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AGCD-0172
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メモリア〜バッハ=ブゾーニ:ゴルトベルク変奏曲
バッハ/ブゾーニ編曲:
1. シャコンヌ BVB.24(BWV.1004)
ゴルトベルク変奏曲 BVB.35(BWV.988)
2. アリア
3. 変奏:第1グループ
4. 変奏:第2グループ
5. 変奏:第3グループ
6. コラール前奏曲「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」
BVB.27/3(BWV.659) |
イ・ユンス(P/ベーゼンドルファー225)
録音:2024年2月22日-24日、オーディオガイ・スタジオ(ソウル、韓国)
解説:高坂はる香、イ・ユンス、パク・ソンボム
解説言語:日本語、韓国語 |
1924年7月27日に58歳でこの世を去ってから今年2024年が100周年となったフェルッチョ・ブゾーニの代表作と言えば終楽章に男声合唱が登場する長大かつ巨大な画期的作品「ピアノ協奏曲」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。19世紀後半から20世紀初頭にかけてコンポーザー=ピアニスト、教育者、「新音楽美学論」の著者として幅広いフィールドで活躍したブゾーニですが、現代において最も広く知られている功績は「シャコンヌ」に代表されるバッハの作品の編曲や校訂といっても過言ではないでしょう。
1997年のブゾーニ国際ピアノコンクールにおいて10代で最高位受賞という快挙を果たし、当時、審査員長を務めていたスイスの作曲家ロルフ・リーバーマン(1910-1999)からも非常に高い評価を受け、聴衆賞、ヤマハ賞、最年少入賞者に贈られるローターアクト賞をあわせて受賞した韓国生まれ、アルゼンチンとアメリカ育ちのピアニスト、イ・ユンスは自身とも縁のあるブゾーニの没後100周年を迎えるにあたりその最大の功績であるバッハ作品の編曲作品に着目。バッハの「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」、「シャコンヌ」、そして「ゴルトベルク変奏曲」の全てをブゾーニ編曲版でレコーディングするというプロジェクトが誕生することになりました。
音楽史上における最高傑作の1つである「ゴルトベルク変奏曲」を敢えて”編曲”したブゾーニ。その目的はバロック時代ではなく、ブゾーニが生きた時代のコンサートホールでこの傑作が最も輝くためには、と考え抜いた末の決断だったと伝えられています。
ブゾーニ編曲版には「コンサートで演奏する場合には第〇変奏へ」という注釈が付されており、この指示に従うことでブゾーニが19世紀後半〜20世紀初頭のクラシック・シーンのためにアップデートした「ゴルトベルク変奏曲」の全貌が見える仕組みとなっています。
イ・ユンスは装飾音やダイナミクスの変更、リピートの省略と同時にブゾーニが大きな拘りを見せた”変奏のグループ分け”を尊重してアリアと変奏の全てを個別にトラック分けすることはせずに、アリア、第1グループ(第1変奏〜第10変奏)、第2グループ(第11変奏〜第17変奏)、第3グループ(第18変奏〜第20変奏)の4トラックに分けることにより、このイタリアの大作曲家との時空を超越した共同作業を見事な姿に仕上げています。
近年、世界のピアノシーンを盛り上げている韓国のピアニストたちとは異なるスタイルの音楽活動に取り組むため、現在はソウルと済州島を拠点としているイ・ユンス。このバッハ=ブゾーニ・プロジェクト「メモリア」では、イ・ユンスのピアニズム、ブゾーニが思い描いた当時のコンサートにおけるバッハの傑作の響きを感じ取ることができることでしょう! |
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AGCD-0177
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マーラー:子供の不思議な角笛とリュッケルトの詩
歌曲集「若き日の歌」より 〔外へ!外へ!、たくましい想像力、夏への交代、シュトラスブルクの砦で、うぬぼれ、別離と忌避、もう会えまい!〕
歌曲集「15の歌、少年の魔法の角笛によるフモレスケとバラード」より
〔この世の暮らし、ラインの伝説、美しきトランペットが鳴り響くところ、原光、死んだ鼓手〕
歌曲集「リュッケルトの詩」より 〔私はほのかな香りをかいだ、美しさゆえに愛するなら、私の歌の中まで覗きこまないで、私はこの世に忘れられて、真夜中に〕 |
ロッキー・チョン(Br)、
マルクス・ハドゥッラ(P/ベーゼンドルファー225)
録音:2024年2月15日-20日オーディオガイ・スタジオ(ソウル、韓国)
解説書日本語翻訳(日本語訳:西岡葉月) |
韓国を代表するレコーディング・カンパニーである「AudioGuy
Records(オーディオガイ・レコーズ)」の2024年新録音第2弾は、リートの世界的権威である白井光子とハルトムート・ヘルに学んだバリトン、ロッキー・チョンが歌うマーラー歌曲集!
韓国の漢陽大学で学んだ後、ドイツに渡ったロッキー・チョンは、ドイツの名門カールスルーエ音楽大学でローラント・ヘルマン、白井光子とハルトムート・ヘルに師事しリート歌手としての才能を開花。難関で知られるARDミュンヘン国際音楽コンクールで入賞を果たし、ドイツのツヴィッカウで開催されたシューマン国際コンクール、
シュトゥットガルトで開催されたフーゴ・ヴォルフ国際コンクールにて相次いで第1位を受賞するなど、韓国を代表するリート歌手としての名声を確立しました。リートはもちろんのこと古楽唱法にも長けており、リリング、コープマン、ヘンゲルブロック、鈴木雅明をはじめとする古楽界の巨匠たちと共演を重ねています。
フーゴ・ヴォルフ国際コンクールでリート・デュオ賞を受賞した後、デュオとして活躍を続けてきたドイツのピアニスト、マルクス・ハドゥッラとの「マーラー歌曲集」には、マーラー自身が最も愛したと伝わる「少年の魔法の角笛」と「リュッケルトによる詩」を題材として作曲された17曲の歌曲が収められており、マーラー専門の音楽学者レナーテ・シュタルク=フォイトがトーマス・ハンプソンの協力を得ながら編纂した歌曲集「15の歌、少年の魔法の角笛によるフモレスケとバラード」から「美しきトランペットが鳴り響くところ」と「原光」を含む5曲が選ばれました。
リートを通して超人的な大作曲家であるマーラーの極めて人間的な内面の世界に触れてみたかったと語ったロッキー・チョン。その傑作の数々を通じて感じ取ったという慣れ親しんだ愛と痛み、希望と絶望、期待と恐怖などの感情が巧みに表現されています。 |
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