湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



GRAND SLAM
(日本)


音楽評論家、平林直哉氏が立ち上げた復刻レーベル(通常のCDプレスです)。
よりマニアックな内容のSerenadeレーベル(CD-R)はこちら


 ※「単価=¥0」と表示されるアイテムは廃盤です。

※品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者
GS-2000
モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
(ノヴァーク版を基に一部改訂版を引用)
宇野功芳(指)日本大学O

録音:1981年6月20日昭和女子大学人見記念講堂。ライヴ
解説:平林直哉(当時第1ヴァイオリン)。オケ・メンバー一覧を含む当時の資料付き

GS-2001
近衞版準拠による「ベト7」
ベートーヴェン
:「コリオラン」序曲
交響曲第7番(近衞秀麿版準拠)

■最終リハーサルより
交響曲第7番〜第1楽章*
「コリオラン」序曲*
宇野功芳(指)日本大学O

録音:1983年6月21日新宿文化センター
1983年6月19日日本大学文理学部大講堂*
使用音源:19センチ、4トラック、オープンリール・テープ
録音方式:ステレオ
今から10年前、GS-2001として発売を予告したこの演奏は、突如指揮者から「あまりにも過激な演奏で、世に出すべきものではない」と待ったがかかり、中止となりました。そのため、年に何回かはファンから問い合わせがあり、その都度指揮者と交渉をしましたが、許諾は得られませんでした。しかし、2010年10月、事態は急変、晴れて世に出すことが可能になりました。つまり、指揮者の説得に10年近くかかったことになります。 宇野功芳(指揮)のベートーヴェン第7はこれまでに新星日本交響楽団(1997年、キングレコード KICC-237)、アンサンブルSAKURA(1999年、URFC-0001/プライヴェート盤)の2種類ありますが、全体の解釈は回を重ねるごとに軌道修正がなされています。しかし、このディスクの演奏は第1回目の指揮のためか、やりたいことをすべて行った演奏で、その衝撃度は破格です。また、特筆されるのは日本の指揮界の発展に大きく寄与した近衞秀麿(1898-1973)が編曲した版に準拠していることです。この版には管楽器ではピッコロやコントラ・ファゴットが加わり、ホルンは6本に増強されています。また、弦楽器は特に内声部がより厚みのある響きを得るように改変されていますが、ティンパニなど原典から著しく遠いと思われる箇所は原典に戻してあります。従って、全体の響きの印象としてはマーラー版によるシューマンの交響曲全集に近く、著しく違和感を感ずることはないでしょう。なお、「コリオラン」序曲は全くの原典通りです。 ボーナス・トラックには本番直前に行われた通しリハーサルを入れました。
■解説書の内容 演奏会当日のプログラムに掲載された宇野功芳の「指揮者のひとりごと」を転載します。(以上、平林 直哉)
※おことわり
日本大学管弦楽団は同大学芸術学部とは全く無関係のアマチュアの団体で、技術的にはつたない箇所が多々あります。 (Ki)

この演奏にもヴァイオリンで参加していた平林氏の根気強い説得が遂に実ってCD化された、あまりにも激烈なベートーヴェン!その過激さと、後年に録音されたプロによる録音があることなどから、今まで宇野氏本人の発売の許可が降りなかった録音ですが、どんなな演奏者でも後に「やり過ぎた」とか「もっとできたはず」と振り返ることはつきものですし、その時信じた解釈を必至に観光したことは紛れもない事実ですから、こうして陽の目を見たことは、宇野氏のファッンのみならず、ベートーヴェンの音楽を愛するすべての人にとっては最上の贈り物といっても過言ではありません。ここには、宇野氏のベートーヴェン解釈の原点が詰まっており、商業ベースに乗せることなど念頭に置かない裸のベートーヴェンがまるごと凝縮されているのです。その意欲の表れの一つが「近衛版」の採用。その効力が最も発揮されているのが、第1楽章展開部。管楽器の手にワーグナー張りの金管の咆哮が加わって度肝を抜きますが、極限までテンポを減速した挙句にこれをやるのですから壮麗そのもの。第1楽章全体は、クレンペラーのテンポをベースにして、クナッパーツブッシュの威容加味したサウンドと言えますが、終楽章では一転して、フルトヴェングラーのような激情に、更に血生臭さを加えた阿鼻叫喚の世界!ここまで綺麗事の一切排除した凄みは、プロのオケに出来るはずもありません。この精神こそが、宇野氏のベートーヴェンの根幹であり、「上手いオーケストラでなければ聴く気がしない」という人には無縁の、本気の音楽が噴出した瞬間です。
他の楽章も含め、テンポの緩急やティンパニの強烈な強調などは、後年にも共通しているので、既に作品の全体像はこの時点で確立していたことも重要な事実で、作品を上から目線で捉え、頭のよいことを誇示するように一見面白い解釈をする一部の指揮者から出てくる音楽と比較すれば、その説得力の違いはあまりにも歴然としています。
このように常識から徹底的に外れたベートーヴェンを当時リアルタイムで私は目の当たりしたのですが、音質が極めて鮮明なのも嬉しい限りで、当時の興奮が生々しく蘇った次第です。
この先は全くの余談で恐縮です。当時この演奏に参加した某団員から実況実行録音のカセットを借り、何度繰り返し聴いてことかわかりません。数年後、私は某中古レコード店で勤務していましたが、買取をした面白いレコードやCDを店員同士で好き勝手に店頭で流すという夢のような日々でした。特に、強烈なインパクトのある演奏を好むお得意さんが来店すると、そのお客さんの反応を見るために、わざとこの日大オケの「ベト7」のカセットを大々的に店内に流すのです。鳴り出した途端、必至に棚を漁っている人の手は止まり、ある人は狂喜しながら指揮を始め、ある人は血相変えて「誰の演奏!」とレジまで駆け寄り、またある人(某評論家)などは「気持ち悪いから演奏を止めろ!」と叫び出す始末…。こんな様子を見て我々は楽しんでいたのです。仮にもお客さんに対してこんな生体実験のようなことをしていたのですから、本当に呆れてしまいます。特に「誰の演奏?」と聞かれてた際に、ある店員(私じゃありません)が「クナが若い頃に学生オケを振った時のライヴです」と真顔で答えていたのには、さすがに肝を冷やしました。とにかく、当時のお客さんには、この場を借りてお詫びします。と言いつつも、あれは本当に楽しかった!もうあんな時代は二度と来ないでしょう。しかも、同じ音楽で人の好みがこれほど分かれるということを一瞬にして眼で確認できたのも、後にも先にもこの時だけでした。考えて見れば、この演奏の興奮をダイレクトに感じて、「誰の演奏?」と血相を変えて聞いてくるような人たちに対して何かのメッセージを発したいという欲望はこの時に芽生え、今のお仕事に繋がっているのかもしれません。 【湧々堂】
GS-2002
宇野功芳のブルックナー第9
ブルックナー:交響曲第9番(ノヴァーク版)
宇野功芳(指)日本大学O

録音:1994年12月22日新宿文化センター。ライヴ
※解説:宇野功芳。当時のオケ・メンバー一覧付き
 「(前略)当時、日大のオケは彼らの最高水準にあった。アマチュアの演奏というものはマイクを通すとアラばかり気になるのが普通だが、このブルックナーは違う。プロ並みに上手いわけではなく、随所にアマチュアらしさが顔を出しはするものの、あまりマイナスには働かず、むしろ気迫がプラスになっている場面が多い。ぼくの指揮も「ロマンティック」(GS-2000)と違い、自分の解釈を前面に出していないので安心して聴ける。それどころか、メンバーの初々しい集中力にも助けられ、演奏を忘れてブルックナーの言葉に浸れるのである。楽器の一つひとつ、楽想の一つ一つが生きて語りかけてくる。(後略)」(宇野功芳/当盤解説より)。
GS-2005
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

◆ボーナス・トラック… 「英雄」〜第1楽章
(オリジナルLP、URLP7095を33・1/3rpmで再生したもの)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO


録音:1944年12月19日ムジークフェラインザール、ウィーン。ライヴ
米ウラニアのオリジナルLPよりの復刻盤は、すでに私自身のプライヴェートCD-Rレーベル“SERENADE”のSEDR-2002で復刻しましたが、〈CDで保存しておきたい〉というファンの方々の希望を考慮し、今回は周辺機器を再度調整するとともに、LPを丹念にクリーニングするなどして、マスタリングを最初からすべてやり直してSEDR-2002よりも音質の改善をはかりました。従いまして、一部の除去出来ないノイズを除き、全体的には50年前のLPとしては非常にノイズの少ない、望みうる最上の状態で復刻しました。
 このウラニアのLPは通常の33・1/3rpmで再生すると、約半音も高くカッティングされています。これをそのまま復刻したCD、CD-Rがいくつか知られていますが、ごく一部を除き、通常のCDプレーヤーではピッチ・コントロールが出来ないため、このCDではSEDR-2002と同様にピッチを修正して復刻してあります。また、この事実を確認していただくために、今回のCDにはオリジナルLPを33・1/3rpmで再生した第1楽章を〈ボーナス・トラック〉として付けます。
 従来、この録音は1944年12月16日-20日の頃の録音で、正確な日付は不明とされていました。しかし、アメリカ人研究家マイケル・グレイ氏は、最近になって当時の録音台帳のコピーを入手、それによると12月19日であることが判明しました。さらに、このCDではその録音台帳のコピーもブックレットに掲載する予定です。
 このCDではこの録音の小史についてはもちろんのこと、2)でのピッチについて、あるいは3)の日付についての報告をマイケル・グレイ氏に行ってもらう予定で、オリジナルの英文と、その邦文訳を掲載します。 (平林直哉)
GS-2006
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1938年10月25日〜27日 HMV録音
平林直哉復刻のウラニアのエロイカに次ぐ期待作。平林氏によるとこの録音の今までの復刻は必ずしもこの演奏のおもしろさは伝えていなかったので自らが復刻を決意したとのことで、宇野功芳氏も今回の復刻を賞賛しています。「今度のグランド・スラム盤はSPに刻みこまれた音がしっかりと拾い上げられ、腰の強いSP独特のひびきが再生される。もう、これ以上掘り起こすことは不可能だろう」。 (宇野功芳、GS-2006ライナー・ノートより)

GS-2007
ベートーヴェン:交響曲第7番、
ワーグナー
:ジークフリートのラインへの旅*、
ジークフリートの葬送行進曲#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1950年1月18〜19日、1954年3月8日*、1954年3月2日#
使用ソース:HMV(France / LA VOIX DE SON MAITRE)FALP 115、HMV(U.K.)ALP 1016 4909346 304000*#
明確で力強い音と情報量の多さで定評あるグランド・スラム。ついにフルトヴェングラーHMV録音シリーズの復刻に着手。今回の復刻では“最もバランスが良く自然な音”とされるイギリスのALP シリーズを基準として使用しています(なお、ベートーヴェン7番は英国ではLP 化されなかったため、フランス盤)。音質の素晴らしさはもとより、充実の解説書も大きな魅力でじつに手の込んだ作り。ドラティ、プリムローズ、カール・フレッシュによる日本国内ではこれまで紹介されていなかった「フルトヴェングラーの想い出」を掲載。また、復刻に使用したオリジナルLP のジャケ写とともに、入院中のフルトヴェングラーが食事を摂る姿を捉えた貴重な写真なども収められていてファンにはたまらない内容です。なお、今後グランド・スラムでは年末にかけて「バイロイトの第9」など順次リリースを予定しておりますのでこちらも目が離せません。
GS-2008
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO、フィルハーモニアO、
エドウィン・フィッシャー(P)

録音:1954年2月28日&3月1日ムジークフェラインザール、1951年2月19〜20日アビーロード・スタジオ
※使用ソース:英HMV ALP.1195、英HMV ALP.1051
きわめて保存状態の良い英HMV 盤LP からの復刻で、高音質。コレクターズ・アイテムに相応しく、ブックレットも充実。アラン・サンダースの書き下ろしの解説(邦訳を掲載)ほか、フルトヴェングラーとフィッシャーが共演した演奏会のプログラム、発売当時の英『グラモフォン』誌の広告など資料満載です。

GS-2009
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」 エリザベート・シュワルツコップ(S)
エリザベート・ヘンゲン(A) ハンス・ホップ(T) 、
オットー・エーデルマン(Bs)、
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
バイロイト祝祭O&cho

録音:1951年7月29日バイロイト
※使用音源:HMV(U.K.) ALP 1286/7
●「1951年のバイロイト音楽祭におけるベートーヴェンの第9は、フルトヴェングラーを語る上で最も重要なものです。従って、その演奏内容に釣り合うだけの極上の盤質による初期LPを手に入れることが当面の最大の目標でした。そこで、イギリスの初出盤を2組、オーストラリアの初出盤を1組手に入れ、その中でも突出して状態の良いイギリスALP 盤(ご参考までにイギリス初出ALP 盤の状態の良いものの市場価格は12〜 15 万円前後です)を採用しました。そして、望みうる最上の音質を獲得するために約3ヶ月の間、盤面をていねいにクリーニングするのはむろんのこと、さまざまに条件を変えて全曲を合計7回に渡ってプロ用のマスターCDRにコピーしました。さらに、その7種類の中から2組のCDRに絞り込み、これを両方ともマスタリングを施して試聴、最終的にこの音をマスター用として採用しました。『当分の間、このCDの音質をしのぐものは現れないだろう』という意気込みで作ったものです。」(平林直哉)
●解説書の内容
(1)バイロイトの第9が発売される前に雑誌『ディスク』で行われた対談を収録。有坂愛彦、佐川吉男、門馬直美、宇野功芳の四氏が、このバイロイトの第9がどのような演奏になっているかを予想しています。
(2)当時の演奏会評の抜粋
(3)演奏会当日のエリザベート夫人の短い回想録。ウォルター・レッグが楽屋に現れ、フルトヴェングラーを傷つけるようなことを語ったようです。
(4)英『グラモフォン』誌、1955年11月号に掲載された初出LPの批評の抜粋。
(5)米RCA の初出LPに添付されたプロデューサー・ノート。

GS-2010
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、
 交響曲第7番*
ポール・パレー(指)デトロイトSO

録音:1954年11月26日デトロイト・旧オーケストラ・ホール、1953年2月13−20日デトロイト・メイソニック・テンプル*
※使用音源:Mercury MG 50045、Mercury (U.S.A.)MG 50022*
パレーがモノラル時代にマーキュリー・レーベルに録音したベートーヴェンの交響曲第6番「田園」は、その尋常ならざる快速テンポで有名でした。しかし、この演奏は初出以降はLPの片面に詰め込まれた疑似ステレオで再登場するなど、オリジナルとはほど遠い音質で流布し、間もなく世界中で廃盤となっていました。しかしながら、オリジナルのLP はモノラルとしては最上の音質であり、演奏もパレーの棒が冴え渡った、実に素晴らしい演奏です。【以上、制作者のコメント】

マーキリーの一連のステレオ録音がいっせいに廃盤になってからにわかに脚光を浴びるようになった感のあるパレーですが、今までもパレーについては、それらの録音のフランス音楽のフィールドでしかその芸風は語られてきませんでした。上記の「田園」の擬似ステレオ廉価LP(フォンタナ)の音は、バランスが悪く、聴きづらいことこの上ないものでしたが、それでもトスカニーニを上回るインテンポに込めるダイナミズムと推進力、音楽を瑞々しく息づかせる天才的な技の数々が次々と襲いかかり、これが純正モノラルで聴ける日を夢見ていた方も多いと思います。「第7番」は、先ごろ1962年のライヴがCD-Rで発売されましたが、その牽引力の凄まじさは尋常ではなく、終楽章後半に進むにしたがって神々しい狂乱がますます激化するという衝撃的なものでした。これは、過去の名匠を一面的な捉え方しかしようとしないこの国の現状に一石を投じるのに十分な画期的なCD化です!
この「田園」(コロンヌ管とのSP録音に続く再録音)は、無意味な慣習を打ち破ることを信条としたパレーの面目躍如であるばかりか、古今の「田園」演奏史上、最もスコアと真摯に対峙した空前絶後の名演奏です。全編を通じてメトロノームと合わせても寸分のずれも生じないと思われる正確なインテンポが一切機械的に響かず、明確な意思に裏打ちされた音楽表現になりきっているのがまず驚異的!第1楽章は誰も想定不能な凄まじい快速で開始し、はっきりとテンポを落とすのは冒頭の3〜4小節目くらいでほぼ皆無。そのインテンポには強引さや暴力性はなく、あるのはただ一途な共感と厳格な統制力のみ。低弦が終止強靭なアクセントを与え続けているもの、この演奏に絶妙な推進力を与えている要因となっています。展開部に入ると更にその推進力が増し、アンサンブルの精妙さが一層際立ちます。スタッカートの音を極力短くサッと切り上げるのは、パレーの他のマーキュリー録音でも確認できる特徴ですが、それが耳を突き刺すような刺激に終わらないのは、混じりっけのない感じたままの共感をストレートに表現した純粋さの賜物と言えるでしょう。第2楽章は弦をはじめとするデトロイト響のクオリティの高さをまざまざと思い知らせれます。透明なテクスチュアを一貫しながら軽妙なスウィング感を表出。2:27のファゴットが先導するフレーズを支える弦のリズムが次第にコントラストを強めながら音楽の律動を高めるシーンや、4:09からの弦のフレーズとクラリネット、フルートへと続く流れの織りなす絶妙な色彩の広がりは、モノラル録音であることを忘れさせるほどです。是非耳をそばだててお聴きいただきたいのがコーダ!カッコウのさえずりの後(10:30)の弦が信じ難いほど柔らかな音色でほんの一瞬哀愁を滲ませるのです!硬質な音を基調としているパレーの音作りの多様さを思い知ると共に、この楽章の締めくくりに何と言う感動的なニュアンスを香らせのでしょう!第3楽章も快速テンポ。エッジの効いた骨太なうねりを湛えながら、グイグイと聴き手を牽引し続けます。そのテンポ感のままトリオに突入するので、このトリオの部分は感覚的に通常よりも遅く聴こえますが、安定感抜群で、このテンポのコントラストそのものが実に美しくバランスが取れているので、説得力も絶大!第4楽章はパレーのダイナミズムが遂に大炸裂!ティンパニも含めた全声部の凝縮力が尋常ではなく、ゴリゴリと突き出る低弦が、その凄みに一層拍車をかけます。最高潮点以降の弦のエネルギーの減衰がこれまた素晴らしいこと!終楽章は、嵐が過ぎ去って良かった良かったと和んでいる場合ではなく、平和をこの手で勝ち取ったという勝利の歌に胸を熱くすることになります!第1主題がこれほど毅然と立ち上がり、輝かしく響いた例が他にあるでしょうか!まさにパレーの反骨精神が乗り移ったかのような魂の音であり、6/8拍子の拍節感がリアルに突きつけられるのにも唖然!更に弦のピチカート登場以降は更に音楽が充満し、感動が更に高められます。ワルターやベームの演奏を最良と信じる方には許しがたい演奏かもしれませんが、安易な「雰囲気」や「イメージ」に全く縛られず、スコアの意味を音楽的な見地から徹底的に抉り出した価値は計り知れず、音楽が聴き手に生きる希望を与えてくれるということを真に実感できる演奏としても、この演奏の価値は不滅です!
一方、「第7番」にはCDRで1962年のライヴ音源も存在しますが、音質と演奏の傷のなさを取るなら断然1953年盤、白熱的な演奏を求めるなら1962年盤がオススメです。全体にテンポ自体は標準的なものですが、ここでもテンポの制御力と特にリズムのこだわり方は尋常ではなく、第1楽章のリズム動機が厳格さと自然さを兼ね備えたものとしてこれを超える演奏は他に思い当たりません。第1楽章最初のトゥッティは、例にとって極めて硬質の一撃。しかし、主部に入るまでの全体のトーンは意外なほど優美な感触も兼ね備えているのが特徴的です。驚異的なのは43小節以降のフルートのフレーズで、符点音符の間に挟まった16分休符を完全に生かし、きりっとした躍動を表出している点!古今を通じてリズムに厳格な指揮者はあまたいる中で、こんな些細なところにまで配慮が行き届く人がいるでしょうか?主部に入った直後、管がリズム動機を繰り返した後に第1主題に滑り込みますが、その第1主題直前で一呼吸を置く洗練されたセンスにも感服!第2楽章は感傷に浸らずに、格調高い構築を貫徹した強靭な演奏。第3楽章はトリオ主題において特に厳しい制御を感じさせ、その主題の最後、トランペットから下降する音型の空前絶後の鮮やかさには息を飲みます。終楽章は迫力満点の演奏ながら、熱狂の中で核心を見失うことを戒めるかのような統制が行き渡り、フリッツ・ライナーを彷彿とさせます。【湧々堂】

解説は沼辺信一氏による渾身の力作で、日本語で読めるパレーの文献としては最も詳しいものです。 
GS-2011
ブラームス:交響曲第3番、
ベートーヴェン
:交響曲第4番*
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO、VPO*

録音:1949年12月18日ベルリン、ティタニア・パラスト、1952年12月1日、2日ウィーン、ムジークフェラインザール*
使用ソース:Electrola (Germany) E 90994、 HMV (U.K.) ALP 1059*
フルトヴェングラーのライヴ録音の中でも最も荒れ狂った演奏であるブラームスの第3番と、セッション録音によって端正に整えられたベートーヴェンの第4番という、いわば両極端の演奏のカップリングです。ブラームスはイギリスHMV盤での発売はありませんので、ドイツ・エレクトローラ(ドイツHMV)の初版LP E90994と世評の高い同じくフランスHMVの初版LP FALP 543を入手し、比較しました。フランス盤はこれまで聴いてきた他のベートーヴェンの「英雄」「田園」、チャイコフスキーの交響曲第4番、ハイドンの「驚愕」などと同様に、高域に独特の伸びやかさがあり、それなりの味わいがあります。しかしながら、腰の強さ、空気感、各パートの明瞭さなど、総合点ではあきらかにドイツ盤がまさっており、これを採用しました。 ベートーヴェンはイギリスHMVの初版LP ALP 1059を採用していますが、これは何とデッド・ストックで眠っていた新品です。むろん、50年以上も経過していますのでノイズは全くのゼロとは言えませんが、初期LPとしては破格の保存状態で、目の覚めるような音質で復刻されています。かつて日本に住んでいたベルリン・フィルのコサンサートマスターだったシモン・ゴールドベルクは「フルトヴェングラーと共演したベートーヴェンの交響曲第4番の、あの素晴らしい弦楽器の音色が忘れられない」と語っていたそうです。もちろん、このCDでの演奏はベルリン・フィルではなくウィーン・フィルですが、この奥深く幽玄な響きはその言葉を裏付けているのかもしれません。一般的にはブラームスの方に注目が集まるかもしれませんが、制作者としてはむしろベートーヴェンの音に心底驚いています。 【製作者:平林直哉】
■解説書の内容
今回のCDは資料集的にも貴重。まず、フルトヴェングラーが珍しくショスタコーヴィチの交響曲第9番を指揮した際の演奏会のプログラム、そしてその日のチケット、さらにリヴァプールで撮影された珍しい写真を掲載します。

GS-2012
ブラームス:交響曲第4番、
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1948年10月24日ベルリン・ティタニア・パラスト、 1937年10月7日&11月3日ベルリン・ベートーヴェンザール*
※使用音源:Electrola (Germany) E 90995/LP、DB 3328/32 (2RA 2335/43)/78rpm*
ブラームスの交響曲第4番は同第3番(GS-2011) と同様にドイツ・エレクトローラの初版LP E90095からの復刻です。今回使用したLPの保存状態はこれまでのフルトヴェングラー・シリーズの中でも最高峰で、そのノイズの少なさは驚異的です。ちょっと聴くとLPからの復刻と思えないほどの再生音で、この演奏を愛する人には欠かせぬものとなるでしょう。 一方のベートーヴェンはドイツのコレクターから提供されたドイツ・エレクトローラ盤SP(78 回転) DB3328 / 32 からの復刻です。フルトヴェングラーやワルターのSP復刻といえばイギリスHMV盤が有名ですが、このイギリス・プレス盤はカートリッジで再生すると高域にかなりきついノイズが発生します。このノイズはそのままでは非常に聴きづらく、かといって減衰させると音楽に悪影響をあたえるという、たいへんにやっかいなものです。その点ドイツ・プレスのエレクトローラSP盤はアメリカ・ビクター盤、日本コロムビ盤などと同じくカートリッジで再生しても非常にノイズが少なく、復刻にはうってつけです(もちろん保存状態の良いものに限ります)。そのオリジナルのSP盤の音を限りなく忠実に再現し、多くの方にベルリン・フィル全盛期の響きが刻印されていると言われているこのベートーヴェンの第5の良さを再認識していただきたいと思います。(平林直哉)
■解説書の内容
旧華族出身で元貴族院議員だった京極鋭五氏は、戦前にベルリンのフルトヴェングラー邸を訪れフルトヴェングラーと会談した数少ない日本人のひとりです。その京極氏の会見記を京極氏のご遺族の特別の許諾により全文掲載します。また、ベートーヴェンの交響曲第5番のレコード店用のパンフレットを収録。アルバムのジャケットや雑誌の広告などは時々見かけますが、SP時代の店頭用のパンフレットは非常に珍しいものです。その他、ブラームスに関する資料も満載しています。
■今後の予定(GS-2013 )
「フルトヴェングラー&ベルリン・フィル、DG録音集」/ベートーヴェン: 交響曲第5番(1947) 、「エグモント」序曲(1948)、「レオノーレ」序曲第2番、 大フーガ(1952)
GS-2013
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、
「エグモント」序曲、「レオノーレ」序曲第2番*、
大フーガ 変ロ長調Op.133#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1947年5月27日ベルリン,放送局スタジオ、1949年10月18日ベルリン・ダーレム,ゲマインデハウス*、1952年2月10日ベルリン,ティタニア・パラスト#、
※使用音源:DG LPM 18724、LPM 18859
【制作者より】いつものように復刻に使用したLPはきわめて保存状態の良い初期盤を採用しています。まず、このディスクの交響曲第5番と大フーガはそれぞれ初出のLPより復刻しています。「エグモント」序曲は交響曲第5番と組みになっているLPM18724が初出ですが、このLPでは内周にカッティングされているためか音がやや窮屈です。ところが、同曲の再販LPであるLPM18859では外周にカッティングされているために初出盤のLPM18724よりも明らかに音に余裕があり、迷わずこれを採用しました。同様の理由により、「レオノーレ」序曲第2番も初出のLPM18742(ベートーヴェンの交響曲第4番との組み合わせ)ではなく、より溝に余裕のある再販盤のLPM18859を採用しています。つまり、単に初出のLPの音を再現するのではなく、望みうる最上の音質をめざしたものです。 また、交響曲第5番の録音データについて触れておきます。この戦後初のベルリン復帰ライヴ(5月27日公演)は従来よりティタニア・パラストで行われたとされていましたが、最近の調査では占領軍の放送局スタジオ(Haus des Rundfunks)での収録ということが判明しています。従いまして、このCDではそのように表記しています。
(参考)*1947年5月の公演について 25日、26日、ティタニア・パラスト、定期公演 27日、放送局スタジオ(Haus des Rundfunks)、追加公演(このディスクの演奏) 29日、ティタニア・パラスト、占領軍のための追加公演
【解説書の内容】フルトヴェングラー50歳の誕生日を記念して、当時のヴィオラ奏者ヴェルナー・ブフホルツが書いた長編エッセイを掲載します。演奏者側から見たフルトヴェングラーの文献は他にもありますが、フルトヴェングラー存命当時に書かれたものは非常に珍しいです。もうひとつは戦後のベルリンに滞在し、フルトヴェングラーとベルリン・フィルを援助していたジョン・ビッターの回想です。分量としてはそれほど多くはありませんが、貴重な証言です。
GS-2014
チャイコフスキー:交響曲第4番、
バッハ
:ブランデンブルグ協奏曲第5番*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO、
ウィリー・ボスコフスキー(Vn)*、
ヨゼフ・ニーダーマイヤー(Fl)*、
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(P)*

録音: 1951年2月 4日&8-10日ウィーン・ムジークフェラインザール、1950年8月30日ザルツブルグ・フェストシュピールハウス
※使用音源:HMV (U.K.) ALP 1025、Private archive*
チャイコフスキーは英HMVの初版LP ALP1025よりの復刻です。この交響曲第4番はフルトヴェングラー唯一の録音であり、しかもフルトヴェングラーの個性が顕著に表れた名演で、宇野功芳著『フルトヴェングラーの全名演名盤』(講談社+α文庫、絶版)の中でも特に絶賛されているものです。一方のバッハは1950年8月のザルツブルグ音楽祭でのライヴで、フルトヴェングラーを熟知している人でさえも卒倒するほどの巨大な演奏として有名です。この演奏はこれまでさまざまなレーベルから発売されていますが、アナウンス、チューニングの様子に加え、冒頭のヴィオラ奏者の大きな飛び出しが入っている録音としては唯一の市販盤となります。フルトヴェングラーはこの時、ピアノの前に座って指揮をしていたはずですが、そんな時でもあの両手が震える棒はいつもと変わらなかったことを如実に伝えるドキュメントと言えます。かつてチェリビダッケは「ミスも音楽のひとつである」と語っていましたが、この飛び出しはまさにその好例です。そのため、このディスクではあえて“完全版”と謳っています。なお、このバッハは当時のエア・チェック音源のため、歪みや音揺れが含まれることをご了承下さい。(平林 直哉)
解説書には交響曲第4番の英グラモフォン誌の初出の批評、および詳細な録音データを掲載します(他にも珍しい写真等を掲載予定)。 

GS-2015(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(改訂版)、
ワーグナー
:「神々の黄昏」〜ブリュンヒルデの自己犠牲*、
マーラー
:歌曲集「さすらう若人の歌」#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO、フィルハーモニアO、キルステン・フラグスタート(S)*、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)#

録音:1954年4月10日ウィーン・ムジークフェラインザール<
※使用音源:Private archive>、1952年6月23日<原盤:MV (U.K.) ALP 1016>*、1952年6月24−25日ロンドン・キングスウェイ・ホール<原盤:MV (U.K.) ALP 1016>#
■制作者より
このディスクに収録された1954年4月10日のライヴであるブルックナーの交響曲第8番はこれまでいくつかのレーベルでCD化されていますが、CD1枚に無理やり詰め込むために意図的にピッチを上げたと思われるものや、ノイズを除去しすぎて原音の輝きを失っているものが散見されました。しかし、今回入手したテープは驚くほど状態が良く、それを注意深くピッチや音質を補正することにより、この演奏を理想通りの音質で蘇らせることに成功しました。かつてフルトヴェングラーの生演奏を体験した人たちの多くは、フルトヴェングラーの実際の音について「暖かく透き通るような音。絹の肌触りのような柔らかい音色」と証言していますが、このディスクではまさにその印象に近いものが体験できます。それは目からうろこと言っても過言ではありません。
■解説書の内容
制作者によるフルトヴェングラーのブルックナーの交響曲第8番の総ざらいと、かつて流布した別人説を掲載します。この別人説は改訂版を使用しているという理由で、フルトヴェングラーではなくクナッパーツブッシュではないかと噂されたものです。この説は現在ではまったく否定されていますが、この説を日本で最初に紹介した故藁科雅美氏の記事(月刊『ディスクリポート』より)を歴史的な事実として転載します。その他、珍しいプログラムも含まれます。
■制作者よりおことわりとお願い
ブルックナーは当時の放送録音としては最上の音質の部類に属しますが、除去出来ないかすかな混信、電気系統のノイズ、および修正が困難な出力レベルの変動が見られます。また、ワーグナー、マーラーはLPよりの復刻ですのでLP特有のノイズが混入します。なお、制作上の都合により原則として初回完全限定プレスとなります。以上、あらかじめご了承下さい。(平林 直哉)
GS-2017
シューベルト:交響曲第9番「グレート」、
ハイドン:交響曲第88番「V字」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1951年11月27日、28日、12月2、4日、1951年12月4、5日ベルリン・ダーレム、イエス・キリスト教会
※使用音源:Deutsche Grammophon (Germany) LPM 18015/6
■制作者より
今回復刻する音源はドイツ・グラモフォンによる1951年のシューベルトの交響曲第9番「ザ・グレイト」です。これは1957年、ベルリン・フィルが初来日した際、楽団員が口々に「最も印象に残る録音」と語っていたように、フルトヴェングラーの録音遺産の中でも記念碑的ものとてして、あまりにも有名です。この演奏の初版LPは第1楽章と第2楽章がそれぞれ片面にゆったりとカッティングされたものですが、第2版以降は全4楽章が1枚に詰め込まれたものしか発売されていません。コレクターの間では最初の2枚組こそ最高の音質と言われていますが、確かに初版LPとそれ以降のLPを比較すると音質の差は歴然としています。その伝説の音を、極上の保存状態のLPから限りなく忠実に再現したのがこのCDです。余白には2枚組LPの第4面に入っているハイドンの交響曲第88 番を収録します。このハイドンも、最初期のLPならではの腰の強さと艶やかさが魅力です。
■解説書の内容
最近の調査により、この2曲のセッションの参加団員数、および細かな時間割が判明しています。残念なのはどの時間帯でどの部分が収録されたのかが不明ですが、たいへん興味深い資料であることは間違いありません。また、珍しい写真も複数掲載します。  (平林直哉)
●おことわり
LPよりの復刻ですので、LP特有のノイズが混入します。
GS-2018
フランク:交響曲ニ短調、
ワーグナー
:歌劇「タンホイザー」序曲*、
リスト:交響詩「前奏曲」#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1953月12月14-15 日、1952年12月2-3日、1954年3月3-4日以上すべてウィーン・ムジークフェラインザール
※使用ソース:London LL 967(イギリス・デッカによる片面テスト・プレスU.K. Decca single sided test pressing)、HMV(U.K.) ALP 1220*#
【制作者より】
フルトヴェングラーは晩年、英デッカと契約を結びましたが、LP用に残された録音はフランクの交響曲ニ短調のみにとどまりました。この録音はフルトヴェングラーの生の音に最も近いとも言わるほど鮮明な音質で知られていますが、このCDでは英デッカがアメリカ・ロンドンのために制作した片面カッティングの2枚組テスト・プレスLPから復刻しています。片面プレスのLPは通常の両面プレスよりも制約が少ないために情報量が多く、当時のオリジナル・マスターに最も近い音とも言えます。しかも入手したテスト・プレス盤は1枚目が新品同様、そして2枚目は封印されたままの新品という、復刻の素材としてはこれ以上は望めないものです。
 このフランクのセッションの直前、フルトヴェングラーはウィーン・フィルの定期公演(1953 年12 月12 日、13 日)で、このフランクと当時にワーグナーの「タンホイザー」序曲を指揮しているので、カップリングにはHMV の同序曲(1952 年)を組み合わせました。また、その「タンホイザー」と同じLPに収録されているリストの交響詩「前奏曲」も収録されますが、これは約15分の曲をゆったりとLP片面にカッティングしているため、フランク同様、異様なまでに生々しい音質を誇ります。
■解説書の内容
 収録されている3作品の初出時の批評(英グラモフォン誌、抜粋)を邦文訳で掲載します。あとは制作手記を少々。(平林 直哉)
※1LPよりの復刻ですので、LP特有のノイズが混入します。
GS-2019
マーラー:大地の歌 キャスリーン・フェリアー(A)、
ユリウス・パツァーク(T)、
ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1952年5月15、16日ウィーン、ムジークフェラインザール
※音源:Decca (U.K.) LXT 2721/2
■制作者より
マーラーの弟子、ブルーノ・ワルターによって初演され、初の全曲録音も行われた「大地の歌」。そのワルターは1952 年5月、 ウィーン・フィル、フェリアー、パツァークの顔合わせでこの曲を英デッカに録音しましたが、これは発売以来、この曲の決定 盤、ワルターの最高傑作として変わらぬ人気を誇っています。CD時代になってもいち早くCD化され、最近では英デッカのオ リジナル・マスター・テープから96kHz /24ビットによる復刻CDも発売されました。このデッカによる素晴らしい音質の最新 リマスター盤がカタログにある以上、さらに復刻CDを重複させる意味はないようにも思われます。しかし、このデッカ盤は本 家による復刻CDとして尊重しつつも、現代的な感覚で化粧を施したその音質には好みが別れるとも言えるでしょう。  GRAND SLAM シリーズでは初期LPの音質を可能な限り忠実に再現するように心がけてきましたが、今回の「大地の歌」も同 様の方針で制作しました。言いかえれば、デッカのCDの音作りとは対照的なものです。LPからの復刻ゆえに盤に起因するノ イズは避けられませんが、初期のモノーラルLPらしい明確で引き締まった音質を獲得出来ました。他の復刻CDとはひと味違っ た感動をもたらすものと確信しています。 (平林 直哉)
■解説書について
ワルター自身によるフェリアーの回想録を掲載します。彼女との出会いから永遠の別れを簡潔につづったものですが、その愛 情溢れる筆致は実に印象深いものです。特にワルターがフェリアーと「大地の歌」の〈告別〉をピアノ・リハーサルしている時、 フェリアーが作品の素晴らしさに感動し、泣き出したという下りは非常に感動的です。また、いつものように復刻に使用したオ リジナルLPの初出の批評(英グラモフォン誌)を抜粋掲載します。さらに、パツァークの珍しい写真(サイン入り)やプログ ラム等も使用しています。
GS-2020
シューマン:交響曲第4番、
ベートーヴェン
:交響曲第4番*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1953年5月14日ベルリン・ダーレム・イエス・キリスト教会、1943年6月30日ベルリン旧フィルハーモニー*
全楽章放送録音/Magnetfonkonzert, Radio Production)、
源: Deutsche Grammophon(West Germany) KL 28 (KL 27/32 in set)、 Eterna (East Germany) 820 312*
制作者より
フルトヴェングラーの熱心なファンの方の中には、このCD を手にした時に「なぜ一番最初に出たLP からの復刻ではないか?」と思う人がいるでしょう。しかし、答えは単純です。CD 化を前提にした場合、一番最初のLP が素材として常に最適とは言えません。まず、ドイツ・グラモフォンのシューマンは1953年9月に発売された最初の25 p LP LP16063 を3種類テストしました。その後、最初期の30 p LP であるKL 28(6枚組)を試してみたところ、こちらの方がはるかに良い結果を得られたので、迷わずこれを採用した。
ベートーヴェンの方は1943年6月の全楽章放送録音のものです。復刻に使用したLP は旧東ドイツのエテルナ 820 312 で、これは旧東ドイツから旧ソ連へ輸出用として制作されたものです。このエテルナ盤の音質はこの演奏の初出盤である米ヴォックス PL-7210やドイツ・グラモフォンの同じく初出LP LPM18817 より腰の強い音質で再生されるため、復刻に採用しました。また、このエテルナ盤が発売された当時、旧ソ連国内では同一の演奏がメロディア 33D-09083 / 4 としてすでに発売されていますが、それにもかかわらず旧ソ連が旧東ドイツから輸入していた事実は興味深いものがあります。そうした文献的な意味でもこのエテルナ盤の復刻は意義のあると思います。さらに、このベートーヴェンは従来、6月27日から30日までの4日間のいずれかの演奏とされていました。しかし、最近アメリカ人研究家、マイケル・グレイが当時のベルリン・フィルの団員の日記を調べ、30日に収録したことをつきとめましたので、このCD もそれに従いました。(平林 直哉)
■解説書の内容
ウラニアの「英雄」でも好評を博したマイケル・グレイの書き下ろし原稿の全訳を掲載します。また、フルトヴェングラーとドイツ・グラモフォンとの録音契約を記した珍しい資料も掲載します。ここにはドイツ・グラモフォンからフルトヴェングラーにいくら支払われたかが記されています。
* おことわり
LPからの復刻ですので、LP 特有のノイズが混入します。また、ベートーヴェンは米Vox PL-7210、日本コロムビア DXM-132、日本フォノグラム FCM-51、ユニバーサルミュージック UCCG-3687、オーパス蔵 OP-7002 等のLP、CD と同一の演奏ですが、ドイツ・グラモフォン盤等と同じく、第3楽章の冒頭20 小節に同じテイクが使用された原盤です。
GS-2021
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」、
「レオノーレ」序曲第3番*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1952年11月26日-27日、1953年10月13日〜 17日* 以上ウィーン、ムジークフェラインザール
※音源: HMV (U.K) ALP 1060、HMV (U.K.) XLP 30090*
■制作者より
この1952年のHMV(EMI)の「英雄」はフルトヴェングラーのスタジオ録音の中でも最も有名なものです。この復刻CDを制作するにあたって、約3 年の間に初出LP(ALP 1060)を5枚用意しましたが、思うような結果が得られませんでした。しかし、昨年の秋に6枚目にしてようやく望みうる最上の保存状態のALP 盤を入手し、これを使用してリマスタリングを行いました。余白には「レオノーレ」序曲第3番を収録しましたが、ノイズの少なさと溝に余裕のあるカッティングという点を考慮して初出盤の「フィデリオ」全曲(ALP 1130 〜 2)からではなく、最初に「レオノーレ」序曲第3番のみが単独に発売された盤(XLP30090)を使用しました。なお、「英雄」は2003年にCDR(Serenade SEDR-2025)として発売した実績がありますが、今回のGS-2021 はそのCDR の原盤を流用したものではなく、全くの新リマスタリングとなります。
■解説書の内容
1942年3月28日、フルトヴェングラーはウィーン・フィルの創立100周年を記念し、ムジークフェラインザールで記念の講演を行いました。その時の話は小冊子にまとめられましたが、この全文の邦訳を掲載します。この小冊子は当時関係者のみに200部しか配布されなかったもので、知られざる逸話も多く含まれた非常に貴重な文献です。(平林 直哉)
GS-2022
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(改訂版) ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1949年10月18日ベルリン・ダーレム、ゲマインデハウス
使用音源:Source: HMV (France/ LA VOIX DE SON MAITRE) FALP852/FALPS853
■制作者より
このディスクの演奏は1965年7月にフランスHMV(LA VOIX DE SON MAITRE)から発売された2枚組LP、FALP852 / FALPS853 よ り復刻したものです。このLPはオリジナルのモノラルでカッティングされており、しかも第1面に第1楽章、第2面に第2楽章、そ して第3面には第3楽章と第4楽章と余裕のある面の切り方をしています。ほぼ同時期に発売されたドイツ・エレクトローラ盤 (STE91375 / 8)、日本盤(AA9131 / 4)も面の切り方はフランス盤と同じですが、これらはともに疑似ステレオ化されていました。 1968年に遅れて発売されたイギリス盤(HQM1169)はオリジナルのモノラルでカッティングされてはいたものの、LP1枚両面に詰め 込んだ窮屈な音質でした。従いまして、このフランス初期盤はオリジナルの音質を最も忠実に伝えるものとして珍重され、近年の市 場価格は14 〜 16万円と高騰しています。今回復刻するにあたり、望みうる最上の結果を得るためにそのフランス盤を2 組用意し、 楽章単位でノイズの少ない箇所を取り出し、盤に刻まれた情報を忠実に再現するようにリマスタリングを行いました。1949 年の放 送録音ゆえに、さすがに1950年代のスタジオ録音のような飛躍的な音質の向上は期待できないものの、既発売盤よりも明瞭で繊細、 かつ奥行き感の優れた音質を実感していただけると思います。  (平林 直哉)
■解説書の内容
このフルトヴェングラーの演奏で使用されているのは改訂版です。この改訂版はノヴァーク版(原典版)と実質的には全く同じもの ですが、その違いについて具体的に触れてある文献は少ないので、今回はそれについて譜例をあげてわかりやすく説明しています (第1楽章のみ)。その他フランス、イギリス、日本のそれぞれ初出LPのジャケット写真、発売当時の広告も掲載します。
GS-2023
R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」、
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」*
交響詩「死と変容」**、
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO、BPO#

録音:1954年3月2-3日、1954年3月3日*、1950年1月21・23・24日**、ウィーン・ムジークフェライン・ザール、1951年12月ベルリン・ティタニア・パラスト#
※使用音源:HMV (U.K.) ALP 1208、HQM 1137**、Period (U.S.A.) SPL 716 (Soundtrack from the film "Botchafter der Musik")#
■制作者より
ここに収められたウィーン・フィルによるR.シュトラウスの3曲の交響詩は、ベートーヴェン以外の作品ではフルトヴェングラーの個 性が最も顕著に現れたものと言われています。特に「ドン・ファン」と「ティル」はモノーラル末期の鮮明な音質で捉えられていますが、 今回はHMV最初期の重量盤から復刻したため、異様にまで生々しい音質で再現されます。また、「死と変容」の初発売はSP(78 回転)で したが、このディスクではよりノイズの少ないイギリスHMV最初のLP を使用して復刻しました。  ベルリン・フィルによる「ティル」はあまりにも有名な映画「フルトヴェングラーと巨匠たち」(原題:音楽の使者)のサウンド・トラッ クです。フィルムの音声故に音質はそれほど良くありませんが、宇野功芳著『フルトヴェングラーの全名演名盤』(講談社+α文庫)、そし てJ.アードイン著『フルトヴェングラー・グレート・レコーディングズ』(音楽之友社)ではそれぞれフルトヴェングラーの残した「ティ ル」の最高峰と評価されています。ピリオドの最初期の重量盤LPから復刻したその音質は、従来のディスクに比べてかなり聴きごたえのあ るもので、制作者自身もその演奏の凄まじさに改めて仰天したほどです。他の3曲と違ってレコード用の録音ではないためにボーナス・ト ラックとしましたが、演奏内容そのものはメインと言っても過言ではありません。なお、この「ティル」は世界初CD 化となります。  (平林 直哉)
GS-2024
ブラームス:交響曲第2番、
ベートーヴェン
:交響曲第1番*
カール・シューリヒト(指)VPO

録音:1953年6月、1952年5月25−30日*
※使用音源: Decca (U.K.) LXT 2859、LXT 2824*
■制作者より
GRAND SLAM からシューリヒトが初めて登場します。フルトヴェングラーは存命当時からたいへんに人気があり、そのため初期LP のプレ ス枚数も多く、現在でも状態の良いLP を手に入れるのはそれほど困難ではありません。しかし、シューリヒトは当時、ヨーロッパでは注 目されず、特にデッカの本拠地であるイギリスで人気がありませんでした。その証拠に、英グラモフォン誌上でもシューリヒトのデッカ 録音に対する批評は非常に小さな扱いでした。しかしながら、不人気とは言ってもシューリヒトのベートーヴェンやシューマンの交響曲 は初期LP時代にもそれなりに再発売はされていますが、このブラームスは初出のLXT2859(1954年3月発売)のみで、再発売は1960年代 以降になります。このブラームスのLXT 盤がどのくらいプレスされたかは不明ですが、おそらくフルトヴェングラーの何十分の一以下し か製造されなかったと思われます。そのため、中古市場でもめったに見かけませんし、さらにその中でも復刻に耐えうる状態のものに遭 遇するのは極めて困難です。しかし今回はあるコレクターの協力を得てそれぞれ複数以上の状態の良いLPを復刻に使用することが出来たのは幸いでした。 (平林直哉)
■解説書の内容
フルトヴェングラーのシリーズと同様に、英グラモフォン誌の初出LPの批評の邦訳を掲載します。先ほど触れたように、このシューリヒ ト盤はフルトヴェングラーに比べてずいぶんとぞんざいに扱われています。その他、復刻に使用したLP ジャケットを掲載するほか、珍しいプログラムも掲載予定です。
GS-2025
ブラームス:交響曲第1番、
ハンガリー舞曲第1番*/第10番*、
交響曲第1番〜第1楽章#、
交響曲第1番〜第4楽章(抜粋)#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO、BPO*

録音:1947年11月17日-20日ウィーン・ムジークフェラインザール、1930年ベルリン高等音楽院*、不明#
使用音源:HMV(France, LA VOIX DE SON MAITRE) DB 6634、
6638, DBS 6639(2VH7083-1 / 7084-2 / 7085-1 /
7086-2 / 7087-2 / 7088-2 / 7091-1 / 7092-1 /
7093-1 / 7099-1 / 7100-1)、
Polydor(Germany) 90190 (2530 1 / 2BH1 / 2587 1 / 2BH1)*、
Nippon Columbia(Japan) DXM-163-VX#
■制作者より
1947年にウィーン・フィルと録音されたブラームスの交響曲第1番は、フルトヴェングラーの演奏の中では決して高く評価されていません。 しかし、その一因は復刻する際の加工の仕方によるものが大きいようです。この演奏を復刻する際にはたいていの場合オリジナルのイギリ スHMV のSP 盤(78 回転)が使用されますが、このイギリス盤はカートリッジで再生すると高域に独特のきついノイズを生じます。そのノ イズは大なり小なりカットして復刻するのですが、そうなるとどうしても原音の輝きや艶を失ってしまいます。しかし、このディスクで使 用したフランスHMV盤はイギリス盤に比べて高域のノイズはかなり少なく、SP盤に刻まれた情報を限りなく忠実に復刻することが可能とな りました。従いまして、従来の復刻盤と比較して大きく異なる印象を抱く人は多いかと思います。なお、余白には戦前のポリドール盤から の復刻である個性の濃厚なハンガリー舞曲を2曲(ベルリン・フィル)収録しました。これも原音を忠実に生かすように復刻をしています。 また、ボーナス・トラックには1973年に日本コロムビアから発売されたブラームスの交響曲第1番の抜粋を収録しています。このコロムビ ア盤は当時「録音年不詳」として発売されましたが、のちにこのディスクのブラームス第1 と同一のSP からの復刻と判定されました。しか し、その後このコロムビア盤に関しては「ベーム指揮、ウィーン・フィルのSPのテイク(1942年、ドイツ・エレクトローラ)が一部に挿入 されている」とする説も浮上し、その論争にはいまだに終止符が打たれていません。制作者もこのディスクの演奏とコロムビア盤とは同一 のものと判断していますが、詳細に比較すると、たとえば第1楽章の序奏部の最後の部分では演奏ノイズが若干異なるような気もします。 そのあたりも熱心なファンの方の耳で実際に確かめていただきたいと思い、あえてボーナス・トラックとして加えました。 (平林 直哉)
■解説書の内容
これまでと同様に、交響曲第1番の英グラモフォン誌の批評の邦訳を掲載します。さらに、コロムビア盤LPに掲載された岡俊雄氏の解説も 当時の貴重な資料として特別に再掲載します。
GS-2026
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、
交響曲第1番*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1952年11月24日、25日、1952年11月24日、27日、28日* ウィーン・ムジークフェラインザール、
※使用音源:HMV(U.K.) ALP 1041、ALP 1324*
■制作者より
今回は1952年にウィーン・フィルと録音されたベートーヴェンの交響曲第6番「田園」、第1番が登場しますが、これによってGS-レーベ ルにおけるHMV のテープ録音期のベートーヴェン交響曲シリーズが完結したことになります。1951 年のバイロイトの第9などは言うまでも なく突出した名演ですが、これまでベートーヴェン・シリーズを手がけて制作者が改めて驚いたのは、第3、4、5、7番などのセッション 録音における素晴らしい響きです。特に第4番(GS-2011)はそれこそ目からうろこでした。今回の第6番、第1番も、その途方もなくスケー ルの大きい、細部までこまやかな配慮の行き届いた温かく偉大な音に対し、復刻作業を行いながらも仕事をしているのを忘れてしまうほどで した。フルトヴェングラーのHMVのベートーヴェン録音は常にカタログにあるという安心感からか、こうしたことは案外忘れられているよう な気もします。  今回の2曲も望みうる最上の状態の初期LPを使用し、復刻しました。音質もいつものように、元のLP の情報を可能な限り忠実に伝えるよ うにしています。(平林 直哉)
■解説書の内容 過去のシリーズと同様に、LP が発売された際の英グラモフォン誌のレビューの翻訳を掲載します。
GS-2027
フランク:交響曲ニ短調、
モーツァルト
:交響曲第39番KV.543
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO、BPO*

録音:1945年1月28日(29日)ウィーン、ムジークフェランザール、1942年/1943年ベルリン
■制作者より■
フルトヴェングラーがスイスに亡命する直前にウィーン・フィルの定期演奏会で指揮をしたフランクの交響曲は、フルトヴェングラーの数あるライヴ録音の中でも最も悪魔的な演奏として知られています。この演奏は1952年に初めてアメリカ・ヴォックスよりLP化され、その後数々のレーベルよりLPやCDも発売されました。しかし、このヴォックス盤LPは第2楽章冒頭に音の欠落があるのにもかかわらず、その音質は最も優れていると言われ、現在、オリジナルのLPは15〜30万円の高値で取引されています。ところが、このヴォックス盤は復刻に耐えうる状態のものが非常に少ないため、当GSレーベルでもなかなか手を出せない状態にありました。しかし、最近になってこの貴重盤を2枚もお借り出来る機会を与えていただいたので、急きょCD制作を行いました。 モーツァルトの交響曲第39番はドイツ・グラモフォンやエテルナ等のレーベルで発売されていた聴衆不在の放送録音です。GS-2020で復刻したベートーヴェンの交響曲第4番と同様、旧東ドイツの放送録音がもっともオリジナルに近いと判断し、このモーツァルトも旧東ドイツのレーベル、エテルナのLPを復刻の素材としました。 (平林 直哉)
■解説書の内容■
ヴォックスのフランクについてはかねてから謎めいた話が伝えられていますが、解説ではそのヴォックス盤を中心に、初発売から最近のCDにいたるまでの歴史を整理し、読み物としての充実もはかっています。
GS-2028
ハイドン:交響曲第94番「驚愕」、
ベートーヴェン:交響曲第4番*

◆ボーナス・トラック
ベートーヴェン:交響曲第4番〜第3/第4楽章#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO
録音:1951年1月11日,12日,17日、1950年1月25日,30日*
※使用音源:HMV(U.K.)ALP1011、HMV(U.K.)DB21099、103(2VH7207-1A、7208-1A、7209-1A、7204-1A、7205-1A、7206-1A、7210-1A、7211-1A、7212-1A、7213-1B)(以上*)、HMV(U.K.)Testpressing(2XVH14-1)#
■制作者より
1950年1月にHMVによって録音されたフルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルのベートーヴェンの交響曲第4番は、1950年10月にイギリスでSP盤(78回転)として初発売されました。しかし、時代はLPへと移行する時期であったため、このSP盤はごく少数しか市場に出回らず、フルトヴェングラーのSP盤の中でも入手難のひとつと言われています。本CDではその貴重なSP盤を使用し、原音に忠実に復刻をしました。有名なオルセンのディスコグラフィ等の資料によりますと、この演奏は1950年代、フランスHMVのFALP116として唯一のLP復刻盤が発売されたとされています。この1950年の演奏のマトリックス番号は2XVH13/14で、今もなお世界中のコレクターがこの番号の刻印のあるFALP116を探し回っています。しかし、中古市場に出回るFALP116の中身はすべて1952年12月の録音、つまりマトリックス番号で言えば2XVH39/40のものしか知られていません。 ところがこのCDの制作途中で、1950年録音のマトリックス番号の刻印されているLPのテスト・プレスの存在を知りました。残念ながらこのテスト盤は第3楽章、第4楽章のみですが、噂を立証する証拠としても貴重であり、ボーナス・トラックとして加えました。本編のSP復刻との音質の違いもファンには興味が尽きないでしょう。 また、この1950年の第4で一般的に知られている最初の復刻盤LPは1975年に東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)から発売されたものです(EAC47009〜9)。その後、この第4の復刻盤はイタリアEMIやアメリカ・ワルター協会などからもLP発売されましたが、これらの復刻盤にはすべて第1楽章の途中での音の欠落がありました。完全な形での復刻盤はフルトヴェングラー協会の私家盤を除けば現在市販盤はフランスTahra(FURT-1084/7)のみです。Tahraはセット物ですので、1枚もののCDで完全な形で復刻されているのは、現在このGRAND SLAM、GS-2028が唯一となります。 一方のハイドンの「驚愕」は、初期LPからの初めての復刻となります。この録音は日頃それほど注目を集めていませんが、知る人ぞ知る名録音、名演奏です。 (平林 直哉)
■解説書の内容いつものように英グラモフォン誌の初出の批評の邦訳を掲載します。 
GS-2029
レスピーギ:交響詩「ローマの松」、
交響詩「ローマの噴水」、交響詩「ローマの祭り」*
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1953年3月17日、1951年11月17日、1949年12月12日ニューヨーク、カーネギー・ホール
※使用音源:RCA(U.S.A.) LM1768、LM1973*
■制作者より トスカニーニの最高傑作と言われているレスピーギの「ローマ3部作」は、これまでにもRCA所蔵のオリジナル・マスターからリマスタリングされたCDが何種類か登場しています。しかし、初期LPの音はCDとはひと味もふた味も違った鮮烈さを持っていますが、今回はその音を忠実に再現しました。言い換えれば、「トスカニーニ自身が聴いてOKを出した音」と言うべきものです。 この3部作は45回転盤が初出のレコードのようですが、その45回転は枚数が多く面の切れ目が多いために復刻には不向きです。そのため、当CDでは最初期のLPを素材として使用しています。また、「ローマの祭」は先に出た25センチのLP(LM-55)ではなく後に発売され、音質も良くて切れ目のない30センチLP(LM-1973)を使用し、万全を期しています。(平林 直哉)
■解説書の内容:トスカニーニの知られざる逸話や、珍しい写真を複数掲載します。

GS-2030
フルトヴェングラー/序曲、管弦楽曲
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第2番*
 「フィデリオ」序曲**、
ウェーバー:「魔弾の射手」序曲# 
 「オイリアンテ」序曲##、
シューベルト
:「ロザムンデ」序曲+、
シューマン
:「マンフレッド」序曲、
スメタナ:「モルダウ」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO*、VPO

録音:1954年4月4、5日ベルリン高等音楽院*、1953年10月13〜17日**、1954年3月5、6日#、1954年3月6日##、1951年1月17日+、1951年1月24日、以上、ウィーン、ムジークフェラインザール
※使用音源:英HMVALP1324*、英HMVALP1130**、英EMIXLP30090#,##、英EMI XLP30097+、英HMVBLP1009
「私の夫が指揮したCDを18枚送っていただき、喜びで一杯です。本当にありがとうございました。これらは非常に素晴らしく、私は何時間も聴き入りました。聴き終えて私は筆をとりました。フルトヴェングラーの愛好家にこのCDのことを話せば、彼らは我が家に聴きに来るでしょう。あなたのお仕事は立派であり、私はあなたがフルトヴェングラーのことを理解なさっていると感じます。私は本当にこれらのCDを気に入りました。もう一度感謝の言葉を捧げます。敬具〜エリザベート・フルトヴェングラー 2008年7月4日、クララン」(※原文は英文)
■制作者より
今回はテープ録音期の中でも、演奏、録音ともに優れた序曲、管弦楽曲を1枚にまとめました。たとえば、「レオノーレ」序曲第2番はすでに市販されているCDの中にはマスター・テープの劣化によりゴースト(テープの転写により、あとの音がかすかに聴こえる現象)が生じています。特にこの「レオノーレ」第2番は序奏部にフルトヴェングラー独特の長い間があり、そのような箇所でのゴーストはかなり気になります。さすがに録音されて日が浅いうちにカッティングされた初期LPにはこのような瑕疵はなく、それから復刻したCDですと演奏を心ゆくまで堪能出来ます。その他の曲目も、初期LP独特の目の覚めるような新鮮な音質で蘇ります。なお、HMV(EMI)のシリーズは従来通りイギリスの初出盤を音源として使用しています。(平林 直哉)
■解説書の内容
制作者による、たいへん興味深い詳細な制作手記を掲載します。また、珍しいプログラム、写真も併せて掲載します。毎回、音だけではなく、充実した解説がこのシリーズの特色でもあります。
GS-2031
ブラームス:交響曲第2番、
シューベルト
:交響曲第8番「未完成」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)LPO、VPO

録音:1948年3月22、23、25日ロンドン、キングズウェイ・ホール、1950年1月19−21日ウィーン、ムジークフェラインザール*
使用音源:英Decca-AK1875 / 9
(AR12079-2 / 12080-2 / 12081-1 /
12082-3 / 12083-2 /
12084-1 / 12085-1 / 12086-2 /
12087-3 / 120881-)、
英HMV-DB21131 / 3(2VH7190-1A /
7191-1A / 7192-1A / 7193-1A /
7194-1A / 7194-1A / 7195-1A)*
制作:平林直哉
■制作者より
1948年3月、フルトヴェングラーが戦後初めて単身で訪英した際、英デッカによってロンドン・フィルとのブラームスの交響曲第2番が収録されました。このセッションでは、フルトヴェングラーが視界に入る複数のマイクロフォンを撤去するように要求したため、英デッカとしては決して満足のゆく結果を得られなかったと言われています。そうした経緯があったからでしょうか、1952年に英デッカによって制作されたLP復刻盤は音像が甘いだけではなく、SP盤の面と面とのつなぎもうまくいっていないという、何とも愛情に欠けたものでした。以来、この不十分な原盤は世界中に流布し、演奏の評価を不当に低くしていました。 しかし、状態の良い英デッカ盤SPで聴くと、印象は大きく異なります。この復刻盤を制作するにあたり4組のSPを用意し、その中でも最もノイズの少ない1組を選択、素晴らしい結果を得ました。録音以来60年以上も経過し、ようやく理想的な復刻盤が誕生したと言っても過言ではありません。 一方の「未完成」はHMVのSP盤からの復刻です。このHMV盤はカートリッジで再生すると高域にきついノイズが生じますが、幸運なことに用意したSP盤は例外的にノイズが少ないものでした。また、復刻にあたってはドイツ、フランスの初期LP復刻盤(この曲のイギリス初期LPの復刻盤はありません)も比較試聴しました。しかし、これらの初期LP復刻盤もその当時SPから転写されたものなので、情報量の点では元のSP盤には及びません。この「未完成」もブラームスと同様、従来の復刻盤とは音質はまったく異なり、演奏の印象も大きく変わっています。(平林 直哉)
■解説書の内容
前に触れたように、このディスクのブラームスの交響曲第2番はフルトヴェングラーの戦後初の訪英時に収録されましたが、その直前のフルトヴェングラーのロンドン公演をレポートした『Musical America』誌の記事の翻訳を掲載します。フルトヴェングラーのロンドン復帰を熱烈に歓迎した当時のイギリス音楽界の空気が伝わってきます。  (Ki)
GS-2032
シューマン:交響曲第3番「ライン」、第2番*、
メンデルスゾーン
:序曲「フィンガルの洞窟」#
カール・シューリヒト(指)パリ音楽院O、VPO*

録音:1953年6月、1952年7月*、1954年4月26-27日、ウィーン、ムジークフェラインザール#
使用音源:Decca(U.K.) LXT2985、LXT2745*、LXT2961#
■制作者より
2007年にシューリヒト/VPOのブラームスの交響曲第2番、ベートーヴェンに同第1番(GS-2007)を発売して以来、シューマンの交響曲のリクエストをいただいておりました。復刻に耐えうるLP盤が用意出来ずに手間取りましたが、最近になってやっと取りかかれる条件が整いました。LPからの復刻ゆえに多少のノイズは避けられませんが、録音して間もない頃のマスター・テープの活きの良い鮮烈な音が再現されます。 余白にはメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」を加えました。本来ならばシューマンの「序曲、スケルツォとフィナーレ」を加えるべきですが、そうすると総演奏時間79分を超えてしまいます。最近ではこの程度の長時間収録は珍しくありませんが、それでも「再生が出来ない」という苦情が出る確立はゼロとは言えません。また、一方ではこうした長時間収録は音質に悪影響を与えるとも言われております。以上の点を考慮して当GSレーベルでは過度な長時間CDは制作しない方針でおりますので、ご理解いただきたいと思います。(平林 直哉)
■解説書の内容 
『マーラー/未来の同時代者』(白水社)の著作でも知られる音楽学者、音楽評論家のクルト・ブラウコップフKurt Blaukopfはフルトヴェングラー、ワルター、クナッパーツブッシュなど、戦前戦後に活躍した指揮者たちの評伝『GROSSEDIRIGENTEN』(Verlag Arthur Niggli,1954)を著していますが、この中のシューリヒトに関する記述の全文を邦訳して掲載します。シューリヒトの生前に書かれた貴重な文献のひとつです。
GS-2033
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕(全曲)
◆ボーナス・トラック…「ワルキューレの騎行」*
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO、
ジークリンデ:キルステン・フラグスタート(S)、セット・スヴァンホルム(T)、
フンディング:アルノルト・ヴァン・ミル(Bs)

録音:1957年10月28-30日ウィーン・ゾフィエンザール、1953年5月6-7日ウィーン・ムジークフェラインザール*
※使用音源:Decca(U.K.) SXL2074/5(「ワルキューレ」第1幕(ステレオ)、LW5106(「ワルキューレの騎行」)(*これのみモノラル)
■制作者より
初めて初期ステレオLPからの復刻を手がけることになりました。その第1弾は1957年に英デッカによって録音されたクナッパーツブッシュ指揮、ウィーン・フィル、ワーグナーの「ワルキューレ」第1幕全曲、その演奏、録音ともに今なお最高と言われているものです。ステレオ録音の復刻となると、使用する盤の状態はモノラル盤よりもいっそう神経質にならなければなりませんが、このたび用意出来たLPは、まずこれ以上のものはあるまいと思われるほど極上のものです。そして、そこから作り出した音ですが、これは想像を絶するもので、制作者が作業をしながら失神しそうになるほど見事なものです。その広がりと奥行き、各パートの彫りの深さと艶やかさ、瑞々しい響きなど、初期LPの情報量の多さには圧倒されます。制作者としてはフルトヴェングラーのバイロイト盤(GS-2009)以上の、最高の出来ばえと自負しています。とは言っても特別な手を加えているわけではなく、いつものように原音を限りなく忠実に再現したものです。 また、ボーナス・トラックにはモノラル録音の「ワルキューレの騎行」を加えました。当初は同じオペラとはいえ、ステレオ録音の第1幕全曲にモノラルの音源を付けるのは蛇足ではないかと考えました。しかし、クナがこの曲をステレオ録音していないことと、仮マスターを聴いてその音の凄さに仰天したので、あえて追加いたしました。
■解説書の内容 解説書にはウィーン・フィルの第2ヴァイオリン奏者、オットー・シュトラッサーが「レコード芸術」(1972年6月号)に寄稿した長文エッセイ「クナッパーツブッシュとの出会い、それから」をシュトラッサーの遺族、翻訳者、音楽之友社のそれぞれ許諾を得て転載いたします。シュトラッサーは自著でもクナッパーツブッシュについて触れており、このエッセイにもそれらと部分的にだぶる個所もありますが、深い愛情と冷静な目によってクナッパーツブッシュを捉えているばかりではなく、フルトヴェングラーの演奏を聴いた時の感想や、晩年の病苦についてなど、身近にいた人でなければ体験出来ない逸話が数多く紹介されています。これは、クナッパーツブッシュについて書かれた最も優れた文献のひとつと言えます。そのため、12ページの豪華ブックレットになります。*おことわり:LPからの復刻ですので、LP特有のノイズが混入します。また、歌詞対訳は付いておりません。(以上、平林 直哉)
GS-2034
シューリヒト&VPOの神髄
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」、
シューベルト:交響曲第8番「未完成」#、
ベートーヴェン:交響曲第2番*
カール・シューリヒト(指)VPO

録音:1956年6月3-6日(ステレオ)、1952年5月27-30日(モノラル)*、ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源:London(U.S.A)CS6113(英デッカ片面テスト・プレス/未発売)、Decca(U.K.)SPA225#、London(U.S.A.)LL629*
■制作者より
“幻のテスト・プレス”とは? 1956年、英デッカによってステレオ録音されたシューリヒト/VPOのモーツァルトの「ハフナー」とシューベルトの「未完成」は、1957年にモノラル盤が発売されました。その後、この2曲のステレオLPは1960年代になってアメリカと日本でようやく発売されましたが、本家の英デッカのステレオ盤は番号まで告知されながらも未発売に終わりました。かろうじて「未完成」は1972年になって初めてデッカ・プレスのステレオLP(本CDではこれを使用)が登場しましたが、「ハフナー」の方はとうとう一度も発売されませんでした。
 ところがGrand Slamは遂に、1956年に製作され、日の目を見ることがなかった「ハフナー」の“幻のテスト・プレス”を入手しました。しかも、それは幸運なことに未開封の新品という、復刻の素材としては最高のものです!番号はアメリカ盤ですが、LP盤そのものは英デッカのプレスで、その信じがたいほどの鮮明さは、さすがにデッカというほかはありません。前回のクナッパーツブッシュの「ワルキューレ」第1幕がGrandSlam創業以来最高のクオリティだとすると、今回のハフナーは“最大の驚き”と言っていいでしょう。
 ベートーヴェンも同じくアメリカ・ロンドン盤を使用しましたが、これもLP盤は英デッカ・プレスです。こちらは放送局に眠っていたLPのようで、当時の盤としては驚くほどノイズが少ないのも幸いでした。
■解説書の内容 上記に触れたような、未発売に至る経緯を詳しく解説しています。(以上、平林 直哉)
GS-2035
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ブルーノ・ワルター(指)コロムビアSO

録音:1958年1月13、15、17日、カリフォルニア、アメリカン・リージュン・ホール(ステレオ)
使用音源:Columbia(U.S.A.) MS6012
■製作者より
ワルターの最晩年のステレオ録音は、小編成の録音用オーケストラを起用して収録されたため、ホール・トーンを多めに取り入れたり、さまざまな操作によって化粧が施されていると言われています。ところが、最初期のLPはのちに発売されたLPやCDのような音ではありません。録音された直後の活きの良いオリジナル・マスターから制作されたLPは、さまざまな加工など必要ないのでしょう、マスタリング・エンジニアも「各奏者の座席位置までもがはっきりと聴き取れるほどだ」と驚いていました。最新技術による復刻CDも市販されている状況の中で、LP復刻盤に対して疑問を持つ人も少なからずあると思います。しかし、最初期のLPには最新技術でもなかなか得られない独特の雰囲気があることは間違いありません。
■解説書の内容
復刻に使用した初出LP MS6012には何と、ベルリオーズの曲目解説が掲載されています。この文章はかつてベルリオーズ著『ベートーヴェンの交響曲』(橘 西路訳、角川文庫/絶版)にも含まれていましたが、当時のLPにはフランス語の原文から英語に抄訳されたものが使用されていました(この経緯については木幡一誠氏が詳しく解説しています)。歴史的な事実として、さらには興味深い読み物として全訳をブックレットに掲載します。  (以上、平林直哉)
GS-2036
クナッパーツブッシュのワーグナーVol.2
ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」〜夜明けとジークフリートのラインへの旅、
ジークフリートの葬送行進曲
「さまよえるオランダ人」〜期限は切れた*、
「ニュールンベルクの名歌手」〜リラの花が何とやわらかく*、迷いだ迷いだどこも迷いだ*、
「ワルキューレ」〜ヴォータンの告別「さようなら勇ましいわが子」*
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO、
ジョージ・ロンドン(Bs-Br)*

録音:1956年6月3-6日、1958年6月9-11日*、ウィーン・ゾフィエンザーエル
使用音源:Decca(U.K.)SXL2074/5、SXL2068* (歌詞対訳は付いていません。)
■制作者より
圧倒的な好評を得たクナッパーツブッシュのステレオ復刻第1弾、ワーグナーの「ワルキューレ」第1幕(GS-2033)に続く第2弾です。まず、「神々のたそがれ」からの〈ラインへの旅〉と〈葬送行進曲〉は「ワルキューレ」第1幕のLP(SXL2074/5)の第4面に収録されていたもので、その「ワルキューレ」と並ぶクナの最高傑作です。後半の4曲はジョージ・ロンドンのアリア集ですが、中でも「ワルキューレ」の〈ヴォータンの告別〉は伝説的な名演です。以上、クナの真骨頂が詰め込まれた演奏を第1弾と同様に初期LPに刻まれた音を忠実に再現します。
■解説書の内容
このクナッパーツブッシュとジョージ・ロンドンとの録音セッションに、実は日本人が立ち会っていたのです! 合唱指揮の大御所、田中信昭氏がその人で、田中氏は指揮者のすぐ後ろでこのレコーディングを聴いていました。その生々しい証言はクナ・ファン必読です。(以上、平林 直哉)
GS-2037
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 オットー・クレンペラー(指)フィルハーモニアO&cho
オーセ・ノルドモ=レーヴベリ(S)
クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)
ヴァルデマール・クメント(T)
ハンス・ホッター(Br)

録音:1957年10月30、31日、11月21.23日、キングズウェイ・ホール、ロンドン(ステレオ)
※使用音源:Columbia(U.K.) SAX2276/7 (セミ・サークル・レーベル)
■制作者より
GSレーベルのステレオ・シリーズにはクナッパーツブッシュ、シューリヒト、ワルターが登場しましたが、今回はクレンペラーです。内容については今さら申し上げる必要はないでしょう。初期LPらしい抜けの良い、瑞々しい音でこの名演を堪能出来ます。
■解説書の内容クレンペラーの文献の中から、ベートーヴェンの第9に関連する未邦訳の資料を3点掲載します。内容は「クレンペラーとの出会い」(スヴィ・ラジ・グラッブ、元EMIプロデューサー)、「第9のリハーサルにて」、「ヒンデミット第9代役事件の裏話」です。特にヒンデミットの話は毒舌家クレンペラーならではの面白い逸話です。
■使用レーベルについて 
英コロンビアの初期ステレオSAX番号は最初、ブルー・シルバーと呼ばれるレーベルでプレスされていました。その後、素材も変更され赤いセミ・サークルと呼ばれるレーベルに変更されます。中古市場ではブルー・シルバーが圧倒的に高額ですが、その価格と再生装置との相性は必ずしも一致しません。この第9に限らず他のSAX盤もブルー・シルバーとセミ・サークルをテストしましたが、後者の方が復刻の素材として適していると判断し、採用しました。(以上、平林直哉)  (Ki)
GS-2038
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 ジャン・マルティノン(指)VPO

録音:1958年3月31日〜4月3日、ウィーン、ゾフィエンザール(ステレオ)
使用音源:Decca(U.K.) SXL2004
■制作者より
 マルティノンとウィーン・フィルの正規録音はこのデッカに行われたチャイコフスキーの「悲愴」交響曲が唯一のものです。フランス人の指揮者を起用してなぜチャイコフスキーの交響曲が収録されたかの理由ははっきりしませんが、この録音は発売以来“決定盤”の名を欲しいままにしており、それは今日でも変わりがありません。初期LPからリマスターした音ですが、これが怖いくらいに生々しいものとなっています。ウィーン・フィルの艶やかさを存分に堪能出来るのは言うまでもありませんが、彼らがここまで本気になって弾き、吹いている様子にも改めて驚かされます。
■解説書の内容
 数少ないマルティノンのインタビュー、初来日した際のプログラムなどを掲載しています。(以上、平林 直哉)

GS-2039
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(原典版) ヨゼフ・カイルベルト(指)ハンブルク国立PO

録音:1956年10月31日 ハンブルク・オスター通りスタジオ(ステレオ)

※使用音源:テレフンケン(ドイツ) SLT43043
■制作者より
 LP時代にブルックナー・ファンを狂喜させた宇野功芳著『モーツァルトとブルックナー』(初出は帰徳書房、現在は学研から発売)の中に、「カイルベルトのLPが登場し、ブルックナーの第9はシューリヒト、ヨッフムらとベスト3が出来上がった」とあります。最近ではヴァント/ベルリン・フィルなどの名盤も出ていますが、オーケストラの渋く充実した音色はそのヴァント盤以上であり、安定した適正なテンポもシューリヒト、ヨッフムをしのいでいます。つまり、このカイルベルト盤は今もなおベスト3のひとつと言っても過言ではありません。しかし、長い間廉価盤で繰り返して再発売されていたせいか、特に最近では正当な評価を与えられなくなりました。従って、今回の復刻盤は再び正当に評価される非常に良い機会だと考えています。特に、初めて耳にした人は、こんな名演が存在していたことに驚かれると思います。 なお、特徴的な個所がひとつあるので記しておきます。第3楽章の206小節(18分39秒付近)の最後の音で、ここは4分音符の長さしかありません。しかし、この不協和音を強調しようとしてほとんどの指揮者はフェルマータのように音を延ばしていますが、このカイルベルト盤は楽譜通りに演奏した数少ない例です。(平林直哉)
■解説書の内容
 カイルベルトが倒れた瞬間の目撃証言や、珍しいプログラムなどを掲載します。(平林直哉)

カルベルトの底力を改めて痛感。シューリヒト&VPO盤と共に、この曲の深遠さを余すところなく表出した名演として忘れない逸品です。第1楽章冒頭の金管の湧き上がりから演出性が皆無で実直そのもの。オケの渋い音色の魅力と共感力だけを信じて邁進する純朴さはシューリヒト以上かもしれません。第2楽章は決して切迫Oを誇示せず、むしろゆったりとしたテンポで一貫。そのテンポから深遠な神秘性がじんわりと抽出されます。中間部でもテンポ早めずに内面志向。管楽器同士の絡みの有機性にもご注目を。極めつけは終楽章!冒頭の低弦が唐突なほどぶっきらぼうな飛び込み方で、そのあえて響きに磨きをかけない凄みが切実に胸に刺さります。その直後0:57以降の弦の弱音によるトレモロのなんという含蓄の深さ!5:18からの第2主題はオケの弦のクオリティの高さを痛感すると共に、この作品の超然とした佇まいに極限まで肉薄しようとする静かなる闘志を感じずにはいられません。17:58からのトゥティの厚みとその噴出力は、スマートな洗練美など一切受け付けない真の高みの音楽に至らしめ、感動の極み。そして、その締めくくりでフェルマータを施さず、スコアどおりにバサット断ち切る痛烈な力感!BPOとの「第6番」と共に、カイルベルトのブルックナーは、昨今置き去りにされつつあるブルックナーの魂を呼び覚ましてくれるかけがえのない録音です。 【湧々堂】
GS-2043
クナッパーツブッシュのブラームス(ステレオ)
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲*
大学祝典序曲*/悲劇的序曲*
アルト・ラプソディOp.53#
ルクレティア・ウェスト(A)
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO
ウィーン・ジングアカデミー男声cho

録音:1957年6月10日-15日ウィーン・ゾフィエンザール(ステレオ)
音源:米 ロンドン CS 6030* / 英 デッカ ECS 701#
■制作者より
クナッパーツブッシュのステレオ LP 復刻第4弾はクナの遺産の中でも最も渋いと言われるブラームス演奏集です。このブラームスはなぜか初期 LP 時代にイギリス・デッカよりステレオ LP が発売されませんでしたが、デッカ・プレスのアメリカ・ロンドン盤等、一番最初にステレオで発売された LP を復刻の素材としています。
■解説書の内容
まず、元ケンウッドの取締役であり、NHK の FM 放送等でもおなじみの音楽プロデューサー、中野雄氏によるクナッパーツブッシュの想い出を掲載します。何と中野氏はクナのミュンヘンのラスト・コンサートを目撃した数少ない日本人のひとりで、この証言は極めて貴重です(当日のプログラムとチケットも掲載)。さらに、制作者秘蔵のプログラムを2つ。ひとつはクナと共演した唯一の日本人である諏訪根自子の出演したもの(1943年)、もうひとつはブラームスの没後50 年の記念演奏会(1947年)でジネット・ヌヴーが出演したものです。(以上、平林 直哉)
GS-2044
シューベルト:交響曲第8番「未完成」*
ブラームス:交響曲第4番*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1948年10月24日ティタニア・パラスト
使用音源:Vox/Turnabout-TV 4478 (U.S.A.)、HMV (France/LAVOIXDESONMAITRE) FALP-544*
■制作者よりGSシリーズ、久々のフルトヴェングラーは1948年10月24日、ベルリンでの公演です。まず、シューベルトの「未完成」はフルトヴェングラーの数ある「未完成」の中でも最も物々しい演奏として知られていますが、LP復刻は今回が初めてです。ブラームスの方は2006年に発売したGS2012(廃盤)と同一音源ですが、GS2012がドイツ・エレクトローラのLP、E90095を使用したのに対し、今回はフランスHMV盤FALP544を復刻の素材としています。その理由は、このFALP盤には第3楽章冒頭のわずかなフライングがはっきりと聴きとれるからです。この一瞬の乱れは最近のCDには入っていないようですが、この揃わない出だしこそフルトヴェングラーの重要な特色のひとつです。また、このFALP盤は中高域の抜けが良いのが特色で、特に弦楽器のうねるような雰囲気がいっそう出ています。
■解説書の内容 今回もブックレットにはフルトヴェングラーの珍しい写真、貴重なプログラムを掲載しています。(以上、平林 直哉)
GS-2045
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
交響曲第7番*
カール・シューリヒト(指)パリ音楽院O

録音:1957年4月30日&5月2-6日、1957年6月11-12日*、パリ、サル・ワグラム
※使用音源:EMI(フランス) FALP575,4909346305533、FALP576(片面テスト・プレス盤)*)
シューリヒト指揮、パリ音楽院管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲全集は言わずと知られた歴史的名演ですが、その中でも特に傑出していると評判の高い第6番「田園」と第7番を初期LPより復刻しました。しかも、復刻に使用したのは片面にカッティングされたそれぞれ2枚組のテスト・プレスです。このテスト盤は録音されたあと、一番はじめににカッティングされたもので、言うならばオリジナル・マスターが最も活きの良い時に制作されたものです。しかも裏面は溝が切っていない平面ですので、ターンテーブルとの密着度が高く、両面にカッティングされた通常盤よりも音がいっそう安定しているとも言われています。
■おことわり■
交響曲第7番の初出盤、フランスのEMIのFALP576は第1楽章の211〜216小節が欠落のまま初回プレス分が出荷され、これは当時の雑誌にも指摘されていました。このテスト・プレスも欠落がありますが、いくらオリジナルとはいえ、6小節の欠落のまま復刻するのは鑑賞上適切ではないと判断し、このディスクではその欠落部分を通常プレスのFALP盤で補っています。とはいえ、普通に聴いていれば違和感を感ずることは全くありません。
■解説書の内容■
ベートーヴェン全集の録音に関する文献を二種類(翻訳と当時の雑誌記事)掲載いたします。(以上、平林直哉)

※制作上の都合により原則として初回完全限定プレスとなります。
GS-2046
フルトヴェングラー・シリーズ第23弾
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番*
交響曲第7番
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
トリノ・イタリアRSO*、BPO

録音:1952年3月3日トリノ*、1943年10月31日-11月3日ベルリン・旧フィルハーモニー
使用音源:Private-Archive、Melodiya-D-027779/80
※*=世界初出
■世界初出となる「レオノーレ」序曲第3番について
 このディスクに収録された1952年3月3日、トリノ・イタリア放送交響楽団とのベートーヴェンの「レオノーレ」序曲第3番は“世界初出”音源です。この演奏はデータ上では過去に国内ではキングレコード、海外ではCetra、Urania、Andromeda、Mytoなどからすでに出ていることになっていますが、中身の演奏はすべて1950年7月13日、アムステルダム・コンセルトヘボウとのものであり、単に誤記がそのまま定着していただけでした。ところが、このたびイタリアより入手した音源は表記と中身が一致する初めてのものであり、まさにファン待望の発売です。当時のイタリアではまだアセテート盤による収録だったようですが、音質は予想以上にしっかりしていて鮮明であり、著しく劇的なフルトヴェングラーの解釈を心ゆくまで堪能出来ます。
■GSシリーズ初のメロディア盤復刻
 組み合わされた交響曲第7番は戦時中の演奏で、メロディア/ユニコーン系音源としてはあまりにも有名です。復刻に使用したのは最初期のメロディア盤で、そのLPに刻まれた情報を限りなく忠実に再現しています。なお、GSシリーズでのメロディア盤復刻は初めての試みとなります。また、このディスクは2002年にCDRレーベル(Serenade SEDR-2008/廃盤)で発売したものの流用ではなく、全くの新マスタリングです。
■交響曲第7番の欠落について
 オリジナルのメロディアLPには第4楽章の冒頭に欠落があることが知られています。これまでは再現部をコピーしたり、あるいは“新発見”とされる音源を加えて修正を施したものが多数出ていますが、歴史的な事実を忠実に復刻するという観点から、このディスクではあえて修正を加えずに復刻しています。(以上、平林 直哉)
GS-2047
ブルックナー:交響曲第5番(改訂版) ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO

録音:1956年6月3-6日、ウィーン、ゾフィエンザール(ステレオ)
使用音源:London(U.S.A.) LCL80103(オープンリールテープ/19センチ、4トラック)
■制作者より
 GSレーベルでは今回から音源によりオープンリールテープの復刻も開始します。その第1弾はクナッパーツブッシュ指揮、ウィーン・フィルによるブルックナーの交響曲第5番、1956年、英デッカのステレオ録音です。オープンリールテープはLPとは違い基本的にプチパチ・ノイズはなく、内周の歪みもありません。空間的な再現能力はLPよりも上回っていると言われ、今でも一部には熱烈なオープンリール・ファンが存在します。 この演奏は悪名高い改訂版を使用しているため、昨今の原典版ブームに押されてか、近年では過去の遺物のように扱われる傾向がなきにしもあらず。しかし、このオープンリールテープから復刻した太くて柔らかく、かつ非常に艶やかな音質で聴けば、クナッパーツブッシュの演奏は版の良し悪しを完全に超えた域にあることが再認識されるでしょう。
■解説書の内容
 「なぜ、オープンリールテープからの復刻なのか?」、テープからの復刻に至った制作者による手記を掲載します。その他、クナの珍しいプログラムも掲載します。(以上、平林 直哉)
GS-2048
ブラームス:交響曲第1番
シューベルト:交響曲第8番「未完成」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1952年2月10日、ベルリン、ティタニア・パラスト、【モノラル(ライヴ)】
使用音源: Deutsche Gram mophon (U.S.A.) 2530 744A ( オープンリールテープ、19 センチ、4トラック)
Deutsche Gram mophon(Germany) 2535 804 (LP)*
オープンリールテープからの復刻第1弾として発売したクナッパーツブッシュ指揮、VPOのブルックナーの交響曲第5番(GS-2047)は「音がとても柔らかい」「無理なく音が出ている」と好評を得ました。そのオープンリール復刻第2弾はフルトヴェングラー指揮、BPOのブラームスの交響曲第1番です。オープンリールテープは主としてオーディオ・マニア向けとして販売されていたので、もともとモノラル音源はそれほど多くはなく、ドイツ・グラモフォンから発売されたフルトヴェングラーのオープンリールもこのブラームスしか存在しません。これは1976〜78年頃に発売されたと推測されるもので、その音作りもいかにもアナログ全盛時代にふさわしく腰のある力強い響きが特色です。なお、ブラームスと同じ日に演奏されたシューベルトの「未完成」はテープでの発売がないため、LPからの復刻となります。
■解説書の内容
制作手記、および当日の貴重なプログラムほか、フルトヴェングラーの珍しい写真を掲載しています。(以上、平林 直哉)
(なお、制作上の都合により原則として初回完全限定プレスとなります。)

GS-2050
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
フリッツ・ライナー(指)CSO
録音:1957年4月19日、1955年2月21-22日* シカゴ、オーケストラ・ホール
使用音源:RCA(U.S.A.)
DCS-64、ECS-4*(オープンリール・テープ、19センチ、2トラック)
■制作者より
 メンデルスゾーン&ベートーヴェン(GS2057)に続く、ハイフェッツのオープンリール・テープ復刻の第2弾です。前作GS2057ではメンデルスゾーンのみ4トラック・テープからの復刻でしたが、今回のチャイコフスキー&ブラームスは2曲ともにセミ・プロ仕様の2トラック・テープを素材としています。ハイフェッツの音は「固い、冷たい」とよく言われますが、その印象を大きく変えてくれるのがこの復刻盤です。
■解説書の内容
 現在、多方面で活躍中のヴァイオリニスト、漆原朝子さんに「ハイフェッツのこと」を寄稿していただきました。ヴァイオリニストならではの、たいへんに興味深いエッセイです。(以上、平林直哉)
GS-2052
ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調「新世界より」 ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1959年2月14日、16日、20日、アメリカン・リージュン・ホール、カリフォルニア
使用音源:Columbia(U.S.A.)/LMB59(オープンリールテープ/2トラック、19センチ)
録音方式:ステレオ(セッション)
■制作者より 
ステレオ初期時代、ワルターのオープンリールテープはある程度のカタログが揃っていましたが、それらのほとんどすべては普及型の4トラック、19センチのものでした。その中でこの「新世界より」は唯一のセミ・プロ仕様の2トラック、19センチで、まれにオークション等に出ると争奪戦になる希少品です。しかし、希少性もさることながら、より安定感のある2トラック・テープの音は格別で、その情報量の豊かさは破格です。この「新世界より」はワルターのステレオ録音の中でも地味な存在ですが、この音で聴けば評価が大きく変わることが予想されます。とにかく、一度耳にして欲しいものです。(平林 直哉)
■解説書の内容 ワルター存命当時に書かれた文献で、ステレオ・セッションの模様を伝える部分を邦訳して掲載します。たいへんに貴重な資料です。(制作上の都合により原則として初回完全限定プレスとなります。)
GS-2053
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」*
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1951年11月6日カーネギー・ホール(モノラル)、1953年1月26日カーネギー・ホール(モノラル)*

使用音源:RCA(U.S.A.)CC-8、CC-16* (2トラック、19センチ、オープンリールテープ)
■制作者より
1950年代、トスカニーニのオリジナル・モノーラルによるオープンリールテープはわずか数点しか発売されませんでした。これらはすべてセミ・プロ仕様の2トラック・テープですが、これが予想を完全に超えた音です。演奏者の汗や松ヤニが飛び散り、床は激しく振動し、シンバルの細かな破片さえ目に見えるほどです。オリジナル・マスターからのCDが多数発売されている状況においては、こうした古いテープからの復刻盤は原理的に言えば必要のないものと言えます。しかし、このディスクのように最低限の加工しかしていない音は、過去に出た物と大きく印象が異なります。いずれにせよ、文句を言うのであれば、一度は聴いてからにして欲しいものです。
■解説書の内容 トスカニーニに対する個人的な想い出を、制作者自身が記しています。また、珍しい写真も掲載します。(以上、平林 直哉)
GS-2054
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 レナード・バーンスタイン(指)NYO

録音:1959年10月20日、ボストン、シンフォニー・ホール(ステレオ)
使用音源:コロンビア(U.S.A.)、MQ375(オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
■制作者より
1959年8月、バーンスタインとニューヨーク・フィルは約8週間に渡るヨーロッパ・ツアーに出かけました。その途次である9月11日、モスクワで演奏されショスタコーヴィチの交響曲第5番は作曲者自身から大絶賛され、このニュースはたちまち全米を駆けめぐりました。10月に帰国した指揮者とオーケストラは、その熱狂と興奮をそのままに、わずか1日でこのディスクの演奏をセッション収録しました。演奏そのものは、とてもセッションとは思えないほど燃え燃えたものですが、このディスクではその雰囲気が驚くほど生々しく再現されています。また、このディスクとほぼ同時に、上記のツアー途中で行われた8月16日のザルツブルク公演がオルフェオより発売されますが、それとの比較も興味が尽きないでしょう。
■解説書の内容
大のバーンスタイン・ファンで知られるスポーツ・ライター、小説家の玉木正之さんに、バーンスタインとこの演奏に対する思いをたっぷりと書いていただきました。(以上、平林直哉)
GS-2055
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
交響曲第5番「運命」*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1958年1月13日,15日,17日カリフォルニアアメリカン・リージュン・ホール
1958年1月27日,30日カリフォルニア・、アメリカン・リージュン・ホール(以上ステレオ)
使用音源:コロンビア(U.S.A.) MQ370、MQ369* (オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
■制作者より
「田園」は初期LP、米コロンビア MS 6012からの復刻CD、GS-2035(廃盤)を制作しましたが、これはまたたく間に完売してしまいました。その後、再プレスのご要望も多々あり、それも検討していました。しかし、今年に入って入手したオープンリール・テープの方がより良い結果が得られると判断、GS-2035は再プレスせず、2010年に発売可能となった第5番も組み合わせ、新復刻とさせていただきました。GS-2035の「田園」は初期LPらしい芯のしっかりした柔らかい音でしたが、テープ復刻による「田園」はテープ・ヒスが多少耳につくものの空間的な再現能力に優れ、スクラッチ・ノイズもありません。従って、両復刻盤とも音の傾向が異なるので、すでにGS-2035をお持ちの方でもこの新復刻を買い足す価値はあると思います。一方の第5番「運命」ですが、しばしば「ワルターのベートーヴェンは偶数番号」と言われるように、第6番「田園」ほど、注目されていないのが実状でしょう。ですが、この音でお聴きになれば、きっとその先入観は覆されるでしょう。まさに「目からうろこ」です。
■解説書の内容
アメリカの音楽評論家、ロバート・ローレンスがワルターのベートーヴェン交響曲全集発売に際して書いた論評から、第5番、第6番に関して触れている箇所を抜粋して転載します。
■おことわり
このディスクは非常に鮮明な音に仕上がっているため、たとえば第5番の第4楽章9分06秒付近のような編集箇所がはっきりと聴き取れる場合があります。これはオリジナルのままであり、既存のLP、CDにも確認出来るもので、当CDの製造段階で起きた事故ではありません。(以上、平林直哉)
GS-2056
フルトヴェングラー・シリーズ第25弾
(1)モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
(2)ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:(1)1948年12月7&8日、1949年2月17日/(2)1950年、1月18&19日ウィーンムジークフェライン・ザール*
使用音源:(1)Electrola(Germany)DB6997/9 (マトリックス番号:2VH7110-2、7111-2、7112-4、7113-6、7114-1、7115-1)
(2)Electrola(Germany)DB21106/10 (マトリックス番号:2VH7180-1A、7181-1A、7182-1A、7183-1A、7184-1A、7185-1A、7186-1A、7187-1A、7188-1A、7189-1B)

※SP盤(78回転)からの復刻ですので、SP特有のノイズが混入します。
■制作者より
フルトヴェングラーが戦後にHMVへSP録音(78回転)したものは、本国イギリス以外ではオランダ、オーストリアなどのごく一部の国でしかプレスされていません。ところが、このたびその存在さえ知られていなかった2曲のドイツ・エレクトローラ盤SPを入手、世界で初めて復刻します。このドイツ・エレクトローラ盤はイギリスHMV盤のような高域のノイズはなく、復刻には適した素材です。まず、モーツァルトの方は有名なオールセンのディスコグラフィにも指摘されているように、世界中に流布しているLP、CDのほとんどすべてにおいて第3楽章冒頭に一瞬の欠落があります。これはSP原盤からLP用マスターを制作した際のミスですが、もちろん当CDにはそのような欠落はありません。一方、ベートーヴェンの第7はイギリス・プレス盤SPですら稀少と言われており、このドイツ・エレクトローラ盤はまさに“幻”です。また、良く知られているように第7番のLP、CD用マスターには第4楽章に女性の声のノイズが入っており、この原盤が今もなお世界中で使用されています。SP原盤にはそうしたノイズは混入しておらず、当CDにもそうしたノイズは含まれません。戦後のSP盤ゆえに戦前の全盛期ほど盤質は良くありませんが、その稀少性は熱心なフルトヴェングラー・ファンには強く訴えかけるものと思われます。
■解説書の内容
2曲の録音データ、およびその周辺の事情をきっちりと整理し、フルトヴェングラー・マニアのニーズに応えます。また、チェリスト、ピエール・フルニエのフルトヴェングラー追悼文は感動的です。(以上、平林直哉)
GS-2057
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

録音:1959年1月23日-25シカゴ・オーケストラ・ホール、1955年11月27日、28日ボストン・シンフォニー・ホール*
使用音源:RCA(U.S.A.) - FTC 2046(19センチ/4トラック・オープンリール・テープ)、
FCS 24(19センチ/2トラック・オープンリール・テープ)*
■制作者より
GSレーベル初の器楽奏者の復刻は、ヴァイオリンの王者ヤッシャ・ハイフェッツです。使用した素材は1950年代から60年代に発売されたオープンリールで、その音は既存のCD等とは印象が大きく異なります。残念ながらメンデルスゾーンの方は普及型の4トラックでしか発売の実績がなく、このテープからのリマスターとなりますが、それでもその情報量の多さは十分に実感出来ます。ベートーヴェンの方はメンデルスゾーンよりも4年前の録音ですが、2トラックのテープを使用しているため、より密度の濃い、柔らかく繊細な音色で再現されます。
■解説書の内容
これらのLPが発売された頃の雑誌の批評を一部引用します。また、ハイフェッツの珍しい写真も掲載します。
■お知らせ
ハイフェッツによるチャイコフスキー、ブラームスのヴァイオリン協奏曲(RCA、ステレオ録音)も近々発売を予定しています。この2曲はともに19センチ、2トラックのオープンリール・テープからの復刻です。(以上、平林直哉)
(古いテープより復刻しており、わずかな音揺れや細かいノイズが混入しています。)
GS-2058
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
序曲「シュテファン王」
オットー・クレンペラー(指)
フィルハーモニアO

録音:1959年10月22日-24日EMI第1スタジオ(ステレオ・セッション)、1959年10月28日-29日EMI第1スタジオ(ステレオ・セッション)
使用音源:米Angel L35843(オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
■制作者より
 クレンペラーがEMIに残したステレオによるベートーヴェン交響曲全集はあまりにも有名な名盤ですが、その中でも特に傑出していると言われているのが第5番と第7番です。今回復刻に使用した19センチ、4トラックのオープンリール・テープは幸運なことに保存状態が非常に良好で、テープの宿命とも言えるテープ・ヒスも極めて少なく、あたかもオリジナル・マスターから復刻したような新鮮さと艶やかさで蘇ります。
■解説書の内容
 若きウィリアム・スタインバーグはクレンペラーのアシスタントを務めていましたが、その時の回想録「私はクレンペラーにクビを切られた」の一部を抜粋し、掲載します。(以上、平林 直哉)
GS-2059
チャイコフスキー:交響曲第4番 エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO

録音:1960年9月14日、15日、ロンドン・ウェンブリー・タウン・ホール
使用音源:Deutsche Gram mophon (Germany) SLPM 138657(LP)
■制作者より
ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルが1960年秋、ヨーロッパでの演奏旅行中に収録したチャイコフスキーの後期3大交響曲は、あまりにも有名な演奏です。当レーベルではいよいよその第1弾、交響曲第4番に着手します。これは初期LPからの復刻となりますが、いつもの通り初期盤に刻まれた情報を限りなく忠実に復刻しています。なお、当レーベルでは残りの2曲も発売を予定していますが、1曲ずつCD1枚に収録し、既存のCDのように2枚のCDに分かれないようにします。
■解説書の内容
ムラヴィンスキーのチャイコフスキー第4番の総ざらい、この第4番と同時に収録されたロジェストヴェンスキーらの録音スケジュール、さらにはムラヴィンスキーの幻の日本公演プログラム(1958年)など貴重な資料を掲載します。(以上、平林直哉)

GS-2060
ブラームス:交響曲第1番*
大学祝典序曲#/劇的序曲##
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO
イスラエル・ベーカー(Vnソロ)

録音:1959年11月25日*、1960年1月16日#*、1960年1月8日##
カリフォルニア、アメリカン・リージュン・ホール、ステレオ
使用音源:Columbia (U.S.A.) MQ337*#、MQ373##(オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
※マックルーアの解説付き
■制作者より 
GSレーベルでは、いよいよワルター指揮コロンビア交響楽団によるブラームスの交響曲全集を発売します。復刻の素材はすべて19センチ、4トラックのオープンリールで、豊かな空間的広がりを持つテープの音質を忠実に再現します。
■解説書の内容 
ワルターのステレオ録音の立て役者のひとりに、プロデューサーのジョン・マックルーアがいます。彼はアメリカ「ハイ・フィデリティ」誌の1964年1月号にワルターの追悼記事を寄稿していますが、これにはワルターとの出会い、理想的な録音会場探しと優秀な楽団員の確保、一番最初のセッションへの不安、録音現場の雰囲気と音楽作りの方法、ワルターの人間性などが実に克明に記されています。これはワルターを知るためには最も重要な文献のひとつであり、ワルターの演奏と同等の価値を持つと言っても過言ではありません。このマックルーアの記事「ブルーノ・ワルターのリハーサル−その教訓と喜びと」は1964年3月に発売されたハイドンの交響曲第88番「V字」、同第100番「軍隊」のLP(日本コロムビア OS-307)のジャケットに全文の邦訳が掲載されていましたが、このCDを制作するにあたり著者マックルーアおよび訳者掛下栄一郎の両氏の許諾を得て転載します。なお、この交響曲第1番(GS-2060)ではワルターの出会いから最初のセッションまでの部分を掲載し、後半部分は交響曲第2番+第3番(GS-2061発売予定)に掲載します。また、マックルーア氏によると、交響曲第1番の第2楽章のヴァイオリン・ソロは、ハイフェッツとの室内楽の録音でも知られる名手イスラエル・ベーカーとのことで、それを明記したディスクは恐らく初めてのことと思われます。(以上、平林 直哉)

GS-2061
ワルターのブラームス全集の第2弾
交響曲第3番ヘ長調Op.90
交響曲第2番ニ長調Op.73*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1960年1月11日&14日、1960年1月27日&30日、
以上、アメリカン・リージュン・ホール(共にステレオ)
使用音源:Columbia (U.S.A.)-MQ323
MQ371*(オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
■制作者より 
ワルター&コロンビア響によるブラームス交響曲全集の第2弾です。復刻に使用した素材は前回同様19センチ、4トラックのオープンリール・テープです。テープ・ヒスは多少ありますが、原テープに記録された瑞々しい音を忠実に復刻しています。
■解説書の内容 
前回の交響曲第1番ほか(GS2060)に続き、当時のプロデュサーであったマックルーアの手記「ブルーノ・ワルターのリハーサル〜その教訓と喜びと」(その2)を掲載します。(その1)ではワルターの出会いから最初の録音セッションが開始された経過に触れられていますが、今回は実際の録音現場の模様が記されており、いよいよ核心部分へと迫ります。いずれにせよ(その1)と(その2)をあわせて読んでいただければ、この文章がワルターの芸術とその人間性を見事に浮き彫りにしていることが実感されると思います。(以上、平林直哉)

GS-2062
ブラームス:交響曲第4番
ハイドンの主題による変奏曲*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1959年2月2,4,6,12,14日、1960年1月18&30日* 以上、アメリカン・リージュン・ホール
使用音源:Columbia(U.S.A.)、MQ323、MQ371* (オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
■制作者より
当ディスクでオープンリール・テープ復刻によるワルター&コロンビア交響楽団のブラームスの交響曲全集が完結します。今回は4曲中では特にワルターらしい名演と誉れの高い交響曲第4番がメインで、まさにファン待望でしょう。また、表紙に使用した写真は1950年に作製されたネガから直接現像したものを使用しています。当時の古いネガを現像出来るラボは東京都内にもわずか一箇所しか存在せず、今回、このCD用として特別に現像していただきました。
■解説書の内容
1960年、交響曲第4番の国内初出時の宇野功芳氏の批評を、ご本人の許諾を得て掲載します。文章としては多少ぎこちない箇所もありますが、やはり最大の魅力はこの名演を初めて聴いた時の感動が読み手にひしひしと伝わることです。時に、宇野氏30歳のものです。(以上、平林 直哉)
GS-2063
ベートーヴェン:交響曲第8番
交響曲第3番「英雄」*

■ボーナス・トラック
ベートーヴェン:交響曲第8番〜第1楽章(オリジナルFALP572/第1楽章251〜252小節に欠落あり)
カール・シューリヒト(指)パリ音楽院O

録音:1957年5月7、10日、1957年12月18,20,23日* パリ・サル・ワグラム
※使用音源:EMI(France) -FALP572、
FAL574*(片面テスト・プレス)
■制作者より
2010年に発売したシューリヒト指揮、パリ音楽院管弦楽団の片面テスト・プレスLP復刻、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」&第7番(GS-2045)は非常に好評でしたが、今回はその第2弾である交響曲第8番&第3番「英雄」です。前回と同じ説明になりますが、このテスト・プレスはマスターが完成したあとに一番はじめにカッティングされたものであり、しかも片面が未収録のために平面になっています。従って、原理的には最も新鮮であり、かつ安定した再生音を得られます。 
■ボーナス・トラックと解説書にについて交響曲第8番はフランス、イギリスで初発売された際、第1楽章に欠落が含まれたままでした。これはその後修正されて再発売されましたが、その歴史的事実を記録しておくために、この欠落をあえて付録としました。また、解説書にはシューリヒトの数少ない貴重なインタビューの中から、このベートーヴェンのセッションに関する部分を抜粋して掲載します。(以上、平林直哉)

GS-2064
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」組曲
シューベルト(ヴェニンガー編):軍隊行進曲Op.51-1
ウェーバー(ベルリオーズ編):舞踏への勧誘
ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲*
ロッシニーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲#
R・シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」+
ハンス・クナッパーツブシュ(指)VPO
オデオン大SO*、
ミュンヘン国立歌劇場O#、
ベルリン国立歌劇場O+

録音:1960年2月15日-17日、ウィーン、ゾフィエンザール(ステレオ)
1933年4月21日、1928年12月、
1928年9月4日、5日(モノラル)

使用音源:Decca(U.K.)SXL2239、
Odeon(Germany)O-11875(Be10316/7)*、Homocord(Geramny)4-8942(M52604/5)#、Odeon(Germay)O-6772/3(XXB8162/8163/8164/8165-2)+
■制作者より
クナッパーツブッシュのステレオ復刻第5弾は「ポピュラー・コンサート」で、これは英デッカの初期LPからの復刻です。いつものように初期LPに刻まれた情報を最忠実に再現します。また、ボーナス・トラックにはSP時代の怪演奏を収録します。超スロー・テンポの「ルスランとリュドミラ」、とぼけた味わいの「ウィリアム・テル」、そして途中でオーケストラがメチャクチャになる「ティル」など、クナの個性が強烈です。
■解説書の内容
元NHK交響楽団の首席トランペット奏者、北村源三氏はウィーンに留学している時、クナッパーツブッシュ指揮、ウィーン・フィルの演奏に接しています。その時の模様や、カラヤン、クリップス、ベームなどの思い出を存分に語っていただいています。その当時のウィーンの空気がよく伝わってくる貴重な証言です。(以上、平林直哉)
GS-2065
ワーグナー:「ローエングリン」第1幕前奏曲、
 「タンホイザー」序曲#
リスト:交響詩「前奏曲」##
R・シュトラウス:4つの最後の歌*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO、フィルハーモニアO*
キルステン・フラグスタート(S)*

録音:1954年3月4-5日、1952年12月2-3日#、1954年3月3-4日## 以上ウィーン・ムジーク・フェラインザール、
1950年5月22日ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホール*

使用音源:HMV(U.K.)HTA-16(オープンリール・テープ、2トラック、19センチ)、アセテート盤(番号なし)*
録音方式:モノラル(セッション、ライヴ*)
■制作者より 
ステレオ初期時代、英HMVから発売されたフルトヴェングラーのオリジナル・モノラルのオープンリール・テープはカタログ数が限られているだけではなく、中古市場でも極めて稀少です。ところが、今年に入ってその幻のテープを初めて入手、その再生音に驚愕しました。従って、わずか3曲ではありますが、ノイズ・リダクションを使用しないテープの音がいかに生々しいか、それを実感していただくために急きょ発売を決定しました。
■ボーナス・トラックについて 
1950年5月22日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたR.シュトラウスの「4つの最後の歌」の世界初演は、これまでいくつかのレーベルで発売されています。元となるアセテート盤には2箇所(〈眠りにつくとき〉の最終和音、〈夕映えに〉の最後7小節)に欠落があり、さらに第3曲目〈春〉にのみ拍手が入っていますが、既存のすべてのLP、CDはこうした欠落を補修するとともに、拍手の位置を入れ替えたり追加したりして、当日の雰囲気を再現しようとしています。しかし、当ディスクではオリジナルのアセテート盤に記録された音を「全く修正せず、あるがまま」復刻いたしました。(以上、平林直哉)

GS-2066
チャイコフスキー:交響曲第5番Op.64
交響曲第5番〜第3楽章*
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO、モスクワRSO*

録音:1960年11月9、10日、ウィーン・ムジークフェラインザール(ステレオ)、1948年(モノラル)*
使用音源:独DG SLPM-138658
Melodiya 16417/8 (マトリックス番号:16417/3-4,16418/4-4)*
■制作者より
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのチャイコフスキーの後期3大交響曲、第4番(GS-2059)に続き、今回はいよいよ第5番です。ムラヴィンスキーが指揮したこの曲の全曲録音は現在16種類も存在が確認されていますが、当録音はいまだにその最高峰と言われているものです。しかし、特にCD時代になってからはこの第5番は2枚のディスクにまたがってカッティングされる場合がほとんどで、それが一部のファンには不満だったようですが、このシリーズではそうした声をふまえて1枚のディスクに収録しました。音については従来通り、初期LPに刻まれた情報量を限りなく忠実に再現しています。また、ボーナス・トラックとして世界初CD化となるモスクワ放送交響楽団とのSP録音(第3楽章のみ)を収録します。なお、同じムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルの交響曲第6番「悲愴」は2012年発売予定。
■解説書の内容
ムラヴィンスキーは4度も日本を訪れ、日本のことを非常に気に入っていました。しかし、彼はもともと社交的な性格ではなく、ごく一部の限られた人にしか会うことを好みませんでした。従って、ムラヴィンスキーと直接会話を交わしたり、サインをもらったりした人はほとんど知られていません。そのような状況で、幸運にもムラヴィンスキーから直接サインをもらった方がいましたが、今回はその方に当時の貴重な思い出を書いていただきました。さらに、この録音はイギリス、オーストリアへの演奏旅行中、ウィーンで収録されましたが、そのツアーのメンバー表も掲載します。(以上、平林直哉)

GS-2067
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO
ウェストミンスターcho
エミリア・クンダリ(S)
ネル・ランキン(Ms)
アルバート・ダ・コスタ(T)
ウィリアム・ウィルダーマン(Br)

録音:1959年1月19,21,26,29,31日カリフォルニア・アメリカン・リージュン・ホール(第1.第3楽章)、1959年4月6,15日・ニューヨーク(第4楽章) ステレオ(セッション)
使用音源:Columbia(U.S.A.) M2Q-511
オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
■制作者より
当レーベルではこれまでオープンリール・テープ復刻によるワルター指揮のベートーヴェンの交響曲第6「田園」+第5番「運命」(GS2055)、ブラームスの交響曲全集(GS2060〜62、各分売)を発売しましたが、それ以降にファンから復刻の希望が多数寄せられたのはベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」でした。最近ようやく状態の良い第9のテープが入手出来ましたので、このたび満を持して復刻します。
■解説書の内容
 特に第4楽章については収録日や場所について諸説ありますが、その周辺の情報を洗い直しています。また、コロンビア交響楽団は録音時にどの程度の人数だったのかは一般的に知られていませんが、その点に関して当時のプロデューサー、マックルーアから資料を提供されましたので、それを特別に掲載します。(以上、平林直哉)

GS-2068
モーツァルト:交響曲第40番
ブラームス:交響曲第1番*
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)VPO

録音:1959年3月27、28日、1959年3月23、26日*、ウィーン、ゾフィエンザール
使用音源:RCA(U.S.A.))/FTC 2080、FTC2074* (共にオープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
■制作者より
録音当時、上昇気流に乗ったカラヤンの若々しい覇気の溢れる演奏を、オープンリール・テープから復刻しました。カラヤンの指揮もさすがですが、この頃のウィーン・フィルのしたたるような美音はまた格別の味わいがあります。
■解説書の内容 このディスクの録音が行われた年の春、カラヤンはウィーン・フィルと初来日を果たしましたが、この時、彼らと行動を共にした故福原信夫氏の貴重な報告記事をご遺族の了解を得て全文掲載します。カラヤンの人間性や、当時の空気が非常に良く伝わってくる貴重な文献です。(以上、平林直哉)

GS-2069
マーラー:大地の歌 ブルーノ・ワルター(指)NYO
ミルドレッド・ミラー(Ms)
エルンスト・ヘフリガー(T)

録音:1960 年4 月18、25 日、ニューヨーク、マンハッタンセンター
使用音源:CBS SONY(Japan)
SONT 12095 ( オープンリール・テープ、19 センチ、4トラック)
■制作者より
ワルターが初演した「大地の歌」はデッカのモノラル録音があまりにも有名ですが、このステレオによる再録音も、ワルターの遺産の中では最も重要 なもののひとつです。その演奏をオープンリール・テープより復刻しましたが、今回のCD 化に際し、オリジナル・プロデューサーのジョン・マックルー ア氏より最新のメッセージを頂戴しました。短いながらも、録音現場にいた人でなければ得られなかった貴重な証言です。  また、この録音はニューヨーク・フィルとの公演の合間に録音されましたが、その周辺の状況について徹底検証しています。(平林 直哉)
GS-2070
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
リスト:交響詩「前奏曲」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1952年11月26、27日、1954年3月3-4日*、
以上、ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源:EMI(Japan) AXA 3043(19センチ、4トラック)
録音方式:ステレオ(モノラルを人工的にステレオ化)
制作者より 
1960年代から70年代はじめ頃、国内の店頭ではフルトヴェングラーのLPはオリジナルのモノラル盤よりも疑似ステレオ盤の方がごく普通に陳列されていました。従って、多くの人はこの疑似ステレオ版でフルトヴェングラーの演奏を楽しんでおり、制作者自身もその例外ではありませんでした。最近では疑似ステレオという言葉すら絶滅したと言っても過言ではありませんが、当時はモノラルよりも聴きやすいという批評も少なからずありました。制作者としてもこの疑似ステレオ版はコレクションの本道とは考えていませんが、この音を懐かしむファンが意外に多く存在するという事実を知り、CD化を決断しました。この疑似ステレオ版の続編は今のところ全く予定していませんが、ご要望が多いようであれば検討致します。(平林 直哉)
GS-2071
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音: 1953 年2 月2 日、 1954 年2 月28 日、カーネギーホール
使用音源: RCA(U.S.A.) TC 7 オープンリールテープ、19 センチ、2トラック)
RCA(Grmany) AT 101 (LP)*
■制作者より
 ドヴォルザークの「新世界より」はRCA初期のオリジナル・モノラルの2トラック・オープンリールを復刻の素材としました。いつも通り、わずかな微調整を除き、オリジナルの音を可能な限り忠実に再現しました。一方の「イタリア」はテープでの発売実績がないのでLPからの復刻となります。当初はRCAの初出LP、LM-1851を数種類入手して試してみましたが、思うような結果を得られませんでした。その後、試行錯誤をし、再生状態の良好なドイツRCA(1970年頃発売)のLPを復刻の素材として使用しました。
■解説書の内容
 1956年の『プレイバック』誌に掲載された岡俊雄著「その後のトスカニーニ」をご遺族の許諾を得て転載しました。内容は引退後のトスカニーニの生活を追ったものです。その当時、トスカニーニ邸にはトスカニーニ自身の演奏を収めたテープが大量に運び込まれ、トスカニーニがそれらを日々聴いて、発売可能かどうかの判断を行っていたようです。あまり知られていない、非常に興味深いものです。(以上、平林 直哉)

GS-2072
クナッパーツブッシュ・コンダクツ・ワーグナーU
ワーグナー
:楽劇「トリスタンとイゾルデ」*〜前奏曲/愛の死/1幕第3場「イゾルデの物語と呪い」
ヴェーゼンドンクの歌
楽劇「ローエングリン」〜エルザの夢
楽劇「ワルキューレ」〜館の男たち/あなたこそ春です
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO
ビルギット・ニルソン(S)*
グレース・ホフマン(Ms)
キルステン・フラグスタート(S)

録音: 1959 年9 月22-25 日*、
1956 年5 月13 -15 日、以上ウィーン、ゾフィエンザール
使用音源:Decca (U.K.) SXL 2184*
Decca (U.K.) SDD 212(以上、LP)ステレオ
■制作者より 
「クナッパーツブッシュ・コンダクツ・ワーグナー」(GS2036)に続く第2弾です。ニルソンとの「トリスタンとイゾルデ」は、かねてから復刻の要望が多かったもので、今回それがようやく実現しました。また、時間の関係上、後半にはフラグスタートとのアリア等も収録しました。復刻に使用したLPはともに最上の保存状態のものを選択、一部ノイズを除去した以外は音質の補正等は一切行わずにCD化しました。
■解説書の内容 
1965年、クナッパーツブッシュが他界したあとに追悼文として書かれた大町陽一郎氏による「クナッペルツブッシュの思い出」を、著者ご本人の許諾を得て転載しました。「クナッパーツブッシュ・ディスコグラフィ」(吉田光司著)の中に、この大町氏の記事について「日本人が書いたクナッパーツブッシュに関する文章の中で最も優れたものの一つ」とあるように、クナッパーツブッシュの実演や練習に何度も接した人でなければ書けない内容です。言いかえれば、この貴重な記事を復刻・転載するために当CDを企画したと言っても過言ではありません。(以上、平林 直哉) (Ki)
GS-2074
(1)シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
(2)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
(3)ヴィターリ:シャコンヌ(レスピーギ編/ヴァイオリンとオルガンのための)#
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)

グレゴール・ピアティゴルスキー(Vc)*
ワルター・ヘンドル(指)CSO
アルフレッド・ウォーレンシテイン(指)RCAビクター協奏曲#
リチャード・エルザッサー(Org)#

録音:(1)1959年1月10-12日シカゴ・オーケストラ・ホール
(2)1960年5月19-20日ハリウッド・パブリック・スタジオ・サウンドステージ9
(3)1950年8月4日ハリウッド・リトル・ブリッジス・ホール

使用音源:(1) RCA (U.S.A.) FTC 2011 ( オープンリール・テープ、4トラック、19 センチ)
(2)Private archive ( オープンリール・テープ、2トラック、38 センチ)
(3) RCA (U.S.A.) LM 2074 (LP)
録音方式:(1)(2)=ステレオ/セッション、(3)=モノラル/セッション
■制作者より 
大好評のGS2050(チャイコフスキー、ブラームス)、GS2057(メンデルスゾーン、ベートーヴェン)に続く、ハイフェッツのオープンリール・テープ復刻の第3弾です。シベリウスは4トラック、19センチの市販のテープを使用していますが、ブラームスの二重協奏曲はマスター・テープからプライヴェートにコピーされた2トラック、38センチのテープを使用しています。このプライヴェート・コピーはエコー処理をする前のものらしく、いささかデッドな音質ですが、異様に生々しい雰囲気が出ています。また、このテープには録音開始を告げるアナウンスが入っていますが、それもカットせずに収録しました。ボーナス・トラックにはハイフェッツ唯一の正規録音であるヴィターリを収録しました。演奏内容はハイフェッツの録音の中でも特に傑出していると言われていますが、単独のCDでは入手しづらいというリクエストにこたえて収録しました。これのみモノラルLPからの復刻です。
■解説書の内容
1946年、ジャーナリスト、スザンヌ・マコノヒーが書いた「ハイフェッツ:ヴァイオリンの天才」を翻訳して掲載します。ハイフェッツはマスコミ嫌いで知られており、特にハイフェッツの存命当時に記された文献は希少です。(以上、平林 直哉)

GS-2075
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
ショーソン:交響曲変ロ長調Op.20*
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲#
ポール・パレー(指)デトロイトSO
マルセル・デュプレ(Org)
録音:1957年10月12日、フォード・オーディトリアム
1956年3月24日、旧オーケストラ・ホール*
1955年12月3、4日、旧オーケストラ・ホール#
録音方式:ステレオ(セッション)

使用音源:Mercury (U.S.A.)STC-90012 ( オープンリール・テープ、4トラック、19 センチ)
MDS5-26 ( オープンリール・テープ、2トラック、19 センチ)
MBS5-8 ( オープンリール・テープ、2トラック、19 センチ)
■制作者より
大好評の「パレー/フランス管弦楽曲集」(GS2051)に続くオープンリール・テープ復刻の第2弾です。今回の内容は、マルセル・デュプレがオルガンをつとめたサン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」、ショーソンの交響曲、そしてドビュッシーの牧神の午後への前奏曲です。今回もテープの持つのびやかな音質をたっぷりと味わえます。
■解説書の内容
GS2051に続き沼辺信一氏にたいへんに充実した解説を書き下ろしていただきました。また、テープのバックカードに記載されていたテクニカル・ノートの全訳も掲載しており、まさに読みごたえたっぷりです。(以上、平林直哉)
GS-2076
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1952年12月7日、ベルリン、ティタニア・パラスト
使用音源:Private archive
録音方式:モノラル(ライヴ)
■制作者より
フルトヴェングラー指揮、ベルリン・フィルの「英雄」は3種類のライヴが存在しますが、その中でも最高と言われるのが1952年12月7日の ライヴです。このたび復刻に使用したテープは音質が明瞭であるばかりではなく、楽章間のインターバルをすべて含めたもので、その場の雰囲気が 生々しく伝わってきます。
■解説書の内容
フルトヴェングラーの存命時に匿名で書かれた貴重な文献を、翻訳して掲載しています。執筆者は楽団員、もしくは楽団の関係者のようで、フルト ヴェングラーの身近にいた人でなければ書けない内容です。分量は決して多くはありませんが、リハーサルや戦時中の回想はまことに感動的です。 (以上、平林 直哉)

GS-2077
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
交響曲第41番ハ長調「ジュピター」
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1959年1月13,16,19,21日アメリカン・リージュン・ホール
1960年2月25,26,28,29日アメリカン・リージュン・ホール
使用音源:Columbia (U.S.A.) MQ 436 (オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
録音方式:ステレオ(セッション)
■制作者より
ブルーノ・ワルターのオープンリール・テープ復刻第8弾はモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」&第41番「ジュピター」です。ワルターと言えばモーツァルト、復刻を心待ちにされていた方はさぞ多かろうと思います。復刻にあたっての方針はこれまでと全く変わりません。原音尊重主義です。
■解説書の内容
解説書にはイギリスの名指揮者エードリアン・ボールトがワルターとの交友を語った講演会の全記録を、ボールト財団の特別の許諾を得て翻訳し掲載しています。この講演は1969年に行われたもので、ボールトがユーモアを交えながらワルターの人柄について語っています。話の中にはニキシュ、クレンペラー、ホフマンなどの音楽家の逸話も数多く語られ、ファンにとっては興味津々の内容です。(以上、平林 直哉)

まさに人類の宝!こそぞモーツァルト!!好評のオープンリール・テープ復刻の中でも、今回のものは出色出来栄え。針音ノイズがないのは当然ですが、全音域にムラがなく、ハーモニーに厚みがあり、ワルターの音楽作りの入念さを再認識させられます。
「ハフナー」第1楽章第1主題の細やかな強弱やアクセントへの配慮も明確に聴き取れ、しかも何と有機的なことでしょう!第2楽章の音価の保ち方に宿る優しさ、第3楽章では遅いテンポ設定が鈍重にならず語りに徹し、終楽章の0:30からの第1ヴァイオリンのリズムがこんなにキリッとした瑞々しさを湛えていたとは今まで気づきませんでした。
「ジュピター」も散々聴き尽くしたと思っていたのに、これほどリズムに生気に満ちていたとは!ワルターの演奏は「常に微笑んでいる」と形容されますが、この復刻ではその微笑みが音楽ニュアンスの重要な要素であることは痛感させられます。第1楽章2:28からのテンポを落としてレガートで歌う箇所も、ワルター以外には通用しない奥義!終楽章の味わい深さも、このじっくりとしたテンポだからこそ湛えきれていると確信。音楽があふれるとはまさにこのことです!木管の声部をこれほど強調しても、強引さや学究的な嫌らしさを微塵も感じさせません。5:16からコーダに差し掛かるまでの間はまさに音楽ニュアンスの豊穣さの極み!そしてコーダの情報量の多さを目の当たりにすると、今後どんなにオケの性能が上がっても、否、上げれば上がるほど、この優しさと厳しさを絶妙に織り交ぜた立体的なフーガの構築美はもう望めないことを痛感するばかりで、この復刻に感謝せずにはいられません。十分に聴きこんだつもりでも、きっと新たな発見があるはずです!
解説書のボールトによるワルターの思い出もユーモアを交え、読みごたえあり。 【湧々堂】

GS-2078
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO

録音:1960年11月7-9日 ウィーン・ムジークフェラインザール
使用音源: Deutsche Grammophon (Germany) SLPM 138659(ステレオ)
復刻に使用したのは前2作と同様に初期ステレオLPで、これまで通り原音を忠実に再現しました。また、この「悲愴」の発売によって、全3曲がそれぞれ1枚のCDに収録された形になりますが、こうした面割りはバラ売りの通常パッケージCDとしては珍しいものです。
■解説書の内容
当シリーズのポール・パレー(指揮)、フランス管弦楽曲集(GS 2051)、同サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン」(GS 2075)のそれぞれ解説を担当した沼辺信一氏は、ムラヴィンスキーの東京公演のほとんどすべてを聴いています。そうした体験を通じ、私的な思い出はもちろんのこと、当時のさまざまな状況や演奏会場で起こったハプニングなど、今となってはあまり知り得ない貴重な証言をたっぷりと書いていただきました。(以上、平林 直哉)
GS-2079
ワルター&NBC響ライヴ
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
ブラームス:交響曲第1番
ブルーノ・ワルター(指)NBC響

録音:1940年2月17日スタジオ 8H、
1939年3月18日スタジオ 8H
使用音源: Private archive
■制作者より
 交響曲第35番「ハフナー」は「宇野功芳編集長の本/ブルーノ・ワルター」(オントモムック)にて絶賛された名演です。また、ブラームスの方は世界初CD化となる音源で、ワルター唯一のブラームス第1のライヴです。原盤はアセテート盤で、多少お聴き苦しい部分もありますが、壮年期のワルターの荒れ狂った迫力は想像以上です。(解説:宇野功芳)
■おことわり
 ブラームスの方は第1楽章と第4楽章に回転ムラが含まれますが、先ほど触れたようにこの曲の唯一のライヴという希少性を考慮してCD化しました。ご了承下さい。(以上、平林 直哉)


GS-2080
ベルリオーズ:幻想交響曲
ドビュッシー:交響詩「海」*
ルイ・フレスティエ(指)セント・ソリO

録音:1957年4月8、9日パリ・サル・ワグラム(ステレオ)
1955年9月25日パリ・サル・アポロ(モノラル)*
使用音源:Omegatape (U.S.A.) ST 3013 (オープンリール・テープ/19センチ/2トラック)
Le Club Francais du Disque (France) 55 (LP)*
■制作者より
フレスティエ指揮の幻想交響曲はLP時代に国内では発売されず、半ば幻と化していましたが、熱心なファンの間では「ミュンシュ/パリ管(EMI)」に匹敵する名演と言われ続けてきました。演奏は速いテンポでぐんぐん突き進むのと(総演奏時間は世界最短?)、現代のフランスの団体からはも
はや聴くことの出来ない明るくしゃれた音色(特に管楽器)が聴きものです。また、第5楽章のコーダはミュンシュ/パリ管のライヴ(Altus)が登場するまでは、史上最速との評判でした。その幻想交響曲をセミ・プロ仕様の19センチ、2トラックのオープンリール・テープより復刻しました。また、「海」はモノラル録音ですが、こちらは世界初CD化です(CDRは除く)。これも幻想交響曲同様、手際の良いテンポと、オーケストラの独特の色彩が魅力です。こちらは初期LPからの復刻です。
■解説書の内容
この幻想交響曲と「海」は「クラブ・フランス」と呼ばれる通販専門のレーベルによって録音、販売されていました。また、セント・ソリ管弦楽団はこのレーベルの録音専用(?)オーケストラだったようですが、従来この周辺の事情に関してはまとまった記載はありませんでした。しかし、それについては現在判明している範囲で、可能な限り詳細に記しました。(以上、平林直哉)

GS-2081
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 イシュトヴァン・ケルテス(指)VPO

録音:1961年3月22-24日、ウィーン、ゾフィエンザール、ステレオ
使用音源:London (U.S.A.) 80120 (オープンリール・テープ、19センチ、4トラック
■制作者より
ケルテス指揮、ウィーン・フィルのドヴォルザークの「新世界より」は今でも非常に人気の高い名盤のひとつで、CD時代になっても繰り返し再発売されています。当CDを制作するにあたり、オリジナルの英デッカ盤LP(SXL 2289)と、アメリカ・ロンドンの19センチ、4トラックのオープンリール・テープ(L 80120)を入手し、比較試聴した結果、より音像の明快で瑞々しい雰囲気のあるテープを復刻の素材としました。
■解説書の内容
ケルテスの没後一周年に寄せて書かれた2つの追悼文(英デッカのプロデューサー、エリック・スミス、およびウィーン・フィルのヴァイオリン奏者、ヴィルヘルム・ヒューブナーによる)の邦訳を掲載します。ケルテスの人間性を浮き彫りにすると同時に、彼の急逝が関係者にとっていかに衝撃だったかも改めて知ることが出来る貴重な文献です。(以上、平林直哉)

GS-2082
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
ジャニーヌ・アンドラード(Vn)
ハンス=ユルゲン・ワルター(指)
ハンブルク・プロ・ムジカSO

録音:1957/58年頃、ハンブルク、ムジークハレ(共にステレオ、セッション)
※使用音源:Tip Classic (Germany) 63 3508、Amati (Gramany) A LP 1020/1-5*、
■制作者より
ジャニーヌ・アンドラード(1918-1980年代)はオークレールと並び称され、ヌヴーの最大のライヴァルと言われたフランスの名女流ヴァイオリニストです。 このディスクの演奏はいかにも女流らしい大らかで気品の溢れる演奏で、一部の愛好家の間では有名なものでした。しかしながら、この録音の詳細を始め、 彼女の経歴など、不明な点が多いのもこのアンドラードの不思議なところです。このたび、その謎を解き明かすべく、世界中の研究家やコレクターを総動 員し、核心に可能な限り迫るよう試みました。
■唯一の来日を捉えた貴重な未公開写真
アンドラードの写真は、かつてスプラフォンから発売された2枚のLPに使用されたものがほとんど唯一のものとして知られています。ところが、アンドラー ドは1954年11月から12月にかけてフランス政府派遣文化使節として来日し、その時に写真家、丹野章氏が彼女の貴重な姿を多数撮影しています。 このブックレットにはその丹野氏所蔵のオリジナル・ネガから起こしたものを4点使用していますが、これらは過去に一度も公開されたことのない貴重なも のです。また、日本公演やティボーと共演した際のプログラムなど、資料も極めて充実しています。まさに、ヴァイオリン・ファン必携のディスクです。 (平林 直哉)

GS-2083
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:第1,3楽章クライスラー)
交響曲第8番 ヘ長調 Op.93*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)

録音:1961年1月26日&1958年1月8,10,13日アメリカン・リージュン・ホール・カリフォルニア(全てステレオ)
使用音源Private archive (オープンリール・テープ、2トラック、38センチ)
Columbia (U.S.A.) M2Q 511 (オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)*
■制作者より ブ
ルーノ・ワルターのオープンリール・テープ復刻の第9弾はベートーヴェンの2曲、フランチェスカッティとのヴァイオリン協奏曲と交響曲第8番です。 特に前者は日本のファンのリクエストによって収録されたと言われるものですが、その名演をプロ仕様の2トラック、38センチのテープより復刻しました。 フランチェスカッティのヴィロードのような柔らかな音色にうっとりとしてしまいます。また交響曲第8番は普及型の4トラック、19センチのテープを使用 していますが、瑞々しい響きは十分に発揮されています。
■解説書の内容
ベートーヴェンの没後100年(1926年)に際し、ワルターが寄稿した文章と、英『Strad』誌に掲載されたフランチェスカッティのインタビューの中から、 フランチェスカッティが自らの生い立ちを語った部分をそれぞれ翻訳して掲載しています。(以上、平林 直哉)
GS-2084
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
バイロイト祝祭O&cho
エリーザベト・シュワルツコップ(S)
エリーザベト・ヘンゲン(A)
ハンス・ホップ(T)
オットー・エーデルマン(Bs)

録音:1951年7月29日、フェストシュピールハウス、バイロイト
使用音源:EMI (Japan) AXA 3044 (オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)
録音方式:疑似ステレオ(ライヴ)
■制作者より
ベートーヴェンの「英雄」(GS 2070)に続く、疑似ステレオ版によるオープンリール・テープ(4トラック、19センチ)復刻第2弾です。フルトヴェングラー の主要な録音はドイツ・エレクトローラ社のブライト・クランクによって疑似ステレオ化され、特にLP時代は広く普及していました。そのシリーズ中でも この〈バイロイトの第九〉は、疑似ステレオの出来栄えとしてはそれほど良くないと言われていました。しかし、このオープンリールの音は解き放たれたか のような広がりがあり、今後、この疑似ステレオ版に対する評価が大きく変わってくる可能性があります。
■解説書の内容
周知のように、2007年以来この第9には同じ日付の別音源が存在します。その内容についてはこれまでに様々な意見が出されていますが、結論はいま だに出ていません。そこで、制作者自らがその周辺の事情を洗い直し、注意深く検証しています。(以上、平林 直哉)
GS-2085
クナッパーツブッシュ/ウィーンの休日
J・シュトラウスT:ラデツキー行進曲
コムツァーク:ワルツ「バーデン娘」
J・シュトラウス:アンネン・ポルカ
 加速度円舞曲
 トリッチ・トラッチ・ポルカ
ツィーラー:ワルツ「ウィーンの市民」
J・シュトラウス:ポルカ「うわき心」
 ワルツ「ウィーンの森の物語」
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO

カール・ヤンチェク(ツィター)
録音:1957年10月15日、16日、ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源:London (U.S.A.) LCL 80016(オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)、ステレオ
■制作者より
LP復刻によるクナッパーツブッシュ指揮、ウィーン・フィル/「ウィーンの休日」(GS 2040〜2009年発売)は、大好評によりまたたく間に完売しました。 そのGS 2040の再プレスも検討しましたが、オープンリール(4トラック、19センチ)の音質はLPよりも空気感が豊かであり、音色もいっそう艶やかなため、 このテープを復刻の素材として再登場することとなりました。
■解説書の内容
GS 2040の解説書には元バイエルン国立歌劇場Oのコンサートマスター、クルト・グントナー氏のインタビュー「クルト・グントナーが語る、クナッ パーツブッシュの思い出/彼はどんなタイプにも分類出来ない唯一無二の存在」(きき手:舩木篤也氏)が掲載されていましたが、貴重な証言ゆえに全文 をそのまま転載します。(以上、平林 直哉)

GS-2086
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1947年8月13日、ザルツブルク、フェストシュピールハウス、ライヴ
使用音源:Private archive
■制作者より
1947年8月13日、ザルツブルク音楽祭にてフルトヴェングラーがウィーン・フィルを指揮したブラームスの交響曲第1番は、これまで海外盤や協会盤 でその存在が知られていました。国内では2011年に「フルトヴェングラー・ザルツブルク音楽祭ライヴ・ボックス」の特典盤として初めて登場しましたが、 このディスクは国内初の単独発売となります。使用した音源には音揺れや種々のノイズが含まれますが、ライヴにおける灼熱のフルトヴェングラー節が堪 能出来ます。
■解説書の内容
当録音はオリジナルが存在せず、エア・チェック音源と思われるものしか残されていませんが、その周辺の情報を可能な限り収集しています。また、当日 は前プロが公演直前になって変更されたようですが、変更前後の2種の貴重なプログラムも掲載しています。(以上、平林直哉)

GS-2087
シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D.485
交響曲第8番「未完成」*
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO、NYO*

録音:1960年2月26&29日カリフォルニア・アメリカン・リージュン・ホール、1958年3月3日ニューヨーク・セント・ジョージ・ホテル*(共にステレオ、セッション録音)
使用音源:Columbia (U.S.A.) MQ 391 (オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)
■制作者より
このディスクは比較的地味な作品の組み合わせですが、ワルターの最晩年のステレオ録音の中でも特に傑出したものとして知られています。まず、第5番 ですが、これほどゆったりと抒情豊かに歌った例は皆無と言えるでしょう。一方の「未完成」は生前ワルターが特に愛着を持っていた曲で、ワルターはこ の時すでに引退していたのにもかかわらず、あえてニューヨークにまで飛んで収録されたものです。復刻に使用したのは4トラック、19センチのオープンリール・テープですが、LPとは違った余裕のある音でこれらの名演を楽しめます。
■解説書の内容
英CRC(Classic Record Collector)誌2001年冬号に掲載されたハリス・ゴールドスミスの「インスピレーションに溢れた指揮者への第一印象」を、 出版元の許諾を得て全訳を掲載します。ディスクの演奏内容とは直接関係はありませんが、ワルターの実演の印象および当時の評判など、その時代と共 に歩んできた人ならではの貴重な文献です。(以上、平林直哉)

GS-2088
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ノヴァーク版) ハインリヒ・ホルライザー(指)
バンベルクSO

録音:1959年10月29、30日、ステレオ、セッション
使用音源:SMS (U.S.A.) S41-A (オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)
■制作者より こ
れを初めて聴いた人は、「こんな名演が埋もれていたのか」と驚くはずです。まず耳につくのが、この当時のバンベルク交響楽団の渋く柔らかい音色で、 これはまさに古き良きドイツの香りと言えるでしょう。ホルライザーはその素晴らしい響きを中庸なテンポ設定により、ほど良いスケールの大きさと、細部 のていねいな仕上げによって処理しています。使用版は最もスタンダードな〈ノヴァーク版〉ですが、改訂版からの引用や、独自の改変などはなく、楽譜 に忠実です。この演奏は海外ではVox-Allegro等の廉価盤でCD化されていますが、国内では初登場です。当CDは4トラック、19センチのオープンリール・ テープより復刻していますが、柔らかい空気感は既発のCDよりも明らかに勝っており、新たに買い足す価値はあると思います。なお、このディスクは初め て録音データを掲載したものとなります。(平林直哉)

GS-2089
ルクー:室内楽曲集
(1)ヴァイオリン・ソナタ イ長調
(2)ピアノ四重奏曲 ロ短調(未完成)*
アンリ・コック(Vn)、
シャルル・ヴァン・ランケル(P)
ジャン・ロジステル(Va)*、リド・ロジステル(Vc)*
録音:(1)1932年、(2)1933年1月、5月

録音:(1)1932年、(2)1933年1月、5月
使用音源:(1)Polydor (France) 516549/12(マトリック番号:2183 1/2, 2184 1/2, 2185 1/2, 2186 1/2, 2187 1/2,
2188 1/2, 2189 1/2, 2190 3/4 BMP)
(2)Polydor (Japan) 40559/61 (マトリックス番号:2217 1/2, 2218 1/2, 2219, 2220 1/2, 2221 1/2, 2222 1/2 BMP)
■制作者より
ベルギーが生んだ夭折の天才、ギヨーム・ルクー(1807-1894)。彼はフランクの最後の弟子であり、そのルクーがベルギーの大家イザイのために書いた ヴァイオリン・ソナタは、師フランクのそれと並んで人気があります。一方のピアノ四重奏曲はルクーの生涯最後の作品で、ロマンの香りがふつふつと沸き 上がるような傑作ですが、残念ながら未完となったものです。このディスクではその2曲の世界初録音を復刻していますが、これらは過去にLPの復刻す ら出ていなかったものです。演奏の中心となっているにはルクーと同郷であり、ベルギーの代表的ヴァイオリニスト、アンリ・コック(1903-1969)で、そ の慎ましく献身的な音色は得も言われぬ情趣を醸し出しています。解説はルクーの権威的存在である濱田滋郎氏によるもので、詳細でありながら聴き手を 作品の内奥まで誘ってくれるような愛情溢れた筆致は読みごたえ十分です。演奏内容ともども、室内楽ファンには欠かせぬものとなるでしょう。
〜おことわり〜
SP(78回転)からの復刻ですので、SP特有のノイズが混入します。一部、お聴き苦しい箇所がありますが、ノイズを削りすぎると音楽の生気も失われて しまうので、復刻にあたっては極端なノイズ軽減は行っていません。(以上、平林直哉)

GS-2090
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO
ティルラ・ブリーム(S)
エリーザベト・ヘンゲン(A)
ペーター・アンダース(T)
ルドルフ・ヴァツケ(Bs)
ブルーノ・キッテルCho

録音:1942年3月22日、ベルリン、旧フィルハーモニー
使用音源:Old Melodiya (U.S.S.R.) 33D-01085/4 (VSG label)
■制作者より
GSシリーズではフルトヴェングラー指揮、1951年のバイロイトの第9をこれまで過去2度にわたって発売(GS-2009、英ALP盤より復刻(廃盤)/ GS-2084、オープンリール・テープからの疑似ステレオ版の復刻)しましたが、かねてから「1942年のベルリン・フィルの第9も復刻して欲しい」との 声が届けられていました。そこで、今回ようやくそれに挑戦することとなりました。復刻に使用したLPはVSGと呼ばれる、旧メロディアの中でも最も古 い時代のプレスに分類されているものです。
■解説書の内容
この第9を含むフルトヴェングラーの第二次大戦中のライヴ録音は旧ソ連国内でのみ流通し、一時は全くその存在が知られていませんでした。しかし、そ の後に新設されたイギリス・ユニコーン・レーベルによってそれら幻の音源が広く世界に紹介されたのは周知の事実です。ところがつい最近、思わぬきっ かけでユニコーン・レーベルの創設者、ジョン・ゴールドスミス氏と直接連絡が取れたのです。従いまして、当CDではそのゴールドスミス氏の貴重な証 言も交え、改めてこの第9の履歴について記してあります。(以上、平林 直哉)

GS-2091
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 エーリッヒ・クライバー(指)VPO

録音:1955年4月11-14日、ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源: Decca/Ace of Clubs (U.K.) ACL-35
“第2楽章必聴!普遍的価値を誇る、エーリッヒ・クライバーの「英雄」”
■制作者より
エーリッヒ・クライバーは英デッカのモノラル時代に2度、ベートーヴェンの「英雄」を録音しました。ひとつは1950年5月、アムステルダム・コン セルトヘボウと、そしてもうひとつは1955年4月、ウィーン・フィルとのものです。双方ともモノラル録音だったため、ウィーン・フィルとの「英雄」は クライバーの死後の1959年、英デッカの再発売シリーズであるエース・オブ・クラブAce of Clubsで初めて世に出ました。こうした経緯があるためか、 演奏内容は全くの互角であるのにもかかわらず、ウィーン・フィルとの「英雄」はカタログから消えている時間が長くなっています。  復刻に使用したLPは非常に状態が良く、LP特有のノイズがほとんど感じられず、しかも既存のディスクよりもずっと肉厚で艶のある音で再生されます。 従って、演奏内容の評価が大きく変わる可能性があります。(平林 直哉

エーリッヒ・クライバーの芸術は、時代を問わず普遍的な価値を持つ逸品であることを改めて痛感。イン・テンポを基調とし、第1楽章のリーピート実行、再現部のテーマをトランペットで補強しないなど、最近のスタイルと表面的には何ら変わりませんが、やはり音に込める思いの深さにいちいち唸らされます。第1楽章はまさにに爽快な進行。その中にセンス満点のアクセントをさり気なく配し、のどかなウィーン・フィルのアンサンブルを引き締め、気高く飛翔し続けます。白眉は第2楽章。冒頭の弱音は単なる小さな音ではなく、深い悲しみを音の芯に宿しています。1:36からの下行音型はまさに極美!ウィーン・フィルの美感ともあいまって、古今を通じて動画苦笑の最も心を打つ演奏と言えましょう。いつもながらのノイズはほとんど気にならないで良質アナログ盤からの復刻も嬉しい限りです。 【湧々堂】
GS-2091
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 エーリッヒ・クライバー(指)VPO

録音:1955年4月11-14日、ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源: Decca/Ace of Clubs (U.K.) ACL-35
■制作者より
エーリッヒ・クライバーは英デッカのモノラル時代に2度、ベートーヴェンの「英雄」を録音しました。ひとつは1950年5月、アムステルダム・コン セルトヘボウと、そしてもうひとつは1955年4月、ウィーン・フィルとのものです。双方ともモノラル録音だったため、ウィーン・フィルとの「英雄」は クライバーの死後の1959年、英デッカの再発売シリーズであるエース・オブ・クラブAce of Clubsで初めて世に出ました。こうした経緯があるためか、 演奏内容は全くの互角であるのにもかかわらず、ウィーン・フィルとの「英雄」はカタログから消えている時間が長くなっています。  復刻に使用したLPは非常に状態が良く、LP特有のノイズがほとんど感じられず、しかも既存のディスクよりもずっと肉厚で艶のある音で再生されます。 従って、演奏内容の評価が大きく変わる可能性があります。(平林 直哉
GS-2092
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(原典版) カール・シューリヒト((指)VPO

録音:1961年11月20-22日、ウィーン、ムジークフェラインザール、ステレオ(セッション)
使用音源:EMI(U.K.) ASD 493(LP)
■制作者より
シューリヒト指揮、ウィーン・フィルのブルックナーの交響曲第9番は今日でも絶大な人気を誇る名盤です。現在では最新リマスターによるSACDでも聴 けるようになりましたが、LP復刻盤の音はそうした近年のディスクとは異なり、非常に柔らかく落ち着いた、独特の空気感が特徴です。もちろん、LP復 刻ゆえにLP特有のノイズは混入しますが、従来盤との印象の違いを楽しんでいただければ幸いです。
■解説書の内容
ドイツの音楽評論家フランク・ヴォールファールトが、シューリヒトの80歳に際して寄稿した文献の中から、シューリヒトとブルックナーに関して記してあ る部分を翻訳し掲載しました。いささか抽象的、観念的な内容ですが、シューリヒトに関する文献そのものが少ないので貴重です。(以上、平林直哉)

GS-2093
シューベルト:交響曲第9番「グレート」
交響曲第1番ニ長調、D. 82*
ルネ・レイボヴィッツ(指)
ロイヤルPO、パリRSO*

使用音源:Reader's Digest(France) 1579.8,
Oceanic(U.S.A.) OCS 33*
録音:1962年1月16-17日ロンドン・ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール(ステレオ)、1952年頃(初出:1953年)モノラル*
“時代を先取りし過ぎ!? 楽天的かつ超先鋭的な「グレート」”
■制作者より
レイボヴィッツが指揮したベートーヴェンの交響曲全集はメトロノームに準拠した快速演奏として知られていますが、今回のシューベルトも全く同様の解釈です。むろんテンポだけではなく、フル編成でありながら、内声部がくっきりと浮かび上がってくる様子は最近流行の古楽器様式を先取りしたもの(調性はモダン)と言えます。 第9番「ザ・グレート」はアメリカMenuet(160016-2)で一度CD化されましたが、その際録音データ不詳となっており、今回初めて詳細なデー タとともに復刻されました(録音は英デッカのスタッフによるものです)。第1番はアメリカ(?)FatBoy(FATCD-157)でCD化されたようですが、 Menuetと同様現在では流通しておらず、このGS盤が入手出来る唯一のものと言えます。(、平林 直哉)

この「グレート」は極めてユニーク。まず「余音」とか「哀愁」を期待すると肩透かしを喰らいます。全体的にテンポは速め。となると無機的な演奏かといえばそうではなく、むしろ「明るく楽しい音楽にしましょう」という雰囲気に溢れています。しかし決して脳天気な演奏にも陥っておらず、速いテンポの中を掻き分けて注意深く聴くと、随所に声部バランスやアクセントなどのこだわりが隠れているという、一筋縄ではいかない演奏なのです。 第1楽章序奏のホルンからしてあまりの色付けの無さにギクッとしますが、その剥き出しの音は全楽章に共通し、ライナーノートに記されているインタヴューの中でレイボヴィッツが「シューベルトの音楽が大好き」と語っていることも考え合わせると、この「作り込まない」アプローチこそがレイボヴィッツのシューベルトへの愛情表現なのかもしれません。第1楽章コーダを高速インテンポのまま逃げ切るのは昨今では珍しくないですが、ベームのように堂々と締めくくるのが主流の当時としては、かなり異端と言えましょう。 第2、第3楽章も、音楽の美しさに感動しすぎて演奏できなくなるのを避けるかのように徹頭徹尾イン・テンポ。それでも無機質な音楽にならないという不思議な現象は、特に第3楽章中間部をお聴きになればお分かりいただけることでしょう。 終楽章は楽しさ満開!ビーチャムに乗せられて自発性が全開となるあのモードがここでも繰り広がられます。10:42という演奏時間が示す通りこれまた超快速ですが、ギリギリまで追い詰めた厳しさがなく、むしろ団員がそのスリルを全身で楽しんでいるかのよう。終結部は演奏不能寸前で弦はヒュンヒュン唸りまくり!極めて細かい音型の連続を澄ました顔で弾ききるカッコ良さとは違う面白さです。レイボヴィッツの指揮するドイツ音楽を聴くには、あの有名なベートーヴェンの交響曲全集もそうですが、かつてのドイツ系指揮者達による名演を聴くのとは異なるセンサーを引っ張り出せるかどうかが鍵!【湧々堂】
GS-2094
ワルター/モーツァルトの管弦楽曲集
アイネ・クライネ・ナハトムジーク##
歌劇「劇場支配人」序曲
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲
歌劇「フィガロの結婚」序曲
歌劇「魔笛」序曲
フリーメーソンのための葬送音楽#
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲*
歌劇「イドメネオ」序曲**
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO、ベルリン国立歌劇場O*
録音:1958年12月17日##、
1961年3月29、31日、
1961年3月8日#、以上アメリカン・リージュン・ホール、
1924年頃(初出:1925年3月)*,**

使用音源:Columbia (U.S.A.) MQ 543 (オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)、
Polydor (Germany) 66072 (Matrix: B 20531-646az, 78 rpm)*、
Polydor (Germany) 66072 (Matrix: B 20532-649az, 78 rpm)**
■制作者より
ワルターのオープンリール・テープ復刻第10弾はワルターが最も敬愛したモーツァルトの、有名管弦楽曲集です。演奏内容については改めて触れるまでもないでしょう。また、ボーナス・トラックには希少なSP盤からの序曲を加えました。これらは日本ブルーノ・ワルター協会の会員用LPが唯一のLP復刻で、「イドメネオ」のみウィング・ディスク(WCD29)でCD化されただけで、「コシ・ファン・トゥッテ」は世界初CD化となります。
■解説書の内容
英CRQ(Classical Recordings Quartely)の2011年冬号に掲載された「ブルーノ・ワルター/オーケストラの錬金術師」を特別の許諾により全訳して掲載します。これはフリーのジャーナリスト、ジョン・トランスキーがワルターと演奏した経験を持つ音楽家へのインタビューで構成されたものです。(以上、平林 直哉)

GS-2095
マーラー:交響曲第1番「巨人」 エイドリアン・ボールト(指)LPO

録音:1958年8月10日-13日、ロンドン、ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール(ステレオ)

使用音源:Everest (U.S.A.) STBR 3005 ( オープンリールテープ、2トラック、19センチ)
■制作者より
ボールトがステレオ初期にエヴェレストに録音したマーラーの交響曲第1番「巨人」は、彼が生前に正規録音した唯一のマーラーです。これはLP時代 には国内で一度も発売されず、1995年になって初めてCDで登場(キングレコード KICC-7303)しましたが、その端正な演奏内容とステレオ初期とは 思えない音質の素晴らしさとで話題となりました。しかし、近年は市場から消え、一部のマニアが探し回っている状況でしたが、このたびGSシリーズで 復活させることになりました。復刻の素材はセミプロ仕様の2トラックのオープンリールテープで、しかも今回の復刻盤は初めて詳細な録音データを記し たものとなります。 (平林直哉)

GS-2095
マーラー:交響曲第1番「巨人」 エイドリアン・ボールト(指)LPO

録音:1958年8月10日-13日、ロンドン、ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール(ステレオ)
使用音源:Everest (U.S.A.) STBR 3005 ( オープンリールテープ、2トラック、19センチ)
“名人芸!作り込み過ぎない解釈の背後に宿る強烈な共感”
■制作者より
ボールトがステレオ初期にエヴェレストに録音したマーラーの交響曲第1番「巨人」は、彼が生前に正規録音した唯一のマーラーです。これはLP時代 には国内で一度も発売されず、1995年になって初めてCDで登場(キングレコード KICC-7303)しましたが、その端正な演奏内容とステレオ初期とは 思えない音質の素晴らしさとで話題となりました。しかし、近年は市場から消え、一部のマニアが探し回っている状況でしたが、このたびGSシリーズで 復活させることになりました。復刻の素材はセミプロ仕様の2トラックのオープンリールテープで、しかも今回の復刻盤は初めて詳細な録音データを記したものとなります。 (平林直哉)

元々ボールトは、自身の個性を強烈に刻印するタイプの指揮者ではありませんが、晩年の円熟に差し掛かる前のこの時期の録音には、堅実すぎて味わいを見出しにくいものもありました。しかしこの「巨人」は別格!マーラーの交響曲の演奏スタイルが確立されていないこの時期にあって、自身の端正な造形力とマーラー独自の孤独な精神世界を融合させ、比類の無い味わいをもたらす名演となっています。後年、様々な指揮者がマーラーのエキセントリックな側面を盛り込むことに工夫を凝らしていますが、ボールトの解釈はモーツァルトやベートーヴェンノン額に退治する姿勢と全く変わらずピュアそなもの。
第1楽章序奏からして気負いが一切無く、アゴーギクは最小限。それなのに、どこか芳しく柔らかな空気を醸し出します。主部以降も大仰さは一切無く、イン・テンポを基調として、時代を問わずに普遍的な価値を持つと確信させる慈愛に満ちたニュアンスが続きます。後半の盛り上がりでやっと感覚的効果を狙ったテンポの溜めがチラリと見えますが、それが実に粋!提示部繰り返しあり。
第2楽章は、5分台で駆け抜ける史上最速クラスのテンポにビックリ!時にウィンナ・ワルツを思わせるほどの軽みですが、造型はあくまでも端正で、軽薄さとは無縁。後半5:24からはクレツキ&VPO盤同様のティンパニ追加有り。
第3楽章も速めのテンポで、絶望のどん底というより、どこか諧謔的。オーボエの主題旋律の隈取を極限まで抑えて柔和な歌を奏でるシーンは必聴。ボールトの色彩に対する配慮の深さが窺えます。終楽章はまさに名人芸の連続。緩急の落差をほとんど付けないスタイルが、何度も訪れれる山場を経ても緊張感を維持することに大きく貢献。一見淡白に見える流れの中にあって、5:54からの打楽器などは猛烈な強打ではないにもかかわらず、こちらに伝わる衝撃度が絶大な点もお聴き逃しなく。
それと、この年代としては驚異的にクリアな録音も特筆もの。既出のEVC-9022がやや高域寄りだったのに対し、今回の復刻はよりアナログ的な体温を感じさせるもので、テープ特有のヒスノイズもほとんど気になりません。【湧々堂】
GS-2096
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
交響曲第8番ヘ長調Op.93*
オットー・クレンペラー(指)
フィルハーモニアO

録音:1960年10月25日、11月19日、12月3日、ロンドン、キングズウェイ・ホール
1957年10月29、30日、ロンドン、キングズウェイ・ホール*
使用音源:Angel (U.S.A.) L 35945 (4トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
Columbia (U.K.) BTB 308 (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)*
■制作者より  ベートーヴェンの第5+序曲「シュテファン王」(GS 2058)に続く、クレンペラーのオープンリール・テープ復刻第2弾です。4トラックの第7番は 中古市場にそれなりに出回っていますが、2トラックの第8番は非常に珍しいものです。  また、解説にはクレンペラー自身がベートーヴェンについて書いた「ベートーヴェニアーナ」ほか、第8番の録音における短い逸話をそれぞれ翻訳して 掲載しています。(平林直哉)

GS-2097
世界初CD化〜カザルスのブラームス
番ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68*
ハイドンの主題による変奏曲
パブロ・カザルス(指)
プエルト・リコ・カザルス音楽祭O*
LSO
録音:1963年5月31日プエルト・リコ大学劇場(モノラル、ライヴ)*
1927年12月6日ロンドン・クイーンズ・ホール(モノラル、セッション)
使用音源:Private archive (オープンリール・テープ、2トラック、19センチ)*
Victor (U.S.A.) 36326、8 (マトリクス:CR 1612-2、1613-1A、1614-1、1615-1A、1616-1A、1671-1A)
■制作者より
カザルス(指)プエルト・リコ・カザルス音楽祭Oによるブラームスの交響曲第1番は1980年代にカナダ・バトンより初めてLP化(1004)さ れましたが、その際は録音データ不詳として発売されました。しかし、今回は録音データを明らかにし、オリジナル・マスターからコピーしたオープンリー ル・テープを使用、世界初CD化にこぎつけました。余白にはカザルスがSP時代に録音した「ハイドンの主題による変奏曲」を加えました。
■豪華メンバーによるオーケストラ
プエルト・リコ・カザルス音楽祭Oの弦楽器の人数は高弦から25人、8人、6人、4人と編成としてはそれほど大きくはありませんが、メンバー は全米からの精鋭が集められています。コンサート・マスターはシドニー・ハース(シカゴ響首席)、第2ヴァイオリン首席はイシドア・コーエン(ジュリアー ド弦楽四重奏団)、ヴィオラのミルトン・トーマス(今井信子の先生)とサミュエル・ローズ(ジュリアード弦楽四重奏団)、チェロのフランク・ミラー(元 NBC響首席)、フルートのドナルド・ペック(シカゴ響首席)、クラリネットのロバート・マーセラス(クリーヴランド管首席)、ホルンのメイソン・ジョー ンズとトランペットのギルバート・ジョンソン(以上、フィラデルフィア管首席)など(ブックレットには当日のメンバー表、プログラムが掲載されています)。
■解説書の内容
戦前からBBCSOの首席ヴィオラ奏者を務めていたバーナード・ショアが、カザルスの指揮ぶりについて記した文献の一部を翻訳して掲載しています (以上、平林 直哉)
GS-2098
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 op.73*
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

録音:1955年5月2日、ボストン、シンフォニー・ホール(セッション録音)
1955年12月5日、ボストン、シンフォニー・ホール(セッション録音)
使用音源:RCA(U.S.A.)CCS-13(オープンリール・テープ、2トラック、19センチ)
RCA(U.S.A.)FCS-14(オープンリール・テープ、2トラック、19センチ)*
■制作者より
ステレオ初期のカタログではセミ・プロ仕様の2トラック、19センチのオープンリール・テープは数が限られていましたが、その中でもミュンシュ/ボス トンのものは比較的多く存在していました。ある日、試しにと思って手に入れて聴いてみたところ、あまりの情報量の多さに仰天、早速CD化に踏み切り ました。むろん、音に対する判断や好き嫌いは個々の聴き手にゆだねられますが、ご要望が多ければ第2弾以降も検討させていただきます(平林 直哉)
GS-2099
ジャン・フルニエのモーツァルト
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216*
 ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219「トルコ風」*
ドビュッシー:レントよりおそく
 亜麻色の髪の乙女
フォーレ:子守唄op.16
ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」〜一寸法師
ジャン・フルニエ(Vn)
ミラン・ホルヴァート(指)ウィーン国立歌劇場O*
ジネット・ドワイヤン(P)

録音:1952年6月、ウィーン、コンツェルトハウス、セッション録音*、1958年2月19日赤坂、ラジオセンター・第1スタジオ)、セッション録音(以上モノラル)

使用音源:米Westminster XWN 18549(33 rpm)*、日本Westminster WF 9001(45 rpm)
■制作者より
チェリスト、ピエール・フルニエの弟でヴァイオリニストのジャン・フルニエ(1911-2003)。彼は非常に柔らかく、粋な演奏することでも知られています が、このモーツァルトの2つの協奏曲はその代表的遺産です。こんなに優雅でしゃれた演奏は、もはや今日では聴くことが出来ません。
■超稀少な日本録音 フルニエは妻でありピアニストのジネット・ドワイヤン(1921-2002)と世界各地を回っていましたが、1958年初頭、夫妻は日本を訪れ、その際日本のレコー ド会社によって小品が収録されました。この録音は45回転盤のみの発売だったせいか、その存在はほとんど忘れ去られており、中古市場でも極めて入手 が難しいものです。さらに、解説には当時、ウエストミンスターの文芸部長だった今堀淳一氏による録音現場の貴重な証言を、ご遺族の特別の許諾によ り転載しています。(以上、平林直哉)


GS-2100
ブルックナー:交響曲第6番イ長調(原典版) ヘンリー・スウォボダ(指)
ウィーンSO

録音:1950年9月、ウィーン、ムジークフェラインザール、(セッション録音)
使用音源:米Westminster WL5055/6
■制作者より
SP時代からブルックナーの交響曲は全曲や部分録音が行われていましたが、この第6番はLP時代になってヘンリー・スウォボダ(指)ウィーン交響楽団によって初めて録音されました。地味な指揮者のせいか、これまで一度もCD化されていなかったのは全くの驚きですが、注目すべきはその演奏内容です。全体的にややテンポは遅めですが、スケールの大きい、しっかりした構成力と細部における緻密な仕上げはまことに立派です。また、当時のオーケストラは古い楽器を使用していたせいか、オーボエ、フルート、クラリネット、ホルンなどが独特の音色を放っているのも魅力です。さらに、特徴的なのは第3楽章のスケルツォの非常に遅いテンポです。これは恐らく、世界最遅の可能性が高いと思われます。ちなみに、第3楽章の総演奏時間を主要指揮者と比較してみるとよくわかります。
 スウォボダ: 10分18秒
 フルトヴェングラー: 7分34秒(1943、BPO)
 クレンペラー: 9分19秒(1964、ニュー・フィルハーモニア)
 朝比奈隆: 9分11秒(1994、大阪po)
 ヴァント: 9分09秒(1999、ミュンヘンpo)
 チェリビダッケ: 8分17秒(1991、ミュンヘンpo)

■幻(?)の顔写真
スウォボダの最も有名な演奏は、ハスキルの伴奏をしたモーツァルトのピアノ協奏曲でしょう。また彼はウエストミンスターやコンサートホール等にまとまった量の録音を行っていた指揮者として知られていますが、なぜか顔写真が全くありません。今回のCDを制作するにあたり、最も困難だったのはスウォボダの写真を手に入れることでした。そのため、日本国内はもとより、スウォボダの生地チェコの知人をはじめ世界中のコレクターや研究者に情報を募りましたが、成果はありませんでした。ところが、やっと最近になって、日本の古い文献に使用されていたものを発見することが出来ました。 指揮者の顔写真の有無は鑑賞上には大きな影響はないとはいえ、制作者のこだわりを感じていただければ幸いです(平林直哉)

GS-2101
ホルスト:組曲「惑星」 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)VPO
ウィーン国立歌劇場女声Cho

録音:1961年9月5-22日、ウィーン、ゾフィエンザール
使用音源:(U.S.A.)L 80097 (オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)
■制作者より  
ホルストの「惑星」はラッパ吹き込みからモノーラル、ステレオ初期時代にかけてホルストの自作自演ほか、コーツ(抜粋)、サージェント、ボールト、 ストコフスキー、ウェルドンなどの指揮者によって録音されていましたが、決して人気の高い作品とは言えませんでした。しかし、1961年、英デッカがカ ラヤン&VPOを起用してこの「惑星」を録音、これは世界的な指揮者とオーケストラの組み合わせ、そして当時としては破格の高音質ということで話題 になり、「惑星」は一躍世界的に有名となりました。この歴史的名演を4トラック、19センチのオープンリール・テープより復刻しました。
■解説書の内容  
このディスクに収録された「惑星」は1962年10月、キングレコードよりSLC-1180として発売されましたが(海外では1962年5月発売)、そのLPジャ ケットの解説には当時天文学では第一人者と言われた草下英明氏による「太陽をめぐる惑星」が掲載されていました。この文章は現在の天文学と比較す ると内容的、数字的に古い箇所が散見されますが、レコードの解説にこのような権威的な筆者が起用されていたという歴史的事実を記憶にとどめるために も、あえてその全文を再掲載しました。
(草下英明/くさか・ひであき、1926-1991。東京生まれ。科学関係の出版社や五島プラネタリウムの仕事を経てフリーに。NHKの科学番組「四つの目」 などの解説も務めた。主な著書に「おぼえやすい星座教室」(誠文堂新光社)、「星の楽しみ」(社会思想社)、訳書に「星座をみつけよう」(H・A・レイ著) (福音館書店)がある。(以上、平林 直哉)
GS-2102
シューベルト:交響曲第9番「グレート」
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
BPO

録音:1942年6月12日、または1942年12月8日旧フィルハーモニー・ライヴ
1944年3月20-22日ベルリン国立歌劇場・ライヴ*

使用音源:Melodiya (U.S.S.R) D 010033/4 (LP/Accord label)
Melodiya (U.S.S.R) M10-41233/4 (LP/Pink label)*
■制作者より
メロディア盤からの復刻はすでにいくつかのレーベルで出ているので、当レーベルでは制作にあまり力を入れてきませんでした。しかし、ファンからのご希 望が多いので、今後は順次発売していく予定です。まず、シューベルトは1960年前後に製造されたアコードと呼ばれるレーベル面のLPを復刻の素材と しました。これは最初期ではありませんが、盤質が安定していて音も明瞭と言われているものです。ウェーバーは最初期盤は存在せず、1970年代初頭に 発売されたM10の番号のものが最初になります。結果的には、腰の強い張りのある音が得られたと思っています。(平林 直哉)
GS-2103
トスカニーニ/オープンリール・テープ復刻第3弾
ビゼー:「カルメン」組曲(トスカニーニ編)
フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲
トーマ:歌劇「ミニョン」序曲*
ポンキエルリ:時の踊り*
シベリウス:「フィンランディア」
エロール:歌劇「ザンパ」序曲
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」#
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1952年8月5日、
1952年7月29日*、
1953年1月19日#(以上、ニューヨーク、カーネギー・ホール)
使用音源:RCA(U.S.A.)AC-26(オープンリール・テープ、2トラック、19センチ)
RCA(U.S.A.)BC-38(オープンリール・テープ、2トラック、19センチ)
■制作者より
 トスカニーニのオリジナル・モノラルのオープンリール・テープは中古市場でも極めて稀少です。しかし、最近やっと入手し(3本入手、うち1本は劣 化のため使用不能)、CD化にこぎつけました。トスカニーニのディスクの音質は薄い、固いと言われますが、当復刻盤で聴くとその先入観は見事に覆され るでしょう。
■解説書の内容
月刊『ディスク』、1954年2月号に掲載された「トスカニーニの素顔〜チャールズ・オコネルの『レコード楽屋噺』による」を掲載します。これは、ト スカニーニと一緒に仕事をした人物が、トスカニーニのわがままに振り回され、たいへんな目にあったと記したものです。トスカニーニの人間性をうかがわ せるたいへんに面白く、興味深い読み物です。(以上、平林 直哉)
GS-2104
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
フランク:交響曲 ニ短調*
シャルル・ミュンシュ(指)
ボストンSO

録音:1955年5月2日、1957年3月11日*
、以上、ボストン、シンフォニー・ホール
使用音源:RCA(U.S.A.) ESC-7 (オープンリール・テープ、2トラック、19センチ)
RCA(U.S.A.) ESC-58 (オープンリール・テープ、2トラック、19センチ)*
■制作者より
シューベルトの「未完成」+ブラームスの交響曲第2番(GS 2098)に続く、オープンリール・テープ復刻第2弾です。前回同様、今回もセミ・プロ仕 様の2トラック、19センチのテープを使用しています。当復刻盤で聴くと、この当時でもこれだけの情報量があったのだと驚かされます。
■解説書の内容
アメリカ『タイムTIME』誌、1949年12月19日号から、ミュンシュのプライヴェートについて記した部分を訳して掲載しています。ミュンシュは大のイ ンタビュー嫌いとしても知られており、指揮台を離れた彼について書かれたり、語られたりしている文献はほとんどなく、たいへんに貴重です。リハーサル のこと、本番でのハプニング、好きな食べ物、夫人と愛犬についてなど、楽しい内容です。(以上、平林 直哉)
GS-2105
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」 ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO

録音:1961年1月14、21日、2月4、6日、カリフォルニア、アメリカン・リージュン・ホール
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
今回復刻に使用したのはオリジナル・マスターからのセイフティ・コピーとされる2トラック、38センチのオープンリール・テープです。その音質は信じら れないほどの情報量の多さで、広がりの豊かさ、定位の明確さ、そして全体の艶やかで瑞々しい音色は腰を抜かさんばかりです。おそらく、当GSレーベ ル設立以来の、最高の音質と思われます。ぜひ、試してみてください。
■解説書の内容
ブルーノ・ワルターはこのLPが初めて発売された際、彼自身が曲目解説を書いていました。マーラーと直接関係を持った指揮者の筆による内容は、他の 多くの解説とは異なり、非常に深い意味と、力強い説得力を持っています。このワルターの文章は日本コロムビアの初出LP(OS-326)にも翻訳が掲載 されていましたが、その時はなぜか一部が省略されていました。しかし、このディスクでは新規の訳により、全文をすべて翻訳しています。(平林 直哉)

GS-2106
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
ヴラディーミル・ホロヴィッツ(P)
フリッツ・ライナー(指)RCA響
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響*

録音:1952年 4月26日、1943年 4月25日*、いずれもカーネギーホール
使用音源:RCA (U.S.A.) TC-4 (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
RCA (U.S.A.) TR3-5027 (4トラック、9.5センチ、オープンリール・テープ)*
ヴラディーミル・ホロヴィッツの唯一の「皇帝」、そしてトスカニーニとのライヴによるチャイコフスキーが オープンリール・テープ復刻により、たいへんに生々しく再生されます。「皇帝」のオープンリールは中古市場でも非常に珍しい貴重な音源です。資料としてヤン・ホルツマンによるインタビュー「ホロヴィッツ・アット・ホーム」(訳:田中成和)が掲載されております。
GS-2107
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲*
 交響曲第4番 ホ短調、Op.98#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1943年6月27-30日旧フィルハーモニー、ライヴ
1943年12月12-15日旧フィルハーモニー、ライヴ*#
使用音源:Melodiya (U.S.S.R.) D-09867/8(Pink label)
Melodiya (U.S.S.R.) D-010851/4(Yellow label)*
■制作者より
フルトヴェングラー/ベルリン・フィルの戦時中のライヴ録音の中でも、最も濃厚、強烈と言われる演奏を1枚に収めました。2002年、同内容の CDR(Serenade SEDR-2003)を発売しましたが、今回のGS-2107ではその原盤を流用せず、全く新規に作り直したものです。CDRはたまたま集まっ たLPから復刻しましたが、今回のマスタリングでは複数のLPを比較試聴し、最上の結果が得られたものを選びました。コレクターの間では、とにかく 古いプレスこそが最高の音質のように言われますが、それは決して正しいとは言えません。その理由につては、解説でも触れています。メロディアLPの 復刻など今さらと思う人も多いかもしれませんが、制作者としてはなかなか良い音に仕上がったと自負しています。(平林直哉)
GS-2108
モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1959年12月2日アメリカン・リージュン・ホール、1959年1月13&16日アメリカン・リージュン・ホール*(共にステレオ)
使用音源:Columbia (U.S.A.) MQ 611 (4トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ブルーノ・ワルターのオープンリール・テープ復刻は、このモーツァルト第40番+第38番「プラハ」で第13作目となります。復刻に使用したのはアメリカ・ コロンビアの4トラック、19センチのテープで、いつもと同じく原テープに記録されている情報を、過度のノイズ除去を施すことなく忠実に再現しています。  また、このコロンビア交響楽団は臨時編成のオーケストラであるがゆえに、現在でもなおその力量について指摘をされることがあります。これについて はワルターのステレオLPが発売された当時、アメリカで音楽評論家、レコード会社担当者、楽団員、音楽愛好家を巻き込んでの論争がありました。当 CDの解説書ではその論争の内容詳しく伝えると同時に、参加メンバーについての情報も可能な限り調査しています。ワルター・ファンには興味の尽きな い内容でしょう。(平林 直哉)

GS-2109
クレンペラー/本邦初登場1955年ライヴ
モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
オットー・クレンペラー(指)
北ドイツRSO

録音:1955年9月28日、ハンブルク、ムジークハレ
使用音源:Private archive
■制作者より
クレンペラーというと主にEMIのステレオ録音を通じて知る、あの遅いテンポと透明な響きが一般的な印象でしょう。このディスクの演奏は巨大なスケー ルと貫かれるイン・テンポは晩年と同じですが、激しい情熱をむき出しにしたようなスタイルは、晩年からは想像がつかないほどです。別人と言っても いいでしょう。CD化に際してはノイズ・カットを必要最小限にとどめ、原音の響きを尊重しました。同一の演奏はかつてアメリカ・ミュージック&アーツ (CD-1088、3枚組/2001年)でも出ていましたが、印象は大きく異なります。なお、曲の終わりがやや強引にフェイド・アウトされていますが(こ れはCD-1088も同じ)、オリジナルがこのような状態なのでご了承下さい。また、解説にはクレンペラーのインタビュー「指揮することについて」を掲載 しています。(平林 直哉)

2曲ともフィルハーモニア管との素晴らしい録音が存在するので、一般的にはそれで十分と言いたいところですが、このライヴを聴いてしまうとそう簡単に割り切れません。
まず、モーツァルトのあまりの素晴らしさ!間違いなく同曲屈指の名演です。フィルハーモニア管とは1954年と1966年の2度録音しています。演奏の印象は当然54年盤に近いのですが、ここではライヴならではの気合も手伝って、全ての表情がよりアグレッシブ。特に第1楽章第2主題のヴィオラのフレーズで顕著なように、各パートの連携の緊密さ、厳しいクレンペラーの要求を超えてオケの主体的な表現として響くので感動もひとしお。オケの響き自体も芯が強く、カロリー価が高いのでリズムの躍動も瑞々しさ一杯。瑞々しいといえば第2楽章。晩年の悠然とした佇まいにはない、人間味溢れる歌に酔いしれます。
3,4楽章はまさに生命力全開。特に第3楽章は、全部で5種類ほど確認されているクレンペラーの「29番」の中で最もテンポが速く、リズムの弾け方が鳥肌モノ。
ベートーヴェンもスタジオ録音と基本構成は似ており、よく指摘される管楽器の突出傾向も、ここで既に明確に現れています。とにかく集中力を切らさず、表現はどこまでも熱く、更に攻撃性も隠そうとしない頑強な意思に恐れ入るしかありません。特に終楽章最後でのトランペットのクレッシェンドの壮絶さは、荘厳なクレンペラーのイメージを吹き飛ばす爆発力!
プライベート音源を使用しているようですが、全てのパートがストレスを感じることなく聞き取れる音質なのも嬉しい限り。あの晩年の超然とした境地に差し掛かる前の感動的なドキュメントして、絶大な価値を誇る一枚です。【湧々堂】

GS-2110
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」
「ロザムンデ」序曲 D.644*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO

録音:1953年8月30日ザルツブルク、フェストシュピールハウス(ライヴ)
1951年1月3、17日ウィーン・ムジークフェラインザール(セッション)*
使用音源:RVC(Japan) RCL 3336、EMI(U.K.) XLP 30097*
■制作者より  
このディスクのメインはフルトヴェングラーが1953年8月20日、ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを振ったシューベルトの交響曲第9番「ザ・ グレート」です。これについては宇野功芳著『フルトヴェングラーの全名演名盤』(講談社+α文庫、現在絶版)の中に「オーケストラのひびきの密度の 濃さ、カロリーの高さは異常なくらいで、現今ではこんなに夢中になって弾くオーケストラ演奏を聴くことは稀」とあるように、フルトヴェングラーの戦後 のライヴの中でも突出した演奏です。これは1984年12月、今は消滅した日本の会社RVCよりRCL-3336(LP)として世界で初めて発売され、その後、 同一音源はEMI、オルフェオ、ターラなどからCD発売されましたが、いまだに初出のLPであるRCL-3336が群を抜いた鮮明な音質と言われています。 従いまして、かねてからこのLPを素材として復刻せよとの声が多く寄せられていたため、このたびそれを試みました。結果、予想以上に出来のいいもの に仕上がったと自負しています。なお、スタジオ録音の「ロザムンデ」序曲はイギリスの初出LP XLP-30097を素材としました。  解説書には「ディスク」、1957年4月号に掲載された「ウィーンから新帰朝の指揮者、金子登さんは語る」の中からフルトヴェングラーに関する記述 を抜粋して掲載しました。この「ザ・グレート」と同じ年の1953年の滞在記で、非常に興味深い内容です。(平林 直哉)

フルトヴェングラーの「グレート」は、1951年のDG録音が名演として知られますが、あらゆる点でこの53年盤が優位に立っているかもしれません。
第1楽章冒頭のホルンは今にもウィンナ・ホルンの朴訥さが懐かしさを醸し、主部は晩年とは思えないフレッシュな推進力を見せます。第2主題はガクッとテンポが落ちますが、その安定感が抜群。展開部の弦のピチカートもなんと瑞々しいこと!第2楽章中間部の憧れの風情と甘美な情感が混在した絶妙なニュアンスも聴きもの。終楽章冒頭は51年盤ほど緩急の差を付けず、ここにも推進力重視の姿勢が反映されています。例によって曲が進むに連れてヴォルテージはどんどん高まりますが、ここでは狂気に満ちたそれではなく、神々しささえ漂っている点がポイント。その雰囲気を生み出している最大の要因は、ウィーン・フィルの驚異的なアンサンブル。当時のウィーン・フィルがここまで一糸乱れず強固な凝縮力を持って鳴りなり切った例は稀でしょう。
全てのパートを克明に捉え、力感を見事に届けてくれる録音の良さも特筆もの。 【湧々堂】
GS-2111
ブルックナー:交響曲第8番(ハース版) ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1944年10月17日、ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源:Unicorn (U.K.) UNIC-109/10
放送用録音/マグネトフォン・コンサート)
■制作者より
拙著『フルトヴェングラーを追って』(青弓社)でも触れている通り、1968年にイギリス・ユニコーン・レーベルが設立された際、フルトヴェングラー 夫人からユニコーンの関係者に2つのテープが手渡されました。それらは、ブルックナーの交響曲第8番とベートーヴェンの同第3番「英雄」(ともに 1944年、ウィーン・フィル)で、これをもとにのちにLPが作成されました。「英雄」は1953年に発売されたウラニア盤と同一演奏ですが、ブルックナー の方はこのユニコーン盤が世界初発売です。その記念すべきLPの中でも最初期にプレスされ、最も音質が安定していると言われるもの(深緑色のレーベ ル)を復刻の素材としました。
解説書には1947年にウィーンの文筆家F.ヴィルトガンスによって書かれた「フルトヴェングラーおよびその他の人々」の邦訳を掲載しています。第二 次大戦後、フルトヴェングラーをはじめ、ナチスとの関係を取りざたされた音楽家は裁判にかけられました。その後、彼らの多くは1947年前後に無罪が 確定し、間もなくウィーンの楽壇にも復帰を果たします。ところが、ヴィルトガンスの論評によると、当時のウィーンにはこうした復帰を必ずしも歓迎しな い意見も根強かったと伝えています。戦後の余韻が色濃く残っていた頃の、貴重な文献のひとつと言えるでしょう。  なお、本演奏では第3楽章の一部にカットはあるものの、全曲にわたって「ハース版」に準拠していますので、他の多くのディスクと同じく「ハース版」 と表記しています。(平林 直哉)
GS-2112
ブルックナー:交響曲第5番(改訂版) ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO

録音:1956年6月3-6日、ウィーン、ゾフィエンザール
使用音源:Private archive (オープンリール・テープ、2トラック、38センチ)
■制作者より
クナッパーツブッシュ&ウィーン・フィルのステレオによるブルックナーの交響曲第5番は、当シリーズでも一度復刻しています(GS 2047/2010年、 4トラック・19センチのテープを使用(現在廃盤))。今回は2トラック、38センチのオープンリール・テープを素材としていますが、驚くべきはその音質 です。澄み切った空気感、瑞々しい音色、絹の肌触りのような柔らかさは腰を抜かすほどで、ウィーン・フィルの蜜のしたたるような美音がいやというほど 味わえます。この演奏は言うまでもなく評判の悪い改訂版を使用したものですが、その欠点を全く忘れさせてくれます。ワルター指揮、コロンビア響のマー ラーの「巨人」(GS 2105)では「レーベル設立以来の最高音質か?」と思っていましたが、今回のブルックナーはそれ以上かもしれません。制作者自身も、 音のチェックをしながら、その艶やかな音に酔いしれていました。(平林 直哉)

GS-2113
クナッパーツブッシュ/ブラームス&ワーグナー
ブラームス:交響曲 第3番
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲とヴェヌスベルクの音楽*
歌劇「さまよえるオランダ人」序曲*
 「パルジファル」第1幕前奏曲(リハーサル風景)#
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)
BPO、VPO*、ミュンヘンPO#

録音:1944年9月9日バーデン・バーデン (放送録音)
1953年5月6-7日ムジークフェラインザール(セッション録音)*
1962年11月ミュンヘン・バヴァリア・スタジオ(放送録音)#

使用音源:Melodiya D-06429/30、London(U.S.A.) LL 800*、Private archive#
■制作者より
クナッパーツブッシュが指揮したブラームスの交響曲第3番は今や複数の音源が知られていますが、その中でも戦時中の放送録音(ベルリン・フィル、 1944年)は最高と評価されているものです。今回はその演奏の初出LP(メロディア)から復刻、怪物クナの真骨頂を堪能出来ます。余白には当シリー ズ未復刻のワーグナーの序曲2曲のほか、ボーナス・トラックには貴重なリハーサルが付きます(邦訳付き)。リハーサルではクナの貫禄のある声がファ ンにはたまりませんが、あることに対して文句を言っているのも、いかにもクナらしいです。(平林直哉)

GS-2114
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響
アイリーン・ファーレル(S)、ナン・メリマン(Ms)
ジャン・ピース(T)、ノーマン・スコット(Bs)
ロバート・ショウCho

録音:1952年3月31日、4月1日、ニューヨーク、カーネギー・ホール
使用音源:RCA(U.S.A.)EC-52(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
トスカニーニのオリジナル・モノラルによるオープンリール・テープは中古市場でも非常に珍しいものですが、その中でもベートーヴェンの交響曲第9番「合 唱」(EC-52)は特に入手難として知られています。しかし、2014年になって幻化していたテープを入手、CD化にいたりました。音質は予想以上に情報 量が多く、特に中低域は豊かで、全体的には非常に肉厚で艶やかです。また、モノラルながら広がりも十分で、残響が意外に多いことにも気づかされます。 従来のディスクではいかにも窮屈に鳴っていた印象が、大きく変わってくるものと思われます。 解説にはジョン・M・コンリーが月刊誌に掲載した「トスカニーニ〈第9〉を録音」を掲載しています。これはこのディスクの録音セッションを詳細に伝え た文章で、準備の段階から指揮者の登場、セッション中の様子、休憩時間のトスカニーニ、録音の完成と指揮者の許諾、トスカニーニ家の再生装置のこ となど、演奏内容とぴたりと一致した読み物です! (平林 直哉)

GS-2115
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1958年1月13、15、17日、カリフォルニア、アメリカン・リージョン・ホール
使用音源:Privatearchive(オープンリール・テープ、2トラック、38センチ)
■制作者より
2010年に発売したワルター/コロンビア響の「田園」(GS-2055/4トラック、19センチのオープンリール・テープより復刻/2010年)は、また たく間に在庫切れとなってしまいました。その後、再プレスに関するお問い合わせをいただいていましたが、2014年になって、何と、この永遠の名盤の 2トラック、38センチのオープンリール・テープを入手しました。音質に関しては多言を申しません。ぜひ、ご自身の耳で確かめていただきたいと思いま す。また、解説にはこの演奏内容にふさわしいものを用意しました。それは、当時のプロデューサーだったトーマス・フロストによる「ブルーノ・ワルター、 最後のレコーディング・セッション」です。ワルターのステレオによる録音セッションは、ジョン・マックルーア、デヴィッド・オッペンハイム、トーマス・ フロストの3人のプロデューサーによって分担されていましたが、ワルターの生涯最後のセッションはフロストの担当でした。その時の模様を克明に記し た文章は、読み手があたかもその録音現場にいるかのような臨場感があり、なおかつ音楽家として、ひとりの人間としてのワルターの偉大さを見事に描き 出しています。言い換えれば、演奏内容以上に感動的と言えます。今回、この貴重な文献を、フロスト氏自身の許諾により特別に転載します。(平林 直哉)
GS-2116
ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調 Op.21
交響曲第2番 ニ長調 Op.36*

◆ボーナス・トラック
親愛なる日本の音楽愛好家の皆様……(ブルーノ・ワルター)#
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1959年1月5&9日ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール(ステレオ)
1959年1月5-9日ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール(ステレオ)*、1960年(?)(モノラル)#
使用音源:Private archive(オープンリール・テープ、2トラック、38センチ)
Columbia(Japan) PRICELESS-101#
■制作者より
べートーヴェンの交響曲第6番「田園」(GS 2115)に続くワルター&コロンビア響の2トラック、38センチのオープンリール・テープ復刻は、交響曲 第1番と交響曲第2番です。この2曲はワルターのベートーヴェンの中でも最も美しい演奏といわれるもので、その魅惑を最大限引き出しました。また、 ボーナス・トラックにはワルター&コロンビア交響楽団によるベートーヴェンの交響曲全集が初めて日本で発売される際、ワルターが日本のファンのために 特別に収録した声のメッセージを加えています。 なお、解説にはウィーン・フィルのオットー・シュトラッサーが記した「ブルーノ・ワルター、謙虚なオールマイティ(その1)」を特別に掲載します。筆 者はワルターと戦前・戦後を通じて共演するだけではなく、個人的にも親しい間柄でした。長期間ワルターと触れあった人でなければ絶対に書くことの出 来ない、深い内容のある文章です。(「ブルーノ・ワルター、謙虚なオールマイティ(その2)」はベートーヴェンの交響曲第4番&第5番「運命」(S-2117) 〈2014年10月発売予定〉に掲載します。)(平林 直哉)
GS-2117
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 Op.60
交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1958年2月8、10日、ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
1958年1月27、30日、ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール*
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  大好評のワルター/コロンビア交響楽団の2トラック、38センチのオープンリール・テープ復刻、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」(GS 2115)、第1番&第2番(GS 2116)に続き、交響曲第4番&第5番「運命」が登場します。音質は従来通り、原音の輝き、瑞々しさを限りなく忠実 に再現します。なお、解説書にはオットー・シュトラッサーによる「ブルーノ・ワルター、謙虚なオールマイティ(その2)」を掲載しています。(「ブルーノ・ ワルター、謙虚なオールマイティ(その1)」はGS-2116に掲載しております。) 平林直哉

GS-2118
F・ライナー〜レスピーギ&チャイコフスキー
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
 交響詩「ローマの噴水」
チャイコフスキー:序曲「1812年」*
フリッツ・ライナー(指)CSO

録音:1959年10月24日、シカゴ、オーケストラ・ホール
1956年1月7日、シカゴ、オーケストラ・ホール*(共にステレオ)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
RCA(U.S.A.) ACS-26(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)*
■制作者より
当シリーズでは初めてライナー指揮、シカゴ響のステレオ録音を復刻しました。レスピーギが2トラック、38センチの、チャイコフスキーが2トラック、 19センチのそれぞれオープンリール・テープを復刻の素材としました。チャイコフスキーも非常に鮮明な音ですが、驚くべきはレスピーギの「ローマの松」 「ローマの噴水」です。こんなに柔らかく繊細な音だったのかと、腰を抜かさんばかりの美音です。また、「ローマの松」の〈カタコンブ付近の松〉にお けるオルガン(4分19秒〜)はあまりにも生々しく聴き取れ、まさに鳥肌ものです。なお、解説書には畑で作業をするライナーなど、珍しい写真を掲載 しました。(平林 直哉)
GS-2119
フルトヴェングラー/擬似ステレオ版オープンリール・テープ復刻第3弾
ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 Op.60
交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1952年12月1-2日、1954年2月28日&3月1日* ウィーン、ムジークフェライン・ザール
使用音源:EMI (Japan) AXA 3059 (オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)
EMI (Japan) AXA 3060 (オープンリール・テープ、19センチ、4トラック)*
(共に疑似ステレオ)
■制作者より  
これまでオープンリール・テープ(4トラック、19センチ)によるフルトヴェングラーの擬似ステレオ復刻盤は、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」 他(GS-2070/2011年)、同交響曲第9番「合唱」(GS-2084/2012年)を発売しましたが、予想外の好評でたちまち品切れとなりました。続 編の要望を頂戴していましたが、このたびようやく状態の良いテープを入手しましたので、ベートーヴェンの交響曲第4番+第5番「運命」を発売します。 なお、第5番の方には擬似ステレオ化に際しての編集ミス(第4楽章の62小節、1分46秒付近)が含まれていることが知られています。今回、マス タリングの際に楽譜通りになるように修正しましたが、オリジナル通りに完全には復元出来ておりませんので、この点はあらかじめご了承下さい。  また、解説にはオットー・シュトラッサー著「ヴィルヘルム・フルトヴェングラー追想、尊厳と愛惜の念をこめて」を掲載しています。シュトラッサーが フルトヴェングラーに関して記した文章は他でも読むことが出来ますが、これは長さがたっぷりとあるためか、著者の巨匠指揮者に対する愛情と尊敬が恐 ろしく満ちあふれています。フルトヴェングラーを愛する人ならば、少なくとも一度は読んでおきたい逸品です。ついでに記しておきますと、表紙に使用し た写真は、ベルリンの旧フィルハーモニーで行われた〈ウィーン・フィルとの演奏会〉という珍しいものです。(平林 直哉)

GS-2120(2CD)
マーラー:交響曲第9番ニ短調 ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1961年1月16、18、28、30日、2月2、6日、カリフォルニア、アメリカン・リージョン・ホール(ステレオ)
使用音源:Private archive(オープンリール・テープ、2トラック、38センチ)
■制作者より  
ワルター指揮、コロンビア交響楽団の名盤、マーラーの交響曲第1番「巨人」と並行して録音されたのが同じくマーラーの交響曲第9番でした。言う までもなく、この曲はワルターが初演を行い、ワルター自身もこの第9番こそマーラーの遺言であると語っています。かくして、ワルターの特別な思いがこもっ た作品が、2トラック、38センチのオープンリール・テープより蘇ります。しかも、2枚組1枚分価格でのご提供です! また、初出のLPにはワルター 自身がマーラーの交響曲第9番について記した文章が掲載されていましたが、当CDにはその全文を翻訳して掲載しています。  なお、この第9番はジョン・マックルーアの制作ですが、その偉大なプロデューサーは2014年6月17日に84歳で他界しました。当GSシリーズに もさまざまな情報を提供してくれたマックルーアに対し、この第9番を追悼盤として捧げたいと思います。(平林 直哉)
GS-2122
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番*
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第5番#
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ワルター・ヘンドル(指)CSO
マルコム・サージェント(指)ロンドン新SO*#

録音:1959年1月10,12日オーケストラ・ホール、シガゴ
1962年5月14,16日ウォルサムストー公会堂、ロンドン*
1961年5月15,22日ウォルサムストー公会堂、ロンドン#
使用音源:Praivate archive(2Track Reel to Reel Tape,15IPS
*おことわり:古いテープから復刻しておりますので、わずかな音揺れやノイズが含まれます
当シリーズにハイフェッツの2トラック、38センチのオープンリール・テープ復刻が登場しました。別次元の音をお約束します。また、解説には取材嫌いで有名なハイフェッツの稀少なインタビューを掲載していますが、これまたファンには興味が尽きない内容です。(平林 直哉)
GS-2123
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番
ヴァイオリン協奏曲第4番
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1958年12月10、12、15、17日、カリフォルニア、アメリカン・リージョン・ホール(ステレオ)
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
ワルターの2トラック、38センチのオープンリール・テープ復刻に、フランチェスカッティとのモーツァルトが加わります。ワルターの大らかで慈愛に満 ちた伴奏、フランチェスカッティのしたたるような美音、今なお色あせぬ名演です。その演奏をいつもどおり原音に忠実に再現しています。  解説書にはブルーノ・ワルター自身の原稿「レコード音楽について考えること」を掲載しています。これはワルターの生涯最後の執筆と言われているもので、 古い雑誌やLPのジャケットに掲載されていましたが、今回は新訳で収録しています。(平林 直哉)
GS-2124
ベートーヴェン:交響曲第1番
交響曲第6番「田園」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1952年11月24、27、28日ムジークフェラインザール
(2)1952年11月24-25日ムジークフェラインザール
使用音源:EMI(Japan) AXA 3059(オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)、EMI(Japan) AXA 3061(オープンリール・テープ、4トラック、19 センチ)*
■制作者より
フルトヴェングラーがEMI(HMV)に残した主要録音は1960年代に疑似ステレオ化されましたが、その中でも最も出来が良いと言われたのがベートーヴェ ンの交響曲第1番と第6番「田園」です。この2曲を第4番+第5番(GS 2119)に続いて4トラック、19センチのオープンリール・テープより復刻 しました。このふっくらと広がりのある再生音は、ウィーン・フィルの艶やかな音色と、ムジークフェラインザールの優れた響きにぴったりで、オリジナル のモノーラルとは異なった魅力で味わえます。解説書にはエルヴィン・ミッターク著『ウィーン・フィルの歴史から』より、フルトヴェングラーに関する記 述を訳して掲載しました。ここでは、フルトヴェングラーとウィーン・フィルとが共演し始めた頃の状況が詳しく述べられています。(平林 直哉)
GS-2125
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1958年1月20、23、25日/ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール(ステレオ)
■制作者より  
ワルター&コロンビア響の2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻に、いよいよベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が加わります。既 出盤と同様、いかにもアナログらしい、ふくよかで瑞々しい音質で楽しむことが出来ます。 解説書には交響曲全集の初出LPに添えられていたプロデューサー、ジョン・マックルーアのメッセージほか、同じくプロデューサーであったトーマス・ フロスト提供の珍しい写真などを掲載しています。(平林直哉)

GS-2126
シューベルト:交響曲第9番「グレート」 ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO

録音:1959年1月31日、2月2、4、6日、カリフォルニア、アメリカン・リージョン・ホール(ステレオ)
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
ブルーノ・ワルターの2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻は大好評で、これまでにも「やっと理想的な音にめぐり会えた」「アナログら しい、柔らかい音が魅力」など賞賛の声が届いています。今回はワルターのロマン的な気質とぴたりと合った名演と言われる、シューベルトの「ザ・グレー ト」です。むろん、音質は従来通り、原音の持つ響きを忠実に再現しています。(平林直哉)
GS-2127
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

ライヴ録音:1952 年12 月8日、1952 年 2 月10日*/ティタニア・パラスト(ベルリン)
使用音源:Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
1952年2月10日、ベルリン・フィル創立70周年にて演奏されたブラームスの交響曲第1番は、フルトヴェングラーのライヴ録音の中でも傑出した 演奏として知られています。しかしながら、これまで出ていたすべてのLP、CDは演奏中の咳ばらいや演奏上のミス(たとえば、第2楽章66小節、第 3楽章139小節など)が編集されていました。ところが、今回復刻に使用したテープはそうした箇所が全く手つかずのまま残っているだけでなく、演奏開 始から楽章間のインターバル、そして終了後の約1分半にもおよぶ拍手が全くノー・カットで収録されており、非常に感動的です。ウェーバーも演奏開始 前、終了後の拍手が完全に含まれています。なお、この2曲は余計なノイズ・カットなどを施していないため、渋くて力強く、腹の底にずしりと響くよう な音質で味わえます。  また、解説書には太田太郎(元東京音楽学校教授)が戦前、フルトヴェングラーのリハーサルや本番を見た寄稿文を掲載しています。日本人によるフ ルトヴェングラー体験記はいくつか知られていますが、その多くはおおまかな印象を伝えるものでした。しかし、この太田の文章は音楽の流れが目に見え るような詳細な記述で、たいへんに興味深いものです。(平林 直哉)
GS-2128
シューベルト:交響曲第9番ハ長調 D.944「ザ・グレート」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO


ライヴ録音:1943 年 5月12日/ストックホルム、コンセルトフセト(コンサート・ホール)
使用音源:Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
1943年5月、フルトヴェングラーはウィーン・フィルと北欧へ演奏旅行に出かけましたが、その途次ストックホルムでシューベルトの交響曲第9番「ザ・ グレート」が中継放送されました。このライヴは過去さまざまなレーベルから発売されていますが、今回入手したテープは終演後の拍手が全部で約3分半、 楽団員が舞台の袖に戻る姿を見て聴衆が拍手をやめるまで、完全に記録されています。楽団員の足踏みと思われる音、感激した聴衆の叫び声、あるいは 途中で収まりかけた拍手が何かによってまた盛大になるなど、その場にタイム・スリップしたかのような臨場感です! また、第3楽章から第4楽章に移 る時の緊張感高まるインターバルも含まれています。なお、周知の事実ではありますが、第2楽章の330〜347小節はフルトヴェングラー自身がカット したもので、原録音の欠落、もしくは編集ミスではありません。(平林直哉)
GS- 2129
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲*
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ピエール・フルニエ(Vc)

録音:1959年11月20日アメリカン・リージョン・ホール(セッション)
1959年2月14-20日アメリカン・リージョン・ホール(セッション)*
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
大好評、ワルター/コロンビア響の2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻シリーズの最新盤は、生前熱い友情で結ばれた2人の作曲家 の傑作、ブラームスの二重協奏曲(フランチェスカッティ、フルニエ)とドヴォルザークの「新世界より」を組み合わせました。音質に関してはこれまで同様、 原音の持つ響きを忠実に再現しています。なお、解説書には日本の作曲家・橋本國彦がヨーロッパ滞在中に遭遇した、ワルターの演奏会の模様を綴った 短い印象記を掲載しています。(平林 直哉)

GS-2130
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」
リハーサル風景(交響曲第7番第2楽章より)*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO、ルツェルン祝祭O

録音:1952年12月7日ベルリン・ティタニア・パラスト、1951年8月15日ルツェルン・クンストハウス*
■制作者より
フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのベートーヴェンの「英雄」(1952年12月7日収録)はGS 2076(廃盤)以来の2度目の復刻となりますが、 今回使用したテープは非常に状態が良く、過去最高音質と言っても過言ではありません。コレクターの間ではこの演奏の最高音質はドイツ・フルトヴェン グラー協会のLP(F666 848)と言われていますが、それに十分匹敵するか、それ以上かもしれません。リハーサルの方はごくわずかですが冒頭の部分 は過去のどのディスクにも含まれていないため、今回が史上最長の収録となります。また、対訳(日本語、英語)が付いた唯一のディスクとしても価値が あります。なお、日本のファンの方には直接関係ないかもしれませんが、英訳を担当したのはあの名指揮者ゲオルグ・ティトナー夫人であるターニャ・ティ ントナーさんです。(平林直哉)
GS-2131
ハイドン:交響曲第88番 ト長調
交響曲第100番 ト長調「軍隊」*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1961年3月4-8日アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)
1961年3月2-4日アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)*
使用音源: Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ワルター指揮、コロンビア交響楽団によるハイドンはわずか2曲しか残されませんでしたが、演奏内容は他の作品同様、晩年のワルターが到達した偉大 な世界であることに変わりはありません。今回も2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用し、原音を忠実に再現しました。この瑞々しく広 がりの豊かな音はとても半世紀以上の録音とは思えず、目からうろこのように、その真髄に初めて触れると感ずる人は多かろうと思います。(平林直哉)
GS-2132
フルトヴェングラー/フランク&ブラームス
フランク:交響曲 ニ短調
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

ライヴ録音:1945年1月28日、ウィーン、ムジークフェラインザール(モノラル)
使用音源:Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
フルトヴェングラーが亡命直前にウィーン・フィルを振ったフランクの交響曲、ブラームスの交響曲第2番は、当時の緊迫した情勢ゆえに異様な興奮と 熱狂をはらんだライヴとして知られています。これらの演奏はLP、CDを通じてさまざまなレーベルから発売されてきましたが、その多くは2曲別々のディ スクに収録されたり、あるいはセット物の中に組み入れられていました。しかしながら、この2曲は単独で収録されてこそ記録の重要性が浮き彫りにされ るわけで、今回のように1枚に2曲を収録したディスクはフルトヴェングラー・ファン待望のものと言えるでしょう。マスタリングはいつもと同じく、テー プに刻まれた情報を可能な限り忠実に再現しています。なお、収録日には異説もありますが、復刻に使用したテープにはともに「1月28日」と記してあり、 それをそのまま使用しています。(平林 直哉)
GS-2133
ブルックナー:交響曲第5番(原典版) ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO


ライヴ録音:1951年8月19日、ザルツブルク、フェストシュピールハウス
使用音源:Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィル、1951年ザルツブルク音楽祭でのブルックナーの交響曲第5番はLP時代から知られていました。しかし、 CD時代になると、あれこれと手を加えられた編集盤がごく普通に流通するようになりました。たとえば、第1楽章の231小節、237小節のホルンの吹 き損じが、多くのCDではきれいに修正されています。こうした編集方針は制作者の判断によりますので、全面的に否定は出来ません。しかし、ファンの 立場になって考えた場合、このような措置は歓迎されないのではと考えています。聴衆のノイズも可能な限り除去したり、目立たないようにするのが最近 の流行ですが、このような雑音と思われる音も、その日その会場内で響いた音楽のひとつとして捉え、あえて修正等は行っていません。(平林 直哉)
GS-2134(2CD)
フルトヴェングラー/最晩年のシュトゥットガルト公演
フルトヴェングラー:交響曲第2番 ホ短調
ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調 Op.21
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
シュトゥットガルトRSO

ライヴ録音:1954年3月30日シュトゥットガルト(モノラル)
使用音源: Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
1954年3月、フルトヴェングラーはシュトゥットガルト放送響に客演し、自作の交響曲第2番とベートーヴェンの同第1番を振りました。これらの演奏 も過去、協会盤を始め、さまざまなレーベルから発売されてきましたが、演奏内容も音質も非常に地味というのが一般的な印象でした。しかしながら、 余計な音質補正を施さない原音は予想以上に情報量が多く、演奏の印象を大きく変えることになると思われます。  なお、入手したテープには演奏前後の拍手は入っていませんが、通常はカットされることの多いフルトヴェングラーの交響曲第2番の第3楽章と第4 楽章のやや長いインターバル(約22秒)ほか、曲間はすべてそのまま収録しています。。(平林 直哉)
GS-2136
ハンブルクでの白熱の「ブラ1」
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲Op.56a
交響曲第1番 ハ短調 Op.68
)ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
北西ドイツRSO

録音:1951年10月27日、ハンブルク、ムジークハレ(モノラル・ライヴ)
使用音源: Private archive(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
フルトヴェングラーは1947年9月と1951年10月の2回、北西ドイツRSO(現北ドイツ放送)に客演しました。このオーケストラには戦 前のベルリン・フィルの団員だったコンサートマスターのエーリヒ・レーンやチェロのアルトゥール・トレースターなどが在籍しており、フルトヴェングラー も彼らとの旧交を温めるとともに、万感の思いを込めて指揮をしたと言われています。この時残された録音はフルトヴェングラーの数あるライヴの中でも 屈指の出来栄えで、絶好調のベルリン・フィルとの演奏に比肩すると評価する人も多いようです。  また、解説書にはフルトヴェングラー自身のエッセイ「私の一番興奮した体験」(とてもユーモラスな内容です)と、北西ドイツ放送がフルトヴェングラー の65歳の誕生日を記念して放送した番組の、それぞれ邦訳を掲載します。 (おことわり:交響曲第1番の一番最後の音は、従来のディスクと同様、フェイド・アウト気味になっています。元の録音がこのような状態ですので、ご了 承下さい。)(平林 直哉)

GS-2137
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

録音:1959年2月23&25日シンフォニー・ホール(ボストン)、1955年11月27&28日シンフォニー・ホール(ボストン)* 全てステレオ
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
ハイフェッツのメンデルスゾーンとベートーヴェンは2010年に発売したGS-2057(廃盤)で復刻しておりますが、その時は前者が4トラック、19センチ、 後者が2トラック、19センチのそれぞれオープンリール・テープを素材としていました。しかし、今回は2曲ともに2トラック、38センチのテープを使用、 最終形を目指して製作しました。その柔らかさ、瑞々しさは過去に類例がないと言えるでしょう。  また、解説書には長年ハイフェッツの録音にたずさわったRCAの制作部長、チャールズ・オコーネルの貴重な文献を掲載しています(前半部分、後半 部分はGS-2138に掲載予定)。ハイフェッツと直に接した人物ならではの、非常に興味深い読み物です。(平林 直哉)

GS-2138
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ブルッフ:スコットランド幻想曲*
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
フリッツ・ライナー(指)CSO
マルコム・サージェント(指)ロンドン新SO*
オシアン・エリス(Hp)

セッション録音:1955年2月21、22日オーケストラ・ホール(シカゴ)
1961年5月15、22日ウォルサムストウ・タウン・ホール(ロンドン)*
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:ステレオ(アナログ)
■制作者より  
ハイフェッツの2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻第4弾です。ブラームスはGS 2050(2011年8月、2トラック、19センチのオー プンリール・テープ使用。廃盤)以来の復刻ですが、ブルッフは当シリーズ初復刻です。音質については、従来通りと申し上げれば、それで十分かと思い ます。  解説書にはかつてRCAのRED SEAL部門の部長を務め、ハイフェッツの録音を多数手がけたチャールズ・オコーネルの手記「ヤッシャ・ハイフェッツ 〈その2〉」を掲載します。(「ヤッシャ・ハイフェッツ〈その1〉」はメンデルスゾーン&ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、GS 2137に掲載しています。 非常に興味深い内容なので、併せてどうぞ) (平林直哉)

GS-2139
チャイコフスキー:交響曲第4番
バッハ:管弦楽組曲第2番*
ドビュッシー:夜想曲#〜「雲」、「祭」
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO

録音:1960年9月14、15日ウェンブリー・タウン・ホール(ロンドン)【ステレオ/セッション】
1961年11月21日レニングラード・フィルハーモニー大ホール【モノラル/ライヴ】*
1960年2月26日レニングラード・フィルハーモニー大ホール【モノラル/ライヴ】#
使用音源: Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルが1960年に録音したステレオによるチャイコフスキーの後期3大交響曲(第4番〜第6番)は、今日も絶 大な人気を誇っています。当シリーズでは初期LPを素材として3曲を復刻しましたが、今回は最終形として2トラック、38センチのオープンリール・テー プを使用しました。第1弾は第4番ですが、第5番(GS 2140)、第6番「悲愴」(GS 2141)も続いて発売する予定です。  なお、ボーナス・トラックには同じく2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用したバッハの管弦楽組曲とドビュッシーの「夜想曲」より雲、 祭を加えました(以上、モノラル、ライヴ)。この2曲は1994年にロシアン・ディスクでCD化されましたが、現在では廃盤になったままで、入手しづ らい音源です。(平林 直哉)


GS-2140
チャイコフスキー:交響曲第5番
交響曲第5番〜第3楽章*
イタリア奇想曲#
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO
モスクワRSO*

録音:1960年11月9-10日ムジークフェラインザール(ステレオ)、1948年(モノラル)*、1950年2月23日レニングラード(モノラル)#
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
Melodiya 16417/8 (16417/3-4, 16418/4-4)(SP/78回転)*
Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)#
■制作者より
交響曲第4番(GS 2139)に続き、ムラヴィンスキーが最も得意とした交響曲第5番(1960年11月、ステレオ)の2トラック、38センチのオープン リール・テープ復刻が登場します。演奏内容については、もはや説明不用と思われます。音質については、いつものようにテープに記録された音質を最忠 実に再現しています。なお、ボーナス・トラックには同じくチャイコフスキーの交響曲第5番より第3楽章(1948年、SP録音/現在、唯一のCD)と「イ タリア奇想曲」(1950年、モノラル、2トラック、19センチのオープンリール・テープ使用)を加えています。(平林直哉)
GS-2141
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
弦楽セレナード ハ長調 Op.48*
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO

録音:1960年11月7-9日ムジークフェライン・ザール(ステレオ)
1949年3月25日レニングラード(モノラル)*
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
Private archive (2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)*
■制作者より
すでに発売されているオープンリール・テープ復刻(2トラック、38センチ)、ムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキーの交響曲第4番(GS 2139)、 そして発売待機中の同交響曲第5番(GS 2140)は「音の抜けが良く、非常に鮮明」との声が寄せられています。そして最後の交響曲第6番「悲愴」 が登場、これにて後期三大交響曲集が完結します。音質に関しては、改めて申し上げるまでもないでしょう。ボーナス・トラックにはモノラルのスタジオ 録音であるチャイコフスキーの「弦楽セレナード」を加えました。こちらは2トラック、19センチのオープンリール・テープを使用していますが、十分に 立派な音です。(平林 直哉)
GS-2142
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
バイロイト祝祭O&cho
エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
エリーザベト・ヘンゲン(A)
ハンス・ホップ(T)
オットー・エーデルマン(Bs)

ライヴ録音:1951年7月29日、フェストシュピールハウス、バイロイト
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
今回復刻に使用した音源は1951年7月29日、バイロイトにおける演奏、HMV/EMI系音源と同一のものです。この歴史的名盤は最新のリマスター によるSACDハイブリッド/SACDシングルレイヤーなどが発売されていますが、それらは舞台上や客席からのノイズを可能な限り除去し、全体の音質 も現代風に味付けがなされています。しかも、真偽が明確でない、演奏前の拍手まで付け加えられています。こうした措置は編集方針のひとつとして容認 されるべきでしょうが、一方ではそれを好意的に受け止めない人も多く存在します。今回使用したテープには演奏前の拍手、楽章間のインターバルなども 含まれず、昔の音のままで復刻されています。特にLP時代に、この演奏を楽しんだ人には歓迎されるのではと考えています。(平林直哉)
GS-2143
レスピーギ:ローマ三部作
交響詩「ローマの松」
交響詩「ローマの噴水」*
交響詩「ローマの祭」#
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)
NBC響
録音:1953年3月17日、1951年12月17日*、1949年12月12日#/カーネギーホール(ニューヨーク)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
トスカニーニ指揮、NBC交響楽団のレスピーギ「ローマ三部作」(「ローマの松」「ローマの噴水」「ローマの祭」)は言わずと知れた永遠の名盤です。当シリー ズでもこの演奏はGS-2029(2008年9月発売/廃盤)として復刻しましたが、これはLP復刻としては非常に完成度が高く、早々に完売してしまいました。 しかしながら、「LPのノイズが気になる」というファンも少なからず存在しましたが、今回のオープンリール・テープ復刻のGS-2143は、もちろんそう したストレスは一切ありません。しかも、全体の音像はGS-2029をさらにクリアにしたものであり、当分の間、これ一枚あれば特に困ることはないと言 えます。(平林直哉)

GS-2144
ブルックナー:交響曲第8番(ハース版) エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラード・PO

録音:1959年6月30日モスクワ(モノラル)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ムラヴィンスキーが1959年に録音したブルックナーの交響曲第8番は、彼の同曲唯一のスタジオ録音であると同時に、旧ソ連で最初に録音・発売さ れたブルックナー作品でした。しかしながら、地味な音質のせいか、これまではあまり話題にならなかったかもしれません。しかし、今回入手したテープ(2 トラック、38センチ、オープンリール・テープ)は、眼前に迫り来るような音質です。もちろん、モノラルであることには変わりはありませんが、この演奏 の評価を大きく変える可能性があります。なお、わずかではありますが、この録音に関してムラヴィンスキー夫人から寄せられた情報も記してあります。(平 林直哉)
GS-2145
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(原典版) ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1960年2月13、15、17、25日/アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ワルター指揮、コロンビア交響楽団によるステレオ録音のブルックナーは第4番、第7番、第9番の3曲が残されました。その中でワルターの音楽性と 最も相性が良いのがこの第4番「ロマンティック」だと言われています。演奏内容については今さら述べるまでもないでしょう。今回入手したテープはマ スター・テープのストレートなコピーらしく、内声部がくっきりと見通しよく響き、ワルターの細やかな表情がより明確に捉えられます。(平林 直哉)
GS-2146
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO
ティルラ・ブリーム(S)
エリーザベト・ヘンゲン(A)
ペーター・アンダース(T)
ルドルフ・ヴァツケ(Bs-Br)
ブルーノ・キッテルCho

ライヴ録音:1942年3月22日/旧フィルハーモニー(ベルリン)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
今回復刻したのは1942年3月、ベルリンでのライヴで、ユニコーン/メロディア系と同一の演奏です。演奏内容については、ここで繰り返すまでもな いでしょう。当シリーズでは同一演奏をメロディアLP(VSGレーベル)から復刻したCD(GS 2090廃盤)を一度発売しています。LP復刻も独特の味 わいがあり、どちらが良いかは簡単には言えないのですが、LPはカッティングの際にマスターの音をある程度加工しているので、このテープ復刻の方がよ り原音に近いと言えます。おそらく、これほど細部が明瞭に聴こえ、なおかつ腰のしっかりした再生音は他にあまりないと思われます。また、第2楽章ス ケルツォでの音の欠落はありません。 なお、解説書にはF.ヘルツフェルトの「プローベのフルトヴェングラー」を掲載しています。いささか抽象的な文章ですが、フルトヴェングラーのプローベ(練 習)を間近に見た人ならではの貴重な証言であり、ニキシュやビューローとの比較論も興味深いものがあります。(平林直哉)
GS-2147
ドヴォルザーク:交響曲第8番
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第2番*
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO

録音:1961年2月8、12日、ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
1960年7月1日、ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール*-
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
大好評、2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻シリーズです。ワルターが最晩年に収録したステレオ録音は、いずれもが珠玉の逸品です が、その中でも特に評価が高いドヴォルザークの交響曲第8番とベートーヴェンの「レオノーレ」序曲第2番を組み合わせました。音質は従来通り、と 申し上げれば十分でしょう。(平林 直哉)
GS-2148
ブルックナー:交響曲第9番「原典版」 ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1959年11月16&18日/アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)
使用音源:Private archive (2 Track Reel to Reel Tape, 15 IPS)
おことわり:古いテープから復刻しておりますので、わずかな音揺れやノイズが含まれます。
ワルターが最初にステレオ録音したブルックナーは、この第9番でした。オーケストラはいつものコロンビア交響楽団ですが、何と実体はいつもの寄せ 集めではなく、ある団体がそのまま録音スタジオに入って収録されました!その答えは、解説書にあります。(平林 直哉)
GS-2149
ブラームス:交響曲第1番
悲劇的序曲*/大学祝典序曲#
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1959年11月25日、1960年1月23日*、1960年1月16日# アメリカン・リージョン・ホール(ハリウッド)
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ワルター/コロンビア交響楽団による2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻シリーズですが、ブラームスの交響曲全集の準備が整いました ので、交響曲第1番より発売を開始します。ジャケットにはプロデーサーだった故ジョン・マックルーアの貴重な解説「ブルーノ・ワルターのリハーサル −その教訓と喜びと」(その1)(同その2は交響曲第4番+ハイドン変奏曲、GS-2150に掲載)を再掲載します。今回CD化するにあたり、再度原文 と照らし合わせた結果、単純な誤訳も修正しております。また、第2楽章のソロはマックルーアから提供された情報をもとに、ソリストを表記しています。 音質、解説を含め、最終形を目指しました。(平林 直哉) 

GS-2150
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98
ハイドンの主題による変奏曲*
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO

録音:1959年2月2、4、6、12、14日アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)
1960年1月8日アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)*
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ワルター指揮、コロンビア交響楽団のブラームスの中でも最も人気の高い交響曲第4番を2トラック、38センチのオープンリール・テープより復刻し ました。組み合わせはハイドンの主題による変奏曲です。音質については従来通りと申し上げれば十分かと思います。解説書にはプロデューサー、マックルー アの手記「ブルーノ・ワルターのリハーサル−その教訓と喜びと(その2)」を掲載しています(「同(その1)はブラームス:交響曲第1番ほか、GS- 2149に掲載)。音質については個々のきき手により印象はさまざまでしょうが、このマックルーアの手記は絶対的な価値を持つ、極めて重要な証言でしょ う。(平林直哉)
GS-2151
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 Op.90
交響曲第2番 ニ長調 Op.73*
ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1960年1月11&14日アメリカン・リージョン・ホール(ハリウッド)
1960年1月27&30日アメリカン・リージョン・ホール(ハリウッド)*
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
制作上の都合で発売が遅れておりましたワルター/コロンビア交響楽団によるブラームスの交響曲第3番+第2番がようやく完成しました。もちろん、 復刻に使用したのは2トラック、38センチのオープンリール・テープです。先に発売した交響曲第1番+悲劇的序曲+大学祝典序曲(GS-2149)、交響 曲第4番+ハイドン変奏曲(GS-2150)と併せると、ステレオによるワルターのブラームスの交響曲、管弦楽曲はすべて揃うことになります。音質に関し ては従来通りと申し上げれば、十分でしょう。(平林 直哉)
GS-2152
フルトヴェングラー〜ハイドン&シューベルト
ハイドン:交響曲第88番 ト長調 Hob.I:88*
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO

録音:1951年12月4&5日*、1951年11月27&28日、12月2&4日 イエス・キリスト教会(ベルリン・ダーレム)
使用音源:Private archive (2トラック、38 センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
フルトヴェングラーとベルリン・フィルが1951年11月から12月にベルリンのイエス・キリスト教会にて収録したハイドンの交響曲第88番、シュー ベルトの同第9番「ザ・グレート」は、今日もなお伝説的な名演として語り継がれています。今回復刻に使用したのは2トラック、38センチのオープンリー ル・テープですが、全体の響きのふくよかさ、各パートの明瞭さ、豊かな空気感など、目からうろこ的な音質と申し上げても良いかと思います。  また、解説書には当時ベルリン・フィルのコンサートマスターだったヘルムート・ヘラーが、ベルリン・フィルとの録音について記した文献を掲載しています。 ごく短い文章ですが、当時の現場の空気が伝わってくる貴重な証言でしょう。(平林直哉)
GS-2153
ベートーヴェン:交響曲第4番
交響曲第5番「運命」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1943年6月27-30日/旧フィルハーモニー(ベルリン)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
フルトヴェングラー&ベルリン・フィルの1943年6月、ベートーヴェンの交響曲第4番、第5番「運命」のオープンリール・テープ復刻の登場です。 この2曲はLP復刻の実績はなく、当シリーズ初復刻となります。なお、ベートーヴェンの第4番は同時期に2種の録音が存在しますが、このディスクは 全楽章ライヴのものです(全楽章放送録音版はGS-2020として復刻済み)。  解説書にはフルトヴェングラーの練習風景を描いた「もう5分だけお願いします、皆さん!」を掲載しています。これは2012年に発売したベートーヴェ ンの「英雄」(GS-2076(廃盤))に初めて掲載したもので、空襲警報でフルトヴェングラーとベルリン・フィルの団員が地下室に避難する様子を描いた ものです。筆者は匿名ですが、内容から察するに楽団員もしくは団の役職らしく、その現場に居合わせた人物でなければ書けない生々しさがありますし、 時期的にこの2曲の演奏と重なります。恐らく、多くのフルトヴェングラー・ファンはこの2種の演奏のディスクをすでに複数お持ちだと思いますが、音 質的な面と解説書の内容とで、新たにライブラリーの加えていただく価値はあると自負しています。(平林直哉)

GS-2154
ムラヴィンスキー・モスクワ・ライヴ1965
バルトーク:弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
オネゲル:交響曲第3番「典礼風」
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO

ライヴ録音:1965年2月28日モスクワ音楽院大ホール(ステレオ・ライヴ)
使用音源: Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルが1965年2月、モスクワに出向いて行った数々のライヴ録音は、珍しいレパートリーと優秀な音質(ステレ オ)で知られています。今回、2月28日の全演目を2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用して復刻しましたが、以下の点にご留意下さ い。まず、音質は過去に出たどのディスクよりも “はるかに” 生々しく、その凄まじい音響は背筋が凍るようです。当シリーズ始まって以来の、最大の衝撃 と言っても過言ではありません。また、演奏開始の拍手はありませんが、インターバルや終わりの拍手など、その場に居合わせた雰囲気を伝えるものはカッ トしていません。  さらに、今回のCD化に際し、誤った情報を訂正しています。まず、演奏会当日の曲順は、このディスクのようにバルトーク→ドビュッシー→オネゲル、 が正しいです。また、一部のディスクにはドビュッシーのフルート奏者はアレクサンドラ・ヴァヴィリナ、つまりムラヴィンスキー夫人と表記されていますが、 これも誤りです。これらについては天羽健三氏(元日本ムラヴィンスキー協会事務局長)の制作によるディスコグラフィや演奏会リストを参照するとともに、 当日出演したムラヴィンスキー夫人にも確認をとっています。つまり、このディスクは正確な曲順と正しいフルート奏者が明記された最初のものとなります。  解説は沼辺信一氏(編集者/20世紀芸術史)による力作です。沼辺氏は国内外の文献を読破し、旧ソ連の政治体制の中でムラヴィンスキーがどのよ うにして20世紀の音楽と関わりを持ったか、その周辺を可能な限り詳述しています。この点について、これだけ掘り下げた文章は、過去に存在しないと 思います。  優れた音質、正確な情報、そして充実した解説と、持っていて良かったと思ってもらえるCDが完成したと自負しています。(平林直哉)
GS-2155
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
交響曲第8番 ヘ長調 Op.93*
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO

録音:1958年2月1、3、12日/ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
1958年1月8、10、13日、2月12日、ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール *
使用音源: Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
ワルター/コロンビア交響楽団の2トラック、38センチのオープンリール・テープ復刻、今回はベートーヴェンの交響曲第7番と第8番です。音質に 関しては従来通りと申し上げれば、それで十分かと思います。これで2トラック、38センチのオープンリール・テープ復刻によるベートーヴェン交響曲全集は、 第9番「合唱」(2017年春頃に発売予定)を残すのみとなりました。  ステレオによるワルター/コロンビア響のベートーヴェン全集は当時、予約限定盤で番号もない特殊なLPで発売され、雑誌の批評も掲載されませんで した。解説書にはそうした状況を、当時の雑誌の座談会から偲びます。演奏の本質とは直接の関係はありませんが、知っていて損はないと思います。(平 林直哉)
GS-2156
マーラー:「大地の歌」 ブルーノ・ワルター(指)NYO
ミルドレッド・ミラー(Ms)、
エルンスト・ヘフリガー(T)

録音:1960年4月18、25日/マンハッタン・センター(ニューヨーク)
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
マーラーの「大地の歌」は、ワルターの指揮により初演と初録音が行われた作品です。ワルターの指揮した「大地の歌」は現在、ライヴも含めると複数 の録音が知られています。しかし、その中での双璧は1952年、デッカのモノラル録音と当ステレオ録音、これらの2種のセッションでしょう。ワルター のステレオ録音は臨時編成のコロンビアSOにより開始されましたが、「大地の歌」はワルターの希望により、あえてニューヨークで収録されたのは、 ここで繰り返すまでもないでしょう。この記念碑的名演である「大地の歌」ですが、当シリーズでは2011年に4トラック、19センチのオープンリール・テー プを使用して復刻(GS 2069(廃盤))しました。しかし、今回は2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用し、望みうる最上の形で再度復 刻しました。なお、当CDには歌詞対訳は付いておりません。ご了承下さい。(平林直哉)
GS-2157
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
フィルハーモニアO
ルツェルン祝祭cho
エリーザベト・シュワルツコップ(S)
エルザ・カヴェルティ(A)
エルンスト・ヘフリガー(T)t
オットー・エーデルマン(Bs)

ライヴ録音:1954年8月22日/ルツェルン、クン
ストハウウス(モノラル)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
フルトヴェングラーの生涯最後の “ルツェルンの第9” は、これまで数多くのレーベルより発売されていました。それだけの競合盤があるのにも関わらず、 発売する理由は「音質に自信があるから」にほかなりません。デジタル技術の発達にともない、単に機械的な原因によるものを始め、ライヴにありがちな種々 のノイズなどは簡単に除去できるようになりました。しかし、いくら最新の技術であっても、ノイズを除去すればするほど、音楽成分を失っています。この ようなお化粧を施した音を好むファンもいますが、特に歴史的音源を好んで聴くリスナーには、そうした操作に疑問を持つ人が多いです。 今回の第9も従来通り、ノイズ除去などの操作は基本的に一切行っていません。その結果、より見通しの良い広がりのある空気感、瑞々しい音色、骨太 で力強い音を得ることが出来ました。最も違いが明らかなのは第4楽章で、その真に迫る圧倒的な響きは、間違いなく過去のディスク類を圧倒しています。 (平林直哉)
GS-2158
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1952年11月26&27日/ムジークフェラインザール(ウィーン)
使用音源: Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
1952年11月にHMV(EMI)によりセッションで収録されたこの「英雄」は発売以来、フルトヴェングラー最高の名演として今日まで受け継がれています。 この語り尽くされた名盤ですが、このたびの復刻CDは、新たな伝説を生んだと言えるでしょう。復刻に使用したのは2トラック、38センチのオープンリー ル・テープですが、その音質は信じがたいほど鮮明で、オーケストラの各パートの動きがくっきりと捉えられています。したがいまして、威厳と風格、人間味に溢れた温かい響きと、蜜のようにしたたるウィーン・フィルの甘美な音色が、全く別次元のように再現されます。制作者自身、この演奏は知り尽くして いるつもりでしたが、そのあまりの素晴らしさゆえに、仮編集の音を何度も繰り返し聴いたほどでした。本来ならば、他の作品をカップリングすべきですが、 この究極の名演の前後に何を持ってきても不似合い、不釣り合いだと判断し、「英雄」1曲のみの収録とさせていただきました。わがままをお許し下さい。 (平林 直哉)

GS-2159
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 イシュトヴァン・ケルテス(指)VPO

録音:1961年3月22〜24日/ゾフィエンザール(ウィーン)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
2016年秋、ようやく念願かなってケルテス指揮、ウィーン・フィルのドヴォルザーク「新世界より」の、2トラック、38センチ、オープンリール・テープ を入手しました。幸いにしてテープの状態は非常に安定しており、その再生音は見事としか言いようがありません。前後、左右、上下の拡がりはたっぷり としており、溢れるような空気感もあり、録音された直後のテープを聴いているような新鮮さと瑞々しさがあります。ついに、最終形が完成したと安堵して います。(平林直哉)
GS-2160
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
交響曲第9番「ザ・グレート」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指))BPO

ライヴ録音:1953年9月15日/ティタニア・パラスト(ベルリン)
使用音源: Private archive(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より 
1953年9月15日、ベルリンのティタニア・パラストで行われたライヴです。音源としては従来から知られているものですが、今回使用したテープ(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)は、ベルリン・フィルの渋く重厚な音を見事に捉えたものです。これぞ、フルトヴェングラー&BPOの真髄でしょう。 フルトヴェングラーは1952年夏以降、何度か体調を崩したため、多くの演奏会がキャンセルされました。さいきん、1953/54のシーズンにおいて予定されていた“幻のプログラム”をいくつか手に入れましたので、それを解説書に掲載しまいた。最も注目されるのは、「え?」と思われる、ある大物作曲家のベルリン初演です。この作品が、どのような経緯で予定に上がったのか、その謎については解明出来ませんでしたが、まことに興味深いものです。また、もしも演奏されていたならば戦後唯一となっただろうと思われる“超有名曲”が2曲あります。音と解説と、両方で楽しんでいただけるディスクです。(平林 直哉)
GS-2161
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO
ウェストミンスターcho
エミリア・クンダリ(S)
ネル・ランキン(Ms)
アルバート・ダ・コスタ(T)
ウィリアム・ウィルダーマン(Br)

録音:1959年1月19、21、26、29、31日カリフォルニア、アメリカン・リージョン・ホール、1959年4月6、15日ニューヨーク
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ワルター/コロンビア交響楽団のベートーヴェン・シリーズ、2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻で最後の1曲となっていました第9番「合唱」が、遂に完成しました。当初は今年の秋頃の発売を予定していましたが、「早く出して欲しい」というリクエストが多かったため、予定を繰り上げました。“春の第9”も、これはこれで良いのではと思います。音質については、従来通りと申し上げれば十分でしょう。(平林直哉)
GS-2162
ジネット・ヌヴー/ブラームス&シベリウス
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲*
ジネット・ヌヴー(Vn)
イサイ・ドブロウェン(指)
ワルター・ジュスキント(指)*
フィルハーモニアO

録音:1946年8月16,17,18日アビー・ロード・スタジオ
1945年11月21日アビー・ロード・スタジオ*
使用音源: Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻)
■制作者より
伝説のヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴーのHMV録音であるブラームスとシベリウスのヴァイオリン協奏曲は、言わずと知れた名盤です。この2曲 を2トラック、38センチのオープンリール・テープより復刻、すっきりと聴きやすい音質で蘇りました。 今回の復刻CDでは、演奏内容以上に注目されるのが、ジネットの母ロンズ=ヌヴーによる手記です。母はジネットとジャン、2人の子供の思い出をの ちに1冊の本にまとめますが(原書はフランス語、英訳あり、邦訳なし)、この手記はそれよりも前に書かれたものです。最も身近な存在であった母の描写は、 ジネットの人となりをまことに見事に浮き彫りにしています。母は2人の子供を失った大きな悲しみを抑えつつ、客観的に、淡々と書き綴っているがゆえに、 この偉大なヴァイオリニストの存在感の大きさが真に迫ってきます。言い換えれば、この手記を多くの人に読んでもらいたいがために、今回の復刻CDを 制作したのです。
■おことわり  
ブラームスの第1楽章、14分07秒付近でアラーム音のようなノイズが入ります。これは原盤に混入しているもので、過去に発売されたSP、LP、 CDにも入っています。従いまして、このノイズは当CDの制作過程で発生したものではありません。(以上、平林直哉)
GS-2163
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕 ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO
キルステン・フラグスタート(ソプラノ/ジークリンデ)
セット・スヴァンホルム(テノール/ジークムント)
アルノルト・ヴァン・ミル(バス/フンディング)

録音:1957年10月28-30日/ゾフィエンザール(ウィーン)
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
当シリーズではGS-2033(廃盤)(LP復刻、デッカSXL2074/5を使用、2009年)以来、二度目の復刻となります。今回は2トラック、38センチのオー プンリール・テープを使用しましたが、その再生音は事件、70年前の録音とは全く信じがたいほどです。まず、最初の前奏曲、低弦の異様なまでの生々 しさに度肝を抜かれますが、そのあとの強弱がこれほど明瞭だったとは驚きです。金管楽器は座席位置が目に見えるほどくっきりと浮かび上がり、打楽器 のニュアンスさえも別物に響きます。歌手が登場、ジークリンデがジークムントに水を差し出す時の、清水が湧き出るような美しさは卒倒しそうになります。 3人の歌手のやりとりにともない、オーケストラが生き物のように動いている様子も克明に聴き取ることが出来ます。また、解像度が上がったため、歌手 の子音もはっきりと聴き取れるばかりでなく、声そのものもぐんと若返った印象も与えます。終盤の〈冬の嵐は去り〉以降はまさに神域に達した数少ない 例で、指揮者、歌手、オーケストラともども、史上最高であることが実感出来ます。空恐ろしい復刻盤だと思います。なお、当CDには歌詞対訳は付い ておりません。(以上、平林 直哉)
GS-2164
ワルター〜ワーグナー:管弦楽曲集
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
舞台神聖祝典劇「パルジファル」第1幕前奏曲*
舞台神聖祝典劇「パルジファル」より聖金曜日の音楽*
歌劇「さまよえるオランダ人」序曲**
歌劇「ローエングリン」第1幕前奏曲#
歌劇「タンホイザー」序曲とヴェヌスベルクの音楽##
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO
オクシデンタル大学コンサートcho

録音:1959年12月4日、1959年2月25日*、1959年2月20日**、1959年2月27日#、1961年3月24、27日##/アメリカン・リージョン・ホール(ハリウッド)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  ワルターの指揮したワーグナーのオペラは、SP時代の「ワルキューレ」第1幕全曲をのぞけば、ほとんどまとまって残されません。そのため、ワルター にとってワーグナーは若干遠い作曲家のように認識されていますが、実はワルターは特に若い頃、この作曲家に傾倒しており、実質的な “ワーグナー指揮 者” と言っても過言ではありません。最晩年のステレオ録音も管弦楽曲のみを収録するにとどまりましたが、この2トラック、38センチのオープンリール・ テープ復刻により、思っていた以上にスケールと起伏の大きい、なおかつワルターらしい情感に溢れたワーグナーが実感していただけると思います。なお、 解説書には歌詞対訳は付いておりませんので、ご了承下さい。(平林 直哉)
GS-2165
ベートーヴェン:交響曲第1番
交響曲第5番「運命」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1952年11月24日、27日ムジークフェラインザール(ウィーン)
1954年2月28日、3月1日ムジークフェラインザール(ウィーン)*
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
大好評、第3番「英雄」(GS-2158)に続く、フルトヴェングラー&VPOのベートーヴェン、オリジナル・モノラルの2トラック、38センチ、オープンリール・テー プ復刻です。今回の第1番、第5番「運命」はフルトヴェングラーの録音の中でも最も音質が優れたものとして知られていますが、復刻の音質は第3番「英 雄」(GS-2158)と同等と記すだけで十分でしょう。 また、解説書には、日本の指揮界の発展に大きく貢献した斎藤秀雄が書いたフルトヴェングラー追悼文を、関係各方面の許諾を得て掲載しています。斎 藤は1923年にドイツに留学し、4年間の滞在中にフルトヴェングラーの演奏を多数体験しています。追悼文自体はそれほど長いものではありませんが、 偉大な音楽家による記述は、それ相応の重みが感じられます。(平林直哉)
GS-2166
ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 Op.60
交響曲第7番 イ長調 Op.92*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1952年12月1&2日ウィーン、ムジークフェラインザール、1950年1月18&19日ウィーン、ムジークフェラインザール*
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
オリジナル・モノラル、2トラック、38センチ、オープンリール・テープによるフルトヴェングラー&VPOのベートーヴェン第4+第7(HMV)、歴史 的名演の登場です。いつも通り、元テープに刻まれた情報量を限りなく忠実に再現したもので、不必要なノイズ・カット等は全く施しておりません。
交響曲第4番の第4楽章5分36秒付近から7回程度「チッ」というノイズが入ります。これらは原盤に混入しているもので、従来のLP、CDにも 存在しており、当CDの制作過程で生じたものではありません。(以上、平林直哉)
GS-2167
フルトヴェングラー/「田園」+「モルダウ」
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
スメタナ:交響詩「モルダウ」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーしVPO

録音:1952年11月24、25日ムジークフェラインザール(ウィーン)
1951年1月24、25日ムジークフェラインザール(ウィーン)*
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
オリジナル・モノラルによる、2トラック、38センチのオープンリール・テープ復刻第です。同じくモノラルではLP復刻(「田園」=HMV ALP-1041使用、 GS-2026〈品切れ〉、2008年/「モルダウ」=HMV BLP-1009使用、GS-2030〈品切れ〉、2008年)以来、2度目の登場となります。LP復刻 の音も独特の味わいがありますが、プチパチ・ノイズのない、より明瞭なテープ・サウンドは魅力的です。 解説書用の新規のネタは、だんだんと発見するのが難しくなりましたが、ルツェルン音楽祭での逸話を見つけました。音と併せてお楽しみ下さい。(平林直哉)
GS-2168(1CD)
リヒテル〜チャイコフスキー&ラフマニノフ
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)ウィーンSO
スタニスワフ・ヴィスロツキ(指)ワルシャワPO*

録音:1962年9月24〜26日ムジークフェラインザール(ウィーン)
1959年4月26〜28日フィルハーモニー(ワルシャワ)*
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
制作者より  
今回も復刻には2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用しました。これらのテープは別の物を探している時に偶然見つけたものです。そ の時は特に興味はなかったのですが、試しにと思って取り寄せたところ、実に見通しの良い音だったのでCD化を試みました。オーケストラの広がりの豊 かさはもちろんのこと、ピアノのボディがくっきりと浮かび上がるような感じです。これも、リヒテルの没後10年にぴったりのものが完成したと思っています。 (平林直哉)
GS-2169
フルトヴェングラー/フランクとシューマン
フランク:交響曲 ニ短調
シューマン:交響曲第1番「春」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1953年12月14日&15日ムジークフェラインザール(ウィーン)
1951年10月29日ドイツ博物館、コングレスザール(ミュンヘン)*
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
フランクは1953年、デッカによる録音セッションであり、シューマンは1951年のライヴです。ともに2トラック、38センチのオープンリール・テープよ り復刻、テープに記録された情報をくまなく再現しています。シューマンは実にしっかりした腰の強い音ですが、フランクの方は、モノラルとしては、これ 以上はあり得ないというレベルにまで達しています。また、解説書には「マルケヴィッチのフルトヴェングラー論」を掲載しています。ごく短い文章ですが、 フルトヴェングラーの生演奏を体験した人でなければ書けない内容です。(平林直哉)
GS-2170
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 ジャン・マルティノン(指)VPO

録音:1958年3月31-4月3日ゾフィエンザール(ウィーン)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
あまりにも有名な名盤であり、当シリーズではGS-2038[廃盤](LP復刻、英デッカSXL-2004を使用、2009年)に続いて、2度目の復刻となります。フランス人の指揮者を起用してロシア物を録音する、特にカタログの少なかったステレオ初期であることを考慮すると、これは大胆な選択、一種の賭けと言えます。結果に関しては言うまでもないでしょう。このマルティノン盤はケルテスの「新世界」(GS-2159)とともに、ウィーン・フィルの録音史上でも突然変異的名演として、今日でも絶大な人気を誇っています。今回も復刻には2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用しましたが、その鮮度は腰を抜かすほどで、いかに突出した演奏であったかが強烈に伝わって来ます。(平林直哉)
GS-2171(2CD)
マーラー:交響曲第2番「復活」
 さすらう若人の歌*
ワーグナー:ジークフリート牧歌#
ブルーノ・ワルター(指)、
エミリア・クンダリ(S)
モーリン・フォレスター(Ms)
NYO、ウェストミンスターcho
ミルドレッド・ミラー(Ms)*
コロンビアSO#

録音:1957年2月18日&1958年2月17、21日カーネギー・ホール(ニューヨーク)
1960年6月30日、7月1日アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)*
1959年2月27日/アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)#
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
ワルターの初めてのステレオ録音である、マーラーの交響曲第2番「復活」ほか、2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻の登場です。マーラー の「復活」のLPが初めて発売された時、ワルターはアメリカ・コロンビア社の依頼により、ジャケットに曲目解説を書いています。しかし、その後はな ぜかこの解説は顧みられることはなく、国内でも過去、一度も使用されていません。この解説を絶対に生かしたいと願い、その機会をうかがっていましたが、 遂にそれが実現しました。木幡一誠氏の緻密で明瞭な訳文からは、ワルター自身の、マーラーとその作品に対する深い愛情と尊敬がまざまざと読み取られ、 実に感動的です。この演奏に、これ以上の解説はないと断言出来ます。また、音質は従来通り、いかにもアナログらしい、柔らかく落ち着いたものとなっ ています。なお、当2枚組には歌詞対訳は付きません。また、ワルター自身の解説は「復活」のみで、他の2曲は含まれておりません。(平林 直哉)
GS-2173
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(原典版) ブルーノ・ワルター(指)コロンビアSO

録音:1961年3月11、13、19、22、27日/アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
この第7番は、宇野功芳著『名指揮者ワルターの名盤駄盤』(講談社+α文庫/絶版)によると、「ワルターのブルックナーの中では、出来が一番悪い」「根 本的な音楽性がブルックナーとは異質」とあります。むろん、これは従来の復刻盤によるコメントです。しかしながら、当復刻盤を一度聴けば、大半のワルター・ ファンはこれらと全く反対のことを思うはずです。とにかく、音楽が始まって10秒もしないうちに、誰もが別世界のような風景が眼前に現れのを認識する でしょう。空間的な広がりや瑞々しさは、とても1961年録音とは思えず、その温かく偉大な響きは神々しいとさえ言えます。あまりにも素晴らしくて、制 作者はこの「第7」を「世界最高のブルックナー」、「最も音の良いワルターのステレオ録音」と言い切ってしまいたいです。  解説書もまた、ワルター・ファンには驚きでしょう。ワルターが亡くなる約3ヶ月半前、ある日本人がワルター宅を訪れ、その時の印象を雑誌に寄稿し ています。分量はそれほど多くはありませんが、たいへんに貴重な文献です。また、この日本人が撮影したワルターの写真(カラー)も掲載していますが、 これは知り得る限りにおいて、ワルターの最後の写真のひとつだと思われます。(平林直哉)
GS-2174
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
ベートーヴェン:交響曲第7番*
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1950年1月19-21日、1950年1月18&19日*、1949年4月1-4日#/ウィーン・ムジークフェライン・ザール
使用音源:EMI(Japan) AXA-3060、AXA-3062*#(4トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:疑似ステレオ(録音セッション)
■制作者より  
フルトヴェングラー&VPOのオープンリール・テープ(4トラック、19センチ)復刻による疑似ステレオ版は、これまでベートーヴェンの交響曲第 1、3、4、5、6、9番を発売しました。残る第7番と、組み合わせに必要な曲目のテープがなかなか見つからず、中断したままになっていましたが、ようやく 準備が整いました。今回の音源は基本的にSP(78回転)であるため、他の疑似ステレオ版よりも原盤に起因するノイズが若干多めですが、その独特の 音は十分楽しんでいただけると思います。(平林直哉)
GS-2175
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(改訂版) ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO

録音:1955年3月29-31日/ムジークフェラインザール(モノラル)

使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
音源は1955年3月、ステレオ録音が実用化される直前の、有名なセッション録音です。演奏内容については、改めて申し上げるまでもないでしょう。 今回も2トラック、38センチ、オープンリールに記録された情報を最忠実に再現、繊細かつ大胆な指揮者の解釈と、ウィーン・フィルのこぼれ落ちそうな 美音をたっぷりと堪能出来ます。(平林直哉)
GS-2176
モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」*
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO

録音:1959年1月13、16日アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)
1960年2月25、26、28、29日アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)*
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ワルターが晩年にコロンビア響と録音したモーツァルトの交響曲第40番、第41番「ジュピター」は、一部では「老けた、衰えた演奏」と言われていま す。でも、本当にそうなのでしょうか?もちろん、録音当時ワルターは 80 歳を越えていますから、青年のような若々しさというわけにはいきません。しかし、 この復刻盤で聴くと、その柔らかさ、温かさ、瑞々しさは信じがたいほどで、“偉大なる響き” と形容したくなります。この2曲に肯定的だった人はもちろ ん、特に疑問を持っていたファンにはこの盤で聴き直していただくことを強くお勧めしたいです。また、最終形とするために、解説書にはエードリアン・ボー ルトがワルターについて語った文章(GS-2077より転載)を使用しています。(平林直哉)
GS-2177
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲
シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調D.485*
交響曲第8番 ロ短調 D.759「未完成」#
ブルーノ・ワルター(指)、
コロンビアSO、NYO#

録音:1959年4月15日アメリカン・リージョン・ホール、カリフォルニア
1960年2月26、29日、3月3日アメリカン・リージョン・ホール、カリフォルニア*
1958年3月3日セント・ジョージ・ホテル、ニューヨーク#
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
「未完成」はワルターがこよなく愛した作品であり、録音セッションもわざわざニューヨークにまで出向いてなされたものです。シューベルトの第5番も、 ワルターの晩年の傑作と言われているものです。この2曲のみではいささか寂しかろうと、「コリオラン」序曲を加えました。従来通り、いかにもアナログ らしい、柔らかい音で楽しんでいただけると思います。(平林直哉)

GS-2178
ベルリオーズ:幻想交響曲 シャルル・ミュンシュ(指)
パリO

録音:1967年10月23-26日/サル・ワグラム(パリ)
使用音源: Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
発足間もないパリOと、燃える巨匠シャルル・ミュンシュが録音したベルリオーズの幻想交響曲については、もはや何の説明も不要でしょう。復刻に使用したのは2トラック、38センチのオープンリール・テープですが、この不滅の名演が、かつて耳にしたことのない鮮度で体験出来ることと思います。 解説書には石川登志夫氏の「パリ通信」を、ご遺族の許諾を得て転載しています。パリOの発足直後のプログラムや当地での評判、旧パリ音楽院Oとの団員の違いなどが記されており、当時のパリの空気が伝わって来ます。(平林 直哉)
GS-2179
ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
チャイコフスキー:交響曲第4番*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO

録音:1951年1月11、12、17日ムジークフェラインザール
1951年1月4、8、9、10日ムジークフェラインザール*
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より  
1951年1月、フルトヴェングラーはウィーンを訪れ、ベートーヴェンの第9公演や舞踏会の前後に、HMV(EMI)に録音を行いました。ちょうどこの頃、 SP(78回転)からLPに以降する時代でしたが、このディスクに収録されたハイドンとチャイコフスキーは磁気テープが使用されており、当時としては最 上の状態で収録されています。CD化に際し、テープに記録された情報量を最忠実に再現しました。(平林 直哉)
GS-2180
ブルーノ・ワルター〜モーツァルト
セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」*
歌劇「劇場支配人」序曲 K.486
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲 K.588
歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492
歌劇「魔笛」序曲 K.620
フリーメーソンのための葬送音楽 K.477#
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビアSO

録音:1958年12月17日*、1961年3月29&31日、1961年3月8日#
アメリカン・リージョン・ホール(カリフォルニア)
■制作者より
ワルターとコロンビア交響楽団とのステレオ録音は、1961年3月が最後となりました。その最終日にはこのディスクに収録された4曲の序曲のセッショ ンが行われましたが、最後の作品がワルターのこよなく愛したモーツァルトだったというのは、偶然とは思えません。「アイネ・クライネ」をはじめ、ワルター はこの中の何曲かは複数回録音も行っており、このステレオ盤が必ずしもワルターのベスト演奏ではないとする声もあります。しかし、この偉大な響きは 最晩年のワルターにしかなしえない世界であり、唯一のものです。今回も、望みうる最上の音質をめざして製作しました。(平林直哉)
GS-2181
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ダヴィド・オイストラフ(Vn)
アンドレ・クリュイタンス(指)
フランス国立放送局O

録音:1958 年11月8-10日/サル・ワグラム(パリ)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ステレオ初期、フランス・コロンビアがベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の、初めてのステレオ録音に巨匠ダヴィド・オイストラフを得たことは幸運でした。 バックを務めるのはクリュイタンスとフランス国立、当時としては望みうる最上の選択、これも敏腕プロデューサー、レッグのおかげでしょう。音質はいつ ものように、テープの情報を最忠実に復刻しています。また、表紙の写真ほか、解説書の内容も、録音当時を偲ばせる資料を掲載しています。(平林直哉)

GS-2182
マーラー:交響曲第9番 ジョン・バルビローリ(指)BPO

録音:1964年1月10、11、14、18日/ベルリン・ダーレム、イエス・キリスト教会
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
バルビローリとベルリン・フィルは初共演以来、お互いが強く引かれあう間柄となりました。特に楽団員からはサー・ジョンを望む声が大きく、その流れでベルリン・フィル史上初のマーラー第9の録音が実現しました。今もなお広く愛聴されている名盤、2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻により、その真髄に迫ってみました。なお、解説書にはバルビローリがマーラーについて語ったインタビューを掲載しています。(平林直哉)
GS-2183
ホルスト:組曲「惑星」 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)VPO
ウィーン国立歌劇場女声cho

録音:1961年9月5日-22日/ゾフィエンザール(ウィーン)
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
カラヤンとウィーン・フィルによるホルストの「惑星」は、この曲の認知度を世界的に高めた最初のレコードと言われています。当時上昇気流に乗っていた カラヤンは、突然変異的な曲の内容を一気に開花させたような推進力があります。ウィーン・フィルの、しなやかで底力を感じさせる響きも、さすがとし か言いようがありません。今回も2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用、原音の情報量を最忠実に再現しました。(平林直哉)
GS-2184
シューマン:交響曲第4番 ニ短調 Op.120
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 Op.90/
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1953年 5月14日イエス・キリスト教会(ベルリン/セッション録音)
1954年4月27日ティタニア・パラスト(ベルリン/ライヴ録音)*
使用音源: Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
シューマンは伝説のスタジオ録音、ブラームスはフルトヴェングラー最晩年のライヴです。復刻に使用したのは2トラック、38センチのオープンリール・テー プですが、完成したCDを改めて聴くと、既存のディスクとこれほどまでに音が違うものを市場に開放して良いのか、恐ろしい気持ちさえ抱きました。しかし、 制作者の判断は客観的なものとは言いがたいですし、そもそも音質に対する評価は人によって異なります。試していただきたい、とだけ申し上げておきましょ う。(平林直哉)
GS-2185
ハイフェッツ/ロシア協奏曲集
(1)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(2)グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
(3)プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
(1)フリッツ・ライナー(指)CSO
(2)ワルター・ヘンドル(指)RCAビクターSO
(3)シャルル・ミュンシュ(指)ボストンSO

録音: (1)1957年4月19日オーケストラ・ホール(シカゴ)
(2) 1963 年 6 月 2、3 日サンタ・モニカ・シビック・オーディトリウム(カリフォルニア)
(3)1959 年 2 月 24 日シンフォニー・ホール(ボストン)
使用音源: Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
ハイフェッツによるロシア物の協奏曲集、チャイコフスキー、グラズノフ、プロコフィエフが揃いましたのでCD化しました。復刻は2トラック、38センチのオー プンリール・テープを使用、ハイフェッツの瑞々しくも繊細で切れ味のある音を忠実に再現しました。また、解説書にはかつてハイフェッツの伴奏者として も活躍した、サミュエル・チョツィノフ(ショツィノフ)の手記を掲載しています。(平林 直哉)
GS-2187
フルトヴェングラー/カイロの「悲愴」
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第2番
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1949年10月18日ベルリン・ダーレム、ゲマインデハウス(モノラル/放送録音)
1951年4月19日または22日/カイロ(モノラル/放送録音)
使用音源:Private archive(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)*
■制作者より
「レオノーレ」序曲第2番は2トラック、19センチのテープを使用していますが、これを聴くと、既存のディスクは制作過程でエコーを加えているのがわ かります。これはこれで独特の味わいがありますが、エコーがかかっていない音は細部が明瞭に聴き取れるだけではなく、当時のフルトヴェングラーとベ ルリン・フィルでなければなしえない、とてつもなく高貴で渋い輝きを持つ響きに悩殺されてしまいます。「悲愴」は2トラック、38センチのテープを使用、 黒い炎がメラメラと火柱を立てているような演奏を、従来以上に克明に再現しています。特にティンパニの凄まじさは異常なほどで、これまたフルトヴェン グラー・ファン感涙です。(平林直哉) 
GS-2188
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626 ブルーノ・ワルター(指)NYO
ウエストミンスターcho
イルムガルト・ゼーフリート(S)
ジェニー・トゥーレル(A)
レオポルド・シモノー(T)、
ウィリアム・ウォーフィールド(Bs)

録音:1956年3月10&12日/カーネギーホール(ニューヨーク)
使用音源:Privatearchive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
モーツァルトの生誕200年を記念して録音されたワルター&ニューヨーク・フィルのモーツァルトの「レクイエム」は、モノラルではありますが、今日もな おこの曲の最も重要な演奏として人気があります。今回もまた2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用して復刻しましたが、その再生音は 全く驚くべきものです。音像は異様なほど前に出て来て、前後、左右、天地の響きの広がりも圧倒的です。低弦のゴツゴツした音も生々しいほどに聴き取 れます。宇野功芳著『名指揮者ワルターの名盤駄盤』(講談社+α文庫/絶版)には「いくぶん生々しさ〈汚さ〉に欠ける不満はあるが」とありますが、 おそらく当CDではそうした不満が解消されることでしょう。また、この録音セッションで撮影された貴重な写真が知られていますが、ほとんどのLP、 CDにはこれらが掲載されなくなっています。これではちょっと寂しいので、当解説書ではそれを復活させました。なお、当CDには対訳が付いていません。 ご了承下さい。(平林 直哉)
GS-2189
(1)ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op.73
(2)ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO、VPO*

ライヴ録音:(1) 1952 年 5月7日/ドイツ博物館コングレスザール(ミュンヘン)
(2)1954年7月26日/フェストシュピールハウス(ザルツブルク)
使用音源:Private archive(1)(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
(2)(2トラック、19センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
フルトヴェングラーとベルリン・フィルは1952年4月から5月にかけて、主にドイツ国内に演奏旅行に出かけました。その途中、ミュンヘンで収録され たブラームスの交響曲第2番はフルトヴェングラーが病に倒れる直前の、いわば絶頂期とも言える演奏で、その荒れ狂ったような凄まじさは戦時中のライ ヴを思い起こさせます。今回、2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用し、テープに刻まれた情報を可能な限り忠実に再現しました。 ボーナス・トラック(2トラック、19センチのテープを使用)には1954年のザルツブルクで行われた「魔弾の射手」序曲を収録しました。フルトヴェングラー がピットに現れた際の万雷の拍手も含まれており、長い間をとったあとに厳かに序奏が始まる様子は、その場に居合わせたかのような臨場感があります。 なお、ブラームスの交響曲第2番の第2楽章、開始から0分47秒付近にテープの故障が見られます。これは、既存のLP、CDにも含まれるもので、原テー プに含まれる瑕疵と思われるもので、当CDの制作過程で生じたものではありません。ただし、全体の音質が鮮明になった分、その故障もいくらか目立ち ますが、ご了承下さい。(平林直哉)
GS-2190
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
交響曲第3番「スコットランド」
オットー・クレンペラー(指)
フィルハーモニアO

録音:1960年2月15,17,18日、1960年1月22,25,27,28日*
アビーロード第1スタジオ(ロンドン)
使用音源:Private archive(2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
■制作者より
クレンペラーが1960年冬に録音したメンデルスゾーンの「イタリア」、「スコットランド」は、今もなおクレンペラーの最良の遺産として語り継がれています。 これまで何度もリマスターされて再発売され、そのほとんどのディスクを収集したファンも少なからず存在すると思います。今回も2トラック、38センチのオー プンリール・テープに記録された情報を最忠実に再現、かつてないほどの高鮮度を実現しました。これで、ディスク選びの悩みが一発で解決されるかもし れません。(平林直哉)

OGM-151016
石丸由佳/デビュー・アルバム
バッハ(リスト編):カンタータ「わが心に憂い多かりき」BWV21による序奏とフーガ
 前奏曲とフーガ変ロ長調(平均律クラヴィーア曲集第1巻より第22番BWV867)
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ第4番変ロ長調Op.65(14’16”)
ブラームス:11のコラール前奏曲Op.posth.122より「私を心から喜ばせるのは」、「装いせよ、おお愛する魂よ」
ラインベルガー:ソナタ第8番ホ短調Op.132
リスト:バッハのカンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」とロ短調ミサ曲「十字架につけられ」の通奏低音による変奏曲
石丸由佳(Org;1841年製ブーフホルツ・オルガン)

録音:2014年10月20-23日/聖ニコライ教会(シュトラールズント)
期待のオルガニスト石丸由佳が満を持してデビューCDをリリース。石丸由佳は新潟市出身。東京藝術大学音楽学部器楽科オルガン専攻卒業、同大 学院音楽研究科修士課程修了後にデンマーク王立音楽院にてハンス・ファユス氏にオルガンを、ヨーテボリ大学にてクラヴィコードをジョエル・スペース トラ氏にそれぞれ師事しました。2010年に第22回シャルトル国際オルガンコンクールで優勝。翌年よりフランス・ドイツを中心に、ヨーロッパ各地の 音楽祭に招待されコンサートツアーを開始し、シャルトル大聖堂やパリのノートルダム大聖堂、マドレーヌ寺院等でリサイタルを行っております。国内では 2014年にはレナード・スラットキン指揮、リヨン管弦楽団の日本ツアーに同行し話題となったのも記憶に新しいところです。今後は日本を拠点に演奏活 動を続けていきます。
期待のアルバムは石丸が得意とするリストを主軸にオルガン史を語る上で重要なメンデルスゾーン、リスト編のバッハ、ラインベルガー、ブラームスの作 品で構成されており、オルガニストとしての実力が問われる難曲ばかりを収録しました。録音に使用したのはドイツ、シュトラールズントの聖ニコライ教会 歴史的名器 、1841年製のブーフホルツ・オルガンです。残響を考慮し色彩豊かなレジストレーションと曲に合わせたアーティキュレーションで難曲を制 しております。ヨーロッパで研鑽を積んだ石丸由佳の今後の活躍にも大注目と言えましょう。
ブックレットにはミヒャエル・G・カウフマン(谷岡友利子:日本語訳)による充実の解説(「19世紀のオルガン作品とオルガン製作」「曲目解説」「聖 ニコライ教会のブーフホルツ・オルガンについて」)が付いております。 (Ki)


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