダン・ニコリッチ、ゴラン・グリバイツェヴィチ(Vn)
ロマン・スピツェル(Va)、セリーヌ・フラメン(Vc)
録音:2017年3月、2018年9月 |
フランス出身のクラリネット奏者ジュリアン・エルヴェによるモーツァルトの登場。彼が首席奏者を務めるオーケストラ、ロッテルダム・フィルが管弦楽
を担当しているとあって、そのあたたかなアンサンブルは格別なものがあります。
カップリングには元LSOのコンサートマスターであるニコリッチら豪華メンバーを迎えての五重奏曲も収録しています。
ジュリアン・エルヴェはフランス出身。パスカル・モラゲスのクラスに学び、2008年からロッテルダム・フィルの首席クラリネット奏者を務めるほか、ソリスト、
室内楽でも活躍しています。楽器はビュッフェ・クランポンを愛奏しています。ヒメノはコンセルトヘボウOで打楽器奏者を務めていましたが2012
年よりヤンソンスのアシスタントとして指揮者としてのキャリアをスタートさせました。その後ハイティンクやアバドのアシスタントも務め、その才能は世界
が広く認めるところです。来日もしており、2020/21のシーズンからはトロントSOの第11代音楽監督としてますます活躍が期待されております。 (Ki) |
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NMM-068
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「1893」
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」op.96
プッチーニ:菊
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 op.10 |
ヴァレーズ四重奏団
録音:2018年10月 |
フランスのSQ、ヴァレーズ四重奏団による、「1893年」と題した1枚。文字通り、1893年前後に書かれた作品がプログラムされています。
ヴァレーズ四重奏団はリヨン国立高等音楽院の学生らによって2006年に結成されました。 (Ki) |
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NMM-069
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わが心のリズム〜マリンバのための音楽集
ヴァルバノフ:Introduction/ Son nom est Land/ Tout est
bruit, tout est battement, tout est rhtyme…/
Homme bleu/ Cajon de Peru/ Tombak/ Venez
danser/ Tel est mon voyage
村松崇継:Land for Marimba Solo
マティアス・シュミット:Ghanaia for Marimba Solo and Percussion
伝承曲(ブルガリアの舞曲)(ヴァルバノフ編)Kopanitza/
Gornodikansko horo
デイヴ・サミュエルズ:Footpath for Solo Marimba
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV
1001より(ヴァルバノフ編)
ジョン・サタス:One Study One Sammary |
ジェルジ・ヴァルバノフ(マリンバ)
ソニア・メラー(語り)
録音:2018年、2019年 |
ヴァルバノフは、幼いころから音楽に親しみ、演奏会でパーカッションと出会い、7歳でブルガリアで最も重要なコンクールで優勝。2005年、ルクセ
ンブルクでの国際打楽器コンクールで優勝、アンドレ・ジョリヴェ賞も受賞。2009年よりイル・ド・フランス国立Oの第1ソロ打楽器奏者を務め
る奏者です。自身の作品のほか、ドラマや映画音楽などでも活躍する村松崇継の作品、さらにはナレーションも入った注目のプログラムかつこだわりの作
りとなっております。 (Ki) |
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NMM-070
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ベートーヴェン(フィッシャー編):交響曲第6番「田園」(弦楽六重奏版)
シェーンベルク:浄夜Op.4 |
レ・プレイアード【レティティア・ランジュヴァル、カロリーヌ・フロランヴィユ(Vn)、キャロル・ドファン、マリー・クチンスキ(Va)、ジェニファー・ハーディ、アマリリス・ヤルチク(Vc)】
録音:2018、2019年/アミアン文化センター |
ベートーヴェンの作品はバッハと同様にさまざまな楽器のために編曲されていますが、何と交響曲の弦楽六重奏版が登場。それも管楽器や打楽器の印象の
強い「田園」なのが興味津々。
編曲者はベートーヴェンと同時期のミヒャエル・ゴットハルト・フィッシャー(1773-1829)。オルガン音楽の作曲家として知られていますが、「田園」が発表さ
れて2年後にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ各2本のための充実した編曲を行いました。第2楽章の小鳥の囀り、第4楽章の落雷、第5楽章冒頭のホルンなど弦
のソロながら物足りなさはなく、むしろベートーヴェンらしさが増しているのが驚き。
演奏するレ・プレイアードはおうし座のすばる星団のフランス名。全員がロトの率いるピリオド楽器オーケストラ「レ・シエクル」のメンバーで、もちろん今回も
ピリオド楽器使用。今回は指揮者なしですが、ロトに鍛えられた推進力とリズム感で聴く者の心をとらえて離さない凄みに満ちています。また良く響く楽器とブ
レンド感も魅力で、高音質録音があますところなく収めています。
カップリングはシェーンベルクの「浄夜」のオリジナル六重奏版。1902年の作品ですが、ピリオド楽器による演奏は初めてと思われます。ヴィブラート控えめ
の奏法が新鮮で、世紀末的濃厚さが宗教的とさえ感じさせる力強く生々しいエネルギーとなって迫ってきます。 (Ki) |
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NMM-071(2CD)
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バッハ:ヴァイオリン・ソナタ全集
ロ短調BWV1014/イ長調BWV1015
ホ長調BWV1016/ハ短調BWV1017
ヘ短調BWV1018/ト長調BWV1019 |
ステファニー=マリー・ドガン(Vn)
ヴィオレーヌ・コシャール(Cemb)
録音:2019年4月/セクスタン・スタジオ(マラコフ) |
1974年生まれ、ジャック・ゲスタン門下のステファニー=マリー・ドガンは、京都フランス音楽アカデミーの講師として来日もしているヴァイオリスト。
彼女が伴奏付のバッハのヴァイオリン・ソナタ全集に取り組みました。
チェンバロはアンサンブル・アマリリスでも知られるヴィオレーヌ・コシャール。典型的なフレンチ・チェンバロで、独特の洒脱なバッハを披露してくれます。 (Ki) |
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NMM-072
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Post Scriptum/追伸
クライスラー:美しきロスマリン、
中国の太鼓、愛の喜び、
シンコペーション、愛の悲しみ
クロール:バンジョーとフィドル
メンデルスゾーン:歌の翼に
モシュコフスキ(サラサーテ編):ギターレ
ラフマニノフ(ハイフェッツ編)):ひなぎく
コルンゴルト:庭の風景
ゴドフスキ(ハイフェッツ編):古きウィーン
アクロン:ヘブライのメロディ
フォスター(ハイフェッツ編):金髪のジェニー
パラディス(デュシュキン編):シチリアーノ
フォーレ:ロマンス op.28
シューマン(ハイフェッツ編):予言の鳥
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しき夕べ
サラサーテ:序奏とタランテラ |
マリナ・シシュ(Vn/ジュゼッペ・ガリアーノ、1762年製)、
オーレリアン・ポンティエ(P)
録音:2019年3月 |
「追伸」と題したアンコール・ピース集。クライスラー、ハイフェッツら往年の大ヴァイオリン奏者たちが手掛けた編曲や作品を中心に収録しています。マリ
ナ・シシュは2004年、2005年と連続してヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークにノミネートされた注目奏者。マルセイユ出身で、パリで学んだ後、ウィーン、ミュ
ンヘン、ベルリンでケンさんを積んでいます。音楽のほか、ドイツ文学を修め、音楽学(古楽)修士、そして博士号も持っている才媛です。メリハリの効いた音楽
が魅力です。ピアノのオーレリアン・ポンティエは9歳でデビュー、12歳でクリヴィヌに招かれショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏するなど、早くから注目さ
れている存在です。 |
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NMM-073
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ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
コリリアーノ:レッド・バイオリン |
アマンダ・ファヴィエ(Vn)
アドリアン・ペルション(指)
リエージュ王立PO
録音:2019年3月/サル・フィルラルモニク(リエージュ) |
アマンダ・ファヴィエは1979年生まれのフランスのヴァイオリニスト。ジェラール・プーレ、ジャン=ジャック・カントロフに師事しヨーロッパを中心に活動、
CDも数多くリリースしています。コリリアーノの「レッド・バイオリン」は1998年の映画音楽に基づく協奏作品。ジョシュア・ベルの演奏で知られますが、
アマンダ・ファヴィエの1723年マッテオ・ゴッフリレール製の愛器がまさに赤いヴァイオリンで、彼女のたっての希望で録音されました。 (Ki) |
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NMM-074
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木々の音〜The Sound of Trees
カミーユ・ペピン:木々の音(The Sound of Trees)
ドビュッシー:ラモー讃(映像第1集より〜カミーユ・ペピンによる管弦楽編曲版)
ドビュッシー:運動(映像第1集より〜カミーユ・ペピンによる管弦楽編曲版)
リリ・ブーランジェ:悲しみの夜(ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための〜カミーユ・ペピンによる管弦楽編曲版)
リリ・ブーランジェ:春の朝(ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための〜カミーユ・ペピンによる管弦楽編曲版) |
ピカルディO、
アリ・ヴァン・ベーク(指)
ジュリアン・エルヴェ(Cl)、
ヤン・レヴィオノワ(Vc)
録音:2019年10月 |
ピカルディOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めるカミーユ・ペピンによる、クラリネットとチェロのための協奏曲「木々の音」を収めた1枚。こ
の作品は、2020年のヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークにノミネートされるなど、フランスで高く評価された作品。ミニマルミュージック的な刻むリズムの上、
クラリネットとチェロが刺激的な対話を繰り広げます。クラリネットを奏でるジュリアン・エルヴェは2006-2013年にはレ・シエクルでソロ・クラリネット奏者
を務め、現在ではロッテルダム室内音楽協会の芸術監督などを務めながら、現代音楽からさまざまな編成の音楽など、幅広く活躍しています。ヤン・レヴィオノ
ワは、2019年からエルメスSQのチェロ奏者を務める傍ら、ソリストとしてオーケストラとの共演も多数の実力派です。カップリングはリリ・ブーラ
ンジェとドビュッシー。カミーユ・ペピンが彼らの作品を管弦楽版に編曲、作品の世界観はそのままに、よりモダンな風合いに仕上がっております。 (Ki) |
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NMM-075
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フルート・トランスクリプション
ラヴェル(マガリィヤンス編):ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
シューマン(マガリィヤンス編):ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.105
同(ランパル編):3つのロマンスOp.94
ドビュッシー(サマズイユ編):牧神の午後への前奏曲
同(マガリィヤンス&ジュード編):ヴァイオリン・ソナタ |
ラクエル・マガリィヤンス(Fl)、
マリー=ジョセフ・ジュード(P)
録音:2019年6月/スタジオRiffx(ブローニュ・ビヤンクール) |
1979年ブラジル出身、アラン・マリオン門下の女性フルート奏者ラクエル・マガリィヤンスがフランスのベテラン、マリー=ジョセフ・ジュードとの共演で、ドイ
ツ・ロマン派とフランス印象派のトランスクリプション(編)をあつめた最新アルバム。ランパルやサマズイユの名編曲に加え、マガリィヤンス自身も挑戦。マガリィ
ヤンス独特な明るく温かみのある音色を通して、シューマン、ラヴェル、ドビュッシー作品に新たな光を当てます。 (Ki) |
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NMM-076
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Messe noire〜黒ミサ
リスト:悲しみのゴンドラ 第2稿 S.200
灰色の雲 S.199/夜 S.112
無調のバガテル S.216a
スクリャービン:詩曲第1番、第2番op.71
ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」op.68
詩曲-夜想曲 op.61
5つの前奏曲 op.74
焔にむかって op.72 |
セリメーヌ・ドーデ(P)
録音:2019年11月 |
リスト、スクリャービンそれぞれの晩年の作品を収録した1枚。いずれもミステリアスで神秘的な和声が醸し出すほの暗い
世界という共通点がみられます。ピアニストのセリメーヌ・ドーデはフランス人の父、ハイチ人の母をもつフランス出身のピアニスト。カーネギーホールでデ
ビューをかざり、その後も音楽祭などで活躍しています。バッハからメシアンまで、その確かな技術と耳の良さで幅広いレパートリーを体得しています。 (Ki) |
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NMM-077
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ブリテン:「カンティクル集」、他
セレナードOp.31〜プロローグ
カンティクル第1番「愛した者はわがもの」Op.40
グレゴリオ聖歌「博士たちは星を見て」
カンティクル第4番「東方三博士の旅」Op.86
キャロルの祭典Op.28〜間奏曲
カンティクル第5番「聖ナーシサスの死」Op.89
夜の小品
カンティクル第3番「なお雨は降る」Op.55
カンティクル第2番「アブラハムとイサク」Op.51 |
シリル・デュボワ(T)、
アンヌ・ル・ボゼック(P)
ポール=アントワーヌ・ベノス・ジアン(C.T)、
ウラジーミル・デュボワ(Hrn)、
ポリーヌ・アース(Hp)、
マルク・モイヨン(Br)
録音:2019年1月/イル=ド=フランス国立Oスタジオ(アルフォールヴィル) |
ブリテンの全5曲から成るカンティクルは1927年から1974年までの長きにわたり作曲されたもので、彼の相方だったピーター・ピアーズのテノールに
より初演されました。それをフランスのテノール、シリル・デュボワが感動的に歌いあげています。デュボワは2014年にリヨン・オペラのBunkamura公
演でオッフェンバックの「ホフマン物語」に出演、芸達者ぶりが注目されました。 (Ki) |
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NMM-078(2CD)
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ハイドン:パリ交響曲(全曲)
交響曲第83番ト短調「雌鶏」
交響曲第86番ニ長調
交響曲第87番イ長調
交響曲第84番変ホ長調
交響曲第85番変ロ長調「王妃」
交響曲第82番ハ長調「熊」 |
ダグラス・ボイド(指)
パリ室内O
録音:2018、2020/フィルラルモニ・ド・パリ |
日本でも名古屋フィルの客演などでおなじみのダグラス・ボイドがハイドンの交響曲に挑戦。ボイドはイギリス出身。オーボエ奏者としてモーリス・ブルグ
に師事し、2002年までヨーロッパ室内Oの首席奏者として活躍しました。
彼はオーケストラの団員としてアバドの指揮のもとハイドンの交響曲を多数演奏、録音した経験を生かし、さらに自身の個性も加えたフレッシュな世界を創
造しています。 (Ki) |
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NMM-079
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ルートヴィヒ/ツァイーデ四重奏団&ドルプレール
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47「クロイツェル」(弦楽五重奏版)
弦楽四重奏曲第3番ニ長調OP.18の3 |
ツァイーデQ【シャルロット・マクレ、レスリー・ブーラン・ローレ(Vn)、サラ・シュナフ(Va)、ジュリエット・サルモナ(Vc)】、ブリュノ・ドルプレール(Vc)(1)
録音:2019年12月/Riffxスタジオ(ラ・セーヌ・ミュジカル) |
これは衝撃的。2009 年結成の女性 4 名から成るツァイーデ四重奏団に、ベルリン・フィルの若き第
1 ソロ・チェロ奏者ブリュノ・ドルプレールを加えた
五重奏でベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」に挑戦。
「クロイツェル・ソナタ」は言うまでもなくヴァイオリンとピアノが火花を散らすボルテージの高い力作。それを弦楽五重奏にしているのは興味津々ですが、
ピアノ・パートを 4 人に振り分けるような単純な編曲ではなく、ヴァイオリンのパートも
5 人に分け、完全な室内楽作品に仕上げています。ヴァイオリンが
奏でるはずのメロディーをチェロが歌うなど、予期せぬ驚き満載です。ベートーヴェンの死後にジムロック社から楽譜が出版されましたが、編曲者名は記さ
れてません。
チェロを加えることで音の視野が広がり、低域の深みが倍増。一説にはベートーヴェン自身か弟子のリースによる編曲ではないかとされ、各楽器への効果
的な分配やボルテージの高さ、充実度は驚くべきもので、まるで古典派のロックンロールとでも言うような凄さ。良く知る曲ながら思いがけぬ新しい魅力を
発 見させてくれます。
カップリングは彼の弦楽四重奏曲の実質的に最初の曲である第
3 番。こちらは原曲通り弦楽四重奏で演奏。明朗で平和なこの曲と、デモーニッシュなク
ロイツェルを並べることで、ベートーヴェンの表現力の幅広さを証明しています。 (Ki) |
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NMM-081
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オレリアン・デュモン:潮
(1)かけらのたまり
(2)ブリオーヌより〜エミリー・ディッキンソンの詩による
(3)ベーニュ(全4曲) |
ピエール・ルーリエ(指)
アンサンブル2e2m
エレーヌ・フォーシェー(S)
録音:2018年3月20日(1)、5月3日(2)、1月16日(3)/マルセル・ランドフスキ講堂(ライヴ) |
オレリアン・デュモンは1980年生まれのフランスの作曲家。日本文化に深い興味と愛を抱き、源氏物語に題をとる「垣間見」、黒塚に基づく能オペラ「秘
密の間」などを作曲していますが、トゥール大医学部で音楽療法を学んだ経歴からも、様式ではなく精神的な日本性を見事に表現しています。ここに収めら
れたものは日本と関係ないものの、「ブリオーヌによる」ではエレクロニクス、「ベーニュ」では映像作家ジェニファー・ドゥゼネルのヴィデオとのコラボとい
う新しいメディアとの可能性を試みています。 (Ki) |
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NMM-084
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シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調D.898
ノットゥルノD.897
流れの上でD.943(トリオ・タルヴェーク編) |
トリオ・タルヴェーク
【セバスティアン・シュレル(Vn)、エリク=マリア・クテュリエ(Vc)、
ロマン・デシャルム(P)】
録音2020年7月/メッツ・アルセナル |
2004年結成のトリオ・タルヴェーク。ピアノ三重奏曲の歴史を網羅するレパートリーに加え、ジャズやロック、電子音楽とまでコラボする柔軟な音楽性が魅力で
す。彼らの第2弾はシューベルトに捧げたアルバム。「冬の旅」や後期ピアノ・ソナタと同時期の第1番、彼ら自身の編曲による歌曲「流れの上で」まで歌ごころに
満ちた演奏を楽しめます。 (Ki) |
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NMM-087
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ハイチわが愛〜ハイチ作曲家のピアノ曲
リュドヴィク・ラモート:アルバムのページ第1番
ジャスティン・エリー:山の歌第1番「こだま」
ラモート:ダンサ第4番
エリー:ハイチのメレンゲ第2番
エドモン・サントンジュ:エレジー=メレンゲ
ラモート:ダンサ第1番「ハバネラ」
エリー:ハイチのメレンゲ第4番
ラモート:ブードゥー教のイコン〜ロコ
エリー:山の歌第2番「ノスタルジー」
ラモート:アルバムのページ第2番
エリー:ハイチのメレンゲ第1番
ラモート:ダンサ第3番
ショパン(リスト編 ):春 |
セリメーヌ・ドーデ(P)
録音:2019年11月/フィラルモニ・ド・パリ |
カリブ海イスパニョラ島西半分を占めるハイチ。初めての黒人民主国家となったことで知られますが、ラテンとアフリカが絶妙にまじりあう音楽文化が魅力。
フランスの女性ピアニスト、セリメーヌ・ドーデはエクサンプロヴァンス出身ですが、母がハイチ人でこの国には特別の思い入れを持ち、2017年に同地でピアノ
の音楽祭を始めたほど。そのドーデがハイチの作曲家によるピアノ曲を集めたアルバムを実現させました。
リュドヴィク・ラモート(1882-1953)、ジャスティン・エリー(1883-1931)、エドモン・サントンジュ(1861-1907)という19世紀生まれの3名の作品
を12曲選んでいます。いずれもパリで勉強していて、洗練された未知の宝石に驚き。ラモートは「黒いショパン」と称され、繊細極まりないピアノ音楽を創り出し
ています。もちろんメレンゲなどアフロ=カリビアンな舞曲や、ブードゥー教の秘儀的なものなど官能的かつ生命力にあふれる曲など多彩。ピアノに興味ある方々は
気に入られること間違いなしのオススメ盤です。 |
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NMM-088
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フェルナンド・デュリュック:サクソフォン作品集
パヴァーヌ
サクソフォネスカス(全8曲)
2つの子守歌
サクソフォン的変奏曲
サクソフォニア・ディ・カメラ(全4曲)
サクソフォニー(全3曲) |
エリプソス四重奏団【ポール=ファティ・ラコンブ(ソプラノ・サクソフォン)、ジュリアン・ブレシェ(アルト・サクソフォン)、シルヴァン・ジャリ(テノール・サクソフォン)、ニコラ・エルエ(バリトン・サクソフォン)】
録音:2020年7月/シャンピニー=シュル=マルヌ音楽院 |
フェルナンド・デュリュック(1896-1954)はフランスの女性作曲家。六人組などと同世代ですが、あまり知られていません。パリ音楽院で作曲とオルガンを学び、
夫がトスカニーニ時代のニューヨーク・フィルのコントラバスとサクソフォン奏者となったためアメリカに数年間住み、ガーシュウィンのジャズの洗礼を受けました。
デュリュックは夫のためにサクソフォン曲を量産し、それらはフランソワ・コンベルやマルセル・ミュールといった名手にもとりあげられるようになりました。今日
でも彼女の「サクソフォン・ソナタ嬰ハ調」は、この楽器の重要なレパートリーとなっています。
彼女のサクソフォン曲の多くは未出版でしたが、2020年にようやくビヨドー社から刊行されたため、今後重要なレパートリーとなることは確実と申せましょう。
それらを早速エリプソス四重奏団の妙技で録音。リズムと和声の大胆さでラヴェル、ストラヴィンスキー、ガーシュウィン、ドビュッシーの世界が交差点する独特さ。
新たな世界の発見の喜びに満ちています。kい |
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NMM-089
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天使
ウィリアム・バード:アヴェ・ヴェルム・コルプス
ジョナサン・ハーヴェイ:愛するわが主よ
同:来たれ、聖霊よ
同:平和と光の讃歌
パーセル:主よ、我らの罪を思い出したもうことなかれ
ハーヴェイ:主よ、思い出したもう
パレストリーナ:スターバト・マーテル
ハーヴェイ:受胎告知
同:天使 |
レオ・ヴァリンスキ(指揮
)レ・メタボール
録音:2019年9月/ロワイモヨン修道院 |
レオ・ヴァリンスキはポーランド系の姓ながらフランスで生まれ育ち、パリ音楽院でフランソワ=グザヴィエ・ロトに師事した期待の若手指揮者。2010年に創設
した手兵の合唱団レ・メタボールとラヴェル、サン=サーンス、ブリテンの作品を集めたアルバム「妖精の園」(NMM065)でCDデビューしましたが、第2弾はイ
ギリスの荘厳な宗教作品の伝統を中心にしています。現代のジョナサン・ハーヴェイ(1939-2012)作品の独特な色彩感が興味津々。録音場所のロワイモヨン修
道院の音響が雰囲気を醸し出しています。 (Ki) |
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NMM-090
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Bach・Reich
(1)バッハ:無伴奏フルートの為のパルティータ イ短調BWV1013
(2)ライヒ:ナゴヤ・マリンバ(1994)(ラランクールによる2本のフルート編)
(3)バッハ:組曲ニ長調(BWV590, 1010, 828, Anh116, 842,
1068からラランクール編)
(4)ライヒ:木片の音楽(1973)(ラランクール編による5人のフルート奏者用)
(5)バッハ:リュートの為のパルティータBWV997(ラランクール編)
(6)ライヒ:ヴァーモント・カウターポイント(1982) |
マリオン・ラランクール(トラヴェルソ、フルート、アルト・フルート、ピッコロ)
録音:2015年11月、2018年12月、2019年6月/シテ・ド・ラ・ミュジーク |
マリオン・ラランクールはパリ音楽院でソフィー・シェリエに師事したフルート奏者。ソリストとして活躍するかたわら、フランソワ=グザヴィエ・ロト率いるレ・シ
エクルの首席奏者を務め、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」やドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」のディスクで彼女の妙技に触れることができます。
このアルバムは大バッハとスティーヴ・ライヒの作品を交互に収めたもので、タイトルはローマ字だと綴りが似ているBach・Reich。ラランクールによれば1枚
のアルバムに一見不釣合いな2人の作曲家をカップリングするのはレ・シエクルのやり方を踏襲したとのこと。
両作曲家の作品には250年の開きがあるものの、あらゆる種類の線を駆使した作曲法で共通したDNAを持つとしています。ラランクール自身の手による編曲
も聴きものです。 (Ki) |
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NMM-091
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トマ・ルルー〜ボーン・トゥ・グルーヴ
トマ・ルルー(ロラン・エルバス編):ストーリーズNO2/マリゴット湾/シューベルティアーデ/ウォーク・アラウンド/ノスタルジック・ソング/リオ・セナリウム/眺めのいい部屋/ヴィラ・マダレナ/アルメニアン・トリビュート/ボーリュー/ボーン・トゥ・グルーヴ
ロラン・エルバス:ルルーランド/ブラジル組曲/歌劇・トリビュート
サム・ファヴロー:バンキー・フローズ
ラミーヌ・ディアーニュ:ンデェ・クムバ/エピローグ
ボーナストラック:ウォーク・アラウンド(別テイク) |
トマ・ルルー(チューバ、コーラス)、
ロラン・エルバス(P、キーボード、コーラス)、
ジェローム・ブイゲス(ギター、コーラス)、
ラミーヌ・ディアーニュ(フルート、サクソフォン、ンゴーニ
、ドゥドゥク、カリンバ 、歌 )、
サム・ファヴロー( ベース、コーラス)、
フィリップ・ジャルダン(パーカッション、コーラス)ほか
録音:2020年9月/スタジオ26(アンティーブ) |
トマ・ルルーは1987年生まれのフランスのチューバ奏者。マルセイユ歌劇場Oの奏者を務めながらソリストとして世界中をまわるまさに21世紀チュー
バ界の期待の星。日本の音楽大学や楽器店でのレクチャーやマスタークラスでもしばしば来日してカリスマ的人気を誇っています。
ルルーはクラシック作品のみならずジャズやポップスにも造詣が深く、このアルバムではジャズ・ミュージシャンとのコラボでオリジナル作品を披露。まるでアル
ト・サックスのような甘く咽び泣くチューバのソロが聴きもの。ルルーはチューバのみならずコーラスで歌声も披露。新時代のチューバ・スターの登場です。 (Ki) |
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NMM-092
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メタモルフォシス
フィリップ・グラス:メタモルフォシスT
ラヴェル:鏡〜鐘の谷
カミーユ・ペパン:ナンバー1
ラヴェル:鏡〜蛾
鏡〜悲しい鳥たち
グラス:メタモルフォシスW
鏡〜洋上の小舟
グラス:メタモルフォシスU
メタモルフォシスV
ラヴェル:鏡〜道化師の朝の歌
グラス:メタモルフォシスX |
セリア・オヌト・ベンサイド(P)
YAMAHA使用
録音:2020年5月/イル・ド・フランス国立O会館 |
1992年生まれのフランスの美人ピアニスト、セリア・オヌト・ベンサイドの最新盤。今回はラヴェルの「鏡」全5曲とその精神的子孫であるフィリップ・グラスの
「メタモルフォシス」5曲をちりばめ、1990年生まれの女性作曲家カミーユ・ペパン作品と3つの異なる時代の3名の不可思議な絆を示してくれます。
ベンサイドはパリ音楽院でヌーブルジェほかに師事。高度な技巧に加え華があるうえ、独特な美学によるコンセプトが興味深く、今後目が離せません。 (Ki) |
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NMM-094
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R・シュトラウス:(デイヴィッド・コープ編):ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらOp.28
フランセ:恋人たちの時間
木管五重奏曲第1番
プーランク:ピアノと木管の為の六重奏曲 |
アンサンブル・ウラノス、
ギヨーム・ヴァンサン(P)
録音:2020年8月/イル・ド・フランス国立管会館 |
アンサンブル・ウラノスはパリ音楽院の学生たちにより2014年に結成された木管五重奏団。ミシンのブランド、シンガー=ポリニャック財団のレジデント・アー
チストとなり活動しながら、2017年にリヨン国際室内楽コンクール、2020年カール・ニールセン国際室内楽コンクールでともに最優秀賞を受賞した実力派団体。
今回はR・シュトラウス、フランセ、プーランクの華やかで演奏効果に満ちた作品に挑戦。R・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉
快ないたずら」はデイヴィッド・コープの編曲。アメリカの作曲家兼科学者で、AIによる作曲プログラム「エミー」を開発し、「人工知能が音楽を創る」(音楽之友
社刊)の著作もある奇才で、どのような編曲か興味津々です。 (Ki) |
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NMM-095
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私たちは女(じゃない)
(1)グリーグ:「ペール・ギュント」〜ソルヴェイグの歌(ソルヴェイグ:放置)
(2)グルック:「オルフェオとエウリディーチェ」〜なんと悲しいひととき(エウリディーチェ:地獄落ち)
(3)ベッリーニ:「夢遊病の女」〜ああ信じられないわ(アミーナ:憑依)
(4)チャイコフスキー:「オルレアンの少女」〜さようなら森よ(ジャンヌ:火刑)
(5)オッフェンバック:「ホフマン物語」〜ホフマンの舟歌(ジュリエッタ:服毒)
(6)ビゼー:「カルメン」〜ハバネラ(カルメン:刺殺)
(7)ピアソラ:「ブエノスアイレスのマリア」〜あたしはマリア(マリア:射殺)
(8)ヴェルディ:「群盗」〜前奏曲(アマリア:刺殺)
(9)モーツァルト:「ツァイーデ」〜虎よ、その曲がった爪で(ツァイーデ:死刑)
(10)カヴァッリ:「ジャゾーネ」〜魔法の洞窟から(メデア:子殺し)
(11)モーツァルト:「魔笛」〜復讐の炎は(夜の女王:敗北)
(12)ベッリーニ:「カプレーティとモンテッキ」〜ああいくたびか(ジュリエット:自害)
(13)モーツァルト:「フィガロの結婚」〜なくしてしまった(バルバリーナ:処女喪失)
(14)ヴェルディ:「運命の力」〜前奏曲(レオノーラ:刺殺)
(15)ハイドン:「アルミーダ」〜憎しみ、怒り、侮辱(アルミーダ:捨てられ)
(16)ヘンデル:「アルチ-ナ」〜ああ私の心の人(アルチーナ:裏切り)
(17)ロッシーニ:「マホメット2世」〜天の正義よ(アンナ:自害)
(18)R・シュトラウス:「サロメ」〜7つのヴェールの踊り(サロメ:圧死)
(19)マスネ:「マノン」〜さようなら、私たちの小さなテーブル(マノン:衰弱死)
(20)ヴェルディ:「椿姫」〜さようなら過ぎ去った日々よ(ヴィオレッタ:病気)
(20)ベッリーニ:「ノルマ」〜お願いだから生贄にしないで(ノルマ:火炙り)
(21)サン=サーンス:「サムソンとダリラ」〜前奏曲(ダリラ:圧死)
(22)ヴァイル:「マリー・ギャラント」〜ユーカリ(マリー:射殺) |
テオフィル・アレクサンドル(C.T)、
ツァイーデQ
録音:2021年1月、3月/イル・ド・フランス国立O |
テオフィル・アレクサンドルは、今年33歳のフランスのカウンターテナー歌手にしてコンテンポラリー・ダンサー。幼時からアイドルだったマリア・カラス風の声と、
ルドルフ・ヌレエフ風な筋骨隆々とした裸を見せたがる肉体美を誇るユニークな音楽家の出現です。
ヘンデルのオペラのオルランド役でマルゴワールに見いだされ、クリスティ、ミンコフスキらと共演して注目されました。ヒゲの似合う精悍さでヒロインを演じる芸
風は今後ブレイクしそうなポテンシャルに満ちています。
ここに収めた23曲はオペラのヒロインが男への苦悩のなか死んでいく様を描いたアリアで、それぞれの死因まで挙げる凝りようです。アレクサンドルはヒロイン
が必ずしも女性である必要はないとジェンダーレスなトリビュートを捧げています。甘くせつない気持ちが妖しく光る独特な世界です。
伴奏を務めるのは女性のみで結成されたツァイーデ四重奏団。モデルばりの美女たちがあえて女性を出さずにテオフィル・アレクサンドルと不思議な一体感を見
せています。 (Ki) |
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NMM-096
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アコーディオン版チャイコフスキーノ「四季」
チャイコフスキー(エロディ・スラール&ユーリー・シシキン編):組曲「四季」Op.37a |
エロディ・スラール(アコーディオン)
録音:2021年4月/ナンテール音楽館講堂 |
チャイコフスキーの組曲「四季」は、彼のピアノ曲のなかでもっとも親しまれていますが、何とアコーディオンで挑戦したディスクが登場します。
チャイコフスキーは生来オーケストラ的な感覚を持ち、息の長いメロディ・ラインや様々な楽器の音色を内包しているとされます。またチャイコフスキーはペテル
ブルグ音楽院在学中に副科でオルガンを選択するほどオルガン・マニアで、何故この楽器のために作品を残さなかったのか不思議でした。
それゆえオルガン的効果を発揮するアコーディオンはまさにうってつけ。6月「舟歌」や10月「秋の歌」のメロディや和音を、ピアノのように減衰せず指定の長
さまで伸ばすのに目から鱗の衝撃度。さらに11月「トロイカ」や12月「クリスマス」のメルヘン性も高まります。3月「ひばりの歌」の囀りや9月「狩り」のファン
ファーレもリアルになり、オリジナルよりも楽しめるとさえ感じます。ロシアのアコーディオン奏者ユーリー・シシキン編曲のものを、当アルバムの奏者スラールが手
を加えています。
エロディ・スラールは1986年生まれ。5歳からアコーディオンを学び、現在フランスでの第一人者となっています。ロトのレ・シエクルのメンバーでもあります。
ロシア製のグーセフ・モデル「ジュピター」のボタン式アコーディオンを用いて表現豊かな世界を作り上げています。 (Ki) |
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NMM-099
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV
1004
ビーバー:ソナタ第2番、
パッサカリア(ロザリオ・ソナタ終曲)、
ソナタ第3番より変奏 |
フロラン タン・ジノ(Cb)
ファニー・ビ センス(シンセサイザー)
カロリーヌ・ドゥルム(テオルボ )
録音:2021年6月、イル・ド・フランス国立O |
日本が世界に誇るコントラバス奏者・池松宏氏も「とんでもない奏者が現れた!」と絶賛するコントラバス奏者が現れました。その名はフロランタン・ジノ。
2015年より、現代音楽を演奏する世界トップの集団、ムジークファブリークのメンバーとして活躍。クルターク、ラッヘンマンといった作曲家たちからの信頼が
あついだけでなく、マレのヴィオール作品からバッハ、そして現代音楽までをレパートリーにしているという驚異的な存在です。ここに収録されているバッハのシャ
コンヌも、これがコントラバスかと驚かされるような音色と弓さばきで演奏しています。通常このバッハのヴァイオリン・パルティータ第
2番をコントラバスで演 奏する場合、特にシャコンヌでは、バッハが楽譜に書き記したとおりには演奏できない部分がどうしても出てくるのですが、なんとフロランタンはバッハの譜面通
り に 和 音 も 演 奏(調 性 は ト 短 調 で
の 演 奏 )し て い る と い う 、超 弩 級
の 内 容 で す 。 さ ら に 、17世 紀 ヴ ァ
イ オ リ ン曲 の 至 高 の 難曲 ビ ーバーの
ロ ザ リ オ・ソ ナ タ の 終曲 、パ ッ サカリアも収録しておりますが、その深い世界には圧倒されます。興味深いのが、通奏低音としてテオルボのほかシンセサイザーが共演していること。シンセサ
イザーを演奏するのは1987年南仏ペルピニャン生まれのファニー・ビセンス。アコーディオン奏者としても活躍し、バロックから現代音楽まで意欲的な活動を
見せ、古楽声楽アンサンブルのレ・クリ・ド・パリと共演したり、フランス初の微分音アコーディオンを奏するなど目が離せない存在で、オリジナルの楽譜の通
りにアコーディオンで「ゴルトベルク変奏曲」を演奏したCDでも話題となりました(PTY
14211110)。テオルボ奏者のカロリーヌ・ドゥルムはコンセール・ス
ピリチュエル(ニケ指揮)などで活躍、ブーレーズ指揮によるブーレーズ:The Hammer with No Master(主なき槌)のCD録音にも参加した人物。非常
に鋭い感性の光る三名によるバロック作品、大注目です! (Ki) |
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