湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



OPUS 蔵
(日本)



※品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者
OPK-1002(2CD)
ニノン・ヴァランのアンソロジー
[CD1]オペラアリア編
ビゼー:「カルメン」〜「ハバネラ」「二重唱(第1幕)」「セギディーリア」「ジプシーの歌」「カルタの歌」「カルメン」
グノー:「ファウスト」〜「トゥーレの王」「宝石の歌」、
トーマ:「ミニヨン」〜「ツバメの二重唱」
マスネ:「マノン」〜「レーヌ通りの二重唱」、
ビゼー:「真珠採り」〜「レイラのカヴァティーナ」
Rコルサコフ:「サトコ」〜「インドの歌」、
レハール
:「スザンナのロマンス」「ヴィリアの歌」「至福の時」
オッフェンバック:「ホフマン物語」〜ホフマンの舟歌、
グリーグ
:「ソルヴェークの歌」
[CD2] 歌曲編
マスネ:「エレジー」「アンシャントマン」、
アーン
:「不実」「歌」「牢獄」より
フォーレ:「月の光」「秋」「揺籃」「夢のあとに」「水辺にて」、
シューベルト
:セレナード
シューマン:「女の愛と生涯」より「彼に会って以来」「誰よりも素晴らしい人」「分からない、信じられない」「私の指の指輪よ」「手伝って、妹たち」「やさしい人、あなたは見つめる」「わたしの心に、わたしの胸に」「今、あなたは初めてわたしを悲しませる」
グノー:アヴェ・マリア、
ファリャ
:「アンダルシアの歌」「ナナ」
グラナドス:「Elmajodiscreto」「No.lloreisojuelos」、
ゴダール
:「ジョスランの子守歌」 
ブラガ:「天使のセレナード」、
マルティーニ
:「愛の喜び」
ニノン・ヴァラン(S)
[CD1]アンドルフィ(指)管弦楽団、
ヴィラベラ(T)、ルヒマン(指)管弦楽団、
アンドルフィ(指)オペラコミック管、、他
[CD2]モーリス・フォーレ(P)、
マルグリット・ロン(P)、アンドルフィ(P)

録音:1930年代
※歌詞対訳は付いておりません。
ニノン・ヴァラン(1886-1961)はフランスの大ソプラノ歌手です。作曲家ドビュッシーはヴァランの歌唱スタイルと、涼しげでかつ明晰、さらに大胆でかすかに鼻にかかった独特の声質を称賛し、リサイタルでは、しばしば伴奏者を務めました。天性の声に加えて歌唱法にもすぐれていたため、50歳を超えても技量はまったく衰えませんでした。「グローヴ音楽辞典より」これまでオーパス蔵には声楽のリクエストがいくつも寄せられてきましたが、ニノン・ヴァランのセレクションを集大成として、今回2枚セットでまとめてみました。中には珍しいフランス語で歌うシューマンの「女と愛と生涯」があります。 (相原 了)
OPK-1004(2CD)
G.A.ホミリウス(1714-1785):ヨハネ受難曲 畑 儀文(福音史家)
藤井大輔(イエス)
中村朋子(S)、石川洋人(T)
篠部信宏(Bs)
ヨハネス・カントーレス(合唱・管弦楽[ピリオド楽器])
青木洋也(指揮・アルト・ソプラノ)

録音:2009年3月21日東京・淀橋教会 (ライヴ)
ホミリウス《ヨハネ受難曲》日本初演にあたってバッハの「ヨハネ受難曲」を歌いたいと集まってできた合唱団、その名もヨハネス・カントーレスですが、過去3回の演奏会では名前のとおりバッハ「ヨハネ受難曲」を2回、そして「ミサ曲ロ短調」を取り上げました。今回はそのバッハを離れ、バッハより少し後の時代にドレスデンで活躍したゴットフリート・アウグスト・ホミリウスの「ヨハネ受難曲」を取り上げます。ほとんどの方が、初めてその名を聞く作曲家であると思います。私自身もこの作曲家についてはほとんど知りませんでしたし、演奏経験もありませんでした。ホミリウスについてはオルガニストの米沢陽子さんに解説をお願いしました、プログラムノートをご覧頂ければと思います。米沢さんは偶然にも、昨年、東京芸術大学の授業でホミリウスの受難曲を取り上げたことから、当合唱団の練習を見学され、合唱団メンバーも彼女を講師に迎えてホミリウスに関する勉強会を開きました。ここに演奏する「ヨハネ受難曲」に限らず、ホミリウスの作品を日本で聴く機会は非常に珍しいことです。このような貴重な機会を作ることが出来たのは合唱団にとっても、私にとっても嬉しいことです。(ヨハネス・カントーレス音楽監督・常任指揮者 青木洋也) (Ki)

OPK-1006(8CD)
ヨハン・シュトラウス・コレクション


■CD1:「美しく青きドナウ」(13種の演奏)

■CD2:名指揮者達に聴くヨハン・シュトラウス1
1.アンネン・ポルカop.117
2.シャンペン・ポルカop.211
3.トリッチトラッチ・ポルカop.214
4.加速度円舞曲op.234
5.常動曲op.257/6.朝刊op.275
7.美しく青きドナウop.314
8.芸術家の生活op.316
9.雷鳴と稲妻op.324
10.ウィーンの森の物語op.325
11.酒・女・歌op.333
12.ピツィカート・ポルカ
13.楽しめ人生をop.340
■CD3:名指揮者達に聴くヨハン・シュトラウス2
1.新ウィーンop.342
2.千一夜物語op.346
3.ウィーン気質op.354
4.シトロンの花咲く国op.364
5.親しい仲op.367
6.うるわしの5月よop.375
7.南国のバラop.388
8.キス・ワルツop.400
9.春の声/10.皇帝円舞曲
11.こうもり序曲

■CD4ヨハン・シュトラウスのオペレッタ
1.「こうもり」序曲
2.この人は私の夫(1幕)
3.侯爵様あなたのようなお方は(2幕)
4.チャールダシュ(2幕)
5.フィナーレ(2幕)御機嫌よう、皆踊ろう
6.私は村娘(3幕)
7.「女王のレースのハンカチーフ」序曲
8.「愉快な戦争」自然こそ彼女の喜び
9.「ヴェネチアの一夜」ハイライト
10.「ジプシー男爵」序曲
11.自由気ままに(1幕)
12.ジプシーの歌(1幕)
14.募兵の歌(2幕)
15.凱旋行進曲(3幕)
16.「ウィーン気質」ハイライト

■CD5:ヨハン・シュトラウス−歌の競演
1.愛の歌/2.アンネンポルカ
3.常動曲/4.ウィーンのボンボン
5.美しく青きドナウ
6.美しく青きドナウ
8.酒・女・歌/9.酒・女・歌
10.千一夜物語
12.南国のバラ/13.南国のバラ
14.春の声
15.皇帝円舞曲/16.皇帝円舞曲

■CD6サロンコンサート
1.加速度円舞曲
2.トリッチ・トラッチポルカ
3.朝の新聞
4.ウィーンのボンボン
5.ブルーダニューブ
6.ブルーダニューブ
7.芸術家の生活
8.ウィーンの森の物語/9.酒・女・歌
10.ウィーン気質
11.シトロンの花咲く国
12.南国のバラ/13.春の声
14.宝のワルツ/15.皇帝円舞曲
16.こうもり接続曲
17.ジプシー男爵接続曲
18.J.シュトラウスワルツ集

■CD7:ヨハン・シュトラウスのラッパ吹込みレコード
1.美しく青きドナウ
2.美しく青きドナウ
3.芸術家の生活
4.ウィーンの森の物語
5.千一夜物語/6.南国のバラ
7.ウィーンの森の物語
8.春の声/9.こうもり、侯爵様
10.こうもり〜チャールダシュ
11.女王のレースのハンカチーフ、ワルツ
12.美しく青きドナウ
13.春の声/14.美しく青きドナウ
15.南国のバラ/16.芸術家の生活
17.宝のワルツ/18.皇帝円舞曲

■CD8ボーナスCD(オーパス蔵OPK7007)
ニューイヤーコンサート1954より
第2部(Part2)52'26"
■CD1すべて「美しく青きドナウ」
1.ヨハン・シュトラウスV(指)交響楽団(録音:1927年)
2.ワインガルトナー(指)ロイヤルPO(録音:1927年)
3.クライバー(指)BPO(録音:1931年)
4.クレメンス・クラウス(指)VPO(録音:1941年)
5.レーラーcho、ベルリン-ノイケルン(録音:1929年)
6.ビクター女声cho、矢野滋(S)(録音:1951年)
7.フリーダ・ヘンペル(S)(録音:1916年)
8.マリア・イヴォーギュン(S)ブレッヒ(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1932年)
9.エルナ・ザック(S)ベルリン・ドイツ歌劇場O(録音:1936年)
10.ジョゼフ・レヴィーン(P)(録音:1928年)
11.スーザ・バンド(録音:1905年)
12.ヴィクター・ヤング楽団(録音:1935年)
13.フォン・ゲッツィ楽団(録音:1933年)
■CD2
1.クレメンス・クラウス(指)VPO(録音:1929年)
2.ハワード・バーロウ(指)コロンビアRSO(録音:1941年)
3.ジョージ・セル(指)VPO(録音:1934年)
4.ユージン・オーマンディ(指)ミネアポリスSO(録音:1935年)
5.ウィレム・メンゲルベルク(指)ACO(録音:1932年)
6.カール・ベーム(指)VPO(録音:1949年)
7.アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響(録音:1941年)
8.ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)VPO(録音:1946年)
9.エーリヒ・ラインスドルフ(指)クリーブランドO(録音:1946年)
10.ユリウス・プリューヴァ(指)ベルリン市立歌劇場O(録音:1928年)
11.フェルディナント・ライトナー(指)シュトュットガルトO(録音:1950年)
12.ウィルヘルム・ロイス(指)BPO(録音:1934年)
13.ヨハン・シュトラウスV(指)交響楽団(録音:1927年)
■CD3
1.アーサー・フィードラー(指)ボストンポップスO(録音:1938年)
2.エーリヒ・クライバー(指)BPO(録音:1932年)
3.セルジュ・クーセヴィツキー(指)ボストンSO(録音:1928年)
4.:カール・アルウィン(指)VPO(録音:1931年)
5.フレデリック・ストック(指)CSO(録音:1930年)
6.アイロス・メリヒャル(指)BPO(録音:1938年)
7.ブルーノ・ワルター(指)BPO(録音:1930年)
8.ハンス・クナッパーツブッシュ(指)ベルリン・グランドSO(録音:1933年)
9.フェリックス・ワインガルトナー(指)ブリティッシュSO(録音:1931年)
10.レオ・ブレッヒ(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1928年)
11.ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO(録音:1937年)
■CD4
1.ブルーノ・ワルター(指)パリ音楽院O(録音:1938年)
2.ロッテ・シェーネ(S)レオ・ブレッヒ(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1928年)
3.エルナ・ザック(S)
ロルフ・シュレーダー(指)ベルリン・ドイツ歌劇場O(録音:1938年)
4.マリア・イヴォーギュン(S)、レオ・ブレッヒ(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1932年)
5.ロッテ・レーマン(S)、グレーテ・メルレムニキシュ(S)、カリン・ブランツェル(Ms)、リヒアルト・タウバー(T)、ワルデマール・シュテーゲマン(Br)、ワイスマン(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1928年)
6.エリーザベト・シューマン(S)、カール・アルヴィン(指)ウィーン国立歌劇場O(録音:1927年)
7.ドール・ダウバー(指)サロンオーケストラ日VictorJB197A(CW3204)
8.エーリヒ・クンツ(Br)、モラルト(指)VPO(録音:1949年)
9.フリードリッヒ・オイゲン・エンゲルス(T)
ヨハネス・シューラー(指)ベルリン・ドイツ歌劇場O(録音:1938年)
10.エーリヒ・クライバー(指)BPO(録音:1933年)
11.ヨーゼフ・シュミット(T)、ワイスマン(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1932年)
12.エリーザベト・レートベルク(S)ワイスマン(指)(録音:1930年)
13.エレナ・ゲルハルト(S)、マックス・ブロッホ(T)(録音:1916年)
14.レオ・シュッツェンドルフ(Br)、ゼルマー・マイロヴィッツ(録音:1930年頃)
15.ハンス・ゲオルク・オットー(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1937年)
16.エリーザベト・シュワルツコップ(S)、ヘルベルト・グラヴィッチュ(T)
ワルター・ルッツェ(指)ベルリン・ドイツ歌劇場O(録音:1940年)
■CD5
1.ルイーズ・サボー(S)、グロース(指)ベルリン市立歌劇場O(録音:1930年頃)
2.イレーネ・アイジンガー(S)英語(録音:1937年)
3.コメディアンハーモニスツ男声四重奏(録音:1937年)
4.ヘルベルト・エルンスト・グロー(T)、ドブリント(録音:1931年)
5.ローザ・ポンセル(S)英語(録音:1921年)
6.リリー・ポンス(S)、コステラネッツ楽団(録音:1939年)
7.アデーレ・ケルン(S)、ワイゲルト(指)ウィーン国立歌劇場O(録音:1930年)
8.ウィーン男声cho、アイロス・メリヒャル(録音:1930年)
9.フリーダ・ヘンペル(S)伊語(録音:1923年)
10.ミリツァ・コルユス(S)、ベルリン国立歌劇場O(録音:1935年)
11.マリア・イヴォーギュン(S)(録音:1924年)
12.リヒャルト・タウバー(T)(録音:1938年)
13.レア・ピルッティ(S)、ザイドラー・ウィンクラー(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1939年)
14.マリア・チェボターリ(S)、ヘーガー(指)ベルリン国立歌劇場O(録音:1936年)
15.ウィーン少年cho、(録音:1938年)
16.エルナ・ザック(S)、シュレーダー(指)BPO(録音:1938年)
■CD6
1.ダヨス・ベラ楽団(録音:1928年)
2.ケルン・ピアノトリオ(録音:1936年)
3.バルナバス・フォン・ゲッツィ楽団(録音:1933年)
4.ハンス・ブント(指)大ダンス楽団(録音:1941年)
5.トミー・ドーシー楽団(録音:1937年)
6.ジョセフィン・トゥミーニャ(指)ジミー・ドーシー楽団(録音:1937年)
7.芸アダルベルト・ルッター楽団(録音:1936年)
8.ロードのヴァイオリンとジプシー楽団
9.ハリー・ホーリック(録音:1938年)
10.カーメン・キャバレロ(録音:1942年)
11.アドルフ・ヴレーゲ(録音:1950年頃)
12.アルバート・サンドラー(指)パームコート・オーケストラ(録音:1945年)
13.バルナバス・フォン・ゲッツイ楽団
14.パウル・ゴドウィン(録音:1931年)
15.ビング・クロスビー(指)ヴィクター・ヤング楽団(録音:1947年)
16.マレーク・ウェーバー楽団(録音:1927年)
17.マレーク・ウェーバー楽団
18.ウィーン・ボエーム楽団(録音:1936年)
■CD7
1.カール・ドレッシャー(指)ドレッシャー楽団(録音:1901年)
2.レオポルド・ストコフスキー(指)フィラデルフィアO(録音:1919年)
3.ヨーゼフ・ホルツァー(指)大オデオンO(録音:1910年)
4.ウィレム・メンゲルベルク(指)NYO(録音:1923年)
5.フレデリック・ストック(指)CSO(録音:1917年)
6.プリンス(指)ハイドンO(録音:1914年)
7.マーセラ・ゼンブリッヒ(S)(録音:1905年)
8.マリア・バリエントス(S)(録音:1917年)
9.マリア・イヴォーギュン(S)(録音:1924年)
10.ゼルマ・クルツ(S)(録音:1911年?)
11.カール・マイスター(T)(録音:1906年)
12.ウルタードブラザース・マリンバ・バンド(録音:1916年)
13.アルフレッド・グリュンフェルト(P)(録音:1913年)
14.ロジャース(指)ビクターダンス楽団(brass)(録音:1909年)
15.アーサー・プライヤー・バンド(brass)(録音:1913年)
16.ダヨス・ベラ楽団(録音:1922年)
17.マレーク・ウェーバー楽団(録音:1921年)
18.皇シュテルン(指)ベルリン・アドロンホテル楽団(録音:1921年)
■CD8
クレメンス・クラウス(指)VPO

原盤:長真弓コレクション
復刻:長真弓
後援:オーストリア大使館、日墺文化協会
推薦:日本ヨハン・シュトラウス協会
元旦の衛星中継ライブ放送ですっかり馴染みとなったヨハン・シュトラウスのウィンナワルツはシュトラウスの時代から人々の楽しみに欠かせないものでした。レコードの発明以来多くの録音がなされたのも当然です。シュトラウスのワルツに特化した長真弓のSPコレクションから約100枚を厳選しジャンルおよびテーマごとにCD7枚にまとめました。シュトラウス本人の録音はありませんが、シュトラウス3世やシュトラウス楽団のメンバーであったドレッシャーからクライバーやクラウスのワルツの大家までの演奏・録音の変遷が感じられます。そして、フルトヴェングラーやトスカニーニのような巨匠指揮者あり、イヴォーギュン、ヘンペルからザック、シュワルツコップらの歌手たち、カーメン・キャバレロやビング・クロスビーらのサロン音楽、そして古のアコースティック録音などの録音など多彩な世界に驚きます。デジタル録音のワルツもよいが、20世紀前半のアナログのワルツの世界を味わってください。付録として現在のニューイヤーコンサートの先駆けとなったクラウスによる1954年のライブ録音を付けました。これはSPでなくテープによるエアチェックです。(Ki)

OPK-1014(3CD)
SPに聴くJ・シュトラウス

■CD1
ヨハン・シュトラウスの主題によるパラフレーズ集
(1)美しきドナウ−バレエ(デゾルミエール編曲)
(2)シュトラウスからシュトラウスへ
(3)シュトラウスの挨拶
(4)永遠のシュトラウス
(5)シュトラウスの響き
(6)シュトラウスのワルツ・メドレー
(7)ワルツ・メドレー
(8)これぞシュトラウス

■CD2
15人のソプラノ競演「春の声」(1906-1949)

■CD3
ピアノ競演 ヨハン・シュトラウス(1927-1944)、他
(1)人生はただ一度だけ
(2)美しく青きドナウ
(3)千一夜物語
(4)ウィーン気質
(5)親しい仲
(6)春の声
(7)宝のワルツ
(8)皇帝円舞曲
(9)こうもりパラフレーズ
(10)ウィーンの謝肉祭 
※アントン・カラス(ツィター)によるウィーンを舞台にした映画「第3の男」の音楽を2曲収録。
■CD1
(1)アンタル・ドラティ(指)LPO<録音:1936年 >
(2)オスカー・シュトラウス(指)新交響楽団(ロンドン)<録音:1950年>
(3)サロンオーケストラ<録音:1932年>
(4)ウィンナワルツ楽団 <録音:1936年>
(5)イルヤ・リヴシャコフ楽団 <録音年不詳>
(6)アルフレド楽団 <録音:1933年>
(7)マレク・ウェーバー楽団 <録音:1941年> 
(8)ウィーン・アコーデオン楽団 <録音年不詳>
■CD2
マーセラ・ゼンブリッヒ <録音:1906年>
ルイーザ・テトラツィーニ <録音:1908年>
マーベル・ギャリソン、ジョージ・シーモン <録音:1916年>
ヘドヴィッヒ・フランチェスカロ−カウフマン <録音:1919年>
マリア・イヴォーギュン、ミュンヘン国立歌劇場O <録音:1924年>
イヴリン・スコットニー <録音:1927年>
アデーレ・ケルン、ベルリン国立歌劇場O <録音年不詳>
クララ・クレアベール、アルベルト・ウォルフ <録音:1933年>
ミリツァ・コルユス、ルートヴィッヒ・リュート <録音:1934年>
エルナ・ザック(S)、ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)ベルリン国立歌劇場O<録音:1935年>
マルタ・エゲルト <録音:1936年>
シャーリ・バラバーシュ、ハンス・ブント <録音年不詳>
ヴィナ・ボヴィ、ティボー、パリ音楽院O<録音:1942年>
リリー・ポンス(S)、アンドレ・コストラネッツ (指)<録音:1948年>
エルナ・ベルガー(S)、ワルター・ススキント(指)フィルハーモニアO<録音:1949年>
■CD3
(1)セルゲイ・ラフマニノフ(P) <録音:1927年>
(2)ルイス・ケントナー(P)<録音:1944年>
(3)スタニスラス・ニージルスキー(P)<録音:1930年>
(4)ウィリアム・グロス、ウォルター・カウフマン <録音:1928年>
(5)エルンスト・フォン・ドホナーニ(P)<録音:1931年>
(6)アニア・ドルフマン(P) <録音:1932年> 
(7)ジャンヌ=マリー・ダール(P)<録音:1931年>
(8)マリアン・ラヴィッツ、ウォルター・ランダウアー <録音:1943年>
(9)ベノ・モイセヴィッチ <録音:1930年>
(10)モーリス・ロゼンタール(P)<録音:1935年>
2010年の暮れに長真弓氏のSPコレクションをまとめた「ヨハン・シュトラウスコレクション」CD8枚組セット(OPK1006/13)を発売し、国内外 で高い評価を得ました。その後長さんが体調を崩しお亡くなりになる前に、新たな復刻音源を託されました。今回、シュトラウス第2弾3枚セットとして 発売に至ることができましたので、ヨハン・シュトラウスを愛する皆様、シュトラウスの音楽が生活の中に生きていた20世紀前半の一味違うワルツをお 楽しみください。(OPUS蔵 相原了) (Ki)

OPK-2000
ヨーゼフ・シゲティ/小品集
ヘンデル:ソナタ ニ長調Op1-13
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ.ホ短調K304*、
タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ第12番ト長調、
バッハ:ガヴォット、
ベートーヴェン:メヌエットト長調、
パガニーニ:奇想曲第9番ホ長調/24番イ長調、
クライスラー:中国の太鼓#、愛の悲しみ、
ブロッホ:バールシェムよりニーグン、
ドヴォルザーク:スラブ舞曲第2番
ヨーゼフ・シゲティ(Vn)、
ニキタ・マガロフ(P)、ルールザイツ(P)、
アンドール・フォルデス(P)
OPK-2001
エルマン/小品集
ヴィエニャフスキ:モスクワの思い出、
シューベルト:セレナード、
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン、
バッハ:G線上のアリア、
シューベルト:アヴェ・マリア、セレナード、
シューベルト:感傷的なワルツ、
ラフ:カヴァティーナ、
ドヴォルザーク:ユモレスク、
シベリウス:悲しき円舞曲、
キュイ:オリエンタル*、
マスネ:タイスの瞑想曲、
サン=サーンス:白鳥、
ドルドラ:スーベニール、ドリゴ:セレナード、
ミッシャ・エルマン(Vn)、
パドゥワ(P)、ホリスター(P)、
バウマン(P)、ボニーメ(P)、バルサム(P)、
ブルドン(指)管弦楽団
OPK-2002
フーベルマン/小品集
バッハ:サラバンドとドゥーブル(無伴奏パルティータ第1番)、
バッハアンダンテ(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番)、
バッハ:G線上のアリア、
ショパン:ワルツOp64-2、夜想曲Op15-2、
シューベルト:アヴェ・マリア、
ブラームス:ワルツOp39-15、ハンガリー舞曲第1番、
ザジツキ:マズルカOp.26、
ブルッフ:コル・ニドライ、
チャイコフスキー:メロディOp.42-3、
サラサーテ:アンダルシアのロマンス
ブロニスワフ・フーベルマン(Vn)、
シュルツェ(P)
OPK-2003
ジンバリスト/小品集
サラサーテ:カルメン幻想曲、サパティアード*、
キュイ:オリエンタル*、
ワーグナー:懸賞の歌*、
ドリゴ:ヴァルス・ブルエット*、
バッハ:G線上のアリア*、
シューマン:トロイメライ、
ショパン:ワルツOp.7-1*、
グリンカ:ペルシャの歌*、
アウリン:即興曲*、
ドリゴ:セレナード*、
ドルドラ:スーベニール、
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
エフレム・ジンバリスト(Vn)、
ザイデンベルク(P)、ベイ(P)*
OPK-2004
ミルシテイン/小品集
パガニーニ:ラ・カンパネッラ、
リスト:コンソレーション第3番、
ヴィヴァルディ:ソナタ ニ長調(レスピーギ編)、
ペルゴレージ:ソナタ第12番ホ長調、
タルティーニ:ソナタ ト短調“悪魔のトリル”、
コダーイ:巷に雨が降るように、
ムソルグスキー:紡ぎ女、
ブロッホ:バーム・シェムよりニーグン、
ファリャ:アストゥリアーナ、
ヴィエニャフスキ:ロマンス作品22、
シマノフスキ:タランテラ
ナタン・ミルシテイン(Vn)、
ミットマン(P)
OPK-2005
ジョルジュ・エネスコ&カール・フレッシュ
ショーソン:詩曲、
コレッリ:ラ・フォリアop.5-12、
ヘンデル:ソナタ.ニ長調OP.1-13、
 ソナタ.イ長調Op.1-14*、
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調K378*、
ファリャ:ホタ*
ジョルジュ・エネスコ(Vn)
カール・フレッシュ(Vn)*、
ディック(P)、ストラスフォーゲル(P)
OPK-2006
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
 ヴァイオリン・ソナタ「クロイツェル」
ブロニスワフ・フーベルマン(Vn)、
ジョージ・セル(指)VPO、
イグナツィ・フリードマン(P)

録音:1943年
OPK-2007
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ラロ:スペイン交響曲*
ブロニスワフ・フーベルマン(Vn)、
ウィリアム・スタインバーク(指)
ベルリン・シュターツカペレ、
ジョージ・セル(指)VPO*

録音:1928年、1934年*
OPK-2008
ハイドン:チェロ協奏曲第2番
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番#、
ウェーバー:アンダンティーノ*、
ポッパー:セレナーデ*、
ヘンデル:アリオーソ*
エマニュエル・フォイアマン(Vc)、
マルコム・サージェント(指)交響楽団、
マイラ・ヘス(P)#、
ルヅルフ・ゼルキン(P)*
OPK-2009
グリーグ:ピアノ協奏曲
リスト(ブゾーニ/フリードマン編):ラ・カンパネッラ、
ショパン:マズルカ集、夜想曲Op55-2
イグナツィ・フリードマン(P)

録音:1926-36年
OPK-2010
シューマン:ピアノ協奏曲、
クライスレリアーナ
アルフレッド・コルトー(P)、
ランドン・ロナルド(指)RPO

録音:1935年
OPK-2011
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」、
ヴィヴァルディ:合奏協奏曲Op3-8、
バッハ:G線上のアリア
ヴィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1937年
OPK-2012
チャイコフスキー:交響曲第5番
 弦楽セレナード〜ワルツ、
ワーグナー:「タンホイザー」序曲*
ヴィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1928年、1938年*
OPK-2013
チャイコフスキー:交響曲第4番
 弦楽セレナード*
ヴィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1929年、1938年*
OPK-2014
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、第4番* ヴィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1937年、1938年*
OPK-2015
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」、第1番* ヴィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1940年、1938年*
OPK-2016
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、第8番 ヴィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1938年
OPK-2017(2CD)
ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
モーツァルト:ドイツ舞曲、
J・シュトラウス:皇帝円舞曲、
ワーグナー:ジークフリート牧歌、
マーラー:交響曲第5番〜アダージェット
ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1935-38年
※ハイドンは日本盤復刻とフランス盤復刻の2種を収録
OPK-2019
モーツァルト:交響曲第39番、第40番
R.シュトラウス:交響曲詩「ドン・ファン」#
ブルーノ・ワルター(指)BBC響、
ベルリン・シュターツカペレ*、
ロイヤルPO#

録音:1934年1929年*、1926年#
OPK-2020
若きシュナイダーハン
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
バッハ:シャコンヌ、
サン・サーンス:白鳥、フィビヒ:詩曲、
ウィルフガング・シュナイダーハン(Vn)、
カール・ベーム(指)ザクセン国立O
OPK-2021
モーツァルト:「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番、
 交響曲第6番「田園」
ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1936年
OPK-2022
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
ブラームス:交響曲第1番
ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1937年
OPK-2023
モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」
ブラームス:交響曲第4番*
ブルーノ・ワルター(指)VPO、BBC響*

録音:1938年、1934年*
OPK-2024
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
ヨーゼフ・シゲティ(Vn)、
トマス・ビーチャム(指)LPO、
ハミルトン・ハーティ(指)ハレO*

録音:1933年、1928年*
OPK-2025
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番&2番
バッハ:いざ来たれ異教徒の救い主*
エルガー:気まぐれ女#
ブロニスワフ・フーベルマン(Vn)、
イサイ・ドブロウェン(指)VPO、
シュルツェ(P)*
録音:1934年、1935年、1931年#
OPK-2026
ブラームス:交響曲第2番
ワーグナー:「ニュルンベルクの名歌手」第1幕前奏曲、
R・シュトラウス:「ドン・ファン」*
ヴィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1940年、1938年*
OPK-2027
フランク:交響曲ニ短調
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲*、
フランク:プシュケとエロス*、
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」#
ヴィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1940年、1938年*、1937年#
OPK-2028
アンリ・メルケル
サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番*、
ラロ:スペイン交響曲**、
サン=サーンス:死の舞踏#
アンリ・メルケル(Vn)、
ピエロ・コッポラ(指)パドルーO*,**、
フィリップ・ゴーベール(指)パリSO#

録音:1935年*、1932年**、不明#
OPK-2029
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヨーゼフ・シゲティ(Vn)、
サー・トマス・ビーチャム(指)LPO、
ブルーノ・ワルター(指)ブリティッシュSO*

録音:1934年、1932年*
OPK-2030
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番&3番、他
 2台のヴァイオリンのための協奏曲
ヨーゼフ・シゲティ(Vn)、
カール・フレッシュ(Vn)*、
ワルター・ゲール(指)管弦楽団

録音:1931年、1933年、1937年
OPK-2031
ジャック・ティボー/小品集
アルベニス:マラゲーニア
グラナドス:スペイン舞曲第5番&6番、
 舞曲(ティボーに捧ぐ)、
ファリャ:ホタ、サン=サーンス:ハバネラ、
ヴィターリ:シャコンヌ、エックレス:ソナタト短調、
ヴェラチーニ:ソナタ、パラディス:シシリエンヌ、
ポルディーニ:踊る人形、アルベニス:タンゴ、
ブラームス:ワルツ、
ドビュッシー:ゴリウォーグのケークウォーク、
 亜麻色の髪の乙女
ジャック・ティボー(Vn)、
H・クラクストン(P)、T・ヤノポーロ(P)

録音:1925年、1927年、1930年、
1933年、1936年
OPK-2032
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」、
 歌劇「恋の花作り」序曲*、
ハイドン:交響曲第96番「奇跡」#
ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1936年、1938年*、1937年#
OPK-2033(2CD)
ワーグナー:「ワルキューレ」第1幕(全曲)
 ワルキューレ第2幕(ハイライト)、他
ブルーノ・ワルター(指)VPO
録音:1935年
OPK-2035
フルトヴェングラー/ワーグナー
「パルシファル」第1幕前奏曲と聖金曜日の音楽、
「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛と死、
「神々の黄昏」ブリュンヒルデの自己犠牲*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO、
フィルハーモニアO*、
フラグスタート(S)*
録音:1938年、1948年*
OPK-2036
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
(1)メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」、
(2)「真夏の夜の夢」序曲、
(3)シューベルト:「ロザムンデ」〜バレエ音楽第2番、
(4)「ロザムンデ}〜間奏曲第3番、
(5)ベルリオーズ:ラコッツィ行進曲、
(6)ウェーバー:「魔弾の射手」序曲、第3幕導入曲、
(7)舞踏への招待(ベルリオーズ編)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:(1)1930年、(2)(3)1929年、
(4)(5)1930年、(6)1935年、(7)1932年
OPK-2037
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
 「エグモント」序曲*、「コリオラン」序曲#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO*、VPO#

録音:1937年、1933年*、1947年#
OPK-2038
ベートーヴェン:交響曲第7番、第1番
 「エグモント」序曲
フェリックス・ワインガルトナー(指)VPO

録音:1936年ー37年
OPK-2039
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」、第8番 フェリックス・ワインガルトナー(指)VPO

録音:1936年
OPK-2040
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」
 「プロメテウスの創造物」序曲
フェリックス・ワインガルトナー(指)VPO

録音:1935-36年
OPK-2041(2CD)
パブロ・カザルスのバッハ
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)
パブロ・カザルス(Vc)

録音:1936-39年
解説:鈴木秀美
OPK-2043
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調
ブルッフ:コル・ニドライ*、
ボッケリーニ:チェロ協奏曲*
パブロ・カザルス(Vc)、
ジョージ・セル(指)チェコPO、
ランドン・ロナルド(指)LSO*

録音:1937年、1936年*
OPK-2044
シモン・ゴールトベルク、他
(1)モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第17番、
(2)モーツァルト:二重奏曲ト長調K.423、
(3)ベートーヴェン:二重奏曲変ホ長調WoO.32、
(4)ベートーヴェン:セレナード ニ長調Op.8
(1)(2)(4)シモン・ゴールトベルク(Vn)、
(3)(4)エマヌエル・フォイアマン(Vc)、
(2)フレデリック・リドル、
(3)ウィリアム・プリムローズ(Va)、
(1)リリー・クラウス(P)、
(4)パウル・ヒンデミット(Va)
録音:(1)1935年、(2)1948年、(3)1941年、(4)1934年
OPK-2045
トスカニーニ/モーツァルト他
(1)V・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲
(2)モーツァルト:交響曲第40番、
(3)モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」、
(4)バッハ:アリア、
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:(1)1945年(Vディスク原盤)、(2)1938-39年、(3)1945-46年、(4)1946年
OPK-2046
ヴェルディ:歌劇「椿姫」前奏曲
ハイドン:交響曲第88番「V字」、
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、
 「エグモント」序曲
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1941年、1938年*、1939年**、1937年#
OPK-2047
フリッツ・クライスラー/ベートーヴェン
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、
 ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
フリッツ・クライスラー(Vn)、
ジョン・バルビローリ(指)LPO、
フランツ・ルップ(P)

録音:1936年
OPK-2048
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」
フリッツ・クライスラー(Vn)
ジョン・バルビローリ(指)LPO
フランツ・ルップ(P)
OPK-2049
ブルーノ・ワルター/大地の歌
マーラー:(1)交響曲「大地の歌」
(2)私はこの世に忘れられ、
(3)アダージェット(※OPK2017収録と同録音)
ブルーノ・ワルター(指)VPO、
(1)(2)トルボルイ(S)、(1)クルマン(T)

録音:(1)(2)1936年ライヴ、(3)1936年

OPK-2050
トスカニーニ&ハイフェッツ
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、
 交響曲第7番
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)、
トスカニーニ(指)NYO

録音:1940、1936年ビクターー
「トスカニーニはNBC響を振って「第7」を再録しているが迷うことなくこちらを採るべきだ。凄い迫力であるエネルギーが炸裂する素晴らしい録音だ」と宇野功芳氏はライナーノートで激賞!
OPK-2051
シューベルト:弦楽四重奏曲「死と乙女」
ハイドン:弦楽四重奏曲「ひばり」、
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第5番
カペーQ

録音:1928年
OPK-2052
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番「ハープ」
 弦楽四重奏曲第15番
カペーQ

録音:1928年
OPK-2053
モーツァルト:弦楽四重奏曲K465「不協和音」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー1番」
カペーQ

録音:1928年
音楽評論の小林利之氏は、死と乙女について「これほど克明な復刻もめずらしく、生演奏の雰囲気を感じさせて」、ベートーヴェンの第15番は「序奏を支えるPPのチェロパートがオーパス蔵で初めて完全に聴き取れる。やっと音溝に刻み込めたと思われる最低音の収録をひろいとっているのだ!」と絶賛。
OPK-2054
ワルター&VPO、LSO
(1)モーツァルト:「皇帝ティトスの悲劇」序曲、
(2)モーツァルト:「偽の女庭師」序曲、
(3)ハイドン:交響曲第86番*、
(4)ブラームス:交響曲第3番#
ブルーノ・ワルター(指)
VPO、LSO*

録音:1936年#、1938年
オーパス蔵によるSP復刻盤に対して、ここに来て金子建志、松沢憲氏をはじめ多くの方々が素晴らしさを認めるようになり孤軍奮闘のぼくもやっと愁眉を開くことが出来た。今回のワルターの1枚はオーパス蔵による最大の成果であって、SPというものがどんなに凄いものであったか、まさに体が仰け反る様な気分に襲われるだろう(宇野功芳) 
OPK-2055
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
 ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」
シモン・ゴールドベルク(Vn)、
リリー・クラウス(P)

録音:1936年
OPK-2056
フランク:ピアノ五重奏曲へ短調、
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番
カペーQ
マルセル・シャンピ(P)、
録音:1928年
「中低域重要視の見事な復刻」と小林利之氏も賞賛。
OPK-2057
ラヴェル:弦楽四重奏曲
ドビュッシー:弦楽四重奏曲、
シューマン:弦楽四重奏曲第1番
カペーQ
録音:1928年
OPK-2058
クライスラー:ウィーン奇想曲、中国の太鼓
R・コルサコフ:インドの唄、
クライスラー:美しきロスマリン、
 ロンドンデリーの歌、愛の喜び、
ファリャ:スペイン舞曲、クライスラー:ロンディーノ、
ブラームス:ワルツ第15番、
ドヴォルザーク:ユモレスク、
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ、
ショパン:マズルカ第4番、
ポルディーニ:踊る人形、
R・コルサコフ:太陽への賛歌、
クライスラー:愛の悲しみ、
バッハ:ガヴォット、クライスラー:ジプシーの女、
スコット:蓮の国 
フリッツ・クライスラー(Vn)、
フランツ・ルップ(P)

録音:1936-38年
OPK-2059
トスカニーニ/ロッシーニ序曲
ロッシーニ:序曲集
(1)「アルジェのイタリア女」
(2)「セミラーミデ」
(3「)セヴィリアの理髪師」
(4)「絹のはしご」
(5)弦楽のためのソナタ第3番
(6)ヴィヴァルディ:合奏協奏曲p3-11
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)
(1)(2)(3)NYO、(4)BBC響、
(5)(6)NBC響

原盤:(1)mat Vic101218-19、
(2)mat Vic101214-17、
(3)mat Vic7255AB、(5)(6)私家版LP
ソナタとヴィヴァルディは私家版LPから復刻。ヴィヴァルディの合奏協奏曲は、おそらく初CD化!
OPK-2060
マーラー:交響曲第9番ニ長調 ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1938 ウィーン・ライブ/US-RCA SP  (mat.HMV 2VH 7027-46)
良質のアメリカ盤を入手したのは2年ほど前になります。音は良かったのですが全面にヒスがあり、マスタリングでヒスを取ると音が変わるので、2回トライして棚上げにしました。その後ノイズ処理システムの更新やテクニックの工夫があり再トライし、さらに3度の挑戦で一応これならという線に来ました。ヴァージョンで言えばVer.5 となります。最後は意地になりました。  (Ki)
OPK-2061
フォイアマン、セル/ドヴォルザーク
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調*
 交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」#
エマニュエル・フォイアマン(Vc)
ミヒャエル・タウベ(指)ベルリン国立歌劇場O*
ジョージ・セル(指)チェコPO#

録音:1928年-1930年Berlin(Parlophon)、1937年 London(HMV)*、使用盤:J-Columbia、Victor SP#
OPK-2062(2CD)
モーツァルト:ディヴェルティメント変ホ長調K563*
ドホナーニ:セレナード ハ長調Op.10*
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8*
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第6番「大公」+
シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番Op.99+
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
ウィリアム・プリムローズ(Va)*
エマニュエル・フォイアマン(Vc)
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)+

録音:1941年9月、カリフォルニア
音源:US-RCA SP
OPK-2064
ヌヴーのシベリウス他
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲#
ラヴェル: ハバネラ形式の小品+
スカルラテスク:バガテル+
ジネット・ヌヴー(Vn)
イサイ・ドブロウェン(指)*
ワルター・ジュスキント(指)#
フィルハーモニアO
ジャン・ヌヴー(P)

録音:1946年(*/+)/1945年#
原盤:フランス盤SP
ノイズを徹底的に取る復刻が特にヨーロッパで流行でありますがどうも実在感の希薄な音になっているようです。ノイズを取ったあと恐らくはイコライザーで弱くなった音を補って聞かせる復刻は演奏家の息使いを取り去ってしまいます。ヌヴーもノイズの大きなイギリス盤でやらねばならないかと思っていましたら、レコード収集の名人がフランス盤を入手してくれました。恐らく他の復刻より実在感があると思います。ブラームスの方が録音は新しいのですが、シベリウスの方が緻密な音が捉えられています。これは他の盤でも同様なので、元の録音に差があるものと考えられます。 それにしても、シベリウスは名演です。SPでもこの弱音を再現できるのだということが実感できるものです。まだ活動を始めたばかりのフィルハーモニア管弦楽団ともども若さの勢いが感じられます。おまけに小品を2曲つけました。アンコールとしてお聴きください。 (オーパス蔵代表 相原了)
OPK-2065
ワインガルトナー〜ベートーヴェン録音集
「フィデリオ」序曲*
トリプル・コンチェルトOp.56#/
ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.39+
リカルド・オドノポソフ(Vn)#
S.アウベル(Vc)#
A.モラレス(P)#
マルグリット・ロン(P)+
フェリックス・ワインガルトナー(指)
LPO*、VPO#、パリ音楽院O+

録音:1938年*/1940年+他
ワインガルトナーのベートーヴェンを聴くと、ベートーヴェンはこのように演奏していたのではないかと思ってしまいます。今回は協奏曲を中心としたものです。「これらの演奏に関して感じられるとても大切なことは、これらは、レコードが今のように大量消費財ではなく、まだ音楽家達が演奏している音楽に没頭できた時代のものだということです。恐らく、これらの録音は、私たちがすばらしいクラシック音楽がただの娯楽の一形態ではなく、道徳的な力であった日々を思い起こさせるものなのです。」(Ralph Steiberg, New York ライナーノートより)
OPK-2066
ザウアー&ワインガルトナー
リスト:ピアノ協奏曲第1番、
ベートーヴェン:11のウィーン舞曲集(前半)*、
リスト:ピアノ協奏曲第2番、
ベートーヴェン
:11のウィーン舞曲集(後半)*
リスト:交響詩「前奏曲」#
エミール・フォン・ザウアー(P)
フェリックス ワインガルトナー(指)
パリ音楽院O、LPO*、LSO#

録音:1938年、1940年#
アメリカ盤SPより復刻
もしオーパス蔵がオリジナルのSP盤から復刻してくれたら…。初出時にかなり良い条件で聴いて魅了されたザウアーの、あの燦然ときらめいて充実感たっぷりだったピアノの美音に再会できるのではないか。いや絶対、あのピアノの音は、SP盤の音 溝に刻み込まれたすべての情報をとりだすことに成功して来たオーパス蔵にしか不可能な、ディスクに秘められた音の宝石に違 いないと確信しつつも、なかば諦めかけていたところに届いたのがこのディスク。 マルカート(アクセントをつけてはっきりと)・デチーゾ(明確に)と指示された冒頭の第1主題を弾くフォルティシモの弦 のユニゾン。これまでに聴いてきたどの復刻盤よりも、ぐっと低めの音だ。「オーパス蔵の音!」との直感。 ・・・これまでの復刻盤ではついぞ聴きとりにくかったピアノの左手(低音)の和音が、超高域で動く右手の活躍をしっかりと 支えて“完璧にピアノらしい音の響き”を構築する。もうここまで聴いただけで勝負は決まり。(小林利之氏)
・ザウアーのリストはこれほどしっかりした演奏とは思っていませんでした。歳をとって音が出ないのではなく、音を取り出せて なかっただけなんですね。「レ・プレリュード」は同時発売のメンゲルベルク盤とかち合ってますが、演奏は全く対照的で比べ るのも楽しいです。リストづくしでは疲れると思いベートーヴェンの愛すべき舞曲集を挿みこみました。(相原 了)
OPK-2067
ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲 、
リスト
:交響詩「前奏曲」*、
ブラームス
:交響曲第3番**、
マーラー
:交響曲第5番〜アダージェット#
ウィレム メンゲルベルク(指)ACO

録音:1942年(US-Capitol SP)、
1929年(JP-Columbia SP)*、
1930年(JP-Columbia SP)**、
1926年(UK-Columbia SP)#
マーラーは電気録音最初期のものだけに音の悪いのは仕方がないが、既存盤は大いに物足りなく、オーパス蔵からの復刻CDを今や遅しと待ちかねていたのだが、やっと実現の運びとなった。正直に嬉しい。26年のSPをこれ以上の音で再生するのは無理であろうから。ブラームスの三番は1932年の録音で、野村光一の「名曲に聴く」にも、録音が古い、の一言で無視されているし、ぼく自身もワルターがあれば必要ないと考えていた。 しかしオーパス蔵の復刻CDはそんな偏見を見事にくつがえしてしまった。本CDに収められた全四曲中、最も楽器のバランスが良く、音質が良く、歪みの少ないのはこのブラームスだからだ。あのSPの情報量の少なさがウソのようにいろいろな音が聴こえてくる。 (宇野功芳)
・マーラーのアダージェットは日本、イタリア、ドイツ、フランス、英国と各国の盤が集まりました。音はフランス盤が明瞭でしたが、雰囲気で優れていたのは英国Columbia 盤でした。幸い英国盤特有のスクラッチノイズはなくこれを用いました。「プロメテウス」はテレフンケンの発売はなくアメリカのキャピトルがSPとして出したものです。原盤が悪く発売しなかったのかもしれません。貴重な録音です。(相原 了)
OPK-2068
フルトヴェングラー/1950年「ベト7」
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92*
J・シュトラウス:皇帝円舞曲#
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲+
メンデスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」**
ワーグナー:「ニュルンベルクの名歌手」第1幕前奏曲##
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO

録音:1950年(*/#/+)/1949年(**/##)。マトリックス: 2VH7181-89 * / 2VH7202-03 # / 2VH7216-17 +/ 2VH7108-09 ** / 2VH7168-20 ##。全て UK-SP より復刻
「フルトヴェングラーのベートーヴェン7番。ぼくは長いこと、この50年のスタジオ録音をベスト・ワンに挙げて来たが、高音がきんきんするのが気になることは確かだった。そこへオーパス蔵が43年のベルリン・ライヴをすばらしい音で復刻したので、この方をベストとしたのが、つい一、二年前。ところが同じオーパス蔵が前述の50年盤を初出のLPそのままの姿でCD化した。こうなると、さすがのぼくも迷う。ウィーン盤の高音には相変わらずピークはあるものの、中低音がどっしりと鳴るので,ほとんど気にならなくなった。フルトヴェングラーも聴衆の居ないスタジオなのに大いに燃えており、この勝負、引き分けか、あるいはわずかにウィーン盤が上か。本当にオーパス蔵は人さわがせだ。」(宇野功芳)
OPK-2069
ティボー、コルトー、フォイアマン
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」*
シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ#
レーガー:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 +
ジャック・ティボー(Vn)
アルフレッド・コルトー(P)*
エマニュエル・フォイアマン(Vc;#/+)
ジェラルド・ムーア(P)#

録音:1929年*/1937年#/1939年+
OPK-2070
オーブリー・ブレイン&アドルフ・ブッシュ
バッハ
:ブランデンブルク協奏曲第1番*[1935年録音]、
 シシリアーノ#[1933年録音]、
ブラームス:ホルン三重奏曲#[1933年録音]、
モーツァルト
:ホルン協奏曲第3番**[1940年録音]
オーブリー・ブレイン(Hrn)*/**、
アドルフ・ブッシュ(指)ブッシュCO*、
アドルフ・ブッシュ(Vn)#、
ルドルフ・ゼルキン(P)#
エイドリアン・ボールト(指)BBC響

録音:1935年*、1933年#、1940年** すべてSPより復刻
ブッシュ、ゼルキン、オーブリー・ブレインのブラームスのホルントリオ録音はこれを越えるものがないと言われる 位の名演奏・名録音です。録音の翌年の演奏会でも、「この演奏会を聴けた者は幸福である。トリオとして、昨日の演 奏者たちは申し分ない。技術的な卓越、また、音楽的な感性の点からも、まさに理想的なメンバーであった(Morning Post...1934 年3月8日付)」と絶賛されています。ブランデンブルク協奏曲第1 番はデニス・ブレインの始めての公開 演奏会で取り上げられたもので、ブッシュが指揮とヴァイオリンを担当、父のオーブリーが第1ホルンを吹いています。 録音では第2ホルンをブラッドショーが吹いています。モーツァルトのホルン協奏曲第3番は当時まさに絶頂期にあっ たオーブリーの演奏です。デニスの録音も複数残っているので、親子で聴き比べてみるのも興味深いでしょう。 (Ki)
OPK-2071
メンゲルベルク/最後のセッション録音
グルック:「アルチェステ」序曲
シューベルト:「ロザムンデ」序曲*
 交響曲第9番ハ長調 D944「グレート」#
ウィレム・メンゲルベルク(指)
ACO

録音:1935年(Decca SP)、1938年(Telefunken SP)*、1942年(Telefunken SP)#
《アルチェステ》は1935年にメンゲルベルクがデッカに録音した2曲のひとつであり、SP盤が出回るのは珍しいものです。
OPK-2072
グリーグ:ピアノ協奏曲、
シューマン
:ピアノ協奏曲*、
リパッティ:コンチェルティーノ#
ディヌ・リパッティ(P)、
アルチェオ・ガリエラ(指)フィルハーモニアO
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)フィルハーモニアO*、
ハンス・フォン・ベンダ(指)ベルリンCO#

録音:1947年、1948年*、1943年#
「まずグリーグから聴く。誰がなんと言っても、耳をそばだたせてほしいのが、第1楽章の出だし!無音の静寂の中からティンパニの連打がクレッシェンド。全管弦楽のトゥッティを裂帛の気迫で打ち破るソロの強靭な下降楽句の連続が4オクターヴのA音に落ちついた瞬間、まるで音の響きが床と空気を揺るがせるような感じの超低音ではじまったアルペッジョが一気に鍵盤をかけのぼる。グリーグが考えついた、この曲の最高に忘れがたい切り札。「このカデンツァの超低音が、どれ程パンチのきいた鳴りをするかどうかで、だいたいあとの演奏の予想がつく」(柴田南雄)とさえ言われるこの音こそ、譜面では左手のヘ音記号で下の加線6本の下の音。ピアノの鍵盤の最低音Aだ。それは、27Hzの音なのだが、リパッティのタッチの凄みが、すごく音楽的で、無類の魅惑をたたえており、それが一瞬の音としての感覚だけに、ついくりかえして聴きたくなった。」(小林利之)
リパッティのSP録音はずっと気になっていましたが音のよい英国HMV盤はノイズが大きいのであきらめていました。最近ノイズの小さい盤に出会えたのでマスタリングしてみたところこれなら満足してもらえるだろうという音が得られました。グリークはピアノのそばで聴いているようなバランス、シューマンは客席で聴くバランスになっており、SPからLPに移行してゆく頃の録音思想が感じられます。リパッティが残したスタジオでの協奏曲録音は3曲であり、CD1枚にちょうどよい長さです。そこで自作のコンチェルティーノをアンコール的に付けました。これはそのときの気分に合わせて単独で聴いた方がよいと思います。(相原 了)
OPK-2073(2CD)
クライスラー/電気録音期のヴァイオリン協奏曲集
ベートーヴェン
:ヴァイオリン協奏曲、
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番*
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲**
メンデルスゾーン
:ヴァイオリン協奏曲ホ短調#
メンデルスゾーン
:ヴァイオリン協奏曲ホ短調〜アンダンテ(mat.Edison-BellCK4021-22)##
フリッツ・クライスラー(Vn)、
レオ・ブレッヒ(指)ベルリン国立歌劇場O、
ラランドンロナルド(指)管弦楽団*、
ブルメスター(Vn)##、
ピアニスト不明##

録音:1926年、1924年*、1927年**、1926年#、1932年##
ヴァイオリンのCDでスタートしたオーパス蔵としては、クライスラーとブレッヒによる協奏曲録音は長年の課題でした。これらの曲にはWardMarston(Biddulph)の復刻という高い壁がありそれを超えることは復刻にかかわるものとしては大きな目標でした。何度かの試行を行い復刻とマスタリングの両輪がうまくかみ合いやっと満足のゆく音が得られたと思います。復刻に用いた盤は英、米、独、日、濠と多岐にわたりましたがヴァイオリンのきれいな盤を中心にまとめました。 ブルメスターはクライスラーに匹敵するヴァイオリニストであり、彼のメンデルゾーンは極めて珍しい盤でもあり、クライスラーとの比較が可能なように付録としてつけました。(相原 了)
OPK-2075
スメタナ:交響詩「わが祖国」 ヴァーツラフ・ターリヒ(指)チェコPO

録音:1929年 プラハ
いまは消えてしまったローカルなオーケストラの音として話題になるのはフランスの音と、チェコの音だと思います。フランスは自分の意思で変えたといえますが、チェコはナチスの併合によって亡命した音楽家も多く、戦後は共産国として存在していたため第2次世界大戦前とは音楽も変えられてしまいました。カザルスのドヴォルジャークチェロ協奏曲(OPK2043)を復刻した際に「これが昔のチェコの音か」という声を多く耳にしました。そこでターリッヒとチェコ・フィルの音の復刻を企画しました。その第1弾として1929年HMVがプラハで録音した「我が祖国」を選びました。この成功がその後のロンドンにおけるドヴォルジャークの録音につながったのでしょう。弱音部のきれいな録音で十分に楽しめます。(相原 了)
OPK-2076
ウィレム・メンゲルベルク
J.C.バッハ:シンフォニア変ロ長調Op.18-2*
ラヴェル:ボレロ#
R.シュトラウス:「英雄の生涯」Op.40+
ウィレム・メンゲルベルク(指)NYO、ACO#

録音:1929年*/1930年#/1928年+
「シンフォニア」が始まったとたん、わが耳を疑ったのである。弦を弓がこする音まで克明に聴こえるではないか。歪みもなく、音楽自体の美しさが100 パーセント伝わってくる。・・・・SPにはこれだけの音が刻まれていたわけである。もちろん、それにはオーケストラの技術の高さ、それ以上に各パートを見事な棒でさばき、主旋律、対旋律、重要な音、それを支える音を完璧なバランスに整えたメンゲルベルクの能力の高さこそ、第一に讃えなければならないであろう。」(宇野功芳)
OPK-2077
フランク:ヴァイオリン・ソナタイ長調*、
ショーソン:ヴァイオリン,ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール作品21
ジャック・ティボー(Vn)*、
アルフレッド・コルトー(P)*、
ジャック・ティボー(Vn)、
アルフレッド・コルトー(P)、
イスナール、ヴルフマン(Vn)、
ブランパン(Va)、アイゼンベルグ(Vc)

録音:1929年*、1931年
(ソナタ)第2楽章、躍動するコルトーのピアノにズシリとした手応えを聴き、やがて優美な3連音の伴奏に乗ってうたうティボーの可憐なメロディ(第2主題の後半)を確かめた後、全曲の核心たる第3楽章になると、一瞬、別録音かと思うほど音質がリアルさを増す。・・ おりしも今年(2008年)はティボー(1880.9.27〜1953.9.1)が、来日のため搭乗した航空機の事故で死亡してから55年という記念の年にあたる。と同時に、この2曲、フランクが1886年、ショーソンが1891年に作曲して共に献呈したベルギーの巨匠ウジェーヌ・イザイ(1858〜1931)にとっても生誕150年ということで、1枚のCDにカップリングされるにふさわしい2作品でもある。 (小林利之)
OPK-2078
モーツァルト:ディヴェルティメント第17番ニ長調K334
ベートーヴェン:七重奏曲Op.20*
レナーQ、オーブリー・ブレイン(Hrn)
デニス・ブレイン(Hrn)、
チャールズ・ドレイパー(Cl)*、
アーネスト・ヒンチクリフ(Fg)*、
クロード・ホブデイ(Cb)*

録音:1939年、1930年*
レナー四重奏団のベートーヴェンはリズムの冴え、非の打ちどころのないアンサンブル、音色の暖かさという点で出色の出来を示している。今回はじめて復刻された七重奏曲は、クロード・ホブデイ、チャールズ・ドレイパー、オーブリー・ブレイン、アーネスト・ヒンチクリフが加わって1930年3月4日に録音された。一般にはBBC交響楽団の主席奏者たちによるHMVのライバル盤よりも人気があった。一方1939年2月16日に収録されたレナー最後の録音にあたるニ長調のディヴェルティメントは、演奏のスマートさのみならず、ブレイン親子が共演した数少ない録音という点でも注目に値する。これはデニス・ブレインがはじめて独奏を担当した録音である。原典通りチェロなしで、代わりにホブデイのコントラバスが加わっていたら音楽学的により満足すべき録音になっていただろうが、既にこれほど楽しい演奏なのだから文句など口にすべきではないのかもしれない。(Tully Potter)
OPK-2079
ホルスト:組曲「惑星」
エルガー:エニグマ変奏曲*
エイドリアン・ボールト(指)BBC響、女性cho
ジョン・バルビローリ(指)ハレO*

録音: 1945 年、1947 年*
「ボールトの『惑星』とバルビローリの『エニグマ』、それぞれの初録音におけるこうした爽やかなテンポ感は、その後1960 年代から20 世紀の終りまで、忘れられていたものだった。」―山崎浩太郎―
OPK-2080
ドヴォルザーク:交響曲第7番、
 スラヴ舞曲Op.46〜第1、2、4、5、6、7、8番
ヴァーツラフ・ターリヒ(指)チェコPO

録音:1935年
ターリッヒとチェコ・フィルの第2弾は、1935年のイギリス演奏旅行の折にHMVのAbbey Road Studioで録音されたドヴォルザーク。スラヴ舞曲はスプラフォンのターリッヒシリーズでも復刻されなかったものです。カットはあるが全曲録音されています。オリジナルはばらばらの組み合わせですが、ここでは曲順に並べました。  (Ki)
OPK-2081
ディヌ・リパッティ名演集
バッハ(ヘス編):主よ、人の望みの喜びよ(ColCA20314-6)
D.スカルラッティ:ソナタ変ホ長調K.380(L.23)(ColCA20504)
D.スカルラッティ:ソナタニ短調『田園』K.9(L.413)(ColCA20313)
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調,Op.58(ColCAX9838-43)
ショパン:夜想曲変ニ長調Op.27-2(ColCA20315-16)
ショパン:ワルツ第2番変イ長調Op.34-1(ColCAX10027)
ショパン:舟歌嬰ヘ長調Op.60(ColCAX10237-38)
リスト:ペトラルカのソネット104番(ColCA20498-99)
ブラームス:ワルツ集(4手のための)Op.39より(2LA1559-60)*
ラヴェル:道化師の朝の歌(ColCAX20740-41)
ディヌ リパッティ(P)、
ナディア・ブーランジェ(P)*

録音:9(1937年パリ)1-6,8(1947年ロンドン)7,10(1948年ロンドン)/原盤:SP
レコード芸術「世界遺産録音」に選ばれたリパッティの録音のうちSP録音に関し、原点に帰りSPレコードから復刻を行いました。「世界遺産」にふさわしい音でとの気持ちです。リパッティの最高の録音と言われながら、CDでは本当にそうかと理解しにくかった「道化師の朝の歌」の高音の輝きと低音の力強い打鍵などはノイズ処理によってまず最初に消えるところであり、ここでは最小限処理としました。多分今まで耳にしなかった輝きを感じられると思います。他の曲もヒスはありますがリパッティの打鍵の確かさは残せたと思います。リパッティと言えば「主よ、人の望みの喜びよ」ですが、2枚購入したものが一般に知られる1950年の録音と1947年の録音の2種です。録音の明快さの差がありますが、演奏時間は1秒の差がある程度で違うものとはすぐには気が付きませんでした。マトリクス番号が違うので気づいたのですが、APRのCrimpによれば、リパッティのホームグラウンド、スイスとフランスでのみ発売されたそうです。実際にはイギリス、イタリアでも発売されたようで、使用レコードも他のレコード(LB)とは番号の違う(LC)ものの英国盤でした。EMIのCDと比べて違いをお楽しみください。 相原了(東工大教授)が主宰する「オーパス蔵」
OPK-2082
ラロ:スペイン交響曲、
ショーソン
:詩曲*、
サン・サーンス:ハバネラ**、
 序奏とロンド・カプリチオーソ#
エルネスト・アンセルメ(指)スイス・ロマンドO
ウジェーヌ・ビゴー(指)ラムルーO*、
ピエール・モントゥー(指)サン・フランシスコSO**、
タッソ・ヤノポーロ(P)#

録音:1941年5月1日、1947年 SP:仏Polydor*、1947年**、1939年3月20日パリ#
#=世界初CD化
ティボーのディスコグラフィーには海外版にはないが日本版にはあるという録音がいくつかあります。恐らく原盤が日本に入り海外には出回らなかったことと思いますが、1939年3月20日BBCスタジオ録音と言われるアセテート盤、サン=サーンスの《序奏とロンド・カプリチオーソ》もそのひとつでしょう。いつも貴重な原盤を提供していただいている広川氏が、今回このアセテート盤を入手され、CD化が実現しました。ただ英国のPotter氏に照会したところ、その時期にティボーはフランスにいたらしいことがわかり、録音日に疑問が出ました。さらにPotter氏がBritish LibraryでBBCの放送記録を調べたところ、確かにその日にBBCの放送はありました。ただしそのティボーの演奏はパリでなされたもので、BBCはそれをリレー放送したものでした。このアセテート盤は誰かイギリスの金持ちかオーディオマニアがラジオ放送をエアチェックしたものらしいとわかりました。録音は12インチ(30cm)盤SPの片面になされており、8分に及んでいます。そのため溝は細くピアノの音は遠くなっていますが、ティボーの《序奏とロンド・・・》は電気録音以前のものと最晩年のものしかなく、まだ50歳代のこのエアチェックの演奏は貴重なものです。(裏面はティボーではありません。)サン=サーンスと組み合わせるのは、フランスものということで探しましたら、ティボーにはかなり放送録音がありますので、それらと組みました。またショーソンの《詩曲》のスタジオ録音はCDもないようなのでここに含みました。まさに「オーパス蔵」の10年目を記念するアルバムとなりました。(東工大教授オーパス蔵代表相原了) 
OPK-2083
シューベルト:「冬の旅」(全曲)、
 「冬の旅」〜「おやすみ」
ゲルハルト・ヒュッシュ(Br)、
ハンス・ウド・ミュラー(P)、
マンフレート・グルリット(P)*

録音:1933年、1952年NHK*
※SP原盤:HMV,Vinycord(NHK)
■いきなりスピーカーからとびだしてきたヒュッシュの声のリアルさに仰天した。1音1音、というか1語1語のシラブルの鮮明さに加えて中高域のビンビンとひびく声は、52年の初来日の《冬の旅》でも真っ先にレコードとは違うなと驚いたヒュッシュの生の声の印象を思い出す。録音時、ヒュッシュは心の中で泣いていたのではなかろうかと思うほどで、歌詞対訳を見ながら聴いていると、歌っているヒュッシュが好きでたまらなくなってくる。(小林利之)
■「オーパス蔵」が日本のレーベルである以上、ヒュッシュの録音は気楽に扱えるものではありませんでした。今回10年目という節目で彼の代表作である《冬の旅》に挑戦しました。ヒトラーが権力を握る直前、時代が冬を迎えようとしている1933年にロンドンとベルリンで録音されたものを組み合わせてセットにしています。今回はHMV盤を用いました。それにしてもこの録音の関係者の若いこと、ヒュッシュが32歳、ウド・ミュラーが28歳、プロデューサーのワルター・レッグにいたっては27歳という若さです。 これまでの復刻がこの若さを引き出せていたかどうかは私からは何とも言えませんが、今回は若さを意識しながら復刻及びマスタリングを行いました。 歌詞対訳も記念の新盤にふさわしく、新たなる読みを加えた甲斐貴也氏の訳を用いました。《大地の歌》に続いての再登場です。 またSP盤の時間制限の関係で第1曲「おやすみ」の2番はカットされていますが、戦後日本で録音されたカットのない「おやすみ」を付録としてつけました。 (オーパス蔵代表 相原 了)
OPK-2084
ドヴォルザーク:交響曲第6番
スラブ舞曲第2集Op.72*
ヴァーツラフ・ターリヒ(指)チェコPO

録音:1938年、 1935年*
原盤 US-Victor SP
世界初録音のターリヒとチェコ・フィルによるドヴォルザーク交響曲第6 番をリアルに復刻です。
OPK-2085
ドヴォルザーク:交響曲第8番
 序曲「謝肉祭」
スーク:セレナード変ホ長調Op.6*
ヴァーツラフ・ターリヒ(指)チェコPO

録音:1935年、1935年、 1938年*
原盤 US-Victor SP
「ドヴォルザークの交響曲第6 番や第7 番とともに1938 年11 月に録音されたもので、これもおそくは世界初録音だろうが、深い共感に支えられた、しなやかな歌いぶりが印象に残る。」―山崎浩太郎―
OPK-2086
ジョルジュ・エネスコ
ショーソン:詩曲*
コレッリ:ソナタ.ニ短調Op.5-12「ラ・フォリア」*
プニャーニ:ラルゴ(ソナタ第3番)*
クライスラー:テンポ・ディ・メヌエット(プニャーニのスタイルによる)*
ヘンデル:ソナタ ニ長調Op.1-13(*)
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ短調Op.25#
ジョルジュ・エネスコ(Vn)
S.シュルッセル(P)*
C.シャイエ=リシェ(P)#

録音:1929年/1950年頃
音源:Col SP / Private LP
 
『エネスコの演奏の神髄、特にその高貴なヴァイオリンの音色(楽器は名器ガルネリ・ジェス)と絶妙な音程感覚、そして変幻自在なヴィブラートと完璧な右手の運弓法は、「上質なSPレコードを、最高の蓄音器で再生しなければ理解できない」と、私は長い間信じてきた。しかしオーパス蔵の相原さんから送られてきた音源サンプルを聴いた瞬間に、確信はガラガラと音を立てて崩れ落ちたのである。「こんな状態の良い音源がこの世に存在していたのか」という驚き、そして「復刻技術もここまで来たのか」と言う感動・・・・・。』(中野 雄)
OPK-2087
フルトヴェングラーの「悲愴」
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 
R・シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯*
ワーグナー:ジークフリートの葬送行進曲#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1930年*、1933年#、1937年
交響曲の録音3作目にしてフルトヴェングラーは録音スタジオの慣行に習熟したのだろうか。この「悲愴」の録音には、先の「運命」で時折見られたような流れの中断や、テイク再開の際の不自然な強調は全く見られない。各楽章ともまるでワンテークで収録したように自然な流れのスムースさを聴くことができる。フルトヴェングラーが中断を最も嫌がりそうな部分である、2面と3面、および4面と5面のテイク番号が同じなのはこの部分を2台のカッティング・マシンを用いて中断なしに録音したのでは、と想像できる。 (フルトヴェングラー研究家:末廣輝男)
OPK-2088
フルトヴェングラー〜管弦楽小品集
J・シュトラウス:「こうもり」序曲+
モーツァルト:「後宮よりの逃走」序曲*
モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲*
ロッシーニ:「セヴィリアの理髪師」序曲#
ロッシーニ:「どろぼうかささぎ」序曲
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク##
バッハ:アリア*
ブラームス:ハンガリー舞曲第10番/第1番
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1929年*、1930年、1933年**、1935年#、1936-7年##、1937年+
「こうもり」は37年の録音なので、フルトヴェングラーがポリドールに残した最後のレコードであり、音はすばらしく良い。目もさめるような明るい生々しさだ。オーパス蔵の面目躍如である。こんなに細部までくっきり聴こえる優秀録音とは思わなかった。「セヴィリアの理髪師」と「どろぼうかささぎ」はフルトヴェングラーが録音した数多いレコードの中で、たった二曲しかないロッシーニである。ロッシーニ・クレッシェンドのコーダはフルトヴェングラーの芸風がぴたりと決まって凄みがある。(宇野功芳)
OPK-2089
ティボーのモーツァルトヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第3番
ヴァイオリン協奏曲第5番*
ヴァイオリン協奏曲第6番#
ジャック・ティボー(Vn)
ポール・パレー(指)ラムルーO
シャルル・ミュンシュ(指)パリSO*
マルコム・サージェント(指)交響楽団#

録音:1947年、1941年*、1927年#
原盤:SP-US-Vox、
Fr-Gramophone*、US-Victor(No6)#
「モーツァルトのヴァイオリン・コンチェルト第5番イ長調K.219の演奏こそは、今世紀の前半期におけるこの作品のもっとも有名な演奏であった」(ハルナック)
「最大傑作はモーツァルトの協奏曲(第6番変ホ長調K.268)である。この曲はティボーの実演を聴くと実に素晴らしいので驚嘆してしまう。世の中にあんなにモーツァルトらしい演奏があるかと想う位である。」(野村光一)
このCDは、ティボーという稀有の奏者に具わった極上の気品と美質を、市販されている数多くのCDより遥かに高い水準で私達愛好家に伝えてくれるように思う。聴いて楽しむだけではなく、クラシック音楽という、人類の大切な文化財の来し方、行く末について考える契機にもしたい、時宜を得た企画である。広く愛好家、音楽関係者に推薦したい。(中野雄)
OPK-2090
クーレンカンプ〜協奏曲録音Vol.1
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番*
ゲオルク・クーレンカンプ((Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)BPO
アルトゥール・ローター(指)ベルリン国立歌劇場O*

録音:1936年、1939年*
OPK-2091
クーレンカンプ〜協奏曲録音Vol.2
シューマン:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:ロマンス第1番*
ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)BPO
アルトゥール・ローター(指)ベルリン国立歌劇場O

録音:1937年、1936年、1939年*
OPK-2092
クーレンカンプ〜協奏曲録音Vol.3
シュポア:ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調「劇唱の形式で」
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)BPO
ヨーゼフ・カイルベルト(指)BPO*

録音:1935年、1941年*
オーパス蔵10周年記念盤。ヴァイオリンで定評を得ているオーパス蔵として、10周年記念にはヴァイオリン、しかもこれまで取り上げていないドイツのクーレンカンプがテレフンケンに残した協奏曲録音を選びました。第1弾3枚はドイツの作品をまとめました。あとCD2枚分の録音があり、次回に出す予定です。まさに正統的なベートーヴェン、ナチスの禁止に逆らい演奏されたメンデルスゾーン、100年目に初演となったシューマン、華麗なシュポア、カイルベルトをバックにした戦中録音の貴重なブルッフ、カデンツァでナチスと揉めたブラームス、などどれも必聴の名演です。原盤: 独-TelefunkenSP  (Ki)
OPK-2093
クーレンカンプ/協奏曲録音Vol.4
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏*
ベートーヴェン:ロマンス第2番#
ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
オイゲン・ヨッフム(指)BPO
アルトゥール・ローター(指)ドイツ歌劇場O*
パウル・クレツキ(指)BPO#

録音:1941年、1939年*、1932年#
原盤:独Telefunken SP
クーレンカンプがテレフンケンに残した協奏曲録音には日ドイツ系の録音が2曲あります。ドヴォルザークとチャイコフスキーです。中でもドヴォルザークは1941年の戦時の録音ということで流通枚数の少ない貴重な録音であり、名演です。またベートーヴェンのロマンス第2番はクーレンカンプのベートーヴェン演奏が聴ける貴重なものです。指揮は当時作曲者としても活躍していた若きクレツキのこれも貴重な録音です。き
OPK-2094
クーレンカンプ/協奏曲録音Vol.5
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ブラームス:二重協奏曲*
レーガー:無伴奏ソナタイ短調Op91-1〜アンダンテ・ソステヌート#
ゲオルク・クーレンカンプ(Vn)
カール・シューリヒト(指)チューリヒ・トーンハレO
エンリコ・マイナルディ(Vc)*、
カール・シューリヒト(指)スイス・ロマンドO*

録音:1947年、1937年#
原盤:英Decca-SP, 独-TelefunkenSP#
クーレンカンプは大戦末期にスイスに亡命し戦後もそこを拠点としました。新興のDeccaは当時同じようにスイスに移っていたシューリヒトと組んだ録音を2つ残しています。中でもチェロのマイナルディと組んだブラームスの二重協奏曲は貴重な録音です。録音もDeccaの優秀録音を思い出させるものです。またレーガーのアンダンテ・ソステヌートは、ブラームスの協奏曲(OPK2091)の最後の面の穴埋め用に録音されたものですが、TullyPotter氏はクーレンカンプの最高の演奏と絶賛しており、氏のリクエストで含んだものです。き
OPK-2095
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op.13
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ.ト短調*
 ミンストレル*
フォーレ:揺籃歌Op.16**
 ピアノ四重奏曲第2番ト短調Op.45#
ジャック・ティボー(Vn)
アルフレッド・コルトー(P)
マルグリット・ロン(P)#、
モーリス・ビュー(Va)#、
ピエール・フルニエ(Vc)#

録音:1927年、1929年*、1931年**、1940年#
原盤:日、仏、英Columbia-SP
辞世の曲となったドビュッシーのヴァイオリン・ソナタ、そして、若きフォーレの繊細で凛とした創意と燃える情感を、ティボーとコルトーの不滅の名演でお届けします。またフォーレ中期の傑作ピアノ四重奏曲第2番は、名手ロン、そして若きフルニエ、そしてヴィオラのビューによる切迫する危機に臨んだ一期一会の名演奏!この録音の3日後の1940年5月13日、ティボーの長男、ロジェ大尉の戦死が伝えられて、当事者全員、悲しみに包まれ、この録音をロジェ大尉の霊に捧げることになったと言われております。き
OPK-2096(2CD)
トスカニーニ&NBC響〜ワーグナー(RCA SP録音1941-1946)
「ニュルンベルクの名歌手」第1幕前奏曲
ジークフリート牧歌#
「ローエングリン」第1幕前奏曲
「ファウスト」序曲#
「トリスタンとイゾルデ」〜「愛の死」*
ワルキューレの騎行#
ジークフリートのラインの旅
ジークフリートの死と葬送行進曲
ブリュンヒルデの自己犠牲
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)
NBC響、ヘレン・トローベル(S)

録音:1942年*、1941年、1946年#
音源:米RCA‐SP
トスカニーニ好きのオーパス蔵がNBC交響楽団とのLP音源の録音を出すきっかけとなったのは、英HMVのLP,ALPシリーズによる音を聴いてからでした。力強く強烈な音のアメリカ盤とは異なり、豊かな低音と柔軟さのある音が特長です。多分LPが出された1950年当時のアメリカとイギリスのオーディオ装置の特性が違い、求める音の国民性の違い、それがレコードの音に反映されていたと考えられます。日本にはアメリカの音が入ってきたためそれがトスカニーニの音としてインプットされたことでしょう。しかし米RCA1960年代には英RCAを作り、HMV(EMI)からの発売を止めたため、ALPとして発売されたレコードの数はそう多くありません。一番の典型はワーグナーの録音です。トスカニーニはオペラハウスを離れてからもコンサートにおいて、最後の演奏会に至るまで繰返しワーグナーを取り上げてきました。しかしLPとしてまとまったアルバムが出たのは、かなり遅くなってからでHMVからは1949年の「ジークフリートラインへの旅」が出たのみです。RCAから出たLPはやはり低音が抑制され、耳にきつい音(だから迫力がある、と言われれば、そうですかと言わざるを得ませんが)になっています。当然ですが英RCA,仏RCAのLPも同様な音です。トスカニーニのワーグナーは出せないかとあきらめていましたが、レコード探しの名人田中氏がトスカニーニとNBC交響楽団のSPを全部集めてくれました。録音時期は1941年と1946年のもので、「トリスタンとイゾルデ」の「愛の死」のみが1942年録音です。これは兵士慰問用V-Discのための録音だったようです。この時期の録音でSPとして出されたものはスタジオ録音のもののみです。ライブの長時間
録音は普通アセテート盤であり、アセテート盤から細切れのSP原盤を作ることは難しかったためと思われます。ということで、SPで出されたワーグナー録音をまとめました。特に1946年の「ニュルンベルクの名歌手」第1幕前奏曲は、戦争も終わった喜びに溢れる演奏で、これを凌駕する演奏はなく、RCAもこれが正規録音の代表となりました。 (オーパス蔵代表:相原 了)

今回オーパス蔵から復刻されたCDは、いずれもSP録音である。トスカニーニがワーグナーを得意にしていた関係上全曲に複数の音源があるが、オーパス蔵はNBC響による40年代のSPに的を絞ったのである。SPも最後期なので十分に聴けるし、昔の日本のRCAのCDに比べると、音もしっかりし、低音が出ており、別の演奏を聴いているような気がする。特におどろいたのは、「ローエングリン」第一幕前奏曲で、この曲は高いヴァイオリンの音が冴えていなければどうにもならないが、目がさめるような鮮明さで鳴っている。これは嬉しかった。SP録音なのにこの世のものとも思えぬほど美しいひびきがする。もちろんトスカニーニ/NBCならではの技術あればこそであろう。 「名歌手」第一幕前奏曲もオケの全員が鳴り切った、まさにトスカニーニの音である。生々しい実在の演奏で、前進性が素晴らしく、雑味がないので、音楽そのものしか感じさせない。すでに79歳の筈であるが、まことに若々しいトスカニーニの姿がここにある。  (宇野功芳)
OPK-2098
マイラ・ヘス/シューベルト他
(1)シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調 D.898*
(2)シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番イ長調 D.664
(3)シューベルト:ロザムンデ
(4)バッハ:ジーグ−フランス組曲第5番より
(5)D・スカルラッティ:ソナタ.ト長調 Kk14
(6)バッハ(ヘス編):「主よ人の望みの喜びよ」(2ヴァージョン)
マイラ・ヘス(P)、
ジェリー・ダラニー(Vn)*、
フェリックス・サルモンド(Vc)*

録音:(1)1927年、(2)31928年
(4)1928年、(5)1940年
(6)1928年&1940年
原盤:US-Col 78s,Col-LP (Sonata),HMV78s
先の見えない戦局、ナチスドイツの空襲に怯えながらのロンドンにおける彼女のナショナル・ギャラリー・コンサートは人々に慰めや勇気、明日への希 望を与えたものとして語り継がれておりますが、今の日本にもふさわしいものでもあり、何とか1枚と思っていました。今回当時(1940)に録音された ヘス自身が編曲し、演奏した「主よ、人の望みの喜びよ」のSPレコードが手に入りましたので、彼女のよさを出しきったシューベルトと合わせてまとめ ました。(オーパス蔵代表 相原 了)
シューベルトのピアノ・トリオ第1番のはじめ、アレグロ・モデラート、VnとVcのユニゾンで出る第1主題とそれを規則正しく和音で伴奏していくピア ノ…「ああ、これは1927,8年という録音年代にしては分離のいい録音だな」と思っている間に、やがてVnの刻む伴奏形にピチカートのVcがからんで 曲頭とは逆に第1主題をピアノが弾きはじめる。そのピアノが楽譜どおりのppで、つつましく響かせるのだが、はやくもマイラ・ヘスのピアノに聴きての耳 をしびれさせる魅力を覚えるこのトリオ演奏、第2主題を弾くサルモンドの Vcもとてもストレートで、それを受け継ぐダラニーの Vn のキメこまやかな細 身の音と技巧もすごく感じがいい。ダラニーのVnに惚れ込んだラヴェルが名作「ツィガーヌ」を作曲献呈したことを思い出す。このトリオは、やはりマイラ・ ヘスの室内楽演奏の適格性が音楽的な支えとなっているのだが、ロマンティシズムに覆われたカザルス・トリオに対して、このトリオは演奏様式的には明 らかに次世代の新しさが印象的である。第3、第4楽章のテンポとリズム感がことのほか鮮やかな若々しさにみちている。(小林利之)
OPK-2099
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」
ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」第2部より〜ロメオひとり−キャプレット家の饗宴−星の出ている夜、愛の情景
メンデルスゾーン:真夏の夜の夢〜スケルツォ*
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1947年、1946年*
音源:米 RCA‐SP
トスカニーニの ‘ザ・グレート’ はLPとCDを何種か持っていますが、1947年の演奏が最もトスカニーニらしいと感じていました。SP盤を入手し改 めてそのよさを実感しましたので、復刻しました。組合せは同じ年に録音されたベルリオーズの ‘ロメオとジュリエット’(抜粋)が入手できましたので、組 み合わせました。(オーパス蔵代表 相原了)
この録音におけるOPUS蔵が用いた音源はすべてSP用のラッカー盤。音質はじつに生々しく、響きに伸びがあってメリハリが利き、迫力も豊かだ。 SP特有のサーフェース・ノイズが消されずに残っているが、そのぶん、音楽の活力も自然に残されている。また、SPの盤面に合わせて曲を分割して録音 したかどうかわからないが、流れはきわめて自然で、変化に富んでいる。演奏も、1953年盤よりも旺盛な生命力にみちている。このCDに収録のロミジュ リ第2部抜粋は、カーネギー・ホールでセッション録音されたものである。また《真夏の夜の夢》のスケルツォは1946年11月6日に、カーネギー・ホー ルではなく、NBC放送のスタジオ3Aでセッション録音されたもの。SPでは《ザ・グレート》のセットの最終面に収められていた。軽捷な運動性、弾力 とスピード感など、短い時間に、トスカニーニ芸術のエキスがつまった演奏である。(山崎浩太郎


OPK-2100(2CD)
カザルス・トリオ/ピアノ三重奏曲全録音集
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」
シューマン:ピアノ三重奏曲ニ短調Op.63
ハイドン:ピアノ三重奏曲ト長調Op.73−2*
シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調, D898**
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.49#
カザルス・トリオ
[アルフレッド・コルトー(P)、
ジャック・ティボー(Vn)
パブロ・カザルス(Vc)]

録音:1928年、1927年*、1926年**、1927年#
原盤:SP盤 US-Victor,UK-HMV, J-Victor
今回のオーパス蔵による復刻をマスタリング調整・試聴盤で聴いて、最高に感動的だったのは、やはりカザルス・トリオ最後の1928年録音となったベートーヴェンの《大公》だ。第1楽章から惹きこまれて、つい何度も聴くことになってしまうのは、まったく自然そのままといった演奏姿勢から生まれる純粋な音楽の美しさだが、第3楽章アンダンテ・カンタービレこそ、ベートーヴェンの心からなる訴えと演奏者の感動的な共感が一体となった辞世の歌ではないだろうか。ここでの第1変奏、ピアノの3連音による豊潤そのもののアルペッジョが、まるで吐息のような、途切れがちのチェロの長いフレージングを、優しく美しく庇うように弾いていく。ここでのコルトーのピアノも魅惑的だが、カザルスのチェロが聴かせる低音域の響きは、まさしく無技巧の技巧そのもの。ごく短いフレーズをティボーが完璧に受け継いで、この3人が「音楽の演奏とは、書いてある楽譜をただ音にするということだけではなく、作曲家がその曲に託した想いを、聴く人に〈音〉として伝えること」に徹しているという、昔なにかの本で読んで感銘を受けたことばを、ふと思いださせる名演奏だ。(小林利之)
カザルス・トリオ ピアノ・トリオ全録音(1926〜28)についてカザルス・トリオの「大公」、これを出すまではやめられない。との思いで取り組んできましたが、これでやめるという訳ではありません。ただ肩の荷が下りて気が楽になったことは確かです。1枚で出すか、彼らの録音を全てまとめ3枚とするか、迷いましたが、ピアノ・トリオと呼ばれるものだけを集めると、丁度CD2枚となりました。初期の電気録音なので曲により音の状態に差があり、また盤の状態もばらつきがありましたが何とかまとまりました。(オーパス蔵代表:相原 了)
〜カザルス・トリオについて〜
アルフレッド・コルトー(ピアノ)、ジャック・ティボー(ヴァイオリン)、パブロ・カザルス(チェロ)という、そのころパリを本拠として活躍中の親しい友人同志だった若い3人が申し合わせて1905年に結成した三重奏団。 3人は、27歳のコルトーは熱情と幻想の華麗さで人気抜群のピアニスト。カザルスをして「彼のベートーヴェン解釈は秀逸だった」と言わしめた真の音楽家。24歳のティボーは繊細な感受性に恵まれたフランス的で洗練されたヴァイオリニスト。そして28歳のカザルスは現代チェロ奏法の開拓者であるとともに演奏家として「楽譜を高みから見下ろして作品全体を把握する桁外れな音楽家」という形容に相応しい雄渾無類の造形力と精神性の豊かさを持つ存在。というそれぞれが独自の個性を持った3人だったが、トリオとして音楽の解釈では完全に合致する、まさしく意気の合ったアンサンブル・チームであった。 この3人は、毎シーズンの1ケ月ほど演奏契約をやりくりしてチーム活動したが、第1次世界大戦中、カザルスがアメリカ遠征からヨーロッパに帰れなくて5年ほど活動を停止したことがあった。トリオとしての録音は3人ともHMVの専属契約中であったが、1926〜28年の3年間に5曲の録音を残したのみ。彼等の最後の公開演奏会は1934年、イタリアのフィレンツェであった。
OPK-2102
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調 Op.102*
R.シュトラウス:「ドン・キホーテ」
エマヌエル・フォイアマン(Vc)
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)、
ユージン・オーマンディ(指)フィラデルフィアO

録音:1939年(復刻原盤:UK-HMV)*、1940年(復刻原盤:US-RCA)
カザルスが19世紀までのチェロ奏法の総括を行い、フォイアマンが20世紀のチェロ奏法を切り開いたと言われますが、彼は外科手術の失敗で39歳 という若さでこの世を去ってしまいました。晩年といってもまだ全盛期、彼が最後に残した大曲の録音2曲をまとめました。「ドン・キホーテ」はフォイア マンの得意とするもので十代の頃から彼の十八番になっています。以前に出しましたトスカニーニとのライブ盤(OPK7033)と比べてみるのも一興でしょ う。(オーパス蔵 相原 了)

このブラームスに限らずどの録音でも、彼らの演奏は大抵、まあよくこんなに簡単そうに弾けるものだと呆れるほどだ。多くのチェロ奏者にとって、彼の 演奏は励みというよりもむしろ「もう止めようか」と思わせる。なぜこんなにテンポが速いのかと思うこともしばしばだが、きっと彼らにとっては自然なテ ンポだったのだろう。とにかく「猛烈」とでもしか言いようがないほど明確な発音でパラパラと音が細部まで聞こえてくることは、この二人の演奏の大いな る特徴の一つと言える。1歳違いの二人、「ハイフェッツがヴァイオリンでできることは全部、私はチェロでできる」と豪語したと伝えられるフォイアマン だが、このブラームスを聴くと、さもありなんと黙って頷くしかない。言うまでもない才能や音楽性に加えて、彼らの弾いていた楽器もそれを助けるもので あっただろう。私は縁あって、フォイアマンの楽器の元所有者であったAldo Parisot氏の家を訪ね、レッスンを受けると共に楽器を弾かせていただいた 経験がある。少々細身に感じた1730年製のストラディヴァリは、まるでつい最近できたかのように健康で爽やか、胸の当たる箇所以外ニスもしっかり残っ て美しいものだった。その音の豊かさと歯切れの良さは驚くばかりで、Parisot氏は「良いことも悪いことも、あっという間にみんなに聞こえてしまうんだよ」 と言っていた。言うまでもないことだが、フォイアマンが弾いていた当時はガット弦だったのであり、あの音の豊かさ、歌うような伸びやかさと発音はそれ によって得られたものである。今回さらに音質を追求したものが聴けるようになったことは、学ぶものにとってもブラームスを愛するものにとっても、また 弦楽器を愛するものにも等しく嬉しいことに違いない。〜当解説書より(バロックチェロ奏者、指揮者 鈴木秀美)
OPK-2103
新マスター/フーベルマン名演集
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ラロ:スペイン交響曲*
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲〜「カンツォネッタ」#
ラロ:スペイン交響曲##〜アンダンテ/ロンド
ブロニスワフ・フーベルマン(Vn)
ウィリアム・スタインバーグ(指)ベルリン国立歌劇場O
ジョージ・セル(指)VPO*
フレンケル(P)#

録音:1929年、1934年*、1923年#、1923年##
原盤:SP
いまアメリカで制作中のフーベルマンのドキュメンタリーに、オーパス蔵のチャイコフスキーやバッハなどの復刻音が使われます。そこで廃盤になっていた フーベルマンのチャイコフスキーとラロのSP録音を新マスターで復活させました。どちらもオーケストラの迫力とともに圧倒的に迫ってきます。フーベルマ ンの灰汁の強い個性に合った2曲を高音質の復刻(2012年リマスター)で堪能できます。 (Ki)
チャイコフスキーの第1楽章、フーベルマンはテンポの速い一筆書きで開始するが、その中に心のこもったポルタメントや強弱の波があって味が濃い。 楽章全体を通じて低徊することはいっさいなく、逆に前進性と緊迫感に満ちた迫力が凄まじい。それを助長するのが切れの良いリズムで、スタッカートは すべて弓をとばすスピッカートで弾いており、小気味良い鮮やかさは比類もなく、随所で火花の飛ぶのが目に見えるようだ。その点ではハイフェッツも顔負 けであり、コーダのアッチェレランドは凄まじさの極みといえよう。しかも決して毒々しくなっていないのは、彼の線の細い音がプラスに作用しているからで ある。第2楽章も少しも粘らずに、むしろ淡い雰囲気を湛えつつ切々と歌ってゆく。この切々とした感じが今までの復刻盤では出ていなかったのだ。中間 部も速いテンポなのでかえってカンタービレが生き、颯爽とした伊達男のヴァイオリンだが、ポルタメントの美しい効果が光り、それでいて通俗には陥って いない。これはまさに名技のヴァイオリン弾きによる「スペイン交響曲」だ。この楽器の妙技を誇張し、スペイン・ムードを濃厚甘美に生かし抜こうとする のである。試みにフィナーレだけでも耳にすれば、19世紀生まれのヴィルトゥオーゾがどんなに凄かったかを、いやというほど思い知ることだろう。あたか も自作の即興演奏のごとく自由自在、鬼神が乗り移ったのではないかと疑われるほどの濃艶な表情が湧き上がってくる。きわ立ったリズムの語りは最高で、 コーダの白熱したテクニックとテンポは息づまるばかり。中間部の腹にずしりと来るような豊かな低音は以前の復刻盤からは耳にし得なかったものだし、高 音域の切ない歌も同じだ。(宇野功芳)
OPK-2104
ブラームス:交響曲第4番ホ短調
ボロディン:中央アジアの草原にて*
チャイコフスキー:大序曲「1812年」#
ウィレム・メンゲルベルク(指)
アムステルダム・コンセルトヘボウO

録音:1938年11月29日、1941年4月*、1940年4月9日#
メンゲルベルクが1937年以来録音していたテレフンケンはドイツの会社であるので、ブラームスの録音は極めて普通の企画であるが、チャイコフスキー とボロディンについては歴史的背景も気になるところである。ドイツから見たこの前後の出来事を書いておくと、
1939年9月1日、ポーランド侵攻。以後、北欧、バルカン諸国へ侵攻
【1940年4月9日、チャイコフスキー大序曲「1812年」他、録音】
1940年5月10日、オランダ・フランス侵攻開始 5月17日、オランダ降伏
1940年6月14日、パリ無血入場 6月22日、フランス降伏 調印式
【1941年4月25日、ボロディン:「中央アジアの草原にて」録音】
1941年6月22日、独ソ不可侵条約破棄、ソ連侵攻開始
1943年2月、スターリングラードで敗北 以後ドイツの敗退続く
ボロディンの録音日はまだソ連とは仲のよい時であるが、発売の頃は戦闘の真最中ではなかったろうか。しかし、内容的に興味深いのは「1812年」である。 オランダやフランスへの侵攻が噂される中での、侵攻される側の録音である。メンゲルベルクはドイツ信仰が強かったから余り動揺はなかったかもしれない が、楽団員はどうだったであろうか。しかも曲はフランス軍の敗退を描いたものである。実際、録音のちょうど1月後にはナチスドイツのオランダ侵攻が始 まっている。レコードの発売はいつか不明であるが、フランスの降伏が早かったので進軍の景気づけには間に合わなかっただろう。しかしフランス敗北の記 念録音としては役に立ったかもしれない。 (Ki)
OPK-2105
1926年の四大巨匠の録音
(1)メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』より(スケルツォ/ノクターン)

(2)ベルリオーズ:『ファウストの劫罰』より(妖精の踊り/ラコッツィ行進曲)
(3)ベートーヴェン:序曲『コリオラン』
(4)R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』
(5)ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』
(1)アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NYO
 原盤:US-Brunswick
(2)(3)ウィレム・メンゲルベルク(指)アムステルダム・コンセルトヘボウO
 原盤:UK-Columbia
(4)ブルーノ・ワルター(指)ロイヤルPO
 原盤:UK-Columbia
(5)ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO
 原盤:G-Polydor

録音:全て1926年
OPK-2106
ブルーノ・ワルター 序曲とワルツを振る(1929-1938)
(1)ブラームス:大学祝典序曲op.8
(2)モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
(3)スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
(4)ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
(5)J.シュトラウス:喜歌劇「こうもり」序曲
(6)J. シュトラウス:ワルツ「ウィーンの森の物語」
(7)J.シュトラウス:ワルツ「南国のばら」
(8)J. シュトラウス:ワルツ「ウィーン気質」
(9)J.シュトラウス:ワルツ「皇帝円舞曲」
ブルーノ・ワルター(指)
(1)VPO<1937年録音>
(2)ブリティッシュSO<1932年録音>
(3)LSO<1938年録音>
(4)パリ音楽院O<1938年録音>
(5)パリ音楽院O<1938年録音>
(6) ブリティッシュSO<1929年録音>
(7)BPO<1930年録音>
(8)ベルリン国立歌劇場O<1929年録音>
(9)VPO<1937録音>

(9)以外は初出
(9)は新マスター(2013)
原盤SP: UK-Columbia,
UK-HMV, JP-Columbia
ワルターはSP電気録音の初期から活発に録音をしているため、小品の録音が多くあります。中でもワーグナーの録音がかなり多いのですが、ここでは プロムナード・コンサートのイメージで、1929年から1938年までの10年間に録音された、ワーグナーを除いた序曲とワルツでまとめてみました。ワルター の録音相手は多く、本CDでも6つのオーケストラを振っており、録音場所もロンドン、ベルリン、ウィーン、パリと多彩です。政治的事情で亡命を繰り返 す生活でしたが、これだけの録音を残したということは皆に愛された指揮者であったことを示しています。なおワルツはSP1枚に入れるため、初期の録 音は短縮された演奏になっています。(相原了)
OPK-2107
ブルーノ・ワルターによるモーツァルト3大交響曲(1929-1938)

(1)交響曲第39番変ホ長調
(2)交響曲第40番ト短調
(3)交響曲第41番「ジュピター」
ブルーノ・ワルター(指)
(1)BBC響<1934年録音>
(2)ベルリン国立歌劇場O<1929年録音>
(3)VPO<1938年録音>

原盤SP:いずれもJP-Columbia
<2013年新マスター版>
ワルターはモーツァルト演奏を復活させた指揮者のひとりであり、SP時代に主要な交響曲を録音しています。39,40,41番、いわゆる3大交響曲も SPで聴くことができます。オーパス蔵ではワルターのVPOとの録音を中心に復刻してきましたので、第41番「ジュピター」と第39番、第 40番は別のCDとして発売しました。これらCDは2001年に出されましたが、時間も経ちましたので新しくマスターをし直し、また多くのリクエストに お応えして、3曲をまとめることにしました。アメリカに移ってからのニューヨーク・フィルとの録音、晩年のコロンビア交響楽団との録音とは異なる、ワルター 壮年時代のヨーロッパ録音を味わってください。(相原了)

OPK-2108
ベルリオーズ:幻想交響曲
序曲「ローマの謝肉祭」*
ピエール・モントゥー(指)パリSO
ガブリエル・ピエルネ(指)コンセール・コロンO*

原盤:1930年、1930年(原盤:SP)*
幻想交響曲といえばモントゥーが愛した曲であり、正規の録音も5種類残されています(下記)。ところがフランスのオーケストラとの録音は最初のもの、1930年のSP録音だけです。ユダヤ人であり、兄弟の一人をナチに殺されたこともあって、ヨーロッパから逃れ、アメリカの市民権を得たモントゥーとしてはフランスに対しわだかまりがあったのかも知れません。その意味でもモントゥーが組織したパリ交響楽団との録音は貴重なものです。
(1)パリ交響楽団(1930年)
(2)サンフランシスコ交響楽団(1945年)
(3)サンフランシスコ交響楽団(1950年)
(4)ウィーン・フィル (1959年)
(5)北ドイツ放送交響楽団(1964年)

ブックレットより)−録音の番号は上と共通−
(1) (2) (3)はいずれもモントゥーの本領を発揮したものである。(1)のパリ交響楽団はコンセール・ベルリオーズに次いで彼が組織したオーケストラで、29年に創立、38年まで活動した。ただ技術的にはサンフランシスコに劣る。モントゥーは36年から52年まで、第2次大戦をまたいでサンフランシスコ響の常任をつとめたが、45年に「幻想」をSP録音、LPが発明されるや、早速50年に再録音している。この50年盤は67年にミュンシュ/パリ管弦楽団のステレオ盤が登場するまで長く王座を占め、ミュンシュ盤発売以後も格調の高いモントゥー盤を第1位に推す人も多かった。
 今50数年ぶりに耳にするパリ交響楽団との「幻想」。まずおどろくのは音の鮮明さだ。もちろんオーパス蔵の復刻技術の高さゆえであるが、さすがのオーパス蔵も29年のワルターの「40番」には限界を感じさせる。ということは、この「幻想」はもともと音が良かったのであろう。30年頃の他のSPを思い出すと奇跡に近いが、そうとしか思えないのである。
 第1楽章の出の木管はこれこそパリの音、それに対してヴァイオリンは愁いに満ち、これだけの情感が古い録音から聴こえてくるのだ。かなりのオン・マイクで録っているようであり、分離が良い。第1、第2両ヴァイオリンの高音でのからみの美しいこと。すべての音型が生きて歌う。とくにモントゥーが重視しているのはピッチカートとアクセントで、全楽章を通じて強く、意味を感じさせる。
 ピエルネの「ローマの謝肉祭」は貴重である。モントゥー盤同様、オケの音がパリッと華やかなのにびっくりする。意味深いところ、歌の美しいところもたくさんあるが、ヴィオラのテーマより木管の伴奏の方が強かったり、オーケストラのアンサンブルがパリ交響楽団より、さらに弱かったり、当時はイギリスのオケでもずいぶん乱れているので、フランスではこのくらいが普通だったのかも知れない。コロンヌやラムルーはつい最近まで個人プレイに走るのが常であり、むしろそこに魅力があったのである。 (宇野功芳)

OPK-2109
ジネット・ヌヴー〜ソナタと小品集
(1)グルック:「オルフェオとエウリディーチェ」〜メロディ(ヴィルヘルミ編)
パラディス:シチリア舞曲(ドゥシキン編)
(2)R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18
タルティーニ:コレルリの主題による変奏曲(クライスラー編)
(3)ラヴェル:ツィガーヌ
ショパン:夜想曲第20番 嬰ハ短調(遺作)(ロディオノフ編)
スーク:4つの小品Op.17
ディニーク:ホラ・スタッカート(ハイフェッツ編)
ファリャ:歌劇『はかなき人生』〜スペイン舞曲(クライスラー編)
全て、ジャネット・ヌヴー(Vn)

(1)ブルーノ・ザイドラー・ヴィンクラー(P)
録音:1938年、ベルリン
(2)グスタフ・ベック(P)
録音:1939年、ベルリン
(3)ジャン・ヌヴー(P)
録音:1946年、ロンドン

原盤:SP Electrora HMV
これまでオーパス蔵のSPやLPの復刻は一部の例外を除いて安原暉善の手によるものでした。今回は初めての試みでCD全部の復刻が広川陽一氏に よるものです。実はまだオーパス蔵が誕生する前に安原氏が広川氏にSPの音をきちんと取り出す手順を指導しており、その後広川氏がさらに自分なりに 技術を発展させております。言ってみれば師匠と弟子の関係にあるわけで、広川の音には安原のDNAが入り込んでいます。弟子の音をお楽しみいただけ れば幸いです。(復刻者:広川陽一)
今回のCDには、彼女がまだ10代だった貴重な戦前のSP録音と、LP時代から有名だった戦後のSPの名演奏を、広川氏のコレクションから御自身 の復刻でまとめたものです。ヴァイオリンのオーパス蔵の評判に相応しいオーパス蔵のリアリスティックな音質で復刻されています。グルックの「メロディ」 とパラディスの「シシリエンヌ」が1938年4月13日、ベルリンにおけるヌヴーの記念すべき最初のセッション録音です。 翌年1939年3月、同じく ベルリンでリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタを録音しました。シュトラウスは今年(2014年)生誕150年を迎えましたが、1939年は生 誕75年にあたり、おそらくはその記念録音だったのでしょう。ヌヴーの本格的な録音は戦後すぐにロンドンで始まりました。協奏曲はシベリウス、ブラー ムスが残されましたが(OPK 2064)、ここでは小品を集めております。(OPUS蔵 相原了) (Ki)
OPK-2110
ジネット・ヌヴー「ポエム」&ヨーゼフ・ハシッド全録音

(1)ショーソン:詩曲Op.25
(2)ラヴェル:ハバネラ形式の小品
スカルラテスク:バガテル
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ. ト短調*
(3)ドヴォルザーク:ユモレスク(クライスラー編)
チャイコフスキー:メロディ〜~懐かしい土地の思い出より
サラサーテ:プライェーラ(スペイン舞曲集第5番)
 サパテアード(スペイン舞曲集第6番)
マスネ:タイスの瞑想曲
アクロン:ヘブライの旋律
クライスラー:ウィーン奇想曲
エルガー:気まぐれ女
全て、ジャネット・ヌヴー(Vn)

(1)イサイ・ドブロウェン(指)
フィルハーモニアO
(2)ジャン ヌヴー(P)
録音:*1948年、その他は1946年、ロンドン
(3)ヨーゼフ・ハシッド(Vn)
ジェラルド・ムーア(P)
録音:1940年、ロンドン

原盤:SP HMV、仏VSM-LP (ショーソン、ドビュッシー)
ヌヴーの録音したショーソンの「ポエム(詩曲)」とドビュッシーのヴァイオリン・ソナタはSPでは発売されませんでした。恐らく最終の承認が出る前 にヌヴーの乗る飛行機が墜落したためでしょう。遺族の承認を得て発売されたのは1957年ですが、このときは既にLPの時代になっておりSP原盤から 復刻されたLPとして発売されました。ヌヴーの録音の中でも名演と評される「ポエム」を抜きにすることは許されません。そこでここでは「ポエム」とド ビュッシーのソナタをフランス盤LPから復刻しました。ヌヴーと同時代の才能あるヴァイオリニストにハシッドがいます。ただ彼は今で言う統合失調症を 発し、ロボトミー手術の後26歳で亡くなったためほとんど知られていません。彼は16歳のとき1940年にロンドンで録音を行いましたが、これらは素 晴らしい演奏です。ここでは前年の試し録音を除く発売された録音をまとめました。ヌヴー、ハシッドという若くして亡くなった2人の演奏をお聴きくださ い。(OPUS蔵 相原了)
OPK-2111
シュヴァルツコップ〜オペラ&オペレッタのSP録音集
(1)フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」
 第1幕 踊りの2重唱*
 第2幕 眠りの精の歌#、夕べの祈りの2重唱#

(2)R.シュトラウス:「ばらの騎士」第2幕〜銀のばらの献呈の場

(3)ビゼー:歌劇「カルメン」第3幕〜ミカエラのアリア(何を恐れることがありましょう)
(4)プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」第1幕リュウのアリア(お聞きください、王子様)
 歌劇「蝶々夫人」第2幕 蝶々さんのアリア(ある晴れた日に)*
 歌劇「ラ・ボエーム」第3幕ミミの別れ#
(5)ヴェルディ:歌劇「椿姫」第3幕ヴィオレッタのアリア(さようなら、過ぎ去った日々よ)
(6)ヴェルディ:歌劇「椿姫」第1幕ヴィオレッタのアリア(ああ、そはかの人か…花より花へ)<英語版>
(7)スッペ:「ボッカチオ」セレクション(録音:1939年9月4日)
(8)J.シュトラウス:喜歌劇「ウィーン気質」セレクション
エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)

(1)録音:1947年9月27日*
  録音:1947年9月26日#
  グレーテル、眠りの精:シュヴァルツコップ、ヘンゼル:イルムガルト・ゼーフリート
 ヨゼフ・クリップス(指)フィルハーモニアO
(2)録音:1947年12月9日
 ゾフィ:シュヴァルツコップ、オクタヴィアン:ゼーフリート
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)VPO
(3)録音:1950年10月19日
(4)録音:1950年10月18日
録音:1950年10月18日*
録音:1950年10月18日#
(5)録音:1950年10月19日
 以上、アルチェオ・ガリエラ(指)フィルハーモニアO
(6)録音:1948年4月12日
 ニコラス・ブレスウェイト(指)フィルハーモニアO
(7)録音:1939年9月4日
(8)録音:1940年8月17日
 ルーペルト・グラヴィッチュ(T)
 ヴァルター・ルッツェ(指)ベルリン・ドイツ歌劇場O

原盤:SP(英、独盤)
「今回オーパス蔵から発売された《シュヴァルツコップ/オペラ&オペレッタ・アリア集:1939−1950》の収録曲目には、「ええっ?これがあのエリー ザベト・シュヴァルツコップのレパートリーだっていうんですか?」と、びっくりするとか、驚かずにはいられないと思います。このCDのプログラムには、 聴くからに愛らしく可憐な少女であるグレーテルに「眠りの精」をはじめ、ミカエラにリュウ、蝶々さんにミミといった悲しい運命につつまれたヒロインたち、 それにこれもご存じ『椿姫』のヴィオレッタ。そして『ばらの騎士』のゾフィ…といった有名オペラの若い娘役のアリアとか2重唱がならんでいます。そし て最後に1939−1950という録音年代が記されている。ということは、これらの歌は、シュヴァルツコップがまだ若くて、伯爵夫人とか元帥夫人の役に は向かない時期の録音だったということになります。ここに聴くシュヴァルツコップ若き日の歌声は、あくまでも愛らしく、ひたすらチャーミングに訴えて、 ときにはその歌の一音一語の中に、自らを律する思いの強さを感じさせるといった歌唱なのではないでしょうか。と同時に、若い初々しさの中にもキラリ と輝くものを秘めている歌のひとふしであると思います。つまり、これらは、いわば「(歌の)女王以前のシュヴァルツコップ」を聴くアリア集なのです。」 (小林利之 ライナーノーツ)
OPK-2112(2CD)
エネスコ&ニューヨーク・フィル/ライヴ録音(1937&1938)
(1)モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲
(2)交響曲第40番 ト短調 K.550
(3)オテスク:「デ・ラ・マタイ・シタイア」より2曲
(4)シューマン:交響曲第2番 ハ長調 Op.61
※放送用オープニング・アナウンス、休憩時のラジオ放送(インターミッション・トーク)及び、クロージング・アナウンスも収録
(4)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ジョルジュ・エネスコ(指)NYO
ルドルフ・ゼルキン(P)*

録音:(1)-(4)録音:1937年1月31日のコンサート・ライヴ(放送局によるアセテート盤への録音)
(4)1938年2月10日(エアチェック・アセテート盤への私的録音)
※原盤所有者:Kevin Mostyn氏、Ward Marston氏*
※全て初CD化
ヴァイオリニストのエネスコは優れた指揮者としても知られており、ニューヨーク・フィルも 何度も振っております。しかし録音としては、今回のCDで取り上げた1937年1月のコンサート・ライヴ録音と1938年のゼルキンの「皇帝」の指揮 を代役で受け持った際のエアチェックのみとなり、非常に貴重な録音と言えます。 (Ki)
■奇蹟の復刻
エネスコ/ニューヨーク・フィルのライヴ録音CD化〜遂に聴けた感動の「アダージョ」 稀代の名ヴァイオリニストにして、ピアノ演奏にもすぐれ、統率力抜群の指揮者でもあった作曲家のジョルジュ・エネスコが、ニューヨーク・フィルハーモニー を指揮した1937年 1月31日の定期演奏会のライヴ録音が、NBCによる中継放送のラッカー盤と思われる音源から、オーパス蔵の技術陣がCD復刻 に成功した。放送用の録音なので、オープニング・アナウンスメントに、インターミッシング・トークも収録されていて、1937年当時のアメリカでのクラ シック音楽放送の扱いが想像されて、雰囲気抜群。(中略)純粋ロマン派のファンタジーのあふれた、夢みるアダージョを、作曲家の魂からのメッセージ として聴くものの心に訴えてくれるエネスコの演奏。「これこそ奇蹟の復刻盤のひとつ」といえるCDで、1937年 1月31日のニューヨーク、カーネギー ホールでの演奏に接した人や、放送を聴いた多くの音楽ファンから「エネスコ&ニューヨーク・フィルのモーツァルトとシューマンの名演奏の録音があったら、 ぜひとも聴きたい!」との言い伝えが納得できた “伝説の録音” である。(ライナーノーツより 小林利之)
OPK-2114
レナー四重奏団〜ハイドン他
メンデルスゾーン:カンツォネッタ(弦楽四重奏曲第1番より)
ハイドン:弦楽四重奏曲第17番 ヘ長調Op.3-5「セレナード」**
モーツァルト:オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370*
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 Op.81#
レナーQ
レオン・グーセンス(Ob)*
オルガ・レーザー=レーベルト(P)#

録音:1935年、1928年**、1933年*、1930年#
今回のレナー四重奏団の音源はオーパス蔵の復刻担当、安原暉善氏の企画です。オーパス蔵スタートの2000年頃、レナー四重奏団を収録したカセッ トテープをもらいました。何とも言えぬ人間的な響きのする音であり演奏でした。そして数年前に同じ内容のDATに復刻したものをもらいました。それ が今回の音源になりました。やはりレナーの音はSP時代を知らない私たちにとっても郷愁を感じさせるものです。懐古趣味ではなく、我々の心に染み入 る響きを味わってください。(OPUS蔵代表:相原 了)
OPK-2115
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲
マイアベーア:歌劇「預言者」〜戴冠式行進曲*
ベートーヴェン:「エグモント」序曲
ウィレム・メンゲルベルク(指)NYO

録音:1930年、1929年*
原盤:SP
メンゲルベルクを聴くなら後年のアムステルダム・コンセルトヘボウとのもの、一般的にはそう思われている。しかしながら、改めてこのディスクの演奏 を聴くと、このニューヨーク時代も十分に個性的であり、完成度の高いものだということがわかる。音質に関しても、強いハム音が混入したりして、ばら つきのあるテレフンケン盤に比べれば、このアメリカ・ビクターの録音の方がずっと安定している。この「英雄」を最初にCD化したのはBiddulph(WHL020、 1994 年)だが、このレーベルは消滅してしまったので、このオーパス蔵盤はそれ以来の、信頼出来る復刻盤だ。久しぶりに耳にしたが、メンゲルベルクらしさがこれほどまでに刻印されているとは驚いた。テンポは常に揺れているが、テレフンケン盤のように不自然 ではないし、フレーズの処理や、管楽器の音色(特徴的なのがトランペットの扱い)など、まさにメンゲルベルクそのものである。また、テレフンケン盤 や同時期のライヴ録音よりも、ずっと若々しいのも魅力である。なお、この時代に第 1 楽章の提示部が繰り返されているのは、非常に珍しい(この曲の反 復を敢行した最初の録音 ?)。テレフンケン盤では反復は行われていない。(ライナーノートより)

OPK-2116
2016年新マスタリング〜「田園」と「軍隊」
ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」*
ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1938年、1936年*
原盤:SP
「田園」といえばワルターである。一度ワルターに接してしまうと、他の盤はどこかに違和感がある。よそよそしかったり、重かったり、冷たかったり、粘りすぎたり。ワルター/ウィーンフィルで育ったぼくは、フィラデルフィア管弦楽団による再録音を聴いたときは、気分が悪くなるほどがっかりしたし、コロンビア響とのステレオ盤はずっと良かったが、それでも第2楽章の木管ソロの音がやせているのが気になった。もっとも、ワルター/ウィーンの復刻盤はあまりにも音が貧しく、 長い間、このステレオ盤を「田園」のベストに挙げてきたが、オーパス蔵のCDを耳にして、久しぶりに往年の感激が戻って来た。これからは「田園」のディスクを聴くときは、やはり第一にこのウィーン盤に手がのびるだろうし、よほど音にうるさい人以外にはこれをベスト盤として推薦したい。少なくともコロンビア盤とともに座右に備えるべきだ(宇野功芳・2001年)
■宇野先生との出会い
出会いというより、こちらが勝手に押し掛けたと言ってよいものですが、それはオーパス蔵のCDが10点ほど出た頃、ウィーン国立歌劇場の「ナクソス島のアリアドネ」公演会場の横浜の県民ホールでした (2000年)。何列か前の席に写真でお馴染みの宇野先生の姿が見えました。SP復刻の対象にワルターとウィーンフィルの録音は欠かせません。ワルターといえば宇野先生、第1幕が終わった後突撃しました。先生はこのような不躾にも慣れておられるのか怖い顔もせず、オーパス蔵の話とライナーノートのお願いを聞いてくれました。「取り敢えず音を送りなさい、良ければ書くし、満足しなかったら書かない」。これが始まりでした。ワルターはまだ復刻前であり、フーベルマンの協奏曲録音をお送りしました。これが合格点を得て、宇野先生のライナーノートが始まりました。次はメンゲルベルクで、ワルターはその後でした。(オーパス蔵:相原了)
OPK-2117
ワルター&VPOのブラームス
交響曲第1番 ハ短調 Op.68
交響曲第3番 へ長調 Op.90*
ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1937年、1936年*/原盤:SP
演奏解説:宇野功芳
宇野功芳先生追悼の第2弾はブラームスの交響曲第1番と第3番の2曲をまとめました。第3番は状態の良い盤の入手が難しく、前回は先生が見つ けられた盤で復刻しました(OPK 2054)。その後ノイズ処理技術も進化し、材質の関係でスクラッチノイズの大きなイギリス盤も聴ける状況になりました ので、英HMV盤をCD化しました。第1番はノイズの少ない国内盤を復刻しております。(OPUS蔵 相原了)
「ブラームスの四曲のシンフォニーの中で、ワルターが最も自在、融通無碍な指揮ぶりを示しているのは三番である。他の指揮者の表現が楷書だとすれば、 ワルターは行書を通り越し、草書で認めているのだ。その行き届いた先がニューヨーク盤で、もはや名人芸の極みであるが、フィナーレのクライマックス 部など、あまりに崩しすぎ、オケが十分に鳴らず、上滑りを起こしていた。その点、このウィーン盤はまさに完璧な草書体で、ワルターの絶品の一つとい えよう。(宇野功芳)」

OPK-2120
宇野功芳追悼企画/2017年最新リマスタリング
ブルーノ・ワルター〜ウィーン、ロンド ン、そしてニューヨ ー クへ
ワーグナー:ジークフリート牧歌
ハイドン:交響曲第86番 ニ長調*
シューマン:交響曲第3番「ライン」#
ブルーノ・ワルター(指)
VPO、LSO*、NYPO#

録音:1935年、1938年*、1941年#
演奏解説:宇野功芳
宇野功芳先生追悼シリーズの締めとして、ワルターがアメリカに移ってからの録音で、最初の高い評価をされたシューマンの交響曲「ライン」をSPレコードから復刻しました。組合せはナチスのオーストリア併合でヨーロッパを離れる過程で録音したロンドン響とのハイドン、ウィーン時代の「ジークフリート牧歌」を組みました。(2017年-新リマスター)
「ライン」は当時アメリカで多用されてきた長時間録音可能なアセテート盤に録音したものをもとにSPレコードを作ったもののようです。SP録音時の細切れ録音と違い音楽全体に流れがあります。米コロンビアはLPの開発に力を入れており、その開発段階の録音だったのでしょうか。(オーパス蔵 相原了)
■宇野功芳氏解説からの抜粋
<ハイドン:交響曲第86番>
ハイドンの「第86番」はウィーンを追われたあと、同年9月13日にロンドン交響楽団を振って録音されたもので、「第99番」同様ほとんど演奏されないが、ぼくの愛惜する逸品だ。第1楽章のワルターは序奏部から微笑みの音と歌が満ち、第2楽章は落ち着いたテンポで歌にあふれているが、この時代のワルターのしゃれた味わいを保ち、音楽を完全に自分のものとして物語を進めてゆくうまさは、前述のシューリヒトとともに最高峰の名に値する。メヌエットは遅めだ。トリオで気分を変えるのも見事だが、この楽章だけはワルターならばもっと出来そうである。しかし、わずかな不満はフィナーレで完全に解消される。第一楽章に対応した格別に速いテンポと、それに伴う敏感なリズム、しかも一本調子に陥らない気分の変化は、やはり若きワルターの心の爆発であり(62歳)、ロンドン交響楽団が彼らとしてはベストの雄弁さでこれに応えてゆく。
<シューマン:交響曲第3番「ライン」>
「エロイカ」(注:1941年1月録音)と同時期の録音にもかかわらず、このほうは非常な名演奏だ。・・・とくに遅いテンポでゆったりと揺れるようなカンタービレをみせる第2楽章もロマンの極みだ。第1楽章と共にワルターの最も上出来な部分といえよう。そして終楽章では見得を切るようなルバートさえ現われ、やがて荒れ狂うコーダへ進んでゆくのである。オーケストラの固さもここではプラスに作用し、当時のワルターとしては造形がすこぶる雄大で立派だ。・・・アメリカのオーケストラの威力を楽しんで、のびのびと棒を振った結果が「エロイカ」では失敗し、「ライン」では成功したのであろう。

OPK-7001
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、第6番「田園」* フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1943年、1944年*
<共にメロディア盤>
OPK-7002
ベートーヴェン:交響曲第4番、第7番 フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1943年<放送録音メロディア盤>、
1943年<)戦時録音メロディア盤>
OPK-7003
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1942年<メロディア青トーチ盤>
「蘇る戦慄と感動のクレシェンド!その復刻技術のすごさに魂の底まで震撼させられた」と小林利之氏も絶賛。メロディア青トーチ盤はソ連に接収された、劣化のないオリジナルテープの音に限りなく近い音と言われている幻のレコード。その大変貴重な盤より復刻。その貴重な青トーチ盤そのものには2楽章に編集上のミスでわずかな欠落がありますが、それも今回完全に修復。
OPK-7004(2CD)
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」 キルステン・フラグスタート(S)、
ユリウス・パツァーク(T)、
パウル・シェフラー(Br)、ハンス・ブラウン(Br)、
ヨゼフ・グラインドル(Bs)、
エリザベート・シュワルツコプフ(S)、
アントン・デルモータ(T)、
フルトヴェングラー(指)VPO

録音:1950年ザルツブルク
オーパス蔵の相原氏によると「BJR-LPのずしんと響くバスに特徴があり、通常に歌が重厚にフラグスタートの力強い歌が堪能。」とのこと。フルトヴェングラーの有名演奏「フィデリオ」の決定的復刻。
OPK-7006(2CD)
ニュー・イヤーコンサート54年ライヴ
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「剣と琴」
 ポルカ「ルドルフスハイムの人々」
 ポルカ・マズルカ「とんぼ」
 ポルカ「休暇旅行で」
 ワルツ「天体の音楽」
 ポルカ「5月の喜び」
 ポルカ「おしゃべりな可愛い口」、
J・シュトラウス:ワルツ「我が家で」
 新ピチカートポルカ
 ポルカ「ハンガリー万歳」
 ポルカ「クラップヒェンの森で」
 ワルツ「春の声」
 ポルカ「狩り」/常動曲
 ワルツ「美しき青きドナウ」、
ヨハン・シュトラウスT:ラデツキー行進曲
クレメンス・クラウス(指)VPO

録音:1954年
クラウス最後のニューイヤーコンサートのライヴ録音。オーストリア放送のオリジナルテープはもう既に劣化していますが、音質劣化がないのがLPの魅力。パチパチノイズもなく、クラウスの最後のニューイヤーを堪能できます。  (Ki)
OPK-7008
シュトラウス・ファミリーのウィンナワルツ1
我が人生は愛と喜び /風車
オーストリアの村つばめ /エジプト行進曲
ハンガリー万歳 / 朝の新聞 /ピチカートポルカ
ジプシー男爵(序曲)/ とんぼ /憂いもなく
春の声 /鍛冶屋のポルカ /観光列車
ウィーンの森の物語
クレメンス・クラウス(指)VPO

録音:1950-52年
※音源:Decca LP
OPK-7009
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」、
シューマン:ヴァイオリンソナタ第2番
ジョルジュ・エネスコ(Vn)、
セリニ・シャイエ=リシェ(P)

録音:1952年
エネスコは録音嫌いのため録音が極めて少ない上に、この2曲は入手困難の逸品。特にシューマンはLP初期に米レミントンで発売されたきりの幻盤でした。それが最良の音で復刻!エネスコの神髄を伝える1枚。
OPK-7010
シューベルト:交響曲第9番「グレート」、
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1942年、1943年
音の良い青トーチ盤からの万全の復刻。
OPK-7011
シュトラウス・ファミリーのウィンナワルツ第2集
美しき青きドナウ、休暇旅行で、ポルカ騎手、チャルダッシュ、我家にて、クラップヒンの森、町と田舎、こうもり序曲、ポルカ狩、アンネンポルカ、芸術家の生涯、常動曲、おしゃべりな可愛い口、天体の音楽、ラデッキー行進曲
クレメンス・クラウス(指)VPO

録音:1950-53年Decca LP
初期盤LPとして英国盤が一番低音のふくらみもあり使用いたしました。本CDはピッチ合わせもしております。(相原了)
OPK-7012
シューマン:ピアノ協奏曲
ブラームス:交響曲第4番*
フルトヴェングラー(指)BPO、
ワルター・ギーゼキング(P)

録音:1942年<メロディアピンクレーベル>、
1943年<メロディア青トーチ>*
フルトヴェングラーの最高の演奏というと、戦時中の録音と言った人がいる。オーパス蔵による42年録音の「ザ・グレイト」を聴くに及んで内心の共感は確信に変わった。どの復刻CDよりも自然な実在感と生命力にあふれる情報量豊かな再生音をオーパス蔵の復刻盤は持っている。(小林利之 ライナーノートより)
OPK-7013
ブルックナー:交響曲第5番 フルトヴェングラー(指)BPO

録音:1942年10月25-28日ベルリン・ライヴ
<メロディア黒ラベル盤LP>
小林利之氏も「刻印されたフルトヴェングラー芸術の極致」と激賞。
OPK-7014
モーツァルト:ホルン協奏曲第1〜第4番
 ホルン五重奏曲変ホ長調K407*
デニス・ブレイン(Hrn)、
カラヤン(指)フィルハーモニアO
グリラーSQ*

録音:1953年<コロムビアLP>、
1944年<デッカSP mat Decca 78s AR8742-45>*
オーパス蔵の自信作。ブレインのホルンを生々しく復刻しつくした、とのことでオーケストラもばっちり。カラヤンの伴奏の細かなヴィオラの動きまで克明に聴きとれます。SPの名演中の名演にして名録音のホルン五重奏を併録。
OPK-7015
モーツァルト:協奏交響曲集
(1)協奏交響曲変ホ長調K297b
(2)アイネ・クライネ・ナハトムジーク
(3)協奏交響曲変ホ長調K297b
(1):近衛秀麿(指)BPO、
 エーリッヒ・ヴェンツケ(Ob)、
 アルフレッド・ビュルクナー(Cl)、
 マルティン・ツィーラー(Hrn)
 オスカル・ローテンシュタイナー(Fg)
(2)(3):カラヤン(指)フィルハーモニアO、
(3)デニス・ブレイン(Hrn)、
 シドニー・サトクリフ(Ob)、
 バーナード・ウォルトン(Cl)、
 セシル・ジェイムズ(Fg)
録音:(1)1937年<仏コロムビアSP mat Col RX46-52>、
(2)(3)1952年<コロムビア LP>
ブレインをはじめ当時のトップ管楽器奏者が勢ぞろいの興味深い内容。復刻も見事。
OPK-7016
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、第8番* デニス・ブレイン(Hrn)、
カラヤン(指)フィルハーモニアO、
ビーチャム(指)RPO*

録音:1953年<Col LP >、1951年<Col LP>
ブレインが掛け持ちで首席奏者を務めてロイヤル・フィルとハーモニア管の2つのオケによるベートーヴェン。どちらも首席のホルンはブレインが吹いていて一味違うホルンを堪能できます。  (Ki)
OPK-7017
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、交響曲第4番* フルトヴェングラー(指)BPO、
エーリッヒ・レーン(Vn)

録音:1944年<Melodiya LP Red Label>、
1943年6月30日ライヴ<Melodiya LP Small Torch Label>*
ものものしいとさえいえるくらいに、スケールの大きな第4番の演奏。フルトヴェングラーは、ここに収録されている以外にも、43年に放送録音をひとつのこしており、また、50年と52年にウィーンフィルとのスタジオ録音をのこしていますが、もっともフルトヴェングラーらしいのがこの43年6月のライヴ録音であると宇野功芳氏もライナーノーツで大絶賛。ヴァイオリン協奏曲も、ヴァイオリンの艶やかな音がたっぷりと堪能できす。  (Ki)
OPK-7018
モーツァルト:交響曲第39番
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番*
フルトヴェングラー(指)BPO、
エドウィン・フィッシャー(P)

録音:1944年2月<Melodiya LP White Label>、
1942年<Melodiya LP White Label>*
フルトヴェングラーのモーツァルト第39番は、ライヴでは2回録音がのこされていますが、ここにおさめられているものは名演とされるほう。すべての音を復刻しようとするあまりに冒頭で音がちょっと割れ気味になってしまうことがありますが、それを補って余りある「フルトヴェングラー感」に圧倒されるCD となっています。フィッシャーのドイツ魂もここに極まれり。  (Ki)
OPK-7019
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番、
バッハ:パルティータ第2番*、
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第6番〜アダージョ#
ブロニスワフ・フーベルマン(Vn)、
ブルーノ・ワルター(指)NYO、
ボリス・ルーバキン(P)

録音:1945年(Rococo LP)、
1942年(La Voce LP)*、
1943年(Patrick Harris Collection)#
これまでにもオーパス蔵で何度かSP 復刻もリリースされている、ポーランド出身の名手、フーベルマンの今回はLP音源の復刻です。奔放自在にして正確無比な弓さばき、野趣に溢れた表情、妖艶なメロディーの歌わせ方は聴き手を捉えて放さない魅力を持っています。ベートーヴェンは、相原氏によると初CD 化の貴重なもの。 

OPK-7020
フィルハーモニア・プロムナード・コンサート
(1)ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ*
(2)J・シュトラウス:トリッチ・トラッチ・ポルカ
(3)J・シュトラウスT:ラデツキー行進曲
(4)シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
(5)シャブリエ:楽しい行進曲
(6)J・シュトラウス:ポルカ「雷鳴と稲妻」
(7)スッペ:「軽騎兵」序曲
(8)ワインベルガー:「バグパイプ吹きシュワンダ」ポルカ
(9)オッフェンバック:「天国と地獄」序曲
(10)ヘンデル(ハーティ編曲):水上の音楽組曲
カラヤン(指)フィルハーモニアO、
デニス・ブレイン(Hrn)*

録音:(1)(4)1953年7月、(8)1954年7月、(2)(3)(5)(6)(7)1955年7月、(10)1952年
<初期盤LP 英Columbia 33CFX- 33CX>

OPK-7021(3CD)
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」*
バッハ:マタイ受難曲+
カール・エルプ(T:福音史家)
ウィレム・ラヴェリ(B:イエス)
ジョー・ヴィンセント(S)
イローナ・ドゥリゴ(A)
ルイス・ヴァン・トゥルダー(T)
ヘルマン・シャイ(Bs)
アムステルダム・トンクンストcho
ツァングルスト少年cho (以上+
ウィレム・メンゲルベルク(指)ACO

録音:1941年 G-Telefunken SP より*/1939年4月2日、ライヴ、Philips LP A00150-53 より+
マタイ受難曲はメンゲルベルクが毎年復活祭に演奏してきたもので、1939年の演奏がフィルムを使った録音で残されました。LPから復刻した音はとても67年前のものとは思えないものです。2枚に納めるためのカットはせずに3枚組としました。メンゲルベルク最高の遺産が味わえます。合わせてこれも貴重な41年録音の‘悲愴’(37年録音とは別)を組み合わせました。  (Ki)
OPK-7024(2CD)
チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」(要約版) アナトール・フィストラーリ(指)LSO
アルフレッド・カンポーリ(Vn独奏)

録音:1952年 ロンドン、キングズウェイ・ホール
音源:英Decca LXTシリーズ LP
録音時期は殆ど歴史的年代を示しているのに、これだけの音の鮮度。やはりffrr録音の秘盤だけのことはある。この《白鳥の湖》の日本での初出は1957年7月新譜。フィストゥラーリは一躍バレエ音楽の巨匠と認められたが、録音がモノーラルで、翌年あたりからレコード界は「ステレオでなければ売れない」時代となって、『女王陛下の Swan Lake』と欧米で喧伝されたこともあると言うこの名演名録音の《白鳥の湖》も、熱心なバレエ音楽ファンやモノーラル録音愛好家に惜しまれながら『幻の名盤』になっていたのである。すぐれた音のCDとしての復活をよろこびたい。(小林利之)
OPK-7026
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」*
 「コリオラン」序曲#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO*、BPO#

録音:1944年12月*/1943年#
音源:ウラニア*/メロディア 黒盤、青トーチ盤#(ピッチ修正済)
ウラニアの最初期盤ではありませんがかなり初期のプレスらしく随分と豊かな音です。安原氏の手持ちの1枚が素晴らしい音でした。2年以上前に復刻していましたが、一部修復の必要な個所があり先延ばしになっていました。キングの須賀エンジニアの工夫で何とか修復ができたので発売にこぎつけられました。 組み合わせは有名な「コリオラン」ですが、音のよい黒ラベルをメーンとしました。以前ブルックナーの第5(OPK7013)を黒レーベルで出した際に、「何故もっと初期の盤を使わないのか」というメールをいただきました。実は初期盤がよくない場合もあります。「コリオラン」の場合青トーチレーベルは音が痩せている上にピチカートの欠けや拍手の挿入などあって問題があります。そこでおまけとして初期盤の音を付けました。一度お確かめください。 (オーパス蔵代表 相原了)
「久しぶりに「ウラニアのエロイカ」を聴き、感動した。ぼくはフルトヴェングラーの「エロイカ」では、夙に52年のウィーン盤をベストに挙げて来たが、それは録音の差によるところが大きい。ウラニア盤は今まで、ずいぶん復刻CDを耳にしたが、ウィーン盤を超えるようなものにはついぞぶつからなかった。ところが、今回のオーパス蔵盤は違う。その鳴りっぷりの良さ、歪みの少なさ、音の鮮明さが今までの復刻盤の比ではなく、これからは本盤をもってフルトヴェングラーの「エロイカ」のベストCDとしたい。」 (宇野功芳)  (Ki)
OPK-7027(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調*
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21#
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
VPO

録音:1954年4月10日*/1952年11月29日#
音源:市販テープ
某所からオープンリールテープが貸し出され、試しに音を録ってみました。この種のテープはヨーロッパでかなり出回ったようです。ブルックナーはAndanteが放送局のテープからCD化しておりますが、全く遜色のない音で驚きでした。市販テープといっても元テープに近い音源から作られたのでしょうか。(以前に出しました54年のニューイヤーコンサートもテープがありましたが破損しておりLPから起こしています(OPK7006/7)。)一方のベートーヴェン「第1番」はフルトヴェングラー大病後の復帰初日(1952年11月29日)の貴重なライブ録音です(EMBLEM 等の11/30録音とは別演奏)。  (Ki)

OPK-7029
チャイコフスキー:交響曲第5番
 組曲「くるみ割り人形」
デニス・ブレイン(Hrn)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
フィルハーモニアO

録音:1952年 キングスウェイ・ホール、ロンドン
使用LP:英Columbia (33CX シリーズ)
1952年カラヤンがフィルハーモニアと録音を本格化したころの録音です。彼が録音したチャイコフスキーの第5番は5種類ありますが、これは最初のものです。この演奏はじつに雄大かつしなやかな情感を表現した優美なものです。勝手な推測ですが、カラヤンはまだムラヴィンスキーの同曲の演奏を耳にしていなかったのではないでしょうか。後年の演奏と違い、ドイツロマン派を思わせるゆったりした歩みはデニス・ブレインの優美なホルンと相俟って魅力をたたえています。当時のフィルハーモニアの実力を感じるにもってこいの録音です。  【オーパス蔵代表 相原了】
OPK-7030
チャイコフスキー:交響曲4番、
「眠りの森の美女」より
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
フィルハーモニアO

録音:1952年
音源:初期英Columbia LP 33CX シリーズ
前回の第5番に続きカラヤンが多く録音を残した第4番の最初の録音です。ホルンがマイクに入りやすくするため指揮者の後に背中を向けて並んで録音したとのこと。 (Ki)
OPK-7031
モーツァルト:クラリネット協奏曲K622
 クラリネット五重奏曲 K581#
レオポルド・ウラッハ(Cl)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)VPO*
シュトロースSQ#

音源:私家版SP
オーパス蔵としてもモーツァルト生誕250年にあたって何か、と思いましたが、ウラッハに落ち着きました。どちらもウェストミンスター盤が有名で、その前に録音されたものは評価も購入も後回しにされる傾向があります。そこでマイナーレーベルの特権を(面子が要らない)利用して2つの録音を一緒にまとめました。協奏曲もロジンスキー盤よりいいと思っています。いかがでしょう。 (レーベル・オーナー 相原氏談)
OPK-7032
カラヤン/オペラ間奏曲集+序曲集
フンパーディンク:「ヘンゼルとグレーテル」序曲
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲*
レオンカヴァルロ:「道化師」間奏曲
オッフェンバック
:「ホフマン物語」〜舟歌
コダーイ
:「ハーリ・ヤーノシュ」間奏曲
プッチーニ:「マノン・レスコー」第3幕間奏曲
J・シュトラウス
:「ジプシー男爵」序曲
ビゼー:「カルメン」第4幕間奏曲
マスネ
:「タイス」瞑想曲
ムソルグスキー
:「ホヴァンシチナ」第4幕間奏曲
グラナドス:「ゴイェスカス」間奏曲
ヴェルディ
:「椿姫」第3幕前奏曲
マスカーニ
:「友人フリッツ」第3幕間奏曲
J・シュトラウス:「こうもり」序曲
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
フィルハーモニアO、
デニス・ブレイン(Org)*

録音:1954年〜1955年
OPK-7033
ハイドン:交響曲第92番「オクスフォード」、R・ シュトラウス:「ドン・キホーテ」* アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響、
エマニュエル・フォイアマン(Vc)

録音:1944年、1938年*
フォイアマン、トスカニーニとNBC交響楽団の「ドン・キホーテ」はこれまで何度も出ておりCDも複数ありますが、 それらは単に歴史的記録のレベルでした。ところが今回「これは音がよいよ」と紹介された私家盤LPは素晴らしい音で びっくりしました。フォイアマンの細かいニュアンスもよくわかります。ただときどきハムが出てきます。これまでの 音源がハムを嫌ってカットしたため貧相な音になったものか、別装置による録音なのかはわかりません。本CDでは音を 優先させハムを残しています。慣れれば気にならなくなると期待して。(相原 了)
OPK-7034
ブリテン:テノール,ホルン,弦楽合奏のためのセレナードOp.31
バークレイ:ホルン三重奏曲*、
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番#
デニス・ブレイン(Hrn)、
ピーター・ピアーズ(T)、
ユージン・グーセンス(指)新交響楽団
マヌーク・パリキアン(Vn)*、
コリン・ホースリー(P)*、
ボイド・ニール(指)ボイド・ニール合奏団#

音源:初期LP (Decca,..UK . Col,..MMS)
ブリテンのセレナードは44年の録音に比べてピアーズ、ブレイン共に深みが増しています。グーセンスのバックも しっかりしています。バークレイの曲も聴き応えあるものですが、ブレインの録音があるのでその後のホルン奏者が取り 上げられないのだそうです。ブランデンブルク協奏曲もボイド・ニールとの最初の録音はあまり良くない(Potter)という ことで再録音を選びました。(相原 了)= =小林利之ライナーノーツより= 朗報だった。かねてからブレインの芸術に信仰的情熱を示してきたオーパス蔵による復刻盤で、待望の再録音の《セレ ナード》が世に出ることになったからだ。待ちに待った《アレクサンダー》によるブレインが聴けるテスト・マスタ リングCDR…ときめく胸をおさえながら聴いた「プロローグ」から1曲また1曲、…やはりブレインは素晴らしかった。 (中略)自然倍音のみで吹奏される「プロローグ」をまず繰り返して聴いてほしい。第2楽章のコットンの詩による「牧歌」 で“日は暮れようとして…”と歌い出すピアーズのテノールを受け継ぐブレインのホルンが、歌と全く同じ表情のフレー ジングで吹きはじめることや、第3楽章のテニスンの詩による「夜想曲」で“響け、角笛、答えよ、こだまよ、深紅の 谷が答えるのを…”と歌うテノールへの、ほのぼのとした表情で、朗々と応答するホルンの迫力がたまらなくいい。(小林 利之)
OPK-7035
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
エルガー:エニグマ変奏曲
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

原盤:英HMV LP
従来伝説的に語られていた英HMVプレス盤LPによるトスカニーニ/NBC響の音のよさが、噂から真実になったことを喜びたい。サ ン・サーンスの第1楽章第2部ポコ・アダージョで密やかに現れるオルガンの重厚なペダル音。オルガンと弦の美しい和声のコラボレーショ ンでは、かつてのトスカニーニ/NBCのディスクからは絶えて聴かれなかった響きの豊かさ、しなやかさを満喫できるし、スケルツォ 風の第2楽章第1部ではトスカニーニらしく控え目な打楽器群にピアノも参加して多彩な音がかけめぐる。そして一瞬の空白をぶち破る 豪然たるオルガンの大音響から絢爛たるクライマックスに突入する。エニグマは意外にも親しみやすい「優しさと愛と微笑ましいユーモ ア」にあふれる音楽なのに気付かせてくれる。トスカニーニ一流の品位を持った演奏でもあり、イギリスの作曲家の作品には英HMVの 音感が冴える。(小林利之)

トスカニーニとNBC交響楽団の一連のLPで米RCA盤よりも英HMV盤の方が音がよいという話を耳にして以来HMV盤を入手する ようにしてきた。確かにRCA/Victor盤に比べて音にふくらみがありトスカニーニの音楽も迫力というより音楽的な豊かな響き がある。ただしHMV盤のトスカニーニ録音は余り多くない。アメリカのRCAがヨーロッパ向けに自分で手掛けるようになりHMV盤 はなくなったためである。新しく出た英RCA盤は当然ながらきつく痩せたあのトスカニーニの音になっている。 今回の2曲はいずれ も英HMV− LP を用いている。両者を比べるとセッション録音のエルガーの「エニグマ」変奏曲が実に豊かな響きで、チェロが歌うとこ ろなどチェロはトスカニーニの楽器であったことを思い起こさせてくれる。  他方のサン・サーンスはRCA盤やCDに比べて音に厚味はあるが、第4楽章のクライマックスなど迫力は満点であってもかなりヒス テリックな音である。これはライブ録音でありそんなものかという気もするが、実はこの日の前半の曲はロッシーニの弦楽ためのソナタ 第3番で、オーパス蔵で既発売(OPK2059)の音を聴くと豊かな美しい音である。この音源はRCAではないが録音は同じ装置で行ってい る可能性が高く、RCAが迫力優先の音作りをしたのではないかと想像してしまう。今回の音はHMV盤のままでもよいのであるが、前 半のロッシーニの音やエニグマの音を参考にして多少バランスを変えてみた。晩年のトスカニーニの音楽は骸骨化しているという批判も あるが、レコード製作にも責任があるのではないかという提起でもある。(相原 了)
OPK-7036(2CD)
マーラー:大地の歌
 リュッケルトの詩による3つの歌
 [私は俗世から消え失せた/優しい香りを吸った/真夜中に]
キャスリーン・フェリアー(A)
ユリウス・パツァーク(T)
ブルーノ・ワルター(指)VPO

録音:1952年Decca、セッション録音
音源:UK-London LP(2種)
近頃、予期せぬ出来ごとが多い。こちら年の功も手伝って、よほどの事件でなければ驚かなくなっているのだが、これには驚いてしまった。なにしろブルーノ・ワルター指揮のウィーン・フィルが、カスリーン・フェリアー、ユリウス・パツァークと1952 年に録音、英デッカの古今不滅の名盤と称えられているマーラーの“Das Lied von der Erde”『大地の歌』には、従来から親しまれているものの他に、オーケストラの多彩な演奏をより前面に出し、精緻な表現のディテールをクリア・アップして、声楽パートとの総合的な音響バランスを整えた別のプレスがあったのだから。(中略)もう一度、今回のオーケストラ主体の新しい(と思われる)プレスの英ロンドン黒ラベル盤による復刻を聴き直してみると、これは!と思うほど、全曲、ワルターの指揮がいちだんと精彩を発揮、凄みさえ感じさせる楽章があるのを再確認させられる。劈頭の「現世の苦を詠う酒宴歌」での中間部、今回の歌詞の翻訳者甲斐貴也氏が指摘された“第3連を「悲歌」と考える”解釈を正当化するようなワルターの指揮は、ウィーン・フィルから冷え冷えとした血も凍るような寂寥感を響かせるのが明瞭化して絶妙だし、続く「秋に寂しき者」の16分音符で動く第1 vn の抑制した表情、オーボエの哀愁を含んだ節回し、「美について」における奔放多彩な表現と鮮やかな対応、「春に酔える者」の感心するほかない精妙かつ的確なマーラーの譜面の指示の再現力など、従来の素晴らしさにさらにヴェール一枚ほど剥がしたかのような、オーケストラの響きのみずみずしさを聴きながら、以前にも書いたことだが、この愛する名盤も、知らず知らずのうちに自分と一緒に年をとり、録音も古びて聴きづらくなるのか、と諦めていたところ、今回の奇蹟の復刻盤にふれて、ああ良かった!これを聴けてと、満足感に頬がゆるむのを覚えた。 (小林利之)
OPK-7038
アルトゥーロ・トスカニーニ〜ヴェルディ
ヴェルディ
:「ナブッコ」〜「行け我が思いよ黄金の翼にのって」*、
「イタリアのロンバルディア人」〜序奏と三重唱、
「シチリア島の夕べの祈り」序曲、
「ルイザ・ミラー」序曲、
「ルイザ・ミラー」〜「この静かな夜には」
「リゴレット」第3幕#
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響、
ウェストミンスターcho*、
ジャン・ピアース、
ヴィヴィアン・デラ・キエサ、
ニコラ・モスコーナ、ジンカ・ミラノフ、
ナン・メリマン、レナード・ウォーレン

録音:1943年、1944年#
原盤:UK-HMV LP
RCA等の記述から推察するに、RCAによるトスカニーニLPの音は、トスカニーニ家の石造りのホールにおいて大音量で再生した場合にベストに聴こえるように設定されたようですが、英HMVの音は一般家庭の絨毯やカーテンのある普通の部屋で聴くにふさわしい設定がなされているようです。実際にホールで聴衆が耳にした音はどちらだったのでしょうか。どちらが正しいかも大切でしょうが、所詮どちらも仮定の話しです。むしろ、我々は両者の違いを楽しむことができるのを喜ぶべきではないでしょうか。最近のマスタリングはきれいになりすぎ、まるでトスカニーニがサイボーグのように響く例があります。ひと昔前のヨーロッパではどんな音が聴かれていたのか興味がありませんか。(制作者)
OPK-7039
ベートーヴェン:交響曲第2番、
交響曲第4番*、「エグモント」序曲#
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1949&51年、1951年*、1952年#
原盤:UK-HMV LP
《第4》は’51年2月3日、カーネギーホールでの演奏のNBCによる放送録音だが、これがすごくリアリスティックな録音で、復刻されたCDRでも、鮮度みなぎる再生音となった。演奏も最高にトスカニーニ的でみずみずしく、第1楽章導入部の優美だがぐっと抑えた表情から、やがて訪れる主部への期待をふくらませていくのだが、35小節のヴァイオリンの急激なクレッシェンドで爆発する全合奏のffと、アレグロ・ヴィヴァーチェになだれ込んでからのぐいぐいとしゃくり上げるリズミックな疾走ぶりと前進力。にもかかわらず曲の造型的な構成感は緊密の極。瞬時も乱れず走り続けるアンサンブルの冴えとともに圧巻そのもの。こんなすごい演奏と録音だったとは、全く信じられないことだった。  (小林利之) 
OPK-7040
ヴェルディ:レクイエム アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響、
ヘルヴァ・ネルリ、
フェードラ・バルビエリ
ジュゼッペ・ディ・ステファノ
チェーザレ・シエピ、
ロバートショウcho

録音:1951年
原盤:UK-HMV LP
トスカニーニが最初から留意した伝説的な表現のひとつに〈怒りの日〉で聴衆の心を震撼させるグラン・カッサ(バス・ドラム)の打撃ぶりがある。「皮を完全にピンと張り、独奏の際には最も強烈なアクセントをつけて打つ」と楽譜に書きこんだヴェルディの意図そのまま「人に恐怖心を起こさせるほど轟かせねばならない」という強打効果を打楽器奏者はもとより録音側にも要求している。今回のオーパス蔵のHMVオリジナル・プレス盤LPによる復刻CDで聴く「トスカニーニ恐怖のグラン・カッサ」の(本当に本物らしい感じの)響きをぜひ注意して体験していただきたい。 (小林利之)
OPK-7041(2CD)
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」組曲第1番、
「くるみ割り人形」組曲第2番(以上フィストラーリ編集)、
眠りの森の美女(全曲)* 
アナトール・フィストラーリ(指)パリ音楽院O

録音:1951年、1952年*
原盤:Decca 初期LP (LXT,LL)
フィストラーリとロンドン交響楽団によるOPK7024「白鳥の湖」(全曲)について、Gramophone誌のRobCowan氏の評は「おそらくDECCA自身が手掛けるより良い音であろう」というもので、気に入られた証拠に「フィストラーリの「眠りの森の美女」も復刻して欲しい」と要望されました。何といってもフィストラーリのしなやかさ、まさにバレエ音楽のエキスパートと言えるもので、舞台なしで全曲を聴かせてしまうその演奏が理想の音質で蘇りました。また今回のオーケストラはパリ音楽院管弦楽団で「白鳥の湖」のロンドン交響楽団とは違う洒落っ気があります。特にオーボエ等木管の響きが魅力です。フィストラーリは「くるみ割り人形」の全曲は残しておりませんが、LP両面を使って組曲を2つ録音しています。第2番は何とフィストラーリが編集したもので貴重な録音です。何とか両曲がCD2枚に収まりました。「白鳥の湖」(OPK7024/5)と合わせてフィストラーリが振るチャイコフスキーの3大バレエが揃います。この機会にどうぞ。 
OPK-7043
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
2台のヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043*
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042**
ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ハ短調BWV1060#
デイヴィ・エルリ(Vn)、デイヴィ・エルリ(Vn)*
アンリ・メルケル(Vn)*、
アンリ・メルケル(Vn)**、
ラインホルト・バルヒェット(Vn)#、
クルト・カルムス(Ob)#
クルト・レーデル(指)
ミュンヘン・プロアルテCO

音源LP:DucretetThomson
一味違ったバッハを聴きたいという声もあり、フランスの2人、エルリとメルケルそしてドイツのバルヒェットをまとめてヴァイオリン協奏曲で1枚にしました。共通なのはバックを務めるクルト・レーデル指揮のミュンヘン・プロアルテ室内管弦楽団です。音源はフランスのデュクレ・トムソンのLPを用いています。ピリオド奏法はまだ出てこない時代の優雅なフランスのバッハ、きちっとしたドイツのバッハと一味違ったバッハを楽しめます。同じ組合せでHyperionから、ピリオド演奏でおなじみのMackintoshを中心にしたアルバムも出ていますが、アプローチの違いはあってもそれぞれにハイレベルでの特長があります。両方聴いてどちらも楽しむ、これが正解でしょう。(東工大教授オーパス蔵代表相原了)
OPK-7044(2CD)
ヴェルディ:歌劇「椿姫」 アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響、
リチア・アルバネーゼ(ヴィオレッタ)、
ジャン・ピアース(アルフレード)、
ロバート・メリル(ジェルモン) 他

録音:1946年12月1日,8日ライブ録音 NBCスタジオ8H
「この低音の響きの豊潤さが、演奏全体を暖かいぬくもりにみちたものに感じさせるのだが、これこそオーパス蔵独特の音をグレードアップさせる復刻、その効果は素晴らしい!」(音楽評論家 小林利之)好評のトスカニーニの英HMV-LP音源復刻は彼の残したオペラ全曲録音から「ラ・トラヴィアータ」全曲を選びました。牛窓(岡山県の瀬戸内に面した美しい港町。)のレコード蔵でRCA盤とHMV盤を第3幕で比べたとき、思わず「同じ演奏?」と歎声が漏れました。低音がきちんと入ったHMVの音は素晴らしいものです。(相原 了)
OPK-7046
トスカニーニ・アンソロジー1
ブラームス:ハンガリー舞曲集#〜第1、17,20,21番
トマ:歌劇「ミニヨン」序曲
カタラーニ:歌劇「ラ・ワリー」第4幕前奏曲
カタラーニ:歌劇「ローレライ」水の精の踊り
ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクァーレ」序曲**
ポンキエルリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」〜時の踊り
エロルド:歌劇「ザンパ」序曲
デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」*
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1950年*、1951年**、1952年、1953年#、カーネギー・ホール、スタジオ8H*
魔法のタクトだとしか思えない。それをなにかに例える言葉が見つからない。譜面の上では単純な、ただの音階に見える音符たち。そんな音符のつらなりなのに、トスカニーニのタクトが閃くと、ただの音階は黄金の輝ける名旋律に姿を変えて行く。さらに、これまた単なる弦のピチカートの音の散らばりが、研ぎ澄ました音の粒立ちでオーケストラの分厚い和弦の雲間から現れるとき、突如それらのピチカートは、きらめく光を放射する紫ダイヤの結晶に似て響いている音楽を忘れがたい美の一瞬とする。弾いているオーケストラは、世界の名手を選りすぐってあつめたNBC交響楽団のアンサンブル。(音楽評論家:小林利之)
OPK-7047
トスカニーニ・アンソロジー2
ビゼー:「カルメン」組曲第1番
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」#
ベルリオーズ:マブ女王のスケルツォ**
サン‐サーンス:死の舞踏*
フンパーディンク:「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
スメタナ:交響詩「モルダウ」*
シベリウス:フィンランディア
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1950年*、1951年**、1952年、1953年#、カーネギー・ホール、スタジオ8H*
最初の「カルメン」組曲から完全にノック・アウトだ。「アラゴネーズ」の圧倒的な明晰さとリズムの弾力、最高にうまいオケの迫力。フルートがハープの伴奏で歌う「間奏曲」の美しさ。「アルカラの竜騎兵」の生々しい打楽器など、フルトヴェングラー的なムードやニュアンスはいっさい考えておらず、音楽の本来あるべき姿が純正な姿で出現する。情緒で汚されていない最高級の音楽がここにある。そして最後の「フィンランディア」!これは史上最高の名演ではあるまいか。こんなに凄みのある演奏は他に絶対に皆無。金管やティンパニのドスの利いた怒りは全曲を荒れ狂い、後者はスコアにない部分でさえつけ加えられて、ものをいう。トスカニーニはスコア通り?とんでもない!やるときはやるのだ。(音楽評論家:宇野功芳)
OPK-7048(2CD)
ヴェルディ:歌劇「オテロ」 アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響
オテロ:ラモン・ヴィナイ(T)
デズデモナ:ヘルヴァ・ネルリ(S)
ヤーゴ:ジュゼッペ・ヴァルデンゴ(Br)
エミーリア:ナン・メリマン(Ms)他

録音:1947年12月6日,13日ブNBCスタジオ8H・ライヴ
ほとんど完璧な仕上がり、これなら何故オーパス蔵の復刻が必要だったか直観的に理解できる。RCA盤のCDと聴きくらべれば、高音域のくせのないオーケストラ、ことに第1ヴァイオリンの高音のやせぎみだった質感が今回の復刻では暖かみのあるものに聴かれるし、ヴィナイのオテロ、ヴァルデンゴのヤーゴの声の力強さと輝きにみちた声の魅力には聞きほれる。(小林利之)
英HMV-LP起こしオペラ第2弾には「オテロ」全曲を選びました。冒頭の嵐の場面の緊迫感と嵐の凄まじさはRCA盤では聴くことができません。レクイエム「怒りの日」と共に力強い低音の迫力は必聴です。(相原 了)

OPK-7050
ショスタコーヴィッチ:交響曲第7番「レニングラード」 アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1942年7月19日ライヴ録音
原盤 Private-LP
フォイアマンのドン・キホーテ(OPK7033)のように音響の優れた音源を提供いただくケースは,ライヴや放送録音でありますが,今回提供されたLPの「レニングラード」の音の迫力には驚かされました。エアチェックが放送局の録音より優れているとは思えないので,今回の音源は1回限りの放送の記録として,複数録ったであろうもののひとつと考えられます。(相原 了)オーパス蔵の復刻CDは、あきらかに「RCAとは同演奏の別録音」のように聞こえます。ほんの試みに第1楽章冒頭の第1主題を27秒ほど聴けば違いは歴然です。まず3小節目で出現するティンパニの決然たる打ち込みの打撃音と、つづく2小節の生々しい打ち込みがコントラバスの超低音とともに、オーケストラ全体の響きを凄味のある重厚な力感として支えていることで、これこそトスカニーニのダイナミズムだと直感させます。(小林利之)
OPK-7051
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」*
ラファエル・クーベリック(指)CSO

録音:1951年、1953年*
原盤 HMV-LP(オリジナルMercury録音)
「新世界から」は、ティンパニの凄まじいクレッシェンドとともにアレグロ・モルトの主部に突入、第1主題がホルンに出ます。このあたりの凄みは、今回の復刻ではじめて再現されたもので、オリジナルの録音にはこんな鮮烈の響きがはいっていたのかと驚かずにはいられませんでした。また「プラハ」をクーベリックは、最晩年の1991年10月11日というプラハでの生涯最後の演奏会で「新世界から」と一緒にとりあげた際のライヴ録音があり、この2曲を宿命的なプログラムと考えていたもののようです。39歳という若いクーベリックのアメリカ録音は、オーケストラの自発性にゆだねるところ顕著だった1961年ウィーン盤の流麗かつ自然な演奏に対して、あらゆる面でクーベリックならではの知的に構成され、冴えて品位を失わぬ演奏で、節度ある美しさが印象的なモーツァルトを聴かせてくれます。今回のオーパス蔵盤の復刻技術とマスタリング感覚の冴えっぷりは、お見事というに値しましょう。(小林利之)
OPK-7052
シューマン:交響曲第3番「ライン」
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲 
レスピーギ:交響詩「ローマの祭」
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1949年11月12日スタジオ8H・NBCライブ、1949年11月21日カーネギーホール*、1949年12月12日 カーネギーホール#
原盤:UK-HMV(ALP)
「ダフニスとクロエ」の美しさが徒事ではない。これはイタリアの陽光に照らされたフランス音楽だ。詩情がいのちのラヴェルだが、トスカニーニは委細構わずに進む。・・・とにかく、この色彩の洪水と凄絶なフォルテと音楽の前進性はすばらしいの一語に尽きる。オーケストラの統率力は抜群で、どんなに楽器が増え、最強奏してもごちゃつくところはいっさいない。それにしても1949年の録音というのが信じられないくらい音が良い。(宇野功芳)
OPK-7053
シューマン:交響曲第4番
チャイコフスキー:交響曲第4番
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)
BPO、VPO*

録音:1953年、1951年*
原盤:F-Grammophone、UK-HMV*
フルトヴェングラーの音楽には完全に脱帽だ。イエス・キリスト教会において53年5月14日にレコーディングしたものだが、すでに肺炎を何度もくり返した晩年、しかも聴衆の居ない純粋なレコード用の録音という形がプラスにさようしたのであろう。同じ条件で51年12月に録音されたシューベルトの「ザ・グレイト」に比べると数段良い。(宇野功芳)
最も音がよいといわれることが多いフランス盤10“LPを用いています。DG盤より低音が豊かに響きます。また今回はフルトヴェングラー研究家でもあるSteinberg氏の見解に従って、楽章間のポーズはなしにしてあります。実際録音によってポーズあり、なしの両者があります。

OPK-7054(2CD)
リパッティ〜ジュネーヴ1950年7月、スタジオ録音
バッハ:パルティータ第1番変ロ長調BWV825
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救いの主よ」
バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「イエス、わたしは主の名を呼ぶ」
バッハ(ケンプ編):シシリアーナ
バッハ(へス編):「主よ人の望みの喜びよ」
付録:SPの音 (UKColumbia)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「来たれ異教徒の救いの主よ」
バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「イエス、わたしは主の名を呼ぶ」
ショパン:ワルツ集(全14曲)/マズルカOp.50-3
ディヌ・リパッティ(P)

録音:1950年7月
音源:F-Columbia(ワルツ)、US-Columbia-LP(その他)
オーパス蔵の初回発売は2000年秋6枚のヴァイオリン小品集でした。最初に海外で注目してくれたのは、英ClassicRecordCollector誌の編集長であったTullyPotter氏で‘RealisticTransfer’と評してくれました。それから10年SPレコードの復刻だけでなく、初期LPレコードの復刻を行なうようになり、マイナーレーベルによるフルトヴェングラー板起こし合戦のきっかけを作ったと考えています。 昨年は新録音にも挑戦し、ホミリウスの《ヨハネ受難曲》がレコード芸術で特選盤に選ばれました。国内ではほとんどが推薦盤に選ばれていますが、国外でもメルケルの《サンサーンス:ヴァイオリン協奏曲他》《リパッティ:グリーク、シューマン:ピアノ協奏曲》がアメリカ、台湾で受賞、トスカニーニの《ヴェルディ・ライブ集》が英Gramophone誌今月の復刻盤に選ばれたほか、フランスでは「ディアパソン・ドール(推薦盤)」に選ばれています。オーパス蔵の特長をまとめると「生々しい実在感のある復刻音」「海外でもっともレヴューの出る日本のレーベル」と言えるでしょう。(OPUS蔵)
オーパス蔵10周年記念盤。リパッティのCDは曲目や作曲者を中心にまとめられることが多く、そこでは1947年録音と1950年の録音が同列に組合せられています。しかし47年は純粋にSP録音であり、50年録音はSPマスタの介在もあるが、テープ録音です。初期LPを聴くと違いは明瞭です。初期盤の音は明瞭ですが、やや割れ気味の音が散見します。またマスタに用いたSP(といっても39回転周期か?)を思わせる周期ノイズが聴かれます。LPでも後のものはノイズも取られますが、音も角がなくなり低音も甘くなってきます。打楽器としてのピアノにとっては大きな損傷といえます。そこで初期盤を用いて50年録音しまとめました。多分既存CDとは印象が変わるであろうと期待しています。なおこれらはすべてSPも発売されています。中で音に魅力のある3曲をSP復刻し付録としてつけました。 (Ki)
OPK-7056
リパッティ:ブザンソン告別リサイタル〜1950年9月16日
バッハ:パルティータ第1番変ロ長調BWV825 
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K310
シューベルト:即興曲D899第2番、第3番
ショパン:ワルツ集(13曲)
ディヌ・リパッティ(P)

録音:1950年9月16日、フランス、ブザンソン(ライヴ)
音源:US-Angel LP
オーパス蔵10周年記念盤。2010年のブザンソン国際フェスティヴァルで、リパッティの告別リサイタル後60年ということで、リサイタルのドキュメンタリー・フィルムが公開されます。プロデューサーのRoger氏が、カナダのリパッティ研究家Ainley氏から本CDのマスタ前の音を聴かされたとき、「この音だ!」といって、フィルムに使われることになりました。 そこで緊急発売となりました。 既存のCDの音に疑問を持たれる方は是非お比べください。 (Ki)
http://www.festival-besancon.com/index.php/concert/905

OPK-7057
バルビローリ〜「金と銀」
レハール:ワルツ「金と銀」(1952HMV&1957PYE)*
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(1953年録音)
チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」組曲<第2幕の情景/4羽の白鳥たちの踊り/白鳥の女王の踊り/第1幕のワルツ/ハンガリーの踊り>(1950年録音)
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」(1954年録音)
ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクヮーレ」序曲(1954年録音)
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲(1953年録音)
ジョン・バルビローリ(指)ハレO

音源:EP(HMV,PYE)*、他は10インチLP(HMV)
これこそ真実の“価千金”と言うべきか。オーパス蔵の音楽性重視による卓抜無類の名復刻によってよみがえった《バルビローリ/ハレ管弦楽団による》レハールの「金と銀」を聴いて、その演奏の、魅惑そのものというほかない弦が歌いあげる流麗のフィーリング。そして、生き生きと、はずんで聴くものの全身をゆりうごかせるワルツのリズムに、驚きあわてました。1950年代というハレ管弦楽団が目覚ましい発展の上り坂にあった時期の、バルビローリ壮年期の録音である今回の名曲名演集は、生涯を通じて多数のファン層に愛され親しまれてきた、愛の人バルビローリの、芸術家としての素顔を知ることのできる親しみ深い1枚となっています。(小林利之) (Ki)
OPK-7058(2CD)
トスカニーニのプッチーニ
(1)歌劇「ラ・ボエーム」
(2)歌劇「マノン・レスコー」間奏曲と第3幕全曲
(1)アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響
ミミ:リチア・アルバネーゼ(S)、
ロドルフォ:ジャン・ピアース(T)
ムゼッタ:アン・マックナイト(S)、
マルチェルロ:フランチェスコ・ヴァレンティーノ(Br)
ショナール:ジョージ・チェハノフスキー(Br)、
コリーネ:ニコラ・モスコーナ(Bs)
ベノア/アルチンドロ:サルヴァトーレ・バッカローニ(Bs)
録音:1946年2月3、10日、スタジオ8H
音源:ラボエーム:UK-HMVLP(ALP)

(2)アルトゥーロ・トスカニーニ(指)
ミラノ・スカラ座O&cho
マノン:マファルダ・ファヴェロ、
デ・グリュー:ジョヴァンニ・マリピエロ、
レスコー:マリアノ・スタービレ
点灯手:ジュゼッペ・ネッシ、
船長:カルロ・フォルティ
録音:1946年5月11日、ミラノ・スカラ座
音源:マノン・レスコー:Private-LP
歌劇<ボエーム>は、「主たるテーマが青春群像で、ある意味、一種のアンサンブル・オペラとしての性格上、指揮者の棒によって語られるところが多い」といわれている。そこで、登場人物の誰の歌がどうだということ以上に、ドラマの内容とその進行を、指揮者が音楽でどのように描いてくれるかという点にその成果の大半が懸かってきます。すなわち歌劇《ボエーム》というオペラ全体が、歌とオーケストラの微妙なバランスによって構成される作品になっています。そのあたりを、この全曲盤のトスカニーニの指揮で聴いていると、いま舞台に立っている誰が何をどう思っているかなどということを、オーケストラの精緻をきわめた動機の出現、モチーフの微妙な調性の変化などで完璧に表現されていることがわかります。(小林利之) (Ki)
OPK-7060
フィストラーリ〜フランス音楽集
プーランク:バレエ組曲『牝鹿』
プーランク:『オーバード(朝の歌)』〜ピアノと18の楽器のための舞踊協奏曲*
ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲*
フォーレ:組曲『ドリー』〜子守歌(アンリ・ラボー編)
アナトール・フィストラーリ(指)
ファビエンヌ・ジャキノー(P)
LSO、ロイヤルPO*

録音:1953年、1954年*
原盤:UK-ParlophoneLP
フィストラーリはバレエ音楽の大家として知られ、コンセルトヘボウを振った「白鳥の湖」のハイライト盤(Decca)はLP時代の代表的な録音でした。その後オランダ放送響との全曲盤が出ましたが、余り面白いものではなくフィストラーリに対する私の評価は低くなっていました。あるとき中古レコード店に第1回目の「白鳥の湖」全曲盤があり買って聴いたところ、柔軟性のある活きた演奏が目の前に展開し、一発でノックアウトされました。その後TullyPotterさんに確認したところ、フィストラーリは晩年に往年の輝き、インスピレーションを失ったと知らされ納得しました。それから「白鳥の湖」(OPK7024/5) 「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」(OPK7041/2)を出しましたが、またまた同じレコード店でプーランクの「牝鹿」を見つけました。 これも魅力たっぷりです。「白鳥の湖」と同じロンドン交響楽団の演奏で、演奏もしっかりしており、繰返し聴くにはもってこいです。 その後同じ英Parlophone-LPでプーランクの「オーバード」を見つけましたので、一枚分となりました。モノラル時代の録音ですがフィストラーリの一番輝いていた時代の演奏です。 (オーパス蔵代表:相原 了)
『牝鹿』(レ・ビッシュ)はプーランクが24歳の1923年、常に新しい才能を探していたディアギレフの依頼で作曲した最初のバレエ音楽。翌年ディアギレフ・ロシア・バレエ団が本拠としていたモンテカルロで、当時パリで人気絶頂だった女流画家マリー・ローランサンが衣装と舞台装置を担当、ニジンスカの振付けによって初演。青年作曲家プーランクの出世作となった。レ・ビッシュは「牝鹿たち」の意味だが、バレエとしては物語的なストーリーはない。振付けを担当したニジンスカは「このバレエは、《レ・シルフィード》の現代化です」と言っているが、淡い優雅な水彩画風の女性像の美しさで知られたローランサンの、いくつかの絵をヒントに構想されており、暑い夏の午後、3人の若い男が、16人の若い女性たちと次々に踊りを繰り広げるという、1920年ごろのヨーロッパにおけるサロンの雰囲気を描いている。組曲の第1曲は「ロンド」で、ピッコロ、オーボエ、クラリネットが1小節ずつ、吹奏する短い導入句のあと、すぐさまトランペットの軽やかなテーマが出現、ホルンと弦の応答がこだまのように…。このトランペットのテーマ。聴いた瞬間、というかそれに触れた瞬間、アッと思った。この曲の、この演奏、いつだったか、たしかにそれに、めぐりあっている。はじめて聴いて、素敵な感覚を呼ぶ曲だなと思い、聴きすすむにつれて、知らず知らずの間に、気分はよくなり、心が晴れやかになったのだった。(小林利之)

OPK-7061
トスカニーニ〜ロッシーニ他
ロッシーニ:「セヴィリャの理髪師」序曲
 「チェネレントラ」序曲
 「どろぼうかささぎ」序曲
 「ウィリアム・テル」〜6人の踊り
 「ブルスキーノ氏」序曲
 「ウィリアム・テル」序曲(LP復刻)*
 「ウィリアム・テル」序曲(EP復刻)
ヴェルディ:「運命の力」序曲
ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響

録音:1945年6月、1953年*
※原盤:RCA -SP(運命の力、スケーターズ・ワルツ、6人の踊り)
RCA-LP(LRY-9000)、RCA-EP(以上、ウィリアム・テル)
HMV- LP(ウィリアム・テル以外のロッシーニ序曲)
ナチス・ドイツの降伏の翌月、トスカニーニがセッション録音したものはロッシーニ、ヴェルディとワルトトイフェルの「スケーターズ・ワルツ」でした。 やはり平和到来の喜びが溢れたのでしょう。ここではその6月における正規録音を集めました。ちょっと風変わりな組合せですが、特殊な時期の録音と いう訳です。SPの復刻をしたかったのですが、ロッシーニの序曲はよい盤との出会いがなかったのでHMVのLPを使っています。ロッシーニが多いので 53 年の「ウィリアム・テル」序曲を加えました。 これはRCAの売り物だったEP盤(45回転)の音のよさも味わってもらおうというものです。LP(やCD)では聴こえない大太鼓が聴こえます。(オーパ ス蔵 相原 了)
筆すべきは「ウィリアム・テル」で、同一演奏が二種類入っている。53年のLP時代であるが、RCAは音が良いということで、45回転のEP(1曲だけ収録)も出しており、付録として本CDに収められたのである。盤面をこする雑音が強かったり、第1部最後のチェロの高音がゆれたりするが、音質は間違いなくこの方が良い。艶があり、低音がよく出ており、大太鼓やティンパニの迫力がすごい。このEP盤の付録は大サービスだ。「セヴィリアの理髪師」を初めとするロッシーニ5曲については、今更付け加えることは何もない。まさにトスカニーニの自家薬籠中のものになっており、快速のアレグロはリズム感の良さによって踊り出したくなるくらい楽しく、ロッシーニ・クレッシェンドはトスカニーニならではの、他の誰よりも見事なアッチェレランド効果を伴って胸がすく。「スケーターズ・ワルツ」を大指揮者が振った例は他にない。これは軽音楽に属するものだからだ。それをトスカニーニが採り上げ、重量級シンフォニックな音楽に仕立てている。これをぼくが初めてラジオ放送で聴いたのは10代の終わりか20代の初めだったと思うが、腰が抜けるほどびっくりした。あまりにスケールが大きく、フレージングが大きく、ダイナミックな迫力が凄まじかったからである。曲想の変化に対する敏感さも最高だが、途中にかかるアッチェレランドやコーダの激しい盛り上げは完全に大シンフォニーである。(宇野功芳)

OPK-7062(2CD)
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 アルトゥーロ・トスカニーニ(指)NBC響
アイーダ:ヘルヴァ・ネルリ(S),
アムネリス:エヴァ・ギュスターヴソン(Ms)
ラダメス:リチャード・タッカー(T),
アモナスロ:ジュゼッペ・ヴァルデンゴ(Br)
ランフィス:ノーマン・スコット(Bs),
エジプト王:デニス・ハーバー(Bs)
使者:ヴィルジニオ・アッサンドリ(T)
巫女の長:テレサ・シュティッヒ= ランダル(S)
ロバート・ショウCho
ロバート・ショウ(合唱指揮)

録音:1949年3月24日&4月2日 8Hスタジオ(ライブ)、
1954年6月5日(アイーダ・アリア再録音)
復刻原盤: ソ連Melodyia LP
この歌劇《アイーダ》全曲は、1949年3月26日と4月2日という2回にわけて、ニューヨーク、マンハッタンのロックフェラー・センター、RCAビ ル8階にあるNBCのTV放送用に改装された8Hスタジオで、聴衆をいれたコンサート形式により演奏、同時に全米にTV中継されたものの録音であるが、 1957年に発売された全曲盤では、すでに引退宣言後のトスカニーニが「どうしても満足出来ない幾つかのパッセージを録り直す」ために、1954年6月5日、 カーネギー・ホールでの録音セッションに臨み、再び指揮棒をとっている。録り直したのは、マエストロお気に入りのソプラノ、ヘルヴァ・ネルリのうたう 「勝ちて帰れ」と第2幕1場の “Numi pieta” それに第3幕の「おお、わが故郷」などアイーダの歌唱がTV録画の音声と挿し替えられている。あるオ ペラ好きの賢者が「歌劇《アイーダ》の本当のドラマは第3幕からはじまる」と言い残している。第3幕はエキゾティックな書法の音楽ではじまるけれども、 大きなアリアのあと、すごく劇的な2重唱が2曲あって、この幕を聴くと、全体の人間関係が一挙にわかるからだ。この第3幕がとりわけ強い印象を残 す理由は、うたっている歌手の出来の良さであり、それらの歌唱を作品の内容にふさわしくサポートしつつ、オーケストラを完璧に演奏させている指揮者 トスカニーニの音楽性に富んだ抜群の構成力の賜物と言える。RCAトーンと違う響きも印象的である。(小林利之)
復刻に用いたレコードはもともと私はトスカニーニ・ファンとして、SPは別として、LPに関してはRCAの音を越えるものはないはずと思っていたが、 低音が豊かな英HMVのLPでRCA (Victor)以上の音楽的な響きを耳にして以来、HMV盤のトスカニーニの音を多くの人に知ってもらいたく、復刻を 続けてきた。最終段階としてオペラの復刻を続けており、今回の「アイーダ」で4つ目となる。ところが「アイーダ」にはHMV盤はない。「アイーダ」の 発売予定が、米RCAが英HMVと袂を分かって英RCAとして発売するようになった頃のタイミングであったのであろう。当然ながら英RCAの音は米 RCAと同じである。「アイーダ」は出せないかとあきらめていたところ、中古レコード・リストの中にメロディア盤の「アイーダ」が目に入った。すぐに購 入して聴いてみたところ、RCA盤と違い低音もあり、HMVの音に近いものであった。少なくともRCAのマスターとは違う音である。この理由としては 契約が切れ発売できなくなったHMVのマスターがソ連に流れたのではないかと想像する。ちなみにHMVから出ている他のトスカニーニのオペラをメロディ ア盤で聴いてみたが、RCA盤より低音はあり音はきれいであるが、HMV程の低音の力強さはない、RCAとHMVの中間のような音である。しかし元の 音はRCAでなくHMVからソ連に渡ったものではないかと考えられる。ちょうどこの頃は、マッカーシーの赤狩りの時期であり、アメリカ直接より英国が ソ連との接触窓口であっても不思議ではない。(相原 了)
OPK-7066(2CD)
チャイコフスキー:眠りの森の美女(完全全曲版)
 プロローグ「オーロラ姫の洗礼」
 第1幕:「オーロラ姫と4人の求婚者」16年後
 第2幕:「デジレ王子の狩」100年後
 第3幕:「デジレ王子とオーロラ姫の結婚式」
アンタル・ドラティ(指)ミネアポリスSO

録音:1955年
音源:EMI-LP(Mercury録音)
原テープが破損したのかMercuryからのCD化はなく、日本ではほとんど知られていない録音だと思いますが、演奏はバレエの指揮者として指揮活動 を始めたドラティの本領が発揮された名演奏です。後のコンセルトヘボウ管弦楽団との穏やかなステレオ録音にはないステージの躍動感が伝わってくる録 音です。まさに最高の「眠りの森の美女」と言って良いのではないでしょうか。有名な「パノラマ」も見事です。(相原了)
全曲収録という当時としては画期的な録音を今聴き直すことで、ドラティ盤で《眠れる森の美女》を聴いた人々には当時聴いたときの興奮を思い起こさ せるだろうし、近年の穏やかな演奏を聞き慣れている人々は驚愕するだろう。 例えば「オーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ドドゥ」ではドラマと優雅 さが合わさって表現されており、ドラティの凄腕を伺うことができる。さらにこの録音のいろいろな所で、コンサートマスターのラファエル・ドルイアンの 素晴らしいソロを聴くことができ、上に出てきた間奏曲のソロは印象的である。 ドルアインはその後ジョージ・セルのクリーブランド管弦楽団のコンサート マスターになるのだが、彼がマーキュリー盤に残したドラティとのオーケストラ録音は一聴の価値がある。他の聴きどころとしては、「赤ずきんと狼」での 不吉さを予兆させる演奏や、オーロラ姫とリラでのドラマティックな演奏などが印象的だ。 これらはドラティが持つ劇場音楽への研ぎ澄まされた感性を象 徴している。 どのトラックを聴いても、指揮者とオーケストラが真に一体となっているため半世紀以上経っているにもかかわらず、録音の技術的限界を感 じ取れなくなるほどの仕上がりである。(ロブ・コーワン氏〜ライナーノートより)

OPK-7068
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
組曲「皇帝サルタンの物語」
イサイ・ドブロウェン(指)
フィルハーモニアO
マヌーグ・パリキアン(Vnソロ)

録音:1952年
原盤:英Columbia LP
第一次大戦で多くの音楽家を失ったイギリスは、第二次大戦では優秀な若手演奏家を軍の音楽隊(オーケストラ)に隔離し守りました。戦後レッグが レコーディングを念頭に設立したフィルハーモニア管弦楽団の主要メンバーに彼らが加わったのは当然で、フィルハーモニアは最初から優秀なオーケストラ でした。まだベルリン・フィルやウィーン・フィルが戦後の再建で苦しんでいる頃、1952年の演奏旅行時には世界最高のオーケストラと称えられています。 当初からEMI(Columbia, HMV)の看板オーケストラであり、モノラル時代も優秀録音が揃っています。モノラル録音にはEMIで未CD化のものも多く ありますが、非常に貴重な録音がCD化されたことになります。当シリーズの第1弾はイサイ・ドブロウェン、彼はフーベルマン(OPK 2025)やヌヴー(OPK 2064)との協奏曲録音でオーパス蔵では馴染みの指揮者です。 (Ki)
設立早々のフィルハーモニアのレコーディングのレパートリーについて、レッグは主に協奏曲や歌手の伴奏にとどめて、オーケストラ曲は限定していた。 1940年代後半にはまだ、ウィーン・フィルを一流指揮者の指揮で使うことができたためもあるが、アンサンブルを熟成させる必要も感じていたのだろう。 わずかな交響曲は、オーケストラを教育する力を持つ、有能かつ有望な指揮者のもとでのみ録音させたと、のちに回想している。だから、そのフィルハー モニア最初の交響曲録音の指揮者に選ばれたのがドブロウェンだったという事実は、レッグがこの指揮者に何を期待していたかを、雄弁に物語っている。 ベートーヴェンの協奏曲に続いて1946年6月に録音された、チャイコフスキーの交響曲第4番がそれである。続いてベートーヴェンの第5番(未発売) とハイドンの《ロンドン》、さらに2か月後にはヌヴーとの有名なブラームスの協奏曲と、ショーソンの詩曲が録音された。フィルハーモニアの録音セッショ ンには1948年にカラヤンが登場、翌年にはフルトヴェングラーとベームも加わる。約50人の二管編成のオーケストラからフル編成の交響楽団に発展し たフィルハーモニアは、デッカに奪われるウィーン・フィルに代って、レッグの最重要の録音オーケストラとなることになる。その下地を築いたオーケストラ・ トレーナー陣が、ガリエラやクレツキ、そしてドブロウェンだったのだ。このCDに含まれているリムスキー=コルサコフの2曲は、フィルハーモニアとの 生前最後の録音であると同時に、ボリス・クリストフを外題役にフランス国立放送管弦楽団を指揮して録音した《ボリス・ゴドゥノフ》(1952年7月録音) とともに、ドブロウェンの代表作とされるものである。セッションは、《皇帝サルタンの物語》が1952年12月6日にキングズウェイ・ホールにて、続いて《シェ エラザード》が17、18、21日と翌1953年1月5日にアビー・ロード・スタジオで行なわれた。どっしりした響きの安定感、初期フィルハーモニアなら ではの管と弦の名人たちの独奏(ヴァイオリンはコンサートマスターのマヌーグ・パリキアンだろう)を引きたてつつ、骨太の迫力を持つ音楽をつくりあげ る手腕は、なまなかなものではない。(山崎浩太郎〜ライナーノーツより) 
OPK-7069
ブレイン・プレイズ・モーツァルト
(1)ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
(2)セレナード第11番変ホ長調 K.375
(3)ディヴェルティメント第15番変ロ長調 K.287
デニス・ブレイン(Hrn)
(1)ワルター・ジュスキント(指)フィルハーモニアO
(2)カール・ハース(指)ロンドン・バロック・アンサンブル
(3)ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)フィルハーモニアO

録音:1946年、(2)1952年、(3)952年
※原盤:米Columbia,、英Parlophon、 英Columbia LP
オーケストラのコンサートで弦楽器以外のお気に入りの楽器に耳がついていく人は案外多いのではと思います。中でもホルンは前面に出ることはフルー ト、オーボエ、クラリネットに比べれば少ないのですが、コンサートの印象を左右するほど耳に残ります。このディスクはホルンが曲をしっかり締めているモー ツァルトの曲を集めました。ブレインのホルンによるスパイスの味をお楽しみください。もちろんブレインが前面で活躍するホルン協奏曲も含んでおります。 ホルン・ファン、ホルニストに捧げます。(相原了)
「《デニス・ブレイン(1921. 5.17〜1957. 9. 1)は、ホルンという楽器を、ヴァイオリンやピアノと同様の「独奏楽器」としての位置づけをした、 おそらく最初の人と言ってよいだろう》。ところが、そんなカラヤン共演盤よりも7年前の1946年、ブレインはモーツァルトの「ホルン協奏曲第2番」 をEMI(旧コロムビア)との専属契約第1号作品として録音していたのである。しかも1946年録音ということは、熱心なブレイン・ファンならハッと気 が付くにちがいない、ブレインが「柔らかな音色と滑らかなレガートの美しさ」で終生の愛器として「ねんごろに扱っていた」伝説のフレンチ・ホルン「ラウー」の銘器での演奏なのである。」(小林利之〜ライナーノーツより) (

OPK-7070
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」(全曲) アンタル・ドラティ(指)
ミネアポリスSO

録音:1953年
原盤:US-Mercury LP
2013年はじめに最高の演奏といわれるドラティとミネアポリス響の「眠りの森の美女」をオーパス蔵で出しましたが(OPK7067/8)、それに続くタ イトルとして「くるみ割り人形」をリリースすることになりました。マーキュリーのモノラル盤LPは米マーキュリー盤とライセンスによる英PYE盤があり、 まさにCDと同じ黄色の背景に線画でクリスマスパーティの様子が描かれています。クーベリックや「美女」(ドラティ)のアルバムでは米盤より落着いた 音の英盤(EMI)を使ったのですが、PYE盤は音が落ちます。そこで今回は米マーキュリー盤を採用しました。(相原了)
「ドラティはバレエ・リュス時代の1937年にロンドン・フィルを指揮して《白鳥の湖》組曲やリムスキー=コルサコフの《シェエラザード》などを HMVに録音、アメリカでは戦後のSPからLPへの移行期にビクターへダラス響などと録音した経歴を持っているが、レコードでの本格的な活動は、 1952年からミネアポリス響と録音を開始したこのマーキュリー時代からである。ドラティによるチャイコフスキーの三大バレエの第1作で、翌年に《白鳥 の湖》、翌々年に《眠りの森の美女》が録音されている。この演奏には、バレエならではの肉体の躍動と、音楽性とのきわどい両立があると感じられる。 後年のステレオ録音では、よりシンフォニックになったぶん、失われてしまうバレエの弾力が、ここにはまだあるのだ。モノラル録音ということで忘れられ がちだが、ドラティの前半生の活動を記念する録音のひとつである。」(山崎孝太郎〜ライナーノーツより
OPK-7071
チャイコフスキー:交響曲第4番へ短調 Op.36
 大序曲「1812年」Op.49 
ウェーバー:「オベロン」序曲
ニコライ・マルコ(指)
フィルハーモニアO

録音:1953 年
原盤:UK-HMV LP
第一次大戦で多くの音楽家を失ったイギリスは、第二次大戦では優秀な若手演奏家を軍の音楽隊(オーケストラ)に隔離し守りました。戦後レッグが設立したフィルハーモニア管弦楽団の主要メンバーに彼らが加わったのは当然で、フィルハーモニアは最初から優秀なオーケストラでした。まだベルリン・フィルやウィーン・フィルが戦後の再建で苦しんでいる頃、1952年の演奏旅行時には世界最高のオーケストラと称えられています。当初からEMI(Columbia, HMV)の看板オーケストラであり、モノラル時代も優秀録音が揃っています。そこでこれら録音をいくつか復刻することにしました。第2弾は名指揮者ニコライ・マルコです。指揮の先生として有名なムーシンの先生でもあり、あのムラヴィンスキーの前任指揮者でもあります。なお、本CDのブックレットには彼の子息ジョージよりお気に入りの写真の提供があり使用しています。
ウクライナのブライロフ生まれの指揮者、ニコライ・マルコ(1883-1961)は1902年にロシアのサンクトペテルブルク音楽院に入学。 08年より同市のマリインスキー劇場の指揮者をつとめているとき、ロシア革命に遭遇。25年からレニングラードと名前をあらためた同市の音楽院の指揮科教授と歌劇場の芸術監督、そしてレニングラード交響楽団の指揮者を、29年までつとめた。この間、26と27年にはソ連期待の新進作曲家、ショスタコーヴィチの交響曲第1番と第2番の世界初演を指揮している。しかし1929年に出国、亡命。デンマーク放送交響楽団の常任客演指揮者となり、第2次世界大戦中はアメリカに移住し、市民権を得ていた。戦後はヨーロッパに戻り、30年代同様にデンマーク放響を中心に、各国のオーケストラに客演していた。そして、1945年から録音と実演を開始したばかりの、フィルハーモニア管弦楽団のレコーディングに招かれたのである。当盤収録のチャイコフスキー交響曲第4番のレコーディングは、LP時代に移った53年1月30日と31日、キングズウェイ・ホールにて。マルコにとっては48年のボロディンの交響曲第2番以来、ひさびさの交響曲の録音だった。《1812年》は53年2月6日にキングズウェイ・ホールでレコーディングされている。マルコの指揮を聴いていると、私はときにかれがスラヴ系の指揮者であることを忘れてしまう。カタカナで書くと、スラヴ系というよりもラテン系のような印象があるからかも知れないが、それ以上に、この人がサンクトペテルブルクの洗練された、貴族的な芸風をもっているからだろう。この交響曲第4番にも、すっきりと品のいい響きが随所に登場して、その個性をよく感じることができる。同年5月1日にアビー・ロード・スタジオで録音された、ウェーバーの《オベロン》序曲にただよう幻想性と豊かな生命力にも、よく発揮されている。マルコはこの後もHMVに録音を続け、そのなかではレーベル初のステレオ録音といわれた、1955年のプロコフィエフの交響曲第7番が有名だ。なおマルコは59年12月に唯一の来日公演を行なっており、このときに東京交響楽団を指揮したプロコフィエフの交響曲第7番の録音がCD化されている。(山崎浩太郎)

OPK-7072
R.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」〜最後の場面“明日のお昼の11時ですって?”*、
 4つの最後の歌*

ワーグナー:・歌劇『さまよえるオランダ人』第2幕、ダーラントのアリア「わが子よ」
 歌劇『タンホイザー』第2幕、領主ヘルマンのアリア「この殿堂に」
 楽劇『パルジファル』第3幕、聖金曜日の音楽、「これこそ聖金曜日の奇蹟」
 楽劇『ローエングリン』第1幕、王の挨拶「親愛なるブラバントの方々よ」、第1幕、王の祈り「主なる神よ、この試合を」
 楽劇『ワルキューレ』第3幕、ヴォータンの告別と魔の火の音楽
エリザベート・シュワルツコップ(S)*
オットー・エーデルマン(Bs-Br)
オットー・アッカーマン(指)
フィルハーモニアkann

録音:1953年*、1957年
原盤:UK-ColumbiaLP
アッカーマンは日本ではオペレッタ指揮者として知られていますが、ケルン、チューリッヒ、ウィーンと歌劇場で活躍していた指揮者です。当時のヨーロッ パでは歌劇場の音楽家は多かったのですが、日本に彼らの活躍は伝わりませんでした。特にアッカーマンは50歳という若さで亡くなったことで埋もれて しまいました。また、エーデルマンは1950、60年代のワーグナー歌手として一流でしたが、日本ではホッターの陰に隠れてしまいました。シュワルツコッ プと共演したフルトヴェングラーのバイロイトの「第9」、映像となったカラヤンとの「ばらの騎士」がありながらです。EMIがワーグナーの全曲を録音す るようになったのはエーデルマンがピークを過ぎてからのことです。実際ライブCDが出るようになって、初めてエーデルマンのオペラでの活躍を知ること になりました。ここではアッカーマンの指揮をバックにした、シュワルツコップとエーデルマンの歌声をお聴きください。(OPUS蔵)
「アッカーマン指揮による《メリー・ウィドウ》全曲は、前述のフランスACCディスク大賞「オペレッタ部門賞」に輝く成功作だったのだが、当事者のレッ グ/シュワルツコップ/アッカーマンのトリオとしては、自分たちが本当に聴いて欲しい真実の芸術的自信作は、そんなオペレッタではなくて、同じ1953年の 9月25日と26日、ロンドンでもいつものキングズウェイ・ホールとは別のワトフォード・タウンホールで録音したR・シュトラウスの《4つの最後 の歌》と歌劇《カプリッチョ》最後の場が、秘められた珠玉の1枚だったのである。《メリー・ウィドウ》の「ヴィリアの歌」をあでやかに歌うシュワルツコッ プの円熟の名唱を伴奏しながら、いま38歳、声と表現と魅力が絶頂期にあるこのソプラノには、もっと深い真実の芸術を歌う作品を…とアッカーマンは 切望していた。スイス在住という身軽さ、一流歌劇場の主宰者でもある職業柄、アッカーマンは昨年(1952年) 1月のミラノ・スカラ座での《バラの騎士》 公演ではじめて元帥夫人を歌い、同じくはじめてオックス男爵を歌うオットー・エーデルマンに侵すべからざる凛とした威厳の美しさを示したシュワルツコッ プの歌唱のすばらしさを思うと、若き元帥夫人とも想像される《カプリッチョ》の伯爵令嬢マドレーヌの独り舞台となるラスト・シーンこそ、いまの彼女の ソプラノで聴きたいと考えたという。偶然だがレッグもシュワルツコップのオペラでの持ち役を決めるべき時期が来ていることを痛感していたから、かねて 考えていたR・シュトラウスの《4つの最後の歌》《カプリッチョ》最後の場をアッカーマン/フィルハーモニア管の伴奏で録るべきと確信したのだろう。(中略) 1951年に戦後初めて再開されたバイロイト音楽祭で、あの世紀に残るフルトヴェングラーのベートーヴェン《第9》にシュワルツコップとエーデルマンの 素晴らしいソロを聴いた人のすべてにこのワーグナー・プログラムを捧げたい。1916年2月 5日、ウィーンでうまれたバス・バリトンのエーデルマンは 1951年のバイロイトでは《マイスタージンガー》の主役ハンス・ザックスで、シュワルツコップのエーファと共演してデビューするが、アッカーマン/フィルハー モニア管弦楽団の伴奏での6曲の録音が残されていたことはよろこばしい。大袈裟なハッタリや面白がらせる誇張を排したアッカーマンのワーグナー演奏、 細部の自然な流れとともにアッカーマンの人間味を感じさせて爽やかな気分に誘うプログラムをを聴いていただけることと筆者は思います。」(小林利之)

OPK-7073(2CD)
アルチェオ・ガリエラ
(1)R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
(2)ワーグナー:ジークフリート牧歌
(3)ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
(4)チャイコフスキー:イタリア奇想曲
(5)リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
(6)ロッシーニ:序曲集(ブルスキーノ氏、セミラーミデ、アルジェのイタリア女、絹のはしご、ウィリアム・テル)
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

録音:(1)1957年、(2)録音:1957年
(3)1953年、(4)1953年、(5)録音:1955年、(6)1953年
原盤: UK-Columbia LP
フィルハーモニア管弦楽団初期の指揮者達、第4弾はアルチェオ・ガリエラです。ガリエラはLP時代に活躍の中心があり、多くの録音を残しておりますが、 CD化されたものは全部と言ってよいくらい協奏曲の伴奏指揮の録音です。ミラノ生まれのオペラ指揮者という経歴からみてソリストに合わせてオーケスト ラを御してゆくのは得意だったからに違いないでしょうが、LP時代、特にまだモノラル録音の頃には多くの管弦楽曲の録音が残されていいます。(オペラ 録音では、カラスとの「セビリアの理髪師」が有名です)ここではガリエラの指揮の多彩さを味わっていただくようにドイツ、チェコ、ロシア、そして本領 発揮のロッシーニの管弦楽曲録音を2枚のCDにまとめてみました。いずれも1953年から57年の録音で、モノラルからステレオに移行する頃のもので すがいずれもモノラル録音です。特に1955、57年の録音はステレオの普及と共にすぐにお蔵入りになったようで中古盤市場でもなかなか出てこないよう です。いずれもイギリスの業者から購入しました。なおいずれの曲もデニス・ブレインがホルンを吹いておりますが、特に「ジークフリート牧歌」は彼の 最後の年の演奏と思うと気楽には聴けません。《OPUS蔵代表 相原了》
「(略)このほか、ギーゼキング、アンダなど、協奏曲の録音はとても多い。このことは、必要以上に軽視されてしまう危険もはらんでいるわけで、その意 味で、こうして交響曲や管弦楽曲の録音が登場することは、ガリエラの名誉のためにも大きな意味をもっている。この2枚に収められた演奏の録音日をあ げておくと、《ドン・ファン》とジークフリート牧歌は1957年1月。《新世界より》は1953年10月。イタリア奇想曲は1953年1月。スペイン奇想 曲は1955年3月。ロッシーニの序曲集は1953年1月。フィルハーモニアの中心的指揮者がカラヤンからクレンペラーに移っていく時期である。《ドン・ ファン》とジークフリート牧歌は時期的にはステレオ録音も残っているはずだが、モノラルでしか発売されたことがないようだ。いずれも、強烈な個性とい うほどではないけれど、イタリア人らしい明朗な響きとすっきりした快速の進行が、じつに好ましい。自分はガリエラというと、マリア・カラスが歌った《セ ビリアの理髪師》全曲(1957年2月、カラスの最初のステレオのオペラ全曲となったもの)での、意外な好演(といっては失礼なのだが)が印象に残っ ている。ここにある演奏も同じスタイルによるもので、共演を重ねてきた楽員と息が合っているのも、よくわかる。(ブックレットより)いるのも、よくわかる。(ブックレットより

OPK-7075
ドヴォルザーク:交響曲第6番
シューマン:交響曲第1番「春」
エーリッヒ・ラインスドルフ(指)
クリーヴランドO

録音:1946年12月/クリーヴランド
原盤:US-Columbia LP
本CDは1946年にクリーヴランドOの本拠、セヴァランス・ホールで録音されたラインスドルフによるドヴォルザークの交響曲第6番とシュー マンの「春」です。当時ColumbiaはLP発売に備えて16インチ(40cm)33 1/3rpmのアセテート盤に長時間録音していたそうです。この録音もアセテー ト盤使用と思いますが。数日の間にLP4、5枚分を録音していますので、楽章ごとに録音するというより、全曲を一気に録音したのではないでしょうか。 とすれば途中の中断もなく、ライヴ録音に近いものと言えるでしょう。ラインスドルフはLP後期にダイレクトカッティングという演奏を直接LP原盤に刻 むことをしていますが。これはこのときの録音の記憶があったからでしょうか。
本CDの演奏は息をつかせぬ突進力が聴きものです。またそれについていくクリーヴランドOの技術・馬力も凄いものです。ラインスドルフはオー ストリア・ハンガリー帝国生まれのユダヤ人で、後にトスカニーニの助手にもなっていますが、演奏はトスカニーニの影響というより、ドラティにも通じる ものがあります。(OPUS蔵 相原了)
OPK-7076
メンデルスゾーン:真夏の夜の夢(抜粋)(序曲/ケルツォ/だら模様のお蛇さん/間奏曲/夜想曲/結婚行進曲/道化師の踊り/終曲「ほのかな光」)
シューベルト:交響曲第8番「未完成」*
クレメンス・クラウス (指)
ウィーンSO、バンベルクSO
ダグマール・ヘルマン(S)
イローナ・スタイングルーバー(S)
ウィーン国立歌劇場Cho

録音:録音:1951年、1950年*
使用原盤:VOX LP、Amadeo LP*
メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」の音楽は、米ヴォックス(VOX)原盤ですが、第2次大戦中の 1943 年にアメリカで創立された VOXレーベルは、 社長のジョージ・H・メンデルスゾーンが系図を遡ればドイツ・ロマン派の大作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの遠縁にあたることもあって、クラウス自身、 この録音を「ある日、メンデルスゾーンとおっしゃる方からのお電話です」と言われて「嬉しくなり、引き受けた仕事だった」とか。バンベルク交響楽団を 指揮したシューベルトの交響曲第 8(7)番ロ短調「未完成」(D.759)は、オーパス蔵から届いた資料によれば、1951 年にバイエルン放送局から放送 された録音によるアマデオ原盤の CD 化というが、聴いてびっくり!この 51 年録音の「未完成」が、同じ CD の前半に収録されていたメンデルスゾーン「真 夏の夜の夢」の指揮者と同じクラウスの録音だとは、まったく信じられぬほどの表現の凄絶さで、聴いている私の意識を揺さぶったのです。これがクラウ スの「未完成」なのか、なにげなくはじまった感じの速めのテンポによる「未完成」の第 1 楽章、だが曲がすすんでいくあいだに、何処かいつもと違う厳 しい切迫感が潜むのに気がつきました。これは戦時の生死の危機感を体験した者にしかできぬ音楽の表現だったのではないかと。(ライナーノートより小 林利之)


OPK-8003(1LP)
200枚限定プレス
税込価格
真実の天才ヨーゼフ・ハシッドの芸術(HMV正規録音全集)
A面
ドヴォルジャーク(クライスラー編曲):ユモレスク
チャイコフスキー:メロディ〜懐かしい土地の思い出より
サラサーテ:プライェーラ(スペイン舞曲集第5番)
サラサーテ:サパテアード(スペイン舞曲集第6番)
B面
マスネ:タイスの瞑想曲
アクロン:ヘブライの旋律
クライスラー:ウィーン奇想曲
エルガー:気まぐれ女
ヨーゼフ・ハシッド(Vn)
ジェラルド・ムーア(P)

録音:1940年6月、11月アビーロード第3スタジオ(ロンドン)
SP復刻:広川陽一
OPUS蔵のLP第2弾はヴァイオリニストにヨーゼフ・ハシッドです。彼は今で言う統合失調症を発し、ロボトミー手術の後26歳で亡くなったためほ とんど知られていません。彼は16歳のとき1940年にロンドンで録音を行いましたが、これらは素晴らしい演奏です。ここでは前年の試し録音を除く発 売された録音をまとめました。若くして亡くなったハシッドの心の叫びとも言える名演をOPUS蔵のLPでお楽しみください。完全限定プレス。 (Ki)


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