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キリル・コンドラシン(指)ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 | |||||||||||||
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0-0-0-0 TH-033 (CD-R) |
録音年:1978年1月24日 ロイヤル・フェスティバル・ホール【ステレオ・ライヴ録音】 | ||||||||||||
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*ご購入の方は、CD-R盤であることをご了解くださいませ。 |
“亡命前のコンドラシンが繰り広げた決死のチャイ5!” |
コンドラシンのチャイコフスキーの交響曲の正式な録音は「悲愴」しか存在しないので、この曲以外は指揮しない主義かと思っていたら、とんでもない誤解でした。この通り、細部まで徹底的にスコアを読み込み、勘所を完全に押さえながら独自のダイナミズムを容赦なく噴射した、戦慄の名演奏を繰り広げているのです。全体のニュアンスはムラヴィンスキーに相当近いものがありますが、アンサンブルの統制力は尋常ではなく、そのアンサンブル自体が音楽的感動に直結すると言える独特の至芸、しなやかで洗練されたフレージングのセンスなど、全くムラヴィンスキーの亜流などとは言わせない強力な牽引力で、最後まで気を緩める暇がありません。第2楽章の熱いながらも実に清潔で神々しいカンタービレは、この巨匠の魅力の最たるもので、第3楽章の明確な性格付けにも妥協がなく、軽き聴き流すことなど出来ません。そして終楽章では、ついに音楽は熱狂の嵐と化すのです。11分弱と言う演奏時間が物語るとおり、超高速演奏ですが、安定感は抜群で、音の全てに熱い魂が宿り、オケもコンドラシンと共に心中を覚悟したような凄まじい集中力で望んでいる様子が目に浮かび、展開部を過ぎる頃には、完全に全体が灼熱地獄と化しています。時折ノイズが混入するFMエアチェック音源とはいえ、ステレオでこのような感動に浸れるのは幸せなことです。しかし、あまりにも感動的なだけに、良質な正規盤の発売も願わずにいられません。 |
第1楽章のツボ | |
ツボ1 | 線の克明なクラリネットが一定の緊張感を伴って吹かれる。ペアによる音色の深みも感じられる。テンポは標準的。 |
ツボ2 | 弦の繊細な刻み方が印象的。クラリネット&ファゴットのブレンドも見事。 |
ツボ3 | 楽譜どおり。 |
ツボ4 | 特に特徴はなく淡白なくらいだが、小船に揺られているような優雅さが漂う。 |
ツボ5 | 草書風のしなやかな強弱の振幅が実に美しい。 |
ツボ6 | ことさら大きく強弱を取らないが、洗練されたカンタービレが印象的。 |
ツボ7 | 実に高潔なピチカートで、空気がパッと華やぐ。 |
ツボ8 | ここからグッとテンポを落とし、丹念に表情を付ける。ここでも繊細さを絶やさない。 |
ツボ9 | テンポ変動なし。16分音符は良く聞き取れない。この後、遂にエネルギーを最大に放射することになるが、502小節のフォルティシシモの箇所で金管を突出した後、504小節でガラッと弦パートに主導権を切り替える凄技に脱帽!コンドラシンならではのバランス感覚! |
第2楽章のツボ | |
ツボ10 | 凛とした低弦に続くホルンは、かなり巧い!頭の3つの8分音符のリズムをその都度揺らすのがやや気になるが、音の安定感が抜群。哀愁もある。 |
ツボ11 | ここから数小節間のアゴーギクの伸縮自在ぶり、呼吸のしなやかさは、まさに巨匠芸! |
ツボ12 | クラリネットは、ファゴットに引き継ぐ直前まで、明確な線を保って吹き続ける。決して感傷に浸らない。 |
ツボ13 | 節度を緊張感を持ったピチカートで、続く優しいアルコの弦に受け継ぐ。 |
ツボ14 | ここからのテンポの伸縮と弦の高潔な鳴り渡り方、熱い高揚はコンドラシンの真骨頂!全曲を通じて最も感動的な場面のひとつ。なお、このこの副次旋律45小節で初めて弦によって優しく登場し、ここへ来て今度は熱く再現されるわけだが、どちらも同じ音型にもかかわらず、同じ8分音符(ここで言うと、142小節最後の8分音符)で音価がそれぞれ違う指揮者が多い。その点コンドラシンは、同じ音価(短かめ)で統一している。 |
ツボ15 | 清潔感溢れる、美しいフレージング。 |
第3楽章のツボ | |
ツボ16 | 全くテンポを変えないで、いともスムースにファゴットが入る。これまた洗練美! |
ツボ17 | 一部、木管が抜け落ちるが、それくらい全体のフォルムの緊張が凄まじく、息もつかせず超快速で色彩を放射!この楽章がワルツであると同時にスケルツォであることを思い知らされる。 |
ツボ18 | 別段特徴なし。 |
第4楽章のツボ | |
ツボ19 | テンポは標準的で、切り込みも鋭くはないが、何ともいえない威厳が満ちている。直後の決然とした響きのピチカートの意味深いこと!これ以降、造型に凄みが増していく。 |
ツボ20 | ホルンは木管とほぼ同等の鳴り方。 |
ツボ21 | ティンパニには最初に軽くクレッシェンドする程度だが、そのクレッシェンドの途中から弦が猛烈にいきり立つ。しかもテンポは超快速! |
ツボ22 | ほとんど無視。 |
ツボ23 | 超高速で猛進中につき、これ以上強く弾き切るのは不可能だろう。 |
ツボ24 | 直前のテンポに戻るだけ。 |
ツボ25 | 鈍い音。録音のせいか? |
ツボ26 | 前の部分から提示部冒頭のテンポを築き、そのまま突進。延々と |
ツボ27 | 弦が合わせることが出来る限界の超快速!凄い音圧!! |
ツボ28 | 8分音符の音価はやや長め。 |
ツボ29 | 高貴な威厳に満ちたレガートで弾かれる弦が印象的。 |
ツボ30 | 弦はそのままレガート。トランペットもレガート風だが、やや中途半端。 |
ツボ31 | 改変なし。ムラヴィンほどではないが、499小節でトランペットをいったん弱音にして、次第に浮上させる。驚きは、その直後503小節のスフォルツァンドの威力!アバドのBPO盤でもかなり忠実に実行しているが、全く異次元の凄み! |
ツボ32 | 良く鳴っている。 |
ツボ33 | インテンポで終結。4つの打ち込みは凝縮力が高い。 |
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