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殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



湧々堂が心底お薦めする"殿堂入り"名盤!!
シベリウス
交響曲



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シベリウス/SIBELIUS
交響曲第1番


King International
KKC-2033(2CD)
ホルスト・シュタインのシベリウス
交響曲第1番ホ短調Op.39**
交響曲第2番ニ長調Op.43
トゥオネラの白鳥Op.22-2*
交響詩「フィンランディア」**
交響曲第7番ハ長調Op.105#
ホルスト・シュタイン(指)NHK響

録音:1975年2月26日、1981年2月6日* 以上,東京文化会館
1987年11月18日#、1990年2月8日** 以上,NHKホール
全てステレオ・ライヴ
“作品のイメージに囚われず「音楽のあり方」を実証したシュタインの偉業!”
 シュタインお得意のシベリウスですが、録音年も会場も異なるにもかかわらず、全てにシュタインらしさがはっきり刻印されていることに驚きを禁じえません。重心を低く保って中低域をたっぷり響かせる音楽作りは、本領のドイツ音楽でもシベリウスでも基本的に変わらず、どんな音楽にでも適用できる特有のセンスを持ちあわせていた指揮者だったことをを再認識させられます。
 交響曲第2番は、第1楽章の弦の導入部で優しく温かな語り口心を捉えます。響きは意外なほど洗練されており、特に弦のテクスチュアの美しさは格別。主旋律を主体とした音像作りにもかかわらず、音楽が皮相なものにならずに奥行きと豊かさを感じさせるのも並外れた音楽家魂の象徴。聴きものはやはり終楽章。朴訥とした表情の中にも揺るぎない確信と共感が漲り、スケールも雄大。音量増大によるものではなく音楽の構え自体が大きいので、その安定感は抜群。
 「トゥオネラの白鳥」は、しなやかな呼吸と精妙な響きの統制、心からの共感によって、単に陰鬱な音楽ではなく真に詩的なニュアンスを表出。しかも内省一辺倒ではなく、情感を大きく揺さぶりながらフレージングを繰り返すので実にドラマチック。こんな心のこもった「トゥオネラ」は、久々に聴いた気がします。
 交響曲7番も大名演。シベリウス晩年の内省的な情緒を重視した演奏が多い中で、音の隈取を克明に描き、音楽的なうねりを注入しながら人間味溢れる名演奏を披露。響きのクオリティを十分に吟味しつくしながらも音楽が全く痩せることがないという、シュタインの音楽作りの魅力も十分に堪能できます。1:46からの弦のトレモロのなんという意味深さ!5:01からの金管の深遠さ!11:55からの旋律の表面的な透徹など物ともしない骨太な精神が宿る響きもシュタイン節。アンサンブルの精度の高さも特筆もの。
 このCDの最高峰は交響曲第1番!やはり第1楽章冒頭の響きはいかにも凍てつく北欧の空気感とは異なりますが、一途な共感一本で勝負したような温かさ。これが心を捉えて離さないのです。親分肌のシュタインを彷彿とさせる思いきりの良い進行が作品のドラマ性と完全に融合して醸し出される勇壮さが実に魅力的。7:57からの物凄い呼吸の膨らませ方と幸福の謳歌ぶりは鳥肌必至!コーダは任侠映画のような凄み。第3楽章の音楽を根底から揺さぶる独特の牽引力が並ではなく、この楽章をこれほど濃密に描いた演奏も稀でしょう。もちろんティンパニの打ち込みも魂の叫び。終楽章に至っては全てがパーフェクト!スケール感はもちろんのこと包容力という点でこれにまさる演奏がありましょうか?8:40からの気の遠くなるほど熱いフレージングと意味を満々と湛えた分厚い響きのオーラ!ここまま死んでもいい…とさえ思えるほど感動的です。【湧々堂】

Chandos
CHAN-6555
シベリウス:交響曲第1番
交響曲第4番
アレクサンダー・ギブソン(指)
ロイヤル・スコティッシュ国立O

録音:1982年〜1983年
ギブソン一世一代の名演奏!”
 ギブソンが指揮者したチャイコフスキーの第4交響曲の録音は、それそれは地味なことこの上なく、いくら噛んでも味が出てこない珍演でしたが、このシベリウスは、それと同じ指揮者とは思えぬ表現意欲の塊です。
 「第1番」冒頭クラリネットの、何の飾りもないスーッと伸びる音色の美しさは、録音の素晴らしさもあって、凍てつく寒ささえ感じさせ、これに匹敵するものはなかなか見つかりません。続く弦のトレモロのキラキラした色彩の沸き立ちも鮮烈。第1主題の壮大な膨張も深い呼吸の完全に一体化しており、根源的な力に満ち溢れています。第2楽章の懐の深さも格別。なんという心のこもった囁きでしょう。トライアングルとハープが加わる箇所は、まさに清流のきらめき。第3楽章も表面的も一見中庸的ですが、心の底からリズムを沸き立たせ、清潔な造型の中で逞しい生命力を飛翔させます。終楽章も後付けの劇的効果など狙わず、素直にスコアに従っているだけのようでいて、全ての音符に込められた熱い共感は最後まで一貫しており、3:14以降の主題のとうとうとした流れの味わいも、切々と胸に染み入ります。コーダは、テンポを落として強弱のメリハリを強調する演奏もありますが、ここに至るまでの男性的な逞しさをしっかり維持したストレートな結末には、ギブソンの熟練の技を感じます。
 「第4番」については、どんな本にも「ロマン性が最も希薄で、精妙極まりない筆致」というようなことが書かれていますが、それはこの曲のほんの一面にしか過ぎないということをこの演奏は教えてくれます。第1楽章は透徹されたロマンとダイナミズムが「第1番」同様に羽ばたき、随所に現われるティンパニ・ソロの音楽的な意味深さにもご注目!厳しさと温かさの入り混じった第2楽章は、その風情の切り返しの絶妙なこと!のどかな詩情も忘れていません。第3楽章は、特に7:08からの深く熱い精神の高揚を聴くと、シベリウスが書いた最も神々しい音楽と思わせる威容に感極まります。終楽章のいつの間にか終わってしまうエンディングの巧妙さも流石。ところで、この全集が最初にLPで発売された時、オケの力量が不十分と書かれていたものがありましたが、その意味が未だに理解できません。【湧々堂】

シベリウス/SIBELIUS
交響曲第2番

ICA CLASSICS
ICAC-5096D(2CD)
バルビローリ/シューベルト他
シベリウス:交響曲第2番ニ長調Op.43
シューベルト:交響曲第4番ハ短調D417
ブリテン:テノール,ホルンと弦楽のための「セレナーデ」Op.31
ジェラルド・イングリッシュ(T)
ヘルマン・バウマン(Hrn)
ジョン・バルビローリ(指)ケルンRSO

録音:1969年2月7日ケルン放送第1ホール(ステレオ)
※全て初出
“音盤初登場ブリテンと完全燃焼シベリウスの感動的名演!”
 まずブリテンの「セレナード」の素晴らしいこと!バルビローリのブリテンの商業録音はなぜか極端に少なく、この曲も音盤初登場。その指揮は背後で伴奏に徹しているようでいて、色彩トーンの全てを決定づけており、その空気と見事にブレンドする音楽を二人のソロが繰り広げます。
 プレヴィン&ロンドン響の「カルミナ・ブラーナ」の録音でもソロを務めていたテノールのジェラルド・イングリッシュは、健康的で伸びやかな発声を生かして誠実に詩へ思いを込める素直さが心を捉え、特に「パストラール」や「賛歌」でその特徴が最大に発揮されています。
 一方ドロっとした情念をストレートに放射する「挽歌」でも、一定の緊張感保ちながら迫真の名唱を聴かせます。ホルンのバウマンはいつでもどこでも「巧い」という形容ばかりが目につきますが、この演奏こそ巧い!と叫ぶしかありません。特に「エレジー」における壮絶なまでの深淵さ!終曲のコーダの夢のような空間表出には唖然とするばかり。
 シベリウスが名演奏であることは誰もが想像がつくと思いますが、人間的な温かさを湛え、骨太な筆致で描き尽くすアプローチは、ハレ管との録音と比べてオケの力量も含めて何倍も物を言いい、バルビローリが遺したシベリウスの最高峰と断言できましょう。第1楽章の大きな造型の盤石で深み満点。
 第2楽章冒頭の低弦ピチカートや6:29からのトランペット・ソロの優しくもやるせない呟きも泣かせます。
 第3楽章トリオの朴訥な牧歌はバルビローリ節100%。終楽章は感動の極地!アーティキュレーションを徹底的にオケに叩き込んだことが功を奏し、時に不器用な印象を与えかねないバルビローリ独自のフレージングが確信を持って迫り続けます。コーダ最後の2分間は命を削る完全燃焼!【湧々堂】
RETROSPECTIVE
RETR-0003
シベリウス:交響曲第2番
カレリア組曲Op.11
アレクサンダー・ギブソン(指)
ロイヤルPO

録音:1989年
※原盤:Collins Clssics
交響曲はChandosへの録音以上に鳴りっぷりがよく、アプローチも直裁。けれん味のない堂々とした構築で安心してッ作品の素晴らしさを堪能できます。「カレリア」も持って回った表情は一切無く、熱い共感も押し付けでなく、フレージングの進行と共に自然に湧き上がります。第2曲などは淡白に聴こえるほどですが、その媚びないクールさから滲み出る情感が涙を誘うのです。第3曲の肩の力の抜けきった軽いリズム感も作品の持ち味を生かし切っており、声部バランスも絶妙。特に管楽器の音の立ち上がりのしなやかさは、この曲のウキウキするような気分を更に引き出しています。【湧々堂】
RPO HYBRID
RPO-222876
(1SACD)
シベリウス:交響曲第2番
交響詩「フィンランディア」、
カレリア組曲
チャールズ・マッケラス(指)
ロイヤルPO

録音:1996年
“名匠マッケラスの透明感溢れるシベリウス!”
 マッケラスは'88年にも第2交響曲をLSOと録音しており、この録音はそれとは大きな変化こそないものの、独自の透明なテクスチュアを基調とし、立体的な構造美と感情バランスの絶妙さの点で、更に音楽が深化しています。「カレリア」も同一の路線を貫いていますが、どこか据わりの悪い演奏が少なくないだけに、マッケラスの細部まで配慮の行き届いた佳演は貴重です。しかし、最大の聴きものは「フィンランディア」!低音部の重要音型がモゴモゴとしてはっきりしないことが多いですが、マッケラスの手に掛かれば全て解消!作品への熱い共感は交響曲以上で、本場指揮者も顔負けです。【湧々堂】

PRO ARTE
CDD-320
シベリウス:交響曲第2番 エドゥアルト・マータ(指)ダラスSO

録音:デジタル
“完熟の味わい!マータの真価を如実に示す忘れえぬ名演!”
 マータは交響曲の王道的なレパートリーのほとんどを録音せずに亡くなってしまったので、この録音は極めて貴重。しかも、彼が決してラテン気質発散型の芸風ではなかったことを証明する点でも忘れがたい録音です。このシベリウスのアプローチは実に実直で、しかも意外なほど骨格の確かな巨匠風の造形美まで披露し、この作品の魅力に更なる奥行きと広がりを持たせているのが実に魅力的です。
 第1楽章冒頭、分厚いハーモニーの深みと余韻がまず印象的。フレージングも丁寧な上に優しい共感が息づき、北欧的な雰囲気を無理に築こうとしていないので、音楽が実に素直に振幅を続けるのです。展開部は一層表現の陰影が増し、内面に深く食い入るような一途さが確かな安定感をもたらしています。
 第2楽章冒頭のピチカートのまろやかで奥行きのある音色と、リズムの安定感もそれだけで音楽的。第2主題の弦の温かな風情とその直前の高揚のコントラストも見事。決して雰囲気に流されず、丁寧に表情を紡いでいくこの第2主題の奏で方は、まさにマータの音楽に対する真摯な姿勢を象徴するシーンとも言えましょう。
 第3楽章もノリに任せることのない重厚な表現。豪壮さを掻き立たせるティンパニの響きも印象的。
 そして感動の極みは終楽章!各声部の輪郭が実に克明な上に、金管が煩くならずにバランスよく中核をなしながら繰り広げられるハーモニーののなんと豊かなこと!テンポは終始どっしりと腰を据え、フレージングの呼吸はどこまでも大きく、こんな包容力に溢れた演奏は、他に類例を見ません。7:35ではルフト・パウゼで一呼吸を置きますが、これまた実に自然。逆にこうしなければ、濃密なアゴーギクのバランスが取れないことが容易に想像でき、この連綿たる音の大河に安心して身を任せることができます。後半執拗に繰り返される走句に辟易という方も、最後まで緊張感と内面の充足を維持しきった進行の絶妙さには、脱帽すること必至!特にバーンスタイン&VPOの名盤を素晴しいいと感じながらも、指揮者の体臭が鼻につくいう方、必聴!【湧々堂】

シベリウス/SIBELIUS
交響曲第6番

NAXOS
NAXOS-8.572705
シベリウス:交響曲第6番二短調
交響曲第7番ハ短調
交響詩「フィンランディア」
ピエタリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO

録音:2009-2010年
“インキネン7の繊細な感性とシベリウスの透徹美の完全調和!”
 ピエタリ・インキネンによるシベリウス:交響曲全集の完結編。インキネンの響きに対する繊細なセンスが隅々まで浸透した感動的な演奏で、その音楽作りとシベリウス晩年の2つの交響曲の無駄を削ぎ落した作風が渾然一体となり、瑞々しくも心の琴線に触れる演奏が築かれています。特に第6番の終楽章では、全ての声部が明瞭に聞き取れ、それらが付かず離れずの絶妙な距離感で連携することで生まれる透明感、過度に粘着しないフレージングの素直さが際立ちますが、第7番ではその特色が更に深みを加え、最初に2分間だけでも音楽のニュアンスの一つ一つが心に刺さり、只ならぬ名演であることを予感させます。
 「フィンランディア」は、カラヤンのような壮麗さは目指さず、あくまでも作品に込められた悲しい心情に焦点を当て、その意志が確実に音に反映されており、心を打ちます。序奏部から溢れんばかりの涙を心の奥底に溜め込み、その静かな怒りに満ちた空気感は、小手先で演出できる代物ではありません。中間部の歌も、テクスチュアとフレージングは実に清々しく、高い透明度を確保していますが、希望と不安が交錯するという絶妙なニュアンスが光ります。【湧々堂】

シベリウス/SIBELIUS
交響曲第7番

BBC LEGENDS
BBCL-4039
シベリウス:交響曲第7番*、
シューベルト:交響曲第8番「未完成」、
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲、
ビゼー:子供の遊戯
エードリアン・ボールト(指)
ロイヤルPO、他

録音:1963年* 1964年(ステレオ・ライヴ)
“峻厳に聳え立つボールトの稀少なシベリウス!”
 いかにもシベリウス的な透明なテクスチュアの表出よりも、朴訥さの中に熱い精神を漲らせることに心血を注ぎ込んだ、素晴らしいシベリウスです。弦の上昇音階の後の、木管の手作りの温かみを感じる音色とハーモニーの豊かさ、トロンボーンの吹奏以降の音の厚みと懐の深さなど、心を捉える音像の連続ですが、スケルツォに入ると、ボールトにしては意外なほどの表現意欲を見せ、ティンパニの毅然とした強打、弦の強靭なピチカートなどとともに、凝縮力の高い音楽が展開されます。アレグロの入ってからの牧歌風旋律の峻厳な佇まいと自然な呼吸も、また感動的を誘います。11:57で凄い弦の跳ね上がりと共にリズムを躍動させ、シャキッとしたリアルな音像を繰り広げるのは、まさに老練の味!16:58のティンパニ強打の後の峻厳な造型と呼吸の深さ、メリハリの克明さは、スタジオ録音であまり見せないボールトのアグレッシブな表現欲の表われで、その牽引力の強さには思わず手に汗握ります。コーダの18:58のピチカートの神々しさも必聴!【湧々堂】


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