品番 |
内容 |
演奏者 |
CLN-0001-2
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ドビュッシー:ピアノ作品集
忘れられた映像/版画
スケッチ・ブックより
映像第1集、第2集/英雄的の子守歌 |
フー・ツォン(P)
録音:1990年8月デジタル |
名手フー・ツォンのドビュッシーはMERIDIANからも出ていますが、曲目は一切被りません。一聴してなんと上品なドビュッシーであることか!そして、ただお行儀の良いだけでなく、見事にダイナミックな演奏を聞かせてくれます。音色は魅力あふれるヤニ色というか重厚なもので、ギーゼキングでは余りにも乾きすぎ、ポリーニでは畏まり過ぎ、ミケランジェリでは華麗すぎと思われる方に聴いて頂きたい一級品です。音質の向上も目覚しいものがあります。 |
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CLN-0002-2
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ドビュッシー:管弦楽作品集
交響詩「海」/三つの夜想曲
牧神の午後への前奏曲 |
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)
フィルハーモニアO
ザ・シックスティーン(ハリー・クリストファーズ指揮)
録音:1992年5月デジタル |
COLLINS CLASSICSが国内仕様で復活!!英国COLLINS
CLASSICSは1989年に音楽出版社ランボーン・プロダクションのCD部門として活動を開始しました。正にデジタル時代の申し子的存在で、一流アーティスト、プロデューサーを用いて金を掛けたセッション録音、全タイトルがデジタル録音です。しかし経費の掛けすぎが財政を圧迫したのか、1998年には活動停止の憂き目にあいました。その後権利関係が転々とし、前権利保持者のPINNACLE
ENTERTAINMENTは一切再発売することなく倒産。そして現在の権利保持者PHOENIX
MUSIC INTERNATIONALは自社での再発売に積極的でないため、多くの名盤は長らく埋もれたままでした。ALTO,
REGISなどからもライセンス発売がありますが、リマスタリングも特に施されていないようです。この度はオリジナル・ジャケット、ロゴを復活させた上でリマスタリングをWEITBLICKに依頼し音質も向上。COLLINSというとヴォリュームが小さく大人しい音質で知られましたが、今回のリリースからはパワフルなサウンドで楽しめます。
このドビュッシーは、音質向上により、じっくりと遅いテンポで料理したダイナミックな演奏であることを再確認!スヴェトラーノフは決して大雑把な指揮者ではなくチェリビダッケすら想起させる分析的なアプローチにも秀でており、ドビュッシーの込み入った管弦楽を丁寧に読み解いていきます。シックスティーンとの共演というのもそそられる「夜想曲」!絶美です。セッション録音のフィルハーモニア管も優秀の一言で、上品な音色にはうっとりさせられます。 |
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CLN-0003-2
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リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 |
ルイ・フレモー(指)LPO
録音:1989年5月ロンドン,スタジオ録音
※演奏タイミング[10:47][11:54][9:36][12:24]
日本語、英語解説付。 |
フランスの名指揮者ルイ・フレモー(1921〜)は近年の活動が伝わってきませんが、如何にも瀟洒な音楽を聴かせてくれたものです。活動の本拠地は英国でラトルの前任としてバーミンガム市立響の演奏技術向上に尽力、録音も多く同地で行われております。COLLINSによるロンドン・フィルとのスタジオ・セッションは、まさに「おフランス系ロシア音楽」の雰囲気濃厚なもので、チェリビダッケのような荘重でブルックナーのような音楽と対極にあるお洒落で、軽やかな演奏です。ロンドン・フィルも全盛時故に妙技集団と呼ぶに相応しい仕上がりを聴かせてくれます。見事なヴァイオリン・ソロは表記はないものの、恐らくデイヴィッド・ノーラン氏と思われます。COLLINSのロンドン・フィル録音は、「テンシュテットが持たないレパートリー、もしくはテンシュテットが他のオケと録音したレパートリー」に絞られている感があり、その企画性も甚だ興味深いものがあります。
これは数多い「シェエラザード」の録音の中でも気品とスケール感、音質の良さの点から決して蔑ろに出来ない逸品!第1楽章ではメランコリックな情感が濃密に息づき、色彩の指向性も常に明確に提示。指揮者がイメージする世界を聴き手に確実に届けるという職人魂が貫かれています。アゴーギクは愛情に溢れ、「シャリアール王のテーマ」が回帰する直前の大きなテンポ・ルバート(5:44〜)とスケール感は必聴。第2楽章はヴァイオリン・ソロが実にニュアンス豊か。中間部でも殊更いきり立たず、じっくり表情を熟成させる、まさにベテラン技!第3楽章はテンポを粘らずサラッとした感触ながら、呼吸はあくまでも深く、中間部では慎ましやかな色彩の光が心を捉えます。感覚的な刺激に傾かず、「語り」に徹した終楽章も、この曲をじっくり味わいたい方には垂涎もの。ロンドン・フィルも全身全霊でフレモーの指示に応えています。ハープの巧さは鳥肌モノ!【湧々堂】 |
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CLN-0004-2
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ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 |
ジェームズ・ロッホラン(指)LPO
録音:1989年5月デジタル・スタジオ録音
※演奏タイミング[9:41][13:15][7:54][11:45]
日本語、英語解説付。 |
日本フィルとの名コンビでも知られる巨匠ジェイムズ・ロッホラン(1931〜)の名盤が復活です。コンサートに足しげく通う方は既に御存知でしょうが、ロッホランは幅広いレパートリーとムラのない演奏水準、そして包容力あるスケール雄大な演奏で知られますが、当盤もその例に漏れません。随所に表れる独特のタメに驚かされる演奏で、第1楽章など特に顕著(8’41”あたり)。第3楽章の偏執的リズムの繰り返しも、懇切丁寧なお仕事っぷり。この時代のロンドン・フィルはホルンが実に上手く、聴きもの。 |
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CLN-0005-2
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ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、
ウェリントンの勝利(戦争交響曲) |
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指)LSO
録音:1990年10月ワトフォード・タウンホール、スタジオ・デジタル録音
※、日本語、英語解説付 |
「運命」はこれ以上ないいほどの正攻法。残響が多めの録音にも関わらず、空虚な演奏に陥らないのは一本筋の通ったヴィジョンが全体に一貫して息づいているため。とかく「ラテン的」と思われがちなブルゴスの忘れてはならない特質と言えましょう。第2楽章で、木管の音価をスコア通りに吹かせ、終楽章の最後のティンパニのアクセントをきちんと盛り込むなど、スコアへの忠実度が音楽的ニュアンスに結びついている点も見逃せません。
特筆すべきは、「ウェリントンの勝利」の素晴らしさ!この曲を全曲聴き通したことがない私が、初めて最後まで聞き入ってしまいました。冒頭からやる気満々の空気が伝わり、それが最後まで途絶えずに各場面の妙味を伝えています。金管の遠近処理や実弾音(ヘッドフォンで聞かれる際はご注意を)を含むオーディオ効果も盤石。それでいてアプローチ自体は小細工を感じさせない一途さに徹しているので、聴き手に作品の持ち味だけがストレートに伝わるのです。【湧々堂】 |
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CLN-0006-2
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ベートーヴェン:交響曲第7番、
交響曲第8番 |
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指)LSO
録音:1989年10月ワトフォード・タウンホール、スタジオ・デジタル録音
※日本語、英語解説付 |
「第8番」のなんと素晴らしいこと!ブルゴスは、若き日にメンデルスゾーンやシューマンの録音でも素晴らしい演奏を聞かせてくれましたが、それを彷彿とさせます。特に両端楽章が出色の出来栄え。軽妙さを強調した演奏が多い中で、やや遅めのテンポでじっくりとニュアンスを炙り出すアプローチが結実しています。第1楽章の対旋律の抉りが見事で、特にに展開部のヴィオラの音型の克明な強調は、意味深いニュアンスを表出してかなり衝撃的。同楽章後半の凝縮力の高い響きの現出ぶりも忘れられず、最終音の愛着を込めた余韻も素敵。第3楽章は、中間部のホルンのハーモニーの美しさにかけては史上屈指と言っても過言ではありません。【湧々堂】 |
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