湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



リトアニア国立響
(リトアニア)



リトアニアの指揮者ギンタラス・リンキャヴィチウスが1988 年に設立したリトアニア国立交響楽団(The Lithuanian State Symphony Orchestra)の自主制作レーベル。(ちなみにリトアニアには日本語にすると、もう一つリトアニア国立交響楽団となるドマルカスのオーケストラLithuanian National Symphony Orchestra があります)。



※表示価格は、全て税込定価。品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者

LVSO-M01
マーラー:交響曲第1番「巨人」 ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO

録音:2009 年 6 月ヴィリニュス・コンサート・コングレス・ホール
こうこいう耳馴染みのない地方オケを聴くときに、ベルリン・フィルのようなサウンドを期待するのはいかがなものかと思いますが、逆に「地方オケらしい素朴な演奏」という予断を持って聴くと本質を見失いこともあります。この演奏はまさにその良い例でしょう。
指揮のリンキャヴィチウスの解釈は終始全うで、1楽章の舞台裏トランペットが堂々と舞台上で鳴る以外は特に新手の解釈もありませんが、誠実なスコアの読みを通して、この作品本来の瑞々しさを呼び覚ましてくれる素晴らしい演奏です。オケの響きにはローカルな味が漂ってはいますが、強調したいのは、それを逆手に取って演奏の持ち味にすり替えるのではなく、心の底からマーラーを演奏しようとする心意気が結実しているということ。
第2楽章中間部の人懐っこく、しかもきめ細やかな表情など、単に田舎風として片付けられましょうか?
指揮者の統率力とオケの技術が水準以上であることを実証するのが終楽章。最大の特徴はテンポの切り替えの鮮やかさとその安定感。一瞬のルフトパウゼ後、10:01からのトゥッティの着実なテンポは運びは、指揮者の強固な確信とオケの技術がなくては達成できなかったでしょう。
是非、オーディオファイル的な視点ではなく、音楽表現としての結実ぶりに耳を傾けていただきたいと思います。きっとバーンスタインからインバルからも体感したことのない手応えを感じていただけることでしょう。【湧々堂】

LVSO-M02(2CD)
マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
リュッケルトの詩による5つの歌曲*
交響曲第3番〜第4楽章
ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO、
カウナス国立cho
ヴィオレータ・ウルマーナ(Ms)*
シグテ・ストニテ(S)
アンゲリカ・シュヴァツカ(MS)

録音:2005 年ヴィリニュス・コンサート・コングレス・ホール(ライヴ)
折しもこれを視聴している現在、リトアニアの政治情勢は大変な混乱状態下にありますが、馴染みのない地方オケの演奏であることも合わせて全て頭から取り除き、無心でお聴きいただきたい素晴らしいマーラーです。
強固な意思に支えられた彫琢力、入念を極めた情念の注入など、「巨人」終楽章で特に顕著だったリンキャヴィチウス堅固な構築力がここでも確実に実を結んでします。どこを取っても表情が完全に音化しており、第1楽章6:22以降の有機的フレージングなど、久々に心奪われました。再現部第2主題のげんのうねりの迫真ぶりも感動的。「原光」のウルマーナの歌唱は、素直な歌い口からじんわり情感が滲みます。終楽章を聴けば、この演奏が生半可な名演奏でないことを更に痛感していだだけることでしょう。リンキャヴィチウステンポ設定の巧みさが生き、この作品を暑い共感を持って徹底的に追求し、各楽想に絶対的な確信が漲っているので、途中で飽きたり、冗長だと感じさせることなく、最後までドラマティックな展開に酔いしれることができます。このライヴはオン・マイク気味の録音のために高級感のあるサウンドではないのですが、それを安っぽい演奏と誤解することは大損失です。表面的には立派でも、作品の壮大さに頼っているだけで、内容を掘り下げた痕跡のない演奏がいくらでもあるのですから。合唱が登場するまでの緊張感の保ち方、コーダでの持久力のある呼吸の妙など、本物の証です。合唱のテクスチュアの統一感、音程の正確さも聴きもの。【湧々堂】
※CDの解説書によると「復活」の第4楽章「原光」のみウルマーナ、第5楽章がシュヴァツカの演奏とのことです。
LVSO-M03(2CD)
マーラー:交響曲第3番ニ短調 ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO
カウナス国立合唱団女性グループ
アズオリウカス少年・青年Cho
リオラ・グロドニカイテ(Ms)

録音:2006 年5 月5 日ヴィリニュス・コンサート・コングレス・ホール(ライヴ)
この第3交響曲でもリンキャヴィチウスは誠実でストレートな音楽を聴かせてくれます。オーケストラは決して洗練されてはいませんが、真面目に取り組んでいて好感が持てます。録音はやけに分離の良いマルチマイクでの収録で、ライヴのようには聞こえません。ところどころ不思議な音色やバランスでほほえましい田舎くささを感じさせ、地方オケ・マニアにはオススメです。
LVSO-M04
マーラー:交響曲第4番ト長調 ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO
ヴィオレータ・ウルマーナ(S)

録音:2005 年 6 月ヴィリニュス・コンサート・コングレス・ホール(ライヴ)
リンキャヴィチウスは1960年のリトアニア(当時はソビエト連邦)生まれの指揮者で、1985年のカラヤン・コンクールで優勝後、ヨーロッパや旧ソ連圏で活発に活動しています。この一連の録音は2005 年のマーラー生誕145周年及びリンキャヴィチウスの指揮者生活25 周年を記念して開始されたコンサート・チクルスのものです。確かにローカルな味わいのある演奏ですが、リンキャヴィチウスの誠実な音楽作りは、単なる地方オケによる演奏という枠を超えています。終楽章にはリトアニア出身の世界的なマーラー歌手ヴィオレータ・ウルマーナをソリスト迎えています。
LVSO-M05
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調 ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO

録音:22005 年10 月1 日ヴィリニュス・コンサート・コングレス・ホール(ライヴ)
リンキャヴィチウスとリトアニア国立交響楽団によるマーラー交響曲全集チクルス第3 弾の登場です。既に第1 番から4 番までがリリースされており、地方オケらしい素朴さと独特な音色、指揮者の真摯な取り組みが一部のファンの間で支持されていますが、今回はいよいよ中期の純器楽による傑作群のリリースです。さて第 5 の冒頭のトランペット・ソロはじっくりと間をとり荘重な雰囲気が増幅、その後の弦楽による第1 主題の入り方、歌わせ方にも独特のセンスが感じられます。オーケストラにライヴ特有の細かなミスが見られるものの、テンポのとり方、複雑なパートのどこに焦点を当てるかなど(え?そこにフォーカスするの!?といった発見が多々あり)のセンスに他の指揮者にはない、非凡さが楽しめること請け合い。このリンキャヴィチウスという指揮者、ただ者ではありません。
LVSO-M06(2CD)
マーラー: 歌曲集「さすらう若人の歌」
歌曲集「亡き子を偲ぶ歌」
交響曲第6 番イ短調「悲劇的」
ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO
ダグマル・ペツコヴァ(Ms)

録音:2005 年12 月16 日ヴィリニュス・コンサート・コングレス・ホール(ライヴ)
マーラーの最高傑作との呼び声高い第6 番と歌曲集のカップリングです。歌曲でソロを歌うダグマル・ペツコヴァはワーナーのケント・ナガノのマーラーの第3 番でもソロを務めています。さて第6 番は冒頭より早めのテンポをとり、各セクションのディナーミクのつけ方もくっきりとコントラストがあり、さながらギリシャ彫刻のような彫りの深い凛とした佇まいを見せます。第 3 楽章のリリシズムも雰囲気満点でホルンの妙技も聴き所。オーケストラはライヴ特有の細かなミスはあるものの、おそらく編集なしの一発録りと思われ、時々クラリネットのペケッ!という音などはご愛嬌。なお一部トラックに一瞬クロストークがあります。予めご了承下さい。
LVSO-M07
マーラー:交響曲第7番ホ短調 ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO

録音:2006 年2 月24 日ヴィリニュス・コンサー
ト・コングレス・ホール(ライヴ)
地方オケ独特のひなびた音色ながら指揮者リンキャヴィチウスのいささか変わったアプローチ、オーケストラへの一種独特の焦点の当て方で一部ファンに支持されているリトアニア国立響のマーラー・チクルス最新盤。冒頭のテナー・ホルンの燻し銀の響きは第7 番の世界観にぴったりで中世の奥深い森へ一気に引き込まれます。これまでの録音と同様、オン気味のマルチマイク録音が不思議な空気感を醸し出し、第7 の持つ狂気と幻想的な雰囲気をさらに盛り上げています。
LVSO-M08(2CD)
マーラー:交響曲第8 番「一千人の交響曲」
交響曲第10 番アダージョ
ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO
アスミク・グリゴリアン(S)、
サンドラ・ヤヌサイテ(S)、
ヨアナ・ゲドミンタイテ(S)、
イエヴァ・プルドニコヴァイテ(M.S)、
ヨヴィタ・ヴァスケヴィチウテ(M.S)、
ドミトロ・ポポフ(T)、
ダイニウス・ストゥンブラス(Br)、
エジディユス・ダウスクルディス(B)、ほか
録音:2008 年9 月19 日ヴィリニュス・コンサー
ト・コングレス・ホール(ライヴ)
「千人の交響曲」の冒頭のオルガンの独特の音色(ハモンド・オルガンを思わせます)に導かれて洗練とは言えないものの骨太の合唱と独唱陣による歌唱はまるで田舎の宗教カンタータを聴いているようでほほえましく、逆に聴き手を敬虔な気持ちにさせます。第10 番アダージョでは特にリトアニア国立響の弦楽セクションの絹のような滑らかな響きが聴きもの。
LVSO-M09
マーラー:交響曲第9番ニ長調 ギンタラス・リンキャヴィチウス(指)
リトアニア国立SO


録音:2006 年12 月15 日ヴィリニュス・コンサ
ート・コングレス・ホール(ライヴ)
マーラー最高傑作に属する第9 番ではリトアニア国立響がその能力の限界を越えた白熱の演奏を展開します。第 1 楽章では既に燃え尽きてしまうのではないかと思わせるほどハイテンションで進みますが間髪入れず、中間の第 2、3 楽章でのコミカルでメカニカルな音楽でのオーケストラの技量とそれを導くリンキャヴィチウスの力量はなかなかのものです。終楽章での弦楽パートは第 10 番アダージョでも同様でしたが絹のようなきめの細かいソノリティと大河のように悠々としたリンキャヴィチウスの音楽作りが一体となって圧倒的な感動を生み出します。


このページのトップへ


このサイト内の湧々堂オリジナル・コメントは、営利・非営利の目的の有無に関わらず、
これを複写・複製・転載・改変・引用等、一切の二次使用を固く禁じます
万一、これと類似するものを他でお見かけになりましたら、メール
でお知らせ頂ければ幸いです




Copyright (C)2004 WAKUWAKUDO All Rights Reserved.