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MDR KLASSIK
(ドイツ)



ライプツィヒMDR響SOは、ドイツ連邦共和国ザクセン州ライプツィヒに本拠を置く中部ドイツ放送協会(MDR)所属オーケストラで、中部ドイツRSOとも呼ばれます。ドイツ再統一までは、ライプツィヒRSOと称していましたが、放送局の再編により中部ドイツ放送協会が誕生したのをきっかけに、ライプツィヒ放送フィルハーモニーOがライプツィヒRSOへ合併する形で1992年に再編され、現在の名称を冠しています。1923年に創立されたライプツィヒRSOは、旧東独を代表するオーケストラであり、歴代の指揮者も素晴らしい人々が顔をそろえています。ヘルマン・アーベントロート、ハインツ・レーグナー、ヘルベルト・ケーゲル、ダニエル・ナザレス、ファビオ・ルイージ・・・。中でも鬼才ケーゲルとの一連の録音は、クラシック・マニアの間でもその独特な解釈ゆえに「伝説的な名演」とされており、まさに信奉者が絶えないことでも知られています。他にもアーベントロートやポンマーなどの録音も多く、鄙びた音色と丁寧な音つくりに定評があるオーケストラです。ライプツィヒMDRSOとして活動を始めてからは、ファビオ・ルイージとのマーラーやフランツ・シュミットなどの演奏がリリースされていますが、ここでも落ち着いた響きとオーケストラの機動力を生かした見事な音楽が繰り広げられていたのが記憶に新しいところです。そんなライプツィヒMDRSOですが、2007年からは準・メルクルが音楽監督を務め、この伝統ある楽団にまた新たな息吹を与えたのをきっかけに自主制作レーベルを発足したのです。



品番 内容 演奏者
MDR-1201
メンデルスゾーン:付随音楽「アタリー」Op.74 (J.ラシーヌの劇のための) ドミニク・ホルウィッツ(Narrator)
ルース・ツィーザク(S)
ヤーナ・ブッフナー(S)
アンティゴネ・パポウルカス(Ms)
アネッテ・ヴィーデマン(Ms)
準メルクル(指)ライプツィヒMDR響

録音:2009年6月7日 メイン・アウディトリウム・オブ・ザ・ニュー・ゲヴァントハウス、ライヴ
アタリーは、旧約聖書に登場する「ユダの猛女王」の名前で、同じ題材のヘンデルのオラトリオが知られています。北イスラエル王国の王族の血を引くアタリア(アタリー)は、息子アハズヤが殺害されると、自らが半ば強引に即位し、自分の王位を守るために他の王族を皆殺しにすることで民衆の反感を買ってしまいます。何しろ「救世主が生まれる」とされるダヴィデの正統なる血筋を断ってしまう暴挙は神に背くことだったからです。次々と王族たちが殺害される中、アハズヤの子ども(アタリアの孫にあたる)ヨアシュだけが生き延びて、次の王位を継ぎ、アタリアは処刑されるという物語です。ラシーヌは、この物語をギリシャ悲劇風の戯曲に仕立てています。
MDR-1202
メンデルスゾーン:付随音楽「アンティゴーネ」Op.55 <配役>
クレオン…ドミニク・ホルウィッツ
アンティゴネ…アンナ・フランツィスカ・スルナ
イズメーネ…アンネ・ベルク
見張り…ニコラウス・オコンクォ
テイレシアス…ティロ・プルックナー
ハエモン…ジモン・ツィガー
<合唱ソリスト>
トーマス・オルテル=ゴルマンス(Bs)
アンドレアス・フィッシャー(T)
クリスティアン・セアンセン(T)
トーマス・ラツァーク(Bs)
イ・グンウク(Bs)
ライプツィヒMDR放送Cho(男声)
準・メルクル(指)ライプツィヒMDR響

録音:2009年1月11日 ライプツィヒ,メイン・アウディトリウム・オブ・ザ・ニュー・ゲヴァントハウス、ライヴ
こちらはギリシャ三大悲劇詩人の一人であるソフォクレスが紀元前442年頃に書いた悲劇です。メンデルスゾーンはこの物語をクリスチャン・ドナーの翻訳台本で読み、友人の歴史家ドロイゼンに熱烈なる感想を書き送っています。「コロノスのオイディプス」の後のエピソードであり、王位をめぐって相打ちとなった兄たちを悼むオイディプスの娘アンティゴーネと、空席となった王位についた、アンティゴネの叔父であるクレオンの確執を描きます。国家の威信を問るのか、それとも肉親の情をとるのか・・・クレオンの出した答えはアンティゴーネを赦すものでしたが、時すでに遅く、アンティゴーネは自らの命を絶つという物語です。メンデルスゾーンはこの物語を序奏と7曲の男声合唱で描き出しました。緊迫するドラマが涙を誘います。
MDR-1203
メンデルスゾーン:付随音楽「コロノスのオイディプス」Op.93 <配役>
オイディプス…ドミニク・ホルウィッツ
アンティゴネ…アンナ・フランツィスカ・スルナ
イズメーネ…アンネ・ベルク
クレオン…ニコラウス・オコンクォ
テーゼウス…ティロ・プルックナー
ポリュネイセス&コロノスの市民…ジモン・ツィガー
<合唱ソリスト>
ラインハルト・デッカー(Bs)
アンドレアス・フィッシャー(T)
クリスティアン・セアンセン(T)
トーマス・ラツァーク(Bs)/イ・グンウク(Bs)
ライプツィヒMDR放送Cho
準・メルクル(指)ライプツィヒMDR響

録音:2009年4月7日 ライプツィヒ,メイン・アウディトリウム・オブ・ザ・ニュー・ゲヴァントハウス、ライヴ
こちらは「アンティゴーネ」の物語の先駆をなすエピソードです。テーバイの王であったオイディプス(エディプス)は、そうとは知らずに実母イオカステーを妻とし、4人の子どもを生ませてしまいます。しかし、それは以前に受けた神託の実現であったことを知り、それを断ち切るべく盲目となり放浪の旅に出ます。もとよりこの世に生を受けてはいけない身であったオイディプスは、アテナイ近郊の「コロノスの森」にたどり着き、そこを最期の地と決めるのですが、彼を味方につけたい人々の思惑などから、なかなか安らかに逝くことができません。彼と長らく対立していたクレオンと言い争い、息子ポリュネイセスと面会するも「味方してくれないか」と懇願され、それを拒否。そして運命の時が来て、神の声に導かれながら地中へ姿を消していくという物語です。こちらはプロイセン王からの委嘱作品であり、「アンティゴーネ」とはまた違った味わいを持った大作となっています。


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